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2021/04/09 第204回国会 衆議院 第204回国会 衆議院 内閣委員会 第17号 令和3年4月9日
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2021/04/09 第204回国会 衆議院

第204回国会 衆議院 内閣委員会 第17号 令和3年4月9日

#1
令和三年四月九日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 木原 誠二君
   理事 平  将明君 理事 冨岡  勉君
   理事 中山 展宏君 理事 藤原  崇君
   理事 松本 剛明君 理事 今井 雅人君
   理事 後藤 祐一君 理事 濱村  進君
      安藤  裕君    岡下 昌平君
      金子 俊平君    神田 憲次君
      小寺 裕雄君    杉田 水脈君
      高木  啓君    永岡 桂子君
      長尾  敬君    西田 昭二君
      深澤 陽一君    本田 太郎君
      牧島かれん君    牧原 秀樹君
      松本 洋平君    宮崎 政久君
      吉川  赳君    和田 義明君
      阿部 知子君    大西 健介君
      川内 博史君    玄葉光一郎君
      森田 俊和君    森山 浩行君
      山川百合子君    柚木 道義君
      吉田 統彦君    江田 康幸君
      古屋 範子君    塩川 鉄也君
      足立 康史君    岸本 周平君
      山尾志桜里君
    …………………………………
   国務大臣
   (少子化対策担当)    坂本 哲志君
   法務副大臣        田所 嘉徳君
   文部科学副大臣      丹羽 秀樹君
   厚生労働副大臣     三原じゅん子君
   防衛副大臣        中山 泰秀君
   内閣府大臣政務官     岡下 昌平君
   内閣府大臣政務官     和田 義明君
   内閣府大臣政務官     吉川  赳君
   法務大臣政務官      小野田紀美君
   厚生労働大臣政務官    大隈 和英君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    近藤 正春君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  藤井 敏彦君
   政府参考人
   (内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長) 北浦 修敏君
   政府参考人
   (内閣官房一億総活躍推進室次長)         藤原 朋子君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  梶尾 雅宏君
   政府参考人
   (内閣府政策統括官)   三上 明輝君
   政府参考人
   (内閣府子ども・子育て本部統括官)        嶋田 裕光君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 堂薗幹一郎君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 保坂 和人君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 安東 義雄君
   政府参考人
   (財務省主計局次長)   宇波 弘貴君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           高口  努君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           蝦名 喜之君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           森田 正信君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           大坪 寛子君
   政府参考人
   (厚生労働省雇用環境・均等局雇用環境総合整備室長兼子ども家庭局児童虐待防止等総合対策室長)  岸本 武史君
   政府参考人
   (経済産業省貿易経済協力局貿易管理部長)     風木  淳君
   政府参考人
   (防衛省防衛政策局次長) 大和 太郎君
   内閣委員会専門員     近藤 博人君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月九日
 辞任         補欠選任
  和田 義明君     深澤 陽一君
  大河原雅子君     川内 博史君
  玄葉光一郎君     山川百合子君
  岸本 周平君     山尾志桜里君
同日
 辞任         補欠選任
  深澤 陽一君     和田 義明君
  川内 博史君     大河原雅子君
  山川百合子君     玄葉光一郎君
  山尾志桜里君     岸本 周平君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案(内閣提出第一四号)
     ――――◇―――――

#2
○木原委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房内閣審議官藤井敏彦君外十四名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○木原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#4
○木原委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。今井雅人君。

#5
○今井委員 おはようございます。立憲民主党の今井雅人でございます。
 質疑に入ります前に、一言おわびを申し上げたいと思います。
 デジタル法案の、前の審議のときに、私どもが出しました修正案の参考資料の、いわゆる新旧のところの一部に、内容は間違っていないんですけれども、段がちょっと一段ずれているという、形式的なミスがございました。形式といえども、これはミスでございますので、提出者として、私どものチェックミスでありますので、この内閣委員会で審議をしていただきましたので、皆様に改めておわびを申し上げたいと思います。
 その上で申し上げたいんですけれども、私は、この委員会でも申し上げましたが、ミスをしないのが一番いいんですが、人間ですから、必ずヒューマンエラーがあるので、ミスは起きてしまいます。大事なことは、ミスをしないことよりも、ミスをした後、どういうふうに対応していくかということが一番大事だということをこの委員会でも何度も申し上げてまいりました。
 それには実は理由がありまして、私、銀行で十九年勤めた後、自分で金融情報の配信会社を立ち上げて、始めたんですけれども、ベンチャー企業でしたから、最初の頃はミスだらけで、配信している内容も間違っている、てにをはが間違っている、字が間違っている、誤植がある、あるいは配信システムが止まる、いろいろなことがありました。それで、もうどれだけ謝りに行ったか記憶がないほど謝りに行って、不眠不休で対応策を考えて、再発防止をどうしたらいいかということを一生懸命考えて、説明をして、体制を強化しました。
 残念ながら、それでも契約を切られたところも幾つかありましたけれども、多くの方はそれで信頼をしていただいて、続けたんですけれども、そのことによって私の会社は非常に経験値が上がって、これは自分の会社の財産になったということだと思うんですね。これはどこの組織も同じですから、ミスをした後にしっかりと経験値を上げていただいて、そして次につなげるということをしていただきたい。
 今回、衆議院の法制局の方なんですが、実は、特措法のところで政府の条文が間違っていることを気がついたのを、そのまま、私たちに報告をしなかったと。これは大きな瑕疵があるというふうに私は厳しく指摘をしましたけれども、今回は、法制局の皆さんは、見つけてすぐさまいろいろなところに対応していただきました。法制局の方も経験値が上がったんじゃないかなというふうに感じた次第でございます。
 それでは、済みません、質疑の内容に入りたいと思います。
 今日は、本当は希望出生率とか少子化社会対策大綱の中身の大枠の話を最初に大臣としたいということで通告はさせていただいていますが、時間も限られておりまして、法案の中身でいろいろちょっと詰めたいところもございますので、そちらを先にやらせていただいて、お時間がありましたら少し大きな話をさせていただきたいと思います。
 まず、今回、特例給付に関しての所得制限の問題なんですけれども、昨日のレクでもちょっと確認したんですが、私は所得制限そのものが問題だと思いますが、もしかけるにしても、やはり公平じゃなきゃいけないという観点でちょっとお伺いしたいんです。
 一つ、モデルケースを申し上げます。
 主たる生計者、配偶者、夫か妻どちらかが年収千二百万円であって、もう一人は働いていない、子供さんが二人いらっしゃる、こういう家庭があります。もう一つ、共働きで、夫婦とも一千百万円の年収があって、子供さんが二人おられます。
 世帯で見ると、最初のケースは年収一千二百万円です。次のケース、二番目のケースは二千二百万円です。こういう家庭があった場合、一番目の世帯収入が千二百万円の方たちは今回特例の給付をもうもらえなくなる、ところが、世帯収入が二千二百万円の家庭は給付をこれからももらうことができる、こういうことでよろしいですか。

#6
○坂本国務大臣 委員御発言のとおりに、主たる生計維持者の収入で判断をしておりますので、仮に共働きでそれぞれ今おっしゃいましたように一千百万円の世帯であれば合計の年収は二千二百万円となりますけれども、引き続き特例給付の対象となるものであります。

#7
○今井委員 そうなんですよね。世帯合算がいいのか、主たる生計というのはいろいろ議論がありますが、実質を見れば、その家にどれぐらい収入があるかということじゃないですか。一千二百万円の収入の人たちはもう切られるわけです。でも、二千二百万円の収入がある人たちは依然としてもらえるわけです。
 大臣、これは不公平だと思われませんか。

#8
○坂本国務大臣 様々な委員の議論の中で、そういう声もあります。

#9
○今井委員 大臣自身はどういうふうにお考えになりますか。大臣の御意見をお聞かせください。

#10
○坂本国務大臣 しっかりこれから検討していかなければいけないというふうに思っております。

#11
○今井委員 つまり、問題意識としては持っていらっしゃるということでよろしいですか。

#12
○坂本国務大臣 問題意識としては持っています。なかなか難しい問題だと思っております。

#13
○今井委員 問題意識を持っていただいているということを確認できたことはよかったと思います。
 逆に、じゃ、世帯合算とした場合、例えば、先ほどのケースの一番のケース、一人の方だけが働いていて一千二百万円ですという家と、それから六百万円の収入の方が二人おられる、その場合は世帯合算で見ると両方とも一千二百万円です。
 しかし、じゃ、一千二百万円、一人が働いて一人が家庭に入っていらっしゃる家と、共働きで子育てをしている人のどちらの負担が重いかということを考えると、これがまた一緒になってしまうというのも、同じ扱いを受けるというのもなかなか公平性に欠けるのではないかと思うんですが、大臣はどうお考えですか。

#14
○坂本国務大臣 そういう実態も含めて、なかなか難しい問題であるというふうに思っております。

#15
○今井委員 この手の所得制限をかけた場合には、必ずぶち当たる壁なんですね。どこかのゾーンを見れば、必ずこの逆転現象が起きたりとか、もらえる人ともらえない人が壁ができてしまったりとかができるわけです。
 ですから、私たちは、所得制限をつけるべきではないと。どうやっても公平な制度にならないんですよ。公平な制度にならない設計をすること自体にやはり問題があって、やはり税とかそういうものできちっとバランスを取っていく、そういう政策にしていかなきゃいけないということを、これまでの私たちの委員もそういう主張をしてきましたけれども、一番の問題は、この公平性のところがやはり担保できないというところが私は大きな問題だというふうに指摘をしておきたいと思います。
 それと、もう一つお伺いしたいんですけれども、これも少し議論がありましたが、高所得者の人というのは様々なところで、税でも累進課税で多く取られている、あるいは消費税も多分金額としては大きく払っていますよね。一方で、高校授業料の無償化も含めて様々なところで所得制限をかけられている。
 今回もその所得制限をかけているということを考えたときに、是非お伺いしたいのは、この政策だけをピンポイントで見て、じゃ、年収幾らの人で切ろうというふうに考えるのか。あるいは、これぐらいの年収の方たちは、いろいろな負担、あるいは政府がやっているいろいろな制度での所得制限がこういうふうにかかっているので、まだこれぐらいなら余地が、要するに余裕があるだろうとか、そういう全体的なところを見て今回のこの千二百万円というのを決めた、そういうことなのか。あるいは、とにかくこの政策だけを見て一千二百万円という人を決めたという考え方なのか。そのどちらなのかをちょっと教えていただきたいんですが。

#16
○嶋田政府参考人 今般、児童手当の見直しにつきましては、千二百万円相当の方を特例給付の支給対象外というふうにしている、基準等を設けるということにしておりますけれども、これは他の制度も参照しながら総合的に検討した結果でございます。
 他の制度の例といたしましては、例えば税制におきまして、配偶者控除を受けることができる年収の上限が千百九十五万円でありますとか、あるいは、千二百万円前後ということで参照される数字といたしましては、例えば保育料の所得判定区分、これが千百三十万円以上というような、そういうレベルの方々がそうしたカテゴリーにあるということを参照しております。
 一方で、生活実態とかもいろいろ参照しておりますが、世帯で最も所得が多い方が年収千二百万円相当以上の方の状況、これは様々でございまして、その生活実態について一概にお答えすることはちょっと困難でございますけれども、関連する統計データも見てみますと、例えば、十五歳以下の子供がいる世帯の就業者である父母のうち年収千二百万円以上の者は上位約二%となっております。また、世帯員全員の現金収入の合計から直接税とか社会保険料の非消費支出を差し引いた可処分所得について見ますと、総務省の統計によりますと、世帯主が勤労者である世帯の家計支出を見ますと、一か月の可処分所得は、世帯主の年収相当が約九百六十万円程度の世帯では世帯全体で約七十二万円、一方で、世帯主の年収相当が約千二百八十万円程度の世帯では世帯全体で約九十万円というふうになっている、そういう状況を見ておるところでございます。

#17
○今井委員 ちょっと私がイメージしていたこととずれている部分もあるんですけれども、大臣、今回の今の説明は、余り時間がないのできちっと詰められないんですが、この件に限らず、今後、いろいろな子育て支援とか考えたときに、やはりほかの政策とのバランス、ほかが千二百万でやったからこっちも千二百万、これはバランスにならないんです、実は。両方取られているわけでしょう。そういうふうにならないように、横串をちゃんと入れて見ないといけないと思うんですけれども。
 抽象的な話なので、そういうことをやはり今後考えていく必要があると思うんですが、その辺のちょっと御見解だけお伺いします。

#18
○坂本国務大臣 今後、様々な課題があると思います。多子世帯への給付をどうするかとか、あるいは、その他の、今言われた公平性をどう保っていくかという問題があると思います。
 ただ、児童手当制度につきましては、創設以来、主たる生計維持者の収入で判断するというふうにしてまいりましたので、今回の改正でも判定の仕組みは変更しないことといたしました。そういうところをまず御理解いただきたいなというふうに思っております。

#19
○今井委員 誤解しないでいただきたいので、私は、世帯合算にすべきだと言っているわけではなくて、そもそも所得制限をかけるべきではないということで話をしているので、そこは誤解しないでください。
 実は、おとといの質疑の中にちょっとあれっと思ったことが幾つかあるのでお話ししたいんですけれども、まず一つは、今回給付を切られる皆さんは、何か恩恵がもう何もなくなっちゃうんじゃないかというときに、いや、幼児教育の無償化とかそういうところは制限が入っていないのでというような答弁があったと思うんですね。
 そもそも論でちょっとお伺いしたいんですけれども、今の制度では、今まさにおっしゃったように、所得制限がかかっていない政策もあれば、所得制限をかけている政策もあるわけです。これはどういう哲学なんでしょうか。どういうものには所得制限はかけないで、どういうものには所得制限はかけてもいいと、その辺がやはり、まず考え方があってそれぞれの政策につながると思うんですけれども、そこはどういう分け方になっているんでしょうか。

#20
○木原委員長 内閣府嶋田統括官、なるべく大きな声で御答弁お願いします。

#21
○嶋田政府参考人 はい、済みません。
 まず、所得制限をかける、かけないものの区別でございますけれども、先日も御説明いたしましたように、幼児教育、保育の無償化は、少子化対策とともに幼児教育の重要性の観点から実施をしましたということでありまして、あと、不妊治療助成の拡充については、不妊治療への保険適用を実現するまでの間は現行の助成制度の拡充を行うこととしておりまして、これらは、所得の多寡にかかわらず、支援が必要な方に対してその必要な支援を重点的に提供するという考え方の下でやっているものでございます。
 一方で、児童手当につきましては、これは昔からの目的でございますけれども、家庭等の生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的として現金を給付するもので、ただし、その現金は使途はいろいろであるというようなことの状況がございます。
 このように、各制度において所得制限をつけるかどうかについては、個々の制度の目的や支援の方法などに応じて判断されるべきことというふうに考えております。

#22
○今井委員 じゃ、ちょっとお伺いしますけれども、直接これに関係ありませんけれども、高校授業料の無償化というのは所得制限が入りましたね。今のお話でいうと、幼児の教育はとても大事だから所得制限をかけない、それから、不妊治療は非常に重要なので所得制限をかけない、でも、高校授業料の無償化には所得制限をかけるということは、高校の授業に関してはそんなに重要じゃないということを政府は考えているということですか。

#23
○嶋田政府参考人 そのような個々の制度につきましては、制度の目的や支援方法などについて、また財政の状況とかそういったところも併せて判断されるべきものというふうに承知しております。

#24
○今井委員 今の発言、よくないですよ。金の問題だと言ったんです。財政状況を勘案しながら、お金の問題だと今おっしゃったんですよ。それでいいんですか、その答弁。それはちょっと直した方がいいですよ。

#25
○嶋田政府参考人 申し訳ございません。修正いたします。
 個々の制度の目的や支援の方法などに応じて適切に判断されるべきものというふうに承知しております。

#26
○今井委員 分かりますか、そういう答弁をしてしまうから、結局お金を削りたいんでしょうとか、けちりたいんでしょうとやはり思われるわけですね。
 しかも、今全く説明になっていません。個々の政策を見ながらということでいうと、その理屈でいえば、高校の教育というのは、不妊治療や幼児のものよりも重要性が低いということに論理的になりますね。今の御説明ではそうなってしまいますよ。それでよろしいですか。

#27
○嶋田政府参考人 どちらがどういうふうに重要かということでございますけれども、これはまた、各制度において所得制限をかけるかどうかについては、個々の制度の目的や支援方法に応じて適切に判断されるべきことと考えております。

#28
○今井委員 語尾をもう少しはっきり言ってくださいね。
 今皆さん聞いていただいていて分かると思うんですけれども、にじみ出たと思うんですが、結局、お金が足りないからここを削ってこっちに上げなきゃという、全体的な哲学が全然伝わってこないわけですよ、子ども・子育て、教育に関して国としてどうしていくのかということが。ここは何か削れそうだから削ろうとか、そういう答弁にしか聞こえないんです。
 ですから、私たちは所得制限はかけるべきではないということを主張しているんですけれども、その懸念が非常に強まった、今のお話を聞いていてそう言わざるを得ないと思います。
 次に、参考人に聞いていたんですけれども、ちょっと大臣にお答えいただきたいんですけれども、おとといの大西委員の質疑の中でアンケートがあったと思うんですけれども、所得制限がかかった場合に、子供をつくるというか産むというか、これを少しちゅうちょするという方が結構いらっしゃるというアンケート調査がありましたね。私、ちょっとあれを見て、初めて見たのでええっと思ったんですけれども。
 まあ、アンケートですから、それは実際にそうなるかどうかは分からないんですが、政府の立場としては、今回のこの所得制限を設けたことによって出生に抑制がかかったりとか、そういう可能性はないというふうに考えておられますか。

#29
○坂本国務大臣 出生の背景、少子化の背景、いろいろなものが、要因が絡み合っているというふうに思っております。
 あるかないかというふうな御質問に答えるとすれば、その影響は限定的ではないかというふうに考えております。

#30
○今井委員 揚げ足を取るわけじゃないんですけれども、限定的ということは、可能性はひょっとしたらあるかもしれないということは認識していらっしゃるということですね。確定的なことは、こんなことはやってみないと分からないので言えないんですけれども、その懸念は若干はあるかもしれないということでよろしいですね。

#31
○坂本国務大臣 総合的に様々な政策をこれから進めてまいりますので、限定的であると思いますけれども、その限定的も、限定的でないようなところまで総合的なボリュームというものをしっかり保っていきたいというふうに思っております。

#32
○今井委員 私たちはこの法案には大変問題があると思いますけれども、これが可決していくという前提を考えたときには、是非やはり政府にはいろいろな危機感を持っておいていただきたいんですね。こういう問題もあるということも頭に入れて、今後やはりしっかりとブラッシュアップをするというか、変えていくということをやっていただかなきゃいけないと思っていますので、今いろいろと確認させていただいています。
 次に、この所得制限によって捻出される三百七十億円の使途ということなんですが、これも、おとといの質疑を聞いていると、どうもちょっと分かりにくかったんですけれども、最初のときは、この三百七十億で十四万人の待機児童の解消をするとかベビーシッターの拡充をするとかそういうものに充てられるんですという説明をされておったんですが、後半、大臣が、いやいや、そういうふうにひもがついているということではなくて、全体的な施策の中でこれを配分していくんだというような答弁にちょっと変わったような、聞いていて変わったと私は感じたんです。
 ただこれは、法律の中身だけを見ると、やはりこの三百七十億円を使ってそういう新しい施策をやっていくというふうに見えるんですけれども、そういうことでよろしいんですかね。

#33
○坂本国務大臣 児童手当の見直しにつきましては、総合的に、せんだっても私の方からお答えしましたけれども、総合的な少子化対策を進める中で、そして一方の方で待機児童の最終的な解決を図るというようなことで進めているところでございます。
 総合的にやりながら、そして最終的に待機児童の解消を図るというようなことで進めているということで御理解いただきたいというふうに思います。

#34
○今井委員 ちょっと分かりにくいんですね。
 正直言って、お金に色はありませんので、必ずぴしっと分けられるものじゃない。消費税を社会保障に使うといっても、本当にそう充たっているかなんというのは分からないわけです。同じ箱の中にいるので。
 なんですけれども、でも、今回の目的は、この三百七十億円を使って拡充政策をやる、そのための財源を捻出した、そういうことじゃないんですか。

#35
○坂本国務大臣 繰り返しになりますけれども、私たちは、幼児教育、保育の無償化、あるいは不妊治療助成の拡充、さらには子育て支援に積極的な企業への助成、そして企業主導型のベビーシッターへの補助額の倍増、そういうものも含めて総合的に今進めている中でありますので、その総合的な少子化対策の中で、一方の方で待機児童の解消も図るということで、今回の、財源を捻出しながら、そして少子化対策を進めているということであります。

#36
○今井委員 つまり、端的にもう一回確認しますけれども、今回の三百七十億は、これから拡充する子ども・子育ての支援策に充てられるということでよろしいですね。

#37
○坂本国務大臣 これから新子育てプランの中で、一千四百億につきまして、社会全体で子育ての支援をしていくとの大きな方向性の中で、今般の企業から一千億円を追加拠出していただいたということは御承知のとおりだと思いますけれども、今般の児童手当の見直しによりまして生じた財源を活用しまして、それも含めて所要の額を確保していくということであります。

#38
○今井委員 ちょっとお答えいただいていないんですけれども、まだ質問通告の半分も終わっていないので、次に行きます。
 先日、阿部委員の方から指摘がありました、年金特別会計子ども・子育て支援勘定というのですが、私も見せていただきましたけれども、令和元年度決算で三千八百五十五億円残っております。
 この内訳について、どういうことなんでしょうかということだったんですが、レクのところでも、全部それを切り分けるのはなかなか難しいという御指摘だったので、一つだけ確認します。
 この三千八百五十五億の大半は、この企業型の保育の、ここでの積立金というか、何金と言うんですか、返還金と言うんでしたっけ、これによるものということでよろしいですか。

#39
○木原委員長 内閣府子ども・子育て本部嶋田統括官。統括官、再度申し上げますが、大きな声ではっきりと答弁してください。

#40
○嶋田政府参考人 はい、申し訳ございません。
 積立金につきましては、過去の決算剰余金が積み立てられるものである一方、その一部を事業主拠出金事業の財源として取崩しをしまして使用するので、その時点の積立金残高において、事業ごとの内訳をお示しすることは困難ではございます。
 なお、三千八百五十五億円の積立金残高が前年度よりも増加した要因ということになりますと、拠出金収入が見込みよりも多かった。要するに、景気がよかったということで、事業主拠出金が上がったということもあるわけでございますが、多くは企業主導型保育事業における実施機関からの返納金となっておりまして、例えば平成三十年度だと、五百五十七億円が返納金として返ってきているものでございます。

#41
○今井委員 これは、平成二十九年度の決算のときは千四百五十二億円なんです。三十年度のときは二千二百八十三億円。そして、令和元年度になると三千八百五十五億円と、一千億円ぐらい増えているんですけれども、物すごい増え方をしているんですよ。これはまだ、ほとんど使われないまま残っているわけです。
 ですから、今回の措置は恒常的なものですから、こっちを使っても一時的であるということは、もちろんそれは分かっていますけれども、しかし、これだけ毎年増えていくものに対して何も手を打たずに、じゃ、こっちの所得制限からお金を取りましょうというのは、ちょっと順序が私は違うんじゃないかと思うんですけれども、これはいかがですか。

#42
○嶋田政府参考人 今後の、積立金をどういうふうに使っていくかということでございますけれども、積立金につきましては、これまでの拠出金収入の見込みや収支バランスの状況を鑑みて、拠出金事業の財源として取り崩し、使用をしておるところでございます。
 例えば、平成三十年度には百三十七億円、それから令和元年度には二百二十二億円を取り崩しております。
 令和元年度の決算時における積立金残高、三千八百五十五億につきましては、特別会計の資金繰りに必要な額となる約一千二百億円を除きまして、事業主拠出金事業全体の財源として活用することとしておりまして、令和二年度では七百二十一億円、それから令和三年度で八百二十億円を取り崩しております。
 特に、今般、ゼロ歳から二歳分の保育所等の運営費に必要となる一千億円でございますけれども、経済界に対しまして事業主拠出金の追加拠出をお願いしておるところでございますが、その際、今申し上げた積立金を活用する等などをしまして、なるべく事業主の負担が増加しないように対応することとしておりまして、今後も有効に拠出金事業の財源として活用してまいりたいと考えております。

#43
○今井委員 もう少し時間があれば、一千億は残しておかなきゃいけないというその根拠とか、いろいろお伺いを本当はしたいんですが、百三十七億使って、二百二十億使って、七百二十一億、八百二十億、こういうふうに使ってきたということですね。
 まだ私は使える余地が十分あるんじゃないかなと思いますので、そこも是非検討しておいていただきたいと思います。
 次に、今回、くるみんの認定で、助成金を払うと、五十万ですかね。これも私はちょっと公平性の点で問題があるんじゃないかなと思っているんですけれども、これは、令和三年から九年度に新規にこのくるみんの認定を受けるところに、御褒美というか、褒賞を五十万払う、そういう仕組みでよろしいですか。

#44
○嶋田政府参考人 今般、従業員に対して育児休業の取得を促進するなど、子育て支援を積極的に行う事業主に対する助成制度を創設し、これを新子育て安心プランの支援策と位置づけておるわけでございますが、議員の御指摘のところでございますが、過去の分にどういうふうになるかということに端的にお答えいたしますけれども、過去にくるみん認定を取得した企業につきましては、新たに一般事業主行動計画を策定して、助成実施期間中に改めてくるみん認定を取得した場合などは助成を受けられるというふうに考えております。

#45
○今井委員 こういうことなんです。ここが私はとても問題だと思うんですよね。
 これまで先行して一生懸命くるみん認定を取ってきた、言ってみれば優良企業の人たちにもう一回申請しろと言うんですよ、お金が欲しければ。それで、これから入ってくる人は、新規に申請をしたら、その分五十万差し上げましょうって、これは不公平じゃないですか。今まで真面目にやってきた人がばかを見ちゃうじゃないですか。そう思いませんか。大臣、そう思われないですか。何か、今までやってきた人たちというのは、いわゆる先行してやってきた人たちなんですよ。その人こそ報われなきゃいけないのに、今はやっていなくて、これからやる人たちにはお金を払いますって、こんなやり方は本当に正しいんでしょうか。

#46
○坂本国務大臣 くるみん認定につきましては、実施状況の公表は求めていません。企業の取組状況が今変化している可能性もございますので、助成を行うのは認定を取得した年度又は翌年度とすることを今検討しているところであります。

#47
○今井委員 大臣、今検討しているとおっしゃいましたから、もう本当に、正直者がばかを見るという社会は駄目なんですよ、だから、そういうふうにならないように十分検討してくださいね。
 最後に一つだけ、いいことというか、実はこの附則に、「児童手当の支給を受ける者の児童の数等に応じた児童手当の効果的な支給及びその財源の在り方並びに児童手当の支給要件の在り方について検討を加え、」云々と入っています。
 つまり、ここまでの質疑でも出てきましたが、子供さんの数によってやはり差が出てしまう、その問題があるということですよね。それを、これは、今この附則が入っているということは、政府はその認識を持っている、今後、この件に関しては検討して必要な措置を講じる、こういうことでよろしいですか。

#48
○坂本国務大臣 今委員おっしゃいましたとおりに、一つは、子供の数に応じた児童手当の効果的な支給及びその財源の在り方も検討する、そして支給要件の在り方について検討するということでございますので、検討は検討としてしていくということでございます。

#49
○今井委員 時間が来ましたから終わりますが、やはり所得制限をかけるということは、様々な公平性の面を考えて問題を生じるので、私たちはやはりそれはかけるべきじゃないということを申し上げて、質問を終わります。

#50
○木原委員長 次に、吉田統彦君。

#51
○吉田(統)委員 立憲民主党の吉田統彦でございます。
 四十分ありますので、大臣、よろしくお願いします。大隈政務官も、今日はありがとうございます。よろしくお願いします。
 今回、まず、法案、特例給付を削って待機児童の解消に充てるということを、大臣、そういう趣旨のことが書かれているわけでありますが、ただ、ずっと待機児童対策と、前総理の時代から、ずっと期限を切りながら、いつまでに待機児童を解消すると言いながら、全くそれが達成されていないわけであって、それはそもそも政府の責任であるわけですよ。そういった中で、特例給付を削って待機児童問題に充てるというのは、そもそもちょっと筋が悪いし、筋がおかしいと私は思いますよ。
 だって、そもそも、本当に、ずっと言ってきたことを、何でまたほかから予算を取らなきゃいけないのか。本来ならもう解消されているはずの問題ですね。安倍前総理はそうやって何回もおっしゃっていた。ですから、何回も期限を延ばして、言ってきた。だから、わざわざそう説明されても、これは趣旨が、意味がまずそもそも分からない。苦言を呈した上で、質問に入ってまいります。
 まず最初に、保育園の人件費の内容についてお伺いします。
 以前から内閣委員会の場で私申し上げておりますが、介護、保育は、現場で働く方々の待遇が極めて悪いということを危惧しております。
 三月三十一日の神戸新聞に、神戸市の認可保育所で、七人いる保育士全員と施設長が、給与削減やハラスメント行為など運営会社の不適切な経営を理由に、三月末で一斉に退職することが分かったと報道がありました。もう退職されていますよね。同報道によると、園には二〇二〇年度、ゼロから二歳児計十九人が在籍、運営会社「ようだい」の代理人弁護士によると、一九年秋から人件費抑制のため給与カットを実施したということで、賞与や一時金の不払いに加え、勤務表の記入に不適切な実態があったことも認めているそうです。
 また、朝日新聞では、群馬県の私立認可保育園で、保育士十八人のうち、何と十七人が、二〇二一年三月末で退職するということが分かったと報道されています。園や藤岡市によると、待遇面や園の対応への不満が背景にあるということであります。
 このような事態は、子供を預けている保護者にとっては、不安や不信感を招きながら、ただ、大臣、容易に転園もできないわけですよ。大変な大きな問題であります。
 この二例だけじゃないですよ。保育の現場で働く保育士さんの待遇は、とても悪いです。仕事が好きだけれども生活のためにやむなく退職をしているという話は、度々報道でも目にします。
 一方、保育園に対しては、内閣府の子ども・子育て支援として、毎年多額の補助金、助成金が支出されていますね。
 まずお伺いしますが、現在、保育園で計上されている人件費のうち、実際に保育士さんとして子供の相手をしている、ないしは給食の調理をしているような現場で働いている方へ、平均どれくらいの給与が支払われているのか。また、経営者である園長、そして、いわゆる雇われ園長さんは平均幾らもらっているのか。また、現場にいらっしゃらない理事長等の経営者はどれくらいの給与をもらっているのか。分かる範囲で構いませんので、これに対して、大臣、御開陳をいただければと思います。

#52
○坂本国務大臣 令和元年度に実施いたしました経営実態調査の結果によりますと、私立保育所における常勤職員の職種別の平均年収は、施設長が約六百七十九万円、それから主任保育士が約五百八万円、そして保育士が約三百六十二万円というふうになっております。

#53
○吉田(統)委員 経営者の方は。オーナー。

#54
○坂本国務大臣 経営者の年収というのは調査しておりません。

#55
○吉田(統)委員 してください。しなければ駄目ですよ、当たり前ですけれども。
 以前もこの内閣委員会で議論させていただきましたが、私は、保育に対する様々な助成金や補助金が現場で働く皆様に十分に行き渡っているとは言えない、それが待遇が低いまま取り残されている理由だと思います。先ほどの、先月の三月末で保育士さんが一斉に辞めるという二例を紹介いたしましたが、この証左ですよ。
 内閣府の担当の方に聞くと、委託費の約七五%が人件費だそうですね、大臣。この人件費というのは、現場で働く方、園長さん、全ての人件費のトータルが七五%。ただ、これは平均です。著しく悪い待遇に置かれている保育士さん、そういった現場で働く保育士さん等、そういった方もいるわけです。要は、かなり上下があるんじゃないかということを申し上げているんですが。
 本当に現場の保育士さんの待遇改善をするのであれば、事業収入における人件費の割合を規定して、さらに、全収益に対する現場の保育士さんの人件費の割合を厳格に規定することで、しっかりと現場に届くルールをつくった方がいいと思います。そういった数字を助成金や補助金の条件とするようなルールづくりが必要だと考えますが、大臣、いかがですか。

#56
○坂本国務大臣 保育の現場で働く方々に適切な賃金が支払われるということは、本当にこれは重要なことであると思います。
 令和元年度に実施いたしました経営実態調査では、私立保育所における人件費支出の割合が七五・一%というふうになっておりまして、私立保育所の委託費の基本分単価におきまして、想定しております人件費の割合の八割と比べまして大きな乖離は見られないものというふうに思っております。
 ただ、個々の施設において、人件費の割合につきましては、賃金が労使の協議によって決定されたりいたしますし、それから職員の年齢や経験年数によって変わり得るものというふうにも思っておりますので、国として委託費の支出等の要件とすることはなかなか難しいというふうに思っております。

#57
○吉田(統)委員 今、大西委員はすごくこの面に関して見識が深いんですが、委託費の流用をやめたりとか、あと、本当にこれも実際よく聞く話ですが、七五%と、さっき平均を言いましたが、五〇%以下のところもあるわけであって、委託費の流用を認めないようなルールづくりが必要じゃないですか、大臣。

#58
○坂本国務大臣 更なる処遇改善をするためには、やはり改善努力の見える化、これをしていかなければいけないというふうに思っております。
 東京都がやっております事例、あるいは介護制度の事例、こういったものを参考にしながら今後も検討していかなければいけないというふうに思っております。

#59
○吉田(統)委員 今くしくもおっしゃっていただいた東京都、そうなんですよ。是非これを例に、しっかりと大臣、リーダーシップを発揮をしてください。
 厳しい話が続きますが、大臣、保育園の経営について、人件費支払いの問題とともに、運営者の不適切な処理、今見える化とおっしゃっていただきましたが、これを指摘されています。
 先ほどの神戸市の例だと、保育をサポートする子育て支援員を勤務しているように市に虚偽の報告をした、市に提出する保育士の勤務表を偽造した、有休が取得しづらかったなど、不適切な経営の状況が退園する園長や保育士さんから報告されたと報道されています。そして、開園時から勤務してきた女性保育士は、辞めたくて辞めた人はいない、会社側の説明で納得できるものはなく、不適切な園の経営を変えるには辞めるしかなかったと無念そうに話していたとのことであります。
 しかし、考えてみれば、これは単なる不適切な経理の問題ではなくて、多額の助成金を受けているのであれば、こういった各種助成金の不適切な受給につながっていく可能性すらあると思います。
 二月二十四日、大臣、覚えていらっしゃると思いますが、大臣所信に対する質疑で私は今回の問題を取り上げています。坂本大臣は、「高い使命感を持って保育士になられた方々が永続的に働けるように、今後も改善に努めてまいりたいと思います。」と力強い御答弁をいただきました。私、大変感銘を受けました。現場の方も力づけられたと思います。
 しかし、アエラのサイトに大変心配になる記事が掲載されていました。ちょっと引用します。
 その園では、コロナ禍の中、多くの保育士が不当に給与をカットされ辞めていきました。結果、人手不足になって、社長は私のところに何とかしてと泣きついてきた。社長は園長たちに経営難だとうそをつきながら、会社の利益はこれまでどおり確保し、ぜいたくな暮らしをしています。保育園の運営費の原資が税金だという意識なんて、これっぽっちもない。
 この記事によると、コロナ禍の下で保育士の搾取が止まらず、国は、保育園が休園になっても保育士さんの給与が減らないように、人件費を含む運営費を通常どおり給付する特例措置を取りましたね。しかし、一部の保育園がこれを悪用した。運営費が満額支給されているにもかかわらず、休業した保育士の賃金をカットし、差額で利益を得ようとする園が続出したと報じられています。
 まず、大臣、コロナにおけるこういった不正は決して許されるものではないですね。内閣府として、これはどのくらい不正があったと把握していますか。

#60
○坂本国務大臣 数字については把握していません。ただ、今委員が言われました報道、いわゆる休園ビジネスと言われるようなものにつきましては、これは承知をしているところであります。
 ただ、私たちといたしましては、保育所等に対する公定価格では、新型コロナウイルス感染症に伴いまして臨時休園を行う場合であっても通常どおり支給をし、施設の収入を保障しているわけでございますので、それはしっかり守ってもらわなければならないというふうに思っております。
 これを踏まえて、臨時休業等による職員の体制の縮小に当たって、人件費の取扱いにつきまして、昨年六月に発出しました通知におきまして、公定価格に基づく人件費支出について、通常時と同水準とすること、それから、常勤、非常勤や正規、非正規といった雇用形態の違いにのみ着目して異なる取扱いをすることは適切ではないというようなことなどを自治体や保育所等に示すとともに、自治体に対しては、管内の保育所に対する指導も依頼をいたしました。
 各自治体において適切に現在も対応していただいているものというふうに思っております。

#61
○吉田(統)委員 ただ、先ほど実態把握されていないと大臣おっしゃいましたので、大臣、ちゃんと実態把握してくださいね。
 私自身は保育園で育ちました。保育園の経営者の方、本当にすばらしい方がたくさんいます。私も本当に、育てていただいた保育園の園長先生、僧侶の方でしたけれども、亡くなって今二代目になっていますが、大変尊敬しています。高い志で保育を担っていただく方は世の中たくさんいるし、そういった方の方が多いと私は信じています。
 しかし、その前提で、この記事の中では、百社以上の保育園の新規開設を手がけてきた経営コンサルタントの発言として、「業界の“ブラック経営”体質はコロナ禍で露呈しただけで、以前から蔓延している。保育園をつくりたいと相談に来る人の九割が金儲けのことしか考えていない」と記載されており、まさに、私が以前からそうあってはならないと危惧するような経営者が、まれにだと私は信じたい、ほとんど、私の接する保育園の経営者、先生たちはすばらしい方ばかりです。しかし、中にはこういう方も散見されるということはやはりあるわけです。
 大臣、例えば東京都の監査では、委託費の不正流用や、園から本部に移された資金について、私的流用を含む不適切支出が指摘されていますね。こういった問題は多く指摘されているわけですよ。
 そこで、助成金等を支出する国として、こういった不適切な支出に対して今後どのように対処していくのか、どうやって園の施設の経営の健全化を図るのか、お答えください。

#62
○坂本国務大臣 今委員がしっかり御指摘をなさいました。
 私立保育所への委託費が適切に使われているかどうかにつきまして、子どものための教育・保育給付に関する事務として、子ども・子育て支援法に基づきまして市町村が指導監査というのを、これは先ほど言いましたけれども、行っております。
 また一方で、児童福祉法に基づきまして、都道府県、指定都市及び中核都市の施設監査においても、指導監査事項として児童福祉施設の経理事務の適正性が掲げられ、指導監査を行っております。
 子ども・子育て支援法と、それから児童福祉法、両面にわたって監査をしている、指導をしているところでございますが、内閣府といたしましては、御指摘のような事案については、報道や個別の相談等では承知しておりまして、自治体に対しまして、適正な支出についての自治体からの保育所への周知、それに加えまして、支出の適正性を指導監査の重点項目とした上で、不適切な事例に対しては改善勧告を求めてほしいというようなことをこれからも徹底していただくよう、現在も依頼しているところでございまして、これからもしっかりやってまいりたいと思っております。

#63
○吉田(統)委員 大臣、お気持ちは分かりましたけれども、ただ、現在も行われている、そして今後もやっていくということで、現在、なかなか成果が上がっていない状況だと思われませんか。今後、更に何か新しくやっていくということはないんですか。

#64
○坂本国務大臣 自治体にしっかりと求めてまいりたいというふうに思っております。

#65
○吉田(統)委員 大臣、本当に実効性あるものにしてください。
 さて、じゃ、次は、ちょっと順番を一個飛ばします、時間の都合で。また後で時間があったらやりますが。
 今回の法案の年収一千二百万円以上の特例給付の廃止、また、以前から私が何度も申し上げた、出産育児一時金の実情に見合った増額がなかなか実施されない、政府が本当に少子化対策に真剣に取り組んでいるのか疑問に思う部分もあります。全部がそうだとは言いません。
 例えば、出産育児一時金というのは、出産費用としてもそもそも不足しているのに、育児と書いてあるんですけれども、この育児というのは何を指すんですか。

#66
○坂本国務大臣 出産育児一時金でございますので、出産及び育児というようなことでございます。

#67
○吉田(統)委員 いや、だから、大臣、出産だけで足りない。出産一時金であればまだ理解できますが、出産育児一時金と銘打つのであれば、前、それでいったら、レクの役所の方が、周産期のことじゃないですかと、ばかなことを言うので、ちょっと私はこれに関してはかなり苦言を呈しましたよ。周産期も含めて出産なんですよ。ねえ、大隈政務官。ドクターですから、そんな、周産期を育児と言うのはちょっとびっくりですよね。多分、政務官だって怒られると思います、この発言を聞いたら。だから、育児と銘打っているけれども、全然育児に目が向いていない一時金なんです。
 大臣、これを増額しませんか。

#68
○坂本国務大臣 出産育児金は、出産に要する経済的負担の軽減を図るために、健康保険法上の保険給付として支給をされているところであります。
 ですから、私たちといたしましては、少子化社会対策大綱におきまして、出産育児一時金などにより妊娠、出産に関する経済的負担の軽減を図ること、そして、妊娠、出産に関する経済的支援の在り方について検討すること、これが大綱に明記されておりますので、大綱を推進する立場として、厚生労働省における検討状況をしっかりとフォローし、安全かつ安心して妊娠、出産ができる環境の整備に努めてまいりたいというふうに思っております。

#69
○吉田(統)委員 ちょっと、増やすと言ってほしいんですけれども。増やしてください。
 では、少子化脱却のための提案をしていきたいと思います。
 大分県の豊後高田市では、お子様の誕生を祝い、健やかな成長を願って誕生祝い金を支給しますとして、出生時から豊後高田市内に住民票があるお子さんについて、四か月に達したときに一律十万円、一歳に達したとき及び二歳に達したときに第三子には二十万円、第四子以降三十万円、さらに、三歳に達したときには第四子以降にのみ三十万円の子育て応援誕生お祝い金を支給することになっています。第四子以降には、出産から三年間、実に百万円の給付を行うことになりますね。これこそまさに少子化対策の見本だと思います。
 また、国民民主党の玉木代表は、第三子に一千万を給付するという政策を提言されていますね。
 フランスというのは、先進国では数少ない、出生率二以上に回復した国です。家族手当は、第一子には出していなくて、第二子から出して、第三子から大きく加算されます、フランスは。第三子のいる低所得の家庭では月額約五万円になると仄聞しています。これを考えると、第三子以降への給付が少子化対策としてやはり有効だというのは明確だと思います。
 そこで、我が国でも、第三子以降の子育て支援をもっとドラスチックに行っていくべきだと考えます。
 例えば、先ほどから申し上げている第三子以降の給付金の額を増額すること、また、一番よいのは、第三子、第四子、第五子と順番に第十子ぐらいまで累進的に所得税の減税を行う、例えば第六子以上は消費税の還付を行うなど、税制と組み合わせた施策が最も有効だと考えますが、この点に関して大臣の御所見を伺いたいと思います。

#70
○坂本国務大臣 少子化の背景は、個々人の出産、それから妊娠、子育ての希望の実現を阻む様々な要因が絡み合っているということからきているんだろうというふうに思います。
 とりわけ、委員御指摘の第三子以降を持ちたいとの希望に関しましては、子育て、教育、住居などの様々な面におきます経済負担、この重さが希望の実現の大きな阻害要因というふうになっております。
 政府としては、これまでも、幼児教育、保育の無償化、あるいは高等教育の修学支援、そして子育て世帯への経済的支援を充実させるとともに、多子世帯に配慮した負担軽減策は推進をしてきたところでございます。少子化社会対策大綱におきましても、多子世帯の負担軽減を進める旨を明記をしております。
 このうち、児童手当につきましては、今般の改正法案で、附則に、先ほど言いましたけれども、検討事項を設けて、子供の数等に応じた児童手当の効果的な支給及びその財源の在り方や支給要件の在り方について検討することというふうにしております。
 その際には、少子化の状況を始め、子ども・子育て支援に関する施策の実施状況、子育て家庭への影響等もよく注視しながら、少子化の進展への対処に寄与する観点から検討してまいりたいというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、引き続き、少子化社会対策大綱に基づきまして、必要な安定財源を確保しながら、少子化対策を全体として確実に進めてまいります。

#71
○吉田(統)委員 るるおっしゃっていただきましたけれども、大臣、出生数はどんどん減っているんですよ。今の話は、今までやってきていただいたけれども、なかなか有効な手でなかったということは御理解されていると思います。
 そこで、大臣、担当大臣として、大臣の腹案、オリジナルな政策でも結構ですので、これから何かやる、起死回生の策、何か考えていることはないんですか。どうぞ。

#72
○坂本国務大臣 これまでやってきたことを継続的に、確実に、長期的に進めていくということが、フランスやスウェーデン等におきましても効果を上げているところでございますので、そういった方向をしっかりとこれからも進めてまいりたいというふうに思っております。

#73
○吉田(統)委員 違いますよ、フランスはドラスチックに回復しています。大臣、それはもうちょっとちゃんと、申し訳ないですけれども、担当大臣としてお勉強された方がいいと思います。フランスの例は、着実にやってきたんじゃないです、ドラスチックな政策をかなり打っています。そこをしっかり大臣は見て御発言いただかないと、これはとんでもないことですよ。大臣、私は立派な大臣だと尊敬していますが、そこに関しては、今の御発言は納得できません。そんな生易しい考えで、今のこの深刻な少子化問題は克服できませんよ。
 では、ちょっと続きをいきます、もう時間がなくなってきますので。
 ここからは、子供の健やかな成長を支援する制度として、養子制度などの活用についてお聞きします。
 西日本新聞の八年前の記事の復刻版が今週の火曜日に配信されていました。その記事では、日本では養子や里親への理解度が低い、親が育てられない子の九割近くが施設で暮らしており、欧米諸国と比べて著しく高くなっている、西南学院大学人間科学部教授の山本裕子さんは、特にキリスト教圏で社会の子という認識が高いのに比べ、日本は子は親に帰属し血縁へのこだわりも強い傾向があると指摘するとなっていましたが、八年たって状況はそんなに変わりがないんじゃないかなと思います。
 まず、特別養子縁組ですが、特別養子縁組は、保護者のいない子供や実親による養育が困難な子供に温かい家庭を与えるとともに、その子供の養育に法的安定性を与えることにより、子供の健全な育成を図る仕組みであると厚生労働省のホームページに記載されていますね、政務官。そして、令和元年には民法の改正によって養子候補者の上限年齢が大きく引き上げられて、また、家事事件手続法及び児童福祉法の改正によって特別養子縁組の成立の手続の見直しが行われていますね。
 また、同様の社会的養護の制度として、様々な事情で家族と離れて暮らす子供を自分の家庭に迎え入れ、温かい愛情と正しい理解を持って養育する制度である里親制度というのもあります。私も里親になりたいなと考えていたこともあります。
 また、同記事では、不妊治療で二百万円以上の貯金を使い果たした御夫婦が、乳児院からお二人の子供を特別養子縁組で迎えて本当の家族となる様子が描かれています。ちょっと引用します。
  そんな時、お盆の短い期間だけ、児童養護施設にいる女の子を預かることにした。ずっと憧れていた川の字で寝た。にぎやかな食卓。無邪気な笑顔は、治療でボロボロになった心に明かりをともした。たった数日間だったが、そこには求めていた「家族」があった。施設に帰すときは離れたくなくて寂しさが募った。
  その経験から「子どもを迎えたい」と考えるようになった。半面、わずかな不安も。「血のつながらない子を育てられるだろうか」。正式に迎える前、長男となる子が何度か泊まりに来た。繰り返すうちに、別れ際、その子は名残惜しそうに涙を流すようになった。「自分たちがこの子の家族なんだ」。不安は消えた。
 どうですか、大臣。私、この記事を読むたびに不覚にも涙が出ます。
 しかし、残念なことに、このような社会的養護の仕組みは、先ほど述べたように、どちらも欧米に比して全く進んでいません。
 二〇一八年に厚生労働委員会の視察で欧州を訪れました。欧州は、地域によっては、特別養子縁組、里親制度、ファミリーホームによって、いわゆる日本のような児童養護施設が存在しない地域もあります。例えばイタリアのロンバルディア州やラツィオ州は、教会施設とかいった、そういった例外を除いてそうだったと記憶しております。
 まず、お聞きします。近年の特別養子縁組の成立件数及び里親の委託児童数及び登録里親数の状況を教えてください。

#74
○坂本国務大臣 特別養子縁組の成立件数は、平成三十年度に六百二十四件、令和元年度に七百十一件、里親への委託児童数は、平成三十一年三月末には五千五百五十六人、そして、令和二年三月末に五千八百三十二人、登録里親数は、平成三十一年三月末に一万二千三百十五世帯、そして、令和二年三月末に一万三千四百八十五世帯であります。
 いずれも増加傾向にありますけれども、令和二年度の数値は調査中であるものと、関係省庁からこれは聞いております。
 なお、少子化社会対策大綱におきましては、特別養子縁組や里親制度に関し、家庭養育優先の原則の理念に基づき、里親の開拓や里親養育への支援、特別養子縁組への支援等を進めることを盛り込んでいるところでございます。
 少子化対策担当大臣としましては、少子化社会対策大綱を推進する立場として、厚労省を始め関係省庁における取組状況をしっかりフォローしていきたいというふうに思っております。

#75
○吉田(統)委員 ありがとうございます。
 結局のところ、増加傾向とおっしゃいましたが、漸増ですよね、大臣。まだまだこういった社会的養護の理解と活用がなかなか進んでいないという証左かなと今聞いていて思いました。
 統計としてまだ出ていないかもしれませんが、大臣、コロナのこの蔓延の状況下で、特に里親制度とかに関して、さっきちょっと最新のデータはないというふうに聞いておりますが、委託里親及び委託児童が大きく減っていないか、私、懸念しているんですが、その点、どうですか、全然データがないですか。

#76
○坂本国務大臣 確たることは申し上げられません。私たちの方では、そこのところはまだつかんでいないところであります。

#77
○吉田(統)委員 是非フォローをお願いいたします。
 じゃ、続きをいきます。
 先ほども述べたように、我が国は、乳児院や児童養護施設などの施設養護が約九割と、里親などの家庭養護が非常に少ない現状は変わっていません。さっき数字を御開陳いただきました。しかし、子供の成長、発達、福利の点からも家庭養護が望ましいことは、もうずっと、大臣もよくよくお分かりでいらっしゃいました。
 政府は家庭養護ないしは家庭的養護が望ましいと考えておりまして、そもそも自治体独自の制度だった事業が二〇〇九年に法定化されて、小規模住居型児童養育事業を行うファミリーホームとして一般化したと承知しています。
 しかし、実際には複数人の家庭養護を可能とするファミリーホームの担い手はなかなかいなくて、設置数が伸びない現状だと思います。私自身も、いつかこういった深い愛を持ってファミリーホームを担いたいなと思っているんですが。
 まずお聞きしたいんですが、制度ができて十年たって、現状、このファミリーホームの制度はどの程度まで活用が広がっているか、現在の設置数などをお答えください。

#78
○坂本国務大臣 御質問の件につきましては、厚生労働省より、ファミリーホームの設置箇所数は令和二年三月末で四百十七か所でありまして、前年と比較し四十五か所増加している、ファミリーホームに関する税制優遇措置はないが、引き続き予算措置を通じて設置の促進に取り組んでいくものと聞いております。
 なお、少子化社会対策大綱におきましては、ファミリーホームに関しまして、社会的養育が必要な子供に対しまして、家庭と同様の環境である里親やファミリーホームで養育されるよう支援するということを盛り込んでおります。
 少子化対策担当大臣としては、少子化社会対策大綱を推進する立場として、先ほども申しましたけれども、厚生労働省を始め関係省庁における取組の状況を引き続きフォローしていきたいというふうに思っております。

#79
○吉田(統)委員 大臣、なかなか増えていきづらい部分があるんですよね。
 じゃ、大隈政務官、せっかく来ていただいたので、大隈政務官に次の問いを確認させていただきましょうか。
 この担い手となる、例えば社会福祉法人の場合はもとより、法人に対する税制優遇がそもそもありますね。個人でより多くの、篤志的な資産家はいっぱい日本もいらっしゃいますよね、こういった方が担い手となってもらえるように、ファミリーホームを個人の事業として担う場合、税制上の優遇措置なんかがやはり絶対必要ですよね。ここに関して、どうですか、政務官、これを進めていく、そういったおつもりはないですか。

#80
○大隈大臣政務官 今御指摘のファミリーホーム等の、先生の今御意見を開陳していただいたことを聞きまして、私も非常に共感するところがございます。
 税制に関しましては必要な部門とまた話をしていかなければなりませんが、厚生労働省といたしましては、家庭養育推進の立場から、できることをしっかりと進めていくということで考えておりますので、これからも必要な支援、取組をしっかり進めてまいりたいというふうに考えております。

#81
○吉田(統)委員 大変温かい声で御答弁いただきまして。
 政務官、それは、ちょっと奥歯に挟まったような。しっかりやって、交渉なんかもしてくれるということですよね。頑張って、財務省なんかと、ちょっとしっかりやってほしいんですけれども。

#82
○大隈大臣政務官 しっかり受け止めて、検討してまいりたいと思います。

#83
○吉田(統)委員 検討じゃなくて、やってほしいんですけれどもね。
 それでは、このファミリーホームとは別の観点で、かつての、近現代まであった猶子制度のような、緩やかな養子類似制度をつくってもいいんじゃないかと私は考えています。
 近代までの猶子というのは、日本大百科全書等によると、仮の親子関係、実親子ではない二者が親子関係を結んだときの子であり、漢文訓読ではなお子のごとしと読み、一般的に家督や財産などの相続、継承を目的としない点で養子と異なっており、子の姓は変わらず、仮親が一種の後見人としての役割を果たすなど、養子と比べて単純かつ緩やかで擬制的な側面が大きかったとされています。
 私の地元名古屋ゆかりの話をしますと、さきの関白太政大臣近衛前久の猶子として関白相論がちょうどあった中で関白に就任した豊臣秀吉や、その秀吉の猶子となってその後見で宇喜多家の家督を継いだ宇喜多秀家、同じく秀吉の猶子となることで将来の関白候補とされていた八条宮智仁親王等の例があります。もちろん、猶子であっても相続がなされる場合もあって、養子と同義で使用されたこともあったとされています。
 例えば一案では、夫婦別姓が多くの国民に支持されて議論されている中で、氏を変えても変えなくてもいい、そして、実子がいる場合の篤志家たちが、やはり社会的な責任の中でこういった制度を使っていただくためには、こういう実子がいる篤志的な資産家が利用しやすいように、相続争いに巻き込まれたり、いわゆる争族とならないように、資産の相続権に関しては認めるか認めないかの選択制とする代わりに、他の権利は実子と同等とする、そういった形で家庭的養護を与える制度の創設などを検討してみてはどうかと私は考えます。
 私自身、そういった制度ができれば、必ず多くの猶子を責任と愛を持って育てたいと考えます。
 そこで、法務省にまずお伺いしますが、このような制度創設についての御所見をお聞かせください。

#84
○堂薗政府参考人 お答えいたします。
 委員の御指摘は、社会的養護の状況下にある子供が、実父母以外の者によって家庭的な養育を受ける機会を拡大するため、現行の普通養子制度よりも法的効果の限定された新たな養子制度を創設すべきであるという御提案と理解いたしました。
 その上で申し上げますと、法務省では、令和元年十一月から、民事法学者や法律実務家を中心に立ち上げられた家族法研究会に担当者を参加させ、家族法制の在り方について検討を行ってまいりましたが、そこでは、未成年者を養子とする普通養子制度の在り方についても検討がされたところでございます。
 同研究会が本年二月に取りまとめた報告書では、委員御指摘のとおり、要保護児童の社会的養護の手段として普通養子縁組制度が利用しづらい理由といたしまして、縁組後の相続に関する問題があるとの指摘がされたことを踏まえまして、養子縁組の法的効果の見直しについても論点整理がされたものと承知しております。
 現在、法制審議会の家族法制部会において、離婚及びこれに関連する制度の見直しについて調査審議が行われており、本年三月三十日に第一回会議が開催されたところでございますが、同部会では、未成年者を養子とする普通養子制度の在り方についても検討がされるものと認識しております。
 具体的な検討は法制審議会の今後の議論の展開に委ねられるところでございますが、法務省としても、法制審議会において充実した調査審議が行われるよう、事務局を担う立場から必要な対応に努めてまいりたいと考えているところでございます。

#85
○吉田(統)委員 私の問題提起が本当にしっかりと議論されているということで、安心をいたしました。
 しっかりとこれは、真摯な議論の上で、国家として、本当に、社会的養護の重要性は、全ての政治家は認識をしているんだと思います。そういった中で、しっかりとした制度設計ができることを祈念をいたします。
 大隈政務官、ちょっとそこで、また加えて質問しますね。
 こういった制度を担う篤志家、また個人の篤志家に対して、また繰り返しになるんですけれども、税制優遇制度などをしてあげることによって、やはり進んでいく面が出てくると思います。
 そういった中で、家庭養護の観点から考えて、厚生労働省として、政務官として、この今の制度、私が言った提言に御賛同いただけるか、そしてまた、税制優遇など、そういったものをどうかということを御意見いただけますか。

#86
○大隈大臣政務官 御質問ありがとうございます。
 今、猶子制度の、随分懐かしい歴史の勉強をさせていただきましたけれども、秀吉の話が出てくるところがさすが名古屋の先生だなと思って、お聞きしておりました。
 相続が養子縁組の阻害要因になっているのではないかというような御指摘は、大変有益なお話だと思います。
 また、新しい税制についての御提案でございますが、先ほど申し上げましたように、家庭養育推進の立場から、厚生労働省は様々な取組を進めております。
 先生のお話も聞きましても、私、個人的には、先ほどの里親あるいはファミリーホームのような制度、それを進めるための一つの税制優遇という提案は、私も大変すばらしいものだなというふうに考えておりますが、いずれにしても、法務省、今お答えいただいたような、法制審議会におきまして調査審議がなされておると認識しております。
 私ども厚生労働省といたしましても、法制審議会の動向を注視しつつ、法務省と連携して、必要な対応についてしっかりと検討してまいりたいというふうに考えております。

#87
○吉田(統)委員 政務官、ありがとうございます。本当にしっかりと、話もうなずいてずっと聞いてくださって、政務官のような方が政府にいらっしゃるのは非常に安心です。
 もう終わりですか、委員長。ちょうど。分かりました。
 じゃ、本当はもう一問やりたいんですが、委員長がうなずいていらっしゃいますので終わらせていただきますが、是非、一言、ファミリーホーム、里親制度、特別養子縁組、そして私が今提案した猶子制度、こういったものを本当にフルに活用して、やはり、全ての子供が愛情と責任を持って養育される国をしっかりとつくっていただきたいと切にお願いをいたしまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#88
○木原委員長 次に、川内博史君。

#89
○川内委員 おはようございます。
 委員長、理事の先生方、本日も発言の機会をいただき、誠にありがとうございます。心から感謝を申し上げます。
 大臣以下役所の皆様、御指導をよろしくお願い申し上げます。
 今日は児童手当法ということで、緊急事態宣言とか蔓延防止等重点措置とか、今はもう新型コロナウイルス感染症のことが一番みんな心配をしているわけですが、そういう中でも、私が地元に帰りますと、これは政府とか与党の先生方は多分余り意識しないかもしれないですけれども、一般の国民の皆さんというのは、与野党関係ないんですよね。
 児童手当の特例給付が削られる、所得制限が設けられる、何でそんなことをするんだとめちゃめちゃ私に文句を言うわけですね、地元のお父さんやお母さんが。いや、私は反対しているんですけれども、坂本大臣がやるんですよ、こう説明するわけですよ。いや、何であんたたちはそんなことをするんだと。
 要するに、一般の国民の皆さんにとっては、政治とか行政というのを一つとして見ていらっしゃるわけで、私が、坂本大臣やあるいは与党の皆さんに成り代わって、済みません、済みませんと謝るということになるわけですけれども。
 実は私も、所得千二百万円というのはまあ結構な所得だし、もしかしたらそれはいいのかもしれないなと最初は思っていたんです。だけれども、よくよくそのお父さん、お母さんの話を聞くと、ある程度所得の高い人たちというのは、やはり子供が多いんですよ、所得が多くなると。所得が増えるごとに子供の人数が増えていく。
 だから、子供が二人います、三人いますという、複数の子供さんを産み育てている世帯というのは、所得が高くなるほどその割合が高くなっていくというのは、これはもう事実としてそうだということでよろしいですよね、役所の方。

#90
○嶋田政府参考人 世帯収入と子供の数の関係でございますけれども、世帯収入の上昇に伴いまして、子供数が二人、三人以上の割合が上昇するという傾向はございますけれども、千二百五十万以上に関してはちょっとそこら辺の相関が緩む、そういう結果を持っております。

#91
○川内委員 ある一定の所得になると頭打ちになるけれども、所得が多ければ多いほど、やはり子供を産み育てようというふうに思いやすい、実際にそうなっているということなんですけれども。
 だから、私は思うんですけれども、これからこども庁をつくろうと、これは大変すばらしい、私どももそれは応援しなきゃいかぬというふうに思っているんですけれども、こども庁をつくろうという政府・与党の皆さんが、千二百万で所得制限を設けて特例給付を削りますよというのは、ちょっとなかなか、特にこの新型コロナウイルス感染症の問題がある中では、なかなかうなずけないなと。
 というのは、さっきも言ったように、文句を言われながら、いや、でも、千二百万円より上の人が特例給付がなくなるんですよと。いや、うちは千二百万円以上あるんだ、だけれども、子供が三人いるから、むちゃくちゃお金がかかるんだ、こうおっしゃるわけですね。
 そこで、これも役所の方にちょっと教えていただきたいんですけれども、そういう役所の説明紙にも、特例給付は高所得者を対象外とするというふうに書かれているんですけれども、じゃ、いわゆる高所得者なる御家庭の、子供が三人いる場合、二人いる場合、四人いる場合、それぞれの家計支出の構造などを、この法改正に当たって実証的に分析されたのか、研究されたのか。子育てにどのぐらいお金がかかっているんだろうかということを研究されたのかということを教えていただきたいと思います。

#92
○嶋田政府参考人 お答えいたします。
 年収一千二百万円相当を基準としていることについては、先ほど御答弁させていただきましたように、他の制度を参照しながら総合的に検討した結果でございますけれども、済みません、子供の人数に応じたデータではないものの、世帯主が勤労者である世帯の家計支出を見ますと、税や社会保険料などを除いた世帯全体の消費支出を見てみますと、世帯主の年収相当が九百六十万円程度の世帯では一か月で約四十三万円、それから千二百八十万円程度の世帯では一か月で約五十一万円というふうになっております。
 この世帯全体の消費支出のうち、光熱・水道費、家具・家事用品は、この二つの収入階級でほぼ同程度でございますけれども、教育費や教養娯楽費、あるいは交際費を含むその他の消費支出は、これは増加傾向にあるものと承知しております。

#93
○川内委員 それは何の調査ですか、今おっしゃられたのは。

#94
○嶋田政府参考人 家計調査と承知しています。

#95
○川内委員 それは、三人子供がいる世帯、二人子供がいる世帯、サンプル数を言えますか、今。

#96
○嶋田政府参考人 恐れ入ります、子供数に応じてというデータはちょっと持ち合わせておりません。済みません。

#97
○川内委員 いや、サンプル数を言えますかということを聞いているんです。二人子供がいる世帯のサンプル数は幾つです、三人子供のいる世帯のサンプル数は幾つですということをここで言えますかということを聞いているんですよ。

#98
○嶋田政府参考人 済みません、今手元に持っておりませんので、後ほどお届けしたいと思います。

#99
○川内委員 家計調査は、それは総務省がおやりになられていらっしゃる調査として、ある一定の指標にはなるでしょう。
 ただ、私が聞いたのは、子ども・子育て本部として、この法律を、千二百万円を基準にして特例給付を廃止するよということを決定するに当たって、一部の人たちを除外していくわけですから、政府や行政として、やはり、悩みに悩んだ、苦しみに苦しんだ、そしてラインを設けたということを説明しないといけないと思うんですけれども、要するに、その一つの形になるものが、データをきちんと自分たちで調査しました、こういうデータになったんですというものがないと、私は説得力がないと思うんですよね。
 だから、御自分たちではやっていない。そういう、二人子供がいる世帯、三人子供がいる世帯、四人子供がいる世帯、いわゆる高所得の世帯でも家計の支出状況はこうなっているというようなことの調査を御自分たちでやられたのかということを聞いているんです。やっていませんというふうに御答弁いただくしかないと思います。

#100
○嶋田政府参考人 これは、先ほど御答弁させていただきました一千二百万という基準はほかの制度も参照しながら決めさせていただいたものでございますけれども、先ほど申しましたように、家計調査等のデータなどは参照させていただいているところでございます。

#101
○川内委員 だから、自分たちで独自に実証的な研究なり調査なりというものをされたかということを聞いているんです。

#102
○嶋田政府参考人 私ども自身での調査というのはございません。

#103
○川内委員 それで、大臣、今回、低所得の子育て世帯に対して子供一人当たり五万円の子育て世帯生活支援特別給付金というものがまた実現を、政府の御英断によって、与野党挙げてお願いをして実現をしたわけでありますけれども、内閣府の子ども・子育て本部として、この特別給付金、低所得の子育て世帯に対する特別給付金実現のために、何か調査なり、あるいは官邸に対する働きかけなり、何かされましたでしょうか。

#104
○坂本国務大臣 今回の給付金につきましては、与野党それぞれに様々なお訴えがあり実現したものというふうに思っております。
 私自身は、この大臣になりまして、子供の貧困を担当をいたしております。何度か子供の貧困をいろいろと、子供の貧困の現場で活動していらっしゃるNPOの方々を昨年来視察をさせていただきました。厳しい現実というものを目の当たりにいたしました。
 そういう中でいろいろと、これは孤独、孤立の問題もありましたので、孤独、孤立の問題を総理に御説明するときに、実際、子供の貧困が孤独、孤立からきていることもありますよ、子供の貧困というのはかなり深刻な状況ですよというようなことも直接お伝えをいたしたところでございます。
 そして、二月には、そういった子供の貧困も含めて、あるいは孤独、孤立対策を含めて、NPO活動されている方々にお集まりをいただいて緊急フォーラムというものをやらせていただきました。そこには総理も出席をされまして、一時間、しっかりとNPOの方々のお考え、そして現場の声、こういったものを聞いていただきました。
 その中では、フードパントリーの問題、あるいは子供食堂の問題、本当に様々な問題が出ました、そういうものをやはりやっていきながら、総理の耳に様々な問題が入りながら、最終的に今回の支援策というふうにつながっていったものであるというふうにも思っております。

#105
○川内委員 大臣のお働きがよく分かりました。
 日本の現在の菅内閣の閣僚の中で、坂本大臣が私は最も大切な大事なお仕事をされる大臣のお一人であるというふうに思っています。子供の貧困対策、それから孤独、孤立対策、そして障害者対策、障害者施策という意味においてですね。誰もが生きがいを感じられる社会、誰一人取り残されることのない社会をつくっていくためには、大臣のお働きというものが決定的に重要になるというふうに思っております。
 そこで、役所の方から聞かせていただきたいと思うんですけれども、直近の子供の相対的貧困率、政府の方で把握されていらっしゃる相対的貧困率について、数字を教えていただきたいと思います。

#106
○三上政府参考人 お答えいたします。
 令和二年七月に公表された、令和元年、二〇一九年の国民生活基礎調査によりますと、子供の貧困率、一三・五%ということでございます。

#107
○川内委員 大臣、一三・五%というのを単純に子供の人数に掛けると、大体二百五十万人から三百万人なんですよ、人数的には。要するに、相対的貧困の状態に置かれている子供がたくさんいるということですよね。
 この相対的貧困の水準と生活保護水準は、実は相対的貧困の水準の方が低いんですよ。すなわち、生活保護も受けられない状態で、貧困の中であえいでいる子供たちが我が国にはたくさんいるということなんです。
 大臣は、そういう人たちの声に耳を傾けるよ、話を聞くよというふうにおっしゃっていただいているわけですから、是非どんどん話を聞いていただいて、この相対的貧困水準より下で頑張っている子供たちに光を当てていただきたいというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

#108
○坂本国務大臣 生活保護基準額と、それから相対的貧困率を算出する上で、貧困線における可処分所得は性格が異なりますので、単純に比較することは適切ではないというふうに思っております。
 生活保護基準は、最低限度の生活を保障する観点から、一般低所得世帯の消費の実態との均衡を図り設定することとしております。保護の適用に当たりましては、就労等の収入に加えまして、預貯金等の資産や働く能力などを考慮することとしております。
 一方、相対的貧困率における貧困線は等価可処分所得の中央値の半分の額であり、国際的にこれは用いられている指標であります。
 なお、仮に、親が三十代の母子家庭で、子供一人の世帯から子供三人の世帯における生活保護基準額と、相対的貧困率を算出する上での貧困線における可処分所得額を単純に比較した場合、いずれも貧困線における可処分所得の方が低いという状況になっております。
 新型コロナの影響が長期にわたる中、依然として厳しい状況にある子供をしっかりと支援していくことが一番大切であるというふうに思います。
 子供の貧困問題に対しましては、昨年十一月に策定いたしました大綱に基づきまして、幼児教育、保育の無償化や、真に必要な子供たちの高等教育無償化や、経済的支援など、総合的な対策を進めてまいりました。
 さらに、新型コロナの広がりを受けて、低所得の子育て世帯への特別給付金の支給を決定したところでありますけれども、家計が急変した学生に対する授業料減免などの取組も実施してきたところでございます。
 子供の未来が閉ざされないように、引き続き、関係省庁ともしっかり連携を取りながら、子供の貧困対策の中では取り組んでまいりたいというふうに思っております。

#109
○川内委員 大臣、今、役所の作った答弁をずっとお読みになられていらっしゃったわけですけれども、私もその役所の御主張というのはずっと聞いているわけです、この問題をずっとやっていますからね。
 ただ、幼児教育の無償化をした、高等教育の無償化も進めている、しかし相対的貧困率はそれほど数字として変わっていないというのは、格差がどんどん拡大しているということも意味しているわけで、私ども政治の立場にある者は、役所の分析、本当にしなければならない分析は、さっき、この千二百万をつくるに当たって本当にしなければならない分析はしていません、だけれども、自分たちが今までやってきた施策に対する言い訳についてはよく作文しますと。我々政治家は、そういういろいろな状況の中で、どこに目配りをしていくかということが問われるんだというふうに思うんですけれども。
 特に、この新型コロナウイルス感染症の問題の中で、子供の貧困はますます深刻に私はなっているというふうに思います。だから、子育て世帯特別給付金も給付をしようということに与野党を挙げてなっていった。
 大臣が出されていらっしゃる子供・若者育成支援推進大綱という、この四月に決定された文書には、学校給食のことも非常にボリュームを割いて記述をしていらっしゃいます。学校給食は大事だというふうに書いていらっしゃるわけですけれども、給食費の無償化をするためには、大体五千億円あればできるというふうに言われておりますけれども、給食が大事だ、だけれども給食費を払えない子供たちがいっぱいいるという状況の中で、この給食費の無償化の問題というのを、大臣が率先して提言をして実現を目指していただきたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

#110
○坂本国務大臣 給食費の無償化につきましては、昨年三月十日の参議院の文教科学委員会の質疑におきまして、所管する文部科学省より、学校の設置者と保護者との協力により学校給食が円滑に実施されることが期待されるとの学校給食法の立法趣旨に基づいて、各自治体等において検討いただくことがふさわしいと考えている旨の答弁がされているものと承知をいたしております。
 なお、学校給食につきましては、給食費につきましては、低所得世帯への支援として、生活保護制度による教育扶助や就業支援制度による補助が行われており、子供の貧困対策に関する大綱におきましても、当該支援を引き続き実施をすることとされているところであります。

#111
○川内委員 大臣、答弁書を読む前に、やはり私にちょっと見せた方がいいですね。その答弁書は、学校給食法にはそんなことは書いてないんです。学校給食法ができた後の、事務次官が出している施行通知に書いてあるんですよ。要するに、それは役所の考え方なんですよ。学校給食法に書いてあるのは、給食は大事だよ、みんなが食べられるようにしていこうねということが書いてあるんです。だから、大臣、私を、その答弁書を読む前に、これでいいかと聞いた方がいいですよ。
 施行通知に書いてあることなんだから。だから、答弁書には、法の趣旨と言ったんですよ。法律に書いてあるとは言えないんですよ、だから。役所が勝手に解釈していますということなんです。
 だから、学校給食の無償化というのは、これはもう何が何でも進めていかなければならないことだ、私どもはそう思っているわけで、これも多分、与党の先生方も、そうだね、そうだねと言うと思うんですよね。是非、与野党でしっかりと協力してやっていきたいというふうに思います。
 そこで、今ちょっと話題に出しました、子供・若者育成支援推進大綱という、この大綱ですけれども、このタイトルは子供の「供」が漢字になっているんですね。大臣がいらっしゃる子ども・子育て本部、率いていらっしゃる本部は「ども」は平仮名なんですね。今回、政府・与党の方で御検討される予定になっているこども庁は、全部平仮名ですね、三文字。
 私は、さすがやはり自民党の先生方はすごいなと思ったのは、昨日、何で平仮名「こども」三文字にするんですかねと聞いたら、いや、与党の会合の中で、子供たちにも分かりやすい言葉を使うことが大事だ、そういう意見があって、こども庁というのは平仮名三文字というのが大体今大勢の意見になってきていると。おお、なるほどね、そうだなというふうに思いました。
 ところが、そうすると、「子供」、二文字の漢字、それから、「子」が漢字で「ども」が平仮名、三文字の「こども」、平仮名、この三つの表記が今後混在をするということになるわけですね。私は、担当大臣として、この表記を統一するということを大臣のお仕事としてされたらいかがかというふうに思いますけれども。
 まず、その前に、子供・若者育成支援推進大綱という、漢字を使っている政策統括官というのがいらっしゃるそうで、漢字二文字で表記するというふうにこの大綱をした理由は何なのかということを教えてください。

#112
○三上政府参考人 政府の公用文における漢字使用につきましては、平成二十二年十一月の内閣訓令第一号「公用文における漢字使用等について」におきまして、常用漢字表によるものとされているところでございます。
 この常用漢字表には、にんべんの子供の「供」という漢字が掲載されておりまして、そこに例として漢字二文字の子供の表記がございます。
 こうしたことを踏まえまして、先日策定した子供・若者育成支援推進大綱におきましても、法令上、子どもと交ぜ書きで表記されている固有名詞を除きまして、常用漢字二文字の子供を用いているところでございます。
 以上です。

#113
○川内委員 大臣、聞きましたか。常用漢字表に漢字があるからです、ただそれだけなんですよ。哲学も何にもないわけです。政策的な意図というものはないんです。
 じゃ、子ども・子育て本部が「ども」という平仮名で表記している理由は何ですか。

#114
○嶋田政府参考人 コドモの表記については、これまでも国会の場を含め様々な議論がなされているものと承知しておりますが、子ども・子育て本部あるいは子ども・子育て支援法という子どもの表記につきましては、平成二十四年度の子ども・子育て支援法の成立時にコドモの表記につきましてどこまでの議論がなされたか、ちょっと探したんです、定かではございませんでしたが。
 子どもの「子」を漢字、「ども」を平仮名といたしましたのは、発達心理学や児童心理学の専攻の分野では、漢字の「子」と平仮名の「ども」とを使う組合せが長年使われてきたこと、それから、平成二十四年時点で法律名にコドモを含む法律のほとんどで「子」を漢字、「ども」を平仮名としていたことなど、総合的に踏まえた結果であるものと考えております。

#115
○川内委員 「ども」を平仮名にするのは発達心理学の観点がそこにつけ加わったよ、漢字で表記するのは理由はありません、平仮名を使ったのは発達心理学の観点で学者の先生方がそういう使い方をしていたからですよということですね。
 私は、一歩更に進んで、言葉というのは進化するものでしょうから、自民党の先生方が、いや、子供にも分かりやすいように平仮名三文字でこども庁だと言うのは、むちゃくちゃ説得力のある理由だというふうに思うんですね。
 今後、政府としてコドモというものを表記するときに、平仮名三文字なのか、あるいは「ども」を平仮名にするのか、そこはちょっと議論をしていただくにしても、漢字二文字はちょっとやめようねと。
 これは、平仮名を使うのは、大臣、大臣の権限で自由にできますから。漢字を使う場合は常用漢字表じゃなきゃ駄目よというのが、先ほど政策統括官が説明した内閣訓令です、漢字を使う場合は。平仮名に開く場合は、これはもう大臣の権限で自由にできますから、表記を統一するということを大臣として積極的に御提案されたらいかがかと思いますが、いかがですか。

#116
○坂本国務大臣 コドモの表記につきましては、これまで国会でも様々な論議がされてまいりました。
 こども庁につきましては、今委員御指摘のように、自民党の皆さん方が、子供にも分かりやすいようにということでそういう、平仮名で三つ字というものをやられました。
 一方の方で、行政組織の在り方を論議するというような、いろいろな動きもありますし、当面は常用漢字表によりつつ、こうした各党の動きもございますので、各党の動き、あるいは世論の動向、こういったものを注視してまいりたいというふうに思っております。

#117
○川内委員 表記が混在するのは望ましいことではないですよね。表記は統一されている方が分かりやすいですよね。だから、表記の統一を検討されたらいかがかということを私は申し上げているわけで、その際、先ほど出た発達心理学の観点とか、子供たちにも分かりやすいとか、子供たちにちゃんと伝わるようにとか、そういう観点で検討していくよという趣旨の答弁であったというふうに理解していいですかね、大臣。

#118
○坂本国務大臣 なかなか難しい問題で、子供……(川内委員「難しくない」と呼ぶ)いやいや、難しいんです。
 ですから、いろいろな法令上の問題、そして制定時の議論や背景もあります。私、大臣の一存でどうこうというようなことは、なかなか難しい問題であるというふうに考えております。

#119
○川内委員 いやいや、大臣の一存で決めてくれなんて言っていないですよ。与党とも相談をし、我々野党の意見も聞いていただいて、言葉というものを進化させていく。それこそ菅総理大臣が、全ての子育て家庭が安心して子供を産み育てられる、そのような社会にしていくことを目指すんだよというふうに累次御発言されていらっしゃるわけで、そういう社会にしていくために、我々は言葉によって社会をイメージするわけで、表記がばらばらであるよりは統一されていた方が望ましいというふうに思いますので。
 どうも大臣の今の御答弁では、何もしないもんというふうに聞こえてしまうので、いや、その辺も含めてちゃんと考えるよ、俺は考えているよということでいいんですよね。

#120
○坂本国務大臣 様々な立場の方がいらっしゃいます。国語学者の方もいらっしゃいますし、時代的な背景もあります。ですから、そういう幅広い論議というものを注視していきたいというふうに思っております。

#121
○川内委員 ちょっとしつこくて申し訳ないです。注視するだけじゃ、俺は何もしないと言っているのと同じなんですよね。注視していただくのは大いに結構。注視していただいた上で、ちゃんと自分の中でも考えるからねと。そうやって世の中というのは進歩していくんだろうというふうに思うんですね。
 もう一つ論点として、先ほど申し上げた、大臣は障害者施策も担当していらっしゃって、障害者の、あるいは障害のガイの字の表記についても、ずっとこれは議論になっているわけですね。
 「害」の字は、害虫の害とか、害毒の害とか、いい意味が一つもないわけで、ところが、常用漢字表にはこの「害」が採用されているから、障害者、障害というときに「害」を使わざるを得ない。ところが、一部の方たちの間では、もう「害」は嫌だということで「がい」に変える例が増えている。
 大臣、御存じですか。四十七都道府県の中で、今もう既に十六の道県で「害」は使われていないんです、自治体として。平仮名に変えています。全国四十七の県庁所在地の中で、二十五の県庁所在地が「害」を使わず「がい」を使っている。そういうふうに、言葉というのは進化していくものだというふうに思うんですね。
 今日は、内閣府の方の障害者施策を担当していらっしゃるところにも来ていただいているので、ちょっと大臣にお聞きいただきたい。
 一点だけ確認しますけれども、内閣府が現在でも障害あるいは障害者の表記に「害」を使っていらっしゃる理由というのは、常用漢字表に「害」があるからです、それを使えということになっているからですという理由だけですよね。いいですか。

#122
○三上政府参考人 ただいま委員の方から御指摘がありましたとおり、常用漢字表によるということを漢字使用における表記の原則としておりまして、法令始め公文書の中で、障害、「害」という字を使っているところでございます。

#123
○川内委員 文化庁が、かつて一九五六年に「害」を使えと指導したから。それ以外の理由はないんですよ。
 つい先日、三月二十二日、大臣の御担当である内閣府の障害者政策委員会で、四人の当事者団体関係の委員の方々が御発言をされていらっしゃいます、この「害」のことについて。
 当日参加した委員の中で、「害」でいいよ、「害」がいいよということを発言された委員がいらっしゃったかということについて教えてください。

#124
○三上政府参考人 本年三月二十二日に開催されました障害者政策委員会におきまして、この問題、御報告をして、委員から意見をいただいたところでございますが、委員会の席上におきましては、それぞれが持つ背景によって感じ方が違うですとか、障害者の当事者の方々の意見を十分に吸い上げて協議していただきたいといった旨の意見を表明した委員はおりましたけれども、「害」の字がよいと積極的に表明した委員はおりませんでした。

#125
○川内委員 大臣、聞いていただきたいんですけれども、「害」がいいと言った人は一人もいないわけですよね。
 他方で、発言された四人の委員の中で、岡田久実子さんという全国精神保健福祉会連合会理事長は、このようにおっしゃっていらっしゃいます。
 様々な意見があるという意見をいただきました。この問題について、公の場で検討に参加するのは初めてです。少し発言をさせていただきます。
 私どもの会でも様々な考え方や意見があり、身近な精神障害者家族の会でも意見があります。多くの方は、「害」に対し抵抗感がある方が多くいます。その一方で、そこにこだわらない障害当事者などの意見もあります。
 個人の経験から考えると、ガイの文字にこだわらなくなるまで、いろいろな体験や学びで困難を受け止め、獲得していく力、エンパワーメント、その先にある考え方だと思います。ここに御出席の障害当事者やその家族も、私も含めて、そのような境地にたどり着いた方ではないか。まだ障害を負ったばかりの方などは、障害者として生きる不安や、挫折、絶望を抱えた方もいるでしょう。そのような声にならない声に耳を傾けたとき、「害」は社会的障壁となるのではないか、そのような視点も持つ必要があるのではないか。
 私自身は、命ある、尊厳ある人を表す言葉として「害」は不快を覚えるのも、当事者や家族にいるのも事実。人を指し示す言葉である「害」は使わない方がいい。そのためには、法律用語の見直しが必要ではないかというのが私の考えです。
 というふうに、この岡田委員は、「害」はもう嫌だとはっきりおっしゃっていらっしゃる。
 全国で一番大きな障害者当事者団体です。四百万人ぐらい会員がいらっしゃるというふうにお聞きしております。
 したがって、大臣は障害者施策の担当でもいらっしゃるわけで、もちろん、法令に使われている「害」を変えようとすると、これは全部法律改正をする必要がありますよね。しかし、終戦直後、もうここで言うのもはばかられるような、おしとか、つんぼとか、白痴とか、めくらとか、奇形の児童とか、言うのもはばかられるような言葉が法律の中にいっぱい使われていて、それが昭和五十六年、五十七年、五十八年に改正をされて、障害、障害者ということに統一されてきた。しかし、そのときに「害」をそこに使ったのは、常用漢字表に「害」があって、文化庁がそれを使え、内閣法制局もそれを使えと言われただけだと。その理由だけなんです。
 今、先ほどの子供の問題もそうですけれども、障害者のことについても「害」は嫌だという当事者たちがある一定数いらっしゃる。そういう方たちの思いを心安らかなものに変えていくためにも、大臣が、例えば大臣の名刺に、障害者施策担当と書くときに「害」の字を平仮名にするというのは、大臣お一人の、それこそ一存でできることじゃないですか。「害」を平仮名に開く、そういうことを、大臣、率先しておやりになろうというふうにはお思いにはならないでしょうか。

#126
○坂本国務大臣 この問題は、私が文部科学委員会にいたときに、馳先生から提言をされました。委員長が田中真紀子委員長でしたので、民主党政権のときだったと思います。そのとき、馳先生は、障害の「害」を「碍」、これで提案をされました。そのときは、私自身も、やはり「害」についての抵抗感というのは、それも確かにありました。
 しかし、それ以降、もう十年経過しますけれども、まだしっかりとした結論が出ていないということは、それぞれのやはり理由があるんだろう、それぞれの立場の方がいろいろな御意見を言われるんだろうというふうに思います。
 そういうことで、この言葉を使うとまた川内委員から怒られると思いますけれども、障害の当事者の意向や世論の動向などを注視しながら、今後も様々な検討もしてまいりたいと思っております。
 これまでも、障害の表記に関する質問を含めた世論調査を五年に一回程度の頻度で実施しておりますけれども、今後の実施につきましても、これは検討してまいりたいというふうに思っております。

#127
○川内委員 大臣、その世論調査ですね、予定どおりだと来年になっちゃうんですよ。
 私も実は、馳先生の影響でこの問題を始めたんです。国語の先生ですから、馳先生は。それはそうだな、「碍」の字は、旅人の行く手を阻む石という意味で、まさしく障害者の社会モデルに合致する漢字だと。それを文化庁は使わせなくしたわけですね、過去。
 ちょっと、時間が来ちゃいましたけれども、ちょびっとしゃべらせてください。
 ただ、使わせなくしたから今余り使う人もいないし、知っている人もいません。だから、それをいきなり使うのは難しいでしょう。しかし、「害」は嫌だという人たちが、先ほども聞いていただいたように、「害」でいいという人はもうほとんどいないんですよ。「害」がいいんだという人はほとんどいないんです。そういう中で、平仮名に開くのは大方のコンセンサスを得られるのではないか。だから、障害者施策担当として、「がい」をまず率先してお使いになられたらいかがかということを御提言を申し上げさせていただいたわけでございますけれども、私の訴えをしっかり受け止めていただいて、この場ではそうだねとはおっしゃっていただけなかったですけれども、あした……

#128
○木原委員長 川内先生、そろそろよろしいでしょうか。

#129
○川内委員 はい。
 大臣の名刺には「がい」が使われているということを信じて、終わりたいというふうに思います。

#130
○木原委員長 次に、山川百合子さん。

#131
○山川委員 立憲民主党・無所属の山川百合子でございます。
 今日は、法案審査の際に質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 早速なんですが、私、子ども・子育て支援法の一部改正のうち、子育て支援に積極的に取り組む事業主に対する助成制度の創設について伺いたいというふうに思います。
 この助成制度の創設は、雇用する労働者の子育て支援に積極的に取り組む企業に対して助成金を支給し、その取組を支援していこうというものと理解をしています。企業側からの申請により五十万円を支給、対象企業としては、雇用する労働者の子育ての支援に積極的に取り組む企業とされています。
 この支援制度の創設については、もちろん大いに歓迎しておりますし、時限的なものとされているようですが、その成果を見ながら、効果を見ながら是非拡大していっていただきたいなというふうには思っています。
 ただ、ここで今日お伺いしたいのですが、この助成制度の目的についてです。目的では、子育て支援に積極的に取り組む企業とありますけれども、この子育て支援には、子供を持つための支援、すなわち不妊治療とかあるいは妊活とか、そういったことも含まれているのかということ、含んでいただきたいということなんですが、その点について伺っていきたいと思います。
 そして、通告では、まず大臣に、そしてその後政府参考人、内閣府と厚労省とお願いしているんですが、ちょっと先に制度のことを、この提案されている中身について伺っておきたいので、まず参考人の方に伺っておきたいんです。
 まずは内閣府の方なんですが、そもそも、この目的、対象に子育て支援をする企業とありますけれども、その中に不妊治療なり妊活などが含まれているかということは内閣府、そして、ちょっと時間も限られているので併せて伺っておきたいんですが、そもそもその対象企業となるのは、くるみん認定制度、これは厚労省のものですが、そのくるみん認定を受けた企業、あるいはプラチナくるみんを対象としているわけでありますけれども、であるならば、そのくるみん認定制度、プラチナくるみん、ここには、不妊治療とか妊活とか、そういった、子供を持つ前の、子供が生まれる前の、子供を持ちたいというカップルを、あるいは労働者を支援することも含まれているのか、このことについて参考人から伺いたいと思います。

#132
○嶋田政府参考人 お答えいたします。
 まず、助成金の制度の方でございますけれども、この助成金の使途につきましては、今後の、詳細は検討事項でございますけれども、労働者の職業生活と家庭生活の両立が図られるようにするための整備に幅広く活用いただきたいというふうに考えておるところでございます。
 制度の詳細は、先ほど言いましたように、今後検討ではございますが、例えば、育児休業等を取得する職員の代替となる職員を確保するための費用でありますとか、所定外労働の制限、短時間勤務やフレックス制度の導入、周知のための費用等に充てていただくことを想定はしておりますけれども、その中で、妊活を支援することも含めた休暇制度の導入等に充てることも可能ではないかというふうに考えております。
 いずれにしましても、制度の詳細については、今後、経済界の意見も踏まえながら、厚生労働省とも連携しつつ、更に検討を深めてまいりたいと考えております。

#133
○岸本政府参考人 お答えいたします。
 くるみん制度についてでございますが、まず、現在の認定基準でございますけれども、これは、認定の計画の期間の要件ですとか行動計画の目標を達成したといった要件のほかに、一つは、男性の育児休業等取得について一定の基準を満たしていること、それから、女性の育児休業取得についても七五%以上という水準を満たしていること、それから、三歳から小学校就学前の子を育てる労働者について、育児休業に関する制度や所定外労働の制限に関する制度、所定労働時間の短縮措置又は始業時刻変更等の措置に準ずる制度を講じていること、それから労働時間に関する基準などを定めております。
 それから、不妊治療との関係でございますが、これにつきましては、今申し上げたとおり、現在の認定基準には不妊治療に関することは入ってございません。
 これに対しまして、不妊治療と仕事の両立支援を一層図っていく観点から、くるみん認定の仕組みを活用いたしまして、仕事と子育てとの両立に加えまして、不妊治療との両立にも積極的に取り組む企業を認定することにつきまして、労働政策審議会の関係分科会におきまして、昨年の十二月に事務局、厚労省から提案を申し上げたところでございます。現在、そこの場での議論を受けまして、更にどんな具体化ができるかについて検討を進めているところでございます。
 また、妊活に関しましては、不妊治療に至らない妊活、様々な取組の態様がございますけれども、総じて申しますと、長時間労働ですとか休暇取得ですとか、労働時間に関する融通なり柔軟性、こういったことが重要なのではないかというふうに考えておりますが、この点に関しては、既に今のくるみん認定の中で、労働時間に関すること、休暇に関することが入っておりますので、そこで、併せて、妊活される方の環境整備につきましても見ることができているのではないかというふうに考えているところでございます。

#134
○山川委員 ありがとうございます。
 それぞれ、内閣府も、当然入るものとして考えていくという方向ですし、厚労省の方も、認定制度の中に事項として入れていくことになるんじゃないかとおっしゃいましたが、この間の労政審で、一応、それが改正の内容になっていると思います。四月から不妊治療もその事項の中に入ってくるというふうに私は理解しておりますし、その説明を受けたものと思っています。
 その上でなんですけれども、ただ、いろいろと労政審でも、私、立憲民主党の不妊治療ワーキングチームの事務局長もさせていただいていて、私も当事者であるので、この問題にすごく熱心に取り組ませていただいているんですが、いかに不妊治療が大変かということと、このことに対する社会のニーズが物すごい高いかということは、菅総理が保険適用を決めていただいたことでどれほど希望が湧いてきているかということを見ていただければ分かると思うんです。
 ただ、ここで私が申し上げたいのは、子育て支援というふうに大きくくくったときに、そこまでちゃんと入っているのか、子供を持ちたい人が持てるような社会環境を整備していくということまで入っているという認識が社会全体にまだまだ浸透がされていないんじゃないかというふうに思います。
 それで、私、大臣に伺いたいんですが、昨年五月に発表された少子化社会対策大綱、これは新しい令和の時代にふさわしい少子化対策ですが、その中に、「結婚、妊娠・出産、子供・子育てに温かい社会をつくる」というふうに述べられているんですね。ですから、これまでは子育てということが中心だったと思うんですが、子供を持ちたい人が持てる社会にするというメッセージを、もっといろいろな機会を捉えて発信していくべきだというふうに思っております。
 ですので、いろいろな、くるみん制度にしても、やはり子育て支援というふうになっていますので、それがもっと幅が広いんだということをいろいろな機会に伝えていくために、例えば、大臣にお聞きしたいんですが、この制度を企業に紹介するときに、これは不妊治療なども含みますよということを一言加えるとか、あるいはもう少し積極的に、子育て支援をする企業の手前にもう少し言葉を加えて、子供を持ちたい人を支援及び子育て支援とか、そういった形で機会を捉えてこのことをメッセージとして発信していただきたいんですが、いかがでしょうか。

#135
○坂本国務大臣 今事務方からも御説明しましたように、幅広く休暇を取れる、そういう制度を取っていただければそれは妊活もその中に含まれるわけでして、そしてそれが、プラチナくるみん、あるいはくるみん認定にもつながるということであります。
 ですから、大きな意味でくるみん認定の中に、あるいはプラチナくるみんの中に妊活も含まれるというような解釈でございますけれども、今後の実施に当たっては、経済界の方としっかりそこは連携を取りながら、意見交換をしながらやってまいりたいというふうに思っております。

#136
○山川委員 ありがとうございます。
 そして、もう一つなんですけれども、不妊治療という言葉は確かにくるみんの認定の事項の中にも入れていただくことになるんだと思うんですが、そのときに、不妊治療という言葉を使うときに、必ずその手前に男女共にという言葉を加えていただきたいなと思っているんです。
 というのは、不妊の原因の半分は男性にあると言われて久しいわけなんですが、そのことが日本の社会ではまだまだ浸透していない。そうすると、どうしても妊活とかあるいは妊娠とかいったときに女性のこととして捉えられがちですが、いやいや、不妊治療は、あるいは妊活は男女共の、両方に関わることなんだということを伝えるために、男女共にという言葉を加えていただきたいんですが、そのことについての大臣の御見解をお願いします。

#137
○坂本国務大臣 私も男性の方から、いわゆる不妊治療、自分も受けて結局三百万ぐらい使った、しかし、最終的にはなかなか難しかったけれどもというようなこともお伺いをしております。
 委員の御意見、しっかり受け止めたいというふうに思っております。

#138
○山川委員 ありがとうございます。
 本当に、社会が動き出していますし、その背景には当事者の、そして当事者に共感するたくさんの国民がいるということを受け止めていただいていると思うんですが、是非メッセージをより積極的に発信していただければと思います。
 それで、もう一つなんですが、今日はせっかく少子化担当の大臣に質問する機会をいただけたので、少子化社会対策大綱について伺いたいというふうに思います。
 この大綱、私も読ませていただきました。私も県議時代から少子高齢化問題にも取り組んでまいりましたし、私は不妊の当事者ということで、その問題、あるいは待機児童とか、あるいは子育て支援に取り組んでまいりました。
 この大綱は、先ほども言いましたが、新しい令和の時代にふさわしい少子化対策として、こういうことが書かれています。「多様化する子育て家庭の様々なニーズに応える」という項目の中で、「かつて家庭や地域が担っていた子育てを支える機能を、時代にふさわしい形で再構築していく」というふうにあります。これには私も大いに共感をしています。そして、大綱全体を見ると、大変多岐にわたる課題が国際比較の中で幅広く網羅されているというふうに思います。
 ただ、ちょっと気になるのは、その文脈のほとんどが子育てについての第一義的責任を有する父母などの保護者とそれを支える社会全体が主体でまとめられていて、子供目線というよりは親若しくは保護者目線という印象が強い、これが私が気になった点であります。
 確かに、少子化の背景は、大綱で指摘するように、未婚や晩婚化といった若者のライフスタイルの変化や非正規雇用で経済的自立や安定が確保されていないなどの社会的な傾向があることは事実です。また、いろいろな施策を打って出生率の回復を実現したヨーロッパ諸国の諸制度に学ぶことも有益であるというふうに私も思います。
 ただ、そこで忘れてはならないと私が思うのは、欧米の先進の事例に学ぶときに、彼らの目線というのが常に親目線ではなくて子供目線にあるということ、諸制度の根幹にある諸法規、すなわち法制度が子供の権利や人権に視座を置いて設計されていることだと、私は常日頃、日常的に思っているんですね。
 この点については、後ほど共同親権についての質問項目で議論もちょっとさせていただきたいと思うんですが、まずは大臣に、今の時代の子育て、少子化対策について、どのような課題があり、そしてどこから解決していこうと考えておられるのかの御所見をお伺いしたいと思います。

#139
○坂本国務大臣 少子化に対しては様々な、希望を阻むいろいろな隘路がございます。この隘路をいかにしてやはり一つ一つ打破していくか、このことに努めながら、少子化対策をしっかり進めてまいりたいというふうに思っております。

#140
○山川委員 ありがとうございます。
 後ほど大臣にはもう一度伺いたいと思うんですけれども、少し共同親権の問題にも入っていきたいというふうに思います。
 大臣に最後に伺いたいと思っているのは、少子化対策を議論するときに、阻むことがあるからそれを解決していくというふうにおっしゃられたんですが、必ず子供目線で少子化対策ということを再検証していただくことを私はお願いしたいというふうに思っているんですね。
 これは少し述べさせていただきますが、我が国の法制度は、長年、伝統的な家父長制を暗黙の前提として議論されてきたとは言えないでしょうか。だからこそ、ジェンダーの問題が常に立ちはだかったり、また、今回も厚労の方で議論することになりますが、育児休業期間中の就労の制度、これは男性に、特例というか、育休の取得率を上げるための特例の措置ですが、このことを提起することで、そうしたら、これは女性には認められないわけで、ここがまた男女差別なんじゃないかという指摘が起きたり。
 雇用機会均等法や選択的夫婦別姓法案などが議論される背景には、日本の家族法が定める法の精神や価値観が強い影響を与えているのではないかと私は思っております。特に、夫婦関係が破綻したときに、日本では当然のように単独親権が認められていますが、これを親ではなくて子供の目線から見たときには子供から片親を引き離す行為だということなのに、そのことが日本の法制度には読み込まれていないというふうに言えるんだというふうに私は思います。
 世界では共同親権がもう主流というか、ほぼと言っていいほど、ほとんどの国が共同親権です。これはどうしてかというと、先ほどお話しした子供目線で法整備を進めれば、子供にとっては父親も母親も同じ親であるということ、これが単独親権だと親の親権争いに子供を巻き込む、そういう考え方がしっかりとその根底に、欧米を中心に、世界の共同親権を認めている国にはあるんだというふうに思います。
 時間がないんですけれども、今日は小野田法務大臣政務官にわざわざお越しいただいて、本当にありがとうございます。無理を言いました。
 どうしても小野田政務官に伺いたいなと思ったのは、政務官はアメリカ生まれでいらっしゃいます。それで、この共同親権、今、世界の主流でありますが、法制審議会の方で共同親権を含む議論が今始まったというふうに理解をしておりますが、小野田政務官はこの件について、子供の目線から、子供の権利、子供の利益、そして子供の最善の利益から見たときに、どのような御所見をお持ちか、お伺いをいたしたいと思います。

#141
○小野田大臣政務官 子の利益の確保の観点から見たときに、現行民法が採用している離婚後の単独親権制度の見直しの是非は、離婚に伴う子の養育の在り方に関わる課題の一つと考えております。
 もっとも、この問題については、離婚後も父母の双方が子供の養育の責任を負うべきであるとして、いわゆる共同親権制度等を導入すべきであるという意見がある一方で、これを導入すれば、離婚後に子供の養育に関する事項について適時に必要な判断が難しくなるといった慎重な意見もございます。
 離婚及びこれに関連する制度の見直しについては、御指摘の離婚後の親権に係る制度の在り方を含めて、現在、法制審議会家族法制部会において調査審議が行われておりまして、本年三月三十日に第一回の会議も開催されております。
 具体的な検討は法制審議会の今後の議論の展開に委ねられますけれども、法務省としても、法制審議会において充実した調査審議が行われるように、必要な対応に努めてまいりたいと思っております。

#142
○山川委員 慎重な御答弁だと思います。政務官のお考えというか、なかなか難しいのかもしれませんが、是非思いをお伺いしたいなと思って、今日はちょっと無理を言ってお呼びをいたしました。
 世界的にもやはり共同親権が、本当にほとんどそうですし、このことが、日本が単独親権であることで、ハーグ条約違反だとかといって、国際問題にも発展していることでもありますから、是非、子供の最善の利益、子供を最優先、子供目線で審議も進めていただければと思っています。
 そして、坂本大臣、済みません、最後になるんですけれども、是非、この少子化大綱をいろいろ検証していくに当たって、子供の目線というものをしっかりとやはり踏まえていただきたい、このことを是非、坂本大臣にはお願いしたいんですが、いかがでしょうか。是非、御所見をお願いいたします。

#143
○坂本国務大臣 少子化社会対策大綱におきましては、様々な家庭、子供への支援の一つとして、父母の離婚時における養育費の確保への支援及び面会交流の取決め促進について盛り込んでいます。
 引き続き、私たちの立場といたしまして、少子化社会対策大綱に基づきまして、関係省庁と連携しながら、安心して子供を育てられる環境整備、これに取り組んでまいりたいというふうに思っております。

#144
○山川委員 ありがとうございます。
 再度、子供の目線というものを非常に大事にしていただきたいということを申し上げまして、質問の機会に感謝して、終えさせていただきます。
 ありがとうございました。

#145
○木原委員長 次に、後藤祐一君。

#146
○後藤(祐)委員 立憲民主党の後藤祐一でございます。
 まず、今回、児童手当法も改正されるわけでございますが、坂本大臣、少子化対策の担当大臣でもございますけれども、児童手当というのは少子化対策なんですか。

#147
○坂本国務大臣 経済的な支援であるというふうに思っております。もちろん、少子化対策にも含まれる経済的支援であるというふうに思っております。

#148
○後藤(祐)委員 これは実はどこにもはっきり書いていなくて、今の答弁は非常に重いと思うんです。
 そう考えますと、先ほど今井筆頭理事がしていた質疑の中で、今回、年収千二百万以上の方、主たる生計維持者の場合ですけれども、二人子供がいる場合で配偶者が働いていない場合ですけれども、年収一千二百万以上の方が特例給付がなくなっちゃうわけですが、特例給付がなくなると新しく子供を産みにくくなるという効果があるのではないかというやり取りに対して、限定的だというふうにおっしゃっていましたが、この児童手当に少子化対策としての側面があるというのは、やはりちょっと先ほどの議論とはかみ合わないと思うんですよね。
 少子化対策でないというんだったら、もう既に現に生まれている子供に対する支援なんですというのであれば、まだ百歩譲って分からなくはないんですけれども、やはり児童手当ってそうじゃないと思うんですよね。児童手当がこれだけ払われる見込みがあるから、将来の見通し、十年スパンの見通しが、家計が見通せるから、じゃ、産んでも大丈夫だという面がやはりあると思うんですよね。
 そういう意味で、こういう特例給付がぽつっと切られてしまうと、十年、二十年スパンで考えてこられている方もいらっしゃるわけですよ、やはりそういう面で問題があるということは改めて申し上げておきたいと思います。
 一つ確認しておきたいと思います。この主たる生計維持者の場合で年収千二百万といった数字は、これは政令で決めるということになっているんですが、今後これを下げるということはないということでよろしいですね。

#149
○坂本国務大臣 今般、児童手当の給付の在り方を検討した結果として、年収一千二百万円相当以上の方の月五千円の特例給付の見直しをやることといたしました。
 今後、特例給付のみについて見直しを行うということは、現時点では考えておりません。

#150
○後藤(祐)委員 そこで現時点ではと言ってしまうと、それは当たり前であって、そもそも、九百六十万から千二百万という非常に狭いレンジだけに特例給付を払うことにこれからなるわけですよ。これは、更に千二百万から下げるって、一体どれだけ狭いレンジになるんですか。
 そもそも、児童手当の全体の構成が変わって、児童手当法を改正するというようなときは、また法律の議論があるわけだから、それはそれでいろいろな考えがあっていいと思うんですけれども、今回、政令委任しちゃうわけですから、この法律で。だから、児童手当法改正が今後あったときは別として、それまでの間、法律で議論できない状況においては、我々、政令に委任するわけですから、その間は千二百万を下げないということを、現時点ではなく、お約束ください。

#151
○坂本国務大臣 今般の見直しの基準は、本改正法案におきましては、今おっしゃいましたけれども、政令で定める額とされております。現在の児童手当法の本則給付と特例給付とを分けている所得制限基準額と同様に規定するものであります。
 そういうことで、繰り返しになりますけれども、今後、特例給付のみについての見直しを行うことは、現時点では考えておりませんということであります。

#152
○後藤(祐)委員 法案審議している現時点ではと言われても、その先は知らないもんねと、何にも答弁していることにならないんですよ。
 これは大臣、まずいと思いますよ。九百六十万から千二百万だけなんですよ、特例給付が残るのは。どこに下げるんですか、物すごい狭いレンジにするんですか。その場合は、もう特例給付をやめるみたいな話になっていっちゃうじゃないですか。今の答弁は非常に残念な答弁ですよね。事務方から聞いたときも、それは考えていないと言っていましたよ、私に対する説明では。やめてくださいね。改めて申し上げておきたいと思います。
 それと、特例給付は児童手当法の附則第二条で置かれているわけですけれども、その中に、当分の間、この特例給付を行うというふうに条文上なっているんですが、当分の間っていつまでですか。突然切れるということはないでしょうね。少なくとも、この一、二年とかということではなくて、五年、十年というスパンではこの特例給付が維持されるということでよろしいですか。

#153
○坂本国務大臣 平成二十四年の改正時の民主党、自民党、公明党の三党合意に基づきまして、当分の間の措置として創設をされたものでありまして、法律に期間は定められておりません。

#154
○後藤(祐)委員 それは条文を言っているだけで、その解釈を聞いているわけです。
 少なくとも、来年、再来年にやめるということはなくて、五年、十年とか長いスパンで特例給付を維持されるということでよろしいですか。

#155
○坂本国務大臣 当分の間は当分の間ということでありまして、これをやめるためには何かまた法律改正というのが必要になってまいります。

#156
○後藤(祐)委員 最初の質問で、やはり少子化対策としての意味合いもあるとおっしゃいました。ですから、これから例えば三人目のお子さんをもうけようかどうかと悩んでいらっしゃる方に、こういったところをいいかげんに答えられると、せっかくの少子化対策としての効果が薄くなってしまうわけですよ。だから、やはり将来、予測可能性をきちっと高めるような形でやるのが少子化担当大臣としての役目じゃないですか、大臣。先ほどの千二百万の話といい、今の、当分のカンとアイダ、両方おっしゃいましたけれども、どっちなんですか。その当分の間の解釈といい、非常に少子化担当大臣としては残念な答弁だと思います。
 よほど児童手当の全体の構えが変わるようなことがない限りは続くものだというふうに、世の中の子供をもうけようと思っている世帯は考えているということを、国民を代表して申し上げておきたいと思います。
 続きまして、新子育て安心プランについては、令和七年度までに必要となる追加所要額というのが約千四百四十億円あるということだそうですが、これが、事業主拠出金の一千億円で充当して、あと四百四十億円足りないという状況になっているという御説明がなされています。今回の特例給付の見直しで、財政効果額は三百七十億円ということでよろしいんですよね。そうしますと、あと七十億足りないわけですよ。この七十億はどうするんでしょうか。
 昨日役所から聞いたところでは、この四百四十億というのは国と地方の折半になっていて、国はあと二百二十億調達しなきゃいけないんですが、この三百七十億という、これは民間ですけれども、お金が調達できたので、国が調達しなきゃいけない二百二十億を補って余りあるだけ調達したので、残り七十億は地方が工面しなきゃいけない額だというような説明を受けましたが、これで間違いないですか。

#157
○坂本国務大臣 おっしゃるとおり、十四万人の保育の受皿確保のために一千四百四十億、そして、そのうち企業から一千億、公費として四百四十億と、併せて所要額を確保しているところでございます。
 そういう中で、これも今おっしゃいましたように、公費ベースで三百七十億の財政効果が生じることとなりまして、国費分につきましては安定財源を確保することとなります。
 不足が生じる地方負担分につきましては、利用者支援事業の国負担割合の引上げによりまして適切に確保してまいります。

#158
○後藤(祐)委員 今のは明確な答弁だったと思いますが、地方分とはいえ国が裏側で負担するということだと理解しました。確実にやっていただきたいと思います。
 ただ、本来は、ここの審議で多くの方が言っていますけれども、子育て以外の歳出を見直すことで財源を生み出すというところにやはり挑戦しなきゃいけないと思うんですね。今回の特例給付の所得制限というのは、言ってみれば保育の現金給付のカットです。事業主の拠出金を増やすのは一種の増税です。こういったサービスカットや増税で財源を生み出すんじゃなくて、本来は、保育以外の歳出をどこかから、これはなかなか難しいことなんですが、カットして、その分を保育の財源に充てるということを目指さなきゃいけないと思うんです。
 これは是非、少子化担当大臣としても、この保育の財源というのはこれから増やしていかないといけない、でも増税はなかなか難しい、保育のサービスカットをして新しい保育の財源をつくるのではなくて、ほかの歳出をカットして持ってくるというのが大臣の仕事だと思いますけれども、いかがですか。

#159
○坂本国務大臣 様々な形で財源確保に努力をしてまいりたいというふうに思っております。

#160
○後藤(祐)委員 是非、本当にやってください、よろしくお願いいたします。
 続きまして、これは現場の市町村で幾つか困っている事例を確認したいと思います。
 配付資料一枚目ですが、これは、これに類する資料が国の役所にはないので、地元の厚木市の作った資料なんですけれども、認定こども園、〇―二歳児までは三号認定で利用者負担があります。この値段は厚木市の場合の値段なので市町村ごとに違うんですが、一番下の、横に並んでいる「三歳到達後の最初の四月一日~」というところは、これは一号認定も二号認定も無償化されているんですね。預かり保育のところはちょっと別です。ところが、満三歳に到達してから最初の三月三十一日までの間は、二号認定、すなわち保育の部分ですけれども、ここはお金がかかっちゃうんですよ。一方で、一号認定については無償なんですね。
 何が起きているかというと、誕生日を迎えるごとに一号認定を取りに行くんです、幼稚園的なサービスの方に移るんですよ。厚木市では二歳児のみを預かるようなこども園もあって、誕生日を迎えるごとにその子たちが別のところに移っていって、年度末にはいなくなっちゃうということが現に起きています。これは非常によろしくないと思うんですよね。
 是非、満三歳到達日以降そこから後の三月三十一日までの間というのは、ここはちゃんと二号認定も無償化すべきじゃないですか。実際、四月生まれの子と三月生まれの子で物すごく不公平という意味もあるんです。
 そこも含めて、ここは是非御検討いただきたいと思いますけれども、いかがですか。

#161
○坂本国務大臣 幼児教育、保育の無償化では、小学校入学前の三年間分の利用料を無償化することを基本的な考え方というふうにしております。
 保育所につきましては、満三歳になった後の最初の四月から小学校入学までを対象にしております。これは、年度を単位としてクラス編制がなされ、それに応じて職員配置基準や公定価格が定められているためであります。
 一方、幼稚園につきましては、四月に入園する子供が多いというふうに承知をしております。学校教育法上、満三歳から入園をできること、それから、満三歳児は翌年度の四月を待たず年少クラスに所属する場合も多いこと、そして、これまでの段階的無償化におきましても満三歳以上の子供を対象として進めてきたことといった事情を踏まえまして、満三歳から対象としております。
 お尋ねの認定こども園につきましては、一号認定子供は、幼稚園に通う子供と同様に、満三歳から対象となります。二号認定子供は、保育所に通う子供と同様、満三歳になった最初の四月から対象となります。このため、御指摘のとおり、生まれた月によって数か月の差が生じることはあります。
 これまでの経緯を踏まえ、小学校入学前の三年間分の利用料を無償化する制度となっておりまして、ここは御理解をいただきたいというふうに思っています。

#162
○後藤(祐)委員 現行の制度の説明は、私は知っているんですけれども、委員の皆さん、これは御存じでしたか。是非ここは改善していただきたいんですよ。不公平ですよ。それに、現実にそういう園の運営に支障を来しているので、是非改善をいただきたいと思います。
 それと、二つ目は、配付資料二枚目でございますけれども、これは幼稚園の例と、三枚目は認定こども園の保育認定の例なんですが、こども園の場合もいろいろな場合も大体同じなんですが、人数が多くなると基本分単価という単価がどんどんどんどん下がっていって、非常に規模の大きい幼稚園なんかが、いただける施設型給付費が物すごく少なくなるという問題です。これは皆さんも御地元で聞くことがあるのではないでしょうか。
 ある程度、共通経費みたいなところがあるので、規模によって、単純に人数で掛け算というわけではないのは理解はしますけれども、これはかなり差があるんですね。幼稚園で、十五人までの幼稚園はこの単価が十一万四千八百七十円、三百一人以上は二万四千二十円ですか、というように非常に差があるんですね。保育認定の認定こども園も、十人までは、ちょっと細かいのは省きますけれども、二十四万二千六百三十円に当たるものが、百七十一人以上になると三万一千七百十円。
 この結果、十一人の認定こども園、保育認定なんて誰もやりません。だから、十人でやるか十九人とか二十人でやるかとかいう募集定員の仕方をせざるを得なくて、実際に、現場でのニーズに物すごくゆがみを与えてしまっているんですね。
 だから、もう少し区分を細かくするか、あるいは、人数によって計算式みたいなものでして、これは滑らかにすべきではないでしょうか。

#163
○坂本国務大臣 施設の運営に要します費用におきましては、子供の数に応じて配置される教諭や保育士等の人件費といった施設の規模に応じて変動する経費と、それから、施設長の人件費などの施設の規模によって変動しない固定的な経費というのがあります。
 固定的な経費につきましては、規模が大きくなるほど子供一人当たりに置き直した金額が小さくなってまいります。そのことから、公定価格では、規模が大きくなるにつれて子供一人当たりの単価がやはり下がってまいります。
 一方で、規模に応じて変動する経費があることから、施設全体の収入は、基本的には、規模が大きくなるほど増加するという仕組みになっております。このため、規模が大きくなるにつれて公定価格が低くなることにより大規模な施設が一律に不利になるとは考えておりませんけれども、規模の大小にかかわらず安定的な経営ができるようにすることは非常に重要であります。
 収支の状況や、地方自治体や、あるいは現場の方々の御意見を丁寧にお伺いしながら、今後も適切に公定価格の設定を行ってまいりたいと思っております。

#164
○後藤(祐)委員 最初、子ども・子育て支援制度をつくったときは、本来、人数割で、もちろん年齢によって単価は違うと思いますけれども、市町村に渡して、いろいろなお金に使えるというのが元々の理念としてはあったと思うんですよね。それが、そうはいっても大きい規模のところと小さい規模のところは固定費のところは変わるというのは、それは分かります。だから、少し差がつくのは分かるんですけれども、ちょっと差をつけ過ぎて大きいところが困っちゃっているというのは皆さん聞いていらっしゃると思うんですね、御地元で。もう少しここは配慮していただけるよう変えていただきたいというふうに思います。
 続きまして、四ページ目でございますけれども、今の施設型給付費について、規模の問題が先ほどの問題ですが、次は、国、県、市の負担割合についての問題でございます。
 一号認定、すなわち幼稚園的な運営をしているこども園の場合、地方単独負担というのがあるんですね。この右側の三角みたいになっているものの一番上の部分でしょうかね。ここは国の負担分がないわけです。そこの三角になっているものの下の施設型給付費は、これは国対都道府県対市町村が二対一対一になるんですけれども、その上の施設型給付費のところは都道府県と市町村が一対一で持つとなっていて、それに対して、この左側の二号認定、三号認定、保育園的な運営をしているようなところは、地方単独で持つ分がなくて、純粋に施設型給付費は国、県、市が二対一対一になっている。一号認定の場合の、要は地方だけが持つ部分があるがために、全体として見ると国対県対市が二対一対一になっていないんですね。
 これは元々、財源が変わるときに、地方で幼稚園についてはかなり見ていたところがあるので、その元々あった財源等の経緯というのは多少分からなくはないんですけれども、これによって非常に県と市は困っているところがありますので、是非、二号認定、三号認定と同じように、一号認定についても地方単独費用というのはなくしていくべきだと思いますが、いかがですか。

#165
○坂本国務大臣 施設型給付につきましては、異なる財政措置の下で運営されました保育所、幼稚園の財源を一元化しまして、そして、従前の国、地方の負担状況を踏まえ、子ども・子育て支援新制度への移行を進めてまいりました。
 幼稚園に対する財政措置を新制度へ移行するに当たりましては、私学助成等の国と地方の費用負担割合が保育所運営と大きく異なっていた、それから私学助成の額が都道府県によって大きなばらつきがあるといった課題がございました。
 このため、幼稚園に通う一号認定子供に対する施設型給付につきましては、当分の間の措置として、費用の一部については地方単独費用部分としつつ、その部分につきましては地方交付税措置が行われているところです。不交付団体の場合には少しそこは変わってまいりますけれども。
 地方単独費用部分の在り方について検討する場合は、これまでの経緯を踏まえながら、安定的な財源確保と併せて検討する必要があるというふうに考えております。

#166
○後藤(祐)委員 変わる瞬間の措置としては多少分からなくはないんですけれども、もう相当時間がたっているわけですから。不交付団体っていろいろなところで損するようになっているんですよね。是非これは、交付税措置ではなくて、きちんと国が補助すべきだということを改めて申し上げておきたいと思います。
 続きまして、ゼロ歳児と一歳児の関係なんですけれども、保育所の運営費補助というのは、ゼロ歳児の補助額に比べて一歳児の補助額というのは少なくなっているんですね、もちろん手のかかり方が違うというのはあるんですけれども。でも、現実に待機児童が多いのは一歳児で、ゼロ歳児のところは育休を使われる方が多いので、そこから育休が終わって一歳児になって保育園ということで、待機児童が多くなっちゃっているところが多いと思うんです。
 ところが、一歳児の運営費補助が少ないので、保育所の方は、ゼロ歳児の方は受け入れられるんだけれども一歳児は受けにくいという構造になっていると聞いています。これは、一対六という人件費分しか恐らく織り込まれていないことから、もうちょっと手厚く一対五とか一対四でやっているような市町村で顕著に起きているようです。これを是非改善しないと待機児童問題は改善しないと思うんですけれども、特に一歳児の運営費補助、これを充実させるべきじゃないでしょうか。

#167
○坂本国務大臣 公定価格の子供の一人当たり単価では、一歳児よりゼロ歳児の方が高くなっています。委員御指摘のとおりでございます。これは、保育所における保育士の配置基準におきまして、ゼロ歳児は三対一、それから一歳児については六対一となっておりまして、ゼロ歳児の方が手厚い職員配置を求められることを反映したものであります。このため、配置基準どおりの職員を配置する場合には、職員数に対して同程度の委託費が施設に支給される、そういう仕組みになっております。
 一方で、令和元年度の経営実態調査を見ますと、保育の現場では配置基準を超えた職員配置が行われておりまして、委員の御指摘のような状況があるとすると、こうしたことが背景にあるのではないかなというふうに考えております。
 職員配置の改善につきましては、三歳児の配置改善に関しまして、平成二十七年度から取り組んでいます。一方で、〇・三兆円超の質の向上事項に含まれる一歳児の配置改善につきましては、まだ未実施となっております。
 教育、保育の質の向上を進めることは重要であるというふうに考えておりますので、これらの実施について、各年度の予算編成におきまして必要な財源の確保に努めていかなければならないというふうに思っております。

#168
○後藤(祐)委員 待機児童問題は、場所ですとか人の問題はもちろん大きいんですけれども、制度の問題として、この一歳児のところの補助の在り方というのは一番簡単に手をつけられる部分だと思いますので、もちろんその三千億の話をどうするかという難しい問題と裏腹な面もあるのかもしれませんが、先ほど最初に議題にしたほかの歳出カットを財源にすることも含めて、ここは待機児童問題解決に直結する話だと思いますので、是非取り組んでいただきたいと思います。
 続きまして、放課後児童クラブについてお伺いしますが、この施設を自分で建てる場合は施設費とかが出るんですけれども、借りる場合、賃借料は子ども・子育て支援交付金の放課後児童クラブ運営支援事業というものの補助対象になっているんですが、リースでやる場合は、リース料というのは対象にならないらしいんですね。
 もちろん、リースの後、所有権が移ってしまうようなケースはお金を出しにくいという事情は分からなくはないんですけれども、リースというのはいろいろな形があると思うんですね。少なくとも、所有権が移らないような形の場合はリース料も対象にすべきではないでしょうか。これは厚労省からお願いします。

#169
○岸本政府参考人 お答えいたします。
 放課後児童クラブにおける賃借料補助につきましては、量的拡充を図り、待機児童の解消を図るため、待機児童が存在している地域等におきまして、学校敷地外の民家、アパート等を活用して新たに放課後児童クラブを実施するために必要な賃借料の補助を行うものでございます。
 御指摘のリース方式による設置に関しましては、本事業は放課後児童クラブの運営への支援を目的としておりますため、財産取得の側面が強い所有権移転の条項が付されている契約の場合は補助対象となりませんが、それ以外の契約の場合については補助対象となるものでございます。
 厚生労働省としましては、そういったことも含めまして、引き続き市町村への支援に努めてまいりたいと考えております。

#170
○後藤(祐)委員 今の点、確認をできたのは大きなことだと思っております。
 引き続き、ちょっと法律の関係のところに戻りまして、事業主の拠出金に関してですが、この拠出金率というのは、上限は法律で定められていて、実際に実施される率というのは政令で決められています。例えば、現在は、上限は〇・四五%なのに対して、実施されているのは〇・三六ですけれども、ただ、これは会社にとっては税金みたいなものです。それを法律ではなく政令で決めるのは、租税法律主義の観点から問題ではないでしょうか。

#171
○坂本国務大臣 事業主拠出金は、社会全体で子育てを支援していくとの大きな方向性の中で、保育の運営費等に充てるため、企業から拠出をいただくこととしているものであります。
 拠出金率につきましては、事業主に過度な負担を生じさせないよう、その上限割合を法律上規定しておりまして、併せて拠出金の額の算定方法も定めているところです。毎年度の具体的な拠出金率は政令で定めていますが、こうした法律の規定に基づき設定されているものであり、法律や政令の規定に問題があるというふうには考えておりません。

#172
○後藤(祐)委員 上限を法律で定めて、その上限内では政令で決められるというのは、ほかにそんな制度はあるんですか。

#173
○坂本国務大臣 石綿による健康被害の救済に関する法律、こういったものにあるようです。

#174
○後藤(祐)委員 ですが、やはり、租税法律主義というのは、上限の範囲内だったら幾らにしてもいいということではなくて、幾ら税金を払うということが法律で決まるというのが本来の租税法律主義だと思いますので、これはきちっと法律で定めるべきものだと考えます。
 続きまして、この事業主の拠出金の率、今後更に引き上げることを考えているんですか。これは特に政令で決められるわけですから、先ほどの話と一緒です。いかがですか。

#175
○坂本国務大臣 新子育て安心プランに基づきまして、保育の受皿確保のために令和七年度までに必要となる保育所等の運営費一千四百億円のうち、〇―二歳児分の一千億円につきまして、経済界に対して事業主拠出金の追加拠出をお願いをしております。
 この一千億円につきましては、令和七年度までの間、毎年幾ら充当するかについては、毎年、保育所を利用する子供の数や受皿確保の見込み等を踏まえつつ、毎年度、経済界と協議の上、検討をしてまいりたいというふうに思っております。

#176
○後藤(祐)委員 いや、それは充当額の引上げの話で、それも通告してありますが、ちょっと時間がないのでそれは飛ばしたんですよ。
 拠出金率の引上げについて、今後更に引き上げることを検討していますか。上げないということでよろしいですか。これは政令に投げているわけですから、法律としては。上げないと言ってよろしいですか。

#177
○坂本国務大臣 保育所の運営費につきましては、現時点では令和七年度がピークを迎えるというふうに見込んでおります。
 令和八年度以降の事業主拠出金の取扱いにつきましては、保育所等を利用する子供の数や将来の見通し等を注視しつつ、そのときの経済状況、予算の状況を踏まえ、これは経済界とも協議しながら適切に対応してまいります。

#178
○後藤(祐)委員 つまり、上げる可能性はあるということですか。

#179
○坂本国務大臣 令和七年度の〇―二歳児の保育所等の運営費につきましては一・六兆円を見込んでいます。今回の改正で拠出金を充てることができる割合を五分の一に引き上げた際には、計算上、三千二百億円が法律に基づく上限というふうになります。
 一方、令和七年度に事業主拠出金を充てる保育所等の運営費としましては三千億円としておりますことから、計算上は約二百億円の差額が生じます。済みません、二百億円ではありません、百億円でございました。
 現時点では、更に百億円の追加拠出を経済界に求める考えはございませんが、令和八年度以降の事業主拠出金の取扱いにつきましては、保育所等を利用する子供の数や将来の見通し等を注視しつつ、そのときの経済状況や予算の状況等を踏まえ、必要に応じて経済界と協議をしながら適切に対応してまいりたいと思っております。

#180
○後藤(祐)委員 ちょっとよく分からないんですけれども、六分の一が五分の一になるわけですけれども、要するに、上げていくということですか、その拠出金率は。

#181
○坂本国務大臣 済みません、今ちょっと数字を間違えました。済みません。
 三千二百億円と言いましたけれども、三千百億円が法律に基づく上限というふうになります。(後藤(祐)委員「いやいや、そうじゃなくて。私の質問に答えてください」と呼ぶ)

#182
○木原委員長 後藤委員、もう一度御質問を。

#183
○後藤(祐)委員 要するに、拠出金率を上げていくんですか。

#184
○坂本国務大臣 これは、毎年、経済界と協議をしながら決めていくということになります。

#185
○後藤(祐)委員 だって、それは上げないと増えていかないですよね。
 今、これは一律ですか、業種だとか中小企業だとか地域だとか関係なく。社会保険料を払っていない五人以下の会社なんかは負担していないかのようにも伺っているんですが、特に中小企業に対する配慮というのは要るんじゃないでしょうか。
 社会保険料は、年金とか医療とか、これは従業員の保険ですから、保険を代わりに払っているところがあるので、中小企業であっても負担するというのは分からなくはないんですけれども、この事業主拠出金は、言ってみれば税金ですから、ほとんど。中小企業は、法人税率は軽減されているわけですよ。中小企業の事業主拠出金は少し拠出金率を小さくするとか、そういう配慮をすべきじゃないですか。

#186
○坂本国務大臣 児童手当の支給など、事業主拠出金を財源とする施策は、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することにより将来の労働力の維持、確保につながるため、幅広く事業主の皆さんから一律に拠出をお願いをするというふうにしております。
 また、事業主拠出金につきましては、事業主の便宜及び事務の簡素化を図りますために、厚生年金保険料の徴収の例により、厚生年金保険料とともに日本年金機構等が徴収するということになっております。
 こうした制度の趣旨や効率性を踏まえまして、事業主拠出金につきましても全国一律で拠出金率を設定しているところです。そのため、企業規模等によって拠出金率に差を設けることは様々な問題があるというふうに考えております。
 ただ、本法案には、厚生労働大臣が認定するくるみん認定を取得した中小企業の事業主に対して助成措置を行っていくというような改正案も盛り込んでおりますので、中小企業の皆さんたちには子育て支援の環境整備というものを促進しているというところでございます。

#187
○後藤(祐)委員 社会保険は保険ですから分かるんです、そのロジックは。ですが、これはほぼ税金ですから。もうマイナンバーなんかもきちっとできていて、事業者番号もきちっとあるわけですから、そこはできると思いますよ。是非中小企業への配慮を、あるいは、赤字法人についてはどうするとか、いろいろなやり方があると思いますので、これから拠出金率を上げるに当たっては、その辺の配慮を求めて、終わります。
 ありがとうございました。

#188
○木原委員長 次に、長尾敬君。

#189
○長尾(敬)委員 自由民主党の長尾敬です。
 質問の機会をいただき、ありがとうございます。また、朝一番、ちょっと厚生労働委員会で議法の採決がありましたもので、質疑時間についても御配慮をいただきましたこと、心から感謝を申し上げます。
 更にわがままを申し上げれば、法案質疑の前に、ちょっと経済安全保障の件について触れさせていただきたいと思っています。
 武漢ウイルスがこれほど日本経済をぼろぼろにしている状態の中で、今、世界各国が直面する経済安全保障のことについて、政府においても一つ一つ確実に施策を実行していただいていること、心から評価をしたいと思っております。
 答弁者が後ろなので、しゃべりづらいですね。後ろを向いて、申し訳ございませんが。
 昨日、アンドリュー・トムソンさんという、豪州で連邦議会議員をやられて、シドニー・オリンピックの担当大臣をやられた方が私のところにお見えになりました。その目的は、中国による現状変更の脅威について、ハミルトン博士のサイレント・インベージョンというアカデミアの本が何と六万部、非常に難しい本なんですが、売れて、今回、トムソン氏は、政治の立場から警鐘を鳴らしに来られた。
 以前も、内閣委員会で、外国資本による土地買収の問題やいろいろと取り上げさせていただきました。政令五十一号があったときには、日本も昭和五十四年まで土地売買については規制をかけていた。しかし、市場開放のアクションプランというような、そういう全体の流れの中で今日に至っているわけなんですけれども、とりわけ経済安全保障の観点から、ちょっと今日は、機微技術、いわゆる最先端技術の流出問題についてちょっとたくさんの懸念がありますので、そこについてただしたいと思っています。
 大学への留学生や外国人研究者らにビザを発給する際、経済安全保障上の観点から本年度から審査を厳格にしているということなんですが、その具体策についてお尋ねします。

#190
○安東政府参考人 お答え申し上げます。
 二〇二〇年七月十七日に閣議決定された統合イノベーション戦略二〇二〇には、技術流出防止のより効果的な水際管理を図るため、関係府省庁の連携による出入国管理やビザ発給の在り方の検討を含め、留学生、研究者等の受入れの審査強化に取り組み、そのため、IT環境の整備等を推進との旨が盛り込まれております。こうした点を踏まえ、外務省では、今年度における査証システムの改修のために必要な予算を確保しているところです。
 国際的にも機微技術管理の重要性が高まる中、機微技術の流出防止の観点から引き続き関係省庁間で連携し、留学生、外国人研究者の効果的、効率的な受入れ審査の実施に取り組んでまいります。

#191
○長尾(敬)委員 今回二・二億円の予算が講じられているんですが、質問取り等でいろいろお話を聞きますと、どちらかというとハード的な面が多いというような印象です。決してこれでは十分ではないということを質疑の中で取り上げていきたいと思っています。
 外務省さんだけじゃなくて、経済産業省においても、企業や大学の安全保障に関わる技術管理支援で十八・七億円、また、国家安全保障局さんの方でも、経済班、昨年の四月にコロナの中でやっと、全力で応援をさせていただきたいと思っています、増員、二十人から二十四人ということですけれども、米国のCFIUSは情報の目利き、猛者たちが三桁単位でいる中で、何とかしてそこまで持っていかなきゃいけないという危機感を一人の議員として持っております。また、防衛省においても経済安全保障情報企画官を新設したり、また、公安調査庁も同様の増員等をしているというふうにお聞きしています。
 やはり、安全保障と経済を横断するその領域で、様々な課題がこれからももっと顕在化してくると思います。情報の更なる深化のためにやはり各省庁がそれぞれ情報を集約して、連携して、適時に共有する機能強化というのはどうしても必要だと思っています。一朝一夕にできるものじゃないと思っています。当然、官民においても情報分野の問題の意識の共有が必要となってくる。
 そこで、各省庁それぞれの分野で真摯にお取り組みをいただいてはいるんですけれども、どうしても、外国人留学生に関わる大学等の研究機関における、先ほども御答弁いただきました機微技術の流出案件がもう本当に心配でなりません。
 あえて文科省さん、経産省さん、それぞれにお尋ねしたいんですが、大学等における安全保障貿易管理の概要についてお尋ねしたいと思います。

#192
○森田政府参考人 お答え申し上げます。
 大学等におきましては、安全保障の観点から機微技術の流出の防止等を目的として、外国為替及び外国貿易法に基づき、輸出管理担当部署の設置や関係規程の策定、組織内での意識啓発など、組織的な輸出管理体制の構築が必要であるというふうに考えております。
 文部科学省と経済産業省で共同で行っております、大学における安全保障貿易管理に関するアンケート調査によりますと、令和二年四月時点で、全ての国立大学で輸出管理担当部署の設置や関係規程の策定がなされております。また、公私立大学においては、回答があった大学のうち、輸出管理担当部署を約六割が設置、関係規程を約五割が策定しているという状況でございます。
 文部科学省といたしましては、こうした体制整備の徹底を要請する通知等を大学等に発出し、周知に努めております。
 また、経済産業省と連携して説明会を開催するなどにより、海外からの留学生や研究者の受入れ、教職員の採用、国際共同研究等における具体的な手続等を示した経済産業省作成の安全保障貿易に係る機微技術管理ガイダンスの活用等について周知を図り、機微技術の管理が徹底されるように取り組んでいるところでございます。
 今後とも、外為法の遵守徹底、大学における輸出管理体制の強化のために、経済産業省等とも連携し、こうした取組を着実に進めてまいりたいと考えております。

#193
○風木政府参考人 経済産業省の取組を御紹介させていただきます。
 まさに委員御指摘のとおり、安全保障環境、厳しさを増しております。日本の大学、研究機関が有する機微な技術が懸念国、組織に渡り、大量破壊兵器等に転用される、そうしたことがないように、大学等の管理体制を強化することが一層重要となっております。
 経済産業省では、外為法に基づく技術提供等の管理について、大学等の効果的な体制整備や管理水準の向上を目的として、安全保障貿易に係る機微技術管理ガイダンス、これは大学、研究機関用です、これを作成しまして、大学の管理体制の整備を支援するための規程類、それから審査票のひな形を提示しております。これは文科省の方からも答弁があったとおり、活用していただいております。
 また、大学・研究機関における安全保障貿易管理に関するヒヤリハット事例集を令和元年五月に公表しております。これは、法令違反につながりかねなかった事例、それからその対策について、情報提供を詳しく行っているものであります。
 それから、令和三年三月でございますが、大学における該非判定、これはリスト品か否かというのを判定するものなんですが、この該非判定のための手引書を公表する。
 こうしたことで、大学、研究機関の適正な安全保障貿易管理実施のための支援ツールの提供を行っているところでございます。
 さらに、管理体制の構築、運用改善を希望する大学に対しては、個別に安全保障貿易管理の専門家をアドバイザーとして派遣する。それから、コロナ禍ではありましたが、オンラインでの説明会を開催しまして、大学における研究活動の実態に即した効果的な管理体制の構築を後押しさせていただいております。
 こうした取組の結果、先ほど文科省からもアンケートの結果がございましたが、全ての国立大学が輸出管理担当部署を設置、あるいは輸出管理内部規程を策定するということで、国立大学においては安全保障貿易管理体制の構築は着実に今進んでいるということだと認識しております。
 引き続き、議員の御指導もいただきながら、大学等のグローバルな競争力を妨げることなく安全保障貿易管理の徹底を図るべく、関係省庁や大学と密接に連携して取組を進めてまいりたいと思います。

#194
○長尾(敬)委員 先ほども、経済安全保障は一朝一夕にできるものじゃない、情報の目利き、これをやはり育てるには一定期間かかると。
 確かに外形的なことと言うとちょっと失礼な物言いになりますが、輸出管理担当部署を設置するということについて、また、関係規程の策定状況ということについて、最低限やらなきゃいけないことは絶対やっていただいているんですけれども、まだまだ不足している感が否めません。
 外国人留学生、研究者、教員、訪問者受入れの事前確認シートというのを以前いただいたことがあるんですけれども、私も、情報の目利きでもなく、素人ではあるんですけれども、なかなかこのシートだけで全てが網羅されているというのはちょっと考えづらい。
 経済安全保障ということが本当にちまたでよく語られるようになってまだ数年しかたっていない。もちろん、政治の側にも責任がありますので、どうか、関係省庁、連携を密にしてやっていただきたい、あと体温も同じようにしていただきたい。
 資料の三をちょっと御覧いただきたいんですが、こちら、「先生!!ちょっと待ってください!」その大切な研究が大量破壊兵器に使われ、世界のどこかで悲劇を生むかもしれませんということで、私も、学問の自由、そしてこういう交流というものは盛んであるべきだという、一点の曇りもなくそう理解をしておりますけれども、ここに書いてありますように、国際交流の推進は大切ですが、たとえ、研究、教育のためであっても、規制対象貨物を輸出しようとする際、規制対象技術を提供しようとする際、経済産業省さんは以前からちゃんとこういうチラシを使ってやってくださっていますので、文科省さんにおいても、特に学校の経営者やあるいは大学教授について、これはしっかりと、同じ体温で、浸透できるような努力をこれからもしていただきたいと指摘をさせていただきたいと思います。
 そして、資料の四を御覧いただきたいと思います。これは、ちょっとおどろおどろしい表ではあるんですけれども、一般財団法人の安全保障貿易情報センター、経産省のOBの方々がこの説明に来られまして、中国の軍産複合体制ということで、いわゆる中国の大学、ここでちょっと御紹介したいのは、その右側にあります北京航空航天大学、北京理工大学、ハルビン工業大学、ハルビン工程大学、南京航空航天大学、南京理工大学、西北工業大学、これは通称国防七校というものなんですが、ちょっとこの国防七校、軍産複合体制におけるこの七校というものはどういうものなのかという、日本政府の状況認識をちょっとお聞かせください。

#195
○森田政府参考人 お答えを申し上げます。
 御指摘の中国の七大学は、中国の政府機関が直接管理している大学で、中国の国防関連の研究開発等に深く関わっていると言われている大学であるというふうに承知しているところでございます。

#196
○長尾(敬)委員 中国において大学の研究機関というのはどういう位置づけなのかということをちょっと紹介したいんですけれども、日本人が考えていることと全くかけ離れております。とにかく、軍民融合戦略の中にこう記されてあります。軍民の高度先端技術の共有と相互移転を促進し、ハイテク武器装備の建設を行う。海洋、宇宙、サイバー空間等の分野での軍民融合発展の推進に力を入れ、科学技術、経済、軍事において、ここからがちょっと恐ろしいんですけれども、機先を制して優位な地位を占め、将来の戦争の主導権を奪取する。これらを中国国内の一般大学等にも協力要求をすることとしているというような状況なんですね。
 こういった事態にもかかわらず、この中国国防七校と大学間協定を結んでいる日本の大学があるんですけれども、何校ほどあるんでしょうか。

#197
○森田政府参考人 お答え申し上げます。
 文部科学省で実施しております大学における教育内容等の改革状況調査を基に、御指摘の中国の七大学と大学間交流協定を結んでいる我が国の大学を抽出いたしましたところ、平成三十年度において五十二大学となっているところでございます。

#198
○長尾(敬)委員 実はこれは、オープンデータから拾った民間の方がいらっしゃいまして、今さらっと御答弁をいただいたんですけれども、相手がこういった、事実上、人民解放軍傘下の、軍事技術を、あるいは民間の軍事技術企業と提携をしているような会社と、大学間交流協定全てが私は悪とは言いません、いろいろ文科省さんにお尋ねをいたしましたら、単なる単位のやり取りであったり、あるいは本当の単なる交流であったり。しかし、共同開発というものをどれだけやっているのか、これがなかなか把握されていない。
 そこで、学術会議問題がありましたけれども、学術会議あるいは各日本の大学は、軍事技術開発は行わないというふうに宣言している大学、たくさんあります。しかし、その一方で、中国国防七校と交流協定を締結している大学は何校あるのか、そのうちどのような分野でこの共同開発研究を行っているのか、文科省さん、どのように把握していらっしゃるんでしょうか。

#199
○森田政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、御指摘の中国の七大学と大学間交流協定を締結している大学が、平成三十年度において五十二大学でございます。
 文科省で実施しておりますこの調査におきましては、大学間交流協定の内容について、例えば学生交流であるとか、教員交流であるとか、単位互換であるとか、あるいは共同の教育課程の設置であるとか、そういった、どういう内容であるかということは調査いたしているところでございますけれども、その中で、共同研究というのを挙げている大学が四十二大学ございます。
 ただ、この共同研究の更にその具体的な分野までは調査をいたしておりませんので、御質問の分野ということになりますと、把握していないという状況でございます。

#200
○長尾(敬)委員 把握していないというか、報告は求めていないということになります。
 本当はこれだけいっぱいやりたいんですけれども、今日は法案審議が前提でありますので。
 この共同研究の実施というリストを実はもう私は全部頂戴しております、これはオープンデータですので。だけれども、どの大学がどういう状況にあるのかというその情報だけが先走ると余りよろしくないので、この辺にとどめておきたいと思いますけれども、やはり、ここは先ほど申し上げたように、各省庁同じ体温で取り組んでいただきたい。機会があればまた質疑を継続させていただきたいと思います。
 あと、最後に、済みません、やはりこういった意図せざる機微技術流出防止のための対応策はいかにあるべきなんでしょうか、御答弁ください。

#201
○藤井政府参考人 御答弁申し上げます。
 長尾先生御指摘のとおり、現在の機微技術の流出の状況につきましては、国家安全保障局経済班、非常に強い懸念を持っております。
 私ども経済班、昨年の四月に発足をいたしました。既に具体策につきましては経済産業省、文科省より答弁がございましたけれども、この難しさ、我が国の経済の開放性、多様性、これをきちんと守っていきながら、同時に守るべきものを守る、逆に言えば、守るべきものを守ってこそ開放経済が成り立つという認識でおります。
 このためには、もちろん各府省でのお取組というのも前提ではございますけれども、政府全体として、長尾先生おっしゃるように、同じ思いを政府が共有し、各府省が共有し政策を進めていくということが必要になってまいると思います。
 私ども、微力ではございますけれども、全力を尽くして、日本の経済の発展と安全保障の確保、この両立を図っていきたい、かように考えてございます。

#202
○長尾(敬)委員 ありがとうございました。
 じゃ、遅まきながら、法案審議に入らせていただきたいと思います。
 まず内閣府、市町村子ども・子育て支援事業計画について、第一期の同事業計画の達成状況及び課題をどのように総括、評価しているのか、その上での今後の新たなプランだと承知しておりますので、御答弁ください。

#203
○嶋田政府参考人 お答えいたします。
 市町村子ども・子育て支援事業計画につきましては、市町村ごとに、質の高い教育、保育等が適切に提供されるよう、地域の実情に応じた課題の下、計画を立て、教育、保育の提供体制の確保を行っているところでございます。
 そのため、一概に総論を申し上げることは困難でございますけれども、各市町村においては、令和二年度から五年間の第二期計画を策定するに当たりまして、第一期計画の達成状況や課題等を踏まえて、各市町村の子ども・子育て会議などでの議論をしていただいているものと認識しておるところでございます。
 また、第一期計画期間中の各市町村の状況を踏まえまして、国の子ども・子育て会議の意見を聞いた上で、第二期計画においては、幼稚園における預かり保育や企業主導型保育施設の地域枠の活用を可能にするなどの対応をしているところでございます。
 引き続き、市町村や都道府県、関係省、関係団体等と連携しまして、総合的な子ども・子育て支援の充実を推進してまいります。

#204
○長尾(敬)委員 先ほどの質疑と同じように、それぞれの部署部署が同じ体温でやっていただきたいと思います。NPO法人とか社会福祉法人、社会福祉協議会との連携というのが重要で、政府が果たすべき役割も考えながら取り組んでいただきたいと思います。
 それと、さっき後藤委員が最後に質疑された部分の関連なんですけれども、事業主拠出金、これは約一千億円を予定しているということですけれども、本法施行後直ちに引き上げるのか、あるいは段階的なのか、段階的ならば、各年度どの程度引き上げていくのか、その辺、ちょっと御答弁ください。

#205
○嶋田政府参考人 お答えいたします。
 新子育て安心プランの実現に向けまして、一千億円の事業主拠出金の追加の御負担をお願いすることにはなるわけでございますが、その際、既存の経費を精査いたしまして、負担ができるだけ増えないように配慮を行いまして、今回、法律に定められた拠出金率の上限〇・四五%の引上げは行っておりません。その上で、拠出金率の引上げを段階的に実施することといたしておりまして、令和三年度は、積立金を活用しまして、拠出金率を〇・三六%に据え置くことで、コロナ禍における現下における追加的な負担を求めることのないように配慮させていただいたところでございます。
 ただ、今後の拠出金率につきましては、事業主拠出金の収支や積立金の状況なども踏まえながら、毎年毎年、毎年度でございますが、経済界と協議の上、検討をしてまいりたいと考えております。

#206
○長尾(敬)委員 毎年毎年、もうとにかく、ここは拠出してもらう話でありますので、丁寧にやっていただきたいと思います。
 積立金はまだ残っているんですよね。それは、どのぐらい残っていますか。

#207
○嶋田政府参考人 三千八百五十五億ございますので、それからまず使っていくということになります。

#208
○長尾(敬)委員 そこで、やはり与党としてもちょっとどうしてもお尋ねしたいことがやはりあって、これはもうさんざん多くの委員が質疑されたことで、特例給付の見直しと児童手当法の目的の関係ですね。参考人のお話を昨日聞かせていただきましたけれども、優先順位であるとか、あるいは限られた財源の中でとかいうようなことで、私も与党の一員として一生懸命のみ込んではまいりましたけれども、改めて、児童手当法の目的に反するおそれはないんでしょうか。御答弁ください。

#209
○嶋田政府参考人 今般の児童手当の見直しは、結婚支援の充実とか、あるいは不妊治療助成の拡充ですとか、男性の育児休業の取得促進など、総合的な少子化対策を進める中で、年収一千二百万円相当以上の方に限りまして、月五千円の特例給付を見直すものでございます。あわせて、待機児童対策等の子育て支援を進めていくこととしております。
 児童手当制度は、児童の健やかな成長に資することに加えまして、家庭等における生活の安定に寄与することを目的としておりまして、年収一千二百万円相当以上の方への特例給付を見直すことが法の目的に反するものとはちょっと考えておるところではございません。

#210
○長尾(敬)委員 資料の二ページ目です。これはもう説明するまでもなく、財政効果が三百七十億円ということですよ。大臣、いらっしゃいますけれども、やはり子ども家庭庁をつくろうという、壮大なダイナミックな話はあるにもかかわらず、ちょっと、この三百七十億円というのは、ほかから何か捻出することもできなかったのかなとか。
 僕ら、隣に安藤議員がいらっしゃいますけれども、コロナ対策で百兆円のやはり財政出動をするべきだと。小出し小出しで八十兆弱、一発でやればこんな経済状態じゃなかったんじゃないかなと、悔やんでも悔やみ切れないわけでありますけれども。どうか、参考人の質疑にもありましたように、財政審の建議等に余り惑わされずに、王道を進んでいっていただきたいなと思っております。
 最後に、やはり、ちょっとその辺、子育てに関する予算全体を増やすという考え方というのはなかったんでしょうか。

#211
○嶋田政府参考人 子育て世帯に対する支援といたしましては、これまでも、御存じのように、幼児教育、保育の無償化などを行っておりまして、さらに今般は、不妊治療助成の拡充でありますとか、今御説明しました新子育て安心プランの実施による待機児童の解消などを行いまして、高所得者の方も含めて子育て世帯全体の支援を充実させるという方針ではございます。
 先ほどもるる出ておりますように、待機児童問題については四年で十四万人の保育の受皿を新たに整備するといたしまして、そのときに企業からも一千億円の追加拠出をいただくというような御理解をいただいているところでございまして、総合的な少子化対策を進めていくための財源確保の方向につきましては様々な議論がございます。引き続き、少子化対策大綱等につきまして、必要な安定財源を確保しながら、少子化対策全体として確実に進めてまいりたいと考えております。

#212
○長尾(敬)委員 最後に、ちょっと細かいことですけれども、三百七十億円、新子育て安心プランの公費充当分四百四十億に満たないんですけれども、その差額はどう対応するんでしょうか。

#213
○嶋田政府参考人 この今般の特例給付の見直しによりまして、公費ベースで約三百七十億円の財政効果が生じることになりますが、このうち、国の分、国費分ということは、安定財源につきまして、これは二百三十億になりますので、安定財源は国分についてはそれで確保することになります。
 一方で、四百四十億円のうち地方の方が二百二十億負担しなきゃいけないということになりますものですから、その分、負担が生じる、不足が生じます地方負担分につきましては、利用者支援事業の国負担分の割合の引上げを行いまして調整したいというふうに考えております。

#214
○長尾(敬)委員 従来からの我が国の社会保障制度というのは、高齢者に手厚くて、子ども・子育て世代に十分じゃないというような批判もあるわけで、子は国家の宝、社会保障制度は賦課方式である以上、現在の生産年齢人口層も、いずれ支えられる側、子供の対応というのは非常に重要だと思いますので、大臣、ひとつそこはもう大盤振る舞いで、全力で頑張っていただきたいと思います。
 以上であります。ありがとうございました。
    ―――――――――――――

#215
○木原委員長 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長北浦修敏君及び内閣官房一億総活躍推進室次長藤原朋子君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#216
○木原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#217
○木原委員長 次に、足立康史君。

#218
○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。
 今日は、お忙しい中、皆様ありがとうございました。ちょっと、こういう時間になっているのは私のせいではありませんので、済みません。何かいろいろ委員会の御都合だそうで、むしろ私はそれに応じているということですので、政府の皆様には御理解を賜りたいと思います。それから、お昼ですから、委員の皆様も適宜外していただいて結構ですから。私は、定足数とかどうでもいいと思っていますので……

#219
○木原委員長 それは私が言うことですので、お控えいただきたいと思います。

#220
○足立委員 済みません、失礼しました。議事整理は委員長にお任せをしたいと思います。
 さて、今、追加でお二人、政府参考人においでをいただきました。なぜかというと、昨日からちゃんと通告はしておったんですが、人口問題に係る一億人というこの数字が、数字というか人口目標ですかね。あっ、近藤長官もお忙しいところ済みません。これは何だということが実はもう一つよく分からないことになってしまって、坂本大臣のところとはやっているんですが、ちょっと、まち・ひと・しごとからも来ていただいて、一億総活躍からも来ていただいた。
 それぞれに一億人ということに触れていただいています。これは、私は政策目標だと思っているんですが、そうなのか違うのか、違うなら何なのか、御答弁いただきたいと思います。どちらからでも、北浦事務局次長、藤原次長、それぞれお願いします。

#221
○北浦政府参考人 お答えいたします。
 地方創生を担当するまち・ひと・しごと創生本部では、総合戦略の中で、東京圏への過度な一極集中の是正とともに、人口減少を和らげ、将来にわたって活力ある地域社会を実現することとしておるところでございます。
 この総合戦略の策定に当たりましては、長期ビジョンの中で、人口減少をめぐる問題に関する国民の認識の共有を目指しまして、日本の人口の現状と将来の姿を示しておるところでございます。具体的には、二〇一九年に閣議決定した長期ビジョンにおいて、合計特殊出生率が二〇三〇年に一・八程度になり、その後、二〇四〇年に二・〇七程度になった場合について推計を行うと、二〇六〇年に一億人程度の人口になるとの長期的な見通しを示しておるところでございます。
    〔委員長退席、平委員長代理着席〕

#222
○藤原政府参考人 ニッポン一億総活躍プランにつきまして御答弁申し上げます。
 平成二十八年に閣議決定をいたしましたニッポン一億総活躍プランにおきましては、新三本の矢の一つといたしまして希望出生率一・八という目標を掲げておりまして、また、その中で、基本的考え方といたしまして、半世紀後の未来でも人口一億人を維持するという基本的な考え方として示しているということでございます。
 関係省庁と連携しながら、施策の実行に努めてまいりたいと思っております。

#223
○足立委員 結局、政策目標であるかないかが今の御答弁ではよく分かりませんでしたが、政策目標であるかないかという質問が悪いのかな。それについて、もう一度明確にそれぞれ御答弁いただけますか。

#224
○北浦政府参考人 お答えいたします。
 私どもといたしましては、人口減少をめぐる問題に関する国民の認識の共有を目指して、試算を、長期的な見通しを提示させていただいているというものでございますので、長期的な政策目標といったようなものには当たらないかと考えておるところでございます。

#225
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 ニッポン一億総活躍プランにおきましては、政府としての目標といたしましては、希望出生率一・八の実現、それから介護離職ゼロの実現、GDP六百兆円の実現という、この三つが柱となっております。
 ですので、目標といたしましては、希望出生率一・八の実現を目指して施策を推進しているところでございます。

#226
○足立委員 分かりました。そういう意味では明確で、一億人という言及がいろいろなところになされていますが、今のお二方の御答弁を踏まえると、政策目標ではないと。逆に言うと、日本の中長期的な人口のイメージについて、政策目標としての設定は政府としてはしていないと思いますが。
 ちょっと通告に入っていないですけれども、坂本大臣、要は、一億人というような、そういう人口についての長期ビジョンは、政策目標としては日本政府は設定していないのであるということで、ちょっとまとめて少子化大臣として御答弁をいただけるとありがたいんですが、可能でしょうか。

#227
○坂本国務大臣 なかなか難しいところがありまして、個人の自由な意思に基づくものでありますので、政策目標として掲げるということは、なかなかそこは難しい面がございます。
 ただ、私は、少子化対策、それから一億総活躍、そして地方創生の三つの分野を担当をしております。そういうことで、一億総活躍や地方創生などは、それぞれ少子化対策とも関係が深い、そういう分野でございますので、しっかり連携しながら、少子化という国民共通の課題に対しまして、しっかり取り組んでまいりたいというふうに思っております。

#228
○足立委員 大臣、重ねて、もし可能であれば伺いたいんですが、またお立場が違うのかもしれませんが、先ほど藤原次長から御答弁があった一・八、希望出生率一・八は政策目標だという趣旨が先ほどあったと思います。すなわち、希望出生率は政策目標にしていいですね。

#229
○坂本国務大臣 結婚をしたいと思っていらっしゃる方が九割いらっしゃいます。そして、結婚したら何人子供が欲しいかという問いに対しましては、二人は欲しいということでございます。ですから、これは単純に言いますと〇・九掛ける二ということで、希望出生率として一・八というのは政策目標として掲げられるということであります。

#230
○足立委員 私もよくそれは理解をしているつもりです。すなわち、希望出生率は政策目標だ、それは、何か出生率自体を政府がこうしろというふうに国民に申し上げるような立場にはないが、国民が持っている希望、これを実現する環境整備は、これは政策としてアプローチしていいんだ、こういうことだと理解をしました。多分合っていると思いますが。
 ちょっと通告に入りますが、坂本大臣にお願いしている一つ目の問いは、ところが、国民の希望である一・八の希望出生率が実現した場合にも、中長期的には一・八ではどんどん減っていきますね。いずれ日本人はいなくなります。これは問題ではないんでしょうか。

#231
○坂本国務大臣 少子化の背景には、先ほど言いましたように、個々人の結婚や出産、それから子育ての希望の実現を阻む様々な要因が絡み合っております。
 政府といたしましては、個々人が結婚や子供についての希望を実現できる社会をつくっていくということを少子化対策における基本的な目標として掲げております。
 その中で、希望出生率一・八の実現に向けて、個々の結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む隘路の打破に強力に取り組むというふうにしております。
 先ほど参考人の方から言いましたように、まち・ひと・しごと創生長期ビジョンにおいては、合計特殊出生率が二〇三〇年に一・八程度となり、その後二〇四〇年に二・〇七程度となった場合について推計を行うと、二〇六〇年に一億人程度の人口となるという長期的な見通しは示しているところでございますので、引き続き、少子化社会対策大綱に基づきまして、安定的な財源を確保しながら、ライフステージに応じた総合的な少子化対策を進めてまいりたいというふうに思っているところです。

#232
○足立委員 ここから私が今日なぜ中山防衛副大臣にもお越しいただいているかということにつながってくるんですけれども、やはり日本政府は、過度にポリティカルコレクトネス、すなわち、触れてはいけないものを何か過大に評価して、本来国家としてはしっかりと追求しなければいけないことを曖昧にしてきているんじゃないかという問題意識が今日の私の質問であります。
 今の一・八に戻ると、一・八が実現しても日本人はいなくなるわけです。私は、じゃ、どう考えているかというと、一・八というのは確かに希望出生率だけれども、希望というものを尊重することも大事なんだけれども、そもそも希望が持てない状況に陥っているという社会状況があるとすれば、希望自体を引き上げていく必要があると思うんですね。
 東大の社研に玄田有史先生という教授がいらっしゃって、私、経産省におったときに大分お世話になった。その方が、希望学という学問を始められました。大変一つの分野に今なっているわけです。その希望学の趣旨と今私が申し上げていることは関係あるかないかはちょっと浅学で分かりませんが、国民が今持っている希望を実現するのも政策であれば、大臣がおっしゃったように、それは政策ですね。だけれども、希望が持てずにおられる方々にもっと希望を持っていただく、これも政策としてあっていいと思いますが、あっていいですか、大臣。

#233
○坂本国務大臣 希望を持てるように政策をいろいろ考えております。
 ですから、私は改めて、担当になりました孤独、孤立対策等も、やはりそれぞれのつながりを持ちながら、これから希望を持っていきましょうというような、そういう趣旨で担当として指名されましたので、希望が持てる社会の実現、そういったものに努めてまいりたいと思っております。

#234
○足立委員 であれば、例えば、一・八は当面の目標、当面の政策目標として一・八というのは理解をします。要は、希望を実現する。
 しかし、国家が国家として繁栄を続けていくためには二・〇七近辺を政策目標にして当たり前だと思うし、別に国家のためではないけれども、でも、それぐらい希望を持っていただけるような社会にしていく。通告を申し上げているところでいうと、希望出生率に間接的に影響を与える環境整備みたいなことは政策論としてあっていいと思うし、積極的に希望出生率の引上げ、要は希望の引上げ自体を政策目標にすべきだと私は思いますが、さっきの御答弁で、それはなかなかねということだと思いますが、そういうことですね。まあ余り、もういいですね。
 私は、例えば、今もちょっと党内で議論しているんですが、やはり国の繁栄、国の繁栄と言うとおかしいのかな、希望自体が低くなっている可能性というものを改めて調べてみて、希望というものが押し下げられているとすれば、やはり、希望を引き上げていく、希望出生率自体を引き上げていくことを公約に入れていってもいいのではないかと党内でも議論を、していません、まだ。今日からし始めようと思いますが、大臣、何か御見解、御見識があられましたら御答弁ください。

#235
○坂本国務大臣 委員がおっしゃっているところ、重々理解をしているところでございます。
 私たちは、少子化社会対策大綱におきまして、「多くの人が、家族を持つことや、子供を生み育てることの喜びや楽しさを実感できる社会をつくる必要がある。」と。これは大綱の中に明記しております。
 ただ、その際、結婚、妊娠、出産、子育てが個人の自由な意思決定に基づくものであることを当然の前提といたしております。個々人の決定に特定の価値観を押しつけたり、あるいはプレッシャーを与えたりすることがあってはならないということを十分留意しなければいけないというふうに思っております。
 そういう面で、これからも、個々人の結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む隘路の打破に取り組んでまいりたいということを私の方から説明しているところであります。

#236
○足立委員 ありがとうございます。
 よく理解をできますし、私も、私が大臣なら同じような答弁をしたと思いますので、ちょっと改めて自分なりに深く考えてみたい、こう思います。
 中山副大臣、お忙しいところ恐縮です。
 先日、例の通信傍受に係る国会の議論に絡んで、これは報道で拝見をしていますが、国家的なリスクになる場合には答弁を差し控えなければならない、差し控えなければならない答弁もある、こうおっしゃった。これは後藤さんの質問だったかな、誰の質問だったかな。(発言する者あり)本多さん。本多さんが何かいろいろ法律を挙げて、通信傍受法とかいろいろあるけれども、あっ、後藤さんだよね、後藤さんもたまにいい質問をしますよね。よくいい質問をされますが。
 やはり法治国家だから、例えば特定秘密保護法では、中身については特定の人間しかアクセスできないような枠組みをつくって、ちゃんとやっていますね。
 国家の安全保障というのは、隠しておけばいいというものではなくて、やはり民主的統制の中で、一定の民主的統制を働かせた上で安全保障は囲う。アメリカでいえば、アメリカの大統領が知らないことはないわけですが、国民にはなかなかそれは知らしめることができない、そういうことは当然、安全保障ですから、ある。ところが、何か伺うと、要は答弁できないことがあるんだと。僕はそれは間違っていると思いますが、間違っていますね。御答弁は、私はおかしいと思うんですよ。
 要は、我々が想定できる通信傍受を認めている法律が幾つかあります、それ以外にはないですよねと質問されましたよね、後藤さん。違ったかもしれないけれども、正確には。だけれども、それははっきり言わないわけですよ、総理は。はっきり言わない。
 私は、安全保障に係る法制、法整備が足りないと思っています。足りないから、本当はやっているんですよ。だって、やらないと国家の安全を守れません。超法規的なことをやっているんですよ、きっと。でも、そうは答弁できない。だから、あるともないとも言えない。こんなことをやっているから日本はおかしくなっていくんです。でも、そのおかしい日本を、中山副大臣がそれでいいんだとおっしゃったわけです。
 私は、ちゃんと法整備をして、国会を通して、そして、情報機関をつくるとか、スパイを取っ捕まえたり、スパイを世界に派遣をするとか、やったらいいじゃないと。いや、やっていると思いますよ。やっているけれども、今、国会にないしょでやっているんです。
 国会に言うべきは、それはやらせてください、でも、こうこうこういう仕組みでやりますから国会には中身は言えませんよ、これが当たり前ですよね。自衛隊だってそうでしょう。
 私は、中山副大臣のこの発言は、明らかに反民主主義的であって、国会を冒涜するものだし、日本国が先進国としてそういうものを認めたら先進国にふさわしくないので、改めていただくべきではないかと思ってお呼びしました。いかがでしょう。

#237
○中山副大臣 ありがとうございます。
 まず、本年三月十二日の内閣委員会におきまして、本多平直委員より、防衛省・自衛隊の具体的な情報収集活動の実施の有無について御質問がございました。しかしながら、個別具体的な情報収集活動の実施の有無については、我が方の手のうちを明らかにし、将来の効果的な情報収集活動の支障となるおそれがあることから、お答えを差し控えざるを得ないという趣旨で御答弁をさせていただいたものであります。
 いずれにせよ、防衛省・自衛隊による情報収集活動は、我が国の防衛に必要な情報を得るために行っているものであり、インターネット上の、当時の御質問にあったメールの傍受を含め、一般市民の監視を行っているものでは全くありませんという、そういった趣旨で当日御答弁をさせていただいたものであります。

#238
○足立委員 そうすると、改めて、法律で認められていないことはやっていないということでいいですね。

#239
○中山副大臣 行政機関の保有する情報の公開に関する法律の第五条の三というところに、委員も御承知のとおり、「公にすることにより、国の安全が害されるおそれ、他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報」という、そういった法律の中に法文もございますけれども、今委員の御指摘になったことは政府はやっていないということでございます。

#240
○足立委員 ありがとうございました。
 これは大変重要なテーマだと思っていまして、私はかねがね、この委員会でもほかの委員会でも、やはり日本が安全保障に関して、憲法九条との関係も含めて、非常にいろいろなものを自己抑制しているものですから、国家として非常に不健全なこと、ガバナンスがいろいろなところに発生しているという立場を取っています。だから、今の御答弁も含めて、また、今日はもう時間が限られていますので結構ですが、引き続きこのテーマはやっていきたいと思います。
 副大臣、もうこれで結構です。ありがとうございます。

#241
○平委員長代理 それでは、中山防衛副大臣、御退席ください。

#242
○足立委員 あと残り時間、全く同じテーマで、今申し上げたように、同じテーマで、実は今、コロナ禍で気になっていることがあります。
 営業の自由、飲食店の時短命令ですね。営業の自由に対しては、すごく簡単にその自由を制約しています、都道府県や国は。それに対して、個人のマスク、マスク会食の、マスクをするということについては、例えばそれを個々の国民に命令をするというような法的枠組みはつくられていません。事業者には命令はできるが国民には命令はできないようなたてつけが新型インフル等特措法になっています。
 今日はせっかく、ごめんなさい、時間がなくなってきましたが、近藤法制局長官にもお越しをいただいています。
 私は、感染症というのは有事だと思っていまして、やはり有事にふさわしいバランスというのがあると思うんですね。そういう有事法制、武力攻撃事態に係る有事法制は整備されていますが、感染症に係る、ある意味で感染症に係る有事法制が新型インフル等特措法なんだけれども。
 そこで、やはり国民の権利、自由を制約することについて相当日本は抑制的なんですけれども、法制局長官のお立場から、そういう国民の権利、自由を制約する立法を行うことに係る論点を、一般的なことですから何か教科書的になっちゃうかもしれませんが、ちょっとガイダンスいただければと思います。

#243
○近藤政府特別補佐人 お答えいたします。
 一般論ということでお答えをいたしますけれども、憲法が国民に保障する基本的人権については、国政の運営に当たって最大の尊重を必要とするものではありますけれども、このような基本的人権であっても、法律により、公共の福祉のために必要な場合に、合理的な限度において制約を受けることはあり得るということでございますので、そういう観点から、個々の制約について検討、判断はされるということだと承知しております。

#244
○足立委員 これは御答弁いただけないと思いますが、今申し上げた、今の第四波が収まった後、私が国会に、国民にマスク会食を義務づける規定を、新型インフル等特措法の改正案を出したら、私は野党だから、近藤長官がもし衆議院の法制局長官だったら、ちょっとこれは憲法上問題があるからやめてくれと言うか、いいんじゃないと言うか、どっちですか。

#245
○近藤政府特別補佐人 お答えします。
 国会における立法の問題について法制局として御答弁することは不適切でございますので、今の点については答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
 先ほどの繰り返しになりますけれども、結局、公共の福祉による制約については、その具体的内容、制約の可能性の範囲などについては、個別の立法の目的に応じてその必要性や合理性の面から具体的に判断する必要があるということに尽きるというふうに思います。
    〔平委員長代理退席、委員長着席〕

#246
○足立委員 長官、お忙しい中、ありがとうございます。
 私がこのテーマを取り上げたのは、結局、今コロナで大変なことになっているわけですが、事業者には、とにかくマスクをしないお客さんは退去してもらえという枠組みになっている。でも、国民にはそれを強くは求めていないので、結局、事業者に、飲食店にすごい過大な負担をかけているように思うんですね。
 そういう中で、国会の審議の中で、不退去罪の適用まで議論されました。
 今日、法務省にお越しいただいています。誤解がないように答弁をお願いしたいんですが、新型インフル等特措法と刑法は別だから、別に、新型インフル特措法ができたからといって、あるいはそれが適用されているからといって、不退去罪の構成要件が何か変わったとかそういうことではなくて、従来から適用されているように適用されているだけだから、何かそこについて変わりがあるわけじゃないよということを確認的にお願いしたいんですが。

#247
○保坂政府参考人 今お尋ねの刑法百三十条の不退去罪につきましては、その前後で法改正されておりませんで、構成要件の変更はございません。

#248
○足立委員 ありがとうございます。
 国会は何かそういう変な議論になりがちなんだけれども、それを見ている国民は誤解をしかねませんので、確認させていただきました。
 最後に、三原副大臣にもお越しをいただいています。最後になって済みません。
 実は、吉村知事がテレビに出られるときに必ずおっしゃるのが、厚労省から、コロナ病床確保のために一般医療をちょっと制限してくれというような通達を三月二十四日に出されています。でも、それは、厚労省は言うのは簡単だけれども、現場でそんなことできますかと。ちゃんと、どれをどうすべきなのか、おっしゃるのであれば最後まで言い切ってほしいということを常におっしゃっていますが、言い切っていただけないでしょうか。

#249
○三原副大臣 お答えさせていただきます。
 一般医療の制限の具体的な内容につきましては、一律に国が定めるのではなく、都道府県に対し、地域の医療機関と協議の上での検討をお願いしているところでございます。
 症状や重症化リスクの有無、これは、個々の患者や病院の機能など、地域の医療資源の実情によっても様々であることから、これらの実情を最もよく理解している地域の医療関係者が具体的な医療資源の活用の在り方を実態に即して判断することが適切であると考えたためであります。
 なお、個別具体的な患者の対応についても、当該患者の症状や重症化リスクの有無を踏まえ、個々の医師において治療の場や入院の判断等を決定するものと考えております。
 こうした検討を支援するために、厚生労働省としては、都道府県等の担当者とのオンライン説明会なども既に複数回開催するなど、問題意識を共有しているところでありまして、今後とも、都道府県と緊密に連携して、こうした考え方を共有しながら、都道府県を支援してまいりたいと思っております。

#250
○足立委員 ありがとうございました。
 時間が来ましたので終わりますが、今日取り上げた人口減少の問題も、経済安全保障の問題も、コロナ対応の問題も、私は、やはり国の仕組みとして、それから、国と地方の関係、その役割分担についても大改革をしていかないと、ちょっとこのままではきついなということを、改革をすることをお誓いして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

#251
○木原委員長 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後一時休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三十分開議

#252
○木原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。山尾志桜里さん。

#253
○山尾委員 国民民主党の山尾志桜里です。
 一昨日もこの委員会で質疑に立たせていただきました。今回、児童手当、六十一万人分の子供の支給を打ち切って、その財源でもって四年後の待機児童解消を図るというこの法案、極めて問題が多いというふうに思っています。
 その上で、一昨日は、やはり待機児童問題で、この五年間で、カウントのやり方の問題は残っているけれども、待機児童の数自体は半減をしたということを一定程度評価をした上で、今後は、待機ゼロだけを追求するのではなくて、やはり待機ゼロ政策のしわ寄せでばらつきが出た保育の質の向上、こちらに視点も広げていただきたいということを質問しました。今日はこの続きをさせていただきたいと思います。
 まず、今日ですけれども、三十分いただきましたので、三つ。一つは、やはり十分な財源を充てずに待機児童を解消しようとしたしわ寄せで、どんなふうに保育の質に問題が起きているのか。二点目、じゃ、この問題を解決するために保育士処遇改善が必要ですが、その課題と具体策。三点目、最後に、あわせて、ごく一部ではありますけれども、保育の質の大前提として、性犯罪を犯した人が保育士として保育園に戻ってくることのないようなスクリーニングの提案です。
 まず、保育の質の今起きている問題についてお伺いをいたします。
 皆さんのお手元に資料一ということで、虐待の記事を配らせていただきました。前回駆け足になってしまった、保育現場におけるこの虐待の問題です。
 この記事は、私立の認可保育園で、保育士さんがトイレで園児をたたいたり、おやつを口に押し込んだりという虐待例。せっかく元職員が通報したのに、市は、民間で起きたことは民間で対応してもらうのが基本、こういう姿勢で、速やかな調査が行われなかったという事例です。これは、市の対応にも問題はあったと思いますが、こういう事例をきちっと総括的に把握できていないとしたら、国にも大きな問題があると思います。
 そこで聞きます。前回、厚労省に、こういう虐待事案について、厚労省としてきちっと総合的な調査をし、それを把握し、公表しているのかと伺いましたら、包括的な調査はしているが虐待に限っていない、類型については公表していないという答弁でした。
 改めて聞きます、厚労省。虐待事案について、公表していないんじゃなくて、そもそも把握をしていないんじゃないですか。いかがですか。

#254
○大坪政府参考人 お答え申し上げます。
 昨日、先生御指摘のように答弁をさせていただきました。
 正確に申し上げますと、保育所において死亡事故等の重大事故が発生した場合や、児童の生命、身体、財産に重大な被害が生じるおそれが認められる場合には都道府県等により特別指導監査が行われておりまして、その総数については承知をしておりますが、この類型、虐待を原因とする特別指導監査の件数について、国は把握をしておりません。
 別途、先生から御指摘ありましたような、実態の調査というものを現在行っているというところでございます。

#255
○山尾委員 いろいろ、うつ伏せ寝とかプールでとか、そういった死亡やけがを起こす、そういう事故の調査はしているけれども、虐待について、ちゃんと枠づけして調査していない、把握していないというのはやはり問題だと思うので、これはやはり総合的に、ちゃんと自治体からそれをくみ上げる仕組みをつくってほしいと思うんです。
 その上で、不十分ながらではありますけれども、この記事にも出ています、一番下の段落の黄色い線の部分ですけれども、やはりこうした虐待事案について「実態調査を行う方針だ。」とあります。これは多分、全国の総計等を総合的に調査するんじゃなくて、一部の部分に限った限定的な調査をすることでまず実態を把握しようというようなものだと思いますが、今、参考人から出た調査というのがこれなのか、そしてその調査の内容、取りまとめ報告時期はいつなのか、お答えください。

#256
○大隈大臣政務官 お答え申し上げます。
 今御指摘の保育の量から質の転換という面で、委員の見識について敬意を表したいというふうに思っております。
 保育所における虐待を含む不適切な保育につきましては、不適切な保育に対する都道府県及び市町村の対応等に関する実態調査の実施、不適切な保育を防止するための方策や発生したときの対応についての手引の作成などを目的といたしまして、令和二年度子ども・子育て支援推進調査研究事業について調査研究を実施しているところでございます。今申し上げたところでございます。
 そのうち、実態調査につきましては、御指摘のように、児童虐待というような類型ではありませんが、個々の、例えば性的虐待ですとかあるいは問題行為について、不適切保育について、様々な事案について解析をさせていただいております。その不適切な保育の事実が確認された件数及び行為の類型や事実確認後の対応件数などを盛り込んでいるところでございまして、現在、報告書について最終調整を行っているところでございまして、数日中に調査が公表される見込みでございます。
 その後には、各自治体において適切な対応が図られるようにしっかりと周知をしてまいりたいというふうに考えております。

#257
○山尾委員 ちょっともう一回中身の確認をしたいんですけれども、今その令和二年の予算で行っている調査というのは、一部ピンポイントでの実態調査ではなくて、例えば令和二年なら令和二年で、虐待を含むいわば不適切保育、これの実際に起こった件数やその対応状況について、その一年の状況が分かるようなものが出てくるのか。そして、令和三年含めて、今後そういった、毎年毎年のそういった虐待に関する数値を含めた報告書を出していくつもりがあるのか。その点についてお答えください。

#258
○大坪政府参考人 お答え申し上げます。
 これは、保育所内で不適切な保育などに対する都道府県及び市区町村の対応に対する実態調査ということで、全国の悉皆調査として行っております。
 これは、今回初めてこういう形で予算事業の中で調査を行っておりますが、ここの中で一定のマニュアルのようなものを作っていただいて、今後の対応策というふうにしたいというふうに考えておりますが、必要に応じまして引き続きこういった調査を行っていこうというふうに考えております。

#259
○山尾委員 令和二年の調査報告書、数日内に出るというものも、私も、皆さんも見られると思いますが、しっかりチェックをしようと思いますし、ちょっと今の答弁だと、じゃ、令和三年以降もきちっと毎年毎年調査をするというところまで決まっていないと伺いましたので、ここはやはり当然やるべきことだという認識を持っていただきたいと思いますが、いかがですか。

#260
○大隈大臣政務官 しっかり受け止めて、検討してまいりたいと思います。

#261
○山尾委員 本当にお願いします。
 その上で、もう一つ問題です。皆さんのお手元の資料二枚目、資料二を御覧ください。
 虐待という本当に極めてひどい事案、プラス、やはり保育の質というからには、虐待がなければいい、ある程度、何事もなく過ごせればいいというわけではないというのが保護者の心情です。
 二〇一五年だったと思いますけれども、一歳児の預かりについて、保育士さん一人につき六人の子供という配置基準を一対五にするという目標を政府として立てたと思うんですが、これはいつ実現するんでしょうか。

#262
○嶋田政府参考人 お答えいたします。
 職員配置の改善につきましては、三歳児の配置改善に関しましては、平成二十七年度から取り組んでおるところでございます。
 一方で、〇・三兆円超の質の向上事項に含まれております一歳児の配置改善については、残念ながら未実施の状態でございます。
 今後も、教育と保育の質の向上を進めることは重要であるというふうに認識しておりまして、これらの実施について、各年度の予算編成過程において必要な財源の確保に努めてまいりたいと考えております。

#263
○山尾委員 五年、六年たって未実施というのは、これはやはり政治の意思がないといつまでたっても実施できないと思うんですね。だって、今回、待機児童ゼロにするために子ども手当から一部取ってきてそれに充てるみたいなことをやっている中で、これじゃもう、配置基準を子供目線でよくするなんて、やはり役所だけでは難しいと思うので、本当に政治の意思でこれを実現していただきたいと思うので、ちょっと皆さんにこの記事をお伝えします。
 資料二なんですけれども、これは、新潟県の私立保育園・認定こども園連盟というところが調査研究をした結果です。大変興味深いんですけれども、それこそ、給食のとき、一対三配置の場合と一対六配置の場合とで子供への言葉がけの回数がどれぐらい違うんだろうということを調査をしてくださっています。
 一対六、一人で六人を見る、目が届かない、こういう場合は、やはり、一番言葉がけが多い子でも五十四回、一番言葉がけが少なくしかできなかった子に対しては三回、その差は十八倍です。他方、保育士さん一人で三人の子供を見るという場合は、多い子には百六十回、少ない子にも三十五回、その差は四・五倍に収まる。この報告書では、やはり、一対六では十分な関わりができないだけではなくて、関わりがほぼなされない子供が出ることも明らかになった。
 こういう報告書も出ているので、是非配置基準の見直しにつなげてほしいんですけれども、いついつまでにとか、ちょっとそういうような方針を、今この場で多少示していただけないでしょうか。

#264
○嶋田政府参考人 先生おっしゃいますように、教育、保育の質の向上を進めるということは重要であるというふうに認識しておりまして、これらの実施について、各年度の予算編成過程において必要な財源確保に引き続き努めてまいりたいと考えております。

#265
○山尾委員 この質の問題、先回は、結局、この四月一日から、待機児童がいる自治体では常勤の保育士さんがいなくてもクラス運営ができるようにしましたという話があって、これは参考人も、やはり、本当は常勤の保育士さんが必ずいるというのが望ましいんだけれどもやむを得ない措置だというふうにおっしゃっていました。大坪参考人も、解消したら直ちに常勤保育士さんを確保してほしいということまでおっしゃっていたんですね。
 待機児童を解消するために子供たちに望ましくない方法を今やってしまっているということを政府も認識をしているし、私たちもそうなんだというふうに思うので、これは四年間は仕方ないんだということではなくて、やはり、四年したら保育園を出ちゃいますからね、本当に、待機児童の数の問題と質の問題をここから、今年から両立させていくというふうに気持ちをみんなで変えていきたいと思うんです。
 その上で、そのために絶対必要なのはやはり保育士さんの処遇改善なんですが、大臣にお聞きします。
 今回、六十一万人の子供さんの手当を打ち切って捻出するこの財源、これは保育士さんの処遇改善には充てられるんでしょうか。

#266
○坂本国務大臣 待機児童問題につきましては、四年間で十四万人の保育の受皿を整備することで最終的な解決を図ることにしました。この運営に毎年度必要となる追加費用約一千四百億円につきましては、社会全体で子育てを支援していくとの大きな方向性の中で、今般、企業からの一千億円を追加拠出していただきました。そして、今般の児童手当の見直しにより生じた財源等を活用して、所要額を確保してまいります。
 したがいまして、使途として更なる処遇改善については盛り込んでいないところであります。

#267
○山尾委員 盛り込まれていないんですよね。これだけ待機児童問題の肝は処遇改善だってみんなが認識しているのに、今回、手当を打ち切ってまで捻出する財源、結局、この処遇改善には充てられないということを、私も本当に、こういうことをやっていて少子化は解決するのかなというふうに思わざるを得ません。
 その上で、保育士の処遇改善、どうやったらできるのか、どうやったらスピードアップできるのかということを見ていきたいんですけれども、お手元の資料三を御覧ください。
 改めてお聞きをします。内閣府ですかね。
 これは平成二十七年と令和元年の保育士給与と全産業平均給与、これを示した図で、内閣府が出しているものですが、それぞれ、平成二十七年そして令和元年、全産業平均が幾らで、保育士さんの給与は幾らなのか、そしてその差額は幾らなのか、お答えください。

#268
○嶋田政府参考人 お答えいたします。
 厚生労働省の調査を基に算出いたしますと、平成二十七年度におきましては、保育士の年収は三百二十三万円、全産業平均の年収は四百八十九万円となっておりまして、その差、百六十六万円となっております。また、令和元年度におきましては、保育士の年収は三百六十四万円、全産業平均の年収は五百一万円となっておりまして、百三十七万円の差がございます。

#269
○山尾委員 今、年収ベースで、賃金月額で答えていただきましたので、一番右側の列のところを答えていただいたわけですね。改めて月給与で申し上げると、よく、保育園落ちたということで待機児童問題が社会化したときのその差額、十一万円ということが明らかになりました。十一万か、大きいなというふうに思っていて、その計算方法でいうと、これは一番左の水色の枠と文字を見ていただきたいんです。
 そこから、令和元年になって、十一・四万円だった差額が九・三万円、約二万円ですか、縮まった。五年で二万円差が縮まったというと、これは、全産業平均までギャップがなくなるのを単純に計算すると、二十年後とかになるんですね。こういうスピード感では日本の少子化に歯止めがかかると思えないので、これをスピードアップをしていただきたいんですけれども、これは、処遇改善の予算そのものを増やすだけじゃなくて、増やした上で、ちゃんと保育士さんにその処遇改善費が行くようにということが大切だとずっと言われてきました。
 そこで、お伺いをいたします。
 令和二年度でもあるいは元年度でも結構です。処遇改善の予算額の総額は幾らで、そして保育士さんには幾ら届いたんでしょうか。そして、その中でも園長さんを除いた保育士さんには幾ら届いたんでしょうか。

#270
○嶋田政府参考人 まず、処遇改善の予算総額でございますけれども、保育士等の処遇改善等加算に要する額は、あくまでも予算積算上の考え方として機械的に算出したものではございますけれども、令和元年度の予算では公費で約二千億円程度、それから、令和二年度予算では公費で約二千百億円程度となっております。
 そして、そのうち園長を除いた保育士さんの処遇に充てられた額はどうかということでございますけれども、実は、公定価格に係る予算を国から地方自治体に交付するに当たりましては、市町村における公定価格に係る所要額全体の提出を求めておりますが、その際、個々の加算に係る内訳の提出は求めておりません。このため、地方自治体に交付した金額のうち、園長を除いた保育士さんの処遇改善、処遇改善二とかに係る金額については、ちょっと把握しておりません。

#271
○山尾委員 やはり、これは把握できるようにすべきだと思うんですね。私から見ると予算は不足していますけれども、処遇改善予算ということで千億、そして二千百億とつけてきて、ただ、やはり現場の声は届いていないという声が相変わらずアンケート上では多い。そしてまた、やはり全産業平均とのギャップを見ても、その縮まり方が遅い。
 そういう中で、じゃ、どうすればスピードアップできるのかということをきちっと解決するためには、まず、本当に、渡している予算が実際保育士さんにどこまで渡っているのかということを把握しなければ、やはり政策策定ができないというふうに思うんですね。
 なので、これはちょっと調査をしていただきたいとともに、じゃ、少しでも参考になる数字がどこにあるのかなというふうに思いました。
 処遇改善予算というのは、お伺いをしましたけれども、パターン一というのとパターン二というのがあって、そして、パターン一については、園長さんにも保育士さんにも運転手さんにも事務職員さんにもつけられる。パターン二というのは、いわゆる園長さんと平の保育士さんの間の役職としてつくられた中核リーダー、専門リーダー、若手リーダー、こういう人たちにつけられる予算。
 これはやはり、パターン一は、どこに行っているか分からないわけですね。パターン二は、少なくとも保育士さんには行っているであろう、こういう予測がつくという中でお聞きをいたします。
 令和元年、総額千億、令和二年、総額二千百億、それぞれ、必ず保育士さんに行くはずのパターン二には幾ら行っていて、そして、そうではない、どこにつけられるのかちょっと分からないパターン一というのは幾らつけられているんでしょうか。

#272
○嶋田政府参考人 お答えいたします。
 令和元年度につきましては、先ほど処遇改善等加算に要する額としてお答えいたしました約二千億円程度のうち、処遇改善等加算の一が約一千二百億円程度、それから、処遇改善等加算二が約七百億円程度となっております。
 また、令和二年度につきましては、同様に、先ほど処遇改善等加算に要する額としてお答えした約二千百億円程度のうち、処遇改善等加算一が約一千三百億円程度、それから、処遇改善等加算二が約八百億円程度となっております。

#273
○山尾委員 そうすると、令和三年度もお聞きをしたら、令和三年も、パターン一で千四百億、パターン二で八百億。大体この三年を見ていると、事務職さん含めてどなたにも渡せるというお金が三分の二ぐらいついていて、本当にその中核になっている保育士さんにだけしか渡らないよというパターン二は三分の一程度ということで、ここの配分もちょっと見直していただいた方が、本当の保育士さんの処遇改善につながったり、そして中堅の保育士さんが更にその仕事を続ける、あるいは、そこに行けばより処遇がよくなるということで若手の人も頑張れる。このパターン二のところにちょっと配分を多くした方がいいんじゃないかというふうにも思うんですけれども、その点いかがですか。

#274
○嶋田政府参考人 先生のお話も御参考にしながら、どういうようなことができるか考えてまいりたいと思います。

#275
○山尾委員 そこで、やはり期限を切って、待機児童問題は、何かずっと二回先送りになっていますけれども、四年後にゼロにするんだという目標を立てているわけです。そうすると、保育士さんの処遇改善も、いついつまでにここまで処遇を上げるんだという目標を立てていただきたいんですけれども、今現在の目標期限と目標設定値はどこにあるんでしょうか。

#276
○坂本国務大臣 保育士さんの処遇改善、委員の御指摘のとおり、大変重要な課題であると認識しております。
 これまでも、平成二十五年度以降の月額四万四千円に加えまして、平成二十九年度からは、技能、経験に応じた月額最大四万円、この処遇改善を実施してまいりました。
 厚生労働省の調査を基に算出した保育士の年収は、全産業平均と比べて、令和元年度で百三十七万円差がありますが、処遇改善の取組を始めた平成二十五年度と比べると、六年間で全国平均で約五十四万円増加しており、一定程度の処遇改善の効果が出ているというふうに考えております。
 男女の全産業平均については、勤続年数に差があることから、単純に目標とすることは困難でございますけれども、こうした差も念頭に置きながら、引き続き、高い使命感と希望を持って保育士の道を選んだ方々が長く働くことができるよう、安定的な財源を確保しつつ、必要な支援を着実に進めてまいります。

#277
○山尾委員 ちょっと、目標期限とどこまで上げるよというのはやはり出てこないんですけれども、頑張りますということでした。
 これだけはどうしても確認しなければなりません。
 この資料のところで、右側の濃い青のところなんですけれども、この差額、要するに、四・三万円だった差額が今二・一万円になっていて、まずはこの解消を目指すということをおっしゃったのは安倍総理です。これは、最初に待機児童問題を私自身が、私としては最初に取り上げた頃に、どこまで目指すんですかというふうにお話をしたら、ちょっと私、びっくりしたんですけれども、全産業の女性の給与平均と保育士さんの女性の給与平均の差をまずなくすんだということをおっしゃったんですね。それはおかしいですよね。
 そのときも申し上げましたけれども、そもそも、保育士の仕事を女性の仕事というふうにレッテル貼りを国がする必要は全くないですし、男性と女性の平均賃金というのは、これは何のために出しているかというと、やはり女性が低いよね、これは何とか変えなきゃいけないよねということのために出しているデータですね。それをこの保育士問題に限っては、いわゆる一般の女性の方と同じところまで保育士さんの給与を上げましょうというのは、ちょっとこれはもう時代遅れというか、この設定はやめていただきたいんですけれども、これは維持されていないというふうに伺ってよろしいですか。

#278
○嶋田政府参考人 これは目標というよりはレファレンスでございますので、全産業の男女ということで、これが最終的な目標だというふうに考えておるところでございます。目標というか、そういうことを目指して努力していきたいということでございます。

#279
○山尾委員 全産業の男女合わせた平均が比較すべき基準だというふうに受け止めます。これは何度聞いても継続されていたので、ちょっと小さいけれども、大きな一歩かなというふうに思います。
 私、ふと気になって、じゃ、男性保育士さんはどうなっているんだろうというのも見たんですね。そうすると、令和元年の男性保育士さんの賃金月額を見ると、これは男性の保育士さんで三十二・四万円、女性の賃金月額は三十・二万円。しかも、男性の保育士さんの平均年齢は三十二歳で、女性の保育士さんの平均年齢は三十七歳。女性の保育士さんの方が五歳平均年齢が高いのに、賃金は月二万円低いという状況で、男性保育士さん、頑張っていますよ、頑張っているという前提で、保育士さんの中でもやはり男女の賃金格差というのはあるんですね。やはりそういうところが見えなくなってしまうような表の作り方はやめた方がいいということをお伝えしたいと思います。
 最後に、とにかく子供を、質以前の問題として、性犯罪から守ろうというお話をさせていただきます。
 皆さんのお手元なんですけれども、これは私たち国民民主党が出している骨子案です。これから法案になったら本当に皆さんの協力をいただきたいと思っておりますが、少なくとも、保育士さんについては、今、二年で犯罪を犯した人が戻れてしまう。教員については、刑務所に入った人は十年なんですけれども、罰金の人はそういった制限がない。という状態ではおかしいので、保育士さんにしても、先生にしても、やはり、子供に対して性犯罪を犯した人が、刑務所に入ったら、出てから十年、罰金刑を受けた人は、受けてから五年。これは、十年と五年というのは、刑の有効期間の関係でぎりぎりの上限かなと今時点では思って設定しています。
 これを是非実現をさせたいというふうに思うんですけれども、これについて、何か、法務省、厚労省、文科省と来ていただいていますが、問題、課題があるとしたらどんなところがあるんでしょうか。

#280
○田所副大臣 委員御指摘のように、子供が性犯罪や性暴力の被害に遭うようなことは断じてあってはなりません。したがって、チルドレンファーストの視点に立って、諸課題に対応する必要があるというふうに思っております。
 委員、様々な犯歴等によってその問題を起こさないような制度も提言されているようでありますが、それについては、個々人の犯歴に関する情報を扱うということにもなります。そういう中で、一たびこれが漏えいすれば、これは再犯の、道も閉ざしてしまいますので、その取扱いは非常に慎重であるべきであります。
 そういう中にあって、しかしながら、再犯防止も重要でありますので、犯罪に及んだ者の社会復帰を実現させつつ、子供への性暴力、性犯罪を防止する目的を達成するために、そういう犯歴のある者を、子供を扱うどの職種に就かないこととするのか、また、いかなる前科がある者を対象とするのかなどについて、法律によって明確にしていただきたい、いただく必要があると私は思っております。
 そういう中にあって、法務省としては、教育等の業務を所管する関係省庁に対してどのような協力が可能かを検討してまいりたいというふうに思っております。

#281
○大隈大臣政務官 厚労省、お答えいたします。
 今、お話ありましたとおり、保育の現場での子供に対するわいせつ行為、虐待は、もちろんですけれども、あってはならないことというふうに考えておりまして、禁錮以上の刑や、児童の福祉に関する法律で罰金の刑に処せられ、その執行を終えた日から二年を経過しないなど、児童福祉法で定める欠格条項に該当した場合には、保育士となることができない、これはもう委員御存じだと思いますけれども。また、こうした保育士の欠格事項に該当するおそれがある場合には、都道府県知事が、保育士の本籍地の市町村に対して犯歴情報の照会を行うこととしており、適正な資格管理に努めております。
 さらに、保育所には、資格を持っている方以外にも、様々な、子供と接する職種の方がおられると思います。そういう方々に共通する課題でございまして、分野横断的な仕組みの検討等、子供を性被害から守るための政府全体としての取組に積極的に協力してまいりたいと考えております。

#282
○丹羽副大臣 文部科学省でございますが、児童生徒に対してわいせつ行為を行った教員が二度と教壇に立つことがないようにするとの思いの下、御指摘の点も踏まえて、引き続き検討課題として取り組んでいきたいというふうに思っております。
 ただ、本年二月に、官報情報検索ツールというのを用いまして、教員の過去の犯罪歴とかを四十年に遡って大幅に検索することが可能となりました。
 様々な対応を含め、文部科学省としても積極的に前向きに取り組んでいきたいと考えております。

#283
○木原委員長 山尾君、時間が来ておりますので。

#284
○山尾委員 ありがとうございます。
 最後、資料五です。これは本当に政党関係なく、みんなで子供たちを守っていくということで、取組が進んでいます。
 保育士さん、教員で性犯罪を犯した人は欠格事由の厳格化をやろうというのが先ほどの提案でした。そしてまた、犯罪には至らないまでも、わいせつ行為を行った人については、免許の再取得とか保育士さんの再登録を制限するという試みが、今、与党の中でもあると聞いていますし、今の四十年官報に載せるということもこれに資するものだと思います。
 その上で、今度は、保育士さん、教員以外の、塾とかベビーシッターとか……

#285
○木原委員長 山尾委員に申し上げます。時間が過ぎておりますので、お取りまとめください。

#286
○山尾委員 はい。
 そこはこのDBSという制度が効果的だと思いますので、是非みんなの力を合わせて一つずつ実現させたいと思います。
 ありがとうございました。(丹羽副大臣「追加で訂正を、済みません、失礼いたします」と呼ぶ)もしあれば。

#287
○丹羽副大臣 済みません、山尾先生、申し訳ございません、先ほど犯罪歴と言いましたが、そこは犯罪歴ではなく懲戒免職等の具体的理由の内容でございます。済みません。

#288
○木原委員長 次に、塩川鉄也君。

#289
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
 おとといに続きまして、児童手当法附則改正の検討規定についてお尋ねをいたします。
 財源の在り方の検討とはどのような検討を行うのかというおとといの質問に対して、附則改正の検討規定部分を読み上げただけで、具体的なことは何も答弁しなかったところでした。
 改めてお尋ねしますが、財源の在り方についてどのような検討を行うのか、具体的に説明をしていただけますか。

#290
○嶋田政府参考人 この検討規定につきましては、今後の少子化の状況を始め、子ども・子育て支援に関する施策の実施状況や、子供、家庭への影響等もよく注視しながら、少子化の進展への対処に寄与する観点から検討してまいりますということでございますが、じゃ、具体的にどのような財源とかどういう内容かということでございますが、現時点で具体的な財源を想定しているわけではございません。
 ただ、財源確保の在り方については、これは様々な御意見があるものと承知しているところでございます。

#291
○塩川委員 現時点で想定しているわけではないという話でした。
 そこで大臣にお尋ねしますが、少子化社会対策大綱では、「更なる少子化対策の充実・強化」の項目で、「今般、消費税の引き上げにより確保した二兆円規模の恒久財源を子供や子育て世代に大胆に投資し、保育の受け皿の大幅な整備、幼児教育・保育の無償化、真に経済的支援が必要な子供たちを対象とした高等教育の修学支援などを実現した。少子化の進展が国民共通の困難であることに鑑み、更に強力に少子化対策を推し進めるために必要な安定財源の確保について、国民各層の理解を得ながら、社会全体での費用負担の在り方を含め、幅広く検討を進めていく。」とあります。
 ここで言う安定財源とは何なのかについて御説明いただけますか。

#292
○坂本国務大臣 総合的な少子化対策を進めていくための財源確保の方策につきましては、様々な議論があると承知しております。
 少子化社会対策大綱にも示されておりますとおり、必要な安定財源の確保につきましては、国民各層の理解を得ながら幅広く検討を進めていく必要があると考えております。
 将来世代の負担増を招くことがないように、必要な安定財源を確保しながら、少子化対策を全体として確実に進めてまいります。

#293
○塩川委員 幅広く検討という話でした。
 しかし、ここの大綱の文章の流れを見ても、その前段に、消費税の引上げで二兆円の財源を確保したということがありますので、当然、消費税の増税というのも選択肢としてあるのか、この点についてはどうですか。

#294
○坂本国務大臣 財源確保の方策につきましては、消費税に限らず、様々な議論があるものと承知しております。
 将来世代の負担増を招くことがないよう、必要な安定財源を確保しながら、少子化対策を全体として確実に進めてまいります。

#295
○塩川委員 消費税に限らず幅広くという話ですから、消費税増税も否定されておられません。やはり、逆進性の強い不公平税制である消費税で行うというのはふさわしくないということを申し上げておきます。
 続けて、令和三年度の財政制度審議会の建議ですけれども、少子化対策の安定財源の確保として、このように述べています。社会保険制度においては、妊娠、出産、子育てに関する現金給付がかねてから存在している、少子化対策は、賦課方式を取る我が国の社会保険制度の持続性の確保や将来の給付水準の向上につながるものであることを踏まえると、医療保険制度を含め、保険料財源による少子化対策への拠出を拡充するという考え方も、将来的課題として検討する余地がある、少子化対策の安定財源確保の在り方については、税財源のみならず、こうした考え方も含め幅広く検討を行っていくべきである、このようにあります。
 ここで述べている、医療保険制度を含め、保険料財源による少子化対策への拠出を拡充するという考え方というのは、どういうものでしょうか。

#296
○宇波政府参考人 お答え申し上げます。
 今御議論いただきましたとおり、少子化対策大綱にもうたっておりますけれども、少子化対策を推進するに当たっては、将来の子供たちに負担を先送りすることのないよう、安定的、恒久的な財源を確保することが重要であるというふうに考えてございます。
 これまでも、今御指摘のあった消費税の引上げ、あるいは事業主拠出金の追加拠出などによって安定財源を確保しながら、少子化対策を推進してきたところでございます。
 財政当局といたしましては、将来的な課題として、こうした中で、例えば、我が国の社会保険制度において、妊娠、出産、これは出産育児一時金あるいは出産手当金でございますが、あるいは、子育てとして育児休業給付金などに関する現金給付が社会保険制度においてかねてより存在していることも参考にしながら、将来的な課題として、少子化対策の財源確保の在り方として、税財源のみならず保険料財源も含めて幅広く検討することが適当であるというふうに考えてございます。
 いずれにいたしましても、税財源あるいは保険料財源、事業主拠出金あるいは制度の見直しなど、将来の子供たちに負担を先送りすることのない形で恒久的な財源を確保しつつ、少子化対策を推進することが重要であるというふうに考えてございます。

#297
○塩川委員 財政審の建議において、消費税でもなく、また事業主の拠出金でもなく、その他ということも書いていなくて、保険料による少子化対策の安定財源だけを取り上げているというのはどういう意味なんですか。

#298
○宇波政府参考人 財政審の建議でございますので、そういう意味では、財務省が事務方としてこれに何かの解釈を加えることは難しいわけでございますが、財政当局といたしましては、保険料財源だけを何か殊更に申し上げているわけではなくて、繰り返しになりますが、税財源、保険料財源、事業主拠出金あるいは制度の見直しなど、将来の子供たちに負担を先送りすることのない形で恒久的な財源を確保することが重要であって、その財源の在り方については幅広く検討することが必要であるというふうに考えてございます。

#299
○塩川委員 財政審の議論を見ての、この建議に至る過程で事前に事務方が用意したペーパーの中に、この文言そのものが入っているんですよ。ですから、事務方が用意をした文書どおりのが建議に盛り込まれているんです。
 もちろん、その他の財源もということはありながらも、しかし、ここでの具体的な例示そのものは、特出しで社会保険の制度。医療保険を始めとしてという言い方ですから、公的な保険制度を念頭にということで、だけとは言いません。これを特出ししている理由は何ですか。

#300
○宇波政府参考人 財政審の建議におきましても、保険料財源による少子化対策への拠出を拡充するという考え方も、将来的課題として検討する余地があるというふうに考えているわけでございます。
 幅広くいろいろな財源の在り方を検討する必要があるという趣旨で、これを事務方の方は記述しているわけでございますけれども、財源の在り方としては、将来の子供たちに負担を先送りすることのないようにするということ、それから恒久的な財源を確保していくという、この二点が大事でありまして、財源の在り方としては、先ほどから御答弁申し上げているように、幅広く検討する必要があるというふうに考えてございます。

#301
○塩川委員 幅広く検討するという話ですから、公的医療保険だけではなくて、公的な介護保険ですとか公的年金保険とか、あるいは雇用保険などの社会保険方式を組み合わせるといったことなども当然念頭にはあるということになるんでしょうかね。

#302
○宇波政府参考人 先ほど例示で申し上げました社会保険制度におきましても、出産育児一時金は、これは医療保険制度における仕組みでございます。それから、育児休業給付については、これは雇用保険制度における仕組みであります。それから、現在、児童手当の財源の一部あるいは保育所等運営費の財源の一部には事業主拠出金が充てられているということでございますので、保険料という形式でも、また様々なものがあるというふうに考えております。
 現在そういう形になっておりますので、こうしたことも参考にしつつ、幅広く検討する必要があると考えております。

#303
○塩川委員 かつて自民党内では、こども保険ということで、公的年金保険に付加するような形での提案などもあったところです。それが消費税増税分の使い道の変更という格好で立ち消えになったという経緯もありますから、そういう意味では、そういった幅広い検討の中にはいろいろなメニューもあってということだと思います。
 今回の児童手当の削減については、やはり、今回の措置のように、子育て支援の財源を子育て世代間でのやりくりで行うことはやるべきではないということを申し上げ、また、逆進性の強い消費税増税は認められない、行うのであれば、大企業、富裕層優遇税制の見直しで確保すべきではないかと。大臣にお答えいただきたい。

#304
○坂本国務大臣 子育て世代に対します支援といたしましては、これまでも、幼児教育、保育の無償化などを行っており、さらに今般、不妊治療の助成の拡充や新子育て安心プランの実施によります待機児童の解消などを行いまして、子育て世帯全体への支援を充実させてまいりたいというように思っております。
 このうち、待機児童問題につきましては、四年間で十四万人分の保育の受皿を整備することで最終的な解決を図るということといたしました。この運営に毎年度必要とする追加費用約一千四百億円につきましては、社会全体で子育てを支援していくとの大きな方向性の中で、今般の児童手当の見直しにより生じる財源等に加え、私自身も経済界に何度も足を運びまして、企業の方からも一千億円を追加拠出していただき、所要額を確保しているところであります。
 総合的な少子化対策を進めていくための財源確保の方策については、富裕層への課税に限らず、様々な議論があると承知しています。引き続き、少子化社会対策大綱に基づきまして、必要な安定財源を確保しながら、少子化対策を全体として確実に進めてまいります。

#305
○塩川委員 今、国際的にも法人税の引下げ競争は見直そうという流れが大きく広がっております。アメリカやイギリスでは、行き過ぎた法人税減税を改め、引上げをするという取組も始まっております。アマゾンのベゾスCEOが法人税引上げを歓迎すると述べたということも話題になっておりました。これなどもいろいろ企業としてのスタンスも当然あるんでしょうけれども、日本においてもやはり法人税、特に大企業への優遇税制を見直すべきでありますし、低過ぎる金融所得課税も引き上げて、こういったものを少子化対策などの財源にしっかり充てていく、これこそ行うべきではないかと考えますが、改めてお聞かせください。

#306
○坂本国務大臣 それぞれの国にそれぞれの考え方があると思いますけれども、必要な安定財源を確保しながら、少子化対策を全体として進めていきたいというふうに考えております。

#307
○塩川委員 低所得者の方を含む国民に負担増を強いるような消費税増税は認められませんし、こういった応能負担に沿った税制の改革を行う中での子育て財源の確保を求めていくことを改めて申し上げるものであります。
 次に、学童保育についてお尋ねいたします。
 学童保育において、放課後児童クラブ運営指針にもあるとおり、学童保育の指導員である放課後児童支援員には、その職務に当たって専門性が求められていると思いますが、この点について確認をいたします。

#308
○大坪政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおりでして、放課後児童支援員につきましては、お子様の発達段階に応じました主体的な遊びや生活が可能となりますように、自主性ですとか社会性及び創造性の向上などを職務としていることから、専門性が求められるところでございます。
 このため、国が定めております放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準、これは省令でございますが、この中で、放課後児童支援員につきましては、保育士等の基礎資格に加えまして、都道府県知事等が行う研修を修了したものではならないというふうにしております。
 こういった形で、厚生労働省といたしましては、質が担保されますように、放課後児童支援員に対する研修により支援員の質の向上を図るなどを行っているところでございます。

#309
○塩川委員 答弁にありましたように、放課後児童支援員には放課後児童クラブを運営する上で必要となる専門性が求められるということであります。
 そこで、第九次地方分権一括法により、放課後児童クラブの職員に関する基準が、従うべき基準から参酌基準に改正をされました。どのような改正だったのかについて説明してください。

#310
○大坪政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘の第九次地方分権一括法により改正されましたクラブの職員に関する人員配置、資格要件でございます。
 これは、当該基準が今まで従うべき基準であったことによりまして、様々地方から、実態に合わせていろいろ、例えば児童が少ない場合に、二人配置しなければいけないということになっておりますと、児童が少ない放課後ですとか、また夕方、土日、こういったときに必ずしも二人要らないのではないかといった地域からのお声をいただきまして、二年間の検討を経まして、ここを自治体の方で責任と判断に基づいてお考えをいただく参酌基準という形にしたところでございます。

#311
○塩川委員 職員に関する基準ということで、放課後児童支援員を二人以上配置をする、ただ、うち一人を除いて補助員の代替可という要件もあるということですから、実質一人は必ず支援員を置くというのが基準となっていたわけでありますが、それが自治体においての判断に委ねるという中身になっているということです。
 そこで、やはり現場からは、まさに専門性が求められている支援員の配置基準を後退させるというのは、子供たちの環境を考えても、安心、安全を損なうものではないのかという強い批判の声が上がっているところであります。
 自治体のいろいろな都合はあるわけですけれども、この間、条例の改正も行われてきたと思うんですが、参酌化に伴う自治体による条例の改正状況はどうなっているのかを御説明ください。

#312
○大坪政府参考人 お答えを申し上げます。
 厚生労働省では、元々、放課後児童クラブの実施状況を毎年調査を行っております。それに加えまして、今回、参酌化が図られまして条例改正があったことを踏まえまして、その状況を併せてお調べをしております。
 これが、昨年九月三十日現在ということで調査の結果が出ておりますが、人員配置、資格要件に係る基準の参酌化につきまして、そもそも、放課後児童クラブを設置しているところが全市町村千七百四十一のうち千六百二十三ございます。条例改正を行ったところが五百七十五か所、三五・四%ということを確認をしております。そのうち、放課後児童支援員の研修修了要件の経過措置を延長する改正、これが最も多うございまして、五百六十の自治体、三四・五%に当たります。それ以外ですと、人員に関する改正を行ったところが三十二自治体、二%。改正を行った自治体の人口規模は小さいところが多いような傾向がございました。これが調査の結果でございます。

#313
○塩川委員 今紹介がありましたように、放課後児童支援員に係る認定資格研修修了要件の経過措置の延長というのが五百六十か所とか、放課後児童支援員の員数に関する改正が三十二か所とかいうお話がありました。
 そこで、この調査で、放課後児童支援員の人数について、規模別での調査なども行っております。令和元年、二〇一九年において、まず放課後児童クラブの支援の単位数の全数が幾つかという話と、そのうち放課後児童支援員数がゼロ名というクラブというのはあるのか、分かりますか。

#314
○大坪政府参考人 お答えを申し上げます。
 放課後児童クラブの令和二年七月現在のクラブの数が二万六千六百二十五か所、先生、単位数でお尋ねがございましたので、三万四千五百七十七単位ということでございます。
 もう一つお尋ねがございました。放課後支援員の数が規模別にゼロであるところというお尋ねがあったかと思いますが、そこは、市町村の条例基準に基づく放課後児童支援員がゼロとなっている支援の単位数が七百十一か所で全体の二%、国が定めておりました設備運営基準を満たす放課後児童支援員数がゼロとなっている支援の単位数が一千二百九十九か所で全体の三・八%というふうに承知をしております。

#315
○塩川委員 今のは令和二年の数字で、その前の年の、令和元年の数字が分かればと思ったんですが、分かりますか。

#316
○大坪政府参考人 お答え申し上げます。
 令和元年のお尋ねでございましたので、クラブの数で申し上げますと二万五千八百八十一か所、単位数で申し上げますと三万三千九十でございました。

#317
○塩川委員 その上で、放課後児童支援員数がゼロというところは幾つか。

#318
○大坪政府参考人 これは令和元年ということでよろしいでしょうか。令和元年、恐れ入ります、ちょっと規模別で今即座に足し合わせていないのですけれども、令和二年でしたら、先ほど申し上げた市町村の基準ですと、七百十一か所で二%……(塩川委員「規模別のゼロのところ」と呼ぶ)そうなんです。規模別を、ゼロのところを全部足し上げるのにちょっと今時間を要するものですから……(塩川委員「ゼロのところはゼロでしょう」と呼ぶ)はい、そうです。令和元年は参酌基準になる前ですね。施行前はゼロか所ということになります。

#319
○塩川委員 ですから、全国で三万以上のクラブの単位がある中で、参酌基準の前の令和元年度においては、放課後児童支援員数がゼロというクラブの単位というのはゼロなんですよ。それが令和二年になると七百十一ということになってきます。
 実施規模で見ても、もちろん小さいところでもゼロというところはあるんですが、七十一人以上という大規模のクラブにおいても、放課後児童支援員数がゼロ名というところが三十三もあるんですよね。これは、子供の安全性確保に支障が生じるような事態が生まれているんじゃないでしょうか。

#320
○大坪政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、令和二年四月一日から参酌基準ということにしておりますので、その段階で、これまでゼロであったところから、幾つかのところがそういった事案が生じているということは承知をしております。
 この調査結果に基づきまして、まずは、一義的には、地方が条例により定めているものではございますので、各自治体において、自治体の十分な責任と判断により、地域の実情に応じて適切な対応を取っていただくことが一義的には筋論でございますが、今回の調査結果を踏まえまして、事業をいかなる体制で運営する場合でも、やはり子供の安全の確保、こういったところに支障がないのかどうか、最大限留意するということが必要であるというふうに考えております。
 市町村においては、こういう安全確保の対策はどう取られているかということを、国の方としても計画を立てるようにということを求めているところでもございまして、放課後児童支援員や補助員に対する研修の推進ですとかこういった調査の結果などをお知らせすることで、また安全性の、質の確保というものに努めてまいりたいというふうに考えております。

#321
○塩川委員 先ほどの答弁の中でも、児童が少ないような場合に二人要らないんじゃないのかという話がありました。でも、実態は、七十一人以上のクラブでもゼロというところが三十三もあるんですよ。要は、児童が少ないところだけではなく、大規模クラブにおいてもこういうゼロという事態が生まれているんですよね。
 この地方分権一括法の議論が行われたとき、私、質問もしましたけれども、そのときに、厚労省の説明は、人員配置基準の参酌化に当たって、登録児童数が少ない場合、地域の人口が少ない場合など、地域の特性によっては継続的にクラブの運営が難しい状況が生じているということを理由にしていたんです。
 だけれども、実態は、小規模クラブだけの話じゃなくて、七十一人以上という大規模クラブでも放課後児童支援員がゼロという状況になっている。これは、厚労省としても、私は元々認めていませんけれども、厚労省が容認したという実情、条件と比べても、余りにも食い違っている事態ではありませんか。

#322
○大坪政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、これは、令和二年四月一日に改正をされました後に、九月三十日現在の時点ということで調査をかけさせていただきまして、厚生労働省としても、その結果を確認させていただいたところでございます。
 これにつきましては、先ほど申し上げましたように、地方自治体の一定の責任の下においての判断とはいえ、安全対策などにも十分留意をしていただきたいというふうにも申し上げておりますところですので、この結果をまた自治体の方にお示しをしながら、安全対策の確認など、また、改正内容が遵守されているかどうか、こういったことを、自治体ともよく連携を図ってまいりたいというふうに考えております。

#323
○塩川委員 実態把握は当然しっかりやっていただきたいわけですけれども、しかし、参酌基準化によって、子供たちの安全を整える環境であるこの支援員の配置そのものが大きく後退している、この事態が、まさに危惧が指摘されていたことがそのまま現実のものとなっているということで、看過できない事態だ。こういう事態を改めるという立場で厚労省は対応すべきじゃありませんか。

#324
○大坪政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど来申し上げておりますように、先生の御指摘のとおり、安全性の確保、質の担保がなされているかどうかということを、市町村とも共に連携して、確認をしてまいりたいというふうに考えております。

#325
○塩川委員 こういったように、実際に支援員の配置がかえって後退するという事態というのを放置することはできません。
 そもそも、専門性が求められているというこの支援員の仕事について、やはり、それにふさわしい処遇が行われていない。この間、保育士の問題も取り上げてまいりましたけれども、学童クラブの指導員、放課後児童支援員についても同様のことが言えるわけであります。
 厚労省として、こういった指導員が経験を蓄積をし、子供と安定的に継続して関わりを持つために必要なのは、指導員が就労を継続できる条件整理、処遇改善ではないのか。お答えください。

#326
○大坪政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、処遇、待遇を改善するということは、人材を確保する意味でも、適切な、安定的な運営を図る上でも極めて重要だというふうに考えております。
 そのため、厚生労働省といたしましては、これらの支援員の方々が長期にわたって安定的に就業できるように、処遇改善ですとか労働環境の整備ということに努めてまいったところでございます。具体的に申し上げますと、平成二十九年度より、放課後児童クラブの勤続年数ですとか研修実績などに応じました処遇改善の経費を補助いたします放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業、これを実施をしておりまして、これまで適宜、月額は引上げを行ってきたところでございます。
 また、それ以外でも、育成支援の周辺業務を行う方たちの配置をすることで業務の改善を図る、こういったことの必要な経費の補助なども行ってきたところでございまして、こうした政策を通じまして、放課後児童クラブの安定的な運営が図れるように努めてまいりたいというふうに考えております。

#327
○塩川委員 元々処遇が低いものですから、キャリアアップと言われても、キャリアアップに行く前に、今の処遇では食べていけない、暮らしていけないということで継続できないというところの実態こそ改善しなければならない。そういう意味でも、抜本的な処遇改善が求められているということです。
 坂本大臣、是非、この点で、受け止めをお聞きしたいと思います。

#328
○坂本国務大臣 厚労省の動きをしっかりフォローアップしていきたいと思います。

#329
○塩川委員 今、坂本大臣は地方分権一括法の担当ですね。第九次の地方分権一括法で行われたのがこの参酌基準化なんですよ。こういう状況でいいのかというのが問われているんじゃないでしょうか。
 この参酌基準化によって、緊急時の対応に困難が生じたり一人一人に丁寧な対応が困難となる、そういった支援員の配置が大きく後退をするという事態が全国で生まれている。このこと自身が大きな問題となっている。子供たちの様子を本当に理解することを困難にするような参酌基準化がもたらした支援員の配置の後退、これをつくった参酌基準はやめるべきじゃありませんか。
 従うべき基準にしっかり戻していく、国として、こういった学童クラブにおける安全を確保するような対策をしっかり行う、参酌基準はやめるべきだということを大臣から是非取り組んでいただきたい。いかがですか。

#330
○坂本国務大臣 厚労省の方としても、放課後児童支援員や補助員に対する研修の推進、そして活動内容に関する質の向上のための評価の推進、さらには好事例の普及、展開、放課後児童クラブを巡回し育成支援の質の向上を図るアドバイザーの市町村への配置、さらには育成支援の周辺業務を行う職員の配置等々を行うことというふうに私としては承知しております。

#331
○塩川委員 いや、厚労省が想定しているよりも、実際に、大規模クラブなんかでも支援員が配置をされないような事態が生まれているという点では、この参酌基準化がこういった学童クラブにおける安全対策を損なうような実態になっているということを指摘しているわけですから、この参酌基準化そのものを見直すということを行うべきときじゃないのか。参酌基準化はやめるべきだ、この点についてお答えください。

#332
○坂本国務大臣 厚労省にいろいろ話を聞いてみたいというふうに思います。

#333
○塩川委員 じゃ、厚労省、一言。

#334
○大坪政府参考人 お答え申し上げます。
 こういった育成の現場というのは、やはり地元の市町村の現状ですとか御意見ということが非常に重要なんだろうというふうに思っておりますので、これが、地方分権の中で御提言いただくものが全て悪いということではないと思っておりまして、この制度の中でいかに安全性を、質を確保しながら自治体の方での安定的な運営が行っていけるか、こういったことを自治体とともに連携しながら考えていきたいというふうに考えております。

#335
○塩川委員 質の確保が損なわれているから見直せと申し上げて、質問を終わります。

#336
○木原委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
 次回は、来る十四日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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