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2021/04/23 第204回国会 衆議院 第204回国会 衆議院 経済産業委員会 第9号 令和3年4月23日
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2021/04/23 第204回国会 衆議院

第204回国会 衆議院 経済産業委員会 第9号 令和3年4月23日

#1
令和三年四月二十三日(金曜日)
    午後一時開議
 出席委員
   委員長 富田 茂之君
   理事 鬼木  誠君 理事 佐藤ゆかり君
   理事 関  芳弘君 理事 武藤 容治君
   理事 山際大志郎君 理事 斉木 武志君
   理事 山岡 達丸君 理事 中野 洋昌君
      畦元 将吾君    穴見 陽一君
      石川 昭政君    上野 宏史君
      小倉 將信君    大野敬太郎君
      神山 佐市君    神田  裕君
      工藤 彰三君    小林 鷹之君
      佐々木 紀君    鈴木 淳司君
      武部  新君    津島  淳君
      辻  清人君    冨樫 博之君
      中村 裕之君    西村 明宏君
      福田 達夫君    穂坂  泰君
      星野 剛士君    三原 朝彦君
      宗清 皇一君    八木 哲也君
      渡辺 孝一君    落合 貴之君
      菅  直人君    松平 浩一君
      宮川  伸君    山崎  誠君
      高木美智代君    笠井  亮君
      美延 映夫君    浅野  哲君
      石崎  徹君
    …………………………………
   経済産業大臣       梶山 弘志君
   外務副大臣        鷲尾英一郎君
   経済産業副大臣      長坂 康正君
   財務大臣政務官      船橋 利実君
   経済産業大臣政務官    宗清 皇一君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 新田 慎二君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           矢作 友良君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           福永 哲郎君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           柴田 敬司君
   政府参考人
   (経済産業省経済産業政策局長)          新原 浩朗君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官)         小野 洋太君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            茂木  正君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁資源・燃料部長)        南   亮君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      松山 泰浩君
   政府参考人
   (中小企業庁事業環境部長)            飯田 健太君
   政府参考人
   (国土交通省自動車局次長)            江坂 行弘君
   政府参考人
   (気象庁地震火山部長)  森  隆志君
   政府参考人
   (原子力規制庁長官官房緊急事態対策監)      山形 浩史君
   政府参考人
   (原子力規制庁原子力規制部長)          市村 知也君
   経済産業委員会専門員   宮岡 宏信君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十三日
 辞任         補欠選任
  小林 鷹之君     小倉 將信君
  武部  新君     津島  淳君
  冨樫 博之君     渡辺 孝一君
  西村 明宏君     大野敬太郎君
  福田 達夫君     中村 裕之君
同日
 辞任         補欠選任
  小倉 將信君     小林 鷹之君
  大野敬太郎君     西村 明宏君
  津島  淳君     武部  新君
  中村 裕之君     福田 達夫君
  渡辺 孝一君     冨樫 博之君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 経済産業の基本施策に関する件
 私的独占の禁止及び公正取引に関する件
     ――――◇―――――

#2
○富田委員長 これより会議を開きます。
 経済産業の基本施策に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 両件調査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房審議官新田慎二君、経済産業省大臣官房審議官矢作友良君、経済産業省大臣官房審議官福永哲郎君、経済産業省大臣官房審議官柴田敬司君、経済産業省経済産業政策局長新原浩朗君、資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官小野洋太君、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長茂木正君、資源エネルギー庁資源・燃料部長南亮君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長松山泰浩君、中小企業庁事業環境部長飯田健太君、国土交通省自動車局次長江坂行弘君、気象庁地震火山部長森隆志君、原子力規制庁長官官房緊急事態対策監山形浩史君及び原子力規制庁原子力規制部長市村知也君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○富田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#4
○富田委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。佐藤ゆかり君。

#5
○佐藤(ゆ)委員 自由民主党の佐藤ゆかりでございます。
 本日は、久しぶりに質問に立たせていただきますが、梶山大臣始め、皆様方、どうぞよろしくお願いをいたします。
 さて、今月に入りまして、日米間で様々な出来事が進展をいたしました。まず、今月十六日、日米首脳会談で、日米首脳は気候パートナーシップ宣言をいたしまして、二〇三〇年に向けた日米での確固たる行動を約束しました。そして、気候以外でも、5G、6G開発で協力体制を宣言するなど、ICT分野における日米パートナーシップを結んで、そして、中国リスクを除外したクリーンネットワークの構築を打ち出すなど、様々な試みを表に出しております。
 そして、帰国した菅総理は、ついに、昨日二十二日、国の二〇三〇年温室効果ガス削減目標であります新たなNDCを発表されました。二〇一三年度比、現行マイナス二六%からマイナス四六%へと大胆な深掘りを発表されたわけでございます。そして、さらに、五〇%の高みへの挑戦を続けると強調されました。さらに、昨晩、オンラインで開催されましたアメリカ主催の気候変動サミットで、この新たなNDCも打ち出されて、世界的な公約にされたわけでございます。
 こうした日米ICTパートナーシップや気候パートナーシップの下で、気候・グリーンエネルギー技術協力を結ぶなど、今回初めてこうした包括的な文書を手交したわけでありますけれども、これらの分野での日米パートナーシップ締結に至るこの根底にあります、菅総理、バイデン大統領、両首脳が共有されている最近のアジア情勢、様々な時代認識、そういうものが何かということを、本日は、外務省、鷲尾副大臣にもお越しいただいておりますが、まず鷲尾副大臣にお伺いしたいと思います。

#6
○鷲尾副大臣 委員御指摘のとおりでございまして、先般、日米両国は、共に二〇五〇年までのカーボンニュートラルの実現を目指すということを表明しておりまして、気候変動分野におきまして、日米の方向性は一致しているところでございます。
 今回初めて結ばせていただいた、日米両国、日米気候パートナーシップでございますけれども、気候野心、脱炭素化及びクリーンエネルギーに関する協力の強化にコミットいたしまして、御指摘ありました四月二十二、二十三日の気候サミットやCOP26及びその先に向けまして、国際社会の気候行動を主導していくというふうにしております。
 両国は、お互い、世界の気温上昇を摂氏一・五度までに制限する努力と一貫した世界の排出軌跡に沿った、両国の二〇五〇年の実質ゼロ目標及びそれに整合的な二〇三〇年目標の達成のために、優先分野における二国間の協力を強化するとしております。
 先ほど来、総理からコミットがございましたけれども、日米両国につきましては、これらの目標と整合的な形で、二〇三〇年までに確固たる行動を取るということでコミットいたしているところでございます。

#7
○佐藤(ゆ)委員 確かに、トランプ大統領の頃にはパリ協定からの離脱ということもございまして、バイデン政権になって、それがまた元に戻っていただけたということで、これからの日米関係の環境分野における技術協力、これをいかに成長に転換をしていくかということの日米協力というのは極めて重要であるというふうに私も考えるところでございます。
 かつて日本は、携帯電話やビデオで、日本独自の卓越技術があいにく世界標準にならないという、ガラパゴスの痛い経験がございますけれども、こうした技術覇権競争の中でいかに世界規格を取っていくかということは、もはや国内需要だけでは成り行かない日本企業にとりまして、これは死活問題になってきているというふうに思います。
 したがいまして、こうした気候・グリーンエネルギー技術協力というものを日米で推し進め、更に日米欧の枠組みへと発展させることは国益にかなうと思いますが、この点、NEDOの委託先事業として、住友電工とアメリカ・カリフォルニアのサンディエゴ・ガス・アンド・エレクトリックが資金を拠出し合って、マイクログリッドを使った大型蓄電池活用の実証事業を行っているというのは好事例であるというふうに思われます。
 そこで、今後は、欧州企業とも積極展開をしまして、技術や製品の開発段階から実用化、そして規格化に至るまで、これは一気通貫で、共同参画して、コスト回収のスケールメリットですとかあるいは規格化メリット、こうしたものをかち取る動きというのは、ある意味、中国は中国独自の政策で中東やアフリカを展開している、こういう中で、我々日米にとりましても最重要戦略ではないかというふうにも考えられます。
 こうした日米欧での、技術同盟ともいうべきものでしょうか、こういったものについて協働していくということについて、梶山大臣のお考えを確認させていただきたいと思います。

#8
○梶山国務大臣 二〇五〇年のカーボンニュートラルの旗を掲げる動きが世界中で相次いでおります。企業も生き残りをかけて脱炭素技術のイノベーションに大規模投資を行うなど、世界は脱炭素技術をめぐる大競争時代に突入をしております。
 今委員から御指摘ありましたように、標準であるとか規格というものをしっかりと取って市場も押さえていくということは大変重要な動きであると思っております。
 こうした中、米国や欧州との間で、イノベーション政策における連携や、新たな技術を普及させるための国際標準化に取り組んでいるところでありますけれども、これによって、国内のみならず、新興国等の海外市場を獲得し、スケールメリットを生かしたコスト削減を通じて国内産業の競争力の強化が可能となってまいります。昨年末に取りまとめましたグリーン成長戦略にもこの視点を盛り込んでいるところであります。
 これまで、技術開発に勝ちながら市場化で負けているという例がたくさんあります。そういった中で、今委員から御指摘がありましたように、日系企業と欧米の企業で連携をしながら技術開発をしたり、また、実証、実用化に向けた取組というものを数多く今、後押しをしているところでありますけれども、先週末の日米首脳会談におきましても、水素やCCUS、カーボンリサイクル、革新原子力等の分野におけるイノベーションに関する協力の強化により、グリーン成長の実現に向けて協働することで合意をしたところであります。
 引き続き、欧米諸国等との戦略的な連携を深めて、クリーンエネルギー技術におけるイノベーションをリードしてまいりたいと考えております。

#9
○佐藤(ゆ)委員 大臣、ありがとうございます。まさに大臣おっしゃるとおりだと私も考えておりまして、やはり、せっかくいい技術を持っても、それが商用化、規格化の段階で既にばらばらな開発ですと、その権利関係がばらばらになっている、特許関係もばらばらになっている。これを後になって、後づけで一本に束ねて一つのものにしていくというのは、これは大変な作業がかかると思います。ですから、事前からこれを共同参画をして一本のものに束ねるというやり方でスケールメリットを得ていくということが、日本の新しい戦略の一つではないかなというふうに考えるところでございます。
 さて、次になりますけれども、環境と成長の好循環についてお伺いをしたいと思います。
 近年、日立製作所、三菱重工、日本製鋼所等の大手国内メーカーが、太陽光発電パネルや風力発電の素材、部材、材料などの新規製造から撤退を発表しております。したがいまして、今後、こうした太陽光パネル、風力発電の部材、全て輸入に依存する経済になってきているということでございます。
 そこで、まず確認をさせていただきたいのですが、この太陽光発電、風力発電等の素部材生産の輸入のシェアの現状がどうなっているのか、どのぐらい高まってきているのか、あるいは、輸入に伴う、太陽光、風力、こうした二分野の関連分野における、国の輸入による富の流出、こうしたものが最近どのぐらいの金額まで上がってきているのか、その辺り、もし数値が規模的にお分かりになれば、経産省にお伺いしたいと思います。

#10
○茂木政府参考人 まず、御質問いただきました太陽光パネルの国産メーカーのシェアということになりますが、直近の数字でいいますと、国内市場における太陽光パネルの国内生産比率ということでいうと、一七%という数字がございます。
 一方で、輸入額という観点で申し上げますと、財務省の貿易統計のデータから確認をしますと、二〇二〇年度の太陽光関係の輸入額、これが二千六百三十九億円でございます。
 それから、風力発電機等の二〇二〇年度の輸入額は、約百十二億円というふうになっております。

#11
○佐藤(ゆ)委員 ありがとうございます。
 まだGDP比にしては一%も満たないわけでございますけれども、ただ、今後、これが、新規発注が全て輸入となってまいりますと、相当、経済インパクトのみならず、やはり安全保障上も、こうしたものが全て輸入に依存せざるを得なくなるという事態がエネルギー安全保障上どういうことなのかということは、やはり真剣に考えていかなければいけないことだと思いますし、また、同時に、いかにこういったものの国内回帰、国内生産の回帰を目指すことができるか、いかにそれを環境整備することができるかという観点は、今後の政策上、極めて重要な柱の一つではないかなというふうに考えるところでございます。
 それで、このエネルギー関連機器に使われる素部材、安全保障上重要ということでございますけれども、例えば、物の考え方として、最近、CO2排出量によって物を見極めていく、二〇五〇年カーボンニュートラルに向けて、ライフサイクルアセスメント、いわゆる物づくりの川上の素部材の段階、どのようにその素部材が生産をされているか、そして、川下に向けての生産、流通、そして、その物の最終的廃棄の仕方に至るまで、これを、ライフサイクルでどれだけ温暖化ガスを排出しているかということを計測する、そして評価をするという、ライフサイクルアセスメントという考え方が定着をしつつあるところでございます。
 そして、この製品一つ一つをそうしたライフサイクルアセスメントで評価をしたときに、仮にCO2排出量が異なれば、同一製品であっても、要するに、機能的には全く同一製品であっても、環境上の負荷、環境負荷でいえば異なる製品というふうにみなすことができるのではないか、こういう考え方もできるのではないかと思います。環境負荷の異なりによって違う製品とみなす、例えばISOの策定ですとか、こういったルールメイキング、こういうものをして、CO2の排出量の多寡、多少によって差別化をしていく、それを国内の物づくりにつなげていくというような戦略もあるのではないかと考えられるわけであります。
 CO2排出量で製品を区別化し、排出多量な輸入品には関税を引き上げる、いわゆる国境調整という言葉が最近出ておりますけれども、こうした国境調整をかけて、例えば太陽光パネルや風力発電の素部材、今御回答いただきましたように、相当、太陽光パネルでは二千、三千億円ぐらいが輸入品になってきている、風力でも百十二億円ぐらいが輸入品になってきているというお話がありましたけれども、こうしたものの価格競争力を取り返していく、そして国内回帰に生産基盤を戻していくということも考えられると思いますが、大臣又は副大臣、この国境調整の考え方について御回答いただけませんでしょうか。

#12
○長坂副大臣 お答え申し上げます。
 国内の気候変動対策を進めていく上で、他国の気候変動対策との強度の差により生じますカーボンリーケージを防止することが重要と考えております。
 他方で、委員御指摘のとおり、炭素国境調整措置につきましては、製品単位当たりの炭素排出量をどのように計測するかといった課題も存在をいたします。
 こうした中で、欧州では炭素国境調整措置の検討が進められておりますが、日本としても、諸外国の検討状況や議論の動向を注視しつつ、国内の成長に資するカーボンプライシングと並行しながら、炭素国境調整措置の対応も検討していく考えであります。
 具体的には、現在、その基本的な考え方につきまして、有識者から成る研究会で御議論をいただいております。あわせて、本年の三月に、WTOの有志国閣僚会合で私自身から、貿易と気候変動に関する提案を行ったところでございますが、この提案には、国境調整措置に関する議論の活性化も盛り込んでいるところであります。
 こうした取組を通じまして、カーボンリーケージの防止や公平な競争条件を確保する観点から、立場を同じくする国々と連携しながら、国際的なルールの策定、適用を主導してまいりたいと考えております。

#13
○佐藤(ゆ)委員 是非、時遅しにならないように、やはり戦略的にこのルールメイキングでは日本が先手先手で入っていっていただきたいというふうに思います。
 さて、エネルギー安全保障の続きでございますけれども、菅総理は昨晩、アメリカ主催のオンライン気候変動サミットで、先ほど申しましたように、温室効果ガス、一三年度比マイナス四六%、削減目標を対外公約をされました。
 一方、再エネ拡大に向けましては、経産省は、浮体式洋上風力発電の拡大も考えているというふうに伺っております。しかし、私ども政治家サイドは、やはり十年後、十五年後の日本の海が今ほど安全でない可能性というものもしっかりと想定に入れて、エネルギー安全供給というものを確実にしていく責務があるというふうに考えております。
 例えば、まあ言いたくない話ではありますけれども、軍艦とか潜水艦、こういった外国公船というものは、領海における無害通航は国際法上認められております。一方で、台湾海峡の懸念が日米共同声明に明記されましたように、考えたくはございませんけれども、十年後、十五年後、日本海を航行中の潜水艦が突然我が国の浮体式洋上風力に攻撃を加え、国民生活に多大な影響を及ぼすなどの非常事態も、国民の生命財産を守る政治、行政が、様々な想定のうちの一つとしてやはり入れておくべき事案ではないかなというふうに、政治のサイドとしては思うわけでございます。
 カーボンニュートラルの推進に当たりまして、いかにこうしたエネルギー安全保障の観点を考慮するか。カーボンニュートラルに向けたエネルギーミックスの選択肢を、やや、こういう考慮で狭める制約にはなり得るわけですけれども、しかしながら、菅総理が公約したマイナス四六%のNDC達成、そしてさらに、二〇五〇年のカーボンニュートラルに向けて、国内エネルギーミックスとエネルギー安全保障、このエネルギー需給のバランス、こうしたものを、こういう中で、浮体式風力をどう捉え、そして、安全性が確認された原子力発電を今後どう位置づけていくのか。
 このエネルギーミックスの話題がこれから相当佳境を迎える中で、エネルギー安全保障と自給率、そしてカーボンニュートラル、様々な変数がありますけれども、その中での梶山大臣のバランス感を最後にお伺いして、終わりたいと思います。

#14
○梶山国務大臣 エネルギーは全ての社会経済活動を支える土台でありまして、エネルギー安全保障を追求することは、いつの時代も、いかなる状況下においても最重要課題と認識をしております。
 浮体式を採用するというのは、日本の場合、沿岸でも水深が深いところがかなりあるということで、浮体式の技術開発というものをこれからやっていかなければならない。領海内での他国の船舶であったり、また他国の軍隊の潜水艦であったりということも、委員がおっしゃるように、想定をしながら、やはりそういったものの整備もしていかなければならないと思っております。
 一方で、スリーEプラスS全てを満たす完璧なエネルギーが存在しないことを踏まえれば、二〇五〇年カーボンニュートラルや、昨日総理から表明がありました新たな二〇三〇年目標を追求する上でも、洋上風力を含む再エネ、原子力といった脱炭素電源を最大限活用することが、あらゆる選択肢を追求をしていくことが重要と考えております。
 洋上風力発電は脱炭素化の切り札ということで、官民協議会をつくりまして、二〇四〇年で最大四十五ギガワットの需要をつくろうということで協議をいたしまして、そういう発表もさせていただいております。また、民間側からは、そのコンソーシアムを組んで、国産化率ということも含めて数値が出てきているところでありますが、それらの目標に向けてしっかりと取り組んでいかなければならないと思っております。
 一方で、FIT認定から運転開始までに八年程度浮体式は時間を要するなど、リードタイムが長いといった課題を乗り越えて、二〇五〇年に向けて着実に案件形成をしてまいりたいと思っております。
 エネルギー基本計画の見直しに向けた議論では、脱炭素化と安価なエネルギーの安定供給を両立させていけるよう、集中的に議論を深めて検討してまいりたいと思っております。

#15
○佐藤(ゆ)委員 ありがとうございました。
 様々なエネルギーミックスを是非縛りなく、今回、一から、白紙から考えて、よりベストなミックスを見出していっていただきたいと思いますので、大臣、よろしくお願いをいたします。
 これで終わります。ありがとうございました。

#16
○富田委員長 次に、上野宏史君。

#17
○上野委員 自由民主党の上野宏史でございます。よろしくお願いいたします。
 まず最初に、経済産業省における勤務環境、体制の改善ということについてお伺いをしたいというふうに思います。
 先般、先週ですけれども、令和三年度の国家公務員総合職試験の申込者数が公表されました。前年度比でマイナス一四・五%ということで、現行の制度の下で最小である、前年度からの減少幅は最大ということであります。
 私自身も今から二十数年前に国家公務員試験を受けまして、経済産業省、官庁訪問しまして、十六年働かせていただきました。そういう立場からも、こうした現状というのは非常に残念でありますし、また危機感を持っています。
 学生、大学の後輩なんかに話を聞くと、卒業してどういう仕事をやりたいのかというふうに聞くと、自分で会社を起こしたい、起業したい、会社を経営したいという学生さんが非常に増えている、公務員になりたいという学生は減少しているという状況であります。
 起業したいという学生さんが増えるというのは、これまでの経産省の様々な取組の成果でもあるのかなというふうに思いますけれども、一方で、やはり多くの方々がしっかり公務員を志望して、その中から、適性等もあると思いますけれども、しっかり仕事ができる優秀な人材を確保していくということが日本のためにも重要であるというのは間違いないというふうに思います。
 新型コロナウイルスの感染症への対応も含めて、足下、大変仕事の量、業務の量というのも増えているということだと思います。まさに今こそ働きやすい環境を実現して優秀な人材を確保していく、また、既に職員として働いている方々のパフォーマンスをしっかり上げていくということが大事なのではないかなというふうに思います。
 今国会では、法律の条文案の誤りというのもありました。これ自体はもちろんあってはならないことでありますけれども、その背景には、やはり特定の人に、法律を担当している方々の業務が過剰であったり、又は、条文作成作業も含めて非効率な業務というのがあったのではないかなというふうに思います。
 そこで、経産省として、人材の確保とその有効活用ということについてどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。

#18
○宗清大臣政務官 お答えをさせていただきます。
 上野先生の御指摘のとおりだというふうに思います。職員が、やはり高い使命感や倫理観、また誇りを持って自分の仕事に取り組むことができるように、長時間労働の是正、テレワークの実施環境の整備、業務の集約化やペーパーレス化による業務効率の改善、職員の働きやすい職場環境を組織として整備をしていくことは極めて重要であるというふうに考えております。
 現在の取組といたしまして、超過勤務の事前申請の徹底、また、定時の退庁、休暇取得の促進、こういったことに加えまして、審議会の運営支援など業務の外注化といった取組を現在進めているところでございます。
 特に、若手職員の超過勤務につながるものといたしまして、深夜に及ぶ国会の答弁資料の作成業務などが挙げられていますけれども、作業の効率化につながりますように、早い段階で省内の関係者と答弁のラインのすり合わせをするとともに、早朝の説明をオンラインにするなど、現在、省内のルールを徹底しているところでございます。
 引き続き、御指摘のように、業務の効率化など取組をしっかりと実施をするとともに、適切な人材配置や長時間労働の是正に努めまして、職員が誇りを持って仕事に取り組める環境を整備してまいります。

#19
○上野委員 ありがとうございます。
 是非、勤務環境を改善いただきたいというふうに思いますし、まさに今、最後に宗清政務官からもお話がありました。勤務環境が大変な中でも、職員の皆さんは、国家国民のために仕事をしているんだという気概を持って働いていただいているというふうに思いますし、何より誇りを持って仕事ができる環境の整備というのが大切だと思います。是非しっかりとした取組をよろしくお願いいたします。
 次に、コロナ禍における移動手段の多様化ということについてお伺いをしたいというふうに思います。
 現在、また足下の感染者数が増えています。昨年来、新型コロナウイルス感染拡大に伴って、リモートワークであったり又はテレワークの導入が進んだり、従来のように、都心のオフィスにみんなが同じ時間に満員電車に乗って通勤をするといったことを変えていくような動きも随分出ているのではないかなというふうに思います。こうした状況において、交通移動の形態の多様化というのを推し進めていくということは大変意味があるのかなというふうに思っています。
 経済産業省を始め、今日は他省庁もお越しをいただいていますけれども、政府においては、これまでも自転車の活用促進ということに取り組んできていただいているというふうに思います。私自身も、経産省にいたときに担当してやらせていただいておりました。
 こういう今のコロナの状況の中で、密を避けるという意味で、そういう移動手段として自転車のニーズというのが非常に高まっているというふうに思いますし、現に足下、自転車のシェアリングサービス、これは、供給体制が整ってきたということももちろんありますけれども、非常に使われている、需要も大きくなっているということであるというふうに聞いています。
 こうした自転車活用の取組について、例えば、今申し上げたようなシェアサイクルのポートの整備促進だったり、又は、自転車を安全に快適に使えるような道路の整備だったり、さらには、通勤ということでいうと、企業側の受入れ体制とか又は施設の整備といったことも考えられると思いますけれども、政府として、どのような取組をしているのか、今後取り組んでいくのか、お伺いをしたいと思います。

#20
○柴田政府参考人 お答えいたします。
 ある民間事業者の調査によりますと、自転車通勤を行っている人のうち、約四人に一人が新型コロナウイルス感染症の流行後に自転車通勤を開始したという回答でございまして、まさに委員御指摘のとおり、我が国においては移動手段の多様化が進んでいるものと認識しております。
 また、平成三十年六月に閣議決定されました自転車活用推進計画、この計画におきましては、自転車は、買物や通勤通学など、幅広く暮らしを豊かにする乗り物とされているところでございまして、高い安全性を備えた自転車の普及促進を図るとともに、定期的な整備を行うことなどが必要とされているところでございます。
 経済産業省といたしましては、安全規格であるBAA基準等を満たした高い安全性を備えた自転車の普及促進を図りますとともに、競輪及びオートレースの振興法人、これを通じまして、自転車の整備に関する専門的知識を有する自転車技士の広報支援、それから自転車の多様なニーズに対する製品開発支援を行っているところでございます。
 新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、移動手段が多様化していることも踏まえまして、引き続き、これらの施策を通じて自転車の普及促進を図ってまいりたい、このように考えております。

#21
○上野委員 ありがとうございます。
 経産省のみならず、これは政府全体として取り組んでいただいているものというふうに思います。是非、引き続き、しっかりとした対応をよろしくお願いいたします。
 続きまして、移動手段ということで、電動キックボードについてお伺いをしたいというふうに思います。
 今日は法案の審査ではないですけれども、現行の産業競争力強化法に基づく新事業特例制度、昨年の申請実績を見ると、経済産業省関係、三件申請があって、そのうち二件が電動キックボード関係だったということであります。それだけ、この分野にニーズがあって、また事業者も意欲的に取り組んでいるということだと思います。
 海外においては、これは先ほどお話をした自転車と同様でありますけれども、例えば電車とかバスを補完する移動手段として電動キックボードを活用されている国も多いと認識をしています。実際に公道で活用をされて、その実績に応じて例えば規制緩和したり、また場合によっては規制の強化をするといったことを繰り返して、安全、快適に使えるような状況というのを、制度整備を進めているというところだと思います。
 我が国では、まさに先ほど申し上げた、昨年から、新事業特例制度を活用して、導入のための検討が行われているというふうに認識をしています。電動キックボードに関しては、現在、これは特例制度ですので、どのような規制が課題となっていて、また、どういう形で特例を認めて実証実験を行って、その上で、その成果についてどのように評価をされているのか、お伺いをいたします。

#22
○柴田政府参考人 お答え申し上げます。
 こちらの電動キックボードにつきましては、現行制度では、基本的には原動機付自転車と同じ扱いになっているというふうに承知しております。そうした中で、ユーザーの利便性、そしてその一方では安全性、そういったことをどうやって調和を図っていくかということが非常に重要な課題であると認識しております。
 こうした中、先生今お話のありました事業特例制度、第一弾として、去年の十月から今年の三月末まで行わせていただいたところでございます。この結果につきましては、事故、法令違反はなかったというふうに聞いております。
 そういった意味で、一定の条件下におけるキックボードに関する走行データ等を得ることができたということでございまして、この実証事業を踏まえて、事業者からは、ヘルメットの着用を任意とするなどの実証事業に係る新事業活動計画が新たに申請されまして、まさに本日付で認定したところでございます。
 いずれにいたしましても、経済産業省といたしましては、多様なモビリティーの一つであり、日常の短距離移動等に活用されることが期待される電動キックボード、これを早期に社会実装するため、引き続き関係省庁ともしっかりと連携してまいりたい、このように考えております。

#23
○上野委員 ありがとうございます。いろいろな前提を置きつつ実証実験をされている、また、本日付で更に新たな取組が認められたということだと思います。
 今後、私は、海外で使われている電動キックボード、もちろん安全性は確保しながら、そして導入をしていく、新たな移動手段として導入していければいいのかなというふうに思っているんですけれども、そのためにも、安全の確保とそれから利便性というのはしっかり両立をさせていかなければいけないのだろうなというふうに思います。
 今回、実証実験においても、走行速度の設定が、特に、車道の左端であったりまた普通自転車通行帯を走るときには、自転車が通常走る速度よりも低く設定をされている、周りの他の車両よりも低く設定をされているということだったと思います。
 私自身、前回の実証実験をやった際に、これは電動キックボードを使った方ではなくて自転車に乗っている方から、ちょっと危険を感じたという話を聞きました。同じ走行空間を速度が違う車両が走っているということがまさに危険性の要因なんだろうなというふうに思うのが一点と、あともう一つは、安全性を確保しながら社会で活用していこうということになると、利便性も確保していかなければいけない。速ければいい、速度が上限が高ければいいというものではもちろんないですけれども、やはり一定の速度を確保していくということは、実際に導入をしていくという意味では必要なのかなというふうにも思います。この辺り、どのように考えていくのか。
 さらには、電動キックボードについて言うと、新たなカテゴリーの車両ということであるというふうに思います。今、原動機付自転車、原付と同じ基準で今走っているという話がありましたけれども、新たな区分ということであると、じゃ、保安基準をどういう水準に設定をするのが適切なのかという議論があると思います。過剰に規制をかけて、コストが高くなったり、また不必要なものがついているということじゃなくて、まさに適切な保安基準の設定というのが必要であるというふうに思いますけれども、政府における検討の状況をお伺いいたします。

#24
○江坂政府参考人 お答えいたします。
 現在、電動キックボードは、道路運送車両法上、原動機付自転車に区分されまして、保安基準により、後写鏡や警音器などの装備を義務づけております。
 この電動キックボードに適用される保安基準の規定内容に関しましては、昨年九月、電動キックボードの関係事業者から構成されますマイクロモビリティ推進協議会からの相談を踏まえまして、実証実験に先立ちまして各規定の必要性などの検証を行った結果、最高時速二十キロ未満の場合には番号灯を不要とし、また、前照灯の取付け高さを国際基準に調和するように見直す改正をいたしました。
 国土交通省といたしましては、今月から改めて行われます実証実験や警察庁における通行区分などの交通ルールに関する検討結果を踏まえまして、引き続き、関係省庁と連携し、電動キックボードの構造上の安全規制の在り方について検討してまいりたいと考えております。

#25
○上野委員 済みません、走行速度についてはいかがですか。

#26
○新田政府参考人 電動キックボードの最高速度でございますけれども、この度、警察庁の有識者の検討会におきまして、こういった電動キックボード等の新たなモビリティーにつきまして、車体の大きさと最高速度に応じて車両区分を定めるべきであるなどを内容とする中間報告書が作成、公表されたところでございます。
 この中間報告書におきましては、自転車道や普通自転車専用通行帯を通行するモビリティーの最高速度は、一般的な自転車利用者の速度と同程度のものとして、時速十五キロメートルとする方向で検討すべきとされたものでございます。また、歩道を通行するモビリティーの最高速度につきましては、現時点では、歩行者の早歩き程度である時速六キロメートルを基本としつつ、歩行者の安全確保に留意して検討すべきとされたものでございます。
 いずれについても、同じ通行空間に共存することとなる自転車や歩行者の通行の実態などを踏まえ、これらの安全性が損なわれないよう配意しつつ、適切な最高速度の在り方などにつきまして検討し、結論を得たいと考えております。

#27
○上野委員 ありがとうございました。
 先ほども申し上げましたけれども、走行速度、速ければいいというものではもちろんないですけれども、他の車両との関係であったり、又は利便性ということも踏まえて、しっかり検討いただきたいというふうに思います。
 今、各地で実証実験が電動キックボードはされているというふうに思います。私の地元は群馬県なんですけれども、みなかみ町というところがありまして、そこの議員さん含めて、地元の経営者の方々含めて、是非電動キックボードを導入したいというような話もしています。各地でそういう思いというのは高まっているというふうに思います。
 みなかみ町は観光地でありまして、JRの駅があるんですけれども、そこから温泉街まで結構距離があったり、又は観光地まで距離があったり、一方で公共交通というのは非常に脆弱であるというところであります。そういうところが是非使いたいというふうに思っていたりする。いろいろな各地でそういう思いというのはあるんだと思います。
 そういう場所こそ非常にニーズが高いということもありますので、是非、実証実験、もちろん実験は大事なんですけれども、どうまさに社会実装していくのかという観点から、スピード感を持って検討いただきたいというふうに思います。
 最後、質問をするつもりだったんですが、要望だけ申し上げておきます。
 電動キックボード、今、実証実験をされていて、各メーカーの方々、しっかりまさに原動機付自転車の基準を守って車両を造って、実証実験をされているということでありますけれども、そうではない電動キックボードというのが今世の中、流通をしています。格安の量販店あたりで、これは公道を走れませんというふうに一応書いてあるんだけれども、でも、実際には基準を満たさない電動キックボードを使って公道を走っているというケースがかなり多くあります。
 電動キックボード、便利で、しっかり基準を守れば安全、快適なものだと思うんですけれども、そういうものが混在をしていると、それで例えば事故が起きたりすると、電動キックボード自体、危ないものなんじゃないかというような誤解が生じてしまったり、又は、そういう質が悪くて安いものにしっかりとした基準を守った電動キックボードが駆逐をされてしまうということにもなりかねないというふうに思います。
 今日、先ほど警察庁の方、御答弁いただきましたけれども、しっかり取り締まっていただくということも併せて必要だと思います。是非よろしくお願いいたします。
 以上、各省庁、役所を横断した取組であるというふうに思いますけれども、しっかり御検討いただきたいということをお願い申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#28
○富田委員長 次に、中野洋昌君。

#29
○中野委員 公明党の中野洋昌でございます。通告に従いまして質問をさせていただきます。
 まず冒頭、大臣に、新型コロナの対策の対応ということで御質問させていただきます。
 大阪、兵庫、京都の関西の二府一県、そして東京都、緊急事態宣言の発出の要請というものがあり、政府としてもまさに検討しという、まさにそういう状況でございます。
 私も、地元、兵庫県でございますので、変異株の割合が非常に多くなってきているということで、大変に感染力も高い、兵庫は英国型が多いということでありますけれども、四月の二十一日には陽性者数も過去最高ということであります。大変に病床も逼迫をしておりまして、強い措置を取っていくことはやむを得ない、やはり何とか抑えていかないといけない、こういう状況でございます。
 他方で、まさに本日のコロナ対策本部などで検討されるということでありますけれども、一月も緊急事態宣言の発令ということがございまして、これは飲食店を中心に感染を抑制していこうということで、時短の要請というものを主にやってまいりました。
 今回は、それに加えて更なる人流の抑制、こういうことも講じられるということが報道などでは既に出ておりまして、例えば遊園地でありますとか百貨店、あるいはショッピングモールのようなところ、そしてイベント、また文化芸術の関係など、様々御心配の声も強い、こういう状況でもあります。
 昨日、公明党の経済産業部会の方で官房長官のところにも要望に行かせていただきました。こうした緊急事態宣言の発令に伴う事業者への支援をしっかり強化をしてほしいということであります。これはもちろん、内閣官房の協力金でありますとか、あるいは地方創生臨時交付金など、様々な制度も含めて組み合わせた支援になってくるというふうに思いますので、また内閣官房ともしっかり連携をしていただいて、経済産業省としても事業者の支援というものをしっかり強化をしていただきたいという点が一点。
 そして、もう一つは、現在、一月から三月の緊急事態宣言の一時支援金というのも今公募しておりますけれども、現在の蔓延防止等重点措置の一時支援金というものも今やっております。今やっている一時支援金というのは、飲食店の納入の関係にしか対象になっていない、こういう状況であります。
 今回、緊急事態宣言の発令がまさに検討され、蔓延防止等重点措置の区域もどんどん広がってきている、こういう状況でありますので、やはり人流の抑制というものが大事なんだろうというふうに思います。
 あわせて、今回、一時支援金が、人流の抑制に対する影響というものが今まだ対象になっていない、こういう状況でありますので、これは是非幅広く、人流移動の抑制による影響にも対処できるような形に拡充をしていくなど、しっかりと支援を拡充をしていっていただきたい、こういうことであります。
 大臣の方から御答弁をいただきたいと思います。

#30
○梶山国務大臣 公明党、御党から、官房長官に対して提案があったと聞いております。
 これまで、本年一月の緊急事態宣言による影響を受けた事業者を対象に、緊急事態宣言の期間を対象として一時支援金による支援を行ってまいりました。そのうち、蔓延防止措置ということもあって、これも支援金を給付する措置をしてきたところであります。
 ただ、今回の措置は、更に事業者にどういう要望、要請をするかということも含めてまだ未定のところがありますけれども、やはり人流も含めて今回の要請の中身に沿った支援をしていかなければならない、そういうことも含めて、政府内でしっかりと検討してまいりたいと思っております。

#31
○中野委員 人流の観点も含めてしっかり検討していくということで、大臣からも答弁いただきました。
 是非、感染の抑制に向けて、いろいろな影響のある事業者に向けての支援ということで、政府一体となって是非取り組んでいっていただきたいと、併せてお願いを申し上げます。
 もう一問、大臣に、気候変動につきましても御質問させていただきたいと思います。
 先ほど来話題にも上っておりますけれども、脱炭素社会の実現、公明党としても、地球温暖化対策推進本部を立ち上げて、まさにこれを議論を進めてまいりました。
 総理が昨年の十月に、二〇五〇年のカーボンニュートラルということで表明をされたわけでありますけれども、世界では既に多くの国が、百二十四か国、一地域と私の手元の資料ではありますけれども、カーボンニュートラルそのものは、今やまさに標準的な指標となりつつあるような状況でもあります。更に先を行くEUなどは、野心的な目標も出しております。
 これも対策本部の方で、四月の六日に、総理に提言を行わせていただきました。その際には、日本としても世界の議論を是非リードするような目標の打ち出しをということを求めてきたわけであります。
 昨日の気候変動サミットに先立ちまして、総理からも、温室効果ガス排出量の国別の削減目標、これは一三年度比で四六%削減ということで、今までの、現行二六%ということでありますので、これは大変に深掘りをした目標でありますし、さらに、五〇%の高みに向けて挑戦を続ける、こういう御発言でもありました。
 大変な総理の御判断であると思いますけれども、私、まさに、今後の日本経済の成長に向けては、やはりこのグリーンというのは避けて通れない、これは乗り越えていかないと、成長戦略としてやはり挑戦していかないといけない課題であるというふうに考えております。
 まず、この目標につきまして、大臣としての御評価、またこの実現に向けての意気込みというものをお伺いしたいというふうに思います。

#32
○梶山国務大臣 今、中野委員からお話がありましたように、昨日の地球温暖化対策推進本部と気候サミットの場で、二〇三〇年における我が国の温室効果ガス排出を二〇一三年度比で四六%削減し、さらに、五〇%の高みに向けて挑戦していくことが総理から表明をされたわけであります。四六%の削減目標、これまでの二六%という目標から七割以上引き上げるもので、決して容易なものではないという思いであります。
 他方、二〇五〇年のカーボンニュートラルという長期目標の下、世界の物づくりを支える国として、次なる成長戦略にふさわしいトップレベルの野心的な目標を掲げることで、脱炭素化という地球規模の課題の解決に向けて、世界のリーダーシップを取ってまいりたいと考えております。
 総理もいつも言うことでありますけれども、経済成長への制約ではなくて、成長戦略としての挑戦でもあるという認識の下で取り組んでいかなければならないと思っておりますが、今ある技術で果たして二〇五〇年にネットゼロというものが達成できるかどうかというと、大半の国でやはり技術開発が必要だということを言っております。
 そういった中で、日米の協力関係を始めとして様々な国と連携をする、また企業間の連携、そういった中で、世界の標準や規格化というものを取りながら、日本の成長というものも促してまいりたい、そういった中で雇用というものもしっかり維持できるようにしていきたいという、経済産業省としての考えであります。

#33
○中野委員 ありがとうございます。
 まさに大臣のおっしゃるとおりだというふうに私は思います。成長への制約ではなくて、やはり、ここで日本がしっかりと存在感を発揮していくことで、世界の技術の標準化も含めてしっかりリードしていくことがまさに日本の成長戦略そのものであるという、その大臣の思い、まさに非常に大事な御指摘であったというふうに思います。
 大事なことは、そうしてやっていく中で、これはやはり、具体的に施策を積み上げていかないといけないというのが大事かと思います。高い目標を掲げる、掲げたからには、やはり施策の積み上げというのも今まで以上に力を入れたものに、そして、ほかの諸国もかなりこれに向けて投資をしていく、あるいは政府も含めて支援もしていく、こういう状況でありますので、やはり遜色のない形で、脱炭素に向けた支援というものは、しっかり政府としても検討していかないといけないんだろうというふうに思っております。
 その中で非常に大事になってきますのが、今まさに検討しているエネルギー基本計画、これがどのような形で積み上げを行っていけるかというのは、直近の課題として非常に重要であるかというふうに思います。ですので、これについて具体的な検討状況について、まずはお伺いをしたいというふうに思います。

#34
○小野政府参考人 お答え申し上げます。
 エネルギー基本計画につきましては、昨年十月から、総合資源エネルギー調査会におきまして、見直しに向けた議論を行っているところでございます。これまで十回審議会を開催いたしまして、菅総理が表明されました二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けた課題や対応の方向性、それに加えまして、二〇三〇年に向けた課題や政策の在り方について議論を深めたところでございます。
 気候変動対策につきましては、温室効果ガス排出の八割以上を占めるエネルギー分野の取組は特に重要と認識しておりまして、昨日、菅総理より表明されました新たな野心的な二〇三〇年目標と整合を目指すべく検討を進めてまいります。
 その中でも、安価なエネルギーの安定供給は大前提でありまして、このエネルギー基本計画の見直しに向けては、こうした観点も踏まえつつ、エネルギー政策全体について集中的に議論を深め、結論を出してまいりたいというふうに考えているところでございます。

#35
○中野委員 まさに、総理の発表された目標に整合を目指すべくしっかり議論していく、もちろん、先ほどあった、安価で、そして安定して、エネルギーの安全保障という点も含めて、様々な観点があろうかと思いますけれども、エネ基をしっかり積み上げていくというのが非常に大事かというふうに思います。
 そして、その中で、党の提言の方でも要望させていただいていることではありますけれども、やはり、二〇三〇年に向けまして、どれだけ再エネが最大限導入できるのかというのは、非常にその中で大きなテーマになってこようかと思っております。党の提言の方でも、やはり、二〇三〇年の再エネの比率というのは大幅に引上げを目指していくべきである、早期に主力電源化をしていかないといけない、あるいは非効率な石炭火力についてもフェードアウトということをしていかないといけない、こういう様々提言もさせていただいております。
 いろいろな団体からも、この二〇三〇年の再エネの導入比率については御意見もいただいておりまして、例えば、よく名前が出てきますのが、企業の関係の団体の日本気候リーダーズ・パートナーシップ、JCLPさんなど、二〇三〇年の再エネ目標を五〇%にしてほしいというふうな、そういうお声もあります。やはり企業側からも、再エネの比率によって、企業の競争力であるとか、あるいは産業立地の観点から、こういうものが左右される時代になってきているというふうな指摘もあるところでございます。
 経済産業省の方に、二〇三〇年の再エネの最大限導入について、現在の議論がどうなっているかということをお伺いしたいというふうに思います。

#36
○茂木政府参考人 二〇三〇年の再エネ比率でございますが、これは、最大限導入していくという基本方針の下に、今、二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現を見据えまして、意欲的なものとなるように審議会で議論を進めています。
 具体的には、今委員からも御指摘があった民間の機関なども含めまして、様々な団体から徹底的なヒアリングを実施しておりまして、この中では、適地の確保ですとかコスト削減などの重要性についての意見もございました。こうした意見も踏まえながら、現時点の整理として、二〇三〇年までに約二千九百億キロワットアワー程度まで拡大が可能との試算はお示ししているところであります。
 これに加えまして、現時点では実現可能性や定量的な効果が明らかではない関係各省の施策も今後織り込んでいくということで、上積みも検討しています。
 引き続き、昨日の総理の二〇三〇年の表明もございましたので、こうしたものも踏まえつつ、現在審議中の温対法の改正案によるポジティブゾーニングなど、各省の施策効果も具体化しながら、再エネ導入量の更なる拡大に向けた検討を進めてまいりたいと思います。

#37
○中野委員 二〇三〇年で二千九百億キロワットアワー、そして更なる上積みの検討ということで、今、検討の状況を教えていただきました。総理が野心的な目標を発表されて、どれだけ上積みができていくのかということかというふうには思っております。
 今のこのエネ庁の方で検討していただいているような中でも様々な指摘があるところではあるんですけれども、二〇三〇年といいますと、やはりどうしても導入に向けての時間も限られてくるというふうな状況でもあります。各電源によってやはり入れていくまでのリードタイムというのもあるということで、よく言われますのは、風力などでは八年ぐらいかかるんじゃないかですとか。いろいろなリードタイムを考えていくと、どれだけ、各電源、もちろん最大限上積みをしていく、目指していくということではあるんですけれども、二〇三〇というところをやはり見据えていくと、太陽光がやはりリードタイムがその中でも短い状況ではありますので、これをどこまで導入ができていくかということになるのかなというふうに思っております。
 ただ、他方で、太陽光も様々な課題もありまして、今、導入のペースでいくとかなり落ちてきているというのが当初に比べて現実だというふうに思います。これはFITの価格のこともある、落ちてきたということもあるかと思いますし、あるいは、そもそもやはり導入しやすいところはもうかなり導入が既に進んでいて、やはりこの適地という意味では導入しにくいところがちょっと増えてきているのかなというふうな思いもございます。
 他方で、私も地元、兵庫でありますけれども、太陽光のパネルは、例えば災害時に倒壊したりですとか、西日本豪雨のときにも、太陽光パネルが豪雨で斜面のところが崩壊をいたしまして、神戸で新幹線がストップしてしまったというふうなこともあったりと、様々、地元としてはいろいろなトラブルがあったりということもあるものですから、やはり県としては、例えば環境のアセスをかなり義務化で強化をしていたりであるとか、あるいは市町で条例を作って届出義務を課したりですとか、ある意味、規制を強化するような動きも出てきているというのが現状ではあるかというふうに思います。
 太陽光発電をこうした中でかなり上積みをしていくというのは、非常に地域との連携、共生をいかに進めていくかというのがかなりキーポイントになってくるかと思います。これが進まないとなかなか、上積みをしていくといっても、現実的には進んでいかない部分もあるんだろうというふうにも感じております。こうした地域との連携、共生、あるいは太陽光の導入の促進ということについて、現在、取組の方向性をどう考えているのかお伺いをしたいと思います。

#38
○茂木政府参考人 まず、日本の太陽光の導入量でございますが、導入容量は、二〇一二年のFIT導入以降かなり加速的に増えてまいりまして、足下では、実は中国、米国に続いて世界第三位の水準であります。それから、面積当たりでも主要国最大でありまして、例えばドイツやイギリスに比べると二倍ぐらい、二倍以上という数字になっております。
 ただ、御指摘あったとおり、十年間、二〇三〇年までにどれだけ増やしていけるかというふうに考えた場合には、十年という時間軸でございますので、太陽光発電を更に導入していくというのが恐らく最も効果的な施策ということになってきます。
 他方で、今まさにこれも委員から御指摘があったとおり、地域においてはいろいろなトラブルがございまして、例えば再エネの抑制的な条例はこの五年で五倍、地域では増えてきているということであります。したがいまして、これを入れていくためには、自然環境や地域との共生を図りながら適地を確保して、一方で、事業者自身には事業規律をしっかり担保する形で太陽光の導入を進めていく必要があるというふうに考えています。
 具体的には、温対法の改正による地域におけるポジティブゾーニングの活用であったり、あるいは、ZEB、ZEHの拡大であったり、PPAの普及促進といった、関係省庁とも連携した対策の強化も重要であります。
 それから、地域との関係で事業規律を確保していくということでいいますと、今のFIT制度においても、条例を含む関係法令の遵守が認定基準で定められておりますので、違反した場合には認定の取消しが実施できますし、地域とのコミュニケーションをしっかり取るように、これは努力義務として指示をしておりますし、私どもとしてはそれを怠っている場合には指導を行う。
 さらには、今御指摘もありましたが、安全面の不安払拭という観点で技術基準の適合、それから斜面への設置の基準の見直し、それから廃棄の外部の積立て義務化、こうした地域との共生に配慮した推進策をしっかり進めながら、今後再エネの最大限の事業の拡大に努めてまいりたいというふうに考えています。

#39
○中野委員 ありがとうございました。
 カーボンニュートラルに向けまして、主に二〇三〇年、エネ基の議論から中心的に質問をさせていただきました。
 ちょっと最後一問、グリーン成長戦略も質問を準備させていただいていたんですけれども、もう時間になりましたのでこれで終わらせていただきますけれども、いずれにしましても、これから、非常に野心的な目標が打ち出されたわけでありまして、それに向けての取組をどう進めていくかということが非常に大事な中身になってくるかと思います。また、しっかり党としても様々提言もさせていただき、取り組んでまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#40
○富田委員長 次に、落合貴之君。

#41
○落合委員 立憲民主党の落合貴之でございます。
 本日は一般質疑ですので、経産省にとって重要だと思われる事項について取り上げさせていただきます。
 まず、予定どおりですと、来週には産業競争力強化法の趣旨説明を行うということでございます。それからまた審議にも入っていくわけですけれども、この法案は、本文に四か所、それから要綱、新旧対照条文、それから参照条文に十六か所間違いが見つかったわけです。
 法案というのは、各省庁が作ってから内閣全体の閣議にかけて、閣議決定をされた後に国会に審議に諮られる、そして委員会に回ってくるわけです。
 今回は、書き間違えてしまっている法案が閣議決定されて、それが公文書として残っている。その間違えた閣議決定はそのまま残して、メモのような形で正誤表、正しい、間違いを表にしたものを各議員に配って、審議を始めてくださいという形になっているわけです。これは、国会の正式なルールを、いわば省略をするわけです。
 今日、この法案を作成して、取りまとめ役であります経済産業政策局長の新原局長にもお越しをいただきましたが、これはいわば、ルールを、省略を今回特別にするわけですけれども、こんなに簡単にというか、閣議決定し直そうと思えばできるのに、それをしないで省略しちゃっていいんですかね。

#42
○新原政府参考人 御指摘のとおり、国会に提出させていただいた産業競争力強化法等の一部改正法案について、条文案に四か所、それから参考資料に二十か所の誤りがあることが判明をいたしました。
 三月十二日の金曜日に国立印刷局の方から指摘がありまして、条文案に誤りがあるということが判明をいたしまして、十三日から二十二日まで経済産業省においてかなりの人員をかけて精査を続けた結果、誤りのおそれのある部分について内閣法制局の確認を取ったところ、条文案に四か所の誤りがあることが判明したものでございます。
 今回の誤りについては、法律案の作成プロセスにおいて、最終的な法律案の確認が不十分であったことが原因になったものと考えております。国会に法案を提出し御審議を仰ぐ立場の政府として、心からおわびを申し上げます。申し訳ございませんでした。
 御指摘の修正の方法についてでございますけれども、委員言われたとおり、条文案の誤りについては正誤で対応させていただきたいと考えておりまして、院内議案課の方から衆参の全議員の事務所に正誤の通知をさせていただきたいと考えております。
 参考資料の誤りについては、経済産業省、私どもがお配りしたものでございますので、経済産業省で責任を持って、お配りをした先生方に正誤をさせていただきたいと考えております。あわせて、経済産業省のホームページ等でもアップさせていただきたいというふうに考えております。
 再発防止は、具体策を今検討していますけれども、しっかりと取り組んで、今後このようなことがないようにしっかりと対応してまいりたいと考えております。
 修正の方法については、これまでの先例なんかも確認をした上ででございますが、是非、以上のようなやり方で委員にも御理解をいただければというふうに思っております。よろしくお願いいたします。
 本当に申し訳ございませんでした。

#43
○落合委員 間違いというのは、法案の作成での間違いというのは、前も取り上げましたけれども、ほとんど今までなかった。そういった中で、今回間違えてしまったわけですが、間違えたままの閣議決定がそのままずっと歴史に残っていってしまう。官僚の仕事というのは伝統的なルールがありますので、私も確認のために、元官僚の方々にも確認をしました。やはり、当たり前のように、閣議決定をするのが今までの当たり前だろうというようなことでございます。
 これは、この数年間、いろいろな慣例とか手続を破ってきたことが立憲主義を破壊してしまうのではないかというようなことも、この件じゃなくて、多々指摘をされてきたわけですけれども、閣議決定し直そうと思えばできるわけですけれども、わざわざ、そのルールを守らないで、特別にやっちゃっていいのかと。
 大臣、一政治家としても、これ、どうですかね。

#44
○梶山国務大臣 落合委員の御指摘、しっかりと受け止めて、再発防止に努めてまいりたいと思っております。
 今回、先ほど新原局長の方からもお話ありましたように、正誤表対応ということでやらせていただきたいと思いますけれども、国会に法案を提出して御審議を仰ぐ立場の政府として、大変遺憾であり、心よりおわびを申し上げる次第であります。

#45
○落合委員 再発防止も大切ですし、申し訳ございませんと言うのも大切なんですが、やはり、ルールを、今まででは当たり前だったことを今回やらないという歴史を残すということは、もしかしたら大変重いことかもしれないんですが、大臣、閣議決定のし直しについては、やらないで省略しちゃうんでしょうか。

#46
○梶山国務大臣 私どもに非があることは確かなことでありまして、それも含めて、関係各所と相談をした上で、今回の措置を取らせていただいたということであります。
 ただ、委員の御指摘、しっかりと受け止めて、この判断の重さというものも、我々、しっかり認識をした上で対応してまいりたいと思っております。

#47
○落合委員 歴史的には国会の新たな歴史を今つくったわけですので、私は、新原局長の責任もありますけれども、最終的には大臣の責任も非常に重いと思います。是非、民主主義とか立憲主義をもしかしたらゆがめるきっかけになったかもしれない、その大きなことを今しているということを、厳しく指摘をさせていただきたいと思います。
 またこれも取り上げさせていただきます。
 新原局長、お忙しいでしょうから、この件はこれで大丈夫ですので。
 それでは、政策についてですが、再エネ導入目標について取り上げさせていただきます。
 私も、政府がこのカーボンニュートラルゼロに向かって何をしようとしているのかということで、いろいろと書類を調べさせてもらいました。
 昨年末に、経産省もグリーン成長戦略の二〇五〇年カーボンニュートラルの実現というものを出していまして、その中で、再エネはカーボンニュートラルゼロのために最大限導入しますと。その下には、しかし、最大限努力したとしても、例えば再エネ先進国のイギリスでも二〇五〇年の目標は約六五%だ。だから、それを考えると、二〇五〇年の日本の再エネ比率は、目標は大体五、六〇%ぐらいが妥当なんじゃないかというようなことがそこに書かれているわけです。
 そうしたら、年が明けて、イギリス大使館から、二〇五〇年再エネ六五%という目標は、イギリスは掲げていませんという指摘がされています。別のイギリスの有識者の提言では、二〇五〇年、八〇%を再エネの目標にしているわけですけれども。
 これまでも電力関係で、私も何回もいろいろな問題を取り上げていますし、ほかの委員もそうですが、この表現の仕方はちょっと事実と違うんじゃないかとか、説明が、内容がちょっと違うんじゃないかということが多々、重要な部分部分で見られて、そのたびに指摘をされてきたわけです。今回も、今年、エネルギー基本計画の見直しがあって、恐らく導入の比率の発表もある、そういう重要な年末の取りまとめで、またこういうことが起こったわけです。これについて、大臣、どうお考えでしょうか。

#48
○梶山国務大臣 この委員会でも、また記者会見でも、何度か取り上げられた課題でありまして、しっかり対処してきたところであります。
 英国政府が二〇五〇年ネットゼロ目標を定めるに当たって公表されました、英国政府から独立した気候変動の専門委員会の報告書で、温室効果ガス排出量九六%削減の野心的な削減シナリオとして、先ほど委員から御指摘のありました、再エネ比率約六五%と示されていました。こうした点を、二〇二〇年十一月の総合資源エネルギー調査会において資料として提示をさせていただきました。それを踏まえて、十二月二十五日の成長戦略会議におけるグリーン成長戦略において同様の数値を引用していたということであります。
 他方、この専門委員会は、十二月九日に出した別の報告書の中で、二〇五〇年ネットゼロに向け再エネ比率を約八〇%とする新しいシナリオを十二月九日に示したということであります。また、英国ビジネス・エネルギー・産業戦略省も、十二月二十三日の報告書で、再エネ比率約六〇%と六五%の二つのネットゼロに向けたシナリオを例示をしていたということであります。このように、英国内でも様々な数値やシナリオが示されていたということであります。
 こうした報告書が英国で出版されていることは認識していましたけれども、二〇五〇年の新たな再エネ比率の数値については認識が至らずに、最初の委員会に提示した時点ではそれが最新だったわけですけれども、十二月二十五日のグリーン成長戦略においては、それが更新されていたということを、私どもちょっと認識が至らなかったということでありますと、その引用した担当者から報告を受けているところであります。
 直後に指摘がありまして、年が明けて指摘がありまして、在京の英国大使館とやり取りをしまして訂正をさせていただいたということでありまして、今後とも英国大使館とは情報の共有をしましょうということと、先般もCOP26の議長のシャルマさんがお見えになりましたけれども、そういった情報の共有も含めて、また改めてお話をさせていただいたところでありまして、この修正をした時点で、担当者には改めて資料作成に気をつけるように指示をしたということであります。
 更新に気がつかなかったということで、大変申し訳なかったと思っております。

#49
○落合委員 そもそも、イギリス政府の目標でないのに、イギリス政府があたかも六五%だと言っているように書いていること自体も私は問題があると思います。
 こういう、特に、なぜかエネルギー政策ばかりが、大臣の答弁書の書きぶりもそうですけれども、あれっ、ちょっとだけ事実と違うんじゃないかなと。で、指摘されると、あっ、間違えましたとか、ちょっと説明の仕方が不十分でしたとか、そういうことばかりが私は起こっていると思います。
 今まで私が取り上げた中で同じようなのはあったかなと思いますと、例えば、原発の発電コスト、前の前のエネ基かなんかで出していたと思いますけれども、一番最安で、原発が一番安くて十・一円からというふうに、一キロワットアワー当たりと書いてあるわけですが、これは、イギリスとかアメリカで今造っている、発電所を造るコストとその計算とを見てみると、大体一・五倍ぐらい、初期コストからして違うわけです。ですから、これも数字の出し方にかなり問題があると思います。今回、最新のエネ基を出すわけですから、そこら辺はしっかりと、初期コストは一・五倍ぐらいになっているはずですので、考えてもらいたい。
 それから、度々、歴代の経産大臣が、ドイツも脱原発だけれども、足りないときがあってフランスから輸入しているんだというような例も答弁しているんですが、確かにそれも事実であることは事実なんですが、ドイツは輸入もしているけれどもフランスに電力の輸出もしている、トータルで考えると、ドイツはフランスに対して電力の輸出の額の方が大きいわけです。
 そういった感じで、やはり、経済産業省の中では、なぜか電力の分野は数字をごまかしているようなところが多いことが確かですので、今年は、先ほど申し上げているように、エネ基、エネルギー基本計画を作って中長期的な数字を示していく年ですので、是非、ここはびしっと大臣もガバナンスを利かせていただきたいんですが、いかがですか。

#50
○梶山国務大臣 フランスとドイツの間というのは、やはり相互融通をしているということでありまして、どちらが多いかというよりも、いざとなったときに隣国の電気を融通できるということだと思っております。妙な形で、数値から結論を引き出すようなことはしてはいけないものだと私自身も思っておりますので、もう一回、モデルプラントで価格を出す時期ではありますので、しっかりとしたものを出したいと思っております。
 ただ、イギリスの件も、私も何度か読みましたけれども、幾つかのシナリオがあるということで、ただ、他国の例を取ってそこに逃げ込むことはしてはいけないと思っております。
 私どもも、技術開発が必要だ、その中で、他国の例がこうだから私どもの再生可能エネルギーはこの程度だという思いではなくて、どれが可能なのか、どれだけ伸ばすことが可能なのかということを前提に、これも出していかなければならないと思っておりまして、そういう数値を前提に総理に具申をしておりまして、総理からの昨日の発言につながったものだと思っております。

#51
○落合委員 先ほど私が取り上げたグリーン成長戦略、年末に出したやつも、世界のトップランナーであるイギリスの目標でさえこうだからというふうに書いているわけですので、やはりそこは大臣の指導で変えていただければと思います。
 この十年、エネルギーの分野を見てみると、一番伸びたのは結局は再エネでした。
 何度も私も申し上げていますが、先ほども話にもありましたが、十数年前、太陽光パネルの世界シェアは日本は四割近くありました。それが、世界市場の急成長に全く乗れずに、今は世界シェア一%もない状況です。風力発電も同じようなことが起きつつある。蓄電池もどんどんどんどんプレゼンスが危うくなっているというような状況です。
 では、これは何でかといいますと、やはりエネ庁の計画自体が、再エネはコストが高くてまだまだ時期尚早だというようなことを大臣も歴代言ってきたこの十年間があったと思います。それを変えていくためには、今年は大きな分岐点ですので、是非、大臣には指導力を発揮していただければと思います。
 では、産業政策について、全体についてなんですが、グリーンと同じように、菅政権もデジタルとグリーンで成長戦略の二つの柱にするんだというようなことをおっしゃっていて、バイデン政権もそうですし、中国もそういうような形で、世界経済が今進んでいるわけです。
 デジタル化を進めるとなると重要なのは半導体なわけですが、これも調べてみると、三十年前は世界の半導体の半分が日本が生産していた。それが、今は恐らく一割ぐらいまでシェアが落ちていると思います。
 こういった中で、中国もアメリカも自国で半導体を生産するんだということでかなり財政支出をして、サプライチェーンを自国中心に変えていくということをやっているわけでございます。バイデン政権は、この半導体も含むインフラ整備等に八年で二百二十兆も財政支出をするということを発表しています。
 ちょっと前までは、ちょっと前というか、この三十年ぐらいは、民間の資金を使って経済を成長させるんだ、政府部門を小さくして、民間の部門を大きくして経済成長をさせていくんだという政策を、多くの国がというか、ほとんどの国が取っていたわけですが、これは明らかに、特にコロナになってから、世界の政府の政策が変わりました。日本も、もうほぼ百八十度世界が変わっているような状況ですから、思い切ってかじを切るべきときが来たと思いますが、大臣、いかがですか。

#52
○梶山国務大臣 おっしゃるとおりだと思っております。
 そういった中で、例えば、日本の今までの制度ですと、実証まで含めて五年単位で区切っていましたけれども、その次の実証の間に研究者が中国やEU等に引き抜かれてしまうという実態がありました。私どもも、これは何件か聞いております。そういったことも含めて、十年間続けられる基金二兆円を組ませていただいたということであります。
 ただ、これがいかにも欧米に比べると小さいんじゃないかというお話があります。欧米については、これは設備投資も含めてトータルでの話になっているわけでありますけれども、二兆円には十四の重要分野ということがありますけれども、そのほかに、半導体では二千億円の基金を組んで、次世代の半導体の研究開発というものも今始まるところであります。
 さらに、今度は設備投資の部分、よく、研究開発では勝っているんだけれども、市場獲得で負けて、最後、市場の投資のところで、そこのダイナミックさが足りないということを言われておりますけれども、今回のコロナ禍のサプライチェーンというものを考えながら五千億の投資をさせていただいておりまして、この中で、半導体の設備投資というのが約二十件を超えるものもありますし、電池に関しましても、遅れてはいるんですけれども、国内の工場ということで、しっかり設備投資のお手伝いをさせていただくということであります。
 ここまでの遅れはもう現実として認めざるを得ません。そういった中で、次の段階に向けて次世代のものを、そして、さらに、電池であれば、全固体電池、又は容量を増やしていく、さらにまた、今度は、インフラであれば、急速の充電設備、また水素の充填設備、そういったことも含めてしっかりと、設備投資の方も含めて、インフラ整備の方も含めて、対応をしてまいりたいと考えております。

#53
○落合委員 学問の世界というのは後で出てくる、検証してから出てくるので、今になって出てきているのが、見てみると、iPhoneの開発でさえ、結構政府が支援を財政的にした中でこれだけ世界に広まったというような論文も今になって出てきました。やはり、こういった、政府が特に基礎的なところにはお金を出していくということは大変重要なことだと思います。
 その中で、公的なインフラ投資という中で、今、この日本でかなり効果が高いと思われるのは、私は電力の分野の地域間送電線だと思います。これは旧電力会社の間に送電線をつなげる地域間送電線ですので、先ほどのドイツとフランスと同じようなことになると思います。
 これは、従来のやり方だと、電力会社でどっちが持つんだとかいうことになりますので、それを整備するインセンティブは働かなかったわけですが、広域機関もできました、それから再エネがこれから補強していかなきゃいけないということで、そうなると横の融通もできるようにしていかなきゃいけないということで、電力のイノベーションを促すためには、この地域間送電線は絶対なくてはいけないわけです。こういう公的なものを財政支出で強化していくというのは、私は意義があると思います。
 例えば、今まで九州は、ゴールデンウィークになると冷房も暖房も使わなくて、日照時間も、高いので、最近は毎年、出力制限を、九州の地区は太陽光の出力制限をお願いしてきたわけです。発電できるのに発電しないでくださいということをやってきたわけです。
 もしかしたら、今年のゴールデンウィークは、北海道も出力抑制をお願いするかもしれないということです。北海道は今まで大規模集中型電源の象徴で、原発と大型の火力に頼ってきて、大きいものに頼り過ぎたので、その大きい発電所がダウンすると、停電も何年か前に起こってしまったわけです。これは、例えば、地域間の送電線がしっかり北海道とつながれば、北海道の自然エネルギーで、関東から現金が北海道に入っていく、電気を送ることで北海道に都会の現金が入っていくということになるわけです。これは地方創生にも大変重要だと思います。
 こういう経済全体にも影響を与える地域間送電線、送電網の整備に国費を費やすということは理にかなっていると思いますが、大臣、いかがでしょうか。

#54
○梶山国務大臣 現行の送電線の整備の制度についてはもう委員御存じのとおりだと思っております。
 今回、カーボンニュートラルを目指すに当たって、送電網を次世代型のネットワークに転換していく必要があると承知をしております。そういった中でスピード感というのは非常に重要になってまいりますので、委員のおっしゃることも一つ検討に値するものだと私自身も思っているところであります。
 そういった中で今、送電網のマスタープランをちょっと策定をしているところでありますが、こういった中で、例えば洋上風力からの陸地への送電の在り方、そして海底ケーブルの在り方、そして直流送電の在り方、交流との比較でコストがどうなのかということ、効率の在り方ということも含めて、二〇五〇年のカーボンニュートラルを見据えて考えていかなければならないと思っております。
 私自身の個人的な考えを申し上げて大変恐縮なんですけれども、例えば、系統につながなくても、再生可能エネルギーで水素やアンモニアを作るという手があって、そこに逆に基地を造る、水素やアンモニアの基地を造るということも一つの手かなと思いますし、無駄な電気は使わない、無駄にさせないということも含めて、二〇五〇年のカーボンニュートラルというのを考えていかなければならないと思っております。

#55
○落合委員 水素の利用も重要だと思います。ただ、イノベーションを起こしていかないといけないので、地域間送電線は今の技術でもできますので、現実的な選択肢だと思います。これはまた改めて取り上げさせていただきます。
 それでは、今日、財務政務官にもお越しをいただいております。インボイスのことについて伺えればと思います。
 インボイスの導入は二〇二三年なんですが、今年の秋から登録が始まります。なので、実質的にはもう今年から走り始めるわけです。これが始まるとどういう変化が経済にあるんですかということになりますと、今まで、売上げが少ない事業者、個人事業主中心に、消費税は納めなくていいですよ、たとえもらっていても納めなくてもいいですよというような仕組みにしていたわけです。しかし、これは、インボイスを導入すると実質的には課税業者に恐らくならざるを得ないだろうというような状況になるわけです。
 これは、建設業の一人親方ですとか個人タクシーですとか一人でやっている飲食店ですとか、あと、最近は、この経産委員会でも取り上げられていますが、ITのエンジニアが、今までは大企業の社員だったのが個人事業主になって請け負っていたりですとか、あと、ライターも、いろいろなところに所属するんじゃなくて、請負という形に契約が変わっているというような形で、フリーランスがどんどんどんどん増えている、要は、インボイスに関係する人たちがどんどんどんどん増えているわけです。
 今まで免税だったのに、これからは本来払うべき消費税を払ってくださいと単純にやってしまうと、要は、彼らにとっては、大ざっぱに言うと売上げの一割を税金として納めなきゃいけない、利益にかかわらず売上げの一割を納めなきゃいけないことになるわけです、今までは何にもその分は納めなくてよかったものが。
 財務省にとっては、今まで免除していたのをちゃんと取るだけですという感覚かもしれないですけれども、これは経産委員会でもいろいろな角度から議論がされていましたが、まず、下請の人たちはそもそも手取りが少ない、利幅も少ない、そういう問題があった。あと、事業者が小さければ小さいほど利幅が少ないという問題があった。
 これは、アベノミクスの恩恵というのを考えたときに、下請ですとかこういう小規模事業者の人たちが利益が上がるような政策をやっていかないと、アベノミクスの恩恵が行き渡りませんよ、そのために経産省も中小企業庁も、またほかの省庁もやっていきますということを言っていたのに、その弱いところからごっそり取る制度がこれから始まるわけです。これはどう考えてもタイミングもよくないですし、一番弱くて、やらなきゃいけないところを、ごっそり数字を悪くさせる。
 これはどう考えても、目先の税収とかそういうのにとらわれ過ぎていて、日本経済自体を台なしにしてしまうと私は思いますが、いかがですか。

#56
○船橋大臣政務官 お答えいたします。
 インボイス制度は、複数税率の下で適正な課税を行うために必要なものといたしまして、今ほど委員からもお話がございましたとおり、法律に基づき、令和五年十月から導入をされることとなってございます。
 インボイスにおきまして税額が明確になることや、中小事業者にとりましても価格転嫁を行いやすくなるといったメリットも期待されているところでございまして、実際に、欧州諸国を始め諸外国の付加価値税制度の中で広く採用されているものでございます。
 制度の円滑な導入を図る観点からは、導入までに四年間の準備期間を設けるとともに、そこから更に六年間、免税事業者からの仕入れについて一定の仕入れ税額控除を認めるなど、事業者の準備のための十分な期間を設けさせていただいております。
 今後とも、制度の円滑な導入に向けまして、関係省庁間で連携して、周知、広報を始めとして必要な取組を進めてまいりたいと存じます。

#57
○落合委員 何年間かやりますというのも、納税を免除しますという話ではなくて、企業間の取引をサポートしますというわけです。なので、これが始まったら、すぐ売上げの約一割は納めなきゃいけないということには変わらないわけです。
 免税事業者は、国税庁の統計というか数字で調べると、多分五百万者ぐらいあると思います。課税事業者は、今消費税を払っている事業者はどれぐらいなんですかというと、三百万ぐらいです。払っていない事業者の方が多い。
 じゃ、どれぐらいがこれから払わなきゃいけないのかなというと、副業にしていてちょっとしか収入がない人、本業がある人はそこまで影響がないかもしれないですけれども、本業としてやっている人、フリーランスの人は今三百万を超えたというのがニュースになっているわけです、これは三百万人ぐらいの人たちに新たに影響を与える制度の変更だということを言っていいと思います。
 これは、先ほど申し上げましたけれども、小さい事業者の所得をいかに上げていくか、利益率をどうやって上げていくかということが問題なのに、売上げの一割を強制的に納めさせる、そういう制度を導入すれば、一気にこの部分は経済的に悪化をします。言われてきたアベノミクスの弱い部分を更に弱くするわけです。世界的にもK字回復と言われたKの下の部分を更に下にする。中間所得層を減らして、国民の担税力が更に減ってしまう。これは、中長期的に考えたら大変問題があると思います。
 経産大臣、このまま税制をそういう形に変えたら、経産大臣の所管している小規模事業者の状況というのは大変、激変します。これはこのままでいいんでしょうか。

#58
○梶山国務大臣 今委員御指摘のように、フリーランスを含む中小事業者の事務負担になること、そして、免税事業者との取引に影響がまた生じるのではないかといった懸念が数多く寄せられていると承知をしております。
 そういった中で、先ほど答弁がありましたように、インボイス制度の導入までは四年間の準備期間ということで、現実には令和五年十月からの導入ということになります。この間にしっかり環境整備をするということでの制度導入ということで承知をしているところであります。
 下請事業者であるとか納入事業者であるとかの事業環境の整備というものも私どもの仕事ということであります。それは、大手また中堅等との取引の中で一方的に不利になることがないような形に進めていくということで、今、様々な取組をしているところであります。
 さらにまた、事業者の方も、できればやはり、フリーランスであっても一人の事業者であっても事務的な体制を整えるという、例えばITの導入補助金、こういった、ソフトも含めて、いかにこういったものを導入できるかということは、買う側も、ある程度の納税を証明するものがなければ、今度はその次の段階というものも難しくなるわけでありまして、こういった環境整備もやはりしっかり私どもが支えてやっていかなければならないと思っております。
 先ほどからありますように、四年間猶予期間があるということ、そして、三年、三年の免税期間の、率は違いますけれどもあるということで、計十年、経過措置があるということで御理解をいただきたいと思っております。

#59
○落合委員 大臣、前半の方は恐らく財務省と答弁の内容の調整をしたんだと思いますけれども、問題点として事務負担ですとか取引の問題があると思いますというふうな答弁なんですけれども、一番重要なのが抜けていて、問題なのは売上げの一割をごっそり持っていかれちゃうことなんです、今まで納めていなかったのに。それが最も問題だと思います。
 あと、猶予期間とか納税の猶予があるというのは、よくもう一回調べてもらいたいんですが、取引先の上の大企業の納税の問題の話なんです。下請の人たちは猶予はないんですよ、始めたら。なので、これも、答弁のニュアンスと実際に起こる深刻さというのは全然違うんです。
 これは、下請法にしても、それから、大臣は最近、フリーランスの契約についても、しっかり制度を法整備をして、ある程度生活がしっかり保障されるようにしなきゃいけないんだということを答弁されてきたわけです。そういった観点を持っているのであれば、これは、このままインボイスを導入したら、そういうおっしゃっていること、何をやったとしても、絶対にこの人たちの手取りは減ります。大臣、これは何らかの措置をしなきゃいけないんじゃないですか。

#60
○梶山国務大臣 免税業者と納税事業者の間での差が出てくるということなんですけれども、一人の事業者であっても、例えば、一人でやっているフリーランスの方、二、三人でやっている方で売上げが一千万に満たないということがあったとしても、やはり事務はしっかりとやらなければならない前提で、どうITを導入していくかということ、そういったところに導入をしていくかということによってデジタル社会ができてくるんだと思います。
 税の連鎖というのは、当然、消費税というのはあります。私も事業をやっていたから分かりますけれども、その連鎖を、最初は免税ということでいいんですけれども、消費税を導入してもうかなりの年数がたちますので、やはり、事業という点では、しっかりこの事務というものも支えていかなくちゃなりませんし、整えなくちゃならないのではないかと私自身は思っております。

#61
○落合委員 大企業でいうと、今まで消費税を納付するのがゼロだったのが、いきなり一〇%、来年からやれと言われたら、大企業でも大変なことになると思います。それを、フリーランスで一千万円以下の人たちは、びっくりするような激変を強いられるわけです。
 何度も申し上げているように、激変緩和のための十年というのは、取引先の上の大企業への緩和策ですので、実際に影響のあるフリーランスの人たちにとっては実質的にはほぼない状況です。いきなり、一〇%納めろというのが始まるんだと。
 その政策を財務省はやろうとしていて、止めるとしたら私は経産大臣しかいないと思いますので、是非やっていただきたいと思います。
 今日はこれで終わりにします。ありがとうございました。

#62
○富田委員長 次に、山崎誠君。

#63
○山崎委員 こんにちは。皆様、お疲れさまでございます。本日、最終バッターでございますので、頑張っていきたいと思います。
 立憲民主党、山崎誠でございます。
 いつも私はエネルギー政策に取り組ませていただいて、今日もそのお話をしたいと思います。
 本日は、基本に立ち返りまして、原子力発電所の安全に関して御質問させていただこうと思います。
 二〇一一年の三・一一から十年を過ぎ、それを機にして多くの原子力事故に関する書籍が出版されています。その中で、幾つか私も読ませていただいた中で、元福井地裁の裁判長であります樋口英明さんの書物で「私が原発を止めた理由」という本があります。これは、とても読みやすく、分かりやすく原発に関わる様々な安全に関する議論をされている本で、これを私はちょっと読んだ上で今日の質問を考えました。
 樋口英明さんは、二〇一四年の五月二十一日に福井地裁で大飯原発運転差止め訴訟で運転の差止めを決めた方でございます。原発推進派の議論ときちっと向き合われて、大事なところは、やはり、誰でも分かる、一般的に我々が感じるところから理論を固められて、原発について御説明をされているということだと思うんですね。
 結論から申し上げると、樋口氏は次のような論理を立てています。
 第一に、原発事故のもたらす被害というのは極めて甚大であります。第二、それゆえに原発には高度な安全性が求められる。第三、地震大国日本において原発の高度の安全性があるということは、原発に高い耐震性があるということにほかならない。第四に、我が国の原発の耐震性は極めて低い。これは樋口さんの判断でありますが、私も同感であります。この後、議論します。よって、第五に、原発の運転は許されないんだということで、地裁では運転の差止めの判決をされたわけであります。
 追って議論をしていきます。
 まず第一の、原発の被害の大きさでございます。
 今日は、資料一、これは、菅元総理の「原発事故十年目の真実」という本、これも三・一一を機にして出版された御本でございまして、その中から地図を頂戴いたしました。東京電力福島第一事故のいわゆる最悪のシナリオというものが描かれています。近藤駿介当時の原子力委員会委員長の作成した資料であります。
 この最悪のシナリオ、大臣も御存じかと思いますが、これは日本壊滅の危機であったということでありますが、大臣、どのように受け止められ、認識されていますか。

#64
○梶山国務大臣 当時私は野党でありましたけれども、やはり大変なことが起こったという思いで対応もさせていただいていたところであります。
 福島第一原子力発電所事故に関する、いわゆる最悪のシナリオというのは、事故発生直後の二〇一一年三月二十二日、この日は四号機の使用済燃料プールにポンプ車による注水を始めて成功した日だと承知をしておりますけれども、当時の菅直人総理が仮に最悪のケースが重なるとどのような影響があるのかを知るために、今委員からお話ありました、近藤原子力委員長に対して、今後の最悪事態の想定とその対策を検討するように依頼をし、近藤氏が個人として作成したものと承知をしております。
 その中身についても、私が申すまでもなく御承知だとは思いますけれども、仮定的事実の下で、どの地域が避難措置の対象となるかを想定したものであったと承知をしております。
 当該シナリオは、現実に発生する可能性の低い仮定的事実に基づいたシミュレーションとの位置づけが政府事故調の中では位置づけられておりまして、結果的にそうした事態には至らなかったと承知をしておりますけれども、やはり、最悪を想定するというのは非常に重要なことでありまして、そこまで含めた検討、検証というものがなされるべきであると思います。

#65
○山崎委員 これは、見ていただいた地図のとおりで、百七十キロ圏が強制移転区域になって、二百五十キロ圏まで移転希望を認める区域とされまして、これに従うと、四千万とか三千万とか、そういう国民が避難をしなければいけない、そういう事態にあったということであります。
 では、こうした最悪の事態を回避ができたのは、どういうことで回避ができたかということなんです。
 今答弁の中ではありましたが、これは、幸運が重なって奇跡的にこういう事態を避けられたというのが私は真実ではないかなと。これは、これからまた事故の原因の究明も必要だと思いますが、現時点でも言えることはたくさんあります。
 これはもう明らかになっている事実を出します。例えば二号機の圧力容器の圧力上昇がございました。圧力破壊の危険が迫ったわけであります。これは何で回避できたか、大臣、御存じですか。

#66
○松山政府参考人 お答え申し上げます。
 政府の事故調査報告書の中での記述に基づき御答弁申し上げますけれども、二号機が爆発しなかった理由につきましては、二号機の原子炉建屋のブローアウトパネルが開放した、このために建屋内に漏えいした水素の多くがそこから放出された可能性が高いとしているものと承知しております。

#67
○山崎委員 違います。
 私が聞いたのは、水素爆発ではなくて、圧力破壊が回避できた理由は何かということです。まあいいです。
 これは、手動のベントができなかったんですよ。だから、手動のベントをやらなきゃいけない、自動が動かなかったから、手動のベントができなくて、圧力が高まって、もう爆発ぎりぎりまで行ったわけですね。それで、何でこれは圧力が低下したかといえば、これはまだ分かりませんけれども、偶然に容器に脆弱な部分があって、そして圧力が漏れたと言われていますよ。それが、これは偶然なんですよ。本来であればあってはいけない脆弱性が幸いをして、この圧力を逃がしてくれて、それでも大量の放射能が放出されたわけですが、もうそれがこの幸運の、奇跡の幸運であります。
 それから、四号機、これもいろいろなことがありました。使用済核燃料の貯蔵プールの循環水が止まり、燃料の露出、燃料破損、溶融の危機にあったわけでありまして、これは、もう言われている、これが本当に溶けてしまって、最悪な事態になれば、それこそ先ほどのシナリオが現実化するということでありました。
 これはいろいろな偶然が重なっていて、たまたま隣でやっている工事が遅れたために水が残っていて、それがプールに入ってうまく水がまずたまった。それでもどんどんどんどん水量が減っていく中で、例えば、ここで水素爆発が起こりました。この水素爆発も、まさに偶然なんですが、もし大きな水素爆発であれば、このプールを破損して大変なことになっていたわけですね。でも、ちょうどいい爆発になったもので、屋根を飛ばすだけで収まったわけですよ。それによって注水が外から可能になって水を入れることができた。これも本当に偶然のたまもので、運がよかったということだと思うんです。
 こういうことを考えていくと、この事故というのは、この最悪のシナリオというのを、やはりぎりぎりまで我々はそこに迫ったんだという認識でいなければいけないのではないかと思います。
 こういう国の存亡に関わるほどの被害を引き起こす可能性があって、かつそうした事故の可能性というのはゼロではない、これは大臣も、皆さん答弁されている。こういう原発に対しては、これは樋口さんもおっしゃっていますけれども、当然のことながら、原発には極めて高い安全性が求められるということだと思いますが、大臣、いかがですか。

#68
○梶山国務大臣 当然のことながら、その安全性というのは、高度な安全性というのが求められるべきものであると思っております。
 ゼロリスクというのはあり得ませんし、不幸なことではありますが、一度事故が起こったら、それは、それを想定内としてどういう安全対策をしていくかということも含めて、その後の、想定外ということも、最悪の場合も含めて考えていくということだと思っております。

#69
○山崎委員 当然ですよね。お認めいただいていると思います。
 要するに、これで樋口さんが言っている、一番、それゆえにやはり高い安全性が必要なんだというのは、当然言われていることだと思います。
 次、じゃ、耐震性のお話です。
 今日は気象庁にも来ていただきました。日本の過去の地震の発生状況について、地震の加速度でありますガル、これが耐震基準になりますのでお聞きしたいんですけれども、七百ガル以上又は千ガル以上の地震について、どういう発生状況か、御説明いただけますか。

#70
○森政府参考人 お答えいたします。
 二〇〇〇年以降、七百ガル以上、千ガル以上の加速度を観測した地震の観測についてですが、今年四月二十日までの間に気象庁観測点において七百ガル以上を観測した地震は十九回、千ガル以上を観測した地震は六回というふうになっております。

#71
○山崎委員 これは、私はちょっとびっくりしたんですけれども、森部長、次の資料を見ていただきたいんですけれども、資料の二、左側の図を見てください。これは樋口さんの本から取りました。例えば、真ん中、ちょっと上に、四千二十二ガル、二〇〇八年の岩手・宮城内陸地震とございますね。あるいは、その下は二千九百三十三、これは東日本大震災の揺れだと思うんですけれども。
 こうやっていろいろな揺れがあるんですが、これのデータは気象庁のデータと違いますよね。どういうことになっているか、このデータについて説明いただけますか。

#72
○森政府参考人 お答えいたします。
 まず、先ほど申し上げたのは気象庁の観測点というところでございます。
 気象庁は基本的に震度をメインで観測しているんですけれども、それと併せて、震度の基というのは、実は加速度のデータですので、加速度も測っているということです。
 その他、気象庁以外のところで加速度を測っておられる機関というのも多々ございますので、そういったところのデータについては、もちろん気象庁に来ているものもありますけれども、そうでないものもございます。そういった中のところでそういう値というのが存在し得るのかなと考えるところでございます。

#73
○山崎委員 誠に心もとない、同じ地震を扱う気象庁として。
 これは防災科学研究所が集めているデータだということですよ。だから、これだって公の機関が集めているデータで、こういう地震がとにかく発生をしているんですよ。というのは、気象庁が持っている最大のガル数と防災科研のこのデータは全然違うんですよ。全然規模が違うんですよ。まあ、これは私の議論の中心ではないので。こういう地震が起きているということはお認めになると思います。

#74
○森政府参考人 気象庁の観測点で全てのデータを網羅できているということはございません。もちろん、自治体のデータとか、あと、防災科研さんのをいただいているという場合もございますけれども、全てを網羅しているわけではございませんので、気象庁の観測点より、より高いデータというか、値が出るということはあるものというふうに理解しております。

#75
○山崎委員 ありがとうございます。
 要するに、こういう分析も成り立つということだと思いますよ。これはやはり、こういうのを見れば、地震大国だということは一目瞭然だと思います。
 次、資料の二の右側の図を見ていただきたいんですが、これは何が言いたいかというと、地上の揺れと地下の揺れというのはどういう関係にあるかと。
 一般的には、地上の揺れの方が地下の揺れよりも大きくなると言われている。ですが、ここで示されている例は柏崎刈羽の例なんですが、逆転が起こっているんです。地下のガル数の方が大きい、地上よりも。こういうことが起こるんだ、起こり得るんだということ。
 また、例えば、差があるとしても、その差は大きい場合もあります、上がたくさん揺れて下が余り揺れない場合もある。でも、ほとんど同じように揺れる、差が小さい場合もある。こういうことだと思うんですが、この事実に関してどのように御説明できますか。

#76
○森政府参考人 お答えいたします。
 まず、地上よりも地下の方が揺れにくいというお話は一般的によくある話でして、気象庁で保有しているデータを見ている限りにおいては、確かにそういう傾向がございます。
 ただ、様々な条件というのがあり得ると思いますので、気象庁が保有していないデータのところでどういう条件の場合そうなるかというところはなかなか複雑だと思うんですけれども、地上とそれから地下というところで揺れが逆転したりする、そういうことはあり得るというお話だと思います。

#77
○山崎委員 ありがとうございます。
 地上と地下の逆転現象はあり得ると。これは気象庁からもらったデータです。
 気象庁は、実は地上と地下のこういう比較がすぐ出てこないんです。手作業で地中のデータを拾わないと分からないと言われて、一生懸命作ってもらったのはこの一枚だけで、ほかの事例は出てきませんでした。こういうことは何とかデータ化してくださいよとは思います。まあ、これは余計なお話です。
 これを見る限りでも、確かに、これを見ると地上の方が揺れは大きいんですけれども、でも極めて近いところもあるし、その差というのが様々ですよ、グラフで見るとね。それは、まず一つ置いておきます。
 次、地震予知について、その可能性についてどのように考えるか。
 特定の地点、例えば、原発の敷地において一定以上の地震が発生しないというようなことは、そういうふうに言い切ることは妥当ですか。

#78
○森政府参考人 お答えいたします。
 一般的に、いつ、どこで、どの程度の規模の地震が発生するかということを確度高く予測することは難しいというふうにされています。
 気象庁としてはというところでございますけれども、一定の加速度以上の揺れを伴う地震が発生しないということを言い切るということは困難であると考えております。

#79
○山崎委員 お聞きのとおりでありまして、基本的に、やはり地震の予知というか、ここでこれ以上の地震が起きないよということを言い切ることはできないということであります。
 それでは次、規制庁にお聞きをしたいんですが、原発の耐震基準というのはどのように設定をされているのか。今、資料で三ページにつけました表について、これをベースに御説明をしていただきたいと思います。
 三・一一を契機に新規制基準になって数値を上げているわけでありますが、その辺りの経緯についても手短に御説明いただけますか。

#80
○市村政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘の基準地震動というものは、原子力施設の敷地に大きな影響を与えると予想される地震を定めるというものでございまして、これは東京電力福島第一原子力事故前からそういう概念自体はありまして、今先生お示しの表の左側に書いてあるものは、新規制基準施行前に確認をされていた値でございます。その後、新規制基準になりまして、断層の評価であるとか、敷地、敷地周辺の活断層の評価であるとかいうものをより厳格に実施をいたしまして、現在申請されているものは、右側の欄にありますように、数値が大きくなってきているというものでございます。
 このうち、括弧がついているものはまだ審査中で確定されておりませんけれども、括弧がついていないものはこの形で現在の基準地震動が定まっているというものでございます。

#81
○山崎委員 ここを大臣に見ていただきたいんですよ。新規制基準における値を見ていただいて、例えば高浜七百ガル、大飯八百五十六ガル、伊方六百五十ガル、玄海六百二十ガル、川内六百二十ガル、これが基準地震動なんですよ。
 前のこの表を見てください、二の左側の図を見ていただければ、千ガルを超えるような地震は数多く発生しています。そして、こういう地震がどこでどういうふうに起こるかの予知はできないというお話なんですよ。この基準地震動、明らかに低いんじゃないですか。
 端的にお聞きします。今のお話、この基準動で本当に十分に安全だと言われているのか。これ、樋口裁判官が比較されたのは、例えば三井ホームの家の耐震基準、これは五千百十五ガル、あるいは住友林業のガル数、三千四百六ガルです。これは私もホームページで見ましたけれども、何度もそういう揺れを実際に乗せて家を揺らしてみて、安全を確認して作っているのがハウスメーカーの基準です。原発、今お話ししたとおり、六百、七百ガルでオーケーというのはたくさんあるんですよ。これは低過ぎませんか。

#82
○梶山国務大臣 これは新規制基準の数値の話でありますので、規制委員会にお聞きをいただきたいと思います。

#83
○市村政府参考人 お答え申し上げます。
 原子力発電所について策定されている基準地震動、今先生御指摘の点ですけれども、これは硬質地盤、硬い地盤のところに定めている、いわゆる解放基盤表面というところで、非常に硬い地盤のところで定めている数値でございます。
 先ほど気象庁から御紹介のあった数値、あるいはこのハウスメーカーが出している数値、これは詳細は存じませんけれども、この多くは地表の軟らかい地盤で観測されたものであると承知をしておりまして、これらを一律に比較するというのは適当ではないというふうに考えてございます。

#84
○山崎委員 先ほど議論しましたよね、地上と地下の地震動は、地上よりも地下の方が強くなることだってあるんですよ。今議論を聞いていたでしょう。今の説明は成り立たないんですよ。
 いや、百歩譲りましょう、じゃ、半分になるかもしれない、地下の方が。地下に基礎を置いているから安全だという。半分になるかもしれない。だって、ここでいくと、四千ガルの地震が起きたら、半分になったって二千ガルで地下で揺れるんですよ。それを基礎に置いておいて、何で七百で足りるんですか。

#85
○市村政府参考人 お答え申し上げます。
 原発の耐震設計におきましては、解放基盤表面という硬い地盤のところで基準地震動を定めて、その上で、各地点のその上の地層の状況を踏まえて、それはもちろん、その後、実際に建物に入力される場合にはそれより大きくなる場合もあるかもしれません。ただ、それは個々の地点について厳格に地層の評価をして、基準地震動から実際に原発の施設に入力される地震動というものを厳格に審査をいたしますので、これは一律に申し上げられるものではないというふうに承知しております。

#86
○山崎委員 今の議論、聞いていていただけましたか。だから、揺れは分からないんですよ。だから、少なくとも、今まである最大のものを超える安全性を目指そうというのがハウスメーカーの姿勢ですよ。だから、五千ガルとか三千ガルとかの数字を出しているんじゃないんですか。
 原発は、ここはそれ以下の地震加速度しか発生しないからこれでいいんだというのは、ハウスメーカー以下の耐震性、基準でいい、そう考えているとしか言いようがないと思いますよ。どうですか。

#87
○市村政府参考人 原発の耐震設計におきましては、先ほど申し上げたようなルールで定めておりますけれども、これによって、まず事故を起こさないというところを徹底して確認をするということでございます。その上で、我々もその福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえて成立した組織でございますので、そこでその思考を止めるということではなくて、それでもなお事故が発生するということを想定して、様々な対策を講じていただいて、それを確認している、こういう審査をしてございます。

#88
○山崎委員 余りにも、だって高浜七百ですよ。これは動いているんでしょう。大飯、玄海、川内、これ、現時点で動こうとしている、動いている原発のお話ですから、私は、とてもこれは重要だと思います。
 大臣、この議論というのは、樋口さん、誰でも分かるようにと組み立ててくれた議論で、私はこれは分かりやすいと思いますよ。この状態を規制庁に投げるのではなくて、大臣として、一般の国民から見て、こういう議論、どう思いますか。

#89
○梶山国務大臣 三・一一の事故の後に、独立性の高い、専門性の高い規制委員会ができたわけであります。そこで、新規制基準というものもこの教訓に基づいて作られたということでありますから、その議論については規制庁でしっかりと説明をするということで、我々は、その規制にのっとって、安全と確認されたものについては再稼働を図っていくという立場であります。

#90
○山崎委員 もう一回繰り返しますけれども、新規制基準に基づいて決められてオーケーが出ているのが七百とか六百とか、六百二十とか六百五十とか、そういう基準地震動なんだと。実際に起こる地震は、前の表のとおり、千を超えるような地震が平気で多発しているんです、日本は。
 時間がないので議論はなかなかできないですけれども、じゃ、これ、基準地震動を超える地震が起きたとき、原発はどうなってしまうんですか。

#91
○山形政府参考人 お答えいたします。
 新規制基準では、基準地震動による地震力に対して十分な余裕を有した設計とするように求めております。したがいまして、基準地震動を超えた場合でも一定範囲であれば直ちに危機的な状況になるとは考えてございません。
 なお、事業者の方では、新規制基準に適合し運転を開始した原子力発電所につきまして、原子炉等規制法に基づき安全性向上評価というものを届け出ることになっております。その中で、設計上、想定を超える地震に対して原子力発電所がどの程度耐えるのかというものを評価、公表しております。その評価結果におきましても、基準地震動を一定程度超える場合でも、炉心損傷などは防止できるというふうに承知しております。

#92
○山崎委員 規制委員会でしょう。一定程度とか、ある程度とか、そういう基準で原発というのは動いているということですね。それは余りにも無責任じゃないですか。一定程度、ある程度余裕を見てというのはどういう意味ですか。

#93
○山形政府参考人 お答えいたします。
 一定程度ということにつきましては、明確な基準というものを我々自身が決めているわけではございませんけれども、実際に評価をいたしますと、一番低い発電所でも五割ほどの余裕はあるということは承知しております。

#94
○山崎委員 五割五分の安全性というのは何ですか、それ。全く私は理解できない。国民の皆さん、誰も理解できないですよ、五割五分の安全、見ているというのは。
 例えば六百二十ガル、これは、じゃ、どこまで大丈夫だと見ているというんですか、原発を。

#95
○山形政府参考人 お答えいたします。
 五割ほどという表現はちょっと言葉足らずで、申し訳ございませんでした。例えば伊方発電所三号機ですと、基準地震動は〇・六Gですけれども、それの一・五倍の一・〇Gまでは炉心損傷は起こさない、そういう意味で五割という表現を使わせていただきました。

#96
○山崎委員 済みません、時間になりましたので終わりますが、大臣、今この論理は、とにかく被害が大きいんですよ、やはり事故が起きてしまったら。だから、高度な安全性を確保しなければいけないでしょう。でも、今お話のとおり、例えば地震動をとってみてもこういう状況です。
 セキュリティーの問題はどうですか。当然我々は、原発というのは危険な設備だから、高度なセキュリティーが守られていると思って、信頼して運転を任せている東電があのセキュリティーの状態でしょう。これは原発を動かすことはできないと思いますが、大臣、最後に。

#97
○梶山国務大臣 東電につきましては、核物質防護の点で、重大な事故対応に係る技術的能力の確保というものが本当にあるのかどうかということも含めた今検査がされているところだと思っております。
 規制委員会につきましては、事故後に与野党で一緒につくった組織であります。そして、独立性、また専門性の高いという形で、経産省から独立をした形でつくられたものだと思っておりますので、その中身につきましては、しっかり議論は必要だとは思いますけれども、現在の規制基準というものは、それをしっかりと裏づけするものがあるものだと思っております。

#98
○山崎委員 終わります。
 ありがとうございました。

#99
○富田委員長 次回は、来る二十八日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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