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2021/04/26 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 決算委員会 第5号 令和3年4月26日
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2021/04/26 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 決算委員会 第5号 令和3年4月26日

#1
令和三年四月二十六日(月曜日)
   午後一時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     高木かおり君     柳ヶ瀬裕文君
     紙  智子君     武田 良介君
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     岩本 剛人君     自見はなこ君
     新妻 秀規君     下野 六太君
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     柳ヶ瀬裕文君     梅村みずほ君
     伊藤 孝恵君     舟山 康江君
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     豊田 俊郎君     本田 顕子君
     伊藤 孝江君     塩田 博昭君
     里見 隆治君     安江 伸夫君
 四月二十六日
    辞任         補欠選任
     自見はなこ君     徳茂 雅之君
     本田 顕子君     豊田 俊郎君
     安江 伸夫君     里見 隆治君
     梅村みずほ君     東   徹君
     柴田  巧君     音喜多 駿君
     岩渕  友君     紙  智子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         野村 哲郎君
    理 事
                古賀友一郎君
                舞立 昇治君
                牧野たかお君
                古賀 之士君
                里見 隆治君
                舟山 康江君
    委 員
                足立 敏之君
                赤池 誠章君
                今井絵理子君
                大家 敏志君
                酒井 庸行君
                自見はなこ君
                滝沢  求君
                徳茂 雅之君
                豊田 俊郎君
                西田 昌司君
                藤井 基之君
                山田 俊男君
                小沼  巧君
                勝部 賢志君
                岸 真紀子君
                塩村あやか君
                吉田 忠智君
                塩田 博昭君
                下野 六太君
                平木 大作君
                東   徹君
                音喜多 駿君
                柴田  巧君
                紙  智子君
                武田 良介君
   国務大臣
       文部科学大臣   萩生田光一君
       農林水産大臣   野上浩太郎君
       国土交通大臣   赤羽 一嘉君
   副大臣
       財務副大臣    中西 健治君
       国土交通副大臣  大西 英男君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       こやり隆史君
       農林水産大臣政
       務官       熊野 正士君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        笹嶋  正君
   政府参考人
       文部科学省総合
       教育政策局長   義本 博司君
       文部科学省初等
       中等教育局長   瀧本  寛君
       文部科学省高等
       教育局長     伯井 美徳君
       文化庁次長    矢野 和彦君
       厚生労働省大臣
       官房高齢・障害
       者雇用開発審議
       官        達谷窟庸野君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    大坪 寛子君
       農林水産省大臣
       官房総括審議官  青山 豊久君
       農林水産省大臣
       官房サイバーセ
       キュリティ・情
       報化審議官    信夫 隆生君
       農林水産省食料
       産業局長     太田 豊彦君
       農林水産省生産
       局長       水田 正和君
       農林水産省経営
       局長       光吉  一君
       農林水産省農村
       振興局長     牧元 幸司君
       林野庁長官    本郷 浩二君
       国土交通省大臣
       官房長      瓦林 康人君
       国土交通省大臣
       官房公共交通・
       物流政策審議官  久保田雅晴君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        井上 智夫君
       国土交通省道路
       局長       吉岡 幹夫君
       国土交通省住宅
       局長       和田 信貴君
       国土交通省鉄道
       局長       上原  淳君
       国土交通省自動
       車局長      秡川 直也君
       気象庁長官    長谷川直之君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第三局長   宮川 尚博君
       会計検査院事務
       総局第四局長   内田 竜雄君
   参考人
       独立行政法人鉄
       道建設・運輸施
       設整備支援機構
       副理事長     水嶋  智君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○令和元年度一般会計歳入歳出決算、令和元年度
 特別会計歳入歳出決算、令和元年度国税収納金
 整理資金受払計算書、令和元年度政府関係機関
 決算書(第二百三回国会内閣提出)(継続案件
 )
○令和元年度国有財産増減及び現在額総計算書(
 第二百三回国会内閣提出)(継続案件)
○令和元年度国有財産無償貸付状況総計算書(第
 二百三回国会内閣提出)(継続案件)
 (文部科学省、農林水産省及び国土交通省の部
 )
    ─────────────

#2
○委員長(野村哲郎君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十三日までに、高木かおりさん、紙智子さん、岩本剛人君、新妻秀規君、伊藤孝恵さん及び伊藤孝江さんが委員を辞任され、その補欠として武田良介君、自見はなこさん、下野六太君、梅村みずほさん、舟山康江さん及び塩田博昭君が選任されました。
 また、本日、梅村みずほさん及び岩渕友さんが委員を辞任され、その補欠として東徹君及び紙智子さんが選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(野村哲郎君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと思います。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(野村哲郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に里見隆治君及び舟山康江さんを指名いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(野村哲郎君) 令和元年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、文部科学省、農林水産省及び国土交通省の決算について審査を行います。
    ─────────────

#6
○委員長(野村哲郎君) この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#7
○委員長(野村哲郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#8
○委員長(野村哲郎君) 速記を起こしてください。
    ─────────────

#9
○委員長(野村哲郎君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#10
○豊田俊郎君 自由民主党の豊田俊郎でございます。
 去年の国会では、土地基本法の大改正がございました。今国会においても、先週でございますけれども、いわゆる民法の一部改正、そして不動産登記法の一部改正、また土地法制の中では相続で取得した土地の国庫への帰属と、もうまさにここ数年にわたり土地法制というものが大きく変わる変換点に差しかかっていることは、これらの法案の審議過程を見ても皆さんもお気付きのことだろうというふうに思います。そんな中で、今日は住生活基本計画について幾つかの質問をしたいというふうに思います。
 本年三月十九日、新たに住生活基本計画が閣議決定されました。同計画は、平成十八年に施行された住生活基本法第十五条に基づき政府が策定を義務付けられる、国民の住生活の安定の確保及び向上の促進に関する基本的な計画のことであると承知をいたしております。
 また、同計画の計画期間は十年でありますが、住宅政策をめぐる社会経済情勢の変化等を踏まえ、おおむね五年ごとに見直しがされてきております。
 そこで、政府が住生活基本計画を定める意義と、住宅政策に与える効果について確認をするとともに、前回の閣議決定がされた平成二十八年三月から今回の閣議決定までの間に、住宅政策をめぐりどのような社会経済情勢の変化が生じ、新しい住生活基本計画に反映されたのか、併せて伺いたいと思います。

#11
○副大臣(大西英男君) 住生活基本計画は、今後十年間の住宅政策の基本的な方向性を定めるものであり、これまでも同計画に基づき住生活に関する施策を総合的かつ計画的に推進してまいりました。
 前回、平成二十八年の計画の見直し以降、我が国の住生活をめぐる状況は大きく変化しております。具体的には、働き方改革の進展やコロナ禍を契機とした多様な住まい方、新しい住まい方へのニーズの高まり、近年の自然災害の頻発、激甚化のほか、脱炭素社会の実現が求められる等の変化が生じております。
 こうした状況を踏まえ、本年三月の住生活基本計画の見直しにおいては、新たな日常やDXの進展等に対応した新しい住まい方の実現、災害に対する安全な住宅、住宅地の形成、脱炭素社会に向けた住宅循環システムの構築と良質な住宅ストックの形成等の目標を掲げ、基本的な施策の方向性を示したところです。
 国土交通省としては、新たな計画で示された施策の方向性に基づき、一人一人が豊かさを実感できる住生活の実現に向け、取り組んでまいります。

#12
○豊田俊郎君 副大臣、どうもありがとうございます。
 まさに、安全な住宅、住宅地の形成が明記されたこと、特にコロナのこの状況下での対応、また、脱炭素社会という、これらのキーワードの中でこれらが明記されたことは私は大変重要であると考えます。
 ただし、大切なことは、目標の下に掲げられた基本的な政策が着実に実施されることであるというふうに思います。
 これまでの住生活基本計画に記載された施策の中には、必ずしも十分な成果を上げられていないものがございます。人命に大きく関わる安全な住宅、住宅地の形成に関わる施策については、迅速、確実な成果を上げていくことが他の住宅施策にも増して求められていると考えられます。その辺の御見解を伺いたいというふうに思います。

#13
○政府参考人(和田信貴君) 住生活基本計画におきましては、安全な住宅、住宅市街地の形成に関係しまして、基本的な施策として、ハザードマップの整備、周知を始めとする災害リスク情報の提供、防災・まちづくりと連携し、ハード、ソフトを組み合わせた住宅、住宅地の浸水対策の推進とともに、密集市街地の解消、住宅市街地における狭隘道路等の現状分析と対策、住宅、住宅地のレジリエンス機能の向上などを示してございます。
 このような安全な住宅、住宅地の形成に関する施策につきましては、頻発、激甚化する災害に対してのものであり、迅速、確実な成果を上げていくことが強く求められているものと認識しており、そのように取り組んでまいりたいと存じております。

#14
○豊田俊郎君 実は、資料一をお配りをいたしました。三月十九日に閣議決定された計画書の抜粋でございますけれども、今回の計画では、安全な住宅、住宅地の形成のための基本的な施策として、都市化に伴い無秩序に形成された住宅市街地における狭隘道路等の現状分析を行い、防災・まちづくり部局等と連携し重点的に安全性を確保すべき地域の把握と対策を推進することが掲げられました。狭隘道路対策について、住生活基本計画の基本的な施策として明記されたことは初めてのことだというふうに思います。
 大規模災害時の避難路や緊急車両通行の確保などの観点から記載に至ったと考えられますが、今回明記されることになった趣旨について確認をしたいというふうに思います。

#15
○政府参考人(和田信貴君) お答えいたします。
 国土交通省におきましては、これまで、危険性の高い密集市街地の解消を重点的に進めるほか、御指摘の狭隘道路につきましては、建築基準法に基づきまして、建て替えの際にセットバックを求めるとともに、公共団体による用地買収や舗装等を支援するなどにより、安全な住宅市街地の形成を進めてきたところであります。
 今般、住生活基本計画を見直すに当たって、人口、世帯が減少し、都市部においても開発のポテンシャルの低下が見込まれる中で、住宅市街地の必要な更新を促し、より安全な住宅市街地の形成を進めていくことが重要であると考え、また、令和二年に公表した狭あい道路の拡幅整備に係る実態調査の成果も踏まえまして、基本的な施策として、都市化に伴い無秩序に形成された住宅市街地における狭隘道路等の現状分析を行い、防災・まちづくり部局等と連携し重点的に安全性を確保すべき地域の把握と対策を推進と記すこととしたものでございます。

#16
○豊田俊郎君 狭隘道路ということは、皆さんも御案内だというふうに思いますけれども、いろんなデータがございます。狭隘道路の基本的な施策として、まず、都市化に伴い無秩序に形成された住宅市街地における狭隘道路等の現状を分析を行うとございますが、狭隘道路に接している住宅の戸数でございますけれども、これ総務省で五年ごとに実施しております。
 資料二を御覧いただきたいというふうに思います。最新の平成三十年調査においても、いまだ約三割の住宅が幅員四メーター未満の道路に接していることが明らかになっております。
 これは本当に、私もこの総務省の資料を見るまでは肌感覚でしかなかなかその数字的なものを体験することができなかったんですけど、総務省が引き続き行っている調査では、何と五千三百六十一万六千三百戸の中で約三一・〇四%に当たる住宅が幅四メーター以下の道路で建っているというこの実態でございます。
 また、今答弁にもありましたけれども、令和二年七月に、国土交通省住宅局において狭あい道路の拡幅整備に係る実態調査を行っております。また、狭あい道路解消のための取組事例として取りまとめた狭あい道路解消のための取組に係る調査及び事例集が公表されております。私もこの事例集、見させていただいております。調査範囲はそれほど広いわけではありませんけれども、実に的を得た調査をなさっているということがその調査表からも伺うことができます。
 この調査を踏まえ、狭隘道路等の現状分析はどの程度進んでいるのかをお伺いするとともに、今後一層迅速な現状分析が求められますが、先行的調査を十分に活用した効果的な対応について御意見を伺いたいというふうに思います。

#17
○政府参考人(和田信貴君) 委員御指摘のとおり、平成三十年住宅・土地統計調査によりますと、四メーター未満の道路にしか接道できていない住宅が全国ベースで約三割あると承知しております。大体、全国の大きな姿というのはこの統計で出ているかと思っております。
 また、平成三十一年四月二十二日の決算委員会におきまして委員の御指摘を踏まえまして、国土交通省では、令和元年度に狭あい道路整備等促進事業の活用を予定している二百八十三の地方公共団体を対象に狭あい道路の拡幅整備に係る実態調査を行い、事例集として取りまとめた上で公表し、周知に努めております。
 今後、こうしたこれまでの取組を踏まえまして、公共団体と連携して、例えば消防活動が困難であるなど優先的、重点的に安全等を確保すべき地域を把握し、対策を進めていく必要があると考えてございます。

#18
○豊田俊郎君 しっかりした分析の中で、何を最優先、優先すべきかという、この辺の対策を是非行っていただきたいというふうに思います。
 狭隘道路に関する基本施策としては、狭隘道路の現状分析に続いて、防災・まちづくり部局との連携し重点的に安全性を確保すべき地域の把握と対策を推進するとしております。狭隘道路の解消は建築基準法に関する施策であることから、地方公共団体の建築に関する部局が中心になって進められて今日まで来ました。
 これまでも、密集市街地総合防災事業の中で実施される狭隘道路整備などについては防災・まちづくり部局との連携が図られてきたと思いますが、今後、重点的に安全性を確保すべき地域の把握と対策の推進に向け、地方公共団体における建築部局と防災・まちづくり部局との連携をどのように進めていくおつもりか、御意見を伺いたいというふうに思います。

#19
○政府参考人(和田信貴君) 例えば横浜市の例でございますが、市内に約千九百キロの狭隘な道路がございまして、建築部局と防災部局等が調整して、狭隘な道路に隣接する地域の安全性の確保や道路ネットワークの形成などの必要性から、約五百キロにつきまして優先的、重点的に事業に取り組んでございます。
 まずは、こうした公共団体における狭隘道路の整備に関して、部局間、建築部局と防災部局等との連携の取組、この中で先例的といいますか優れた取組を把握いたしまして、そして公共団体、他の公共団体に周知していきたいと思っています。
 狭隘道路対策に関する部局間の連携をこのような形で促していって、調整を進めていきたいと考えてございます。

#20
○豊田俊郎君 建築部局が、いわゆるセットバックという建築基準法に基づいて住宅を建てる場合、後退をしたところに工作物を造るということでございますけれども、その後退した部分の扱いでございますけれども、これが実は空地扱いということでございまして、道路でもなければそれ以外のものでもないと、あくまでも空地という扱いでございます。ここがやはり防災上いろんな問題、この後もお話し申し上げますけれども、電柱用地の問題も含めていろんな課題が起きてくるというふうに思います。まさにこの連携こそが私は必要不可欠だというふうに思いますので、今後のこの課題についての進め方は、是非両部局、縦割りを排しての対応をお願いをしたいというふうに思います。
 国の狭隘道路解消に向けた地方公共団体への支援制度としては、現在、さきに述べた密集市街地総合防災事業のほか、社会資本整備総合交付金等として実施されている狭あい道路整備等促進事業があり、これが国の支援制度の中心となっています。今後、基本的な施策に記載された重点的な安全性を確保すべき地域における対応を始めとして、国の狭隘道路対策の在り方についてどのように考えていくのか。
 具体的には、これはもう私の考えるところでございますけれども、関連予算の一層の充実、これはもちろんのことだというふうに思いますけれども、狭あい道路整備等促進事業の個別補助金化、私はこれは一つの考え方だというふうに思いますし、また、地方公共団体が統一的かつ迅速に事業に取り組めるような新たな法整備、制度の構築が考えられるというふうに思います。
 狭隘道路対策の一層の推進に向けて、御見解を伺いたいと思います。

#21
○政府参考人(和田信貴君) 高度経済成長期に急激な都市化が進む中で狭隘道路と無秩序な住宅地が形成され、このような住宅市街地におきましては緊急車両の通行、災害時の避難路の確保、日照の確保などの課題があると認識してございます。
 まずは、引き続き、狭あい道路整備等促進事業、現行の事業などにより公共団体の対策を支援するとともに、今般の住生活基本計画にも明記したとおり、狭隘道路等の現状分析を行い、防災・まちづくり部局等と連携して重点的に安全性を確保すべき地域の把握を進め、安全な住宅地の形成の観点から、委員おっしゃられたような迅速で、そして統一的な、そして効果的な狭隘道路対策について検討していきたいと考えております。
 こうした取組を通じまして、住宅市街地の必要な更新を促し、より安全な住宅市街地の形成を進めてまいります。

#22
○豊田俊郎君 今の答弁、しっかり受け止めさせていただいて、是非実施をしていただきたいというふうに思います。
 この狭隘道路に関し、またこの住生活基本計画に際し、これも資料一に記載してございますけれども、無電柱化について質問をしたいというふうに思います。
 今回の住生活基本計画では、安全な住宅、住宅地の形成のための基本的な施策として無電柱化の推進が挙げられました。無電柱化の推進については前回の計画にも挙げられているところでありますが、災害発生時の緊急輸送道路、避難所へのアクセス道の確保等の観点から、その推進は極めて重要であります。
 そこで、今回の計画においても引き続き基本的施策として記載することとされた趣旨について確認したいというふうに思います。

#23
○政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。
 今回閣議決定されました住生活基本計画においては八つの目標が立てられておりまして、その一つとして、頻発、激甚化する災害新ステージにおける安全な住宅、住宅地の形成と被災者の住まいの確保が掲げられているところでございます。例えば、平成三十年九月の台風二十一号の大規模災害では、倒壊した電柱や電線が道路の通行を阻害し、生活物資の輸送に支障を来すなど、住生活にも大きな影響を与えたところでございます。
 無電柱化にはこのような被害を防止する効果があるため、安全な住宅、住宅地の形成にも寄与できると考えまして、住生活基本計画の基本的な施策として位置付けたところでございます。

#24
○豊田俊郎君 資料を見ていただきたい、資料二番でございますけれども、三番ですか、無電柱化については、無電柱化推進計画や防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策等に基づき推進されてきました。
 令和三年度以降も、本年五月頃に策定予定の次期無電柱化推進計画や、令和二年十二月に閣議決定された防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策に基づき推進されることとなっています。このうち、五か年加速化対策では、市街地等の緊急輸送道路における無電柱化対策が掲げられており、電柱倒壊リスクがある市街地等の緊急輸送道路、約二万キロメートルにおける無電柱化着手率を、令和元年度の約三八%から、令和七年度までに約五二%まで上げることとしております。目標に沿った着実な事業の推進とともに、無電柱化完成率を上げていくことは大変重要なことであるというふうに思います。
 そのためには工事期間の短縮が課題となりますが、次期無電柱化推進計画では、設計からいわゆる柱を抜き去るまでの期間、平均約七年掛かっている工事期間の、これを約四年への短縮について記載される予定とのことであります。これなぜ四年なのか、またその根拠について伺うとともに、緊急輸送道路における無電柱化の推進に向けた施策の在り方について御見解を伺いたいと思います。

#25
○政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。
 緊急輸送道路は、災害時の救命活動や復旧活動など、国民の生命、財産を守るため、災害時でも円滑な通行確保を図ることが重要でございます。
 現在、緊急輸送道路におきましては、道路閉塞を防止する無電柱化を重点的に進めているところでございますが、委員御指摘のとおり、電柱倒壊リスクの高い市街地の緊急輸送道路でも、令和元年度末時点におきまして約三八%しか無電柱化が実施できていない状況でございます。このため、昨年十二月に閣議決定されました防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策では、市街地等の緊急輸送道路において、令和七年度までに新たに約二千四百キロの無電柱化に着手することとしているところでございます。
 また、令和三年度を初年度といたします次期無電柱化推進計画では、特に緊急輸送道路については、占用制限制度の活用により新設電柱を抑制するとともに、電線の地中化などを重点的に進め、緊急輸送道路に関する電柱を減らすことを盛り込んで策定する予定でございます。
 また、お尋ねのありました工事期間の短縮でございますけれども、電線共同溝の設計や工事に加えまして、支障となりますガス、上下水道等の地下埋設物移設工事等を一括して発注することや、地域の円滑な合意形成を図る協議会の設置などによりまして、事業期間を七年から四年に短縮することを目標として取り組むこととしてございます。
 このような計画などによりまして、災害時に緊急輸送道路の機能が確保されますよう、関係者と連携しながら事業のスピードアップを図るなど、無電柱化を加速してまいります。

#26
○豊田俊郎君 私も、自民党の会議の中で、この無電柱化を進めていく上では行政指導、行政の覚悟というものが必要だということも申し上げてまいりましたけれども、是非このことにおいては積極的な対応をお願いをしたい。
 もう一つの理由として、私は実は千葉県の出身でございます。令和元年台風十五号で、強風による電柱の倒壊に起因する道路閉塞が生じ、復旧活動に支障が生ずるなど大規模被害が生じましたが、それと併せて大きな被害をもたらしたのが、実は東日本大震災による液状化に起因する電柱の傾斜、沈下でありました。広範囲にわたり停電、道路の通行止めなどが生じ、市民生活に多大な影響を及ぼされたところであります。
 首都直下型地震や南海トラフ地震の発生が懸念される中、液状化が心配される埋立地地域のライフラインの確保が課題となっていますが、東日本大震災では液状化による地中ケーブルの被災も指摘されているところであります。液状化対策と無電柱化を並行して進めていくことが必要だというふうに思います。御見解を伺いたいというふうに思います。

#27
○政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。
 東日本大震災では、地震、津波、液状化によりまして約五万六千本の電柱が倒壊等の被害を受けましたが、その後の調査によりまして、架空線に比べて地中線の被災率は約二十五分の一となっており、改めて無電柱化の有効性が確認されたところでございます。
 一方、委員御指摘のとおり、東日本大震災の千葉、茨城、東京における液状化エリアを対象とした通信線の調査では、液状化による地中管路やマンホールの被害も多く確認されておりまして、一旦被災すると復旧に時間を要する場合もあることから、地中化と併せて液状化対策を実施することは重要だと考えております。
 このため、これまで液状化が懸念される場合には、管路同士の接続や管路とコンクリートの升の接続には伸縮する継ぎ手の採用等を検討してございます。また、令和三年度を初年度とします次期無電柱化計画では、液状化が予想される地域において電柱の地中化の対応が難しい場合は、ケーブルを地中化しない軒下配線などの手法を検討することとしてございます。
 日本は、四方を海に囲まれまして、山地が少なく、海沿いの低湿地に人口が集中してございます。このような特徴のある国土条件の下、無電柱化を進めるに当たりその効果が低減しないよう、国土交通省としましては、液状化対策の研究開発を進め、無電柱化と併せた液状化対策を適切に実施してまいります。

#28
○豊田俊郎君 住生活基本計画の中ではいろんな方策が取られることが、私たちの安心、安全な町づくり、その中での生活を営めるということにつながるというふうに思います。
 このほかにも、土砂災害対策、これも重要だというふうに思います。
 今日はもう時間がございませんので省略をさせていただきますけれども、土砂災害警戒・特別警戒区域等の指定の件でございますけれども、随分進んでいるところもあるようでございます。千葉県においては、実は一万九百八十地域に対して既に一万九百五十九地域が指定が完了しております。一日も早い全国的な指定は私は重要だというふうに思いますけれども、ただ、この指定に際して、いわゆる後指定なんですね、既に住んでいるところに指定しますから。元地主さん含めて今いろんなトラブルも全国で起きているようでございます。これらのトラブルをやはり回避することも行政庁の仕事の一つだというふうに思います。
 いろんな観点から情報をできるだけ国民、県民、市民に情報提供することによって、いかにこれらの政策が私たちの命と暮らしを守ることにつながってくるのかと、国交省挙げての周知徹底をお願いして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#29
○足立敏之君 自由民主党の足立敏之でございます。
 本日は、質問の機会をいただきまして、野村委員長、各理事の皆様に感謝を申し上げたいと思います。
 私は、建設分野、建設産業の代表としてこれまで活動してきておりますけれども、本日はインフラ整備、防災、災害対応に取り組んだ経験を生かしまして、インフラ整備と日本の豊かさというテーマで質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まずは、日本の自然災害に対する脆弱性について伺いたいと思います。
 平成二十九年の九州北部豪雨、平成三十年の西日本の豪雨災害、令和元年の台風十九号による東日本の豪雨災害、令和二年の球磨川の水害など、これまで経験したことがないような極めて大規模な水害や土砂災害がこれは毎年発生をしています。このような状況を考えますと、地球温暖化に伴って気候が大きく変化し、これまで生じていなかったような現象が発生しているのではないか、そのように懸念をされます。
 現に気象庁では、お手元にお配りした資料ですけれども、資料の一の方にお示しをしたとおり、一九九一年から二〇二〇年の間の三十年間の日降水量二百ミリ以上の大雨の日数というのが、一九〇〇年代の初め、一九〇一年から一九三〇年の間の三十年間に比べて一・七倍に増加しているというふうにしています。
 また、今後の予測は、一枚めくっていただきまして資料二なんですけれども、文部科学省と気象庁が日本の気候変動二〇二〇という資料を発表されていまして、今世紀末には二度上昇するというパリ協定で合意された目標が達成された場合に、二十一世紀末の日降水量二百ミリ以上の大雨の年間日数、これが二十世紀末に比べて約一・五倍に増加するというふうに見込まれています。
 さらに、温室効果ガスの排出がより高いレベルで続くと想定した場合、いわゆる四度上昇シナリオの場合では、二十一世紀末の日降水量二百ミリ以上の年間日数、これが二十世紀末に比較して二・三倍に増加するというふうに予測されています。
 地球温暖化の進展に伴いまして、今後引き続き水害、土砂災害が増加していく懸念があるのかどうか、気象庁長官に伺いたいと思います。

#30
○政府参考人(長谷川直之君) 気象庁から、水害や土砂災害をもたらす大雨の状況についてお答えいたします。
 気象台などの過去百年以上の観測データによりますと、今お話ございましたとおり、災害をもたらすような大雨の発生回数には増加傾向が見られております。これには地球温暖化が影響している可能性があると考えております。
 また、将来につきましても、ただいま委員から御紹介いただきましたとおり、文部科学省と気象庁が昨年十二月に発表した日本の気候変動二〇二〇において、温室効果ガスの排出が高いレベルで続く場合でも、またパリ協定の二度目標が達成された状況であっても、今世紀末には災害をもたらすような大雨の発生回数が増加すると予測しております。
 こうした大雨の頻度の増加は、気温が上がるほど空気中に含むことのできる水蒸気の量も増えるという性質を反映した温暖化に伴う気候の変化の一つだと考えられます。
 気象庁といたしましては、引き続き気候変動の監視や予測を充実強化し、地球温暖化対策に資する情報の発信に努めますとともに、災害をもたらす大雨の頻度が今後増えることを念頭に、的確な防災気象情報の提供に努めてまいります。

#31
○足立敏之君 ありがとうございました。
 やはり深刻な状態だというふうに思います。気象庁からは国民の皆様にしっかりと警鐘を鳴らしていただくようにお願いしたいと思います。
 ところで、地球温暖化対策といいますと、CO2対策など温室効果ガスの削減を図る緩和策、こちらの方に注目が集まりがちなんですけれども、実際に発生してきている様々な影響に対する対策を行ういわゆる適応策、こちらも非常に大事だというふうに考えています。
 国土交通省では、平成三十年四月に気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会、これを立ち上げました。お手元の資料三です。こちらに示すとおり、温暖化に伴いまして気温が二度上昇した場合に、下の方の表なんですけれども、降水量が北海道や九州北西部で一五%増加する、他の地域でも一〇%は増加する、そういうふうに予測をしています。また、更に温暖化が進行して気温が四度上昇する場合ですけれども、北海道や九州北西部では降水量が約四割、四〇%、その他の地域でも二〇%増加するというふうに見込まれるという結果を発表しています。これは大変深刻な状況です。
 このような状況に対応するため、国土交通省では、令和元年十一月、社会資本整備審議会に気候変動を踏まえた水災害対策検討小委員会を立ち上げて検討を行い、気候変動に伴う治水安全度の低下に河川整備のスピードが追い付かないという大変な状況ですけれども、これを踏まえまして、河川の関係者だけではなく流域内のあらゆる関係者が被害の最小化のために協働して洪水に備える流域治水という考え方を導入することとされました。
 毎年激甚な水害、土砂災害が発生していることを踏まえますと、ハード、ソフト両面にわたって施策を総動員して事前の防災対策に当たるべきと考えますが、赤羽国土交通大臣の御見解をお願いいたします。

#32
○国務大臣(赤羽一嘉君) 私自身、一昨年の九月に国土交通大臣に就任した直後に、当時の台風十五号、十七号、十九号と、十九号は令和元年東日本台風という未曽有の大型台風となりました。全国で百四十二の箇所で堤防が決壊し、一級河川、国の直轄の一級河川でも七河川がやられるという、考えられないような状況でございました。
 私も素人ながら現場を見て思ったことは、台風十九号だけではなくて、真備地区、倉敷の真備地区なんかにも行きまして、やはり治水対策、もう抜本的な見直しがやっぱり必要ではないかと。それはなぜなら、河川管理者単位での治水対策というのは、上流は県管理が多くて下流は国ですとか、本川は国管理ですけれども支川は県ですとか市だとか、そうしたところがやはり共通の認識で同じ計画、中長期的な計画を持たないと、結局、部分的にやられてしまうとか、本川からの逆流で支川からあふれて真備地区では四千数百世帯というところが家屋浸水してしまったりとか、そうしたことも踏まえて、やはり水系全体を俯瞰して、国、県そして沿川の市町村が全て同じ協議会でこの流域治水をしっかりつくり上げなければいけないのではないかと。こうしたことで、今お話がありましたように社会資本整備審議会にお願いをして、諮問して報告をいただいたところでございます。
 今年、本年三月三十日までに、全国百九の全ての一級水系で流域治水プロジェクトを策定して公表させていただいたところでございます。
 これから、これは第一歩であって、まさに今、足立委員の御指摘のとおり、気候変動の影響によって降水量の増大でこれから洪水リスクがどれだけ増えるかということを踏まえた流域治水の具体的な計画を作っていく、これがこれからのやらなければいけない対応だというふうに思っておりますし、その中では、上流で洪水を貯留するためのダムの有効的な、利水ダムも含めた事前放流等々の対応ですとか遊水地の整備、また下流からは計画的に行う堤防の整備ですとか河道掘削と。これは、計画だけではなくて、幸い五か年で十五兆円という防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策も確保していただいておりますので、こうしたことを踏まえながらしっかりと対応していかなければいけないと。
 加えて、国土交通委員会でも御指摘いただいておりますが、ハザードマップのより有効的な活用ということで、ハザードマップで危険だとされている地域でそのとおり洪水が起こってしまったという例が、真備地区もそうでしたけれども、そうしたことがないように、ハード、ソフト合わせて防災・減災対策を講じていきたいと、こう思っております。

#33
○足立敏之君 ありがとうございます。この流域治水は非常に大事な考え方だと思います。赤羽大臣のリーダーシップでしっかり進めていただければ有り難いというふうに思っております。
 一方、大規模地震の方の脅威についても伺いたいと思います。
 二万人を超える犠牲者を出した東日本大震災以降、熊本地震、大阪北部地震、北海道胆振東部地震など大規模な地震が発生をしています。この二月には福島県沖を震源とする震度六強の地震も発生しましたし、それ以降も震度四の地震が毎日のように全国各地で発生しています。
 三月に発表されました、お手元資料四でございますけれども、全国地震動予測地図二〇二〇年版で見ましても、今後三十年間に見舞われる確率が三%、これは千年に一回程度なんだそうですけれども、それ以上となる震度が明示されているということです。ちょっと分かりにくいんですけれども、何となく大規模な地震が目の前に迫った脅威のように感じます。
 最近の地震の頻発状況を踏まえますと、耐震対策などしっかりと事前の防災対策を充実させなきゃいけないというふうに思いますが、赤羽大臣の御見解をお聞きしたいと思います。

#34
○国務大臣(赤羽一嘉君) 地震調査研究推進本部でかねてより、ここ三十年間というか、もう既に二十年間ぐらいになったかもしれませんが、東南海・南海トラフの大地震の起こる発生の比率、確率というのを結構具体的に出しております。これ、遠い先のことではなくて、いつ起こっても不思議ではない切迫した問題だというふうに受け止めなければいけないと思います。
 また、私自身、阪神・淡路大震災で自ら住む家を失った被災者の体験をしまして、そのときに、やはり住宅、建築物、また学校の耐震化のみならず、高速道路、また鉄道、橋脚も含めて鉄道、空港、港湾、こうしたインフラの耐震対策の重要性、大変大事だなということを教訓として学んだところでございます。
 阪神・淡路大震災で犠牲になられた六千四百有余名の方の九割近くが、住宅の倒壊や家具の下敷きでございました。住宅そのものの損壊は六十四万棟、全壊は十万四千九百六棟でありましたので、いかにこの災害の破壊力もすごかったかということでもありますが、当時の耐震化についてはやはり改善すべき点があったと。また同時に、阪神高速道路も、神戸線、深江のところで倒れました。あのときも、私の家のすぐそばだったんですが、これ、橋脚が、千百七十五基のうち六百三十七の橋脚が損傷すると、大変大きな被害も出ましたし、神戸港も大変な被害があって機能が停止してしまったため、いわゆる神戸でトランシップのコンテナ貨物がほとんど釜山港に流れて、それの回復が二十年以上掛かっているということでございます。
 ですから、インフラの耐震対策というのは、人的被害や短期的な経済被害だけではなくて、長期的な経済被害の損失の防止という観点からも極めて重大だと、こう思っております。
 住宅や学校の耐震化というのはそれなりに改善をしてきましたが、いまだに、例えば下水処理場の耐震化対策の整備率は三七%ですとか、港湾、重要港湾についても五五%にとどまっておりまして、このインフラの耐震化対策、いまだ道半ばということを自覚して対応しなければいけないと。
 そうした意味で、先ほどの防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策などもしっかりと活用しながら、今後、地域も踏まえて、流域治水と同じ重要度を持ちながら、しっかりと耐震化を進めていかなければいけないと、こう決意をしておるところでございます。

#35
○足立敏之君 ありがとうございます。今申しましたように、水害、土砂災害、あるいは大規模地震が頻発している日本、世界的にもまれな脆弱な国土と言って差し支えないんではないかというふうに思います。
 それでは次に、日本のインフラの整備水準について諸外国と比較してみたいと思います。
 高速道路についてですけれども、本来は片側二車線以上あるべきものですが、日本では予算が厳しかったときに、交通量の少ない段階では取りあえず暫定二車線、対面交通で供用させる、そういう高速道路を増やしてきています。お手元の資料五に高速道路の四車線化の率を示しておりますけれども、日本では暫定二車線区間、対面交通の区間は全体の約四割に上っています。しかし、この暫定二車線の区間というのは対面交通で事故の危険性が高くてスピードも出せず、生産性も低くて災害にも弱いという弱点があります。
 世界に目を移すと、今の図を見ていただいても分かりますとおり、対面交通の高速道路はほとんどありません。韓国は二十年前には四割が対面交通だったと聞きましたけれども、この二十年間に整備が進んで、それを解消したというふうに聞きます。
 やはり四車化、これをしっかり進める必要があると考えますが、吉岡道路局長のお考えをお聞きしたいと思います。

#36
○政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。
 我が国の高速道路については、本来は四車線で整備すべきところ、予算上の制約から暫定二車線で早期開通させる方針に沿って整備を進めてきた結果、今委員お話ありましたとおり、令和二年度末の時点の全国の開通延長のうち約四割が暫定二車線となっており、諸外国と比較して整備が遅れている状況でございます。
 暫定二車線区間には、四車線区間と比較いたしまして渋滞や速度低下が発生しやすいといった課題があると認識しておりまして、物流を効率化し国際競争力の強化や生産性向上を達成するためにも、高速道路の四車線化を進めることが重要であると考えております。
 また、災害に強い国土幹線道路ネットワークを構築するためにも四車線化は必要であると考えています。本年二月に発生した福島沖を震源とする地震により、のり面が崩壊した常磐道の被災区間は暫定二車線でありまして、四車線区間であれば通行止めが更に早期に解除されたと考えられることから、先月末、当該区間における四車線化事業の着手を決定したところでございます。
 高規格道路の四車線化は、昨年十二月に閣議決定された防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策に位置付けられているところでございまして、引き続き、全国の暫定二車線区間における課題を整理しながら、地域における利活用状況や財源の確保状況なども踏まえつつ、着実に四車線化を進めてまいります。

#37
○足立敏之君 ありがとうございました。しっかり進めていただきたいと思います。
 ところで、お手元資料の六でございます。先日、予算委員会でも一度質問をしたんですけれども、日本と韓国のインフラの整備水準について比較をさせていただきたいと思います。
 日本と韓国の高速道路の整備状況でありますけれども、百平方キロメーター当たりのキロメーター、十キロ掛ける十キロのメッシュに高速道路が何キロあるかという指標で見ますと、韓国は四・一八キロメーター、一方、日本は二・九八キロメーターであります。しかし、先ほど四車化の話をさせていただきましたが、日本で本来の高速道路である四車化というふうに考えますと、延長は一・八五キロメートルになってしまいます。
 韓国は全て四車化していますので、ちゃんとした四車化、四車線以上の高速道路という観点で見ると、韓国は四・一八キロメーター、日本が一・八五キロメーターと、韓国の方が二倍以上高速道路の整備が進んでいるということになります。とても残念なことです。港湾、空港についても同様です。このように韓国と日本のインフラを比較すると、大変心もとない状況にあります。
 なぜこういうような状況が生じたのかですけれども、一枚めくっていただきまして、資料の七でございますけれども、日本と韓国のインフラ投資の違いにあるというふうに考えています。日本はこの二十年間でインフラ投資を半減させていますけれども、韓国は二・七倍に増やしている、この違いが日本と韓国のインフラの整備水準に、違いにつながっているというふうに思います。
 三月八日に予算委員会で、この点、麻生財務大臣に指摘させていただきました。麻生大臣からは、これは残念ながら事実ですねということで、インフラストラクチャーとしてしっかりさせておかないといかぬということで、率直にそう思って努力をしているんだという御答弁をいただきました。
 このように、日本のインフラの整備水準が、先ほど世界との比較もしましたけれども、韓国のみならず諸外国と比較して、やっぱり貧弱と言わざるを得ない状況だと思うんですけれども、今後しっかり公共投資を拡大して着実にインフラ整備を進めるべきと考えますが、中西財務副大臣の見解をお聞きしたいと思います。

#38
○副大臣(中西健治君) どうもありがとうございます。
 予算委員会での質疑も、私の方、拝見しておりました。委員の問題意識もよく分かっているつもりでございますが、公共事業予算については、人口の減少や厳しい財政状況を踏まえて、選択と集中の考え方の下、国民の命と暮らしを守る防災・減災、国土強靱化や、物流・交通ネットワークといった生産性向上、成長力強化につながるインフラ整備などへの重点化を進めてきているということは委員も御承知のことだと思います。
 他国との、諸外国との比較ということがございましたけれども、これ、国土の形状の違いですとか、あと、統計の取り方によっては、過去二十年間というお話ありましたけど、国土を整備した時期がいつなのかと、全般的に整備した時期はいつなのかといった違いによって、統計の取り方によっては進捗状況が我が国は劣っているのではないかというように見えるものもあるし、実際に四車線化のように遅れているものもあるということなんじゃないかと思います。
 ただ、マクロ的に見てみますと、日本の公共投資については、対GDP比で見た政府の固定資本形成、いわゆるフローですけれども、これ、アメリカ、フランス、イギリス、ドイツよりも大きな数字だということでありますので、イタリアよりも大きいので、G7の中でも高いところにあると、位置しているということだと思います。また、ストックで見てみましても、過去の投資の累積を反映する政府の固定資本ストックを対GDP比で比較すると、OECD諸国の中で第一位ということでありますので、貧弱というところまでは言えないんじゃないかなというふうに思います。
 ただ、委員御指摘のとおり、大災害の多発化などもございますので、引き続き、公共事業予算については、厳しい財政事情も踏まえつつ、政策効果を高めるために重点化、効率化を図っていきたいと思います。

#39
○足立敏之君 ありがとうございました。財務省の見解はよく分かりました。
 やはり、ただ、諸外国に行って自分も体験して感じるんですけれども、インフラのやっぱり整備水準が日本はもう劣ってきているという実感を持たざるを得ないので、そういったところ、よく見ていただければ有り難いというふうに思います。
 お手元の資料、資料の八です。今、中西副大臣からもお話がありましたけれども、GDPだとかそういったような様々な指標で見たときに、日本のGDP、皆さん御承知のとおり、世界三位だということで、いや、なかなか立派なもんだというふうに思っていらっしゃる方多いと思いますけれども、人口一人当たりという指標で見ると世界で二十五位程度ぐらいですね。残念なことに、諸外国と比較しても低い水準になっています。
 それから、次のページめくっていただきまして、若者の自国に対する期待度という調査を内閣府がされているんですけれども、そのデータ見ると、日本は諸外国に比べると非常に低い状況になっております。
 今の日本の豊かさというのを若い人たちがどのように実感しているのかというのがこういうところに表れているんじゃないかというふうに思いますけれども、日本は豊かな国と言えるのか、そこは中西財務副大臣にお聞きしたいと思います。

#40
○副大臣(中西健治君) 日本が豊かと言えるのか、大変難しい質問だというふうに思います。
 豊かさを実感できるかというのはかなり主観的なものもございますので、特定の指標のみに基づいて豊かかどうかと判断することはなかなかしづらいということじゃないかと思いますが、ただ、総じて、委員が御紹介いただいたGDP、一人当たりのGDPですとか、あと若者の幸福度、こうしたものが下がっていたり低かったりということは、やはり九〇年代からのデフレ不況、失われた二十年などと言われますけれども、閉塞感が日本を覆っていたということが大変大きな影響を及ぼしているんじゃないかというふうに思います。ですので、第二次安倍政権が発足してからは、デフレ脱却、そして雇用の創出、こうしたところに全力で取り組んできたということではないかと思います。
 いずれにせよ、国民一人一人が生活の豊かさを実感できるようにしていかなければいけないと、それが政治の大きな役割だというふうに思いますので、インフラ整備も含めて幅広い政策手段を効果的に活用していくことで、国民が生活の豊かさを実感し、国の将来は明るいと思える社会の実現に全力を尽くしてまいりたいと思います。

#41
○足立敏之君 ありがとうございます。
 やはり、あらゆる面でやっぱり日本は豊かだと若い人たちが実感してもらえるような、そういう社会をつくるために財務省を挙げて頑張っていただければ有り難いというふうに思います。
 お手元に資料十一とか十二とか、今、先ほど中西副大臣からお話がありましたけれども、インフラの整備についての指標を入れておきましたが、ちょっと時間の関係ありまして省略させていただきますが、資料の十三だけちょっと見ていただきたいんですが、横軸が公共投資です。縦軸がGDPの伸率です。日本はこの二十年間で、先ほども話をしましたが、公共投資半減して、GDPも世界の中で唯一と言っていいぐらい伸ばすことができてない残念な国になっています。
 公共投資を伸ばした国、特に韓国とか見ますと経済成長しているわけでありまして、日本が経済で一流を目指すのであれば、インフラ整備も諸外国並みに引き上げていく必要があるのではないかというふうに思っております。
 そこで、資料の次のページ十四なんですけれども、ちょっと質疑は難しいと思いますが、資料の十四に、諸外国のインフラ投資の動きを整理して載せました。アメリカではバイデン大統領が今後八年で約二兆ドル、すなわち二百兆円の規模の公共投資を目指すということを表明されています。それによりまして、高速道路の修繕だとか橋梁の再建だとか、そういうような取組をしていくことになるというふうに聞きました。また、アメリカだけではなくて諸外国みんな、この機にインフラ投資をしっかりやり直してインフラの整備を進めるというような動向になっています。
 日本もこの辺で大きくかじを切って日本を強靱な国に、そして先ほど来あるように、インフラが一流で皆さんが豊かな国だというふうに思っていただける、そういう国にしていただきたいというふうに思います。
 ところで、今申しておりました公共事業、これをやはり進めていく際には、その担い手である国土交通省の現場がしっかりとした体制、人員の確保をされている必要があるというふうに思います。
 お手元の資料の十五が国土交通省の現場の定員の推移ですけれども、やはり定員削減の影響で長年、整備局等の定員がこんなふうに減ってきております。昨年は初めて定員増というようなこともありましたけれども、やはりまだまだ現場サイドでは、次の資料の十六ページにあるように、現場の出張所で職員がその出張所長だけ、そういうような一人体制、あるいは出張所長と係長の二人しかいない二人体制、こういうような事務所が増えておりまして、ある意味致命的な状況ではないかというふうに思っております。
 先ほど来お話をさせていただいているように、インフラ整備、しっかり公共投資を日本が進めて諸外国と肩を並べられるような質の高い国にしていくためには、やっぱり国交省が大事でございまして、国交省の人員体制をしっかり確保するための赤羽大臣の御決意を伺いたいと思います。

#42
○国務大臣(赤羽一嘉君) 先ほど私申し上げましたように、令和元年東日本台風のときには、集中的に各所で堤防が決壊されたというようなことが起こって、例えば那珂川と久慈川だったと思いますけれども、この同じ管内で国管轄の一級河川が堤防破壊したということで、ちょっと若干ヒューマンエラーが出たりして御地元にも御迷惑掛けたということがございました。
 やっぱり、私も回っていて、現場の一番大事なところが一人事務所とか二人事務所という、もう極めてタイトロープというか、ぎりぎりのところでやっているということで、これだけ災害が増え、ニーズが増え、またテックフォースに対する各首長さん、地域の、被災地の評価も高くなっているときに、現実的には国が直轄代行もやらせていただかなければいけない場面も増えている中で、人数が大変厳しいというのは何とかしなければいけないと。行政改革の中で、国土交通省発足時から令和元年までで七千名、約二三%減少しましたんで、これ当時の菅官房長官に、ここの人員はもう絶対にプラスにしてもらいたいということを強く申し上げまして、昨年は五十七名の純増、そして今年は百三十四名の純増でございますので、これしっかりとこうした、必要に迫られてのことでありますけれども、しっかりと人員を補強していただいて、現場の体制、万全を尽くせるように整えていきたいと、こう考えております。

#43
○足立敏之君 大臣、ありがとうございました。
 インフラ整備、日本のインフラをやはり一流なものにしていく必要があると私は思っておりまして、そのためにも、国土交通省の定員、組織をしっかりさせていかなくちゃいけないと思っております。決算委員会の皆様方のお力をいただいて、そういう方向にしたいと思っております。よろしくお願いします。
 ありがとうございました。

#44
○吉田忠智君 立憲民主・社民の吉田忠智でございます。
 今日は、文部科学省、国土交通省に質問をさせていただきます。
 まず、個別の質問に入ります前に両大臣にお尋ね、お伺いしたいと思いますが、昨日、北海道二区衆議院の補欠選挙、そして参議院の長野の補欠選挙、そして参議院広島の再選挙が行われました。三つ共に、御案内のとおり、野党系候補が勝利をいたしました。
 この結果について、文部科学大臣、国交大臣、どのように受け止めておられるか、伺いたいと思います。

#45
○国務大臣(萩生田光一君) 所管外ですので詳しい答弁は控えたいと思うんですけれども、それぞれ選挙区によって事情も、選挙の在り方といいますか、なぜ起こったのかというのも異なりますけど、いずれにしましても、今仕事を進めていく上で与党に対して厳しい御批判があったことは謙虚に受け止めなきゃいけない、こう思っているところです。

#46
○国務大臣(赤羽一嘉君) 私も所管外でございますので具体的な答弁差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として、国政選挙の結果というのは時の政府・与党に対する叱責と受け止めて、私はしっかり国土交通大臣の使命と責任を果たしていかなければいけないと決意をして、頑張っていこうと思っております。

#47
○吉田忠智君 マスコミでは様々に報じられておりますけれども、そもそも北海道についても広島についても政治と金の問題があったわけでございます。そしてまた、そんたく政治と言われる状況、また、新型コロナウイルスに対して、この感染拡大によって本当に国民は厳しい状況に立たされております。そうした状況の中での菅政権の対応はどうなのかということもあったのではないか、そのように思います。
 所管外と言われましたけれども、関係することは多いわけでありますから、菅内閣の一員として、しっかりまた今後とも昨日の結果を受け止めて対応していただきたいと思います。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 まず、震災復興医療体制整備システムの未活用問題について、これは会計検査院から指摘のあった事項でございますけれども、文部科学大臣に質問いたします。
 会計検査院の結果によると、国立大学法人佐賀大学と九州地区六つの国立大学法人が保有する医療データを佐賀大学に集積し、薬剤の処方量等の需要予測などを目的に作成された震災復興医療体制整備システムが全く活用されていなかったと指摘されました。
 こうした事態に陥った原因を御説明ください。

#48
○政府参考人(伯井美徳君) お答えいたします。
 会計検査院から御指摘を受けた佐賀大学の震災医療システムにつきましては、平成二十四年度の国立大学法人運営費交付金により、九州地区の国立大学法人が保有する医療データを佐賀大学に集積し、薬剤の処方量等の需要予測を行うなどを目的として措置されたものであります。
 当該システムにつきましては、令和二年十一月の令和元年度決算検査報告におきまして、関係機関との役割分担等について十分に合意形成が図られていなかったなどのため、全く利用されていなかったものとして、不当事項として指摘を受けたものでございます。佐賀大学においてこのような事態が生じ、会計検査院から指摘を受けたことは極めて遺憾でございます。
 文部科学省からは、佐賀大学に対して原因分析、再発防止を講じるよう求め、昨年十二月に佐賀大学から報告を受けました。大学からの報告によりますと、当該システムが活用されていなかった原因につきましては、会計検査院からの指摘に加えまして、七大学、七つの各大学独自の医療データに係る標準化作業に当初の想定以上の時間を要し、作業が完了できず、本システムの目的を達成できない状況となったということ、さらに、佐賀大学において特定教員のみが事業を進め、情報共有が十分に行われないまま全体計画や責任体制が不明確となったといったことを原因としているものと聞いております。

#49
○吉田忠智君 今説明をいただきましたが、文部科学省はこのシステムがスタートしてから、その進捗状況や調査状況をどのように把握しておられたのか、伺います。

#50
○政府参考人(伯井美徳君) 本システムにつきましては、平成二十四年度の国立大学法人運営費交付金によるものでございます。平成二十六年三月に業者から納品を受け、平成二十七年四月から運用を開始すべく、九州地区の国立大学病院間の円滑かつ効率的な医療支援を行うためのデータ連携を目的として佐賀大学に設置されたものでございます。
 文部科学省では、その執行状況に係る調書におきまして、当該システムを佐賀大学が購入、納品を受けたことについては把握しておりますが、その後のシステムの運用、データの標準化等を含めた活用状況につきまして、個別にその都度進捗状況を大学に対して求めておらず、また大学からも事前の相談はございませんでした。
 通常、各大学において、その後の進捗に特段の支障が生じた際には各大学から文科省に相談、報告をいただかなければならないものというふうに考えておりまして、本件について速やかな報告がなかったことについては遺憾に考えております。

#51
○吉田忠智君 報告がなかったことは遺憾という今答弁でございましたけれども、令和二年十一月十日付けで佐賀大学が公表したプレスリリースでは今回のことを機に再発防止に努めるとしていますけれども、佐賀大学の再発防止策を文科省としてどのように認識をされておられますか。文科省として今後再発防止のためにどのようなサポートをしていかれるか、大臣に伺います。

#52
○国務大臣(萩生田光一君) 令和二年十一月の佐賀大学の公表においては、震災復興医療体制整備システムの本格的運用を途中で断念せざる得なくなり、この事態を重く受け止め、今後同様の事態を招かないよう再発防止策に努めるとしております。
 先生、これ発想は良かったんだと思うんですね。九州の七大学で連携をして、しっかりデータを一元化をして、何かあったときには相互互換性があるものにしていこうというその発想は良かったんですけれど、各大学と話をしないで、佐賀大学が牽引役としてサーバーの入替えをするんだ、そこに集約するんだということだったので、いよいよ動き出したら、なぜ佐賀大学に置くんだという各大学の疑念が生じたり、あるいはそれを整えるためにはそのデータを平準化をしないと、標準化をしないと互換性がなくなってしまったりと、こういう作業が生じて、当時、その先頭で頑張っていた先生がその後退職をされてしまいまして、こういう暗礁に乗り上げるという事態になりました。
 先ほど局長から答弁させましたけど、予算要求段階ではたとえいいことであっても、その後どうなっているんだって、こうきちんと確認しないというのはこれは言語道断だというふうに思っていまして、これは文科省本省としてもきちんと反省しなきゃならないと思っております。
 その上で、佐賀大学から同年十二月に文科省に報告のあった改善方策においては、同大学において、今後の情報システムの導入計画や運用状況等の進捗状況を学内の専門委員会で共有管理すべく学内規定で明確化すること、学内の情報システムの適切な統制と運用を確保できるよう、主に附属病院を担当する情報統括責任者補佐を新たに設置をしました。また、本事業で導入したサーバー設備については、教育研究等の推進のために再構築を行い、臨床研究用データなどを一時的に保管するストレージとして利用、また電子カルテシステムの管理端末のバックアップとして利用するなど、学内での有効利用を行うこととしております。
 文科省としても、佐賀大学において改善方策を踏まえた適切な対応が行われていることをしっかり確認し、必要に応じ指導するとともに、有効利用の状況についても相談に乗ってまいりたいと思っています。

#53
○吉田忠智君 現時点では、このシステム開発等に関わる支出額が二億七千九百八十二万ということでございます。会計検査院の指摘も踏まえて、これがしっかりできるように、大学間の情報共有が非常に不足していた、また発想は良かったという大臣の話でございますけれども、そもそもスタートする時点でのそういう発想を生かすようなそういう合意形成が不十分であったのではないかというふうに思いますので、今後このようなことがないように厳しく猛省を求めたいと思います。
 それでは、文科大臣への質問はここまでですから、退席して結構です。委員長、お取り計らいをお願いします。

#54
○委員長(野村哲郎君) 文科大臣は御退席いただいて結構です。

#55
○吉田忠智君 ちょっと通告の順番を変えまして、過疎地での交通空白地解消に向けた取組に関して質問をいたします。
 本来ならばバスやタクシーが輸送すべき区間が、路線の廃止、タクシー会社の撤退ということで住民の移動手段が奪われております。この間、二〇〇〇年以降においても、地方の鉄道路線やバス路線が廃止をし、そしてタクシーも、会社も経営が立ち行かない。一部、労働組合が経営を担ってタクシー会社を運営しているところもまだありますけれども、いずれにしても、全国で交通空白地帯と言われるところが三割にも達しているということは御案内のとおりでございます。
 もちろん地方自治体も手をこまねいて見ているわけではありませんで、デマンド交通やコミュニティーバスの運行によって移動手段をしっかり、何とか、しっかりじゃない、何とか確保する。これら運送サービスから生じる欠損等には、地方公共団体の負担に対して特別交付税措置が講じられております。
 そこで、お手元の資料の二と資料の三、資料の二が自家用有償旅客運送、それから資料の三が、昨年の法改正によって、交通事業者が協力する自家用有償旅客運送制度というものが創設をされました。
 まず伺いますが、昨年十一月に改正された改正公共交通活性化再生法では自家用有償旅客運送の実施の円滑化が提唱されています。この資料二の自家用有償旅客運送、最初にあった制度と、事業者協力型という形にしたこのスキームの違い、国交省としてこういう事業者協力型にした理由と、国交省としてどのような財政支援を今行っているのか、御説明をいただきたいと思います。

#56
○政府参考人(秡川直也君) お答え申し上げます。
 自家用有償旅客運送なんですけれども、地域に必要な輸送がバス・タクシー事業者によって提供されることが難しいといった場合に、市町村やNPO法人が主体となって行うものとなっています。ただ、地域公共交通に関する専門的な知識やノウハウを持った人材が不足しているような場合がありますので、そういうときには市町村等が運行管理を行うことが難しいというケースがございます。このため、昨年十一月に施行されました改正道路運送法におきまして、事業者協力型自家用有償旅客運送という制度を創設いたしました。
 これは、自家用有償旅客運送について、バス・タクシー事業者が運行管理や車両の整備管理について協力するものでございまして、登録の有効期間を通常二年であるところを五年に延ばす等の措置を講じております。
 なお、これらの自家用有償旅客運送の実施に際しましては、地域公共交通計画に位置付けられまして、地域の生活交通の維持に必要とされるものについては、運行費に対する支援を行っているところでございます。

#57
○吉田忠智君 去年の三月三十一日時点で、全国の五百二十二の市町村でいわゆる従前の有償旅客運送の制度で何とか移動手段を確保するということをされておられます。
 そして、今自動車局長から答弁がありましたように、私は、やっぱりタクシー事業者とかバス事業者の協力をいただいて、整備のノウハウでありますとか運行管理とか、そういうところをこの間の反省を踏まえて、取り入れて法改正をやったというのは、制度改正をやったというのは非常に良かったと思います。
 これを、現時点で、昨年の十一月から九の自治体で事業者用ということで取り入れると、これからいよいよ普及させていかなければなりませんけれども、しっかりこの制度を活用して、先般、過疎法が新たに延長して成立しましたけれども、過疎地域の交通空白地を、いかに確保していくのか、そしてまた、自治体の財政負担をしっかり軽減していかなければならない。必要な措置をしっかり、国交省もしっかり支援をして、そして裏負担は地財措置でやっていくと、そういう国交省と総務省がしっかり連携して私はやっていく必要があると思いますが、今後のこの制度を活用した移動手段の確保、交通空白地帯の解消に向けての国土交通大臣のお考えを伺いたいと思います。

#58
○国務大臣(赤羽一嘉君) 全国の各地方都市は、少子高齢化、人口減少化が進んでいる中で、高齢者の皆さんの自動車事故の問題とか等々出て、免許の返上、それが家庭内の最大のけんかのネタになっているみたいな状況、この公共交通の維持というのは大変厳しいという認識におります。
 その中で、今自動車局長からの御答弁もさせていただきましたが、そうした工夫もあり、また、昨年の通常国会だったと思いますが、独禁法の特例で、例えばバスの事業者が、今度熊本で実施が始まりましたが、五つの会社が共同で一つの運行をしていくと。やはり私は、様々なバスといっても、例えば、どんな地域も、路面バスもあれば、例えば塾に行くバスとか特別養護老人ホームですとかゴルフ場ですとか、そうした資源はたくさんあるんですけど、それをばらばらに使う、活用されていると、どこもドライバーが不足になって維持ができなくなる。こうしたことを、まずこの地域の公共交通をどう維持していくのかという観点から、必要な法改正はしていくということが大事だと思います。
 あと、他方で、東北なんかも、あるバス会社がいろんな会社を統合しながら黒字になっているというような、やはり工夫の余地も随分あるんではないかというふうにも思いますので、いずれにいたしましても、これ全国共通の大変な問題でありますし、特に昨年来のコロナ禍でバス事業者は本当に経営状況厳しい状況になっておりますので、ここは、国交省もこれまでよりもやはり相当踏み込んで、この公共交通機関維持するために、できる限りのことは全て手を打っていくと、そういう決意で臨みたいと、こう思っております。

#59
○吉田忠智君 今国土交通大臣が言われましたように、国交省としてもできる限りの手を打っていただきたいと思います。私も、また、総務委員会において、総務省に対してもこうした趣旨の質問をして、総務省としてのまた努力も求めていきたいと思います。
 それでは、次に、コロナのことも今大臣からお話がございましたが、コロナ禍において感染がなかなか収まらない状況の中で、いわゆる公共交通、鉄道、バス、タクシーあるいは飛行機、船舶、大変影響を受けています。影響を受けているといっても、この公共交通の皆さんは必要最小限の運行は確保しなきゃいけない、どんなことがあっても動かさなければならない、それがまたこの産業の特性でもあろうかと思います。いわゆるエッセンシャルワーカーと言われています。
 私は、先般、都内のバスの労働組合を訪問したときにまず言われたのが、やっぱりテレワークの影響を、これはバスだけじゃなく電車も受けているかもしれませんが、もろに受けていると、もう乗客数が確実に減っていますよと。これはまあ二律背反といいますか、政府としてもこれはテレワークを進めなきゃいけない、そういう立場。しかし、一方で、もう厳然として乗客数が減っているわけですね。
 国交省の方で把握している、今、テレワークの普及状況とそれに関わる影響について御説明ください。

#60
○政府参考人(久保田雅晴君) お答えいたします。
 国土交通省におきまして実施しておりますテレワーク人口実態調査によりますと、雇用型就業者のうち現在の主な仕事でテレワークをしたことがあると回答した人の割合は、令和元年度調査では一四・八%、それが令和二年度調査におきましては二三・〇%というふうになってございます。
 こうしたテレワークの実施や移動の自粛による移動需要の減少によりまして、今年三月の輸送人員につきましては、一般路線バスにつきましては、二〇一九年同月比で二三%の減少、またタクシーにつきまして、同じく二〇一九年同月比で三九%の減少、そして鉄道につきましては、大手民鉄で二〇一九年三月比で二〇%以上減少した事業者の割合が全体の八割を超えるという状況であり、公共交通機関の輸送人員は減少しておるところでございます。

#61
○吉田忠智君 今具体的な数字で、テレワークによる影響、減少しているという説明がございました。
 いずれにしても、コロナが一定程度収束したとしても、このテレワークという状況、もちろん政府そのものも推奨しているわけですから、こうした状況は元どおりにはもちろんならないと思っておりますから、具体的にはそういう状況が出てきたときにはどういうふうに、電車もそうでしょうし、バスもそうでしょうし、どういうふうな対応していくというのはしっかりまた国交省としても対応していただかなければなりませんけれども。
 当面、この新型コロナによる影響、テレワークの実施もそうでありますし、人が動かない、昨日から緊急事態宣言が東京を始め四都府県に発せられまして、五月十一日まで宣言期間ということでございますが、コロナによる影響、テレワーク以外にも出てきている、このバスやタクシーなど公共交通、どのような厳しさにあるかというのを改めて御説明いただきたいと思います。

#62
○政府参考人(久保田雅晴君) お答えいたします。
 委員御指摘のように、公共交通事業者は、コロナ以前から人口減少、少子高齢化の進展により厳しい経営環境に置かれていたことに加え、今般のコロナ禍の移動自粛による輸送需要の大幅な減少によりまして深刻な危機でございます。
 具体的には、今年三月の運送収入につきまして、一般路線バスにつきましては、二〇一九年同月比三割以上減少の事業者が全体の四二%、タクシーにつきましては、同じく二〇一九年同月比三割以上減少の事業者が全体の六五%というふうになってございます。また、鉄道につきましては、JR各社や大手民鉄におきまして昨年第三・四半期決算で営業収益が最大で六割減少するなど、全ての事業者におきまして減少しており、大変厳しい状況となってございます。

#63
○吉田忠智君 私も今回質問するに際していろいろ調べさせていただきまして、国交省としても、第二次補正、第三次補正、制度もいろいろつくっていただいて、また各地方自治体に働きかけをして地方創生臨時交付金の活用ということもやっていただいたと思います。
 ただ、感染が続いておりますから、これからもう一段のやっぱり支援策を講じていかなければならない。今回の緊急事態宣言の発出を踏まえて、新たに地方創生臨時交付金、五千億上積みをするということも総理が述べられておられます。
 その活用も含めて、ちょっと幾つかの質問を時間の関係でまとめますけれども、この地方創生臨時交付金だけに頼るんじゃなくて、やっぱり、仮称ですけど、地域公共交通活性化臨時交付金、こういうものもやっぱり創設する。総理自身は補正予算を否定されておられますけれども、私は、予備費の五兆円だけに頼るんじゃなくて、やっぱり補正予算を組まなければならない状況になっているんじゃないかと思います。
 そのことについての国土交通大臣のお考えを伺います。

#64
○国務大臣(赤羽一嘉君) 公共交通事業者の皆様におかれましては、昨年来のコロナ禍の中で、現場では感染のリスクへの不安ですとか、そうした問題を抱えながら、やはり公共交通機関としての使命と責任を果たしていただいていると、まさにエッセンシャルワーカーとして心から感謝を申し上げたいと思っております。
 その中で、まず雇用は維持しなければいけないということで、雇用調整助成金、これは大幅拡充をし、まだ延長させていただいておりまして、公共交通事業者に対しては総額約二千百億円交付もさせていただきました。
 先ほど委員御紹介いただきましたが、地方創生臨時交付金でこれ八百自治体で約千六百の事業に支援をしていただいて大変有り難いわけでありますが、私も公共交通機関を所管している国交省としてもう少しストレートなちゃんとした構えをしなければいけないということで、昨年の令和二年度の第二次補正予算、そして第三次補正予算、そして今の令和三年度の当初予算で、それぞれ合わせますと六百五十億ぐらいの相当これまでより踏み込んだこれを使いまして、特にバス事業者の方は、路線バスというのは大体普通に走っていても黒字がない、そこを高速バスと貸切りバスの黒字で埋め合わせている、そうした仕事の状況だったというふうに承知していますが、コロナ禍で貸切りバス、高速バスがほとんどもうゼロに近い中でもう大変厳しい状況だと思っておりますので、このバス路線についてはもうそのまま直入できるような使い勝手のいい予算にしているというふうに承知をしております。ですから、まさに持続化給付金的なものとして自由に使っていただいて、路線維持のためにとにかくこの局面は応援しなければいけないと。
 これ、相当の額でやりますけれども、各運輸局から全事業者に連携を取りながらプッシュ型で御相談に応じて、やっぱり必要があれば政府の中でしっかりそうしたことを訴えていかなければいけないと、そういう自覚で適時適切に対応していきたいと、こう思っております。

#65
○吉田忠智君 しっかりまたバス・タクシー事業者、公共交通事業者の実態を踏まえて支援策を強化をしていただきたいと思います。
 次に、ワクチンの接種が今進められていますけれども、ワクチン接種に関わるバスやタクシーの利活用という点について、残された時間で質問させていただきたいと思います。
 自治体の中で、高齢者の方、ワクチン接種に行かれる方のタクシーの活用、バスの活用などのことも報じられております。また、ワクチンのそのものの輸送についてもタクシーを活用するという事例も報告されています。
 私は、実際そういうワクチンに関わる医療関係者、自治体職員の負担軽減のためにもしっかり有効活用していく必要があると思いますが、この点について厚労省と国交省のお考えをお伺いしたいと思います。

#66
○政府参考人(秡川直也君) まず、ワクチン接種に関しての接種者の移動の関係なんですけれども、現在、地方自治体におきまして、接種者を接種会場まで円滑に輸送するためにタクシーやバスを活用すること、これを検討していただいているというふうに承知してございます。
 具体的な事例としては、移動が困難な高齢者にタクシー券を配付するとか、あるいは乗り合いタクシーとかコミュニティーバスを借り上げて高齢者を接種会場まで輸送するといったパターンがあるというふうに承知してございます。今、地方運輸局を通じて確認したところでは、約三十ぐらいの自治体がそういうことを御検討いただいている、こういう情報を地方に横展開して更に御活用いただくようにというふうに考えてございます。
 それから、タクシーの乗務員が運ぶということなんですけれども、これも、ワクチンは非常に貴重なものでございますので、慎重な取扱いが求められるということだと思いますけれども、医療機関等の職員の管理下においてタクシーでワクチンを輸送するということも一つの選択肢というふうに考えてございます。具体的に鹿児島や大分などでそういう事例があるということなので、こういうものを状況に応じて活用していただくということがいいのかなというふうに思ってございます。

#67
○大臣政務官(こやり隆史君) お答え申し上げます。
 各地域、様々交通事情異なります。御本人の状態あるいは地域の交通事情等にかかわらず接種を受けていただけるように、市町村におきまして適切に対策を構築していただく必要があると思います。
 そのため、国といたしましても、例えばでございますけれども、移動が困難な方あるいはその介助者に対しまして、自治体が送迎車両を用意して送迎を行う費用でありますとか、逆に医師等が自宅に訪問して接種を行う場合に必要となる費用など、地域の実情を反映して合理的に必要と考えられるワクチン接種の費用につきまして国が全額負担をするということとしております。

#68
○吉田忠智君 全額負担をしていただけるということでございます。ワクチン接種が円滑に進むように、またタクシーもそういう役割をしっかり果たせるように、これから横展開というお話もございましたけれども、しっかり利活用進めていただきますようにお願いを申し上げまして、私からの質問を終わります。
 ありがとうございました。

#69
○勝部賢志君 立憲民主・社民の勝部賢志でございます。
 それでは、早速質問をさせていただきます。
 初めに、JR北海道の経営自立に向けた課題について伺ってまいります。
 この度、国には、JR北海道に対して経営自立に向けた取組を進めるために、法改正を行って必要な支援を継続、拡充していただきました。具体的には、助成金などの支援の期限を令和十二年度まで延長したことと、中期経営計画期間内における支援として二〇二一年から二〇二三年までの間に一千三百二億円の支援を実施していただくこととなりました。このことにつきましては、北海道民として感謝を申し上げたいと思います。
 そこで、これから大事になってきますのは、経営自立化の取組がスピード感を持って確実に進められていくことであります。特に赤線区、黄色線区をどうしていくのかの議論は加速化が求められ、これからの三年間で持続可能な将来像をしっかり描いていくことができるかが問われていると思います。
 そこで、まず伺いますけれども、国は、JR北海道に対して、令和元年度、そして令和二年度で合計四百十六億円の支援をしてきたわけですけれども、どのような使われ方をし、経営自立に向けてどのような前進が見られたのか、JR北海道の取組についてどのように評価をされているのか、伺います。

#70
○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
 JR北海道におきましては、平成三十年七月に国土交通省が発出いたしました監督命令に基づきまして、平成三十一年四月、長期経営ビジョン、中期経営計画とともに、同社が単独では維持困難として、いわゆる黄線区につきまして線区ごとにアクションプランを策定、公表し、地域と協働して利用促進やコスト削減などの取組を進めてまいりました。
 委員御指摘のとおり、この二年間にわたる国土交通省からの予算、鉄道・運輸機構を通じた予算でございますが、これはそうした様々な鉄道における設備投資費を中心として活用されておりますが、御指摘の路線の維持ということにつきましては、アクションプランに基づく取組の進捗状況を、昨年十二月、北海道の鉄道ネットワークに関する関係者会議において、この二年間を通じた取組について北海道庁や沿線市町村から説明をいただいたところでございます。
 その取組の成果といたしましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、当初計画していた利用促進のイベントの中止なども余儀なくされるなどの難しい面もあったものの、アクションプランの策定、実行を通じてJR北海道、沿線市町村、関係事業者、住民の方が連携を図り、鉄路の維持、存続に向けて取り組むことができたとの評価をいただいているところでございます。
 国土交通省といたしましても、この二年間の取組を通じまして、関係者間で信頼関係の醸成が図られ、新型コロナウイルス感染拡大の影響はありつつも、できることを着実に積み重ねられたものと認識しております。

#71
○勝部賢志君 これからの三年間のJR北海道の取組については、どのように点検、評価をしていこうとされているのかも併せて伺います。

#72
○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
 先ほど申し上げました平成三十年七月の監督命令におきましては、いわゆる黄色線区につきまして、令和二年度までの前半二年間を第一期集中改革期間、令和三年度からの後半三年間を第二期集中改革期間と位置付けて、五年間で集中的に改革を進めることといたしました。今年度から開始いたしました第二期集中改革期間におきましても、第一期集中改革期間の検証結果を反映させた新たなアクションプランに基づきまして、利用促進やコスト削減などの取組を始めているところでございます。
 検証の方法についての御質問でございましたが、この取組の進捗状況につきましては、第一期集中改革期間の際と同様に、JR北海道と地域の関係者において毎年度検証を行っていただくこととなります。その上で、集中改革期間の最終年度である令和五年度には、JR北海道と地域の関係者においてそれまでの取組について総括的な検証を行った上で、事業の抜本的な改善方策についても検討を行うこととしております。
 国土交通省といたしましては、このような交通体系の在り方の検討を行う地域の関係者に対して、まずは北海道運輸局等を通じて事例紹介や助言を行うなど必要な支援を行ってまいりたいと考えております。

#73
○勝部賢志君 今、答弁の中でもありましたけれども、この一年はコロナによってなかなか漸進的な取組をすることができなかったことと思います。このことも考慮した上で、この二年間の取組をしっかり総括し、今後の三年に生かしていけるよう、JR北海道に対しては適切なアドバイスをしていただけたらというふうに思います。
 そして、三年後のいわゆる取組期間の五年目については、総括的に評価といいましょうか、会議を開いて今後の方向性を検討するということでございましたので、言ってみれば、これからの三年間というのが極めて重要な時期というふうになると思います。しかも、毎年度ごとに検証をして、それを基に次のステップに向かっていくという説明もございましたので、そういったことを随時繰り返しながら、進捗状況をしっかり把握されて取り組んでいただきたいというふうに指摘をさせていただきたいと思います。
 そこで、これからの第二集中期間、今お話をしたように、三年間の取組について伺いたいと思うんですけれども、先ほど赤線区、黄線区という話がありましたけれども、これ、この間も何度も国会で議論をされているので御承知の方もいらっしゃることと思いますけれども、赤線区というのは片道百人未満ということで、利用者が非常に減少している線区で、今検討されているのは二線区、根室線というのと留萌線と二線区残されています。それから、黄線区というのは輸送密度が二百人から二千人未満ということで、これは八線区が検討されている状況にあります。
 実は、こういった経営状況が非常に厳しいという提案がJR北海道からあったのは二〇一六年の十一月で、単独では維持困難な線区ということで、十三線区の提示がありました。
 当時、私は北海道議会におりましたものですから、その提案を受けて大変驚いたという記憶があります。記憶がありますというよりも、大変驚きました。当時は、このJR北海道の提案に対して、沿線自治体あるいは地域住民からは一斉に批判の声が上がりましたし、道議会にも特別委員会、あるいは各会派そして政党にもプロジェクトチームが立ち上がるなど、困惑と苦渋の中での議論がスタートをしたということであります。
 その後の推移については今日は時間がありませんので触れませんけれども、沿線自治体としては、あるいは住民の皆さんとしては、基本的には、その黄色線区についてはとりわけ存続していきたいという思いがありますし、私自身もそう思っています。そして、赤線区についても、どういう今後の道があるのかということは、本当に困惑と苦渋の中で今検討が進んでいるという状況なんです。
 しかし、そういう状況にありながら議論はどういうふうに進んでいったかというと、要は、維持、存続できる持続可能な姿というのはどういうものかというのが実は見出してこれなかった、そして、各自治体にとっても、財政負担というものが生じてくるとすればそれがどの程度なのか、あるいは将来それが持続可能なのかというような不安要素もあって、結果としてお互いが、何というんでしょうか、にらみ合ったまま、なかなか踏み込んだ議論になってこなかったというのが実情であります。
 そういった中で、先ほど冒頭に申し上げましたように、国がある意味期限を切りながら、そして必要な支援策、資金も含めてですね、提示をいただいていますので、本当にこの三年間が大事だというふうに思っています。そんな意味では、沿線自治体と、あるいは道、国が信頼感持って積極的な議論をしていただきたいと。そのときにやはり国がしっかりと議論の後押しができるような具体的なアドバイスを是非していただきたいというふうに考えています。
 例えば、今回ですが、観光列車を三セクが買い上げてJR北海道に貸し付けるという新たな取組をすることとなりました。北海道としてはこの取組に期待を寄せているところであります。また、札幌市の近くの当別町というところでロイズタウン駅というように、これは、ロイズというのはあのお菓子の会社ですけれど、企業に参画をしてもらった一つの例でもあるんですが、そういったような新たな形の上下分離あるいは上中下分離などの国内外における実施例とか、あるいは国と自治体、事業者との負担の在り方などについて国としても積極的に発信をいただいて、この三年間、中身のある議論にしていただけたらと思いますが、今後どのように取り組んでいくおつもりか、お伺いをしたいと思います。

#74
○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
 北海道は広大で人口密度が非常に小さいといった特殊性を有しておりまして、大量輸送という鉄道特性が発揮しづらい地域でございます。また、冬場の自然環境が極めて厳しく、線路の保守や除雪など鉄道の運行を確保するための負担が非常に大きいといった事情もございます。北海道におきましては、鉄道を始めとした公共交通を維持するためには、こうした特性も踏まえながら、委員御指摘のとおり、国、道、地元市町村が一丸となって検討を行うことが不可欠と考えております。
 その意味では、先ほど答弁させていただきましたとおり、これまでの二年間、アクションプランを基にした関係自治体とそれぞれの取組というのは、一応信頼関係を醸成するに至っているものというふうに認識をしております。黄色線区につきましては、安易に廃線や現状維持に流れるのではなくて、国と地域がしっかりと協力してその在り方を一緒になって考える必要があると考えております。
 委員御指摘のとおり、今回、黄色線区での観光需要を取り込むべく、国、地域、JR北海道が結束した新たな支援といたしまして、北海道の第三セクター、北海道高速鉄道開発株式会社が観光列車を保有をし、JR北海道に無償で貸し付けることとし、車両導入に係る経費等につきましては、北海道庁による補助と鉄道・運輸機構による助成を協調して行うことといたしました。また、この措置に併せまして、地方財政措置も講じられる予定となっております。
 北海道の鉄道ネットワークや公共交通の確保は容易に解決できる課題ではございませんが、国土交通省といたしましても、引き続き、出先機関である北海道運輸局を通じて、地域の声をよく聞きながら、今回の観光列車の導入支援のように前向きな選択肢の検討に資するよう、他地域での事例、各種支援制度を情報提供するなど、地域と結束して積極的な対応を図ってまいりたいと考えております。

#75
○勝部賢志君 もう一つ、そのJR北海道の大きな課題として、近年、離職者が非常に急増しているという問題があります。特に、若い人たちの離職が目立っていて、二〇一八年度、二〇一八年度はですね、年平均三百人ぐらいの新規採用があるんですけれども、それに対して百四十一人退職をしていると。二〇一九年は百六十五人、二〇二〇年は百八十三人ということで、六割の方が途中で退職をしていくという現状であります。
 離職する一番の理由は、会社の将来性に対する不安だとも言われています。これだけの数が退職、離職をしていくということであれば、そもそも人手不足が生じますし、JRの運行にも支障を来し、何よりも安全性確保という観点では非常に大きな問題となります。会社の将来を考えたときにも、やっぱり人材育成、人材確保というのは非常に大事な課題だと思いますので、今後二十年、三十年、鉄道産業の発展のためにも計画的な採用、人材育成に努めるべきと思います。
 今年四月一日には、大臣から、JR北海道、JR四国、JR貨物に向けて、とりわけ新入社員の皆さんにメッセージを送られたということで、初めての取組だったと聞いておりますが、大臣自身の思いのこもったメッセージだったというふうに受け止めてございますけれども、それが具体的な、何というんでしょうか、将来の展望が開けることにつながっていくものになるように是非期待を申し上げたいと思いますし、北海道も、地域も挙げてこの問題しっかり取り組まなければいけないと思っていますので、大臣には最後に、JR北海道の自立化に向けて、取組に対する決意と、先ほど冒頭、冒頭というか先ほど申し上げた人材育成についても触れていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

#76
○国務大臣(赤羽一嘉君) 私も、国土交通大臣に就任して、JR北海道の再建というのはやっぱり最大の大きなテーマ、また難しいけれどもやり切らなければいけないという、そういう認識でこの間ずっとおりました。
 できれば、できるだけ北海道に出張する際は、まあできるだけというか必ず在来線に、利用させていただいて、鉄道マンの思いの一端を知るように努力をしながら、他方で、経営陣と話しますと、国鉄の民営化のときの廃線の基準が四千名未満ということで廃線すると、それが今赤線区はまさに百人以下ということで、走れば走るほど赤字が出るということは大変厳しいと、こういったこともよく分かる中で、本当にどう解決をしていこうかと。
 ただ、先ほど局長から話しましたが、北海道というのはやっぱり特殊な、北海道のまあちょっと特殊な状況、極めて人口が小さいんですけどもう広大な面積だと、非常に鉄道の維持が難しいということはやはり勘案しなければいけないし、これまで、ややもすると、地域が面倒見ろということで、地域と鉄道事業者に押し付けている部分もあったんではないかと。やはり、地域で何か考えろと言っても、ちょっと表現は悪いですけど、少子高齢化の中でそんなに特別なアイデアが出てくるということは余り期待しない。やはり、期待しないで国がやはり責任を持ってそこに関わっていくというのがやっぱり大事だというふうに思っております。
 東急のロイヤルエクスプレスなんかの仕掛けもそうでありましたが、近々、五月からラベンダーの観光列車も始まるようになっておりますし、私は北海道の持つこの観光の可能性というのはもう大変大きなものがあると思っておりますので、そうしたことを総合的に進めていけば、必ずJR北海道は再生できるというふうに思っておりますが、その大前提はやはり人材の育成と確保に尽きると思っております。
 やはり、将来性が感じられない、いろんな負担があるということで、どうしても辞められて、地元の地方自治体に就職をされる、そうすると広い北海道の中で転勤がなくなるというような、そうした事情もあるというふうに承知をしておりますので、そうしたことももろもろ含めて、今回の法改正は相当踏み込んだ法改正にして、国の本気度を見せて、そうしたことを具体的に、私もそうした思いでやっておりますので、そうした気持ちをメッセージに込めて新入式のときにお伝えしたいということでさせていただいたところでございます。
 引き続き、そうした思いで、国交省全軍挙げて、北海道とともに連携を取りながら、本当、北海道にはなくてはならない公共交通機関としてのJR北海道再生に全力は傾けてまいります。

#77
○勝部賢志君 大臣の前向きな決意を込めた御答弁いただきました。私ども道民もしっかりこの課題に向き合って取り組んでいかなければいけないと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、文科大臣にもお越しいただいておりますので、今ほど人材確保、育成の重要性についてちょっと議論をさせていただきましたが、学校現場でも教員不足という問題が浮き彫りになっています。文科省は、公立小中学校と特別支援学校での教員不足の実態調査を行うことを明らかにされました。三十五人学級の導入に伴い、不足しがちな教員の実態を把握して計画的な教員確保につなげたいということだというふうに承知をしておりますけれども、初の全国調査ということであります。
 そこで、まずお伺いをしたいと思いますけれども、今年度当初の教員の確保状況はどのようになっているのか、どのように把握をされているのか、お伺いをいたします。

#78
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 委員御指摘の教員不足につきましては、年度当初、実際に学校に配置されている教員の数が各教育委員会において学校に配置している数の教員の数を満たしておらず、欠員が生じた状態でございまして、特に学級担任や教科担任が不足する場合も見られまして、学級、学校経営や、あるいは教科指導等に支障が生じている状態でございます。
 これにつきましては、今年度の状況につきましては、これから全国調査の中に、五月から開始する調査で調べていこうと思っておりますけれども、過去、平成二十九年度、それから令和元年度に抽出でアンケート調査あるいは聞き取り調査したところでございます。
 二十九年度につきましては、十一県市、この中には北海道も入っておりますけれども、年度当初において小学校で計三百十六人、中学校で計二百五十四人の教師の不足が見られたところでございます。
 令和元年度におきましては抽出の聞き取り調査をさせていただきまして、年度当初におきまして、小学校の学級担任の不足に対しまして非常勤も充てられず、教頭あるいは主幹教員等の他の教員で対応する事例が確認されているところでございます。
 二年度につきましては新型コロナの感染状況を踏まえまして調査を見送りましたけれども、このような教師不足に関して厳しい状況が生じているということを踏まえまして、委員御指摘のとおり、三十五人学級を小学校で導入するということも踏まえて、全国的な実態をしっかり把握していくということが必要でございます。今年度において全ての都道府県教育委員会、政令市、政令指定都市の教育委員会等に対して調査を実施するということにしたところでございます。

#79
○勝部賢志君 教員不足の実態についても触れていただきましたけれども、より正確に把握をするということで実態調査に乗り出したわけですけれども、調査の概要と、そして調査の結果として不足の実態が明らかになった場合、当面どのような対応をされようというふうに考えておられるのか、お伺いします。

#80
○国務大臣(萩生田光一君) 教師不足に関して、年度当初において小学校の学級担任が不足をしたり、教頭などの他の教員で対応するなど、厳しい状況が生じていることは今報告のとおりでありますが、たまたま去年はコロナだったんで、私、不要不急の調査は現場に負担掛けないようにというんでやめたんですね。その代わりじゃないんですが、今年からまさに三十五人学級も始まりましたんで、思い切って全国調査をしてみようと思っています。
 その結果、教師不足に関する実態調査において、まず教師の不足数、それから教師の不足数のうち小学校の学級担任及び中学校の教科担任の不足数などの定量的な把握に加え、教師不足の要因、また教師不足の解消に向けた取組などの具体的な実態把握も行うことを想定をしているところでございます。
 文科省としては、各教育委員会の教師不足解消に向け、学校・子供応援サポーター人材バンクや学校雇用シェアリンクの立ち上げ等による講師のなり手確保に向けた取組、教師の業務負担を軽減し、働きやすい環境にするためのスクールサポートスタッフ等の外部人材の活用による学校における働き方改革、出産、育児等で離職し、免許状の有効期限が経過している者等が復職する場合、一定の要件の下、臨時免許状の授与を行うことができることの周知などの取組を進めてきており、今回の調査結果も踏まえ、効果的な取組の横展開を始め、更なる対応を検討してまいりたいと思います。
 また、先般の義務教育法の改正により、正規教員の安定的、計画的な採用が行いやすくなると考えており、教育委員会に対し、正規教員の採用をより一層計画的に行うように促しているところです。去る三月十二日、令和の日本型学校教育を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について中央教育審議会に諮問を行ったところであり、特に、教員の免許更新制度については、必要な教師数の確保とその資質能力の確保が両立できるような抜本的な見直しの方向について先行して結論を得ていただくようお願いをしています。中教審の審議も踏まえ、質の高い教師の確保に取り組んでまいりたいと思っています。

#81
○勝部賢志君 今大臣から御答弁いただいたことについては、法案の審議のときにも私も質問させていただき、大臣からも御答弁をいただいてきたことであり、引き続き、非常に大事なことなので積極的に取り組んでいただきたいと思っています。
 やはり、素朴なというか、率直な話をさせていただくと、年度当初に教員が学校で数が足りていないという実態というのはやはり本当に異常だと思うんですね。ですから、これは是非解消していただきたいし、調査の結果としてそういう実態明らかになれば、今から想定をしつつ直ちに対応できるような準備を是非していただきたいと。
 これは、いないからすぐ手当てができるかというと必ずしもそうではないのですが、私は短期的な取組と中長期的な取組が両方必要だというふうに思っています。そして、併せて、やはり数だけ足りればいいかということも、そうではなくて、やはり質の問題にも大臣言及されておりましたけれども、そういったことも一緒に考え合わせる必要があると思うんですね。
 三十五人学級の導入について議論がなされたときに、財務省から、近年教員志望者が減ってきており、これ以上教員を増やすと倍率が下がって教員の質が確保できなくなるという趣旨の指摘がありました。それをその三十五人学級導入の反対の理由にするのはちょっと違うかなというふうに私は思いますけれども、ただ、倍率が下がるというか、教員になりたいという人が減っているという事実はやはりしっかり受け止めるべきで、それがなぜなのかということにも着目をすべきです。ですから、その改善に向けては、やはり働き方改革ですとか、教職員の多忙化みたいなところから敬遠する学生が多くなっているというのは、実態を是非勘案した上でそれを取り除いていく取組を引き続き継続していくべきだと思います。
 それから、先日は特別支援教育における指導体制について今井委員からも指摘がありました。高い専門性を有する教員の確保という点も私は非常に重要だと思っています。特別支援教育は特別支援教育の免許を有しない教員も指導することができるようになっております。そのことは、特別支援教育に対する学校現場全体の、教育現場全体の理解を深めていくこととかノーマライゼーションの観点から良い点もあるというふうに私は思っているんですが、しかし、それにしても障害の種別に応じた専門性を有した教員が一定数いることは重要であります。さらに、現場で専門性を高めていく研修などもこれはもっともっと充実をする必要があると思っています。
 このような質を高めていくという意味では、今大臣から言われた免許制度だとか採用の取組とかいう話もありましたんですけれども、私は、やはり教員にとって研修って非常に大事だと思います。これはそもそも研修に取り組める時間的な余裕があるかどうかということも問題になってきますので、先ほど申し上げた働き方の改革と併せて、教員の研修の充実ということも図っていただきたいと思います。
 大臣に一言だけ考え方お聞きしたいんですけれど、要するに、今回の三十五人学級の導入というのは、単に学級の規模を低減していくということではなくて、やはり充実した教育環境をいかにつくっていくかということだと思いますので、そういった意味での教員の質と数を確保する、大変重要なことだと思いますので、そのことに向けて、再度見解と取組についての決意をお願いしたいと思います。

#82
○国務大臣(萩生田光一君) 今先生御指摘いただいたことはいずれも重要なことでありまして、何か一つを解決すれば事が進むということではありません。教員の皆さんの働き方の在り方、これはもう全面的に見直す必要があると思いますし、また専門性の高い教員を現場にできる限り入っていただくということも極めて重要であります。
 特に、特別支援に触れていただきましたけれども、大学の教育課程の、教職課程の四年間で普通免許と特別支援の免許を二つ取るというのは、取れるんですけれど、これかなりこま数を取らないと、ほとんど朝から夕方まで全部授業取ってやっと四年間ということなので、しかし、それでも取っていただける学生がいれば是非取っていただきたい。しかし、そういう取っていただいた学生に限って違うところに就職してしまうんではこれ何の意味もないと思いますので、そのインセンティブなども将来的にはきちんと考えて、給与等級などを変えていくことも考える必要があると思うんですね。ハイブリッドで特別支援学級や学校に行ける先生と普通学校、両方の担任が持てる先生などはやっぱり違う意味で評価をするべきじゃないかということで。
 この一年半、就任以来、全体的にとにかく変えていこうということで取り組んでいる意欲はきっと分かっていただいていると思います。ここが勝負だと思っていますので、三十五人学級は、もうこれ、先生ができるだけ教員としての本来の仕事で子供たちと接する機会を増やすために第一歩を踏み出したと思っておりますので、その結果、子供たちの学びが、理解度が深まって、また先生たちも声を掛けやすい、教室でも手を挙げやすい、こういう環境はこれからしっかり充実していくように、両面から努力をしていくことを改めてお誓いしたいと思います。

#83
○勝部賢志君 終わります。ありがとうございました。

#84
○小沼巧君 立憲民主・社民の小沼巧でございます。
 茨城県は野菜を一番作っておる鉾田市、そしてメロンの産出量も日本一の鉾田市からやってまいりましたので、今日は農林水産大臣に今までの農林水産行政等々についてお伺いしてみたいと思っております。
 が、会派の中で一点だけ、通告も全くしておらず大変恐縮なのでありますが、一つお伺いさせてください。
 昨日、緊急事態宣言とともに、様々な参議院選挙、補欠選挙等々ございました。それについての野上大臣の受け止め、一言で構いませんので、いただけませんでしょうか。

#85
○国務大臣(野上浩太郎君) 選挙一つ一つについての具体的な言及は差し控えさせていただきますが、いずれにしても、一般論として、国政選挙の結果というものをしっかりと真摯に受け止めて、国民の負託に応えることができるよう全力を尽くしてまいりたいと考えております。

#86
○小沼巧君 突然のお尋ねにもかかわらずお答えいただきまして、ありがとうございました。
 さて、今日は農林水産行政の総括ということでやってまいりたいと思っておるのでありますが、我が鉾田市、週末の新聞でありましたけれども、スズメバチの巣にスズメが巣を作ったというような、なかなかしゃれが利いたことがあったわけであります。まあなかなか面白いものだなと思って、地元でも話題になっておるそうなんでありますが、経済的な合理性でありますとか経営戦略とか、そんなことからすると、全く意味が分からない、そういうところであってもしゃれが利いていて地元では面白くなっていると。まさに農業もそうでありましょう。
 経営の大切さということもよくおっしゃっておりますけれども、多面的な機能、よくおっしゃっております、そういったところについて本気で考えているのか。複層的な環境がそろっているということも言っておりますが、それは本腰入れて考えておるのか、この点について、いささか私の、短い観察期間でございましたが、疑義がございますので、その点についてお伺いしてみたいと思っております。
 全般的にまずはお伺いしてみたいと思うんでありますが、政権交代以来、一体農林水産行政はいかなる目標の下にいかなる頑張りをやって、そしてどの程度まで達成されてきておるのか。察するに、二〇一三年、平成二十五年十二月十日に決定されました農林水産業・地域の活力創造プランなるものが基になっておるのではないかと推察しておりますが、これの目標、そしてその達成状況、そしてそこにおける教訓、評価についてお伺いをいたします。

#87
○国務大臣(野上浩太郎君) 農林水産行政、どのような目標を立てて推進をしてきたのかというお尋ねでございます。
 今お話ございましたとおり、この農林水産業・地域の活力創造プランですとか、あるいは食料・農業・農村基本計画等に基づきまして、この産業政策と地域政策、これを車の両輪としながら各種の目標を掲げまして、農林水産政策、推進をしてまいりました。
 例えば、輸出促進についてでありますが、二〇一九年までに農林水産物・食品の輸出額、これを一兆円を達成することとしまして、輸出先国の規制ですとかニーズに対応できる輸出産地の育成、あるいはHACCP等に対応した施設の整備等への支援を行ってまいりました。その結果、二〇二〇年の輸出額は八年連続で過去最高額を記録をしまして、九千二百十七億円となったところであります。
 また、こうした中で、新たな目標額としまして、二〇三〇年までに輸出額五兆円という目標を定めまして、昨年、輸出拡大実行戦略というものを取りまとめまして、マーケットインで輸出に取り組む体制を、整備の推進をしているところでございます。
 また、食料自給率についてでありますが、カロリーベースで四五%に引き上げる目標を設定をしまして、小麦、大豆等の国産農産物の増産、あるいは加工食品等の原料の国産への切替えなどの施策を推進してまいりました。その結果、毎年、米の消費量、現在約十万トンぐらい減少しておりまして、食料自給率の押し下げ要因となっているわけでありますが、小麦、大豆、米粉用米等の国内生産が増加をしておりまして、令和元年度は三八%、今おおむね横ばいで推移をしているというところでございます。四五%達成に向けまして、またしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

#88
○小沼巧君 つまり、地域と産業、車の両輪であると。そして、産業のところにおいては輸出であり、また自給率であるということのところでございました。
 おかしいなと思うのが一つあるんですね。この二十五年に掲げてあったときの前文「はじめに」を見ると、何を目指していたのかというと、農業、農村全体の所得を今後十年間で倍増させる、こう言っていたのであります。これはどうなっているのか、御見解をお願いします。

#89
○国務大臣(野上浩太郎君) 農業、農村の所得につきましては、先生御言及いただいた平成二十五年の十二月に決定をされました農林水産業・地域の活力プランにおきまして、経済成長や六次産業化の市場規模の拡大を踏まえて農業、農村の所得を今後十年間で倍増させるということを目指すとされているわけであります。
 このうち、農業所得につきましては、直近二年は減少しておりますが、平成二十五年で二・九兆円だったものが令和元年では三・三兆円まで増加をして、あとは農村地域の関連所得につきましては、平成二十五年度一・二兆円だったものが、直近の数字は、平成三十年度でありますが二・一兆円まで増加をしておりますが、達成に向けては更に取組を加速をしていく必要があると認識をしております。

#90
○小沼巧君 恐らくは、今おっしゃっているような、いわゆる所得と言っているのは生産農業所得という定義かなと思うんですが、それでいいです、うなずいていらっしゃる、そういうことでありますね。なるほど、分かりました。
 根本は、輸出にするにせよ、様々六次産業化するにせよ、そのものが結局、今御定義なさった生産農業所得というところにどうつながっていくのか、これが明らかにならないと、農林水産行政をやっている、しっかりやっていると言われても、どうにもこうにも心から信頼できないと、こういうように思うのであります。
 輸出の促進、これは確かに大事なことだと思いますよ。でも、それだけで本当に大丈夫なのか。本当に生産農業所得に裨益するんだろうか、これが正直分からぬのであります。経営合理化というようなこともやっており、よくうたっておりますので、私も経営コンサル会社で勤めていたものでありますから、あえてその同じ土俵の経営という観点で今回ぶった切ってみたいと思っておるんですが。
 確かに相関係数はある。輸出と生産農業所得、二〇一二年から二〇一九年の年平均成長率、これを見てみますと、〇・六六五二と、やや相関関係があるということは分かっております。
 輸出額はどれくらい伸びてきたか。この所与の間の年平均成長率を見てみますと一〇・六%、確かに伸びている、非常に良い状況であると。が、今るる単年度でおっしゃっていただきましたけれども、生産農業所得がどれくらい伸びてきたかというと一・四%なのであります。輸出は確かに伸びていますよ。なんだけれども、それが生産農業所得の上昇には結び付いていない、このように見えるわけであります。
 輸出だけで本当にいいのか、ほかにも目を配らなければいけないのではないか、このように考えますが、御見解を伺います。

#91
○国務大臣(野上浩太郎君) 農業をやはり成長産業としていくためには、その生産額を増大させるということ、あるいはその生産コストをやはり削減に取り組んでいくこと、こういうことなども通じて農業所得を増大させていくことが重要だと考えております。
 海外の需要の獲得に向けた輸出の拡大については先ほど言及をさせていただきましたが、そのほかにも、需要が拡大する加工・業務用野菜等について輸入品から国産への切替えですとか、あるいは水田における野菜、果樹等の高収益作物への転換ですとか、あるいはスマート農業の社会実装による生産性の向上、担い手の農地の集積、集約化等によりまして農業生産の増大と生産コストの削減ということを図ってまいることも重要であると考えております。

#92
○小沼巧君 様々、苦心、努力しておられるということは十分分かるんでありますが、お伺いしたいのは、様々な輸出とかコストカットみたいな話もありましたけど、コストカットって、要すれば、自分たちのところのミドルラインが下がるということなので、別のところの収益が下がるということでありますよね。だとすれば、コストカット大事かもしれませんけれども、一概にそれでよいのだろうか、殊更、農業というところにおいて、ここが疑問なのであります。
 輸出は確かに伸びる。なんだけれども、生産所得の向上に結び付いていない。ここの、てんででたらめになっているようにしか思えない、輸出を幾ら伸ばそうとも生産所得が伸びていくようには、全然つながっていくようには見られない、この因果関係、これをどのように考えなければならないのかということが私の問題意識なのでございますが、その点、今の野上大臣はどのように認識なさっておるのか。このままでいいのか、それとも何らかの改善の手だてが必要であるのかと考えておられるのか。この御見解についてお伺いをいたします。

#93
○国務大臣(野上浩太郎君) コストカットと申しますのは、例えばスマート農業を今全力で推進をしているところでありますが、やはりスマート農業によっていろんな生産コストというのは下がっていきます。これはコストカットといいますか、効率化が図られていくということだというふうに思います。
 これはこれでやはり推進していくことは重要であるというふうに思いますし、輸出も一つの手段として重要だと思っておりますが、今申し上げたとおり、例えばスマート農業で生産効率を上げていく、あるいはその農業の生産増大のために高収益作物への転換を図っていく等々で生産額を増大をさせていくということも同時に進めていかなければならない課題だと認識をしております。

#94
○小沼巧君 その上でお伺いしてみたいと思いますが、農林水産業のみならず、最近の我が国の経済情勢見てみると、いわゆる経済学者の人なんかがよく言うことであります、成長産業だ、これで成長するんだ、そしたらそのパイが全体に地域津々浦々に滴り落ちるんだ、いわゆるトリクルダウン理論でありますが、今般の最近のいわゆる構造改革であるとか生産性であるとか、スマートだのデジタルだの人減らしであるとかということによって、結局、成長してもその果実が全国津々浦々に行き渡りにくくなってしまっておるのではないだろうかということは基本的な認識で持っておりまして、農林水産業においても同様なのではないかと思うのであります。
 例えば、輸出ということをおっしゃりますけれども、我が国の国土の三分の二は森林、中山間地域であります。山の中から何をどうやって輸出するんだろうか。
 スマートということをおっしゃっております。要すれば、規模の経済をやるということ、データに基づいた経済作物こそやれということであろうと思いますが、我が国の農業、これの九割を占めているのが小規模な家族経営体であります。そういったところに成長の恩恵がどのように行き渡るのか、私にはこの姿が見えないのであります。スマート農業、輸出、高収益の作物への転換、るるおっしゃっておりましたが、一つ一つの手だてがいかに中山間地域の輸出で裨益するのか、九割を占める小規模家族経営体にどうして裨益していくのか、この姿が私には分からないのであります。
 その点について、大臣から明確な、分かりやすく御説明をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

#95
○国務大臣(野上浩太郎君) やはり将来にわたって持続可能な農業をつくって、その農村地域を活性化をさせていくためには、やはり先ほど言った安定的な農業経営を育成をする必要があるというふうに思いますし、そのために例えば農地集積などを進めていくことも重要と考えておりますが、一方で、今先生御指摘いただきましたとおり、家族経営あるいは中小規模の経営等についても、これは持続的に農業を行って、それ担い手とともに地域社会を支えているわけでありまして、これは営農の継続をしっかり図っていくようにしなければならないわけでありますし、そもそも農業経営体の約九八%は家族経営でありますので、こうした人々、方々が農業生産ですとか、あるいはこの農村を支えていることを踏まえまして、引き続き、例えば今様々な政策を展開しておりますが、品目別の対策ですとか、あるいは多面的な機能支払、あるいは中山間地域の直接支払等の支援策などを通じまして、中小・家族経営を営む地域の方々の農業もしっかりと支援してまいりたいと考えております。

#96
○小沼巧君 そのような支援策様々やっておられるということは分かっておるのであります。
 なかなか厳しい状況の中で、農林水産省で働く人たちみんなが知恵を絞って一生懸命やっているということの努力、これ自体は私も重々評価しているのであります。が、結局、輸出なりなんなり、高収益作物云々かんぬんというような手だてをやったところで、全国津々浦々に対して裨益していないんじゃないだろうかと。本当の絵姿、ロジック、因果関係が見えないというのが私の問題意識なのであります。
 実際、例えば、農商連携ということで申しますと、GoTo商店街みたいな話が一時期、農水省じゃないですけれどもありました。やったらどうですかと地元の人たちに言ってみたんですよ。んだらば、やんねえと。何でですか、いろんなコンサル費用とかいろいろ出んですけど何でですかと聞いてみたら、茨城町というところでありましたが、大本の農業所得が上がんねえと人なんか商店街に流れてこねえし、んなとこでやったってしゃあねえべと、このような悲痛な声があったわけであります。
 大本の農家の人たち津々浦々まで本当に豊かになるのか。いろいろ苦心、努力しているように、様々な支援メニューやっておられるのは分かっておりますが、その全体像が見えないし、それによってどうしてその成長の果実が津々浦々に行くのか、その考え方が見えないのであります。地域政策も一生懸命やっておられるということをおっしゃっておりますが、本当にそれが十分に機能していると言えるんだろうか。
 農業生産所得のところも上昇率を見ても全然それに追い付いていないように見える。その大きな矛盾、問題点を私自身、疑問として抱かざるを得ないのでありますが、改めて大臣からもう一度御答弁をいただけますでしょうか。

#97
○国務大臣(野上浩太郎君) 先生の問題意識として、例えば、今厳しい状況にある中山間地域で果たして、じゃ輸出の促進に取り組めるのかという問題意識もあろうかと思います。そういうところももちろんあろうかと思います。
 今、中山間地域といいますのは、少子高齢化が進みまして人口も減少しておりますし、地域コミュニティーの維持自体厳しくなってきていると、あるいは多面的機能の発揮に支障が生じつつあるという状況であるというふうに認識しております。
 こうしたことを踏まえまして、昨年、食料・農業・農村基本計画におきまして、やはり農村を維持をして次の世代に継承していくために、特に仕事の確保の観点から、中山間地域等の特性を生かした複合経営等の多様な農業経営の推進を図ることとしたところであります。
 これを受けまして、本年三月に公表させていただきましたが、中山地域における地域特性を生かした多様な複合経営モデルというものを公表させていただきました。これは様々な作物、畜種の組合せですとか、農業以外の仕事との組合せによりまして、大規模な営農が困難な中山間地域であっても十分な所得が確保できるモデルを示すことによって、小規模な家族経営体を始めとした多様な経営体の皆様がしっかりと所得確保等に取り組んでいただく参考としていただくことで目指したものであります。
 それに対して、中山間地農業ルネッサンス事業ですとか中山間地直払い等によりまして支援を行って、こういう中山間地域における営農の確保も図ってまいりたいと考えております。

#98
○小沼巧君 その計画、私自身もざっとでありますが拝見させていただきました。様々な地域計画ということはおっしゃっておるのでありますが、改革の成果は着実に現れているということで、例えば集約化、効率化、機械化、スマート化等々、どうにもこうにも先の話ばっかりで、今、目先の、人が減っているというような現状、所得の状況も厳しいというような現状、そもそも農業に担い手を鍛える、その人たちを育てるという発想から懸け離れた先っちょの議論をやっているようにしか正直見えないのであります。
 もし誤解であったらその誤解を解いていただきたいと思うのでありますが、御見解はいかがでしょうか。

#99
○国務大臣(野上浩太郎君) 今ほど来申し上げてまいりましたとおり、その一方で、例えば輸出促進ですとか、あるいは農業の担い手に農地を集積をしていく、あるいはそのスマート農業等で効率的な生産ができるようにしていくということ、これはこれで重要な側面だと思っております。
 一方で、中山間地、今申し上げたとおり厳しい状況にある中で、そこをどのようにして持続可能な経営ができていくのか、これについて様々な施策を今しっかりと行っているところだというふうに思います。

#100
○小沼巧君 いわゆる車の両輪ということをおっしゃっておられるということの御説明だと思いますが、正直まだ、誤解を解いてほしいという質問をしたのでありますが、残念ながら誤解は解けていないのであります。
 実際何を、今頑張っておられるのは重々皆さん承知だと思うんです、何を頑張り続けなきゃいかぬのか。どう頑張ったらいいんだろうか。正直今のまま頑張っていて将来の展望が見えるのかどうなのか。先も分からねえし、確信が持てねえんだと。経済合理性なるものと地元の風土、歴史、そういったもののはざま、矛盾の中でもがき苦しむまま、先が見えないまま、取りあえずひたすら努力しなきゃなんねえということが現在の津々浦々の農林水産業、特に農業の現状ではないかと思っておるところであります。
 それに関連しまして、今日は決算委員会でありますから、一つ、今後の決算、予算に生かすということのために、一つ事例を挙げまして伺いしてみたいところがございます。
 高収益の次期作の交付金の話であります。
 令和二年の十月十二日の生産局長通知におきまして、運用見直しということがありました。様々な混乱、最近のはやりでいえば炎上といいましょうか、が起こったということは一つ紛れもない事実であろうかと思っております。決算委員会でありますから、二度とこんなようなことが繰り返させないために反省、総括をして今後の教訓を議論しておくということは意義があると思っております。
 ゆえに、伺っていきます。その運用見直し、これは起こってしまった原因は何であったのか、そして、大臣が考えるここからの教訓といったものはいかなるものであるか、御答弁をお願いします。

#101
○国務大臣(野上浩太郎君) 昨年十月の高収益作物次期作支援交付金の運用見直しは、これはやはり生産者を始め関係者の方々にとっては想定していなかったことでもあり、現場に大変な混乱を生じさせたことは大変申し訳なく思います。
 農林水産省では、全国各地で千三百回以上開催されました説明会に職員を派遣して丁寧に説明をするとともに、本省にも専用の相談窓口を設置するなどによりまして現場の皆様の声を伺ったところでありますが、その中で、運用の見直し前に交付金を見込んで、コロナ禍においても積極的に機械や資材への投資を行った農業者の皆様の経営に影響が生じて前向きな取組が続けられなくなるといった御意見をいただいたことから、十月末にそうした方々への追加措置を講じるとともに、申請期限を十二月二十五日まで延長したところであります。
 また、年明け以降、一月から三月にかけて発令された緊急事態宣言による影響を踏まえまして、次期作支援交付金の第四次公募を五月に行うこととしておりますが、その実施に当たっては、昨年のこの現場説明での経験を生かしながら、都道府県等から地域の実態を丁寧にお聞きして、混乱が生じないように生産現場に対してしっかりと説明をしてまいりたいと考えております。

#102
○小沼巧君 野上大臣、答えていらっしゃるようで実は答えていらっしゃらないというのが私の理解であります。
 おっしゃるとおり、様々な追加措置、そして第四次公募においては対象品目の追加などなど、その後の対応も含めて様々改善の努力をやっていただいている、これは私も高く尊敬し、評価したいと思うのであります。しかし、私がお伺いしたのは、なぜあんなことが起こったのかということの原因であり、教訓なのであります。
 生意気申し上げさせていただきますと、私の卑見ではございますけれども、結局のところ、茨城県を始めとした地域の現場の声を聞く、そして農家を始めとした働く現場の声を聞く、このようなプロセスを怠って、霞が関の机上の空論、これを地域なり現場に押し付け、要件が合わなくなった、都合が合わなくなったら、はい、さようならというような、極めて不誠実極まりない政策のつくり方、これが原因であったのではないだろうかと私自身は強く問題意識を思わざるを得ないのであります。
 この点につきまして、私の認識が誤っているのであればそれを正していただきたい、別の教訓があるのであればそれを御披露していただきたい、このように考えますが、大臣からのお言葉をお願いいたします。

#103
○国務大臣(野上浩太郎君) 高収益作物次期作交付金は、四月三十日に成立しました第一次補正予算によって成立した事業でありまして、当時、新型コロナウイルスによる影響を受けました花卉、茶、野菜、果樹等の高収益作物の次期作に取り組む農業者に対して支援をしたものでありますが、事業を創設した当時は、やはり生産現場にはこのコロナの影響で更に拡大、深刻化することへの不安が蔓延をしておりまして、営農を断念するんではないかと、そういう農家が発生する懸念がありました。
 このような状況下で、本事業の要件が厳しいために申請できずに営農を断念するといったことが生じないこととすることを最優先として、要件を簡素で弾力的にするなど申請しやすい仕組みとしたところでありますが、その結果、非常に多くの申請をいただいたところでありますが、減収を要件としていなかったことから、中には減収していない品目の申請も含まれており、このまま交付金をお支払いすることになればコロナの影響を受けていないのに交付金が支払われることにもなりかねず、国民の得ることは難しいものと考え、運用を見直すこととしたわけでありますが。
 しかし、いずれにしても、そのような様々な運用見直しの過程で現場の皆様の声をしっかりと聞いていくということは、これは非常に重要なことだというふうに思いますし、そのことをしっかりと教訓として今後も進んでまいりたいと考えております。

#104
○小沼巧君 御答弁ありがとうございました。
 そのような話、元々は、結局のところ、現場の意見を聞いていなかったのではないか。聞いているということは重々承知でありますけれども、どこまで真剣に聞けておったのかと、それを基に政策をつくっておったのかということは極めて曖昧なのであります。
 私の小学校の同級生のおやじが農協で働いておるんですけれども、二回聞いたって言うんですよ、本当に減収じゃなくても対象になるのかと。なるって二回言われたそうなんですよ。なんだけれども、いきなりちゃぶ台返しをしてしまった。それは大変な混乱を起こすというのは当然のことでありますよ。そういったところも聞いた上で、予算額の見積り、金額、全て設計しておったのであればあんな混乱は起こらなかったであろうし、最初からこうなんだって定義してやっていったのであれば全く問題は起こらなかったんじゃないかと、このように思います。
 更に言えば、減収の要件が云々かんぬんってありますけれども、昨年十一月の二十六日時点でのQアンドAで、減収していなくても追加措置の対象とするみたいなことをのたまっておるのでありまして、どうにもこうにも結局一貫性がないのではないかと、私自身、これは疑問として思わざるを得ないというところであります。
 さて、もう時間も三分ぐらいしかなくなってまいりましたので、最後の方になるかと思いますが、大臣、今くしくもおっしゃっていただきました、改めてちゃんと現場の声を聞くんだということでありますが、そもそも今その現場の声を聞けるような体制になっておるのかどうなのか、正直な話、これも分からないのであります。
 大臣が、説明会の、全国津々浦々で説明会をやったということをおっしゃっておりました。私も実際、二度ほど参加しておりました。例えば、茨城県庁で行われたもの、出身地であります鉾田市で行われた説明会、それぞれ傍聴しておりましたが、つらい、かわいそうというのが正直な本音であります。誰にとってか。申請をしていたんだけんども結局ちゃぶ台を返されてしまった人たちのみならず、説明をさせられる地方農政局の人たち、そして農水省からの人たち。対抗できる武器やロジックが大してないまんま、ひたすら被弾して平謝りするばかり。あの姿、私も霞が関で一時期働いておりましたが、その同僚の立場から見ても非常にいたたまれない、そのように思うわけであります。
 そこについては政治のリーダーシップが絶対に必要であろうと、決断したことに対しては、こうなんだということをちゃんと示すような政治のリーダーシップが一つ必要なんだろうと思います。同時に、ちゃんと現場の意見を聞くということでありますけれども、結局、農水省の人員はどんどんどんどん削減されてきてしまっているんではないか、このように思います。
 農水省は、各省庁の新規要求の定員の査定結果、各省は大体五割、六割なんですけれども、農水省は二割、三割強とめちゃくちゃ抑制されている。地方の農政局、これに至っては、これ、まさに現場の担当になりますけれども、新規の採用者も長年配置されないし、コミュニケーションやろうと思ってもなかなか難しい。独法についても、いわゆる効率化係数ということでどんどんどんどん経費削減の対象ばっかりになった。このことを真剣に考えて、歯止めを掛けるための決断が今求められるのではないかと強く思いますが、大臣からの考えをお聞かせいただきたいと思います。

#105
○国務大臣(野上浩太郎君) 昨年の運用見直し以降、先ほども申し上げましたが、全国各地で開催をされました千三百回以上の説明会に職員を派遣させていただいたところであります。その中で、やはり、先生おっしゃったとおり、事業の詳細、運用についての御質問に対して、最初から全てを回答できなかったものとか、その場で回答できず宿題となった御質問がありました。そういうものについては、本省に持ち帰り検討した上で、できるだけ早く関係者の皆様にお返しをさせていただく等の対応をしたところでありますが、職員、懸命に説明をさせていただいたというふうに思います。
 そういう中で、今るるお話あったような現場の状況を踏まえまして、今後、第四次公募も予定しておりますので、地方組織も含めて、農林水産省の組織、しっかり対応できるように指揮を執ってまいりたいと考えております。

#106
○小沼巧君 時間が参りましたので終わります。どうもありがとうございました。

#107
○塩田博昭君 公明党の塩田博昭でございます。
 まず最初に、近年の激甚化をいたしております豪雨などへの対策の強化について、一級河川の治水協定についてお伺いをしたいと思います。
   〔委員長退席、理事古賀友一郎君着席〕
 この治水協定は、簡単に言いますと、豪雨などが発生する場合に備えて、下流域の水害を防ぐために既存の利水ダムにためた水のうち一定量を事前放流する、そして調整するものと、こういうふうに理解をしております。
 令和元年十月に起きた台風十九号によりまして、東京の多摩川でも、越水などによりまして、私の地元の世田谷区を始め、大田区、調布市、狛江市などでも被害が相次ぎました。今年も梅雨の時期を迎える前に、また台風シーズンを迎える前に必要な対策を打っておく必要があると、このように考えております。
 都内を流れる多摩川でいいますと、東京都が管轄をする小河内ダムがこれに当たるわけでございます。公明党東京都本部の多摩川流域治水対策プロジェクトチームにおきましてこのダムを視察させていただいた際に、ダムの所長から次のようなお話を伺ったんです。
 この治水協定には事前放流のガイドラインはあるものの、実際に台風などの豪雨時に科学的に裏付けをされた具体的な放水量が不明確だと、このように言うんですね。例えば、事前放流してダムでせき止められる容量を増やしておいても、予想以上の豪雨によって再び有効貯水量を超える可能性のある場合、一体どれぐらい放水すればよいのか分からないと、このように言うんです。令和元年の台風十九号のときも、小河内ダムの限界貯水量を超えそうになり放流をしたと、このようなことでございました。
 この治水協定については、多摩川に限らず、全国の一級河川の利水ダムごとに科学的根拠に基づく放水量を定めておくべきではないでしょうか。例えば、ダムの流域自治体と連携をしながら、実際にダムからどれだけ放水すれば流域の水位が何メートル上昇するのかなど、実証実験を重ねた上で、いざというときの放水量の目安を決めておくよう御検討いただけないでしょうか。
 人命を守る重要な施策でございますので、国交大臣の見解をお伺いいたします。

#108
○国務大臣(赤羽一嘉君) 近年の激甚化、頻発化する大雨洪水被害から地域住民の皆様の命と暮らしを守るために、流域治水、上流から下流まで、また本川、支川、できるだけ上流ではダムですとか遊水地を活用してなるべくためる、雨水を貯留すると。で、下流からは計画的に河道掘削ですとか堤防強化をやっていくと。
 こうしたことは、実は多摩川につきましても、多摩川緊急治水対策プロジェクトを昨年一月に策定をいたしまして、五年間で百九十一億円で実施するというふうに着手をしているところでございます。私自身も二月十三日に多摩川の二子玉川地区の現地状況を視察させていただきましたが、多摩川は沿川各地は人口集中地域がもうたくさんありますので、治水対策を、しっかりとした治水対策を急ぐことの重要性を改めて痛感したところでございます。
 多摩川水系につきましては、これ、残念ながらというか、ダムがもう小河内ダムしかございませんので、東京都の管理でありますが、令和二年の五月二十七日に治水協定を締結しまして、事前放流の運用を実際令和二年の出水期から開始をしているところでございます。
 多分その、今の小河内ダムの方の、ちょっと発言の真意がよく分かりませんが、何というか、大変なリスクのある中でやっているというわけではなくて、恐らく抑制的にやらざるを得ない状況だというふうに思いますが、おっしゃるように、これダムからの放流量と河川、下流の河川の水位等の基礎データの関係性をやはり科学的に把握しなければ適切な洪水調節というのはできないと、こう考えております。
 ですから、今国交省としては、大規模降雨時のダムの放流量、そして水位等の実際の基礎データを集約しながら分析を重ねているところでございまして、これは多摩川だけには限らず全国の流域治水をやるところの共通の、御指摘のとおり共通のテーマでありますので、こうした基礎データを基にした科学的な対応ができるように、これまさに全国の流域治水の第二段階として、雨の降り方の増加によってどれだけのリスクが高まるか、それに対応する事前放流がどうあるべきかということをしっかりと丁寧にやって、これは事前放流がかえってリスクを増大させるようなことが万々が一でもあってはならないという、そうした思いでしっかり取り組まなければいけないと、そう指示をしているところでございます。

#109
○塩田博昭君 今大臣お答えいただいたように、やはりこれからの時期を考えますと、下流域の安全のためにしっかり御対応をお願いしたいと、このように思います。
 次に、多摩川の無堤防地域の解消についてお伺いをしたいと思います。
 多摩川の無堤防地域は、三月十一日の予算委員会で私の質問に副大臣から御答弁いただきましたが、現在工事中の世田谷区二子玉川地区とともに、川崎市幸区の戸手地区、そして立川市錦町地区の三か所と認識をしております。工事中の二子玉川以外の二か所については今どういう状況であるんでしょうか。
 あわせて、台風十九号で被害を受けた堤防は、羽村市や狛江市など随所にございます。その修復工事や堤防かさ上げ工事なども、多摩川緊急治水対策プロジェクトなどを通して着実にしっかり進めていただきたいと、このように考えております。国交大臣、いかがでしょうか。

#110
○国務大臣(赤羽一嘉君) まさに二子玉川地区のまず無堤防地区につきましては、これ五月末までに東日本台風の水位以上の高さまで堤防をかさ上げするということで着手をしておりまして、令和六年度に堤防を完成させる予定でございます。
 次に、お尋ねの川崎市の戸手地区、これ約百七十メートルの無堤防区間ございますが、ここについては、実は関係住民の皆様のもう合意を得て高規格堤防事業を、造るということで進めております。ですから、今お住まいを移転していただいた上で盛土を実施するというプロセスを踏むわけでありますが、これ完成までおおむね五年間掛かりますので、この間の洪水リスクを避けるために、工事用の進入路を設けることになるわけでありますが、この進入路自体を約二メートルの盛土にして、実質ここが防波堤の機能が発揮できるような、そんな対応をしていきたいと、これが第一点でございます。
 もう一つの立川市錦町、これ三十メートルの無堤防区間ですが、この三十メートルというのは、実は日野橋という橋があって、そこの部分だけ無堤防状態となっておりますので、今東京都でこの橋の架け替え工事を着手しておりますが、これ実は大きな工事で約十二年間掛かることになっております。
 ですから、仮設の橋、この架け替え工事のための仮設の橋を架ける、その際に東京都と調節して盛土をすると、こういう予定でございますが、これ残念ながら実際には来年になるので、この一年間はしっかりと土のうで対策を取っていこうということでおるわけでございます。
 さらに、御質問の大田区、世田谷区、羽村市、狛江市など、被災した護岸につきましては、これは三月末までに復旧を完了いたしましたが、狛江市の猪方地区また駒井町地区で行っている堤防のかさ上げや、その上の、上部の舗装工事、これは六月末に完了する見込みであります。
 地域住民の皆様にとっては大変、住宅密集地域でもありますので、大変不安も抱えられていると思いますので、その不安を解消できるように、しっかりとした流域治水の一環で防災・減災が進むように取組を進めていきたいと思っております。

#111
○塩田博昭君 ありがとうございます。
 国交大臣、もう一点お伺いをしたいんですが、障害のある方が鉄道やバスなどの公共交通機関を利用いたしまして交通系ICカードで割引を受ける障害者割引についてお伺いをしたいと思います。
 例えばJRの東日本の場合、乗車する駅の改札ではICカード、Suicaをかざして入場して、降りる駅の改札では、そのままカードをかざすのではなくて、窓口に行って障害者手帳を提示してICカードから割引額で決済される、こういう仕組みになっていると。
 一方、関西の鉄道、バス事業者でつくるスルッとKANSAI協議会は、身体障害者と知的障害者、そしてその介護者を対象に前払式専用ICカードによる割引サービスが利用者から大変好評であるということでございます。障害者手帳の記載情報を事前登録することで、乗車時の手帳提示を省略、通常の交通系ICカードと同様、駅の改札やバスの車載器にかざすと五割引きの運賃が適用されるということでございます。
 国土交通省においては、昨年六月二十三日に、総合政策局が、障害者割引運賃の本人確認についてという通達の中で、交通ICカード利用のたびに手帳の提示を求めない手続の簡素化を呼びかけております。
 国交大臣、スルッとKANSAIのようなこの事例を一刻も早く全国展開すべきだと思います。大臣のリーダーシップを期待していますが、いかがでしょうか。

#112
○国務大臣(赤羽一嘉君) 今のお話のあるように、障害者の皆様用のICカードの導入は、スルッとKANSAIほか今四地域で導入されたところでございます。
 私は、この一連のバリアフリー政策については、実際やっている事業者がある場合は全国一斉に全部やると。スルッとKANSAIができてSuicaですとかPASMOができないという理由は私は全く理解できないということははっきりさせておりまして、一昨年の十一月に鉄道局に指示しまして、関東圏の鉄道事業者にお集まりをいただき、その旨をお伝えしたところでございます。
 今、Suica、PASMOを導入している鉄道事業者が、関東カード相互利用協議会という協議会の下に障害者ICカードワーキングチームを設置されて実務的な議論が進められているというふうに承知をしておりますが、塩田委員からの御質問もありますので、これもういつまでに結論を出すのかと、その上で、結論は決まっていると、できないということはあり得ないという強い姿勢で具体的な指示をしたいと、こう思っております。
   〔理事古賀友一郎君退席、委員長着席〕

#113
○塩田博昭君 国交大臣への質問はここまででございますので、委員長がよろしければ大臣は御退席いただいて結構でございます。

#114
○委員長(野村哲郎君) 赤羽国土交通大臣は退席していただいて結構でございます。
 御苦労さまでした。

#115
○塩田博昭君 次に、農林水産省が昨年四月からスタートをさせました農林水産省共通申請サービス、eMAFFについてお伺いしたいと思います。
 この共通申請サービス、eMAFFは、農水省が所管する全ての行政手続の業務の抜本的な見直しを進めながら、約三千件に及ぶ法令に基づく申請や、補助金、交付金の申請をオンラインで行うことができるもので、他省庁に先駆けた大胆な取組として私も個人的に注目をしているものでございます。
 行政手続は多くの書類が必要でありまして、その書類を役所の窓口に届けに行きますと、申請者の負担が大変大きかったり、また、ある交付金では必要な書類をそろえると厚さ何十センチにもなると、このように聞いたこともございまして、加えて、農林漁業者の高齢化や労働力不足などの課題がある中で、煩雑な申請手続を効率化して自宅のパソコンやスマホ、タブレットを使ってワンストップで申請できることはとても歓迎すべき取組であると、このように思います。令和四年度までに全ての申請手続を一〇〇%オンライン化して、その利用率を令和七年度までに六〇%を目指すとのことですので、是非一つでも多くのオンライン化を急いでいただきたいと、このように思います。
 そこで、まず、今年四月一日現在で三千件に及ぶ各種申請のうち、どの程度の手続がオンライン申請可能となっているのでしょうか、政府参考人にまずお伺いしたいと思います。

#116
○政府参考人(信夫隆生君) お答え申し上げます。
 農林水産省共通申請サービス、eMAFFによる農林水産省所管の行政手続のオンライン化につきましては、令和二年度の当初にまず経営所得安定対策、認定農業者制度の手続につきまして先行的にオンライン化を実施するところから始めまして、令和三年度から本格的にオンライン化を進め、令和四年度までに三千を超える全ての手続についてオンラインで申請できるようにすることを目指し、取り組んでいるところでございます。
 現在、オンライン申請可能手続は、本年四月一日現在では四百九十九手続となり、直近の四月二十三日時点では五百六十六手続となっております。

#117
○塩田博昭君 ありがとうございます。
 四月二十三日現在で五百六十六件がオンライン化されていると、このようなことでございます。
 補助金や交付金の申請の中でオンライン化を急ぐべきは、やはり台風などの自然災害などで著しい農業被害が発生した緊急時の申請だと思います。特に、各種共済や収入保険の申請は急ぐべきであると、このように思うんですね。
 令和元年の台風十九号では、日本全国で様々な農業被害をもたらしたために、各地方の行政窓口は混乱をいたしましたし、各種の補助金や交付金などの申請作業が目詰まりを起こしました。私の事務所にも多数相談が寄せられたのは、収入保険や共済の申請手続に関するものでございました。被災者である農業者が被災後の片付けに忙殺されながらも、例えば共済組合に問合せをしましても、申請手続が煩雑で書類作りと提出にかなりの労力を要したり、認定までに時間が掛かるなど、農業者と共済組合との間に大きな壁を感じることもありました。オンライン申請、eMAFFは、その距離を埋めて農業者と共済組合を直結できると、このように思うんですね。
 いつ大きな自然災害が起きるか分かりませんので、このオンライン申請を万一のときに直ちに使えるように準備を急いでいただきたいと思います。農水大臣、いかがでしょうか。

#118
○国務大臣(野上浩太郎君) 今先生から災害時の状況について御言及をいただいたわけでありますが、御指摘のあった農業共済及び収入保険のオンライン化申請についてでありますが、加入者となる農業者の利便性の向上ですとか、これは農業共済組合の業務の効率化自体を図っていくという観点もあります。
 できるだけ早期に実現をしていくことが重要であると考えておりますが、このため、収入保険につきましては、現在、共通申請サービス、eMAFFを通じまして、全国農業共済組合連合会に対して、加入申請や事故発生時の通知を行えるようにするためのシステム整備を進めておりまして、本年八月には加入申請手続に係る整備を完了して、秋以降、オンライン申請の受付を開始する予定であります。
 また、これに続きまして、農業共済でありますが、これは令和四年度中にオンライン申請を可能とすることを目指して、今早急に整備を進めていきたいと考えております。

#119
○塩田博昭君 御答弁大変ありがとうございました。
 次に、日本のリカレント教育の充実が言われて大変久しいわけでございますけれども、二〇一七年の大学学部入学者のうち二十五歳以上の入学者の割合は、OECD諸国の平均一六・六%に対して日本は二・四%と極端に低い現状がございます。海外と比べて何が遅れている原因なのでしょうか。
 人生百年時代へと向かう中で、社会人のニーズに合った学び直しのための教育環境の整備がやはり必要であると。今後、自宅でのオンライン授業を含めた教育環境の充実を含めた政府の取組や周知について、文科大臣にお伺いをいたします。

#120
○国務大臣(萩生田光一君) 人生百年時代の到来や技術革新の進展等の中では、キャリアアップやキャリアチェンジに求められる能力、スキルを身に付けるためのリカレント教育の充実が必要です。
 リカレント教育を充実するためには、受講者の費用負担や時間の確保、実践的プログラムの充実のほか、雇用体系や労働市場等の課題があると認識しております。これらの課題に対応するため、文部科学省としては、リカレント教育の更なる充実に向け、社会のニーズを踏まえた産学連携による実践的、専門的な教育プログラムの開発促進、リカレント教育を支える専門人材の育成、女性の学びやすい環境整備や社会人の学びに関する情報発信を始めとした学習基盤の整備等を行っているところです。
 引き続き、これらの取組を通じて、関係省庁との連携も図りながら、リカレント教育の充実に努めてまいりたいと思います。

#121
○塩田博昭君 実は、大臣にもう一問お伺いしようと思ったんですが、時間の関係で、今大臣が御答弁いただいたように、リカレント教育の充実においては、今後、やはり人生百年時代を考えたときに、当然女性が活躍する時代になるわけですから、リカレント教育の充実は待ったなし、そして女性のニーズに合った体制整備が必要であると、この点、また更に充実したものをお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#122
○下野六太君 公明党の下野六太でございます。質問の機会を与えていただきまして、心より感謝申し上げます。
 早速質問に入らせていただきます。
 菅総理が二〇五〇年カーボンニュートラルを発表され、経済産業界は一斉にCO2の削減に向けてかじを切りました。カーボンニュートラルは大気中の二酸化炭素の排出と吸収のバランスを取るということになりますが、環境問題は大気中の二酸化炭素だけのことを考えればいいというものではないと思います。土壌や水のことも一体として循環する形で二〇五〇年に向けて努力していかなければならないと私は思います。
 最初の質問は、その土壌を中心として有機農業に焦点を当てて質問をさせていただきたいと思います。
 まず、日本の有機農業の現状についてお尋ねします。OECD加盟国の中で日本の有機農業の耕地面積の割合は、何か国中何位でしょうか。

#123
○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。
 御質問の有機農業でございますけれども、気象条件や作物構成などによりまして国によって難易度が異なっておりまして、条件の異なるほかの国と単純に比較するのは難しい面もあると考えております。
 その上で、お尋ねの点につきましてでございますが、平成三十年、二〇一八年時点で我が国におきます有機農業の取組面積二万三千七百ヘクタールでございまして、全耕地面積に占める割合は〇・五%でございます。これは、OECDに加盟しております三十七か国中三十四番目ということでございます。

#124
○下野六太君 三十七か国中三十四位というような実態が見えてきましたけれども、その日本の順位は大体どのくらい前から同様な順位なのでしょうか。お答えいただきたいと思います。

#125
○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。
 全耕地面積に占めます有機農業の取組面積の割合ということでございますが、現在OECDに加盟しております三十七か国につきまして二〇一〇年以降のデータで比較してみたところ、日本の順位は二〇一〇年から二〇一七年までは三十五位でございまして、最新のデータでございます二〇一八年は、先ほどお答えしたとおり三十四位でございます。

#126
○下野六太君 ありがとうございます。
 そして、有機農業に取り組んでおられる方、農業従事者全体の何%になるのかという問題は、これは〇・五%ぐらいだと私、認識しておりますので、その点を含めて、そして日本の有機農業がなかなか拡大していかないというような現状が浮かび上がってくると思いますが、なぜ日本の有機農業は広がっていかないのでしょうか。どのような分析をされておられるのかを教えていただきたいと思います。

#127
○大臣政務官(熊野正士君) お答えいたします。
 国内の有機食品の市場規模が過去八年間で四割拡大をし、取組面積も約四割拡大しているところでありますけれども、欧米諸国等に比べますと取組は進んでいない状況でございます。
 この要因につきましては、まず生産面においては、労力が掛かることや、収量や品質が不安定であることなど技術的な課題があることに加えまして、有機農業に取り組む農家の育成や産地づくりの取組が不十分であったこと、また流通や消費の面では、消費者への情報伝達や理解の醸成、流通コストの低減、販売機会の多様化などの取組が不十分であったことによるものと考えております。

#128
○下野六太君 ありがとうございます。
 確かに、有機農業を実践されていらっしゃる方にお会いして話をお伺いすると、やはり一〇%から二〇%ぐらい慣行農業と比べると収量は落ちるというふうに言われているにもかかわらず、有機農業を実践されていらっしゃる方々の意識は、やはり環境のことを考え、そして食の安心、安全を第一にしておられるという、やっぱりすごく意識の高い方が頑張っておられるというような現状をしっかりと踏まえていかなければいけないのではないかなというふうに思っております。
 日本の有機農業の方々にやはり会って思うのは、今お話ししたようなことではあるんですけれども、菅総理の言う自助努力をされていらっしゃるのではないかなというふうに私は思っております。でも、大切なのは、これから有機農業に対して、私は政治がしっかりと後押しをしていくという共助の仕組みや公助の仕組みをしっかりとつくっていくということではないかというふうに思っております。
 そのような意識の高い方に対して、日本のやはり仕組みというのは個人頼みになってきたのではないだろうかというふうに、私はそのように考えておりますけれども、耕地面積の一%を超えるくらいの中での有機農業が行われている市町村は、日本の中で大体どのくらいあるんでしょうか。

#129
○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。
 農林水産省で全国の市町村を対象に平成三十年度時点で調査をした結果がございます。
 この結果を見ますと、有機農業の取組面積を把握している及びおおむね把握している、どちらかで答えた市町村が全国の市町村の中で五百二十一ございまして、その中で耕地面積の一%以上で有機農業が取り組まれていると回答した市町村は八十でございます。

#130
○下野六太君 ありがとうございます。
 全国の市町村の数が大体千七百十八あると思いますので、そのうちの八十だと大体四%、四・六%ぐらいかなというふうに思っておりますが、これは私は非常にまだまだ今から拡大をしていくべきではないかというふうに思っております。
 そういった問題意識を踏まえて、私は、先日、九州の自治体で、条例を制定をして自治体で有機農業を丸ごと推進をしてきて三十三年になるという、その歴史を持つ宮崎県の綾町に有機農業の視察に出向いてまいりました。
 綾町は、一九六七年に照葉樹林の交換伐採計画が持ち上がったときに、町民の八〇%を超える署名が集まって、農水大臣に直訴した結果、町の宝である照葉樹林を守ることになりました。この頃から環境を大切にしていく機運が生まれ、自然環境保護と農業の振興を照葉樹林をベースに進められ、一九七三年には一坪菜園の普及と野菜の種子配付、一九七六年、青空市場の開設、一九八八年、自然生態系農業の推進に関する条例が制定をされました。翌一九八九年、平成元年ですね、農産物の直売所をほんものセンターという名前で開設して現在に至っております。
 そこで確認できましたのは、やはり有機JASの認証は慣行農業を推進している地域では得にくいというものでありました。自身が所有される田畑の周りの方々が慣行農業で農薬を散布をすると自分の田畑にも影響が出るということでありました。その点、綾町は町全体が有機農業を推進してきているために、周りに余り気を遣わずに有機農業に取り組めるところがすばらしいと私は思いました。
 私が調べたところ、綾町では全耕地面積の約一七%で農薬、除草剤、化学肥料を使っていません。国の有機農業の耕地面積割合が〇・五%ですから、実に国の約三十四倍にもなります。注目すべきは有機農業の従事者の割合ですけれども、これは驚異の七九・八%にも上ります。
 農水省は、二〇三〇年には有機農業の耕地面積を六万三千ヘクタールに、現在二万三千五百ヘクタールから六万三千ヘクタールにと、そして有機農業の従事者数を一万一千八百から三万六千人にするということを目標にしておられるというふうに認識しておりますが、耕地面積でいくと三倍弱、有機農業の従事者数でいくと約三倍になりますが、この目標達成の鍵を握るのは綾町のように自治体全体で有機農業を推進できるかどうかが大きいのではないかと思いますが、農水大臣の所感をお伺いします。

#131
○国務大臣(野上浩太郎君) 有機農業は自然循環を活用して行うものでありますので、環境への負荷の低減ですとか、あるいは生物多様性の保全、地球温暖化防止等に高い効果を示しますし、SDGsの達成にも貢献するものでありますが、議員御指摘のとおり、この有機農業に地域でまとまって取り組むことで、農業者間での生産技術が共有をされたり、あるいは栽培品目やロットの拡大が可能となったり、共同での集出荷や販路の確保、農地の団地化による作業の効率化、円滑化等に、より取り組みやすくなるということもありますので、委員会から御紹介のあった、今、宮崎綾町のように、自治体が地域をまとめて有機農業を推進する意義は大きいものであると考えております。
 農林水産省としては、こうした観点からの支援としまして、技術研修会の開催ですとか販路確保に向けた取組支援等を通じた有機農業の拠点的な産地づくりや、あるいは耕作放棄地等をまとめて有機農地に転換する取組支援等を通じた農地の確保や団地化を推進するとともに、やはり市町村等の情報交換や交流の場というのが大事でありまして、令和元年八月に有機農業と地域振興を考える自治体のネットワークを設置をしているところでありますが、このような綾町のような先進的な取組を全国へ横展開してまいることは重要であると考えております。

#132
○下野六太君 ありがとうございます。
 是非、大臣のリーダーシップを期待をしておりますので、よろしくお願いします。
 有機農業を自治体全体で取組を進めていく際には、強力な後押しが私は必要だというふうに思っております。有機農業に取り組もうとする自治体に大きなインセンティブを是非大臣のリーダーシップで実現をしていただきたいというふうに思います。
 例えば、有機野菜を待ち望んでいる有機野菜ファンは全国に点在していると思います。その有機野菜ファンと自治体が契約を結び、有機農業を推進、自治体で収穫をされた旬の野菜を毎月宅配するようにしてはいかがでしょうか。例えば、月三千円コース、五千円コースをつくって全国の有機野菜ファンに宅配する。有機農業を市町村全体で推進している自治体には、例えば送料の補助を国で行うというインセンティブを設けていくのはいかがでしょうか。
 有機農業を推進する自治体と有機野菜を待ち望んでいるファンも共に喜び、そのような自治体が全国に広がっていけば、おのずと二〇三〇年の有機農業の目標も達成できるのではないかと考えております。
 これまでの個人頼みの点を最低でも集落単位あるいは自治体単位で取り組むようになるということは、小さな点が大きな点になり、やがては点と点がつながって線から面になっていくのではないかと思います。
 それを目指していくべきだと思いますけれども、もう一度大臣の所感をお伺いします。

#133
○国務大臣(野上浩太郎君) やはり、自治体が地域をまとめてこの有機農業を推進していくためには、消費者のニーズを踏まえた生産振興や販路の確保ですとか、あるいは有機農産物の効率的な物流の構築など、本当に様々な取組が必要になってくると思います。
 農林水産省では、先ほど申し上げましたが、産地づくりやその農地の確保に向けた支援ですとか自治体間のネットワークづくりのほかにも、共同物流の実証支援など、物流の効率化に向けた支援にも取り組んでいるところであります。
 その上で、昨年四月に策定しました基本的な方針における二〇三〇年の目標の達成、さらには、先月、中間取りまとめを行いましたみどりの食料システム戦略において掲げた二〇五〇年の目標もございますので、先生から今様々なアイデアも披露いただきましたが、先生の御指摘等も踏まえまして、更にどのような取組が可能かしっかり検討して、必要な取組を積極的に進めてまいりたいと考えております。

#134
○下野六太君 是非、有機農業に取り組んでおられる方々を、本当に自治体でやっていくという安心感を持って強力に推進していくことを是非お願いをしたいというふうに思います。
 農水大臣の質問、これで終わりますので、退席していただいて結構です。

#135
○委員長(野村哲郎君) 野上大臣は御退席いただいて結構でございます。

#136
○下野六太君 では、続けてお願いします。
 次に、文科省にお尋ねしたいと思います。
 全国の小中学校での不登校の生徒、児童生徒の数は増えているんでしょうか、それとも減っているんでしょうか。

#137
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 国公私立の小中学校におきます不登校児童生徒数は、令和元年度に約十八万一千人となっております。在籍児童生徒数に占める不登校児童生徒の割合は約一・九%、小中学校共に令和元年度が過去最多となっておりまして、不登校の児童生徒数及び割合は七年連続で増加をしているところでございます。

#138
○下野六太君 もう教育界の中では、やはりこの不登校の問題を避けて通るわけにはいかない大きな私は問題であるというふうに思っておりますので、不登校児童生徒のうち、年間の出席日数、二百日前後の年間の出席日数の中で、十日以下、要するに学校に年間十日以下しか行っていない、登校していないという子供たちは全国でどのくらいいるんでしょうか。

#139
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 令和元年度の小中学校における不登校児童生徒のうち年間の出席日数が十日以下であった者は、二万二千二百八十六人となっております。不登校児童生徒に占める割合としては一二・三%ということでございます。

#140
○下野六太君 ありがとうございます。
 子供たちの中で、不登校の生徒の中で約一二・三%ですか、が全国で二万二千二百八十六人もの子供たちが学校に、十日間ということはほとんど行っていないということにつながるかと思います。そのやっぱり二万二千二百八十六人の子供たちに対して、しっかり援助を私はしていくべきではないかというふうに思っております。
 不登校児童生徒に対応するためには、各自治体に、前は、以前は適応指導教室というふうに言っておりましたけど、最近は教育支援センターというふうに言っていると思いますけれども、自治体が設置をしておられると思いますけれども、国は不登校対応の施設には年間どのくらいの予算を計上して、そしてその予算は主にどのようなことに使われているんでしょうか。

#141
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 不登校児童生徒への支援に当たっては、基礎学力の補充や集団生活への適応等の支援を行います教育支援センターの設置等によりまして、個々の状況に応じた多様な教育機会を確保することや、教育支援センターを中核としたネットワークを整備をして、関係機関や民間団体等とが連携することが重要であると考えております。この考え方の下、文部科学省としては、令和二年度から不登校児童生徒に対する支援推進事業を実施しており、本年度、令和三年度においては約一億九千万円を措置しているところでございます。
 この事業では、教育支援センターを中核として、教育委員会や関係機関、民間団体等が定期的に協議を行う不登校児童生徒支援協議会の設置や、あるいは教育支援センターにおきます相談支援体制の強化等に要する経費について支援を行っているところでございます。
 文科省としては、引き続き、やむを得ず学校に登校することができない不登校児童生徒の教育機会の確保のため、個々の児童生徒の状況に応じた支援の充実に努めてまいります。

#142
○下野六太君 ありがとうございます。非常に大切な拠点となる、不登校解消における拠点となるところだと私は思っております。
 不登校児童生徒のうち、不登校対応のためにつくられたその今の施設ですね、教育支援センターですけれども、そこに、利用をしているという児童生徒の割合です、どのくらいいるんでしょうか。端的にお願いします。

#143
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 令和元年度の小中学校における不登校児童生徒のうち教育支援センターにおいて相談、指導を受けた人数は約二万二千人で、これは不登校の児童生徒に占める割合としては一二%にとどまっております。
 以上です。

#144
○下野六太君 ありがとうございます。
 不登校生徒の中でその教育支援センターを利用しているという子供たちの割合は一二%なんですね。裏を返せば、八八%の子供たちは、学校にも行かない、教育支援センターにも行かないというようなところで、やっぱり苦しんでいる子供たちが非常に多いのではないかというふうに思っております。
 不登校の受皿として教育支援センターは進んでいますが、不登校の児童生徒たちはそこを余り利用していないというようなことが浮かび上がってくるかというふうに思います。
 私は地域の不登校の子供たちのために施設は必要だと思いますが、その施設をステーションにして、NPO等の不登校解消を目指す民間団体の力を借りて、そこに予算をしっかり付けてアウトリーチに力を注いでいくべきではないかと私は考えますけれども、文部科学大臣の見解をお伺いします。

#145
○国務大臣(萩生田光一君) 不登校児童生徒の中には家庭に引きこもりがちとなり支援が行き届きにくい場合もあるため、個々の状況に応じ、教育支援センター等において公と民が連携したアウトリーチ型支援を行うことは重要であると考えております。
 また、本年一月の中教審答申においても、アウトリーチ型支援の実施を含む不登校支援の中核となる教育支援センターの機能強化や、公と民との連携による施設の設置、運営など、教育委員会、学校と、多様な教育機会を提供している例えばフリースクール等の民間の団体とが連携をし、相互に協力、補完し合いながら不登校児童生徒に対する支援を行う取組の充実について提言がなされたところです。
 このため、文部科学省としては、不登校児童生徒に対する支援推進事業において、教育支援センター等を中核とした支援ネットワークの整備や、不登校児童生徒に対して家庭訪問を通じた相談や学習支援等を行うアウトリーチ型支援の実施に対し支援を行っているところです。
 引き続き、学校、教育委員会とNPO等の民間団体と連携をし、不登校児童生徒の個々の状況に応じた多様で適切な支援の促進に努めてまいりたいと思います。

#146
○下野六太君 是非、不登校の子供たちの苦しみに寄り添っていく支援をお願いしたいというふうに思います。
 最後には、もう質問ではなく、ちょっと用意してきた内容を読みますので、お願いします。
 私は、不登校や引きこもりの方々の居場所に美術館が最適ではないかというふうに考えております。福岡市美術館の総館長と懇談をした際に、総館長が美術館の役割としてしっかり社会的な使命を担っていくというふうにおっしゃっておりましたので、しっかり美術の力もお借りしながら、社会全体で不登校の解消に向けて取り組んでいきたいと、こういうふうに思います。
 終わります。ありがとうございました。
    ─────────────

#147
○委員長(野村哲郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、柴田巧君が委員を辞任され、その補欠として音喜多駿君が選任されました。
    ─────────────

#148
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 赤羽大臣に是非質問させていただきたいというふうに思います。
 まず、今日もほかの委員の方から地球温暖化対策の話がありました。世界で、地球の温暖化が進むにつれて降雨量、雨の降る量がどんどんと増えていくというお話がありました。
 先日、四月の二十二日でありますが、地球温暖化サミットが開催をされました。菅総理の方も、二〇一三年度比で四六%を削減するんだと、CO2をですね、というふうなことを世界に表明をいたしました。そこで、四六%、非常に高いと言われています。ただ、日本は更に五〇%を目指すということも付け加えられております。非常にこれ高いハードル、目標設定をされたわけでありますが、その中で、やはり国土交通大臣、特に赤羽大臣はこの地球温暖化対策にも非常に理解があって熱心だというふうにお聞きをいたしております。
 そこで、まずちょっとお聞きいたしますが、再生可能エネルギーの中ではこれ風力発電も有望でありますが、当然風力発電大事なんですが、非常に太陽光に比べますと風力発電は海域に限られているということで場所も限られますし、コストも非常に高いと、そしてまたかなり時間も掛かるというふうなことが言われています。
 そこで、赤羽大臣に是非お聞きしたいのは、全国の高速道路のサービスエリア、パーキングエリア、道の駅、こういった国土交通省が所管している道路の部分でありますが、現在どれだけ太陽光発電が導入されているのか、お伺いをしたいと思います。

#149
○政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。
 高速道路のサービスエリア、パーキングエリア、また道の駅において、駐車場や施設の照明の電力供給などを目的として太陽光発電設備が導入されております。
 高速道路のサービスエリア、パーキングエリアにおける太陽光発電設備については、令和二年三月末現在で、全八百八十二施設のうち約一割の八十九施設で導入されています。また、道の駅でございますけれども、令和二年七月末時点で、全千百八十施設のうち約二割に当たります二百十一施設で導入されているところでございます。

#150
○東徹君 今、サービスエリア、パーキングエリアでは導入施設は約一割しかこの太陽光が設置されていないと、道の駅では一八%ということです。サービスエリアというのは非常に大きな駐車場があったりとかしますし、道の駅も、建物だけじゃなくて駐車場も、すごく大きな駐車場を大体持っているわけであります。
 そうしたら、そういったところに屋根を造って、そこに太陽光パネルを引いていけばかなりの太陽光発電が設置できますし、車もそこで充電もすることができるようになるわけでありまして、こういった赤羽大臣が所管する駐車場、サービスエリアとかそれから道の駅、そういったところに是非太陽光発電の導入を拡大をしていっていただきたいと、早急にしていくべきだというふうに思いますが、赤羽大臣、いかがでしょうか。

#151
○国務大臣(赤羽一嘉君) 二〇五〇年カーボンニュートラルというのは大変大きなテーマでありますし、総理から、今委員からもお話がありました四六%というのは大変高いハードルだと思っておりますが、これやらなければいけないということだけはもう明確にして施策を進めていかなければいけないと思っています。
 国交省は所管が広いものですから、CO2排出量の五〇%を我が省内で所管しておりますので、うちが本気になるかどうかというのは本当極めて、この政府の目標を実現できるかどうか、我々の取組が懸かっているという思いでございます。
 そうした意味で、今、サービスエリア、パーキングエリア、道の駅と、これ多分、道の駅は自分たちで何とかしなきゃいけないということなので割合は少し高いのではないかと思いますが、こうしたことも、そうしたカーボンニュートラルに活用できることは何でもやるんだという意識付けが大変重要だと思いますので、NEXCOの各社に対しましても、今日せっかくこうした意見が出た、いただきましたので、そうした方向でしっかりとできることから始めて、工程表を作って、この二〇五〇年カーボンニュートラルに貢献できるようにしっかりと指示をしたいと、こう思っております。

#152
○東徹君 是非、国土交通省の所管、できるところで幾らでも、まだまだ太陽光発電設置できるところはたくさんあります。風力に比べて太陽光発電のコストはやっぱり安いですから、できるだけ国民の負担も上げずに済む電力から確保していくということが非常に大事だというふうに思います。
 余り時間がありませんので、是非、赤羽大臣におかれては早急に取り組んでいっていただきたいなというふうに思います。
 もう一つ、高速道路に関して言えば、サービスエリアとかパーキングエリアだけではなくて、高速道路の遮音壁というのがありますが、この遮音壁というのは十年から二十年で取り替えていくらしいんですね。実は、その遮音壁に取り付けられる太陽光発電というものももう開発をされておりまして、一部のパーキングエリアにはもう試験設置も行われているということであります。
 遮音壁というのは全国の高速道路で相当な距離が設置されておりますので、そこを太陽光発電に活用できるということになると、相当な発電量をこれは期待することができるというふうに思います。
 是非この遮音壁への太陽光電池の設置、赤羽大臣に御検討いただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

#153
○国務大臣(赤羽一嘉君) 高速道路の、三社が管理する高速道路というのが九千五百キロあるうちの、遮音壁は約三割の二千九百キロで設置をされております。
 ただ、当初、遮音壁というのは垂直な形状なので、ちょっと質問いただくときに、ここどうやって太陽光のパネルを張るのかなと少しちょっと不思議な思いで調べましたら、これは今、第二京阪、第二京阪道路の四か所、残念ながらそこのみで、恐らくこの上部が湾曲した遮音壁で、そこに太陽光パネルを設置したという、多分新しいタイプだと思っております。
 こうしたことが、今後遮音壁の交換に合わせてそうしたものが、ちょっとエネルギー効率とか若干少し検討しなければいけないと思いますが、第二京阪でうまくいっているのかどうかも含めてしっかり、有用であれば最初の二〇五〇年カーボンニュートラルのために何でもやらなければいけないという流れの中で、しっかり前向きに導入を見据えて検討させていただきたいと、こう思います。

#154
○東徹君 ありがとうございます。是非検討を進めていっていただきたいと思います。
 続きまして、野上大臣の方にもお聞きをしていきたいというふうに思います。
 太陽光発電に関しては、農地の導入もこれ進んでおります。進んでおりますけれども、その中でも農作物の生産と太陽光発電を同時に行う営農型発電というのがあります。これによって、作物と電気の販売で農家の収入もより安定するというふうな期待ができるというふうなことも言われております。一般社団法人太陽光発電協会によりますと、二〇五〇年に太陽光発電を行う土地の約三割が農業関連になるというふうなことが見込まれておるということであります。
 農地での太陽光発電も再生可能エネルギーの普及とカーボンニュートラルの実現の上で非常に重要だというふうに考えますが、農地の太陽光発電の普及拡大についてどのようにお考えなのか、お伺いをしたいと思います。

#155
○国務大臣(野上浩太郎君) 二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現、極めて重要な課題だと考えております。他方で、農地は農業生産の基盤でありまして、国民への食料の安定供給の観点から適切に確保していく必要があると考えておりまして、農林水産省としては、優良農地を確保しつつ再エネ導入を促進することといたしております。
 そういう中で、今先生からお話のありました営農型太陽光発電でありますが、これは営農と発電を両立をして、再生エネルギーの導入だけではなくて、農業収入に加えて売電収入も得る、農家所得の向上にもつながるということから、地域農業の活性化にも資する取組であると考えております。
 このため、農林水産省では、設備の設置に当たって必要となる農地の一時転用許可期間について、担い手が営農する場合等には三年以内から十年以内へ延長したほか、営農型太陽光発電について取組支援ガイドブックを策定をしまして、取組事例の必要な手続ですとか支援制度等を紹介するとともに、事業化を目指す農業者に対する相談対応を行うことなどを通じまして営農太陽光発電の導入を推進をしているところであります。
 また、令和二年度末にはこの営農型太陽光発電に係る一時転用許可の要件を見直して、荒廃農地を再生利用する場合には、単収八割確保を求めるのに代えて、農地が適正かつ効率的に利用されているか否かにより判断をすることとしたところであります。
 今後とも、優良農地を確保しつつ、地域活性化に資する形で営農型太陽光発電の導入を進めてまいりたいと考えております。

#156
○東徹君 是非、営農型という、例えばビニールハウスがあって、その上に太陽光パネルを引くとかそういったものもありますし、また、もう残念ながら農地をやめておられるようなそういった土地、そういったところにもしっかりと太陽光発電を行っていくということを是非進めていっていただきたいと思います。
 続きまして、野上大臣にはため池の発電についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 雨が少なく、大きな川のない香川県なんかは、これは、ため池の多いところがありまして、ため池の水面を利用した太陽光発電が行われております。これは、香川県だけではなくていろんなところにため池というのがありますが、高松市は年間一千百世帯分の発電を行っているところもあるようでありまして、水面の利用した発電というのが、パネルが水で冷やされるので夏の発電効率がいいということであります。
 将来に向けて有望な発電方法だというふうに思っておりまして、農水省としてこのため池の発電、これについても是非検討していっていただきたい、活用していただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

#157
○国務大臣(野上浩太郎君) 農業用ため池の水上太陽光発電施設の設置につきましては、ため池が多い瀬戸内海沿岸を中心に取組が行われていると承知をしておりますが、このような取組は再生可能エネルギーの活用として期待をされているというふうに考えておりますが、一方で、水面に設置するための技術的な困難もあって、台風によってめくれ上がって被害が生じる等の課題もあると考えておりますので、全国的な設置状況ですとか活用に当たっての課題等について本年度に調査を行って、安全な設置方法等について検討してまいりたいと考えております。

#158
○東徹君 是非、赤羽大臣におかれても野上大臣におかれても、国交省で、そしてまた農林水産省の方で、やっぱり再生可能エネルギーをどういうふうに増やしていくのかという計画、二〇三〇年までの計画を是非作っていただきたいというふうに思いますので、要望としてお聞き届けいただければというふうに思います。
 続きまして、野上大臣には林業のことについてもお伺いをさせていただきたいと思います。
 我が国の林業というのは、もうこれは大切な、貴重な日本の資源だと私は思っておりまして、我が国の林業については、ただ、その資源が、従事している方々が減ってきているというような状況でもあります。
 高齢化も高まってきて、将来に向けて厳しい状況にあるわけでありますが、我が国の林業をこれ再生していこうと思えば、木材の輸出も、もちろん国内需要を増やしていくということも大事でありますが、輸出を増やして林業従事者の収入をこれ増やしていかないと、なかなかこれ林業従事者というのは増えていかないわけでありまして、この我が国の木材の輸出というのをどのように考えておられるのか、お伺いをしたいというふうに思います。

#159
○政府参考人(本郷浩二君) お答えをいたします。
 二〇三〇年の林産物の輸出目標は千六百六十億円としております。昨年十一月に取りまとめられた農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略において製材及び合板を輸出重点品目と位置付け、中国、アメリカ、韓国、台湾を主要なターゲットとし、国産材の輸出拡大と高付加価値化を進めていくこととしています。
 本戦略において、製材の輸出につきましては、二〇一九年実績の六十億円に対し二〇二五年は二百七十一億円を目標額としており、合板の輸出につきましては、二〇一九年実績の六十五億円に対し二〇二五年は八十億円を目標額としています。
 また、本戦略の着実な実行のために、農林水産省としては、中国、韓国であれば木造の軸組み工法の家造りそのものを輸出する、あるいはアメリカ、台湾であれば部材のマーケティング、建築あるいは内装、外装のマーケティングを行うようなマーケットインの発想に基づき、川上から川下までの企業等が連携した輸出産地の育成、国際競争力の高い生産体制の実現のための加工流通施設の整備、ジェトロや関係品目団体等の連携による日本産木材製品のブランド化の実施などに取り組むつもりでございます。
 よろしくお願いします。

#160
○東徹君 非常にまだまだ、金額を聞いていますと、製材の方でも二百七十一億円であるとか、それからまた合板の方でも八十億円とか、非常にまだまだ規模が小さいなというふうに思っております。
 例えばCLTだとか、そういったこともやっぱりどんどんと進めていく必要もあると思いますし、野上大臣、これどうすれば林業がもっと拡大していくのか、是非お考えがありましたらお聞かせいただきたいと思います。

#161
○国務大臣(野上浩太郎君) 今輸出拡大について御答弁させていただいたところでありますが、今先生からお話あったCLTの利用促進、やはり国内のまず需要も促進を、拡大の促進をしていかなきゃならないということがあると思います。
 今CLTは、公共建築物を始めとして余り木材が使われてこなかった中高層の分野、この新たな分野における建築物の木造化ですとか内装木質化を図っているところでありますし、あるいは地域の木質バイオマスの持続的な活用等々もあると思いますので、輸出面と含めて、そういう需要面での拡大ということも必要であると思います。
 また、供給面で、やはり今、林業イノベーションによる施業の効率化というものも進めておるんですが、路網整備ですとか、あるいは高性能林業機械の導入等、ICTによる資源管理をやっていくということも必要でありますし、やはり人材の確保、育成ということも根本であると思います。緑の雇用事業を始めとした事業等によりまして人材の確保、育成ということもしっかりと進めてまいりたいと考えております。

#162
○東徹君 是非、国内需要ももちろん大事でありますが、やっぱり技術革新を是非行っていっていただいて、林業の分野も成長産業となるような、そういった林業にしていっていただければというふうに思います。
 あと、余り時間がありませんが、国土交通省の方の提出法案についてなんですけれども、非常に法案毎回多いんでありますが、今国会も八本、昨年も八本、ここ五年間で四十二本ですかね、法案が出されております。
 今回も航空法改正案というのがありますが、これ新型コロナの影響で経営が厳しくなっている航空会社に空港使用料を減免するなどの支援をする代わりに、国交省が作る方針を基に航空会社から計画を出させるという内容が含まれておるわけですけれども、これ当然、航空会社というのは社員を他社に出向させるとか、何とか雇用を維持していくぐらい苦境にあって、国交省に言われなくても、当然これ経営を立て直すための計画は、これ自分たちで必死になってこれ立てているわけであります。
 これ、国交省が法律を改正して、困っている航空会社を助ける見返りに航空会社に義務付ける権限を増やすというのはいかがなものかというふうに思うんですが、大臣、この点についていかがでしょうか。

#163
○国務大臣(赤羽一嘉君) 航空会社はもちろん民間企業でありますけど、同時に公共交通機関を担っていただいているという公的な役割を担っていただいておりますし、今回のような世界に蔓延する感染症の場合、国策として水際対策をお願いしておりますし、実際履行してもらっています。であるからこそ、このコロナの後も航空ネットワークの復活もしてもらわなければいけませんし、また、次なる危機的な事態が起こったときには、航空運送事業の基盤が揺るがないように万全を期していただくということは大事です。
 ですから、そういう意味で、我々は民間会社である航空会社に対しても国として最大の支援をしておりまして、特に今回、千二百億円という、これ着陸料や航空機燃料税というのは、本来は空港整備のために目的として集めている、利用者からいただいている税金でありますから、これをまげてここに使う以上は、当然、航空ネットワークの形成に資する対応をしていただかなければいけないと、そういう趣旨で今回法改正の提出をさせていただいているところでございます。

#164
○東徹君 税金を使って支援している業界というのはたくさんあるわけでありまして、航空業界に何か規制を掛けるような、お金を出すのはいいことだと思うんですけれども、お金だけ出しておけばいいんじゃないかというふうに思ったりもするわけですね。何も規制が必要なのかなというふうにも思いましたので、あえて質問させていただきました。
 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

#165
○音喜多駿君 日本維新の会の音喜多駿です。
 私からは、文科省、文科大臣について幾つか質問させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
 初めに、自殺防止対策に関する予算についてお伺いをいたします。
 コロナ禍で自殺をしてしまう小中高生が増加をしています。昨年一年間に自殺をした小中高生は警察庁のまとめで四百七十九人に上り、統計が残る一九八〇年以降で最も多かったということであります。
 自殺防止については、厚労省が昨年度の補正予算で追加予算を発表するなど、政府として取り組んでいることは承知をしておりますが、学校を対象にした事業はなく、子供に特化してリーチする団体が自殺防止対策事業に応募しない限り、小中高生を相手にした自殺防止対策は限定的であるというのが現状です。
 子供の自殺は大人の自殺とは異なる特徴があると言われており、動機が希薄であること、衝動的であること、友人や芸能人の自殺の影響などが強いこと、こうしたのが多く見られるということでありますから、子供を孤立させないこと、特に学校生活の中で一層の目配りが必要であるということが大事であると考えます。
 文科省の予算としては、今年度本予算にソーシャルワーカーやスクールカウンセラーの配置などについて重点的に配分したことは承知をしておりますが、コロナ禍で小中高校生の自殺が過去最多と見込まれながら、昨年度の補正予算において文科省がこの自殺の対策予算、これを全く計上なさらなかったのはなぜなのか、この点、まず文科省にお伺いいたします。

#166
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 児童生徒が自ら命を絶つということは本来あってはならないことであり、自殺が増加していることについては大変重く受け止めております。
 このため、文部科学省におきましては、今御紹介のありましたスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置の充実や組織的対応の強化、あるいは二十四時間子供SOSダイヤルの周知、SNS等を活用した相談体制の整備の推進、教職員を対象とした自殺予防の研修会の実施やSOSの出し方に関する教育の推進などの取組を行っておりまして、文部科学省の令和二年度第三次補正予算には計上しておりませんが、令和二年度予算に加えまして令和三年度予算に必要な経費を計上し、取組の充実を図っているところでございます。
 こうした取組を通じまして、児童生徒が自ら命を絶つ悲しい事案が起こらないよう、引き続き児童生徒の自殺予防の取組を進めてまいります。
 以上です。

#167
○音喜多駿君 ソーシャルワーカー、スクールカウンセラーの配置、充実と、これはもちろん重要で、これはこれで推し進めていただきたいんですが、この予算事業をよく見ますと、いじめ対策・不登校支援等総合推進事業、この中でやることになっております。
 配付資料の一枚目にも掲載ございますけれども、自殺関連予算というのは、いじめや不登校対策も合わせて今年度七十五億円となっているわけです。コロナを踏まえないで組まれた昨年度の予算は七十一億円であり、金額も内容も余り大きくは変わっていないということで、文科省が小中高生の自殺対策については余り本腰を入れていないんじゃないかと、そういった声も漏れ伝わってくるところでございます。
 確認なんですが、こうした小中高生、若年層の小中高生の自殺対応、こうしたものを専門的に取り扱う部署、こうしたものが文科省にないのでしょうか。お伺いいたします。

#168
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 文部科学省においては、いじめ対策や児童生徒の自殺対策を所管する部署として、初等中等教育局児童生徒課生徒指導室に生徒指導企画係、いじめ対策支援係を設置しておりますとともに、同課にいじめ・自殺等対策専門官を配置し、いじめ、自殺等対策の充実を図っているところでございます。
 また、先ほどちょっと漏らしましたが、若い、比較的若い子供たち、小さな子供たちについては、どうしてもなかなか電話相談でもハードルが高いという話もございますので、本年度の予算の中で、SNS相談を全国化をするという形で子供たちの相談に答えるような予算の充実を図ったところでございます。
 以上です。

#169
○音喜多駿君 児童生徒課の中に専門官がいるということでありますけれども、それだけでは、本予算事業のように、自殺対策というのがいわゆるいじめ対策の中に組み込まれてしまうわけですね。後ほど議題上げますけれども、じゃ、これ、いじめはなかったんだというように教育現場が分析したときにどうなってしまうのかということもございますし、今回のコロナ禍における小中高生の自殺、これは、いじめや不登校に起因するものだけではなく、家庭内でのストレスやコロナ禍の社会不安からくる衝動的なものがあったりするわけでありまして、本事業の中だけで進めていくことにはやはり限界もあるのではないかというふうに考えます。
 今後、補正予算などで自殺対策の専門対応部署、こうしたものも新設、検討していただいて予算を潤沢に付けていただくこと、これも一案と考えますが、萩生田大臣の見解をお伺いいたします。

#170
○国務大臣(萩生田光一君) 児童生徒が自ら命を絶つということは本来あってはならないことであり、自殺が増加していることについては大変重く受け止めております。
 このため、文科省においては、様々な悩みを抱える児童生徒の早期発見等に向けて、教育相談体制の充実や、SOSの出し方に関する教育を含む自殺予防教育の推進などに取り組んでいるところであり、令和三年度予算においても必要な経費を計上しております。
 加えて、コロナ禍における児童生徒の自殺の増加を踏まえ、自殺予防啓発動画の公開や、児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議における対策等の検討などにも取り組んでおり、文科省としては、省内のいじめ、自殺等対策を所管する部署を要として、引き続き取組の更なる充実を図ってまいりたいと思います。

#171
○音喜多駿君 今回は、緊急事態宣言の中においても、萩生田大臣の御尽力等もあり、学校は閉校せずに、多くの児童生徒は学校に通うことができることになっております。ですから、この学校こそが小中高生の自殺防止対策、その要の一つとなり得ます。この点を踏まえて、コロナ禍における児童生徒に特化した自殺対策、対応を行っていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 続きまして、これに関連しまして、北海道の旭川市で起きた、いじめを起因とする、考えられる女子中学生の自殺事件について伺いたいと思います。
 この事件の詳細は、申し上げるのもはばかられるような事件でありますけれども、一部を改めてお伝えいたしますと、女子生徒が亡くなられるまでの間、当該女子生徒はわいせつな写真や動画、こちらを撮られ、同級生たちにLINEのグループで拡散され、自殺をあおられて川に飛び込んだ、その際も、同級生たちはその様子をスマホで撮影していたという事実があったことが報道されております。その後、同じ旭川市内に転校したものの、PTSDになって引きこもりとなってしまい、ついには自殺をほのめかし、今年二月、マイナス十七度の旭川の公園で凍えながらお亡くなりになったという事案でございます。
 いじめによる自殺防止対策においては、先ほど申し上げたコロナ禍における衝動的な自殺とは異なり、それを食い止めるチャンス、タイミングが幾つもあります。学校においても適切な指導と対処をしていれば高い確率で防げるのがいじめによる自殺です。本件でも何度もそのタイミングはあったと思うんですが、その一つとしては、先ほど事実関係の説明で挙げさせていただいた女子生徒が川へ飛び込んだ時点というのがあったと思います。
 遺族は、この川への飛び込みがあったとき、弁護士同伴で学校及び加害者側との話合いを学校に持ちかけておりますが、学校側は弁護士が同席するなら教員は同席できないというふうに強く拒否をされています。結局、場所として学校を貸して、被害者の母と弁護士、加害親子との話合いが行われ、録音も禁止と、そういうルールでこれは行われたんですが、このタイミングで学校がしっかりと被害者側の生徒に寄り添い、学校と被害者側の親とで信頼関係が構築されていれば、その後、被害者生徒に対する対応というのも、結末というのも変わっていったのではないかと思えてなりません。
 この弁護士同席であれば同席できない、弁護士がいるのであれば同席できないなどの一連の学校の対応についてどのようにお考えになっているか、萩生田大臣のお受け止めをお願いいたします。

#172
○国務大臣(萩生田光一君) いじめ事案の対応について、被害児童生徒、保護者に寄り添う丁寧な対応が重要であり、一般的には弁護士同伴での話合いが求められた場合も含めて丁寧な対応をすることが望ましいと私は考えております。
 今、具体的な旭川の件に先生触れてくれましたけれども、一度未遂があって、その後、転校などを踏まえて、それで新しい環境の中で、しかし残念ながら命を絶ってしまうということになりました。
 行方不明になって、御遺体が発見されてからもう既に一か月以上がたっているわけでありまして、私はやっぱりこの間しっかり双方で、双方というのは学校と御家族、関係者できちんと話を詰めて事実関係を調査しなきゃいけないというふうに思っておりまして、二度とこういうことがないようにするためにも、条件付、確かに子供が加害者になる場合があるわけですから、そういう意味では慎重を期す学校現場の気持ちも分からなくもありません。しかし、親御さんからすれば、もう自分で平静に、冷静に対応できないような状況もあって、それは代理人である弁護士さんが同伴するということはそんなに珍しいことじゃなくて、そこはしっかり対応するべきだと私も思いますので。
 いずれにしましても、今回に限らず、いじめ事案において、学校は必要な時間をしっかり取って丁寧に説明を尽くし、信頼関係の構築に努め、被害児童生徒、保護者に寄り添いながら丁寧に対応していくことが重要であるということは紛れもありません。

#173
○音喜多駿君 大臣からしっかり御自身の言葉でお答えいただきまして、本当にありがとうございます。
 今回は、この教育現場の校長ですか、関係者の方が、弁護士同伴というのは教育としてあり得ないんだというようなインタビューも答えられておりましたけれども、やはりそれは、当然、あり得る場合、時と場合によってはあり得るということだと思いますし、そうした大臣がしっかりとお答えいただいたことは私もしっかりと受け止めて、提案していきたいと思います。
 この学校の対応というのは、資料の二番でお配りさせておりますけれども、重大事態への対処として本当に適切であったのかどうか、これは文科省としても是非再検討していただきたいと思っています。
 そして、この女子中学生が自殺に至るまでの間に母親は何度も学校にいじめを訴えておりましたが、担当や教頭、校長はきちんと正面から取り合うことはなかったどころか、いじめはなかったと、子供は失敗する存在なんだと、加害者にも未来があると、こういった被害者の苦痛や未来を軽視して、尊厳を踏みにじるような言動を繰り返して、また、教育委員会や警察に救いを求めても、それは学校のことであるから応じられない、そうして突き返されたと、こういったような内容の報道も流れております。
 この時点でどのように対応することが適切であったか、文科省としても事例の一つとして検討するとともに、生徒同士のトラブル、いじめがあった際に学校側が被害者側の保護者とどのようなコミュニケーションを取ることが大事なのか、この本事例を踏まえた指針を示して、周知徹底していただきたいというふうに思っております。
 この中学校では、途中から重い腰を上げて加害生徒に聞き取り調査を行い、その結果を冊子にまとめているのですが、この冊子の開示請求を遺族は三度にわたって行っております。開示請求です。これは弁護士法二十三条の二に基づく弁護士照会制度に基づいて行われているもので、学校側に原則として回答する義務があります。しかしながら、学校側はいずれも拒否をされています。
 回答義務があるのに拒否をしても罰則がない、このシステムに遺族は納得がいかないと強く主張されているわけですが、こうした遺族側、被害者側の知る権利についてどのようにお考えか、萩生田大臣の見解をお聞かせください。

#174
○政府参考人(瀧本寛君) お答えを申し上げます。
 いじめ事案への対応において、一般的に、学校は、いじめを受けた児童生徒やその保護者のいじめの事実関係を明らかにしたい、あるいは何があったのか知りたいという切実な思いを理解をし、対応に当たる必要があると考えておりまして、文部科学省において作成をいたしましたいじめの重大事態の調査に関するガイドラインにおいても、同様の旨お示しをさせていただいているところでございます。
 なお、被害児童生徒、保護者への情報提供等については、学校の設置者及び学校は、各地方公共団体の個人情報保護条例等に従って、被害児童生徒あるいは保護者に情報提供並びに説明を適切に行うことが必要であると考えております。
 以上です。

#175
○音喜多駿君 局長から御答弁いただきましたけれども、昨今我が国でも確立をしてきた犯罪被害者の知る権利、こちらは当然ながら裁判外でも適用されるものであり、いじめの被害者、自殺された方の遺族にも及ぶことは、これは私は自明であると思います。
 こうしたいじめの被害者や自殺をされてしまった方の御遺族に寄り添わなかった学校の態度というのはいささか問題があり、行政によって改められるべきではないかと考えております。
 しかしながら、これ今なお学校側は極めて閉鎖的な態度を取り続けているようでして、というのも、これは昨日私も、我々も知ったことなんですが、本日、この後七時頃から、いじめのあった中学校では本事件に関する保護者の説明会が開かれるそうです。ただ、御遺族にはこの説明会について案内がないということであり、御遺族は当事者としてこの説明会への参加を望んでおります。
 我が子の死に関する説明会でありますので、これは当然聞く権利というのが、参加したいという希望があるのであればこれはその権利があると考えますけれども、これ文科省、どのように捉えますでしょうか。その点、見解を伺います。

#176
○政府参考人(瀧本寛君) お答えを申し上げます。
 いじめ事案への対応において、先ほども少し触れましたが、学校はいじめを受けた児童生徒やその保護者のいじめの事実関係を明らかにしたい、何があったか知りたいという切実な思いを理解し、対応に当たる必要があると考えておりまして、この旨、文科省において作成したいじめの重大事態の調査に関するガイドラインにおいてもお示しをしているところでございます。
 こうした基本的な考え方を踏まえて、適切な対応を教育委員会あるいは学校においてお取りをいただきたいと考えております。

#177
○音喜多駿君 教育委員会、学校について適切に対応してほしいということなんですが、とはいえ、当然これは文科省も関わってくる問題でして、最後に大臣に総合的にちょっと一言コメントをいただければと思うんですが、これ地方自治体も動き出しておりまして、先週末は旭川市長が第三者によるいじめ防止等対策委員会というのを、これを設置して調査を開始するということを発表されました。
 二〇一二年に滋賀県の大津市で中学二年生の男子生徒がいじめを苦に自殺した事件では、当時の平野博文文科大臣が、調査の進展次第では文科省が直接大津市教育委員会への調査に乗り出すと、こういったような踏み込んだ発言もされております。
 今回の事件につきましても、今の知る権利の問題も含めて、この事態の進展によっては文科省がしっかりと乗り出すということもあられるのかどうか、その辺りの御見解、大臣からいただければと思います。

#178
○国務大臣(萩生田光一君) まず、今年三月に北海道旭川市の女子生徒が遺体で発見された事案につきまして、亡くなられた生徒に対し哀悼の意を表しますとともに、御遺族に対してお悔やみを申し上げたいと思います。
 本事案については、文科省として、先週の四月二十三日に旭川市教育委員会及び北海道教育委員会に対し、事実関係等の確認を行いました。その際、旭川市教育委員会に対しては、迅速にいじめ重大事態の調査を行うこと、御遺族に寄り添った対応を行うこと、北海道教育委員会に対しては、旭川市教育委員会の対応が適切に行われるように必要な指導、助言を行うことなどについて指導、助言を行ったところでございます。
 今お話にありましたように、旭川市では総合教育会議、すなわち教育委員会任せじゃなくて市長も出てまいりまして、総合教育会議において、第三者によるいじめ等に関する調査も念頭に置いて事実関係を明らかにしていくことが決定されたと承知をしております。
 文科省としても、必要な指導、助言を行っていくことが重要であると考えており、今お話ししたように、今事務方でのやり取りはしていますけれども、今後なかなかこの事案が進まないということであれば、文科省の職員を現地に派遣をする、あるいは私を含めた政務三役が現場に入って直接お話しすることも含めて、ただ、一義的には、さっきちょっと冒頭申し上げましたけど、少し時間掛かり過ぎじゃないかという思いと、子供たちのことですから私は慎重にやっていただいているんだろうということも思っておりますので、報道ではいろいろありますけれども、まずはこれ、旭川市の教育委員会、そして北海道の教育庁とでしっかり連携取りながら作業を進めていただいて、必要とあらば文科省としても現場に入る、また来ていただく、こういうことも今考えながら進めております。

#179
○音喜多駿君 力強いお言葉をありがとうございます。
 非常に、やはり子供同士のこと、当事者の方も関係者たくさんいる事案で難しいと、時間が掛かるということは私も理解をしております。ただ、やはり今本当に大臣がおっしゃっていただいたように、いざとなればしっかりと国も文科省も関与をして、この問題しっかりと徹底解明していただいて、再発防止、そして何より被害者の方に寄り添った対応をしていただき、加害者の方も当然更生をして、未来につながるような解決策を見出していただければと思いますので、よろしくお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#180
○舟山康江君 国民民主党の舟山康江でございます。
 私からは、新型コロナの感染拡大に伴って行われました学校の休校、オンライン授業等について、大臣の見解を中心としてお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 昨年の二月二十七日に突如として発表された学校の一斉休校要請、これは教職員や保護者も含めて教育現場に大混乱を引き起こしただけではなくて、三か月間もの学習の遅れという重大な結果を招きました。教科学習のほか、部活動などの課外活動や、文化祭、修学旅行といった学校行事などの体験の機会の喪失は、学習面にとどまらない、子供たちの発達に大きな影を落としたと考えております。
 それでも、感染抑止効果があったのなら納得もできますけれども、日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会の見解でも、学校休校に対しては当初から極めて懐疑的でありまして、五月二十日の第一報で既に、学校や保育施設の閉鎖は流行阻止効果に乏しく、逆に医療従事者が仕事を休まざるを得なくなるために新型コロナ死亡率を高める可能性を指摘しています。そして、その後の十一月十一日にまとめた第二報では、学校閉鎖は、単に子供の教育の機会を奪うだけではなくて、屋外活動や社会的交流が減少することも相まって、子供を抑うつ傾向に陥らせていると、こんな指摘もされております。
 今年一月二十一日の教育再生実行会議高等教育ワーキング・グループでも、有識者から感染抑止に効果はなかったという指摘もありましたし、文科省も、二月十九日に改訂したガイドラインで、地域一斉の臨時休業について、子供の健やかな学びの保障や心身の影響の観点からも避けるべきと、大変私は良識ある御判断をいただいているなと考えております。
 改めて、昨年の一斉休校要請に対する大臣の評価と今後の対応についてお聞きしたいと思います。

#181
○国務大臣(萩生田光一君) 昨年二月の全国一斉休校の要請は、正直申し上げて、今先生御指摘いただいた様々な二次的な社会的影響があるということは私も考えました。
 しかし、あの当時は、このウイルスの性質、性格というものがよく分からなくて、そして専門家会議の皆さんの中でも様々な意見があって、特に、二〇〇九年でしたか、新型インフルエンザは学校クラスターとして全国展開、物すごい、五十万人を超える感染者、多くの死亡者が出たという、その事例があったこともあって、ここは一度閉めようということで、当時は、春休みの前倒しのような感覚で、そんなに、まさか二か月も三か月も学校が再開できないということまでは想定しない中で、しかし、おっしゃるように、急でしたから御家庭にも御負担掛けましたし、また学校へ様々な納品をされる業者にも負担があったことは事実でありまして、そのことは今となっていろんな人たちが評価をされて、全く効果がないという方も中にはいらっしゃるし、それなりに大事を取ったことが良かったんじゃないかという方もいて、私は現段階ではまだそのどちらが正しかったかということは、なかなか私自身も判断できないところがあります。
 後世更なる批判にさらされるとすれば、それは甘んじて受けなきゃならないと思いますし、ただ、冒頭申し上げたように、あのときはやっぱり子供たちのことを守ろうという気持ちの中で総理や私どもで最終的に決定したことなので、そのときの判断は私はその時点では間違っていなかったんではないかと思っております。

#182
○舟山康江君 そのときもいろんなことを考慮しながら、最終的に、大臣も含めて、今振り返るとやむを得なかったということになっているのかと思いますけれども、ただ、私、冒頭に紹介させていただいたように、後で振り返って、いろんな、医療の現場とか教育の現場から、やはりこれは控えるべきだったんではないかと、半ば反省にも似たような声が出ているのもこれ事実であります。
 そういう中で、ちょっと一点、改めてお聞きしたいんですけれども、最終的に学校休業の決定をする主体というのは、これは市町村なのか教育委員会なのか、どちらの判断になるんでしょうか。

#183
○国務大臣(萩生田光一君) まず、言葉足りなかったんですけど、そういった経験を踏まえて、今回学校を閉めないという方針を出しているのは、そういうことも反省に立った上で、現在、可能な限り学校の授業を進めていく、子供たちの様々な影響を守るためにも学校を続けているということは御理解いただきたいと思います。
 学校保健法の、学校保健安全法の第二十条では、学校の設置者は、感染症の予防上必要があるとき、臨時に学校の全部又は一部の休業を行うことができるとされております。したがって、公立学校においては学校の設置者が最終的な休業の判断を行います。
 また、地域の感染状況を踏まえて都道府県知事から新型インフルエンザ等特別措置法に基づいて学校施設の使用制限の要請があった場合にも、学校の設置者がこの要請を受けて学校保健安全法の第二十条に基づく臨時休業を行うものでありますので、最終的にはその首長に、設置者である首長に権限がありますけれども、当然のことながら、教育委員会との相談をした上で最終決定がなされると承知しております。

#184
○舟山康江君 改めて確認ですけれども、学校の設置者といった場合に、学校教育法では市区町村と、市区町村立の場合には市区町村と定めているんですけれども、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第二十一条によりますと学校の設置や管理は教育委員会の仕事だとなっていて、ちょっと分かりにくいんですけれども、最終的には教育委員会が設置者という理解でよろしいのか、市町村ということでよろしいのか、ちょっとそこだけ確認したいんですけれども。

#185
○政府参考人(瀧本寛君) お答えを申し上げます。
 学校の通常の管理運営というのは確かに教育委員会が行っておりますが、学校を設置することそのもの、あるいは学校の施設、設備、予算を管理したりすることを含めて当該市町村が行っておりますので、ここで言う設置者としては市町村ということになります。

#186
○舟山康江君 何かちょっと、いろいろ調べたら何か教育委員会みたいだったんだけど、一応、今のお答えで市町村ということで。じゃ、市町村長が学校を休業にしますと言えば、教育委員会はもう何も言えないということでよろしいんですか。

#187
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 先ほど委員から御紹介いただいたとおり、いわゆる地教行法において、学校の管理運営そのものについては教育委員会が所掌している事務になりますので、通常の学校を臨時で休業すると、例えば特定の災害があったときとかですね、そういうのは当然ながら教育委員会が学校現場の状況を把握した上で判断をしていくことになります。教育委員会に通常の管理運営の権限があるということでございます。

#188
○舟山康江君 じゃ、先ほどの答弁違うということですか。

#189
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げたのは、設置者はということで問われましたので、問われましたのでこれは市町村、首長さんにございますということで申し上げましたが、学校の管理運営の権限については、いわゆる地教行法において教育委員会に所掌がされているということでございます。

#190
○舟山康江君 ちょっとここで時間食いたくないんですけれども。ただ、学校休業を行うことができるのは、学校の設置者はという主語になっているので、学校の設置者が休業を行うということで、学校の設置者が誰かというと市区町村となっているんですけれども、この地教行法の中では、それ、具体的な学校の設置管理については教育委員会となっているので、非常に分かりにくいんですけれども、結論とすれば、休業をしますという権限を持っているのは教育委員会だという理解でよろしいということで、もう一度確認なんですけれども、これ本当法律がすごく分かりにくくて、私も結構調べたんですけど、非常に分かりにくいなと感じています。

#191
○政府参考人(瀧本寛君) お答えを申し上げます。
 学校保健安全法第二十条のこの休業については、学校の設置者がということになっておりますので、先ほどお答えしたとおりでございます。

#192
○舟山康江君 そうすると、今回、昨日から緊急事態宣言が発出されまして、大阪の松井市長が、ちょっと前ですね、発令時にはオンライン授業を行うと打ち出して、それを受けて教育委員会が、何かこう、まだ返答がないというような新聞記事もあるんですけれども、この場合は、松井市長、具体的に例えば大阪市長、大阪市長がオンラインにします、授業を今回このような形にしますと言えば、それで学校現場は従うということになるんですか。

#193
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 大阪市のそのオンラインに関しては、当然ながら、学校現場の状況でありましたり、オンラインの状況でありましたり、当然把握しているのは学校であり教育委員会でございます。
 そうしたことも十分、その教育委員会からの意見も十分聞きながら、聞きながら、連携を取っていただいた上で、通常の管理運営の権限は教育委員会にございますので、そことよく連携を取っていただいた上で御判断をいただくということになると思います。

#194
○舟山康江君 ちょっと何か、また後で教えていただきたいと思いますけれども、私が聞きたいのは、今回、要は休業をしない方がいいという判断は、やはり学校にできるだけ通っていただいて、もちろん感染対策をしながら通っていただいて、勉強と様々な活動をしっかりと続けていただきたいと。なぜならば、学校ではそんなに感染のリスクも高くないし、むしろマイナスの効果が大きいという、先ほど大臣からもありましたけれども。
 そこを踏まえると、今回の緊急事態宣言に伴って、最終的には現場の判断だとしても、やっぱり国としてこういったガイドラインも出していることを考えると、私は、できるだけオンラインではなくて、特に小中学校、まあ高校もそうですけれども、しっかりと学校は動かしていくべきではないかと思うんですけれども、その辺り、大臣の御見解をお聞きしたいと思います。

#195
○国務大臣(萩生田光一君) 時間がもったいないので、先生の言うとおりだと私思います。そのつもりで今対応しています。
 大阪市は大阪市で、市長が当初、休校というワードを使ったやに報道されたんですけれど、私も確認しましたら、一斉休校とは一言も言っていないと。学校を閉めるつもりはないけれども、分散登校の変形型をやってみようということで、教育委員会と相談の結果、あのようなスタイルになったんだと思いまして、それは設置者である大阪市長が判断をしたということで尊重したいと思っています。

#196
○舟山康江君 国として、教育行政を総括する国として、やはりあるべき方向性と仮に現場との方向性がずれた場合に、国のその指導力、拘束力というのはどこまであるのか。私は、やっぱり学業に対してある意味科学的根拠に基づいてしっかりと進めていかないと、今だけではなくて将来にわたっていろんな影響が出てしまうと思います。
 そういう意味で、やはりいろんな様々な知見を踏まえて、教育の専門部隊である文科省のやはり私は指導力というのはしっかりと発揮していただく局面があるのかと思いますけれども、その指導の拘束力というんでしょうか、強制力というのか、そこの辺りはどのように捉えていらっしゃるのか。
 そして、加えて、やっぱり勉強だけではなくて、今回、部活動を中止、原則禁止を呼びかけているという、こんな声もあります。これ、部活も含めて私は学校教育の一環ではないかと思う中で、果たしてそれもどうなのかという疑問があるんですけれども、いかがでしょうか。

#197
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 今回のそのオンライン授業をめぐってのところについては、私ども、今回のコロナ対応における学校の対応どうあるべきかということを学校の衛生マニュアルということでお示しをして、最新のものは昨年十二月のものでございますが、安易なというと恐縮ですけれども、臨時休業は本当に社会経済、その地域の社会経済活動を止めるような、そういうときに検討することはあり得るけれども、それでもなおかつ分散登校とか時差登校を検討していただきたいと。
 当然、分散になると、通常でいえば半分とかやることになりますので、残った方々、すなわち自宅にいる方々に対してはプラスアルファ、それはオンラインを活用したりすることはあり得ると思いますけれども、できるだけ最後まで対面でしっかりと子供たちに向き合ってやっていただきたいと。子供たちがコロナの中で様々な影響を受けていることは幾つかもう既に研究で出ていますので、そういったことをお願いしています。
 ただ、この私どものお願いそのものについては、国から例えばオンライン授業をやれとかやるなとかということについての法的な拘束力を持った指示はできませんので、あくまで指導、助言の範疇ということになります。

#198
○舟山康江君 今の局長の御答弁のとおり、私も本当に同感であります。今回の緊急事態宣言で、私も中高大と三人の子供たちいますけれども、中学校の娘に、緊急事態宣言で変わるのは学校だけだよねと、部活が中止になったり対外試合が中止になったり、だって大人は同じように通勤しているじゃないって言われました。そういうことを考えると、まさにいろんな全てが止まって最後に学校ということを、やっぱり改めて文科省からも、まあ強制力ないにしても、そういった発信をもっとしていただきたいなと思います。
 資料の一を、一枚目を御覧いただきたいと思います。オンライン授業、まあいろんな賛否両論ありますけれども、一つの事例として、このオンライン、これ会議の事例ですけれども、オンライン会議と対面会議では脳の活動がこんなに違うという一つのこれ実験であります。
 よく我々もウエブ会議とかやりますけれども、やはりどうしても対面のときと脳の働きが全然違うということで、そうなると、つまりは頭になかなか入りにくいということなのかなと思います。
 OECDの調査等でも、やっぱりICT、マイナスの影響もあるという結果も出ておりますので、やはりこういった科学的な分析も含めてオンライン授業の取組をするべきだと思いますけれども、この結果を見て大臣の御見解をお聞かせください。

#199
○国務大臣(萩生田光一君) オンラインの利便性を全て否定するつもりはございませんけれども、例えば小中学校でGIGAスクールを始めるに当たって様々な懸念がございます。やっぱり一人一台端末が充実したとはいえ、教えるのは人であり先生でありますし、また子供たちはリアルな体験を通じて学ぶことや、教師が子供たちの様子を直接確認して指導することと併せて取り組むことが重要だと思っておりまして、オンラインが全てに代替するという、そういう妄想は持つべきではないというふうに思っております。
 したがって、例えば、今は脳のことについて先生触れてくれました。これは小学生も中学生も同じだと思うんですよね。今、視力がどうなんだろうかと。本当に、今まで使ったことがないタブレットを一日何時間も使って本当に近視にならないんだろうか。このことも専門家の皆さんにアドバイザリーボードをつくって今定期的にお話を聞きますし、今年は予算を付けて全国で幾つかの抽出して、学校をですね、経過措置を見てやっていきたいと思います。
 その中で、やっぱり脳についての意見もございました。学校だけじゃなくて、うちに帰った後、どのくらい使っているのか、あるいはゲームなどで利用しているんじゃないか、そういうことも考えないと、後々こんなはずじゃなかったというような事態は絶対に生んではならないと思いますので、そこは大事に、スモールステップで進んでいきたいと思っております。

#200
○舟山康江君 ありがとうございました。
 大学が、特に今、小中高は比較的、学校、対面に戻っていますけれども、大学はまだまだオンラインの学校が多いというのが現状だと思います。
 これも自分の子供の例で恐縮ですけれども、長男が今大学の三年生ですけれども、昨年一年間、一度も、一回も、一時間も対面授業がありませんでした。ただ、その大学のアンケートを見ると、三割対面となっているんですね、何でなのか分かりませんけれども。しかも、うち、理系、工学部で対面がなかったというようなことで。
 やっぱりこれも、多分小中と同じように強制力ないと思いますけれども、調査もしていただいておりますが、改めてこの大学についても、この脳の話もそうですし、いわゆるほかの、キャンパスライフというんですかね、やっぱりいろんな弊害が指摘されているところもありますので、更に文科省としてチェックをしていただきたいなと思っています。
 デジタル教科書についてですけれども、資料の二枚目、三枚目を御覧いただきたいと思います。
 これも、プラスの面も随分指摘をされておりますし、文科省の指摘ではプラスの面が随分言われておりますけれども、ただ、記憶の定着に関して紙の方が優位という結果とか、それから、このOECDのPISAの調査のデータから分析した結果でも、プラスの影響はない、脳への悪影響、読書において紙媒体の方が理解度が高い、いろいろあります。
 三枚目は、またこれも、言葉の意味調べ中の脳活動ですけれども、やっぱりこれ感覚的に分かりますけれども、紙で調べるのちょっと面倒くさいんですけれどもやはり脳が活性化している、スマホは簡単だけど脳が動いていないと。やっぱりこういった問題も今後のデジタル教科書を使うに当たって検討しなければいけないと思っています。
 今、この今年三月に、デジタル教科書の今後に関する検討会議中間まとめで肯定的なメリットは記載されていますけれども、定量的な分析はあるんでしょうか。

#201
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 文部科学省においては、令和元年度より、デジタル教科書の効果、影響についての実証研究を行っておりまして、令和二年度の事業においては、これは少数の学校を対象としたものではありますが、紙の教科書を使用した授業とデジタル教科書を使用した授業を教育面、健康面等からの観点から比較したところでございます。
 その中では、児童生徒を対象に実施したアンケートでは、例えば、いろいろな情報を集める活動ができるかどうか、あるいは自分の考えたことを文字や図にして書いたり、他の人に話したりすることができるかどうか、さらには友達とお互いの考えを比べることができるかどうかについて、デジタル教科書の方がそう感じると回答した児童生徒が約四割、デジタル教科書と紙の教科書も同じぐらいと回答した児童生徒も約四割だったところでございます。
 今年度においては、事業規模を拡大し、実証研究校におきまして、教科等の特性や発達の段階を考慮しつつ、デジタル教科書の教育上の効果に加えまして健康面への影響等に関する実証を行いますほか、デジタル教科書を使用する多数の学校を対象とした調査の実施を予定しているところでございます。

#202
○舟山康江君 今おっしゃられたような定性的な評価はいいんです。定量的にどういう評価があるのか、実際にプラスかマイナスかということも調べていかないと、感覚的には何かいいねという声はあるかもしれませんけれども、やっぱり具体的に、さっき幾つか紹介させていただきましたけれども、やっぱりこれだけ懸念があると。本当にこれ脳に対する影響がもし深刻であれば、どんなに定性的にいい結果が出ていてもやっぱり導入するのは慎重になるべきだと思いますので、そこの調査をするべきだということを改めて指摘をさせていただきたいと思いますし、この非常に弊害が指摘されていることに対しては、大臣、どのように捉えていらっしゃいますか。

#203
○国務大臣(萩生田光一君) 先ほどもちょっと触れましたけど、目の健康への影響ですとか、また脳に対する影響ですとか、健康面への影響について留意する必要があり、例えば目と端末の画面との距離を、継続して見る時間に留意することや、家庭においてもデジタル教科書の使用上の留意事項を守る必要があるとされております。
 その上で、デジタル教科書には試行錯誤する活動や動画や音声などのデジタル教材との連携が容易であるなどのメリットがあることから、児童生徒の学習環境をより良いものに改善し、学校教育の質を高めていくためにデジタル教科書の活用を推進する必要があるともされております。
 このため、文科省としては、学校現場に対して健康に関する留意事項を周知するとともに、今年度予算において、小中学校等にデジタル教科書を広く提供し普及促進を図るほか、教育上の効果や健康面への影響を含めた実証研究を行うための研究費用を計上しております。
 先ほどもお話ししましたけど、これ本当に初めてのそういうゾーンに入っていきますので、しっかり検証して、子供たちへの影響というのはそいでいく必要があると思いますので、そこはさっきも申し上げたように、もうどんどん使えという人も世の中にはいるんですけれど、ここは慎重に一つ一つ前に進んでいきたいなと思っております。

#204
○舟山康江君 私も副教材とかそういったメリットはあると思いますけれども、教科書を全てデジタルが本当いいのかというところは慎重に考えていただきたいと思います。
 一方で、私、全てデジタルが悪いと言っているわけではなくて、資料の次のページを御覧いただきたいと思います。
 これ、同じ子供が同じ時期に手で書いた字とパソコンで打った字なんです。発達性読み書き障害という、ディスレクシアという障害があるんですけれども、こういった子供たち、多分テストで紙で書けって言われてもきっと点数は出ないと思います。ただ、この子にICTを使わせるとしっかりと答えられると思うんです。
 こういった授業とか、例えば試験、入試への配慮がまだまだ足りないという声がありますけれども、文科省として、今のこの配慮の現状、どのように把握して、自治体に対してどのような指導をされているのか、お答えいただきたいと思います。

#205
○委員長(野村哲郎君) 時間が参っておりますので、簡単にお願いいたします。

#206
○政府参考人(瀧本寛君) はい。
 お答えを申し上げます。
 読みや書きの困難を始め、障害のある児童生徒がその能力や可能性を最大限に伸ばし、自立と社会参加に必要な力を培うため、個々の教育的ニーズに応じた支援を提供することが重要でございます。
 例えば、読みや書きに困難のある児童生徒に対しては、各学校において本人、保護者と相談しつつ、授業中にタブレット端末等を使ってノートを作ること等々について取組が行われているところでございます。GIGAスクール構想で、一人一台端末化におきまして、文字の拡大であったり色の反転であったり音声読み上げ機能等の活用などなど、学習内容に対する理解が深まるなどの効果も大いに期待できると思っております。
 また、いわゆる教科書バリアフリー法に基づきまして、いわゆるマルチメディアDAISY教科書を必要とするディスレクシアの人などを始め、提供させていただいているところでございまして、そうした方々に対する支援等も努めているところでございます。
 また、大学入試、高校入試を含めて入試についても御言及ありましたけれども、その障害に合った配慮をしていただくように文科省からも通知を出して現場に求めているところでございます。
 以上でございます。

#207
○舟山康江君 ありがとうございました。
 まだまだ入試等への配慮が少ないという声が現場から聞こえてまいりますので、是非文科省としてしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 ありがとうございました。
    ─────────────

#208
○委員長(野村哲郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、自見はなこさんが委員を辞任され、その補欠として徳茂雅之君が選任されました。
    ─────────────

#209
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 今日は、都心アクセス道路ということで伺います。
 一般国道五号・創成川通についてお聞きします。
 これは、札幌市が進める都心アクセス道路と呼ばれて、札樽自動車道の札幌北インターチェンジと市の中心部まで四・八キロを地下トンネルで結ぶ高規格道路です。全体の事業費と自治体の負担額、本年度の予算額を教えてください。

#210
○政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。
 国道五号・創成川道路は、札幌都心部と札樽自動車道を地下構造でつなぐ延長四・八キロの事業でございまして、今年度より事業着手したところでございます。
 国道五号の北三十四条から北三条の区間において信号交差点が二十四か所連担しており、札幌北インターチェンジの出口や交差点を中心に慢性的な渋滞が発生しております。本事業により交通混雑が緩和され、特に冬季の降雪による影響が少なくなり、札樽自動車道から札幌中心部へのアクセス強化が図れるなどの効果があるものと考えてございます。
 御質問の創成川通の全体事業費でございますけど、千二百億でございまして、うち札幌市の負担額は二百四十億であり、今年度の予算は一億となってございます。

#211
○紙智子君 それで、札幌市の三月議会で令和三年度からの調査費を付けているんですけれども、そこに至るまでのちょっと経過についてお聞きしたいと思います。
 今年一月二十六日の札幌市の都市計画審議会で議論が行われましたが、異例の事態となりました。審議会の冒頭に市民公募委員から、コロナ感染拡大で前回の審議会のときとは違った状況に今なっていると、市民合意が得られていない中で採決は延期すべきという、採決の延期が提案をされました。学識経験者の委員も、その意見に賛成であると、国の第三者委員会が地下整備案を議論したと言うが、これはパンデミックが起きる昨年三月以前であると、今でも第三者委員会の決定に変わりがないんだろうか、もう一回検討しないのか国に聞いてみる必要があるというふうに、議論の見直しを求める意見が出ました。
 また、都心アクセス道路に反対する市民の会などが提出をした意見書に対して、複数の学識経験者の委員から、反対意見がある中で今決着付けるのはどうなんだろうかと、市の説明で意見書の提出者が納得するかどうか疑問だ、コロナ危機が市民の意思を大きく変えている、そのことを踏まえた案が必要ではないのか、意見書は本日配られたものであり、委員として反対の意見書を検討したいなど、この採決の延期を求める発言が続きました。
 この都市計画審議会でこういう意見が出たというのは、大臣は御存じでしょうか。

#212
○国務大臣(赤羽一嘉君) 国道五号の創成川通につきましては、札幌市で本年二月に都市計画変更が決定をされまして、それを踏まえて今年度より新たに事業着手されたところでございます。
 御質問の札幌市の都市計画審議会につきましては、これ言わずもがなでございますが、札幌市が行っているものでありまして、私としてコメントする立場ではございませんが、この事業化に当たりましては、札幌市長から意見を聞いた上で、社会資本整備審議会北海道地方小委員会及び事業評価部会で御審議いただき、事業化を決定していると承知をしております。
 札幌市長からの意見では、創成川通の予算化に同意するとともに、本事業は札幌都心部と札樽自動車道間の速達性、定時性の確保、また観光の振興や物流の効率化、また高次医療施設への救急搬送時間短縮などの整備効果があり、早期完成してほしい旨の意見を頂戴しておるところでございます。

#213
○紙智子君 この都市計画審議会は、その日に採決を押し切ろうとしたために、複数の委員から保留を認めてほしいという意見が出されているということなんです。結果、出席委員が二十二名なんですけど、賛成は十五名のみと。特に、九人の学識経験者の委員の方がいて、そのうちの五人もの委員が議論の見直しと採決の延期を求めました。審議会としてはこれ異例の事態だと思うんですけれども、審議会の委員が審議会の結果を国に報告してほしいという意見を出して、審議会の会長、議長はそれを承認したと。
 この経緯というのは国に届いているでしょうか。

#214
○政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。
 地元の自治体であり都市計画決定権者である札幌市と事業者である国土交通省北海道開発局とは、国道五号・創成川通について日頃から打合せを行ってございます。
 この中で、本年一月二十六日に開催された札幌市の都市計画審議会において、都市計画変更が賛成過半数で採決されたこと、審議会の会長から、これまで出てきた懸念や反対意見について国とのいろいろな協議の場で明確にお伝えいただきたいとの発言があったことなどは北海道開発局で承知してございます。

#215
○紙智子君 そうですか。いろいろあったってことは承知はしていると、届いているという、今、ことですよね。
 それで、二月二十五日の札幌の市議会で、我が党の池田由美市議の代表質問に札幌市が、その場で採決を行うことが決められて、出席委員二十二名のうち十五名の賛成多数で同意が得られたんだという答弁をしたわけです。ところが、実際上は、学識経験者九人のうち五人までが異論をして採決を延期してほしいということを言っていたのは確かにあるわけで、ところが、もう二十五日にはこういう形で同意が得られたんだという答弁がされたと。結局、こういういろいろ異論が出ているんだけれども、こういう形で一千二百億掛かる道路建設を強硬に進めていいのかということが改めて出されているわけです。
 事業を進める目的というのは渋滞を解消するという、そういうことというのはもちろんあるわけで、それが解決できればいいということではあるんだけれども、しかし、それで短縮されるのが八分程度だということが言われていて、そのために一千二百億円掛けるんだろうかと。
 都市計画審議会で十分な納得いくまでの議論がされていない中で、しかも反対の署名なんかも一万筆を超えて集まっているという中で、本当に合意を得られたと言えるのかというのも上がっていて、それでもってずっと突き進んでいくということになると禍根を残すんじゃないのかというふうにも思うんですけれども、いかがでしょうか。

#216
○政府参考人(吉岡幹夫君) お答え申し上げます。
 国道五号・創成川道路につきましては、先ほど言いましたけれども、札樽自動車道と札幌都心部のアクセス道路強化のために、平成二十八年から、平成二十八年十一月に札幌市より国土交通大臣に整備の要望があったところでございまして、以下四段階で議論をしてきたということかなというふうに思っています。
 一段階目といたしましては、札幌都心部アクセス道路検討会というのがございまして、平成二十八年十二月より、国、北海道、札幌市の三者で検討会を四回開催して、この道路の必要性を確認したということでございます。
 その後、計画段階評価ということで、三十年度から、これは国において、ルート、構造をどういうふうにするかということに着手しまして、地域の方からの意見であるとか、あるいは学識経験者の議論を経まして、この対策案を令和二年の三月に決定したということでございます。これは二段階目でございます。
 その後、三段階目としまして都市計画変更ということで、令和二年四月より、今度は札幌市におきまして、今お話ありました都市計画の変更手続に着手いたしまして、地元の説明会、それから都市計画審議会も二回やったと聞いてございますけど、経て、令和三年二月に都市計画決定したということでございます。
 新規採択時評価、これ四段階目でございます。これに当たりましては、札幌市長への改めて意見の聴取の上、学識経験者の審議を経まして、いずれも事業化は妥当という意見をいただいたというふうに考えてございます。
 このように、国土交通省としては、地元の方々や有識者の意見を丁寧に聞きながら進めてきたものと考えております。
 引き続き、札幌市と連携しながら、丁寧に地域の方々の御意見を聞きながらこの事業を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

#217
○紙智子君 回数でこうやってそれをクリアしたというような言い方なんだけど、実際上は納得していない、解決していないまんま進んできているということなんだと思うんです。
 やっぱり市民合意を得ていないと、都市計画審議会でも議論が十分納得いく、尽くされていないと。それでどんどん進んでしまったら、何のための審議会かということにもなると思うんですけれども、やっぱり一度決めたら止まらない公共事業ということじゃなくて、やっぱり立ち止まってよく考えると、丁寧に対応するということが私はやっぱり必要ではないのかと。
 長い間、公共事業の議論ってありますけれども、決めたら突き進んでいって全然止まらないというんじゃ、やっぱり駄目なんだと思うんですよね。しかも、コロナというものを体験して、やっぱり今コロナの対応で多くの人が早くやってほしいことがいっぱいある中で、どっちが先なのよという議論もあるわけですから、そういうやっぱり捉え方で我々対応していく必要があるんじゃないかということをちょっと申し上げておきたいと思います。
 次に、JR北海道のトンネル残土の問題なんですけれども、北海道新幹線のトンネル工事から出るトンネル残土について、新幹線の新函館北斗から札幌間の距離というのは二百十二キロあるんですね。そのうち八割がトンネルなんです。
 ちょっと資料をお配りさせていただいたんです。一枚配らせていただいたんですけれども、昨年、二〇二〇年に、そのときは札樽トンネル工事、これは札幌―小樽間ですね、トンネル工事から出るトンネル残土の処理について質問しました。今回は渡島トンネル工事ということで、もっと函館の近くの方なんですけれども、ちょっと資料を見ると、南鶉工区と書いてある場所がありますけど、そこから新八雲駅に向かう赤い線が渡島トンネル工区ということなんですね。実は札幌に向かっていく中でたくさんトンネルができることになるんですけれども、その中で一番長い三十三キロメートルあるトンネルがそこなんです。
 そのトンネルの工事から、ヒ素で基準値の最大二百七十倍にもなる残土が搬出されました。これは事実でしょうか。

#218
○参考人(水嶋智君) お答えを申し上げます。
 新幹線の建設工事から出る残土の関係でございますけれども、まずトンネル工事着手前に、文献調査に加えまして、地上から鉛直方向、垂直方向にボーリング調査を行いまして、トンネル工事に必要な様々な地質情報を収集してまいりました。
 事前調査の時点におきましても、平成二十八年の九月七日から二十三日に実施をいたしましたボーリングの結果から、基準値が〇・〇一ミリグラム・パー・リットルということなんですが、それを超える天然由来のヒ素が出ること、この場合、当時最大で〇・〇二七ミリグラム・パー・リットルのヒ素が出ることを認識しておったところでございます。
 さらに、実際にトンネルを掘削する際に、トンネルの先端より前方の土の自然由来重金属等の有無を先行してより正確に把握するために、実際に掘削する土への水平方向のボーリング調査を行っております。この調査をやりました結果でございますけど、御指摘の渡島トンネルの南鶉工区につきましては、平成三十年の十月に、この水平ボーリング調査で採取した土から、基準値〇・〇一ミリグラム・パー・リットルに対して最大で二・七ミリグラム・パー・リットルの天然由来のヒ素が検出されたところでございます。

#219
○紙智子君 事実だということだと思います。
 私は、今年二月に、北斗市にあるこの機構の事務所に行きました。それで、基準値をはるかに超えるトンネル残土が出たのが二〇一八年の十月ということだったんですね。
 それで、大臣にお聞きするんですけれども、基準値の二百七十倍のヒ素となれば、これ、住民の皆さん、不安になりますよね。そう思われませんか。

#220
○国務大臣(赤羽一嘉君) 自然由来とはいえ、トンネル工事の過程で基準値を超える重金属を含む土が発生した場合につきましては、適切に処理をすべきであることはもちろん言うまでもございませんし、なお、その際には、周辺の住民の方々が不安に思うことがないよう丁寧な説明を行い、御理解を得ていくことが重要だというふうに考えております。
 北海道新幹線のトンネル区間では、事前の環境影響評価においてこの重金属類の土壌が含まれる可能性があることが把握されておりまして、鉄道・運輸機構において平成二十五年に有識者で構成する第三者委員会を設置いたしまして、以後、同委員会の御指導をいただきながら、この本件の対策を講じてきていると承知をしております。
 御指摘の土につきまして、検討委員会の御指導を踏まえて適切な措置を講じた上で今仮置きされているものと理解しております。また、新たな仮置場を設けることについては、事前に北斗市に事情及び対策の内容を御説明し、御了承もいただいていると承知をしておるところでございます。

#221
○紙智子君 そこで、機構にお聞きするんですけれども、北斗市にこの基準値を超えるヒ素が出たということはいつ報告しましたか。簡潔にお願いします。

#222
○参考人(水嶋智君) お答えを申し上げます。
 北斗市には令和元年の七月三十日に報告をさせていただいております。

#223
○紙智子君 問題の残土が出たのが二〇一八年の十月。ところが、北斗市に報告したのが翌年の二〇一九年七月。一年近くたってからなんですね。
 それで、市議会への報告というのは二〇二〇年九月で、そこから先、更に二年近く市民と市議会には報告していなかったことになるんです。なぜ二年間放置したんですか。

#224
○参考人(水嶋智君) お答えを申し上げます。
 まず、事実関係だけ先に申し上げますと、市議会との関係でございますが、これは市からの要請に基づきまして、令和二年九月の十七日に、この市議会の方に設けられております第九回北海道新幹線トンネル工事に伴う掘削発生土に関する特別委員会という場におきまして、対策土の仮置場、これはそれまで天狗工区の作業ヤード内の仮置場というところに置いておったんですが……(発言する者あり)はい。に置いておったんでございますが、それが満杯になりつつあるため、新たな仮置場を設けることについて御報告をさせていただいております。
 なお、三十年の、平成三十年の十月に分かっていたのになぜ直ちに市に報告をしなかったのかという御指摘だというふうに思いますけれども、仮置場における対策や管理方法につきましては、有識者で構成されます検討委員会におきまして、その時点でどういった対策をするかということについて審議をいただいて、御了解をいただいていたところでございます。なので、常に工事の受注者が管理している仮置場であれば、事前調査で把握していた最大濃度を超えたヒ素を含む対策土を適切に管理できるということでございますので、まずはその既存の仮置場に搬出をしていたということでございます。
 市には、有識者で構成される第三者委員会における検討を踏まえまして、具体的な対応と併せて報告すべきと考えていたところでございますが、結果として報告まで時間を要してしまったものというふうに聞いております。

#225
○紙智子君 理由にならないですよね。
 二〇二〇年の九月というのは、問題の残土の仮置場が満杯になるということを判断した時期なんですよ。だから、満杯にならなかったら黙って進めようとしていたんじゃないかというふうにも思うわけですね。
 昨年の四月、新幹線トンネル残土を考える北斗市民の会の人たちが処分地の周辺の水と泥を採取したところ、環境基準を上回る重金属が検出されたと。そういう指摘があるまで隠していたんじゃないんですか。
 私は、昨年の五月に決算委員会でトンネル残土の質問をしました。そのときに問題になっていたのは札幌市内の話だったんですね。私、質問する前に、この鉄道・運輸機構に、札幌市以外で問題になる事案はないんですかと聞いたんですけど、そのとき、ありませんというふうに言っていたわけですよ。ところが、その直後、九月にこの北斗市の問題が発覚したわけです。二年間も市民に隠して、私には問題ないというふうに言うわけです。
 国土交通省はこの報告を受けていたのかということで、一言でちょっとお願いします。

#226
○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
 国土交通省鉄道局におきましては、令和二年九月十日に、この渡島トンネルにおいて基準値を大幅に上回るヒ素を含む土が発生したことについて鉄道・運輸機構から報告を受けております。

#227
○紙智子君 つまり、国にも令和二年九月まで報告していなかったということになるんですよ。
 それで、なぜこれ迅速に国に報告しなかったのかと。これ、大臣、余りにも報告が遅いと思いませんか。

#228
○政府参考人(上原淳君) お答えいたします。
 渡島トンネルの掘削工事は隣接工区の天狗工区の工事ヤード内にこの土を仮置きして行われておりましたが、その後、トンネル工事が進んで、本件土の発生量が当初の想定以上に見込まれることとなり、この仮置場だけでは不足することとなって、また工事の一時中止の可能性が生じたことから、鉄道局に報告があったものでございます。
 今回の事案につきましては、専門家による検討委員会で検討された管理方法に基づきまして、鉄道・運輸機構の施工管理の下で適切に対策が講じられてきたものでございます。そのような環境への影響に対して安全の管理が行われている状況の下では、必ずしも鉄道局に逐次報告をしなければならない事案ではなかったものと認識しております。

#229
○紙智子君 報告する事案じゃなかったというのはちょっとおかしいと思いますよ。
 昨年の五月に、私は決算委員会で札樽トンネル工事からヒ素などの毒性の強い残土の処理について質問したわけです。それで、大臣はそのときに、事前の調査も含めて住民の理解が得られない中で進めることは困難だというふうに言われたわけですよね。しかし、機構は事実上、これ二年近く市民にも市議会にも国にも議員にも情報を隠していたことになるわけです。これは、私は機構の在り方が問われているというふうに思うんですよ。
 機構に聞きますけれども、基準値を超える問題の残土の最終処分や処分方法というのはもう決まったんですか。

#230
○参考人(水嶋智君) お答えを申し上げます。
 まず、二年間と委員御指摘でございますけれども、先ほど来御説明しておりますように、三十年の十月に判明をして、元年の七月には北斗市に御報告をさせていただいているということでございますので、二年間ということではございません。
 それと、基準値を超える対策土について最終的な受入れ地は決まったのかという点でございますけれども、この渡島トンネル南鶉工区からの発生土のうち、現在、仮置場に搬入している対策土については、現時点ではまだ最終的な受入れ地は決まっていないという状況でございます。

#231
○紙智子君 処分地も処分方法も決まっていないのに、トンネル工事を続けていいんでしょうか。少なくとも、最終処分場が決まって住民への説明や合意が得られるまで工事は止めるべきではないですか、大臣。

#232
○参考人(水嶋智君) お答えを申し上げます。
 最終的な受入れ地が決まっていないのは問題ではないかという御指摘だと思いますけれども、この最終的な受入れ地につきましては、先ほど来申し上げております学識経験者から成る検討委員会において、その対策の内容について御指導いただきながら、地元自治体や関係者の皆様と協議をして選定を進めてまいりたいというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、北海道新幹線工事を着実に進めるためには掘削土の受入れ地を円滑に確保する必要がありますし、引き続き、国や北海道庁、沿線市町などの御協力を得ながら、地元住民の皆様の御理解が得られるよう丁寧に説明してまいりたいと考えているところでございます。

#233
○紙智子君 こういうやり方が物すごい不信を生んでいるわけですよ。
 それで、やっぱり安全とか命に関わる問題は住民の合意なく進めるということはもう絶対良くないと、責任ある対応を取るべきだということをただしまして、私の質問を終わります。

#234
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
 近年、発達障害の子供たち、あるいはグレーゾーンの子供たちが増えたというふうに言われます。私自身、通っていた小学校でも、いわゆる障害のある子供がいました。その子と一緒に遊びながら、学びながら、社会にこういう子もいると、しかし同じ友達の一人として育ってきたという思いがあります。
 しかし、私、最近聞く声としては、発達障害ですとかいわゆるグレーゾーンのお子さんを持つ親御さんから、特別支援学校に行くのか、あるいは小学校、中学校の通級に通うのか迷っていると、学習に付いていけないことが顕著になってもサポートし切れないこともあるのではないかと、そういった不安の声も聞くところであります。
 そこで、今日は特別支援教育について質問させていただきたいというふうに思いますけれども、まず文科省に伺いますけれども、なぜその発達障害と言われる子供たち、あるいはグレーゾーンと言われる子供たちが増えたというふうにお考えでしょうか。

#235
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 小学校等においては、自閉症、情緒障害、学習障害、注意欠陥多動性障害等の発達障害により特別の支援を受ける児童生徒数は増加しております。
 様々指摘ございますが、私どもとしては、発達障害により特別の指導を受ける児童生徒の増加の背景としては、一つは、通級による指導あるいは特別支援学級等といった一人一人の教育的ニーズに対応した多様な学びの場の整備が進んできたこと、また二つ目としては、早期からの教育相談や就学相談が充実してきたことにより特別支援教育への理解が進んできたことなどが考えられるとしているところでございます。

#236
○武田良介君 必ずしも、本当にそうなんだろうかと思うところもありますけれども、私は、その発達障害を持つ児童生徒さんというのは、これまでも社会の中ですとか、あるいは学校現場の中でも実は内包されていたんではないだろうかというふうにも思っております。そういう発達障害などの認識が国際的な背景も含めて広がってきたということも踏まえて、そういう子供たちを、何といいますか、言わば切り出してというのか、判断が付くようになったということで、発達障害の子供たち、あるいはグレーゾーンの子供たちというふうに見てきている、そういう背景もあるんではないかというふうに思っております。
 大臣は、私はそういうことが実態としてあるんじゃないかと、そういう背景も含めて学校現場でこれから特別支援教育ということを考えていかなければいけないんじゃないかというふうに思っておりますけれども、大臣の御認識について伺います。

#237
○国務大臣(萩生田光一君) 今先生が仮説を立てていただきましたけど、私も同意する部分もございます。私が子供の頃には特別支援に対応しなかったけれども、今の状況で判断すればきっとそういうことだったんだろうなと思う友人もおりますので、そういう意味では、特別支援教育への理解が社会全体で進んできたということは一定評価をしたいなというふうに思っています。
 特別支援教育の更なる充実に向けて、平成二十九年の義務標準法の改正による小中学校における通級による指導に係る教員の定数の基礎定数化、また児童生徒の学習活動上のサポートなどを行う特別支援教育支援員などの配置に係る財政的支援の拡充、特別支援教育に関する教員の専門性の向上などに取り組んでいるところです。
 今後も、引き続きこうした取組を通じて障害のある子供の多様な学びの場の一層の充実を図りたいと思っております。

#238
○武田良介君 私は、その子供たちの特別な配慮を必要とするような特徴も広い意味で子供たちの個性だというふうに思っておりますし、そういう子供たちの個性もこの社会の中で、あるいは学校教育の現場の中で理解することで温かく内包できるような、そういう社会でありたいというふうに思っております。
 具体的に、高校での通級について質問させていただきたいというふうに思います。
 二〇一八年から高校での通級が始まりました。二〇一六年に高等学校における特別支援教育の推進に関する調査研究協力者会議、ここが高校の通級について集中的な議論を行って、高校の通級の制度化について文科省に提言したというふうに承知をしております。そこで制度化の必要性についてこういうふうに指摘しているわけですね。
 小中学校等においては、通常の学級、通級による指導、特別支援学級といった、連続性のある多様な学びの場が整備されているのに対し、中学校卒業後の進学先は、主として高等学校の通常の学級又は特別支援学校高等部に限られていると。困難を抱えている生徒、自尊感情の低下等の二次的な課題を生じていたりする生徒に対しては、高等学校において、速やかに適切な指導、支援が行われなければならないというふうにされておるわけです。
 こういう高校での通級の開始というのは大変重要なことだというふうに考えますけれども、その背景として、学校や教員、あるいは保護者の方、あるいは御本人からどんな要望があったんでしょうか。

#239
○政府参考人(瀧本寛君) お答えを申し上げます。
 高校、高等学校におきます通級は、委員から御紹介のあった平成二十八年、二〇一六年の高等学校における特別支援教育の推進に関する調査研究協力者会議による報告を受けて省令等の改正をして、平成三十年度から制度化をされたものでございます。
 私も特別支援教育課長を経験してきたこともございまして、今でも特別支援教育関係の団体と関わりを持っておりますが、当時からも小学校で通級サービス、まあ通級指導を受けられたと。当時でいうと中学校はなかなか少なかったので、中学校で受けられなくなった、あるいは中学校もあったんだけれど、ここから先に上がったときにもう何も、高等学校の中では一部の学校で、そういう傾向の見られる子供の多い学校においては、先生によってはしっかりと勉強されて対応していた学校もないわけではないんですけれど、制度的にきちんとした制度がなかったという声は、これかなり上がっていました。
 したがって、先ほど申し上げた協力者会議の報告書の中でも、中学校において通級による指導を受けている生徒を受け入れている高等学校が、学校教育法に基づき適切に特別支援教育を実施できるようにする必要があることといった御指摘もあり、先ほど委員から引用いただいた御指摘などもこの協力者会議の中に、御指摘を受けて制度化の必要性が指摘されたということでございます。
 また、実は制度化に先立って、文部科学省ではモデル事業として複数の指定校においてこの通級に近い形の取組をしておりましたけれども、このモデル校の中でその指導、まあ今でいう通級指導ですが、その指導を希望する生徒数が当初計画していた予想を上回って希望されるような学校もございまして、通級による指導のニーズがそのモデル事業を通しても確認をされていたということもこの制度化の背景としてあったところでございまして、様々なそうしたニーズ、声を踏まえて制度化したというものでございます。

#240
○武田良介君 中学校まではあったそういった支援が高校になって途端になくなってしまうと、これでは困るということが基本的な背景だと思うんですね。私も非常に共感をいたします。
 そこで、今現状どうなっているのかということを確認させていただきたいんですが、高校の通級は全国で何校、何学級、それから生徒は何人ぐらいいるんでしょうか。

#241
○政府参考人(瀧本寛君) お答えを申し上げます。
 令和二年度の調査におきましては児童生徒数のみを把握をしておりますが、令和元年度に高等学校等における通級による指導を受けた生徒は一千六人と承知をしております。
 高等学校におきます通級は平成三十年度から制度化されたばかりでございまして、学校数あるいは学級数について網羅的な把握はしておりませんが、令和元年度には全ての都道府県において高等学校における通級を実施しているものと承知をしております。
 以上です。

#242
○武田良介君 学校数、学級数、把握していないということなんですけど、これ私、把握した方がいいんじゃないかなと思うんですね。その二〇一六年の先ほどの提言の中でも、継続的にフォローアップしていくことが必要だというふうに指摘をされております。これは把握すべきではないでしょうか。

#243
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げたとおり、三十年度から制度化したばかりでございますが、実態把握について、私ども全省的に教員の働き方改革という観点で様々な調査物の調査項目を鋭意減らしてきている中でもございまして、各自治体の負担等も勘案しながら、仮に取るとすればどういう頻度で取ったらいいかも含めて今後検討させていただきたいと思います。

#244
○武田良介君 切実な願いから始まった高校の通級なんですよね。基本的なことは私、把握すべきだというふうに思います。
 もう一つ確認させていただきたいと思うんですけれども、高校の通級から卒業した生徒というのは、まあ始まったばかりという話なんですけれども、何人ぐらいいるのか、また、その高校を卒業した後の進路というのはどうなっているのか、把握されているでしょうか。

#245
○政府参考人(瀧本寛君) 高等学校における通級は、先ほど申し上げた平成三十年度から制度化されたばかりでございまして、高校の通級から卒業した生徒数については網羅的には把握してございません。
 理念的には、平成三十年度に三年生でサービスを、支援を、指導を受けて卒業した方から、三年間通級指導を受けて卒業した方まであり得ると思いますけれども、先ほど申し上げた、できる限り学校現場への負担を少なくしていくという中で、今後、国が調査する意義あるいは目的等も踏まえて検討させていただきたいと思います。

#246
○武田良介君 これ、なぜ私伺ったかといいますと、就労の問題というのもあると思うんですね。
 今年一月に出された、新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議、その報告というのを私見ましたけれども、この中でも、発達障害などの障害のある生徒は、一般枠での就労のほか、いわゆる障害者手帳を持って障害者枠で、雇用枠で就労することも考えられるため、こうした制度についてよく理解してもらい、それぞれに応じた適切な指導、支援を行うことが必要だということも言われている。
 あるいは、これ、保護者の方からしても大変心配のあるところだと思うんですね。せっかく高校の通級ができて、高校の卒業後の進路は進学するのか、あるいは就職するのか、高校通級の指導、支援がどう生きたのか、こういったことをしっかり分析していく上で必要だということを指摘をさせていただきたいというふうに思います。
 資料をお配りさせていただきました。
 これは高等学校及び中等教育学校における通級による指導、その実施状況の調査ということなんですけれども、二〇一九年一年間の調査で、全ての高校、中等教育、国公私立の別も問わない、全日制、定時制、通信制、これも問わないというものでありますけれども。
 これ見ますと、通級による指導が必要と判断した生徒の数は合計で二千四百八十五人、学校が気付いただけでもこれだけの生徒がいるということだと思うんですけれども、うち通級による指導を行った生徒は合計で一千六人と。これ、先ほどの答弁の数字でよろしいですかね。よって、行われなかった生徒数というのは一千四百七十九人いらっしゃるのかなというふうに思うんですが、文科省に確認いたしますけれども、その理由で一番多かったのは何なんでしょうか。

#247
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 この調査においては、実際に通級による指導を行わなかった生徒のうち最も割合の多かった理由は、指導体制が取れなかったためとなっております。
 以上です。

#248
○武田良介君 支援が必要だというふうに判断されたけれども、指導体制が取れなかったために四〇%以上の生徒が通級指導を受けられなかったわけですね。
 何でこんなことになってしまったんでしょうか。文科省、いかがですか。

#249
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 これは、全国データでございますので、都道府県によっても状況は異なるということもちょっとお聞きをしておりますが、この調査において、一つは本人や保護者が希望しなかったためという理由があったり、その指導体制が取れなかった、さらには、その他についても調査をしておりますが、その他の中には、支援は必要だけれども残念ながらその当該生徒が不登校で通学していないためといった例も挙げられていると承知しております。(発言する者あり)指導体制が取れなかったことについて、大変申し訳ございません、そのうち指導体制が取れなかったことについては、済みません、通級担当ができる適切な、通級をやるに当たっては一定の特別支援の能力が必要ですので、人物が得られなかった場合とか、場合によってはですけれども、都道府県などの財政状況等によってそうした通級が始められなかったような事例などもあり得るものと考えております。

#250
○武田良介君 大臣、率直に伺いたいと思います。
 特別支援教育に関わる先生方、もっと増やしていくべきだと思うんですが、いかがですか。

#251
○国務大臣(萩生田光一君) まず、小中学校において、平成二十九年三月に義務標準法を改正し、発達障害などの障害を持つ児童生徒に対する通級指導を行うための加配定数について、対象となる児童生徒数に応じて算定されるいわゆる基礎定数化を図り、平成二十九年度から十年間で計画的に改善することとしました。高等学校においては、通級による指導が制度化された平成三十年度から教員定数の加配措置を新たに設け、充実を図っているところです。
 また、外部人材においても積極的に導入することとし、通常の学級において子供の学習活動上のサポート等を行う特別支援教育支援員の配置や、看護師、外部専門家等の配置に係る財政的支援を行っております。
 さらに、指導体制の充実に加え、教員の専門性の向上を図るため、令和元年度からの小中高等学校の新しい教職課程において、特別支援教育に関する科目を一単位以上必修とすることとしました。
 また、先日、政令を、省令を改正しまして、小中学校の教員免許状の取得に必要な介護等体験を特別支援学校に加えて特別支援学級でも行えるようにしました。また、特別支援学校での体験について、従来二日間としていた目安は廃止をし、三日間以上の体験が行われるようにしたところです。
 文科省としましては、引き続きこうした取組を進め、障害のある子供の多様な学びの場の更なる充実を図ってまいりたいと思いますし、端的に申し上げて教員増やしていく必要あると思っていますので、その努力をしていきます。

#252
○武田良介君 先ほどの協力者会議の中でも、国の役割として加配を行う必要があるという指摘、やっぱりされているんですよね。加配のことも、大臣、答弁の中で触れられましたけれども、個別の指導のためにどういう先生が必要なのか、あるいは複数の指導、チームティーチングなどが必要なのではないか、そういった現場の声をよく聞いて加配していただきたいということを申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

#253
○委員長(野村哲郎君) 他に御発言もないようですから、文部科学省、農林水産省及び国土交通省の決算の審査はこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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