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2021/05/17 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 決算委員会 第6号 令和3年5月17日
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2021/05/17 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 決算委員会 第6号 令和3年5月17日

#1
令和三年五月十七日(月曜日)
   午後一時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十六日
    辞任         補欠選任
     塩田 博昭君     伊藤 孝江君
     舟山 康江君     芳賀 道也君
 四月二十七日
    辞任         補欠選任
     徳茂 雅之君     自見はなこ君
     東   徹君     柳ヶ瀬裕文君
     音喜多 駿君     柴田  巧君
     紙  智子君     岩渕  友君
 五月七日
    辞任         補欠選任
     里見 隆治君     塩田 博昭君
     岩渕  友君     田村 智子君
 五月十日
    辞任         補欠選任
     塩田 博昭君     里見 隆治君
     田村 智子君     岩渕  友君
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     今井絵理子君     宮崎 雅夫君
     塩村あやか君     吉川 沙織君
     下野 六太君     杉  久武君
     武田 良介君     山下 芳生君
 五月十七日
    辞任         補欠選任
     赤池 誠章君     宮島 喜文君
     宮崎 雅夫君     山田  宏君
     吉川 沙織君     塩村あやか君
     柴田  巧君     片山 大介君
     芳賀 道也君     小林 正夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         野村 哲郎君
    理 事
                古賀友一郎君
                舞立 昇治君
                牧野たかお君
                古賀 之士君
                里見 隆治君
    委 員
                足立 敏之君
                赤池 誠章君
                大家 敏志君
                酒井 庸行君
                自見はなこ君
                滝沢  求君
                豊田 俊郎君
                西田 昌司君
                藤井 基之君
                宮島 喜文君
                山田 俊男君
                山田  宏君
                小沼  巧君
                勝部 賢志君
                岸 真紀子君
                塩村あやか君
                吉川 沙織君
                吉田 忠智君
                伊藤 孝江君
                杉  久武君
                平木 大作君
                片山 大介君
                柳ヶ瀬裕文君
                小林 正夫君
                岩渕  友君
                山下 芳生君
   国務大臣
       総務大臣     武田 良太君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  梶山 弘志君
   副大臣
       財務副大臣    中西 健治君
        ─────
       会計検査院長   森田 祐司君
        ─────
   政府特別補佐人
       原子力規制委員
       会委員長     更田 豊志君
   事務局側
       事務総長     岡村 隆司君
       常任委員会専門
       員        笹嶋  正君
   衆議院事務局側
       事務総長     岡田 憲治君
       調査局長     佐野圭以子君
   裁判官弾劾裁判所事務局側
       事務局長     鈴木 千明君
   裁判官訴追委員会事務局側
       事務局長     中村  実君
   国立国会図書館側
       館長       吉永 元信君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       冨安泰一郎君
       復興庁統括官   開出 英之君
       総務省大臣官房
       地域力創造審議
       官        大村 慎一君
       総務省自治行政
       局長       高原  剛君
       総務省情報流通
       行政局長     吉田 博史君
       総務省情報流通
       行政局郵政行政
       部長       佐々木祐二君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    宮崎 敦文君
       経済産業省大臣
       官房サイバーセ
       キュリティ・情
       報化審議官    江口 純一君
       経済産業省大臣
       官房原子力事故
       災害対処審議官  新川 達也君
       経済産業省大臣
       官房審議官    矢作 友良君
       経済産業省大臣
       官房審議官    三浦 章豪君
       経済産業省大臣
       官房福島復興推
       進グループ長   須藤  治君
       経済産業省経済
       産業政策局地域
       経済産業政策統
       括調整官     桜町 道雄君
       経済産業省貿易
       経済協力局長   飯田 陽一君
       資源エネルギー
       庁長官官房資源
       エネルギー政策
       統括調整官    小野 洋太君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       茂木  正君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      松山 泰浩君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房審議官  金子 修一君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   篠原 栄作君
       会計検査院事務
       総局第五局長   原田 祐平君
   参考人
       日本郵政株式会
       社常務執行役   志摩 俊臣君
       日本郵政株式会
       社常務執行役   米澤 友宏君
       日本郵政株式会
       社常務執行役   市倉  昇君
       日本放送協会会
       長        前田 晃伸君
       日本放送協会副
       会長       正籬  聡君
       原子力損害賠償
       ・廃炉等支援機
       構理事長     山名  元君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○令和元年度一般会計歳入歳出決算、令和元年度
 特別会計歳入歳出決算、令和元年度国税収納金
 整理資金受払計算書、令和元年度政府関係機関
 決算書(第二百三回国会内閣提出)(継続案件
 )
○令和元年度国有財産増減及び現在額総計算書(
 第二百三回国会内閣提出)(継続案件)
○令和元年度国有財産無償貸付状況総計算書(第
 二百三回国会内閣提出)(継続案件)
 (国会、会計検査院、総務省及び経済産業省の
 部)
    ─────────────

#2
○委員長(野村哲郎君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十四日までに、塩田博昭君、舟山康江さん、徳茂雅之君、東徹君、音喜多駿君、紙智子さん、今井絵理子さん、武田良介君、塩村あやかさん及び下野六太君が委員を辞任され、その補欠として伊藤孝江さん、芳賀道也君、自見はなこさん、柳ヶ瀬裕文君、柴田巧君、岩渕友さん、宮崎雅夫君、山下芳生君、吉川沙織さん及び杉久武さんが選任されました。
 また、本日、宮崎雅夫君、柴田巧君及び芳賀道也君が委員を辞任され、その補欠として山田宏君、片山大介君及び小林正夫君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(野村哲郎君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと思います。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(野村哲郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に里見隆治君を指名いたします。
 なお、あと一名の理事につきましては、後日これを指名いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(野村哲郎君) 令和元年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、国会、会計検査院、総務省及び経済産業省の決算について審査を行います。
    ─────────────

#6
○委員長(野村哲郎君) この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#7
○委員長(野村哲郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#8
○委員長(野村哲郎君) それでは、速記を起こしてください。
    ─────────────

#9
○委員長(野村哲郎君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。

#10
○西田昌司君 自民党の西田昌司でございます。
 今日は、まず、東芝問題についてお聞きします。
 実は、せんだって、先月の決算委員会で、財金の審査のときも質問したんですが、その当時は、東芝のCVCという、車谷社長の前に勤めておられた会社から提案があって、東芝、上場か再上場したところでありますけれども、これをもう一度TOBで非上場にすると、そして、そのことによって、いわゆるアクティビストといいますかね、物を言う株主、この方々の発言を封じてしっかりと経営をやっていくんだというようなことが突然言われた。
 しかし、一方で、私が質問したのは、いきなりそういう質問がなっているんですけれども、そもそもその車谷社長自身が、社内の幹部職員による信任投票といいましょうか、この中で信任されていない状況ですから既に社内での信任を失っていると、その方を社長にするために持ってくる、まさに自分で自分の身を守るための保身劇ではないかと。そもそも、それ以前に、いきなりそういう提案ありましたから株価が非常に急騰しましたよね。ですから、この株の移動の状況によっては、まさにインサイダーということも含め、いろんな問題があるじゃないかということをそのとき指摘していたわけです。
 事実上この提案は、しかし、今言ったように、元々東芝社内の信任が車谷さん自身になかったものですから辞任ということで、そしてその辞任によってCVC側も提案を取り下げるということですから、この事態はそれで一応収まったわけなんですが、収まったわけなんですが、しかし、その後、これを見ていくと様々な記事が出ております。
 その中の、大概書いているのは、そもそも今回の車谷さんのそういうCVCによる提案というのは、元々非上場、そのためには、いわゆる外資規制がありますからね、CVCだけではもちろんできないと、そこで、いわゆる政府系のファンドや政府系の銀行を巻き込んだ形でやっていくんだと、その政府系のファンドや銀行をまとめる話はやっぱり国が絡んでいないとできないと。ということで、この裏側には経産省、名前も挙がっていましたけれども、あえて私は挙げませんが、経産省の方、またOBの方含め経産省側の思惑があってこのCVC案というのはされてきたんじゃないのかというふうに言われているわけですが、まずこのことについて梶山大臣の見解、事実関係も含めてお述べいただきたいと思います。

#11
○国務大臣(梶山弘志君) 本件につきましては、CVCから四月六日に買収に関する初期提案を東芝が受領して十九日に買収の検討を暫時中断する旨の書面を受け取ったと、それぞれ東芝が発表していることについては承知をしております。個別企業の案件であり、事実関係についてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
 様々な報道が、今委員がおっしゃったようなことがなされていることは承知をしておりますけれども、経済産業省がCVC提案に関与した事実はないと承知をしております。

#12
○西田昌司君 まあ一応そういうことだろうと思います。思いますが、私はそもそも論としてちょっと議論していきたいんですがね。
 まず、この東芝の外資割合なんですけど、これ外為法が改正されて、いろいろ基準がありますけれども、今自身も、結局そのアクティビストを始め外資が持っているわけですよね。そもそも彼らが持っていること自体に問題はなかったのかということも含め、今外資の保有割合はどれぐらいになっているのか。それから、まあ、それまず聞きましょう、じゃ。

#13
○政府参考人(三浦章豪君) お答え申し上げます。
 お尋ねの東芝の株式の保有割合について、東芝が公表している最新の情報、昨年五月十五日時点のものでございまして、発行株式のうち外国法人等が保有している株式の割合は六二・六五%とされております。

#14
○西田昌司君 六二・六ですか。そうすると、もう半数どころか大半が外国人株主のものになっているんですけれども。
 これで、別にそのそれぞれの中身が多分あるんだと思うんですけれども、中身、この外資規制の対象になるのは、それぞれ個別の株主が持ってどうだということになると思うんですけれども、その辺のところをもう少し詳しく説明してもらえますかね。

#15
○政府参考人(飯田陽一君) お答えいたします。
 個々の外国投資家がどのような割合を持っているかとか、あるいは外為法の申請どうであったかという個別企業の案件についてはお答えを控えたいと存じますけれども、一般論として申し上げますと、従来から、外国投資家が原子力発電などの重要インフラ、防衛に関わる事業などを営む上場企業、この株式を取得する際には外国為替・外国貿易法に基づき事前届出が義務付けられております。そのとき、その株式の取得、保有の割合の閾値というものがございまして、これにつきましては、令和元年の外為法の改正の前後に変わっておりまして、令和二年六月六日までは一〇%、令和二年六月七日以降は一%となっております。一%となっております。したがって、これらの閾値以上の株式の取得であれば外為法に基づく投資管理の対象となります。

#16
○西田昌司君 一〇%で、令和二年の六月以降は一%とおっしゃったわけですね。それで、かなり厳しくなってきたわけですよね。だから、保有目的が何なのかということが聞かれると思うんですがね。
 私が一番気になっているのは、いわゆるこの東芝というのは、防衛産業もありますし、もちろん原子力、そして様々な、半導体ですよね、今話題になっている、こういうこともあるんですけれども、国益に直結する事業をされているわけですよね。その外資が、今でしたら一%ですけれども、持つのは、例えば長期保有なり含めて、配当なり値上がり益ということもありますけれども、そういうことであるならいいけれども、例えば、一番今回でも気になるのは、いわゆる株をそれぞれグループが持って、あとは、よく言われるハゲタカファンドが、昔言っていたのは、分割して身売りしていくと、そして取得原価よりも高い金額で全部身売りしていったらもうかると。こういうことで、多分こういうことは禁止になると思うんですけれども、外資規制の禁止しているところは、どういうところが具体的になってくるわけですか。

#17
○政府参考人(飯田陽一君) お答えをいたします。
 外為法の対内直接投資の規制の趣旨でございますけれども、国の安全、公共の安全、それから公衆、公共の秩序、済みません、それから公衆の安全、こういったことを規制の趣旨としておりまして、外国投資家から申請、届出、事前の届出があった場合には、こういった目的を妨げるおそれがないかどうかということについて審査をいたします。

#18
○西田昌司君 それで、事前に審査はされるということなんですが、いずれにしましても、六二%という、ちょっと私もびっくりしましたけれども、非常に高い外国人保有割合ですよね。そして、その企業が先ほど言いました国益に直結することになっているんです。
 しかも、今、原子力問題もそうですけれども、半導体、これもキオクシアという形で上場するということが予定されていましたけれども、今、中国のファーウェイのあの関係でちょっと待ったという形に今なっていますが、いずれにしましても、東芝というのは、元々このメモリー分野ではもう世界一番の半導体やっていたし、それから、今はもう分社されてしまいましたけれども、医療の方でもすごい最先端のCTなど機器があったわけですよね。
 そして、原子力でも、ウェスチングハウスという会社を買収して、本来でしたら、本当だったら、あの事故がなければ、福島の事故がなければ大変な成長も期待されていたと思うんですが、そういう企業が今回このCVCの提案で翻弄されましたけれども、私は、そもそも、この先ほど言ったウェスチングハウス、そしてそれに伴って会社の経営が、一挙に株式の評価損が出ちゃうし大変な事態になったと、それをまた隠すために今度は粉飾決算と、そういういろんな事件が絡んで前の社長などが退任する、そして上場廃止になってしまうという事件がなったわけですね。
 今、今この状況でも、私はこの国益に直結するこういう会社が外資の中で翻弄されていていいのかと思いますが、元々経産省として、本来は、あのウェスチングハウスの株の問題、そしていわゆる粉飾決算はこれはもう東芝に何といっても完全な責任がありますからあれなんですが、要は、いずれにしましても、その国益に関わる企業がこういう大変な経営困難になって、最後は身売りされてしまったり自分たちの国益にたがうような結果になってしまうという事態が予想されたはずなんですよ、あのときから既にね。そのときに経産省が、実は、一時、株を持って国営化するなりするという選択肢もあったんじゃないかと思うし、今現在でももちろんそういうことがあってもいいと思うんですよ。
 先ほど大臣は、今回のCVCについては、いや、我々は何も関知、関与していませんと、こう断言されていますけれどもね。まあ、それはそれでいいとして、要するに、私は、国益に関するこういうことについては、一般論じゃなくて、やっぱりいざとなったら、そういう情報が出ないようにするためも含めて、国益を損なわないために国有化ということも私は考えてもいいと思いますが、大臣の見解をお聞きしたいと思います。

#19
○国務大臣(梶山弘志君) 経済社会又は国家の存続に重要な事業や技術が民間主体によって担われており、また、そういった領域が拡大していることは事実であります。委員御指摘のように、国が民間の事業に出資することで国益に直結する事業を守っていくべきとの考えがあることは承知をしております。外為法に基づく投資管理や輸出管理を行いつつ重要技術や産業の発展に向けた産業政策等を講ずることで、民間事業としての発展を図りながら国益の確保を図っていくことができると考えているところであります。
 なお、国が民間の事業に出資する場合、事業に対する国の責任、イノベーションの実現、民間での競争に与える影響など様々な課題があるのではないかと考えております。ただ、委員おっしゃるように、東芝というのは大変重要な技術、機微な技術も有している会社でありますので、しっかりと注視をしてまいりたいと思っております。

#20
○西田昌司君 今おっしゃったように、その辺をしっかり注視して、外資に翻弄されたりしないように、国益を守るという観点でしっかり監視をしていただきたいと思います。
 それで、この後、実は東芝がこういう経営危機になった一番の原因がやっぱりあの福島第一原発所のあの事故ですね。その結果として、原子力発電に対する信頼感というのは一挙に失われてしまったわけですね。そして、この福島県では、いまだに避難を余儀なくされている人々がおられるということなんです。
 そこで、今日は、その後はこの原子力事故についての話をちょっとしたいんですがね。そもそも、私は、あの事故はとんでもない事故だと思いますけれども、しかし、実際問題、十年たっているんですけれども、いわゆる放射線による健康被害というのは、私は具体的な報告はなかったと思っております。現に、国連の科学委員会は、福島の第一原子力発電所の事故について、この十年間放射線による健康被害はなかったという趣旨の発言をし、さらに、今後も起こらないだろうと、こういうことを述べているわけです。
 であるにもかかわらず、つまり国連の科学委員会というのは、UNSCEARという一番この原子力問題のこのことについては唯一ある委員会ですけれども、そこがそういう知見を発表しているんですが、現実それが解除できていないわけですよね。これなぜなのかということをまずお聞きしたいと思います。

#21
○政府参考人(須藤治君) お答えをいたします。
 国連科学委員会、UNSCEARが今年の三月に公表した二〇二〇年版報告書は、原発周辺地域から避難した住民の原発事故後一年間の放射線被曝を推計して、その健康影響を評価したものでございます。避難の効果もございまして、福島第一原子力発電所事故に起因する放射線被曝が直接の原因となる健康影響が将来的に見られる可能性は低いとしてございます。
 一方、福島第一原発の周辺には、事故により放出された放射性物質の影響が残る地域が存在してございます。政府としては、これらの地域において引き続き必要な放射線防護対策を行う必要があると考えておりまして、具体的には、放射線防護に関する国際組織でございますICRPの勧告を参考に、一年間の積算線量が二十ミリシーベルトに達するおそれのある地域等に避難指示を行っております。
 避難指示の解除につきましては、避難指示がその地域における居住の権利を奪うという厳しい権利制限を伴う行為であることに鑑みまして、避難指示と同じ年間二十ミリシーベルトという基準を用いまして、当該基準以下になることを要件の一つとしてきてございます。

#22
○西田昌司君 二十ミリシーベルトとおっしゃっているんだけど、私の記憶するところでは、元々そうであったのを年間一ミリシーベルト以下ということにして避難をさせられたというふうに聞いているんですが、一ミリシーベルトという基準は今ないんですか。

#23
○政府参考人(須藤治君) お答えをいたします。
 一ミリシーベルトというのは中長期的に目指すべき線量ということでございまして、避難指示解除の基準、放射線量に対する基準としては二十ミリシーベルトを採用しております。

#24
○西田昌司君 じゃ、今現在、まだ二十ミリシーベルト以下になっていないということですか。

#25
○政府参考人(須藤治君) 避難指示の解除の基準は、線量の基準のほかに、生活環境が整っているか、インフラの整備の状況ですとかあるいは子供が生活する環境の周りを中心とした除染の進み具合、こういったものを勘案して避難指示解除を決めております。

#26
○西田昌司君 いや、それを聞いていない。だから、二十ミリシーベルト以下かどうかということを聞いているんです。そこを答えてください。

#27
○政府参考人(須藤治君) 大変失礼いたしました。
 避難指示解除の際の放射線量の基準は年間二十ミリシーベルトでございます。(発言する者あり)はい。それを超える地域は今も残っております。

#28
○西田昌司君 まず大事なことは、二十ミリシーベルト、それから長期的には一ミリシーベルトという話を答弁していますが、そもそも国連科学委員会なんかが言っているのは百ミリシーベルトなんですよ。要するに、年間百ミリシーベルトよりも下の値では、がんとかいろんな病気になるというリスクは、ほかの病気になるリスクも含め、この差が、差異が検出できないと。つまり、百ミリシーベルト以下ではその差は認められない。だから、そこで、いわゆる閾値といいましょうか、百ミリシーベルトより高いところでは健康被害等は具体的に出てくる可能性はあるけれども、百ミリシーベルト以下では要するに計測不能なわけですよね。だから、そこが閾値になっていて、百ミリシーベルトでいいんだけれども、そこから以下は差がないんですから、ないのに、安全等を取って二十ミリというところの一つの線になっているわけですね。
 それをさらに、この日本の場合には長期的には一ミリシーベルトを目指さないけないと言っているんだけど、そもそも自然放射線がそれよりも高い地域というのはたくさんあるんじゃないですか。それはどうなんですか。

#29
○政府参考人(須藤治君) 自然に浴びる放射線量、これは日本では年間二・一ミリシーベルトでございます。今、長期的に一ミリシーベルトというのは、追加被曝線量が一ミリシーベルトということでございます。
 今、西田先生からお話ございましたように、諸外国を見ますと、日本より放射線量の高い地域というのはたくさんございます。

#30
○西田昌司君 高い地域がたくさんあって、そしてその地域は逆に言うと平均寿命等高いと。もっと言えば、日本でも温泉療養というのがありますけれども、こういうところで入っていくと、線量率多少高くても体にいいんじゃないかという、ホルミシス効果といいますけれども、結構低線量率で放射線を浴びても体に悪いんじゃなくて体にいいという、そういう現実もあるわけなんです。
 要は、問題は、私が言いたいのは、この百ミリシーベルト以下では差異が見られないというのが国連科学委員会が言っている話なんですよね。であるにもかかわらず、このいわゆる健康被害が今もなかったんですよ、今までもね、なかったのにこの方々は帰れないと。これ、大変なやっぱり、はっきり言って風評被害なんですよ。だから、そこを何とかしなければならないわけなんですが。
 そこで、ちょっと私が申し上げたいのは、広島、長崎で昭和二十年に相次いで原爆が落とされました。これは、とんでもない、許されない暴挙でありますけれども、ここで何十万人も亡くなったわけですよね。亡くなっただけじゃなくて、被爆をされた方がたくさん出られたわけですね。
 この方々をどうするかということで、当時は放射線に対する知見も何もなかったんですよね。なかったんですが、とにかく広島、長崎の方を守るために原爆手帳を出して、そしてこれをお持ちの方は医療費は無料になるとかいう形の措置がされてきているわけですね。そして、その結果、今も、被爆されている方でありますけれども、元気に生きられておられるということなんですが。もちろん、今までに亡くなった方もおられますよ。
 それで、今現在、平均どれぐらいの被爆者、持っておられる方、平均年齢なのか、それから、年間、いわゆる発がん等、そういう病気になられる方がどの程度なのか、それから、この制度にどれぐらいのお金が使われているのか、分かるところをちょっと教えてください。

#31
○政府参考人(宮崎敦文君) 失礼します。お答え申し上げます。
 原爆被爆者施策につきましては、御指摘のとおり、原爆の投下の結果として生じた放射能による健康被害という他の戦争被害とは異なる特殊な被害であることに鑑みまして、被爆者援護法に基づきまして医療の給付あるいは手当の支給等の措置を実施しているところでございますが、御指摘の点、まずその被爆者健康手帳の交付を受けている方につきましては、令和二年三月末現在で約十三・七万人おられます。その平均年齢は八十三・三歳となっております。これらの方の全員、原爆症の認定という仕組みがございますけれども、こうした原爆症認定等を受けていない方も含めまして、全員が医療費無償化の対象となっているという状況でございます。
 原爆による放射線被曝と健康影響に関するデータについては種々出ておりますが、手帳の交付を受けておられる方について着目いたしまして、それ以外の方との比較をしたような、そうした手帳交付者とそれ以外の方々の健康状態について比較するようなデータというものは持ち合わせていないところでございます。
 こうした医療費無償化に係る予算につきましては、原爆被爆者援護施策の令和三年度予算額が一千百八十三億円でありますが、そのうちの二百六十七億円をこの医療費無償化に係る予算として確保しているところでございます。

#32
○西田昌司君 今述べられたようなことなんですがね。私は、先ほどからこの放射線の健康被害について国連科学委員会のこの百ミリシーベルトという数字を挙げていますけれども、もう片っ方、二十ミリシーベルト、いや、もっと、そもそも放射線量は少なければ少ないほどいいんだという、そういうことを言われる学者も中にはいることも事実です。しかし、もう片っ方の事実として、今まで、少なくとも福島の例でいっても、この十年間、そういう放射線由来の病気された、なられた方というのは報告は聞いていませんし、これからも増えないだろうというこの国連科学委員会からの報告もあるわけなんですね。
 じゃ、はっきり言いまして、そういうことですから、もうお帰りになったら私いいと思うんですよ、本当は。ところが、この話を政府側に言うと、いや、それはそうだけれども、やっぱり日本の中では、まだいわゆる閾値があるという見解もあれば閾値なしでどんどん少ない方がいいとかいうのがあるというので、要するにそこでこの帰るという選択ができないというんですね。
 しかし、これはまさに政治の責任でして、政治の責任でして、要するに科学的見解がどうなこうなというよりも、要するに気持ちの面なんですね。安心感、安全より安心がなかなか皆さんに納得していただけないと。被曝された地域に行って現場に行くと、おまえたちどうしてくれるんだと、ふるさとや家族返してくれみたいな話になっちゃうわけですよ。それは、当然そういう気持ちになるのも分かりますよ、実際そういう被害を受けておられるわけですからね。しかし、もう片っ方で冷静に見ると、健康被害というのはその兆候すら出ていないわけですよね。
 じゃ、安心をどうするのかというと、私は、今の仕組みでは、まあ帰ってこれないのは事故を起こした東電の責任ですから、東電側に賠償してもらっているわけですね。その賠償をもらうと、それはそれで、まあお金は幾ばくかもらえるか知りません。しかし、一番はふるさとに戻りたいわけですよ、本当はね。ふるさとに戻って何が困るかというと、いや、もし病気になったらどうするのかというようなことを考えるわけですね。でも、今言ったように、国連科学委員会が示しているデータは、そういうことはないと言っている。でも、それを納得したい。
 じゃ、どうしたらいいのかというと、私は、原爆とは次元の違う話ですし、そもそも制度論としては違うことになるんですけれども、原爆の場合はもうどうしようもない、その原爆被害者に対して国家としてそういう援助をしていくということを決められて、そして、その結果、被爆者健康手帳を交付された方々は安心して医療を受けられるし、それ以外の方との差というのは明確にないと。まあ資料がないんですからないということだと思うんですけれどもね、なんですよ。
 じゃ、この福島の件についても、原爆とは次元が違うんだけれども、要するに、この方々を安心して暮らしていただけるためには、その被爆者手帳じゃないですけれども、原爆の、福島事故のそのときに居住していたという証明を基に、その方々については健康の医療費は全部持ちましょうと。それは別に国が持たなくてもいいですよ、東電が持ったらいいんですよ。それは、事故を起こしたのは東電ですからね、東電側にそれをさせると。そのことによって東電も、いわゆる帰れないことの賠償よりも、健康に対する責任をそこで負わすという方がお互い納得して戻れるじゃないですか。
 そういうことを私は考えるべきだと思うんですが、その辺、これは復興庁の予算になってくるのかな、どういうふうに考えられますか。

#33
○政府参考人(開出英之君) お答えいたします。
 原子力災害地域における医療費等の減免措置につきましては、災害被災者の負担軽減の観点から、避難指示区域等に居住されていた方を対象に減免を始めたものでございます。この措置につきましては、被保険者間の公平性等の観点から今後見直しを行う予定でございますが、旧避難指示区域等に居住されていた上位所得層を除きまして、現在も減免を実施しているところでございます。
 また、福島県における被災者の健康不安解消等のために、放射線リスクについて分かりやすくお伝えするための活動や福島県が実施する県民健康調査の円滑な実施に向けた支援を通じて、放射線不安へのきめ細かい対応を行っているところでございます。
 こうした取組により、被災者の健康不安にしっかりと対応してまいりたいと考えております。

#34
○西田昌司君 今言われているのは、国の方がその医療費を無償で持っているんだけど、不公平じゃないかというので見直しすることも考えているというけど、それはちょっと方向が違うんですよ。そんなことをやるとますます帰れない。
 だから、別に国が持たなくていいんですよ、先ほど言ったようにね。要は、東電がそれじゃその分は弁償すると、もしなった場合ね、様々な病気も含めて。その代わり、健康被害が出るということは国連科学委員会もないだろうと言っているわけですから、事実、百ミリシーベルト以下では差異が出ていないんですからね。だから、それならそういうふうに国の方が整理してあげるべきなんですね。
 今日、梶山大臣に残っていただいているのは、要はこれ、原子力のこの後の始末の話は環境省であったり復興庁であったりいろいろするんですけれども、是非政府全体として福島のこの取扱いを考えていただきたい。今のように原爆手帳を一つの参考例としてやることもできますし、何よりも、実際問題、健康被害出ていないのに帰れないというのは本当に悲劇ですよ、これは。そこをちゃんとしていただきたいんですね。そうしないと、原発というのは、これからも必要なベースロード電源というのに当然なってくるんだけれども、ここの整理をちゃんと除いておかないと駄目だと思いますので、是非このことは、まあ所管外ですからあえて答弁は求めませんが、是非政府として考えていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#35
○山田宏君 自由民主党の山田宏でございます。
 今日も、日本の尊厳と国益を守るという立場から御質問をさせていただきます。
 今回は、昭和三十年放映のNHKドキュメンタリー「緑なき島」、これは長崎県の端島炭坑の映像ですけれども、一部映像の捏造疑惑についてお聞きをしておきたいと思います。
 今日は、前田会長にもおいでをいただきました。お忙しい中、ありがとうございます。そして、総務大臣にも御臨席をいただきました。ありがとうございます。
 この問題につきましては、本院でも和田議員、和田政宗議員、そして青山繁晴議員等が取り上げております。衆議院でも杉田水脈議員が取り上げておりますけれども、そういったことを踏まえながらお聞きをしておきたいと思います。
 皆さん、委員の皆さんのところには資料をお配りをさせていただいております。
 昭和三十年の放映ですから、もう六十六年前、何でこんな六十六年前のNHKのこのドラマの、ドキュメンタリーを取り上げるのかというと、これは現在問題になっているわけです。それは、この中の映像の一部が、特に端島炭坑の坑内映像と言われているものが韓国の徴用工、いわゆる徴用工問題の強制労働、奴隷労働の証拠としてNHKのこの番組の映像の一部が無断で使用されているというようなことが存在しているからであります。
 二〇一五年、端島炭坑も含めた明治日本の産業革命の遺産としてユネスコの世界文化遺産に登録をされた二〇一五年その年に、韓国の釜山では国立強制動員歴史館というのを同じ年に設置して、この端島炭坑は韓国の徴用工たちが奴隷労働をさせられた場所だということで、韓国はその宣伝をしているわけですね。その映像、大事な映像をNHKのこのドラマの映像を取っている、ドラマというかドキュメンタリーの映像を取っているわけです。
 これは、ここに、皆さんにお配りをしておりますこの一ページ目御覧いただくと、日帝強制動員歴史館の映像ですが、これNHKの映像なんですね、昭和三十年の映像。それから、韓国映画「軍艦島」というのをやりましたが、これ二〇一七年、これはNHKの映像を基にして作った映像。ちょっと見にくくて申し訳ないんですが、その後、韓国MBC、文化放送の番組の中でまたこのNHKの放送、このドラマの一部が、ごめんなさい、ドキュメンタリーの一部が取り上げられて、下もそうですけれども、こういったものを後ろの絵に出しながら、韓国の人が、この徐正雨とか崔璋燮氏が一年中ふんどし一丁で働いたとか、いろんなことを証言をしているわけです。もう全部NHKのこの映像を使われているわけですね。
 じゃ、この映像はどうなのかというと、実は、次のページ見ていただくと、ここで働いていた人又はここで今、元島民の方々が、全員ですよ、全員、この「緑なき島」の映像全部じゃなくて坑内映像が、ほかのはみんな本物なんですけど、坑内映像、これは端島炭坑の坑内映像じゃないと断言しているわけですよ。一人も、これは端島炭坑の坑内映像だと言っている人は一人もいない。
 ここを見てください。上半身裸、ふんどしで作業をしているのがNHKの映像ですけど、こんなことないんだと、実際坑内はこうなんだと、裸で仕事なんかできないと、そもそも。キャップランプがない、NHKの番組は。ところが、いやいや、キャップがないとこれは規則違反なんだよということを、これ右側の人たち、みんな働いていた人たちなんですね。
 そして、次のページ、四ページですか、四枚目。はって作業をしていると、NHKの映像は。ところが、実際の坑内はそんな低いところってないんだということをこの加地さんも言っているわけです。そして、NHKの映像では裸電球を使用しているんですけれども、こんなもの、ガスがいっぱい出るような炭坑の中で裸電球なんか使えませんよと。これは、もう三菱の炭坑なんだから、日本一当時は近代的な炭坑なんですよ。そこで防爆ランプを使わなきゃいけないということで、爆発を誘発しないようなランプにしなきゃいけない、これはもう全部規則。
 そして、最後、つるはしで作業をしているNHKの映像ですけど、こんなつるはしで作業なんて当時はしていませんよと。ピックね、ピック、電動ピックで石炭を掘っているわけです。それから、何しろ顔が汚れていないと、ここの働いている人、みんな真っ黒なんですよ、本当は。こういうようなことを島民の皆さんが指摘をして、NHKに去年抗議したんです。
 そして、真実の歴史を追及する端島島民の会というのが、この映像というのはどこかの別のところを持ってきたんじゃないか、この映像だけ、坑内映像だけ、ということを言ったんですけれども、NHKは木で鼻をくくったような答弁しているわけですよ。結局、いろんなものを調べたけれども、御指摘のような別の炭鉱で撮影された映像が使用されたという事実は確認されなかったと。以上のことから、「緑なき島」は、当時の長崎市の端島における取材に基づき制作、放送されたものだというふうに考えていると、こうなっておるわけですよ。国会で前田会長も、それから正籬副会長も御答弁されてきました。もうこの域を脱していないんです。証拠がないから本物だと言っているんですよ。
 ところが、ここで働いていた人たちはみんな、こんな坑内映像、採炭現場はないよと、みんなそれ証言しておるわけですよ。おかしいでしょう、誰が考えたって。皆さんがそのときいなかったのは分かりますよ。当時のことは六十六年前だから分からない、誰も。しかし、働いていた人たちがみんなそう言っているのに、NHKはそういう証拠がないから本物だなんて言い張っていて、これ公共放送の姿勢ですか。冗談じゃないよ。
 そこで、会長にお聞きをしたいと思います。
 会長は、約百人の取材、制作に関わった部署の関係者の聞き取りをしたけれども、別の炭鉱で撮影されたという映像が使用された証言はなかったと言って、これは本物だと言っている。聞き取り調査の対象の中に当時の撮影や制作に直接関わった方がいたんですか、お答え願います。

#36
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。
 NHKといたしましては、関係する資料の確認や取材、制作に関わった部署の関係者などからの聞き取り、また、昭和三十年以前に撮影され保管されておりましたおよそ百四十の炭鉱の映像の精査など、確認作業を行いました。その後、様々な御指摘を受け、さらに、昭和三十年以降の映像につきましても、画質をより鮮明にして解析するなどの作業を進めております。こうした作業の中で、「緑なき島」以外に端島炭坑の内部の映像を使用したニュースなどが確認をされております。
 確認された映像の内容につきまして御説明申し上げますと、NHKが所有しております昭和二十二年のニュース映画の映像では、坑内の具体的な場所は特定できませんが、狭い坑内でつるはしを振り下ろしている男性などが確認されております。このほか、昭和三十五年放送と記録されている番組では、上半身裸の作業員が坑内から出てくる場面がございました。また、昭和三十九年放送と記録された番組では、坑道内と見られる場所で作業員が石炭をすくう様子などが映っておりました。
 先生御指摘のように、関係者の方が非常に少なく、かつ、映されたカメラマンの方は既に亡くなっておられまして、この方お一人で撮影されておりましたので、それ以上の確認は大変難しい状況であることを御理解いただきたいと思います。

#37
○山田宏君 長々と御答弁されましたけれども、要するに、当時の直接撮影に関わった人の証言を得ていないわけです。
 それから、誰から聞いたのかということもNHKは出さない。しかし、一方の島民の皆さんは、名前を出して、顔も出して、そして証拠も出して、これは端島の炭坑の内部じゃないと言っているんですよ。
 いや、私、前田会長に抗議したり、何かつるし上げたりする気はないんですよ。前田会長だって初めて聞いたと思うんですよ。みんなここにいらっしゃる人、そうだと思う。NHKが悪気でこの映画を作ったと思えないんです。「緑なき島」見れば本当に明るい端島炭坑の映像なんです。しかし、坑内映像だけはおかしいじゃないかと言っているわけです。
 今、裸の人もいた、つるはしを持っている人もいたと言ったけれども、それは採炭現場ですか。石炭を掘っている現場の映像ですか。
 エレベーターで下りたところに大きな広場があるんですよ、端島は。そこまでは撮影をしたことがあるということを聞きました、調査で。しかし、そこはみんなが集まって帰るところだ、エレベーターに並ばなきゃいけないんだから、そこから採炭現場へ行くんです。採炭現場の撮影ですか。裸の人が出てきたというでしょう。暑いから途中で脱いで出ていくわけですよ。違う。採炭現場で裸でふんどし一丁でつるはしを振り落とす、あんな狭いところがあったのかと言っているんです。それを見たんですか。

#38
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。
 坑内の特定の場所、どこかということについては、申し訳ないんですが、特定はできておりません。

#39
○山田宏君 そうだと思います。
 しかし、働いていた島民の皆さんは、そういうような、つるはしを持って採炭現場であんな狭いところをはって歩く、あんなようなことはないと全員が断言しているんですよ。NHKは調べようがないとおっしゃるかもしれないけど、誰が考えたって、これ、会長、やっぱり会長も、銀行をずっと経営されてこられて、誰でも変だと思いませんか、これ。やっぱり何かあるんじゃないかと普通の人は思いますよね。
 それだったら、NHKの方から、ここで働いている人で、いや、NHKの映像はこれは坑内映像だと、端島の、と言う人を一人でも連れてきてくださいよ。それができなければ、やっぱりきちっと誠意を持って調べるのが、やっぱり、いろいろ調べた、それは、こちらが調べて、なかったんだと。我々はそれ全部知らないですよ、誰から証言を受けたのか、どの映像を見たのか。見せてくださいよ、それを、島民の皆さんに。どうですか。

#40
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。
 元島民の方々からの御指摘を踏まえまして、現時点でできる限りの確認作業をNHKとして行ってまいりました。その結果、繰り返し御説明してきましたとおり、これまでの作業で別の炭鉱で撮影された映像が使用された事実は、残念ながら確認されておりません。また、「緑なき島」は、当時の取材に基づき放送されたものと、制作、放送されたものと報告を受けております。
 「緑なき島」につきましては、六十六年前、私が小学校四年生ぐらいのときの映像でございます。テレビが始まって二年後の番組で、関係者は亡くなっておりますので、最近制作された番組と比べますと確認作業には制約がございました。
 私は、この問題についてお話を聞いて以来、NHK、自分で一生懸命確認作業をしておりますけれども、自分で自分のことを証明するのは大変難しくて、私もある意味では直前まで第三者でございましたんで、今回の件につきましては、外部の有識者の御意見を伺うことなどを含め、また島民の方々に向き合いながら、新たな検討をするように指示をしたいと思います。

#41
○山田宏君 ありがとうございます。
 今会長がおっしゃられた、もう一回確認いたしますけれども、これからは、有識者の人の意見も聞き、そしてさらに関係者、つまり元島民の人たちにも納得が得られるように努力すると、こうお話しになりましたが、もう一度再確認。

#42
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。
 ただいま申し上げましたとおり、現在のNHKの制度ではいろんな番組をチェックする機構がありますけれども、今回のこの六十六年前のは、その委員会とか機構を使ってやるにはちょっとふさわしくないと思いますので、基本的にはやっぱりNHKの人でない外部の有識者、立派な方にしっかりと、ちょっとこの我々が検証したプロセス、これで本当によかったのかと、努力はしっかりやっているのかどうか、そういうのを含めてちょっと調査をさせたいと私は思っております。

#43
○山田宏君 半歩前進なんですけれども、なぜ半歩かというと、有識者じゃ駄目なんです。有識者はNHKが選ぶわけなんです。だから、内部の人間なんです、言わば、どっちかというと。NHKに委託されて、委任された有識者なんでしょう、有識者が入るわけでしょう、もしそういう委員会つくったら。そうじゃなくて、元島民の人が、働いていた人が、こんな場所はないんだと。ほかはみんな、「緑なき島」は、ほかの映像はみんな端島の映像です。いいドキュメンタリーです。すばらしい作品ですよ。
 しかし、坑内映像が今、韓国によって強制労働、奴隷労働の証拠として使われて、島民の人たちは、これは端島の映像じゃないと、島内映像じゃないと、ここだけは、こう言い張っているわけですから、その有識者に聞かれたって分からない、有識者は。元島民ときちっと、元島民の方に入ってもらって、入ってもらって、そして、元島民の人も、何も親の敵じゃないんだから、元島民の人にも入ってもらって、これで、私はこう考えるけれども、あなた方、納得してくれませんかねと、この映像、どうでしょうかと。それぐらい公共放送なんだからやってもいいじゃないですか。これ、ずっと、そんな木で鼻をくくったような答弁続けていくと、ずっと国会に呼ばれますよ。
 私は、元島民の人が、なるほどねと、NHKも努力してくれたねと、なるほどこの映像はそうかねということで、ああ、これは知っている、知っているよと、こういうようなことでやる。そんな有識者を呼んでやるというようなことは、まどろっこしいことやらないで、元島民の人を呼んで一緒になって検証したらどうでしょう。

#44
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。
 前の国会でも申し上げたんですけど、これまで、島民の会の代理人の方から、元島民の方々とは直接連絡取らないようにと強く要請された経緯がございまして、NHKはそれを尊重して、直接やり取りすることはこれまで控えさせていただいております。
 ただ、先生御指摘のようなこともございますし、島民と一緒に検証を行うべきではないかという御意見もいただきました。
 ただ、この件に関しましては、具体的な対応、これからになりますけれども、放送の自主自律の観点から、確認作業は基本的にやっぱりNHKが自主的、自発的に、自律的にやるのが筋だと私は思います。

#45
○山田宏君 そんなの駄目です。六十六年前ですよ。誰も分からないんです。働いていた本人が違うと言っているんですよ、本人たちは。
 構成表、和田政宗議員の質問に対して、正籬副会長は、五月十三日、アーカイブ内に、NHKのですね、アーカイブズ内に「緑なき島」の構成表が存在することを証言されました。しかし、そのアクセスは、誰でもNHKの職員ができるかというと、個人情報も入っている映像もいろいろあるので、このアクセスできる人については許可をしていると、こうなっていましたね。
 「緑なき島」のこのアーカイブス、NHKのアーカイブス、これはそういう形でここにアクセスを制限しているんでしょうか。そんな個人情報があるんでしょうか。その点についてはどうでしょう。お答えできれば。

#46
○参考人(正籬聡君) お答えいたします。
 アーカイブスシステムにつきましては、職員でそのアーカイブスにアクセスする申請書を出しまして、それを、申請を受け、認められた者がアクセスするという状況になっております。
 「緑なき島」についても、基本情報ですね、そういったものはアクセスできるような状況になっております。

#47
○山田宏君 正籬さん、ここで答弁は正籬さんはしてはいけないって言ったんです、僕は。駄目ですよ、呼んでないです。大問題ですよ。後ろでね、いろいろ資料を渡したり、こういう答弁だということを説明するのはいいと、だけど答弁者としては呼んでいないから。
 それで、韓国のこの間の和田質問については、KBSについて、いわゆる通常のルールでこの映像を提供したと、二〇一〇年、正籬副会長が御答弁されました。通常のルールって何でしょう。

#48
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。
 放送機関との個別の契約でございまして、詳細は控えさせていただきますが、KBSに対しては、二〇一〇年にNHKの番組を海外の放送機関などに有償で提供する通常の枠組みの中で「緑なき島」の映像を提供申し上げました。

#49
○山田宏君 まあ会長だからお分かりにならないとは思うんですけどね。
 実は、NHKの放送センターの七階にKBSの東京支局があるんですよ。で、この東京支局では報道情報端末というものがNHKの中にあって、いろんな支局とかいろんな報道局の取材計画とかインタビューの内容とか、そういうのが全部載っているんです、見られる。これを、NHKの、このKBS、韓国の言わば放送公社ですね、NHKみたいなものです、韓国の、これがNHKのそういう放映内容について自由にアクセスできるんですか。それは御存じ。

#50
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。
 ちょっと詳細不明でございますが、基本的にはアクセスできないと思います。

#51
○山田宏君 私はできると聞いている。まあ、お調べいただきたいと思います。ずっと長年、KBSとこのNHKのずぶずぶの関係によって、まあこういうものは映像で勝手に使ってもいいだろうというような、そういう甘えが生じているんじゃないかと、こういうふうに私は考えておりますので、よく調べていただきたいと思います。
 そもそも、独立国家を背景にした公共放送がですよ、それぞれの国が独立しているにもかかわらず、放送同士がずぶずぶの関係というのは問題だと思っているんですよ。そういうことを考えると、また、NHKの映像というのは国民の、視聴者の受信料によって映像が撮られているわけですから国民の財産だ、何で韓国のKBSが勝手に使えるかと。まあ、そういうことを考えますとね、やっぱりこの点についてもやはり今回の問題を惹起する原因になったんじゃないかと思っております。
 さて、この「緑なき島」の坑内映像につきましては、今も申し上げたとおり、そこで働いていた人は今のところ全員、全員というか、声を出している人は全員、こんな場所ではなかったと。NHKは調査したと、しかし直接の作成した人はもうお亡くなりになってできなかったと、映像をいろいろ見たけれどもなかったと。まあそれは、見たのは、見た人が見て、NHKの職員の人が見たんだけど、我々見ているわけじゃない、島民の人が見ているわけじゃない。つまり、NHKは自分の調査を信じろとただ言っているだけだ。もちろん、普通は調査は信じます、だけど、関係者が違うと言っているわけですから、そして国民の受信料によって成り立っているわけですから、NHKは。それはね、余りにもやっぱり対応としてNHKの信用を失墜させるものじゃないかと考えています。
 一体、この「緑なき島」の坑内映像というのは一体どこなんだということで、これは絶対端島じゃないとみんな島民は言い張っているわけです。そういう中で、いろいろ調べてみると、これは筑豊の小ヤマ、あっ、大臣いらっしゃる、大臣の御地元なんですけれども、筑豊の小ヤマではないかという、こういう指摘があります。
 大体、三菱のあんなでかい炭坑は、こういうちっちゃい掘り方しないんですね。裸電球もないんです、それは違反ですから。
 そうしたら、そこで、黒岩文人さんという人が中学時代、小ヤマで手伝ったと。そして、このNHKの映像を見ると、自分の見た小ヤマの坑内だった、坑内だと、同じだと。小ヤマで働いていた、小ヤマというのは小さい炭坑のことですが、働いていた東房さんですかね、小ヤマで、これは小ヤマというのは三菱の炭坑じゃないと、これは筑豊の小ヤマなんだ、小さい炭坑なんだと、に間違いないと。裸電球やスラ、これ小さなトロッコみたいなやつですね、は端島というそういう大きなところにはないと断言しているわけです。そして、先ほども御紹介した黒岩さん、でも、NHKの映像は何で顔が汚れていないのかねと、これ不思議だよねと、こういうことを言っているわけです。
 結局、私が想像するにですよ、NHKはいい映像を撮られたんです。だけど、坑内映像がやっぱり当時の規定で危ないからということで許可されなかった。坑内映像がない「緑なき島」はしようがないよねということで、どこか撮れるところないかなと探してみて、あっ、そうそうそう、筑豊にこういうのがあるから、そこで撮ってもいいんじゃないのということで、私は、キャストを集めて、そしてそういう映像らしきものを撮ったんじゃないかと想像しているんです。
 さあ、NHKの、あっ、これ、大臣、これ大臣の御地元、田川市の山本作兵衛、炭坑画家というのかな、の人の、これも明治の記憶遺産になっている、記憶遺産というか世界遺産になっているんですけれども、この展示会の、博物館の方からお借りして、許可を得て撮りましたけれども、小ヤマの炭坑というのはこうなんです。これ、NHKの映像そのまま。つまり、筑豊の炭坑はこういう形でやっていた。でも、端島はあり得ないんです。ないんです、こんなの。
 そこで、NHKの放送ガイドラインが九ページにあります。放送の基本的な姿勢というのを定めていますけれども、NHKのニュースや番組は正確でなければならない。正確であるためには事実を正しく把握することが欠かせない。で、一番下、事実関係に誤りが明らかとなった場合は速やかに訂正するとあります。
 しっかりこのガイドラインに沿って、もう一度ですよ、島民の人も一緒になってこの映像を、NHKの信頼というものを維持し高めていくために、やはりきちっとみんなが納得する形で検証してほしいと思うんですけれども、もう一度前田会長の御決意を伺います。

#52
○参考人(前田晃伸君) お答え申し上げます。
 先生御指摘の点につきましては、更にNHKとしても努力をさせていただきたいと思います。それで、事実に一歩でも近づきたい、それから、島民の方々のお気持ちにも寄り添いたいと思っております。

#53
○山田宏君 先ほどから申し上げているとおり、私は、NHKが悪意を持ってあの映像を作ったとは全然思っていません。それから、皆さんが悪意を持ってやっているとも思っていないんです。それはもうNHKの今の組織を防衛するためには、それはそうかもしれない。
 しかし、NHKは受信料で成り立っている。今度、放送法の改正案が出てくる。これは、NHKと受信契約していない人に対しても、払わない人に対しては割増しして請求をできるという法案がこれ用意されているわけです、今後。そういったものの審議に入るに当たって、やっぱりNHKは、しっかりとこれは、そうやって突き放すんじゃなくて、今会長のお話のように、しっかり島民の人たちの納得を得られるような回答を出してほしいと思うんです。
 そのための検証をしてほしいと思うんですけど、最後に、総務大臣、申し訳ございません、総務大臣の御地元もお話をいたしましたけれども、私はNHKの信頼を高めていくチャンスでもあると思うんです。是非、そういった形で元島民の人たちにそういった機会を与えてほしいと、検証の機会を与えてほしいと思いますので、よろしく一言御答弁をお願いします。

#54
○国務大臣(武田良太君) 故郷の話を持ち出していただきましたこと、厚く御礼申し上げたいと存じます。
 もう先生御承知と思いますけれども、放送法というのは、自らの事業者が責任を持って自主自律を基本とする枠組みなっておりまして、個別についてコメントすることは差し控えたいわけでありますけれども、その上で、NHKにおいては、国民・視聴者の御指摘のとおり受信料で支えられる公共放送であることを踏まえ、端島の元島民の方々の御意見にしっかりと耳を傾けて、その皆さんから十分な理解を得られるよう丁寧な対応に努めていただきたいと、このように考えております。

#55
○山田宏君 ありがとうございました。

#56
○吉川沙織君 立憲民主党の吉川沙織でございます。
 本日の省庁別審査は国会所管も含まれることから、前回、私、平成二十八年四月二十日、当委員会で質疑に立っておりますので、その比較から行わせていただきたいと思います。
 平成二十八年四月二十日の当委員会においては、平成二十六年度国会所管歳出決算から議案類印刷費を取り上げました。平成二十六年度と今回の審査対象である令和元年度における議案類印刷費と、そのうち会議録に関する費用の推移について、参議院事務総長、衆議院事務総長にそれぞれお伺いいたします。

#57
○事務総長(岡村隆司君) 議案類印刷費の支出済歳出額は、平成二十六年度が約四億四千六百万円、令和元年度が約三億二千五百万円でございます。
 そのうち、本会議及び委員会の会議録に関する費用の額は、平成二十六年度が約二億三千七百万円、令和元年度が約一億六千万円でございます。

#58
○衆議院事務総長(岡田憲治君) 衆議院における議案類印刷費の決算額は、平成二十六年度は約五億八千五百万円に対し、令和元年度は約四億六千七百万円となっております。
 そのうち、会議録の印刷等に要した費用は、平成二十六年度は約二億九千三百万円に対し、令和元年度は約二億三千百万円となっております。

#59
○吉川沙織君 平成二十六年度決算分と今回の審査対象である令和元年度の決算における議案類印刷費と会議録の推移、教えていただきました。平成二十六年度と今回対象の令和元年度決算において、議案類印刷費も会議録の費用も低減をしています。
 私は、この平成二十八年四月二十日の当委員会において、参議院規則の中に「印刷して各議員に配付する。」とされた条文番号を全て紹介して、時代背景や財政環境を取り上げて、そろそろ見直す必要があるのではないかと指摘申し上げました。その後、一部ではありますが、ペーパーレスの取組が一定程度進んだ結果が今回の決算であると思います。
 議案類印刷費に含まれる会議録、これは憲法第五十七条にも規定されるように重要なものですが、参議院事務総長と衆議院事務総長にそれぞれから、改めて会議録の重要性について答弁をいただきたいと思います。

#60
○事務総長(岡村隆司君) 憲法五十七条一項は会議の公開原則を定めておりますが、本会議の会議録に関しましては、この原則を担保するものとして、保存、公表、頒布が同条二項で規定されております。
 委員会の会議録に関しては憲法上の定めはございませんが、参議院規則五十六条において会議録の作成について規定されております。
 会議録は会議体が生み出す大切な宝物であり、会議の議題、議事、発言等が記録され、永久に保存されることで、将来にわたって参照され続けるという点で非常に重要なものと認識しております。

#61
○衆議院事務総長(岡田憲治君) お答えいたします。
 議院の会議録につきましては、憲法第五十七条第二項でその保存、公表、頒布を義務付けております。その趣旨は、議院の会議の内容を国民の前に明らかにし、議院の活動を国民の監視の下に置こうとするものでございまして、このような意味で会議録は議会制民主主義にとりまして大変重要な役割を担うものであり、院に永久に保存されるものと認識をしております。

#62
○吉川沙織君 今、参議院事務総長、衆議院事務総長からそれぞれ、会議録が憲法の定めにあるということ、それから議会制民主主義にとって大変重要な役割を担うからこそ院に永久に保存される宝物であるという答弁がありました。
 実は、同じ問い、平成二十八年四月二十日の決算委員会でもさせていただいておりまして、当時の参議院事務総長からも、当時の衆議院事務総長からも同様の答弁をいただいております。そしてまた、今日もこうやって省庁別審査の五回目行われておりますし、私たちの発言、それから政府や国会側の答弁というものは全て会議録として残っていくものであります。だからこそ、事実と異なる部分があってはならない、こういうものだと思っています。
 その会議録はもちろん政府答弁も含まれるわけですが、令和二年十二月二十四日、前内閣総理大臣が衆参両院議長に対し、国会で答弁した内容の答弁訂正の申入れを行ったと承知しておりますが、その内容について参議院にお伺いいたします。

#63
○事務総長(岡村隆司君) 昨年十二月二十四日、安倍晋三衆議院議員から議長に対し、答弁訂正に関する発言の申出が文書でございました。
 本文を読み上げます。
 「私が、本会議及び委員会において、内閣総理大臣として行った答弁について、事実と異なる部分があることが判明いたしましたので、答弁を訂正する発言を行わせて頂きたいと存じます。お取り計らいのほど、よろしくお願い申し上げます。」。
 以上が文書の内容でございます。

#64
○吉川沙織君 この申入れについては、同日、衆議院議長に対しても行われたと承知しておりますが、それでよいか、衆議院側にお伺いいたします。

#65
○衆議院事務総長(岡田憲治君) そのとおりでございます。

#66
○吉川沙織君 令和二年十二月二十四日、衆参両院議長に対して前内閣総理大臣から、本会議や委員会で行った答弁について事実と異なる部分があるという申出がございました。で、答弁を訂正する発言を行わせていただきたいということであったんですが、では、会議録の訂正はどのような手続によって行われるのか、参議院事務総長に伺います。

#67
○事務総長(岡村隆司君) 会議録の訂正については、参議院規則百五十八条において、「発言した議員は、会議録について、各議員への提供がなされた日の翌日の午後五時までに、発言の訂正を求めることができる。ただし、訂正は字句に限るものとし、発言の趣旨を変更することができない。」と規定されております。
 参議院先例録三八六においても、議院の会議において、発言した議員、国務大臣等は、発言の趣旨を変更しない限り、発言の字句の訂正を求めることができるが、その申出は、会議録配付の翌日の午後五時までとするとされております。

#68
○吉川沙織君 今、事務総長から、参議院規則第百五十八条並びに参議院先例録三八六を引いて、会議録を訂正する場合のルールについて答弁をいただきました。
 二つともに共通するのは翌日午後五時までということになっていますが、じゃ、訂正期限を過ぎた場合の取扱いはどうなるのか、併せて参議院に伺います。

#69
○事務総長(岡村隆司君) 先ほどの参議院規則百五十八条の規定によりまして、訂正の期限を過ぎた発言の訂正は認められていないところでございます。

#70
○吉川沙織君 令和二年十二月二十四日に前内閣総理大臣が衆参両院議長に対して行った「答弁訂正に関する発言の申出について」と思われる部分は、多分、令和元年十一月二十日以降の答弁ですので、翌日の午後五時以降はとっくに過ぎていますので、答弁の訂正自体は法規、先例上できないということになります。
 ただ、令和二年十二月二十四日に前内閣総理大臣から衆参両院議長に対してこのような申出があったことから、その機会として、立法府は、翌十二月二十五日の議院運営委員会にて、その申出の機会を設けるための委員会を開会いたしました。
 私も、十二月二十四日、この件を議院運営委員会理事会で扱い、本件につき、どの部分が、どの部分を訂正したいのか教えてくださいと、具体的に、お願いし続けているんですが、十二月二十五日の参議院の議院運営委員会においても、それ以降の議院運営委員会理事会においてもいまだ明らかになっていないところです。
 本件について、令和元年十一月二十日から令和二年三月四日までの衆議院及び参議院の本会議及び委員会において、一つ、事務所の関与の有無、二つ、明細書の有無、三つ、差額の補填の有無について、前内閣総理大臣が答弁している回数を衆議院調査局と参議院に伺います。

#71
○衆議院調査局長(佐野圭以子君) お答えいたします。
 昨年十二月に調査依頼を受けました衆議院の調査室におきまして、桜を見る会前日の夕食会に関し、先生御指摘の三点について、安倍前総理大臣の答弁回数を調査いたしましたところ、事務所の関与の有無についての答弁は七十回、明細書の有無についての答弁は二十回、差額の補填の有無についての答弁は二十八回あり、合計で百十八回でございました。
 なお、答弁回数のカウントに当たりましては、一続きの答弁の中で同じ内容が複数回言及されている場合や答弁の間に委員長の議事整理の御発言が入っている場合もそれぞれ一回としてカウントさせていただいております。答弁回数につきましては、どの発言を含めるのか、またどの発言を一回とカウントするのか等によって回数が変わり得ますことを御理解いただければと存じます。

#72
○事務総長(岡村隆司君) 安倍前内閣総理大臣が総理在任中に桜を見る会のいわゆる前夜祭に関連して答弁されたものにつきまして、参議院及び衆議院の本会議、委員会の会議録を対象に調査室で調べました結果、事務所の関与の有無についての答弁は七十回、明細書の有無についての答弁は二十五回、差額の補填の有無についての答弁は二十七回、合計で百二十二回の答弁を確認しております。

#73
○吉川沙織君 衆議院のカウントでは百十八回、参議院のカウントでは百二十二回ということでした。衆参の調査結果でこれ違いが出ているということになりますが、衆議院調査局長の今の答弁にございましたとおり、どの発言を含めるのか、どの発言を一回としてカウントするのかによって違いが出るのは当然のことだと思います。事実と異なる部分については、答弁者たる前内閣総理大臣しか分かり得ないことだからです。
 私自身も当該会議録全てに目を通しましたが、差額の補填の有無や事務所の関与の有無について、明らかに事実に反する答弁が多くありました。つまり、事実に反する会議録がそのまま公開されてしまっている状態に相違なく、憲法に規定される会議録の信頼性が揺らいでしまいます。また、院に永久に保存される以上、後世の参照にも私は堪えられないと思います。
 法規、先例上、先ほども申し上げましたとおり、会議録の訂正はできないとしても、事実に反する箇所がせめて明らかにならなければ説明責任を果たしたということにはならないと思います。行政府の長たる総理の答弁であり、これを明らかにすることが行政監視の観点からも必要であると考えます。
 その行政監視機能については、平成三十年六月一日、参議院改革協議会報告書、「参議院における行政監視機能の強化」が各会派合意の下、取りまとめられました。この改革協報告書が取りまとめられてから来月一日で三年が経過することになりますが、この間の活動実績等についてお伺いしたいと思います。
 改革協報告書に基づき、新たな行政監視の年間サイクルの起点となる本会議質疑は、初めて行われたのが昨年六月五日であり、私自身も本会議質疑、立たせていただきました。
 では、昨年六月五日以降、行政監視委員会及び小委員会が質疑を行った日付について、参議院事務総長に伺います。

#74
○事務総長(岡村隆司君) 令和二年六月五日の本会議の後、行政監視委員会において質疑が行われましたのは、本年四月七日と四月十九日の二回、国と地方の行政の役割分担に関する小委員会において質疑が行われましたのは、令和二年十一月三十日、本年四月十二日と四月二十六日の三回でございます。

#75
○吉川沙織君 親委員会が二回、小委員会が三回という答弁でございました。
 では、昨年の臨時会は、新型コロナウイルス感染症の感染者が急増する中で、会期を延長することなく閉会をしてしまいました。感染状況や直面する課題を踏まえ、閉会中審査を行った委員会もあると承知しております。
 昨年、臨時会閉会後を含め、新たな年間サイクルが始まった令和二年六月五日の本会議以降、行政監視委員会は閉会中審査を行いましたでしょうか、参議院事務総長に伺います。

#76
○事務総長(岡村隆司君) 令和二年六月五日の本会議の後、行政監視委員会の閉会中の開会はございません。

#77
○吉川沙織君 平成三十年六月一日にまとめられました改革協報告書では何て書いてあるかと申し上げますと、行政監視委員会の通年的活動のため、閉会中も活動すると明示されていたことから、会派として閉会中審査を要求したにもかかわらず、実現しませんでした。
 また、先ほども申し上げましたが、トータルで親委員会、小委員会合わせて五回の質疑のうち、四回は先月四月に集中しており、これって通年的と言えるのか、甚だ疑問です。通年というのは年間を通してという意味に解するのがごく自然なことではないかと思います。
 改革協報告書ではこうも書いてあります。申し上げます。「より充実した調査を行うため、行政監視委員会の委員数の増員を行う」と明記されました。
 行政監視委員会の委員数の増員について参議院に確認いたします。

#78
○事務総長(岡村隆司君) 行政監視委員会の委員数につきましては、平成三十年六月の参議院改革協議会報告書において、「より充実した調査を行うため、行政監視委員会の委員数の増員を行うものとする。」とされたことを受けまして、同年七月に参議院規則が改正され、令和元年の通常選挙後に召集された第百九十九回国会より、三十名から三十五名に増員されたところでございます。

#79
○吉川沙織君 行政監視委員会は、それまで三十名だったところが、より充実した調査を行うために規則を改正して三十五名になったということです。
 では、これまで設置された小委員会、国と地方の行政の役割分担に関する小委員会の委員数について参議院にお伺いいたします。

#80
○事務総長(岡村隆司君) 小委員の数は十七名でございます。

#81
○吉川沙織君 昨年秋以降、親委員会の質疑は対政府質疑一回、参考人質疑一回の計二回、小委員会の質疑回数は三回、仮にトータルで合わせたとしても五回で今期の活動を締めくくるということになってしまえば、親委員会、小委員会を通じて質疑する機会がないままに委員会を外れる議員も出てくることになるでしょう。
 また、小委員会が一個、複数設置ってこの前も答弁あったんですけど、小委員会が一つだけの状況で、小委員会の方の活動が主体となれば、小委員会に所属していない十八、三十五から十七引けば十八人余りますので、十八人の委員は行政監視委員会の調査の充実に貢献していると言えるのか、これも甚だ疑問です。委員三十五名全てが活動することを前提に予算が組まれているのではないかとも思います。
 先週五月十二日の倫理選挙特別委員会において、参議院議員定数増を内容とする平成三十年改正公選法の質疑の際、発議者の自民党議員がこう答弁していたと紹介しました。行政監視委員会では、各省庁の問題や不祥事に対し、閉会中も含め通年的や、小委員会の複数設置により常時目を光らせていく、こういう答弁があった。にもかかわらず、今ほど確認させていただきましたとおり、現状は著しくそごがある、これも五月十二日の委員会で私、指摘申し上げました。この指摘に対し、自民党議員からは、昨年四月十三日の行政監視機能の強化に関する申合せについて触れ、申合せ事項に沿って委員会の運営がなされている旨、答弁がございました。
 改革協報告書は、本院ウエブサイトに、本院の今後の取組方針として国民に広く公開しています。一方で、この申合せは公開されていません。
 では、この答弁で触れられた行政監視機能の強化に関する申合せの概要について参議院に伺います。

#82
○事務総長(岡村隆司君) 令和二年四月十三日、行政監視委員会理事会において合意されました行政監視機能の強化に関する申合せは、参議院改革協議会報告書で提言された参議院の行政監視機能の強化を具体化するための行政監視委員会の運営方針等を内容としており、一、行政監視委員会の在り方(基本原則)、二、調査に当たっての視点、活用対象等、三、審議ルール、四、新たな行政監視の年間サイクルの四項目から構成されております。

#83
○吉川沙織君 基本的に参改協報告書をなぞったような内容にはなっておりますが、では、この申合せにおける調査項目の選定に関する記述はどうなっていますか。

#84
○事務総長(岡村隆司君) 行政監視委員会理事会申合せには、「本委員会は議題についての自由な質疑を旨とし、調査項目の具体的な選定については、理事会において協議する。」と記されております。

#85
○吉川沙織君 参議院規則第四十二条第一項は議題に関する委員の発言について定めていますが、その内容について教えてください。

#86
○事務総長(岡村隆司君) 本院規則四十二条一項におきましては、「委員は、議題について、自由に質疑し、意見を述べることができる。」と規定されております。

#87
○吉川沙織君 つまり、去年四月十三日の申合せは、本委員会は議題について自由な質疑を旨としと書いてあり、本院規則第四十二条第一項は、議題について自由に質疑することを定めています。
 では、行政監視委員会の調査事件についてお伺いいたします。

#88
○事務総長(岡村隆司君) 行政監視委員会の調査事件は、行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査でございます。

#89
○吉川沙織君 委員会における国政調査は、議案の審査及び調査事件の調査のため、それぞれの所管に応じて行われております。
 行政監視委員会で対政府質疑が行われた今期最初の四月七日の委員会冒頭で諮られたのが調査事件であり、従来から行政監視委員会は、行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を調査事件として調査を行ってきました。この点に関して、参改協報告書や委員会申合せの前後で変化は全くございません。
 行政監視は、行政全般を対象とする広い概念です。参議院規則の規定と行政監視委員会の調査事件から委員会の申合せを解釈すれば、行政全般を対象として自由に質疑し意見を述べることができるのが大原則です。つまり、委員会申合せは、報告書の具体化のため調査項目の選定を行う、その一方で、各議員の質問権を十分に尊重していくことを合意したものであり、調査項目は質問権を制約することがあってはならないと言えます。
 平成三十年六月一日の参改協報告書では、こうも書いてあります。「決算審査の充実とともに、行政の適正な執行を監視、監督することを活動の柱の一つ」とするものとされました。
 決算委員会の委員数についてお伺いいたします。

#90
○事務総長(岡村隆司君) 決算委員会の委員の数は三十名でございます。

#91
○吉川沙織君 決算委員会、この委員会でございますが、三十名の委員の数です。行政監視委員会は、決算委員の委員数三十名を超える三十五名を擁するに至った以上、行政監視委員会はこの決算委員会に見劣りしない活動を行っていく体制は整ったということが言えるのではないかと思います。
 決算審査の充実については、昭和四十六年以降、参議院改革のテーマとして議論が重ねられてきました。一方、平成十年に参議院改革の一環として設置された行政監視委員会は、平成三十年六月一日の参改協報告書で院全体として取り組むとされながら、議論の蓄積は十分になされていません。
 決算審査については、長年にわたる努力の結果、今日行っている省庁別審査もそうですが、年間の審査の流れ、定着していますが、基本的な審査過程について参議院事務総長に伺います。

#92
○事務総長(岡村隆司君) 決算につきましては、本会議で報告質疑が行われた後、決算委員会においてまず概要説明を聴取し、質疑が行われております。
 決算委員会における質疑は、通常、全般質疑、省庁別審査、准総括質疑、締めくくり総括質疑の順で行われております。その後、決算委員会で採決が行われ、本会議に上程されております。

#93
○吉川沙織君 この決算委員会は、本当、参議院改革協議会、それから参議院改革の一環として昭和四十六年から何度も何度も議論をされ、今の形になっています。
 例えば、平成十五年五月七日、参議院改革協議会で決めたことの一つに決算の早期提出があります。平成十五年度決算以降は会計年度翌年の十一月二十日前後に国会に提出するよう政府に要請をし、平成十六年十一月十九日に平成十五年度決算が従来よりも時期を早めて提出されるに至っています。
 今では当たり前のように、今事務総長から答弁があったとおり、本会議で報告聴取、概要説明、全般質疑、行われています。この本会議報告聴取も、それから全般質疑も締めくくり総括質疑も、基本的に全大臣が、総理始め全大臣が出席し、NHKの中継入りで行われるということが通例になっており、院全体として取り組む強い姿勢を示すのに有効なロールモデルとなっています。
 これに参改協報告書で示されたテーマ別の小委員会や副大臣を活用した機動的な活動を組み合わせていくことで、委員数増、それから、行政監視委員会、定員数を増やしたのは、平成三十年改正公選法で、私たちは反対しましたけれども、参議院議員定数増と特定枠を導入することに伴って、ある意味アリバイ的になされたものではありますが、院全体として取り組むという強い姿勢を公表して示したのですから、それはふさわしい活動の体裁を整えていかなければいけないと思います。
 来月上旬には政策評価の年次報告が提出され、本会議報告聴取、質疑を行うことになります。次期年間サイクルの始動に当たっては、この決算審査と遜色ない活動の第一歩として、本会議への総理出席を会派を超えて実現していく必要があるのではないかと思います。
 国会における行政監視とは、行政の誠実ではない活動、行政による不正あるいは不当な活動を国会でただすことにあります。立法府がその事実関係をただすことについては、与党か野党かは関係なく、その機能の発揮であり、異論はないはずです。その場こそ、この決算委員会だったり行政監視委員会、行政監視委員会は行政監視機能を有する立法府の委員会です。
 行政監視機能の強化を本院の活動の柱とすると会派を超えて合意した参議院改革協議会の報告書は、国民に対する本院の意思表示であるということを申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#94
○勝部賢志君 立憲民主・社民の勝部賢志でございます。
 総務大臣にお越しをいただいておりますので、まず総務大臣にお伺いをいたしますが、総務省がワクチン接種の前倒しを求め、各自治体の首長に対して圧力とも受け取れる電話を掛けたという報道がありました。その問題についてであります。
 五月の十一日の総務委員会で立憲民主党の岸議員から武田大臣に、武田大臣が自治体に対して命令とも取れるような内容の文書を発出したことについて指摘をした際に、圧力を掛けたりすることは決してございません、圧力を掛けるということはあってはならないし、何かあったら御指摘いただければきっちり対応していきたいと、こう発言をされました。
 そう発言をされましたのでお伺いをしたいというふうに思うんですけれども、報道によりますと、ローラー作戦のように電話を掛け、文書だけでは不十分と思ったのか分かりませんが、電話まで掛けるということはまさに圧力になるのではないかと思いますが、そのような事実があったのか、お伺いをします。

#95
○国務大臣(武田良太君) 千七百四十一の自治体は人口構成も違います。その面積も違います。医療体制も全く違います。
 政府が七月末をめどに全ての希望するお年寄りにワクチン接種を行っていただくその環境をつくるためには、それぞれの自治体で抱える問題というものが異なってくるのはこれ御理解いただけると思うんですね。その自治体の抱える問題が一体何なのかということを我々はお伺いする、そして、そこで浮かび上がった問題を的確に厚労省等に伝えてフィードバックしてその問題解決を図るという作業に努めてまいりました。
 我々から御連絡を差し上げた自治体もありますし、そして相当数の問い、むしろ自治体の方から問合せが来たケースもありまして、千七百四十一団体に対する対応、それは決して圧力を加えたこともございませんし、そしてまた、そうしたことはあってはならない、こういうふうな考えを持っております。

#96
○勝部賢志君 電話をしてやり取りはしたけれども圧力を掛けていないということなんですが、ワクチンの接種について、例えば厚労省が連絡を取って、例えばワクチンの接種の、ワクチンの供給状況とかあるいは自治体の接種状況について把握をするというふうなことはあり得ることだなというふうに思うんですけれども、なぜ総務省が電話をしなければいけないのか。
 ある自治体から聞けば、厚労省ではなくうちが電話をした意味はお分かりですよねと、そういうようなことを言って、七月末までに、何というんですか、接種を完了するようにというような、これはまさに圧力ではないかと思いますが、いかがですか。

#97
○国務大臣(武田良太君) 委員、圧力圧力とおっしゃられますけれども、圧力を加えることはございません。
 我々は、その法的根拠というのは、設置法に基づく連絡調整もありますし、また、やはり地方自治体の抱える問題というものに、一緒に解決していくというのは、これは総務省として間違ったことではないと思うんですね。
 厚労省がやっておればこれでいいんじゃないかと、そういう御指摘もあるかもしれませんけど、まさに政府一体となってやっていく、それぞれの省庁がそれぞれの分野でできる限りの力を発揮して、力を結集してこのワクチン問題に取り組んでいくということが今の日本にとっては必要なことではないでしょうか。

#98
○勝部賢志君 まさに大臣おっしゃられた、その地方自治体と協力をしてワクチン接種を進めていくというのは非常に大事だと思いますし、その上にはというか、そのためには私はお互いの信頼関係というのが非常に大事だと思うんですね。
 そういうやり取りは日常からやられるべきで、もっともっと私は、仮に総務省でも、どんな課題があるんですかということをしっかり聞いて、そのことにしっかり答えを出していくということをやるんでしたら、私はそれでいいと思いますよ。だけれども、先ほど言ったように、受け取った側がこれはまさに圧力だというふうに思っているということ自体、これは問題ではないですか。
 そして、例えばですけど、パワハラだとかセクハラだとかいじめの問題とかというのは、今物すごく敏感に皆さんなっていまして、非常に重大な問題だと私は思っているんです。それは、受け取る側がどう思ったかということが非常に大きいんですよ。
 ですから、自治体忙しい中で、本当に一生懸命今ワクチンの接種に向けてやっているんです。言われなくたって、そこの住民の皆さんのためにできるだけ早く安心して受けてもらえる体制をつくりたいと思っているんですよ。そのために日夜努力しているんです、休みも返上してやっているんですよ。そこに対して、急げよと、七月末が目標だと総理も言われたのでこれは何としてもやらなきゃ駄目だみたいな圧力がもし自治体に感じ取られたのだとしたら、私はこれはマイナスだと思います。こういったことは是非、金輪際やめていただきたいと思いますが、いかがですか。

#99
○国務大臣(武田良太君) それぞれの職員が各自治体に対応する中で、そうしたふうに捉えられたことがあったとするならば、これはきちっと訂正をさせなきゃいけないと思っております。
 これは、国と地方というのは紛れもなく同等の立場ですから、国から地方にメールを出したからといって、それが圧力になるとは私は思っておりません。我々は技術的な助言もやっていくという法的根拠も持っております。また、地方との連絡調整をしなければならないという、そうした所掌事務もございます。そうした我々ができることを遺憾なく力を発揮して、しっかりと希望する全ての御高齢者の方々にワクチン接種を円滑に行っていただく、そのことに今後とも邁進をしていきたいと、このように考えております。

#100
○勝部賢志君 まさに大臣言われたように、やはりお互いの信頼関係が大事で、それで力を合わせて頑張っていくという視点を是非忘れずに対応していただきたいと思いますし、引き続き、こういった事例があった場合は、大臣自らおっしゃっていますように、指摘をさせていただいて、改善できるところは是非やっていただきたいというふうに思います。
 大臣におかれましては、質問これで終わりますので、御退席いただいて結構でございます。

#101
○委員長(野村哲郎君) 武田総務大臣は退席していただいて結構でございます。

#102
○勝部賢志君 それでは、梶山経産大臣にもお越しいただいておりますので、核のごみ、高レベル放射性廃棄物最終処分の問題についてお伺いをいたしたいというふうに思います。
 核のごみの最終処分問題については、その問題をめぐって北海道の寿都町、神恵内村で処分地選定に向けた全国初の文献調査がスタートしております。四月の十四日には、寿都町で住民と処分事業者を担うNUMO側との対話の場が持たれましたが、冒頭から紛糾するなど、地域を二分した騒動となっています。
 また、文献調査から概要調査などに進む場合は、その時点で町村長や知事から意見を聞くこととなっており、その意思に反して次の段階に進むことはないと言われておりますが、それがどのように担保されているのか不明だという不安の声も上がっています。
 さらに、周辺自治体からは、一町村だけで決められる問題ではないという批判の声が強く上がっておりまして、それぞれに核抜き条例を制定して反対を表明する周辺自治体が多数出てきています。
 このような地元の現状を受けて、いわゆる核ごみ問題について伺ってまいりたいと思いますが、通告はさせていただいているんですけど、ちょっと時間の関係もあって、少し順序を入れ替えまして、文献調査からまずお聞きしたいというふうに思います。
 皆様にもお手元に資料を配らせていただきました。処分地選定プロセスという資料がございますので、ちょっと参考のために見ていただけたらと思いますが、調査には文献調査、概要調査、精密調査があって、約二十年掛けて建設地の選定を行うこととなっています。そして、文献調査が終了後、概要調査に進む前に地域の意見を聞き、意見に反して先へ進まないとこのプロセスにも記されています、御覧になっていただいたら分かると思いますが。
 そこで、手続について確認をさせていただきたいと思うんですけれども、文献調査から概要調査に進まず調査から離脱する場合の具体的な手続はどのようになっているのか、経産省にお伺いをいたします。

#103
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
 高レベル放射性廃棄物の最終処分というのは、日本の社会全体で必ず解決しなければならない重要な課題でございます。
 日本におきましては、二〇〇〇年に最終処分法を制定し、今日、委員がお配りいただきましたように、処分地の選定に向けたプロセスといたしまして、文献調査、概要調査、精密調査などといった調査を進めていくことにしておりまして、それに向けた様々な活動を進めているところでございます。
 お尋ねの点でございますけれども、文献調査を実施した後、仮に概要調査に進もうとする場合には、法令に基づく手続に従いまして、知事と市町村長の意見を聞き、これを十分に尊重することとしており、その意見に反して先へ進むことはないと、これは委員御指摘のとおりでございます。
 事務的な手続として申し上げますと、文献調査の終了後、この実施主体でありますNUMOから経済産業大臣宛てに概要調査の実施に関する事業計画案の申請がなされることとなります。その際に、その後にですね、当該申請を受け取った後、経済産業大臣から知事と市町村長に意見を聞くというプロセスになります。ですので、仮に知事又は市町村長から概要調査地区の選定に反対の意見があった場合は、このプロセスの中でお示しいただくこととなり、当該市町村は最終処分法上の処分地選定プロセスから外れることとなるものでございます。

#104
○勝部賢志君 国から必ず聞かれる、そういう場を設けるということですね。
 ですから、例えば、その考え方を町で集約をしたりして少し時間が掛かったりしても、態度が明確にならないまでは先には進まない、待ってもらえるということでいいですか。端的にお答えをいただきたいと思います。

#105
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
 このプロセスについての期限というものについては、法令上の規定はございません。一般論として申し上げて、地域内の意見集約等のやり方には様々なものがございますので、丁寧に議論を重ねた上で意見をいただくことになるというふうに認識してございます。

#106
○勝部賢志君 二年程度ということなので、例えば、住民投票をしてその先に進むかどうかを考えるという町があった場合、いつ住民投票をしたらいいか、これは一定の期間、時間が掛かりますので、そういう意味では、町民の皆さんの中にはそういうプロセスがよく分からないという声があるものですから確認をさせていただきましたが、繰り返しになりますけれども、意思をしっかり決めるまでは、せかされたり、逆に言うと勝手に進んだりはしないということでいいですね。端的にお答えください。

#107
○政府参考人(松山泰浩君) 地域内のプロセスが定まるまでの間に出して、が定まった上でお出しいただければ結構でございまして、特段の期間の定めがあるものではございません。

#108
○勝部賢志君 それでは、それは法律上は町長あるいは知事と、こう書いてあるわけですけど、その町の住民の皆さんの意思を集約する方法といいましょうか、そういったものには何か定めがあるんでしょうか。

#109
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
 最終処分場の選定プロセスというものは、地域の御理解なくしては前に進められないものでございます。
 このため、地域において丁寧に議論を重ねていくことが重要と考えているわけでございますけれども、その際、地域において地元住民の方々の御意見に関してどのような形でこれを伺い、その方向性についてまとめていくかということにつきましては、地域によって様々な考え方があるかと、状況も違うことかと認識してございますので、自治体としての判断を、その進め方については尊重することが重要だと、このように考えてございます。

#110
○勝部賢志君 続けて、知事と町村長の意見が分かれた場合、どちらを優先されるんですか。

#111
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
 文献調査を実施した後に次に進もうとする場合に、法令に基づく手続によりまして、知事と市町村長の意見を聞き、これを十分に尊重するということ、それに反して先に進むことはないと述べておるわけでございますけれども、法令上、知事又は市町村長のどちらかの意見を優先するということにはなってございません。
 仮に知事又は市町村長が概要調査地区の選定に反対ということでございましたら、当該市町村は最終処分法の処分選定プロセスから外れるということになると承知しております。

#112
○勝部賢志君 どちらか一方でも反対をすれば、それ以上は進まないということですね。
 それで、例えばですけれど、この図見てもらって分かるんですが、文献調査は二年程度、それから概要調査は四年程度ということで、その先に進む都度意見を聞くということなんですけど、その調査の途中でやめたいというようなことが自治体あるいは知事から出た場合どうなるのか。
 例えばですが、寿都町は今年の十一月、町長選挙なんです。ですから、その町長の、出馬される町長の態度によっては、反対を表明して出馬される町長もいるかもしれません。その方が勝利、選挙で勝てば、そういう意思表示、住民からいただいたということにもなるので、こういった場合はどうなるんでしょうか。

#113
○政府参考人(松山泰浩君) 個別の自治体の具体のことに、ちょっとお答えが難しいところではございますけれども、一般論で申し上げますと、処分地の選定プロセス、これは繰り返しになりますけど、地元の御理解なしには前に進んでいくことはできないものということは私どももよく認識しているところでございます。であるがゆえに、最初の調査でありますこの文献調査につきましても、市町村からの応募又は国の申入れに対する市町村の受諾ということで開始して、その上で地域の方の御理解の下で進んでいくわけだと認識してございます。
 仮に調査対象の市町村から実施中の調査の中止を求められた場合、その際には、この中止の御意見ということについてはこれを尊重していく必要があるものだと考えてございます。

#114
○勝部賢志君 ちょっと分かりにくいんですが、尊重するというのは分かるんですけど。
 例えばですけど、今、文献調査が事実上スタートしたことになっていますが、知事は反対しているんです。それから、周辺自治体もそのことに、まあ何というか、反対の自治体、非常に多いです。なのに、なぜ文献調査スタートするんでしょうか。

#115
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
 文献調査というのは、この最終処分法に基づきまして、最終処分の選定に至るまず一番最初の段階の調査になるものでございます。その後、概要調査、精密調査等々、次のそのプロセスに進んでいくわけでございますので、まずこれは地域に御判断いただく材料を提供するための事前調査的な位置付けだというふうに考えておりまして、まずはここについて言えば、手法といたしまして、市町村からNUMOへの応募、若しくは国からの申入れに対する市町村の受諾という手続で開始するということに法律上定めているところでございます。
 その上で、文献調査の後に次の概要調査に進もうとする場合には、法令に基づく手続に従いまして、知事と市町村長の意見を聞き、これを十分に尊重することとしておりまして、これが仮に反対の御意見があるということになりますと、先に進むことはないと、こういう制度的な仕組みになってございます。

#116
○勝部賢志君 最初は調査というか意見を聴取する、あるいは意見交換の場的なものだからという言い方ですけど、先ほど冒頭に申し上げたように、町は二分するぐらい、あるいは自治体、北海道全体は非常に大きな問題意識を持っています。だから、そう簡単にこれ調査ですからといって始められるものではないんじゃないかという声が非常に多いんですよ。なので、指摘をさせていただきましたが、後ほどもう一回触れます。
 それで、これ途中でやめるということになったときに、何か不利益を被ることはあるんでしょうか。

#117
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
 不利益のようなものが制度的に予定されているものではございません。

#118
○勝部賢志君 このプロセスには書いておりませんけれども、交付金が同時に交付されていて、それで、スタートしたところには、今年でいうと寿都町にはもう年間十億円というようなことで出されるわけですね。これが二年間で二十億、それから概要調査は四年間で七十億程度と、こういうふうに言われています。
 ですから、そういった交付金を受け取っておいて、途中でやめて大丈夫なのかという心配の声は非常に大きく上がっているんです。もうやめられなくなるんじゃないか、あの手この手で国から嫌がらせをされるのではないかと。あるいは、交付税が減らされたり圧力が掛かるのではないかという声も上がっているんです。
 つまり、そういったことが分からないんですよね、この法律、立て付けだけでは、あの法律だけでは。だから、法律に一行だけ書いてあるんです、先へは進まないと書いてあるんだけれども、こういった手続はもっと明確に示すべきだというふうに思っています。
 そこで、なぜこのようなことが法律やあるいは省令ですとか施行規則に記されていないのか、これは明記すべきだと思うんですけど、いかがですか。

#119
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
 文献調査を実施した後のその次の概要調査地区の選定につきまして、知事と市町村長の意見を聞き、これを十分に尊重した上で、そうでなければ、御意見として反対であれば中に進まないということについては、法律上、仕組みとしては定めているところでございます。
 また、その上で具体的にどうするかということにつきましては、最終処分法の法案審議以降、国会答弁の中で、若しくは質問主意書も多々頂戴しておりまして、その御答弁書の中で政府としての考え方、進め方につきましては繰り返し明確にお示ししているところでございます。
 法律上に定めることと、いろいろなケースがある中で細かい手続まで定めるということと考え合わせた場合に、法令で定めることは必要ではないのではないかというふうに考えてございます。

#120
○勝部賢志君 ちょっと資料の三枚目を見ていただきたいと思いますけれども、これは梶山経産大臣が寿都町長の片岡町長宛てに出した文書です。
 これは梶山大臣が出されたもので間違いありませんですね。

#121
○国務大臣(梶山弘志君) 間違いございません。私が出したものであります。

#122
○勝部賢志君 これは、いろいろな場面で住民からさっき言ったようないろんな不安の声があったがために、恐らく町長が大臣にこういったものを出して明確に態度を明らかにしてほしいということがあって、大臣からこのような文書が出されたんだと思うんですね。
 中身読んでいただければ分かるとおり、その趣旨は法令に書かれているとおりなんですけれども、しかし、こういった文書を出さなければなかなか理解が進んでいかないという仕組み自体の問題として、私は先ほど言ったように、細かい手続をもっと明確にした方がいいんじゃないですかというふうに申し上げたんです。その点、いかがでしょうか。

#123
○国務大臣(梶山弘志君) 法律に定められているとおりでありますけど、その確認の意味で、北海道の知事からも、また二自治体の長からも、求めに応じてこれを出させていただきました。これは、私の考え方というよりは、経済産業省、国としての考え方ということで、経済産業大臣の責任の下に出させていただきました。

#124
○勝部賢志君 大臣の署名入りでありますので、この持つ意味というのは私は大きいものだというふうに思いますので、これはそういう意味では公的な文書として、これをこれからもしっかり対応すべきだというふうに思いますけれども、先ほど申し上げたように、私はやっぱり規則をしっかり手続を含めてやっていくことが、それは安心につながっていくことでありますから、そのことは指摘をさせていただきます。
 続けて、ちなみに、文献調査をやめた場合に、先ほどの交付金でありますが、返還をするというようなことを求められることはありませんか。

#125
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
 御指摘の電源立地地域対策交付金という名の交付金なわけでございますけれども、これは文献調査の実施に伴い交付するものでありますため、その制度の趣旨、制度上、地域が適切に執行した交付金につきましては、仮に次の概要調査に進まなかった場合でも、これを返還する必要はないものと考えてございます。

#126
○勝部賢志君 そこで、大臣にお伺いをしたいと思うんですけれども、今言ったような交付金を出しながら、文献調査はある意味非常に緩やかな入口から入っていって、いずれは抜け切れなくなるのではないかと、こういうような手法自体に問題があるという指摘の声は大きいです。北海道知事は、札束で頬を打つと表現をしました。
 そして、一方で、交付金だけもらって逃げ得みたいなことがもしまかり通るとしたら、別な意味でこのような税金の使われ方というのは見過ごしてはいけないのではないかと、こういう客観的な意見もあるんですね。
 それで、地元の方々に聞きますと、片岡町長は、概要調査には進まないということをいろんな場面で明言、明言というか言っておられますね。それから、神恵内の村長も、途中で反対しても国がやるというのなら職をなげうってでも抗議すると、こういう発言まで村内でされているんですよね。ということは、始まりました二年間後のそのときに反対を表明するということをもう既に言われていると。
 こういうようなやり方でこの調査が進められていくということ自体、この立て付け自体、私は問題があるのではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。

#127
○国務大臣(梶山弘志君) 先ほど来政府参考人がお話をしていますとおり、次の段階に行く時点で首長又は知事の反対があればそれは進まないということになっておりまして、それは段階ごとに同じような仕組みになっているということであります。
 高レベル放射性廃棄物の最終処分は、日本社会全体で必ず解決をしなければならない重要な課題であります。それぞれの地域にある原子力発電所の使用済燃料の八割がもう埋まってきているということでありまして、しっかりと日本全体でこれからのことを考えていかなければならない課題であると思っております。その処分地につきましては、最終処分法に基づいて、諸外国と同様に地域の理解を得ながら段階的な調査により選定していく方針であります。
 最初の調査であります文献調査は、資料やデータのみによる机上の調査ということでありまして、市町村でこの事業について議論を深めていただくための言わば対話活動の一環と考えております。一方、その実施によりまして、地域に様々な御負担をお掛けすることにもなるのも事実と考えております。交付金制度は、国としてそのような社会全体の課題解決に御貢献いただく地元の皆様に敬意と感謝を示し、地域の発展と住民の福祉を向上を図るために全面的にサポートしていくためのものと考えております。
 その上で、文献調査を実施した後に仮に概要調査に進もうとする場合には、法令に基づく手続に従って知事と市町村長の意見を聞き、これを十分に尊重することとしており、その意見に反して先に進むことはないということを私も文書でも申し上げておりますし、記者会見の場等でも申し上げているとおりであります。
 経済産業省としては、引き続き、地域の理解を得られるように、丁寧に調査のステップを踏みながら最終処分事業に取り組んでまいりたいと考えております。

#128
○勝部賢志君 先ほど、調査を途中でやめても不利益を被ることはないし、例えば交付金なども返す必要はないと。そして、大臣の文書の中にも、仮に文献調査だけを実施することとなった場合でも非常に意義のあるものと考えておりますというふうに答えられているので、もし仮に途中でやめた場合、これは要は白紙に撤回されるというふうに考えてよろしいですか。

#129
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
 この最終処分の選定のプロセスというのは、とにかく地域の方々の御理解あっての話でございます。
 繰り返し御答弁申し上げておりますように、最初の文献調査から次の概要調査に、そしてその文献調査の中における、先に進まないということになってなかなか地域の御理解を得られなくなった場合につきましては、この選定のプロセスから外れることになるというふうに認識してございます。

#130
○勝部賢志君 少し、もう時間がなくなってきましたので、もう一つ大臣にお尋ねをしたいんですけど。
 先ほど来申し上げていますように、周辺自治体は非常に心配をしています。特に、あの辺の周辺地域は観光あるいは食、第一次産業が中心の町なんですね。もうこういう話になったということで、例えば御存じのニセコ町だとか、あの辺は海外から相当いろいろ資本が入ったりしているんですね。そういうところが、もう海外は物すごくこの放射能に対してはやっぱり敏感なものですから、もう既にその動きが止まったりちゅうちょしているということも出ているんです。ですから、そういった周辺自治体の考え、意見なくしてこれは進められていくということにはならないと思うんですね。
 ですから、現状申し上げた自治体周辺が結構反対、失礼しました、周辺自治体が結構反対しているということについてどのようにお考えか、お聞かせください。

#131
○国務大臣(梶山弘志君) 最終処分事業につきましては、文献調査を実施している町村だけでなく、その周辺自治体においても様々な御意見や御懸念の声があることは承知をしております。
 しかしながら、文献調査は、事業に関心を示していただいた市町村に対して地域の地質に関する文献、データを調査分析して情報提供し、事業についての議論を深めていただくためのものであり、言わば対話活動の一環ということでありまして、この最中にこういった、この文献の調査の中で放射性物質が運ばれるようなことはありませんし、ほかの調査においてもまだないということであります。
 さらに、文献調査の後、次の概要調査に進もうとする場合には、先ほど来申しておりますけれども、市町村長と知事の御意見をいただき、その意見に反して先に進むことはないということでありまして、調査期間中に放射性廃棄物が先ほど申しましたように持ち込まれることも一切ありません。
 国としては、町村内に設置している対話の場を始めとした様々な機会を通じて、周辺市町村に対しても、地域の声を踏まえつつ、このような説明や情報提供を積極的に行って、事業についての幅広い理解が得られるよう、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。当然、周辺自治体も含めてですから、知事にもそういったものが入るわけであります。全体を見る意味では、知事の同意というものも必要であると、またそして個別のものも必要であるということであります。

#132
○勝部賢志君 時間が参りましたので、最後に一言だけ指摘をさせていただきますけれど、地元の方々で反対している人たちは、辺野古を見てみろと、県、県民が反対しても国はあらゆる強硬手段を使うじゃないかという声があります。そういう声があるということを是非胸にとどめておいていただきたい。
 そして、私は、やはり、とにかくもうこれ以上核のごみを出さないということがまずあって、その上で、やはり、何というんですか、非常に難しい問題ですので国民的な議論が必要ですけれども、こういった形で、先ほど言ったように交付金を、まあ表現悪いですけど、餌に何か自治体決めていくというやり方は、私はやめるべきだと思います。
 済みません。終わります。

#133
○委員長(野村哲郎君) コヌマ巧君。

#134
○小沼巧君 小沼です。

#135
○委員長(野村哲郎君) 小沼。はい、ごめんなさい。

#136
○小沼巧君 小沼巧ですので、よろしくお願いします。
 改めまして、立憲民主・社民の小沼巧でございます。
 梶山大臣、大変御無沙汰しております。二〇二〇年六月二十五日の閉会中の経産委以来の質問でありまして、今日が十二回目の質問になるわけであります。また、同じ茨城の先輩政治家の胸を借りるつもりで、今日も元気よく議論してまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 質疑に入る前に、一問だけ申し述べさせてください。
 今年、私は内閣委員会の方で様々議論をしてまいりましたが、経産委員会から離れている直近一年間で様々なことがあったかと思います。同じ我々茨城の中におきましても様々な事件もありました。例えば、県央地域、半導体を作っている工場で火災が起きたということもございました。あるいは、私が住んでおる鹿行地域、ここにおきましても製鉄所の高炉が休止されたと。一九六〇年代から発展してきた、そして関係の事業者も含めて一万人も働いているというところでありまして、どうしたもんかなということで心配の声が上がっておるところであります。
 通告は明示的にしておりませんので、詳細な答弁は不要でありますが、改めて経産大臣として、この茨城の問題も万全を期していただくということの見解、決意をお伺いしたいと思いますが、よろしくお願いします。

#137
○国務大臣(梶山弘志君) 茨城の問題ということに限らずに、経済産業省所管の課題でもありますので、しっかりと対応してまいりたいと思っています。
 ルネサスエレクトロニクスにつきましては、火災発生以来ということで、できるだけ早く再開をさせる、そして事故前の、災害、火災前の出荷量をしっかり維持をする、そのことによって自動車産業であるとかほかの産業に支障を来さないような状況にいち早くさせるということで、今様々なお手伝いをさせていただいております。代替の生産であるとか、また製造装置であるとか、部素材についても、企業と連携をしながら、お話をいただきながら手配をさせていただいているところであります。
 また、鹿島の日鉄の高炉につきましては、三月五日に発表した中長期経営計画の中で、二〇二四年度末に二基の高炉のうち一基の休止を決定したと承知をしております。この決定前から、自治体、県を始めとする、また地元の自治体も含めて心配の声があります。そして、できる限りやはり対応をしていただきたいというお話もありました。
 その企業の業績に関わること、また企業の将来の展望に関わることでありますので、企業が決めるのが最終的なものでありますけれども、その影響が雇用に及ばないように、また地域の事業者に及ばないようにできる限りの努力をしたいと思っておりますし、また、相談の窓口も当時、三月からつくらせていただいておりますし、日鉄との対話というものを私どもも続けておりますし、地元に対する説明も丁寧にしていただきたいということで申し上げているところであります。

#138
○小沼巧君 御答弁ありがとうございました。
 御丁寧に答弁いただきまして、誠にありがとうございます。この件、引き続き議論もしてまいりたいと思いますし、相談、意見交換もしてまいりたいと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いできればと思います。
 さて、今日は、早速質疑ということで入ってまいりたいと思いますが、主として成長戦略、この点について議論を闘わせていただきたいと思っております。
 グリーンやデジタルということでありますが、まずその成長戦略はどういうものであるかということについてが具体的な通告でありましたが、その前に、まずは認識を共有しておくことが必要かなと思っておりますので、自分なりの観測、自分なりで観察してまいりましたので、申し述べますから、これにもし誤りがあれば正していただきたい、簡潔でございますので、と思っております。
 一つが、日本は今本当に経済大国なのか、成長率も含めて大丈夫なのかという点であります。
 かつて、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という本が出版されました。昭和五十四年でありまして、まさに梶山大臣が動燃に入社されたときであります。それから、その当時は通商産業省、いわゆるMITIと略されておりましたが、ノートリアスMITI、マイティーMITIとして、やっぱり日本の高度経済成長の牽引役として世界に名をとどろかせていたわけでありました。
 翻って、今見てみますと、例えばGDP、今や米中に次ぐ第三位であって、一人当たり購買力GDPは韓国に抜かれて二十八位になっている。平均賃金においても同様、韓国にこれも抜かれて二十五位に落ちぶれている。成長率で見ても、二〇一二年のアベノミクス開始以降の年平均の成長率は一・二%でありまして、物価二%、三%、様々言われておりましたが、これ達成できていないような状況であります。
 その意味で、これはコロナの感染症が拡大する前から振り返ってみますと、やっぱりGDPにしろ賃金水準にしろ、そして成長率にしろ低迷しておる。ノートリアスMITI、マイティーMITIと呼ばれていた状況は、正直見る影もなくなってしまっておられるのではないか、このような危機感を覚えますが、この観察に誤りがないかどうか、大臣の御見解をお願いします。

#139
○国務大臣(梶山弘志君) 委員のおっしゃるとおりだと思っております。
 いろんな要因分析についてはいろいろな御意見もあろうかと思いますし、それぞれまた分析の違いもあろうと思いますけれども、今の状況は何とかして脱していかなければならないと思っております。

#140
○小沼巧君 通告がない質問にもかかわらず、ありがとうございました。
 もう一つだけお伺いいたします。
 実は、労働分配率ということについても同じく低下傾向になっているということなのであります。内閣委員会で私もマクロ経済なんか議論してまいりましたが、西村大臣は上がっているみたいなことをおっしゃるんですけれども、そうじゃないよねということの議論をさせていただいたところであります。
 例えば、労働分配率、これは中小企業白書のところで見てまいりましたけれども、一年間で増えた減ったということを見るとトレンド見誤りますので、複利で計算、年平均で見てみました。二〇〇〇年から二〇一八年で見たところ、小規模企業の労働分配率は年平均で〇・六%、中規模は〇・二%、大企業は〇・九%下がっているという状況であります。これをアベノミクスの期間だけで見てみると、実はその下落幅が非常に重大なことになっていまして、小規模企業にしてみれば一・五倍の〇・九%、中規模は二・五倍の〇・五%、大企業に至っては三倍の二・七%ずつ労働分配率は下落しているという傾向にあるわけであります。
 成長すれば、トリクルダウンということで成長の果実が中間層や全国津々浦々に行き渡るということを学校で教えられてきたのでありますが、今はそういう構造がなりにくくなっている。トリクルダウンの問題、労働分配率の問題も下落しつつあるということが今の日本の経済産業構造の現状なのではないかと、このように観察しているところでありますが、これについても大臣の御見解をいただければと思います。

#141
○国務大臣(梶山弘志君) バブル崩壊、また金融ショック以降、またリーマン・ショック以降の日本の経済考えますと、再分配というものがなかなかうまくいっていないという感覚も持っております。
 これには、その生産性の向上というものもありますけれども、再分配するべき項目においてやはり投資というものがなかなかやっぱりできないでいるということで、ただ、投資に要する資金というものは内部留保という形で上がっているということも含めて、なかなかそこまでに至っていないというような状況であると思いますし、所得が上がることによって個人消費、GDPの六割以上を占めている個人消費も上がるものだと思いますし、しっかりともう一度労働分配率というものも考えていかなければならないと思いますし、それには健全な分配率ということで、投資もしっかりできる、そしてその中で給与も上がるというようなことも含めて、どうすればいいのかということをしっかり議論をしてまたいるところでありまして、それらを検討、検証の上、実施をしてまいりたいと思っております。

#142
○小沼巧君 御答弁ありがとうございます。まさに同じような問題意識であります。
 しっかりと成長もしていかなければならない、そして労働分配率、そして分配ということもちゃんと考えていかなければならないという目的が達成されるものになっているのかなというのが、という観点で、カーボンニュートラルのグリーンやあるいはデジタルについてお伺いしてまいりたいと、このように思っています。
 成長戦略会議なんかでも、いろいろ見させていただきますと、これ一部の方、名前は特に出しませんが、よく中小企業を淘汰した方がいいんじゃないかみたいな論陣を張る方がいらっしゃいまして、その人、いいことを言っている部分があったんですよ、唯一。四月の十二日の第九回の成長戦略会議で、日本経済が成長しない、デフレ継続の最大の原因は、企業は労働分配率を下げながら投資が減っていると。これはまさにそのとおりだと思いますし、大臣がおっしゃっていただいたところだろうと思います。
 そういう意味で、今回のグリーンやカーボンニュートラル、成長戦略の柱だみたいなことがまことしやかに言われているところでありますが、本当にそうなのか、自分自身の経験も交えながらそこについて議論をしてみたい、このように思っております。
 グリーンとかカーボンニュートラル、これは結局、市場規模についてお伺いしたいと思うのであります。
 十一年前、課題解決型という国家戦略ということで、グリーンイノベーションというような成長戦略を規定しておりました。そのときは、十年間で環境関連新規市場五十兆円をやるということを言ったわけであります。そのときから市場規模が退化ないしは劣化しているのではないかと今回思うのであります。なぜかというと、グリーン成長戦略を見てみますと、市場規模、予算で十五兆円、税制で一・七兆円、金融で〇・一五兆円、規制改革、国際連携はゼロということで、足しても二十兆円ぐらいにならないような状況になっている。
 十一年前でうたっていたところから市場規模さえ劣化しているような状況でありまして、もし仮に市場の創造なきグリーン成長戦略なんだとすれば、それは正直、戦略として呼べないのではないか、このような疑義を覚えるわけであります。この点についての御見解をお伺いいたします。

#143
○国務大臣(梶山弘志君) 日本の経済において、技術の開発というものは世界では早い方に取りかかるわけでありますけれども、その実装化、またその市場獲得という意味で大変後れを取ってきたという現実があるわけであります。
 その市場という点では、国内の市場のみならず海外の市場をどう見るか、人口が増えている中国の市場、またアメリカの市場、そしてアジアの市場というものも含めてどこまで取っていくかということも含めて、新たな技術開発、そういった中での海外からの投資の呼び込みであるとか、また海外の企業との連携であって、そこで海外展開も含めて行っていくとか、そういった視点が大変重要であると思っております。そういった視点も含めたグリーン成長戦略であると考えております。

#144
○小沼巧君 済みません、更問いになってしまって恐縮ですが、結局、じゃ、このグリーン成長戦略というのの市場規模、これはどの程度を見込んでいられるのか。
 もちろん、様々な要素が、変数もありますし、未来の答えであると思っています。ただ、少なくとも、戦略とおっしゃる以上は、具体的にどこを目指しているのか、ここについてはお伺いしたいと思うのでありますが、改めて御答弁をいただけますか。

#145
○政府参考人(矢作友良君) お答え申し上げます。
 グリーン成長戦略の経済効果ということに関しまして、二〇五〇年のカーボンニュートラルに伴いまして成長が期待される分野の経済効果というのは百九十兆円というふうに試算してございます。

#146
○小沼巧君 なるほど。じゃ、それの百九十というところをおっしゃっていただきます。
 これは確かに前文に書いてあることでありますが、私が先ほど予算で云々かんぬんと申し上げたのは、分野横断的な重要な政策ツールというところで書いてあるものをどうも積み上げたものであります。百九十というものと各分野別の予算のツールの数字の積み上げには大きなギャップがあると思います。これをどう理解すればいいのか、御見解を、説明を求めたいと思います。

#147
○政府参考人(矢作友良君) お答え申し上げます。
 この百九十兆円というその試算ですけれども、これは一定の前提を置きまして、ある意味機械的に積み上げて、各分野におきましてですね、積み上げてきた、こういった数字を基に百九十兆という数字を出させていただいております。

#148
○小沼巧君 それは、済みません、質問というのは、その今おっしゃったことはこれ見れば書いてあるので、それをまんま読み上げたということだと思います。
 私の質問は、百九十ということと、この分野別のところで積み上げている数字を足していっても百九十と全然ギャップがあるのではないか、ここをどう理解すればいいのかということが質問なのであります。お答えを、もう一度御説明をお願いします。

#149
○政府参考人(矢作友良君) お答え申し上げます。
 この百九十兆円という数字につきましては……(発言する者あり)済みません。まず、ちょっと、その百九十兆円という数字につきましては、これは分野ごとに投資額、それからその売上額、こういったものを可能な範囲で積み上げて、一定の仮定を置いて機械的に合計したということでございます。

#150
○小沼巧君 済みません、なぜか同じ答弁になってしまって残念なんですが、百九十の説明は分かりました。
 だが、じゃ、それ以外の、例えば予算の、予算で書いてあるところは幾ら、税制で書いてあるところは幾らというところのつながりが分からないので、これを説明してくださいという質問でありましたが、残念ながら答弁返ってこなさそうなので……(発言する者あり)もう一度ですか。はい、どうぞ。

#151
○政府参考人(矢作友良君) お答え申し上げます。
 今、百九十兆の御説明をいたしましたけれども、考え方としては、ほかにも、例えば政府で、二兆円の技術開発、それから実証につなげていくための基金、こういったものもつくってございますけれども、こういった仕掛けを通じまして、民間企業の研究開発、設備投資、こういったものを誘発していきながらイノベーションに向かわせていく、そうした形で将来的な市場をつくっていくと、こういう考え方でございます。

#152
○小沼巧君 そういうコンポーネントが一つあるということは分かりますが、残念ながらロジックが断絶があるんじゃないのかなと思うところであります。
 時間もなくなってしまいますので次の質問にいきたいと思いますが、大臣、改めてこの点も含めて、よくよく考え方、なぜにこの市場、この取組をやればこの市場規模に達成するのかということは、よくよく考えて戦略を練っていただかないと、茨城弁でまた申し上げますと、ごじゃっぺと言われてしまうと思いますので、よくよく御検討をお願いできればと思います。
 さて、同じくカーボンニュートラルの関連においても、実は重要な観点が見落とされてしまっておるのではないかということのもう一つ指摘であります。雇用であります。
 十一年前のものについては、実際達成できたかどうか、もう戦略が変わっちゃったのでありませんでしたけれども、いずれにせよ、百四十万人の環境分野の新規雇用を生み出すということを目標としては掲げておったのであります。
 では、今回のグリーン成長戦略はどうか。新規雇用の目標は何ら言及されていないのであります。経済は上がるかもしれない、それだけれども雇用が生まれないというような姿を目指しておられるのであれば、労働分配率の話もしました、そういったところに解決する戦略とはなっていないのではないか、このように疑義を覚えるところでございます。
 この点についての御説明をお願いできればと思います。

#153
○政府参考人(矢作友良君) お答え申し上げます。
 このグリーン成長戦略、その雇用の関係でございますけれども、これはまず、二〇五〇年のカーボンニュートラル、これを進めること自体、これはかつてない経済構造の大変革ということでございまして、企業にとって成長の機会であり、新たな雇用の創出につながると、このように考えてございます。このための成長が期待される分野、この産業競争力強化を図っていくこと自体が最大の雇用対策というふうに考えているわけでございます。政府といたしましては、予算、税、規制改革、標準化、こういったあらゆる政策を総動員することによって、将来の競争力を確保するために必要な中長期的な投資を促していくと。
 他方で、これまでの事業から大きな転換を伴うものも事実でございまして、企業の個々の事業分野の一部ではマイナスの影響が生じるといったことも避けられないと、このように考えてございます。こうした場合、経営不振の事業から撤退し、成長の期待できる事業分野に資金や人材といった経営資源を振り向けていくことも重要というふうに考えてございます。
 このため、今国会に提出している産業競争力強化法の一部改正法案による支援に加えまして、例えば自動車の電動化の対応、それからコロナの影響を契機とする新分野への展開に取り組む中堅・中小企業を総額一・一兆円の事業再構築補助金で応援していく。また、政府全体としても事業訓練の実施など必要なセーフティーネットの確保にも引き続き万全を期していくと。こういったことを考えながら、人材育成に取り組む事業者、スキルアップに取り組む労働者、こういったリカレント教育の支援に取り組んでいくと、このように考えてございます。

#154
○小沼巧君 今のるる御解説があったところですが、それはグリーン成長なる単語を別の単語に置き換えても通用し得るものであって、総花的、一般論的過ぎて、正直本当に、これで成長はするかもしれない、けれども雇用が生まれるのか、説明にはなっていないような気がするのでありまして、正直、メカニズム、因果関係が分からないのであります。
 もし何か今のこの御指摘を、私からの私見の観察を踏まえまして、今回のグリーン成長戦略では、前回のグリーンイノベーションという十一年前のものと違って、雇用がちゃんと生み出されるんだということから是非とも御解説いただきたいと思うのであります。
 何でかというと、グリーンといったときに、今の日本の例えば再生可能エネルギー産業とかはどうなっていったか。太陽光はトップシェアを誇っていたんだけど、いつの間にかほとんど停滞してしまっている。風力発電においても、三社ぐらいがメーカーとしてありましたけれども、いずれも撤退。雇用は、国内に工場はないのであります。成長するかもしれない、カーボンニュートラルは達成できるかもしれない、だけれども、そこに雇用が生まれなかったら、その成長は適切とは私には考えられない、このように思うわけであります。
 改めての御説明、追加であればお願いできればと思いますが、いかがでしょうか。

#155
○政府参考人(矢作友良君) お答え申し上げます。
 このグリーン成長戦略では、まず十四の成長分野、成長を期待される分野、例えば洋上風力でありますとか、それから自動車、蓄電池分野でありますとか、こういった成長が期待される分野、これをピックアップいたしまして、それぞれに大胆な市場の目標みたいなものを設置して、ここに投資を呼び込んでいく、ここに大きな市場ができていくと。この中で、先ほどの雇用も含めて増えていくと、こういう考え方でございます。

#156
○小沼巧君 その考え方の具体が分からないから聞いていたのでありまして、残念ながらもう時間もなくなりつつありますし、ちょっと議論をしてみても、こりっとしたお答えは返ってこなさそうでありますから、この点はまた次回に、そのテーマは次回に譲りたいと思っております。
 あわせまして、次は、グリーンの次はデジタルについてもお伺いしてみたいと思うのであります。
 時間もなくなってきてしまいましたから、二つまとめてお伺いできればと思うんですが、やっぱり市場規模と雇用の関係、これがグリーンと同様に分からないのであります。
 デジタル関連法案の質疑のときに、私も内閣委員会で平井大臣に聞いておったんですけれども、成長戦略の柱だみたいなことはおっしゃるんでありますが、具体的な数字は幾らかと言ったら、全く返ってこなかったんですね。その後に、法案成立が、作成された後に、記者会見だったりブログだったりで柱だ柱だといって喧伝して回っている。何かキツネにつままれたような感じをしてしまって、正直、分からなくもないんですが、なぜゆえに成長戦略として信じられるのか、これは疑いがあるのであります。
 雇用についても同様であります。令和二年の五月十九日の経産委員会の場で5Gの法案審議をやらせていただいて、総務省にも答弁を求めていたところでありますが、最近はやりの5Gとかデジタルといったところで、私の観察によるところと、省力化だったり効率化だったりということで人件費カット、そういったことの実証事業が目立つのがありまして、とりわけそれがデジタルの分野ではどうも目立つなと思っているのであります。
 カーボンニュートラルと同様に、ちゃんと成長もしなければならない、そして労働分配率もちゃんと上げて雇用にもつながっていかなきゃならないということが、もし仮にデジタルを成長戦略とおっしゃるのであれば明確に定義されていかなければいけないと、このように思うわけであります。
 そこについて、大臣からの御説明をいただければと思っております。

#157
○国務大臣(梶山弘志君) デジタル化につきましては、これはビジネスのインフラをしっかりと整えるということだと思っております。今回のコロナ禍におきまして、日本の脆弱な分野というのがはっきりとしてまいりました。先ほど言ったグリーンのテーマをまず見るということと、あとデジタル化、ここが弱いということで、これらが整うことによって新たな産業とかサービスが生まれる可能性があるということ。
 さらにまた、そのインフラを整備する段階において、新たな次世代の半導体の整備であるとか、これはパワー半導体であるとか、あとはそのセンサーであるとか、そういった日本がまだ強みを持っているところと、プラス、今後、海外企業と連携をしながらしっかりと生産の拠点も置かなくちゃならないというところ、そういったところをしっかりとしていくということも含めて雇用につながるようにしてまいりたいと思っております。

#158
○小沼巧君 せっかく半導体の話も出てきましたので、ちょっとこれに、また、ごめんなさい、これも明確には通告はしておらず大変恐縮なんですが、成長戦略会議で似たようなこともやって、似たような議論されておりましたね。四月十二日の第九回のものであります。半導体とデジタルとの成長戦略ということで、大臣がプレゼンなさっていたと承知しておるところであります。
 麻生大臣が何か格好いいことおっしゃっておる。本気を入れて産業政策をやるんだということを、大事だと。かつての、それこそ戦後のいとへんから始まって、鉄鋼、造船、自動車、パソコンと、全部通産省が産業政策をやって、財務省等が金をぶっ込んでやってきた。だけれども、日米構造協議とかでどんどんどんどんやられちゃって、一九八〇年代後半に産業政策を放棄したみたいな話もあったわけであります。
 ということの産業政策を本腰でやらねばいけないということもありますし、同時に、かつてシェアをトップで取っておったようなDRAMの半導体、何ゆえに五〇%ぐらいあったものが一〇%ぐらいに停滞してしまったのかということもちゃんと総括して考えなければならないのかなと、このように思っております。
 その反省点、どのように総括しておって、今回の半導体、デジタル産業という文脈ではどういった考えの下、方針の下、検討を進めていかれる、このように考えておられるのか。通告しておりませんので詳細な答弁は不要でありますが、お考えお願いできればと思います。

#159
○国務大臣(梶山弘志君) 先ほど申しましたように、技術では勝っていても、市場化のところで投資額が低かったり、やはり見通しが誤ったりということで、日本の産業というものが半導体等について国際競争力をなくしてきたという現実があります。
 しかし、5G、またポスト5G、6Gという中で新たなチャンスも出てきたわけでありまして、そういった中で次世代の半導体の研究開発、そしてその製造施設をしっかり国内とか関係国と連携をしながらやっていくということでもう一度競争力を取り戻そうと。そして、その結果として、デジタルトランスフォーメーションも含めて新たなその産業基盤、ビジネス基盤をつくった上で、そういった形でいろんな産業の融合、異種産業の融合というものも考えていこうと。
 そういった中で、これらのグリーン、デジタル、しかもグリーンとデジタルというのは非常に親和性があるという中で、しっかりとした対応をして、成長戦略として明確に位置付けていきたいと思っております。

#160
○小沼巧君 通告がないにもかかわらず、御答弁いただきまして、ありがとうございました。
 時間がもう二分ぐらいしかなくなってまいりましたので、じゃ中心市街地活性化についてちょっとまとめて簡単にお伺いします。
 私も法改正の担当者であったということもありまして、もし間違いがあったら、ないしは改善余地があるのであれば一緒に知恵を出し合いながら考えていきたい、こういう思いで昨年も、昨年、一昨年かな、経産委員会などで議論させていただいたところであります。
 そのようなところで、まあ結論からいうと、余り、うまくいっている部分もあるけれども、大宗で見ると余りいっていない部分もあるんだろうなということで指摘しておりましたら、令和二年の三月二十三日に中心市街地活性化促進プログラムということが公表されたところであります。ただ、これが作成されたのはコロナがこんなに深刻になる前の段階であります。頼みの綱であったインバウンド、GoToキャンペーンも頓挫してしまっているような状況であります。
 支援メニューについても、よくよく見てみると、合計で中活の認定を取ると千と六十三の支援メニューがあるわけでありますが、活用されていなかったメニューは六百十九と約六割が活用されていないと。大臣は、経産委員会のところで、合わせ技だと思うんですねということをおっしゃっていただきました。それはそうだと思います。完全に同意であります。けれども、合わせるべき武器のラインナップ自体が陳腐化、時代遅れになってきてしまっておるのではないか、このように思います。
 見直しの規定を待たずして、中活の現状をどのように考え、またさらに、その合わせ技となるべき武器のラインナップ、これの磨き上げをやっていくべきではないかと考えますが、大臣からの御答弁、お願いします。

#161
○国務大臣(梶山弘志君) 法律については、その中心市街地活性化法と、あと都市計画法、しっかり国交省と連携をしながらこれやっていかなくちゃならないということ、そして手法につきましても、今まで活用してきたもの、これらを総括、検討の上、必要なものを加えていく、また除いていくということになろうかと思います。
 これまで、買物の場を提供する、商業機能を回復させるということを中心にしてきた政策でありますけれども、やはり地方においてはコミュニティーというものが失われつつあると。そういったことも含めて、買物、人出ということにつながるような形でどう考えていくかと。従来の手法とは別に、地方創生や、また地方の活力をどう取り戻すかということも含めて、ありとあらゆる政策を総動員して対応してまいりたいと思っております。

#162
○委員長(野村哲郎君) 小沼ケンジ君。

#163
○小沼巧君 小沼巧です。

#164
○委員長(野村哲郎君) 巧君。ごめんなさい。
 時間が来ておりますので、おまとめください。

#165
○小沼巧君 はい、終わりたいと思います。
 八回目の成長戦略会議、中小企業のコミュニティーとか地域における在り方、大臣からおっしゃっていただきましたが、二名の委員から、そういうことは違う、そういうことじゃないんだよということの反論されていたかと思います。その反論に屈せずに是非とも頑張っていただきたいという激励を申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
    ─────────────

#166
○委員長(野村哲郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、吉川沙織さん及び赤池誠章君が委員を辞任され、その補欠として塩村あやかさん及び宮島喜文君が選任されました。
    ─────────────

#167
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。
 私の方からは、今日は総務省の令和元年度決算を中心にお伺いをしていきたいというふうに思っております。
   〔委員長退席、理事古賀友一郎君着席〕
 まず、関連して、この件については、会計検査院が国による地方公共団体の情報セキュリティー強化策ということについて検査を行いまして、昨年一月に報告書をまとめております。
 まずは、会計検査院にこの同検査報告の趣旨並びに所見について御説明いただきたいと思います。

#168
○説明員(原田祐平君) お答え申し上げます。
 会計検査院は、サイバーセキュリティーの確保が喫緊の課題となっている中、国の補助金の交付を受けて地方公共団体が行っている情報セキュリティー対策の強化の状況について、本人確認の精度と安全性を高めるための二要素認証等の導入、LGWAN接続系とインターネット接続系の分割、自治体情報セキュリティクラウドの構築の三層から成る対策は補助金の交付目的に照らして適切に実施されているか、また、地方公共団体における情報セキュリティー対策向上に寄与することを目的として総務省が構築等して運用している自治体情報セキュリティ支援プラットフォームは有効に機能しているかなどに着眼して検査をいたしました。
 検査いたしましたところ、マイナンバー利用端末の一部に二要素認証等を導入していなかったり、メール本文や添付ファイル等を無害化することなく転送していたり、自治体情報セキュリティクラウドにおいて機器等の集約及び監視が行われていなかったり、支援プラットフォームの機能が十分に利活用されていなかったりなどしておりました。
 検査の状況を踏まえた会計検査院の所見といたしましては、総務省において二要素認証等の導入状況を十分に把握するとともに、地方公共団体に対して助言を行ったり、コンピューターウイルスの感染を防止するための方策を改めて明示したり、機器等が集約されるなどして専門人材による監視、分析が行われることなどができるよう必要に応じて地方公共団体に助言を行ったり、支援プラットフォームの機能及び利活用の方法等について地方公共団体へ重ねて周知したりするなどの点に留意して取り組んでいく必要があるとしております。

#169
○平木大作君 今、様々御紹介をいただきました。
 私の方からも例えば一つちょっと取り上げて御指摘させていただきたいんですが、これ、サイバー攻撃などがあったときにどう対処するのか。緊急時対応計画というのがあるんですが、例えばこの計画の中身、標的型攻撃に対応した内容となっていた自治体というのは実に二七%にすぎないということで、これ指摘をされております。
 標的型攻撃ってどんなものかと端的に言うと、自治体がまさに今みたいな情報セキュリティーの対策強化、しっかり取り組まなきゃいけないという発端になった二〇一五年の日本年金機構からの個人情報流出事案、あれも例えば標的型攻撃なわけですね。あるいは、直近でいくと、これ必ずしも公的な、いわゆる政府ではないわけですけれども、アメリカの石油パイプラインに対するサイバー攻撃、これもまさに標的型攻撃のそのものでありまして、今主流となっているものにそもそも計画の内容が対応していないと、結構大きな問題だと思っています。
 また、緊急時対応訓練を実施しているという自治体は二二%ということでありまして、ちゃんと計画の中身に標的型攻撃が対応している、かつ訓練を実施している、二つとも満たす自治体は一二%にすぎなかったということで、改めて準備が万全とは言い難い状況にあるかというふうに思っています。
 これ、報告書の中にも指摘されているんですけれども、やはりこのハードとソフトをしっかりやっていけばそれで済むという問題ではありませんで、運用とかあるいは人的な面も含めてきちっと対応していかないと、やっぱりなかなか追い付いていかないということであります。
 総務省にお伺いします。セキュリティー対策のこういった運用面ですとか人的体制整備について、自治体の取組、どのような形で後押しをしていくのか、お伺いしたいと思います。

#170
○政府参考人(高原剛君) 御答弁申し上げます。
 サイバー攻撃の増加やデジタル化の進展を受け、情報漏えい等の情報セキュリティーインシデントが発生した場合に備え、緊急時対応計画の策定や緊急時を想定した訓練の実施は重要であり、総務省が策定する地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドラインにもこの旨記載し、地方公共団体の対応を促しているところでございます。
 さらに、総務省では、情報通信研究機構を通じて、自治体や民間企業等の情報システム担当者等を対象とした体験型の実践的なサイバー防御演習、CYDERと呼ばれておりまして、これは標的型攻撃に対応した内容となっておりますが、これを実施するとともに、地方公共団体情報システム機構等が実施するインシデント対応訓練等の定期的な受講を求めております。
 また、いわゆる三層の対策の一環として、自治体情報セキュリティクラウドを都道府県ごとに構築し、小規模自治体も含め、広域で高度なセキュリティー対策を実施する体制整備を推進しております。
 総務省としては、引き続き、こうした取組を通じて、運用面、人的体制を含め、自治体における情報セキュリティー対策が適切に行われるよう取り組んでまいります。
 以上でございます。

#171
○平木大作君 今、訓練の重要性ということも含めて御答弁いただきました。先ほども申し上げましたけれども、ここまでやれば大丈夫ということが基本的にないわけですね。
 ちょっと一つ事例を御紹介したいんですが、これ名前は当然出せないんですけれども、ある大手ソフトウエアの企業が、自分のところのいわゆるセキュリティー対策が万全にできているかどうかを確かめようということで、外部的な目を入れようということで、セキュリティー会社にある意味依頼をして自社のシステムに攻撃を仕掛けてもらったということがございました。
 自社システムをハッキングさせるわけですけれども、これ当然自分のビジネス上も簡単に破られてはいけないわけでありまして、ここを破ってくださいといったシステム自体は実はサーバーも含めて全部ネットワークから外してあるというものについて攻撃を依頼したわけですが、実はこれ、いとも簡単に破られてしまっております。
 どうやってやったかというと、これ、ある意味、ネットワークにつながっていないサーバールームのドアの前に、両手にコーヒーを持った方が立っていてうろうろしていると。それを見た、見かけた社内のそこにアクセスを持っている方が、両手塞がっていて中に持っていかなきゃいけないのねということで、知らない人だったけれども、わざわざそのセキュリティーを解除して開けて入れてあげた。結局、どこにもつながっていないものにある意味侵入してハッキングしてしまったということがあったようでありまして、これなかなか示唆に富む話なんだろうなというふうに思っております。
 ある意味、当然こういったものも含めて外部の目も入れながらいろいろ検証していかなきゃいけないんだと思うんですが、やっぱりここから得なきゃいけない教訓というのは、一つは、これ、どんなに物理的に例えば隔離していようが、あるいは最新のソフトウエアで監視していようが、ある意味破れないセキュリティー対策って、でも、ないんだということは肝に銘じてやっぱり運用に取り組んでいかなきゃいけないんだろうというふうに思っています。
 ちょっとこの点は後の問いのところにもつながっていくところなので、踏まえて、ちょっと次の問いに移らせていただきたいと思うんですが。
 先ほど、答弁の中にも支援プラットフォームということもありました。これ、どういうものかというと、総務省として、近年の情報セキュリティー対策の高度化ということにおいて、やはり地方公共団体単独の対策には限界が生じている、こういう問題認識の下に平成二十七年から導入したのがこの支援プラットフォームでありました。
 これ、なかなかいい取組だなと実は思っていたんですね。要は、自治体の担当者がセキュリティーの専門家からネットワーク上で助言を得ることができるとか、あるいは、過去に発生したインシデントの事例みたいなものがアーカイブになっていて、そこを見に行くみたいなこともできるということで、大変これすばらしい取組だと思っていたんですが、ただ、実際は自治体による活用が進まなかったということで、令和二年度末でこの支援プラットフォームの運用というのが終わってしまいました。これ、検査院の報告書にもありましたけれども、全く利用したことがないという自治体がそもそも三割を超えてしまった、あるいは一回だけログインしてそのままにしてしまったというところも一五%だったということで、なかなかこの活用が進まなかったということで、運用自体終了してしまっています。
 改めてお伺いしたいんですが、今後、そうすると、この支援プラットフォームなくなってしまったわけですが、自治体の情報セキュリティー対策の高度化、どう支援していくのか、お伺いしたいと思います。

#172
○政府参考人(高原剛君) 御答弁申し上げます。
 総務省では、平成二十七年度に自治体のインシデント事例の共有、情報セキュリティーの専門家からの助言等の機能を有する自治体情報セキュリティ支援プラットフォームを総務省と全国の自治体が利用可能なウエブサイトとして構築いたしました。しかしながら、当該プラットフォームは自治体の利用実績が少なく、十分に活用されているとは言えない状況であったため、会計検査院から機能の見直しなどの検討を行うよう指摘されたところであります。
 そのため、総務省において検討を行いまして、提供する情報の充実や機能の重複排除等の観点から、当該プラットフォームについては昨年度末をもって運用を終了するとともに、令和三年度、本年度からは、NISCが運営する自治体を含む組織等がサイバーセキュリティーに関する脅威情報等を共有できるシステムであるJISPと言われるシステムに移行をいたしております。
 総務省としては、今後、このJISP等を活用し、NISC等関係省庁と連携しながら、引き続き自治体の情報セキュリティー対策の高度化を支援してまいります。
 以上でございます。

#173
○平木大作君 これ、新しい受皿に移行したということでありまして、この新しいシステムは当初オリンピック向けに準備していたものだそうでありますけれども、これがぴたりとニーズに合うということもあって今御活用いただいているそうであります。しっかりこれ、やはり自治体に使っていただいて初めて意味があるものでありますので、その活用を促すところ、お取り組みいただきたいというふうに思っております。
   〔理事古賀友一郎君退席、委員長着席〕
 続いて、これも先ほどの答弁の中に少し出てきましたが、今現在、この自治体の情報セキュリティー対策、核となっているのが三層の対策と呼ばれているものでありまして、これ、先ほども少し言及したんですが、この二〇一五年の日本年金機構からの個人情報流出事案を受けて導入をした対策であります。これまで、この二〇一五年以降取り組んでつくってきたのがいわゆるアルファモデルと言われているやり方でありまして、基本的にはなるべく接続を、この三つの系統について連携をさせないというような形のものになるんですが、昨年末に改定をしたガイドラインの中で実はこれ見直しをされまして、現在は新たな対策の方向性ということで、ベータモデルということが示されました。
 まず、この改定、アルファからベータへの移行ということの趣旨を御説明いただきたいと思います。

#174
○政府参考人(高原剛君) 御答弁申し上げます。
 三層の対策は、短期間で自治体の情報セキュリティー対策の抜本的強化を実現する一方、内部ネットワークをマイナンバー利用事務系、LGWAN接続系、インターネット接続系の三つのセグメントに分割することなどによる事務効率の低下等の課題がございました。
 さらに、行政手続のオンライン化、テレワーク、クラウド化など新たな時代の要請を踏まえ、先進自治体の取組を参考にしながら、従来に比べ高度なセキュリティー対策を実施することを条件にして、住民情報等を扱わない事務の範囲内で利便性の高いモデルであるベータモデルを採用可能にすること等を内容として、昨年十二月に地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドラインの改定を行ったところでございます。
 以上でございます。

#175
○平木大作君 今御答弁にもありましたとおり、すごく簡単に言ってしまうと、アルファモデルというのは、この三つのセグメントになるべく分けておいて、分けることで、先ほども少し言いましたけど、物理的に切り離すことでセキュリティーを高めるというのが根底にある思想なわけであります。
 ただ、やっぱりこれ、自治体の職員からすると、いろんな業務が一連でつながっているにもかかわらず、LGWANの方に行ったり、ネットに接続する方に行ったり、ある意味使う端末を分けてみたり、同じ作業を本来だったら一つの端末でやりたいところを、手元でやりたいところを移動したり、いろいろやらなきゃいけなかったということで、使い勝手が悪いという指摘が従来からあったわけであります。
 自治体の側でこのシステムについて今お使いになっている皆様の声として、私も承知をしているところでいくと、やっぱりベータモデルに移ることで大分利便性が向上するんじゃないか、こういうお声、評価の声も確かに届いているところであります。
 一方で、今御答弁にもありましたとおり、基本的にはセキュリティー対策を高度化するということとセットということもあって、果たして自分の自治体でこれちゃんとできるんだろうかみたいな話が一つはある。加えて、まさに今の時点で更新のタイミングを迎えているところは、ベータできるかどうか分からないけれども、まだ概念的なものしか示されていない、でも、アルファに今そのまま更新してしまうと今度どうなるんだということでちょっと戸惑いがあるというふうにお伺いをしております。
 ある意味、今の時点で更新せざるを得ないものというのは当然もうどんどんやっていくしかないわけでありますが、例えばアルファモデルで現時点で更新をするにしても、ベータモデルへの移行を容易に行うためのアーキテクチャーを早期に明示するとか、もうちょっと具体的なところも含めて、これで更新すればアルファでも大丈夫ですよといったようなものも含めてきちっと示して、政府としてもこのセキュリティー対策の強化含め自治体の検討をしっかり後押しをしていただきたいというふうに思っておりますが、この点、いかがでしょうか。

#176
○政府参考人(高原剛君) 御答弁申し上げます。
 インターネット接続系に住民情報等を扱わない事務の範囲内で主な業務端末及び財務会計などの内部管理系のシステムを配置するベータモデルは、これらをLGWAN接続系に配置する従来型のアルファモデルと比べ、多様な民間クラウドサービスの迅速な活用、利便性の高いテレワークシステムの導入等に関してメリットがある一方、インターネットからのセキュリティーリスクも増加することとなります。
 このため、ベータモデルの採用に当たりましては、未知の不正プログラム対策や業務システムのログ管理などの技術的対策、CSIRT等の緊急時即応体制の整備、研修等による職員のリテラシー向上などの組織的、人的対策等の従来に比べて高度なセキュリティー対策の確実な実施を求めております。
 一方、自治体によっては、人的、財政的リソースの制限等によってこうした対策を実施できない場合もあると考えております。このため、従来型のモデルであるアルファモデルについても、インターネット経由のテレワーク、庁内無線LAN、一定の場合におけるインターネット経由の電子申請データの取り込み等の具体的な方式の整理、提供など、利便性向上策を示しております。
 総務省としては、各団体や業務の状況に応じて適切な対応がなされますよう、引き続き、定期的な説明会の開催、地域情報化アドバイザーの派遣等を始め、自治体の声をお伺いしながら丁寧な支援を行ってまいります。
 以上でございます。

#177
○平木大作君 是非よろしくお願いいたします。
 今般のこの様々な行政のデジタル化も含めて、自治体の現場の皆様がある意味御苦労されながらこの情報セキュリティーの強化、非常に熱心に取り組まれているということもつぶさにお伺いをしているところであります。そういう中にあって、ある意味このセキュリティーのそもそもの根本のアーキテクチャー自身が大きく変わろうとしている中にあって、無理にベータモデルに移行しなくても、アルファの中で様々な今できることもたくさんあるわけでありますし、そういったところも含めて、適切な判断を自治体ができるようにしっかり御支援していっていただきたいというふうに思っております。
 最後に、大臣にお伺いをしたいと思います。
 改めて、今回のこの会計検査院からの指摘事項、そして本日の議論も踏まえまして、自治体のこの情報セキュリティー対策の強化、しっかりと取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#178
○国務大臣(武田良太君) 自治体においては、デジタル技術を活用した住民の利便性向上や業務の効率化に加え、適正なセキュリティー対策を実施することで安全、安心なデジタル社会を構築することが求められていると認識をいたしております。
 総務省としても、自治体の情報セキュリティー対策について、会計検査院からの指摘事項や昨今のサイバー攻撃の急速な増加、巧妙化等を踏まえ、適切な見直しを行いながら、引き続き、関係省庁と連携して、自治体の体制面や技術面を含めしっかりと支援をしてまいりたいと考えております。

#179
○平木大作君 体制面も含めてしっかりということでありました。
 改めて、今、自治体のまさに行政の一番最前線に携わる皆さんの働く環境も大きく変わろうとしているときでございます。今回のコロナ禍も受けて、ある意味これまで想定していなかった、自治体の皆さん、窓口に今までいらした皆さんも含めてテレワークということも今お取り組みいただいている。そういう中で、やはり現場のいろいろな知恵ってあるものだなと思いますけれども、従来でしたらばインターネット接続系でないとなかなか対応できないと思っていたこのテレワークについて、LGWAN接続系の中でも例えば対処できるやり方があるとか、いろんなことで今現場の皆さんも工夫をして取り組まれているというふうにお伺いしています。
 また、こうやってLGWAN接続系の中でテレワークに取り組んでみたら、実は自治体職員の中に結構このいわゆるデジタル、システムに強い職員が何%かなんですけれどもいらっしゃるということも御指摘をされる有識者の方がおります。こういう方たちが核になって、ある意味自治体の壁を越えて今様々なノウハウというのを共有に取り組まれているというふうにもお伺いしています。
 こういった現場の力も是非活用していただいて、自治体の皆様がしっかりとこの情報セキュリティー対策取り組んでいただけるように大臣からもリーダーシップ発揮していただきたい、このことをお願い申し上げまして、私からの質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#180
○杉久武君 公明党の杉久武でございます。
 本日は、質問の機会をいただき、大変にありがとうございます。決算委員会では、私、約五年ぶりの質問となります。通告に従いまして順次質問をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 私は、参議院議員になるまで、公認会計士として監査という仕事を長年従事してまいりました。その経験から、本日は監査という視点から各省庁に質問をしてまいりたいと思います。
 まず、経済産業大臣にお伺いをします。
 世の中には様々な種類の監査制度というものがございます。その一つがシステム監査であります。システム監査基準では、システム監査とは、専門性と客観性を備えたシステム監査人が、一定の基準に基づいて情報システムを総合的に点検、評価、検証をして、監査報告の利用者に情報システムのガバナンス、マネジメント、コントロールの適切性等に関する保証を与える、又は改善のための助言を行う監査の一類型であると定義をされているところであります。
 経済産業省は今申し上げましたこのシステム監査基準の設定主体でございまして、昭和六十年一月に基準が公表され、数次にわたり改訂がなされ、約三十五年が経過をしたところであります。この間、情報システムは飛躍的に発展をいたしまして、重要な社会のインフラの一つとなったというふうに理解をしております。
 そこでお伺いをいたしますけれども、システム監査がこれまで果たしてきた役割について確認をさせていただくとともに、システム監査が今注目をされておりますこれからの更なるデジタル社会の中で果たすべき役割について、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

#181
○国務大臣(梶山弘志君) システム監査についてお尋ねがありました。
 システム監査は、情報システムの設定、管理、運用状況等について、企業自身又は第三者が点検、評価、検証してシステムの信頼性等を確保するとともに、その結果を対外的に示すことで当該企業に対する信用を高めるものであり、経済産業省としても重要な取組であると認識をしております。
 経済産業省では、システム監査の品質を確保し、効果的な監査を実施するために、システム監査人の行為規範として、昭和六十年に、先ほど委員からも指摘がありましたけれども、システム監査基準を公表いたしました。その後も環境変化等を踏まえて累次の改訂を行ってきたところであり、最終改訂は平成三十年に実施をしております。平成三十年の委託調査によりますと、大企業で約六割、中堅企業で三割弱、中小企業で二割強がシステム監査を実施しており、システム監査は一定程度定着をし、今後更に活用が進むことが期待をされております。
 経済産業省としては、引き続き、システム監査に関する社会的なニーズや国際動向を踏まえながら、必要に応じてシステム監査基準の見直しを行い、信頼できるシステム監査が行われる環境を整えてまいりたいと考えております。

#182
○杉久武君 大臣、ありがとうございます。
 今お話しいただきましたとおり、システム監査、特に経産省所管のこのシステム監査という意味では、主に民間企業を中心に、今先ほど大企業では約六割というお話もございました、そういった形で、今、システムが適切にまた管理運用されているかどうかということを確認する手法としてその役割を果たしていただいてきたというふうに思っております。
 一方で、今注目を集めております行政のシステムに関しての監査の実施状況はどうなっているのか。行政のデジタル化の遅れが指摘される中、先日、デジタル関連法案が成立をし、この秋にもデジタル庁が設立される運びとなったわけであります。
 行政のシステムに関するシステム監査については、ある調査によりますと、官公庁、自治体等のシステム監査の実施率が民間企業に比べて低いんではないか、また監査テーマが情報セキュリティーに偏っているんではないか、このような民間の分析もあるところでございます。
 システム監査が行政では十分に活用されていたのかどうか、これからは、国民がユーザーとなり、国民と行政をつなぐシステムが社会インフラとしてますます重要になってくるんではないかというふうに思っております。正確には、少し内容の異なる、趣旨の異なる話かもしれませんが、例えば、最近におきましても、新型コロナ感染防止のためのアプリであるCOCOAが十分に機能を果たせなかったことや、現在のワクチン接種の予約システムでトラブルが発生したことなどを考えますと、行政が関わるシステムの安定運用を確保していくことは非常に重要な私は課題なんではないかというふうに思っております。
 そこで、行政システムの安定運用のための一つの手段として、定期的なシステム監査が更に重要になると考えますが、政府の見解をお伺いしたいと思います。

#183
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。
 情報システムの安定的、継続的な稼働によるサービス保証などの観点から、システム稼働前も含め、検証、監査が重要と考えているところでございます。
 IT総合戦略室におきましては、システム監査について、デジタル・ガバメント推進標準ガイドラインや実践ガイドブックを策定してきており、このガイドライン等に沿いまして、各府省におきまして計画的にシステム監査を実施していただいているところでございます。
 委員御指摘のように、デジタル庁におきましては、更にこれを強化していくため、システムの安定的、継続的な稼働によるサービス保証や有効性、効率性などの観点からシステム監査に関する基準を策定し、設置法に付与された情報システムの統括、監理の権限を通じ、検証、監査の実施を全省庁に徹底してまいりたいと考えております。
 また、デジタル庁自らにおきましても、国民の生活に重大な影響を及ぼす等の一定のメルクマールに該当するものにつきまして検証、監査を実施したいと考えており、デジタル庁においても検証、監査をしっかりと行える体制を構築してまいりたいと考えております。

#184
○杉久武君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 システムというのは、やはり安定運用を続けるということが非常に大事なポイントでありますので、国民の皆さんからのやっぱり行政の情報管理、システムの信頼を勝ち取るために、このデジタル庁創設を契機に監査体制の充実もよろしくお願いしたいと思います。
 経産省関連の質問は以上となりますので、経産大臣におかれましては御退室いただいても結構です。委員長、お取り計らいをお願いいたします。

#185
○委員長(野村哲郎君) 梶山経産大臣は御退席いただいて結構でございます。

#186
○杉久武君 次に、行政のデジタル化の推進に関しまして検査院にお伺いをしたいと思います。
 先ほども、申し上げますように、この秋、デジタル庁が創設をされます。行政のデジタル化の遅れが問題とされておりますけれども、一方で、集約化された、デジタル化された情報の取扱いについて国民の懸念もあるところであります。そのような状況の中、会計検査院におかれましても、デジタルに是非力点を置いた検査を実施していただくことも重要かというふうに思っております。
 会計検査院が毎年実施する検査報告のうち、指摘事項につきましては、その内容を不当事項や処置要求などに区分分けをいたしまして問題点のフォローアップがなされていくわけであります。ただ一方で、指摘事項には区分されない特定検査対象に関する検査状況というものが、こちらも毎年検査報告されているところでおりますけれども、これは意外とまだその位置付けが十分に知られていないのではないかというふうに思っております。
 この特定検査対象に関する検査状況というのは、不適切な事態が確証を持って指摘するには至っておらず、改善するかどうかは政策価値判断が入るようなケース、又は具体的にこれという改善策が見当たらないけれども何とかしなければいけないと考えられる事項などにつきましては、指摘事項まではいかないものの、検査院としては改善すべきと考える状況について、特定検査対象に関する検査状況として報告がなされ、検査院としての考えを所見として述べられております。
 そこで、検査院長にお伺いをいたします。
 デジタル分野における最近の検査実績としてどのようなものがあるかを確認するとともに、検査院側からデジタルに着目して、例えば特定検査対象にデジタルを含めるなど、国民からの関心の高いデジタルに特化した検査を積極的に実施すべきではないかと考えますが、検査院としてデジタルに関する十分な専門的能力が整っているか、整備されているかどうかも含めて見解をお伺いしたいと思います。

#187
○会計検査院長(森田祐司君) 御指摘のとおり、デジタル化に対応した検査の実施は大変重要な問題であると認識しており、会計検査院といたしましても、重点的取組、重点的に取り組むべき分野の一つとして情報通信、ITを掲げて検査に取り組み、その結果を検査報告に掲記するなどしております。
 例えば、直近の令和元年度決算検査報告においては、国立大学法人佐賀大学において、複数の大学と共同して医療情報支援を行うことを目的とした震災医療システムについて、必要な作業の具体的な実施方法や役割分担等について十分に合意形成がなされていなかったことなどにより全く利用されていなかった事態について不当事項として掲記したり、先ほど平木委員の御質問の際に御紹介いたしました地方公共団体の情報セキュリティー対策の強化について、総務省において必要に応じて地方公共団体に対して助言を行うなどするよう、会計検査院法第三十条の二の規定に基づき国会及び内閣に報告したものとして掲記したりするなどしております。
 デジタルに関する分野は技術の進歩のスピードが著しいことから、御指摘のとおり、デジタルに関する検査には専門的能力が必要であると認識しております。会計検査院といたしましては、外部の専門機関へ派遣を含む研修等によって調査官等の検査能力の向上を図るとともに、任期付職員として民間のIT実務経験者を採用するなどして、民間の視点やノウハウも活用して検査能力を高めるよう努めているところであります。
 さらに、検査においてITを活用するということも会計検査院としての重要な取組であると考えており、情報システムの整備による検査業務の迅速化、効率化や、大量かつ多様なデータを検査に利用するなどの検査手法の充実に努めてまいりました。
 政府においても、デジタル庁の発足を始めとしてデジタル化の推進に向けた更なる取組が行われていくものと見込まれますので、会計検査院としても、引き続き、検査能力の向上に努めつつ、適切に検査してまいりたいというふうに考えております。

#188
○杉久武君 是非、このデジタルの分野につきましては、国民の関心が今非常に高まっているところでありますので、やはり最初が肝腎だというふうに思っておりますので、体制強化も含めて是非取組をよろしくお願いをいたします。
 次に、総務省にお伺いをいたします。
 地方公共団体で内部統制制度が昨年度より開始をされました。具体的には、都道府県と政令市におきましてこの内部統制制度が義務付けをされたわけでございます。
 地方公共団体における内部統制のこの目的というのは、住民の福祉を増進を図ることを基本とする組織の目的が達成されるよう、行政サービスの提供等の事務を執行する主体である首長自らが、組織目的の達成を阻害する事務上の要因を様々これをリスクとして識別して評価し、対応策を講じる、これが内部統制の制度であります。
 この内部統制の制度の導入によりまして、地方公共団体は、組織としてあらかじめリスクがあることを前提として、法令等を遵守しつつ、適正に業務を執行することが求められるわけでございます。こうした組織的な取組が徹底されることによって、首長にとっては、マネジメントが強化され、政策的な課題に対しても重点的に資源を投入することが可能となりますので、私自身、非常にこの制度については期待をしているところでございます。
 適用初年度が経過をいたしまして、まさに今各自治体では取りまとめが進んでいる状況だと思いますが、この地方公共団体における内部統制制度の実施状況について総務省に確認をしたいと思います。

#189
○政府参考人(高原剛君) 御答弁申し上げます。
 内部統制制度は令和二年度に導入されたところでありますが、導入を義務付けられております都道府県と指定都市においては、全団体で内部統制に関する方針を定め、これに基づき必要な体制を整備し、運用しているところでございます。また、その他の市町村における内部統制の導入状況については現在調査中でございます。
 内部統制制度を導入している地方公共団体にあっては、現在、令和二年度における内部統制の整備状況及び運用状況について評価を行い、内部統制評価報告書を作成しているところであり、当該報告書については、今後、監査委員の審査を経て議会に提出され、公表されることとなります。
 総務省においては、各地方公共団体が公表する報告書の内容を調査するなど、必要なフォローアップを実施してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

#190
○杉久武君 これからまさに取りまとめ、評価の結果を見ていく段階になろうかと思いますので、是非この初年度の結果について総務省としてはつぶさに見ていただいて、やはりこれは一つの改善のためのやっぱり手段でありまして、大事なのは、ここからどうPDCAを回していくかということが大事だと思いますので、また調査結果が出たら国会で取り上げさせていただければというように思っております。
 続けて、総務省に確認をいたします。
 地方公共団体における監査機能の一つとして、外部監査人という制度がございます。地方公共団体の外部監査制度というのは、都道府県や市町村など地方公共団体が行っている事務を、地方公共団体の組織に所属しない外部の専門家、いわゆる外部監査人が監査することであります。
 長年、地方公共団体の監査は地方公共団体の執行機関である監査委員による監査委員監査、いわゆる内部監査が実施をされてまいりましたが、この監査委員監査だけでは、内部による監査であり、独立性の問題や専門性の問題、不正事件の未然防止ができないことによる機能性の問題について指摘をされておりました。そして、平成十年に、この問題を解決するため、従来の監査委員の行う監査に加え、外部の監査を行う外部監査制度が導入をされたわけでございます。
 制度導入から約二十年が経過をいたしましたが、この外部監査人制度が地方公共団体の監査に果たしてきた役割について総務省に確認をしたいと思います。

#191
○政府参考人(高原剛君) 御答弁申し上げます。
 地方公共団体の監査については、内部の組織である監査委員による監査を基本としつつ、地方公共団体の監査機能の独立性、専門性を強化するために外部監査制度を設けたところでございます。これによりまして、地方公共団体の行政の適正な運営を確保し、当該地方公共団体の監査機能に対する住民の信頼を高める役割を果たしているところであります。
 外部監査制度を導入した地方公共団体においては、外部監査人が地方公共団体の組織に属さない独立した立場から高度な専門的知識に基づき監査を実施することにより、当該団体の内部からは指摘されにくい事務事業についての改善が促進されるなどの効果があるものと承知しております。
 以上でございます。

#192
○杉久武君 続いて、大臣にお伺いをしたいというふうに思います。
 今、総務省、参考人からお話しいただきました内部統制制度、昨年から導入された内部統制制度、そして平成十年に導入されました外部監査制、外部監査人制度、これはやはり更に私は連携をさせていくことが非常に大事なんじゃないかなというふうに思っております。
 先ほど御説明いただいた内部統制制度というのは平成二十九年の自治法改正で導入されましたが、このときに併せて監査制度の充実強化、こういうのもうたわれたわけでございます。
 その背景といたしましては、繰り返しになります、繰り返しのような話になりますけれども、第三十一次地方制度調査会の答申によりまして、人口減少社会においても、行政サービスを安定的、持続的、効率的かつ効果的に提供していくため、この地方行政体制をより充実したものにしていかなければならない、こういう趣旨であったわけでございます。
 そして、この内部統制制度が導入されることによりまして、地方公共団体では業務フローなどがこれ整理をされていくわけであります。したがって、より効率的かつ広い視野での外部監査というものが可能になっていくわけでございますので、そのような地方公共団体では、より幅広い自治体業務を対象とした外部監査を実施し、行政の効率化と見える化を更に促進をしていく、総務省には是非その後押しをしていただきたいと思いますが、大臣の御見解をいただければと思います。

#193
○国務大臣(武田良太君) 委員御指摘のとおり、内部統制制度を導入した地方公共団体においては、事務処理上のミスや不正行為などのリスクを洗い出し、見える化するとともに、これらのリスクに対する評価と対応策を策定するといった体制が整備されることから、外部監査の実施に当たっても、内部統制制度を前提として、より広範で本質的な監査業務に人的、時間的資源を振り向けていくことができるものと考えております。
 総務省においては、今後、地方公共団体が公表する報告書などを基に、こうした先行取得事例を把握し、紹介するなどして、適正で効率的な業務執行が一層確保されるよう支援をしてまいりたいと考えております。

#194
○杉久武君 是非とも総務省としても御支援のほど、よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
 最後に、保証型検査という点について検査院にお伺いをしたいというふうに思っております。
 実は同じ質問、私、この委員会で七年前に質問をいたしました。指摘型検査から是非保証型検査、こちらに会計検査院としても転換をしていっていただきたいという質問でございます。
 会計検査院の毎年の検査報告は、委員の皆様御存じのとおり、指摘件数や総額というものがこれ毎年報告をされ、メディア等では、今年の税金の無駄遣いは何件で幾らであった、このような報道がされることがよくございます。
 個々の不適切、不適正な事案がないかどうか毎年検査をしていただくこと、これ自体は非常に重要であり、価値のあるものでございます。しかし、毎年のようにこの無駄遣いの報道がクローズアップされる一方で、全体として無駄遣いがどう改善したのかということが非常に分かりづらいというふうに私は感じております。
 加えて、検査院による検査結果、検査院による会計検査の結果、問題箇所はこれ毎年公表されるわけでございますけれども、問題がなかった箇所について会計検査院として何か所見を述べる、保証するということはなされていないわけであります。
 かなり古い分析になりますけれども、会計検査院の信頼性についてのアンケート調査というものが、かなり昔ですが、行われました。その中で、信頼する理由としては、しっかりチェックをして指摘をしているというところであるんですが、信頼しないという理由の一つが、やはり行政の無駄遣いが一向に減らないと、こういう側面を指摘されているような調査も昔ございました。
 したがって、問題箇所だけを指摘する検査方法だけではなく、例えば一定の範囲を絞って、ここの部分については無駄なくしっかりと行政が動いている、こういったことを是非検査院としても指摘をする、表明をするような、いわゆる指摘型から保証する、保証型への検査、こういったものについての転換について是非検査院としても御検討いただければと思います。
 七年前、同じ質問をさせていただいたときは、当時の検査院長からは、現状の検査院法に基づく検査でできることは現状こういう状態だという御答弁ではあったとは思うんですけれども、少しでも踏み込んだ今日御答弁がいただければ大変有り難いと思いますので、森田検査院長に最後御質問したいと思います。よろしくお願いします。

#195
○会計検査院長(森田祐司君) 御質問ありがとうございます。
 会計検査の目的ということについては、院法二十条第二項において、「会計検査院は、常時会計検査を行い、会計経理を監督し、その適正を期し、且つ、是正を図る。」とされているところであります。会計検査院は、適切に会計検査を実施して、会計経理の適正化、是正改善を図っていくことがその務めとなっております。その使命を果たすために、会計検査院は同法に基づき様々な観点からその検査を行っているところであります。
 そして、検査をした結果、違法、不当と認められる事項がある場合には、今も御指摘ございましたように、個別に不当事項として指摘することでありますけれども、それにとどまらず、事態の発生原因を分析するなどして、それが制度等に関して改善を必要とする事項があるかどうかということを検討した上で、会計検査院法三十四条又は三十六条の規定に基づいて、制度や運営の改善を図る、そのような意見を表示したり処置を要求したりするということをしているところです。
 このような検査結果を受けて、検査対象機関において是正や改善の措置がとられて検査の効果が発揮されることにより、委員まさにおっしゃるとおり、問題がない行政、問題がない行政につながっていくんではないか、そのようなことを考え、日々検査に打ち込んでいるところでございます。
 会計検査院としては、引き続き、適切に検査を実施し、院法の目的にあります会計経理の適正化、是正改善に努めてまいりたいというふうに考えております。

#196
○杉久武君 検査院長、ありがとうございます。
 今の問題指摘型、これも非常に大事でありますけれども、やはり最終的に国民が望んでいるのは、やはりしっかりとした問題のない行政である、それがやはり外部の目からしっかり検証されているという形を私は目指していくべきではないかなというように思っておりますので、また私自身も取り組んでまいりたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
 時間になりましたので質問を終わります。ありがとうございました。

#197
○片山大介君 日本維新の会の片山です。
 私は、今日はカーボンニュートラルの実現に向けた取組について伺っていきたいと思います。
 私はふだん環境委員会に所属しているんですけれども、小泉大臣に質問しても所管が違うから答えられないということが結構多かったんで、だから、今日はせっかく質問の機会いただいたので、梶山大臣に大いに伺っていきたいなというふうに思います。
 まず、先月の気候変動サミットで、直前に総理が公表した温室効果ガスの二〇三〇年度の新たな目標、二〇一三年度比で四六%減についてなんですけど、この数値の決定にめぐってはいろいろなやり取りがあったというのはもう承知をしております。ただ、その経緯を改めて聞きたいのと、そして、いまだに分からないのがこの四六%の根拠なんですよ。これも併せてお伺いしたいんですが、そこをお願いします。

#198
○国務大臣(梶山弘志君) 二〇三〇年に向けては、これまでもエネルギー基本方針の見直しに向けた総合資源エネルギー調査会や、地球温暖化対策計画の見直しに向けた中央環境審議会、産業構造審議会の合同会合等を踏まえて、二〇五〇年カーボンニュートラルの目標を、議論が進んでいるところであります。
 四六という数字は、確実性の高い対策を緻密に積み上げたわけではありません。これまで総合資源エネルギー調査会での議論の積み重ねを踏まえて、また二〇五〇年カーボンニュートラルに整合させるように野心的な目標として、四月二十二日に地球温暖化対策推進本部において総理より表明をされたものと考えております。
 今後も、十一月のCOP26などの一連の国際会議が予定をされておりまして、各分野における具体的な施策の検討を加速し、削減目標の内訳を示してまいりたいと考えております。

#199
○片山大介君 そうなんですよね。だから、まあ国際社会に押されてというのも一つの要素だったのかなというふうに思いますけど。
 ただ、大臣はこれまで、あれですよね、三〇年度目標、積み上げ式じゃないとというふうにおっしゃっていたと思うんですよね。それで、今回の四六%、今言われたように積み上げ式ではなくて、それで、しかも、二〇三〇年度って実はもう九年後ですから、結構早いですよね。だから、そうした中でどのようにその実現をしていくか、エネルギー政策との整合性を取って。これはイノベーション頼みじゃ駄目なんだと思うんですけれども、そこら辺はどのようにお考えでしょうか。

#200
○国務大臣(梶山弘志君) 今回の目標は、地球規模課題の解決に我が国として大きく踏み出すために、二〇五〇年カーボンニュートラルと整合的かつ野心的な目標として菅総理が表明をされたものというのは先ほど申し上げたとおりであります。この野心的な目標に向けて、CO2排出の大宗を占めるエネルギー部門の取組と製造業等の構造転換が不可欠であり、産業界とも密接に連携して取り組んでいくことが重要でありまして、産業界との対話ということはずっと継続をしてきております。
 具体的には、二〇五〇年を見据えて、電化と電力の脱炭素化、水素社会の実現、CO2固定、再利用といった重点分野における技術開発、技術実装に取り組みながら、二〇三〇年に向けては、徹底した省エネ、そして再エネの最大限の導入、安全性最優先の原子力の再稼働などを進めてまいりたいと考えています。
 新たな目標はこれまでの目標を七割引き上げるものでありまして、決して容易なものではないと考えております。他方、気候変動への対応は、我が国経済を力強く成長させる原動力になるとも考えております。こうした考えに基づけば、次の成長戦略にふさわしい野心的な目標であると考えております。
 引き続き、産業政策を所管する大臣として、新たな目標を踏まえて、技術、社会面での制約やコストにも配慮しつつ、産業の国際競争力の維持強化と両立できるよう、必要となる投資を促す支援、刺激策を含めて検討を加速してまいりたいと考えておりますけれども、私どもはやっぱり産業界にしっかりと実行していただく、そして実現を担保するだけのものをしっかりと我々も話し合っていくということだと思っております。
 二〇三〇年の目標というのは九年後、委員がおっしゃるとおり九年後ということで、現状ある技術で、ある技術と手法によってどれだけできるかということになろうかと思います。イノベーションはやはりその次の段階で、どういった形で入ってくるかというのは二〇三〇年以降で見えてくるものだと思っておりますので、先ほど申しましたように、省エネと再エネの最大限導入と、今、原子力の利活用ということで対応してまいりたいと考えております。

#201
○片山大介君 大臣のおっしゃるとおりで、もうそのやれることを全部やんなきゃという感じなんだと思うんですけど、ただ、やっぱりどうしてもまだ具体性がちょっと弱いなと思って、それで、そんな中で政治が果たす役割というか、政府がやっていくことというのをちょっと聞いていきたいんですが。
 まず必要なのが、これまで経産省が検討を進めてきたものをもう一度見直す必要があるんじゃないかと思っていて、それが今日の一つお聞きしたかったエネルギー基本計画であり、電源構成なんですけれども。これ実は、配付資料を今日ちょっと用意をしてきて、これ一枚目、一番目なのかな、これがその今の見直し前の電源構成なんですけど、まあどっちにしても今年は見直す予定だったんですけどね。ただ、それでも四六%を想定して見直しはこれまでやらなかったと思うんですよ、やってこなかったと思う。だから、今回、四六%減ということで、かなりこれ、もう一度、今やっている作業をもう一回見直す必要があるんじゃないかと思いますが、まずそこから始まるんじゃないかと思いますが、そこはどうでしょうか。

#202
○国務大臣(梶山弘志君) エネルギー基本計画の見直しに向けては、総合資源エネルギー調査会において、二〇三〇年に向けたエネルギー政策を含め集中的に議論を深めているところであります。
 この議論、始まったのが十月の初めです。十月の二十六日に、総理がカーボンニュートラル、二〇五〇年のカーボンニュートラルを宣言をいたしました。そういった中で議論を深めてきたわけですけれども、また四月に二〇一三年比で四六%ということですから、これを深掘りをしていくということになろうかと思います。
 この中で、例えば二〇三〇年の省エネ量の見通しを、従来の五千三十万キロリットルから五千八百万、さらには六千万キロリットル程度に見込んで更なる深掘りを今検討しているところであります。再エネ拡大に向けた環境アセスの要件緩和などの政策の強化、二千九百億キロワットアワー程度を示して、更なる政策対応によりどの程度導入拡大が見込めるかということも深掘りを今しているところであります。原子力については、国民の信頼回復に努め、安全最優先の再稼働を進めていくこと、石炭火力などについては、安定供給確保を大前提に、できる限り電源構成の比率を下げていくことといった論点について今加速をして議論をしているところであります。
 総理から表明がなされた新たな二〇三〇年目標に向けては、こうしたこれまでの議論の積み重ねも踏まえて引き続き集中的に議論をして、エネルギー基本計画の見直しについての結論を出してまいりたいと考えています。

#203
○片山大介君 その大臣が言われた今深掘りというのがどの程度の意味を成すのかと思うんですけれども、専門家とかはもう一から見直してやっていった方がいいぐらいじゃないかという話はやっぱりしているというふうに思うんですよね。
 日本の場合は、温室効果ガスの九割がエネルギー起源のCO2ですよね。だから、ここで書いているこの電源構成をどうするか、どの電源を使っていくかというのが実は最大のこれ温暖化対策になっているんですよね。
 特にその中でも今回鍵を握るというのは、もう御存じのように再生可能エネルギーで、小泉大臣はよくよく今の日本のポテンシャルは二倍あるって言っているんですよ。二〇一九年がこれ一八%ですから、この資料を見ると、二倍というと三〇%後半になるんですよね。
 実は、もう新聞が最近、このミックスのこと、かなり書いていて、今日もどこかの新聞が書いていて、見直し後の電源構成で再エネは三〇%台後半というふうに、どこから漏れているのかよく知らないですけれども、大臣はそこら辺、どのようにお考えですか。

#204
○国務大臣(梶山弘志君) 環境省の再エネポテンシャル調査の試算結果については承知をしております。どれをベースに言っているかというのもいろいろあると思うんですけれども、ポテンシャルは一定の仮定に基づく試算ということで、本当に実際にそこに置けるかどうかということも含めて考えていかなければならない課題であると思っております。しっかり実際の導入に向けてつなげていくことが私どもの仕事であると思っております。
 再エネの更なる導入拡大に向けて、研究機関や事業所など様々な方へ実施したヒアリングにおいて、平地が限られているといった立地制約がある、地域の懸念が高まる中で実際に事業実施可能な適地が非常に限られている等の御意見を複数いただいております。例えば、ドイツが面積等々で大体日本と比較できるわけですけれども、平地の面積というのは日本の倍ある。でも、実際導入しているのは日本の方が倍だというようなこともあります。
 実際にこれからどこにどういった形でできるかということも、本当に次の、例えば温対改正法等でポジティブゾーニングも含めた形で省庁の別なく考えていかなければならないと思っております。二〇三〇年に向けた再エネの最大の導入に当たって、地域との共生を図りつつ適地を最大限確保していくことが重要でありまして、環境省も含めた関係省庁と連携をしっかりとしてまいりたいと考えております。

#205
○片山大介君 私は、風力の業界に聞くと、例えばこれ、今のその三〇年度目標だと風力は一・七%って書いてあるんですけど、これ風力業界に聞くと、もうこれ十分これを上回るの可能だと言っているんですよ。もう既にその計画はそれ以上が見込まれているし、それから、政府が高い目標を出してくれれば、それに合わせられるとまで言っているんですよね。
 だから、そうすると、さっき積み上げということもちょっと言いましたけど、積み上げというのは、結構政府が野心的な目標を設置すれば、そうしたらやっぱり事業者の方も動いていくという、やっぱりこういうのがまず政府の役割なんだと思うんですけど、そこで余り抑えるよりも野心的な目標を設定する、ここが大切だと思いますが、どうでしょう。

#206
○国務大臣(梶山弘志君) まさにおっしゃるとおりだと思います。洋上風力、我々まだ手が付いておりませんけれども、二〇三〇年で一千万キロワット、そして二〇四〇年で四千五百万キロワットというような目標を掲げております。その目標を掲げたところで、民間からはいろんなコンソーシアムができてまいりましたし、自分たちもしっかりやっていくということで、官民協議会の中での議論をされているところであります。
 おっしゃるように、高い目標をしっかりと掲げること、我々も上限、下限があればやっぱり上限をしっかり目指してやっていくということが趣旨だと思っておりますので、しっかり最大限の努力をしてまいりたいと考えております。

#207
○片山大介君 そして、今日は石炭はやめようと思っているんですけど、いや、ちょっと原発ですよね。
 それで、原発と再エネを足したのが、あれですよね、非化石電源。だから、二酸化炭素を排出しない、脱炭素電源とも呼ばれているんですけれども。今、これは、今ので見ると大体四四%。それで、原発の方は二二、まあ二〇から二二%なんですけど、実際、今原発動いているのは六%ぐらいなんですよね。だから、今後九年ということを見ていくと、これ福井の原発のように延長もするだろう、再稼働も進めていくだろうとは思いますけれども、だけど、この数字はなかなかやっぱり難しくなるんじゃないかと。
 これも、新聞記事によると、どうもこの数字は据置きにするんじゃないかという、二割ぐらい保たせるんじゃないかというんだけど、ちょっとここら辺はどのようにお考えでしょうかね。

#208
○国務大臣(梶山弘志君) 今、総合資源エネルギー調査会で集中して議論をしているところでありますけれども、二〇五〇年のカーボンニュートラルと整合的かつ野心的な目標である二〇三〇年の新たな削減目標を踏まえて、安全確保を大前提として、安定供給や経済性のバランスも取りながら、原子力を含む新たなエネルギーミックスについて検討を進め、結論を出していきたいと考えております。
 原子力については、十年前の事故以来余り触れないで来たという部分もあろうかと思います。私はタブーなしでしっかり議論をするということ、重要なことだと思っております。そして、さらにまた、例えば再エネ一〇〇%でできるという方もおいでになれば、とても調整電源がなくちゃできないという方もおいでになる。全ての議論をしっかりとした上で、こういった中で決めてまいりたいと思っております。

#209
○片山大介君 だとしたら、大臣、原発がこの今のままの据置きでいいのかってやっぱり思っちゃうわけですよね。やっぱり、もしその原発が、今のような二割ぐらいまで行かなかった場合となると、そうすると非化石電源がやっぱり目標まで行かなくなっちゃう、そうすると化石電源を上げなきゃいけなくなってくる。だから、そうすると、原発が今よりも余り伸びなかったとき、それの代替案を考えておかなきゃやっぱりいけないと思う。やっぱりそれはもう再生可能エネルギーしかないんですよね。
 だから、基本的には、現実的には再生可能エネルギーをより高く設定しておいて、原子力はそれでもし上乗せできたらそれでいいというか、だから、そういう考え方で考えていかないとなかなか現実的ではないなというふうに思うんですけど、そこら辺はどのようにお考えですか。

#210
○国務大臣(梶山弘志君) 再生可能エネルギーを最大限導入をしていくということで、今委員がおっしゃったような数値の設定というものもありますけれども、できる限りその阻害要因をなくしていくということであります。適地の確保、また系統の増強も含めた形でやっていく。そして、さらにまた、新たな取組である洋上風力についても、官民協議会の中で様々な規制について議論をしているところでありますけれども、アセスも含めて、できる限り早くできるような取組をしていくということであります。
 原子力についても、今の政府の方針であります再稼働について、安全を最前提に、地元の了解を得ながら再稼働を図っていくという中で、できる限り、どれがどうだということではなくて、さらにまた、水素やアンモニアといった新たなプレーヤーも含めて加えていくということで、総動員でしっかりと対応してまいりたいと考えております。

#211
○片山大介君 タブーなしでというのであれば、是非そこをきちんと考えていただきたいなと思います。
 それで、ちょっと私の時間が余りないので、次は、先ほど小沼委員からもあったんですが、やっぱりグリーン成長戦略、私もこれ気になっていて、これすごく大切なんですけど、これはカーボンニュートラルの実現に向けて去年の暮れに経産省が作ったと。
 それで、それはどういうものかというと、簡単に、まとめたというほどでもないんですが、これ二枚目の資料というか、二番目なんですけど、この各十四分野、それで、十四分野でもそれぞれの二〇五〇年までのロードマップというのを策定しているんですけど、これを見ると、日本の産業競争力を高める上でどの分野に重点的に取り組むかという戦略的な視点がすごく薄いんですよ、正直言うと。それで、いや、これ各業界の何か業界目標だとか希望的観測をもう並べたにすぎないような感じだと。で、さすがにそれを経産省の方に聞いたら、来月にちょっとバージョンアップさせますと、各分野のその目標、実現目標を具体的に示しますと言っているんですが、どれくらいそれ出せそうですか。

#212
○政府参考人(矢作友良君) お答え申し上げます。
 今のグリーン成長戦略につきましては、夏に向けてしっかりもう一回その調整してやるということで、現在いろんな調整を経ているところでございまして、まだ中身について申し上げる段階にないと思ってございます。

#213
○片山大介君 まあ余り言わないですけど、だけど、戦略的な、あっ、大臣、言えますか。

#214
○国務大臣(梶山弘志君) 十四分野全てについて、各関連をしている企業に大体ヒアリングをしてまいりました。そういった中で機械的に積み上げたのが、今総額で言われる百九十兆円、雇用効果は一千五百万人ということであります。
 さらに、その中身について個別について言うと、例えばテーマによってはもう限られた企業しかやっていないものもあるということで、企業のそのテーマに対する取組も分かってしまうということもあり、なかなか機微な情報もあるということなんですけれども、できる限りこれは細かく出していきたいと思っておりますし、バージョンアップをその都度しながら皆様にお示しをしていければと思っております。

#215
○片山大介君 時間があるようで余りないですから、だから、この戦略的な絞り込みってもうやらなきゃいけないですよ。
 それで、そのうちの一つの鍵というのかな、その二兆円の基金についても聞きたいんですけれども、まだ、これもNEDOの中につくるということなんですけれども、これ、過去の、何ですか、基盤技術研究促進事業では六百億の欠損出したりとか、余り成果出ていないケース、実は多いんですよね。
 だから、今回それ十年という基金の期間が長くて、それで今言ったようにきちんとやるというんであれば、これ過去の失敗をどう教訓を分析してどのように生かしていくかというのは聞いたことがないんですけど、そこら辺はどうなんですか。

#216
○政府参考人(矢作友良君) お答え申し上げます。
 今委員から基盤技術研究促進事業、これについて御指摘ございました。特にその前身でありますその基盤センターの事業、こういったものにつきましては会計検査院からも御指摘ございまして、これは、特にその終了時において、研究開発に関する目標、ここについては達成できていると、ただ、その事業化が進んでいないということで出資金の回収が困難になっていると、こういった指摘を受けてまいったわけでございます。
 今回、これを受けまして、その研究開発の成果を事業化に結び付ける、こういった取組の必要性が重要であるということでございまして、こういった認識に立ちまして、この二兆円の基金につきましては、研究開発にとどまることなく社会実装をどうやって支援していくか、この点につきまして、経済産業省が中心となりまして、事業全体において、技術面、経営面、それから事業面、一貫性のあるモニタリング、評価体制を構築していきたい。
 その上で、企業を始めとしてそのプロジェクト関係者が長期にわたって粘り強く取り組めることを求める仕掛けということを、こういった仕組みを設けているわけでございまして、具体的に申し上げますと、企業の経営者に対して、毎年技術や経営などの分野の有識者で構成する産構審のワーキンググループ、ここでその企業の経営者からコミットメント、これについて取組状況の説明を求めまして、取組が不十分な場合については改善点の指摘を行うといったきめ細かいモニタリングを行っていくというふうに考えてございます。
 その上で、当初経営者が表明した経営課題としての取組、このコミットメントが、このコミットメントに対する取組が不十分であると、こういった場合には、その事業を中止して委託費の一部返還を求める、あるいは事業終了後も社会実装に取り組む、そういったことを条件に目標の達成度に応じて支援を手厚くする、成果報酬のようなインセンティブを付与すると、こういった仕組みを導入することとしてございます。
 こういった仕組み等を通じまして経産省としてもしっかり事業の進捗を管理していきたいと、このように考えてございます。

#217
○片山大介君 是非そこ、しっかりやってほしいんですよ。それで、基金も二兆円で、今後やっぱり増やしていきたいんだと思うんですよ、更に基金をね。だとしたら、これきちんとやれるかどうかって物すごく大切ですからね。
 そして、あと先ほど言ったように、やっぱり一番大切なのは、この基金によって投資と雇用がどれだけ創出できるかなんですよ。そして、内外に市場が拡大していくのかどうか、ここの分析きちんとやらなきゃいけない。
 経産省がさっき言ったように、去年の暮れにまとめたときに、その百九十兆円の経済効果って単純に足し上げただけで、それじゃ駄目なんですよ。アメリカはそれやろうとしているわけですよ、アメリカのグリーン戦略というのは、あれ雇用対策と言っているんだから。だから、それをきちんと経産省やらないと、本当にこれをみんな活用しないと思いますので、是非頑張っていただきたいと思います。
 じゃ、終わります。

#218
○柳ヶ瀬裕文君 日本維新の会の柳ヶ瀬裕文でございます。
 今日は原発処理水の問題についてお伺いをしていきたいというふうに思いますけれども、先ほど勝部さんの質疑を聞いておりました。で、大臣にお伺いをしたいんですけれども、その高レベル放射性廃棄物の最終処分場がいまだに決まっていないという現状があります。先ほどのお手紙、出されたお手紙も読みましたけれども、将来世代に先送りさせないんだという強い決意を述べられていましたが、これ、原発が運用されてからもう五十年たとうとしているわけです。しかし、この最終処分場が決まっていないと。
 これ、当然、これだけの廃棄物が出るということは当初から分かっていたはずなんですよね。もちろん、方針の転換もあった、そのことを存知していますけれども、この現状に至った原因についてどのように考えて、反省をされていらっしゃるのか、そして、それを基にこの問題をどのように解決されようとしているのか、この点について、もしよろしければ、通告はしていないんですけど、お聞かせいただければと。

#219
○国務大臣(梶山弘志君) もう半世紀にわたって原子力発電をしてきているわけであります。そして、先ほど申しましたけれども、使用済燃料、その本来のスペースの八割近くになってきているという中で、今待ったなしの課題であると思っておりますけれども、委員おっしゃるように、これ最初から想定をされていたといえばそのとおりでありまして、こういったことも含めて立地対策等を行ってくるべきであったと思っておりますけれども、その時々で研究開発、その最終処分のものをどう保管するかということも含めて、そういった研究開発も進めてきたと思っております。
 そしてまた、ずっとそういった形、世界中の国々と連携をしながら、そういった技術開発もしてきたということでありますけれども、現実にやっぱりまだまとまっていないと。フィンランドのみが現実にまとまっているということでありますから、遅きに失したと言われれば、それは甘んじて受けた上でしっかりと対応をしていきたいと思っております。

#220
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。
 私は、やっぱり政治は政治の責任を果たしてこなかったというふうに思っています。ですから、やっぱり困難な問題というのはたくさんあるんですよね。でも、それを先送りして何も解決しないですよ。ですから、どこかでしっかりと決断をするその必要がある。でも、その決断にはかなり大きなエネルギーが必要で、落ちているボールを誰も拾おうとしないと、みんなで見合って、もしこのボールを拾ったならば自分はけがするんじゃないかなと、投げてミスをしたならば自分が責められるかもしれない、そういう中で、政治があらゆる困難な問題に真っ正面から取り組んでこなかったという大きな問題があるんではないかというふうに思います。
 ですから、今回の原発処理水の問題について、菅総理が、私のときにしっかりと解決するんだということをおっしゃって、そしてこの決断をされたということ、この点については高く評価をさせていただきたいというふうに思いますし、私たち日本維新の会は、これ二〇一九年の十月七日に緊急提言を出しました。これは、海洋放出を決断すべしというのを今から二年前に私たちは提言をさせていただいたわけであります。私もこの事務局長、タスクフォースのですね、党内のタスクフォースの事務局長としてこの取りまとめをさせていただきましたけれども、やっぱりこの復興ということを考えたときに、今直面している課題に真っ正面から取り組んでいく、そういう姿勢が必要なんではないかというふうに考えております。
 ただ、その中でも、この提言書を取りまとめたときにも幾つか前提がありまして、その前提がきちんと履行されるのかどうかということをちょっと確認をさせていただきたいというふうに思っております。
 まず、トリチウムについてなんですけれども、今回、トリチウムに関しては、ALPSによって各核種に関しては除去されるということですが、トリチウムに関しては分離がされずにそのまま放出をされる。これは必要な分に希釈をされて出される。千五百ベクレルにまで落とすんだということはよく知っているわけですけれども、これトリチウムを分離する技術については現状どのような見解を持っているのか、この点についてお伺いをしたいと思います。

#221
○政府参考人(新川達也君) お答え申し上げます。
 トリチウムの分離技術につきましては、経済産業省としては、過去に複数の技術の実証試験を実施をいたしまして性能等を評価をしております。その中で、いずれの技術もデータの精度や再現性、分離性能等に課題があり、直ちに実用化可能な技術はないと評価をされております。
 また、原子力に関して高い専門性を有する国際機関であるIAEAも、昨年四月にトリチウム分離技術について、現在解決可能な技術を承知していないという認識を示しております。
 こうした状況を踏まえれば、日々汚染水が発生している現状におきまして、実用化のめどが立っていないトリチウム分離技術は現実的な対応になるとは考えておりません。他方で、技術の進捗については引き続き注視しており、実用化可能な技術があれば、改めてその技術の導入の可否について検討することとしております。
 なお、政府方針の決定を受けまして、東京電力は、国内外からの新たな技術的提案を外部専門家が評価、助言する新たな枠組みを構築する予定としております。こうした枠組みを活用していきたいと考えております。

#222
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。
 私もこの二年前の取りまとめに当たって、各大学の方を回って、このトリチウムの分離技術を持っているんだといった研究所にお伺いをしてまいりました。ですから、正確に言えば、これはトリチウムを分離する技術はあるんですよ。あるんだけれども、できるのは試験管とか、極めて少量のレベルでは分離する技術はできた。けれども、これを大規模に、あれだけの今たまっている水を処理するような実用化された技術はないというのが正解なんだろうというふうに思いますから、これは正確にお伝えをする必要があると思いますよ。
 なぜなら、これ、私、シンポジウムをして、この原発処理水を放出すべきというシンポジウムをやったときに、会場にいた方から、いや、分離技術あるじゃないかと、それをなぜ使わないんだというような話があったわけですね。ですから、ここはしっかり誤解ないようにお伝えする必要があるだろうというふうに思いますので、お願いします。また、この技術はどんどんイノベーション起きますから、そのイノベーションをしっかりと注視をしていただきたいというふうに申し上げておきたいと思います。
 このトリチウムの取扱いについて、やっぱりこれを的確に分かりやすくどれだけ伝えることができるかということが、この安全性を国民の皆さんに分かっていただくためのキーなんだろうというふうに思っています。ですから、このトリチウムというものが普通の雨や水道水にも含まれているということ。また、今回排出する千五百ベクレルという基準ですけれども、これは国の基準の六万ベクレルの四十分の一であるということ。じゃ、この国の基準というのはどういう基準なのかといったならば、この六万ベクレルというのは、七十年間毎日二リットル飲み続けても被曝線量が一ミリシーベルトに達しないレベルだということですね。
 じゃ、一ミリシーベルトというのはどのぐらいのレベルなのかといったならば、CT検査を一回受けると二・四ミリシーベルトから十二・九ミリシーベルトぐらいの被曝線量となると。エックス線だと三ミリシーベルトというレベルであるということですね。この辺りをしっかりと分かりやすくお伝えをしていくということが何よりも肝要なんだろうというふうに思います。WHOの飲料水基準は一万ベクレルということですから、これの六分の一程度にして排出をするんだということ、これも併せてしっかりとお伝えをいただきたいというふうに思います。
 もう一点は、タンクでの長期保管ができるのではないかという話をよく私のところに言ってこられる方がいらっしゃいます。じゃ、なぜこのタンクの長期保管というオプションを外したのかということですけれども、この点についてお伺いしたいと思います。

#223
○政府参考人(新川達也君) お答え申し上げます。
 ALPS処理水の取扱いにつきましては、時間を掛け丁寧に議論を進めてきております。検討を行う中で、御指摘のようにタンクでの陸上保管の継続を求める御意見というのもいただいております。陸上保管については、敷地の内外両方あり得るということだと思っておりますが、まず敷地内での保管継続に関しましては、立地自治体から、復興の進展のためにタンクの保管継続は望まないことや、タンクの存在自体が風評要因の一因になることなどの御指摘をいただいていることに加えまして、長期保管に伴い老朽化や災害による漏えい等のリスクが高まるという指摘もございます。また、タンクにつきましては、いずれ処理水を何らか処分した後に、そのタンクそのものが廃棄物になるという、そういった課題もございます。
 廃炉を安全かつ着実に進めていくためには、今後、取り出した燃料デブリや使用済燃料の保管施設や廃炉作業に伴い発生する廃棄物の保管施設を設置するための大きなスペースが必要でございます。小委員会での議論やタンクが敷地を大きく占有している状況を踏まえれば、廃炉作業に影響を与えない形で長期保管用のタンクを福島第一原発の敷地内に更に増設する余地は極めて限定的と考えております。
 一方の敷地外でございますけれども、こちらにつきましても小委において検証をいただいておりまして、保管施設を設置する自治体のみならず、その輸送ルートの自治体の理解を得ることや、保管施設輸送時の漏えい対策等について原子力規制委員会からの許可が必要となることなどの理由から、相当な時間を要するとの指摘がなされております。
 こうして、こうした留意点を踏まえますと、ALPS処理水を別の地域に持ち出した上で保管することは、直ちに実施可能な案にはならないと考えております。
 以上でございます。

#224
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。
 ですから、この長期保管は、結局、その問題の先送りにしかならないんですね。トリチウムの半減期は十二年間、約十二年ということですけれども、じゃ、十二年間保管しておけばいいのかといったらそうではないですね、十二年後にまだ半減期ですから。まだ半分の放射能が残っておるという状況でありますから、またそこのタイミングで放出をするならば、やっぱり適当な希釈をしなければいけないということになると思います。
 ですから、これはタンクを造り続ければいいじゃないかという議論があるんですけれども、これはあくまで問題の先送りでありますし、またその、じゃ、タンクそのものはどうなっていくのかといったならば、巨大なこれは核廃棄物になるということですね。一基当たり数十トンですか、廃棄物量が数十トンということですから、今千基あります。ですから、もう既に数万トンの巨大な鉄の塊が、この廃棄物をどうして、どう処理していくのかということも大きな課題ですけれども、これを造り続けるわけにはいかないという問題もあるんでしょう。
 それから、立地自治体の皆さんがこの長期保管をかなり懸念されているという問題もあると思います。この点をしっかりと、長期保管ということができない理由ということも分かりやすく御説明をいただきたいというふうに思います。
 懸念点は、ALPSがしっかりと稼働をして、告示濃度以下まで、しっかりと基準値まで落とすことができるのかどうなのかといったことは懸念点として挙げられるというふうに思います。この懸念を解消するためには、モニタリングをしっかりとやっていくということが何より重要だというふうに思いますけれども、このモニタリングに関しては、これまで様々な話がなされてきましたけれども、私はやっぱり放出時に、希釈されたものが放出時にどれぐらいの濃度があるのかということをしっかりと検証する必要があると思います。その検証に関しては、しっかりと第三者の目を入れていくということが何より重要だというふうに考えます。
 それは、これまで東京電力が様々な発表をしてきました。そこに虚偽の事項が含まれていたということがかなりありました。そのことによって、国民の信頼から大きく失っている、毀損されているという実態があるわけですよね。ですから、東京電力の発表では誰も信用しないという状況になる。ですから、第三者の目をしっかりと入れていくことが必要だというふうに考えますけれども、この点についてお伺いしたいと思います。

#225
○政府参考人(新川達也君) お答え申し上げます。
 まず、ALPSの性能でございますけれども、基本方針では、ALPS処理水の海洋放出に当たり、実際の放出に先立ちまして放射性核種の濃度を第三者の関与を得つつ厳格に測定し、仮にトリチウム以外の核種が希釈前に規制基準を超える場合には基準を満たすまで繰り返し浄化処理を行うこととしております。このため、ALPSに必要な性能は、トリチウム以外の核種について規制基準を下回るレベルまで浄化することができる能力であると考えております。
 こうした観点から、昨年秋に東京電力において、過去にALPSにより浄化したものの一度の処理では規制基準を下回ることができていなかったものについて、改めてALPSによる浄化を行うことで規制基準を下回ることができるのかという性能試験を実施しております。その結果としては、十分に浄化する能力があるということを確認をしております。
 また、モニタリングにつきましては、公衆や周辺環境の安全を確保するために、規制基準を厳格に遵守することはもちろんのこと、放出前のALPS処理水の水質や放出後の漁場等の状況を確認するべく、丁寧にモニタリングを行うことが重要でございます。
 モニタリングについては、政府全体として、環境大臣を議長とするモニタリング調整会議で議論されておりますが、経済産業省といたしましても、モニタリングの実施に当たっては、客観性、透明性を確保するために第三者の関与を得ることが不可欠と認識をしております。
 具体的には、IAEAの協力を得てモニタリングの手法や分析能力についての信頼性を確保すること、東京電力が実施するモニタリングのための試料採取や検査等に農林水産業者や地方自治体関係者などの第三者が関与すること、海洋環境の専門家などによる新たな会議を立ち上げ、政府による海域モニタリングの実施状況について確認、助言を行うことなどによりモニタリングの客観性、透明性を確保することとしております。
 先般、四月の十四日にIAEAのグロッシー事務局長と梶山大臣が面談した際にも、国際社会に対する透明性の確保についてIAEAの協力が得られることについて合意したところでございます。
 以上でございます。

#226
○柳ヶ瀬裕文君 済みません、丁寧に御答弁ありがとうございます。
 このモニタリング、しっかりやっていただきたいというふうに思いますけれども、大事なことは、やっぱりこの風評被害を拡散させないということだと思います。ただ、これだけ、どれだけ努力しても、国内外にやっぱりこれは汚染水であるというようなレッテル貼りをして、これ処理水ですね、処理水であるけれども汚染水というレッテル貼りをして我が国を陥れようとしている勢力があるということに対して重大な懸念を持っています。
 これ昨日ですね、これは朝日新聞が報道しているわけですけれども、韓国とこの処理水についての二国間協議をするというような報道が流れていますけれども、これについてはどのような見解を持っているんでしょうか。

#227
○国務大臣(梶山弘志君) 今委員のおっしゃった報道については承知をしておりますけれども、報道の一つ一つについてコメントは差し控えさせていただきます。
 その上で、韓国政府との外交上のやり取りの詳細については、これも差し控えさせていただきたいと思っております。

#228
○柳ヶ瀬裕文君 これは必要ないと思いますね、この二国間協議は。私は必要ないと思いますよ。これ二国間で韓国とやり出したら、じゃ中国とはどうするんですか、北朝鮮とは、ロシアとはどうなるのか、非常に多くのステークホルダーがいますよ。その中で、二国間で様々な要望を聞き始めたら、これは切りがないというふうに思います。
 そもそも韓国は、外務大臣が四月の十九日に、IAEA基準適合ならこれ反対はしないんだといった発言をしています。ですから、これはIAEAという国際的な枠組みがあるわけですから、この基準をしっかりと遵守していくということが何よりも必要でありまして、IAEAの枠組みの中でこれをしっかり解決をしていくということが重要だというふうに思います。
 その中で、韓国の原子力学会が重大な発表をしたと思いますけれども、この点について知っていることがあれば教えてください。

#229
○国務大臣(梶山弘志君) 韓国原子力学会が四月二十六日に公表した報告書において、ALPS処理水の環境放出による韓国国民への放射線の影響はほとんどないと判断をされること、韓国国内の一部メディアの科学的事実に基づかないリスクを刺激する報道により、風評とともに誤った情報が急速に拡散されていることなどの指摘がなされたものと認識しております。

#230
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。
 ですから、これ、韓国の原子力学会がこの報告書の中で、非常に保守的な仮定の下でもこの放射線の影響、処理水の放出による影響は微少だというふうに評価をしたといったことを言っているわけであります。
 また、政治的、感情的な対応を自制し、科学的な事実に基づき実用的に問題を解決していかなければいけない、また、政治的な目的で助長された放射能への恐怖が韓国の水産業界と自営業者への被害を助長する自害行為になり得ることを警戒しなければいけないということは、韓国の国内からもこれ挙がっているわけであります。
 ですから、あくまでもこれは科学的根拠に基づいて事実を淡々と皆さんにお伝えをしていくということが何よりも重要なことでありまして、こういった政治的なトラップに引っかからずに、これは真っすぐにIAEAのモニタリング監視、これで十分だというふうに考えていますので、是非その点をよく御留意いただきたいということを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

#231
○小林正夫君 国民民主党・新緑風会の小林正夫です。
 総務省にお尋ねいたします。令和元年度の決算において、会計検査院が総務省に指摘した不当支出について質問をいたします。
 昨年の十一月の二十六日の日、総務委員会で、東京都への地域経済活性化・雇用創出臨時交付金四十一億二千五百五十万円のうち二億五千八百八十二万円が事業実施期間外であり、交付対象外であると会計検査院から指摘されたことを私は取り上げました。総務大臣に、会計検査院からの指摘の受け止め、そして、対象期間外に支給した原因と、業務が委託であったのかどうか、こういうことを大臣に質問をいたしました。そして、大臣から答弁はなくて、参考人からるる答弁がされましたけれども、その中で参考人は、今回指摘を受けました東京都の事案については、東京都に対して令和二年度中に返還を命ずる予定ですと、このように答弁をされました。
 東京都からいつ幾ら返還されたのか、質問をいたします。

#232
○政府参考人(大村慎一君) お答えいたします。
 御指摘の件につきましては、東京都に対しまして令和二年度、つまり本年の三月十六日に返還命令書を発出いたしまして、三月三十日に過大交付分の二億五千八百八十二万一千円が返還をされたところでございます。

#233
○小林正夫君 大臣にお尋ねします。
 大事な税金からの支出ですけれども、こういうようなミスがあっては私いけないと思うんですね。今後、こういうことをどうやって防止していくのか、大臣の所見を聞きます。

#234
○国務大臣(武田良太君) 今回の会計検査院の報告におきまして、地域の元気臨時交付金について、東京都の事業に対象年度外の経費が含まれており過大交付であると指摘されたことにつきましては、大変重く受け止めております。
 今後、類似の事業を実施する場合は、事業完了後の実績報告書の適正な審査や、地方自治体向けの説明会などの場を通じて今回の事案を踏まえた注意喚起を行うなど、再発防止にしっかりと取り組んでまいります。

#235
○小林正夫君 総務省への質問はこれで終わります。
 総務省の退席については委員長の方で御判断ください。

#236
○委員長(野村哲郎君) 武田大臣は御退席いただいて結構です。

#237
○小林正夫君 電力供給に関わる課題について、経済産業大臣と質疑を交わしたいと思います。
 まず、エネルギー供給構造の脆弱について質問をいたします。
 今年の年明け早々、寒波と降雪によって非常に電力の需給の逼迫が続きました。特に、この逼迫の影響で日本卸電力取引所の市場価格が高騰して、一部の新電力では電気の調達コストの上昇により倒産や撤退が今見られていると、こういう状況にあります。
 この電力需給逼迫のときに、電力会社及び電力広域機関は、安定供給に万全を期すため、各電力会社において、老朽火力も含めてあらゆる発電所をフル稼働、そして、今まで指示したことがなかった発電設備の最大出力運転をすることを初めて指示をいたしました。また、電力会社間に電力の融通についても指示をした。そして、先週の金曜日、十四日の日に経産省は、今年の夏の電力需給が逼迫しかねないと、こういうことも経産省が発表しております。
 今回経験した電力逼迫によって我が国のエネルギー供給構造の脆弱性が浮き彫りになったと、私そのように受け止めております。これを教訓として、資源小国である我が国は、エネルギーセキュリティーや安定供給の重要性に立ち返って、安全確保を前提とした、自給率、そして経済効率性、環境適合のバランスが取れたエネルギーミックスにすることが重要ではないか、このように考えます。
 そこで、大臣に伺いますけれども、現在検討されている第六次エネルギー基本計画ではエネルギー供給構造についてどのような議論がされていくのか。私は、ベース電源である火力発電や原子力発電を含めてエネルギーのベストミックスの実現を目指すことを明確にしていく必要があるんじゃないか、このように考えますけれども、大臣のお考えをお聞きします。

#238
○国務大臣(梶山弘志君) エネルギー基本計画につきましては、昨年十月から総合資源エネルギー調査会において見直しに向けた議論が開始をされております。これまで十二回審議会を開催をし、私もできる限り出席をしております。菅総理が表明された二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けた課題や対応の方向性、二〇三〇年に向けた課題の在り方について議論を深めているところであります。
 ただ、今委員がおっしゃったように、3EプラスSということで、非常に電源構成を考えていくときに、資源のない我が国にとっては、やっぱりどうしてもそれを中心に考えていかなければならないということがあるわけであります。バランスを取ることが重要であると考えております。一つの電源で全てを賄うような電源は現在ありません。日本の国にとってはないということであります。
 ですから、様々な電源を効率よく使っていく、そして一方で、二〇五〇年のカーボンニュートラルというものも見据えながら考えていくということになりますけれども、最大の要点は安定供給というものをしっかりと考えていくということだと思っております。
 こうした御意見も、それぞれの御意見も踏まえながら集中的に議論を深めて結論を出してまいりたいと思っておりますし、そういったことを、我が国特有の事情というものもしっかり考えながら対応してまいりたいと考えております。

#239
○小林正夫君 大臣もおっしゃったとおり、資源が少ない、乏しい国です。そして、電力の安定供給が何よりも大事です。これからデジタル社会に入っていきますけれども、この間のデジタル五法案の審議の中でも、やはりデジタル大臣が、電力の安定供給なくしては、電力の安定供給なくしてはデジタル社会にはなっていかないと、こういう旨の答弁がありましたから、ますます電力の安定供給が大事だと、このように思います。
 次に、再生可能エネルギーのFIT制度について、課題について何点か質問をいたします。
 資料一を見ていただきたいんですけれども、これは太陽光発電の十キロワット未満設備について、資源エネルギー庁は四月一日から、問題となっている地上設置に限定して太陽光十キロワット、太陽光発電設備の分割審査を行うこととしたと、これは資料一ページの水色の部分の一番下段にそのように書いてあります。
 発電量が十キロワット未満の場合は家庭用、そして十キロワット以上の場合は産業用となっていて、住宅の屋根に載せるような十キロワット未満の太陽光の場合や、ビル、工場の屋根に載せるような十キロから五十キロワットの太陽光の場合は、自分で消費した後の余剰分が買取りの対象になっている、こういう制度であります。
 資料二を見ていただきたいんですけれども、これは、二〇二〇年度の買取り価格は、十キロワット未満の太陽光発電についてはキロワットアワー二十一円、そして十キロワットから五十キロワット未満の買取り価格はキロワットアワー十三円プラス税、これが買取り価格でありました。
 十キロワット未満は、資料二のとおり、住宅用、これ資料の二の、括弧して太陽光発電、そのうちの①と書いてあります。住宅用太陽光発電とここに書いてあります。住宅用と位置付けられており、一般的には家庭の屋根などに設置をされて、発電した電気を自己で使って余った電気を売電するもの、私はこのように思っておりました。しかし、本来十キロワット以上の設備になるものを意図的に十キロワット未満に分割して地上に設置をして、発電した電気を自己で使用せず全てを売電して、十キロワット以上の事業用の買取り価格よりもキロワットアワー八円も高い価格で売電したと、このように私は思っております。
 それで、大臣にお聞きしますけれども、このようなことがあれば賦課金として電気料金に乗せられ、当然電気料金が上がってまいります。本来のFIT制度の目的から逸脱する事案はなくすべきである。そして、大臣は、住宅用とされている十キロワット未満設備を意図的に分割、地上設置し、発電した全てをキロワットアワー二十一円で売電したと思われることをどう受け止めたのか、お聞きをいたします。

#240
○国務大臣(梶山弘志君) FIT制度では、地域での信頼を獲得して長期安定的に事業運営を進めるために、十キロワット以上五十キロワット未満の太陽光発電に対して二〇二〇年度から一定の自家消費比率を求めるなどの地域活用要件を設けているところであります。
 一方、十キロワット未満の太陽光発電は毎年十四万件程度がFIT認定をされております。このうち地上設置のものについては、二〇二〇年度のFIT認定件数が二〇一九年度の八百二十四件から三千百八十七件まで急激に増加をいたしました。申請内容や電力会社からの相談を踏まえると、増加の背景には、地域活用要件の適用を逃れるために十キロワット以上の設備を意図的に十キロワット未満の複数の設備に分割していることが疑われているわけであります。全体に占める割合はまだ余り大きくありませんけれども、意図的な分割によって地域活用要件を逃れることは、本来の制度趣旨に沿わずに、また、社会コストや地域懸念の増加、安全規制の適用逃れなども発生することを踏まえると、不適切なことであると考えております。
 このため、本年四月から、十キロワット未満で地上に設置する太陽光発電について、意図的な分割が行われていないかどうかの審査をすることといたしました。今回の制度を通じて、FIT制度の適切な運用を図るとともに、太陽光発電の地域での信頼獲得を進めてまいりたいと思いますし、もし悪用されているような場合には適切な措置をしてまいりたいと思っております。

#241
○小林正夫君 そこで確認なんですけれども、この資料二にあるとおり、十キロワット未満は住宅用太陽光発電となっています。この住宅用としている法的根拠は何なんでしょうか。

#242
○政府参考人(茂木正君) お答えいたします。
 FIT制度において再生可能エネルギー発電設備の区分等を定めております再エネ特措法の施行規則がございますが、この中で住宅用という定義はしていません。実は、「太陽光発電設備であって、その出力が十キロワット未満のもの」という形で、この施行規則の中で規定しているというところであります。
 その上で、分かりやすさという観点から、FIT制度の運用ですとか審議会の議論の中ではこの十キロワット未満を住宅用というふうに呼んでいるというのが実態でございます。

#243
○小林正夫君 先ほど言ったとおり、私は、十キロワット未満は家庭用の屋根に載せて余った電気は売電すると、こういうものだと私は思っていたんです。ところが、今の答弁のとおり、住宅用は法律に書かれていないということなんですね。
 私は、この辺は工夫する余地があるんじゃないか、今回みたいような事例が起きないように、やっぱり住宅用であることを何らかの根拠規定を持っておかないといけないんじゃないかと思いますけど、改めてその関係についてお聞きします。

#244
○政府参考人(茂木正君) お答えいたします。
 この制度自体は、FIT制度の前身の余剰買取り電力制度から始まっています。当時は、いわゆる一般家庭を念頭に置いて、住宅における基準として十キロワットというのを十キロワット未満というふうにしたと。
 この考え方を継承いたしまして、今のFIT制度では、太陽光発電の十キロワット未満について、通常の屋根を中心に設置がされていると想定されていることから、十キロワット以上の区分と区別して住宅からの余剰電力の売電を想定した区分を設けているというのが実態でございますが、今委員からの御指摘もございましたので、こうした点も含めて、より趣旨が明確になるよう、私どもとしても引き続き制度を進めてまいりたいと思っております。

#245
○小林正夫君 大臣、これから太陽光はどんどんどんどん拡大をしていかなきゃいけないと思います。こういうような目的を逸脱したことが出ないように、今回経験したこと、やっぱり十キロワット未満は家庭用なんだということが国民の方にしっかり分かるように、やっぱり私は法的に明らかにしておく必要があるんじゃないかと思います。是非検討いただきたいということだけお願いをいたします。
 そして、今言ったように、太陽光は拡大をしていきます。再生可能エネルギー固定価格買取り制度による賦課金は、現状では電力コストの高止まりの要因になっております。二〇二一年度は一世帯当たり一万四百七十六円となって、二〇二〇年と比べて一割強増える見込みだと、このように言われています。国民にも、国民負担にも配慮した議論が必要であって、電気料金をいかに抑えるかが課題と私は認識をしております。
 先週の木曜日の五月十三日に、経済産業省は、二〇五〇年の温室効果ガス排出実質ゼロが実現された場合、再生可能エネルギーの安定供給のため、電気料金が一・四から二・七倍になるとの試算を示しました。これは、国際水準並みのコスト引上げや、FIT制度の補助制度から早期自立を図るべきだと、私はこのように考えます。
 FIT制度によって電気料金が上がっていくという今の状態を何としてもこれ改善していかなきゃいけないんだと思うんですけれども、大臣のお考えはどうでしょうか。

#246
○国務大臣(梶山弘志君) まず、総合資源エネルギー調査会において、経産省の見解というよりもRITEの見解として、シナリオ分析としてそういった数値がある一定の条件の下に出てきたということで御理解をいただきたいと思います。
 日本ではFIT制度を二〇一二年に導入をして、その結果、一〇%であった再生可能エネルギーの比率、一八%まで拡大をいたしました。導入設備容量は再生可能エネルギー全体で世界第六位、特に太陽光発電は世界第三位となるなど、FIT制度により再生可能エネルギーの拡大が促進をしました。
 一方で、現時点では再生可能エネルギーのコストが高く、国民の皆様の賦課金負担は年間二・七兆円まで増大をしていることを踏まえて、再生可能エネルギーのコストダウンの加速化を図ることが重要であると考えております。また、再生可能エネルギーを競争力ある産業に育成するために、電力市場への統合を図ることが重要であると考えています。
 このため、再生可能エネルギーのコスト低減を図るために、中長期の価格目標の設定、入札制の活用、低コスト化に向けた研究開発などを総合的に進めているところであります。また、再生可能エネルギーの電力市場への統合を図るために、市場連動型のFIP制度の導入やアグリゲーターの育成等を図ってまいりたいと考えております。

#247
○小林正夫君 是非、繰り返しですけれども、FIT制度によって賦課金がどんどん高くなっていってしまうというのが今の構造だと思います。是非、これから再生可能エネルギーを活用していくという社会にどんどん入っていきますので、是非この抑制をするような方向の検討が必要だということを改めて大臣に申し入れておきたいと思います。
 次に、火力発電についてお伺いいたします。
 経済産業大臣は、昨年の七月三日の記者会見で、二〇三〇年度に向けた石炭火力の休廃止、これを宣言されました。そして、非効率な火力発電をフェードアウトしていく方針は私も理解いたしますけれども、安定供給やコストへの影響や立地地域との関係も含めて、私、フェードアウトの時期については一律に決めるのではなく、十分な時間的裕度を持ちながら柔軟に対応する必要があるのではないかと考えます。
 また、雇用不安が生じないように進める必要があって、特に地元採用や地域振興に貢献している共同火力ですね、この共同火力への特段の配慮が必要ではないかと思いますけど、大臣の見解を聞きたい。
 そして、併せてお聞きします。
 大臣が宣言した二〇三〇年度に向けた石炭火力の休廃止は電力の安定供給の確保を大前提に進める必要があると、これは大臣と認識が一致すると思います。今日まで、発電元にトラブルがあると火力に頼ってきた歴史だと思います。まさに困ったときの火力、救世主的な役割を果たしていると、火力はそのようなものだと私は受け止めています。
 石炭火力はフェードアウト、また、LNGは各国で獲得競争が激化する中で、火力発電所をどう扱い、ベース電源としていくのか。そして、二〇三〇年度に火力の発電量を現状の七六%から四一%に引き下げることを目指すという考え方もあるようですけれども、本当に安定供給は大丈夫なんでしょうか。大臣のお考えを聞きます。

#248
○国務大臣(梶山弘志君) まず、資源のない我が国ですし、再生可能エネルギーもいろいろな制約がある。例えば適地が、太陽光発電を設置する適地が少なくなってきている、また、洋上風力に関しては、海の深さということで、イギリスなどが行っているような五十メートルぐらいの沖合でできるような状況にはないという中で、技術開発なども、コストも、またコスト削減を求められているということであります。
 そういった中で、これまでベストミックスという形でそれぞれの電源を活用してまいりました。今委員がおっしゃるように、火力の活用というのもその一つでありまして、特に再生可能エネルギーが入ってくると調整電源としての役割というものが非常に重要になるということで、石炭に限らず火力発電というものが、どういう使い方をしていくかというのは世界中の課題であると思っております。
 ただ、日本におきましては、資源がない国でありますからLNGもやはり海外から買ってこなくてはならない。LNGは、御存じのように液化した中で蒸発をしていくということで、長期の貯蔵が不可であるということもあります。そういった中で、非常に制約がある中でどういうベストミックスを探していくかということ、非常に重要な論点だと思っております。
 今あるエネルギー基本計画において、非効率石炭はフェードアウトをしていくということが書かれておりますけれども、これ省エネ法とエネルギー高度化法において規定、その枠をはめているわけでありますけど、なかなかやっぱりそういったものがしっかり機能をしてこなかったということもあります。そして、昨今の脱炭素化という中で、石炭火発に対する注目が集まっている中でフェードアウトをしていくという宣言をさせていただいたということであります。
 ただ、これは、やはり日本の安定供給、需給が逼迫したときに、じゃ停電していいかというと、やはりそういうことにはならない。責任は当然私どもにあるし電力会社にあるということでありますから、そういった中でいかに皆さんに説明をしながらそのバランスを取っていくかということ、非常に重要だと思っております。
 ただ、先ほどから申しましていますように、二〇五〇年にカーボンニュートラルという宣言をした、二〇三〇年にもそれに整合的なNDC、削減目標というものを立てなければならない、そういった中で非常に難しい判断とか方向性の決断というものが必要になってくるわけでありますけれども、今言われたような安定供給というものをしっかり考えていかなくちゃならない。そして、その途上において、やはり調整電源が少なくなってくるということの中で再生可能エネルギーが増えていく、どうこれを克服していくかということ、大きな課題であると思いますし、また皆さんからのお知恵を拝借をしたいと思っております。

#249
○小林正夫君 大臣は、石炭火力が日本からなくなってしまう、こういうようなお考えを持っていますか。

#250
○国務大臣(梶山弘志君) 私は、カーボンニュートラルというのは、電源を変えるということではなくて、大気中に地球温暖化ガスを排出しないということだと考えております。
 そういうことから考えると、イノベーション幾つかあるわけでありますけれども、アンモニアの混焼であるとか、さらにはまたCO2の分離回収、そしてカーボンリサイクルというような技術、ここにやはり日本はしっかりと対応していかなければならないと考えております。

#251
○小林正夫君 じゃ、最後の質問です。
 エネルギーの自給率についてお伺いいたします。時間がありませんので、ポイントのみ質問をいたします。
 自給率を上げていくためにどういう施策をしていくのか。日本の一次エネルギーは海を渡ってきますから、その航海によっていろんなトラブルがあると燃料は入ってこないという、こういう国です。したがって、私は、準国産エネルギーと位置付けられている原子力の活用も含めてエネルギーの自給率を上げる必要がある。
 大臣は自給率を上げるためにどのようなことをしていくべきだと思うのかということ、お聞きいたします。

#252
○国務大臣(梶山弘志君) 自給率というのは、資源のない我が国にとってずっと課題であったわけであります。
 今回のカーボンニュートラルを目指す中であっても、確立した脱炭素電源であって、数年にわたって国内保有燃料だけで発電可能な準国産エネルギー源である原子力の活用、そして徹底した省エネルギー、そして脱炭素国産エネルギー源である再生可能エネルギーの最大導入に取り組んできたところであり、今後も着実に進めていくことが必要であります。
 そのためには、様々な技術開発が必要だということと、系統の増強等も必要になると思います。さらに、省エネという点では、デジタルの部分でパワー半導体とか、そういったものの開発というものも非常に重要な点になると思っております。

#253
○小林正夫君 時間が来ましたので終わりますけれども、また大臣、機会がありましたら、再生可能エネルギーは電力の安定供給を支えるベース電源になり得るのかどうか、再生可能エネルギーを拡大していくということ、考え方は分かりましたけれども、太陽あるいは風によって左右されるこの再生可能エネルギー、太陽光、風力ですね、これが本当にベース電源となり得るのか、この辺についても今後論議をさせていただきたいと思います。
 これで終わります。

#254
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 二〇一九年、日本郵政グループによるかんぽ生命保険の不正販売が発覚し、大きな社会問題となりました。認知症の高齢者に一年間で十件以上の新規契約をさせる、新旧の契約を重複して結ばせ保険料を二重に払わせるなど、悪質な事例が全国で組織的に展開されておりました。
 同年十一月、私は総務委員会で、当時の日本郵政長門社長、日本郵便横山社長、かんぽ生命植平社長に対し、この問題を二回にわたって質問いたしました。
 質問を準備する過程で私が最も深刻に感じたのは、日本郵政グループの組織全体が行き過ぎた成績主義にむしばまれているということでした。過酷なノルマ、恫喝的研修、手当重視の給与体系などの形として現れる行き過ぎた成績主義が郵政の職場を支配する中で、長年郵便局を信頼して貯金や保険の契約をしてきた顧客に対し、その信頼を真っ向から裏切るかんぽ不正販売が広がっていきました。
 今日は、日本郵政グループの執行役員の方々に御出席いただいております。先月から保険の営業が再開されたと聞いておりますが、今私が指摘した点、すなわち組織全体に行き過ぎた成績主義がはびこる中でかんぽの不正販売が広がったという点について、日本郵政グループとしてどのように反省をしたのか、また再発防止のためにどのような対策が取られたのか、簡潔に御説明いただけますか。

#255
○参考人(米澤友宏君) お答え申し上げます。
 まず、今般の保険商品の不適正募集につきまして、大変おわびを申し上げるところでございます。
 今委員、先生御指摘のございましたけれども、新規契約獲得を過度に重視した営業推進の仕組み、営業推進管理の仕組み、これが不適正募集の構造的要因の一つとなっていたということを認識しておりまして、二〇二一年度以降の、本年度以降の営業目標については、活動目標の新設、あるいは新規販売と消滅の両面を評価する純増額体系への変更等の見直しを行っているところでございます。
 また、この見直しに併せまして、新規契約獲得といった結果のみならず、のみではなく、社員の活動プロセスを評価するマネジメントへの変革に取り組んでいるところでございます。特に、この二〇二一年度は、お客様との接点の創出に注力して取り組むというところから、この観点に基づく活動目標、これを設定いたしまして、販売目標ではなく活動目標を設定しまして、社員の活動プロセスを評価していくということにしているところでございます。

#256
○山下芳生君 三月に私の事務所に一通の手紙が届きました。長年、地方の郵便局の渉外社員としてかんぽ生命保険などを販売していた方からであります。
 手紙には、不正営業が問題となった時期は、数字第一、四半期ごとの達成額が重要で、無理な営業によって信用を失った、自分は地域のお客様に迷惑を掛けられない、そんな営業はできない、アルバイトで食いつなげばいいと三十年以上勤めた職場を辞めた、妻は泣いていた、こういう手紙です。さぞ悔しかったでしょう、残念だったでしょう。手紙はこう続いていました。今回のかんぽの不正営業問題の処分が幹部など上に甘く現場の職員には厳しい、おかしいのではないか、後輩に当たる現社員がかわいそうだという訴えでありました。
 そこで伺いますが、日本郵政グループではかんぽ不正販売に関わってどのような処分を行ったんですか。

#257
○参考人(志摩俊臣君) お答え申し上げます。
 まず、一般論として申し上げますと、管理者が直接非違行為を指導した等の特段の事由がある場合でなければ、直接の非違行為の処分内容と比べましてその管理者の処分内容を同等ないしは厳しくするというのは難しいというふうに考えてございます。
 ただ、今回の不祥事案の重大性に鑑みまして、今回の管理者の処分におきましては、従来であれば、管理者がその保険の募集人に対して必要な研修をやっていたとか書面でのチェックをきちっとやっていたということがあれば、仮にその管理者の部下である募集人に非違行為があったとしても管理者の処分はしなかったという実態がございましたが、今回につきましては、そういう職場の実態把握不足ということを処分理由として認定をして処分をいたしてございます。
 それから、今回の問題で、管理者のパワハラということが社員からもいろいろ言われました。我々の方も、その社員から得た情報であるとか様々な情報に基づきまして、管理者について、そういうパワハラがあったというような人については約四百人弱ぐらいいますけれども、こういった人については人事部の方できちっと調査をして、必要なものについては厳しい処分を打ってきているところでございます。
 以上でございます。

#258
○山下芳生君 資料一に、今言われたことを数字で示された資料、これは日本郵政の資料です。
 募集人の処分状況、これは現場で渉外職員としてかんぽ生命の契約をされる方ですが、懲戒解雇、累計二十八人です。それから、募集人の当時の管理者等の処分状況、上司の方ですけれども、停職、累計十三人ということになっております。要するに、管理者は重くて停職止まり、そして現場の渉外社員は懲戒解雇まであるわけですが、これ先ほどの手紙の、おかしいではないかということなんですね。
 特別調査委員会の調査報告書にも、厳しい営業推進管理、パワハラがあった、新規契約に偏った手当があった、実力に見合わない営業目標があった、これがかんぽ不正販売の原因として指摘をされております。
 これは現場の渉外社員がやることじゃないですよね、こういう目標を決めたり、手当を偏ってつくったりですよ。一部の渉外社員の営業手法がたまたま不適切だったら、この一万人を超えるような、こういう被害を拡大するようなことにはなりません。なのに、この渉外社員に対して懲戒解雇まである、ところが原因をつくった管理者の処分が軽過ぎるというのは、ちょっと今、直接そういう不正行為を行った者よりも指導した管理者を処分を重くすることは難しいということなんですけど、それ通用するんでしょうか。現場の労働者にそれで納得がいくでしょうか。
 天文学的な目標が上から割り当てられたとか、数字を上げられない労働者は、私も直接聞きましたけど、研修と称して、まさにもうみんなの目の前で、こんな先輩にはなりたくありませんと言わされたり、そして実際にやっている営業方法をやってみろと、で、駄目出しをみんなからさせるとか、もう人権侵害がまかり通っていて、そういう研修を受けたくないからノルマ達成に走るという人がたくさんあったんですね。
 だから、そうやってノルマに追い込まれた労働者の方が追い込んだ上司よりも処分が重いというのは、これは職場で公平な処分出されたなと認識されないんじゃないですか。いかがですか。

#259
○参考人(志摩俊臣君) お答え申し上げます。
 今委員の方から、構造的な問題として、そういう営業手当に偏重したとか、目標管理の、数値ありきの目標管理に偏っていたと、そういった御指摘、特別調査委員会の方からも出ておりまして、今、社を挙げてその辺の見直しをしていきたいと思っております。
 一方で、今回、資料の方で、懲戒解雇になってございます累計二十八人というのがありますけれども、ちょっと見ていただくと、多数契約関係で二十七人となっています。これは、主に御高齢の方に対して保険を何度も解約、新規加入を繰り返して行ったということでございまして、一般的に、そういう解約、新規契約を取ると、何というんですか、保険契約者の方の方に不利益があると。それが、多数契約の場合には、一人の御高齢者の方に何十件という形で売っていたということで、与えた不利益が非常に大きいということで、特に懲戒解雇というふうにいたしているものでございます。
 仮に、そういった営業を管理者が自らそれを指導してそれをやっていたというような事実があれば、これは当然、管理者の方にも懲戒解雇等の検討の対象になると思っておりますが、我々が行っている調査におきましてはそこまでの事実確認というのはできていないというのが実態でございます。
 以上でございます。

#260
○山下芳生君 ちょっと甘過ぎると思いますね。組織ぐるみの不正ですからね。組織ぐるみというのは下から起こるんじゃないんですよ、上から起こるんですよ。
 日本郵政の増田寛也新社長も、昨年末の記者会見で、本支社も分かっていて目をつぶったところは間違いなくあったと思うと。分かっていて目をつぶった幹部が軽い処分で済むというのは、これはいかがなものかと言わざるを得ません。
 それから、もうちょっとそんなふうに曖昧な処分で許されるはずがないということを、さっき紹介した外部専門家による特別委員会の調査は不適正募集の発生原因をかなり詳しく分析しています。例えば、直接的な原因としては、モラルに欠け自己の利益を優先する募集人、不適正募集を黙認、正当化する風潮、それから、助長した要因としては、営業目標必達主義、達成困難な営業目標設定、新契約獲得に偏った手当配分、これ、今私が言ったようなものに加えて、不適正募集の手法の共有というのもちゃんと指摘しているんですね。不適正な募集を共有していたと、組織的に、ということが指摘されております。
 私、これ前回、質問で紹介したんですけど、例えばこの保険に入ると相続税の節約になるという相続話法というものが横行していました。貯金のようなものですという話法。もうすぐ七十五歳になりますね、その前に入っておかないと入れなくなりますよと。福祉施設に入るためには資産が多過ぎると入れませんよ、この保険に入れば資産減らしになり、施設に入りやすくなりますよなどの話法と称したこの不正な販売の手法が共有化されていたんですよ。
 それをやったのは現場の職員じゃないんですよ、インストラクターとか、それで、この統括管理者とか、そういう方々がやっているんです、やらせているんですよ。それを調査しても分からなかったで済ませたら、私は本当に今回の、大変な郵政に対する信頼を裏切った、大変なダメージを与えた、そのことについて本当に底を突いた、反省を踏まえた上での出直しになるのかなというふうに思いますが、もう一回いかがです、そういうことあったでしょう。

#261
○参考人(米澤友宏君) 先生御指摘なられましたところ、特別調査委員会におきましても、原因分析、不適正募集の発生につながる直接的な原因という中に、販売実績を上げるための自主的な勉強会を含め、不適正募集の手法が共有される機会が存在しているにもかかわらず、これに対する適切な対応が講じられていなかったという御指摘があったということは重々認識をしておるところでございます。
 そういった反省も踏まえまして、先ほど申し上げましたマネジメントの在り方等々についても見直しを行っているというところでございます。
 以上でございます。

#262
○山下芳生君 これで辞めたり辞めさせられた現場の職員がたくさんいるのに、今の答弁では納得しないと思います。
 総務大臣に伺います。
 アメリカでは、経営実務論において不正誘引という考え方があります。経営陣は、社内に不正を監視、防止するための仕組みである内部統制システムをつくる責任があり、もし社内で不正が起きても、不正を起こした社員が一番悪いのではなく、不正を起こさない内部統制システムづくりを怠り、社員を不正に誘引した経営陣が一番責任を負うべきだという考え方なんですね。
 よく、不祥事が起きたときに、いろんな会社の経営陣が、私の知らないところで現場が不正を行ったと弁明するけれども、それは、その弁明は通用しないということであります。
 一九九五年に発生、発覚した、従業員によって十一億ドルの損失を出した大和銀行ニューヨーク支店事件の判決でも、経営陣に内部統制システムの構築義務があることが認められました。
 大臣、不正を起こした社員が一番悪いんじゃない、不正を起こさないシステムづくりを怠った、だって、そういう不正をやりなさいよ、共有化を分かっていながら止めなかったんですから、そういう、そして社員を不正に誘引した経営陣が一番悪いという考え方、これ大事ではないかというのが一点。そういう点からいうと、今回の日本郵政の役員あるいは管理者への処分はやっぱり甘過ぎるんじゃないかと。いかがですか。

#263
○国務大臣(武田良太君) 御指摘のかんぽ生命の不適正募集問題、これは郵便局に信頼を寄せていた多数の顧客に不利益を生じさせるなど重大な問題とまずは捉えております。日本郵政グループには、こうした問題を繰り返さないよう、コンプライアンス体制等の抜本的な改善に取り組んでもらう必要があると考えております。
 こうした観点から、総務省では、日本郵政グループから三か月ごとに業務改善計画の進捗状況の報告を受けており、コンプライアンス体制やガバナンスの構築、また利用者本位の募集管理体制の確立などを目的とした様々な施策が実施されているとの報告を受けておりますが、これらの施策の効果が出ているか、しっかりと検証していく必要があると考えております。
 こうした問題が繰り返されないよう、引き続きしっかりと監督をしてまいりたい、このように考えております。

#264
○山下芳生君 ちょっと、私が聞いたことにお答えはなかったんですけどね。監督していただくんだったら、さっきのアメリカの不正誘引という観点もしっかり入れていただいて、今後見てもらいたいと思いますね。
 もう時間余りありませんので、最後に、これから日本郵便の渉外社員だった方がかんぽ生命に出向することになると聞いております。金融コンサルタントと変わるそうですけれども、そこで心配の声が出ているんですね。かんぽ生命に出向すると、これまで扱っていたゆうちょの金融商品を扱うことができなくなると聞きました。そうすると、これまでは新規契約手当中心の賃金体系ということに、偏重した賃金体系になっていましたから、ゆうちょの商品が売れない、扱えない、かんぽだけになっちゃうと生活できないんじゃないですかと、そういう心配が出ていますけど、いかがですか。

#265
○参考人(米澤友宏君) お答え申し上げます。
 現在、貯金業務を専門とするという制度はございませんけれども、コンサルタントの方の中には実態として貯金業務中心に行ってきた社員の方がいらっしゃるということは事実でございます。そういった社員も含めて、原則、コンサルタントの方は全員兼務出向ということの対象として予定をしているところでございます。
 新しいかんぽ営業体制への移行、その後はコンサルタントについては先生御指摘のとおり保険専担ということになります。貯金業務に係る手当を支給することは想定しておりませんが、こうした社員の今後に対する不安、こういったものを可能な限り払拭するためにも、グループとしても社員に対して保険業務に必要な知識等が得られるよう十分な研修を実施するとともに、丁寧な説明を実施してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

#266
○山下芳生君 今回の新しい形態では営業目標という言葉が見当たらないんですね。先ほどちょっとありましたけれども、やはりこれは営業目標、過大なノルマは絶対に復活させてはならないと思うんですけれども、この営業目標というのは今後もう持たないんでしょうか。

#267
○参考人(市倉昇君) お答えいたします。
 先般の不適正募集の問題を再発させない体制につきまして、業務改善計画を着実に実行するという中で重層的なチェック体制などにより構築してまいりました。
 今先生御指摘の、営業再編の後も従来の新規契約に偏った営業目標体系を改めるということとしております。解約などの消滅契約を考慮するストックの目標で評価する、あるいは契約の質やお客様満足で評価するといったことを検討をいたしております。
 また、営業再編時の渉外社員の処遇につきましては、現行制度の水準を維持する方向で検討をいたしております。

#268
○山下芳生君 もう時間参りました。
 手紙をいただいた方は、直接お話を伺いますと、こうおっしゃっていました。若い頃に自分が受けた研修では、お客様に迷惑を掛けてはいけない、お客様からの苦情がないようにしなければならない、数字第一でなく信用第一、信用されていない職員に大切なお金を預けたりしないという教育がされたと。
 本当に、今回の事件を克服してそういう郵政になるためには、労働者に対してそういう気持ちが伝わるような経営をしていただきたい、そのことを申し上げて、質問を終わります。

#269
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
 東京電力福島第一原発事故から十年がたちました。四月十三日に、政府が福島第一原発事故によって発生をした汚染水をめぐる取扱いについて海洋放出決定を強行したことについて抗議をするとともに、決定の撤回を求めるものです。二〇一八年に行われた公聴会でも、昨年行われた関係者の御意見を伺う場でも、パブリックコメントでも海洋放出に反対が相次いで、当面の間、陸上保管を継続するための様々な提案も行われました。福島県内でも七割を超える議会が反対、慎重な対応を求める意見書などを採択をして、決定後も、福島県内はもちろんですけれども、東北でも、そして全国でも反対の声が広がっています。
 政府と東京電力は、設置されているタンクは二二年の秋以降には満杯になると、タンクを増設する余地は限定的だと、こういうふうに言っていますけれども、これだけ反対の声が相次ぐ中で、タンク保管継続のために、第一原発の敷地内、北側を始め、増設のための敷地の確保を徹底的に追求するべきだと思うんですけれども、どうでしょうか。

#270
○国務大臣(梶山弘志君) 廃炉を安全かつ着実に進めていくためには、今後、燃料デブリ等の一時保管施設や、廃炉作業に伴い発生する廃棄物の保管施設を設置するための広いスペースが必要であると考えております。
 具体的には、二〇二二年頃には使用済燃料を格納した乾式キャスクの仮保管施設や燃料デブリの一時保管施設、二〇二三年以降には制御棒などの高線量の廃棄物の保管施設、二〇二六年以降には燃料デブリ取り出しの規模拡大に伴い増設する一時保管施設や取り出し装置のメンテナンスの施設等の設置が検討をされているところであります。その前の工事や規制対応に要する期間を勘案すれば、廃炉作業を遅滞なく進めるためには敷地を最大限有効活用していく必要があると考えております。タンクが敷地を大きく占有している状況を踏まえれば、廃炉作業に影響を与えない形で長期保管用のタンクを更に増設する余地は極めて限定的であると考えております。
 一方で、方針決定後も、実際の放出に、始まるまでには設備の工事や規制への対応に二年程度の時間が必要になると見込んでおります。放出までの期間を最大限活用し、御懸念される方に基本方針への理解を深めていただくよう取組を続けてまいりたいと考えております。

#271
○岩渕友君 今答弁にあったように、廃炉作業を着実に進めるためにはスペースの確保必要だというわけなんですよね。
 政府の中長期ロードマップでは、廃止措置完了までの期間を二〇一一年の十二月を起点に三十年から四十年後というふうにしています。あれから十年たっているので、今から見れば二十年から三十年後ということになりますよね。でも、これに対して、じゃ三十年から四十年で完了というのは現実的ではないと、地元の信頼を失うという声も上がっているんですね。
 中長期ロードマップはこれまで五回改訂をされてきましたけれども、そのたびに使用済核燃料の取り出しであるとかデブリの取り出しなどに関わる工程が延期をされてきています。廃炉期間は大きく言って三つに分けられているわけですけれども、この第二期は燃料デブリ取り出しが開始されるまでの期間を二〇二一年十二月までということで、目標を堅持するというふうにしてきました。ところが、新型コロナウイルスの影響だということで、取り出し開始を二二年以降に延期するというふうにしています。堅持をしてきた重要な目標を断念したということになります。
 資料一を御覧ください。これ、一号機から三号機までの各号機が今どういう状況になっているかというものを示しています。
 推定八百八十トンにも上るデブリの取り出しというのはもう最難関だというふうに言われているわけですね。まずは一グラム程度取り出すんだというふうに言っているわけですけれども、これが予定どおり取り出せるかどうかも分からないと。仮に取り出すことができたとしても、その後のことというのは具体化されているわけではないんですよね。
 さらに、新たな事実が明らかになっています。原子力規制委員会が行っていた福島第一原発の調査の中間報告が公表をされて、一号機から三号機の上蓋、シールドプラグですよね、の下の面に大量の放射性物質が付着をしているということが分かりました。
 この上蓋の下の面の放射線量、それぞれどのぐらいでしょうか。

#272
○政府参考人(金子修一君) 御指摘の今年三月に公表いたしました中間取りまとめでは、一号機から三号機の格納容器上部にあるシールドプラグ、今御指摘のあったものですけど、一番上の層の下面と中間の層の上面の間に、セシウム137で、三号機に三十ペタベクレル、ペタは十の十五乗の単位でございます、二号機で二十から四十ペタベクレル、一号機では〇・一から〇・二ペタベクレルが存在すると推定をしてございます。

#273
○岩渕友君 資料の二を御覧ください。
 今答弁をいただいたように一号機から三号機までの放射線量がなっているということなんですけれども、これ三つ合わせて最小で五十・一ペタベクレル、最大で七十・二ペタベクレルの汚染が考えられると、あるということなんですね。
 これ、ペタベクレルと言ってもぴんとこないなということなんですけど、とんでもない数字なんですね。これ、日本の単位で言うと最大七京だと。京というのは兆の上になるわけですけど、この大きさを表現する例えが本当にもう難しいぐらい、とてつもない量があるということなんですよ。
 これを受けて、更田委員長は記者会見で、ほとんど燃料デブリと言っていいようなものが上にあるというふうに述べていらっしゃるんですけど、この事実をどのように認識しているでしょうか。

#274
○政府特別補佐人(更田豊志君) 元々シールドプラグ周辺の線量が高いことは知られておりましたし、それから、その構造から考えて、ある程度の量の放射性物質があるということは考えていたのですが、量が予想と異なりました。ただ、今のところまだ飛んでくる放射線を捉えての測定ですので、まだあらあらで、ざっくりこのくらいではないかと見ている段階であります。
 ペタという、ペタベクレルという単位に言及ありましたけど、環境中にあの事故で放出された量がごくごくざっくり言って十五ペタベクレルぐらいだと言われております。そういった意味で、環境中に出てしまったものと同じレベルのものがシールドプラグ裏面にいるということで、予想より、予想を超える量があったというのが率直なあのとき受けた感想であります。

#275
○岩渕友君 続けて更田委員長にお聞きするんですけど、廃炉作業にこのことがどのような影響があるというふうにお考えでしょうか。

#276
○政府特別補佐人(更田豊志君) まず考えなければならないのは、あれだけ高い位置に多くの放射性物質がありますので、そこへ取り付いていくための遮蔽をどう考えるかというのが当面の大きな問題になります。今後、相対的に高い位置にあれだけの量の放射性物質があることを踏まえて、今後のアプローチを考えていくということになろうかというふうに思います。

#277
○岩渕友君 今後のアプローチを考えていくということなんですけれども、それが廃炉作業に影響があるかどうかということと併せて、更田委員長が戦術よりも戦略に関わってくる話だというふうに述べていらっしゃるんですけど、これ具体的にどういうことでしょうか。

#278
○政府特別補佐人(更田豊志君) 当然のことながら、予想を超える量のものが比較的高い位置にありましたので、ただ、先ほど申し上げましたように、現在はまだ放射線の量を通じてその量を推定している段階ですので、次のステップとして、このシールドプラグ裏面にある量、これ耳かき程度であっても、まず取ってくるという作業を次のステップとして考えております。今後も新たな情報が出てくる都度、技術的な検討を重ねて、廃炉戦略といいますか廃炉計画を考えていくべきであろうと思います。
 戦術でなく戦略と申し上げたのは、非常に大きな量ではありますので、小手先の変更ではなかなか対処するのが難しいだろうという考えでそのように申し上げたところでございます。

#279
○岩渕友君 今、小手先の変更では駄目なんじゃないかというような話もありました。
 それで、この戦術よりも戦略に関わってくる話というやり取りが記者会見の中であったときに、実は更田委員長が気中工法の話にも触れているんですね。この工法の決定というのは、二〇一七年に原子力損害賠償・廃炉等支援機構がデブリの取り出し方針ということで示して、これを受けてその年の九月に中長期ロードマップが改訂をされているんですね。これ、廃炉工程全体に関わる重大な問題だということです。
 そこで、機構が今回の事態をどう受け止めているのかと、また、今後、方針の変更を検討するのか、教えてください。

#280
○参考人(山名元君) お答えいたします。
 私ども、東京電力に対して、廃炉に関わる指導、助言、勧告を法律に基づいて行っております。
 このオペレーティングフロアに設置されているシールドプラグの高線量、この線量の汚染については、やはり更田委員長おっしゃるように、今後の廃炉作業においては非常に重要な情報であるというふうに認識しておるところでございます。
 このデブリ取り出しの方法については、東京電力が二号機から小規模な取り出しを、試験的な取り出しを開始することになっておりますが、あわせて、東京電力において、本格的な取り出しに向けた幾つかの工法概念を具体的に東電として検討しているところであると承知しております。
 この検討に当たっては、シールドプラグの高線量汚染の情報を始めとしまして、それ以外にも格納容器内外の線量ですとか、あるいは燃料デブリの分布の状況ですとか、デブリの取り出しに必要な情報を総合的に検討して、安全、着実な工法を得るという作業を進めているというふうに理解しております。
 私ども機構としては、こうした東京電力のエンジニアリング検討を始めといたしまして、デブリの試験的取り出しや内部調査によって得られる、これから得られる情報、それから国内外の技術動向などを踏まえて、政府や東京電力と情報交換、連携いたしまして、原子力規制委員会とも可能であれば積極的な対応を行って、必要に応じて取り出し方法の戦略を柔軟に検討していくということになるかと考えております。

#281
○岩渕友君 大臣にもお聞きをするんですけれども、今回のことが廃炉期間にも、三十年、四十年というこの期間にも当然影響が出るんじゃないでしょうか。

#282
○国務大臣(梶山弘志君) 二号機及び三号機の格納容器上部の蓋、シールドプラグ周辺の線量が高いことにつきましては、過去の東京電力による調査の結果から推定をされていました。その中で、先日公表された報告書では、蓋の汚染状況について更に詳細な知見が得られたものと認識をしております。
 前提として、現在の中長期ロードマップは、廃炉作業がある程度高線量下で実施されることを考慮した上で策定をされているものであります。そのため、今回判明した新たな知見によって廃炉作業が遅れることは現時点では考えておりませんけれども、様々な状況を踏まえて、必要となれば見直すことになるということであります。

#283
○岩渕友君 これだけのいろんな事実が出てきても、今のところはまだ考えていないということですよね。
 そもそも、通常炉でも廃炉には長い時間が掛かるわけですよね。通常は、通常の原発を廃炉にする場合はいわゆる更地にするということになるわけですけれども、福島第一原発も最終的には更地にするんでしょうか。

#284
○国務大臣(梶山弘志君) 福島第一原発の廃止措置を終了した状態については様々な御意見があると認識をしております。炉内状況の把握や廃棄物処理処分の検討状況など不確定要素が多いために、まだ具体的な絵姿をお示しできる状況になく、今後、更なる調査と研究を進めながら検討を深めていくことが必要と考えております。廃止措置の状態は地域の将来像に関わることでもあるため、技術的観点に加えて、地元の皆様の思いもしっかりと受け止めて検討していく必要があると考えております。
 先ほどの問いですけれども、こういう点もやはり不確定要素が多いということで、そういったものが明らかになってきて、必要になればやっぱりそういう変更というものも考えていくということであります。

#285
○岩渕友君 もう今既に見直すべきときなんだと思うんですよ。いろんな意見も聞きながら決めるということでしたけれども、最終的な状態も決まっていないのに、結局三十年、四十年というところは今のままではまず、今の段階では見直さないということになるわけですよね。
 資料三を御覧いただきたいんですけれども、これは原発の廃止措置終了予定時期なんです。伊方の一号機、二号機でも三十九年だと、福島第二原発四十三年と。通常炉でも四十年近く、若しくは四十年以上掛かるということなんですよね。
 これ、通常炉でさえ四十年以上掛かる廃炉なわけですから、事故を起こした福島第一原発がどうやって四十年以内でやるのかと。そもそものこのロードマップにやっぱり無理があるんだと思うんですよね。どうですか、大臣。

#286
○国務大臣(梶山弘志君) 通常炉の廃炉に要する期間というのは、各原子力事業者が放射性物質の自然減衰を経るための安全貯蔵期間を定めて設定をするものであり、国内で認可されている廃止措置計画を見ますと、二十四年のものもあれば四十四年のものもあると認識をしております。
 福島第一原発では、放射性物質によるリスクを早期に低減していくという考えに立った上で、米国スリーマイル島原発の廃炉や通常廃炉の標準工程等を参考として、三十年から四十年後に完了をさせるという廃炉終了までの期間目標が設定をされているものであります。
 福島第一原発の廃炉は予測の難しい困難な作業が発生することも想定をされます。世界にも前例のない困難な取組ですけれども、引き続き三十年から四十年後の廃止措置終了を目指して、国も前面に立ってしっかりと進めてまいりたいと考えております。

#287
○岩渕友君 資料四を御覧ください。これは昨年七月に日本原子力学会が第一原発の廃炉検討、の中にある廃炉検討委員会というところが公表した報告書なんですけれども、これ驚きを持って受け止められたと。「国際標準からみた廃棄物管理」とした報告書なんですけれども、放射性物質をどう取り扱うかという視点でまとめられたものです。
 これ見ると、廃炉、最終的な状態をあらかじめ設定することが重要だと、ということで四つのシナリオを出しているわけなんですよね。このシナリオによれば、廃炉が完了して敷地を再利用できるようになるには最短でも百年以上掛かるというふうになっているわけなんです。
 シナリオにあるように、最終的な状態によっては放射性廃棄物の量が変わると。敷地の活用の仕方が変わってくるんですね。だから、廃炉が完了するまでに長い時間が掛かるというふうになれば、もう急いで海洋放出決定する必要なくなるということだと思うんですよ。だから、今日こだわって、何で四十年なのかということをずっとやっているんですね。
 廃炉は地域の将来にも関わる重大な問題です。どういう形がいいのか、住民や自治体など地元の声を聞きながら幾つかの選択肢について検討するべきではないでしょうか。

#288
○国務大臣(梶山弘志君) 日本原子力学会が昨年公表しました報告書において、福島第一原発の廃炉について、建屋の解体の開始時期や廃炉終了時の状態を組み合わせた四つのシナリオを御提案いただいたと承知をしております。
 そのシナリオにおいては、デブリ取り出しと施設の解体が別の段階として取りまとめられています。一方で、実際の廃炉作業においては、例えばデブリ取り出しと施設の解体を並行して進めるなど、安全を最優先にしながらも、できる限り早くリスクを低減するために全体最適を考えながら廃炉作業を進めていくことになります。
 このように、原子力学会で示されたシナリオと中長期ロードマップに定める二〇四一から二〇五一年までに廃止措置を終了させるという目標は、一概に比較することは難しいと考えております。福島第一原発の廃炉は世界に前例のない困難な取組であり、引き続き、二〇四一から二〇五一年までの廃止措置完了を目指して、国が前面に立って安全かつ着実に進めていきたいと考えております。できる限り早く、リスクを低減するために全体最適というものを考えながらやっていくということで御理解をいただきたいと思います。

#289
○委員長(野村哲郎君) 時間を経過しておりますので、発言をおまとめください。

#290
○岩渕友君 はい。
 時間なので終わりますけど、最後の設問は、幾つかの選択肢について検討するべきではないかということだったんです。今日議論してきたとおり、中長期ロードマップ、根本的に見直すべきだということを述べて、質問を終わります。

#291
○委員長(野村哲郎君) 他に御発言もないようですから、国会、会計検査院、総務省及び経済産業省の決算についての審査はこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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