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1951/04/24 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 地方行政委員会 第33号
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1951/04/24 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 地方行政委員会 第33号

#1
第013回国会 地方行政委員会 第33号
昭和二十七年四月二十四日(木曜日)
    午後零時六分開議
 出席委員
   委員長 金光 義邦君
   理事 大泉 寛三君 理事 河原伊三郎君
   理事 床次 徳二君 理事 門司  亮君
      有田 二郎君    押谷 富三君
      前尾繁三郎君    吉田吉太郎君
      鈴木 幹雄君    藤田 義光君
      大矢 省三君    立花 敏男君
      八百板 正君    大石ヨシエ君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 岡野 清豪君
 出席政府委員
        総理府事務官
        (地方自治庁次
        長)      鈴木 俊一君
        総理府事務官
        (地方自治庁財
        政課長)    奥野 誠亮君
        総理府事務官
        (地方自治庁公
        務員課長)   佐久間 彊君
 委員外の出席者
        専  門  員 長橋 茂男君
    ―――――――――――――
四月二十三日
 地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一七五号)
の審査を本委員会に付託された。
同日
 地方自治法改正反対に関する陳情書(京都府会
 議長北村平三郎)(第一三九五号)
 地方議会の権能縮小等反対に関する陳情書(千
 葉県議会議長勝田友三郎)(第一三九六号)
 地方財政の窮状打開に関する陳情書(愛知県幡
 豆郡佐久島村長高橋規矩雄)(第一三九七号)
 消防に関する平衡交付金の増額並びに起債認可
 の陳情書(新潟県常設消防研究協議会会長石井
 清吉)(第一三九八号)
 北海道林務部存置に関する陳情書外四件(根室
 薪炭協同組合理事長山崎藤作外四名)(第一三
 九九号)
 大阪市の特別市制実施促進に関する陳情書(大
 阪市商店会総連盟東成区商店会連盟会長田所久
 一外二十一名)(第一四〇〇号)
 日刊紙以外の新聞雑誌の選挙報道制限に関する
 陳情書(鳥取県新聞協会長池口漂舟)(第一四
 〇一号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 地方公務員法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第一四二号)
 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約
 第三條に基く行政協定の実施に伴う地方税法の
 臨時特例に関する法律案(内閣提出第一五七
 号)
 町村職員恩給組合法案(内閣提出第九二号)(
 参議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○金光委員長 これより会議を開きます。
 地方公務員法の一計を改正する法律案を議題といたします。質疑を許します。――それじやほかに質疑もないようでありますから、しばらく休憩いたします。
    午後零時十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後零時二十八分開議
#3
○金光委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う地方税法の臨時特例に関する法律案、内閣提出第一五七号を議題といたします。本案につきましては、昨日質疑を終了いたしましたので、これより討論採決を行います。
 これより討論に入ります。討論を許します。河原伊三郎君。
#4
○河原委員 本案は国際的な慣例から見ましても、また実情に照しましても、この際適切妥当なる案と考えられますので、私は自由党を代表して、原案に賛成の意を表するものであります。
#5
○金光委員長 床次徳二君。
#6
○床次委員 本案に対しましては、改進党を代表いたしまして、賛成するものであります。しかしながら行政協定そのものに関しましては、御承知の通りわが党といたしましては、不満の意を持つておるものでありますが、実際上本法案を施行することはやむを得ないと考えまして、賛成をするものであります。しかし施行上につきまして、特に御注意申し上げたいことは、今後アメリカ軍の駐屯によりまして、地方財政におきまする影響を考えました場合、相当財源を失うところも出て参ると思うのであります。ことに占領軍が今後駐屯軍になりまして、場所を移動いたしました場合におきましては、新しく影響を受けるところの町村も少くないのでありまして、この影響を受けました財源に対しましては、ぜひとも政府の方において善処する必要があると考えます。特にその金額のいかんによりましては、普通交付金または特別交付金によりまして調整する必要があるのでありますが、この点については十分遺憾のないように措置いたしまして、合衆国軍の駐屯いたしまする地方の財政に対しまして、悪影響のなきよう善処せられんことを要望いたしまして、賛成の意を表するものであります。
#7
○金光委員長 門司亮君。
#8
○門司委員 私は社会党を代表いたし
 まして、本案に対しましては反対の意を表するものであります。行政協定自体についてわれわれ反対をいたしておりますと同時に、この法案の内容をごく簡易に申し上げますと、たとへばこの第二條にありますような、いろいろ例示がされております、この例示に対しましては、だれがこれをはつきり査定するかというような方法がきめられておりません。従つてこの問題は将来に非常な疑義を残す観点が非常に多いと思う。端的に申し上げますならば、脱税をされる危険性がきわめて多いのでありまして、この法案だけでは、その脱税を防止するわけには参らないと考えておるのであります。
 次に、同じ三條にある規定にいたしましても、たとえば契約者がアメリカ人である場合におきましても、実際の仕事を一体だれがやつておるかということを、十分判定する機関がこの法律の中に書いてないのでありまして、これらの問題につきましても、やはり相当大きな疑義が残されております。従つてこれが地方財政に及ぼす影響は、当然地方の財政に寄与しなければならない税收入があるにもかかわらず、これを見のがすような形が多分にできて来る危険性を持つておる法案でありまして、あまりにもこの法案は内容自体が、少し悪く申し上げますと、あちらまかせになり過ぎておるのでありまして、日本の自主性というものがほとんど考えられておらない、こういう点をきわめて簡單でありますが、私どもは指摘しまして、この法案に対しては反対の意思表示をするものであります。
#9
○金光委員長 立花君。
#10
○立花委員 共産党といたしましては、もちろん反対であります。ことわざに盗人に追銭という言葉がありますが、この法案はまつたく盗人に追銭の法案であります。根本的に賛成いたしかねます。
 御承知のように私どもは、サンフランシスコの平和條約あるいは安保條約に反対して参りましたし、それに基くところの行政協定にはもちろん反対いたして参りましたので、行政協定の第十二條の免税規定を裏づけるこの法案には、もちろん理論の上からも反対なのであります。しかもこの單独講和あるいはそれに基く行政協定によりまして、日本の国が全面的にアメリカの軍事基地になり、日本の国民の奴隷的な生活が強制されて参つておることは、事案で証明されておりますが、その中心をなしますものは、やはりアメリカの駐屯軍、占領軍、その軍属、その家族、その請負業者、その下請というような者が相集まりまして、この日本の植民地化、日本のアメリカの軍事基地化がやられておるのであります。この日本国民の苦しみの源であり、日本の植民地化のバツクボーンであるアメリカの軍関係に対しまする免税規定は、ほとんどすべての国民が納得できない法案だと思う。御承知のように行政協定第十二條では、全面的にこれらの占領軍に対じまして、免税を規定しておるのでございますが、それに従つてこの法案は、占領軍に対する地方税の全面的な免除すなわち住民税、事業税、電気ガス税その他の地方税を全面的に免除する規定で、しかもこの免税を受けます対象は、御承知のように軍人だけではなしに、軍属も含まれますし、その家族も含まれます。さらには契約者、請負業者、こういう者までが全面的に包括されまして、それらが域上述べましたような全面的な地方税の免除を受けますので、これは私どもといたしましては、とうてい承諾することができないような内容であります。しかもこの行政協定による家族等に対する治外法権の措置は、世界的に見ましても、こういう屈辱的なものはありませんので、日本だけがこういう家族にまで特権を認めておるわけですが、それがさらに税金の面においても、こういうものに対する特権を認めるということは、まことに世界的な屈辱的な免税規定でありますので、国民の感情の上から申しましても、私どもはもちろんこれには納得できない。以上が大体原則的な考え方であります。
 さらに詳しく申し上げますと、最近地方財政が非常に大きな破綻を来しておる。これは全国民の認めるところであります。東海地方における愛知あるいは静岡等におきましては、地方財政の破綻から、町長あるいは村長の辞職が続出しておるということも言われております。地方財政の破綻は、日本国家といたしましても、今最大の問題の一つでありますが、この地方財政の破綻の根本的な原因はやはり平和條約あるいは行政協定に基くところの、外国軍隊の日本における駐屯ということが、重大な要素をなしておるわけなのであります。具体的に申しますと、行政協定によりまして、アメリカの軍隊を中心とする日本の再軍備のために、約一千八百億の金が使われておる。これが平衡交付金の削減等に対しまして、最も大きな要因となつておることは、いなめない事実でございます。ここから地方財政の破綻が来ておるということは言うまでもないと思うのであります。そういう地方財政の破綻の最も大きな原因である軍隊に即時帰つてもらうことこそ国民の感情であり、地方財政破綻に苦しんでおります地方自治体の要望だと思うのでありますが、そういうものにつきましてなお免税するということは、私が最初に申し上げましたどろぼうに追銭を出すようなものだということは明白でありまして、どうしてもこれには私どもは承服することができないわけです。しかも地方財政がそういう困難を加えておりますのに、この免税措置によりまして、何十億かの減收が、地方財政に影響を与えるというに至りましては、まことに言語道断だと思います。
 それから税金の増加の面につきましても、さいぜん申しました占領軍がおることによりまして、占領軍を中心とする日本の再軍備の計画によりまして、税金の増加がどんどん行われておる。具体的に申しますと、二十七年度におきましては国税が七百七十九億増收される、あるいは地方税が四百十四億増收される。さらにそれが個人的に影響を与える部面になりますと、二十七年度において、ただいま私どもが審議しておりますこの地方税法の改正によりますと、二十六年度までは税金を免除されておりました六十歳以上の老人に対しまして、二十七年度からは新しく住民税をかけて行く、こういうふうな苛酷な税金のとり方をやつておる。国税で七百七十九億ふえ、地方税で四百十四億ふえた。これは総額においてでありますが、六十歳以上の、従来免税であつた者からも、税金をとり立てるというようなことまで決定し、さらにこまかく申しますと、地方におきましては、牛や豚が子を産んでも税金をとる。ミシンを持つておれば税金をとる。庭に果樹が生えておれば果樹税をとるというようなひどい收奪をやつておるのですが、そういうことがやはり国民の大きな問題になつておる最中に、進駐軍だけは免税する。しかもその進駐車につて、いろいろな地方財政の破綻が起つており、税金が増收される。こういう原因が進駐軍から来ておるということが明らかであるにかかわらず、それらに対しては免税する。これはまことに納得することができないのでありまして、これは明らかに豊国的な屈辱的な法案だと言わざるを得ない。このことは決して一般の納税者あるいは地方民だけの問題ではありませんで、資本家の側からいたしましても、この免税の措置に対しましては重大な疑惑を持たざるを得ないわけです。これは社会党の方からも指摘されておりましたが、契約者あるいは請負業者、こういうものに免税をする、事業税あるいは物品税あるいは電気ガス税、こういうものを免税することによりまして、日本の実際そういう実行にあたりますものとの区別が明白でありませんので、一般のまじめな日本の業者、あるいは産業資本家等は大きな脅威を感ずるわけです。おそらくこの法案が施行されますと、一部占領軍と結びつきました買弁的な資本家は、税金上の大きな特権を濫用いたしまして、まじめな日本の資本家、平和産業とのハンデイキヤツプを大きくいたしまして、ますます日本の平和産業が苦しむ。逆に買弁的な連中が利益を得て、そういう連中だけが世の中にはびこつて行くということになると思うのでありますので、私どもますます、まじめな資本家の側からいたしましても、この法案には反対せざるを得ないわけです。
 さらにこの取締りの面から申しますと、この間も委員会で質疑応答いたしましたが、たとい滞納が明らかであり、あるいは脱税が明白であつても、基地の司令官の承認がなければこれを処分することができない。従つて実質的には滞納処分、脱税処分はすることができないということになつております。こうなつて参りますと、いくら脱税をしても、あるいは滞納しても処分の仕方がない。それが基地の司令官によつて作戰上の都合だという一片の理由をつけられて承認を与えられますと、これはまつたく処分の仕方がないということになつておりまして、税金の徴收が完全に不可能であるということを示しておると思うのです。一方日本人に対しましては、たとい百円の滞納がありましても、最近は強硬に差押えをやつておりますし、事業税等は軒並みに差押えをやつておるところがありますので、日本人に対しては一方そういう苛酷な税金の取立てをやりながら、滞納あるいは脱税が明白であつても、司令官の承認がなければやれないということは、私どもはとうてい納得することができません。さらにこの地方税法を含みます一般税法の適用の問題でありますが、彼らに対しましては日本の税法はまつたく適用されないということが明白になつたわけです。彼らがいくら日本の税法あるいは地方税法に違反いたしましても、それは向うの法律によりまして、向うの裁判でやられるのであります。決して日本の法律が適用されないことは、政府の答弁で明白なんですそういうことになりますと、これはいくらこういう法律をつくりましても、それに拘束されますものは日本人だけでありまして、彼らは何ら拘束されるところがないということになるわけです。政府はこれに対しまして、アメリカの誠意に期待するのだと言つておりますが、それが具体的には何ら法文化されておりませんし、あるいはとりきめも具体的なものがないようであります。われわれはおそらくこの日本の法律による責任は、彼らには全面的に適用されないであろうというふうに見ざるを得ないわけです。こういうふうにこの法案は非常にひどい法案でありまして、一方日本の国民は税金によつて店をつぶされ、あるいは夜逃げをし、あるいは一家心中をしなければならぬという状態になつているのですが、こういう状態において外国人だけにこういう特権を与えて行く、しかもそれに対する滞納処分も脱税処分もできない、裁判にもかけられないということになつて参りますと、国民といたしましては憤激せざるを得ないのです。最近税務署襲撃事件とか、あるいは火焔びんとかのデマが飛ばされておりますが、こういう事態を惹起いたしましたのは、こういう考え方に基いて日本の税法を決定し、そういう税制度を推進しようとする政府みずからの招くところでありまして、国民はこういう措置に対しましては、おとなしくしておるはずがないのであります。
 最近破防法が出されまして、こういう税務署襲撃事件の問題とか何とかいう問題を扱おうとされておりますが、こういう税金で、今の税制度によりまして日本の国民の生活を破壊し、地方自治体を破壊するようなことこそ、私は破防法の最適格者ではないかと考えるわけです。おそらくこの法案に対しましても、与党は多数で押し切るでありましようが、最近行われておりますゼネストに見るように、日本の国民はもはや実力によつてこういう悪法をたたき破るよりしかたがないという覚悟を持つておりますし、そのことが明らかに最近のゼネスト成功によつて確証知れておりますので、お通しになつても、これは国民の実力によつて粉砕されることを断言いたしておきます。
#11
○金光委員長 八百板君。
#12
○八百板委員 私は日本社会党第二十三控室を代表いたしまして、この法案に反対するものであります。
 安全保障條約が日本の安全のためのものでなくして、一方的なアメリカによる日本支配の軍事占領の継続である、それを約束するものであるという意味において、われわれは反対いたさんとするものであります。さらにこれに基くところの行政協定は、さらに具体的に、明白に日本の独立を否定するような内容を盛り込んで参つたわけです。われわれはそういう立場から、これに対して反対したのでありまするが、これらの條約を基礎にして、この地方税法の臨時特例が行われるということに対して、私どもは賛成することができないのであります。しかもこの法律は、先ほど門司君、立花君等によつて指摘せられましたように、アメリカの軍隊――軍人、軍属、家族並びにこの便乗者にまで及ぶ、あるいは疑わしき者にまで及ぶ結果となるところの地方税法による税金をかけないという特別措置でありますので、明らかに日本の独立、日本の自主性というものを失う結果となるものだと考えるのでありまして、私どもは真の日本の独立という建前に立つて、この法案に対しまして反対するわけであります。
#13
○金光委員長 ほかに討論の通告がありませんので、これにて討論は終局いたしました。
 これより採決いたします。本案に賛成の諸君の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#14
○金光委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決されました。
    ―――――――――――――
#15
○金光委員長 次に町村職員恩給組合法案、内閣提出、第九十二号、参議院送付を議題といたします。本案は昨日質疑を終了いたしておりますので、本日は討論採決を行いたいと思います。
 まずこれより討論に入ります。討論を許します。河原君。
#16
○河原委員 本案は町村職員の福祉のためにきわめて必要なる案であり、内容も妥当と認めますので、私は自由党を代表して原案に賛成の意を表する次第であります。
#17
○金光委員長 門司君。
#18
○門司委員 私は社会党を代表いたしまして、本案に賛成の意を表するのでありますが、ただ一言この機会に申し上げたいと思いますが、この法案の、政府の提案しております提案の理由と、それから内容の関係でありますが、内容の中には実際的に見て参りますと、都道府県の知事に許可権があつたり、あるいは自治庁が模範的な規約を定めるというようなことが、法文に実ははつきりしておるわけであります。従つてそれらのものが今逆に進行いたしておるのでありまして、反動的の内容が多分に法案の中に含んでおると私は考える。従つて法案自身は町村職員の恩給組合を統一して、恩給制度に対する趣旨の徹底を期そうということでありますが、内容が、ひとたび運用を誤りますと、官僚統制にならざるを得ない危険性を持つておりますので、本案の施行に対してはその点は十分にひとつ御注意を願いたいということを強くこの機会に申し上げておくのであります。
 さらに昨日の審議の際の答弁の場合にも、恩給組合を持つておちない町村はないというような答弁であつたかと思いますが、私の調査によりますと、ただちにそれを承認すわるけには参りませんので、やはりこういう一つの統一された法案が出されるということになりますならば、町村の職員の利益を守ることのためにも、やはり全部の日本の町村、いわゆる一万二百二十三でありますか、日本の町村の十一万幾らの職員が、全部これに包含されることが望ましいのでありまして、昨日の答弁では、職員組合のないところはないという御答弁ではありましたが、なおわれわれはそれらの点についても、十分こういう法律をこさえるについては注意をしていただきたいということを申し上げまして、本案自体に対しましては賛成の意を表するわけであります。
#19
○金光委員長 立花君。
#20
○立花委員 共産党は反対でございます。簡單に反対の理由を申し上げます。内容から申し上げますと、現在の恩給の内容でありますが、これは非常に問題にならないほど少い。このことは政府が出しました資料を見ましても、これは一時金を含めまして二十五年度に支給された退隠料、遺族扶助料、退職給与金、希望退職給与金、これらの平均が一万九千円にしかならない、これは一時金も含んでおります。年金にいたしますと、その額は非常に少くなるわけであります。一万九千円平均です。そういたしますと月約千五百円、これはたびたび言つておるように、一時金を含んでの千五百円でありますから、問題になりません。退職給与金。退隠料の体をなさないと申しても過言ではないと思うのであります。内容は大体そういうまつたくごまかしであるということ、それからさらに本人の負担の問題になりますが、現在の町村の職員の給与は非常に低額であるということは、申し上げるまでもないのであります。それに対しまして百分の二の月々の掛金を認めておる。これはやはり私は町村職員にとりましては、大きな負担になつておるのではないか。現在の給与でも十分に生活がまかなえないのに、その上に百分の二の掛金をとられますことは、まつたく重大な負担であると言わざるを得ない。一方市の規定を見ますと、市の職員の場合では全然かけなくてよいところがあり、あるいは百分の一のところもある。市の方といたしましては何もとらなくともよいし、あるいは町村の半分でもやつて行けるにかかわらず、町村だけが百分の二だけ苦しい給料の中からとるということは、私どもは納得できませんので、こういうことは根本的に修正されることが妥当であると思います。こういうものをやはりほんとうに下の職員の要求、希望を入れまして、そういう人の発言を求めまして、こういうものがほんとうに是正されて参りまして、一生を公務に捧げました者の老後の生活が保障されるということが、確保されるようにならなければ、私はいけないと思うのですが、その点がこの法案では何ら明確にされていない。逆にこの法案はそういう問題を職員が問題にすることをむしろ防止するような、阻止するようなきらいがあるわけです。この法案に出されておりますところの町村職員恩給組合の運営あるいは構成は、非常に非民主的でありまして、たとえば構成の上から申しましても、一地方の事務所の管轄区域から一人しか代議員が出せないというような規定になつておりますし、しかもそういうものだけで構成されておりまして、一般職員からの意見を聞きますところの何らの特別の措置も講ぜられておらない。たとえば一般職員の代表を入れました、評議員を入れましたところの審議会、あるいは諮問委員会等の規定も何らありませんので、この組合の運営に対しますところの町村の一般職員の発言は、何ら認められておりません。これはまつたく非民主的な運営だと言わざるを得ないと思うのです。百分の二の掛金をかけさせられ、実質的に強制的に組合に加入させられますところの職員が、何ら発言権を認められていないということは、非民主的と言わざるを得ないと思います。こういうところから一般職員といたしますと、当然の要求といたしまして、掛金を安くせよ、あるいは給付を、恩給等を増額せよという要求が、当然起るのはあたりまえだと思うのですが、これに対しましてこの法案は先手を打ちまして、全国的に官僚的にこういう機構をつくり上げまして、一般職員の要求を未然に防いで行ごうということが露骨に現われていると思います。具体的に申し上げますと、たとえば組合の規約等の変更、これはさいぜん申しました負担率を減らせとか、あるいは給付をふやせとか、規約の変更の問題になりますと、これは知事の許可を得なければならない、たとい組合が議決いたしましても、知事の許可がなければ実行できないという條文がはつきり書かれておりますし、あるいは連合会になりますと、規約の変更は総理大臣の承認がなければいけないということになつておりまして、今恩給制度に不満でありますところの一般職員の要望が、規約の上に現われようといたしますと、知事あるいは総理大臣の拒否権にあいまして、それが実現できないということが、この法案では明らかにされておるわけなんです。現行のまつたく非民主的な、奴隷的な恩給に甘んぜしめるような制度を、官僚的につくり上げようということが、明白に私は感知できると思いますので、この法案には絶対に賛成することはできないのであります。
#21
○金光委員長 八百板君。
#22
○八百板委員 私は日本社会党第二十三控室を代表いたしまして、町村職員恩給組合法案に対して賛成するものであります。この町村職員恩給組合法は第一條にその目的をうたつておりまするが、しかしながら実際これを見ますると、町村職員の福祉の増進に役立つ具体的な裏づけはまつたくございませんので、そういう意味合いにおいて職員を守るものとは言いがたいのであります。さような点から申しますれば、これを町村職員恩給組合というよりも、町村職員恩給事務組合として考えて行くのが妥当であろうと思うのであります。実体的なものを含まないものとしてこれを見て参りますならば、いろいろ條文上考慮すべき点もあるように考えられるのでありますが、実体規定については後日あらためて体系づけることを一応前提といたし、とりあえず單なる事務的な手続法の整備をした。この程度に見まして、條文上の不十分な点については、その運用に期待することといたしまして、一応試験的にやつてみる。後日検討の機会を待つ、かような意味合いにおいて、この法案に対して賛成いたすのであります。
#23
○金光委員長 床次君。
#24
○床次委員 改進党を代表いたしまして、本案に賛成の意を表するものであります。
 地方公務員に対しまして、国家公務員同様その待遇を厚くすることは必要と思いますので、国家公務員の正式の恩給法の成立まで、とりあえず本法をもつてまかなうことにつきまして賛成の意を表するものであります。しかしながら本法において示されましたごとく、この恩給の財源等につきましては、平衡交付金並びに地元の財源をもつて行うわけでありますが、平衡交付金の算出につきましては、往々にして問題になるわけであります。従来補助金でありましたものが、平衡交付金に全部混入せられております以上は、平衡交付金の額の算定に関しましては、常に慎重にその正しい需要を捕捉することが必要と思うのであります。この点政府においても本法の運営上支障なく交付金の確保に努められることを要望する次第であります。
#25
○金光委員長 ほかに討論の通告がありませんので、これで本案に対する討論は終局いたしました。
 これより採決いたします。本案に賛成の諸君の御起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#26
○金光委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決されました。
 この際お諮りいたしますが、ただいまの両案に関する報告書の作成につきましては、委員長一任に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○金光委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 次会は明二十五日午前十時二十分より開会いたします。
 なお午後は国立病院特別会計所属の資産の譲渡等に関する特別措置法案について、大蔵委員会と連合審査会を開会することになつておりますので、御報告申し上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後一時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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