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2021/05/26 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 第11号 令和3年5月26日
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2021/05/26 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 第11号 令和3年5月26日

#1
令和三年五月二十六日(水曜日)
   午後三時四十五分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     堀井  巌君     山下 雄平君
     安江 伸夫君     高橋 光男君
 五月二十六日
    辞任         補欠選任
     太田 房江君     加田 裕之君
     山下 雄平君     自見はなこ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石井 浩郎君
    理 事
                進藤金日子君
                本田 顕子君
                山田 修路君
                宮沢 由佳君
                竹谷とし子君
    委 員
                上野 通子君
                太田 房江君
                加田 裕之君
                自見はなこ君
                徳茂 雅之君
                藤末 健三君
                三木  亨君
                宮崎 雅夫君
                山下 雄平君
                山田 俊男君
                川田 龍平君
                岸 真紀子君
                野田 国義君
                福島みずほ君
                伊藤 孝江君
                高橋 光男君
                松沢 成文君
                柳ヶ瀬裕文君
                伊藤 孝恵君
                田村 まみ君
                大門実紀史君
   衆議院議員
       修正案提出者   穴見 陽一君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全)
       )        井上 信治君
   副大臣
       内閣府副大臣   三ッ林裕巳君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        吉川  赳君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮崎 一徳君
       常任委員会専門
       員        佐藤 研資君
   参考人
       一般社団法人日
       本経済団体連合
       会ソーシャル・
       コミュニケーシ
       ョン本部長    正木 義久君
       一般社団法人全
       国消費者団体連
       絡会事務局長   浦郷 由季君
       弁護士
       日本弁護士連合
       会消費者問題対
       策委員会委員長  釜井 英法君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○消費者被害の防止及びその回復の促進を図るた
 めの特定商取引に関する法律等の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────

#2
○委員長(石井浩郎君) ただいまから地方創生及び消費者問題に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、堀井巌君及び安江伸夫君が委員を辞任され、その補欠として山下雄平君及び高橋光男君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(石井浩郎君) 消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。井上内閣府特命担当大臣。

#4
○国務大臣(井上信治君) ただいま議題となりました消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。
 高齢化の進展、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向けた新たな日常における社会経済情勢の変化等により、消費者を取り巻く環境は大きく変化しています。そのような中で、消費者の脆弱性に付け込む、巧妙な悪質商法による被害が増加しています。
 こうした状況を踏まえて、消費者被害の防止、消費者利益の保護を図ることは我が国経済の健全な発展のためにも重要です。このような認識の下、消費者被害の防止及びその回復の促進を図るために、関連する法律を改正する次第です。
 次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、特定商取引に関する法律について、詐欺的な定期購入商法への対策として、通信販売における契約の申込みに係る書面等への不実の表示や人を誤認させるような表示を禁止するなどの措置を講ずることとしています。また、売買契約に基づかないで送付された商品について、販売業者がその返還を請求することができる期間をなくすこととしています。さらに、消費者の利便性の向上やデジタル技術を活用した消費者利益の保護を図るため、販売業者等が契約締結時等に交付すべき書面の交付に代えて、購入者等の承諾を得て、書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供できることとしています。加えて、申込者等が契約の申込みの撤回等を電磁的記録により行うこともできることとしています。このほか、外国執行当局に対する情報提供制度の創設を行うとともに、新たに禁止する行為について、罰則を定めるなどの措置を講ずることとしています。
 第二に、特定商品等の預託等取引契約に関する法律について、法律の規制の対象となる物品を政令で指定するものから全ての物品とし、法律の題名を預託等取引に関する法律に改めることとしています。また、販売を伴う預託等取引を原則として禁止するとともに、禁止に違反した者に対する罰則を定めることとしています。このほか、特定商取引に関する法律と同様に、書面交付に係る規定の見直しを行うなど所要の規定を整備することとしています。
 第三に、消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律について、内閣総理大臣は、特定適格消費者団体が被害回復裁判手続を適切に追行するために必要な限度において、特定適格消費者団体に対し、特定商取引に関する法律及び預託等取引に関する法律に基づく行政処分に関して作成した書類を提供することができることとしています。
 なお、一部の規定を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしています。
 以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。

#5
○委員長(石井浩郎君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員穴見陽一君から説明を聴取いたします。穴見陽一君。

#6
○衆議院議員(穴見陽一君) 消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律案の衆議院における修正部分につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 第一に、クーリングオフを電子メール等で行う場合の効力の発生時期について、いわゆる発信主義を採用し、申込みの撤回又は契約の解除に係る電磁的記録による通知を発したときとすることとしております。
 第二に、販売業者等が契約締結時に交付すべき書面に関して、書面交付を電子化する規定の施行の延期をしております。原案は、「公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日」としておりますが、これを「公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日」といたしました。
 第三に、この書面交付を電子化する規定に関する検討条項の追加でございます。政府は、書面交付を電子化する規定の施行後二年を経過した場合において、この規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとしております。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

#7
○委員長(石井浩郎君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#8
○委員長(石井浩郎君) 速記を起こしてください。
    ─────────────

#9
○委員長(石井浩郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に一般社団法人日本経済団体連合会ソーシャル・コミュニケーション本部長正木義久君、一般社団法人全国消費者団体連絡会事務局長浦郷由季君及び弁護士・日本弁護士連合会消費者問題対策委員会委員長釜井英法君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#10
○委員長(石井浩郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#11
○委員長(石井浩郎君) 消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、正木参考人、浦郷参考人、釜井参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度委員長の許可を得ることになっておりますので、御承知おきください。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず正木参考人からお願いいたします。正木参考人。

#12
○参考人(正木義久君) 日本経済団体連合会、経団連でソーシャル・コミュニケーション本部長を務めております正木でございます。
 本日は、消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして経団連の考え方を御説明させていただく機会を頂戴し、誠にありがとうございます。
 私、経団連を代表いたしまして、消費者庁特定商取引及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会に参画し、本法律案のベースとなる検討に参画してまいりました。
 そこで、私からは、衆議院で修正可決された本法律案に賛成の立場から、本法案の悪徳商法対策と消費者利益増進対策の二つの対策の意義と残された課題について考え方を述べたいと存じます。
 最初は悪徳商法対策の意義でございます。
 経団連は、消費者や投資家など企業を取り巻く様々な方々とのエンゲージメントを結び、ウエルビーイングな社会を実現するということを通じまして、サステーナブルな資本主義の達成を目指しております。
 消費者については、そこに参加する消費者と事業者の双方にとって健全な市場をつくることが期待されるところでございます。一方、市場を荒らし、市場の参加者を不安に陥れる悪徳事業者は、消費者、事業者双方にとって共通の敵です。その趣旨から、今回の法案で、販売預託商法、通販の詐欺的な定期購入商法、送り付け商法の三つのタイプの悪徳商法を規律したことは大変画期的であると評価しております。
 消費者庁の検討委員会で検討するに当たって、これら悪徳商法をどうやって防ぐのか、私どもでも大変悩みました。昭和の規律では、業法で正しい事業をする者を登録させて、無登録の事業者を業法違反で取り締まる手法、それから取引の対象物を特定して取り締まる手法があったかと思います。しかし、現在は、ネットワーク会社が道路を走る乗り物を造り、自動車会社が都市をつくる時代です。業の在り方が変わっていく中で、伝統的な業法による規制には限界があります。
 今回の法改正のきっかけとなっている悪徳事業者、これはいずれも業や物の定義のはざまをついて消費者をだますような者たちです。そこで、思い切って、販売預託商法を原則禁止することを始め、悪徳な事業のモデルを規律することに賛成をいたしました。
 もちろん、悪貨が良貨を駆逐したり、新しいビジネスの芽を摘んだりすることがあってはなりません。例えば、コロナ禍で苦しむ企業が本社ビルを売却して運転資金を得た上で、そのビルのテナントになって月々の賃料を支払うリースバックの手法は、雇用を守りながら企業を存続させるための知恵です。一旦販売して所有権を移転した不動産をそのまま自らの下に置く点では似ていますけれども、今回の法律ではこうした事業者間の取引はきちんと除いています。
 こうした配慮をした上で、とはいえ、一旦、販売預託というある種のビジネスモデルを原則禁止とし、預託法の特定商品等の限定列挙を廃止する、あらゆる商品等を制限するというのは経済界としても思い切った決断でありまして、送り付け商法についても同様の本当に決断でございました。しかし、悪徳事業者を駆逐するためにはやむを得ないということで賛成をいたしまして、検討委員会の河上委員長には感激していただきました。
 本法案のもう一つの意義は消費者利益増進対策です。
 消費行動がグローバルに広がる中で、外国執行当局に対する情報提供制度は、消費者庁が外国の執行当局に情報提供できるようにすることにより、相互主義によって外国の執行当局から消費者庁に情報提供をしてもらえるようにするというものでありまして、日本の消費者を食い物にして海外に逃げ込む悪徳事業者を追い込むのに有効な手段かと存じます。
 また、消費者からのクーリングオフの通知を電子メールの送付で行うようにできるようにすること、これ大変有意義でございまして、衆議院での審議でこれを発信主義とすることを明確にされたことは、これまで悪徳事業者のクーリングオフ用の回線がつながらないといったことのためにクーリングオフを諦めていた消費者にとっては、非常に安心できるものになったんではないかと捉えております。
 一方、本法案では、事業者が交付する契約書面についても、消費者が承諾をすれば電磁的な方法での提供もよいことを定めていただいております。
 経団連の規制改革要望では、オンライン英会話教室のように、契約の申込みもサービスの提供も全てオンライン上で行われるのに、なぜ契約書だけは紙で送らなければいけないのかという指摘を受けていたものもございます。
 また、ホームセキュリティーあるいはお年寄りの見守りサービスを提供する会社が、自宅を訪問をして営業して見積りをお渡しした後、後日、オンラインで申込みの署名と契約の交付をするということにしたいんだけれども、現行法の下では、訪問時に一気に契約をしてしまうか、契約の交付のためにコロナ禍にもかかわらずお客様を再訪問しなければならないといった指摘がございました。
 このような事例を踏まえますと、消費者の承諾を得た上で本法案で電子メールの送付等で契約書面の交付ができるようにしたということにつきましては、消費者の利便性を高める、意義のある改正だと評価しております。
 改正電子帳簿保存法も施行され、企業の現場では、判こレス化、契約書類のデジタル化が進んでおります。昨年九月にスイスの国際経営開発研究所、IMDが発表した世界デジタル競争力ランキングで、日本は前年から四つ順位を落としまして二十七位となっておりますが、本法案の成立によりまして消費者の利便性を高めたということをアピールできれば、再度ランキングを上げることができるんじゃないかというふうにも思っております。
 最後に、本法案に今後残された課題として認識しております論点を二つ述べたいと思います。
 第一の課題は、消費者裁判手続特例法の改正についてです。
 本法案によりまして、特商法や預託法の行政処分に関して作成された書類を特定適格消費者団体に提供することとなっております。被害回復裁判のために、行政処分を受けた事業者に下された行政処分の処分書のような書類が提供されるのかと存じますけれども、民事裁判の一方当事者に行政が情報を提供するというものでございますので、その内容については慎重に検討した上で内閣府令で定めることが必要かと存じます。
 第二の課題は、改正法に新設された特商法第十一条四号と第十二条の六に位置付けられました通信販売の広告規制です。
 商品やサービスの申込画面に、販売が終了してしまうと誤解させるなどの目的で、申込みをせくようなカウントダウンを表示して消費者をあおることができないようにする目的で設けられました。ただ、この法文を見ますと、その結果、ある商品、サービスについて期間限定の販売が行われていたという場合に、申込みの最終確認の画面のところでその期間について正しく表示することが必要ということになっております。
 しかし、通信販売の場合でなくても、セールの期間を好評のために一週間延長ということは起こり得る現象でありますので、それを虚偽表示と区別するということが必要になってまいります。また、例えば、製品のメーカーによる新商品販売セール、何々ショッピングサイトのキャンペーンセール、消費者の使う決済サービスによって異なるクレジットカード会社のポイント還元セールなど、複数のセールが重なっていることなどは日常よくあることでございます。それら様々な主体によって異なるキャンペーン期間を通信販売事業者の責任で最終画面に正しく表示するというのは非常に厳しいところがございます。
 送料無料、設置費無料、ポイント還元、エコバッグプレゼントなど、製品価格の割引以外のキャンペーンや特典もありますけれども、どこまで表示が必要なのか、できるのか。現在、最終画面にこうした表示をしているところが少なくて、通信販売事業者はシステムの改修が求められることになるかもしれませんが、実行可能で簡便、合理的な制度となるよう、今後の整理をお願いしたいと思います。
 最後に、健全な市場づくりのために、市場に参加する事業者、消費者が共に手を携えて、行政当局がグローバルに協力し合うことを示した本法案の意義を改めて強調したいと思います。
 今国会では、さきに当委員会で取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律案について審査いただき、可決、成立していただきました。ありがとうございました。先月、当委員会でその法案につきまして発言の機会をいただいた際、私は、同法案は、デジタル空間で、販売事業者、運営事業者、消費者の全ての当事者が利便性を享受しつつ、安全、安心な取引ができる市場を形成するための第一歩であると申し上げました。
 市場という場をつくるためには、市場とそうでない場との間にしっかりとした城壁をつくり、壁に守られた消費者が安心して自らの意思で良い商品、サービスを選択できるようにする必要がございます。本日御審議いただいている消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特商法等の一部を改正する法律案は、事業者、消費者、行政が手を携えて、共通の敵である悪徳事業者を許さないという毅然とした態度を示して、健全な市場を守る壁をつくるものだと捉えております。
 事業者、消費者、行政が互いに協力しなければ城壁は破られてしまいます。是非、本委員会の先生方にも手を携えていただき、一緒に敵に立ち向かっていただければと存じます。
 以上が今回の法案に対する経団連の見解でございます。
 御清聴、誠にありがとうございました。

#13
○委員長(石井浩郎君) ありがとうございました。
 次に、浦郷参考人からお願いいたします。浦郷参考人。

#14
○参考人(浦郷由季君) 一般社団法人全国消費者団体連絡会の浦郷と申します。
 本日は、特商法、預託法の改正の審議に関し意見を申し述べる機会をいただき、ありがとうございます。
 私ども全国消費者団体連絡会は消費者団体の全国的な連絡組織で、全国四十七の団体が緩やかにつながりながら、消費者問題、食品の安全や表示、環境、エネルギーなど、暮らしに関わる様々なテーマについて消費者の立場から意見発信を進めています。
 私からは、この間の消費者運動の経緯とともに、意見、要望を述べたいと思います。
 今回の特商法、預託法の改正については、昨年の八月に消費者庁の検討会において報告書がまとめられました。
 大きな社会問題となった豊田商事やジャパンライフなど、多くの消費者に多額の財産被害を及ぼしてきた悪質な販売預託商法について、本質的に反社会的な性質を有し、行為自体が無価値であると捉え、原則禁止として明記されました。また、消費生活相談で増加している詐欺的な定期購入についても規制強化が記載され、消費者の不安に付け込む送り付け商法についても何ら正常な事業活動とはみなされないとして制度的な措置を講じる必要があるとされ、画期的な報告書となりました。
 こうした報告書がまとめられた背景には、四つの消費者団体、それは、主婦連合会、日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会、通称NACSと呼ばれている団体です、そして全国消費生活相談員協会、日本消費者協会が委員として参加し、消費者の立場や消費生活相談の現場の声から、健全な市場を願い、最後まで悪質商法の規制や撤廃を強く求めたことが大きな力となりました。
 また、河上正二委員長の、悪質な事業者は消費者にとっても健全な経済活動を行う事業者にとっても共通の敵であるという認識の下、議論が進められ、様々な立場にある委員をまとめられたということも大きく寄与しました。
 この検討会に関わった委員と消費者庁の事務局の努力により画期的な報告書が出されたことを踏まえ、全国消団連では、この報告書に沿った実効性のある法改正を進める旨の意見書、それを九月に提出するとともに、改正を進めている消費者庁の後押しをする、その意味も込めて、全国的な消費者運動の展開に向けて取り組むこととしました。
 十月に消費者庁取引対策課の笹路課長をお招きし、オンラインで、北海道から九州まで百名を超える参加者の下、学習会を開催、検討会報告書の内容を学ぶとともに法改正の実現を求め、参加者や会員団体に向けて、地方議会から国へ意見書提出を求める取組を呼びかけました。このとき、笹路課長からも、必ず報告書どおりの改正を目指すと強い決意を述べていただきました。そして、呼びかけに応じて各地域で活動している消費者団体、適格消費者団体、生協連、弁護士会など、連携、調整を図り、地方議会への働きかけを進めてくださいました。
 十二月八日にはシンポジウムも開催し、再び消費者庁の笹路課長に登壇いただくとともに、日弁連消費者問題対策委員会の弁護士の方々に協力いただきまして、法改正について地方議会の議員へ説明する際のポイントなどを説明、解説していただきました。このときの参加者は約百五十名となり、報告書に沿った実効性のある法改正を実現しようと心を一つにし、本格的に各地で働きかけを進みました。
 しかし、その頃、消費者庁では、書面の電子化について改正案に盛り込むことを検討していたようです。シンポジウムでは、笹路課長はそのことには一切触れませんでした。
 書面の電子化が改正案に盛り込まれようとしていることが事実と分かり、大変重大な問題であるということから、全国消団連では、十二月二十五日に、法改正における契約書面等の電子化は拙速であり、慎重な論議を行うよう意見書を提出しました。このときは、特商法におけるオンライン完結型の特定継続的役務だけであると認識していました。
 しかし、年が明けて一月十四日の消費者委員会での消費者庁の報告により、通信販売を除く全ての取引類型や商品預託取引も含めて電子化の検討を進めていることが分かり、全国の消費者団体、弁護士会、司法書士会などからも、書面交付の電子化に反対する意見書が次々と出されていく状況となりました。
 また、一月二十日の消費者委員会のヒアリングでは、日本訪問販売協会より、書面の電子化の検討について、青天のへきれきみたいなものであって、従来そういったものの現実感がない中で、そういった議論はしてきた経緯はございませんという発言もありました。
 意見書の発出状況を私どもで把握できる範囲で取りまとめ、一覧にしていますが、五月十二日現在で百六十二団体となっています。本日、日本退職者連合も意見書を出されたということをお聞きしましたので、本日時点で百六十三団体となります。
 提出団体の大まかな内訳は、弁護士会三十三、弁護団等が九、司法書士会等九、生協連等六、自治体が五、全国知事会一、それから消費者団体、労働団体等が百となります。消費者団体の中には、日頃消費生活相談の場で相談業務をされている相談員の方々の任意の団体グループも含まれています。これほどの短期間でこれだけの団体の意見提出があった。つまり、電子化による消費者メリットより、電子化による消費者被害の拡大の方が大変懸念されているということです。
 実は、この書面の電子化問題により、地方議会からの意見書提出の取組を断念したという地域もありました。しかし、預託法の販売預託取引の原則禁止、詐欺的な定期購入契約や送り付け商法の規制強化についてはもう是非とも改正を進めてほしいということで、地方議会への請願、陳情に取り組んでいただき、全国三十の自治体において意見書が採択されています。中には、書面の電子化について、拙速な導入を避け、慎重な検討を求める旨を意見書に加えた自治体が四つありました。
 今回のような消費者保護に関わる重要な論点の、済みません、そもそも、今回の書面の電子化については、検討会の報告書にもなく、話題にもならなかった事項です。それが、いつどこでどのような議論があって今回の改正に盛り込むことになったのでしょうか。消費者庁は検討したと言いますが、例のあの規制改革推進会議の成長戦略ワーキング・グループや内閣府の規制改革推進室からの要請から本当に短い期間で、それも消費者庁内だけでの議論ではとても十分な議論とは言えません。今回のように消費者保護に関わる重要な論点の改正であれば、まず検討会を立ち上げて、消費生活相談員や専門家なども含め、慎重かつ十分に議論を積み重ねるべきです。
 私は、社会のデジタル化が進むこと全般に反対しているわけではありません。社会のデジタル化が進み、消費者の暮らしがより便利になることは大変良いことだと思います。ただし、便利になる一方で、個人情報の流出やインターネット上でのトラブルなど、デジタル社会における新たな問題への対応を同時に行わなければなりません。特に、高齢者など社会のデジタル化に対応できていない方々への対応を丁寧に行っていく必要があると思います。
 五月十二日に参議院本会議で可決、成立されたデジタル社会形成基本法の第七条には、デジタル社会の形成は国民が安全で安心して暮らせる社会の実現に寄与するものでなければならないとあります。特商法は、消費者トラブルが多発している販売類型を特定して、消費者保護を目的に規制を掛けている法律です。特商法において安易に書面交付を電子化すべきではない、このことは本当は消費者庁が一番よく分かっているはずです。消費生活相談現場を持つ消費者団体からは、もうとんでもない、電子化が可能になったらますます消費者被害が増えると懸念の声が上がっています。
 消費者庁のホームページには、「消費者庁の使命」として、「消費者行政の「舵取り役」として、消費者が主役となって、安心して安全で豊かに暮らすことができる社会を実現する。」と掲げられています。消費者庁はもっと消費者に寄り添ってください。
 契約書面の電子化については、きちんと議論、検討してから改正しても遅くありません。電子化の必要性や規制の実効性、消費者保護の確保、電子書面の交付を認めた場合の弊害など、それらについて慎重に検討してからにしてください。
 衆議院の審議では、電子メールでのクーリングオフについて、メールを発信したときに効力が生じることを明記する修正がありました。これにより、効力が生じるタイミングが明確になり、消費生活相談の現場では大変有効に機能すると期待しております。
 一方、書面交付の電子化については施行期間が一年延長されましたが、被害が大きい訪問販売や連鎖販売取引などを含め、通信販売を除く全ての取引類型が対象となる点については修正されませんでした。これだけ多くの消費生活相談員、消費者団体、弁護士会などが消費者被害の増加を危惧し、書面交付の電子化の条文削除を求めているのに、残念でなりません。この参議院の審議の中で改めて検討していただくことを心よりお願い申し上げます。
 今回の特商法、預託法の改正は消費者庁の検討会の報告書に沿った内容となっており、その趣旨の改正の実現については強く願っています。しかし、書面交付の電子化に関しては、これまで述べた経緯や各地からの意見を踏まえ、改めて条文から削除すべきであるということをいま一度申し上げ、私からの発言を終えさせていただきます。
 ありがとうございました。

#15
○委員長(石井浩郎君) ありがとうございました。
 次に、釜井参考人からお願いいたします。釜井参考人。

#16
○参考人(釜井英法君) 私は、一九八八年四月に弁護士になりまして、この三十三年間、東京で、多重債務、悪質業者が絡んだクレジット被害、詐欺的商法被害などの事件に取り組んできました。昨年の六月からは日弁連の消費者問題対策委員会の委員長を務めております。そのような消費者被害の現場を担当してきた弁護士の立場から、今回の特商法、預託法等改正法案について意見を述べます。
 事前に意見書を出しておりますが、これを全部読むと十五分では終わらないので、少し要約した形でお話をさせていただきます。
 本改正法案のうち、販売預託商法の原則禁止及び詐欺的定期購入商法と送り付け商法に対する規制強化の点は、悪質事業者を消費者及び事業者の共通の敵として、その悪質事業者にターゲットを絞った抜本的な制度改革を実行すべきと提言した昨年八月の検討委員会報告書に見事に応えたもので、被害の防止と救済の実効性が期待でき、高く評価しています。
 また、電子メールによりクーリングオフ通知ができるようにすることに関し、当初の改正案では効力発生時期を発信時とする明文規定が欠けていたところ、衆議院でそれを発信時と定める修正案が可決されたことも、実態をよく理解された的確な措置であったというふうに考えております。
 しかし、書面交付義務の電子化を認める点については、全国消団連の浦郷さんが今陳述されたとおり、本日時点で百六十三の団体から反対、慎重意見の提出がされています。にもかかわらず、衆議院では、この点について施行時期を二年先とする修正がされただけで、その他の点については全く見直しがされませんでした。しかも、政省令等の制定や抜本的な被害防止策の検討等に向けての附帯決議もなされませんでした。これは大変残念に思っております。
 参議院では、この電子化によって生じ得る消費者被害の防止について、改めて適用対象の見直しも含めた慎重な検討がなされることを期待しています。そして、仮に、承諾の要件を政省令で厳格に定めることを条件に契約書面の電子交付を認めるという方針を参議院においても選択されるというのであれば、消費者が書面を電子化することの意味を正しく理解した上で、真に主体的に請求した場合、単に承諾したのではなくて請求した場合に限定して電子化を認めるべきと考えます。
 事前に提出した意見書の順番とは異なりますが、もし長くなってからというところをちょっと心配しまして、先に預託法の改正について述べ、その後、特商法改正の書面交付義務の電子化等についてお話をさせてください。
 預託法改正についての意見は、意見書の八ページから十ページに書いています。
 豊田商事事件が起こってから約三十五年目にして、内閣総理大臣の確認制度の創設により、販売預託商法が原則禁止となります。まさに画期的な法改正だと評価します。約三十五年間の著名な販売預託被害事件の総被害額は一兆円を超えています。今後、この改正法を生かしてこの種の被害を根絶するためには、隙間事案の対応について目を光らせておく必要があると考えます。隙間が生じ得るのは、役務と権利の関係、預託期間の要件、金融商品取引法や出資法との関係です。
 この種の被害が発生したときには、市民の一番近くにいる消費生活センターの相談員さんや私たち弁護士が相談を受け、被害回復に動くというのが初期の対応ですが、被害の拡大を防止すること、被害実態を解明していくことは、主として主務官庁の仕事です。その際、法解釈の隙間が主務官庁の動きの障害となり得ます。この三十五年間に一兆円を超える被害が生じていることがその証左です。この隙間をなくすためには、事業者側の恣意的な解釈による規制逃れを許さないという主務官庁の気概ですね、それと、たらい回しにしないという関連省庁間の迅速かつ柔軟な連携、これが肝だというふうに思っております。
 今回の改正では、特定適格消費者団体に対して、特商法や預託法に基づく処分に関して作成した書類を提供できるとした規定も入りました。行政と民間との連携で共通の敵と戦うという観点から評価できます。そのほか、消費者庁や特定適格消費者団体の破産申立て権、解散命令制度、加害者の不当な収益を剥奪して被害者を救済する制度等の創設、出資法違反の罰則の引上げというような論点もあります。この辺りも含め、参議院で議論し、附帯決議等によって確認していただけることを願っております。
 次に、一番大きな問題だと思っている書面交付義務の電子化の点についてお話しします。
 書面交付義務の電子化を認めますと、書面交付義務とクーリングオフ制度が持つ消費者保護機能を失うおそれが強いということは、既に衆議院において繰り返し指摘されてきたところです。
 デジタル社会の推進という政府全体の方針に基づいて書面交付義務の電子化を導入するのであれば、消費者がオンラインで自分でアクセスして英会話指導契約を締結するような、オンラインで始まりオンラインで完結する、そういう契約類型に絞って導入するというのが本来であると思います。
 突然の不意打ち勧誘から始まる訪問販売、電話勧誘販売、訪問購入、甘い利益誘引勧誘から始まる連鎖販売取引、いわゆるマルチ、業務提供誘引販売取引など、消費者の判断をゆがめる危険性のある勧誘から始まる取引に書面交付義務の電子化を導入することは、必要性もなく、逆に悪質業者に新たな武器を与えるものであって、被害拡大を招く危険性が高いというふうに考えます。むしろ、デジタル社会の推進を正面から議論するのであれば、消費者が商品やサービスを主体的に選択できるような環境づくりこそが重要だと思います。
 五年前の特商法改正でその規制を見送られましたが、不意打ち勧誘で主体的選択がゆがめられる危険性が高い訪問販売と電話勧誘販売、これらは不招請勧誘取引と言われていますが、その相談件数は、訪問販売は年約八万件、電話勧誘販売は年約六万件と、改正当時とは相変わらない高い水準にあります。この不招請勧誘取引の規制に直ちにむしろ取り組むべきだというふうに考えます。
 若者を中心に年間約一万件の相談が続いています連鎖販売取引、これも来年四月からの成年年齢引下げによって増加することが危惧されています。これも甘い利益誘導勧誘で、主体的な選択権をゆがめる危険性の高い取引です。この若年者へのマルチ取引規制にも直ちに取り組むべきです。
 中身に入ります。
 政府の答弁によれば、書面交付義務の電子化については、消費者の承諾を要件として電子化を認めるのだから消費者の利益は害されないとか、消費者が真意で承諾した場合に限るから消費者の不利益は生じないなどと説明されています。
 しかし、特商法の契約類型の主たるものは、先ほどから言いましたように、事業者が不意打ち勧誘や利益誘導勧誘で消費者を主導的に勧誘して契約締結に持ち込むものです。消費者は受け身の立場で断り切れずに契約させられるという類型です。情報量も事業者と消費者との間には大きな格差があります。したがって、本体の契約を勧誘するのと同じ場面で事業者が消費者に対し契約書面の電子交付を積極的に一体的に勧誘すれば、条文上は書面が原則となっていても、実際には電子交付が原則的な形態となってしまいます。消費者の承諾は歯止めにはなりません。
 それならば、電子交付の場合に書面の消費者保護機能を確保するにはどうしたらいいんでしょうか。少なくとも次の措置を全て満たすことが必須であるというふうに私は考えています。
 まず、事業者から勧誘されて受け身の立場で電子交付を承諾するというのではなく、消費者が主体的に積極的に電子交付を希望し、それを請求した場合に限り電子交付を認めるとすべきです。
 衆議院の五月十一日、消費者問題特別委員会で参考人の河上正二先生が、消費者がどうしても電子情報の方が自分が管理がしやすいから欲しいというふうに言っているときにはこれを認めるということが適切だろうと考えていると述べられました。河上先生の発言の趣旨にも合致する措置だというふうに考えます。
 そして、この電子交付の請求というのは、証拠を消費者の手元に残すという観点から書面で行うこととし、控えを消費者が取得することを要するとすべきです。
 また、訪問販売等によって対面勧誘を行って、消費者が実質的に契約の申込みを承諾した時点、状態、段階で契約の申込手続を電子メールなどで行うことを認めると、通信手段で申込みを受けたから通信販売であると主張するような悪質業者が現れる可能性があります。
 そうなると、実際は訪問販売、訪問購入であるのに、それらに対する特商法上の規制を全面的に脱法できることとなってしまいます。訪問販売であることを証拠として残すためにも、電子化の請求は書面ですることを要するとする必要があります。
 念のため、今国会で、訪問販売、訪問購入による対面勧誘が行われた結果、消費者から電磁的方法により本体契約の申込みを受けた場合は通信販売には当たらず、訪問販売、訪問購入に該当するということを解釈として確認しておいていただけると有り難いというふうに考えております。
 まあ、そんな細かいことを言って、そんなひどいことをする業者のことまで考えなくてもというふうに思われるかもしれません。しかし、消費生活相談員さんや弁護士の現場感覚からすると、極めて常識的な感覚なんです。こういう業者が普通に出てくる、これがこの分野、訪問販売とかの不招請勧誘等の分野です。そういう分野に電子交付が導入されるという、その恐ろしさを是非御理解いただきたいというふうに思います。
 さらに、電子化された契約書面は、紙の契約書に比べて契約内容の詳細やクーリングオフの存在に気付く機会が失われるおそれが強いことから、事業者は、消費者が電子交付を選択する前に、契約書面にはクーリングオフができることを含む重要な権利義務が記載されていることや、電子交付を請求すると、クーリングオフ期間の、クーリングオフの起算日が電子データを受信した日からになることなど、契約書中の重要事項の説明を消費者に対して行う義務を規定することが必要だと考えます。
 金融商品取引法や電気通信事業法では、契約締結前に説明書面を交付して、それを分かりやすく説明する義務を負うことが省令に規定されています。しかし、業者の登録制が採用されていない特商法では、できれば法律に記載していただきたい。仮にそうでないとしても、政省令で契約締結前に重要事項の説明をする事業者の義務を規定することを附帯決議等で明確に方向付けていただきたいというふうに考えます。
 その際、対面取引においては、説明したか否かが水掛け論とならないように、説明義務の対象となる事項を紙の書面に記載して交付することを義務付けるべきだと考えます。
 デジタルデバイドという言葉があります。デジタル社会の推進は、昨今のコロナワクチン接種予約の混乱状況を見ても分かるように、デジタル機器に不慣れな、脆弱な消費者を切り捨てるものであってはならないということです。
 二〇二〇年の消費生活年報によりますと、訪問販売、電話勧誘販売、訪問購入に関する相談で、契約当事者が七十歳以上の高齢者の相談がそれぞれ四〇%、四〇%、五四%となっています。
 マルチ取引に関する相談は、約一万一千件のうち約四五%が二十歳代の若者です。若者は、デジタル機器の使い方には慣れていても、そこから得られる情報の理解度、利用度についてはまだ十分とは言い難い面があります。これらの分野に契約書面の電子化が認められると、その被害は潜在化しながら拡大するおそれがあります。マルチについては、来年四月の成年年齢引下げにより、被害の増加が心配されるところです。
 このデジタルデバイドの観点からも、特商法の契約書面の電子化はできれば削除、仮に認めるとしても、消費者被害が拡大しない範囲でのみ許容されるように法律及び政省令で厳格に規定するよう、参議院において更に議論していただきたいと思います。
 あと、詐欺的定期購入と送り付け商法について少し述べます。
 詐欺的定期購入については、意見書の五ページ以下で説明しています。
 事業者が設定した特定申込画面について、独立の条文を設けるなどして詐欺的定期購入の規制を強化した点は評価できます。しかし、誤認を招く表示を禁止するという法律の規定だけでは、規制する実効性が確保できません。具体例と判断基準を政省令、通達などで明確に定めていただきたいと思います。
 送り付け商法については、十四日の要件を削除して直ちに返還請求を喪失するとしたことは評価できます。しかし、一般消費者には分かりにくい面もあるので、消費者庁には是非積極的な啓発活動をしていただきたい。
 一方、改正法には、こういう送り付け商法を繰り返す悪質事業者に対する行政処分権限の規定が欠けております。刑事事件になるまでそのような悪質事業者がばっこする事態は避けたいところです。
 参議院の審議においては、今後の送り付け商法のトラブルの推移を注視して、必要に応じて行政処分権限の追加について検討することを課題として確認していただければというふうに思います。
 以上です。どうもありがとうございました。

#17
○委員長(石井浩郎君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
    ─────────────

#18
○委員長(石井浩郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、太田房江君及び山下雄平君が委員を辞任され、その補欠として加田裕之君及び自見はなこ君が選任されました。
    ─────────────

#19
○委員長(石井浩郎君) これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#20
○進藤金日子君 自由民主党の進藤金日子でございます。
 本日は、三名の参考人の方々、貴重な御意見を賜りまして、誠にありがとうございます。
 私の方からは、今回のこの特定商取引法等の改正法案につきまして、特に、今いろいろ参考人の方からも御意見ありましたけれども、契約書面等の電子化に関しまして、これもう百六十三団体の意見書が出されているということを今伺いました。実は、私のところにも多くの不安な声だとか疑問あるいは反対の声、寄せられているところであります。
 そこで、三人の参考人の方々にお尋ねしたいと思います。
 社会全体におきましてデジタル化を急速に進める必要があるということ、これは浦郷参考人も賛成なんだと、全体のということで言っておられましたけれども、こういう急速にデジタル化を進める必要がある中で、デジタル技術の積極的活用による消費者の利便性向上、それとその消費者保護の在り方についてどのようにお考えになられるか、お聞かせ願いたいと思います。
 正木参考人、浦郷参考人、それから釜井参考人の順でお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

#21
○参考人(正木義久君) 進藤先生、ありがとうございます。
 経団連、SDGsの社会貢献をデジタルの力で解決していくというソサエティー五・〇フォーSDGsというのを標榜して、デジタルトランスフォーメーション、まさに推し進めております。
 その考え方なんですけれども、性別、年齢、職業、国籍、出身、障害の有無などにかかわらず、あらゆる市民が包摂的にデジタルで情報にアクセスでき、そして課題の解決に取り組めるという社会ということでございます。その趣旨で、あらゆる手続をデジタルでアクセスできる社会づくりというのを目指してございまして、特商法、預託法にもう限らず、まさにあらゆる行政文書や契約書面などについてデジタルでアクセスを可能にするということだと考えております。
 契約書もデジタルになれば、視覚障害の方、高齢で少し小さい字が難しいという方も大きな画面で文面を確認できるようになりますし、日本語が苦手という方も翻訳ソフト等を使って契約書面がまさに読めるようになる。さらに、転送が簡単にできますので、遠くの息子さんに、おまえは法律ちょっと得意だろう、ちょっと見てくれないかというふうに見てもらうということもできるということでございます。
 この法案でも、希望する人がデジタルで契約書を受け取れるようになったということは、こういうダイバーシティー・アンド・インクルージョンの考え方において望ましいことだと思っております。むしろ、そういう方を切り捨ててはいけないというふうに思っております。事業者、消費者双方にとって、判こレス、ペーパーレスで手続を効率化して生産性の向上に寄与するという観点でももちろん望ましいということは言えるかと思います。
 ですので、今回の法案でも、消費者が求めているのに、事業者が、いや、法律で紙で渡せと言われているのでデジタルではあげられないよというような言い訳をすることを許すんじゃなくて、きちんとデジタルの書面を交付するというようなことが必要じゃないかなというふうに思っております。

#22
○参考人(浦郷由季君) ありがとうございます。
 本当にここ数年で多くの方がスマートフォンを持つようになって、消費者もそれを利用しているというところでは、様々なところで利便性の向上ということは考えなければいけないと思います。ただ、やはり消費者保護という観点もあると思います。
 今回のこのことに関していえば、例えば特定継続的役務のところのオンラインの英会話というところが最初に出てきたところだと思います。オンラインで英会話を受講しようという方は、さすがにやはりデジタルで、オンラインでやることに慣れている方だと思います。そういう方でしたら、申込みをして、いろいろ手続をして、最後の契約書のところだけ、じゃ書面でというと、やはりそこは、ここも電子化、データでもらえることはできないのかって、そうおっしゃる方もいると思います。
 そういう方でしたら、たとえ電子で契約書をもらったとしても、きちんと自分でそれを受け取ることができて、きちんとそれを読むことができて、保存もきちんとできる方だと思いますので、今回のことでいえば、このオンラインの英会話、オンライン完結型であればまあ百歩譲って電子化でもいいのかなと思いますけれども、やはりこの特商法というのはいろんな被害が多発しているところから規制されているというところ、訪問販売とかそういうところでは、不意に来て勧誘されて、消費者もよく分からないうちに勧誘が、すごく勧誘されたのでよく分からないけれども契約してしまったという、そういうところで電子で、じゃデータと言われても、そもそもそこら辺もよく分からない状況だと思います。
 特に、高齢者の方とかは多分お孫さんと何か写真をやり取りしたいとか、そういうところでスマートフォンを手にされる方も多いと思いますけれども、それ以外の機能ってなかなか使いこなすことができないと思います。
 そういうところで、やはり今回のことに関しては、まずどういう規制が必要かということをきちんと先に議論をしてからやるべきだと思います。
 以上です。

#23
○参考人(釜井英法君) 先ほども出したんですが、デジタル社会での思い描いているのは、いろんな店舗に行っていろんなものを見て自分で自由に選ぶというようなことが、全世界のそういう、ウエブでですね、いろんな商品、いろんな店から自分が選んで買うことができる、そういうようなことが念頭に置かれるんだろうな、目指しているところなんだろうなと思うんですが、特商法のところは、今、浦郷さんが言われたとおり、不招請勧誘というのは、そもそも自分が買おうとも思っていなかった、突然やってきて、こんなことがあると言われて、一体何だろうという中で説得されて買わされてしまうというのが訪問販売。電話勧誘販売も同じです。
 そういう中で、だから、それは入口が、自分で選択するというところがもうおよそ欠けて、相手からの情報だけで選択せざるを得ないような状態。それで、自分の中に疑問が起こっても、相手は非常にもうそういうところにたけた人たちですから、たくさんの情報、商品やサービスについての情報だけでなくて、そういう戸惑っている消費者の方にどうやったら契約を締結させることができるのかという情報まで持っている。そんなようなところにデジタルというところでやってしまうと、結局証拠がはっきり残らないし、余りそもそも興味がなかったり、高齢者だったりするとどこにしまったかが分からないような、そういうようなことがある。
 だから、デジタル化というのは私も目指すべきものだと思っていますし、私も、夜遅く本が欲しくなったときに自分で調べて買ったら翌日来ているという、もうこんな、それはすばらしいなと思いますが、こういう訪問販売、電話勧誘販売、また利益誘導でこれはもうかるよというような形で寄ってきた、そこについてまたデジタルというのも、そもそも自分が余り考えていない、自分でもうかるかどうかというのについてしっかりと検討してやるんではなくて勧誘によって契約をさせられてしまう、そういうところではこのデジタルというのが逆に、便利なデジタルが逆に利用されてしまう、そういう危険性があるというところ。
 それから、導入する方針はいいんですが、それを導入したらまずいよ、副作用としてすごくまずい結果が起こり得るよというところは一個一個慎重にやって環境整備をしていくというのが正しいデジタル社会をつくる、何というか、基本なのかな、基本的な方針なのではないかなというふうに考えます。

#24
○進藤金日子君 ありがとうございます。
 次に、正木参考人にお尋ねしたいというふうに思います。
 報道等によりますと、正木参考人は、デジタルでの契約締結は国際的な潮流なんだと、契約書の交付も原則デジタルで行うべきで、例外的に紙を認めるべきというようなことをおっしゃられております。
 これは、先ほどお聞きしましたけど、やはりダイバーシティー・インクルーシブの観点というところを強く出されているのかなというふうに理解しているんですけれども、そういった中で、参議院本会議や衆議院の質疑におきまして、政府側は、書面交付の電子化に際しまして、この消費者からの承諾の取り方が重要なんだと、そして、政省令で手続の細則を定めて承諾の実質化を図る旨の答弁をしているわけであります。
 そこで、この細則のですね、細かい規則ですね、細則の内容は、当然これやっぱり厳格であるべきだというふうに私は思います。他方で、厳格になればなるほど契約書等の電子化に係る手続が煩雑になって、結果的に書面交付のみという事態も想定されるわけであります。
 こうした側面に対してどのような御意見をお持ちか、お聞かせ願いたいと思います。

#25
○参考人(正木義久君) ありがとうございます。
 おっしゃるとおり、何か、お二人の参考人がおっしゃっているところもあるんですけれども、いつの間にか承諾させられてしまったという状況に陥るのはよろしくない、そういう画面にしないということだと思います。契約書を電子的なもので受け取りたいということを認識して表明できるようなボタンのつくり方、あるいは何か書くというようなやり方というふうなことをすれば効率的じゃないかなと思います。

#26
○進藤金日子君 ありがとうございます。
 次に、浦郷参考人にお尋ねしたいと思います。
 浦郷参考人は、契約書等の電子化には大きな懸念を示されていると、むしろ反対だというふうにおっしゃっておられます。そういった中で、やはりその理由の中の一つとして、高齢者だとか若年者の消費者被害の増大が懸念されるんだということ、これ述べられているわけでございますが、そうした中で、特に高齢者の方の消費者被害を未然に防止するためには、一般的に高齢者向けの消費者啓発の強化だとか地域におけるネットワークを活用した見守りの強化というのが想定されると思いますが、その辺について浦郷参考人の立場からどのようにお考えになられるか、お聞かせ願いたいと思います。

#27
○参考人(浦郷由季君) ありがとうございます。
 やはり高齢者のところでは、先生おっしゃったように、見守りというところが一番だと思います。その点では、介護の方が家にいらっしゃるとか、時々家族の方がいらっしゃるとか、そういう中で、何だかよく分からないけど紙の書面があった、これは何というところで、そこから発覚していくことがあると思います。また、契約書が見えなくても、何かいつもと違うものがあったとき、これどうしたのという話になったときに、いや、実は買ったんだとか、こういう家の修理をやることになったんだといったときに、えっ、契約書はどこにあるのというのを周りの方が聞いたときに、それがもし電子化であったら、それがどこにあるかというのはその高齢者御本人がよく分からないところだと思います。そこはやはり紙であるということで視認性があるというんですか、周りの方も気付くというところで。
 やはり高齢者、これだけ消費者被害増えています。本当に高齢者、先ほど釜井先生の方からもありましたけれども、高齢者の被害のパーセンテージというのはとても多くなっております。その中で、やはりここで電子化ということになってしまうと、これからますます被害が増える、その見守りの機能さえ果たせなくなってしまうのではないかというところで、そこら辺を大変懸念しております。

#28
○進藤金日子君 ありがとうございます。
 少し時間が迫ってきておりますので、釜井参考人には書面交付義務が持つ消費者保護機能のところを少しお尋ねしたかったんですが、時間の関係もありますので、今日の御意見のペーパーを深くまた読まさせていただきたいと思います。
 本日は、改めて三人の参考人の方々に感謝を申し上げ、私の質問を終えさせていただきたいと思います。本当にどうもありがとうございました。

#29
○岸真紀子君 立憲民主・社民の岸真紀子です。
 今日は、参考人の先生方、皆さん、ありがとうございます。
 私は、先ほど高齢者のことが聞かれていたんですが、先に、じゃ、浦郷参考人にお聞きしたいんですが、私自身、高卒で就職をしていまして、十八歳、十九歳が一番ちょっと狙われやすい世代なんじゃないかというふうに感じてきました。
 どんなことを言うかというと、私自身も経験があるんですが、マルチ商法ですね。友人を通じて高額な商品への勧誘というのが多かったです。知人なので断りづらいし、行けば、その場に誘われて行ったら、セールストークが余りにも巧みなので断りづらいという経験があります。本来十代では全く必要がない補正下着とか、十万円する下着とかですね、とか洗剤、二十四時間風呂といったお誘いも昔ありました。また、訪問販売でいうと高額な鍋とか食器セット。覚えているのは、将来結婚するに当たって必要になるよと、損しないよということで十万円ものものを十代のうちに売り付けようとするという商法がありました。
 そういうことを考えると、高額なのについうっかり契約を結びたくなるという経験を何度もしてきた私から言えば、若者が付け入れられるという懸念があるのではないかと思うんですが、消費者相談を受けてきた立場から、今回のこの特商法改正と現代の若者被害での懸念、教えていただけますか。

#30
○参考人(浦郷由季君) ありがとうございます。
 若者が特に被害が多いということになると、連鎖販売取引、マルチ商法になると思いますけれども、やはりSNSなどでこうやって誘われて、その中では先輩とか後輩とか友人とか、そういう人間関係が複雑に絡み合っているので、なかなかそこで断りにくいというところがあります。今でさえそういう感じですので、本当に契約の内容を十分に理解しないまま、もう本当に引き込まれて、先ほど言われたように、高額の請求、そういうトラブルがあると思います。
 そういう勧誘という中で、今回、電子化に、もしなった場合、その契約書を持つ意味の、十分理解して、ちゃんと、書面の電子化、もし承諾とかそういうことになったらそこを実質的に判断できるのかというと、そこはどうなのかなと、不可能ではないかなと思います。
 若者というのは、デジタル機器の使い方というのはすごく慣れていると思います。コミュニケーションなんかもそういうスマートフォン中心でやっていると思いますけれども、その見るものというのは、やっぱり動画とか画像とか、そこに短い文章が付くLINEとかツイッターとか、そういうのが主で、長い文章をきちんと読むということはなかなか若者も苦手なところではないかなということがあります。紙の方がまだ読みやすいのではないのか、電子データ上での長い文章というのをなかなか読みこなすことができないのではないかというところで、やはり若者の被害というのもどんどん増えていくんではないかという懸念をしております。

#31
○岸真紀子君 ありがとうございます。
 すごく分かりやすかったですね。今は、じゃ、SNSとかでお誘いが来るということとかも、私の時代とはちょっと違うけれども、新たな手法なのかなというふうに思いました。
 そこで、今のお話も踏まえ、今度、釜井参考人にお伺いしたいんですが、その契約書が、先ほどもお話あったとおり、やっぱり画面で見るというのは、なかなかスクロールをして下の方まで見ないという問題があると思うんですが、特定商取引の契約書面には、クーリングオフを赤枠の中に赤字で記載をして、さらに文字の大きさも八ポイント以上じゃなければという決めがあると思うんですが、これが、今度、このスマホ、多分多いのはスマホだと思うんですが、若い方の場合、スマホで見るときに、法律家から見て、八ポイント以上とかそういう決まりがあるのに整合性が取れているとお考えになられますかというのと、また、こういった対策を義務付けている消費者保護が守られるかどうかということへの御意見もお伺いします。

#32
○参考人(釜井英法君) ちょっとイメージが、小さいスマホで字を見ていると、それを八ポイントといってもその設定によって全然違ってきますので、条件というのが、提供の仕方、書面の記載の仕方というところは大変工夫しないとできないのではないのかなと。余り大きくすれば、紙をもう物すごく動かさないと書面全体がまた見えないようなことにもなるかもしれないというところで、大変、実際上、見付けるのが難しいだろうと。紙であればもう表裏で、それで赤字とかで書いていればすぐに見えます。これはもう本当に、親と相談を受けたときに、本人が持ってきたら、あっ、この部分は自分ができるんでしょうかというようなことで、よく相談とかにはありますから、やはりあれは紙の、警告している機能といいますか、そういうものができるんだよというのは大変合理的なものだなというふうには考えています。
 それからあと、だから、電子書面にしたときにそこのところをどうするのか。本当に意地の悪い、特にマルチなんかは物すごく結構説明が長いんですけど、百ページも二百ページもある中の、やって、そこに書いてはいるけど、どこに何が書いているかが分からないというような、そういうような事態というのは生じ得るんではないかなと。そんな、もうその中に言葉として、変な言葉というか、業者に有利な言葉を紛れ込ませるとか、そういう危険性は高まるかなという気はします。そういう、何といいますか、たくさん利益が出るよと言って勧誘しようというような業者がいるところだからという、普通は余りそんなことは考えないわけですけど。

#33
○岸真紀子君 ありがとうございます。
 もう一つ釜井参考人にお伺いしたいんですが、消費者の観点とちょっとずれてしまうかもしれませんけど、契約書面を電子メールに添付というふうになるとすれば、ウイルスメールとの違いが分かりにくくなるんではないかという御意見があったと思うんですが、今も、例えば私も昨日も実際にメールでもらったもので、本物の宅配業者かと思うぐらい巧妙なフィッシングメールというんですかね、フィッシング詐欺ですね、ウイルスが添付されているようなメールというのが多いと思うんです。
 そういった、日弁連の意見書には、フィッシング詐欺を疑って契約書を開かないのではないかという懸念が書いてありましたが、更に言えば、私はその契約書面の電子化を偽ったフィッシング詐欺を増長させるということも考えられるのではないかと思うんですが、このことについて御見解ありますか。

#34
○参考人(釜井英法君) もう本当に、いろんな法律ができたとか、いろんな事故が起こったといいますか、パスワードの流出事故が起こったというような、新聞にそういうものが出れば必ずそういうようなことを利用した形で、何といいますか、お金を払わせるような業者、もうこれは業者というよりはほとんど犯罪集団に近いんですけれど、そういう人たちが出てくるというのはもう常に今までも見てきていますし、この辺りで特商法等の書面の電子化というようなことになれば、いろんな悪い人たちがいろんなことを考えていろんなことで送り付けてくる可能性はあるかなというふうには思います。

#35
○岸真紀子君 ありがとうございます。
 続いて、正木参考人にお伺いします。
 様々なこの契約書面の電子化の心配というか懸念が、いろんな御意見が今までも聞いていると思うんですが、先ほどもお話を聞いていると、やっぱり消費者としても事業者としても悪徳商法に対してはきちんと対峙していかなきゃいけないんだということをおっしゃっていました。
 それであれば、先ほどもお話にあったと思うんですが、事業者から積極的にこの電子化を勧めるのではなくて、消費者が望んだ場合に絞ってやるというふうな手法にした方がいいのではないかなと先ほどの意見を聞きながら私自身思ったんですが、そういうことをすることによって言わば真面目な業者を悪質業者から守るということにもつながってくるのではないかと思うんですが、こういった私の考え方について正木参考人の立場からするとどういうふうにお考えか、お伺いします。

#36
○参考人(正木義久君) まさにおっしゃるとおりで、消費者の方が、デジタルであるからこそ輝ける方が、あるいはいろいろ情報が得られるという方がいらっしゃるわけですから、消費者の方の利便性を向上するという観点からデジタルの書類が行くようになるのが望ましいと。で、それの法文上の表現がその承諾なのか釜井先生の言われる請求なのかというのは、これ法律のことで、私はこういうものなのかなと思いましたけれども、気持ちとしては消費者の方の便利になるためにデジタル化をしているんだというふうに考えております。

#37
○岸真紀子君 ありがとうございます。
 本当はいろんな工夫をしないと、なかなかこれは無用な消費者トラブルを生んでしまうような気がするので、本当に一緒になって考えていかなきゃいけない法案だなというふうに思います。
 もう少し時間があるのでお話お聞きしたいんですが、また浦郷参考人にお聞きします。
 契約書面の電子化は消費者の承諾が必要となっているんですが、信頼ある承諾がないとは言い切れませんが、きちんと信頼がある承諾もあるかもしれないんですけど、消費者トラブルの場合は、やっぱり訪問販売とか電話勧誘など、突然訪問されて、私もそうですけど、はっきり断りづらいのにたたき込まれるように言われてしまうということで、勢いで契約をさせられるということが多いんですよ。その中で勢いで承諾書も書かされてしまうんではないかというふうに考える面もあるのではないかと思うんですが、これまで消費者相談を受けてきた立場からいうと、そういうことってあり得るかどうかというのを再度お伺いします。

#38
○参考人(浦郷由季君) ありがとうございます。
 おっしゃるとおりだと思います。やはり訪問販売とかそういうところでは、不意打ち的に勧誘が始まって、本当に消費者は受動的な立場でいろいろ言われて、自分の中でその意思決定ですか、そういうのがなかなかできないまま本当に契約を迫られるみたいなそういう状況、そういう場面の中で、じゃ、契約書の書面についても電子化でいいですかという承諾ですね、得る場合も、その中で承諾したということだと、それはとても本人が真に承諾したということにはならないと思います。
 それをどうやって確認するのかというところが、消費者庁の方でもいろいろ要件ですか、出してきていますけれども、それだけでは本当に承諾を得たという、真の承諾ということにはならないのではないかなということは思っております。

#39
○岸真紀子君 最後に、送り付け商法についてお伺いをしたいんです。釜井参考人にお伺いします。
 先日の本会議でもこの送り付け商法について大臣の答弁いただいているんですが、そもそも送り付け商法については消費者は代金を支払わなくていいという前提なので、だからこそ全てを全面禁止にしなかったんだという答弁がありました。
 しかし、消費者には送り付け商法について代金を払わなくていいという概念が伝わっていないのではないかと考えられるんですが、消費者被害の現場から見てどうお考えでしょうか。

#40
○参考人(釜井英法君) そんなケースでどうしたらいいのかという相談はあって、それが送り付け商法なのか間違ってしまったのかと、で、どうしたらいいか分からなくてそのままにしているとか、非常にそこがはっきりしなかった、しないから不安だというような相談は実際にあります。
 それから、今まではそこが二週間というところが、たったら処分できるというようなことだったんですけれども、その辺りはもうその期間が取っ払われたので少しは障害は減りましたが、一般常識とはちょっと違うので、自分のところに来たものを勝手に処分していいのかというところは普通にはなかなか理解し難いから、やはり消費者庁の方で、こんな制度ができてこうなんだというのを丁寧に広報するということ、啓発活動するということが重要なんじゃないかなというふうに思っております。

#41
○岸真紀子君 三人の参考人の皆さん、ありがとうございます。大変参考になりました。
 引き続き地方消費者行政とも連携をしながら取組が必要だということが分かりましたので、以上で質問を終わります。ありがとうございました。

#42
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。
 三人の参考人の皆様、本日は貴重な御意見を聞かせていただき、本当にありがとうございます。
 まず初めに、正木参考人に伺いたいと思います。
 今年の三月五日に経団連様から本改正法案が閣議決定されたことについてコメントを発表され、その中で正木参考人は、契約書面の電子交付について、原則が紙になったことは残念だが、一歩前進となったとコメントをされたものと承知をしております。
 御案内のとおり、契約書面等の電子化につきましては消費者の脆弱性に付け込む悪質業者を助長するリスクも指摘をされ、関係団体からも否定的意見が多数あるところでございます。正木参考人として、契約書等は電子化されるべきとのお考えだと拝察をいたしますが、課題として指摘をされています電子化によって悪質業者を助長するのではないかとの御懸念について、正木参考人のお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。

#43
○参考人(正木義久君) 竹谷先生、ありがとうございます。
 御指摘のとおり、まず、デジタル化については、本来であれば、経団連の考え方としては、先ほどデジタルトランスフォーメーション、あらゆるところに及ぼしていくんだと。二〇二〇年の世界デジタル競争ランキングが先ほど六十三か国中二十七位というふうに言っていましたけれども、規制の枠組みというのが悪くて四十四位で、ビジネスの俊敏性というのは五十六位ということでございまして、まさに日本はちょっと遅れているんじゃないかという焦燥感がありましたので、原則がデジタルでもういいんじゃないのかというふうにも思っておりました。
 ですが、いろんな御意見がある中で、原則と例外がひっくり返ったというのは残念だけれども、でも一歩デジタル化が進んだというところを評価しております。
 で、いや、様々な新しい技術ができれば新しい犯罪というかが生まれてくると、これはもう仕方がないというか、それを何とかしてまた塞いでいくということを、不断の努力をしていくしかないということはもう理解をしております。先ほどのほかの参考人の方々のおっしゃるとおり、いろんなことが起こるんだと思います。
 ですが、オレオレ詐欺があるから電話を使うのはもうやめましょうということにはならないのと同じように、やはりインターネットを使った取引というのがこれだけ広がっているんですから、やはりその中に応じた在り方ということに我々も進んでいかなければいけない。その上で、脆弱性と、あるいは、今回の法案の中にまさに入っていますけれども、誤認させるような表示、これを止めるというようなことをやっていく必要があるということだと思います。なので、今回の法案の中に幾つか入りました条項というのはまさに大事だなと。
 残された課題として、アフィリエイト広告ですとかいろんなことが今回の特商法の検討会の中に出ておりますけれども、まだまだ塞ぎ切れていない穴というのがあります。ですが、これも一つずつよく研究をして、また消費者行政を進化させていくということしかないんじゃないかなと思っております。

#44
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 続きまして、浦郷参考人にお尋ねをいたします。
 全国消団連の皆様におかれましては、日頃から消費者の利益保護のために様々お取り組みいただきまして、誠にありがとうございます。
 まず、本改正法案のうち、詐欺的な定期購入商法対策や送り付け商法対策、預託法の規制強化といった点については消団連様も肯定的に御評価をいただいているものと承知をしております。
 その上で、これらの改正につきまして、消費者保護の目線から今後更に検討すべき積み残された課題として御認識しているものがあれば御指摘いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#45
○参考人(浦郷由季君) ありがとうございます。
 詐欺的定期購入については規制強化ということで入れていただいております。表示事項の義務付けですとか虚偽・誇大表示の禁止とか盛り込まれているというところで大変評価できるものだと思っております。
 ただ、やはり、こちらの方でも、広告画面というところですね、広告画面というところで違反の目安をきちんとガイドライン等で示していただきたいなというのがあります。
 あと、申込みの画面のところですね。定期購入契約がありまして、初回分の価格とか数量とか、あと二回目以降の価格とか数量とか、それがちょっと離れたところに書いてありますと、やはりなかなか見にくいところがあります。特にスマートフォンで契約する場合は本当にスクロールしていかないと分からないというところがありますので、そこら辺もきちんと、不適正なものはどういうものかというものをガイドライン等できちんと示していただければと思います。
 送り付け商法につきましては、もう直ちに返還請求喪失ということで、消費者の方で自由に処分もできるしというところで、大変いい規制になったと思っております。ただ、弁護士の先生方ともお話ししている中で、やはりそういう悪質な業者に対するその規制というところが必要で、行政処分の権限を加えた方がいいんではないかというようなお話も伺っております。
 それから、預託法の方ですね、本当に原則禁止というところで厳しいものを入れていただいております。あれは検討会の報告書に沿った形というところで、本当今後のところで、販売預託のそういう悪質な被害が多分起こらないのではないかとは思っておりますけれども、やはり悪質な事業者というのはいるもので、隙間を狙ってくるところもあると思いますので、そういう隙間事案に対処できるような、そういうところを是非今後のところでも検討していただきたいと思います。
 以上です。

#46
○竹谷とし子君 続きまして、釜井参考人に伺いたいと思います。
 今年の二月十八日、日弁連様で書面交付義務の電子化に反対する意見書を提出されたと承知をしております。その中で、仮に書面の電子化を検討するとした場合の措置の考え方として具体的な御提案を含む幾つかの御意見をいただいており、大変参考になるものと考えております。
 この意見書の内容も踏まえて釜井参考人にお尋ねをいたします。
 紙の書面交付による契約内容の警告機能、告知機能、保存機能と同等の機能をどうすれば電子化された契約書においても担保することができるか、釜井参考人のお考えをお聞かせいただければと思います。

#47
○参考人(釜井英法君) なかなかちょっと難しい問題です。ちょっと待ってください。
 そこで言っているのは、紙というのはそこに、目の前にあって、その中に全て情報が含まれていると。ところが、デジタルになると、それを見付けるのが技術が必要になる。携帯の中のどこかのフォルダに入っていると言うけど、そのフォルダを使ったことがない人は、もうそこから見付けることができない。
 どんな形で、それをまた再交付を要求したときに、今度はもう向こうの業者がいなくなっていたり連絡が取れなくなってきたりすると、もうその書面というのが行方不明になってしまうというようなところがあって、紙はそういう面では固定的に安定的に存在するけれど、デジタルの情報というのはどうしても、便利ではありますが、紙に比べると紛失とか見付けにくいところがある。でも、なくならないという、どこかのサーバーなんかに行けばどこかにたどり着くというところはあるのかもしれませんが、なかなかそれを一般的な人ができるのかというのが難しいところ。いいところと悪いところがあるんだろうと思うんですけれど、なかなか今デジタルでここまですれば紙と同様になるというところは言いにくいです。
 しかし、そのデジタルを使いこなせるだけの方、全て書類とか契約書は自分が整理してやっているというような方であれば、大変それは、ほぼ、警告機能とかの消費者保護機能というのは十分に活用できるんだと思うんですけど、できない人が出てきてしまう。紙であればそれは平等に、基本的に平等にそういう保護機能を享受できると、そういう違いかなと思っております。いいところと悪いところがあるみたいな。

#48
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 今回の契約書等の電子化については、消費者一般についての不利益のほか、例えばデジタル機器に不慣れな高齢者、あるいは民法成年年齢も相まった若年層などの世代特有のリスクも指摘をされているところでございます。仮に契約書等の電子化を含む本法案が成立したとしても、こうした、今御指摘もありましたように、不慣れな方もいらっしゃいますので、世代別の特性を踏まえた対応や配慮も重要であるというふうに考えますが、釜井参考人の御意見お伺いできればと思います。

#49
○参考人(釜井英法君) 個別の対応ということと、私が、先ほども申し上げましたが、デジタル社会での目指すものというのは、自分が選んで自分がそこの中で内容を確認して契約するというようなことです。
 特商法の世界でそれをやると、不招請、全然自分が思っていないのに突然の訪問で契約をするかどうかを迫られてやってしまう。片一方では、すごく、本当かなと思うようなことで利益誘導でやる。そういうようなことを制限すれば、きちんと規制すれば、何か違う商売でやってくれたらいいのではないかと。訪問販売じゃなくて、じゃ、ウエブでちゃんと情報を提示して売りなさいよと。そういうような形でやるのであれば、むしろ転業してもらいたいといいますか、そんな、訪れて、えっと思わせて買わせるというやり方を、これはもう世界ではそういう不招請勧誘、海外では大きな国では大体そういう規制を入れているところが多いんですけれど、この辺りを逆に整備するといいますか、規制をしっかりとしていくと、デジタルの方を入れたとしても被害は広がらない、深まらない可能性が出てくる。だから、そういう、何というのかな、デジタルと書面だけというのではなくて、売り方とかについての規制というのを考えたらどうかなというふうに思っています。
 ちょうど特商法が前の改正から五年たって見直しというところがあって、前にはまさにその不招請勧誘を規制するかどうかというところが新聞の勧誘とかのことでそれ以上進めませんでしたけど、やはりこのデジタルの中で、デジタル化の中でもう一度その訪問販売とかの在り方というのを考えた、電話勧誘販売とかの在り方を考えるべき、そこをきちんとやればデジタルの利用というのにもスムーズにいくのではないのか、そんなように考えています。

#50
○竹谷とし子君 ありがとうございました。
 最後に、正木参考人にもう一点伺います。
 今回、販売を伴う預託等取引が原則として禁止をされることになりました。違反に対する罰則も規定をされます。また、禁止の対象となる契約を無効とする民事効も付与されることになっております。
 今回の預託法の改正案についての御評価をお願いしたいと思います。

#51
○参考人(正木義久君) 本当にこの一つのビジネスモデルを禁止するということについては清水の舞台から飛び降りる思いをしたところもあったんですけれども、やはり消費者被害のこの実態に鑑みまして原則禁止ということに賛成いたしました。これで少しでも被害が減ればいいなというふうに思っております。

#52
○竹谷とし子君 時間ですので終わります。どうもありがとうございました。

#53
○柳ヶ瀬裕文君 日本維新の会の柳ヶ瀬裕文でございます。
 お三方から貴重な御意見いただきまして、ありがとうございました。
 ちょっと時間もないので早速質問に入らせていただきたいと思うんですけど、まず正木参考人にお伺いしたいと思います。
 今回、契約書面等の電子化が論点となっているわけですけれども、この点について、オンラインで取引が完結するようなものに関しては、そのメリットというのはよく分かるわけですけれども、一方で、皆さんが懸念されている点は、訪問販売等の対面取引においてもこの電子化の必要があるのかということをよく聞くわけですけれども、この対面訪問販売等でオンラインの契約書を交付することによるメリットであるとか、その辺をちょっと御説明いただければというふうに思うんですけど、いかがでしょうか。

#54
○参考人(正木義久君) ありがとうございます。
 これ、経団連の規制改革要望の中で実はあったので少し先ほどの冒頭の発言の中でも申し上げたんですけれども、ホームセキュリティーというサービスがあります。あるいは、お年寄り見守りサービスというのがあります。警備会社さんがやっているものです。それこそ、泥棒とか悪徳の事業者が入ってこないようにセンサーとかカメラを設置するような業態なんですけれども、これもこの訪問販売の規制に逆に入ってしまうんですね。全国警備業協会としては、何かやる方ない思いもあるらしいんですが。
 これ、現在は、お客様の照会等でまずお宅を訪問してサービス内容を説明して、どこにどう設置するのかとかプランニングをやると。その時点で実は契約の話もできるんですね。ですが、一応その見積りをして一度帰って、今は二回目に再訪問してもう一度重要事項を説明をして契約をしているということなんです。ここの部分が非常に重複感があるなということで規制改革要望が出ていました。
 ちなみに、こちらの警備業者さんですと、結局センサーの取付けですとかカメラの取付けのためにもう一度訪問しますので、今三回訪問していると。おっしゃるには、一回目のところと三回目のところは奥様の係なんだけれども、二回目の契約書は旦那さんの係だったりして、結構調整も大変なんだというところで、ここが、真ん中のところが電子化されたら非常にいいなということで御要望いただいたというようなことでございまして、こういう事実があります。
 こういうことであればやってもいいんじゃないかなというふうに思いまして、我々の要望といたしました。

#55
○柳ヶ瀬裕文君 正木参考人、ありがとうございます。
 ほかに具体事例はありますでしょうか。追い質問で申し訳ないんですけれども、済みません、いろんな事例を知りたいものですから、是非。

#56
○参考人(正木義久君) 今回のその規制改革委員会に上がったきっかけの要望は、この二〇二〇年四月の経済団体の規制改革要望で上げたのはこの事例でございました。済みません、そのほかの事例の研究をよくしておりませんで、申し訳ございません。

#57
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。済みません、しつこい質問で大変失礼しました。
 浦郷参考人にお伺いしたいと思います。
 この契約書面の電子化により発生する事態として、不利な契約内容やクーリングオフの存在に気付く可能性が大きく減少する、また、家族や見守りを行う者が契約の存在に気付くことが困難となる場合があるということをおっしゃっているかというふうにお見受けしております。
 その中で、衆議院の委員会審査の中で、消費者の承諾の取り方に関して、消費者庁として、オンラインで完結する分野は電子メールで、それ以外のものは当面紙で承諾を得ることなどが考えられるという旨を答弁をしているわけですけれども、このオンライン完結以外の分野では紙でという発言があるわけですけれども、これをどう評価されているのか、この点についてお聞かせいただければと思いますけど、いかがでしょうか。

#58
○参考人(浦郷由季君) 実質的な承諾というんですか、そこを確認するためにまたわざわざ紙でやるというところが、それが政府が目指すデジタル化なんでしょうかという素朴な疑問です。

#59
○柳ヶ瀬裕文君 私も素朴にそう思うんですけど、多分いろんなことの調整の中でそういうことに至ったのかなというふうに思うんですが、この実質的な承諾を取る上で、釜井参考人も紙での承諾というのは最低限必要な要件なんだということをおっしゃっているわけですけれども、同じ質問を釜井参考人にもお聞きしたいと思いますけれども、この答弁についてはどのように評価されているのか、いかがでしょうか。

#60
○参考人(釜井英法君) 何といいますか、先ほど対面でデジタル書面を交付するというときのを言われましたけど、対面といっても、本当、企業同士で対面でやるというような場合というのは、お互いにちゃんと内容を理解してやるんであればデジタルというのもそれはありなんだろうと。
 今回問題になっているのは、特商法という、本当に事業者と消費者が圧倒的に力の差があって、そこで被害が起こるから、規制している法律の中でデジタルを使おうというところ、デジタルに変えてしまおうというところが問題だというふうに私は考えています。
 だから、一般的なデジタルのところの議論と、この差がある中にそういうものを持ち込んでいる。しかも、その対象、被害が起きている、すごくたくさん起こっているのは高齢者であって、訪問販売や電話勧誘販売はまさにその相談の四〇%とか五〇%が高齢者の相談なんだと。そんな分野に持ち込んだらどんなふうになるんだろうというところで考えなきゃどうもいけないのかな。
 だから、デジタル一般のところでいったら、正論というのは、うん、確かにそうだねということにはなるんですけど、適用する場面が違うのかなと、そんなふうに考えています。

#61
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。
 送り付け商法についてお伺いしたいというふうに思います。
 釜井参考人にお伺いしたいと思います。
 釜井参考人、日弁連の皆さんは、この送り付け商法自体を全面的に禁止するべきだということをおっしゃっていて、行政処分の対象とすべきと主張されていると承知しています。消費者庁は今回、この商法自体は禁止せず、事業者のインセンティブをなくすことで未然防止に資する制度となったという旨を答弁しているわけですけれども、私もなぜこれを全面的に禁止しないのかなということについては実は疑問を持っているところですが、その点について、なぜ政府がこれを全面的に禁止しないと言っているのか、その理由についてどのようにお考えになっているのか。
 また、今回の法改正で送り付け商法の被害が端的には減っていくというふうにお考えになっているのか、また課題についてはどうなのか、この点についてお聞かせいただければと思います。

#62
○参考人(釜井英法君) 私も、いや、どうしてその禁止しないのかというところはちょっと分からない状態です。
 あとは、今回、二週間という曖昧な部分がなくなりますから、効果はあるのではないかと。送っても、もう効果は出ると思いますけど、でも禁止はしませんから、ちょっとまだ被害的なものは残る可能性はあるとは思います。

#63
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。
 販売預託商法についてお伺いをしたいと思います。
 今回、二段階での認証、確認でこれはクリアできるという例外が残されたということなんですけれども、これまで販売預託商法に関して様々な悪徳商法が生まれてきたということを鑑みて、この二段階の確認の在り方、運用方法、そこで配慮すべき点についてどのようにお考えなのかということを浦郷参考人と釜井参考人にお伺いしたいと思いますけど、いかがでしょうか。

#64
○参考人(浦郷由季君) 今回の二段階で定めているというところで、本当に、商品の種類ごとにその事前の確認を受けないでやることは禁止というところになっていますし、一年ごとの更新が必要というところで、まあこれだけのことをやっていればそういう悪質な販売の預託商法というのはもうできないだろうというところで、きちんとこの二段階で厳しいものを今回のところで法改正していただいています。
 その運用法のところはちょっと私のところでは分かりかねるので、弁護士の先生の方に聞いていただければと思います。済みません。

#65
○参考人(釜井英法君) 販売預託商法を禁止するというところについてどんな規定の仕方をすればいいのかというところは日弁連の部会の中でもすごく検討したんです。でも、なかなか、それに反した場合に刑事罰というふうになると、罪刑法定主義の関係でどんな決め方が、明確にしなければいけない、それは大変なまたそこに穴が生じてしまうかもしれないというようなことで悩んでいたんですが、その中でこの確認制度というのを考えられて、これは非常にすばらしい規制の仕方だと、穴も出ないしというようなふうに評価しております。大変よく考えられた制度だというふうに評価しています。

#66
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございました。
 最後に質問したいんですけれども、これ、法改正は常にされてきたわけですが、悪徳商法とのイタチごっこはもう終わらないだろうというふうに思っています。なので、抜本的なというか根本的なやっぱり対策としては、いかにだまされない消費者を育成していくかといった点が私は非常に重要なんではないかというふうに考えています。
 その上で、浦郷参考人にお伺いしたいんですけれども、現状のこの消費者教育についてどのように評価をされていて、私はまだまだ不足しているなというふうに思っているわけですけれども、これからどういう消費者教育が望まれるのか、この点についてお聞かせいただければと思いますが、いかがでしょうか。

#67
○参考人(浦郷由季君) ありがとうございます。
 消費者教育という面からいうと、やはり若年者のところでは、もう成年年齢の方も引下げになりますから本当にいろんなところでいろんな取組がされていると思いますが、その準備というのはまだまだ十分ではないと思います。
 各学校の方でも消費者教育あると思いますけれども、やはり時間がすごく限られて、大変少ない時間の中でしかそういうこの消費者教育ということが取り組まれていないというところで、本当はもっともっとやっていただきたいし、そういう学校とか教育現場のところでもやっていただきたいし、消費者団体の方も常にそういう消費者への周知とかもやっているところだと思います。
 高齢者のところについては、衆議院のところでも増田参考人がおっしゃっていましたけれども、消費者教育というよりは見守りのところ、見守り活動の方が重要じゃないかというところ。
 それから、あと、今回法改正で例えば送り付け商法とか改正されますけれども、それがやはり消費者に知られていないと、来たときにやっぱり消費者戸惑ってしまうと思いますので、法改正でこういうふうになりましたよということもきちんと周知するというところが非常に重要なのではないかと考えます。

#68
○柳ヶ瀬裕文君 貴重な御意見ありがとうございました。
 もう時間参りましたので、これで終わりたいと思います。ありがとうございました。

#69
○伊藤孝恵君 三人の参考人の皆様、本当に今日はありがとうございました。
 まず冒頭、釜井参考人にお伺いしたいというふうに思います。
 まず、三十三年間、消費者被害の現場を見てこられた釜井参考人、本当にありがとうございます。そして、極めて具体的な御示唆に、その危機感をより感じました。
 契約書面等の電子化について、消費者の承諾は歯止めにならないと、電磁的方法による提供を請求した場合に限り、しかも書面で、それが最低ラインだというようなことをおっしゃっておりました。しかし、共通の認識だと思いますけれども、こういった請求書面にも特殊な環境の中でサインをさせることなど本当にたやすい。
 そういった中で、こんなに被害が多くて、御高齢の方も多くて、この前提があって、これ翻って立法事実はないというのの中で、だからやっぱりもう条文削除しかないんだと。もうこの袋小路の、当初紙でやっていたものを電子化するために、じゃ、紙で事前承認を取ってやっぱり電子化するという、これ本当にコントみたいなことをやっているわけで、だからこの袋小路から抜けるには条文削除しかないと思うんですが。
 でもそれをしないという中で、だからこそ釜井参考人にお伺いしたいのは、じゃ、どういう社会になれば、どういう前提があればデジタル化も受け入れられるのか。例えば、この高齢者のデジタルデバイド対策が劇的に進むですとか、訪問販売や電話勧誘営業の厳しい規制がなされるとか。我々、二年という間しかありませんので、この二年の間に、もちろん政省令の精査も厳しくやっていきますけれども、その精査以外に私たちに何ができるのか、御意見をお伺いできればと思います。

#70
○参考人(釜井英法君) 私たちもそのことを考えていますが、先ほどから申し上げていますが、やはり訪問販売と電話勧誘販売の、基本そういう不招請勧誘を厳しく規制するということだと思います。来てもいい、手を挙げているところには、オーケーですよという人のところには行ってもいいけど、原則駄目といいますか、そんなような形の規制をすれば不意打ちで契約を迫られることはありませんから、自分から、自らいいよという人は、まさにそういう人が来て情報で自分で決めようというそういうこと、そういうふうに捉えられるような形にはなるので、原則それを禁止といいますか、まあ禁止という言葉を使うとちょっとドラスチックですけれど、厳しい規制をするということが次に、早くそれに取り組むべきではないかなと。
 私は、先ほど、五年前の特商法のときに導入の議論はあったけれど、それは入れられなかったけど、それは宿題として残っているものだろうと。この間に全然被害というのは訪問販売も電話勧誘販売も減っていませんから、ほぼ横ばいに来ていますから、そうすれば、やはり同じ議論をして、この二年間の中で一緒に今度はそれをまとめてやると、それが正しいデジタル社会といいますか、それをつくるために、整備をするためには何が必要なのか、この分野でというところの課題なのかなというふうに思っていますし、私たちも次はそういうことを考えて提案をしなければいけないなということを話し合っているところです。

#71
○伊藤孝恵君 原則駄目という、そうやって資料に書いていなかったので、規制と書いてあるので、その厳しい規制の中身、是非お伺いしたかったので、原則駄目、原則禁止にすべきだという御答弁いただきました。
 ちなみに確認なんですが、これ、いわゆる、じゃ企業ツー企業の飛び込み営業というのも駄目ってことかなんという指摘もあるかと思います。ただ、個人に対してやっていても、いや、企業だと思っていました、ないし、僕は一人でやっているわけじゃなく、企業、まさに悪質事業者、企業ですからね、そういった企業の飛び込み営業も含めて原則駄目というふうにすべきだというふうに思っているのかどうか、教えてください。

#72
○参考人(釜井英法君) 対象が消費者であれば、そこで事業者的な消費者といういろいろと今難しい問題が出ていますが、基本は個人であれば消費者だということで、そういうことに対する訪問販売。会社相互、法人相互の飛び込み営業というのは、それまではなかなか難しいんでしょうけど、今からそんな商売でもはやるのかというところは問題ありますけど、むしろ、ウエブできちんと自分の製品とかを広告をして、正しい情報を伝えて顧客を広げるというようなものが恐らくデジタル社会での目指す企業像であるのではないかなと思いますけれど、企業間ではなく個人を相手にするものについては基本的に厳しい制約の仕方、それは原則駄目とか、いろんな手法がちょっとありますけれど、そんなような形で考えています。

#73
○伊藤孝恵君 それでは次に、正木参考人にお伺いしたいというふうに思います。
 ソーシャル・コミュニケーション本部長というところでいらっしゃって、ソーシャル・コミュニケーション、まさに企業の生命線だというふうに思います。そういった中で、日々、企業は、ユーザーインターフェースを改善をして、そしてアクションの最大化させて、それをマネタイズする、これもう当たり前の営みだというふうに思います。今も、ビッグデータとかAIとかそういうのをつくって、広告を出し分けたり、クリエーティブのABテストなんというのも当たり前にやっている。
 それによって、なのでエンゲージメント条件が変わってくるというのは極めて当然というか、使える手法であり、それを虚偽表示だと言われてもというような、そういった危機感も含んでの今後整理が必要という御発言なのかなというふうに思いながら聞いておりました。
 我々は、やっぱりこのデータの利活用が進む前提として、データというのをどういうふうに扱われるか、基本的人権に連なるデータ基本権というのが、この国には概念もないし、もちろんそういった決まりもないということで、そういったものがもう必要なんじゃないかと、必要な時代なんじゃないかというふうに思っております。
 具体的には、自分のデータを自由に管理それから処分できる権利ですね。これ、もちろん死後もです。それから、データを無断で分析、予測されない権利。もちろん、経団連に加盟されているところは企業倫理等、そしてレギュレーション等もちゃんと取って対応していると思いますけれども、そういう会社ばかりではありませんので、そういったことも必要。この安心の下敷きがあって初めて利活用に乗ってくる、自治体DX等への理解も進むというふうに思っています。
 なので、もっとこの国として大きな構えが必要なんじゃないかというふうに思っているんですが、そういったところについて経団連の中等で、そして企業から声があるか、教えてください。

#74
○参考人(正木義久君) おっしゃるとおりです。
 データ自体は本当に便利なものですし、いろんなことで本当は分析をして使えたらいいんですよね。今、もう電子カルテとか、それから、介護の施設ごとに何か今フォーマットがあって、ある介護施設から別の介護施設に移るときにその電子データがうまく移行できないとか、非常にデータの標準化、共通化が遅れていて、それの中の、またその何を共通化しなきゃいけないか、何をA介護施設からB介護施設に移していい情報なのか、そういったところの整理等がまだまだできていない。本当に、それぞれのところで個別最適をやっていて、全体最適が実現していないというところがあると思います。
 まさに大きい構えをどんどんしっかりして、コロナのデータのシステムもたくさんあるんですが、本来であれば、今ワクチンパスポートと言っているようなものについても、きちんと自治体の情報で取っているものが国に吸い上げているんだけれども、それがまた、個人がちゃんと使って、それを持ち歩ける、そういうものがきちんとできたらいいなというふうに思っております。

#75
○伊藤孝恵君 まさに御指摘のとおり、例えば救急車で運ばれているときにそのカルテが見えないとか投薬データが見えないとか、何でなんだと調べると、それは行政縦割りだからですなんていう、本当にどこを見ているのかというような事例が多々ある国です。
 おっしゃるように、ワクチンパスポートの基となるようなデータ、ワクチン接種データをためているそこのデバイス自体も、データ、システム自体もなかなかうまく運用ができていないというデジタル敗戦かまびすしい我が国において、経団連からの御示唆、非常に貴重なので、今後とも御指導をよろしくお願いします。
 そして、最後に浦郷参考人に、そして釜井参考人にもお伺いしたいというふうに思います。
 私、実は送り付け商法の被害に遭ったことがあるんです。ちょうど立候補した際、これ、立候補すると住所が枝番地まで選管から明らかにされてしまうんですよね。自治体によっては改善は今進んでいるんですけれども、私、愛知県なんですが、愛知県はネットにも私の住所が出てしまっているという状態で、選挙期間中、汚い段ボールに古いマッサージ器が入れられて、マッサージ器が、お疲れでしょうと、入っていて、一生懸命電話をしても全くつながらないんですね。ただ、選挙中ですから、ゆっくり考えたり相談に行ったりという時間もなかったというような経験があり、また報道記者をしていたときにも、事故被害者の元に、通夜も終わっていないのに、保険金入りますよね、金融商品いかがですかというふうに御紹介の電話が掛かってきたことも目の当たりにして、大変言葉を失いました。悪質事業者というのの悪質度というのは我々の想像を超えるものだというふうに思います。
 今回、コロナ禍でもワクチン接種予約がなかなかできないという御高齢の方々に電話を掛けて、ワクチン予約を代行しますよなんていう、そういう悪質事業者たちからどうやって御高齢の方々を守ればいいのかというのは、本当に答えが見出せません。
 そのコロナ禍の御高齢者、特に独居の方とか認知症を患っている方とか、そういう方々に対してどういう具体策、守る具体策があるのか、御示唆をいただければと思います。

#76
○参考人(浦郷由季君) ありがとうございます。
 全くおっしゃるとおりだと思います。それで、やはり高齢者をそういう様々な被害から守るというところは、今までも言ってきたとおり、見守りが一番なのではないかなと思います。
 ここの委員会は地方消費者の委員会でもありますけれども、やはり、見守りネットワーク構築しましょうといって、やっと最近になって地域の中でいろんな団体が集まってネットワークできるようになってきました。これを本当はもっともっと進めていただきたいと思います。
 福祉の分野でのネットワークというのはもう先にどんどんどんどんできてきているんですけれども、そこに消費者被害からの見守りのネットワークというのがなかなか入れないでいたところで、ここのところで少しずつ入っていけるようになってきたんですけれども、やはり地方自治体のところでのそういう消費者被害の見守りということがとても重要だと思っています。
 そこに関連して、消費生活相談員に関しても今なかなかなり手がいないというところもありますので、そういうところをもっと地方の行政の方で充実させていってほしいなというのは常々考えております。

#77
○参考人(釜井英法君) やはり、高齢者の方々が孤立化させられないようにつながりをつくるというところは、福祉の関係と消費者庁の関係でもつくろうとしています。そこの関係が相互にうまくいって、基本それぞれ別個の形で進んでいるんですが、やはり工夫している市町村とかではそこをすごく交流をしっかりしてやっているようなところがあるということも聞いています。
 今、日弁連では、いろんなそういうネットワークのつながりの、見守りネットワークの在り方というところで各地でどんな工夫がされているのかというところをちょっと積み重ねていって、そのつながりをつくる、厚労省と消費者庁とのかすがいみたいな形のことができないかということで今いろいろと活動しておるところです。
 やっぱりそういうところを、うまく各地でそういうものができていくというのが、困ったときにそういう問題が発見できて対応できる体制がつくれていくということになるんではないかなというふうに思います。

#78
○伊藤孝恵君 その具体策、大変お伺いしたいというふうに思いました。消費者庁、徳島オフィスはつくって、それは何だよと思っていましたけれども、いざできたんだったら、これが、じゃ、地方行政とのどういうかすがいになるか、その地方人材をどういうふうに確保していくか、育成していくか、そういうところ、ならないといけないんだろうなというふうに思っています。
 今日は本当ありがとうございました。

#79
○大門実紀史君 お忙しい中、ありがとうございます。
 まず、正木参考人に伺います。
 毎回参考人に来ていただいてありがとうございます。前回は資本主義の在り方で意気投合いたしましたけど、ただ、前回のデジタルプラットフォームと違って、この特商法の世界でございますので、何か経団連が訪問販売業界までカバーして一生懸命話をされる必要ないんじゃないかと思いながら聞いているんですけれども。
 ですから、本来はやっぱり日本訪問販売協会の方に今日は実は来ていただきたかったなと私は思っておりますし、正木さん言われたとおり、デジタル化、利便性の向上、誰も否定していないんですよね。正木さん言われたとおり、経済界と消費者の共通の敵が悪徳業者だと、その点から考えて非常に心配があるということをずっと申し上げているわけでございます。
 当事者の訪問販売協会からこの電子化の要望があったのかというのは、浦郷参考人からもあったとおり、当事者が青天のへきれきだと言っているぐらい、なかったんですよね。むしろ、訪問販売協会というのは、ここに会員一覧あるんですけれど、有名な化粧品メーカーとかミシンメーカーとか寝具メーカーとか、大企業も入っていますよね。一方で、私がこの国会で何度も取り上げてきたようなマルチ商法のそうそうたるメンバーも入っているということで、何かもう清濁併せのむ団体なんですよね。
 ただ、この書面の交付については、紙の交付については大変一生懸命頑張っておられまして、特商法ハンドブックというものを作られていて、特に書面交付のところは非常に丁寧にやらなきゃいけないということ書かれているし、相談対応マニュアルもそうですね、相談事例もそうですね。
 この当事者の訪問販売協会そのものは、むしろこの書面で交付するということをきちっとやることによって、このことによって、いろいろ言われる業界だけれど信頼を高めようということで頑張ってきているわけですね。もう見たら分かるとおり、そのとおりなんですよね。
 その、そこのところからもう書面、紙でやらなくていいよと言ってしまうということは、私は、何というんですかね、当事者の努力方向を外すといいますか、目標を取り上げるような、逆効果になるんじゃないかと、逆に言えばですね、いうふうに思うんですけど、本来は訪問販売業界に聞けばいいんですけど、正木さん、いかがお考えでしょうか。

#80
○参考人(正木義久君) まさに今のお話が、私が冒頭申し上げた業による規制というのが、今、世の中どんどん変わってきているんですね。何々業界、何々業界というので規制をする時代じゃなくなってきたと。
 訪問販売業界じゃなくて、今回の要望でいえば、私が先ほど言ったように、警備業の協会というか、警備業の方々から出てきていると。だけれども、今回も預託法の特定のところを外しましたけれども、まさにそれぞれの何か業の規制でやっていると、かえってそれ以外の形とかその隙間を縫った形での悪徳事業者が出てくるので、規制をする側も業の規制を取っ払うということをやっているということです。そんな中で、業界団体の役割も本当に我々の傘下のところでも苦しんでいるわけですけれども。
 そういうことですので、いろんな方があれっと、警備業の方からすると、何で我々、特商法の規制を受けるんだっけというようなところですけれども、でも、訪問をしてホームセキュリティー売っているわけですから、やはり規制の対象になる。これは正しいアプローチ、今の世の中正しいアプローチなんじゃないかと思います。そういった方からすると、いや、三回も訪問しなくて二回でいいんじゃないのというのも、これも真っ当なアプローチじゃないかというふうに私は考えております。

#81
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 今おっしゃったことも含めて具体的にどういうふうにするかということなんですけど、釜井先生は、私もクレサラ、多重債務のときからいろんな場面で御一緒させてもらって、この分野のエキスパート、権威ですけれども、今回も釜井先生らしい緻密な提案をいただいて、仮に政省令で歯止めを掛けるならということで具体的な要件を幾つか示していただきました。大変参考になると思います。
 私は、この今回の書面電子化は、そもそも動機が不純で筋が悪いんで、もうこれ一遍削除すべきだと思いますけれど、ただ、麻生大臣が相談に乗ってやれと言うので消費者庁とこの間いろいろ議論はしているんですけれど。それでいろいろ検討している中で、要するにどこかに、承諾のシステムならばどこかに紙を、そうはいっても、どこかに紙をかませるか、あるいは第三者の承諾をかませるか、これ以外はあれこれやっても防ぎようがないなと、こういうふうに思うのと、ただ、その場合でも、私もこういう悪徳業者と随分付き合ってきましたけど、彼らは必ずあの手この手で擦り抜けるだろうと思うんですよね。
 それで、承諾の仕方ばかりに今政省令でどうするかという議論がいろいろあるんですけれど、私は、今の現時点での結論としては、承諾の方法じゃなくて、承諾の方法は幾らやってもいろいろ擦り抜けられるので、むしろ、先ほどの正木さんの話もあるんですけど、やれる事業者、やってもいい事業者を決めると。これは浦郷参考人言われた、もう百歩譲っての世界なんですけれど。
 例えば政省令で、書面電子化することができる事業者はオンラインで継続してサービスを提供する事業者に限ると。オンラインで継続してサービスを提供する事業者に限ると、それ以外は従前どおりとすると、仮にそうしますよね。なぜ継続してサービスを提供する、これは、例えば一番最初の話の英会話のオンライン教室ですね、例えば三か月コース、六か月コース、継続してというのはそういう意味ですね。こういうところはできるようになると、もう細かい承諾要らないと、もうやればいいと、大体継続してやるからいろいろ安定性ありますからね。
 ただ、継続がなかった場合、オンラインで取引が完結するだけだと、私今相談受けているのは、オンラインで二束三文のPDFとか絵を送り付けて預託商法みたいなことをやっている連中がいるんですよね。これだとオンラインで完結していても駄目だから。
 実際の継続したサービスを提供するというような、そういうものについてはもうできる、ほかは当面駄目というふうにすれば、当初の規制改革会議から出た話もあれだし、まあ百歩譲るのもありますから、それが一番歯止めに、取りあえずの歯止めになるんじゃないかというふうに、この間ちょっと議論していて、細かい承諾のといったってちょっと難しいので、これはもうすぱっとこうやったらどうかというふうにちょっと思ったりするんですけど、釜井先生と浦郷参考人の御意見を聞かせてもらえればと思います。

#82
○参考人(釜井英法君) ちょっと余り考えていなかったので、なかなか、ですが、今回のこの改正法の関係からすると、訪問販売で、そのサービスを提供するのが継続的、オンラインで提供すると、でも契約の締結は本当は対面でやらなきゃいけないという、そういうあれですかね。
 ちょっと伺ったときに、オンラインで全てその後の契約の履行はするんだけれど、最初のところが、最初の契約締結までもオンラインでやるようなことを考えてしまうと、訪問販売とか電話勧誘販売にそもそもこの電子書面でもいいよという法律の形式になっていますから、その部分が意味がなくなってしまうかなとは思ったんですが、本来は訪問販売でその契約をして、その後の契約の履行だけがオンラインで完結するという、そういうところですかね。それであれば、全てのその特商法の契約の類型の中で、そのやり方が、今大門先生が言われたやり方が、何といったらいいか、そのやり方にした場合におよそ改正法のその条項が生きないというような規定になってしまうと駄目かなとは思いますけど。

#83
○大門実紀史君 済みません、突然提案したので。
 要するに、今は法律はどうなっているかというと、できる規定になっていて、政省令で定めるになっているんですね。できる政省令なんですね。
 で、政省令でできるものを決めちゃえばいいと。今は全体ができるになっちゃったんで、その中でできない方法を探しているというようなところがありますけれども、そうじゃなくて、できるものを決めちゃえば、逆の発想ですけど、その方が早いんじゃないかということを申し上げている。

#84
○参考人(釜井英法君) 今ちょっと答えることが何とも、全体の条文の体裁でそういうことができるかどうか、今お答えするとしたら、私が検討してみますとお答えするしかない状況です。しかし、考え方としてはあるのかなと思います。

#85
○参考人(浦郷由季君) 大門先生の、私、おっしゃるとおりだと思います。今、書面の電子化を、実質的な承諾をどう得るかというところで承諾の仕方どうしたらいいかというのを一生懸命考えているところですけれども、やはり消費者が電子データの交付をその納得ずくで承諾するということはあり得ないところだと思います。その中で、今おっしゃった、やれる事業者とか、オンラインで継続して提供する契約とか、そういう方向から行く、本当に取引類型型一つ一つをきちんと議論して決めていくというそちらの方がいいのではないかと思います。
 だから、今回のところはまず改正となってしまっているんですけれども、やはりきちんと検討会を開いて、きちんと関係者の有識者呼んで議論をしてから、一つ一つの取引類型に関してきちんと議論をしてから決めるべきではないかということを思っております。

#86
○大門実紀史君 正木参考人、いかがお考えですか。

#87
○参考人(正木義久君) 何とか業法を作って、登録事業者をつくって、役所に何とか業課をつくってという行政の時代ではもうないだろうというふうに思いますので、やはり今回の枠組みは先ほど言った全部できるというふうにするということで、承諾の取り方というような今の考え方はむしろ新しい規制の在り方だと思いますし、それで規律していくしかないというふうに思います。

#88
○大門実紀史君 終わります。

#89
○委員長(石井浩郎君) 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。
 参考人の皆様には、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時散会
ソース: 国立国会図書館
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