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2021/03/24 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 本会議 第10号 令和3年3月24日
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2021/03/24 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 本会議 第10号 令和3年3月24日

#1
令和三年三月二十四日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第十号
    ─────────────
  令和三年三月二十四日
   午前十時 本会議
    ─────────────
 第一 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協
  力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び
  区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位
  に関する協定第二十四条についての新たな特
  別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国と
  の間の協定を改正する議定書の締結について
  承認を求めるの件(趣旨説明)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、元本院副議長今泉昭君逝去につき哀悼の件
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────

#2
○議長(山東昭子君) これより会議を開きます。
 元本院副議長今泉昭さんは、去る二月八日逝去されました。誠に痛惜の極みであり、哀悼の念に堪えません。
 つきましては、この際、院議をもって元本院副議長今泉昭さんに対し弔詞をささげることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。
 弔詞を朗読いたします。
   〔総員起立〕
 参議院は わが国 民主政治発展のため力を尽くされ さきに参議院副議長として憲政の発揚につとめられました 元議員正四位旭日重光章今泉昭君の長逝に対し つつしんで哀悼の意を表し うやうやしく弔詞をささげます
     ─────・─────

#4
○議長(山東昭子君) 日程第一 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件(趣旨説明)
 本件について提出者の趣旨説明を求めます。茂木敏充外務大臣。
   〔国務大臣茂木敏充君登壇、拍手〕

#5
○国務大臣(茂木敏充君) ただいま議題となりました日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 政府は、我が国に合衆国軍隊を維持することに伴う一定の経費の日本側による負担を図ることにより、駐留軍等労働者の安定的な雇用を維持し、合衆国軍隊の効果的な活動を確保するため、米国政府との間で在日米軍駐留経費負担に係る交渉を行いました。その結果、令和三年二月二十四日に東京において、私と駐日米国臨時代理大使との間で、この議定書に署名を行いました。
 この議定書は、現行の在日米軍駐留経費負担に係る特別協定の有効期間を一年間延長することを規定しております。現行の特別協定の有効期間が本年三月三十一日までとなっておりますので、この議定書は、本年度中に発効させる必要があります。
 この議定書の締結に基づく現行の特別協定の延長は、日米安全保障条約の目的達成のため我が国に駐留する合衆国軍隊の効果的な活動を確保するためのものであり、ひいては日米関係全般並びに我が国を含むインド太平洋地域の平和及び安定に重要な意義を有するものであると考えます。
 以上が、この議定書の締結について承認を求めるの件の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────

#6
○議長(山東昭子君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。白眞勲さん。
   〔白眞勲君登壇、拍手〕

#7
○白眞勲君 立憲民主・社民の白眞勲です。
 会派を代表し、ただいま議題となりました日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定を改正する議定書、略称、在日米軍駐留経費負担に係る特別協定改正議定書に関し質問いたします。
 東日本大震災から十年の節目を迎えました。改めて犠牲となられた方々に心より哀悼の意を表するとともに、被災された全ての皆様にお見舞いを申し上げます。
 また、日本が最も助けを必要としたとき、覚悟を持って駆け付けたアメリカ軍は、トモダチ作戦と名付け被災地へ部隊を派遣し、人命の救助や物資の輸送などの支援を大規模に展開していただきました。この場を借りて改めて心より感謝を申し上げます。
 さて、冒頭、武田総務大臣に答弁を求めます。
 放送や通信事業の許認可権を握る総務省の接待問題が底なしの様相を呈しています。特に、今回、東北新社が放送法の外資規制を超えている違反行為を犯していたと我が党の小西議員が明らかにいたしました。
 東北新社側は、この問題に関し、当時の鈴木総務課長に口頭で伝えたとのことでした。ところが、総務省側で鈴木課長に確認したところ、そのような報告は受けた覚えはない、そういう重大な話なら覚えているはずだとのことでした。これは、東北新社側の主張とは全く正反対であります。
 さらに、東北新社が地位の承継に関し、僅か半月余りの間に全く正反対の、行政で一番重い大臣の許可を得ることを公表したとすることについても、当時の鈴木課長、官房審議官までも、省内でいつ、誰から説明を受け了承したのか具体的には覚えていないとのことでした。とっても不思議です。これほどの重大な問題について、決裁した総務省の幹部がこぞって記憶がないと言っているわけで、鈴木課長は、先ほどの東北新社側の報告について、重大な話なら覚えているはずだと言っておいて、これほどの重大な問題も忘れちゃう。
 総務大臣にお聞きいたします。
 この問題は重大な問題なのですか、それともすぐに忘れる問題なのでしょうか、お答えください。
 さらには、この問題を取り上げているさなか、委員会室で鈴木当時の課長が武田大臣の前を通った際に出た発言です。記憶がないと総務大臣が言ったわけで、一番先頭に立ってこの疑惑を解明しなければならない責任者が、無意識に口に出したとはいえ、極めて不適切だと指摘せざるを得ません。
 ましてや、東北新社の総務省幹部への接待の多くに菅総理の息子さんが出ていたわけで、事は重大です。
 さらに、通信業者等からの総務省幹部への接待についても深刻です。十一人に及ぶ処分、さらに、武田大臣は、国民の疑念を招くような会食や会合に応じたことはないなどと二十九回程度も繰り返し答弁をしていましたが、結果的に御自身もNTTとの会食を認めたわけで、これに対し武田大臣は、JR東海の葛西名誉会長のお声掛けで、たまたまNTTやドコモの幹部がいただけで、国民に疑念を招く会食ではないということを強調されてはいますが、どう考えても、そう考えても疑問が尽きないので質問をいたします。
 まず、武田大臣は、その席で滞在は一時間以内で、ビールを少々飲んで退席し、費用として一万円を支払ったとのことですが、JR東海の葛西名誉会長が短時間、ビール少々で一万円受け取りますか。普通なら、要らないですよ大臣、と言うのではないでしょうか。
 武田大臣はきっぷがいい方であることは私も存じ上げております。ただ、学生の飲み会で先輩が先に帰るとして一万円を置いていくのとは訳が違います。短時間でビール少々で一万円、まるでぼったくりバーかと疑いたくなります。葛西名誉会長の名誉のためにも考えられません。
 そもそも、総務省では、豪華な接待を受けても一万円ぽっきり、一万円出せば割り勘になってしまうんでしょうか。さらに、短時間だとしても、少しは料理を出して、召し上がってくださいとはならなかったんでしょうか。
 また、ほかのメンバーがいることも当日まで報告がなかったというのも不自然です。二人きりの会合ならば、大臣が帰っちゃったら、葛西名誉会長、独りぼっちになっちゃうじゃありませんか。そもそも、秘書同士が連絡し、当日の出席者を確認し合うのが当たり前で、途中で中座する大臣が行く少人数の会食のメンバーを確認してないとなったら、それも大問題だと思いませんか。
 以上、納得いく答弁を総務大臣に求めます。
 日米両政府は、二〇二〇年十一月に在日米軍駐留経費に関する正式交渉を開始しましたが、トランプ政権との間では交渉妥結に至らず、二〇二一年二月にバイデン新政権との間で現行特別協定の有効期間を一年間延長する改正議定書の署名がなされたものと承知しています。
 そこで伺いますが、なぜ一年間の延長なのでしょうか。米国が政権交代期で腰を据えて交渉できず、三月末に現行特別協定が有効期限を迎えることから、取りあえず二〇二一年度分は現行の負担水準としておこうということなのでしょうか。二〇二二年度以降の駐留経費負担についてはどのように交渉していくのでしょうか。茂木外務大臣の説明を求めます。
 我が国が負担する米軍駐留経費をめぐっては、これまでに米国から四倍の負担を要求されたといった報道が相次ぎました。こうした報道に対し、政府はそのような事実はないと繰り返していましたが、こうした報道が出ること自体がおかしな話です。そもそも、米軍駐留経費の約七五%を負担しているともされる我が国が、どのようにして四倍もの額を負担できるんでしょうか。逆立ちしたって負担しようがありません。例えば、合計十万円掛かるとして、最初はちょっとだけ払いましょうといったことが、一万円どころか既にこちらが七万五千円負担しているわけです。一方がもっと負担しろとしてもその四倍の三十万円負担しようがありません。報道が出た時点で、政府はお決まりの、そのような報道は承知しているがという文言ではなく、負担のしようがないということを報道各社や国民に明確に説明すべきではないですか。茂木外務大臣の答弁を求めます。
 次に、在日米軍の活動を支える上で大きな役割を果たしている駐留軍等労働者の労働条件等について伺います。
 現在、駐留軍等労働者に本来適用されるべき日本の労働法令が一部適用されていないなど、駐留軍等労働者を取り巻く労働環境に様々な問題があるとの指摘がありますが、労働法令を所管する田村厚生労働大臣は現状をどのように認識していますか。
 また、雇用主である岸防衛大臣は、米国との間でこうした問題を解決するための交渉を行う義務があるのではありませんか。両大臣の明確な答弁を求めます。
 在日米軍駐留関連経費の総務省負担分についてお伺いいたします。
 米軍基地等には固定資産税が課されていないこと等を踏まえ、総務省から米軍基地の所在する市町村に対し、基地交付金、調整交付金が交付されており、二〇二〇年度の基地交付金等は四百億円程度とされています。昨年八月、米軍基地の所在する都府県の知事で構成される渉外知事会は、総務省等に対し、基地交付金等の増額を図るよう要望していますが、武田総務大臣はどのように対応されましたか。
 また、コロナ禍や景気の動向により、土地の評価額等にも影響が及び変動が激しくなる可能性もあると思われますが、二〇二一年度の基地交付金等はどのような見込みとなるのでしょうか。武田総務大臣の答弁を求めます。
 辺野古新基地建設をめぐっても様々な問題が明らかになっています。
 第一は、日米の制服組同士が辺野古新基地の日米共同使用について合意していた問題です。
 岸防衛大臣は、一月二十七日の予算委員会で、私の指摘に対し、辺野古に陸上自衛隊の施設を設ける計画図があることを事実上認めました。基地の共同使用は、軍事専門的見地のみならず、政策的見地からの判断が求められる案件であるはずです。岸防衛大臣は、制服組がこのような重要案件について計画図を作成し勝手に話を進めていたことについて、文民統制上極めて問題だとは考えないのでしょうか。明確な答弁を求めます。
 辺野古に関しては、もう一つ重大な問題があります。
 辺野古新基地建設に関連する工事に、米軍専用のプールやジムといった厚生施設に加え、ボウリング場やダンスホールといった娯楽施設が含まれていることが報道されていますが、これは事実でしょうか。
 過去、米軍の娯楽施設等を日本側が負担する提供施設整備により建設したことが問題となり、二〇〇〇年十月以降は、娯楽施設等の建設は提供施設整備の案件として採択しないこととされています。沖縄防衛局は、辺野古については米軍再編事業であることから支出に問題はないと述べているようですが、これで国民が納得すると思っているんでしょうか。提供施設整備費も、米軍再編関連経費も、共に出所は国民の税金です。米軍基地内の娯楽施設等は米国負担で建設すべきではありませんか。岸防衛大臣の答弁を求めます。
 さらに、辺野古をめぐっては、防衛省が埋立工事の契約変更を繰り返し、発注から二年半で工事費が当初の約一・六倍に増えていること、土砂単価が市場価格の一・五倍を超えていること、埋立工事費の約三割を警備費が占めていることなどが指摘されています。こうした調達の観点から問題があると思われている点について、国民が納得する明確な説明を岸防衛大臣に求めます。
 沖縄県南部地区は、沖縄戦で軍人はもちろん女学校の生徒たちが戦場に駆り出され、さらには、老人から子供、赤ちゃんまでアメリカ軍の砲弾で数多くの命が失われた場所です。そこには多くの遺骨が残され、収集は今も続けられています。政府は、辺野古の埋立てに沖縄戦で激戦地となったこの本島南部からの土砂調達を計画しています。よりによってこの場所の土をアメリカ軍の新基地建設の土台にすることは絶対にあってはならないのです。先日、自民党、公明党の沖縄県連、県本部も、沖縄防衛局に県民に配慮を要請したとのことです。
 ここで、議場の皆さんにあえて訴えたい。私は、ここで辺野古の是非はあえて申し上げません。政府は遺骨に配慮した上でと言いますが、配慮というのであるならば、南部地区からの土砂の搬入はしないというのが本当の配慮なんではないんでしょうか。その土地は、遺骨だけではなく、祖国のために心ならずも命を落とされた多くの方々の血が染み込んでいるんです。現在我々が享受している平和と繁栄が戦没者の方々の尊い犠牲の上に築かれていることに思いを致し、防衛大臣、今、この場で南部地区からの土砂の調達をしないと是非約束してください。本当にお願いいたします。
 次に、尖閣諸島をめぐる件についてお伺いいたします。
 二月一日に施行された中国海警法は、中国の海上法執行機関である海警局の権限を定めるものであり、武器使用に関する条項等は国際法違反の可能性が指摘されています。中国の王毅外相は、三月七日の記者会見において、海警法は特定の国を対象としておらず、国際法違反ではないと主張していますが、同法は、尖閣諸島をめぐる日中の対立を一層悪化させるものとなりかねません。
 そもそも、昨年の十一月二十四日の日中外相会談の記者発表の場で、王毅外相が正体不明の日本漁船が頻繁に尖閣周辺の敏感な海域に入っているなどと述べたことについて、茂木外務大臣がその場で反論しなかったのは記憶に新しいところです。
 茂木大臣は、その後、十二月一日の外交防衛委員会の質疑において、あの記者発表は外相会談の途中で行ったものであり、記者発表の前後において特に時間を使って我が国の強い懸念を伝え、強く申入れを行った旨反論されています。でも、見られていないところで反論したってしようがないじゃありませんか。実際、先日の米中のアンカレジにおける会談を見れば、カメラが回っているその場でアメリカ側がしっかりと反論しているんじゃないんでしょうか。
 海上保安庁のホームページによりますと、茂木外務大臣がこのように中国側に申入れをしたにもかかわらず、日中外相会談以降も日本の接続水域に入った中国海警局の船舶の数は一向に減らず、領海侵入に関していえば、今年二月のデータでは、六日間、延べ十四隻と四年半ぶりの高水準となりました。外相会談、意味なかったんじゃないんですか。この点、茂木大臣には答弁を求めません。
 海警法の解釈や尖閣諸島については、中国との対話の場をつくることが何より重要ではないでしょうか。ところが、日中防衛当局間で二〇一八年六月から運用されている海空連絡メカニズムの枠組みにおいて、緊急時に相互に意図を確認するためのホットラインの開設が積み残されています。昨年十二月の日中防衛相会談においても合意はされませんでしたが、一刻も早くホットラインを開設すべきなんじゃないんでしょうか。岸防衛大臣の答弁を求めます。
 以上、在日米軍経費負担についてお聞きいたしました。
 日米同盟は、日本にとって外交・安全保障政策の基軸として極めて重要であります。そのためにも、この議定書が国民の皆様の理解を十分に得ることが最も重要であることを強調しまして、質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣茂木敏充君登壇、拍手〕

#8
○国務大臣(茂木敏充君) 白議員から、特別協定改正議定書の有効期間及び二〇二二年度以降の駐留経費負担に係る交渉についてお尋ねがありました。
 今回は、交渉に割くことができる時間が大きく制約されることもあり、交渉の早期妥結を目指して米側と協議を行った結果、現行協定を改正し、その有効期間を一年間延長することにつき、米国政府との間で意見の一致を見ました。
 バイデン政権発足後のこの早いタイミングで必要な合意に至ることができたことは、日米同盟の結束に対する両国の強いコミットメントを示すとともに、日米同盟の信頼性を高め、それを国際社会に発信するものだと高く評価しています。
 同時に、日米両政府は、二〇二二年四月一日以降の新たな複数年度の特別協定の合意に向けて交渉を継続していくことを確認しました。その交渉の進め方については、一層厳しさを増す地域の安全保障環境や我が国の厳しい財政状況等を踏まえ、HNSが適切な内容、水準のものとなるよう対応していく考えであります。
 次に、HNSに関する様々な報道に対してどのように国民や報道機関等に説明するかについてですが、HNSの交渉に関する個別の報道に対して政府としてどのように対応するかについては、その交渉への影響や相手国との信頼関係などを総合的に勘案する必要があると考えます。
 いずれにせよ、二〇二二年四月一日以降の新たな特別協定に関する交渉を含め、今後、政府として個別の交渉を進めるに当たっては、地域の厳しい安全保障環境や我が国の厳しい財政状況、さらに、ただいま申し上げたような要素も勘案しつつ、国民への説明責任を引き続き適切に果たしていく考えであります。(拍手)
   〔国務大臣武田良太君登壇、拍手〕

#9
○国務大臣(武田良太君) 白眞勲議員からの御質問にお答えをいたします。
 まず、東北新社と外資規制についての御質問をいただきました。
 基幹放送事業者の認定や承継の認可は、基幹放送事業者として業務を行うために重要な手続であります。現在、外資規制違反の報告の有無について、東北新社と総務省の主張にそごが生じている状態にあると認識をいたしております。
 先週立ち上げました情報通信行政検証委員会では、外資規制違反の認識の問題についての国会の御指摘についても御報告したところであり、今後、具体的な検証内容を委員会において御審議いただくことになるものと考えております。
 次に、私が出席した会合についての御質問をいただきました。
 御指摘の会合の案内状には、日時、場所、地図、予約者のみ記載されており、当日まで葛西名誉会長と私以外の出席者は存じ上げておりませんでした。当日は、後に別の予定もあったことから、中座する前提で、お酒のみをいただき、食事はいたしておりません。その上で、応分の負担を行っております。以上が事実関係であり、また、当時の状況を総合的に勘案すると、大臣等規範に抵触する会合ではなかったと考えております。
 次に、基地交付金等の増額要望を受けた対応について御質問をいただきました。
 米軍基地等が所在する地方団体からは、例年、基地交付金及び調整交付金について、十分な予算措置を講ずるよう御要望をいただいているところであります。基地交付金及び調整交付金の予算については、これまで所要額の確保に最大限の努力をいたしてきたところであります。直近では、令和元年度予算において、対前年度十億円増の三百六十五億四千万円を確保し、令和二年度予算及び令和三年度予算案においても、厳しい財政状況の中で同額を確保したところであります。
 最後に、来年度の基地交付金等の見込みについて御質問をいただきました。
 令和三年度予算案において、基地交付金及び調整交付金の総額は三百六十五億四千万円となっておりますが、その配分については、対象資産価格や基地所在市町村の財政状況等を踏まえ、適切に行ってまいります。(拍手)
   〔国務大臣田村憲久君登壇、拍手〕

#10
○国務大臣(田村憲久君) 白眞勲議員にお答え申し上げます。
 駐留軍等労働者の労働環境に関する現状認識についてお尋ねがありました。
 駐留軍等労働者の方々については、労働基準関係法令を含めた日本の国内法令が適用されるものと認識いたしております。駐留軍等労働者の方々の労働条件の改善は、政府全体で対応すべき課題であり、実際の使用者である米側と粘り強く協議を続けていくことが必要と考えております。今後とも、防衛省等と連携を図り、必要な対応に努めてまいります。(拍手)
   〔国務大臣岸信夫君登壇、拍手〕

#11
○国務大臣(岸信夫君) 白議員にお答えをいたします。
 まず、在日米軍従業員の労働環境についてお尋ねがありました。
 在日米軍従業員の労働条件については、日米地位協定第十二条五の規定に基づき、雇用及び労働の条件、労働者の保護のための条件並びに労働関係に関する労働者の権利は、別段の合意をする場合を除き、我が国の法令で定めるところによることとされています。
 その上で、具体的な労働条件は日米間で締結している労務提供契約において規定しており、その内容については、時々の労働関係法令や労働環境等を踏まえ適切なものとなるよう労働組合の同意を得た上で各種改正を積み重ねてきております。さらに、労務提供契約に基づき、実際に米側が労務管理を行う際にも、労働関係法令等の趣旨を踏まえた適切なものとなるよう日米間で不断に協議をしています。
 防衛省としては、引き続き米側や労働組合と緊密に連携しつつ、雇用主の立場から、雇用の安定や適切な労働環境確保に全力を尽くしてまいります。
 次に、施設・区域の共同使用についてお尋ねがありました。
 施設・区域の共同使用については、米軍と自衛隊の間の施設の共同使用を拡大する機会を検討する意図を有するとした平成二十二年五月の日米2プラス2共同発表を踏まえ、これまでで様々な検討を行ってきています。共同使用の検討に際しては、全国の施設・区域について幅広く様々な可能性を検討してきていますが、日米間の具体的なやり取りや検討状況については、相手方との関係などもあり、お答えを差し控えます。
 また、陸上幕僚監部は、これまで関係部局の一つとして共同使用に係る政府内の検討に参画してきています。しかしながら、共同使用は、日米双方の外務・防衛当局によって幅広い検討が行われた上で日米合同委員会による合意がなされるものであり、陸上自衛隊と海兵隊のみで合意を行うような性質のものではありません。その上で、共同使用に係る検討については、従来から防衛大臣の指揮監督の下、陸上幕僚監部を含む関係部局が省一体となって進めてきており、文民統制上、何ら問題のないものと考えています。
 次に、キャンプ・シュワブにおける米軍施設の整備についてお尋ねがありました。
 キャンプ・シュワブにおいては、陸上の施設を再配置する陸上再編成工事が行われており、この工事で整備される施設には、プールやトレーニングジムに加え、ボウリング場やダンスホールといった既存の福利厚生施設の再配置も含まれています。
 この陸上再編成工事は、日米で合意された再編の実施のための日米ロードマップに基づき、地元の負担軽減のために実施している米軍再編事業の一つであり、提供施設整備とは異なるものであります。
 このような地元の負担軽減のための米軍再編事業における施設整備に当たっては、部隊の移駐や施設の移転に伴って必要となる機能や施設を整備する必要があることから、福利厚生施設が排除されるというものではありません。
 次に、普天間飛行場代替施設建設事業に関する工事契約等についてお尋ねがありました。
 御指摘の埋立工事の変更契約については、沖縄防衛局において、これまでに、埋立土砂の海上運搬の方法の変更や工事を安全かつ円滑に進めるための警備業務の追加など、当初契約した工事を進める上で必要な内容について、関係法令を踏まえ、契約の変更を行ったものです。また、埋立土砂の単価については、沖縄防衛局が防衛省の基準に基づいて適切に設定したものであり、警備に要する経費については、工事を安全かつ円滑に進めていく上で不可欠なものと考えております。
 事業を進めるに当たっては、引き続き適切な予算執行に努めてまいる考えであります。
 次に、辺野古移設に関わる埋立土砂の調達についてお尋ねがありました。
 変更承認後の埋立てに使用する土砂の調達先は、工事の実施段階で決まるものであり、県内、県外どちらから調達するかも含め、現時点で確定しているものではございません。
 さきの大戦において凄惨な地上戦を経験した沖縄においては、今もなお厚生労働省と沖縄県で役割を分担して戦没者の御遺骨の収集が進められております。
 変更承認後の土砂の調達先は決まっておらず、御遺骨の問題は大変重要であると考えておりますことから、こうしたことも踏まえて、土砂の調達については今後しっかり検討してまいります。
 最後に、日中防衛当局間のホットラインについてお尋ねがありました。
 日中防衛当局間のホットラインについては、昨年十二月の私と魏鳳和中国国務委員兼国防部長との日中防衛相テレビ会談でも、両大臣で早期開設に向けた調整が着実に進展していることを改めて歓迎するとともに、その実現に向けて、両大臣がリーダーシップを発揮し、調整を更に加速していくことで一致したところであります。
 現在、このホットラインの技術的細部について日中防衛当局間で調整を続けているところですが、昨年十二月の会談の成果も踏まえ、早期開設に向けた調整を更に加速化していく考えであります。(拍手)
    ─────────────

#12
○議長(山東昭子君) 浅田均さん。
   〔浅田均君登壇、拍手〕

#13
○浅田均君 日本維新の会、浅田均です。
 私は、党を代表して、ただいま議題となりました在日米軍駐留経費負担に係る特別協定について質問いたします。
 外交・安全保障で、我が党は、日米同盟を基軸としつつ、我が国の防衛力と政策を強化し、主権と領土を自力で守る体制を整備していくことで世界の平和と繁栄に貢献する国家の自立という理念を掲げています。
 現行の日米安保条約の署名から六十年余り。東西冷戦時代を含め、日米同盟がアジア太平洋地域の平和と安定の礎となってきたことは言をまちません。しかし、昨今、インド太平洋地域の安全保障環境は大きく変貌し、日米同盟が支える平和と安定が揺るがされかねない危機に直面しています。
 最大の要因は、力を盾に国際法違反もいとわず一方的に東シナ海、南シナ海などで現状変更に動く中国の存在です。独善的に自国の利益を追求する共産党独裁の覇権主義国には、法の支配、民主主義、自由、基本的人権の尊重といった私たちに共通の普遍的価値は通用しません。
 今や、日米同盟の真価が問われる新たな段階に入ったと言っても過言ではありません。特に、日本側には従来と次元の違う役割と貢献が求められています。自ら主体的に対処力を高めていくことも不可欠です。
 茂木大臣に伺います。
 政府・与党内には経済関係重視の立場から中国に対して寛大な空気もあるようですが、日本の領土を容赦なく脅かし、インド太平洋地域の平和と安定を破壊しようとする相手に気兼ねは無用です。今こそ、日本政府には覚悟を示す必要があると考えます。その決意をお示しください。
 去る十六日、バイデン政権発足から二か月という史上最速で日米安全保障協議委員会、2プラス2が東京で開催されました。米国に日本との結束強化を急がせているのは、西太平洋で強引に現状変更に挑む中国に対する強い危機感にほかなりません。
 米国にとって焦眉の急は台湾有事であると考えます。2プラス2でも台湾情勢をめぐる議論に時間が大きく割かれました。中国は昨年から空軍機を台湾の防空識別圏に繰り返し侵入させ、停戦ラインの中台中間線を越えさせています。
 茂木大臣にお尋ねします。
 米政府・軍内では台湾有事が現実味を帯びて語られ、中国軍創設百年に当たる二〇二七年までに確実に台湾侵攻があり得るという見方も出ています。台湾有事の可能性について、日本政府はどのように認識していますか。米国と一致しているのですか。
 岸防衛大臣に伺います。
 2プラス2の共同文書には、自衛隊と米軍による実践的な共同訓練の充実なども明記されましたが、更にその先の段階に向けて早急に取り組む必要があります。中国の脅威の影響を直接受ける日本が生半可に対応するわけにはいきません。抑止力、対処力の強化に向けて具体的に何にどう取り組んでいく考えですか。
 中国が狙う沖縄県の尖閣諸島は、台湾と一蓮託生の関係にあります。中国にとって尖閣と台湾は太平洋に進出するために必ず確保すべき戦略的要衝であり、尖閣侵略と台湾侵攻は一連のものと見られています。中国が海警局に武器使用を認める国際法違反の海警法を制定したのは、その布石であることは間違いありません。
 日本維新の会は、これまで領域警備法案を国会に提出するなど、尖閣防衛の強化に取り組んできました。現在、中国海警法施行を受けて内容を更に煮詰め、今国会への法案提出の準備を進めているところであります。
 政府も、現行法の運用で事足りるなどと悠長に構えず、海上保安庁法二十五条の改正で海保に自衛隊に準じた行動が取れるようにしたり、自衛隊法改正により自衛隊が柔軟かつ迅速に海警船を迎え撃てる体制を構築したりすることを検討すべきだと考えますが、赤羽国土交通大臣並びに岸防衛大臣の見解をそれぞれ求めます。
 茂木大臣に伺います。
 香港や新疆ウイグル自治区などでの人権弾圧をめぐり、中国を厳しく糾弾する米国や欧州諸国と比べ、日本の反応は緩く、認識が曖昧であることは否めません。中国の人権問題に対する日米間のギャップが埋まらない理由を説明してください。
 また、日本が主導して国際社会で人権問題をめぐる対中包囲網を広げ、尖閣、台湾を攻略しようとする中国の暴挙を阻止するための国際世論の醸成につなげていくべきではないですか。尖閣防衛で自衛隊が姿を現し、日本が事態をエスカレートさせたと喧伝するであろう中国の世論工作に対抗するためにも必要だと考えますが、見解をお示しください。
 日米両政府は、四月一日以降に米軍駐留経費の新たな特別協定の合意に向けて交渉を継続する方針と承知していますが、バイデン政権は資金面での負担より抑止力強化に向けた日本の貢献、協力を求めてくることは不可避と考えます。
 宇宙、サイバーといった新たな領域や総合ミサイル防空を含む諸領域、分野における日米防衛協力の強化が新たな特別協定交渉にどのような影響を与え得ると認識していますか。米国側が中距離ミサイルの日本配備を求めてきた場合、どのように対処する方針ですか。岸大臣の答弁を求めます。
 来る二十九日には、安保法制施行五年の節目を迎えます。この間、自衛隊の役割、責任は大きくなり、片務的とされていた日米同盟は双務性に一歩近づきました。海外での自衛隊の平和貢献の幅も広がりました。しかし、在日米軍駐留経費の負担は応分が原則です。
 茂木大臣にお尋ねします。
 日本側が負う責任の拡大に並行し、米軍駐留経費という財政上の負担を削減してしかるべきではないですか。また、我が国の負担額をこれ以上増額する余地があると考えていますか。
 認識すべきは、地理的に米国がアジアに前方展開する上で、戦略上最も重要なのは日本であり、米軍の日本におけるプレゼンスは米国自身の国益にかなうものだということです。トランプ前大統領が日本を守ってやっていると駐留経費の全額負担を持ち出したのは論外ですが、世界の米軍駐留各国と比較して、米軍駐留経費全体における日本の負担割合が突出して大きいことは不合理です。
 米軍が駐留する各国を取り巻く安保環境や駐留目的の違いなど諸事情はあるでしょうが、国際的に不均衡と言える日本の負担割合について、どのように国民に説明されますか。二〇〇四年を最後に米国は各国の駐留経費負担率を公式発表していませんが、日本政府は米軍が駐留する他国とのバランスをどのように捉え、適正な負担額を判断、算出しているのですか。
 一方、日本の米軍駐留経費には、光熱水料など他の米軍駐留国が必ずしも負担していない経費も含まれています。その理由は何ですか。こうした我が国の負担状況を、米国の政府、議会のみならず米国市民にもしっかりと知ってもらう努力をすべきではないですか。また、現行の特別協定第四条には、米国が経費節約に一層努める旨規定されていますが、これまでどのような経費節減に係る取組がなされてきたのですか。
 一九八七年に特別協定に基づく在日米軍経費負担が始まり、三十年以上経過しました。特別協定は、米国の財政悪化や労働費が急増したことを受け、従業員の雇用の安定が損なわれるおそれが生じたため、日米地位協定第二十四条が規定する日米の経費負担原則の暫定的、限定的、特例的な措置として締結されたものです。この暫定的措置である特別協定が三十年以上にわたり二から五年を有効期間として締結され続け、事実上恒久化しています。この是非についてどう考えていますか。
 以上、茂木大臣に答弁を求め、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣茂木敏充君登壇、拍手〕

#14
○国務大臣(茂木敏充君) 浅田議員より、対中認識及び対中政策についてお尋ねがありました。
 尖閣諸島は、歴史的にも国際法上も疑いのない我が国固有の領土であり、現に我が国はこれを有効に支配しています。尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題はそもそも存在しません。
 こうした中、中国海警船舶が累次にわたり尖閣諸島周辺の我が国領海に侵入し、日本漁船に接近しようとする動きを見せていることは誠に遺憾であり、断じて容認できません。尖閣諸島周辺の我が国領海で独自の主張をするといった海警船舶の活動は、そもそも国際法違反であり、中国側に厳重に抗議していきます。東シナ海、南シナ海を始め中国による力による一方的な現状変更の試みは断じて認められません。その決意は全く変わりません。
 また、香港や新疆ウイグル自治区における人権状況についても、我が国として深刻な懸念を持っています。こうした我が国の深刻な懸念を中国側に対し、引き続きしっかり伝えていきます。
 次に、台湾有事の可能性についてお尋ねがありました。
 台湾をめぐる問題について、仮定の質問にお答えすることは差し控えますが、我が国としては、台湾をめぐる問題が当事者間の直接の対話により平和的に解決されることを期待するというのが従来からの一貫した立場です。この点、先日行われた日米2プラス2においても、日米で台湾海峡の平和と安定の重要性について一致しています。引き続き両岸関係の推移を注視してまいります。
 中国の人権問題への対応及び国際世論の醸成についてお尋ねがありました。
 新疆ウイグル自治区に関しては、重大な人権侵害が行われているとの報告が数多く出されており、我が国としても深刻に懸念し、先般の日米外相会談、2プラス2においても香港や新疆ウイグル自治区の人権状況について深刻な懸念を共有いたしました。日米外相会談、2プラス2についても、じっくりこの点議論を行いました。この点で日米の認識は一致をしています。
 力による現状変更の試みや人権問題について我が国としても重大な懸念を有しており、米国を始めとする関係国とも緊密に連携し、国際世論の醸成を図りつつ、中国側に働きかけていくことが重要であると考えます。
 次に、我が国のHNS負担や他国との比較についてでありますが、HNSについては、日米の負担割合を論じる前に、まずは我が国の平和と安全を確保する上で、日米でいかなる役割、任務の分担をしていくか、また、その上で我が国の負担規模が適切か否かを考えることが大事です。
 一方、各国が負担している米軍駐留経費の内容や規模については、各国を取り巻く安全保障環境や当該国が米国と結んでいる安全保障条約、また、その中で駐留米軍がどのような役割を担っているか等、種々の要素を総合的に勘案しているものでありまして、また、国によって経費の範囲をどのように捉えるか違いがあることから、単純な比較及び評価は困難であります。
 その上で、我が国のHNSの負担規模については、在日米軍の円滑かつ効果的な運用を支えるHNSは引き続き重要である点を踏まえた上で、我が国の厳しい財政状況や我が国を取り巻く安全保障環境等の各種要素を総合的に考慮し、主体的に判断をしてまいります。
 HNSに係る我が国の負担状況についての対米広報についてでありますが、日米同盟の維持強化のためには、日米両国の政府、議会のみならず両国の国民の理解と支持が不可欠なのは言うまでもありません。政府としては、これまでも、連邦議会議員やそのスタッフ、影響力のある有識者へのブリーフ等を通じて、在日米軍駐留経費及び我が国の取組が、在日米軍の円滑かつ効果的な活動や米軍の地域への前方展開を確保する上で重要な役割を果たしてきている旨、詳細に説明をし、米国民への広報に努めてまいりました。今後もこうした努力を続けてまいります。
 経費節減に係る取組についてでありますが、光熱水料等について、五年前に発効した現行特別協定の第四条において米側に一層の節約努力を求める旨を規定しており、米側において電灯のLEDへの交換、空調に係る設定温度の見直し、節約への注意喚起などの取組を行っているとの報告を受けています。また、光熱水料等の日本側負担割合を七二%から六一%に引き下げるなどの負担の削減も行われています。
 最後に、暫定的措置である特別協定が事実上恒久化しているのではないかとのお尋ねでありますが、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、日米同盟は、我が国の防衛のみならずインド太平洋の平和と安定のためにはなくてはならない存在であります。そして、米軍の駐留は日米同盟、日米安保体制の中核的要素であり、在日米軍駐留経費は、在日米軍の円滑かつ効果的な活動を確保する上で重要な役割を果たしてきているというのが基本認識です。
 我が国は、このような状況及び日米両国を取り巻く諸情勢、雇用の安定等を総合的に勘案した上で、日米地位協定二十四条に定める経費負担の原則は原則として維持しつつ、あくまで暫定的、限定的、特例的な措置としてこれまで特別協定を米国との間で結んできました。
 特別協定の将来の在り方については、我が国の厳しい財政状況や我が国を取り巻く安全保障環境、雇用の安定等の各種要素を考慮しつつ、真剣に協議をし、適切に対応してまいります。(拍手)
   〔国務大臣岸信夫君登壇、拍手〕

#15
○国務大臣(岸信夫君) 浅田均議員にお答えいたします。
 まず、日米同盟の抑止力、対処力の強化についてお尋ねがありました。
 今般の日米2プラス2では、我が国を取り巻く安全保障環境が急速に厳しさを増す中、日米同盟の役割、任務、能力に関する協議を通じ、日米同盟の抑止力、対処力の強化に向けた連携をより一層深めていくことで一致をいたしました。
 具体的には、米国で各種政策レビューが行われていることを踏まえ、日米の戦略、政策を緊密にすり合わせていくこと、宇宙、サイバーを含む領域横断的な協力を深化させること、拡大抑止を強化するための連携を強化すること、運用の即応性及び抑止態勢の維持の観点から実践的な演習及び訓練を行う必要性等を確認しました。
 今後、かかる分野を含む連携や能力の向上を通じ、日米同盟の抑止力、対処力の強化に努めてまいります。
 次に、自衛隊が柔軟かつ迅速に海警船を迎え撃てる体制の構築についてお尋ねがありました。
 尖閣諸島周辺における中国海警船の領海侵入に対しては、第一義的には海上保安庁が対応しているところであり、防衛省・自衛隊においても警戒監視、情報収集に万全を期しています。
 その上で、一般論として申し上げれば、武力攻撃に至らない侵害への対処については警察機関と自衛隊との連携が極めて重要であることから、平成二十七年、海上警備行動や治安出動等の発令手続の迅速化のための閣議決定を行いました。警察機関が対応できない場合に自衛隊が切れ目なく対応することは現行の法制度でも可能であり、防衛省・自衛隊としては、関係機関との情報共有、連携の強化、各種訓練の充実など、必要な取組を不断に強化しています。
 その上で、侵害行為が我が国に対する外部からの武力攻撃に該当すると判断し、我が国を防衛する必要があると認められる場合には、防衛出動により対処することとなります。
 いずれにせよ、防衛省・自衛隊としては、あらゆる事態に適切に対応し、国民の生命、財産及び領土、領海、領空を断固として守り抜くため、関係省庁と連携の上、引き続き万全を期してまいります。
 次に、日米防衛協力の強化が特別協定の交渉に与える影響についてお尋ねがありました。
 安全保障政策の対象が宇宙やサイバーといった新たな領域に広がり、その脅威が拡大する中で、日米双方が果たすべき役割は大きくなっています。
 その上で、HNSについては、先日、外務大臣からも答弁がありましたが、我が国の平和と安全を確保する上で日米がいかなる役割、任務の分担をしていくか、また、その下で我が国の負担規模が適切か否かを考えることが重要だと考えています。
 現時点で二〇二二年四月一日以降の新たな特別協定の交渉の内容やその進め方を予断することは差し控えますが、一層厳しさを増す地域の安全保障環境や我が国の厳しい財政状況等を踏まえ、HNSが適切な内容、水準となるよう対応してまいります。
 最後に、米国の中距離ミサイルについてお尋ねがありました。
 地上発射型中距離ミサイルについては、米国から、直ちに配備する状況にはなく、また、具体的な配備先についての検討は行っておらず、さらに、どの同盟国等に対してもその受入れや配備に関し打診を行っていない旨の説明を受けています。このため、米国側が中距離ミサイルの日本配備を求めてきた場合を前提とする仮定の質問にはお答えを差し控えます。(拍手)
   〔国務大臣赤羽一嘉君登壇、拍手〕

#16
○国務大臣(赤羽一嘉君) 浅田均議員から、海上保安庁法第二十五条の改正についてお尋ねがございました。
 武力攻撃に至らない侵害に適切に対応するためには、防衛大臣の御答弁にありましたとおり、警察機関たる海上保安庁と自衛隊との連携が極めて重要であり、平成二十七年五月、いかなる不法行為に対しても切れ目のない十分な対応を確保するため、海上警備行動、治安出動等の発令手続の迅速化のための閣議決定を行いました。
 また、平成二十八年十二月に関係閣僚会議で決定された海上保安体制強化に関する方針に基づき、海上保安庁として、尖閣諸島周辺海域を含む我が国周辺海域の警備体制の強化に取り組む中、自衛隊との情報共有、連携の強化、各種訓練の充実など、必要な取組を一層推進しているところでございます。
 お尋ねのありました海上保安庁法第二十五条は、警察機関としての海上保安庁の非軍事性を規定しているものであります。この規定により、海上保安庁と自衛隊や警察機関との連携に支障はないものと考えております。
 いずれにいたしましても、海上保安庁といたしましては、今後とも、我が国の領土、領海を断固として守り抜くという方針の下、関係諸機関と連携し、事態をエスカレートさせないよう冷静かつ毅然とした対応を続けてまいります。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────

#17
○議長(山東昭子君) 大塚耕平さん。
   〔大塚耕平君登壇、拍手〕

#18
○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平です。
 会派を代表して、ただいま議題となりました在日米軍駐留経費負担に係る特別協定に関して質問します。
 この特別協定は、日米安保条約に基づいて日本の安全保障が担保されるために整えなければならない諸条件の一部として、一九八七年以降、締結されているものと理解しています。
 現下の情勢で日本の安全保障が担保されるためには、覇権主義的言動がエスカレートする中国に対する米国の向き合い方が問われます。
 そこで、外務大臣に伺います。
 去る十六日の日米2プラス2において、米国防長官及び国務長官は尖閣諸島が日米安保条約第五条の日本国の施政下にある領域と認めたのか否か、改めて確認を求めます。
 国防省カービー報道官は、二月二十三日の記者会見で、尖閣諸島の主権について日本を明確に支持していると述べた三日後の二十六日、再び記者会見で、尖閣諸島の主権について米国の政策に変更はないとあえて付言し、二十三日の発言は誤りであったとしつつ、日米安保条約に基づき、尖閣諸島を含む日本を防衛するとの米国のコミットメントは揺るぎないと発言しました。
 米国には、尖閣諸島は日本の領土と明言できない事情があるのか否か、また、カービー報道官が二十六日に述べた尖閣諸島を含む日本という表現は、尖閣諸島は日本の領土という意味と同義であるかどうか、外務大臣の認識を伺います。
 その後、十九日にはアンカレジで米中会談が行われ、両国は冒頭から激しく対立したと報じられています。会談の内容について、米国側から日本政府に説明があったか否か、及び政府としてこの会談結果をどう受け止めているか、外務大臣に伺います。
 日米2プラス2と米中会談の谷間の十七日に行われた米韓2プラス2の共同声明には、中国あるいは北朝鮮の非核化という表現はありませんでした。この共同声明の内容に対して政府としてどのような分析をしているのか、外務大臣に伺います。
 なお、米中会談に先立つ日本時間の十九日夜、岸防衛大臣は民放番組の中で、尖閣諸島防衛を想定した日米共同訓練を実施する考えを明らかにし、実践的で高度な訓練を行いつつ、日米が一体となって動けることを証明し、相手にプレゼンスを示すと述べました。いつ、どの海域での共同訓練を想定しているのか、防衛大臣に伺います。
 次に、特別協定に伴う米軍駐留経費の日本の負担の経緯等について、防衛大臣に伺います。
 在日米軍駐留経費の日本の負担は、基地従業員対策費、施設整備費、労務費、光熱水料費、基地移転費の五つに大別されます。
 第一の基地従業員対策費は一九七八年度から、第二の提供施設整備費は一九七九年度から支出が始まりました。それまで日本側の負担はゼロであったものが、なぜそれらの年から始まったのか、理由を伺います。
 残る三つの費用は、ホスト・ネーション・サポートです。第三の労務費は一九八七年度から、第四の光熱水料費は一九九一年度から、第五の訓練移転費等は一九九六年度からそれぞれ始まりました。それぞれなぜその年から始まったのか、理由を伺います。
 次に、各支出の根拠についてです。
 第一の基地従業員対策費は、日米地位協定にも、議題となっている特別協定にも支出根拠はありません。支出根拠に関する認識を伺います。
 第二の提供施設整備費は、日米地位協定第二十四条二項を根拠とするものであり、その他の三項目、労務費、光熱水料費、訓練移転費、すなわちホスト・ネーション・サポートは特別協定によるものです。
 日米地位協定締結時に、提供施設整備費を日本側の負担とした経緯及び理由、並びにそのとき負担対象としなかった労務費、光熱水料費、訓練移転費を特別協定によって日本側の負担とした経緯及び理由についてお答えください。
 次に、規模についてです。
 五経費の合計は、一九七八年度の六十二億円から始まり、一九九九年度の二千七百五十六億円がピークであり、二十一年間で四十四・五倍になりました。ちなみに、その間の本予算は二・四倍です。その後、二〇一四年度に一千八百四十八億円まで減少し、最近はまた増加傾向となり、二〇二一年度は二千十七億円を計上しています。こうした経過及びその背景について伺います。
 一方、ホスト・ネーション・サポート三経費は、一九八七年度の百六十五億円から始まり、一九九九年度に千五百四十三億円のピークとなり、以後、若干減少した後に再び増加し、二〇二一年度はピーク並みの千五百三十八億円になっています。スタートから十二年間で九・四倍になりましたが、その間の本予算はやはり二・四倍です。こうした経過及びその背景について伺います。
 外務大臣に伺います。
 審議対象となっている特別協定案は現行の一年延長であり、今年中に再び交渉が始まります。二月四日の新聞報道において、外務省関係者の発言として、二二年度以降分は議論する用意があると記されていますが、事実関係と外務大臣としての認識をお答えください。
 防衛省の試算によれば、二〇一五年度時点で駐留米軍経費の日本側負担割合は八六・四%になっています。第二次世界大戦に関して日本と同様の過去を有するドイツ、イタリアを含め、駐留米軍を擁する各国の負担割合はどの程度でしょうか。また、日本の負担割合はそれら諸国よりかなり高いと想定されますが、その理由について防衛大臣に伺います。
 日米同盟が我が国の安全保障にとって有効に機能するためには、駐留米軍に対する国民感情が良好であることが必要です。
 二〇一八年に沖縄県が独自にドイツやイタリアの実情を調査し、駐留米軍に対しても国内法適用が原則となっていることを確認しました。沖縄県の調査に敬意を表します。
 一方、外務省のホームページには、長年にわたって、駐留外国軍に対して国内法が適用されないのは国際法の常識という趣旨の内容が記されていました。そのことに関して国会で本格的に議論しようとしたやさきの二〇一九年一月、外務省のホームページからその記述が削除されました。一歩前進ですが、実態は変わっていません。
 そこで、伺います。
 駐留外国軍に対して原則として国内法の適用が及ぶというのが国際法の定めであり、日本政府もそのような理解であるか否か、外務大臣に伺います。
 最近の米軍ヘリの都心上空低空飛行問題はこのことに起因します。駐留米軍には日本の航空法が適用されないため、危険な低空飛行が行われています。
 横田等の米軍基地と米軍六本木ヘリポートの間を飛行するパトリオットエクスプレス等の米軍機の飛行空域を保全するために、東京五輪を念頭に置いた民間機の羽田新ルートの空港への進入角度が急勾配に設定され、その危険性についてパイロットや国際民間航空組織から警鐘が鳴らされていたものの、昨年三月二十九日から羽田新ルートの運用がスタートしました。開始直前の昨年三月二十四日、財政金融委員会においてその危険性を当時の安倍首相にお伝えしたところ、新ルート開始のことや問題点を明確には認識していませんでした。
 横田空域やパトリオットエクスプレスの航路の見直しが直ちには困難ということであれば、コロナ禍によって入国者数も航空便も少ない中、東京五輪の外国人観光客断念も決定されたことでもあり、せめて羽田新ルートを一時凍結してはどうでしょうか。
 国交大臣に、羽田新ルート設営の背景、進入角度が急勾配に設定された背景及び一時凍結に関する所見を伺います。
 万が一にも事故が起き、駐留米軍に対する国民感情を害すれば、結局は日本の安全保障を害することになります。ホスト・ネーション・サポートに対する国民の理解を得るためにも、日米地位協定や羽田新ルートなどに関して具体的で現実的な努力をするべきであることを申し述べて、質問といたします。(拍手)
   〔国務大臣茂木敏充君登壇、拍手〕

#19
○国務大臣(茂木敏充君) 大塚議員から、日米2プラス2における尖閣諸島への日米安保条約第五条の適用に関するやり取り及び尖閣諸島に関する米国の認識についてお尋ねがありました。
 我が国及び米国は、日米安全保障条約第五条に基づき、我が国の施政の下にある領域におけるいずれか一方に対する武力攻撃が発生した場合、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処することとなります。
 その上で、米国とは様々な協議、累次の機会に、その日米安全保障条約第五条が尖閣諸島にも適用されることや、日米安全保障条約の下での米国の条約上の義務へのコミットメントを確認してきています。先週行われた日米2プラス2においても、尖閣諸島に対する日米安全保障条約第五条の適用を再確認するとともに、尖閣諸島に対する日本の施政を損なおうとする一方的な行動に引き続き反対することを確認しました。
 また、米国政府は、尖閣諸島に関する日本の立場を十分に理解し、尖閣諸島をめぐる情勢について、我が国の側に立って緊密に連携していくとの立場であり、こうした立場に何ら変更はないものと理解をいたしております。
 次に、先日の米中会談及び米韓2プラス2の共同声明についてお尋ねがありました。
 まず、先週の東京での私とブリンケン国務長官との会談において、対中認識について十分すり合わせを行い、地域や国際社会が直面する諸課題について緊密に連携していくことで一致をしています。
 米国との様々なやり取りの詳細については差し控えますが、米中会談について、米国側から、新疆ウイグル自治区、香港、台湾、米国へのサイバー攻撃、同盟国への経済的制裁など、中国の行動に対する懸念を伝達したと承知をしています。その際、日米外相会談や2プラス2で確認した日米、そして基本的価値を共有する同志国の考えや懸念についても中国側に明確に伝わったと考えております。
 また、米韓2プラス2について、第三国間の共同声明にコメントすることは差し控えますが、日米2プラス2でも確認したとおり、日米韓の三か国協力は、インド太平洋地域の安全、平和、繁栄にとって不可欠であり、北朝鮮への対応を始め地域の安定のために引き続き日米韓で連携をしてまいります。
 二〇二二年度以降のHNSに係る交渉についてでありますが、今般、日米両政府は、二〇二二年四月一日以降の新たな複数年度の特別協定の合意に向けて交渉を継続していくことを確認しています。その交渉の内容や進め方についての報道の一つ一つに対するコメントは差し控えます。
 いずれにしても、一層厳しさを増す地域の安全保障環境や我が国の厳しい財政状況等を踏まえ、HNSが適切な内容、水準のものとなるよう対応していく考えであります。
 最後に、駐留外国軍に対する国内法の適用についてでありますが、正確に申し上げますと三つのポイントがあります。
 まず第一に、一般に、国家はその領域内で主権を有しており、その領域内にある者には外国人を含め属地的にその国の法令が適用されます。
 第二に、一般的に、受入れ国の同意を得て当該受入れ国内にある外国軍隊及びその構成員等は受入れ国の法令を遵守する義務を負いますが、その滞在目的の範囲内で行う公務については、受入れ国の法令の執行や裁判権等から免除されると考えられています。こうした基本的な考え方は、国際的に広く共有されていると理解をしております。
 そして、第三に、派遣国と受入れ国との間で外国軍隊の活動がその滞在目的に沿った形で問題なく行われるように、個々の事情を踏まえ、受入れ国の法令の適用について具体的な調整を行うため、地位協定を含む個別の取組が結ばれることが一般的であります。
 今御説明申し上げましたような中で、外国軍隊に対する受入れ国の法令の適用について調整が行われることになります。(拍手)
   〔国務大臣岸信夫君登壇、拍手〕

#20
○国務大臣(岸信夫君) 大塚議員にお答えをいたします。
 まず、尖閣諸島防衛に係る日米共同訓練についてお尋ねがありました。
 御指摘の番組で、私の発言は、島嶼防衛、島嶼部の防衛に係る訓練を実施する必要について、尖閣諸島に限定することなく述べたものであります。
 その上で、日米共同訓練については、先般の日米防衛相会談において、日米同盟の抑止力、対処力を高めるためにはより高度な訓練等を通じて自衛隊と米軍の双方が即応性を強化していくことが重要であるということで一致したところであります。
 自衛隊と米軍は、これまで尖閣諸島周辺を含む南西諸島において共同訓練を多数実施してきております。今後も、引き続き各種共同訓練を着実に積み重ね、日米同盟の抑止力、対処力を不断に強化するとともに、日米が共に行動している姿を示していきたいと考えております。
 次に、基地従業員対策等及び提供施設整備費の日本側負担の開始理由についてお尋ねがありました。
 お尋ねの経費について、一九七〇年代半ばからの我が国の物価、賃金の高騰や国際経済情勢の変動により、在日米軍の駐留に関して米国が財政上の困難に直面していること等を勘案し、在日米軍の円滑かつ効果的な運用及び雇用の安定を確保するため、昭和五十三年度から基地従業員対策等を、また、昭和五十四年度から提供施設整備費を日米地位協定の範囲内で負担してきているものであります。
 次に、特別協定に基づく労務費、光熱水料及び訓練移転費等の負担開始理由についてお尋ねがありました。
 各種手当や基本給等の労務費については、日米を取り巻く経済状況の変化により、労務費が急速に、急激に増加して従業員の雇用の安定が損なわれ、ひいては在日米軍の活動にも影響を及ぼすおそれが生じたことから、昭和六十二年度から負担してきています。
 また、光熱水料等については、米軍の駐留を維持していく上で必要なものであり、米軍の効果的な活動の基盤の確保に大きく寄与するものとして平成三年度から負担をしてきています。
 訓練移転費については、日本側の要請による米軍の訓練の移転に伴う追加的経費を我が国が負担することによって、これらの訓練の移転を円滑にし、米軍の訓練が周辺地域住民の生活環境に与える影響をできる限り軽減するため、平成八年度から負担してきています。
 次に、基地従業員対策等の支出根拠についてお尋ねがありました。
 我が国は、昭和五十三年度から在日米軍従業員の福利費等を、また、昭和五十四年度から国家公務員の給与条件に相当する部分を超える格差給、語学手当及び退職手当の一部を負担してきました。
 これらの経費については、昭和五十三年当時、我が国の物価、賃金の高騰や国際経済情勢の変動により、在日米軍の駐留に関して米国が財政上の困難に直面していたこと、日米地位協定上米側に負担義務のある合衆国軍隊を維持することに伴う経費に該当しない経費であり、在日米軍従業員の安定的な雇用の維持を図り、もって在日米軍の円滑かつ効果的な活動を確保するためには我が国が負担する必要があること等を踏まえ、日米地位協定の範囲内で負担することとしたものであります。
 次に、提供施設整備費、労務費、光熱水料等、訓練移転費の負担経緯についてお尋ねがありました。
 提供施設整備費は、一九七〇年代半ばからの我が国の物価、賃金の高騰や国際経済情勢の変動により、在日米軍の駐留に関して米国が財政上の困難に直面していること等を勘案し、在日米軍の安定、円滑かつ効果的な運用を確保するとの観点から、日米地位協定第二十四条の二に基づき、昭和五十四年度から、日本側の負担で施設を整備し米側に提供してきています。
 各種手当や基本給等の労務費、光熱水料等及び訓練移転費については、日米安保体制に不可欠な在日米軍の円滑かつ効果的な運用を確保するため、その時々の日米両国を取り巻く諸情勢、雇用の安定等を総合的に勘案した上で、日米地位協定による米側に負担義務がある経費の一部を、同協定の特則である特別協定を締結して負担してきています。
 次に、在日米軍駐留経費増減の経緯及び背景についてお尋ねがありました。
 それぞれの経費の負担開始理由については先ほど述べたとおりでありますが、我が国のこれまでのHNSの負担規模については、在日米軍の円滑かつ効果的な運用を支えるHNSが重要である点を踏まえた上で、日米両国を取り巻く経済情勢の変化、その時々の我が国の財政状況や我が国を取り巻く安全保障環境等の各種要素を考慮しつつ、日米間で交渉し決定してきているものです。
 最後に、各国における駐留経費負担割合と我が国の負担割合の比較についてお尋ねがありました。
 他国における米軍の駐留経費負担に関し、詳細を申し上げる立場にありません。
 また、各国が負担している米軍駐留経費の内容や規模については、各国を取り巻く安全保障環境やその中での駐留米軍の役割等、種々の要因を総合的に勘案しているものであり、また、国によって経費の範囲をどのように捉えているかに違いがあることから、単純な比較及び評価は困難であります。(拍手)
   〔国務大臣赤羽一嘉君登壇、拍手〕

#21
○国務大臣(赤羽一嘉君) 大塚耕平議員から、羽田新飛行経路について三点お尋ねがございました。
 まず、第一点目の新経路設営の背景についてお答えさせていただきます。
 昨年三月二十九日から運用を開始いたしました羽田空港の新飛行経路につきましては、主に二つの背景から導入されたものでございます。
 第一に、我が国の国際競争力の強化等の観点から首都圏空港の機能強化は必要不可欠であり、平成二十五年から学識経験者、専門家らを交えて議論を行った結果、羽田空港の更なる発着容量の拡大のためには、新飛行経路の導入が最善かつ唯一の方策と位置付けられたものでございます。
 第二に、従来の経路では千葉県上空を航空機が飛行しておりましたが、千葉県及び関係市町からは、この騒音影響の軽減について継続的に要望をいただいてきたところでございます。東京都を含めた首都圏全体で騒音負担の共有を図る必要があったところでございます。
 次に、新飛行経路における降下角引上げの理由についてお答えさせていただきます。
 新経路につきましては、平成二十七年以降、延べ百三十六会場において住民説明会を開催してまいりました。その中で、住民の皆様から騒音影響を軽減してほしいとの強い御意見、御要望があったことを受けまして、着陸地点を海側に移設することによる飛行高度の引上げや低騒音機の導入促進などの騒音対策に加え、降下角の引上げによる飛行高度の引上げを実施しているところでございます。
 議員御指摘の安全面につきましては、運用開始前に三・四五度超で進入後、三度で着陸する二段階進入も可能であることなど、運航上の留意点につきまして外国航空会社を含む各航空会社に説明会等により周知を行い、安全運航に万全を期しております。
 さらに、昨年三月、新飛行経路を実際に飛行したパイロットから直接ヒアリングを実施いたしました。パイロットからは降下角の引上げ自体は技術的に困難ではなく、安全上問題なく運航できていることを確認させていただきました。実際に、これまでの運用面においても安全上問題があるような事例があったとは承知をしておりません。
 最後に、新飛行経路の一時凍結についてお答えさせていただきます。
 現下のコロナによる影響のため、国内航空、国際航空共に大幅な減便が生じておりますが、羽田空港の新飛行経路は、将来的な航空需要の拡大を見据え、我が国の国際競争力の強化並びにかねてよりの懸案事項でありました千葉県への騒音軽減等の観点から導入したものであり、引き続き運用していく必要があると考えております。
 他方、本件につきましては、地元の地方議員の皆様からの強い要望もあり、また、私自身の新飛行経路の固定化回避、騒音軽減の問題意識から、航空機や航空管制の技術革新も新飛行経路の導入を提案した平成二十六年当時に比べ進展している点を踏まえ、新飛行経路の固定化回避、騒音軽減のための技術的選択肢を改めて検討したいと考え、昨年六月より有識者及びパイロットの方々にも参画をいただきながら、羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会を立ち上げて御議論をいただいているところであります。引き続き検討をしっかり進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
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#22
○議長(山東昭子君) 井上哲士さん。
   〔井上哲士君登壇、拍手〕

#23
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 会派を代表して、在日米軍駐留経費負担特別協定、思いやり予算特別協定の改正議定書について質問します。
 まず、外務大臣にお聞きします。
 本議定書は、在日米軍駐留経費の日本の負担を定める現行の特別協定を一年間延長しようとするもので、政府は、延長を前提として二一年度予算案に二千十七億円を計上しました。
 バイデン政権の発足後、二月に、日本政府から一年の暫定延長を提案して米国政府と合意に至ったとされますが、内容の見直しをせず暫定延長を提案したのはなぜか、説明を求めます。
 日米地位協定二十四条は、在日米軍の維持に伴う経費は米国が全て負担することを定めており、日本に負担義務はありません。にもかかわらず、政府は、一九八七年、米国の財政悪化を理由に特別協定を締結しました。以来、当初五年限りで、暫定的、特例的、限定的な負担だと説明していたにもかかわらず、協定、改正議定書の締結を繰り返してきました。日本の負担総額は、来年度予算案計上分を含め、実に八兆円近くに達します。
 日米地位協定の経費負担の原則から逸脱した巨額な負担を常態化させてきたと言わなければなりません。その認識はありますか。
 特別協定のために持ち出された理屈は崩れています。交渉に携わった防衛省幹部も、協定は、米国の財政状況が悪化し、円高も進んだ際の特例だったはず、いつの間にか恒常化し、廃止を口にしなくなったと述べたと報じられました。
 日米両国の財政状況はどう変化してきたと認識していますか。主要国において対GDP比で突出した累積債務を抱える日本の財政状況を見れば、特例として協定を維持する根拠はなくなっているのではありませんか。答弁を求めます。
 現行協定の承認案が国会提出される前の二〇一五年十二月、財政制度審議会は在日米軍駐留経費について、聖域視することなく見直しを行い、その縮減を図る必要があると指摘していました。ところが、協定は縮減どころか日本の駐留経費負担の総額をその前の五年間に比べ一・四%、百三十三億円増やす九千四百六十億円とし、労務費の負担人数は過去最高の二万三千百七十八人に拡大させたのです。
 この現行協定を何ら見直しもせずに一年延長し、さらに次期協定の交渉をするというのは、政府は、思いやり予算を財政規律の対象外に置き、聖域視していることにほかならないのではありませんか。
 以上、茂木外務大臣の答弁を求めます。
 次に、防衛大臣にお聞きします。
 防衛省は、二〇一五年の日本の負担率は八六・四%であると二〇一七年に明らかにしましたが、同じ基準で計算した現在の負担率を示していただきたい。
 岸防衛大臣は、衆議院の質疑において、日米の負担割合については、米軍の駐留に伴い必要となる経費の範囲の捉え方が日米間で異なること等から一概に算定し得るものではないと述べ、米側負担の金額も日米の負担率も示しませんでした。これは、現に巨額の負担をしている国民に対する当然の説明責任を放棄するものであり、余りにも無責任です。経費の範囲の捉え方が具体的にどう日米で異なっているのか、責任ある数字を示していただきたい。
 日本は、思いやり予算のほかにも、米軍再編経費、SACO関係経費等を支払っています。それらの負担の総額は幾らになりますか。世界の米国の同盟国の中で、米軍の駐留のために日本以上の経費負担をしている国がありますか。
 以上、岸防衛大臣の答弁を求めます。
 次に、中国による海警法施行について伺います。
 同法は、中国周辺の極めて広い海域を管轄海域とし、武器使用を含む強制措置を可能にするものです。沿岸各国に認められる権限を厳密に規定し、海の紛争の平和的解決を定めた国連海洋法条約を始めとする国際法に違反することは明らかです。
 日本共産党は、中国の覇権主義的行動をエスカレートさせる同法の施行に強く抗議するとともに、その撤回を求めるものであります。
 岸防衛大臣は、十六日の日米防衛相会談で、中国海警法について、国際法との整合性に問題のある規定を含むものとの認識を示しました。具体的に同法の規定のどの点が国際法と整合しないと考えるのか、国際法違反の立法と認識しているのか、見解を明らかにしていただきたい。
 国連海洋法条約にもあるとおり、関係国には紛争を平和的に解決することが求められています。政府はこの立場に立ち、中国海警法が国際法違反との立場を明確にした上で、軍事的対抗ではなく、外交交渉により、中国政府に撤回を求めるべきです。外務大臣の答弁を求めます。
 日米安全保障協議委員会、2プラス2会合について伺います。
 十六日に出された共同発表には、日本は国防及び同盟の強化に向け、自らの能力を向上させる決意を表明すると明記されました。なぜ日本側のみが決意を示すこととなったのか、米側から要求があったのか、日本は具体的に何をするのか、防衛大臣の説明を求めます。
 会合に先立つ今月三日、米国のバイデン大統領は、日本などとの同盟関係の強化を優先事項として、インド太平洋地域の戦力強化を図る方針を示しました。続く十日、国防総省高官は米議会に戦略を説明する書面を提出しました。それによれば、米国は中国との新たな大国間競争の時代の中にあり、同盟国と協力して、より抗堪性があり、分散した部隊態勢を確立し、領土を防衛し抑止力を維持するのに必要な相互運用性のある能力の提供に取り組みつつあると述べています。さらに、共通の防衛の責任を分担する新たな機会を追求するとしています。
 共同発表の決意表明は、結局、米国の要求に応じて役割を果たすという表明そのものではありませんか。同盟強化といいますが、その中身は、防衛費を更に増大させる米国製兵器の購入、米軍基地の強化や駐留経費負担の増額を米国から迫られるのではないですか。そうしたことに応じないと断言できますか。岸大臣の答弁を求めます。
 米国が長期に及ぶとする米中の大国間競争に巻き込まれ、独自の外交を損なうおそれについてどう考えるのか、茂木大臣の答弁を求めます。
 米国の戦略に付き従い、軍備の拡張を始めとする軍事対軍事のエスカレーションを招いて、地域の緊張を高めるようなことは行わないよう強く求めます。
 次に、英国の核兵器増強への対応です。
 英国は、三月十六日、外交・安保政策の統合レビューの中で、安全保障環境への対応を理由に、保有核弾頭の上限を百八十発から二百六十発に引き上げることを発表しました。英国の核増強は、核保有国に対して核軍縮を義務付けたNPT第六条と、過去のNPT再検討会議で採択をされた核軍縮を履行するとの明確な約束の合意に対する重大な違反です。核兵器のない世界の実現を妨げ、核の脅威を増大させるものであり、決して許されるものではありません。
 茂木大臣は、先日の予算委員会で、事実関係を把握した上で検討したいとするのみでした。検討した上で容認することもあり得るというのですか。日本政府は、唯一の戦争被爆国の政府として明確に撤回を求めるべきではないですか。いかなる核兵器国の増強にも反対して、核軍縮を迫る立場に改めるべきです。
 以上、茂木大臣の答弁を求めます。
 改めて、核兵器禁止条約への参加を強く求めて、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣茂木敏充君登壇、拍手〕

#24
○国務大臣(茂木敏充君) 井上議員から、協定が一年延長された理由及び今後の交渉について、そして、日本側負担の水準及び日本の財政状況の中で協定を維持する理由についてお尋ねがありました。
 今回は、交渉に割くことのできる時間が大きく制約されたこともあり、交渉の早期妥結を目指して米側と協議を行った結果、現行の特別協定を改正し、その有効期限を一年間延長することにつき、米国政府との間で意見の一致を見ました。
 バイデン政権発足後のこの早いタイミングで必要な合意に至ることができたことは、日米同盟の結束に対する両国の強いコミットメントを示すとともに、日米同盟の信頼性を高め、それを国際社会に発信するものだと高く評価しています。
 その上で、日米の負担割合を論じる前に、まずは、我が国の平和と安全を確保する上で、日米でいかなる役割、任務の分担をしていくか、また、その下で我が国の負担規模が適切か否かを考えることが大事だと考えています。
 そして、我が国のホスト・ネーション・サポートの負担規模については、在日米軍の円滑かつ効果的な運用を支えるホスト・ネーション・サポートは引き続き重要である点を踏まえた上で、御指摘の我が国の厳しい財政状況や我が国を取り巻く安全保障環境等の各種要素を総合的に考慮し、主体的に判断し、今後もHNSが適切な内容、水準となるよう対応していく考えであります。
 次に、中国の海警法についてお尋ねがありました。
 中国海警船舶が累次にわたり尖閣諸島周辺の我が国領海に侵入し、日本漁船に接近しようとする動きを見せていることは誠に遺憾であり、断じて容認できません。尖閣諸島周辺の我が国領海内で独自の主張をする海警船舶の活動は、そもそも国際法違反であり、中国側に厳重に抗議しています。
 力による一方的な現状変更の試みは断じて認められません。特に、中国が東シナ海、南シナ海において一方的な現状変更の試みを継続する中、先般施行された海警法については、国際法との整合性の観点から問題がある規定を含んでおり、我が国を含む関係国の正当な権益を損なうことがあってはならないと考えています。こうした我が国の深刻な懸念を中国側に対し、引き続きしっかりと伝えていきます。
 また、同盟国である米国及び有志国との連携強化は重要であり、米国を始めとするG7やASEAN諸国を含む国際社会と連携して、力による現状変更の試みに強く反対していきます。
 我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くとの決意の下、主張すべきは主張し、今後とも冷静かつ毅然と対処してまいります。
 日米2プラス2の成果を踏まえた米中関係と今後の日本外交についてお尋ねがありました。
 今回の日米2プラス2では、中国を始めとする地域の戦略環境や日米同盟の抑止力、対処力の強化に向けた方針につき、日米の外務・防衛閣僚がじっくりと意見交換を行いました。共同発表、注目をしていただいたと思いますが、会合の成果を文書としてまとめたものであります。我が国は、こうした取組を通じて強固な日米同盟を内外に発信しつつ、自らの国益に照らして外交活動を展開してまいります。
 新型コロナの世界的な感染拡大により、国際協調の重要性は高まっており、世界第一位、第二位の経済大国である米中両国の関係の安定は、国際社会にとっても重要であります。米中間では様々な分野で意見の対立が見られますが、ポストコロナの世界を見据え、多国間主義を尊重し、安全保障面でも経済面でも、自由で公正な秩序、ルールの構築に向けて日本がより一層主導的な役割を果たすことこそ、日本外交の目指す確かな方向であると考えます。
 今後とも、我が国としては、同盟国たる米国との強固な信頼関係の下、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取組を含め、様々な協力を進めつつ、中国に対しても、大国としての責任を果たしていくよう引き続き働きかけてまいります。
 最後に、英国による保有核弾頭数の上限引上げの件についてお尋ねがありました。
 英国は、今回の変更の背景として、一部の国において核兵器の著しい増強、多様化が進められ、新たな技術の開発や核ドクトリンの脅威が高まっていることなど、安全保障環境が変化しているとの認識を示しています。
 また、自国及びNATO同盟国のために最小限必要な核抑止力を確保するためにも保有核弾頭数の上限を引き上げる方針となったと説明しており、今後も、国際安全保障環境や潜在的な敵対国の活動を踏まえ、核態勢を継続的に見直すとも表明しております。
 同時に、英国は、核兵器のない世界という長期的な目標に引き続きコミットしている旨明らかにしています。また、核軍縮を含むあらゆる側面においてNPTの完全な履行に強くコミットし、核兵器国としての責任を真剣に受け止めている旨述べております。
 我が国としては、これまで述べているとおり、NPTの規定に従って、関係国に対して一層の核軍縮努力を促してまいります。(拍手)
   〔国務大臣岸信夫君登壇、拍手〕

#25
○国務大臣(岸信夫君) 井上議員にお答えをいたします。
 まず、在日米軍駐留経費における日本の現在の負担割合についてお尋ねがありました。
 在日米軍駐留経費負担の日米の負担割合に関し、米軍の駐留に伴い必要となる経費の範囲については様々な捉え方があることなどから、一概に算定し得るものではありません。
 その上で、御指摘の数値は、平成二十八年当時に要求のあった議員のお考えに沿って、機械的に、在日米軍関係経費として日本側が負担している項目のみを捉えて、日本側の負担割合を日本側が把握している範囲で単に試算として数値化したものであり、そのほかの米側のみが支払っている経費を含めた在日米軍の駐留に伴い必要となる経費全体の日米の負担割合を示すものではありません。
 したがって、在日米軍関係経費として日本側が負担する経費項目のみを捉えて日本側の負担割合を数値化することは適当でないことからして、御指摘の数値と同様の算出方法で現在の数値をお示しすることは差し控えます。
 次に、日米の負担割合に関する説明責任についてお尋ねがありました。
 日米の負担割合については、米軍の駐留に伴い必要となる経費の範囲の捉え方が日米間で異なること等から、一概に算定し得るものではありません。
 HNSについては、日米の負担割合を論じる前に、まずは、我が国の平和と安全を確保する上で、日米でいかなる役割、任務の分担をしていくか、また、その下で我が国の負担規模が適切か否かを考えることが重要であります。
 その上で、我が国のHNSの負担規模については、在日米軍の円滑かつ効果的な運用を支えるHNSは引き続き重要である点を踏まえた上で、我が国の厳しい財政状況や我が国を取り巻く安全保障環境等の各種要素を総合的に考慮し、主体的に判断しています。
 次に、米軍再編関係経費及びSACO関係経費等を含めた負担の総額についてお尋ねがありました。
 令和三年度予算案において防衛省で計上している在日米軍関係経費は、在日米軍駐留経費負担の約二千十七億円のほか、周辺対策や施設の借料等として約千九百九十三億円、SACO関係経費として約百四十四億円、米軍再編関係経費として約二千四十四億円であり、全体で約六千百九十八億円となります。
 次に、他国の米軍駐留経費負担についてお尋ねがありました。
 他国における米軍の駐留経費負担に関し、詳細を申し上げる立場にはありません。
 また、各国が負担している米軍駐留経費の内容や規模については、各国を取り巻く安全保障環境やその中での駐留米軍の役割等、種々の要素を総合的に勘案しているものであり、また、国によって経費の範囲をどのように捉えているかに違いがあることから、単純な比較及び評価は困難であります。
 次に、中国海警法の国際法との整合性についてお尋ねがありました。
 海警法については、曖昧な適用海域や武器使用権限など、国際法との整合性の観点から問題ある規定を含むと考えています。
 例えば、海警法第三条は、中国の管轄海域及びその上空において本法を適用する旨規定していますが、この管轄海域の範囲が不明確です。仮に中国が主権や管轄権を有さない海域において海警法を執行すれば、国際法に違反すると考えております。
 また、海警法第二十一条は、中国の管轄海域における外国軍艦、公船による中国の法令違反行為に対して法執行業務を行う旨規定し、また、外国軍艦、公船に対して強制的退去、強制引き離し等の措置を講じる権利を有する旨規定していますが、国際法上、一般に、軍艦及び公船は執行管轄権からの免除を享有しており、海警法が軍艦、公船が享有する免除を侵害する形で運用される場合、国際法に違反すると考えております。
 こうした中で、我が国を含む関係国の正当な権益を損なうことがあってはならず、中国海警法により、東シナ海や南シナ海などの海域において緊張を高めることになることは全く受け入れられません。こうした我が国の強い懸念を中国側に対し、引き続きしっかり伝えてまいります。
 いずれにせよ、防衛省・自衛隊としては、あらゆる事態に適切に対応し、国民の生命、財産及び領土、領海、領空を断固として守り抜くため、引き続き万全を期してまいります。
 次に、日米2プラス2共同発表についてお尋ねがありました。
 日米2プラス2共同発表においては、御指摘の内容に続けて、米国は核を含むあらゆる種類の米国の能力による日本の防衛に対する揺るぎないコミットメントを強調したと述べるなど、日米双方が考えや取組を述べ合うものとなっており、日本側のみが決意を示しているとの御指摘は当たりません。
 なお、政府としては、防衛計画の大綱でも述べられているように、日米同盟の一層の強化に当たっては、我が国が自らの防衛力を主体的、自主的に強化していくことが必要不可欠の前提と考えております。
 今般の2プラス2では、厳しさを増す安全保障環境を踏まえ、日米同盟の役割、任務、能力に関する協議を通じ、日米の戦略、政策を緊密にすり合わせていくこと、宇宙、サイバーを含む領域横断的な協力を深化させること、拡大抑止を強化するための連携を強化すること、運用の即応性及び抑止態勢の維持の観点から実践的な演習及び訓練を行う必要性等を確認しました。
 今後、かかる分野を含む連携や能力の向上を通じ、日米同盟の抑止力、対処力の強化に努めてまいります。
 最後に、日米2プラス2共同発表と米国の要求についてお尋ねがありました。
 先ほども述べましたように、政府としては、防衛計画の大綱でも述べられているように、日米同盟の一層の強化に当たっては、我が国が自らの防衛力を主体的、自主的に強化していくことが不可欠の前提と考えており、共同発表が米国の要求に応じて役割を果たすとの表明であるとの御指摘は当たりません。
 また、我が国の防衛力を高め、日米同盟の抑止力、対処力を強化するためには、必要な装備品の調達等による防衛力整備、在日米軍の再編、在日米軍駐留経費負担を含む様々な取組を行っていく必要がありますが、これらの取組は、いずれも米国と協議しつつ、我が国として主体的に判断しているものであり、これらの取組を米国から迫られているとの御指摘は当たりません。(拍手)

#26
○議長(山東昭子君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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