くにさくロゴ
2021/04/21 第204回国会 衆議院 第204回国会 衆議院 経済産業委員会 第8号 令和3年4月21日
姉妹サイト
 
2021/04/21 第204回国会 衆議院

第204回国会 衆議院 経済産業委員会 第8号 令和3年4月21日

#1
令和三年四月二十一日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 富田 茂之君
   理事 鬼木  誠君 理事 佐藤ゆかり君
   理事 関  芳弘君 理事 武藤 容治君
   理事 山際大志郎君 理事 斉木 武志君
   理事 山岡 達丸君 理事 中野 洋昌君
      畦元 将吾君    穴見 陽一君
      石川 昭政君    上野 宏史君
      大野敬太郎君    門山 宏哲君
      神山 佐市君    神田 憲次君
      神田  裕君    黄川田仁志君
      工藤 彰三君    小林 鷹之君
      佐々木 紀君    鈴木 淳司君
      高木  啓君    武部  新君
      辻  清人君    出畑  実君
      冨樫 博之君    西村 明宏君
      深澤 陽一君    福田 達夫君
      穂坂  泰君    星野 剛士君
      三原 朝彦君    宗清 皇一君
      八木 哲也君    池田 真紀君
      小熊 慎司君    落合 貴之君
      菅  直人君    櫻井  周君
      松平 浩一君    宮川  伸君
      山崎  誠君    高木美智代君
      笠井  亮君    美延 映夫君
      浅野  哲君    石崎  徹君
    …………………………………
   経済産業大臣       梶山 弘志君
   農林水産副大臣      宮内 秀樹君
   文部科学大臣政務官    三谷 英弘君
   経済産業大臣政務官    宗清 皇一君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  杉中  淳君
   政府参考人
   (内閣府知的財産戦略推進事務局長)        田中 茂明君
   政府参考人
   (金融庁総合政策局参事官)            石田 晋也君
   政府参考人
   (消費者庁審議官)    片桐 一幸君
   政府参考人
   (総務省大臣官房審議官) 阿部 知明君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 堂薗幹一郎君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 大鶴 哲也君
   政府参考人
   (財務省大臣官房審議官) 小宮 義之君
   政府参考人
   (文部科学省科学技術・学術政策局科学技術・学術総括官)          合田 哲雄君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房技術総括・保安審議官)    太田 雄彦君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房原子力事故災害対処審議官)  新川 達也君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           萩原 崇弘君
   政府参考人
   (特許庁長官)      糟谷 敏秀君
   政府参考人
   (特許庁総務部長)    小見山康二君
   政府参考人
   (中小企業庁事業環境部長)            飯田 健太君
   経済産業委員会専門員   宮岡 宏信君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十一日
 辞任         補欠選任
  畦元 将吾君     出畑  実君
  上野 宏史君     神田 憲次君
  神山 佐市君     門山 宏哲君
  辻  清人君     深澤 陽一君
  福田 達夫君     高木  啓君
  逢坂 誠二君     池田 真紀君
  落合 貴之君     小熊 慎司君
  山崎  誠君     櫻井  周君
同日
 辞任         補欠選任
  門山 宏哲君     大野敬太郎君
  神田 憲次君     上野 宏史君
  高木  啓君     福田 達夫君
  出畑  実君     畦元 将吾君
  深澤 陽一君     辻  清人君
  池田 真紀君     逢坂 誠二君
  小熊 慎司君     落合 貴之君
  櫻井  周君     山崎  誠君
同日
 辞任         補欠選任
  大野敬太郎君     黄川田仁志君
同日
 辞任         補欠選任
  黄川田仁志君     神山 佐市君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 特許法等の一部を改正する法律案(内閣提出第四六号)
     ――――◇―――――

#2
○富田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、特許法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官杉中淳君、内閣府知的財産戦略推進事務局長田中茂明君、金融庁総合政策局参事官石田晋也君、消費者庁審議官片桐一幸君、総務省大臣官房審議官阿部知明君、法務省大臣官房審議官堂薗幹一郎君、外務省大臣官房参事官大鶴哲也君、財務省大臣官房審議官小宮義之君、文部科学省科学技術・学術政策局科学技術・学術総括官合田哲雄君、経済産業省大臣官房技術総括・保安審議官太田雄彦君、経済産業省大臣官房原子力事故災害対処審議官新川達也君、経済産業省大臣官房審議官萩原崇弘君、特許庁長官糟谷敏秀君、特許庁総務部長小見山康二君及び中小企業庁事業環境部長飯田健太君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○富田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#4
○富田委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。関芳弘君。

#5
○関(芳)委員 おはようございます。自民党の関芳弘でございます。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 日本の特許出願は、昨年、三十万件を割ったと聞きます。企業が特許出願を量から質に転換して絞り込んでいるとも伺いますが、他方では、各国の特許出願は増加傾向にあると伺います。
 今回の法改正で、手続のデジタル化など、コロナに対応する取組も重要でございますが、法改正以外での日本のイノベーション力の強化に向けた取組はどのようになっておりますでしょうか。スタートアップ、中小企業を含めまして、我が国の知財、イノベーション力の向上が非常に重要だと考えるところですが、どのように取り組まれておられますか。大臣にお伺いしたいと思います。

#6
○梶山国務大臣 特許制度は、発明の適切な保護によりその活用を促すものであり、イノベーションの促進の基盤となっております。しかしながら、コロナの拡大等で移動が制限される中、口頭審理が開催できない等の影響が生じております。
 本法案は、デジタル技術等の活用により、特許に係る手続の円滑化を通じて、イノベーションの停滞を招かないよう、制度の見直しを行うものであります。
 一方で、議員おっしゃるとおり、本法案にとどまらず、中小、スタートアップ企業を含め、我が国の知財、イノベーション力の向上を図ることが大変重要な課題であります。
 こうした問題意識から、スタートアップ企業に知財専門家などを派遣するハンズオン支援や、各都道府県における相談窓口や、特許庁職員等による有望な中小・中堅企業へのハンズオン支援を通じて地域のイノベーション底上げにも取り組んできているところであります。
 これらの取組を総合的に講ずることにより、我が国の知財、イノベーション力向上にこれからも更に取り組んでまいりたいと考えております。

#7
○関(芳)委員 是非成果がどんどんと上がっていきますように、私も一生懸命また応援してまいりたいと思います。
 続きまして、日本の知財、イノベーション力の向上には、知財の専門家であります弁理士がこれまで以上に活躍することが期待されております。そこで、今回の弁理士法改正の内容についてお伺いをしたいと思います。
 今回の弁理士法の改正では、弁理士の業務といたしまして、農林水産知財業務を追加すると伺っております。我が国の知財、イノベーション力を向上させるためには、農林水産分野におきましても弁理士によります積極的な支援が必要と考えており、今回の法改正はこの分野での弁理士によります支援を促すものと期待いたしますが、具体的にはどのような業務を追加するのか、確認させていただきたいと思います。また、なぜそのような業務を追加するのかも含めて、特許庁長官にお伺いいたしたいと思います。

#8
○糟谷政府参考人 農林水産業の成長の実現に向けまして、農林水産品に関する知的財産を国内外で適切に保護したいというニーズに応えていくためには、植物の新品種ですとか地理的表示、GIに加えまして、特許や商標などの権利の活用が必要であります。
 このため、今回の法改正におきまして、様々な知的財産に関する知識や海外とのネットワークを持つ弁護士が、植物の新品種や地理的表示についての相談や、これらの外国出願を支援する業務を、弁理士を名のって行えるよう、弁理士法に明記することとしたいと考えております。
 なお、行政書士の独占業務である国内の農林水産知財出願の書類作成業務につきましては、弁理士業務への追加を行うニーズが認められなかったため、今回の改正において業務追加の対象とはしていないところでございます。

#9
○関(芳)委員 ただいまの答弁によりましたら、行政書士の独占業務である農林水産知財の国内出願業務は追加しないとのことでございました。
 この点を詳しく、続きまして確認をさせていただきたいところなんですが、農林水産事業者が自身の知財保護について弁理士に相談し、国内出願を行うべきとなった場合、相談を受けた弁理士はそのまま国内出願業務も行ってしまうのではないかというような懸念が聞こえてきております。
 仮に、弁理士が、弁理士法改正で追加される相談業務にとどまらずに、国内出願の書類作成業務まで行ってしまった場合、このような場合は行政書士法の違反となるのではないでしょうか。行政書士制度を所管する総務省に、その点、お伺いしたいと思います。

#10
○阿部政府参考人 お答えいたします。
 行政書士法第一条の二では、行政書士又は行政書士法人は、他の法律において制限があるものを除くほか、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類等を作成することを業とするとした上で、第十九条第一項におきまして、「行政書士又は行政書士法人でない者は、業として第一条の二に規定する業務を行うことができない。」と定められているところでございます。
 弁理士が、種苗法や地理的表示法に関する申請等であって国内の官公署に提出する書類作成業務を行うことができるとする規定は、先ほど来お話にありますとおり、存在しないため、弁理士が業として当該業務を行うことは、一般的には、行政書士法第十九条第一項に違反するものと考えられるところでございます。
 なお、行政書士法第二条第三号の規定によりまして、弁理士となる資格を有する者は行政書士となる資格を有する者となるため、弁理士が行政書士登録を受けて当該業務を行うことはできるものでございます。

#11
○関(芳)委員 ただいまの総務省からの答弁によりますと、弁理士が国内出願の書類作成業務を行うことは行政書士法に違反すると考えられるとのことでございました。弁理士という国家資格者が法令違反行為を行ってしまうことは、これは本当に問題だと思います。
 そこで、弁理士を所管いたします経済産業省としましては、弁理士が行政書士法違反となる業務を行った場合にどのように対処されるのかをお伺いしたいと思います。

#12
○小見山政府参考人 お答えします。
 弁理士が行政書士法違反となる業務を行い、この違反行為が弁理士の信用や品位を害する行為や弁理士たるにふさわしくない重大な非行に該当すると判断された場合は、この違反行為を行った弁理士は経済産業大臣による懲戒処分の対象となり得るということでございます。
 なお、弁理士の信用や品位を害する行為や弁理士たるにふさわしくない重大な非行を行った弁理士は、日本弁理士会による懲戒処分の対象にもなり得るということでございます。

#13
○関(芳)委員 ありがとうございました。法令違反を行う弁理士に対しましては、今答弁されたような対応、適切な対処、これをお願いしたいと思います。
 加えまして、法令違反を行った弁理士に対する事後的な対処だけではなくて、そもそも弁理士の皆様が法令違反を行わないようにしておく必要が、非常に重要だと考えるところでございます。
 つきましては、経済産業省といたしまして、弁理士による行政書士法違反を未然に防ぐ、このような方策をどのように行っていくのか、その点についてお聞かせ願います。

#14
○小見山政府参考人 お答えします。
 弁理士法上、弁理士は、経済産業大臣が承認した実施計画に基づいて日本弁理士会が行う資質向上のための研修を定期的に受けなければならないということになってございます。
 今般、農水知財業務を弁理士業務に追加するに当たって、弁理士は、この業務に関する資質の向上を図るとともに、この業務に関係する法令を遵守すべく、行政書士法などの知識を正確に身につけなければならないと考えております。
 そのため、特許庁としては、弁理士が農林水産知財業務を行うに当たり、この業務に関連する法令の知識を習得できる研修を行うよう、日本弁理士会に対して指導するという方針でございます。

#15
○関(芳)委員 ありがとうございました。
 今答弁をしていただきました方策を着実に行っていただきまして、弁理士が法令違反行為を行うことなく、農林水産分野におきましても知財、イノベーション力の向上のために活躍できますように、御尽力をいただきたいと思います。
 最後に、これはもう質問でなく、私の通常、特許庁、特許関係に対して思っていることを、これは答弁は必要ないんですが、私の思いをちょっと述べさせていただいて、最後にしたいと思います。
 元特許庁の長官をされました、今、伊藤忠商事で専務をされている深野さん、関西経済同友会の代表幹事とかもされまして、いろいろ、いつもアドバイスをいただいたりしております。その方と、また大阪大学の産業科学研究所の元所長の菅沼さんとかもよく一緒に集まって、日本の技術力をどのように高めていったらいいのか、そのようなことをよく関西の方で集まって話をしたりするんです。
 やはりそのときにいろいろ意見が出ることでございますが、産官学連携とよくよく常に言われることなんですが、大学で、ドクターで、すごく最先端の技術をやっている方々、たくさんいらっしゃいます。それも、日本も技術立国ということで、科学技術そしてイノベーション力がすごく世界でも上の方にあると思うんですが、一方で、産業界でしっかりとそれをまた世界各国に売っていくという、営業力というんですかね、企業力というのか、それがいかにうまくマッチしていくかということが、日本の経済、またイノベーション力、産業力の向上にすごく役立つと思うんですが。
 そのときに、よくそのお二人の知見者から言われることが、企業の中でも、そういうふうな大学の最先端の技術の内容がしっかりと理解できるような、いえばドクターぐらいのレベルのあるような方々が企業の中にいて、その大学の中で最先端の技術が進んでいっていることをしっかりと認識をして、把握をして、それをいかにして日本の企業のいわゆる物づくりとかサービスの向上の方に技術力として生かしていくのか、こういうふうな部分の接点を、しっかりとのり代部分をつくっていくというところが、実際の日本の力の根源になっていくのではないか、実際にその部分が今ちょっと弱いのではないかというふうな意見を伺ったりします。
 そこから考えますに、私が思いますのは、以前から言っていることなんですが、特許庁の中に日本の特許は山ほどたくさん登録されております。私も特許庁を一度見学させていただいたことがあって、特許の申請をずっと審査されている方々のプロフェッショナルのすごさもよく見せていただいておりますが、その中において、そういうふうに特許が実際に出たものが、登録されているものが山ほどあるんですが、それが実際には眠れる宝物になっていないのかどうなのか。こういうところをもう一回掘り返してみると、実は、本当はこれは物すごい、世界の中でトップクラスで走れるような技術が産業界でまだ生かせていないようなものはたくさんあるんじゃないかと思っていたりするところでございます。
 こういうふうな、日本の今特許として既にでき上がっている技術、これを産業の方にしっかりと生かしていくようなことを、また梶山大臣にもリードをしていただきまして、特許庁長官そして経済産業省、特許庁の皆様にも御努力をいただきまして、世界に冠たる日本の経済、またトップに返り咲きますように、皆様にまたお力、リードをしていただきたいと思いまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

#16
○糟谷政府参考人 申し訳ありません。先ほどの私の答弁でちょっと言い間違いがございまして、それの修正をさせていただきたいと思います。
 今回の法改正の内容について申し上げましたときに、様々な知的財産に関する知識や海外とのネットワークを持つ弁護士と申し上げてしまったようでありますが、弁理士でございますので、申し訳ございません。

#17
○関(芳)委員 はい、分かりました。ありがとうございました。

#18
○富田委員長 次に、中野洋昌君。

#19
○中野委員 公明党の中野洋昌でございます。
 特許法の一部を改正する法律案につきまして、通告に従いまして質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 今回の改正、ウィズコロナ、ポストコロナを見据えて特許審査の在り方をどう見直していくか、こういうことも含めて様々な改正が盛り込まれております。例えば口頭審理のオンライン化なども含めて、やはりこれは迅速に対応していかないといけない、こういう項目が数多く含まれておりますので、私は、この改正、本当に早く進めていかないといけないな、こう思っております。
 先ほど来もお話がありましたとおり、日本の企業、国内的には、特許の出願件数は少し横ばいというか微減というか、そういう状況も見えるんですけれども、やはりグローバル化もどんどん進んでおりまして、国際的な出願というものはやはり増えておりますし、世界的に見れば、中国始め、特許出願件数はかなり、増加率という意味では相当突出して多いような状況もありますけれども、やはり、その中で、日本としては高い特許の質というものをしっかり確保していかないといけないんだろうなというふうに思っております。
 私も政務官のときに特許庁にも行かせていただきまして、実際、審理というか審査の状況も拝見をさせていただいたこともございまして、やはり、海外でどんどん特許が増えてくる中で、これが海外で類似の事例がないかですとか、そういう調査の負担というのも非常にどんどん大きくなっているだろうなというふうにも思いますし、かなり専門的な分野も、非常に知識も必要だということで、やはり特許庁として、この審査を、質をしっかり確保していくということは非常に大事だというふうに感じました。
 それと同時に、やはり迅速に審査をしていく、こういうことも、特許を担当する日本の特許庁として、スピードも必要であるし、しかし高い質の審査をしていかないといけない、こういうことなんだろうなというふうに思っております。
 そうしたところで、今、日本の特許庁の取組、現状の評価と今後の取組について、まずは大臣にお伺いをしたいというふうに思います。

#20
○梶山国務大臣 日本企業のグローバルな事業活動を知的財産面から支援するために、特許庁では、世界最速、最高品質の特許審査の実現に向けて精力的に取り組んでいるところであります。
 具体的には、任期付審査官の採用による審査体制の整備や特許文献調査の外注を通じて審査の迅速化に取り組むとともに、審査結果の品質については、内部監査等の実施や外部の有識者レビューを受ける制度を導入するなど、品質管理の改善を図ってきたところであります。
 その結果、二〇一三年度には十八・八か月を要していた審査終了までの平均期間は、二〇一九年度に十四・三か月まで短縮をされ、海外と比べて最速の水準を維持しているところであります。また、審査の質についても、ユーザー評価調査における特許審査の満足度は年々改善をしております。
 一方、先ほど委員からも御指摘ありましたけれども、中国を始めとして、審査過程で調査すべき外国語文献が急増する中、審査負担は増加していることは事実であります。
 限られたリソースの中で、引き続き世界最速、最高品質の特許審査を維持するため、AI等の先端技術も活用しつつ、審査プロセスにおける徹底した効率化と質の向上を更に追求してまいりたいと考えております。

#21
○中野委員 大臣からも御答弁いただきましたとおり、特許庁、かなり努力をしていただいて、スピードも非常に改善をして、そしてまた満足度も高めるということも含めてやっていただいているということは、非常によく理解をしております。
 今回、改正の大きな一つのポイントとして、特許料の見直しというものもあります。確かに、先ほど大臣言っていただいたとおり、作業としては、特許が海外で増えてきますと、これを類似のものがないか全部見ないといけないということがございますので、当然増えてまいります。ここがおろそかになってくると、やはり日本の特許としての質が下がってくるということで、私はここは下げてはいけないところなんだろうというふうに思っております。他方で、特許の特別会計が六年連続の赤字になっている、こういう状況も事実でありまして、そういう意味で、今回、料金の、特許料の見直しということも一つの大きなポイントにはなってきていることであります。
 この金額の設定は政令委任をするということになっているんですけれども、質を落としてはいけないということがある一方で、やはり、必要なコストの縮減というものは努力としてやっていかないといけないんだろうというふうに思っております。
 まず、この点について、現状の取組と、また今後について、特許庁長官にお伺いをしたいと思います。

#22
○糟谷政府参考人 予算の執行に当たりましては、これまでも節約に努めてきたところでございますけれども、令和三年度予算におきましては、聖域なく歳出削減を徹底をいたしまして、対前年比で八十七億円、五・三%の歳出の削減を行った予算としたところであります。
 具体的に申し上げますと、第一に、特許審査における先行技術文献調査の外注費など審査関係経費の必要性を精査し三十一億円を削減したり、第二に、情報システム予算につきまして、運用サポート体制の見直しなどを行いまして十二億円を削減いたしましたり、第三に、独立行政法人の工業所有権情報・研修館、INPITにおける事業の必要性を精査いたしまして交付金を十一億円削減したりといった取組を行っているところでございます。
 このほか、今般の改正案に盛り込んでおります特許印紙による予納の廃止が実現できますと、印紙の手数料約三十億円が節約できるものと考えております。
 今後、特許庁といたしましては、歳出の削減、節約に向けた不断の努力を続けるとともに、特許特別会計の財政運営の透明性、客観性を確保するために、産業構造審議会に財政点検小委員会を新たに設置をいたしまして、外部有識者による財政状況の定期的な点検や情報開示の充実を図っていきたいと考えております。

#23
○中野委員 現状の取組について御報告をいただきました。
 確かに、特許の会計、かかる費用といいましても、人件費の部分もかなり多いというふうに承知もしておりまして、なかなか、どこまでコスト縮減というのができるのかというのは非常に難しい課題ではあると思うんですが、必要な見直しというのをしっかりやっていただき、そして今後も、やはりこれは聖域なく、いろいろなことをしっかり、コスト縮減の取組というのも併せて是非行っていっていただきたいというふうに思っております。
 先ほど長官からも少しお話ございましたとおり、どういう形で料金を決めていくのかというのが今回非常に大事だというふうに思っております。
 元々、法定ということでありましたので、で、今回、政令委任という形になります。ですので、行政の側で決めていくということになるかと思うんですけれども、先ほどおっしゃっていただいた委員会の場でどういう形で決めていくのか。
 例えば、特許を出願する側のユーザー側の意見というものは反映をしていけるのかですとか、あるいは、今後、特許庁が、こういう事業計画でこういう予算が必要だからこのような料金水準にしないといけない、こういうことになっていくかというふうには思うんですけれども、この事業計画についても、適正なものであるかどうか等も含めて、どういう議論を通じて適正性を確保していくのか。こういういろいろな論点があるというふうに思います。
 こうした料金決定の今後の在り方について、もう少し詳しく長官にお伺いをしたいと思います。

#24
○糟谷政府参考人 特許関係の料金、これまでは、権利になる前の料金は上限を法律で決めて政令委任をし、権利になった後の料金は法律で金額まで規定をいただいていたわけですが、今回の改正案では、権利になった後の特許料などを含めて、料金は上限金額を法律で定め、具体的な金額は政令で決定する仕組みとしたところでございます。
 政令委任するのに伴いまして、これまで以上に説明責任が求められるというふうに考えておりまして、特許特別会計の財政に関する情報開示を充実させる必要があると考えております。
 新たに設置をいたします財政点検小委員会におきまして、事業計画、事業の実施状況なども必要に応じて説明をいたしながら、外部の有識者により、特許特別会計の財政状況などについて定期的に点検をいただくということにしたいと考えております。
 料金改定の具体的な政令案の策定に当たりましては、財政状況について、この財政点検小委員会での外部有識者の御意見を踏まえることはもちろん、料金改定によってどんな影響が生じるのかということについて、ユーザーの皆様の御意見もなるべく広くお伺いをしながら進めてまいりたいというふうに考えております。

#25
○中野委員 この料金の関係で、最後に。
 例えば、特許料の料金の引上げということを検討していく際に、中小企業を始め、こうしたところの特許の出願が阻害されていかないかというところも一つの懸念であるというふうに思います。
 中小企業に対するこうした料金水準の設定というのは引き続き措置をされる方向だということでお伺いもしておりますけれども、この点についても御答弁をいただきたいというふうに思います。

#26
○糟谷政府参考人 まず、今回の料金改定で、歳入増が追加的に必要となる額として私どもが考えております額につきましては、去年の十月から開催しました産構審の知的財産分科会基本問題小委員会において、年間百五十億円程度、特許関係料金全体として一二%程度の歳入増が必要という私どもの考えをお示ししているところであります。
 これがどれぐらいのインパクトになるのかということをまず最初に申し上げますが、二〇一九年度の知的財産活動調査に基づいて推計をいたしますと、産業財産権制度を利用する中小企業の場合、この値上げによる負担増は、平均で各社の年間の知財活動費の一・三%に相当する規模であるというふうに見ております。
 また、今回の料金改定では、出願への影響を最小限に抑えるために、主に権利化後の料金を見直すことを想定しております。
 特に、中小企業については、従来の減免制度の大枠を維持するとともに、負担増をお願いすることにはなりますけれども、財政の安定を通じて、審査などのスピードや品質の低下を回避することによって、企業の競争力を支えられるよう制度を適正に運用するとともに、中小企業による知財の取得や活用などを支援する施策の充実にも努めてまいりたいというふうに考えております。

#27
○中野委員 ありがとうございます。
 時間がもう少しでございますので、最後に一問。
 先ほど長官も、特許庁の大事な役割として、やはり中小企業のこうした特許の取得を通じてしっかりとビジネスを支えていくというのは非常に大事な役割であるというふうに思っております。
 私も、地元でいろいろなお話を伺いますと、やはり、ベンチャーであるとか中小企業であるとか、いろいろな特許を取って、これは非常に有望な特許なのではないか、こういうことがあるときに、具体的にそれをどうやってビジネスに生かすかというのは非常に難しい問題であるというふうなことをよく伺います。
 こうしたところ、例えば、大企業と連携をしてビジネスをやろうとすると、どうしても大企業側に有利なような形でどうも進んでいってしまったような経験をお伺いしたようなこともありまして、やはり特許庁が、ベンチャーであるとか中小企業のようなところの特許をビジネスに生かすための支援、あるいは相談体制の充実、これが非常に大事かと思います。
 INPITなどの相談体制もありますけれども、これをもっと活用して、こうしたものを強化をしていって、特許を取ったこうした企業がしっかりビジネスで活躍できるように、こういう後押しを是非特許庁としてしていく取組を強化していっていただきたいと思いますけれども、最後に、この点について長官にお伺いをしたいと思います。

#28
○小見山政府参考人 お答えいたします。
 まず、大企業と中小企業の適正な知財取引の推進を図るため、中小企業庁において知財取引検討会を設置し、ノウハウを含め知的財産を事前の承諾を得ずに他の目的に利用してはならないことなどを示したガイドラインや、秘密保持、製造委託、開発委託、共同開発に関する各種契約のひな形、これを策定して、本年の三月に公表したところでございます。
 また、特に、大企業と研究開発型のスタートアップとの連携を促進するため、特許庁では、本年と昨年、知財をスタートアップに帰属させるなど、大企業との契約交渉で論点となるポイント、これを明らかにしたモデル契約書の公表も行っているところでございます。
 さらに、年間二百五十件以上の中小・中堅企業を対象にして、特許庁職員が、権利化戦略、海外展開に際しての知財戦略構築支援を行っているところでございます。
 ベンチャー企業に対しては、特にコア技術の権利化をしっかり行うため、弁護士や弁理士など、経営の専門家及び知財の専門家をチームで派遣し、経営戦略と一体となった知財戦略、これの構築を支援しているところでございます。
 これらに加えて、先ほど御指摘のあった知財について身近に相談できる窓口として、全国四十七都道府県に知財総合支援窓口を設置しているところでございますが、これらガイドラインや契約書のひな形などを活用した周知、支援を行っているところでございます。
 引き続き、中小・ベンチャー企業など、知財をビジネスに活用するための支援を行ってまいりたいと考えております。

#29
○中野委員 以上で終わります。ありがとうございました。

#30
○富田委員長 次に、宮川伸君。

#31
○宮川委員 立憲民主党の宮川伸でございます。
 冒頭、新型コロナウイルス感染症、今、非常に厳しい状況になりつつありますので、御質問したいと思います。
 三月の二十四日、ほぼ一か月前に、大臣とこのコロナウイルスに関して議論をさせていただきました。
 そのときには、感染者数が微増で、変異株がかなり増えてきている中での緊急事態宣言解除の状況でした。そのときに、今のままで本当に大丈夫かということを議論させていただきましたが、そのとき、大臣は、解除は妥当であったと考えているという趣旨の答弁をされていましたが、今、この大阪の状況や今の東京の状況を見て、やはり緊急事態宣言の解除、あのとき、正しかったというふうに今でも思われていらっしゃいますでしょうか。

#32
○梶山国務大臣 まず、緊急事態措置を実施すべきか否かというのは、基本的対処方針に示されているとおり、特に、新規感染の状況、医療提供体制の整備の状況、感染拡大傾向を早期に発見し対応できる監視体制の整備の状況の三点を踏まえて、総合的に判断をするものとされております。
 その上で、三月の緊急事態宣言の解除につきましては、西村担当大臣から説明があったとおりでありますけれども、当時、新規陽性者数の水準がステージ2相当以下であったことや、病床の使用率が安定的に下がってきているということ、そして、ステージ3相当ということが確実になっていたということに加えて、PCR検査の能力が大幅に拡充され、クラスター対策や病床の確保も進んでいるなど、公衆衛生体制と医療提供体制が十分対応できるレベルとなっていたためであると承知をしております。
 こうしたことについて、専門家で構成される基本的対処方針等諮問委員会において了承され、その後、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部で決定をされており、解除は妥当であったと考えております。

#33
○宮川委員 今の現状を国民も見ていると思います。あのときの解除が本当に正しかったのか、あるいは、その解除をした後の対応がどうだったのか、国民もよく見ていると思いますが、経済産業省としては、やはり事業者さんをしっかりと支えていく、守っていく必要がある。
 一か月前にも、それをお願い、あるいは議論させていただいたわけですが、この一か月間でどのようなことをしっかり力を入れてやった、あるいは、今、東京は非常に厳しい状況になりつつ、大阪はもう大変ですけれども、今後、何をしなければ、経済産業省としてやらなければいけないと思われているか、御説明いただけますでしょうか。

#34
○梶山国務大臣 まず、緊急事態宣言も含めて機動的な対応をしていかなければならないというのは、これは全般に言えることだと思っております。
 以前の質疑の際にも申し上げましたけれども、西村担当大臣から指摘のあったとおり、警戒感を持っての解除であるということでありまして、そのことを念頭に置いて、感染をしっかりと制御し、大きな流行にしないことが重要であったと考えております。
 このため、解除後の対応として、飲食の感染対策や、モニタリング検査など感染拡大防止策の強化、ワクチン接種の着実な推進といった取組を徹底していくことがコロナ対策本部で決定をされました。
 そうした方針を踏まえて、政府全体として、都道府県と緊密に連携をして、飲食店において、換気の徹底、アクリル板の設置、会話のときのマスク着用奨励などガイドラインの遵守の徹底を図るとともに、不要不急の外出、移動の自粛、特に、感染拡大地域との往来の自粛、混雑している場所や時間帯を避けての行動の要請等を企業等に徹底をしてきたところであります。
 そうした中で、経済産業省としても、所管業界に対しまして、業種別ガイドラインの見直しや遵守の徹底を働きかけるとともに、換気設備やアクリル板等の導入の事前着手を認める形での補助金の執行に取り組んできたところであります。

#35
○宮川委員 本当に厳しい状況になりつつありますので、更に力を入れて対策を取っていっていただきたいというふうに思います。前回、一か月前の議論のときにも、幾つか私の方からも御提案をさせていただいております。数週間でできる話ではないと思いますが、しっかりと、経済産業省がやれることがあると思いますので、力を入れていただければと思います。
 そういった中で、飲食店、本当に今厳しい状況です。今協力金が出ていますが、なかなか手元に届かない、第二弾の協力金ですら手元に届かないという声が私の事務所に幾つも来ています。
 そういう中で、先ほどアクリル板だとか対策をおっしゃっていましたが、協力金が来なくて、売上げが下がっていて、コロナウイルスの対策を取りたいけれどもその資金が足りない、どうしたらいいのかという声も出てきているわけです。こういったところもしっかり視野に入れていただきたいと思います。
 それと、先日、若手の事業家の方々と意見交換をさせていただきました。その中で、飲食店以外でありますが、その方は旅行関係の方でしたけれども、本当に厳しいとおっしゃっていました。一時支援金も含めて経済産業省の支援策について本当にありがたいということをおっしゃっていましたが、ただ、もうそれでは全く足りない、借入れを繰り返しているけれども、先が見えないので本当に返せるのかどうか、若い事業家さんですが、本当に不安だと言っておりました。
 そういう中で、今、この蔓延防止等重点措置、大阪も二週間ぐらい出ていて、私の選挙区も昨日から出たわけでありますが、この蔓延防止等重点措置が出たことに対して、どのように、中小企業中心に、事業者を支えていこうと考えているのか、今後、緊急事態宣言も出る可能性が今出てきていますが、その場合、新たに何か手を打つ予定にしているのか、どのように中小企業を支えようと思っているか、お答えいただけますか。

#36
○梶山国務大臣 四月一日のコロナ本部の取りまとめを踏まえて、蔓延防止等重点措置の地域における飲食店時短営業の影響により売上げが半減した中堅・中小事業者に対して、政府として支援を行うこととしたところであります。
 具体的には、一時支援金とは別に、今後制度設計を進めていくところでありますけれども、蔓延防止等の重点措置が講じられている地域における飲食店の時短営業の影響を受けたことにより、二〇一九年又は二〇二〇年の同月と比較して売上げが五〇%以上減少した中堅・中小事業者に対し、一月当たり法人二十万円、個人事業者十万円を上限に、売上減少相当額を使途に制限なく支給することを想定しているところであります。
 さらに、自治体によっては、地方創生臨時交付金を活用し、売上げが五〇%以上減少していない事業者が受け取ることのできる独自の支援策を講じているところも既に複数あると承知をしておりますけれども、令和二年度第三次補正予算で、こうした取組に使える枠として、一兆円の地方創生臨時交付金を新たに計上したところでありまして、こうした取組による支援も重要であると考えております。
 先ほど委員がおっしゃったように、借入れをしていて、中小企業には、もう過剰借入れ、過剰債務の感があるところも出てきているということも承知をしております。
 そういったことも含めて、様々な補助金、どれを選んだらいいのかということも含めて、丁寧な対策というものをしてまいりたいと思っておりますし、非常事態宣言と蔓延防止等重点措置の違いというものも含めてしっかりと説明をした上で、できるだけ早くこういった措置、支援をしてまいりたいと思っております。

#37
○宮川委員 ありがとうございます。
 私たちは、持続化給付金の再給付というのを、三月十九日、もう一か月くらい前に御提案をさせていただいています。それで、補償をセットで出していただきたいということも繰り返しお願いをしています。
 今、蔓延防止等重点措置に対して新たな支援をというお話ですが、これはしっかりセットで早く出せるように、六月や七月、何か後の方になってから出るということではなくて、早く出せるように努力をしていただきたいということと、もう一つ、やはり事業の大きさによって、事業規模によって変えてほしいという要望も多いわけで、この委員会でも何人かの委員が質問しておりますが、そういったこともできる限り考慮に入れて、中小企業あるいは事業者の皆さんをしっかり支えられるように、大臣、お願いできればと思っております。
 それでは、特許法等の一部を改正する法律案に関して御質問したいというふうに思います。
 これはいろいろなものが含まれていますが、やはり、日本の知財をしっかり守っていくという意味で、できる限り成立をさせていければなと思っておりますが、少し細かいところで幾つか懸念点もありますので、質疑ができればと思います。
 まず最初に、一つ、訂正審判に関しての見直しが入るということでありますが、ちょっとこれは一般の方も分かりにくいと思うので、どんなようなものか簡単に概要を、そして、具体的に何が問題になっていてこの見直しが必要になっているのか、簡潔にちょっと御説明いただけますでしょうか。

#38
○小見山政府参考人 特許権の訂正でございますが、これは、特許が無効審判などで無効にされることを防ぐために、権利範囲を縮小して権利保護を図るという重要な手段でございます。
 現在、特許権の訂正に当たっては、ライセンスを受けている全ての通常実施権者の承諾が必要とされているところでございますが、近年、情報通信分野などにおいて特許権のライセンス先が数百となる例もあり、現実的に承諾を取るということが困難になっているところでございます。
 仮に、特許権者が全ての通常実施権者の承諾が得られず特許権を訂正することができなければ、特許権が無効となるというおそれもございまして、実際に特許権の侵害訴訟において、通常実施権者の承諾が得られず特許権の訂正ができなかったために、特許権者が敗訴したという例が見られているところでございます。
 このような状況を踏まえ、今回の改正により、特許権の訂正の際の通常実施権者の承諾を不要とするという改正を行わせていただきたいと思っております。

#39
○宮川委員 この中で、専用実施権者に対しては承諾が必要ということが残っていると聞いておりますが、ビジネス上、独占的通常実施権者という方々もいらっしゃるようですが、なぜ専用実施権者に対しては承諾が必要だけれども、独占的通常実施権者には必要ないというふうに考えられたんでしょうか。

#40
○小見山政府参考人 お答えします。
 専用実施権者でございますが、特許法上、設定行為で定めた範囲内において、業としてその特許発明の実施をする権利を専有する者であります。
 専用実施権の設定範囲内では、特許権者といえども特許発明を自由に実施することができず、専用実施権者は特許権者と同等の排他的な権利を有するということから、特許権の訂正が行われる際には、引き続き、専用実施権者の承諾が必要であるというふうに考えております。
 一方、御指摘の独占的通常実施権でございますが、これは、特許法上、あくまで通常実施権の一類型にすぎないということでございます。契約によって独占的に実施する権利が与えられたものでございます。具体的な権利内容については、個別の契約で定められ、内容も一律ではないということでございます。
 したがって、今回、独占的通常実施権については、他の通常実施権者と同様に、特許法上、承諾を一律に求めるということは不要としたい、その上で、承諾が必要と当事者が考える場合には、当事者間の契約により承諾を求めるということが妥当ではないかというふうに考えております。
 御指摘のとおり、ビジネスにおいて、専用実施権よりも独占的通常実施権というのはかなり利用されているものでございますから、今後、必要に応じて契約による対応が行われるように、しっかりと本改正内容の周知を図っていきたいと考えております。

#41
○宮川委員 知財、特許というものは、法律的なものも大事だと思いますが、やはり、事業をやる方々がしっかり使えるように、日本の知財が守れるようにということが非常に重要だというふうに思うわけですが、今、少しお話ありましたけれども、専用実施権者よりも独占的通常実施権者の方が多いと。
 ある論文によりますと、これは、財団法人知的財産研究所が出している、ちょっと古い、二〇〇九年のものですが、専用実施権を利用している企業は約三〇%、それに対して独占的通常実施権を利用したことがあると答えているのが七六%ということなので、多くのビジネス上では独占的通常実施権が使われていると。これは、専用実施権にすると、いろいろな情報を外に出さなきゃいけない、公開になってしまうので、ビジネス上、余りよろしくないと。だから、契約上の独占的通常実施権を使うケースが多いということだと思います。
 この法律的な意味での説明ではなくて、実質上、使っている方々の立場で考えていく必要があるというふうに思うわけですが、この法律は、今のこれは、過去に遡って適用されるのか、これからの契約に関して適用されるのか、どういう状況でしょうか。

#42
○小見山政府参考人 今般の法改正の施行日以降には、施行日前に締結されたライセンス契約に基づく通常実施権者も含めて、特許権の訂正等に当たって通常実施権者の承諾は不要となると考えております。

#43
○宮川委員 もう今既に結ばれているライセンス契約も対象になるということでありますが、いろいろなケースがあるので、確かにこれをやった方がいいということもあると思いますが。
 例えば、大臣、小さい会社があった。その小さい会社が、早めに新しい事業に乗り出そうということで、ある特許をライセンスで入れてきた。そのときにはまだその商品に関してはヒットしていなかったので、じゃ、独占的な通常実施権を与えますよということで、日本で独占的な実施権を持っていた。だけれども、その後、その商品が大ヒットして、大手がたくさん使いたいと言い出して、じゃ、特許権者の人が、いや、このちっちゃい会社一つだけ渡しているのでは市場もちっちゃいから、もう特許を公開にしてしまって、それでみんな使えるようにしてしまおうと。
 例えばそういうようなケースのときに、小さい会社は最初に立ち上げのときから苦労してやってきているのに、何の説明も何の承諾もなく特許権者がばあっとその特許を放棄してしまう、そういうようなケースもあり得るんじゃないかというふうに思いますが、そういったケース等、どのように考えていらっしゃいますでしょうか。

#44
○小見山政府参考人 お答えします。
 御指摘のとおり、特許権者が特許権の訂正を行った結果、権利が縮小した範囲について、独占的な通常実施権者が特許発明を独占できる範囲が狭くなり得るということはあるというふうに考えております。
 一方で、先ほど申し上げましたとおり、独占的通常実施権というのは、特許法上、あくまで通常実施権の一類型にすぎないものですから、契約によって独占的に実施する権利が与えられているということでございます。具体的な権利内容でございますが、当事者間の契約で定められるということでございますから、契約の中で、訂正審判等における承諾の必要性、これを定めることも可能である。
 また、実際に、例えば製薬業界などからは、独占的通常実施権の契約において、特許権者に対して権利の維持義務というのを課しているということで、特許権が消滅しないようにしている場合も多いというふうに聞いております。
 法改正後においても、独占的通常実施権者の承諾の必要性や権利維持義務を契約で定めるということによって、独占的通常実施権者に不利益が生じないように対応することは可能ではあるというふうに考えております。
 今般の法改正に伴い契約の見直しが必要となるような独占的通常実施権者のために、特許庁としてもしっかり本改正の内容の周知を図っていきたいと考えております。

#45
○宮川委員 今回のこれは、過去に遡って、今既に結ばれている契約についても当てはまってしまうので、是非トラブルが起こらないように手を打っていただければというふうに思います。
 続きまして、模倣品の輸入に関しても今回いろいろ工夫をされるということで、模倣品、やはりたくさん入ってきてしまうと大変困るというふうに思います。
 昨年でしょうか、今の差止め件数、一番多い国、どこからのものが差し止められているのか、その国の割合、具体的にどういうものが模倣品としてもう入ってきてしまっているのか、こういうのを止めていくために今回どのような見直しをしようと考えているのか、ちょっと端的に御説明いただけますでしょうか。

#46
○小見山政府参考人 まず、今般の改正案の内容でございますけれども、商標権などについて、海外の事業者が国際郵便等を利用して模倣品を日本国内に持ち込ませるという行為を新たに規制対象とするというものでございます。近年、ネット通信販売の発展、国際郵便料金の低下等により、海外の事業者が国際郵便などを利用して国内の個人に直接模倣品を送付するというケースが増えているということを受けて、今般の規制強化により対処するものでございます。

#47
○宮川委員 済みません、ちょっと通告どおり質問しなかったので。
 差止め件数等、お答えいただけますでしょうか。

#48
○小宮政府参考人 お答え申し上げます。
 令和二年の税関における知的財産侵害物品の輸入差止め件数でございますけれども、その大宗を占める商標権侵害物品を中心に、全体としては三万三百五件と、三年ぶりに三万件を超えておりまして、また、仕出し国・地域別では、中国を仕出しとするものが二万五千八百二十八件と最も多く、全体の八五・二%を占めております。
 また、具体的な品目別で見ますと、商標権を侵害する偽ブランド品を中心に、バッグ類、衣類、時計類の差止めが全体の約七割を占めておりまして、このほか、意匠権を侵害するイヤホン、それから特許権を侵害するスマートフォンのグリップスタンド等の差止めも増加している状況にございます。

#49
○宮川委員 今御答弁あったように、かなりの数の模倣品が件数としても上がっていて、中国からのものがほとんどだということだと思います。
 それでは、今回の見直しをすることによって、どのぐらいの件数を取り締まることができるというように見込んでいらっしゃいますでしょうか。

#50
○小宮政府参考人 現在、先ほど申し上げましたような知的財産侵害物品、これのおそれがあると思われるものについては、認定手続を開始した後、個人使用目的という輸入ということで認定の争いがありまして、最終的に輸入が許可されている模倣品もございます。
 今般の改正によりまして、海外事業者から直接送付されている場合に、そのようなものも新たに取締りの対象となることから、具体的な予想増加件数をお答えするのは難しいところではございますけれども、取締り対象の件数としては増加するということになるのではないかと考えてございます。

#51
○宮川委員 事前のレクでは数千件というような可能性もあるんじゃないかというような数字が出ていますが、十件、二十件みたいな話ではなくて、何千件みたいなことになるのではないかというふうに思います。
 そういう中で、今回、この変更によって、ですから、模倣品が入ってきて個人が受け取るわけですけれども、この受け取る側の個人に対しては何らか罰則等のものというのはかかるんでしょうか。

#52
○小見山政府参考人 今般の改正でございますが、先ほど御説明申し上げましたとおり、海外の事業者が郵便等を利用して商標権などを侵害する模倣品、これを日本国内に持ち込ませる行為を新たに規制対象とするものでありますが、個人使用目的での模倣品の輸入を行った日本国内の消費者、これについては罰則の対象とならないということでございます。

#53
○宮川委員 今、受け取る側は罰則対象ではないということですが、じゃ、例えばECサイトで物を買ったときに、税関で物が取られてしまった、そうすると、その個人のところに物が来なくなってしまうわけですが、その場合、物が来なくなってしまったところはどのように補償といいますか、どういうことになるんでしょうか。

#54
○小見山政府参考人 御指摘のとおり、海外の事業者による行為が今回新たな規制対象となりますが、事業者によって郵送等により国内に持ち込まれた模倣品、これは税関で没収されるということを予定しております。
 税関における模倣品の没収でございますが、公益の保護の観点により行うものであるため、没収されても公的な金銭的補償というのはないということでございます。
 この点については、善意の個人が損失を被らないようにするため、一部のECサイト、この運営事業者では商品が届かない場合に補償制度というのを採用している例がございまして、そうしたECサイトであれば個人も損害を補填できるという場合がございます。
 政府といたしましては、今回の改正を機に、ECサイト運営事業者に制度内容を周知し、模倣品対策の徹底や補償内容、補償制度の充実を促したり、補償が行われるECサイトがユーザーに選ばれていくように消費者への周知、広報を行っていきたいと考えてございます。

#55
○宮川委員 しっかり、トラブルが起こらないように対応していただければというふうに思います。
 もう一つ、ECサイトで郵送ということもありますが、海外から模倣品をお土産とか、模倣品と知っているかどうかは別にして、お土産等で持ち帰る方々もいらっしゃると思います。そういう方々が、今回の見直しによって、今まで余りとがめられなかったんだけれども、税関でつかまってしまう、税関でかなり時間を取られてしまうというようなトラブルというのは今後増えるというふうに予想されているのか、こういう旅行客に対しての対応が変わるのかどうか、御説明いただけますでしょうか。

#56
○小宮政府参考人 お答えいたします。
 まず、旅行者がお土産で模倣品を国内に持ち込む場合、これは海外事業者が模倣品を国内に持ち込ませる行為というものには該当いたしません。そのため、商標法が今回改正された場合におきましても、それは直接には商標権等の侵害にはならないところでございます。したがいまして、現行と同様、個人使用目的であるということがしっかり確認できれば輸入が許可されることになります。
 逆に、これも現行と同様でございますけれども、その旅行者が個人使用目的であるということを見せかけて、仮装して模倣品を国内に持ち込もうとする場合には、商標権等を侵害する物品となり、取締りの対象となるところでございます。

#57
○宮川委員 ルールが変わる中で、私自身、ちょっと何度かこの説明を受けたんですが、余りすとんと落ちないところもあって、いずれにしても、税関で国民が困ることがないように、スムーズな対応が取れるようにしていただければというふうに思います。
 ちょっと時間がなくなってきたので一つ飛ばしまして、特許権の侵害訴訟における第三者意見募集制度に関して御質問したいというふうに思います。
 これは簡単に、ちょっと見直しの概要を教えていただけますでしょうか。

#58
○糟谷政府参考人 第三者意見募集制度でございますが、特許権侵害訴訟等におきまして、当事者の申立てによって裁判所が必要と認めた場合に、広く一般の第三者から意見を募集することができることとするものでございます。

#59
○宮川委員 広く意見をというのは、いわゆる何かパブリックコメントのような、そういったようなものを想定されているんでしょうか。

#60
○糟谷政府参考人 意見を募集する対象は、国内外を問わず、また特段の制約を設けずに意見を聞くということになるものでございます。

#61
○宮川委員 今、現行法におきまして、特許権者と被疑侵害者、この両方の求めがあった場合には、こういった意見募集というのはできるようになっているんでしょうか。今、現行はどのようになっているんでしょうか。

#62
○糟谷政府参考人 現行法上は、当事者双方、両方の合意があれば、広く一般の第三者から意見を募集することは可能であります。ただ、一方の当事者が反対をした場合には、当事者双方の合意とは言えませんので、現行法上は、裁判所が第三者から広く意見を募集することはできないという制度でございます。
 それを今回、双方の合意がなくとも、裁判所が必要と認めた場合には、第三者から広く意見を募集することができるようにしたいというものでございます。

#63
○宮川委員 ですから、両方が賛成していればパブリックコメントみたいなやつはできたわけだけれども、今回は片っ方が嫌だと言っていてもできるようにするということであります。
 そういう中で公平公正な裁判ができるのかどうかということが一つあると思うんですけれども、例えば例として、薬の新薬の開発をしている場合に、開発している会社さんが特許を持っている、もう一つジェネリックの会社さんもいる、そのときに、最初に医薬品を作っていくときに、完全に適応疾患を特許でカバーし切れない場合があるので、後からこの疾患に関しては特許がかかっているのかどうかということが議論になる場合もあると思います。
 そのときに、開発している側は、やはり開発費がかなりかかっているわけだからこうしたい、ただ、ジェネリックの会社さんは、早くビジネスを開始したいから特許がかからないようにしてほしい。例えばそういうようなせめぎ合いのときに、ジェネリックの会社さんの方が、じゃ、パブリックコメントみたいなのを取りましょうよと言って国民に広く意見を求めたとすると、多くの国民は、安い方がいいからというようなものが集まってくる可能性があると思います。
 ですから、注意をしてやらないと、本当に正しい判断ではなくて、公平公正なものが保てない可能性が出てくると思うんですが、そういったような場合に関してどのような対策等を考えていらっしゃいますでしょうか。

#64
○糟谷政府参考人 この制度は、当事者による意見収集を補完する制度でございまして、幅広い証拠を収集し、裁判所がより広い視野に立って判断を行うことができるようにすることを目的としております。証拠として提出された意見については、裁判所はその内容を吟味して判断をすることになります。意見の数が多いから採用され反映される、若しくは、意見が少ないから反映されない、そういうことはないというふうに考えております。

#65
○宮川委員 日本の知財、イノベーションをしっかりやっていく中で知財戦略は非常に重要ですので、是非、大臣、こういった法律を作って、守っていっていただければと思います。
 私の質問はこれで終わりにいたします。ありがとうございました。

#66
○富田委員長 次に、松平浩一君。

#67
○松平委員 立憲民主党、松平浩一です。よろしくお願いします。
 私も、今日は、海外からの模倣品の流入、この強化の改正について、トピックを当てて質問したいと思います。
 今回の改正は、輸入する行為に、外国にある者が他人をして持ち込ませる行為、これを含めているんです。私もこの改正の必要性は分かるんですが、輸入というと、一般的な語感として自国に物を引き取るような語感が、皆さん、そんな感じがすると思うんですけれども、今回、持ち込ませる行為まで含めてしまったというのは、ちょっと違和感がありまして。
 そこで、まずお聞きしたいのは、商標法上の輸入の定義また概念についてどういうふうにお考えなのか、お聞きしていいでしょうか。

#68
○糟谷政府参考人 商標法また意匠法におきましてもそうでございますが、輸入につきまして、定義規定を特段設けておりません。一般に、外国から到着した貨物などを本邦に引き取る行為ですとか本邦に搬入する行為、こういった概念として解釈、運用されているものでございます。

#69
○松平委員 定義はないということなんですけれども、定義は、やはりないと結構困ったりするのかなと思うんですけれども、その辺、大丈夫なんですか。行政として定義を明確にする必要というのはないですか。大丈夫ですか。

#70
○糟谷政府参考人 委員御指摘のとおり、執行等の場面において問題とならないということが非常に大事であるというふうに考えております。
 商標権等を侵害する物品について、輸入してはならない貨物として、税関における没収等の対象となるわけでございます。輸入の既遂時期につきましては、学説上、複数の学説があるわけでありますけれども、いずれの説によりましても通関の時点では輸入されたことに争いはなく、現状、輸入の解釈による執行上の問題は生じていないというふうに認識をしております。

#71
○松平委員 執行上の問題は生じていないということなんですけれども、今のところそうなのかもしれませんが、本当にそのままで大丈夫なのかという疑問はあります。
 ちなみに、関税法上の輸入の定義、こちらは何でしょうか。

#72
○小宮政府参考人 お答えいたします。
 関税法におきましては、輸入とは、外国から到着した貨物を本邦に引き取ること、また、保税地域を経由する外国貨物については、保税地域から引き取ることと定義されてございます。
 また、貨物を本邦に引き取るとは、関税の確定、徴収等の税関手続が適正に処理され、貨物が輸入許可を受けて、内国貨物となって本邦に引き取られることをいうとされてございます。

#73
○松平委員 今おっしゃっていただいたように、やはり引き取ることなんですよね、輸入というのは、定義上。ですので、今回、持ち込ませる行為まで含めてしまったというのは、どうもやり過ぎなんじゃないのかなと思うわけです。
 今回の改正、お話を聞いても分かるように、商標法上の輸入の概念と関税法上の輸入の概念に違いが生じるようになってしまうということなんです。それで、今回、商標法だけじゃなくて、意匠法も同じように輸入の概念を変えることになります。
 そういうことでいうと、知財法として、ほかにも特許法それから実用新案法がありますけれども、この特許法、実用新案法上の輸入の概念、こちらについてはどういうふうになっていますでしょうか。済みません、つまり、変更はあるんでしょうか、同じように。

#74
○糟谷政府参考人 今回、法改正のない特許法、実用新案法上の輸入の概念について、変更はございません。

#75
○松平委員 変更はないということなんです。
 では、ちょっと突っ込んでお聞きします。
 なぜ、特許法、実用新案法について変更をなくして、今回、意匠法と商標法にだけ変更したのか。その違い、なぜか、教えていただいてもいいでしょうか。

#76
○糟谷政府参考人 特許権ですとか実用新案権につきましては、商標権や意匠権とは異なりまして、外観で判断することが容易でない場合が多く、故意ではなくても他者の権利を侵害している可能性があります。また、一つの製品や部品に多数の特許や登録実用新案が用いられている場合がございまして、事業者が他者の特許権等を侵害しないよう注意を払っても、多数の特許権等を網羅的に調査ができず、意図せずに他者の特許権等を侵害してしまうという可能性がございます。
 今回、特許法、実用新案法についてどうするかという議論を審議会において行いました際に、産業界からも、個人使用目的の物品について、特許権や実用新案権侵害を理由にして税関で没収されてしまうといったことについての懸念が指摘されたところであります。
 このような状況を踏まえまして、特許法及び実用新案法については、今般の改正では措置をしないということにしたところでございます。

#77
○松平委員 分からないではないんですけれども、ただ、現場で、それが侵害かどうか判断できるかどうか、若しくは、差止めしていいのかどうか、その判断が難しいかどうかというのと、実体法上違法かどうか、これは分けてやはり考えるべきなんじゃないのかなと思います。同じ知的財産法なので、商標法と意匠法それから特許法と実用新案法で扱いを異にするのはどうなのか、法解釈の統一性という観点からどうなのかというふうに思います。
 私、やはり、いざというときに差止めできるようにするかどうかというのが大事だと思うんですね。侵害として法的にあらかじめ位置づけておくことで、やはり不正行為を未然に防ぐというメッセージにもなるのではないのかなと思います。
 したがって、私、この特許権と実用新案権についても、輸入概念の同じような法解釈の統一というところについては今後の検討事項なのかと思っていますし、検討していってほしいとむしろ思っています。この点、大臣、いかがでしょうか。

#78
○梶山国務大臣 今、長官から答弁があったとおりでありますけれども、今回の改正に向けた検討の段階において、特許権や実用新案権の改正の必要性についても審議会で議論をされました。特許権等については、商標権と異なり、外観で判断が容易でなく、意図せず他者の権利を侵害してしまうおそれがある等の懸念が示されて、また、商標権等と比較して、特許権等への改正のニーズは高くなかったと承知をしております。
 委員から今お話ありましたけれども、今回の改正では輸入の定義について変更せず、税関での状況を注視した上でということになりますけれども、今後も必要に応じて検討は行っていくことにしたいと考えております。

#79
○松平委員 ちょっと話を戻すんですが、やはり輸入の定義からすると違和感はあるんです。
 今回の改正で、海外にいる事業者、他人に持ち込ませた海外の事業者が商標法違反になってしまうということになるんですけれども、法律の適用範囲の問題、これをどう考えるのかなと思いました。
 つまり、今回の改正の輸入で、実際に物を日本国内に入れるのは、海外の事業者ではなくて、他人である郵送業者なんです、実際に物を入れるのは。他人である郵送業者が実際に物を入れます。それで、その他人である郵送業者が国内に物を入れたときには、この行為の段階では、それを頼んだ海外の事業者、侵害したという海外の事業者は国外にいるわけです。つまり、自国の領域内にいない。
 私、商標法は属地主義だと理解していたんですけれども、今後、この点をどう理解すればいいのかなと非常に不思議に思いました。これは商標法が属地主義じゃなくなるということなんでしょうか。

#80
○小見山政府参考人 属地主義でございますが、御案内のとおり、一般には、法律の適用範囲や効力の範囲をその法律を定めた国の領域内においてのみ認めようとするという考えだと承知しております。
 知的財産権における属地主義でございますが、各国の知的財産権はその国の法律によって定められ、権利の効力はその国の領域内においてのみ認められるということだと考えられます。
 今回の改正により新たに輸入に含むものとして規制の対象とされる行為でありますが、外国にある者の行為ではございますが、配送事業者などの第三者を利用して日本国内に持ち込む行為、すなわち日本国内に到達する時点以降の行為でございます。
 したがって、新たに輸入に含むものとして規制の対象とされる行為自体は日本国内において行われるということでございまして、属地主義には反しない、このように考えてございます。

#81
○松平委員 今の御説明はどうなんでしょうかね。到達する行為の時点では日本国内にあるよということなので属地主義に反しないということなんですが、実際に違反するのは、違反となるのは海外にいる事業者なわけなんですよね。ちょっと、済みません、まだ分からないんですが。
 違う観点からいくと、商標権を侵害した者は罰則の適用があります。侵害者に罰則の適用があります。商標法の七十八条です。十年以下の懲役若しくは一千万円以下の罰金が科されます。
 それで、ちょっと詳しく言うと、こういった罰則を国外犯、国外の犯人に適用するには、通常、刑法第二条の例に従うみたいな、国外犯の処罰規定というものを設けるのが普通なんです。しかし、今回の、今回というか、商標法、改正もそうですし、従来の、今までの商標法にもそれはないわけです。
 一つあるんですけれども、商標法八十一条の二の三項、国外犯処罰規定はあるんですよ、ただ、さっき言った七十八条には国外犯処罰規定はないので、国外にいる海外の事業者にこの罰則は適用できないんじゃないかなとも思うんですけれども。
 そこで、ちょっとお聞きします。
 今回の違反をした海外の事業者に商標法違反の罰則の適用はあるのか、それともないのか、教えていただいていいでしょうか。
    〔委員長退席、関(芳)委員長代理着席〕

#82
○小見山政府参考人 今回の改正により、新たに輸入に含むものとして規制の対象とされる行為でございますが、外国にある者の行為で、先ほど御説明申し上げたとおり、外国にある者の行為でございますが、配送事業者などの第三者を利用して日本国内に持ち込む行為である、すなわち日本国内に到達する時点以降の行為であり、この行為による商標権の侵害、国内犯として罰則が適用となるということでございます。
 なお、国外犯規定を置くべきではないかということでございますが、今般の改正案における行為でございますが、罰則の対象となるものですが、これは国内犯であるというふうに考えておりまして、国外犯に日本法に基づく刑事罰を適用するというものではないということでございまして、国外犯の規定を置く必要はないというふうに判断しております。

#83
○松平委員 罰則の適用はある、なぜならば、あくまで国内犯だからという御説明なんですけれども、その理由として、第三者を利用したことを含めた行為なんだということなんでしょうけれども、やはり、自然的に見ると、海外の事業者を国内犯としてしまうものなんじゃないか、つまり、処罰範囲をいたずらに広げているんじゃないかなということで、もうちょっと丁寧な御説明をお願いしたいと思うんです。
 何度も言いますけれども、海外にいる事業者は、自分自身で実行行為を行っていないわけですね、他人をして持ち込ませているわけなので。こういうのを刑事罰を科することで何と言うかというと、間接正犯と言うんです。間接正犯というと、簡単に言うと、他人の行為を利用して自分の犯罪を実現すること、これが間接正犯です。
 それで、間接正犯について判例はどう考えるかというと、一般的な判断枠組みは示さずに、個々の事案ごとに、個別具体的に判断しているんです。
 このトピックに当たる本当に有名な事例がありまして、関税法上の禁制品輸入罪の捜査のためのコントロールドデリバリーという事案があるんですけれども、ここで、やはり判例は、配送業者を自己の犯罪実現のための道具として利用しているかどうか、これを非常に詳細に事実認定して、それで、利用しているね、犯罪が成立するねという判断をしているわけです。
 何でこの判例が詳細に事実認定をして判断しているかというと、刑法の、刑事処罰の近代的な原則があって、行為者は責任能力ある状態で行った実行行為のみ責任を負い得るという大原則があるわけです。自分が行った実行行為のみ責任を負い得る、これは責任主義ですね。間接正犯はあくまで例外だということで、判例は慎重に検討しているわけなんです。
 今回の修正、その観点からいうと、この判例のように個別具体的に検討することをしないで、一律に、他人の行為を利用した場合はと書き込んじゃっているわけなんですね。
 私、これは大丈夫かなと思って審議会の議論を見ましたけれども、全然議論されていないということで、私、本来はもうちょっと議論することが必要だったんじゃないかなと思うんです。
 その意味で、刑事処罰の、刑事罰の正犯性との整合性について、どういった説明がなされるのかというところ、お聞きしたいと思います。

#84
○小見山政府参考人 今回の改正案でございますが、商標権について、海外の事業者が配送業者等の行為を利用して模倣品を日本国内に持ち込ませる行為、これを新たに規制対象とするものでございます。
 委員御指摘の間接正犯でございますが、他人を道具として利用することにより、自ら犯罪を実行したのと同等の評価ができる場合に、利用者の正犯性を認めるというものであるというふうに承知しておりますが、例えば、情を知らない他人を利用する場合などがこれに当たるというふうに考えられます。
 今回の改正案についてでございますが、配送業者でございますが、貨物の具体的内容等に関知することなく、差出人の指示に基づき運送契約等の義務を履行する者であり、原則として、情を知らない他人を利用する場合に当たることとなるというふうに考えておりまして、今般の改正案、従来の間接正犯の概念に反するものではないというふうに考えてございます。

#85
○松平委員 今、原則として、情を知らないということをおっしゃいましたか。じゃ、例外があるということですよね。書き込んじゃっているということは、もうこれは構成要件になっちゃっているので、この行為に該当したら、侵害となってしまうんです。大丈夫ですかね。
 原則としてそうなんだ。じゃ、例外もあるということですよね。じゃ、例外があった場合には、これはどうなるんでしょうか。侵害となるんでしょうか。

#86
○小見山政府参考人 具体的にどのような場合に情を知らない他人に該当するかしないかについては、最終的には裁判所の判断によるというふうに考えております。
 今般の改正案における他人、国内に貨物を入れる行為を行った他人でございますが、とは、配送業者のような、貨物の具体的内容物に関知することなく、差出人の指示に基づき運送契約等の義務を履行する者を想定しており、基本的には商標権侵害者とはならないというふうに考えてございます。

#87
○松平委員 済みません、今のは他人の話ですか。他人の話。他人は、そうだったら、基本的に商標権侵害者とならないと。そこでまた基本的にと出ちゃいましたけれども、やはり、あくまでこれは個別的に判断しなきゃいけない話だと思います。
 やはりこれは、形式的に今回一律に構成要件にしちゃっているのは、私はこれは駄目だと思いますよ、本当に。この規定の在り方、これは本当に私、この場で批判させていただきます。
 もう一つ、じゃ、ちょっと次へ行きますけれども、気になったのは、外国にある者への罰則の適用があることとして、実際に処罰することはできるんでしょうか。

#88
○小見山政府参考人 裁判権でございますが、特別の条約等によって拡張される場合のほか、原則として、一国の統治権が及ぶ領域内に限って認められるということでございます。外国にある者を実際に処罰するためには、その所在国から犯罪者の引渡しを受けなければならないということでございます。
 したがって、外国にある者を実際に処罰することは容易でないということは事実でございますが、外国にある者であることを理由として罰則の適用範囲から除外すべきではないというふうに考えてございます。

#89
○松平委員 容易ではないと今おっしゃいましたけれども、こういった執行の問題ですね。やはりこれは、ネットが発達して、海外からの実行行為が容易になったということなので、ここも含めてやはり議論していただきたかったなと思います。
 つまり、処罰権が及んでいるんだよと。しかし、容易じゃないというのも余り格好いい話じゃないので、処罰できると言うからには、じゃ、どうやって執行するんだというところも私は深く考えていただきたかったなと思います。済みません、そこの部分、苦言を呈させていただきます。
 では、次ですね。今回の改正は、並行輸入を商売にしている方々、それから並行輸入を買う方々、消費者は、私は影響が結構大きいんじゃないかなと思っているんです。
 というのは、今、並行輸入品というのが昔よりもネットで簡単に買えるようになっているからです。しかも、その並行輸入品も、昔はブランド品ばかりだったんですけれども、今は家具が買えたり、何か調理用品が買えたり、いろいろなものが売っているので、多くの方が利用しているんじゃないかと思います。
 そこで、まず前提として、並行輸入品は、正規の輸入品じゃないんですけれども、適法なのかどうかというところ、適法となる要件を教えていただいてもいいでしょうか。

#90
○小見山政府参考人 過去の最高裁の判例によりますと、真正商品の並行輸入が商標権を侵害しないものとして許容される要件として、三つの要件を満たすということが挙げられております。
 まず、並行輸入品に付された商標が外国における商標権者又は商標権者から使用許諾を受けた者により適法に付されたものであること。
 次に、外国における商標権者と我が国の商標権者とが同一人であるか、又は、法律的若しくは経済的に同一人と同視し得るような関係があることにより、並行輸入品に付された商標が我が国の登録商標と同一の出所を表示するものであること。
 そして、我が国の商標権者が直接的又は間接的に並行輸入品の品質管理を行い得る立場にあることから、その並行輸入品と我が国の商標権者が登録商標を付した商品とが登録商標の保証する品質において実質的に差異がないと評価されること。
 この三つの要件を全て満たす場合に限って、商標権の侵害に該当しないというふうに判断されるものと承知しております。

#91
○松平委員 今の三要件、これは実務上、非常に重要な要件なんです。
 そこで、お聞きしたいのが、今回の改正でこの要件、影響があるのかどうか、これを端的にお伺いしたいです。いかがでしょうか。

#92
○小見山政府参考人 今回の改正でございますが、商標法、意匠法上、輸入の概念を拡大し、海外の事業者が郵便などを利用して商標権などを侵害する模倣品を国内に持ち込ませる行為を新たに商標権侵害行為として規制の対象とするというものでございます。
 輸入の行為を行う者が、国内の事業者や個人から海外の事業者にも拡大されるということになりますけれども、並行輸入が適法となる要件そのものに影響を与えるものではなく、正規の輸入品でない並行輸入品が適法とされるためには、先ほど御説明申し上げた三要件を満たす必要があるというふうに考えているところでございます。

#93
○松平委員 影響はないというふうにおっしゃっていただきました。よかったです。
 もうちょっと具体的に、確認だけさせてください。
 海外にいる業者が国際郵便で日本の個人の消費者に貨物を送る場合、この真正品の並行輸入、三要件を満たせば大丈夫なんだということでよろしいんですよね。

#94
○小見山政府参考人 御認識のとおりだと思っております。

#95
○松平委員 ありがとうございます。
 今のは、事業者への影響です。
 今度、残りの時間、余りないですけれども、消費者への影響をお聞きしたいと思います。
 先ほど、宮川委員の質問でもありましたけれども、買った個人、買った消費者に商品が届かないことになるということなんですけれども、ここですね、この差止めされた場合に、この消費者に通知というのはされるんですか。

#96
○小宮政府参考人 お答え申し上げます。
 税関におきまして知的財産侵害のおそれがあると思われる物品を発見した場合、関税法の規定に基づきまして、税関は当該物品が知的財産侵害物品であるか否かを認定するための手続を開始いたします。その際、輸入者及び権利者に対しまして、認定手続開始の通知書とともに、分かりやすい文章で記載した税関からのお知らせを送付してございます。また、不明点があれば、税関の担当者に連絡できるよう案内をしてございます。
 今回改正された場合におきましても、海外事業者から模倣品を購入した個人に対して、その認定手続が開始された場合、これまでと同様、認定手続開始の事実や、その結果等を通知する必要があるものと考えてございます。

#97
○松平委員 済みません、ちょっと今の確認なんですが、今の、認定開始通知書ということなので、通知の相手方には、消費者になぜ通知するかというと、関税法六十九条の十二の第一項の当該貨物を輸入しようとする者に該当するからということでよろしいんですよね。一言で。

#98
○小宮政府参考人 そのとおりでございます。

#99
○松平委員 そうなると、先ほどちょっと冒頭でも言いましたところの整合性が気になるんです。
 今回の改正で、輸入する者が、商標法上輸入する者が外国の事業者なんです。しかし、外国の事業者に通知するわけじゃないと。今の話では、日本の消費者が輸入する者として通知するということになるので、整合性が全然取れていないような気がするんです。
 そこを最後、確認させてください。いかがでしょうか。

#100
○小宮政府参考人 関税法におきます輸入につきましては、先ほど御答弁申し上げさせていただいたところでございますけれども、したがいまして、本邦に貨物を引き取ろうとする者が輸入しようとする者になるということでございますので、関税法上の手続として通知をする際は、関税法上、輸入の定義として、輸入しようとする者に通知をするということでございます。

#101
○松平委員 やはり、ここは、輸入の定義が法律でまちまちなので、こういった疑義が生じるんです。そこの部分、大臣、しっかりとよろしくお願いします。
 どうもありがとうございました。

#102
○関(芳)委員長代理 次に、浅野哲君。

#103
○浅野委員 国民民主党の浅野哲でございます。
 本日、他の委員会との兼ね合いで、質疑順番に御配慮いただきました。与野党の皆様に感謝を申し上げて、質問に入らせていただきます。
 本日は特許法の改正案の質疑ということで、まず冒頭、特許料について取り上げてまいりたいと思います。
 今回の改正案によりますと、特許料について、今後、上限額というものを法定し、具体的な金額については政令で定めるように改正をするという内容でございますが、この法定される予定の上限額については、従来よりも引き上げられる項目もあるというふうに理解をしております。
 まず、この特許料等の上限金額の決め方、プロセスについて確認をさせていただきたいと思いますが、この上限金額については、これまでどのような根拠に基づいて決定されてきたのか。また、こういった意思決定に関わる部署、そして大臣自身も関与されてきたのか。御答弁をいただければと思います。

#104
○梶山国務大臣 特許料等の特許関係料金は、大きく、出願料、審査請求料等の権利化前に必要となる各種手数料と、特許料等の権利の登録、維持に必要な権利化後の料金に大別をされます。
 このうち、出願料等の権利化前の手数料につきましては、政策的に出願を奨励する観点から、実際の事務コストよりも低い水準に設定をしてまいりました。
 また、特許料等の権利化後の料金につきましては、排他的な権利を付与する対価として、他の手数料収入と合わせて全体として特許庁の収支が相償する水準に設定をしてきたところであります。
 権利化前の手数料は、上限額が法律で定められ、具体的な金額は政令で定められることとなっております。また、権利化後の料金は、そもそも具体的な金額が法律で定められております。したがって、法律案又は政令案の閣議決定という形で経済産業大臣が明確に意思決定を行っているということであります。
    〔関(芳)委員長代理退席、委員長着席〕

#105
○浅野委員 どうもありがとうございました。
 政策的判断、そして閣議決定、法令に基づいて決まっているということでありますけれども、では、もう一問、今回提案されております改正案で提案されております具体的水準の妥当性について、御説明をいただきたいと思っております。

#106
○糟谷政府参考人 特許庁におきましては、昨年十月から審議会を開催いたしまして、特許特別会計の財政状況や収支改善策について、有識者を交えて議論を行いました。
 その結果、各料金の性質や政策の達成状況などを踏まえ、必要に応じて法定上限を見直すことが適当であり、具体的な料金体系の見直しについては、平成二十年以降、料金を引き下げてきたという経緯を踏まえつつ、制度別の収支バランスですとか欧米の料金水準、出願動向への影響等に留意して検討するということとされたところでございます。
 これを踏まえまして、出願や審査請求といったユーザーの行動判断に与える影響を最小化する観点から、権利化前の料金につきましては、原則、従来の上限額を維持することとし、権利化後の料金を中心に見直しを行い、特別会計の収支相償を図るということにしたところでございます。
 具体的には、値下げの経緯を踏まえまして、特許料につきましては、平成二十八年、二〇一六年の直近の値下げ前の最高料金区分の額を上限としております。
 商標の登録料、更新登録料の上限額につきましては、商標について中小企業や個人による出願の割合が高いといったことなども踏まえまして、平成二十八年、二〇一六年と直近の料金の中間、半額の値戻しにとどめるということにしたところでございます。
 なお、先ほど申し上げましたように、権利化前の料金の上限は基本的に引き上げないということにしているところでございますが、国際特許手数料につきましては、国際出願を奨励する観点から、上限も実際の料金も実費を大幅に下回る水準としてきたところでございます。直近では、実費の三割余りの水準しか収入によってカバーができていない状況でありまして、多額の赤字を招く一方で、目的としておりました国際出願数も増えてきておりますことから、上限を引き上げることにいたしたいというふうに考えております。
 英語で出願する場合の料金上限を、最新の実費をやや下回る額に引き上げまして、その引上げ幅と同じだけ、日本語出願の料金上限も上げた額としているところでございます。
 いずれにしても、具体的な金額は、法律で定める上限額の範囲で政令で定めるということになります。今後、出願数が大きい企業ですとか業界団体など、制度利用者との意見交換を行いまして、料金見直しの影響を含め、様々な要因を考慮して検討してまいりたいと考えております。

#107
○浅野委員 丁寧な御説明、ありがとうございました。
 今回、今、説明の中にもございましたが、やはり特許庁の財政状況等を踏まえて、これまで値下げをしてきた前の水準を一つ参考にしているという御答弁でしたけれども、直近の特許庁の知財の在り方の小委員会の資料を拝見したところ、特許庁としては、今後、必要な歳入として、リスクバッファーの部分、そして、今後、情報システムを刷新するための経費相当として年間百五十億程度の歳入、安定的歳入が必要だというような付言がされておりましたが、それを踏まえて、今回、特許料、手数料等の見直しをしているということであります。
 私が今日ちょっと指摘したいのは、資料の一にございます、いわゆる国際出願の手数料についてでございます。
 これまで、現行の法定金額では、日本語の場合、十四万三千円が上限、そして英語の場合は二十二万一千円が上限ということでありましたが、改正案では、これが、それぞれ十七万円と二十四万九千円に引き上げられる案となっております。
 これは、国際比較をしましたところ、特許庁の資料にもございましたが、一番高いのが米国で、国際特許出願の手数料としては二十四万四千円という数字が載っておりました。これを上回る上限水準に設定をされるというところで、やはり、出願をする側の事業者から見たときに、この上限設定金額、少し不安がある部分でもございます。
 あくまでも実際の手数料は政令で定めるということとされておりますので、その辺りは配慮のできる部分があると認識はしておりますが、やはり、できる限り事業者負担を減らしていかないと、これから知財をもっともっと出しましょうという働きかけを国がしたとしても及び腰になってしまうような懸念も残っておりますので、次の質問はそういった観点で質問させていただきたいと思います。
 先日の経済産業委員会の中で、私から、大企業も含めた特許料の負担軽減はできないのかと質問させていただきましたところ、糟谷長官からは、特許は独立会計なので、どこかを削ればどこかから取らなければいけない、だから難しいというような答弁がございました。
 であるならば、特許会計とは切り離した形で、経済産業省の支援策として、この手数料等の負担軽減を図るための支援策を取れるのではないか、これは理論上可能なのかどうか、これを次にお伺いをしたいと思います。
    〔委員長退席、関(芳)委員長代理着席〕

#108
○萩原政府参考人 お答え申し上げます。
 経済産業省が支援をさせていただいております研究開発プロジェクトの中では、特許出願に係る費用をプロジェクトの対象経費とすることを通じまして民間企業などの支援を行っております。
 例えば、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、NEDOでございますけれども、プロジェクト期間中の日本国内及び海外への特許出願に要した費用を研究開発プロジェクトの費用の対象としているほか、経済産業省における事務処理のマニュアルでありますとか研究委託開発の運用ガイドラインの中でも、特許出願関連費用等を必要経費に位置づけるなどの措置を行っております。
 経済産業省といたしましては、国の研究開発プロジェクトから生まれた優れた成果が特許出願等に係る費用の負担を理由に権利化できないということにならないよう、引き続き支援を続けてまいりたいと考えております。

#109
○浅野委員 NEDOの、NEDOプロに採択をされた場合にはその特許出願料の実費部分を経費として落とせるということで、そういった制度があるということなんですけれども、私も今回特許法改正のレクを受ける中で初めて知った制度でありましたが、是非こういったところは活用を促進していただきたいと思います。
 その一方で、見方を変えれば、今、全ての事業者が国プロに関わっているわけではないという現状がございます。国家プロジェクトに関われれば今のような制度が使えるわけでありますが、そうではない企業の中にも非常に有用性の高い特許技術を開発している企業はもちろんたくさんございます。
 やはり、今、隣の中国などでも盛んに出願行為が行われている中で、国内にある、まだ発見されていない、知財化されていない技術をしっかりとすくい上げていく、知財化していく、こういった部分にも政府は目を向けていただきたいと思うんです。
 そこで、今、NEDOの、NEDOプロとして支援をしているというお話を伺いましたが、その枠組みに限定せずに、国内外を問わず、国内の知的財産、知財をしっかりと固めていくためにも、この国際出願の奨励や手数料等についての負担軽減策、幅広く検討していただきたいと思いますが、政府の御見解を伺いたいと思います。

#110
○梶山国務大臣 先ほど事務方から答弁したとおり、我が国の国際競争力強化等に大変重要でありまして、実現までに長期を要するなど、民間企業だけでは取り組むことが困難な技術開発については、国家プロジェクトとして、特許の国際出願費用を含めた企業の研究開発を支援しているところであります。
 また、特許庁では、技術内容にかかわらず、海外への特許出願料を実費よりも低く設定することにより、国際出願の奨励を図ってきたところであります。この結果、二〇一九年の日本企業の海外における特許登録件数は、国内における登録件数を上回っているものと承知をしております。
 このような状況を踏まえれば、現時点で、国家プロジェクトの対象とならないような技術について大企業の国際出願を奨励する更なる支援措置までは検討していませんけれども、引き続き、ユーザーである企業等の御意見を伺いながら、検討を続けてまいりたいと思っております。
 先ほども答弁をしたんですけれども、知財の専門家を企業に派遣をするということで、知財に対する意識を高めていただく取組をしております。四十七都道府県全ての自治体に置いておりまして、昨年、令和二年度でいえば十一万八千五百十四件の支援実績があるということでして、これは年々増えておりまして、こういったことも含めて積極的に支援をしてまいりたいと考えております。

#111
○浅野委員 是非よろしくお願いします。
 今大臣が最後に触れられた知的財産に関する知識を有する人材を全国に派遣するというところなんですが、やはり私もそこは同感で、大企業のみならず中小企業、そして個人の皆様、こういった方々が知財の知識をしっかりと身につけて、うまく活用できる環境をもっと広げていかなければいけないと思います。
 全国四十七都道府県に派遣をしているという話がありましたが、直近の特許庁の報告書によれば、都道府県別中小企業の数とそれに対して出願をした企業の数の割合を出した資料がございました。これを見ますと、都道府県別にかなりのばらつきがまだある状況だ、東京では中小企業の〇・九%が出願行為をしている、大阪では〇・五%、茨城では〇・二%、一番低い水準の沖縄や秋田ではもう〇・一%を切っているような状況だそうであります。
 ですから、やはり人材育成のスキームというのはこれからも更に改善をしていく必要があると思うんですが、現状どういった支援制度があるのか、その利用状況を含めて、課題感もお示しいただければと思います。

#112
○糟谷政府参考人 研究開発の成果を適切に権利保護いたしまして社会実装することで、産業競争力の向上につなげていくことが重要でありまして、それを担う知財人材の育成が非常に不可欠であります。
 このため、独立行政法人のINPITにおいて、知財の初心者から公的機関の職員、知財調査に携わる実務者、中小企業やベンチャー企業の経営者など、幅広い層に対して様々なレベルに応じた研修を行うとともに、IPePlatというサイトなどを通じて、百を超える種類の教材を無償で提供しております。昨年度は二十万件を超える利用がございました。
 また、専門高校や高等専門学校の知財教育について、教材や教員の研さんの場を提供し、活動経費を支援をしております。これは、平成十二年度以降行っておりまして、毎年四十校以上に対して支援を行っております。
 特許庁でも、知財とビジネスの専門家をスタートアップ企業に派遣をしております。過去三年で四十社でございますが、知財戦略の策定などを通じて得た知見を広く共有することによって、知財人材の育成につなげております。また、過去二年で四十八の大学に対して、産学連携に詳しい知財の専門家を派遣いたしまして、知見やノウハウの移転を行っているところでございます。

#113
○浅野委員 人材育成の観点に関しましては、これをやればすぐ効果が上がるというものではないと思います。本当に着実に継続をしていくことが大事だと思いますので、是非、今後とも進捗状況を含めて確認をさせていただきたいと思います。
 時間も限られてきましたので、次、少しテーマを変えさせていただきまして、今後に目を向けた話をさせていただきます。
 宇宙に関しての話でありますが、現在、日本も含めて、世界各国が宇宙に関する技術開発を進めております。米国のアルテミス計画などは直近で動きもありました。これから地球外での人類の活動というのが増えていく中で、では、宇宙空間での知財の保護というのをどう考えるか、これについて最後に伺わせていただきたいと思います。
 まず、基本的な質問になりますが、宇宙空間においては特許権の効力というのは生じ得るかどうか、シンプルな質問ですけれども、教えていただきたいと思います。

#114
○大鶴政府参考人 お答え申し上げます。
 各国で取得されました特許権は、原則として、当該国の領域内でのみ効力を持つというのが原則だというふうに承知しておりますが、一方で、宇宙空間につきましては、宇宙条約第二条に「国家による取得の対象とはならない。」というふうに規定されておりまして、いずれの国の領域主権も及ばないというふうに考えられております。
 したがいまして、宇宙空間がいずれの国の領域でもない以上、特許権の効力は原則として及ばない、こういうふうに理解しております。

#115
○浅野委員 特許権の効力は及ばないということでありました。
 であるならば、これから、宇宙空間において、あるいは、例えばほかの惑星上、月や火星や様々な場所でこれから活動していくことも想定されているわけですけれども、こういった場所で知的財産権をいかに保護するか、技術を守るか、これに対して、現段階での政府の見解というものがありましたら教えていただきたいと思います。

#116
○糟谷政府参考人 昨年六月に決定いたしました宇宙基本計画におきまして、今後成長が期待される新たな宇宙ビジネスに必要となる制度環境整備を加速するというふうにしているところでございます。
 委員の御指摘を受けまして、宇宙における知財保護についてどのような課題やニーズが存在するか、関係府省とも連携し、まずは情報収集、現状把握を行ってまいりたいと考えております。

#117
○浅野委員 時間が参りました。
 宇宙空間での知財保護に関しては、事前の説明を伺ったときも、まだまだこれから議論を深めていく段階だというふうに印象を受けました。是非これも、他国も含めて既に検討を開始しているものと思いますので、我が国においても、しっかりとリーダーシップを取っていけるように、スピード感を持った検討をお願いして、質問を終わりたいと思います。
 どうもありがとうございました。

#118
○関(芳)委員長代理 次に、小熊慎司君。

#119
○小熊委員 立憲民主党の小熊慎司です。
 特許法等の一部を改正する法律についてまずお伺いしますが、先立って、特許庁には感謝を申し上げたいなというふうに思います。
 三十数年前、建て替えの折、大学生でありまして、そのとき、建て替えの建設現場に、移動棚の職人さんの補助をして数日間働きまして、そのバイト代で、遠距離恋愛、文通をしていた彼女のデート代に充てさせていただきまして、その彼女とはめでたく結婚して今に至っておりますので、今日の私の家庭があるのも特許庁のおかげが一部あるのかなということで感謝を申し上げつつ、また、この三年間余り、福島県において福島知財活用プロジェクトを実施していただいて、小学生で特許を取った、私の地元ですけれども会津美里町の関本創君にもスポットを当てていただいて、ある意味、復興の、また福島の活力の一助となったということも感謝を申し上げたいなと思います。
 今回の改正法の中でも、デジタル化が行われて、いろいろな意味で手続が簡素になったり便利になったりしますけれども、この関本君も、一回チャレンジをして一回特許を断られているんですね。二度目のチャレンジで特許が取れたというところでもありますので。デジタル化になると、そういう人と人との関わりが薄くなる側面もなきにしもあらず。こういうアナログな世界というか、フェース・トゥー・フェースの中で特許が申請をされていく、それが許可をされていく、登録されていくという側面もありますので、デジタル化が促進されて、広く特許申請がしやすい、時間もかからない、省力化になるという反面、こうした人とのやり取りの中で本来登録されるはずのものが、許可されるはずのものが失われないように、これは今後しっかり努力をしていかなければなりませんし、今後しっかりとその辺は注視をしながら、またいろいろ提言をさせていただきたいと思います。
 質問に移りますけれども、これまでも宮川委員、松平委員の質問にもありましたとおり、今、これだけネットが広まっていて、簡単に買物ができる。私も、国内の業者で買ったつもりが、この間バイクの本を買ったら海外から届いて、え、俺海外で買ったつもりないのにみたいなのがあったんですけれども、それくらい世界中のいろいろなものが買いやすくなっている。
 そうなってくると、規制を強化して模倣品を規制していくということではありますが、実態、どうしていくのかというところが大事で、それは空港でもあるけれども、郵便でもあるわけですよ。一個一個検査するわけにはいきませんから、先ほどECサイトの事業者にもしっかり対応していくという話もありましたけれども、より具体的に、そこをどうやっていくのかということですね、もう一度お聞きいたします。

#120
○小見山政府参考人 今回の改正でございますけれども、海外の事業者が郵便などを利用して商標権などを侵害する模倣品を日本国内に持ち込ませる行為を新たに規制対象とするということでございます。したがって、海外の発送者が事業者の場合、当然、規制の対象となるということでございます。
 仮に海外の発送者が個人を偽装している場合ということでございますが、これは、事業として輸入を行っているものというふうに判断された場合は、税関で没収の対象となるということでございます。
 税関における事業性の判断でございますが、取引の態様や、取引が反復継続して行われているかどうかなどを総合的に勘案して決定するということになるわけでございますが、既に税関において、国内の輸入者が個人を偽装した事業者じゃないかということについて判定を行っておりまして、このノウハウを応用するということが考えられるのではないかというふうに考えております。
 本法改正による模倣品の輸入規制、実効性があるようになるように、引き続き税関などと、関係省庁と連携を図ってまいりたい、このように考えてございます。

#121
○小熊委員 大きな業者は分かりますが、小さい業者までありますから、やはり、ECサイトをチェック、どうしていくのか。これはAIをかませていくのか、人海戦術でやるのか。はたまた、これはデジタル化ですから、意匠に関わるもの、商標登録に関わるものは番号がないものはサイトに載せちゃ駄目とか、これは新たな法律が必要になってくると思いますけれども、そういったことも検討しないと、広い海で一本釣りしていくようなものではしようがないので。
 人海戦術でやるのか、AIをかませたそういうテクニックを使っていくのかということをしっかり検討して、後日、また結果をお知らせいただきたいと思いますし、しっかりその辺を、規制を強化していくことによって正しい利益が発生するように。
 私は、海外に行っても、ある国の商店街に行って、地元の人に案内されて、これは偽物じゃないのと言ったら、日本語で、偽物だから安いのよ、買ってと言われたんだけれども、これは別にアジアだけじゃなくアメリカでもそういう経験がありますけれども、もうあふれているんですね。これをしっかり規制をかけていくということは工夫をしていかなければならないので、また後日、議論をしていきたいと思います。
 次に、いわゆる事故の起きた東電の原発における、発生した汚染水、処理をされて、七割ぐらいはまだ再処理が必要ですけれども、処理をして、トリチウム水、またほかの核種も入っていますけれども、基準値内に収めたものを海洋放出するという方針が出されました。この件については、これまで大臣ともいろいろな場面で議論してきました。本来であれば、技術的なことも考えれば、本当は去年の夏に決めなきゃいけない、それがタイムリミットだというのは大臣からも答弁を私はいただいたところですけれども、半年以上遅れての方針決定。
 この時間が遅れたということに関しても、じゃ、最初に夏、夏とあおっていたのは何だったのか、福島県民をあおっていたのは何だったのかということもあって、そこに不信が生じたということも一つありますから、大臣、心に留めておいてください。
 それで、これはまだ理解を得られていないのに放出するということはやはり時期尚早だというふうに思っています。あの敷地内がタンクでいっぱいになるということも理解していますが、それ以外の手だてがあるはずだということで我が党も提案をしていたところですが、この方針、決定されてしまいました。
 ただ、一点、この方針の中に賠償のいろいろな方向性が示されていますけれども、これについては一定の評価ができるなというふうには思っています。
 この十年間でいろいろな賠償が打ち切られ、それは打ち切っていませんよと言っていますけれども、実際、申請して認められたのは数十件にすぎないんですよ。ほとんどが、東電が逆に今まで出したのも返してもらいたいぐらいだ、そんな口の利き方もしている状況も散見されているんです。非常に厳しい。相当の因果関係を示さなきゃいけない。
 だけれども、風評以外でも、それはそのときの経済状況とかいろいろなことで売上げが落ち込んだりしている事実もありますよ。一〇〇パー風評被害じゃない場合もあるけれども、だから駄目だと言われてきました、今まで。でも、今回の方針においては、客観的なデータは使いますと。じゃ、その客観的なデータって具体的に何というのをまず聞きます。
 あわせて、推認するというんですね。今まではもう本当に、一ポンドの肉を取り出すのに血も流すなみたいな証明の仕方をしろと言われたけれども、推認していただける。でも、推認というのは、人によって変わっちゃいけないんです、平等性がなきゃいけない。この推認ってどういうふうにやるのかと具体的に聞きます。
 三点を併せて聞きますけれども、三点目は、先ほど言っていたこと、立証責任を被害者だけに負わせない、じゃ、誰が立証するのといったら、これは東電ですよね。東電が、じゃ、どう風評被害の立証に関わるのか、三点を併せてお聞きいたします。
    〔関(芳)委員長代理退席、委員長着席〕

#122
○新川政府参考人 お答え申し上げます。
 三つ御質問いただきましたが、まずデータにつきましてお答えを申し上げます。
 風評被害の表れ方は、業種や地域、産品、サービスによって異なるため、それぞれに適した統計を参照する必要があると考えております。
 一般論として申し上げれば、水産物につきましては、水揚げ高や魚価に関する統計や加工、流通段階の価格を参照する必要があると考えております。農産品につきましては、全国若しくは競合する他の産地の価格との比較が考えられます。観光業につきましては、県別の観光客入れ込み数に加えまして、特定の観光地、観光施設ごとの統計があれば、そちらも参照することも考えられます。
 このような統計データにつきましては一定の客観性を持つものと考えておりますけれども、広域では確認できない影響が地域的に生じている可能性も考えられますことから、付加価値の高い特定産品に着目したデータなど、その他の指標も柔軟に読み合わせながら、被害者の実態に即した適切なデータを参照するように東京電力を指導してまいりたいというふうに考えております。
 続きまして、推認についても御質問をいただきました。
 具体的にどのように推認していくかにつきましては、地域や業種ごとに様々なケースが考えられると思っております。
 具体的な推認方法につきましては、今後、東京電力が検討していくこととなりますが、被害者の立証負担の軽減を図る観点からは、例えば、統計データにより、ALPS処理水の処分開始後に一定の変動幅を超えた取引価格や取引数量の下落が確認されれば、まずは風評影響を推認するというアプローチも考えられると思っております。
 ただし、産品によっては、需給バランスなど様々な要因で価格が大きく変動し得ますので、具体的な参照指標につきましては、まさに風評の影響を懸念される事業者団体等と東京電力が処分開始前に認識をすり合わせておくことが重要と考えております。
 今後、風評の影響を懸念される事業者等に、どのような統計データを用いて被害を推認するかなど、風評被害賠償に係る考え方を丁寧に説明し理解を得るように、東京電力を指導してまいりたいと思っております。
 最後に、立証責任について御質問いただきました。
 損害賠償の一般論としましては、被害者側が被害と事故との相当因果関係を立証するように求められます。しかしながら、風評による買い控えは放射性物質による汚染の危険性を懸念する消費者心理によっておりまして、また取引先の取引忌避は口頭による場合も多く、風評被害であることを後から確認することが容易でないといった場合も考えられます。このため、客観的な統計データを参照分析することで風評の影響を合理的かつ柔軟に推認し、立証負担を被害者に一方的に寄せることがないよう、東京電力を指導してまいります。
 なお、国としても、単に東京電力を指導するだけではなく、迅速かつ適切な賠償の実現に向け東京電力への働きかけを行うなど、被害者の皆様に寄り添った対応をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

#123
○小熊委員 これまでもそういう努力をしますとなっていたんだけれども、なされていなかったのが事実です。
 今回の方針は少し変わったと思っています。方向性というのはいいと思います。ただ、これを実行するのは、だから大変なんですね。推認というのも、だから属人的になっちゃいけない。かといって、じゃタイトにやってもいけない。せっかくいい概念が出てきた、これはしっかりやらなきゃいけないし、立証責任についても、これは裁判ではあり得ませんけれども、じゃ風評被害がないということを東電に証明しろと言いたいですよ。大臣だって茨城だから分かるでしょう。
 それはいろいろな要因で売上げが下がったりするけれども、風評被害がないなんということは絶対言えないですよ。でも、それが一〇〇パー証明できないから補償されてこなかったのも事実です。これは新たな転換になります。これはどう実効性をやっていくかということが問われていますので、しっかり、この方針が変わらないように、結局、理屈をつけて、今までとそんなに変わらなかった、言葉だけだったとならないようにしなきゃいけない。
 あえて言いますけれども、これは数字だけじゃなくて実態をね。数字は大事です、客観性、平等性という意味では。だけれども、例えばこういうこともありました。県外で売れなくなったんだけれども、私の地元の、私のところは馬肉を食べますから、震災以降、馬肉が東京で売れなくなったんだけれども、県内の消費を頑張ったら売上げが上がって、結局、トータルで震災前より売上げが上がっちゃったから補償をもらえない、これをどう判断するかなんですよね。トータルの売上げは震災前より上がりましたよ。だけれども、売れていたものが売れなくなった。これは、でも被害は受けていますよね。これをどう救うか、こういうテーマもあります。
 はっきり言えば、百通り考えていかなきゃいけない。そういう意味では、今後のこの方針に従うというのは、百通り、ちゃんと、百あれば百通り対応できるのかということもしっかり見ていきたいと思いますし、いろいろケース・バイ・ケースで提言もさせていただきたいと思います。この方向性に関してはしっかり守っていただけるようお願いをして、最後に質問します。
 風評被害というのは科学的根拠じゃないんですよ。我々、今、党内でも、多分与党の中でも、いろいろな部会等を開いて説明を受けると、科学的根拠、科学的根拠と言いますけれども、科学的根拠が示されて分かっているんだったら風評被害なんて起きないんですよ。やはり印象ですよ。
 だって、我々、今、生活していても、別に原発由来じゃなくて、無添加のものですという食品といろいろなものが入っていますという食品を並べたら、やはり無添加の方がよさそうだなと思っちゃう。そうでしょう。自然派由来のものを使っている化粧品です、こっちはめちゃくちゃ化学物質を使っています、でも基準値内です。やはり印象の世界に入っているんですね。だから、風評被害が起きるんですよ。
 過日、我が党の復興本部の中で、じゃ、福島で流そうとしている、基準値以内、しかも希釈してかなり薄めたものを他県にも、四十七都道府県で割れと言っていませんよ、何万トンものやつを、トラック一台分でも風呂おけ一杯分でも他県に持っていけないかという話をしたら、経産省からは、反対が起きるので難しいですと言われました。
 希釈して世界中どこへでも流れても大丈夫だ大丈夫だと言っていながら、実際はそうなんです。そういうものだというのは実は自覚しているんですよ、経産省の官僚たちも。そこにどういう答えも持っていないから、反対が起きているんですよ。科学的に反対しているわけじゃないですよ。大臣も隣の県で、地元で反対もされている。
 でも、これは日本全国で、これは元々関東の電気ですからね、我々、一つも使っていないんですよ。これを、希釈したものでいいです、希釈したものを他県で処理する。相当数じゃないです。象徴的な話です。これについて大臣にお伺いします。

#124
○梶山国務大臣 まず、情報発信については科学的な根拠に基づくということ、風評は、やはり人の心の問題もあるということで、そういったものをどう払拭していくかという大きな課題があると思っております。今回、賠償につきましても、特別チームを編成をした上で、今、その前提となる話合いをさせていただいているところであります。
 風評対策の一環として、ALPS処理水の海洋放出に伴う風評影響の負担を福島だけに寄せることなく、全国で分かち合うべきであるという考えがあることも承知しておりますし、また、手を挙げていただいている自治体があることは大変ありがたく、感謝をしているところであります。
 ALPS処理水を敷地外に持ち出すことにつきましては、ALPS小委員会において検証をいただいており、例えば、希釈した後の状態であっても、保管施設や放出施設を設置する自治体のみならず、その輸送ルートの自治体の理解を得ること、そして、放出計画、放出・保管施設、輸送時の漏えい対策等について原子力規制委員会の許可が必要であるということなどの理由から、相当な時間を要するとの指摘がなされてきております。
 また、少量であっても、希釈したものであっても、その使用目的や運搬方法などについて原子力規制委員会の許可が必要になってくるということ、そして、全体の時間を考えたときにはなかなかやはり難しい問題である、そして、それを持っていく途中の自治体の理解も全て得なくちゃならないという中で、立地自治体等の御意見等も伺って、なかなか難しいという判断をしたところであります。
 ただ、こういう考え方は、皆さんで分担しようじゃないか、分かち合おうじゃないかということは非常にありがたいことでありまして、そういったことも含めて、今後、例えば数十年かけて出していく中で、新たな処分方法であるとか、またトリチウムの除去設備であるとか、そういったこともアンテナ高くしっかりと情報を取得しながら対応してまいりたいと考えております。

#125
○小熊委員 放出まで何十年もかかります。今後じゃなくて、今、スタートの段階で、それは時間はかかるけれども、何年かけてでも、全国の各地でトラック一杯分だけでも引き受けてもらえるように努力する。だって、それはかかるわけでしょう。自治体の理解って。だって、福島県内では、大丈夫、飲めるぐらいですよと言った大臣もいたけれども、そのぐらいのものを運ぶのに理解を得なきゃいけない、大変だというのは分かっているわけですよ。それを福島だけでやるということの大変さですよ。だから、今からでもいいですよ。四十年、五十年かかったって、各県トラック一台引き受けてもらうぐらいのことを考えたいと言ったっていいんじゃないですか。
 そもそも、原発はこういうものを生み出すものなんですよ。ただ電気の恩恵だけ語るんじゃなくて、こうした負の部分まで引き受けるという覚悟がなければ、原発を推進する、そういう責任は負えないんです。で、僕は、負えないと思ったから、原発推進派から脱原発に変わりましたけれども。
 是非、大臣、何年かかってでも、各県で、全国でこの重みを引き受ける、それで原発問題も考えよう、その契機にしたい。いいんです、運び出すのが二十年後だって。今から努力して、やろうじゃないですか。お隣の県の梶山大臣ならその精神が分かると思いますので、是非御検討いただくことをお願い申し上げ、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#126
○富田委員長 次に、櫻井周君。

#127
○櫻井委員 立憲民主党・無所属の櫻井周です。
 本日も、この経済産業委員会におきまして質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
 時間も限られておりますので、早速質問に入らせていただきますが、まず最初に、今回の改正のポイントについて幾つかお話をさせていただきます。
 前回の法改正に比べまして、今回の法改正、ちょっと言い方は恐縮ですが、小粒の改正なのかな、こんなふうにも受け止めております。
 そんな中で、手続、デジタル化を進めるということについて、これはどんどん進めたらいいのではないかというふうに思っております。特に地方の事業者の方々からすれば、これまで時間と旅費をかけてわざわざ東京まで来ないといけなかったという方々にとっては、オンラインで済むということになれば、これは大変ありがたい話だと思います。
 一方で、今回の法改正、口の悪い人に言わせれば、特許料値上げ法案じゃないのか、こんな話もございます。特許庁の特別会計が赤字続きになってしまっている、これ自体は、いろいろ理由はあるんでしょうけれども、どうなのかなというところも、思うところもございます。建物の改修ですとかシステムの改修にいろいろお金がかかったということ、それから、これまで特許料の値下げも進めてきたというところも、そういった努力の結果ではあろうかと思いますが、今般、ちょっと値下げをし過ぎたというところもあって値上げということになったのかなということで、この点についてはやむを得ないというふうにも考えております。
 ただ、今回の法改正には上がらなくて、前回審議をした中で先送りになったようなこともいろいろございますので、そういった点を中心に質問をさせていただきますが、その前に、まず、今回の法改正ということで、弁理士法の改正も併せてされております。
 特に農林水産業に関連する知的財産についてですが、我が国で開発されたブドウとかイチゴなどの優れた品種が海外に流出しているという問題がございます。これは、農業者の方にとってみれば、いろいろな栽培の仕方とかそれから品種とか、こういったものを教え合うというのは、ある種お互い助け合いの美しい精神だと私は思いますが、一方で、やはり営業の秘密を漏らしてしまうと将来的には市場の競争でいろいろ不利を被ってしまう、こういうことにもなってしまうかと思います。また、ブランドについても、例えばコシヒカリとか、そういったブランドについても海外で盗用されてしまっている例もあるやに聞きます。特に漢字の文化圏においてはこうしたことが頻繁に起こり得る、こういうふうにも認識をしております。
 一方で、農林水産業においても、高級品といいますか、生産性を高めていこう、収益を高めていこう、所得を高めていこうというふうになったときには、やはり高級品で勝負をするという部分も出てくるかと思います。こうしたことは、農林水産業にかかわらず、全ての産業について言えることだと思いますが、農林水産業においても、高級品で勝負をするという部分においてしっかりと取組を進めていくべきだと考えます。
 そうしたときに、品種とかブランドを知的財産でしっかり守っていくということが重要というふうに考えるわけでございますが、農林水産業の生産者の方々は、他の分野に比べて必ずしもこの知的財産権に対する意識が高いとは言えないような状況でございます。やはり知的財産に関する生産者の理解を深めていく、極めて重要だというふうに思いますが、これはまず、農林水産省の認識と取組について、本日、副大臣も来ていただいておりますので、是非教えていただければと思います。

#128
○宮内副大臣 お答えをさせていただきたいと思います。
 我が国の農林水産物、食品は、その高い品質によりまして、世界各国において高い人気を享受しておると思っております。その基となっているのは、我が国が開発したまさに品種や伝統的な食文化等の知的財産であると認識しております。
 しかしながら、委員御指摘のように、我が国の農林水産事業者の知的財産に関する意識が十分でないというところがやはりあって、これが、我が国の農林水産物の海外での評価が高まる中で、植物品種や和牛の遺伝資源の流出などにつながった、そんなところが要因にあったんじゃないかというふうに考えておるところでございます。
 このような事態に対応するために、地理的表示保護制度の整備、あるいは、前国会で改正法案を通過させていただきましたけれども、種苗法の改正や、和牛遺伝資源を知的財産として保護する制度の整備などの制度改正を行いまして、農業水産分野におけます知的財産の保護についての取組を強化しているというところでございます。
 しかしながら、先ほども申し上げましたように、その意識を高めていく必要がある、農林水産事業者の知的財産の意識の変革が私は必要だというふうに思っておりますので、特許庁との協力の下におきまして、各都道府県に設置されております知財総合支援窓口などにおきまして、相談の支援体制を中核といたしまして、農林水産事業者への意識の啓発を徹底してまいりたいというふうに考えております。
 知財を保護するために、知財を権利化するとともに、侵害がないかを監視し、必要に応じて速やかに法的な対応を行うことが大切であると考えており、本改正を機に、知財の専門家であります弁理士が農林水産知財の保護に取り組むことは大変私は意義深いことであるというふうに考えておるところでございます。

#129
○櫻井委員 続きまして、弁理士法において、この農林水産知財業務、今副大臣からお話しいただいたとおり標榜業務に追加をする、こういう改正でございますが、弁理士との関係におきましては、ブランド、特に農林水産分野ではGI、地理的表示というものがございますが、これと商標、特に地域団体商標、非常に似通っていて、これを上手に組み合わせて使うなり使い分けるなりということが必要になってくるかと思います。
 また、品質についても、種苗法、今お話しいただきましたけれども、物によってはそれ以外の方法で保護をしていく、いろいろな角度から保護をしていくということもあり得ると思います。
 例えば、真珠の養殖、養殖そのものというか、真珠を作っていくということ、これは水産業でございますが、これは特許、明治時代の特許です。日本の十大発明のうちの一つということで、余り水産業と特許はつながらないようにも見えますけれども、実はこうしたつながりもあるということでございますので、知的財産によって、特許なら特許、GIならGI、一つで守るのではなくて、いろいろな形で守っていくということでより権利を強固にしていくというものでございますので、そういった意味で、弁理士が活躍できるというのは大変意義深いというふうにも思っております。
 ただ、今副大臣からも、窓口を設置するという話でございますが、窓口を設置しても、そこに行こうと思ってもらわないと、なかなかこれは次のステップに進まないわけでございます。ですから、こうしたことについて、今農林水産副大臣からもお話しいただきましたが、特許庁としてもこれはしっかりと取組を進めていくべきだと思いますが、特許庁からもこの取組について御答弁をお願いいたします。

#130
○糟谷政府参考人 今般の改正案におきましては、海外への農林水産知財出願のニーズが高まっていることなどを踏まえまして、ユーザーや関係団体の意見も聞きまして、植物の新品種や地理的表示に関する海外出願を支援する業務や出願前の相談に応じる業務をいわゆる標榜業務に追加をすることとしたところでございます。
 知的財産の専門家である弁理士、また海外にもいろいろなネットワークがございます。こういうネットワークを活用して、農林水産知財についてしっかりと貢献いただくことを期待をするものでございます。

#131
○櫻井委員 午前中、私の前の質疑の中で、農林水産分野に今度弁理士が本格的に出てくるということに対して、行政書士の方々からは懸念の声があるというような話もございました。
 これは、業際問題といいますか、弁理士と行政書士のどこが境目なんだ、縄張争いみたいな話、こういう争いは、それは当事者にとっては大変重要な問題ではございますが、国民から見たら、ユーザーから見たら、何をやっているんだという話でございます。ですから、私としては、双方にお行儀よくやっていただきたいなというふうに思いますし、弁理士の方が農林水産省に対する手続をするのであれば、そういった、法令違反にならない、ちゃんと行政書士登録も登録料を払えばできるわけですから、やっていただくべきかなというふうに思います。
 逆に、行政書士の方が特許庁に対して商標などの手続をやっているのではないのか、そういう声も聞くんですが、そういうことはあるんでしょうか。あるんだったら、それはそれでちゃんと厳しく取り締まるべきだというふうにも考えるんですけれども、この点について特許庁のお考えをお聞かせいただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

#132
○糟谷政府参考人 そのような具体的な事例を承知しているわけではございませんけれども、法律に従って適切に業務の運営がされるべきものだと考えております。

#133
○櫻井委員 済みません。ちょっと、今の話は、私が午前中のこれまでの質疑を聞いて、通告していない質問だったので、詳しいことは分からなかったと思いますが、もしあればということでしっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。
 農林水産関連の質問はこれでもう終わりですので、副大臣、ありがとうございました。
 続きまして、今回の法改正に上がらなかったポイントで、重要な点について幾つか質問させていただきます。
 これまで、産業構造審議会の中においても、大学、中小企業、ベンチャーが知的財産権を取っていくということについて支援していくべきだという話がございました。新しい産業、新しい会社がどんどん生まれる、そういった活気のある社会をつくりたいというのは、与野党関係なく共通の思いだというふうに思います。
 元々、戦後の日本においては、また高度経済成長の頃の日本においては、ソニーやホンダなど町工場からスタートして大企業になった、そういう会社もたくさんあるわけです。
 日本経済新聞の「私の履歴書」の今月の連載は、東京エレクトロンの東社長でございますが、それも、企業がずっと大きく成長していく過程を重ねて御説明いただいているところでございます。
 世界では、最近であればGAFAなどユニコーン企業がたくさん生まれているのに、日本では最近なかなかそういった元気のいい話を聞かないものでございますから、やはりこれは何とかしていかなきゃいけない、こういうふうに考えるんですけれども、こうした新規産業を育てていくということについて、特に私は知的財産というのも重要なポイントの一つだと思うんですが、大臣のお考えをお聞かせください。

#134
○梶山国務大臣 委員御指摘のとおり、大学、ベンチャー、スタートアップ、中小企業等から生まれるニュービジネスは、経済成長の重要な推進力であると考えております。
 二〇五〇年のカーボンニュートラルを目指して、グリーン成長戦略というものを立てましたけれども、そういった中でも、研究開発、また実証までということで、大企業との連携、大学、またスタートアップとの連携等もしっかりと考慮に入れて組立てをしているところであります。
 大学、ベンチャー企業等は、知的財産に対する認識が必ずしも高くないということも言われておりますから、優れた技術を持っていたとしても、他者にその技術を知財で抑え込まれることで事業化につなげられない課題があると認識をしております。
 こうした問題意識から、大学、ベンチャー企業等が適切に知的財産を保護、活用し、事業を進めていけるように、知財の専門家を大学に派遣し、研究現場における発明の発掘、ライセンス、共同研究につなげる支援、スタートアップ企業に知財専門家などを派遣する支援、特許庁職員等による有望な中小企業等、中堅企業へのハンズオン支援などを通じて、大学、ベンチャー企業等が知財の重要性に気づきを持っていただく支援を実施しているところであります。
 先ほども申しましたけれども、各都道府県にそういった窓口を用意しておりまして、昨年度は十万件を超える取組があったということであります。こうした取組を着実に実施をして、今後も、大学、ベンチャー、中小企業によるニュービジネスの育成に取り組んでまいりたいと考えております。

#135
○櫻井委員 今、大臣からのお話の中にも、大学の中には、なかなか、知的財産権に対する意識が必ずしも高くないというようなお話がございました。
 私自身、理科系出身でございまして、私が大学の頃、これは四半世紀も前の話でございますが、特許というのは独占排他権、だから、自分が権利を取ればほかの人に使わせないというのが基本的な考え方でございます。しかし、大学たるもの、特許を取ってほかの人に使わせない、そんなことをするんじゃなくて、広く社会に公開していろいろな人に使ってもらう、それこそ社会貢献なんだというようなことを私は教えられた。これはうちの研究室がそうだっただけなのかもしれませんが。
 と思ったら、今般、法改正に合わせて、産業構造審議会のそれこそ議事録を読ませていただいたら、何と東京工業大学の学長さんがこんな発言をされていました。基礎研究の人は、何で俺が特許を書く必要があるのかという発想から始まります、そのマインドを変えていくことを大学としてもやっていかないといけない、こういうことをおっしゃっている。そして、個人的には、まず一回、特許を出願してみることが重要、練習していかなければいけないかなという気が現場では感覚としてあります、こういうお話をされています。
 今日は、東京工業大学御出身の委員の皆さんもいる前で、ちょっと他大学出身の私が言うのもなんでございますが、やはり、大学の教員の知的財産に対する意識改革、まだまだ必要と特許庁とか経済産業省から言っても、かえって何か大学の先生は身構えちゃって、何か産業に巻き込まれるのかみたいな話にもなってしまいがちでございますので、そこはやはり文部科学省のリーダーシップというのは重要だというふうに考えるんですが、文部科学省としての取組について、本日政務官に来ていただいておりますので、その点、御説明よろしくお願いいたします。

#136
○三谷大臣政務官 お答えいたします。
 大学等における研究成果の権利化は、研究成果の社会での活用につながり、新たなイノベーションの創出につながることから、研究者自身が研究成果の権利化等の意識を持つことは非常に重要なことだと考えております。
 現状では、大学等における特許権の出願件数は増加傾向にございますこと、そしてまた、特許権実施件数や収入額についてもおおむね増加をしているという状況にありますので、そういった今御指摘の問題意識については徐々に広がっているのではないかというふうに、理解が広がっているなというふうに考えております。
 一方で、出願件数が必ずしも多くない、多くないというふうに言われるところはありますけれども、先生も弁理士として活動されておりまして、そういった知的財産についての非常にプロフェッショナル中のプロだと理解をしております。私も前職では知的財産をなりわいにしていたということもありまして、いろいろと、その上であえて申し上げさせていただきたいと思うんですけれども。
 出願件数、増やしたところで、権利化できなさそうなものも含めてただ単に出願するということになりますと、それは出願の費用もかかりますし、出願に伴う手間とか、そういった作業も非常に増えてしまうというところもありますので、特許化に関しては、件数の増加のみを目指すものではなく、あくまでも大学が何を目指しているかといえば、社会的価値の増大、これを最大限増やしていくというところにあるということでありますから、そこは大学等の戦略に応じて進められるべきものかなというふうには考えております。
 こうした観点からの支援といたしまして、文部科学省におきましては、大学の組織対組織での産学連携を促進するオープンイノベーション機構の整備事業の中で、知財管理等に関するマネジメント体制も含めて支援するなどの取組を行わせていただいております。また、研究者個人に着目した取組といたしましては、大学独自に学生や研究者向けの知財や特許の講座を開催する、東京大学ですとか大阪大学、そういったところで様々に行われておりますけれども、そういった取組も見られるところでございます。
 御指摘いただいたことを踏まえさせていただきまして、文部科学省といたしましては、引き続き、各大学がその研究成果を社会で活用し、社会の発展に寄与するための取組を支援してまいります。
 ありがとうございます。

#137
○櫻井委員 今政務官から御答弁いただいたとおり、私も数を追うということは別に必要ないというふうに思います。やはり質が大事だというふうには思います。
 ただ、これは、ある程度、数というか何回かやってみないと、東京工業大学の学長さんがおっしゃるように、ある程度、一回、二回出願してみないと、特許というのはどうやってつくるものか分からないから、いざ本当にすごい発明をしたときに、いきなり初めて出しますというのだと、なかなかうまくいかないかもしれないから、慣れておくということは併せて必要なのかなというふうにも思います。
 続きまして、ちょっと順番を飛ばしまして、時間もなくなってきましたので、次の質問に移らせていただきます。
 この特許出願に関連しまして、中小企業とかベンチャー企業で新製品の開発をしましたというときに、大企業とコラボレーションすることが少なくないわけですが、特に中小企業の場合は下請というような立場であることも少なくございません。こうしたときに、大企業の側が優越的な地位を利用して、下請の中小企業が発明したものを吸い上げてしまうというような事例もあるやに聞きます。
 こうした中小企業が取引の継続のために泣き寝入りをするというようなことがあってはいけないというふうに考えるんですが、こうした発明を受ける権利を盗むというようなことがないようにするための取組、これは中小企業庁が中小企業を守るという立場でしっかりと取組をするべきだと考えるんですが、そのお考えと取組についてお聞かせください。

#138
○飯田政府参考人 お答えいたします。
 いろいろ問題事例があるという御指摘でございまして、それは中小企業庁としても把握してございます。
 幾つか御紹介いたしますけれども、例えば、工場見学したいというので工場見学していただくと、ノウハウを把握されて、親事業者さんが自分で内製化しちゃうとか、サンプルを提供しろと言われたのでサンプルを提供してみると、それに基づいて特許出願をされてしまうですとか、共同開発の成果物、知財を含めて全部親事業者に帰属する契約になっていたとか、そういった様々な問題事例は把握してございます。
 中小企業庁において、そういった問題事例の把握や課題の洗い出しなどを行う検討会を設置して、議論を進めてまいりました。本年三月に、ガイドラインと、それから契約書のひな形と、二つ策定をしてございます。
 ガイドラインの中身は、相手方の意思に反して秘密を知り得る行為をしないですとか、承諾がないノウハウの利用をしないですとか、そういったことを事例つきで分かりやすく紹介させていただいております。
 これに加えまして、契約書のひな形ということで、四種類作成をしてございます。秘密保持契約のひな形、共同研究の契約のひな形、それから開発委託を行う場合における知的財産権の取扱いに関する契約、製造委託における知的財産権などの取扱いに関する契約、こういった契約のひな形を作りまして、中小企業の皆さんのお役に立ちたいということでございます。
 三月に、ガイドラインをこれから推し進めていくために、下請振興法に基づく振興基準にもこのガイドラインに基づいて取引を行うことなどを盛り込む改正も行いました。これをしっかり普及していくために、全国百二十名の下請Gメンによる取引実態の把握を行う、それから問題事例について業所管省庁に対して指導助言を要請していくといったことでございます。
 詳しくはあれですけれども、さらに、自主行動計画、これは業界団体ごとに作っております。また、経営者をしっかり取り込んでいくことが大事ということで、パートナーシップ宣言というものも活用しております。こういったことを通じまして、親事業者の適正な知財取引を促してまいりたいと考えてございます。

#139
○櫻井委員 是非よろしくお願いいたします。日本は、中小企業、ベンチャー企業、こうしたところが元気になってこそ、日本の社会は活性化できるものだというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、前回の法改正、二年前の法改正のときに附帯決議で上がっておりました懲罰的賠償制度、二段階訴訟制度について、今回は見送りになったというところでございます。
 文部科学省への質問ももう終わっておりますので、政務官、御退席いただいて大丈夫です。
 この懲罰的賠償制度についてなんですが、産業構造審議会等の議事録を読ませていただいても、特許を持っていても侵害訴訟を起こすのはお金と時間がかかって大変だとか、損害賠償といっても金額は少ない、結局は泣き寝入りする部分ができてしまう、だったら手間暇かけて特許出願するのはばかばかしい、こんな意見もあるやに、これは議事録の中に載っておりました。
 こうした問題があるから、諸外国においては、例えばアメリカ、台湾、韓国では三倍賠償、中国に至っては五倍賠償という制度が導入されているわけです。EUは、ヨーロピアンユニオンは、懲罰的賠償はやらないという方針ではあるものの、利益吐き出し型の賠償という制度を設けていたりします。無策なのは、先進国ではもう日本だけじゃないか、こんな気すらしておるわけです。
 こうしたことが横行してしまうと、結局、侵害した者勝ち、やった者勝ち、被害者は泣き寝入り、こういったことになりかねないわけでございます。
 先日、四月八日に、これは全然違う話でございますが、衆議院の総務委員会で、プロバイダー責任制限法の改正案、議論もさせていただきました。このときに、インターネット上で誹謗中傷を受けて、被害者の方がそれに対して削除要請とそれから損害賠償請求をしようと思っても、結局弁護士費用すら賄えない、身銭を切って訴訟する、身銭を切るお金がなければ、貧乏であれば訴訟すらできない、救済されない、こんなことが起きているわけでございます。
 ですから、特許庁への質問としまして、こうした権利者が泣き寝入りするような制度ではいけない、ちゃんと諸外国に倣って懲罰的な賠償ないしは利益吐き出し型の賠償、こうした制度を導入するべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 また、法務省に対しては、こうした被害者が泣き寝入りをする、やった者勝ち、こういうことは社会正義に反するのではないかというふうに考えるんですが、この点について御答弁をお願いいたします。

#140
○糟谷政府参考人 委員御指摘のとおり、令和元年の特許法改正法の附帯決議におきまして、懲罰的賠償制度について、諸外国の動向も注視しつつ、引き続き検討するということにされたところでございます。
 これを受けまして、特許制度小委員会を開催いたしまして、懲罰的賠償制度ですとか利益吐き出し型賠償制度につきまして、諸外国における動向やそれぞれの制度の在り方について検討を行ってまいったところでございます。
 その結果、両制度について、導入に賛成するという意見があった一方で、近年の裁判例のように高額の損害賠償が定着するなら必要ないのではないか、また、生命侵害でも認められないのに特許権侵害について認めるのは困難ではないか、それから、海外の高額な懲罰的賠償の判決を日本で執行しなければいけなくなるのではないかといった否定的な意見も多く出されたわけでございまして、今回、成案は得られなかったわけでございます。
 先ほど委員からも御指摘ありました諸外国でありますけれども、米国など諸外国における懲罰的賠償制度は、知的財産法の分野のみならず、不法行為などにも導入されているところでございます。日本の損害賠償制度は、実際に生じた損害を賠償するということが基本原則でございまして、懲罰的賠償制度について導入するかどうかということにつきましては、特許法のみならず、日本の法体系全体も視野に入れた多面的な検討も必要になるというふうに考えております。
 いずれにしましても、他方で、損害賠償額が低いというふうにお困りの声も聞いておるのも事実でございますので、懲罰的賠償制度及び利益吐き出し型賠償制度について、今後の裁判の動向など知財に関する情勢を見ながら、引き続き議論を行うこととしたいと考えております。

#141
○堂薗政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、不法行為をした者が、泣き寝入りをするといったような事態が社会正義に反するというのは、御指摘のとおりかと思います。
 我が国の不法行為制度は、一般に、被害者に生じた現実の損害を金銭的に評価し、加害者にこれを賠償させることにより、被害者が被った不利益を補填するといったことを目的としたものでございます。
 このため、懲罰的損害賠償制度及び利益吐き出し型賠償制度については、不法行為制度の趣旨との整合性、例えば、不法行為制度の特則を設けるものであるのかどうか、特則を設けるものであるとすると、その必要性及び合理性があるかといった点について検討をする必要があるものと考えておりますが、知的財産権の分野でその導入の是非が検討される際には、基本法制を所管する立場から、必要な協力をしてまいりたいと考えているところでございます。

#142
○櫻井委員 今、最後の御答弁の部分が大変重要なんですけれども、先ほど特許庁長官は我が国全体の法体系云々というお話をされましたけれども、法務省はちゃんと協力すると言っているので、是非協力していただきたい。
 あと、それから、諸外国で法外な賠償請求があったり、アメリカなんかはすごく高額になったりする傾向にあるわけですが、しかし、日本の場合は三桁も四桁も五桁も少ないわけでして、桁がもう全然違っているわけなので、これは少な過ぎる、裁判費用すら賄えない、こんなことになってしまってはいけない。
 それから、大企業は、それを見越して、財力で勝る大企業は持久戦に持ち込んでうやむやにしてしまうとか、そういうことも横行してしまいがちですので、是非、この点、更に検討を進めていただきたいというふうにお願いいたします。
 あと、それからもう一つ、二段階訴訟制度についても附帯決議で上がっておりました。
 結局、中小・ベンチャー企業、特許訴訟で困るのは、時間がかかってしまう。時間がかかってしまうから、機会損失もあるし、それから、その分弁護士費用もかさんでしまう。大企業は、そのことを見越して持久戦に持ち込んでしまう。結局、結果的に、侵害した者勝ち、やり得、こういうことになってしまうわけでございます。
 ですから、何としても早期解決が必要だということで、第一段階で特許侵害の成否、これを判明させる。そうすれば、第二段階の損害賠償についてはもう和解とか、かなり早く解決できるわけです。そうすることによって問題の解決ということで、中小、ベンチャーの負担も小さくすることができるというふうに考えます。
 こうした方法について、仮処分の申請で十分できるじゃないか、こういう意見もあるのは承知をしておりますが、仮処分だと、結局、本訴訟を提起せざるを得なくなってしまうので、結局は大企業は持久戦に持ち込めてしまうという問題もございます。
 産業構造審議会の特許小委員会では、ニーズがないという意見が確かに出ておりました。しかし、まさにこれは大企業の代弁者が言っているところでございまして、そうではなくて、ほかの、知的財産分科会の方では、こういった早期解決の方法を導入するべきだ、むしろこっちの意見の方が多数意見だというふうに私は認識をしております。
 ですから、この二段階訴訟制度を是非導入するべきだというふうに考えますが、特許庁のお考え、それから、仮にこれを導入した場合、どんな不都合があるのか。私は別に何の不都合もないと思いますけれども、その点についても教えてください。

#143
○糟谷政府参考人 二段階訴訟制度につきましても、産構審の特許制度小委員会で議論を行ってきたところでございます。
 ニーズを肯定する意見もございましたけれども、早急な立法化を強く求める意見はございませんでした。産業界だけではなくて、実務家の方々、また有識者、学者の方々からも、例えば、日本の現行制度でも、損害賠償請求訴訟を提起せず、まず差止め請求訴訟のみを提起すれば、損害賠償に係る審理を経ることなく侵害の有無について判決を得ることができ、その上で損害賠償請求訴訟を提起し、損害賠償額について判決を得ることができるのではないか、そんな意見がございました。そのように、現行制度で対応できるのではないかという意見。また、ドイツは会計情報の請求権を認めているわけですけれども、これについては否定的な意見が多く出されまして、全体としてニーズを疑問視する意見が多うございました。
 この結果を踏まえて、今後、具体的なニーズが高まった時期に改めて検討するという取りまとめがなされたところでございます。

#144
○櫻井委員 産業構造審議会での議論について今御紹介いただきました。興味深いのは、特許小委員会での議論と、それから分科会全体の議論とがかなり乖離しているというところが興味深いところですので、是非、その点も含めて、今後もう一回検討いただければというふうに思います。
 最後に、金融庁にも今日お越しいただきましたけれども、知的財産と金融のコラボレーション、この点については、もう質問時間がなくなりましたので、また次回ということで、あさって、財務金融委員会で銀行法改正で私は質問に立つ予定にしておりますので、そのときに質問させていただきます。
 これで質問を終わります。ありがとうございます。

#145
○富田委員長 次に、笠井亮君。

#146
○笠井委員 日本共産党の笠井亮です。
 まず、特許法改正案について質問いたします。
 本法案は、コロナ感染拡大を契機とした経済活動の変化に対応するために、特許、意匠、商標などの知財七法を一括して改正するものであります。改正内容は多岐にわたっておりますが、海外からの模倣品流入への規制強化や、新型コロナウイルスに感染するなどとして納付期間内に特許料を納付できなかった場合の割増し特許料の免除規定の創設など、全体として権利者の保護につながると評価できます。
 その上で、幾つか確認したいと思います。
 まずは、改正案が審判口頭審理のオンライン化を可能にする点についてであります。
 無効審判制度は知財紛争の第一審に相当いたします。いわば準司法的な役割を担っていることから、公開主義、口頭によることの意義、直接主義を原則としてまいりました。そこで、糟谷特許庁長官に伺いますが、このうち公開主義については、特許法第百四十五条の「特許無効審判及び延長登録無効審判は、口頭審理による。」との規定と、同条第五項の「口頭審理は、公開して行う。」との規定で明記をされております。これは、裁判の公開原則を定めた憲法八十二条と同様に、審判の公正を担保する趣旨で設けられているということでよろしいんでしょうか。

#147
○糟谷政府参考人 委員御指摘のとおり、口頭審理の公開主義は、裁判の公開原則を定めた憲法第八十二条と同様、審判の公正を担保するものでございます。

#148
○笠井委員 梶山大臣、この公開主義というのは、憲法の要請に応えたものであり、法改正後も当然守られる、こういうことになりますね。

#149
○梶山国務大臣 法改正後、オンラインによる口頭審理を実施する場合でも、審判廷に出向いた第三者が、オンラインで口頭審理に参加する当事者の様子や発言内容をスクリーン越しに傍聴できるようにするなど、公開主義を維持することとしております。

#150
○笠井委員 では、口頭審理の意義と直接主義という、あと二つの原則についても、これは同様に守られるというふうに考えてよろしいですね。

#151
○梶山国務大臣 口頭審理には、書面で十分に尽くせない当事者の主張を引き出し、当事者の説明を受けることで争点や技術内容等を正確に把握し、ひいては審決に対する信頼性及び納得感の向上を図るというのが意義であります。
 また、口頭審理においては、最終的に審決を行う合議体自らが証拠を取り調べたり、当事者等から説明を受ける直接主義が採用されております。オンラインによる口頭審理であっても、当事者自らが説明をしたり、審決を行う合議体が直接取調べを行うことに変わりはないことから、口頭審理による意義や直接主義は十分に維持されるものと考えております。

#152
○笠井委員 今の答弁で三つの原則を維持することが確認できました。
 もう一点なんですけれども、特許料等の料金体系の見直しの中小企業への影響についてであります。
 二〇一九年度から全ての中小企業を特許料の減免対象にして、手続も大幅に簡素化をいたしました。その結果、減免申請数が年間一・一万件から三・一万件へと二・八倍に伸びた。喜ばれて、活用されております。
 特許などの知的財産は、厳しい経営環境を乗り越える強みともなる。中小企業への支援は引き続き不可欠だと思います。法案は、特許などを権利化した後の料金を、これまでの年数の長さに応じて段階的に引き上げていく体系から、法律では上限だけを決めて、そして実際の料金は政令に委任するものになっております。中小企業に特許料の大幅な引上げをもたらしてはならないと、そういう中で。
 大臣に伺いますけれども、中小企業支援の観点からも、審査請求料と一年から十年目までの特許料の半減の枠組みというのは、これは維持するべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

#153
○梶山国務大臣 御指摘のとおり、特許関係料金のうち、審査請求料、一年目から十年までの特許料、国際出願関係手数料につきましては、中小企業等を対象に、これを原則として半額にする減免制度を設けております。今回の料金体系の見直しに際しましても、中小企業支援の観点から、この減免制度の大枠は維持する方針であります。
 また、減免制度に加えて、全国四十七都道府県に設置している知財総合支援窓口での相談対応や外国出願に対する補助など、権利の取得、活用、海外展開の各段階での中小企業支援に引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

#154
○笠井委員 特許特会の運営状況や見通しについての情報公開の充実、外部有識者による点検、検証などにより、料金体系や財政運営の公正性、透明性の確保が必要であります。
 中小企業の知的財産やノウハウが発注側の大企業に吸い上げられる不当な事例がいまだに多数指摘をされている。特許法などの個別法での対応にとどまらず、大企業と中小企業の重層的な取引関係の是正が必要です。特許庁と中小企業庁の連携を強化してしっかり対応するように、これは強く求めておきたいと思います。
 そこで、その中小企業の問題では、本当にいろいろな問題がありますが、今、現下のコロナ禍ということで、直接支援の問題について質問をいたします。
 今、コロナ感染は急速に再拡大している。連日一千人を超える大阪府は、昨日、四月二十日に国に緊急事態宣言の発出を要請いたしました。東京都も兵庫県も、近く要請する動きであります。
 蔓延防止等重点措置は、今月五日に大阪、兵庫、宮城に初めて適用されましたが、十二日に東京、京都、沖縄、二十日に埼玉、千葉、神奈川、愛知が適用されて、僅か二週間余りで十都府県に広がって、政府の分科会の尾身会長は、十四日の日に、第四波にもう入っているのは間違いないとまで述べられております。
 そこで、大臣に伺いますが、当然、極めて緊迫した状況だという認識はお持ちですよね。

#155
○梶山国務大臣 コロナ禍での中小企業というものの事業の内容については、大変厳しいものがあると思っております。ただ、業種によってということで、一部に持ち直しが見られるものもありますけれども、宿泊業や飲食業は依然として厳しい状況が続いております。
 これまで、持続化給付金、家賃支援給付金、そしてまた、政府系金融機関、民間金融機関等を併せての融資等の対策をしてきたところでありますけれども、一部にはやはり債務の過剰感というものも出ているということも承知をしております。
 そういったことも含めて、状況をしっかりと見ながら対応してまいりたいと思っております。

#156
○笠井委員 極めて緊迫している状況で、日本医師会の中川俊男会長も、定例会見で、第四波だと思う、だんだん高い波になってきていると述べているような新たな段階。これまでの政策でいいのかということが、延長だけでいいのかということが問われていると思うんです。
 そうした中で、日本商工会議所は、四月十五日の要望で、多くの中小企業は事業の存続と雇用の維持にぎりぎりの努力を続けているが、感染による影響が長期化し収束が見通せない中で、こうした努力も限界に達し、倒産、廃業が日を追うごとに増加することが懸念されると、まさに強い危機感を表明されております。
 そして、政府に対して、コロナ禍の収束が見通せない中、政府は中小企業がこの危機を乗り切るための経営支援に最優先で取り組むべきと強く要望しているわけでありますが、大臣、こうした認識、いわば新たな段階で、経済界も危機感を持って、中小企業なんかも持っているという、それにふさわしい対策が、これまでもやっていますとか融資やっていますということじゃなく、それが本当に今必要じゃないかと思うんですけれども、そこはいかがですか。

#157
○梶山国務大臣 商工会議所、商工会、中央会、いろいろな方たちと話合いの場を持っております。
 そういった中で、中小企業の置かれている状況は大変厳しいというお話も伺っておりますし、支援の在り方等についてもいろいろな話合いをさせていただいておりますけれども、状況を注視しながら、そして機動的に対応を考えてまいりたいと思っております。

#158
○笠井委員 三月三十一日に大臣とも議論しました、四月以降どうするのかという点では、具体的にもう、こうだということになっていますか。もうそれは決まっていますか。それで、それが申請できる状況になっているか。

#159
○梶山国務大臣 四月一日のコロナ本部の取りまとめを踏まえて、蔓延防止等重点措置の地域における飲食店時短営業の影響により売上げが半減した中堅・中小事業者に対して政府として支援を行うこととしたところであります。
 具体的には今後制度設計を進めていく、一時支援金とはまた別の形になろうかと思いますけれども設計を進めてまいりますけれども、蔓延防止等重点措置が講じられている地域における飲食店の時短営業の影響を受けたことにより二〇一九年又は二〇二〇年の同月と比較して売上げが五〇%以上減少した中堅・中小企業者に対して、一月当たりの法人二十万、個人事業者十万円を上限に、売上げ減少相当額を使途に制限なく支給することを想定しております。
 ただ一方で、今後の対策の中でどういう制限を加えるかというのはその都道府県ごとにまた考えが変わってくると思いますので、それらに対応したような措置も考えていかなければならない、しかも、分かりやすく対応しなければならないと考えております。

#160
○笠井委員 まさに、本当に新たな段階にふさわしい対応が必要だと思うんです。
 私も、一昨日、東京・三鷹の商工会、それから三鷹の民主商工会とそれぞれ懇談してまいりました。
 私の地元なんですけれども、その三鷹市でも、コロナ感染拡大が始まってから廃業が一・五倍、そして、町の電器屋さんもかつての五十六軒あったところが十一軒に減って、この長いコロナを含めてのもうちょっと長い期間ですが、苦労して受け取った持続化給付金もあっという間に消えた、このままではもうやっていけない、そういう中で、消費税減税も是非という声も強く聞きました。悲痛な声を直接聞いてまいりました。
 第四波ともいうべき新たな段階に入ってきた中で、ワクチン接種はいつまでに行き渡るのかというような本当に明確なメッセージが必要だということをやりつつ、大規模なPCR検査と医療支援、そして、自粛、時短、休業要請と一体の十分な補償をするという、まさに政治の側からの、政府の側からの強力なメッセージがどうしても必要だということを痛感いたしました。
 そこで、大臣、やはり感染拡大を食い止める構えとして、今のような対策の延長で有効なのかどうか、政治が問われていると思うんですね。都道府県ごとにというお話もありました。先ほどは地方創生臨時交付金という話があるということもおっしゃっていたんですが、この交付金だって、全国知事会でいうと、足りないと六千億円の増額を求めているわけであります。
 新たな支援金の制度の設計、これからということで、四月一日の本部でやっていこうということで、今設計中ということなんですけれども、今やっている一時支援金だって、これ、分かりやすくというお話でありましたが、複雑で分かりにくいという声があります。
 私の事務所に、例えば、緊急事態宣言、十一都府県地域内の個人宅のリフォーム工事が中止になったために昨年よりも売上げが半減したという宣言地域外の事業者からの相談が寄せられております。事前に書面での契約を交わしていないことが多くて、一時支援金の対象にならないんじゃないかという戸惑いであります。
 しかし、宣言地域内の昨年の工事件数と比較で影響を証明することは可能なはずで、こうした建設業者というのは、じゃ、一時支援金の給付対象になるのか。この点はどういうふうになるんでしょうか。

#161
○梶山国務大臣 要件に該当すれば、対象業種は限定はないということがまず第一点であります。
 御指摘の宣言地域外の建設業者も、緊急事態宣言に伴って外出自粛の影響を受け売上げが大幅に減少するなど、要件に該当する方であれば、対象となり得ると考えております。
 緊急事態宣言の再発令とは関係なく売上げが減少している事業者は対象外ということでありますけれども、外出自粛等によって工事ができなくなった、そのことによって売上げが減少している、そういう比較の対象もはっきりしていて、そして書類が整っていれば、要件の対象者になると考えております。

#162
○笠井委員 この間、この一時支援金をめぐっても、政府の側というか経産省の答弁というのは、二週間以内で九七%支給しているというふうに言われるんですけれども、一方で、申請から一か月たっても審査中のままで給付されない方がいらっしゃるということでありまして、ここはきちっと対応すべきだというのが一点と、今、実際に、じゃ、対象にならないんじゃないかと思っていらっしゃる事業者も結構いらっしゃるというふうになると、持続化給付金と比べて申請が低い水準にとどまっているのも、制度が複雑で、そして自分が対象になるかどうか分かりにくい。ここは分かりやすい周知が本当に必要じゃないかというふうに思います。
 大臣、そういう上で、今後の緊急事態宣言や蔓延防止等の重点措置に伴って、新たな支援金の制度というのを一々設計していくというふうになるとどうなるか。
 緊急事態宣言というのは都道府県単位でありますが、蔓延防止措置の方は自治体単位で、例えば、先ほど申し上げたようなことがありますと、事業者と顧客が、それぞれの地域内か外か、それから、期間はいつからいつまでか、同じ日にスタートするわけじゃありませんから。そういう点でいうと、対象地域も時間軸もばらばらで、新たな発出や解除ということで状況は動いていくとなりますよね。そうすると、どうしても継ぎはぎと接ぎ木の状況になって、複雑怪奇になるということになってしまうと思うんです。
 今後、休業要請ということが出てくるとなれば、それに伴う支援も必要になってくる。非常に複雑な制度になって、事業者から見ると、取引している相手が地域になったのか外れたのか、さらには、蔓延防止でなくて緊急事態になったのかとか、逆のことも、いろいろなことが起こってくるということで、これは一体どうするつもりかと。
 本当に事業者も大変だし、役所も大変だし、それから担っていく事務局も本当に大変なことになると思うんですけれども、これは一体どういうふうにしますか。

#163
○梶山国務大臣 今、笠井委員がおっしゃったような疑問が出てくるわけであります。例えば、緊急事態宣言は都道府県単位、蔓延防止措置に関しては市町村単位ということ、そして、時期がどうなるかということ、蔓延防止と、また緊急事態の時期のずれもあるということでして、そういったものをどう整理していくかということを、今、連日議論をしているところでありまして、分かりやすく制度をつくってまいりたいと考えております。

#164
○笠井委員 まさに分かりやすいことが大事で、これは何のためかといえば、事業者を本当に応援して助けるということですから、その点はきちっと、整理が本当に急がれると思うんです。
 ちょっと付随してなんですけれども、四月以降の蔓延防止等重点措置に伴う新たな支援金ということで、先ほど制度設計とおっしゃっていましたが、じゃ、事務局の委託というのは一体どうなりますか、新たにどこが担っていくのかという形で。

#165
○梶山国務大臣 これは検討中であります。
 どういう形でやるかという仕様をこちらから提示しなくちゃならないということもあります。それと、なかなか、やはり事務局のなり手というものも、複雑になればなるほど出てこないということになりますので、そういった点も含めて、ある程度の設計をした上でということで、今、事前にも公開をしながら、少しずつ事業者に対する説明をしながら対応していくということになりますし、それは、当然のことながら、昨年指摘されたような公平性というものをしっかりと踏まえた上でのやり方で、今対応しているところであります。

#166
○笠井委員 この辺も、去年、一年余り前から議論になっていて、その委託先の中抜き問題とかで大分やってきました。その後、また担っているところが九月から替わって、電通からデロイトになったというようなことが、実情、そういうような状況がありながら、今はデロイトトーマツが一―三月の分についてはやっていると思うんですが。
 では、これを、だから、そこがまた引き続きやるのか、あるいは別に委託するのか。あるいは、それに対して公平性が必要だとか公開が必要になると、その辺のことのやり取りが本当に必要になってくるんだと思うんですが、では、今度は、新たな緊急事態宣言に伴うまた新たな支援金ということが決まったら、また委託事務局を選び直して、システムをつくり直すのかと。その点はどうなりますか。そういうことはもう目の前にあります。

#167
○梶山国務大臣 これも検討中であります。
 先ほど言ったような様々な違いがありますけれども、それらを一つの制度に寄せられるかどうかということも一つ論点だと思っております。それらも含めてしっかりと対応してまいります。

#168
○笠井委員 一つの制度に寄せられるかが論点というのは、非常に私、大事な点だと思うんですね。状況が変わるごとに制度設計をやり直すということとなると、ややこしくなるだけ。やはりシンプルなのが一番ということになると思うんです。
 そこで、三月三十一日には、当委員会で私が持続化給付金の二回目の実施を求めましたが、その質問に対して大臣は、全国知事会の提言、野党からの法案提出も参考にしてまいりたいと答弁をされました。
 全国知事会が、まさに今、第四波ともされるような急速な感染再拡大の下で、つい最近ですが、四月の十九日の全国知事会の緊急提言でも、持続化給付金の再度の支給や要件緩和、事業規模に応じた支給額の引上げを行うことを求めております。
 私も、ちょっと振り返って調べてみて、今回もまたそういう緊急要請だなと思ったんですが、提言だと思ったんですが、調べてみると、去年の九月二十六日、十一月二十三日、十二月二十日、今年の一月九日、二月六日、二十七日、三月二十日、四月四日、十二日に続いて、全国知事会としては実に十回目の重ねての提言で入っています。
 節目ごとに、提言するときに、やはりこれが必要だよねと。いろいろな制度を国もやってきたけれども、やはりこれだよねという形で入っているのかと思うんですけれども、それだけ切実で、そして、本当に、一つの制度にまとめられればということもおっしゃいましたが、そうした要望が実際に知事会からもあるのに、なぜこれは実現しないんでしょうか。

#169
○梶山国務大臣 知事会の要望はこればかりではありませんでして、先ほど申しましたように、地方創生臨時交付金、これは、協力金はしっかり手当てした上で、別の用途ということで、この対策ということで一兆円を計上しております。
 そういったものを、予備費であるとか第三次補正予算であるとかということで対応しておりまして、そういったものも含めて知事会の要請に応えていこうということであります。

#170
○笠井委員 もちろん、知事会の要請は多岐にわたっていてというのは承知しておりますが、今の臨時交付金だって、先ほど申し上げたように、六千億足りないよと知事会も言っている話なんですね。
 元々、やはり全国で、コロナの影響で売上げが減った事業者を対象として持続化給付金、今のところは半減というようになっていますけれども、それが趣旨なので、やはり収束まで本当に支えていく、そして、中小業者を支える立場に全国的にやはり立つかどうかということが問われてくると思うんです。
 全国知事会は、この提言に当たって、今の、四月十九日ですが、その全体の趣旨にわたるところでこう言っております。
 全国で一致団結し感染拡大を抑え込む対策を実施してきたところであり、緊急事態宣言の副次的効果により緊急事態宣言地域外の地域や営業時間短縮要請の対象となった飲食業以外の業種においても厳しい影響が生じている。こうした地域や業種を問わず多くの事業者が国全体の感染拡大防止に協力し雇用継続に努力されていることに鑑み、国においては、緊急事態宣言解除後においても、広く影響を受けた飲食業以外の業種などへの実効性ある経済雇用対策を公平に講ずるよう、強く求める。
 こうあって、そして、大臣が言われたような幾つかの施策を提言しながら、その中で、十回にわたって、持続化給付金、これはちゃんと本当に二回目をやるべきだよねということが位置づけられていると思うんですが。
 私は、やはりこういう状況になったときに、そして、これまでのいろいろな制度でなかなかいろいろ問題点があると大臣もおっしゃいました。そういう中で、整理するとおっしゃるんだったら、今こそ二回目の実施に踏み切る、シンプルにやる、これが一番中小企業者からも喜ばれて、そして持続化につながると思うんですけれども、ここは本当に、いかがでしょうか。

#171
○梶山国務大臣 一回目の持続化給付金をお支払いしたときには、全国で一斉に、やはり緊急事態宣言ということで、今後の方向性というのを見えない中で実施をさせていただきました。その後の緊急事態宣言は地域的なものであったり、また、蔓延防止ということで要件が少し違ったりということもあります。
 そういったもので、画一的なものに関しては、経済産業省は業種を問わずに中小企業対応ということで対応をさせていただいているところでありますけれども、あとは、様々な支援金、例えば観光業であれば国土交通省であるとか、そういったところで対応もしているところであります。
 様々な支援金を、トータルで、合わせ技で対応していこうということで、今対応しているところでありますけれども、そういった中での知事会の御要請であり、御要請にもしっかりと検討した上で応えてまいりたいと思っております。

#172
○笠井委員 事業者にとっては、様々な業種がありますが、国がどうしてくれるのかということが一番ポイントになって、その中で、どんとやはり柱にあったのが持続化給付金。そして、いろいろな様々な支援もそれに伴ってあるということになってきたわけで、全国どこでも長引いている感染状況ということで、それが再拡大するコロナ禍の影響がどこでも出ているということで、地域経済がまさに傷んでいる、日本商工会もそういう状況で認識を持っている。
 ちょうど一年前に、見通しが持てないからと持続化給付金を実施したわけですが、まさに今、そういう同じ状況で、見通しを持てないという状況になっているわけですから、ここは大臣が決断し、そして、菅政権としても内閣としても、二度目の給付に踏み切るということでやるべきだということを強く求めて、終わります。

#173
○富田委員長 次に、美延映夫君。

#174
○美延委員 日本維新の会の美延でございます。
 本日、最後でございます。少しおつき合いをお願いいたします。
 御承知のとおり、二〇〇二年に知的財産戦略会議において、知的財産立国の実現に向けた政府の基本的な構想を知的財産戦略大綱としてまとめられました。それから約二十年が経過しております。知的財産の創造、保護、活用と、これらを支える人的基盤の充実の四つの分野において戦略的対応を進めることを骨子としていると承知しております。
 そこで伺います。このそれぞれ四つの分野におけるこれまでの政府の取組状況と、その課題や問題点、また、知財立国に向けた課題、問題点の解決や、今後の新たな取組やチャレンジ等がありましたら、まず教えていただけますでしょうか。

#175
○田中政府参考人 知的財産基本法に基づきまして設置されました知的財産戦略本部では、毎年、知的財産推進計画を関係省庁と連携して取りまとめまして、政府として必要な施策を推進してきてございます。
 御指摘いただきました四つの分野に関しまして、これまでに講じられてきました取組の一部を御紹介申し上げますと、知財の創造の観点からは、大学や中小企業の特許料等の減免措置などによりまして、発明の創造を促してきております。また、保護の観点からは、データの不正取得等を禁止する不正競争防止法の改正による営業秘密保護の強化や、知財高裁の設立による紛争処理機能の強化などの措置を講じてきてございます。また、活用の観点からは、戦略的な標準活用の推進などによりまして、知的財産の幅広い活用を促してきてございます。人的基盤の充実の観点からは、特許審査官の増員などの審査基盤の強化などを図ってきたところでございます。
 また、特にここ数年におきましても、知財保護の観点からは、特許法改正により、中立的な技術専門家が現地調査を行う制度、いわゆる査証制度の導入等を措置してきたところでございます。
 一方で、技術革新やそれに伴うビジネスモデルの転換によりまして、知財立国実現に向けた課題は次々と現れてきてございます。特に、新型コロナの下で更なる加速が求められているデジタルトランスフォーメーションの進展やIoTの技術の進展に伴いまして、知財戦略における新たな課題も生じてきてございます。
 例えば、通信分野において、標準と特許を戦略的に組み合わせた、いわゆる標準必須特許の重要性が高まる中で、異業種の企業間における標準必須特許をめぐる紛争も生じてございます。また、価値あるデータの利活用が企業の競争力の源泉となる中で、データ利活用促進のための環境整備が求められております。このため、標準必須特許をめぐる円滑なライセンス交渉の在り方の検討や、データ利活用促進のためのルール作りなど、デジタル時代に対応した知的財産戦略の構築に取り組んでいるところでございます。
 引き続き、内閣府知財事務局といたしましても、関係省庁と連携し、必要な施策を推進してまいりたいと思います。

#176
○美延委員 御丁寧なお答え、ありがとうございます。
 今からの質疑に関することは、特許に関することは言うまでもありませんが、国家の基本戦略である知的財産立国の実現の根拠です。日本の経済産業の持続的な発展において、グローバル競争の上でも、保護、活用の面からも、不断の努力により制度改善を行っていただきますよう、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、特許特別会計についてお伺いをいたします。
 まず、特許特別会計に計上されている収入と支出の内訳を教えていただけますでしょうか。

#177
○小見山政府参考人 特許特別会計の前年度剰余金を除いた令和三年度の歳入予算でございますが、全体で千三百六億円でございます。内訳ですが、特許等の料金収入が千二百九十九億円、その他の雑収入等が七億円となってございます。
 令和三年度の歳出予算でございますが、千五百六十二億円でございます。このうち、審査審判関係経費が四百九十一億円、情報システム経費が三百九十六億円、人件費が三百四十六億円、独立行政法人工業所有権情報・研修館交付金が百十一億円、庁舎改修関係経費が五十八億円等となってございます。

#178
○美延委員 今の人件費、三百四十六億と申されたと思うんですけれども、この人件費の中には、プロパーの審査官報酬と、それから任期付の審査官報酬も同様に含まれているという認識でいいんでしょうか。

#179
○小見山政府参考人 御認識のとおりでございます。

#180
○美延委員 ありがとうございます。
 人件費の点につきましては、また後ほど提起させていただくとして、次に、少し話は変わりますが、特許の審査、いわゆるファーストアクション期間、FAについて教えてください。二〇〇〇年より二〇一九年までで結構ですが、このFA、どのように推移していますでしょうか。また、この期間で見たとき、最長のFAと最短のFA、それぞれ、どれぐらいの長さで、どの年度においてか、教えていただけますでしょうか。

#181
○小見山政府参考人 特許審査のファーストアクション、一次審査待ち期間でございますが、年度平均で見ますと、二〇〇〇年度の二十一・五月から、二〇〇一年に審査請求期間を七年から三年に短縮しまして審査請求件数が一時的に増加したことを受け、二〇〇八年度には二十九・二月まで長期化いたしました。
 この間、二〇一三年度末にファーストアクション期間を十一月にするという目標を立て、任期付審査官の採用でございますとか、特許文献調査の外注等の審査の迅速化の施策を行い、二〇一四年度には九・三月まで短縮し、その後はおおむね横ばいで推移し、二〇一九年度は九・五月ということでございます。
 この期間中、最長のファーストアクション期間は、二〇〇八年度の二十九・二月でございまして、最短のファーストアクション期間は、二〇一四年度、二〇一七年度及び二〇一八年度の九・三月でございます。

#182
○美延委員 ありがとうございます。
 過去、特許の審査待ちが長期間にわたっておりましたが、最近、このFAが短縮されて、今九・三ですかね。知財立国を標榜する我が国にとっては、これはいい成果だと考えます。これからも、正確さとスピードを重ね、そして審査に尽力を尽くしていただきますよう、よろしくお願いいたします。
 さて、話を少し戻しますが、特許特別会計は近年六年連続して単年度赤字になっております。赤字体質となってしまった要因を教えていただけますでしょうか。
 また、令和三年度の特許庁関係の概算要求のポイントには、業務、施策の思い切った効率化、重点化等による歳出歳入構造を抜本的に見直しする旨、そして、収支改善策を聖域なく検討していく必要があるとまとめられております。特許庁におかれましては、現在、具体的な収支改善策は、今回の法案による料金体系の値上げということで、その理解でよろしいんでしょうか。

#183
○小見山政府参考人 これまで、平成十六年に開始したシステム刷新計画が平成二十四年に中断いたしまして、システム刷新のための歳出が行われないという中、特別会計の剰余金の増大を抑制し、収支の均衡を図るため、平成二十年以降、三度にわたり料金の引下げを行ったところでございます。
 しかしながら、まず、アスベスト対策のための庁舎改修が必要となったということ、次に、中国等の特許文献の急増による外注経費等の審査コストが増大したということ、また、システム刷新の再開により剰余金の縮小は想定されておったんですけれども、累次の制度改正に伴いシステム刷新経費が予想より大きくなったということなど、想定していない支出が増加したこともあり、単年度収支の赤字が継続したと考えてございます。
 これまでも予算の執行段階で節約に努めてまいりましたが、こうした状況を踏まえ、歳出歳入計画で改善策を検討いたしまして、令和三年度予算においては対前年度比で八十七億円、五・三%の歳出予算の削減を行ったところでございます。
 こうした歳出の見直しに加えて、今回の法改正案に盛り込んでおります特許印紙の予納の廃止により印紙の手数料約三十億円の節約も見込まれるところでございます。
 他方で、制度利用者からは、審査の質やスピード、政策支援の維持や充実を求めるという声もございまして、なお不足する財源については利用者に負担をお願いせざるを得ないと考え、今般、料金体系の見直しを行うこととしたというものでございます。

#184
○美延委員 今いろいろおっしゃっていただきましたけれども、ただ、改善策の一つが単なる値上げでは、国庫にお金がないから国民に対して増税するのと同じということになります。
 現在、世界はコロナ禍の渦中におり、どこの国がこのような時期に国民に対して増税を求めるのでしょうか。値上げより先にやるべきこと、先ほどいろいろおっしゃっていましたけれども、あるのではないかと思うのですが、これは更なる支出削減に向けた検討をしっかりしていただきたいと思います。
 これは私の個人的な見解なんですけれども、先ほども御答弁いただきましたが、FAは二〇〇四年度から任期付審査官の大量採用もあって短期化している現状を考えれば、その任期付審査官の採用は役割を終えているようにも思います。
 一方で、知財立国を実現していくためには、審査の正確さはもとより、迅速さも引き続き維持すべきだと考えます。
 また、地方における中小企業、ベンチャー企業の更なる支援に当たって、地域知財戦略本部の充実もニア・イズ・ベターの観点から是非進めるべきではないかと考えます。
 審査官の定員については維持しつつ、任期付審査官からプロパーの審査官にシフトした上で、中長期的にも安定して業務運営が可能となるようにすべきではないでしょうか。少なくとも、短期的には、プロパー審査官へのシフト、人材費の支出も一定程度削減できるのではないかと考えます。
 再度となりますが、中長期的に安定して業務運営がなされるために、知的財産戦略大綱にも掲げられている人的基盤の充実を、プロパー審査官にシフトすることで確実に実行していただきたい、このように考えますが、将来のために今検討すべきだと思いますが、梶山大臣の御所見を伺います。

#185
○梶山国務大臣 議員御指摘のとおり、安定した特許審査業務の運営のために、専門的知識を有する人的基盤の充実というのは大変重要な課題であると考えております。
 これまで特許庁では、任期付審査官を活用することにより、審査の質の改善や調査すべき外国語文献の急増などの課題に対応してきたところであります。また、特許庁内の人的基盤の充実だけでなく、特許文献調査などの外注などの審査体制の改善にも取り組んでまいりました。この結果、世界最高水準の審査スピードを実現しているということであります。
 今お尋ねのありました任期付審査官をプロパー審査官にシフトしてはどうかという御提案でありますけれども、政府全体の定員合理化計画を踏まえると、現在約五百名在籍する任期付審査官をプロパー審査官にシフトすることは困難であると考えていますけれども、必要な定員の確保に取り組むとともに、AI等の先端技術も活用しつつ、審査プロセスにおける徹底した効率化と質の向上に取り組んでまいりたいと考えております。
 なお、任期付審査官はプロパー審査官と比べて給与面も含め待遇に違いはないために、プロパー審査官へのシフトを行ったとしても人件費の削減に直結するものではありませんけれども、委員の御指摘、しっかりと踏まえた上で、しっかり対応というものも考えてまいりたいと思っております。

#186
○美延委員 大臣、是非よろしくお願いいたします。
 かつて特許庁が存亡の危機にあったと言われた当時に、タブー視されていた料金値上げと審査官大増員を成し遂げて、知財立国日本のために礎を築いてこられた諸先輩方のためにも、そしてこの制度創設者である高橋是清初代特許局長の思いを通じるためにも、この国のために本当にすべきことをなして、みんなで知恵を絞って、これからも問題解決に進んでいくので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、令和元年度特許法の一部を改正する法律案で、先ほども少し議論になりました、附帯決議となりました懲罰的賠償制度の検討について伺います。
 まず伺いたいんですけれども、明治以降、特許権侵害罪が成立したことは実際あるんでしょうか。

#187
○小見山政府参考人 特許法でございますが、特許権侵害罪のみならず、特許に係らないものに特許表示を付する虚偽表示の罪など、刑事罰について規定しておるんですけれども、特許法百九十六条の特許権侵害罪に限定した統計がございませんので、特許法全体の罪についてお答えしたいと思います。
 申し訳ないですけれども、明治時期等の文献が精査できていないので、少なくとも直近十年間の検察統計年報を見たところ、二〇一〇年から二〇一九年における特許法違反の罪の起訴人員は二名とされております。

#188
○美延委員 ありがとうございます。
 現在、刑事罰の引上げを、国会主導で対策を行っているようですけれども、実際に侵害した者に対して、この刑事罰たる特許権侵害罪がきちんと機能して抑止力につながっているのかというと、疑問に感じてしまうというところであります。
 一方で、民事において伺いますが、特許に係る裁判は年間どれぐらいの例があるんでしょうか。

#189
○小見山政府参考人 特許権に関する訴えの専属管轄を有する東京地裁及び大阪地裁における特許権の侵害に関する訴訟事件の判決及び和解の件数でございますが、直近五年、二〇一五年から二〇一九年において、それぞれ九十四件、九十二件、九十九件、七十二件、六十七件と、こう推移してございます。

#190
○美延委員 ありがとうございます。
 刑事罰に関する部門ではほとんどない一方、民事ではかなりの訴訟が起こっております。
 これは、言い換えると、刑事罰に訴えても結果が出ないから、まあ民事で解決するしかないという選択になっているのかもしれません。現在の特許に関わる損害賠償請求では、損害が起きた同程度の額までとなっているようですけれども、刑事罰での成立が少なく、抑止力となっていない状況であるからこそ、令和元年特許法等の一部を改正する法律案の附帯決議として、懲罰的賠償制度の検討が付されたものと思っております。
 現在思いますに、特許侵害は、端的に言って、特許侵害のやり得になっているのではないでしょうか。やり得になったら、特許を取る意味なんてないんじゃないかということになります。特許の価値がなくなる、イコール、特許を申請する意味が薄くなるということになります。特許の出願件数が年々減少していますが、そういうことも影響しているのではないでしょうか。
 刑事罰が機能していないのであれば、三倍賠償制度で特許を侵害しようとする者に対して抑止力を働かせることも考えてみたらいいのではないでしょうか。ちょっと言い方はあれですけれども、例えば物を盗んで、ばれたら、それだけ返したらオーケーみたいな状況では特許侵害も後を絶たないと思いますし、特許を取得したが、時間も費用もかかる裁判を行わなければならず、また国としても、特許侵害が多くなることで余分なコストを維持し続けなければならなくなってきます。そこでコストをかけるなら、もっと前向きな分野で人的配置も行うべきだと思います。
 特許取得者が、特許を取ったら安心もついてくると思うようになれば、きっと企業も積極的に特許を増やしてくると思います。特許の価値が上がって、結果として、特許を大事にする経営を進めることになります。
 これぞ知財立国の姿であると思うんですが、委員会では、早期の制度化に向けた検討を進めることは慎重であるべきだと結論づけておりますが、米国に見る三倍賠償制度などを日本で行うことについて、是非これまた考えていただきたいと思うんですけれども、大臣の御所見を伺います。

#191
○梶山国務大臣 委員御指摘のとおり、令和元年の特許法改正法の附帯決議において、懲罰的賠償制度について、諸外国の動向も注視しつつ、引き続き検討することとされたところであります。
 今また委員からも重ねて御指摘がありましたけれども、導入に賛成する意見があった一方で、否定的な意見が多く、今回は成案が得られなかったということであります。
 懲罰的賠償制度及び利益吐き出し型賠償制度については、今後の裁判の動向等、知財に関する情勢を見つつ、引き続き議論を行ってまいりたいと考えております。

#192
○美延委員 ありがとうございます。
 時間も参りましたので、少しまだ質問が残っていますので、また来週質問をさせていただきます。
 どうもありがとうございました。

#193
○富田委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――

#194
○富田委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 内閣提出、特許法等の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

#195
○富田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――

#196
○富田委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、佐藤ゆかり君外四名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・無所属、公明党、日本維新の会・無所属の会及び国民民主党・無所属クラブの五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。斉木武志君。

#197
○斉木委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    特許法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について十分配慮すべきである。
 一 特許審判等におけるウェブ会議システムを利用した口頭審理の実施に当たっては、公開主義、直接主義の原則及び口頭によることの意義を維持し、審判の公正を担保するとともに、個人情報や企業秘密等が不当に漏えいすることのないよう、公開の在り方等について十分に検討を行い、適切な措置を講じること。
 二 特許権等の放棄及び訂正審判等における通常実施権者の承諾を不要とすることにより、いわゆる独占的通常実施権者に不測の損害が生じること等がないよう、権利関係の実情を踏まえ制度の周知徹底等適切な措置を講じること。
 三 特許権侵害訴訟等における第三者意見募集制度の導入に当たっては、第三者から多様な意見が幅広く得られ、第三者が容易に意見を寄せることを可能とするとともに、提出された意見を両当事者が公平かつ有効に利用でき、裁判所の公正な判断に資する制度となるよう、必要に応じて措置を検討すること。
 四 海外からの模倣品の流入に対する規制の強化に当たっては、税関の事務負担の増大にも配慮し、実効性ある取締りが可能となるよう適切な体制を整備するとともに、善意の個人に不測の損害を与えることがないよう留意すること。
 五 政令による特許料等の具体的な決定に当たっては、知的財産権の保護及び利用を図ることにより産業の発達に寄与することを目的とする知的財産関連法の趣旨に沿った適切な料金が設定されるよう、十分に検討を行うとともに、中小企業等を対象とする減免制度の在り方についても、その実情等を踏まえて公正かつ適切な運用がなされるよう努めること。
 六 我が国の農林水産事業における国内外知的財産権の創出・保護・活用の推進は、昨今とみにその重要性を増しているところ、農林水産事業者と弁理士とのタイムリーな相談機会の確保・促進を図るため、関係省庁及びその地方機関等においては、農林水産事業者のための相談窓口を設けることを検討すること。
 七 植物の新品種や地理的表示の保護に関する相談業務を弁理士の業務として追加するに当たっては、農林水産事業者等の利用者の利便性向上及び関係法令遵守の観点から、相談内容に応じて行政書士等他の専門家や各地方における農林水産関連事業者団体、農林水産関連研究機関等との連携を図るとともに、研修等の充実を通じ、弁理士の更なる資質向上を図ること。
 八 いわゆる懲罰的損害賠償制度や特許紛争の早期解決、また中国をはじめとする他国の出願件数が増大している状況に応じた効率的な審査の在り方等、我が国の知的財産制度が状況の変化に対応した適切なものとなるよう、諸外国や裁判例の動向も注視しつつ引き続き検討すること。
以上であります。
 附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

#198
○富田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

#199
○富田委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、梶山経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。梶山経済産業大臣。

#200
○梶山国務大臣 ただいま御決議のありました本法律案の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと考えております。
 御審議ありがとうございました。
    ―――――――――――――

#201
○富田委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#202
○富田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――

#203
○富田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト