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2021/05/20 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 法務委員会 第15号 令和3年5月20日
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2021/05/20 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 法務委員会 第15号 令和3年5月20日

#1
令和三年五月二十日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     加田 裕之君     三浦  靖君
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     三浦  靖君     進藤金日子君
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     進藤金日子君     藤木 眞也君
     難波 奨二君     岸 真紀子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本 香苗君
    理 事
                磯崎 仁彦君
                豊田 俊郎君
                真山 勇一君
                伊藤 孝江君
                清水 貴之君
    委 員
                小野田紀美君
                岡田  広君
                進藤金日子君
                中川 雅治君
                福岡 資麿君
                藤木 眞也君
                森 まさこ君
                山下 雄平君
                岸 真紀子君
                難波 奨二君
                谷合 正明君
                川合 孝典君
                山添  拓君
                高良 鉄美君
                嘉田由紀子君
   国務大臣
       法務大臣     上川 陽子君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局家庭局長   手嶋あさみ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        青木勢津子君
   政府参考人
       法務省大臣官房
       政策立案総括審
       議官       竹内  努君
       法務省民事局長  小出 邦夫君
       法務省刑事局長  川原 隆司君
       法務省矯正局長  大橋  哲君
       法務省保護局長  今福 章二君
       法務省人権擁護
       局長       菊池  浩君
       出入国在留管理
       庁長官      佐々木聖子君
       出入国在留管理
       庁次長      松本  裕君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○少年法等の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(山本香苗君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、加田裕之君が委員を辞任され、その補欠として進藤金日子君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(山本香苗君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 少年法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省刑事局長川原隆司君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(山本香苗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(山本香苗君) 少年法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#6
○真山勇一君 立憲民主・社民会派の真山勇一です。
 今日は与党の委員の方の質問がないもので、私がトップバッターというちょっと形になりました。まだエンジン掛からないんですけれども、質問しているうちに少しずつ掛けていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 少年法もまだ問題点残っているんですけれども、これはまたやらなくちゃいけないというふうに思っています、今日。その前に、やはり入管法の改正案についてちょっと、衆議院で審議されていたその入管法が急に、本当に急にでしたけれども、取り下げられました。この経緯、理由について、短く明瞭に、お聞きしたいと思います。

#7
○国務大臣(上川陽子君) 改正法案でありますが、我が国に包摂すべき外国人を一層確実に包摂、保護できるようにするとともに、外国人の権利利益にも配慮しながら、退去強制手続を一層適切かつ実効的なものとすることを通じ、今ある課題の中でも、送還忌避や長期収容といった喫緊の課題を解決しようとするものでございます。
 改正法案につきましては、与野党協議におきまして、今国会でこれ以上審議を進めないとの合意がなされたものと承知をしております。政党間の協議の経過や、また内容につきまして法務大臣としてお答えをすることは適当ではないというふうに考えております。

#8
○真山勇一君 やっぱり、参議院に来る前に衆議院の方でこういう結果になってしまったということ、当然、取り下げましたのでこの国会では廃案ということになると思うんですけれども、やっぱり当初目指していたその長期収容、これを何とかしなくちゃいけないという問題が一つと、それからやっぱり、難民の許可をするかどうかということも含めた不法残留が増えて、確かにこれは客観的な事実として数字が示しているわけなので、やっぱりこういうことをどうやって改善していくか、是正していくかということはとても、今の我が国の状況を考えれば大変喫緊の課題で、大事なことだと思います。
 ですから、是非、この国会はともかくとして、また新たな法案を次の国会で出すようなことも目指すと思いますけれども、やはり、そういう辺りのこの法案の内容をしっかりと検討していただいて、日本のいわゆる難民政策なども含めて、それから国際的な関係も含めて、やはり十分に検討していただきたいということを申し上げたいというふうに思います。
 それから、次に移りますが、ビデオの問題です、ウィシュマさんの。これについては、もう開示はできないと答えたじゃないかと言われちゃいそうなんですけれども、実は新しいちょっと事実が少し分かってきたので、その辺について確認をさせていただきたいというふうに今日は思うんです。
 昨日、実はウィシュマさんの二人の妹さん、ワヨミさん、それからポールニマさんという二人の妹さんが院内へいらっしゃいまして話をしました。その中でいろいろ話を聞いたら、まあやっぱりこれは確認しなくちゃいけないな、開示はできないというそのお答えだけではちょっと納得できないんじゃないかというふうに思いまして、今日改めてその新しい事実について伺いたいというふうに思うんです。
 このお二人、名古屋で葬儀を、ウィシュマさんの葬儀を終えた後、名古屋入管を訪問されたということなんですが、名古屋入管訪問されたときにウィシュマさんが収容されていた部屋を見た、中へ入ったというふうにおっしゃっていたんですが、それは事実ですか。

#9
○政府参考人(松本裕君) お答えいたします。
 御遺族の方々を亡くなられた方の収容していた部屋に御案内したというふうに承知しております。

#10
○真山勇一君 二人だけですか。それとも何人かで入られたんですか。

#11
○政府参考人(松本裕君) 御一行四名御案内したというふうに承知しております。

#12
○真山勇一君 そのときの様子を昨日、妹さん、上の妹さん、ワヨミさんが話していらしたことを聞いたら、もうとっても信じられないくらい狭い部屋だったと。ウィシュマさんは具合が悪くなってから車椅子なんかも使っていたらしくて、車椅子が入ると、もう何かもうそれでいっぱいのような、ようなという感じですね、ような部屋だったという、そういう印象を語っています。
 部屋の大きさはどのぐらいのものなんですか。

#13
○政府参考人(松本裕君) 正確な数字で申し上げる資料は持っておらないんですが、委員御指摘のように、ベッドがございまして、そのベッドの幅と同じか若干狭いか、まあそれぐらいのスペースというような状況でございます。

#14
○真山勇一君 やっぱり、妹さん、ワヨミさんがとっても狭い部屋にお姉さん入れられていたんだというふうに言っている。やっぱり、そういうかなり狭い部屋じゃないかなということが分かりました。
 それで、四人の方が入られているということで、この開示できない理由に三つ、保安上の理由とか亡くなられた方の尊厳というふうに挙げていますが、これ、この理由は、見せられない理由は、これはこのとおりなんですか。これよりほかに何かもうないんですか。

#15
○政府参考人(松本裕君) 亡くなられた御遺族について、その居室そのものには御案内をしました。ただ、そのビデオを公開あるいは御遺族の方々等にお見せできない理由についてはこれまで申し述べたとおりでございます。

#16
○真山勇一君 ウィシュマさんの、まあ三月の六日に亡くなられたわけですけれども、その前後というか、亡くなられるまでのそのどこかのビデオだと思うんですが、これを見せられないという理由なんですけれども、法的な根拠はありますか、公開できないという、開示できないという。

#17
○政府参考人(松本裕君) お答え申し上げます。
 御指摘のビデオにつきまして情報公開請求がされました場合には、情報公開法五条第一号、個人に関する情報、第四号、公にすることにより公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがある情報、及び第六号、国の機関の事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある情報などを根拠として、不開示情報として対応している状況でございます。

#18
○真山勇一君 ということは、国会の方、例えばこの私たちの法務委員会から開示請求をすれば、それに基づいて検討するということですね。

#19
○政府参考人(松本裕君) 情報公開請求に対しましては不開示という対応になります。

#20
○真山勇一君 やはり開示できないというよりは、普通のルートでは開示できるんじゃないかなという今印象を受けました。それでも開示できないという、まあ、ここの場ではそういう答弁になりますか。

#21
○政府参考人(松本裕君) 情報公開法に基づく情報公開請求という手続における対応といたしましては不開示という対応になります。
 他方、当庁といたしましては、国会からの資料のお求めにつきましては、この情報公開法の規定及びこれに基づく対応を前提といたしました上で、御指摘のビデオを国会のお求めに対しましてもお示しする点につきましては、保安上の観点からの問題があることに加えて、亡くなられた方の名誉、尊厳の観点とか調査に与える影響等から、この点についても検討いたしましたが、困難であると認識しているところでございます。

#22
○真山勇一君 やっぱり、ここ、法務省ですね。やはり法に基づいて客観的、公平な判断をすべきじゃないかというふうに思うんですが。
 ちょっと質問変えまして、じゃ、見せることはできないと決めた方は誰ですか。

#23
○政府参考人(松本裕君) このビデオの開示の適否、問題状況等は、まず、出入国在留管理庁で問題状況を整理した上で、それを大臣にも御報告して法務省として決めたという状況でございます。

#24
○真山勇一君 大臣、お伺いしたいと思いますが、法務省として決めたということは、最終的なこのウィシュマさんのビデオについては見せられないという判断、最終的な判断したのは上川大臣というふうに考えられてよろしいですか。

#25
○国務大臣(上川陽子君) 今、次長の方から答弁のとおりでございます。
 情報公開法のその基本的な考え方にのっとり、また、国会の中での御質疑ということでありますので、それは誠実に、国会法がございますし、対応するということも申してきたところでございますが、基本的には法律にのっとってしっかりと対応していくという、こうした趣旨に基づいて対応して判断をしてきたところでございます。
 そうした報告を受けてきたわけでありまして、それの様々な角度からの検討を踏まえた上で、最終的にそのような判断に至ったというふうに考えております。

#26
○真山勇一君 今のお答えで、最終的な判断、見せられないという判断は上川大臣がなさったという受け止めをさせていただきたいというふうに思うんですが。
 もう一つ確認させてください。
 ウィシュマさんが三月六日亡くなられた。その直後の記者会見とか説明のときに、ウィシュマさんの遺体が解剖に付されたということで、その解剖は行政解剖なのか司法解剖なのかという話が出たと思うんですが、そのときどういうお答えをしたでしょうか、お願いします。

#27
○政府参考人(松本裕君) 申し訳ございません、正確な表現は覚えておりませんが、お答えは司法解剖という趣旨で行ったものでございます。

#28
○真山勇一君 私も、当初の頃の法務省からの説明の中で司法解剖という言葉は覚えておりましたので、それを確認させていただきたかったんです。
 司法解剖というのは、解剖にはいろんな種類があると思うんですが、解剖の講義をするつもりはないんですけれども、普通の解剖とそれから法に基づいた解剖というのがあると思うんですね、司法解剖に行政解剖と。法律に基づいた解剖に行政解剖と司法解剖というのがある。この違いは何かというと、行政解剖は死因がちょっといろいろ分からないのでこれは解剖しなくちゃいけないんだろうと、非常に大まかな言い方をしますけどね。一方、司法解剖はどういうときかというと、事件性があるんじゃないか、例えば、言えば、もしかすると殺人事件かもしれないとか、そういう、一般的に言って、そういうときに司法解剖するんですね。私も現役の記者の時代、三年間、警視庁クラブで一課、三課の事件記者やっていたので、まず、殺人事件が起こると解剖はどうなるんですかということ、一番興味あった。
 今回もやっぱり、そういう観点からちょっとお伺いしたいんですが、今、司法解剖というのをおっしゃいました。司法解剖ということは、捜査当局がウィシュマさんの遺体を持っていったんだと思うんですが、持っていかれた、病院か、その場所は分かりませんが、そういう解釈でよろしいんですよね、捜査当局が持っていったわけですね。

#29
○政府参考人(松本裕君) 我々の認識といたしましては、その司法解剖のされたところに御遺体が搬送されて、そこで司法解剖が行われたというふうに認識しております。

#30
○真山勇一君 そして、私の知識で、私の知識でいうと、今、今回、行政解剖じゃなくなった、もしかしたら何か事件性があるんじゃないかということで司法解剖、司法解剖へ行ったということは、事件性の疑いがあるんじゃないかと当然考えられるわけですね。
 それでよろしいんですか。

#31
○政府参考人(松本裕君) 一般的な我々の認識といたしまして、入管の収容施設の中で収容された方が亡くなった場合に、死因がもう極めて明らかなような場合を除きまして、死因が定かでないという場合には司法解剖がなされることが多いというふうに認識しております。

#32
○真山勇一君 司法解剖。で、もう一つ確認したいのは、司法解剖で遺体を入管の施設から外へ当然出されるわけですけれども、私の認識では、司法解剖というと警察が持っていきますね。例えば、東京大塚にあるあの監察医務院とかああいうところで例えば解剖するのが普通だと思うんですね。
 今回は、警察が持っていったということでよろしいんですね。

#33
○政府参考人(松本裕君) 我々が把握している限りにおきましては、亡くなられた方が、まずその搬送先の病院がございます、搬送先の病院で死亡が確認されまして、その上で司法解剖がなされた病院に御遺体が移された、そこで司法解剖が行われたというふうに認識しております。

#34
○真山勇一君 病院という、それは一般の民間の病院ということでよろしいんですか。

#35
○政府参考人(松本裕君) はい。亡くなられた方の容体を踏まえて我々が救急搬送といいますか、そこを移した病院、一般の病院でございます。

#36
○真山勇一君 司法解剖をしなくちゃいけない、司法解剖をしようという判断はどこがしたんでしょうか。

#37
○政府参考人(松本裕君) 申し訳ございません、一般的な認識としては、捜査当局というふうに認識しております。

#38
○真山勇一君 捜査当局というと、私の認識では警察、先ほど申し上げたように警察が警察の管轄下にあるそういう解剖の施設へ持っていくんではないかと思うんですが、今回、遺体を司法解剖しようと決めたのはどこか、ちょっとはっきりと答弁ください。

#39
○政府参考人(松本裕君) 一般的な認識でございますが、収容施設で、先ほども述べましたような死因が明らかでない死亡事案が生じた場合には、通常、検察における御判断として司法解剖の手続が取られるというふうに認識しておりまして、本件もそういうケースであるんじゃないのかというふうに認識しているところでございます。

#40
○真山勇一君 ですから、多分今回のウィシュマさんの遺体は検察が管理をしているという、そういう考え方でよろしいんですね。

#41
○政府参考人(松本裕君) 司法解剖という手続の流れにおきまして、そういう手続を取るということにつきましては検察の判断があった、通常、一般的にそういうケースが多うございますので、本件もそのようなものであるというふうに認識しているところでございます。

#42
○真山勇一君 今の局長の答弁は多いということをおっしゃったんですが、一般的に言うと、やっぱり検視、解剖というのは警察じゃないかと思うんですが、入管の施設の場合は検察がやるということなんですが、検察がやることは、それは普通なんですか、多いことなんですか。

#43
○政府参考人(松本裕君) 済みません、回りくどい申し方して申し訳ありませんでした。
 司法解剖の結果というものは検察から我々いただいておりますので、そういう意味におきまして、本件におきましても検察が手続に、検察における判断で手続が取られたというふうに認識しております。

#44
○真山勇一君 入管の施設の中、入管は法務省で、検察もまあ言ってみれば法務省ということで、それで検察ということも考えられますけれども、普通、一般的にやっぱり検察が入ってくる、入ってくるということは、警察とは違うものが例えば想像してしまうわけですね。もう少し具体的に言うと、例えば、普通なら捜査というのは警察がやるけれども、特別な捜査は検察がやる。例えば、東京地検特捜部みたいなものが、まあ殺人事件で特捜部が動くことはないと思いますが、やはり特別なことで動くと思います。
 ところが、この入管の施設内で検察が動くということは、特別な事情じゃないというふうな解釈でよろしいんですか。

#45
○政府参考人(松本裕君) 御指摘のとおり、通常そういう手続が取られることが多いというふうに認識しております。

#46
○真山勇一君 いろんな法律の、私もちょっと、少し勉強しているので、そういうあれが全然書いていないので、今おっしゃったことは、新しいことかどうなのか私の方で、それから、この中にいらっしゃる方の中でも知らなかったという人がいるんじゃないかと思うんですが、司法解剖といえば、普通には捜査当局、警察がやって、事件性があるかないかを調べていくということなんですが、入管の中なので検察が、死因が分からないのでやったという説明だと思うんですね。
 そうすると、例えば、ビデオ見せられないということにそのことは影響していますか。

#47
○政府参考人(松本裕君) お答え申し上げます。
 ビデオをお見せできないという点と、司法解剖とは全然関係ないというふうに認識しております。

#48
○真山勇一君 それじゃなおさらちょっと私は不思議に思うのは、ウィシュマさんのあの死因の究明ということは、やっぱり必要だと思うんですよね、客観的な判断というのが。でも、今の御説明ですと、入管の中でそういう死因分からない死亡案件が起きると検察の方で調べるということは、言ってみれば身内で調べるようなものじゃないですか。やっぱり、それは身内の中でやるようなことになるという疑い、持たれませんかね。

#49
○政府参考人(松本裕君) 一般論としてでございますが、我々は、どういう経緯でお亡くなりになられたのか、あるいは、その中での我々の対応がどうであったのかというところを調査しておりますが、検察は独立した捜査機関という立場で刑事手続という中で捜査等をされていると、一般論としては。そういう意味では何か我々と検察、我々との関係で影響を及ぼすというようなものではないと認識しております。

#50
○政府参考人(川原隆司君) 今委員の御質問の中で、検察官の捜査に関わる質問でございますので、ちょっと私、刑事局長として、検察を所管する立場でちょっと一般的なことを御説明申し上げたいと思います。
 今委員御質問の中で、今回の事案に関して、死亡事案に関して、検察官の関与の意味付けについていろいろ御質問されておりまして、私の方から個別事案について申し上げるつもりはございませんが、刑事訴訟法の御説明をさせていただきますと、変死又は変死の疑い、すなわち犯罪によって死亡したのではないかという疑いがある死体がある場合、まさに委員の御指摘あるような場合、解剖に先立って検視ということが行われます。検視というのは俗に行政検視と言われていまして、刑事手続とは別に行われる検視もございますが、今私が申し上げているのは犯罪に関わる検視でございますので、俗には司法検視と呼んでおりますが、刑事訴訟法の手続による検視でございまして、これ、法律上、検察官が検視をすることになっております。
 ただし、司法警察職員に、すなわち警察官ですが、代行させることができるとなっておりますので、入管施設に限らず、変死又は変死の疑いがあるということで刑事訴訟法に基づく検視の手続が行われる場合は、これは必ず検察官が、今言ったような形で自ら検視を行うか、あるいは司法警察職員に代行させるかにかかわらず、必ずその手続には関与いたします。その上で、必要がある事案につきましては検視に加えて司法解剖を実施するということでございますので、犯罪による疑いのある死体がある場合に、検察官がその死因の究明の手続に関与するということは、基本的に刑事訴訟法によって定められているものでございまして、この点だけちょっと補足して御説明申し上げます。

#51
○真山勇一君 分かりました。御説明ありがとうございます。
 そうすると、もう三月六日から大分時間もたっているし、今のお話ですと、検視をやって、その検視の結果でどうなるかということも何かあるらしいと私は今思ったんですが、検視の結果の結論ってどうなっているんですか。

#52
○政府参考人(松本裕君) 検視の結果、ごめんなさい、司法解剖の結果というものは我々入手しております。
 その内容は、まず、病死ということで、その病死の理由といたしましては、亡くなられた方の甲状腺の異常等が影響して亡くなられた直前のような状況になったと考えられるんではないのかというような内容でございました。
 また、正確な内容は改めて御報告させていただければと思います。

#53
○真山勇一君 改めてというよりは、これはやっぱり調査報告書にきちっと正確なことを書いていただかなくちゃ困るので伺いますけれども、そうすると、もう司法解剖には行ったけれども、もう事件性はないという判断が出ているんでしょうか。

#54
○政府参考人(松本裕君) 申し上げます。
 まず、先ほど、司法解剖の結果、我々が入手した結果、正確に申し上げます。
 甲状腺炎による甲状腺機能障害により全身状態が悪化し、既存の病変を有する肝、あっ、腎などの臓器不全が加わり死亡したとするのが考えやすい、死亡の種類は病死と考えられるというものでございました。
 捜査の状況等については、当庁としては把握しておりません。

#55
○真山勇一君 そうなれば、何ですかね、私はやっぱり捜査中だったらビデオを開示するというのは難しいことなのかなという思いは持っていたんですが、そうじゃなければ、やっぱりなおさらこれ開示していただくものではないかというふうに思っていますね。
 保安上の問題ということを繰り返しおっしゃっていますけど、保安というのは、だってもうお二人、妹さん、ワヨミさんとポールニマさんは入られているわけなんですから、そういうことで、やっぱり公開はそんなに難しい問題じゃない。私たちが求めているのは、一般的に出すわけじゃなくて、この委員会、委員会のメンバーだけに見せてほしいと言っているんですから、できないことではないと思うので、上川大臣、どうですか、もう一回その辺、再考していただくことはできませんか。

#56
○国務大臣(上川陽子君) 法務省といたしまして、先ほど来の様々な検討をした上での現状の立ち位置として、この間説明をしてきたとおりでございます。
 三つの理由を掲げさせていただいておりますが、この亡くなった方の収容中のビデオ映像の開示につきましては、相当ではないというふうに考えているところでございます。

#57
○真山勇一君 やっぱりその今の大臣の答弁は私は納得できませんし、多分、今日傍聴へいらしているワヨミさんもポールニマさんもやっぱりそれは納得できないんじゃないかと思うので、やはりこれは重ねて、こちらもそういう場合は開示請求ということをやらなくてはいけないかもしれませんが、これは是非、引き続き、是非前向きに誠実に検討していただきたいというように思っています。
 時間がなくなってしまったので、もう一つ確認させていただきたいことがあります。
 ウィシュマさんの二人の妹さん、ワヨミさんとポールニマさんは、お姉さんのこの真実を知りたいということでスリランカからいらっしゃって、その真実を知らなきゃ国に帰れない、お母さんにも報告できないということで、それが分かるまで、ビデオを見せていただくまで、あるいは、報告書が、きちっと最終的な報告書が出るまで日本に滞在していたいというふうに言っているんですが、お二人のビザがどうやら今月末ぐらいらしいんですが、今日これビザの関係出ていないので、もしかすると答弁できるかどうかはあるんですが、ビザ、これ延長、分かるまで滞在したいという、これについての問題、了解、理解をしていただけるでしょうか。

#58
○政府参考人(松本裕君) 済みません、御指摘の御遺族の方のビザの状況は、ちょっと今把握しておりません。御指摘は受け止めて、法律に基づく対応をしたいと思います。

#59
○真山勇一君 是非、もう日本が大好きで大好きで、この日本で英語を教えたいということでいらっしゃったウィシュマさんのその遺志、是非尊重していただいて、お二人の日本の滞在、ワヨミさんとポールニマさん、このお二人のビザを是非希望をかなえてあげていただきたいというふうに、重ねてこれはお願いをしたいと思います。
 そして、時間なくなってごめんなさい、少年法で、やはり今回の、私、少年法の問題というのは、少年を民法の成人に扱うのか、いや、少年としてこれまでどおりやっていくのかというのが、どうもその辺が曖昧な気がしてしようがありません。
 今日、資格制限の問題、執行猶予になったら外されるという、執行猶予でも外されてしまうということとか、それから虞犯の問題ですね、やっぱり未然に防ぐってとっても大事だと思うんですが、それが今回外されていること、それから推知報道の問題、やはり、一体どっちに軸足を置いているのか、成人なのか少年なのか、非常にその場その場であっち行ったりこっち行ったりしているような印象がありますので、これ是非、こうした点は、上川大臣、一言で結構です、聞かせてください。

#60
○委員長(山本香苗君) お時間が過ぎておりますので、簡潔に御答弁願います。

#61
○国務大臣(上川陽子君) この少年法のしっかりと趣旨にのっとりまして、今御指摘いただいたこともしっかりと踏まえながら適切に対応してまいりたいというふうに思っております。

#62
○真山勇一君 済みません、ありがとうございました。終わります。

#63
○清水貴之君 日本維新の会の清水貴之です。よろしくお願いいたします。
 私からもまず、入管法に関して一点お伺いをいたします。
 今回、入管法の改正が今国会ではなされないことということになりました。これまでも議論されておりますウィシュマさんの問題、これはしっかりと原因を究明して再発防止をしていくと、これはもう本当に大切なこと、必要なことだというふうに思っております。これはしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 その一方で、今回のこの入管法の改正が延びたことによりまして、現状この起きている問題、これに対してどう対応していくかという、これも大事なところかなというふうに思っています。
 入管施設に滞留している方々、送還忌避者の方々は三千人ほどいるというふうに言われています。こういった方々、本当に保護が必要な方は保護するべきですし、帰っていただかなければいけない方には適切に帰っていただくということが必要だというふうに思っております。ここの辺が解消されないので長期収容の問題というのが起きてしまっておりますので、とはいえ、こういうようなことを解消するための法改正だったわけですね。今回はなされません。
 ということは、今の現状、この現行法のこの状況の中でこういったところにも対応していかなければいけないわけですが、どうやって向き合っていくつもりでしょうか。

#64
○国務大臣(上川陽子君) 現行法の制度、また規定がございますその趣旨に従って適切に、適正に運用していく、このことが重要であるというふうに考えております。
 現行の手続の下におきましても、退去させるべき外国人と、庇護、在留を認めるべき外国人との判別、認定につきまして、運用の基準の更なる明確化を検討することなど、様々な運用の基準の透明化、明確化を追求していくということは、どういう状況が置かれようとも、私ども出入国在留管理庁が行うべきことだというふうに思っております。
 この現行制度の一層の適正な運用、また行政の公平性、透明性確保のための対応につきまして、しっかりと、この間もずっと指示してまいりましたけれども、信頼の回復を図るためにも極めて重要なことであると思っておりますので、更に拍車を掛けてまいりたいというふうに考えております。

#65
○清水貴之君 是非よろしくお願いいたします。
 続いて、少年法に関連してですが、これ、二回続けて質問要旨、通告で入れさせていただいたのに、ちょっとここまでたどり着かず、大変失礼をいたしました。今日はしっかり質問させていただきます。
 矯正教育についてです。
 平成二十四年に、政府としまして、再犯防止に向けた総合対策というのを制定しておりまして、これ数値目標を立てられているんですね。出所後二年以内に再び刑務所に入所する者等の割合を今後十年間で二〇%以上減少させようという、こういった数値目標を立てております。
 この目標をどのように、今現在達成に向けて取り組んでいらっしゃるところだと思いますけれども、どう今現状なっているんでしょうか。

#66
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
 委員御指摘の再犯防止に向けた総合対策でございますが、平成二十四年七月に犯罪対策閣僚会議で決定をされております。その直近の数値を申し上げますと、まず、刑務所出所者の二年以内再入率につきましては一六%以下にするというのが数値目標でございました。これに対しまして、直近の平成三十年の出所者では一六・一%であります。また、少年院出院者の二年以内の再入院率につきましては八・八%以下にするというのが数値目標でございました。これに対しまして、直近の平成三十年の出院者では九・七%となっております。

#67
○清水貴之君 減ってはきているとは思うんですが、この少年院に限定しますと、令和、これ三年までだと今年までですよね、八・八%というのが目標だと思います。平成三十年現在で九・七ですから大分減ってはきているんですが、ただ、目標まで届くか届かないかというところだと思いますが、これについてはどのように評価をしておりますか。まあ、届かないならば何か目標に対して足りない部分があったのではないかというふうにも考えますけれども、どのようにその辺りを評価いたしていますか。

#68
○政府参考人(大橋哲君) 御指摘のとおり、少年院の出院者の再入院率につきましてはまだまだ目標まで数値があるという状況でございますので、我々といたしましても、少年院出院者の修学支援あるいは就労支援というような社会復帰の部分についても力を入れまして、この目標を達成できるように努力していきたいと考えております。

#69
○清水貴之君 続いて、特定少年と起訴されて執行猶予が付いた場合の関係などについてお伺いをいたします。
 これも参考人質疑の際に川村参考人から指摘されていた点なんですが、刑務所では懲役刑は反省していようがいまいが満期になれば出所できる、一方、少年院ではいまだ教育的効果が不十分だと判断されれば収容期間を延長することも可能だと。逆送後、起訴されても、初犯だからと執行猶予が付いて社会に戻されることが多くなるんじゃないかと、現行法では少年院に送致されて教育を受けている少年たちが、今後、何らの教育も支援もなく、まあ執行猶予ということですから、社会に戻されることになってしまうと、これはまあある意味本末転倒ではないかと、こういった御指摘ですが、これについてはどのような見解でしょうか。

#70
○政府参考人(川原隆司君) お答えいたします。
 少年に対する保護処分は専ら対象者の改善更生を目的として課すものであるのに対し、刑罰は保護処分による改善更生が不能あるいは不適である少年を対象に応報として科すものでありまして、両者は処分の対象者や目的が大きく異なるために、単純に比較して処遇の優劣を論じるのは適当でないと考えております。
 その上で申し上げますと、刑の執行猶予は、それが取り消された場合には刑の執行を受けるという心理的強制によって対象者の改善更生を図るものであり、執行猶予付判決にも相応の再犯防止機能がある上、より積極的な働きかけが必要な場合には、執行猶予期間中、対象者を保護観察に付することもできるところでございます。
 また、本法律案では、十八歳以上の少年に係る原則逆送事件についても現行法と同様の例外規定を設けており、現行の原則逆送対象事件と同様に、家庭裁判所においても十分な調査を尽くした上で、処遇の有効性の観点も考慮して、個別の事案に応じた適切な処分選択が行われることになると考えております。
 以上申し上げましたことから、十八歳以上の少年について原則逆送対象事件の範囲を拡大いたしましても、適切な処遇が行われなくなって改善更生が阻害されることになるとは考えていないところでございます。

#71
○清水貴之君 続いて、虞犯の除外についてお伺いをいたします。
 虞犯少年の、今まででしたら虞犯とされていた少年ですが、今後、そういった少年たちがどうなっていくかということなんですが、十八歳、十九歳の年齢の場合には児童福祉の対象外となりますので、児童相談所が一時保護をしてから保護所に入れることなどはできなくなるということです。
 この辺り、これまでの答弁を聞いておりますと、大臣なども、NPOとか民間団体とかと連携を取りながら対応していくということなんですが、これも参考人の方からあった意見なんですが、民間で施設を運営しているところ、おっしゃるとおり様々あるんですが、やっぱりなかなか、非行が始まっている、虞犯ですからというふうな認定をされてしまうような子供というのを、その施設側からしたらなかなか受け入れにくい、はっきり言って厄介者だというような見方をされることもあると、受入れを拒否する施設も多いということなんですね。
 となりますと、やはりなかなか連携といっても、一言で言っても、理想はそうかもしれませんけれども、受入れ側からしたらハードルも高くなるのではないかと考えておりますが、この辺りはどう進めていくつもりでしょうか。

#72
○国務大臣(上川陽子君) 御指摘いただいたとおり、保護処分はしないこととしているところでございますが、非行防止の必要性につきましては、これは大変重要であるというふうに認識しておりまして、関係機関によりましての対象者の任意に基づく支援、措置、これが重要であるということと、また早期の段階にしっかりと対応していくことが、その働きかけそのものが非常に大事であるというふうに認識をしております。
 この間御説明をしてきたところでございますが、法務省を含みます関係機関等の連携が何よりも大事であるというふうに思っておりまして、既に法務省の取組といたしましても、少年鑑別所におきましての法務少年支援センターを中心といたしまして、非行、犯罪に関する問題等に関するノウハウ、これも蓄積をしてきているところでございますので、こういったものを最大限活用させていただきまして相談、助言を行うほか、また教育機関や民間団体との連携もこれまで以上によく密にしながら、また相互にそれぞれの知見を交換し合いながら、また現場の中でしっかりと対応できるようにサポートしてまいりたいというふうに思っております。
 全国には更生保護サポートセンターがございまして、保護司の皆様が本当に、地域の見守りも含めまして様々な活動にいろんな民間の方々と御協力をしながら対応しているところでございます。また、セミナー等も非常に丁寧にやっていただいているということでございますので、こういったこれまでの取組をさらに、虞犯による保護処分を行えないことに伴いまして生じてくる様々な御指摘もございましたので、しっかりと現場の声を伺いながらきめ細かな対応をしてまいりたいというふうに考えております。

#73
○清水貴之君 おっしゃるとおり、民間任せではなくて、もう協力をしていく若しくは信頼関係を構築していくというのは非常に大事なことだというふうに思っております。
 続いて、これも参考人の方などの話を聞いておりますと、若年受刑者の刑事施設における処遇、刑務所などにおける処遇と少年院での処遇、教育など、この違いをお話しされているのを聞いておりますと、やはり少年院の方がもちろん教育とか更生に視点を、重点を置いているので、非常にその後の人生を考えたときに効果があったというような話をされていらっしゃるのが印象的でした。
 少年院とそういう刑事施設、もちろんその目的が違うのかもしれませんけれども、でもそういった少年院の非常に評価されている部分、いいところというのは、刑事施設であっても年齢が変わらなかったらそうですし、もちろん更生とか教育というのは幾つになってもこれはできるものですから、こういった少年院のその手法、いいところというのは積極的に取り入れてもいいのではないかというふうに考えておりますけれども、こういったことに関する検討も行われているというふうに聞いております。どのようになっているでしょうか。

#74
○政府参考人(大橋哲君) お答え申し上げます。
 法制審議会の答申におきましては、再犯防止対策の観点から、その整備及び実施が推進されるべき施策の一つとして若年受刑者を対象とする処遇内容の充実が掲げられております。少年院の知見、施設を活用して、おおむね二十六歳未満の若年受刑者の処遇の充実を図ることが求められております。
 そこで、刑事施設において、おおむね二十六歳未満の若年受刑者に関し、小集団を編成したユニットを設け、少年院における矯正教育の知見等を活用しつつ個々の特性に応じた処遇を実施することや、特に手厚い処遇が必要となる者について、少年院の建物、設備を活用して、職員との密度の濃い関わりに基づき、きめ細かな処遇を実施することができないか、現在その具体的内容を検討しているところでございます。
 罪を犯した若年者の改善更生及び社会復帰を図るため、その処遇を一層充実させることが御指摘のとおり重要でございますので、その実施に向けて速やかに検討してまいりたいと考えております。

#75
○清水貴之君 続いて、少年院における社会性教育なんですけれども、これ、いろいろと見ていますと、地域地域で、その少年院少年院で独自のトレーニングを行っていると、こういった施設も見受けられます。
 例えば、福岡少年院では、面接手法にリフレクティングというのを導入いたしまして、気持ちを言葉にする能力を育むトレーニングを実施しているということなんですね。兵庫県の加古川学園では、知的能力に制約があったり対人関係が苦手だったりする人が多い中、半分近く占める中ですね、音楽を通じて感情表現とか意思疎通をスムーズにする、こういう音楽療法というのを取り入れているというふうに聞いています。
 こういうことはどんどん積極的にやるのは非常にいいことだというふうに思うんですが、これも地域地域でやっていて、ある意味、成功事例とかそういう情報共有というのをしながら、いいところをやっぱり取り入れながら進めていくべきだというふうに思うんですが、こういったことというのは取り組んでいらっしゃるんでしょうか。

#76
○政府参考人(大橋哲君) お答え申し上げます。
 少年院におきましては、在院者に対して、再非行防止に向けた指導とともに、社会生活に必要な知識や態度を身に付けさせるため多様な矯正教育を行っております。特に、社会性を身に付ける指導としては、全ての在院者を対象に、全国共通のワークブックを用いて円滑なコミュニケーションの取り方やストレスをコントロールするための方法を学ばせております。
 御指摘のとおり、各少年院では、専門的な知識や技術を有する職員や外部の専門家の協力を得るなどして、独自の取組を行っております。このような各庁の実践から始められた新たな取組につきましても、当局におきまして随時その状況を把握いたしまして、例えば、研究授業を行いまして他の施設の職員が実地に学ぶ機会を設けましたり、当局において標準的プログラムに指定して全国の少年院において展開するなど、各少年院で培ったノウハウや技術を積極的に共有し、矯正教育の充実を図っているところでございます。

#77
○清水貴之君 是非、有効だと思いますので、よろしくお願いいたします。
 続いて、少年院における高等教育についてです。
 一週間前のこの参議院の法務委員会で、大臣も学習支援計画などについて発言をされていらっしゃいます。これも非常に重要だと思っておりまして、少年院に入る少年の六割強は在学をしていないと。ということは、結果、高校卒業の資格を持っていない若しくは取れないというデータもあります。
 その中で、その少年院で過ごす半年とか一年の期間を具体的にどのようにしていくか。いろいろな、更生とか教育とかいろいろ、はありますが、具体的に学校卒業とか高校での学習とか、ふだん、普通この世の中で同年代の子たちが行っているようなその教育をひとしく受けられるような機会、教育支援、こういったものもその後の人生を考えた場合には重要ではないかというふうに思っております。
 通信制の高校ですとか、通信環境等を整備したら、今はいろいろとネット上でもこういった教育が受けられるような環境というのもどんどん進んでいますので、こういったことも積極的に取り組むべきではないかというふうに思うんですけれども、これについていかがでしょうか。

#78
○政府参考人(大橋哲君) お答え申し上げます。
 少年院におきましては、社会情勢の変化を踏まえまして、少年院内における高等学校卒業程度認定試験の実施など、教科教育の分野でも円滑な社会復帰に向けて学力の向上に力を入れてきたところでございます。
 さらに、昨年度、少年院在院中であっても高等学校教育をしっかりと受けさせ、かつ出院後に卒業できるよう、文部科学省、広域通信制高校などの協力を得まして、少年院在院者に対する高等学校教育機会の提供に関する検討会を設けまして検討を重ねてきておりまして、本年度から七つの少年院におきまして、少年院在院中から通信制高校に入学し、インターネット等を活用した学習を行うこと、高校卒業に向けた支援対策を構築すること、少年院の矯正教育を高等学校の単位として認定することなどに関しまして、通信制高校と連携いたしましてモデル事業を開始しているところでございます。
 出院後の幅広い進路選択が可能となるよう、年齢にかかわらず、引き続き教科教育を含めた矯正教育の実施に努めてまいりたいと考えております。

#79
○清水貴之君 最後に、少年院収容者の社会貢献活動についてお伺いをします。
 これも、例えばということで例ですが、兵庫県の播磨学園では、新型コロナウイルスの感染者や医療従事者への差別解消を目指すシトラスリボンプロジェクトに賛同しまして、在院者が社会貢献活動として作成したリボンを地元の社会福祉協議会へ寄贈したということなんです。千葉の八街少年院では、飼い主がいない保護された犬を訓練すると、こういった教育、社会貢献活動というのも行われております。
 このように、誰かの役に立っている、自分もやはりこの世の中で必要とされる存在なんだと、こういうふうに感じることというのも非常に大事な要素ではないかというふうに思いますが、こういったことも是非全国的に進めていくべきだと考えますが、これも見解いただけたらというふうに思います。

#80
○政府参考人(大橋哲君) お答え申し上げます。
 社会貢献活動につきましては、矯正教育の内容の一つである特別活動指導として、情操を豊かにし、自主、自律及び協同の精神を養うことを目的として実施しております。
 活動内容は、先ほど委員御指摘の活動のほか、高齢者施設、公園等における清掃、車椅子の清掃、修理、点訳絵本の作成、寄贈、地域の幼稚園児と交流など多岐にわたっておりまして、ボランティア団体として社会福祉協議会に登録し、地域の困り事や課題の解決に関与している施設もございます。施設ごとに特色のある取組がなされておりまして、令和元年四月から同年十二月までの少年院外の活動実績としては、全国で延べ三百四十三回、千五十人の在院者が参加しているところでございます。
 実施の結果について、実施後、感想文を聴取しておりますけれども、その内容を見ますと、ありがとうと言われてうれしかったとか、相手の気持ちを考えるようになったとか、社会に役立っているという実感が湧いたというような感想が多くございまして、各種取組が地域の課題を学んだり地域の方と交流したりする貴重な体験となっているとともに、少年の心情に前向きな変化が見られると承知しております。

#81
○清水貴之君 以上で終わります。ありがとうございました。

#82
○川合孝典君 国民民主党の川合です。
 前回に引き続きまして、名古屋入管をめぐる問題について御質問させていただきたいと思いますが、前回の委員会審議やっている最中に入管法の取下げが決まったということで、質問していたときと環境がちょっと変わってしまっております。
 そうした状況の中、本日の名古屋入管をめぐる問題についてはやり取りがなされているわけですが、私から一点指摘させていただきたいのは、入管法を改正しなければいけない部分が、必要性があって法律改正の法案をお出しになられた。事実、その必要性は今もあるわけであります。
 そうした状況の中で、そうした状況の中で今回取下げをしたと、そして、その理由になったのが名古屋入管におけるこの事案であることを考えたときに、事実をしっかりと究明した上で情報公開を行うということをせずにこのまま疑惑を温存してしまうと、次、入管法の法案を提出したときにまた同じことが起こるということを法務省の皆さんは理解していらっしゃらないんじゃないかと。説明責任をきちんと果たすということ、情報公開をきちんとすること、このことこそが、次に、次の一歩につながるということを、私は是非指摘させていただきたいと思います。
 その上で、前回質問させていただいた内容について、改めて確認をさせていただきたいと思います。
 三月四日の日の精神科施設の受診を行われた際のいわゆる診療結果報告書については既に受け取っていらっしゃるということでありますが、前回の質疑を行いました折に、聴取ができていないということについて確認させていただきましたが、応じていただくことができていないというそのことが、三月の中旬の申入れのところで行われて、それ以降何もしていらっしゃらないということが明らかになりました。
 入管庁からの説明を聞いておりますと、いわゆる医療情報の保護の問題を含めて、プライバシーの問題や様々な問題があるということを御指摘されていましたので、この医師の守秘義務の問題について、何に抵触しているのかということで、私自身でちょっと調べてみました。
 刑法百三十四条の一に、医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときには、六か月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処するという、こういう記述になっております。恐らく、医師会のホームページも確認しましたが、お医者さんが情報公開をすることについて極めて慎重になられる根拠はここにあるということなんだろうと思いますが。
 確認なんですけれども、今回この問題に関して、医師の方からの聴取を行って、そして我々、また関係者の方々に情報をきちんとお伝えする、説明をするということについて、これは正当な理由に当たらないのかどうかということを含めて、改めて病院、この三月四日に受診された外部病院のお医者さんからの聴取についてきちんと対応するべきであると考えておりますが、この点について改めて確認させてください。

#83
○政府参考人(松本裕君) お答えいたします。
 委員御指摘の病院との関係につきましては、我々も御指摘の正当な理由ということで対応いただきたいという状況でございます。
 その上で、御指摘の外部病院につきましては、先日の委員からの御指摘を踏まえまして、改めて当該病院と連絡調整を行いました結果、今後、聴取、聞き取りに御協力いただけるということでございます。具体的な日程につきましては現在調整中でございます。

#84
○川合孝典君 聞き取りはこれから行う方向で進めているということでありますが、その聞き取った情報を今後どう要は公開していくのか、情報公開をするのかということも当然問われるわけでありますが、ここに至るまでの間の答弁を聞いておりますと、いわゆる情報公開法に抵触するということをもって情報公開ができないということをずっと繰り返しおっしゃっているわけでありますが、聴取をしても情報が公開されなければ意味がないというふうに思っております。
 そのことを指摘させていただきたいと思いますし、そのことも含めて、この聞き取りを行った結果の情報というものについてはどのような形で御報告をいただけるのか、と考えていらっしゃるのかを確認させてください。

#85
○政府参考人(松本裕君) この聞き取りは、我々の調査チームの者が聞き取りを行うと、で、その内容につきましては最終報告書に反映させる形で検討を進めております。さらに、その調査に入っていただいている第三者の方々にその聴取結果というものをお示しをして、その内容が適切に最終報告書に反映させるように対応をする予定でございます。

#86
○川合孝典君 いわゆる原本を見せるとそれが法律に抵触するという趣旨のことを、今朝の理事会でも官房長の方からも御説明をいただきましたが、そうではなく、情報公開ができる方法というものは当然考え得るわけであります。今、次長がおっしゃったように、原本はそのままでは出せないけれども、第三者がチェックを行った上できちんと報告書の方に転記するといったようなことも考えられるわけですよね。
 私が問題を指摘させて、繰り返ししつこく問題を指摘させていただいている最大の理由は、中間報告書の方にも、報道でも非常に問題になりましたが、点滴、入院についての指摘についてはあったということを言われているわけであります。にもかかわらず、中間報告書には一切入院や点滴についての指示はなかったと、こう書かれているわけなんです。つまりそれは、つまりは、指摘はあったけど指示はなかったという、こういう話でありまして、ある意味もう究極の言葉遊びのようなことをしておるわけでありますよ。
 こういうことが繰り返し行われる、明らかになることが、結果的にこの問題をここまで深刻化させているということを重く受け止めるべきだと思いますので、改めて、この情報公開、この聞き取りも含めた、お亡くなりになる僅か二日前ということでありますので、この情報をどのような形で公開するのかということが今後に大きく影響するということを重く受け止めていただきたいと思います。
 その上で、関連する質問をもう一つさせていただきたいと思いますが、確認させていただきたいのは、今回、入管法の改正取下げということになりましたので、いわゆる仮放免の手続や医療行為を行うに当たっての様々な判断というものについても、従来の法律の枠組みに基づいて運用が今後もそのまま続くということになるわけであります。同じような問題が二度と起こってはいけないという問題意識は、与野党、各委員の皆様も関係者の方々も共有していただいていると思いますけれども、そこで重要になるのが、仮放免等の判断を行うに当たっての意思決定のプロセスの透明化ということなんですね。
 三月四日の診療情報提供書の、要は閲覧させていただいた中に、患者が仮放免を望んで、これはお医者さんの要はコメントということですが、患者が仮放免を望んで心身の不調を呈しているのなら、仮釈放してあげれば良くなることが期待できる、患者のためを思えばそれが一番良いのだろうが、どうしたものであろうかという、こういう記述がなされているというふうに聞かせていただきました。
 で、仮放免しなかったという判断になったわけでありまして、この判断を行うという意思決定のプロセスが一体入管でどうなっているのかということをお教えいただきたい。

#87
○政府参考人(松本裕君) お答えいたします。
 入管法第五十四条第二項におきまして、入国者収容所長又は主任審査官は、被収容者本人又はその代理人等からの仮放免の請求により又は職権で、法務省令で定めるところにより、その者を仮放免することができると規定しておりますところ、このような申請、仮放免の請求がありました場合には、一定の内部手続の上、入国者収容所長又は主任審査官、これは名古屋出入国在留管理局におきましては次長になりますが、仮放免許可を、仮放免を許可するか否かを判断しているところでございます。

#88
○川合孝典君 ちなみに、そのタイミング、指摘があったタイミングで仮放免をしなかった理由は何でしたっけ。

#89
○政府参考人(松本裕君) お答えいたします。
 現時点での調査で判明しているところといたしましては、一月四日にされました第一回目の仮放免許可申請に対しまして二月十六日に不許可処分の告知がされましたところ、その不許可処分に当たりましては、亡くなられた方が不法残留となった後に一時所在不明となっていた経緯や、亡くなった方には面会に訪れていた支援者を除いて本邦に身寄りがなく、所持金も僅かであったことなどが考慮されたものと認識しております。
 その後、さらに、二月二十二日に二回目の仮放免許可申請がなされておりますが、この点についての判断はお亡くなりになった時点ではなされていませんでした。
 以上でございます。

#90
○川合孝典君 経緯はそういうことで分かったんですけど、この三月四日のこのタイミングで、事実関係、まあドクターの診断も出たということを受けての判断というこのタイミング、この局面での入管における判断はどうなっていましたか。

#91
○政府参考人(松本裕君) 御指摘の外部病院の精神科の受診の御担当されたその先生からの診療情報提供書が、施設内の医者に宛てられたものがございますが、これはお医者さんからお医者さんに宛てられたものでございまして、その内容を入管が、名古屋入管が把握しましたのは、亡くなられた後にその内容を把握したという状況でございます。

#92
○川合孝典君 つまりは、この方の病状については、正確にはそのタイミングでは把握できていなかったという理解ですか。

#93
○政府参考人(松本裕君) お答え申し上げます。
 亡くなられた方を、この外部病院に同行した入管の職員がございます。この入管の職員は、お医者さんからどういうことであったのかという点について、その入管局内の報告書というものを記載いたします。そのものはございますが、その内容には、身体化障害の疑いという病名とともにお医者さんの指摘があったんですが、そこにはその仮放免等というような指摘があったという記載はなく、職員の聞き取りにおきましても、そのような指摘は聞いていないという状況でございます。

#94
○川合孝典君 大臣、お聞きになられたと思いますけれども、その情報共有のいわゆるルートというものについては、一応、当然ルールはあるんだということは分かるんですが、その情報共有、その情報の内容によってどういう形で情報を、タイミングも含めて共有しなければいけないのかということも含めて、極めて現場任せの状況になっているのは、これ事実なんです。
 私、大臣に問題提起して御認識をお伺いしたいんですけれども、今回、この問題を受けて名古屋の入管にも常勤の医師を配置する方向で御手配いただけることになったということではありますが、この仮放免の判断等を行うに当たっての判断基準というものですね、連絡、報告、相談、きちっとどういうタイミングで行うのかということ。
 恐らく、今回のこの方の場合には、外部病院に受診に行ってお帰りになられてというその一連の流れから二日後にお亡くなりになるという、その間に非常に大きく何か急変していることも想定はされるわけでありますが、こういうことが起こり得るということは、既に何件も入管内で亡くなられている方がいらっしゃること等を考えてもリスクとして当然考えておかなければいけないことだと私は思っております。
 したがいまして、今後のことも考えて、意思決定のプロセスと、それから判断基準を明確化することが極めて重要になると思いますが、この点について、大臣の御認識、確認させていただきたいと思います。

#95
○国務大臣(上川陽子君) 現場に関わっているその様々なフェーズがございまして、そこに関わる職員も一人がずっと一人の方に関わるということに必ずしもなっていないというのが職場の多分状況だと思います。いろんなフェーズの中で意思決定がなされ、また同時に運用がなされているということでありますので、ある意味ではその方の情報が、関わる方々が共有をしていくという仕組みというのは非常に重要だと思っております。今まさに委員も指摘なさったことと同じ問題意識を私も持っております。また同時に、その判断の基準が適切に行われるためには、絶えずアップデートした情報に基づいて判断が行われるべきであるということも事実だと思います。
 今回のケースにつきましては、体調も含めまして時々刻々変わっていくというところの部分で適切に対応できたのかというのが、私自身は非常に強い思いを持っておりまして、そこのところが、まず真相の解明と事実の確認と、こういったことの、当初指示をした極めて大きな要因でありました。
 今委員の御指摘のように、その意思決定の流れ、またその体制、それで現場でどのように動いてきたのか、またそのときのそれぞれの判断基準はどうであったのか、こういったことも含めて考えてみますと、こういったことをはっきりし、また同時に基準もはっきりした上でつないでいく、そして絶えず情報が最新の情報でこの判断がなされるようにしていく、このことが重要ではないかと思っております。
 今、第三者の方々を交えての今きめ細かな、また、委員からの御指摘も含めまして、この衆参の中での様々な角度からの御指摘がございました。しっかりとその御指摘をこの改善に向けていくことが本当に亡くなられた方の気持ちにしっかり寄り添うことだというふうに思っておりますので、何といっても、この最終報告に向けての努力につきましてはベストを尽くさせていただき、そして、しっかりとその次のステージに向けて信頼していただくことができるような、そういう組織にしてまいりたいというふうに思っております。

#96
○川合孝典君 信頼回復のために一番重要なことは説明責任を果たす、情報をきちんと公開するということだということを今大臣の口からも言っていただきましたので、是非、一番大切なことはこうした被害者を二度と出さないということ、そのことと同時に、国民の皆様の疑念を晴らすということにあるということですので、そのことがきちんと解消されるようなお取組を進めていただきたいと思います。
 その上で、もう一点確認なんですが、今大臣の御答弁の中で最終報告書のことについてお触れになられました。どういうポイントで、どういうところ、論点、ポイントでこの最終報告書を作成されるのかということについて確認をさせていただきたいと思います。
 森友、加計問題のとき、私担当しておりましたけれども、報告書といって何度も出てきたものが、結果的に肩透かしのような報告書が何度も何度も出されてきたことを私経験いたしておりますので、いわゆる、今、松本次長からお話がありまして、いわゆる司法解剖の結果、報告が既に出ているというお話もいただきましたが、そうした内容だけが要は最終報告書に記載されるというようなことがあったのでは疑惑解明にはとてもつながらないと思っておりますので、改めて大臣に確認させていただきたいのは、最終報告書を取りまとめるに当たってのポイント、どういったことに注意して御記載をいただけるのかということについてお伺いします。

#97
○国務大臣(上川陽子君) 私は、今回の死亡事案につきましては大変重く受け止めております。命を預かる入管の施設でございまして、こういった事案が起きてはならない、また二度とあってはいけないと、こういう思いで、このまず事実の解明をしっかりと尽くしていく、このことが大事であるということで、調査チームに対しましても、第三者の目線をしっかり入れるということ、そして、この中間報告につきましても、できるだけ早い時期に中間報告も分かったところまではお出しするようにということで指示をしてまいったところでございます。
 この間、正確な事実関係を、関係する方々にも、特に外部のお医者さんのところへの依頼につきましてはなかなか難しい状況はあるとは承知しておりますが、できるだけ、今のコロナ禍であるという条件の中でも真実に迫るようにということで調査を加えさせていただいてきたところでございます。
 この中間報告をお出しさせていただいた後、様々な疑念も含めまして御指摘をいただきました。そして、そのこと一つずつに対しまして、この公開の場でありますので、今調査チームも含めまして、みんなでこの調査の更なる課題や問題についての深掘りも併せて今対応しているところでございます。
 さらに、そのことの課題もしっかりと明確の、しながら検証するということでありますが、対応策についてもしっかりとしていくことが、問題をどのように把握しているかというこの入管庁の姿勢そのものが問われるということでありますので、それに対しての改善策につきましてもできるだけ細かくその部分について出すようにというふうに指示をしているところでございます。委員からできる限りの情報の開示をすべきであるということでございまして、ここについては、御指摘の疑念が解消できるように、可能な限りの情報開示につきましても十分に意を尽くすようにというふうに指示しております。
 事実に基づいてしっかりとエビデンスベースで報告書を作っていくということが、何よりも正確な理解とそして皆さんへの説明責任につながるというふうに思っておりますので、最終報告におきましては、様々な御指摘があったこと、いろんな角度からの御指摘を十分に踏まえた上で、そして第三者の皆様の御指摘もしっかりといただいて、そして、このことが二度と起こらないように、私としてもそうした指示を最後の最後まで徹底してやらせてまいりたいというふうに思っております。

#98
○委員長(山本香苗君) お時間過ぎておりますので。

#99
○川合孝典君 時間が参りましたのでこれで終わりたいと思いますが、法に基づいて運用をきちっと行うということと同時に、政治判断でもって最終的に情報公開をどうするのかということが決まるということでありますので、大臣の覚悟が問われているということを御指摘させていただきまして、終わります。
 ありがとうございました。

#100
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 政府と与党は、入管法改定案の今国会成立を断念しました。議員会館前での連日のシット・インやツイッターデモなど、世論と運動の広がりが政府を追い詰めた結果であり、当然と考えます。
 大臣は先ほど、これは政党間協議で審議しないこととなったものだと答弁されておりました。その理由を何だと聞かれていますか。

#101
○国務大臣(上川陽子君) 今まさに委員御指摘のように、与野党協議におきまして今国会でこれ以上審議を進めないとの合意がなされたというふうに承知をしております。国会の中でどのような御協議があったのかということについて私から申し上げるべきことではないというふうに思っておりますので、お答えにつきましては差し控えさせていただきたいというふうに思っております。

#102
○山添拓君 法案に対して国民の理解が得られなかったと、そういう認識はお持ちではないのですか。

#103
○国務大臣(上川陽子君) まさに今回の改正案でございますが、送還忌避や長期収容の解消につきましてはこれまでこの法案の一つの大きな趣旨として御説明させていただいてきたところでございまして、喫緊の課題であるということは更に申し上げるまでもございませんで、変わらない問題であるというふうに認識をしております。
 今回様々な御指摘がある中ででございますけれども、あらゆる課題の解決に向けまして対応を取ってまいりたいというふうに考えております。

#104
○山添拓君 課題の解決の方向が間違った法案だから批判が広がったわけです。
 その最大の理由は、言うまでもなく、名古屋入管でのウィシュマ・サンダマリさんの死亡事件です。大臣は今日も施設内の映像記録の公開を一貫して否定しております。
 伺いますが、二〇一四年、茨城県牛久の東日本入管でカメルーン人の男性が亡くなりました。遺族が国を相手に損害賠償訴訟を起こし、その裁判では、居室内の床でもがき苦しむ動画が再生されました。今もネット上で閲覧することができます。入管庁、御承知ですか。

#105
○政府参考人(松本裕君) お答えいたします。
 御指摘のビデオがインターネット上で閲覧可能ではないかとの点や、その経緯につきましては、そのインターネットで閲覧されるようになった経緯につきましては、当庁といたしまして、当庁としてインターネットサイトに公開を行っておらず、お答えを差し控えます。
 ただ、民事裁判手続におきましての手続の中で証拠として採用されたもののビデオだと認識しております。

#106
○山添拓君 つまり、映像記録は一定の手続を踏んで開示がされて、それは開示された以上はどのように使われるかということについてはいろいろな使われ方あり得るわけです。そして現にネット上で公開されています。
 今度、名古屋入管の映像について開示しない理由を、入管の説明によれば、どこにカメラがあって、どのような解析度か、それが知れると保安上問題だと、こう説明されているんですが、もう公になっているんですね。なぜウィシュマさんの件では公開できないんですか。

#107
○政府参考人(松本裕君) 御指摘の、御指摘のといいますか、収容施設のビデオにつきましては、民事裁判手続におきまして裁判所の証拠保全決定がなされるなどして、裁判手続において証拠として提出されたものでございます。
 その場合でも、保安上の支障と裁判での主張立証の必要性、これは、その主張立証で活用しないとその主張が、我々の主張が認められないとか、そういう必要性を勘案して、マスキング等の措置を講じた上で必要最小限度の範囲で提出しておりまして、あくまでも当該裁判における主張立証のための提出でございます。

#108
○山添拓君 つまり、入管側の主張を立証するためであれば出すけれども、遺族の側の、あるいは真実を知りたい、入管行政がいかなるものかということを公にするという立場では開示をされないということを今おっしゃったわけです。
 大臣、妹のワヨミさんは、大臣と面会された後、明らかに都合の悪いことを隠しているように思える、納得できない、こうおっしゃり、ポールニマさんとともに、ビデオを見ずして母親には報告できない、見せてもらうまで日本にいるとお話しです。今日、傍聴に来られております。その要望に応えるべきではありませんか。

#109
○国務大臣(上川陽子君) 被収容者の命を預かる入管の収容施設におきまして、収容していた方が死亡するということについてはあってはならないことでございまして、このお亡くなりになられましたことにつきまして、大変重く受け止めてまいりました。心からのお悔やみを申し上げます。
 私自身、お二人の娘さんといとこの方とお会いをすることができましたけれども、これは、一人の人間として、心からのお悔やみを申し上げたいという思いで、この願いを是非聞いてほしいということで、お会いをする機会をつくっていただきました。
 御遺族の方の思い、遠くの異国の地で、またコロナ禍においてのこの状況の中でなかなか連絡が取れないということで、こういう状況の中で来日をされたところでございます。お姉様の本当に、御対面を初めて日曜日にされたということでございますが、御葬儀も通して、このお気持ちが、本当にこの心痛、苦しい思いというものをお察しすると、何とかお悔やみも、私自身もそういう思いでおりますので、伝えることができないかなと、この無念の思いに寄り添いさせていただきたいと、こういうことでお会いをさせていただきました。
 希望を持って来日をされた方であります。三十三歳の若さで道半ばにして亡くなられたということのこの無念な思いを考えると、本当に胸の裂かれる思いでございます。収容施設の中でのこうした事案が二度と起こらないようにと、こういう強い思いもお持ちだということを本当に言葉としてお出しになっていらっしゃるということ、真実を知りたい、事実を知ること、このことに寄り添ってしっかりと対応するべく、この最終報告に向けましても、そういうことをしっかりとお届けをいたしますというふうに申し上げたところでございます。
 この再発防止のことも含めまして、本当にこの事実解明に向けまして、この言葉に応えるための私の責任を果たしてまいりたいというふうに思っております。

#110
○山添拓君 肝腎なことはお答えいただけない。
 ウィシュマさんは、今年一月四日、仮放免の許可を求めていました。二月十五日に不許可とされました。二十二日には再度申請され、その申請書には体調が悪く、外の病院で点滴を受けたいなどと記されていました。
 資料で、二〇一八年二月二十八日付け、仮放免運用指針をお配りしました。ほとんど黒塗りです。しかし、二ページから三ページ、仮放免を許可することが適当とは認められない者の八項目は読める状態です。殺人、強盗など反社会的で重大な罪により罰せられた者、犯罪の常習性が認められる者、DV加害者など社会生活適応困難者、ウィシュマさんはいずれかに該当したんですか。

#111
○政府参考人(松本裕君) お答えいたします。
 一点、さきの委員の御質問で不十分な答弁でございました。ちょっと訂正させてください。(発言する者あり)済みません。
 証拠保全、民事裁判手続でのその保全は、我々だけではなくて相手方の申出によってもなされるものでございます。それに我々としては対応しているという状況でございます。
 それを前提にお答えをいたします。
 健康状態を理由とする仮放免そのものにつきましては、御指摘の仮放免運用指針の前提といたしまして、従前から被収容者の健康状態等の個別の事情に応じ、仮放免を適切に活用することとしており、かつ、御指摘の仮放免運用方針におきましても、仮放免を許可することが適当とは認められない者であっても、収容に耐え難い傷病者については可能な限り速やかに仮放免を許可することとしていたところでございます。さらに、新型コロナウイルス感染症対策の一環として、収容施設における密集等を回避するとの観点から、仮放免の積極的な活用を行っております。
 以上でございます。

#112
○山添拓君 いや、お聞きしたことに答えていただきたいんですね。この八項目に該当する事情があったのかということです。

#113
○政府参考人(松本裕君) その点についても今、最終報告に向けて調査をしているところでございます。なぜ仮放免等を行わなかったのかというところの評価を今しているところでございます。

#114
○山添拓君 八項目に該当するような事実は中間報告には記されていませんね。

#115
○政府参考人(松本裕君) ございません。

#116
○山添拓君 許可できない事由、場合には該当していないと思われるんですよ。それでも仮放免をしなかった。
 そして、資料の十ページ、先ほど次長もおっしゃったように、コロナの下で仮放免許可は柔軟に運用することとされていました。仮放免が不適当である事情のない者については速やかに許可することとあります。それでもなぜ仮放免しなかったんですか。

#117
○政府参考人(松本裕君) 名古屋入管の判断といたしましては、先ほど、現時点で調査で判明しておりますのは、亡くなられた方が不法残留となった後に一時的に所在不明となっていた経緯や、亡くなった方には面会に訪れていた支援者を除いて本邦に身寄りがなく、所持金も僅かであったことなどが考慮されたということでございますが、その点の判断が適正なものであったのかどうかの点については、現在調査を行っているところでございます。

#118
○山添拓君 今お伝えしましたように、お示ししましたように、それでは理由にならないんですね。お配りしておりますように、仮放免についてはルールがあります、ルールを定めています。しかし、その定めた自らのルールに従わないというのが今の入管行政です。
 今度の法案、入管法改定案についても、仮放免の基準を明確化すると言いながら、相当と認めるときはという曖昧な条文案でした。ですから、いかようにも判断され得るものだったわけです。だから、抜本改善が必要だと求めてきました。法案を断念したのは国民世論の批判の広がりを受けたものにほかなりません。ウィシュマさんの事件のみならず、入管難民行政全体の非人道性が批判されております。野党は国会に改正案出していますから、そちらの審議を是非進めていただきたい、そのことを申し上げて、この点についての質疑はこれで終わりたいと思います。
 少年法改定案について伺います。
 今回の法案には、被害者の手続参加を拡充したり権利保障を拡大する明文の規定はあるでしょうか、刑事局長。

#119
○政府参考人(川原隆司君) お答えを申し上げます。
 今回の改正案の中にはございません。

#120
○山添拓君 立法事実は成年年齢の引下げですから、被害者の権利保護を出発点としたものではないという意味では当然かと思います。
 それでは伺いますが、少年事件における被害者の手続参加の機会というのは、これまでどのように保障してきたのですか。

#121
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
 少年法上、少年事件の被害者やその御家族の少年審判への関与につきましては、平成十二年以降の改正によりまして、まず平成十二年の改正として、被害者等が記録を閲覧、謄写できる制度、家庭裁判所による被害者等の意見の聴取制度、家庭裁判所が被害者等に対し審判結果等を通知する制度が導入され、平成二十年の改正によりまして、死傷事件の被害者等が少年審判を傍聴できる制度、家庭裁判所が被害者等に対し審判の状況を説明する制度が導入されてきたところでございます。
 これらの制度につきましては、いずれも家庭裁判所において適切に運用され、一定の機能を果たしているものと認識しておりますが、制度の周知を含め、少年事件の被害者やその御家族の少年審判への関与の在り方については、今後とも不断の検討をしてまいりたいと考えているところでございます。

#122
○山添拓君 順次拡充されてきたということであります。
 ただ、特に審判の傍聴については、これは少年を萎縮させかねない。少年の更生と再犯防止という法の目的に照らして重大な問題も指摘されてきました。被害者の願いに応え、同時に少年の立ち直りを支える運用が求められていますが、少なくとも現在一定の機能を果たしているというのが法務省の評価でありました。
 家庭裁判所はどうでしょうか。
 少年審判における被害者の手続参加や調査官による被害者、遺族への聞き取り調査などにおいて、実務上どのような工夫がされているでしょうか。

#123
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。
 裁判所といたしましても、被害者配慮制度の重要性、認識しているところでございまして、被害に遭われた方などが被害者配慮制度の利用の機会を逸することがないようにするために、家庭裁判所では被害者配慮制度、先ほど御紹介のありましたような、被害者配慮制度について分かりやすく説明をしたリーフレットを作成しており、被害者への配慮を要する事件が家庭裁判所に送致された後に速やかに被害に遭われた方などに送付するなどし、手続の周知に努めております。
 また、家庭裁判所調査官による被害者調査の際にも、被害に遭われた方などからこれらの諸制度を利用する意思の確認を行うなどしているものと承知をしております。
 また、審判期日の傍聴の際にも、被害に遭われた方などがよく分からないままに審判が進むことのないよう、事前に少年審判の特徴や進め方、傍聴の際の留意点を盛り込んだ説明書をお送りし、あるいは、審判期日当日にも開始時刻より少し前に来庁していただき、当日の手続の流れなどを説明して、少しでも不安や緊張なく傍聴していただけるようにする工夫等もしております。
 審判の状況の説明におきましては、当該事件をよく知る書記官等におきまして、事件の内容等に応じて審判期日で行われた審判の手続的な事項のほか、少年等の陳述の内容、少年の反省状況等も含めて説明するなどしております。
 このように、家庭裁判所では、少年の健全育成の理念を踏まえつつ、審判の状況を知りたいという被害に遭われた方などの御要望に応えられるよう工夫をしているものと承知をしております。

#124
○山添拓君 そうした様々な工夫については、家裁調査官が十分な社会調査を通して少年の心情や境遇についての理解を深めて、そして被害者や遺族が知りたいときに十分説明することが求められています。その運用には改善の余地もあろうかと思います。しかし、今度の法案はそうした点に応えるものではありません。
 法案の下で十八歳、十九歳の原則逆送事件が刑事処分の対象となり、検察官の下で処理されることとなる場合には、本格的な事件処理は検察官が行うことになります。被害者や遺族への聞き取りも検察官の事件処理の方針次第ということになるかと思います。そうなると、現在は調査官が家裁での審判のために行っている被害者や家族、遺族への聞き取りが質的に変容するのではないかと懸念がありますけれども、いかがでしょうか。

#125
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。
 家庭裁判所は、現行の少年法第二十条第二項の定める原則逆送事件も含め、家庭裁判所調査官において、非行の動機、態様、結果等だけでなく、少年の性格、年齢、行状、環境等も含めまして少年の要保護性について十分に調査を尽くしており、これらの調査の一環として、被害者などの御意向や心情等にも十分配慮しながら、いわゆる被害者調査を実施しているものと承知をしております。裁判官は、それらの結果も十分に踏まえて処遇選択を行っているものと承知しております。
 本法律案は、原則逆送事件の範囲を拡大するものではありますが、第六十二条第二項ただし書におきまして現行法二十条第二項ただし書と同様の例外規定を置いているところでありまして、現行法第二十条第二項の原則逆送事件の場合と同様に、家庭裁判所において、被害者調査も含め家庭裁判所調査官による丁寧な調査を尽くし、それらの結果も十分に踏まえた上で個別の事案に応じた処分の決定をすることが想定されているものと承知しております。
 したがいまして、今般の法改正によって、被害者調査を含め家庭裁判所調査官による調査の在り方が変容してしまうというふうには認識をしておりません。

#126
○山添拓君 調査が変わることのないようにしなければならないと思いますが、大臣に伺います。
 被害者や御遺族の中にもいろいろな御意見があって、適用年齢の引下げを進めるべきだという声もあれば、立ち直りの支援が大事だという意見もあります。川村参考人は、犯罪被害者の権利保障と少年の権利保障は対立するものと捉えるべきではなく、両方とも実現することが必要だと意見を述べました。
 可塑性のある少年の事件で重要なことは、その双方を考慮しつつ、犯罪被害者を生まない社会をつくるということではないかと考えますが、最後に大臣の認識を伺います。

#127
○国務大臣(上川陽子君) 少年法の第一条におきまして、少年の健全な育成を期すということをこの少年法の目的としているところでございます。本法律案におきましては、この改正をしておりません。十八歳以上の少年を含めまして、少年の健全育成を図ることは引き続き重要と考えております。
 他方で、犯罪被害者等基本法、この中の第三条第一項におきまして、全ての犯罪被害者等は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有すると規定をされておりまして、その権利利益を保護することについても重要でございます。
 これまでの少年法改正においても、今、先ほど刑事局長が答弁したとおりでございまして、様々な角度からの法整備が行われてきたところでございますが、少年事件の被害者の権利利益を保護するための方策につきましても不断の検討をしていくことが重要と考えております。今後そうした姿勢で臨みたいと思っております。

#128
○委員長(山本香苗君) お時間が過ぎておりますので。

#129
○山添拓君 時間が来ましたので終わりにしますけれども、今度の法案については少なくとも被害者保護からスタートしたものではありません。その意味で、立法事実が乏しく、少年法制にゆがみをもたらすこの法案には断固反対であるということを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#130
○高良鉄美君 沖縄の風の高良鉄美です。
 一昨日、政府が入管法改正案の廃案を決定されたことを歓迎しております。これは、やはり支援をする団体はもちろん、多くの個人の力、さらには、この入管法自体の、改正案自体の問題点というのが非常にあって、批判が多かったと、こういうことも大きな要素だったと私は思っています。今回、この立法事実がない少年法の改正というものも同様に廃案にすべきだと申し上げて、質問に入りたいと思います。
 推知報道禁止の一部解除と憲法について、法務大臣に伺います。
 推知報道禁止の一部解除が結果として対象者の立ち直りを阻害することが明らかとなった場合、推知報道は禁止するということでよいかという質問に対し、上川大臣は、御指摘の推知報道に関するものも含めて、仮に施行後に何らかの問題等が生じた場合においては附則第八条による検討の対象となり得ると答弁されました。
 今回の法改正で最も懸念されるのは推知報道禁止の一部解除ですが、問題が生じた場合にどのように対応されるのか、再度お伺いしたいと思います。

#131
○国務大臣(上川陽子君) 委員御指摘のとおりでございます。本法律案の附則第八条におきましては、十八歳及び十九歳の者に係る事件の手続、処分に関する制度の在り方に関しまして、蓄積された運用実績、また社会情勢や国民の意識の動向を踏まえて検討を行うこととしているところでございます。
 今、私が過去答弁をしたことに触れていただきましたけれども、御指摘いただきましたこの推知報道に関するものも含めまして、仮に施行後に何らかの問題等が生じた場合につきましては、この附則第八条によりましての検討の対象となるものというふうに考えております。

#132
○高良鉄美君 この五年というのが一つの見直しの期限といいますか期間ですけれども、五年と言わず、問題が生じたと、あるいは生じることがもう明らかになったという場合には、やはり全体の、今お答えいただいたような部分を含めて、見直しの検討をお願いしたいと思います。
 一昨日の委員会で時間が足りずに大臣に御答弁をいただけなかったので、再度お伺いしたいと思います。
 報道の自由の意味は、対国家としての国民の権利、つまり、精神的自由権を、内面で考えたことを外に表すというこの表現の自由であって、国家権力によって制約を受けないということが基本になっておるわけです。報道の自由の重要性は国民の知る権利に寄与するもので、ひいては政治的権利を含む国民主権に関わるというところにあります。
 経済的自由は経済政策が大きく関わるので、国家による政策内容などが経済活動を制約する領域、範囲が大きい、つまり、同じ対国家の権利ではあっても政策的な制約が許される枠が広いということです。
 一方、この精神的自由権としての報道の自由が制約される原理は、国家権力が制約していいというものではなく、報道の自由によって他者の人権が侵害されるかもしれない場面では制約をされるという内容です。
 少年法が推知報道を禁止しているのは、国家権力によって報道機関の推知報道を禁止しているのではなくて、可塑性のある少年の人権、健全育成に関する問題として、つまり人権と人権の衝突の問題であって、報道の自由が制約されることになってくるわけです。報道の自由は、ほかの人権との関係で制約を受ける、したがって、譲らなければいけないという場面も出てくるということで、精神的自由の制約原理の考え方はそういったものになるわけです。推知報道の禁止は少年の人権、健全育成の面から受ける制約であって、国家権力が制裁で行う刑罰とは別のフェーズ、局面の問題であって、刑罰的、制裁的視点から推知報道の解禁を捉える論理であってはなりません。
 川原刑事局長は、十八歳、十九歳の少年に対する推知報道が一部解除されたことについて報道機関がどのように取り組むかというのは、憲法の報道の自由との関係もあり、報道機関の判断に委ねるというのは政府の立場であると答弁されています。少年法の基本理念にのっとれば、報道機関に推知報道の禁止を解禁するかどうかを委ねてよいのか、憲法の目的である人権保障原理及び少年法の理念からその部分だけが大きく外れるんじゃないかと考えますが、上川大臣に改めて御認識をお伺いしたいと思います。

#133
○国務大臣(上川陽子君) 少年法でございますが、あくまで、罪を犯し、刑事法令に触れ、あるいはそのおそれのある非行少年に対しまして、この刑事司法制度の中でその健全育成を図るものでございます。
 少年法の在り方を検討するに当たりましては、少年の保護、教育の観点、また、それだけではなく、刑事司法制度の在り方として一般予防などの犯罪対策あるいは刑事司法制度に対する国民の理解、信頼の観点をも考慮することが不可欠となるところでございます。
 刑事事件の報道でございますが、推知報道も含めまして、表現の自由、報道の自由として憲法上保障されるところでございます。また、少年法第六十一条におきましては、少年の更生に資する趣旨で例外的にこれらの自由を直接制約をしているところでございますが、十八歳以上の少年につきまして一律に推知報道を禁止するのは、責任ある主体としての立場等に照らしまして適当ではないと考えられるところでございます。
 そこで、本法律案におきまして、少年の更生と報道の自由等との調整の観点から、十八歳以上の少年につきましては、一般的に推知報道を禁止した上で、公開の法廷で刑事事件を追及される立場となる公判請求の時点からは、二十歳以上の者と同様の取扱いとして、禁止を解除するのが適当であると考えたものでございます。
 したがいまして、十八歳以上の少年につきまして、推知報道を一部解禁して報道するかしないかを報道機関の判断に委ねることが、憲法におきましての人権保障、また少年法の理念に反するものではないというふうに考えております。

#134
○高良鉄美君 これからまた述べますけれども、やはりこの少年事件の問題、家庭裁判所というものができた経緯、そういったことを考えますと、元々憲法で言っている刑事被告人の権利の問題、あるいは刑事司法政策の問題として今お話がありましたけれども、少年事件の問題というのは、刑事司法の問題だけではなくて、むしろ教育、福祉の問題だということをこれから述べていきたいと思います。ありがとうございます。
 家庭裁判所の役割と最高裁の姿勢について伺います。
 手嶋家庭局長は、基本的に立法政策であるから意見を述べる立場にはないという趣旨の答弁をされました。少年法の改正に危機感を持って今日も声を上げているというのは、少年の立ち直りに何が必要かということを最も理解する家裁の元裁判官や調査官、事件を犯した少年の付添人や弁護人を経験してきた現場で頑張っている人たちです。再度お伺いしますけれども、これらの人々が反対されている理由は何だと思われますか、端的にお答えください。

#135
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) 委員御指摘の理由ということについてはお答えができかねるところでございますが、本法律案は、十八歳及び十九歳の者について、これを少年法の適用対象とし、全件家裁送致を維持するなど、現行少年法の枠組みをおおむね踏襲する内容のものとなっておりまして、裁判実務の運用上大きな支障を生じることはないものと承知しておりますし、前提として、現行の少年法の下における家庭裁判所の調査、審判による保護処分について、少年の再非行防止と立ち直りに有効に機能しているとの御指摘もいただいてきているところと受け止めているところでございます。
 いずれにしましても、本法律案が成立をした際には、国会での御審議や法制審議会での御議論に加え、少年の健全な育成を期するという少年法の理念を引き続き十分に踏まえ、少年の再非行防止と立ち直りに向けて一層の適切な運用に努めてまいる所存でございます。

#136
○高良鉄美君 家庭裁判所の成り立ち、一九四九年一月一日、家庭裁判所ができると同時に、最高裁に、事務総局に家庭局が発足しました。初代の家庭局長はどなたか御存じだと思います。家庭裁判所創設に奔走した宇田川潤四郎氏です。
 宇田川氏が家庭裁判所の方針として挙げた五つの性格を御存じでしたらお答えください。

#137
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の家庭裁判所の方針として掲げられた五つの性格、これは、御指摘のとおり、家庭裁判所が創設されました昭和二十四年一月に、当時の家庭局長であった宇田川潤四郎が述べたものと、それを指していらっしゃるものということを前提としまして、それによりますと、一つ目が独立的性格、二つ目が民主的性格、そして三番目に科学的性格、四番目に教育的性格、五番目に社会的性格、この五つが挙げられているものと承知しております。これらの中でも、教育的性格という部分につきましては、特に少年審判において顕著とされているというふうに承知しております。

#138
○高良鉄美君 まさに、この五つの性格、これが家庭裁判所の向かうべき道と、あるいは姿というものを理念にしたものというふうに言われています。
 家裁は、戦後、憲法の理念に基づいた、あるいはのっとった形でできた新しい裁判所なんですよ。これまでの裁判所とは違う独立性を持って、地裁とは別にやりましょうということが独立性なんですね。
 そして、民主的性格というのは、これは本当に国民に寄り添う、そして国民のための裁判所であるという考えから来ています。
 科学的性格というのは、これは精神的な、心療内科とかそういった形、あるいは心理学のそういった力を借りて少年事件を解決していきましょう、家庭の事件を解決していきましょうということですね。
 局長言われたように、教育的性格というのは非常に大きな問題ですね、大きな要素だと思います。これ憲法二十六条の問題です。教育を受ける権利、教育にアクセスする権利の問題です。そこが要素として入っているということ。
 そして、社会的性格というと、これは家裁が幾ら頑張っても、それだけでは少年の健全育成あるいは更生には十分ではないということがあります。それは、やはりそのほかの養護施設あるいは児童相談所、そういった社会全体のいろんな制度の中で進めていかなければならないと。それは、児童福祉の問題、憲法二十五条の福祉の問題なんですよ。この二十五、二十六というのがこの新しい裁判所の中に入ってきているということで、対応を考えていただきたいと思います、常に持っておられると思いますけれども。是非そこでしっかりとベースをつくっていただきたいと思います。
 九〇年代に少年による重大事件が相次いだことを背景に、二〇〇〇年代になって、少年法は四回にわたって大きな見直しが行われました。事件が起きるたびに、少年を甘やかすな、厳罰化をという意見が相次ぎ、それに異を唱えにくい状況もあったと思います。
 今回の改正の審議に当たり、改めて清永聡さんの「家庭裁判所物語」を読ませていただきました。その最後に、二〇一三年に最高裁家庭局長に就任して、その翌年に五十五歳で亡くなられた岡健太郎さんの言葉が紹介されていました。
 少年審判を行う現場は、多少法律が改正されても、少年の立ち直りと健全な育成を忘れてはいない、もしも教育的機能が少年審判から全て失われたならば、家庭裁判所が存在する意味はない、家庭裁判所の人々は打たれ強くしたたかだと断言したとあります。世論が厳しくても、審判に検察官が立ち会おうとも、幹部が理念を否定し迅速化を求めようとしても、目の前に非行を繰り返す少年がいればできる限り力を尽くそうと思うのは当然であると、守るべきヒューマニズムが根底に流れている以上、教育や福祉の役割が失われることは決してないと強調されています。家庭裁判所、家庭調査官の役割はますます重要になろうと思います。
 今回の法改正は、この少年法の理念に反するものと私は言わざるを得ないと思っています。政府、最高裁は、今後の反対の声を十分に耳を傾けて、将来の見直しについて考慮していただきたいと思います。やはり、その根本にある裁判所というものが、戦前の、あるいは裁判所、現在でも、なるべくだったら裁判所に関わりたくないという国民が多いんですけれども、裁判所がやっぱり国民とともに歩む裁判所になる、民主的な裁判所になるということは当然のことだと思いますし、こういう努力をされていると思います。そういった面で、多くの反対の声というのも、今日もう現実に上がっているわけですね、法改正について。この将来を見詰めて考慮していただきたいというのは、もう本当に切にそう思っております。
 そういうことを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
    ─────────────

#139
○委員長(山本香苗君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、難波奨二君が委員を辞任され、その補欠として岸真紀子君が選任されました。
    ─────────────

#140
○嘉田由紀子君 碧水会の嘉田由紀子でございます。少数会派にもお時間いただき、ありがとうございます。
 また本日、スリランカの亡くなられたウィシュマさんの妹さんお二人お越しでございますけれども、日本人としても本当に心からお悔やみを申し上げたいと思います。
 まず最初に、そもそも外国人の人権問題、これがかねてからずっと問題になっておりました。その法的支配のことについて、上川法務大臣にお伺いしたいと思います。
 現在の入管当局によって広く行われている処遇そのものが、国内的にも、また国際的にも非人道的であると非難されております。これは、日本人として人権保障の水準が国際的な水準に達していないのではないのかということの批判と思います。SDGsアクションプラン二〇二一というのがございますけれども、ここには、全ての人が能力を伸ばし発揮でき、誰一人取り残されることなく生きがいを感じることのできる包摂的な社会、まさに国連が求めている法の支配を推進するとともに、地球規模の課題に対して、国際協調、連帯の構築、強化を主導し、国際社会からの信用と尊敬を集め、不可欠とされる国を目指すとされております。上川法務大臣も、令和二年の就任のときの記者会見で、法治国家である我が国においては憲法を始めとする法体系の下で法の支配を貫徹することが重要ですとおっしゃられております。
 そういう中で、先ほど来問題になっております現在の入管行政の運用の改善、特に仮放免者の判断あるいは医療制度へのアクセスなど、さらに仮放免を受けた子供の教育を受ける権利、今回特には問題になっておりませんけれども、私自身、子供の教育というところずっと気にしながら、知事の時代から外国人の子供の教育についても心を砕いてまいりました。
 そういう中で、我が国の外国人の人権の保障水準に向けた大臣の御決意を聞かせていただけたらと思います。

#141
○国務大臣(上川陽子君) まさに、二〇一五年に国連で採択されましたSDGsの大きな十七のゴールの中のゴール十六、十七が大変大事であると認識しておりますが、法の支配を貫徹させるということ、また、他の施策につきましてもそうした視点でしっかりと取り組むということが、基本的な法の支配のインフラをあらゆる分野におきまして浸透させることが大事であると、こういう認識の下で、誰一人取り残さない社会の実現ということで、私も所信をもう三回やっておりますが、必ずそのことについて触れさせていただきながら、私自身のしっかりとした方針として、この推進に当たってきたところでございます。
 まさに入管行政におきましてもそのことは例外ではもちろんございません。その意味で、命を預かる入管施設におきましての今回の事案につきましては本当に大変重いものと受け止めさせていただき、そして、そのことの、二度と起きてはいけないということで、真相解明、事実解明をしっかりとするということを通してこれが実現できる体制にしていく必要があると、こういう認識の下で、今、最終報告に向けましての鋭意の努力をさせていただいているところでございます。
 この間、人権という形で様々な視点がございますが、私どもは出入国在留管理庁のほかにも人権問題を専門に扱っている局もございまして、こうしたところについては、特に外国人の方に対しましてのこの人権問題は、強調の事項の一つに掲げさせていただきまして、言葉もなかなか難しい、そして地域社会の中で孤立しがちであるという状況の中で多くの外国人の方々が日本の中に来日されるところでありますので、在留資格で区切るのではなく、お一人の外国人としてこの日本の中でいらっしゃるということを前提に、地域社会あるいは国としての取組、いろんなレベルでの取組については、やはり何といっても多文化共生という観点の中でしっかりとした政策を打ち出していき、また国民の皆さんからの理解と御協力もいただきながら、誰一人取り残さないと、このことも徹底していくべきことであると心得ているところでございます。
 そうした姿勢を持ってこれからも臨みたいと思いますし、日本がその意味での、しっかりとした取組をしっかりと実行しているんだということも併せて先般の京都コングレスの中でもそうした方針を打ち出してきたところでございますので、取り組んでまいりたいというふうに思っております。

#142
○嘉田由紀子君 御丁寧にありがとうございます。
 今の大臣の所信を実現するためにも、本日お越しのワヨミさん、ポールニマさんが、祖国でお待ちのお母さんにきっちりと真実の報告ができるように、報告書の開示、お願いをしたいと思います。
 次に、今回採決になるという少年法についてですが、先ほど来、高良議員が家庭裁判所の設置の理念、独立、民主、科学、教育、そして社会と、宇田川潤四郎さんの決意を御紹介くださいましたけれども、私自身、特に非行を犯した少年たちの立ち直りあるいは再犯防止、ここに裁判所の大きな目的があると思います。しかも、それは特に加害者として、被害者の大きな苦しみを受け止めながら、加害者としての心からの謝罪や感謝、こういうことの気持ちをどうやって持っていけるようにするのか、その辺りの関係のことを、いろいろ研究成果あるいは実績があると思いますけれども、お答えいただけるでしょうか。

#143
○国務大臣(上川陽子君) 少年院に在院している皆さんの特性とか発達段階等には様々な状況がございます。中には、表面的な被害者理解にとどまりまして、自らの加害事実に対しての反省の気持ちや、また被害者に対しましての謝罪の気持ちが十分に涵養されていないと、こういう場合もあるというふうに伺っております。
 少年院におきましては、被害者の視点を取り入れた教育を通じまして、被害者やその御家族の立場に立った事件の振り返りをする、また自己責任と被害者及びその家族が置かれている状況に対しましての深い理解ができるようにする、また具体的な償いに向けた保護者等との話合いをするなどを進めておりまして、在院者が謝罪に向けた決意を固めるように自発的な内省を高めていく、そのことをそばで専門家の方々が支えていくと、こういう状況で粘り強く向き合っているということであろうかと思っております。
 また、NPO法人等の協力も得まして、ゲストスピーカーとして被害者の方々に講話の機会をお願いをしているところでございます。自らの被害に遭われたそのお気持ちを伝えること、これなかなか難しいことであるわけでありますが、そうした件が起きないように、二度と被害者を生み出さないようにという、こういう必死の思いで、こうした機会で講話をしていただいているところでございまして、償いにつきましては、在院中のみならず、出院後も含めまして長い間向き合っていくべきものであるということ、このこともしっかりと指導をしている状況でございます。
 在院者が、被害者及びその家族の方々に対しまして心からの謝罪の気持ちを持って、誠意を持って対応していくということ、この方策を考えていくことは、この被害者及びその御家族のお気持ちにお応えするとともに、在院者の立ち直り、再犯防止において極めて重要な課題であるというふうに考えておりますので、支援団体の皆様の御意見も伺いながら、指導の一層の充実を図ってまいりたいというふうに考えております。

#144
○嘉田由紀子君 内面的なところも支えていただくというところで、御丁寧にありがとうございます。
 そのような少年法の本来の目的、狙いに照らして、今回の改正によって非行を犯した少年の内省が一層促進され、そして被害者の感情が和らぐとお考えでしょうか。その辺りも御意見お願いします。

#145
○国務大臣(上川陽子君) 本法律案でございますが、十八歳及び十九歳の者につきましても、成長途上にあり、また可塑性を有するということを踏まえまして、少年法の適用対象とした上で、十七歳以下の者とは異なる特例規定を設けつつも、全事件を家庭裁判所に送致をし、原則として保護処分を行う、こうした少年法の基本的な枠組みを維持をしております。改正後におきましても、この十八歳以上の少年に対しましては、内省を深めさせ、被害者等に対する慰謝の措置を講じさせるために必要な処遇を行うことができる、こうした仕組みとなっているものというふうに考えております。
 罪を犯した者の内省を深めさせる、また、被害者に対しての慰謝の措置に関するこの指導の更なる充実を図ることが大変重要であると考えておりまして、これは、少年の改善更生、再犯防止のみならず、被害者の立ち直り、また被害回復のためにも重要であるというふうに認識しているところでございます。
 法制審議会の答申におきましても、今委員から御指摘いただいたような観点から、刑事司法におきまして、少年院における矯正教育の手法、ノウハウ等を活用した処遇を行うということ、また、保護観察におきましては、被害者等に対しまして慰謝の措置を講ずることについて、生活行動指針に設定して指導を行うことなどが盛り込まれたところでございます。
 法務省といたしましては、これらの施策につきまして可能なものから速やかに実施してまいりたいというふうに考えております。

#146
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 また後ほど討議させていただきますけれども、とはいえ、少年犯罪は絶対的にも比率的にも減っておりますので、今回の改正については私自身は反対をさせていただきたいと思っております。
 法務委員会、今回で終わりということでございますので……(発言する者あり)はい、あっ、はいはい、済みません、ちょっと訂正いたします。
 家族の問題について、先ほど来から家庭裁判所も科学的ということを重要な要素と言っていただいておりますけれども、私は、この家族問題に関して、やはり子育てをより科学的に考えるという視点が大事だろうと。昨日も、実は議連で、京都大学大学院教育学研究科の明和政子教授が、科学の視点から人の育ちに必要な条件を考える、親子は共に社会で育てるべき対象であるというレクチャーをしてくださいました。元々私自身も明和教授の研究、注目をしておりました。脳科学者でおられて、そして、子育てをしているその行動の中で脳がどのように反応しているかということをデータをつくり、そして、人類は元々共同養育が基本であって、今の日本のように母親一人が孤立しがちな子育ては極めていびつな近代的な社会問題であると、男女共同の子育て環境づくりの重要性を説いてこられました。
 そういう中で、大変重要な実験結果がございます。父親が育児活動を担う動機を向上させる、あるいは虐待リスクを予防する、そのときに、父親の頭の中に親になる能力、親性脳という要素があるということです。この親性脳を男性の側で調べてみますと、関わっている要素は就労時間と赤ちゃんとの接触経験、つまり就労時間が長いと、赤ちゃんとの接触経験が少ないと父親の親性脳が発達せず、そして、そこのところで虐待リスクあるいは子育てへの参加の動機が付けられないということになるということです。
 こういう中で、今、法制審議会の方で家族法制部会を進めておりますけれども、五月十三日にも申し上げましたが、親子交流の大切さということ、ここを強調するべきだろうと思っております。例えば、安全、安心な面会交流のための監視付き面会施設の認証制度づくりなどが議論されているということも伺っておりますが、本来、親子交流の意味と意義を考えますと、もっともっと自然な形で、まさに愛着関係を育てられるような自然な形での親子交流を離婚の後も子供たちに保障する、これが大変大事な社会としての任務だろうと思っております。もちろん、DVやあるいは虐待のときには、逆に親権の停止とか様々な手だては打たなければいけません。
 そういう中で、上川大臣、法制審議会に親子法制の在り方諮問なさいましたけれども、たとえ離婚に直面した場合でも、子供が育つ最善の利益のために、自然な親子交流、自然な親子交流が阻害されてしまうような方向に審議会の議論が進まないことを私自身は期待をしておりますが、これはもう外から言うべきことではないかもしれませんが、大臣の御見解をお願いいたします。

#147
○国務大臣(上川陽子君) 一般論として申し上げるところでございますが、委員御指摘のように、離婚後の親子の関係、どうあるべきかということでございますが、面会交流等を通じまして父母の双方が適切な形で子供の養育に関わるということにつきましては、これは子供の利益の観点からも非常に大切であるというふうに思っております。
 もっとも、面会交流が取決めがなされた場合でありましても、父母間の大変、間での葛藤が非常に高い状態、また具体的な日時の調整、また面会交流当日の子供の受渡しが難しい場合、また非監護親と子供との交流が長期間中断していたなどの理由で、その非監護親と子供だけでは円滑な交流が難しい場合など、様々な事案があり得るものと考えられるところでございます。
 まさに、そうしたことも含めまして、この法制審議会の家族法制部会におきまして、民間の面会交流支援機関との必要な連携の在り方と、また面会交流の取決めの実効性の確保に関する論点につきましても検討をされていくべき課題であるというふうに考えているところでございます。
 私はかねがね子供の目線に立ってということを申し上げてまいりました。子供の目線から見たときの親の関係性ということに着目をし、子供の目線で見たときにどのような在り方が適切なのか、こういった視点で今回審議をしていただくということでございまして、それに必要な調査結果につきましても新たに提供するなどして取り組んでまいりたいというふうに思っておりますので、まさに、委員御指摘の論点、こうした中で御議論いただけるものと期待をしているところでございます。

#148
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 子供は、生まれる親も時代も、そして地域も国も選べません。ですから、一人ずつの子供のまさに根本的な人権というところで、ウィシュマさんのお母様もきっとそのことを望んでいると思います。是非とも人権派の大臣として、ここは御期待を申し上げます。
 時間が来ましたので、私、ここで終わらせていただきます。ありがとうございました。
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#149
○委員長(山本香苗君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、進藤金日子君が委員を辞任され、その補欠として藤木眞也君が選任されました。
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#150
○委員長(山本香苗君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

#151
○真山勇一君 立憲民主・社民の真山勇一です。
 少年法等の改正案に反対の立場から討論を述べさせていただきます。
 反対の理由は明白です。本改正案は、十八歳、十九歳の少年を特定少年とし、少年でもない、成人でもないと区別をするものですが、なぜそうした改正が必要なのか全く分かりません。
 これまでの少年法は非常によく機能しており、更生保護行政は大変な成果を上げてきたことは、上川大臣、また法務省もお認めのとおりです。事実として、少年犯罪は減少していますし、特に凶悪犯罪は激減しています。うまくいっているものをむしろ改悪するような方向での改正が必要なのか、本委員会での質疑を通じて、全くと言っていいほど理由が示されませんでした。
 成人年齢が十八歳に引き下げられるから成人と同じ責任を負わせるというのであれば、それも矛盾する理論と言わざるを得ません。本人の健全な発育のために、お酒やたばこ、公営ギャンブルは二十歳まで禁じられます。本人の健全育成や要保護性といった観点から、現行の少年法や更生保護行政は立法されています。成人としての責任と本人の健全育成は全く別の論点だと思います。本改正案によって、少年の健全育成を目的とした従来の保護行政の取組は大きく後退してしまいます。
 一方、特定少年を成人と同じように処罰したからといって犯罪が減るわけではありませんし、そもそも可塑性に富んで要保護性が認められる特定少年には処罰ありきの法制度はなじまないはずで、断固として反対します。
 法案の個々に、問題点について指摘申し上げます。
 特定少年は検察に逆送致されることになります。短期一年以上の刑という定義では、極めて広い範囲の犯罪が含まれてしまいます。従来のきめ細かい家裁の処分などは不可能になります。
 検察に起訴された時点で推知報道が解禁されるといいますが、その後、家裁に移送されることも、無罪になることもあり得ます。広く実名が報道されてしまった後になって、もはや回復不能になっているおそれが高いのにもかかわらず、法務省からはそうした事態の防止策も救済策も具体的には示されませんでした。
 特定少年が虞犯から除外される理由も全く分かりません。セーフティーネットとしてうまく機能してきた制度をなくすわけですが、実効性のある具体的な代替策が示されておりません。
 資格制限の特例が解除されるのも大問題です。数多くの資格が対象になるといいますが、法務省は、全てを把握しないまま法案を提出してきました。政府内の全省庁とすり合わせの作業すらせず、人の人生を、人の一生を左右する法改正をするなど、前代未聞の怠慢であると強く抗議します。数百、数千の資格が対象になるかもしれないといいますが、その数百、数千をきめ細かく精査してから法改正案を提出するべきではないでしょうか。
 上川大臣、こうしたこともしない改正であれば、大臣のおっしゃる誰一人取り残さないという言葉は、言葉に反すると申し上げざるを得ません。
 そのほかにも多くの論点が積み残されており、更なる徹底審議を求めこそすれ、賛成できるような状況ではありません。
 以上が、本改正案に対する反対の理由です。
 ありがとうございました。

#152
○清水貴之君 日本維新の会の清水貴之です。
 少年法等の一部を改正する法律案に対し、反対の立場から討論をいたします。
 選挙権を有し、投票行動で政治や社会を変えることもできる十八歳、十九歳が、罪を犯したときだけは少年として扱うことが理にかなっていると言い切れるのでしょうか。また、公認会計士や医師免許などの国家資格に基づく職業に就く道が開かれ、裁判員裁判の裁判員を務めることも可能となる人を、犯罪に手を染めたときは特別扱いすることが認められることが果たして公正な法制度だと言えるのでしょうか。政府の曖昧な措置では、民法で新たに成人に加わる世代に大人としての責任を植え付けるための明確かつ有効なメッセージにはならないのではないかと考えます。
 また、本改正案では、被害者側の気持ちを十分には酌み取れているとは言えません。
 私たちは、子供を殺された後もずっと、加害少年は可塑性に富んでいる、加害者はこれからも、これから先も生きていかなければいけない、将来があり未熟だから保護しなければならない、そんな言葉を何度も何度も聞かされてきました。この少年犯罪被害当事者の会の声を聞いて、被害者側の視点が不十分である法案だと感じるのは私だけではないと思います。少年に対する更生の機会はもちろん大切ですが、加害者の年齢に関わりなく、被害者に対する支援や償いは適切に行われるべきであり、そのような視点が十分でないところに、世論調査では多くの国民が少年法の年齢引下げに賛成の意を示す理由だと考えます。
 さらに、委員会審議で何度か指摘させていただきましたが、法制審議会の委員の選定方法は決して公正公平だとは言えないと思います。原則として民間有識者から選ぶものとするという原則から懸け離れ、少年法・刑事法部会では、幹事も含めると身内の行政職員の割合が五一%、審議会等の組織に関する指針にある行政への民意の反映等の観点から懸け離れた人選だと考えます。
 推知報道の禁止の解除についても、インターネットによって一瞬にして情報が拡散される現在において、昭和二十三年当時の、新聞紙その他の出版物に掲載してはならないという文言のままでは、インターネット社会への対応が不十分ではないでしょうか。推知報道に関するインターネット上の扱いをしっかり定める、さらには罰則規定を設けることも含め、更にしっかりとした議論が必要だと思います。
 以上を述べさせていただき、本改正案に対する反対討論といたします。

#153
○山添拓君 日本共産党を代表し、少年法改正案に反対の討論を行います。
 本法案は、十八歳、十九歳の少年について、形式的には少年法の適用対象としながら、新たに特定少年と規定して刑罰化を図り、実質的には少年法の適用を外し、少年の健全な育成という法の理念に反する事態をもたらそうとするものです。
 少年事件はピーク時の十分の一に激減しており、凶悪化しているわけでもありません。法制審でも、本委員会でも、現行少年法は有効に機能しているとの評価が繰り返し語られました。唯一の立法事実は公選法や民法の年齢引下げと合わせるというものですが、橋爪参考人が述べたとおり、論理必然ではありません。政策判断にほかならず、立法事実を欠く法案です。
 その下で、法案は、少年法制に数々のゆがみをもたらすものとなっています。事件を家庭裁判所から検察官に送り返す原則逆送対象事件を大幅に拡大するとしています。
 しかし、拡大される短期一年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪は、強盗罪など結果や行為態様に様々なものが含まれ、罪名のみで一律に逆送とするのは不当です。現行法の下でも、原則逆送対象事件では、要保護性を見極めるために家庭裁判所調査官が行う調査が変容、後退していると批判されており、少年の健全育成にそぐわない調査が広がりかねません。事件が保護処分に付される場合でも、犯情の軽重を考慮して期間の上限が定められます。しかし、犯情は成人の量刑に用いられる概念であり、教育的措置である保護処分とは相入れず、この点でも調査の形骸化が懸念されます。
 法案は十八歳、十九歳を虞犯の対象から外します。川村参考人が指摘したように、虞犯少年は児童福祉と司法の端境にいる少年たちであり、要保護性の高い少年にとって最後のセーフティーネットとなってきたのが虞犯です。その重要な役割を否定すべきではありません。推知報道の禁止を解除し、資格制限の緩和措置も適用しないなど、十八歳、十九歳の事件を刑罰化することに伴い、多くの点で更生と再犯防止、立ち直りのための少年法の意義を後退させています。加えて、法案は、被害者の権利保護を現行法より強めるものでもありません。現行法が有効に機能していることを認めるなら、制度を変える必要性はないと言わなければなりません。家裁調査官を増員し、様々な背景を持つ少年の心情や境遇を丁寧に把握できるよう、社会調査を充実させることこそ求められています。
 大山参考人が自らの体験に基づき述べたように、内省と立ち直り、少年と本気で向き合う法務教官との人間同士の触れ合いを通した成長、発達の場として重要な機能を果たしてきた保護処分を十八歳、十九歳から奪うべきではないということを強調し、討論といたします。

#154
○高良鉄美君 私は、会派を代表して、少年法等の一部を改正する法律案について、反対の立場から討論いたします。
 本法律案の最大の問題は、立法事実を欠くだけでなく、かえって非行少年の更生を阻害し、再犯増加につながるおそれがあるということです。
 参考人質疑では、三人の参考人から、少年法は有効に機能していると答弁があり、改めて本法律案の立法事実が脆弱であることが示されました。法制審議会のメンバーであった橋爪参考人は、少年法の有効性を認めた上で、民法の成年年齢が引き下げられたことを法改正の理由として挙げられました。しかし、民法上の成年年齢とその他の法令上の年齢区分とはそもそも別個の問題です。法令ごとにその特質や状況等を踏まえて適切な年齢が検討されるべきであり、現に飲酒年齢や喫煙年齢は二十歳に据え置かれたままとなっています。
 また、成年年齢の引下げ自体にも多くの問題があります。若年者が消費者被害に遭わないようにするための消費者教育の実施や、万が一被害に遭った際の救済体制の整備、養育費の支払終期が早まるのではないかとの懸念に対する対応など、数多くの施策が道半ばです。
 子供の権利擁護の活動に携わっている弁護士の川村参考人からは、少年院での効果的な教育の中で、少年は本当に反省し、再非行に陥らないように頑張っているとの認識が示されました。大山参考人からは、自身の立ち直りにおいて、親身になって接してくれた少年院の教官の存在が大きかったというお話がありました。
 厚生労働省がまとめた社会的養護経験者の調査結果では、高校を卒業すると経済的に自立していなくても養護施設から出ていかなければならないという十八歳の壁があることが分かっています。一方で、十八歳及び十九歳の少年たちは未成熟で、教育や保護が必要との声が現場から上がっています。十八歳及び十九歳の少年たちにも少年法による保護が必要ではないでしょうか。
 実際、厚生労働省の社会的養護自立支援事業では、児童養護施設等に入所する社会的養護が必要な子供の年齢を必要に応じ二十歳まで延長できることとし、退所後も二十二歳までは児童養護施設に居住できるとしています。これは、成年年齢に達しても未成熟であって支援が必要であるということを政府が示しているということではないでしょうか。
 本法律案については、少年事件の現場に近い方ほど反対や懸念の声を上げています。少年事件を担当したことのある数多くの元裁判官の皆さん、日弁連や弁護士会、日本女性法律家協会などから意見書が出されています。共通しているのは、少年犯罪を防ぐのは厳罰主義ではなく、事件の真相を探り少年を立ち直らせるという少年法の理念がゆがめられることへの懸念でした。
 家庭裁判所調査官の調査についても問題があります。今回の改正により、特定少年について、犯情の軽重を考慮した結果、本来中心となるべき要保護性の調査よりも犯情の調査が重視され、少年の更生に重要な役割を果たしてきた家裁調査官の調査が形骸化され、調査官の役割を十分に果たし得なくなるのではないかという懸念があります。二〇〇〇年改正によって原則逆送制度が導入された結果、家裁調査官の調査が要保護性を十分に掘り下げて検討しない傾向が生じていることが現場の調査官や参考人からも指摘され、本法案の審議においてもその懸念は払拭されませんでした。
 これまで、十八歳及び十九歳の少年については、親権者である父母が法律上監護教育の義務ある者として保護者とされていました。しかし、改正民法が施行されると、法律上監護教育の義務ある者としての保護者が存在しなくなることになります。そこで、特定少年の保護者については、法律上監護教育の義務ある者に準ずる形で法律上明確にすべきであったと思います。
 十八歳及び十九歳の少年の原則逆送対象事件の範囲拡大の問題についても、少年事件は減少しており、少年法が機能していることなどによって少年の再非行は成人の再犯より低いとされています。それなのに、なぜ原則逆送事件の拡大が再犯を含む犯罪の予防に資するのか、科学的な見解に基づき納得のできる説明が法務省からはありませんでした。
 特定少年に対する保護処分の期間が限定されていることについても、川村参考人からは、生育上の根深い問題を抱えている少年には時間が足りないことも出てくるのではないかとの指摘があり、大山参考人からは、事前に期間を決めてしまうと、真に改善をしないで出院を待つようになり、再犯防止の点からは問題である旨の懸念が示されました。少年の改善更生のためには、期間の上限よりも本当に反省が実のあるものに至ることが重要なのであり、この点からも本法律案には問題があります。
 特定少年について、推知報道の禁止を一部解除するということも問題です。
 特定少年について、実名などの情報が公開されれば、本人やその家族のプライバシーが保護されないだけでなく、少年の更生を図る上で社会から拒絶されるリスクを高めることになって社会復帰の妨げになりかねません。また、報道などにより社会的制裁としての効果を容認することにもつながりかねません。
 さらに、法務省からは、特定少年に対する推知報道の禁止が一部解除された場合の報道の在り方等について、憲法の報道の自由との関係もあり報道機関の判断に委ねるというのが政府の立場である旨の答弁がありました。しかし、少年法の基本理念にのっとれば、報道機関に推知報道の禁止を解禁するかどうかを委ねていいのか、これは憲法の目的である人権保障の原理及び少年法の理念からは大きく外れるものであり、この点についても十分な検討がなされていません。
 以上のように、本法律案は立法事実がなく、その内容も少年の立ち直りには不適切であるということを申し上げ、反対の討論とさせていただきます。
 ありがとうございました。

#155
○嘉田由紀子君 碧水会を代表いたしまして、少年法の一部を改正する法律案に反対の立場から討論させていただきます。
 まず、既に皆さん述べておられますけれども、立法府として最大の課題は立法事実の脆弱性でございます。
 今回の少年法改正では、十八歳、十九歳、特定少年として犯罪行為への刑罰化、厳罰化が狙いとされておりますが、そもそも少年犯罪は平成十五年をピークとして減少しております。少年人口が減っている以上に犯罪数、犯罪割合も減少しております。社会的には少年犯罪が凶悪化しているようなイメージがありますが、これは実態と離れているという中で、ここはもっともっと社会的理解をいただきながら、そもそもこの立法事実の脆弱性というところを反対のまず第一の理由とさせていただきます。
 二点目は、社会的課題でございます。
 現在、日本が最大の課題と言っておりますのは少子化と私自身は思います。一人ずつの少年の育ちを支え、人生のやり直しを国家として支援をする、その使命に少年法はあるわけでございますけれども、今回の少年法改正がそれに反するということになりかねません。人生の立ち直り機会を支えるためには、少年法の教育支援から外すことの意味が脆弱でございます。
 参考人質疑で川村参考人もおっしゃっておられました、犯罪を犯した少年自身が生育環境の不備、あるいは家庭環境の不備により加害者というよりは逆に被害者である、その犯した罪を強く追及して、社会的秩序の維持をすること以上に、今の日本社会の全体的なあるべき方向としては、一人ずつを大事に丁寧に支えながら更生を促すことであろうと思います。日本社会の大きな方向からしても、この少年法の改正には反対でございます。
 そして三点目ですけれども、推知報道解禁の問題です。
 一旦罪を犯してしまった少年が社会的に復帰するためには、就職などの社会の受入れが必須です。参考人質疑で大山参考人がこの問題を切実に訴えておられました。特に、SNSの普及により個人名が即座に広がる中で、推知報道の一部解除は少年の更生、人生のやり直しが不当に妨げられる懸念があります。脳科学者の研究成果によりますと、人の脳は二十五歳までは成長過程にあると言われ、十八歳、十九歳での行動が社会化され、そして広く名前が出るようなところでは、本来更生できる人間の将来を破壊してしまうことになります。
 以上三点から、私は今回の少年法等の一部を改正する法律案には反対をいたします。
 以上です。

#156
○委員長(山本香苗君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 少年法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#157
○委員長(山本香苗君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、真山君から発言を求められておりますので、これを許します。真山勇一君。

#158
○真山勇一君 私は、ただいま可決されました少年法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党、国民民主党・新緑風会及び碧水会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    少年法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び最高裁判所は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
 一 十八歳及び十九歳の者は、類型的に成長発達途上にあって可塑性を有する存在であることから、引き続き少年法の適用対象と位置付けることとした趣旨を踏まえ、少年の健全な育成を期するとする法の目的及び理念に合致した運用が行われるよう本法の趣旨の周知に努めること。
 二 現行の原則逆送対象事件については、家庭裁判所が、犯情及び要保護性に関する様々な事情について十分な調査を行った上、これにより判明した事実を考慮して、検察官に送致するかどうかの決定を行っていることを踏まえ、新たに原則逆送の対象となる罪の事件には様々な犯情のものがあることに鑑み、家庭裁判所が同決定をするに当たっては、きめ細かな調査及び適正な事実認定に基づき、犯情の軽重及び要保護性を十分に考慮する運用が行われるよう本法の趣旨の周知に努めること。
 三 十八歳及び十九歳の者の健全育成及び非行防止のためには、早期の段階における働き掛けが有効であることに鑑み、少年非行対策及び福祉支援策における関係府省庁の連携・協議の枠組みを強化するとともに、関係諸機関、団体等と有機的に連携しつつ、適切な保護、支援を行うための施策の一層の推進を図ること。
 四 罪を犯した者、とりわけ十八歳及び十九歳などの若年者の社会復帰の促進を図るため、前科による資格制限の在り方について、対象業務の性質や実情等を踏まえつつ、府省庁横断のしかるべき場を設けるなどして、政府全体として速やかに検討を進め、その結果に基づいて、法改正を含め必要な措置を講ずること。
 五 特定少年のとき犯した罪についての事件広報に当たっては、事案の内容や報道の公共性の程度には様々なものがあることや、インターネットでの掲載により当該情報が半永久的に閲覧可能となることをも踏まえ、いわゆる推知報道の禁止が一部解除されたことが、特定少年の健全育成及び更生の妨げとならないよう十分配慮されなければならないことの周知に努めること。また、インターネットを悪用した人権侵害対策への取組を推進すること。
 六 少年事件に関する事件広報に当たっては、被害者及びその家族・遺族の名誉又は生活の平穏が害されることのないよう十分配慮されなければならないことの周知に努めること。
 七 犯罪被害者支援を充実させる観点から、真に援助が必要な犯罪被害者が早期の段階から弁護士による支援を受けるための弁護士費用の援助を始めとする充実した法的支援の方策について、担い手である日本弁護士連合会や日本司法支援センターと連携し、引き続き検討すること。
 八 可塑性を有することなどの特定少年の特性を踏まえ、検察官送致決定がされた事件において、特定少年に対する被疑者取調べが適正に行われるよう、必要な検討を行うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

#159
○委員長(山本香苗君) ただいま真山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#160
○委員長(山本香苗君) 多数と認めます。よって、真山君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、上川法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。上川法務大臣。

#161
○国務大臣(上川陽子君) ただいま可決されました少年法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
 また、最高裁判所に係る附帯決議につきましては、最高裁判所にその趣旨を伝えたいと存じます。

#162
○委員長(山本香苗君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#163
○委員長(山本香苗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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