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2021/05/27 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 経済産業委員会 第6号 令和3年5月27日
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2021/05/27 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 経済産業委員会 第6号 令和3年5月27日

#1
令和三年五月二十七日(木曜日)
   午前十時開会
     ─────────────
   委員の異動
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     高橋はるみ君     衛藤 晟一君
 五月二十一日
    辞任         補欠選任
     衛藤 晟一君     高橋はるみ君
 五月二十四日
    辞任         補欠選任
     高瀬 弘美君     安江 伸夫君
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     高橋はるみ君     島村  大君
     安江 伸夫君     高瀬 弘美君
 五月二十六日
    辞任         補欠選任
     島村  大君     高橋はるみ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         有田 芳生君
    理 事
                青山 繁晴君
                加田 裕之君
                宮本 周司君
                礒崎 哲史君
                岩渕  友君
    委 員
                阿達 雅志君
                青木 一彦君
                江島  潔君
                佐藤  啓君
                高橋はるみ君
                松村 祥史君
                宮沢 由佳君
                森本 真治君
                里見 隆治君
                高瀬 弘美君
                新妻 秀規君
                石井  章君
                浜野 喜史君
                ながえ孝子君
                安達  澄君
   国務大臣
       経済産業大臣   梶山 弘志君
   副大臣
       経済産業副大臣  江島  潔君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       佐藤  啓君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山口 秀樹君
   政府参考人
       外務省大臣官房
       審議官      高杉 優弘君
       財務省財務総合
       政策研究所副所
       長        小野  稔君
       国税庁長官官房
       審議官      木村 秀美君
       経済産業省大臣
       官房審議官    中原 裕彦君
       経済産業省大臣
       官房審議官    矢作 友良君
       経済産業省大臣
       官房審議官    小笠原陽一君
       経済産業省大臣
       官房審議官    岩城 宏幸君
       経済産業省大臣
       官房調査統計グ
       ループ長     後藤 雄三君
       経済産業省経済
       産業政策局長   新原 浩朗君
       経済産業省商務
       情報政策局長   平井 裕秀君
       資源エネルギー
       庁長官官房資源
       エネルギー政策
       統括調整官    小野 洋太君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       茂木  正君
       資源エネルギー
       庁資源・燃料部
       長        南   亮君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      松山 泰浩君
       中小企業庁長官  前田 泰宏君
       中小企業庁事業
       環境部長     飯田 健太君
       中小企業庁経営
       支援部長     村上 敬亮君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────

#2
○委員長(有田芳生君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、外務省大臣官房審議官高杉優弘さん外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○委員長(有田芳生君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#4
○委員長(有田芳生君) 産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。梶山経済産業大臣。

#5
○国務大臣(梶山弘志君) 皆さん、おはようございます。
 御説明に先立って、法案の条文案に四か所、条文案以外の参考資料に二十か所の誤りが判明したことについては、国会にて法案を提出し、御審議を仰ぐ立場の政府として誠に申し訳なく、改めて深くおわびを申し上げます。
 今後、このようなことがないよう、しっかりと対応してまいります。
 ただいま議題となりました産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、我が国経済が戦後最大の落ち込みを記録する中、厳しい状況に置かれている事業者に対し、引き続きその事業継続や雇用の維持に必要な支援を行っていく必要があります。他方、世界各国で新たな日常への模索が続く今こそ、我が国が旧態依然とした経済社会システムから本格的に脱却し、グローバルな構造変化へと一気に適応していくチャンスでもあります。
 成長戦略としての二〇五〇年カーボンニュートラルの実現、デジタル化への対応、新たな日常に向けた事業再構築など、山積する課題に対して必要な取組を進めることで、我が国産業の持続的な発展を図ることが重要です。さらに、人口が急速に減少する中、地域の経済や雇用を支える小規模事業者の持続的発展を図りつつ、中小企業から中堅企業への成長を促すことで海外で競争できる企業を増やしていくことが必要です。こうした状況を踏まえ、本法律案を提出した次第です。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 まず、産業競争力強化法の一部改正等です。
 第一に、グリーン社会への転換のための施策を講じます。カーボンニュートラル実現に向けた事業者の計画を認定し、脱炭素化効果が高い製品の生産設備への投資や、生産工程等で脱炭素化を進める設備への投資に対する税額控除や計画の実施に必要な借入れに対する利子補給を措置します。
 第二に、デジタル化への対応のための施策を講じます。デジタル技術を活用した全社レベルのデジタルトランスフォーメーションに関する事業者の計画を認定し、クラウド技術を活用したソフト、ハードのデジタル関連投資に対する税額控除などの措置を講じます。
 第三に、新たな日常に向けた事業再構築のための施策を講じます。コロナ禍などで赤字を被った企業が、カーボンニュートラル、デジタルトランスフォーメーション、事業再構築等に取り組む場合に、事業者の計画を認定し、繰越欠損金の控除上限の引上げなどの措置を講じます。
 このほか、コロナ禍を踏まえ、バーチャルのみで株主総会を開催することができる特例や、大型ベンチャー企業への債務保証制度、事業再編、事業再生の円滑化等に関する制度を措置します。
 次に、中小企業等経営強化法、地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律及び下請中小企業振興法の一部改正です。
 第一に、中堅企業への成長促進のための施策を講じます。中小企業の積極的な事業や規模の拡大を促進する経営革新計画の承認制度等について、新たな支援対象類型を創設し、金融支援等を措置します。
 第二に、中小企業の経営資源の集約化のための施策を講じます。MアンドAに先立ち実施する調査に係る事項を記載した経営力向上計画を認定し、MアンドA後の簿外債務等のリスクに備えるために積み立てた準備金の金額の損金算入や金融支援を措置します。あわせて、中小企業が所在不明株主の株式の買取り等を行うまでに必要な期間を五年から一年に短縮する特例を措置します。
 第三に、中小企業等の経営基盤の強化のための施策を講じます。中小企業者と連携して事業継続力の強化に取り組む中堅企業に対して金融支援等を措置します。あわせて、フリーランスに見られる取引を始め、より広い取引を下請中小企業振興法の対象とする等の措置を講じます。
 また、これらの措置に加えて、独立行政法人中小企業基盤整備機構法について必要な改正を行います。
 以上が本法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。

#6
○委員長(有田芳生君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#7
○宮本周司君 おはようございます。
 まず冒頭、今もなおコロナウイルスの影響、不安が各地域を包む、そしてその中で企業、事業所にも甚大な影響が及んでおります。大臣を筆頭に経済産業省におかれましては、企業の足下を支える、また中長期的にこれからのアフターコロナ社会の経済をつくっていくための支援を実践をしていただいていると思いますが、状況に応じて更なる拡充をお願いして、質問に入らせていただきます。
 まず、その新型コロナウイルスの影響が長期化する中におきまして、例えば増益、減益など業績が二極化をするいわゆるK字決算、またK字回復とも言われるような業況判断がございます。業績によって受けている影響が大きく異なっております。現状認識をしっかりと共有した上で法案の内容を含めた対策の議論を行うべきだと考えております。
 まず、この法案審議を行う前提として足下の経済の状況をどのように認識をしているのか、そして、本法案が産業競争力の強化、またこれからの成長フェーズに向けてどのような対応策を盛り込んでいるのか、まずはその全体像、お聞かせください。

#8
○国務大臣(梶山弘志君) 今回のコロナ禍は、過去の経済危機と異なり、全ての産業に一律に影響を与えているわけではなく、今委員が御指摘ありましたように、K字回復とも言われるように、悪影響を受けている企業がある一方で、利益を伸ばしている企業もあると承知をしております。
 具体的には、利益率が五%以上向上した上場企業は、日本で一四・二%、米国で一九・〇%、欧州においては二三・八%となっており、デジタル化や巣ごもり需要等に対応した企業を中心に利益率が向上している企業があります。他方、利益率が五%以上悪化した上場企業は、日本で一〇・七%、米国一九・七%、欧州二四・八%となっており、飲食や宿泊を中心に悪影響が生じている現状であります。
 こうした状況を踏まえて、本法案において、赤字でも努力を惜しまずに事業再構築等に向けた投資を行う企業に対して、繰越欠損金の控除上限を実際に行った投資額の範囲内で最大一〇〇%まで引き上げる措置を講じております。さらに、デジタルやグリーンといった成長の可能性がある分野に積極的に成長投資を進めるべく、本法案ではカーボンニュートラル投資促進税制やDX投資促進税制を措置をしているところであります。
 今回の法案だけではなくて、予算、税制による措置を総動員することによって、グリーン社会への転換、デジタル化への対応、新たな日常に向けた事業再構築などへの集中投資を促すことでイノベーションを後押しをする、そして、ウイズコロナ、ポストコロナ時代において我が国経済が再び力強く成長できるように全力を尽くしてまいりたいと考えております。

#9
○宮本周司君 ありがとうございます。
 菅総理が今国会の施政方針演説でも述べられたとおり、次の成長の原動力はやはりグリーン、またデジタルだと私も強く認識をしております。今回の改正法案の大きな柱にも、今ほど大臣からの御答弁にもありましたようなグリーン社会への転換、またデジタル化への対応となっておりまして、税制措置などを講じられておりますが、その利用には様々な要件が課されているとも理解をしています。
 それぞれ具体的にどのような要件がどのような考え方で課されているのか、御説明をお願いします。

#10
○政府参考人(新原浩朗君) お答え申します。
 まず、グリーンのカーボンニュートラルの投資促進税制でございますが、分母にエネルギー起源のCO2の排出量、それから分子に付加価値額を取る炭素生産性という指標を入れまして、三年以内に七%以上これを改善する場合について税額控除五%を適用しております。これ、二〇五〇年に八〇%削減という従来の長期目標に照らして設定をしたものでございます。さらに、三年以内にこれを一〇%以上改善する場合について税額控除一〇%を適用することとしております。これは、今般の二〇五〇年カーボンニュートラルという更に高い目標に照らして設定をしたものでございます。
 デジタルの方でございますが、DXの投資促進税制では、総資産に対する利益率でございますROAを五年以内に一・五%ポイント向上することなどを要件としております。これは、デジタル技術を用いて企業変革をしまして、欧米企業に遜色ない水準を目指すものでございまして、現在の我が国企業のROAは三・三%程度、これに対して欧米は四・八%程度でございますので、その差である一・五%の向上を目指して設定をさせていただいたものでございます。

#11
○宮本周司君 ありがとうございます。
 今御説明いただいたグリーン社会への転換、デジタル化への対応に係る支援策の要件、確かにしっかりとこれからの経済成長を見極めた中での設定であるとは理解をしますが、正直、中小企業や小規模事業者にとってはハードルが高いという印象も受けた、これも正直なところでございます。
 この法案が結局大企業にしか使われない支援策なのではないかという懸念もある中で、しっかりとこの中小企業や小規模事業者にも動機付けをしていく、どのように中小・小規模企業に対してグリーンまたデジタルを進めていくのか、この点に関しても是非お考えをお聞かせください。

#12
○大臣政務官(佐藤啓君) お答えいたします。
 本法案で措置されているカーボンニュートラル投資促進税制やDX投資促進税制は、中小・小規模事業者も含めて御活用いただけるものとなっております。制度の利用を促進すべく、申請者の負担を極力減らすため、計画認定実務についても電子申請を最大限活用するなど、事業者にとっての利便性を高めていきます。加えて、説明会の開催については、中小企業を含む各業界団体単位できめ細かく対応してまいります。
 一方、指摘のとおり、事業者には一定のハードルがあるものと承知をしていますが、カーボンニュートラルの実現、また全社レベルのデジタルトランスフォーメーションの推進といった税制の趣旨に照らせば、適切なものであると認識をしているところでございます。
 中小企業、また小規模事業者の皆様に対しては、IT導入補助金、また、ものづくり補助金を含む総額七千六百億円の中小企業生産性革命推進事業、それから中小企業経営強化税制などによって、グリーン、デジタル等にも資する未来投資を後押ししているところでございます。

#13
○宮本周司君 ありがとうございます。
 いわゆる政策が様々多岐にわたる中で、総合的に支援の環境も拡充していただいているとは思いますが、まず分かりよさ、しっかりと伝えるというところに関しても意識を向けて、この法案の上で様々な政策を実践をしていただけたらなと思っております。
 カーボンニュートラル、デジタルトランスフォーメーション、共に鍵を握るのは、私はデジタル人材だと思っております。
 スイスのビジネススクール、IMD、昨日の本会議場での質問でも、礒崎委員また宮沢委員からも、このIMDによる国際競争力ランキングで日本の総合順位が少し落ち込んでいると、そういった言及もあったかと思います。
 同じこのIMDの発表しておりますデジタル競争ランキング、これの二〇二〇年の結果におきましては、日本は全六十三か国・地域中、前年から四つランクダウンをした二十七位となっています。そして、この中で、特に人材のデジタル技術スキル、これが残念ながら全六十三か国・地域中六十二位というふうに低迷をしております。
 これまで設計図に基づくITシステムをつくり上げる、そういった伝統的なシステムエンジニアではなく、会社の経営の方向性を踏まえつつ、デジタル技術を活用した新たなビジネスモデルの提案、実装、これをリードできるような、まさに先端的なデジタル人材の育成が不可欠だと思っています。アーキテクト、データサイエンティスト、エンジニア、オペレーター、またサイバーセキュリティースペシャリスト、こういったデジタル技術でビジネスをデザインできる人材、またその人材を支えるための人材、ここが必要だと思っています。
 国内のIT人材は二〇三〇年までに四十五万人不足するのではないかという試算もございます。経産省の中でも、リカレント教育であったり、またエドテックというものをこれまでも推進してきました。そういった取組を含めて、今後、この先端デジタル人材の育成を早期にどのように実践、実現していくのか、ここに対するお考えをお聞かせください。

#14
○政府参考人(平井裕秀君) お答え申し上げます。
 カーボンニュートラルの実現、そして企業のデジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXを推進していくに当たりまして、先端技術を担いデジタルインフラを支えるデジタル人材、これを育成、確保していくことの重要性及び急務という認識については、委員の御指摘そのとおりだと思っております。
 このため、経済産業省におきましては、AI、それからIoTといったような先端分野に対応した若手人材を育成します未踏事業ですとか、先端分野の民間講座を認定することで社会人のリカレント教育を促す第四次産業革命スキル習得講座認定制度といったようなものを通じまして、高度IT人材の育成政策を進めてきているところでございます。
 さらに、将来を担う人材という観点で考えますと、小中そして高の学校の教育において、一人一台端末ですとかエドテックの活用といったような学校におけるデジタル整備を通じまして、子供の学習環境の抜本的改善を推進する未来の教室実証事業を、これを進めているところでございます。それとともに、その成果を普及するために、エドテック導入補助金事業も実施しているところでございます。
 これらの施策を通じまして、先端技術を担うデジタル人材の育成に努めてまいる所存でございます。

#15
○宮本周司君 当然、民間のレベルにおいても様々な努力、挑戦が繰り返されていると思いますが、政治、行政の側からもしっかりとした環境を整えていく、このことは強くお願いをしたいと思います。
 では、これから、特にカーボンニュートラルの実現に向けたエネルギー関連で質問をさせていただきたいと思います。
 カーボンニュートラルの実現に向けては再エネの導入拡大が不可欠である、これは論をまたないと思います。他方で、例えば太陽光発電一つ取ってみましても、実質的な発電時間は二十四時間のうちの一部、また、当然のことながら天候にも大きく左右をされます。再エネのみで全てのエネルギーを将来賄っていく、これには限界があるのではないかと思いますが、どのように捉えていらっしゃいますでしょうか。

#16
○政府参考人(茂木正君) 再エネは二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現に向けて鍵でありまして、最大限導入していくという方針でございますが、今御指摘ございましたとおり、例えば、太陽光発電は天候によりまして発電量が変動いたしますので、この変動に対応するための調整力というのが必要になります。現状、こうした調整力は主に火力発電で担保されているということになります。再エネが今度導入拡大していきますと、こうした調整力を適切に確保していくということが重要になってまいりますし、さらに、今後、調整力の脱炭素化という観点からは、揚水発電の活用ですとか蓄電池の更なる導入拡大、それから水素の活用といった取組を進めていく必要があります。
 また、再エネを進めていきますと、これ国民負担の抑制ですとか、それから平地が限られている日本において大規模な土地の確保といった、そういった制約にも対応していく必要があります。この辺りは、入札制の活用ですとかあるいは中長期目標の設定によってコストを引き続き下げていくとともに、洋上風力の開発ですとか、それから既存の太陽電池が設置できないような場所に設置できる次世代型の太陽電池の開発、こういったものをスピード感を持って取り組んでいきたいというふうに考えています。
 二〇五〇年に向けた再エネのコスト低減や投資喚起、技術開発、こうしたものはしっかり進めてまいりますが、不確実な部分もあります。原子力、水素、CCSなど、あらゆる選択肢を追求していくことが重要だというふうに考えています。

#17
○宮本周司君 今ある実現手段をしっかりと活用する、その上で未来に向けた技術を、それを着実に成長させ、確立させていく、このことは肝要だと思います。
 ただ、今の答弁の内容にもあるように、電力の安定供給のために再エネ出力が低下する時間帯のバックアップ電源、これはやはり必要なわけでございますし、それを確保するということは重要であります。その意味におきまして、世界的にも今議論の一つになっておりますが、石炭火力、これも我が国にとっては現状では重要な選択肢だと思っています。
 一方で、石炭火力は、設計時の発電方式によりまして効率が異なります。これを現行のエネルギー基本計画では、発電方式で高効率か非効率か、このように区分されているわけでございますが、一方で、設備更新などの事業者の努力によって高効率化している石炭火力というものは多く確認できていますし、国内でもこれらはしっかりと活用するべきだと思っています。
 火力もフル稼働しながらバックアップ電源の務めを果たす。ただ、その中で停止をし、点検もしなければいけない。そういったことも鑑みまして、今後この高効率の石炭火力をいかに整理をして、そして今後制度として措置をしていくか、このことが今経産省の中でも準備されていると思いますが、今後どのように制度措置を講じていくのか、お聞かせをいただきたいと思います。

#18
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
 石炭火力を含みます火力発電につきましては、これから脱炭素化を進めていく上では、安定供給を大前提でございますけれども、その比率をできる限り引き下げていくということが基本となるわけでございます。しかし、現状において考えますと、電力の安定供給ということを担うための供給力として、また再エネの変動性を補うための調整力として重要な役割を果たしているという現実があるのも事実でございます。このため、足下では高効率な石炭火力やガス火力を活用しつつ、非効率な石炭火力についてフェードアウトを進めていくという方針で考えてございます。
 その際、委員御指摘ございましたように、設備の区分において、SC、超臨界という区分でございましても、御指摘のような設備更新のような事業者の高効率化の取組によりまして、例えばUSC、超超臨界といったより高いレベルの区分の発電効率となることもあるということは承知してございます。このため、非効率かどうかということにつきましては、発電方式ではなく発電効率で考えることと整理しているところでございます。
 こうした方針の下で、非効率石炭火力につきましては省エネ法の規制強化を行う方針でございますけれども、最新鋭のUSC水準の発電効率の目標を設定することにより、非効率な発電所については原則休廃止を求めていくとしつつ、柔軟的な措置としまして、設備の更新やアンモニア混焼等の導入により、発電効率を最新鋭のUSCの水準にする取組もこれを認めていくという方針として、現実的かつ柔軟な形でのフェードアウトを進めていきたいと考えております。
 また、中長期的には、水素、アンモニア発電やCCUS、カーボンリサイクルを活用した脱炭素型の火力発電に置き換えていくための技術開発等もしっかりと進めて考えていきたいと思ってございます。

#19
○宮本周司君 また、未来に向けてエネ基の議論等も重ねられていくと思います。ただ一方で、この地域電力をしっかりと責任を持って守ってきた事業者の存在もあります。その努力もしっかりと受け止める部分は受け止めて、適宜適切な形でこのエネルギー行政を運営していただけたらなと思います。
 続いて、下請関係の質問をさせていただきます。
 私が所属する自民党では、今から五年前の一月に初めて下請取引のための委員会をつくりました。実は私、そこの事務局長をずっと務めておりまして、二年前、梶山大臣の御指導の下、経産政務官としても、取引適正化推進会議等、積極的に関わらせていただきました。この取引の適正化の、かねてからの重要課題の一つでございます型取引の適正化、これに関して伺います。
 一昨年、経済産業省が設置をいたしました型取引の適正化推進協議会におきまして、受発注の業界を巻き込み、型取引について適正なルールや契約のひな形について議論し、コンセンサスを得た、これは大きな価値だったと思います。中小企業の方々からは、これまで動かなかった型取引が動き始めたという声も寄せられておりました。型代の負担が受注者、発注者どちらにあるんだと、いつまで保管をするんだと、保管の間の費用はどうするんだ、こういったことに対しまして、正直、過去は優位的な立場からの責めもあり、いわゆる受注する側、下請業者側が負担を強いられる、こういった場面が多かったと理解をしています。
 長年進まなかった型取引の適正化の問題について、現在どのような成果が出てきているのか、また取組の中で見えてきた課題に対して今後どのように進めていくのか、この点をお聞かせください。

#20
○大臣政務官(佐藤啓君) お答えいたします。
 型取引の適正化については、受発注を行う双方の代表者が参加した型取引の適正化推進協議会において議論を進め、二〇一九年十二月に適正な取引ルールや契約書のひな形を示した報告書を取りまとめたところでございます。これを踏まえまして、産業界に対してこの成果の自主行動計画への反映を促すとともに、アンケート調査やヒアリングを通じて親事業者による実態把握を行ってきたところでございます。こうした取組によりまして、先生御指摘のとおり、この不要な型の廃棄など、改善に向けた動きが進んでいるものと承知をしております。
 一方で、受発注者間の廃棄基準が共通化されていないということ、また発注者側からの廃棄指示の不徹底があるといったこと、また適正な保管料負担のルール、この不徹底があると、こういった課題が残っておりまして、こうした課題の改善に向けて引き続き協議会におけるフォローアップを行ってまいります。
 さらに、業界団体が策定した自主行動計画のフォローアップ、また取引環境の整備を企業の代表者名で宣言するパートナーシップ構築宣言、こういったものも活用しながら、大企業と中小企業との適正な取引を促してまいります。

#21
○宮本周司君 ありがとうございます。
 現在、経済市場、またこの下請取引の環境の中で、本当にもう四年前、五年前までは、型代負担してください、いつまで保管すればいいんですか、保管料を負担してください、受注者側が発注者側に要望した場合に、多かったのは、そんなことを言うのはおたくぐらいだというような冷たい扱いだったという、そういった声もありました。でも、たったこの数年で、経済産業省、中小企業庁中心に、また公正取引委員会も連携して進めることによって、大きくこの業界におけるルール、また環境が変わってきたと思います。逆に、そのような対応をする発注業者の方が少なくなってきたと理解をしています。ですから、そういった部分もしっかりと捉えて、機能はしっかりと発揮していると思いますので、この取組を積極的に強力に進めていっていただければなと思います。
 そして、もう一つの重要課題であります約束手形というものがございます。こちらに関しましては、平成二十八年に五十年ぶりの手形通達の改正を行っていただきました。約束手形の現金払化です。このことに関しましては、大手自動車メーカーを筆頭にしまして、下請企業に対する支払を全て現金払化するという事例も出てきています。
 他方で、現在も約束手形を用いている取引に関しましては、支払サイトが長い、また、本来支払を待ってもらう発注者側が負担をすべき割引料を受注者側が負担をしている、こういった取引慣行の課題が今もなお存在をしております。この支払サイトも、九十日、百二十日というものに対して、今、六十日というまた指針が示されました。でも、様々なこういったまだ取引慣行の中で残る課題を払拭して改善をしていくためには、更にもう一歩踏み込んで、産業界、金融界に対して約束手形の利用そのものを廃止していくことを求めていくべきだと私は考えています。
 御見解を伺いたいと思います。

#22
○大臣政務官(佐藤啓君) お答えいたします。
 下請中小企業の取引適正化を推進するため、今先生からお話あった約束手形を始めとする支払条件の改善に向け、昨年七月に有識者検討会を設置して対策の検討を行い、本年二月に報告書を取りまとめております。本検討会を通じて、約束手形による支払は、まさに御指摘あった長い支払サイト、それから高い手数料等の受取側の資金繰り負担、それから、紙を取り扱うということですので、紛失等のリスク及びコスト、こういった課題がありまして、受取側の九割、また振出側も七割がやめたいと、そういった意向を示していることが明らかになったところでございます。
 一方で、代替手段となります電子記録債権を受取側が利用していないといったことであったり、また業界の商慣習を背景にやめられないといった振出側の声も根強くありまして、受取側も振出側が希望するのでやめられないというこの悪循環が生じているところであります。
 約束手形の利用の廃止の実現に向けましては、やはり業種ごとの取引慣行などを踏まえつつ、約束手形を受け取る下請中小企業の資金繰りにしわ寄せが生じないように、発注者側の大企業から順にサプライチェーン全体へ広げていくといったことが大事だと思っています。また、決済手段を提供する金融機関にもこの取組を促してまいりたいと思います。具体的には、五年後、二〇二六年の利用廃止を目指しまして、この夏をめどに各産業界、金融業界それぞれによる自主行動計画の策定、改定を求めているところであります。その進捗をフォローアップして、三年後に中間評価の上必要な見直しを行いたいと考えております。
 これらを通じて、下請中小企業の取引適正化を一層進めてまいります。

#23
○宮本周司君 ありがとうございます。
 いまだなおコロナ影響が各産業界にも及んでいる、ただ、この状況の中で、この下請関係こそはやはり健全な状態を担保をする、日本の物づくりの技術、またその強みが再び世界に発揮されるためには、末端の下請事業者にもしっかりと利益が分配、また届けられるような、この取引慣行の現状を実現していく必要がございますので、しっかりとした対応を強くお願いをしたいと思います。
 そして、これからは、特にまた中小企業・小規模事業者に寄り添って質問をさせていただきたいと思いますが、この中小企業関係の立法におきまして、計画認定スキームを創設することが多うございます。これに関しましては昨日の御質問でも触れられる委員がおりましたが、この計画の作成に関しましては、短期的発想に陥りがちな中小企業であったり小規模事業者にとって、中長期の経営の在り方を検討する契機となる一方で、計画制度が乱立すると使い勝手が悪くなってしまう、また、計画制度の中には、経営力向上計画のように、もう十万件を超えるような多くの中小企業・小規模事業者が利用しているものもあれば、一方で利用が低調な計画も多いと理解をしています。
 中小企業関係の計画制度について、どのように整理統合を進めてきたのか、また、利用件数の少ない計画について今回の法案でどのように改善を図るのか、お示しをいただきたいと思います。

#24
○大臣政務官(佐藤啓君) お答えいたします。
 中小企業政策は、その時々の経済社会情勢に応じて柔軟に整備していくことが必要であります。計画認定制度についても、必要に応じて見直しを行い、改廃の措置を講じてきております。例えば、昨年の中小企業成長促進法において、計画認定スキームを成長段階に応じた体系に整理統合し、三計画を廃止しております。加えて、今回の法案では、計画認定スキームの改善として、中小企業が中堅企業等と連携して策定する連携事業継続力強化計画、それから下請事業者で構成している事業協同組合等が親事業者の協力を得て策定する振興事業計画、この二つがあるんですけれども、この改正を盛り込んでおります。
 まず、最初の事業継続力の方ですが、中小企業が単独で策定する事業継続力計画は、本年三月末までに約二万六千件の認定を行っているんですが、一方で、この連携事業継続力強化計画は百四十五件の認定にとどまっているということであります。このため、今回の法案では、従来の計画認定では措置されていなかった中堅企業への支援を新たに盛り込んで、中堅企業が牽引する形での事業継続力強化の取組を促すということにしております。
 また、振興事業計画の方ですが、こちらも制度開始以降十二件の利用にとどまっているということでありまして、下請事業者について、これ申請主体が事業協同組合等の一定の要件を満たす団体に限定されていたということが課題の一つでありますので、今回の法案では、団体というこのまとまりにならずに、下請事業者単独であっても親事業者と共同で計画を申請できることとしております。加えて、支援策として資金ニーズに対応できる信用保証も措置しております。
 引き続き、先生がおっしゃるように、中小企業にとって分かりやすく、また利便性の高い支援体系、計画の体系、こういったものを目指して不断に見直しを進めてまいります。

#25
○宮本周司君 ありがとうございます。
 今回の法案を根拠といたしまして、今、全国の中堅、また中小・小規模企業から期待を寄せられ、また申請が多く寄せられております、例えば事業再構築補助金等もございます。中小企業から健全な成長を果たして中堅企業となり、各地域の旗振り役、牽引役となっていただく、また一方で、地域で、限られた数かもしれませんが、雇用を守り、地域に必要な仕事を守ってきた中小企業・小規模事業者の持続的な発展も実現をしていく、この両方の軸がこの法案にはあると思っています。決して中堅企業寄りの政策だけじゃなくて、しっかりと中小企業を応援する、そして小規模企業、中小企業、中堅企業、そして大企業、それぞれがそれぞれの役務を持ってこの日本の経済、また各地域の産業を支えていく、このように私は受け止めているところでございます。
 この地域経済を支えている小規模企業の持続的発展、また、中小企業を幅広く支援することもこの法案では目的としておりますが、実際、全国の中小・小規模事業者に対しまして、この法案の狙いを分かりやすく、先ほどもありましたが、分かりやすく説明をいただきたいと思います。

#26
○大臣政務官(佐藤啓君) お答えいたします。
 本法案は、中堅企業に成長する企業に対する支援ももちろんありますが、事業継続力強化や、また取引適正化といった中小・小規模事業者の事業活動に不可欠な基盤を整備するための幅広い支援策を規定しているものでございます。
 まず、事業継続力強化については、中小・小規模事業者が災害発生リスクを正確に理解するといったことが必要でありますので、本法案では、地方自治体がハザードマップ等を活用して行う中小企業に対する災害リスクの周知を促進することとしております。さらに、大規模な災害への対応という観点からは、やはりサプライチェーンの核となる中堅企業が中小・小規模事業者と連携して事業継続力強化に取り組むことが重要でありますので、これを促進するため、先ほどの答弁でも申し上げました、中小・小規模事業者と連携して事業継続力強化に取り組む中堅企業に対する災害発生時の金融支援についても盛り込んでおります。
 また、取引適正化でございますが、フリーランスに見られる取引を始め、より広い取引を下請振興法の対象としまして、望ましい取引の在り方等を示した振興基準に定める事項として発注書面の交付の明記、こういったことをしておりまして、下請取引の一層の適正化を図ることとしております。加えて、国が下請取引の実態について調査を行うことができる規定を盛り込んでおります。これにより、全国百二十名の下請Gメンによる取引実態の把握を強化しまして、振興基準に照らして問題となる事例については、業所管大臣による指導、助言につなげてまいります。
 本法案や予算措置を通じて、引き続き地域の経済や雇用を支える中小・小規模事業者の持続的発展を支援してまいります。

#27
○宮本周司君 ありがとうございます。
 その中小・小規模企業に対して、今非常に活用も進んでいる一方で、いろいろな影響も出ていることで、事業承継、MアンドAの案件がございます。事業承継税制、法人版、個人版、それぞれ実践をしていただいておりますが、それぞれ十年特例ではあるんですが、前半の五年間のうちに特例承認計画を策定して、それを確認申請を行うという必要がございます。この新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、特にこの半年、一年、計画をしていた事業承継に対してちゅうちょをする、判断を後ろに遅らせる、そういったような状況が出ていると思っております。
 中小企業が、今は事業をしっかりと継続することで精いっぱいでありますので、この事業承継税制を考えられる状況に今後なっていったときに、この五年間期限が空白の一年なり一年半があってはいけないと思います。是非この延長を考えていただきたいと思います。

#28
○政府参考人(飯田健太君) お答えいたします。
 まず制度でございますが、御指摘のとおり、事業承継税制の適用に当たりましては、法人版の事業承継税制につきましては令和五年三月末までに特例承継計画を、個人版の事業承継税制につきましては令和六年の三月末までに個人事業承継計画をそれぞれ都道府県に提出していただく必要がございます。
 その上ででございますけれども、御指摘のとおり、足下では新型コロナウイルス感染症の影響による経営悪化もございまして、承継時期を後ろ倒しにする中小企業も少なくないと承知をしております。実際、法人版の事業承継税制でございますけれども、特例承継計画の提出件数は、二〇一九年、約三千八百件でございましたけれども、二〇二〇年は約二千九百件にとどまっているところでございます。
 他方で、十年間の特例措置である事業承継税制ということでございますと、中小企業における円滑な事業承継を集中的に促進するという観点で、その前半五年のうちに計画を提出いただくということで、早期に事業承継を進めていただくという狙いも元々あったわけでございます。
 こうしたことを総合的に勘案いたしまして、足下の中小企業の厳しい状況、それが中小企業の事業承継に与える影響もしっかり注視してまいりたいと思います。その上で、今後の対応については総合的に適切に検討してまいりたいと考えております。

#29
○宮本周司君 ありがとうございます。
 また別の課題で、個人事業者版の事業承継特例の活用のときにも多かったですし、今後、MアンドAでも多分課題として残ってくると思いますが、旧主体が取得していた許認可等を新主体が当然に承継されない、そういった許認可等の非承継という課題が残っております。このことに関しましても、しっかりと状況を把握していると思いますので、関係省庁と連携をして、早期にこの辺りの簡素化を進めていくことをお願いをさせていただければと思います。
 そして最後に、大臣、中小企業・小規模事業者政策に関して是非お気持ちをお聞かせいただきたいと思っておりますが、この新型コロナウイルス感染症が拡大する以前、去年の一月ぐらいまでは、我々のこの経済政策として一番重く捉えていたのは、やはり少子化であったり高齢化、また人口減少に伴う生産年齢人口の減少だったと思っております。こういったことの課題を乗り越えて持続可能性を高めていくということで働き方改革は実践をされたと私は理解をしています。
 ただ一方で、あの制度は、労働時間、残業時間を適正化する、過度な労働を抑制する、そういったところに観点が置かれたということで、私は、本来、今十人でやっている仕事を、将来、省力化や効率化を図って、生産性向上を図って七人、八人でできるようにする、これからの人口減少、生産年齢人口の減少に備えて企業としての機動力を高めていくことが肝要だと思っておりますが、ちょっとその労働時間に焦点が当たってしまったことによりまして、多少その現場に違う形でメッセージが伝わっているんじゃないかなと思っております。
 この中小企業や小規模事業者がしっかりと効率化であったり生産性向上を努めていく、ただ一方で、感染症の拡大によって、密の回避であったり、リモートワークであったり、ワーケーションであったり、こういった地方への魅力の認識というものが強まってきている中におきまして、仮に多くの人が地方の魅力を基に移住が進んだとしても、そこに働く場所であったり、買物をするお店がなければ、やはり生活としては成立いたしません。
 地方を支える中小また小規模事業者が持続的に発展できる環境をつくっていく、このことこそが地方創生を現実のものにする一番の実行力だと思っております。日本経済、産業全体の競争力を高める、中堅企業への着実な成長など、地域経済を牽引する企業を一社でも多く生み出す、これは必要であります。そして同時に、このコロナ社会の変容、地域への関心の高まりも含めて、中小企業・小規模事業者の持続的発展を後押しをしていく、このことに対して、最後に梶山大臣の思いをお聞かせください。

#30
○国務大臣(梶山弘志君) いつも申し上げていることなんですけれども、中小・小規模事業者は多種多様であるということで、それぞれの業種や地域ごとに役割も在り方も違うために、ポストコロナを見据えて、それぞれの役割に応じた支援を行っていくことが重要であると思っております。中小企業、また小規模事業が元気になることによって、それぞれの地域の活力というものもそれに伴っていくと私自身いつも思っているところであります。
 そういった中で、今回の法案ということでありますが、海外での競争を目指す中小企業の中堅企業への成長を後押しするために、資本金によらず、中小企業の定義よりも従業員基準を引き上げた新たな支援類型を創設することとしております。中小企業は、中堅企業へ、そしていずれ大企業へという思いを持っていただいている企業には頑張っていただきたいと思いますし、それぞれの役割をそのままで果たしているところもあると、そういったところにも最大限の支援をしてまいりたいと思っております。
 また、新型コロナウイルスが拡大、感染症が拡大する中で、地方の魅力、地方に行って仕事ができる、地方でテレワークができる、また、その地方でまた自分の生活というものも楽しむというような価値観もより広がってきたと思っております。そういったことも含めて、この法律に限らずに、通信環境を良くするということも重要なことであり、また、ほかの省庁の政策と連携をしていくこと、大変重要であると思っております。
 そういったことも含めて最大限の努力をしてまいりたいと思っておりますけれども、私、議員になってからずっと中小企業政策やってまいりました。ここにおいでになる松村委員と一緒に事業承継の一番最初の取っかかりをやらせていただいて、まず風穴を空けたという思いがございます。そして、数次にわたって、累次にわたって改正を重ねてきたということで、中小企業は、とにかくやりたいと思った人がずっと続けられるような環境、そして今阻害するものがあればその阻害するものをいかに除いていくか、そしてそういったものも含めて政策というものをしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

#31
○宮本周司君 ありがとうございます。
 引き続き、地域の原動力が中小・小規模企業であるということに共通の思いを寄せながら、しっかりと我々も応援をしていきたいと思います。
 引き続きのリーダーシップの発揮を心からお願いをいたしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

#32
○宮沢由佳君 立憲民主・社民の宮沢由佳です。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
 早速質問に入ります。
 昨日二十六日の参議院本会議における私の代表質問に関する政府答弁について、少し曖昧な部分や関連して疑問点等がございますので、再度何点か確認、質問をさせていただきます。
 まず、法律案の誤りに関して伺った際に、過度に法案を束ねることの弊害について御見解をお願いしました。弊害があるとお考えなのか、再度確認させてください。

#33
○国務大臣(梶山弘志君) 束ね法案につきましては、全てを同じような言い方はできませんけど、それぞれの法律がどういった関連で束ねているかということだと思っております。一般的には、各政策が統一的で、法案の趣旨、目的が一つであり、法案の条項が相互に結び付いていると認められているときは一つの改正法案として提案できると考えられております。
 趣旨、目的の一体性について、産業競争力強化法につきましては新たな日常に向けた事業再構築等を支援するもの、中小企業関連法律については新分野進出やMアンドAによる事業再構築を通じた規模拡大とその基盤となる取引適正化を支援するものということであり、これらの法律の改正は、事業再構築を目指すという趣旨、目的の一体性が担保されていると思っております。それに関連して廃止をする法律も含めた束ねであったと思っておりまして、これにつきましては適正だったと思っております。

#34
○宮沢由佳君 では、次に石炭火力発電について伺います。
 まず、国内の石炭火力発電所について伺います。
 昨日の御答弁ではっきりとしませんでしたので確認したいのですが、大臣は、二〇五〇年になっても国内の石炭火力発電所は稼働していてもよいとお考えでしょうか。また、できる限り縮小するとはどのような意味でしょうか。何基、いつまでに減らすのか、その時々で対応、できる限りでしょうか。意味も併せて教えてください。

#35
○国務大臣(梶山弘志君) エネルギーの状況というのはその国によって千差万別であります。日本に限って言えば、資源のない国であるということ、そういった中で、エネルギーミックス、ベストミックスというものを目指しながら様々な電源を使っているということであります。
 今、二酸化炭素を多量に排出するということで石炭火発がやり玉に上がっているというか話題の中心になっているわけでありますけれども、CO2、地球温暖化ガスを排出するという点で考えれば、それらを回収して大気中に排出しないという技術開発もあるわけであります。そういったことも含めて今技術開発をしているということで、CO2の分離回収、そして混焼ということで、一緒に燃焼させるということで、アンモニアの混焼というものも技術も開発をしているところであります。そういった中で、日本の置かれている状況を考えながらその対応をしていく、そして、技術開発状況によってそれらをどう減らしていくかという計画もその時々で変わってくるということであります。
 今、各国で議論をしております。この前もG7の各国とお話をさせていただきました。日本の置かれている状況もお話をさせていただきました。そして、G7だけが石炭を全廃したとしても、逆に今度は途上国、アジアの国々であるとかアフリカの国々、特にアジアの国々はこれから経済成長が大きく進んでいくということもあって、電力の需要が大きくなる中でどうしていくのか。その対策も議論せずに、ただただ海外も含めて石炭は全廃という話では、やはり地球全体では減らないのではないかという思いを持っております。

#36
○宮沢由佳君 でも、目標を設定する必要性というのは私はあると思います。目標を設定して達成していくというのはとても大事なことではないかなということで質問させていただいています。
 予算委員会で質問させていただきましたが、目標を定めても農水省の食料自給率のようになかなか達成できないということもありますけれども、農水省の食料自給率、食料備蓄への危機感の薄さと違って、経済産業省はエネルギー資源備蓄に関して大変な危機感を持たれているな、あのときに私は大変感動いたしました。
 同様に、気候危機対応にしても、経済産業らしく目標と緻密な計画性を持ってしっかりと対応していただきたいと、そんな思いがあるんですけれども、いかがでしょうか。

#37
○国務大臣(梶山弘志君) 今ある非効率石炭火力発電所につきましては、三〇年、二〇三〇年にフェードアウトをさせていくという目標で行っております。ただ、安定供給ができるという前提でその話をしているということであります。これに代わるもの、LNGとかありますけれども、これは備蓄ができないんですね。マイナス百五十、六十度というそのもので持ってきて、そして気化をしているということで、蒸発損失というのがあります。これらも含めて日本のエネルギーセキュリティーというものを考えながら計画を立てていくということで、現時点での計画は当然ございます。

#38
○宮沢由佳君 先ほど宮本委員の御質問にもありましたけれども、調整力を確保、電池、また洋上風力などあらゆる選択をというお話も、御答弁もございました。
 大臣は、もう一度聞きますけれども、石炭火力発電は安定した再生エネルギー源があれば全廃すべきとお考えかどうか、教えてください。

#39
○国務大臣(梶山弘志君) 先ほど申しましたように、その国の置かれている状況なんですね。例えば、イギリスは全廃というお話をしている、それでもイギリスには北海でLNGが資源としてある、そして北海には強い風と遠浅の海というものがある、そういったことも含めて洋上風力も可能だということ。我々は全部ほとんど輸入だと、そして再生可能エネルギーと原子力以外は輸入ということになるわけですから、そういったバランスも考えていくということになろうかと思います。
 そして、先ほど申しましたように、温暖化ガスを大気中に排出しないということができたとすると、これがLNGと比べて、またほかの再生可能エネルギーと比べてどういう形になる、どういう比較をするのか。
 一つの方法だけでその世界を縛るというよりも、いろんな方法があるべきだと思いますし、私どもは、技術開発というものをしながらそういったものに対応したいということで、今ほかの国々と話合いをしているところであります。

#40
○宮沢由佳君 大臣の熱意がひしひしと伝わってまいります。
 お配りした資料を御覧ください。
 高効率の石炭火力発電の二酸化炭素排出量は、天然ガス発電より二酸化炭素排出量が多いのですけれども、平成二十七年の資源エネルギー庁の資料によると、二倍には行かないまでも、かなり多いことが分かります。
 脱炭素の仕組みを取り入れた場合に、現在の技術でどのくらいの脱炭素が実現できるのでしょうか。おおよそで結構ですが、その脱炭素技術を導入すると、石炭火力発電所はどの発電設備と同程度になるのでしょうか。天然ガス発電並みになるのかどうか、お答えください。

#41
○国務大臣(梶山弘志君) 最先端のIGCC、石炭ガス化複合発電技術は、従来のUSC、超超臨界圧の石炭火力発電に比べCO2排出量を約二割削減をすることが可能であります。他方、最先端のIGCCであっても、一般的なガス火力発電よりも約七割CO2排出量が多いということであります。
 そのために、将来的には、石炭火力発電を活用するためには、CO2の分離回収技術の実装が鍵となります。既に技術的には、CO2分離回収技術を活用することにより更にCO2排出量を約九割、現時点では九割削減することが可能だと。これにより、ガス火力発電の五分の一程度のCO2排出量水準を達成することができるというような技術の関連性ということであります。

#42
○宮沢由佳君 その上で、石炭火力発電所の輸出について伺います。
 小泉環境大臣は、原則支援をやめたことは価値があるとおっしゃっていました。それは良いとして、例外的に支援する場合もあるようにおっしゃっていました。そこが問題だと思います。高効率の石炭火力発電を例外的支援として今後も輸出支援を行うのでしょうか、教えてください。

#43
○国務大臣(梶山弘志君) 日本のインフラ輸出で、例えば新幹線であるとかほかのインフラであるとかということで、外貨を稼ぐため、また相手の国のためにということでやるものと少し違うのは、これは環境問題というものをしっかり考えていきましょうということで四要件というのを限定をいたしました。この四要件に合致しなければ支援をしないということになります。それと、相手の国の温暖化ガス削減に向けての取組というものにもコミットすることにしております。
 そういったことも含めて、地球全体の温暖化ガス対策というものを日本がコミットするという、その国にコミットするということも含めて対応していくということでありますけれども、先ほど申しましたように、アジアの国々、これから電力が大変大きい需要ができてくるわけであります。日本の昭和四十年代ぐらいの成長をしていると思っております。そういった中で、どうしても電力が必要だと、しかも安価で安定的な供給が必要だという国が多いと思っております。そういった中で、最新式、最高効率の石炭火発というものを条件を付けた上で発動をして、これを応援するということに限って御理解をいただきたいということで先般のG7の担当大臣会合でもお話をさせていただいたということであります。

#44
○宮沢由佳君 それでは、今続けるという御回答かと思いますけれども、もう一度、もう一枚の資料を御覧ください。
 先進国では、期限を切って国内のものを全廃する動きが加速しています。先ほどから大臣からも何度も説明もございましたけれども、国内、輸出も含め、世界の流れに取り残されないようにすべきと私は考えております。是非その辺もしっかりと考えていただきたいと思います。

#45
○国務大臣(梶山弘志君) 先ほど申しましたように、その国によって資源の状況というのは違うんですね。だから、LNGでやってくれとか再生可能で全てやれというような方法を指定するというのはなかなかやっぱり、その国にとって経済の発展を放棄するような形になってしまう可能性もあるということであります。
 それらも含めて、技術でどうカバーしていくかということも含めて、アジアの国々、例えば二〇三〇年代にはどうする、二〇四〇年代にはどうするということで、移行時期に応じてその方法を考えていくというトランジションという考え方も含めて対応していかなければならない。一足飛びに、二〇五〇年、イギリスと同じような方式で全世界がそれで合意するかというと、なかなかやっぱり難しい。アメリカにおいてもやはりいろんな議論が出てきているということ聞いておりますので、これからルール決めということだと思います。しっかりと私どもは、技術の裏付けの下にそういうルール決めに参加をしてまいりたいと思っております。

#46
○宮沢由佳君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 次に、バーチャルオンリー株主総会について伺います。
 大臣はコロナ対策として認めたようにおっしゃっていましたが、産業界からそれ以前から要望があったのではないでしょうか。また、その要望の趣旨について把握されているのであれば教えていただきたいと思いますが、コロナ対策でなければ認めなかったのか、その辺のことをしっかりお聞かせください。

#47
○国務大臣(梶山弘志君) 新型コロナウイルス感染拡大も踏まえて、株主等が物理的に一切集まらずに株主総会が開けるように、本法案において場所の定めのない株主総会に関する会社法の特例を創設し、上場会社によるバーチャルオンリーの株主総会の実施を可能とすることにしております。
 昨年はハイブリッド型ということで、会場に集まる人と、あとバーチャルでやられる方、一緒にできるようにということで対応させていただいたわけでありますが、具体的には、新型コロナウイルス対応として、法施行後二年間は定款変更の株主総会決議を経ることなくバーチャルオンリーの株主総会を開催できることとするとともに、バーチャルオンリー株主総会は、株主総会の活性化、効率化にも資するものであることから、その後も定款変更を行えば開催できるものとしているところであります。
 バーチャルオンリーの株主総会に関する経済団体からの要望につきましては、昨年十月に日本経済団体連合会、経団連から、新型コロナウイルス感染症に対応しつつ、株主との建設的な対話やデジタルトランスフォーメーションを促進する観点から提言がされるとともに、昨年四月に新経済連盟、新経連から、新型コロナウイルス感染症への対策の一つとして、バーチャルオンリー株主総会の実施についての声明が発表されたと承知をしております。有識者の間等では提案等がありましたけれども、経済団体からの提案というのはこの二つということであります。

#48
○宮沢由佳君 もう一度聞きますけれども、では、コロナがなければこれまだ認められなかった可能性があるということでしょうか。

#49
○国務大臣(梶山弘志君) コロナ禍も踏まえて、二年間は定款の変更なくできるという、その形にしております。まあ、あとは株主次第ということになると思いますので、バーチャルでやるときに株主さんがどう言うのか、どういう形で総会を開いたらいいのかということは、やはり定款の変更ということになると、それぞれの会社によって事情が少しずつ違ってくると思っております。

#50
○宮沢由佳君 ありがとうございました。
 次に、電子提供による債権譲渡通知等の第三者対抗要件の特例について伺います。
 大臣は、悪用事例があれば関係省庁と連携し、対処するような御趣旨を述べられたかと思います。事例が発生してからでは遅いのではないかと思います。これからつくる制度で被害に遭われる方をなくすため、あらゆる事態を想定して、未然に防止する策を講じなければならないと思いますが、少し他人事のように思われますが、いかがでしょうか。

#51
○国務大臣(梶山弘志君) 当然、未然の策と、未然に防ぐ策というものはやります。その上で、何かあったら関係省庁と、特に警察等と連携をしながらしっかり対応するという趣旨で申し上げたということであります。

#52
○宮沢由佳君 昨日の本会議において、多様な意見を反映し、日本の今の閉塞感を打ち破るために、パブリックコメントの更なる活用について提案させていただきました。大臣からは、関係する事業者の意見を聞くと評価いただいたものと思いますけれども、私は、事業者に限らず、一般の若者や女性がもっと意見を述べることができる仕組みや、多様な意見を集める仕組みにしてはどうかと思っています。いかがでしょうか。

#53
○国務大臣(梶山弘志君) ちょっと誤解があったと思うんですけれども、私の言葉足らずだったかもしれませんけれども、パブリックコメントはパブリックコメントとしてしっかり対応します。そして、法律を改正したり、様々な制度の改正ということに関しましては、それぞれの業界の意見を聞いていかないと、実態というものを聞いていかないとできないということであります。それらに関する当事者の意見を聞くということであります。その上で、こういったものは、今度は消費者であるとか国民一人一人に対してどういう影響があるのかということでパブリックコメントという制度があると思っております。

#54
○宮沢由佳君 是非よろしくお願いいたします。
 関連して、同様の趣旨で四月六日のこの委員会で大臣に、私から、女性管理職の割合や、それから女性起業者を、起業家を増やすことを提案させていただきました。
 少し会議録を紹介させていただきますと、私からこのように述べました。持続的な経済成長の実現のための最重要課題である潜在成長率を引き上げるためにも、女性が活躍するために積極的に予算も付けて提供していただきたいと思います、よく女性の活躍というと、それは男女雇用均等の、男女共同参画の担当大臣の話じゃないかと言われますけれども、女性と男性の賃金格差、それから管理職登用、これをしっかりと経済産業省がやっていただきたいというふうに私から申し上げたところ、大臣からこのように御答弁いただきました。それぞれの企業で取り組んでもらえるように、また経済産業省と産業界との、経済界との話合いもしておりますし、ただ、一足飛びにはいかないと、一朝一夕にはいかないということでありますから、そういったことを常に心掛けながら実現できるようにしてまいりたいと思いますし、先ほど言いましたように、これは言葉じゃないというんであれば、やっぱりしっかりと受け取ることのできる相談窓口というものを考えてまいりたいと思っておりますと御答弁いただきました。
 その後、経済界との話合いは進みましたでしょうか。また、相談窓口についてはいつ頃できますでしょうか、教えてください。

#55
○国務大臣(梶山弘志君) 経済界の方々、それぞれの個々の企業との話し合う機会があるたびに、私、おたくの管理職、また役員の女性の比率はということを言っておりますし、経済産業省でも、採用の比率であるとか、やはり管理職の比率であるとかというのは常に気にしているところであります。一朝一夕にいかないというのは、やっぱり採用から始まらないとなかなかそういう人材が育ってこない、比率もやっぱり増えないということですから、常にやっぱりそういったことを心掛けていかなければならないと思っております。
 女性管理職の登用については、私からそれぞれの企業に取り組んでもらえるように経済産業省と経済界の話合いもしているとお答えをしたということであります。経済産業省では、先日も御説明したとおり、企業の幹部候補女性をメンバーとする女性リーダー育成プログラム、WILを運営しているところでありますけれども、先日の国会での質疑以来、このプログラムに参加いただいている企業の御担当と担当部局との間で更なる女性管理職の登用の在り方についての意見交換を行わせていただいております。
 また、女性起業家、創業するという意味で、相談窓口における対応については、先日御指摘を受けて、女性相談員の割合を改めて調べるように担当部局に指示をいたしましたが、結果としては、女性相談員の、約五割は女性が占めているということでありまして、必ずしも男性ばかりではないということであります。
 ただ、それに対する女性への対応ということも含めて常に気を付けていかなければならないと思いますけれども、女性起業家の悩みを十分に理解できているかどうかについては、また今言ったような別の問題であり、引き続き相談窓口の対応の満足度についてフォローをしてまいりたいと考えています。

#56
○宮沢由佳君 相談窓口の設置についてはいかがでしょうか。相談窓口というのを考えていきたいという御答弁だったんですけれども。

#57
○国務大臣(梶山弘志君) 女性起業家の相談窓口というのはもうあります。各県で展開をしているということでもあります。
 そういったものに関して、その比率を、女性の相談員の比率ということで、約、計二百六十名いる中で、男性が百十八名、女性が百二十九名ということで、まだちょっと不明な部分がありますけれども、これは非常勤とかそういう形だと思いますけれども、それらも含めて今人数の上での確認もしておりますので、しっかりとまた対応をしてまいりたいと思っております。

#58
○宮沢由佳君 ありがとうございます。力強い答弁いただきました。
 是非、この相談窓口がアクセスしやすいものであって、そして、皆様が認知が高まるように広報していただければというふうに思います。
 それでは、本会議の御答弁に関する質問はこのくらいにさせていただきます。
 次に、企業のDX推進について、労働者側の視点に立って伺いたいと思います。
 労働関連の課題は、本来、厚生省も管轄だと思いますが、労働実態を含め企業の実態、課題を全般的に把握していなければ企業に関する政策も打ち出すことはできないと思います。その視点で、経済産業省が日頃より関係省庁とも連携していることを前提に、以下お聞きしたいと思います。
 まず、企業がDXを進めると労働者にとってどのようなメリットがあるのでしょうか、教えてください。

#59
○政府参考人(小笠原陽一君) お答え申し上げます。
 企業のDXは、競争力強化を通じて業績向上に資することで、それを支える人材の処遇改善、新たな雇用の創出にもつながることが期待されます。
 また、DX実現に当たり、労働者がデジタルスキルを習得する必要性が高まれば、労働者は学び直しを通じてスキルアップを図ることになり、多様なキャリアパスの選択肢が広がる可能性がございます。
 さらに、企業がDXを進める中で、テレワークやオンライン会議が普及するということで、労働者に求められてきた時間や場所といった制約要因の改善も期待され、労働者一人一人の状況に応じた柔軟な働き方の実現ということにもつながっていくと考えます。
 経済産業省といたしましても、労働者にとってもメリットのある企業のDXが促進されるよう取り組んでまいりたいと考えております。

#60
○宮沢由佳君 ありがとうございます。
 では、労働者にとってデメリットは何でしょうか、教えてください。また、急速なデジタル化によって取り残される労働者への配慮や取り残されないようにするための研修の実施など、経営者と連携していかなければならない課題もあります。経済産業省として検討していることがあるでしょうか、経営者との連携はどうなっているでしょうか、まとめてお答えください。

#61
○政府参考人(小笠原陽一君) お答え申し上げます。
 デメリットについてのお尋ねでございますが、企業のDXを通じたAIあるいはIoTの利活用は、生産性向上あるいは競争力強化につながる反面、例えばバックオフィスにおける業務が減少するなど、一部の業種や職種においては影響が生じる可能性がございます。一方では、DXはデジタル人材の雇用ニーズを新たに生み出すことを見込まれているため、このような就業構造の転換に対応するための人材育成や労働移動が重要というふうに考えております。
 このため、経済産業省におきましては、デジタル人材の能力を可視化する情報処理技術者試験の実施、あるいはAI、データなどのことを含めまして、デジタルに関わる分野の高度な能力を習得できる講座の認定といったことを通じ、学び直し支援といったことに取り組んでおります。
 これらの取組を通じまして、DXの進展に伴う就業構造の転換に対して労働者がしっかりと対応いただけるよう支援してまいりたいというふうに考えております。

#62
○宮沢由佳君 ありがとうございます。
 経済産業省で、企業のリモート、テレワークに関する経営者、労働者双方へのアンケート調査などは行われているでしょうか、教えてください。

#63
○政府参考人(小笠原陽一君) お答えいたします。
 現時点におきましては、経済産業省において行っているものはございません。

#64
○宮沢由佳君 なぜ行わないのでしょうか。企業のDX推進の前に課題を明確するのが当然と思いますが、いかがでしょうか。

#65
○政府参考人(小笠原陽一君) お答え申し上げます。
 テレワークにつきましては、働き方の改革のみならず、企業価値の向上あるいはBCPの強化など多種多様な政策効果をもたらすことから、関係府省が一丸となってテレワークの推進に当たっているところでございます。
 例えば、就業者に関するテレワークの実態につきましては、国土交通省のテレワーク人口実態調査におきまして毎年調査が実施されております。調査の実施に当たりましては、制度設計時から経済産業省も含めまして関係府省が参加し、就業者の課題等についてここで把握しているところでございます。さらに、その調査結果を踏まえまして、関係府省連絡会議を通じて政策を検討し、政府のテレワークの政策目標あるいは経済産業省含めた各府省の政策への反映を行っているところでございます。
 こうした事情がありますことから、現時点におきまして新たな調査を実施する予定はございませんが、このような調査結果を最大限活用し、テレワークの推進に努めてまいりたいというふうに考えております。

#66
○宮沢由佳君 私の手元にはある総合研究所の調査の結果があるんですけれども、このテレワーク、リモートワークのそれぞれの課題は、随分ベテランと若手で違いがあるようですね。ベテランの方は生産性の低下が問題だということで、若手の方は心身等の切替えが大変課題だということで、なかなか自宅にいると仕事とプライベートの切替えが難しくて、また先輩からいろんなことを教えてもらうこともできない、また自己負担する通信費や光熱費がかさむといった悩みもあるようで、ベテランの方は、やはり今までの管理者としてのマネジメントや複数のメンバーとの連携が必要な業務が多いためテレワークに向かない。
 様々な、年代によっても違いがあるなということが分かるわけですけれども、リモートやテレワークによる仕事の限界についてどう思われるでしょうか。なかなかお答えは難しいかと思いますけれども、大臣の御認識を伺いたいと思います。

#67
○国務大臣(梶山弘志君) 今委員御指摘のように、民間の年代別アンケートでは委員がおっしゃったようなお話が出ている。特に、若い人では、仕事とプライベートの切替えの課題の問題、あとは経費の負担の問題ということで、経費の負担につきましては、ガイドラインとして政府としてしっかりこういう形にしてほしいということでのものは出してきているところでありますけれども、それでもなかなか、やっぱり在宅で仕事をするというのはある意味難しさもあるなということを感じております。
 このような課題乗り越えてテレワークの更なる活用を図るためには、デジタル技術を使いこなすためのスキル向上、テレワークの対象業務や対象者、人事評価の方法など、労使の十分な話合いを行った上で就業規則等で定めること等が重要であると認識をしております。今までもずっとテレワークやってきたところであればそういう積み重ねもあると思うんですけれども、緊急避難的に今回のコロナ禍の中でやっているところについては、そういった取決めというものも今後必要になるのではないかなと思っております。
 テレワークの普及が生産性向上や働き方改革につながるように、環境整備、この機会下でしっかり根付くような形で環境整備を行ってまいりたいと考えています。

#68
○宮沢由佳君 丁寧な御答弁ありがとうございます。
 私の手元にもう一つ、テレワークに関して行政に求める支援策というもののまとめがあるんですけれども、一番多かったのが、七〇%近くあるのがテレワーク導入のための費用の助成、次がテレワークの導入に関するマニュアル、ガイドラインの提供、次がテレワークの導入に関する好事例の情報提供、あと普及啓発や相談、人材、お話はありましたけれども。
 そのようないろいろな資料を読みますと、やっぱり事業によって全くこのテレワークが有効なところと有効でないところと、そしてその事業者によって必要なものが違う。例えば、こちらの事業で好事例であっても、自分の会社にはそれは合わないというような、かなり細部にわたった悩みがあるなということを考えたときに、経産省独自のやっぱり調査を行って、そして、それに対してしっかり求められている支援策に対応していく必要があるのではないかなというふうに思います。
 そもそも、中小企業、この中小企業を調べたところ、テレワーク、リモートワークをやれていないというところが大部分であるということに驚いたわけなんですけれども、中小企業にはテレワークを行う設備のないところも大変多く、企業、特に中小企業に、このような支援要望についてどのようにお応えしていくつもりか、教えてください。

#69
○国務大臣(梶山弘志君) そもそもからいえば、やっぱり人材の育成というのは非常に重要なことだと思っておりますけれども、ハードの面での導入ということでIT導入補助金というのもありますし、その際の人材の派遣というものもあります。どういった形でそれらを使っていくかということも含めてやっていくということだと思いますけれども。
 企業によって、業種によって、テレワークができる業種とそうでない業種もあると思いますし、事業の規模によってもそういうことだと思っております。ただ、これからどうしてもそのデジタル化が進んでいくと、デジタルをベースにしたビジネスの在り方というものをやはりみんな考えていくと。国もそういった形でデジタルアーキテクチャセンターというものをつくったりしているわけでありますけれども。
 日本の場合、IT人材と言われる方、まあ程度の問題、スキルの問題あると思いますけれども、七割がIT企業に集中をしているということなんですね。欧米の場合は四割ということで、一般企業に皆さん、やっぱりそういう人材がいるということも含めてこれからの日本の課題であると思っておりますので、しっかりと対応してまいりたいと思います。

#70
○宮沢由佳君 是非よろしくお願いいたします。
 次に、企業と消費者の面からデジタル化について議論したいと思います。
 携帯電話会社のカードを作ったが、一度も使用していないにもかかわらず、カードのクレジット決済によって誰かに商品を買われ、多額の預金が引き落とされた方がいらっしゃいます。これ、私の友人なんですけれども、作ったばかりのクレジットカードで高級紳士服を三十万円分買われてしまったという事例なんですけれども。
 あと、もう一人の、それで、ネットワークのグループでそういう被害について伺ったところ、結構皆さん未然には防がれて、引き落とし前に口座を空にして未然に防いだという例もあるんですけれども、ある方は、海外から日本のテーマパークのチケットを大量購入したいという要望がありますけど本当ですかという問合せが来て、私はそういうことしていませんということで、これも未然に防いだわけなんですけれども。
 このような事例で国や企業が適切に対応しないとデジタル化への消費者の信頼が揺らいでしまうという一面もあると思いますけれども、そこで伺いたいんですが、このようにカードを勝手に使われた場合の対応について企業への指導を行っているのでしょうか。行っているとしてどのような指導をしているのか、教えてください。

#71
○政府参考人(岩城宏幸君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のようなカードの不正利用があった場合には、カード会員は、カード会社との契約に基づきまして、所定の手続を経まして、カード会社からの支払請求の拒否やカード会社からの補償を受けられるのが一般的と承知しております。
 企業と消費者の個々の取引につきましては当事者間で解決されるべきものでございますけれども、不正利用等を含めましたカード会員からの問合せあるいは苦情に対しまして適切に処理する体制整備を行うよう、割賦販売法に基づきましてカード会社に義務を課しております。体制整備が行われていないおそれがある企業に対しましては、報告徴収でありますとか立入検査等を通じまして指導しておりまして、必要に応じまして行政処分も行っているところでございます。

#72
○宮沢由佳君 カード会社に関しては経産省の管轄だというふうに伺いましたので、是非、これからのデジタル社会に向けて、この辺りをしっかりとやっていただきたいというふうに思います。
 このような事案は、デジタル化の進展と、今後ますます増加すると思います。国としてどう対応していくのか。また、消費者にもっと寄り添うような指導をすべきだと思いますけれども、二点教えてください。

#73
○政府参考人(岩城宏幸君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、デジタル化の進展に伴いましてキャッシュレスが社会に浸透しつつある中、御指摘のとおり、クレジットカードの不正利用が増加傾向にございます。また、不正利用の手口は日々刻々と変化しておりますので、国とクレジットカード会社が連携しまして、セキュリティー対策に不断に取り組んでいるところでございます。
 具体的に申し上げますと、割賦販売法に基づきます、セキュリティー対策の指針となりますクレジットカード・セキュリティガイドラインを毎年改訂しておりまして、今年三月の改訂では、二〇二〇年九月のキャッシュレス決済による銀行口座の不正引き落とし事案を踏まえまして、クレジットカードとQRコード決済とのひも付け時の本人確認強化を盛り込んだところでございます。
 その上で、消費者に寄り添った対応も極めて重要であると考えております。このため、利用者からの苦情に対しましては、先ほど申し上げましたけれども、体制整備が不十分な事業者に対しましては割賦販売法に基づき指導をしっかりと行うことで、安全、安心なキャッシュレス社会の実現に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

#74
○宮沢由佳君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。
 次に、事業再生ADR、私的整理から簡易再生手続、法的整理への移行への円滑化について伺います。
 今回の改正により、裁判所が再生計画に対する債権者の多数の賛成を考慮することができるようになると伺いました。そうであれば、少し乱暴な言い方をすれば、法的整理へと進んでもADRにおける多数の意見が尊重されるのであれば、法的整理へ進むことをためらう債権者も多くなり、ADRによる事業再生に拍車が掛かることも期待できます。
 そこで、今回の移行の円滑化によって、企業で働く従業員への影響について、現状と改正法でどのような変化があると考えているのか、教えてください。

#75
○政府参考人(新原浩朗君) お答えいたします。
 結論から先に申し上げますと、従業員にとってもメリットがあると考えております。
 今委員御説明されましたように、事業再生ADR、これ私的整理の一類型であるわけでありますが、債務を負っている事業者が債権者の協力を得ながら事業の再生を図るための手続でございます。
 今回の改正法案では、事業再生ADRが不調に終わりまして法的整理である簡易再生手続に移行する場合でも、裁判所が事業再生ADRの途上で確認された事実を考慮するとの規定を設けておりまして、結果的に、委員御指摘されましたように、私的整理である事業再生ADRでの解決が図られることを期待しているものでございます。
 ということは、事業者の私的整理という形で事業再生が早期に進むということを期待しているわけで、企業価値が毀損される前の段階での再生、事業再生が可能となります。結果として、その企業で働く従業員、あるいは中小企業の取引先の方も含めて、ステークホルダー全体にとってのメリットがあると考えております。

#76
○宮沢由佳君 ありがとうございました。
 では次に、下請中小企業取引機会創出事業者の認定について伺います。
 認定事業者はどのような仕事をするのでしょうか。一次下請とどう違うのでしょうか、教えてください。

#77
○政府参考人(飯田健太君) お答えいたします。
 認定下請中小企業取引機会創出事業者でございますが、これは新しいビジネスでございます。少し御説明をさせていただきます。
 一般に、下請中小企業でございますけれども、一つの工程に特化して技術力を高めたりするところでございますので、受注先も限定的、固定的で、なかなか新しい取引先を拡大できないという実態にあると思っております。親事業者との関係でも比較的弱い立場に置かれておりまして、なかなか価格を含めた契約条件をめぐって対等に交渉ができないというようなことがあるわけでございますが。
 こうした中で、新しいビジネスでございますけれども、近年、親事業者と下請中小企業群との間に入って、下請中小企業の弱い部分を補って、本来のこれらの下請中小企業の持っている強みをより一層生かせる新しいビジネスということでございまして、具体的には、たくさんの中小企業と提携をいたしまして、その強みをデジタル技術なども活用しまして分析、把握をすると、どれぐらいの納期で、どれぐらいの価格で、どれぐらいできるのかという、そういうことを把握いたしまして、自ら大企業等の発注者から受注をして、それをまとめて一括して委託を受けて、提携する中小企業の中からその行為に適切な、最適な企業群を選定してまとめて再委託をすると、こういうことでございまして、従来の取引関係に依存しない、中小企業者の技術力などを生かした新しい取引機会の創出や適正な価格形成などの取引の透明化などを実現すると、こういうビジネスが出てきております。
 具体的な認定要件についてお話し申し上げます。この本認定制度では、今のような実態を踏まえまして、自らが親事業者から一括して委託を受けて、これを最適な下請中小企業に再委託をする、再委託をした行為について工程管理や品質管理を行う、それから提携する下請中小企業に対して情報提供を行うという、下請中小企業の取引機会の創出を行う事業を行っている者に対して省令で定める基準を満たしている場合に認定するということでございます。
 省令の中身でございますが、一つは、具体的には、今のようなその事業の内容が下請中小企業の取引の機会の創出に資するものであるということを確認するために、例えばその取引対価の決定に当たって十分に協議を行うなどといった基準を考えております。それからもう一つは、事業を実施するために必要な体制をちゃんと整えているということも確認することを予定してございます。

#78
○宮沢由佳君 丁寧にありがとうございました。
 認定されて下請中小企業取引機会創出事業者になると、どんなメリットがあるのでしょうか。
 第二十条では、認定を受けた下請中小企業取引機会創出事業の実施に関する資金面における支援措置として、下請中小企業取引機会創出事業関連保証を受けた中小企業者に対し、中小企業信用保険法の特例、つまり普通保証等の別枠設定等を適用することを定めています。
 また、第二十一条では、認定事業者に対し、通常の投資対象、つまり資本金三億円以下の株式会社ですが、これに加えて、資本金が三億円を超える中小企業者も中小企業投資育成株式会社からの投資を受けることを可能とする特例を設けることが規定されています。
 要は、下請中小企業取引機会創出事業者になれば、資金面等の優遇されることになると思います。もしそうであるならば、もしこの認定事業者が資金面の優遇を受けるだけ受けて実際にやっていることは下請いじめであれば、悪徳事業者を創出する制度にもなりかねません。どのように防止していくのでしょうか。また、認定事業者が下請受注企業のために働く担保はどうなっているのでしょうか。
 昨日の本会議で大臣より、二年都度に事業者を見直す、厳正に対処するとの御答弁をいただきましたが、厳正に対処とはいかなる対処でしょうか、併せてお答えください。

#79
○政府参考人(飯田健太君) お答え申し上げます。
 まず、メリットの方でございますけれども、認定事業者、これビジネスの性質上、親事業者から受注をして、それを下請中小企業に出すということでございますので、どうしても受発注に伴う代金受領と支払との間にタイムラグが生じてまいります。事業成長の過程で、豊富でかつ緊急の資金需要が発生するということが多くて、実際にそのビジネスの側からも公的な金融支援を希望する声が多数寄せられておりました。
 これらを踏まえまして、今委員御指摘のとおり、認定事業者は、独立行政法人中小企業基盤整備機構による認定事業者に対する情報提供といった協力を受けられることに加えまして、認定を受けた事業者のうち中小企業者に該当する場合には中小企業信用保険法の特例、あるいは中小企業投資育成株式会社法の特例といった金融支援を措置することを予定してございます。
 その上で、下請いじめみたいな話があるかということでございますけれども、こういう政策的な支援措置が講じられるということでございますので、認定事業者はこの下請中小企業の振興という政策目的、これにちゃんと資する取組を行っていただく必要があると思っております。
 したがいまして、認定の際に先ほど申し上げました認定基準をしっかり満たしていただくということを確認するわけでございますけれども、認定後もなおこの認定基準を満たしていることを担保するために、報告徴収でございますとか、ただいまもお話ございました二年間の更新制でございますとか、それから検査を行って、調査を行って改善をお願いするとか、そういったことも行ってまいるつもりでございます。
 さらに、その上で、認定事業者による行為が、代金の減額などの独占禁止法や下請代金支払遅延等防止法、こういったものに違反すると認められる場合には、公正取引委員会と連携して、私たちとしても厳正に対処してまいりたいというふうに考えております。

#80
○宮沢由佳君 ありがとうございます。是非お願いいたします。
 もう一点だけ伺いたいんですけれども、認定事業者への手数料等支払の仕組みについて教えていただきたいと思います。手数料はどのぐらいを想定しているのでしょうか、教えてください。

#81
○政府参考人(飯田健太君) お答え申し上げます。
 下請中小企業の持つ強みをより一層生かせる新たなビジネスを行っている、先ほど申し上げました新しいビジネスでございますけれども、実際にやっている事業者からは、今はその発注者から受領した代金と下請中小企業に支払う代金とのこの差額によって自らの事業に必要なその経費を賄うということでございますが、通常、手数料というのは、その取引を行うために紹介してもらうとか仲介してもらうとか、そういったところで対価として取ることが一般的だと思っておりますけれども、今申し上げた新しいビジネスモデルでは、下請中小企業は認定事業者に発注への紹介とか仲介を依頼するわけではなくて、直接その認定事業者と取引をするという形になりますので、現在はその手数料支払になじまない実態にあるというふうに考えてございます。
 その上で、今後、認定事業者が何らか手数料を取るようなビジネスが出てきた場合でございますけれども、その場合であっても、当該手数料が下請中小企業の振興を図るというこの本法の目的に照らして不適切な場合には、その事業の認定は当然行うべきでないと考えております。先ほど申し上げました更新なども使いまして、しっかりとやってまいりたいと思います。

#82
○宮沢由佳君 ありがとうございます。しっかりとお願いいたします。
 では最後に、取引調査員による調査について伺いたいと思います。
 国による健全な下請中小企業の振興を推進するため、取引調査員の調査に法的位置付けを与えることとしています。その前提としてまず現状について伺いたいんですが、いわゆる下請いじめに関して、公正取引委員会において令和二年度に書面審査を行い、被疑事件五千三百九十五件のうち五千二百七十二件の処理件数となっています。しかし、下請事業者から、下請いじめに遭っていますなど積極的に申告がされているとは思えません。
 下請いじめの件数がこれ以上どのくらいかと推定されるでしょうか、教えてください。

#83
○政府参考人(飯田健太君) お答え申し上げます。
 下請いじめの件数でございますけれども、取引というのは日々あらゆるところで行われておりますので、なかなか全てを把握することは困難でございますので、私どもとしては様々な方法で情報収集に努めております。
 まず一つ目でございますけれども、公正取引委員会と連携いたしまして、毎年度約十一万社の親事業者及び約六十万社の下請事業者に対してアンケート、調査を行っております。それから、下請Gメンによりまして、年間約四千件ヒアリングを行っております。三番目に、下請中小企業が抱える取引上の様々な悩み相談の窓口として、全国四十八か所に下請かけこみ寺を設置してございます。令和二年度の相談件数は九千七百二十七件ぐらいでございます。
 このようにして収集した端緒情報のうち、下請代金法違反のおそれの高い事案につきましては、中小企業庁と公正取引委員会が連携して執行を行っております。令和元年度に指導や勧告などを行った件数は合計八千七百件程度でございます。
 このほかにも、まだまだ相談することのできていない下請中小企業も今委員御指摘のとおり存在していると思っておりますので、様々な対応によりまして、一層の実態把握に努めてまいりたいと思っております。

#84
○宮沢由佳君 一層の実態把握に努めてまいりますと心強い御答弁いただきました。是非よろしくお願いいたします。
 調査員は大変重要な仕事を担われています。取引調査員の調査の実態、方法について伺います。どのような調査が行われているのか、御説明いただきたいと思います。

#85
○政府参考人(飯田健太君) お答え申し上げます。
 今、下請調査員、下請Gメンと言っておりますけれども、平成二十九年一月から中小企業庁に配置をいたしまして、ヒアリングを行っております。発足当時八十名であった体制でございますけれども、現在百二十名体制で取り組んでおります。ヒアリングは年間四千件程度、令和二年度末時点で累計二万三千件程度のヒアリングを実施してきております。
 少し声を御紹介させていただきますと、具体的には、海外企業の価格を引き合いに出して半額近い値下げを口頭で要求をされたでございますとか、親事業者が立会いといって工場を見学して、見せたところ、自社のノウハウを持っていかれて内製化されてしまったですとか、そういったような問題事例もございます。一方で、業界団体などによる指導がなされているおかげか、一年以上動いていない金型をリストアップするように依頼があって、廃棄又は保管料が支払われる方向であり助かったなど、取引が改善した優良事例も伺っております。
 ヒアリングで把握した情報のうち、下請代金法違反のおそれがある事案については、代金法執行の端緒情報として活用しております。また、代金法違反に当たらない事案でありましても、下請中小企業振興法、こちらに基づく振興基準に照らして不適切な取引であると考えられる事案につきましては、業所管省庁への情報提供を行いまして、指導、助言による取引の適正化を促しているということでございます。
 こうした個別事案への対応のほか、振興基準の改正あるいは手形サイトの短縮を示した手形通達の改正など、取引適正化に向けた政策立案の方にも活用させていただいております。

#86
○宮沢由佳君 ありがとうございます。
 それでもなかなか下請いじめがなくならない状況、この原因は何だと思っていらっしゃるでしょうか。人員不足でしょうか、調査の制度設計でしょうか、下請事業者からは申告がしにくい状況でしょうか。何だと思われますか、教えてください。

#87
○政府参考人(飯田健太君) お答え申し上げます。
 下請いじめと、いじめというその言葉が示すように、親事業者が取引上優位な地位を利用して不利な取引条件を下請事業者に内々に押し付けて、その下請事業者は取引の減少や停止を恐れて声を上げることもできず表に出にくいという、こういう特徴があるんだと思います。ある対策を打てば直ちに下請いじめがなくなるという性質の問題ではなかなかないんじゃないかなと思っておりまして、実態をしっかり把握した上で、様々な対策を根気強く着実に講じていくという必要があると考えております。
 実態把握の強化につきましては、先ほど申し上げましたけれども、下請Gメンの現在の取組に加えまして、今回の法律案におきましても、国が調査を行うことができる規定を新たに設けて下請Gメンの行う調査に法的な位置付けを与えると、こういったことも考えてまいりたいと思っております。
 その上で、公正取引委員会と連携した下請代金法の執行を始め、下請振興法に基づく振興基準を踏まえた指導、助言、先ほど申し上げましたけれども、さらには、経営者を巻き込むということで自主行動計画、これを策定して見直しをする、あるいはパートナーシップ構築宣言を作って推進していくと、こういった様々な取組を活用して、親企業側、大企業側と中小企業との適正な取引を促してまいりたいと思っております。
 こうした実態把握、法執行、産業界への働きかけ、総合的に進めまして、下請いじめに悩む下請事業者ができる限り少なくなるよう、私どもとしても取引の適正化に全力で取り組んでまいりたいと考えております。

#88
○委員長(有田芳生君) 宮沢さん、おまとめください。

#89
○宮沢由佳君 はい。
 質問を終わります。ありがとうございました。

#90
○高瀬弘美君 公明党の高瀬弘美です。
 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。本日もよろしくお願いいたします。
 今回の法案の背景及び概要としまして、経産省の資料によりますと、このように書いてあります。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、我が国経済は戦後最大の落ち込みを記録し、危機に直面しているが、同時に、古い経済社会システムから脱却し、新たな日常への構造変化を図るチャンスであり、本法案は新たな日常に向けた取組を先取りし、長期視点に立った変革を後押しするための措置を講じるものであるとございます。
 ここで確認をさせていただきたいんですが、新たな日常への構造変化というものはどのようなものでありますでしょうか。新たな日常、ニューノーマルという言葉、大変よく耳にいたしますが、この定義が同じでないといけませんので、具体的なイメージがしっかりと湧くように最初に明確にさせていただきたいと思います。
 その上で、今回の産業競争力強化法の改正案は様々な支援策が盛り込まれておりますが、パッチワーク的に見えなくもありません。日本全体の産業競争力を強化するためには、一体的、体系的な支援が必要と考えますが、今回の法改正はどのような考えに基づいて行われたものでありますでしょうか。

#91
○大臣政務官(佐藤啓君) お答えいたします。
 コロナ禍において、デジタル化、オンライン化の加速やテレワークなど新しい働き方の進展などにより、不可逆的な産業構造の変化を伴う新たな日常へ移行する中、ウイズコロナ、ポストコロナにおいて我が国経済が再び力強く成長するためには、こうした新たな日常への構造変化を図る必要があると認識しております。具体的には、飲食や宿泊など、コロナ禍で悪影響が出ている分野については、ポストコロナに向けた新たな取組や業態転換といった事業再構築を支援する、同時に、コロナ禍でも経済を牽引しているデジタルやグリーンといった成長の可能性がある分野について、将来に向けた成長投資を進めていくといった対応が必要でございます。
 こうした認識の下、本法案には、ウイズコロナ、ポストコロナにおいて日本の産業競争力を強化するために必要となるグリーン社会への転換、デジタル化への対応、また新たな日常に向けた事業再構築を支援するための措置を盛り込んでおります。今回の法案だけではなく、予算、税制等による措置を総動員することによってグリーン、デジタルなどへの集中投資を促し、イノベーションを後押ししてまいります。

#92
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 今、デジタル化、オンライン化、テレワーク等の働き方、そして、今落ち込んでいる業界については再構築をしていき、またデジタルやグリーンといったものは成長投資を促していくというお話がございました。
 こうしたものの前提としまして、大臣にお伺いさせていただきたいんですけれども、日本の産業をどのように今考えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
 五十年後、百年後の日本というのはどういう姿になっているのでしょうか。少子高齢化が進み、いびつな形の人口分布が進む中で、それを所与とするのであれば、どういう産業が生き残っていくのか。現在のように、自動車産業を始めとする製造業が牽引をして、中小企業が国内中心に活躍をする日本であるのか、それとも、IT化、デジタル化の中で、製造業ではなくて、どちらかというとサービス業の方にシフトをしていき、それが特化していくのか。
 こうしたことに関する明確なビジョンなくしては正しい政策を打っていくことはできないと思いますので、大臣の目指しておられる社会像を改めてお伺いしたいと思います。

#93
○国務大臣(梶山弘志君) 御指摘のとおり、世界の時価総額上位十社を見ると、アップル、アマゾン、マイクロソフト、グーグル、フェイスブックといった企業が並んでおります。日本のGDPの内訳を見ても、高度経済成長期の一九六五年には、第二次産業は四二%、第三次産業が五二%を占めていたのに対しまして、二〇一九年では、第二次産業は二六%、第三次産業が七二%に構成が大きく変化をしてきているところであります。他方、産業別に見てみますと、物づくりとサービス業の垣根が曖昧になってきております。我が国の主力産業である自動車産業の場合でも、データを活用したモビリティーサービスなど、新たなビジネス領域が拡大をしてきているということであります。ランキングの上位企業でも、このような物づくりとサービスの融合領域で事業展開をしている企業が多いと認識をしております。
 将来の産業構造を考える場合に、従来のように縦割り的に業を捉えるのではなくて、グリーンやデジタルといった世界的に進展しつつある大変革の中で、日本企業の国際競争力向上を実現するために、いかに時代のニーズに合ったソリューションを提供していくかといった視点が必要であると思っております。デジタル化、グリーン化というのは、やはり産業基盤をどうしていくかということだと思っておりまして、その上にまたいろんな事業の融合というものが出てくるものだと思っております。
 このような観点から、経済産業省としては、今後とも、研究開発投資、ベンチャー投資、MアンドAなど、前向き投資を促進することでイノベーションを加速させ、日本企業の国際競争力の向上を実現をしてまいりたいと考えております。

#94
○高瀬弘美君 大変詳しく御説明いただきまして、ありがとうございます。物づくりとサービスが融合していくというお話で、非常にイメージが湧いてまいりました。
 今大臣のお話の中でもございましたように、世界の産業を見ますと、時価総額ランキング上位企業、米国企業が大変多いわけでございますけれども、いずれの企業も創立をして三十年未満の会社が非常に多くなっていること、これはもうよく指摘をされることであります。こうした企業というのは、ベンチャーから始まって、破壊的イノベーションの中で台頭してきている企業であります。
 日本においては、ベンチャーが育たない、またユニコーンが出てこないということ、よく指摘をされておりますけれども、経産省としてこの点どのような取組をされていますでしょうか。

#95
○大臣政務官(佐藤啓君) お答えいたします。
 ベンチャー企業は、我が国経済におけるイノベーションを生み出す主体として極めて重要な存在であります。特に、ウイズコロナ、ポストコロナの世界においてグリーンやデジタルといった成長戦略を進めるためにも大変不可欠な存在であります。
 一方で、我が国では、ベンチャー企業の数は近年増加しているものの、企業年齢がゼロから二年の企業が企業全体に占める割合は一三・九%にとどまっていまして、米国の二〇・五%、英国の二二・四%などに比べて低い状況です。また、御指摘がありました日本の上場企業は、ソニーやホンダなど、終戦直後の十年間に設立された企業が百十九社と最多でありますけれども、一方で、米国の上場企業は、アマゾンやフェイスブックなど、一九九五年から二〇〇四年に設立された企業が百二十四社で最多となっております。
 実際、我が国ではベンチャー企業が少なく、今御指摘あったこのユニコーンの数も、米国の調査会社によると、三月一日時点で、日本は四社、米国は二百七十四社、中国は百二十三社、欧州六十七社ということで大幅に少ない状況です。
 そのため、政府としてはこれまでも、産業革新投資機構によるベンチャー投資、またオープンイノベーション促進税制により大企業からベンチャー企業への資金提供を加速させるなどの措置を講じております。
 今回の法改正、改正法案でも、ベンチャー企業の大型資金調達を支援すべく、民間金融機関からの融資に対する債務保証制度の創設、またオープンイノベーションのグローバル展開を促進するために、国内ファンドにおける海外投資拡大に向けた特例措置の創設などを盛り込んでおります。
 また、この夏まとめます成長戦略では、ベンチャー企業を生み出し、かつ、その規模を拡大する環境の整備を重要課題として検討する必要があると考えておりますので、経済産業省としてもしっかりと対応していきたいと考えております。

#96
○高瀬弘美君 ありがとうございます。ベンチャー企業に対しては資金提供を中心にしっかりとお支えいただいているということがよく分かりました。
 その一方で、今お話しさせていただきましたような破壊的イノベーションを起こしてきたベンチャー企業というのは、他国の例、中国や米国等を見ましても、国からの支援を当てにしているような企業というのは大変数が少なくなっておりまして、厳しい環境の中で本当に闘いながら勝ち残ってきた、そういう企業が非常に多いのではないかなと思います。
 私自身も、ベンチャーの経営者の方々とお話しさせていただきますと、国に対して補助金をつくってほしいとか、そういう御要望というのはほとんどなくて、それよりも、ベンチャーが思いっ切り自由に新しいことに挑戦する環境を整えてほしいと、そういうイノベーションを起こせる環境こそが必要なんだという御意見、度々いただいております。
 この点につきまして、ベンチャーをしっかり資金面で支えるとともに、イノベーションを起こせる環境整備、非常に大事だと思いますが、大臣のお考えをお聞かせください。

#97
○国務大臣(梶山弘志君) 私も高瀬委員と同感であります。ベンチャー企業は、我が国経済におけるイノベーションを生み出す主体として極めて重要な存在と認識しております。イノベーションの創出のためには、ベンチャー企業を始めとした民間の様々な主体が独創的なアイデアを次々と生み出し、挑戦できる環境を整備をしていくことが必要であります。
 本改正法案に規定する規制のサンドボックス制度を活用し、規制改革を着実に推進していくことも必要ですし、先取りをしながら規制改革というものもやってきております。そして、さらにまた、スマートシティーやスーパーシティといったような制度もございます。新たな技術をやはり試す場というものがもっと自由にできればというお話も私どももいただいているということであります。あわせて、ベンチャー企業については、資金調達面の規制・制度改革が重要であると考えております。
 この夏の成長戦略において、ベンチャー企業を生み出し、かつ、その規模を拡大する環境整備を大きな柱として位置付けております。包括的に施策を打ち出していけるように経済産業省としてもしっかりと対応してまいりたいと考えております。

#98
○高瀬弘美君 大臣、ありがとうございます。夏の成長戦略楽しみに、私自身もしっかりと議論に参加をさせていただきたいと思います。
 今大臣からお話ありました規制のサンドボックスにつきましては、後ほど質問させていただきたいと思います。
 法案の中身に移らせていただきます。今回、柱が五つあるようなので、一つ一つについてお伺いをしたいと思います。
 まず、グリーン社会への転換の部分になります。
 カーボンニュートラルの事業者の取組の計画を主務大臣である経産大臣が認定をし、設備投資促進税制の措置ですとか、成果連動型の利子補給を措置するというものが今回の法改正の中に含まれております。成果連動型の利子補給につきましては、あらかじめ計画をしたKPIを達成したかどうかを見極めて利子補給がされますので、計画が達成されたかどうかの確認というものができますが、設備投資促進税制の方は、計画によって実際に脱炭素化が行われたのかどうか、実際の結果までは見ずに計画だけで税額控除になる、そのような理解でよろしかったか、確認させていただきたいと思います。

#99
○政府参考人(矢作友良君) お答えいたします。
 今委員から御指摘のございましたカーボンニュートラル投資促進税制の利用に当たりましては、今回の改正法に基づく事業適応計画の認定を受けることが必要でございます。
 この事業適応計画の認定に当たりましては、脱炭素効果が高い製品の生産設備の投資を行うものであるかとか、あるいは炭素生産性が向上する設備投資であるか、こうしたことを確認することになってございます。その事業適応計画の認定を受けた後、設備投資を行えば、設備を取得した年度の税務申告において税額控除などの措置を受けることができるというものでございます。
 そして、その認定の後でございますけれども、企業のその脱炭素化に向けた取組が着実に行われていくよう、今回の改正法に基づき、認定後におきましても、目標の達成に向けて計画に記載された具体的な取組が実行されたかどうか、こういった進捗を事業者に報告いただきまして、定期的に国が確認していくと、このような仕組みになってございます。

#100
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 投資促進税制の適用を想定しております脱炭素効果が高い製品の設備投資についてはあらかじめ分野が決まっているというふうに聞いておりますけれども、その具体的な中身と、また、これらの分野の決定に至る過程を教えていただければと思います。

#101
○政府参考人(矢作友良君) お答えいたします。
 今御指摘のございましたカーボンニュートラル投資促進税制では、脱炭素効果の高い製品の生産設備投資に対しまして税額控除一〇%等を措置することとしてございまして、対象製品として、省電力性能に優れたパワー半導体、あるいは電気自動車等向けのリチウムイオン蓄電池、あるいは燃料電池、それから洋上風力の発電設備の主要専用部品、こういった製品を想定しているところでございます。
 これらの製品につきましては、温室効果ガスの削減量が大きい、そして日本が技術力を持つ、こうしたテーマの中にあって、我が国の二酸化炭素排出量の四割以上を占めるエネルギー転換部門の製品であって、足下の投資ニーズはあるけれども、民間企業の自律的な取組のみでは初期の導入拡大が難しいと、そのように見込まれると、こういったものを抽出したという、そういった考え方で想定しているものでございまして、これは、プロセスといたしましては、昨年の税制改正プロセス、ここにおける検討、議論を経て年末に閣議決定されました税制大綱、その税制改正大綱ですね、このプロセスを通じて策定されたものでございます。

#102
○高瀬弘美君 今、脱炭素効果が高い製品の生産設備について、具体的に半導体、リチウム電池や風力発電というお話がございました。
 もう一つの税制優遇の対象であります生産工程の脱炭素化を進める設備については、こちらは産業分野を問わずあらゆる企業が使える、そのような理解でよろしいでしょうか、確認させてください。

#103
○政府参考人(矢作友良君) お答えいたします。
 今委員から御指摘のございました生産工程の脱炭素化を進める設備の導入、これにつきましては、事務所等の生産性向上と二酸化炭素の排出削減を図る、その炭素生産性、この指標が三年以内に一〇%以上向上する場合、これはその税額控除は一〇%、三年以内に七%以上向上する場合、こうしたものはその税額控除五%等と、今そういった措置になってございます。
 御指摘のいただきました点でございますけれども、こういった炭素生産性、これ一定の要件を満たすものでございますれば、産業分野、これを問わずにこの税制の対象となるというものでございます。

#104
○高瀬弘美君 ありがとうございます。こちらは非常に幅広い企業が扱うことができる税制でありますので、もう一つの方の税制と違って分野の幅が非常に広くなっておりますので、その点も含めてしっかりと周知もしていただきたいなというふうに思います。
 今回、デジタル化への対応としましてデジタルトランスフォーメーション投資促進税制を措置することになりますが、大臣が認定をすることになる計画というのは年間何件くらいを想定していらっしゃいますでしょうか。また、デジタルトランスフォーメーションには様々な形が考えられますが、今回、クラウド技術を活用したデジタル関連投資に限定となっているこの理由をお聞かせください。

#105
○政府参考人(新原浩朗君) お答えいたします。
 まず、DX投資促進税制の支援対象の投資でございますけれども、これ民間の投資でございまして、実際に実行されるか、これ様々な要因に左右されるということ、それから、特にコロナ禍でございますので、かなり事業面への影響の見通しが不透明になっております。ということで、認定件数について具体的な数値を目標として設定はしておりません。
 ただし、私どもとしては、できるだけ多くの事業者にこの税制を活用していただいてDXを進めていただきたいというふうに思っていますので、業界団体単位で細かく説明会を実施するとか、その周知徹底に努力してまいりたいと思っています。
 二つ目の御指摘のクラウド技術についてでございます。
 私どもの法律の中では、これはインターネットなどを介してオープンにデータの処理、保管などを行うことができる技術というふうに考えております。
 その要件にさせていただいた理由なんですけれども、これは我々の反省点でもあるんですが、これまでの日本の企業のIT化というのは、非常に部門ごとに、何かソフトウエアを入れるとか、パソコンを、コンピューターを入れるとかいうのがすごく多くて、社内でもつながっていないというのが結構あったわけであります。
 今回のデジタルトランスフォーメーションの意義というのは、やっぱり単に部門ごと、縦割りでのITシステムの導入ではなくて、部門とか会社間をまたいでデータ連携を進めることで、新商品の開発とか新サービスの提供とか、そういう経営改革自体を実現していくことであると思っております。
 そういう意味で、このクラウド技術を活用することで、将来の展開も含めて、社内外とのデータ連携、共有が広く容易になると思っておりまして、そのデータ利活用を後押しするという意味でこういう要件を入れさせていただいているところでございます。

#106
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 このデジタルトランスフォーメーションにつきましては、ある程度体力のある中堅企業、中小企業であればできるのでしょうけれども、中小企業がデジタルトランスフォーメーションを行うに当たっては、ほかの委員からの質問でも御指摘ありましたけれども、デジタル人材の不足という問題に直面をいたします。ここについては経産省はどのように支援をされていかれるのでしょうか。

#107
○政府参考人(平井裕秀君) お答え申し上げます。
 企業のデジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXの実現に当たりましては、事業とデジタル技術の双方を理解する人材が必要でございます。このため、中小企業のDXを促進するという観点に立ちますと、デジタル人材の育成、確保ということを促すのみならず、事業内容に精通した社内人材、こちらがデジタル技術を学ぶことができる環境整備も進めていくことが重要だと考えております。
 当省におきましては、中小企業の方々も含めまして、これまでデジタルスキルを学ぶ機会がなかった方々に初めてデジタル技術を学ぶ際の参考となりますよう、昨年十二月に、無料でオンラインで気軽にデジタル技術を学べる民間講座というのを御紹介申し上げる、巣ごもりDXステップ講座情報ナビというのを立ち上げさせていただきまして、数多くの方々に御覧いただいていることになってございます。
 さらに、社会人が学び直しを通じまして、AI、IoT等の先端分野に身に付けることを支援するために、民間講座を認定する第四次産業革命スキル習得講座認定制度というのも実施しているところでございます。認定講座は、厚生労働省の人材開発支援助成金の対象とも位置付けられておりまして、中小企業を含め、事業者が認定講座を活用して労働者の職業訓練を行う際には訓練経費や訓練期間中の賃金の一部が助成されることになっております。
 これらの施策を通じまして、中小企業のDXに取り組むデジタル人材の育成を支援してまいりたいと考えておるところでございます。

#108
○高瀬弘美君 ありがとうございます。今、コロナ禍で従業員の方の人数を減らしたりシフトを減らしたりされている会社もありますけれども、是非今お話あったような制度を使っていただいて、この機会にデジタル人材を増やしていただくという取組進めていただくことも非常に企業にとって有益ではないかと思いますので、これも広く広報していただけたらなというふうに思います。
 今、クラウドの話が出ましたので、関連して、我が国のクラウド産業についてお伺いしたいと思います。
 デジタル化の流れの中で、我が国のクラウド産業の在り方についての議論が続いております。カーボンニュートラルを目指す中におきましても、クラウド産業に欠かせないデータセンターというのは電力多消費型でありますことから、グリーンイノベーション基金における対象十四分野のうちの一つにもなっておりまして、このデータセンターの省エネ化というのはもう喫緊の課題となっております。
 まず、我が国のクラウド産業の現状及び今後どのような進展を見せていくと想定されているのか、経産省のお考えをお伺いしたいと思います。

#109
○政府参考人(平井裕秀君) お答え申し上げます。
 あらゆる産業においてデータの重要性というのが高まってまいります中で、デジタル社会を支えるクラウド産業などのデジタル産業、そしてデータセンターなどのデジタルインフラというのは、もはや国家の大黒柱と呼べるような存在になってきていると思います。我が国が抱える課題を解決し、持続的に成長していくためには、このデジタル産業、そしてデジタルインフラというものの強化が必要だと認識しております。特にクラウドにつきましては、今後、社会的に影響の大きい政府、産業、重要インフラ等でも活用が進み、社会経済の基盤となっていくことが期待されているところでございます。
 他方で、急速に成長する世界のクラウド市場につきましては、海外クラウド企業の上位八社が八割を占める、そうした寡占的な状況になっており、日本企業のシェアは二%程度にとどまっていると推計されております。これまで以上にクラウドが社会経済を支えていく基盤となる中で、日本において信頼できるクラウド事業者が育ち、根付いていくということを期待しているわけでございます。
 また、AIやビッグデータ活用、ITサービスの拡大が進むにつれ、データの保存、処理を行うデータセンターの重要性も高まってまいります。先生御指摘のとおり、エネルギー消費を抑えつつデジタル化を推進する観点から、省エネ性能の高いデータセンターの国内立地を進めていくということが不可欠だと考えております。
 足下では、国内のデータセンターの八割以上が東京、大阪に立地している状況であるという点もございます。災害に強いデジタルインフラの構築、そして日本全体のデジタル化の推進のためにも、東京、大阪以外も含めたデータセンターの計画的な立地というのを、政府、民間が協力して着実に進めていくことが必要であるというふうに考えているところでございます。

#110
○高瀬弘美君 先般、LINEのデータ流出の問題がございました。LINEのデータが中国や韓国に保管されていたということで、様々なところからの指摘を受けてこれらのデータは日本国内に移管されたものと理解をしておりますけれども、このデータというのはもう重要な財産でございまして、安全保障上も看過できないからこそ、先日のLINE社の問題というのは政府も重く捉えているのだと思います。そうであるならば、今、日本の企業のシェア二%というお話もございましたけれども、外国の企業も含めて、日本国内にデータを置くインセンティブが十分あるのかどうか、しっかりと検証をしていく必要があると思います。
 私自身がある情報関連企業の方から伺ったお話では、データセンターというのは、物理的に機械を置きますので大変広い土地も必要となりますし、先ほど来お話しさせていただいているように電気代が物すごく掛かります。この辺りの障壁を取り除かなければ日本国内でのデータセンターの発展は見込めないというのがその企業の方のお話でありました。
 近隣諸国を見てみますと、例えば、韓国やタイ、中国等では、このデータセンターの土地の購入に関してはかなり大きい税制優遇もございますし、また電気代の減免など、企業がデータセンターを置きたいと思うような施策が様々と実施をされております。
 日本としましても、もうこの世界の中でのデータセンター競争にどのように対応していくのか、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

#111
○国務大臣(梶山弘志君) データセンターはデジタル社会の基盤となるインフラであると考えております。世界的にデータ量が急増する中、エネルギー消費を抑えつつデジタル化を推進する観点から、省エネ性能の高いデータセンターの国内立地を進めていくことは不可欠でもあります。
 先ほど政府参考人から話がありましたけれども、国内のデータセンターの八割以上が東京、大阪に立地をしているということでありまして、災害に強いデジタルインフラの構築や日本全体のデジタル化推進のためには、東京、大阪以外も含めてデータセンターの立地を進めなければならないと考えています。
 こうした観点も踏まえて、データセンターの国内立地などの議論を行うために、今年の三月に新たな検討会議を立ち上げ、大学教授や通信事業者、ITベンダーなどデジタル関係の有識者に集まっていただき、議論を進めているところであります。データセンターに関して、例えば、データセンターの新規立地には複数系統の電力、通信回線が必要であり、これらの早期整備を支援すべきとの意見や、データセンターの省エネにつながる技術開発を積極的に支援すべきという意見があるところであります。
 こうした検討会議での議論も踏まえて、今月末を目途にデータセンターの国内誘致や国内での最適配置に向けた今後の政策の方向性を取りまとめて、早急に実行に移していきたいと思っておりますけど、思い切った対応、手段を取らなければならないと考えております。

#112
○高瀬弘美君 ありがとうございます。大変心強い答弁、感謝申し上げます。
 法案に戻らせていただきまして、新たな日常に向けた事業再構築、今回の法案の中で、繰越欠損金の控除上限の引上げということで応援をしていただくことになっております。
 新型コロナ関連の経済産業省の支援策の中に事業再構築促進事業というのがございますが、経済産業省が作成をしましたチラシを見ますと、活用のイメージというのが裏面に載っていて、いろんな例が載っているわけでありますけれども、確かにこのコロナ感染拡大の中で生き残りのために事業転換をする事業者にとっては必要な補助金であると思いますが、一方で、この活用イメージを見ましても、これ幾つか例があるんですけど、例えば、居酒屋経営をされている方がオンライン専用の注文サービスの需要に対応するような事業構築であったり、あるいは、高齢者向けデイサービスをしている会社が事業を切り替えて病院向けの給食ですとか事務等の受託サービスを新規に開始をするですとか、あるいは、和菓子を製造しているお店がその和菓子を作る中で出てくる成分を生かして新たに化粧品の製造、販売をやる等、様々事例が載っているんですけれども、やっぱりこの例を見ましても、元々優良な企業が想定されているのではないかなという印象を受けます。このような補助金を使えるような企業というのは、コロナがあろうがなかろうが、常に時代の変化に対応しようとする意欲や能力がある、そういう会社ではないのかなという印象を受けました。
 仮にこの補助金を使って、この例にあるように、例えば町の飲食店がオンライン専用の注文サービスをつくったとしても、一時期、このコロナの間はテークアウトの需要があるのかもしれませんが、コロナが終息をした後にそういうオンラインサービスを余り使わなくなったとか元の生活に戻ってしまったということになってしまいますと、せっかくこの事業再構築補助金で行った投資が無駄になってしまうのではないかという危惧も少ししております。
 この事業再構築をするノウハウですとか、人材のいない企業さんをどのように支援をされるおつもりでしょうか。

#113
○政府参考人(村上敬亮君) お答え申し上げます。
 この事業再構築補助制度は、補助すること自体はもちろんなんですけれども、この補助金をチャレンジすることを通じてその企業の未来につながるような方向性を見付けていただく大切な機会にしていただくという意味では、まさに申請書を作っていただくプロセスから含めて極めて重要であると考えてございます。そういう意味で、事例として御紹介するのはやや模範的なもの、やや難しいもの、できるだけやはり難しい方向性にチャレンジしていただきたいという気持ちがあるものですから、どうしてもそういうふうになっている面が否めない面はあると思います。
 引き続き事例やガイドはそういった形になろうかと思いますが、一回目の申請も終わりましたので、一部につきましては、匿名等の形を取りますが、事例を紹介させていただこうと思ってございます。そういったものの中には、企業さんによってやや身近に感じるようなものもその欄に分散をさせた形で御紹介をするように努めてまいりたいと思いますので、事例等の御紹介につきましては、是非お気付きの点があれば引き続き御指導いただければと。
 それから、後段にいただきました支える人材の方の件でございますけれども、全体で二・二万件いただきましたが、制度がそうなっているから当然でございますけれども、二・二万件全案件、認定支援機関のサポートが付いてございます。銀行さんであったり、税理士さんであったり、会計士であったり、商工会であったり、商工会議所であったり、そこは様々でございますが、まずは、二万件について全て支援者とのカップリングが今回生まれていると。これは今回申請する全ての方にそれをお願いしていただいておりますので、これ自身が一つのサポーターを見付ける機会になると。
 加えて、お願いベースではございますが、申請まででおしまいではなくて、できるだけ最後まで、事業が終わるまで伴走してほしいということもお願いベースではお願いをし、補助費用の一部には、申請採択された後でございますけれども、コンサル費用も事業費用の対象として認めさせていただくということになってございます。
 一組でも多くのいい組合せと最後まで伴走していただく、いわゆる支援機関の方々の育成、チャレンジの機会にもなるように引き続き制度の運用を務めてまいりたいと、このように考えてございます。

#114
○高瀬弘美君 大変誠実な御答弁をありがとうございます。非常によく事業の中身が分かりましたし、多くの事業者の皆様にこれ是非使っていただきたいなというふうに思います。
 次に、柱の一つであります中小企業の足腰強化についてお伺いいたします。
 様々今回措置を講じるわけでありますが、その中の一つに、中堅企業と中小企業の連携による事業継続力強化を促進というものがございます。これによりまして、BCPと言われる、企業が自然災害ですとか大火災などの緊急事態に遭遇した場合に、損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画を、このBCPを中堅企業と中小企業が共に策定をすることができるようになり、そのような取組を行う中堅企業に対して金融支援が行われるものであります。
 この制度と趣旨を同じくしまして、中小企業防災・減災投資促進税制というのがございまして、これは既に活用されているものでございますが、こちらは特別償却が二〇パーというふうな制度になっております。
 私の地元であります福岡県の県南、県の南の方は大雨とか洪水の被害が大変多い地域でございまして、このBCPにしっかりと取り組まれている企業の方もたくさんいらっしゃいます。そのBCPに取り組まれている企業の方がおっしゃっていたことの一つになりますけれども、この税制上の優遇措置である特別償却の二〇パー、これがインセンティブとしてはどうも小さいというような御意見もいただいております。また、この税制の対象となっております排水ポンプの購入ですとか自家発電機の購入というもの、この対象機材の範囲も非常に小さいという御意見をいただいております。
 国としては、このBCP、しっかりやっていくという思いの下でこういう税制もあるというふうに認識をしておりますけれども、今後、このBCP、どのように進めていかれるのでしょうか。

#115
○政府参考人(飯田健太君) お答え申し上げます。
 まず最初の、BCPの税制の関係についてお話ししたいと思います。
 今御指摘ありました税制でございますけれども、この税制の目的は防災・減災のための投資を促すということでございまして、機械、装置、器具、備品、建物附属設備を対象としております。この税制につきましては、令和三年度の税制改正におきましても与党税調の御審議もいただいた上で一部拡充を行っております。具体的には、近年水害が多発しておりますので、対象設備をかさ上げするための架台でございますとか、あるいは感染症対策のためのサーモグラフィー装置などを追加したところでございます。
 ただいま建物についての御指摘がございましたが、建物自体は防災・減災のためにあるというよりはいろいろな多様な用途のためにございますので、建物そのものへの投資を本税制の対象とすることは難しいのではないかと思いますけれども、一方で、その建物自体の防災・減災機能を高めるための例えば免震装置といった機械、装置でございますとか、あるいは排水ポンプといった附属設備への投資、これは減税措置の対象となるわけでございます。
 こうした投資を促すことによって建物全体の機能を強化してまいりたいと思いますけれども、今御指摘ありましたように、どのような設備を税制支援の対象とするかという、そうするとインセンティブになるのかということにつきましては、引き続き中小企業ともしっかりコミュニケーションを取っていくとともに、災害の実態でございますとかあるいはその技術進歩の状況、こういったものを見ながら適時適切に対応してまいりたいというふうに考えてございます。
 いずれにいたしましても、近年頻発している自然災害の状況を踏まえて、中小企業の事業継続力の強化をより一層強力に進めるために様々な取組を行ってまいりたいと考えております。

#116
○高瀬弘美君 ありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたします。
 四つ目の柱、新たな日常に向けた事業環境の整備についてお伺いいたします。
 その中の一つとしまして、バーチャルオンリー株主総会が実現をすることになります。このバーチャルオンリー株主総会を開催する前提として、経済産業省令、法務省令で定める要件に該当するかどうかの確認を受けるとなっておりますけれども、この要件が厳しいものとなりますと、バーチャルオンリー株主総会の定着を阻害することにもなりかねません。どのような要件を課すことを想定されていらっしゃいますでしょうか。

#117
○政府参考人(新原浩朗君) お答え申し上げます。
 本案において、場所の定めのない株主総会に関する会社法の特例を創設しているわけでございますが、御指摘のとおり、上場会社が経済産業大臣と法務大臣の確認を受けた場合にバーチャルオンリーの株主総会の実施を可能としております。
 それで、その確認の要件を定める省令でございますけれども、第一に、株主総会で用いる通信に関する責任者を置くということ、第二に、通信障害への対応に関する方針を定めているということ、第三に、情報リテラシーに格差のある株主への配慮に関する方針を定めていること、こういうことを要件として定めることを想定しております。
 対応については各社それぞれやり方があると思いますので、今申し上げたように方針を定めるという形にしておりまして、具体的にこういう設備を入れてこういうふうにしてくれというふうには定めないようにしようと思っております。

#118
○高瀬弘美君 ありがとうございます。是非、多くの会社の皆様にこのバーチャルオンリー株主総会、検討していただければなというふうに思います。
 サンドボックス制度についてお伺いをしようと思っていたんですが、ちょっと時間になりましたのでまたの機会にさせていただきたいと思いますが、今日、大変詳しく答弁でお答えいただきまして法案の中身よく分かりましたので、感謝を申し上げたいと思います。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。

#119
○委員長(有田芳生君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十六分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会

#120
○委員長(有田芳生君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#121
○石井章君 日本維新の会、石井章でございます。
 まず、質問入る前に、私は、これまで、コロナ対応の実質無利息、無利子無担保の融資について、特に、民間の金融機関で出しておりましたセーフティーネット四号、五号を利用した、いわゆる借り手も借りやすい、貸し手も即座にすぐ貸せるという内容の融資の件で何度か大臣に、三月末で打ち切られたものを何とかもう一度戻せないものかと、この委員会あるいは予算委員会等で質問しまして、そのたびに大臣には心のこもった答弁をいただいて、金融庁ともしっかり交渉して元に戻したいというような旨で承っておりました。前回の経産委員会のときにそういった内容の答弁いただいたすぐ翌日、本来であれば当面今年の前半までということだったものを今年年末まで継続を決定したというような発表がありまして、本当に梶山大臣の中小企業に寄り添った温かくすばらしい御英断に対し心から感謝を申し上げて、質問に入ります。ですから、こういう質問から入ったので、厳しい質問全くできない状況で、よろしく、優しい答弁でお願いします。
 まず、本法案の本会議質疑では、産業競争力強化法は我が国産業の競争力強化に具体的にどのように貢献したのかという評価及び見解をお伺いいたしました。引き続き、政策の評価について質問いたします。
 二〇一三年に制定されました当初の産業競争力強化法は、実行計画を作成しまして、その進捗状況や効果を評価することが規定されていました。その条文は、二〇一八年に生産性向上特別措置法が新たに制定された際に産業競争力強化法からは削除されまして、三年間で生産性の向上に関する施策を集中的に行うこととした生産性向上特別措置法に同様の実行計画の策定と評価に関する条文が設けられましたが、その条文は、今回の改正案では生産性向上特別措置法が廃止されることにより、なくなりました。
 そこで、御質問したいんですけれども、三年間の時限立法であります生産性向上特別措置法は今回廃止をされますが、同法に基づく実行計画を実施した結果、生産性向上にどのような効果があったのか、経済産業大臣にお伺いいたします。

#122
○国務大臣(梶山弘志君) 生産性向上特別措置法は、我が国産業の生産性の向上を短期間に実現するために三年間集中的に措置を講ずるものであります。革新的な技術又は手法を用いることによる急速かつ非連続的な生産性の向上を実現するため、実行計画を策定をし、迅速かつ確実な施策の実施を図ることとしました。
 実行計画では、例えば、生産性向上特別措置法で措置した規制のサンドボックス制度、革新的データ産業活用計画の認定制度などに関する施策が盛り込まれております。規制のサンドボックス制度は、これまで二十件の認定が行われ、約百四十の事業者が実証に参加をしております。実証の結果、実際に規制改革に結び付くなど、革新的な技術やビジネスモデルを活用した事業活動を促進をしたと考えております。
 革新的データ産業活用計画の認定制度は、これまでに約二百社の企業に活用をされております。例えば、この計画の認定を受けた住宅設備大手のリクシルでは、製造現場のデータを収集、分析し、製造設備の稼働の最適化を実現するなど、IoTなどの革新的技術、手法を用いたデータ連携、利活用を促進したと考えております。
 このように、実行計画の実施により一定の成果を上げ、我が国の生産性向上に寄与したものと考えております。

#123
○石井章君 ありがとうございます。
 改めて、実行計画の策定と評価に関する規定を改めて産業競争力強化法に設けなかったと、その理由についてお伺いいたします。

#124
○国務大臣(梶山弘志君) 生産性向上特別措置法は、生産性革命・集中投資期間、二〇一七年十二月から三年間において、革新的事業活動の促進に関する施策を集中的かつ一体的に促進をするものでありました。法律上、実行計画の作成と進捗状況に関する規定を設け、法律上の措置のある施策に限らず、我が国の生産性向上のための必要な主要施策について、目標、内容、実施期間等を記載した実行計画を作成し、毎年度進捗状況を取りまとめることとしておりました。今般、生産性革命・集中投資期間が終了し、生産性向上特別措置法は一定の成果を上げたことを踏まえて、実行計画の作成や進捗状況に関する規定を含め、本法律を廃止するものとしたものであります。
 今回の産業競争力強化法では、御指摘の実行計画の策定と評価に関する規定は設けていませんけれども、我が国の生産性向上のために必要な主要施策については、成長戦略会議において、有識者の意見を踏まえつつ議論を行い、成長戦略実行計画として取りまとめて閣議決定を行うこととしております。さらに、成長戦略実行計画に盛り込まれた施策につきましては、成長戦略会議等の場で進捗状況の評価、確認を行っているところであります。引き続き、成長戦略実行計画の枠組みの下で施策の進捗状況の評価、確認を進めてまいりたいと考えております。

#125
○石井章君 続きまして、ディープテックベンチャーについて何点かお伺いいたします。
 今回の法律案では、大規模研究開発型のベンチャー企業、いわゆるディープテックベンチャーを対象に、経済産業大臣が事業計画を認定した上で、民間金融機関からの融資に対し中小の機構が債務保証を行うという制度で新設をされたわけでありますが、そこで三点ほどお伺いします。
 今般の措置は具体的にどのような政策効果を狙ってのものなのか。二番目。また、今般の措置を含むベンチャー企業の成長支援を推進するに当たりまして、政府は、企業価値又は時価総額十億ドル以上となる未上場ベンチャー企業、いわゆるユニコーン企業又は上場のベンチャー企業を二〇二五年までに五十社創出するとの成果目標を掲げておりますけれども、今般の措置はこの成果目標達成に向けてどの程度寄与すると考えているのか。もう一つ。さらに、二五年までに五十社創出という目標を達成するために、このほかにも多面的な施策を講じていく必要があると考えますけれども、具体的にどのような施策を講じていくのかをお伺いいたします。

#126
○副大臣(江島潔君) まず、ディープテックベンチャーに関する御質問でございます。
 一般的に、ベンチャー企業というのは、事業の見通しが不透明でありますので、その資金調達は株式発行で行うということが一般的でございます。一方で、自ら研究開発あるいは生産を行う大型のベンチャー企業、これをいわゆるディープテックベンチャーと呼んでおりますけれども、こういう企業の特徴として、まず事業化までの期間が長いこと、あるいは必要となる資金が大規模である、こういう背景がありますので、株式発行による資金調達に加えまして融資による資金調達のニーズというものが存在をしております。
 一方、この融資を行う側の金融機関にとっては、このベンチャー企業への融資というのは、事業の見通しが不透明である、あるいは担保となる資産も少ない、ベンチャーでありますので、このような背景がありますので、これまでは、一部の事例を除き、一般的にはなかなか行われていなかったということであります。
 したがいまして、このような状況を鑑みて、この本法案で新たに処置をいたします債務保証制度、これによりまして、国が一定のリスクを負担をするということを通じて金融機関によるベンチャー企業への融資が促進をされまして、ベンチャー企業の資金調達の多様化、大型化の促進、あるいは一方で、金融機関にとってもベンチャー企業に対する融資の在り方についてのノウハウの蓄積、こういうような政策効果が生まれるということを期待をしたものでございます。
 それから、ユニコーン企業に関しての御質問を頂戴しております。
 これは、今般のこの改正法案におきまして措置をしています債務保証制度、これは、大型の資金需要を有する有望ベンチャー企業による活用というものを見込んでおります。委員が御指摘いただいたようなこのユニコーン企業の創出というものにつながることを期待をしているところであります。
 一方、政府のベンチャー企業についての成果目標でありますけれども、これは決して今回のこの法案のみで五十社創出をするということではなくて、その他の税制あるいは規制改革、それから予算措置等を集中的に実施をすることによって達成をしようと考えておりますので、今回のこの制度だけを取り上げて、これがどれぐらい、この五十社という目標のうちの何社ぐらい寄与できるかということを定量的にお示しをするということはなかなか困難ではないかというふうに考えております。
 それから、ユニコーン企業五十社という目標でありますけれども、これを達成をするためにどのような政策を講じていくかという御質問に関しましては、まず、このベンチャー企業でありますが、我が国の経済におけるイノベーションを生み出す主体として極めて重要な存在であるというふうに理解をしております。特に、未開拓の分野に進出をして成長の担い手となってもらえるようなベンチャー企業をつくり出していくということは本当に重要な課題であります。
 委員が御指摘をいただきましたように、成長戦略に規定するこのKPIを達成をする、そのためには政策を総動員をしていかなければいけません。
 現在、政府としては、これまでも産業革新投資機構によるベンチャー投資あるいはオープンイノベーション促進税制によりまして、大企業からベンチャー企業への資金提供を加速させるなどの処置を講じてきたところであります。今回、それに加えまして、今回のこの改正法案でも、ベンチャー企業の大型資金調達を支援をするべく、民間金融機関からの融資に対する債務保証制度の創設、これが今回の一つのネタでございます。それから、オープンイノベーションのグローバル展開を促進するために、国内ファンドにおける海外投資拡大に向けた特例措置の創設、これも新しく設けたところでございます。
 引き続き、経産省としても、このKPIの達成というものには全力で取り組んでまいりたいと思います。

#127
○石井章君 江島副大臣、ありがとうございました。
 ちょっと先ほど高瀬委員さんの方の質問でもあったんですけれども、今回の融資の枠は通常の融資枠と別建てで考えているというようなことです。
 これ、当然ながら、国の方が保証を、ある程度のリスクをしょうというのは、これ国の方が、金融機関からすれば、例えばコロナの融資のように一〇〇%国が保険を入れてくれれば、これはもうどんどんどんどん民間の金融機関も貸しやすいんですけれども、中には、JCRといって、いわゆる企業の格付とかもあって、例えば、利子補給も十分に受けられない企業がこういったものに手挙げた場合にはどうしてもその融資が厳しくなって、厳しいというのは、いわゆる金融機関もリスクをしょうのは嫌ですから、ですからなるだけ政府の方がしっかり下支えをすると、いわゆる保険をちゃんと政府が入れますよと、入りますよというような内容だと利用しやすい。
 しかし、三割とか二割とか銀行の負担が出てくると、どうしてもそこでふるいに掛かってしまうことがあるんですけれども、その辺の割合というのは、いわゆる保証割合というのが出ているのかどうか、お伺いします。

#128
○副大臣(江島潔君) 債務保証の保証率についての御質問だと思いますが、これは、目的としてのベンチャー企業の資金調達の円滑化、それから民間金融の補完のバランスを図るという観点から、今数字的なお示しをすることができないんですが、検討してまいりたいと思っております。

#129
○石井章君 梶山大臣のここに懸かってくるので、しっかりやっていただきたいと思います。
 続きまして、ベンチャー企業の支援策なんですが、梶山大臣は、衆議院の経産委員会で、今夏の成長戦略では、ベンチャー企業を生み出し、かつその規模を拡大する環境の整備を重要課題として検討する必要があると考えているという御答弁をされていますけれども、ベンチャー企業の支援策に関する経済産業大臣の展望というか、あればお伺いします。

#130
○国務大臣(梶山弘志君) ベンチャー企業は、我が国経済におけるイノベーションを生み出す主体として極めて重要な存在と認識をしております。このため、今委員からも御指摘ありましたけど、この夏の成長戦略において、ベンチャー企業を生み出し、かつその規模を拡大する環境の整備を大きな柱として位置付けて、具体的な施策を打ち出していきたいと考えております。
 具体的には、第一に、ベンチャー企業の資金調達の円滑化。例えば、日本は諸外国と比較して新規株式公開、IPOにおける一件当たりの調達額が少ないといった課題を踏まえて、こういったことについても、なぜそうなってしまうのかということも含めた検討をしているところでありまして、新規株式の公開の価格決定プロセスの在り方について、関係省庁と連携しながら実態を把握した上で見直しに取り組んでいるところでもあります。さらに、スタートアップと大企業との取引適正化や、人材面を含めたスタートアップへの包括的支援策の立案などを進めてまいりたいと考えております。

#131
○石井章君 続きまして、開業率についてお伺いします。
 中小企業白書の掲載によります雇用事業所数による開廃業率の推移によれば、開業率は、二〇一三年で四・八%から、二〇一六年は五・六%、二〇一七年も五・六%と、僅かながら上昇の兆しが見えたものの、その後、二〇一八年は四・四%、二〇一九年は四・二%と、また再下降してしまっています。
 そこで、お伺いしますが、政府として、近年、開業率が下降している要因についてはどのように分析しているのか。もう一点、また、政府は、かつて米英並みに開業率一〇〇%を目指すと高々な目標を掲げていたと記憶しておりますけれども、この目標は現在も堅持しているのかどうか。それから、同じ開業率に関して、さらに、今回の法律案でも創業者向けの保証限度額の引上げなどの措置を講じるとされておりますが、ほかにどのような創業者支援の施策を講じ、開業率をぐっと引き上げていくのかどうか、お伺いします。

#132
○副大臣(江島潔君) 開業率でございます。政府として閣議決定した成長戦略の中におきましては、この開業率が米国、英国レベルである一〇%台になることを目指すということを掲げております。最近の開業率に関しては、委員御指摘のとおりでございます。
 直近でこの開業率が低下している要因としては、特に全体に占める割合が大きい、日本の場合、建設業におきまして、震災復興あるいはオリンピックに関連する事業者の数の増加が落ち着いたということが背景にありまして、新規開業者の数が減少したという影響が大きいものというふうに考えております。
 経産省としては、引き続き、創業者向けのあらゆる政策を講じることを通じて開業率一〇%台の目標に向けて取り組んでいきたいと思っております。また、昨年七月、成長戦略フォローアップを閣議決定をしておりまして、開業率一〇%台を目指すということをKPIの一つとして掲げておりますので、今でもこの方針には変わりは、変更はございません。
 また、創業者向けのこの保証制度額の引上げに関する御質問でありますけれども、この開業率に関しては更なる創業者向けの支援が必要だというふうに考えております。平成二十五年度には産業競争力強化法を制定をしまして、全国の市区町村で創業支援のための計画を策定するスキームを導入をしました。現在、これに基づいて、千四百六十の市区町村におきまして創業を希望する方向けのワンストップ支援窓口を整備をして、開業時の手続、事業計画策定等のサポートは行っております。それ以外にも、日本政策金融公庫による創業者向けの低利融資、あるいは会社設立時の登録免許税の軽減、ベンチャー企業への個人投資の優遇、いわゆるエンジェル税制等も行っています。
 さらに、日本の場合には、起業への関心の低さというものが開業率が欧米に比べて低水準にある要因の一つではないかと認識をしておりますので、教育機関における起業家教育の普及、これを目指しまして、全国の教育機関におけるモデル事業の実施、起業家の講師派遣、標準的な起業家教育のカリキュラムの改善、普及等にも取り組みまして、もってこの開業率の更なる向上を目指したいと考えています。

#133
○委員長(有田芳生君) 石井さん、おまとめください。

#134
○石井章君 丁寧な御答弁ありがとうございました。これで終わりにします。

#135
○浜野喜史君 国民民主党の浜野喜史でございます。
 御質問をさせていただきます。
 今回の法改正の狙いは、グリーン社会への転換、デジタル化への対応、中小企業の足腰の強化であると理解をいたしております。その中で、グリーン社会への転換、表現を変えれば地球温暖化対策についてお伺いをいたします。
 地球温暖化対策につきましては、発展途上国を含め全ての国を巻き込んだ取組とすること、経済、産業の安定成長と両立をさせること、国内産業が海外に転出をし、炭素リーケージを起こすようなことがあってはならないことなどが大切であると認識をいたしております。地球温暖化対策は当然必要でありますけれども、展開を誤りますと、経済や産業に甚大な悪影響をもたらしかねないとも考えております。
 以下、その問題意識に基づきまして質問をさせていただきます。
 まず、四月二十二日から二十三日にかけまして、アメリカ主導によりオンライン方式で開催されました気候変動サミットについて、政府はどのように評価をされているのか、御説明をいただきたいと思います。

#136
○政府参考人(高杉優弘君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の気候サミットの方でございますけれども、菅総理の方から、我が国が二〇五〇年カーボンニュートラルと整合的で野心的な目標として、二〇三〇年度に温室効果ガスを二〇一三年度から四六%削減することを目指すこと、これはこれまでの目標を七割以上引き上げるものであり、さらに、五〇%の高みに向け挑戦を続けること、さらに、今後その目標の達成に向けた施策を具体化すべく検討を加速することなどを表明いたしました。この菅総理の表明に対しましては、グテーレス国連事務総長、それから米国を始めとする各国から歓迎の意が表明されております。日本が気候変動分野において国際社会をリードしていく姿勢が評価されたものと認識しております。
 日本としましては、今後、来月開催予定のG7サミット、それから十一月に開催予定のCOP26、さらにはその先に向けまして、各国や国際機関と協力しながら、パリ協定の目標でございます脱炭素社会実現のため、先端技術の開発や技術協力を含めて取組を加速していく考えでございます。

#137
○浜野喜史君 政府としても評価をしているというお答えでありましたけれども。
 さらに、お伺いいたしますけれども、この気候変動サミットに際しまして、アメリカは参加した四十か国に目標の引上げを事前に要請したとされております。我が国よりも排出量の多い中国、インド、ロシアなどが深掘りには応えず、結果として日米欧が一方的に甚大な経済負担を負うことになったという見方があります。とりわけ、中国の現行の計画では、削減どころか、今後五年で排出は一割増加するとも見られております。
 今回のサミットで、日米欧が経済的負担を負うことになった一方で、中国は相変わらずCO2の排出削減に束縛されないことになり、この結果に中国は高笑いをしているといったような見方もありますけれども、政府としての見解をお伺いいたします。

#138
○政府参考人(高杉優弘君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、気候変動問題は世界にとって重要な課題でございますので、中国、インド、ロシアといった、そういった国々を含めた国際社会全体の取組が必要でございます。特に中国につきましては、世界最大の温室効果ガス排出国でございますので、その中国による取組というものは不可欠だというふうに考えております。その意味において、各国が連携しながら、中国に更なる取組を求めていくことが重要でございます。
 我が国としましては、脱炭素社会の実現に向けた更なる取組を含め、関係国と連携しながら中国が自らの責任を果たしていくよう、引き続き働きかけていきたいと考えております。

#139
○浜野喜史君 中国への働きかけは極めて大切であるという認識が示されました。
 さらに、関連してお伺いいたしますけれども、四月十六日、菅総理はバイデン大統領と日米首脳会談を行い、共同声明を発出されましたけれども、その共同声明に加えまして、日米気候パートナーシップというものが交わされました。このパートナーシップの狙い、概要について御説明をいただきたいと思います。

#140
○政府参考人(高杉優弘君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、日米首脳会談におきまして、正式名称は野心、脱炭素化及びクリーンエネルギーに関する日米気候パートナーシップというふうにいいますけれども、これを立ち上げまして、日米で気候変動分野で協力、連携を強化することを確認いたしました。
 このパートナーシップは三つの柱の下で取組を進めていくことにしておりまして、一つは気候野心とパリ協定の実施に関する協力と対話、それから二番目に気候・エネルギーの技術及びイノベーション、第三に、第三国、特にインド太平洋諸国における脱炭素社会への移行の加速化に関する協力、この三つの柱の下で取組を進めていくということにしております。
 今後、日米で、このパートナーシップの下、来月のG7サミット、COP26、更にその先に向けまして、気候変動分野の取組を加速し、国際社会をリードしていきたいと考えております。

#141
○浜野喜史君 さらに、関連してお伺いいたしますけれども、パートナーシップ文書の締めくくりは次の一文となっております。日米両国は、全ての主要なステークホルダーが、それぞれ立場に見合う形で国内の排出量削減のための取組に関与し、気候資金への貢献を含む国際的な義務と責任を果たすことを確保するため、他の主要エコノミーを関与させることに共に取り組むとなっております。
 この一文につきましてはとりわけ中国を念頭に置いたものであるかというふうに理解をいたしますけれども、見解をお伺いいたします。

#142
○政府参考人(高杉優弘君) お答え申し上げます。
 この委員御指摘の日米気候パートナーシップにつきましては、特定の第三国を念頭に置いたものではございません。
 その上で、文章にもございますとおり、日米両国は、全ての主要なステークホルダーが、それぞれ立場に見合う形で排出量削減に取り組み、気候資金への貢献も含め国際的な義務と責任を果たすことを確保するよう、他の主要エコノミーを関与させるための議論を行うということとしております。
 その上で申し上げますと、気候変動関連への対応におきまして、世界最大の温室効果ガス排出国である中国による取組は不可欠と考えております。我が国といたしましては、米国とも緊密に協力しながら、世界の脱炭素社会実現に向けた更なる取組について、中国が大国としての責任を果たしていくよう働きかけてまいります。

#143
○浜野喜史君 日米気候パートナーシップの関係、これで最後にいたしますけれども、そのパートナーシップの中で、二、気候・グリーンエネルギーの技術及びイノベーション、三、第三国、特にインド太平洋諸国における脱炭素社会への移行の加速化の対象に火力発電とCCUSは含まれているというふうに理解をいたしますけれども、いかがでしょうか。
 加えまして、二、気候・クリーンエネルギーの技術及びイノベーションの部分では、日米両国は、以下少し略しますけれども、日米両国は、革新原子力等の分野を含むイノベーションに関する協力の強化により、グリーン成長の実現に向けて協働することにコミットするとの記載があります。この革新原子力とはどのような内容か、御説明をいただきたいと思います。

#144
○政府参考人(小野洋太君) お答え申し上げます。
 本年四月に米国と合意いたしました日米気候パートナーシップにおきましては、委員御指摘の二ポツで、両国はクリーンエネルギーに関するイノベーション協力を強化するということになっております。その分野といたしましては、再生可能エネルギーを始めといたしまして、スマートグリッド、それから火力発電そのものは入ってございませんけれども、火力発電の脱炭素化に向けての技術ということで水素とともにCCUS、それから御指摘の革新原子力分野が挙げられているところでございます。
 さらに、括弧三の第三国協力といたしまして、日米クリーンエネルギーパートナーシップ、これJUCEPと呼んでおりますけれども、JUCEPの取組を通じて、インド太平洋地域における多様で野心的かつ現実的な移行の道筋を加速させていくこととしているところでございます。
 御質問の具体的な内容でございますけれども、これにつきましては、今後、米国政府と協議を深めていくこととなりますけれども、日本政府といたしましては、インド太平洋地域では、CCUS、カーボンリサイクルを始め原子力、水素、アンモニアなどあらゆるエネルギー源、あらゆる技術をバランスよく活用した多様かつ現実的なエネルギートランジションが不可欠だと考えているところでございます。
 それから、特に革新原子力につきましては、これまで米国との間で、まず軽水炉につきましては、二〇一二年に設置されました日米民生原子力研究開発ワーキンググループの下、事故時に水素を発生させにくい燃料被覆管を始め様々な革新的な安全性向上技術の共同開発をしているところでございます。さらに、高速炉につきましては、二〇一九年に署名した覚書に基づきまして、米国で開発が進められている多目的試験炉に関する協力を実施してきているところでございます。
 また、民間企業間の連携といたしまして、日揮ホールディングス株式会社及び株式会社IHIがニュースケール社による米国内の小型モジュール炉建設プロジェクトへの出資参画を発表するなどの動きが出てきているところでございまして、こうした取組を踏まえて、今後、この気候パートナーシップの具体的な協力内容につきましては米国政府と協議を深めていく予定でございます。

#145
○浜野喜史君 地球温暖化対策を通じまして我が国の経済、産業が安定、発展するよう、また他国にいいとこ取りをされることのないよう、したたかに国際交渉を展開されるよう求めておきたいと思います。
 次に、大臣にお伺いいたします。
 気候変動サミットに先立ち、四月二十二日、政府の地球温暖化対策本部におきまして、日本の二〇三〇年度における温室効果ガス削減目標につきまして、二〇一三年度比で四六%削減すると決定がなされました。
 この四六%という数値について、二〇五〇年カーボンニュートラルと整合的かつ野心的な目標を気候サミットという国際発信上効果的な機会で打ち出し、世界の脱炭素化を牽引する観点から総理が判断されたものという説明がなされております。もっともらしいんですけれども、よく分からないというのが正直なところでございます。
 私の理解するところ、結局のところ、日米連携の重要性ということを強く意識して導き出された数字と理解をいたしますけれども、大臣の御見解をお伺いいたします。

#146
○国務大臣(梶山弘志君) 二〇三〇年に向けては、これまでも、エネルギー基本計画の見直しに向けた総合資源エネルギー調査会や、地球温暖化対策計画の見直しに向けた中央環境審議会、産業構造審議会の合同会合等において、二〇五〇年のカーボンニュートラル目標を踏まえた議論が進んできております。
 総合資源エネルギー調査会においては、例えば二〇三〇年の省エネの量の見通しについて見直しを行い、従来の五千三十万キロリットルから五千八百万キロリットル、そしてさらには六千二百万キロリットル程度に深掘りを行ったところであります。なお、この六千二百万キロリットルというのは、二〇一三年度のエネルギー消費量の約二割を占める百貨店、スーパーなどの小売、オフィス、事務所等の業務部門のエネルギーを全て削減することに相当をする数量であります。
 また、再エネ拡大に向けて、環境アセスの要件緩和などの政策強化の結果、二千九百億キロワットアワー程度を示し、更なる政策対応によりどの程度の導入拡大が見込めるか。原子力については、国民の信頼回復に努め、安全最優先の再稼働を進めること、石炭火力などについては、安定供給確保を大前提に、できる限り電源構成での比率を下げていくことといった論点や条件について検討を重ねてきているところであります。
 また、環境省と共同で開催している中央環境審議会、産業構造審議会の合同会合では、新型コロナウイルス感染症による影響を踏まえた今後の気候変動対策や、農林水産分野や廃棄物分野等における地球温暖化対策の取組、代替フロン等四ガスの、四つのガスの削減対策といった論点についても検討を重ねてきております。
 四六という数字は、確実性の高い対策を緻密に積み上げたわけではありませんけれども、これまでの総合資源エネルギー調査会での議論の積み重ね、数値の積み重ねを踏まえて、また二〇五〇年のカーボンニュートラルに整合させるように、野心的な目標として四月二十二日の地球温暖化対策推進本部において総理より表明されたものと考えております。
 今後も、十一月のCOP26などの一連の国際会議が予定されておりまして、各分野における具体的な施策の検討を加速し、削減目標の内訳を示してまいりたいと考えております。

#147
○浜野喜史君 政府は、この従来の方針、二〇三〇年に二〇一三年度比で二六%ということについてもそんなに簡単な目標ではないという説明をされてこられました。それに二〇%増しということでありますので、相当難しい目標ではないかと私は理解をいたしております。
 検討の状況、そして方策の取りまとめの目途を御説明をいただければと思います。

#148
○政府参考人(矢作友良君) お答え申し上げます。
 二〇三〇年に向けましては、今大臣からも御答弁いただきましたとおり、地球温暖化対策計画の見直しに向けて、地球環境審議会それから産業構造審議会の合同会議、これに向けてその議論が進んでございます。また、エネルギー基本計画、これにつきましては総合資源エネルギー調査会、ここにおいてその議論が進んでいるところでございます。
 そして、どういう議論をしているかという点につきましても、今大臣から御答弁いただいたとおりでございますけれども、例えば、中央環境審議会、産業構造審議会、こことの合同会合では、例えば、農林水産分野に関して、間伐等の適切な森林管理、あるいは海洋生態系による炭素貯留の追求、こういったことに取り組むといった議論、あるいは、廃棄物の分野に関しましては、プラスチック製容器包装の分別収集、リサイクルの推進、それから一般廃棄物焼却施設における廃棄物発電の導入、あるいはバイオプラスチック類の普及といった取組の議論、それから、代替フロン等四ガス、これにつきましては、製造、輸入の規制、あるいはその適切な回収、破壊の義務付け、こういった削減対策、様々な論点ございますけれども、これを関係省庁からヒアリングを行うなど検討を重ねているところでございます。
 また、総合資源エネルギー調査会におきましては、エネルギー基本計画の見直しに向けまして、エネルギーの安定供給を大前提といたしまして、省エネの更なる深掘り、非化石エネルギーの拡大、こういったものを深めていく議論をしているところでございます。省エネにつきましてはコスト負担の低減等を通じた高効率設備の更なる普及、あるいは、再エネについては立地制約の克服やコスト低減、こういった議論を今進めているところでございます。また、いつこの議論が出るかという点につきましては、ただいま鋭意議論を進めているといった状況でございます。
 また、こうした審議会の議論以外でも、今の目標の実現へ向けまして、例えば、民間の資本がこういった取組に向いていくよう、ファイナンス面での取組ということで、例えば、TCFDの開示の促進、あるいはトランジションファイナンスを進めていくための基本指針の策定といった金融面での取組といったことも検討しているところでございます。

#149
○浜野喜史君 様々な分野で検討を進めていただいているということでありますけれども、産業界そして国民生活に結果的に負担を押し付けたということにならないように、しっかり御検討をいただきたいと思います。
 次に、グリーン成長戦略についてのその経済効果についてお伺いいたします。
 グリーン成長戦略につきまして、機械的な試算によると、この戦略により、二〇三〇年で年額九十兆円、二〇五〇年で年額百九十兆円程度の経済効果が見込まれるとされておりますけれども、試算の内容について御説明をいただきたいと思います。

#150
○政府参考人(矢作友良君) お答え申し上げます。
 委員から御指摘がございましたように、このグリーン成長戦略におきましては、このカーボンニュートラルに伴って成長が期待される分野の経済効果といたしまして、二〇五〇年百九十兆円、二〇三〇年九十兆円と、こういった試算をしているところでございます。
 このグリーン成長戦略では、産業政策の観点から、二〇五〇年度カーボンニュートラルを実現する上で、今後の成長が期待される分野、産業、こういったものを導き出してございます。そして、この分野ごとに、産業界からのヒアリングなどを基にいたしまして、一定の仮定を置いた上で、投資額とかあるいはその売上額、こういった見通しを可能な範囲で積み上げて機械的に試算をしたという位置付けでございます。
 こうした経済効果を達成するために、グリーン成長戦略に基づきまして、二兆円の基金でありますとか、税、金融、様々な政策を総動員して、経済と環境の好循環を実現していきたいと考えてございます。

#151
○浜野喜史君 この関連で少しお伺いしたいんですけれども、経済効果という表現をされているんですけれども、経済効果ということになりますと、売上増であるとか付加価値が伸びるというようなことになると思うんですけれども、この百九十兆円はどういう数字なんでしょうか、御説明いただきたいと思います。

#152
○政府参考人(矢作友良君) お答え申し上げます。
 今御説明させていただきましたように、先ほど、グリーン成長戦略で導き出した分野ごとに産業界からのヒアリングなどを行いまして、投資額あるいはその売上額、こういったものを可能な範囲で積み上げて、言わば将来の市場の可能性というものを表したという形になってございます。

#153
○浜野喜史君 私、ここの表現は、失礼ながら、少し言い過ぎかも分かりませんけれども、虚偽表示ではないかという気がいたします。
 やはり、経済効果ということであるならば、売上げが伸びるとか付加価値が増えるとかいう部分を表すべきであって、今の御説明であれば、市場規模がどうなるとか、その売上額自体がどうなるという表現をすべきなんじゃないかなというふうに思いますけれども、いかがでしょう。

#154
○政府参考人(矢作友良君) お答えいたします。
 今御説明したとおり、この数字につきましては、投資額あるいはその売上額、こういったものを機械的に試算をしたという位置付けでございます。そういう意味では、産業関連のマクロモデルとか、そういった分析をしたとか、そういう数字ではないということではございます。
 他方で、その投資額あるいは売上額、こういったものを集計することで将来の市場の可能性というのを表現するという、そういった趣旨、目的でさせていただいたものでございます。

#155
○浜野喜史君 これ、一月十八日の総理の施政方針演説の中にも明確に、百九十兆円の経済効果があるというふうに盛り込まれているんですね。これはやはりちょっと表現としては不適切というふうに言わざるを得ないということは申し上げておきたいと思います。
 この関係、もう一問だけ。百九十兆円、機械的に一応積み上げたんだという御説明でしたけれども、それ以上の説明はできるんでしょうか。こういう数字の積み上げで百九十兆円になったという説明ですね、今の御説明以上に詳しく説明ができるのかどうか、お伺いいたします。

#156
○政府参考人(矢作友良君) お答えいたします。
 今御説明したとおりのその説明のやや繰り返しになってしまうんですけれども、基本的には先ほど申し上げたとおりの、分野ごとに産業界からヒアリングをして、投資額、売上額、こういった見通し、これを積み上げたというものでございます。

#157
○浜野喜史君 この関係、これで終わりますけれども、繰り返しますけれども、一月十八日の総理の施政方針演説の中で、二〇五〇年断面で百九十兆円の経済効果があるということがもう明言されておるわけですよね。その数字についての説明がもうその程度のことしかできないということは、もう極めて不適切な内容を裏付けなしに盛り込んだというふうに言わざるを得ないというふうに思います。そのことは指摘をしておきたいと思います。
 その上で、グリーン化が成長につながるとはどのような考え方に基づくものであるのか、御説明をいただきたいと思います。

#158
○政府参考人(矢作友良君) お答え申し上げます。
 今御指摘ございましたグリーンに関する取組が成長につながる、そういった考え方でございますけれども、まずは、温暖化への取組というのは経済成長への制約やコストではなくて、これは国際的にも成長の機会と捉える時代に突入したというふうに考えてございます。従来の発想を転換をして積極的に温暖化対策を行うことが、産業構造や社会経済の変革をもたらして次なる大きな成長につながっていくという考え方でございます。
 国内におきましても、例えば二〇一六年から二〇一八年にかけていわゆるESG投資が四倍になるといったように、環境への取組が加速してございます。また、世界に目を向けますと、先進国を中心に百二十五の国・一地域、これが二〇五〇年のカーボンニュートラルの目標を掲げてございまして、次々と新しいグリーンに関する需要が生まれつつあるという状況になってございます。そして、その脱炭素に向けたイノベーションが国家の競争力を左右する時代となっているということでございます。こうした中で、例えば、世界全体で三千兆円にも及ぶESG投資を我が国に呼び込んで経済成長の新たな原動力としていくと、こういった考え方でございます。
 このために、グリーン成長戦略におきましては、二〇五〇年のカーボンニュートラルに向けまして、電力部門の脱炭素化に必要な再エネや水素、あるいは電力部門以外の電化に伴う自動車、蓄電池、省エネ、こういったイノベーションを通じて今後の成長が期待される十四分野ごとに実行計画を策定したという位置付けでございます。この実行計画では、できるだけ高い目標を掲げた上で、あらゆる政策を総動員して、成長戦略の実現に向けました企業の挑戦を後押しすると、こういう考え方になってございます。

#159
○浜野喜史君 いろいろ御説明をいただきましたけれども、グリーン化を成長に結び付けて、何とか結び付けていきたいということはもう大賛成で、そのとおりなんですけれども、成長をどのように、失礼しました、グリーン化をどのように成長に結び付けていくかという経路を示していただいているということではないというふうに私は思うんです。
 例えば、示されているグリーン成長戦略の中にある製鉄を考えてみましても、工程は石炭還元方式から水素還元方式に変わると、これもなかなか難しい困難な研究開発だと思いますけれども、製造の方式が変わるということなんですけれども、生み出される鉄は変わるわけではない、新たなサービスとか付加価値が生まれるものではないということだと私は理解いたします。示されている十四分野の成長戦略も基本的には同じで、製造工程は変化するんだけれども、生み出されるサービスが別に新たなものになるわけじゃないということだと私は理解するんです。
 そういう状況の中で、グリーン化をどう成長に結び付けていくのか、新たな付加価値の増大に結び付けていくのか、その経路がやはり私は示されていないというふうに思いますので、是非その辺りは更に検討していただきたいと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

#160
○国務大臣(梶山弘志君) 技術開発をしていくという点で様々な投資が行われる、そういったものの売上げも含めて計算をさせていただきました。
 日本が優れている技術開発というものもございます。CO2の回収技術というのは、これは日本が一番で、複数の社がアメリカ、ヨーロッパ、また中東から引き合いを現在でも受けております。そういった先端の技術をつくるということでの海外の市場への対応ということも含めてしっかりと計算をしてまいりたいと思います。
 委員の御指摘、ごもっともなところも十分、多々あると思いますので、私どもなりのしっかりとした積算、またそのエビデンスというものも示してまいりたいと思っております。

#161
○浜野喜史君 そろそろ時間も迫ってまいりましたので、これで終わらせていただきますけれども、大臣おっしゃっていただきました、世界をリードできるような革新的な技術を日本が生み出せるかどうかということに私は懸かっているんじゃないかなと思うんです。
 グリーン化が成長に結び付くとすれば、日本が革新的技術で世界をリードして、その技術が世界で活用されていく、そして、新しい革新的技術で生み出された製品が、外需といいますか、国際的に購入がされていくと、そういうことに結び付けられるかどうかという、私はこの一点がもう極めて大切なことだというふうに思っておりますので、引き続き今後の動向を注視して、意見提起をさせていただきたいというふうに思います。
 ありがとうございました。

#162
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
 産業競争力強化法は、その前身である一九九九年に制定をされた産業活力再生特別措置法、いわゆる産活法ですよね、この制定以来、株主資本利益率、ROEの向上を最優先として、企業が人、金、物という三つの過剰をそぎ落として競争力を強化すれば日本経済が良くなるということで、大企業のリストラを応援してきました。
 産活法制定当時の国会審議では、産活法が生産性向上を実現するということで、この生産性の向上を何で測るのかという基準の一つにROEが挙げられているんですね。
 そこで、このことを確認したいと思うんですけれども、この産活法制定時の審議で生産性向上の基準は何かという質問にどのような答弁が行われているのか、該当部分を読み上げてください。

#163
○政府参考人(新原浩朗君) お答えいたします。
 当時の商工委員会において、以下のように答弁させていただいております。
 例えば生産性を相当程度向上させるといった点につきましては、株主資本純利益率であるROE、あるいは、あるいはなんですが、従業員一人当たりの付加価値額等の指標を考えており、幾つかの具体的な指標を示すことを考えているというふうに答弁させていただいております。

#164
○岩渕友君 今読み上げていただいたとおりなんです。
 その後、安倍前政権の下で、経産省がROE経営を提唱して強化をしてきました。衆議院の今回のこの法案の議論でもあったんですけれども、会社は株主のためにある、そういう方向を進めてきたということだと思います。
 大臣にお聞きをするんですけれども、産活法制定から二十二年、およそ二十年ですよね、このおよそ二十年の間に、大臣は、企業の経営と日本経済、どのようになったというふうに認識をしているでしょうか。

#165
○国務大臣(梶山弘志君) まず、先ほど政府参考人が申し述べましたように、あくまでもその指標の一つということでありまして、選択肢はほかにも二つほど述べているということだと思っております。
 この二十年、日本経済、バブル崩壊以降ということになりますけれども、経済の低迷やデフレが続いていたということで、二〇一二年の政権交代以降、経済を最優先課題に取り組んできたところであります。これにより、我が国の実質GDP、一九九九年度に四百七十三・三兆円だったものが、二〇一九年度には過去最大となる五百五十一・五兆円となるなど、コロナ禍の前までは大きく改善をしてきたということであります。
 日本の企業の業績も、企業全体の経常利益は、一九九九年度に二十六・九兆円から二〇一九年度に七十一・四兆円まで拡大をしてきたと。さらに、政権交代後の二〇一二年からコロナ禍前の二〇一九年にかけて就業者は四百四十四万人拡大をし、労働参加率も四九・二%から五三・二%に上昇するとともに、働く方の報酬総額である雇用者報酬も二十一兆円増加をしたと。
 このようなコロナ禍までの経済の好循環が回り始めていたと考えておりますけれども、産業の構造的な転換というものがこれから大変重要になるということであったと思っております。
 やはり、このコロナ禍で明確になった日本の脆弱な点というものをいかに改善をしていくかということですし、世界から遅れている点も含めた形で対応していかなければならないと考えております。

#166
○岩渕友君 今、コロナ禍の前までは好循環だったという話あったわけですけれども、じゃ、この二十年の間に企業の経営と日本経済どうなってきたのかということを見ていきたいというふうに思うんですね。
 法人企業統計調査というものありますけれども、資本金十億円以上の大企業について、この産活法が制定された一九九九年度と、直近は二〇一九年度ですけれども、この九九年度と二〇一九年度の売上高、配当金、利益剰余金、従業員給与、賞与、それぞれお答えください。

#167
○政府参考人(小野稔君) お答え申し上げます。
 法人企業統計調査におきます資本金十億円以上の企業につきましては、まず売上高ですけれども、一九九九年度五百七兆円、二〇一九年度五百六十四兆円。配当金支払額、九九年度三兆円、一九年度十八兆円。利益剰余金でございますが、九九年度八十五兆円、一九年度二百三十七兆円。従業員給与、賞与、合計額ですけれども、九九年度四十一兆円、一九年度四十四兆円。
 以上でございます。

#168
○岩渕友君 資料の一を御覧ください。
 今答弁いただいたとおりなんですけれども、例えば売上高は一・一倍、一九九九年度から二〇一九年度まで一・一倍ということで余り増えていないんですね。対して、配当金は六倍になっています。内部留保の中心である利益剰余金も三倍近くに増えているんですね。その一方で、従業員給与、賞与というのは一・〇六倍ということなので、ほとんど横ばいになっているんですよ。
 これ、日本の賃金水準は諸外国と比べて低いというふうにも言われているんですけれども、OECDのデータではどうなっているかということを確認したいんです。一九九九年の一人当たりの実質賃金の水準を一〇〇とした場合に、諸外国と比べてどうなっているでしょうか。

#169
○政府参考人(新原浩朗君) お答えいたします。
 OECDによりますと、我が国は、一九九九年の一人当たり実質賃金の水準を一〇〇とした場合、二〇一九年の水準は一〇二で、微増でございます。諸外国について申し上げますと、ドイツが一一九、フランスが一二二、米国は一二五等となっております。

#170
○岩渕友君 このOECDの中身によれば、日本は微増だということで、それ以外の国々については伸びているということなんですね。OECDによれば、この二十年間で、主な先進国で時間賃金がマイナスないし横ばいなのは日本だけだと、そういった話もあります。
 こうした数字を見ていくと、結局、日本経済が良くなるどころか格差が拡大してきたということになるのではないでしょうか、大臣。

#171
○国務大臣(梶山弘志君) 政府としては、労働生産性を引き上げ、経済全体のパイを拡大をし、それを賃金の形で分配する、成長と分配の好循環を実現することが必要と考えております。
 二〇一二年の安倍内閣成立以降コロナ禍までを見ますと、二〇一二年から一九年にかけて就業者は四百四十万人拡大、労働参加率も四九・二から五三・二%に上昇、働く方の報酬総額である雇用報酬も二〇一二年から一九年にかけて二十一兆円増加をした実績もあります。
 他方で、一人当たりの実質賃金を見ると、先ほど政府参考人から答弁したとおり、微増であることも事実であります。また、ジニ係数の動向を見てみますと、再配分後の世帯ごとの所得格差は平成十一年以来おおむね横ばいということで推移しており、格差が拡大したとの指摘は当たらないものと認識をしております。
 ただし、委員御指摘のとおり、一人当たりの実質賃金を引き上げていくことは我が国の成長戦略の大きな課題であり、そのためには、成長戦略によって企業が付加価値の高い新製品や新サービスを生み出し、労働生産性を引き上げていくことが必要であります。
 また、企業収益が上がっても賃金が引き上げられなければ成長と分配の好循環は実現できないということでありまして、このため、総理から産業界に対して毎年賃上げを繰り返し要請をしてきたところでもあります。直近も、昨年十二月に菅総理から、デフレへの後戻りを何としても避けるために、これまで続いてきた賃上げの流れを継続していただきたいと要請をしたところであります。
 さらに、政府の政策としても、正規雇用者と非正規雇用者の同一労働同一賃金制の導入や、コロナ禍までの三年間は年率三%程度の最低賃金の引上げも行ってきたということであります。
 今後も、成長と分配を両にらみで実施していくことで、賃金が引き上げられる環境を整備をしてまいりたいと考えております。

#172
○岩渕友君 今答弁にもあったように、一人当たりの実質賃金はなかなか伸びていないということも事実だと。先ほどの資料一でも見ていただいたように、資本金十億円以上の大企業の中でもなかなか横ばいだという状況でもあります。
 この産競法に基づいて、事業の選択と集中、合併、買収、リストラによって大企業はいわゆる筋肉質になったかもしれないんだけれども、相次ぐ労働法制の規制緩和も相まって雇用が不安定になってきているということも事実で、下請中小企業にはコストダウンが押し付けられてもきています。
 結局は、やっぱり格差が広がってきているということですよね。これを支援してきたのが産活法であったり、産競法を始めとして、先ほども議論をしたROE経営であるという認識が大臣にはあるでしょうか。

#173
○国務大臣(梶山弘志君) 産業活力再生特別措置法は、我が国が経済がバブルの後の後遺症に悩んでいる中で、後遺症にある中で、我が国企業の利益率、生産性が伸び悩んでおり、低生産性部門から高生産性部門への経営資源の迅速かつ円滑なシフトを図ることが必要とされていたことを背景に、平成十一年に、九九年に制定をされたものであります。
 産活法で企業を支援するに当たり、ROEが生産性向上の指標の一つとして用いられたことは事実でありますけれども、あくまで一つの選択肢ということでありまして、ほかにも、企業の有する設備の効率性を判断する有形固定資産回転率や労働生産性を測る従業員一人当たりの付加価値も指標として選択できることとしております。このように、産業活力再生特別措置法や産業競争力強化法が特に株主だけを優先する経営を進めてきたという事実はございません。
 いずれにしても、経済産業省としては、企業の労働生産性を引き上げ、賃金を引き上げられる環境を整備し、成長と分配の好循環を実現していくことに全力を挙げてまいりたいと思いますし、賃金の引上げというのはやはり経済全体のGDPを増やすことにもなるわけでありますから、全力を尽くしてまいりたいと思っております。

#174
○岩渕友君 産活法の対象となった自動車、電気、ITを始めとする大企業は、生産拠点の海外移転、これを進めてきているわけなんですね。そのことで、より巨大な多国籍企業に発展をしてきています。
 我が国企業の海外事業活動基本調査というものがありますけれども、ここで海外進出企業ベースの海外生産比率と海外従業員数について、九九年度と直近の二〇一八年度でそれぞれどうなっているか、お答えください。

#175
○政府参考人(後藤雄三君) お答え申し上げます。
 経済産業省調査統計グループで実施しております海外事業活動基本調査によりますと、国内全法人ベースで見た製造業現地法人の海外生産比率は、一九九〇年はおよそ一一・四%、二〇一八年は二五・一%となっております。また、海外現地法人の従業者数は、一九九九年は約三百十六万人、二〇一八年は約六百五万人となっております。

#176
○岩渕友君 済みません、九九年度だったんですけど。もう大丈夫です。
 それで、今お答えいただいたのは、海外生産比率でいうと、国内全法人ベースの方なんですね。海外進出企業ベースで見ると、九九年度は二三%、二〇一八年度は三八・二%なんです。海外従業員数でいうと、二百五十八万から今お答えいただいた六百五万人ということで、いずれも拡大しているわけですよね。従業員数でいえば二倍以上にも増えているということにもなります。雇用の空洞化も指摘されるような状況となっているんですね。
 国連貿易開発会議の世界投資報告を見ると、リーマン・ショックの後、直近四年間の毎年の海外直接投資額の平均を見ると、日本が米中を抜いて世界一の海外投資国になっているんですね。企業が競争力を付けて強くなれば一国の経済競争力も強化されるのかということだと思うんです。
 一九九二年の通商白書では、当時のアメリカの多国籍企業とアメリカ経済の関係を分析していて、国際資本の強化、展開と一国の経済利益には乖離があるというふうに指摘をしました。これ、一九九二年というと、バブル崩壊の直後のことで、その反省を基に白書でもこのような分析が行われたということになっています。これ、アメリカのことではあるんですけれども、一般化されているんですね。ここで指摘をされているように、多国籍企業が強くなることは、一国の経済利益には乖離がある、これ、まさに今、日本経済で起きていることではないかというふうに思うんですね。
 そこで、大臣にお聞きするんですが、多国籍企業の利益と国民の利益が一致をしない、矛盾する事態と今なっているのではないでしょうか。

#177
○国務大臣(梶山弘志君) 御指摘の一九九二年の通商白書において、多国籍企業の利益拡大がその国民の利益と一致する度合いが減少しつつあると分析をしております。多国籍企業の利益と一国の利益が一致しないケースは、多国籍企業の性格からして当然出てくるものと認識をしております。一九九二年というのは、バブルのまだ崩壊になっていない、前後だと思いますし、東西社会が一つになった直後ということでもあるんですね。ですから、ボーダーレス化が企業活動の当然の形となってきていると。
 そして、国際競争が激化している中で我が国企業の事業活動を国内のみにとどめておくことは、国富の源泉となる付加価値の創出機会を低減することになり、我が国経済の停滞を招くだけであるということであります。むしろ、我が国企業がグローバル市場での競争力を高めつつ、同時に、我が国の事業環境についても、企業が活動しやすい国を目指すことで、労働者の方が賃金が引き上げられる環境を整備することこそが目指すべき方向だと認識をしております。
 大きな市場というのは先進国であったわけですけれども、途上国もだんだんだんだんやっぱり成長をしてきている、アジアの成長をどう取り込むかということも含めて工場の配置などもやっぱり考えていく必要がある。全体での原材料の調達ということも含めて、逆に企業にもメリットがあることではあると思いますけれども、それぞれの地域の、それぞれの国の税制であるとか法律に従ってやっていくということになろうかと思いますけれども、日本一国で集中はやはりできないという中でこういう流れになっているんだと思っております。

#178
○岩渕友君 先ほども述べたように、日本が今世界最大の海外投資国となっているわけなんですね。大企業の海外直接投資が急増する一方で国内の設備投資がどうなっているかということで、資料の一に戻っていただきたいんですけれども、この資料の一見ていただくと、設備投資額もほとんど横ばいなんですね。リーマン・ショックの後、海外直接投資の配当収益を国内に還流させるということで、二〇〇九年度から海外投資配当益金不算入制度というものがつくられて、これ非課税措置となっています。
 会社標本調査というものがありますけれども、これでは、外国子会社から受ける配当について、その合計が二〇一〇年度と直近の二〇一八年度でそれぞれ幾らになっているでしょうか。

#179
○政府参考人(木村秀美君) お答え申し上げます。
 国税庁が公表している会社標本調査結果によりますと、外国子会社から受ける配当等の益金不算入額は、二〇一〇年度分で約三兆九千四百十七億円、二〇一八年度分で約七兆七百十七億円となっております。

#180
○岩渕友君 巨額な配当益金となっているわけなんですけど、大部分が非課税なわけなんですね。
 資料の二にあるように、国内の還流も増えているんですけれども、それ以上に海外再投資、海外内部留保が増えているんです。しかも、会社標本調査で見ると、それを利用しているのは資本金百億円以上の巨大企業が圧倒的な大部分であるということが分かるんですね。これが株主配当金、そして利益剰余金、内部留保の原資になっています。これはもう海外投資促進政策であって、さらに大企業の減税政策ということになります。
 このままでいいのか検証する必要があるということを述べて、今日は質問を終わりたいと思います。

#181
○ながえ孝子君 碧水会のながえ孝子です。
 法案の具体的な質問に入る前に、梶山大臣にお伺いしたいことがあります。
 以前から申し上げておりますように、私自身、小さな商売をやっている家に生まれ育ちまして、夫は中小企業主であります。そういう背景もありますので、菅首相が、中小企業の生産性が低いのが全体として日本の生産性の伸びを阻害している、だから中小企業の統合再編を進めるという方針を出したときから大変心配をしております。
 といいますのが、この首相の発言のベースになっているのが、経済顧問であるアトキンソン氏の、日本は規模の小さい中小企業が多過ぎる、生産性の悪い企業には退出してもらうなど、再編を進めて事業規模を拡大させれば、中小企業、ひいては日本企業全体の生産性が上がるという持論があります。
 私は非常に違和感を感じましたのは、このアトキンソン氏の提言に沿った首相の発信でございましたので、その指摘をされている、事業規模が小さい、つまり生産性の低い事業が一番多いところ、飲食サービス業、ここが今コロナで一番打撃を被っている、苦しんでいるときにこの発信がされたということ、非常に違和感を感じております。
 地方では、中小企業が地域経済を支えて、地域の雇用の確保にも貢献をしております。もうからない業態から成長分野へ経営資本である労働力を移動させるというのは完全雇用のときには進めるべき政策かとも思うんですけれども、三月の数字ですが、完全失業率が十四か月連続で増えています。失業者は前年同月に比べて十二万人増加して百八十八万人です。そんな状況ですから、仕事を探している働き手は多い。だから、ゾンビ企業がこの労働力の移動を妨げているわけでもないと思います。
 それよりも、コロナ禍で企業淘汰が進みますと、地域の多くの雇用が失われてしまう心配が大きいです。そうすると、地域経済は更に悪化をして、結果、景気が落ち込んで、肝腎の成長分野の新興企業だって成長は難しくなります。ですから、コロナ禍に、たとえ赤字企業であれ、退出を促して再編を図るというのは地域を疲弊させるリスクがとても高いと思います。
 今は中小企業を守る、雇用を守るべきときと思いますが、大臣はいかがお考えでしょうか。

#182
○国務大臣(梶山弘志君) 私も総理も同じ考えの下で中小企業政策していると思っております。生産性を上げなくちゃならないということはそのとおりだと思いますけれども、生産性の低い中小企業の数が多過ぎるために合併や淘汰を進めるべきだということは総理は考えていないと私も確認をしております。中小企業の生産性を向上させて足腰を強くさせていく、そして、望むのであれば、中小企業から中堅企業になり、そして大企業になっていく、そういう企業を増やしていきたいというのが総理の考え方、真意であると思っております。
 ただ、成長戦略の中の委員の一人の持論とよく重ね合わせられてしまう部分があるんですけれども、一部だけマスコミ等で取られて、総理も同じ考えだとかそういうふうにされてしまうんですけれども、私も就任のときに総理には確認してありますし、また、折に触れて総理にもこういう考え方を私自身も申し上げておりますので、しっかりと中小企業はそれぞれの地域や業界で役割があるということです。そういった中で、しっかり雇用の受皿として、その地域の活力の源として、守るべきものはしっかりと守っていくという方針であります。

#183
○ながえ孝子君 安心をいたしました。
 本来、コロナがなければ黒字で経営がうまくいっていたんだけれども、コロナの影響で非常に厳しい状況に落ち込んだ企業はたくさんあります。それから、生産性がいいとは言えないんだけれども、地域になくてはならない企業というのもたくさんあります。ですから、まず、不況の今は、政府に中小企業の支援により一層力を入れていただくようにお願いをしたいと思います。
 じゃ、その支援策についてちょっと伺いたいんですが、一時支援金の申請件数が少ないということは指摘をされております。続く来月から申請の受付が始まります月次支援金ですね、これをより多くの事業者に届くように、スキームは同じだとは思うんですけれども、工夫をしてほしいなと思っているんですが、どういうふうなお考えをお持ちでしょう。

#184
○政府参考人(飯田健太君) お答え申し上げます。
 まず、一時支援金について少しお話し申し上げたいと思います。
 三月八日から申請受付を開始いたしまして、五月二十六日水曜日、昨日までに約四十二万件の申請を受け付けて、約二十四万件の給付を行ったところでございます。まだまだ申請に必要な書類の準備に時間を要していらっしゃるという方々の声が一定程度あるということを踏まえまして、先週十八日水曜日に、三十一日までに申請IDの発行及びマイページ上から書類提出期限の延長申込みを実施された方に対しては一時支援金の書類の提出期限を二週間程度延長することを発表したところでございます。お声掛けして、より多くの方々に御申請いただけるようにまずしていきたいと思います。
 その上で、月次支援金の御質問でございます。
 申請に当たりましては、申請者の負担を減らすために可能な限り簡略化を図りたいと思っております。具体的には、既に一時支援金あるいはこれから始まる月次支援金を一度受給したことがあるという方々は、登録確認機関による事前確認そのものを省略したいと思っております。また、一時支援金の申請時に御提出いただいた例えば確定申告書あるいは本人確認などの書類は、二回目以降の申請については提出を不要といたしまして、対象月の売上台帳、これだけでよいと、などでよいというものにするなどの措置を講じることを検討しております。
 一時支援金の書類提出期限の延長ですとか今後給付していく月次支援金の制度につきまして、広く事業者の皆様に知っていただくことが大事だと思っています。登録確認機関を含めた全国各地の団体にチラシを設置したり、新聞広告などのマスメディアを通じて周知するなど、引き続き事業者の立場に立った分かりやすい広報に努めてまいりたいと思っております。

#185
○ながえ孝子君 いかに広く知ってもらうかというのは本当に大事なところだと思います。ましてや、支援策は国がやっているのもあれば自治体がやっているのもあって、大体似たような名前が付いているんですね。なので、勘違いも起こりやすいので、その辺り、是非工夫をお願いをいたします。
 先ほど、新陳代謝という話をいたしましたが、私は、いろいろ考えたんですけど、今は中小企業全体として新陳代謝というよりも事業承継の支援をしますよということを打ち出した方がいいのではないかと思うんですね。経営者の新陳代謝なんです。
 中小企業の課題には、経営者の高齢化の問題があります。やっぱり高齢化すると、私もそうなんですけど、意欲が減退したり、あるいは業態変更するとか新たな局面展開をと言われても、ちょっとなかなか難しいところありますし、IT化を進めることなどの取組もなかなか進みづらいものがあると思います。
 でも、経営者が交代すると、次世代にバトンタッチされますと、これまでの経営手法へのこだわりとか思い込みから解放もされます。そして、業態変更や新規の投資なども進んでいくと思いますし、もうデジタル化は必須になると思います。ですから、結果、生産性はアップいたします。
 私自身そうなんですけれども、事業再編だ、新陳代謝だと言われるとちょっと痛いところがありますけれども、事業承継は大事だから、支援するんだから今計画しておこうよと言われると、何か解決すべき問題として取り組みやすくなるかなというようなところがございます。
 先日、テレビで第三者承継のリポートをやっておりました。地域で唯一の食堂がコロナで経営が立ち行かなくなって、経営者が御高齢だったもので、もう潮どきだと決断して、地域で継いでくれる人を探しているというリポートだったんですが、全国でこういう例は多いと思います。第三者承継というのが地域のテーマにもなってまいりました。
 今、中小企業がMアンドAに取り組むというのも増えてきまして、だんだん身近といいましょうか、関心も高まってきてもおります。ですから、今回、株式対価のMアンドAの株式譲渡益の課税繰延べの事前認定を不必要とするなどの改善は、非常にMアンドAによる第三者承継に資すると評価をいたします。
 だったらば、加えて、第三者が後継者として手を挙げやすいというか挙げたくなるようなインセンティブが重要かと思っておりまして、そういった意味での第三者承継促進税制、これは私、以前にも申し上げたと思うんですけれども、親族であれば相続税一〇〇%納税猶予というのを実現しているんですけれども、これを第三者にも拡大をというのは、大臣からも御答弁いただきまして、いろんな課題、ハードルが高いという話もありましたが、これは大きな力になると思うんですが、いかがでしょうか。

#186
○政府参考人(飯田健太君) お答え申し上げます。
 済みません、その前に、先ほど私、答弁で、先週十八日水曜日に書類の提出期限の延長と申し上げたのですが、十八日火曜日の間違いでございます。訂正させていただきます。
 その上で、第三者承継でございます。今委員御指摘ございましたけれども、事業承継、非常に大事な課題でございます。一旦地域に経営資源が散逸しますと、これなかなかもう大変ということでございますので、これまでも様々に進めてまいったわけでございます。
 第三者といった場合には、親族以外の従業員が株を継ぐというケースもあります。それから、会社の経営自体がMアンドAで変わっていくというケースもある。順に御説明したいと思います。
 まず、従業員などへの承継についてでございますけれども、事業承継、元々親族内が主流だったわけでございますけれども、なかなか、核家族化などございまして、お子様が継ぐというケースが少なくなってまいりまして、第三者である従業員などへの承継も増えていったわけでございます。
 こうした中で、事業承継でございますけれども、先ほど御説明ありましたような事業承継税制、措置してございますが、これは経営者の親族だけでなくて、一応第三者、従業員なども含めて、これは役員就任して三年以上経過するなどの要件もあるんですが、こういった方々であれば事業承継税制の対象となってございます。
 それから、MアンドAでございますけれども、近年、会社の経営自体をほかの企業が引き継ぐという形で、事業引継ぎといっておりますけれども、MアンドAも増加しているところでございます。これ、商圏が拡大をしたり、あるいは生産性が上がったりということで、そういう意義もございまして、国としても二〇一一年から事業引継ぎ支援センター設置してございまして、企業のマッチングを推進してきたところでございます。
 こうした動きを更に進めるために、令和三年度の税制改正におきまして、経営資源の集約化によって生産性向上などを目指す計画の認定を受けた中小企業が計画に基づいてMアンドAを実施しますと、設備投資減税、あるいは雇用確保を促す税制、準備金の積立て、こういったものを認める措置を創設することといたしております。
 第三者承継含めまして、あらゆる施策を総動員して事業承継を推進してまいりたいと思っております。

#187
○ながえ孝子君 引き続き頑張っていただきたいと思います。
 そして、継いでくれる人をいかに探すかという大きな問題がありますけれども、これ、経営者の努力も必要なんですけど、限られた時間と人脈の中では大変難しいことだと思って、外部支援が重要でもあります。
 日本政策金融公庫が二〇一九年に行った中小企業の事業承継のアンケートでも、外部支援について、承継先決まっていないよという企業のおよそ二割が受けたいと言っています。受けたいと思わないと答えているところも、実際どんな支援があって、受けるとどんなメリットがあって、実際に受けたところの実例などを知れば変わってくる例も、進むのではないかとも思っておりまして、広く知ってもらうことが大事だなと思いますし、やっぱり後継者人材リストを拡充していくことが大事なので、支援機関同士の情報交換体制づくりも重要と思います。
 だから、言ってみれば、支援機関の人材ですよね、マンパワー。ここは元々人材が不足ぎみで大変なところにコロナが、コロナ対応が加わっておりますので、去年、このマンパワーをフォローするための予算措置もいたしました。
 どういうふうに改善が図られているかを確認させていただきたいんですが。

#188
○政府参考人(飯田健太君) お答え申し上げます。
 御指摘いただきました事業承継引継ぎ支援センターでございますけれども、中小企業の事業承継を支援するために、後継者の不在企業と受け手の企業のマッチングを支援するということの役割を担っているところでございます。
 経営者の高齢化、あるいは新型コロナウイルス感染症の影響などを背景にいたしまして第三者承継の重要性が高まっているということでございますので、今御指摘ありましたように、令和二年度予算で、当初予算と一次補正予算の合計で、前年度と比べて約二倍となる四十一億円を計上してございます。
 この予算を有効活用いたしまして、具体的な取組といたしましては、令和二年度におきまして、弁護士、それから税理士、中小企業診断士といった士業の専門家の方々、あるいは地域金融機関の現役、OB職員などの専門性を有する人材を新たに六十名程度採用させていただきまして、合計三百名近い体制で支援に臨んだところでございます。この結果、本センターのこれまでの実績といたしましては、設立以来十年なんですけれども、累計で成約件数が約五千件でございます。年間の成約件数もここ三年で約倍増しているということでございます。
 これに加えまして、本センターの支援を補完するという観点から、今もありました地域金融機関を始めとする民間の支援機関との連携を進めていくという必要があると思っておりまして、令和二年度からは、インターネット上で全国的にマッチングを行うプラットフォーマーとの連携も新たに開始したところでございます。
 先月、中小M&A推進計画というのを取りまとめておりますけれども、この中でも人材育成などによって底上げを図るということにしておりますので、引き続き強力に取り組んでまいりたいと思っております。

#189
○ながえ孝子君 やっぱりこの事業承継だけじゃなくて、中小企業の支援には、ノウハウの部分というんでしょうか、伴走型でずっと相談に乗ってくれたりアドバイスをくれる専門家の外部支援というのはとても重要で、その派遣事業というのはとても人気があるんですよね。ですので、伺いましたら、もう待っていないと駄目だよみたいなことなので、更なる充実、更なる支援をお願いしたいと思います。
 さて、今回の法改正でも、○○計画のように、計画の策定を要件にする計画認定制度が多いですよね。これをきっかけに経営者の意識改革を促そうという意図はよく分かるんですけれども、余りに多くて、先ほどその整理統合については質問、説明もありましたので省きますけれども、私はやっぱり、中小企業がこの計画書作るというのはやっぱりそれなりに大変なところがあって、何度も何度も同じようなものを作る負担は大きいと思います。
 それで、考えたんですけれども、経産省はローカルベンチマークというのを、通称ロカベンですね、進めておりまして、これを使うと非常に、経営者の中でも、自分の企業の健康診断といいましょうか、把握ができるし、それから金融機関と同じ目線で話ができるのでと評価も高いですよね。だったらば、これを広めて、これを一遍しっかりと、自分のローカルベンチマークを作って中身をしっかりと練り上げたら補助金申請もこれで簡単にできるよと、それから○○計画にも流し込めるというように、広く活用できるように標準化ができないかなというようなことも思うのですが、いかがでしょうか。

#190
○政府参考人(飯田健太君) お答えいたします。
 計画の整理統合のお話は、先ほどということでございますので、割愛させていただきます。
 その上で、個別の計画を作成する際の手続負担の軽減ということで、今、ローカルベンチマークの活用について御指摘をいただきました。私どももそれ考えておりまして、例えば、中小企業関係の計画の中でも最も利用実績が多いのは経営力向上計画でございますけれども、この中において自社の経営状況分析を求めているわけでございます。この分析に係る記載欄に、ローカルベンチマークを用いた財務分析をこれを転記するという形でいいというようなことも考えてございます。
 中小企業にとって利便性の高い支援体系何かということを引き続き考えてまいりたいと思っております。中小企業支援策は不断に見直してまいりたいと思っております。

#191
○ながえ孝子君 是非、せっかく補助金申請もJグランツで簡単にいくようになったんですから、そこにやっぱりすぽんとデータが流せるようにするとより便利かなと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 それから、今回、ベンチャー企業支援としてディープテックベンチャーへの金融支援策が打ち出されているので、知り合いのディープテックベンチャーの経営者に話を聞いたんですが、要望としては、成長を期待するんなら融資ではなくて給付をということだったのですが、それよりもネットワークづくりの支援が欲しいんだということでした。
 やっぱり一つ一つのベンチャーは、まだまだいろんな技術にしても資金面の体力にしても足りないところがあるから、ベンチャー同士の連携戦略が取れるようなマッチング支援、あるいは国が関与して大企業とのマッチング支援があればうれしいと、これまさにオープンイノベーションですよね。それを進めようということで今回金融面での支援というのが打ち出されていますが、実際、企業というのは、金融も、資本面での応援も欲しいでしょうけれども、中身のところですね、国の人脈を貸してくれと言っているようなので、その辺りの支援の今後の見通しなどはいかがでしょうか。

#192
○政府参考人(新原浩朗君) これ、委員御指摘の点は大変重要だと思っております。非常に重要だと思っておりまして、日本の場合は、やっぱり大企業からベンチャー企業に対する資金とか人材面の提供というのはまだまだ弱いというふうに思っておりまして、そのマッチングとかオープンイノベーションを加速させていきたいと思っております。
 それで、一つの試みとして、委員会で有望なスタートアップを選びまして、そしてそこに集中支援するという、J―Startupプログラムというのを二〇一八年から行っております。今、百三十八社が選定されております。この間での意見交換、あるいは大企業であれば、経済同友会とか経済団体連合会の経営層とこの人たちの、経営者とのマッチングみたいなことはやってきております。ただ、何分選定をしてやっていっているので、全てというわけにはいかないところがあります。
 そこで、ほかに二つぐらいちょっと試みをしておりまして、一つは、大企業からベンチャー企業へ支援を行う場合、出資を行う場合に、二五%の所得控除という、かなり大きな税制、オープンイノベーション税制というのを措置をいたしました。これは是非大企業の皆さんに使っていただきたいと思っています。それから、大企業とベンチャー、スタートアップが一緒に仕事をしていく場合に、どうしても知的所有権を取られてしまったとかいろんなことがございますので、公正取引委員会と一緒に経産省で作業いたしまして、スタートアップとの事業提携に関する指針というのを公表して取引適正化を図っております。
 ちょっとどんなことができるか、経産省としてもしっかりとトライしていきたいと思っております。

#193
○委員長(有田芳生君) ながえさん、おまとめください。

#194
○ながえ孝子君 はい。
 引き続いてのフォロー、お願いいたします。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

#195
○安達澄君 無所属の安達澄です。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 今回の法案審議での質問なんですけれども、かつて民間で仕事をしていた私が率直に感じる疑問とか、あとやっぱり、普通はこうでしょうと思うことにポイントを絞って、シンプルにストレートにお聞きしたいと思います。
 問題意識は、その数字に根拠があるのかということと、仮説と検証がちゃんと繰り返されているのか、PDCAをちゃんと回しているのかということであります。私がよくサラリーマン時代に上司からこっぴどく言われていたことでもあります。昨日の本会議でも、ここにいらっしゃる多くの議員の方々がエビデンス、検証について御指摘をされていました。
 まず、先週、五月二十日の経済産業委員会での梶山大臣の答弁について一点お聞きします。
 森本議員とのやり取りの中でおっしゃった二〇三〇年の二酸化炭素排出量の削減、これが一三年度比で四六%という数字についてであります。おぼろげながら四六という数字がと言ってしまった小泉環境大臣に対して、梶山大臣は、総理の気持ちだけで言ったものではありませんというふうに先日の委員会では答弁されました。つまり、根拠があるということだと思います。
 日本が排出する二酸化炭素の量は年間約十一億トンあります。部門別で見ると、最も多く排出しているのが製造業などの産業界、これで約三五%、そして運輸部門ですね、車で一九%、家庭部門は一四%となっていますけれども、最も多く排出しているその産業界の中でも一番二酸化炭素を出しているのが、業界が鉄鋼業界ということになります。今の技術ではやっぱり安価で大量に品質のいい鉄を造ろうとするとどうしても石炭を使う必要があって、これはもう世界各国どこも同じなんですけれども、その結果、二酸化炭素を大量に排出してしまいます。日本が排出する二酸化炭素の一四%を占めるわけですけれども、先ほど一四%と申した家庭部門と同じ量です。つまり、日本中の家庭がエアコンなどで使用している全ての電気を通して排出される二酸化炭素の量と同じなわけですけれども、たった一つの業界で一四%を出しています。
 その鉄鋼業界なんですけれども、二〇一三年度に対する三〇年度のCO2削減計画は、現時点で公表されているもので、最大手の日本製鉄が三〇%減、そして二番手のJFEが二〇%以上削減というふうになっています。日本製鉄の橋本社長は、今月行われた記者会見の中で、我々はこれから技術開発をしていく、四六%減にしますと無責任に言えないというふうに述べています。
 政府が掲げる四六%という数字は評価できる数字ではありますけれども、元々の計画が二六%だったことを考えると、相当にチャレンジングな数字だと思います。新聞報道などによると、経産省は三九%とか四〇%が限界だと何か訴えていたようなんですけれども、一気に四六%まで菅総理は引き上げました。
 そこで、梶山大臣にお聞きします。
 一気に最後引き上げられた四六%削減という数字の中で、一四%という日本で最も多くの二酸化炭素を排出する鉄鋼業の数値について、どのような設定、前提になっているのか。業界リーダーが無責任には四六%とは言えないという真っ当な意見を表明している一方で、先方とかとちゃんとすり合わせができた上での四六%なのか、教えてください。

#196
○国務大臣(梶山弘志君) 先ほど別の委員の質問に対しまして、四六%、私どもの取組についてお話をさせていただきました。これ、重複しますけど、言わせていただいてよろしいでしょうか。
 総合資源エネルギー調査会において、例えば二〇三〇年の省エネの見通しについて見直しを行って、従来の石油換算で五千三十万キロリットルから五千八百万、さらには六千二百万キロリットル程度に深掘りをしたところ、そして、この六千二百万キロリットルというのは、二〇一三年度のエネルギー消費量の約二割を占める百貨店、スーパー、小売、オフィス、事務所等の業務部門のエネルギーの全ての削減に相当するということ、そしてさらに、再エネの拡大に向けて、環境アセスの要件緩和などの政策強化の結果、二千九百億キロワットアワー程度を示し、更なる政策対応ということで、今回成立した温対法の改正法の中で、ポジティブゾーニング等ということで、自治体の支援を得ながらそういうポジティブゾーニングをしていくということも含めた政策も導入をしていくということ、さらにまた、石炭火力などについては、安定供給を確保を大前提にできる限り電源構成での比率を下げていくということといった論点について、また、原子力についても、国民の信頼回復に努め、安全最優先の再稼働を進めるということを前提として官邸に申し上げたということであります。
 それに加えて、省エネは、今言いましたけど、ガスですね、温暖化ガス、四つのガスについてどう削減をしていくか、あと吸収源については農林水産省ということで、どう吸収源を増やしていくか、そういった数値も組み合わせた上で総理が判断をしたものだと思っております。
 私どもは産業に責任を持つ立場ですから、当然、CO2を多量に排出をする鉄鋼、製紙、そしてセメント、化学と、こういったところとはまずは対話の窓口を持って頻繁にやり取りをさせていただいているということであります。先ほど委員がおっしゃったのは多分企業側が発表している削減目標ということだと思いますけれども、私どもはそれに対して、こういった形でお願いをしたいという依頼をしながら今調整をしているところでありまして、これはまたちょっと表には出せない数値ですので、対話を重ねているということを御理解をいただきたいと思います。

#197
○安達澄君 今の発言での確認ですけれども、その四六を出すというときにその鉄鋼業界ともすり合わせ等は行っているということでしょうか。

#198
○国務大臣(梶山弘志君) 私どもは、最終的な数値は、その本部での数値というのは総理の判断でありましたので、私どもがその調整を事前にしたということはございません。ですから、この四六という数値を受けて、私どもがもう一度深掘りをしていくという中でどういったことができるのか、業界との連携を今模索しているところであります。

#199
○安達澄君 ありがとうございます。
 これから、じゃ、各業界とか企業にブレークダウンをしていくということになるかと思いますけれども、先ほど浜野議員がおっしゃっていた、もう本当、本質をついている話だなと思ったんですけれども、例えば私、ちょっと自分が鉄鋼業にいたのでつい熱くなってしまうんですけど、やはり今、もう世界最高レベルの鉄を今造る技術がある、日本は持っているわけですね。それをもう、一度ぶち壊してしまって、もう二酸化炭素を出さないというためだけのために、例えば今、水素製鉄とかなっていますけど、それで鉄を造って、透明の鉄ができれば付加価値が付いていいんですけど、今造っているものと同じものを全然違うやり方で造らなきゃいけないという、相当にハードルが高いと思うんですね。
 業界も非常にやはり悩みながらというか苦しみながらやっていますし、国からの全面的なやっぱり支援、国民の理解も必要と言っていますので、是非そういうことを念頭に置いていただいて、かんかんがくがくの議論でいろいろすり合わせをしていただきたいと思います。

#200
○国務大臣(梶山弘志君) 鉄の業界とも、それぞれの会社と話合いをしております。水素還元という手法、大変難しい手法だということであります。ただ、世界中の鉄鋼会社が、やはり我先にということでこの技術を成功させようということで取り組んでいるということ、ただ、全てがそうなるわけではないけれども、やはり技術力という点で、これ水素還元、臨むだけのもの、技術だと、それに挑戦する技術だということもおっしゃられています。
 それらも含めて、あとクレジットの方法なども含めて、いかにそういった排出削減ができるかということも含めて考えてまいりたいと思います。

#201
○安達澄君 是非よろしくお願いします。ありがとうございます。
 同じく数字の根拠という観点からで、次は、今回の法案についてお聞きしたいと思います。
 全ての道はローマに通ずるというもう言い尽くされたことわざがありますけれども、今はもう全ての政策がグリーンに通ずと言っても過言ではない状況かと思います。当面、そのグリーンの目標に関しては、繰り返しになりますけれども、まずは二〇三〇年の四六%削減だと思います。
 今回の産業競争力強化法の改正案の目玉の一つに、先ほどからも出ていますけれども、グリーン社会への転換を促すカーボンニュートラル投資促進税制があります。税額控除最大一〇%若しくは特別償却五〇%の措置が盛り込まれていますけれども、そう言われたら、これはもう誰も反対できない政策だなとは思うんですけれども、ただ、正直な話、よく分からない、イメージが湧かないというので教えてほしいんですけれども、今回のその税額控除最大一〇%とか特別償却五〇%という数字が、その四六%削減という日本の大きな目標に対してどの程度寄与するのか。
 例えばですけど、四六%のうちの何%であるとか、いや、何千万トン、何百万トンの削減であるとか、そういった定量的な数字があれば非常に政策効果のイメージが湧くわけですけれども、その辺っていかがでしょうか。

#202
○政府参考人(矢作友良君) お答え申し上げます。
 今御指摘のございましたカーボンニュートラル投資促進税制でございますけれども、これは、対象といたしましては、例えば化合物パワー半導体あるいは高性能のリチウムイオン蓄電池など、大変大きな脱炭素効果を持つ製品、こういった生産設備を対象としたものでございます。これらの製品の普及が一定程度実現いたしまして、既存の製品からの転換が進んだと、こういうふうに仮定いたしますと、二〇三〇年時点では年間で、これちょっとトン数で申し上げますけれども、年間で約三千六百万トンのCO2の排出量を押し下げる効果が得られると、このように考えてございます。
 また、この税制、事業所や工場などにおきまして、よりCO2を排出せずに収益を伸ばす、そういったことを指し示す指標であります炭素生産性の向上につながる設備投資の促進と、こういった項目もございまして、こちらによっても、これ数字はございませんけれども、更なる今の三千六百万トンに上乗せして効果も期待できると、このように考えてございます。

#203
○安達澄君 ありがとうございます。
 今おっしゃった三千六百万トンというと、先ほど言ったとおり、日本全体が十一億トンの今排出している中ですから、ざっくりですけど四%ぐらいの効果が見込めるという一つの仮説なのかなと。その数字が大きい小さいというのは今私にはもう判断できませんけれども、今後一つ、いろいろ検証を進めていく上でのデータにはなるのかなというふうに思います。ありがとうございます。
 次は、その仮説と検証という観点から質問をいたします。
 昨日の本会議で、梶山大臣は宮沢議員への答弁の中で、今の日本の大きな問題点を二つ挙げられました。一つが、付加価値の高い製品やサービスを十分に生み出せていないこと、二つ目が、労働生産性が十分伸びていないことなんだというふうにおっしゃっていましたけれども、今回の法改正で廃止となります三年前に施行された生産性向上特別措置法ですけれども、その法案審議がこの参議院経済産業委員会では二〇一八年四月に行われていました。
 そのときの議事録を読むと、当時の世耕経産大臣が、今回廃止となる生産性向上特別措置法を提案する理由の中で次のようにおっしゃっていました。グローバル競争の中で技術革新の果実を取り入れ、そしてここからなんですけど、新たな付加価値を生み出し、そして生産性を飛躍的に向上させるんだというふうに提案理由でおっしゃっていたんですけれども、昨日の梶山大臣の課題認識と同じだなと思いました。
 三年たっても、政府や経済産業分野をつかさどる大臣の問題意識、日本の直面する課題は変わっていないなと感じています。僣越ながら踏み込んだ言い方をすれば、進歩がない、少なくともこの生産性向上特別措置法を始めとする数々の政策がせっかくあるにもかかわらず、必ずしも生かされていないんだなというふうに思います。
 その生産性向上特別措置法の中のサンドボックス制度ですね、先ほどからも出ていますけれども、これはもうやってみなはれという制度で、今後も引き続き、別の法律、別の箱の中で存続させようというふうにしています。
 当時の議事録を読むと鳴り物入りでスタートしたように見受けられる生産性向上特別措置法、特にその中のサンドボックス制度ですけれども、私が率直に感じるのは、当時、世耕大臣がおっしゃっていた、先ほどの表現そのまま使わせていただくと、この三年間で生み出された付加価値は何だろうな、そして生産性は飛躍的にどの程度まで向上したんだろうなということなんですけれども、梶山大臣にお聞きしますけれども、梶山大臣は、当時の世耕大臣の御発言、課題認識などを踏まえながら、このサンドボックス制度について、その意義とか成果とか、どのように評価をされていらっしゃいますか。

#204
○国務大臣(梶山弘志君) 規制のサンドボックス制度は、新たな技術やビジネスモデルの実用化に向けた社会実証を広く制度の対象としており、世界の各国でも取り入れられている制度でもあります。
 これまでに、IoT、ヘルスケア、モビリティーなどの多様な分野にわたって二十件の認定を行ったところでありまして、百三十九の事業者が実際に実証に参加をしております。現在実証中の案件もありますけど、限られた期間の中で、実証後に電気用品安全法の通達改正が行われたことで、現在、企業においていわゆるインターネット家電の新製品の開発が行われているほか、臨床データを薬機法の承認申請の書類に転記する際に、人が確認してデータ転記の信頼性を確保していたところ、データ改ざんが困難な新技術、例えばこれはブロックチェーンとかそういうものだと思いますけれども、を活用して人が介在しない新たなデータ転記の手法が実証が行われて、その後、世界に先駆けてその新技術が実用化されるなど、まさにこれらの制度を契機とした社会実装が進んでいくということであります。
 新たな技術ができるということは、それに関して規制が必要なのかどうなのか、実装していく中で何が必要なのかということを試験をするためのサンドボックス制度であったと思っております。ただ、このほかにも規制改革という枠組みがあって、その中で様々なこれまでに寄せられた規制改革の案件というものも並行してやってきたわけでありまして、当時、私、規制改革の担当の大臣でもありましたので、そういったものが合わさって、また、さらにまた特区であるとかそういう中で、これ、こういう新しい技術というものが実証されていくのかなと思っております。
 ただ、なかなかやっぱり、今までの例からいうと、こういったものが実証されない、宝の持ち腐れになってしまう可能性がある、そのうちに海外で実用化されるという例がありましたので、こういったものを活用してまいりたいと思いますし、今回のコロナ禍で脆弱性があらわになったというのは、やっぱりデジタル化ということだと思います。デジタルというのはやっぱり産業基盤ですから、産業基盤を利用したサービスであるとか技術であるとか、さらにまた相乗効果を生むということも含めて、新たな技術や社会に向けて対応するためには必要であったと思っております。

#205
○安達澄君 ありがとうございます。
 今大臣からも、二十件、それに伴ういろんな事例もありましたけれども、経済産業省としては、このサンドボックス制度に関して認定した件数が二十件というのは、二十件もという認識なのか、それとも、私の感覚からいくと二十件しかという認識なんですね。
 ただ、これはもうあくまでも件数というのはもう手段でもありますし、別にそこじゃないと思うんですね。目的、ゴールというのは、当時の世耕大臣や梶山大臣も課題認識としてお持ちの、新たな付加価値を生み出すとか生産性を上げるということがゴールだと思いますので、その観点からすると、まあちょっと達成はできていないのかなと思っています。ゆえに、三年たっても経済産業分野をつかさどる大臣が同じことを言及せざるを得ないんだなというふうに思っています。
 本来、もう一つちょっと参考人の方にお聞きしたかったんですけれども、これはちょっと次回、時間来ましたので、回させていただきたいと思います。引き続き、ちょっとこの仮説と検証の観点から質問をさせていただきます。
 ありがとうございました。

#206
○委員長(有田芳生君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────

#207
○委員長(有田芳生君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案の審査のため、来る六月一日午前十時に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#208
○委員長(有田芳生君) 御異議ないと認めます。
 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#209
○委員長(有田芳生君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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