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2021/05/27 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 内閣委員会 第22号 令和3年5月27日
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2021/05/27 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 内閣委員会 第22号 令和3年5月27日

#1
令和三年五月二十七日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十六日
    辞任         補欠選任
     岡田 直樹君     今井絵理子君
     杉尾 秀哉君     横沢 高徳君
     市田 忠義君     山添  拓君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         森屋  宏君
    理 事
                酒井 庸行君
                徳茂 雅之君
                木戸口英司君
                平木 大作君
                矢田わか子君
    委 員
                今井絵理子君
                大家 敏志君
                古賀友一郎君
                高野光二郎君
                山田 太郎君
                山谷えり子君
                和田 政宗君
                小沼  巧君
                塩村あやか君
                横沢 高徳君
                石川 博崇君
                柴田  巧君
                高木かおり君
                田村 智子君
                山添  拓君
   国務大臣
       国務大臣     坂本 哲志君
   副大臣
       内閣府副大臣   三ッ林裕巳君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        吉川  赳君
       総務大臣政務官  宮路 拓馬君
       文部科学大臣政
       務官       鰐淵 洋子君
       厚生労働大臣政
       務官       大隈 和英君
       厚生労働大臣政
       務官       こやり隆史君
       国土交通大臣政
       務官       朝日健太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮崎 一徳君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        三上 明輝君
       総務省大臣官房
       審議官      辺見  聡君
       文部科学省大臣
       官房審議官    蝦名 喜之君
       厚生労働省大臣
       官房高齢・障害
       者雇用開発審議
       官        達谷窟庸野君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    大坪 寛子君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    赤澤 公省君
       国土交通省大臣
       官房審議官    木村 典央君
       国土交通省大臣
       官房審議官    淡野 博久君
       国土交通省総合
       政策局次長    大高 豪太君
   参考人
       DPI日本会議
       事務局長     佐藤  聡君
       社会福祉法人電
       機神奈川福祉セ
       ンター就労援助
       センター事業総
       合センター長   小川菜江子君
       一般社団法人全
       日本視覚障害者
       協議会理事    藤野 喜子君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○障害を理由とする差別の解消の推進に関する法
 律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
    ─────────────

#2
○委員長(森屋宏君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動につきまして御報告いたします。
 昨日までに、市田忠義君、岡田直樹君及び杉尾秀哉君が委員を辞任され、その補欠として山添拓君、今井絵理子さん及び横沢高徳君が選任をされました。
    ─────────────

#3
○委員長(森屋宏君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府政策統括官三上明輝君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(森屋宏君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────

#5
○委員長(森屋宏君) 参考人の出席要求に関する件につきましてお諮りをいたします。
 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会にDPI日本会議事務局長佐藤聡君、社会福祉法人電機神奈川福祉センター就労援助センター事業総合センター長小川菜江子さん及び一般社団法人全日本視覚障害者協議会理事藤野喜子さんを参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#6
○委員長(森屋宏君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────

#7
○委員長(森屋宏君) 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#8
○今井絵理子君 自由民主党の今井絵理子です。
 本日は、障害者差別解消法の一部を改正する法律案について質問させていただきます。よろしくお願いします。
 障害者差別解消法は、施行されて五年がたちました。皆さん御存じかもしれませんが、ちょっと個人的なお話をさせていただくと、私には耳が聞こえない十六歳の息子がいます。十六年間一緒に歩んできた中で、私の実感として、ここ数年で障害に対する社会の意識は改善してきたと思っています。手話への理解も進んでおり、手話言語条例も、本年五月十七日現在、四百六自治体で制定され、広がっています。
 また、最近の出来事を御紹介すると、聞こえない息子がトレーニングジムに入会したいと言いまして、危険なトレーニング用具を使用することから、障害者はきっと昔なら門前払いだったと思います。しかし、対応してくださったスタッフの方は、ためらいもなく、はい、大丈夫ですよと快く受け入れていただきました。そして、息子の障害の特性や対策を一緒に考えていただき、今では一人で通っています。きっと、この差別解消法や、教育分野での心のバリアフリーも含め、関係省庁や関係者の方々の御尽力のおかげだと感じております。
 障害者差別解消法の趣旨は、障害のある人もない人も、互いにその人らしさを認め合いながら共に生きる社会をつくることです。
 まず初めに、大臣、今回の改正によってどのような社会の変化を期待されるのか、御所見をお聞かせください。

#9
○国務大臣(坂本哲志君) まず、今回の法案の提出に至るまでの過程を少し御説明させていただきます。
 現行法の附則で、政府は、施行後三年を経過した場合において、事業者による合理的配慮の在り方その他同法の施行状況について検討を加え、必要に応じて所要の見直しを行うというふうにされております。
 この規定を踏まえまして、内閣府の障害者政策委員会におきまして御議論をいただいたところであり、さらに内閣府においても、その後実施しました事業者団体及び障害者団体からのヒアリングの結果も踏まえまして、事業者による合理的配慮の提供の義務化等を内容とする本法案を提出するということに至りました。
 今般の改正によりまして、障害を理由とする差別の解消に向けた社会全体の取組が更に前進し、議員御指摘のとおり、御子息がトレーニングジムに通われるようになったことなど、障害の有無にかかわらず、相互に人格と個性を尊重し、支え合いながら共生する社会が実現していくということを大いに期待しているところでございます。

#10
○今井絵理子君 ありがとうございました。
 障害者差別解消法が求める社会の実現は、障害当事者はもちろん、私のように障害のある子供を育てる母にとって心より願うことであります。政府におかれましては、本法案の趣旨が実現するために実効性のある取組をお願いしたいと思います。
 以下数点、改正の要点について質問をさせていただきます。
 本法案の一番の大きなポイントの一つが、事業者に対する合理的配慮の義務化です。現行法では行政機関に合理的配慮を義務付けています。
 そこで、行政機関における合理的配慮の現状とその評価についてお伺いします。

#11
○政府参考人(三上明輝君) 行政機関における合理的配慮の提供ということでございますけれども、例えば具体例幾つか紹介させていただきます。
 聴覚障害者のためのようなものでございますと、例えば、私ども大きな会場でフォーラムなどを行う場合などございますけれども、手話通訳を用意いたしまして、そういった方も会場全体から見えやすくなるように通訳の方が立つ台を用意するといったことで、手話通訳の方が後ろの方の方にも見えやすくなるようにするですとか、それから、前の方の席を希望者向けに確保する、さらには、後ろの方に座らざるを得なかったような方にも手話通訳の方が見えるように拡大スクリーンを用意するといったようなことがございます。
 それから、視覚障害者の方ですと、例えば行政機関の窓口に来訪された際に、職員の方が代読あるいは代筆して対応するといった例、それから、肢体不自由の方向けの合理的配慮といたしまして、例えば申請書類などは、記帳台が用意されていて、そこで記入するようなことがあるわけですけれども、車椅子の方など高過ぎて使えないといったような場合などはバインダーをお貸しするといったような対応がされておりまして、行政機関における合理的配慮、様々な形でその実情に応じて取組を進めているところであると、このように認識しております。

#12
○今井絵理子君 ありがとうございます。
 ちょっとまだまだ足りていないなという部分をちょっと御指摘をさせていただきたいんですけれども、私は、本年三月二十二日の総務委員会で、ワクチン接種に関する障害者への情報提供や意思確認に関する情報保障に関して質問をさせていただきました。その際、情報提供を始め合理的な配慮が徹底されるように取り組んでまいりたいと政府から御答弁をいただいておりました。
 ちょっと資料を御覧いただければと思います。この資料は本委員会の高野先生からいただいた資料でございまして、本年五月二十五日の高知新聞朝刊には、障害者への情報提供について十分とは言えないという内容の記事が掲載されていました。
 改めて、ワクチン接種に当たっては、障害に応じた適切な情報提供を始め、障害者の方々が安心して受けられるように合理的配慮を徹底してほしいと思います。このようなことはあってはならないと思っております。実態の把握と改善をお願いしたいのですが、まず厚労省の大隈政務官からよろしくお願いします。

#13
○大臣政務官(大隈和英君) 御質問ありがとうございます。また、今井委員の常日頃温かい観点からこの障害者支援に様々な政策を進めていただけることに関しまして、心より敬意を表したいと思います。
 今お話しのように、一日も早い安全かつ安心できるこのコロナワクチンの接種というのは喫緊の課題でございまして、随分と前のめりに国全体がなっているかの中で、障害者のこの合理的配慮が欠くということはあってはならないことだということは私も認識しております。
 考えただけでも、副反応を含めた情報収集から、予約を取って、そして会場に行って注射をされるということの様々なハードルを考えただけでも、しっかりと取り組んでいかなきゃいけないということはもう言うまでもないことですし、例えば知的あるいは精神、様々な障害を持っておられる方なんかは、筋肉注射をするとなるとやっぱり暴れてしまう、そうすると、じっとしていただくのに人手も時間も随分掛かるということも当然会場ではあろうかと思います。
 厚労省といたしましては、三月、四月に事務連絡を発出いたしまして、具体的には、コールセンターには、コールセンター等の相談窓口ではファクスやメール等について相談対応ができるように、また、視覚障害者が接種券といった自治体からの郵送物を、封筒を分かるように点字ですとか拡大文字での表記を検討する、また、自治体のホームページにおいても視覚障害、聴覚障害向けのしっかりとした対応をする、接種時においても、案内ですとか、先ほどの注射もそうですが、聴覚障害者向けのコミュニケーションボードや視覚障害向けの音声による案内などを厚労省からお願いをしたところでございます。
 今後は、全国の取組が今どんどん進んできておりますので、成功事例などをしっかり共有できないか、また、これから、自治体ごとの個別の課題がある場合には、厚労省設置している自治体サポートチーム等におきましてしっかりと自治体の実情を丁寧にお伺いしつつ改善に努めてまいりたいというふうに考えております。

#14
○今井絵理子君 総務省からも宮路政務官いらっしゃっております。御答弁お願いします。

#15
○大臣政務官(宮路拓馬君) まず、今井委員におかれましては、本当、手話で質問されて、私も若干大学で手話を勉強しましたから、初めて手話で少し答弁をさせていただきますけれども、今、大隈政務官の方から答弁ありましたとおり、ワクチン接種に関しては、国家的プロジェクトということで、国、そして市町村を始めとする自治体が全力で取り組んでいるところであります。
 そうした中、厚労省から、先ほどありましたとおり、地方自治体に対してワクチン接種に関する合理的配慮の提供を求める事務連絡が発出されました。この点について、総務省からも改めて地方自治体に対して、各々の障害特性に応じた合理的配慮の提供について協力を依頼する事務連絡を発出しているところでございます。
 今般、高知市の事例を受けまして、総務省の方からも高知市にしっかり問合せをいたしまして、今回の障害四団体からの要望を受けて高知市が今後どういった施策を取り得るかについて確認をさせていただいたところでございます。高知市においても今般の報道を受けてしっかり対応していくということでしたので、そうした動きを総務省としてもしっかりサポートしてまいりたいと思います。
 今後とも、国と地方の十分な連携協力の下、障害をお持ちの方も含め、接種を希望する方に対するワクチン接種を円滑に実施できるよう、厚生労働省としっかりと連携しながら取り組んでまいりたいと思います。

#16
○今井絵理子君 ありがとうございます。御丁寧な答弁ありがとうございました。是非連携を取って、しっかりと自治体に対してサポートしていただければと思います。
 内閣府に伺います。
 様々なケースが、見ると、必ずしも行政機関が合理的配慮の義務が果たされているとはなかなかちょっと思えないんですね。本法案が成立すれば、事業者は努力義務から義務へと変わります。理解を得るためにも差別解消の旗振り役である行政機関が範とならなければならないと考えますが、御見解をお聞かせいただきたいのと、あわせて、義務化と変わる事業者に対して政府はどのような取組を行いますか。二点お聞かせください。

#17
○政府参考人(三上明輝君) 行政機関は、ただいまの御指摘にありましたとおり、様々な生活に不可欠なサービスを提供するといった役割を担っておりますので、その立場に照らしましても、障害者差別の解消に率先して取り組むべき主体として、今回、事業者に対して合理的配慮の提供が義務化されるわけでございますので、民間事業者の模範になるように取り組むということが求められているものと考えてございます。
 そういった意味で、事業者による合理的配慮の提供を義務化するに当たりまして、その円滑な運用を確保する上で、今回の改正の趣旨、内容はもとより、そもそもの障害者差別解消法そのものについて、事業者、障害者、さらには広く国民一般の方々に周知をいたしまして正しい理解を得ておくといったことが非常に重要であると考えております。
 内閣府におきましては、これまでも、合理的配慮の事例の共有、あるいはポスター、リーフレットを配布する、それから障害者基本法に基づきまして設定されている障害者週間、十二月の三日から九日まででございます、この機会を活用した広報など、広報に努めてきたところでございます。加えまして、今年度は、予算において、法の趣旨ですとか合理的配慮等について分かりやすく紹介するポータルサイトの設置あるいは新しいリーフレットの作成等のために必要な経費を計上しております。
 また、効果的な相談対応あるいはその事例の収集、共有を行うために、この法案では、それを念頭に置いて、基本方針の記載事項を追加する、あるいは事例の収集、共有の強化に向けた規定を整備することとしております。
 今後、関係機関と連携しながら、一層の情報共有、普及啓発、相談体制の整備、こういったものに努めてまいりたい、このように考えております。

#18
○今井絵理子君 ありがとうございました。
 続きまして、的確な合理的配慮の実現についてお伺いします。
 合理的配慮という言葉はとても難しい言葉だと思うのは、合理的とされる範囲が時代や環境によって変化するからです。例えば、文部科学省は、合理的配慮の例として、専門性の有する教員等の配置や手話等のコミュニケーション手段を確保などと挙げています。これらの配慮は専門人材が豊富であれば実現しますが、不足していれば、実現可能性の程度などによって過重な負担と判断された場合、代替措置で済まされることになります。
 人材の育成を始めとした環境整備によって、提供できる合理的配慮の範囲は拡大されると思っております。合理的配慮は義務であるのに、それを的確に行うための環境整備については障害者差別解消法第五条で努力義務となっています。法の趣旨を実現するためにも環境整備をもっと推進しなければならないと考えますが、見解をお聞かせください。

#19
○政府参考人(三上明輝君) ただいま御指摘のいただきました環境の整備でございますけれども、これ、人材の確保のほかに、施設のバリアフリー化、それから職員への教育など様々なものがございます。これらの中に相当の費用や時間を要するものも含まれておりまして、これを一律に義務とすることは行政機関であってもなかなか難しいところがあろうかと思います。その一方で、ただいま御指摘ありましたとおり、こういった環境の整備に取り組むことによりまして、それを基礎としてより的確に合理的配慮を提供できる場合が多いというふうに考えられます。
 行政機関は民間事業者の模範となるべきということもございますので、障害者差別解消法上の規定上は同じ努力義務でありましても、より積極的に取組を進めてまいりたい、このように考えております。

#20
○今井絵理子君 是非、環境整備、これ一層の努力と、もうそれを進めて、着実に進めていただきたいなと思っております。
 続きまして、本法案では、国又は地方公共団体が障害を理由とする差別に関する相談に対応する人材を育成し、確保する責務が明確化されています。
 相談機関への連絡手段については、電話、ファクス、メールだけではなく、ICTを活用するなど、障害特性に対応できるようにする必要があると思います。また、事業者からの相談が増えることも予想され、障害に関することはもちろん、労務に関することなど、多様な専門性が要求されます。これらの相談に対応できる人材が必要であります。相談窓口も一本化するなど、担当外だからという理由でたらい回しとならないような措置をとる必要があると思います。
 このような様々な課題がありますが、相談機関への連絡手段や、相談に対応できる人材の育成や確保について、今後の取組についてお伺いします。

#21
○政府参考人(三上明輝君) 障害を理由とする差別の解消を推進するに当たりまして、相談をしっかりと受け止める体制の整備が大変重要であると、今回の改正のポイントがうまく施行されるかどうかはこの点に大きく懸かっている部分があると考えております。障害者政策委員会が取りまとめました意見書におきましても、相談体制の充実の観点から、ただいま御指摘いただきましたような点について言及されているところでございます。
 内閣府におきましては、今年度、効果的な相談体制の在り方等について調査研究することを予定してございます。この結果も踏まえまして、ICTの活用ですとか障害特性に応じた対応なども含めて相談体制の在り方をしっかり検討して、適切な仕組みが整えられるように取り組んでまいります。

#22
○今井絵理子君 時間になりました。最後に、障害者差別解消に向けた大臣の最後に決意をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。

#23
○国務大臣(坂本哲志君) 本法案の成立を機に、ポストコロナ時代の新たな日常におきまして、誰一人取り残されることのない包摂的な社会を実現するための取組を確実に進めてまいります。

#24
○今井絵理子君 ありがとうございます。
 以上です。

#25
○横沢高徳君 皆様、おはようございます。立憲民主・社民の横沢高徳でございます。
 本日は、内閣委員会で初めて質問させていただきます。よろしくお願い申し上げます。
 本日は、障害者差別解消法改正案について質問をしますが、冒頭ちょっと、障害を持たれている方などが、かかりつけ医、また施設医などの体の状況をよく知っている医療機関でコロナワクチンを接種を希望しているんですが、そのかかりつけ医、施設医などが医師会に入会していないとワクチンが来ないとか接種ができないという情報がありましたので、この点、ちょっと厚労省に確認をしたいと思います。

#26
○大臣政務官(こやり隆史君) まず結論として、明確に否定をさせていただきたいというふうに思います。
 今般のコロナ接種でございますけれども、関係者の事務負担の軽減から、市町村と実施機関で、医療機関との間で集合契約を結んでいただきます。この集合契約に参加していただいた医療機関が市町村からワクチン接種の委託を受けた医療機関としてワクチンの供給を受けることということになります。
 厚労省といたしましては、この当該集合契約の参加条件やワクチンの割当てに当たりまして、医師会会員であるかどうかということは一切条件として設けておりません。日本医師会に加入しているかどうかにかかわらず、多くの医療機関にワクチン接種について御協力をいただきたいというふうに考えておりますし、今、様々な支援措置を講じて、できるだけ多くの医療機関、医師、看護師、医療従事者の皆さんに参加いただけるように全力を尽くしているところでございます。

#27
○横沢高徳君 厚労省としては否定ということなんですが、各自治体によっては医師会にやはりお願いしてやっているという事情から、ちょっとこれ調べていただいて、仮に医師会に入っていないとできないような状況がありましたら、是非改善に努めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#28
○大臣政務官(こやり隆史君) 私の地元も含めて、医師会に入っておられない医療機関も参加をいただいております。
 確かに情報がなかなか、の流通が、行き通っているとか、課題があるかもしれませんので、できるだけ全ての医療機関にしっかりと参加いただけるような、情報提供も含めて対応していきたいというふうに思います。

#29
○横沢高徳君 ありがとうございます。
 やはり、障害をお持ちの方などは、体の状況をよく知っているかかりつけ医や施設などの施設担当医に安心して打っていただきたいという希望がありますので、是非この点、今、歯科医さん、打ち手確保努めていますが、どんどんお医者さん、免許のある方には打っていただけるような体制を進めていただきたいと思います。
 それでは、法案質疑に先立ちまして、大臣にお伺いしたいと思いますが。
 旧優生保護法に関して、二〇一九年に一時金支給法が成立しました。その当時、安倍総理と根本厚労大臣により、同じ文書で、政府としても、旧優生保護法の執行をしていた立場から、真摯に反省し、心から深くおわび申し上げますとおわびの談話を出されております。ただ、当時の障害者施策担当の宮腰大臣からは出ませんでした。
 今回、障害者差別解消法の審議を始めるに当たり、是非、障害者施策担当大臣として坂本大臣から国民の皆様に向けてお言葉を伝えていただきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

#30
○国務大臣(坂本哲志君) 委員御指摘のように、平成三十一年に、当時の内閣総理大臣、そして厚生労働大臣から、心から深くおわびを申し上げる旨の談話があったものというふうに承知をしております。旧優生保護法に基づきます優生手術につきまして、同談話で言及のあった内容につきましては私自身も重く受け止めてまいりたいというふうに思います。
 障害者施策担当大臣といたしましては、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と、相互を尊重し合いながら共生する社会の実現に向けて、政府として最大限の努力を尽くしてまいります。

#31
○横沢高徳君 大臣、ありがとうございます。
 済みません、厚労省の方、退席していただいて構わないです。

#32
○委員長(森屋宏君) こやり厚生労働大臣政務官、御退席いただいて結構です。大坪審議官は退席いただいて結構です。

#33
○横沢高徳君 それでは、法案審議に入ります。
 まず、差別の定義と見直し規定についてお伺いをいたします。
 障害者権利条約や国連障害者権利委員会による一般的意見では、差別の概念には、間接差別、ハラスメント、交差差別、複合差別及び関連差別が含まれております。しかし、障害者差別解消法は、法律の条文には差別の定義がありません。基本方針で書いておりますが、不当な差別的扱い、直接差別ですね、と合理的配慮の不提供の二類型しかありません。
 課題としては、法律条文の中に差別の定義、複合差別解消の規定を設けることが必要ではないかと思いますが、今後、コロナ禍で延長された国連障害者権利委員会の対日審査の状況も踏まえて、更なる法改正が必要であると考えます。
 条文に差別の定義を盛り込むことは次回以降の改正の課題とし、今回は基本方針で間接差別、関連差別、複合差別の定義を盛り込む必要があると考えますが、御見解をお伺いいたします。

#34
○政府参考人(三上明輝君) 差別の定義についてでございます。
 昨年の六月に障害者政策委員会が取りまとめた意見書におきまして、まず、法律で差別の定義を設けることについてどうかということについて見解が示されておりまして、それによれば、定義を設けることが望ましいと考えられるという意見を示しつつ、一方で、定義を設ける場合には、かえって条約より狭く定義される等の懸念があること、解釈の違いによる混乱も予想されること、差別の類型にどのような事例が該当するのか現時点で明確でなく、法律に規定することに困難があるといった課題も示されております。その上で、意見書は、差別の定義、概念の明確化を図る観点から、可能な対応として、例えば基本方針等で考え方を明確化することなどについて検討を行うべきとしているところでございます。
 内閣府といたしましては、この意見書を踏まえまして、今後、基本方針等において、差別の定義、概念の明確化を図る観点からどういった対応が可能かといったことについて検討してまいりたいと思います。
 障害者政策委員会は障害者基本計画の実施状況を監視することとされております。同計画に盛り込まれている差別の解消等の取組として、本法の施行状況についても必要に応じて今後御議論いただくことになると考えております。
 内閣府として、引き続き、政策委員会での議論、あるいは国、地方公共団体に対する実施状況の調査、事例の収集等による運用状況の把握などを通じまして、適宜制度や施策の在り方を点検、検討してまいりたい、このように考えております。

#35
○横沢高徳君 是非、基本方針の方に盛り込む方向で検討をしていただきたいと思います。
 次に、今回の改正法案の見直し規定がない理由として、衆議院内閣委員会で坂本大臣は、現時点において制定時のような具体的かつ将来的な検討課題まで想定されていないと答弁されております。
 しかし、二〇一九年秋に国連障害者権利委員会から出された事前質問事項では、障害者差別解消法が、直接差別、間接差別、複合差別及び交差差別であれ、障害のある女子に対するものも含め、生活のあらゆる分野において障害に基づくあらゆる差別の禁止しているかどうかを本委員会に対しお知らせ願いたいともあります。
 今後の課題として、法律条文の中に差別の定義、この差別の規定を設けることが必要でないかと先ほども申しましたが、さらに今後、国連権利委員会の対日審査の後に日本政府に対して総括所見が出されることが想定されます。総括所見を踏まえて更なる法改正が求められることも想定されますが、法の見直し規定を盛り込むことが必要と考えます。御見解をお伺いいたします。

#36
○政府参考人(三上明輝君) この間接差別あるいは関連差別等々のいろいろな差別の類型とこの法律上のその定義の問題ということでありますけれども、これは法律が制定された当時のこの内閣委員会でも御議論ございまして、そこではこういったものを規定しない理由として、現時点でどういう事例が該当するか一律に判断することは困難があるといったことですとか、今後の具体的な相談事例や裁判例の集積を踏まえた上で対応といったことでございましたけれども、その施行後、五年間の間に、なかなか、これだけの集積があれば、あるいは判例の蓄積があれば、そういったことについて規定できる、あるいははっきりと範囲を確定できるといったようなものが集まってくるという状況にはございませんでした。
 したがいまして、今日の状況も法律を制定したときとほぼ同じ状況にこの問題に関してはあるのかなと思っておりまして、御指摘のありましたようなその国連の審査などで今後どういった考え方が示されるのかといったようなことなどあろうかと思いますけれども、今回のこの改正法案の中にはそういった法律の見直し規定は設けていないところでございます。

#37
○横沢高徳君 じゃ、国連の審査の後にまた検討材料になるという考えはあるんでしょうか。

#38
○政府参考人(三上明輝君) 国連の方からどういった御意見をいただくかといったようなことは常に我々としては関心持っておりますし、そういったものも政策委員会に御報告をする、そこでもまた御意見伺うといったようなことなどで、検討の中にそれは当然入っていく、このように考えております。

#39
○横沢高徳君 分かりました。
 次に、法の対象への関係者の追加についてを大臣にお伺いいたします。
 障害者権利条約一般的意見六では、障害に基づく差別は、現在障害がある人、過去に障害があった人、将来障害を持つようになる素因がある人、障害があると推定される人に加えまして、障害のある人の関係者、これは家族、仲間でございます、に行われる可能性がある。まあ、後者は関係者差別として知られておりますが。
 現行法の対象者は障害者本人に限られているところ、国際条約に合わせて法の対象者に家族などの関係者も加えることを基本方針に盛り込むことが必要と考えますが、大臣の御見解をお伺いいたします。

#40
○国務大臣(坂本哲志君) 障害者の家族等の関係者に対する障害を理由とする差別につきましても、その解消が図られるべき重要な課題であるというふうに考えております。
 令和二年六月に取りまとめられました障害者政策委員会の意見書におきましても、例えば、基本方針におきまして、障害者の家族その他の関係者に対する差別も障害者本人に対するものと同様に解消すべきものである旨を示すこと等について検討すべきというふうにされているところであります。
 このため、その意見書の提言も踏まえまして、今後、基本方針における記載につきまして検討してまいりたいというふうに考えております。

#41
○横沢高徳君 やはり、障害者当事者だけじゃなくて、ヘルパーさん、友達、そして家族も一緒に差別を受ける機会って結構あるんです。是非これを、大臣、基本方針に入れ込んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは次に、相談窓口の一元化についてお伺いいたします。
 先ほど今井議員からも相談に対する質疑がありましたが、現在、各省庁には相談窓口はありますが、差別を受けたと思ったときにどの省庁が担当になるのか分かりにくい場合があります。例えば、飲食店で入店拒否があった場合、厚労省なのか、農水省なのか、経産省か、内閣府、なかなか分かりづらいと。実際に、たらい回しに遭って担当する省庁の窓口にたどり着けなかったという事例も聞かれます。一方で、担当窓口が誠実に対応して解決している事例もきちんとあります。
 差別を解消するために不可欠だと考えますが、この相談体制ですね、佐藤参考人にお伺いしたいんですが、現場の現状どのようになっているのか、現場の声をお聞かせいただきたいと思います。

#42
○参考人(佐藤聡君) ありがとうございます。佐藤です。
 最初に、一言お礼を言わせてください。
 民間事業者の合理的配慮義務化は私たちが長年求めてきたことで、それを盛り込んでいただいて改正法案を国会に出していただいたことに、まず、坂本大臣を始め内閣府の皆様に本当に感謝申し上げます。そして、国会で真摯に審議をしていただいている国会議員の皆様にも心から感謝申し上げます。
 お答えをいたします。
 私たちDPI日本会議に相談されました二つの事例を御報告します。省庁の名前を出してしまって本当申し訳ないんですけれども、実態を知っていただきたいと思います。
 まず一つ目は、二〇一七年に神奈川県であった事例なんですけれども、車椅子の方が飲食店で入ろうと思ったら、入店拒否に遭ったんです。で、農水省に相談をしたんですけれども、飲食店の関連は厚労省へというふうに言われまして、厚労省の対応指針の窓口に電話をしました。ところが、飲食店所轄の部局に掛け直してほしいというふうに言われまして、飲食店所轄の部局に掛けたんですけれども、ここではなくて食品衛生課に連絡をしてくださいというふうに言われました。その後、食品衛生課に電話をして相談したんですけれども、二か月間返事がなかったんです。で、もう一度催促のお電話をしたんですけれども、その後、連絡は来ないままです。この一連の流れで大体二か月掛かっております。残念ながら解決しなかった事例です。
 もう一つは、担当窓口で解決していただいた事例です。
 二〇一八年に東京都であった事例なんですけれども、全国チェーンのエステのお店で施術を受けたいと電話をして、車椅子ですということを伝えたら、車椅子の人は施術をすることができませんというふうに言われたということです。つえで歩行が可能ですと伝えたんですけれども、車椅子の人は全員断らせてもらっているというふうに言われたということです。設備やスタッフのスキル共に受入れ体制が整っていないということが理由だったということでした。
 まず御本人が省庁の相談窓口に相談したんですけれども、厚労省から内閣府、法務局へと回って、法務局で止まってしまったんですけれども、私たちDPIに相談がありまして、DPIから厚労省に問い合わせると、美容は厚労省が所轄なんですけれども、エステは違うので、経産省に連絡してくださいというふうに言われまして、経産省のヘルスケア産業課に御相談しました。そうしましたら、経産省からエステのお店に事実確認をしてくださって、お店も内容どおりであるというふうに認めたそうです。
 その会社としては、解消法への対応として指針を作っているんですけれども、車椅子の人に対しては、付添いや対応に慣れたスタッフがいるかなどによって施術を受けてもらっていることもあるそうです。一律に拒否をしているように伝わってしまって、不快な思いをさせて申し訳なく思っている、マニュアルを見直し、今後同じようなことがないように徹底するということになりました。
 以上です。

#43
○横沢高徳君 佐藤参考人、ありがとうございます。現場の生々しい実情でございます。
 やはりなかなか、相談したいんだけれども解決にたどり着かないという例もまだまだ残っているということで、大臣、これ、ワンストップ相談窓口を設けて、まずそこで受けまして、担当省庁の相談窓口につなぐ仕組みが非常に重要になってくると考えます。
 さらに、そのワンストップ相談窓口は、法の趣旨から鑑みて、内閣府の障害者差別に特化した相談窓口を設置することが必要になってくると考えますが、大臣、内閣府に是非このワンストップ相談窓口の開設を検討していただきたいんですが、いかがでしょうか。

#44
○国務大臣(坂本哲志君) 障害を理由とする差別の解消を推進するためには、今、佐藤参考人おっしゃいましたように、相談のたらい回しを防止すること、相談をしっかりと受け止める体制の整備は大変重要であるというふうに考えております。
 この考え方の下、本法案では、国と地方公共団体との連携協力の責務を定めることとしておりまして、これを踏まえ、相談事案が適切な行政機関に引き継がれる体制整備などを進めていきたいと考えております。
 障害者政策委員会の意見書が昨年、令和二年六月に出されました。その中で、「相談のたらい回しを防止する等の観点から、国における新たなワンストップ相談窓口の設置や既存の相談窓口の効果的な活用、国・地方公共団体の役割分担の整理などを含め、どのような対応が可能かについて検討すべきである。」というふうに意見が出たところでございます。
 これを受けまして、内閣府におきまして、今年度、令和三年度には、効果的な相談体制の在り方等につきまして調査研究を行うこととしております。そして、一元的な相談窓口なども含めて、相談体制の在り方を検討し、適切な仕組みが整えられるよう、しっかりと取り組んでまいります。

#45
○横沢高徳君 やはり相談を受けて初めて現状を知れるし、情報も集まってくるし、今後の合理的配慮の対策にもつながると思いますので、この相談窓口、すごく大事だと思いますが、大臣の今のお気持ちとしては、必要なのか、考えるのか、有効なのかと考えるのか、もう一度ちょっと大臣の思いをお聞かせ願いたいと思います。

#46
○国務大臣(坂本哲志君) 今、佐藤参考人言われましたようなことを現実に聞きますと、非常にやはりそういうワンストップ相談窓口が必要かなというような気もいたしますが、様々な課題もまたそれによって生じてくるところもあると思いますので、そこは提言の、この意見書も含めまして、今後、相談体制というものをしっかりと検討してまいりたいというふうに思っております。

#47
○横沢高徳君 きちんとやはり相談したい方が相談できて問題解決できる体制を、大臣、リーダーシップを取って整えていただきたいと思います。
 次に、関連して、事例の収集と公表についてお伺いいたします。
 衆議院内閣委員会の審議で、毎年事例を収集しているという質問に対して三上参考人からは、毎年度調べているところでございますという答弁があったと承知しております。その収集した事例は公表はされているのでしょうか、お伺いいたします。

#48
○政府参考人(三上明輝君) これまで収集した事例につきましては、これらを整理した上で、合理的配慮の提供等の事例として内閣府のウエブサイトにおいて公表しているところでございます。
 印刷物にしますと八十数ページぐらいになるものでございますけれども、障害の種別は十種類、場面別として七種類で、合理的配慮の事例としては百六十四事例、それから、あわせて環境整備の事例、百八ぐらいでしょうか、そういったものを収録しているところでございます。ウエブサイトでも御覧いただけます。

#49
○横沢高徳君 それは全ての省庁の事例を内閣府で吸い上げているということでしょうか。

#50
○政府参考人(三上明輝君) 事例の収集に当たりましては、関係府省、それから地方公共団体、それから障害者政策委員会の委員をお願いしている障害者の関係の団体など、そういったところを通じて集めているものでございますが、関係府省含まれております。

#51
○横沢高徳君 事例は、やはり集めることと情報共有、そしてどのように解決していったかというプロセスもすごく大事だと思いますので、今後、全ての省庁、自治体から寄せられた相談と対応後の結果も公表して、皆さん、事業者も含めて有効的に使っていただきたいと思いますが、御見解をお伺いいたします。

#52
○政府参考人(三上明輝君) 今回の事業者による合理的配慮の提供の義務化に当たりまして、事前に事業者の方々などからもヒアリングを行いましたけれども、その際も、やはり自分たちが参考にできるような事例をしっかり集めて提供してほしいといったような御意見たくさんいただいておりますので、個別の事例におきまして、障害当事者と事業者の間でどういった合理的配慮の中身が提供されるべきであるかとか、あるいはその過重な負担についてこういった認識の相違が生まれないようにといったような観点からも、そういった事例の重要性ますます高まってくるものだろうと思っておりますので、しっかり収集、整理して、事業者、それから障害者の方、国民一般の方々が見られる形で提供してまいりたいと考えております。

#53
○横沢高徳君 ありがとうございます。
 次に、相談体制の内容とメンバー構成についてお伺いをいたします。
 内閣府は、今年度、効果的な相談体制の在り方について調査研究を予定しているとのことでございます。差別の解消を進めるには障害当事者を調査メンバーに加えることが必要と考えますが、この調査研究はどのような内容で誰が行うのか、お伺いをいたします。

#54
○政府参考人(三上明輝君) この調査研究でございますけれども、中身といたしましては、制度の運用状況ですとか類似するほかの制度との整合を調査する、あるいは基本方針に盛り込む事項をどういったものがあるかといったようなことの基礎を得るための考え方などを得ていきたいと考えておりまして、地方公共団体への調査、あるいは有識者へのヒアリング、それからニーズの調査、それから好事例の調査などもしていきたいと。
 そういった手法を通じて、相談事例など情報収集、それから共有の在り方、相談体制の在り方などを検討してまいりたいと思っておりますけれども、その構成につきましては、地方公共団体の関係者ですとか学識経験者、それから相談体制の利用者であるところの障害者あるいは事業者の団体の代表者といったもので構成する検討会を設けて、そこでの議論を踏まえて成果を取りまとめたいと、このように考えております。

#55
○横沢高徳君 済みません、ちょっともう一回確認したいんですが、そこに、障害団体の代表者とか言ったんですが、障害当事者は入るんですか。

#56
○政府参考人(三上明輝君) 具体的な構成につきましてはこれから検討することになるわけでございますけれども、障害当事者の方々含めて関係者の意見を反映しながら調査研究を進めてまいりたい、このように考えております。

#57
○横沢高徳君 ありがとうございます。
 次に、事業者からの相談に対する対応についてお伺いします。
 事業者も、やはり今の時代が、先ほど今井議員の話にもありました、社会全体が、前向きに取り組んでいらっしゃる事業者もたくさんいて、合理的配慮を提供したいと思っている事業者もたくさんいると思います。そこで、どういうふうに合理的配慮を進めていったらいいのか、事業者の方も不安や疑問があると思います。事業者の不安や疑問に対する相談体制がこれから円滑に進むようにどのような対応を考えているのか、お伺いをいたします。

#58
○政府参考人(三上明輝君) この過重な負担についてでございますけれども、まさにこれは、合理的配慮の提供に際しまして、個別の事案ごとに費用負担の程度ですとか事業規模等の要素を考慮として、場面、状況に応じて総合的、客観的に判断されるものでございます。したがいまして、合理的配慮の内容といったものは多様でまた個別性が高いということもございまして、この法律の仕組みとしては、事業を所管する主務大臣が事業分野ごとに対応指針を定める、こういう仕組みになってございます。
 この法律が成立した後は、政府として、まず基本方針を政府全体の方針として閣議決定して、それを踏まえて、各省庁がそれぞれの業について定めている対応指針を改定するといったことを通じまして、事業分野ごとにきめ細かく対応していくということ、それからまた、こういった合理的配慮の提供を事業者に義務化することに伴いまして、この法案では、相談体制の充実ですとか、事業者が参考にできる事例の収集、提供の確保といったような支援措置の強化のための規定も盛り込んでおりますので、こういった取組を通じて、事業者への支援にも資するような、そういった取組進めてまいりたいと思います。

#59
○横沢高徳君 先ほど障害当事者からのワンストップ相談窓口の話はあって、検討するんですが、やはりそういうワンストップのような窓口に事業者からの相談にも対応できるような対応は検討していらっしゃるんでしょうか。

#60
○政府参考人(三上明輝君) 今後のその相談体制の在り方を検討する中でということになりますけれども、基本的に、どちらかからしか受けないといったようなことではなくて、どちら側からの相談も受けられるような、公的な機関が設けるとすれば恐らくそういった形になっていくのではないかというふうに考えます。

#61
○横沢高徳君 やはり障害当事者の要望だけじゃなくて、やはり事業者も障害当事者も対立するのじゃなくて、同じ方向を向いて、そうだよねというところに是非持っていっていただきたいと思います。
 それでは、次の質問に移らせていただきます。
 障害のある女性や子供やLGBTの複合差別の解消についてお伺いをいたします。
 二〇一九年に国連権利委員会が日本政府に出した事前質問事項では、障害のある女子の権利を主流化する一般的な男女平等政策及び障害のある女子の権利を実現するための特別の立法措置、政策及び行政措置、障害者差別解消法が、直接差別、間接差別、複合差別及び交差差別であれ、障害のある女子に対するものを含め、生活のあらゆる分野において障害に基づくあらゆる差別を禁止しているかどうかを本委員会に対しお知らせ願いたいと国連の方からあります。
 国連が注目している内容と言えますが、この点について、国際社会の動きと現在の日本の取組の現状など、佐藤参考人に是非お話を伺いたいと思います。

#62
○参考人(佐藤聡君) ありがとうございます。
 私は、二〇一四年にジュネーブで権利委員会の建設的対話を傍聴に行きました。このときはニュージーランドと韓国などの一回目の建設的対話があったんですけれども、どの国の建設的対話でも複数の権利委員の方から、あなたの国は障害女性の複合差別に対してどのような取組をしていますかという御質問が出ておりました。国際的にはこの複合差別は重要な課題なんだなというふうに認識しました。
 障害者権利条約第六条と一般的意見三号で、締約国に、複合差別と闘うこと、障害のある女性の権利を全ての政策に盛り込むために、適した法律、政策、行動の採用を求めています。
 日本は、障害者基本法、障害者差別解消法では、いずれも性別に応じてという文言があるだけなんです。諸外国の差別禁止法や平等法は、韓国、インド、イギリスなど、複合差別に関して条文を設けて重点的に取り扱っており、法律に基づいて、障害女性等の複合差別を認識し、その解消に重点的に取り組むことができます。イギリス平等法は、障害があるLGBTQに対する差別も禁止しています。
 そのように障害と他の差別事由が複合する差別に対して取り組める法律が必要です。障害女性の実態が分かる統計データを出すように国連からも勧告、日本はされているんですけれども、いまだにちょっと不十分です。例えば、文科省の特別支援教育資料や学校基本調査において、各学校における障害児童生徒の性別の正確な統計が作成されておりません。障害者雇用促進法に基づく毎年の報告は、報告項目に性別が入れられておりません。
 施策を立案する上で実態把握は不可欠であり、性別との関係で集計、分析を可能とする必要があると思います。
 以上です。

#63
○横沢高徳君 ありがとうございます。
 先ほど佐藤参考人からもあった、障害女性の複合差別について意見を求められているという話がありましたが、日本政府が二〇一六年に国連に提出した第一回日本政府報告では、今後の課題でデータの、統計充実が挙げられ、特に年齢、性別、障害等のカテゴリーによって分類された条約上の各権利の実現に関するデータに基づき、障害当事者、関係者のニーズを踏まえた収集が求められているので、次回報告提出までの間に改善を努めたいというふうに、二〇一六年になっていますが、現在の取組状況をお聞かせいただきたいと思います。

#64
○政府参考人(三上明輝君) 済みません、ちょっと、ただいまその個別の取組についてお答えするちょっと材料がございませんが、基本的に、障害者基本法に基づいて定められるその基本計画等に基づいて関係の省庁、取組進めているということだと思います。

#65
○横沢高徳君 それであれば、先ほど佐藤参考人からあった障害女性の複合差別などについての統計データなどは今ないということでしょうか。

#66
○政府参考人(三上明輝君) 済みません、ちょっと今手元に分かるものがございません。

#67
○横沢高徳君 もし、後ほど、分かっていたら、データ提出お願いします。
 今の佐藤参考人の意見を踏まえて、将来的には障害者差別解消法の条文で複合差別の規定を設けることも必要だと感じます。今後予定されている、先ほどもあったように、国連の障害者権利委員会の対日審査を受けて、また更なる法改正も含めていろいろ対応が必要と考えますが、大臣の御見解をお伺いいたします。

#68
○国務大臣(坂本哲志君) これまで事例の収集に努めてはまいりました。しかし、いわゆる複合差別につきましては、いまだ具体的にどのような事例が該当するのか明確でないこと等から、こうした状況下では、法律上、複合差別のための定義規定等を設けることは困難であるというふうに考えております。
 一方で、障害者政策委員会は障害者基本計画の実施状況を監視することとされており、同計画に盛り込まれている差別の解消等の取組として、本法律の施行状況についても必要に応じて御議論いただくことになるというふうに考えております。
 内閣府といたしましては、引き続き、障害者政策委員会での議論や、それから、国、地方公共団体に対する実施状況の調査、事例の収集等によりまして、運用状況の把握を通じまして、適宜制度や施策の在り方を点検、検討してまいりたいというふうに考えております。

#69
○横沢高徳君 この複合差別について、基本方針策定に関して是非検討していただきたいと思います。
 次に、施行期日について大臣にお伺いいたします。
 法案では、施行期日は、公布の日から三年を超えない範囲内において政令で定める日から施行するとなっております。
 自治体においては、既に千葉県条例二〇〇七年や東京都条例二〇一八年でも民間業者の合理的配慮の義務化は実施されており、大きな混乱は起きていないと聞いております。また、障害者差別解消法は二〇一三年に成立し、既に八年が経過しており、十分周知もされていると感じます。
 法改正に伴う基本方針や対応要領、対応指針の改定は、一から作るのではなく部分的な改定にとどまるので、公布から一年半程度あれば施行できるのではないかと考えますが、三年以内になった理由と併せて御見解をお伺いいたします。

#70
○国務大臣(坂本哲志君) 今般、事業者による合理的配慮の提供を義務化するに当たりまして、事業者団体等から、合理的配慮や過重な負担の考え方の明確化、それから、相談体制の整備、事例の収集、共有の仕組みが必要との多くの御意見をいただいたところでございます。
 本法案の成立後には、障害者や事業者等の関係者の意見も踏まえながら、まず基本方針を改定しなければなりません。それを受けまして、次に、各省庁においては、それぞれの所管分野を対象とした対応方針、いわゆるガイドラインを見直すことになります。そして同時に、各地方公共団体においても、こうした動きと併せて、相談体制の整備を始め様々な対応が必要になってくるというふうになります。
 このため、本法案では、これらの取組や国民全体への周知啓発といった施行前の準備に必要な期間を勘案いたしまして、その施行のタイミングを公布の日から起算して三年を超えない範囲としたところでございます。
 ただ、本法案におきまして、公布の日から起算して三年を超えない範囲で施行するものとされておりますけれども、ただいま申し上げました、必要な準備をしっかり行った上で、丸々三年を掛けることなく、なるべく早く施行できるよう努めてまいりたいというふうに思っております。

#71
○横沢高徳君 大臣が今おっしゃられたように、なるべく早い時期に施行できるよう、是非よろしくお願いを申し上げます。
 次に、立法府と司法府の適用についてこれも大臣にお伺いしたいんですが、現行法では、立法府及び司法府は三権分立の観点から自律的に措置を講じることが適当と、法の対象外とされております。
 しかし、立法府においては、二〇一六年五月には衆議院厚生労働委員会で、ALSの男性がやり取りに時間が掛かるとして参考人招致を取り消されている事例が発生いたしました。そして、司法府においては、知的障害者や精神障害者が被疑者となった場合、十分な捜査手段が取られていないために、宇都宮知的障害者冤罪事件のような冤罪事件も発生しているのが現状でございます。また、傍聴に関しても、手話や要約筆記といった必要な情報保障や車椅子席等の準備がされないといったケースも聞かれます。
 良い例としては、我が参議院では、本会議場のスロープ設置や、施政方針演説や代表質問の参議院インターネット中継での手話通訳導入、又は傍聴席のバリアフリー化など、自主的に合理的配慮が進んでいる例もあります。
 立法府と司法府において、合理的配慮の提供を含めて更なる差別解消の取組が必要と考えますが、大臣の御見解をお伺いいたします。

#72
○国務大臣(坂本哲志君) 障害者差別解消法におきまして、国会及び裁判所も国の責務を規定する第三条の対象から除外されるものではありません。
 他方で、不当な差別的取扱いの禁止や合理的配慮の提供といった具体的な措置との関係では、国の行政機関が法の対象とされているのに対しまして、国会及び裁判所につきましては、委員御指摘ありましたように、三権分立の観点からその対象とされていないところであります。
 したがいまして、国会及び裁判所につきましては、障害者差別解消法の趣旨を踏まえながら、それぞれの実態に即した自主的な取組を行っていただくことが適当かというふうに考えております。

#73
○横沢高徳君 我が参議院では非常に前向きに、合理的配慮の整備がここに来てぐっと進みました。非常に良い取組だと思いますので、大臣からも是非、合理的配慮、今回の法成立に伴って、周りに周知、リーダーシップを取って進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 次に、合理的配慮の解決に向けて、事業者と当事者、どちらが立証するのかの観点からちょっとお伺いしたいんですが。
 本法律の合理的配慮の趣旨は、障害当事者と事業者の建設的な対話によって解決するということは理解しておりますが、過重な負担がない範囲で合理的配慮を提供すべき側ができない側の理由を示すことが法の趣旨にかなうと考えられますが、この点について御見解をお伺いいたします。

#74
○政府参考人(三上明輝君) 障害者差別解消法は、ただいま御指摘ございましたとおり、事業者と障害者との間で建設的な対話が行われ、相互理解を通じて合理的配慮の提供が行われることで障害を理由とする差別の解消を目指している、こういうものでございます。
 こうした考え方に立ちますと、一方的に事業者側のみに過重な負担に係る説明責任を負わせるということは適当でないと考えておりまして、負担の有無、程度、代替手段について事業者側から必要な説明や申出を行う、併せて障害者側からも、事業者側の説明や申出に対する障害者側の考えを伝える、あるいは別の代替手段の申出を行っていただくといったような、双方向で建設的な対話を重ねていただくことが重要であると考えております。
 内閣府としては、両者の建設的な対話が促進されるように、事例の共有、相談体制の整備、普及啓発等の取組をしっかりと進めてまいりたい、このように考えております。

#75
○横沢高徳君 そうですね、その上で、環境整備の更なる推進策についてお伺いをしたいと思います。
 民間事業者の合理的配慮を法的義務にする以上は、国は民間事業者がその義務を十分に果たすことができる環境整備を行わなければいけないと考えます。
 例えば、車椅子で飲食店に入ろうとしたときに、店舗内の椅子が全て固定椅子の場合は、車椅子でテーブルに座って食事をすることはできません。事前的に改善措置として環境整備が不可欠となってきます。また、情報のバリアフリーの視点からは、民間業者の従業員などが、点字や音声、拡大文字で情報提供始め、代読、代筆のサービスの提供を行うために技能を習得できる機会をつくっていかなければならないことも考えられます。
 配付資料を御覧ください。これは、合理的配慮の支援をする助成制度がある明石市の事例を御紹介いたします。
 これは本当に多大な予算を使わなくても簡単に合理的配慮が進められるいい事例だと思いますが、このような取組が民間事業者などの合理的配慮の推進の後押しとなるように、国や自治体、民間事業者などで、障害者手帳の所持者に限らない、読み書きや移動に困難のある全ての人が平等に対応できる環境づくりのため、国として財政的な支援を今後行うべきと考えますが、坂本大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

#76
○国務大臣(坂本哲志君) 障害者差別解消法の第五条の環境整備についての規定では、行政機関等及び事業者が合理的配慮の的確な実施に向けた環境の整備を進めることについて、一般的な責務として定めているところであります。環境の整備には、施設のバリアフリー化、そして人員の確保、職員等への教育、研修など様々な対応があります。ここに資料として、参考資料として提示されたとおりでございます。
 これらの中には相当の費用や時間を要するものも含まれており、また、障害者差別解消法が事業者の規模や経営状況にかかわらず幅広い分野に適用されるものであることから、これらの対応を一律に義務とすることは難しいと考えております。
 また、合理的配慮は個別の事案においてあくまで過重な負担のない範囲といった要件の下で行われるものであるため、費用面の支援が必要となるような対応について、その促進を図るための助成措置を設けることまでは考えていないところでございます。
 内閣府といたしましては、障害者差別解消に向けた取組の一環として、例えば、内閣府から事業者向けの情報提供を行う際には、各省庁におけるバリアフリー化等に係る助成制度についての情報も適宜含めることなどを取り組んでまいりたいと考えております。

#77
○横沢高徳君 そうですか。お金がないのかな。
 各省庁の取組を、是非、この合理的配慮の、こういう自治体が取り組んでいる好事例もありますので、これを後押しするような予算、財政措置も是非今後検討していただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

#78
○国務大臣(坂本哲志君) 自治体の様々な取組に対してそれを後押しするような様々な対応、これは予算措置だけではなくていろんな形でできると思いますので、そこは十分考えてまいりたいというふうに思っております。

#79
○横沢高徳君 是非、事業者の方々の負担を少なくして、なるべく合理的配慮が進む体制づくりをお願いしたいと思います。
 それでは次に、障害者差別解消法の合理的配慮の代表例として挙げられている点字、拡大文字の情報提供及び代読、代筆サービスの提供という、いわゆる情報のバリアフリーの視点からお伺いいたします。
 障害者差別解消法の基本方針には、社会的障壁による不便が生じている人、いわゆる障害者手帳の所持者に限られない者も法の対象としておりますが、社会の様々な状態によって、視覚障害を始め、又は高齢者ですね、高齢者や身体的な状況など、読み書きに不便を感じている全ての人を法の対象者と考えてよいのでしょうか、お伺いをいたします。

#80
○政府参考人(三上明輝君) 障害者差別解消法では二条の第一号におきまして障害者について定義を置いてございます。それによりますと、身体障害、知的障害、精神障害、発達障害を含む、その他の心身の機能の障害がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう、これが定義でございます。
 御指摘のありました読み書きに不便が生じている方につきましても、心身の機能の障害が生じており、その障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にある、こういう場合には障害者差別解消法で定める障害者の対象になるものでございまして、いわゆる障害者手帳をお持ちの方に限られるものではないという旨は基本方針においても明示しているところでございます。
 情報バリアフリーの推進につきまして、障害者基本計画を所管する立場としても、読み書きに支障が生じている方が円滑に情報にアクセスし、又はコミュニケーションを図ることができるように着実に施策を実施してまいりたい、このように考えております。

#81
○横沢高徳君 是非、この情報のバリアフリー化というのはやはり我が国ちょっと遅れがちですので、またこれから電話リレーサービスも始まりますので、是非、情報のバリアフリー、内閣府としても進めていただきたいと思います。
 次に、対応要領の改定についてお伺いをいたします。
 衆議院の答弁で、民間向けの対応指針の改定は行われるとのことでした。ただ、行政機関向けの対応要領の改定については言及はなかったと承知しております。
 例えば、新型コロナワクチン接種の通知が視覚障害者等の読み書きに困難がある人に読めない形で通知されてしまうなど、行政機関が保有、発信する情報を、障害を持たれている方に十分に伝わっていない事例もあると聞きます。
 法改正に合わせて、行政機関に情報のバリアフリーを徹底するように対応要領についても改定していただきたいと考えますが、この点についていかがでしょうか。

#82
○政府参考人(三上明輝君) 今御審議をお願いしている改正法案が成立した場合には、まず、事業者による合理的配慮の提供やその支援措置に関して基本方針の内容を見直すことを予定してございます。
 他方で、行政機関については、合理的配慮の提供は現行法において既に義務とされておりまして、今回の法改正を直接の契機として行政機関等の職員向けの対応要領の改正が必要になるものではございません。
 ただ、先ほどもコロナワクチンの接種の話などもございましたし、基本方針の見直し、それから法律施行後五年間たっているという間にいろいろな状況があり、問題としての指摘などもされているところでございますので、そうした状況を踏まえて、必要があれば各行政機関の長が対応要領について今後改定する基本方針の内容を踏まえましてこの機会に必要な見直しに取り組むということはあり得るものと考えております。

#83
○横沢高徳君 今回のコロナウイルスの件もあっていろんな事例が出ていると思いますので、この事例をしっかりと把握して、踏まえて改定のほどをよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 先ほども申し上げましたが、やはり障害のある方、事業者、対立するのではなくて、やはりみんなで誰もが差別受けない住みやすい社会をつくる、みんながそうだと思う方向に行くような施策を是非進めていただきたいと思います。
 時間も来ましたので。
 障害を受けることは、それ自体は必ずしも不幸ではありません。それよりも、障害を受けることによって、共に学び、共に働き、共に文化、スポーツを楽しむ、そして共に地域社会に平等に参加することが妨げられている現状こそが不幸なのであります。
 また、健常者と言われる方でも、誰もが一瞬にして障害者となる可能性を秘めているのであります。障害を受けた人、家族、仲間、全ての人が社会的差別やハンディキャップを負わなくても済むような社会、どんな逆境に遭遇しても決して人生を諦めることなく、生きる喜びを感じられる社会をつくるため、これからも皆様とともに力強く歩み続けてまいりたいと思います。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

#84
○石川博崇君 おはようございます。公明党の石川博崇でございます。本日は質問の機会をいただきまして大変にありがとうございます。
 早速法案の審議に入らせていただきたいと思います。
 障害者差別解消法は、障害のあるなしにかかわらず、人格と個性を尊重し合う共生社会の実現を目指す法律として二〇一三年に成立、二〇一六年四月に施行されました。国や地方公共団体、民間の事業者に対して、障害を理由とする不当な差別を禁じるとともに、障害者の社会参加に必要な配慮が求められています。
 そんな中で、今回の改正案は、法施行後三年の見直し作業を経て、合理的配慮を民間事業者に対しても義務化することを主眼とするものでありまして、多くの障害当事者の皆様、団体の皆様が長年要望してきたものであります。一日も早い成立と、そして施行が期待されております。
 既に全国の地方公共団体では、十八の地方自治体で、条例で事業者に対して合理的配慮を義務付けているところもあります。東京都も二〇一八年に条例が成立しております。こうした各地方自治体の取組も国を後押しをしてきたものと感謝を申し上げたいと思います。
 今後、バリアフリー社会の実現を目指し、この合理的配慮の取組で官民が足並みをそろえていかなければならない。今回の事業者への合理的配慮の義務化の意義について、改めて坂本大臣からお聞かせいただきたいと思います。

#85
○国務大臣(坂本哲志君) 事業者による合理的配慮の提供の義務化によりまして、社会的な規範としての確立が図られることで、合理的配慮の必要性が社会全体で強く認識されるようになることが期待をされております。
 これまで合理的配慮の提供に取り組んできた事業者には改めて認識を深めていただくとともに、取組が十分でなかった事業者には合理的配慮の提供に真摯に取り組んでいただくことで、障害の有無により分け隔てられることのない共生社会、ひいては、高齢者等も含め誰一人として取り残されることのない包摂的な社会の実現に向けて大きく前進が図られるものというふうに期待しております。

#86
○石川博崇君 その上で、この改正法の早期施行というものが求められます。先ほども御指摘ありましたけれども、今回の改正法は施行されるまで公布後最大三年掛かるという規定になっております。確かに、施行までには、基本方針の改定、これは障害当事者も参加される政策委員会での丁寧な議論が必要となりますし、また、各主務大臣における対応指針の見直しに当たっては、障害者、事業者双方の間での意見を踏まえた検討が必要になることは十分理解できるところでありますが、可能な限り早い早期施行に向けて、坂本大臣のリーダーシップを発揮をしていただいて全力で取り組んでいただきたいと思います。
 その上で、少しでも施行までの期間を短縮するために、提案でございますけれども、例えば、地方公共団体で事業者から相談に対応していただく人材育成のための研修、あるいは事業者が合理的配慮に対応するための準備に対して国としてしっかり必要な支援を行っていく、こうしたことが求められると思いますけれども、坂本大臣の御所見を伺いたいと思います。

#87
○国務大臣(坂本哲志君) 本法律の成立後には、障害者や事業者等の関係者の意見を踏まえつつ基本方針を改定をいたします。それを受けまして、各省庁、その主務大臣においては、それぞれの所管の分野を対象とした対応指針、いわゆるガイドラインを見直すこととなります。あわせて、各地方公共団体におきましても、こうした動きと併せまして、相談体制の整備を始め様々な対応が必要となります。このため、本法案では、これらの取組や国民全体への周知啓発といった施行前の準備に必要な期間を勘案いたしまして、その施行のタイミングを公布の日から起算して三年を超えない範囲内としたところであります。
 こうした中で、内閣府におきましては、今年度の調査研究におきまして効果的な相談体制の在り方を検討することとしております。その結果も踏まえながら、地方公共団体に対する支援策についてもどのような対応が必要か検討していきたいというふうに考えております。
 また、事業者に対しましては、これまでも必要な普及啓発に努めてまいりましたけれども、法の趣旨や合理的配慮について分かりやすく紹介するポータルサイトの設置や新たなリーフレットの作成等の取組を通じまして一層の普及啓発に努めてまいりたいと考えております。
 ただいま申し上げました内容を含め必要な準備をしっかりと行った上で、そしてなるべく早い施行ができるよう努力してまいりたいと考えております。

#88
○石川博崇君 是非よろしくお願いいたします。
 今回の合理的配慮の提供について、配慮を求められる側の負担にも配慮がなされていて、その実施に伴う負担が過剰でないときという、先ほど来議論もあります負担の、過剰な負担というものが義務の範囲の限定という形になっております。
 しかし、この負担が過剰とは一体どのような場合なのかということについて、基本方針には、事務事業への影響の程度、実現可能性の程度、費用、負担の程度、事務事業規模、財政、財務状況といった要素を考慮して、具体的場面や状況に応じて総合的、客観的に判断することが必要であるというふうに書かれております。具体性が余りないというふうに言わざるを得ないと思います。この過剰な負担を都合よくある意味解釈することによって合理的配慮の義務を回避する口実とするようなことはあってはならないというふうに思います。
 この過剰な負担が必要以上に広く解釈されないようにするためにどのように取り組むのか、政府のお考えを伺いたいと思います。

#89
○政府参考人(三上明輝君) 基本方針等におきましては、合理的配慮の提供における過重な負担について、ただいま御紹介いただきましたような基本的な考え方を示しているところでございます。
 内閣府といたしましては、事業者、障害者、さらには国民、広く一般に周知啓発を行うこと、関係省庁と連携しながら様々な事例の収集、共有を行うことなどを通じて関係者の理解が進むように尽力してまいりたいと考えております。
 国及び地方公共団体は障害者等からの相談に応じることとしているほか、その事業を所管する主務大臣は、特に必要があると認めるときには、報告の徴収、助言、指導、勧告といった権限を行使することによって法の実効性を確保することとしておりますので、事業者によっていたずらに過重な負担の範囲が広げたような対応がなされないように、こういった主務大臣の権限なども必要があれば行使をするといったところが考えられるところでございますので、こうした仕組みを適切に運用しながら合理的配慮の提供が進むように取り組んでまいります。

#90
○石川博崇君 今御答弁にありましたとおり、過剰な負担を口実としないというためにも、相談窓口をしっかり整備をしていくこと、また法の第十二条にある、報告の徴取、助言、指導、勧告といった権限が主務大臣にあり、この運用をしっかりしていくという御答弁がございました。この法の趣旨に従った運用をしっかり行っていただくよう求めたいというふうに思います。
 合理的配慮を今後提供していくに際して最も重要なポイントは、先ほど来も御議論があります、障害者の方々とその関係者、また事業者の間で建設的対話が適切に行われることでございます。この建設的対話をいかに促進をしていくのか。事業者等が合理的配慮の趣旨を十分に理解をして、障害当事者との間で真摯な対話に臨めるようにしていく必要があります。
 そういう意味でも、法改正後の基本方針、また事業者のための対応指針の改定、これから行っていくわけですけれども、国としてこの建設的対話の促進に関して具体的でできる限り明確なガイドラインを示すべきと考えますけれども、政府の今後の取組についてお伺いをしたいと思います。

#91
○政府参考人(三上明輝君) 合理的配慮の提供に当たりましては、御指摘ありましたとおり、事業者と障害者との間の建設的な対話を通じて柔軟な対応がなされ、障害をお持ちの方が直面している社会的な障壁が適切に取り除かれることが期待されるところでございます。
 この建設的な対話を促進するためには、その重要性も含めて法の趣旨等について広く国民の一般の方々にも周知をして理解を得ていくこと、事業者等が参照できるような様々な事例の収集、共有を図っていくことが非常に重要になるわけでございます。
 法の趣旨等の周知啓発に関して、これまでも、ポスターあるいはリーフレットの配布、さらには障害者週間の機会などを活用した広報などで広報に努めてまいりました。これに加えて、今年度予算において、法の趣旨あるいは合理的配慮について分かりやすく紹介するポータルサイトの設置、新たなリーフレットの作成等のために必要な経費を計上しております。
 事例の収集、共有に関しましても、本法案において、国において事例等の収集等を行うものとする旨の現行法の規定に、直接相談対応することが多い地方公共団体についても同様の取組を行うよう努めるべき旨を追加することとしてございます。この規定に基づきまして、今後、地方公共団体から提供された情報につきまして、国としても必要に応じて関係方面と共有するなど、障害者差別の解消に役立てたいと考えているところでございます。

#92
○石川博崇君 今も御答弁にありましたけれども、今後、この建設的対話を一層促進していくに際して非常に重要になってくるのは、地方公共団体等による事例の収集、そして整理、またそれを提供して共有をしていくこと、そして社会全体でこの建設的対話を行っていくんだという機運を醸成をしていくこと、これが非常に大事になってくると思います。
 今回の法案では、第十六条を改正しまして、地方公共団体に対して、地域における障害を理由とする差別及びその解消のための取組に関する情報の収集、整理及び提供を行うことを求めております。合理的配慮の提供の法的義務化に伴って、具体的な事例の収集、そして収集した事例をデータベース化していくこと、そして整理をして障害者や事業者に提供できる体制を整備促進していくことが極めて重要となってまいります。
 国として、是非、こうした各地方公共団体が事例の収集や整理、提供するためのデータベースを構築していくこと、これを支援していくこと、更なる情報共有につなげていくこと、このための支援を行っていく必要があるかと思いますけれども、政府の取組方針を伺いたいと思います。

#93
○政府参考人(三上明輝君) 事業者による合理的配慮の提供の義務化に伴いまして、個別の事例において障害当事者と事業者の間で提供されるべき合理的配慮の内容や過重な負担について認識の相違が生じると、こういったことが懸念されるわけでございます。したがいまして、今後、事業者や各相談機関が参考にできる事例の重要性が一層高まる、このように想定されるところでございます。
 御指摘のとおり、収集した事例につきましては、これはまさにこの法律が幅広い事業分野を対象にしているということもございますので、各事業者あるいは相談を受けた相談機関がこのケースはどこに該当するのかということをその多数の事例の中から検索して該当するものを参照できるようにする、それを簡便にできるようにするということが一つのポイントなんだろうと思っておりまして、そういった収集した事例をデータベース化することなどによりまして円滑かつ迅速に検索できるようにすることが重要だと考えております。
 事例の収集、共有を具体的にどういった形で進めていくかということにつきましては、内閣府において今年度行うこととしている調査研究の結果も踏まえまして、障害者政策委員会における議論などを通じて検討を進めていくこととしてございます。そうした中で、御提案のあったようなデータベース化のメリットなども享受できるような適切な仕組みを含めて、仕組みを考えてまいりたい、このように考えております。

#94
○石川博崇君 できる限りこのデータベース充実していただいて、そして、あらゆる当事者の皆様、また事業者の皆様が活用しやすい、また、そういったデータベースがあるんだということを社会的に周知徹底していただくよう要望をさせていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、バリアフリー化につきまして幾つか御質問をさせていただきたいというふうに思います。
 障害者や高齢者のスムーズな移動を可能にするバリアフリー法の改正が去る四月一日、全面施行されました。私も公明党のバリアフリープロジェクトチームの座長を務めさせていただいておりまして、これまで様々な当事者団体の皆様からの御意見をいただいて、このバリアフリー法の改正に努めさせていただいたこと、各団体の皆様にいただいた御協力に感謝を申し上げたいというふうに思います。
 これまで、せっかく整備されたバリアフリー設備の機能が十分に生かされていなかったり、また、駅員がスロープの設置に手間取ってしまうケースなどが相次いでいたことから、今回の法改正では、ソフト面の基準を国が新たに策定することとなりました。
 公明党といたしましては、長年、誰もが安心して暮らせる真の共生社会の実現を訴え、二〇〇〇年にこの法律の前身の交通バリアフリー法の制定を推進をするなど、バリアフリー化の促進に一貫して取り組んでまいりました。
 事業者による合理的配慮の提供の義務化に今回の法改正でなることに伴って、この法五条にあります社会的障壁の除去に関する環境の整備についても、施設のバリアフリー化などのハード面を含めて、国、地方公共団体が連携して支援を図っていくことが一層求められております。
 今回のこの障害者差別解消法の改正を踏まえて、国土交通省としてバリアフリー化推進に今後どのように取り組むのか、取組方針を御説明いただきたいというふうに思います。

#95
○政府参考人(大高豪太君) お答え申し上げます。
 法の理念である共生社会の実現に向けて、障害の有無や特性にかかわらず、誰もが安心して外出し、社会生活を送っていくことができるよう、バリアフリー環境の整備を図っていくことは大変重要であると認識しております。
 各種支援制度の活用などを通じた関係者のこれまでの取組により、例えば、一日に三千人以上が利用する鉄道駅などの九割以上の段差解消が達成されるなど、着実にバリアフリー環境の整備は進展しております。
 こうした状況を踏まえ、本年度から五年間を期間とする新たなバリアフリー整備目標においては、地方部のバリアフリー化を図るため、目標対象となる旅客施設の一日の利用者数について三千人以上から二千人以上へと対象を拡大するほか、ホームドアの設置、基本構想等の作成、心のバリアフリーの推進など新たな目標を位置付けるなど、更なるバリアフリー化を推進していくこととしております。
 これらの目標を達成するため、公共交通機関等のバリアフリー化や地域の面的なバリアフリー化を支援するバリアフリー化支援に加え、バリアフリー教育の充実などソフト対策の強化を図ることにより、引き続き、地方公共団体と連携しつつ、ハード、ソフト両面からのバリアフリー環境の整備に取り組んでまいりたいと考えております。

#96
○石川博崇君 ありがとうございます。
 少し具体的なこれからの事相について何点か御質問させていただきたいというふうに思います。
 一つは、今年は東京オリンピック・パラリンピックを予定されておりまして、その準備が進められる中で、IPC、国際パラリンピック委員会が定める世界のバリアフリー整備基準を踏まえた東京二〇二〇アクセシビリティ・ガイドラインが二〇一七年に策定されております。障害当事者の皆様からは、これまで日本のバリアフリー基準、非常に大きく遅れていたわけですけれども、このオリンピック・パラリンピックのおかげでバリアフリー化の基準が世界基準に引き上げられたと高い評価を受けているところでございます。
 しかし、残念ながら、この東京二〇二〇アクセシビリティ・ガイドラインは、バリアフリー法に、まあ一部は反映されておりますけれども、全ての内容が義務の対象となっているわけではございません。そのために、例えば、昨年完成しました栃木県のカンセキスタジアムとちぎにおきましては、車椅子の席は用意されているんですけれども、その前の席の観客の方が立ち上がると車椅子席の視界が遮られてしまう、あるいは今年改修を終えました私の地元大阪のヨドコウ桜スタジアムでは、IPCの基準の車椅子用席、本来、総席数の〇・五%を車椅子用に設けるというふうに定められておりますが、これに満たない数しか設けられておりません。
 東京オリンピック・パラリンピックのレガシーとして残していくためにも、この東京二〇二〇アクセシビリティ・ガイドラインの内容をバリアフリー上しっかり位置付けていくべきではないかと思いますけれども、国土交通省の御所見を伺いたいと思います。

#97
○政府参考人(大高豪太君) お答え申し上げます。
 東京二〇二〇アクセシビリティ・ガイドラインは、東京大会に向けて、障害当事者を含む多数の観客や大会関係者が円滑に移動するために必要となるハード、ソフトのバリアフリー化を図るため、大会組織委員会が当事者団体参画の下で策定したものでございます。このガイドラインの考え方が全国に広がることにより、真の共生社会の実現に寄与するものと考えております。
 こうした観点から、平成二十八年度、二十九年度の省内の検討会においてガイドラインの内容をバリアフリー基準等に反映すべく検討し、鉄道車両の車椅子スペースの設置数を従来の一列車一以上から二以上に義務付けるなどの見直しを行いました。多数の方々の移動を想定した世界基準を全国一律に適用するには課題もあると思いますが、地域や施設の状況に応じて柔軟に適用することが重要であると認識しており、当事者の御参加をいただきながらしっかりと議論をしていく必要があると考えております。
 このため、公共交通機関や施設等のバリアフリー基準やガイドライン等について、当事者の御要望を踏まえ、国土交通省の検討会などを活用しつつ、随時見直しを行っていく中で、アクセシビリティ・ガイドラインを始めとした世界基準についても積極的に反映していくことを検討してまいりたいと考えております。

#98
○石川博崇君 積極的に反映していくことを検討してまいりたいという御答弁、大変ありがとうございます。しっかりと進めていただきたいというふうに思います。
 学校のバリアフリー化を進めていくことも極めて重要でございます。昨年のバリアフリー法改正に伴って、公立の小中学校のバリアフリー整備が義務化をされました。
 文科省では、令和七年度末、二〇二五年度末までに障害のある生徒や教職員がいる全ての学校にエレベーターを設置をする目標を掲げていただいております。しかしながら、実際には車椅子利用の生徒がいるにもかかわらず、エレベーターではない機材、例えば車椅子から座椅子型の簡易な昇降機に乗り換えるような対応を考えている学校もあると伺っております。当事者の方々に不安も広がっていると聞いております。
 このような対応が広がらないように、全国の教育委員会、学校にしっかりと周知徹底をしていく必要があるのではないかと思いますが、鰐淵文部科学大臣政務官の御所見を伺いたいと思います。

#99
○大臣政務官(鰐淵洋子君) お答えいたします。
 学校施設は、障害のある児童生徒等が支障なく安心して学校生活を送ることができるようにする必要があるとともに、災害時の避難所など地域コミュニティーの拠点としての役割も果たすことから、バリアフリー化は大変に重要であると考えております。
 このため、文部科学省では、先ほど委員からも御紹介いただきましたが、昨年十二月に公立小中学校等に係るバリアフリー化の整備目標を定め、バリアフリートイレやスロープ、エレベーターの整備等のバリアフリー化につきまして、令和七年度末までの五年間の緊急かつ集中的な整備を推進することといたしました。
 委員御指摘の点に関しましては、車椅子利用など、上下階の移動に配慮が必要な児童生徒等が円滑に移動することができるよう、文部科学省におきましては、整備目標に対応するエレベーター等には、エレベーターやバリアフリー法施行令の国土交通大臣が定める構造の昇降機を含める、一方で、車椅子に乗ったままでは乗降できないその他の簡易的な昇降機等は含めない扱いとしておりまして、この点を学校設置者に示しているところでございます。
 今後、エレベーター等の適切な事例につきまして、委員の御指摘も踏まえまして、改めて全国の学校設置者等を対象とした講習会や各種会議等で広く周知を図るなど、学校設置者に対しまして適切なバリアフリー化の取組が加速化されるよう、しっかりと取り組んでまいります。

#100
○石川博崇君 ありがとうございます。
 今政務官から御答弁いただきましたとおり、車椅子の乗ったままでは乗降できない簡易的な昇降機等は含めない扱いとしている、この点しっかり周知を図っていくことが大事だと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 また、共同住宅のバリアフリー整備が進んでいないということが大きな課題でございます。現在の整備基準におきましては、共同住宅は車椅子利用者を想定しておらず、居室内には、浴室、お風呂の入口に段差があったりトイレが狭かったりと、バリアフリー整備が不十分でございます。高齢者の居住の安定確保法、これに基づく住宅設計指針、これは平成二十一年、二〇〇九年に最後の改正が行われて以来、十年以上も見直されていない状況が続いております。
 是非、この法改正の機会に障害当事者を構成員とした検討会を立ち上げて、この共同住宅におけるバリアフリー整備基準、これをしっかり策定していくべきだというふうに思いますが、国交省の見解を伺いたいと思います。

#101
○政府参考人(淡野博久君) お答えを申し上げます。
 共同住宅のバリアフリー化を推進することは非常に重要な課題であると考えております。このため、バリアフリー法に基づく基準適合への努力義務の対象といたしました上で、地域の実情に応じ、地方公共団体の条例により基準適合を義務付けることを可能としてございます。
 現在、東京、大阪など七都府県六市区におきまして共同住宅の共有部分につきまして基準への適合が義務付けられており、全国の新築分譲マンションの全棟数の約三割が義務付け対象となっているという状況にございます。
 引き続き、地域の実情に応じたバリアフリー化が進みますよう、地方公共団体に条例による義務付けを積極的に進めていただくよう要請してまいりますとともに、御指摘の高齢者の居住の安定確保法に基づきます住宅の設計指針につきましても、車椅子使用者の状況に応じた個別に対応する際の考え方、こちらの記載を充実する方向で検討を進めたいと考えております。
 今後、有識者や障害者団体の御意見等も踏まえつつ、今年度中を目途に指針を見直しまして、車椅子使用者のニーズに対応した共同住宅の整備を推進してまいりたいと存じます。

#102
○石川博崇君 ありがとうございます。
 この住宅設計指針、十年以上見直されていないわけですけれども、今御答弁で、今年度中を目途に指針を見直すということを明確に御答弁いただきました。当事者の方々の御意見、御要望をよくよく丁寧に伺っていただいて進めていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 また、駅の無人化、これが全国的に広がっている中で様々な御要望、御意見が出ております。障害者の方々の鉄道利用に様々な制約が起きている中で、今回の法改正で、合理的配慮、この義務化をどう実装していくのか、大きな課題でございます。
 既に幾つかの事業者で実施されているのが、今は駅員が車椅子の方々のためのスロープを置く乗降介助を行っていただいているんですけれども、駅員の配置には時間が掛かったり長時間待たされる、あるいは利用できる時間帯が制限される、こういった課題があるために、幾つかの事業者では、駅員ではなくて、車掌さんなど乗務員が行っておられる場合もございます。
 こうした乗務員によるスロープ介助、まずは一部の路線からスタートとなるかもしれませんけれども、全国の鉄道事業者に広げていく取組が求められるのではないかと思いますけれども、国土交通省、いかがでございましょうか。

#103
○政府参考人(木村典央君) お答えいたします。
 障害のある方々を含め、誰もが安全かつ円滑に鉄道サービスを利用できる環境を整備することは大変重要であると考えているところでございます。国土交通省では、やむを得ず駅を無人化する場合であっても可能な限り安全かつ円滑な利用を確保するよう、鉄道事業者を指導してきたところでございます。
 また、障害者団体の方々の意見を伺いつつ、こうした取組を一層進めるため、昨年十一月には、障害者団体、鉄道事業者、国土交通省の三者による意見交換会を設置したところでございます。これまで四回にわたり意見交換会を実施し、特に障害者団体の方々から強い要望が上げられた対策について今後個別具体的に検討をしていく予定でございます。委員御指摘の乗務員によるスロープを活用した介助につきましても、重点的に検討を進めていく対策であると考えておりまして、今後の意見交換会において実現方策について検討を深めてまいりたいと考えているところでございます。
 国土交通省といたしましては、無人駅の安全、円滑な利用に関するガイドラインの策定に向けて、引き続き、本意見交換会において、乗務員によるスロープを活用した介助の実施など、障害者の方々から御要望の強い対策についてしっかりと検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。

#104
○石川博崇君 しっかりと進めていただきたいと思います。
 東海道新幹線では、車椅子席六席の新車両がこの四月の二十日から走行開始となりました。私も赤羽大臣や当事者の皆様とともに試乗させていただきましたけれども、当事者の方々からも、隔世の感があると、政府関係者の御尽力、またJR関係者の皆様への感謝の声が聞かれたところでございます。
 今後は、今回実現できなかった、例えばバリアフリートイレの拡大、複数化、あるいは車椅子席を自由席やグリーン席にも設けること、様々な課題があろうかと思いますが、次世代車両、次の車両の開発のときに是非とも検討をお願いしたいと思います。
 次の次世代車両の導入は令和五年からというふうにお聞きをしておりまして、それほど時間は残されていないところでございますけれども、今後も継続して事業者と障害者団体の皆様との協議を続けて、御意見の反映に取り組んでいただきたいと思いますけれども、御所見を伺いたいと思います。

#105
○政府参考人(木村典央君) お答え申し上げます。
 新幹線のバリアフリー対策につきましては、昨年八月に、障害者団体、鉄道事業者等から成る検討会において今後の方向性が取りまとめられたところでございます。この取りまとめにおきましては、中長期的に取り組む事項として、車椅子用フリースペースのグリーン車や普通車自由席への拡充や、利便性の高い多目的室、介助者とともに利用できる車椅子対応トイレ等についても障害者団体の御意向を踏まえながら検討を続けること、また、引き続き定期的な意見交換会の場を設け、障害者団体、鉄道事業者双方の意思疎通を図るとともに、意見交換会を通じて得られた障害者団体の方々の御意向等について、新型車両の設計時にできる限り反映させることとされているところでございます。
 これを踏まえまして、昨年八月の取りまとめ以降も、障害者団体、鉄道事業者、鉄道局をメンバーとする実務的な打合せを開催し、多目的室の窓の配置や車椅子対応トイレのレイアウトなど、障害者団体の方々の御意向を次期新幹線車両の設計に反映させるための協議を続けているところでございます。
 バリアフリー対策につきましては、障害者団体の皆様との十分な意思疎通が極めて重要であると考えておりまして、国土交通省といたしましては、今後とも、こうした検討会の場等を通じ、障害者団体の方々の意向に十分配慮しながら、更なる改善を続けられるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

#106
○石川博崇君 時間が来たので終わります。ありがとうございました。

#107
○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。よろしくお願いをします。
 障害を理由とする差別の解消の一層の推進を図るために本法が必要だというのは理解をするところでありまして、その上で、確認の意味も含めてお聞きをしていきたいと思います。かなり問題意識、各議員の皆さんと似通っていますので重なる部分もありますが、御容赦をいただいて、順次質問をしていきたいと思います。
 まず最初、合理的配慮の提供の義務化についてでありますが、御案内のように、行政機関等については率先した取組を行うべき主体としてこの法の制定時から義務となっていたわけでありますが、民間事業者は一律に義務とするのではなくて努力義務にとどめていたということですが、今回の改正によって事業者によるこの合理的配慮の提供が義務になるということであります。
 この障害者差別解消法では、合理的配慮は、性別、年齢及び障害の状態に応じて合理的配慮を行うべきことが規定をされているわけですが、この合理的配慮の提供に際しましては、先ほどからもありますように、個々の障害者の属性や状況を考慮することが必要であることから、どこまでが合理的配慮に当たるのか非常に判断が難しいというところがあります。特に中小事業者の皆さんにとっては、過重な負担や、仮に紛争となった場合の訴訟等のリスクを懸念する声があると言われていますし、こうしたことからも、この障害者政策委員会における議論では、事業者による合理的配慮の提供は引き続きやっぱり努力義務とすべきではないかとか、事業者への理解の促進や事例の蓄積、共有を進めていくべきであるという意見もあったやに聞いております。
 また、内閣府が昨年の二月ですかね、障害者差別解消法の施行三年後の見直しに関する事業者団体のヒアリングにおいても、事業者団体の多くが義務化に一定の理解を示した一方で、義務化は時期尚早であるという意見やトラブルの増加に対する懸念も示されたと聞いているところであります。そういう意味でも、この合理的配慮の提供に伴う負担等に懸念を抱く事業者等に対してやっぱり丁寧な対応が求められるというふうに思っています。
 そもそもこの行政機関等についても合理的配慮の提供義務違反に対する罰則は、後でまた触れますが、ないわけですね。そしてまた、行政機関と事業者のそれぞれの合理的配慮提供に関する規定には、その実施に伴う負担が過重でないときはという文言が置かれていて、配慮が求められる側の負担についても考慮をしているわけです。例えば、事業規模や負担の程度、財政状況、業務に及ぼす影響などといった要素を個別の状況に応じて考慮し、負担が過重であればこの規定に基づく義務は発生しないということになるわけで、こうした規定ぶりからすると、合理的配慮の提供は、先ほどもありましたが、対立的、規制的な概念で捉えるのではなくて、むしろ社会的な意識改革や地域づくりを主体に置いて総合的に取り組むべきであるという解釈が成り立つというふうに思っていますが、いずれにしても、いろんな関係者の努力と協力と理解で、この解消、障害による差別の解消というのを進めていかなければならないと思うわけですが、そういった考えに基づいて以下お聞きをしてまいりたいと思います。
 まず、この本改正案で、事業者による合理的配慮の提供が義務に変わることによって具体的に何が変わるのか、また、どのような効果、変化が期待されているのか、まず坂本大臣にお尋ねをいたします。

#108
○国務大臣(坂本哲志君) 事業者による合理的配慮の提供の義務化によりまして、社会的な規範としての確立が図られることで、合理的配慮の必要性が社会全体で強く認識されるようになることが期待されております。
 これまで合理的配慮の提供に取り組んできた事業者には改めて認識を深めていただくとともに、取組が十分でなかった事業者には合理的配慮の提供に真摯に取り組んでいただくことで、障害の有無により分け隔てられることのない共生社会、ひいては、高齢者等も含め誰一人取り残されることのない包摂的な社会の実現に向けて大きく前進が図られるものというふうに考えております。

#109
○柴田巧君 その上で、次の質問に移りたいと思いますが、とにかく、先ほど申し上げましたように、事業者の皆さん、特に中小零細と言われる人はとりわけそうだと思いますが、この合理的配慮の義務化に当たって大変不安を覚えているというのが現実だろうと思います。
 この義務化に当たって、合理的配慮の内容や合理的配慮の提供が過重な負担に当たる事例等について事業者にどのようにやっぱり周知を図っていこうとしているのか、内閣府にお尋ねをしたいと思います。

#110
○政府参考人(三上明輝君) この法案は、事業者による合理的配慮の提供を努力義務から義務に改めること等を内容としてございます。その円滑な施行のためには、改正の趣旨、内容はもとより、障害者差別解消法そのものについても、事業者、障害者、さらには広く国民一般に周知し、正しい理解を得ていくことが円滑な運用のために非常に重要であると考えております。
 内閣府におきましては、これまでも、合理的配慮の事例の共有、ポスター、リーフレットの配布、障害者週間の機会を活用した広報など、必要な啓発に努めてまいりました。これに加えまして、今年度予算では、法の趣旨や合理的配慮について分かりやすく紹介するポータルサイトの設置、あるいは、中小の事業者の方ですと、サイトというよりは紙のリーフレットの方がいいというような場合もあるかと思いますので、そういったリーフレットの作成等のために必要な経費なども計上してございます。
 今後、関係団体とも連携しながら、こういった取組を通じて事業者や障害者当事者も含めた国民への一層の普及、強力に努めてまいりたい、このように考えております。

#111
○柴田巧君 先ほども触れましたように、この義務化に当たって、中小の皆さんは訴訟等のリスクが発生しないかなどなど非常に懸念されているところが多いと思います。
 したがって、今も答弁ありましたが、合理的配慮って、何か分かるようで分からないのが現実だと思いますので、その考え方や具体例、あるいは過重な負担のケースなど、やっぱり分かりやすい形で事業者の皆さんにお示しをしていただいて、理解が深まるように、対応ができるような環境を整えていっていただきたいと思います。
 次に、建設的対話の促進についてお聞きをしようと思っていましたら、石川先生の質問とほぼほぼ重なりましたので、これは同趣旨だと思いますので割愛をさせていただいて、次に移りたいと思いますが。
 この本法においては、事業者に対して合理的配慮の提供を義務化をするわけですが、環境の整備については義務化をしていないということになります。この理由は何なのかということが一つと、また、この本法が施行された場合、環境の整備については義務化はされませんが、障害を理由とする差別の解消を推進する観点から、事業者に対し環境の整備を促すための何らかの取組を行うということの考えがあるのか、併せてお聞きをしたいと思います。

#112
○政府参考人(三上明輝君) まず一点目の環境の整備につきましてこれは義務化していない理由でございますけれども、環境の整備には、施設のバリアフリー化、それからいろいろな、職員への教育、研修等々、ソフト、ハードを含めていろいろなものがございます。その中には相応の費用が発生するもの、時間が掛かるものといったようなものがございまして、特にこの法案では、事業者の事業を限定せずに非常に幅広く対象にしているものでございますので、そういった負担なども考えてこれは努力義務にしているということでございまして、ただ、努力義務ではありましても、環境の整備が行われることによって合理的配慮がそれを基礎としてより提供しやすくなるということがございますので、引き続きその関係の取組に努めてまいりたいと考えております。
 また、環境整備を促すための取組につきましては、様々な、先ほどの事例集などでも、環境整備の事例なども、まあ百幾つですか、収集していますし、今後も引き続き、そういった合理的の配慮の提供だけではなくて、環境整備の好事例なども収集しながら、事業者にとってはどういった取組があり得るのか、自分の行っている事業の中ではどういう好事例があるかといったようなことなどを、情報を提供するということなどによってその取組促進してまいりたいと考えております。

#113
○柴田巧君 ありがとうございます。
 先ほどもちょっと触れましたが、合理的配慮の提供について、義務違反に対する制裁として罰則規定が設けられていないということになっているわけですが、これはどういう考え方にそもそも基づくものなのか、また、この罰則規定に頼らずにどのような形で、いかなる手段を用いて実効性を担保していくのか、これは大臣にお尋ねをしたいと思います。

#114
○国務大臣(坂本哲志君) 本法案では、事業者に対しまして合理的配慮の提供を義務付けることとしていますが、委員御指摘のように、不当な差別的取扱いの禁止と同様に、これに違反した場合の罰則を設けることとはしておりません。
 障害者差別解消法は共生社会の実現を目的とするものでありまして、事業者と障害者との間の建設的な対話を通じて自主的に取組が行われることを期待しているところであります。このため、事業者に対しましては、その事業を所管する主務大臣が特に必要があると認めるときは、報告の徴収、助言、指導、勧告といった権限、これは法第十二条でございますけれども、そういった権限を行使することにより法の実効性を担保することとしているところであります。
 実効性の担保につきましては、主務大臣によるそれらの権限の行使のほか、本法案で規定を盛り込んでいる相談体制の充実、それから事例の収集、共有の強化も含めまして取り組んでまいりたいと考えているところであります。

#115
○柴田巧君 しっかりそういうことを用いてやって実効性を確保していただきたいと思います。
 次に、この障害者差別解消支援地域協議会についてお尋ねをしますが、この障害者差別解消法の第十七条には、地方公共団体の区域において障害を理由とする差別に関する相談及び該当相談に係る事例を踏まえた障害を理由とする差別を解消するための取組を効果的かつ円滑に行うために、この障害者差別解消支援地域協議会を組織することができるとしております。
 この障害者政策委員会による、先ほどからも触れているこの施行三年後の見直しに関する意見においては、事業者による合理的配慮の提供についての見直しに関連して、合理的配慮の内容は多様かつ個別性の高いものであるため、その実施を促す観点から、障害者やその関係者のみならず、事業者からの相談にも適切に応じる体制整備や、障害者差別解消支援地域協議会の取組を含めた事例の収集や共有、情報提供を更に行うべきであるとしていますが、内閣府が去年の三月にまとめた障害者差別の解消の推進に関する地方公共団体への調査結果によると、この地域協議会を設置済みの地方公共団体は、都道府県はこれは四十七、一〇〇%なんですが、例えば政令市もこれも一〇〇%ですが、中核市は七八、一般市は六三、町村は四五ということで、市町村をまとめると五六%にとどまっているということになりますが、今申し上げたように、未設置の市町村がまだまだ多いというのは現実ですが、これに鑑みて、国よりやっぱり積極的な支援を行うべきではないかと思いますが、大臣の御見解をお聞きをしたいと思います。

#116
○国務大臣(坂本哲志君) 障害者差別解消法におきましては、地域の実情に応じた差別の解消のための取組を主体的に行うネットワークとして、地域における様々な関係機関から構成をされます障害者差別解消支援地域協議会を組織することができる旨、第十七条に規定しているところであります。この協議会を通じまして、地域全体として障害を理由とする差別の解消に向けた取組が行われることが期待をされております。
 地域協議会は、令和元年度当初、平成三十一年四月一日の時点で、委員が御指摘のとおりに、都道府県、政令都市においては全て設置済みでありますが、町村における設置率は四五%にとどまっております。中核都市、一般市を含めた全地方公共団体における設置率は五六%というふうになっております。
 国としましては、障害者に係る案件がいわゆる制度の谷間に落ち込んだり相談等がたらい回しにされたりしないためにも、地域協議会を設置していただくことが望ましいというふうに考えております。
 内閣府におきましては、これまでも、複数の都道府県を区域といたしますブロック研修会の開催などによりまして、都道府県において地域協議会の設置等に向けた的確な助言等ができる人材の育成に取り組んできているところであります。今後も市町村における地域協議会の設置促進に引き続き尽力をしてまいりたいと考えております。

#117
○柴田巧君 先ほどの数字にもありますように、ちっちゃくなればなるほどなかなか設置が難しいというか、困難性が見られるところでありまして、いろんな形でサポートをしながら、この設置が進むようにお願いをしたいと思います。
 この本法律案では、国及び地方公共団体が障害を理由とする差別に関する相談に対応するため、人材の育成及び確保を行う責務を明確化することにしています。
 この合理的配慮の義務化によって相談や紛争の増加も想定をされるわけで、これにやっぱり対応していく必要があると思いますが、どのような人材を育成及び確保する必要があると考えているのか、またどのような方法で育成や確保することを考えているのか、併せて内閣府にお聞きをしたいと思います。

#118
○政府参考人(三上明輝君) 事業者による合理的配慮の提供の義務化に伴いまして、御指摘のように、相談件数が増える、あるいは多様な相談が寄せられるといったことが想定されるところでございます。適切な相談対応が可能となるように、相談に的確に応じ、解決を図ることができる人材の育成、確保を図ることが重要でございます。このため、法案におきましては、国及び地方公共団体における相談体制の充実に向けた措置の一環として、相談対応を担う人材の育成及び確保のための措置を講ずべき旨を明確化するところでございます。
 国や地方公共団体、市町村、それぞれに求められる人材、その育成、確保の在り方につきましては、一部の都道府県において既に配置されている広域的、専門的な事案を取り扱う相談員の取組など、参考になるものもございます。今後、そうしたものを参考としながら具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。
 人材育成、確保に向けた取組といたしましては、例えば相談マニュアルを策定して、これを用いて研修等を実施すること、全国の相談事例を各機関に共有することなどが考えられるところでございまして、そうした取組についても具体化に向けた検討を今後進めてまいります。

#119
○柴田巧君 この人材の育成、確保、非常に大事なポイントだと思いますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 次に、障害者雇用についてお聞きをしたいと思うのですが、去年の六月の一日時点においては、民間企業で働く障害者というのは五十七万八千二百九十二人、雇用率は二・一五%となって、雇用者数は十七年連続で過去最多となりました。この雇用者、障害者雇用促進法に基づく民間企業の法定雇用率は二・二%、本年の三月から二・三%に引き上がっていますが、これには届いてはいないものの、障害者雇用は少しずつ前進をしてきたと言えるは言えるんですけれども、一方で、コロナ禍において解雇される障害者が増えてきているのは現実であって、去年の四月から九月の解雇者数は全国で千二百十三人に上り、二〇一九年同時期の、三百四十二人からすると四〇%増ということになっています。
 障害者の雇用状況の集計結果というのは毎年六月一日時点の状況を示しているので、今回のコロナ禍の影響はまだ十二分に反映されていない部分もあると思いますが、リーマンのとき、あるいは東日本大震災のときなど大きく経済状況が揺らぐような出来事があった際にも雇用者数は大きく減ることはなかったんですね、実は。そのため、障害者雇用は景気や政治状況に余り影響を受けないんではないかという説もあったんですが、今回のコロナはどうやらそれを覆す可能性が非常に高いと思っていますが、いずれにしても、大変厳しい状況にあるのではないかと思っていますが、この現状をどのようにまずは認識をしているのか、厚労省にお聞きをしたいと思います。

#120
○政府参考人(達谷窟庸野君) お答え申し上げます。
 厚生労働省におきましては、障害者解雇届により障害者の解雇状況を把握しているところでございますが、二〇二〇年の四月から九月までの障害者解雇数は、議員御指摘のとおり、千二百十三人でございまして、前年同期と比べまして三九・三%増加したところでございます。一方で、十月以降の障害者解雇数につきましては対前年同期比において減少する月も増えてまいりまして、二〇二〇年の四月から二〇二一年、今年の二月までの累計は千九百三十四人でございまして、前年同期比一三・二%増と一定の落ち着きは見せているものと認識しているところでございます。
 いずれにいたしましても、今後とも障害者雇用の状況につきましては引き続き注視してまいりたいと考えてございます。

#121
○柴田巧君 少しちょっと落ち着いた面が出てきたというところもありますが、このコロナ禍における障害者のやっぱり雇用定着支援というのは非常に重要なことではないかと思っていまして、この新型コロナの感染拡大の防止のために障害者の方もテレワークでの業務が今進められているかと思います。このことは、通勤に困難を抱える方や対面が苦手な方にとっては業務がやりやすくなったという面もあるのだろうと想像しますが、一方で、この生活リズムが、今まで通っていたといいますか、通勤していたというようなことからすると、生活のリズムの乱れや孤立感を高めるなどによって体調が不安定になる方も見られるのではないかと思います。
 勤務環境や業務内容の変化を踏まえた本人あるいは企業に対する相談支援体制の強化が雇用定着支援にとっても大変必要ではないかと思いますが、厚労省にお聞きをします。

#122
○政府参考人(達谷窟庸野君) お答え申し上げます。
 今回のコロナの影響を受けまして、例えば、企業におきまして、従来障害者の方が従事なさっていた業務がなくなってしまうとか、あるいは障害者の方が在宅の勤務にするときにいろんな御相談事があるということでございます。
 この点につきまして、私ども、私どものハローワークや、あるいは障害者就業・生活支援センターというのがございます、あるいは地域障害者職業センター等と連携しまして、例えば、その仕事がなくなっているということであれば、新しい職務の選定やあるいは配置換えなどにつきまして専門的な御支援を申し上げておりますし、あるいは、障害者の方が在宅の勤務の中でいろいろ環境が変わるということにつきましては、例えば、先ほど申し上げました地域障害者職業センターやあるいは障害者就業・生活支援センターなどにおきましていろんな助言とかもやらせていただいているところでございます。

#123
○柴田巧君 この障害者の皆さんの雇用の定着の支援にまたいろいろと手を尽くしていただきたいと思います。
 この新型コロナの感染症の拡大によって休業を強いられ経営が厳しい場合であっても、法定雇用率が未達の場合の障害者の雇用納付金に免除や減免の制度がないわけですね、企業にとって。法定雇用率以上に障害者を雇用した場合には支給される調整金、報奨金等だけではなくて、こういうものがありますが、これだけではなくて、コロナ禍でもこの障害者雇用を進める企業への更なる支援策というのは必要なのではないかと考えますが、この点はどのように考えていますか、お聞きをします。

#124
○政府参考人(達谷窟庸野君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたとおり、足下の障害者の解雇数につきましては先ほど申し上げたとおりでございますが、厚生労働省といたしましては、新型コロナ感染症の影響を受けた企業を含めまして、障害者を雇用する企業に対する支援を実施しているところでございます。
 具体的には、新型コロナ感染症の影響を受けた企業がある中で、まず、障害者の方の雇用の維持という面では、障害者以外の労働者も同様ということになりますが、雇用調整助成金の大幅な拡大等を行ってございますし、雇用維持に向けまして、先ほど申し上げましたような専門的な職務の開拓とか、そういうような専門的な御支援も実施しているところでございます。
 また、障害者を雇い入れる企業に対する支援といたしましては、ハローワークの紹介などにより障害者を雇い入れる事業主に対する助成制度等の各種助成金による支援や、精神障害者の雇用経験や雇用ノウハウが不足している障害者雇用ゼロ企業、雇っていない企業ということになりますが、障害者雇用ゼロ企業等に対しまして、ハローワークによる採用準備段階から採用後の職場定着までの支援を一貫して行う企業向けのチーム支援の強化等を実施してございます。
 引き続き障害者の方々の雇用の促進に向けまして必要な支援を積極的に実施してまいりたいと考えてございます。

#125
○柴田巧君 この新型コロナの感染状況はなかなかまだまだ落ち着いていきません。それに伴って障害者の方の雇用の状況も大変また厳しさが続くと思われますので、その確保や定着や、またいろんな手だてを講じてしっかりとやっていただきたいと思います。
 次に、障害のある児童生徒のためのICTを活用した教育についてお尋ねをしたいと思いますが、この障害のある子供たちがその能力や可能性を伸ばしていくためには、一人一人の教育的なニーズに応じた適切な指導、支援を行う必要があります。
 現在、政府においては社会全体のデジタル化を推進をしており、教育分野においては、御存じのとおり、このGIGAスクール構想の下で一人一台の端末の実現など、教育のICT化に注目が集まっているわけですが、特に障害のある子供たちについてはICTの活用が大変大きな効果が発揮していると言われています。例えば、発達障害で従来の紙の教科書では読み書きが難しく学習に支援を期していたこの子供たちがICT端末の音声読み上げ機能や書き込み機能を活用して学んだり、弱視、目の弱い方がタブレットで文字の拡大機能を活用して学ぶなどの事例があるわけです。
 このように障害の特性に応じてICTを活用することで、従来抱えていた学習上の困難を乗り越えて一人一人の質の高い学びにつなげていくことが可能となってきたと感じていますが、そこで、この特別支援教育のIC化については、一人一台端末をフル活用するなどしてやっぱり早く進めていけるよう、この学校現場での取組を積極的にやはり国としても支援をしていくべきではないかと思いますが、これは文科省にお聞きをしたいと思います。

#126
○政府参考人(蝦名喜之君) お答えを申し上げます。
 特別支援教育におきますICTの活用の重要性につきましては、議員御指摘のとおりだと考えてございます。
 文科省におきましては、GIGAスクール構想に基づきまして児童生徒の端末整備を進めますとともに、障害のある児童生徒が端末の使用に当たって必要とする例えば入出力支援装置の配備を進めるなど、障害のある児童生徒一人一人がICTをしっかりと活用して質の高い教育を受けられるための環境整備を進めてきているところでございます。
 今後、こうした整備した端末などを効果的に活用した障害のある児童生徒等に対する指導の一層の充実が求められていると考えてございまして、今年度からは、ICTを活用した特に自立活動の効果的な指導方法でありますとか、病気療養中の生徒等に対するICTを活用した遠隔教育の実施方法、あるいは、文部科学省が作成をしております教科書のデジタル化などにつきましても調査研究を進めたいというふうに考えてございます。
 今後とも、GIGAスクール構想を進める中で、一人一台端末をフルに活用した障害のある子供たちの学びの充実に努めてまいりたいと考えてございます。

#127
○柴田巧君 障害を持つ子供たちのために、この教育支援、教育のICT化をしっかり推進をしていただきたいと思いますが、その際に特に重要になるのはこの特別支援教育に携わる教員への支援ではないかと思うんですね。
 この特別支援教育では一人一人の障害の特性に応じたICTの活用が求められることから、教員に求められるこのICT活用スキルというのはおのずと高いものにならざるを得ないと思います。ですから、この特別支援教育のICT化に詳しい人材による研修や、知見を有するICT支援員の確保など、外部人材の力も借りながら、この特別支援教育に携わる教員がICT活用スキルを向上させていけるための方策をやはりまた文科省としても充実をさせていくべきではないかと思いますが、どのように取り組んでいくか、お尋ねをしたいと思います。

#128
○政府参考人(蝦名喜之君) お答え申し上げます。
 学校現場においてICTを有効に活用するためには、御指摘のとおり、特別支援教育に携わる教員の専門性の向上や、また、こうした課題に詳しい外部人材の登用が重要と考えてございます。
 文科省におきましては、先ほど申し上げたICTを活用した指導の在り方に関する様々な調査研究を行いますとともに、教員の指導力の向上、専門性の向上という観点からは、国立特別支援教育総合研究所におきます指導的立場にある教職員を対象としたICT活用に関する研修でありますとか、また、教員の日常的なICT活用の支援などを行います外部人材であるICT支援員の配置の促進などによりまして、各地域それぞれの学校での特別支援教育におけるICT活用の推進を図っているところでございます。
 こうした取組を通じまして、引き続き、障害のある児童生徒の学びの充実に努めますとともに、今後、効果的な指導事例の収集やこれを横展開をするといったようなことなども通じまして、特別支援教育に携わる教員がICTの活用を含めました専門性を高められるようにしっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。

#129
○柴田巧君 時間が来ましたので、終わります。ありがとうございました。
   〔委員長退席、理事酒井庸行君着席〕

#130
○矢田わか子君 国民民主党・新緑風会、矢田わか子です。
 まず、ちょっと皆さんと質問も重複しますので、障害がある女性の差別からお聞きをしていきたいと思います。といっても、これも重なったんですけれども。女性の障害者は、女性としての差別と障害者としての差別、二重の差別を受けるというふうに言われております。
 今日、資料をちょっとお配りしましたが、資料一に、障害者権利条約の第六条、障害のある女性という項が記載をされております。これ、二〇〇六年、国連で採択され、日本でも二〇一三年に承認をされているものです。この文言を是非もう一度改めて皆さんと共有したいと思うんですが、一つ目のところに、締約国は、障害のある女子が複合的な差別を受けていることを認識するものとしということで、この差別をきちっと何かの措置をしましょうということが記載されているということと、二番目に、締約国はということで、女子の完全な能力開発、向上及び自律的な力の育成を確保するための全ての適当な措置をとる、こういう文言が国会でも承認を得ているということであります。
 ところが、大臣、今女性の孤立等にも大臣取り組んでいただいてはいるんですけど、採択をしたこの文章について、本当に女性の障害者、何重にも複合的に差別を受けているという人たちに対してどれぐらいのこの取組が進んでいるのかということを見ていかなくてはいけないというふうに思います。
 ほぼ調べられているデータがなかなか内閣府の調査ではないんですね。それで、今回、いろいろと活動をしていらっしゃる東洋大学の岩田助教授、海外で障害のある人の調査等をしている方なんですが、特に特筆すべきは、やはりそういう障害のある人はない人の三倍以上、性暴力を受けているというような、そういうデータも出てきております。
 それから、NPO法人のしあわせなみだというところも、こういう性暴力の抑制に対して活動をしている団体ですが、こちらの方も様々な調査をされていて、やはり同じように、特に知的障害者の方々に対する性暴力についての課題を挙げていらっしゃいます。
 こうしたことに対して、日本は、じゃ、どのように取組をしていくのかということなんです。まずは、本当は私は実態調査が要るというふうに思っていて、実際にどれぐらいの方がそうした複合的な差別を受けていらっしゃるのか。まずは、本当はそういう調査を是非していただきたいと思っておりますので、これは内閣府に御見解をいただきたいなというふうに思います。差別や人権侵害に対する実態、どのように調査をしていくのか。
 それから二つ目は、この我が国におけるそうした実態を受けてですけれども、法律とか基本方針においてやはりきちっとこれを特記して特別の対策を打ち出していく必要が私はあるというふうに思っていますが、そこについての大臣の御見解をいただければと思います。

#131
○大臣政務官(吉川赳君) まず、私からは、御指摘がございました障害のある女性に対する性暴力に関して御答弁をさせていただきたく思います。
 御指摘のとおりでございまして、まず、ワンストップ支援センターにおける障害のある方への支援状況について把握すること、これは極めて重要な課題であると捉えております。内閣府では、本年度、センターにおける、障害のある方などの支援の状況について事例調査や分析を行い、必要な取組や好事例について、必要な取組や事例について把握を行う予定でおります。また、来年度以降、本年度の調査結果をワンストップ支援センターの相談員等の研修に組み込み、障害のある方に対する支援の充実を推進してまいりたいと思います。
 引き続き、性犯罪、性暴力被害者の支援の強化に努めてまいりたいと思っておるところであります。

#132
○国務大臣(坂本哲志君) 障害者基本法におきましては、障害者施策の基本方針として、障害者の性別、年齢、障害の状況、状態及び生活の実態に応じて、かつ、有機的連携の下に総合的に、策定され、及び実施されなければならないというふうに第十条でされております。第四次障害者基本計画でも、障害のある女性、子供及び高齢者の複合的困難に配慮したきめ細かい支援の必要性が言及をされているところであります。
 加えて、障害者差別解消法におきましては、合理的配慮の提供に関しまして、障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて行うものと規定されておりまして、その基本方針におきましても、特に女性である障害者は、障害に加えて女性であることにより、更に複合的に困難な状況に置かれている場合があることに留意するとされているところであります。
 こうしたことも念頭に置きながら、障害のある女性等への差別に関しましては、内閣府の障害者政策委員会の意見書を踏まえまして、今後、性や年齢別に具体的な相談事例を蓄積すること等により更に実態把握に努めますとともに、相談事例を踏まえて適切な措置を講じるべき旨を基本方針に掲載することにつきまして検討し、必要な取組を進めてまいりたいと考えております。

#133
○矢田わか子君 大臣、私、やっぱり一番問題なのは、顕著な例だからですけれども、そういう複合的な差別の中でもやっぱり性暴力がこれだけ横行していて、いろんなデータが今ないのでどうも言えないんですけれども、ただ、NPO法人等が自主的に調査した結果によれば、三十二名の方に対して調査をしたところ、二十三名の方が性的被害、被害というか、それ認識が難しいんですけど、そういう経験したことがあると、七〇%以上ですよね、答えているし、あるもう一つの調査では、特に知的障害者なんですよ、障害の性犯罪というのは。被害に遭っても、これがそうなのかどうか理解することができないし、それを、この状況を説明ができないがために立件が見送られているケースが多々あるわけです。本当に私は、これ人権侵害でもあるし、しっかりとした対応が国に求められているんじゃないかと思っています。
 ほかの国を見れば、韓国にしても、それからフランス、アメリカにしても、障害があると知り得る立場の人がそういう性犯罪を犯した場合、罪が一段グレードアップ、重くなるわけですよ。当然だと思いますし、イギリスにおいても、そういう精神障害を理由にして、拒絶できない者という、性活動、性のその犯罪を犯した場合においては、罪がやはり重くなったり、説明ができないことに対しても配慮があるわけですが、日本は、御承知のとおり、強制性交罪というのが成立しまして、拒否をしなければ相手が罪に問われないというふうな、そういう今状況になっていますので、本当は法律の改正を含めて私は求めていくべきだろうなと思っておりますので、是非この辺りも酌んでいただきながら、坂本大臣、国連から勧告も受けていますので、まずはしっかりと明文化をしていくということに対して、要するに基本方針なり、基本的にどういうふうに対応していくんだという指針なりを、やっぱりこの横串を刺す内閣府の障害差別を御担当する大臣だからこそ発信ができるというふうに思いますので、是非お願いをしておきたいなと思います。
 続いて、障害者の就労支援の話に入っていきたいと思います。
 障害者にとって、やはり私は、安定した職業に就いて、そして自立した社会生活を送る、家族の方にとっても一つの大きな願いだというふうに思っています。政府も、推進五か年計画において、福祉から雇用へということをキャッチフレーズとしてしっかりと打ち出していただいておりますので、ここの点についてもう少しグレードアップ、要するに推進するために何が必要なのかについて是非質疑をしていきたいと思います。
 本日、私の支援組織が運営している社会福祉法人で、障害者の就労支援をする事業の第一線で活躍されている参考人をお呼びいたしました。雇用の場、就労支援の場における障害者の実情、差別の問題などについてお話を伺いたいと思います。
 ちなみに、資料二、就労支援事業の概略をお作りして示しておりますので、このうち、就労移行支援事業や就労継続支援B型事業、就労定着支援事業をやっていらっしゃる事業者でもありますので、小川参考人、今日はありがとうございます。是非お話を伺いたいと思います。
 特に、職業能力を身に付けて安定した職業に就いて自立したいと意欲を持たれる方々に対して、訓練から就労先の、その事業者までの定着に至るまでを全部トータルでやる、行う事業に従事しておられるというふうに思いますが、最初に、まずこの事業の概要の説明と、コロナ禍で何かそうしたことに変化があるのかどうかということについてお聞かせください。

#134
○参考人(小川菜江子君) こんにちは。社会福祉法人電機神奈川福祉センターの小川と申します。
 私は、障害のある方の就労を支援する障害者就業・生活支援センターを担当しておりますので、その観点からお話しさせていただきます。
 障害者就業・生活支援センターは、今現在、全国で三百三十六センター設置されている状況です。各センター、御登録の方、数百から千人超えで支援を行っております。私の所属する社会福祉法人は、そのうち、神奈川県内で二センター、また県と政令市の運営する地域就労援助センター一センターの合計三センター、事業運営を行っております。
 この法人内の三センターでは現在御登録が二千七百五十人超えでありまして、内訳としては、お仕事を探す方の支援を御希望の方が千五十人以上、それから、今現在働いていらっしゃって定着支援を希望される方が千七百名以上というふうになっています。
 昨年はコロナ禍にありまして、働く障害のある方たちの働き方の環境、随分変化いたしました。中には、在宅勤務に切り替わったり、出勤が減少する、休業手当をいただきながらようやく雇用継続がなされるなど、様々に状況が変化したことで、やはり体調やメンタル的に不調を起こす方がかなりいらっしゃったなというふうに支援の中で感じております。
 残念ではありますけれども、サービス業など特定の業種ではやっぱり事業維持が難しく、事業閉鎖であるとか解雇、これはどうしても発生は障害のある方たちの雇用現場でもありましたが、ただ、もう物すごく大変だったということではなくて、やはり企業の方も努力されたんだなというふうにも思いますし、三月の一日に施行された雇用率の改定も影響したのか、障害のある方向けの求人は途切れることはありませんでしたし、企業の採用活動も継続していましたので、これに関しては、支援の体制であるとか企業などの雇用維持努力もあったんじゃないかなというふうに感じております。

#135
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 やっぱりコロナ禍で影響が少し出てきているというふうな状況ではあると思いますが、ちょっと法案の趣旨に沿った質問になりますけれども、障害者の就労支援事業展開される中で、様々な場面でそういう依然として障害者に対してやっぱり差別とかハラスメント残っているような実態を多分いつも現場で見ていらっしゃるというふうに思うんです。
 特にその中で、これちょうど、これ差別法の改正を行われるわけなので、これから民間の事業所には義務付けというようなことも出てきますけれども、こうすればやっぱり民間の中でもう少し、もう一歩進めることができるという留意点だとか、一方で、国とか自治体こういった対策をすればもっと問題解決するんじゃないかということ、感じていらっしゃることがあれば教えてください。

#136
○参考人(小川菜江子君) 障害というのは、やはり誰もが望んでそうなっているわけではないものです。社会的な壁が障害であるわけで、皆さん、そういったものに直面してから差別であるとか権利の侵害であるとかということに強く思う方もかなりいらっしゃると思います。
 相談を受けていてやはり多く感じるのは、差別というものは、障害のある方、側がどのように受け止められたかがとても大事なんですね。働く場においてよく起こりやすいのが、障害のある方に対してですけれども、善かれと思ってであるとか気遣いのつもりでというふうなことでちょっと一方的な対応を、判断をされてしまうということ。一見ソフトに見えるんですけれども、当事者の方はこれを差別というふうに受け取ることが非常に多く起こっています。当事者の方の思いであるとか考えを確認せずに思い込みで進めてしまうということから起こっていると考えられます。
 また、ちょっと強めになると、障害は治るであるとか、業務上の指導であるから当然といったような、ちょっとやや社風のような、風潮のようなもので、差別的な強い強引な対応というところもあって、そういうものに直面したときには支援の中でもなかなか苦労というか、大変だったなということがございました。
 また、合理的配慮という言葉だけが企業側あるいは自治体側で先行してしまって、過度の負担を恐れる余り雇用側がちょっと守りに入ってしまうというような状況もあるかと思います。やはり雇用率を達成することだけを求めてしまった結果もあるかもしれませんが、雇用の質であるとか職場環境に課題を残したままということがちょっと見られております。
 業務がないのに採用数をとにかく増やしたいというふうなことだけを進めるところもありましたし、そういったことが最も差別的かなというふうにも私たちも支援の中で感じています。自分の担当するようなお仕事がない、歓迎されていないというふうに感じれば、誰でも短期間でお仕事を辞める、退職するという選択をされるのではないでしょうか。
 同僚として様々な障害の方と一緒に働くということで、こういった一方的な思い込みであるとか善かれといったような配慮は余り意味がないんだと、きちんと御本人の意見を聞いて、相互理解できちんと職場環境を考えていくんだ、そんなことを実感したりして、是非、職場環境の調整を行うという、そういったことを、合理的配慮である、そういう事例を、できれば国や自治体などが、雇用促進の先鋭的な立場でいらっしゃいますので、そういったところで多くの好事例などをつくって、そういったことを民間の事業者にノウハウを提供していただきたい、そういった発信を多くしていただきたいなというふうに思っております。
   〔理事酒井庸行君退席、委員長着席〕
 あとは、福祉の現場でもそうなんですけれども、合理的配慮であるとか相互理解、こういった考えや取組方法をきちんと説明できる人たちを増やしていかないといけないというふうに思います。こういったプロジェクトであるとか担当窓口を各所たくさん準備していくということが大事じゃないかなというふうに考えています。
 差別解消というのは、公平という考えや文化を時間を掛けてつくることで到達していきますので、なかなか何かの施策をつくったことで一気に解決というふうにはいかないと思います。先ほど申し上げた会社の風潮であるとか職場の雰囲気、個人の考え方、こういったものを変えるのは、なかなか支援者としても毎回難しいなというふうに考えています。
 こういったことを時間を掛けて行っていくというのに対して、義務化しても罰則はないしなんていう開き直りも一部ではちょっと耳にしてしまいますので、全ての人が備えるべき社会的資質として、差別解消、差別禁止、そういった考え方を長期的視点で得ていけるようなそんな取組が、人材育成、福祉の現場の人材育成や雇用側の人材育成としてとても大事ではないかなと考えます。
 以上です。

#137
○矢田わか子君 ありがとうございました。
 合理的配慮ってとても極めて曖昧な表現なだけに、私たちもやっぱりそこの地点、要するに障害者としっかりと相互理解を深めていくと、何を望んでいらっしゃるのかということ、やっぱりそこをコミュニケーション取りながら理解をし、その方々の立場に立ってやらなければ間違うなというふうに私も思っておりますので、是非また現場において何か課題があればお知らせいただきたいと思います。
 かつ、やっぱり差別解消というのが今回の目的なんですけれども、その差別というのは結局一人一人のこの胸のうちに私はあるんじゃないかと、大臣、思っていまして、何の差別もそうですけど、障害者はこうあるもの、女性はこうあるものというこの固定概念というんですか、自分の中に形作られたものを一旦やっぱり壊してから入らなければ、なかなか差別解消には私はつながらないというふうに思っています。
 これで、コロナでやはり一定影響が出ているというふうな問題もある中で、孤独担当大臣でもあるので、坂本大臣、何か一言コメントいただければお願いしたいと思います。

#138
○国務大臣(坂本哲志君) 今言われましたように、固定概念をまず捨てること、そして社会としてしっかりと取り組んでいくこと、そのことが一番これからも重要であるというふうに考えております。

#139
○矢田わか子君 今日は就労ということを一つ、やはり一つのキーワードとして、福祉から雇用、しっかり自立して生きていただけるという道を政府として提供していくというのも私は大きな役割の一つだというふうに認識しています。
 一応調べさせていただいた、厚労省のデータでしかありませんけれども、二〇一七年、一八年、いわゆる身体障害者、知的障害者って五百四十五万人いらっしゃるんですね。それで、しっかりこの雇用の場を持っている方は四十五万人程度にとどまるということです。これを政府として二二年度までに十万人増やすんだという精力的な目標数値持っていらっしゃいますが、本当の意味で、雇用率を引き下げて取りあえず就職するということではなくて、その方々がその場その場で尊厳を持って働けるように、是非厚労省も含めてお願いをしておきたいなと思います。
 最後の質問に移ります。
 最後の質問は、視覚障害者の就労に対する支援ということで、ちょっとピンポイントになりますけれども、お尋ねをしていきます。
 先ほどあるように、この視覚障害者に対しての雇用の場における配慮ということに関してなんですが、視覚障害者はパソコンを使う場合、これからIT化どんどん進んでいく中で当然のことながらそういう機会が増えていきますし、実際そういう能力持っていらっしゃる方も多くいらっしゃるんです。画面の文字を読み上げるスクリーンリーダーという合成音声ソフトというものを使っていらっしゃるケースが多々あります。企業によっては、全盲の社員がプログラムを作成したり、若しくは、チームをつくって、社員がチームをつくって障害者が更にプログラムの仕事をしやすい環境づくりに取り組んでいるようなITの企業、サイボウズさんなんかもあります。
 しかしながら、私たちの国では、このスクリーンリーダーソフトは、メールやホームページなど、そういった簡単なものは読み取れるんですが、今の技術ではパワーポイントだとかいわゆるPDFなんかは読み上げができないということがありまして、なかなかそこが障害となって視覚障害者の労働生産性を低下させているという事例が散見されます。
 資料三お配りしましたけれども、アメリカやEU諸国では、事業者に障害者のアクセシビリティーの確保を義務化していて、特に情報のアクセシビリティー確保に関しては法整備を行っているということであります。
 アメリカでは、表にありますけれども、障害のある人が情報にアクセスする際に、健常者と変わらず操作できるようにしなければならないと法律で規定されています。各企業の独自の社内システムについても、障害者がアクセスできるような環境整備がこれによって行われているということでもあります。
 スクリーンリーダーの改良、改善というのは障害者の要望の一例でありますけれども、デジタル技術が進歩する中で、情報アクセシビリティー確保に関してより踏み込んだ対策の強化が求められていると思います。特に、この技術開発の支援、推進しておられる総務省として、今後の取組方針をまずお聞かせください。

#140
○政府参考人(辺見聡君) お答え申し上げます。
 視覚障害など障害をお持ちの方々がパソコンやスマートフォンなどを利用される際に不自由されることがないよう、情報アクセシビリティーの確保を図ることは重要であると考えているところでございます。
 総務省におきましては、こうした認識の下、障害者などの利便の増進に資する情報通信機器・サービスの開発に対する助成を行っております。
 具体的な事例といたしましては、視覚障害者の場合、駅の構内の点字ブロックの付近に設置したQRコードから情報をスマートフォンを通じて読み取りまして道案内をしたり駅構内の情報を知らせたりするといった歩行誘導の移動支援のシステムがございます。一部の地下鉄の駅等においても事業化が進んでいるところでございます。
 今後とも、障害者の方々が必要なときに必要な情報にアクセスできるよう、情報通信機器・サービスの開発の支援に取り組んでいく所存でございます。

#141
○矢田わか子君 先ほど来申し上げているとおり、こうした就労支援について、大隈政務官に今日来ていただいているので、よろしくお願いします。一言いただけますか。

#142
○大臣政務官(大隈和英君) 御質問ありがとうございます。もう簡潔に。
 障害者雇用におきましては、障害者一人一人が能力を有効に発揮して活躍できることが重要と考えております。その点におきまして、小川参考人も今日は貴重な御意見をいただきましてありがとうございました。
 厚生労働省といたしましては、地域の就労支援機関における各事業所に対する専門的な支援や、就労支援機器の導入等に関する助成、ジョブコーチによる支援を行う事業主に対する助成等を行っておりまして、これらにより、障害者の雇用、単に雇用するだけじゃなくて雇用の質をしっかりと上げていく、そこに向けた事業主の取組をしっかりと支援して、障害者一人一人が希望や能力に応じまして生き生きと活躍できる社会をしっかりと実現してまいりたいというふうに考えております。

#143
○矢田わか子君 障害者雇用率、今二・三%まで来ました。政務官おっしゃるとおり、先ほども申し上げたけど、この数字を引き上げて、無理やりじゃないですけど、取りあえず採りましょうということで量だけ採っても、やっぱり質なんですよね。それが障害者お一人お一人のやっぱり人権にも関わってくるわけです。
 自分はこの職場で求められている、生かされているということをやっぱり実感できなければ、幾ら入口、間口を広げて一旦採っても、早々と退職してしまう、退職率が高まるばかりだと思いますので、是非その辺りのお取組の強化も、厚生労働省、よろしくお願いしたいと思います。
 最後に、是非、坂本大臣、一言いただきたいんですが、今議論してきたように、新しい、働きやすい職場、環境を整備していくことですね、障害者の生活、移動、活動、あらゆる場面で差別ややはり障害がない社会づくりについてしっかりとお取り組みいただきたいという思いを込めて、是非、大臣、最後に一言お願いします。

#144
○国務大臣(坂本哲志君) 障害者基本法に基づき策定いたしました第四次障害者基本計画におきましては、障害のある方が社会生活で直面する様々な障壁の除去に向けて政府全体として総合的かつ計画的に施策を進めることとしております。
 障害者が地域で質の高い自立した生活を営むためには、やはり就労が重要でございます。同基本計画には、総合的な就労支援、そして障害者雇用の促進など、雇用、就業、経済的自立の支援のための内容も盛り込んでおります。こうした計画の実施等を通じまして、関係省庁が一体となって障害者が生き生きと働きやすい職場の環境にしっかりと取り組んでまいる決意でございます。

#145
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 障害者の方々の数は年々増加しています。全人口のうち五%を超えてきている。精神障害者入れればもう一〇%になります。是非、こうした方々がしっかりと、福祉だけではなく、求める方には雇用の場ということも含めて、これからのお取組をお願いして、質問を終わります。

#146
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 私たちのことを私たち抜きで決めないでと、これが障害者政策の立案等々の基本だと考えます。本当は参考人質疑を行ってほしいところだったんですけれども、理事会の協議で、対政府質疑の中で当事者の方を参考人としてお招きしてよいということになりましたので、私の質疑では、全日本視覚障害者協議会の藤野喜子さんにお越しいただきました。ありがとうございます。
 まず三問、藤野さんに御意見をお伺いして、政府への質問を進めていきたいと思います。
 まず一問目です。
 コロナ禍での新たな問題も含めて、日常の中でぶつかっている問題について率直に御意見を伺いたいと思います。

#147
○参考人(藤野喜子君) 昨年の二月の中旬以降と記憶しているんですけれども、新型コロナ禍の生活が始まりました。アルコールやマスクが品薄になりました。目からの情報がない私たちは、本当に探すのに苦労しました。外を歩いていると行列ができていて、何かあるんですかと聞いたんですけど、マスクを買うために並んでいる、張り紙が出ていたからという返事でした。
 あれから一年を大きく過ぎてしまいました。新しい生活様式、触れては駄目、近づいても駄目、換気をしなさい、マスクをして。視覚障害者の生活の基盤がなくなってしまうとうろたえる日々です。マスクは、外を歩くとき、方向感覚が狂います。よく道に迷うようになりました。におい、風が頬に当たる感覚、全てが貴重な情報です。歩いているときにはしなくてもよいという話もありますが、人との間隔を取りにくい私たちは付けざるを得ません。
 独り暮らしをしていても、独り歩きをしていても、私は人に支えられているとよく感じました。でも、今は違います。ちょっとしたことなんですけれども、駅まで誘導してくれる、電車に乗ったら空いている席まで案内してくれる、スーパーではお客さんが買物を手伝ってくれる、並ぶときも何げなく手を貸してくれる、そんなことが少なくなりました。電車は窓を開けているから車内放送がよく聞き取りにくく、降りる駅を間違えないように緊張状態で乗っています。
 不要不急の外出はやめましょう、だから家から出ない、それはある意味私たちにとっては楽です。でも、それは限度があります。散歩も一人ではできにくいです。近所のスポーツセンターには行けないので、障害者のスポーツセンターに行くんですが、そこもずっと閉鎖状態。私もそうですが、動かない自転車を買ってひたすらこぐ。見えなくなっても頑張ってきたけど、もうどうでもいいや、死んだ方がましだという電話を受けたことがあります。出会って手を握り、肩をたたき合って、励まし合って、やっと生きている人も大勢います。
 コロナウイルス封じ込めのワクチン接種が始まりました。ここでも視覚障害者は大変な思いをしているようです。通知が分からず放っておいたという人が少なからずいます。都会や地方、自治体によっても様々な対応です。何にも印がなければ、ただの紙切れです。電話を掛けてもつながらない。パソコンやスマホから申し込める人はまだ僅かです。
 人の手を借り、目を借り、何とか危なっかしく生きているのが実態です。こんな状態を一刻も早く抜け出して、人と関わり合える日常を早く取り戻したいと思っています。
 一問目は以上です。

#148
○田村智子君 ありがとうございます。
 本当に人との接触ということの制限がどれだけ視覚障害の方にとって不安と、それから、実際に心が折れるほどの苦しみをもたらしているかということを率直に語っていただきました。
 二つ目の質問ですけれども、働く、就労における課題について、どのような課題、問題を感じておられるか、お答えいただきたいと思います。

#149
○参考人(藤野喜子君) 視覚障害者であっても能力を生かして弁護士や医師で立派に働いている方はおられます。また、今までの仕事を辞めずに、見えなくなっても一定訓練を受けて職場復帰をされている方もおられます。盲学校を卒業して、大学に行って、一般の企業に勤め、頑張って働いている人もおられます。
 ですが、圧倒的多数は伝統的職業であるあんまマッサージ、はり、きゅうの仕事をしています。かつては病院や特別養護老人ホームなどで安定的に働けていました。自宅開業も生活が成り立っていました。西暦の二〇〇〇年でした。介護保険導入、それから自治体の補助金制度の見直し、鍼灸養成学校が急激にできたことなど等あり、視覚障害者のあんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師、私たちはあはき師と言っていますので、これからあはき師と言わせていただきますが、あはき師は最低の生活、二百万円以下という人が多く見られるようになりました。
 そして、このコロナ禍です。介護保険を使っての訪問マッサージ業は患者が激減して、そこに働くマッサージ師は解雇という方もおられました。企業や大学等に勤務し、社員や職員の健康管理の目的でマッサージをしているヘルスキーパーは自宅待機、その後、自宅待機のまま解雇されたということも聞いています。自営業者は元々何の補償もなく、コロナ禍で惨たんたるものだよとため息をついている友人がいました。
 持続化給付金を申請するにしても、視覚障害者には大変難しく、相談しながら会としてお手伝いをしてきました。こんな状態がどのくらい続くのか分かりませんが、PCR検査も自由にできて、安心して治療をしたい、持続化給付金を一回ではなく二回、三回と支給してほしいと、切実な声を聞いています。
 こんな中ですが、重度障害者等就労支援特別事業が昨年十月から始まりました。詳しくは資料、「点字民報」一月号を御覧になってください。
 私も三十年間あはきの自営業をしてきました。治療室の清掃、書類の代筆、代読、出張の同行等、公的サービスは何一つ利用できませんでした。店を構えず、出張専門でやっている健常者のあはき師が近所に来て、これは全くかなわないなと思いました。今までは、経済活動には福祉制度は全く利用できないことになっていたのです。
 重度障害者等就労支援特別事業は地域生活支援促進事業に位置付けられましたので、これからは自治体に委ねられることになります。声を上げている自治体はさほどなく、視覚障害者を対象としてはまだ、対象としている自治体はないようです。雇用と福祉の連携、私たちも自治体に働きかけ、この制度を発展させていきたいと思います。
 制度を利用して、視覚障害者も社会参加をもっとしていきたいと思っています。
 二問目は以上です。

#150
○田村智子君 ありがとうございます。
 全視協の皆さんは、駅などの交通バリアフリーについても大変積極的に取り組まれてこられて、実際に実態調査等々も行ってこられています。
 今回の障害者差別解消法の改正では、これまで事業者に対して努力義務としてきた合理的配慮が義務付けとなります。鉄道事業者のバリアフリーの取組など、改正を受けて変わっていくということが求められるわけです。
 事業者の姿勢を変えるために何が必要か、また行政がやるべきことは何か、お答えいただきたいと思います。

#151
○参考人(藤野喜子君) 今回の改正で合理的配慮を民間にも義務付けるとのことです。私事になりますが、二つのことをお話しさせていただきます。
 一つは、家探しです。
 最初に就職したいと思ったとき、もう四十年も前のことなんですが、実家から遠方なのでアパートを借りようと思いました。朝から晩まで母と二人で不動産屋を回りましたが、見付けることはできませんでした。ああ、全く目が見えないの、それは無理だね、理由は、火事を起こされたら困るからねということでした。それはどこでも同じ答えでした。その当時は母も叱られました。見えない子を一人で生活させるなんて、あんた薄情な親だねと言っていました。
 結局、就職も家も諦めました。そして、二年前、東京に家を探したとき、四十年前と大して変わっていないなということを感じました。でも、理由は少し違っていて、うちにはエレベーターがないから、階段は危ないからということがありました。とんとん拍子に話が決まっていくなと思ったら、同行援護の人を私の夫と勘違いして、ああ、夫婦じゃないの、じゃ駄目だねと言われました。
 もう無理だなと思ったとき、そうですかと引っ込んでいたら何も変わらないと、私は視覚障害者の生活実態をお話ししたのです。訓練をすれば独りで暮らせるようになること、買物も料理もすること、階段はアパートだけではなく世の中にたくさんあること等。その不動産屋は最初は気乗りしなかったようですが、探してあげましょうということになって、今住みよいところに探してもらいました。
 二つです。
 私の夫は十三年前に他界したんですが、その前に入退院を繰り返しました。最初のとき、私が付き添っていきましたが、御家族の方はと夫に聞き、妻ですがと言うと、はあという感じでした。身内以外の代筆が認められないことも多く、義理の妹に来てもらったことや、入院して三か月がたち、慢性期病院に転院するときも悔しかったり悲しかったりしましたけど、その、御家族は、妻です、はあというあのショックは今も忘れることができません。私は家族じゃないのか。でも、その看護師は悪気はなく、普通の反応だったかもしれません。その人が差別をしたという意識はないと思います。
 意識はなかなか変えられません。ルール、法律を作り、法律が先を行き、意識を変えていくものだと思います。
 私は、高校二年のとき、独り歩きを始めました。一年間の歩行訓練を受けました。次の年、駅のホームから線路に転落しました。まだ点字ブロックがありませんでした。そのとき、自分を責めました。何であれだけ大変な訓練したのに落ちたんだ、そんなことを自問自答していました。ですが、自分の努力だけでは生きられないということも落ちたことで感じました。
 あれから四十五年たち、私は今東京にいます。多くの駅にホーム柵があります。この駅は落ちないと思うだけでとてもうれしくなり、るんるんとした気分になります。トイレの入口では音声が流れ、中はとてもきれいです。でも、駅からどんどん駅員がいなくなります。私たちは、柵ができても、人の対応が一番有り難いです。カメラがありますといいますが、カメラには手がありません。何かあったときにどう対応してくれるのでしょうか。
 役所でも銀行でもデパートでも、その手続や買物は専門家としてきちんと対応してほしいのです。
 法律を使っていく、差別と感じたら勇気を持って関係機関に訴えていく、法律を育てていくのも私たちの責任と考えています。
 ありがとうございました。

#152
○田村智子君 本当にありがとうございました。差別解消法の審議でこうした当事者の方の声を私たち議員と政府、大臣含めて聞くことができたのは、とても貴重な時間になったというふうに思います。
 一つ一つのことについて政府にただしていきたいところなんですけれども、今日は朝日政務官にお越しいただきましたので、家探しも国土交通省なんですが、是非今のはお聞きいただいて、省内で持ち帰っていただきたいと思います。
 お聞きしたいのは、このホームからの転落事故の防止策というのは、まさに命が懸かった問題なんですね。指摘のあった駅員の配置も含めて、事業者の取組を強力に促進する国の施策が求められていると思います。国交省として、この義務付けという法改正を受けてどう取り組むのか、お願いいたします。

#153
○大臣政務官(朝日健太郎君) お答え申し上げます。
 藤野参考人、本日は貴重な御意見をありがとうございます。
 国土交通省よりお答えさせていただきます。
 視覚障害者を始め全ての利用者が安心して鉄道を利用できるように、国土交通省といたしましては、ホームドアの整備を一層推進すべく、新たな目標を定めました。
 具体的には、これまで駅単位の目標であったものを、細やかに進捗をフォローするために、ホームですね、番線単位の目標といたしまして、令和七年度までに、優先度の高い三千番線、うち一日当たり平均利用者が十万人以上の駅で八百番線を整備し、この整備ペースを二倍に加速化していく予定であります。
 一方、ホームドアの整備には時間や費用を要することもありまして、ホームドアによらない安全対策を検討する必要があります。このため、視覚障害者や支援団体や学識経験者の方々を委員とする新技術等を活用した駅ホームにおける視覚障害者の安全対策検討会を昨年十月に設置をいたしました。
 この検討会では、視覚障害者の方がホームから転落された原因を調査するとともに、AIなど新技術を活用した対策の検討、加えて、歩行訓練士によるホーム上の歩行訓練など、視覚障害者の方々にも御参加いただき、取組を進める予定でございます。
 また、参考人からもありましたけれども、お声掛けが大変重要だということも踏まえまして、駅員による声掛けなどソフト対策も進めてまいります。毎年、全国の鉄道事業者と障害者団体、国等が連携をいたしまして、「声かけ・サポート」運動強化キャンペーンを行っております。このキャンペーンを通じまして、障害者の方々へ声掛け、見守りが促進されるように取り組んでおります。
 さらに、時間帯によって駅員が不在となる駅や終日無人の駅においても障害者の方々が駅を安全、円滑に利用できることが重要でありまして、現在、障害者団体、鉄道事業者、国土交通省が連携をいたしまして検討を進めております。
 国土交通省といたしましては、これらの様々な手段を講じることで、視覚障害者を始め全ての利用者が安全、安心に鉄道を利用できるように引き続き取り組んでまいります。

#154
○田村智子君 是非よろしくお願いしたいと思います。駅員の配置、本当によろしくお願いしたいというふうに思います。
 この障害者差別解消法にのっとった合理的配慮、これは参議院にも問われてきました。二〇一九年、横沢議員も当選されたんですけれども、同じときに、二十四時間の重度訪問介護を必要とするれいわ新選組の木村議員、舩後議員が当選されました。お二人の議員活動を保障するために何が必要か、議院運営委員会で議論を重ねたことは私にとっても大変貴重な経験となりました。議運の理事の大家議員もこの内閣委員会におられますけれども。
 この重度訪問介護サービスは収入を得る活動には利用できない、これが最も議論を要した問題でした。これまでと同様に利用できるようにという要請書も木村議員、舩後議員からは参議院に提出をされ、議運理事会では厚労省などからのヒアリングも行って、議員活動とみなす時間は参議院が費用負担をするという結論を得ました。
 これは国民の信託を受けた議員の活動を保障する対応として評価できると思うんですけれども、例えば地方議会で同じ対応ができるのかと考えれば、生活支援の事業が就労等で利用できないという根本的な矛盾の解決が求められていると思います。
 坂本大臣、国の施策の制度設計が障害者差別解消の足かせとなっているんじゃないのかと私には思えるんですけれども、大きな見地での問い直しが必要と思いますが、いかがでしょうか。

#155
○国務大臣(坂本哲志君) 障害者差別解消法は、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを目的としております。
 直接所管していない個別制度についてのコメントは差し控えさせていただきますけれども、この目的からは、障害のある方が地域で質の高い自立した生活を営むため、就労等について必要な取組を進めることも大変重要であるというふうに考えております。

#156
○田村智子君 今日、本当に全視協のこの「点字民報」が非常に分かりやすく書いてくださった資料を提供いただいたので、是非皆さん見ていただきたいんですけれども、昨年十月から重度訪問介護サービス利用者等職場介助助成金、通勤援助助成金が創設をされたと。障害者を雇用する事業主が重度訪問介護サービスを事業者に委託する場合の助成金なんですね。
 自営業者でも使えるということでのいろんな前進を皆さんの運動でつくってきたということなんですけれども、しかし、この職場介助助成金、この助成金、障害者の法定雇用率未達成の事業者が支払う納付金が原資なんですよ。雇用率未達の事業者がいっぱいいなければ助成金制度として成り立たないということになるわけですよね。また、雇用保険の対象外である国や地方自治体はこの助成金の対象外というふうにもなります。また、通勤援助助成金、地方自治体の事業で実施する意向を示しているのは、この全視協の皆さんの調査で十三自治体のみと厚労省からは聞き取ったということですけれども、これでは安定的な制度とはとても言えないわけです。
 この重度訪問介護サービスというのは、お仕事でなく出かけるんだったら使えるんですよね。だけど、仕事で出かけるときに使えない、仕事中には使えない。しかし、重度の障害を持つ方は、どこで生活しようとも、どういう活動やどういう仕事をどこでやろうとも、欠かすことのできないこの介護なんですよ。
 障害者の方の基本的な権利保障の制度、それを、就労は対象外とか、それは事業主が負担してくださいとか、これは障害者雇用促進の足かせになっていると思います。根本的な見直しが必要だと思いますが、厚労政務官、お願いします。

#157
○大臣政務官(大隈和英君) 御質問ありがとうございます。お答え申し上げます。
 重度の障害者に対する就労中の支援につきましては事業主に対する助成措置を講じておりまして、重度訪問介護におきましては経済活動に対する支援は対象としていないということでございます。
 一方、近年、ICTの発達、働き方の多様化などを背景に、重度の障害がある方も働ける社会が実現している中で、障害者がより働きやすい社会を目指すためには、御指摘のように、通勤や働く際に必要となる介助、特に最近ではコロナ禍におけるテレワーク、自宅での、在宅での仕事ということもございますが、などの支援の在り方が重要な課題であると認識してございます。
 そこで、重度の障害のある方の通勤や職場等における支援につきまして、雇用と福祉の両施策が連携した取組といたしまして、意欲的な企業や自治体を支援するため、令和二年度十月より障害者雇用納付金制度に基づく助成金の拡充を図るとともに、障害者総合支援法に基づきまして自治体が行う地域生活支援事業における支援メニューを創設して実施しているところでございます。
 さらに、令和三年度におきましては、この自治体が行う地域生活支援事業による取組について更に促進すべき事業として新たに、国がこれ二分の一負担となりますが、地域生活支援促進事業に位置付けまして、より一層の取組推進を図っているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、こうした新たな取組が円滑に実施されますよう、あらゆる機会を捉えまして周知等を行うとともに、その利活用の状況等を踏まえまして必要な対応をしっかりと行ってまいりたいと考えております。

#158
○田村智子君 私が提起した根本的な矛盾にはお答えになっていないんですよ。雇用率を満たしていない、つまり障害者の雇用をしていないという企業がいない限りはこの助成金は成り立たないんですよ。その根本的な矛盾の解決は国において求められていると。そのことを本当に、この場でこれ以上の答弁出ないのかもしれないんですけれども、これやらなかったら、国は何で差別解消法を作っているのかということになっちゃいますよ、本当に。これを受け止めていただきたい。
 もう一つ、どうしても質問したいのが、障害者就業・生活支援センターなんです。一人一人の障害者の就業と就労継続などを伴走型で行っていて、障害者に対しても、それから事業者に対しても、どちらの支援も行っています。全国で今三百三十六か所、NPO法人や社会福祉法人などが厚労省からの委託費で運営しています。
 厚労省の障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会報告書の素案が五月二十一日に公表されましたけれども、ここでも、今後、就業支援、生活支援双方における基幹型としての機能も担う地域の拠点としての強化を求めています。
 ところが、今年度の予算、これ国からの委託費が大幅に減額をしているのではないでしょうか。ちょっと時間の関係でこちらから言います。四・七億円、総額で減額になっていまして、今、このセンターの皆さんが大変苦慮している状態になっています。これ、何でこんな減額が行われたのか、お答えください。

#159
○政府参考人(達谷窟庸野君) 令和三年度の、今先生から御指摘ございました障害者就業・生活支援センターの予算についてでございますが、先ほど先生おっしゃられたとおり、約四・七億円の減額、総額は約七十九億円でございまして、昨年度の当初予算からすると約四・七億円の減額、前年度比で約五・六%減となってございますが、これは過去の予算の執行状況等を勘案した上でこのような予算の措置をしたということでございます。

#160
○田村智子君 今、委託費の執行率ということを理由にしているんですけれども、これ、コロナ禍で、企業での研修や職場体験が中止をされたり、一時的に利用者が減少したと、その影響があるんですよ。また後で具体的に指摘しますけれども、委託費の使い勝手が悪くて、実際には法人の持ち出しがあるのに、使い残しになってしまうと。
 このセンターが加盟するNPO法人全国就業支援ネットワークが三月に調査を行っています。百三十一センターの集計を見てみますと、昨年度と比べて減額となるというふうに回答したのは七五%。人件費の確保さえ困難という実態も寄せられています。この調査を踏まえてこのネットワークは、今回の予算の大幅な減少は事業実施そのものを非常に困難なものにします、事業からの撤退につながることを危惧しますと、こういう要望書も提出をしています。
 そもそも、そもそもね、この何で四・七億円もの減額かというと、雇用調整助成金がコロナ禍の下で急増していて、雇用保険財源が逼迫している、これが今回の減額の一番の要因ではないんですか。そうであるなら、一般会計から繰り入れるのが当然ですよ。事業継続が困難と、ここまでの要望が出ています。何らかの手だてが必要だと思いますが、いかがでしょう。

#161
○大臣政務官(大隈和英君) お答えいたします。
 障害者就業・生活支援センター事業の令和三年度予算につきましては、過去の執行状況等を踏まえまして減額となっておりますが、各センターからの要望も踏まえまして、先生御指摘のように、効率的な執行が行えるように、例えば、本来単年度契約でリースが主だったものを、物品の購入等を中心に可能な限り運用の柔軟化というものを図っているところでございます。
 現在、障害者の就労支援を更に充実させるため、厚生労働省におきましては、障害者雇用と福祉それぞれの有識者参集の下、障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会を開催しているところでございますが、就業面と生活面の一体的な支援を行っているセンターに対する期待は高く、その在り方について議論されているところでございます。
 今後、これも踏まえまして、労働政策審議会障害者雇用分科会におきまして障害者就業・生活支援センター事業の在り方について議論をいただくこととなっておりまして、引き続きセンターの安定的な運営に向けまして必要な措置を講じてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

#162
○田村智子君 今年度についてはやっぱり雇用保険財源がこれいっぱい使われる状態にあるのは仕方がないですよ、コロナ禍なんだから。是非、一般会計からの繰入れ等々をやって、この財源の逼迫をもって予算が減っていく、委託費が減っていくと、こういうことのないようにしていただきたい。
 そもそも委託費の範囲内での運営が求められるので、執行率が一〇〇%に抑えると、一〇〇%内に抑えるということを前提としているような仕組みになっているんですよ。しかも、一〇〇%を切った理由で最も多いのは、産休、育休、途中退職による欠員。欠員補充の努力をしているんだけれども、これを理由にして委託費がまた切られていくとどうなるかというと、じゃ、その欠員状態を前提にしたような人員配置になってしまうじゃありませんか。人員強化ができないということになっていくんですよ。
 しかも、厚労省の委託費の計算は実態に合っていないという指摘が多々寄せられています。ネットワークの調査の書き込みの中にいっぱいあります。住宅手当や扶養手当が認められない、公用車が不可欠な地域なのにリース代が出ない、三人の正規職員を見積もったら人件費部分が高いと言われ、一名を経験の浅い臨時職員とする見積りに変更した、こういう事例いっぱいあるんですよ。スキルや経験を有するスタッフを配置したい、職員のモチベーションが向上する処遇にしたいと、こういう委託費になっていないということだと思うんですね。これ、抜本的な改善こそが必要だというふうに思います。
 雇用保険財源だけで運用することがふさわしいのかどうか、このことも含めた本当に抜本的な検討を行っていただきたい。人員の体制強化とスキルアップ、それを保障する処遇、こういうことをやっていかなきゃいけないと思うんですよ。いかがでしょうか。

#163
○大臣政務官(大隈和英君) 御指摘の、実際の執行状況を踏まえた委託費措置になっていないという御指摘でございます。
 委託額の配賦に当たっては、来年度は可能な限り個別の事情も踏まえた上で予算の配賦ができるよう、今後、障害者就業・生活支援センターに対する個別ヒアリングを早期に実施いたしまして、きめ細かく対応していく予定でございます。
 障害者就業・生活支援センターが地域の中核的な就労支援機関としてしっかり機能を果たしていけるよう、障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会や労働政策審議会障害者雇用分科会の議論を踏まえつつ、引き続き障害者就業・生活支援センターの安定的な運営に向けまして必要な措置を検討してまいりたいと考えております。

#164
○田村智子君 これ本当、監査が細か過ぎて、こういうふうに使いなさいというのに対して、今の、正規で三人雇いたいのに一人は非正規になっちゃうような監査になっているんですよ。不正に使われていたら別ですけど、そんな細かい監査がなぜ必要なのかということも含めて是非検討いただきたいんです。
 最後、坂本大臣にお聞きします。
 この今私が指摘したセンターの予算の問題も含めてですけれども、障害者の施策が福祉と就労・雇用、この二つに予算上、まさに縦割りになっているんですよ。ぱっかり分かれちゃっているんですよ。例えば、公務職場での就労についてはセンターは支援の対象外になってしまっているという問題も、これ雇用保険財源だからできませんよという話にもなってしまう。
 だから、この二十四時間切れ目なく必要な介助が、就労や通勤時間では違う制度を受けなさいというふうに言われてしまう。障害者の方にとっては一貫した、一貫したサービス利用をしようとしていても、予算上ぱっかり分かれてしまう。これ、事業者もそうで、今のセンターというのは生活支援事業もやっているんですよ。そうすると、その生活支援事業というのは別のところからの財源でやってくる、就労については雇用保険財源からやってくると。非常にこういう混乱、混乱というか、煩雑な手続も必要となってくるんですよ。
 こういう国の施策がやはり障害者の方が自らの意思で働くことが当たり前という社会をつくっていく上での障壁になっているというふうに私は思います。これ、厚労省の各部署に任せているだけでは駄目だと思います。大臣、いかがでしょうか。

#165
○国務大臣(坂本哲志君) 委員御指摘の福祉分野とそれから雇用分野、いずれも厚生労働省の所管分野でありまして、厚生労働大臣の下で必要な連携が図られるものと承知しておりますけれども、私たち内閣府といたしましては、第四次の障害者基本計画の中に、障害福祉サービスの質の向上、それから総合的な就労支援、こういったものを盛り込んでおります。
 こういった計画に基づきまして、障害者の自立及び社会参加の支援のための施策を政府全体として着実に進めてまいります。

#166
○田村智子君 終わります。

#167
○委員長(森屋宏君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 しばらくお待ちください。──失礼しました。
 直ちに採決に入ります。
 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#168
○委員長(森屋宏君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、木戸口君から発言を求められておりますので、これを許します。木戸口英司君。

#169
○木戸口英司君 私は、ただいま可決されました障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会、国民民主党・新緑風会及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずるべきである。
 一 本法の施行は、公布の日から三年を待たず、可能な限り早期に行うこと。
 二 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律についての理解がより一層深まるよう啓発に努めるとともに、本法並びに本法に基づく基本方針、対応要領及び対応指針の改定については、国の各行政機関、地方公共団体及び民間事業者に周知徹底すること。
 三 複合的な差別を含め、障害を理由とする差別の解消を総合的に推進するため、次期障害者基本計画の策定を通じて把握した課題について、障害者基本法及び障害者虐待防止法の見直しを含めて必要な対応を検討すること。
 四 基本方針において、障害者の権利に関する条約の精神にのっとり、差別の定義に係る基本的な考え方を明記することを検討すること。
 五 障害のある女性や性的少数者等への複合的な差別の解消について、基本方針、対応要領及び対応指針に明記することを検討すること。また、地方公共団体と連携して、複合的な差別に関する情報の収集、分析を行うこと。
 六 基本方針等において、障害の分野に応じて、具体的な差別事例や合理的配慮の提供事例を盛り込むことを検討すること。
 七 基本方針、対応要領及び対応方針の改定に当たっては、障害者の権利に関する条約における障害当事者参画の理念等を踏まえ、障害者、障害者団体その他の関係者の意見を聴取すること。
 八 障害者基本計画の実施状況の監視に当たっては、知的障害者及び精神障害者を含む障害者並びに障害者団体の構成員の参画を検討すること。
 九 障害を理由とする差別に関する相談及び紛争の防止又は解決に必要な体制を整備するに当たっては、以下の諸点に留意すること。
  1 障害を理由とする差別に関する相談について、たらい回しを防止する等の観点から、ワンストップの相談窓口を設けるとともに、国と地方公共団体との連携を強化すること。
  2 障害者が安心して相談することができるよう、相談窓口における相談対応者に障害者を加えること。
  3 既存の機関によるこれまでの対応について調査、分析し、その結果を公表すること。
 十 相談窓口については、電話対応だけでなく、FAX、電子メール、SNS等の利用を可能とするなど、聴覚障害者が利用しやすい体制を整備すること。
 十一 障害を理由とする差別の解消に向けた啓発活動に当たっては、障害者団体等が実施している研修に関する情報を可能な限り収集し、その内容も十分に踏まえて検討すること。
 十二 障害を理由とする差別及びその解消のための取組に関する情報の収集及び整理に当たっては、民間事業者に対し情報の提供等を求めつつ、国の各行政機関及び地方公共団体が協力・連携し、データベースの構築等により、情報を共有すること。
 十三 障害者差別解消法第五条に基づく環境の整備を行うため、公共施設、公共交通機関その他不特定多数の者が利用する施設等のバリアフリー化を推進するための財政措置を含め、必要な措置を講ずること。
 十四 合理的配慮の提供に当たっての意思の表明について、知的障害等により本人の意思の表明が困難な場合には家族、介助者等が本人を補佐して行うことも可能であることを、国の各行政機関、地方公共団体及び民間事業者に十分に周知すること。
 十五 基本方針、対応要領及び対応方針の改定に当たっては、障害の特性に応じて、ルビ、点字、音声等を用いるなど、全ての人に分かりやすい情報提供となるよう配慮すること。
 十六 国の各行政機関又は地方公共団体が合理的配慮を提供しない場合は、その理由を障害者側に十分説明することに努め、その旨を国の各行政機関及び地方公共団体に周知徹底すること。
 十七 障害者差別解消支援地域協議会について、未設置市町村も少なくないことを踏まえ、地方公共団体に対して十分な支援を行うこと。
 十八 法令等において用いられている「障害者」のうかんむりの「害」の字を他の漢字とし、又はひらがなの「がい」とするかどうかの検討に資するため、障害当事者の意向や世論の動向を把握すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

#170
○委員長(森屋宏君) ただいま木戸口君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#171
○委員長(森屋宏君) 全会一致と認めます。よって、木戸口君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。
 ただいまの決議に対し、坂本国務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。坂本国務大臣。

#172
○国務大臣(坂本哲志君) ただいま御決議いただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重してまいりたいと存じます。

#173
○委員長(森屋宏君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#174
○委員長(森屋宏君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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