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2021/05/20 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 経済産業委員会 第5号 令和3年5月20日
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2021/05/20 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 経済産業委員会 第5号 令和3年5月20日

#1
令和三年五月二十日(木曜日)
   午前十時開会
     ─────────────
   委員の異動
 五月十七日
    辞任         補欠選任
     加田 裕之君     山崎 正昭君
     高橋はるみ君     島村  大君
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     青木 一彦君     野上浩太郎君
     島村  大君     高橋はるみ君
     山崎 正昭君     加田 裕之君
     森本 真治君     福山 哲郎君
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     野上浩太郎君     青木 一彦君
     福山 哲郎君     森本 真治君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         有田 芳生君
    理 事
                青山 繁晴君
                加田 裕之君
                宮本 周司君
                礒崎 哲史君
                岩渕  友君
    委 員
                阿達 雅志君
                青木 一彦君
                江島  潔君
                佐藤  啓君
                高橋はるみ君
                松村 祥史君
                宮沢 由佳君
                森本 真治君
                里見 隆治君
                高瀬 弘美君
                新妻 秀規君
                石井  章君
                浜野 喜史君
                ながえ孝子君
                安達  澄君
   国務大臣
       経済産業大臣   梶山 弘志君
   副大臣
       経済産業副大臣  江島  潔君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       佐藤  啓君
       国土交通大臣政
       務官       鳩山 二郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山口 秀樹君
   政府参考人
       総務省大臣官房
       審議官      黒瀬 敏文君
       経済産業省大臣
       官房商務・サー
       ビス審議官    畠山陽二郎君
       経済産業省大臣
       官房福島復興推
       進グループ長   須藤  治君
       経済産業省貿易
       経済協力局長   飯田 陽一君
       経済産業省産業
       技術環境局長   山下 隆一君
       経済産業省製造
       産業局長     藤木 俊光君
       経済産業省商務
       情報政策局長   平井 裕秀君
       資源エネルギー
       庁長官官房資源
       エネルギー政策
       統括調整官    小野 洋太君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       茂木  正君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      松山 泰浩君
       中小企業庁事業
       環境部長     飯田 健太君
       中小企業庁経営
       支援部長     村上 敬亮君
       国土交通省道路
       局次長      宇野 善昌君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査
 (日本貿易保険における法令違反事案に関する
 件)
 (カーボンニュートラル実現に向けたエネルギ
 ー政策の在り方に関する件)
 (新型コロナウイルス感染症の影響に係る中小
 企業支援に関する件)
 (東京電力福島第一原子力発電所のALPS処
 理水の処分に関する件)
 (産業界におけるサイバーセキュリティ対策に
 関する件)
 (今後の自動車産業政策に関する件)
 (再生可能エネルギー導入に係る課題に関する
 件)
    ─────────────

#2
○委員長(有田芳生君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○委員長(有田芳生君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に加田裕之さんを指名いたします。
    ─────────────

#4
○委員長(有田芳生君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省大臣官房審議官黒瀬敏文さん外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#5
○委員長(有田芳生君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#6
○委員長(有田芳生君) 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#7
○加田裕之君 おはようございます。自由民主党、加田裕之でございます。
 まず最初に、NEXIの再発防止策の実施状況とその評価についてお伺いしたいと思います。
 NEXIにおいては、貿易保険法上保有することが認められていない外国債券を購入した問題と、そして保険料誤徴収のこの問題の、二つの法令違反事案がありました。本当に大変遺憾なことであると私は思っております。
 NEXIは二月、外部弁護士から成る調査委員会を設置しまして、業務全般の調査、検証を行い、その調査委員会の提言を踏まえて五月十四日に再発防止策を策定し、その進捗状況についてNEXIから経産省に報告があったと聞いております。
 このようなことが二度と起こさないためにも、NEXIが再発防止策を着実に実施することは非常に重要であると考えておりますが、五月十四日の報告では再発防止策の実施状況についてどのような報告がされたのか、また経産省としましてどのように評価しているのか、お答えください。

#8
○政府参考人(飯田陽一君) お答えいたします。
 ただいま御指摘のありました二件の法令違反事案に関しまして、四月九日に株式会社日本貿易保険、NEXIから、貿易保険法に対する、違反に対する再発防止策について報告がございました。これを受けまして、経済産業省からNEXIに厳重注意を行うとともに、再発防止策の速やかな実施と、その実施状況について報告を求めたところでございます。
 その報告の内容について御質問があったわけでございますが、具体的には、まず、外国債券の購入の問題につきましては、現場の対応力を強化するために、資金運用を従来の役員決裁から社長決裁に変更し、資金運用担当者への月二回の研修を行うという報告がございました。また、複層的なチェック機能や内部監査を強化するため、法務を統括する法務・コンプライアンスグループの新設や内部監査グループの人員の強化について報告があったところでございます。
 また、保険料の誤徴収の問題につきましても、同様の考え方で業務のフローを見直し、複層的なチェック体制を整備したとの報告を受けております。
 さらに、NEXI全体の法令遵守体制を強化するため、外部専門家を活用すべく、コーポレートガバナンス委員会を従来の社長から変更いたしまして取締役会の助言機関と位置付け、外部有識者中心の委員構成に変更する見直しを行ったと報告を受けております。
 経済産業省といたしましては、今回のNEXIの再発防止策は外部調査委員会の指摘も踏まえた妥当な内容であり、これが着実に実施されているものと評価をしております。
 他方、こうした再発防止策は一過性のものであってはならず、今後の業務の在り方を見直したものでございますので、これが継続して実行されることが重要だというふうに考えております。
 このような考え方の下、経済産業省としては、引き続きNEXIをしっかりと指導監督してまいりたいと考えております。

#9
○加田裕之君 大変、先ほど説明はいただきましたけれども、緊張感を持ってやっていただきたいと思います。
 続きまして、企業のインフラの海外展開に対する取組についてなんですけれども、NEXIは、貿易保険を提供しまして、事業者が輸出や投資といった海外ビジネスを安心して行うための支援をしております。
 我が国の経済の持続的な成長を実現していくためには、著しく経済成長を遂げる新興国を始めとする海外の旺盛な需要や成長市場を獲得することが大事です。新型コロナウイルスの感染拡大によりまして移動の制約がある中で、ますますその重要性は増しております。昨年十二月に取りまとめられたインフラシステム海外展開戦略二〇二五でのインフラシステムの受注額三十四兆円の目標の実現や、カーボンニュートラルやデジタル分野における更なる推進なども重要であり、こうしたことに向けての、着実に取り組んでいくことが必要であると認識しております。
 日本企業のインフラ海外展開に向けてどのように取り組んでいくのか、お伺いしたいと思います。

#10
○政府参考人(飯田陽一君) お答えいたします。
 ただいま委員御指摘ございましたとおり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を含め、我が国を取り巻くビジネス環境が急激に変化しております。
 この中で、我が国の持続的な経済成長を実現するためには、日本企業の海外展開を一層後押ししていくことが必要と考えております。そのような考え方の下、海外インフラシステム展開につきましては、昨年十二月に政府全体としての新たな戦略、インフラシステム海外展開戦略二〇二五を策定したところでございます。
 具体的には、カーボンニュートラル、デジタル変革への対応を通じた経済成長の実現、インフラシステムを展開する国の社会課題解決、SDGs達成への貢献、自由で開かれたインド太平洋、FOIPの実現を、この三点を戦略目標として設定しております。これを実現するための具体的な施策の柱といたしましては、新型コロナへの対応の集中的な推進、カーボンニュートラルへの貢献、デジタル技術、データの活用促進などを位置付けたところでございます。
 経済産業省といたしましては、コロナに加えまして、カーボンニュートラルやデジタル等の重点分野における実証事業、事業実施可能性調査、海外企業とのマッチング等を通じたプロジェクト組成、現地人材育成等の施策によりまして、日本企業の競争力強化を図り、日本企業による質の高いインフラの海外展開を支援していく方針でございます。

#11
○加田裕之君 今御答弁いただきましたように、いろいろコロナにおける変化、そして様々な支援策を求めている声が多くあります。そうした中におきまして今回貿易保険法改正というのができなかったということは、私、大変残念だと思います。私も資料いろいろ調べまして、兵庫県の、地元の隣、大阪の方にも事務所もありますので、そういう形で本当に取組についていろんなことを質問しようと思っておりました。
 そのことについてちょっとまた質問したいんですけれども、貿易保険法を改正しなければコロナ禍で事業者の支援は完全に行うことはできないということもあります。また、阪神・淡路大震災の際にも地元の事業者の苦労も目の当たりにしてきましたけれども、そうした地震や洪水などの自然災害も、海外事業となると事業者にとってはより一層な大きな不安の要素になるにかかわらず、現在の貿易保険ではカバーできていない部分もあるのも確かです。
 この先見通すことが非常に難しい中で日本企業が世界で確固たる地位を確立していくためには、NEXIが民間保険との役割分担の中でより一層事業者のためにリスクを引き受け、官民で力を合わせて対応していくことが不可欠だと思っております。こうした対応に万全を期すためにも、必要な事業者支援について更に検討し、より充実した法改正を提出するべきであると私は考えておりますが、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

#12
○国務大臣(梶山弘志君) 我が国の貿易、投資をめぐる環境が急激に今変化をしております。そういった中、日本企業が安定的に国際的な事業展開を行うためには貿易保険の役割がますます重要になっておりまして、これを担う株式会社日本貿易保険への政策的期待も高いと認識をしております。
 NEXIにおいては、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業者に対して現在貿易保険制度の下で可能な支援に努めているものの、事業者からは、新型コロナウイルス感染症等の様々なリスクに対応した貿易保険制度の整備への期待が示されていると承知をしております。
 具体的には、感染症や自然災害等の影響により発生する従業員の退避費用等の追加費用を保険金支払の対象とすること、感染症など様々なリスクにより日本企業のグローバルサプライチェーンが寸断されるおそれが高まっていることから、日本企業の直接投資先のみならず再投資先を含めたサプライチェーン全体を保険の対象とすることなどの要望をいただいているところであります。
 そのため、NEXIにおいて、今般の貿易保険法違反事案を踏まえて刷新された組織体制の下で業務が着実に運営されていることを前提に、民間保険と適切に役割分担しつつ、感染症や自然災害を含む海外事業に関する様々なリスクに対応をする、新型コロナウイルス感染症により明らかになったサプライチェーンの脆弱性を踏まえてその強靱化を支援するなどの観点から、産業界からの要望も踏まえて、貿易保険法改正法案の提出について検討してまいりたいと考えております。

#13
○加田裕之君 大臣が御答弁いただきましたように、コロナということ、そしてこれから世界の中での自然災害、我々の、貿易立国日本と言われている中におきまして、いろいろな事業者の皆さんは、そうした条件の中で、まさにコロナ後の世界というのはニューノーマルな世界であります。
 そうしたものに対応していくために、この貿易保険法自体がしっかりと改正され充実し、そしてまたそういう事業者の皆さんにしっかりと応えれるような形、後押しできるような形、そういうものをやはり求めていきたいと思っております。しっかりとその点につきましては、これは政治の現場でもそうですし、また政府の方におきましても、緊張感を持ってやっていきたいと思っております。
 次に、東京電力の柏崎刈羽原子力発電所の核物質防護事案についてお伺いしたいんですけれども、この核物質防護の機能の一部喪失事案が発生しまして、原子力規制委員会では、東京電力に対しまして特定核燃料物質の移動を禁ずる是正措置命令を発出されました。
 柏崎刈羽原子力発電所は、これまでも首都圏の暮らしや経済を支える安定的な電力を供給してきた発電所であるとともに、福島責任の貫徹に貢献するためにも重要な電源であります。今後、東電が規制委員会の検査にしっかりと対応し、信頼回復を努めていくのはもちろんですが、経産省にとりましても、東電や規制庁任せにするのではなく、東電が生まれ変わっていくために積極的に指導していくべきであると思いますが、経産省の御見解をお伺いいたします。

#14
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
 核物質防護の確保は原子力事業者の基本でございまして、今般の事案に関しまして原子力規制委員会より厳しい判断がなされたことにつきましては、私どもも深刻に受け止めてございます。
 事業を所管する経済産業省といたしましても、資源エネルギー庁長官から小早川社長に対しまして、原子力規制委員会の監視の下で、経営陣を含む組織全体で危機感を持ち、核セキュリティーに対する職員の意識等の根本原因を究明し、抜本的な対策を講じるよう厳しく指導してきているところでございます。
 東京電力においては、強い危機感と緊張感を持っていただき、第三者の評価、また他電力、他業界等の外部専門家の指導も取り入れていただき、徹底的な原因究明と核物質防護体制の再構築を図るべきだと考えてございます。
 経済産業省といたしましても、これは東京電力任せにすることなく、引き続きしっかりと指導監督してまいりたいと考えてございます。

#15
○加田裕之君 是非お願いいたします。
 そして、これはエネルギー全体、そして原子力政策についてお伺いしたいんですけれども、柏崎原子力発電所の問題は東電が全力、全社挙げて信頼回復に取り組むことが必要とありますが、将来の原子力利用を含めたエネルギー政策を議論するに当たっては、この状況に加えまして、安定供給、経済性、環境問題、そしてまた二〇五〇年のカーボンニュートラル実現を目指すという国際的な、これは全世界、これは菅総理が世界に表明したことは大変な英断であると思っておりますし、他方、この目標をしっかりと達成するには並大抵のことではないと思っております。
 そういう意味におきまして、しっかりと環境と経済が両立するエネルギー政策を構築するためには再生可能エネルギーの最大限の導入や水素といったイノベーションにも取り組んでいくことは必要ですけれども、これらの課題を考えますと、しっかりと、将来のリプレースを含めて、原子力の長期的な活用を始め、二〇五〇年のカーボンニュートラルに至るまでの道筋をしっかりと示していくことが必要であると思っております。
 こうした世界の動きというものもしっかりと踏まえながら、カーボンニュートラル宣言をした我が国における原子力を含めた将来のエネルギー利用の戦略について、大臣の見解をお伺いしたいと思います。

#16
○国務大臣(梶山弘志君) エネルギーは全ての社会経済活動を支える土台であります。我が国の国際競争力維持と雇用の確保のためには事業者が安定的に事業を行うことが重要、そして、そのためにも、3EプラスSのバランスを取りながら安価なエネルギーの安定供給を確保することは、いつの時代も、いかなる状況下においても最重要課題と認識をしております。
 二〇五〇年のカーボンニュートラルを目指す上でも、現時点において、安定供給、経済性、気候変動問題への対応の全てを満たす完璧なエネルギー源が存在せず、今後の革新的技術の進展や社会の変容などの不確実性があることから、確立した脱炭素電源である再エネ、原子力を最大限活用し、水素、アンモニア、CCUSなど新たな選択肢も追求することが重要と考えております。
 カーボンニュートラルへの挑戦は成長戦略であり、御指摘のとおり、産業の空洞化を招くことはあってはならないと認識をしております。総合資源エネルギー調査会におけるヒアリングにおいても、産業界からエネルギーコストの抑制に向けた御意見をいただいているところでもあり、議員からの御指摘なども踏まえて、あらゆる施策を総動員していく必要があると考えております。現在進められているエネルギー基本計画の見直しに向けた議論の中でも、カーボンニュートラルへの挑戦を成長戦略につなげられるよう、集中的に、タブーなく、いろんな立場の方からのお話を聞きながら議論を進めているところであります。

#17
○委員長(有田芳生君) 加田さん、時間ですので、おまとめください。

#18
○加田裕之君 終わります。

#19
○森本真治君 おはようございます。立憲民主党の森本真治でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日通告させていただきましたのは、先ほど加田委員が最後に言及されましたけれども、菅政権にとってこれ一つの目玉政策だというふうに思いますけれども、カーボンニュートラルですね、の関係を通告をさせていただいております。
 また、先般、二〇三〇年度温室効果ガス削減目標ですね、現行の二〇一三年度比二六%から七割以上引き上げて四六%削減を目指すということも政府として表明をされたところでございます。相当野心的でありまして、極めてハードルの高い困難なこれは目標ではないかと個人的には思います。
 地球温暖化対策というのは、これ切り口によって様々な議論がなされるんだろうと思います。今日は、ちょうど今この時間、環境委員会ですね、温暖化対策の推進法の議論がされているということでございますけれども、こちらは経産委員会ということで、この温暖化対策でも、国民生活、さらには経済、産業にどのような影響がこの温暖化対策の中であるのかということをしっかり議論をしていくということが私は重要だと思っております。
 政策を考える上で、まず高い目標を掲げて、理想を掲げて、どこに、どうそこに近づいていくのかということのアプローチと、やはり現実社会ですね、現実のこの経済というものをしっかりと見て、そこからより良い方向に進んでいくということですね、この二つのアプローチが私はあると思いますが、やはり本委員会はその後者の議論ということを私はやっぱりやっていきたいというふうに思っております。是非また大臣始め経産省の担当の皆さんのお考えも今日は確認ができればなというふうに思います。
 そこで、まず冒頭は大臣にお伺いをしたいと思います。
 この度の政府の地球温暖化対策推進本部で決定した二〇三〇年の温暖化ガス削減目標、この二〇一三年度四六%削減、個人的には、経産省、相当途方もない目標ではないかと愕然としているんではないかというふうにも思っておりますけれども、大臣の、今回の政府の決定については、率直なところ、どのように思っていらっしゃるでしょうか。

#20
○国務大臣(梶山弘志君) 委員おっしゃるように、極めて高いハードルになったなと、七割を引き上げているわけでありますから、そういう思いであります。
 今回の目標、地球規模課題の解決に向けて我が国として大きく踏み出すために、二〇五〇年のカーボンニュートラルと整合的に、かつ野心的な目標として菅総理が表明をされた、決断をされたものでもあります。この野心的な目標に向けては、CO2の大宗を占めるエネルギー部門の取組と製造業等の構造転換が不可欠であります。産業界とも密接に連携をして、対話の窓口を常に開いておりまして、そういった形で取り組んでいくことが重要でありますけれども、産業界からも大変厳しいという声は聞かされております。
 具体的には、二〇五〇年を見据えて、電化と電力の脱炭素化、水素社会の実現、CO2固定、再利用といった重点分野における技術開発、社会実装に取り組みながら、二〇三〇年に向けては、あと九年後ですから、徹底した省エネや再エネの最大限の導入、安全性最優先の原子力の再稼働などを進めてまいりたいと思っております。
 新たな目標はこれまでの目標をはるかに上回るものでありますから、決して容易なものではないと考えております。他方、気候変動への対応は、我が国経済力を力強く成長させる原動力になる、こうした考えに基づけば、次の成長戦略にふさわしい野心的な目標であると考えております。
 経済の停滞がありました。この停滞というのは投資不足というお話もありました。投資への、投資の対象というものをグリーンであるとかデジタルであるとか、そういったものにしっかりと目標を定めた上で投資をしていただく、政府もその後押しをする、また海外の資金もそこに入れていくということも含めて産業基盤を整備することによって、またもう一度再び力強い成長になれるように、経済産業省として全力で取り組んでまいりたいと思っております。

#21
○森本真治君 現行の削減目標でも、二六%削減というですね、これでも相当なやっぱりチャレンジングな目標だったんじゃないかなというふうに思います。
 それで、私もいろいろ教えていただく中では、この二六%の設定については、現実的な、例えば技術的な制約の問題、コスト面のことなども含めて十分に考慮して、対策、施策というものをしっかり積み上げながら何とかこれを頑張っていこうというふうにも設定をされていたんではないかというふうに思いますね。
 今回のこの四六%の目標という部分については、これ、大臣でもどなたでもいいんですけれども、やっぱりこれ現実的な積み上げ的に目標設定ができているのかどうかというところですね、本当、絵に描いた餅になってもいけませんし、経産省としてはその辺りも具体的にこの四六%の根拠についてはしっかりと考えていらっしゃるのかどうかということも併せてお伺いします。

#22
○国務大臣(梶山弘志君) 総理の気持ちだけで言ったものではありません。エネルギーの基本計画の見直しにおいて、総合資源エネルギー調査会において、二〇三〇年に向けたエネルギー政策を含め、昨年の十月から十一回も議論をしてきているところでもあります。
 その中で、例えば二〇三〇年の省エネの見通しを、従来の五千三十万キロリットルから五千八百万、さらには六千万キロリットル程度に見込んでおります。更なる深掘りを検討していこうということであります。再エネ拡大に向けた環境アセスの要件緩和などの政策強化の結果、二千九百億キロワットアワー程度を示して、更なる政策対応によりどの程度の導入が、可能が見込める、見込むことができるか、再エネの拡大にも努力をしているところであります。さらには、原子力については国民の信頼回復に努め安全最優先の再稼働を進めること、石炭火力などについては安定供給確保を大前提にできる限り電源構成の比率を引き下げていくことといった論点について、具体的な数値を積み重ねた上での総理への具申というものをしてきているところであります。
 総理から表明された新たな二〇三〇年目標に向けて、こうしたこれまでの議論の積み重ねも踏まえて引き続き集中的に議論を深めて、エネルギー基本計画の見直しについての結論を出してまいりたいと思っておりますけれども、あくまでも、また産業界との連携ということも必要ですし、産業界にはこれ数字を出した以上しっかり守ってもらう、達成をするための努力をしてもらうということも必要ですので、私どもが現実を見ながらそういった取組をしていくということになります。

#23
○森本真治君 ありがとうございます。
 エネルギー基本計画の今の考え方などもちょっと踏まえて、大臣も丁寧に御答弁いただきました。
 それで、ちょっとこれきっちりと通告をしていなくて、ちょっと大臣の個人的な考えというか、イメージでもいいんですけれども、この地球温暖化対策で温室効果ガスの削減ということが言われて、ただこれ、多くの国民というのは、この温暖化の影響というのは、例えば昨今の大雨であったり大規模災害ということに結び付いているんではないかなと、温暖化の影響でこうなっているんではないかなということを何となくは感じているというふうに思うんですね。
 それで、例えばこれ、じゃ、カーボンニュートラルですね、カーボンニュートラルを実現できた社会ってどんな風景なんだろうかなというところが、なかなかこういう例えばCO2なんかについては見えませんので、目に見えてですね、これが減った、増えたというのが何かよく分からない中で、どうやって皆がモチベーションを持って頑張っていこうかなというところはちょっと私もふと思ったんですね。
 で、例えばこの温暖化対策、温室効果ガス削減という中で、例えば電力の電源構成などを見直すんだとか、供給側のこの目標というか手法ということについてはよく議論がされるんだけれども、需要側の国民ですね、これがどうなるのかということを、私は、ちょっとこれ難しいかもしれないけれども、ちょっとやっぱり示していく必要があって、どういう社会になるのかということですね。
 例えば、これ、カーボンニュートラルが実現できた社会、例えば再エネが主力になっている社会というのは、例えば、計画的に電気はある一定の時間は使用制限が掛かるような社会になっていくのかとか、安定供給ということがなかなか難しくて、例えば夏でもエアコンの使用をちょっともう控えていかなければならない社会なのかとか、私はそういうような、カーボンニュートラルが実現して国民生活がバラ色になるばっかりではなくて、やっぱりそういう国民が負担を、生活の規制というか、抑制されなければいけない社会でもあるんではないかなというふうに思うんです。
 ですから、結果としてこういう社会になるんではないかということのやっぱり議論を国民ももっともっと理解をしていきながらこれからのこの対策というのをやっていく必要もあるのかなというふうに思うんですけれども、大臣は実際にこれ、カーボンニュートラルの実現できた社会というのは、やっぱりある程度、何でもかんでも国民とか人類が望むようなことはできない社会だというふうに私は思うんだけれども、大臣はどう思いますかね、その辺りは。

#24
○国務大臣(梶山弘志君) 国民の方に気候変動対策というのも認識してもらうということ、大変重要なことだと思っております。温暖化ガス、地球温暖化ガスが増えてくることによって海面の温度が上がる、そのことによって気象の状況が変わってくる、そして豪雨があったり大きな台風が来たりというふうなこともある、また北極、南極の氷が解けるというようなこともあるわけであります。そういったことに対して地球に住む人類がみんなで力を合わせてその対策をしていくということでありますけれども、一方で、電力構成でいえば、化石燃料は退出をしていくという形になります、そして再生可能エネルギーは最大限入れていくという形になる。
 この二つの違いというのは、再生可能エネルギーというのは変動電源だということであります。例えば、夜は太陽光は発電をしない、風のないときには風力は発電をできない、そのための補助のシステムも必要だということであります。そういう中で、退出が多くなっていけば当面節電のお願いをする場合も出てくると思いますけれども、最終的には産業もしっかりと機能をし、そして皆さんの生活というものも満足できるような世界に持っていきたいということで技術開発もしているということであります。
 一つにパワー半導体というのがありまして、これは省エネを図っていくための半導体ということでありますけれども、人間がスイッチの入り切りをしなくてもそういった形で半導体がその機能を果たすというものもあります。節電機能、そういったものも含めて社会全体をつくっていくということが重要であろうかと思っております。
 ただ、電力が増えていくんですね。電化を図っていくということですから、車も電気になる、そしていろんなデジタル化の中で電力の消費量も多くなる、さらにはまたデータセンターというのも電力を非常に多く必要とするものであります。
 そういった中で、いかに省エネ等その転換を図っていけるかということを皆さんに分かりやすく伝えていくことも、私どもと環境省、そして政府全体の仕事であると思っております。

#25
○森本真治君 ありがとうございます。
 特に、電源構成をどうするかというようなことについては、これ国民の中でもやっぱり関心が高い議論の一つだと思います。
 政府は、やっぱりベストミックスということでの再生可能エネルギー、そして火力は、先ほど言われたけれども、どんどん割合を減らす、そして原子力という、このベストミックスの中でということを言われておりますが、やっぱり国民の中には、例えば原子力に対する不安とか、そういうこともある。ただ、じゃ、そのベストミックスではない、じゃ、例えば、先ほど申しましたけれども、再生可能エネルギーを本当にじゃ主力にするんだという議論になっていけば、もちろんいろんな技術開発はあるけれども、先ほど私が申し上げたような、生活や例えば産業への影響がどうなのかということをもっと分かりやすく国民の皆さんにも説明をしていく努力ということですね、その中で国民の皆さんに判断をしていただくということはやっぱりこれからもやっていただきたいなというふうにも思っておるところでございます。
 そういう中で、先ほど大臣からはエネルギー基本計画の改定についても状況を少し御説明をいただいたんですけれども、まさに今議論中なんで、具体的にどこまでお話が伺えるかどうか分からないんですが、報道などでは具体的なこの電源構成の数字などもちょっともう既に出ているようなところもあります。
 私は、やっぱりこのエネルギー政策という部分については、先ほどもありましたけれども、3EプラスSということですね、ここをしっかりと基本を維持しながら、その中でどうカーボンニュートラルの実現、これ表裏一体ですから、維持する、このバランスを維持していくことが、知恵を出していかなければならないというふうに思うんですけれども。
 で、先ほどもあった、もう十年ない中で、二〇三〇年これ四六%削減という野心的な目標があって、先ほどは積み上げてやられているという話もありましたけれども、ちょっとこの議論のもう少し状況ですね、その電源構成の話などもちょっともし御説明がしていただけるようであれば、大体いつ頃にはこれがまとめたいというスケジュール感も含めて、これは副大臣の方でよろしかったんでしょうかね、ちょっと補足で御説明いただければと思います。

#26
○副大臣(江島潔君) まだ数字等まで御報告をさせていただくまでには至っていないんですが、現在における検討状況をお話しさせていただきます。
 この総合資源エネルギー調査会におきまして、今この削減目標に向けたエネルギー政策について議論を行っている真っ最中でございます。
 この二〇三〇年の新たな削減目標でありますけれども、これ、温室効果ガスの排出の八割以上を占めるこのエネルギー分野の取組、これが特に重要でございます。新たな削減目標の実現に向けまして、このエネルギーの安定供給、これが大前提となりますので、省エネの深掘り、そして非化石エネルギーの拡大を進めていかなければいけない、このような非常に複雑なこの連立方程式を解かなければいけないわけであります。
 このような観点から、審議会におきましては、まず二〇三〇年の省エネ量の見通しの更なる深掘り、まずこれを検討しています。それから、再エネ拡大に向けた導入量の見通しが、これが検討項目の一つ。それから、原子力に関しましては、これは、まずは現時点におきましては、国民の信頼回復に努めて、安全最優先の再稼働を進めていくということを目標にしております。それから、石炭火力でございますが、これは安定供給確保ということが大前提となりまして、できる限り電源構成での比率を下げていくことといった論点を重ねております。
 特にこの石炭火力に関しましては、森本先生の御地元であります広島で大崎クールジェンという、大変にこれは意欲的な、化石燃料を使いながらこの地球温暖化を抑えることができるという、こういうその新技術、世界の最先端と言っても過言ではないと思いますが、これらに取り組んでおります大崎クールジェンは森本先生もきっと応援していただいていると思いますんで、このような取組も通じて、総合的なこのエネルギーミックスというものを今どうあるべきかということを議論がなされております。
 このエネルギー政策を進めていく上では、ちょっと重複しますが、まず安全性の確保、これが大前提でありまして、そしてエネルギー供給の安定性の確保、それから経済性ももちろんであります、そしてカーボンニュートラルに代表されるこの気候変動問題への対応、これらをバランスを取っていくということが日本の繁栄を維持していくために必要でございます。
 審議会におきましては、全てのエネルギー、どれも完璧なものというのはないということを再認識をした上で、幅広い選択肢を追求をしていくことが重要である、あるいは3EプラスSは絶対に外せない大前提だと、このような指摘もありまして、このような御意見を踏まえながら、今集中的に議論をして結論を出していきたいと思います。

#27
○森本真治君 具体的な数字についてはまだ検討中ということで御答弁がなかったわけでございますが、基本的な考え方ということで今お話を伺って、なかなかでもこれ大変ですね、本当に、3EプラスSの実現もしながらも、その大前提は守りながらもこの新たなカーボンニュートラルというですね。
 例えば、じゃ原子力でも、今でも大体二割の目標ということで、今、六%ぐらいでしたかね、稼働がですね。そういう中で、でも、まず今原子力については、国民的な理解を得ることがまず先だとなると、いつになったらこれが動かせるんだろうかとかですね。
 本当、あと九年しかない中で、そういう、これはなかなか本当に様々な課題で、このエネルギー政策というものを、目標を実現するには相当なハードルだなと、改めて私は今ちょっと思っているところでございますが、それでもまたチャレンジングな、野心的な数字になってしまったので、関係の皆さん大変だと思うんですけれどもね、是非、これはやっぱり国民生活に直結する問題でございますので、引き続きの御奮闘をお願いしたいというふうに思います。
 それで、今回新たにこのカーボンニュートラルの視点なども、エネルギー基本計画の中でも更に強調されるということでございますけれども、その中で、この、じゃ、目標達成をする中で気になるのが、3Eの一つであるやっぱりこの経済性ですね、コストですね。ここの部分について、やっぱり私は、これまで以上のやっぱり追加的な国民負担というものがどうなっていくのかということを危惧するわけです。
 現在でも、エネルギーコスト、私は、原子力の再稼働の停滞、再エネ賦課金の増大で私は高水準だと、我が国の国民負担というのはですね、考えておるんですけれども、まず、経産省としては、現状の国民負担ですね、これについてはどのような水準だというふうに認識をしておって、私はやっぱりできるだけ下げていかなければならないというふうに思っているんですけれども、その辺りについてのお考えをお伺いしたいと思います。

#28
○政府参考人(小野洋太君) お答え申し上げます。
 我が国の国際競争力の維持と国民生活の観点から、3EプラスSのバランスを取りながらでございますけれども、安価なエネルギーの安定供給、これを確保することは、いつの時代、いかなる状況下におきましても最重要課題というふうに認識しているところでございます。
 こうした観点から、二〇三〇年の新たな削減目標、それから二〇五〇年のカーボンニュートラルを目指す中におきましても、エネルギーコストを抑制すること、これは極めて重要だという認識で検討を進めているところでございます。
 まず、二〇三〇年に向けましては、安全性を最優先とした原発の再稼働、それから再エネコストの低減に向けた技術開発、これらによりましてコストの低減と非化石化、これを同時に進めていきたいというふうに考えているところでございます。
 他方で、二〇五〇年につきましては、これもう既に答弁ありましたけれども、3EプラスSの全てを満たす完璧なエネルギーは存在しないと、それから今後の革新的技術の進展とか社会の変容などにつきましては不確実性が伴うということを踏まえれば、再エネのみならず原子力、火力、水素、アンモニアなどあらゆる選択肢を追求し、カーボンニュートラルの実現を目指すことが重要であるというふうに考えているところでございます。
 今の電力コストにつきましての認識も含めてでございますけれども、東日本大震災後、産業用電気料金というのは二五%上昇しているところ、おります。これを踏まえますれば、エネルギーコストの抑制は極めて重要だというふうに考えておりまして、エネルギー基本計画の見直しに向けた議論を進めている総合資源エネルギー調査会におきましても、産業界からエネルギーコストの抑制に向けた御意見をいただいているところでございます。
 エネルギー基本計画の見直しに向けましては、こうした観点も含めて、集中的に議論を深め、結論を出していきたいというふうに考えているところでございます。

#29
○森本真治君 今の御答弁、二〇三〇年に向けては様々な技術革新などでコストを抑制していきたい、二〇五〇年については、だから国民負担が上がるかもしれないし抑制ができるかどうかも今の段階では分からないというような、ちょっと先が長いのでということなのかなと今の御答弁では思いましたけれども。だから、そういうことでいいんですね。やっぱり、これからカーボンニュートラル実現していくということは、様々なあらゆる手段を使わなければ、やっぱり普通に考えれば、コストは、国民負担は上がっていくということで、ちょっとそこだけ確認させてください。

#30
○政府参考人(小野洋太君) ただいま、まだ、二〇五〇年の姿につきましてはまだ議論中でございますので、確定的なことはお答えできませんけれども、今の委員会、資源エネルギー調査会、委員会での、審議会での検討の最新状況を御報告申し上げますと、二〇五〇年につきましては複数のシナリオというのを分析しているところでございます。そのうちの一つの参考値ということで、シナリオのあくまで一つということでございますけれども、原子力、水素が一割、それから再生可能エネルギーが五から六割、それから火力につきましては二から三割というような、そのような状況について今シミュレーションをしているところでございます。この参考値のケースにつきましても、これが仮に実現するという状況におきましては、電力コストのある程度の上昇というのは見込まれているところでございます。
 したがいまして、ただ、この電力コストの上昇を我々そのまま許容するというわけでなくて、これをいかに抑制していくかと、そのために技術開発も必要ですし、政策を総動員していくことが必要だと、こういうふうに認識しているところでございます。

#31
○森本真治君 それで、新たな国民負担という中で、今このやっぱりカーボンニュートラル実現、そのツールの一つとして、カーボンプライシングですね、カーボンプライシングの議論というのもなされているのではないかなというふうにも思っております。
 新たにこのカーボンニュートラルという目標がなされた中で、実現のためにやっぱりこのカーボンプライシング、新たな追加的なね、そういうこともやっぱり導入をしていかなければならないのかということをちょっとお伺いしたいんですけれども、特に今、コロナ禍、疲弊する足下の国民経済のこと、さらには今後のグリーン成長を支える産業競争力ですね、これに与える影響ということを考えたときに、このカーボンプライシングの導入について経産省としてはどのように考えているのかということをお伺いしたいと思います。

#32
○国務大臣(梶山弘志君) 菅政権におけるカーボンニュートラルは成長戦略として実現をするものであります。カーボンプライシングにつきましても、総理の指示の下に環境省とも連携をし、産業競争力強化やイノベーション投資促進につながる形があり得るのか、まさに成長に資するカーボンプライシングについて産業政策を所管する立場から検討を進めているところであります。
 CO2の排出削減を進めるために利用可能な技術が存在しない産業の場合、炭素税などの負担を重くするだけでは成長せずにCO2も減らないということであります。企業が排出削減に向けた投資にメリットを感じて具体的な投資を行うような制度を検討する必要があると考えております。加えて、議員御指摘のとおり、足下のコロナ禍における経済状況においては、特に国民負担への影響についても十分に配慮することが必要であると思っております。
 引き続き、成長に資するカーボンプライシングについて、民間ビジネスの実態を踏まえて、企業のニーズに耳を傾けながら、非化石価値取引市場やJ―クレジット制度の見直しを含め、幅広く検討をしてまいりたいと思っております。
 カーボンプライシングには国境措置であるとか税であるとか、また、今申し述べましたような取引市場、排出権の取引、排出量の取引というものがありますけれども、そういったものがこのカーボンニュートラルの進行を妨げないようなもの、そして産業競争力というものを損なわないようなものという前提で私ども考えているところであります。

#33
○森本真治君 基本は、やっぱりカーボンニュートラルの実現に向けては、当然、現実の経済、国民生活を踏まえながらではあるけれども、実現のツールの一つとしては、このカーボンプライシングということは税だけではなくて様々なツールがあるんで、それはやっぱりちょっと検討したいというのが今の段階ということですね。ちょっとそこら辺についてはまた議論を見守っていかなければならないというふうに思います。
 それで、実際これ、新たなカーボンプライシングの中で、先ほどもちょっと大臣もありましたけれども、国境調整措置ですね、この辺について少し確認もしたいというふうに思います。
 これ、今、例えばヨーロッパですね、二〇二一年の六月ということだから、予定では来月までに制度詳細を提案とか、二〇二三年までに導入を目指すということですね。アメリカもバイデン大統領が選挙公約に組み込んでいたということで、アメリカにおいても検討がされていくということなのかなというふうに思います。
 この国境調整措置の導入ということについては、先ほど来ありますように、やっぱり我が国の経済、産業に悪影響があってはならないという中で、やっぱりこの国際貿易上の悪影響が被ることがないような対応をしっかりと、政府としても、今後のこの検討の中で、制度の在り方などについても積極的に議論に入っていっていただく必要があるのかなというふうに思います。
 そういう面で、この国境調整措置の導入に向けての今の動き、これがどのようなことになっているのか、そして、炭素リーケージ防止、また公平な競争条件確保の観点で、例えば立場を同じくするような国々との連携ということ、こういうこともしっかりしながら、この議論にやっぱり主体的に参加をしていく必要もあろうかと思うんですけれども、認識をお伺いしたいというふうに思います。

#34
○政府参考人(山下隆一君) お答え申し上げます。
 炭素国境調整措置につきましては、国内の気候変動対策を進めていく際に、他国の気候変動対策とのこの強度の差異、これに起因する競争上の不公平を防止することで、カーボンリーケージが生ずることを防止するためのものでございます。
 現在、その基本的な考え方につきまして研究会で議論をしているところなんでございますが、その中で、炭素国境調整措置は、まずその導入自体が目的であるべきではないというふうにしておりまして、国際的な貿易上の悪影響を回避しつつ、新興国を含む世界各国が実効性のある気候変動対策に取り組む誘因とするものでなければならないというふうに示してございます。
 引き続き、国内の成長に資するカーボンプライシングの検討と並行しながら、制度設計に必要となります製品の炭素排出量の評価手法、こういったものの国際的なルール策定を日本が主導して公平な競争条件を確保して、カーボンリーケージを防止する観点から、先ほど先生からございましたように、立場を同じくする国々と連携しながら対応していきたいと思ってございます。

#35
○森本真治君 ありがとうございます。
 我が国での導入ということの議論、検討という部分でも、先ほど御答弁いただいたようなところであると思うんだけれども、例えば先ほど申し上げたヨーロッパであるとかアメリカで導入をされた場合の我が国の貿易への悪影響というところがどうなっていくのかということで、そこの一つは、やっぱり影響を抑える上でも、例えばやっぱり日本の強みである製造業、ここでの脱炭素ですね、これをどう図るかということが非常に重要だということで、私も、この今のカーボンニュートラルの議論がある中で、やっぱり多くの製造業の皆さん、広島もやっぱり製造業の物づくりの町でございますんで、非常に皆さん危機感を持たれているというところがありますね。
 この産業用の電力などもそうですけれども、やっぱり莫大な電力を消費する製造業でございますので、ここでその脱炭素を図る上でのやっぱり政府の後押しというか応援というのも非常に重要になってくると思うんですけれども、特に製造業、物づくりの中での脱炭素化に向けての支援なりということの政府の考え方、これについてもお伺いしたいと思います。

#36
○政府参考人(山下隆一君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、このカーボンニュートラルの世界に行くためには、このCO2の排出の大宗を占めるエネルギー部門の取組に加えまして、製造業のこの構造転換、これが不可欠でございます。そういう意味で、産業界とも密接に連携してまず取り組んでいくことが重要だというふうに認識してございます。
 具体的には、電化と電力の脱炭素化、それから水素社会の実現、CO2の固定、再利用といった重点分野における技術開発、社会実装に向けた取組に加えまして、多排出産業における着実な低炭素化に向けた省エネやエネルギー転換といったトランジションの取組、これも重要になってまいります。
 経産省では、二兆円のグリーンイノベーション基金を造成をして、まず革新的な技術の研究開発、実証、それから社会実装までを継続して支援をするとともに、関係省庁と連携いたしまして、それをファイナンスの面で応援をするトランジションファイナンスの基本指針というものを策定して、民間資金の呼び込みの後押しもしてございます。
 また、成長に資するカーボンプライシングの検討の中では、実際に民間ビジネスの実態として、この炭素削減価値というのを調達するニーズというのが高まってございます。非化石価値市場とかJ―クレジット制度の見直しをそういう意味で検討しているところでございます。
 引き続き、新しいこの目標も踏まえて、技術、社会面での制約やコストにも配慮しながら、産業の国際競争力の維持強化と両立できるよう、必要となる投資を促す刺激策も含めて検討を加速してまいりたいと思ってございます。

#37
○森本真治君 本当、それでなくても、やっぱり今製造業、非常に、例えば中国やそういう新興国との競争の中で、広島ではもう工場閉鎖という、呉でもそういうことも起きているという状況の中で、やっぱりその製造業、産業がなくなると町自体がもう衰退をしていくという中で、更にまた新たなこういう地球温暖化への対応という、カーボンニュートラルの取組ということも非常に必要になってくるということで、非常にこれは、それぞれの事業者さんだけではなくて町自体がいろんな危機感の中で、不安の中で今前に進まなければならないという状況であります。
 是非、この経産委員会、現場の実態の状況をこれお伝えもさせていただきながら、建設的なやっぱり知恵を出していけるように私も状況はお伝えをさせていただきたいというふうに思っております。
 時間もあと僅かで、ちょっと最後の質問でございますが、このカーボンプライシングの中で、排出量取引制度についてもちょっとお伺いしたいんですけれども、この排出量取引制度って、実は私、国会議員になる前に広島市議会議員をしていたときに、十五年ぐらい前だったと思うんですけれども、このやっぱり排出量取引制度がちょっと何かブームになりまして、多分、各自治体で導入に向けて議論がなされたんではないかなというふうにも思って、広島市も議論したんです。結局、導入見送ったんですけれども、ヨーロッパにも視察にも市議の時代に議会の皆さんとも行きました。
 その排出量取引制度について実施状況の方見てきたんだけれども、あれから十五年ぐらい以上たっているんですけれども、今我が国でこの排出量取引制度の議論ってちょっとどうなっているのかなというふうに思ったんですね。本当にこれ効果的な評価がされているのかなというのが今回のこのテーマの中で改めてちょっと思って、例えば今後の、カーボンプライシングについて今検討中と、議論中だということではあったけれども、今後の基本計画などの改定などの中でこの取引制度などについてもやっぱりチャレンジしていくというか、導入促進が動くのかというようなこともちょっと思って、やっぱりこの取引制度、排出量取引制度の意義とか効果ですね、これは、これまで海外でもあるし、国内でも幾つかの自治体でやっているんではないかというふうに思うんだけど、その辺りの評価を今経産省としてどう考えていらっしゃるのか、今後これを更に、じゃ、広げていこうと思っているのかということも含めて、ちょっとお伺いしたいと思います。

#38
○政府参考人(山下隆一君) お答え申し上げます。
 排出量取引制度は、一般的には、事業者ごとに排出枠を設定して、その排出権を取引することで量による調整を行うものでございます。
 これは、制度設計次第では、排出量の調整が容易であって、また削減効果が高い事業者からCO2削減が進んでいきますので、社会全体で効率的にCO2削減が進むという、そういうことで期待がされているものではございます。
 他方、この市場取引の過程で価格がすごく変動する性質がございます。それから、そうなるとビジネスの予見性が非常に低くなるおそれがございます。
 また、先生御指摘のように、脱炭素に向けた代替技術の開発状況などを踏まえた公正なその排出枠の設定というのがこれは課題になっていまして、これで先行しているところもいろいろ苦しんでいるという状況があるというふうに認識をしてございます。そのため、国際的な動向、それから我が国の事情、それから産業の国際競争力への影響、こういったものを十分に踏まえて議論をしていく必要があると思ってございます。
 引き続き、成長に資するカーボンプライシングについて幅広く検討していきたいと思ってございます。

#39
○委員長(有田芳生君) 森本さん、おまとめください。

#40
○森本真治君 はい。
 時間となりましたので終わりますけれども、今日のいろいろお話を伺っても、明瞭な具体的な政策というものがなかなか、議論はされているけれども、これぞというのがなかなかまだ難しい状況かなというふうにも思いました。
 引き続き、様々な検討、研究も続けていただきながら、現場の状況というものをしっかりと声を聞いていただきながら進めていただきたいということを改めてお願いをさせていただいて、質問を終わります。

#41
○高瀬弘美君 公明党の高瀬弘美です。
 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。今日は、経産委員会で初めて大臣に質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず初めに、新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者への支援についてお伺いをいたします。
 緊急事態宣言が続いておりますが、この緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や、また不要不急の外出、移動の自粛によって売上げが五〇%以上減少した事業者に対しましては、今年の一月から三月については一時支援金、そして四月、五月分については月次支援金というふうに、名前も違えば若干内容も異なる助成金が発表をされております。
 一月―三月を対象にした一時支援金につきましては、今月末が申請の締切りということで、必要な方の元にしっかりと届くようにしなければなりません。持続化給付金の給付件数が約四百万件という中で、この一月から三月を対象としております一時支援金の申請は現在何件くらい来ていますでしょうか。

#42
○大臣政務官(佐藤啓君) 一時支援金につきましては三月八日から申請受付を開始しておりますけれども、昨日、五月十九日水曜日までに約三十二万件の申請を受け付けまして、そして約二十万件の給付を行ったところでございます。

#43
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 飲食店につきましては都道府県からの協力金というのが出ておりますので、今政務官がおっしゃられました三十二万件につきましては、この協力金の対象にはならない基本的には飲食店以外のところであり、かつ五〇%以上売上げが減って要件を満たしている企業であるという理解でおります。
 東京都の飲食店に関する協力金の申請件数が約十万件ということで、この十万件の中には同じ人が複数回申請したものもカウントされておりますので、実際に申請された方は何人かというのは正直なところよく分からないんですけれども、ただ、やはり持続化給付金の四百万件という規模感からしますと、今回のこの一時支援金、非常に少ないなと、三十二万件というお話ありましたけれども、少ないなという印象を受けます。
 考えられますのは、今回の条件であります売上げの五〇%減が厳し過ぎるのか、あるいは支援金の対象である方々にこの制度が十分に周知されていないかと、この二つではないかなと思いますが、経済産業省としてはどのように受け止めておられますか。

#44
○大臣政務官(佐藤啓君) 今御指摘ありました持続化給付金と比べて申請件数が少ないということの要因につきましては、一概にお答えすることは困難でありますが、本年一月の緊急事態宣言は昨年の宣言とは異なりまして、発令された地域が十一都府県に限定されているということ、またこれまでの経験に基づいて飲食につながる人の流れを制限する対策に重点が置かれているということで、おのずとその範囲は異なるものと考えております。
 加えて、特に売上げが大きく減少していると考えられる時短営業の要請を受けた飲食店については、先生御指摘のとおり、協力金の給付対象、飲食店については協力金の給付対象となっており、一時支援金の給付対象ではないということでありますので、そういったことも申請が減少している要因だと思っております。
 以上のような、そもそもの申請要件が変わったことによる減少は考えられますけれども、申請要件を満たす、給付対象である事業者の皆様の申請漏れがないようにしっかりこの周知、広報の取組をしなければいけないと考えているところでありまして、引き続き、制度の概要をまとめたチラシを登録確認機関を含めた団体に設置をすることなどによって、必要な方に必要な支援がしっかり届くように、事業者の立場に立った分かりやすい広報に努めてまいりたいと思います。

#45
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 今政務官の方から御答弁ありましたけれども、経済産業省のコロナ関連の支援策のホームページございまして、私もちょっと確認させていただいたんですが、いろんな支援メニューございまして、約二十五の支援メニューが、ばっと網羅的に書かれております。ただ、私がもし事業者の立場で売上げ減ったことに対して何か支援策ないかといってあのホームページに行ったときに、一体どれに申し込んだらいいのか、どれが今期限が来ているのか、正直言って分からないのではないかなというふうに感じました。特に、今月末の締切りということでもありますので、しっかりと広報していただいて、やっぱり本来対象になる方がもらえるということが大事だと思いますので、この点、よろしくお願いをしたいと思います。
 先日、公明党の文教科学部会と経済産業部会が合同で出版業界の皆様からヒアリングをさせていただきました。出版文化産業は、書店の数も紙の本の販売額も二十年前に比較しますとほぼ半減をしているという大変厳しい状況にありまして、少しでも販路を拡大しようということで、今、日本の出版コンテンツを海外に展開することにも一生懸命取組をしておられます。
 日本の漫画は既に世界で高く評価をされておりますけれども、一般の文学作品につきましても、例えば、柳美里さんの「JR上野駅公園口」という作品がありますけれども、これは翻訳部門の全米図書賞を受賞したりしていますし、また、村田沙耶香さんの「コンビニ人間」という、これも日本で大変売れた本でありますけれども、こちらがアメリカのニューヨーカーという雑誌のベストブックス九冊のうちの一冊に選ばれたりと、近年評価が非常に高まっているというお話でありました。
 こうした日本の文学コンテンツを更に海外展開促進を図るためには、一つは海外ブックフェアに参加をしていくということ、そして、海外で出版するという場合は翻訳者のスキルが重要になってきますので、日本語から各言語への翻訳者をしっかり育成していくという必要もあります。
 そこで、大臣にお伺いいたしますが、こうした出版文化産業の今後を経済産業としてはどのように認識をされていますでしょうか。また、文学作品コンテンツの海外展開の必要性についての御認識を併せて伺います。

#46
○国務大臣(梶山弘志君) 日本の出版市場は、販売金額ベースで一九九六年をピークに国内市場が約一兆円減少いたしました。他方、近年、電子書籍の普及により出版市場規模は下げ止まりをし、二〇二〇年は巣ごもり需要もあって、僅かながら増加をしているというのが現状であります。
 日本の小説等の文化作品は、海外の文学賞を複数受賞するなど世界に飛躍するポテンシャルを持っており、文化作品を始めとする日本のコンテンツの海外展開は、コンテンツ産業の国際競争力を高め、日本経済の成長につながると認識をしているところであります。
 こうした認識の下に、経済産業省では、文化作品を含むコンテンツ産業の海外展開を支援するコンテンツグローバル需要創出促進・基盤強化事業費補助金、J―LOD補助金を措置をし、日本発コンテンツの海外展開を促進するべく展示会への出品や作品の翻訳等を支援をしてきたところであります。日本のコンテンツ産業が世界市場を獲得できるよう、引き続き海外展開を促進する施策を講じてまいりたいと考えております。

#47
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 このブックフェアにつきましては、国際交流基金の方でブックフェア出展助成というものもありますし、今大臣から御紹介がありましたJ―LODの補助金もあるわけでありますが、例えばアジアだけを見ましても、韓国はマーケティングの支援ということで一億を超える予算などを付けておりまして、強力に予算を付けて海外展開を図っているところであります。
 文学の文化という側面においては、こうした文化庁の支援の部分もありますけれども、日本コンテンツの海外進出という面からは経済産業省の方でもしっかりと後押しをしていただきたいと思いますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、東京電力福島第一原発のALPS処理水についてお伺いをしたいと思います。
 専門家による会議を経まして海洋放出が決定されましたが、このトリチウムを含む処理水の海洋放出についての不安の声が多く聞かれております。
 そこで、大臣にお伺いをしたいと思いますが、経済産業省のホームページに、あっ、済みません、大臣ではなく経済産業省にお伺いをしたいと思いますが、経済産業省のホームページにトリチウムの年間処分量という資料が公開をされております。今日資料お配りをさせていただきましたので、御覧いただければと思います。
 この資料を見ていただきますと、近隣アジア諸国だけを見ましても、例えば二〇一八年、二〇一九年、中国のトリチウムの年間放出量は日本よりも数倍となっておりまして、ここに、二年後に福島第一原発のALPS処理水が加わっていくことになるんですけれども、福島第一原発のALPS処理水が加わったとしてもトリチウムの年間放出量は近隣アジア諸国と比べて大差ない、そういう理解でよろしかったでしょうか。

#48
○政府参考人(須藤治君) お答えを申し上げます。
 中国を含む世界中の原子力施設においても、各国の規制基準に伴ってトリチウムを含む液体廃棄物が放出されております。
 放出されるトリチウムの量、原発の稼働状況によって変動していきますけれども、一番最近で比較可能な二〇一九年度のトリチウムの液体放出量について申し上げます。
 日本の原子力発電所からのトリチウムの液体放出量が百七十五兆ベクレルでございます。これに対しまして、中国においては、中国核能行業協会の公表しているデータによれば、九百七兆ベクレルが液体で放出されております。韓国についてもこの絵に記載のとおりでございます。これ、単純な計算になりますけれども、この二〇一九年で見ますと、中国のトリチウムの液体放出量の方が日本に比べまして約七百三十兆ベクレル程度多かったものと承知をしてございます。
 今先生から御指摘ございましたALPS処理水の処分に当たって福島第一原発から放出される年間のトリチウム総量、二十二兆ベクレルでございます。先ほど差が七百三十兆ベクレルと御紹介を申し上げましたけれども、二十二兆ベクレルを下回る水準というのが今回政府方針で決められた水準でございます。

#49
○高瀬弘美君 今後、海洋放出に向けて大事なのは、大臣御自身も繰り返し発言をされていらっしゃいますけれども、地元の理解を得られる努力を続けることと、また、先ほどのこのトリチウムの情報なども含めまして、国民に対して正しい情報を伝えていくことだと思います。
 さらには、万が一のために、このALPS処理水の処理状況等の監視体制を万全にして、これらの情報を遅延なく発信する透明性を確保するということが大事だと考えますが、この点はどのように進めていかれますでしょうか。

#50
○国務大臣(梶山弘志君) ALPS処理水の海洋放出に当たりましては、放出前の準備から実際の放出、そしてその後の海洋等の状況確認に至るまで、実施主体である東京電力だけに任せることなく、政府がしっかりと監視をし、またIAEA等の外部の目による確認を入れ、客観性、透明性を確保しつつ実施していくことが非常に大切なことであると考えております。
 具体的には、まず、処分に係る施設設備の設置や具体的な放出計画については原子力規制委員会が厳格に審査を行うこととなりますが、さらに、IAEAによるレビューも受け入れ、また、実際の放出に際して、運用等について地元自治体等に確認していただけるようにし、放出後の海洋等のモニタリングについては政府、県庁等がそれぞれ実施するとともに、モニタリングのための試料採取や検査に地元の農林水産業者や自治体関係者が関与できるようにしていくということ、そしてまた、IAEAの協力を得て、モニタリングの手法や分析能力の信頼性を確保する取組も行ってまいりたいと考えております。
 また、こうした取組を通じて得られた情報やデータ等の公開方法については、今後専門家の意見も確認しつつ検討をしていくことになりますが、国内外の関心を持たれる方が随時必要な情報にアクセスできるように検討してまいりたいと思っております。
 なお、四月十四日にIAEAのグロッシ事務局長と私が面談をした際にも、国際社会に対する透明性の確保についてIAEAの全面的な協力が得られることについて合意をしたところでありまして、現在、夏頃に向かって、また事務方の打合せ、レビューというものも含めて調整をしているところであります。
 こうした取組を通じて、客観性、透明性を最大限高め、地元の皆様の不安を払拭するとともに、国民、国際社会の理解を得られるように対応してまいりたいと考えております。

#51
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 昨日の報道で、原子力規制委員会の発表ということで、核燃料を扱う福島第二原子力発電所の方で防護区域の管理が不十分だった事例が三件あったという発表がありました。重要度としてはいずれも最も軽微なレベルで、現在もう対策済みということでありますけれども、こういうやっぱり報道が出ますと地元の方はやっぱりますます不安に思われると思いますので、しっかりこれ国の方で関与をしていただいて不安の払拭に努めていただきたいと重ねてお願いを申したいと思います。
 済みません、ちょっと質問の順番を入れ替えさせていただきまして、先にサイバー攻撃の質問をさせていただきたいと思います。
 サプライチェーンの弱点を狙ったサイバー攻撃についてお伺いをいたします。
 中小企業のセキュリティー対策のために、経済産業省としても、セキュリティ対策自己宣言をすることをIT導入補助金の申請要件に加えること、また、サイバーセキュリティお助け隊の実証事業を全国で行うなど、様々今取組をされているということを認識をしております。
 サイバー攻撃による損失を考えますと全ての中小企業がセキュリティー対策を本当は取った方がいいとは思うんですけれども、やっぱりそれはちょっと現実的ではありませんし、それを国が全て主導するということは難しいということもありますので、そうであるならば、重要産業、情報を取られることはあってはならない産業をよく見極めて、そうした企業にきちんとセキュリティー対策がされるということが重要ではないかなというふうに考えております。
 そこで、まずお伺いいたしますが、国としてサイバー攻撃に備えるべき、優先してセキュリティー対策を行う位置付けの産業とはどの分野になりますでしょうか。

#52
○政府参考人(平井裕秀君) お答え申し上げます。
 電力等の社会インフラを担います重要インフラ事業者、機微技術情報を有する企業、そうした方々へのサイバー攻撃というのが我が国の経済社会に大きな影響を及ぼしかねないという認識を持っておりまして、こうしたものに対してしっかりとした対策が必要であることは当然でありまして、これまでにも様々な取組を進めてきているところでございます。NISCにおいては、重要インフラ業種十四業種というのを定めて対策を講じてきているところでございます。
 しかしながら、サイバー攻撃は著しく巧妙化しておりまして、サプライチェーンの脆弱なところから侵入して多くの企業を巻き込んだ被害を引き起こし、経済社会全体に影響を与えかねない、若しくは与えているという状況になってきているわけでございます。
 そのため、先生御指摘がありました、中小企業を含めサプライチェーン全体で対策を進め、産業全体でセキュリティーのレベルをしっかりと上げていくということが現代社会において必要になってきているというふうに考えているところでございます。

#53
○高瀬弘美君 防衛省の方では、このサイバーセキュリティーに関しまして、新たな情報セキュリティ基準という国際的に標準化された基準を防衛関連産業に対してしっかりやっていただこうという動きがございます。
 このような国際的に標準化されたハイレベルのセキュリティー基準が必要な企業について、今御答弁の中でエネルギー関連企業等を含む重要インフラというお話ありましたけれども、これらについてどのような対応を今現在されていますでしょうか。

#54
○政府参考人(平井裕秀君) お答え申し上げます。
 御指摘になりましたとおりでございますけれども、企業が、国際的に認知されております米国国立標準技術研究所のサイバーセキュリティーフレームワークでありますとか、我が国におきましては二〇一九年四月に策定いたしましたサイバー・フィジカル・セキュリティ対策フレームワーク、これらを参照して高いレベルのセキュリティー対策を進めることが、自らのリスクを低減することのみならず、ステークホルダーから信頼され、グローバルビジネスを円滑に進めることに寄与することになるものと、こう認識しているところでございます。
 さらに、こうした取組に加えまして、昨今のサイバー攻撃はサプライチェーンにおける弱点を狙って深刻な被害をもたらすようになってきていますことから、企業の壁を越えた対策によって被害を防いでいくことも必要になってきております。
 経済産業省におきましては、サイバー・フィジカル・セキュリティ対策フレームワークに基づきまして、電力、ビル、自動車などの分野別のセキュリティーガイドラインの整備を進めておりまして、その中で企業の壁を越えた対策についても進めているところでございます。
 こうしましたことから、経済産業省といたしましては、様々なフレームワークなどを活用しながら、引き続き、産業界のサイバーセキュリティー対策を促進してまいる所存でございます。
 なお、経済産業省所管の電力、ガス、石油、化学、クレジットの五つの重要インフラにつきましては、内閣官房サイバーセキュリティセンターの重要インフラの情報セキュリティ対策に係る第四次行動計画を踏まえつつ、セキュリティー対策の強化を進めているところでございます。
 その中で、特に電力分野におきましては、サイバーセキュリティーに関する産学官の国際的、分野横断的な知見が電力制御システムセキュリティガイドラインとして民間の日本電気技術規格委員会において策定されているところでございまして、電気事業法上の保安規制につきましても、このガイドラインの遵守を電気事業者に求めているところでございます。
 また、東京オリンピック・パラリンピックを控えまして、電力インフラにおけるサイバーセキュリティー対策に万全を期すという観点から、大手電力会社のトップマネジメント層や内閣サイバーセキュリティセンター等の政府関係者が参画する電力サイバーセキュリティ対策会議も過去に二回開催をしております。関係者が大会に向けて取り組むべき事項について議論を行い、十全を期すという対策を進めているところでございます。

#55
○高瀬弘美君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 続きまして、公明党の青年委員会というものがございまして、若手の国会議員で構成をしておりますけれども、若者世代の声をしっかり聞いていこうということで、コロナ禍でオンラインで実施をしておりますけれども、いろんな業種の方々と懇談会を持たせていただいております。
 私も先日、宮城県の文化芸術関係者の皆様と懇談をさせていただき、GoToイベントについて御意見をいただきました。GoToイベントは、実際にこれを利用してコンサートを開催した文化団体の方からいただいた声でありますけれども、GoToトラベルですとかGoToイートに比べて、この二つは認知度が非常に高かったということもありまして多くの方が利用されたわけでありますけれども、GoToイベントはこの二つに比べますと余り知られておらず、実際にGoToイベントを使ってコンサートを開催したけれども余り効果がなかったという、ちょっと残念な声をいただきました。
 確かに、GoToトラベルとかGoToイートはその当時テレビでも広く報道されておりまして、国民の皆様の関心も高かったというふうに感じておりますけれども、今後このGoToイベントに関しまして、コロナが落ち着いたときにはまた再開という流れになっていくんだと思いますけれども、今現在、経済産業省としてはどのように効果を検証していますでしょうか。

#56
○大臣政務官(佐藤啓君) GoToイベント事業でありますけれども、昨年の十月末にキャンペーンを開始したところでありますが、コロナの感染状況を踏まえまして、昨年末以降、十二月二十八日になりますけれども、そこからはオンラインイベントに対する支援のみが継続されていまして、フィジカルに開催されるイベントの支援は停止をしているわけであります。
 ただ、経済産業省としましては、フィジカルに開催されるイベントへの支援が停止している中であっても、事業者との意見交換等を行っております。そういった中で、対象イベントの申請手続の見直しであったり、またホームページの消費者向けのコンテンツの充実など様々な声をいただいておりますので、より多くの方に利用いただけるよう、実施内容の不断の見直しや改善の取組を行ってきているところであります。
 引き続き、感染状況も踏まえながら、イベント事業者の皆様の声に耳を傾け、必要な改善に努めて、また、再開した際には多くの消費者に活用いただけるよう取り組んでいきたいと思っております。
 先生の御指摘の中で、なかなか、その他のGoToの事業と違って少しこの認知度が低いのではないかという御指摘がありました。こういうことにもしっかり配慮をして取り組んでいきたいと思っているところであります。

#57
○高瀬弘美君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 続きまして、健康経営についてお伺いをいたします。
 生理の貧困という問題が国会でも取り上げられております。このコロナの中で、女性の非正規労働者ですとか一人親の方が経済的に大変大きな影響を受けられまして、生理用品が買えないという女性がたくさんいるということから声が届きました。一例になりますけれども、こうした声を受けまして、都内でいち早く豊島区が防災備蓄の中にあります生理用品を無料で配布をするということを自治体として行いましたところ、僅か数日で全て用意していたものが配布終了となったと。
 このことからも、実はこの生理の貧困の問題に直面している方々がたくさんいるのではないかということで、若い女性の、大学生も含めて二十代前半だと思いますけれども、若い女性の皆様が声を上げて、国会でも超党派で現状をお話しいただき、お声を聞かせていただきました。
 その際に、この生理の貧困の問題は生理用品の問題だけではなくて、もっと奥が深いんだというお話がありました。例えば、女性特有の月経の前に起こりますPMSという症候群ですとか、又は、生理によります症状で仕事を休んだり仕事上のパフォーマンスが落ちたり、社会生活において機会損失がたくさんあるんだということをお話をいただきました。そういう中で、この生理による不平等を是非とも政治の力でなくしてほしいというのがその方々のお訴えでありました。
 そのヒアリングを行いました際に、現在、経済産業省の取組として健康経営による女性の健康課題への対応というものがあるということで、団体の方からの御紹介がありました。今日、資料をお配りさせていただいております。この資料について簡潔に御説明いただけますでしょうか。

#58
○政府参考人(畠山陽二郎君) 健康経営、御指摘の健康経営とは、企業が経営的な視点で従業員の健康の維持向上につながる取組を実践することを通じまして、従業員のやる気や職場の魅力向上、さらには企業の価値を高めることを目指したものでございます。
 御指摘の資料は、平成二十九年度及び三十年度の経済産業省が実施した調査結果を踏まえまして、健康経営における女性の健康課題についての検討事項を記載したものでございます。その中にも記載がありますとおり、例えば月経随伴症状による一年間の労働損失は四千九百十一億円だということをお示ししたりしまして取組を促したものでございます。
 健康経営の取組を進める上では、性別問わず、全ての従業員が働きやすい環境を整えることが重要だと考えておりますけれども、女性の社会進出が進む一方で、女性従業員の健康課題に対する企業の理解やサポートが必ずしも十分ではなかったと、こういう問題意識に基づいてお示しをさせていただいたものでございます。
 御指摘のこういう資料を含めて、女性の健康問題は本人だけの問題ではなく、企業にとっても損失であることを示すことによって、健康経営の取組を通じて女性の健康課題に取り組む企業が増えるきっかけになることを期待し、経済産業省としても後押ししているものでございます。

#59
○高瀬弘美君 なかなか当事者であります女性の側からはこういう課題について声を上げるということ自体が難しいということもありますし、そもそも女性の数が少なくて、職場でこういうことを言うということにちゅうちょをされている方もいらっしゃいます。
 是非、こういう問題があるということ、女性の健康課題に対応していくことが企業にとっても実はいいんだということを広く広めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#60
○国務大臣(梶山弘志君) 高瀬委員御指摘のとおり、企業経営者が女性特有の健康課題を把握して取り組むことで女性が活躍できる環境を把握する、整備することが重要であると認識をしております。
 経済産業省では、従業員の健康課題に対して優れた取組を実践する企業等を健康経営優良法人として毎年表彰をしております。この健康経営においても、女性の健康課題を重要な分野の一つと位置付け、表彰制度を通じて取組を促しているところであります。
 健康経営を実践する企業等においては、生理休暇を取得しやすい職場づくり、女性の健康専門の相談窓口の設置、婦人科検診の費用補助等の取り組む企業等も増加しており、企業経営者にも理解が広まってきているものと認識をしております。
 経済産業省としては、引き続き健康経営を拡大することで女性の健康問題に取り組む企業を増やしてまいりたいと思いますし、そういった企業が評価をされる、またそういう認識をされるような制度というものもこれからもまたしっかりと考えてまいりたいと思っております。

#61
○高瀬弘美君 大臣、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 クラウド産業についてもお伺いしたかったのですが、ちょっと時間が短くなりましたので、また質疑、ほかの機会に質問させていただきたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。

#62
○石井章君 日本維新の会、石井章でございます。
 コロナ対策の実質無利子無担保に関する融資でありますけれども、これは、前安倍政権のときに、セーフティーネットを利用した四号、五号を軸に、いわゆる必要なときに早く融資をして、早く貸出しをしやすいような内容で来ました。これはコロナ禍の中で当然必要な融資でありまして、民間金融機関もこれによって、保証が一〇〇%でありますから、政府の保証がですね、非常に出しやすい面もあったんですが、これが三月末で切れてしまったと。そうすると、じゃ、三月末でコロナが収束しているのかどうかということを考えると、まだまだ今続いてコロナの真っただ中でありまして、今後オリンピックができるかできないかということもあります。
 やっぱり、政府の方も拙速にこれを三月で打ち切ったということは、私はこれは失敗だと思います。しかも、それからそれに代えて伴走型に変えたというのは、伴走型は非常に貸出ししにくい。
 この間、梶山大臣の地元の茨城県信用組合の話ししました、渡邉会長のことも言いましたけれども、現場、私何か所か回りましたけど、本当に相談に来てもなかなか貸出ししにくいんだと、まだまだコロナの中が抜け切っていないのに、なぜこれに切り替えたんだろうと。そこで、唯一助かっているのは、政府系金融機関の日本政策金融公庫とそれから商工中金はまだ続いていると。しかし、うわさによると、六月ぐらいでこのコロナの融資が止まるんじゃないかということがささやかれていますけれども、まだ現場には下りてきていないということであります。
 当然ながら、これまだコロナが収束していないので、梶山大臣、これやっぱり貸しやすさとそれから借りやすさを兼ね備えたこのセーフティーネット四号、五号、民間の金融機関、いわゆる保証協会付きのこの融資をもう一度きちんと戻して、年内ぐらいまで、十二月ぐらいまでは延ばして、そしてそれをフォローする意味でも、政府系のいわゆる日本政策金融公庫とそれから商工中金に関しては来年三月ぐらいまではやらないと、後で大変なことになりますから。
 これ、今お金が、確かに融資の申込みが去年よりは減っています。しかし、おととしのコロナのときよりは二〇%ぐらい増えていますので、そういったものを踏まえて、まだやっぱり切るのは早いと思いますが、大臣の見解をお伺いいたします。

#63
○国務大臣(梶山弘志君) 今、石井議員から御指摘のありました民間金融機関による実質無利子融資は、昨年四月に政府系金融機関による実質無利子融資の申請が急増したことを踏まえて、これ初めての試みではありましたけれども、融資の窓口、民間の拡充の観点から昨年五月に開始した前例のない措置であります。
 昨年夏にかけて多くの申請があり、中小企業の資金繰り支援に一定の効果を発揮したものだと考えております。昨年夏以降、徐々に申請件数が減少してきたこと等を踏まえ、民間金融機関による実質無利子融資は本年三月末に終了するとともに、政府系金融機関による実質無利子融資を当面今年の前半まで延長することとしたものであります。
 しかし、委員おっしゃるように、今の状況、まだまだ続いているということも含めて、政府系金融機関による実質無利子無担保につきましては、昨年の十二月の総合経済対策に基づいて、今申しましたように今年の前半までということになりましたけれども、引き続き足下の資金需要にしっかりと対応していくことが重要でありまして、その上で、感染状況や資金繰りの状況を踏まえ、柔軟に対応するために今金融庁と検討をしているところであります。

#64
○石井章君 これは与党の公明党の議員さんからも三月にこの質問がありました。そういったのも踏まえて、しっかり前向きに捉えていただきたいと思います。
 続きまして、中小企業の再構築の補助金についてであります。
 これはまさしく、コロナが一段落着いて、いよいよ次のステップに行くための補助金であると認識しております。ただ、これも、条件的にはコロナ禍の中で特定の期間一五%売上げが下がった、あるいは大きいところに関しては三〇%以上下がったというのが条件であります。
 普通、通常枠、中小零細企業は上限六千万円、そして卒業枠が一億円、中堅企業通常枠が八千万、そしてグローバルV字回復枠というのが一億円というようなことになっていますけれども、これ、ずっと二月ぐらいからやるぞやるぞと言って、やるぞやるぞ、声だけ聞こえたんですが、なかなか始まらない。なかなか、中小企業庁もなかなか中の、いわゆる事前、前の持続化給付金のときに不正等が出たものですからなかなか踏み切れなかったというふうに聞いておりますけれども、今回、第一回公募が終わりました。四月の十五日から四月末ということだったんですが、どうも月末に殺到しまして五月の連休明けまで延びましたけれども、その辺の申込みの件数について、通常枠、卒業枠、V字回復枠、また中小企業の総申込中の、三千万以下となります、これ、三千万以下についての割合をお伺いします。

#65
○政府参考人(村上敬亮君) お答え申し上げます。
 まずは冒頭、一次締切りの最終日にシステムダウンで御迷惑を掛けたこと、深くおわび申し上げたいと思います。一週間延長させていただきましたが、想定件数以上に出てきておりますので、恐らく最終日に出せなかった方もちゃんと全部出せているだろうということではございますけれども、今後こういうことのないように気を付けたいと思ってございます。
 件数の御報告でございます。電子申請システムに到達している速報値でございますが、御紹介いただきました通常枠で約一万七千件、卒業枠で八十件、それぞれ金額にいたしますと五千三百億円と七十六億円でございます。それから、中堅企業につきましては、通常枠が七十一件、グローバルV字回復枠が二件、それぞれ金額にいたしますと二十五億円から約二億円というそれぞれの数字になってございます。
 なお、もう一点お尋ねをいただきました三千万以上の事業と三千万以下の事業の割合ということでございますが、補助金申請額が三千万を超える案件ということでいいますと、件数が約七千件で割合は三〇%、逆に三千万未満、以下の数字は、件数が約一万五千件の割合は約七〇%と、こういう状況になっていることを御報告申し上げます。

#66
○石井章君 ありがとうございます。
 こういった補助金は、しっかり手当てをしながら余りハードル高くしないで。これ、なぜかというと、金融機関等のフィルターが入ってきますので、前回の持続化給付金とは中身が違います。銀行はそれだけの目を持って事業計画等を見ながらやっていますから、前回、前田長官の下で、電通通して不透明なことがうわさになりましたけれども、しかし仕事はしっかりやっていたわけです。申し込んだ方々が資格もないのにそれを受け取ってしまったことが間違っていたわけでありますから、これは経産省に責任があるかといったらそうじゃなくて、モラルが欠けた方がたくさんいたということで私は思っております。
 今回、こういったことは非常に、さっきのコロナ禍の中での融資も必要でありますし、しかし、それを卒業してこれからどうしようというときにこういったことは非常に必要でありまして、菅内閣になってこういったことが出るということは、こういったことをもっと宣伝して、総理もちょっとおとなしいんで、いろんな野党からいろいろやゆを受けることばかり目立っていますけれども、いいこともたくさんあります、外交的にもいいことやっていますので、地元の大臣でありますから、梶山大臣がしっかり説明して、私も協力していきたいと思います。
 今回、三千万以下の場合は認定経営革新支援機関という、これ難しい名前入っていますが、銀行とか税理士とかいろんな方がいます。そういった方が仕事を請け負ったときに報酬がばらばらだと、いわゆる申込みの時点で例えば二十万円ぐらい受け取る、それから成功したら成功報酬で八%、また高いところですと二〇%も受け取るということなんですが、その辺、支援機関の手数料については一定の基準を設けるという考えもありますが、その辺どういうお考えか、お伺いします。

#67
○政府参考人(村上敬亮君) お答え申し上げます。
 中には成功を約束する成功報酬型何割だといったようなプレゼンテーションをされる事業者の方々もおりまして、いかがなものかということではございますけれども、なかなか、一定の比率を決めますと、逆にそこに全部金額が張り付くという現象が起こりますでありますとか、本当にいいサービスをして、きちっとそれなりの対価を取っても問題のない、そういうサービスをしていらっしゃる方もいらっしゃるということでございますので、まずは現状を注視するということで、今のところ、その相談に乗るということの手数料について一定のルールを作るという考え方は取りあえず持たないで、引き続き状況をよく注視してまいりたいと、このように考えてございます。

#68
○石井章君 ありがとうございます。
 時間がないので、次に行きたいと思います。
 まず、前にも私、二輪のオートバイ神社について質問しました。今日は、鳩山政務官、ありがとうございます。前回も来ていただいて、たどたどしい答弁だったと思うんですが、少し勉強してきましたと思うんですけれども、日本バイク・オブ・ザ・イヤーなどを主催する日本二輪車文化協会、吉田純一会長あるいは村島政彦副会長、それから、九州で我々の同志であります加藤さんという方が現場でいろんな神社を回って、オートバイ神社をつくっていこうということで、日本二輪車文化協会の全国オートバイ神社ということで、オートバイのツーリングのためのランドマークスポットであります。
 ややもすると、これ宗教的な、神社だから宗教的なものじゃないかということではありますが、全く宗教とは関係ないということだけ申し添えておきたいと思います。
 これはツーリングの拠点であります。ツーリングの拠点として地域の活性化に貢献するということでありますけれども、国交省においては、道の駅に何としても小さいほこらを、予算掛からないんで、何とかそういったところに設置することを許可していただけないかと。国交省もいわゆる駐車場の舗装分ぐらいは補助金出しています。ただ、地元の自治体のなかなか理解が得られにくいんで、その辺の後押しをしていただけないか、鳩山政務官、御答弁をお願いします。

#69
○大臣政務官(鳩山二郎君) 御質問にお答えをさせていただきます。
 御指摘のあったオートバイ神社につきましては、一般社団法人日本二輪車文化協会において、二輪車によるツーリングのためのランドマークとして、レストランや喫茶店など、駐車場とトイレを有する様々な施設への設置を進めていると承知をしております。
 一方、道の駅については、道路利用者が安心して休息できる場としてだけでなく、観光、防災、福祉など様々な機能を有し、地域の拠点として重要な役割も果たしているところであります。道の駅は、地域の発意と創意工夫により道路利用者に多様なサービスを提供することを目的として市町村が中心となって設置されるものであるため、その整備、運営の在り方に関しては、設置者である市町村の意向をよく踏まえることが重要であると考えております。
 現在、幾つかの道の駅においてオートバイ神社の設置に向けて検討が進められていると聞いており、今後、具体的な内容については、対象となる道の駅の設置者である市町村とよく御相談をいただき、その結果を踏まえつつ、国土交通省としても適切に対応してまいります。

#70
○石井章君 ありがとうございます。今日ははっきりとした答弁で、ありがとうございます。
 道の駅は、共通していわゆるバイクを呼び込んで地元の活性化につなげたいということでありますので、まさしく鳩山政務官がおっしゃったように、ただ、あとは後押ししていただきたいと。いろんなハードルがありますけれども、バイクウエルカムというこのコンセプトを何とか実現して、やっぱり我々、茨城なんというのは、常陸太田とか大子の方もオートバイ行って、猿とイノシシしかいないなんて言われないように、大臣、あの辺も非常に寂しいところなんですけれども、しかし、オートバイでみんな行けば、しっかり梶山大臣のああ功績だなと思えるように、大臣の考えもあるでしょうけれども、もう一度鳩山政務官に再度お伺いいたします。

#71
○大臣政務官(鳩山二郎君) 質問にお答えをさせていただきます。
 ただいまお話のありました道の駅にバイクウエルカムのコンセプトを試験的に導入するというアイデアにつきましては、大変興味深くお伺いをいたしました。
 先ほども申し上げたとおり、道の駅は地域の発意と創意工夫により市町村が中心となって設置されるものであるため、設置者である市町村の意向をよく踏まえることが重要であると考えております。
 現在、道の駅は、休憩や買物などで利用される方、キャンプなどアウトドアレジャーで立ち寄られる方など幅広い用途で利用されており、一般的には車種に限定した取組は難しい側面もあるものと考えられます。
 他方、二輪車に理解のある地域もありますので、コンセプトの御提案があれば関係自治体に御紹介することも可能ですし、特定の道の駅での御提案であれば、直接道の駅に紹介させていただきたいと思います。
 いずれにしましても、国土交通省といたしましては、今後とも二輪車の安全で快適な利用や地域観光の活性化に向けて取り組んでまいります。

#72
○委員長(有田芳生君) 石井さん、簡潔におまとめください。

#73
○石井章君 前向きな御答弁ありがとうございました。
 終わりにします。ありがとうございました。

#74
○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史でございます。本日はどうぞよろしくお願いをいたします。
 冒頭、ちょっと質問に入る前に、まずNEXIの件、ちょっとだけ大臣にお願いをさせていただきたいと思います。
 今週の火曜日に理事懇談会開きまして、改めてNEXIの件、中身、再発防止について正式に報告をいただいたという状況にございます。中身は、やはり大変重大な問題、保険料率の計算のミスによって契約した皆さんに大変な迷惑をお掛けしたということでもありますので、今回、再発防止が出されました。是非とも、大切なのはこの再発防止をきちっと実行していくことだというふうに思いますので、経産省におかれては、このNEXIの今後の再発防止に向けた動き、これしっかりとフォローをいただきたいということと併せまして、そのNEXIの動きに関して、やはり法案の国会に対します提出、また取り下げるということで、そこの動きについては経産省内の連携不足というものがあったこともこれは否定できないことだというふうに思っております。
 NEXIへのフォローと併せて、省内のこうした動き、連携をしっかりと取っていくということも併せて大臣にはリーダーシップを発揮していただきたいということをまず冒頭お願いを申し上げる次第でございます。
 それでは、質問の方に入ってまいりたいと思いますが、今日は、先ほど森本委員の方からカーボンニュートラルに関しての質問がございました。このカーボンニュートラルの目標が、政府目標が出される前には、第四次産業革命がやってくるということで、これも経済界においては大変大きな変革期であるという受け止めがあって、様々な動きがございました。
 ですから、今回はこれにカーボンニュートラルが加わって、さらに経済界、それぞれの産業において今後どうしていくべきかということで、その方向性について様々な今議論がなされている最中だというふうに思います。そうした産業政策への影響の中の一つとして、今日は自動車産業の政策についていろいろお話をさせていただきたいと思います。
 これまで、さっき申し上げました第四次産業革命への対応ということで、経産省におかれては様々な諸施策を活動してこられています。アイテムによってはきちんと予算を付けて継続的に取り組んでこられたということで、この点についてはまず評価をいたしたいと、そのように思います。
 その上で、今回は、そうしたこれまでの取組の振り返りを行うことによって今後しっかりとその問題があるところについては改めていく、より効率的にこうした活動を進めていくということを進めていくために質問をしていきたいと思うんですが、まずインフラの設備について幾つか質問をしてまいりたいというふうに思います。
 まずは、充電器に関してです。電気自動車若しくはプラグインハイブリッド車という、こうした車への充電をするための充電器の設備なんですけれども、まずこの充電器に関して、当初の計画とそして現状、それから現状に対します経産省の評価について伺いたいと思います。

#75
○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。
 充電インフラの整備目標につきましては、二〇一〇年に策定いたしました次世代自動車戦略二〇一〇という中で、電気自動車、プラグインハイブリッド車の普及のために、二〇二〇年までに急速充電器を五千基、それからプライベートでお使いになるものも含めて普通充電器を二百万基整備するという予定としていたところでございます。
 現状、公共用だけの数字でございますが、急速充電器で七千九百基、普通充電器で二万二千基という状況になっております。普通充電器の方に関しましては伸びていないわけでございますが、これに関しては、電気自動車、プラグインハイブリッドの普及、車自体の普及が進まなかったこと、それから普通充電器に比べて急速充電器の方がニーズが強いということで、こちらは五千に対して七千九百ということで、むしろ超過しているという状況にございます。
 今御指摘ございました二〇三五年に向けて新車発売で電動車一〇〇%という目標を達成するためには、電気自動車、プラグインハイブリッドの普及拡大というのは大変重要なテーマでございまして、まさに電動車の普及とインフラの整備、車の両輪で進めていくためにも、充電インフラの普及拡大と、これまで以上にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

#76
○礒崎哲史君 ありがとうございます。
 今御説明をいただいたその次世代自動車戦略の二〇一〇というもの、皆さんのお手元の資料の二枚目にそれをお付けをしております。右下のところに赤枠で囲みました。そこが設置目標ということで、二〇一〇年に、その当時からもう目標値が設定されていたということで、残念ながら、急速についてはこれを上回るペースということですが、普通充電については二桁少ない数字ということになっています。
 今日ここのところを確認をした理由に関しては、お手元の資料の一枚目に新聞の記事を掲載をしましたけれども、EVの充電器が初の減少をしたということであります。増やしていくべきであったはずのこの充電設備が減少しているという、こういう記事をもって、危機感を持って今日は質問をさせていただいたということなんですが、この減少してしまった理由というのは、経産省さんとしては今どのように捉えられていますでしょうか。

#77
○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。
 それぞれ充電器を設置した場合に、これは公共であれば補助金を出しておりますけれども、当然これ、ランニングで必要な点検でございますとか整備でありますとか、そういった費用が掛かってまいります。
 そういう中で、実際にこの充電器を使われる方が少ないとそのメンテナンスの費用が出てこないというような事情があるというふうに聞いておりまして、ここへ来て様々、商業施設、宿泊施設、経営厳しい中で見直しをする中で、やむを得ず充電器の運用を廃止するといったような動きもあるというふうに聞いているところでございます。

#78
○礒崎哲史君 私も少し周りの方にお伺いしたところ、特に自治体の方なんかが役所の中の敷地内にそういう設備を入れたんですけれども、ちょうど定期的に交換をしなきゃいけない時期になったときに、その利用者の数と実際にそのメンテナンスする費用を考えたときに、ちょっと新たな追加が自治体の予算の中でやりくりできないなんという意見は確かに聞いたことがあります。
 ですので、そうしたことも影響があったのかなというふうに思うんですが、この点もちょっと聞きたいことあるんですが、もう一つ関連して、お手元の資料の三ページに今の充電器のこれまでの推移をお付けをしております。
 上のグラフです。順調に二〇一二年以降は増えていたんですけれども、二〇一七年以降、実は頭打ちの状況になっていたというのもあるんですけれども、この二〇一七年頃から頭打ちになってきてしまったこうした理由というのも、もし見解があればお聞かせいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#79
○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。
 今御答弁申し上げましたように、ある程度ランニングのコストをカバーしていくためには使っていただかないといけないということでありまして、基本的には利用者が多いであろうと思われるところ、町の中でも車の通行量が多いところといったようなところから順次入ってきて、だんだん残されたところは条件が悪くなっていくという傾向がありますので、ある意味で、この一六年、一七年頃にそういった一番いいところというところが押さえられてしまって、なかなかそこから広がらないというような状況が出てきたのではないかというふうに分析しているところでございます。

#80
○礒崎哲史君 今、この場所の、利用される場所となかなかそうならない場所ということでお話がありました。
 最近の状況でいきますと、電気自動車に乗られて高速道路を使って移動される方が、それこそサービスエリア、パーキングエリアで充電されてという方もいらっしゃいますが、週末になると、サービスエリアとかの充電器の数が少なくて充電渋滞が起きているということが実際に起きています。特に地域でいきますと、東北方面なんというのは高速道路の設置数がやはり少なくて、そもそもそちらの方に足を伸ばしにくいような状況も生まれているんですが、こういう状況についてどのように把握をされていますか。

#81
○政府参考人(藤木俊光君) おっしゃるとおりでありまして、日によって、あるいは場所によってそういったミスマッチが生じているといったような状況が発生しているということは承知しているところでございます。
 したがいまして、今後の整備に当たりましては、例えば急速充電器については、今御指摘あった高速道路でありますとか、あるいはガソリンスタンドとか、移動の途中で充電をするといったようなニーズの高いところに集中的に整備していくといったような考え方も重要でございますし、また、夜間、比較的長い時間止めて充電するといったようなニーズに関しては、集合住宅でありますとか、こういったようなニーズも出てくると思いますので、そういった今普及状況、それから今使われている状況ということを踏まえて、きめ細かな対応をしてまいりたいというふうに思っております。

#82
○礒崎哲史君 今まさに御説明いただいたとおりの施策が必要なんだと思います。長期、長時間滞在するところには、もう安いですから、普通充電でいいと思うんですね、数万円のレベルで設置できますから。ただ、急いで充電したいところ、高速道路の途中のパーキングなんというところはやっぱり急速充電を入れていただく、それも複数台入れていただくと、こういうような量の部分だけ、何基入れたではなくて、どこにどういう充電器を設置するのか、こういう質の部分も含めて対応いただくことが重要なんではないかと思います。
 あと、あわせて、今お話しされました集合住宅、この点も大変重要だというふうに思っています。大体、日本に住まわれている方、六割が戸建てで四割が集合住宅に住まわれているというふうに言われていますけれども、やはりこの四割、集合住宅住まわれている方に対してもしっかりと充電できる体制を整えていくということが私は大切だと思っていますけれども、具体的にこれ今後どういうふうに進めていかれるのか、新たな目標値等も併せてお答えをいただければと思いますが、いかがでしょう。

#83
○政府参考人(藤木俊光君) まず、目標値に関しましては今精査をしているところでございまして、今後の普及の見通し、それから今までのまさに充電器の使用状況、今後の見込みというところに立った上で、しっかりした数字、目標を立てていきたいというふうに思っております。
 今御指摘いただきましたように、集合住宅、なかなか権利関係の問題等々で設置が進まないという事情がございます。一方で、最近、マンションの駐車場、第三者が借りて運用するといったような運用も出てきておりまして、そういった中で、むしろ御商売としてそういった充電器を設置されるといったような形も出てきているというふうに聞いております。
 こういったような状況もよく伺いながら、集合住宅に無理なく設置できるようなスキームと、こういうものを我々、単に補助金を渡すというだけではなくて、そういう仕組みも含めてしっかり検討してまいりたいと思っております。

#84
○礒崎哲史君 ありがとうございます。
 今、集合住宅の件、実はもう経産省さん、以前から取り組まれているんですよね。二〇一七年の実は経産省さんの資料の中に、マンションへの対応をどうするかというのがもう既にまとめられています。実は、新築のマンションへのこういう充電設備の設置状況というのは一%未満ということです。つまり、さっき申し上げました、四割の人はマンションに住んでいるんですよね。ところが、そのマンションに充電器の設置がほぼされない状況なので、最初から市場の四〇%の人たちを諦めているという状態なんです。
 だとすると、この状況でプラグインハイブリッド車、電気自動車、今後普及させていくということがいかにハードルを高くしてしまっているかという要因になっているということは、これ非常に問題だと私は思いますので、この点への、以前から意識はいただいていることはもう確認私もしていますので、是非この点しっかりと進められるようにしていただきたいと、そのように思います。
 ちなみに、この充電設備への対応ということでは、お配りをいたしました資料の一枚目の一番最後のところに海外の状況が紹介されていました。アメリカにおいては、バイデン政権において三〇年までに全国に五十万か所の充電設備を設けるということが既に表明されています。欧州においても、EU域内において、三〇年において現在の十五倍の三百万か所というような、こういう数値目標も設けられているということでありますので、是非こういったことの検討も併せていただきたいと、そのように思います。よろしくお願いをいたします。
 今、充電設備の話をしましたが、もう一つ、インフラということで、水素ステーションの状況についても確認をしたいと思うんですが、この水素のステーションの状況についてはおおむね計画どおりに来ているというふうに私自身は認識をしておりますが、依然としてこの設置にお金が掛かる、又はランニングコストが高額であるという意見、これを関係者の方から伺っています。
 今後のコスト削減に向けてどういう点しっかりと取り組んでいくべきか、このお考えについて確認をさせていただきたいと思います。

#85
○政府参考人(茂木正君) 水素ステーションの整備については、今委員から言及ございましたとおり、おおむね計画どおり進んでおりまして、現在整備中も含めまして百六十六か所が整備が進んでいるところであります。
 ただ、今御指摘があったとおり、コストについては、整備費の方が、支援開始当初の大体平均的なステーションで五・一億円ぐらいから直近は四・五億円ぐらいまで下がってまいりました。また、運営費の方は年間大体六千万円ぐらいから四千三百万円ぐらいまで下がってきておりますが、いずれにせよまだコストが高い状態でありますので、ステーションの自立化という観点からは整備費、運営費のコスト低減というのが重要だというふうに考えています。
 具体的に、整備費につきましては、例えば水素の貯蔵タンク、こちらの圧力を更に高くしてタンク一本当たりの水素貯蔵量を増加させるとか、あるいはタンクの充填用の機材、これを特注品ではなくてより汎用な、安価な、例えばステンレスを使えるようにすると。こうしたことは全て規制改革が必要ですので、こうした規制改革を行うと。
 それから、運営費につきましては、運営費の主要な構成要素は一つは人件費でございますが、これは昨年の八月に水素ステーションの運営の無人化という改革を行いました。現在二か所のステーションで無人化が実現をしています。
 こうした取組を進めていくと同時に、修繕費を下げていかなきゃいけないということですので、例えば水素充填、水素を充填するためのホースがありますが、これを長寿命化していくような技術開発、こうしたものも進めることで整備、運営に係るコストを低減して、水素ステーションの普及拡大に努めてまいりたいと考えています。

#86
○礒崎哲史君 今御説明いただいた内容、この水素ステーションもしっかりと進めていくということで、民間企業が集まった形で協議会をつくられていましてね、燃料電池実用化推進協議会ということでつくられておりまして、その協議会から経産省さんの方に対しても様々な要望が出されているというふうに承知をしています。直近でいけば、本年の三月に検討会が、規制改革に関する検討会が行われて、その中でも申入れがされているというふうに承知をしております。今御紹介いただいたアイテムはこの中でも要望されているアイテムだというふうに思いますので、是非取組を進めていただきたいと、そのように思います。
 特にコスト、特に建設コストについては、普通のガソリンスタンドでいくと大体一か所一億でできていたということです。それが今、水素ステーションでいくと五億ですのでね、燃料費を同じように計算したとしても、コスト的にそうすると商売が成り立たないという状況ですので、今、四・五億でもやっぱり当然無理だと思います。三億でも厳しいんじゃないかと思います。やはり二億とか、二・五億とか二億とか、それぐらいのレベルまでやっぱりコスト、建設コストを落としていかないとビジネスモデルとしてやっぱり成立しないということですので、これも最終的にはビジネスモデルが成立しなければ普及につながっていかないということになります。普及につながらなければ当然二〇五〇年のカーボンニュートラルの道が更に遠ざかるということになりますので、この点についてもしっかりと検討いただきたいと、そのように思います。
 今、充電設備、それから水素ステーションのインフラに関してお話をお伺いしましたが、これからまた次の計画が作られていくというふうに今御説明もありましたし、そのように受け止めましたけれども、やはり、二〇五〇年のこのカーボンニュートラルを進めていく上では、既に二〇三五年には新車販売全て電動車に変えていくということ、これ方針が発表されていますし、当然二〇五〇年は更に高いハードルになっていくということですので、当然この電動車をどのように普及させていくのかということが大変重要になると思います。
 この電動車を普及させるためにはインフラがセットです。整わなければ当然消費者の購買行動にそもそもつながりませんので、これしっかりと進めていくと。で、これまでと私はやはりもうステージが変わったと思います。政府がこういうふうにするんだということが昨年の秋に総理から発表されたということであれば、このインフラ整備に関しては、予算を確保したのであとは民間でよろしくお願いしますというステージでは私はないんだと思います。政府としてここを必達目標としてコミットすると、それに向けて業界としっかりと連携を深めながら全力で取り組むという、コミットする、具体的な数字をコミットするということが私は重要だと思いますけれども、この点、梶山大臣にお伺いしたいと思います。

#87
○国務大臣(梶山弘志君) 礒崎委員御指摘のとおり、自動車の電動化を進めるためには、充電インフラ、そして水素ステーションの整備が不可欠であり、これら両方がしっかりと連動することによって二〇三五年の目標、二〇五〇年の目標に向かえることだと思っております。
 先ほど政府参考人の答弁でありましたけれども、これまでの目標を作って取り組んできたところでありますけれども、一方で、その世界的な脱炭素化の潮流の中で、我が国も二〇五〇年のカーボンニュートラルを実現を宣言した今、この野心的な目標を達成するためには、充電インフラ等について新たな目標、政府がコミットする目標というものが必要になると考えております。
 こうした中で、様々な関係者の御意見をお伺いする観点から、本年三月にはカーボンニュートラルに向けた自動車政策検討会を新たに設置をし、これまでに二十五の関係団体から御意見をお伺いをしたところであります。
 引き続き、こうした御意見も踏まえつつ、新たな目標の設定とともに、充填そして充電のインフラの整備促進策についての検討を深めてまいりたいと思っておりますし、今規制改革の話がありましたけれども、例えば従来のガソリンスタンド、そこに水素ステーションであったり充電施設、どういった規制上の課題があるのかというようなことも含めてしっかり検討してまいりたいと思っております。

#88
○礒崎哲史君 是非この点よろしくお願いします。政府としてのコミット、私はこれが大変重要だと思います。
 あと、時間もう少しありますので、あと一問だけ質問させていただきたいと思います。
 これ予算委員会になりますけれども、ライフサイクルアセスメントという観点で、私、大臣とやり取りをさせていただきました。あのときに、予算委員会では、大臣から、世界的な潮流としてこの考え方が出てきていると、その中で特に欧州においてはこうしたものをルール化しようという動きが出てきているんだという御説明を予算委員会の中ではいただきましたけれども、具体的にこれ、ヨーロッパは本当に具体的なものを、ルール化ですから、そこから外れるとビジネスとしてお付き合いができなくなるという、こういうことが発生するわけですけれども、ある意味、私はこれに対しては危機感を持っています。
 こうした世界の動き、具体的なルール化に対して日本政府として今どのようなアクションを取ろうとされているのか、その点について確認をしたいと思います。

#89
○国務大臣(梶山弘志君) CO2排出量については、自動車の走行時だけでなくて、生産、利用、廃棄の全体で評価するライフサイクルアセスメントが世界的な潮流になってきているということであります。
 委員御指摘のとおり、例えば欧州では、電動車の基幹部品である電池について生産、利用、廃棄の全体でのCO2の排出量の評価、調達された原材料に係る児童労働の有無などの倫理的問題の評価など、ライフサイクル全体で製品の評価を行うルールが検討されているところであります。
 日本政府としては、日本においても関係者を交えてライフサイクルのあるべきCO2排出量評価方法や標準化の検討を進めるとともに、欧州とも対話を重ねているところでありまして、欧州側の考え方を確認した上で公平な評価方法に関する日本の考え方を主張しているところでありますけれども、CO2排出削減と公平な競争環境整備の両立に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
 総理が昨年、カーボンニュートラル宣言したときに、日本の物づくり産業がしっかりと残るということが大前提だと思っております。国内での物づくり産業、そして輸出できるような環境づくり、そして相手から制限を受けないような環境づくりという中での一環としてしっかりと対応してまいりたいと思っております。

#90
○委員長(有田芳生君) 礒崎さん、おまとめください。

#91
○礒崎哲史君 はい。
 御案内かと思いますけれども、アップルという会社は、二〇三〇年、再生可能エネルギー一〇〇%のエネルギーで生産されたものしか採用しないということを既に会社として表明をされています。世界的にこういう動きが加速していくことに対してしっかりと日本として対応していくことの共有、危機感を共有させていただいて、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

#92
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
 深刻な気候危機の下で再エネの導入拡大を図ることは喫緊の課題ですけれども、事業を進める上で地域住民の理解を得る、このことは大前提の問題です。ところが、これに逆行するような事業が強行をされようとしています。宮城県石巻市須江地区に計画をされているG―Bio火力発電所計画です。
 資料一を御覧ください。森林約八万平米、東京ドーム二個分近くあるわけですけれども、これだけの森林を買収をして火力発電所を建設する計画なんです。見ていただければ分かるように、近くには、保育所や小学校、人口が今増加をしている住宅地があるんですね。ディーゼルエンジンで二十四時間稼働し、液体燃料では国内最大規模で、振動、騒音、悪臭、大気汚染など、生活環境の悪化が懸念をされています。
 資料の二を御覧ください。これ、燃料輸送のために大型トレーラーが一日三十三台も通学路を横切る計画があるんです。安全面でも非常に心配をされているんですね。
 石巻の須江地区の環境を守る住民の会と須江地区保護者の会の方々はこれまで何度も市や県への申入れを行っていて、私も、液体ディーゼル火力発電所計画の中止・撤回を求める要望書、これを受け取っています。市議会でも県議会でも、我が党議員だけではなくて超党派で質問が行われていて、県議会では今年三月、建設反対の署名は今年二月末時点で一万筆を超えたと、この須江地区住民の過半数を超えていると、住民の大多数が建設中止の意思であることは明確になっているということで、国に意見書提出を求める請願が全会一致で採択をされています。
 そこで、大臣にお聞きするんですけれども、この地域は、東日本大震災で被災をされて、住まいを求めて新築をされたという方々も多くいらっしゃるんですね。同事業はこうした地元の皆さんの理解を得られているとは到底言えないと思うんですけれども、これまでの経過や話を聞いて、大臣、どのように認識されたでしょうか。

#93
○国務大臣(梶山弘志君) G―Bio石巻須江発電所事業については、地域住民から発電所稼働に伴って発生する騒音、悪臭、大気汚染などによる住環境への影響や健康被害、そして事業者による地元とのコミュニケーションの取り方について、地域の住民から懸念の声が上がっていると承知をしております。
 二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けて再エネの主力電源化を進めていくに当たっては、地域の信頼を獲得しながら地域に根差した再エネ導入拡大を進めていくことが重要であります。FIT制度では、電気発電事業者が地域住民と適切なコミュニケーションを図ることを努力義務としており、怠っている場合には再エネ特措法に基づく指導を行っているところであります。
 個々の対応をお答えすることは控えますけれども、地域住民と適切なコミュニケーションが図られていないことが確認された場合には、地域と共生した事業が実施されるように適切に対応してまいりたいと考えております。

#94
○岩渕友君 この事業は県の条例アセスメント手続の対象なんです。現在は準備書が提出をされて、間もなく意見受付が締め切られます。
 方法書提出後の住民説明会、これは二〇一九年の一月に行われているんですけれども、町内会などへの事前案内は一切なくて、新聞に公告を載せただけと。説明会でも、資料と説明の内容が違っても、撮影も駄目、録音も駄目ということで、住民の合意を得ようという姿勢がほとんどありませんでした。
 方法書に対する宮城県の知事の意見では、冒頭紹介をしたような生活環境への重大な影響や交通環境負荷の増加による影響への懸念を示して、重大な影響を回避又は十分に低減できない場合は対象事業実施区域の見直しを行うこと、事業内容に対する十分な理解を得たことを確認した上で事業を進めること、こう厳しく指摘をしているんですね。
 けれども、今年の四月の下旬に行われた準備書の住民説明会で事業者は何と言っているかというと、国や県知事から建設をやめろと言われたらやめるけれども、言われていない、こんなふうに言っているんですよね。こういう態度だということなんです。
 大臣、これ、県のアセスでの指摘を無視をするようなこうした開き直りの態度や姿勢が許されるのかと。大臣の認識をお聞きします。

#95
○国務大臣(梶山弘志君) 個別の案件につきましては、今、私の意見を申し上げることはできませんけれども、地域住民とのコミュニケーションについては、各地域の実態に応じながら事業者が適切に地域との対話を深めていくことが重要であると考えております。
 これ、ほかの再エネの案件でも私のところに持ち込まれるものがありますので、段階を経てお話をさせていただいておりますけれども、こうした観点から、再エネ特措法では、地域の実情に合わせて自治体が定めた条例を含む関係法令の遵守を認定基準として定め、違反した場合には必要に応じて認定を取り消すこともあるということであります。
 また、地域共生を円滑にするための条例策定を検討したい自治体をサポートする観点から、二〇一八年十月に全ての都道府県を集めた連絡会を設置をして各地域の条例の事例などを広く自治体に横展開しており、今後、条例のデータベース化をし、そして更なる事例の展開に努めてまいりたいと思っております。

#96
○岩渕友君 石巻の市議会では超党派で反対が広がっていて、今年三月には全会一致で経済産業大臣、資源エネルギー庁の長官宛ての意見書を採択しているんです。
 二つの要望を上げているんですけれども、この二つの要望項目を読み上げてください。

#97
○政府参考人(茂木正君) 石巻市議会からは、令和三年三月十七日に、地方自治法第九十九条に基づきまして意見書が提出されております。
 二つの要望ございますが、ちょっと前文も非常に重要なので、そこも読まさせていただきます。(発言する者あり)結構ですか。分かりました、はい。
 二つ要望ございまして、一、バイオマス発電所建設においては、全国的に問題になっている住宅地への建設を避ける、事業用地買収段階から地権者以外の広い地域住民への事業計画の周知と理解を得るなど、建設基準の見直しと事業計画策定ガイドラインの遵守を義務化していただきたい。二、国内で使用実績が十分でない新規輸入燃料のFIT認定は、慎重に判断していただきたいと強く要望いたします。

#98
○岩渕友君 この二つなんですね。前文も確かに大事なんです。
 それで、住民の理解を得るということがないがしろにされている現状から見ても、この要望の一つ目にあるように、事業計画策定ガイドライン遵守の義務化、つまりは事業に対する住民合意、義務化するべきだと思うんですけど、大臣、いかがでしょうか。

#99
○国務大臣(梶山弘志君) 二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現に向けて再エネの主力電源化を進めていくに当たって、地域に根差した再エネ導入拡大を進め、地域住民の信頼を獲得していくことが重要であります。
 発電設備の設置に当たっては住民同意を義務化すべきとの御指摘でありますけれども、地域住民とのコミュニケーションについては、各地域の実態に応じながら事業者が適切に、そして地域との対話を深めていくことが重要であると考えております。
 こうした観点から、先ほども申しましたけれども、再エネ特措法では、地域の実情に合わせて自治体が定めた条例を含む関係法令の遵守を認定基準として定め、違反した場合には必要に応じて認定を取り消すこととしております。また、地域共生を円滑するための条例策定を検討したい自治体をサポートする観点から、先ほど申し上げました条例のデータベースを構築をして事例の展開に努めてまいりたいと思っております。

#100
○岩渕友君 方法書に対する市長の意見でも、業務を遂行するに当たって地域住民の同意は不可欠だと、極めて厳しい意見が述べられているんですね。これ住民の同意はやっぱり不可欠なんですよ。地元住民や自治体にとってはこの問題、本当に切実な問題で、いよいよ住民合意の義務化をするべきだ、ときだということを私思っています。
 これ、要望の二つ目に関わって、この事業者は二〇一七年二月二十二日にFIT認定受けているんですけれども、その際の申請燃料というのはパーム油だったんです。けれども、パーム油については国際的に問題視する流れが強まっていて、米国ではバイオ燃料としてのパーム油利用は禁止する、EUでは段階的に廃止するなど、厳しい目が向けられているんですね。
 こうしたことを受けて、事業者は住民に対して、燃料はパーム油ではなくてポンガミア油を使用するという説明を始めているんですよ。このポンガミア油なるものはそもそもFITの対象とされていないはずなんです。このことを確認したいと思います。

#101
○政府参考人(茂木正君) 御指摘のポンガミア油でございますが、これはFIT制度の対象とはしておりません。

#102
○岩渕友君 対象になっていなくて、バイオマス発電の新規燃料については、昨年度、ライフサイクルGHGの検証が終わるまでは新たな燃料の追加認定を行わないということとしているわけですね。このパーム油の旗色が悪いというふうに判断すればFIT認定もされていない燃料を使うって説明する事業者の態度というのは、誠実とはとても言えないですよね。こういう事業者を信頼しろと言われても難しいというのは当然のことだと思うんです。
 このような事業者のFIT認定、取り消すべきではないでしょうか、大臣。

#103
○国務大臣(梶山弘志君) 実際にFIT認定されていない燃料を使うということであれば、FIT認定の取消しということにつながると思います。

#104
○岩渕友君 FIT認定は法令違反がなければということなのかなというふうに思うんですけれども。
 全国で同様の問題いろいろ起きていますけれども、それにもかかわらず、法令違反で認定が取り消されたというのは一件だけなんですよね。だから、いろんな問題起きていることとの実態と合わないということなんだと思うんです。
 このパーム油の扱いについても国内でもいろんな検討が進められています。この検討を簡潔に説明をしてください。

#105
○政府参考人(茂木正君) パーム油につきましては、FIT制度で、パーム油を用いるバイオマス発電に対しまして、二〇一八年度から審議会において専門家の議論も踏まえて、これ持続可能性について第三者認証の基準を満たすことを求めております。また、あっ、求めているところであります。

#106
○岩渕友君 第三者認証の機関の基準で確認するべきだというふうにしているということですよね。
 それで、過去にFIT認定を得ているパーム油発電について経過措置があるということなんですけれども、二〇二二年の四月一日からはこれどのような扱いになるでしょうか。

#107
○政府参考人(茂木正君) まず、パーム油につきましては、先ほど申し上げたように、二〇一八年三月三十、あっ、二〇一八年の四月一日以降の新規認定案件については、今申し上げた第三者認証というのを持続可能性について取得しまして、それが前提で認定ということになります。
 それ以前の案件につきましては、これ、それ以前の案件についても後で認定は取っていますけれども、その後に持続可能性の認証を取ることを求めておりまして、これを二〇二一年の三月三十一日までということで進めてまいりました。ただ、コロナ等の影響でこれを一年延長しまして、二〇二二年の三月三十一日までに第三者認証の持続可能性の確認を今猶予しているというところであります。
 それ以降については、現時点では、更なる延長含めて今そうした検討をしている事実はございませんけれども、今後、引き続き第三者認証機関における審査の状況などを注視していく必要があるというふうに認識しています。

#108
○岩渕友君 資料の三を見ていただきたいんです。
 これ、燃料種別、産地ごとのライフサイクルGHGの排出量の試算だということなんですけれども、そもそも、今ずっと出ている第三者認証で確認をしたとしても、産地への負荷があって、生産方法によってはこの温室効果ガスもLNGより高くなる問題もあるんですね。
 今後、パーム油、新規燃料共にますます厳しい基準が求められていますけれども、その場しのぎの説明をしている事業者の姿勢の問題、さらに、燃料の輸送のための道路が児童の通学路で危険だということを指摘をされて、石巻市に道路の拡幅をお願いしているというふうに事業者言っているんですけれども、自治体はこの計画に反対をしていて、実現する見通しもないのに無責任な対応だと言わざるを得ないです。こんないいかげんな対応、そして、地元住民や自治体に真面目に説明をしない事業者との間に、長期にわたる発電事業になりますよね、これを続ける信頼関係築けないと、FIT認定取り消すべきだということを改めて求めたいと思うんです。
 EUでは、大規模な再エネを進めるときには地域住民の合意が大前提となっています。本来、再エネはその地域住民の利益につながるように進めるべきだということを求めて、質問を終わります。

#109
○ながえ孝子君 碧水会のながえ孝子です。
 先ほど礒崎委員からアップルの話がありましたように、再生可能エネルギーを使っていることが企業価値につながる時代になりました。政府が二〇三〇年CO2四六%削減という目標を打ち出したので、多くの企業が、ビジネスチャンスあり、さあグリーンニューディールだと関心を寄せています。再生可能エネルギーへの視線が熱くなっています。
 同時に、少子高齢化で産業が疲弊して、人口流出など多くの問題を抱えている地域にとっては、エネルギーの地産地消を生かして地域経済復活の局面展開できるチャンスでもあります。
 今日は、その地域を再興させるビジネスに再エネ事業がなるような期待を込めて質問させていただきます。
 まず、多くの再エネ発電事業者がビジネスとして収益を上げられる環境整備を進める必要があります。そのための重要な改革は、やはり接続の確保だと思います。
 今回、従来の先着優先からノンファーム型接続へとルール変更が進んだのは評価いたします。二〇二一年中にノンファーム型接続を全国の空き容量のない基幹系統で展開していくということなんですが、片や、再エネの導入量というのはこの七年でおよそ三倍に伸びているんですね。更に今回の政府方針を受けて増加が見込まれます。
 今、多くの地域で接続可能量を上回る申込みがあると聞いておりますが、現状どれだけ接続が進んでいるか、それからノンファームの全国展開の見通しを教えてください。

#110
○国務大臣(梶山弘志君) 近年、再エネ導入量が増加していることについては、系統制約が、このことによって系統制約が顕在化をしております。系統制約の克服に向けては、災害時にも安定供給を継続できるというレジリエンスを強化しつつ、二〇五〇年カーボンニュートラルに不可欠な再エネを大量導入していくために、我が国の送電網を次世代型のネットワークに転換をしていく必要があると考えております。このような観点から、全国の再エネポテンシャルを踏まえて、送電網を計画的に整備するためのマスタープランの検討を進めており、中間整理を今月行い、二〇二二年度中の策定を目指しております。
 他方、送電網の整備には一定の費用と時間を要するため、送電網の空き容量を超えて再エネが発電した場合に出力を一部抑えることを条件に、より多くの再エネを送電網に接続する仕組み、先ほど委員から御指摘がありましたノンファーム型接続を本年一月、基幹となる送電網に全国展開をいたしました。その上で、石炭火発などに、より再エネが優先的に基幹となる送電網を利用できるようなルールの抜本的な見直しについても、遅くとも二二年度中の実施を目指しているところであります。
 こうした政策を実施し、再エネの更なる導入に向けて最大限取り組んでまいりたいと思っておりますが、具体的な数字というのはある。

#111
○政府参考人(茂木正君) ちょっと今具体的な、出力制御がどれぐらい起きているかとかいう具体的な数字は今持ち合わせておりませんので、また改めて機会があれば御説明をしたいと思います。

#112
○ながえ孝子君 また改めて教えていただきたいなと思いますが。
 先ほど大臣おっしゃいましたが、やっぱりビジネスとして予見性が大事になるので、そういう情報公開というのはしっかりやっていただきたいなと思います。
 心配なのは、ノンファーム型は混雑時に出力制限を受けることを条件に接続をしますので、ノンファーム契約の再エネというのは、通常契約の火力発電より先に出力制限を受けることになります。それで、非効率石炭火力を優先的に出力制限できるメリットオーダールールを検討しているということも伺っております。まずは、こういった改善をどんどん進めていかれていることは拍手を送ります。
 で、国が再エネの主力電源化を目指すというならば、これを実現するというならば、やっぱり明確な意思を持って、環境への負荷が少ない電源を優先して接続する優先接続、優先給電のルール変更、この改革がやっぱり重要だと思うんですが、いかがでしょうか。例えば、ドイツ、デンマーク、イタリア、スウェーデン、スペインなど、ヨーロッパの多くの国々は、優先接続をルール化したことで再エネ比率がアップしておりますし、優先給電ルールというのは義務付けられてもいます。ですから、日本がヨーロッパに追い付くためにも、優先接続、優先給電、ルールを導入しませんか。

#113
○政府参考人(茂木正君) 今委員から御指摘がございました優先接続のルールということでございますが、これは、先ほど大臣からも答弁申し上げましたけれども、これは、送電線の空き容量を超えて再エネが発電した場合の出力を一部抑えるということを条件に、いわゆるノンファーム型の接続というのを今年の一月から基幹送電網に全国展開しております。
 他方で、今御指摘のとおり、送電量の空き容量を超える場合に、現行のルール下では、先にノンファーム型を接続、ファームで接続している火力電源より先にノンファーム型の接続の再エネが出力制御を受けるということになってしまいますので、こうした状況を打開していくために、CO2排出量や燃料費の観点から非効率と考えますし、おりますので、石炭火力などより再エネが優先的に基幹となる送電網を利用できるようなルールの抜本的な見直し、これも遅くとも二〇二二年中に実施を目指しているところであります。

#114
○ながえ孝子君 一生懸命そういった整備を進めていらっしゃるんだと思いますので、一歩ずつだとは思いますが、是非意欲的に取り組んで、取組を進めていただきたいなと思います。
 続いて、第六次エネルギー基本計画についてお伺いしたかったんですが、先ほどお話もありましたので、分かりました、この質問は飛ばさせていただいて、次に移りたいと思います。
 再生可能エネルギーの地産地消が、先ほど申しましたように、少子高齢化や雇用喪失、人口流出に悩む地域の復活につながるという期待は大きいです。私の地元愛媛県に内子町という町がありまして、ここはノーベル賞作家の大江健三郎さんのふるさとなんですね。大江さんが作品の中で四国の谷間の小さな村と呼んでいるところなんですけれども、ここでバイオマス発電が行われています。
 地元の山林の未利用材、つまり商品にならない根っこの近いところとか枝とか、そういったところを木質ペレットにして発電をしまして売電をして、それをまた未利用材の購入費に充てるという仕組みがうまく回っておりまして、林業家の皆さんは、今までもう商品にならなかった、運び出すだけ手間賃掛かるから山に捨てていたところを買い取ってもらえるので収入増ですよね。そして、新たな雇用も生まれています。そういった意味で新エネルギー財団の去年の会長賞も受賞しておりまして、全国から視察に来る人が増えているんだそうですね。
 今、新たな発電所の増設も計画しておりまして、バイオマス発電ですから熱が出ます、その熱も今まではバイナリーというもので発電していたんですけど、熱エネルギーとしてそのまま地域内の施設で使おうじゃないかというような取組が進んでおります。
 ですから、四国の谷間の小さな村で世界に肩を並べるような取組が意欲的に一歩一歩進んでいるということで、これが同じような過疎に悩む地域で何かこう広がっていくといいなと私は思いますし、地方創生大臣をお務めになりました梶山大臣も同じような思いを持っていらっしゃるかと思います。
 この内子の事業のリーダーがおっしゃっていたんですけれども、今機運は盛り上がっていると、やりたいという人はすごく多く見に来る、なんだけれども、やっぱりバイオマス発電やりたいと言いながら外材を当てにしていたりとか、先ほど委員から指摘もありましたけれども、あるいは地域貢献の思いがなくて、地域共生の思いがない、そんなケースは大抵うまくいかないんだという話でした。だから、必要なのは、よく人、物、金と言いますが、やっぱり特に人と金かなと思います。
 そこで、国の支援の出番かなと思っております。地域の再エネ事業の起業など強力な支援が必要ではないかと思いますが、今後どんな支援策を打ち出していくお考えでしょうか。

#115
○政府参考人(茂木正君) 地域に存在します再生可能エネルギーの地産地消、こちらは、一つはレジリエンスの向上という観点からも、また環境負荷の低減、そして地域の活性化という視点からも大変重要であるというふうに認識しておりまして、経産省としてもしっかり支援をしていきたいというふうに考えています。
 具体的には、地域内の再生可能エネルギー、これは今御指摘あったバイオマスであったり、あるいは太陽光であるケースもありますし、小水力や地熱を使うというケースもございますが、こうしたものを活用して地産地消型のマイクログリッドをつくっていくとか、あるいは域内でエネルギー利用をしていくと、そうした計画を策定するための支援というのをまず行っています。そして、その後に、これ必要な整備を導入していかなきゃいけないということ、これかなりのお金が掛かるようになりますので、こうした導入支援についてもしっかり実施をしていくということで、今年度は昨年度の約二倍の予算を確保しまして、しっかり応援をしていきたいというふうに考えています。
 また、地域産業の活性化ですとかレジリエンスの向上の貢献などを通じまして地域と共生している優良な事例、これを全国に普及をしていくということで、優良事例をしっかり表彰をして展開をしていきたいというふうに考えておりまして、この顕彰制度も今年度から新たに開始をする予定にしております。
 こうした取組を通じまして、地域の再生可能エネルギーの地産地消の取組を積極的に推進してまいりたいというふうに考えています。

#116
○ながえ孝子君 是非これからも地域のニーズに応えたものを、メニューを増やしていただきたいなと思いますし、やっぱりその地域貢献度を高く評価して、支援策、強弱も付けていただけたらなというふうにも思いますし、融資制度の充実などは是非お願いをしたいと思います。
 実際聞きましたら、やっぱり自治体も、このエネルギーの地産地消に着目して再エネ事業は支援したい、支援したいんだけれども、コロナ対策もあってやっぱり財政的に厳しい。実際この事業者も自治体からの支援が減らされていると悩んでいましたけれども、ですので、自治体が支援する際には再エネに関する地方債の発行ができるようにして、今この元利償還交付金というのは減らされている、縮減の方向だというのはよく存じておりますが、特例として交付税措置ができるようにしたら地方創生に資すると思うんですが、いかがでしょうか。

#117
○政府参考人(黒瀬敏文君) 御答弁申し上げます。
 今御指摘いただきましたように、地方債、これは出資債というような形で例えば民間に対して地方債を発行するというのは可能ですけれども、交付税措置ということになりますと、かつて、このいわゆる交付税措置というものが地方団体の負担意識を薄めるというような指摘もありまして、基本的には縮減、廃止といったところで来ているという中で、財政措置を拡充するということについてはちょっと慎重な検討が必要になってくると思いますけれども、ただ、私どもの中で、総務省として、例えば地方団体を核としまして、例えばこのエネルギー関係では分散型エネルギーインフラプロジェクトというものがございます。
 このプロジェクトは、需要家、それから地域エネルギー会社、それから金融機関など、地域の総力を挙げて、バイオマスを始めとする地域資源を活用した事業を立ち上げるためのマスタープランの策定費用について補助をしているものでございます。
 このマスタープラン策定前の段階からも、プランの事業化までのプロセスについて関係省庁と連携して支援を行っておりまして、その手順についても昨年末にハンドブックを作成をして周知を図ったところでございますし、また、マスタープラン策定済みの団体については各省庁の補助金の優先採択をいただくといったようなことで分散型エネルギーインフラプロジェクトを推進をしておりますし、また、専門人材リストについても関係省庁と連携して取りまとめて、地方団体に三月にお示しをしたところでございます。
 また、そのほかにも、先ほど御紹介もありましたけれども、人材、資源とか資金、こういったものを地域で循環させるというのは非常に重要な観点だと思いますので、私どもの中では、総務省として地域経済循環創出事業交付金といったようなものもございますので、こういったものでもエネルギー事業も支援をしているというところでございます。
 経産省を始め関係省庁とも連携して、引き続きしっかりとサポートしてまいりたいというふうに考えております。

#118
○ながえ孝子君 是非、このエネルギーの地産地消ですとか再生エネルギーというのは多くの何かきっかけづくりに役立つかなと思っております。地域経済良くなる、日本経済良くなる、そして地球が助かるということになれば一石三鳥かなと思いますし。ただ、これ分野が、総務省であったり経済産業省であったり環境省であったりまたがっているので、是非そこはしっかりと、まず経済産業省がリードを取っていただいて進めていただくようにお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#119
○安達澄君 無所属の安達澄です。どうぞよろしくお願いいたします。
 先ほど高瀬議員からもお話がありましたけれども、福島第一原発のALPS処理水の問題に関してお話をさせてもらいます。
 専門家が六年以上にわたって議論をし、IAEA、国際原子力機関ですね、が科学的根拠に基づくと評価した上で、先月、四月十三日に政府はALPS処理水を海洋放出する基本方針を決定しました。
 残る課題の一つは、やはり風評対策、もういろんな大臣からも同じように話が出ていると思います。それを解決するのが丁寧なコミュニケーションというふうに思います。本日は、その福島県民の理解や協力を得るための、そして国内外で懸念される風評を払拭するためのコミュニケーションの在り方について質問をさせていただきます。
 現時点では、到底、地元福島県民の理解は得られていません。これはもう数字が証明しています。福島民報が最近、福島テレビと共同で実施した県民世論調査によりますと、処理水に関する理解度は、全く深まっていない、さほど深まっていないを合わせた数字は七割を超えています。
 まず、お聞きしますけれども、政府はこれまで地元の福島県に対して理解、協力を得るという観点からどのような取組をされてきたかというのを教えていただけますか。

#120
○政府参考人(須藤治君) お答えをいたします。
 ALPS処理水の取扱いにつきましては、関係者の方々に御理解をいただくということが何より大切と考えておりまして、政府の議論の進捗に合わせまして、都度都度地元の自治体や農林水産業者の皆様などとの対話を重ねてきております。
 具体的に幾つか申し上げます。
 二〇一五年以降、地元の市町村や団体の長などが参加する廃炉・汚染水・処理水対策福島評議会、途中名前が変わりましたけれども、これを福島県内で十数回開催をし、ALPS処理水の検討状況についての意見交換を実施しております。
 また、専門家によるALPS小委員会は二〇一五年以降に十七回開催されておりますけれども、その都度、地元自治体や産業界の方々などに対して資料や議論の内容等の説明を行ってきたところでございます。このALPS小委員会は、二〇一八年八月に福島県の富岡町及び郡山市で公聴会を各一回開催しておりまして、住民の方々から直接御意見を伺う機会というのも設けております。
 加えて、昨年二月にALPS小委員会の報告書がまとめられて以降、地元との対話を強化しておりまして、昨年二月以降だけでも県内の自治体や農林水産業者などの各団体との意見交換を数百回にわたって実施をしてきたところでございます。

#121
○安達澄君 ありがとうございます。
 いろいろ取り組んできているのはもう重々、今のお話のとおりだと思うんですけれども、とはいえ、残念ながらまだ理解を得られていないというのが実態だというふうに思います。地元の理解を得た上での二年後の放出という方針だと思うんですけれども、もう残り二年しかありません。
 そこで、私は、もういよいよ梶山大臣の出番だというふうに思っています。僣越ですけれども、お父様の梶山静六元官房長官ですね、沖縄問題担当されているときには、現地に足を何度も運んで、膝詰めで、もう長時間にわたって対話をしたというエピソードを新聞で認識しています。
 繰り返しになりますけれども、二年しかないということで、これまでも努力はしてきたけれども、なかなか福島県民の理解、協力は得られていない。そこで、ここから先の地元の対話というのは、もう本当、大臣にしかできない仕事であり、使命だと思っております。
 梶山大臣は、どのように今後、お考えでありますか。

#122
○国務大臣(梶山弘志君) これまでも、政府参考人から説明のあったとおり、地元への説明をしてまいりましたし、私自身も福島県漁連に伺ったり、また全国の、全漁連ですね、全漁連の理事会にも伺ったりして、いろんな説明もさせていただきました。また、地域の自治体にも何度も足を運ばせていただきました。
 まだその成果がというか、努力不足のところがあると思いますけれども、前面に立ってしっかりと対応をしてまいりたいと思いますし、皆さんに理解をしていただくための努力はもう全力で行うということがこれからの対応だと思っております。

#123
○安達澄君 私事で恐縮ですけど、以前、鉄鋼メーカーの製鉄所に、総務部に勤務していまして、そのときに非常にやっぱり重要な仕事の一つが、やはり地元とのコミュニケーション、関係づくりだったんですね。製鉄所はやっぱり広大な海沿いの土地を使いますし、特に、やっぱり漁業の皆さんのもう理解がないと建設もできない、存続もできない。なので、例えば夏、辺りの地元の夏祭りとかいうと、もう本当、一升瓶抱えて製鉄所の幹部と一緒に漁業関係の皆さんのところ回って、膝詰めでいろいろコミュニケーションをしてきていました。
 本当べたな言い方ですけれども、最後はやっぱり人と人とのコミュニケーション、国と地方との信頼関係だと思いますので、是非、大臣に期待しております。よろしくお願いします。
 二つ目ですけれども、今度は国内外で懸念される風評ですね、風評を払拭するためのコミュニケーションです。
 外に対して行うコミュニケーションに関して経産省がこれまで取り組んできているものを、まず最初に教えていただければと思います。

#124
○政府参考人(須藤治君) 経済産業省として、ALPS処理水の処分を含む福島第一原発の廃炉作業全般の進捗状況や展望について、少しでも分かりやすく発信することに努めております。
 具体的な事例、二つ御紹介をさせていただきます。一つ目は、動画やパンフレットなどの広報コンテンツを作成をして、全国に向けて幅広く発信するということ、それから二つ目は、今先生からまさに御指摘ございましたけれども、地域住民の方々との双方向のコミュニケーションを重視して、地域のイベントに私ども資源エネルギー庁の方からブースを出させていただいたりとか、あるいはその住民の方々を第一原発に御視察に受入れをして、車座の座談会を行うなどをしております。
 最近ですと、対面でのコミュニケーション、コロナ禍で思うように実施できない部分があるというのも率直なところでございますけれども、先ほど御紹介した動画の再生数は延べ百万回を超えております。また、令和二年度の第三次補正予算におきまして、ALPS処理水についての理解醸成を強化するための予算というのを確保してございます。
 ALPS処理水の安全性等について解説するコンテンツの作成、あるいは国内の消費者や流通小売業者など多層的な方々に対するイベント、説明会の開催などに取り組んでいるところでございますし、これからも強化していきたいと考えております。

#125
○安達澄君 ありがとうございます。
 今言ったコミュニケーション、非常に重要だと思うんですけれども、今回ちょっと私が、ちょっと資料も用意したんですけれども、お手元に資料①から④、表裏にコピーしています。これは、とにかくこの問題に関しては、責任省庁であるのは当然、経産省、資源エネルギー庁になると思うんですけれども、政府を挙げて取り組んでいただきたいというところなんですが、やはりちょっとその連携とかいう部分で気になるところがあるので、それをちょっと指摘させていただきます。
 まず、資料①、これは復興庁のホームページ、トップページから引っ張ってきました。ちょっと赤く丸くしてあるのは、これ私がしたんですけれども、ここに「福島の今」というタイトルでいろんなコンテンツを復興庁は用意をしています。観光物があったりとか、十周年記念とか動画とか、いろいろあるんですけれども、今度これめくっていただいて、資料②が、これは今度、経済産業省のホームページ、トップからまた引っ張ってきています。タイトルは同じ「ふくしまの今」、今度これ平仮名になっているんですけど、やっぱりコンテンツが、同じように動画があったり、旅物があったりとか、やはり十周年の軌跡云々というものがあります。
 やはり、思うんですけど、やっぱりそれぞれがばらばらにお金を使い、人を使い、時間を使い、非常にもったいないロスだなというふうに思うんですね。もちろん、子供向けであったり大人向けとか、いろいろ違う部分はあるのかと思うんですけど、やはり情報の出どころがばらばらになってしまっているなという危惧が一つあります。
 そしてさらに、こうやってばらばらにやることでもっと良くないなと思う事態が、今度資料③ですけれども、これは経産省が作っているリーフレットですね。この資料③の、これまた丸くしてあるのは私ですけれども、そこにはこう書かれています。「処分にあたっては風評影響が懸念されますが、産業や生業の復興に取り組んできた方々の努力を無にすることのないよう、風評影響の払拭に取り組みます。」というふうに書いてあるんですけど、これは非常に抑えた言い方で、トーンですし、私にはとても非常に真摯な姿勢が伝わってきます。じっくり読みましたけど、ほかの部分も同じです。
 ところが、めくっていただいて、今度、これ最後、資料④ですけれども、これはそもそもなぜ二つあるかが本当疑問なんですけど、この資料④は復興庁のリーフレットになります。復興庁は、この間、先月ですか、トリチウム、あのゆるキャラみたいなものを使って、ちょっと非難を受けてそれを削除しましたけれども、それがこのリーフレットになります。
 この①で言っている、例えば「誤った情報を広めて苦しむ人を出さないために。」。これ、ちょっと日本語としても変だと思いますし、主語が一体何なのかもよく分からないなというふうに思っています。②についても、「トリチウムの健康への影響は心配ありません」と言い切っていますけど、経産省とかはこういう表現一切していないと思うんですね。最後、③についても、「世界でも既に海に流しています」というふうにありますけれども、非常に今、この表現も、こういった表現というのは、経産省のこれまでの資料どこを見てもこのような強い表現というのは出てこないと思います。復興庁のこのリーフレットに関して言うと、大変申し訳ないですけど、とてもプロの仕事じゃないなというふうに思うんですね。
 私が言いたいのは、やはり経産省、資源エネルギー庁がちゃんとこういう認識をして、指摘をして、要は政府全体の統括をしていかなきゃいけないというふうに思うんですね、それぞれがばらばらやるんではなくて。
 もう一つ気になるのは、四月の十三日ですか、閣議の後で麻生大臣が、何でしたっけね、たしか、あの水は飲んでも何ちゅうことないからという発言とかもされていましたけれども、ああいうこともやっぱり言わせては駄目だと思うんですね。経産省は、これまでのいろんな審議会の中でも、当日閣議の資料の中でも、飲めるなんということは一言も言っていませんし、あくまでもWHOの基準の七分の一という表現をされているにもかかわらず、ああいう言葉が出てしまうというのは非常にもったいないロスだと思います。非常にやっぱりこの問題というのはセンシティブな問題でもありますから、そのコミュニケーションというのは非常に重要だと思っています。
 最後に大臣にお聞きしますけれども、やはり、要望を含めお聞きしますけれども、他省庁ともしっかり連携をして、そしてほかの大臣ともちゃんと連携を取りながらこの問題に取り組んでいただきたいと思いますけれども、いかがお考えでしょうか。

#126
○国務大臣(梶山弘志君) おっしゃるとおりでありまして、大臣間の連携も更に密にしていかなければならないと思いますし、広報に関しては、やっぱり言葉遣いを統一をしていかなくちゃならない、また方向性というものもしっかり見据えていかなければならないということで、これも頻繁に打合せをするようになりました、なって、今連携を取っているところでありますので、更に磨きを掛けてまいりたいと思います。

#127
○安達澄君 経産省はたしか五億円の予算、一方復興庁は二十億円の予算が付くと思います。非常に大きな予算でもありますので、是非連携取ってやっていただきたいというふうに思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。

#128
○委員長(有田芳生君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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