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2021/05/27 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 文教科学委員会 第15号 令和3年5月27日
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2021/05/27 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 文教科学委員会 第15号 令和3年5月27日

#1
令和三年五月二十七日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     馬場 成志君     世耕 弘成君
     高瀬 弘美君     安江 伸夫君
 五月二十六日
    辞任         補欠選任
     世耕 弘成君     藤川 政人君
     横沢 高徳君     杉尾 秀哉君
     安江 伸夫君     下野 六太君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         太田 房江君
    理 事
                赤池 誠章君
                上野 通子君
                吉川ゆうみ君
                斎藤 嘉隆君
    委 員
                有村 治子君
                石井 浩郎君
                高階恵美子君
                藤川 政人君
                水落 敏栄君
                石川 大我君
                杉尾 秀哉君
                蓮   舫君
               佐々木さやか君
                下野 六太君
                梅村みずほ君
                松沢 成文君
                伊藤 孝恵君
                吉良よし子君
                舩後 靖彦君
   衆議院議員
       文部科学委員長
       代理       池田 佳隆君
       文部科学委員長
       代理       馳   浩君
       文部科学委員長
       代理       牧  義夫君
       文部科学委員長
       代理       浮島 智子君
       文部科学委員長
       代理       畑野 君枝君
       文部科学委員長
       代理       藤田 文武君
   国務大臣
       文部科学大臣   萩生田光一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        戸田 浩史君
   政府参考人
       文部科学省初等
       中等教育局長   瀧本  寛君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に
 関する法律案(衆議院提出)
    ─────────────

#2
○委員長(太田房江君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、高瀬弘美さん、馬場成志さん及び横沢高徳さんが委員を辞任され、その補欠として下野六太さん、藤川政人さん及び杉尾秀哉さんが選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(太田房江君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文部科学省初等中等教育局長瀧本寛さんを政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(太田房江君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(太田房江君) 教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律案を議題といたします。
 提出者衆議院文部科学委員長代理浮島智子さんから趣旨説明を聴取いたします。浮島衆議院文部科学委員長代理。

#6
○衆議院議員(浮島智子君) おはようございます。
 ただいま議題となりました教育職員等による児童生徒性暴力等防止等に関する法律案につきまして、提案の趣旨及び内容について御説明申し上げます。
 教員による児童生徒に対する性暴力等は、児童生徒の権利を著しく侵害し、児童生徒に対し生涯にわたって回復し難い心理的外傷などの影響を与えるものであり、決して許されるものではありません。令和元年度には、大変残念ながら、百二十一名の公立学校教員が児童生徒に対するわいせつ行為を理由として懲戒免職となりました。被害を受けた方々の心情に思いを致せば、このような教員が教壇に戻ってくるという事態はあってはなりません。しかしながら、現行の教育職員免許法は、このような教員であっても、一定期間が経過すれば、形式的な確認で再免許を授与しなければならない仕組みとなっており、これを改めるとともに、教員による児童生徒に対する性暴力等の防止等を図るなどの必要があります。
 本案は、このような状況を踏まえ、教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する施策を推進するものであり、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、教育職員等は、児童生徒性暴力等をしてはならないと禁止規定を定めることにより、教育職員等が児童生徒性暴力等を行うことは法律違反であり、懲戒処分の対象となることを明確にしております。なお、児童生徒性暴力等とは、現在の運用上、児童生徒等に対する性暴力等として懲戒免職処分の対象となり得る行為を列挙して定めており、被害を受けた児童生徒等の同意や、当該児童生徒等に対する暴行、脅迫等の有無を問いません。
 第二に、基本理念を定め、国等の責務を明らかにするとともに、基本指針の策定、教育職員等や児童生徒等に対する啓発を始めとする教育職員等による児童生徒性暴力等の防止、早期発見、対処に関する措置について定めております。この中で、児童生徒性暴力等を行ったことにより免許状が失効した者等の氏名、失効、取上げの事由等の情報を記録したデータベースについて、国が整備することを定めております。
 第三に、児童生徒性暴力等を理由として禁錮以上の刑に処せられ、また、懲戒免職、解雇となって免許状を失った教員に対する教育職員免許法の特例等を定めております。この特例により、わいせつ教員に対する免許の再授与は、改善更生の状況などその後の事情により再び免許を与えるのが適当であると認められる場合に限り、認められることになります。
 この審査は、都道府県教育職員免許状再授与審査会の意見を聴いて、加害行為の重大性、本人の更生度合い、被害者及びその関係者の心情等に照らして総合的に判断されることとなり、その判断に必要な資料は申請者側が提出する必要があります。このような仕組みを通じて、適格性を有しない教員が再び教壇に立つことを防ぐものとなっております。
 第四に、この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 なお、児童生徒等と接する業務に従事する者の資格及び児童生徒等に性的な被害を与えた者に係る照会制度の在り方等に関する検討条項などを設けております。
 以上が本案の趣旨及び内容であります。
 何とぞ御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。

#7
○委員長(太田房江君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#8
○斎藤嘉隆君 おはようございます。立憲民主・社民、斎藤嘉隆です。今日はどうぞよろしくお願いをいたします。
 教職員による子供への性暴力は、子供の尊厳を害しますし、生涯にわたって心理的な外傷を与えるということで、絶対に許されない、こういうことだというふうに思います。これは子どもの権利条約の基本的な考えだというようにも思います。
 わいせつ行為によって懲戒処分等を受けた教職員がまた教壇に立つ、基本的にはこれは許されない、だからこそ、本法案で高いハードルを課すと、ここが最も重要な意義だというふうに私自身は思っています。与党の皆さんと真摯に議論を重ねてまいりまして今日に至ったということで、大変有り難いというふうにまずもって申し上げたい。
 その上で、確認すべき点中心に、数点質問させていただきます。
 初めに、なぜ教育職員だけの対策を先行して進めることになったのか、子供に関わる多くの職種や、保育士とかベビーシッターとか、塾講師とかスポーツの指導者とか、学校に出入りするボランティアの方なんかもそうかもしれませんが、いろいろ対策が必要な方々って大勢いらっしゃるわけで、そういう方々への対策をどう進めていくか、今回の法案は計画的な対策強化にどのように寄与をするのか、発議者に伺います。

#9
○衆議院議員(牧義夫君) 御質問ありがとうございます。
 御指摘のとおり、子供と接触をする全ての職業の者についてこういったものを適用することは必要であろうという認識の下で、ただ、時間的な制約もございます。まず、この今こうしている間にもわいせつ教員が教壇に立っているというようなことを考えると、一刻も早く、まず着手できるところから着手しようという共通の認識の下で、今回この法案をまとめさせていただいた次第です。
 共通の認識を持っておりますから、そういった意味では、この附則の七条二項において、児童生徒と接する業務に従事する者の資格の在り方、それから、児童生徒等に性的な被害を与えた者に係る照会制度の在り方についての検討が政府においてなされる義務をこの附則の二条で課しているわけでありますけれども、ただ、今回、我々、党派を超えて認識を共有している、問題意識を共有しているということが確認されましたので、この法律が施行後ということに限らず、縛られずに、もう発効したらすぐに、我々は超党派でこれからその二つの事柄について検討していこうということを認識をし合っているところであります。

#10
○斎藤嘉隆君 ありがとうございます。
 もう一点、児童生徒への啓発に当たってなんですけど、幼児期から丁寧な教育実践というのを積み重ねていく中で、加害者による、一般的によく言われる手懐け行為とか、それから、相手が先生や大人であっても、嫌なことは嫌だということを、これは間違っているんだということをきちんと認識をして、そのことを訴えるような、そんなことをしっかり理解させていかなければならないと思います。
 啓発ということが法案の中に強調されていますけれども、発達段階に応じた私は計画的な教育が必要だと。この点についても発議者の見解を伺いたいと思います。

#11
○衆議院議員(牧義夫君) これも仰せのとおり、児童生徒がその発達段階において、自らの身体、また精神状態をしっかりと守れるような、そういう自分の身を大切にする教育というのが非常に大切であろうというふうに思っております。
 そのような観点から、今回の法律案の第十四条で、児童生徒性暴力等により自己の身体を侵害されることはあってはならないことについて周知徹底を図る旨を定めたところであります。

#12
○斎藤嘉隆君 ありがとうございます。
 未然防止という観点からは、これ、いわゆる小児性愛障害という症例についての研究もこれから必要になってくると思います。
 また、被害者保護の観点からは、子供の性的なトラウマに対応できる専門家の育成と、こういったことも重要だというふうに思っていますが、こうした施策の充実についてどのように現状考えていらっしゃるか、これも発議者にお伺いをします。

#13
○衆議院議員(馳浩君) 小児性愛が疾病として診断基準等が確立されているとは言えない現状にあることは認識しております。
 この点を踏まえ、小児性愛についての研究に関する支援の拡充を検討することが令和三年五月二十一日の衆議院文部科学委員会において決議されたと承知しておりまして、この決議に沿って取組が進められるべきと考えております。
 また、専門家の育成については、本法律案の第二十条第一項では、専門的な知識を有する者の協力を得つつ、被害を受けた児童生徒等の保護及び支援をすることとしておりまして、そのような専門人材の育成の充実も併せて行っていく必要があると考えています。

#14
○斎藤嘉隆君 ありがとうございます。
 じゃ、文科省、大臣にもこの法案に関わって御意見をお伺いをしたいと思いますが、十三条で教職員に対する研修、それから児童生徒等に対する啓発というのが規定をされています。研修を行うためには、例えばNPO法人などでそういった研修をしていただく方を招聘しようとしても、必要な予算の確保は現状なかなか学校ではされないので難しいという声が聞こえてきます。
 また、二十三条で、免許再授与審査会の組織、運営についてはこの後省令で定めるというようにありますけれども、これ専門的な知識に基づく判断が求められますので、政府として予算措置などを講じて、都道府県あるいは学校現場を支援をしていくと、こういう視点も大事じゃないかなと思いますが、この点について文科省としてのお考えをお伺いします。

#15
○国務大臣(萩生田光一君) 教職員に対する研修等については、できる限り多くの方が専門家の知見に触れる機会を得ることが重要だと考えております。例えば専門家の協力を得た研修のための動画教材の作成など、今までのようにどこか一か所に集まるということを前提にせずに、いい教材を作って、それを職場で見ていただくようなことも含めて、支援方法を検討してまいりたいと思っております。
 また、都道府県教員免許状再授与審査会につきましては、文科省としては、法案の規定による文部科学省令において、委員の適任性の例や具体的な審査のプロセス、観点等を含めて、関係者とも相談しながら検討した上でお示ししてまいりたいと思います。これは、この法案が審議されている中に、全国の教育長会などとも内々いろんな相談をして、都道府県で判断が変わるということがあってはならないと思いますので、できるだけ統一的な見解ができるように、国としてサポート体制強化をしてまいりたいと思っています。
 法案の趣旨や各規定などを十分に踏まえつつ、文科省としては、都道府県に対する支援も含め、児童生徒性暴力等の防止のために必要な取組をしっかり進めてまいりたいと思っております。

#16
○斎藤嘉隆君 十五条で、処分を受けた者の情報に関するデータベースの整備というものが規定をされています。この本法が施行された後なんですけど、今年の二月二十六日に、官報情報ツールの改善及びその適切な活用の更なる推進についてという文書、文科省発出をしておりますし、三月の二十六日には教育職員免許法施行規則等の一部を改正する省令の公布についてという文書も発せられていますけれども、この二つは施行後撤回をされると、こういう理解でよろしいでしょうか。文科大臣に伺います。

#17
○国務大臣(萩生田光一君) 本法案に規定された新たなデータベースの構築に当たって、衆議院の文科委員会において、本法案可決後に、データベースに記録される事由は児童生徒性暴力等による処分のみとすることとの決議が付されたことなども踏まえ、既存の官報情報検索ツールとの関係を含め、できるだけ煩雑な仕組みとならないように留意しつつ、その適切な在り方について検討を行っていきたいと考えております。

#18
○斎藤嘉隆君 ありがとうございました。
 速やかに成立をさせて、先ほど牧先生からもありましたけれども、今このときも、ひょっとしたら苦しんでいる子供たちがいるかもしれないので、早急に対応できるように我々も共に力を尽くしてまいりたいと、その思いを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#19
○梅村みずほ君 おはようございます。日本維新の会の梅村みずほでございます。本日もよろしくお願いいたします。
 本日議題となっておりますいわゆるわいせつ教員対策法案、まずは、御提出いただきました発議者の皆様に心よりお礼申し上げます。本来、子供を守り育てる立場の教員が、児童生徒の心と体と人生を台なしにしてしまうわいせつ行為、性暴力を働くことは決して許すことができません。
 既に、衆議院の文部科学委員会での議論や、本日、斎藤委員からの御指摘もございますように、学校の外に出ればまた子供に関わる仕事に就くことができる点、保育士や塾講師、学内のボランティアや外部指導員などが対象に含まれない点など、この法案ではカバーできない点については発議者の皆様が誰よりも御存じのはずですので、私から質問はあえていたしません。
 まずは、魂の殺人を犯して懲戒処分を受けても、三年しのげば学校現場へ何食わぬ顔で復帰することを許していた現状を大きく変えるこの法律を世に出して、引き続き、子供に一定時間以上接するサービスに就く際に無犯罪証明書の提出を必要とするイギリスのDBSなどを日本になじむようにアレンジをしていただき、更に大きな網を掛けていくよう、省庁横断での早急な議論を政府に期待するところでもあります。
 さて、我が国において子供たちが直面する性暴力、性被害、性的虐待のリスクは、当然、学校教員によるもののみにとどまりません。時に実の親、親族、里親、昨日は神奈川県内の児童相談所の職員が二名逮捕されております。
 私も、長女が小学一年生です。長男が小学校四年生です。母親として、公園にいるときも学校から帰ってくるときも、ひとときも安心ができないという保護者の心情を当事者の一人として感じております。子供自身が加害者となることも何ら珍しくなく、時には集団で性的ないじめが行われ、命が失われる事案もございます。
 文科省では、総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課の皆様が、半年ほどの短い準備期間に大変な御努力をいただきまして、内閣府の皆様とともに、子供たちを性暴力、性犯罪の被害者にも加害者にも傍観者にもさせないための命の安全教育を立ち上げてくださいました。中身は、私が思っている性教育の一部にも重なるなと思っているんですけれども、防犯に焦点を当ててコンパクトに分かりやすく学べるように工夫されており、大変良い内容となっております。
 こういった性に関する正しい知識を学校という場で教員とともに児童生徒が学べば、一人一人の性や心身、人生を尊重することの重要性について意識を共有することができます。また、何かあったときに相談しやすい雰囲気も醸成されるはずです。先ほど牧委員からも御発言ございましたけれども、やはりこの教育というものが大変重要になってくると思っております。そして、学校という場でそういった教育がなされるならば、当然、わいせつ教員の抑制にも寄与すると考えております。
 しかし、今年度から既にスタートしております命の安全教育、義務ではございません。時間ややり方を工夫してできる学校はやってくださいねというスキームになっています。御存じのとおり、学校現場は消化すべきカリキュラムで余裕は余りございません。時間という物理的な問題、新しいもの、特に性という繊細なテーマを扱うというハードルの高さ、また、学校長の価値観も大きく関わり、取り入れない学校も当然のようにあることでしょう。
 わいせつ教員を罰すること、特段の事情ない限り二度と教壇に立たせない仕組みも大切ですが、まずは性被害、性暴力を生まないことが何より重要で、子供たち自身が知識を持つことがお守りになると考えております。
 文科大臣にお伺いいたします。
 昭和の子でも平成の子でもない現在の子供たち全てに命の安全教育は必要な知識だと考えますが、学ぶ子と学ばない子がいていいでしょうか。

#20
○国務大臣(萩生田光一君) 性犯罪、性暴力は、被害者の尊厳を著しく踏みにじる行為であり、その心身に長期にわたり重大な悪影響を及ぼすことであるから、子供たちを性暴力の当事者にしないための教育や啓発に関する取組を強化していく必要があります。
 このため、内閣府と文科省が共同で子供たちを性暴力の当事者にしないための命の安全教育の教材や指導の手引などを作成し、先月十六日に全国の学校等に周知するとともに、文科省のウエブサイトに掲載をしました。
 文科省では、今年度、本教材等を活用したモデル事業を実施することとしており、当該事業を通じて多様な指導方法や地域における取組の事例の普及を図るなど、全国の学校で命の安全教育を実施できるよう取組を進めてまいりたいと思っております。

#21
○梅村みずほ君 学ぶ子がいていいか、いけないかという御質問に答えていただきたいなと思うんですが、いかがでしょうか。

#22
○国務大臣(萩生田光一君) こういった資料を用意して全国へ配置をしています。先生も質問でおっしゃったように、何か新しいことが出てきたもの全てマストで教育現場にやれと言っても、それはいろんなカリキュラムが各学校でありますので、直ちにそういうことは難しいんですけれど、これは誰が考えても、今年はこういったことで法律までできて、わいせつ教員の、言うならば教壇に立たせないという、こういう国民の代表である国会の意思が法律で成立をするということになれば、その重みを含めて改めて全国の教育委員会にはしっかり通知をしてまいりたいと思いますけど、先生が言っているような強制的に、この学ぶ子と、学ぶ子がいていいのかと言われれば、学んだ方がいいに決まっているんですけれど、そのやり方についてまで今の段階で厳しく指導するという段階ではないことは御理解いただきたいと思います。

#23
○梅村みずほ君 まだ段階にないとおっしゃっていたんですけれども、これはもう本当に急ピッチで進めていただきたいと思っています。やはり被害者が続々と出てきているわけです。
 是非参考にしていただきたい取組がございます。大阪の生野区にあります生野南小学校の取組です。配付資料を御覧くださいませ。
 この学校は大変問題を抱える学校でした。三ページ目、御覧ください。一、研究の概要というところです。本校はかつて、子供たちの暴言、暴力、そして大人への不信感にあふれ、抱え切れない心の闇を互いにぶつけ合い、強烈な力関係を構築していた。一方、その片隅ではいつもたくさんの孤独の影が不定愁訴を訴え、不登校に至るケースを生んでいた。校区には児童養護施設があり、過酷な生い立ちを背負う児童がいる。また、家族機能の希薄さや、心身の貧困を抱える児童も多数在籍するということで、この学校では年間に百件の暴力がありました。そして、対人関係による要医療件数が三十一件にまで上っていた学校です。
 この資料の一ページにありますように、表のかつての児童の実態というところですが、教師への挨拶代わりに死ね、黙れや、コンパスを投げる、そういった児童がいた学校です。そして、その下の項目です。あいつを殴ってこいと言われれば殴りに行き、ここから飛び降りろと言われれば飛び降りてけがをする、力を持つ者の命令が絶対であった、特に自分への愛情を向けてくれる教師への執拗なまでの試し行動は日常の景色の一部であった。そのような現状がある小学校がこの日本に存在しています。
 学校の先生方は頭を抱えました。そして、まずは国語というものに着手しました。三ページ目の真ん中辺りになります。あっ、済みません、その上ですね。暴力を言葉にと国語科研究をスタートさせたとあります。自分の不満や苦痛を、手を出す、足を出すことでしか表現できなかった子供たちに、言葉で表すんだよと徹底的に国語に力を入れていきました。そして、そこから中段になりますけれども、同時に、学校という場が子供たちの心の安全基地となるように、問題行動への対応を緻密に体系化し、一人の児童の人権を徹底して守り切ったことで、学校という場が全ての児童の心の安全基地となり、児童、保護者、そして地域から信頼される場へと変容していった。自分を誇り、他者を尊重し、過去、現在、未来の全てに向き合える子供を育てる、本校の生きる教育が誕生したとあります。
 次のページめくっていただきますと、六年間で実に三十八時間を費やした、自分の心と体、人生に向き合うプログラムが用意されています。(資料提示)こちら、一冊の冊子にこの生きる教育の中身がぎっしり詰まっていますけれども、一ページ一ページ読むたびに子供への愛情があふれています。
 そして、この最後にあります、必要以上に傷つき、必要以上に頑張って生きてきた、そんな子供たちが今日を楽しみに毎朝登校してくる、そんな子供たちを前に教壇に立つ私たちは、学校が楽しいというこのシンプルな当たり前を毎日子供たちに届ける責任を忘れてはいけないと感じている、どの教室にも子供たちの温かい言葉と笑顔があふれ続けますように、生まれてきてよかったと生い立ちを誇り、人生を選ぶことができますように、今改めて授業の力を信じるとあります。
 令和になり、教育に一番大事なものがひょっとしたら変わりつつあるのかもしれないというふうに思っています。このプログラムは、ケアキットプログラムを始めましてアタッチメントケア、トラウマケア、そういった被虐待児に施すようなケアもふんだんに取り組まれております。是非、御参考にいただき、全ての子供たちに授けていただきたいと思っております。
 それでは、大臣に最後にお伺いいたします。
 子供たちの心と体と人生を守るためのこういった生きる教育、もちろん、国際セクシュアリティ教育ガイダンスにのっとった性教育も必要だと私は考えておりますけれども、人権教育や道徳教育にも通じるこういった教育が必要ではないでしょうか。

#24
○国務大臣(萩生田光一君) 今、生野市の例を先生がお示しをいただきました。校長先生始め教職員の皆さん、地域の皆さん、また教育委員会も本当に頑張って学校の正常化に向けて御努力いただいて、そして逆に魅力のある学校へと変わっていったんだと思います。
 子供たちが様々な課題を解決をする、あるいは予測不可能な時代にしっかりその道を見出していく、そういった意味での生きる力というのは極めて重要だと思っております。その中で、人を大切にする、命を大切にする、先生も御指摘になっている性教育も含めて、生きる力というのはもう全体で必要な教科だというふうに思っています。
 総合学習やあるいは保健体育、様々な機会を通じて、より深い学びができるように、文科省としても地方自治体と連携を取っていきたいと思っています。

#25
○梅村みずほ君 この学校、病院にかかる暴力案件、ゼロ件になっています。学力も上がりました。是非とも御検討ください。
 以上で終わります。

#26
○伊藤孝恵君 おはようございます。質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 まずは、二か月半という短い期間で法案を取りまとめられました提出者の先生方、感謝申し上げます。それからまた、それを上回る情熱で取り組んでいただきました大臣に対しても御礼を申し上げます。
 本法案の、幼稚園教諭は含まれるのに保育士は含まれないという不整合、また新卒採用者は対象外という点、また過去に懲戒免職になった者にしか効力を発揮しない点など、そもそも、また根源課題としてある懲戒免職処分が隠されたり回避されたり、そういったことがある現場実態に対し、適正かつ厳格な実施の徹底が図られることが肝要であるという課題感は共有しているものと認識をしております。
 国民民主党も、欠格事由やその期間を、厚労省、内閣府、文科省、どこが所管する子供の居場所であっても、そろえることにより職種をまたいで働くことができなくする、また、日本国憲法における職業選択の自由や残虐刑の禁止の解釈も鑑みながら定めたものについても、今後御参照いただければと思います。
 さて、保育士の検討について、衆議院の議事録を拝見いたしました。わいせつ行為を行った者に対する教職員同様の仕組みを検討する旨に言及されておりました。
 この解釈又はスケジュールについてお伺いしたいと思うんですが、現在、保育士の登録取消し事由にも教職員で言うところの免職規定に当たる信用失墜行為というものがございます。わいせつ行為をするとすべからくそれに該当するか否かははっきりしておりません。それらを明確に該当するとした上で、例えば四十年データベースのようなものを運用するという意味なのか、現在、禁錮又は罰金の刑に処されてもいずれも二年で、保育士の欠格事由二年ですけれども、その欠格事由を教職員並みに厳格化するという意味なのか。
 議事録の中では牧先生がその欠格事由について言及されておりましたけれども、この解釈、それから検討のスケジュールについて教えてください。

#27
○衆議院議員(馳浩君) 国民民主党が参議院に提出された法案では、保育士と新卒教員も含めて欠格事由を厳格化するものと承知しておりまして、御党における取組に対して、本法律案の立案に携わった者として敬意を表したいと思います。
 本法律案の附則第七条第二項において、児童生徒等と接する業務に従事する者の資格の在り方や児童生徒等に性的な被害を与えた者に係る照会制度の在り方等について、政府に対し、施行後速やかに検討することが義務付けられており、保育士及び新卒教員等もこの検討の対象であります。
 この検討の義務は、法律上は施行の日、すなわち法律の公布後一年以内の政令で定める日から発生するものでありますが、これにより法施行前の検討が妨げられるものではありません。令和三年五月二十一日、衆議院文科委員会の答弁においても言及がございましたが、公布後早急に検討が進められることを期待しております。
 ちなみに、我が党におきましては、上野通子さんがDBS、日本版DBSの検討委員会のチームの事務局長もしておられまして、その実情も踏まえて提言が出しました。そして、今般、私が座長となりまして、いわゆる今ほど伊藤先生が御指摘された部分について検討を進めることをもうスタートしようということを決めました。
 したがいまして、法律の成立後速やかに各党の皆さん方にも呼びかけて、超党派の勉強会、議連などで懸念の事項を取りまとめていきたいと、こういうふうに強く考えております。

#28
○伊藤孝恵君 先ほど四十年データベース等の運用については言及ございませんでしたけれども、例えば、ここで登録取消しの保育士を把握して、再登録を例えば裁量権をもって不可としたとしても、例えば児福法違反で罰金刑に処された保育士というのは幼稚園教諭にはなれます。なぜなら、現行、欠格事由はそこにはないからです。逆に、教職員で禁錮以上の刑に処せられて懲戒免職処分になっても、保育士には二年たてばなれます。幼稚園教諭の欠格事由は十年ですが、保育士は二年という隔たりがあるからです。
 日本版DBS等の無犯罪証明制度が確立するまでの間、こうした職種またぎ、県またぎ、入口ですね、入口の課題に対して対処しなければなりません。今ほど超党派の枠組みでというお話ありましたので、そこでの検討事項としていただければと思います。
 そして、第一条にある、生涯にわたって回復し難いというふうにあるこの条文について伺いたいというふうに思います。
 教職員による児童生徒への性暴力は、生涯にわたって回復し難いものであるというふうに私も思います。事実だと思います。私も、当事者の方々にお話も聞きました、保護者の方にもお話を聞きました。だから、心底この言葉理解しているつもりですが、しかし一方で、被害者であり続けるかどうかというのを決めるのは被害を受けた本人、当事者だけであって、周りの人間が、いわんや法律が被害は生涯にわたって回復し難いというふうに記すことは適切なのかという疑問も同時にございます。
 その人のレジリエンスを信じて、そして、その回復を支援する法案であることを確認させていただきたいというふうに思います。いかがでしょうか。

#29
○衆議院議員(浮島智子君) お答え申し上げます。
 教員による児童生徒等のわいせつ行為とは、教員としての指導的立場や児童生徒からの信頼関係、これに乗じて行われることが多いこと、また、児童生徒等にとって最も身近で最も信頼している大人の一人から侵害されたという行為であり、大きな精神的苦痛を受ける児童生徒等が存在するものと認識をいたしております。
 この法案を取りまとめるに当たりまして、実際に被害に遭った方々からもお話を伺いました。その方々からも、お話を伺ったときに、何十年間にもわたってこの心理的な被害に苦しんでいるというお声も伺いました。
 これらを踏まえまして、この法律案では、児童生徒性暴力等とはで、児童生徒等の権利を著しく侵害し、児童生徒等に対し生涯にわたって回復し難い心理的外傷その他の心身に対する重大な影響を与えるものであるということにさせていただきました。

#30
○伊藤孝恵君 生涯にわたって回復し難い、し難いけれども回復していただいて、そして人生を生きていただく、そういった法案でありたいなというふうに思います。
 そして、悩ましいのは、公立もさることながら、私立学校における性被害。学校法人等がいわゆる保身のために適正かつ厳正な処分を行わない実態がやっぱり現実にあるということです。具体の対応策、大変難しい課題だと思います。いかがでしょうか。

#31
○衆議院議員(池田佳隆君) 私立学校の場合でございますけれども、問題を起こした教員が自主退職の申入れをすれば、民法第六百二十七条第一項によって、その雇用契約は解約申入れの日から二週間を経過することで消滅いたします。私立学校においては、本来であれば二週間の間に速やかに事実認定をして懲戒解雇とする厳格な対応が望まれますが、少なくとも、本法律案第十八条により、雇用契約が消滅しても、児童生徒性暴力等が行われた事実の有無を確認し、犯罪があると認められるときは警察へ通報しなければなりません。
 また、教育職員免許法第十一条第三項では、教育職員以外の免許状を有する者が、法令の規定に故意に違反し、又は教育職員たるにふさわしくない非行があって、その情状が重いと認められるときは、免許管理者はその免許状を取り上げることができることを定めております。この規定は、教育職員であった時期の非行について、教育職員でなくなった後に適用することも可能とされております。
 こうした対応手段があるわけでありますから、提案者といたしましては、私学、免許管理者の双方において厳格な対応を求めたいと思います。

#32
○伊藤孝恵君 ありがとうございました。
 最後に、大臣にお願いですけれども、この免許再授与の判断に係る本人の更生度合いというのはどの物差しで測るのか、審査会の枠組み、構成員の専門性、その納得感、地域差などあってはならない。先ほど言及されておりましたけれども、狭い町でも権力の、権力者の影響をしっかり除外できるものでなくてはなりません。その省令には重大な宿題が課されている。どうか大臣、よろしくお願いいたします。
 終わります。

#33
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
 子供たちに対する性暴力、絶対に許されません。また、わいせつ教員、子供たちに対する性暴力で懲戒免職になった教員を子供たちの前に立たせない、当然のことであり、重要な立法です。
 では、まず早速ですが、児童生徒性暴力等の定義について伺いたいと思います。提案者に確認したいと思います。
 本法案第二条第三項第一号で、児童生徒性暴力等とは、児童生徒等に性交等をする又はさせることとあり、続いて括弧して、児童生徒等から暴行又は脅迫を受けて当該児童生徒等に性交等をした場合及び児童生徒等の心身に有害な影響を与えるおそれがないと認められる特別の事情がある場合を除くとし、特別の事情がある場合は除くんだということ書いてありますが、これ、とはいえ、どのような事情があったとしても、少なくとも性交同意年齢未満の子供、すなわち児童との性的な行為というのはこの特別な事情には当たらないと思うんですが、そういう理解でよろしいのかどうか、御答弁お願いします。

#34
○衆議院議員(畑野君枝君) 吉良よし子議員のおっしゃるとおりです。
 特別の事情とは、児童生徒等の心身に有害な影響を与えるおそれがないと認められる特別の事情であり、犯罪行為である性交同意年齢未満の児童生徒等との性交がこの特別の事情に当たる場合があることは全く考えられません。

#35
○吉良よし子君 全く考えられないと。つまり、法案には児童生徒等という言葉があるわけですけれども、それは基本的に十八歳未満の子供たちを便宜上指す言葉であって、性交同意年齢未満となる、十三歳未満となる児童に対する性的行為というのは例外なく禁止の対象になるということだと思うわけですね。
 一方、五月二十一日に取りまとめられた性犯罪に関する刑法検討会の取りまとめ報告書を読んでいますと、この地位、関係性を利用した犯罪類型の在り方の議論の中で、教師やコーチによる児童との性的行為を一律に処罰することには疑問があるという信じ難い意見も出されたという記述を見付けたわけなんです。これ、本当あり得ないとは思っているんですけど、刑法改正の議論ではそうした性交同意年齢の見直しももっと引き上げるべきという声も出されているわけですし、様々な規定の見直しが重要な論点となっているわけです。
 ただ、本法案の場合は、そうした刑法とは別建てで、十八歳未満の子供たちに対する教師からの性的な行為、盗撮、セクシュアルハラスメントなど、刑法で性犯罪の対象となっていない行為まで範囲を広げて禁止だと、幅広く禁止すると、そういう趣旨になっていると思うんですが、それでよろしいでしょうか。

#36
○衆議院議員(池田佳隆君) 吉良先生のまさにおっしゃるとおりかと思います。
 第二条第三項で定義されております児童生徒性暴力等とは、現在の運用上、児童生徒等に対する性暴力等として懲戒免職処分の対象となり得る行為を列挙して定めたものであって、被害を受けた児童生徒等の同意や当該児童生徒等に対する暴行、脅迫等の有無を問いません。これを受けて、第三条で、教育職員等は児童生徒性暴力等をしてはならない、このように禁止規定を定め、刑法上の性犯罪の対象になっていない行為も含めて禁止しているところでございます。

#37
○吉良よし子君 刑法上の性犯罪になっていない行為も含めて本法案では禁止の対象とすると。幅広くそういう対象を広げる中で子供たちの人権を守るという立場を明確にしているということは本当に大事なことだと思っております。
 ただ一方、現状を見てみると、こうした性犯罪の被害となった、被害を受けた子供たちがその被害を被害として認識できないとか、その知識がないがゆえに認識できないとか、また、その自分に起きたことを誰かにうまく言葉で説明できないとか、事実認定そのものに困難があるということを先日の質疑でも指摘させていただいたところです。
 さらに、そうした事実認定の過程において、何度も様々な、担任の教師であるとか、場合によっては学校長とか教育委員会とか、さらには警察まで出てきて、そこに何度も何度も同じ被害を説明させるような事態になってしまって、二次被害が生まれてしまうというのは本当にあってはならないと思うわけです。
 先日の質疑の際には、局長から、こうした事実認定を行う際の体制について、司法面接を参考にしたいという答弁もありましたけれども、今回の法案、実効性あるものにしていくためには、こうした被害そのもので深く傷ついている子供たちがそれ以上に傷つかないような体制づくり、相談体制、事実認定をする体制づくり、本当に急がれると思うわけですが、子供たちが安心して被害を相談できる体制を整える、文科大臣が先頭に立って急いでこれ体制つくっていくべきと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

#38
○国務大臣(萩生田光一君) 非違行為や疑わしい行為があった場合の事実関係の確認に当たっては、被害を受けた児童生徒に十分配慮して対応する必要があると考えており、文科省では、これまでも各教育委員会に対して、被害児童生徒の相談体制整備やスクールカウンセラーなどの専門家等による適切な支援を行うことや、処分事案の公表に関して被害児童生徒のプライバシー保護に十分配慮することなどを求めてきているところです。
 また、累次の聞き取りによる二次被害や記憶の変容等を避けるため、被害児童生徒に対して聞き取りを行う際、司法面接の手法を活用することも有効であると考えており、法務省等の関係省庁から情報もいただきながら、各教育委員会に対して、事案の調査に当たっての工夫や警察等の関係機関との連携の重要性などを研修会等を通じて伝えてまいりたいと思っています。
 今先生御披露いただいたように、やっとの思いで相談をした児童が、まずお母さんから聞かれる、で、お父さんが激高してまたそこに輪を掛けて聞く、担任の先生に聞かれて、生活指導の先生や養護の先生や指導主事ですとかね、校長も出てきて、これじゃ本当に参っちゃうし、だんだん記憶が変わっていっちゃう可能性もあります。他方、学校現場では、もしかしたら子供の勘違いもあるんじゃないかという同僚をかばう思いというのも分からなくない面もあると思うんですね。ですから、正しい聞き取りをするためにも、できるだけ子供に負担を掛けないこと。それから、これを授業時間にその子供だけ校長室や相談室へ呼んだら、それは友達は何かあったんじゃないかとみんな思いますよ。
 ですから、そういう配慮も含めて、できるだけ創造力を膨らませて、被害児童に相談しやすく、そして二次的な被害を受けないような、そういう相談の体制というものをきちんと文科省としてフォームをつくって、これを全国に展開をしていきたいなと思っていますので、基本的な指針への反映、これをきっちりやっていきたいと思っています。

#39
○吉良よし子君 文科省としてフォームをつくって広めていくとおっしゃっていただいた。これ本当に大事なことだと思いますし、もう是非急いでやっていただかないと、この法案の実効性という観点からしても問題ですので、是非よろしくお願いしたいと思います。
 本当に子供への性暴力というのはもう深刻なダメージを与えるんだということは、この間、各委員からも指摘もあったことですし、私自身も先日の質疑で申し上げました。もうPTSD、数十年にわたって続く、まさに一回の子供のときのこの性暴力を受けたことによって人生が狂わされたという方が今現にいらっしゃるわけで、そうした子供への性暴力というのはもう絶対にあってはならないし、許してはならないんだということで、子供たちを守り抜く学校そして社会をつくるため力を合わせていくという決意を申し上げまして、私の質問を終わります。

#40
○舩後靖彦君 れいわ新選組、舩後靖彦でございます。本日もよろしくお願いいたします。
 この度、超党派の先生方による高い問題意識の下、教職員による児童生徒への性暴力を防ぐための法律案が提出されました。
 児童生徒に対する性暴力被害は非常に深刻であり、取り返しが付きません。信頼する大人に裏切られ、身体的にも精神的にも、子供の頃に受けた被害はその後もずっと続きます。子供に対する性被害を防ぐための施策は一刻の猶予も許されない状況だと考えております。
 御尽力された先生方に敬意を表し、被害を防ぐため、被害を受けた方々を支えるための課題について、これから質問させていただきます。
 代読いたします。
 まず、被害を受けた児童生徒への相談体制についてお尋ねします。
 被害を受けた児童生徒への支援体制充実が欠かせません。暴力被害の中でも、性被害の支援は専門的知見が特に必要です。法案の十七条では、国と地方自治体に対して、通報相談体制整備のための措置を義務付けています。二十条では、被害児童生徒、保護者に対する継続的な支援も明記しています。
 こうしたことを実現するためには、専門的な窓口設置や人員体制のための予算措置が必要となります。特に、自ら被害を訴えることが難しい障害のある児童生徒の場合、よりきめ細やかな体制が必要不可欠になると考えます。
 今後、どのような体制整備が必要と考えますでしょうか。発議者の先生方の御見解をお聞かせください。

#41
○衆議院議員(浮島智子君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、被害を受けた児童生徒の支援体制、これは極めて重要なことであります。
 本法律案では、第十一条で、国、地方公共団体共に財政上の措置その他の必要な措置を講ずるとありまして、十分な予算措置が講ぜられることを提案者としてはしっかりと求めてまいります。また、本法律案では、基本理念を定める第四条第三項で、被害を受けた児童生徒等を適切かつ迅速に保護することを定めておりまして、第十九条の一項で、児童生徒等の人権及び特性に配慮することも定めております。
 また、障害のある児童生徒へのよりきめ細やかな体制をしっかりと整備することを求めてまいります。

#42
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 今先生から、障害のある児童生徒へのきめ細やかな体制整備を求めたいとの御意見がありました。この点について、大臣の御見解をお聞かせいただけますでしょうか。

#43
○国務大臣(萩生田光一君) 相談体制の整備や被害児童生徒等への支援については、これまでも文科省から各教育委員会に対して、被害児童生徒の相談体制整備やスクールカウンセラーなど専門家等による適切な支援を行うことを求めてきたところです。
 特に、障害のある児童生徒については、例えば、知的障害等により性暴力として認識しづらいため問題が潜在化しやすいと言われており、児童生徒等や保護者から相談が寄せられていなくても、児童生徒等が気になる行動をしている場合には個別相談を行うなど、障害の特性に応じたよりきめ細やかな支援が必要と考えております。
 本法案が成立した暁には、法案の趣旨や各規定等を十分踏まえつつ、通報相談窓口の設置や児童生徒のケアなどを関係府省や教育委員会等と連携しながら、被害を受けた児童生徒等を守るために必要な取組を進めてまいりたいと思います。

#44
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 次に、本法案の重要なポイントである再免許授与特例の関連についてお尋ねします。
 法案では、都道府県教育委員会がわいせつ行為で免許を失効した者に再び免許を授与する際、教育職員免許状再授与審査会の意見を聴かねばならないとしています。
 しかし、この審査会の事務は都道府県教育委員会に置かれます。そうしますと、審査会のメンバーなどの人選も教育委員会が行う可能性があります。児童生徒の性暴力被害に詳しい専門家からは、教育委員会は身内をかばう体質があるとの指摘もあります。身内をかばわないよう、中立性を持って判断される仕組みが必要だと考えます。適正な判断を行うためにも、教育委員会とは切り離した組織にすべきではないでしょうか。
 この点について御見解をお聞かせください。

#45
○衆議院議員(牧義夫君) 御指摘のとおり、免許状の再授与の審査については、その中立性がきちっと担保されなければならないことは共有させていただきたいと思いますが、ただ、この審査に当たってのその諮問機関を都道府県教育委員会に置くことは、法律上の仕組みとしてはこれ一般的なことであるということも御理解をいただきたいというふうに思います。
 この免許の再授与の審査の基準については、加害行為の重大性、本人の更生の度合い、被害者及びその関係者の心情等に照らして総合的に判断されるというふうに考えております。これに反して身内をかばうような審査がなされないよう、我々もきちっとチェックをさせていただきたいというふうに思っております。

#46
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 次に、質問項目の順番を変えさせていただき、通報義務について質問いたします。
 第十八条一項では、児童生徒性暴力などの事実があると思われる場合に学校や設置者への通報等を義務付けています。一方、同二項では、犯罪の疑いがあると思われるときに速やかに警察署に通報とあります。この点について、学校や教育委員会が犯罪の疑いがないから警察に通報しなくていいと警察に通報せずに覆い隠すことにならないか懸念しています。
 例えば、近頃明らかになったケースとして、約二十五年前に受けた教師からの行為がわいせつ被害だったと大人になってから認識し、裁判などで訴え、事実関係が認められたということがありました。このように、後になって、自分がされた行為は性暴力だったのだと、実は断り切れない状況だったという場合があるわけです。子供が被害を自覚するには適切な配慮と働きかけが必要なのです。
 子供からの被害聞き取りに当たっては、虐待を受けた子供に実施されるような、児童相談所と警察や検察が連携して被害内容を確認する協同面接が望ましいという意見もあります。警察への通報が協同面接につながっていくことになると考えられますので、性暴力を受けたと思われるときは必ず、かつ早期に警察に通報するよう義務付けた方がいいのではないでしょうか。
 この点について見解をお聞かせください。

#47
○衆議院議員(馳浩君) 第十八条第二項の趣旨は、犯罪があると認めるときに警察に通報するという規定が第十八条第七項にあることに加えて、より早期の段階、すなわち犯罪の疑いがあるという段階での警察への通報を促すために置かれているものであります。仮に犯罪の疑いがないから通報しなくていいという判断をしたとしても、第十八条第一項に規定する場合には、学校又は学校の設置者への通報といった適切な措置を義務付けられるのでありまして、十八条第四項に基づき、学校において適切に事実確認が行われることが求められます。
 なお、第十八条第五項においては、学校における事実確認の場面でも、被害を受けた児童生徒等の人権及び特性に配慮するとともに、名誉及び尊厳を害しないよう注意しなければならないことが定められております。

#48
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 この法案が、児童生徒が受ける性暴力被害がいかに深刻かということをこの国会の場でも認識する契機になると存じます。被害を出さないため、また、もし被害が出てしまったときに児童生徒の立場に立った支援ができるよう、皆様とともに取り組んでまいりたいと存じます。
 これで質問を終わります。

#49
○委員長(太田房江君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律案に賛成の方の挙手をお願いします。
   〔賛成者挙手〕

#50
○委員長(太田房江君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、斎藤さんから発言を求められておりますので、これを許します。斎藤嘉隆さん。

#51
○斎藤嘉隆君 私は、ただいま可決されました教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会、国民民主党・新緑風会、日本共産党及びれいわ新選組の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
 一、教育職員等のみならず、何人も児童生徒等に対してわいせつ行為を行うことはあってはならないことに鑑み、保育士についても実態把握を進めるとともに、わいせつ行為を行った教育職員等が懲戒後に保育士等に職種を変えて就く実態があることから、早期に保育士資格についても特定免許状失効者等に対する教育職員免許法の特例と同様の仕組みを検討すること。
 二、教育職員等以外の職員、部活動の外部コーチ、ベビーシッター、塾講師、高等専門学校の教育職員、放課後児童クラブの職員等の免許等を要しない職種についても、わいせつ行為を行った者が二度と児童生徒等と接する職種に就くことができないよう、児童生徒等に性的な被害を与えた者に係る照会制度が必要である。その検討に当たっては、イギリスで採用されている「DBS制度」も参考にして、教育職員等のみならず児童生徒等と日常的に接する職種や役割に就く場合には、採用等をする者が、公的機関に照会することにより、性犯罪の前科等がないことの証明を求める仕組みの検討を行うこと。
 三、児童生徒等に対するわいせつ行為を行う可能性が高い者を教壇に立たせないことが重要であることから、こうした者をあらかじめ教育職員等として採用しないための適切かつ実効性のある採用過程の在り方等について検討するとともに、小児性愛が疾病として診断基準等が確立されているとはいえない現状に鑑み、小児性愛についての研究に関する支援の拡充を検討すること。また、児童生徒性暴力等を行った教育職員等に対する更生プログラムの開発等についても支援を行うこと。
 四、児童生徒等が教育職員等による児童生徒性暴力等を受けたと思われる事案が発覚した際の事実確認の手続に関し、被害児童生徒等への負担に十分に配慮し、かつ、そもそも教育は本来的に教育職員等と児童生徒等の信頼を基盤とすることに留意した上で、関係機関における役割分担の明確化を図るとともに、具体的な調査方法や客観的な判断基準を定めるなど、本法の安定的な運用を図ること。
 五、性被害にあった児童生徒等及びその保護者の負担を軽減するため、関係機関の連携による面接の一括化や適切な質問項目の設計、マスコミ等への対応支援、被害にあった児童生徒等が調査に適切に応じられるための支援その他スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、スクールロイヤー等を置くなど、適切な調査方法・調査項目の速やかな構築を講じること。
 六、学校の設置者が専門家の協力を得て行う調査に関しては、被害を受けたとされる児童生徒等の尊厳の保持及び回復並びに再発防止をその目的として留意するとともに、事実関係を客観的に確認し、公正かつ中立な調査が行われることを旨とすること。また、政府は、第三者による調査や通報者の保護、事実誤認による教育職員等の救済措置など、厳格な運用のための全国的な基準を定めること。
 七、教育職員等、地方公共団体の職員その他の児童生徒等からの相談に応じる者による児童生徒性暴力等に係る通報に関し、当該通報を行った者が不利益な扱いを受けることがないよう、公益通報者保護制度と同様の教育職員等を保護するための制度の構築について検討すること。
 八、私立学校の教育職員等については、児童生徒等が教育職員等による児童生徒性暴力等を受けたと思われる事案が発覚した後、処分の決定がなされる前に依願退職する事例が見受けられ、その場合には教員免許状が失効しないことを踏まえ、退職前に適正かつ厳正な処分が行われるように徹底するとともに、私立学校の教育職員等による児童生徒性暴力等への対応策について更に検討を行い、必要に応じて措置を講じること。
 九、児童生徒性暴力等を未然に防止するため、空き教室の解消など学校施設の改善を図るとともに、全ての児童生徒等に目が行き届くよう、教育職員等の多忙や疲弊を改善するための人的配置及び人材確保に努めること。
 十、障害等により自ら被害を訴えることが困難な児童生徒等については適切な支援と配慮を行うとともに、特別支援学校、特別支援学級など、児童生徒等の数が少なく、他の児童生徒等、教育職員等の目が行き届きにくい環境について、被害を未然に防止する措置を講じること。
 十一、児童生徒性暴力等の防止のための児童生徒等に対する啓発に当たっては、性被害を防止、早期発見、保護・支援するための学校現場での教育内容及び方法を研究、開発し、教育職員等と児童生徒等の双方が安心して学習に取り組める環境を整備するとともに、性に関して学ぶこと等を通じて一人一人の性、心身、人生を尊重することの重要性についての意識を共有する等により、児童生徒等が相談しやすい雰囲気の醸成に努めること。また、教育職員等に対する児童生徒等の人権・特性等に関する理解や児童生徒性暴力等の防止等に関する理解を深めるための研修等の充実に向けて、十分な財政上の措置を講じること。
 十二、都道府県の教育委員会は、特定免許状失効者等に対する免許状の再授与に当たっては、専門家等の意見を聴き、審査が公正、公平に行われるよう留意するとともに、国は、審査に関して全国で統一的な運用がなされるよう、指針等の策定その他の支援を行うこと。
 十三、都道府県教育職員免許状再授与審査会等の設置・運営やデータベースの整備、調査・啓発、必要な人材の確保など、本法の効果的な運用に当たり十分な予算を確保すること。
 十四、データベースの整備等に関して、児童生徒性暴力等の処分と、他の処分は明確に区別されることとし、データベースに記録される事由は児童生徒性暴力等による処分のみとすること。
 十五、教育職員等のみならず何人によるものであれ、児童生徒等へのわいせつ行為は、被害を受けた児童生徒等の心身に大きな傷を残すものであるので、文部科学省を始めとする関係機関は、児童生徒等を性被害から守るために連携を図り、プライバシーの保護を含む児童生徒等の権利利益の擁護に資する必要な取組を実施するとともに、被害を受けた児童生徒等のレジリエンスを信じ、支えることに万全を期すこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

#52
○委員長(太田房江君) ただいま斎藤さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#53
○委員長(太田房江君) 全会一致と認めます。よって、斎藤さん提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、萩生田文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。萩生田大臣。

#54
○国務大臣(萩生田光一君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。

#55
○委員長(太田房江君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#56
○委員長(太田房江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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