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2021/05/18 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 農林水産委員会 第12号 令和3年5月18日
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2021/05/18 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 農林水産委員会 第12号 令和3年5月18日

#1
令和三年五月十八日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十一日
    辞任         補欠選任
     宮崎 雅夫君     有村 治子君
 五月十二日
    辞任         補欠選任
     有村 治子君     山崎 正昭君
     舞立 昇治君     島村  大君
     高橋 光男君     西田 実仁君
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     島村  大君     舞立 昇治君
     山崎 正昭君     宮崎 雅夫君
     西田 実仁君     高橋 光男君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         上月 良祐君
    理 事
                堂故  茂君
                藤木 眞也君
                山田 修路君
                田名部匡代君
                紙  智子君
    委 員
                高橋 克法君
                野村 哲郎君
                林  芳正君
                舞立 昇治君
                宮崎 雅夫君
                山田 俊男君
                石垣のりこ君
                郡司  彰君
                森 ゆうこ君
                河野 義博君
                熊野 正士君
                高橋 光男君
                石井 苗子君
                舟山 康江君
                須藤 元気君
   国務大臣
       農林水産大臣   野上浩太郎君
   副大臣
       農林水産副大臣  宮内 秀樹君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       熊野 正士君
       経済産業大臣政
       務官       佐藤  啓君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        笹口 裕二君
   政府参考人
       内閣府規制改革
       推進室次長    黒田 岳士君
       農林水産省大臣
       官房総括審議官  青山 豊久君
       農林水産省消費
       ・安全局長    新井ゆたか君
       農林水産省食料
       産業局長     太田 豊彦君
       農林水産省生産
       局長       水田 正和君
       農林水産省経営
       局長       光吉  一君
       農林水産省農村
       振興局長     牧元 幸司君
       農林水産省農林
       水産技術会議事
       務局長      菱沼 義久君
       林野庁長官    本郷 浩二君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       茂木  正君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       次長       塩見 英之君
       環境省大臣官房
       審議官      白石 隆夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (みどりの食料システム戦略に関する件)
 (再生可能エネルギーの普及促進に関する件)
 (果樹農業の振興に関する件)
 (農業農村整備事業に関する件)
    ─────────────

#2
○委員長(上月良祐君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府規制改革推進室次長黒田岳士さん外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○委員長(上月良祐君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#4
○委員長(上月良祐君) 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#5
○宮崎雅夫君 おはようございます。自由民主党の宮崎雅夫でございます。本日は、質問の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。
 先週、みどりの食料システム戦略が策定をされたわけですけれども、今日は土地改良長期計画についてお伺いをしたいというふうに思います。
 三月二十三日に閣議決定をされたわけでございますけれども、その概要を今委員の先生方のところにもお配りをさせていただいております。
 土地改良長期計画につきましては、土地改良法に基づいて、五年を一期にして土地改良事業の実施の目標、事業量を定めることになっておりますので、本年度から五か年間、これを踏まえて事業を実施していくということになるわけでございます。
 政策課題としては、別紙では真ん中から下に書いてございますけれども、この内容については、基本的に昨年までの長期計画の方向性を踏襲をしながら、土地改良の取り巻く情勢の変化ということを勘案して策定されたものと私は認識をしております。
 長期計画に基づいて事業を計画的に進めていく重要な要素の一つとして、予算があるわけでございます。土地改良の関係予算については、本年度は昨年の補正予算と合わせて六千三百億円ということになっております。全国の土地改良の関係の皆さんからは、財政状況が非常にコロナもあって厳しい中、それぞれの地域の要望に応えていただいたということで、たくさんの声を私のところにもいただいているところでございます。
 今後とも、我が国の農業、農村の基盤を支えていくために、農業のソフト施策、他省庁との施策とも更に連携を深めながら、土地改良事業を着実に実施をしていく必要があるというふうに考えます。土地改良長期計画の閣議決定を踏まえて、今後どのように土地改良事業を進めていくのか、必要な予算の確保も含めて、まず野上大臣の意気込みをお伺いをしたいと思います。

#6
○国務大臣(野上浩太郎君) 宮崎先生には、日頃から土地改良事業の推進に御尽力いただいておりまして、ありがとうございます。
 今お話ありましたとおり、土地改良長期計画につきましては本年三月に決定をしたわけでありますが、本計画につきましては、食料・農業・農村基本計画ですとかみどりの食料システム戦略等を踏まえつつ、生産基盤の強化による農業の成長産業化ですとか、あるいは多様な人が住み続けられる農村の振興、農業、農村の強靱化の三つを政策課題として位置付けまして、人口減少下で持続的に発展する農業や多様な人々が住み続けられる農村の実現に向けて事業を推進することといたしております。
 そして、お話ありましたとおり、この政策課題に対応した事業を計画的に実施するために、本年度におきましては令和二年度第三次補正予算と合わせて六千三百億円を確保をしているところであります。
 今後とも、必要な予算の安定的な確保に努めるとともに、担い手への農地の集積、集約ですとか米から高収益作物への転換、スマート農業の実装や輸出の促進といった関連施策と連携し、さらに、今他省庁との連携という話もありましたが、流域治水の取組ですとか農業の生活インフラ、情報通信環境等の整備に係る関係省庁の施策とも連携をして事業推進をしまして、十分な発現効果を図ってまいりたいと考えております。

#7
○宮崎雅夫君 ありがとうございます。
 これから骨太でありますとか概算要求に向けてのプロセスも始まってまいりますので、是非、大臣、よろしくお願いしたいと思います。
 続いて、長期計画の内容についてお伺いしたいと思いますけれども、時間もちょっと限られておりますので、政策課題の三、農業、農村の強靱化を中心にお伺いをしたいというふうに思います。
 まず、防災重点農業用ため池に係る対策の集中的かつ計画的な推進が掲げられております。昨年の通常国会でため池工事特措法が全会一致で可決、成立をいたしまして、十月に施行されました。十一月には、野上大臣、そして総務大臣、防災担当大臣で、防災ため池対策についての三大臣の会合を開催をいただきました。このような大臣会合は私初めてだというふうに思いますけれども、三府省が連携して対策に取り組むことを確認をいただきまして、本年度予算で対策が充実をいたしました。野上大臣の御尽力に感謝を申し上げたいと思います。
 特措法に基づく都道府県の推進計画も策定をされまして、また、ため池サポートセンターというのもございますけれども、これもどんどん増えていっております。防災重点ため池の新たな枠組みができまして、地域の皆さん、関係者の皆さんも大いにこれ期待をしているところでございます。
 対策を加速していくには、予算の確保はもちろんなんですけれども、引き続き制度面の充実を図っていかないといけないというふうに思っております。
 平成二十九年の土地改良法の改正では、ため池の耐震対策、これについて、農業者の申請、同意、費用負担なしで実施をするということは可能になったわけでございまして、これは非常に大きな一歩だったというふうに思っております。
 ため池は、耐震対策はもちろん重要なんですけれども、お配りしております資料の次のページ、ちょっと御覧いただければと思います。水色はこれ豪雨の部分になるわけですけれども、ため池の被災とか決壊は豪雨によるものがこれ圧倒的に多いということが現実でございます。
 最近の豪雨災害の頻発化ということも踏まえまして、豪雨対策も、耐震対策同様、事業の実施手続の迅速化ということが必要だというふうに思っております。この点も含めて、防災重点ため池の対策の計画的な推進に向けてのお考えを宮内副大臣にお伺いしたいと思います。

#8
○副大臣(宮内秀樹君) お答えをさせていただきます。
 委員御指摘のように、昨年十月に施行されましたため池工事特措法に基づきまして全ての都道府県においての防災工事等推進計画が策定されたところでありまして、政府といたしましても、各都道府県の計画に沿いまして対策が進められるよう支援してまいりたいというふうに考えております。
 一方、先生御指摘のように、土地改良事業としてのため池の耐震対策を行う場合におきましては受益者の申請によらない仕様で事業が可能であるということになりましたけれども、豪雨対策を事業化するには受益者からの申請が必要になっております、現在のところですね。
 ため池決壊の原因のほとんどが豪雨となっておる、先生御指摘のこのグラフにも明らかでありますけれども、豪雨災害の迅速化、頻発化といった近年の気象状況の変化も踏まえまして、手続の迅速化を図ることは大変重要であるというふうに考えておりまして、受益者の申請等によらない事業の実施方法につきましても検討してまいりたいというふうに考えております。

#9
○宮崎雅夫君 検討をしていくという御答弁でございました。是非前向きに検討をいただきたいというふうに思います。
 次に、流域治水の取組についてお伺いをいたします。
 土地改良長期計画にも流域治水の推進がこれうたわれております。私も土地改良に携わりましてもう三十五年になりますけれども、ある意味、これ画期的なことだというふうに思います。昨年、農業用ダムについても、全ての一級水系、それから二級水系でも治水協定、これが締結をされまして、土地改良区を始め関係者の皆さんの御協力の下、事前に水位を下げるというような取組も行われたわけでございます。
 今国会で治水、流域治水の関連法案も成立をいたしましたけれども、今後とも流域治水を推進をしていくためには、それぞれの地域で関係者の皆さんが具体的に協力、連携をこれ進めていかないといけないわけですけれども、そのためにもやはり関係省庁の連携がこれ必須だというふうに思います。
 そこで、流域治水の推進に向けた関係省庁の連携につきまして国土交通省にお伺いしたいと思います。

#10
○政府参考人(塩見英之君) お答えを申し上げます。
 河川区域だけではなく、集水域や氾濫域も含めて一体となった流域治水を推進してまいりますためには、流域のあらゆる関係者が協働していく必要がございます。その際は、国土交通省が全体の旗振り役となりますけれども、農林水産省さんを始め関係の方々の御理解をいただき、十分連携を図るということが重要と考えてございます。
 このため、本省レベルで関係省庁実務者会議を設けまして政策間の連携を協議いたしますとともに、現場レベルでも、全国百九の水系ごとに流域治水協議会を設けまして具体的な取組を協議、検討してまいりました。
 これらの協議、検討の場には、農林水産省さん、そして林野庁さんからも本省及び出先機関に御参画をいただきますとともに、各省に先駆けまして大変な御理解をいただきまして、去る三月三十日に水系ごとの流域治水プロジェクトを取りまとめました際も、大雨の前に農業用ダムやため池の水位を下げて治水に利用する取組でありますとか、田んぼダムの取組、さらには、上流域で流木が河川に流れ出すのを抑制する森林整備や治山ダムの整備など具体的な施策を盛り込むことができ、大変感謝しております。同時に、先生御指摘の土地改良長期計画にもこれらの農業関係の施策が明記されたところでございます。
 こうした流域治水の取組は、現在、本格的な実践のスタートラインに立ったばかりでございますので、引き続き、国土交通省が旗振り役となりつつ、農林関係者の皆様の御協力、協働をいただきまして施策の充実を図ってまいりたいというふうに考えてございます。

#11
○宮崎雅夫君 ありがとうございます。
 今年はもう梅雨入りが非常に早いということで、西日本はもう入っておりますし、東京も今日こういうような天気です。昨日は熊本で非常に強い雨が降って被害も出ているということでございますので、是非省庁連携して取り組んでいただきたいというふうに思います。
 もう御案内のとおり、流域の大半はこれ農地、林地でございますので、農林水産省としてもこれ積極的に取り組んでいかないといけないというふうに思います。土地改良計画、長期計画にも位置付けられました農地・農業水利施設を活用した流域治水に今後どのように取り組んでいくのか、農林水産省にお伺いをしたいと思います。

#12
○政府参考人(牧元幸司君) お答えを申し上げます。
 この流域治水対策を進めていく上で、この農地・農業水利施設が持つ洪水調節機能を適切に発揮をしていくということはこれは大変重要でございまして、今回のこの土地改良長期計画におきましても、農業用ダムの洪水調節機能強化の取組、あるいは田んぼダムに取り組む水田面積の拡大等を位置付けまして、流域治水を推進していくこととしているところでございます。
 具体的な取組といたしまして、昨年度、全国百九の一級水系に設置をされました全ての流域治水協議会に農林水産省としても参画をさせていただきまして、三月末に各協議会で策定をされました流域治水プロジェクトに、水害が予測される際に事前に農業用ダムの貯水位を低下させる事前放流、水田に雨水を一時的に貯留させる田んぼダムの取組、大雨の際に雨水を一時的に貯留するため池の活用による洪水被害リスクの低減、さらには、この農作物のみならず市街地や集落の湛水被害も防止、軽減させる排水施設の整備、活用などが位置付けられているところでございます。
 田んぼダムの取組につきましては、多面的機能支払交付金によっても支援してきたところでございますけれども、今年度からは同交付金に十アール当たり四百円の加算措置も新設をされたところでございます。
 今後とも、農業関係者の御理解を得ながら、国土交通省、地方公共団体と連携をいたしまして、流域治水を推進してまいりたいと考えております。

#13
○宮崎雅夫君 多面的機能支払についてもお話がありましたけれども、必要な農家の皆さんへの支援も、これから現場でどんどんそういう取組も増えていくと思いますので、実態をよく把握をしていただいて必要な支援に更に充実をしていただきたいというふうに思います。
 次に、柔軟な水管理の推進についてお伺いをしたいと思います。
 気象変動による影響ということでは、洪水のお話今お伺いしたわけですけれども、少雨、少雪による渇水、水不足ということも起きておるわけでございます。気象変動などで作付け時期が変化をして、それに伴ってかんがい期間も変化をしております。農業用水の柔軟な利用が農家の皆さんから求められておるわけでもございますし、これからスマート農業の普及なんかで更にそういう声が大きくなってくるんじゃないかなというふうに思います。
 農林水産省でも、柔軟な水管理がこれ可能になるように、ICTを活用した整備を推進をするということなども取り組んでいかないといけませんけれども、水利権にこれ関連する問題でもございます。農業用水の柔軟な利用でございますとか、流域治水の取組も踏まえた水利権の確保について、農林水産省にお伺いをしたいと思います。

#14
○政府参考人(牧元幸司君) お答えを申し上げます。
 気候変動や営農形態の変化に伴いまして、農業用水の取水時期の変更でございますとか、必要な水量の増量等への対応が農業者から求められている地区もあるところでございます。
 このため、今後のこの農業水利施設の補修、更新に当たりましては、施設の統廃合や再編、また、御指摘いただきましたようなICTを活用した水管理操作の自動化や簡素化を可能とする整備といったものを推進をいたしますとともに、必要となる水利権等の協議を河川管理者と行ってまいりたいと考えております。
 また、この流域治水に対する農業関係者の理解醸成、営農の安定的な継続のために、農業用ダムの事前放流後におきます貯水量回復のための利水調整でございますとか、排水機場等の整備によります農地からの雨水の迅速な排水への対応等につきましても、河川管理者を含む関係者との調整を行ってまいりたいと考えております。
 今後とも、地域の実情、また農業関係者の皆様方の声に耳を傾けながら、農業水利施設の更新、整備を行っていきますとともに、河川管理者を含みます関係者との連携強化に努めてまいりたいと考えております。

#15
○宮崎雅夫君 ありがとうございます。農水省としても連携強化に努めていくというお話でございました。
 私も、山形の国営事業の現場にいるときに、まさしく水利権の協議というのを直接やったわけでございます。正直言って、大変でもありました。もう二十五年前の話ですから、もう時代は相当変わっていると思いますけれども。
 今日、国交省の次長さんにも来ていただいておりますけれども、やはり流域治水の取組なんかの中で、農家の皆さんからすれば、協力についての感謝も言っていただいたわけですけれども、やはり事前に水位を下げるというのは農家の皆さんにとってもリスクがあるわけですね。その中で、協力できるものはやっぱりしっかり協力していこうという気持ちなんですけれども、やはり水利用の柔軟なというようなところについては、やはり河川管理者にもそういうふうな気持ちを是非酌み取ってもらいたいということは気持ちとしては持っておられるわけです。
 そういうことで、水利権のことでもありますので、是非とも、農水省とも協力をしていただいて、うまく進めていただけるようにお願いをしておきたいというふうに思います。
 最後に、土地改良区の運営体制についてお伺いをしたいというふうに思います。
 これについては、前回の長期計画に比べてしっかり私、書いていただいているというふうに思っておりますけれども、平成三十年の土地改良法改正で運営体制の強化に向けた法的な枠組みということが整えられまして、令和四年度までに決算関係書類として貸借対照表を作成、公表するということになったわけでございます。これに向けて農水省でもこれまで支援をしてきているわけですけれども、いよいよ準備の最終段階となっておりまして、小規模な土地改良区さんなんかは非常に不安に思っておられるのも事実でもございます。
 貸借対照表の作成と小規模土地改良区の運営体制の強化に向けた取組について農林水産省にお伺いをしたいと思います。

#16
○政府参考人(牧元幸司君) お答えを申し上げます。
 御指摘をいただきましたこの平成三十年の土地改良法の改正におきます土地改良区の会計制度の見直しは、土地改良区の運営基盤の強化に向けまして大変重要な取組と認識をしているところでございます。
 このため、これまで土地改良区体制強化事業によりまして、巡回指導、研修、簡易で安価な会計ソフトの開発などを行いますとともに、令和三年度には、コロナ感染症対策を踏まえまして巡回指導を全てオンラインで実施できるように要件緩和をいたしますとともに、小規模な土地改良区の会計事務を共同で行います土地改良区連合の設立に対する支援を講じまして、令和四年度からのこの貸借対照表の作成に向けた支援というものを行っているところでございます。
 また、令和三年度からは、各都道府県に、国、都道府県、土地改良事業団体連合会等で構成をいたします運営基盤強化、運営基盤強化協議会を設置をいたしまして、特に、小規模な土地改良区の貸借対照表の作成に対する支援に重点を置きまして、実態に応じたきめ細かな対応策を検討の上、関係機関が連携して支援をしているところでございます。
 引き続きまして、この現場の実情というものをしっかり把握しながら対応してまいりたいと考えております。

#17
○委員長(上月良祐君) おまとめください。

#18
○宮崎雅夫君 しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。

#19
○田名部匡代君 立憲民主党の田名部匡代です。どうぞよろしくお願いいたします。
 今日は大きく三つの課題について触れたいと思いますが、ちょっと順番変えて、リンゴの前に農業由来の廃プラの問題についてやらせていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。
 川だとか海に漂うマイクロプラスチック、これ、世界的にも環境問題として大きく注目されています。これ、二〇一六年の世界経済フォーラムの試算というのは結構衝撃的なものでありまして、二〇五〇年には海洋中のプラスチックごみの重量が魚の重量を超えるなどという話にもなりましたけど、二十年以上前から農家と連携して流出防止に取り組んでおられる沿岸海洋環境学が御専門の四日市大学の千葉教授が、学生とともに地域の海岸で浜辺を実態調査したという記事を見ました。その結果、農業用の被覆肥料も含まれているということで、記事によると伊勢湾にも多数流出していると教授が話されておられまして、これ、水田から用水路を通じて海洋に流れ込む可能性もあるというふうに思うんですけれど。
 ほかの環境団体でも、社団法人ピリカというところが十六都道府県の川や港湾、湖などで行った調査でも、一番、その見付かったマイクロプラスチックで一番多かったのは玄関用マットだとかゴルフ場で使われる人工芝、これが全体の二三%、次に多かったのが水田で使われているコーティング肥料で一五%だったということなんですね。
 これ、もちろん、処理がいいとか悪いとかじゃなくて、風だとか雨だとか、そういったことでも流れ出るというふうに思うんですけれども、農水省として、これ実態把握、何かされているんでしょうか。

#20
○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。
 農業分野におきましてはビニールハウスなど様々な形でプラスチック使用されておりますが、委員御指摘のプラスチックコーティング肥料でございます。
 これ、緩効性肥料と申しまして、追肥作業が不要となる省力的な技術でございます。じわじわと効いてくるということでございます。それから、長期にわたって効果が持続するということでございます。それから、作物の生育に応じまして肥料成分が溶け出していくという機能があるため施肥量を減らすことができると、肥料を減らすことができるということで、温室効果ガスである一酸化二窒素の排出削減、あるいは地下水の汚染防止に有効な技術であります。
 一方で、御指摘のとおり、使用後の被膜殻が圃場から流出することで海洋汚染等の要因となることが指摘をされているところでございます。
 委員御指摘のこのことにつきまして、民間団体等が調査をいたしました調査もございます。プラスチックコーティング肥料の被膜殻、港湾等で採取したマイクロプラスチックのうち、数では一・一%でございましたが、これを質量比にしますと一五%を占めると、こういった調査結果を民間団体が今年三月に公表したことは承知をしております。
 農林水産省におきましては、令和二年度の委託事業におきまして、水田における被膜殻の流出実態を調査いたしました。その結果、水田から流出したその被膜の、コーティングの殻でございますけれども、これの数でございますが、前年度のプラスチックコーティング肥料などの使用量から推計した被膜殻の年間での施用総数ですね、これに比べますと一割未満でございました。また、これが流出したタイミングでございますけれども、代かき直後の落水ですね、水位を下げるときの三日から四日の間の流出量が収穫までの期間の全流出量の九割以上に及ぶということが明らかになったところでございます。
 今回の調査結果によりますと、代かき直後に排水口のところで被膜殻を捕集する、集めるということで圃場外への流出を大幅に減らせるという可能性があることが示されているところでございまして、流出対策を行う上で非常に有効な情報が得られたと考えております。

#21
○田名部匡代君 ありがとうございました。
 調査もされているようですし、今お聞きした限りでは、どういう対策取ればいいのかということも検討されているようですので、関係団体の方々ともしっかり連携していただいて、農家にとってはメリットのあることが世界から見たら環境に悪い農業をやっているということになってはいけないので、しっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。
 それでは、大体農水委員会にいるときはこの時期リンゴの話をさせていただくんですけれど、先日も山形県で黒星病が初確認されたということで、前年よりは遅いけれども平年よりは二週間程度早い発生だったということです。
 青森県でも、昨年は低温で開花がずれ込んだというふうに記憶しているんですけど、近年はやはり温暖化の影響もあってか生育の進み具合が早くなっています。きちんと生育観察をしながら、雨が降る前、先週末も地元のリンゴ農家さんが、週末雨が降りそうだから、また薬まかなきゃいけないんだと、もう既に五回掛けているという方もいらっしゃいましたけど、そういう適切なタイミングで薬剤を散布して防除対策をする、で、早期発見すると、この防除の徹底がとても黒星病を防ぐためには重要だと思っています。
 これも何度か取り上げているんですけど、青森県では特定の薬剤が効かないという耐性菌が発生をしまして、農家の不安も非常に大きかったんですね。これ、一八年でしたでしょうか、農薬取締法が改正をされて、優先審査制度が設けられました。その際にも、私から農水省の皆さんの方にも、是非緊急性の高い農薬として迅速な対応を求めたいというふうにお話ししましたし、委員会でも新薬の承認の見通しなどもお聞かせをいただきましたが、その後、通常なら三年近く掛かる審査が短縮をされまして、一年三か月ぐらいでしょうか、物すごいスピードで新薬が登録されて、地元リンゴ農家の皆さんでもその効果に大きく期待がされているところであります。
 ただ、これ周辺園地に被害を蔓延させないためには、申し上げるまでもなく、放任園、これをきちんと対策していかなきゃいけないということなんですけれども、国もいろいろと対策やって、メニューあるんですね。やってはいるんですけど、なかなか追い付かないという状況だと思いますが。生産者からすると、いろいろあるんだけど、とにかく目の前にある放任園をもう何とかしてほしいと、幾ら薬を掛けたって、幾ら手を入れたって、そこが発生源となって病気が広がってしまうのではないかというのが当然切実な生産者の皆さんの思いであって、自治体から御要望もあったのでこれ取り上げさせていただきますけれども、樹木の伐採や処理についての補助金申請を五月か六月に行うと十一月ぐらいに決定されるということなんですね。ただ、この間に病気が発生すれば結局周辺に広がってしまうので、もう少し早くならないのか、簡素化できないか、柔軟に対応できないのかという要請がありました。
 緊急的に対応が必要になった場合に事後的に認めるなど、運用面で改善してほしいということですが、農水省の見解を求めたいと思います。

#22
○政府参考人(水田正和君) 委員御指摘のとおりでございますが、果樹の生産者の減少と高齢化、後継者不足が深刻となる中で、条件が厳しい園地が増加しておりまして、そういった園地が放任園地化しますと鳥獣とか病害虫の温床となるということが懸念されているところでございます。
 このため、令和二年四月に取りまとめた果樹農業の振興基本方針の中にも、産地でよく議論した上で、維持が困難な農地については廃園とか植林などの適切な措置、この実施が必要である旨を明記しておりまして、伐採や植林に係る経費を支援しているところでございます。
 この対策でございますが、例年、要望を五月に取りまとめておりまして、六月に計画承認をいたしております。七月中には交付決定手続を完了させているところでございまして、計画承認の後でございましたら、交付決定前の着手届というものを提出していただくことで六月中から事業着手を可能とするなど、事業実施要望に速やかに対応できる体制を整えているところでございます。
 また、現場の方ではその事業要望を随時受付してもらいたいという御要望があるというふうに聞いておりますけれども、限られた予算枠の中で効率的に執行するという観点から、公募によりまして全国からの要望を集約する必要がございますので、随時の受付というのは困難でございますけれども、一方で、通常この公募は年間複数回行っているところでございまして、最初の公募の締切りの後に放任園地が明らかとなった場合は、次回の公募の機会に事業活用をいただきたいというふうに考えているところでございます。
 この運用につきましても、引き続き適切に現場とか関係団体等の御要望を伺いながらしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

#23
○田名部匡代君 ありがとうございました。
 いろいろ考えていただいているようで、計画が認定された、五月にされたら、決定されればもう作業をしていいということなんですね。

#24
○政府参考人(水田正和君) 例年、要望は五月に取りまとめを、出していただいて取りまとめた上で六月に計画承認をしておりますので、その計画承認の後でございましたら、交付決定前の着手届、これ出していただければできるということでございます。

#25
○田名部匡代君 ありがとうございます。できるだけ迅速に、また柔軟に対応していただきたいと思います。
 今局長から話ありましたけれども、その放任園について、維持することが困難な園地については廃園、植林等の適切な措置を講じるということですが、これ、所有者がいる場合いない場合あると思いますけど、どういう手続で行うんでしょうか。

#26
○政府参考人(水田正和君) 放任園地の関係につきましては、先ほど申し上げましたように、維持すべき園地とそれからそうでない園地についてよく御議論をいただくことがまず大事だと考えております。
 これは、生産者団体とか市町村とか生産者の代表などにより構成されます産地協議会というものが果樹の場合ございまして、ここでよく御議論をしていただいて、その上で維持すべき園地につきましては担い手に集約していく必要があると考えておりまして、優良品種への改植ですとか省力樹形の導入などにつきましては、その経費について支援をさせていただいております。
 一方で、コストを掛けて無理に維持していくよりもあえて山に返すということで、鳥獣とか病害虫の温床となることを防ぐだけでなくて、産地全体としても労働生産性の向上ということがつながるような園地につきましては、伐採とか植林とか、そういったものに係る経費を支援をさせていただいているということでございまして、手続といたしましては、所有者の農地台帳ですとか登記簿におきまして権利者とされている方がいらっしゃる場合にはそれを確認していただいて、聞き取りをして確認をして、そういった方々の御了解をいただきながら進めていくということになろうかというふうに考えております。

#27
○田名部匡代君 ごめんなさい。細かく通告しなかったので、済みませんでした。ありがとうございました。
 いろいろなケースが、あっ、ちょっと余談ですけど、今、改植の話があったので、現場の皆さん、改植事業、非常に喜んでおられます。六十歳を超えた方でもまだまだ頑張るぞと、新しいのに植え替えて頑張るぞという声もありましたので、是非、こういういい、喜ばれる事業はどんどん進めていただきたいというふうに思いますが。
 ただ、いろんなケースがあって、例えばこの園主が亡くなった方とか、その亡くなった親族の方などとお話しすると、やっぱり土地は守りたいと、だけれども、今までと同じようには手が回らないという、その土地にも思い入れがあって土地を手放せないという方もいますし、まだまだやりたいんだけれども急に病気になってしまって作業ができないという、いろんな事情があると思うんですね。
 後の質問にも関連するんですけど、自分のその土地は守りたいけれども、人手を確保できないから、守りたい思いはあっても作業が、何というかな、間に合わないようなところもあって、また所有者不明の問題については法改正で大分今までよりは時間を要することなくいろんなことが作業進んでいると思うんですけれども、それでも、相続人に連絡が付かない、見付かっても話が進まない、簡単に解決できないような問題があると思うんですね。
 加えて、農地を手放せないというのは、思い入れがあるだけではなくて、今ネット上を見ると、農地を転用して太陽光を設置するとこんなメリットがありますという宣伝がたくさんあって、資産運用しませんかとか、農地転用型よりも、あっ、農地転用型の方が営農型より収入は大きくなります、一度設置すればメンテナンスもほとんど要らないし、何もしなくても安定した収入が得られますなんという情報はいろいろあって、こういうことが影響しているかどうか分からないけれども、なかなかその放任園の問題についても現場では苦労されているということがあるんです。
 ただ、放っておけば、おっしゃったとおり周辺の生産に害を及ぼすわけですので、まさに、青森なんかでいっても、一大産地である特に津軽の方なんかは、リンゴの一たび病気が広がれば地域の経済をも左右する大きな問題でありまして、可能な限り迅速に手を打てるように、現場でどういう課題を抱えているのか聞いていただいて対応をしていただきたいと、放任園の解消に努めていただきたいというふうに思っています。
 この間、青森県の弘前でも、農業機械メーカーと国立研究開発法人などが共同で落ち葉収集機、これの実演会も行われまして、作業効率は手作業の三十倍ということなので、労働力不足解消にも期待はされているんです。個人的には、こういう最先端の高額な機械を購入する場合は補助率もっと上げて普及に努めてもいいのではないかなと思いますが、ただ一方で、機械を導入して、その費用対効果はどうなのか、高齢化する中でそういった機械を導入して作業する方々がどれだけいるのかという課題もあると思うんですね。
 何をするにも人手というのは大事であって、今の問題でいえば、スマート農業もそうですけど、農家の経営に合わせてどういうことが所得向上につながるかということは指導していただきながら、一番の課題はやっぱり人材を確保できない。大規模であれ小規模であれ、やはり労働力というのは必要なわけですよね。
 今、青森でも、カットリンゴだとかお菓子向けの紅玉、これ加工向けで付加価値の高い商品の需要が拡大をしているそうです。市場価格と加工原料価格が連動して、加工用の安定確保が難しいという課題もあるわけですけど、それ以上に、海外の輸出であるとか加工品の需要が拡大する中で、生産量を維持拡大していくことがとても重要で、そのためにもやっぱり労働力が大事ということなんですね。
 今までだったら、地域の中でお互い助け合って、自分のところの作業が終わったらというやり取りがあったけど、今はそういうことも難しい、地域の中で人を探そうと思ってもそれも難しいということでありまして、生産力の増強に向けた生産基盤の強化だとか省力化ということも大事なんですけれども、人がいないと成り立たないということで、この目の前の人手不足の解消に農水省としてもいろいろメニュー用意していると思うんですけど、これ、課題をどういうふうに捉えて、どう対策を打ってこの問題を解決していこうということなのか。大臣でいいですか、お願いします。

#28
○国務大臣(野上浩太郎君) 御指摘のとおり、農業者が減少する、あるいは高齢化が進む中でどうやって将来にわたって農業経営を担う担い手あるいは労働力、育成確保していくか、重要な課題であります。特に、リンゴの果樹においては、摘果や収穫調整、出荷に労働時間の多くが集中することから、農作業のピーク時における労働力の確保も大きな課題であると認識をいたしております。
 この担い手の確保、労働力確保の観点では、農地や機械設備等の資金の確保、技術の習得などの課題でありますため、幾つかのメニューを紹介させていただきますと、例えば次世代人材育成事業でありますが、新しく農業を始める人に対する就農準備段階ですとか経営開始直後における資金を交付をするとともに、農業大学校ですとか農業高校等の教育機関におけるカリキュラムの強化ですとか研修環境の充実に対する支援などを推進をしております。
 また、労働力を確保する観点からは、農の雇用事業と言っていますが、農業法人等における雇用就農者の研修に対する支援ですとか、あるいはスマートフォンのアプリを活用した産地と労働者をマッチングする仕組みの普及、また、未経験の方にも農業で働いてもらうための農作業の体験や研修プログラムの作成等の支援をしております。
 例えば、このマッチングにおきましては、青森県の弘前市におきましても、未経験の方向けのリンゴの研修会の開催ですとか本研修会の会場における無料就業紹介所の設置等によりまして、求職登録をされた研修生の方六名が生産現場とマッチングをしたものと承知をいたしております。
 さらに、やはり農業に対する関心を持つ方に情報を分かりやすく発信することが重要だということで、求人の情報を一元的に提供するサイトも立ち上げまして情報発信の強化も進めておりますが、引き続き、今申し上げたような取組も含めて総合的に推進することによって人材確保に努めてまいりたいと考えております。

#29
○田名部匡代君 農業従事者への支援については今私たちの党でもいろいろ議論していて、青年、何でしたっけ、今、次世代、青年就農給付金、私たちのときにつくったやつですけど、まず専業農家をしっかりと応援していこうと、就農、新規就農する人たちをしっかり応援していこうという、入口のところではそれは非常に大いに役立っているというふうに思うんです。
 ただ、じゃ、今こういう状況の中で専業農家という視点だけでいいのかというと、更に今の視点を拡充して、二刀流農業というんですか、最近は副業農業だとか半農半Xと、いろんな言われ方しますけど、そういう農業の関わり方、今までとは違う農業の関わり方に対してもっと支援を拡充していく制度が必要なのではないか、そういった議論もしているところであります。緑の雇用事業とは別に、多様な働き方が今ありますし、多様な雇用の仕方があるわけです。ですから、そういった現場の状況に合わせて支援を充実させていく必要があるのかなというふうには思っています。
 一年の中で一定期間だけ人手が必要、青森でいうと、大学生なんかが現場に作業でアルバイト来てくれているんですが、じゃ、そういう人たちをうまく地域でお願いして使えているかというと、一度お願いしていろんなことを教えたら、そこの一つの農家さんがその人囲い込んじゃって、絶対ほかでは、人手はないわけではないけど、その方がほかには行けないみたいな状況もありまして、これ、青森県のJA青年部の皆さんからも御提案いただいて、大臣の国の施策にも少し盛り込まれているようなんですけれども、青年部の皆さん、現場の声を聞かせていただきました。
 全国で繁忙期の異なる生産者間でのパート雇用のシェアリングや地域内で労働力をうまく循環させる仕組みを整備して、情報提供、そして更なるマッチングによって多様な働き方に対応した仕組みづくりをもっと積極的にできないかということ。
 もう一つ、雇用しても人材の技量向上までの育成期間で経済的負担が大きいと、これ若い方ですけど、結構規模大きくやって人も雇っているんですが、だけれども、その負担が大きくて雇用拡大の妨げになっているという意見もありました。
 是非こうした負担軽減についても考えていただきたいと思うんですけど、いかがでしょう。

#30
○政府参考人(光吉一君) お答え申し上げます。
 今、具体的な現場で苦労されている方の声、それを御紹介いただきました。
 具体策については今後検討したいと思いますが、我々といたしましても、新規就農者の方、特に若い方、こういった方に農業に入ってやっていただかなきゃいけないので、こういった方の声を我々政府としてもよくお聞きをする場を設けて、対策を検討していきたいと思っております。

#31
○田名部匡代君 ありがとうございます。
 農業のアルバイトなんかも、今大臣おっしゃった以外にも、それぞれ個人でネット使って上手に宣伝、宣伝というか募集されている方々もいて、県外から働き手が一定期間来ているという場合もあるようなんですね。特に、コロナで現場の皆さん苦労されているけれども、でも、またこのコロナを機に、地方で住みたいだとか、農業をやってみようという方もいらっしゃるかもしれない。是非、またこういう機を逃さずに、いろんな取組していただきたいと思うんです。
 農水省さんも、ネットの活用非常に上手で、いろんな情報発信をしていて、私もよく拝見するんですけど、是非そういうノウハウを、高齢者の方がネット活用できないというのはちょっと違うかもしれないけど、苦手な方もいらっしゃる、若くても御高齢でも。やっぱりそういうところも丁寧に、何というかお手伝いをしてあげるだとか、一定期間働きに地域外から来てくれても、今度はそこで住んでいただく場所を提供しなきゃいけないだとかの負担もあるので、是非、貸家に対する支援なのか、どういうことでそこに人を呼び込んで、農業に関わってもらって、その経験が自分も農業をやろうと、やってみよう、移住しようみたいなことにつながっていくのか、いろんな視点で今あるものを充実するだけではなくて、是非現場の実態だとか声を聞いて検討いただきたいというふうに思いますし、小規模な方こそ、資金的な要因も含めて人材確保できずに、結局、じゃ、もうこれこのまま続けられないよねと廃業の道に進んでいってはならないというふうに思っていますから、是非、大規模であれ小規模であれ、しっかりと人材確保して営農を続けられるよう解決につなげていただきたいというふうに思います。
 もう一点、これも是非現場の声ですのでお聞きをいただきたいんですけれども、就農後の安定的な経営や規模拡大、経営展開についての支援にも力を入れる必要があるというふうに思うんですが、就農者が栽培技術、経営管理、マーケティングなどの体系的な教育を受ける機会がないというふうにその青年部の方々はおっしゃっていました。是非そういう支援をしてほしい。実施しているところもあるかもしれないんですけど、地域で差がなくこういう機会を得ることが大事だというふうに思います。是非、これ、若い農家の皆さんの声に応えると思って御答弁願います。

#32
○政府参考人(光吉一君) お答え申し上げます。
 今、また別の新しい重要な地域の現場の声、お聞かせいただきましたけれども、おっしゃっていただきましたように、地域によっては、例えばJAですとか行政の側とか、あるいは近隣の法人などできちんとしたサポート体制が取られて、そういうところは新規就農について、入った、就農された後もいろいろな援助なりを受けながらいろいろ営農を続けることができるケースが見られるところでございますが、地域によっては必ずしもそれが不十分ではない、そういう地域があるというのは事実だと思っております。
 全国いろんな地域で新規就農者を確保して、新しい人材を、農業で頑張っていただけるような環境をつくらないといけないと考えておりますので、就農した後、いろいろなサポートがきめ細やかに受け得るような環境をつくる、こういった観点で政策を考えていきたいと思っております。

#33
○田名部匡代君 よろしくお願いします。
 ちょっと時間がないので、質問飛ばして、ため池のことを取り上げさせていただきます。
 先ほども宮崎委員の方から、ため池の豪雨による決壊等の話もありました。三十年の七月の豪雨災害で決壊したため池が三十二か所、この際も尊い命が失われましたし、負傷者も出ました。近年、こういう大きな大規模災害が頻発していますので、しっかりと対応していかなきゃいけない、昨年できた法律の中でですね、予算も付けてやっていくことになるわけですけど。
 これ、うちの徳永、立憲民主党の徳永委員がこの間、本会議で取り上げていました。小泉大臣が四月六日、参議院の環境委員会で、ため池について、再エネ、環境が悪くなるというところを言われますけれども、残念ながら、あのため池の水を見ている方が景観が悪いと私は思った部分もありますと。ですから、この再エネの、上で浮かぶ、再エネの、上で浮かぶ、まあ言ったとおりですから、上で浮かぶ形のソーラーパネルというのが結構出てきているので、徹底活用したいと思いますねと答弁されたんですね。おぼろげながら浮かんだわけではなく、大臣の、小泉大臣の考えだと思いますが。
 まず、ちょっとこのことについて、大臣、どんなふうに受け止めておられるか、お聞かせください。

#34
○国務大臣(野上浩太郎君) 農業用ため池の上にこの水上太陽光発電設備を設置するというのは瀬戸内海沿岸を中心に取組が行われていると承知しておりますが、この取組は、再生エネルギーの活用として期待されている一方で、やはり水面に設置する、しますので、技術的困難さがあったり、台風が来たらめくれ上がってしまったり、堤体そのものにちょっと影響を与えるのではないかというようなことも、そういうような課題もあると考えておりますので、農林水産省としては、全国的な設置状況ですとか活用に当たっての課題等について本年度に調査を行いまして、安全な設置方法等について検討してまいりたいと考えております。

#35
○田名部匡代君 やはり、例えば設置したため池の売電の収入で今ため池の維持だとか保全、管理保全、こういったことも大変になっているので、そういうことで役立つという面もあるのかもしれません。ただ、やっぱり今言った安全性の問題等、まだ課題はあると思うんですね。
 本来のため池の役割をこの場で申し上げることはないというふうに思いますが、ただ、現在はやっぱり老朽化をしていたり、管理主体が減少したり高齢化をしたりということもあると思いますし、当然、所有者不明の問題もあるというふうに思っています。既に農業用として活用されなくなっている場合もあると思うんですけど、でも、小泉大臣が言うように、景観がいいとか悪いとかというのは関係ないんですね。
 やっぱりそこは農水省としても、環境省さんもその視点あると思いますけど、農水省としてもため池の持つ多面的機能を大事にしようという考え方でいろんな取組をされていると思いますし、昨年成立した議員立法の附帯決議にも生物の多様性の確保、自然環境の保全、良好な景観の確保ということが盛り込まれましたよね、宮崎先生、ということなんです。
 今大臣がその安全性のことにも触れていただいたので、これだけ大規模災害が発生して、農水省としては、あの決壊で人が亡くなったということを受けて、これからしっかりため池の安全を確保していこうと、そして営農につなげていこうという、そういう思いで取組を進めているわけですから、是非その視点を持って他省庁とも調整をしていただきたいというふうに思っていますし、大臣おっしゃったように、台風十五号であの千葉県のダムが、めくれ上がったり火災が発生したりというようなことがありました。
 再エネを進めることは反対しません。活用できるところはしっかり活用していただいていいわけですけれども、そのことが結果、何か地域を壊したり安全を奪うようなことにやっぱりなってはいけないというふうに思っているのですね。
 ですから、これまでどういう議論されてきたのか分かりませんけれども、安全性の問題と、どういうところなら活用できるのかできないのか、どういうところは守るのか、やったことが地域にきちんと利益として還元されるのか、こういうことを含めて農水省として検討いただきたいと思うんですが、もう一回、大臣、お願いします。

#36
○国務大臣(野上浩太郎君) ため池への太陽光エネルギーの設備の設置でありますが、今先生おっしゃられたとおり、活用できるところは活用して再生エネルギーへの取組を進めていくということは重要であると思いますが、一方で、今申し上げたとおり、安全性ですね、めくれ上がったり、堤体への影響あるいは取水設備への影響があったり、一方で、ため池の多面的機能のお話もありましたが、生物多様性ですとか水質ですとか、あるいは文化の継承等々への影響ということもある。様々な課題もあると考えておりますので、設置に当たっての課題等について、全国的な設置状況も含めてしっかりと調査をして、検討してまいりたいと考えております。

#37
○田名部匡代君 よろしくお願いします。
 これ、ため池だけではなくて、農地に設置される太陽光パネルにも言えることでありますけれども、地元の太陽光発電に関わる業者の方とお話をさせていただいて、耐用年数が来たときに適正に処分なり対処されるのかということは、現時点ではやはり多少なりとも懸念はあると関係者の方もおっしゃっていました。パネル設置者の資金力が十分ではないことも多くて、メンテナンスであるとか最終的な処分に係る経費の確保が今後何らかの形で担保されるのかということもあると思いますし、農村の過疎化や農業従事者の高齢化、後継者がいないだとか、また農地の受け手が見付からないだとかですね、こういうことを合わせて、結果として太陽光パネルがそのまま残されてしまうのではないかという懸念はないとは言えないというふうに思うんですよね。
 これ、ちょっと質問飛ばして、エネ庁でも、借地期間終了の際には原状復帰が義務付けられているのが一般的であることなどから、放置される可能性は低いと考えられますというふうに言っているんですけど。で、エネ庁は、問題となるのは、事業者が所有している土地で行われている事業用太陽光です。実質的に事業が終了しても、コストの掛かる廃棄処理を行わずに、有価物だとしてパネルが放置される可能性があります。また、いずれのケースでも、廃棄の費用を捻出できない、あるいは準備しなかったなどの場合、他の土地に不法投棄されるのではないかという懸念もあります。こうした放置や不法投棄を防ぐためには、電気を売って得た収入の一部を廃棄などの費用として積み立てておくことが有効であるということ、ただ、実際に積立てを行っている事業者は少ないのが実態です。太陽光パネルには、パネルの種類によって、鉛、セレン、カドミウムなどの有害物質が含まれており、それぞれ適切な処分が必要なんだけれども、それが処理業者に伝わっていないために適切な処分が行われていないケースが見られますと、こういうことが書いてあるので、なおさら不安になる。
 そこに加えて農地の企業の所有の話があったりして、本当に今のこの法改正、温暖化対策、何でしたっけ、地球温暖化対策推進法、温暖化対策、温対法の改正もあって、農地の転用がスムーズに、いろんな手法で転用が可能になったり、そのことで、本来ならば生かすべき農地が潰されていったり、これ本当に、本当は農水省としては、荒廃農地を山に戻すだとか、そこでもう一回ソーラーシェアリングで耕作活動をしていただくというのが農水省の本当の思いだというふうに思うんですけれども、ただ、経産省はやっぱり違う。これ、経産省でしたっけ、あっ、資源エネルギー庁の資料を見ると、非農地判断の迅速化や、再生可能な荒廃農地については非農地判断の迅速化や農用地区からの除外の円滑化について助言するって、これ多分専門家の会議の話だというふうに思うんですけれども、こういうことを言われているんです。
 ただ、私は、できる限りソーラーシェアリングをする、そして荒廃農地をもう一度生かしていく、実は、再生可能エネルギーは大事なんだけれども、そもそも農水省の再エネ推進の法律ができたときを考えれば、何というかな、地域、農村地、農家へのきちんと利益が還元されること、その地域への貢献や発展があること、そして営農活動もきちんと続けられることということが基本の考え方にあったというふうに思うんですね。使えない農地は太陽光に使っちゃっていいやという話じゃないんですよ。まさにそれが農業の持つ、農地の持つ多面的機能の維持であって、使えないからそれでいいという話にはならない。
 農水省からその視点が消えてはならないというふうに思っていて、是非、この太陽光の問題についても、有害物質の情報も知られていない、放置される危険がある、慎重に今までと同じような手続の中で守るべき農地が守られるような仕組みを運用上担保していただきたいと思うんですけれども、今言ったような懸念は農水省はお持ちなのかどうか、ちょっとお聞かせください。

#38
○政府参考人(牧元幸司君) お答え申し上げます。
 農水省といたしましては、もちろん、この優良農地をしっかり守っていくというのが基本かというふうに思っております。したがいまして、この再生可能エネルギーの活用につきましても、今委員から御指摘いただきましたように、基本は、荒廃農地について活用できる部分があれば再エネ法の枠組みを使って活用するというのが基本かというふうに思っておりまして、優良農地は優良農地として引き続きしっかり確保するということかと思います。
 その中で、農地に太陽光パネルを設置するというものにつきましては、営農型太陽光発電設備というのがございます。仮にこの営農型太陽光発電を行っている農地におきましてこの太陽光発電設備が放置されたような場合、今委員から御指摘ありましたように、その耐用年数が来てしまって放置をされたというような場合には、農地法に基づきまして、都道府県知事等によりまして設備を撤去して農地に還元するように命令を行うということになっているわけでございます。
 これら農地制度もしっかり活用しながら、私どもといたしましては、この優良農地を守っていくということを基本にして、再生可能エネルギーとの、利用とのバランスというものを図っていきたいと考えているところでございます。

#39
○田名部匡代君 時間がなくなったので、ごめんなさい、皆さん、お忙しい中来ていただいたのに質問できませんでしたが、これいろいろアンケート調査をされている方も、営農を主目的としない電気事業者からの相談が農地の利用としては大多数を占めているとか、太陽光パネルの設置について相談される方のほとんどは高齢、後継者がいない、市外居住者が相続した等の理由により耕作できない人たちからの相談がある、また、パネルの下で営業している場合支障が出ているという話もありますし、土砂災害や水の濁り、景観、生態系への影響、いろんなことがあるので、実態がどうなっているかということはきちんと確認した上で、農水省は農水省としての本来の役割をきちんと果たしていただきたいというふうに思いますので、安全性のこと、処分の問題、有効な、優良な農地をしっかり守る、自給率を上げる、これらを一体として捉えていただいた上で、再エネの促進にもまた取り組んでいただきたいというふうに思います。
 終わります。

#40
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
 本日は、一週間前の五月の十二日に策定されましたみどりの食料システム戦略について集中的に質問させていただきます。
 渋沢栄一さんがかつてこんなことを言っておりまして、仁義道徳と生産利殖は元来共に進むべきものであるということで、現代でもその持続可能性と生産性の向上を両立させるというのがどのような分野にも必要だということになる、ちょっとこじつけみたいですけれども、そう私は思うんですね。
 そこで、大臣にお聞きいたしますが、みどりの食料システム戦略は、農林水産業の生産力の向上と持続可能性の両立、これを目指す、今までにない新しい政策方針であるというふうに書かれておりますが、大臣、どの辺が今までにない新しさなのか、分かりやすく説明してください。

#41
○国務大臣(野上浩太郎君) 今お話ございましたとおり、このみどりの食料システム戦略でありますが、生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現させるためのものでありまして、昨年十月から省内で精力的な検討を行ってまいりまして、年明けからは、二十二回にわたりまして実施をした生産者、事業者、消費者等の意見交換会等で活発な議論を重ねてまいりました。
 その結果、新たな目標として、二〇五〇年度までに、CO2のゼロエミッション化の実現をする、また化学農薬の使用量をリスク換算で五〇%低減をする、化学肥料の使用量を三〇%低減をする、また耕地面積に占める有機農業の取組面積を二五%、百万ヘクタールに拡大をする等の戦略を策定したところであります。
 さらに、この戦略は、生産者と事業者とまた消費者も含めてそれぞれの理解と協働の上で実現するものと考えておりますので、まずはこの六月から九月をみどり戦略集中周知期間としまして、本戦略の考え方ですとか方向性をあらゆる機会を捉えて発信をしたいと思っておりますし、補助や投融資や税、制度等について政策手法のグリーン化の具体化に向けた検討を行うほか、やはり既存の優れた技術ありますので、その横展開を図る、さらには革新的な技術、生産体系の研究開発を推進する等々、戦略の具体化に向けて進めてまいりたいと考えております。

#42
○石井苗子君 そうなんです。十六ページにわたるこの資料もよく読ませていただきましたけれども、このみどりの食料システム戦略、昨年の十一月、戦略本部というのが設置されて、一月から二月にかけて意見交換、二十二回、三月に中間取りまとめ案の公表、四月、五月で策定までやるというすごいあり得ないような猛スピードで作られたわけなんですが、有識者などの意見を聞いたと報告されましたけれども、半年で今後の日本の農林水産政策の基本となるような重要な戦略を決めたわけですが、大臣、これ、この期間で十分な議論をしたとお思いになっていらっしゃいますか。

#43
○国務大臣(野上浩太郎君) 今お話ございましたとおり、昨年の十月に検討指示をしまして、本年の五月十二日、先般ですね、策定をしたわけでありますが、その過程では、私や副大臣、政務官も参加をして、各品目の生産者ですとか若手の新規就農者ですとか、あるいは中山間、中小・家族経営等の生産者の方々、また食品事業者、メーカー、消費者団体等の幅広い関係者の方々と二十二回、計百七十二名の方々と意見交換を行ってまいりました。また、有識者との意見交換、あるいは審議会、パブリックコメントなども行って、これらの御意見を踏まえて本戦略を策定をしたところであります。
 パブリックコメントにおきましては、戦略の策定以降も消費者ですとか現場の生産者との対話と理解促進を望む御意見をいただいたことから、中間取りまとめ以降も、新たに国民理解の促進の項目を設けまして、戦略策定後も関係者との意見交換を続ける考えを明記をさせていただきました。
 先ほど申し上げましたが、生産者、事業者、消費者、それぞれの理解と協働の上でこの戦略が実現するものと考えておりますので、この本戦略の理念ですとか目指す姿、あるいは取組方向について、関係者との意見交換を通じまして御理解いただけるように取り組んでまいりたいと考えております。

#44
○石井苗子君 超過密スケジュールの中で、これからは周知徹底を図っていくということなので、本題に入ります。
 みどりの食料システム戦略では、重要業績評価指数、あっ、失礼しました、重要業績評価指標というのを出しています。KPIといって、キー・パフォーマンス・インディケーターということなので、全部で十四ありますが、お配りした資料の一枚目の真ん中を見ていただきますと、ただいま大臣がおっしゃった二〇五〇年までに目指す姿というところで幾つかの指標が書いてあります。
 この右のグラフのところ、これは農林水産業のCO2ゼロエミッション、CO2の総排出量ゼロの実現の指標というグラフですが、すごい勢いで上に上がっておりまして、そのほかにも、化学農薬ですね、化学農薬使用量、リスク換算を五〇%低減、化学肥料使用量三〇%低減、耕地面積における有機農業の取組面積を二五%、百万ヘクタールまで拡大と。
 こういう指標は、本来、定期的に達成状況を確認して軌道修正していくものだと思います。単に目指すだけの数字を掲げているだけにならないようにと願っておりますが、達成したいという年までの途中段階で、達成度を評価し、さらに政策を修正していくという軌道修正を農林水産省としてはきちんと考えておられますでしょうか。

#45
○政府参考人(菱沼義久君) お答えいたします。
 みどりの食料システム戦略では、二〇五〇年までに農林水産業CO2ゼロエミッション化の実現、化学農薬の使用量をリスク換算で五〇%低減と意欲的なKPIを掲げております。
 本戦略のKPIについては、関係者との意見交換を行った上で省内で真摯に検討して設定したものであり、戦略の進捗状況につきましては、省内に設けられたみどりの食料システム戦略本部に適宜報告し、それぞれの取組をフォローアップしてまいりたいと考えております。
 その上で、取組の加速化が必要なものであれば、その都度、対策の強化を図るなど、本戦略のKPIの実現に向けて全力を尽くしてまいります。

#46
○石井苗子君 これから考えていくということなんでしょうが、近年、あらゆる産業でSDGsや環境への対応、重視されるようになってきました。世界的なトレンドなので、日本の食料生産や農林水産業においても的確に対応していく必要があります。
 先ほどのKPI、個別具体的な質問をさせていただきますが、戦略の中で、二〇五〇年までに温室効果ガス排出をゼロ、ゼロエミッション、これを掲げております。昨年、二〇一九年度の、あっ、失礼いたしました、二〇一九年度ですね、の温室効果ガス排出量をちょっと調べてみましたが、日本全体で十二億一千二百万トンです。うち、農林水産分野は約四千七百四十七万トン、全排出量の三・九%です。ですから、全体から見ると少ないように感じますが、この三・九%からゼロに向けた具体的な戦略の御説明をお願いします。

#47
○国務大臣(野上浩太郎君) 今御指摘ありましたとおり、我が国が排出する温暖化効果ガスのうち、農林水産業に由来するものは約全体の四%となっているわけであります。
 現在、農林水産省では、温室効果ガスの削減のために、例えば施設園芸等における省エネ機器ですとか水産業におけるLED集魚灯の導入支援といった排出削減対策、それと間伐や再造林等の適切な森林整備等による吸収源対策、これを行っているところであります。このような中で、みどり戦略では、二〇五〇年カーボンニュートラルに向けまして、この新たな技術としまして、農林業機械、漁船の電化、水素化、また農地、森林、海洋への炭素の吸収、固定、また家畜の最適管理技術による農畜産業からのメタン等の排出削減等、技術開発を目指すことといたしております。
 二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けまして、関係省庁と緊密に連携をしながらこの温室効果ガスの排出削減、吸収に向けた取組を推進してまいりたいと考えております。

#48
○石井苗子君 そういうのを決めて、できれば年度を決めて、その軌道修正というのをこのように計画しておりますというような中間報告と、それから検証ですね、検証ということについてすごく力不足のような気がしますので、これからはそこに力を入れていただきたいと思います。
 一枚目の資料の左側の水色のところにありますEUのファーム・ツー・フォークという戦略、これを見ていただきたいんですが、ファーム・ツー・フォークですから畑からナイフとフォークということで、畑から食べるところまでという、食卓までということなんですが、これについてマスコミが、日本のみどりの食料システム戦略はEUのファーム・ツー・フォーク戦略のコピペじゃないかと、日本の農業現場から見ればとんちんかんな内容だと酷評するところがありました。もちろん、農水省としてはコピペではないということですが、私も一つ質問させていただきます。
 例えば、EUは二〇三〇年までに化学農薬使用量の五〇%低減、有機農業の取組面積二五%としております。日本は、二〇三〇年ではなくて二〇五〇年までにその同じ一枚目の資料の黄色い枠のところにEUと同じ数値が書かれているんですが、日本とEUとでは全く現場の事情が違うのも事実で、日本の有機農業の取組面積、今〇・二%です。それと比べてイタリアは一五・四%、スペインは八・九%と、ここまで違います。なぜ全く違うのに同じ数値にしているんでしょう。ここの説明をしてください。

#49
○政府参考人(菱沼義久君) お答えいたします。
 我が国は欧米に比べて生産者の高齢化が進んでおり、今後十年間で生産者の減少、高齢化が一層進むと予想されております。さらに、我が国は欧米と比較して温暖湿潤な気候のため、病害虫や雑草が発生しやすい気候条件下にあることや、農業については稲作が食料生産の基本であり、小規模な生産者が多いといった特徴があります。
 こういった我が国独自の現状と課題を踏まえまして、環境負荷の軽減とともに、生産者の減少や高齢化等の生産基盤の脆弱にも対応できるような農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現する本戦略を策定しました。
 本戦略はアジア・モンスーン地域において特に重要な課題であると考えておりまして、我が国のスマート農業や防除技術の確立、普及することにより、これらの課題、アジア・モンスーン地域の課題への対処に貢献できる可能性が大きいと考えております。

#50
○石井苗子君 そうなんです。アジア・モンスーン地域での課題で、その中においてスマート農業の在り方、日本の現場に合った目標数値を出してやっていかなきゃならない。
 ということで、資料一枚目のその黄色い枠のところの括弧でくるんでありますリスク換算について質問いたします。
 リスクを換算するということで、化学農薬の使用量をリスク換算で五〇%低減という指標を掲げていますが、リスク換算とはどのようなリスクを意味しているのか、何を意味しているのかを教えてください。

#51
○政府参考人(新井ゆたか君) お答えいたします。
 今般、みどりの食料システム戦略におきまして農薬使用量の低減のKPIを設定するに当たりまして、私ども、いろいろ考えました。今回の戦略の目的が環境負荷を低減し持続的な農業生産を確保するという目標でございますので、従来、環境保全型農業ということで、農家の個々の段階で単純な使用量を減らすということは農水省推進してまいりましたけれども、今回のKPIに当たりましては、まず、幅広い関係者が計画的に取り組むことができる、それから、当然KPIでございますので、検証可能であるということを考慮いたしまして、環境へのインパクトを全国の総量で低減をしていくということで、リスク換算という単語を用いたところでございます。
 しかしながら、このリスク換算の算出について、すなわち環境へのインパクトを踏まえた新しい考え方ということでございますので、国際的にこれがふさわしいということが実は決まっているわけではございません。私ども事務方として案を持っておりますけれども、現在、農業資材審議会の農薬分科会におきまして専門家の知見を仰ぎたいというふうに思っております。そういう中で、検証可能で、かつ農家の方も取り組めるようなKPIというのを設定していきたいというふうに考えております。

#52
○石井苗子君 農家の方が、日本のですね、日本の農家の方が取り組めるようにということで、日本の農業は将来的に化学農薬の使用量を五〇%減、半分にして有機農業を推進していくということなんですが、有機農業に関しては有機農業推進に関する法律というのがあります。そこで定義が書かれております。有機農業とは、化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと、遺伝子組換え技術を利用しないこと、これを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減し、農業生産方法を開発していく、これを用いて有機農業というということで、恐らくこのSDGsの中で、人間の健康的な生活というために持続可能性な農業を実現する鍵となるのがその有機農業で、この生産システムであるということは間違いないと、このように定義しているんだと思いますが。
 その有機農業の現場、日本の現場の実態を見ますと、平成三十年度、有機農業取組面積二万三千七百ヘクタール、これヨーロッパと比べて余り進んでおりません、今言いましたようにモンスーン地域というのもありますけれども。
 資料の二枚目を見ていただきたいんですが、これはあと三十年の間で二万三千七百から百万ヘクタールまで、約四十倍から五十倍にしていくというすさまじい取組をこれから始めるわけです。赤いグラフを見ますと、急激にアップさせるという計画なんですが、二〇四〇年のところを見ますと、次世代有機農業技術確立と農水省はおっしゃっていますけれども、どうやって確立していくのでしょうか。三十年で四十倍計画の段取りというのをもう少し詳しく教えていただけますか。

#53
○副大臣(宮内秀樹君) お答えをいたします。
 みどりの食料システム戦略の中で、有機農業の取組の拡大につきましては、二〇五〇年までにオーガニック市場を拡大しつつ、耕作面積に占める有機農業の取組面積の割合をまさに二五%に拡大するという野心的なKPIを設定しているところでございます。
 この目標の達成のためにどのような段取りでイメージを持って進むのかということの御質問でございますが、まずは、二〇三〇年までに取組面積を六万三千ヘクタールまで拡大するとの目標に向けまして、現在実践されている技術の体系化と横展開の社会実装の強化を図ります。それから、二〇四〇年までにスマート技術等を核といたしましたいわゆる次世代有機農業技術を開発、確立しようと思っております。その後、二〇四〇年から二〇五〇年までにこれらの技術を全国的に農業生産現場に横展開できるようにしたいというふうに考えております。
 この次世代有機農業技術とはどういうものかということでございますけれども、AIやリモートセンシング技術を駆使いたしました予察技術によりまして、生産者が自身の圃場の病害発生の兆候をスマートフォンなどのプッシュ通知で知ることができる病害虫予報システム、それから、植物と土壌微生物の相互関係を解析いたしまして、それらを活用した栽培システム、それから病害虫抵抗性を強化するなど有害栽培に適した品種等の開発、この三つを考えているところでございます。
 今後、農林水産省といたしまして、政府全体で行う研究プロジェクトへの参加を含めまして予算を確保いたしまして、このような次世代有機農業技術の確立に向けた革新的な技術、生産体系の開発を推進してまいりたいというふうに考えております。

#54
○石井苗子君 野心的と革新的しか聞こえてこないんですけれども、通告していますので、お一つでもお答えください。あと一分あります。その右側の、ページの右側に書かれているイノベーション頼みみたいなところを今ずらっと読んでいただいたんですけれども、一つ目の質問、三つあります、全部通告していますので、お一つでもお答えください。
 AIによる病害虫発生予察というんですけれども、光、音などの物理的手法、天敵などの生物学的手法、農薬が要らないようにするために、これ要らないというふうにしていくということなんですけれども、現在どのような技術水準にあるのか、あと二十年でここまで技術開発が進むという見通しがあればお答えください。それから、土壌微生物機能の解明と活用技術と書いてありますが、土壌微生物にはどのような機能があり、どのような水準の活用技術を目指しているのか、このお二つ、最後にお答えください。

#55
○委員長(上月良祐君) 時間が参りましたので、答弁は簡潔にお願いいたします。

#56
○政府参考人(菱沼義久君) はい。
 お答えいたします。
 今の技術では、物理的防除とは誘ガ灯といったものがありますし、生物農薬も天敵といったものを活用しておりますが、今後はAI、ビッグデータ、ロボティクス、さらには青色のレーザー光といったような先端技術を活用しましてリモートセンシング、さらにはロボット、自律型の除草ロボットといったものを開発して有機農業の推進を図っていきたいと思っています。
 さらに、土壌微生物についても様々な微生物がございますので、その作物と土壌微生物の相互関係の解析やデータベース化、いわゆる健康な土壌の指標化、そういったものに資するような栽培体系や資材の開発を進めてまいりたいと考えております。
 以上です。

#57
○委員長(上月良祐君) おまとめください。

#58
○石井苗子君 分かりました。
 引き続き、今後質問をさせていただきます。
 ありがとうございました。

#59
○舟山康江君 国民民主党の舟山康江でございます。
 まず、農山漁村における発電事業の可能性と課題についてお聞きしたいと思います。
 二〇五〇年カーボンニュートラルという目標の中で、その手法の一つとしてやはり再エネの推進というのは必要ではないかと思っておりますし、元々、再生可能エネルギーは、地方の様々な資源を利用してその利益が地方にも還元すると、そしてまた、分散型エネルギーということで非常にリスク分散にもつながっていくと。非常に、やはり私は、一般論として再エネの推進というのは大変大事だと考えております。
 ただ一方で、再エネ事業を行う際に、残念ながら事業者と地域とのあつれき、対立が生まれている、こんな事例もたくさんございます。山形県の事例でいっても、昨年、メガソーラーですね、メガソーラー、あっ、ごめんなさい、風力発電、出羽三山地域で風力発電事業の計画があり、最終的にはアセスの段階で地元の理解が得られず断念したと、こんな事例もありましたし、その数年前から、今でもまだ問題くすぶっておりますけれども、メガソーラーをめぐって複数の地域で対立がまだ解決していないと、こんな事例もあります。
 まず、経産省にお聞きしたいと思いますけれども、こういったあつれき、対立の現状をどのように把握されているのか、そしてまた、様々なこういった反対運動が起こる理由、原因についてどのように分析されているのか、まずお答えいただきたいと思います。

#60
○大臣政務官(佐藤啓君) お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、再生可能エネルギーは二〇五〇年カーボンニュートラル実現に向けた鍵でありまして、最大限の導入が基本方針でございます。FIT制度の導入の結果、我が国の再生可能エネルギーの導入量は、再生可能エネルギー全体としては世界第六位、特に太陽光発電は世界第三位となるまで向上しました。
 一方で、御指摘のとおり、様々な事業者の参入が急速に拡大した結果、発電事業者と地元の間にあつれきが生じているケースがあることを承知しております。その理由は案件により様々でございますが、例えば、発電事業に伴う開発によって土砂災害等の自然災害が生じないかといったような問題、また、発電施設が住宅地ですとか景勝地の近くに設置されることによりまして地域の景観が損なわれないかといった問題、また、発電事業終了後に事業が継続されなくなり不法投棄等が生じないか、こういった懸念の声があるというふうに承知をしております。

#61
○舟山康江君 そういった問題を解決するために、経産省としてどのように取り組まれているのか。
 私は、やはりまずは地元での合意形成を先にしっかりと進めるべきではないかと考えていますけれども、累次の運用見直し等で、例えば努力義務として住民説明会ですとか、そういったものが盛り込まれるようにはなりましたけれども、これ義務化にはなっておりません。やはり、後になって問題が起きるよりも、入口段階できちっとした地元との合意形成、今政務官から御指摘いただきましたけれども、やっぱり再エネは一般論として進めるべきだというような方向性が確認されている一方で、自然環境とか生活環境、更に言えばこの農林水産業、一次産業にも影響、また競合する可能性もありますので、やはり入口段階でしっかりとした合意形成が必要だと思いますけれども、その辺りどのように取り組まれているのか、御答弁をお願いします。

#62
○大臣政務官(佐藤啓君) 再エネの更なる導入拡大には、地域との共生を図りながら事業を進めていくことが重要である一方、地元とのあつれきを生じている事例があるわけでございます。
 あつれきが生じている理由は様々ですけれども、先ほど何点かお答え申し上げましたが、まず、太陽光発電に関して、発電事業終了後に放置、不法投棄されないかという懸念には、これについては、約八十万件の全ての事業用太陽光について廃棄等の費用の確保を担保するための仕組みを昨年の六月成立した改正再エネ特措法で措置して、現在施行の準備を進めております。
 そしてまた、御指摘の地域で懸念が生じる背景の一つとして、事業者と住民の間での十分なコミュニケーションが不足をしているというケースがあることも認識しておりまして、このため、先生がおっしゃったように、政府としては、FIT制度の中で地域住民と適切にコミュニケーションを取ることを努力義務としておりまして、不適切な場合には指導も行っているところでございます。
 また、こうした地域におけるコミュニケーションの課題に対応するために、都道府県や市町村において再エネ設備に地域との共生を求める条例というものを作るパターンも増えておりまして、政府としてはこうした取組を支援をして、再エネ特措法の認定に当たっても連携を図っているところであります。
 これらの取組を通じて、今後も再生可能エネルギー発電事業が地域と共生して長期安定的に運営されるように努めてまいりたいと思います。

#63
○舟山康江君 国の動きを待っていられないということで各自治体でも条例を作る動きがあって、何とかこういったあつれきを生まないようにしていこうという努力は、それはそれで地方分権の中でいいんですけれども、やっぱり国としてこういった仕組みをしっかり入れていかないと、もういいところまで行って断念するとなると、これ事業者にとっても逆にマイナスだと思うんですよ。やっぱりそこをもうちょっと考えていくべきだと私は思います。
 そして、農林水産省でも、この再エネの推進に向けて農山漁村再生可能エネルギー法というものがございます。私、この仕組み非常にいいと思っているんですね。全ての市町村ではないですけれども、基本計画作って、協議会をつくって、その中に自治体、地域住民、事業者を入れて、しっかりとしてまず入口で協議をしていくと。協議が成立すれば、いろんな各種法令への対応に対しての特例措置があるわけですけれども、やっぱり私、この協議会で合意形成を得ていくと。そしてまた、もう一つ、この再エネ、農山漁村再エネ法の中では、発電の利益を地域に還元するということ、そして農林漁業の健全な発展とそごのないようにと、こんなことも入れていますので、これから進めていくためには、こういった配慮、さっき言ったように、競合するおそれもあるわけですよね。
 ですから、そういった仕組みが非常に大事だという中で、大臣にお聞きしたいんですけれども、この協議会の役割についてどのように認識し、やっぱりこういったものを、もう経産省とか環境省とか、あと、次、環境省にも聞きますけれども、しっかり共有して、この仕組みをもう全て一元的に入れていくということを働きかけていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

#64
○副大臣(宮内秀樹君) お答えをさせていただきます。
 農山漁村再生可能エネルギー法は、市町村が作成した基本計画に基づきまして、農山漁村地域において農林漁業の健全な発展と調和の取れた再生可能エネルギーの導入を図るものでございます。
 本法律におきましては、地域の関係者の意見を基本計画に反映させるために、市町村、それから農林漁業者、それから地域住民、そして発電事業者等から構成される協議会の制度を設けておりまして、関係者の合意形成の場として活用していただいているところでございます。この協議会におきまして、再生エネルギーの発電設備の整備を促進する区域とか種類や規模、それから、それと併せまして実施する農林漁業の健全な発展に資する取組などを、基本計画の内容全般にわたって協議を行うこととされているところでございます。
 先生おっしゃるとおりでございます。地域の合意の下で再生可能エネルギーの導入を進めているところでございます。
 以上です。

#65
○舟山康江君 私、本当これ、任意ではなくて、やっぱり再エネ事業に取り組むところ全部でこういった仕組みを私入れるべきだと思うんですよね。
 今、環境委員会で温対法の改正の議論がされておりますけれども、この改正温対法の中でも地元での合意形成の仕組みが盛り込まれたと、盛り込まれる方向で今議論されているということですけれども、こちらの仕組みについても簡単に教えていただきたいと思います。

#66
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。
 議員ただいま御指摘の現在国会で御審議をいただいております地球温暖化対策推進法の改正案におきましては、再エネをめぐる地域トラブル、特に太陽光中心でございますが、こういったものが見られていることを踏まえまして、地方公共団体が地域の円滑な合意形成を図りながら地域に貢献する再エネを促進する仕組みといたしまして、地域脱炭素化促進事業に関する計画、認定制度を盛り込んでいるところでございます。
 この制度におきましては、地方公共団体におきます実行計画の策定過程におきまして、住民を含む利害関係者からの意見聴取、また地域の関係者から成る地方公共団体実行計画協議会を組織している場合に、この協議会での協議を行うことによりまして、地域の多様な、関係者の参画を得て地域の合意を促進する仕組みを導入するということでございます。この仕組みが有効に機能いたしまして地域の合意形成が円滑に促進されるよう、地方公共団体実行計画マニュアル等の内容についても検討してまいります。
 こうした取組を通じまして、地域の様々な主体の参画の下で地域に貢献する再エネの導入を拡大してまいりたいと考えているところでございます。

#67
○舟山康江君 ありがとうございました。
 農水省の農山漁村再エネ法と温対法の仕組みというのは非常に似ているんですけれども、これ、似ているからこそ、何か一元的に一緒に取り組めないのかなという気がするんですよ。せっかく今、法案の改正の審議がされているわけですから、何かばらばらではなくて一体的に取り組めるようにしていただきたいと思います。
 佐藤政務官にお聞きしますけれども、こういった協議会のあるところとか、温対法の中では政令都市までですよね、義務化されているのは。ただ、協議会は義務化ではないですけれども、こういった仕組みがあるところはいいんですけれども、抜けているところに対してはさっき言ったような懸念がまだ残ると思うんです。
 ですから、先ほど質問させていただいたように、要は、再エネ特措法ですね、経産省の再エネ特措法の中で、私は、事業計画の認定で合意形成をやっぱり義務化していくべきだと思いますけれども。そのほか、既に今言ったような農水省、また環境省の法案の中で、実質そういった調整に取り組む仕組みがあるわけですから、ここをうまくまとめて役割分担をしっかり明確化しながら、しっかりと現場でのそごが生じないように調整しながら、実際の発電事業はやっぱりこれ経産省ですから、そういった形の取組を更に進めていただきたいと思いますけれども、その辺りの整理はどうなっているんでしょうか。

#68
○大臣政務官(佐藤啓君) 二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けて、最大限の導入を再エネ進めていかなければいけません。この実現に向けては、やはり関係省庁でよく連携を取りつつ、再エネ導入を推進していくことが重要であると思っているところであります。
 先生御指摘あった農山漁村再エネ法、それから温対法の今の改正案ということで、そういった枠組みがあるわけですけれども、我々の今のこの特措法の中では、地域の実情に応じて事業者が地域ごとの条例等や住民とのコミュニケーションに配慮しながら責任を持って地域共生を実現していくことで調整を早期に進めていくということ、スピード感を持ってこの再エネを大量導入していくことが重要というふうに考えておりまして、地域の実情に合わせて自治体が定めた条例を含む関係法令の遵守を認定基準として定めていますので、違反した場合には必要に応じて認定を取り消すこととしておりますし、また、先ほど申し上げました自治体によって様々な条例制定を検討、また策定しておりますけれども、そういったものをしっかりと情報共有、横展開していくような、そういった後押しもしているところでありまして、経産省としてはそういったことに努めていきたいと思っています。
 ただ、政府全体としては、まさに温対法の改正案において、地域における円滑な合意形成を図りつつ、地域に貢献する再エネ導入を促進する仕組みがありますので、こういったところとしっかり連携しながら取り組んでいきたいと思っているところであります。

#69
○舟山康江君 地域の実情に応じてというのは実に便利な言葉で、いろんなところで必ず出てくるんです。しかし、問題が実際に生じているわけですから、その協議会、議論の仕組みがない、全然義務化されていない地域においてまたこういった問題が起きますよ。だからこそ、しっかりと合意形成の仕組みを入れ込む、それがなければ認めないぐらいのことをしていかないと、努力義務、地域の実情に応じてだけでは進まないと思います。
 もう是非、私はこう見ていて、この協議会というものがきちんと法定化、全ての市町村での義務化ではないにしても、この仕組みが設けられている、法の中で明文化されているのはこの農山漁村再エネ法だと思うんですね。そういった意味で、是非、野上大臣、こういったばらばら感がある今の取組の状況、再エネが必要だというのは誰も否定しませんから、そのために、進めるために、やっぱり入口で丁寧に議論をしていくというこの仕組みというのは私すばらしいと思っていますので、是非大臣、リーダーシップを発揮して呼びかけていただきたいと思いますけど、いかがでしょうか。

#70
○国務大臣(野上浩太郎君) 二〇五〇年カーボンニュートラルに向けまして農山漁村におきましても導入をしていかなきゃならないわけですが、その際にはやはり地域の活力向上ですとか農林水産業の発展に資する形で導入をしていかなければならないと思います。
 その際、農林水産業者、あるいは地域住民や発電事業者など地域の関係者の密接な連携が必要だと、合意が必要だと、これは先生おっしゃるとおり私も共感をするところであります。
 また一方で、食料供給あるいは国土保全といった農林漁業が有する機能の発揮に支障が生じないようにする必要がある。地域合意の下で、地域の実情に即した形で再生可能エネルギーの導入を図ることが重要と考えております。
 今、この再生エネルギーの導入に当たって、農山漁村地域におきまして、経産省の方からFIT制度の話、るるございました。また、環境省の方から地球温暖化対策推進法の改正案の話もありました。これも、地域の円滑な合意形成に資する再生可能エネルギーの利用促進を図るためのこの農山漁村再生エネルギー法と同等の、同様の計画制度が盛り込まれているところでございます。
 実は、農林水産省の所管しておりますこの農山漁村再生エネルギー法におきましては、協議会の設置について一律に義務付けているものではありませんが、しかし、同法の基本方針で協議会の設置を促しておりまして、実際に基本計画を作成した全ての市町村におきまして協議会が設置をされているところであります。
 いずれにしても、この経産省あるいは環境省と緊密に連携をして市町村への働きかけを行ってまいるということ、さらには地域の合意形成を推進すること、重要だと思っておりますので、そのことを推進することによって再生可能エネルギーの導入に取り組んでまいりたいと考えております。

#71
○舟山康江君 基本計画を策定している自治体もまだ少ないんですよね。ですから、やっぱりここをどう増やしていくのか、そして協議会の仕組みをもっとどう法定化していくのか、義務化も含めてですね。温対法も今見直しているということですし、やはりこの仕組み、もっと生かせるように、見直しも含めて、その際には経産省とも更なる連携を深めてやはり進めていただきたいということをお願いしたいと思います。
 再エネの話で、先ほど田名部委員からため池のお話がありました。ちょっと一点だけ、私、指摘をさせていただきたいんですけれども、メリットが強調されている一方で、さっき大臣からもいろんな、めくれ上がったりという、こういった事故被害ということと併せて、やっぱり私、ため池、昨年法律作るときも生物多様性にも相当寄与しているということも指摘をされておりまして、その辺にどのような影響があるのか。
 この平成三十年の白書での事例ではメリットしか書かれていないんですけれども、やっぱり懸念点とかデメリットとか今後検討しなければいけない点、ここは併せてしっかりと指摘をする中で、これからどうするのか、単に再エネを増やしていく、発電量を増やしていくんではなくて、やっぱりまさにその一次産業、地域、環境、いろんなところの影響を考えながら進めていかなければいけないという視点が若干この白書の記述を見る限り薄いということを懸念しておりますので、是非そこはしっかりと、マイナス面も含めて今後どうするべきか、検討に当たっては考慮いただきたいと思っています。
 次に、農地の適正利用の在り方について、もう時間がないんですけど、お聞きしたいと思います。
 農地面積、一番のピークがちょうど農業基本法ができた昭和三十六年ですけれども、六百九万ヘクタールから百七十二万ヘクタールも減り、今四百三十七万ヘクタールとなっています。耕作放棄地が四十二・三万ヘクタール、そのうち再生利用困難とされる荒廃農地が十九・二万ヘクタールということで、農水省もいろいろ、農地の有効活用ということで、賃貸借を推進する農地バンクをつくるということで担い手への農地集積ということを言っていますけれども、実際これだけでは足りなかったのか、農地の減少、それから荒廃化には歯止めが掛かっていなかったんじゃないかと思いますけれども、この辺り、大臣の御認識と今後の対応についてお聞きしたいと思います。

#72
○国務大臣(野上浩太郎君) 荒廃農地でありますが、現在二十八・四ヘクタールあると、うち再生可能なものは九・一、困難なものが十九・二ヘクタールとなっておりまして、あっ、十九・二万ヘクタール、九・一万ヘクタール、十九・二万ヘクタールとなっておりまして、その発生防止と復旧による解消に努めているところであります。
 時間がありませんので、それぞれの施策につきましては申し上げませんが、多面的機能支払ですとか直払い、あるいは中山間地直払い等の支援等も行ってきたところであります。
 また、令和三年度におきましての予算におきましても、荒廃農地やそのおそれのある農地の有効活用、あるいは農地の粗放的利用に必要な農地の簡易な設備等の支援等も新設をしたところであります。
 農地、限られた資源でありますし、地域における貴重な農地でありますので、その確保につきまして全力を尽くしてまいりたいと考えております。

#73
○委員長(上月良祐君) おまとめください。

#74
○舟山康江君 はい、済みません。
 今日せっかく規制改革推進室の方にも来ていただいて、これだけ農地が減って、何とか守らなければいけないという状況の中で、なぜか規制改革実施計画の中に、農業用施設の建設に当たっては、その要件をもっと緩和しろと、許可不要の面積を大きくしろとか、もっと造れるものを増やせとかということでやっていますけれども、その背景全く分からないんですよね。
 それをお聞きしようと思いましたけれども、時間がないのでお聞きしませんが、ただ、やっぱりこの農地の在り方とか、今後の、誰が農業を担うのか、そういったところの議論をもっとしっかりした上で、何となくどこかの声で、もうもっと規制緩和だ、企業参入だ、ではなくて、是非そういうような議論の中でその方向性を決めていただきたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。

#75
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 農林水産省は、五月十二日にみどりの食料システム戦略を決定しました。SDGsや環境への対応が重視されるようになり、新しい食料システムを提案していく必要があるというふうに説明をされています。
 そこでまず、みどり戦略と食料・農業・農村基本計画との関連性についてお聞きします。
 食料・農業・農村基本法は、食料、農業及び農村に関する施策を総合的、計画的に推進することを目的にしています。そのために食料・農業・農村基本計画を策定し、食料自給率目標も定めています。みどり戦略はこの新しい食料システムになるというふうに言っていますけれども、現在の食料・農業基本計画と何が違うのでしょうか。

#76
○国務大臣(野上浩太郎君) 今お話ありましたとおり、食料・農業・農村基本計画でありますが、これは、食料・農業・農村基本計画に基づきまして、基本法に基づきましておおむね五年ごとに閣議決定される政府の方針でありまして、食料、農業、農村に関する各施策の基本となるという性格を踏まえて、中長期的な情勢変化を見通しつつ、今後十年程度先までの施策の方向等を示したものであります。
 一方、みどりの食料システム戦略は、この基本計画に即して生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現するために今回策定したものでありまして、本戦略におきましては、イノベーションの創出、これは一朝一夕でなされるものではなくしっかりとした時間軸を設けて技術開発を行う必要があるとの考え方の下で、二〇五〇年に目指す姿を掲げまして、その実現に向けた戦略的な取組方向を示したところでございます。
 この実践を通じて災害ですとかあるいは気候変動に強い持続的な食料システムを構築することによりまして、基本計画で示されました食料自給率の向上ですとか食料安全保障の確立を確かなものにすることにもつながるものと考えております。

#77
○紙智子君 基本計画の方は十年先を見越してというようなことを言っていましたし、みどり戦略はイノベーションで二〇五〇年までと、言ってみれば長期目標ということになるんでしょうか。
 そこで、基本法が目指している国民への食料の安定供給についてお聞きします。
 新型コロナは、世界の食料事情に大きな影響を与えました。国連がSDGsの取組として二〇三〇年までに飢餓人口ゼロと掲げていますけれども、二〇二〇年の七月にFAOは世界の食料安全保障と栄養の現状を公表して、コロナ禍の下で、二〇年にはこれ飢餓人口は最大でも一億三千二百万人増加をし、八億二千万人になる可能性があるということを指摘をしました。
 コロナ禍の下で、日本においてもこれ食料が確保できないという問題が出ていて、各地で食料支援の取組が行われています。今年三月の予算委員会でも私、紹介したんですけど、労働政策研修機構の調査で、一人親家庭の三分の一の人が食料を買えなかったことがあるというふうに答えている現状です。
 現在の基本法、基本計画があってもこういうことが起こっているわけなんですけれども、新しい食料システムはコロナを経験して安心して食料が手に入る食料システムになるのでしょうか。

#78
○国務大臣(野上浩太郎君) 近年の食料・農林水産業を取り巻く状況でありますが、地球温暖化に伴いまして、農産物の品質低下があったり、大規模災害の激甚化が顕在していることですとか、あるいは、肥料原料やエネルギーにつきましては我が国は定常的に輸入に依存しているということに加えまして、今お話あったとおり、コロナ禍でサプライチェーンの混乱が発生している状況であります。
 こうした中でみどり戦略、策定、実践されますと、関係者の行動変容や革新的な技術、生産体系の社会実装が進むことによりまして、災害や気候変動に強い持続的な食料システムが構築されまして、様々な効果が期待されると考えております。
 例えば、環境負荷の低減による持続可能な食料・農林水産業の実現ですとか、あるいは肥料、飼料等の資材やエネルギー、原料の調達における輸入からの国内生産への転換ですとか、あるいは新技術によりまして労働安全性とか労働生産性の向上を通じた農林水産業の働き方改革の実現といった形で、国民の生命や健康の維持に必要な食料の安定的な供給にもつながっていくものと考えております。

#79
○紙智子君 続いて聞きますけど、食料自給率を高めるというのも重要な課題なんで、政治課題、政策課題なんですけど、みどり戦略というのは食料自給率を高めるために何をやるんでしょうか。

#80
○政府参考人(青山豊久君) みどりの食料システム戦略につきましては、大臣もお答えいただきましたけれども、農林水産物や肥料、飼料といった、飼料についての輸入から国内資源への転換、地域資源のエネルギー活用など脱炭素社会への牽引、環境と調和した食料・農林水産業の推進や国産品の評価向上による輸出拡大、生産者の裾野拡大など持続的な地域の産業基盤の構築、食品ロス削減や消費者と生産者の交流を通じた相互理解の促進を目指すものでございまして、我が国の食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現していくこととしております。こうした輸入から国内資源への転換、持続的な地域の産業基盤の構築、生産者と消費者の相互理解の促進等を図ることは食料自給率の向上にも寄与するものでございます。
 また、食料自給率の前提となります生産努力目標を達成するためには生産力の向上が重要となりますけれども、具体的に申し上げますと、ドローンやAIを使いました病害虫防除などのスマート農業技術の社会実装によりまして生産現場の労力軽減が図られ、地域内外の多様な人材が農業の新たな支え手となって参画することで生産力の向上が図られることが期待されているところでございます。
 このように、みどりの食料システム戦略の具体化を通じましてサプライチェーン全体を通じた持続可能な食料システムを構築することは、食料自給率の向上にも寄与するものであると考えております。

#81
○紙智子君 基本計画に掲げた食料自給率目標というのは今まで達成したことがないんですよね。みどり戦略で基本計画を後押しすることになるのかどうかということについては注目をしておきたいと思います。
 食料・農業・農村基本法ができて二十年になりますね。しかし、今も多くの課題を抱えているわけです。担い手が不足している、耕作放棄地が拡大するなど生産基盤の弱体化という課題、これが問題になっているわけですし、それから、農山漁村の地域では、生産基盤だけではなくて、やっぱり地域全体に関わる問題で、教育とか医療など生活基盤も大きな課題になっていると。さらに、気候変動など環境危機も課題になっているわけです。
 安倍政権の時代に進めてきた攻めの農政で、これらは解決するというどころか、課題はより一層深刻になっている現状だと思います。今直面している課題を解決をし、持続可能な食と農のシステムをつくる戦略になっているんでしょうか。

#82
○国務大臣(野上浩太郎君) このみどりの食料システム戦略でありますが、期待される効果の一つに持続的な産業基盤の構築を掲げたところであります。
 御指摘のとおり、我が国の喫緊の農業の課題は構造的な生産者の減少あるいは高齢化への対応ということが一つあります。その背景の一つに、例えば斜面での草刈りですとか重いものを持ち運びするときなど労働負荷の高い作業があったり、また水田の水管理や家畜の世話など現場から目の離せない作業があったり、あるいは生産技術の習得に時間が掛かる等の労働特性が挙げられるものと考えております。
 このため、例えばリモコンの草刈り機ですとかアシストスーツ、トラクターの自動操縦システムなどを活用することによりまして女性や高齢者も含めて農業の多様な働き方が可能となるようにするとともに、生産者の裾野の拡大を通じましてこの生産基盤の強化というものにもつなげてまいりたいと考えております。

#83
○紙智子君 もう、ちょっと次々と聞いていきますけれども。
 今、農政の大きな転換が求められていると思うんです。世界では既に新しい動きが始まっています。国連は今、家族農業の十年、これ二〇一九年から二八年ということで取り組んでいますけれども、家族農業、SDGsに貢献する主要な主体というふうに位置付けています。
 みどり戦略には家族農業十年という言葉は入っておりませんが、家族農業十年の決議、ここでは、家族農業に関する公共政策を策定して、改善して実施するということを提起しているわけですね。みどり戦略でこれは具体化しているのかしていないのか、どうなんでしょうか。

#84
○国務大臣(野上浩太郎君) 今お話あったとおり、国連は二〇一九年から二〇二八年、これを家族の、家族農業の十年と定めております。各国が家族農業に関する施策を進めるとともに、その経験を他国と共有する、またFAO等の国連専門機関は各国による活動計画の策定、展開を先導すること等を求めているわけであります。
 農林水産省としても、この家族農業が世界の食料安全保障の確保ですとか貧困の撲滅等に役割を担っていると認識をしておりまして、このため、家族農業の重要性について国際社会で認識を共有することは意義深いものと考えております。
 その上で、このみどりの食料戦略におきましては、若手の新規就農者、あるいは中山間地域の生産者、中小・家族経営等の生産者の方々にも、方々を含む幅広い関係者との意見交換を行いまして策定をしたわけでありますが、作業の省力化ですとかあるいは作業の安全性向上につながるスマート技術、化石燃料や化学農薬、化学肥料の使用量の低減につながる優れた栽培技術は、これは中小・家族経営も含めてメリットがあると考えております。
 先ほど来申し上げていますとおり、この戦略、これは様々な生産者、事業者、消費者、それぞれの理解の上で実現するものと考えておりまして、中小・家族経営を含む関係者がこの戦略に持続的に取り組むことができるように全力を尽くしてまいりたいと考えております。

#85
○紙智子君 国連はこれ公共政策を策定するようにということを求めているわけなんですけれども、よく、見える化をしようという話、出てきますよね、見える化しようと。今の説明聞いていてもなかなか見えてこないと、具体性に欠けるという感じがするんですけれどもね。
 世界では、家族農業とともに、もう一つ、アグロエコロジーということについて注目がされています。アグロエコロジー、これ一体どういうことなのか、説明してください。

#86
○政府参考人(菱沼義久君) お答えいたします。
 アグロエコロジーとは、土壌の、農業のを意味するアグロという言葉に、生態学を意味するエコロジーという言葉を合わせた言葉と承知しております。
 その上で、国連食糧農業機関、FAOのホームページによりますと、植物、動物、人間、環境の相互作用を最適化するために生態学的な概念と原則を適用することに基づいた考えで、一九二〇年代から科学的な文献に記載されているが、アグロエコロジーという言葉には様々な用途や理解があるとされており、世界的に統一的な定義はないと承知しております。

#87
○紙智子君 アグロエコロジーは、化学農薬、化学肥料、それから遺伝子組換え作物を用いない有機農業や自然農法と技術的に重なる部分もあるんだけれども、有機技術を循環型の経済というふうにいって、広く使われているということですよね。
 それで、みどり戦略ではこれは具体化しているんでしょうか。どう具体化されているんでしょうか。

#88
○政府参考人(菱沼義久君) お答えいたします。
 農業は、それぞれの地域の気候や自然条件の中で自然循環機能を活用しながら営まれており、それぞれの地域の気候、風土に応じた持続性の追求が重要だと考えております。
 アグロエコロジーにつきましては、先ほど答弁いたしましたが、統一的な定義がないということで、本戦略内での記載はされておりませんが、その戦略に基づき、有機農業の推進だけでなく、化学農薬のみに依存しない次世代総合的な病害虫管理など、生態系の機能に着目した取組を進めてまいりたいと考えております。

#89
○紙智子君 国連とかFAOでいえば、このアグロエコロジーを推進する動きを強化してきているという実態にあります。それで、みどり戦略を、環境問題だけではなくて、やっぱり国連家族農業十年とかアグロエコロジーとか、そういう角度で具体化を進めていっていただきたいと、求めたいと思います。
 そこで、有機農業についてなんですけれども、有機農業については、まず一つは全農地の二五%で百万ヘクタールに広げる、さっき石井さんもやられていましたけれども。それから二つ目に、化学農薬の使用量を五〇%に減らす、半減すると。三つ目に、化学肥料の使用量三割削減などですよね。
 そこで、まず聞きたいのは、今まで有機農業が広がらない、その要因というのはどう分析しているんでしょうか。

#90
○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。
 日本国内の有機食品の市場規模でございますが、過去八年間で四割拡大しております。その期間内に有機農業の取組面積も約四割拡大してきております。
 しかしながら、日本国内の有機農業の取組面積は、二〇一八年時点で二万三千七百ヘクタールでございまして、全耕地面積の〇・五%というところでございます。欧米に比べると進んでいないという状況にはあるところでございます。
 この要因でございますけれども、まず一点目に、生産面におきましては、やはり労力が掛かること、それから収量や品質が不安定であることなど技術的な課題があることに加えまして、有機農業に取り組む農家の育成や産地づくりの取組というものが不十分であったことが挙げられると思います。それから、二点目といたしまして、流通とか消費の面でございますが、消費者への情報伝達や理解の醸成、物流の合理化による流通コストの低減、加工需要の拡大などを含む販売機会の多様化などの取組が不十分であったことによるものと考えております。

#91
○紙智子君 二〇〇六年にこの有機推進法ができて、このとき会長が、議連の会長が谷津さんで、その時代から、とにかく有機議連で議論して、もっと有機農産物が出回るようにしようと、相当そういう意味では意欲的にやってきたはずなんだけど、でも、この十年間なかなか広がっていないという実感があるんですよね。日本有機農業学会が有機農業に関する法律や支援制度が体系化されていないということを指摘しています。政策支援が弱かったというのが一つ要因にはあるんじゃないのかと、政策支援ですね。
 それで、日本で有機JAS認定を取得している農地面積が二〇一八年現在で一万八百五十ヘクタールと、二〇一三年九千九百三十七ヘクタールだったですから、五年間掛けて増えたのが約九百ヘクタールだけです。日本の耕地面積は約四百万ヘクタールですから〇・三%で、今言われた〇・五%というのは有機JAS認定を取得していない有機農業が行われている農地、これを含めてということですよね。それでも、今言われたように二万三千七百ヘクタールということです。
 これを全農地の二五%、百万ヘクタールまでどうやって広げるのかという、さっきもちょっと石井さんが聞いていましたけど、今のこういう、この間ずっと何年も掛けてなかなか増えてきていない中で、これを一気に増やそうというのはどうやってやるんでしょうか。

#92
○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。
 有機農業の取組拡大でございますけれども、先ほど答弁いたしました課題を踏まえつつ対応していくことが必要と考えておりますが、まずは、令和二年の四月に有機農業の推進に関する基本的な方針で定めました二〇三〇年までに六万三千ヘクタールに拡大するという目標を実現していきたいと考えておりまして、このための取組でございますが、近年、米とか根菜類など有機農業で安定的に生産できる品目が出てきております。こうした品目でトップランナーとして有機農業を実践している農業者の方の先進的な取組を横展開いたしまして、有機農業に取り組む農業者を増やすということが一つでございます。
 また、有機市場の拡大も必要でございまして、今、小売店とか飲食店などで国産の有機食品を応援していただける国産有機サポーターズ、こういった取組もしております。
 こういった取組も通じまして更に国民運動の展開をしてまいりたいと思いますし、また輸出促進にも取り組むということを進めてまいりたいと考えておりまして、これによりまして二〇三〇年までに六万三千ヘクタールに拡大するという目標をまず着実に実現してまいりたいと考えております。
 さらに、その先でございますが、品種開発ですとか生物農薬ですとか除草ロボットあるいはスマート施肥システムなど、こういった有機農業を取り組みやすくする様々なイノベーションを順次創出いたしまして、二〇四〇年までに農業者の多くが有機農業に取り組むことができる次世代有機農業技術といったものを確立してまいりたいと考えているところでございます。
 さらには、国内外におきます更なる市場の創出ということで、普通の農家の方が経営の一つの選択として有機農業に取り組むことができる環境をつくると、こういったことで二〇五〇年までに有機農業の取組面積二五%ということを目標にしているということでございます。

#93
○紙智子君 ちょっと時間なくなっちゃったので、まとめて聞きます。
 食の安全に関わるんですけど、有機農業で遺伝子組換え、ゲノム編集の技術をどう扱うのか、それから、遺伝子組換えの餌を食べた家畜のふん尿から作られる堆肥や油かす、こういったものをどういうふうに扱うのかということが一つと、それから、中間まとめのパブコメがやられていて、そのゲノムの意見が非常に多かったと聞いています。一万七千あった、パブコメですね、そのうち一万六千がゲノムに関してだと。流通に不安だ、新しい技術に不安だという意見です。
 それで、みどり戦略では、この革新的な技術をやってということで実用化をしていくということなんだけれども、科学的な知見に基づく合意が形成されることが重要だというふうにしているんですけれども、ゲノム作物というのは合意形成はされているのかどうか、ちょっとこの点についてだけ最後にお聞きしたいと思います。

#94
○政府参考人(菱沼義久君) ゲノム編集技術につきましては、今まで合意を取るために、大学、高校、消費者を対象とした出前授業だとか現場の見学会、ホームページを通じた科学的知見に基づいた情報発信をしてきたところでありますけれども、御案内のとおり、先ほど、パブリックコメントでたくさんの意見が出たというようなことでございます。
 こういったことから、本戦略の最終報告の取りまとめでは国民理解の促進を明示し、当該技術に関して国民への情報発信、双方向のコミュニケーションを丁寧に行うことでこれから科学的な知見に基づく合意が形成されるよう努めてまいることを考えているところでございます。

#95
○政府参考人(太田豊彦君) JASにつきまして御質問がありましたので、お答えをいたします。
 有機農産物JASの告示におきまして、原材料の生産段階において組換えDNA技術が用いられていないものに限ると規定されております。
 一方で、委員御指摘の家畜ふん尿の堆肥や油かすにつきましては、有機農産物JASの告示の附則におきまして、組換えDNA技術が使用されていないものが入手困難な場合である場合につきましては組換えDNA技術が使用されているものも肥料として使用できるということになっているところでございます。

#96
○委員長(上月良祐君) おまとめください。

#97
○紙智子君 時間過ぎましたので、これ、まだまだ議論しなきゃいけないと思いますので。
 終わります。

#98
○須藤元気君 こんにちは。元気があれば何でもできる。須藤元気でございます。
 みどりの食料システム戦略が正式決定しました。二〇五〇年の目標として、有機農地を全耕地面積の二五%に拡大、農薬の使用量を五〇%低減、化学肥料の三〇%低減など、画期的な目標を掲げています。現在の有機農地は〇・五%ですので、三十年後とはいえ約四十倍を目指すという野心的な数値目標であります。私自身としては、この目標設定に敬意を表するとともに、その実現に最大限サポートをしたいと思っております。
 しかし、野心的な目標なだけに、絵に描いた餅になりかねません。そうならないためには、リーダーである野上大臣の気合入れが必要だと思います。アントニオ猪木さんのようにびんたをお願いするようなことは言いませんが、是非気合の入った御決意をお聞かせください。

#99
○国務大臣(野上浩太郎君) 今日の委員会でも、このみどりの食料システム戦略につきまして様々な御議論をいただいたわけであります。これまでにない新たな政策方針だというふうに思っております。生産者、事業者、所有者それぞれの理解と協働の上で実現をしていくものだと考えております。
 様々な今KPIにつきましては委員からお話あったとおりでありまして、CO2のゼロエミッション化ですとか、あるいはリスク、化学農薬の使用量をリスク換算で五〇%低減をする、化学肥料の使用量を三〇%低減をする、あるいは有機農業の取組面積を二五%、百万ヘクタールに拡大をする等々の目標を設定したところであります。まずは、これらの取組を、六月から九月までをみどりの戦略集中周知期間としまして、本戦略の考え方、この方向性をあらゆる機会を捉えて発信をしてまいりたいと思います。
 また、それを実現するための施策につきまして、補助や投融資、税、制度等々につきまして、そのグリーン化の具体化に向けた検討を行いたいと思いますし、今ほど来御議論いただいた優れた技術の横展開、これは既存のものですね、さらには革新的な技術、生産技術の研究の開発の推進、様々な課題がありますが、委員御指摘のように絵に描いた餅にならないように、省を挙げて全力で取組を進めてまいりたいと考えております。

#100
○須藤元気君 オッス。気合入れ、ありがとうございました。
 さて、有機農地を二五%という目標は、ベンチプレスで例えると、現在マックス五十キロ上げれる人が一年後に百キロ上げれるくらいのレベルです。非常に達成するのが難しく、しっかりと計画を練らなければいけません。
 ちなみに、ベンチプレスの重量を伸ばすためには、正しいフォームをマスターすること、広い可動域でしっかりと筋肉を刺激すること、別のトレーニングでサブの筋肉を鍛えることなど、いろいろやることがあります。あるんですが、この数値目標の達成で一番大切なのは、未来のある時点に目標を設定しておき、そこから振り返って今やるべきことをやる、バックキャスティングという方法で現実可能な成果の積み上げが必要です。有機農地を二五%もこの農薬五〇%削減も、三十年後の二〇五〇年の話です。二〇五〇年のカーボンニュートラルもそうですが、数値目標の達成にはバックキャスティングで現実可能な成果の積み上げをしなければいけません。
 そこでお聞きしますが、それぞれに関して、二〇三〇年、二〇四〇年の数値目標を教えてください。

#101
○政府参考人(菱沼義久君) お答えいたします。
 イノベーションの創出は一朝一夕でなされるものではなく、しっかりとした時間軸を設けて技術開発を行う必要があるとの下、本戦略においては、二〇五〇年に目指す姿として、例えば耕地面積に占める有機農業の取組面積の割合を二五%に拡大といったようなKPIを設けて、戦略的な取組方向を示したところであります。
 二〇五〇年に目指す意欲的な目標の達成に向けては、革新的な技術や生産体系の確立が必要と考えております。このため、中間取りまとめでも、各技術の研究開発や実用化、社会実装に向けた二〇五〇年までの技術の工程表をお示ししましたが、今般の最終取りまとめの策定した戦略では、二〇三〇年、二〇四〇年の数値目標ではありませんけれども、現場での技術普及が進められるよう、新たに直近五年程度の技術の工程表を作成したところであります。
 今後は、これらの工程表に即して、技術の横展開、革新的な技術、生産体系の研究開発を進めていきたいと考えております。
 なお、有機農業につきましては、有機農業の推進に関する基本的な方針に定めた二〇三〇年目標六万三千ヘクタールのほか、二〇四〇年までに農業者の多くが取り組むことができるよう、実は有機農業に関する技術を確立するといった文言を示しているところでありますし、化学農薬につきましても、二〇四〇年までにネオニコチノイド系農薬を含む従来の殺虫剤を使用しなくても済むような新規農薬等を開発するといったような道筋をお示ししているところであります。

#102
○須藤元気君 ありがとうございます。
 この二〇三〇年の目標数値が六万三千ヘクタールだと、二〇五〇年に百万ヘクタールにするには、何かステロイドのようなドーピングが必要だと思います。それがイノベーションで実現ということだと思うんですが、このドーピングみたいなものに頼らず、やはり着実に進めていくことというのは大切だと思います。
 そこで、どうやって有機農地を増やし、有機農産品を増やしていくか、しっかりと考えなければいけません。前の質問でも言いましたが、やはり学校給食、そして官公庁の食堂などへの公共調達を通じた有機農産物の導入が効果的ではないかと思います。私自身も議員食堂が有機農産物だったらうれしいですし、あとは育ち盛りの子供たちに安心、安全で食べれる学校給食を推進したいと考えております。
 健全な肉体には健全な精神が宿るということで、学校給食、そして官公庁の食堂などへの有機農産物導入の可能性はあるのか、教えてください。

#103
○大臣政務官(熊野正士君) お答えいたします。
 学校給食において有機食品を活用することは、農業が生物多様性の保全などSDGsの達成に貢献することを児童や生徒、地域の住民に理解していただくとともに、地域で有機農業を展開していくためにも有意義な取組の一つだと考えております。
 また、学校給食のみならず、議員御指摘の官公庁の食堂など様々な場で有機農産物が利用されることは、有機農業の拡大につながる有効な取組であると考えます。
 こうした取組を更に拡大していくためには、まずは有機農業に取り組む農業者数を増やし、学校給食など様々な場で必要とされる品目や量を安定的に確保できるような産地づくり、体制づくりを進めることが重要と考えております。
 このため、農林水産省においては、自治体や有機農業者が参画する協議会が行う有機栽培の技術研修会の開催や販路確保の取組等に対する支援、地域の有機農業者と学校給食関係者との間で、有機農産物の栽培計画、集荷方法、納品規格等を調整するための打合せなど、有機農産物の給食利用に向けた体制づくりに対する支援、また、令和元年八月には有機農業と地域振興を考える自治体ネットワークを立ち上げるなど、自治体間の情報流通の促進の支援を行っているところです。
 今後も有機農業の取組の更なる拡大に向け、例えば学校給食など様々な場で有機食品が活用されるよう、更にどのような取組が可能かしっかり検討し、必要な取組を積極的に進めてまいります。

#104
○須藤元気君 ありがとうございます。
 是非、学校給食、そしてこの議員食堂も有機農産品にしていただきたいので、よろしくお願いします。
 次に、先ほど紙先生も質問されましたが、ゲノム編集作物についてお聞きします。
 三月三十日から四月十二日までの二週間で行われたみどり戦略中間取りまとめに対するパブリックコメントの結果が公表されています。合計で一万七千二百六十五件の意見が提出されましたが、そのうち一万六千五百五十五件と、ほとんどがゲノム編集に関する意見でした。食の安全に関心の高い消費者がゲノム編集に対して懸念しているのが分かります。
 農水省のホームページの中間取りまとめ参考資料には、ゲノム編集作物の開発という説明があります。先日決定されたみどり戦略本体の説明部分でゲノム編集のことははっきり書いてありませんが、遺伝子機能抑制を利用した害虫防除法と、遺伝子ネットワークを解明し、スーパー品種の育種開発に活用という表記があります。食の安全にこだわる人たちの中には、これも遺伝子組換え技術を活用しているものだから避けるべきだという声もありますが、農水省はどのように考えているのか、教えてください。

#105
○政府参考人(菱沼義久君) 先ほどお話ございましたけれども、RNA農薬といったものは遺伝子を操作する技術ではありませんけれども、標的とする害虫のみを駆除することで環境に影響を及ぼさないといったメリットがあります。さらには、ゲノム編集技術につきましては、従来、十数年以上を要した品種改良に要する期間を大幅に短縮できるなどの大きなメリットがあるところであります。
 一方で、安全性の観点からいろいろ懸念される意見もございますので、このため、従来から農林水産省では、技術開発に当たっては、大学や高校、消費者を対象とした出前授業の実施だとか、技術開発を行っている現場の見学会の実施、さらには科学的知見に基づいた解説記事などのホームページ等を通じた情報発信などのアウトリーチ活動を積極的に行ってまいりました。
 一方で、本戦略の策定に当たり行ったパブリックコメントでは、委員御指摘のとおり、ゲノム編集技術を始めとした先端技術に関する食や環境の安全の確保についての御意見をいただきました。こういったことから、本戦略の最終報告の取りまとめでは、国民理解の促進を明示しました。さらに、当該技術に関して、今後は国民への情報発信、双方向のコミュニケーションを丁寧に行うことで、科学的な知見に基づく合意が形成されるよう農林水産省は努めてまいるということで考えています。
 以上です。

#106
○須藤元気君 ありがとうございます。
 パブコメでもやっぱりゲノム編集に対して不安に思っている人が多いので、しっかりと説明していただければと思います。
 さて、EUでは、一九九〇年代から有機認証団体や有機NGOなどが有機認証制度の導入に貢献し、同時に、予算を獲得してオーガニックの普及啓発をリードしてきたことが有機農産物の需要拡大に大きく貢献したといいます。
 一方、日本はといいますと、普及啓発のために予算が全くないため、オーガニックのイベントをやるにしても、パンフレットを作成するにも、全て手弁当のボランティアでやってきたと関係者の方からお話を伺いました。
 話は変わりますが、チョークスリーパーって皆さん御存じですかね。これ首で、あっ、腕で首を絞めるだけなんで一見簡単そうに見えるんですが、しかし、ポイントをしっかり押さえないと、幾ら首を絞めても相手を落とすことはできません。しかし、ポイントをつかめば、そんなに力を入れなくても七秒で絞め落とすことができます。映画とかでよく首絞めるシーンがありますけど、絞まっていないのにいつも落ちたりするのがとても気になるんです。
 何を言いたいかといいますと、学ぶはまねると言います。チョークスリーパーを学びたかったら知っている人から聞けばいいですし、この有機農産物を拡大したければ、順調に拡大してきたEUのプロセスを学ぶべきではないでしょうか。世の中にはいろんな知識や知恵がありますが、それらをまねせずに努力しても効率的とは言えません。当たり前のことを言っていると思われているかもしれませんが、意外にこのメソッド、できていないパターンが多い気がします。
 有機農業を現状から飛躍的に拡大していくためには、少なくとも日本よりも有機農業が進んでいるEUをまねてみることが、もちろんまねているところもたくさんあるんですが、まねてみるところがみどり戦略の達成にもつながります。そのためにも消費者への普及啓発にEU並みの予算を付ける必要があると考えますが、農水省の御見解をお伺いします。

#107
○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。
 みどりの食料システム戦略におきましては、分かりやすい情報発信や関係者との双方向のコミュニケーションなど国民理解の促進に取り組むこととしておりまして、有機農業の取組拡大を進めていく上でも、生産現場の取組拡大にとどまらず、実需者や消費者などに対する有機農業の啓発普及を行って、有機食品の市場創出を併せて進めていくことが重要と考えているところでございます。
 農林水産省では、これまでも国産の有機農産物を取り扱う小売や飲食等の事業者のグループであります国産有機サポーターズ、これと連携いたしまして、有機農産物の消費者向けの周知活動を支援しておりますし、それから、持続可能な食や農林水産業に対する消費者の関心を高めるとともに、生産、流通、小売等の事業者による持続可能な活動を促進するあふの環プロジェクト、こういったものも立ち上げているところでございます。
 こうした取組を進めつつ、有機食品の市場の拡大に向けまして、委員御指摘いただきましたEUがどのような取組を進めてきたかも参考としながら、さらにどのような取組や支援が必要か、しっかりと検討してまいりたいと考えております。

#108
○須藤元気君 欧州委員会がオーガニック行動計画を発表したプレスリリースによれば、現在の共通農業政策の約一・八%の九千七百五十億円が有機農業の支援に使われており、現在行われているCAP交渉によってはまだ増える可能性があるとのことです。一方、日本の有機農業の支援は、令和三年度の予算額は約二十六億円、有機農業への直接支払は三割ほどで、支援に使われる金額は約七億円というのが現状です。
 有機農業へ転換を促進するためには、有機農業に取り組む生産者へのより手厚い財政的な支援が不可欠です。そこまで欲張るつもりはないんですが、目標を達成するには余りにも材料が足りなさ過ぎではないでしょうか。御飯はあるけど、卵もケチャップもないのにオムライスを作ろうとしているように、状態に何か見えています。
 この有機農業に対する支援をEUの共通農業政策並みに大幅に増やすことが重要だと考えますが、農水省の御見解をお伺いします。

#109
○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。
 EUの共通農業政策、CAPでございますが、その中では、有機農業支払の予算総額が二〇一四年から二〇二〇年までの七年間でございますが、七十五億ユーロでございまして、委員御指摘のとおり、日本円に換算いたしますと九千七百五十億円ということになっているところでございます。
 直接支払につきましては、一ヘクタール当たり年間最大九百ユーロ、日本円に直しまして約十一万七千円の単価で直接支払が行われていると承知をしているところでございます。
 一方、我が国におきましては、その有機農業の取組面積は小さいわけでございますが、有機農業に取り組む生産者に対しましては環境保全型農業直接支払交付金、これが交付をされているところでございまして、十アール当たり一万二千円でございますので、一ヘクタール当たりにいたしますと年間十二万円の単価で支援が行われているという状況でございます。さらに、有機農業者の人材育成、技術開発、産地づくり、販売機会の多様化、消費者理解の確保、こういった取組に対しても支援もさせていただいているところでございます。
 また、都道府県や市町村などにおきましても、技術指導ですとか商談会やセミナーの開催、また、有機JAS認証の取得の支援、それから学校給食での活用など、様々な取組に対する支援が行われていると承知をしているところでございます。
 今後、有機農業の大幅拡大に向けまして、EUを含め、海外の施策も参考としながら、どのような取組が有効か検討し、必要な取組を積極的に進めてまいりたいと考えております。

#110
○須藤元気君 ありがとうございます。
 是非、野上大臣の剛腕をここで見せ付けて、大規模な予算を取っていただければと思います。
 このみどりの食料システム戦略、本当に形にしたいと自分自身思っているというか、しようと決意していますので、是非よろしくお願いします。
 質問は以上になります。ありがとうございました。

#111
○委員長(上月良祐君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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