くにさくロゴ
2021/05/07 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 本会議 第20号 令和3年5月7日
姉妹サイト
 
2021/05/07 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 本会議 第20号 令和3年5月7日

#1
令和三年五月七日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第二十号
    ─────────────
  令和三年五月七日
   午前十時 本会議
    ─────────────
 第一 地球温暖化対策の推進に関する法律の一
  部を改正する法律案(趣旨説明)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、新議員の紹介
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────

#2
○議長(山東昭子君) これより会議を開きます。
 この際、新たに議席に着かれました議員を御紹介いたします。
 議席第三百四十七番、選挙区選出議員、長野県選出、羽田次郎さん。
   〔羽田次郎君起立、拍手〕

#3
○議長(山東昭子君) 議長は、本院規則第三十条の規定により、羽田次郎さんを外交防衛委員に指名いたします。
     ─────・─────

#4
○議長(山東昭子君) 日程第一 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 本案について提出者の趣旨説明を求めます。小泉進次郎環境大臣。
   〔国務大臣小泉進次郎君登壇、拍手〕

#5
○国務大臣(小泉進次郎君) ただいま議題となりました地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 平成二十八年の法改正以降、パリ協定の締結、発効に加え、菅総理の所信表明演説における二〇五〇年カーボンニュートラル宣言など、地球温暖化対策を取り巻く環境は大きく変化し、地域や企業の脱炭素化の動きも加速しています。地域では、二〇五〇年までのCO2排出量実質ゼロを目指す地方自治体、ゼロカーボンシティが急増し、人口規模で一億人を超えました。また、企業の脱炭素経営の取組も広がっています。自治体、企業を後押しし、共にカーボンニュートラルの実現を成し遂げるためにも、電力供給量の約二倍のポテンシャルがある再生可能エネルギーをフル活用することを大前提に政策を進めていくことが不可欠です。
 本法律案は、このような背景を踏まえ、二〇五〇年までのカーボンニュートラルの実現を法律に明記することで、政策の継続性、予見性を高め、脱炭素に向けた取組、投資やイノベーションを加速させるとともに、地域の再生可能エネルギーを活用した脱炭素化の取組や企業の脱炭素経営の促進を図ろうとするものであります。
 次に、本法律案の内容の概要を主に三点御説明申し上げます。
 第一に、基本理念を新設し、二〇五〇年までのカーボンニュートラルの実現を明記します。カーボンニュートラルの実現は、これまで温室効果ガスの排出を増加させてきた産業革命以降の人類の歴史を抜本的に転換するものです。そこで、国民の理解や協力なくしてカーボンニュートラルの実現なしとの考えから、関係者を規定する条文の先頭に国民を位置付ける前例のない基本理念とします。
 第二に、地域に貢献する再生可能エネルギーの導入を加速させます。二〇五〇年までのカーボンニュートラルの実現のため再生可能エネルギーの利用が不可欠である一方、再生可能エネルギー事業に対する地域トラブルも見られるなど、地域における合意形成が課題となっています。こうした状況を改善し、政府の方針である再生可能エネルギーの主力電源化に向け、地域の取組を一層促進することが重要です。このため、地方公共団体実行計画において、再生可能エネルギーの利用促進を始めとした施策の実施目標を新設するとともに、地域の再生可能エネルギーを活用し、地域の脱炭素化や課題解決に貢献する事業の計画認定制度を創設し、関係法律の手続のワンストップ化を可能とするなど、地域の円滑な合意形成による再生可能エネルギーの利用促進を図ります。
 第三に、企業の脱炭素経営やESG金融の推進に資するよう、企業の温室効果ガス排出量の算定報告公表制度のデジタル化、オープンデータ化を進めます。これにより、企業の脱炭素に向けた前向きな取組が評価されやすい環境の整備等の措置を講じます。
 以上が、地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────

#6
○議長(山東昭子君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。徳永エリさん。
   〔徳永エリ君登壇、拍手〕

#7
○徳永エリ君 立憲民主・社民の徳永エリです。
 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案について質問をいたします。
 近年、地球温暖化が一因とされる寒波や熱波、干ばつ、森林火災等の気象災害が世界各国で発生しています。また、我が国でも、台風、豪雨による災害が頻発化かつ激甚化し、多くの尊い命が奪われ、人々の命と暮らしが脅かされています。こうした地球規模の気候変動が今後、自然環境や生態系、水や食料、人の健康や国民生活に与える影響は計り知れず、今や私たち人類や全ての生物にとって生存基盤を揺るがす気候危機となっています。
 このような状況の中で、多くの先進国がパリ協定で掲げる一・五度目標の実現に向けて二〇五〇年カーボンニュートラルを表明するなど、脱炭素化に向けて流れが世界的に加速しています。遅きに失した感はありますが、我が国も、ようやく菅総理が昨年十月の所信表明演説で二〇五〇年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すと宣言しました。
 また、先日、四月二十二日から二十三日にかけて米国バイデン大統領が主催し、世界の約四十か国が参加して行われた気候サミットで、我が国は二〇三〇年度において温室効果ガスを二〇一三年度比でこれまでの二六%から大幅に削減目標を引き上げ、四六%削減を目指すことを宣言し、さらに、五〇%の高みに向けて挑戦を続けていく決意を表明しました。
 そこで、小泉環境大臣にお伺いいたします。
 今回、新たに示された二〇三〇年度温室効果ガス四六%という削減目標の根拠について、大臣は、民放の番組のインタビューの中で、くっきりとした姿が見えているわけではないけれど、おぼろげながら浮かんできたんです、四六という数字が、シルエットが浮かんできたんですと説明されました。また、意欲的な目標を設定したことを評価せず、一方で現実的なものを出すと、何かそれって低いねって、金メダル目指しますと言って、その結果、銅メダルだったとき非難しますかねともおっしゃいました。正直なところ、小泉大臣の御発言、一体何をおっしゃっているのか、その意味が私には理解できません。
 そこで、改めて伺いますが、これまで目標としていた二〇三〇年度二六%削減は、経済成長率や省エネの取組のほか、政策の積み上げ、また、二〇三〇年度の電源構成、エネルギーミックスを根拠として算定されていました。報道によると、梶山経産大臣は、政策の積み上げでは三九%が限界と発言されていたということですが、結果的に四六%となった根拠について、具体的かつ科学的に御説明ください。
 カーボンニュートラルの実現に向けては、国民の理解と協力が不可欠です。本改正案では、基本理念を創設し、脱炭素社会実現の主体として国民、国、地方公共団体、事業者、民間の団体等と、関係者を規定する条文の先頭に国民を位置付けています。国を先頭に規定することが通例であると思いますが、なぜ国民を先頭に規定したのですか。
 この法案では、国が先頭に立って取り組んでいくという強い姿勢が見えません。本改正案は、自治体とともに脱炭素に向けて取り組む主体に対する環境の整備を行うということですが、国の責務が明確になっておらず、法律レベルで、国際社会に対する公約を担保するものとはとても言えません。環境大臣の御見解をお伺いいたします。
 二〇五〇年カーボンニュートラル宣言をした自治体は、菅総理の宣言以降、急激に増加して、三百八十自治体を超えました。この法案では、宣言に終わらず、地域に貢献する再エネ事業の導入を加速するために、地域の再エネを活用し、地域の脱炭素化や課題解決に貢献する事業、地域脱炭素化促進事業の計画を市町村が認定する制度を創設しています。
 認定制度を利用するには、まず市町村が地方公共団体実行計画を策定し、再エネ導入に係る事業の目標、促進区域、施設の種類、規模などを定める必要があります。その上で、事業者が申請する地域脱炭素化促進事業計画を認定するに当たり、森林法や農地法などの許可のワンストップの手続のため、通常では許可を受ける事業者が手続を行うところ、市町村が許可権者と協議をしなければなりません。
 事業者負担は軽減されますが、自治体の負担は大変に大きくなります。再エネ導入ポテンシャルが高く、開発が集中する自治体の多くは小規模な市町村です。また、そういった市町村の環境部局は、廃棄物などの生活環境に係る業務が中心で、再エネ事業など担当する部署も専門家もおりません。ですから、策定義務のない市町村の地方公共団体実行計画の策定率は僅か約二五%にとどまっています。
 こうした状況の中で、果たして計画策定ができるのか、認定制度が実効性のあるものになるのか懸念をいたしておりますが、予算や人員の確保など市町村への支援について、環境大臣の御所見をお伺いいたします。
 一方で、脱炭素化促進事業計画を認定するに当たり、再エネ導入に意欲的な市町村長と事業者が連携をすれば、手続のワンストップ化を利用して、地域の合意形成もないままに、再エネの導入が一気に進むことを懸念いたしております。
 環境大臣は、温室効果ガス大幅削減の鍵は再エネの活用だとしておられ、特に、これまでの御発言で太陽光発電施設の増設に意欲的です。環境大臣は、地方での再エネ導入の好事例としてソーラーシェアリングを挙げられていますが、FITの買取り価格が引き下げられたことなどにより、帝国データバンクの調査によると、太陽光発電事業者の倒産件数は平成二十六年以降、五年連続で増加しており、令和元年には七十四件と減少しましたが、その後、令和二年は前年比で一三・五%増加し、八十四件となっています。
 事業がうまくいかなければ、地域や住民に過大な負担を強いることになりかねません。改正案では、実行計画の策定に当たって、地域の合意形成を図るためにも、後にトラブルなどが起きないようにするためにも、協議会の設定と、その構成員がどういうメンバーかということが大変に重要です。
 法案では、協議会の設定義務もなく、また、住民その他利害関係者の意見も、反映されるために必要な措置を講ずるとの規定にとどまっています。協議会の設定と資料や議事録の公開は必須だと考えますが、小泉環境大臣の御所見を伺います。
 日本の国土面積当たりの太陽光導入容量は世界の主要国の中で最大であり、平地面積で見るとドイツの二倍と言われています。このような状況の中で太陽光発電事業を進めようとしても、もう平地には太陽光パネルの設置場所がないということです。
 参議院環境委員会での御答弁で、環境大臣は、カーボンニュートラルを実現するためには、使える適地は徹底的に使っていくとおっしゃいました。都会はビルの屋上や住宅の屋根の上、地方は森林、農地、草地などの里地里山の土地を改変して設置していくということになるのでしょうか。小泉大臣の御所見をお伺いいたします。
 再エネタスクフォースでは、保安林や緑の回廊までも再エネに開放を求められています。また、環境大臣は、四月六日の参議院環境委員会での私の質問に、ため池について、再エネ、環境が悪くなるというところを言われますけれども、残念ながら、あのため池の水を見ている方が景観が悪いと私は思った部分もあります、ですから、この再エネの、上で浮かぶ形のソーラーパネルというのが結構出てきているので、徹底活用したいと思いますねと答弁されました。
 正直、大変に驚きました。ため池は、農業用水の確保だけではなく生物の生息、生育の場所の保全、地域の憩いの場の提供など、多面的機能を有しています。また、洪水調整機能や土砂の流出防止などの役割も持っています。
 市町村議会からも意見書が出ています。太陽光発電施設の建設により、里山の景観が壊され、そこに生息している生物の生存が脅かされている現状がある、里山の保全、生物多様性を守るための更なる施策を展開し、開発規制を強化する法令を確立してほしいということであります。
 環境省は、規制官庁として環境を守り、生物多様性を確保する責務があります。地方公共団体実行計画の記載事項として、地域脱炭素化促進事業の促進区域に加え、地域の環境の保全等のため、地域脱炭素化促進事業の対象としない保護区域を追加するべきではないでしょうか。小泉大臣、お答えください。
 これまで環境大臣は、再エネを促進するに当たって生物多様性や自然環境への影響について、配慮も必要、配慮しながらという答弁をされています。配慮では、この問題に対する危機意識に欠ける部分があるのではないでしょうか。今、環境大臣がやるべきことは、気候変動への対応と生物多様性危機への対応をいかに両立させるかというルール作りなのではないでしょうか。大臣のお考えをお伺いします。
 資源エネルギー庁作成の事業計画策定ガイドラインには、推奨される事項、努力義務ではありますが、環境保全、景観保全の観点から適切な土地の選定を行うこと、規制のない場所であっても希少野生動植物の生息、生育地、自然性の高い地域等への発電設備の設置には十分考慮して土地の選定を行うことが求められるとしています。
 衆議院環境委員会で、この内容が事業者によって守られているかどうかチェックする仕組みを資源エネルギー庁が持っているかという質問に対し、政務官の答弁は、悪質な事例に対して厳格に対応することを重要と考えていて、環境保全に関する推奨事項について、それが守られているかどうかについては調べるつもりはないと、事業計画の認定に当たってチェックはしないというようにも取れる御答弁をなさいました。
 改めて、経産大臣にお伺いいたします。調べるつもりはない、認定に当たってノーチェックということですか。だとしたら、何のためのガイドラインなんでしょうか。お答えください。
 昨年十二月、再生可能エネルギーに関する規制等の総点検タスクフォースにおいて、河野大臣から、風力発電事業に関する環境アセスメントの規模要件の緩和を年度内にやるように求められ、環境省は義務付けの対象となる出力規模の要件を一万キロワット以上から五万キロワット以上に引き上げるということを決めました。
 そもそも、環境アセスメント制度については、必ずしも報告義務のない事後調査の結果や状況を確認して見直しを行おう、もっと厳しくした方がいいんじゃないかと検討していたところです。それを、再エネの導入の障害になるとみなされて、十分な議論もないままに出力要件が緩和されてしまいました。
 つまり、中小の風力発電事業に関しては、アセスメントが必要なくなるということです。バードストライク、猛禽類や渡り鳥の衝突、海浜や海中の植物群落や尾根上の植物群落への影響、工事用取付け道路や送電線の建設による影響が今後大きな問題になってくるのではないでしょうか。小泉大臣の御所見をお伺いいたします。
 最後に、国民負担についてお伺いいたします。
 再エネの普及により、再エネ賦課金は年々上昇しています。令和三年度は、令和二年度より三千二百億円も上昇し、再エネ賦課金の総額は二兆七千億円と試算されています。二〇二一年度の再エネ賦課金の単価は一キロワットアワー三・三六円に上がり、私たちが支払う電気代が上がっています。
 一か月の電力使用量が二百六十キロワットアワー、その家庭の平均モデルで見ると年額一万四百七十六円、月額八百七十三円の負担となります。年間の負担額が一万円を超えるのは今回が初めてであります。
 今後、再エネ事業をどんどん拡大していくと、電力需要の多い地域に電気を送るための送電線網の強化、海底送電ケーブルの建設の必要性が出てくる可能性が高まります。国民の負担がますます増大しかねません。
 今後の気候変動対策の強化に伴う国民負担の増大や、影響を受ける産業や雇用への配慮についても、支援策も含め、梶山経産大臣がどのようにお考えなのか最後にお伺いをし、私の質問を終わります。
 御清聴いただきまして、ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣小泉進次郎君登壇、拍手〕

#8
○国務大臣(小泉進次郎君) 徳永エリ議員から、我が国の二〇三〇年度削減目標についてお尋ねがありました。また、私の発言の真意はということですが、御説明の機会をいただき、ありがとうございます。
 まず、徳永議員は、これまでの目標が経済成長率や省エネの取組のほか政策の積み上げ、また二〇三〇年度の電源構成、エネルギーミックスを根拠として算定されていたと述べられましたが、今回の目標は積み上げだけにとどまらない要素が必要だと一貫して申し上げてきました。
 その要素とは、二〇五〇年カーボンニュートラルとの整合性、国際社会の機運を高める国際性、そして実効性です。このような要素も踏まえ、中央環境審議会・産業構造審議会合同会合、総合資源エネルギー調査会等において、関係省庁からの協力も得て、具体的な対策、施策及びその温室効果ガス排出量の削減効果について検討を深め、梶山経産大臣や加藤官房長官とも調整を重ねてきました。
 四六%という数値については、こうした議論を進めた上で、二〇五〇年カーボンニュートラルと整合的かつ野心的な目標を気候サミットという国際発信上、効果的な機会で打ち出し、世界の脱炭素化を牽引する観点から総理が判断をされたものであり、経済界からも国際社会からも評価されています。
 もちろん、四六%の達成は容易なことではありませんが、積み上げだけではなく、意欲的な目標設定をすることで、官民の最大限の取組を引き出そうとするパリ協定の精神を踏まえた今回の目標の意義をより丁寧に国民の皆様に説明するよう努めてまいります。また、環境省自身、その目標の達成に向け、具体的な施策を実行すべく検討を加速してまいります。
 基本理念における国民の位置付けと国の責務についてお尋ねがありました。
 関係者の連携を規定するに当たっては、国を先頭に規定することが通例ですが、国民の理解や協力なくしてカーボンニュートラルの実現なしという思いから、この法案では国民を先頭に規定しています。
 一方、国民の理解を得るために、まず政府が先頭に立って地球温暖化対策に積極的に取り組むことが重要であることは言うまでもありません。現行法でも、国が果たすべき役割が責務として明記された上で、総理を本部長とする地球温暖化対策推進本部において、削減目標やその実現に向けた施策を含む地球温暖化対策計画の案を策定し、政府として閣議決定することとされています。また、まず隗より始めよの精神で政府実行計画を策定し、再エネの利用拡大、LEDの導入や電動車の調達の推進など、政府の事務事業における排出削減にも率先して取り組んでいるところです。
 今後とも、あらゆる施策を総動員して、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けて取り組んでまいります。
 市町村の地方公共団体実行計画策定や、認定制度の実効性確保に向けた支援についてお尋ねがありました。
 二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現には地方自治体の役割が非常に重要です。一方、とりわけ小規模な自治体においては、専門的な知見の獲得や体制の構築などに課題があると認識しており、環境省としても、自治体の取組をしっかりと後押ししてまいります。
 具体的には、令和二年度第三次補正予算及び令和三年度予算に盛り込んだゼロカーボンシティ再エネ強化支援パッケージなどを活用し、地方自治体の計画策定や合意形成などの取組を支援してまいります。
 また、本法案の運用に当たっては、実行計画のガイドラインなどで地方自治体が計画策定や認定制度を適切に運用できるようにします。
 さらに、国・地方脱炭素実現会議において地方脱炭素ロードマップの検討を進めています。小規模自治体を含めた地域の脱炭素化についても議論を深め、今後五年程度を集中期間として脱炭素のモデルケースを各地につくり出しながら、次々と先行地域を広げていく脱炭素ドミノを実現してまいります。
 地方公共団体実行計画の策定に当たっての協議会の設定や資料等の公開についてお尋ねがありました。
 改正案では、市町村が策定する実行計画において、再生可能エネルギーの促進区域を設定する仕組みを盛り込んでいます。この促進区域の設定に当たっては、地域の合意形成のプロセスとして住民も含めた地域の様々な主体が参画することが望ましいと考えています。
 このため、本制度では、実行計画の策定に当たって住民を含む利害関係者や関係地方公共団体の意見聴取を行うこととする規定や、市町村が協議会を組織しているときは協議会における協議を必要とする規定を設けており、これらの仕組みによって地域の実情に応じた円滑な合意形成が図られていくものと認識しております。
 円滑な合意形成や透明性の確保に関する仕組みは重要であり、今後、御指摘の論点も踏まえ、具体的な制度の運用に向け、省令や実行計画のガイドラインについて検討してまいります。
 太陽光パネルを始めとした再生可能エネルギー発電設備の設置場所についてお尋ねがありました。
 二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向け、再生可能エネルギーのポテンシャルを引き出して最大限の導入を進めていくためには、地域と共生する再エネの導入拡大を促すことが重要です。
 このため、本法案においては、自治体主導で地域における合意形成を図りつつ、実行計画において環境保全に支障を及ぼすおそれがないものとして国等が定める基準に従い促進区域を設定します。あわせて、地域の環境保全のための取組、地域の経済及び社会の持続的発展に資する取組等を定め、これに適合する事業を認定する制度を導入することにより、地域と共生する優良な再エネ事業を促進します。
 各自治体においては、地域の状況に応じて、最終処分場跡地や、ため池等の低未利用地や、住宅、建築物の屋根などにおいて、地域環境の保全に配慮しつつ再エネ事業が促進されるものと考えています。この本法案も活用しつつ、環境の保全にも十分配慮しながら、地域と共生する再エネの導入拡大を促してまいります。
 地域の環境保全等のための保護区域の設定についてお尋ねがありました。
 二〇五〇年までのカーボンニュートラルや、それに向けた二〇三〇年度四六%削減目標の実現に向け、地域の脱炭素化を推進するためには、再生可能エネルギーの最大限の活用が重要です。その一方で、再エネ事業の地域との共生や地域における合意形成が課題となっています。
 このため、本法案では、地域における円滑な合意形成を図りつつ、再エネ促進区域において地域に貢献する再エネを促進する仕組みを創設することにしています。
 保護区域を追加すべきという御指摘がありましたが、再エネを進めていく上で、生物多様性を含む地域の環境を保全することは重要です。そのため、市町村が促進区域を定めるに当たっては、環境の保全に支障を及ぼすおそれがないものとして環境省令で定める基準に従うとともに、都道府県が地域の自然的社会的条件に応じた環境配慮の基準を定めた場合にはその基準に基づくこととしています。また、市町村が促進区域を定める際には、地域環境保全のための取組についても併せて定めるべきとしています。
 環境省としては、生物多様性の保全を始めとした地域環境の保全にも十分配慮しながら、地域と共生する再エネの導入拡大を促していくために、関係省庁とも連携して取り組んでまいります。
 気候変動への対応と生物多様性危機への対応を両立させるルール作りについてお尋ねがありました。
 二〇五〇年までのカーボンニュートラルや、それに向けた二〇三〇年度四六%削減目標の実現には、再生可能エネルギーの最大限の活用が不可欠です。また、再エネの活用に当たっては、生物多様性を始めとした環境の保全との両立が重要であると考えています。
 こうした観点から、現在においても環境影響評価法により、大規模な再エネ事業について、その事業実施前の段階における環境アセスメントの実施が義務付けられており、再エネ事業の実施に当たって適正な環境配慮が確保されるように措置されています。
 さらに、本法案では、地域における円滑な合意形成を図りつつ、再エネ促進区域において、地域に貢献する再エネを促進する仕組みを創設することにしています。この制度では、市町村が促進区域を定めるに当たっては、環境の保全に支障を及ぼすおそれがないものとして環境省令で定める基準に従うとともに、都道府県が地域の自然的社会的条件に応じた環境配慮の基準を定めた場合にはその基準に基づくこととしています。また、市町村が促進区域を定める際には、地域環境保全のための取組についても併せて定めるべきこととしています。
 御指摘のとおり、生物多様性の保全を含む環境の保全を両立しながら、地域と共生する再エネの導入拡大を促してまいります。
 最後に、風力発電事業に係る環境アセスメントの規模要件の引上げによる影響についてお尋ねがありました。
 風力発電の環境影響については、事業の実施に伴う土地の改変による希少な動植物への影響に加え、希少な猛禽類等のバードストライクなどが懸念されています。このため、法や条例等に基づき環境アセスメントを適切に実施することにより、環境保全に適正に配慮し、地域の理解を得ることが非常に重要です。
 環境省が、経産、経済産業省とともに本年一月から三月に行った検討会の報告書においては、環境影響評価法の対象となる第一種事業の風力発電所の規模について、最新の知見に基づき、他の法対象事業との公平性の観点から検討した結果、一万キロワット以上から五万キロワット以上とすることが適切であるとされました。
 加えて、報告書においては、法と条例が一体となって環境アセスメント制度を形成してきたことに鑑み、法対象とならない事業については、地域の実情に応じて条例により適切に手当てするために、国として地方自治体の制度検討や運用を支援することが必要とされました。
 具体的には、現在、風力発電所が条例対象とされていない自治体において適切に検討が進められるよう、国として必要なデータや参考となる考え方を示すことや、希少種の対応など各自治体のみでは判断が難しい課題について環境省が助言を行う取組が必要とされています。
 これを受けて、環境省としての対応について、経済産業省と連携して早急に整理し、環境保全に適正に配慮し、地域の理解の下で風力発電の最大限の導入を促進できるよう、必要な対応を迅速に講じてまいります。(拍手)
   〔国務大臣梶山弘志君登壇、拍手〕

#9
○国務大臣(梶山弘志君) 徳永議員からの御質問にお答えをいたします。
 固定価格買取り制度における事業計画策定ガイドラインに関し、推奨事項が事業者によって守られているかをチェックする仕組みについてお尋ねがありました。
 御指摘のガイドラインにおいては、法令に基づく認定基準の遵守に加えて、法目的に沿った事業の実施のために推奨される事項について整理をしているところでありまして、この推奨事項についても適切に対応していただく必要があります。
 そのため、FIT認定時においては、ガイドラインに従った適切な形で事業を行うことについての同意、誓約を確認をしており、これがない場合には認定をしないこととしております。
 また、認定後についても、推奨事項への対応が不十分であると疑われる場合には適切な確認、指導を行っていく必要がありますが、これを効果的に実施するためには、当該用地の環境保全上の懸念等の情報を有する地方自治体との連携が重要であると考えております。
 こうした観点から、地方自治体とは定期的に連絡協議会を開催するなど、日頃から連携強化を図ることにより、適切なチェックを行う体制整備に努めているところであります。
 引き続き、関係機関とも連携し、ガイドラインに沿った事業運営が確保されるよう、適切に対応をしてまいります。
 今後の気候変動対策の強化に伴う国民負担の増大や、影響を受ける産業や雇用への配慮についてお尋ねがありました。
 気候変動対策は、国際的にも制約ではなく成長の機会として捉える時代に入っているからこそ、日本全体で成長に資する形での対応が求められています。
 政府としては、昨年十二月のグリーン成長戦略に基づき、予算、税、規制改革、標準化、国際連携などあらゆる政策を総動員して、イノベーションに向けた大胆な投資など企業の前向きな挑戦を全力で後押ししてまいります。これにより、二〇五〇年においても競争力を備え、成長を可能とする日本経済をつくり上げてまいります。
 なお、再生可能エネルギーについて、中長期の価格目標の設定、入札制の活用、低コスト化に向けた研究開発等を通じてコスト低減を進めてまいります。こうした施策を通じて国民負担を抑制しつつ、再生可能エネルギーの最大限の導入を進めてまいります。(拍手)
    ─────────────

#10
○議長(山東昭子君) 河野義博さん。
   〔河野義博君登壇、拍手〕

#11
○河野義博君 公明党の河野義博です。
 ただいま議題となりました地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、自民、公明を代表して、小泉環境大臣に質問します。
 二〇一六年のパリ協定発効により、世界は脱炭素化社会の実現に向けて大きくかじを切りました。我が国も、菅総理が二〇五〇年カーボンニュートラルを宣言し、さきの気候サミットでは、二〇三〇年度において温室効果ガスの二〇一三年度比四六%削減を目指す野心的な目標を世界に示したところです。また、パリ協定に復帰した米国とは、共に世界の脱炭素化をリードしていくことを確認し、日米気候パートナーシップを立ち上げるなど、一連の取組を高く評価いたします。
 一方で、脱炭素という新たな市場の獲得に向けた争いは既に始まっており、今後は、政策と技術を総動員し、相当な覚悟で取り組む必要があります。
 そうした中、本改正案は、新設する基本理念に二〇五〇年までのカーボンニュートラルの実現を明記することで政策の継続性、予見性の確保を図り、脱炭素社会の実現に向けた取組や投資を加速させることが期待されています。この基本理念の新設については、産業構造の大転換と再生可能エネルギーのフル活用がカーボンニュートラルの実現に不可欠であるとする小泉大臣の強い思いが反映されているものと考えます。
 そこで、基本理念を設けた趣旨、そして、今後の地球温暖化対策の基本的な方向性について伺います。
 本法律案では、地域の再生可能エネルギーを活用し、地域のエネルギー収支の改善に貢献する地域脱炭素化促進事業計画の認定制度を創設します。これは、現在の電力需要の二倍のポテンシャルがあるとされる、各地域に賦存する再エネの更なる活用を図るための措置です。
 小泉大臣は、化石燃料の調達に必要な年間約二十兆円もの費用について、再エネの導入により、これを少しでも減らし、国内に循環させる必要性を指摘されていますが、私も全く同感です。
 化石燃料のほぼ全てを輸入に頼る我が国は、これまで二度の石油危機や国際的な価格動向など、資源消費国としての対応を強いられてきました。このような歴史を振り返れば、カーボンニュートラルの実現とは、すなわち、化石燃料を自給可能な国産の再エネに置き換えていくというエネルギー転換の実現でなければなりません。この取組を機会に、エネルギー自給率の向上も同時に達成するという視点が何より重要と考えます。
 二〇一九年の我が国のエネルギー自給率は一二%にすぎません。再エネの大量導入はこれを抜本的に改善する機会となり得ます。自給率を向上させる観点からの再エネの大量導入について御認識を伺います。
 電化による脱炭素化が比較的困難とされる鉄鋼や化学産業といった部門については、水素の活用が有力視されています。この水素の確保の在り方は非常に重要です。海外で化石燃料からCO2を分離、貯蔵し水素を取り出す方法や、海外の再エネ電力を用いて水を電気分解し水素を取り出す方法が検討されています。しかし、いずれも取り出した水素を輸入することになり、自給率の向上には貢献しません。
 自給率を高めつつ産業部門の脱炭素化を進めるには、国内の再エネ電力を用いた水素の製造が不可欠です。この点、我が国の再エネの導入コストやポテンシャルの観点から困難とする意見があることは承知しておりますが、これは各国との競争です。安価で大量の水素を得ることは産業競争力上優位となることから、再エネの大量導入によってコストを引き下げ、国内の水素製造を強く推進すべきです。
 この点、再エネを活用した水素製造が本法律案における地域脱炭素化促進事業として認められれば、再エネ由来の水素普及の弾みとなります。国内の再エネを用いた水素の活用の方向性と、本事業における再エネを用いた水素製造の取扱い方針について伺います。
 我が国は、世界第六位の水域面積を有する海洋国家であり、多くの離島を抱えています。その中には、洋上風力発電を始めとした海域における再生可能エネルギーを得る上で地理的に適した場所も多く存在しますが、離島の電力需要は必ずしも大きくありません。そこで、ためておけない余剰の電力は水素に変換し、水素を本土に輸送するサプライチェーンモデルを確立すべきです。離島で発電した再エネ電力と、そこから生み出される水素を国内で活用するというモデルが確立されれば、エネルギー供給コストが高いという離島の課題解決や、地域の災害への備えにも役立ち、自給率の向上にもつながります。
 本法律案における地域脱炭素化促進事業に関して、離島を拠点として脱炭素化と水素社会実現のモデルを先行して構築し、将来的には離島モデルを日本モデルへと昇華させ、我が国が世界に向けたエネルギー輸出国となることを目指すべきではないでしょうか。大臣の所見を伺います。
 本法律案では、地方創生につながる再エネ導入のため、市町村が環境の保全や地域の発展にも資すると認定した地域脱炭素化促進事業計画に対して、再エネ事業に必要な他の法律に係る許可等のワンストップ化の特例を導入することとしており、再エネ電源の開発の促進の観点より高く評価できます。こうした観点から、海域利用の許認可の在り方について伺います。
 洋上風力発電などの海洋再エネの導入円滑化のため、港湾法改正や再エネ海域利用法の成立により、発電設備などの設置、維持管理のため、事業期間を超えた長期の水域占用が可能となる手続が創設されました。しかし、両法律が適用されない離島地域での再エネ開発に当たって、本土まで海底ケーブルを敷設する場合には、県や港湾管理者など様々な関係者に対してそれぞれの占用許可の申請をしなければなりません。しかも、占用期間は一年や三年などで、発電事業そのものの継続を困難にする可能性をはらんでいます。
 そこで、地元の理解も踏まえた上で、適正な手続により事業が認められたものであれば、それに必要な工作物の水域の長期間の占用を認める、そして占用許可手続を一か所にまとめるなどの措置を検討すべきと考えますが、大臣の所見を伺います。
 再エネポテンシャルが高く、開発が集中する市町村は、一方で、規模の小さくマンパワーが限られている場合も多く、実行計画の策定等に係る負担は大きいことも懸念されます。こうした課題に対しては、周辺市町村や都道府県と共同で実行計画を策定することも有効と考えられます。現行温対法においても、地方公共団体が実行計画を共同で策定することは可能とはなっていますが、その事例は一部にとどまっています。共同策定の推進の必要性やその方策等について見解を伺います。
 本法律案では、地域地球温暖化防止活動推進センターの業務に事業者向けの啓発・広報活動を追加しています。法的に位置付けられた業務に実効性を持たせ、地域の事業者の脱炭素経営の促進につなげていくには、センターに対し、地域における地球温暖化対策活動促進事業を始めとした支援を充実させることも必要と考えますが、対応方針を伺います。
 また、センターに対する国民や企業の関心を高めるため、センター単発の取組、行事に加え、地方環境事務所や事業者に関わりのある商工会、商工会議所などとの連携した取組、行事も有効と考えますが、大臣の見解を伺い、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣小泉進次郎君登壇、拍手〕

#12
○国務大臣(小泉進次郎君) 河野義博議員から本法案に基本理念を設けた趣旨についてのお尋ねがありました。
 昨年、衆参両院で気候非常事態宣言が決議されたように、現在、我々は気候危機とも言われる状況に直面しており、世界では、パリ協定の下、脱炭素社会の実現に向けた急速な経済社会の変革が進められています。脱炭素の大競争時代に突入した今、本法案は、菅総理の二〇五〇年カーボンニュートラル宣言を踏まえ、基本理念を創設した上で、その実現を閣議決定にとどめず法律に位置付けることにより、政策の継続性と予見可能性を高め、地域や企業の脱炭素化の取組を促進する基盤を整備するものです。
 また、今後の地球温暖化対策の基本的な方向性についてお尋ねがありました。
 日本が世界で最も気候変動の影響を受けている国の一つであり、これ以上化石資源に依存した経済社会を続けることは持続可能ではないとの認識に加え、もはや気候変動対策は経済の重荷やコストではなく、成長の源泉だというのが基本的な考え方です。
 今後、二〇三〇年、二〇五〇年の目標の実現に向け、太陽光発電の徹底活用、自然公園法や温泉法の運用見直し等による地熱発電に係る開発の加速化と民間資金の活用等による施設数の増加など、再エネ主力電源化の具体策を着実に進めます。また、二〇三〇年度までに少なくとも百か所の脱炭素先行地域を創出することやサーキュラーエコノミーの推進など、あらゆる施策を総動員し、環境と経済の好循環につなげてまいります。
 エネルギー自給率向上の観点からの再生可能エネルギーの大量導入についてお尋ねがありました。
 よく、日本は資源に乏しい国と言われますが、化石資源には乏しいが再エネ資源は豊富な国ということが環境省の調査でも分かっています。一方、全国の自治体のうち九割においてエネルギー代金収支が赤字となっています。また、再エネについて賦課金の負担がある一方で、日本全体では二〇一九年度におけるエネルギー自給率は一二・一%であり、化石燃料の輸入のために年間約十七兆円を海外に支払っている状況にあります。再エネ資源を最大限活用することは、化石資源への依存度を下げ、海外への資金流出を減らします。さらに、地域経済の活性化や雇用の確保、災害に強い地域づくりの推進につながり、我が国のエネルギー安全保障にも貢献します。
 本法案では、新たに再生可能エネルギーの促進区域を創設し、地域における円滑な合意形成を図りつつ、地域に貢献する再エネ導入を促進することとしています。この法案も活用しつつ、環境省としては、今後、再エネの大量導入に向け、例えば、屋根置き型の太陽光発電を始めとしたエネルギーの地産地消、国や自治体における率先導入、最終処分場跡地やため池の活用促進など、全力で取り組んでまいります。
 国内の再生可能エネルギーを用いた水素の活用方針についてお尋ねがありました。
 二〇五〇年カーボンニュートラル実現に向けては、再エネの大量導入と併せて、その余剰や変動を吸収できる水素が重要な役割を果たします。昨年末に策定されたグリーン成長戦略においても、再エネ等の地域資源を活用した水素による自立分散型エネルギーシステムの実証、移行支援、普及が位置付けられました。
 環境省においても、世界最大規模と言われる福島県浪江町の福島水素エネルギー研究フィールドから供給される再エネ由来水素を利活用するモデル事業など、地域資源を活用して脱炭素な水素サプライチェーンを構築する実証事業をこれまで全国十地域で実施するなどしてきたところです。
 今回の改正法案においては、地域に貢献する再エネを促進する仕組みとして、地域脱炭素化促進事業に関する計画認定制度を盛り込んでいます。対象となる事業は省令で定めることとしておりますが、再エネ設備と一体で水素製造設備を整備する事業も対象とする方向で今後、関係省庁と検討してまいります。
 離島の脱炭素化と水素社会実現モデルの構築、水素輸出国を目指すべきことについてお尋ねがありました。
 離島の脱炭素化に向けて、環境省としては、例えば、長崎県五島市における国内初となる浮体式洋上風力発電実証や、沖縄県宮古島市における設置費用が掛からない第三者保有型の太陽光発電や蓄電池、遠隔制御を活用した自立分散型のエネルギーシステムの構築支援を行ってきました。
 また、本改正法案において地域脱炭素化促進事業に関する計画認定制度が盛り込まれており、離島においてもこの制度がしっかり活用されるよう、必要な取組を行っていきます。
 さらに、国・地方脱炭素実現会議において策定する地域脱炭素ロードマップにおいても、離島を先行地域の一つの類型として取り扱うことを考えており、今後、再エネや水素利活用などの観点から、モデルとなる離島地域をつくり、それを次々と広げていく脱炭素ドミノを起こしてまいります。
 こうした取組を通じて世界に横展開できるような日本モデルを構築し、御指摘の再エネ由来水素の輸出の可能性も追求しつつ、気候変動対策への貢献と我が国の経済成長という環境と経済の好循環につなげてまいります。
 離島での再エネ開発に伴う水域占用手続についてお尋ねがありました。
 海底ケーブル等の工作物を設置する場合には、工作物を設置する区域の管理者、例えば、港湾区域であれば港湾管理者、一般海域であれば都道府県が占用を許可することになっており、これらの許可期間は当該区域の管理者が決定し、おおむね三年から五年程度となっています。
 洋上風力発電については、この期間が導入促進に当たっての課題の一つになっていたことから、最大三十年間の水域占用ができるように、一昨年、再エネ海域利用法が制定され、その後、港湾法の改正も行われました。
 一方、太陽光発電等陸上の再エネ電力を送電するための工作物に係る一般海域の利用については、都道府県知事が条例に基づいておおむね三年から五年程度の占用許可を行っております。
 御指摘の長期間の占用や許可の一括化について、まずは自治体等の関係者から情報を収集し、状況の把握に努めてまいります。
 地方公共団体実行計画の共同策定の推進の必要性やその方策についてお尋ねがありました。
 二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現には、地方自治体の役割が非常に重要です。一方、とりわけ小規模な地方自治体においては、情報不足や人材難など課題があることも認識しています。
 そんな中、実行計画の共同策定が行われている先進事例が、ちちぶ定住自立圏を構成する埼玉県の一市四町や、熊本連携中枢都市圏を構成する熊本県の十八市町村です。環境省としても、このような先進事例を自治体向けのガイドラインで周知してまいります。
 さらに、令和二年度第三次補正予算及び令和三年度予算に盛り込んだゼロカーボンシティ再エネ強化支援パッケージなどを活用し、地方自治体の計画策定や合意形成などの取組を支援し、エネルギーの地産地消や災害に強い地域の構築を進め、地域における温室効果ガスの大幅削減を図ってまいります。
 最後に、地球温暖化対策、地球温暖化防止活動推進センターへの支援と、地方環境事務所等との連携した取組についてお尋ねがありました。
 二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けては、大企業のみならず中小企業の取組も重要です。特に、近年は、サプライチェーン全体での再エネ一〇〇%を目指す動きも広がる中で、脱炭素化に取り組まない中小企業がサプライチェーンから排除される可能性すらあり、地域経済や雇用を守る観点からも、地域企業の再エネ導入など脱炭素化への移行を支援することが必要です。
 こうした状況を踏まえ、本法案では、これまでは住民向けの啓発・広報活動が中心だった地域地球温暖化防止活動推進センター、いわゆる地域センターについて、事業者向けの啓発・広報活動も業務の一つとして新たに明記することで、地域企業に対する支援体制の拡充を図ることとしています。
 環境省としては、地域センターの啓発・広報活動を引き続き支援するとともに、全国地球温暖化防止活動推進センターを通じて、地域センター職員に対する研修も行っていきます。さらに、地域センターの取組の実効性を高めるためには、地方自治体、地方環境事務所、商工会議所、商工会等との連携も重要です。今後、地域センターが各主体と連携しながら、セミナー等を通じて地域企業の脱炭素経営を促進するモデル事例の構築も進めてまいります。(拍手)
    ─────────────

#13
○議長(山東昭子君) 片山大介さん。
   〔片山大介君登壇、拍手〕

#14
○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。
 私は、党を代表し、地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案に質問いたします。
 近年、世界中で自然災害が激甚化しており、その原因の一つが地球温暖化であると考えられています。また、自然災害が社会経済に与える影響も一層増してきており、地球温暖化への対策は喫緊の課題です。
 そうした中、菅総理は去年十月に二〇五〇年カーボンニュートラルを宣言、今回の温対法の改正で法的にも位置付けられることになりました。でも、改正法ではその脱炭素社会の実現は基本理念で規定されるにとどまり、法目的とも国の責務ともなっていません。
 小泉環境大臣に質問します。国際公約と言えるカーボンニュートラルを担保する観点からも、法目的や国の責務としても盛り込むべきだったと思いますが、そうしなかった理由をお答えください。
 また、基本理念では、国民を先頭に位置付け、国や地方公共団体などと密接な連携の下に推進していかなければならないとしています。小泉大臣は、これまで、国民の理解や協力なくしてカーボンニュートラルの実現なしと繰り返し述べられてきたことは承知しています。でも、改正案にはその国民自身が国や地方公共団体の対策に参画できる規定はありません。
 小泉大臣にお尋ねします。それでも国民を先頭に位置付けた理由はなぜでしょうか。そして、国民の理解や協力なくしてというのであれば、政策形成過程での市民参画が必要だと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
 今回の改正案の大きな柱は、地域の再生可能エネルギーを活用して脱炭素化を促進させることで、促進区域の設定など地方公共団体が活用する新しい制度を創設します。現在、市町村における実行計画の区域施策編の策定率は二五%ほどで、策定率が上がっていくことが期待されています。でも、再生可能エネルギーのポテンシャルが高く、開発が集中するであろう市町村は、規模が小さく、マンパワーも限られているのが実情です。こうした自治体にとって策定の負担は大きく、環境省の調査によると、人口一万人未満の市町村のおよそ一九%で地球温暖化対策を担当する部署が存在しないことも判明しています。
 小泉大臣に質問します。自治体への支援はとても重要ですが、具体的にどう考えているのか、お答えください。
 今回の改正案で、地域の再生可能エネルギーの取組は進むと思います。でも、日本の温室効果ガスの九割はエネルギー起源のCO2なので、再エネだけではなくエネルギー全般の電源構成、すなわちどのエネルギーを使うかの決定そのものが最大の温暖化対策になります。にもかかわらず、この改正案では、エネルギー全般に関しての規定は盛り込まれていません。企業に対しては、脱炭素経営の自主的な取組を後押しする算定報告公表制度のデジタル化、オープンデータ化などにとどまっています。
 小泉大臣に伺います。カーボンニュートラルを実現する政府の一体感を出すならば、温室効果ガスの排出削減に加えて、再エネ由来の電力の利用などエネルギーについての規定をもっと入れるべきだったと思いますが、どのように考えますか。
 ところで、温暖化対策の一番の課題は何でしょうか。それは、政治決断をしていく覚悟だと思います。
 先月の気候変動サミットで、総理は、二〇三〇年度の温室効果ガスの削減目標について、二〇一三年度比四六%減と発表しました。まさに政治決断で、脱炭素化の取組が一挙に動き出すと思います。でも、大変なのはこれからです。総理が見直しを指示している地球温暖化対策計画、エネルギー基本計画、長期戦略の三つは、目標と整合性の合うものにしなくてはいけません。
 小泉大臣にお尋ねします。このうち、地球温暖化対策計画には、二〇三〇年度の削減目標四六%を明記するということでよろしいでしょうか。
 次に、経済産業省が見直しを進めているエネルギー基本計画、経産省に遠慮しているのは分かりますが、環境省としてももっと発言をしていくべきです。先ほども言ったように、エネルギーの決定そのものが温暖化対策になるにもかかわらず、日本では温暖化対策とエネルギーの議論が別々に行われています。エネルギー基本計画の改定議論でも環境省はオブザーバー出席にとどまっています。
 小泉大臣に伺います。せめて再生エネルギーの目標数値ぐらい環境省が提言を出したってよいのではないでしょうか。それが菅政権が掲げる省庁の縦割りをなくす、前例踏襲を改めることにもなると思いますが、いかがでしょうか。
 そして、石炭火力をどうするのか。長期戦略では将来のビジョンを明確に掲げ、全てのステークホルダーに対して、あらゆる可能性を追求しつつ、実現に向けて取り組むことを促していく必要があるとされています。
 梶山経済産業大臣にお尋ねします。石炭火力発電に対する公的支援の要件を厳しくすることを決めましたが、国内についても、高効率の石炭火力も含め将来的にその是非を明確にする必要が出てくると思いますが、いかがお考えですか。
 さて、二〇三〇年度の削減目標の達成に向けてカーボンプライシングの導入は必要になってくると思います。
 欧米では、温暖化対策が不十分な国からの輸入品に炭素価格を賦課する炭素国境調整措置が議論されていて、EUは間もなく具体策をまとめる予定です。
 小泉大臣に質問します。実際に措置が始まれば、カーボンプライシングを導入していない国は温暖化対策に消極的と映り、賦課金により産業競争力に影響が出ると思いますが、日本はこうした海外の動きにどう対応していくつもりなのでしょうか。
 そのカーボンプライシング、現在、環境省と経産省はそれぞれ別々に議論を進めていますが、最終的に議論が一致していくとは思えません。双方で別々の結論を出せば、その後の合意形成も簡単ではなく、国内の方向性が定まらなければ、国際的なルール作りにも参加できずに、かえって日本企業が不利な状況に陥るおそれがあると思います。
 環境大臣、経産大臣、お二人に伺います。こちらも縦割りをなくし、是非同じ場で議論を行うべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。
 最後に、温暖化対策の基本法の必要性について述べたいと思います。
 今回改正案が出された温対法は、元々は京都議定書の目的達成のために作られたものでした。なので、パリ協定時代の脱炭素化に対応したものではなく、国際的な対応の必要性が求められるのに伴って改正を繰り返す、言わば継ぎはぎだらけになっていると言えます。社会全体で脱炭素化に向かっていく法体系とするなら、パリ協定にふさわしい地球温暖化の緩和策と適応策を網羅する形での温暖化対策の基本法が必要です。
 小泉大臣に伺います。今回は温対法の改正案となりますが、将来的には基本法の制定を考えていくべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。
 日本企業は、環境問題を解決するために必要な技術と新しい技術を開発する能力を持っていて、地球温暖化の解決に大きく貢献することが期待されています。
 日本維新の会は、日本が持つ技術を世界の環境問題の解決に生かしていく取組を一層進めていくことをお約束し、質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣小泉進次郎君登壇、拍手〕

#15
○国務大臣(小泉進次郎君) 片山大介議員からカーボンニュートラルの法的位置付けについてお尋ねがありました。
 地球温暖化対策推進法の法目的には、気候変動枠組条約の究極目標、すなわち、気候系に対し危険な人為的干渉を及ぼすこととならない水準において大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させ地球温暖化を防止することが既に規定されています。二〇五〇年カーボンニュートラルの実現は、この究極目標を達成するための我が国としての取組です。
 本法案においては、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現を地球温暖化対策の推進に関わる基本理念として法律に位置付けることにより、政策の継続性や予見可能性を高め、あらゆる主体の取組やイノベーションを促すこととしたものです。このような基本理念を規定することにより、その趣旨は、国の責務を含む地球温暖化対策の推進に関する規定全体に及ぶものとなります。本法案も活用し、二〇五〇年までのカーボンニュートラルの実現に向け、あらゆる主体の取組を加速させるべく大胆に施策に取り組んでまいります。
 基本理念において国民を先頭に位置付けた理由及び政策形成過程での市民参画についてお尋ねがありました。
 本法案においては、基本理念を創設し、地球温暖化対策の推進における関係者の連携規定を置くに当たって、国を先頭に規定することが通例であるところ、国民を先頭に規定しています。二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けては、国民の皆様にその必要性を御理解いただくことが不可欠であり、国民の理解なくしてカーボンニュートラルなしという思いから、こうした規定としています。
 気候変動対策を進めていく上では、様々な関係者から成る中央環境審議会での議論やパブリックコメントなどを通じて、これまでも多様な主体の意見を反映させてきたところです。
 さらに、若者を含むあらゆる世代と対話し、二〇五〇年カーボンニュートラル実現に向けた取組の裾野を広げるべく、昨年末、首相官邸で二〇五〇年カーボンニュートラル・全国フォーラムを開催いたしました。
 また、私自身も、特に次世代との対話を継続的に行っていますが、今年三月には、本法案を始めとする環境省の提出法案などについて、十代、二十代のいわゆるZ世代との意見交換会を集中的に行ったところです。同時に、国・地方脱炭素実現会議のヒアリングには、学校を挙げて先進的な気候変動対策に取り組む中高生にも参加してもらうなど、あらゆる機会を通じて次世代の声を政策に反映するよう努めています。
 引き続き、世代や分野を超えた多様な主体との対話を通じ、気候変動対策の理解を広げ、持続可能な経済社会への転換を進めてまいります。
 地方公共団体実行計画を策定する自治体への支援の重要性についてお尋ねがありました。
 二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現には地方自治体の役割が非常に重要です。一方、とりわけ小規模な自治体においては、専門的な知見の獲得や体制の構築などに課題があると認識しており、環境省としても、自治体の取組をしっかりと後押ししてまいります。
 具体的には、令和二年度第三次補正予算及び令和三年度予算に盛り込んだゼロカーボンシティ再エネ強化支援パッケージなどを活用し、地方自治体の計画策定や合意形成などの取組を支援してまいります。
 また、本法案の運用に当たっては、実行計画のガイドラインなどで地方自治体が促進区域の設定を含めた計画策定などを適切に実施できるようにします。
 さらに、国・地方脱炭素実現会議において地域脱炭素ロードマップの検討を進めています。小規模自治体を含めた地域の脱炭素化についても議論を深め、今後五年程度を集中期間として脱炭素のモデルケースを各地につくり出しながら、次々と先行地域を広げていく脱炭素ドミノを実現してまいります。
 本法案におけるエネルギーに関する規定についてお尋ねがありました。
 温室効果ガスの約八五%はエネルギーの使用に由来して排出される二酸化炭素が占めており、地球温暖化対策の観点からも、省エネルギーの徹底や再生可能エネルギーの導入拡大などに関係省庁が一体となって取り組むことが不可欠です。このため、地球温暖化対策推進法では、政府一丸となって地球温暖化対策を総合的かつ計画的に推進するため、総理を本部長とする地球温暖化対策推進本部において、地球温暖化対策計画の案の作成やその実施の推進、また長期的展望に立った総合調整を行うことを規定しています。
 昨年十月、菅総理のカーボンニュートラル宣言の直後に開催された地球温暖化対策本部において、総理から、地球温暖化対策計画、エネルギー基本計画、パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略の見直しを加速するよう、また、全閣僚一丸となって取り組むよう指示があり、現在、関係省庁が連携しながらこれらの作業を進めているところです。
 また、本法案では、地方自治体による地域に貢献する再エネ導入の拡大や、企業による省エネ、再エネを含む脱炭素経営の取組の促進に関する規定を新たに盛り込んでいます。
 引き続き、二〇五〇年までのカーボンニュートラルの実現に向けて経済産業省を始め関係省庁と緊密に連携し、政府一丸となって温室効果ガスの排出削減に取り組んでまいります。
 地球温暖化対策計画に二〇三〇年度削減目標を明記し、反映するかというお尋ねがありました。
 お尋ねのとおりです。明記し、反映させるべく、政府内の作業を進めてまいります。
 再生可能エネルギーの目標数値を環境省が提言してもいいのではないかというお尋ねがありました。
 再生可能エネルギーの目標数値を含むエネルギー政策については、梶山経済産業大臣の下で議論が行われていますが、二〇三〇年目標の四六%削減の実現に当たっては、再エネの導入拡大が重要なポイントの一つと考えています。
 環境省としては、我が国の再エネポテンシャルの最大限の活用が不可欠と考えており、エネルギー基本計画の見直しの議論に対して、気候変動対策の観点から必要な主張を行っていくとともに、関係の深い地球温暖化対策計画と長期戦略についても環境省の考えが反映されるよう、梶山大臣と連携してまいります。
 欧米で検討されている炭素国境調整措置への日本の対応についてお尋ねがありました。
 国境調整措置は、国内製品と輸入製品の炭素価格が公平なものとなるよう調整するメカニズムであり、現在、EUやアメリカにおいて検討が進められております。
 具体的には、EUでは、二〇一九年十二月、欧州委員会が炭素国境調整措置の導入を発表しており、現在、来月六月の実施案の公表に向け、検討を進めているところです。また、アメリカにおいては、バイデン大統領が昨年七月に発表した選挙公約などにおいて、気候変動や環境対策が不十分な国々に対し、負担を調整する措置を課す旨表明しております。
 現時点で具体的な制度設計が明らかとなっていないため、日本への影響を評価することは困難です。まずは、EUやアメリカとも情報交換等の連携を行いつつ、国境調整措置に限らず、世界各国における脱炭素化を目指したカーボンプライシングの動向を注視していきます。
 先日の中央環境審議会では、炭素国境調整措置をめぐり、我が国には既存の制度、取組に伴う対応コストが暗示的な炭素価格として生じているという趣旨の御意見がございました。一方、暗示的な炭素価格では、具体的な価格水準が見えず、海外で評価されないため、我が国として目に見えるカーボンプライシングが必要という趣旨の御意見もございました。
 環境省としては、カーボンプライシングの強化は、再エネ導入拡大や水素社会の実現のための取組を後押しするドライバーの一つになると考えていますが、いずれにせよ、我が国のカーボンプライシングについても丁寧な検討を進めてまいります。
 環境省と経済産業省におけるカーボンプライシングの検討体制についてお尋ねがありました。
 カーボンプライシングについては、昨年末に菅総理から、梶山大臣と私に対し、連携して検討するよう指示があったところです。総理の指示を踏まえ、環境省では、二月に一年半ぶりとなるカーボンプライシングの活用に関する小委員会を開催し、成長に資するカーボンプライシングの議論を再開しました。本年の小委員会から、経産省にもオブザーバーとして参加いただいております。また、経産省が新たに設置した研究会にも、環境省がオブザーバーとして参加しております。加えて、双方の事務方レベルでも常に連絡を取り合うなど、環境省と経産省が連携して取り組んでいく体制を構築しております。
 環境省の小委員会は、二〇一八年に立ち上げ、既に一定の議論を進めてきたという経緯もあることから、まずは、それぞれの議論を積み上げつつ、丁寧に調整を図ってまいります。また、梶山大臣とも相談しながら、総理にも節目ごとに検討状況について御報告したいと考えております。
 最後に、地球温暖化対策に関する基本法の制定についてお尋ねがありました。
 地球温暖化対策推進法は、目的規定において、気候変動枠組条約の究極目標である、気候系に対して危険な人為的干渉を及ぼすこととならない水準において大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させ地球温暖化を防止することを明記するとともに、国、地方公共団体、事業者、国民という各主体の責務、地球温暖化対策推進本部の設置、地球温暖化対策計画の策定等について規定し、緩和策に関する基本法的性格を有しているものと認識しております。
 その上で、本法案において、二〇五〇年までのカーボンニュートラルの実現を含めた基本理念規定を新設することにより、基本法的部分をより一層強化することになります。
 さらに、気候変動適応法は、各主体の責務、気候変動適応計画等を規定しており、適応に関する基本的性格を有するものと認識しております。
 法案の成立後は、両法律を適切に施行することにより、緩和策と適応策を車の両輪として脱炭素化に向けた取組をしっかりと推進してまいります。(拍手)
   〔国務大臣梶山弘志君登壇、拍手〕

#16
○国務大臣(梶山弘志君) 片山議員からの御質問にお答えをいたします。
 国内石炭火力の是非についてお尋ねがありました。
 石炭火力発電の位置付けにつきましては、供給力の状況や資源の乏しい我が国におけるエネルギー安全保障の観点も踏まえつつ、エネルギー基本計画の議論の中で検討してまいりますが、安定供給を大前提にその発電比率をできる限り引き下げていくことが基本となると考えております。
 このため、足下では非効率な石炭火力発電のフェードアウトを着実に進めるとともに、中長期的には水素・アンモニア発電やCCUS、カーボンリサイクルを活用した脱炭素型の火力発電に置き換えていく取組を促進してまいります。
 カーボンプライシングについてお尋ねがありました。
 カーボンプライシングにつきましては、総理の指示の下、産業競争力強化やイノベーション、投資促進につながる形があり得るのか、産業政策を所管する立場から検討をしております。
 検討を進めるに当たっては環境省とも連携しており、両省が互いの会議体にオブザーバー参加しています。また、経済産業省の研究会の委員のうち六名は環境省の検討の場にも参加をされております。こうした連携により、例えば、国境調整措置については経済産業省、環境省双方の会議体でそれぞれの立場から議論を行った結果、共通の基本的な考え方を示しております。
 今後とも、双方の事務方レベルでも定期的な会合を持つなど、環境省と足並みをそろえて連携して取り組んでまいります。引き続き小泉環境大臣ともしっかり意思疎通を図ってまいります。(拍手)
    ─────────────

#17
○議長(山東昭子君) 浜口誠さん。
   〔浜口誠君登壇、拍手〕

#18
○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。
 会派を代表し、地球温暖化対策推進法の一部を改正する法律案について質問します。
 二〇五〇年カーボンニュートラルに賛同した国は、昨年十二月時点で日本を含む百二十一か国一地域となっています。
 脱炭素社会では、世界の政治経済のパワーバランスが一変する可能性がある、第二次世界大戦後の経済、社会の再建に匹敵するほどの大きく、急速な変化が起きるとも言われています。二〇五〇年カーボンニュートラルを実現したときに、日本の物づくり産業等が国内生産の競争力を確保し、雇用を生み出し、国民生活も安心、安定している社会にしていくことが絶対条件だと考えます。二〇五〇年の日本の社会、経済の目指す姿について、小泉大臣、梶山大臣の所見を伺います。
 四月二十二日の気候変動サミットでは、政府は、二〇三〇年度の温暖化ガスを二〇一三年度比で四六%削減する新たな目標を示しました。二〇一九年度の日本のCO2排出量は約十一億トンであり、エネルギー転換部門三九%、産業部門二五%、運輸部門一八%、家庭・業務部門は一一%となっています。二〇一九年度までに六年掛けて一四%減らしていますが、今後、どのようにして四六%削減を実現するのか。小泉大臣、各部門の削減目標や具体的な施策を含め、四六%削減の積算根拠を具体的にお示しください。
 二〇五〇年カーボンニュートラルは極めてチャレンジングな課題であり、今の技術の延長線では到底到達できません。一方、企業もリスクを丸抱えして技術革新に取り組むことは困難です。だからこそ、国が脱炭素化につながる技術革新を国家戦略に位置付けて、長期にわたり支援していくことが重要です。
 米国はクリーンエネルギー関連に四年間で約二百兆円、EUは気候変動対策として十年間で官民合計約百二十兆円の投資を打ち出しています。日本のグリーンイノベーション基金は十年間で二兆円、二桁違います。二兆円規模で脱炭素社会に向けた世界との熾烈な国家間競争を勝ち抜くことができるのか。今後の数年間がまさに勝負どころです。政府は国家戦略として技術革新に欧米を凌駕する投資をすべきと考えますが、梶山大臣に見解を伺います。
 二〇一九年十二月、欧州委員会が発表した欧州グリーンディールは、脱炭素社会への経済構造の転換によって影響を受ける産業や雇用に十分な支援を行うことを約束しています。
 日本は、一九五〇年代以降の石炭から石油へのエネルギー転換により、石炭産業からの離職者は二十万人を超えました。こうした経験も踏まえ、化石燃料等に関わる産業の縮小に伴う雇用への影響やコミュニティーの衰退に対する支援など、移行期の負のインパクトを最小化し、公正な移行を図るため、必要な対策を講じることが極めて重要です。公正な移行に対する小泉大臣の所見を伺います。
 カーボンプライシングは、CO2を中心とした温暖化ガスの排出に価格を付け、排出削減を目指す政策です。主に、炭素税、排出量取引、炭素国境調整措置があります。世界的にはカーボンプライシングの導入は進みつつありますが、日本では本格導入には至っていません。炭素税などを財源にして次世代技術を普及させる取組が必要との意見がある一方、経済界からは、研究開発に一層の投資が必要となる中、炭素税等の負担が増えることは技術開発等の阻害要因になるとの意見もあります。カーボンプライシング導入に対して、小泉大臣、梶山大臣の所見を伺います。
 企業は、脱炭素が進む中で、自社のCO2排出量の削減だけではなく、サプライチェーン全体の排出量を管理し、削減することを取引先や金融機関、投資家から求められています。また、最近では、グローバル企業から取引先企業に一〇〇%再エネ利用を求めるケースもあり、対応できなければ、技術や商品が優れていてもビジネスチャンスを失ってしまう可能性もあります。現在約八割が火力発電となっている発電部門の脱炭素化は、日本企業の国内生産を維持していくためには大前提、必要不可欠な対応です。こうした中で、政府は、中小企業を始めとする企業の脱炭素経営の促進を、ESG金融なども含め幅広く支援していくべきと考えますが、小泉大臣の所見を伺います。
 産業革命以降、世界は、大量生産、大量消費、大量廃棄物ありきを前提とした直線型経済で物的な豊かさを求めてきました。しかし、持続可能な社会にしていくためには、一度採取した資源を繰り返し使い、作り続ける、廃棄物を生じさせない、捨てられていたものをアップサイクルし、再利用する循環型経済に転換していくことが必要です。地球を救うためには、今までの豊かさや成長を求める社会から、幸福や満足度を高める社会へと、私たちの価値観やライフスタイルを大きく変えていかなければなりません。循環型経済への移行に向けてどのように取り組んでいくのか、小泉大臣の所見を伺います。
 軽自動車と乗用車は、二〇三五年までに国内の新車販売を全て電動車にする方針です。自動車のカーボンニュートラル実現に向けては、電動車だけではなく、CO2と水素で作る合成燃料Eフューエルや水素で動かすエンジンなどの内燃機関もカーボンニュートラルを実現する選択肢の一つであり、政府として開発を支援すべきと考えますが、梶山大臣の所見を伺います。また、トラック、バスなどの商用車、二輪車の今後の電動化についてもお答えください。
 農林水産業も、地球温暖化に深く関わります。温暖化は干ばつ等の要因となり、農作物の不作が食料不足を引き起こし、日本の食の安全保障に直結します。また、食料の輸入は、環境面で負荷が掛かります。
 令和元年度の日本の食料自給率は三八%、世界有数の食料輸入国であり、食料の輸入量掛ける輸送距離を計算したフードマイレージは約九千億トンキロメートルで、米国や韓国の約三倍、世界で際立った数字です。また、世界で飢餓に苦しむ人が約六・九億人いる中で、日本の食品ロスは平成三十年度六百万トンに上り、これは国民全員が毎日茶わん一杯分の御飯を捨てている量です。世界の食糧援助量年間約四百二十万トンの約一・四倍に相当します。
 食の安全保障や温暖化対策の観点から、食料自給率改善や食品ロス削減等に従来の延長線ではなく抜本的な対策を行うべきと考えますが、野上大臣の所見を伺います。
 改正法には、条文の先頭に国民を位置付け、国民の理解や協力の重要性が示されています。欧州の多くの国では、抽せんで選ばれた国民が数週間から数か月掛けて気候変動対策について議論する気候市民会議が行われています。日本においても政策形成過程への市民参画を積極的に行うべきと考えますが、小泉大臣の見解を伺います。
 また、幼い頃から、なぜ気候変動問題が大切なのか、温暖化防止のためにどのような取組が必要となるのか、自ら考える基礎となる教育が重要です。学校教育に環境という科目をつくることを提案したいと思いますが、萩生田大臣の見解を伺います。
 最後になりますが、二〇一五年国連で採択されたSDGsの二〇三〇年アジェンダには、私たちが地球を救う最後の世代になるかもしれないと記されています。この危機感を世界が共有し、将来の世代にすばらしい地球を残していくことが今を生きる私たちの使命であることを申し上げ、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣小泉進次郎君登壇、拍手〕

#19
○国務大臣(小泉進次郎君) 浜口誠議員から、二〇五〇年の日本の社会、経済の目指す姿についてお尋ねがありました。
 議員御指摘のとおり、二〇五〇年に温室効果ガスの排出実質ゼロが達成できているだけでなく、産業の国際競争力の確保、雇用の創出、国民生活の安定といった観点が重要であることは認識しています。
 産業界からも、世界の脱炭素の大競争に勝ち抜くことに加え、国内の雇用を守る観点からも再エネ導入を求める切実な声が届いています。さらに、地産地消型エネルギーである再生可能エネルギーをフル活用することは、地域内で資金や資源が循環し、地域の課題解決と経済活性化につながるだけでなく、エネルギー安全保障の観点からも重要です。また、世界で最も災害リスクの高い国の一つである日本にとって、脱炭素社会の実現は、災害に強く、安心して暮らせる社会を創造する新たな国土強靱化とも言えます。
 現在、二〇五〇年カーボンニュートラルに向けて、国・地方脱炭素実現会議、成長戦略会議等において議論を進めているところであり、環境省としても、国際競争力という観点も含め、様々な論点について丁寧に議論を行い、ロードマップの策定や実効性ある対策の実行を推進してまいります。
 我が国の二〇三〇年削減目標についてお尋ねがありました。
 今回の目標については、二〇五〇年カーボンニュートラルとの整合性、国際社会の機運を高める国際性、実効性の三つの要素を踏まえ、中央環境審議会・産業構造審議会合同会合、総合資源エネルギー調査会等において、関係省庁からの協力も得て、温室効果ガス排出量削減のための具体的な対策、施策及びその削減効果について検討を深め、梶山経産大臣や加藤官房長官とも調整を重ねてきました。
 四六%という数字については、こうした積み上げの議論を進めた上で、二〇五〇年カーボンニュートラルと整合的かつ野心的な目標を気候サミットという国際発信上、効果的な機会で打ち出し、世界の脱炭素化を牽引する観点から総理が判断をされたものであり、経済界からも国際社会からも評価されています。
 もちろん、四六%の達成は容易なことではありませんが、積み上げだけではなく、意欲的な目標設定をすることで、官民の最大限の取組を引き出そうとするパリ協定の意義を踏まえた今回の目標の意義をより丁寧に国民の皆様に説明するよう努めてまいります。また、環境省自身、その目標の達成に向け、具体的な施策を実行すべく検討を加速してまいります。
 脱炭素社会への公正な移行についてお尋ねがありました。
 パリ協定において、労働力の公正な移行が脱炭素社会への移行には必要不可欠と規定されています。我が国としても、一昨年閣議決定したパリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略にあるとおり、脱炭素社会へ向かう際の産業構造の転換に伴う労働移動を国、地方公共団体及び企業が一体となって推進し、移行期の負のインパクトを最小化できるよう取り組んでまいります。
 具体的には、労働者の職業訓練、企業の業態転換や多角化の支援、新規企業の誘致、労働者の再就職支援等を推進していくことが重要と考えています。
 環境省としては、関係省庁とも連携し、温室効果ガスの更なる排出削減、野心的な気候変動対策と合わせ公正な移行に全力を尽くしてまいります。
 カーボンプライシングの導入についてお尋ねがありました。
 二〇五〇年カーボンニュートラルという大きな目標の達成に向けて、再生可能エネルギーや水素など、脱炭素型のエネルギーにコスト競争力を持たせるためにも、諸外国ではカーボンプライシングが導入されております。
 日本においても、脱炭素化に向けて更なる取組を促し、同時に成長にも資するような炭素への価格付けとして、ルールのイノベーションとも言えるカーボンプライシングの制度設計が可能か検討しているところです。
 昨年末の菅総理の指示を踏まえ、環境省ではカーボンプライシングの活用に関する小委員会を開催しております。検討に当たっては、炭素税のみならず排出量取引、クレジット取引や、EU等で検討されている炭素国境調整措置への対応などについて、間口を広く構えて検討を進めております。
 環境省としては、経済産業省と連携し、産業界などの幅広いステークホルダーともしっかり対話しながら、カーボンプライシングによる負担をめぐる御意見にも耳を傾け、国民の理解が得られるものとなるよう検討していきたいと考えております。その際には、ほかの様々な政策手法とのポリシーミックスも考慮しつつ、検討を行ってまいります。
 中小企業を始めとする企業の脱炭素経営の促進に向けた支援についてお尋ねがありました。
 世界的なESG金融の拡大を背景に、企業は、投資家や金融機関、さらには取引先の企業から脱炭素化に取り組むことが強く求められています。特に、近年は、サプライチェーン全体での排出量削減や再エネ一〇〇%を目指す動きも広がる中で、脱炭素化に取り組まない企業はサプライチェーンから排除される可能性すらあり、地域経済や雇用を守る観点からも、中小企業の再エネ導入など脱炭素への移行を支援することが必要です。
 こうした状況を踏まえ、環境省では、経団連や日本商工会議所など経済団体とも連携し、企業の気候変動を織り込んだ経営戦略や排出削減計画の策定への支援を行うとともに、情報開示や削減行動を促すガイドブックの提供等を行っています。
 また、今回の改正案では、企業等からの温室効果ガス排出量の報告制度について、デジタル化、オープンデータ化を進め、投資家や金融機関にとってより使い勝手の良い仕組みとします。さらに、これまでは住民向けの啓発・広報活動が中心だった地域地球温暖化防止活動推進センターについて、事業者向けの啓発・広報活動も業務の一つとして新たに明記することで、地域企業に対する支援体制の拡充を図っています。
 本年三月には、環境省と金融庁で連携チームを発足させ、ESG金融の地域への展開を後押ししていますが、引き続き関係省庁と連携しながら、中小企業を始めとする企業の脱炭素化の取組の後押しや脱炭素経営が評価される環境整備に取り組んでまいります。
 循環型経済への移行についてお尋ねがありました。
 二〇五〇年までのカーボンニュートラルの実現には、資源の効率的な利用の観点からも、循環型経済、サーキュラーエコノミーへの移行が不可欠です。ポストコロナ時代における新たな成長分野として捉え、企業や消費者とともにサーキュラーエコノミーを推進していく必要があります。
 環境省としては、今国会に提出している言わばサーキュラーエコノミー新法ともいうべきプラスチック資源循環法案を通じ、プラスチック製品の設計、製造から使用後の処理までのライフサイクル全体での資源循環の取組を促進し、意欲的な取組を進める企業が消費者から選ばれやすい環境を整えてまいります。
 また、経団連と環境省、経産省により三月に発足した循環経済パートナーシップを通じた官民連携を強化します。さらに、世界経済フォーラムが開催するダボス会議、気候変動COP26などの国際会議において、日本企業の優れた取組事例の国際発信を強化し、サーキュラーエコノミー関連ビジネスの国際展開も後押ししてまいります。
 最後に、気候変動対策の政策形成過程への市民参画についてお尋ねがありました。
 本法案においては、基本理念を創設し、地球温暖化対策の推進における関係者の連携規定を置くに当たって、国を先頭に規定することが通例であるところ、国民を先頭に規定しています。二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けては、国民の皆様にその必要性を御理解いただくことが不可欠であり、国民の理解なくしてカーボンニュートラルなしという思いからこうした規定としています。
 気候変動対策を進めていく上では、様々な関係者から成る中央環境審議会での議論やパブリックコメントなどを通じて、これまでも多様な主体の意見を反映させてきたところです。さらに、若者を含むあらゆる世代と対話し、二〇五〇年カーボンニュートラル実現に向けた取組の裾野を広げるべく、昨年末、首相官邸で二〇五〇年カーボンニュートラル・全国フォーラムを開催いたしました。
 また、私自身も、特に次世代との対話を継続的に行っていますが、今年三月には、本法案を始めとする環境省の提出法案などについて、十代、二十代のいわゆるZ世代との意見交換会を集中的に行ったところです。同時に、国・地方脱炭素実現会議のヒアリングには、学校を挙げて先進的な気候変動対策に取り組む中高生にも参加してもらうなど、あらゆる機会を通じて次世代の声を政策に反映するよう努めています。
 引き続き、世代や分野を超えた多様な主体との対話を通じ、気候変動対策の理解を広げ、持続可能な経済社会への転換を進めてまいります。(拍手)
   〔国務大臣梶山弘志君登壇、拍手〕

#20
○国務大臣(梶山弘志君) 浜口議員からの御質問にお答えをいたします。
 二〇五〇年カーボンニュートラルにおける日本の社会、経済の目指す姿についてお尋ねがありました。
 カーボンニュートラルへの挑戦は、我が国の成長戦略そのものであります。我が国の経済と雇用を支える物づくり産業においても、温暖化への対応を経済の制約ではなく成長の機会と捉えられるようにしていかなければなりません。
 政府としては、昨年十二月のグリーン成長戦略に基づき、予算、税、規制改革、標準化、国際連携などあらゆる政策を総動員し、二〇五〇年においても競争力を備え、成長を可能とする日本経済をつくり上げてまいります。
 また、例えば、電動車の自動走行技術などを通じて事故、渋滞を限りなくゼロにする、データセンターの国内立地により、自動走行や遠隔医療など新たな革新的サービスを実現するなどの形で、脱炭素効果だけでなく、様々な国民生活のメリットも実現をしてまいります。
 二〇五〇年カーボンニュートラルに向けた技術革新への国の支援の規模についてお尋ねがありました。
 他国の類似予算や経済対策については、技術開発以外の設備導入補助も含まれているなど、一律にその規模を比較することは困難ですが、欧米の経済対策における技術開発予算と比較しても、二兆円のグリーンイノベーション基金は遜色ない規模と考えております。
 基金で支援するカーボンニュートラル実現の鍵となる革新的技術の開発については、企業の経営者に経営課題として取り組むことへの強いコミットメントを求める仕組みの導入や外部の専門家による取組状況の確認等により、二兆円を効率的、効果的に活用することで最大限の成果を生み出してまいります。
 基金による支援を呼び水に、民間企業による大胆な研究開発、設備投資を喚起し、併せて世界のESG資金も呼び込むことで、革新的なイノベーションの実現と日本の将来の所得、雇用の創出につなげてまいります。
 カーボンプライシングについてお尋ねがありました。
 カーボンプライシングについては、総理指示の下、環境省とも連携し、産業の競争力強化やイノベーション、投資促進につながる形があり得るのか、産業政策を所管する立場から検討しています。
 CO2の排出削減を進めるために利用可能な技術が存在しない場合、炭素税などの負担を重くすることだけでは成長せず、CO2も減りません。企業が排出削減に向けた投資にメリットを感じ、具体的な投資を行うような制度を検討する必要があります。引き続き成長に資するカーボンプライシングについては、民間ビジネスの実態を踏まえ、企業のニーズに耳を傾けながら、非化石価値取引市場やJ―クレジット制度の見直しを含めて幅広く検討をしてまいります。
 合成燃料、Eフューエルや水素で動かすエンジン等の開発支援及び商用車と二輪車の電動化についてお尋ねがありました。
 二〇五〇年カーボンニュートラルを実現するためには、電動車の普及促進に加えて、燃料の脱炭素化等、様々な技術的な選択肢を幅広く検討していくことが必要です。
 燃料の脱炭素化に向けては、コストや燃料製造技術の確立、内燃機関の高効率化が課題であるため、既存技術の低コスト化や革新的な新技術の開発に取り組んでまいります。
 また、商用車や二輪車についても電動化を推進していくことが重要であり、商用車については今年の夏までに乗用車に準じて検討していくこととしております。これらの電動化の推進に当たっては、電池の低コスト化やインフラ整備、国際標準化等が課題であるため、今後、こうした課題を解決するための方策についてしっかりと検討してまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣野上浩太郎君登壇、拍手〕

#21
○国務大臣(野上浩太郎君) 浜口議員の御質問にお答えいたします。
 食料の安全保障と温暖化対策の観点から、食料自給率及び食品ロス削減についてのお尋ねがありました。
 食料自給率の向上につきましては、輸入品からの代替が見込まれる小麦、大豆等の増産、加工食品や外食、中食向け原料の国産への切替え、農林水産物の五兆円の輸出目標にも対応した畜産物、リンゴ、ブドウ、イチゴなど果実等の増産を推進し、加えて、農業経営の底上げにつながる生産基盤を強化するとともに、荒廃農地の発生防止や解消による農地の確保や担い手の育成確保を推進し、さらに、食と環境を支える農業、農村への国民の理解を醸成するための官民協働で行う新たな国民運動の展開などについて取り組んでまいります。
 また、食品ロスの削減につきましては、二〇三〇年度までに事業系食品ロスを二〇〇〇年度比で半減させる目標の達成に向けて、小売店舗が製造業、卸売業に求める納品期限、いわゆる三分の一ルールの緩和などの商慣習の見直しやフードバンク活動への支援を行うとともに、飲食店等における食べ切り、食べ残しの持ち帰りを推進するなどの取組について関係省庁との連携を強化しつつ、強力に推進してまいります。
 また、地球温暖化対策を始めSDGsへの対応は我が国の重要な課題の一つであり、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現させるための新たな政策方針として、みどりの食料システム戦略を五月末までに作成することとしております。(拍手)
   〔国務大臣萩生田光一君登壇、拍手〕

#22
○国務大臣(萩生田光一君) 浜口議員にお答えいたします。
 学校教育に環境という科目をつくることについてお尋ねがありました。
 地球規模の環境問題の解決のため、持続可能な社会のつくり手となることが期待される子供たちが環境問題について理解を深め、環境を守るための行動を取ることができるよう、環境教育を充実することが重要です。
 昨年度から順次全面実施をされている新学習指導要領においては、自然環境や資源の有限性等の中で持続可能な社会をつくる力を教科等横断的な視点で育成するとともに、各教科等において環境教育に関する内容を充実したところです。
 学校教育に環境という科目をつくることについては、授業時数増の問題や教師の指導の在り方など課題が多岐にわたり、総合的な検討が必要と考えております。まずは、新学習指導要領に基づく環境教育の着実な実施を図ってまいりたいと考えております。(拍手)
    ─────────────

#23
○議長(山東昭子君) 山下芳生さん。
   〔山下芳生君登壇、拍手〕

#24
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 会派を代表して、温暖化対策推進法改正案について関係大臣に質問します。
 法案に入る前に、田村厚労大臣に伺います。
 新型コロナの感染者が入院できず必要な医療を受けられない事態が広がっています。国が主導して全国レベルの連携を強め、病床確保や医師、看護師の派遣など、緊急対策を行うことを求めます。
 大阪の事態は特に深刻です。二点提案します。
 第一は、大阪への医師の派遣です。いまだ実績はゼロです。これでどうして命が守れるのか。大阪からの要請待ちにならず、国として医療機関のニーズをつかみ、医師派遣に道を付けるべきではありませんか。
 第二は、自宅療養者への往診の拡大です。一部の医療機関の自主性に任せるだけでは一万人に上る自宅療養者をカバーできません。往診に対する診療報酬の増額、手当の創設などを行い、組織的な対応を図るべきではありませんか。
 以上、厚労大臣の答弁を求めます。
 現在、地球の平均気温は産業革命前と比べて一・二度上昇しており、世界各地で深刻な事態が起こっています。二〇一九年、グリーンランドで解けた氷は観測史上最大となり、東京二十三区の面積で水位八百メートルにもなりました。オーストラリアなど各地で乾燥と高温による山火事が広がり、二〇二〇年、世界の森林火災の面積は日本の面積の一・七倍となっています。シベリアで観測史上最高の三十八度という異常な高温が記録され、永久凍土の融解が進み、新種のウイルスが見付かったとの報道もありました。プラス一・二度でもこうした深刻な事態が広がっています。
 国連気候変動に関する政府間パネル、IPCCの特別報告書は、このままでは早ければ二〇三〇年にもプラス一・五度を超えてしまうと警告しています。さらに、科学者たちは、プラス一・五度が地球の限界であり、それを超えるとシベリアの永久凍土が解け、二酸化炭素の二十五倍の温室効果を持つメタンが大量に放出されるなど、温暖化の進行に歯止めが掛からなくなってしまう、二一〇〇年にはプラス四度になってしまうと警告しています。
 小泉環境大臣、こうした警告を日本社会全体の共通認識にすることが温暖化対策を推進する土台になると考えますが、いかがですか。
 先月末、気候変動に危機感を持って行動している十代、二十代の若い皆さんと懇談しました。あと四年以内に大きく動き出さないと一・五度を超える、気候危機のことを考えると勉強も手に付かない、高校生の私が二十四歳になるとき地球はタイムリミットと言われると物すごく悲しい気持ちになる、世界がこのまま変わらないんだったら二人目の子供は絶対産まないなど、若い世代が気候危機を自分の未来に直結する問題として切迫感を持って捉え、行動していることがひしひしと伝わってきました。
 小泉大臣、こうした声をどう受け止めますか。今、政治に携わっている者の若い世代の未来に対する責任は極めて重いと考えますが、いかがですか。
 IPCCの報告書は、地球の平均気温をプラス一・五度以下に抑えるためには、二〇三〇年までに世界全体で温室効果ガスの排出量を四五%削減し、二〇五〇年までに実質ゼロにする必要があるとしています。
 菅首相は、四月二十二日、気候変動サミットにおいて、二〇三〇年度の日本の温室効果ガス削減目標を二〇一三年度比で四六%減とすると表明し、世界の脱炭素のリーダーシップを取っていくと胸を張りました。しかし、EUは五五%減です。英国は三五年までに七八%減の目標を表明し、米国も三〇年までの五〇ないし五二%減を打ち出しました。先進国では五〇%超の削減が当たり前になっているときに、やっと四六%減を掲げた日本にリーダーシップを取ることなどできません。
 小泉大臣、日本もEUなどが掲げる五〇%以上の削減を目標に据え、先進国として、また世界五位の排出国として、最低限の責任を果たすべきではありませんか。
 目標と同時に、実効性も問われています。菅政権は昨年十月、ようやく二〇五〇年実質ゼロを掲げましたが、この目標の達成には石炭火力発電所の全廃が不可欠です。
 国連のグテレス事務総長は、三月、OECD加盟国に対して、二〇三〇年までに石炭火力発電を段階的に廃止するよう求めると述べました。とりわけG7各国に対しては、六月の首脳会議までに石炭火力の具体的な廃止計画を示し、主導的な役割を発揮するよう要請しました。このままではCO2排出削減目標を達成できないという危機感の表れであり、G7の中で唯一、石炭火力の期限を切った廃止を検討していない日本に対する強い要請だと考えますが、国連事務総長の要請をどう受け止め、どう具体化しているのか、小泉環境大臣並びに梶山経産大臣の答弁を求めます。
 小泉大臣の地元でもある横須賀で、現在、石炭火力発電所の新規建設が進められています。将来はCO2を出さないゼロエミッション火力になるとうたわれていますが、事業者であるJERAのロードマップによると、CO2を出さないアンモニアを石炭と混ぜて燃やす混焼技術はまだ実証段階であり、うまくいったとしても、二〇三〇年代前半にアンモニア混焼率が二〇%、つまり八〇%は石炭のままです。
 梶山大臣、横須賀の石炭火力がゼロエミッションになるのは一体いつですか。ゼロエミッションとは名ばかりで、結局は石炭火力の延命になるのではありませんか。
 現在、建設中や計画中の石炭火力のCO2排出量の合計は年間約五千万トン、日本の排出量の四%となります。反対に、これを止めれば四%の排出増加を抑えることができるということです。
 小泉大臣、石炭火力の新増設は直ちに中止すべきではありませんか。
 政府は、脱炭素電源を五割にするとして、原発の発電量に占める割合を現状の四・四%から二割に引き上げようとしています。そのために、四十年を超える老朽原発まで再稼働させようとしています。しかし、中性子線による原子炉容器の経年劣化は避けられません。今も続く東京電力福島第一原発事故の教訓を忘れ、脱炭素に乗じて原発再稼働を加速することは、国民の願いと決して相入れません。
 小泉環境大臣は、二〇三〇年度に再生可能エネルギーの割合を現行計画から倍化すると述べています。実現すれば、再エネの割合は五〇%近くになり、原発再稼働の拡大は必要なくなります。逆に、原発の割合が二割に高まれば、再エネが三割程度に抑えられることになります。
 小泉大臣、脱炭素の流れは、原発頼みではなく、再生可能エネルギーの飛躍的普及と省エネでこそ促進すべきではありませんか。答弁を求めます。
 再エネ導入の進め方も重要です。電力需要の二倍に上る再エネのポテンシャルは、主に地方に存在しています。しかし、地域外の資本が利益を優先した開発を行い、自然環境を破壊していることが各地で問題となっています。法案では、再エネ導入の促進区域を指定することとなっていますが、住民の納得と合意の上で再エネ導入を進めるためには、促進区域のみでなく保全区域を設定することも必要ではないでしょうか。
 また、法案では、促進区域において環境影響評価の配慮書手続を省略するとありますが、環境への影響を回避する保障はありますか。
 以上、環境大臣の答弁を求めて、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣小泉進次郎君登壇、拍手〕

#25
○国務大臣(小泉進次郎君) 山下芳生議員から、IPCCや科学者からの警告を共通認識にすることについてお尋ねがありました。
 IPCC、気候変動に関する政府間パネルの一・五度特別報告書においては、地球温暖化は、現在の進行速度で増加し続けると二〇三〇年から二〇五二年の間に一・五度に達する可能性が高いとして、今後十分な対策が講じられなかった場合には、早ければ二〇三〇年に一・五度に達する可能性があることが指摘されています。
 また、一・五度と二・〇度では何が違うのか、例えば、二度に比べて一・五度に地球温暖化を抑えることで極端な熱波に頻繁にさらされる人口が約四・二億人減少するなど、分かりやすく伝えていくことも重要です。一・五度特別報告書を始めとするIPCCの各種報告書の内容については、温暖化対策を推進する上での土台として重要であることから、こうした科学的知見について多くの国民に知っていただけるよう、引き続きその普及に努めてまいります。
 気候危機に対する若い世代からの声の受け止め及び未来に対する責任についてお尋ねがありました。
 気候変動の対策が進まなかったときに最も影響を受けるのは、間違いなく将来世代です。私も、現在の政治に携わる立場として、次世代に対する責任は極めて重いと受け止めています。そのような考えから、私自身、気候変動政策を強化することが次世代への責任を果たすことになるとの思いで、大臣就任以来政策を進めてきました。また、これまで、若い世代との意見交換の機会を積極的に設けてきました。本法案を始めとする環境省の提出法案についても、今年三月にZ世代との意見交換会を集中的に行ったところです。
 引き続き、世代や分野を超えたあらゆる主体との対話を継続しつつ、次世代への責任を少しでも果たせるよう、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けて全力を尽くしてまいります。
 我が国の二〇三〇年度削減目標についてお尋ねがありました。
 菅総理は、先日の気候サミットにおいて、二〇三〇年度において温室効果ガスを二〇一三年度から四六%削減することを目指します、さらに、五〇%の高みに向け挑戦を続けてまいりますと世界に対して表明されました。
 今回の目標については、二〇五〇年カーボンニュートラルとの整合性、国際社会の機運を高める国際性、実効性の三つの要素を踏まえ、中央環境審議会・産業構造審議会合同会合、総合資源エネルギー調査会等において、関係省庁からの協力も得て、温室効果ガス排出量削減のための具体的な対策、施策及びその削減効果について検討を深め、梶山経産大臣や加藤官房長官とも調整を重ねてきました。
 四六%という数値は、こうした積み上げの議論を進めた上で、気候サミットという国際発信上、効果的な機会で打ち出し、世界の脱炭素化を牽引する観点から総理が判断をされたものであり、経済界からも国際社会からも評価されています。
 また、気候サミットの場においても、バイデン大統領から、日本及びカナダによる新たな削減目標について、我々は二人の偉大なパートナーが今週示した意欲的な宣言を歓迎すると発言があるなど、世界の脱炭素化に貢献していく日本の姿勢を世界に示すことができたと考えています。今後も、G7、G20、COP26に向け、様々な形で日本の責任を果たしてまいります。
 石炭火力発電の廃止計画の具体化及び新増設計画の中止についてお尋ねがありました。
 私は、大臣就任直後にCOP25に参加し、我が国の石炭火力政策に対する国際社会の批判が強く、それ以外の優れた取組や技術が正当に評価されない状況を何とか打開しなければならないという強い問題意識を持ち、石炭政策の見直しに取り組んできたところです。
 二〇五〇年カーボンニュートラルの実現には、電力の脱炭素化が不可欠です。環境省としては、再生可能エネルギーの主力電源化を全力で進め、火力発電への依存度を可能な限り引き下げていきます。また、水素・アンモニア発電などの革新的技術の開発実証にも取り組んでいきます。
 先月には、経済産業省において、非効率な石炭火力発電のフェードアウトに向けた対応策が取りまとめられました。これは、水素・アンモニア発電等による電力の脱炭素化に向けた第一歩と認識しています。
 また、先般の菅総理の訪米の際に合意された日米気候パートナーシップにおいて、世界の脱炭素化を力強く進めるべく、公的国際金融に関して、官民の資本の流れを気候変動に整合的な投資に向け、高炭素な投資から離れるよう促進すること等が明記されました。
 エネルギー基本計画やエネルギーミックスを含むエネルギー政策については、現在、梶山経済産業大臣の下で議論が行われているところでありますが、環境省としても、気候変動対策を取りまとめる観点から、前向きに議論に貢献してまいります。
 脱炭素に向けた原発再稼働と再生可能エネルギー普及や省エネ促進についてお尋ねがありました。
 二〇一九年六月に閣議決定したパリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略においては、原子力は、安全を最優先し、再生可能エネルギーの拡大を図る中で、可能な限り原発依存度を低減するとされています。こうした政府方針に沿って、環境省としても、二〇三〇年そして二〇五〇年に向けて、再生可能エネルギーの最大限の導入や省エネルギーの徹底を進めてまいります。
 エネルギーミックスを含むエネルギー政策については、梶山経済産業大臣の下で議論が行われていますが、二〇三〇年目標の四六%削減の実現に当たっては、再エネの導入拡大が重要なポイントの一つと考えています。総理も、再エネが最優先と述べています。
 エネルギー基本計画の見直しの議論に対して気候変動対策の観点から必要な主張を行っていくとともに、関係の深い地球温暖化対策計画と長期戦略についても、環境省の考えをしっかりと反映させてまいります。
 最後に、保全区域の設定の必要性及び本法案における環境影響の回避についてお尋ねがありました。
 二〇五〇年カーボンニュートラルや、それに向けた二〇三〇年度四六%削減目標の実現に向け、地域の脱炭素化を推進するためには、再生可能エネルギーの最大限の活用が重要です。その一方で、再エネ事業の地域との共生や地域における合意形成が課題となっています。このため、本法案では、地域における円滑な合意形成を図りつつ、再エネ促進区域において、地域に貢献する再エネを促進する仕組みを創設することにしています。
 保全区域の設定も必要という御指摘がありましたが、再エネを進めていく上で、地域の環境を保全することは重要です。そのため、市町村が促進区域を定めるに当たっては、環境の保全に支障を及ぼすおそれがないものとして環境省令で定める基準に従うとともに、都道府県が地域の自然的、社会的条件に応じた環境配慮の基準を定めた場合にはその基準に基づくこととしています。また、市町村が促進区域を定める際には、地域環境保全のための取組についても併せて定めるべきこととしています。
 このように、本法案では、事業計画立案の早い段階において重大な環境影響の回避を図ることが制度上担保され、さらに、より適正な環境配慮が期待されることから、配慮書手続を省略する特例を措置しています。
 環境省としては、地域環境の保全にも十分配慮しながら、地域と共生する再エネの導入拡大を促していくために、関係省庁とも連携して取り組んでまいります。(拍手)
   〔国務大臣田村憲久君登壇、拍手〕

#26
○国務大臣(田村憲久君) 山下芳生議員にお答えいたします。
 新型コロナへの対応についてお尋ねがありました。
 新型コロナへの対応については、これまでも国と全国の都道府県が一体となって医療提供体制の確保に取り組んでおり、特に、医療提供体制が非常に厳しい状況にある大阪府については、関係省庁の協力を得て、全国から看護師の派遣調整を実施するなどの広域的な支援を取り組んでおります。
 医師の派遣については、派遣対象となる医師の専門性や現在受け持っている患者の状況等を踏まえたきめ細かな調整が求められるため、送り出し元となる医療機関と丁寧に調整しながら対応していく必要があると考えております。
 また、自宅等で療養される患者の方々については、症状に変化があった場合に速やかにこれを把握し、医療機関等につなぐことが重要と考えております。
 このため、保健所と定期的に健康観察を行うとともに、症状が変化した場合等に備え、患者からの連絡や相談に応じる体制を構築しており、引き続き自宅療養の健康確保にしっかりと取り組んでまいります。(拍手)
   〔国務大臣梶山弘志君登壇、拍手〕

#27
○国務大臣(梶山弘志君) 山下議員からの御質問にお答えをいたします。
 グテーレス事務総長の発言に対する受け止めについてお尋ねがありました。
 エネルギーをめぐる状況は各国で千差万別であり、各国が置かれている状況や目標、政策は様々と承知をしております。
 石炭火力発電の位置付けについては、供給力の状況や資源の乏しい我が国におけるエネルギー安全保障の観点も踏まえつつ、エネルギー基本計画の議論の中で検討してまいりますけれども、安定供給を大前提に、その発電比率をできる限り引き下げていくことが基本となると考えております。
 このため、足下では非効率な石炭火力発電のフェードアウトを着実に進めるとともに、中長期的には水素・アンモニア発電やCCUS、カーボンリサイクルを活用した脱炭素型の火力発電に置き換えていく取組を促進してまいります。
 横須賀の石炭火力についてお尋ねがありました。
 横須賀の石炭火力発電所を運営する株式会社JERAは、昨年十月に、二〇五〇年時点のCO2ゼロエミッションを目指す方針を示したロードマップを公表しております。このロードマップにおいては、二〇三〇年までに石炭火力へのアンモニア混焼実証を進め、本格運用を開始するとともに、超臨界以下の石炭火力を全て停止し、二〇五〇年において国内外においてCO2ゼロエミッションを目指すこととしております。
 このように、JERAにおいては委員御指摘の横須賀の火力、石炭火力発電所を含め二〇五〇年までにゼロエミッションを実現することを目指してアンモニア混焼などの取組を進めているものと認識をしております。
 政府としても、足下では非効率な石炭火力発電のフェードアウトを着実に進めるとともに、中長期的には水素・アンモニア発電やCCUS、カーボンリサイクルを活用した脱炭素型の火力発電に置き換えていく取組を促進してまいります。(拍手)

#28
○議長(山東昭子君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時八分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト