くにさくロゴ
2021/05/18 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 国土交通委員会 第16号 令和3年5月18日
姉妹サイト
 
2021/05/18 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 国土交通委員会 第16号 令和3年5月18日

#1
令和三年五月十八日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     高橋 光男君     西田 実仁君
     芳賀 道也君     榛葉賀津也君
 五月十四日
  委員岩井茂樹君は議員を辞職した。
 五月十七日
    辞任         補欠選任
     西田 実仁君     安江 伸夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         江崎  孝君
    理 事
                足立 敏之君
                大野 泰正君
                青木  愛君
                杉  久武君
                浜口  誠君
    委 員
                朝日健太郎君
                岩本 剛人君
                金子原二郎君
                清水 真人君
                鶴保 庸介君
                馬場 成志君
                牧野たかお君
                増子 輝彦君
                渡辺 猛之君
                熊谷 裕人君
                野田 国義君
                森屋  隆君
                竹内 真二君
                安江 伸夫君
                室井 邦彦君
                榛葉賀津也君
                武田 良介君
                木村 英子君
   国務大臣
       国土交通大臣   赤羽 一嘉君
   副大臣
       国土交通副大臣  渡辺 猛之君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       朝日健太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        林  浩之君
   政府参考人
       警察庁長官官房
       審議官      新田 慎二君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    宮崎 敦文君
       国土交通省大臣
       官房公共交通・
       物流政策審議官  久保田雅晴君
       国土交通省大臣
       官房土地政策審
       議官       里見  晋君
       国土交通省総合
       政策局長     石田  優君
       国土交通省不動
       産・建設経済局
       長        青木 由行君
       国土交通省都市
       局長       榊  真一君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        井上 智夫君
       国土交通省道路
       局長       吉岡 幹夫君
       国土交通省住宅
       局長       和田 信貴君
       国土交通省鉄道
       局長       上原  淳君
       国土交通省自動
       車局長      秡川 直也君
       国土交通省国際
       統括官      山上 範芳君
       観光庁長官    蒲生 篤実君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国土の整備、交通政策の推進等に関する調査
 (住宅・建築物の省エネルギー化に関する件)
 (運送事業における安全確保に関する件)
 (居心地が良く歩きたくなる空間づくりに関す
 る件)
 (地域観光事業支援に関する件)
 (リニア中央新幹線建設に関する件)
 (自動車運転者の長時間労働是正に関する件)
 (大深度地下工事の安全性に関する件)
 (踏切道における車椅子利用者の安全対策に関
 する件)
○住宅の質の向上及び円滑な取引環境の整備のた
 めの長期優良住宅の普及の促進に関する法律等
 の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ─────────────

#2
○委員長(江崎孝君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、高橋光男君及び芳賀道也君が委員を辞任され、その補欠として榛葉賀津也君及び安江伸夫君が選任されました。
 なお、去る十四日、岩井茂樹君の辞職に伴い、本委員会一名欠員となっております。
    ─────────────

#3
○委員長(江崎孝君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、警察庁長官官房審議官新田慎二君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(江崎孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(江崎孝君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#6
○清水真人君 自由民主党の清水真人です。質問の機会をいただきましたことに感謝を申し上げます。
 まず、カーボンニュートラルに向けた取組についてお伺いをいたします。
 四月に行われた日米首脳会談で、菅総理とバイデン大統領は、野心、脱炭素化及びクリーンエネルギーに関する日米気候パートナーシップを立ち上げることを発表しました。また、気候変動サミットにおいては、菅総理が、地球規模の課題に我が国としても大きく踏み出すということで、二〇五〇年のカーボンニュートラルと、また、我が国の二〇三〇年度においての温室効果ガス、二〇一三年度から四六%削減することを目指すということを発言されたところであります。
 全体から見た削減総量はかなり少ない分野であっても今後様々な取組を進めていかねば、この野心的目標はとてもではありませんが達成することはできないと思っております。そのための一つの取組として、住まいや生活サービス機能など都市の機能を町中へ誘導、都市を集約化し、自動車の移動距離の短縮、公共交通の再構築、利用、またモビリティーを使わないなどによってCO2排出削減の一助とするコンパクト・プラス・ネットワークがあります。
 現在、改正の都市再生特別措置法において立地適正化計画制度が創設をされているところでありますが、現在までのこの計画策定の市町村の状況と今後の目標についてお伺いをいたします。

#7
○政府参考人(榊真一君) お答えを申し上げます。
 人口減少や高齢化が進む中、地域の活力の維持や福祉、医療等の生活機能、公共交通が確保され、高齢者等にとっても安心して暮らせるコンパクト・プラス・ネットワークの取組を進めるため、平成二十六年に都市再生特別措置法を改正し、立地適正化計画制度を創設いたしました。現在までに約三百八十の都市でこの計画は作成され、計画に基づく取組が着実に進められているところであります。
 今後の目標といたしましては、令和六年度末までに六百の都市での計画の作成を目指しております。

#8
○清水真人君 現在、六百までを目指しているということであります。恐らく、都市計画等々をやっているところだと千を超える自治体が全国にあると思いますが、やはり国交省からいただいた資料でも、読んでみて分かったんですが、例えば、私の住む前橋市、そして高知市がほぼ面積が同じ、人口もほぼ三十数万で一緒ということですが、人口密度が高知市の方が一・五倍あると、運輸部門の一人当たりのCO2排出量が前橋の方が一・四倍も高いということで、都市がどれぐらいコンパクトにしているかによって大きくこの排出量も変わってくるということなんだろうと思います。
 こうした計画を自治体がしっかりと進めていっていただいて、この計画自体は、CO2排出だけじゃなくて、やはり少子高齢化で人口が減っていく中で都市をコンパクトにしていくことで、医療分野だとか様々な分野でも役立っていくことだと思いますので、しっかりと進めていっていただきたいと思います。
 そして、そうした都市にやはりしっかりと省エネの住宅を造っていくということも大変重要なんだろうというふうに思っております。
 国内のCO2の排出量を産業別で見ますと、建設業自体は約〇・六%ということでありますが、部門別で見ると、住宅や建築物は、建てる際、住むとき、利用しているとき、そして廃棄時にもCO2が排出されることから、建築物を含む民生部門は排出全体の約三分の一を占めているということであります。
 このことからも、建物、建築物、住宅の省エネ化は必須でありまして、例えばZEHであります。ZEHというのは、エネルギー収支をゼロにする、ネット・エネルギー・ゼロ・ハウスでありますけれども、こうしたものや、建設、運用、廃棄時にできるだけ省CO2を行って、ライフサイクルを通じて収支をマイナスにするライフサイクルカーボンマイナス住宅等の省エネルギー性能を持った住宅の供給を特殊な環境下でない限り行っていくということが、進めていくということが大切であるというふうに思っております。
 政府は、ZEHの目標として、二〇三〇年度までに建て売り、集合住宅を含む新築住宅の平均でZEHを目指すという目標を掲げているところでありますが、まず、現状についてお伺いをいたします。

#9
○政府参考人(和田信貴君) 委員御指摘のとおり、ZEHの目標につきましては、エネルギー基本計画において、二〇三〇年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目指すとされてございます。
 現在の進捗状況につきましては、二〇一九年度において、新築注文戸建て全体に占めるZEHの戸数は約二割となってございます。その内訳ですが、大手のハウスメーカーは約五割ということになっておりますが、一方で、中小の工務店につきましては約一割となってございまして、中小の工務店におけますZEHの推進ということを課題だと考えてございます。

#10
○清水真人君 大手で五割ということで、中小で一割ということで、先ほど話があったとおり、課題というのは中小が今後どのようにしてこのZEHを進めていくかということであろうかと思います。
 そこで、その現状に対して伺いたいと思いますが、まず、中小工務店等の施工に関して技術的なサポート、これを進めていかなければいけないんだろうというふうに思っております。
 また、いろいろ調べてみますと、ここ数年、新築住宅価格の年収倍率というものが極めて高くなっているということであります。一般的にZEHだとかこうしたものは割高になりやすいということで、営業を掛けても、予算的な面でZEH等を敬遠する方もいらっしゃるんだろうというふうに思います。
 そうしたことから、やはり一般の消費者、住宅を買っていただく方に、環境負荷低減についての消費者への意識啓発等の対策というものもしっかりと行っていかなければいけないんだろうというふうに思っておりますけれども、見解をお伺いいたします。

#11
○政府参考人(和田信貴君) ZEHにつきましては、国土交通省は中小工務店が連携して建築するZEH、こういったものの支援、そして、経済産業省は超高層の集合住宅、より高性能なZEH、こういったものについての支援、そして、一般的なZEHについては環境省が支援というふうに、それぞれの役割に応じて、連携して支援を行っております。
 ZEHの供給を進める上で、先ほども課題と申しましたが、中小工務店等の施工技術力の向上、こういったもの、あるいは委員御指摘のように、環境負荷低減について消費者への意識啓発、こういったものが必要であると考えてございます。
 技術力の向上につきましては、やはりどうしても実地により経験をするということが大事だと思っています、座学だけではなかなか身に付いていくものでないと思いますので。国土交通省におきましては、工務店等の技術力の向上に向けて、中小工務店等がグループを構成してZEH供給を行う取組に対して補助をしておりますが、こうした取組によって技術力の向上を今後更に支援していきたいと思っております。
 また、環境負荷の低減につきましては、先ほどのような役割分担の下で、環境省の方がまず政府全体をある意味代表しまして、住宅の省エネ、脱炭素化推進ということで、消費者への意識啓発のために高断熱、省エネ住宅への買換えやZEH化を呼びかける施策として、みんなでおうち快適化チャレンジなどを行ってございます。
 また、これに加えまして、ZEHのロードマップフォロー委員会、ここには経済産業省、国土交通省、環境省も一緒にオブザーバーとして入っておりますが、こういったところでZEHの更なる普及に向けた広報策として、ロゴマークを用いた動画とかCMを作成するなど、官民連携による広報活動に取り組むことを決めてございます。
 引き続き、関係省庁とも連携して、更なる消費者の意識啓発に努めていきたいと考えてございます。

#12
○清水真人君 しっかりと、まずは技術力の向上について実地でやっていただくということで、それを進めていただきたいと思いますし、それから、このZEHだけではないですけれども、一般的な住宅とか建築物に関してですが、最初にやはり省エネのものを入れておくのと後から改修して入れるとなると、やっぱりこれコストが全然違うということと、あと、例えば最初に入れたとしても、大きな例えばマンションみたいな集合住宅だと、それでも回収するのに十五年ぐらい掛かるというふうなことだったと思いますし、例えば普通の住宅でも三十年ぐらい掛かるということで、最初からやはり入れておくことが大切なんだろうというふうに思います。
 そうしたことができるようなそれぞれの企業の営業力というものも高めていかなければいけないと思いますし、そうしたサポートもしっかりしていっていただければというふうに思っております。
 今、ZEHの話をしてきましたが、実際には、新築住宅のほとんどがZEH以外の建物、これは最初の話でも出ました。そのことからも、ZEH以外の新築省エネ住宅について推進をしていかなければいけないんだろうというふうに思います。ただ、中小工務店や建築士においては、先ほどもちょっと話がありましたが、一次エネルギー消費や外皮性能に関する省エネ計算ができる割合は僅か五割、半分ぐらいだというアンケート結果であり、そして、住宅や非住宅建築物の省エネ適合の計算が可能と答えた割合も約半数といった状況であるということであります。
 そこで、新築住宅の省エネ対応を進めていくためには、中小工務店、建築士の習熟度、施工技術を高めていく対策というのを取っていかなければいけないと思いますが、その対策についてお伺いをいたします。

#13
○政府参考人(和田信貴君) 我が国の新築の戸建ての注文住宅、その四割は中小の事業者によって供給されてございます。このため、住宅における省エネ対策を進めていくためには、委員御指摘のとおり、中小事業者を始めとする関係事業者の技術力の向上を図っていく、このことが非常に大事でございます。
 先ほど委員の御指摘もございましたように、本年二月に国交省では中小事業者や建築士にアンケートを実施しましたところ、省エネの計算が可能あるいは仕様基準を用いて確認が可能と回答した事業者は約六割となってございます。更なる省エネ関連の技術力の向上ということが課題だと考えております。
 国交省としましては、これまでも、中小事業者や建築士を始めとする関係事業者が省エネ基準を満たす住宅の設計、施工が十分にできるよう、講習会等の実施を通じて技術力の向上に努めていたところでございますが、先ほど申し上げたようなZEHにかかわらず更なる省エネ対応を進めていくためには、やはり実地訓練というのが非常に大事になると思います。実地訓練も含め、関係事業者の技術力の向上にしっかりと取り組んでまいります。

#14
○清水真人君 四月一日から建築物省エネ法、これが動いているんだと思いますが、三百平米未満は説明義務ということであります。
 令和一年度で、一年で約八七%が省エネ基準適合の住宅だったというふうに思いますが、工務店さんも技術を上げていただいて、また施主さんにも理解を深めていただいて、省エネ基準に適合する住宅が一〇〇%になっていくことを期待をしているところであります。
 また、実際に、これが一番大事だと思うんですが、約五千万戸と言われる既存住宅、ストックですね、これに対する対応、これをどういうふうにしていくのかというのが今後の大きな課題なんだろうというふうに思っております。
 今、改修等でも省エネ適合するのが大体六十万戸ぐらい年間あるというような話だったというふうに思いますが、CO2削減をしていくということを考えると、やはり既存ストックへの対応についてしっかりと対応をしていかなければいけないと思いますので、ちょっとここ通告をしていないんですが、何かお考えがあればお伺いしたいんですけれども。

#15
○政府参考人(和田信貴君) おっしゃるように、既存ストックというのは数の上では圧倒的に多うございますし、ここがしっかりとエネルギー消費量が下がっていくということが全体としてはどうしても大きな、ボリュームという意味では大きな意味合いを占めてまいります。
 一方で、ずっと住んでいるお宅を省エネ改修をする、リフォームをするというのは、国民あるいは住んでいらっしゃる方にとって、非常になかなか腰が上げづらいものであるというのも、感覚としても、それから金銭的な負担としてもそういうものかと思っております。こういったところをこれからしっかり取り組んでいくためには、やはりまず、本当に断熱性能が低いようなもののところ、本当に低いところというのは、これは選択肢として改修だけでなく建て替えということも十分考えなきゃいけないと思います。
 また、それほどでないところについても、個々の状況に応じてフルスペックでしっかりと改修していただくということも大事なんだと思いますが、一方で、例えば窓だけでもしっかりやるとか、いろんな柔軟な方法を支援していくというようなことを考え方に持って、これから具体的に取り組んでいく必要があるかなと考えてございます。

#16
○清水真人君 確かに、既存の五千万戸と言われるようなストックに対して規制を掛けていくというのは、これは難しいし大変なことだと思います。ただ、やはり環境意識というのを高めていただいて、改修する際に積極的にそういったものを取り入れていただくような意識を持っていただいて、またそこに補助が付くような、そういった形を更に推し進めていっていただければ大変有り難いと、このように思っております。
 続いて、建築物の省エネについてお伺いをいたします。
 建物で消費をする一年間の一次エネルギーの収支をゼロから五〇%、そして、快適な建物内環境を維持しつつ運営というか建物を維持していくことのできるものをZEB、ゼロ・エネルギー・ビルディングというふうに言いますけれども、政府は、ZEHと同じように、二〇三〇年までに新建築物の平均でZEBを実現することを目標としているところであります。
 これはすばらしいことであろうというふうに思っていますが、実際には、ほぼ毎年、新築されるビルというのは全体の僅か一%でありまして、残りの九九%が既存の今あるビルであります。カーボンニュートラル、また削減目標を本気で目指していくためには、先ほどの住宅と同じで、この九九%への対応というのが大変重要であろうかと思っております。ZEBの割合がまだまだ少ない上に、改修ZEBというんですかね、リニューアルZEBというのか、こうしたものとなるとほとんど現在もないんだろうというふうに思います。ただ、建築分野での排出量を削減していくためには、これらの課題にしっかりと対応していかなければいけないというふうに思っております。
 そこで、政府として、まずZEBの推進、また建築物のZEB化、いわゆる改修するZEB化、そしてまたその他の省エネ改修、これがほとんどになると思いますけれども、これらについてどのように支援し進めていくおつもりなのか、お伺いをいたします。

#17
○政府参考人(和田信貴君) ZEBの整備や既存建築物のZEB化につきましては、まず、役割分担をそれぞれの省庁でしておりますが、経済産業省が先進的な技術の組合せによる大規模なZEB、環境省がその他の一般的なZEBについて支援を行っております。また、国土交通省は、省CO2推進に向けたモデル性、先導性の高いプロジェクトということで、ZEBに限らず支援を行っているところでございます。
 おっしゃるように、ZEBの推進、これは簡単なことではないと思いますけれども、ZEBあるいはその他のしっかりとした省エネ、こういったものの推進につきましては、まずは、国のみならず公共団体を含めて、公的な建築物において取組を進めることが重要だと考えております。
 また、今後のZEBの普及拡大あるいは既存ストックの省エネ改修の取組、こういったことを含めまして、住宅・建築物の省エネ対策の強化の在り方につきまして、経済産業省、環境省と三省合同で検討しているところでございます。その検討も踏まえて、効果的な支援となるよう必要な見直しを行いつつ、関係省庁連携して取り組んでいきたいと考えてございます。

#18
○清水真人君 三省が絡むということで、大変難しい課題の一つでもあろうと思いますが、しっかりと進めていただきたいと思います。
 住宅・建築物のカーボンニュートラルを目指していくためには、この分野の脱炭素、環境負荷低減について消費者である国民の皆様にも理解をしていただきながら、新築だけでなく住宅・建築物の既存ストックにおいても省エネ化を図っていくことが重要であると考えております。それは今までの議論のとおりであります。そのためには、我が国の全ての建物に関する中長期的な視点が必要であると考えております。
 そこで、今後の我が国の住宅、そして建築物のありようについてどのようにあるべきとお考えか、大臣の見解をお伺いいたします。

#19
○国務大臣(赤羽一嘉君) まず、住宅・建築物に関するカーボンニュートラルに関して丁寧な御質問をいただきましたこと、大変感謝を申し上げたいと思います。
 二〇五〇年カーボンニュートラルというのは大変野心的な高い目標でありますし、これをしっかり実現しようと、そういう宣言をした以上は、相当認識を変えていかなければ、事業者だけではなくて国民の皆様にも変えていただく努力をしなければいけないと。
 ですから、局長からもちょっと答弁させていただきましたが、やはりどうしても現状に引っ張られるというか、ハウスメーカーも大手はできるけれども中小工務店はなかなか難しいですとか、私有財産だから余り強くも言えないとか、そんなことを言っていたら、私は、個人的にはこの数字は実現できないと。私有財産であろうが何であろうが、やはりカーボンニュートラルという時代、何というかな、認識ができた以上は、個人の住宅でも地球環境に負荷を与えてはいけないんだという、そういう新しい概念を、しっかりと認識を社会的にも定着させなければいけないんじゃないかなと思います。
 ですから、そうしたことが世の中の常識にするということがあれば、しっかりとした、新築は当然のことながら省エネ基準をクリアする住宅が当たり前のことになるし、既存住宅についても、なかなか建て替えることは、全部が全部ということは無理にしても、部分的に省エネを変えていこうと、そのためには、サポートする支援策も国交省の責任としては講じていかなければいけないと、そうしたことになるのではないかと思います。
 やらない理由とかできない理由というのは幾つもあると思いますが、そうしたこれまでの流れをやっぱり断ち切って新しい時代に向かうんだというのが菅総理の宣言だったと思いますし、それは今の政権の新しい目標でやっていくわけですし、地球環境という意識は、私の個人的な認識ですけど、やっぱりヨーロッパ各国のCO2の排出削減に対する意識と我が国というのは、我が国はやっぱり弱いんではないかというふうに思っておりますので、ここの部分相当なシェアを占める国交省の所管、中でも住宅・建築物のところについては、これまでとは相当、ちょっと無理な決定になるかもしれませんけど、相当高いレベルを目指して新しいルールを作っていかなければいけないと、こう私は思っております。
 ただ、いきなりドラスチックにやるという以上は、そこに対するサポートの支援、補助事業等々、これはしっかり国交省の責任として対応しなければいけないと、こうした認識でございますが、相当難しい事業なので各党会派の皆様の御理解と御協力をお願いしたいと、こう思うわけでございます。

#20
○清水真人君 ありがとうございます。
 極めて野心的な思いを聞かせていただいたというふうに思います。私どももそれぞれの立場でしっかりと後押しできるように頑張ってまいりたいと、このように思っております。
 本日取り上げたほかにも、地域住宅のグリーン化事業だとか長期優良住宅化のリフォーム事業だとか、先ほどもちょっと触れたかもしれないですけど、サステナブル建築物等の先導事業だとか、いろんな補助を、多様な事業が環境省、経産省とともに国交省していただいていることも承知をしております。カーボンニュートラルに向けた取組を今後とも是非進めていっていただきたいというふうに思います。
 続いて、流域治水関連ですが、近年、気候変動の影響等により激甚化、頻発化する水害リスクの増大に備えるため、流域治水の転換を進めるべく、先般、法改正が行われたところであります。
 私の地元である群馬県においても、利根川と渡良瀬川に挟まれた県東南部、東毛地区というところでは、浸水被害が頻発をしているところから、関係者が一体となって流域治水対策に取り組んでいるところであります。とりわけ、大泉町、千代田町等を流れる、昨年も取り上げたんですが、休泊川では、令和元年の台風で八十戸以上の床上・床下浸水が発生するなど、近年、五年で三回と、浸水被害が頻発をしているところであります。
 昨年、新たな検討会を設置するというような答弁をいただいて、早速、県も中心になりながら、国と県、関係市町村が連携する協議会を設置していただいて、流域治水の考え方を取り入れた被害軽減対策の検討を進めていただいているということで、感謝をしたいと思います。
 この休泊川の抜本的な安全度向上を図るためには、まず、県が行う河川改修、そして、市町村が行う流域抑制対策のみならず、利根川の合流点にある国管理の排水機場のポンプの増設がやはり必要不可欠でありまして、早急にポンプ増設にも着手をしていただきたいと考えておりますが、現在の検討状況についてお伺いをいたします。

#21
○政府参考人(井上智夫君) お答え申し上げます。
 休泊川では、令和元年の東日本台風により、全体で八十戸を超える家屋浸水被害が発生しました。これは、流域に降った雨水が一気に流れ込み、休泊川の流下能力を上回ったこと、利根川との合流点で流下した洪水が休泊川排水機場の能力を上回ったことなど、複数の要因によるものです。
 こうした被害を踏まえ、休泊川流域全体の浸水被害を軽減するため、昨年十月に、河川管理者である群馬県が休泊川総合内水対策協議会を設置いたしました。この協議会において、群馬県による河川改修、それに合わせた国による排水機場の増強に加え、地元太田市、大泉町、千代田町による流出抑制対策など、関係者が一丸となって取り組むべき総合的な内水対策の事業内容や時期について検討を進めているところです。
 できるだけ早期に必要な対策を取りまとめ、休泊川全体の治水安全度の向上を目指してまいります。

#22
○清水真人君 また夏を前にして、地元からは、今年はどうなるんだろうと。先般も熊本の方で雨がたくさん降ったなんという報道があると、あれどうなっているんだとか、いろいろな要望がそれぞれの議員さんに皆さん上がってきていると思いますが、やはり本当に、地域に住まう住民の方は、この雨の被害に関しても時期が近づいてくると大変怖く思っているところでありまして、今後もそれぞれの地域でしっかりと対応をしていっていただきたいと思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。
 最後に、CCUS、建設キャリアアップシステムについてお伺いをいたします。
 私も、当選させていただいてから数回、この建築キャリアアップシステムについては取り上げをさせてきていただいております。現在、三月末で事業者が十万を、そして技術者が約五十二万に近づくところとなりまして、二〇年の目標というのは達成されたところであろうと思いまして、そのことに関しましては敬意を表するところであります。また、本年度から、一般土木のWTO対象工事においてCCUSのモデル工事を実施すると、また、処遇改善に向けた取組をする企業への総合評価、成績評定などで加点するなどの取組についても進めていくということで、敬意を表する、評価をするところであります。
 今後の更なる普及に対しての課題としては、やはり県で、今恐らく半分ぐらいだと思いますが、こうしたところの発注工事でのキャリアアップシステム対応、そして、もっと言えば中小の自治体までそれが広がっていくこと、そして、レベルごとに応じた賃金の積算、そして、ほかの様々な団体にも、この建設キャリアアップシステムが建設技能者の処遇改善につながる、個々の努力が報われるためのツールでありシステムであるということを理解していただくこと等であるというふうに感じております。
 民間の工事であれ公共工事であれ、全ての現場、日本全国の現場にまでこのキャリアアップシステムが浸透してこそ、より大きな意味を持つ制度であるというふうに思っております。そして、そうなって初めて、若者に理解され選ばれる、夢のある産業に建設業がなるんだろうというふうに考えております。
 建設キャリアアップシステムを建設業における当たり前のシステムにしていくためには本年度もかなりの努力をしていただかなければならないというふうに思っておりますが、現状と今後の取組の方向性についてお伺いをいたします。

#23
○政府参考人(青木由行君) お答えいたします。
 建設キャリアアップシステムは、建設技能者の技能と経験に応じた給与の引上げを進めるということ、そして、若い人に今後のキャリアパスと処遇の見通しを示すこと、そして、レベルに応じた賃金水準の相場観を形成いたしまして、受注環境の一時的な変化に請負金額が左右されない、安易にダンピング受注、安値受注をしない業界へ体質を改善することを目的として進めてございまして、我が国の建設業界が若い人材を得ていくためには必要不可欠な取組というふうに考えてございます。
 御指摘のとおり、本年三月末、二年間で、全技能者の約一六・三%に当たる五十二万人の技能者登録、そして、事業者につきましては、全許可業者の二一・四%に当たる約十万社ということで、着実に推移はしておりますが、まだ道半ばという状況と思っています。
 本年三月にも建設業四団体と意見交換をいたしまして、更なる普及促進に取り組むことを確認しまして、国土交通省といたしましては、国直轄でのモデル工事の実施、これは、三年度は原則全てのWTO工事でモデル工事を実施いたします。そして、御指摘ございました、市町村も含めまして、地方公共団体発注工事におけるキャリアアップ活用の促進、そして建退共との一体的な運用、社会保険加入確認におけるキャリアアップ活用原則化、こういった業界団体と取りまとめました官民施策パッケージに基づく取組、これを更に進めてまいります。
 加えまして、さらに、メリットの向上、更なる利便性向上に向けまして、レベルに応じた賃金支払の実現に向けた仕組みの検討、それから、カードリーダーの設置を不要とする顔認証機能の実装、こういった検討についても進めてまいります。
 現在、地域の事業者さんにおかれましても自らの協力会組織で技能者登録を支援するなど、新しい動きも生まれてきてございます。このシステムを業界共通の制度インフラとして育てていくために、定着させていくために、引き続き、業界団体、地域の事業者の皆さんとも連携しながら取組を進めてまいりたいと考えてございます。

#24
○清水真人君 時間になりましたのでまとめたいと思いますが、この事業は、大臣も並々ならぬ決意で進めていただいている事業であると思います。建設業の未来のためにも、本年度も御努力をいただければと思います。
 以上で質問を終わります。

#25
○森屋隆君 立憲・社民共同会派の森屋隆でございます。質問の機会をいただいたことに感謝を申し上げます。
 それでは、質問に入らせていただきたいと思います。
 長引くコロナ禍の中で、交通運輸部門も新たなビジネスモデルを求めていくということは今後も大変重要なことだと考えています。しかしながら、二〇一二年に起きた高速ツアーバスのように、尊い命を失ったこの教訓というのは私たちは決して忘れてはならないことだと、こういうふうに思っています。
 もう御承知のとおりでありますけれども、この日本の人流、物流の安全、安心、そして安定した輸送というのは、厳粛なルールがあって、そこで関係する方々がコンプライアンス、法令を遵守して成り立っているものだと、こういうふうに認識をしています。このことを踏まえまして幾つか質問をさせていただきたいと、このように思います。
 まずは、二〇一五年の二月に、福岡市で一般ドライバーによる輸送事業の実証実験、これが行われましたけれども、その後、国土交通省からこの中止をするような、中止をする、こういった指導が入ったかと思います。どのような理由で中止を求めたのでしょうか。よろしくお願いします。

#26
○政府参考人(秡川直也君) 二〇一五年、福岡で行われましたウーバー社のライドシェアですけれども、タクシー事業の許可を有しない一般のドライバーと利用者をスマホのアプリで仲介しましてドライバーが利用者を運送すると、ドライバーに対してはウーバー社が一定の対価を支払うというビジネスを始めたと。
 旅客の運送につきましては、安全確保や法令遵守が大前提ということで、運送に対する対価が支払われているような場合には、許可を得ることなく運送行為を行うことは認められておりません。道路運送法に抵触するということになります。
 ウーバー社の福岡におけるこの事例というのは、実態として有償で旅客を運送するという形であったため、道路運送法に抵触すると考えられ、中止するように指導したということでございます。

#27
○森屋隆君 局長、ありがとうございます。
 そこにお金が発生をするということで、白タク行為に当たるということだと思います。ありがとうございます。人をそういった輸送するときにはやはりしっかりとしたそういった許可、免許が必要だということだと思います。
 次に、人ではなくて、今度は物を車両等で輸送してお金をいただきたい、こういったときに何らかの許可などは要るんでしょうか。

#28
○政府参考人(秡川直也君) 今度は物を運ぶ方ですけれども、貨物自動車運送事業法、トラック事業法というのがございまして、他人の需要に応じて有償で自動車等を利用して貨物を運送するという場合には許可や届出が必要になります。排気量が百二十五㏄を超えるようなオートバイとか軽自動車、トラック等で運送する場合が規制の対象になります。
 具体的には、トラックを利用して他人の荷物を有償で運送する場合にはその許可が必要、あと、軽自動車やオートバイを利用する場合には届出が必要というふうになっております。

#29
○森屋隆君 局長、ありがとうございます。
 今、答弁の中で、百二十五㏄以上のものについては必要だと、届出が必要だということであったかと思いますけれども、逆を言えば、自転車や百二十五㏄以下のオートバイでは許可なり届出なり、そういったものが必要ではないということでしょうか。

#30
○政府参考人(秡川直也君) 自転車とか百二十五㏄未満の原動機付自転車と言われるような小さな車格のものにつきましては、活動範囲とか輸送能力が限定されているということで、トラック事業法の規制の対象とはなってございません。

#31
○森屋隆君 ありがとうございます。確認をさせていただきました。
 自転車は、見て、自転車でそういった何かを例えばデリバリー、配達をしているというのは見て一目瞭然分かるんですけれども、百二十五㏄以下だよと、あるいはこれは届出をしている車両だよというのは、なかなかこれ、一般の方はちょっと分かりづらいと思います。
 こういったものの区分けみたいな、こういったものが届出をされている、あるいはこういったナンバーであれば排気量が幾つぐらいなんだということが分かるようなことというのはあるんでしょうか。

#32
○政府参考人(秡川直也君) 貨物自動車運送事業に利用される自動車と自家用自動車というのは、車に付けられているナンバープレートの色、態様で確認することができるというふうに思います。
 営業用の六百六十㏄超のトラックとかバイクには緑地に白文字、いわゆる青ナンバーというのが使われています。自家用の場合には、白地に緑ナンバーということで白ナンバーですね。それから、軽自動車の場合は、事業用には黒地に黄色の、黒い下地に黄色の文字ということで黒ナンバーと言われています。自家用の場合は黄色い下地に黒の文字ということで黄色ナンバーという、そういう色等で判断するということになります。

#33
○森屋隆君 ありがとうございました。よく分かりました。
 六百六十㏄以上のものだったら要は営業ナンバーと言われる青ナンバーを付けていただく、あるいは軽の貨物というんですかね、軽バンであれば、個タクの方が付けているような黒いナンバーというんでしょうか、そういったものがしっかりと届出がされている、そういった営業をしていいというナンバーかと思います。ありがとうございました。
 ピンクのナンバーというのはその百二十五㏄以下ということですかね。はい、分かりました。ありがとうございます。
 なかなか、知っている人は当然知っていると思うんですけれども、一般的には余り気にも留めなければなかなか分かりづらいところなのかなと、こういうふうに思って、改めてお聞きをした次第でございます。
 これは、要は知らなければうっかりと違反をしてしまう場合もあるかと思いますけれども、この違反した場合の罰則というのはあるんでしょうか。

#34
○政府参考人(秡川直也君) トラック事業法に定めがございまして、許可を取得しないでトラックを使用して他人の荷物を有償で運送したような場合、この場合は三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金ということになっております。また、同じ法律ですけれども、バイクとか軽自動車を利用して同じように有償で荷物を運んだ場合というのは百万円以下の罰金ということになっております。

#35
○森屋隆君 ありがとうございます。
 これ、違反した場合は三年以下の懲役、そして三百万以下の罰金、あるいはオートバイの場合は百万以下の罰金ということで、かなり重いといいますか、その罰金も、金額も三百万あるいは百万ということで驚きました。こういった違反をするとこういったことが科せられるということだと思います。
 しかしながら、先ほど申し上げましたように、違反か違反じゃないか、あるいは取締りをやっているかやっていないかは、ちょっとそこは調査していませんけれども、そのような事例というものが実際にあるのか。検挙数というんですかね、そういったものをお聞きしたいと思いますが、いかがでしょうか。

#36
○政府参考人(新田慎二君) お答えいたします。
 貨物自動車運送事業法第三条、これは一般貨物自動車運送事業の許可でございますけれども、あるいは第三十五条第一項、これは特定貨物運送事業の許可、又は第三十六条一項、これは貨物軽自動車運送事業の届出でございますけれども、これらに違反して貨物自動車運送事業を行い、若しくは道路運送法第七十八条、これは有償運送の規定でございますけれども、こちらに違反して有償で貨物の運送を行う、いわゆる白トラ行為の検挙件数は、令和二年中におきましては四十七件となっております。

#37
○森屋隆君 ありがとうございます。
 白トラ営業というんでしょうかね、三条、三十五条、三十六条、あとは七十八条、それぞれ違反の種類あると思うんですけれども、令和二年は四十七件ということですね。これが多いか少ないかというのはこれ別の問題ですけれども、実際にはこういった営業というか違反があるということを確認させていただきました。ありがとうございます。
 そして、今の現代社会でデリバリーというのは増えているわけでありますけれども、例えば、これから梅雨に、梅雨、今年早いらしいですけれども、梅雨になって、いつもは、先ほど秡川自動車局長が答弁してくれました、自転車やそういったものだったら届出も要らないわけですけれども、この雨のときだとかあるいは夜遅く、あるいは四十度も超えるような炎天下の日は、やはり注文する方も届けていただきたいということから需要が当然増えるわけでありまして、そんなときに土砂降りの雨だと、いつもは自転車で仕事をしているんですけれども、いやあ、これ仕事は、ちょっとこの雨だし、ちょっと今日は友達に頼んで、私が注文されたところに配達する、友達には今日一日付き合ってくれよと、その代わり終わったらちょっと飯でもごちそうするからと、こういうような状況でペアで、その友達のお車を借りて一緒に一日仕事をしたと。
 こういったことというのは、これは違反になるんでしょうか違反にならないんでしょうか。その辺のところをお聞かせいただきたいと思います。

#38
○政府参考人(秡川直也君) 違法性が問われるかどうかというのは具体的な事例によると、ケース・バイ・ケースかなと、こう思うんですけれども、仮に共同で車両を使ってフードデリバリー事業を営んでいるというふうに客観的に見えるような場合とか、あるいはその友人に運転の対価を支払って運転業務を委託していると、実質一緒にやっているというような場合、反復継続して他人からの求めに応じて有償でそういう食べ物とか運転代行なんかをやっているというような確認されるようなケースがあるとすれば、それは白ナンバーによる運送行為ということで法律違反を問われるという可能性が高いんじゃないかというふうに思います。

#39
○森屋隆君 ありがとうございます。
 継続性があるとしたら、これは白タクというか、ああ、白タクじゃないですね、白ナンバーとして違反行為に当たる、あるいはそこで何らかの賃金が発生する、これ難しいんですけれども、賃金なのか謝礼なのかということもあろうかと思いますけれども、ケース・バイ・ケースで違反に当たることも重々あると、こういうことでよろしいでしょうか。ありがとうございます。確認をさせていただきました。
 いろいろとお聞きをさせてもらいました。人の移動、輸送、そして物を運ぶ、こういった輸送の形態、大分変わってきたんだろうと思います。このコロナ禍で変わってきました。
 データ分析のヴァリューズ東京というところがありますけれども、ここの調査では、コロナ禍によるこの巣ごもりでデリバリーサービスの需要が、昨年の一月には二百九十四万人の人が利用をしていたそうでございますけれども、今年一月の時点では九百二万人と三倍に膨れ上がってきたと。町中でもよく見かけをします。代表的な事業者では現在十万人のギグワーカーが登録をしているということでありますけれども、今年度中にプラス十万人が必要で、そして今後は全国展開をしていく、こういうふうに発表がされています。
 先ほど申し上げましたように、雨の日や、そして夜遅く、あるいは夏の暑い日、そして冬の寒い日、働いている人も悪気は多分ないんでしょうけれども、ふだん自転車あるいは百二十五㏄を超えないオートバイで配達をしていたんですけれども、そういった天候などによっては自転車から自動車、ついつい、暑いから寒いからということで、雨の日もありますから、使用してしまう、白ナンバー営業になってしまう、そういった危険性があるんだと。
 そして、この違反というのは、先ほど四十七件とお聞きしましたけれども、トータルで四十七件だと思います、いろんなものを足して四十七件だと思いますけど、ほぼ見付からないんですよね。届けてもらう方も、別に車で来ようが自転車で来ようが、ちゃんと届けてもらえればいいわけでありますし、あと、お店の方も、一々百二十五㏄以下のバイクなのか届出がされているナンバーなのかなんということも確認は当然しませんから、要は見付からないという、見付かりづらいものなんだと。
 しかしながら、違反をして、たまたま乗った車ですから、毎回やっていればそんな事故もないんでしょうけれども、いつもは自転車で、たまたま雨の日に乗った、夜道に乗ったときに事故を起こしてしまったと、こういった場合に被害者に本当に任意保険が適用されるのか、違反しているわけですから適用されるかどうかということもクエスチョン。そして、自賠責については、被害者を保護する観点からこれ支払われるのかもしれませんけど、金額はやっぱり限られています。加害者も、先ほどから申し上げているように、深く考えず、知らないままに事故を起こしてしまう、これは、ある意味被害者なのかもしれません。
 また、最近では、これ大臣もよくニュースで見ている、皆さんも見ていると思いますけれども、知ってか知らずか自転車で高速道路を走行してしまって、これも、一歩間違えれば本当に大変な事故につながると思います。
 そしてさらに、お隣の韓国ソウルでは、六十五歳以上の方に地下鉄の無料パスが配布をされるそうです。そして、その無料パスを使って韓国の地下鉄網を活用して、高齢者の方がデリバリー、小荷物を運ぶような、そういったビジネスもあるようでございます。しかしながら、それは、ビジネスはビジネスとして、韓国のことですから私どもがどうこう言うことはないんですけれども、事故やけがなどが、やっぱりそういった問題も発生をしているようでございます。
 いずれにしましても、人流、物流、このビジネスにおいて、国民やそこで働く労働者の保護、安全、安心を守り、被害者も加害者も出さないように、そういった状況をつくり出すのが政治に私は求められているんだろうと、こういうふうに思います。
 大臣としての見解をお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いします。

#40
○国務大臣(赤羽一嘉君) コロナが拡大、延長化する中で、デリバリー事業、需要が大変大きくなってきて、新しいビジネススタイルが出てきたというのが現実だと思います。私が住んでいる赤坂の議員宿舎でも随分そうした人たちが出入りしているし、私もたまに利用すると。
 その中で、新しい形態ですから、ルールがない部分もありますしルールが守られていない部分もあると思います。先ほど局長からも答弁したように、貨物自動車運送事業法ですとか道路運送法ではもう明確になっていまして、百二十五㏄以上の白ナンバーが事業として有償で運送するという行為そのものがもう違法なんだと、ここをどうきっちり守らせるかということであり、じゃ、そこが守られていれば何やってもいいかというと、そうではなくて、それに伴って安全と責任ということが問われると。
 貨物自動車運送事業法では、そうした観点から、百二十五㏄以上の車両を用いる場合に許可等の義務を課して、車両管理ですとか労務管理に必要な経営能力、財務体力、保険の準備なども求められているわけですね。きっちりした責任取る形態でそうしたことを事業としてやるべきだと。
 加えて、食べ物を運ぶわけなので、食品衛生とかそうしたもののこともやっぱり気にしなければいけないと思いますので、今回、たまたま幸いなことに、本年三月にフードデリバリーを営む企業が業界を結成したというふうに承知をしておりますので、こうしたところにつきまして、関係ある厚生労働省、警察庁、農林水産省とも連携しながら、こうした団体を通じて白ナンバーによる運送行為がないようにということと、また、新しい形態を秩序ある、責任がある形態でやっていけるようにしっかりと行政指導をしていきたいと、こう考えております。

#41
○森屋隆君 大臣、丁寧な答弁ありがとうございます。
 まだまだ実態がなかなか見えづらい問題かと思いますけれども、現代社会の問題として今後も注視していきたいと思います。
 ありがとうございました。終わります。

#42
○熊谷裕人君 立憲・社民の熊谷裕人でございます。今日も、質問の機会をいただきましてありがとうございます。
 今日は、まちづくりについてちょっと議論をしていきたいと思っております。
 改めて、二〇二一年度の国交省の予算がどうなっているのか、めくってみました。その中にまちづくりに関しての予算の部分がありまして、コンパクトでゆとりとにぎわいのあるウオーカブル空間の創出だと、そういうまちづくりを国交省、国として二一年度予算を使って進めていきたいというようなことが書かれておりまして、私も、今、町の中が何となく元気がないなというふうに、昔は、中心部のデパートだったり買物に行くというのは、子供の頃を考えてみますと、何かわくわくするというか楽しみの一つだったのが、今は、どちらかというと、郊外の大きなショッピングモールに家族で車で買物に行くというのがそれに代わるような形になって、町中が元気じゃないなというように感じておりました。
 町中にやはり元気を取り戻すためには、様々な施策を融合的に行って、とにかく町中に人がもう一度戻ってくる、町中を歩いてショッピングをしたり、憩いの場で少し家族で、週末なんかはちょっとした空間、公園だったりするところでピクニック気分で何かを食べたり飲んだりというような町をもう一度つくっていかなきゃいけないなというふうに私もずっと思っておりまして、国交省さんの予算にそういうことが書いてあったので、ああ、いいなと思って、今日はそれについて質問をさせていただきたいと思いますが。
 コンパクトでゆとりとにぎわいのあるウオーカブルな空間、こんな町というようなイメージをまず大臣がどのように描いているのか、お聞きをしたいと思います。その空間をつくるために、その周りにある住宅地をどうしようかとか、そこにアクセスをするための交通網をどうしようかということもありますけれども、まずは、そこの町のにぎわいを取り戻して人が寄ってきて、そして、そこでショッピングだったりいろんなことが行われるという町をどのように描いているか、まずお聞かせをいただければと思っております。

#43
○国務大臣(赤羽一嘉君) 我が国の少子高齢化と人口減少化という構造上の問題を見据えて、国交省のこれまでのまちづくり政策というのは、一言で言うと拡散から集約という方向でいろいろ取り組んできたというふうに私は承知をしております。
 その中で最初に言っていたのは、コンパクトシティーといって歩いて暮らせるまちづくりということを、私なんかが部会長のときですから、もう十五年ぐらい前から言っていたと思いますが、なかなか、そうはいっても、現在住んでいる家を集約するというのは非常に難しいと。どうしても、今お話ありました、マイカーで郊外型になって、郊外には病院があったりとかショッピングモールがあったりとかという、そういうまちづくりはなかなかもうサステナブルじゃないということで、集約をしたいということでコンパクトシティーだったと思いますが、そうはいっても、拡散してしまった住宅は簡単に戻せない。
 ですから、公共的な施設ですとか病院とか、そうしたものを集約させていこうと、そして、居住空間、居住地域とのネットワーク、公共交通機関で、ですから、コンパクト・アンド・ネットワークシティー、コンパクト・プラス・ネットワークシティーというようなものに変遷してきたというふうに、そう記憶をしております。
 また、そうした中で、言うはやすくですけど、なかなか、そんなことを言ったってどこか成功した事例があるのかというのが、私が知る限り、富山市は、やはりこれまでの市長さんが大変情熱を持って十五年ぐらい掛けて、路面電車を中心に、多分、相当ある意味では強引な手法も途中であったというふうに思っております、居住空間を誘導的にするということもあれでしたし。
 でも、なかなか結果としては非常にうまくいっていて、あそこも、富山市というのは相当合併があって、もう山の麓のところも富山市になっていますので、そこはネットワークで、結構バス路線を非常に大事にしていて、何でしたか、お出かけ定期券というのかな、年間千円払うと百円で乗れるというような、非常に、市長さんはこれを使っている人ほど健康管理ができていて医療費が掛かっていないんだとかいう説明があって、そうなのかなと思って聞いていましたが、そうしたことの仕組みが富山市では本当現実に実現してもらったというのは非常に一つのケースだというふうに思っております。
 それに加えて、コロナ禍というわけではありませんけれども、それでは、町中が本当に、何というか、歩いて楽しめるのかとか人々が集えるような空間があるのかというと、ここも一つの大きな課題の中で、先日、実は池袋をちょっと視察をさせてもらったんですけど、池袋というのは、昔、私もあの近くに生まれ育ったので、何となくわい雑な、何となく余りゆっくり歩きたくないなという、正直言うと。
 そういう危機感だったと思いますが、本当にここが池袋なのかというぐらい、相当豊島区が一生懸命やられておりまして、文化拠点が整備されたハレザ池袋ですとか、あと、使われ切れていない公園を電気バスか何かで回して、そこも非常に、としまキッズパークですとか、お子さんたちが集えるようなとか障害者の皆さんも利用しやすいようなとか、大変まちづくりに工夫をされていて、池袋ってある意味では物すごく便利なところですから、そこの近くというのは相当ある意味では価値が高まったんではないかなと。
 そうした、ですから、ちょっと繰り返しになりますけど、拡散されていたものを集約して、そこに、やっぱり住み心地がいいというか集いやすいというか居心地がいいというウオーカブルな空間、そういうことを想定しながら、現実的にいろいろ地域によって様々な特性とか事情があると思いますので、そうしたことを地域の特性を生かしながら、住んでいる人が日々の生活を豊かに暮らしていけるような、そうした観点で豊かなまちづくりをしていくということが一つの方向性なのではないかなというふうに思っております。

#44
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 今大臣から御答弁いただきました富山市なんかは、LRTを使って本当にまちづくり成功したと言われて、各地方自治体の市議会なんかが視察、私も市議時代に行かせていただきましたし、池袋の駅周辺の空間利用なんかも、今、全国の地方自治体で話題になっているまちづくりが行われていると私も思っております。やっぱりまちづくり、一旦拡散をしてしまったもの、それで中心市街地が少し寂しくなっているところに人をやっぱり戻すのは、そこで時間が過ごせる、半日なり一日なり歩いたりしながら時間が過ごせるという空間をやっぱり取り戻していかないとにぎわいが戻ってこないんではないのかなというふうに思っておりますので、是非私もそういった観点でまちづくりを進めていきたいということで、以下、質問をまた続けさせていただきたいと思っております。
 このコンパクトでゆとりあるにぎわいのウオーカブル空間の中で、新しいまちづくりのモデル都市を国交省さんの方で幾つか選定をしてというふうに書かれておりますけれど、この選定の要件だったり、幾つぐらいの都市が今選定をされているのか、それから、このモデル都市には、国交省の方からこういうところがいいというふうに指名をしていくのか、それとも各自治体の方から、国の方針に合わせてうちは手を挙げて、こういうまちづくりやっていきたいから選定をしてくれということになっているのか、ちょっとその辺についてお聞かせをいただければと思います。

#45
○政府参考人(榊真一君) お答えを申し上げます。
 国土交通省では、コンパクト・プラス・ネットワークの取組とウオーカブルなまちづくりの取組を一体として実施することで、コロナ禍の新たな日常にも対応しつつ都市構造の再構築と地域の稼ぐ力の向上に官民連携して取り組む都市をモデル都市として選定し、ハード、ソフトの両面から支援を実施しております。
 令和三年度は、公募を行いまして、全国十三の都市をモデル都市として選定をいたしました。例えば、熊本市では、道路空間の再配分により、近隣の公園と合わせて約一・五ヘクタールものオープンスペースを確保し、様々なイベント等によってにぎわいの創出を図るとともに、交通事業者と連携し、まちなかループバスを運行するなど、ハード、ソフト両面でウオーカブルなまちづくりに取り組むこととしておられます。また、むつ市では、パークPFIや社会福祉施設の整備、イノベーション等の新たな拠点となる地域初の四年制大学の整備など、官民連携してゆとりとにぎわいのある都市空間の創出や地域の稼ぐ力の向上に取り組もうとしているところであります。
 国土交通省といたしましては、こうしたモデル都市の成果をほかの自治体にも展開し、コンパクトでゆとりとにぎわいのあるウオーカブルなまちづくりを進めてまいりたいと考えております。

#46
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 今、十三都市、公募でということですから、自治体の方から名のり出ているというか手挙げをして選定をしていただいたと思います。
 今、局長の方から熊本市というお話がちょっと出ましたので、実は、熊本県で面白い取組をしているので市議の時代に視察に行ったんですけど、くまもとアートポリスという熊本県がやっている事業がありまして、若手の建築家にコンペに参加をしていただいて、公共施設を、何というか、魅力のある施設にしていこうなんというので、警察署を、何というんですかね、面白い形というか特徴のある警察署を造ったり、ちょっと昨日調べたら、百十五施設が今既にアートポリスに選定をされたプロジェクトになっていて、さきの熊本震災の復興のミュージアムもこのプロジェクトに選定をされたということで、面白い取組だなと思っています。
 これ、細川知事のときに、そういう価値のある建物が町中で芸術としてずっと、熊本城じゃないですけど、ずっと過去まで資産として残っていったら、公共施設をそういう形でやりたいんだと、無機質なものを造るよりか、市民、県民がそういう建物を見て文化に触れるとか芸術に触れるというような形がプラスのバリューになるんだということで進められていて、まだ続いているんだなと思いまして、ちょっと御披露して。
 そういう観点も是非まちづくりの中に私は入れていただいて、さっき言った、そういう建物を見に町中に人が集まるということもにぎわいを生み出していく中の一つではないかなというふうに思っているので、是非そういった観点でも、今後、私もまた国交省の皆さんと議論しながら御提案をさせていただきたいなというふうに思っていますので、よろしくお願いいたします。
 そして、今度は、その歩きたくなる空間をつくっていくのに官民で連携をしていくんだというようなお話もあるかと思います。
 官民でどうやって連携をしていくのかなと、オープンスペースを民間の方に、人を集めるとか歩いたりとかというにぎわいをつくっていくためにどのように利用してもらうかということが官民連携になるんだというふうに思っていますが、一つは、多分、町中のオープンスペースにカフェ的なものを出すとか水辺の空間にそういうものを出すとか広場にもそういうところをちょっとつくってみるとかということだと私は思っているんですけれど、その官民連携については、国交省としてどのようなまちづくりに生かすための官民連携を考えているのか、お聞かせをいただければと思います。

#47
○政府参考人(榊真一君) お答え申し上げます。
 魅力あふれるまちづくりを進めていくためには、行政が車道の一部を広場化するといったハード整備を行うだけでは不十分でありまして、整備された空間を活用した、今お話のあったオープンカフェの運営でありますとかイベントの開催など、町ににぎわいを生み出すための民間の取組が大変重要であると考えております。
 例えば、福井市では、民間の方々が中心となって、町中の道路や公園を一体的に活用し、イベントを実施したりオープンテラスを設置したりするなどの取組が行われており、また、和歌山市では、川沿いの遊休不動産を活用し、水辺空間を楽しめる飲食店の設置、運営が行われております。また、宮崎県日南市では、商店街の既存スーパーの一部を解体し、敷地をオープンスペースとして活用したり建物の一階部分をガラス張り化することによって、人々がそこで快適にくつろぐことができる空間づくりが進められております。こうした民間の取組が地域ににぎわいを生み出し、魅力あふれるまちづくりを進めていく上で極めて重要なものとなっていると考えております。
 国土交通省におきましては、昨年度より、街路の広場化など既存ストックの改修、改変、あるいはマルシェ、オープンカフェ等の社会実験に対しまして財政上の支援を行いますとともに、民間事業者が街路の広場化等と併せて敷地のオープンスペース化や建物低層部のガラス張り化などを行った場合に固定資産税等の軽減措置を講じているところであります。
 こうした予算、税制などのパッケージ支援を通じて、官民連携による居心地が良く歩きたくなる空間づくりを支援してまいりたいと考えております。

#48
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 是非、経産省さんとも連携しながら、そういった、人がやっぱり集まる、それから稼ぐ力という話がございました。そういうところに貢献できるような施策を進めていただいて、本当ににぎわいのある町を取り戻していただきたいなというふうに思っております。
 そして、私は、町中にやっぱり公園が欲しいなと。オープンスペースがあれば公園として利用していただいて、その公園で例えばコーヒーを飲むとかお昼を食べるとか、今、コロナ禍で、逆に言うと、お店が店内で食べられないのでテークアウトして、そうやってこの近辺でも食べている人がたくさんいるというような報道もございますが、そういうオープンスペースを公園化して、是非そういった憩いの場として提供していただきたいと思っているので、その点についてお考えをお聞かせいただきたいなというふうに思っておりますが、上を公園として使っていたら、やっぱり地下空間が若干まだ利用できると思うので、是非、公園を造るときは、そこに雨水の貯留施設を造るとか例えば自転車駐輪場を造るとかということも是非考えて、そのオープンスペースの公園化ということをお願いしたいなと思っておりますが、その点についてはどのようにお考えか、お聞かせをいただければと思います。

#49
○政府参考人(榊真一君) お答えを申し上げます。
 ウオーカブルな空間づくりという意味では、御指摘のオープンスペースを公園的に利用するといったことも大変重要であると考えております。また、既存の都市公園をもっと民間の方々に使いやすくする、こうした取組もまた重要ではないかと考えております。
 最近、国土交通省ではパークPFI、都市公園の公募設置管理制度というものを始めましたが、民間事業者が公園の中でカフェ、レストラン、子供の遊び場等の収益施設の設置を周辺の広場等の整備と一体的に実施することによって利用者の利便性を向上させ、公園の利活用の促進を図ろうとする、こうした制度を平成二十九年に創設をしたところであります。現在、全国六十五の公園でこの制度が活用されており、さらに、百七の公園で制度の活用に向けた検討が進められております。例えば、先ほど大臣からもありましたが、豊島区のイケ・サンパークでは、民間事業者が運営しておりますカフェと一体的にデッキや園路が整備され、カフェの一部ではイベントが開催されるなど、地域のにぎわい、交流の拠点となっております。
 また、公園の地下空間の多面的利用についてお尋ねをいただきました。例えば、福岡市の山王公園の地下には、占用許可によって災害対策のために約一万五千立方メートルの雨水貯留施設が設置されておりますし、豊島区の南池袋公園の地下には、同じく占用許可によりまして収容台数千八十四台の駐輪場が設けられているところでございます。
 引き続き、官民の連携の推進あるいは地下空間の有効利用によって都市公園などの利用の促進に努めてまいりたいと思います。

#50
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 公園の地下を利用したその駐輪場なんですけど、是非、何というんですかね、人が入っていって止める駐輪場もいいんですけれども、サイクルツリーを利用した駐輪施設も今かなり整備をされておりますしコストも下がってきたと思うので、是非それも考えていただきたいなと思います。
 というのは、私もスポーツバイク乗るんですけど、そういったバイクの盗難が結構多いんですよ。サイクルツリーだとそういった盗難が遭わないという、人が入れませんから、自動で機械が入れて自動で止めて、出てくるときも機械が全部出してくるので、人が入れないので盗難防止になるということで、そういう要望もありますから、是非そういった駐輪施設を公園の地下に造るというようなことも考えていただければなというふうに思います。よろしくお願いいたします。
 次に、駅も使って、その駅周辺の空間を使ってのまちづくりの件をちょっとお尋ねをしたいと思います。
 既存の駅の周辺の駅広の整備とかということが主眼なのかなというふうに思うんですけど、駅自体を改修をして、駅と駅広を一体的に空間的に再構築をして人が集えるようなものにしていくというようなことでいいのかどうか、駅周辺だけなのか、駅の本体の改修みたいなこともこの国交省の考え方に入っているのか。JRさんも民営化されました。民間企業との連携ということになるのかもしれませんが、その点についてお聞かせをいただければと思います。

#51
○政府参考人(榊真一君) 駅は町の中心に置かれていることが多うございまして、駅や駅前広場、周辺街区を一体的な空間として捉えて、私たち、駅まち空間と呼んだりもしておりますけれども、地方公共団体や鉄道事業者、民間開発事業者等の関係者が連携して、利便性、快適性、安全性の高いゆとりある空間としていくことが大変重要であると考えております。その際には、空間と空間を結び付ける自由通路なども重要な要素でありまして、市街地の分断を解消し、利便性が高い歩行者ネットワークを構築するものであり、国土交通省では、その整備に当たりまして、地方公共団体に対し、社会資本整備総合交付金等で応援しているところでございます。

#52
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 大きい駅、小さい駅、たくさんあると思います。小さい駅だったりすると、地域の住民がその駅を中心として駅広をどうしようかとかその周辺どうしようかというような、まちづくりに住民が参加するというようなこともあろうかと思いますので、そういうところへの配慮だったり、今、自由通路の話がありました。自由通路、結構自治体の負担、財政的な負担、結構あるんです。何十億というような負担をしないとその自由通路ができないというような話も聞いておりまして、そこがネックになっているというようなことも若干聞いたことがありますので、そういったところへの財政的な支援といったところも御配慮いただければ有り難いなというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 このウオーカブル空間の関係は最後の質問にさせていただきたいと思います。
 今、住まい方、働き方というのが随分変わって、コロナ禍で変わってきました。駅周辺、自宅でのテレワークというのもいいんですけれど、やはり自宅でのテレワーク環境がなかなか整えられないとか、どこかでそういう拠点があれば、家からちょっと出るけれどテレワークができるというところがあればテレワークをしたいという方もたくさんいらっしゃると思います。
 駅周辺にテレワークの拠点、コワーキングスペースだったりそういったような拠点整備が私は必要ではないかなというふうにちょっと思っているんですが、その辺についてはどのようにこのウオーカブル空間の中でお考えか、お聞かせをいただければと思います。

#53
○政府参考人(榊真一君) お答え申し上げます。
 コロナ禍の中で、テレワークでありますとかコワーキングスペースに対するニーズは高まってきているのではないかと考えております。
 テレワーク拠点に対しましては、市町村を通じて、民間事業者に対する間接補助として、令和二年度の第三次補正予算から地方都市の中心市街地等におけるテレワーク拠点の整備等に対し財政支援を行っており、令和三年度からは、民間事業者に対する直接の財政支援措置も行うようにしているところでございます。また、令和二年度第三次補正予算からは、町中の空きビルや空き家など既存のストックを活用したテレワーク拠点等の整備に対する金融支援措置も創設したところでございます。
 国土交通省といたしましては、これら財政上、金融上の支援制度を活用し、テレワーク拠点の整備を支援してまいりたいと考えております。

#54
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 コワーキングスペースって割と新しい事業形態で、なかなかノウハウというのが難しいところもありますので、たしか業界も最近できたばかりだと思います。しっかり連携をして、新しい働き方に対応できる施設の整備について御支援をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。
 次に、防災・減災の関係で、ちょっとコンパクトシティーというか、その関係でお話をさせていただければと思っておりますが。
 やはり先ほどの町中の公園の話もしました。今、既存の公園、大変老朽化が進んでいて、特に、遊具の関係とか何かが老朽化をして危険だということで、今使えない、更新するまで使えないみたいな措置がかなり行われているような話も自治体から聞いておりますが、この公園の老朽化対策についてどのように今お進めなのか、お聞かせをいただければと思います。

#55
○政府参考人(榊真一君) お答え申し上げます。
 都市公園は平成三十年度末時点で全国十一万か所が整備されておりますが、その半数が開園から三十年以上経過し、公園施設の老朽化対策が急務となっております。また、遊具につきましては、平成二十八年度末時点のデータになりますが、全国の都市公園に約三十五万基の遊具が設置され、その約三割が設置から三十年以上経過し、改修の対策を講じる必要がございます。
 このため、国土交通省では、防災・安全交付金等によって、地方公共団体における公園施設長寿命化計画の策定や老朽化した公園施設の改築を支援しているところでございます。
 加えて、昨年の十二月閣議決定されました防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策では老朽化対策が盛り込まれまして、中長期の目標として、令和九年度までに、長寿命化計画を策定済みの全ての都市公園において緊急度の高い老朽化した公園施設の改修等を実施するとされ、老朽化対策の加速化を図ることとしております。
 今後も、引き続き都市公園における老朽化対策を着実に進めてまいりたいと存じます。

#56
○熊谷裕人君 しっかりと進めていただきたいと思います。そのときに、更新するときに是非防災機能を付加をしていただくとか、バリアフリーは着々と進めていただいていると思いますが、そういったところもしっかりと公園の老朽化対策と併せて進めていただければと思いますので、こちらはお願いをさせていただきたいと思います。
 時間なくなってまいりました。
 あと、グリーンインフラの活用についてなんですけれど、雑木林であったりちょっとした山地をグリーンインフラとして使おうというところなんですが、防災・減災に非常に有効なものであるというのは私も認識をしています。そこに付加価値として、今、ソロキャンプなんかがすごくはやっているんですけど、キャンプ場だったりフィールドアスレチックだったりというようなことを付加できないかと、防災機能を損なわないでそういった使い方ができないかと思っておりまして、その点についてどのようにお考えか、是非お聞かせいただければと思います。

#57
○政府参考人(榊真一君) お答え申し上げます。
 グリーンインフラとは、社会資本整備や土地利用等のハード、ソフトの両面におきまして、自然環境が有する多様な機能を活用し、持続可能で魅力あるまちづくり、地域づくりを進めようとする取組でございます。
 グリーンインフラとしての都市の緑地でございますが、例えば、御指摘のような、平時にキャンプ場として使われている樹林地が災害時には雨水貯留浸透機能を発揮したり、あるいは平時にはレクリエーション施設として使われる芝生広場が災害時には避難地となるなど、防災・減災とレクリエーションの両面で活用することが可能なものとなってございます。
 国土交通省といたしましては、グリーンインフラが有する多面的な機能に着目し、都市部の緑地が平常時や災害時に有効に活用されるよう、地方公共団体への周知や社会資本整備総合交付金による支援などに引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。

#58
○熊谷裕人君 時間が参りました。PPP、PFIについてはまた違うときに議論をさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

#59
○竹内真二君 公明党の竹内真二です。質問の機会をいただき、ありがとうございます。感謝を申し上げます。
 早速質問に入らせていただきます。
 初めに、コロナ禍でのタクシー等への対応について質問させていただきます。
 新型コロナウイルスの感染拡大によって、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の対象地域が相次いで拡大をされております。現在、緊急事態宣言は計九都道府県、まん延防止は私の地元千葉県も含めて十県に及んでおります。感染拡大防止への対策とともに、六十五歳以上の高齢者の皆様に対して今各自治体で取り組んでいただいておりますワクチンの接種に全力を挙げることが何よりも重要だと私も考えております。
 このワクチン接種を迅速かつ円滑に実施する上でも、移動が困難な高齢者の皆さんのワクチン接種会場への移動についてはバスやタクシーを活用することが有効だと私も考えております。
 千葉県内でも、例えば君津市では、七十五歳以上の方を対象に、タクシーと路線バスなどで使うことができる四千円分の共通利用券、これは百円券が四十枚という形ですけれども、これを接種券を送られるときに同封していると、こういう仕組みを取っております。
 そのような取組というのが各自治体で増えつつあると承知しておりますが、こうした自治体の動きを国としても更に後押しすべきではないでしょうか。国土交通省の見解をお伺いいたします。

#60
○政府参考人(秡川直也君) 地方自治体におきまして、円滑なワクチン接種を図るためにバスとかタクシーを活用するということが進められているというふうに承知してございます。
 地方運輸局を通じて確認したことでは、現在、約三百の自治体で、バスやタクシーの乗車券の配付だとか、あとは被接種者のバスや乗り合いタクシーでの輸送とか、あるいはその接種会場としてバスを活用するということの検討が進められている状況でございます。
 ワクチン接種の円滑化を図るために、地方自治体のニーズに応じてバスやタクシーの活用を図ることは非常に重要だというふうに考えておりまして、引き続き、各県の運輸支局ごとに設置しました相談窓口において自治体からの御相談に丁寧に応じるとか、全国の自治体に対してバスやタクシーのその三百の活用事例の横展開を行うなど、積極的に後押しをしてまいりたいというふうに考えてございます。

#61
○竹内真二君 まだ都道府県によって実施数にも差があるようですので、是非とも、今御答弁いただいたような形で、国土交通省としてもう一段の働きかけをよろしくお願いしたいと思います。
 次に、赤羽国土交通大臣にお伺いいたします。
 新型コロナの軽症患者の方や疑いのある方を、自治体などの要請を受けて、これはタクシーを活用して最寄りの病院まで搬送しているケースがあると伺っております。一般にタクシードライバーの方々は新型コロナワクチンの優先的な接種が認められていませんが、このような業務を担うタクシードライバーの皆さんは高い感染リスクにさらされています。ワクチンを優先的に接種する必要があると考えますが、大臣、いかがでしょうか。

#62
○国務大臣(赤羽一嘉君) まず、バス、そしてタクシーの運転手の皆様におかれましては、現場でコロナの感染リスクを抱えながら公共交通機関として使命と責任果たしていただいていること、また改めて心から感謝を申し上げたいというふうに思っております。
 先ほど局長に質問していただいた例につきましても、やはり円滑なワクチン接種のオペレーションというのは本当に一番大事なことだというふうに思っております。首長の皆さんの中でも、なかなか国費で障害者の皆さん、高齢者の皆さんの移動についてバス、タクシーが利用できるということ、十分まだ周知されていない部分もありますので、しっかりと全国の運輸局通しながらやっていきたいと、こう考えております。
 御質問の御指摘の点でございますけれども、これも地方運輸局を通じて調査をさせていただきましたが、現在、全国十一の自治体で十七のタクシー事業者が自治体又は病院から委託を受けまして軽症コロナ患者の皆様の病院への輸送を行っているというのが実態でございますが、こうした業務に従事する運転手に限りましては、いわゆる医療従事者等という位置付けをした上で優先接種を行っていると承知をしております。
 このオペレーションというのは、私は、ある意味で救急車のような機能を果たしているわけでございまして、こうしたことをやっていただく場合には運転手をコロナの感染リスクからしっかり守っていくという必要があるというふうに考えておりますので、こうしたオペレーションをする場合にはワクチン接種を優先的に接種するということを実施していただいて、これは厚生労働省とも連携する必要がありますけれども、こうした事例を各自治体に周知しながら、運転手の皆様の感染リスクを守って、そしてコロナウイルス対応への貢献、しっかりと国交省としても後押しをしていきたいと、こう決意をしております。

#63
○竹内真二君 今、大臣の答弁の中でも、こういうリスクを抱えているドライバーの方には優先接種が必要であると、そして自治体への周知もしていただけるというような答弁をいただきましたので、是非ともよろしくお願いいたします。
 このただいまの大臣の答弁の中で、まさに十一自治体等で既にワクチンを接種いただいている事例を紹介していただきましたけれども、そこで、これ大変大事な問題でもありますので厚生労働省の方にも是非答弁をしていただければと思いますが、自治体などの要請を受けて軽症患者や感染の疑いのある患者の方々を搬送されるこのタクシードライバーの皆さんに対してワクチンを優先的に接種できるよう積極的に推進すべきと考えますけれども、いかがでしょうか。

#64
○政府参考人(宮崎敦文君) 御答弁申し上げます。
 今委員御紹介ありました、自治体などの要請を受けて感染症の、新型コロナウイルス感染症の軽症患者の方々などを搬送する役割担っていただいている事業者の方々につきましては、この取組自体、非常に、保健所の逼迫、業務の逼迫が課題になる中で、大変重要な取組だと考えております。
 こうした取組を担っていらっしゃる方々についてのワクチンの優先順位でございますけれども、これは、先ほど赤羽大臣の方から御答弁ございましたけれども、ワクチンの接種順位第一番目に挙げております医療従事者等、この医療従事者等の範囲に含めているところでございます。
 具体的には、この医療従事者等の範囲として、自治体等の新型コロナウイルス感染症対策業務において新型コロナ感染症患者に接する業務を行う者を対象範囲にしておりますが、さらに、具体的に、自宅、宿泊療養施設や医療機関の間の患者移送を行う者、こうした方々がこの新型コロナ感染症患者に接する業務を行う者ということで医療従事者等の中に含まれるということを自治体向けの手引等においても明記しているところでございます。
 したがいまして、このタクシー運転手の方々、自治体の要請を受けてこうした業務担っている方々というのは優先接種の対象になるということでございますので、引き続き、こうした考え方につきましては丁寧に現場の方に説明をして周知をしてまいりたいというふうに考えております。

#65
○竹内真二君 今厚生労働省の方の答弁にもありましたように、医療従事者等の等の中にしっかりと入っていると、ですから、ある意味ではきちんとワクチンを打っていただけるということですので、ここに関わっておられるタクシードライバーの方というのは本当にこれでしっかりと打ってもらうことができるんだなということが確認されたわけですから、これからは、自治体等の中で委託等を受けて自宅とか宿泊療養施設や医療機関の間の患者移送を行う場合には打っていただけると、これ、よろしくお願い申し上げます。
 次に、コロナ禍における宿泊事業者の方々への支援について、私からも質問をさせていただきます。
 新型コロナの感染拡大が長引いておりまして、現在、多くの観光事業者というのが窮地に立たされております。特に、振り返れば、頼みの綱のGoToトラベルというのはまだ停止が続いておりまして、代わって措置をされ、事業者の方からも期待をされていた自治体による住民向けの割引への支援も一時中断を今余儀なくされております。書き入れ時のこのゴールデンウイークもなかなかお客さんも集まらず、宿泊業者の皆さんからは、もういつ息絶えてもおかしくない状況というような声を上げている方もいらっしゃいます。
 このように宿泊事業者に寄り添った新たな支援が求められている中で、先月、四月の三十日に観光庁は、宿泊事業者が行う感染防止対策の費用に対して一施設当たり最大五百万円を上限に支援を行うと発表されました。政府の地域観光事業支援の支援措置を追加する形で都道府県の事業に対して財政的に支援をするということですが、支援策の詳細な内容とスケジュール、それから見通しなどについて観光庁長官の見解をお伺いしたいと思います。

#66
○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。
 宿泊事業者による感染防止対策等への支援につきましては、宿泊事業者による感染拡大防止策の強化等に係る費用につきまして各都道府県が支援する場合に、地域観光事業支援の一環として国が都道府県に対して財政的に支援するものであり、四月三十日に公表させていただいたところでございます。
 この事業では、都道府県による宿泊事業者が行う感染防止対策の強化等の費用を支援する事業、具体的には、感染症対策に要するサーモグラフィーや空気清浄機等の必需品の購入費用、感染症対策の専門家による検証のための費用などのほか、ワーケーションスペースの設置や非接触チェックインシステムの導入といった前向きな投資を支援する事業につきまして、国が財政的に支援することとしております。
 本事業における各事業者への補助額等の詳細は都道府県が設定できるものとしておりますが、補助率は各施設における事業費の二分の一を上限とするとともに、大規模施設にありましては、先生御指摘のように、最大五百万円までの支援を可能としているところでございます。
 現在、都道府県に対しまして補助金の交付要綱を通知しているところでございます。通知済みでございます。地方運輸局等を通じましてその内容を周知するとともに、速やかな本事業の開始に向けまして、交付申請の手続などを促しているところでございます。現時点で一部の府県におきまして事業実施の意向が公表されるなど、早期の事業開始に向けて準備を進めていただいているものと承知しているところでございます。
 今後も、引き続き地方運輸局等を通じまして早期の事業開始を働きかけ、新型コロナウイルスの影響で深刻な打撃を受けている宿泊事業者様に速やかに本措置が届くように取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
 以上です。

#67
○竹内真二君 今観光庁長官から答弁をしていただきましたように、対象は、改めて確認いたしますけれども、全都道府県の宿泊事業者の皆様、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の地域に限らず対象になるということです。しかも、宿泊事業者の方々にしてみると、感染防止対策、今御答弁いただいたようにかなり幅広い、いろんなものに使うことができるということですし、これまでに取り組んできた費用、それからこれから取り組む費用、どちらでもできるというふうに理解しておりますので、私は、ある意味では大変に宿泊事業者の皆様には力強い支援策を講じていただいたと、このように思っております。
 ただし、この宿泊事業者の感染防止対策費用への支援というのは国が都道府県の事業に対して財政支援を行う形になっておりますので、全都道府県に手を挙げていただいて全都道府県で実施していただくことが宿泊事業者の皆様にとっては極めて重要になっております。
 そこで、この支援の立ち上げに向けて、赤羽国土交通大臣の意気込みを是非ともお聞かせください。

#68
○国務大臣(赤羽一嘉君) この件につきましては、これまで全国でちょうど五十の観光地の皆さんと意見交換をする中で、特に、この年が明けてから、GoToトラベルが停止してなかなか見通しが付かない中で、大変資金繰りが本当に逼迫しているということで講じさせていただいたところでございます。
 ただ、今、竹内委員の御指摘のとおり、県の事業としてやっていただくことについて補助するということですので、県がこれをやっていただかないといけないと。前回の委員会で、岩本委員だったと思いますが、議会の開会中じゃないとなかなかできないんじゃないかという御懸念もいただいて、大変いいアドバイスをいただいたと思いまして、各全国の運輸局長から直接全知事に、方面の知事にそれを確認するということを実行させていただいて、知事の皆さんもほぼおおむね大変有り難い支援策だということで、臨時議会を開いていただいているところもたくさんありますし、また、こうしたことですから、知事の専決事項として処理もしていただいているところもございます。
 こうしたことも横展開しながらしっかりやっていきたいと思いますが、ただ、何というか、どうしても、いつも役所の批判ばかり大臣がしているのもおかしいんだけど、やっぱり財務省がうるさいのでと言うとこれも問題かもしれませんが、難しいような書き方を、ちょっと難しい書き方をするので、二分の一の補助率だというと、何か、私のツイッターのところに、二分の一の補助なんて、またふざけたことを言うなとか、これからまた新しく投資しろというのかみたいな話で、全くそれは誤解でして、もう既に、昨年の五月にガイドラインを出したときに感染拡大防止対策をもう講じていると、これはもう一〇〇%自分たちの費用でやっていただいていることに対して、どちらかというと遡及をする形で過去支払っていただいたものに対する補助なので、二分の一だとか何か難しいことを書くと、これ使えるのか使えないのかという話じゃなくて、感染拡大防止対策は総じて利用していただけるという、そういう趣旨も丁寧に説明しながら、本当にこの状況を乗り越えていくための私は大変使い勝手のいい支援策として思っておりますし、現場でもそういう認識でやっていただかなければいけないと思いますので、これはもう全運輸局挙げて、と同時に、業界の方にも、こうしたことがあるので、逆に言うと、地方議会に対して、地方議員さん通して働きかけをしていただきたいということも、二つの方向で今進めているところでございます。

#69
○竹内真二君 私ども公明党としても、党のネットワークを生かして、議会の役割も大変重要なことになってくると思いますので、しっかりと頑張ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 あと、これは蒲生長官に確認しておきたいんですけれども、地域観光事業支援では前売り宿泊・旅行券を活用した県民割も支援の対象となることが明確化をされました。
 現在ステージ3の都道府県であっても、将来的にステージ2相当以下になることを見越して前売りで発行する割引事業については支援の決定をするという理解でいいのでしょうか。その場合に、前売りで購入した宿泊・旅行券の実際の利用というのは、補助対象期間の年内に行う必要があるのかどうかについても説明をお願いしたいと思います。

#70
○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。
 地域観光事業支援におきましては、現在ステージ3相当以上の都道府県であっても、将来ステージ2相当以下となることを前提にあらかじめ宿泊旅行の割引販売を行う場合には国の支援の対象となります。ただ、実際の宿泊旅行はステージ2相当以下の期間に行われることが条件になります。
 一方で、地域観光事業支援につきましては、当初本年五月末までとしていた補助対象期間を、都道府県からの要望等を受けまして、十二月末まで延長しているところでございます。
 委員御指摘のように、八月までに予約販売された宿泊旅行であれば、本年内に実施されたものにつきましては支援の対象とさせていただいている予定でございます。
 よろしくお願いします。

#71
○竹内真二君 済みません、幾つか問合せがあったものですから確認をさせていただきました。ありがとうございます。
 それでは次に、マンションの機械式立体駐車場の事故の問題についてお聞きしたいと思います。
 現在、マンション内に設置された機械式の立体駐車場で、車を載せる駐車台、パレットというそうですが、これが落下する事故が相次ぎ発生をしております。主な原因というのは、車の出庫中にこのパレットを昇降させるワイヤロープが切れたりあるいはパレットを動かすモーターの不具合が起きたりしてこういう事故が起きているというふうに見られております。つまり、そういう機器の経年劣化が原因ということです。
 実は私も、今は一戸建てに住んでおりますけれども、二十五年以上前になりますけれども、一九九五年築の新築マンションを購入して住んでいた時期があります。そのときにもう既に敷地内には機械式駐車場というものがありまして、十年近く暮らしておりましたが、一度も故障や事故というものは起きたことがなくて、子供たちが割とボール遊びとかしてボールが入った場合でも、ちゃんと安全装置が働いて動かなくなるとかサイレンが鳴るとか、そういう仕組みにもなっておりまして、マンションの住民からも安全性が高いというような声も出ておりました。しかし、現在、この立体駐車場の場合には、部品等の経年劣化によって自動車ごとパレットが落下していると。
 そこで、まず、この機械式立体駐車場における部品等の経年劣化によって生じた類似事故の発生状況について、国交省の方にお聞きしたいと思います。

#72
○政府参考人(榊真一君) お答えを申し上げます。
 国土交通省が公益財団法人立体駐車場工業会等から把握した情報によりますと、部品等の経年劣化によって自動車を載せた台、搬器とかパレットといいますけれども、これが落下した類似の事故は、二〇一八年四月から二〇二一年三月までの間に十三件発生しております。その内訳は、人身事故が二件、物損事故が十一件となっております。

#73
○竹内真二君 そうすると、こうした事故のうち三件について、今年二月に、消費者庁の消費者安全調査委員会から国土交通省に対応を求める意見書が出されております。
 事故の概要と意見書の内容について説明をいただければと思います。

#74
○政府参考人(榊真一君) お答えを申し上げます。
 委員御指摘の消費者安全調査委員会に対して事故等原因調査等の申出がありました三件の事故は、いずれも自動車を出庫中に自動車が自動車を搭載するパレットとともに落下した事故であり、三件のうち一件につきましては、使用者が乗車中に起こったものでございます。
 これらの事故の原因につきましては、ワイヤロープや電動装置モーターなど、定期交換すべき部品等を交換することなく長期間にわたって使用し続けたことによる経年劣化によってワイヤロープが破断し、あるいは電動装置モーターやブレーキに異常を来したと推定されております。
 消費者安全調査委員会からの意見書におきましては、ワイヤロープの強度及び安定性に関する基準の見直しのほか、経年劣化による不具合の発生が生命身体事故につながる危険性が高い機器や部品に係るリスクの周知、保守点検の強化、定期交換の促進を図るべきこと等が指摘されております。あわせて、機械式立体駐車場の安全性の向上を図るため、今後、機械式立体駐車場において自動車の落下事故が発生した際には、国土交通省が収集した情報を消費者安全調査委員会に提供するよう求められております。

#75
○竹内真二君 今答弁にもございましたように、この意見書の中では、事故の再発防止のために保全及び保守点検に関する課題への対処であるとか標準保守点検項目等の見直しの検討といったことが表明をされておりまして、まさにこうした指摘に対して迅速かつ万全の対応をすべきと考えますけれども、見解を伺いたいと思います。

#76
○政府参考人(榊真一君) 今回の消費者安全調査委員会からの意見書を受けまして、国土交通省におきましては、地方公共団体や保守点検事業者等に対し、改めて機械式駐車設備の適切な維持管理の必要性について周知を図ったところであります。
 また、消費者安全調査委員会からの御指摘をいただきました件、まず、ワイヤロープの強度等に関する基準の見直しにつきましては、機械式立体駐車場の安全基準に関する技術委員会におきまして公益社団法人立体駐車場工業会とともに学識経験者等の意見も伺いながら検討を行い、年内をめどに検討結果の取りまとめを行うこととしております。
 次に、経年劣化による不具合の発生が生命身体事故につながる危険性が高い機器等に係るリスクの周知につきましては、今年度、リスクコミュニケーションの観点からの必要な対応についての調査を行い、その結果を踏まえ、できるだけ速やかに必要な対応を行ってまいります。
 さらに、保守点検の強化でございますが、現在、立体駐車場工業会が製造者や保守点検業者に望ましい点検の具体的な方法について聞き取りを行っております。この結果を踏まえまして、今年度の上半期をめどといたしまして、機械式駐車設備の維持管理に関する指針及びその解説書等について必要な見直しを行うこととしております。
 こうした取組を通じ所有者等への定期交換の必要性の周知徹底を図り、適切な維持管理を通じた機械式立体駐車場の安全確保を図ってまいります。

#77
○竹内真二君 時間が参りましたので、終わります。ありがとうございました。

#78
○室井邦彦君 維新の会の室井です。よろしくお願い申し上げます。
 最初に、私は、リニア中央新幹線の整備の今後の動向についてお聞きをしたい、このように思っております。
 四月二十七日、リニア中央新幹線の工事費がこれまでの計画より約一・五兆円増え、七兆円になる見通しであるとJR東海より発表がありました。予定していた二〇二七年の開業時期を延期するという正式な表明はございませんが、増える工事費のうち五千億円は自己資金で賄うというふうに聞いております。このJR東海は、東京―大阪間の開業時期を最大八年間前倒しをし、そして他方で、鉄道・運輸機構を通じ二兆円の融資を受けることになったと、このように理解をしております。
 リニア中央新幹線の工事費増嵩の影響から工事遅延とならないために国交省としてはどのような対応などを検討されているのか、まずお聞きをいたします。
 また、続いて、静岡工区の対応について、令和二年四月以降、リニア中央新幹線静岡工区有識者会議が国土交通省において開催されておりますが、この有識者会議の今後の議論の進め方やJRと静岡との合意形成の見通しについてお聞きをしておきたいと思います。

#79
○国務大臣(赤羽一嘉君) 室井委員から今御紹介いただきました、四月二十七日にJR東海がこのリニア中央新幹線に関しまして、品川―名古屋駅間の総工事費が約一・五兆円増加し、約七兆円になる旨の発表があったというのはそのとおりだというふうに承知をしております。
 ただ、この増額に関しましてJR東海は、引き続き建設は着実に進めていくと、開業目標も新たに設定したものではないというふうに述べておりますので、国交省といたしましては、このJR東海がリニア中央新幹線の事業実施状況どうなっていくのかというのはちゃんと引き続き注視をしてまいりたいというのが一つでございます。
 もう一つ、静岡工区につきましては、このリニア中央新幹線の早期実現という一つの柱と、また、建設工事に伴って水資源等自然環境への影響の回避、軽減、この二つのテーマを同時に進めるために、昨年四月、有識者会議を立ち上げさせていただきまして、これまで十一回開催をし、議論を重ねているところでございます。この有識者につきましては、メンバーとして、河川工学、水循環、地下水などの各分野の専門家の皆様に出席をしていただいて、多方面から様々な指摘がなされ、科学的かつ工学的な見地からの活発な議論がされているというふうに承知をしております。
 国交省といたしまして、この有識者会議における議論をしっかりと進めていくとともに、JR東海に対しましては、今後、利水者など地元の関係者の皆様に分かりやすく丁寧に説明をしていって御理解をいただけるように、しっかり汗をかくようにということは指示をしておるところでございます。

#80
○室井邦彦君 ざくっとした質問で、いろいろとお聞きしたいこともあるんですけれども。
 やはりこのリニアの件につきましては、やはり人流とか経済の交流、また、いろんなことで大きく日本の流れが変わると、そういう大きな大事業であると、私はそう認識をしております。大臣のその勢い、また皆さん方の指導、また協力、我々はもちろんのことでありますけれども、決まった以上、やはり少しでも早く経済活性化のためにも全力投球をしていただきたいということをお願いをしておきます。
 続いて、東南アジアにおける海外インフラ投資についてお尋ねをいたします。
 東南アジアの大都市それぞれありますが、都市鉄道など社会インフラの整備が急速に進んでいるというふうに認識をしておりますが、東南アジアで鉄道建設が相次ぐ理由は、鉄道建設が相次いでいろいろと計画をされている、これは、それぞれ都市の人口増で交通停滞が東南アジアでは深刻化しておるという状況であります。
 経済への悪影響が懸念される背景、この渋滞が非常に大きな経済への悪影響を与えておると。そういう状況の中で、海外におけるインフラ投資の拡大、日本の企業の受注につながる可能性を高めておりますし、コロナ禍で落ち込んだ景気の浮揚策になると期待をするところでありますが、現実は、ただ受注競争が激しさを増す中、ライバルの中国は、コスト面での安さを武器に、国を挙げて受注獲得に力を入れております。また、スマートシティーの都市開発では、先端技術に強いシンガポール勢が、勢いが存在感を高めております。
 そういう中での日本の在り方でありますが、これまでも海外事業は採算性が低かったり政策が突然に変わったりするなどリスクが非常に大きく、大規模プロジェクトのリスクによって、企業がどうしてもそのリスクを負い切ることができないというような大きな問題を抱えるわけでありますが、日本企業の逆にその慎重さが目立っており、そうしたリスクを企業に全て負わせるのではなく、少しでも知恵を絞りながら、分散させる方法、我が国の海外インフラ投資の拡大につながる、このように考えておるわけでありますけれども、このリスクを分散させる方策はないのか、それによっては民間企業もどんどん進出というかパワーアップできて、中国やシンガポール、韓国との競争に打ち勝つこともできるんじゃないのかな、このように思っておるわけでありますが、今後の国土交通省のこのリスク分散の施策、方法は何かないのか、あればお聞きをしたいと思います。

#81
○政府参考人(山上範芳君) お答え申し上げます。
 御指摘いただきましたとおり、海外のインフラシステムの案件でございますが、長期的に見れば安定的なリターンが期待できる一方で、初期投資から投資回収までに長い期間を要することに加えまして、相手国の突然の政策、制度変更といった政治リスクなど、海外事業特有のリスクがございます。我が国企業の積極的な海外展開を促進するためには、こうしたリスクの低減、分散が重要でございます。
 このため、国土交通省におきましては、トップセールスや政府間対話等を通じまして、川上の段階におきまして、民間企業としての懸念、想定されるリスクなど、あらかじめこれを取り除いて我が国企業の強みを生かした案件形成を図るとともに、海外インフラ展開法に基づきまして、独立行政法人等の公的な信用力、交渉力、そして培ってきた技術、ノウハウを活用いたしまして、調査事業ですとか計画策定、プロジェクトマネジメント等を行いまして、我が国企業の海外インフラ事業の参入を支援をしております。
 また、近年、東南アジア等新興国を中心に、民間の資金を期待したいわゆる民間活用型PPP案件が増えてございます。官民ファンドの海外交通・都市開発事業支援機構、いわゆるJOINにおきまして、海外インフラ案件への出資、役員等の派遣を通じましたハンズオン支援などによりまして我が国企業の民間活用型PPP案件への事業参入を支援しているところでございます。このJOINを積極的に活用していくことで海外インフラ投資に伴う完工リスク、相手国の政治リスク等、民間企業だけでは負うことが困難なリスクを分担し、我が国企業の海外事業への参画を促進してまいります。
 さらに、国土交通省では、案件受注後も継続的にフォローアップを行いまして、トラブル相談窓口である海外建設・安全対策ホットラインにより企業からの個別の相談に応じるとともに、関係省庁等とも連携いたしまして相手国政府に働きかけること等によりまして、問題解決に向け支援を行っているところでございます。
 こうした取組を推進いたしまして、民間企業のリスクの低減、分散を図り、我が国企業のインフラシステムの海外展開を促進してまいります。

#82
○室井邦彦君 そうですね。このJOINにしっかりと働いていただくというか、JOIN法を制定したときに非常に私も大きく期待を掛けておりましたし、このJOINについても、これ何か、ますますこの投資保証案件が年々増加して、百件を超えておるというような話も耳にしておりますし、特に、都市開発、鉄道、港湾、空港、物流、そして海運、下水道という、こういうものが東南アジアで非常に要求されておるという、百件の状況が、相談にJOINに来ておるということも聞いておりますので、ひとつ、せっかく作った法案でありますので十分に生かしていただくように是非お願いを申し上げたい、このようにお願いを申し上げておきます。
 最後の、一つ質問が残ってしまうんですけれども、問い三の海上輸送について最後の質問をいたします。
 世界の物流、海上物流の大動脈であるスエズ運河での大型コンテナの座礁事故がございました。四百隻を超える船舶が運河周辺で一時足止めされたと。世界の海上輸送量は三十年で三倍に増加したというふうに認識をしております。船舶事故によって物流の寸断がもたらす経済損失は非常に大きく、輸送リスク回避の観点からも、輸送ルートの多様化の動きが世界的に広がっているという、こういう現状であります。
 国土交通省としても、ウラジオストクからシベリア鉄道に荷物を積み替え、アジアから欧州を結ぶ第三の輸送路の開発を目指しておると、海陸複合輸送の実証事業を展開していると聞いております。
 この海上輸送に代わる第三の輸送路の可能性についてお聞きをしたいということと、もう一つ、北極海航路は、南回りの航路の約六割、六割程度の航行距離で、海賊のリスクも非常に少ない、商業航路としての経済効果は大きなものがあると、このように考えられております。
 この北極海航路について今後の展開をどう見定めておられるのか、お聞きしたいと思います。

#83
○政府参考人(久保田雅晴君) シベリア鉄道のことにつきまして、私の方からお答え申し上げます。
 国土交通省としましては、多様な輸送手段、輸送ルートによる安定的な国際物流の確保に向けまして、ロシア政府、ロシア鉄道と協力して、日本、ロシア、欧州間におけるシベリア鉄道の利用促進に向けた取組を実施してございます。
 具体的には、二〇一八年度から官民連携して貨物輸送パイロット事業を実施しておりまして、昨年度は、欧州までを直接結ぶ一編成借り上げ列車、いわゆるブロックトレインの実証運行を行いまして、シベリア鉄道の利用促進に向けた優位性と課題の検証を実施しました。その取組の結果、荷主企業や物流事業者からは、シベリア鉄道は海上輸送に比べるとコストが若干割高だという課題はあるものの、リードタイムは海上輸送に比べて約半分でございます。海上輸送、航空輸送に続く第三の選択肢として利用検討の余地があるとの声が上がっておるところでございます。
 国土交通省といたしましては、このパイロット事業を踏まえまして、荷主企業や物流事業者のニーズを引き続き把握し、シベリア鉄道の利用促進に向けた取組を着実に実施してまいりたいというふうに考えてございます。

#84
○政府参考人(石田優君) 北極海航路についてお答えをさせていただきます。
 北極海航路につきましては、欧州―アジア間を結ぶ航路としての新たな選択肢となる可能性があるとして、第三期の海洋基本計画において、その利活用に向けた環境整備を進めることとされております。現在でも、ロシア北極圏のヤマルLNGプロジェクトのLNG輸送に我が国の企業が参画をしているところでございます。
 他方で、北極海航路につきましては、夏期の利用が主になることや、航路の特性上、通航可能な船舶の制約があることから定期運航を要するコンテナ輸送はやはり難しい面がまだございまして、当面は北極圏における資源輸送が中心になるものと認識しております。
 国土交通省におきましては、北極海航路の利活用の動向や航行制度などに関します情報収集を行うとともに、産学官の連絡協議会を活用いたしましてその利活用に向けました環境整備に取り組んでいきたいと考えております。

#85
○室井邦彦君 これで質問を終わりますけれども、最後に、御承知のように、この座礁した船主に、正栄汽船に対して九億一千六百万ドル、約一千億円の損害賠償が請求されておるという、非常に無駄なことでありますので、是非よろしく、積極的に取り組んでください。
 終わります。

#86
○委員長(江崎孝君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時四分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十四分開会

#87
○委員長(江崎孝君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#88
○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。午後からもよろしくお願いしたいと思います。
 赤羽大臣、衆議院の本会議、大変お疲れさまでした。早速ですけれども、質問に入らせていただきたいと思います。
 まず最初の質問は、今年一月にも発生したんですけれども、大雪による大規模な自動車の立ち往生についてお伺いしたいと思います。
 今年一月には、北陸道、東海北陸道を始め、大雪による自動車の立ち往生が発生しました。この北陸道は、大体千六百台ぐらいの車が立ち往生で動けなくなったという事案です。今後、こういった大規模な大雪等によります自動車の立ち往生というのは発生させてはいけないというふうに思っております。そのためにも、日頃から、大雪等が発生する場合についてはどういった対応をするのか、留意点等について関係部署間でしっかり整理をして共有化しておく、このことが大変重要ではないかなというふうに思っております。
 今回の一月以降の事例を踏まえた上で、大規模な自動車の立ち往生が発生した要因、どのように要因分析されているのかという点と、今後の再発防止に向けた取組を、国土交通省としてどのような対策を講じていかれるのか、その二点についてまずはお伺いしたいと思います。

#89
○政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。
 昨年度の冬でございますけど、今お話ありましたとおり、十二月に関越自動車道で約二千百台、一月には北陸道で、今お話ありました約千六百台の大規模な立ち往生が発生いたしまして、二日以上も車内で待機いただくなど、利用者の皆様には大変御迷惑をお掛けしたというふうに思っておるところでございます。
 この冬の事象でございますけれども、高速道路で断続的に立ち往生が発生していたものの、並行する国道においても渋滞や通行止めなどが発生したことから、高速道路において交通機能を確保しようと考えて高速道路の通行止めをちゅうちょしたことが大規模な立ち往生の発生やその長期化の要因の一つだというふうに考えてございます。
 このため、国土交通省では、関係省庁とも連携いたしまして、有識者から成る冬期道路交通確保対策検討委員会を開催いたしまして、三年前、三十年二月に福井、それから石川県境で発生いたしました大規模な立ち往生を契機に取りまとめました大雪時の道路交通確保対策中間とりまとめを改定すべく御審議いただきまして、本年三月三十一日に御提言をいただいたというところでございます。
 この改定した中間とりまとめでは、高速道路と並行する国道等を交互に通行止めしながら集中除雪を行うことでどちらか一方の幹線道路により交通機能を確保するというこれまでの考え方から、人命を最優先に、幹線道路上で大規模な車両滞留を徹底的に回避することに基本的な考え方を変更いたしたというところでございます。
 具体的な対策といたしましては、短期の集中的な大雪時には、出控えなどの行動変容を促す取組といたしまして、通行止めの予測等の繰り返しの呼びかけ、それから、呼びかける対象の拡大、内容の具体化をするとともに、ちゅうちょない広範囲での通行止め、それから、高速道路と並行する国道等の同時通行止めを行うことと、その後の集中除雪によります物流等の長時間の途絶を回避するということを行うということといたしましたし、仮に立ち往生車両が発生した場合には、滞留状況を正確に把握できる体制の確保、関係機関の連携強化、それから地方整備局と地方運輸局等を中心とした乗員の確保などに取り組むことが盛り込まれているところでございます。
 国土交通省といたしましては、この改定されました提言の内容を踏まえ、次の降雪期に向け、関係機関と連携して、今後必要な改善を図ってまいります。

#90
○浜口誠君 ありがとうございます。
 是非、提言が取りまとめられておりますので、また次の降雪シーズンに向けて、提言の中身、しっかりと共有化をして徹底を図っていただきたいというふうに思います。
 今回の立ち往生したときに、じゃ、どういう車が何台ぐらい、今、二千百台とか千六百台という立ち往生した車が発生したという御答弁ありましたけれども、どういった車が立ち往生に巻き込まれたのか、例えばですけれども、乗用車系は何台なのか、トラック系は何台なのか、あるいはEVですね、電気自動車ですとかあるいはFCVと言われるような車がどれだけ巻き込まれたのか、さらには、自衛隊が救助に向かわれた場合に、立ち往生した車に何台ぐらい給油の措置をとったのか、こういったことをきめ細かく把握しておくことがまた次につながるのではないかなというふうに考えます。
 ただ、今回はそういった情報は余り把握されていなかったというふうに承知をしておりますけれども、今後に向けて、発生しないことが一番なんですけれども、仮に大規模な立ち往生が、今回のような状況が発生した場合にはきめ細かくそういった巻き込まれた車の中身というのをしっかりと把握をしていただきたいというふうに思っておりますけれども、国土交通省の今後の対応についてのお考えをお伺いしたいと思います。

#91
○政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。
 車両の滞留が発生した場合において、御指摘ありましたとおり、滞留状況を把握することは滞留者の健康状況の確認あるいはその救出、救援物資の配布等を行うために必要不可欠であると認識してございます。
 また、北陸道などで発生した立ち往生においては、滞留車両の解消までに長時間を要する見込みとなったことから、食料などの物資の提供に加えまして、県や観光・運輸部局と連携して、希望者に対しましてホテルや宿泊所への移動、一時避難のオペレーションを初めて実施したというところでございます。
 このように、大規模な立ち往生が発生した際には様々な支援が必要になるということでございまして、滞留車両の台数に加えまして、今後は、車両人員数、何人乗っているかということとその健康状況、御指摘のありました車両の動力源、それから避難希望の意向確認など、滞留者への支援のための必要な情報を把握することが重要であるというふうに考えてございます。
 しかしながら、残念ながら、昨年度の関越自動車道において発生した立ち往生では、滞留車両の台数が大幅に訂正されるなど、車両の滞留状況を正確に把握することができなかったということでございまして、このため、先ほど御説明しました、改定されました大雪時の道路交通確保対策中間とりまとめの提言を踏まえまして、今後は、立ち往生が仮に発生した場合、滞留状況を正確に把握するための体制を確保するなど、支援に必要な情報を確実に把握できるよう努めてまいりたいというふうに考えてございます。

#92
○浜口誠君 是非、滞留車両の詳しい情報は、発生しないのが一番ですけれども、仮に発生した場合はしっかり押さえて、次に生かしていただくことをお願いしておきたいと思います。
 今回の雪による立ち往生で結構心配の声としていただいたのが、これから自動車については、二〇三五年、電動車にシフトしていくという中にあって、今はガソリン車が多くて、あるいはトラックでディーゼル車が多いので、仮に長時間立ち往生で巻き込まれたとしても、燃料は携行缶にガソリンとか軽油を入れて燃料補給ができるんですけれども、今後EVとかFCVが多くの台数を占めてきたときに、本当に七十二時間あるいは九十六時間滞留になったときにそういった充電はどうするんだ、水素の充填はどうするんだといった、こういう課題が出てくるんじゃないかという声をたくさんいただきました。まさに命に関わる案件になってくるんじゃないかというような心配の声がありました。
 お手元に、今、いろいろヨーロッパ、EUなんかは、電動車シフトに向けて、いわゆるEVなんかは、もう別にプラグにつながなくても非接触で、ワイヤレスで電気自動車に給電できる、そういうトライをやっています。そのためには何が必要かというと、道路側ですね。道路の方に、この資料の一枚目とか二枚目見ていただきたいんですけれども、道路側に送電コイルを埋め込んで、その上を走れば、自動的にそこでいわゆる電磁波みたいなのができて自動車側に電気を送ることができると。実際に、二ページ目は、もうこういう道路を造って、高速道路とか町中の道で非接触のワイヤレスの充電ができるような体制をつくっていこうと、こういう先進的な動きも行われております。
 是非我が国においても、これから道路インフラのいろんな改修、メンテナンスをしていかないといけない、そういう局面を迎えますので、道路側の高度化を図って、今後の電動車に対しての対策も含めて、しっかりとした対応が必要になってくるんではないかなというふうに思っています。
 この非接触の充電だけでなくて、これからまさに道路側においては、電柱の地下埋設ですとかあるいはITS、高度道路情報交通システムという、いわゆる道路の方の高度化というのがすごく重要になってくるんじゃないかなというふうに思っていますので、まさにいろいろな観点から、道路側の高度化について国としてもこれからしっかりと取り組んでいただきたいなというふうに思っておりますけれども、御見解をお聞かせいただきたいと思います。

#93
○政府参考人(吉岡幹夫君) お答えを申し上げます。
 委員御指摘のとおり、今後の電気自動車や燃料電池車の普及に合わせまして、まず、道路において立ち往生などの非常時の対応策を事前に整えておくことは重要であるというふうに認識してございます。特に、電気自動車が滞留した場合の対応については、今年三月の、先ほど御説明しました有識者委員会の提言においても速やかに検討を行うべき旨の御指摘があったところでございます。
 これに対しまして、今の技術、現在の技術でございますけれども、レッカー車による牽引、それから、移動充電車からの充電あるいは道路上の電源設備からの充電などの可能性はあるものと認識してございますけど、具体的な対応策については今後国土交通省としても検討していかなければならないというふうに考えているところでございます。
 それからまた、御紹介がありました、今後の技術として非接触での充電でございますけど、委員から御紹介ありましたフランスでの取組に加えまして、当方で確認いたしますと、イスラエルやベルギーでも道路上で車両への充電を行う実証実験が進められているなど、世界的に見ても関心が高まっているんではないかなというふうに認識しているところでございます。
 我が国におきましても、国土交通省では、令和二年度より、走行中における非接触給電システム技術の研究開発二件に対しまして支援を行っているところでございまして、引き続き、車両メーカーも含めまして、民間事業者などからの御提案、御協力、そして学識経験者、関係機関などとも連携して取り組んでまいりたいと考えてございます。
 いずれにしましても、今後とも、国土交通省としましては、関係省庁などと連携いたしまして、新たな技術を含め幅広く情報の収集や開発の支援を行いまして、非常時のエネルギー供給とか補給も含めまして、電気自動車や燃料電池車の普及に対応した道路の質的向上というんですかね、を図ってまいりたいと考えてございます。

#94
○浜口誠君 ありがとうございます。
 是非、道路側のやはり高度化というのは、これから、先ほどもITSの関係、高度道路交通システムあるいはAIだとか自動運転なんかも、車両側だけじゃなくて道路側からいろんな情報を発信することによって、よりしっかりとした自動運転なんかの環境も整うということにもつながっていくと思いますので、今後、是非道路側の高度化の対する取組というのは、国土交通省としてもしっかりと取り組んでいただくことを重ねてお願い申し上げておきたいと思います。
 では、続きまして、話題を変えます。
 次は、二〇二四年の四月から、いわゆるトラックドライバーの皆さんを始めとする自動車運転者の皆さんの罰則付きの時間外労働時間の上限規制、これが導入されることになります。
 これまで、こういった自動車運送事業に対しての働き方改革、政府としても行動計画を策定していただいて取組を進めていただいているというふうには承知をしております。一方で、このトラックドライバーの皆さんを始めとする自動車運転者の方の長時間労働というのは、一つの要因としては、ドライバーのなり手がいない、少ないといったことも要因の一つだというふうに思っています。
 ドライバーのなり手、ドライバーを目指していただく方を増やしていくためには、いわゆる働きやすい環境を整えるということももちろん大事ですし、処遇水準なんかをやっぱり底上げしていく、こういうこともドライバー不足を解消していくためには大事な取組になってくるというふうに思っております。
 そこで質問なんですけれども、これまで自動車運転者、トラックドライバーの方を始めとする運転者の方の長時間労働の是正についてどのような取組を行ってきているのか、取組の中身、そして、そういった取組を行うことによってトラックドライバーの方を始めとするドライバー不足の解消あるいは長時間労働の是正、処遇水準の改善、こういったものがどれほど前進しているのか、その辺りについてお伺いしたいと思います。

#95
○政府参考人(秡川直也君) トラックドライバーの働き方改革ですけれども、二〇一八年、今おっしゃっていただいた行動計画が策定されました。それを受けましての取組なんですけれども、荷待ち時間の削減を図るために、輸送品目別にその課題と対策をまとめたガイドラインを策定して皆さんで共有するとか、あと、荷役作業を軽減するための機器の導入を支援するとか、あるいは適正な運賃収受を実現するための標準的な運賃というのを告示いたしまして、これを荷主さんへ周知徹底するといった取組を行ってまいりました。
 その結果なんですけれども、ドライバーの労働時間なんですけれども、平成二十九年度の平均は二千六百時間ということだったんですが、令和二年度の平均は二千五百時間ということで、数字は百時間は減少していると。賃金で見てみますと、年間総所得を総労働時間で割ったその賃金、全産業平均では平成二十九年から令和二年にかけて約一%上昇していますが、トラックドライバーについては四%の上昇となっております。
 あと、人手不足の関係ですけれども、トラックドライバーの有効求人倍率、平成二十九年度は二・五倍だったんですけれども、令和三年三月現在一・九七倍ということで、そういう数字の改善も見られているところでございます。

#96
○浜口誠君 ありがとうございます。
 徐々に取組の効果という形では出てきているんではないかなと思いますが、まだまだトラックドライバーの方を始めとする自動車運転者の方の長時間労働というのは課題が残っているというふうに思っています。
 冒頭申し上げたとおり、二〇二四年の四月には、罰則付きの時間外労働の上限規制、これはもう導入されることが決まっておりますので、もうあと三年もないんですね。結構経営者の方からも、どうしたものかなと、あと三年で罰則付きの上限規制が適用されるということに対してやっぱり心配の声も聞かれます。
 是非、これから残された時間もそう長くないなというふうに正直感じますので、国土交通省として、今後、このトラックドライバーの皆さんを始めとする長時間労働の是正に向けて重点的に何を取り組んでいくのか、やっぱり結構絞り込んで取り組んでいく必要があるんではないかなというふうに思っておりますので、この点に関して赤羽国交大臣のお考えがありましたら是非お聞かせいただきたいと思います。

#97
○国務大臣(赤羽一嘉君) このままの状況で確かに二〇二四年までに働き方改革を完成させるというのは非常に難しいことはよく承知しておりますが、それをやり切らないと結局ドライバー不足が解消できませんし、これをやり切らないと、運送業の皆さんが困るだけではなくて結局荷主も困ってしまうと、ひいては、物流が成り立たないということは我が国経済全体に大変大きな影響があるということでございます。
 こうしたことで、その中でこれまでも、平成二十九年には、標準運送約款の改正で、待ち時間ですとか作業と運賃は分けるんだと、こうしたことを改正しました。しかし、残念ながら、荷主の皆さんのなかなか御理解が得られなくて、翌年の平成三十年の秋の臨時国会だったと思いますが、議員立法で貨物自動車運送事業法の改正もされて、今局長が答弁したような内容で、しっかり守ってくれということでございますが、なかなか現状、コロナで経済的に厳しいような状況があるので、荷主の皆さんがどうしてもそこをなかなか御理解いただけない部分もありますが、これ、法律ができましたので、今までと違って守らなければいけない話なので、ここはちょっと、この法律の中にも、荷主の所管官庁も加えての法改正になっておりますので、そうしたことで、具体的にもう少しきっちりと、この法律にのっとったことはやっていただこうということをしていかなければいけないというふうに思っております。
 具体的には、荷主の所管官庁であります経済産業省、厚生労働省、農林水産省と、あと荷主の皆さん、また運送事業者等によって、それぞれの取引環境・労働時間改善協議会というのを中央と全国四十七の都道府県にそれぞれに設置をしております。こうした中でしっかりと、この標準的な運賃というものは何なのか、その目的は何なのかというのを全ての関係者で共有しながら、荷主とトラック事業者が対等な立場で運賃を決められるような、こうしたことを醸成したいというのが一つでございます。
 また、やはり荷主の皆さんってどうしても強いので、過載積ですとか過労運転を助長するような、現場でそうしたことがないように、不適切な運送依頼を行う荷主を強く指導するためにも、荷主の所管するそれぞれの官庁とも連携をしながら、そうしたことも重点的に取りまとめていきたいと。
 こうしたことによって、まずは適正な運賃収入を、運賃の収受を進めて労働単価を引き上げると。ドライバーの、おっしゃったように、まさに新3Kそのものだと思いますが、こうしたことを、労働環境のことを改善するということがこの人手不足の解消、ドライバー不足の解消の第一歩につながると思います。
 ただ、私は、ここまでは、何というか、国交省として正式に決まっていることですけど、本当にそれだけで、じゃ、トラックドライバーが増えるかどうかというのは、まだまだどうなのかなということはあります。やるべきこととして、今はまだやらなきゃいけない。
 加えて、やっぱりトラックドライバーの人が例えば自動車整備の資格を取れるとか、やはりそうした、もう少し横の連携というのかな、トラックドライバーが昔、何か、短期間にやって物すごく小金を稼いで違う商売やるみたいな、いわゆるトラックやろうみたいな時代とちょっと違うので、そうしたことも少し、これからの世代の皆さんたちの本当に希望というかニーズに応えるような枠組みも必要なのではないかという、そういう問題意識も持っているところでございますが、取りあえず目の前は、先ほど言いましたような働き方改革とそれを可能にする労働環境の改善、賃金の上昇を目指してしっかり取組を進めていかなければいけないと思っています。

#98
○浜口誠君 ありがとうございました。
 大臣の強い思いは伝わりましたので、是非、今御答弁いただいた内容をしっかり実現できるように今後も御努力いただくことをお願い申し上げて、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

#99
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
 東京外環道での陥没事故が発生をいたしました。被害を受けた住民の皆さんの間に不安と怒りが広がっております。ここは大深度地下でありました。今日は、同じく大深度地下での工事計画が認可されておりますリニアの地下工事、安全性について質問させていただきたいと思います。
 まず、この間の国交省の答弁を確認したいと思いますけれども、資料をお配りさせていただきました。こういう答弁ですね。大深度地下を利用したシールド工法を採用している、地上への影響は生じないものと考えている、大深度地下におけるシールド工法による工事については適切に工事が行われれば地上に影響は生じないものと考えている、こういう答弁でありまして、大深度地下での工事が地上に影響を与えないのは、大深度地下であるということと、それからシールド工法であるということを、この二つの条件をセットでずっと答弁されてこられました。
 まず初めに、改めて確認をさせていただきたいと思いますけれども、大深度地下における工事の安全性を担保する規定というのはあるんでしょうか。

#100
○政府参考人(里見晋君) 大深度法を所管している立場からお答えを申し上げます。
 大深度地下の公共的使用に関する特別措置法における使用認可制度につきましては、地権者等による通常の利用が行われない空間であるという大深度地下の特性に応じた合理的な権利調整のルールを定めるものでございます。
 大深度法上、大深度地下の使用に当たって安全の確保に配慮しなければならないことはもちろんでございますけれども、直接、工事の安全性を担保する規定というものが直接あるわけではございません。個々の事業における工事の安全性につきましては、大深度であるかにかかわらず、それぞれ個別事業の施行の認可等に係る法令や基準等において定められているものだと理解をしております。

#101
○武田良介君 大深度法ではその安全性を担保する規定があるわけではないということの御答弁がありました。
 今年の参議院の法務委員会で我が党の山添拓議員もこの問題を質問をしておりまして、このときの国交省の答弁も、大深度地下法によります使用認可制度では、単に大深度地下の工事であれば常に地上に影響を与えないということを前提としたものではないということの答弁もされております。そういうことだと思うんですね。少なくとも大深度地下法によってその安全性確認しているものではないということだと思います。
 これまでの答弁は、こういう大深度地下であるということとシールド工法を使っているという二つのことをセットにしながら地上への影響はないというふうに言ってきたわけですけれども、この答弁は不正確で、誤解を与えてきたのではないかというふうに思いますけれども、この点、大臣の認識を伺いたいと思います。

#102
○国務大臣(赤羽一嘉君) 多分、御指摘の三月二十日の衆議院国土交通委員会、平成二十七年ですね、この大深度地下における工事の安全性に関して当時の国土交通大臣の御答弁は、大深度地下におけるシールド工法による工事については、適切に工事が行われれば地上への影響は生じないという趣旨を答弁されたというふうに承知をしております。ですから、シールド工法による工事であればということではなくて、適切に工事が行われることを前提にお答えをしているというふうに承知をしているところでございます。

#103
○武田良介君 私、誤解を与えてきたんじゃないかというふうに思うんですね。
 少し紹介しますけれども、これまで、多くのメディアですとかあるいは住民の皆さんも含めて、大深度だから大丈夫だというふうに説明を受けてきたというふうに認識されていると思うんです。地上への影響はないと言われてきた大深度地下工事の前提が崩れた、こうやって報道している、あの外環道の事故をですね、報道しているメディアもありますし、あるいは大深度地下法の問題では、大深度地下は通常利用されない場所で、地上には影響を与えないとして地上の所有者には一切無断で掘削を認めてきた大前提がこの陥没と空洞の発見で崩れたと、週刊誌の報道もありました。あるいはジャーナリストの方も、東京外環道の陥没事故が同事業とリニアの見直しを迫るものというふうに指摘をした上で、二つの事業は大深度地下の公共的使用に関する特別措置法によって認可された、これは東京、名古屋、大阪など大都市の四十メートル以上深い地下部を、地下部の空間を超法規的に使用することを認めたもので、その理由は、大深度地下の工事は地上の住居などに影響を与えないという前提に立っているからだと、こういう指摘が次々とされております。
 何より、自宅の地下をリニアが大深度で通るんだという住民の方、これも、二〇一八年の住民説明会の際に大深度だから地上に影響はないと聞いてきたと、そういう認識だということをおっしゃっている、こういう方がいらっしゃるわけですね。
 やっぱり誤解を与えてきたのではないかというふうに私思うんですけれども、大臣、改めて、誤解を与えてきたんではないだろうか、この点いかがでしょうか。

#104
○国務大臣(赤羽一嘉君) 先ほど申し上げた大臣答弁が国土交通省の見解でありまして、それとはちょっと別の形で、様々なマスコミですとか週刊誌の報道が、まあいろんな報道があるというのはこの件に限らず私たちは体験していることで、変な言い方、無責任に言うわけじゃありませんけど、あらゆる報道について私たちが誤解を与えてきたかどうかというのは、それはそれぞれマスコミ各社ですとか評論家の皆さんの見識でやられていることであって、先ほど質問していただいたように当時の国土交通大臣の答弁が国交省の認識であって、ここの大深度におけるシールド工法による工事については、適切に工事が行われれば地上への影響は生じないという趣旨を答弁したというふうに私としては承知をしておるところでございます。

#105
○武田良介君 地域住民の方が受けた住民説明会というのは、もちろんこれ、JR東海であったり国交省の方も含めて説明があったと思うんです。そういう説明会に参加された方が大深度地下だから地上にいる私たちには影響ないんだと、そういう説明を受けてきたというふうに実際認識をされているわけでありますので、私は誤解が広がってきた、与えてきたというふうに思いますし、先ほど最初の答弁いただきましたけれども、少なくとも、大深度で工事をする、その工事の安全性を担保する規定はないということは確認をさせていただきたいというふうに思います。
 では、実際に外環道の陥没事故を受けてもなお、このリニアの工事は安全にできるというふうに言えるのかどうかということについて伺いたいというふうに思います。
 JR東海の金子社長は、東京外環道の陥没事故の原因となった特殊な地盤は、リニア工事では首都圏、愛知県にはないというふうに言及をされております。
 国交省にお尋ねいたしますけれども、その事実は間違いないというふうに国交省として認識されておられるでしょうか。

#106
○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
 リニア中央新幹線におきましては、シールド工法による大深度地下でのトンネル掘削工事につきまして、第一首都圏トンネルのうち東京都品川区から町田市の間の三十三・三キロメートルの区間及び第一中京圏トンネルのうち愛知県春日井市から名古屋市の間の十七・〇キロメートルの区間において計画をされております。
 本年三月、調布市の陥没を受けました東京外環トンネル施工等検討委員会有識者委員会の報告書が公表されましたが、リニア中央新幹線の事業主体であるJR東海としても、この報告書を十分に踏まえて工事を行うこととしております。
 具体的には、地盤の特性に応じた工事の施工方法など工事の安全確保に関して、有識者委員会の検討結果を受けて、実施すべき対策について現在検討中であること、また、先ほど説明会のお話が出ましたけれども、トンネル掘削工事を開始する前には、工事を行うルート沿線の住民を対象といたしまして、有識者委員会の検討結果を受けた対策等につきまして説明会を開催する予定ということになっております。
 委員御指摘の調布市の陥没が起きたような、三つの条件というふうに言われておりますが、そうした地盤については、JR東海におきましては、平成三十年の大深度地下の使用の認可申請に当たり、地形、地質に関する既存資料を収集、整理をしておりまして、その支持基盤の連続性の確認のためにボーリング調査を実施いたしております。
 こうしたことを踏まえた社長の発言だというふうに認識しておりますが、先ほど答弁させていただきましたとおり、この有識者委員会の示した対策を今踏まえて具体的な対策をJR東海として検討しているということでございますので、この三つの条件がそろった地盤があるかないかにかかわらず、JR東海がどういう対策を実施していくかということは現在検討中であるというふうに私どもは認識しております。

#107
○武田良介君 いろいろお話しいただきましたけれども、金子社長が言及しているのは、今答弁にありましたように、あくまでその外環道の事故原因となった特殊な地盤、それと同じ地盤は首都圏、愛知県にはないということだと思うんですね。ですから、別のメカニズムによって陥没事故のようなものが発生する可能性ということまで否定しているものではないと思うんですね。
 今答弁の中にもありました二〇一八年の大深度地下法の申請をした際の書類、そこが大深度であることを証する書類ですね、これを私も見ました。これ見ますと、その中に地盤急変部に関する考察というのがあるんですね。この地盤急変部ということは、地面に埋まった谷ですとか段丘ですとかあるいは断層のことで、そこは地層が変わるために工事を行う際に注意を要する場所だということだと思うんですね。
 それがどういうふうにあるのかと、この中に記されておりまして、首都圏でいいますと、結論だけですけれども、世田谷層が分布する多摩川左岸付近で横断する可能性のある埋没谷、埋没谷って地中に埋まってしまった谷ということですよね、埋没谷、同じく下末吉の台地の埋没谷、あるいは国分寺崖線、崖線って崖ですね、崖線、それから多摩川低地の埋没谷、四か所が文献調査、地盤調査に基づいて確認された地盤急変部であるとJR東海がしているというふうに私理解しておりますし、中部も指摘をされておりまして、矢田川累層から海部・弥富累層に変わる地層の境界、あるいは文献調査によって推定活断層が急変部になり得ると。この中部圏については、地盤調査してみたら、地層境界については支持基盤上面は同じ程度の標高であって、余り落ち込みもないし、推定断層も違うだろうと、ボーリングデータしたら違うだろうということで、これは違うと判断すると、そのボーリングのデータまで全部一緒に記載されておりませんでしたので私よく分かりませんけれども、判断するとJR東海は言っているわけですね。
 そうしますと、その外環道と同じではないけれども、同じではないけれども、例えばこの地盤急変部があるといって首都圏では少なくとも認め、中部圏でも推定されるところはあると言い、こういうところで今後崩落などが起こる可能性というのは否定できないというふうに考えますけれども、国交省の認識を伺います。

#108
○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
 先ほど答弁をさせていただいたとおりでございますが、JR東海社長の発言は、これまでのボーリング調査あるいは文献調査の結果を踏まえて、この三つの条件がきちんとそろった地盤があるかないかということを発言したものでありまして、JR東海が実施すべき対策は別途考えていくものだというふうに認識をしております。
 また、私どもといたしましても、大深度区間を含むリニア中央新幹線の工事は建設主体であるJR東海の責任で行われるものでございますが、本件の大深度工事における安全対策等につきましては、JR東海に対しまして検討の結果を報告するように求めております。また、報告内容に従って適切に工事が進めるよう指導していくことにいたしておりますので、そうした点は、委員御指摘の点もしっかり踏まえながら対策を検討していくように指導したいと思っております。

#109
○武田良介君 対策をどうするかと聞いたわけじゃないんですよ。地盤急変部があるとJR東海が自ら示した文書の中にあるから、そういうところで東京外環道と別のメカニズムも含めて今後事故が起こることはあり得るでしょうと、だから、外環道でいろいろ対応を取りました、それに対する対応をやります、それだけでは安全とは言い切れないでしょうと、そのことを伺っています。

#110
○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
 現在、JR東海におきましては、まずは、この調布で起こりました陥没事故の有識者会議の対策が出ているわけでございますので、それを踏まえて対策を検討中であるというふうに聞いております。
 その対策の内容につきましては総合的に我々の方でも話を聞いていきたいというふうに思っておりますが、まずはこの有識者委員会の対策を踏まえた検討を行うことが適切であると我々は認識しておるところでございます。

#111
○武田良介君 いや、ですから、対策を聞いているんじゃないんです。対策を聞いているんじゃなくて、今後、そういう地盤急変部とかがあるから安全性が確認されているわけじゃないですねと、これから起こり得るんですよねということを確認しているんです。否定できないということだと思うんですよ。いいですか、そういうことで。

#112
○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
 通告をいただいておりませんので、その安全性がそこでこの調布の事案とどう異なってくるかとか、そうした科学的あるいは工学的な検討につきましては、私ども、今責任を持って答弁することができないということでございます。

#113
○武田良介君 時間が来ましたのでまとめたいと思いますけれども、否定できないということだと思うんですよ。
 それは、だって、これから大深度の地下で、実際に調布でああいうことがあり、これからアルプスも含めてやっていこうというときに、まあ大深度法の世界とちょっとアルプス違いますけれども、やっていこうというときに、いろんなことが当然起こり得るわけですよね。だから、調布のことをまず見てと言うけれども、それだけでは全く不十分になってくるということだと思うんですよ。
 そういう認識を私は持たなければならないということを指摘させていただきたいと思いますし、そういう意味では、もう本当に見通しがどうなっていくのかということだと思いますから、リニアの中止を求めて、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

#114
○木村英子君 れいわ新選組の木村英子です。
 改正された踏切道改良促進法に伴い、本日は、車椅子を利用している当事者の立場から、踏切の安全対策についてお話しします。
 重度障害者の私にとって、そして車椅子を利用する障害を持った人たちにとっても、車椅子は、ただの福祉用具ではなく、とても大切な体の一部です。これがなければ日常生活を円滑に送ることはできません。車椅子による踏切の事故が多い中で、車椅子利用者が安心して町中を歩けるように、その解決策を検討していただくために質問いたします。
 国交省としては、車椅子利用者の踏切の安全対策の一つとして、車輪がレールの溝にはまるのを防ぐために、レールの溝に緩衝材を入れる対策を各鉄道事業者に周知しているところです。資料二を御覧ください。このように、緩衝材を入れれば溝は少し浅くなりますが、それでも深さ三センチほどの溝が残ってしまうため、車椅子の車輪が溝にはまって踏切内から出られず、事故に遭ってしまいます。
 国交省の調査によると、過去五年間に車椅子利用者の踏切事故は十二件あり、そのうち十一件は、踏切内のレールの溝に緩衝材が入っていたにもかかわらず事故が起きてしまっています。また、資料一の独立行政法人製品評価技術基盤機構の調査によれば、二〇一八年に踏切内で電車にはねられて死亡した電動車椅子利用者は五人となっています。二〇〇九年から二〇一七年までに電動車椅子使用者が踏切内の事故で亡くなった人数は計六人ですので、二〇一八年に急増したことが分かります。
 この団体の調査では、これらの事故について、原因が特定できないものを除いて製品に起因した事故ではないとしており、前輪が線路の溝にはまって立ち往生したことなどが原因と見られています。
 この調査資料では電動車椅子利用者への注意事項がまとめられており、踏切の通行はできるだけ避け、やむを得ず通る場合は介助者が同行することや、線路の溝に車輪がはまるのを防ぐため、ハンドルをしっかり握って線路に対して直角に進むことなどが書かれています。しかし、どんなに車椅子利用者が注意しても、線路の溝に車輪がはまってしまうという事実は変えられませんので、車椅子利用者の踏切内での事故はなくならないと思います。
 実際に、私も何度も踏切を渡ったことがありますが、毎回、車輪が溝にはまらないように、進路に対して真っすぐに走るように気を付けています。しかし、いつも緊張しながら渡るので、線路の真ん中で急に警報機が鳴り出すと、音にびっくりして車輪がレールにはまってしまうことがあります。そんなときは介護者に引き上げてもらうのですが、もしも介護者がいなければ線路内から出られず、電車にひかれることは避けられないと思います。
 車椅子利用者にとって、線路に車輪がはまった場合、自力で抜け出すことは容易ではありません。ですから、車椅子利用者が安心して踏切を渡れるように、国と鉄道事業者が連携して、車椅子利用者のための安全対策を講じていただきたいと思います。国交省が安全対策の一つとして掲げている、挙げているレールに緩衝材を入れる対策ですが、それだけでは車椅子利用者の事故を防ぐことはできないと思います。
 踏切内に車椅子利用者が取り残された場合、国交省としてはどのような安全対策を講じているのか、お聞かせください。

#115
○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
 国土交通省では、平成二十七年に、有識者、鉄道事業者、関係行政機関から成る高齢者等による踏切事故防止対策検討会を設置し、高齢者や障害者の踏切事故の原因を検討し、対策を取りまとめてまいりました。その中では、踏切内の段差やレールと路面との隙間、溝に車椅子の車輪などが引っかかり踏切内に取り残される可能性があるため、二つのことを検討をしてまいりました。
 一つは、段差解消による踏切内の平滑化というものでございまして、従来のレールとレールの間にはコンクリートブロックが分かれて設置をされている状態になっておりますが、この分かれていたコンクリートブロックを一つの構造にいたしまして、そこにくぼみを設けてレールを配置していくような、そういう形を取ることによってこのくぼみの段差が少しでも小さくなる、そういう構造をやっております。これは連接軌道化というやり方でございますが、これで極力段差をなくそうという取組、それからもう一つが、委員御指摘の緩衝材によるレールと隙間の解消ということでございます。
 今回の踏切法の改良では、バリアフリー施策の一環として、この段差解消につきましても踏切の改良方法の一つとして位置付けたところでございますが、一方で、委員御指摘のとおり、現行の緩衝材、このお配りいただいている資料のような形のもの、これは護輪ラバーと言われているものでございます。隙間への緩衝材でございまして、この隙間に列車が走行、特に曲線を走る場合に、車輪のフランジという、レールに沿って曲がれるように、車輪の外縁に出っ張りがございます。この出っ張りがこの溝を通る、その溝を通る際の摩擦をなるべく元々軽減するためにこうした護輪ラバーというものが設けられております。このフランジと接触する護輪ラバー、緩衝材の耐久性や保守性の確保ということは、委員御指摘のとおり、非常に課題となるところでございます。
 現在、鉄道局といたしましては、鉄道総合技術研究所などと連携をいたしまして、新たな緩衝材として、まず、この絵にございます護輪ラバー、この上に新たに天然ゴム等を接着をして段差を少なくする、そしてまた、この護輪ラバーの耐久性を確保していくといった取組、あるいは、もう護輪ラバーを一つ取ってしまって、護輪ラバーと一体としてこうした充填材を設けるというような開発を進めてまいりました。現段階では、こうした新たな緩衝材につきましては、耐久性、安全性など、実用化に向けた段階に今研究開発が進んできているというところでございます。
 また、委員の御質問である万が一車椅子が取り残された場合、これは、当然ながら、非常用の押しボタンあるいは踏切障害物検知装置の設置といったことが重要になってまいります。
 これらにつきましては、その設置をなるべく早く進めるように鉄道事業者に指導を行うとともに、経営状況が厳しい鉄道事業者がこうした障害物検知装置の設置を促進できるように平成十三年から支援を行ってまいりましたが、平成二十八年度からは、非常用押しボタンやあるいは車椅子が検知可能な3D方式のこうした障害物検知装置への切替えを促進するための補助事業を実施しているところでございます。

#116
○木村英子君 分かりました。
 レールの段差解消については引き続き技術開発を進めていただきたいと思いますが、現時点では、感知能力の高い3D式の障害物検知装置が最も車椅子の方には有効だと思っています。
 そこで、資料三を御覧ください。
 障害物検知装置は、約三万か所ある一種踏切のうち約一万か所に設置されていますが、その約八割が光電式障害物検知装置となっています。その装置では、主に自動車を検知対象としており、歩行者や車椅子利用者はなかなか検知することができません。
 資料四を御覧ください。
 車椅子利用者の死亡事故においてもこの装置が機能しなかったケースがあり、光電式障害物検知装置では、車椅子利用者の命を確実に守っていくということはできません。
 そこで、最近ではより検知能力の高い3D式の障害物検知装置の導入が進められていますが、この装置が設置されている踏切は約千七百か所にすぎません。これでは車椅子利用者の事故は減りません。障害者や高齢者の社会参加が進む中で、車椅子利用者の外出がより増えていくと思いますので、踏切の安全向上のための3Dの障害物検知装置の設置を早急に増やしていただきたいと思っています。
 また、3D式障害物検知装置の設置を進めるとともに、運転手が非常時の信号を見逃さないための対策も必要です。障害物検知装置のシステムは、運転士が信号を目視して手動でブレーキを掛けなければならないため、運転士が特殊信号発光機の信号を見逃したり急ブレーキを掛けるタイミングが遅れたりして、事故を防げない場合があります。
 そこで、JR西日本では、資料五を御覧いただくと分かるとおり、運転士が信号を見逃さないための対策として、列車の先頭にカメラを取り付け、特殊信号発光機の信号を感知すると運転士に音で知らせるシステムを開発しました。こちらは一部の線に試験導入され、現在は実用化に向けて試験結果を検証中とのことです。
 さらに、障害物検知装置が作動した際に踏切の手前で停止するよう自動でブレーキを掛ける自動列車停止装置、ATSを導入している鉄道事業者もあると聞いています。こうした取組を国として常に情報把握し、より確実な安全対策を検討していく必要があると思います。
 次に、資料六を御覧ください。
 3D障害物検知装置等の設置をする鉄道事業者は、踏切道改良促進法に基づいて、鉄道施設総合安全対策事業に係る補助金を申請することができます。しかし、補助対象事業者に要件があり、赤字又は営業利益の少ない鉄道事業者、かつ全事業において赤字又は営業利益率の少ない事業者のみを対象としており、例えば、JR本州三社はこれまで補助の対象になっていませんでした。鉄道事業者の経営状況によって補助対象を絞っている現状では、3D式障害物検知装置の設置等の安全対策を事業者が最優先に取り組んでいくのかが懸念されます。
 踏切道改良促進法は踏切での交通事故を防ぐための法律だと思いますので、安全と命を最優先に考えて、補助対象事業者の要件や補助率を見直していくべきだと考えます。車椅子を利用する障害者や高齢者の命を守るためには、検知能力の高い3D式の障害物検知装置の設置を進めることが最も必要だと思われます。
 踏切事故では多くの障害者や高齢者が犠牲になっていますので、命を守ることを重点に、全踏切の安全性を向上させるため、鉄道事業者の経営状況にかかわらず全ての鉄道事業者を障害物検知装置等の設置の補助対象事業者にするように検討していただきたいと思います。
 さらに、特殊信号発光機が反応した際に運転士に音で知らせるシステムや自動でブレーキが掛かる踏切用ATSの導入など、各鉄道事業者の取組を把握した上で、より安全性を高められる新技術については鉄道施設総合安全対策事業の補助対象となるように併せて検討していただきたいと思いますが、赤羽大臣のお考えをお聞かせください。

#117
○国務大臣(赤羽一嘉君) 踏切における事故を撲滅していかなければいけないというのは、鉄道事業者も、また国土交通省も全く同じ考えでございます。
 特に、平成二十八年度から、非常用の押しボタンですとか全方位型警報機、また、人や車椅子の検知が可能となる3Dの障害物検知装置への切替えもこの補助対象に追加をしておりますし、また、今回の踏切道改良促進法の改正では、踏切の状態を監視するためのカメラの設置も新たに補助対象とさせていただいたところでございます。
 これまでもこうした支援制度を拡充してきたわけでございますが、今後も、新技術の開発に合わせ、また、関係者、当事者の皆様の意見を聞きながら、そうしたことの対象の幅を広げるというのはこれからも不断なく努めていきたいというのが第一点でございます。
 その対象について、ちょっと多分誤解があるんだと思うんですが、赤字事業者又は営業利益率が少ない事業者に限定しているということは、JR三社ですとか黒字の会社はやらなくていいという話ではなくて、限られた財源の中で全部に広げると、結局、赤字の事業者ですとか営業利益率が少ない事業者に対しての補助が薄くなってしまうということであります。
 ですから、黒字会社、JR三社等は、これは当然、この安全対策というのを最優先で行うというのは彼らの姿勢でもありますし、そうしたことは進めるべきであるということでありますし、加えて、経営状況が悪い会社でも、しっかりとこの踏切保安設備の整備等々について鉄道事業者が果たすべき役割は果たしてもらわなければいけないわけですし、そうしたことが、経営体質が貧弱なところに対しましては国が集中的にサポートをするということでございます。
 総合的にしっかりと、この踏切道のみならず鉄道の事故が改善されるように、安全第一の鉄道行政、しっかりと取り組んでまいる決意でございます。よろしくお願いします。

#118
○木村英子君 ありがとうございます。質問を終わります。

#119
○委員長(江崎孝君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────

#120
○委員長(江崎孝君) 住宅の質の向上及び円滑な取引環境の整備のための長期優良住宅の普及の促進に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。赤羽国土交通大臣。

#121
○国務大臣(赤羽一嘉君) ただいま議題となりました住宅の質の向上及び円滑な取引環境の整備のための長期優良住宅の普及の促進に関する法律等の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 現在、我が国の住宅市場は量的には充足している一方で、耐震性、省エネルギー性能が十分でない住宅ストックが多く存在いたします。こうした住宅について、建て替えやリフォームにより質を向上させるとともに、適切に維持保全し、将来世代が受け継ぐことのできるストックとして有効活用していくことは、住居取得に係る負担の軽減や地球環境への負荷を低減させる観点から重要です。
 このため、長期優良住宅の認定促進等による住宅の質の向上に加え、既存住宅を安心して購入できる環境を更に整備し、既存住宅流通市場を活性化させることが必要です。
 このような趣旨から、この度この法律案を提案することとした次第です。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一に、共同住宅に係る長期優良住宅の認定について、区分所有者がそれぞれ認定を受ける仕組みから管理組合が一括して認定を受ける仕組みに変更することとしております。
 第二に、長期優良住宅の認定に当たって、住宅性能評価を行う登録機関による住宅の構造等の確認結果を活用することにより、認定に係る審査の合理化を図ることとしております。
 第三に、長期優良住宅の認定基準として、災害リスクに配慮する基準を追加することとしております。
 第四に、住宅紛争処理の対象として、リフォーム、既存住宅売買等に関する瑕疵保険に加入した住宅に係る紛争を追加することとしております。また、住宅紛争処理に時効の完成猶予効を付与することとしております。
 第五に、住宅紛争処理支援センターの業務として、住宅の瑕疵の発生の防止に関する調査及び研究を行うことを追加することとしております。
 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上がこの法律案を提案する理由でございます。
 この法律案が速やかに成立いたしますよう、何とぞ御審議よろしくお願い申し上げます。
 以上です。

#122
○委員長(江崎孝君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時三十四分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト