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2021/04/21 第204回国会 衆議院 第204回国会 衆議院 国土交通委員会 第13号 令和3年4月21日
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2021/04/21 第204回国会 衆議院

第204回国会 衆議院 国土交通委員会 第13号 令和3年4月21日

#1
令和三年四月二十一日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 あかま二郎君
   理事 古賀  篤君 理事 谷  公一君
   理事 土井  亨君 理事 平口  洋君
   理事 簗  和生君 理事 城井  崇君
   理事 小宮山泰子君 理事 岡本 三成君
      秋本 真利君    井上 貴博君
      泉田 裕彦君    小里 泰弘君
      加藤 鮎子君    門  博文君
      金子万寿夫君    金子 恭之君
      菅家 一郎君    工藤 彰三君
      小林 茂樹君    鈴木 貴子君
      田中 英之君    田中 良生君
      高木  啓君    中谷 真一君
      中村 裕之君    鳩山 二郎君
      深澤 陽一君    堀井  学君
      三ッ矢憲生君    村井 英樹君
      山本  拓君    荒井  聰君
      伊藤 俊輔君    岡本 充功君
      辻元 清美君    広田  一君
      松田  功君    道下 大樹君
      山花 郁夫君    山本和嘉子君
      北側 一雄君    吉田 宣弘君
      高橋千鶴子君    井上 英孝君
      浅野  哲君    古川 元久君
    …………………………………
   国土交通大臣       赤羽 一嘉君
   国土交通副大臣      大西 英男君
   国土交通大臣政務官    小林 茂樹君
   国土交通大臣政務官    朝日健太郎君
   国土交通大臣政務官    鳩山 二郎君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 新田 慎二君
   政府参考人
   (出入国在留管理庁出入国管理部長)        丸山 秀治君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官)  浅沼 一成君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房高齢・障害者雇用開発審議官) 達谷窟庸野君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           宮崎 敦文君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           福永 哲郎君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房公共交通・物流政策審議官)  久保田雅晴君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房土地政策審議官)       里見  晋君
   政府参考人
   (国土交通省水管理・国土保全局長)        井上 智夫君
   政府参考人
   (国土交通省道路局長)  吉岡 幹夫君
   政府参考人
   (国土交通省住宅局長)  和田 信貴君
   政府参考人
   (国土交通省鉄道局長)  上原  淳君
   政府参考人
   (国土交通省自動車局長) 秡川 直也君
   政府参考人
   (国土交通省航空局長)  和田 浩一君
   政府参考人
   (観光庁長官)      蒲生 篤実君
   参考人
   (独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構副理事長)          水嶋  智君
   国土交通委員会専門員   武藤 裕良君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十一日
 辞任         補欠選任
  岩田 和親君     金子万寿夫君
  岡本 充功君     山花 郁夫君
  古川 元久君     浅野  哲君
同日
 辞任         補欠選任
  金子万寿夫君     村井 英樹君
  山花 郁夫君     岡本 充功君
  浅野  哲君     古川 元久君
同日
 辞任         補欠選任
  村井 英樹君     岩田 和親君
    ―――――――――――――
四月二十日
 住宅の質の向上及び円滑な取引環境の整備のための長期優良住宅の普及の促進に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第二五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 住宅の質の向上及び円滑な取引環境の整備のための長期優良住宅の普及の促進に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第二五号)
 国土交通行政の基本施策に関する件
     ――――◇―――――

#2
○あかま委員長 これより会議を開きます。
 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、参考人として独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構副理事長水嶋智君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として国土交通省大臣官房公共交通・物流政策審議官久保田雅晴君、大臣官房土地政策審議官里見晋君、水管理・国土保全局長井上智夫君、道路局長吉岡幹夫君、住宅局長和田信貴君、鉄道局長上原淳君、自動車局長秡川直也君、航空局長和田浩一君、観光庁長官蒲生篤実君、警察庁長官官房審議官新田慎二君、出入国在留管理庁出入国管理部長丸山秀治君、厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官浅沼一成君、大臣官房高齢・障害者雇用開発審議官達谷窟庸野君、大臣官房審議官宮崎敦文君及び経済産業省大臣官房審議官福永哲郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○あかま委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#4
○あかま委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。田中英之君。

#5
○田中(英)委員 おはようございます。自民党の田中英之でございます。
 今日は、こういった機会を与えていただきまして、ありがとうございました。限られた時間でありますので、早速お伺いしていきたいと思います。
 この国交委員会でも、先般から、流域治水の関連法案の議論があったわけであります。衆議院の方では可決をして、今、参議院でこれから審議、議論がなされていくものだと思いますが、一点だけ少し確認したいこともありましたので、まずそのことからお伺いしたいと思います。
 治水の方法なんというものは本当にいろいろな方策があると思っておりますが、ダムを造るのもその一つでしょうし、遊水地というものを確保して利用することもそうでしょう。また、川の底を掘削していくということ、これも一つでありますし、またまた、護岸、堤防なんかを強化していくということもこれは一つの方法であろうと思います。
 私の地元でもでありますし、恐らく他のいろいろな地域でも、遊水地を利用したこの治水の在り方、ともすれば、公の土地もあれば、民間の皆さんの土地を長年使ってやってこられたということもあろうかと思います。
 その一つで、霞堤という一つの形があるわけでありますけれども、このことは恐らく長年有効な治水対策として使われてきたものだというふうに思っておりますが、中には、少し、この霞堤で大きな悩みを抱えてこられた地域もあるんだというふうに思います。
 そこで、この霞堤によってのメリットであったり、また、どういったところでちょっとデメリットがあるかということを国交省としてお考えか、お伺いしたいと思います。

#6
○井上政府参考人 お答えいたします。
 治水対策は、流域の特性や河川沿いの人口、資産等を踏まえつつ、下流から計画的に堤防整備や河道掘削等を進めるとともに、中上流でダムや遊水地を整備することを基本としております。
 また、委員御指摘の霞堤につきましては、霞堤と本堤防で囲まれた区域で洪水の一部を貯留し、下流河川の水位を低下させる有効な手段として、全国各地で古くから行われてきた治水対策の一つです。
 京都府が管理する桂川中流の亀岡市にある霞堤は、資産が集中する桂川下流部の国管理区間に対しては浸水被害軽減に役立つメリットがある一方で、亀岡市の霞堤で囲まれた地域に対しては浸水被害が頻発するデメリットもあります。
 そこで、亀岡市域においても少しでも浸水する頻度を低減できるよう、国土交通省では、桂川下流部の国管理区間において、堤防整備や河道掘削等により流下能力を向上させ、これを受けて、上流の亀岡市の霞堤のかさ上げが順次実施されているところです。
 引き続き、上下流の治水安全度のバランスを図りながら、桂川全体の治水安全度の向上を図ってまいります。

#7
○田中(英)委員 ありがとうございます。
 今、あえて多分、地元事を挙げて御答弁いただいたんだというふうに思います。
 御答弁ありましたとおり、上流、下流、中流も含めてでありますけれども、そのバランスというものをしっかりと取りながら、当然、整備もであれば、上流が守られて下流が守られないということであるのは、なので、意外とやはり上流の方がそういった意味では犠牲になってきたというところもこれはあるんだというふうに思っております。
 思い起こすと、平成二十五年の十八号台風で、御承知のとおり、テレビなんかでも、あの嵐山という地域の渡月橋が、ともすれば流されるんじゃないかなんという映像が記憶にあるんですけれども、以降五年かけて、実は、この淀川水系の桂川に関しては、川の底を掘削いただいたり、また堤防を強化していただいたり、井堰も撤去するなど、いろいろな策を講じていただいて、ここ近年の雨で以前ほど、水害が実は減っているという、これは事実でありますし、その整備をしていただいたことについては本当に感謝をしております。
 ただ、霞堤についてなんですが、治水効果があるというところで望まれる部分もあるんでしょうけれども、やはり望まれない、自らの土地を、田畑を提供しながら、ともすればそこから各家屋に浸水するという過去がそういった地域ではある中で、やはりこの霞堤というものを、できることなれば、ない中で治水対策というものを取っていただきたいと思っておられる地域もあろうかというふうに思います。
 今挙げていただいた、実は、桂川流域の亀岡市というところは、この五年間の整備によって霞堤のかさ上げを約一メーターできて、まだ実は残っておりますが、地域の皆さんからすると、数十年にかけて、これは国の方にも要望に来られて、この水害対策、治水対策を何とかしてほしいという、そんな思いを持っておられる方も多いわけであります。
 そこで、今回の関連法案の中で、浸水エリアの土地利用としての貯留機能保全区域の指定に関してでありますが、これまでから、霞堤が設置されて、自らの土地を犠牲にしなければならない、そんな地域の皆さんの思いとか声、願いというものがやはり無視されるようなことがあってはならないと思いますが、そういったことがないか、確認したいと思います。

#8
○井上政府参考人 特定都市河川法は、河川整備や下水道整備に加えて、雨水の流出抑制対策や土地利用規制等の総合的な浸水対策により浸水被害を防止することを目的としており、主要な担い手となる流域自治体と連携して対策を進めることとしております。
 議員が御指摘のように、霞堤がある地区について、可能性としては、今後、貯留機能保全区域というものの指定ということも概念上は想定されているわけでございますけれども、その実際の指定につきましては、都道府県知事が指定するものでございますし、その指定をする前にその区域の、存在している市町村の意見を聞くなど、地元の意見を聞くという努力をしております。
 また、まず、貯留機能保全区域を指定するということの前に、その前に特定都市河川を指定するという前提が必要ですし、その際にも流域自治体の意見を聞くなど、いろいろ流域自治体の意向が反映する仕組みになっておりますので、地元の声をしっかり聞いて対応させていただきたいと思います。

#9
○田中(英)委員 ありがとうございます。今お聞きして、安心しました。
 というのは、やはり地元の皆さんの声なくして自治体と国とで決定をされるとなると、これまでから、特にこの地域ではこういった行動を取ってこられたわけで、今回のこのかさ上げ、かなり喜んでおられます。逆行することがあっては、今までの積み重ねてきた努力というものが何だったんだという、そんな声もあって失望感も出ますので、どうぞ、そういった声を聞くことなく進めるということがないように、今おっしゃっていただきましたので、よろしくお願いしたいと思います。
 流域治水、こういった形でいろいろと守っていくわけでありますけれども、その一つの機能として、ダムもあるということを冒頭申し上げました。
 実は、最近、近畿地方の方では、やはり淀川水系のことでいろいろと、治水の問題を前に進めようという動きがございます。
 淀川河川整備の一つであった大戸川ダムの建設の事業でありますけれども、二〇〇八年に、一度事業を凍結するという形になりました。この凍結された訳でありますけれども、なぜ凍結されたのか、お伺いしたいと思います。

#10
○井上政府参考人 淀川水系においては、二〇〇八年六月、大戸川ダムの整備を含む河川整備計画の策定に当たり、河川法に基づき、近畿地方整備局が淀川流域の六府県知事に対して意見をお聞きしました。委員御指摘の、大戸川ダムの受益地を抱える当時の三府県知事からは、大戸川ダムについて、一定の治水の効果があることは認めるとした一方で、ダムの本体工事については、施策の優先順位を考慮すると河川整備計画に位置づける必要はないとの趣旨の回答をいただきました。
 これを受け、二〇〇九年三月に策定した淀川水系の河川整備計画においては、大戸川ダム本体工事については、中上流の河川改修と進捗状況とその影響を検証しながら実施時期を検討すると位置づけたところです。
 このため、ダム本体工事にはまだ着手しておりませんが、ダム完成後に必要となるつけ替え道路の整備は着実に進めてきたところでございます。

#11
○田中(英)委員 ダムがどれだけ必要かという議論もあったということで、上流、中流、そういった部分の例えば河道掘削なんかも進んでいない中、そういったことを先にやるべきじゃないかという議論があったとも聞いております。
 一定、先ほどの議論の中でも、淀川水系の上流、中流域の桂川というところは、そういった河道掘削や堤防強化等々、様々なことが進んできたわけであります。そういう意味では、各府県の首長の方々も、そろそろ、それぞれの地域の近年の雨による浸水被害、そういったことを考えたときには、大戸川ダムをも含めて流域の治水を考えるべきじゃないかということがありましたし、私の地域の京都府知事なんかも、その議論の、議論していく俎上に上げてもいい頃だというようなことを、この専門家委員会の意見を聞きながらおっしゃったわけであります。
 今回、そういった意味では、一歩、二歩、止まっていたものが動こうとしているところではございますけれども、凍結解除、こういった方向に向けての動きでありますけれども、ダム建設に向けて、進めていく様々な手順であったり、そういったことが、分かる範囲で結構でございます、いついつできるなんてなかなかこれは言えることではございませんので、そういったところを含めて御答弁願えればと思います。

#12
○井上政府参考人 大戸川ダムの本体工事の着工に向けては、河川整備計画の変更が必要であり、これまでに、大戸川ダムの整備を記載した変更のための原案というものを公表した上で、河川法に基づき、住民や学識者の意見聴取を終えたところです。
 今後の手続といたしましては、これまでに伺った住民や学識者からの意見を反映した河川整備計画の変更案というものを作成し、これを河川法に基づき、関係六府県知事の意見をお聞きした上で、河川整備計画を変更するという手続になっております。この整備計画が変更された後は、大戸川ダムの本体工事の実施に向けて、周辺地形の測量や地質調査、環境調査、施設の詳細な設計等を計画的に実施してまいります。
 また、この大戸川ダムの工事とも並行して、淀川水系全体の治水安全度を向上させるため、下流部の淀川本川における河道掘削や橋梁架け替え、桂川、宇治川、木津川の河道掘削や堤防整備、そうした上下流バランスを確保しながら、着実に水系全体の安全度を守る対策を取ってまいります。

#13
○田中(英)委員 機が熟したのかどうかは別として、上流域では、ある程度の整備が整ってきたということであります。
 今、いろいろと、河川整備計画の変更であったり、関連府県の知事の皆さんとのいろいろな意見交換、また地域ということもあろうかと思いますけれども、そういったことを進めていただく中で、一歩前進して、そして、調査なんかが進んでいくと、一歩、二歩、三歩という形になってこようかと思います。
 一番初めに実は触れました、上流域の部分が、いろいろな整備によって霞堤のかさ上げという話がありました。これは、河川全体の流域治水のメカニズムが働くことによって、ともすれば、掘削等々だけじゃなくして、淀川に流れ込んでくる水を一定そこで貯留することができれば、上流域の皆さんがこれまでしんどい思いをされてきた、そんなところが、将来、先には解消され得る可能性が大いにあるものですから、中上流域に私なんかは淀川水系の住まいする者でありますけれども、大いに期待いたしておりますので、真剣な議論をそれぞれの知事さんや地域の皆さんとやっていただきますことを強く願っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、少し話題が変わりますけれども、これも河川のことであります。
 もうかねてから、地域に戻ると、都市部なんかでは、スポーツをする施設、野球であったりサッカーであったり、少し広い面積を要するようなスポーツをするところがなかなか確保できないということは言われているわけであります。そこでよく注目されるのが、やはり河川敷での公園、ああいうところの整備というものであります。
 十数年前に地方議会なんかで仕事をまださせていただいているときに、よく地域の皆さんからもそんな声を聞いてまいりましたし、下流域に行くと、うまいこと整備されているなという思いで、いつになったら上流域の京都なんかをやってもらえるんだろうなんという、そんな思いを持っておられた方々が大変多かったものですから、私自身もいろいろと、国土交通省なんかにもこんなお話をしに行ったことが記憶にあります。
 そんな中で、淀川水系の河川敷における公園の整備でありますけれども、今、できるようになっておりますか。

#14
○井上政府参考人 河川敷を公園として占用させる際の許可については、淀川においては、平成十六年以降、個々の案件ごとに、利用者からの意見とともに、河川環境の保全、再生を重視する観点から、学識経験者、自治体等関係機関から成る河川保全利用委員会の意見を聞き、周辺環境、地域特性を考慮しつつ検討するルールとなっております。
 平成十六年以降現在まで、グラウンド、ゴルフ場等のスポーツ施設のように、本来河川敷以外で利用する施設については縮小していくということを基本とする、そういう考えの下でルールが運用されており、新たな公園の占用が認められた事例はございません。

#15
○田中(英)委員 新たなところが今なされていない。実は、お伺いすると、少し淀川水系には特別なルールがあるとも聞いています。
 以前、私もこういったことを話した際に、もう十五、六年前になるんでしょう、環境問題がかなり激しく議論されている際、川の中を触ると生態系のいろいろなものが変わってくるということは理解できたんですが、のり面であったり、河川敷、堤防敷のところも触ると環境に影響があるということで、実は整備ができないということを聞いてまいりました。
 そういった意味では、この特別なルールでありますけれども、やはり、都市部なんかではどうしても、子供たちも大人も、健康のために体を動かすこともありますし、競技性の高いものもあるわけでありますけれども、なかなかやはり確保できないんですよね。ですから、そういった地域では、河川公園というものは、他の地域に行ってみると、どうしても、ええなと、こんな思いになられる方がいまだにやはり多いわけであります。特に京都なんかも、そういうところであろうかと思います。
 そういう意味では、この淀川水系、特別なルールがあるというふうに聞いているわけでありますけれども、先々も、なかなかそういったことができないということを維持していくのか。例えば、確かに環境問題は大事ですし、そのことも守らなければならない。でも、一人一人の国民の皆さんの健康や、スポーツを楽しむという、そういったことも大事だと思います。その観点から、そういったルールを守り続けるといいますか、適用し続けるのか、お伺いしたいと思います。

#16
○井上政府参考人 淀川の河川敷を公園等として占用させる際の許可ルールについては、先ほど基本的な考えをお伝えしましたが、河川利用と自然環境の調和の観点から、流域の社会情勢や時代のニーズ等に応じたものである必要があると考えております。河川管理者としては、淀川を取り巻く状況を踏まえ、地域の声等を聞きながら、丁寧に対応してまいりたいと考えております。

#17
○田中(英)委員 本当に、私自身も環境問題は絶対大事だと思いますし、でありますけれども、そのバランスですよね。そういったことを、これから五年、十年、十五年先、我々の子供や孫の世代が、どういった生活をそういったところでしていくか。環境問題も当然ながら守りながらでありますけれども、やはり、それぞれの生活が豊かであると思うと、そういったスポーツができるという、また、そういったところは緊急避難場所にも当然ながらなってくることだというふうに思っております。
 どうぞ、その時期時期、時代時代に合わせた捉え方というものをしていただきながら、河川敷での公園整備なんというものが可能であれば進めていただけるようにお願いして、終わりたいと思います。
 ありがとうございます。

#18
○あかま委員長 次に、山花郁夫君。

#19
○山花委員 立憲民主党の山花郁夫でございます。
 今からちょうど半年ぐらい前のことになりますが、東京都調布市で陥没事故が起こりました。十月の十八日のことです。
 調布市の市議会に広域問題等特別委員会というのがあって、そこの委員長の川畑英樹調布市議会議員から、私は電車に乗っていたものですから電話に出られませんでして、だから、まだ記録がショートメールなので残っているんですが、東つつじケ丘二丁目の道路上、外環工事上部にて陥没事故発生ですというのがお昼過ぎに連絡が入りまして、川畑議員も直ちに現場へ行かれたということと、私、電車に乗っていたということはちょっとほかの日程が入っていましたので、自分自身は当日は行けなかったんですが、秘書を派遣をいたしました。
 その日の当日のことですから、たまたま外環の工事をやっていた上で起こったことなのか、工事に起因するのかということは、その時点では定かではありませんでしたけれども、NEXCOの方々もいろいろ来て対応されていたようであります。
 ただ、疑いはあったので、後日、私がということではなくて、党の東京都連の方を通じまして、しっかりとした原因の究明と再発防止ということをやるまでは工事は止めるべきであるという申入れも、大臣始めNEXCOの方にもさせていただいたところでございます。
 今回の案件なんですが、その後、工事をやっている延長線上に複数陥没が発見されましたので、科学的なメカニズムが必ずしも明らかではないにしても、その時点で、情況証拠としてはこの工事に起因するというようなことなんだろうなと受け止めておりましたところ、この間、NEXCOの方でもいろいろ原因等調査をされて、報告もされているところでございます。
 今回のこの工事なんですけれども、大深度法を使ってということでありました。この件に関してですけれども、まず、NEXCOの方からはいろいろ話は伺っておりますけれども、国交省として、役所の立場として、この陥没の案件というのは、外環の地下のトンネル工事に起因するものであるという認識を持たれているのでしょうか。この点について確認をしたいと思います。

#20
○吉岡政府参考人 お答え申し上げます。
 今般の東京外環事業における陥没、空洞については、三月十九日に開催された第七回目の有識者委員会において、特殊な地盤条件下においてシールドカッターが回転不能になる閉塞を解除するために行った特別な作業に起因するシールド工事の施工が陥没、空洞の要因と推定されたところです。
 具体的には、閉塞に起因いたしまして、その解除を目的とした特別な作業を行う過程で、地山から土砂がシールドマシンに流入した。また、閉塞を解除した後の掘進時に一部の気泡材が回収できず、掘削土量が過小に評価されていたなどにより、掘削土を想定より過剰に取り込んでいたことなどが陥没、空洞の要因と推定され、施工に課題があったとされたところでございます。
 シールドトンネルの施工が原因となり、調布市の市道で陥没が発生したことについては誠に遺憾でありまして、御不便、御苦痛を与えてしまっております地域住民の皆様には心からおわびを申し上げたいというふうに思います。

#21
○山花委員 工事に起因するという認識でよいのだと思います。
 この外環の問題については本当に歴史的な経緯がある案件でありまして、もとも地下じゃなくて上をやろうと思っていたんだけれども大変な反対運動があってということで、地下方式でということになったわけであります。
 それでも、皆さん、みんながみんな納得していたというわけではなくて、心配の声も上がっておりましたが、ただ、例えば大深度法等ができたということで、二〇一五年の国交委員会、当委員会で当時の道路局長が、「地上への影響は生じないものと考えております。」というふうに答弁をされておりましたし、当時の太田昭宏大臣も、「適切に工事が行われれば」という留保はつけてはおりますけれども、「地上への影響は生じないもの、このように考えています。」このように答弁をされているんです。今回、こうした陥没の事故を受けまして、この答弁については、ちょっと維持することは、私は困難なのではないかと思いますけれども、これは過去の答弁に関わることですので、大臣、お答えをお願いいたします。

#22
○赤羽国務大臣 確かに、今、山花委員御指摘のように、当時の委員会で大臣と道路局長がお答えをさせていただいております。適切に工事が行われれば地上への影響は生じないものという旨を答弁しておりますが、続いて、しかし、万が一、建物や工作物に損害等が発生し、工事の施行に起因すると確認された場合には、当該損害等に対して補償させていただくため、工事実施前の建物等の状況を把握する調査を実施いたしますということの答弁もさせていただいております。
 ですから、今回は、先ほど申し上げました、道路局長から御答弁させていただきましたが、第七回目の有識者委員会におきまして、大変申し訳ないことでありますけれども、シールドトンネルの施工が陥没、空洞の要因と推定され、施工に課題があったということが確認されたところでございますので、事業者におきまして家屋補償など必要な補償を誠意を持って対応しつつ、工事により影響を受けた地盤の補修などを行っていく必要がある、当然、このことがあるというふうに認識をしておるところでございます。

#23
○山花委員 その後の、万が一ということが答弁としてもあったというお話ですけれども、まさに万が一のことが起こってしまった、こういうことだと思います。
 今回の工事については、住民の方も大変お怒りであるというだけではなくて、不安な日々を過ごされていると思いますよ。もう半年もたちまして、大丈夫なんだろうかという中で、どうしても、責任追及的な感じの動きも出てきておりますが、過失があったんじゃないかというような指摘もあり得るところですが、ただ、今回の案件というのは、どっちにしてもよろしくない話だと思うんです。
 というのは、過失があったのだとすると、それはそれで好ましくないことですし、まして、過失なくやったのだ、結果としてこんなことが起こってしまったのだということであると、そちらの方が話としては深刻な気もいたします。つまり、適切な施工をしたにもかかわらず、想定していないことが起こってしまったということになりますので。
 ただ、もしかすると、今回、適切な方法を取っていれば今回のようなことは起きなかったのかもしれません、仮定の話ですが。ただ、仮にそうであったとしても、人間は完璧にというわけにはいきませんから、ちょっと過失という言い方が、法的評価が入っちゃっていますのでよくないのだとすると、ミス、まあミスも過失になるんだとか、何か想定外のことが起こってしまうというのは、これは当然あり得べきことだと思います。
 先ほど御説明がありましたけれども、仮に今回の陥没事故が特殊な地盤であったという要因があったとしても、そこだけが日本で唯一無二の場所であって、こんな地盤はどこにも、ほかにも存在しないような特殊なところだったとは、これは言い切れない話だと思います。そういたしますと、今回の問題というのは今後も起こり得る話だということを考えなければいけないのではないかと思いますけれども、これまで、一応、適切にやっていれば影響はないのだという前提でいろいろ物事を動かしていたんだと思います。
 そうだとすると、実は今回、この工事をやっている最中に、住民の方々から、振動があるのだとか夜中うるさいとか、そういった苦情が来ていたということはNEXCOの方々も認めておられますけれども、これは当時の当事者の認識等々にも関わることなので断定的には申し上げませんが、ちょっとここからは、やや推測も含めてお話をいたします。
 元々、適切にやっていれば地上に影響がないはずだというふうに思って行動されていたのだとすると、苦情があったとしても、いや、何か気のせいじゃないのと思った可能性もないではありません。何かひびが入ったんだと言われても、まあ違う原因じゃないかしら、だって影響はないはずなんだからと思ったかもしれないと思います。
 当時の苦情に対して、住民の方々からも、必ずしも誠実に対応いただけなかったみたいなお話もございます。これは当事者のNEXCOの方々の主観的な認識にも関わるので何とも申し上げ難いところはありますけれども、ただ、ちょっとこれも想像の世界で物を言ってしまっているのかもしれませんが、人間、後になれば賢くなりますので、こうしたことが起こって振り返ると、もしかするとというか、こういうことが起こると思っていなかったわけですから、もしかすると適切でない対応をしていた可能性もあるのではないかと思いますけれども、この点について、顧みてどのように評価されておりますでしょうか。

#24
○吉岡政府参考人 お答え申し上げます。
 これまで、振動等について事業者側でも測定を行い、東京都の条例に基づき、日常生活などに適用する規制基準以下であることを確認しながら工事を進めてきたと聞いておりますけれども、住民の方々から、今お話がありましたとおり、問合せ等も多数あったことから、振動等を緩和するための掘削方法の改善や振動等の測定頻度の見直しなど、より住民の方々に寄り添った丁寧な対応が必要ではなかったのかというふうに認識してございます。
 まだ再開が見通せる状況ではございませんけれども、今回、有識者委員会において取りまとめられた再発防止策では、様々、振動の緩和策も提案されていると承知してございますし、振動等の測定の頻度を増やすこと等によりモニタリングを強化するとともに、特に振動等を気にされる方が掘削期間中に一時的に滞在可能な場所を確保、提供していくこととしているというふうなことと認識してございます。

#25
○山花委員 今回の件について、ちょっと今日の質問のスタンスとして、何か過去の対応についてクレームをつけようとか何か非難しようという趣旨ではなくて、これは今回の外環のことに限らず、シールドマシンを使った、つまり、大深度地下の話に限らないと思うんですよ。本来、適切にやればこういうことは起こらないはずだということを余り現場の方々が思い込んじゃうと、何かクレームとかお申出があったときに、いや、そんなことはないんじゃないのと思う可能性も、可能性の問題ですけれども、ありますので、今回の件はよくよく教訓にしていただいて、何か住民の方々からあったときには、何かあるんじゃないかという疑いの目で現場を見ていただきたい。
 そういうことで、今回のことについてもよくよく顧みていただいて、もっとこういうことをやっておけばよかったみたいなことが今後起こらないようにしていただきたいと思います。
 さて、今回、このことについてなんですけれども、大臣からも、住民の方々に寄り添った対応をしますという答弁もいただいているということもあってだと思いますが、今、NEXCOの方も、住民の方にはいろいろ対応をいただいていると思います。
 ただ、この補償とかについて、後ほど議論させていただきたいと思いますけれども、今まで想定していたこと以外のことも起こっているのかなという印象を私は思っておりまして、何らかの法改正等々の対応が必要ではなかろうかと思いますが、ちょっと時間の関係があるので、後の話に進めていきたいと思います。
 ただ、今、いろいろな事象が起こっています。つまり、普通、補償とか損害賠償とか、そういう話になったときには、家屋にひびが入ったであるとか物理的に毀損したというケースについて経済的価値を評価して、その差額分であるとか、場合によっては丸ごと移転しなきゃいけないとか、そういった計算方法になるんだと思うんですけれども、ちょっと後ほど、個別に一つ一ついきますが、例えば、体調が変調を来しているであるとか精神的な面、あるいはエリア単位で見なきゃいけないような話も中にはあるのかなと思っております。
 ただ、いきなり法律改正といっても、どこをカバーをするのかというのは、個々の事象について、ある程度類型化をしてカテゴリーを作っていかなければいけないと思うので、現時点ではNEXCOに誠実な対応をしてもらうというのが必要な対応と考えますけれども、この点について、どのような御認識をお持ちでしょうか。

#26
○吉岡政府参考人 お答え申し上げます。
 今般の東京外環事業における陥没、空洞により御不便、御苦痛を与えてしまっております地域住民の皆様に対し、事業者である東日本高速道路会社が誠実に対応することが、まずもって重要であると考えてございます。
 これまで、二月十二日の第六回目の有識者委員会において、シールド施工が陥没、空洞の要因である可能性が高いと確認されたことから、東日本高速道路会社において、陥没、空洞箇所の周辺にお住まいの約千世帯を訪問し、家屋調査や補償等について個別に要望をお伺いするとともに、その後も必要に応じ、繰り返し訪問し、対応を行っているところでございます。
 また、三月十九日に開催されました第七回目の有識者委員会において、特殊な地盤下において特別な作業に起因する施工が陥没、空洞の要因と推定され、施工に課題があったこと、今後、地盤の補修が必要であり、補修範囲や方法等について、現地状況等を踏まえて検討を進めていくことが取りまとめられたことを受けて、四月二日から七日まで、陥没箇所が位置する調布市を始め外環沿線地域にお住まいの方々を対象として、取りまとめられた報告書の内容や今後の補償方針について住民説明会を実施いたしました。
 四月の説明会におきましては、東日本高速道路会社から、これまでの補償方針の説明に加え、地盤補修に当たってのお願い事項として、地盤補修を行うために必要な調査や仮移転への御協力、また、仮移転ではなく、買取りを希望される場合は買取りにも対応する旨を御説明させていただいたところでございます。
 今後とも、お住まいの皆様方に御理解を得られるよう、引き続き、事業者である東日本高速道路会社より丁寧な説明を実施していくことが重要であると認識してございます。
 国土交通省としても、住民の皆様方の不安を取り除けるよう、東日本高速道路会社の今後の進め方の検討及びお住まいの方々への説明について、最大限協力してまいりたいというふうに考えてございます。

#27
○山花委員 いろいろと取り組んでいただいているということは分かりましたけれども、先ほど、今までの感覚だとどうなんだろうというお話をいたしました。ちょっと、地元のものですので、これも、今年に入って二月の六日ですか、同僚というか、私からすると先輩の議員ですが、渡辺周さんと現場にも行ってまいりまして、実際、住民の方々からもお話を伺う機会がございました。
 その中で、例えば、今、そこからちょっと時間的なラグがあるんですけれども、その後、NEXCOの方も、工事をしているところの直上のところのエリア、このエリアについてはちゃんと補償しますよとか、いろいろ線を引いておられるんですけれども、どこかで線を引かなきゃいけないのは理解はいたしますが、ただ、特に低周波で健康を害しているのだというお申出については、ああ、そういうこともあるのかなと思いました。場所的にはやや離れているんです。そこは、例えば住まわれているお宅は何ら物理的には毀損しているわけでもなくてなんだけれども、ただ、ちょっと素人考えですが、これは波ですから、どこかのところでこう伝わって何か大きくなるということもあるかもしれませんし、つまり、ちょっと離れたポイントのところでも、そうした健康被害を訴えられているような方がいらっしゃいます。
 これは、例えば国家賠償法であるとか、あるいは民法上の不法行為の責任というような法的な責任で訴えようとした場合には、一般的には原告の方が故意、過失等を立証しなければいけないというようなことになろうかと思いますけれども、ただ、裁判で証明というと、かなり裁判官の心証に一定程度影響を与える程度の証拠だとか、そういったものが必要になってこようかと思いますが、今回に関しては、必ずしも厳格な意味での、そこまでの厳密な、要するに、お申出があった方に、何かこの状態で証拠を持ってこいだの何だのと余り詰めたことを言うのもいかがかと思いますので、そこまでのことにかかわらず、ある程度そうだよねというようなことが分かれば、そこは対応していただけるというふうに理解をしていてよろしいでしょうか。

#28
○吉岡政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の陥没により甚大な社会的影響が生じていることを踏まえまして、東日本高速道路会社として、早急に社会的不安を解消し、住民の皆様が被った被害を回復するため、広範な補償の枠組みを事業者独自に設定し、住民に寄り添った形で補償を行っていく方針と承知しているところでございます。
 具体的には、建物等に損害が発生した場合に、原則として従前の状態に修復、復元するなどの原状を回復することに加えまして、家賃減収相当額や、地盤補修工事の完了後において生じた不動産売却損、それから、お話のありました疾病等による治療費など、実際に生じた損害についても補償するというふうに聞いてございます。
 補償に当たっては、補償の申出をいただきまして、事業者におきまして、住民に寄り添った形で個別に事情を丁寧にお伺いし、誠意を持って対応するものと承知してございます。

#29
○山花委員 物損だけではなくて、そうしたことについても対応しているということだと思います。
 今回のこのケースについて、これも厳密に詰めていくとどうなんだろうと私は思っていたことの一つなんですけれども、現場に行きますと、例えば、二階のベランダでひびが入っちゃっているようなところだとか、あと、生け垣のところが崩れてしまっているということがはっきりと分かるお宅もあれば、直上なんだけれども特段見た感じはそんなに分からないよねというところもあります。下の、ブロックではないんだけれども、コンクリで覆われているところにかなり亀裂が入ってしまったりというところがはっきり分かるお宅もあったりと、事情はそれぞれなんですけれども、先ほど、例えば大臣から、従前の答弁では、万が一にもあったときにはこれこれこうですよという話がありましたが、今回、例えば物理的には何ら毀損はしていない、外形上全然平気に見えるんですけれども、ただ、真下を通っていて、その延長線上に陥没事故があったなんというお宅は、もうこれは不安でしようがないと思うんですよね。
 多分、従来の考え方からすると、そこで補償というのはどうなんだろうという気がしますが、ただ、一方で、地上面でやったときには、例えば、土地を収用しなければいけないというケースだと、そこは道路が上を通るわけですから、そこを明け渡していただいて、その代わりに代替地を提供するみたいなケースもあると思います。
 今回の問題についても、必ずしも物理的に毀損しているというわけではないけれども、家屋も別に普通に使えるかもしれないけれども、そういった、まさに直上とかにあって不安でしようがないという方については代替地を提供してほしいというようなお話も、まあ直接そういう希望を聞いたわけではありませんが、今後あり得るのかなと思いますけれども、この点については、可能性としてはどのように考えられますでしょうか。

#30
○吉岡政府参考人 お答え申し上げます。
 陥没、空洞の原因となった本線シールドトンネルについては、今後、家屋の補償など、必要な補償を誠意を持って対応しつつ、まずは、工事により影響を受けた地盤の補修などを行っていく必要があると考えております。
 確実に地盤補修を行うためには、緩んだ地盤の直上から工事を実施する必要があることから、地盤補修範囲にお住まいの方については、仮移転又は事業者による買取り等をお願いさせていただくことになると東日本高速道路会社より聞いてございます。なお、当然のことですが、必要となる費用などは補償すると聞いてございます。
 その際、代替地の提供等について御希望があった場合には、関係自治体とも相談の上、必要な協力をするものと承知してございます。

#31
○山花委員 これは現場にいて話を聞いて、ああ、なるほどと思ったことなんですけれども、物理的な毀損がない、かつ、ちょっと離れているところであったとしても、今何が起こっているかというと、例えば、東つつじケ丘二丁目のエリアについては、不動産屋さんが売買をもうあっせんしませんというような話が出ていたりします。売買だけじゃなくて賃借のあっせんも、もうそのエリアはということになっています。
 今ここにおられる委員の先生方も何となく分かると思いますけれども、不動産屋さんというのは、何丁目何番地のここなんという呼び方はしませんからね、どこどこの何丁目という形で売り出したりするので、そうすると、必ずしもダイレクトに今回の案件で被害を受けたというわけではない方のところも、今、要するに、資産価値としては、もう売れない物件になってしまっている。こんなことが起こってしまっているわけです。
 そのことについて、直ちに補償をという話になるのかどうかというと、後日、少しまた元に戻るかもしれませんし、そういったことからすると、現時点で確定的なことは言えませんが、ただ、いわば、マンションでいえば何か事故物件みたいな印象があるのと、今どきネットで、外環陥没というとどこのエリアみたいな話がずっと残るような時代になっちゃっていますから、こういったことについても、補償等について何らかのルールが必要ではないかと思いますけれども、今どのような認識をお持ちでしょうか。

#32
○里見政府参考人 お答え申し上げます。
 公共工事の施工に起因して生じた被害につきましては、事業者において、被害を受けた方や企業等との話合いによって、その回復のための補償を実施するということが基本になっております。
 一方、国土交通省におきましては、公共工事の施工に伴う被害のうち、井戸水等の枯渇や日照の阻害など、発生頻度が多いものにつきましては事務処理要領を策定し、それに基づき補償を実施しているというようなこともございます。
 今回の陥没事象に伴う被害のような、個別性が高いと思われるような事案につきましては、一般的には、ルールを定めて対応するよりも、事業者が丁寧に個別の被害状況を把握し適切に補償を行っていくということが、被害を受けた方に対して、より丁寧な対応になることが多いのではないかと現段階では認識しております。
 今後、事業者におきまして住民の方々に寄り添った形で補償を行っていく、こういう方針だと承知しておりますので、引き続き、これらの動向を注視してまいりたいと考えております。

#33
○山花委員 個別対応の方が適切ではないかということのようですけれども、いずれにしても、どういうことが起こるのかという事例の集積には努めていただきたいと思います。
 時間が参りますので、大臣、最後に、今回の事態を受けて、大臣も現場に降り立ってということではなくて、何か多摩川の方に行くときに車中からという議事録を拝見いたしましたけれども、御覧いただいたとおり、本当に閑静な、ふだんは静かな町です。ちょっと歓声が聞こえると思っても、子供たちの行き帰りぐらいの静かな町並みで、こんなことが起こってしまって、冒頭申し上げましたけれども、本当に住民の方々も、半年もたって不安な思いで生活をされていると思いますので、今後も丁寧な説明を求めたいと思いますけれども、改めて、大臣としての御決意をお願いいたします。

#34
○赤羽国務大臣 今回のこの事案は、住民の皆様から見れば一方的な被害者的な立場であり、NEXCOはやはり加害者的な立場という、そういうことを意識して、やはり腰を低くして、御迷惑をおかけしたという精神でちゃんと対応するようにということを強く指示しております。
 一件一件丁寧に、やはり個別の事情もそれぞれでしょうし、団体の説明というのも、基本的なことを考える、説明させていただくという意味では大切なので、地域ごとの住民説明会も、四月の二日から七日まで外線沿線地域において住民説明会も実施いたしましたが、それに加えて、個別の対応、御事情を聞くためには個別訪問でということで、一千世帯を訪問させていただきながら、丁寧にやれということを指示しております。
 そういうことを言っておいても、新聞報道では、一部の方の声かもしれませんが、そうした対応に批判も出ておりますので、どこまでいってもそうしたことがないようにという、もう厳命をしておりますし、基本的には寄り添った形でやらなければいけないと思います。
 なかなか、こういう損害賠償というのは線が引きにくいこともありますが、基本的な御希望に沿えるように、最大の努力をするように努めていきたい、こう思っておるところでございます。

#35
○山花委員 引き続き丁寧な対応を求めて、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#36
○あかま委員長 次に、松田功君。

#37
○松田委員 立憲民主党の松田功です。
 本日、また質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 それでは、早速質問に入らせていただきたいと思います。
 最近、メディアでもよく取り上げられております、目にすることも多くなってまいりました電動キックボードについてお伺いしようと思います。
 私が見たニュース番組では、リポーターが実際にキックボードに乗って乗り心地や操作性についてコメントをしておりましたが、皆さん、操作は簡単で快適と言っておりました。
 しかし、テレビでは、人通りのない一車線の舗装道路を少し走っているだけでしたので、実際に、歩行者、自転車、バイク、自動車やトラックなど、あらゆる交通主体が混在する中を走れば、違う意見も出てくるのではないかと思います。
 全ての交通主体の安全を確保するのは、たやすいことではないと思っております。
 先日、多様な交通主体の交通ルール等の在り方に関する有識者検討会の中間報告が発表されましたので、それについてお伺いしながら、特に電動キックボードについての安全性について確認していきたいと思います。
 まず、検討会のヒアリング先についてお伺いいたします。
 第一回から、現在、第七回まで開催されておりますが、ヒアリング先は、マイクロモビリティ推進協議会、搭乗型移動支援ロボット・電動車椅子メーカー、自動配送ロボット・状態が変化するモビリティメーカーとなっています。推進したいメーカー側のヒアリングだけで安全性を検討するのは問題と思われます。
 特に、電動キックボードについては、車道や自転車レーンを走ることになっているわけですから、日常業務として道路を走っているタクシーやバス、トラックドライバーにもヒアリングをすべきと思いますが、今後の検討会において、ヒアリング先にこれらの事業者を呼ぶことは考えておられますでしょうか。

#38
○新田政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘の検討会は、電動キックボードを始めとする新たなモビリティーに係る安全性や利便性について詳細に分析するとともに、専門家の意見を聞きながら、新たな交通ルールの在り方を幅広く検討することとしております。
 具体的には、道路工学の専門家や車両安全の専門家等に御参加いただくとともに、日本身体障害者団体連合会の方や、日本PTA全国協議会の方にも御参加いただいております。また、道路を通行する他の交通主体の意見を反映させるため、自動車ジャーナリストの方や日本物流団体連合会の方にも御参加いただいております。
 このように、幅広い分野の有識者に御参加いただいた上で、新たなモビリティーの安全性や利便性について、今委員御指摘のあった製造事業者やシェアリング事業者、これを活用したい地方自治体に対してヒアリングを行ってまいりました。
 今後の有識者検討会におきましては、どのような団体からヒアリングを行うかは検討中でございますが、いずれにいたしましても、様々な方の御意見を伺いながら、多様な交通主体の全てにとって道路における安全性と快適性の調和が成り立つよう、新たな交通ルールの検討を行ってまいりたいと考えております。
 また、トラックとかバス、タクシー等の事業者、ドライバーの意見につきましても、今後の検討会におけるヒアリング対象団体につきましては、御指摘も踏まえて検討してまいりたいと考えております。

#39
○松田委員 今回の検討会の中間報告書には、歩行者や車両などの多様な交通主体の全てにとっての道路における安全性と快適性の調和の上に確立されているものでなければならないと設立趣旨に書かれております。総括にも、多様な交通主体全ての安全性と快適性とを両立させるためにと書かれておりますし、報告書の中にも、何度となくこの言葉が出てまいります。
 道路運送事業者、貨物事業者からもヒアリングを是非していただき、全ての交通主体が安全に通行できるようなルール作りを是非お願いをいたしたいと思います。
 それでは、次の質問に行きます。
 令和三年四月八日に、「電動キックボードに係る産業競争力強化法に基づく特例措置について」という通達が、警察庁から各都道府県警に出されました。
 これは、経産省の推進事業として、認定新事業活動計画に記載された当該新規事業活動を実施する区域内の道路において、この事業に従って貸し渡された電動キックボードについては、自転車道の通行や、ヘルメットなしで通行することが可能になるというものです。
 この特例措置を講ずるに当たっての条件が、最高速度を十五キロ以下、そして、実施する区域に交通が著しく頻繁な道路を含まないこととされていますが、よほどの田舎か物すごい狭い範囲を指定しない限り、区域を決めれば国道や県道なども含むことになると思いますが、この交通が著しく頻繁な道路とは具体的にどのような道路を指しているのでしょうか。

#40
○新田政府参考人 お答えいたします。
 御指摘の交通の著しく頻繁な道路の基準といたしましては、基本的には、国土交通省が実施した平成二十七年度全国道路・街路交通情勢調査、一般交通量調査の結果、二十四時間自動車類交通量が四万八千台を超える道路を指すこととしており、具体的には、東京都内の環状七号線などが該当いたします。
 仮に新事業活動を実施する区域に交通の著しく頻繁な道路が含まれていた場合には、新事業活動計画は認定されないこととなりますが、今回の認定申請に当たっては、その前に特例を受けようとする事業者側と実施区域について調整を行っておりますので、交通の著しく頻繁な道路が含まれることは想定しておりません。

#41
○松田委員 今回の特例措置では、シェアリング事業者が使うことになると思われます。その場合、この区域の中で、この道路は交通量が多いので特例措置を講ずることはできません、その道路を横断する場合はヘルメットをかぶってください、自転車レーンでなく車道を走ってくださいと条件づけるのでしょうか。しかし、それではシェアリングの利便性が発揮をされませんので、利用者も増えないということになります。
 この認定新事業活動計画に記載された実施区域が交通量の多い道路を含んでいた場合、この特例措置は認められないと許可しないのでしょうか。それとも、区域内の交通量の多い道路について特例として認めるのでしょうか。お答えください。

#42
○新田政府参考人 お答えいたします。
 先ほど申しましたけれども、仮に新事業活動を実施する区域に交通の著しく頻繁な道路が含まれていた場合には、新事業活動計画は認定されないこととなりますけれども、今回の認定申請に当たりましては、その前に特例を受けようとする事業者側と実施区域について調整を行っておりますので、交通の著しく頻繁な道路が含まれることは想定しておりません。

#43
○松田委員 それでは、まだまだ問題もありますが、次の質問に移りたいと思います。一の三の方に行きたいと思います。
 次に、走行実験の結果についてお尋ねをします。
 資料1を御覧いただきたいと思います。
 これは、電動キックボードの走行実験で、違反行為の回数から、運転免許保有の有無によりどの程度の違いがあるのかを示したものになります。年代別でも違反行為別でも、免許を持っていない人が持っている人に比べて違反回数が多いことが分かります。
 しかし、資料1―2から3にかけて書いてありますが、運転免許を受けている者とそうでない者とでの点数にさほどの差が見られなかったとあり、一部の項目を除き、運転者の運転行動に全体的に大きな差はないと結論づけております。
 この走行実験では、キックボードの運転者の運転行動を検証するためのものなので、違反数に大きな差はあるけれども、違反の傾向に差はないと言いたいものなのかもしれませんが、明らかに、免許のありなしで違反行為の数は変わっています。
 今後、キックボードの運転に、免許なし、ヘルメットなしでの運転を検討し始めているので、そう結論づけたいのかもしれませんけれども、走行実験の結果は結果として正しく検証して、その上で、いかに道路を使用する全ての交通主体が安全に快適に走行できるかを考えていかなければならないと思いますが、いかがでしょうか。

#44
○新田政府参考人 お答えいたします。
 御指摘の走行実験につきましては、電動キックボードの運転者の運転行動を検証するため、運転免許を受けている者五十人と運転免許を受けていない者五十人による電動キックボードの走行実験を行い、十五項目の違反について分析したものであります。
 その結果といたしましては、指定場所不停止、あるいは信号無視、右側通行の三項目につきまして、運転免許を受けている者と受けていない者との間で違反の状況に一定の差が見られましたが、これらは専ら交通ルールに関する知識の差が要因となっているものと評価しております。
 一方、その他の十二項目につきましては、おおむね差は小さく、全体的に見れば、運転免許の有無で運転者の運転行動に大きな差はなかったと評価しております。
 いずれにいたしましても、運転者が確実に交通ルールを認識し遵守するよう、販売事業者やシェアリング事業者による交通安全教育の在り方につきまして検討してまいりたいと考えております。

#45
○松田委員 次に、資料2を御覧をいただきたいと思います。こちらは、新たなモビリティーに関する国民の意識や意見を把握し、今後に生かすためのアンケート結果から、電動キックボードに関するものを抜き出したものでございます。
 資料2―3を御覧いただきたいと思います。こちらにヘルメット着用に関するアンケートの回答が載っておりますが、ヘルメットを着用しなくてもよいと考える人は約二割しかありませんでした。
 この結果を見て、今回の特例措置によりヘルメット着用が任意となることに懸念はございませんでしょうか。任意ということは、シェアリングサービス事業者として、当然、お客様にヘルメットなしで気軽に使っていただこうと考えているはずでしょうから、安全の面からだけ考えると問題ではないかと思います。
 警察庁としてどのようにお考えがあられるか、お聞かせください。

#46
○新田政府参考人 御指摘のアンケート調査につきましては、新たなモビリティーに関する国民の意識や意見を把握し、今後の検討に生かすため、運転免許を受けている者と受けていない者に対して行い、それぞれ、千七百三十六人と五百人から回答を得たものであります。
 その結果としては、御指摘のとおり、電動キックボードについて、ヘルメットを着用していなくとも運転してよいと考えると積極的に回答した者は全体の約二割でありました。
 自転車や原動機付自転車等の乗用者が頭部を受傷する交通事故において、ヘルメットが致死率を大幅に減少させることができることは統計上明らかでございまして、警察としても、電動キックボードの運転者につきましてもヘルメットを着用することが望ましいと考えております。
 一方で、ヘルメットの着用義務の緩和を求める声が一定程度あることを踏まえまして、今回の新事業活動では、ヘルメットの着用を推奨しつつ、電動キックボードの最高速度を一般的な自転車と同様の速度である十五キロメートル毎時に制限すること、それから、新事業活動の実施区域には交通の著しく頻繁な道路を含まないこと、こういったことから、一定の安全性は確保されているものと認識しております。

#47
○松田委員 今まで、電動キックボードへの安全面について質問をさせていただいております。しかし、電動キックボードを含めてシェアリングサービス事業は、交通の効率化、環境汚染への抑制や渋滞緩和、そしてこのコロナ禍において重宝される移動手段と考えます。是非推進をさせていただきたいと思ってはおりますが、一方で、安全面への規制がどんどん緩和の方へ加速しているように感じております。
 様々な交通主体がある中で、全ての交通主体の安全を確保しつつ、どのようにシェアリングサービスとスマートモビリティー推進をさせていくお考えなのか、まずは経産省の方にお伺いいたします。

#48
○福永政府参考人 お答えいたします。
 経済産業省では、令和元年度から、国土交通省と連携してスマートモビリティープロジェクトを実施しまして、新たなモビリティーサービスの社会実装に取り組む地域や企業を後押しすることを推進しております。
 このプロジェクトでは、実施者に対して、法令遵守や安全管理教育のほか、緊急時の連絡体制の構築を求めるなど、安全確保に配慮しながら実証試験を行っております。
 先生御指摘のとおり、安全と実装のバランスが必要ですから、経済産業省では、引き続き、安全確保を大前提としながら、新たなモビリティーサービスの社会実装に取り組んでまいりたいと思っているところでございます。

#49
○松田委員 スマートモビリティチャレンジ事業を経産省とともに推進している国交省でもありますが、他方、トラック、バス、タクシー等、輸送貨物事業者等を所管されてもおります。
 三月十日の委員会でも質問をさせていただきましたが、自転車通行空間が整備されているといっても、約七割が車道混在型となっております。このような中で、車道、自転車レーン、歩道と、道路に様々な交通主体が走る、これらを全て安全性と利便性を確保するのは大変難しいことと考えます。
 今までの答弁からも、安全性よりも新たなモビリティーを推進させる方が先行しているように思われますが、所管省庁の大臣として、どうやって安全性と利便性のバランスを取るか、どういうおつもりでおられるのか、お聞かせいただきたいと思います。

#50
○赤羽国務大臣 今の御発言の中で、安全性より利便性を優先しているといった認識は全くございません。安全性が最優先、最大の価値だというふうに考えております。
 他方で、全国の各地方都市、少子高齢化、人口減少化の中で、公共交通の維持が大変難しくなっている。また、感染症の拡大で非接触といったような課題も出てきているので、その中で、ICTですとかAIといった新技術を組み合わせた、いわゆる公共交通とそれ以外の移動サービスを組み合わせた一つのサービスとして、MaaSの実証実験をさせていただいているわけでございます。これを、経産省と連携して、スマートモビリティチャレンジ事業と位置づけているわけでございます。
 例えば、電動キックボードについては、環境負荷が低減されるということですとか、パーソナル性の高い新たなモビリティーということで、欧米の各都市では、観光地も含めて、移動手段として活用されている事例もありますし、我が国でも、観光地での第二次交通手段として活用もあり得るのかなというふうにも考えておりますが、いずれにいたしましても、車道と歩道のみで専用道がないというようなことは、これは今の自転車だけでも結構問題が起きておりますので、そうしたことはやはり整理しなければいけないと思います。
 安全の確保は大前提でありまして、国交省としては、今般、警察庁の有識者検討会で取りまとめられた方向性を踏まえながら、電動キックボードなどの活用も含めたMaaSの普及をどのように促進するのか、移動しやすい環境をどのように整備していくのかということをしっかりと検討しながら、着実に、安全性が損なわれることのないように進めていきたい、こう考えています。

#51
○松田委員 是非、安全大優先でお願いをしたいと思います。
 次に、地方公共団体が主体となる公共交通とまちづくりのための交通専任者の必要性についてお伺いをいたします。
 現在、多くの地域で、人口減少に伴い、地域交通の経営悪化や運転者不足などにより、公共交通サービス維持が難しくなっております。
 そのような中、国土交通省は、独占禁止法特例法に基づく第一号として、熊本県バス事業者五社を認可したと伺いました。事業者も地域の足を確保するために不採算路線の維持に努めることになり、大変よいことだと思いますが、独禁法の特例をつくらないと保てないほど、地域の公共交通は危機にあるということであります。
 このような状況を踏まえ、地方公共団体は、地域交通に関するマスタープランを策定することとなり、地域の交通事業者と協議をしながら、公共交通の改善に取り組まなければなりません。それには、交通専任者が重要となってくるのではないかと考えます。
 しかし、自治体職員の定数は増えておりませんので、交通専任者を置くにはどこか別の人員枠を減らす必要がありますし、交通専任者が基準財政需要額に入っていないため、自治体として積極的な導入に至らないということもございます。
 令和二年十一月の国交省中部運輸局交通支援室が出した交通専任者数の割合を見たところ、人口七十万人以上の自治体でも三割が交通専任者ゼロとなっております。人口が少なくなるほど専任者ゼロの割合が高くなり、十万人―二十万人の町で五割を切り、三万人未満の自治体は九割が専任者なしとなっております。
 財政が厳しい中、専任者がいることでクロスセクター効果を発揮しやすくなると考えますので、専任者の配置を促進させることが必要と考えますが、いかがでしょうか。

#52
○久保田政府参考人 お答え申し上げます。
 乗り合いバス等の地域公共交通につきましては、委員御指摘のとおり、人口減少の本格化や運転者不足の深刻化等によりまして、厳しい環境に置かれておるところでございます。
 このような状況下におきましては、地域のニーズを把握できる立場にある地方公共団体が中心となって、まちづくりと連携しながら、地域の公共交通の維持、確保に取り組むことが重要でございまして、こうした取組を行うに当たりましては、地方公共団体において、公共交通の専任の担当者を配置していただくことが重要であるというふうに考えてございます。
 しかしながら、委員御指摘のように、徐々には増えてきているんですけれども、いまだ市町村の八割弱では専任の担当者が置かれていないとの調査結果も出ておりますことから、こうした地方公共団体におけます人材育成、これは専任もそうなんですが、兼職をされている方の人材育成も含めて、そういった人材育成、さらには、組織体制の強化ということが課題であると考えてございます。
 国土交通省におきましては、地方公共団体のノウハウ面の支援といたしまして、国土交通大学における地方公共団体職員等に対する研修、地域公共交通に関するマスタープランを作成するために、分かりやすいガイドラインを作成しております、また、それの充実。さらには、地方運輸局が開催するセミナー等におきまして、各地の優良事例を横展開等、そういった取組を実施しておるところでございます。
 今後とも、こうした取組を積極的に進めることによりまして、地方公共団体における人材育成等を図ってまいりたいというふうに考えてございます。

#53
○松田委員 地域にとっては公共交通は大変だということは御理解いただいていると思うんですけれども、なかなか自治体も大変な状況でありますので、是非、国としてもしっかり取り組んで、予算づけもしていただきたいと思っております。よろしくお願いします。
 最後に、航空保安についてお伺いをいたします。
 保安検査に関する有識者会議に関わる中間取りまとめを読ませていただきましたが、保安検査をめぐる情勢として、国際的なテロ発生、今後の航空需要の増加、保安検査員の人手不足や労働環境の改善などから、保安検査の量的、質的向上など、航空保安対策の充実を図る必要があると課題が提起されておりました。
 しかし、日本では、保安検査の責任主体は民間企業である航空会社と空港設置管理者であり、検査は航空会社と契約した警備会社が請け負っております。航空局は保安検査に関する指示をしますが、費用は全額負担とされておりません。保安に関して、航空会社と空港管理者が二分の一ずつの負担、国が負担するのは先進検査機器の導入時に航空会社とともに四分の一だけ、あとは空港管理者が二分の一となっています。航空局が保安検査の強化を図れば図るほど、航空会社の負担は重くなっていきます。
 そして、今現在、航空会社はコロナにより大きなダメージを負っております。地上においては警察が、海においては海上保安庁が、それぞれ保安警備に当たってくれています。空の保安においては民間航空会社となるわけですが、コロナでの業績悪化が懸念されます。航空保安が景気や業績に左右されてはならないと思いますので、具体的にどう担保していくつもりなのか、お答えください。

#54
○和田(浩)政府参考人 お答え申し上げます。
 ポストコロナにおける航空需要の回復、増加も見据え、保安検査を着実かつ効率的に実施するためには、保安検査員の労働環境の改善により人材を確保するとともに、先進的な検査機器を導入していくなど、保安検査の量的、質的向上のための取組が極めて重要と認識をしております。
 国土交通省といたしましては、保安検査の抱える課題を抜本的に解決するため、昨年六月に学識経験者や保安検査の関係者で構成する有識者会議を設置して、議論を重ねた上で、本年三月に中間取りまとめを行っていただきました。
 これを踏まえまして、国による、ハイジャックやテロ等の危害行為の防止に関する基本方針の策定などを含みます航空法の改正案を今国会に提出をさせていただいております。
 この基本方針においては、先進的な保安検査機器の導入や検査員の労働環境の改善等の取組について、国が主導して関係者と調整を進めていくことなどを定める予定です。
 また、保安検査は、委員御指摘のとおり、航空会社の業績にかかわらず、確実に実施する必要がありますが、その費用負担の在り方については、保安検査の実施主体の在り方とも密接に関連しているため、並行して検討していくことが必要でございます。
 実施主体の在り方の検討についても、同じく基本方針に位置づけ、諸外国の事例もよく調査分析しながら、国が主導して関係者間で検討していきたいと考えております。
 これらの取組を通じて、しっかりと保安検査の量的、質的向上に取り組んでまいります。

#55
○松田委員 国の安全に関わることでありますので、是非国として、責任として、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。

#56
○あかま委員長 次に、道下大樹君。

#57
○道下委員 立憲民主党の道下大樹です。
 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 それでは、まず、地域観光支援事業について伺いたいと思います。前回の質問のときに時間がなくなってしまいましたので質問できなかったんですが、この点についてまず伺いたいというふうに思います。
 地域観光支援事業の前に、今、GoToトラベル事業が一時中止、停止中であります。そんな中でも、地域の観光産業をしっかりと支えていこうということと、自分の地域や都道府県は今感染拡大していない、感染者も少ないという状況で、何とか観光の需要を喚起していこうということで、様々なアイデアを出しながら、各都道府県や自治体は、独自に観光支援事業を実施しているところが幾つもあります。そういったところが今どれだけあるのか、是非詳しく教えていただきたい。
 もし、都道府県のみならず、市町村とかもあれば教えていただきたいんですが、また、今実施しているところだとか、実施していたけれども三月末で終わったとか、何かそういったことも具体的に分かれば、観光庁の方から御答弁をいただければというふうに思います。

#58
○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。
 昨日、四月二十日の時点でございますが、観光庁が把握しているところでございますと、二十六の道県におきまして、独自に県内旅行の宿泊割引等の観光需要喚起策を実施しているところと承知しておるところでございます。
 なお、これらの中には、感染状況等に鑑みまして、その判断によりまして、一時的に新規販売の停止などの措置を取っているところもあると承知しておりまして、こういったものは少なくとも今七道県という形になっております。
 その他、いわゆる予算の関係等もあって中止になっているところもあると承知しておりますので、我々の方として、今回、地域の観光の支援という形で、新しくこういった制度を考えているところでございます。

#59
○道下委員 それぞれの自治体独自で、また自分の地域の感染状況を踏まえて、マイクロツーリズムという考え方、そして臨機応変に、実施したり一旦停止したりといったところで、本当に、それぞれがやりくりしながら、工夫しながら、観光の事業というか観光産業を支援したり、観光に行きたいなという地域住民の方々の思いを少しでも実現されているというふうに思っております。
 そうした自治体の、都道府県の方から、そうした独自の観光事業について支援をしてほしいという多くの知事からの強い要請があって、今回、観光庁が地域観光事業支援を実施しているというふうに伺っております。これは、感染状況が落ち着いているステージ2相当以下と判断した都道府県が行う都道府県内の旅行の割引事業に対して、国交省、観光庁が財政的に支援するということであります。
 この具体的なものはもう皆さん御承知だというふうに思っておりますが、この中で一つ、まず伺いたいのは、現時点で、この地域観光支援事業に都道府県からの申請件数がどれだけあるのか、また、申請を受け付けて、そしてその補助の決定を行ったのは何件あるのか、伺いたいと思います。

#60
○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘の地域観光事業支援は、感染状況等が落ち着いている地域においても観光関連産業が深刻なダメージを受け、地域の経済と雇用への不安が高まっていることから、感染状況が落ち着いているステージ2相当以下と判断しました都道府県が県内旅行の割引事業を行う場合において、国が当該都道府県の取組を財政的に支援することとしたものでございますが、昨日、四月二十日までの時点で十四の県から補助金の交付申請がございまして、このうち岩手県、秋田県、高知県につきまして、先日、交付決定を行っておるところでございます。
 また、その他の都道府県につきましても、十六の県から支援規模の目安などにつきましての問合せをいただいているところでございまして、各自治体において、事業の実施につきまして、感染状況等を見極めながら具体的な検討、準備を進めているものと認識しているところでございます。
 以上でございます。

#61
○道下委員 申請は十四件、それから交付決定が三件、そして問合せが十六件ということですね。
 こういう地域観光支援事業、都道府県においては、これは是非活用したいという思いの都道府県が多いというふうに思いますけれども、ただ、申請に関しては十四件。今現在、先ほど質問いたしました、それぞれ独自に行っている観光支援事業が二十六件ということでございましたので、約半分、まだ半分程度しか申請をしていない。
 やはり、今後のコロナ感染状況、変異株の感染拡大の状況とか、また今、蔓延防止等重点措置、そして今、東京、大阪、兵庫ですか、緊急事態宣言再々発令ですか、そうした動きも見据えて慎重になっているのではないかなというふうに思っております。
 この地域観光支援事業なんですけれども、観光庁が公表した資料等によりますと、実施対象期間は、当面、四月から五月末までとしています。
 この当面という言葉がつくと、これは当面ということで、コロナの感染拡大が急激に拡大したといったらちょっと停止しなきゃいけないということも考えられるし、これは、観光庁がよくおっしゃっているのは、GoToトラベルまでのつなぎのものだよというようなお話もされますので、GoToトラベルが実施されるまで。まあ、六月にすぐにGoToトラベル事業が実施されるかどうか、ちょっと私は、実施されないんじゃないかな、今の感染状況を見たら難しいんじゃないかなと思っていまして、観光庁としては、この地域観光支援事業を六月以降の延長も含めてこのような書き方をしているというふうに思いますが、そういう私の考えでよろしいでしょうか。
 また、もし六月以降の延長を決める場合、どの時点で、どのような状況になったら延長を決定するのか、また、その実施対象期間が六月以降にも延長された場合、都道府県からの申請受付期間も一緒に延長するということでよろしいのでしょうか。伺いたいと思います。

#62
○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘の今回の支援の事業期間の延長につきましては、要綱では五月末ということを当面の想定としておりますが、QアンドA、これは都道府県の方に配付しておりますけれども、こういった中では、感染状況によっては補助対象期間を延長することも想定しているといった旨を明記しております。また、都道府県への説明会でも、その点をしっかりと御説明させていただいております。
 観光庁といたしましては、今回の支援の事業期間の延長につきましては、今後の感染状況等を見極めながら、都道府県や関係省庁とも連携しつつ、状況に応じて適切に判断してまいりたいと考えておるところでございまして、また、仮に今回の支援の事業期間を延長することとした場合には、各都道府県からの交付申請につきましても、円滑に行われるよう、適切かつ弾力的に対応してまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。

#63
○道下委員 今の答弁で、適切かつ弾力的にということは、つまり五月末以降も申請は受け付けるよということでよろしいですね。

#64
○蒲生政府参考人 委員の御指摘のとおり、この事業を行っている期間というものは、いわゆる交付申請の期間と連動しておりますので、そういった意味では、委員の御指摘のとおり、交付申請期間も延びていくということでございます。
 以上でございます。

#65
○道下委員 はい、承知いたしました。
 それで、この地域観光支援事業なんですけれども、先ほども私も申し上げました、GoToトラベル事業を開始するまでのつなぎの事業だというふうに伺っております。
 今回、予算規模が約三千億円ということであります。この予算、国が予算を出すんですけれども、都道府県が申請して、そして事業を行って、コロナが収束してGoToトラベルの事業が再開されたときに、都道府県でこの地域観光支援事業に関わる国から交付された補助金がまだ余っていた場合、これは何か、普通だったら返してくださいねとなるのか、それとも、引き続き都道府県等が独自に観光支援事業を行った場合、GoToトラベルと併用してやってもいいよというようなことで、実施対象期間はどこかで終わるけれども、予算が余った場合には引き続き独自の観光支援事業に使ってもいいよという内容になっているのかどうなのか、ちょっと伺いたいというふうに思います。

#66
○蒲生政府参考人 今委員の御指摘のありました、今回交付した補助金が余っていた場合の取扱いでございますが、我々といたしましては、今回の地域観光事業支援、こういったものにしっかりとお使いいただいて、そういった余らない環境になることが理想的でございますけれども、余った場合の取扱いに関しましては、今回の補助金とはまた別の形でどうするかということについては、その段階におきまして適切に判断してまいりたいと思っています。

#67
○道下委員 是非、都道府県等の意見を踏まえて御検討いただきたいというふうに思っております。
 この観点については最後になりますけれども、大臣に伺いたいと思います。
 先日の質疑でも指摘をさせていただきましたけれども、これから観光事業者として書き入れどきのゴールデンウィークを迎えるわけでありますが、政府や自治体は、一部の自治体ですけれども、コロナ感染抑止のため、外出自粛要請を出しています。
 コロナ収束の見通しが立たない、あちこち蔓延防止等重点措置が適用されているところ、そしてこれから緊急事態宣言再々発令等もある。そうした中で、観光事業者は非常に将来を不安に思い、また疲弊し切っています。
 GoToトラベル事業は、私も必要だというふうに考えています。そのつなぎのための地域観光支援事業もいいものだと思っていますが、コロナ収束が見通せず、再開できない状況であります、GoToトラベル事業は。
 立憲民主党は四月十二日に、観光産業持続化給付金法案を衆議院に提出しました。是非これは、国会で、この国土交通委員会も含めて議論をして、速やかに成立をさせていただきたいというふうに思っておりますが、これまでも大臣が答弁されている持続化給付金や雇用調整助成金もあるけれども、私は、コロナ禍で多大な影響を受けている観光産業に対して、コロナ感染拡大中、直接支援が大変必要だというふうに考えるんですけれども、改めて国交大臣の見解を伺いたいと思います。

#68
○赤羽国務大臣 同じような御質問を再々いただいております。
 そのときに、私個人で考えを述べているのではなくて、これまで申し上げてきましたように、四十七の観光地で、今、それぞれの地域で二時間半から三時間、徹底した意見交換をしております。御党からもこうした直接給付のお話をいただいておりますので、そうしたものについてはどうかという、それをテーマに議論もすることも間々あるわけでありますが、ざっくばらんに言いますと、宿泊事業者の場合は、なかなか、その額も、ワンショットの直接給付をもらうというよりは、やはり需要喚起策をやっていただきたいと。ですから、GoToトラベルの再開が一番望ましいけれども、県や市でやっている独自キャンペーンについて支えていただきたいという意見が一番強い。
 同時に、同じぐらい強いのは、やはり雇用調整助成金の拡充、これで何とかもっていると。ですから、全国の恐らく多くのところは、私の感覚でいいますと、秋口にGoToトラベルで相当利益が上がって、そして雇用調整助成金で何とか首の皮がもっている。しかし、今後はこれがどういう状況になるかというのは私も大変心配をしているところでございます。
 そのことに対しましては適時適切な対応をしていかなければいけないということなので、直接給付については、多分、例えば旅行代理店の小規模なところというのは、やはり直接給付というのはありがたいというふうに受け止める声も聞いておりますし、必要なことは政府としてやっていかなければいけないと思います。
 ただ、そういう意味で、私はそもそも議員立法の内容についてコメントする立場じゃないので、そこはちょっと誤解を与えてはいけないんですが、それとは別に必要な支援策を適時適切に打っていくというのが大事だということで、今政府の中で様々検討しております。
 全国の運輸局を通して、観光事業者、宿泊事業者等もヒアリングをしておりますが、幸い、GoToトラベルで加盟をしていただいている二万八千以上の宿泊者と直接のメールのネットワークシステムがありますので、ここに、今こうした状況の中で、現状と、また、必要な支援策についてのそうした調査もかけるように指示をしているところでございまして、それを今発動しているところでございます。
 そうしたことを踏まえながら、本当に必要な、これは観光立国を目指す上で、宿泊事業者のみならず観光関係の事業者が潰れたりしてしまっては、大変大切なインフラだと思っておりますので、そうしたことの事業継続と雇用の確保が続けられるようにしっかりと取り組んでいきたいということしか、現時点だとそういうことを申し上げる。適切な支援は適時適切に打っていくということを基本に考えていきたいと思っております。

#69
○道下委員 御答弁ありました。私も大体同じ意見なんですが、本当に、おっしゃるとおり、観光産業というのは裾野が広いというふうによくおっしゃいます。なので、GoToトラベル事業、今回の地域観光支援事業、そして雇用調整助成金などなど、そうしたものでしっかりと支えられるところもありますが、中にはそれで漏れるところもあるわけなので、そうした意味では、私は、漏れがないようにということで我が党でこういう議員立法をさせていただいたので、その辺も是非お酌み取りいただいて、御検討いただきたいというふうに思います。
 ちょっと質問の順番を入れ替えまして、次に、滋賀県の税制審議会が最近答申案をまとめた公共交通維持のための税制の検討ということを質問させていただきたいと思います。
 滋賀県税制審議会が、経営が厳しい公共交通機関を維持するため、県独自の税制導入の可能性を検討するよう滋賀県知事に求める答申案をまとめ、四月中に知事に答申するというふうに伺っております。
 今後、都市計画基本方針や交通ビジョンを踏まえた議論を進めることになるということでありますが、私が知るところによりますと、地域公共交通の維持を目的とした税は全国初ではないかなというふうに思っております。地域住民の暮らし、経済、環境、教育、まちづくりなど、様々な分野に関係する地域公共交通を税という方式で負担をみんなで分かち合って支えていくという考えでありまして、これは一石を投じるものになるのではないかなというふうに思っております。
 一方、負担でありますので、この税という形の負担について地域住民がどう考えるのか、また、自治体でやるんだったら国がやらなくてもいいというわけではないと思いますので、これは、しっかりと国も役割を踏まえながら、どのように地域の公共交通機関を維持していくのか、一緒に考えていくことにもなるかなと思いますけれども、この滋賀県税制審議会の答申案について、国土交通大臣の所見を伺いたいと思います。

#70
○赤羽国務大臣 実は、四月十一日に滋賀県の長浜市で、先ほど申し上げました観光関連、交通事業者との意見交換会を三時間ほどやらせていただきまして、三日月知事もずっと最後まで御出席しておりましたが、私、親しいんですけれども、この件については全く何のお話もございませんでした。ですから、正確に、このやり取りもちょっとよく分かりませんし、私からコメントするのはちょっと適当ではないと思います。
 ただ、地域の公共交通機関をどう維持するかというのは、全国各地で少子高齢化、人口減少化が進んでいて、その住民の生活の足を支える、また観光の足を支えるという大変重要なテーマだというふうに受け止められているのはよくよく承知をしておりますし、そうしたことを受け止めて、その財源の負担をどうするのかといったことの議論がなされているということは、私は敬意を表したいというふうに思っております。
 しかし、いろいろなことが、やはり県民の皆さんの中でも賛成、反対があるでしょうから、しっかり議論を重ねていただいて、やはり住民の皆さんの意思に沿った形で落ち着くのが、一般論ですけれども、よいのではないかなと。
 ちょっと話がずれますけれども、森林税とか、あと自転車に対する保険とか、それぞれ、県独自の税ですとか取組をしているというのはルールがあると思いますので、そうした地方自治体の独自の発想で議論がなされるというのは、私個人としては非常にいいのではないかと思いますが、大臣として具体的な本件のケースについてコメントするのはちょっと差し控えるのが適当かというふうに思います。

#71
○道下委員 赤羽大臣個人としての意見、ありがとうございます。
 おっしゃるとおり、やはり、負担となりますと、これは様々な、賛否等、慎重意見も含めていろいろあると思いますし、本当に、北海道も含めて、あちこちの地域公共交通機関が赤字であります。じゃ、これを地域住民が、利用促進のみならず、税で支えろということに話が流れていく、これはもう間違って、私はそれは本末転倒であるというふうに思っておりますので、そういった意味では十分な議論が必要と思いますけれども、公共交通機関の重要性、必要性だとか、どうやってみんなで支えていくのか。
 もし、直接利益を享受はしていなくても、ほかの人のためになるとか、地域の、例えば、ちょっと遠くの学校に通う高校生のためにこのバスは必要だよねとか、JRや鉄道は必要だよねということをみんなで考えて、社会をコミュニティーという形で支えていく、考えていくということは重要なことであり、その一つのツールに今回の答申案がなるのではないかなというふうに思いますので、今後も引き続き、私は注視をしていきたいというふうに思っております。
 次に、北海道新幹線について伺いたいと思います。
 まずその前に、先日、厚生労働大臣も務められた三井辨雄衆議院議員が亡くなられました。心から御冥福をお祈りしたいと思います。三井辨雄元衆議院議員は、国交副大臣のときに、北海道新幹線の札幌延伸に大変尽力されました。本当に御冥福をお祈りしたいと思います。
 私も、北海道新幹線開業、ちょうど五年前、三月二十六日なんですが、当時、北海道議会議員だったので、その前に試乗もさせていただきましたし、開業当日も、新函館北斗駅で開業式典にも参加させていただきました。
 開業年度は乗車率三二%だったんですが、その後、二〇%台半ば、二〇二〇年度は八%と、コロナの影響も受けて非常に乗車率が低くなって、二〇二〇年度の収支は九十三億円の赤字でございます。実は、線区別で、線区の中で一番大きな赤字額であります。
 この赤字額を何とか解消するために、函館から東京に鮮魚を送るだとかの貨客混載、また、スピードアップ化による利用率の向上、そして、一番は、私は、札幌延伸により乗車率が増えたり、そして黒字転換していく、これが二〇三一年度から黒字転換するというJR北海道の経営改善の切り札になるというふうに思っております。
 そうした中で、今、北海道新幹線が札幌延伸まで工事が進められているんですが、ちょっといろいろな壁がございます。今、私の選挙区においてもトンネル工事が始まっているところでありますが、そのトンネル工事から出てくる掘削土の中で、ヒ素や重金属などを含む要対策土、この受入れ保管場所がなかなか見つからないというところで、今、トンネル工事も中断というところもあると伺っております。
 これについては、鉄道・運輸機構、今日来ていただいています。水嶋副理事長、ありがとうございます。地域住民に対してしっかりと丁寧な説明、そして理解をいただいた上で進めなければならないと思っております。
 今は、札幌市の手稲山口だとか、手稲の金山地区、厚別区の山本地区、そして、小樽市にある朝里川地区でも、そういうトンネル掘削土の保管場所、特に要対策土の受入れ保管場所の確保、非常に今なかなか進んでいないという状況でありますが、この受入れ保管場所の確保の見通しと取組について、水嶋副理事長から伺いたいというふうに思っています。

#72
○水嶋参考人 お答え申し上げます。
 この札幌延伸工事でございますけれども、約八〇%がトンネル工事でありますことから、トンネル掘削土の受入れ地確保というのが工事を計画どおり進めるためにも大変重要な課題であるというふうに認識しておりまして、特に、委員御指摘のとおり、ヒ素でございますとか自然由来の重金属などが土壌汚染対策法などに規定する基準値を超えるような場合の対策土の受入れ地の確保というのが極めて重要な課題になっております。
 このトンネル掘削土の受入れ地を確保するためには、受入れ候補地の地域の方々に対しまして丁寧に御説明を行って、御理解をいただくことが重要であるというふうに認識をしております。これまでも、各地で、事前調査の結果を踏まえまして、工事内容や工事中の環境保全対策などにつきまして、国や北海道庁、沿線市町などの御協力を得ながら、できる限り丁寧に御説明をさせていただくように取り組んでまいったところでございます。
 特に、委員御指摘の札幌市の手稲山口地区でございますけれども、これは、札幌と小樽間のいわゆる札樽トンネルから搬出されるトンネル掘削土の大半を受け入れる候補地ということでございまして、私も現地に行ってまいりましたけれども、現地の事前調査、これは、土質の調査でございますとか、水質の調査でございますとか、環境影響調査などを行った上で、最適な対策の検討を進めてきておるところでございます。
 その検討結果につきましては、受入れ候補地が存在する地区におきまして、昨年から延べ六日間、住民説明会を開催させていただいたところでございます。また、当該地域よりももう少し幅広い地域の方々にもしっかり情報を提供する必要があるだろうということで、その情報を提供して御意見を承る取組といたしまして、昨年から延べ八日間にわたりまして、札幌市さんと共同いたしまして、オープンハウス方式による御説明を実施してきているところでございます。
 なお、三月の末に住民説明会をこの手稲山口地区で開催させていただきましたときには、札幌市長など、市の幹部が自ら御参加いただいたということもございまして、地元の方々とのコミュニケーションがより深まったのではないかなというふうに考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、委員御指摘のとおり、札幌延伸工事を着実に進めますためには、トンネル掘削土の受入れ地を円滑に確保していく必要がございますので、今後も引き続き、国や北海道庁、沿線市町などの皆様の御指導と御協力を得ながら、地域住民の方々の御理解が得られるように、丁寧に対応してまいりたいと考えているところでございます。

#73
○道下委員 手稲山口地区は、そんな都心部ではないんですけれども、やはり、ちょっと離れたところには団地がありますし、また、高校もありましたり、病院などもあります。農業をやっている方もいらっしゃいますので、十分丁寧な御説明をお願いしたいというふうに思っております。
 また、そのほかにも、先ほど申し上げましたところもありますし、まだまだ、トンネル掘削自体はまだ緒についたというか、二五%程度だというふうに伺っております。今後、様々、住民からの御意見等もありますので、しっかりと丁寧にお聞きして、そしてお答えいただきたい。
 先日の国鉄債務等処理法改正案の審議のときには、附帯決議の中でも、住民に対する十分な理解をしっかりとお願いするというような附帯決議も申し上げさせていただきましたので、是非そうした観点も踏まえて、私は、計画どおりの北海道新幹線札幌延伸、取り組んでいただきたいとお願い申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#74
○あかま委員長 次に、高橋千鶴子君。

#75
○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 大阪を始め東京、兵庫など三都府県で、要請を受け緊急事態宣言を出す方向と聞いております。国内で初めて新型コロナ変異株を確認したのは昨年十二月二十五日のことです。それが今や、国立感染研の調べでは、関西では既に八割を変異ウイルスが占めている、また、東京など首都圏の一都三県でも、来月初めには全体の八割以上が従来のウイルスから置き換わるとされております。変異株が発見され、一人一人とカウントをし始めたときの対策、きちんとルートをたどっていく、つかまえておくという対策が十分できていたのかということを改めて指摘をしたいなと思います。
 そこで、まず水際対策ですが、今年に入っての外国人入国規制はどのような考え方で行っているのか、また、直近の数字で、新規、再入国及び日本人帰国者の、それぞれの数をお聞かせください。

#76
○丸山政府参考人 お答え申し上げます。
 法務省としましては、これまでも、国内外の感染状況を見極めつつ、関係省庁と連携し、必要な水際措置を講じてきたところでございます。
 昨年末の変異株の発生を受け、昨年十二月二十六日には、予防的な措置として、全ての国、地域からの新規入国を認める措置を一時停止し、同措置による全ての外国人の入国を認めないこととしました。
 さらに、本年一月十三日には、英国からの帰国者によるクラスターで変異株が確認された事例、ブラジルからの帰国者で新たな変異株が確認された事例などを受け、ビジネストラック及びレジデンストラックについて、緊急事態宣言が発令されている間、一時停止し、これらの措置による全ての外国人の入国を認めないこととしました。
 また、三月十八日には、これらの措置の一時停止について、緊急事態解除宣言後も、当分の間、継続することとしました。
 現在入国を認めておりますのは、公益性のある方、人道上の配慮の必要性のある方、再入国者などの特段の事情のある方のみでございます。
 本年三月の外国人入国者数及び日本人帰国者数について取り急ぎ集計しましたところ、外国人入国者数は一万九千三百九十三人、一日当たり六百二十六人、そのうち新規入国者は二千十七人、一日当たり六十五人、再入国者は一万七千三百七十六人、一日当たり五百六十一人であり、日本人帰国者数は三万八千九百二十九人、一日当たり千二百五十六人となっております。

#77
○高橋(千)委員 ありがとうございます。
 緊急事態宣言を解除したり、重点措置などが出たり入ったりした中でも、全体の国からの入国規制を続けてきたということは大事なことではなかったかなと思っております。
 ただ、特段の事情のところが、やはり私、人道的な意味で、家族に会えない、病気とかあって、帰ったら戻れないとか、逆にどうしても帰れないということがないように、人道的措置というのは非常に大事なことだと思うんですが、特段の事情が余り広がってはまずいと。そこのことはちょっと気になっておりましたので、一言言っておきたいというふうに思います。ありがとうございました。
 そこで、政府が変異株の流行国として指定しているのがどのような国で、また、検疫措置は、流行国ではない国からの入国よりも厳しいと聞いておりますが、どのように対応しているのか、簡潔にお願いします。

#78
○浅沼政府参考人 お答えいたします。
 現在、検疫におきましては、全ての入国者に対して、出国前七十二時間以内の検査証明の提出を求めるとともに、空港等において検査を実施し、入国後十四日間の待機等につきまして誓約書の提出を求めております。この誓約書に違反した場合は、氏名等の公表や検疫法上の停留、外国人の場合は、在留資格取消し手続及び退去強制手続等の対象となり得るものとしたところでございます。
 また、国が民間委託した入国者健康確認センターが、入国後十四日間の日々の健康状態等を確認し、異常があった場合には保健所と連携し、対応しているところでございます。
 さらに、今委員御指摘でございました変異株が流行している国、地域といたしまして、現在、英国、南アフリカ共和国等の二十九の国、地域を指定しておりまして、これらの国、地域からの入国者につきましては、出国前と入国時の二回の検査に加えまして、検疫所が確保した宿泊施設での待機を求め、入国後三日目に追加の検査を実施した上で、入国後十四日間の公共交通機関の不使用と自宅等待機を求めるなどの検疫強化措置を講じているところでございます。
 水際対策につきましては、関係省庁が連携し、機動的に実施してきたところでございますが、今後とも、国内外の感染状況を見極めつつ、政府全体として必要な対応を講じてまいりたいと考えております。

#79
○高橋(千)委員 けさのニュースで、二人、成田の入国の際に、その出国のときの証明が正しくなかったということで送還されたという事例があったと報道されておりました。厳しい対応は当然かなとは思っております。
 それで、水際の最前線である検疫官は、ワクチン優先接種の対象とすべきと思います。そうなっているのかということと、実際、今どの程度接種が終わっているのか、あるいは見込みなのかも含めて、お答えください。

#80
○浅沼政府参考人 お答えいたします。
 検疫所の職員につきましては、患者等からの検体採取を行う者や、患者等の移送等により患者と接する業務を行う者などは医療従事者等に含まれるため、優先接種の対象とされているところでございます。
 検疫官の新型コロナワクチンの接種状況につきましては、四月二十日現在で把握できている範囲では、十五名が接種を受けております。
 なお、今後の接種の見込みにつきましては、検疫所が所在する各地方公共団体におけるワクチン接種のスケジュールによることから、これがまちまちであるため一概にお答えすることは難しいと考えておりますが、いずれにいたしましても、医療従事者等に対する接種が終了するまでには検疫官の接種も終わると考えております。

#81
○高橋(千)委員 最優先に位置づけてくださっている医療従事者と同じだということはありがたいなと思うんですが、まだ十五名ということで、各自治体の事情もあるとは思いますが、これはやはり、まさに水際の最前線だということでお願いをしたい、このように思います。
 それで、今、その水際対策を言ってきたわけですが、同時に、国際線のパイロットや客室乗務員については、今、厳しいですねと言った検査や待機などについて、一般搭乗客とは違う対応をしていると聞いています。その内容と理由を伺います。

#82
○和田(浩)政府参考人 お答え申し上げます。
 航空会社の乗員につきましては、国境を越えて頻繁に往来する者であり、我が国の人流、物流、双方の航空ネットワークを支える役割を継続的に果たせるようにしていく必要がございます。
 こうしたことを踏まえまして、外国滞在時の行動制限や帰国後の健康観察等の感染防止対策を各航空会社が責任を持って実施することを前提に、空港検疫での検査や十四日間待機の対象外とする扱いが厚生労働省により認められております。
 こうした考え方の下、昨年十二月以降の変異ウイルスへの警戒の高まり等を踏まえまして、各航空会社におけるこれらの感染防止対策の徹底を図るため、国土交通省から航空各社に対しまして、全ての国、地域から帰国する日本在住の乗員に検査を実施する等の対策強化を要請し、各社において実施されているところでございます。
 引き続き、各航空会社や関係機関とよく連携し、対応に万全を期していきたいと考えております。

#83
○高橋(千)委員 まず、確認をします。
 昨年三月三十一日付の厚労省検疫所業務管理室から国交省航空局宛ての文書では、入管法上の外国人の入国制限対象とされている地域から、日本を往復する航空機に搭乗する客室乗務員又は運航乗務員については、PCR検査の実施、十四日間の待機、括弧して十四日間の経過を待たずに出国することは可能と書いております。公共交通機関を利用しないことなどの要請の対象となるが、業務上、日本に入国する必要があって、後日出国する乗員については、下記留意事項を満たしている場合に限り、PCR検査については対象から除外するとありました。
 つまり、本来の搭乗客が課せられる義務を免除をしていたわけです。それは、次のフライトに支障があるからという会社側の要請によるものであること、それを厚労省によって認められている理由がどういうことか。
 説明は、外国からの帰国といっても、実際には空港から専用車でホテルに行き、ホテルから一歩も出ないで、つまり、外国に行って、行っていないようなものだ、そういう解釈だということで認めてきた、これでよろしいですか。

#84
○和田(浩)政府参考人 ちょっと今その文書が手元にございませんけれども、先生がおっしゃった御趣旨のような御理解で、一般旅客とは違う扱いをしてきたということだと思います。

#85
○高橋(千)委員 一般とは違う扱いをしてきたわけであります。そのこと自体が、一歩も外に出ないんだから大丈夫だという考え方、とにかく、フライトを安全にするためには、それはある意味、理解できることでもあるんです。だけれども、やはり搭乗する人たちにしてみたら、どんなに不安か。だって、長時間、乗客と一緒にいるわけですから、乗員たちの不安を取り除く、感染対策を徹底する必要があるわけなんです。
 ところが、昨年は、十二月十日には、帰国後の取扱いについてという文書が検疫所から航空局宛てにまた出ております。結果としては、先ほど答弁にもあったと思うんですが、航空会社の責任において検査を行っている。
 つまり、検疫というのは国がやっていること、やっていることというのはお金も国が出しているわけですけれども、これは、ですから航空会社がお金も出し、航空会社が検査をやっている、そういう理解でよろしいでしょうか。

#86
○和田(浩)政府参考人 お答え申し上げます。
 検査費用については、航空会社の負担によって実施をされております。

#87
○高橋(千)委員 そこで、大臣に伺いたいんですが、これはやはりおかしいと思うんですよ。ダブルスタンダードなんです。これが許されるのは、特別な業務だからということなわけですよね。だけれども、だとすれば、一般の乗客よりも厳しい対策を取っていますよ、あるいは、検疫所での措置を会社の責任においてやっているんだけれども、その内容は、検疫所が、自分たちがやっているのと同じです、自分たちが責任を持ってやっていますと言えるものじゃなきゃいけないと思うんです。
 基本的対処方針にも、航空会社の乗員は社会の安定の維持の観点から緊急事態宣言期間中であっても事業の継続が求められる、いわばエッセンシャルワーカーとして位置づけられています。とりわけ国際線は、長時間のフライトのために自ら感染のリスクもある中、乗客の感染防止対策に責任を持つ立場なんです。ある意味、水際対策の一翼を担っています。
 こうした乗員に対する感染対策について、ワクチンの優先接種やPCR検査を会社任せにせず、国の責任において複数回きちんと行うなどの前向きな対応をすべきと思いますが、いかがでしょうか。

#88
○赤羽国務大臣 おっしゃるように、航空会社は水際対策の要だというふうに、同じ認識でございます。同時に、これは同じ御質問、別の委員からもかつてあって、お答えしたと記憶しておりますが、航空会社とか公共交通機関というのは、やはり安全をつかさどるところだから、そこは航空会社としての矜持として、責任を持ってこの感染防止対策を果たしてもらわなければいけないし、果たしているものだということで、そういう前提でやっているということでございます。
 ですから、先ほど局長の答弁もあったように、特に昨年十一月以降の変異ウイルス、警戒の高まり等を踏まえまして、現在は、全ての国、地域から帰国する日本在住の乗員につきましては国際線乗務の都度検査が実施されている、これは事実です。
 他方、ワクチンの接種については、PCR検査とワクチン、ちょっと違うと思うんですが、PCR検査については、そういうことでちゃんと実施されている、また、してもらわなければ困るということを航空会社に求めているし、それが実施されている。
 ワクチンにつきましては、国の方針としては、これも、医療従事者、高齢者、基礎疾患を有する者という優先が示されたところでございますけれども、特に国際線のパイロット等については、やはりそうしたリスクも大きいので、優先接種をしていただきたいという航空業界からの御要望もありますので、それは関係省庁にも伝えているところでございますので、それはしっかり引き続き要望していきたい、こう思っております。

#89
○高橋(千)委員 今、ワクチンのことは、要望も出ているし検討してくださるということだったので、言いません。
 それで、さっき厚労省から、最初にまず一般の、変異株の国から帰ってきた搭乗客がまず検査を行って、検疫所の指定する宿泊所で待機をするわけですよね。そして、三日後に再度検査を行って、それから、公共交通機関を不使用で十四日間自宅待機をするわけですよね。
 ですから、同じじゃなくても、これに匹敵する検査が確実にやられているかどうか、そのことを確認する必要があると思いますが、いかがですか。

#90
○和田(浩)政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほども御答弁させていただきましたが、航空会社の乗員は、国境を越えて頻繁に往来をするということでございます。現在は、全ての国、地域から帰国する日本在住の乗員に検査を実施しているため、乗員は国際線の乗務から帰国するたびに検査をしていただいているという状況でございます。
 また、航空会社におきましても、現地滞在中の外出抑制等の行動制限、例えば外出は不可とか食事はルームサービスにするとか、そういった行動制限を強化したり、また、帰国後も、十四日間経過するまでの乗員の健康観察、検温を定時にやるとか、そういったことを徹底をしているところでありまして、こうした取組によりまして、乗員の感染防止対策の徹底を図っているところでございます。

#91
○高橋(千)委員 済みません、厚労省にももう一度伺います。
 ここは、頻繁に往来するからという、いろいろな事情があることを理解するだけではまずいんです。それが、やはり不安を抱えてしまうわけですから、わざわざ一回目検査をしても、三日後にもう一度検査をする、その意味があるわけですよね、一般の搭乗客に対しては。
 だとすれば、それは、外国にいたときは外に出ないかもしれないけれども、その外にいた人たちと同じ飛行機に乗っているわけですよ。だとすれば、これに匹敵する検査を、帰国のたびに一回やりましたではなくて、きちんと会社においてやるべきである、このことを、もう一回、国交省と調整をしていただけますか。

#92
○浅沼政府参考人 お答えいたします。
 航空機の乗務員等につきましては、国土交通省の指導の下、公共交通機関として航空便の運航に支障が出ないよう、航空会社の責任におきまして、外国滞在時の行動制限や帰国時の検査、健康観察などの一定の条件を遵守することを前提に、空港検疫での検査の対象外とする取扱いをしているところでございます。
 乗務員につきましては、諸外国におきましても、同様に検査免除等の取扱いがなされていることが一般的と伺っておりますが、議員御指摘のとおり、コロナ禍におきましては、コロナの検査あるいは健康観察などはしっかりしていただけるように、我々からもお願いをしたいと思います。

#93
○高橋(千)委員 ここはよく調整をし合って、お互いに責任をなすりつけ合わないようにお願いしたいと思うんですね。乗務員のことは国交省だ、国交省は、検疫は厚労省だというふうなことにならないように、しっかりとお願いをしたいと思います。
 ちょっと、時間の関係で、順番を変えたいと思います。
 タイ国際航空のことなんですが、昨年五月十九日に、破産法に基づき、つまり向こうの国のです、に基づき、タイ中央破産裁判所に申請した会社更生手続をタイ政府が承認をしました。
 現在、更生計画を策定中なんですが、この一年間も、これはもう再生するということで運航はずっと続いているんです。そして、日本の支社で運航しているわけですから、日本の政府に対して雇用調整助成金の申請も行っております。
 ところが、審査が保留されているんですね。もう一年間も就航している実態を評価して、助成することはできないのかと思うんですけれども、一般論でよろしいですので、お答えをお願いします。

#94
○達谷窟政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、一般論として申し上げます。
 雇用調整助成金を含む雇用関係助成金の取扱いといたしまして、助成金の支給申請日又は支給決定日の時点で倒産している事業主に対しましては、助成金を支給しないとしているところでございます。しかしながら、更生手続開始等の申立てを行った事業主であって、事業活動を継続する見込みがある者は支給対象とすることとされてございまして、その確認は、更生計画等の認定の結果が確定したことを示す書類により行うこととしてございます。
 ただし、今申し上げましたこの取扱いにつきましては、国内の事業所につきまして、国内の法令に基づいて行われる申立てや認可等の手続を指すものでございまして、外国の法人が外国の法令に基づきまして行う手続に適用されるものではございません。
 いずれにいたしましても、今申し上げました取扱いに基づきまして、適正に対応してまいりたいと考えてございます。

#95
○高橋(千)委員 確認ができました。
 外国の更生手続が、今の読み上げた雇調金の対象、いわゆる申立てが、計画が認定されるまでは保留だということには当たらないという意味だったと思いますので、これは厳正な審査をして、早い結論を出していただきたい、本当に待っていらっしゃるので、お願いをしたい、このように思います。
 そこで、質問をまた戻しますけれども、航空機の乗員始めワクチン輸送に関わる従事者も極めて重要な役割を担っていると思います。
 ワクチンはマイナス七十度の凍結状態で運ぶ、保存するということがテレビなどでも報道されて、いや、これは大変なことだなと思ったんですが、手引書を見ますと、一度解けちゃったものを再凍結したら絶対駄目とか、揺らし過ぎては駄目などというふうに書いてあるわけであります。そうすると、これを最後の接種するその場所まで確実に届けるということは極めて重要なことであると思います。
 そういう意味で、接種会場までこのワクチンの質を担保し続け、かつ、セキュリティーに万全を負うという意味で、安全、確実なワクチン輸送のために、日本ではどのような取組や取決めを行っているのか、厚労省と国交省にそれぞれ伺います。

#96
○宮崎政府参考人 まず、厚労省からお答え申し上げます。
 現在、承認を得て接種に使われておりますワクチン、ファイザー社のワクチンでございますけれども、こちらにつきましては、委員御指摘のように、メッセンジャーRNAワクチンということで分解されやすいという特質がございまして、低温での保存、衝撃・振動の回避、光・紫外線の遮断などが必要ということで、運送に当たっても注意が必要ということで取り扱っております。
 厚生労働省におきましては、自治体からの要望も受けまして、ファイザー社から基本型接種施設への超低温での配送を原則としつつ、ファイザー社とも相談の上で、接種体制の構築に当たって、必要な場合には一定の要件の下で小分けして、基本型接種施設から連携型接種施設等への冷蔵や冷凍で移送できる旨を自治体にお示ししているところでございますが、こうしたワクチンの具体的な移送条件については、委員御指摘のございました自治体向けの手引や自治体向けの説明会等におきまして、移送温度ごとの移送可能時間、保管可能時間、移送の際の留意事項、これらを丁寧にお示しをしているところでございます。
 手引では、二度から八度で移送する場合、マイナス十五度からマイナス十度で移送する場合、あるいはマイナス六十度からマイナス十度で移送する場合、かなり細かく分けてお示ししているところでございまして、こうした移送の条件を踏まえて、それぞれの地域の実情等に応じた接種体制の構築を進めていただけるようにお願いしているところでございます。

#97
○秡川政府参考人 接種会場までのワクチンの輸送なんですけれども、具体的には、国内でもそうですね、トラックとか航空機、船舶等の事業者を活用して行っていくということでございます。
 このため、製薬会社とか自治体が輸送に関して不安を抱えているような場合に、事業者を所管する立場から、関係省庁と連携して、きめ細やかな対応をしているところでございます。
 例えばですけれども、トラック運送業であれば、地方運輸局や各県の運輸支局に窓口を設置しまして、いろいろな疑問等に御相談できる体制を整えてございます。
 引き続き、関係省庁や運送事業者と連携を取りながら、輸送力の確保に万全を期していきたいというふうに考えております。

#98
○高橋(千)委員 細かな契約は、それはファイザーとの関係でお話しできないことが多いとは思うんですが、今のお話、厚労省と国交省それぞれ答えていただいたように、大変な、ワクチンを守り届けるということは極めて緊張を強いられる重要な仕事だと思いますので、それに従事する方たちをしっかりと支えていくということは国交省の役割かなと思いますので、よろしくお願いします。
 ありがとうございました。

#99
○あかま委員長 次に、浅野哲君。

#100
○浅野委員 国民民主党の浅野哲でございます。
 本日は質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 これから質問させていただきますが、本日は、大きく三つのテーマで質疑をさせていただきたいと思います。一つ目は建築物の省エネ化、二つ目がドローンのレベル4飛行、三つ目が特殊車両向けの新制度の検討状況、こういった順番でやらせていただきたいと思いますが、まず、建築物の省エネ促進に関する施策の在り方について、政府の方の見解を確認させていただきたいと思います。
 まず、本日お配りした資料の一枚目には、規模別の省エネ基準適合率の推移ということで、グラフを掲載させていただきました。これを見ますと、特に右側にあります住宅分野、近年、省エネ基準適合率が上昇傾向にあることが見て取れるかと思います。
 ただし、まだ一〇〇%ではないということで、これからカーボンニュートラル社会を目指す中において、やはり住宅分野のエネルギー消費が占める割合というのは相当程度ございますので、こういったところをしっかりと詰めていく必要はあろうかと思います。
 まず一問目、政府に伺いたいと思いますが、建設に関わる中小事業者の省エネ性能を評価する能力の現状、そして、そこから見出す課題について御見解を伺いたいと思います。

#101
○和田(信)政府参考人 先ほど委員の御指摘のとおり、住宅分野は、こうやって省エネ基準の適合率、まだまだ一〇〇というまでにまいりませんが、少しずつ頑張ってきているところでございます。
 この住宅分野、我が国の新築戸建て注文住宅でいいますと、約四割が中小事業者により供給されています。このため、住宅における省エネ対策を進めていくためには、中小事業者を始めとする事業者の技術力の向上、これが非常に大事なことだと思っております。
 国土交通省では、本年の二月に中小事業者等にアンケートを実施しましたところ、省エネルギーの計算が可能、あるいは仕様基準を用いて確認をすることができると回答した事業者は約六割となっております。このため、更なる省エネ関連の技術力の向上ということが課題となっていると考えております。
 国土交通省としましては、これまでも、中小事業者を始めとする事業者が省エネ基準を満たす住宅の設計、施工が十分にできるように、講習会等の実施を通じて技術力の向上に努めているところでありますが、住宅における更なる省エネ対策の強化にも対応できるよう、実地訓練も含めて関連事業者の技術力の向上に取り組んでまいります。

#102
○浅野委員 ありがとうございました。
 訓練制度の充実というのはもう間違いなく必要な施策になろうかと思いますし、その実効性、効果を高めていく工夫というものは、是非、まだまだ検討代があると思いますので、現場の声も聞きながら改善を続けていただきたいということを申し上げたいと思います。
 次の質問なんですが、今答弁いただきましたように、いわゆる省エネ適合の住宅を建てるためには設計と建設というものがありまして、やはり現場の皆さんの声を聞くと、設計士の方がしっかりその技能を身につけることが大事なんだということであります。
 ただ、先日も、私、ちょっと現場の方の意見を聞いてきたんですが、建築士の方々からすると、今の規制の現状からするとそれでも十分な仕事量があるから、この中で複雑な省エネ評価の計算方法を勉強したりだとか、それを適用することによって手続が煩雑になり、受けられる案件数が減ってしまうことに対する懸念もまた一方であるようでありました。
 そういった中で、政府は、ちょうど今月、四月から、省エネ性能を評価するための方法として、モデル住宅法というものを適用を開始したということを伺いました。
 従来、標準計算法と呼ばれる従来型の評価方法では、非常にたくさんの項目について計算をして、この住宅の設計図面ではしっかりこの基準を満たせるかどうかというものをかなりの労力をかけて計算をしていたものを、今月からは比較的簡易な計算でこの評価ができるような仕組みも導入されたということでありますが、問題は、その精度がどうなのかという話にとどまらず、これがしっかりこれから浸透していくのかどうかなわけです。
 従来の計算方法と比べれば、確かに入力する項目数は大幅に減ったような印象を私も受けているんですけれども、現場の方からすると、それでも多いという意見もあるんですね。ですから、この簡易的な評価方法というのは今後住宅の省エネ性能を計算するに当たっての標準的な評価方法となれるのか、そうなるためにはどういった工夫、対策が必要なのか、こういったところの課題意識をお伺いしたいと思います。

#103
○和田(信)政府参考人 建築物の省エネ法におきましては、供給する住宅の規模に応じまして、省エネルギー計算の結果の届出義務、あるいは説明義務を事業者に課しております。国土交通省では、このため、モデル住宅法など複数の評価方法を用意してございます。簡易な評価方法でありますモデル住宅法につきましては、先ほど委員おっしゃられましたように、説明義務制度、この四月に施行になったものですが、この施行に合わせ、中小の事業者が評価を十分にできるよう用意したものでございます。
 モデル住宅法は、住宅の断熱性能等について、断熱材のカタログ値から手計算でも評価できるように簡素化したものでありまして、従来の表計算ソフトを利用した詳細な計算に比べてかなり取り扱いやすくなっており、数多くの中小事業者に利用いただけるものと見込んでございます。
 国土交通省としましては、昨年度、建築士や中小工務店を始めとする事業者の方々に、省エネ基準を満たす住宅の設計、施工が十分できるよう、モデル住宅を含む断熱性能などの省エネ性能の計算方法について、コロナ禍のこういう影響下でもありますので、オンライン講座を開設し、受講いただいているところです。
 今後も、こういったオンライン講座をしっかりとやるとともに、技術的な課題については、専用の窓口で相談を受け付けて、引き続き必要なサポートを行ってまいりたいと思いますし、評価方法につきましても、もちろん正確なものでなければならないということに留意しつつ、使い勝手、そういったようなことについても随時しっかりと見てまいりたいと思っております。

#104
○浅野委員 ありがとうございました。
 先ほども申し上げましたが、やはり、設計をされる方、建設をする作業者の方がしっかりこの技能を身につけ、活用することが何より大事だと思いますので、その点でいうと、少し議論の繰り返しになってしまうかもしれませんが、本日準備した資料の二の方には、先ほど答弁の中でも話されておりましたが、中小工務店や建築士の省エネ基準への習熟状況の調査結果のグラフを掲載させていただきました。
 御覧のように、計算ができないと答えた方が約半分いるという現状。先ほど六割ぐらいという数字を出されておりましたが、このグラフでいうと、約半分の方が計算できないという現状があるということであります。
 今回の、今のモデル住宅法の習熟支援についても、オンライン講座を実施しているということを今おっしゃっておりましたが、現場からは、実践的な研修プログラムの実施や、あるいは建築士の方が地域で集まって勉強会や研修会を行うような事例もあるそうなんですけれども、こういった行為に対する支援を受けられないかという声も出てきております。
 ですから、実践的なトレーニング、そして自主的な研修会に対する支援、オンラインでの研修機会の提供のみならず、こういった現場に足を踏み込んで支援をするような形の在り方も是非御検討いただきたいと思いますが、ちょっと通告しておりませんが、この件について何か御見解ありましたら、よろしくお願いいたします。

#105
○和田(信)政府参考人 おっしゃるように、こういった新しいことをやっていく上で、中小の方々、やはり一番、手に手を取ってというのが分かりやすく身につくものだと思います。先ほどオンライン講座でと申しましたのは、この一年間、やはりちょっとコロナの影響もあったものですから、少しそれに配慮してオンラインという形を取っております。
 今後、こういったコロナがどうなっていくかということもございますが、そういった中でも、どんなことをしたら一番丁寧に分かりやすく習得できるようになるのか、こんなことも考えて、習得に至る過程といいますか、講習といいますか、そういったことを丁寧にやっていきたいと思っております。

#106
○浅野委員 是非よろしくお願いいたします。
 続いては、今、これから新しい家を建てる方ばかりではなく、既にある住宅を利用、省エネ性能を上げるという方も中には出てくると思いますが、その関連した質問をさせていただきます。
 資料の三を御覧いただきたいんですけれども、こちらも国交省の資料の抜粋になりますが、円グラフがございます。右側の円グラフを見ていただきますと、住宅のストック、今、約五千万戸あるそうですけれども、この断熱性能の内訳というものがグラフ化されておりまして、現行基準に適合しているものが全体の一一%、そして、平成四年以前の基準に適合しているものが合わせて大体六〇%ですか、それ以前の無断熱の住宅が全体の約三割というような状況だそうであります。
 今、全国各地で空き家の問題も出ておりますし、その中で、住宅の省エネ性能の改善ということを考えていった場合に、こうしたストックされている住宅を利用するというのは当然選択肢に含まれるわけでありますが、少し私の方で国交省から情報をいただいたところ、省エネ基準に既存の住宅を適合させるために一体どのくらいのお金がかかるのかというのを確認させていただきましたら、平成四年の基準に適合した住宅を今の基準に適合させるために必要な費用がおよそ二百三十一万円だそうであります。
 ただ、既存の住宅を二百三十一万円かけて改修して住み続けるのか、新しい家を建てて住むのかということで、二百三十万円も払うぐらいだったらいっそのこと新しい家を建てようというようなニーズもある程度あるそうでありまして、やはり、こういった既存住宅をいかに利用してもらうのか、こういったところで、是非政府の見解を伺いたいと思います。今使える支援の内容ですとかも踏まえながら御答弁いただければと思います。

#107
○和田(信)政府参考人 ただいま委員御指摘のとおり、そういった省エネ基準が十分でないものについてリフォームしますと、二百万を超える形のお金もかかりますし、また、多くの場合、新しく中古既存住宅を購入して住まわれようという場合には、水回り、例えばシステムキッチンだとか、トイレだとか、あるいはバス、こういったものも併せて新しいものにされることが多いと思います。そうしますと、合計五百万を超えるようなお金というのはすぐいってしまうことがございます。またさらに、旧耐震とかそういったことであれば、リフォームも更に大変になってまいります。
 こういったストックの中でも、割と、ただ古いというだけではないんですが、耐震性も伴わない、あるいは省エネ性能も余り十分でない、かなり十分でないというものにつきましては、もちろん既存住宅を有効に活用していくというのは非常に大事なことではございますし、そのためにリフォームの補助制度等々も用意してございますが、その選択肢とともに、今のようにかなりストックの性能が低いものについては、思い切って建て替えるということも一つの重要な選択肢だと思ってございます。
 また、このために、もちろん建て替えですから、一般住宅に建て替えるということで、耐震性は義務になっていますから確保されますが、これにとどまらず、省エネ性能の高い住宅に建て替えることを誘導していくというために、長期優良住宅やあるいはZEHについての支援、こういったものもございますし、また、住宅ローン減税や住宅金融支援機構のフラット35において、省エネ性能の高い住宅の新築に対する支援、こういったものを行っております。
 ストックのその状況によって、リフォームというのがいい場合もございますし、また、これについてもしっかりと支援していきたいと思います。一方で、ストックの状況によっては、建て替えるという選択肢も一つの大事な選択肢かなと思ってございます。

#108
○浅野委員 ありがとうございました。
 今言ったように、建て替えをする場合の支援策も少し紹介をいただきましたが、これについてはちょっと要望にとどめさせていただきますけれども、事前に確認したところ、今、耐震性のない住宅を、古い住宅というのはおよそ最新の耐震基準を満たしていませんので、古い住宅をリノベーションして新しい基準に適合させようとする中で、耐震補強をする必要がありますが、いろいろそこら辺の費用も含めると、本当に、五百万どころか一千万近くまでいってしまうんですね。
 ですから、今政府が設けている支援策の一つに、一旦、今ある家を解体をして、更地にしてから新しい家を建てる場合には、元々あった古い家に耐震補強をするために必要なお金の部分を、一回更地にして新しく建てる場合には補助してあげるよという制度があるそうであります。
 ですけれども、一回壊して、取り壊し部分の費用にそれを充てることができるわけなんですが、ただ問題は、じゃ、その支援策を適用した上でZEHを建てましょうといった場合に、ZEHを建てるときに本来もらえるはずの支援金、大体今百数十万円のお金が出るんですけれども、両方の支援策を同時併用ができないという問題があるようであります。
 ですから、是非ここは、これからストック住宅を建て替えて、新しいZEHとかLCCMを建てようとする方もこれから出てくると思いますが、せめてこうした支援策の同時併用というのは柔軟に活用できるようにすべきではないか、このことは是非国交省の中で御議論をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 では、次のテーマに移りたいと思いますが、次は、ドローンのレベル4飛行について伺いたいと思います。
 今回の国会では航空法の改正案が出されておりまして、その内容にも含まれている内容でありますが、まず、ドローンのレベル4飛行というものがどういうものなのかというのを少し簡単に教えていただけますでしょうか。

#109
○和田(浩)政府参考人 お答えいたします。
 レベル4飛行というものでございますけれども、これは、無人航空機を有人地帯で補助者なしで目視外の飛行を行うものを指しております。

#110
○浅野委員 ありがとうございます。
 有人地帯の上空を目視外飛行をするということで、非常に、ですから、町中の上空を遠隔操作でドローンを飛ばす場合はこのレベル4に相当するという理解でありますが、今回、ドローンのレベル4飛行を検討するに当たって、操縦ライセンスの取得要件というものが国交省内で議論をされてきたそうでありますが、年齢制限や身体的要件について、本日はまず確認させていただきたいと思います。お願いします。

#111
○和田(浩)政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のありましたライセンスに関してでございますが、技能証明というものを取得する際には、諸外国における無人航空機の操縦ライセンス制度でありますとか、ほかのモードにおける免許制度も参考にいたしまして、十六歳以上という年齢制限を設けることとしております。
 それから、身体的要件の方でございますけれども、技能証明に当たりまして、無人航空機の安全な飛行を確保するために必要な最低限の身体の状況を確認することとしております。
 例えば、視力が弱い場合には眼鏡等を着用したり、身体に障害がある場合には操縦を補助する機器を装着するなど、無人航空機の操縦に際しての条件を付すことによりまして、技能証明を取得することができる制度としております。
 いずれにいたしましても、様々な無人航空機の利用者利便を考慮いたしまして、関係者の御意見等も踏まえながら、技能証明制度の適切な運用に努めてまいります。

#112
○浅野委員 ありがとうございました。
 是非これは今後の検討に加えていただければと思うんですが、この身体的要件の部分、今御答弁いただきましたように、例えば、身体的に障害をお持ちで手が動かせない方ですとか足が不自由な方ですとか、いろいろな立場の方がいらっしゃいますけれども、そういった方々が社会参画をしていく、その際の手段として、このドローンの操縦ライセンスを活用した新たな仕事というところも、今実際には議論がされております。
 是非、この身体的要件を議論する場合には、安全確保は大前提なんですけれども、様々な立場の方々が社会参画をすることを念頭に置いて、包摂的な制度としていただきたいと思いますので、これは要望をさせていただきたいと思います。
 続いて、じゃ、この操縦ライセンスを取得する機関について質問させていただきたいと思いますが、今回、今検討されている中では、全国で民間機関一つのみを指定するという方向性で議論がされているそうであります。全国にドローン関係の事業者が今いる中で、一者だけを指定して、その一者に操縦ライセンスの指定試験機関になってもらうということで、これは非常に公平性、透明性が求められる部分だと思うんですが、そこについて、考え方、妥当性を御説明いただきたいと思います。

#113
○和田(浩)政府参考人 お答え申し上げます。
 指定試験機関についてのお尋ねでございますけれども、技能証明に係る試験を実施する機関につきましては、民間能力活用の観点から、一定の要件に適合する民間主体を指定し、国に代わって当該試験を実施させることができることとしております。
 試験の実施に当たりましては、試験内容や合否判定の基準の統一性でありますとか公平性を確保する必要がございます。そのために、他の国家試験の実施例も踏まえて、全国で一者のみを指定することを想定しているものでございます。
 一方で、試験の実施に当たっての詳細につきましては今後検討していくこととなりますので、既存のドローンスクールなど関係者の御意見を踏まえながら、技能証明制度の適切な運用に努めてまいりたいと考えております。

#114
○浅野委員 ありがとうございました。
 ここは是非国交省には今後丁寧に説明をいただきたいと思うんですが、私も事前のレクチャーを受けたときに、今、いわゆる自動車の運転免許センターのように、一つの法人が全国にあって、そこで免許を交付するというようなイメージなんですけれども、実際には、今、全国に様々なドローンスクールがあって、このドローンスクールで実地講習をして一定の試験に合格した場合でも、ライセンスを、交付を受けることができるというふうな説明を受けたんです。
 ですから、これはともすると、免許を取るためにはこの指定試験機関で受講するしか方法がないというふうに理解をされてしまうおそれがありまして、でも、実際には、全国のドローンスクールで講習を受ければ、試験で合格すればライセンスが交付されるというルールなのであれば、しっかりと、その二つの手段があるんだよというのを分かりやすく説明する必要があると思います。ですから、そこは是非今後の議論の中でも改善をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 そして、次の質問に入りますが、ドローンはやはり空を飛びます。安全対策、どう考えていくのか、大変重要な課題であります。
 車の場合は、全ての機能が失われても、地上にありますから、そこに停止をするということになりますが、ドローンの場合は、上空を飛んでおりますので、万が一全ての機能が停止をした場合には、地球の重力に従って落下をすることになります。落下をした先に人がいたら、当然ながら事故が起こる可能性があるわけで、こういったフェールセーフ機能というものは是非重要視していくべきだと思いますが、この辺り、どのように今対策を打とうとしているのか、お聞かせください。

#115
○和田(浩)政府参考人 お答えを申し上げます。
 レベル4飛行を行う無人航空機につきましては、第三者上空を飛行することとなりますので、高度な機体の安全性を求めるとともに、万一不具合などが発生した場合に備えて、あらゆる事態を想定した対策を講じることが重要であるというふうに考えております。
 このため、航空法の改正案におきましては、機体の安全性を認証する制度と操縦者の技能を証明する制度、この両方を創設することとしております。
 その上で、レベル4飛行に関しましては、技能証明を受けた者が認証を受けた機体を飛行させることを必須とし、さらに、非常時を想定した対処方針でありますとか緊急着陸場所の設定等について飛行ごとに国が審査することによりまして、飛行の安全を担保するということとしております。
 機体の方でございますけれども、具体の要件については、例えば、不具合発生時でも安全に制御できる機能、いわゆるフェールセーフ機能、これが正常に作動することや、衝突を緩和するためのプロペラガードでありますとかパラシュート等を装備することなどを含め、ハード、ソフト両面から技術的な検討を進めていく必要があると考えております。
 それから、済みません、先ほどの指定試験機関の方でございますけれども、全国にドローンスクールが多数ございますが、それは登録講習機関になり得ます。この登録講習機関での講習を受けた場合には、実際の試験の全部又は一部を免除することができるというふうに予定をしているところでございます。
 したがいまして、実際にライセンスを取っていただくには、やはりその指定試験機関の試験を受けていただく必要がございますので、念のために補足させていただきます。

#116
○浅野委員 ありがとうございました。
 パラシュートの装備も含めた検討をしているということなんですが、やはりドローンは電子機器ですから、電子機器に絶対はありません。何が起こるか分からない。完全に機能を喪失した場合に備えたハード的な安全装置の搭載というのも、これは是非御検討いただきたいと思っております。
 また、ドローンの試験機関についての説明もありがとうございました。是非、今後、そういったところを併せて説明をいただければと思います。よろしくお願いします。
 では、時間が限られてまいりましたので、テーマを移りまして、最後、特殊車両の通行制度の検討状況について伺いたいと思います。
 二問通告しておりますが、ちょっとまとめて質問させていただきます。
 まず一つ目は、大型特殊車両の通行時間帯の見直しについて。今年の二月の分科会で、赤羽大臣からは、一定の結論を出していきたい、検討していきたいというような発言もいただきましたが、現状どのような状況なのか、教えていただきたいと思います。
 二問目は、新たな通行許可制度に向けた道路情報のデータ化の現状について教えていただきたいと思いますので、二問、よろしくお願いいたします。

#117
○吉岡政府参考人 お答え申し上げます。
 特殊車両の通行条件の在り方を検討するために、事業者からの要望を踏まえまして、昨年二月に事業者や有識者から成る特殊車両の通行条件の在り方に関する勉強会を立ち上げまして、誘導車の配置条件や夜間通行条件の在り方について検討を進めてきているという状況でございます。
 このうち、誘導車の配置条件につきましては、昨年十二月に、二台から一台に緩和するなど見直しを行ったところでございまして、あと、御指摘の通行時間の見直しにつきましては、市街地の交通や通勤時の混雑への影響等がありますので、一律に拡大することは困難でございますけれども、昨年十二月に、運送事業者それから道路管理者に対しまして、見直しが可能と考えられる地域や箇所などについてアンケート調査を実施しました。
 現在、そのアンケート調査を踏まえまして、具体的な見直しの考え方について整理してございまして、近く勉強会を開催いたしまして、交通への影響なども考慮しつつ、実証、検証など、今後の進め方について検討を進める予定でございます。
 また、データ化の進捗状況でございますけれども、既に高速道路、直轄国道では電子化が完了しておりまして、地方道、つまり都道府県道、市町村道についてどうするかというのが一番の課題であるというふうに思っております。
 平成二十八年度に許可の申請がありました都道府県道や市町村道の約八割はもう既に電子化を昨年五月までに完了しているということでございまして、これは、二十八年時点で年間五件以上の申請があった道路を優先して進めた結果でございます。
 残りの電子化に当たりましては、国において、物流拠点等のラストマイルを中心に利用者のニーズを把握して効率的に電子化を推進するということと、それから、地方自治体に対しても、自ら管理する道路の電子化の取組を要請していきたいというふうに考えています。
 今後も、御指摘がありました新たな制度をできるだけ多くの特殊車両の通行に適用できるように、引き続き電子データ化を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

#118
○浅野委員 ありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。
 終わります。

#119
○あかま委員長 次に、吉田宣弘君。

#120
○吉田(宣)委員 公明党の吉田宣弘でございます。
 本日も質疑の機会をいただきましたことに御礼を申し上げます。また、今日は様々な調整をしていただきました委員長、理事各位始め委員の皆様に重ねて御礼を申し上げたいと思います。
 それでは、質疑に入らせていただきます。
 先般審議させていただいた流域治水関連法においては、私の地元にあります筑後川水系を例に数点質疑をさせていただいたところでございますけれども、今日は、関連して堤防について質問をさせていただきたいと存じます。
 浸水被害がどのように起きたかについては、これは様々な形態があろうかと思います。河川の水位が堤防の高さを越えてあふれてくる越水、これは視覚的に確認が、あくまで比較的ですけれども容易なので、避難などの対応というものは取りやすいのかなと思われます。一方で、堤防が決壊したとき、この決壊というものは突然やってくると思われますので、対応は急を要します。
 そこで、堤防の決壊について研究していくことは、人命を守る意味でも極めて重要だと私は認識しております。そこでまず、堤防の決壊について、どのような要因があるかについてお教えいただきたく存じます。

#121
○井上政府参考人 お答えいたします。
 河川堤防の決壊要因には、越水、浸食、浸透の三つがあります。
 越水による決壊は、河川の水位が上がり、川の水が堤防を乗り越え、住宅地側に流れ落ちる際の水の流れにより、堤防の斜面や斜面底部が削り取られることにより、堤防が崩れるものです。
 浸食による決壊は、洪水時の水流によって、堤防の川側が削り取られて堤防が崩れるものです。
 浸透による決壊は、更に二つに分けられ、堤防本体に河川水等が大量に浸透し、強度を失った結果、堤防全体が崩壊するものと、堤防本体の下にある基礎地盤の砂の層に水が浸透し、ここに水の通り道ができて、住宅地側に砂混じりの水が噴出するパイピングによって基礎地盤に空洞ができ、堤防が沈下、陥没するパイピング破壊の二種類がございます。

#122
○吉田(宣)委員 御説明ありがとうございます。
 では、ちょっと具体的にお聞きします。
 平成二十四年の七月、九州北部豪雨で矢部川が決壊をいたしました。昨年の七月豪雨でも筑後川で漏水が発生をしております。この要因は何であったかについて、国土交通省の認識をお聞きしたいと思います。

#123
○井上政府参考人 平成二十四年七月の九州北部豪雨では、矢部川右岸の福岡県柳川市西津留地先の堤防が決壊し、甚大な浸水被害が発生しました。
 決壊後に九州地方整備局の有識者委員会が調査したところによると、決壊の要因は、先ほど御説明した浸透による決壊の一類型であるパイピング破壊と推定されました。具体的には、水を通しやすい砂の層が堤防の下を横断する形で存在していたこと、河川水位の高い状態が長時間継続し、砂の層に高い水圧がかかり続けたことによって砂の層が流出し、堤防の下に空洞ができて堤防が崩壊しました。
 また、昨年七月の豪雨の際、筑後川右岸の福岡県久留米市北野町金島地先において、堤防の決壊までは至りませんでしたが、有識者委員会の調査によれば、矢部川と同様の現象により、基礎地盤を構成する砂の層が流出するパイピングが生じたと推定されております。

#124
○吉田(宣)委員 御説明ありがとうございます。
 それでは、国土交通省では、このパイピングに関する調査をどのように進めてきたかについてお聞かせいただきたいと思います。

#125
○井上政府参考人 連続する長大な河川堤防全体の安全性を確保するためには、局所的な弱部をきめ細かく把握した上で、弱部の特性に応じた強化策を的確に行う必要があります。
 パイピングの危険性を把握するためには、堤防本体や基礎地盤の土質特性を詳細に把握する必要がありますが、堤防は、歴史的にかさ上げや拡幅等が繰り返されてきており、堤防本体の内部の土質が均質でないことに加え、基礎地盤の土質についても、粘土層や砂の層が複雑に混じるなど、不均一であるという性格を有しております。
 そういうことを踏まえ、これまでは、百メートルから二キロメートルの間隔で、ボーリングによる土質調査等によって、堤防本体や基礎地盤の土質特性を把握してきましたが、調査地点間の土質特性を把握することができないため、発見できていない弱部が残されている可能性があります。
 そこで、それらを補完するために、これまでのボーリングによる詳細な土質調査に加え、三次元的に連続して土の種類や層の厚さを推定することができる電気探査等を積極的に活用することにより、パイピングを含む浸透に対する弱部の把握を着実に進めているところでございます。

#126
○吉田(宣)委員 丁寧な御説明、本当にありがとうございます。
 パイピング現象、これは堤防内の局所的変化で、外からは見えないですね。断面的な地質調査や解析を行うだけでは、残念ながら不十分なのかなという気がいたします。今後は、上下流方向に連続的に調査をする、今御説明あった三次元的な解析など、調査、解析の高度化も併せて進めていただきたく要望しておきたいと思います。
 次に、令和二年七月豪雨では、球磨川流域に位置した特別養護老人ホーム千寿園が被災をし、貴い十四名の命が奪われました。このような悲劇は繰り返されてはならないと私は思います。
 流域治水関連法案以前の現行法では、浸水等の危険がある地域で、市町村の地域防災計画に定められた高齢者福祉施設などの要配慮者利用施設に対して、洪水時における利用者の円滑かつ迅速な避難を確保するための避難確保計画の策定、それから、同計画の市町村への報告及び避難訓練の実施が義務づけられていると承知をしておりますが、ここに言う避難確保計画が作成されている割合、避難訓練が実施されている割合を、最新の情報でお教えいただければと思います。

#127
○井上政府参考人 市町村の地域防災計画に定められた高齢者施設などの要配慮者利用施設については、水防法及び土砂災害防止法によって、施設管理者に避難確保計画の作成と訓練の実施が義務づけられています。
 避難確保計画の作成率は、水防法に基づくものは令和二年十月末現在で約六二%となっており、土砂災害防止法に基づくものは令和二年十二月末現在で約六六%となっております。
 また、避難訓練の実施率は、水防法に基づくものは令和二年十月末現在で約二四%となっており、土砂災害法に基づくものは令和二年十二月末現在で約二八%となっております。
 国土交通省としては、高齢者施設等の要配慮者利用施設の円滑かつ迅速な避難確保を図る上で、更なる進捗が必要と考えており、全ての対象施設で今年度末までに計画を作成していただいた上で、速やかに訓練を実施していただくよう、施設の管理者の取組を促進してまいります。

#128
○吉田(宣)委員 法令上の義務でございますから、徹底していただかなければいけないかなと思います。
 この点、流域治水関連法案では、避難訓練の実施結果を市町村に報告することを義務づけ、避難確保計画及び避難訓練の報告を受けた市町村が、施設管理者に対し助言、勧告を行うことができることが内容として盛り込まれております。避難確保計画の策定と避難訓練の実施がより強く担保されているという意味では、高く私は評価されると思います。
 そして、国土交通省と厚労省による共同の有識者会議、令和二年七月豪雨災害を踏まえた高齢者福祉施設の避難確保に関する検討会が設置され、この度、検討の成果は、「高齢者福祉施設における避難の実効性を高める方策について」という形で取りまとめられたとお聞きをしております。避難の実効性を高める方策が、避難確保計画等の内容や訓練の内容に関する事項と、利用者の避難支援のための体制や設備に関する事項に区分されていると承知をしております。
 縦割り行政を乗り越えようとする議論が今盛んに進められているかと存じますが、今回のように国土交通省と厚労省が共同で対策に取り組むことの意義は大変に大きいのではないかと考えております。
 そこで、今般の方策の取りまとめに当たって、国土交通省と厚労省が共同して取り組むことができたことで得られた実益について、国交省からお聞きしたいと思います。

#129
○井上政府参考人 高齢者施設の避難は、多くの時間と多くの支援要員の確保が必要となり、高齢者の身体的負担も大きいことから、まずは、避難自体をしなくてもよいように、施設を災害のリスクの低いエリアに建てるよう誘導することや、容易に避難できるように、施設内に垂直避難場所を確保することが重要と考えております。
 その上で、こうした対応が取られていない施設については、訓練を重ねて避難の実効性を確保することが重要であり、厚生労働省と共同で設置した検討会の取りまとめを受けて、高齢者施設の利用の安全を確保する取組について、両省で連携して、具体化をしていくことになりました。
 例えば、災害リスクの低いエリアへの立地誘導については国土交通省が水害リスク情報を提供していますが、高齢者施設を所管する厚労省がこのリスク情報を活用して、災害のリスクの高いエリアに新設する施設への補助要件をより厳しいものとする措置を講ずることとなりました。
 また、容易に避難できる施設内の垂直避難場所の確保についても、国土交通省の水害リスク情報を活用して、厚労省において垂直避難スペースやエレベーター等を設置するための財政的な支援がなされるようになりました。
 さらに、避難の実効性が確保できるように、今国会提出中の流域治水関連法案において、施設管理者への防災の専門的知識を有する市町村が助言、勧告を行い、避難計画や訓練の改善を促すこととしており、国交省と厚労省が連携して、市町村の参考となるチェックリストや研修会の充実を図り、市町村を支援をしてまいります。

#130
○吉田(宣)委員 是非よろしくお願いいたします。
 この一例に見られますとおり、あらゆる関係者が共同して流域全体で行う流域治水、これは、関係省庁が垣根を乗り越えて取り組む代表例であろうと思いますし、そう言っていいんだろうと私は思います。
 今後の治水対策は、現場レベルでも本省レベルでも、関係省庁が連携をしていくべき、これを進めていくべきと私は考えますが、赤羽国土交通大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

#131
○赤羽国務大臣 今、吉田委員が言われているように、流域治水というのは、関係省庁間の壁を乗り越えることはもとより、同じ役所でも、各局間の壁も乗り越えなければいけないと思います。加えて、国と県と流域の市町村、こうしたところもやはり一体となって、流域全体を俯瞰した治水対策をするということに全て意味があるというふうに考えております。
 中でも、先ほどお話ございました高齢者福祉施設の避難確保につきましては、もう既に国交省と厚生労働省の間で様々な取組を進めておりますし、よく総理が例示に出されます利水ダムの治水への活用というのも、これは、発電用のものにつきましては経済産業省ですとか発電事業者、また、かんがい用のものでは農林水産省と話を進めながら協定を結んでいるところでございます。
 また、森林ですとか水源を保全、利用してのという意味では、農政局、森林管理局、環境事務所、こうしたところにも、様々、流域治水プロジェクトの協議会に御参加をいただきながら、現場で、また本省レベルでの連携も図っていくということでございます。
 いずれにしても、これまでの治水対策というのは河川管理者ごとにやっていた、その弊害を乗り越えて、河川管理者単位ではなくて流域全体の全ての関係者がそこに入りながら、同じ問題意識を共有して中長期的な流域治水対策をするということが一番重要なことだというふうに、御指摘のとおりだというふうに思っています。

#132
○吉田(宣)委員 是非、取組を前に前に進めていただきたく存じます。
 時間が参りましたので、質疑を終わります。ありがとうございました。
     ――――◇―――――

#133
○あかま委員長 次に、内閣提出、住宅の質の向上及び円滑な取引環境の整備のための長期優良住宅の普及の促進に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣赤羽一嘉君。
    ―――――――――――――
 住宅の質の向上及び円滑な取引環境の整備のための長期優良住宅の普及の促進に関する法律等の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――

#134
○赤羽国務大臣 ただいま議題となりました住宅の質の向上及び円滑な取引環境の整備のための長期優良住宅の普及の促進に関する法律等の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 現在、我が国の住宅市場は量的には充足している一方で、耐震性、省エネルギー性能が十分でない住宅ストックが多く存在いたします。こうした住宅について、建て替えやリフォームにより質を向上させるとともに、適切に維持保全し、将来世代が受け継ぐことのできるストックとして有効活用していくことは、住居取得に係る負担の軽減や地球環境への負荷を低減させる観点から重要であります。
 このため、長期優良住宅の認定促進等による住宅の質の向上に加え、既存住宅を安心して購入できる環境を更に整備し、既存住宅流通市場を活性化させることが必要です。
 このような趣旨から、この度、この法律案を提案することといたした次第です。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一に、共同住宅に係る長期優良住宅の認定について、区分所有者がそれぞれ認定を受ける仕組みから、管理組合が一括して認定を受ける仕組みに変更することとしております。
 第二に、長期優良住宅の認定に当たりましては、住宅性能評価を行う登録機関による住宅の構造等の確認結果を活用することにより、認定に係る審査の合理化を図ることとしております。
 第三に、長期優良住宅の認定基準として、災害リスクに配慮する基準を追加することとしております。
 第四に、住宅紛争処理の対象として、リフォーム、既存住宅売買等に関する瑕疵保険に加入した住宅に係る紛争を追加することとしております。また、住宅紛争処理に時効の完成猶予効を付与することとしております。
 第五に、住宅紛争処理支援センターの業務として、住宅の瑕疵の発生の防止に関する調査及び研究を行うことを追加することとしております。
 その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案を提案する理由でございます。
 この法律案が速やかに成立いたしますよう、何とぞ御審議をよろしくお願い申し上げます。
 以上です。

#135
○あかま委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 次回は、来る二十三日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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