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2021/05/13 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 経済産業委員会 第4号 令和3年5月13日
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2021/05/13 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 経済産業委員会 第4号 令和3年5月13日

#1
令和三年五月十三日(木曜日)
   午前十時開会
     ─────────────
   委員の異動
 五月十一日
    辞任         補欠選任
     加田 裕之君     水落 敏栄君
     中西 祐介君     高橋はるみ君
 五月十二日
    辞任         補欠選任
     水落 敏栄君     加田 裕之君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         有田 芳生君
    理 事
                青山 繁晴君
                加田 裕之君
                宮本 周司君
                礒崎 哲史君
                岩渕  友君
    委 員
                阿達 雅志君
                青木 一彦君
                江島  潔君
                佐藤  啓君
                高橋はるみ君
                松村 祥史君
                宮沢 由佳君
                森本 真治君
                里見 隆治君
                高瀬 弘美君
                新妻 秀規君
                石井  章君
                浜野 喜史君
                ながえ孝子君
                安達  澄君
   国務大臣
       経済産業大臣   梶山 弘志君
   副大臣
       経済産業副大臣  江島  潔君
   大臣政務官
       財務大臣政務官  船橋 利実君
       経済産業大臣政
       務官       佐藤  啓君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山口 秀樹君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       藤井 敏彦君
       内閣官房内閣審
       議官       梶尾 雅宏君
       内閣官房内閣審
       議官       杉中  淳君
       財務省大臣官房
       審議官      小宮 義之君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    度山  徹君
       経済産業省大臣
       官房技術総括・
       保安審議官    太田 雄彦君
       経済産業省大臣
       官房審議官    小笠原陽一君
       経済産業省通商
       政策局通商機構
       部長       黒田淳一郎君
       経済産業省商務
       情報政策局商務
       ・サービス政策
       統括調整官    山本 和徳君
       特許庁長官    糟谷 敏秀君
       特許庁総務部長  小見山康二君
       中小企業庁次長  奈須野 太君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○特許法等の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(有田芳生君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、中西祐介さんが委員を辞任され、その補欠として高橋はるみさんが選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(有田芳生君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(有田芳生君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に加田裕之さんを指名いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(有田芳生君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 特許法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官藤井敏彦さん外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#6
○委員長(有田芳生君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#7
○委員長(有田芳生君) 特許法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#8
○加田裕之君 おはようございます。自由民主党、加田裕之でございます。
 まず初めに、コロナ対策について梶山大臣にお伺いしたいんですけれども、昨日から一部地域では緊急事態宣言の延長及び宣言発令期間にまた入りました。時短休業要請への対応といたしまして、緊急事態宣言協力金の支給が行われることとなっております。しかし、それ以外で時短協力や人流抑制の協力を求められている業種に関わる企業に関しても国の協力が不可欠であると思っております。
 ゴールデンウイーク中も不要不急の外出抑制を受けて経営に深刻な影響が出ているのはもう明らかであります。協力金が支給されない時短協力業種や、その他の今回の緊急事態宣言により影響を受ける事業者への支援策について、緊急の対策を強く求めたいと考えますが、大臣の御所見をお伺いいたします。

#9
○国務大臣(梶山弘志君) 今年の一月から三月に発令されました緊急事態宣言の影響により売上げが半減した事業者に対して一時支援金を給付しております。
 これに加えて、四月以降の緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の影響については、月次支援金という名称の新たな制度の下に、今年四月以降の売上高が五〇%以上減少した中小企業、個人事業者に対して、一か月当たり中小企業二十万円、個人事業者十万円を上限に売上金減少相当分を給付をするという、一時支援金同様の措置にすることを予定をしております。要件に該当する限り、協力金が支給されない時短協力業種を含め、地域や業種を問わずに支援対象になり得るものと現在制度設計をしているところであります。
 また、雇用調整助成金の特例の延長に加えて、実質無利子無担保融資の上限枠の引上げ、新分野展開、業態転換を支援する事業再構築補助金、事業承継を契機とした販路開拓などを支援する事業承継・引継ぎ補助金、ビジネスモデルの転換等に活用いただける持続化補助金などの政策を通じて、コロナ禍で厳しい状況に置かれた事業者を支えてまいりたいと考えております。
 さらに、イベント開催制限が続くライブエンタメ業界が厳しい状況に追い込まれていることを踏まえて、公演を中止した場合に、その公演で発生するキャンセル料のみならず、主催事業者が当該公演の企画、宣伝、実施等の事業を実施するために要した人件費や事務所費などの固定経費も新たに補助対象とするなど、支援策を拡充することとしているところであります。
 引き続き、事業者が置かれた状況等を丁寧に把握しながら、きめ細かく対応してまいりたいと考えております。

#10
○加田裕之君 ありがとうございます。
 やはり今回のコロナの影響で、本当に多種多様な業種で幅広く影響が出てきております。是非とも一つ一つ、また、いろんな事態が変わってきておりますので、その点につきましては柔軟に対応していただき、そしてまた素早く対応していただきたいと思います。よろしくお願いします。
 それでは、特許法の改正のことについて質問したいと思うんですが、今回、新型コロナウイルスの感染拡大を契機に、デジタル化、リモート、非接触など、経済活動の在り方が大きく変わっております。このような変化に対応すべく、新型コロナウイルスの感染拡大に対応したデジタル化等の手続の整備、デジタル化等の進展に伴う企業の行動の変化に対応した権利保護の見直し、訴訟手続や料金体系の見直し等の知的財産制度の基盤の強化を柱に特許法の改正が行われます。
 特許法改正に当たりまして、改めて特許庁が求められる役割、まさに、ただただ特許を審査するとか、審査しやすくするとか、今回のコロナ対応とか、いろいろあるんですが、やはり私は特許を審査するだけが特許庁の役割ではないと思っております。まさに日本の強みでありますこの知財、この知財の立国日本という形の司令塔としての特許庁という、求められる役割ということにつきまして、長官にお伺いしたいと思います。

#11
○政府参考人(糟谷敏秀君) 特許庁には、特許、意匠、商標など産業財産権の適切な保護などを通じて我が国のイノベーションを促進する役割が求められていると考えております。例えば、特許制度の利用者に世界最速、最高品質の審査を提供するとともに、内外の環境変化に応じて制度やその運用を見直し、利用者の利便性を向上させながら、発明やその活用を促すことが重要と考えております。
 今般の改正は、新型コロナウイルスの感染拡大等を契機とするデジタル化等の手続の整備、デジタル化等の進展に伴う権利保護の見直し、知的財産制度の基盤強化を図るものでございますが、こうした取組を着実に進めまして、我が国において知財が尊重され、想像力の発揮によりイノベーションが促進されるよう、しっかりと役割を果たしてまいりたいと考えております。

#12
○加田裕之君 ありがとうございます。
 やはりこの知財の、日本にとりましては本当に知財立国日本という形での、そしてまた、かつてはフロントランナーでもありましたが、やはり近年では周辺諸国に対しての追い上げ、そしてまた、抜かされているという事実があります。そういう部分につきましてもしっかりと、やはり日本という国は知財立国であるということ、そしてまた、それを取り戻すという意気込みで頑張っていただけたらと思っております。
 次は、農水分野の知財戦略強化支援の必要性についてお伺いしたいんですけれども、我が国の農林水産物は、その品質から国際的にも評価が高い状況です。日本産のイチゴや和牛など、優れた品種の海外への流出が国益に与える損失は計り知れないものがあります。また、一度流出してしまった品種は、もはや取り戻すことはできません。
 知財推進計画二〇二〇では、農水分野において、データ化されたノウハウ等の価値ある情報が知財として適切に保護され、利活用される環境の整備することが求められており、引き続き、今年四月に策定されました農林水産省の知的財産戦略二〇二五に基づきこれらを推進すべきとしています。
 農水分野を活性化することは、今政府が掲げている重点政策でもあります地方創生に直結する問題でもあり、今こそ具体的かつ緊急課題でもあると考えますが、政府の取組についてお伺いしたいと思います。

#13
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。
 我が国の農林水産物・食品は、その高い品質により、世界各国において高い人気を享受しておりますが、その基となっているのは我が国が開発した品種や生産ノウハウ、伝統的な食文化等の知的財産であると認識しております。
 しかしながら、植物新品種や和牛遺伝資源の海外への流出、模造品の流通による海外における日本産品のブランド価値の毀損などの課題が生じており、我が国の農林水産物・食品の国際競争力の源泉である知的財産を保護しつつ、輸出拡大に向けて活用していく必要性が高まっているところでございます。
 このような事態に対応するため、地理的表示保護制度の整備、種苗法の改正や、和牛遺伝資源を知的財産として保護する制度の整備などの制度改正を行い、農林水産分野における知的財産の保護について取組を強化するとともに、本年四月に農林水産省知的財産戦略二〇二五を策定いたしました。この戦略においては、データを含む生産ノウハウ等の保護についても生産現場における意識の醸成及び対策強化を進めることとされたところでございます。
 新しい戦略に基づき、植物新品種や生産ノウハウ等の農林水産知財の保護と活用のための各取組を進めてまいります。

#14
○加田裕之君 ありがとうございます。
 やはり、あまおうの問題もそうでしたし、また、これは本当にコロナ禍でおきまして消費低迷の打撃を受けております農林水産物のそれぞれにつきましてもしっかりと守っていく、やはりそういう需要もあることですので、やはり日本のブランドというものをしっかりと守っていけるようにお願いできたらと思います。
 続きましては、特色ある地域独自の農林水産物の開発、育成、保護、活用についてお伺いしたいんですが、生産物を加工し、付加価値を付けて生産地域から出荷すると、雇用を生み、そして地域経済にも貢献します。このためには、海外への輸出を含めた販売戦略をしっかりと立て、地域特有のブランドの育成、ノウハウを含めた加工技術の開発が必要であり、これらの保護を図る必要があります。地方試験研究機関や大学との連携し、地方発のISO等の国際規格、技術標準化の加速的推進や、例えば国際化に向けた地域ブランド、GIマークの育成推進、地域性が高い特色のある特定栄養食品、機能性食品等の新食品の開発促進などであります。
 このような施策を実施するには、やはり人材の確保や育成が最も重要であると考えております。とりわけ、若手の人材確保が望ましいんですが、地域の高校、大学等と連携し、人材の確保とこれを支援する体制の構築が重要な課題であります。当面、人材育成はやはりちょっと難しいところもあるので、地域で活躍している農水分野の技術士、弁理士、弁護士等の専門家を活用しまして人材を養成することが重要であると思っております。例えば、地域高校、そして地域の高校や大学、各種専門学校、職業能力開発校等で起業講座の開設や知財教育の推進が考えられると思いますが、政府の取組についてお伺いしたいと思います。

#15
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。
 我が国の優れた新品種や伝統的な食文化等の知的財産は、我が国の農林水産物・食品の強みとなっておりますが、我が国の農林水産事業者の知的財産の保護、活用に関する意識は必ずしも高いとは言えず、今後これらの農水知財を適切に保護していくためには、農水知財分野における人材育成は重要な課題と認識しております。
 このため、農林水産省知的財産戦略二〇二五において農水知財を支える人材育成について対応を強化するとされたところであり、この戦略に基づき、農水知財の保護、活用に向けて弁理士や弁護士、行政書士等の関係士業等の連携を深化させつつ、引き続き、農林水産事業者等に向けた研修の充実を図るとともに農林水産高校や大学等への知的財産教育を充実させてまいる考えであります。

#16
○加田裕之君 ありがとうございます。
 次は、特許料の値上げに対します軽減策、中小企業への施策についてなんですけれども、特許料の値上げに当たりまして最も留意すべきことは、中小企業・小規模事業者への影響であります。優れた技術を開発し、特許をきちんと出願していたことで、大企業とも対等な関係を築き、競争力を高めている中小企業は数多くあります。日本の技術力の下支えである中小企業の成長を支えるためにも、今般の改正後にあっても中小企業向けの軽減制度は維持されるべきであると私は考えております。改正後の軽減制度についての確認、今般の料金改定によって特許出願が阻害されることがないか。
 また、日本の中小企業は全企業の九九・七%を占めますが、特許出願比率は約一六%にすぎないと聞いております。中小企業やベンチャー企業が更に知的財産を活用していく余地があるのではないか。知財についての認知度が低いこれらの中小企業、ベンチャー企業に対しまして資金面や普及啓発面で更なる施策が必要であると思いますが、どのように取り組まれるか、お伺いしたいと思います。

#17
○政府参考人(小見山康二君) 特許関係料金のうち、審査請求料、一年目から十年目までの特許料、国際出願関係手数料については、中小企業等を対象に原則として半額にするという減免措置を設けているところでございます。今回の料金体系の見直しに際しても、中小企業支援の観点から、この減免制度の大枠は維持するという方針でございます。また、今回の料金改定では出願への影響を最小限に抑えるというため、主に権利化後の料金を見直すということを想定してございます。
 また、料金減免制度に加えて、中小企業、ベンチャー企業に対する支援策として、まず、全国四十七都道府県に設置している知財総合支援窓口での産業財産全般にわたる無料の相談窓口でありますとか、年間二百五十件以上の中堅・中小企業への特許庁職員によるハンズオンでの知財戦略構築支援、ベンチャー企業に経営の専門家と知財の専門家のチームなどを派遣し、経営戦略と一体となった知財戦略の構築支援などを取り組んでいるところでございます。引き続き、知財の観点からも、中小企業、ベンチャーに対して支援をしっかり行っていきたいと考えております。

#18
○加田裕之君 ありがとうございます。
 続きまして、技術流出の防止対策の必要性についてお伺いしたいんですが、我が国の企業が有します機密情報の海外への流出に関しましては、新日鉄住金、ポスコ技術流出訴訟及び東芝研究データ流出事件が我々の記憶に新しいものでありますが、いずれも和解金の支払により解決したものの、国益に与える損害は計り知れません。
 諸外国においては第一国出願制度や秘密特許制度も設けられているものの、日本にはこうした制度が設けられておりません。農林水産等の技術やノウハウ、IoT等のデータを含めた機密情報等への海外への流出を防ぐために包括する新規立法も視野に入れた施策は急務であると考えておりますが、政府の取組についてお伺いいたします。

#19
○政府参考人(小見山康二君) 御指摘のとおり、日本の農林水産品に関する知的財産が海外で適切に保護されていない事案が発生しているということや、企業の保有する重要な営業秘密等が海外に流出した事例が存在するということについては認識してございます。海外における知的財産の適切な保護や機微技術などの海外流出の防止は重要な課題であるというふうに考えております。
 このため、本法案では、農林水産事業者による植物の品種登録、地理的表示などの海外への出願を支援するため、海外出願支援業務を弁理士の業務として追加するということとしておりまして、日本の農林水産品が適切に保護されているということを期待しているところでございます。
 また、IoT等のデータの保護に関しては、平成三十年に不正競争防止法を改正いたしまして、限定提供データの不正取得、使用等に関する民事措置を創設し、海外流出を含む不正なデータ取得等を防止する手だてを講じているところでございます。
 引き続き、知的財産権を適切に保護し、機微技術等の海外流出を防止するため、今後も関係各省と連携しながら必要な施策を検討してまいりたいと考えております。

#20
○加田裕之君 ありがとうございます。
 やはり、技術流出を防止するということは大変我が国に取りましても重要な課題でもありますし、そしてまた、各国との競争という、競争力のしっかりとした維持をするためにも必要な施策であると考えております。このような施策を、しっかりと体制を強化いたしまして、先ほど申し上げましたように、連携して、各省庁との連携もしっかりと強化をしていただきたいと思っております。
 以上で質問を終わります。

#21
○森本真治君 立憲民主党の森本真治でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
 法案の質問に入る前に、私からも今の新型コロナウイルス感染対策についても何点かお伺いをしたいというふうに思います。
 御案内のように、今本当に、新規感染者数が各地で過去最多を更新をしているという非常に心配をするような今状況になってきました。昨日も新たにまん延防止ですね、防止措置の申請をした県が何か所かあるということで、私も今議運の理事もしておりますので、恐らく、あした、また西村大臣の方から報告を受けるという形になろうかというふうに思います。
 本当に今、国民の皆さん、一番心配をしているこのコロナ感染症の問題でございますので、特に今日は経産委員会ということもありますので、少しこの経産委員会に関わるような点について何点か、あわせて、対策本部の内閣官房と厚労省さんにもお越しいただいておりますが、確認をさせていただきたいというふうに思います。
 まず、今、政府の方では対策本部で新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針というものを掲げて、それに基づいてまた各自治体の方も様々な取組をされているんだろうというふうに思います。毎度毎度これが更新をされて、何とか新たな対策でこの感染の広がりを防ごうと努力をしておるわけでございますが、残念ながら、結果としては、今の変異株の新たな流れもあって感染の拡大に歯止めが掛からないという非常に心配される状況があります。
 その中で、この基本的対処方針の中でまん延防止という項目があって、幾つか、外出の自粛であったり、イベント等の開催制限であったり、施設の使用制限とか、いろんな基本的な方針が掲げられておりますが、特に事業者さんについては職場への出勤等、これについて基本方針が示されておるわけでございます。出勤者数の七割削減ということを政府としては是非ともお願いしたいということで、事業者の皆さんにもいろんなお願いもしておるところだと思うんですが、今のこの政府の思いに対して、実際に経済活動をする事業者さん、本当に七割削減をして事業が回るのかとか、いろんな心配等もあるんではないかというふうに思いますが。
 これはまず対策本部の方の内閣官房の方に御答弁いただくことになろうかと思うんですが、この七割削減の出勤者数の、職場への出勤等の削減についてのこの狙いというか思いとか、現状、効果がどうなっているのかということも含めて、どう認識されているのかということからお伺いしたいと思います。

#22
○政府参考人(梶尾雅宏君) お答え申し上げます。
 今回の大型連休期間中の緊急事態宣言の関係につきましては、例年、人の移動や活動が活発になる大型連休中に非常に集中的な強い措置を講じるということで、事業者、国民の皆様の大変な御協力をいただいて、夜だけではなくて昼の人流もこの期間抑えられてきたわけでございますけれども、大型連休を終えて人々が通常の生活パターンに戻っていく中で、引き続き人と人との接触を、徹底した対策を講じていくことが、減らすために徹底した対策を講じていくことが重要ということで、平日日中の対策ということで、テレワーク等による出勤回避を図るということが重要と考えてございます。
 昨年の四月、五月の緊急事態宣言のときには、交通機関の人流を見ますと七割ぐらい減っていたわけですけど、今は四割ぐらい、四割ないし三割の減少と、一月、二月頃もそのぐらいの減少でございました、というようなことでございました。昨年はそのくらいの数字までになっていたということでもありますので、是非取組をお願いしたいということで、五月七日に改定いたしました基本的対処方針では、事業者について、テレワークの活用あるいは休暇取得の促進などによる出勤者数の七割削減を目指すということと、あわせて、政府は経済団体に対して、その実施状況を自ら積極的に公表するように要請するというようなことを盛り込んだところでございます。
 公表していただきます事業者の範囲につきましては、特に上場企業などの大企業には率先して取り組んでいただきたいと思いますし、地域の実情に応じまして、商工会議所の主要な企業などにもできるだけ取り組んでいただきたいと思います。もちろん業種による違いなど様々事情はあると思っておりまして、エッセンシャルワーカーへの配慮を含め、それぞれの企業の実情等に応じて取り組んでいただくことを考えてございまして、一昨日は西村大臣からも経済三団体への方々に要請を行ったところでございます。
 テレワークは大変新たな日常の象徴でもございますので、コロナを機に社会経済の構造が大きくデジタル化にかじ切っている中、重要な取組ですので、引き続き、各府省庁又は都道府県、経済界とも連携して取組を進めていきたいというふうに思ってございます。

#23
○森本真治君 この新型コロナウイルス感染症対策本部には、梶山大臣もメンバーでよろしかったですよね。ですから、これ経産省としても当然、この対策については政府一丸となって様々な取組をされているんだというふうに思うんですが、先ほど内閣官房の方で、この出勤者数の七割削減に向けて経済団体等への要請をするというような方針があるという御説明だったんだけれども、実際に例えば経済団体であったり、様々な業界と直接接点があるのは経産省ではないかというふうに思うんですね。
 そういう中で、この対処方針で、政府及び地方公共団体、在宅勤務、ローテーション勤務、時差出勤、自転車通勤等、人との接触を低減する取組を自ら進めるとともに事業者に対して必要な支援を行う、さらには、先ほどもありましたけれども、いろんな経済団体等への働きかけ、これは事業者、事業場への訪問など事業者と接する機会等を捉え、事あるごとにそういうこともお願いをするという方針があって、経産省が一番、ある意味この経済団体等と一番身近な政府との関係があるんだろうというふうに思うものですから、経産省としても、様々なこのコロナ対策、働きかけ等はしているんだと思うんですけれども、その辺り、これまでの取組であったり、今の課題等をどのように認識されて、今後更にどうしなければいけないのかというようなことを、お考えがありましたらお伺いしたいと思います。

#24
○大臣政務官(佐藤啓君) お答えいたします。
 経済産業省としましては、これまでも、テレワーク等により出勤者数の削減を目指すよう、所管の約九百の経済団体を通じ、企業に周知、呼びかけを行ってきております。
 今般、大型連休が明けまして職場への出勤等の社会経済活動が活発化することを受けまして、政府を挙げて改めて経済界に対し出勤者数の削減を働きかけているところでございます。さらに、実施状況を各企業が自ら公表することを通じて取組を促進していくこととしております。
 経済産業省としては、こうした実施状況を取りまとめましてホームページに公表するとともに、また、就職支援事業者等とも連携しつつ、広く国民の皆様に周知を図っていくことで出勤者数の削減に向けた取組に貢献していきたいと考えております。
 また、先生から御指摘ありましたように、やはり企業個別の事情もございます。企業の皆様から、製造ラインの保守業務が主であるなど、個別の事情によってテレワークの導入が難しいといった御意見もございます。今回の公表は、もちろん定量的な面をしっかり公表していただくということもございますが、具体的、定性的な取組の見える化、そういったことも目的としておりますので、各企業には、個別の事情も踏まえつつ、この良い事例を参考にしてできる限り取り組んでいただきたいと考えております。
 また、デジタル化のための設備導入が進んでいないためテレワークを導入できない、そういった中小企業に対してはIT導入補助金などにより支援も行っておりますので、こういったことも含めてしっかりと企業のテレワーク導入を後押ししてまいります。

#25
○森本真治君 政務官の方から問題認識御説明いただいて、御答弁いただいたように、個別の事情もそれぞれ各事業者の皆様ある中で、どうやっぱりこの対策も進めていくかという非常に難しい問題、これは国だけではなくて、各自治体も今地域で非常に様々努力をしているんだけれども、一方で、そういう悩みの中でどう打開していくかという、その苦労を持たれているというふうに私も認識をしております。
 テレワークの推進など、いろんな支援も、メニューもあるということで事前にも伺っておりますが、しっかりと、今回の特許法の改正でもそうですね、このコロナを機にデジタル化を進めようとかということもあるように、何とか、こういう厳しい状況ではあるけれども、その中で事業者の皆さんが更に発展していけるように、引き続ききめ細やかな対応もしていただきたいというふうにも思います。
 それと、ちょっと地元のお話も、せっかくなので見解もお伺いしたいと思うんですが、今日、配付資料お配りをさせていただいている中で、先にこれは資料の二の方なんですけれども、今、これ広島県で、感染の特徴ということで、経路が判明している中でのこの状況ですが、これまで特に、例えば飲食店などで時短要請をしたり営業の自粛をしてもらうということで、飲食店での強化というようなことが、どちらかというと、国民の中でも、報道、ニュース等でもそういうところがよく取り上げられるんだけれども、これ広島県のこの感染のものを見てもらうと分かるように、一番多いのは家庭ですね、次が職場内感染というふうに出たんですね。
 家庭というのは、ある意味、職場でお父さん、お母さんが持って帰ったものが家庭でも広がる、もちろん子供たちが学校からというケースもあるかもしれないけれども、そうすると、これ家庭と職場というのはある意味一体というふうに考えてもいいんだと思うんですね。
 そういう感染の特徴がある中で、広島県としてはとにかくこの職場での感染拡大を抑えようということに力を置いて、資料のこれは一にありますように、これ、全事業所、広島市と福山市なんですけれども、全事業所でPCR検査を受けてもらおうということで今事業者の方にお願いをしておるところです。飲食店もなんですけれども、例えば、営業自粛、独自に広島も始めましたが、従業員がPCR検査を受けてくれるお店に対しては支援金をちょっと多めに払いましょうとか、いろんな工夫をして広島県は努力をしておるんですけれども。
 ただ、この全事業所でのPCR検査というのも、何か専門家の皆さんのコメントが出るんですけれども、結構賛否両論あって、しっかりやるべきだというところと効果がどうなんだというような、意見が分かれて、なかなかこれ統一的な見解としてこれを例えば全国に広げていこうとかいうふうなところの判断が難しいかもしれないんだけれども、広島としては、きちんとしたこのエビデンスというか、やっぱり職場でどんどん広がっているということに基づいてこういうことをやっているということで、今後のやっぱり成果というか結果についても注視しなければいけないと思っておるんですけれども。
 まず、これについての、これは厚労省さんの方だというふうに伺ったんですけれども、政府として、厚労省としては、この集中的に一斉にPCR検査をやっていこうということについてはどのように見解を持たれているのか、お伺いしたいと思います。

#26
○政府参考人(度山徹君) お答え申し上げます。
 私どもは、例えば高齢者が入所する施設について感染が拡大をしている地域で集中的に検査を実施するというようなことは、特に緊急事態宣言が出たときにそういう地域については指示をしてきたというのはございます。あるいは、例えば新宿の歌舞伎町が、歓楽街でそういう事業を営まれる方に新宿区が集中的に検査をしたというようなことも承知をしております。
 ただ、今回の広島県さんの取組については、検査規模はそれらをはるかに上回る大規模なものということなので、私どもとしては、そういう大規模な検査の例えばオペレーションですとか、実際、検査の実がどのように上がっていくのかというようなことに関しては非常に注目を持って見ているという状況ですし、何か技術的な面で支援が必要であれば協力をしていきたいという立場でございます。
 なお、一言申し上げますと、検査で仮に陰性となっても、まだ体の中でウイルスがそれほど増えていない時期には陰性が出ると、その後発症するという事例もこれは結構ありますので、検査が陰性だったということだとしても、先ほどありましたように、テレワークなどにより接触の頻度を減らすとか、あるいは密の状況を職場でつくらないようにするとか、そういう基本的な感染拡大防止の取組を事業者の皆様には引き続きお願いをしたいと、このように考えております。

#27
○森本真治君 このコロナウイルスとの闘いが長期間に及ぶ中で、さらに変異株などもあって、まさにこれ、未知のものとの闘いということが続いて、それなりの根拠を持ってやろうとする自治体、これについてはやっぱりしっかりと政府としては後押し、応援もしていただかなければならないというふうに思うんですね。
 一方で、先ほどのちょっと政務官とのやり取りにもあったように、このPCRの集中検査についても事業者の方からは不安の声というので、資料の一にも出ているように、出勤停止に心配の声とか、ここで、じゃ、陽性がどんどんと分かったら事業がもう成り立たなくなってしまうと。経済団体、知事も直接お願いもしてこの取組を始めておりますけれども、やっぱり経済団体の方からも心配の声も上がりながらではありますが、勇気を持ってというか、やっぱり県民の命を守るということを大前提に広島県は努力をしているということでございます。
 ですので、厚労省もですし、経産省も、様々な不安の声が上がると思うんですが、しっかりとそういう不安の声に対して一緒に向き合っていただいて、何とか助言等も含めて寄り添っていただきたいということもお願いをさせていただくということと、あと、経産省として、この職場等での蔓延防止、いろんな御説明、内閣官房の方からもありましたけれども、更なる推進ということが、もうここまでどんどん増えてくると必要だと思います。
 この感染防止対策、特にこの事業者さん、事業者の皆さんに対してどのようなことを更にやっていかなければいけないのかということの決意というか、しっかりとメッセージを、これは大臣でよろしかったんですかね、御答弁いただきたいと思います。

#28
○国務大臣(梶山弘志君) 政府におけるPCR検査につきましては、今厚労省の参考人からの答弁のとおりであります。経済産業省としては、事業所単位でのスクリーニング検査の実証支援などを行ってきたところであります。その結果、民間でのサービス提供につながったものと承知をしておりまして、今後、民間の取組としてこうしたサービスがより精度の高いもの、そして簡便なもの、安価なものとして広がることを期待をしておりますし、支援をしてまいりたいと思っております。
 まずは、出勤回避の取組を推進していくとともに、職場内での感染対策、感染防止対策を講じることが重要と認識をしております。先ほどからお話ありますけれども、各産業界、また経済団体、中小企業団体を含む経済団体とも頻繁にやり取りをしているところであります。そして、どうしてもテレワーク等ができないような業界もあるわけでありまして、エッセンシャルワーカーも含めて、そういったところをしっかりと業務の機能の維持をしていくためにはどういう取組をするのか、またどういう固有の課題があるのかということも含めて、経産省としていろいろお話を伺っているところでもあります。
 五つの場面の対策強化の主なポイントとする業種別ガイドラインの見直し、遵守徹底の要請を行っているところでありますけれども、引き続き、関係省庁とも連携をし、事業所における感染防止対策が徹底されるように、業界団体を通じて、まずその対話を通じてしっかりと呼びかけてまいりたいと考えております。

#29
○森本真治君 ありがとうございます。
 私も、それぞれの地元の皆さんからいろんな不安というか声もありますので、引き続きそういう声を届けさせていただいて、対応していただきたいというふうに思っております。
 それと、ちょっと話題を変えるというか、今日の、まさにこれ特許権のテーマの今日は委員会でございますけれども、このコロナウイルス感染症の関係もちょっとこの特許権のことが少し話題になっている案件があったんで、ちょっと私の方でも是非確認をしたいというふうに思っておるんですが、コロナワクチンの特許権、この保護の一時停止ということをして、特に貧しい国や地域の人たちにも安価にこれが確保できるようにというような議論が今国際社会の中で、特にアフリカなどの国々から上がっていて、アメリカがこれに支持をすると、特許権の一時停止ということについてですね、表明をされて、ヨーロッパなどは逆にこれについて慎重意見ということで、最近よく報道などでも見かけるような状況があります。
 今日、まさにこの特許権のテーマであったんで、是非ちょっとこれも関連してお伺いしたいと思うんですけれども、このワクチン特許権の保護の一時停止ということについて、なかなか報道で政府、日本政府の見解というものが見受けられなかったんですけれども、これ、政府としてはこの今の問題について何らかの見解を出されていたのかどうかということですね、これについてまずお伺いしたいと思います。

#30
○政府参考人(黒田淳一郎君) お答えを申し上げます。
 今委員御指摘のアメリカ政府による表明も含めまして、ワクチンの特許権などの一時免除などの措置が、知的財産の保護の観点や、あるいは先発製薬企業による協力も含めまして、どのようにワクチンの国際的な生産拡大及び公平なアクセス確保につながるのかという点につきまして、今まさにWTOを中心に国際的な議論が行われているところでございます。
 また、ワクチンにつきましては、その生産だけではなく資金面も含めた調達、分配というのが重要でございまして、国際的なワクチン調達メカニズムでありますCOVAXファシリティーへの貢献を含め、我が国として、途上国におけるワクチンへの公平なアクセスを確保し、各国におけるワクチン接種を加速していくための国際支援を行ってきているところでございます。
 私どもとしては、引き続き、米国を含め各国と緊密に連携をして、新型コロナウイルス感染症の一日も早い収束に向け、WTOにおいても建設的に協議に対応していきたいというふうに考えてございます。

#31
○森本真治君 これはちょっと、国内法、特許法、まさに今日の改正の審議でございますけれども、ちょっと国内法においてはどのようになっているのかということも確認をしたかったんですけれども、本来、これ知的財産の保護という大きな目的がある中で、この権利を一時的に停止をしようという例外規定ですけれども、これは特許法においてもそのような規定というのがあるんでしょうか。

#32
○政府参考人(小見山康二君) 緊急事態において特許権保護の一時停止が適用される場合については、特許法の九十三条に規定がございます。
 具体的に申し上げますと、特許発明の実施が公共の利益のために特に必要であるときは、その特許発明の実施をしようとする者は特許権者に対し通常実施権の許諾について協議を求めることができるということ、協議が成立せず、又は協議をすることができないときは経済産業大臣の裁定を請求できるということ、また、裁定をしようとするときは経済産業大臣は審議会の意見を聞かなければならないことなどが規定されてございます。

#33
○森本真治君 この一応例外規定というのは今の国内法でもあって、ある意味これは経産大臣がこれを発動するということだというふうに思うんですけれども、緊急事態においてということもありましたけれども、これ具体的にどういう場合にこの例外規定というか、を実施するのかというようなことというのは、ちょっと少し具体的な予見性という観点で何か示されているものはあるんですか。

#34
○政府参考人(小見山康二君) 先ほど申し上げましたとおり、特許法の規定に基づいて、経済産業大臣が審議会の意見を聞いた上で、発明を実施しようとする者に対して当該実施権を設定すべき旨の裁定を行うか否かを判断するという仕組みでございます。
 法律上、裁定の実体的基準というのは明記されてございませんが、裁定の請求を受けて、特許権が供給の制約要因になっているかなど具体的な状況を踏まえて、特許権者の意思にかかわらず、強制的に通常実施権を設定するということが国民の生命、身体の保護などの公共の利益のために特に必要かという観点から判断されることになるというふうに考えてございます。

#35
○森本真治君 ちょっとこれは、ごめんなさい、ちょっと通告きちんとしていなかったかもしれないんだけれども、実際に発動された場合、例えば、これ特許権者に対して当然これ経済的な、特許料を納めたりとか、そういうところがあるんだけれども、そこについての補償というか、そういうところの手続などについても事前にこれは規定はしておりますかね。

#36
○政府参考人(小見山康二君) 裁定を行う際に、裁定において定めなければならない事項というのがございまして、まずはその通常実施権を設定すべき範囲でありますけど、それと並んで対価の額及びその支払の方法及び時期というのも併せて裁定することになってございます。

#37
○森本真治君 今まさにこの今回のコロナ感染症の状況の中で、私権制限の議論とか緊急事態についての議論というのもちょっと国会の中でもいろいろ起きている状況もあろうかと思います。本当にこれからどのようなことが起きるか分からないような時代に入ってきて、例えば特許、たまたま今回特許法の改正案の審議ということもあって、国際的にもいろんな議論がありましたので、ちょっと私も今問題意識を持って今後、その辺り、やっぱりこれ知的財産という大変重たい権利に対してどうそこを制限掛けていくかということも、しっかりとやっぱり国民の中でそこの認識は持っていく必要もあるのかなということもありましたので、少し取り上げさせていただいたところでございました。
 それと、続いてなんですが、先ほど、ごめんなさい、続いてですけれども、まず、現在の特許の出願件数、まあ今回の改正の一つの現状説明の中でも説明を受けておるんですけれども、我が国におけるこの出願件数というものが若干減少しているんだという今現状の説明を受けております。
 そういう中で、手続の効率化ではないですけど、利便性の向上を図るなどによって対応しようということも今回の目的の一つだったと思うんですけれども、それと併せて、この特許というのは、件数というのは、一つは、我が国のこの知的財産のイノベーションの推進の指標というか、どこまでこの今我が国のこのイノベーションというものが進んでいるのかということはなかなか測りにくいんだけれども、特許の件数などが一つこれ参考になるのかなというふうにも思っておるんですが、そうすると、この出願件数が減少しているということはやはりイノベーション力が、今、少し推進という部分が停滞をしているのかということですね、そういうふうに取れるのか。ですから、これ、特許件数が増えればある程度やっぱりもう一度このイノベーションということが活性化しているというふうに考えていいのか、ちょっとその辺りの関係について御説明いただきたいと思います。

#38
○国務大臣(梶山弘志君) 委員御指摘のとおり、国内の特許出願件数は減少しております。しかしながら、その審査を経て登録される件数は横ばいなんですね。ですから、国内の出願人が特許出願を厳選をし、量から質への転換を進めたことによる影響が大きいと理解をしております。さらに、国内出願人によるPCT、国際特許出願の件数は、二〇一〇年の約三・二万件に比べて二〇二〇年には五・一万件とおよそ六〇%も増加をしており、グローバルな権利取得も進んでいるというのが現状であります。また、日本の対GDP当たりの特許出願件数は、現在でも韓国、中国に次ぐ第三位であり、欧米を大きく上回っております。特に、カーボンニュートラル関係技術であるCO2固定化技術に関する累積の出願数は、日本国籍の出願が二四・四%と世界一になっているところであります。
 以上により、日本の国内出願件数の減少が直ちにイノベーションの停滞を示しているとは考えていないものの、特許権の適切な取得と活用は日本の産業競争力の源であり、今後より多くのイノベーションが創出され、国内でもより多くの特許出願が更になされるように、引き続き魅力的な制度の整備と適切な権利付与に尽力をしてまいりたいと思っておりますし、研究開発の環境整備というものも経済産業省としては非常に重要なものであると考えております。

#39
○森本真治君 まあ一概に、件数が減っているとかですね、承認される件数が、もし、今横ばいということでしたけれども、減っても、それとイノベーションが停滞しているということは直接的な因果関係ではないというような話ではあったかなというふうに思うんですけれども。
 ただ、しっかりと、やっぱり新たなこの知的財産ですね、新たなイノベーションというものが、今後しっかりとこれが更に次の段階として実用化とか商品化とか、そういうふうにつながってということで、これは連続的なもので、その一番スタートのところがこの発明だったりという部分だと思うんで、そこはしっかりとその指標の中での特許のところというのはそれなりに重きを置かなければいけないのかなというふうにも思います。
 それで、この特許の出願の中でも、先ほど加田委員もちょっと言及をされておったんですけれども、特にやっぱり、これは政治的にというか、行政として後押しをするのは、この産業の分野、やはり中小とか小規模とか、そういう部分の人たちにもっともっと成長してもらうというところは特に特化する必要も私もあろうかというふうに思っておるんですね。
 その中で、中小企業の特許出願件数というのは、先ほどちょっと加田委員が御説明されたんでしたね、伺いました。全体の事業者の数としては圧倒的にあるけれども、特許の割合としては一六%ぐらいと言われていたというふうに思うんで、やっぱりここをもっともっと増やしていくということは、これは政策的には大事なのかなというふうにも思うんですけれども、その今の現状、先ほどもちょっと御答弁もいただいたと思うんですけれども、繰り返しで恐縮ですが、現状認識と、あとはそこをどう増やしていくか、応援していくかということですね、今後更に、その辺りについてのお考え、御答弁いただきたいと思います。

#40
○政府参考人(小見山康二君) まず、中小企業に関して、出願数でございますとか出願の割合は増加傾向にあるという認識でございまして、具体的に申し上げますと、二〇一五年から二〇一九年までの五年間でございますが、特許の出願件数は三万六千件から四万件に、特許出願における中小企業の割合は一三・九%から一六・一%に増加しているということでございます。
 特許庁では、中小企業の権利取得、活用などの支援行っているところでございますが、具体的には、まず、特許関係料金のうち審査請求料、一年目から十年目までの特許料、国際関係の出願手数料を原則半額とする料金の減免制度と、これに加えて、弁護士、弁理士などの専門家に知財に関する各種相談を無料で行うことが可能な知財総合支援窓口、これ全国四十七都道府県に設置していると、こういうことを行っているところでございます。
 これらの施策の直近二〇一九年度の利用実績でございますが、審査請求料の減免の適用件数は約四万件、相談窓口における相談件数は約十一万件でございまして、中小企業からの出願割合の増加に一定の貢献は行っているのではないかというふうに考えているところでございます。
 先ほど御説明申し上げたところでございますが、今回の料金体系の見直しに当たっても、減免制度や各種支援施策は維持する方針ということでございますので、引き続き知財の観点から中小企業に対してしっかり支援を行っていきたいと、このように考えてございます。

#41
○森本真治君 件数については確実に増えてもいるというようなことでございましたので、更にこれがどんどんと、やっぱり中小企業・小規模事業の皆さんがもっともっと活躍をしていくというか、そういうような環境を更につくっていっていただきたい、そのことも併せてお伝えをしたいというふうに思います。
 そういう観点もあるんですけれども、今やっぱり中小企業の活躍をどうしてもらうかということで、この次の法案も、産業競争力強化法もある意味でそういう中小企業をどう応援していくかということも含まれていると思って引き続きの議論もしていきたいんだけれども、やっぱり一つ課題となるのが適正な、公正な取引環境ということですね。これは経産省さんも当然問題意識持っていらっしゃることだと思うんですけれども、その辺りをしっかりと引き続き、この大企業と中小企業との取引関係ですね、ここの部分についてはやはり公正な、頑張った部分がしっかりと公正に評価される環境をこの取引慣行の中でも進めていかなければならないというふうにも思います。
 当然、これは知財取引の関係においても、やっぱりそこで弱い立場というか、中小・小規模事業者の皆さんというのは、大企業の皆さんとの関係の中でやっぱり泣き寝入りをしているような状況も実際あるんではないかというふうに思うわけでございますけれども、その辺りのこの大企業と中小企業の適正な知財取引という部分について、その現状認識、また、しっかりとそれを進めていくためにどのようなことを今後引き続きやっていかなければならないのかということについての経産省の見解を聞きたいと思います。

#42
○政府参考人(奈須野太君) お答えを申し上げます。
 中小企業庁では、知的財産に関わる不適正な取引慣行に対応するため、有識者、それから公正取引委員会など関係省庁を交えた知的財産取引検討会を開催して、問題事例の把握や課題の洗い出しなどを進めて、本年三月に報告書の取りまとめを行っております。
 これを踏まえまして、相手方に帰属する知的財産権について、無償譲渡を強要しないことなどを示したガイドラインや知的財産権などの取扱いに関する契約書のひな形を策定すること、それから、そのガイドラインに基づき取引を行うことの下請振興法に基づく振興基準への反映、そして全国百二十名の下請Gメンによる取引実態の把握及び問題事例に関する業所管省庁への指導、助言の要請などを進めております。
 さらに、今後は、この振興基準を活用して、業界ごとに、現在十六業種四十九団体で策定しておりますけれども、取引適正化のための自主行動計画や、それから一千社以上の大企業が参加いただいているパートナーシップ構築宣言、こういったものがあるんですけれども、こういった仕組みを通じて、大企業、親事業者の適正な取引を促してまいりたいというふうに考えております。

#43
○森本真治君 実際にやはり不適切な事例というのもやっぱり把握はされておるわけですか。ちょっとそこら辺具体的に、やっぱり結構な数というものがあるのかどうかとか、ちょっとその辺り、少し補足で御説明もしできるんであればお願いしたいと思います。

#44
○政府参考人(奈須野太君) ちょっと今直ちには具体的に何件問題事例があるかということについては、ちょっと手元に数字はないわけですけれども、今回、ガイドラインの中でどこがセーフでどこがアウトかというところの線引きがある程度できているところもあるかと思いますので、こういったそのガイドラインなんかも参照しながら、私どもで持っている下請Gメンなどを通じて、そういった問題事例の洗い出しをしっかりやって、それを業所管省庁を通じて改善を指導する、あるいは、独禁法上問題がある事例というのも当然ございますので、そういったものについては公正取引委員会を通じて措置を請求していくと、そういった流れになろうかと思います。

#45
○森本真治君 ちょっとごめんなさい、素人的でなかなか私分からないところがあるんだけれども、事前にお話も伺ったりもしましたし、下請Gメンというものがあって、公正な取引というものを、しっかりとそこを強化してチェックをしていくということの取組は認識しておりまして、これ、全ての取引というか、例えば工事の発注とかもそうですし、あとはこの知財取引とか、取引もいろいろあるじゃないですか。
 そうすると、特にこの知財取引というのは、知的財産というのは相当これ専門的なものもあるのかなというふうにも思ったりして、これは取引だけではなくて、一つの会社の中でも、発明した、研究開発をした人のところがちょっと争ったりということもあるように、なかなかこの評価というのが、知的財産の場合は額にするとなかなか評価もしづらいのかなと思ったりもして、だから、そこら辺はやっぱりこの下請Gメンの皆さんなんかの専門性もちょっと問われてくるのかなというふうにも思うんですけれども。
 その辺り、特にこの知財取引の分野の下請Gメンの皆さんの役割ということで、専門性の強化とか、そこも必要になってくるかと思うんですけれども、その辺りは、研修とかそういうことも含めていろいろやっぱりやっていらっしゃるかどうかということなんですけど。

#46
○政府参考人(奈須野太君) 私どもで用意しております下請Gメンは、従来は通常の手形であるとか下請取引の適正化ということだったんですけれども、今先生御指摘になったような知財関連の不適正な取引というものが最近クローズアップされてきたということで、これを専門に担当する職員というものも雇ってきてというか、雇ってきて、あるいは既存の職員に対して研修を行って、こういった分野に対する知見も、徐々にではありますけれども、深めているというところでございます。
 それから、全国に、都道府県ごとにあります下請かけこみ寺、こういったところは、知財なんかもお詳しい弁護士などの協力を仰いで、取引事例が独禁法上問題になり得るか、知財法上どうであるかと、こういったことに対する知見もございますし、あるいは、よろず支援拠点においても、こういった知財部分の相談に応じられるような体制を近年増強しているというところでございます。

#47
○委員長(有田芳生君) 森本さん、時間ですので、おまとめください。

#48
○森本真治君 はい。
 ありがとうございます。
 ちょっともう時間になりましたので終わりたいと思います。具体的な今回の法改正の中のデジタル化のところとか確認したいところもありましたが、ちょっと時間がもうなくなってしまいまして、また気になるところは別途直接もうお伺いしたいと思いますので、引き続きよろしくお願いします。
 終わります。

#49
○里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 私からも、法案の質問に入る前に、一問だけ新型コロナ感染症対策の関連で質問させていただきます。
 緊急事態宣言、また、まん延防止等重点措置、昨日十二日から延長、また新規追加となっております。延長前から経済社会活動面で様々な影響が出ておりますけれども、特にイベント関連の制限による影響、大変大きくございます。イベント関連の事業者への支援として、経済産業省では、J―LODliveの補助金、これを拡充ということで今進めていただく準備を進めていただいております。また、先週五月六日から、この交付決定をされた補助金を担保としたつなぎ融資、この受付も開始をいただいております。こうした補助金、つなぎ融資によりどのような支援を受けることが可能なのか、具体的にここでお示しをいただきたいと思います。
 また、私も、地元愛知県でございますけれども、様々文化芸術関係の団体からお問合せをいただいております。ホームページを見ても説明が何十ページにもわたっていて、どこがポイントなのかと。あるいは、これ、電子申請で二十四時間対応いただけるというのは非常に有り難いんですが、なかなか不慣れな方も多く、直接電話で相談ができないのかといった御相談もいただいております。これ、書類作成面でも様々な資料を用意すると、非常に苦労されている方が多くございます。そういった面での手続面でも親切な、まさに伴走型といいますか、寄り添った対応をお願いしたいと思います。
 先ほどの内容面、そして手続面での工夫についてしっかりと御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

#50
○副大臣(江島潔君) 経産省といたしましては、今年一月以降の緊急事態宣言等に伴うイベントの開催中止、制限によりまして音楽コンサートあるいは演劇等のイベントが中止や延期になった場合には、発生してしまう会場費等のキャンセル料に対する支援を行ってきております。
 また、今般、改めてまた緊急事態宣言の発令がありまして、それによりこのイベントを中止した場合には、先ほど申し上げましたキャンセル料に加えまして、公演の主催者における固定費のうち公演開催に関連する費用、例えば人件費とか事務所費等も含めてでございます、これらも新たに補助対象としたところであります。
 また、事業者の資金繰りを支援するために、このJ―LODlive補助金の交付決定を受けた事業者が、交付決定をされたという補助金を電子記録債権化をいたしまして、これを担保として金融機関に譲渡することでつなぎ融資を受けやすくする制度、これを創設をしているところでございます。
 また、御示しされました申請受付の件でありますけれども、感染拡大防止の観点からもオンラインで行っていただくということにしておりますが、なるべく簡便な手続になるように、事業者のニーズを踏まえて柔軟に対応しているところであります。さらに、事務局においてマニュアル類の整備、それから個別相談会も実施をして、適切に対応させていただきたいと思います。
 このネット申請というのは、やはり、特に伝統芸能等に取り組んでいる方、御年配の方で余りネットと無縁の方も大勢いらっしゃるんじゃないかと思います。そういう方がいきなりネットでやれというのは大変それは無理なことでありますので、なるべく丁寧に、委員御指摘のような寄り添った形での相談というのも是非実現をしていきたいというふうに思います。
 イベント関連の事業者が置かれたそれぞれの状況や要望を丁寧に把握をしながら、きめ細かく対応していきたいと考えます。

#51
○里見隆治君 まさに今、江島副大臣おっしゃったとおり、私も実は古典芸能の方からの御相談だったわけでありまして、オンラインで詰まった場合の相談、これがまた更に詰まっているというようなこともありまして、そうした直接の電話による相談、窓口での相談等にも注力をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、法案の審議、質疑に入ってまいります。
 今回の法案の改正内容に料金体系の見直しが含まれております。料金を引き上げてくるとなりますと、その必要については、国民の皆様、利用者の皆様に十分な説明責任を果たしていただく必要がございます。その必要性をまたここでも概括的にお示しいただきたいと思います。また、最近の特別会計、特許特別会計の財政状況などもその背景として皆さんに丁寧に御説明いただく必要があると思います。近年の業務の変化など、その背景含めてお示しいただきたいと思います。

#52
○政府参考人(糟谷敏秀君) 特許特別会計は、特許料金等を原資といたしまして、収支相償で運営をしておるものでございます。特許料金等は収支状況に応じて見直しを行っておりまして、直近では、平成二十年、二〇〇八年以降三回にわたって引下げを行い、収支均衡を図ってまいったところであります。
 しかし、近年、中国を始めとする海外の特許文献の急増によりまして審査負担が増加するなど、定常的に必要となる経費が増加をいたしております。また、平成二十五年度、二〇一三年度から実施をしております情報システムの大規模刷新ですとか、平成二十九年度、二〇一七年度から実施をしている庁舎の改修によりまして、これアスベスト除去でありますけれども、投資的な経費も増加をしておるところでございます。これらの影響によりまして、平成二十六年度、二〇一四年度以降、特許特別会計は毎年連続して赤字決算となり、財政状況が逼迫している状況にございます。さらに、直近では新型コロナを踏まえた更なるデジタル化の推進など、追加的な投資の必要性も生じてございます。
 このため、知財制度を安定的に運用する観点から、歳出の徹底的な見直しに加えまして、今般、料金体系の見直しによる歳入増を図る必要があるというふうに判断をしたところでございます。

#53
○里見隆治君 今、システム化、あるいはデジタル化という話ございました。もちろん、これ重要な話であり、コロナを機にしっかり進めていただく必要があると思います。これ、一時的な投資は確かに増えるということでありますが、これ中長期的には全体の費用を低減させていくというものでなければなりません。そういう意味で、歳出削減の努力というものと併せてでなければ国民の皆さんの理解を得られないと思います。
 現在法定されている特許料、また登録料について、これを今後は法律で上限を定めて、そして政令で委ねていくということになりますと、これは一旦政府に委ねられるわけでありますが、しっかりと国会も監視し、また国民の皆様にもその分説明責任を果たしていただく必要があると思います。
 そうしたことも含めて、今後のその特許、この事業運営の在り方という大きな立場に立って大臣の御見解を伺いたいと思います。

#54
○国務大臣(梶山弘志君) 今回の料金体系の見直しをお願いする前提として、歳出削減の徹底に取り組んでおります。令和三年度予算では、対前年度で八十七億円、五・三%の予算削減を行ったところであります。具体的には、特許審査における先行技術文献調査の外注費など審査関係経費の削減、運用サポート体制の見直し等情報システム予算の削減、独立行政法人工業所有権情報・研修館への交付金の削減、この三点で合わせて五十四億円の削減となっております。
 他方で、制度利用者からは審査の質やスピード、政策支援の維持や充実を求める声もあることを踏まえれば、審査の質や支援事業を犠牲にするようなコストカットは適当ではないと考えておりまして、このため、歳出削減をしてなお不足する財源につきましては受益者たる利用者に一定の御負担をお願いをしたいと考えております。
 特許庁としては、引き続き歳出削減を徹底していくことに加えて、財政運営の透明性、客観性を確保するために情報開示を充実させるとともに、産業構造審議会の下に財政点検小委員会を設置をして外部有識者による客観的な点検を定期的に行ってまいる予定であります。

#55
○里見隆治君 今大臣おっしゃっていただいたとおり、これは単に削ればいいというものでもないと思います。しっかりとその料金に見合ったサービスが、質が担保され提供されるということが、知財という社会的なこのインフラを整備するという意味で重要だと思います。そういった意味で、コストカットしつつしっかりと質も確保していくと、両面御配慮いただきながら運営をお進めいただきますようお願いいたします。
 次に、中小企業、またベンチャー支援についてお伺いをいたします。
 先ほど来、料金減免については、これを維持される方向ということで御答弁をいただいておりますので、そのことについてはおいておいて、中小企業はなかなか、まあ大企業であれば知財関係の専門の部署があり対応いただけるということですが、そうした人材を持たない中小企業、また、特にこれから事業を始めようとされているベンチャーにつきまして、国内外、特に海外に進出しようと、これはもう我々、国の方針としてそれを後押ししようということで、経産省、またジェトロ等でも後押しをいただいておりますけれども、これがまた更に今後展開を、海外への展開ということが増加するとなりますと、知財訴訟、非常にこれは国によってもまちまちかと思いますけれども、巻き込まれるおそれもあると。それが海外展開のネックになってはならないというふうに考えております。
 こうした中小企業の相談に対する対応、これについての対応状況を教えていただきたいと思います。

#56
○政府参考人(小見山康二君) 先ほども御説明申し上げましたが、どなたでも身近に相談できる場所として、まず知財総合支援窓口を全国四十七都道府県に設置し、知財について弁理士、弁護士などの専門家への相談が無料でできる体制というのを整備しているところでございます。
 その上で、海外展開を図る中小企業に対しては、まず、外国の知財制度の情報提供でございますとか外国への出願支援というのを行っておりますが、委員御指摘の海外での知財紛争への備えというものを支援するために、海外で係争に巻き込まれた場合の弁護士等への相談費用や訴訟費用、海外での訴訟、知財訴訟費用に係る弁護士費用等を賄う保険の掛金の一部について補助を行っているところでございます。
 引き続き、知財の観点からも中小企業に対してしっかりと支援を行ってまいりたいと考えてございます。

#57
○里見隆治君 今御答弁いただいた中で、海外知財訴訟に関する費用の保険制度を御用意いただいていると。
 これ、事前にその実施状況等を伺ったんですが、なかなか低調であるということであります。これは保険制度ですから、いざというときのために広く薄く入っていただいた方が保険制度としても成り立ち得ると、より機能するということだと思います。
 今の現状においての実績と、また、それがなぜ低調であるのか、今後どのような促進策を図っていかれるのか、お示しいただきたいと思います。

#58
○政府参考人(小見山康二君) 委員御指摘の件でございますが、例えば中国における知財の民事訴訟件数、この十年で約十三倍に増加するということでございまして、御指摘のとおり、海外における知財係争の増加に伴って日本企業が巻き込まれるリスクは高まっているということでございまして、海外知財訴訟費用保険事業という名前で、海外での知財訴訟費用に係る弁護士費用を賄う保険の掛金について、初年度二分の一などの補助を行っているところでございます。お尋ねの実績でございますが、過去五年の累計で百二十二件の支援を行ったところでございます。
 委員御指摘のとおり、本事業は更なる活用の余地があるというふうに考えておりますが、周知度が低いということが課題ではないかというふうに考えておりまして、例えば、全国中小企業団体中央会でございますとか日商の会員なんかに対するセミナーの開催でございますとか、日商の機関誌への広告の掲載でございますとか、本制度のパンフレットの配布などを行っているところでございます。今後とも、本事業の利用を促進するために中小企業に対する周知、積極的に行ってまいりたいと考えてございます。

#59
○里見隆治君 周知がまだまだ足りないということであります。我々も、相談がある場合にはお伝えしたいと思います。行政としてもしっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。
 今、訴訟リスクの話が出ましたが、これはやはり日本だけではなくて海外、これ特許というのは、世界、地球全体を包むインフラだと思いますので、とはいえ制度はそれぞれの国が持っているという、その違いの中で我々経済活動を進めなければならない。海外によっては非常に、これから質問する懲罰的賠償制度についても関わってきますが、賠償額が、実際に与えた損害以上、その何倍もの賠償が請求できるのかどうか、それは国それぞれの違いがあろうかと思います。
 そういう意味で、国内の今申し上げた懲罰的賠償制度、これ、いただいている資料をそのまま引用します。もう御存じの方はたくさんいらっしゃると思いますけれども、悪性の強い行為をした加害者に対し、実際に生じた損害の賠償に加えて、更に賠償金の支払を命ずることにより、加害者に制裁を加え、かつ将来における同様の行為を抑止しようとする制度ということだと聞いております。
 この懲罰的賠償制度については、二年前の本委員会での特許法改正案の附帯決議においても、海外の動向を注視し、引き続き検討すると。なかなか大きい課題ですので、すぐに結論を出すのは難しいということであろうかと思いますが、その後の検討状況、これは海外の動向も注視しということですので、まず、その海外についてどのような調査をされたのか、その動向について伺いたいと思います。

#60
○政府参考人(糟谷敏秀君) 令和元年の改正時の附帯決議を頂戴いたしまして、産業構造審議会で検討する中で海外の動向について最新の状況を調査をいたしております。
 懲罰的賠償制度を導入しているのは、米国、韓国、中国などでございます。このうち韓国は、二〇一九年七月に知的財産法分野に導入をされましたが、適用された例はないと承知をしております。中国は本年六月の施行予定でございます。米国、韓国については実際の損害の三倍まで、中国については五倍までの賠償を認めるという制度でございます。これらの国においては、いずれも懲罰的賠償制度は知的財産法以外の分野にも導入をされております。
 一方で、ヨーロッパでございますが、英国では判例法により懲罰的賠償が適用可能ではあるものの、名誉毀損や公務員の憲法違反などに限られておりまして、特許権侵害への適用例はございません。ドイツやフランスでは懲罰的賠償制度はないものと承知をしております。

#61
○里見隆治君 海外についての動向、今お伺いしました。その上で、本委員会としても附帯決議をしておりましたその後の検討状況、また、今後、それを受けてどうされる方向か、お示しいただきたいと思います。

#62
○政府参考人(糟谷敏秀君) 産業構造審議会の特許制度小委員会を開催をいたしまして、懲罰的賠償制度について検討を行ったところでございます。その中では、導入に賛成する意見があった一方で、近年の裁判例のように高額の損害賠償が定着するなら必要ないという意見ですとか、生命侵害でも認められないのに特許権侵害について認めるのは困難ではないかという御意見、また、海外の高額な懲罰的賠償の判決を日本で執行しなければいけなくなるのではないかなど否定的な意見が多うございまして、成案が得られなかったところでございます。
 我が国の損害賠償制度は、実際に生じた損害を賠償することが基本原則でございまして、加害者に対して制裁を科したり、将来の同様の行為を抑止することは、刑事上及び行政上の制裁に委ねられております。このため、懲罰的賠償制度については、特許法のみならず、日本の法体系全般も視野に入れた多面的な検討も必要になると考えているところでございます。
 いずれにしましても、懲罰的賠償制度につきましては、今後の裁判の動向など、知財に関する情勢を見ながら引き続き議論を行うこととしたいと考えております。

#63
○里見隆治君 非常に難しい課題だと思います。また、今お話しのとおり、これ、特許法だけではなくて、この損害賠償という全体の体系の中で、民法だけで措置できない、行政上、また刑法上措置するべきだという整理の中でですから、特許だけが突出できないというのも理解できます。
 経済界からの一部の意見で、もうなかなか結論が出ないのでちょっとアジェンダとして外すべきじゃないかというような御意見があったということも伺っておりますけれども、これ、結論が出ないからやめるということではなくて、いろいろ海外の動向、これ、世界つながっているわけですから、海外の動向、また日本の国内の損害賠償に対する制度の検討状況と、そうしたものを踏まえながら、課題としてはしっかり持って認識をしつつ、引き続きの御検討が必要ではないかなというふうに思っております。よろしくお願いいたします。
 続きまして、ちょっと通告していたもの、一問飛ばしますけれども、模倣品対策についてお伺いをしたいと思います。
 最近、ネット等の電子商取引の発展などで、海外の事業者が国内の個人に直接模倣品を販売、送付するといった事例が、したがって、なかなか契約自体見えないという、そういう中での取引が増えていると承知しております。
 現行法では、個人使用目的であると税関で没収等ができないと。したがって、今回の法改正で海外の事業者の行為を商標法やあるいは意匠法において新たに権利侵害行為として位置付け、そしてこの模倣品流入に対する規制を強化する、それが今回の目的だというふうに聞いております。
 ちょっと時間がなくなりましたので、これ特許庁にお伺いしようと思ったんですが、これに対しての、これによる、法改正による税関における業務、これも大きな影響出てくるかと思います。この税関でどのような影響を受けるのか、この改正後の取扱いについて財務省にお伺いしたいと思います。

#64
○政府参考人(小宮義之君) お答え申し上げます。
 税関におきましては、知的財産侵害のおそれがあると思われる物品を発見した場合、関税法六十九条の十二の規定に基づきまして、当該物品が知的財産侵害物品であるか否かを認定するための手続を開始いたしまして、輸入者及び権利者に対して意見及び証拠の提出等を求めることになります。
 このような中で、今般の商標法等の改正によりまして、海外事業者から送付されてくる模倣品が新たに取締り対象として追加されることに伴いまして、税関での認定手続におきまして、海外から模倣品を送付した者が事業者であるか否か等を確認することを始めといたしまして、追加の業務が発生することが見込まれてございます。
 税関におきましては、過去の通関実績や事前情報なども活用しながら適切な執行体制を確保し、知的財産侵害物品の取締りに万全を期してまいりたいと考えてございます。

#65
○里見隆治君 今、税関の実務にどのような影響がということをお伺いしましたが、そもそも、これまで、たしか先月、三月に、令和二年の税関における知的財産侵害物品の差止め状況ということも取りまとめ、報告をされ、ホームページにもアップされておりました。
 現在における税関での模倣品の輸入の差止めなどの取締りの状況について、併せてお示しいただきたいと思います。

#66
○政府参考人(小宮義之君) お答え申し上げます。
 令和二年の税関におきます知的財産侵害物品の輸入差止め件数でございますけれども、その大宗を占める商標権侵害物品を中心に、全体としては三万三百五件と、三年ぶりに三万件を超えている状況にございます。
 また、具体的な品目別で見ますと、商標権を侵害する偽ブランド品を中心に、バッグ類、衣類、時計類の差止めが全体の約七割を占めてございます。このほか、意匠権を侵害するイヤホンや、特許権を侵害するスマートフォンのグリップスタンド等の差止めも増加している状況にございます。

#67
○里見隆治君 今お話があったとおり、差止め件数、これは前年比で二六・六%増の三万三百五件と、これ三年ぶりに三万を超えたということであります。非常にこの件数も増えている中で、ますます、せっかく法律を作って、そしてこれが運用、実施をされなければ、我々利益を損失すると、国益を損失するということもあります。また、民間での経済活動が保全されないということもあろうかと思います。
 そうした意味で、今日、配付資料で、税関定員の推移、これ全体にわたるものでありますが、お配りをして共有させていただきたいと思いまして配付させていただきました。
 これ、平成二十二年を一〇〇として、輸入許可件数は三五三・七ですから三・五倍に増えている中で、税関定員は一一三・四と。定員自体は、これ国の行政機構の定員管理の中で相当全体が圧縮されている中では、実は税関は頑張って増員いただいているということでありますが、それでも、この輸入許可件数から比べると、相当な一人当たりの、定員一人当たりの負荷の増大になっているんではないかなというふうに思います。
 もちろん、これ許可件数に比例して人数を増やすということは現実的ではありませんので、AI、IT、デジタル化、システム化等との合わせ技で今後対応していかないといけないというふうに思いますけれども、この今回の商標法等の改正を適切に対応できるようにという観点からも、税関において業務の効率化も含めて体制強化、これを進めていただかなければなりません。
 この税関職員増員の体制強化、総論として、この税関職員の定員増強、体制強化について政府の御見解をいただきたいと思います。財務省からお願いしたいと思います。

#68
○大臣政務官(船橋利実君) お答えいたします。
 委員御指摘をいただきましたとおり、年々輸入件数は増えてきてございます。特にここ数年はネットを利用した個人の方による輸入件数というものが急増している状況なども踏まえまして、税関におきましては、業務の効率化というものを進めるとともに、可能な限り定員を確保することによりまして業務の適正な執行を図っていくことが重要であるというふうに考えてございます。
 このような中、税関の定員につきましては、人員の適正配置を行いつつ、定員確保を行ってきてございまして、本年度におきましては、七年連続で三桁の純増となる百五十人の純増を確保させていただきました。
 また、業務の効率化につきましては、常日頃から業務改善を徹底をしていくということに加えまして、国内外の関係機関との情報交換、エックス線検査装置や、不正薬物・爆発物探知装置などの機器の活用、情報を基にいたしました密輸リスクに応じためり張りのある検査、AIを活用いたしましたエックス線検査支援機能などの先端技術の導入などにも取り組んできてございます。
 今後とも、定員の確保や税関業務の効率化に取り組みつつ、委員御指摘の知的財産権侵害物品に対する取締り体制の構築も含め、必要な体制整備に努めてまいりたいと存じます。

#69
○里見隆治君 よろしくお願いいたします。
 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

#70
○石井章君 日本維新の会、石井章です。
 通告に従いまして御質問したいと思います。
 まず、二〇一九年に改正された特許法は一部を除いて昨年の四月より施行されておりますが、施行後の状況についてまず質問したいと思います。
 前回の特許法改正では、特許訴訟制度の見直しとして、中立的な技術専門家が現地調査を行う査証制度が創設されました。また、損害賠償額の認定に際してライセンス料相当額が認定できることなどが措置されております。また、意匠法改正では、物品に記録されていない画像や建築物の外装、内装デザインなど保護対象が拡充されたほか、意匠権の存続期間を出願日から二十五年に延長されております。
 これらの主な改正項目に関して、それぞれ現在までの運用状況と効果について御説明いただきたいと思います。大臣の方からお願いします。

#71
○国務大臣(梶山弘志君) 委員御指摘のように、二〇一九年の特許法改正におきましては、査証制度の導入、損害賠償規定の見直し、意匠権の保護対象の拡充等を措置をいたしました。
 まず、査証制度は、特許権侵害訴訟において侵害の有無を判断することは容易ではない場合もあることから、中立的な専門家に被疑侵害者の工場等で証拠収集をさせることで証拠収集の実効性を高めるものであります。
 査証制度は二〇二〇年十月一日に施行されたばかりであり、まだ査証実施に至った案件はないと聞いております。裁判所は査証手続の運用に関するQアンドAを作成し、公開をしております。その中で具体的な手続を明確にするなど、適切な運用が図られているものと承知をしております。
 次に、二〇一九年の改正により損害賠償規定を見直し、賠償額が高く算定されるよう、権利者のライセンス交渉の機会が奪われたこと等を考慮して裁判所が賠償額を算定できることを明らかにしました。損害賠償額については、裁判例においても、本改正により明確化された規定と同様の算定方法を採用し、従来より高額な損害賠償を命じた判決が出されております。
 また、意匠に関しましては、意匠権の存続期間を登録の日から二十年から出願の日から二十五年に延長したことに加えて、壁などに投影される画像のデザイン、建築物のデザイン及び内装のデザインなどを新たに意匠登録できるようにいたしました。昨年度末までに、画像のデザインについて約千件、建築物のデザインについて約三百五十件、内装のデザインについては約二百件新たに出願がなされ、権利が長期化されたことについて制度利用者から高く評価をされていると認識をしております。
 二〇一九年改正法が施行されて間もないこともあり、現時点では特段の課題は見当たっていませんけれども、今後も必要に応じて適切な見直しを行ってまいりたいと考えております。

#72
○石井章君 ありがとうございました。
 続きましては、特別会計の財政運営について佐藤政務官に質問しますけれども、今回の特許法改正案では、一番関心が、最も関心の高い項目は、特許等の上限の引上げを含む料金体系の見直しではないかと考えております。特に、二〇一四年から六年連続で赤字となっておりまして、剰余金は二〇一三年度の二千百六十三億円から二〇二一年度には二百七十六億円まで落ち込んでいるという数字が出ております。
 この原因とすれば、産業構造審議会知的財産分科会に置かれた基本問題小委員会の報告書では、二〇〇八年、二〇一一年、二〇一六年と三度にわたる特許料等の値下げにより歳入が定常経費程度に抑制されたこと、そして、リーマン・ショック時に出願の件数が減少されてそれが加速して、その後それが続いているということ、また、海外を見れば、中国を始め海外の特許文献の急増による審査負担の増加、二〇一三年三月に作成された新たな最適化計画に基づく新システムの刷新や庁舎の改修による歳出増などが指摘されております。
 これまで一般会計に依存したことのないとされている剰余金が底をついた場合にこれをどのように補っていくのか、どのような対応を取っていくのか、そして、これユーザーにとってどのような影響が出るのかを御答弁お願いします。
 また、料金の見直しについては、それを行う必要があるのかどうか。さらに、料金の値上げについて、徹底した歳出削減と料金設定の考え方の明確化、透明性の確保が重要と考えておりますけれども、いかがか、御答弁お願いします。

#73
○大臣政務官(佐藤啓君) 特許特別会計に関する法律によりまして、特許特別会計は年度をまたぐ借入れというのは認められておりません。したがいまして、御指摘ありましたように、歳出が歳入を上回る予算というのは編成できませんで、仮に剰余金が底をついた場合には単年度の歳入の範囲内に収まるように大幅な歳出の削減を行わざるを得ないと、そういった仕組みになっております。
 この場合、現行の特許庁の各種支援策ですとか審査業務等の質を維持することが難しくなりまして、例えば中小企業への支援の縮小ですとか、また外注事業の縮小を通じた審査の遅延といった、こういった影響がユーザーに生じる可能性がございます。
 こうしたことがございますので、やはり知財制度を安定的に運用するという観点から、早期に財政基盤を安定させることが不可欠でございまして、歳出の徹底的な見直し、今御指摘いただきました、今般、料金体系の見直しによる歳入増を行う必要があると判断したところでございます。
 いつまでということでありますけれども、各料金の具体的な金額は本法案の成立後に政令で定めるということになっておりますが、政令制定後には一定の周知期間が必要でありますので、実際の値上げの時期は来年度を想定しているところでございます。
 そして、歳出削減に関してはかねてよりしっかり取り組んでいまして、令和三年度予算においては対前年度で八十七億円、五・三%の予算削減を行っております。そして、今回の法改正においては、特許庁が手数料を負担している印紙予納を廃止するということに加えまして、大企業並みの出願を行う中小企業等への料金軽減措置の適正化などを進めているところでございます。
 委員御指摘の透明性の確保についても、特許庁で開催した基本問題小委員会においても、特許特別会計の財政運営の状況について、より充実した情報公開や透明性の確保、定期的な検証が必要であるとの指摘をいただいておりますので、こういった意見をしっかりと踏まえまして、産業構造審議会知的財産分科会の下に財政点検小委員会というものを新たに設けまして、外部の有識者により財政状況を定期的に点検をしていただきたいというふうに思っているところでございます。
 具体的な料金の設定については、この委員会におきましてしっかりと点検をいただいた上で、またユーザーの御意見も伺いながらしっかりと決めてまいります。

#74
○石井章君 ありがとうございます。
 続いて、また印紙について佐藤政務官にお伺いします。
 本改正案では、特許印紙による予納を廃止するということになっております。特許印紙収入は、印紙の額面から、額面の金額から日本郵政の手数料三・三%が控除されると、最もコストが掛かる支払手段であるとされております。私は、特許印紙による予納を廃止することは、特許特別会計の収支を改善させるという観点から評価すべきと考えております。
 そこで、予納における特許印紙が廃止されることとなりますけれども、予納以外の特許庁の窓口や郵送での手段における支払手段はこれ存続するのかどうか、一点。
 それから、予納以外の特許印紙による支払は二〇一九年度では約三十五億円となっておりまして、日本郵政への売りさばきの手数料として三・三%を乗じると約一億円の手数料が生じております。予納を手数料負担などのために廃止するのであれば、併せて特許印紙自体を廃止することも検討する必要があるのではないかと思いますが、佐藤政務官、御答弁お願いします。

#75
○大臣政務官(佐藤啓君) 特許印紙は、予納と、それから手続書面への貼付けという二つのパターンがあるわけでありますけれども、今回の改正では、印紙による支払額の九五%超を占めますこの予納での印紙の利用は廃止することとしております。
 一方で、手続書面への貼付けに用いる印紙については当面維持することが適当であると考えております。これは、窓口や郵送による書面手続は、特許出願等の手続を行う頻度が少ない中小企業の方々や、また個人が利用するというケースが大半でありまして、これらの方々にはオンライン手続に不慣れな方もいらっしゃるということで、当面の間は書面手続に限って特許印紙による支払を維持することがユーザーの利便性の観点から適当であると考えております。
 一方で、特許庁では従来より、ユーザーの利便性向上に向けて、口座振替納付であったりクレジットカードの納付など、支払手段の充実、多様化を図っております。
 今後も、支払手段の利用状況やニーズを踏まえて、利用者の方の利便性を最優先に、またその在り方についても継続的に検討していきたいと思っております。

#76
○石井章君 丁寧な御答弁、ありがとうございます。
 今、クレジットカードの話出ました。特許料等の支払手段は、特許の印紙以外にも口座振替あるいはクレジットカードによる支払などがあります。それぞれの手数料については、例えば口座振替の場合には一件当たり十一円の手数料が生じます。クレジットカードによる支払の場合には、決済金額の二・一三%のカード会社への支払の手数料が、加えて、カード会社、特許庁間の口座振替手数料が一件当たり十一円生じるとされております。
 これらを考えて、特許印紙による予納額は二〇一九年度で約九百十八億円ありました。特許印紙による予納を廃止した場合に、どういった支払手段にどの程度の金額が変わるものと考えているのか、その場合、手数料の削減効果について想定しているのか、どの程度想定しているのか、佐藤政務官、御答弁お願いします。

#77
○大臣政務官(佐藤啓君) 今回の改正によりまして、予納の入金手段としての特許印紙を廃止して、現金振り込み等による入金が可能となるわけでありますが、具体的な入金方法としては、金融機関窓口での納付、ATMやインターネットバンキングからの振り込みを想定しておりますが、これらの手数料は原則無料でございます。
 直近二〇一九年度の実績では、特許印紙による予納は約九百二十億円、先生御指摘されたとおりでありますが、これに係る売りさばき手数料は約三十億円となっておりますので、印紙予納の利用者が全て現金振り込み等による予納に移行したと仮定しますと、この売りさばき手数料全額を削減できるということになるわけでございます。

#78
○石井章君 時間来ましたので、梶山大臣、佐藤政務官、丁寧な御答弁ありがとうございました。
 終わりにします。

#79
○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
 今回、この特許法等の改正案ですけれども、私、議員になる前に民間企業で研究開発の部門におりまして、少なからずこの特許にも携わったことがございまして、そうは見えないなと思われる方もいるかもしれませんが、そうなんです。それで、やはり研究者としては、実際に特許が通ればやっぱりモチベーションにつながりましたし、よし、やったぞという満足感、さらには、それが製品、商品化されて世の中に出ていって、会社の収益にもつながるというふうになれば、更なる満足感につながっていくというのは私の実感としてやはりございます。
 やはりこの特許法、特許というものがやはり研究者のそうしたモチベーションにも、当然開発意欲にもつながっていくというふうに思いますし、彼らの地位をしっかりと守っていくという大切なものだというふうにも認識していますし、あわせて、そういう開発されたもの、特許に出願されるような開発されたものが世の中で便利に使われていく健全な市場といいますか、そうしたものを形成していくものにも役立っていくんだというふうに思います。
 ただ一方で、健全にそうやって広まっていくものに加えて、企業としては、この特許を使ってどうやって自分たちの収益を、また競争力を高めていくかということですので、ルールとして定められているものに加えて、使い方によっては武器にもなるということなんだというふうに思いますので、今日は、この特許法改正案の中身と加えて、この特許法にまつわるちょっともう少し大きな単位での課題についても少し議論をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
 まず初めに、今回の特許法の改正案の中身で、訂正審判等におけます通常実施権者の承諾要件の見直しという項目がございますので、この点について質問をしたいんですが、この訂正審判の請求ですとか特許権の放棄等においてこの通常実施権者の承諾を不要とする中身ですけれども、この通常実施権者の中に独占的通常実施権者という方たちがいらっしゃいます。この契約に基づいた独占的な通常実施権者については今回どのように考えればいいのか、まずこの点について確認をさせていただきたいと思います。

#80
○政府参考人(小見山康二君) 御指摘のとおり、今回の法改正で特許権の訂正の際の通常実施権者の承諾を不要とすることとしておりますけれども、御指摘の独占的通常実施権でございますが、特許法上はあくまで通常実施権の一類型にすぎないということでございまして、契約によって独占的に実施する権利が与えられたものでございます。具体的な権利内容については個別の契約で定められ、内容についても一律ではないということでございます。
 したがって、今回、独占的通常実施権者については、他の通常実施権者と同様に、特許法上承諾を一律に求めるということは不要としたいと考えております。その上で、承諾が必要であると当事者が考える場合には、当事者間の契約により承諾を求めるということとすることが妥当ではないかと考えてございます。
 今後、必要に応じて契約による対応が行われるように、しっかりと本改正内容の周知を図ってまいりたいと考えてございます。

#81
○礒崎哲史君 確認ですけれども、今御説明いただいた中で、契約、お互いに契約を結ぶ中でというお話でした。そうすると、その契約の中でこういう事態が起きたときに不利益を被らないように、何しろ、通常実施権者でありますけれども、独占的に使わさせてもらいますよということを契約で結んでいるわけですから、一方的な不利益とならないように、やはり契約の段階からその項目を盛り込んでいくというようなことが必要だということだと思いますので、そうしたことの啓発も含めてこの後様々な対応をいただけるという、こういう認識でよろしいでしょうか。

#82
○政府参考人(小見山康二君) 御指摘のとおりでございます。

#83
○礒崎哲史君 分かりました。是非そうした形で進めていただきたいと思います。
 それと、今のこの訂正審判に関して、実施権者にはもう一つございまして、専用実施権者という方たちがまたいらっしゃいます。この専用実施権者に対する承諾については、今回、法律の中には、今回、改正の中には出てこないんですが、どのような整理がなされているのか、この点について確認をさせてください。

#84
○政府参考人(小見山康二君) 専用実施権者でございますが、特許法上、設定行為で定めた範囲内において、業としてその特許発明の実施をする権利を専有する者であると規定がございます。すなわち、専用実施権の設定範囲内では特許権者といえども特許発明を自由に実施することはできず、専用実施権者は特許権者と同等の排他的な権利を有するというふうに考えておりまして、特許権の訂正等が行われる場合には引き続き専用実施権者の承諾が必要であるというふうに考えております。

#85
○礒崎哲史君 では、これまでと同様に承諾が必要になるということで確認をさせていただきました。
 続いて、今回、特許法等においてこの承諾の見直しのことが行われているんですけれども、商標法におけますこうした審判において通常使用権者の承諾要件の見直しというのは今回は行われないということだと思うんですけれども、これ行われない理由を改めて確認をさせてください。

#86
○政府参考人(小見山康二君) 特許権が放棄された場合、何人も自由に実施できる状態になりますが、商標権が放棄されると、第三者がそれと同一又は類似の商標について権利を取得することが可能となるということでございます。そのため、放棄された商標権を第三者が取得した場合、放棄される前の権利者との契約に基づく通常使用権者であった者がこの第三者からの使用の差止め等の請求を受けるという、通常使用権者にとっての不利益が生じる可能性があるというふうに考えております。
 したがって、本改正では、商標権の放棄については引き続き通常使用権者の承諾が必要という整理にしております。

#87
○礒崎哲史君 分かりました。ありがとうございます。
 今確認はさせていただきましたが、こうした訂正審判のルールの見直しというものが、様々な最近のこの特許をめぐる情勢の変化に基づいて今回見直しが行われたというふうに理解をしています。
 お手元に資料を、ちょっと絵の一枚紙の資料をお配りをしていますが、パテントプールによる特許権のライセンスイメージということで、こうした同業者が特許を持ち寄って一つのプールをつくるというような、こういった特許権の持ち寄ってその特許権を管理する団体を設置すると、パテントプールという団体を設置をして、この団体を通じてライセンスを提供していくというような、こうした枠組みができ上がってきています。
 こうした枠組みに関してちょっと一個質問なんですけれども、こうした枠組みに参加している企業の特許が国外において特許権無効の訴えを受けた場合に、その特許の申請を行う場合の対応というのは、これはどういうことになるんでしょうか。

#88
○政府参考人(小見山康二君) 日本で取得した特許権の訂正に当たりましては、現在、国内外の全ての通常実施権者の承諾が必要とされているところでございますが、御指摘のとおり、近年、情報通信の分野などにおいて特許権のライセンス先は数百となるというような例もございまして、承諾を受けるということは現実的に困難となっているところでございます。
 本改正が実現された場合は、日本で取得した特許権については、通常実施権者が海外にいる場合も含めて、訂正審判等の場合に通常実施権者の承諾が不要となるということでございます。一方で、外国で取得した特許権について訂正を行う場合は、その国の法制度に従うということになりまして、例えば韓国においては、現在の日本と同じく、訂正の際に通常実施権の承諾が必要となりますけれども、米国、中国、ドイツといった主要国では、訂正の際に通常実施権者の承諾は不要とされているところでございます。
 したがって、本改正により海外の主要国との制度の調和の取れた特許権の保護が行われることになるのではないかなというふうに考えてございます。

#89
○礒崎哲史君 とすると、今回のこの法改正によって、世界、グローバルスタンダードと言っていいのかどうか分かりませんが、主に世界で行われているという法律に近づいたという理解をすればいいということで確認ができました。ありがとうございます。
 そこで、ちょっとパテントプールの動きに関して、ちょっと法改正の中身から少し広い視野になってしまうんですけれども、直接関わりがないというか、関連した形でお伺いをしたいんですけれども、まず、このパテントプールの枠組み、これ、有効に使っているのがまず通信分野だというふうに認識をしています。当然、海外に行って皆さんも携帯電話使われると思いますが、普通に使えるのは技術が世界各国で共用されているから、共通のルールがあるからそういうことが可能になるというわけでもありまして、これは、通信業界が、それぞれの会社がこういうパテントプールの中でお互いにライセンス契約を結んで共通させて成立しているというものにもなっていきます。
 ですので、この通信分野が主に使われているわけですけれども、これからIoTと言われているインターネット・オブ・シングスの世界になってくると、ありとあらゆるものが通信でつながってくるということになりますので、いろいろなところにこの通信の特許が使われるようになります。それを今言葉としては標準必須特許という言い方、必ず使わなければならない特許という言い方をしているんですけれども、こうした標準必須特許を所有している企業体とそれらの特許を使用する側の企業との特許の訴訟をめぐることが実は度々新聞でも取り扱われることが多くなってきましたので、ちょっとこの特許の訴訟をめぐる近年の動きについて確認をしたいのと、あわせて、こうした動きに対します特許庁の認識について、まず伺わさせていただきたいと思います。

#90
○政府参考人(糟谷敏秀君) 標準規格の実施に不可欠な特許であります標準必須特許をめぐるライセンス交渉については、IoTの進展などに伴いまして、自動車を始めとする幅広い業種が当事者となってきております。
 この結果、異業種間、異なる業種間でのライセンス交渉が増えているわけでありますけれども、業種が異なりますと、商慣行が異なっておりましたり、クロスライセンスが難しい、つまりお互いに持っている特許をお互いにライセンスをするということが難しかったりしまして、交渉が難航して紛争に至るというケースも増えているというふうに認識をしております。世界のいろいろなところで訴訟も提起をされ、また判決も出ているところであります。
 標準必須特許のライセンス交渉につきましては、これまでの裁判例を見ますと、誠実に交渉を行っている限り、標準必須特許に基づく差止め請求権の行使は認められないという点で各国の裁判所の判断はおおむね一致しているというふうに見ております。
 こうした状況の下では、両当事者が誠実にライセンス交渉に臨むということが重要でございまして、特許庁としては、どのように行動すれば裁判所からより誠実であると判断されやすいかといった論点について整理をした手引を二〇一八年に、これは日本語及び英語で作成をして公表をいたしまして、紛争の未然の防止や早期の解決に向けた情報提供を行ってきているところであります。
 また、特許発明が標準を実施する上で必須であるかどうかということについて当事者間の見解が異なる場合がございます。こういう場合に特許庁が公正中立な立場から判断を示すことができる判定制度という制度を同じく二〇一八年に導入をいたしまして、迅速な紛争解決に資する環境整備を進めてきているところでございます。

#91
○礒崎哲史君 ありがとうございます。
 今の長官の御説明の中でも、異業種間のその紛争が出てきているというお話がございました。
 さっき言った携帯電話の話でいけば、お互いに携帯電話会社同士なので同業、ですから、同業の中でやるときには、仮に、じゃ、合意しましょうということであれば、じゃ、うちの特許をこれ認めるから、おたくの特許をこれ使わさせてよということで、特にロイヤリティーのやり取りはなしに、お金のやり取りなしに、特許の物々交換のようなことができるわけですけど、異業種間でいくと、代わりにこれ出しますよという特許がないわけですね。そうすると、もうお金のやり取りをするしかなくなってくるので、そこのライセンスに対する考え方の違いですとか、従来の特許の進め方、クロスライセンスをやることができないということから、最近そういう課題が顕在化してきているというふうに理解をしています。
 それで、ちょっと長官、もしお伺いできればなんですけれども、もう三年半ぐらい前のこれ新聞記事、ネットで調べていたら出てきていて、当時の特許庁の長官が既にこのことについて問題提起をそのインタビューの中でされていまして、まだまだこういう観点を持っている企業が少ないと、実際に痛い目に遭った企業の経営者は勘どころがすごく高くなっているんだけれども、大多数の企業はまだまだこの点に関しての認識がすごく低いんだという危機感を実は当時の特許庁長官、既にインタビューでは御発言をされているんですけれども。
 その後、今お話あったとおり、ガイドライン作成をされたりということで特許庁としては動きを取られているわけですが、今言われた経営者の認識ですね、業界の受け止め、そういう危機感の高まり、そうした点について、もし現状で何かコメントできるところあればお伺いしたいんですけれども、いかがでしょうか。

#92
○政府参考人(糟谷敏秀君) 確かに、この標準必須特許をめぐるトラブルは幅広い業界が巻き込まれる可能性がございます。
 業界の中には、例えば自動車業界などにおいては非常に危機感、問題意識を高く持っていただいて、我々もいろんなお話を伺ったり、また情報収集を共に行ったりということをやっておるところでございます。ただ、それ以外の業種についても幅広く関係が及ぶ案件でございますので、二〇一八年に取りまとめをいたしましたガイドラインについて更に普及を、普及とか周知を図っていくということは引き続き取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。

#93
○礒崎哲史君 ありがとうございます。
 今、度々、自動車産業ということで、さっきの訴訟の件も含めて出てまいりましたので、ちょっと大臣にお伺いをしたいことがございます。
 まさにこの通信関係で今このパテントプールという枠組みが大きくでき上がって、影響力を大きくしてきているわけですけれども、当然、日本としても、5G、それからポスト5Gの開発も今手掛けているところですので、これ活用してしっかりと産業として大きくしていくと、伸ばしていくということで、活用したい分野であるのは一方あるんですが、その一方で、その特許を使わなければ、自動運転ですとかコネクテッドカーという車、これの開発と普及をするところに関しては課題を抱えてしまう、自動車産業としてはどうしたものかなという警戒感がやはり高まっているんだと思います。
 どっちも日本にとっては重要な産業だというふうに私は思っておりますので、どうやってやるかというので何か具体的に案があるかと言われれば私自身もまだありませんが、しっかりとやっぱりバランスを取っていけるような環境づくりというのは大変重要だと思いますし、その上で、今やはり課題は大きいのではないかなというふうには思っていますが、この点について政府のお考え、大臣のお考え、確認をさせてください。

#94
○国務大臣(梶山弘志君) パテントプールは、特許権者と実施者との間のライセンス交渉の効率化を本来図るものであります。実施者にとっても、個々の特許権者と契約するよりもライセンス料負担を低く抑えるメリットが期待し得るということであります。
 自動車向け5G技術を提供するパテントプールを運営するアバンシには特許権者として我が国企業も参加しており、特許権者側と実施者側のいずれにも我が国企業が関与をしている状況であります。
 今後、日本の産業競争力を高めていくとの観点では、特許権者が適正な対価を得て更なるイノベーションにつなげられるようにしつつ、差止めや過大なライセンス料によって実施者による適正な実施が妨げられることのないように確保すること、すなわち、双方の利益の適正なバランスが図られることが必要と認識をしております。その点では委員と認識は同じということでありますけれども。
 このため、ライセンス交渉の重要な論点をまとめた標準必須特許の手引等を通じて事業者間のスムーズな交渉を後押ししていくことが重要と考えておりますけれども、海外の裁判例等もありますので、そういったことにも注目しながら、しっかりとしたアップデートもしていかなければならないと思っております。

#95
○礒崎哲史君 ありがとうございます。
 今、海外の裁判例ということで大臣お話ありました。一つの例として、皆さんにはお手元に資料の二ということで、実際に有名な自動車会社と有名な通信会社の使用料をめぐるということで、特許に関する記事を一つお配りをさせていただいておりますけれども、やはり公平感であったり、あとはこうした裁判を行っていく上での透明性というのが大変重要になっているんだというふうに思いますので、この点については、特許庁の方でしっかりと、ガイドライン含めて、更なる内容について判例も見た上でいろいろお考えをいただきたいというふうに思っています。
 それで、今、通信と自動車という観点のお話をさせていただいたんですが、さっき言ったIoTの観点からすれば、もうそれだけにとどまらずに、ありとあらゆるものが通信の様々な特許を使わないと社会が成り立たなくなるということです。ですので、例えば国がこれから様々な、町づくりであったり物流であったり、それこそデジタル化、政府のデジタル化、こうしたものを進めようとしていく上でも、必ずこの特許というのは絡んできます。
 そうすると、対応としては、今経産大臣とお話をさせていただいておりますが、これ、総務省、国交省、医療機器考えれば厚労省も関係しますし、実はありとあらゆる省庁とこれは連携を図った上で進めていかなきゃいけないというふうに思うんですけれども、そうした全体の統括していくことが必要というふうに思います。そうしていかないと、最終的には消費者、納税者の不利益にもつながるというふうに思っておりますので、こうした全体的な課題認識ですとか今後の政府の取組について、現状何かあれば教えていただきたいと思います。

#96
○国務大臣(梶山弘志君) 委員おっしゃるように、例えばそのIoT、自動運転だけでも経産省、総務省、警察、国土交通省、こういったところが取り組んでいるわけでありますけれども、非常に広い分野にわたるということもありまして、それらの関係省庁との連携ということも非常に大切になってまいります。
 そういったことも含めて、先ほどお話ししました標準必須特許の手引を常に情報のアンテナを高く持ちながらアップデートをして、その普及を通じて事業者間のスムーズな交渉を後押しをしてまいりたいと思っております。
 より具体的な話がまた出てくるとは思いますけれども、しっかりと業界との対話の窓口というものも広げながら対応をしてまいりたいと思っております。

#97
○礒崎哲史君 ありがとうございます。
 先日来、国際標準化という観点で私、質問させていただいておりまして、政府全体での取組必要ですよというお話をしてきました。この分野も全く一緒だというふうに思っています。どこが音頭取るのかは私が決めることではありませんけれども、是非、全省庁、できるだけ多くの省庁巻き込んだ形で、知財に関すること、国際標準化に関すること、そしてこの特許に関すること、こうしたことについても政府として取組を進めていただきたいと思いますし、そういう中に、やっぱり中小企業、スタートアップ企業、こうしたところ、知財部なんて専門の部署持っていませんので、ですから、そういうところもしっかりとフォローできるような体制、お考えいただくことをお願い申し上げまして、質問の方を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

#98
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
 特許法等の改正案について質問をいたします。
 前回、二〇一九年の改正時に、日本は欧米と比べて特許審査官一人当たりの処理件数が圧倒的に多いんだという実態や、それにもかかわらず審査官数の推移が横ばいだという実態を示して、審査官を増やすべきだという質問を行いました。
 当時の世耕大臣からは、負担が重いというのは現実だと、こうした答弁もあったんですけれども、その後、審査官数がどうなっているでしょうか。直近三年間の審査官数についてお答えください。

#99
○政府参考人(糟谷敏秀君) 平成三十年度からの三年間についてお答え申し上げます。
 審査官全体の定員はそれぞれ千八百七十四人、千八百七十人、千八百七十七人ということでございますが、うち特許審査官の定員は千六百九十人、千六百八十二人、千六百六十六人となってございます。

#100
○岩渕友君 資料の一を御覧ください。
 今御答弁いただいたとおりなんですけれども、これを見ていただくと、任期付きの審査官、これが若干増えてはいるんですけれども、全体としてはそれ以上に減っているというのが実態になるわけですよね。
 それで、資料の二も御覧をいただきたいんですけれども、審査官の数が少ないということもあって、一人当たりの処理件数、圧倒的に多くなっているという実態は今も変わっていないんですね。米国と比べて二倍以上、欧州と比べても三倍以上というふうになっています。
 こうした実態に加えて、中国の特許文献の急増などに伴って審査負担の増大が指摘をされています。グローバル化の進展とともに海外への出願が重視をされているということもあって、更に審査官の負担が増えるということが考えられます。こうした実態考えれば、審査官を増やすべきではないでしょうか、大臣。

#101
○国務大臣(梶山弘志君) 国家公務員である特許審査官の定員は、政府全体の定員合理化計画の制約があるものの、必要な定員要求を行うとともに、任期付審査官や特許文献調査の外注なども活用して必要な審査能力を確保したいと考えております。これ、任期付審査官というのは、制限は二期十年ということで、一期が五年ということでありますから、特にいわゆる専門性の持つ方たちをこういった任期付きの審査官として採用していくということであります。
 また、特許庁は、平成二十九年から特許審査へのAI技術活用を進めておりまして、現在、外国特許文献への特許分類付与や、発明内容を入力すると関連する過去の特許を類似度の高い順に検索表示する機能等にAI技術を活用し、更なる精度向上、これ内製化をしている、このシステムについては内製化をしているわけでありますけれども、こういったことも取り組んでいるということであります。
 引き続き、審査負担の増加に適切に対応できるように、既存の手法にとらわれることなく、外部リソースや先端技術も柔軟に活用し、審査のスピード、質を確保してまいりたいと考えております。

#102
○岩渕友君 一人当たりの処理件数、これだけ多いということなので、やっぱりその審査官の奮闘に現場は支えられているというのが実態だと思うんですね。
 今答弁にあったように、その審査業務の効率化を含めて状況改善するということは当然必要だというふうに思うんです。同時に、今少し答弁にもあったんですけど、審査官には高い知識であるとか経験が求められているので、審査官を育てていくということがやっぱり必要だということから考えても、増員が必要だということをもう大臣に強く求めておきたいというふうに思います。
 次に、前回の改正時にも質問をした秘密特許に関わって質問をしていきたいと思います。
 この間、秘密特許の導入めぐって幾つかの報道が行われているんですけれども、まずは歴史的な事実について確認をしたいと思うんです。
 戦前、日本には秘密特許制度があったんですけれども、戦後廃止をされています。一九四八年六月十八日、当時の衆議院の鉱工業委員会の中で、この特許法等の改正案の審議が行われています。政府の提案者は、この改正の提案理由の要点について四つ説明をしているんですけれども、そのうち第一の要点について紹介をしてください。

#103
○政府参考人(糟谷敏秀君) 一九四八年六月十八日の衆議院鉱工業委員会において、当時の正木商工政務次官が行いました特許法等の一部を改正する法律案の提案理由説明について、議事録の関係部分を読み上げさせていただきます。
 「第一は、日本国憲法の戦争放棄の規定との関係上、いわゆる秘密特許制度を廃止したことであります。すなわち軍事上秘密を要する発明または軍事上必要な発明に関する特別扱いの規程をすべて削除いたしました。」。
 以上でございます。

#104
○岩渕友君 一九四七年の五月三日に新しい憲法が施行されるわけなんですけれども、新憲法の戦争放棄に関する規定に伴って、特許法等に関わる部分について必要な改正を行うということで説明をされたわけなんですよね。これ極めて重要な改正理由だということです。いわゆる秘密特許制度は憲法の戦争放棄の規定、憲法九条の規定に抵触する、矛盾をするんだという理由で廃止したということです。
 戦前秘密特許とされたものが解除をされて、一般の特許などと同様に扱われることになって公表をされています。これが何件あったでしょうか。

#105
○政府参考人(糟谷敏秀君) 昭和六十年、一九八五年に特許庁が編さんをいたしました工業所有権制度百年史によりますと、戦前に存在した秘密特許については、昭和二十三年十月一日、昭和二十三年十一月一日、昭和三十一年三月一日の三度に分けまして、計千五百七十一件が公表されたというふうにされているところでございます。

#106
○岩渕友君 今長官に御答弁いただいたように、千五百件以上もの特許が軍事上秘密にされていたということなんですね。これが戦後公表されたということなんです。
 それで、更に長官にお伺いをしたいんですけれども、日本の特許制度は公開するということを基本としています。その意義についてお答えください。説明をお願いします。

#107
○政府参考人(糟谷敏秀君) 特許出願公開制度でございますが、これは我が国だけではなく、広く諸外国にもある制度でございますが、この制度の趣旨については、第三者に新技術の存在を知らせることで重複した研究開発を防止するとともに、当該発明を利用した発明を積み重ねることの促進を意図しているという旨を従来から御説明をしてきているところでございます。

#108
○岩渕友君 今のことに加えて、発明を公開してそれを利用する、そういう機会を図るということによって新しい技術を人類共通の財産としていくということを定めていて、これによって技術の進歩を、利用技術の進歩を促進して産業の発展に寄与しようということで公開をしているということなんですよね。だから、そこの技術の進歩を促進し、産業の発展に寄与するものだということが、これ非常に重要な中身だというふうに思うんですね。
 ところが、日米の防衛特許協定によって、アメリカから防衛目的で日本に提供された技術に関する特許出願が米国で秘密指定をされていれば日本でも秘密に扱うという秘密特許が存在をしているんです。で、秘密解除が行われて公表された件数が一体何件あるのかということを実は前回の質疑のときに確認をしたところ、一九八八年から九五年の出願が九十九件あったということが明らかになりました。
 特許を出願するということは、販路が限られる純粋な軍事技術だけではなくて、対象の多くは軍民両用技術、いわゆるデュアルユース技術ということなんですよね。先ほど確認をしたように、特許制度は、公開することによって投資の重複を防止するということだけではなくて、科学技術や産業の発展を促進する役割を果たしています。秘密特許というのは、産業の発展とか事業の促進とは根本的に矛盾をするものになるし、産業の発展妨げるということにつながるということだと思うんですね。
 この秘密特許の導入をめぐっては、この間、幾つかの報道が行われています。皆さんも御覧になっているかもしれないんですけれども、昨年の八月十二日、読売新聞は一面でこんなふうに紹介をしています。政府は、次世代兵器開発などに利用できる最先端技術の特許出願について、安全保障上の必要があれば情報公開を制限する方針を固めたということで、出願内容を一定期間非公開にする制度を二二年、来年ですよね、にも導入をするというふうに報じています。
 さらに、今年三月三十一日の朝日新聞、ここでも同様の報道があって、自民党の新国際秩序創造戦略本部が来年の通常国会で経済安全保障一括推進法を成立させるようにということを提言をしていて、その一つの目玉が秘密特許の仕組みの導入だと、こういうふうに報道がなされているんです。
 この秘密特許の導入について、どのような検討が行われているのでしょうか。

#109
○政府参考人(藤井敏彦君) お答え申し上げます。
 政府といたしましては、現下の国際情勢、厳しい国際情勢に鑑みまして、技術流出防止対策の取組を進めることが重要な課題であると、かように認識をいたしております。
 昨年七月に閣議決定をされました統合イノベーション戦略二〇二〇におきまして、特許出願の公開制度については、イノベーションの促進と技術流出防止の観点との両立が図られるよう、制度面を含めた検討を行うこととしております。引き続き、関係省庁、関係府省庁において所要の検討を進めてまいりたいと、かように考えてございます。

#110
○岩渕友君 今答弁にあったように、イノベーションの促進と技術流出防止の観点、両方から今検討を重ねているということなんですけれども、こうした秘密特許の導入が検討されているということに対して、まず特許庁長官はどんな立場なのか、お聞かせください。

#111
○政府参考人(糟谷敏秀君) 先ほど御説明、御答弁がありましたように、特許出願の公開制度については関係省庁間で検討が進められているところでございます。
 特許庁としては、検討の結果、政府としての方針が決まれば、その方針に従って必要な対応を行うことになると考えております。

#112
○岩渕友君 じゃ、同じことを大臣にもお聞きしたいと思います。

#113
○国務大臣(梶山弘志君) 国際的に技術流出管理の重要性が高まる中で、軍事転用可能な技術等の拡散を防止する観点から、外為法に基づく投資管理や輸出管理といった従来の施策のみならず、研究開発成果の管理を含めた総合的な技術流出防止策を進めることが重要であると考えております。特許出願の公開制度の見直しについては、イノベーションの促進と技術流出防止の両立が図られるよう、経済産業省としても、国家安全保障局を始め関係省庁と、関係府省とも議論を行ってまいりたいと考えております。
 先ほど委員おっしゃったように、デュアルユース技術というのがあります。これは、先ほど委員の方からは軍事技術が産業の発展に資するというお話がありましたけれども、一方では、一般の技術がある特定の国の軍事技術につながる可能性もあるということでありますから、そういった面も含めて、大変難しい課題であると思っております。

#114
○岩渕友君 先ほど、もう確認をしてきたように、憲法の要請から秘密特許が削除された、こうした経過から見ても、そして先ほども確認したように、公開原則が非常に重要だということで、そのことに反して、日本の科学技術、学術、産業活動の在り方にも関わる重大な問題だということから考えても、秘密特許制度の導入検討はやめるべきだというふうに思うんですね。既に公開の原則に穴があると、今度は公然と秘密特許を進めるということになると思うんです。
 この秘密特許制度の導入検討はやめるべきだということを強く求めて、質問を終わります。

#115
○ながえ孝子君 碧水会のながえ孝子です。
 まず、コロナ関連でお伺いをいたします。
 欧米の方では、ワクチンの接種の広がりとともに経済活動が戻ってきて、給付金などが消費に向かい始めたというニュースが伝えられています。やっぱり、ワクチンの接種が進むと消費者心理というのは改善されていくんだなと。
 しかし、残念ながら日本のワクチン接種は遅れています。ですから、これはもう受けたい人が一日も早く受けられるように、経産省としても後押しを是非お願いしたいと思いますし、私、地元の経済支援団体で話を聞いておりますと、やっぱり一年四か月がたって、もう少しだと思ったら先がまた、いろんな宣言が延長されたり、トンネルの出口が見えなくて、ここに来て精神的に参る事業者の方が増えてきているということをお聞きいたしました。コロナうつですよね。無利子融資なんだけれども、これから元本の返済が始まったらたちまち行き詰まってしまうなどと考え出したら眠れないんだという声もお聞きしております。
 やっぱり、この事業者の気持ちを支えるような実のある、給付金でも返済猶予の延長でも何でもいいんですけれども、そういったやっぱり次なる支援が必要だというふうに強く思っています。
 梶山大臣に伺います。踏ん張っている事業者の皆さんへ、次の支援策、どんなものをお考えでしょうか。

#116
○国務大臣(梶山弘志君) コロナウイルス、変異株も含めて大変重要な局面に来ていると思っておりますし、大変難しい話であると思っております。
 そういった中で、コロナ対策ということでの措置をお願いし、それに対する支援策というものを政府全体で今まで講じてきているところであります。その時々で合ったものということで、特に欧米では一括したものがありますけれども、我々はそのそれぞれの分野に分けた形で対応させていただいているということであります。
 経済産業省が執行を担ってきたものは、持続化給付金、全国一律のものということでありますけれども、それに併せて、地域ごと、また業種ごとに異なる状況というものもございますので、地域ごとには地方創生の臨時交付金、これについていろんな議論がありますけれども、知事会から要請があり、またそれを一回ごとに返しているという状況の中で、新たな予算を今年度予算でも組んでいるということであります。一兆円組むのと併せて、更に今回の協力金という形で追加の措置もしているところであります。
 それと併せて、先ほどお話ありましたけれども、資金需要に応えるためにということで、様々な無利子無担保の融資をさせていただきました。これ、五年間据置きなんですけれども、皆さん非常にやっぱり早く返したいという思いがあって、一年以内でのその返済開始というものが多くあるということを聞いておりまして、これと条件変更も含めて柔軟に行うようにということも考えておりますし、今回のまん延防止措置等に関しましても、それぞれ月次で、今度は場所が変わっていくということもありまして、それで支援金という形でできるだけ簡素な手続でお支払いできるようにということ、給付ができるようにということで、今設計を検討している最中であります。

#117
○ながえ孝子君 私、繰り返し申し上げてまいりましたが、持続化給付金というのは多くの方が手にすることができた支援策ですけれども、その後の家賃、あるいは事業の再構築などは対象が限られるということで、本当にできるだけたくさんの方に行き渡るようにということを重ねてお願いをしておきたいと思いますのと、地域の実情に合わせて自治体が頑張っています。ただ、自治体は財政基盤が弱いです。ですので、例えば私の地元なんかでも、飲食関係のところには、時短のところに協力金を出し、休業要請をしたところについてはまた給付金を出してやっておりますけれども、やっぱり自治体に対する追加の財政措置、今大臣もおっしゃいましたけれども、併せて強く要望したいと思います。
 では、特許法についてお伺いをさせていただきます。
 知財立国を目指している中で、やっぱりイノベーションの気風を盛り上げて出願件数を上げていくかという、これが重要だと思います。その観点から幾つか質問させていただきます。
 まず、気になるのが出願料の値上げですね、質問も皆さんされておりましたが。料金設定というのは、やっぱり出願数を増やしていくことに大きく関わってくると思います。実際、中小企業向けに減免措置をつくったら出願数が増加したという実績もあります。
 特別会計が赤字続きで厳しいので値上げをしたいという話なんですが、私、この出願料というのは、経費削減をしながら一生懸命つくり出してくる価格ではなくて、知財立国を言うのであれば意図を持って設定すべきものかと思うんですね。料金の国際比較を見ても、中国、韓国、驚くほど安いです。やっぱりイノベーション創出に力を注いでいる、言ってみれば国策料金なのかなと見ております。
 ですから、日本も知財を守るあるいは知財を増大させていくためには、やっぱり戦略的な観点から決めるべき性質のものかと思うんですが、梶山大臣の御所見はいかがでしょうか。

#118
○国務大臣(梶山弘志君) 今委員からも御指摘ありましたように、この特許料金等については、収支相償ということで設定をしてきたのがこれまでということであります。これまでも、二〇〇八年以降、剰余金があるということで三回にわたって値下げもしてまいりました。
 今回、その料金が今度は値上げをするわけでありますけれども、この値上げをするに当たっては、経費の削減等もしてまいりましたけれども、国際出願が多くなってきているということで非常に手間も多くなっている、また費用も掛かるという中でこういった形にさせていただいているということであります。
 中小企業に対しましては、出願を多くするためにその特別な料金もありますし、あと、政策の中でそういう支援というものもして、行ってきているところであります。
 そして、先ほども申しましたけれども、出願数は減っているけれども、今日、特許を得た数というものは横ばいになってきているという中で、いろんな分野につきましても少し集計をしてみましたけれども、日本の特許数が一位だというものは、エネルギー関連、輸送・製造関連、また家庭・オフィス関連でもかなりあるということでありますから、知財というものは非常に重要なものでありまして、これからの日本の産業を支えていくものでもありますけれども、委員の御意見というものも参考にしながら、しっかりと政策をつくってまいりたいと思っております。

#119
○ながえ孝子君 私、事前報道で、やっぱり財政的に厳しいので中小企業への減免措置が縮小されるというのを大変心配をしておりました。それで御質問と思ったんですけれども。
 いろいろ説明を拝見しておりますと、他会計には依存しないという気概で経費削減に努めるということは非常にすばらしいことだとは思います。でも、私は、他会計にも依存してもいいんじゃないかというふうにも思っているんですね。これから先のことを考えると、やっぱり中小企業支援では伴走型が必要なので、今までに増して相談窓口ですとか知財アドバイザー派遣などの事業は充実させていただきたいし、システム改修も、もっと高度化していくでしょうから継続的に大きな投資が必要になってまいりますし、そう考えると、これを料金の値上げだけで賄おうとすると、かなり料金の値上げ幅は大きくなってくるんではないかということが心配されます。ですから、いろんな方面からやっぱり改革も考えながらやっていただきたいなというふうに思っております。そうやって中小企業向けにイノベーションの創出を、やっぱり寄与してきた減免措置というものはしっかりと、まあ今回大枠を維持するということですけれども、今後も維持していただきたいなと思っております。
 減免措置による減収で赤字も増えたというようなところもあるんですけれども、これをよく見ておりますと、本来想定していなかったような使われ方をして、制度趣旨に合わない、そういう実態もあります。これに対してはしっかり対策を講じるべきだというふうに思っております。その対策を伺いたかったんですが、時間の都合上、ちょっと飛ばさせていただきまして、しっかり中小企業が助かるように改善をしていただきたいと思います。
 システム改修について質問させていただきたいんですが、現在、最終段階にあると伺っております。かつては、特許庁、二〇〇四年からシステム改修に取り組んで、かなり意欲的に計画を練ったものが二〇一二年に中止となり失敗に終わって、大きな問題となりました。でも、かの発明王のエジソンは言いました。失敗は成功の母です。ですから、これから国を挙げて行政のデジタル化を進めようという中では、この失敗から学ぶ、教訓にすることがやっぱり重要ではないかなと。まあ失敗起こさないにはこしたことはないんですが、やっぱり教訓にすることが重要だなと思います。で、行政全体で是非共有していただきたいんですね。
 この失敗の原因をどう分析して、失敗を繰り返さない対策をどう立てておりますか。

#120
○政府参考人(小見山康二君) 御指摘のとおり、特許庁では、二〇〇四年に特許出願審査等の業務システムを刷新するという計画策定したものの、度重なる遅延が生じ、二〇一二年一月に計画を中断したところでございます。
 中断に至った要因について、外部有識者委員会を設置し検証を行ったところ、まず、委託先の事業者の技術力や管理能力が不足していた、次に、調達手続における事業者の技術力評価が不十分であったということに加えて、計画自体が大規模かつ複雑な特許庁システムを一斉に刷新するという技術的難易度が高いものであったということが指摘されたところでございます。
 これを教訓として、二〇一三年の三月に計画を改定いたしまして、まず、調達時に委託事業者の技術力を適切に評価するため、調達において技術点の比重を高めるよう改善したということに加えて、計画の難易度自身を低減させるため、一斉刷新ではなく業務単位ごとに開発規模を縮小するということをしたところでございます。さらに、発注者である特許庁自身の能力を高めるために、特許庁長官を本部長とする情報化推進本部においてプロジェクトの管理をしっかり行うということに加えて、外部有識者による定期的な監査、助言を受ける体制というのを構築したところでございます。これらの取組により、現在までのところ本計画は順調に進捗しておりまして、これまでの教訓、経験を踏まえて引き続き適切に対応してまいりたいと考えてございます。

#121
○ながえ孝子君 是非、特許庁だけじゃなくて、行政全体で共有するように大臣にもお願いをしておきたいと思います。
 あと、もう一つ私気掛かりなのが、資料をお配りをさせていただいたんですが、海外からの日本の特許申請の伸びが鈍化しているということがあります。お配りした資料の上のグラフなんですけれども、数字的なものは右側にまとめてあります。二〇一〇年からの海外からの特許申請の伸び率、アメリカ二八、中国、やっぱりすごいですね、六〇、それらに比べると日本は一五%、伸びが鈍化しております。
 この理由の分析と、対策があれば教えていただきたいんですが。

#122
○政府参考人(糟谷敏秀君) 委員御指摘のとおり、海外からの出願について、中国だけでなく欧米や韓国への出願と比較しても日本への出願の伸びが小さくなっておるわけでございます。
 過去に特許庁が海外の出願人から聴取をしたところによりますと、この背景には幾つかの要因が指摘をされております。例えば、日本市場の相対的な重要性の低下ですとか、日本に競合する企業がいなくなった、いないということですとか、日本語への翻訳コストや代理人費用が高いという、そういったことなどに加えまして、諸外国に比べて日本では訴えられたり差止めを受けるリスクが小さいとか、また司法を通じて必ずしも十分に特許権が保護されていないといった要因も指摘をされたところでございます。
 特に最後の点、特許権の保護が、十分に保護されないという、図られないということについては、我々も従来から特に強い問題意識を持ちまして、損害賠償に関する規定の充実など累次の制度見直しを行ってきたところでございます。直近では令和元年度にも、権利の実効性を高めるため、中立的な専門家が工場等の現場で幅広い証拠を収集することができる査定制度を創設するとともに、適切な損害賠償額が算定されるよう損害賠償額の算定方法を見直したところでございます。
 また、こうした制度改正を行っているということが十分海外のユーザーに知られていないという可能性もあると考えておりまして、海外ユーザーに対してあらゆる機会を捉えて周知すべく、今後更に取り組んでまいりたいと考えております。

#123
○ながえ孝子君 今の御説明は非常に重く受け止めなければならない御指摘だなと思います。日本にライバル社がいなくなったということは、日本の産業、一分野消失したのかなというふうにも取れますし、やっぱり日本が市場として魅力を失ってきているというのはすごく重い指摘だなと思っています。
 実際、日本市場、購買力、消費力、落ちていますよね。資料を用意しました。下のグラフを見ていただきたいんです。これよく登場するグラフですけれども、日本の購買力、消費力の基であります世帯所得の変化を表しています。
 これを見ると、ずっと伸びてきたものが、一九九七年なんですね、ここをピークに右肩下がりを続けております。実際、実質賃金も減っておりまして、全体貧困化をしているということで、これでは消費は伸びるわけはないと思っています。コロナがそこへ来て、ますます消費は落ちているということですよね。
 政府のこれまでの施策、コロナ前からずっと見てみますと、供給力を上げようと、いかに供給力を上げようかというところに力が注がれているというのはよく分かるんですけれども、でも、今必要なのはやっぱり需要を生み出すことではないかなと思っています。
 ですから、コロナ、アフターコロナのことを考えても、やっぱり需要を生み出すために、私何度も申し上げますけれども、消費税減税だと思っております。時限的にやっぱり消費税を中止する、大きく減税するというような措置が必要だと思うんですが、梶山大臣の御所見はいかがでしょうか。

#124
○委員長(有田芳生君) 大臣、時間ですので、簡潔におまとめください。

#125
○国務大臣(梶山弘志君) 消費税は私どもの担当ではございませんけれども、やっぱり消費を喚起するためには所得をいかに増やしていくかということに尽きると思っております。

#126
○ながえ孝子君 分かりました。続いてまた議論させていただきたいと思います。
 じゃ、終わります。ありがとうございました。

#127
○安達澄君 無所属の安達澄です。どうぞよろしくお願いいたします。いつも質問の時間をありがとうございます。
 まず、法案関連で一つ質問をさせていただきます。
 今回の質疑の準備のため、私、大手企業の知財担当者とか、あと地元大分の生産者、いろんな六次産業したり地域ブランド化したりしている生産者にヒアリングをさせていただきました。ヒアリングをして感じている実感は、特許庁は非常に丁寧に仕事をされているなというのが正直な実感です。
 企業の担当者が言っていましたけれども、もうふだんから密にコミュニケーションを取っているということで、いろんな要望にも応えてもらえると。双方向のコミュニケーションが成立しているなという実感がありましたし、あと、地元の生産者は、やはりなかなか、ああいう商品パッケージだ、ロゴだとかいう、商標とか、そういうのに非常に不得手なところがあるんですけれども、そういう相談を地元の知財総合支援窓口ですか、大分県の場合はこれ発明協会に委託されていると思うんですけれども、そういうところに相談しても非常に丁寧なアドバイスとかをいただけたということで、今おかげさまでそのロゴ等を使って商売もしているという話を複数からお聞きしました。特に地方ではやっぱりこういう知財とか商標とか、非常にやっぱり取っ付きにくい分野だと思うんで、そうやってちゃんと地元、地方とか現場の人を向いて仕事をしてくださっているというのは大変心強く思います。
 ただ、一つ企業の担当者から指摘をされたというか、やはり懸念が示されたのが、今日もいろいろ議論には出ていますけれども、料金体系の見直しですね。
 ここでお聞きしたいんですけれども、今回はそういった審査負担の増大とか次期システムの対応、庁舎改修等に伴う見直し、まあ実質値上げだと思うんですけれども、一度これをやってしまうとまた同じようなことが繰り返されてしまうんじゃないかという懸念をしておりました。基本問題小委員会でも、特許特別会計の財政運営の透明性とか情報公開とかが指摘されていましたけれども、その点も含めて今後どう展開されるのか、教えていただければと思います。

#128
○政府参考人(小見山康二君) 特許料金でございますが、収支状況に応じて見直しを行っておりまして、直近では平成二十年以降三回にわたって引下げを行い、収支均衡を図ってきたところでございます。
 他方、近年、中国を始め海外の特許文献の急増により審査負担が増加しておりまして、定常的に必要となる経費が増加しているところでございます。また、平成二十五年度から実施しております情報システムの大規模刷新や、平成二十九年度から実施している庁舎の改修により投資的な経費も増加しているということでございます。
 先ほども御説明申し上げましたが、これらの影響により、平成二十六年度以降、特許特別会計は六年度連続で赤字決算となり、財政状況が逼迫しているという状況でございまして、直近では、新型コロナを踏まえた更なるデジタル化の推進などの追加的な投資の経費も必要となっているということでございます。このため、知財制度を安定的に運用する観点から、歳出の徹底的な見直しに加えて、今般、料金体系の見直しによる歳入増を行う必要があると判断したところでございます。
 委員御指摘のとおり、基本問題小委員会において、特許特別会計の財政運営の状況について、より充実した情報公開や透明性の確保、定期的な検証が必要であるという指摘をいただいているところでございます。このため、特許特別会計の財政状況に関する情報開示を充実させるとともに、産業構造審議会知的財産分科会の下に財政点検小委員会というものを新たに設置し、外部の有識者により財政状況等を定期的に点検いただく予定にしております。今般の料金改定の具体的な政令案の策定に当たっては、この小委員会において中長期的な財政状況の見通しなどについても点検いただいた上で、料金改定による影響について、ユーザーの御意見も伺いながら進めてまいりたいと考えております。
 こういった取組によって、料金制度を含めた財政運営の安定性や予見可能性を高めて、料金改定を頻繁に繰り返すことなど、ユーザーへの迷惑をお掛けすることがないように努めてまいりたいと、このように考えてございます。

#129
○安達澄君 そうですね、是非懸念を払拭していただくよう、よろしくお願いいたします。
 次に、ちょっと法案とは違うんですけれども、特許行政といいますか、に関する質問として、IPランドスケープについてお聞きします。一般にはちょっと聞き慣れない言葉ですけれども、二〇一七年辺りからですかね、日経新聞等に取り上げられて、徐々にですけど、そういう知財部門とかでは浸透している言葉かと思います。
 その話をちょっとする前に、一つエピソードというか、これよく言われている話でもありますけど、アップルのスティーブ・ジョブズ氏がよく言っていた言葉で、日本ほど新しいビジネスをスタートしやすい国はないというふうによくおっしゃっていたそうです。なぜなら、優れた技術がもう既に日本にあるから、しかも、そのほとんどが無名の中小企業にあるというふうに言っていたそうです。だから、スティーブ・ジョブズ氏がやることは、それを、アイデアを出して、いろんなものを組み合わせて形にするだけだから、自分に必要なのはもう本当、鉛筆と机と電話一本だけだという話があります。
 ちょっとそれを前提にいろいろお話をさせていただきますけれども、さっき言ったIPランドスケープ、IPというのはインテレクチュアルプロパティー、知的財産ですね、そしてランドスケープというのは一目で見渡せる景色、展望、つまり、知的財産や技術を企業の経営戦略や事業戦略の立案や見える化に生かすと、そういった取組かと思います。もうちょっとほかに分かりやすい言い方があればいいなとは思うんですけれども、ちょっとそれはおいておいて、知財というと、どうしても守りというイメージがありますけれども、それを攻めに転換するのがこのIPランドスケープの発想だと思います。
 二〇〇二年に当時の小泉総理大臣が知財立国を宣言されまして、ただ、それから二十年たつんですけれども、残念ながら今もって日本は知財立国とはちょっと言えない状況にあるかと思います。
 財界からも同じような指摘があります。三菱ケミカルホールディングスの小林喜光会長、今度東京電力の新しい会長にも就任されましたけれども、その小林氏が、先月、四月の二十六日の日経産業新聞のコラムで、日本企業の知的財産に関する戦略、グローバル競争の観点で課題があるというふうにして、次のように述べています。知財のうち、国境を越えた特許出願、商標出願、この二つを人口百万人当たりで国際比較すると、特許の出願については日本は他国に比べて圧倒的に多いんですね。一方で、商標登録は極めて低水準で推移していると、アメリカ、イギリス、ドイツなどはこれが逆だというふうにおっしゃっています。
 つまり何を言いたいかというと、日本は持っている特許の技術を商標で保護されるような商品につなげる開発が弱い、技術を社会実装してお金になるサービスや商品を生み出す能力が相対的に低いというふうに小林氏はおっしゃっています。リチウムイオン電池でノーベル賞を受賞された旭化成の名誉フェローの吉野彰氏も、有名な言葉ですけれども、もう日本は川上は強いけれども川下が弱いというふうにおっしゃっていました。
 本来はその経営やビジネスの強力な手段であるはずの特許や技術が、実際には数を増やすことにちょっととどまってしまっている、もったいないなというふうに思います。自分たちの強みがどこにあるのか、せっかくのその強みや技術をどう経営や商品、サービスに生かすのか、この当たり前の発想を今更ながらですけどやっぱり大事にしていかないといけないと思います。
 ただ、企業の知財部門の方々は、この守りから攻めへのIPランドスケープの考え方を経営層に理解してもらうのにとても苦労しているのが実態であります。というのも、知財というと、どうしても企業のバックオフィス的なところもあって、なかなか大きな声で、しかも力業でぐいぐいとリードしていくのがやっぱりなかなかやりにくい立場にあるというふうに認識しています。
 そこで、必要なのが旗振り役だと思うんですね。経済産業省は、例えばデジタルトランスフォーメーションであったりとか、グリーンもそうですし、ダイバーシティーなど、これまでもいろんなスローガンを掲げて産業界に呼びかけています。
 そこで、お聞きしますけれども、特許庁も、経済産業省としっかり連携しつつ、リーダーシップを発揮して、産業界に是非このIPランドスケープという取組を普及させていくべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

#130
○政府参考人(糟谷敏秀君) まず、先ほど私からながえ委員への御答弁の中で、平成元年に導入した制度について、査証制度を査定制度と申し上げました。査証制度に訂正をさせていただきます。申し訳ございません。
 それで、今の御質問に対する御答弁でございますけれども、まず、御指摘いただいたIPランドスケープですが、知財や市場等の情報を分析をいたしまして、自社の強みや市場での位置付けを見える化して経営戦略や事業戦略に生かす取組でございます。企業の迅速、的確な経営判断に非常に有益な取組であると考えております。経営判断に当たって正確性が向上し、選択肢が増え、エビデンスが明確になるといった効果があるというふうに言われております。
 他方、特許庁が昨年度国内企業を対象に行った調査によりますと、IPランドスケープという言葉を知っている企業は八割でございますが、意味を分かっている企業は三割、IPランドスケープを実際に実施されている企業は一割にとどまっております。IPランドスケープのポイントは、分析の結果を経営者と共有して経営戦略に役立てることであります。IPランドスケープには経営層の理解と会社組織全体での取組が不可欠でありますが、経営層の理解が得られないという企業が六割というのが現状でございます。
 こうした中、昨年の十二月、IPランドスケープ推進協議会という民間団体が設立をされまして、IPランドスケープの普及や推進のための活動が始まったところでございます。特許庁もこの協議会にオブザーバーとして参加をいたしまして、取組を進めているところでございます。具体的には、IPランドスケープをめぐる日本企業の状況について調査や情報提供をして、各社のベンチマークや課題の特定などに役立てたいと考えております。また、経営層を巻き込んで理解を促すべく、特許庁では年間約四百社以上と意見交換を行っておりますが、こうした機会を活用してIPランドスケープの重要性などについて説明、働きかけを行っているところであります。
 委員御指摘のように、技術開発だけではなくて、それをどういうビジネスモデルで、どういうふうに生かして、どうやって稼いでいくか、そういう事業全体が非常に大事でありまして、そういう事業全体の中で知財がうまく活用できるように、企業の経営者等に対して様々な働きかけを特許庁としても行っていきたいというふうに考えております。

#131
○安達澄君 ありがとうございます。
 私が九二年、一九九二年ですけど、サラリーマンとして仕事をし始めて、その当時、会社の中の例えばシステム部とか環境部というと、何かそれこそサポート部門的、バックオフィス的で、ちょっと遠い存在だったんですね。何かシステムなんて、ちょっと機材トラブったときにヘルプの電話をするという存在だったんですけれども、今、御存じのとおり、もうデジタルトランスフォーメーションであったりグリーンという、もう全く立場、役割が変わってきて、企業の中心的存在にもなってきていると思います。
 私は、この知財部門もやはりこのIPランドスケープを活用して十分企業の中で活躍していくべきだと思いますので、是非それを後押ししていただければと思います。先ほど大臣も特許の取得と活用がやはり日本経済の基盤とおっしゃっていましたので、この活用の部分ですね、是非その後押しをお願いしたいと思います。
 最後、ちょっと時間がなくなってしまったのでもう質問にはしませんけれども、特許庁さんのホームページを拝見させていただいて、その中で、特許庁に対しての要望というか、が掲げられていました、ホームページの中で。知的財産協会の情報活用委員会から、技術動向調査に関してこうこうこういうところを変えてほしいという要望がどんと赤裸々に出ていたんですけど、私、これすごいことだなと思って、普通そういうのって隠したがるじゃないですか。表に出したがらないはずなのに、そういうのを堂々と出しているという、その透明性というか誠実さを非常に感じました。
 是非、そういった組織マネジメントといいますか、風土を大事にしていただいて、すぐに対応できる要望もあるみたいですし、そういう動きにあるというふうに、改善されるというふうにも聞いています。是非そういう方向で進めていただければというふうに思います。
 以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。

#132
○委員長(有田芳生君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 特許法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#133
○委員長(有田芳生君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、礒崎さんから発言を求められておりますので、これを許します。礒崎哲史さん。

#134
○礒崎哲史君 私は、ただいま可決されました特許法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会、国民民主党・新緑風会及び碧水会の各派並びに各派に属しない議員安達澄君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    特許法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 特許審判等におけるウェブ会議システム等を利用した口頭審理等の実施に当たっては、当事者の利便性向上を図りつつ、公開主義、直接主義の原則及び口頭によることの意義を維持し、審判の公正を担保するとともに、個人情報や企業秘密等が不当に漏えいすることのないよう、その運用上の課題や公開の在り方等について十分に検討を行い、適切な措置を講ずること。
 二 特許権等の放棄や訂正審判の請求等における通常実施権者の承諾を不要とすることにより、いわゆる独占的通常実施権者に不測の損害が生じること等がないよう、権利関係の実情を踏まえ、制度の周知徹底等適切な措置を講ずること。
 三 特許権侵害訴訟等における第三者意見募集制度の導入に当たっては、第三者から多様な意見が幅広く得られ、その意見を当事者が公平かつ有効に証拠に活用できることにより、裁判所の公正な判断に資する制度となるよう、必要に応じて適切な措置を検討すること。
 四 海外からの模倣品の流入に対する規制の強化に当たっては、善意の個人に不測の損害を与えることがないよう留意しつつ、知的財産侵害貨物の小口化等を踏まえ、実効性ある水際での取締りの体制整備に努めること。
 五 特許料等の料金体系の見直しに当たっては、利用者の意見も踏まえ適切な料金の設定を行うとともに、特許特別会計における歳出削減の取組を徹底しつつ、情報開示の拡充や第三者による財政検証の的確な実施により、透明性・客観性の高い財政運営を行うこと。また、中小企業等を対象とする減免制度の在り方についても、その実情等を踏まえて適正な運用がなされるよう努めること。
 六 植物の新品種や地理的表示の保護に関する相談業務等を弁理士の業務として追加するに当たっては、利用者の利便性向上及び関係法令遵守の観点から、相談内容に応じて行政書士等他の専門家や各地方における農林水産関連事業者団体、農林水産関連研究機関等との連携を図るとともに、研修等の充実を通じ、弁理士の更なる資質向上を図ること。また、農林水産事業者と弁理士とのタイムリーな相談機会の確保・促進を図るため、関係省庁及びその地方機関等において、農林水産事業者のための相談窓口の設置を検討すること。
 七 いわゆる懲罰的損害賠償制度等の知財紛争処理システムの在り方やAI等を活用した審査業務の効率化等の課題について、我が国の知的財産制度を取り巻く様々な環境変化に対応して、諸外国や裁判例の動向も注視しつつ引き続き検討を行うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

#135
○委員長(有田芳生君) ただいま礒崎さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#136
○委員長(有田芳生君) 全会一致と認めます。よって、礒崎さん提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、梶山経済産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。梶山経済産業大臣。

#137
○国務大臣(梶山弘志君) ただいま御決議のありました本法律案の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと考えております。

#138
○委員長(有田芳生君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#139
○委員長(有田芳生君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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