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2021/04/21 第204回国会 衆議院 第204回国会 衆議院 文部科学委員会 第12号 令和3年4月21日
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2021/04/21 第204回国会 衆議院

第204回国会 衆議院 文部科学委員会 第12号 令和3年4月21日

#1
令和三年四月二十一日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 左藤  章君
   理事 青山 周平君 理事 池田 佳隆君
   理事 小渕 優子君 理事 神山 佐市君
   理事 原田 憲治君 理事 菊田真紀子君
   理事 牧  義夫君 理事 浮島 智子君
      安藤  裕君    石川 昭政君
      上杉謙太郎君    尾身 朝子君
      大串 正樹君    櫻田 義孝君
      繁本  護君    柴山 昌彦君
      谷川 弥一君    中村 裕之君
      根本 幸典君    馳   浩君
      福井  照君    船田  元君
      古田 圭一君    三谷 英弘君
      宮澤 博行君    村井 英樹君
      山本ともひろ君    吉良 州司君
      源馬謙太郎君    下条 みつ君
      寺田  学君    中川 正春君
      谷田川 元君    山内 康一君
      吉川  元君    笠  浩史君
      古屋 範子君    鰐淵 洋子君
      畑野 君枝君    藤田 文武君
      白須賀貴樹君
    …………………………………
   文部科学大臣       萩生田光一君
   国務大臣
   (東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当)       丸川 珠代君
   文部科学大臣政務官    鰐淵 洋子君
   文部科学大臣政務官
   兼内閣府大臣政務官    三谷 英弘君
   政府参考人
   (財務省理財局次長)   窪田  修君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房長) 増子  宏君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房総括審議官)         串田 俊巳君
   政府参考人
   (文部科学省総合教育政策局長)          義本 博司君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局長)            伯井 美徳君
   政府参考人
   (文部科学省科学技術・学術政策局長)       板倉 康洋君
   政府参考人
   (スポーツ庁次長)    藤江 陽子君
   文部科学委員会専門員   但野  智君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十一日
 辞任         補欠選任
  根本 幸典君     宮澤 博行君
  笠  浩史君     源馬謙太郎君
同日
 辞任         補欠選任
  宮澤 博行君     根本 幸典君
  源馬謙太郎君     笠  浩史君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 国立大学法人法の一部を改正する法律案(内閣提出第四四号)
     ――――◇―――――

#2
○左藤委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、国立大学法人法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として財務省理財局次長窪田修君、文部科学省大臣官房長増子宏君、大臣官房総括審議官串田俊巳君、総合教育政策局長義本博司君、高等教育局長伯井美徳君、科学技術・学術政策局長板倉康洋君及びスポーツ庁次長藤江陽子君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○左藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#4
○左藤委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。菊田真紀子君。

#5
○菊田委員 おはようございます。立憲民主党の菊田真紀子です。
 大臣、連日お疲れさまです。今日はトップバッターで質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
 文部科学省の事務次官が衆議院議員に招かれて学校法人の理事長と会食をしたという報道があり、先週、文部科学省が当委員会の理事のところに事実関係の説明に回り、私にも説明がありました。
 確認された事実関係について、改めて文部科学省に説明を求めます。

#6
○増子政府参考人 お答え申し上げます。
 先月二十二日のしんぶん赤旗におきまして、亀岡衆議院議員と藤原次官が学校法人豊栄学園から接待を受けていたとの報道があり、これを受けまして、文部科学省において事実関係の確認を行いまして、その結果について先日公表したところでございます。
 文部科学省が行った事実確認の結果、報道にあるような藤原次官が当該学校法人から供応接待を受けた事実はなく、倫理規程に違反しているとは認められなかったところでございます。
 具体的には、藤原次官は、大臣官房長であった当時、報道のあった二回の会合に同席した事実はありましたが、いずれも、会合の終盤に亀岡議員から急遽呼出しを受け、駆けつけたものでございまして、また、亀岡議員以外の参加者をあらかじめ承知していなかったこと、藤原次官は、会合の当時、当該学校法人へ交付されていた補助金等に職務権限があったことから、結果として利害関係者に該当していたとは認められるものの、飲食費は一万円を超えるようなものではない上に、亀岡議員が全て負担するなど、国家公務員倫理規程に違反する行為を行ったとは認められないこと、当該学校法人に対して交付された補助金や教育課程特例校の指定は、法令に基づき適切に対応されており、報道にあるような行政がゆがめられたとの事実は認められなかったこと等の事実を確認したところでございます。
 以上です。

#7
○菊田委員 配付資料の一ページにもありますように、そしてまた、今説明がありましたように、供応接待であるとは認められず、補助金等についても法令に基づき適切に行われたとのことであります。
 確認した事実関係の内容について、現在特に疑義を抱いているわけではありませんが、文部科学省が行った事実関係の確認の範囲について、果たしてこれで十分なのかなと率直に感じています。
 藤原次官が亀岡議員から呼び出されて行った清水理事長との会合は供応接待ではなく、豊栄学園への補助金は適切だったということですが、例えば、亀岡議員から藤原次官以外の文部科学省幹部が呼び出され、豊栄学園に限らず、学校法人等の関係者から供応接待を受けたことはないのでしょうか。ある場合には、その学校法人への補助金等は果たして全て適切なものだったのでしょうか。
 配付資料の二ページと三ページを御覧ください。国家公務員倫理規程違反で処分を行った総務省において、現在、国家公務員倫理規程に違反する疑いがある会食について調査が行われています。総務省の調査では、情報通信を担当とする部署の課長以上と官房幹部ポスト経験者百四十四人を対象に、国家倫理法違反の有無にかかわらず全ての会食を申告するように求めて、ヒアリングには弁護士が同席して調査を行っています。国会や国民に行政がゆがめられたのではないかという疑念を持たれた以上、これは当然のことだというふうに思います。
 文部科学省としても、国民に疑念を抱かれないために、総務省と同様な、もっと対象を拡大した調査をしっかりと行う考えはないのか、文部科学大臣に伺います。

#8
○萩生田国務大臣 この度、私の指示により、大臣官房を中心に、当該学校法人に対して交付された補助金の決定や教育課程特例校の指定の実績を全て洗い出した上で、藤原次官のほか、省内の補助金等の担当者の洗い出しと聞き取り、亀岡議員や当該学校法人の清水理事長への聞き取りなど、多方面に、日程調整を行いながら、最大限の範囲で丁寧に繰り返し確認を行いました。また、事実確認の過程において倫理規程等に違反する疑いはなかったものの、国家公務員倫理審査会とも連携して対応してまいりました。
 また、今回確認の対象となった補助金等の選定や指定校への指定については、当該学校法人から圧力は一切なく、また競争性がある事業ではないことを確認しており、当該学校法人について特別な便宜が働いたという事実は認められませんでした。
 こうしたことを総合して、文科省としては、今回の事実確認において、報道にあるような倫理規程違反はなかったと考えております。そのため、御指摘のような、個別事案を超えて広く職員を対象とした調査を行うことは考えておりません。
 先生御承知のとおり、文科省は、平成三十年のときに幹部職員が収賄容疑で逮捕、起訴されるという事案もあって、一連の不祥事を受け、信頼回復のために努力をし、継続的に研修や意識の啓発を図っているところでありまして、倫理規程等のルールにのっとって対応していると思っております。
 いずれにしても、今後とも、行政の公平さを、疑念を抱かれないように、国家公務員倫理法の趣旨は徹底してまいりたいと思いますが、今回の件は、先ほど官房長がお話ししたように、イメージしていただくと分かると思うんですけれども、最初から、何月何日の会合に出てくれということで出席したのではなくて、携帯電話に電話があって、来られないかと言われて、そう言われると、役人の立場は弱いですから、そこへ飛んでいったわけですね。席もなくて、後から座布団で席を追加をして、もうみんなは食事が終わっていて、アラカルトで頼めと言われたけれども、さすがに官房長もそこまで厚かましく対応できずに、本当に、残ったキムチでマッコリを飲んだという、その程度なんですよ。
 これをもって倫理違反だと言われると、これは本当に役人が気の毒だと私は逆に思っておりまして、三十年にあれだけ痛い思いをしたので、私は、済みません、総務省と比較するつもりはないんですけれども、総務省で行われている会食の様子と今回の件というのは若干アプローチが違うということは、是非御理解いただきたいと思います。

#9
○菊田委員 大臣は、これ以上の調査は今のところする必要はないというお考えのようでありますけれども、是非、報道で明らかになった会食等についてのみ問題はなかったと説明するだけでなく、文部科学省としては利害関係者との不適切な関係は一切ないと、そして、このように疑念を持たれることは今後厳に慎むべきだということを申し上げたいと思います。
 次に、東京オリンピック・パラリンピックについて、丸川オリンピック担当大臣に質問したいと思います。
 二月の予算委員会で橋本前オリンピック担当大臣には質問させていただきましたが、丸川大臣にはオリンピック担当大臣に就任されてから初めて質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 まず、コロナウイルスの感染拡大について、総理はなかなかお認めになりませんけれども、明らかに第四波の大きなうねりが発生しています。十都府県に蔓延防止等重点措置が発令をされ、三度目の緊急事態宣言発令も目前の状態です。
 菅総理は、施政方針演説の中で、「東京オリンピック・パラリンピックは、人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証」と述べられ、その後も繰り返しこの表現を使ってきました。
 ところが、先日、バイデン米国大統領との首脳会談後の共同会見では、世界の団結の象徴として開催を実現する決意だと表現を変え、夏までにコロナに打ちかつことを諦めたのかなと思いましたけれども、その後、記者団に、オリンピックがコロナに打ちかった一つの象徴であることは間違いない、このように説明されました。
 しかし、夏までに人類が新型コロナウイルスに打ちかつことは到底不可能です。首脳会談後に行われた共同記者会見の場で、米国メディアから、公衆衛生の観点から日本はオリンピックの準備ができていない段階で進めるのは無責任ではないのかと厳しい質問が出ましたが、菅総理はこの質問に何も答えることなく、無視をしました。夏までにコロナに打ちかつと日本国内に向けては強弁していても、国際的にはとてもそんな強弁は通用しないと、実は総理も考えているのかもしれません。
 丸川大臣は、十四日の文部科学委員会でも、安心、安全の大会を行うために準備を進めているとおっしゃいましたが、夏までに人類が新型コロナウイルスに打ちかつと考えておられるのか、本当にあと三か月後に東京オリンピック・パラリンピックを開催するお考えなのか、中止ということは全く考えていないのか、丸川大臣の見解を伺います。

#10
○丸川国務大臣 御質問ありがとうございます。
 まず、総理が、記者から東京五輪・パラリンピック開催について問われて質問に答えなかったということについては、総理自身が、これを自分への質問ではなくてバイデン大統領への質問のみと認識して、結果として回答漏れになったということをおっしゃっているというふうに伺っております。
 また、これまた中止かどうかという話なんですが、まず、組織委員会の橋本会長、主催者の一人でありますけれども、中止を含めた検討については否定を明確にされている。また、IOCのコーツ調整委員長、東京オリンピック百日前に合わせたメッセージの中でも、大会は必ず開催され、七月二十三日に開幕すると述べておられます。
 大会開催の最終的な決定は、今申し上げた組織委員会それからIOC、そしてIPC、東京都と、主催者の側で行うべきものであるということを踏まえますと、政府としては、まず、主催者の側の意図を捉えて、いかに安心、安全な大会ができるかという知恵を出して準備を進めるということが一義的に必要ではないかと考えております。
 また、こういう状況下でも様々なスポーツ大会、またスポーツイベントが世界中で行われておりまして、ここから得られる知見というものを我々も集めてきておりますので、こうしたものを基にして準備を進めていきたいと考えております。

#11
○菊田委員 自民党の二階幹事長が、十五日に、東京オリンピック・パラリンピックの開催について、これ以上とても無理だということだったら、これはもうすぱっとやめなきゃいけないと発言をし、波紋が広がっています。現在、大阪に続き東京でも緊急事態宣言が発令される可能性が高くなっており、どの世論調査を見ても、七割を超える国民が東京オリンピック・パラリンピックの中止、延期を求めています。
 東京オリンピック・パラリンピックの開催については、国民の声やコロナ感染拡大の状況、そして万全の感染症対策が本当に担保できるのか。丸川大臣には、政府の方針を踏襲するだけではなく、是非、御自分のお考えをあらゆる場面でしっかりとお示しをいただけるよう期待をしております。
 オリンピック関係の質問はここまでですので、大臣はどうぞ御退室いただいて結構であります。

#12
○左藤委員長 では、御退席どうぞ。

#13
○菊田委員 ここからは、国立大学法人法改正案の内容について伺いたいと思います。
 昨日の参考人質疑において、北海道大学の光本参考人から、国立大学法人の中期目標、中期計画について御発言がありました。過去の経緯や国会審議も踏まえた、非常に説得力のある発言だったと私は思います。
 光本参考人は、国立大学法人が作成する中期目標の内容を事前に規制しようとしていて、その規制は、ほとんど選択の余地がないものであり、詳しく行われている、さらに、法律に定めのない事項を中期目標に書き込ませたり、同じく法律に定めのない計画や調書まで提出させようとしていると、中期目標、中期計画の原案作成プロセスに対する文部科学省の介入の拡大強化を指摘し、国立大学法人法や国会附帯決議に反するものだとはっきりとおっしゃいました。問題意識を非常に強くお持ちであり、厳しい御指摘だったと思います。
 こうした中期目標、中期計画の策定に文部科学省の介入が強化され、大学の自主性や自律性が損なわれるのではないか、このような指摘に対し、政府にこのような権限があるのか、権限があったとしても適切なやり方なのかという光本参考人がおっしゃった疑念についてどのように考えるか、お伺いいたします。

#14
○伯井政府参考人 お答え申し上げます。
 法律上、国立大学法人の中期目標は国が定めるということとされておりますが、法制定当時の国会における御審議、附帯決議等を踏まえまして、国立大学法人の自主性、自律性を尊重する観点から、各法人が中期目標の原案を作成するということとしております。
 第四期中期目標期間に向けては、国が総体としての国立大学法人に求める役割や機能を明確化する観点から、仮称でございますが、中期目標大綱を示すとともに、その中から各法人が六年間において特に重視するものをその法人の特性に応じて選択して、中期目標の原案を作成する、そうしたことを通じて各法人の目指すべき方向性を明確化するというふうにしたいと考えております。
 この中期目標大綱におきましては、国立大学法人が果たすべき役割や機能に関する基本的方針を示すにとどめた上で、各法人が自ら目指すべき方向性を反映させる形で中期目標大綱の項目を、当然、追記、修正して中期目標とすることができるということとしており、引き続き法人の自主性、自律性を尊重した仕組みで運用したいと考えております。
 現在、各国立大学法人の意見を聞きながら、中期目標大綱自体の具体化を進めているところでございまして、そうした意見も踏まえつつ、夏頃を目途に中期目標大綱を示していきたいというふうに考えております。
 決して、大学の自主性、自律性を奪うというような意図ではございません。

#15
○菊田委員 衆議院文部科学委員会の附帯決議で、「文部科学大臣は、中期目標の作成及び中期計画の認可に当たっては、大学の自主性・自律性を尊重する観点に立って適切に行うこと。」としっかり盛り込まれておりますので、是非この趣旨に沿っていただきたいということを求めます。
 今回の改正案では、学長選考会議の名称を学長選考・監察会議とし、牽制機能を強化することとされています。昨日の石原参考人の意見陳述では、この学長選考会議についての問題が指摘されました。
 学長選考・監察会議には、学長本人と理事は参加できないこととされましたが、メンバーには、経営協議会の学外者と教育研究評議会の学内者が委員として同数選ばれることになります。しかし、資料四ページを御覧いただくと分かりますが、この経営協議会と教育研究評議会のメンバーは、一部の学部長等を除いて、ほぼ全員が学長から任命又は指名された人になります。学部長についても、学長の意向に沿わない方はほぼ就任することはないと伺っています。
 このようなメンバーで行われる学長選考・監察会議では十分な牽制機能は見込めないため、昨日の石原参考人の御意見にもあったように、透明性と中立性を持った方法で選ばれる仕組みが必要ではないか、このように考えますが、大臣の見解を伺います。

#16
○萩生田国務大臣 現行法は、学長選考会議の構成員となる者を選出する経営協議会及び教育研究評議会の議長はいずれも学長であり、必ずしも学長の影響力を排除する仕組みになっていないという先生の御指摘は、そのとおりだと思います。
 一方で、現行制度では、学長選考会議が自ら学長解任の議論を始めなければチェック機能が働かない仕組みですが、今回の改正により、文部科学大臣が任命する監事が、学長に不正行為や法令違反などがあると認めるときは、学長本人及び文科大臣への報告に加え、学長選考・監察会議にも報告することとなり、チェック機能が迅速に働くようになることが期待されます。また、学長選考会議が学長に職務の執行状況の報告を求める規定を設けることにより、学長選考会議はなぜ報告を求めないのかを問われる立場になります。
 こうした改正により、学長選考会議が自らの権限と責任においてチェック機能を発揮するものと考えているところです。
 なお、昨年三月に策定した、国立大学法人の基本原則を定める国立大学法人ガバナンス・コードにおいても、学長選考会議の客観性、透明性を担保すべく、学長選考会議の役割や独立性の確保などを明確化すること等も、国立大学協会と相談をしてまいりたいと思います。

#17
○菊田委員 学長選出に対する意向投票の廃止や形骸化が進んでいると伺いました。学内構成員から学長選出会議等における議論や過程が全く見えないままに学長が選出されている、このようなことが度々起きているというお話も聞いております。その結果として、一般の学内構成員に不満がたまり、学長及び学長選出会議との意見の対立にもつながってしまっていると伺いました。
 筑波大学、旭川医科大学、北海道大学で次々と問題が起きているように、昨日の石原参考人も、残念ながら少なくない国立大学で学長と学内構成員とのコンフリクト、とりわけ教職員や学生と学長との間のあつれきが生じているという御発言がありました。
 こうしたコンフリクト、あつれきを緩和するためにも、まずは学長選考の透明性と公正性を図り、学長選出の選考過程についてはせめて議事録の作成と公開を義務づけるなどの情報公開を進めるべきではないかと考えますが、大臣の見解を伺います。

#18
○伯井政府参考人 お答えいたします。
 今回の法改正案では、学長選考会議の牽制機能を強化するべく、同会議に学長の職務執行の状況報告を求める権限を付与することで学長の職務執行に一層の透明性を持たせ、また、同会議の役割の追加に伴い、その名称を学長選考・監察会議と改めることとしております。
 このように学長選考会議の役割は一層重要となりますので、御指摘いただきましたように、これまで以上に透明性を確保した会議運営というのが求められるというのはそのとおりだと思っております。
 このため、現在、省令において、学長の選考理由とか選考過程について公表を義務づけているところでございますが、今後、学長選考会議の審議経過を記録として残すべきことであったり、学長の選考理由、選考過程についても、学内外のステークホルダーに対する説明責任が果たされるよう公表内容を充実していくべきだというようなことをお示しすることも検討していきたいというふうに考えております。
 審議経過を記録として残すに当たって、議事録とするか別の方法を取るかについては、やはりこれは各法人が適切に、その透明性確保という趣旨を踏まえて判断すべきものというふうに考えております。

#19
○菊田委員 さらに、昨日の石原参考人の意見陳述で、今般の国大法改正案においても、学内の重要な構成員である教職員や学生が学長選考・監察会議や監事に対して意見を述べる仕組みについて全く言及がないと御発言がありました。また、学長等からハラスメントがなされた場合に、ハラスメント申立てを受理しない、あるいは棄却する例が相次いでしまっていると伺っています。
 学内構成員がボトムアップで正式に意見を述べるための仕組みや、執行部メンバーに不当行為などがあった場合のためのコンプライアンス窓口、ハラスメント窓口の整備、さらには、専門家集団による合議と相互評価、すなわちピアレビューによる意思決定を行うボトムアップ型のガバナンスについて昨日の石原参考人からも御提案がありましたが、こうした仕組みについて、文部科学大臣の見解を伺います。

#20
○伯井政府参考人 教職員あるいは学生など学内構成員の意見を反映した学内運営、学校運営でございますが、例えば、学長選考手続、そこにリコール制度を設けるかとか、そういったことにつきましては、学長選考会議がやはりしっかりとそこで議論をして学長の選考や解任の申出に係る手続について検討し、そうした制度を設けるかどうかというのを各大学法人で自主的に判断されるべきものというふうに考えております。
 先ほど申し上げましたように、学長選考などについては、学長に必要とされる資質、能力に関する客観基準ということが必要でありますので、我々としては、法の規定にのっとって、学長選考会議の権限と責任において適正に選考を行うということを求めているところでございますし、どういう運営をするかにつきましても、学長選考については学長選考会議などでしっかり議論し、対応していただきたいというふうに考えております。

#21
○菊田委員 教職員意向投票の意義の再評価、学長の再任回数制限の設定が必要ではないかという御指摘がありますが、これについては文科省としてどのようにお考えでしょうか。

#22
○伯井政府参考人 学長の再任回数の上限を設定するということにつきましても、先ほど申し上げましたように、それぞれの法人において学長選考会議で議論していただき、自主的に、それをどうするかということを、先ほどのリコール制度の導入などと同様、判断していただきたいというふうに考えております。
 いわゆる意向投票につきましては、令和元年の学校教育法改正時の施行通知において示しているとおり、法の規定にのっとり意向投票によることなく、学長選考会議の権限と責任において適正に選考を行うべきものというふうに考えておりますので、そうした運用をお願いしたいというふうに考えておりますし、ただ、先ほど言ったように、選考の見える化というかプロセスの透明化といったことはしっかり求めていきたいというふうに考えております。

#23
○菊田委員 監事の監査体制の強化について伺います。
 監事のうち少なくとも一人は常勤とし、監事は、学長に不正行為や法令違反等があると認められるときは、学長選考会議等に報告することとなります。昨日の石原参考人からも、監事については、従来、学長の推薦を踏まえて文部科学大臣が任命するという運用がなされてきたということで、学長の意向を反映する形で選ばれた監事に、学長の違反行為や不当な権力行使の監視を任せられるのか、疑問なしとはしませんと意見が述べられました。また、監事が牽制機能を果たしているのかどうか、さらには、監事自身が不正行為を犯したりしていないのかどうかチェックする仕組みがないことも問題があると考えられます。
 監事の人選の在り方と監事に対する監督について、文部科学省の見解を伺います。

#24
○伯井政府参考人 国立大学法人法上、「監事は、文部科学大臣が任命する。」ということとされております。ただ、法制定時の国会審議における附帯決議におきまして、参議院での附帯決議でございますが、「監事の任命に当たっては、大学の意向を反映するように配慮すること。」とされていることを踏まえ、現在、運用上、各法人からの候補者推薦に基づいて任命しているという運用になっております。
 一方で、今回の改正により、監事のチェック機能が一層働くよう機能強化を行うということでございます。したがって、例えば、国立大学法人ガバナンス・コードでもお示ししているんですが、経営協議会の学外委員の協力、助言を得て監事の人選をするなど、各法人における監事候補者選考の適切なプロセスを促していくとともに、仮に職責を果たすことが難しいと考えられる者の推薦があった場合には、これは任命権者は文部科学大臣ですので、適切に対応する必要があるというふうに考えております。
 監事の日常業務に関する服務監督というのは、これは国立大学法人が行っておりますが、万一、監事が監査を行うことが難しいというような判断をされる事態が生じた場合には、これも、最終的には任命権者である文部科学大臣が適切な判断を行っていくということであります。

#25
○菊田委員 今回の改正で職務権限も強化される国立大学の監事を常勤で勤めることができる人材というのは、なかなか限られていると思われます。人材として、文部科学省を退省した方も適任者として考えられるのではないでしょうか。優秀な人材が再就職の形で社会貢献されることは喜ばしいことでありますけれども、文部科学省の過去の不祥事を振り返ると懸念もあります。
 平成二十九年に、文部科学省が、組織的な再就職あっせんが行われたとして、違法事案が六十二件判明し、歴代事務次官八人を含む三十七人が処分をされています。不適切な再就職は、関係団体との癒着につながり、問題があります。過去に組織的な再就職あっせん問題を起こし、信頼低下を招いたことがある文部科学省は、一層身を正す必要があります。
 今回の監事の常勤化が不適切な再就職とつながることがないようにすべきと考えますが、最後に大臣のお考えをお伺いします。

#26
○萩生田国務大臣 今回、法案をお認めいただければ、国立大学法人は新しいステージに移行することになります。
 一番大きな改革は、現場に大変負担をかけていた年次評価をやめますので、そういった意味では、六年間の中期計画をしっかり立てていただいて、それに余り文科省が関与するなという御意見も当然あるので、私は自主性、自律性、独立性を尊重したいと思うんですが、しかし、尊重すると、さっき先生が御指摘になったように、ハラスメントの窓口さえつくらない大学があるのも現実なんですよ。
 したがって、やはりここは、国民の税金を多く投入をして子供たちに学んでいただく施設でありますので、やはりスタンダードとしてここまでは整えておこうねということは、ミニマムできちんと決めていきたいと思います。その上で、上乗せや横出しでそれぞれの大学の個性を発揮していただくことがいいんだと思いますので、その前提でこの法案を是非お認めいただきたいと思っています。
 その上で、私も、国家公務員が、長い間積み上げた行政経験、様々な機会を還元するために、再就職で自分が得意分野のところに就職することそのものは決して悪いことじゃないと思います。問題は、それを組織ぐるみで、あたかも指定席かのように、そういう仕組みをつくるようなことは絶対あってはならないと思っておりますので、ここはしっかり監視体制をつくっていきたいと思うし、だからといって、じゃ、OBはふさわしくないのかと言われると、私は、例えば国立大学法人で事務局長などを務めた方が将来的に監事になっていただくのは、一つは選択肢としてありだと思うんですね。
 ですから、そこはあくまで、個人の今までの経験を大切にしながら、きちんとしたプロセスを明らかにしながら選ばれるんだとすれば、それは是非頑張ってやっていただきたいな、こんなふうに思っているところでございます。

#27
○菊田委員 時間が参りましたので、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#28
○左藤委員長 次に、笠浩史君。

#29
○笠委員 よろしくお願いいたします。
 まず最初に、丸川大臣にオリンピックのこと、先ほど菊田委員の方から質問ありましたけれども、幾つか確認をさせていただきます。
 三か月ですよね、あと。三か月前、ちょうど緊急事態宣言が発令されて、三か月後、今のような状況で、間もなくまた緊急事態宣言と。これは本当に、誰も三か月後の感染状況というのは分かりません。ですから、いろんな判断が遅れたり、あるいはいろんな想定をして準備をされていると思いますけれども。
 まず一点、仮に、七月、オリンピック開会時に緊急事態宣言というような状況に例えばなっていたときには、あるいは蔓延防止等重点措置が東京に適用されている場合でも、オリンピックはやるということですか。

#30
○丸川国務大臣 どのような形で開催をするかということは、最終的にはIOC、IPC、東京都、また組織委員会で御判断をいただくことになろうかと思います。
 今、笠委員はよく御承知だと思いますけれども、まず、外国の観客の方にはおいでいただかないということを決めまして、その後、また観客をどの程度各会場に入っていただけるのかということについては、前回の五者協議では四月中に判断するということを決めさせていただきました。正直、この四月の段階で七月の状況を見通すのは非常に難しいというのが、特に変異株が登場してからの状況であろうかと判断をしております。
 ただ一方で、先ほども答弁いたしましたけれども、橋本会長も、中止ということの検討には否定を明確にされておりますし、IOCの方からも、コーツ調整委員長が明確に七月二十三日に始まるとおっしゃっていますので、いかに安全、安心の大会を実現するかという知恵を出すということが私どもが今課せられていることだろうと思っております。
 少なくとも、アスリート及び大会関係者の方、これもアクレディテーションをお持ちになって出入りをするわけですので、厳格に行動管理をさせていただきますし、それが可能であります。ですので、この行動管理をいかに厳格に行っていくかということ。
 また、毎日の検査ということも、IOCからも言われておりますし、私どももそのつもりで準備を検討しておりますが、競技ごとの特性というのもありますし、競技ごとにフェデレーションが判断する部分もあろうかと思います。
 こうしたものを総合的に捉まえて準備を進めていくということが肝要であろうと思っております。

#31
○笠委員 いや、私があれしたのは、例えば、世界的なパンデミックがどういう状況下で、海外から選手たちが逆に言うと来られなくなるとか、東京の問題じゃなく、そういった、トータルでIOCがいろんな判断をすることもあるかと思うんですけれども、東京として本当に安全に受け入れることができるかどうかという判断は、やはり、組織委員会なりあるいは政府がきちっと判断をしないといけないと思います、決定する権限は別でも。
 そのときに、緊急事態宣言みたいなものが出るような、出されるような状況でも、無観客でもいいですよ、開催はできるというふうにお考えですかということを私は伺っているんです。

#32
○丸川国務大臣 少なくとも、アスリートと関係者の方、つまりアクレディテーションをお持ちの方は、一般の方と全く交わらない形で今準備を進めているところでございます。

#33
○笠委員 それで、一部報道で、先ほど大臣おっしゃった、国内の観客数を上限をどうするのかというのは今月中に本当は決めるということだったのが、何か六月ぐらいまでこの結論を先送りするということが言われているんですけれども、この点、今どういう方針か、まずお聞かせください。

#34
○丸川国務大臣 今朝、私も報道を拝見しまして、橋本会長にお電話いたしました。そうしたら、まだそれを決めたという事実はありませんということをおっしゃっていましたので、まだ検討されているということだと思います。
 私どもも、その検討を受けて、最終的にどうするかという御相談になろうかと思います。

#35
○笠委員 というのが、六月というのが出ているあれには、例えば、チケットの払戻しもあるでしょう、あるいは再抽せん、あるいは紙のチケットなんかは、一か月ぐらい前ですか、もう発送しないといけない、そのぎりぎりのところが恐らくは六月ということで、関係者の方、あるいは、多分ああいうことが報道されるというのは想定はされているんでしょう、まだ正式には決まっていなくても。
 ただ、実は私も、いろいろとオリンピックに関わっているので何度か聞かれることがあるんですけれども、国内の、今チケットを既に入手というか持っておられる方はいますよね、権利を、もう購入されている方、そういう方の中には、これは別に東京の方ばかりじゃありませんから、地方から来る方はやはり宿泊なんかも押さえているわけですよ。そういう方々が、いつになったら本当に自分たちが行けるのか、行けないのか。これは大変なことですから。
 そのときに、では、キャンセル料が発生した場合に、全て補償をしてでもぎりぎりまで引っ張っていくのかとか、いろんなことがある中で、やはり早めに、無観客にするのか、あるいは、一つ確認ですけれども、当然、そのときのコロナの感染状況によって、五〇%以下なのか、あるいは今だったら五千人、それにオリンピック、パラリンピックも準ずる、もしそういう基準があるとすれば、それはそれでよろしいわけですよね。

#36
○丸川国務大臣 まさに組織委員会には組織委員会の、チケッティングを始め様々な事情があるというのはそのとおりだろうと思います。一方で、観客の皆様方の様々な事情というのを踏まえるというのも大切なことだと受け止めさせていただきたいと思います。
 その上で、私たちがこれから観客のことを考えていく上で、コロナ対策推進室が示している国内のイベントの上限規制というのはまさに基本になる線だと理解をしております。

#37
○笠委員 であるならば、私は、やはりここで、選択肢とすれば、無観客か、五〇%以下か、あるいは五千人以下か、そのときの感染状況で違います。ただ、少なくとも全員を入れてやれるという、競技場に、例えば国立だったら六万八千人入れてとか七万人入れてというようなことは、およそ誰もやはり、それはもう完全に、この今のワクチンの遅れからすれば、そこまでコロナが収束しているということはまずあり得ない。そのことはもう、ほとんど多くの方がそういう。
 ただ、どこまで感染状況が抑えられているかということによってその人数ということは違ってくるので、今判断はできなくても、例えば、やはり早めに、六月じゃなく、無観客なら無観客で、しっかりと、こういう場合には無観客にします、あるいは五〇%以下、あるいは五千人のときには、入っていただく方をこういう形で決定しますというような方針をもっと早め早めに、これは組織委員会の橋本会長のお仕事かもしれませんけれども、やはり丁寧にその都度、決まるまでじゃなくて、今どういう状況なのかということをもうそろそろ定期的にきちんと説明していかないと、国民の皆さん、私なんかがやはり感じるのは、物すごく冷ややかです、今、オリンピック、パラリンピックについて。
 いろいろ、池江選手とか松山選手とか活躍して、スポーツの力はすごいですよ。しかし、みんな、やはり、コロナの状況、この感染下で本当にできるのか、やっていいのかと。今、世論調査だけじゃなく、本当にそういうことを感じますよね。
 だからこそ、私は、そういう、やはりトップの、特に橋本会長の場合は参議院議員ですから、国会議員でもあるわけですから、説明責任というものをきちっと、国民に向けての説明をもっと分かりやすくしていく段階にあると思うんですけれども、その点、大臣も私と一緒でマスコミ出身なので、そういう大事さというのは非常に認識されていると思うので、是非そのことをお伝えいただきたい。
 それは、私は橋本会長の役割だと思うんですけれども、いかがでしょうか。

#38
○丸川国務大臣 笠委員はスポーツの力を本当に信じてくださっている同志だと思っておりますので、それを思うからこその温かいお言葉だと思って受け止めさせていただきますし、橋本会長こそ本当に、その名に聖火の聖を冠しておられる存在でありまして、非常に思いを持っておられますので。
 五者協議は恐らく四月中に開かれるんだろうと私も思っておりますので、その際にしっかりと説明を尽くして、国民の皆様にも、また、チケットホルダーの皆様にも御理解いただけるようにしてまいりたいと思います。

#39
○笠委員 一点だけ要望をさせていただきます。
 仮に、五月、六月に国内の観客制限というものの結論を先送りしたとしても、今どういう状況なのか、どういうことを想定しているのかということはしっかりと国民への説明をしていただきたいと思います。
 それで、もう一問、最後に。
 一番大変なのは、やはり医療スタッフの確保なんですね。海外からの観客を入れない、あるいは、これから国内の観客制限ということで、選手のため、あともう一つは観客のために、各会場に医療スタッフを確保しなきゃいけない。
 私は、東京の幾つかの大学病院、協力病院の方から実際にお話を伺いました。協力はしたいけれども、もう今はとてもじゃないけれども、やはりコロナがどういう状況かによって、それはなかなか難しいと。だから、その点は皆さんそうだと思うんですよ。医師会の会長なんかは、もっと否定的なことをコメントしていますけれども、東京都の。
 ただ、そういう中で、今、現在、医療スタッフの確保というもののめどはついているのか、あるいは、それももうぎりぎりにならないとなかなか分からないのか、その点を最後に伺いたいと思います。

#40
○丸川国務大臣 まさに今、全力で組織委員会で取り組んでいただいているところでございます。大会の開催規模によって必要なスタッフ数というのが変化をしてくるということもございますので、そうしたことも踏まえながら、大会を運営する側の組織委員会で、どこにどのぐらい本当に必要なのかということをよく精査しながら、確保に努めていただいているという状況に今ございます。
 私どもからもしっかり後押しをさせていただきたいと思います。

#41
○笠委員 丸川大臣、ありがとうございました。この後は法案の質問に入りますので、御退席ください。

#42
○左藤委員長 では、御退席どうぞ。

#43
○笠委員 では、萩生田大臣、済みません、お待たせをいたしました。
 先ほど、常勤監事のやり取りがちょっとあったわけですけれども、今、大体半分ちょっとですか、常勤監事を国立大学で置いているところが。やはり、今度の法改正で、常勤の監事さんの仕事というのは、非常に、一番の鍵になってくると思うんですね、学長の一つの運営等々をチェックしていく、そのためなので。
 まず、どういう人材が常任監事に求められるのか、どういう資質が求められるのかということをお伺いしたいと思います。

#44
○伯井政府参考人 お答えいたします。
 国立大学法人における監事の業務は、法人業務の適正な執行を担保するため、運営状況の監査を行うということでございます。単に財務、会計の状況だけでなくて、大学内部の意思決定システム等の、大学のガバナンス体制等についても監査することが求められております。
 監事がこうした役割を十分に果たしていくためには、役員会等の重要な会議のほか、定例的な会議へ出席することに加えまして、財務、会計、法務など日々の業務を監査し、監事の職務を補佐する職員と日頃から、資料、情報提供など密に連携するなど意思疎通を図りながら、学内の様々な教職員との意見交換を通じてガバナンスが適正であるかを把握すること、日常的な活動を通じて法人の業務をチェックするような人材を常勤の監事に求めていきたいというふうに思っております。
 このため、常勤の監事には、組織運営業務に精通し、日常的な業務監査や職員とのコミュニケーション等を通じて法人運営の状況を的確に把握できる人材が望ましいというふうに考えております。

#45
○笠委員 今、局長るるおっしゃったけれども、そんな人が全国に果たしてそう簡単に見つかるのかなという不安を私は感じます。
 現在、常任監事を置けているような大きな大学はいいですけれども、やはり正直言うと、常任監事といっても、そういうエキスパートみたいな人で、そんなに私は給料もいいとは思わないんですよ、そういう物すごい能力を持った方をスカウトしてくるに値するような、そういう待遇で迎えることができるのか。あるいは、そういう人材はどこに求めればいいのか。
 少し、常任監事を置くにはまだそれぞれの大学が、今度の任期が、監事さんの任期が終わるときにたしか必置をするということなので、まだ来年の四月からということではないんだけれども、結構やはりこれから頭を悩ます大学というのも出てくるのではないかと思うんですが、その辺を、例えば人材を紹介する。
 あるいは、常任監事はただ一人その方が優秀であればいいということじゃなくて、先ほどもありました、いろんな、やはり多くの大学の組織に精通する、あるいは多くの情報等々を収集して、さらには法令なんかもしっかりと読みこなしていくというようなこととか、様々な調査分析も必要になってくると思います。そうなると、一人ではというよりも、そこにやはりスタッフもきちっとつけて監査もしていかないといけないというふうに思うんですけれども、そうすると、やはり大学自体の財政的な面から、規模の小さい大学なんかはかなりの負担になってくる可能性もあると思います。
 そうしたことについて、文科省として、大臣、サポートする、支援をしていく、そういったところのお考えを聞かせていただければと思います。

#46
○伯井政府参考人 非常勤とは違い、常勤監事ということになりますと、特に地方において人材確保に苦労するんじゃないかというのは御指摘のとおりでございます。
 一つは、常勤といいましても、一般職の公務員のようにぎちぎちに勤務時間管理をする職ではございませんので、柔軟かつ適切に適任者が確保できるよう、法人とも意見交換していきたいというのが一つであります。
 また、御指摘いただきました人材確保については、国大協であったり、国立大学法人等の監事が構成しています監事協議会という関係団体がございますので、そうしたところと協力して、研修、人材の発掘等を進めて、監事になり得る方々の育成、確保ということにも努めていきたいと考えておりますし、今御指摘いただきました、監事をサポートする体制の各法人への整備ということにつきましては、現状も、常勤監事を置いて、その下に、大学の組織の一つとして監事支援室のような取組を行っている、常勤職員の配置をしている大学もございますので、そうした先進的な好事例を紹介するなどしながら、各法人に対する体制整備ということにつきまして、各法人の御要望なども伺いながら支援をしていきたいというふうに考えております。

#47
○笠委員 今回の法改正に当たって、国立大学法人の戦略的経営実現に向けた検討会議という中で様々な議論が行われたと。
 ただ、ここで本当に気になるのは、ここに入っている大学関係者の方って、どちらかというと大きな大学、旧帝大だったり、あるいは何か指定国立大学法人だったりという関係者の方が多くて、やはり規模の小さい国立大学の置かれている今の現状なんかが本当に分かっているんだろうかというようなことがありますので、そういった大学の支援というものはしっかり行っていくように、是非大臣には、サポート、そのことをお願いをしておきたいと思います。
 それと、今後、学長選考・監察会議での、やはり参考人の方からも指摘がありましたけれども、この透明性をどう確保していくのかということが非常に大事になってくると思います。
 もちろん、学長をどう選考するのかということで、東大であったり筑波大学であったり、最近でもいろんなところで問題が起こっております。
 あるいは、今回、監事が学長を選ぶだけじゃなく、今度、学長の不正行為の報告を受けて解任についても議論が行われるというような形で、この学長選考・監察会議での議論がどのように行われたのかということを、しっかりと透明性を確保していくということ。そのために、私は、やはり議事録を残すといったことも非常に大事じゃないか、ただ、人事に関わる問題なので、公開の在り方というものについては、しっかりと配慮はしないといけないと思っています。
 ただ、やはり議事録をきちんと残しておかないと、何かがあったときに隠蔽されるということがあってはならないので、その点は、私は、この法改正ができた折には、今後、大臣の方からしっかり、この透明性の確保へ向けた議事録の作成等々をやはりきちっと行うように指導していただきたいというふうに思いますけれども、大臣のお考えを伺いたいと思います。

#48
○萩生田国務大臣 先生御指摘のとおり、これまで以上に透明性を確保した会議の運営が求められることは、もうそのとおりだと思います。
 先ほど政府参考人が答弁をしましたけれども、現在、省令において、学長の選考理由や選考過程について公表することを義務づけているところ、今後、学長選考会議の審議過程を記録として残すべきこと、学長の選考理由や選考過程についても学内外のステークホルダーに対する説明責任が果たされるよう、公表内容を充実すべきことなどをお示しすることを検討しています。
 御配慮いただいたように、人事ですから、余り一語一句、誰がこう言ったみたいなことを、あるいは録音とか、こういったことになると、後々のこともあるので、そこはいろいろ配慮すべきことはあるかもしれませんけれども、やはり、そういう意味では透明性は大事でありますから、プロセスがきちんと後に分かるように、何らかの方法で、法人でしっかりそこは確保してもらうように、我々もしっかり要請をしていきたいと思っています。

#49
○笠委員 やはり、学長を任命する、あるいは学長を解任をする、これは大臣自身もそういった最終的な決定をしなければならない立場ですから、公開の仕方は別としても、もし何かそこでトラブルがあったときに、じゃ、そのときの文科大臣が最終的にどういう判断をするのかというときには、やはりきちっとした議事録などの、そういった資料がなければ判断できないということもありますので、その点の徹底は是非お願いを申し上げたいというふうに思います。
 それで、もう一点、今回、実は、新法人の設立ということで、二つのケースがあるんですけれども、私、奈良国立大学機構の件についてちょっとお伺いをしたいというふうに思います。
 まず、今回、奈良教育大学と奈良女子大学が一つの法人になるわけですけれども、この奈良女子大学は、男子に入学資格はありますか。

#50
○伯井政府参考人 お答えいたします。
 奈良女子大学でございますが、男子は出願資格はないというのが現状でございます。
 ただ、いわゆるトランスジェンダーの受入れにつきましては、二〇二〇年度から受け入れる方針ということではございますが、実績はないというように承っております。

#51
○笠委員 今、実は、四年制では、国立の女子大というのは、お茶の水女子大と奈良女子大だけでございます。公立は、群馬の県立女子大と福岡女子大があるわけですけれども。
 お茶の水女子大はどうなんでしょう、男子は。

#52
○伯井政府参考人 奈良女子大と同様の状況のようでございます。

#53
○笠委員 戦後、やはり、まだ女性の方、女子の進学率が低い頃には、一つの女子教育の振興にこの女子大学というのが大きな役割を私は果たしてきたと思うし、特に高等教育の遅れというものを取り戻すための歴史的な使命もあるし、私立の女子大学がそれぞれの建学の精神で運営されていることは別に何も問題だとは全く思わないんです、大いにやっていただければいいんですけれども、果たして、今の時代に、国公立、特に国立で女子大学というものが必要なのかどうなのか。
 その点を、大臣のお考えを伺いたいと思います。

#54
○萩生田国務大臣 必要ないと言うと、また新聞の記事になってしまうので。
 先生おっしゃったように、経緯は、やはり戦前戦後、なかなか女性の皆さんの高等教育への進学が低かったときに、女子教育の大切さということでつくられた大学だと思います。
 他方、やはり時代の変化で、本当に国立で女子大学の存続が必要かと言われると、私はここは慎重に考えた方がいいと思うんですね。必要であるとすれば、女子ならではの政策などがしっかり研究ができるような、そういう大学であるべきで、ほかに共学で同じ学部があるようなことを追求しても余り意味がないと思うんですね。
 例えば、リケジョの皆さんが、圧倒的に女子だけで研究したいテーマについて男性の目を気にせずに研究できるような、そういった理系大学などは今後あってもいいんじゃないか、こんな思いもしますので、今回のこの法改正をきっかけに、あるべき姿というのを、ちょっと穏やかに、静かに検討してみたいなと思います。

#55
○笠委員 私、例えば、今回、ちょっと局長の方に伺いたいんですけれども、この奈良国立大学機構、新法人設立をするに際して、実は、奈良女子大学は、女子大として初めて工学部も今後新設をされる、そして、現状、理学部もある。しかし、奈良県で、工学部とか理学部を持っているような総合大学は、私立も含めてないんですよね、逆に。
 であるならば、この際、やはり、新法人を設立するに際して、例えば、この奈良女子大学のそういった工学部等々に、男子の人が、奈良の人が、大阪や京都や神戸まで行かなくても、自分の地元で学びたいという人がいれば、そういうところに例えばちょっと門を開いていこうよというような議論というのは行われたんでしょうか、行われなかった、そういうのは全くなかったんですかね。

#56
○伯井政府参考人 今回、統合に当たりまして、奈良女子大学では令和四年度に工学部を新設するということとしております。
 この奈良女子大工学部では、生活、健康、福祉など、女性の視点も取り入れた物づくりなど、分野横断的な教育課程であったり、あるいは、生活に根差した、不可欠なデザイン、芸術を学ぶ科目の提供という、女子大学という特性を生かした魅力的な教育プログラムを検討したいという構想でございました。
 奈良女子大学と奈良教育大学との法人統合に当たって、これは当然、法人間の議論によって、それを前提にして進めているものでございますが、経緯といたしましては、奈良女子大は引き続き女子大学として存続するということを前提に、様々な関係者の声も踏まえた上で、奈良女子大の創設理念、あるいは人材育成目標等を踏まえたアドミッションポリシーに基づき、両法人によって最終的にこういう形の法人統合が合意されたということでございます。
 文部科学省といたしましては、この統合に当たっては、両法人の御判断を尊重すべきであるというふうに考えております。

#57
○笠委員 この文科省さんからいただいた資料の中で、「奈良教育大学が強みを有するESDや伝統文化に係る教育リソースと奈良女子大学が強みを有するダイバーシティ、共生に係る教育リソースを組み合わせ、」なんてでかでかと書いてあるわけですよ、強調してあるわけですよ。
 であるならば、私は別に、奈良女子大学の名前を変えろとか、そんなことを言うつもりはないんです、奈良女子大学でもいいんです。それはいろんな、卒業生の方もおられるし、やはりOBの方々の思いというのはあるでしょうから。
 ただ、やはり、特に、ほかに総合大学があるようなところだったら、あえて同じようなものをとは言わないんだけれども、こういうときに、一部、門を開くというか、そういうことも検討していった方が私自身は非常にいいんじゃないかなというふうに思うんですけれども。今後、やはり国立大学法人ですから、文科省としての責任もあるので。
 例えば、たしか、私、伺うと、奈良女子大学附属中等教育学校ってあるんですね、中高一貫校。ここは男女共学なんですよ。それで、今、男子の方が去年ちょっと多いのかな、生徒が若干。そういう子たちが、例えば、地元の、自分の附属高校だから奈良女子大に、本当だったら今度工学部ができるんだったら行きたい、学びたいと思う生徒さんだって。もちろん、女子大だから、ひょっとしたら最初からもうその道はないのかなと思っているかもしれないけれども。
 やはり、そういった点も含めて少し柔軟な対応というものを国立大学法人には求めていいんじゃないかというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

#58
○萩生田国務大臣 私の高校の同級生、友人にも、お茶の水女子大中学出身の男子がいました。その頃は結構冷やかされたりしていましたけれども。
 今先生の問題意識は極めて大事だと思いまして、それは、学校の伝統、歴史を守っていくことも大事なんですけれども、時代の変化に合わせて、私は、やはり大学というのは人づくりをしていくべきだと思うので。女子大として残すのだとすれば、その意義をやはりこの機会にもっと洗練する必要があって、女子ならではの学びをそこでやるんだったら、なるほど、女子大の存在意義というものがあるんだというふうに思いますので。
 国立大学法人である以上、国民の皆さんに開かれた大学を目指すのは大前提だと思いますので、一つの案として是非受け止めさせていただいて、いろいろ勉強してみたいなと思っております。

#59
○笠委員 時間が参りましたので、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#60
○左藤委員長 次に、牧義夫君。

#61
○牧委員 国立大学法人法の改正案について質問をさせていただきたいというふうに思います。
 昨日、大学の現場の方から、様々な立場で三人の参考人の方から有意義なお話を聞かせていただきました。また、先ほど、菊田委員そして笠委員からも改正のポイントについて質問がありましたので、私からは特に大臣のお考えを中心にお聞きをさせていただきたいというふうに思いますので、高等教育局長も参考人登録されておりますけれども、主に大臣にお答えをいただけますようにお願いをしたいというふうに思います。
 そもそも、大学というのは、教育と研究の場であるというふうに思います。教育を通じて優秀な人材を社会に輩出する、また研究を通じてその研究の成果を社会に還元する、どっちにしろ、社会に貢献するのが大学の共通の目的だというふうに思います。
 その上で、例えば私学にはそれぞれの建学の精神というのがあると思うんですけれども、ここで、今日は国立大学の話です。国立大学というのは、あえて言うと、その建学の精神というか、そういったものについては、大臣はどのようにお考えでしょうか。

#62
○萩生田国務大臣 国立大学は、明治時代に創設されて以来、世界最高水準の教育、研究の先導や、イノベーションや知の多様性の源泉となる学問分野の継承、発展に大きく貢献するとともに、全国的な高等教育の機会均等を確保し、地域の中核となって社会を牽引する人材を育成、輩出するなど、全国に配置された知的資産が集約された公共財の高等教育機関として期待されていると認識しております。
 こうした普遍的な使命に加え、知識集約型社会が到来した現在において、国立大学は、機能拡張により、公共を担う経営体として転換し、社会変革の駆動力として貢献する新たな役割も求められているようになってきていると考えております。

#63
○牧委員 非常に模範回答だったというふうに思います。
 もうちょっと平たく言うと、私は、それぞれ法人化して、それぞれの考え方に基づいて、大学の自主性の中で、それぞれの建学の精神があってもいいなというふうに思いますし、そういう回答も期待をいたしておりました。
 もう一つ言うと、もっと平たく言うと、昔は、国立大学というのは授業料が安いということだったんですね。授業料が安いということも一つ、立派な存在意義だったというふうに思います。ところが、最近はもう、授業料も私学に匹敵するぐらい上がってしまって、そういった意味合いがなくなってしまったというふうに思います。
 そういう中で、今後学生さんたちをどうフォローしていくのかということも後ほど触れたいというふうに思います。
 これは、法人化が決まったのが二〇〇三年だったというふうに思いますけれども、国立大学を法人化したときのそもそもの意義というものがあったというふうに思います。その後、いろいろ変遷があるんですけれども、結局、現時点における法人化の評価というのは、一言で言うとどんな評価なんでしょうか。

#64
○萩生田国務大臣 国立大学法人化により、自律的な運営を確保することを当初の狙いとして、大学の裁量を拡大するとともに、経営力向上に資する規制緩和を拡大してまいりました。その結果として、教育研究活動の活発化や外部資金等の増収といった成果につながっていると評価をしています。
 具体的には、研究面では、寄附金などの外部資金の受入れが拡大するとともに、大学発ベンチャーの創設数が大きく増加するなど、研究成果の社会還元が進展しました。また、教育面では、各大学が学部、学科の廃止、転換、特色や強みを生かした新設など、時代や社会のニーズに合わせた組織の見直しを進めてきたと思っております。

#65
○牧委員 一言で言うと、それぞれの大学の自主性を高めるということだったと思うんですけれども、その評価を受けて、今回の法改正にはどのような意味が込められているのか、これもちょっと、大臣の言葉で御説明をお願いします。

#66
○萩生田国務大臣 国立大学法人が、機能拡張により、公共を担う経営体へ転換し、社会変革の駆動力として新たな役割が求められる中、自浄能力を高めるガバナンスの実現や、そのガバナンスを前提とした上で自律性を高めた経営裁量の拡大による財務基盤強化に向けた制度改正を進めることが重要であると考えます。
 このため、自律的な法人運営に不可欠となる法人ガバナンスを改善するため、監事の体制を強化するとともに、学長選考会議の委員構成を適正化し、学長の業務執行状況に対する監察機能を強化することや、国立大学の社会貢献機能を向上させるとともに、財源多様化による財政基盤の強化を図るため、出資対象範囲を拡大するなどを今回の法改正の内容として盛り込んでおります。

#67
○牧委員 つまりは、自律性を高めるために財政基盤もしっかりしなきゃいけない、そしてまた、その財政基盤の上でしっかりとしたガバナンスが必要になってくる、そういう御説明だったというふうに思うんですけれども。
 ただ、その御説明に相反して、今回の法改正、私は、再び文科省の管理を強化する部分も否めないというふうに思います。中期計画の記載事項の追加ですとか監事体制の強化、これは元々の法人化の趣旨とやや矛盾するんじゃないかというふうに私は思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。

#68
○萩生田国務大臣 中期目標大綱において、国立大学法人が果たすべき役割や機能に関する基本的な方針を示すにとどめた上で、各法人が自らの目指す方向性を反映させる形で中期目標大綱の項目を追記、修正して中期目標とすることを可能としており、引き続き法人の自主性、自律性を尊重した仕組みとなっています。
 また、監事の権限強化については、法人内部で問題が起きた場合の自浄作用が働くようなチェック機能を強化するためのものであり、学内外のステークホルダーから信頼されるガバナンス体制を構築していただくためのものです。
 このように、今回の法改正は、文部科学省の大学に対する管理強化が目的ではなく、国立大学法人の自浄能力を高めるガバナンスを実現し、自律的な経営体制を構築することが目的であります。

#69
○牧委員 そこで、その自浄能力を高めるというお話ですが、一方で、先ほどもお話が出ておりますけれども、学長選考・監察会議の委員の選考というのは、まだまだ私は不備が残っていると思います。
 先ほど菊田委員からの御質問にもありましたけれども、この辺のところで、その公正性、透明性をどのように担保されるのか、もう一度ちょっとお聞かせをいただきたいというふうに思います。

#70
○萩生田国務大臣 現行法は、学長選考会議の構成員となる者を選出する経営協議会及び教育研究評議会の議長はいずれも学長であり、必ずしも学長の影響力を排除する仕組みとなっていません。
 一方で、現行制度では、学長選考会議が自ら学長解任の議論を始めなければチェック機能が働かない仕組みですが、今回の改正により、文科大臣が任命する監事が、学長に不正行為や法令違反等があると認めるときは、学長本人及び文部科学大臣への報告に加え、学長選考・監察会議にも報告することとなり、チェック機能が迅速に働くようになることが期待されます。また、学長選考会議が学長に職務の執行状況の報告を求める規定を設けることにより、学長選考会議はなぜ報告を求めないのかを問われる立場になります。
 こうした改正により、学長選考会議が自らの権限と責任においてチェック機能を発揮するものと考えております。

#71
○牧委員 私、これは大変まどろっこしい話だというふうに思うんですね。
 この監事というのは文科大臣が任命するわけです。最終的には、学長も文科大臣に任命の権限があるというふうに思うんですけれども、そういう理解でよろしいでしょうか。

#72
○萩生田国務大臣 そのとおりです。

#73
○牧委員 そうすると、今、現行の制度の中で様々弊害が起こっております。特に、例えば、これもお話に出てきておりますけれども、旭川医大の問題ですよね。
 旭川医大については、もういろいろ週刊誌やら何かでも報道されておりますけれども、昨日の参考人の質疑の中でも出てまいりました。病院でコロナ患者を受け入れるべきだと進言した病院長を解任したということがきっかけで、その後、学内職員による学長解任への署名活動が起こって、意向聴取者署名の過半数到達が確定して、学長選考会議に吉田学長の解任要請が出されているわけであります。
 いろいろ不適切な金銭授受ですとか、いろいろ不適切な行動、ハラスメント等も指摘をされております。さらに、ガバナンス欠如による赤字経営、自分に都合のよい恣意的な人事、こういったものが出てきているわけですけれども、こういったことに対して、大臣、どう対処されるおつもりでしょうか。これはちょっと具体的なお話なんですけれども。

#74
○萩生田国務大臣 まず、さきに答えた学長の大臣の任命権なんですけれども、基本的には、学長会議の報告が上がってきて、法律違反などの事案がなければそれを追認するというような仕組みですから、私が頭越しにこの人を学長にという、こういう指名権ではないことはあらかじめ御理解いただいていると思います。
 その上で、今、旭川大学の件ですけれども、文部科学省では、昨年十二月の吉田学長の言動に関する週刊誌報道や本年一月の病院長解任などの様々な報道を受け、旭川医科大学、大学の監事及び前病院長など関係者に対して事実確認を行ってきたところです。
 そのような中、旭川医科大学では、令和三年二月から、学長選考会議において、学長の責任の有無等について議論を開始しました。三月には、学内規程に基づいて教職員による学長解任請求が行われ、これを受けて、学長選考会議が解任に関する議論を開始し、弁護士による第三者調査を実施をしていると聞いております。
 文科省としては、大学に対し、学長選考会議における議論を慎重かつ速やかに、第三者性を確保した上でしっかりと行うことを求めており、大学における対応を注視しているのが現状です。

#75
○牧委員 私が先ほどまどろっこしいと言ったのはまさにこのことで、大臣は、直接任命する権限じゃなくて申出によるんだというお話がありましたけれども、これは、形式的な任命権というのか、それこそ学術会議のときの議論みたいになってしまいますけれども、ここまでいろんな問題が露呈したもの、本来ですと、それは学長選考会議の民主的な手続を踏まえてというのが当然あるべき姿なんでしょうけれども、最終的には、ここまで来たものについては、これはえいやで大臣が任免権を行使することができるというふうに私は思うんですけれども、いかがでしょうか。

#76
○萩生田国務大臣 法律上、文部科学大臣が行う学長の解任は、当該国立大学法人の学長選考会議の申出によるものとされておりまして、審議の結果として学長の解任の申出があれば文部科学省として対応できるんですけれども、現に、北海道大学におきましては、私が初めてその解任を命じました。
 しかし、これは法律で定まっているので、運用上、牧先生おっしゃるように、ここまで社会的にがたがたしているんだから大臣の責任でぱっとけりをつけろと言われて、なかなか出張る仕組みがないというのが正直なところです。

#77
○牧委員 それはよく分かっております。ちょっと意地悪で聞いただけですけれども。学術会議のときに、ああいうふうに形式的な任免権を総理が行使されたので、あえてこういう質問をさせていただいた次第でございます。
 また、ちょっと目先を変えて、今回の法改正では学長の任期について制限を求めることは提案されておりませんけれども、せめて、例えば五年とか十年とか、任期を定めるというお考えは全く最初からなかったんでしょうか。

#78
○萩生田国務大臣 国立大学法人法上、学長の任期については、各国立大学法人において、学長選考会議の議を経て、二年以上六年を超えない範囲で定めているものとされております。また、再任についても法律上の制限はございません。
 改革を推進するためには、学長が長期的ビジョンに基づき、腰を据えて取り組むことが効果的な場合もありますし、任期の長期化や再任が一概に問題であるとは言えないものと考えております。
 このため、文科省としては、学長の任期や再任の可否は、それぞれの法人において、学長選考会議における議論に基づいて、それこそ自主的に判断されるべきものと考えておったところです。

#79
○牧委員 次に、国立大学法人等による出資の範囲の拡大についてちょっとお伺いをしたいというふうに思います。
 この出資の範囲の拡大、何のために拡大するのかという、目的のイメージをお聞かせをいただきたいというふうに思うんですね。
 今回、ガバナンス強化という言葉がありますけれども、ガバナンス強化というのをどう理解するのか。法令遵守だとか、コンプライアンスという言葉もありますけれども、それよりもうちょっと幅の広い意味で、本来の大学の果たすべき使命、そしてまたその目的達成のために、それは資金が潤沢であるにこしたことはないと思いますが、その資金をどのようにきちっと使って目的に向かっていくのかということ全てが問われるのが、私はガバナンスという言葉に包含されているというふうに思うんですけれども。
 お金を投資をして、出資をして、それは資金が潤沢になるにこしたことはないんですけれども、その目的というのは一体どういうイメージになるんでしょうか。

#80
○伯井政府参考人 お答えいたします。
 今回の法改正は、国立大学法人が、機能拡張により、公共を担う経営体へと転換し、社会変革の駆動力として新たな役割を果たしていくということでございます。そのため、出資範囲の拡大につきましても、国立大学が保有する研究成果を社会還元するということとし、それとともに財源の多様化を図るための仕組みということを目的とするものでございます。
 今回の法改正では、現在国立大学法人に認められている出資業務の実績や大学からの要望等を踏まえまして、大学の研究成果を活用して商品、サービスの開発、提供を行う、いわゆる大学発ベンチャーへの直接出資を指定国立大学法人に限定して可能とするということでございますが、出資対象範囲を拡大をするということでございます。
 これは、外部事業者への出資という形式を取ることができるわけでございますけれども、このことは、研究成果の活用等に専門特化した事業者が業務を担うということで、より効果的、効率的な事業実施によって研究成果の活用が促されるということ、あるいは、学内制度にとらわれない柔軟な給与等の設定や迅速な意思決定で執行ができるなどの観点から、研究成果の社会還元を加速するために有効な手段であるというふうに考えておりますが、いずれにせよ、これは個々、文科大臣認可をして出資を認めるということですので、そこは適切に運用、対応していくことが必要であると考えております。

#81
○牧委員 大変分かりにくい御説明だったというふうに思うんですけれども。
 研究成果を社会に還元するのは分かります。研究成果を社会に還元したことによって得られる対価、それは出資した者に対する対価だと思うんですけれども、それは大学に還元されるという理解でよろしいんですね。

#82
○伯井政府参考人 そのとおりでございまして、各国立大学法人が財源多様化をすることによって、その分運営費交付金を削減するというような扱いにはしておりませんので、財源の多様化にも資する、それが教育、研究の向上にも資するというふうに考えております。

#83
○牧委員 そのことをちょっと聞きたかったんですね。
 要は、大学がお金をもうけるという話なんですよ。そのもうかったお金というのは、学生に還元されるのか、研究者に還元されるのか、研究そのものなのか、あるいは施設整備等なのか、どういったイメージを考えればいいんですか、その出資の果実がどう配分されるか。これは局長で結構ですので。

#84
○伯井政府参考人 その果実によって基金を設けて、例えば、教育の充実を図るとか、国際交流を進展させるとか、あるいは、より直接的には当該分野の研究の施設整備に資するとか、そういうことを期待しているものでございます。

#85
○牧委員 これは学校によってそれぞれ考え方はあると思うんですけれども、ただ単に使い勝手のいいお金というわけにはいきませんので、その辺は、それこそガバナンスだと思うので、きちっとグリップをしておいていただければというふうに思います。
 ちょっとそこで思い出したのが、先日、補正予算関連でJSTの十兆円ファンドのお話がありました。これは予算絡みなのでということで大慌てでやってしまったので、何かどさくさに紛れてこの法律が通っちゃったような気もしないでもないんですけれども、これは大きなお金ですので、今後、各大学が使い勝手のいい資金を得てということになるんでしょうけれども、これからどういうふうに使われて、またそのファンドがどう運用されるのかということも、これからもきちっと、私たち、この議会の立場でもフォローしていかなければいけないというふうに思っております。
 そんな中で、コロナ禍における今、研究者だけじゃなくて、学生の生活についても本当に真剣に考えるべきときに来ているというふうに思います。
 この間いろんな取組があることについては承知をいたしております。今日は時間がないのでその一つ一つについてお聞きをすることはいたしませんけれども、学生生活調査結果を見ると、令和二年の四月から十二月、コロナの影響で大学を退学した人が千三百六十七人という数字がありましたけれども、これだけじゃないと思います。中退者そのものが二万八千六百四十七人もいるわけであります。
 その中退者に限らず、卒業した人も、卒業しても非正規の就職しかできないというようなことになると、それは学生支援機構なんかのいろんな取組もあるんですけれども、借金は返済しなきゃならない、しかも学校を出ても非正規だということであれば結婚もできない、そうすると少子化に更に拍車がかかるということで、これをどうするかということは、国を挙げて考えていかなければいけない課題だというふうに思います。
 ちょっと財務省にお聞かせをいただきたいというふうに思うんですけれども。
 この学生支援機構の資金というのも財投の資金なわけですよね。ちょっと質問なんですけれども、さっきのJSTの話も絡むんですが、財投資金というのは、例えば鉄道ですとか、あるいは高速道路だとか政府系の金融機関など、それぞれ利用した人がその利用したことに対する対価を払うことによって、受益者が実施機関を通じて結局は返済をするという理解でよろしいですか。

#86
○窪田政府参考人 財投の運用に関しましては、御指摘のようなものもございますけれども、機関に財投資金を貸し付けて、機関の資金繰りを助けることによって、その余裕を活用して事業を行ってもらうというようなものもありまして、いろんなものがありますが、今回の大学ファンドのようなものについては前例がないということでございます。

#87
○牧委員 そういうことなんですよね。だから、この間の法改正のときは割とさらっと話が終わってしまいましたが、財投では今までやったことのない分野に踏み込んだということなんです。
 だから、この十兆円ファンドというのは、その運用益で賄う、金融商品を買って、それを運用して、その運用益で賄うということですから、受益者である大学、もっと厳密に言うと、例えば研究者には返済の義務がないわけです。その責は全てJSTが負うということなんですけれども、そういう理解でよろしいでしょうか。

#88
○窪田政府参考人 お金はJSTに貸し付けるものですので、JSTが責任を持って返済していただくということになるかと思います。
 前例と言えるようなものはございませんけれども、ですので、私どもとしてもよほど慎重には検討したんですが、公的資金を使うかどうかは別にして、海外でもこのような事例は多くあるということでありますし、財投の活用も自立までの時限的なものであるということでございましたので、特別に取り組むことにしたということでございます。

#89
○牧委員 そこだけきちっと頭の中を整理しておきたいというふうに思います。
 今、御答弁で、債務者はJSTだというお話ですけれども、ほかの財投の資金も全部、鉄道だろうが高速道路だろうが、その機関が債務者になっているわけですね。その機関を利用する受益者が払ったお金で機関が返済するということですが、私が言っているのは、今回は、これはもう全然、受益者は返済義務がないという、その違いだけを取り立てたわけでございますので、そこはきちっと整理をしていただきたいというふうに思います。
 そこで、さっきも申し上げたように、日本学生支援機構というのもこの財投の資金で賄っているわけですね。私の理解だと、貸付残高が今六兆五千億、令和三年度の返済額が七千五百億というふうに聞いております。今、このコロナ禍で、例えばこの返済を全部猶予するということになると、平たく言うと七千五百億が必要になるということなんでしょうけれども。
 今のJSTの例もあります。私、思うんですけれども、卒業して借金返済に追われる人たちに全てを負わせるんじゃなくて、いっそこのJSTに倣って、学生支援機構もお金を運用して少し稼いだらどうなんでしょうか。そういうふうに私は思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。個人的な見解で結構です。

#90
○萩生田国務大臣 JSTそのものも、本当にびくびくしながら皆さんに御提案をしました。大切な国民の皆さんの税金を原資に、リスクをできる限り除いて、安定的な利益、利ざやを何とか研究に配分していきたいということで考えましたので。
 学生支援機構も同じような原資でスタートしているんだから、同じように、じっとして貸し借りだけじゃなくて、少し運用して利益を出して、多分、先生の思いは、その利益で少しでも借りた人たちの負担を軽減できるようにしたらどうだということをきっとおっしゃりたいんだと思うんです。
 そのマインドは私も共有したいと思うんですけれども、さすがに、学生支援機構が直ちにファンドマネジメントができるかと言われると、これはもう既に動いちゃっているお金が今言ったお話なので、今回のJSTみたいに原資があってそれを運用に回せるお金があるというのとまず状況が違うということと、それから、そこには当然専門性の高いスタッフを配置しなきゃならないので、一つのアイデアとしては、今日のところはお受けしておきたいと思います。

#91
○牧委員 是非検討していただきたいというふうに思います。まず原資が必要だ、当然のお話だと思います。JSTもまず原資のないところからいきなり始まった話ですので、これもできないとは私は思いませんので、よろしくお願いしたいというふうに思います。
 また、前にもちょっと私は触れたことがあるんですけれども、大学が持っている財産、知財というのは、決してその大学で研究したことだけじゃなくて、これは前にも言ったんですけれども、入試問題。入試問題が、民間の予備校ですとか、あるいは教材の出版社で二次使用されています。この大きな市場というものに全く目を向けていないんですね。
 入試問題という、問題そのものの編集著作権というのは大学にあるはずです。これをなぜ回収しないのか。たしか音楽教室で、JASRACと音楽教室が係争中だというお話の中でそういう話に触れたというふうに思うんですけれども、その市場規模からすればそれなりのお金が、大学には回収できる能力があるというふうに思います。
 これについても提案をさせていただきたいというふうに思いますので、是非御検討をいただけますようにお願いを申し上げて、時間が参りましたので、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

#92
○左藤委員長 次に、石川昭政君。

#93
○石川(昭)委員 自由民主党の石川昭政です。
 今回、国立大学法人法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。
 私、茨城県、地元には茨城大学と筑波大学と、それぞれ特色ある国立大学が、競い合いながら、教育活動、研究活動をそれぞれ行っております。特に、私の地元には茨城大学工学部がございまして、教授に聞きますと、学生さんたちは実学を身につけて、経済界に出ていって役立つ人材を教育していく、育てていく、そういう方針を持って教育活動にいそしんでいるというお話でございました。きれいなパンフレットとかを使いまして、卒業生がどういう活躍をしているかなど、非常に積極的にPRをして、大学生を引きつけていく、魅力ある大学にしていこうという意欲を非常に持っているなというふうに感じます。
 その中で、今回、国立大学法人法を改正するわけでございますけれども、そのベースとなりましたのが、昨年、令和二年の十二月に公表されました、国立大学法人の戦略的な経営実現に向けてということで、社会変革を駆動する真の経営体へという最終取りまとめが今回の法改正のベースになったと承知をしております。
 その中をいろいろ読ませていただきましたけれども、今回法改正に盛り込まれました、常任監事の設置をすることによって学長に対する牽制機能を強化すること、それから、年度計画を廃止して中間目標、中期計画を策定すること等、かなり経済界、今の企業経営に通ずるものが非常に多いなという印象を受けております。
 今回の国立大学法人法の改正に向けた狙いにつきまして、先ほど委員の方からも、自主的な、自律的な運営を目指すとか、財務基盤を強化するとか、ガバナンスの透明化、いろいろございましたけれども、これにつきまして、萩生田大臣の御見解、御所見をお伺いいたします。

#94
○萩生田国務大臣 国立大学法人が、自律性を高めて、世界最高水準の教育、研究や、地域、社会のニーズを踏まえた教育、研究を展開するためには、ステークホルダーの信頼を得られる自浄作用を持つガバナンス体制や、外部資金獲得も含めた資金調達力の強化が必要だと思っております。
 このため、昨年、文部科学省に設置した国立大学法人の戦略的経営実現に向けた検討会議において、国が国立大学法人に期待する役割、機能等について議論を行い、同会議の最終取りまとめでは、機能拡張により公共を担う経営体へ転換し、社会変革の駆動力として新たな役割を求めること等について提言されました。
 本最終取りまとめも踏まえ、今回の改正では、中期計画の実質化と評価の簡素化による自律性のある法人運営を実現するため、中期計画の記載事項に、中期目標の実施状況に関する指標を追加し、年度評価を廃止すること、自律的な法人運営に不可欠となる法人ガバナンスを改善するため、監事の体制を強化するとともに、学長選考会議の委員構成を適正化し、学長の業務執行状況に対する監察機能を強化すること、国立大学の社会貢献機能を向上させるとともに、財源多様化による財政基盤の強化を図るため、出資対象範囲を拡大すること、一大学の法改正により制度化した一法人複数大学制度の活用による二組の法人の統合などを内容として盛り込んでおり、国立大学法人等の管理運営の改善並びに教育研究体制の整備及び充実などを図ることを目的としております。

#95
○石川(昭)委員 そこでお伺いしたいんですけれども、これから十八歳人口が徐々に減少する中で、大学経営そのものが、基盤がこのままでいいのかという問題も将来的には問われる、存在意義が問われる場面がこれから出てくると思われます。
 私、前回の質疑で、遠隔授業を活用した、大学間の垣根を越えて学生が他大学の講義を受けるような制度をどんどん広げていってはどうかということを御提案しました。
 さらに、今回は、国内ではなく、海外の学生、日本の学生でもいいんですが、外国の大学の授業を受けるような、こういう仕組み、そういった、大学、それから国の垣根を越えた大学教育というのが、技術的にはもう可能になっているわけでございます。
 これについて、先ほど申し上げました大学の経営実現に向けた検討会議の中でも一部取り上げておりますけれども、今、文科省のお考え、御所見をお伺いいたします。

#96
○伯井政府参考人 お答えいたします。
 御指摘いただきましたように、オンライン授業、オンラインの活用というのは、国境を越えて授業が受講可能であるということでございます。大学の国際連携の進展、あるいはそれによる教育の質を高める取組が期待できるということでございます。
 今御指摘にあった有識者会議の提言もそうでございますし、現在、教育再生実行会議におきましても、ニューノーマルにおける高等教育の姿、グローバルな視点での新たな高等教育の国際戦略について議論をしているところでございます。その中で、対面とオンラインを効果的に組み合わせた、ハイブリッドによる学修者本位の効果的な教育の確立のための仕組みであったり、我が国の大学と海外大学が共同して教育課程を編成し、連名で単一の学位を授与する国際連携教育課程、いわゆるジョイントディグリー制度の更なる推進について議論がされているところでございます。
 特に、ジョイントディグリー制度というのは非常に効果的な取組というふうに認識しておりますので、この実行会議での議論も踏まえまして、この制度の柔軟化を進めまして、更に推進していきたいというふうに考えておりますし、引き続き、グローバルな目線で新しい大学教育を展開していくということが必要であると考えております。

#97
○石川(昭)委員 今回、コロナ禍によって、なかなか海外に行く機会も限られるわけですし、移動が制限されている中で、遠隔授業というのは非常に有効な技術だと思っておりますので、是非広く拡大していただきたいと思っております。
 次に、イノベーションに関して大臣にお伺いしたいと思います。
 一般的に言いまして、海外と比較して、日本人というのは起業家精神が薄い、足りないというふうに言われております。そんな中で、日本の大学からベンチャー企業、GAFAプラスMのような、世界を一変させるような、そういう企業がイノベーションとしてどんどん創出するためには、どこが不足していて何が足りないのか、どこを補強すべきなのかということを、大学ということを一つの視点に置いて、大臣の今の御所見をお伺いしたいと思います。

#98
○萩生田国務大臣 日本の大学が世界を一変させるようなイノベーションを創出することは重要であり、そのためには、大学内の人材、資金、組織という観点から体制の強化を図ることが必要と考えます。
 今回の法改正においては、大学の研究成果等の社会還元を促進するため、出資対象範囲を拡大するとともに、財務基盤の強化を図ることとしておりますが、諸外国の有力大学と比較すると我が国の大学の財政基盤は今なお脆弱であり、財政の一層の多様化、拡大が必要です。
 また、資金面だけではなくて、若手研究者の安定的なポストの確保や、他大学からの優れた教員等の戦略的なリクルートといった取組が十分でないことなどが、今後解決すべき課題であると考えております。
 さらに、今回の法改正において、学長選考会議や監事の機能強化等を行うこととしておりますが、法人のガバナンスの改善も必要であると考えております。
 こうした観点から、今後、大学ファンドを活用しながら、大学によるイノベーション創出の強化を支援してまいりたいと思います。
 限られた大学の中のメンバーだけで事を起こそうとすると、どうしても内向きになってしまうという傾向がありますので。そもそも、研究者は研究を続けたいわけですよね、そこに起業精神なんというのは元々ないわけですから。だけれども、これを何とか外に出して稼いでみようよ、製品化してみようよといったときに、やはりそれを担う専門家を招き入れるということが極めて重要で、お地元の筑波大などでも学内から上場企業が出ております。
 それは、研究者である先生がずっと伴走することも大事ですし、ある程度どこかで技術を渡して、経営は経営のプロに任せていくということも大事だと思いますので、その辺の、まさに人材と資金、組織というものを上手にコーディネートしていくことが大学側にも求められていくんだと思いまして、そういう感性をしっかり磨いていってほしいなと思っています。

#99
○石川(昭)委員 ありがとうございます。
 私からではなくて、大臣から、筑波大学のサイバーダイン社だと思うんですが、ロボット工学の技術を活用して、例えば、障害者の方の行動、生活支援ロボットであるとか、あるいは、農作業をする際に、その装置をつけることによって、補助を受けることによって非常に重いものを持ち上げることができる、そういうロボットを開発をしたりしています。
 これは、日本国内だけではなくて、海外からも非常に引き合いがございます。国際会議を開きますと、必ずと言っていいほど、そういう企業に視察に立ち寄られて、是非うちで買いたいといって商談をしていく、そういう海外の高官の皆さんもいらっしゃるぐらいでございます。そういったことが全国の大学で行われたら本当にすばらしいんじゃないかなと思っておりますので、是非御支援をいただきたいと思っております。
 それで、最後の質問でございますけれども、研究成果の活用事業についてお伺いしたいと思います。
 今回の法改正では、指定国立大学法人のみならず、一般の国立大学法人にも活用事業を解禁するということでございます。しかしながら、こういった研究の成果というものは、そういうところだけではなくて、国の研究開発法人にもたくさん埋まっているわけですね。そういったものを活用することが私は大事だと思っております。
 一例として、原子力開発機構なんかがずっと研究してきた高温ガス炉の技術移転をこれからどんどんやっていこうといったときに、ベンチャー企業なり民間企業を立ち上げる、あるいは出資をして、それによって知財の使用料などを得て、それをまた運営の資金に回していくというようなことができるんじゃないかなと思いますけれども、これについて今の現状等をお伺いしたいと思います。

#100
○板倉政府参考人 お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、研究開発法人の研究成果には、非常に、技術移転をすることで社会に貢献できるようなものが多々あるというふうに承知しております。
 それで、研究開発法人の出資制度につきましては、平成二十五年の研究開発力強化法改正によりまして、全研究開発法人のうち三法人において、研究成果を活用していただく事業者に出資が可能となりました。また、平成三十年には、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律によりまして、研究成果を活用する事業者に出資できる法人が二十二法人にまで拡大いたしまして、また、令和二年度には、同法の改正によりまして、更に五法人追加されて二十七法人、この中に原子力研究開発機構も含まれておりますが、出資が可能ということになってございます。
 文部科学省におきましては、こういった研究開発法人の研究成果に関しまして、より社会に貢献できるよう、法人のニーズ等も踏まえながら、引き続き、制度改正あるいは支援などに取り組んでまいりたいというふうに考えております。
    〔委員長退席、原田(憲)委員長代理着席〕

#101
○石川(昭)委員 時間が参りましたので終わりますけれども、やはり、研究シーズというのはいろいろなところに埋まっております。国の機関であれば税金で研究開発をやってきておりますので、それを広く社会に還元できるように是非取り組んでいただければと思っております。
 以上で質問は終わります。ありがとうございました。

#102
○原田(憲)委員長代理 次に、浮島智子さん。

#103
○浮島委員 公明党の浮島智子です。
 本日は、国立大学法人法の一部を改正する法律案についてお伺いをさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 昨日ですけれども、本法律案の参考人質疑におきまして、東北大学の大野総長など三名の参考人の方々から貴重なお話をお伺いすることができました。
 萩生田大臣も、昨年末に東北大学を御視察なさったと伺っております。
 東北大学は、大野総長の下、二〇二三年度に次世代型放射光施設が稼働する予定の青葉山に構想中のサイエンスパークにおける集積エレクトロニクスやマテリアルなどの新しい資金の流れの確立、またパワースピンなどの大学ベンチャー、そして東北メディカルバンク機構を軸にしたライフサイエンスの研究の加速など、本当に様々、この十年間、東日本大震災で大きなダメージを受けながらも、それを乗り越えて、研究大学としての攻めの経営、これに取り組んでこられたことを大変ありがたく、また頼もしく思ったところでございました。
 また、過日、仙台市では、人工知能やビッグデータなどの最先端技術を活用しまして、未来都市を目指す国家戦略特区、スーパーシティーに応募したと発表がありました。東北大学と連携して、青葉山キャンパスなどで、学生、教職員、一般市民向けに、健康、医療、エネルギーなど五分野の先端サービスを展開する構想で、この「仙台市×東北大学スーパーシティ構想」による規制緩和と官民のデータの共有、これで、パーソナルヘルスケア、健康管理でございますけれども、配送そして清掃など各種のロボットサービス、シェア自動自転車などの移動サービスなどを提供するということでございました。
 ほんの二十年前でございますけれども、東北大学がまだ文部省の施設等機関で、総長も教授も事務職員も全て国家公務員だった時代には、助手のポストを助教授に振り替えること一つでも大蔵省と行政管理庁に機構・定員の要求をしなければなりませんでしたし、また、組織についても予算の執行についても国の規制によりがんじがらめになっていた。こんな攻めの経営は、夢のまた夢、想像もできなかったと私は思います。
 そこで、大臣にお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、二〇〇四年の国立大学法人化をどう総括しておられるか。特に、法人化したからこそできるようになった経営や教育研究活動を具体的にお示しいただきたいのと、大臣として、今後、国立大学の施策の中で何に力を入れていきたいと思われているのか、お伺いをさせていただきたいと思います。

#104
○萩生田国務大臣 国立大学の法人化により、自律的な運営を確保することを当初の狙いとして、大学の裁量を拡大するとともに、経営力向上に資する規制緩和を拡大してまいりました。その結果として、教育研究活動の活発化や外部資金等の増収といった成果につながっていると評価します。
 具体的には、研究面では、寄附金などの外部資金の受入れが拡大するとともに、大学発ベンチャーの設立数が大きく増加するなど、研究成果の社会還元が進展しました。また、教育面では、各大学が学部、学科の廃止、転換、特色や強みを生かした新設など、時代や社会のニーズに合わせた組織の見直しを進めてきました。
 近年では、企業との産学連携において百億円を超える契約を結んだり、大学債を発行して二百億円の資金を調達することにより、教育、研究の充実を図る例も出てまいりました。
 一方で、本務教員に占める若手の割合が減少し、若手教員の任期付比率が増加するなど、人事制度改革が不十分であることが課題として考えられます。
 このため、今後、教育、研究の一層の活性化や全世代の活躍促進に向けて、外部資金の戦略的活用による若手研究者のポスト確保など、人給マネジメント改革の更なる促進を行ってまいりたいと思います。
 先生、東北大学を例に示していただいて、私も、お邪魔して、これはお世辞じゃなくて、地方の国立大学のあるべき姿として、本当に理想的な経営をされているというふうに思いました。学長のリーダーシップもさることながら、地域の皆さんに信頼されているということが一番だと思いますね。
 なかなか、大学って敷居が高くて、設置されている県や市の皆さんとの交流がないんですけれども、放射光施設などは非常に巨額な設備ですけれども、失礼な言い方かもしれないけれども、我々、企業名を聞いても、それは何の会社なんだろうなという地元の企業がみんな出資をしている、そういう点もすごく感銘を受けたところでございまして、まさに、今回の法改正をお認めいただいた上で、更なる目指すべき国立大学の姿というものは東北大にあるのではないか、こう思った次第でございまして、こういうグッドプラクティスは是非全国へ横展開をしていきたいなと思っています。

#105
○浮島委員 今大臣からも御答弁ありました学長のリーダーシップ、そして地域との連携は、本当に、大変重要なものと私も思っております。
 二〇〇四年の国立大学法人化を第一章とすると、今回の法案は、いわば法人化の第二章の幕を開くのだと私は思っております。そして、それぞれの大学が持っている個性、そして特色、これをしっかりと生かしながら、攻めの経営に転じるのがこの第二章のメインのテーマであると私は思います。
 この第二章で大事なのはバランス、私はここが非常に重要だと思います。一つは、今大臣がおっしゃった学長のリーダーシップ、それと、良識と見識に基づいた学長に対するチェックや牽制のバランス、またもう一つは、卓越した学術研究の多様性の確保と、優れた研究成果を社会的な価値の創造へと結びつける戦略とのバランスだと思います。
 攻めの経営のための学長のリーダーシップと行動力、この構想力が不可欠であると思いますけれども、そのリーダーシップは、ただ権限があるから、ただ権力を持っているから従えといったものであってはならないと思います。学長の持つ学問的な高い識見と国内外の豊富なネットワーク、そして、それらに基づく学内外の信頼を背景に、学長の掲げる構想力のあるビジョンとそれを実行するための行動力、これが学内をしっかりと動かし、攻めの経営の深化になっていくのだと私は思います。
 そして、万が一でも、学長が、ただ権力を持っているから従えと、法や常識に反するような行為に出た場合には、それをしっかりと牽制する仕組み、これが重要であります。
 また、学術研究の卓越性とイノベーションとのバランスも重要。学術研究の卓越性だけを追い求めていては、我が国の発展にとって宝の山である大学の知が持ち腐れになってしまう、また他方で、新しい社会的価値の創造のみが自己目的化してしまったら、この源である学術研究が枯渇してしまうと私は思います。
 そこでお伺いをさせていただきたいんですけれども、本法案において、学長のリーダーシップと、良識と見識に基づいた学長に対するチェックと牽制、このバランス、卓越した学術研究の多様性の確保と、優れた研究成果を社会的な価値の創造へと結びつける戦略とのバランス、それぞれをどう保つかという観点から、どのような工夫や仕掛けが凝らされているのか。また、今回の改正案の具体的な内容の方向性を示した、国立大学法人の戦略的経営実現に向けた検討会議における議論も御紹介をしていただきたいと思います。

#106
○萩生田国務大臣 学長のリーダーシップは、大学改革を推し進め、大学をめぐる様々な課題に的確に対応し、社会からの期待にしっかりと応えていくために不可欠なものです。一方で、学長がリーダーシップを十分に発揮して大胆な改革を実行するに当たっては、学内外のステークホルダーから信頼されるガバナンス体制を構築することも重要です。
 国立大学法人の戦略的経営実現に向けた検討会議においては、大学が多様なステークホルダーからの信頼を確実に獲得していくため、学長選考会議及び監事が持つ牽制機能を可視化をし、実効性あるものとすべきとの提言をいただいております。
 こうしたことを踏まえ、今回の改正案では、学長の業務執行状況に対するチェック機能など、学長選考会議等の牽制機能の強化を図り、大学の自浄作用を高めるための仕組みを盛り込みました。
 また、学術研究の多様性確保については、これまで、科研費の増額や創発的研究支援事業の創設などを通じ、自由で挑戦的な研究への支援を拡充してまいりました。
 一方、国立大学法人の戦略的経営実現に向けた検討会議で、大学が保有するシーズやノウハウの社会還元促進に向けて出資対象を拡大すべきと指摘されているように、大学の研究成果等を社会還元する機能はまだ弱いことから、今回の改正案では、大学の知的資源の社会還元を促進するための出資機能の強化を盛り込みました。
 今後、今回の法改正に盛り込んだ新たな仕組みが機能し、大学のガバナンス改善と研究成果の社会還元が一層推進するよう、文科省として国立大学改革の取組を支援してまいりたいと思います。

#107
○浮島委員 この卓越した学術研究の多様性の確保と、あと、優れた研究成果を社会的な価値の創造へと結びつけるこの戦略、このバランスをどうするのかというのは大学によって異なってくると思います。
 この通常国会の冒頭、科学技術振興機構、JST法が改正されまして、十兆円の規模の大学ファンドが創設されました。これまでにない画期的な仕組みで、国立大学の在り方も大きな転機をもたらすものだと思っております。
 この大学ファンドは、志のある優秀な若者に、研究の道へ進んでいくための大学院博士課程の学生の支援とともに、世界に伍する研究大学の抜本的な機能強化を目的としていると思います。
 この世界に伍する大学への挑戦の兆しはもう出始めております。経営上のリスクを負って、競争力資金のオーバーヘッド等により若手研究者に任期なしポストで提供したり、新しい時代に求められる大学の機能の拡張のため、政府のみでなくて市場を相手に対話を行い、信頼を得て、そして大学債を発行するなど、コーポレートファイナンスが可能なマネジメントに移行したりするなどの動きが生じてきております。
 大学発の、東大発のベンチャー企業が四百一社、そしてIPO企業が十七社で、上場の上位の五社の時価総額は合計約一兆円となっております。
 他方で、本年一月二十六日の本委員会で、JST法の改正案のときに質疑でも申し上げさせていただきましたけれども、アメリカの大学は毎年どんどん成長しております。スタンフォード大学は、東京の三倍の規模の資金力を生かして、大学院博士学生や若手研究者を集めて切磋琢磨するという環境をつくっておりますし、そして、稼げない、日の当たらない分野だけれども、学校の公的な使命から不可欠な分野への支援なども行っています。
 この法人化以降の我が国の国立大学の進化、飛躍的にこれを加速させるために、知恵やアイデアの源である研究大学が、明確で周到な戦略やビジョンに基づいて、自らの教育研究上の強みの明確化と学内外の資源の柔軟な再配分、これを確実に実行するマネジメントの確立、そして、大学として成長し続ける仕組みとして、この大学ファンドは創設されたと思います。
 他方で、地域を支え、地域の人材を育み、そして地域に貢献する地方大学の重要性、先ほども大臣の方からお話がございましたけれども、これも大切であります。
 そこでお伺いをさせていただきたいんですけれども、大学ファンドの創設も踏まえまして、今後、それぞれの国立大学が、世界に伍する研究大学や特定分野においてエッジの利いた特色を持つ大学、地域の知恵袋として地域に貢献する大学などと、自らのミッションを明確にしつつそれを伸ばしていく攻めの経営、これを行うに当たっては、文科省として、未来社会の構想をしながらそれぞれの大学の強みを生かすためのコンサルタント、よき助言者にならないとならないと思います。
 国立大学の行政に携わる職員の専門性を更に高めて、ネットワークを拡大して、国立大学から頼りにされる文科省になるための大臣の思いと、そして決意をお願いいたします。

#108
○萩生田国務大臣 ありがとうございます。
 国立大学の法人化から十七年が経過し、国立大学法人が自律性を更に高め、教育、研究の質を向上させるためには、文科省が伴走者として各国立大学の特色や強みを引き出す存在になることは極めて重要だと私も思います。
 具体的には、文部科学省の職員一人一人が広い視野を持って社会の現状を分析するとともに、望ましい社会を創造し、未来を予測することが重要であり、更に専門性を高め、大学の教職員との交流を活発にし、大学を知り尽くした頼れる行政官を育成することが必要だと思っております。
 現在、文部科学省職員の人材育成においては、海外勤務や地方公共団体、他府省庁等への出向など、文部科学省の外に出て広い視野を養う機会を設けており、文部科学省独自の取組として、ベンチャー企業等への派遣型研修プログラムも行っているところです。
 また、国立大学法人との間でも人事交流を行っていますが、文科省の職員が現場である各大学の実務を早いうちから経験し、その実態を理解し、国の政策に適切に反映させる上で意義があることだと考えております。
 今日、冒頭、菊田先生から会食の件の御指摘をいただいて、もちろん誤解を招くようなことはあってはならないんですけれども、私、余りにも萎縮すると、民間の皆さんとの接触がどんどんどんどん減っていくのが文科省の悪い点だと思っていまして、必要な民間の皆さんとの意見交換や勉強会は会費を持って是非出なさいということを今促しております。民の感覚を身につけることも極めて大事だというふうに思っています。
 また、今回の法改正を通じて、それぞれの法人がやはり地域に根差したかけがえのない存在になってもらうことが大事で、別にそこじゃなくても、国立法人じゃなくてもいいよねと思うようなことをだらだらとやるのでは、その存在意義はないと思っていますので、大げさに言えば、生き残りをかけて、各国立大学法人がその地域でやはりかけがえのない存在、それは地域にとってなくなっては困るんだという大学であってもらえる、そういう取組を、学長以下全ての職員がやはりマインドを変えてやっていただく必要があると思っていまして、文科省は、それをしっかり、伴走しながら、更にブラッシュアップしていけるように努力をしていきたいと思っております。

#109
○浮島委員 ありがとうございました。
 国立大学は、百五十年にわたって我が国がしっかりと投資をし、本当に宝の山だと思っております。今大臣がおっしゃったように、地域にかけがえのない、そして、地域としっかり連携した大学がしっかりとできていくよう、我々も後押しをしていきたいと思います。
 ありがとうございました。

#110
○原田(憲)委員長代理 次に、畑野君枝さん。

#111
○畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。
 国立大学法人法改正案について伺います。
 萩生田光一文部科学大臣にまず伺います。
 本法案は、国立大学法人が作成する中期計画の記載事項の、教育研究の質向上と業務運営の改善、効率化について、目標を達成するために取るべき措置の実施状況に関する指標、これを記載することを求めるものとなっております。
 中期計画の前提となる中期目標は、国立大学法人法第三十条で文部科学大臣が定めることとされていますが、この規定は、なぜ、教育、研究を中心とする大学業務の中期目標を文部科学大臣が定めるのか、それは憲法第二十三条が規定する学問の自由、そして大学の自治を侵害するものだと、国立大学法人法制定時の国会審議で大問題になりました。
 当時の遠山敦子文部科学大臣は、中期目標の実際上の作成主体は国立大学法人とも解されるとする旨を繰り返し御答弁されました。二〇〇三年六月五日には私にもそう御答弁をされ、各党の質問にもそのように繰り返し御答弁されてまいりました。
 萩生田大臣に確認をさせていただきますが、これは今も変わらない考え方だということでよろしいですね。

#112
○萩生田国務大臣 法律上、国立大学法人の中期目標は国が定めることとされていますが、法制定当時の国会における御審議や附帯決議などを踏まえ、国立大学法人の自主性、自律性を尊重する観点から、各法人が中期目標の原案を作成することとしており、その取扱いについては第四期中期目標期間に向けても変わらないものと認識しております。
 なお、お尋ねの当時の遠山大臣の答弁においては、中期目標について、国立大学法人が実際上作成主体になるとも解されるものであるが、高等教育全体の在り方あるいは財政上の観点などから文部科学大臣も関わって、両者が十分に意思疎通を図りながら協力をして中期目標を形成していく旨が述べられておりまして、その趣旨に沿って、文科省と各法人が十分に意思疎通を図りながら中期目標を作成していきたいと考えております。

#113
○畑野委員 その点については、附帯決議でも、国立大学法人が決めることを配慮する、十分配慮していくということが言われてきたわけでございます。大臣もお認めになったように、中期目標の実際上の作成主体は国立大学法人とも解されるとおっしゃっておられたという御答弁だったと思います。
 さて、昨日の参考人質疑で、光本滋参考人は、法人化後の経過の中で、実際には、各大学の中期目標原案作成に先んじて、法人評価とは無関係に文部科学省から素案が示され、それに基づいて各大学の原案が作られてきたなど、中期目標の作成主体は各国立大学法人であるという国会答弁を覆すような事態が実際には進められてきたことを明らかにされました。
 昨年十二月二十三日に国立大学法人評価委員会総会に示された第四期中期目標期間における国立大学法人中期目標大綱(仮称)(素案)では、中期目標に関する留意事項に、(素案)から、自らの目指す方向性を踏まえ、第四期において特に改革を進め、特色化を図る項目を選択し、各法人の中期目標としてくださいとあります。
 伺いますが、この大綱は、第三期中期目標期間の国立大学法人評価の四年目終了時評価がまだ出ておりませんこの段階で、何を根拠に出されたんですか。
    〔原田(憲)委員長代理退席、委員長着席〕

#114
○伯井政府参考人 お答えいたします。
 中期目標につきましては、御指摘いただいていますように、国立大学法人の自主性、自律性を尊重する観点から、各法人が原案を作成するという取扱いとしておりまして、従来、夏頃に御提出をいただくということとしております。
 その上で、第四期の中期目標期間に向けましては、国が国立大学法人に求める役割や機能を明確化する観点から、各法人の原案作成に先立って、国立大学法人総体として求められるものを、中期目標大綱(仮称)を示すということとしているところでございます。
 国立大学法人評価委員会による四年目終了時の評価結果については本年六月頃に決定するという予定でございますが、中期目標の原案策定に向けた各法人における検討の時間を十分に確保するということ、それから、各法人の意見を中期目標大綱自体にもしっかり反映していく必要があるといった観点から、今御指摘いただいた、昨年末に各法人に対して中期目標大綱の素案をお示ししたところでございます。この素案は、法人評価を実施する国立大学法人評価委員会の意見に加えまして、これまでの審議会の答申、各種報告書も参考に作成したものでございます。
 現在、各法人の意見を十分聞きながら、引き続き検討を進めているものでございます。四年目終了時の評価結果も踏まえつつ、各法人の意見というのも十分反映して、夏頃を目途に中期目標大綱を示したいというふうに考えております。

#115
○畑野委員 つまり、六月から、これから出るものなのに、四年目終了時評価も示されないうちに文部科学省が勝手に方向性を示すと。これは、先ほど萩生田大臣もお答えになりましたけれども、二〇〇三年の、さきの国会答弁を覆すやり方だと言わなくてはなりません。そういう方向で第四期中期目標期間でも進めようとしているというのは、これは大問題だと思います。
 そこで、萩生田大臣に伺います。
 中期目標の実際上の作成主体は国立大学法人との国会答弁の立場であるわけですから、各大学への大綱の押しつけはやめるべきだと思いますが、いかがですか。

#116
○萩生田国務大臣 押しつけるつもりは毛頭ございません。
 国会答弁とおっしゃるなら、さっき申し上げたように、遠山大臣は、文科大臣も関わって、両者が十分に意思疎通を図りながら協力して中期目標を形成していくというのが基本的な姿勢でありますので、大きな方向性をお示しして、あとはそれを各大学法人がオーダーメイドで、まさに地域性だとか専門性だとか得意分野なんかを示しながら作っていただくのが中期目標でございますので、何か、全ての国立大学法人に、文科大臣がこっちに向かって走っていけみたいな、そういうことを目指しているのではないということだけは、そういう答弁をしておけば安心していただけるんだと思いますので、お答えしておきたいと思います。

#117
○畑野委員 何が主なのかという話なんですよ。
 先ほども、応援していきたいという話をされていましたけれども、やはり学問研究の中身というのは、当時、それはもう大臣だって私だって、みんな分からない、だからそれは大学に任せましょうということになった。そして、業務も、大学の教育、研究と関わるんですよ。だから、それは主体的には大学そのものが決めましょうと、そういう議論の帰結だったわけです。
 それで、今大臣おっしゃいましたけれども、大綱の押しつけはやめるべきなんだけれども、大綱そのもの自身が押しつけになっているんですよ。これは私は大問題だと思います。
 今日、資料にお示しいたしましたけれども、この折り畳んであるもの、これは、国立大学法人の第四期中期目標、中期計画の項目等についての案です。
 最初に、二〇二〇年十二月二十三日の国立大学法人評価委員会総会に出されたものが左にあります。これに対しては、細か過ぎると国立大学協会からも批判が今年の一月に出たと。それで、その右側に、今年の二月二日に追補ということで、これが赤字で右側に書き加えられているんです。御覧ください。
 そこには何て書いてあるかというと、下のところの赤字の、2の中期目標の五のところ、これが追加されていて、その中で何て書いてあるか。「原則として、大綱の項目に記載されている内容の削除はできませんが、各法人の強みや特色、社会的役割に応じて、大綱を超えた意欲的な中期目標を設定するために、削除等の修正が必要な場合は個別に御相談ください。」と。こんなことまで、頑張ったものについてはいいですよ、いや、これはちょっとできませんというのは認めませんよみたいな書き方をしているじゃありませんか。
 ですから、大綱の中身は最低基準なんですよ。これを下回るのは許されないと。こんなようなことで各大学の中期目標を縛ることはやめるべきだと。大臣は押しつけるものじゃないということですが、大綱そのものをやめるべきだということを申し上げておきたいと思います。
 この大綱の出どころですが、昨年十二月にまとめられた、国立大学法人の戦略的経営実現に向けた検討会議の最終取りまとめです。ここで言う戦略的経営と、今年三月二十二日の経済財政諮問会議に萩生田大臣が御提出された資料、世界と伍する研究大学を目指すための大学改革との関連について伺いたいと思います。

#118
○萩生田国務大臣 国立大学法人の戦略的経営実現に向けた検討会議においては、国と国立大学法人との関係や経営裁量の拡大を可能とする規制緩和策等について議論が行われ、昨年十二月の最終取りまとめにおいて、国立大学法人の戦略的な経営実現に向けて、今回の法改正事項を含む多岐にわたる国立大学法人改革提言を報告いただきました。
 同取りまとめの中では、今回の法改正につながる第一弾の内容に加え、第二弾の方向性として、大学ファンドの創設の動向も踏まえつつ、更なる国立大学法人改革の実現に向けて、大学ファンドを受けるにふさわしいガバナンスの構築や特例的な規制緩和等について引き続き検討する必要性について提言されております。
 三月の経済財政諮問会議に提出した資料は、このように、第一弾の法改正の内容と、この度の大学ファンドの創設の動向を踏まえた第二弾の国立大学改革の方向性を併せて説明したものであります。

#119
○畑野委員 重大な御答弁がございました。資料の二枚目です。
 つまり、大学ファンドも含めて進めよう、規制緩和も進めようということですよね。大学ファンドでの運用益で世界に伍する研究大学への成長を後押しするということですけれども、これはもう前の議論でも申し上げましたけれども、リスクの伴う賭けと言わざるを得ないわけです。
 日経新聞も、一月十六日付社説で、「低金利の時代、公的資金を投じ、運用益を確保するにはリスクも伴う。疑問が拭えない政策手段だ。」と報じました。
 モデルにしている年金積立金管理運用独立行政法人、GPIFも、二〇一九年度は八兆二千八百三十一億円の運用損を出しましたとこの間も申し上げました。農林水産省の廃止予定の官民ファンド、農林漁業成長産業化支援機構も、最終欠損は百二十億円の見通しだと言われております。
 文部科学省自身も、リスク運用の停止があり得るとしているわけです。安定した支援策になる見通しはない、このようなばくちのような道に無理やり引きずり込むようなことは、私はやめるべきだと申し上げたいと思います。
 昨日の参考人質疑で、石原俊参考人から、この間、国立大学のガバナンス強化の名で、教学と経営の両方のトップである学長権限が強化されてきたことが、大学の現場では経営による教学の支配という形となって表れているとの指摘がなされました。戦略的経営や世界に伍する研究大学を目指すための大学改革は、これまで以上に経営による教学への支配を強化するものにほかならないと指摘しなければなりません。
 こうしたガバナンス改革による学長と学長選考会議の権限強化が、大学執行部と教職員や学生とのあつれきや対立を様々に引き起こしているということは、昨日の参考人質疑の中でも明らかにされましたし、報道もされてきました。
 多くの大学で、教職員による意向投票が廃止又は位置づけが軽視され、あるいは意向投票で劣位だった候補者が学長に選任される、また、学長の再任期間の制限を学長選考会議の決定で撤廃し、理論上は一人の学長が長期にわたりその地位を維持することを可能にするなどの問題です。
 私は、一つだけ今日は例を挙げておきたいと思います。この間、義務教育の教育条件の整備のことを大臣とも少人数学級を始めやってきましたので。
 実は、四月十九日に、「緊急オンライン院内集会:国立大学はどこへ行く?―国立大学法人法改正案の問題点を考える―」という集会がございまして、そこでの資料を拝見させていただきました。一つだけ例を挙げます。福岡教育大学の例です。
 二〇一三年の学長選考で、百二十三票で一位だった候補者ではなく、八十八票の二位だった候補者が再選された。その後、意向投票も廃止され、この学長が実質的に学長選考会議の委員全てを指名するため、学長を中心に、学長に逆らわない少数の者が、予算、人事、教育課程、カリキュラム編成等を掌握し、決定するようになった。二〇一六年入学生から、初等教育教員養成課程の教科選修制が廃止され、小中の複数免許取得が困難になるなど、卒業生のキャリアに影響を及ぼしている。
 ここでは、教育界のこれから進めようという動向には反する形での教育組織、カリキュラム改革が、教授会の反対、否決にもかかわらず強行された結果だというふうに厳しく言われています。
 その他もいろいろありますけれども、学長権限を強化してきた結果引き起こされているこうした大学の混乱、ガバナンス崩壊とも言える状況を、どのように大臣は受け止めていらっしゃるのでしょうか、伺います。

#120
○伯井政府参考人 学術研究、高等教育をめぐる様々な課題、あるいは地域社会や産業界等から大学への期待などに対応するため、私どもとしては、学長のリーダーシップに基づき大学改革を推し進めていくということの重要性は変わらないというふうに考えております。
 ただ、今回の改正案は、学長がリーダーシップを発揮して大学改革を進めるに当たって、例えば、学長と教職員との意思疎通に大きな問題があって法人運営に支障を来しかねないような場合など、問題が起きた場合の自浄作用が大学の中で働くようなチェック機能を強化することが必要であるという観点に立って、各大学法人において、こうした仕組みを十分に機能させ、学内外のステークホルダーから信頼されるガバナンス体制を構築していただきたいというふうな考えで、様々な改革を提案しているものでございます。

#121
○畑野委員 大臣に聞きますけれども、今回の法改正では、学長選考会議の委員に学長を加えることができないようにするなど、学長選考・監察会議の学長に対する牽制機能を強化するというんです。
 しかし、学長が選んだ学内、学外委員で学長選考・監察会議が構成される現状は変わらない。不正行為や法令違反を行う学長を選んだ学長選考会議は一体誰が牽制するのかということになるわけです。
 昨日、石原参考人も指摘されましたが、学長の選考、解任のプロセスに教職員や学生の意見を反映させる仕組みやリコール制度の新設など、学長や学長選考会議を牽制する学内民主主義のシステムが不可欠ではないかという意見でした。私は大事だと思いました。
 そして、学長選考に当たって、意向投票の結果は最大限尊重されるのは当たり前だと思うんですが、いかがですか。

#122
○萩生田国務大臣 国立大学法人においては、学長の選考手続や方法について、学長選考会議が自らの権限と責任において主体的に判断し、定めるものであり、学長の選考や解任の申出に係る手続についても同会議において検討すべきものだと思います。
 このため、例えば、今御提案のあったリコール制度ですとか学長の再任回数の上限の設定などについても、それぞれの法人において、学長選考会議における議論に基づき自主的に判断されるべきものだと私は考えております。
 確かに、あらゆるステークホルダーの皆さんの信頼を得るということはすごく大事なんですけれども、例えば、それを意識して、学長が本来の経営業務じゃなくて職員の人気取りに走るようなことはあってはならないと思うんですね。必ずしも、やはり多くの支持を得ている人が経営能力にもたけているかというと、これはまたなかなか皆さんが知らないところで、政治家も、先生、同じですよね、得票数に限らず、やはりそれは仕事をさせてみないと、それぞれ得意分野というのは違うわけですから。
 私は、そういう意味では、必ずしも絶対値で数字だけを見るのではなくて、やはり全体を見渡して、多くのステークホルダーの皆さんから支持をされるということが大事なんだと思います。
 仮に、先生が心配しているような独裁的な学長が出てきて、何か自分の息のかかった子分みたいな者ばかりがその周りにいて風通しが悪いということであれば、それをきちんとやはり監事が申立てをしていただける新しい仕組みをつくったつもりでおりますので、そこは是非、それぞれの学校が自浄能力をしっかり持ってもらうということが大事だと思いますので、その自主性を尊重していきたいと思っております。

#123
○畑野委員 東京大学でもいろいろとあったわけですけれども、四月に東京大学の第三十一代総長に就任された藤井輝夫氏は、新聞のインタビューでこのように述べられています。「大学はトップダウンで号令をかければ動く組織ではない。多くの皆さんと対話し、考えを共有していきたい」と述べていらっしゃるんです。大学人自らがこうした認識を持っていらっしゃるわけですから、それにふさわしい仕組みをつくるべきだと思います。
 二〇一四年の法改正と通知によって、本当に大混乱が起きている、こういうのは改めるべきだということを申し上げておきます。
 法案は、中期計画に記載する、教育研究の質の向上に関する目標を達成するための取るべき措置と、業務運営の改善及び効率化に関する目標を達成するため取るべき措置の双方に、これらの措置の実施状況に関する指標を加えることとしています。
 この指標は、中期目標及び中期計画に基づき実施される大学の教育、研究に関する業務について実施される監事監査や、学長の業務執行状況について恒常的に確認を行う学長選考会議において、業務執行状況の評価に活用されることになるのでしょうか。

#124
○伯井政府参考人 学内の校務に関する決定権を有する学長がその結果について責任を負うというのは当然でありますので、文部科学省では、学長の業務の執行状況について、学長選考会議や監事等が恒常的に確認すべき旨をこれまでも通知をしてきております。
 このため、学長選考・監察会議や、監事による業務執行状況の確認過程において、中期計画に記載された指標が評価の材料として用いられることは、各法人の学長選考・監察会議等の判断によってはあり得るというものと考えております。

#125
○畑野委員 指標の達成状況が芳しくなければ、監事監査で法令に反すると判断されることもあり得るということですか。確認。

#126
○伯井政府参考人 今回、法律上は、中期計画において指標を記載することを義務づけておりますが、その達成がなされなければ法律違反になるというものではございません。

#127
○畑野委員 もう一つ、中期目標、中期計画は、中期目標期間終了後の法人評価によって運営費交付金の配分に活用されることになっています。
 一方、大綱(仮称)(素案)の、留意事項では、指標の例示として若手教員比率が挙げられていますが、これと同様の指標が、運営費交付金の基幹経費における成果に係る客観・共通指標にあります。
 そこで伺いますが、今回中期計画に盛り込まれる指標は、運営費交付金の成果に係る客観・共通指標とリンクするのでしょうか。

#128
○伯井政府参考人 今回改正によって盛り込もうとしております中期計画に掲げる指標は、各国立大学法人が自らの判断で設定するものでございますので、運営費交付金における成果に係る客観・共通指標とはリンクするものではない。すなわち、客観・共通指標というのは、相対的に評価して、まさに客観、共通で各年度の配分に活用する仕組みでございまして、自ら設定する指標というものとはリンクしないというふうに考えております。

#129
○畑野委員 ちょっと今の御答弁ではよく分かりかねるところがあるんですが。
 しかし、今回の法改正で中期計画に指標が追加される、法律になるわけですよ。そして、学長選考・監察会議と監事の権限が強化されるということですから、実際、これはどうなっていくかというと、学長の業務遂行状況が指標への達成度として可視化される。政府が進める大学改革に従わせるための、強力な圧力になって作用することは、これは明らかだと思います。
 なぜなら、三月二十二日の経済財政諮問会議では、有識者議員から大学改革の進捗が遅いと批判されて、大学のガバナンス強化が強調されているんですね。まさに経済界の要望に沿った法改正じゃないか。このようなやり方はやめるべきだというふうに私は思います。
 二〇〇三年の、「国立大学の法人化に当たっては、憲法で保障されている学問の自由や大学の自治の理念を踏まえ、国立大学の教育研究の特性に十分配慮するとともに、その活性化が図られるよう、自主的・自律的な運営を確保すること。」ということが附帯決議に載っている。この立場を少なくとも守るべきだということを重ねて申し上げます。
 最後に、先ほど議論にもなりました、文科省が四月十六日に、「機関紙「しんぶん赤旗」による報道に関する事実確認について」という文書を公表したことについて伺います。
 藤原誠文部科学事務次官が亀岡偉民元文部科学副大臣と学校法人豊栄学園の清水豊理事長との会合に同席したという趣旨の報道について事実確認が行われたということです。その中で、飲食費については、亀岡議員が藤原次官の飲食に要した費用を負担したと認められるとしています。
 伺います。亀岡元副大臣はいつ、幾らその現金を支払ったのか、その事実や根拠となる領収書などの客観事実は確認したのでしょうか。

#130
○増子政府参考人 お答え申し上げます。
 亀岡議員に確認しましたところ、報道のあった二回の会合については、その都度、飲食費総額を確認の上、清水理事長に対し、清水理事長分を除く参加者の飲食費用として、先生の記憶の限りでは四万から六万円程度の現金をその場で手渡したということでございました。
 文科省には領収書等の提出まで亀岡議員に求める権限はございませんが、念のため亀岡議員にお聞きしてみたところ、支払いは清水理事長が一旦まとめて行っており、そもそも領収書は自分の手元にはないということでございました。

#131
○畑野委員 そんないいかげんなことで、調査にならないじゃありませんか。
 清水理事長は、亀岡議員から受け取った飲食代を理事長個人の口座に入れており、赤旗の報道を受けて学園に返したと説明されています。
 本当に食事を行ったその日に支払いを受けたのかどうか疑わしいんですが、学園側からは資料は確認されていますか。

#132
○増子政府参考人 お答え申し上げます。
 先生今御指摘のとおり、清水理事長は、亀岡議員から受け取った飲食代を理事長の個人の口座に入れているということを受けて、学園に返済したと説明があったと聞いております。
 ただ、御指摘の点につきましては、清水理事長と学校法人側の経理に関することでございますので、なかなか文科省として直接関与する立場にはないというふうに考えております。

#133
○畑野委員 当時、大臣官房長の職にあった藤原次官は、当該学校法人と利害関係者だと、該当しているということは、文科省、お認めになりました。ですから、きちっとそういうのを調べないと駄目ですよ。それも、領収書も何も確認していないということです。
 これは何が問題になるかというと、これはまた次、機会があれば質問しますけれども、今回の文科省の報告書で、副大臣室で、補助金の担当者が清水理事長らに事業の概要説明をしたという事実が明らかになったんです。初めてです。何でこんなことが行われるのか。これが接待の対価であったとすれば重大な問題になるからなんです。
 私は、事実を明らかにするために、引き続き、資料の提出を求めるよう、調査を求めたいと思います。
 大臣、いかがですか、最後に。

#134
○萩生田国務大臣 要するに、供応目的で接待をしたという事実があるんだとすれば更に調査をする必要があるんですけれども、先ほど、私も藤原次官からもきちんと聞き取りしました。また、亀岡さんからも謝罪も受けました。
 先生の政党はどうか分からないんですけれども、うちの政党は、飲んでいる席で急に役人を呼びつけたりする、そういう体質があるんですよ。これはよくないことです。それが何か、権威づけみたいにされているとすれば、それはよくない政治風土だと私は思いますので、我々全体も反省したいと思いますし、そこへ、さっき申し上げたように、あらかじめ同席をしろと言われて宴席へ出たんだとすれば、それは食事代が幾らなのか、こういうことは考えて、ちゃんと報告しなきゃならないんですけれども、もう火を消した後の焼き肉屋さんで、自分の分だけもう一回火を入れて焼くという役人はいないですよ。
 したがって、もう本当に、さっきも申し上げたように、席が用意していなくて、ああ、本当に来たのかといってみんなが脇を空けて、座布団を一枚間に入れて、そこに座れと言われて、散らかったキムチを食べた、そういう程度で接待だというのはちょっとやはり行き過ぎだと思うので、そこは私は職員たちを信じたいと思いますし、だからといって、そういう機会をどんどんどんどん失っていくことは、逆に、さっき申し上げたように、外部の皆さんとの感性を磨く意味では必要な一点だと思います。
 しかし、そこには、国民の皆さんから誤解を招くような、そういうやり取りはあってはならないということはきちんとピン留めした上で、この調査はこれで終わりにしたいと思っています。

#135
○畑野委員 終わりにしないで、やはり問題ですよ。昼間に飲まずにやればいいんですよ、しっかりと。残業にもなるし、夜になったら。そういうことをきちっとできないようじゃ駄目だと。もう国民からの批判はすごいですよ。
 そのことを申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。

#136
○左藤委員長 次に、藤田文武君。

#137
○藤田委員 日本維新の会の藤田文武でございます。
 今日は、国立大学法人法の改正について質問したいと思います。
 昨日、参考人の先生方三名いらっしゃいまして、いろいろお話をお聞きしました。その上で、学長のリーダーシップというのは、やはり内部の信頼、教職員や学生の信頼に裏打ちされるものが非常に重要なことなんだなということは意見としても私も重く受け止めました。
 その上で、一方で、外部環境はいろいろ変わってきていますから、競争に勝ち抜いていく、そして、変化に対応して社会のニーズに応えていくために強いリーダーシップを発揮しようということの方向性は私は賛同しています。
 その中で、昨日も申し上げたんですが、人がやっているものですから、組織をまとめていくというのはある種の政治的振る舞いというものがあってしかるべきだし、それが自然の摂理であるということで、それの行き過ぎを事前に抑制する仕組みというものをうまく配置しないといけないというのが、多分、今回の法改正の論点なんじゃないかなというふうに思っているわけであります。
 その中で、まず、監事のことについてお聞きをしたいと思います。これは一名が常勤というふうに改正されるわけですけれども、この意図と実効性をお聞きしたいんです。
 私が思うに、いろいろヒアリングしますと、今の体制でも、監事は、例えば、地元の銀行さんや地元の官庁というところの指定ポストというような形になっているところも慣習上あれば、又は学長が一本釣りで連れてくるということで、割と学長の指名で、人脈の中で探されている実態が多いというふうに私も認識しているわけでありますけれども。
 これは、非常勤ですと、ある種、ほかに生活のなりわいがありますから、でも、常勤になりますと、いわゆるフルタイムですから、生活の糧になるという意味で、いろんな場合が想定されるとは思うんですが、学長が引っ張ってきたフルタイムの人間が、この監事としての機能をしっかりと果たしていけるかという一つの危惧はあると思うんですね。
 この改正の意図と実効性について、御見解をまずお聞きしたいと思います。

#138
○伯井政府参考人 お答えいたします。
 国立大学法人の監事の業務というのは、単に財務、会計の状況だけではなくて、法人業務の適正な執行を担保するため、ガバナンス体制も含めた運営状況全体の監査を行うということであります。
 監事がこうした役割を十分に果たしていくためには、学内の重要会議にしっかり出席し、日々の業務を監査し、職員と意思疎通を図って、ガバナンスが適正であるかどうかを把握していくという、日常的な活動を通じての法人の業務をチェックする人も必要であろうということで、一人は常勤というふうにしたのが今回の意図であります。
 この改正案による監査体制の強化が実効あるものとするためには、一つは、各法人が監事をサポートする職員体制を整備するための支援策が必要であろう、また、監事となる方への研修、なってからの研修等の方策も必要であろうということで、国立大学の監事の全国団体などもありますので、あるいは国大協やそういった団体とも協力しながら、実効性をより高めるよう検討していきたいと考えております。

#139
○藤田委員 ありがとうございます。
 同じ視点で二問目なんですけれども。
 この学長選考会議の権限を、ある程度、牽制機能を強めていこうという趣旨だと思うんですけれども、実体的には、そこの学長選考会議の候補者である、教育研究評議会、それから経営協議会、これは半分学外ですけれども、その経営協議会の半分の学外の人も、多くは学長の人脈の中から引っ張ってきておられる。それから、教育研究評議会なんかは、いわゆる学部長さんなんかがなっていくわけですけれども、その選考過程においても、最終決定はやはり学長がしていくわけです。
 これはどうしても、学長が強いリーダーシップで一つの方向へ進んでいこうとすると、その意思に賛同する人がやはり経営協議会だったり又は教育研究評議会の構成メンバーになっていくというのは自然なことだと思うんですね、自然現象として。
 そうすると、学長のある種の意向に沿ったメンバーで選考会議も構成することができるという構造的なものが存在しているというのは否定できないと思うんですけれども、そのことについての見解をお聞かせいただけたらと思います。

#140
○伯井政府参考人 御指摘のとおり、学長選考会議の構成員となる者を選出する経営協議会あるいは教育研究評議会、これは議長はいずれも学長でございまして、学長の影響力を排除する仕組みとなっていないというのは御指摘のとおりでございます。
 ただ、現行制度では、学長選考会議が自ら学長解任の議論を始めなければチェック機能が働かないという仕組みでありましたが、今回の改正によりまして、文科大臣が任命する監事が学長に不正行為や法令違反があると認めるときは学長選考・監察会議にも報告するということになりまして、チェック機能がより迅速に働くようになることを期待しているものでございます。また、学長選考会議が学長に職務の執行状況の報告を求める規定を今回設けようとしておりますが、このことによりまして、そういう規定があるのに学長選考会議はなぜ報告を求めないのかというような、いわば問われる立場にもなるわけでございます。
 こうしたことによりまして、学長選考会議がその自らの権限と責任においてチェック機能を果たしていただきたい、こういうふうに考えているものでございます。

#141
○藤田委員 ありがとうございます。
 続いて、任期のことです。
 この任期の件、昨日の参考人の方々もいろんな御意見を述べていただきました。これはそもそも、どれぐらいの長さがいいのかというのは議論があるということと、それから、昨日の参考人の方もおっしゃられていましたが、その大学によるということも、それは事実だと思います。
 その上で、この妥当な任期の程度というのは、目安というのはそもそもあるのかということがまず一つ。それから、この任期の規定を大体今は学内規程で決めているわけでありますけれども、これを適宜変更できるということに対しての見解。それから、場合によっては長期的に又は半永久的に継続でき得るということもあるわけでありますけれども、このことについての見解をまずお聞きしたいと思います。

#142
○伯井政府参考人 まず、法律上、国立大学法人法上、学長の任期については、各国立大学法人において、学長選考会議の議を経て、二年以上六年を超えない範囲で定めるというふうにされておりまして、また、再任については法律上の制限はないということでございます。それが現行の法制上の仕組みであります。
 改革を推進するということで、学長が長期的ビジョンに基づき、腰を据えて取り組むことが効果的な場合もあります。任期の長期化や再任が可能であるということが一概に問題であるとは言えないのではないかというふうに我々としては考えております。
 文科省としては、学長の任期や再任の可否というのは、それぞれの法人において、学長選考会議における議論に基づいて、自主的に議論をして判断されるべきものであろうというふうに考えております。

#143
○藤田委員 ありがとうございます。
 これは昨日もちょっと事例で挙げさせていただいたんですが、私の母校の筑波大学であった話は、まず、任期の延長、いわゆる再任規定が変えられて、もちろん学長選考会議で決められた、そして、意向投票が行われて、現職の永田学長と、対抗馬の方の方は一・六倍の票を得られて、学長選考会議では永田学長が再任されたということなんですけれども。
 これは、永田学長を僕は批判する立場じゃなくて、まず、個別の例は置いておいて、こういう任期の延長だったり、再任できるようにしていくということは、恐らく、そういうことが発生したときに、まあ、永田学長は、中長期的に長いスパンで大学経営というのを考えていくべきだというのを海外の事例も引いておっしゃられているのを拝見しています、そういうことが起こったときに、こういう再任規定というものの変更なんかが実際的には起こるわけですね。
 つまり、最初にお聞きしたように、そもそも、妥当な任期というのはどれぐらいなのかという指標が議論されて変えられるわけじゃないんですよ。実際にそういう事例が起こったときに、変えようというふうになるわけです。
 そうすると、何が起こるかというと、必ず批判されます。自分のために変えたんじゃないか、長期政権じゃないか、中国みたいじゃないかとか、こういうふうに言われるわけですね。これは構造的な一つの問題なわけであります。
 そこで、これは見解として、どちらがいいとかじゃないんですけれども、二十年、三十年と、学内のコンセンサスがあれば続けていくということは、別に悪いことじゃないという認識でよろしいですか。

#144
○伯井政府参考人 任期の長期化とか再任自体が一概に問題であるとは言えないと思いますが、これは各法人の選考会議で議論するというものではございますが、その場合、今おっしゃられましたように、再任する場合の考え方、あるいは再任規定を見直す際の考え方、プロセス、さらには当該学長を選考する際の基準、あるいはその選考過程について、より一層透明化を図って、関係者の納得を得られるというような努力というのは必要であるというふうに考えております。

#145
○藤田委員 ありがとうございます。
 例えば、筑波大学の例でも、この任期の件の学内規程の変更は、私は論理的正当性としては間違っていないと思うんですね。ただ、感情的満足度というか、そういうものが少し問題になったんだろうと思うわけなんですけれども、これは必ずこういうことになります。
 それは、よかれと思ってやっている方も損だし、又は、それに批判する側も、やはりいろんな感情が渦巻くので、私は、一つの考え方として、今後の議論として、任期の上限にはキャップを国の制度の方でかけるというのも一つの選択肢じゃないかなというふうに思います。今それをすべきかというのはまた置いておいて、そういうことも考えざるを得ないんじゃないかなというふうに、この変更されるときの状況を見たときに思うわけであります。
 続いて、中期目標、中期計画、そして運営費交付金についてお聞きをしたいと思います。
 昨日の参考人の先生方も少し触れておられましたが、この中期目標、中期計画が、事前の文科省のある種の介入という言葉を使われていらっしゃいましたけれども、そういったことが行われて、大学の自主性が少ししぼんでしまっているんじゃないかという問題意識をおっしゃられておられました。
 この文科省との事前の調整というものはどの程度行われているものなのか、現状をお伝えいただけたらと思います。

#146
○伯井政府参考人 国立大学法人の中期目標は国が定めるということでございますが、先ほど来答弁しておりますように、実際の運用上は、法人の自主性、自律性を尊重する観点から、各法人が中期目標の原案を作成しております。
 法律上、中期目標を定める際には、国立大学法人評価委員会の意見を聞かなければならないということとされており、従来から、夏頃に各法人から中期目標の素案を提出していただいた上で、国立大学法人評価委員会の意見も踏まえまして、文部科学省と各法人は意見交換しつつ、冬頃に再度、中期目標の原案を提出していただくという手続をしておりました。
 これまでも、各法人の中期目標の素案に意見を付す際には、法人の自主性、自律性というのを尊重し、教育、研究の特性に配慮する観点から、財政上の理由などで真にやむを得ない場合、これは無理じゃないかというような場合に限る等、抑制的にこれは対応してきております。この取扱いは、当然、今回の法改正後においても変わるものではないというふうに考えております。

#147
○藤田委員 関連で、運営費交付金についてもお聞きしたいんですけれども。
 この中期目標、中期計画が入口であるとすれば、運営費交付金は出口みたいな関係で、今、傾斜配分されていますから、ある種の査定が行われるわけですね。
 この直近十年間でいうと、大半の大学、調べてみると、八五%以上の大学が運営費交付金は減少していっています。これは昨日の参考人の先生もおっしゃられていたし、私もいろいろヒアリングしていると、どうしても、削れる経費というのは限られていますから、人件費を削ろうと。だから、一つの研究室の枠を減らしていこうとかそういうことが、ここ十年ぐらい、どうしてもどこでも行われてきている現状というのがあります。
 私は、これは結構、じわじわボディーブローのようにダメージであるなというふうに思っているんですけれども、この運営費交付金の評価の在り方と、それから、減少していっている、こういう現状についてどのように捉えておられるか、見解をお聞かせいただけたらと思います。

#148
○伯井政府参考人 お答えいたします。
 直近、約十年前と比較すると、御指摘のように、大半の大学において、国立大学法人運営費交付金の予算額が減少しているということについては御指摘のとおりでございます。
 ただ、平成二十七年度以降は、運営費交付金総額については前年度同額程度を確保しております。令和三年度予算においても、教育研究活動に必要な経費については対前年度増額を確保したところでございまして、引き続き、国立大学の基盤的経費である運営費交付金の確保というのはしっかり取り組んでいきたいというふうにまずは考えております。
 その下で、令和元年度予算から、客観指標による、成果を中心とする実績状況に基づく配分の仕組みというのを運営費交付金の一部に導入しております。これは、各大学における改革インセンティブを向上させるということと、客観的指標を用いることで、資源配分に係る透明性、客観性を担保するというために導入したものであります。
 ここで使用する指標というのは、例えば論文数など、客観的な、一般的な教育、研究の成果を測るためのものでありまして、大学としてどのような教育、研究を重視するかというのは、これはあくまで大学の判断ですので、文科省として左右するものではないというふうに考えておりますが、いずれにせよ、国立大学における経営改革を一層推進するため、こうした仕組みを通じて教育、研究の更なる質の向上を図っていくことが、我々としては重要であるというふうに考えております。

#149
○藤田委員 ありがとうございます。
 今回の改正の中でも大学発ベンチャーの話がありますけれども、そういう自主的な財源というのを確保していくというふうに、創意工夫が行われるということはいいことだと思うんですけれども、じゃ、この十年ぐらいを見たときに、そっちの方にしっかりとシフトしていけているのかという現実を見たら、そうでもないと思うんですね。
 その上で、ここ直近五年ぐらいは減っていないよという話がありましたけれども、実態としては、やはりその評価を、ある程度評価に沿ったようなことを大学側も努力せざるを得ないインセンティブが働いていますから、これはやはりお金の話で、しかも人の枠を減らすという話に直結する話なので、かなり文科省の方を向いて彼らも考えざるを得ないという現状があるというのは理解いただきたいなというのと、それから、国費を使っていますから、ある種の、査定されて評価される、定期的に評価されるというのは私は当たり前のことだと思います。でも、一方で、昨日の光本参考人の言葉をかりると、財政権限を通じたある種の統制によって大学の自由度を狭めているのではないかという指摘もあるわけです。
 これに対してどうお答えされるか、御見解をお願いします。

#150
○伯井政府参考人 繰り返しになりますが、マネジメント改革の推進とか教育、研究の更なる質の向上を図るために、各大学における改革インセンティブを向上させ、様々な行動が変容していくような資源配分の仕組みというのは重要であるというふうに考えておりますが、一方で、やはり、どういう研究を大学がしっかりやっていくというのは、これは大学の自治の範囲でございますので、そうしたこともしっかり認識しながら、国立大学の教育、研究の更なる質の向上というのを図っていきたいと考えております。

#151
○藤田委員 ありがとうございます。
 これは、バランスの、程度の問題があると思うんですよね。実際に評価はしないといけない、でも、その評価が細か過ぎるとそっちを向いてくる。だから、実際に建前と現状が合っているかということをよくよく注視しながら制度を考えていただきたいなというふうに思います。
 次に行くんですけれども、いわゆる教育機関に対する支出の対GDP比というのがよく言われますけれども、他のOECD諸国に比べても低いというのがあります。ですから、私は、運営費交付金なんかはやはりもう少しつけてあげる方がいいんじゃないかな、教育に対して、教育立国を目指すのであればというふうにつながるんですけれども。
 そもそも、教育機関に対する支出、国の教育に対する投資が少ないんじゃないかという指摘に対してどのようにお考えか、お聞かせいただけたらと思います。

#152
○萩生田国務大臣 我が国の教育に関する公財政支出の対GDP比がOECD平均と比べて低い水準であること、また、高等教育段階における教育支出の公私負担割合について、我が国の私費負担割合がOECD平均と比べて高い水準であることは事実であります。
 文科省としては、資源に乏しい我が国が将来にわたって世界に伍していくためには、まず何よりも、未来への投資、子供たちへの投資は極めて重要だと考えており、厳しい財政事情の中、幼児教育、保育の無償化や私立高等学校授業料の実質無償化、高等教育の修学支援新制度の実施による、家庭の経済事情に左右されることなく、誰もが希望する質の高い教育を受けられる環境の整備、また、新型コロナウイルス感染症の影響により学生等の学びの機会が奪われることがないように、家計急変世帯の学生等への支援、授業料の減免、無利子奨学金の充実などの支援を行ってまいりました。
 また、今般、博士後期課程の学生に経済的支援の抜本的な拡充等に係る予算を確保したところでありまして、今後とも、文科省として、新たな時代を見据えつつ、各教育課程への対応に必要な予算の確保に努め、教育政策の充実を図ってまいりたいと思います。
 先生おっしゃっていただいたように、大学運営についても、もう少し予算が豊かであればやりたいことはたくさんあるな、そんな思いを持っています。

#153
○藤田委員 ありがとうございます。
 これは事前にディスカッションもさせていただいて、同じ方向性かなと思いますので、頑張って予算を増やしていただけたらと思います。
 最後に、スポーツ指導における暴力やハラスメントについてお聞きしたいと思います。
 昨年、日本コーチング学会というところが、暴力やハラスメントに無縁のスポーツ指導の実現へ貢献したい、そういう声明を発表されています。これは、背景でいうと、二〇一二年から一三年にかけて高校の運動部の部活動や競技団体の強化活動で起きた暴力事件がきっかけとなって社会問題化したわけです。
 暴力行為を根絶していこうという動きが、二〇一三年以降も、取組は一定の成果が見られてきたということでありますけれども、文科省の体罰実態調査を見ると、一旦減少はしているものの、近年、毎年百八十件以上。これは、事前に、昨日お聞きしたら、直近は百五十名ぐらいだったというふうにお聞きしましたけれども、二日に一回ぐらい起きているという現状があるわけです。
 これをどう受け止めておられるかということが一つの問いと、もう一つは、学会なんかでも研究されているんですけれども、歯止め機能として、スポーツ指導における資格制度というのをうまく整えていったらどうかということを言っていました。今、各種団体が、特にサッカーとかはかなり前から進んでいまして、資格がないと教えられない。
 これは、資格を取る過程において指導力を上げてもらう、そういう意図と、もう一つは、もしハラスメントとか暴力があったら、その資格を取り上げることで、それを起こさせないような抑止効果を発生させるという両面で、私は後者の方が今回のハラスメントとか暴力の抑止には関係してくると思うんですけれども、この後者の、そういうものを一つの選択肢、アイデアとして考えていく必要があるんじゃないかというふうに思っています。
 そのことについての見解をお聞きしたいんですが、特に萩生田大臣を筆頭に、わいせつ教員に対して非常に厳しい態度で前に進めようとしてくださっています。同時に、やはりスポーツ現場における暴力、ハラスメントというものも、古くからある日本の問題として、まだまだそれが残ってしまっているという現状を前に進めたいという思いがあるんですけれども、そういった、スポーツ指導におけるそういう資格制度における抑止効果なんかを及ぼしていくというアイデア、又はそういう意見について御見解をお聞かせいただけたらと思います。

#154
○藤江政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘いただきましたように、体罰の実態調査において、学校教育活動の中で、部活動の場面における体罰事案が多いという現状にございます。
 学校教育の一環である部活動において、指導の一環などと称して教師が体罰を行うということは、決して許されることではございません。
 文部科学省といたしましては、平成二十五年に運動部活動での指導のガイドラインというものを作成いたしまして、この中では、体罰等の許されない指導についてその具体例を示すとともに、平成三十年に策定した運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインの中でも、改めて、体罰、ハラスメントの根絶の徹底について明記しているところでございます。
 また、毎年度、教育委員会に対して通知を発出するとともに、会議等の場を通じて、体罰だけではなく、あらゆる暴力行為の根絶に向けた取組の確実かつ適切な実施を要請し、その徹底を求めているところでございます。
 冒頭、委員からも御指摘いただいたように、部活動の場面における体罰発生件数は、最新の調査によりますと減少しているものの、決して許されるものではなく、引き続き、部活動における体罰や暴力等を根絶するための取組を徹底してまいりますし、また、御指摘いただいた、スポーツの指導の現場の指導者という点につきましては、暴力、ハラスメントの発生に歯止めをかけていくためには、資格の取得などを通じて、指導に必要な知識と技術を身につけた指導者を増やしていくということも極めて重要であるというふうに考えております。
 スポーツ指導に関する資格制度といたしましては、公益財団法人の日本スポーツ協会が公認スポーツ指導者資格制度を実施しておりまして、指導者が本資格を取得するように、つながるように、スポーツ庁としても補助を行っているところでございます。また、それに加えて、各競技団体でも、独自の資格制度を設け、当該資格を有する指導者を増やすよう取組を進めているというふうに承知しているところでございます。
 委員御指摘のように、資格制度や、それに基づく指導者の処分の仕組み、こういったものを普及させていくことは暴力やハラスメントの抑止につながるものでありまして、引き続き、より多くの指導者に資格の取得を促す取組を行ってまいりたいというふうに考えております。

#155
○藤田委員 ありがとうございます。
 特に幼少期なんかですと、部活動も含めて、強い立場と弱い立場という前提の中で行われるものなので、大臣からも、わいせつ教員を二度と教壇に立たせないためのというような強いお言葉で、そちらの方には対応していただいていますから、これも同じだと思うんですよね。
 これをやはりうまく制度化して、これは範囲がいろいろあると思うし、既存の免許を使うか、新しくつくるかというのは、議論、設計はいろいろ考えられると思うんですが、そういう抑止効果を及ぼせるような、特に学校現場において、今後、部活動改革も進んでいくと思いますから、そういった枠組みを是非考えていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 ちょっと早いですが、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。

#156
○左藤委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――

#157
○左藤委員長 これより討論に入ります。
 討論の申出がありますので、これを許します。畑野君枝君。

#158
○畑野委員 私は、日本共産党を代表して、国立大学法人法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 国立大学法人法制定時の審議では、中期目標の作成主体は国立大学法人である旨が政府答弁で明確にされました。しかし、法人化後の十六年間、国が提示した方向に沿って策定されてきたのが実態です。しかも、政府は、二〇二二年度からの第四期中期目標期間に向けて、中期目標に記載すべき内容をあらかじめ大綱で示し、それに基づく中期目標、中期計画を各大学に策定させようとしています。
 こうした下で、中期計画の教育研究の質の向上と業務運営の改善及び効率化にこれらの実施状況に関する指標の記載を求めることは、大学が主体的に作成するべき中期目標、中期計画に国の大学改革の意向を押しつけ、大学の自主性、自律性、多様性を一層形骸化させることにほかなりません。
 法案によって、学長選考・監察会議及び監事の権限が強められることで、中期計画に盛り込まれる指標への達成状況が、学長選考・監察会議や監事監査を通じて日常的にチェックされることになります。これは、国による大学改革の推進に学長を従わせるための牽制・監視機能の強化にほかなりません。
 この間の政府の施策によって、学長の権限強化が進められてきたことが、学長の専横的な大学運営を助長し、教職員や学生と学長や大学執行部との信頼関係を損なう事態を様々生じさせています。教職員意向投票、学長の選考、解任のプロセスに教職員や学生の意見を反映させる仕組みなど学内民主主義システムこそ求められます。
 指定国立大学法人に対して、経済的リスクが高い大学発ベンチャーへの出資を可能としている点も問題です。経済的リスクが高いこと等から、これまで出資対象とはされなかった大学発ベンチャーへの出資を指定国立大学法人について可能にすることは、大学に高いリスクを負わせるものであり、大学の主たる業務である教育研究活動の安定的運営が損なわれかねません。
 また、経営効率を高めるための法人統合は教育機会提供に影響を及ぼしかねません。
 以上、反対の理由を述べ、討論を終わります。

#159
○左藤委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――

#160
○左藤委員長 これより採決に入ります。
 内閣提出、国立大学法人法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

#161
○左藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――

#162
○左藤委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、青山周平君外三名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・無所属、公明党及び日本維新の会・無所属の会の四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。山内康一君。

#163
○山内委員 私は、提出者を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。
 案文を朗読して説明に代えさせていただきます。
    国立大学法人法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び関係者は、本法の施行に当たっては、次の事項について特段の配慮をすべきである。
 一 学長がリーダーシップを発揮するためには学内からの信任と支持が不可欠であることを踏まえ、学長選考・監察会議の運営に当たっては、大学の自治を尊重し、多様な意見を持つ教職員・学生等を含む学内外のステークホルダーの理解を得られるよう、可能な限り議事の内容を公表するなど、より一層の透明性の確保に努めること。
 二 学長選考・監察会議を構成する経営協議会の委員及び教育研究評議会の評議員の任命等を学長が行う仕組みは維持されることを踏まえ、その選定過程の透明性・公正性が担保される選任の在り方について検討を行うこと。
 三 監事については、学長に対する第三者性・中立性を確保するとともに、監事の公正かつ厳正な監査業務の遂行に資する体制を整備すること。また、学長に対する牽制機能の実効性を確保する観点から、必要に応じて外部有識者による確認・検証の手続きを講ずるよう努めること。
 四 一法人複数大学制度による国立大学法人の統廃合に当たっては、国立大学法人の経営基盤の強化及び効率的な経営を実現するとともに、個々の国立大学における教育研究の多様性が損なわれることのないよう十分に留意すること。
 五 国立大学法人が高い自主性・自律性を持ち、社会変革を先導する新たな役割と使命を果たすことができるよう国立大学法人に関する制度的枠組みや国による支援の在り方について継続的に検討すること。とりわけ中期目標・中期計画の策定に当たっては、国立大学法人の自主性・自律性に基づく発展を尊重する観点から、大学政策上必要となる大枠の方針を提示するにとどめ、国立大学法人に対する事前の規制とならないよう十分に留意すること。
以上であります。
 何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げます。

#164
○左藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

#165
○左藤委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、ただいまの附帯決議につきまして、文部科学大臣から発言を求められておりますので、これを許します。萩生田文部科学大臣。

#166
○萩生田国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――

#167
○左藤委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#168
○左藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――

#169
○左藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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