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2021/04/27 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 外交防衛委員会 第10号 令和3年4月27日
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2021/04/27 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 外交防衛委員会 第10号 令和3年4月27日

#1
令和三年四月二十七日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     加田 裕之君     北村 経夫君
     舞立 昇治君     松川 るい君
     小沢 雅仁君     福山 哲郎君
 四月二十六日
    辞任         補欠選任
     北村 経夫君     高橋はるみ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         長峯  誠君
    理 事
                佐藤 正久君
                三宅 伸吾君
                小西 洋之君
                三浦 信祐君
                井上 哲士君
    委 員
                宇都 隆史君
                高橋はるみ君
                武見 敬三君
                中曽根弘文君
                中西  哲君
                松川 るい君
                山田  宏君
                白  眞勲君
                福山 哲郎君
                山口那津男君
                浅田  均君
                鈴木 宗男君
                大塚 耕平君
                伊波 洋一君
   国務大臣
       外務大臣     茂木 敏充君
       防衛大臣     岸  信夫君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        和田 義明君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        神田  茂君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       中嶋浩一郎君
       内閣官房内閣審
       議官       三貝  哲君
       内閣官房内閣審
       議官       木村  聡君
       外務省大臣官房
       審議官      赤堀  毅君
       外務省大臣官房
       参事官      石月 英雄君
       外務省大臣官房
       参事官      有馬  裕君
       外務省大臣官房
       参事官      御巫 智洋君
       外務省経済局長  四方 敬之君
       外務省国際協力
       局長       植野 篤志君
       外務省領事局長  森 美樹夫君
       農林水産省大臣
       官房総括審議官  青山 豊久君
       農林水産省大臣
       官房生産振興審
       議官       安岡 澄人君
       農林水産省大臣
       官房審議官    牛草 哲朗君
       経済産業省大臣
       官房審議官    田村 暁彦君
       防衛省防衛政策
       局長       岡  真臣君
       防衛省統合幕僚
       監部総括官    加野 幸司君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○地域的な包括的経済連携協定の締結について承
 認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(長峯誠君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、小沢雅仁君、舞立昇治君及び加田裕之君が委員を辞任され、その補欠として福山哲郎君、松川るい君及び高橋はるみ君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(長峯誠君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地域的な包括的経済連携協定の締結について承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官中嶋浩一郎君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(長峯誠君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(長峯誠君) 地域的な包括的経済連携協定の締結について承認を求めるの件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#6
○白眞勲君 おはようございます。立憲・社民の白眞勲でございます。
 まず、防衛大臣、大変恐縮でございますが、質問通告をしていないというか、今朝のニュースでございまして、大変恐縮なので、ちょっと分かる範囲内で結構でございますのでお答えいただきたいなと思うんですけれども、ワクチン接種の会場の件なんですね。今朝の、本当に防衛省の方からペーパーを朝の質問の前にちゃんと出してくださったことも感謝申し上げたいと思います。
 その上でちょっとお聞きしたいと思うんですけれども、これちょっと総理から防衛大臣に対し、市区町村におけるワクチン接種を政府として強力に後押しし、確保したワクチンが可及的速やかに接種されるよう、医官や看護官等による組織的な活動が可能な自衛隊により東京都に大規模接種センターを設置し運営するよう指示がありましたというふうな状況、内容なんですが。
 今朝の新聞報道でも同種の記事が結構出ておるんですけれども、今日のこのペーパーによりますと、いろいろ実施体制とか実施場所は書いてあって、実施場所は大手町だと、実施対象は一都三県の六十五歳以上の方であるということなんですが、人数は報道では一万人規模と、これすごく大規模なんですけれども、まずその点については、一万人規模ぐらいということを考え、想定していらっしゃるのかどうか、まずそれを防衛大臣の方からお願いしたいと思います。

#7
○国務大臣(岸信夫君) 今委員から、総理からの御指示についてお話がありました。
 総理から私に、今朝、閣議の後で御指示をいただいたところであります。それによりますと、今もう委員がお話しになりましたので繰り返しにならないようにしますが、五月二十四日から三か月間、東京都に設置をし運営してもらうということでございます。同様に、人口が集中し感染拡大が顕著である大阪府を中心とする地域を対象として、状況を踏まえた適切な支援も行ってもらいたい、実施に当たっては内閣官房、厚生労働省、総務省とよく連携をしてもらいたい、防衛省・自衛隊は我が国の最後のとりでであり、新型コロナウイルス感染症対策という国家の危機管理上重大な課題に対してその役割を十分に果たしてもらいたいということでございます。
 総理からの指示を受けまして、私からは、省内の関係幹部に対して総理からの御指示の内容を伝えて、必要な準備を速やかに開始するよう今指示を出すとともに、本日午後には、私と省内幹部、関係幹部との間で細部にわたって協議をする予定になっております。
 今後、この大規模接種センターの設置、運営について必要な準備を速やかに進めてまいるところでございます。規模感については今最終的に協議詰めているところでございますが、まずは全国の皆様に一刻も早くこのワクチンを接種をお届けするということが必要であるということから、自衛隊としてできる限りのことをしてまいりたいというふうに考えております。

#8
○白眞勲君 そうすると、まだ一万人かどうかは決定した事項ではないということでよろしいんでしょうか。

#9
○国務大臣(岸信夫君) 報道ではそのようになっているというふうに承知をしておりますが、まだ規模についてはこれから協議をしていくということでございます。

#10
○白眞勲君 あともう一点がですね、総理は昨日の発言で、選挙結果についていろいろ話をされていたんですけど、その中で、七月末を念頭に高齢者の皆さん希望する方全員に二回目のワクチン接種が終えるように政府としては取り組んでいきたいというふうに、こう述べられたわけなんですけれども、今回の資料を見ますと、五月二十四日から三か月間で接種対象が六十五歳以上の高齢者となると、これちょっと七月末以降、これはどうなっちゃうんだろうなと。七月末で終えたいと言っているのに、八月二十四日までこれ実施期間になっているんですけど、これどういうことなのかなとちょっと気になったので、教えていただきたいなというふうに思うんです。

#11
○国務大臣(岸信夫君) この対象者ですけれども、まずは高齢者ということですが、一都三県の六十五歳以上の者、接種券が送付された後は基礎疾患を有している者、介護施設従事者等と、こういうふうに書いてございます。
 まずは高齢者についてですね、それからその後基礎疾患、介護施設従事者、こういった者も含まれるということでございます。

#12
○白眞勲君 いや、ですから、総理は昨日の会見で七月末とおっしゃったんですよね、高齢者が。だけど、今日のこの接種センターを見ると八月二十四日までってなっているんですよ。だから、何でだろうなという、この辺りどうなっちゃっているんだろうということなんですよ。それちょっとお聞きしたいんですけれども。

#13
○国務大臣(岸信夫君) 済みません。
 まずは高齢者なんですが、それに加えて基礎疾患を有している者、これは、その接種券が送付された後は基礎疾患を有している者、介護施設従事者等も含まれるということでございます。

#14
○白眞勲君 ちょっとよく分からないんですけれど、まあ今日急に聞いたので、私も分からないまま聞いているところもあるんですけれども、それにしても、ちょっと何か、六十五歳以上の高齢者と書いていて、括弧の中にそういう文字が書いてあるわけなんですね。だから、六十五歳以上の高齢者が八月二十四日までの期間というふうにこの文書だと見えるんですよ、今日配られた文書だと。
 それでいて、昨日総理は七月末までには高齢者の接種は終わらせたいという趣旨のことをおっしゃっているわけでして、何かこのギャップはどこにあるんだろうなと。一日過ぎるとまたこんなふうに、八月二十四日まで高齢者ってなっていると、これやっぱり、今一番大きな問題は、何かいろいろな方々が、例えば私、本会議でもやりましたけれども、自民党の重鎮でいらっしゃる方が来年まで掛かるんだと言ってみたり、九月をめどにワクチン、ファイザー社のワクチンはもらえるんだと言ってみて、ワシントンで電話したらそうだと言うんだけど、ファイザー社のCEOは全然そんなことは言っていないとか、いろいろこれ混乱状況が、いろいろな方々がいろいろなことをやっていると、極めて非常に国民は今ワクチン、非常にコロナに対する不安、不安感を持っていますので、しっかりとした、政府として一元的にこうですよということをきちっと与えないと、安心感、安心できないんですね、国民としては。
 ですから、例えばこういったことについてもちゃんと説明をしていただかないと分からないんだと思うんですけど、どうなんでしょうかね、この辺について。今の範囲内で結構ですので、お答えいただきたいと思います。

#15
○国務大臣(岸信夫君) ここ括弧内で書いてあります基礎疾患を有している者というのは、これは六十五歳以上ということではなくて、それ以下の者も含まれるというふうに考えておるところです。ですから、六十五歳までの高齢者はまず優先的に、その上で、接種券が送付された後は基礎疾患を有している者、六十五歳という制限じゃなくてですね、そういうことであると考えております。介護施設従事者等と書いてありますのも同様でございます。

#16
○白眞勲君 そうすると、この文書、これ括弧する場所が違うんじゃないかなと思うんですね、今の話ですと。
 お手元に大臣ありますか。あれば、そこに、見ると六十五歳以上の者しか書いていなくて、あと括弧になっているんですよ。
 ですから、今の御答弁ですと、ちょっとこの括弧の位置が違うのかなという感じするんですが、その辺どうですか。

#17
○国務大臣(岸信夫君) フォーマットについては事務方によく聞いておきます。聞いて、指示をして分かりやすく作るようにします。(発言する者あり)フォーマットについては、事務方にもう少し分かりやすいものを作れと、こういうふうに指示をしたいと思います。

#18
○白眞勲君 そうしますと、ちょっと私の方から言うのも変ですけれども、まあこればっかりやっているのも申し訳ないんですが、ちょっとこれどうしても気になっちゃってしようがないんですが。
 七月末には高齢者の接種が終わったら、その後は接種券が送付された基礎疾患を有している者や介護施設従事者などをメーンにやっていくんだということだという御理解、理解でよろしゅうございますか。

#19
○国務大臣(岸信夫君) そういう御理解で結構だと思います。

#20
○白眞勲君 あと、最後にもう一点なんですけど、これ一都三県といいますと、東京の大手町ですよね、場所が。そうすると、相当遠くから、まあ一都三県だって結構遠うございます。ですから、相当遠いところから人がやってくる可能性もあると。で、大規模だということですから、まあ一万人かどうかはまだはっきりとしていないらしいですけれども、一日それだけの数がというと、例えば日本武道館が約一万人ですから、入る。まあそれは、コンサートはびゃっと来る、まあそれは時間で相当な数が出たり入ったりしますが、そういうことを想像しますと、相当な方々が一か所に集中するということになると、これは密を防ぐ問題だとか、あと御高齢の方が多うございますので、夏ですし、かえって来るときに何か具合が悪くなっちゃったりとか、その辺大丈夫なんでしょうかね。相当この辺は気を遣わなくちゃいけないのかなというふうに思うんですけど、この辺はいかがでございますか。

#21
○国務大臣(岸信夫君) そういったところに対しても十分検討して、上で、スムースな運営に努めてまいりたいと思います。

#22
○白眞勲君 まあ是非やる以上は本当にスムースな運営というか、それをしっかりとやっていただきたいというふうに思っております。
 では、ふだんの質問に移らさせていただきたいと思いますけれども。
 まず、普天間飛行場代替施設の関係で前回質問させていただきましたけれども、この続き、ちょっとまた今日もやりたいと思っています。
 先日の答弁の解釈については、一月二十七日の皆様お手元の資料二ページ目の真ん中の段で、私が、計画図まで作成したかどうかと、当時の陸幕長に聞いたんですかという問いに対して、防衛大臣は、そういう形での、その図があったということはお話がありますけれどもと、まあ明確に認めていらっしゃるんですが、で、その後、私も、やっとお認めになりましたと、あっ、やっと認めていただきましたとしているわけで、三月三十日の答弁で、この図があったというお話がありますがというのは、このような報道があることは承知しているとの趣旨ということでした。
 で、この答弁のそごということについては、四月二十日の外交防衛委員会で、大臣に、私は、いつこの答弁のそごに気付いたんでしょうかという問いをしたところ、大臣からは、後日だと思いますが、ちょっと精査させていただきたいと思いますとなっております。
 その後、精査の状況はいかがでございますか。

#23
○国務大臣(岸信夫君) 一月二十七日のこの予算委員会における質疑に際して、白委員の御発言等から、防衛省としては、認識にそごがあることは認識していたものの、計画図に関するやり取りの後、白委員が文民統制に関する質問をしたこと等から、それに続く防衛省の答弁において訂正等を行うには至りませんでした。
 いずれにいたしましても、該当答弁により白委員に誤解を与え、防衛省としては、質疑後も自ら速やかに補足の説明をするべく対応しなかったことは遺憾であります。今後、質疑において、質問者の質問の趣旨を踏まえた答弁を行ってまいります。
 また、私自身がということでございましたけれども、私自身が認識にそごがあるということにいつ気が付いたかということを確定的には申し上げられませんが、質疑に際して直ちに修正や訂正が必要だという判断には至りませんでした。後日、関連する報道や議事録等を精査する中で認識にそごがあるとの認識に至ったものであります。

#24
○白眞勲君 でも、やっとお認めになっていただきましたまで言っておいて、気付きませんでしたというのは、やはり何となく私は不自然だと思うんですね。
 そういう中で、三月三十日の当外交防衛委員会の御答弁で最後の部分、お手元の資料でいいますと、後ろから四枚目ですね、資料二の五の下に二十九ページと書いてあるところなんですけれども、ここで、赤線引きましたけど、そういう形での、私が聞いたのは、計画図まで作成したかどうか、陸幕長に聞いたのかという問いに対してというふうに、これは防衛大臣御自身がお答えになっている文書ですけれども、あっ、お手元あります、分かりますか。分かりますか。分かりますね。で、ということに対して、そういう形での、その図があったということはお話がありますと、また明確にその図があったということをお話がありますというふうに答弁されているんですよ、ここで。
 これ、おかしくないですか。やっぱりこれもそごになっちゃいますよ。

#25
○国務大臣(岸信夫君) このお話がありますけどというのは、これまでのやり取りの中で報道があったということを引用したことでございます。

#26
○白眞勲君 いや、お話がありますとかを報道がありますけれどもと言ったら、また後ろがおかしくなっちゃうんですよ。いずれにしましても合意したという事項ではないということをこのようにお答えしたわけでございます、ですから、虚偽答弁ということではなくて、この計画図まで作成したかどうかに対してのお答えですと言っているんですよ。自分でおっしゃっているんですよ。この計画図まで作成したかどうかということに対してのお答えですから、当然、この図があったということについてそういう話がありますというのは、幕僚長からそういう話があったというふうに私たちは取ったわけなんですね。
 これは行ったり来たりの話になっちゃうと思うんですけれども、一月二十七日に予算委員会で図面について防衛大臣がこの話があるとされたことについては、翌日の一月二十八日にも湯浅陸上幕僚長が記者会見でこうおっしゃっているんですね。陸自と海兵隊で決まったり合意したりするものではないと、合意があったとの指摘は当たらないと述べた上で、併せてこうおっしゃっているんです。図面の作成が直ちに部隊の常駐につながるものではない、こうおっしゃっていまして、これ、図面があったということを前提にしないとこういう話できないんですよ。
 だから、そういうふうに受け止められる発言しているんですけど、この辺どうなっているんでしょうか。

#27
○国務大臣(岸信夫君) 日米間で様々なやり取りをしております。共同使用等についても、も含めて様々な協議を行う中で図面等も含めて協議が行われるということはよくあることでございますけれども、そのこと自体はこれまでも表に申し上げてはいないことでございます、協議の内容ですね、について、あったかどうかということも含めて、これまでもお答えは差し控えさせていただいたところでございます。図面があったかどうかということも含めてですね。

#28
○白眞勲君 今も御答弁されたわけですね。図面等のやり取りはあるんだということを今も御答弁されたじゃないですか。ただ、公開はしないんだと。公開はしないかするかは別にしても、図面等のやり取りがあったということは今もおっしゃったじゃないですか。だから、私はそうおっしゃっているんですよ。

#29
○国務大臣(岸信夫君) 今申し上げたのは、一般論として、協議をする際に図面等を用いることはあるということを申し上げたところでございます。

#30
○白眞勲君 理事会説明資料の、お手元の資料、三ページ目の三つ目の丸では、「共同使用の検討に際して用いられる計画図なども含め、陸上自衛隊と米海兵隊が合意を行うような性質のものではなく」と確かに書かれております。
 そうであるならば、これ、陸上自衛隊とアメリカ海兵隊が合意を行った計画図はないときっぱり否定できる答弁ができるんじゃないんでしょうか。そういうふうにはないとは何で答弁しないんでしょうか。何で明らかにはできないということしか言えないのか。ないならないでいいんじゃないんでしょうか。その辺どうなんですか。

#31
○国務大臣(岸信夫君) 検討に際して、日本の全国の施設・区域について、幅広く様々な可能性について検討をしております。その際図面を用いるということはありますが、具体的な検討状況については、部内検討であることもあってお控えを、差し控えさせていただきたいと思います。これは一般論としてのお話でございます。

#32
○白眞勲君 いや、だから私が聞いているのは、合意を行うような性質のものではないわけですよね。であるならば、陸上自衛隊とアメリカ海兵隊が合意を行った計画図は、合意をした計画図はないと言い切れるんじゃないかと思うんですけど、どうですか。

#33
○国務大臣(岸信夫君) 委員おっしゃるように、その合意、いわゆる合意をした計画図というものはありません。

#34
○白眞勲君 じゃ、もう一度お聞きします。
 二〇一五年、当時の岩田陸幕長と在日アメリカ海兵隊が交わした合意に基づき、陸上自衛隊と海兵隊が調整して陸自施設の計画図面や給排水計画を作成したという報道は事実でしょうか。お答えください。

#35
○国務大臣(岸信夫君) 陸幕と向こうでいわゆる合意をするというような性質のものではないということでございます。

#36
○白眞勲君 いや、性質のものではなくて、合意した事実があるかどうか。つまり、性質のものではないのは分かっているんです、もう。何度も何度も、これは防衛大臣何度もお答えになっているから、そういう性質のものではないんだと。それは、文民統制上、それはやるのであるならば、それは政府間として正式にやり取りをしなくちゃいけませんねというのはあるんですけど、今回の問題点は、それをそういうことがない上で合意をしてしまったのではないのかと、現場でということなんですよ。ですから、それに対する合意した計画図は、合意をした計画図はないということ。
 もう一回言いますよ。陸上自衛隊が、陸上自衛隊と海兵隊が、アメリカ海兵隊が調整をして陸自施設の計画図面や給排水計画を作成したという報道は事実でしょうかということです。

#37
○国務大臣(岸信夫君) キャンプ・シュワブへの自衛隊の恒常的な配備に係る計画図の有無を含めて、日米間の具体的なやり取りや検討状況については、相手方の関係もありますから、お答えを差し控えさせていただきたいと考えております。
 いずれにせよ、日米の政府間での合意ではなくて、合意された図というものも存在をしないというところでございます。

#38
○白眞勲君 いや、ですから、政府間で存在しないというのは分かっているんですよ。あり得ないんだと。これは何度も御答弁いただいている。
 今回、今回は、政府間で存在しない文書が、現場で合意した文書があるんじゃないかということが報道なんですね。ですから、そういったものもないんだったらないということで否定していただいて結構なんです。その辺が何かうやむやになっているから私は聞いているんです。何度も聞いているということです。
 もう一度申し上げます。もう一度お聞きしますよ。
 当時の岩田陸幕長と在日アメリカ海兵隊が交わした合意に基づき、陸自と海兵隊が調整し陸自施設の計画図面や給排水計画を作成したという報道は事実でしょうか。お答えください。

#39
○国務大臣(岸信夫君) 今委員のおっしゃられた、当時の岩田陸幕長と海兵隊との合意に基づきということをおっしゃいましたけど、そういう合意自体がないということでありますから、その後の、まあ日米間では様々な形で、何度も繰り返しておりますけれども、図を用いて協議をするということはございますけれども、日米間で岩田陸幕長とおっしゃるような海兵隊との間の合意というものがございませんので、そういうことでございます。

#40
○白眞勲君 つまり合意はないんですから、当然計画図はないということでよろしゅうございますね。

#41
○国務大臣(岸信夫君) 合意された計画図はないということでございます。

#42
○白眞勲君 いや、計画図、合意された計画図がないというのは、じゃ、合意されていない計画図はあるのかと私突っ込んじゃうんですけれども、どうなんですか。

#43
○国務大臣(岸信夫君) 計画図等々、様々な図面については、これまでも日米間の協議の中で使われることはございましたけれども、そのことについてはお答えを差し控えさせていただいております。

#44
○白眞勲君 いや、今お認めになっていただいたわけですよね、給排図はあると。
 ですから、陸上自衛隊とアメリカ海兵隊とがキャンプ・シュワブに関し、附属の文書の類いというのはあるんですか。

#45
○国務大臣(岸信夫君) まず、今、合意をお認めになったというような形でおっしゃいましたけれども、合意は存在しておりませんので、そもそもですね。ですから、その上で、日米間の協議で様々使われるケースがあるその図面等については、存在があるかないかということもこれまでお答えを差し控えさせていただいているところでございます。

#46
○白眞勲君 いや、ですから、合意はないということはお聞きいたしましたけれども、今、給排水設備はあると、図面はあるかもしれないということをおっしゃったわけですよ。ですから、じゃ、あるんですねということを申し上げたわけでして。
 もう一回聞きますよ。今私が聞いているのは附属の文書、つまり計画図じゃなくて附属の文書もあるのかということを聞いているんです。

#47
○国務大臣(岸信夫君) 今お問合せの附属文書ということでございますけれども、キャンプ・シュワブでの自衛隊の恒常的な配備に係る計画図の有無も含めて、日米間の具体的なやり取りや検討状況については、相手方の関係もあり、お答えは差し控えさせていただいております。
 元々、その合意というものが存在をしておりません。附属文書というのがどういうものを意味しているのかということもよく分かりませんけれども、いずれにしても、その合意、合意というもの自体が存在しないということであります。

#48
○白眞勲君 そうすると、計画図に双方の、陸幕長と海兵隊の司令官との間と言ってもいいし、まあ責任者と言ってもいい、サインはしているんですか。

#49
○国務大臣(岸信夫君) その計画図の存在自体についても、あるかなかったかということについてもお答えを差し控えさせていただいているところでございます。
 ですから、そこにサインがあるかどうかということも関知をしていないというところでございますが、いずれにいたしましても、その合意というものが存在をしていないということであります。

#50
○白眞勲君 いえ、合意をしていなければ、サインはないはずじゃありませんか。ないって何で言い切れないんでしょうかということなんです、私が聞いているのは。当然、これは、合意はない、今おっしゃったわけですから、ですから、当然サインはないということになるんじゃないんでしょうか。だから、そこがお答えできませんというのは変な話だと思いますよ。

#51
○国務大臣(岸信夫君) サインをするかしないかということも、もう先ほどからも申し上げておりますけれども、まず、その図面があったかどうかということも含めてお答えを差し控えさせていただいているところでございますので、それらの趣旨でサインについてもお答えを差し控えさせていただいているところでございます。

#52
○白眞勲君 先ほどの、合意された図面はないんですから、サインしているはずないじゃないですか。それを、それは言えないというのは変だと思うんですよ。

#53
○国務大臣(岸信夫君) そういう意味では、合意され、サインをされた図面はないということであります。

#54
○白眞勲君 続きまして、ミャンマー情勢についてお伺いいたします。外務省にお聞きします。
 外務省、四月十五日に発表した世論調査では、日本は独自のパイプを活用し、ミャンマー情勢に積極的に関与すべきと思うかという質問に対して、七二・三%がそう思うと回答しております。国民の多くが、やはりしっかりとミャンマー情勢に向き合ってほしいという気持ちだと、表れだと私は思っているんですけれども、政府がこれまで独自の役割を果たしつつ、ミャンマー情勢に当たるといったようなことに言及したことの結果だというふうにも思っているんですけれども、ただ、ちょっと、何を政府は今ミャンマーの民主的体制の回復に取り組むとしつつもやっているのか、何をやっているのか、まるで私たちは分からないわけなんですね。
 独自のパイプとは一体何なのか。まあ、詳細な説明というのはもちろん難しいとは思うんですけれども、何をやっているのか分からない以上、政府は何もやっていないような印象も受けるわけなんですね。これ、説明が可能な範囲での答弁を求めたいと思います。

#55
○政府参考人(石月英雄君) お答え申し上げます。
 我が国は、欧米諸国と比べてもミャンマーに様々なチャンネルを有しており、現地には駐在経験も長くミャンマー専門家として知られる丸山大使もおります。
 日本としては、ミャンマーのクーデター発生以降、特に三点、暴力の即時停止、拘束された関係者の解放、民主的な政治体制の早期回復を求めてきておるところです。

#56
○白眞勲君 いや、もちろんそうなんだろうけれども、日本独自の役割をしっかりと果たしていきますとか言っているわけですよ。これ、総理が答弁されています。茂木外務大臣も、国軍のフライン司令官とは何度もお会いになっていると、だから様々なルートもあるのでいろいろ働きかけというのをしていきたいし、日本が置かれた独特の立場、重要な役割があるんだというふうにおっしゃっているわけなんですね。ですから私はお聞きしているんですけれども、どういう、今、その独特のパイプというか独自のパイプを活用してやっていらっしゃるのか、それは国民には全く見えない。
 だから、もちろん全部言えなんて私は申し上げるつもりはありません。しかし、このミャンマーの今の状況について、これは非常に懸念していることは間違いないわけで、ですから、それに対する日本としてどういう動きを今しているのかをお聞きしたいということで聞いているんです。じゃ、どうぞ。

#57
○国務大臣(茂木敏充君) 先週の土曜日、二十四日に、ジャカルタにおきましてASEANリーダーズ・ミーティング開催をされました。そこの中で五項目、暴力の停止、全ての当事者による建設的な対話の開始、ASEAN特使による対話プロセスの仲介、ASEANによる人道支援の提供、ASEAN特使がミャンマーを訪問して全ての当事者と会合することの点について、参加者の一致を見て、議長国でありますブルネイによります議長声明発出をされたところであります。
 今回の会議の成果としてこの五つのコンセンサスが発表されたこと、事態の改善に向けた第一歩として歓迎をするとともに、ASEANの事態打開のための努力を高く評価をしております。その上で、対話の開始のためには被拘束者の速やかな解放が重要な土台となることを改めて強調したいと思います。
 そして、このASEANリーダーズ・ミーティング開催するに当たっては、例えば、現地ジャカルタでいいますとルトノ外務大臣、また主催者でいいますとブルネイの外務大臣、さらには、今回、ドゥテルテ大統領の代理で出席をしましたロクシン副首相兼外務大臣等々と私も直接電話で話をしまして、どういったことについてこのリーダーズ・ミーティングで話し合うことが適切か、また、どういった成果、これを期待するかと、こういった話合いも進めてきたところであります。
 現地においても、丸山大使を先頭に、様々な形でミャンマー側とも意思疎通をし、働きかけを行っております。
 さらには、日本、これまで十年余りにわたって様々な形でミャンマーの民主化支援をしてまいりました。そこの中には、政府関係者だけではなくて、様々な方がいらっしゃると。例えば、笹川陽平ミャンマー国民和解担当日本政府代表と。笹川代表とも緊密に連携を取りながら、また笹川代表も独自のルートを生かして様々な働きかけと、こういったことを行っていると考えております。
 欧米としても様々な動きを見せております。そういった欧米の声も受け止める役もやっております、当然、日本として。
 一方で、ミャンマーが今、同じミャンマーの一員として、あっ、失礼しました、ASEANが同じASEANの一員としてミャンマーに対して働きかけをすると、このこともしっかり後押しをしていくということが必要であると思っておりまして、そういった取組も進めております。

#58
○白眞勲君 このASEANリーダーズ・ミーティングと茂木大臣も今おっしゃいましたけれども、日本政府が茂木大臣も含めていろいろ働きかけを強めているという御答弁であったわけですけれども、首脳会議であるならば、ASEANミニストリアル・ミーティングというのかな、になるのが、今回、リーダーズ・ミーティングになっているというのは、このミャンマー国軍のトップを首脳と位置付けていないからではないかという報道もあるんですけれども、この点は日本政府としてはどのように分析しているのか、お答えください。

#59
○国務大臣(茂木敏充君) ミニステリアル・ミーティングだったらば閣僚会議だと思います。恐らく首脳会議だったらサミットとか、そういう形になると思います。
 リーダーズ・ミーティングはどういう意味なのかと、これはまさにASEANが主催してASEANがこういう名前を付けたということでありますので、その名前で会議が開催をされたと思っております。

#60
○白眞勲君 なぜ首脳会議とかサミットみたいな形ではなくてリーダーズ・ミーティングになったんだろうかなということについての御答弁をちょっとお願いしたいと思います。

#61
○国務大臣(茂木敏充君) いろんな会議を見ますと、名前いろいろ付け方がありますよ。それは必ずしも、サミットと言うと、サミットと言うとよく使うのはG7とG20、これはサミットを使いますけど、それ以外の何らかの会議についてはリーダーズ・ミーティングであったりとか様々な言い方をしているんだと、私の知る範囲ではそうであります。

#62
○白眞勲君 四月二十三日に外務省は、在ミャンマー、外務省の在ミャンマー大使館が、拘束されているフリージャーナリストの北角裕樹さんと電話会談を、電話面談か、電話面談をしたというふうに聞いておるんですけれども、北角さんの健康状態とか、あるいはこの電話面談、大使直接本人が行ったのかどうかとか、あるいは何分ぐらい行われたのかとか、その辺についてちょっとお知らせいただきたいと思います。

#63
○政府参考人(森美樹夫君) 委員御指摘いただきましたとおり、四月二十三日金曜日、現地時間の午後、ヤンゴン市内のインセイン刑務所に拘束されている四十代の邦人ジャーナリストの方に対して、丸山市郎駐ミャンマー日本国大使本人でございますが、大使が電話面会を行い、当該邦人の健康状態に問題がないことを確認しております。電話による面会はこの一回でございます。

#64
○白眞勲君 まあもちろん言えないこともあるかと思うんですけれども、言える範囲内で結構なんですけど、どのぐらいの時間とか、あるいはほかにどういった内容の話をされたのかというのはお話しいただけますでしょうか。

#65
○政府参考人(森美樹夫君) この電話会談におきまして、当該邦人が拘束に際して不当な扱いを受けていないということを確認しております。それから、現時点ではまだ当該邦人は起訴には至っておらず、当局が捜査中であるとのことでございます。
 政府ではこれまでも、邦人保護の観点から御家族との連絡等についてもできる限りの支援をしてきておりまして、今後とも必要な支援を行ってまいります。
 時間については十分、十五分ぐらいの時間だったというふうに承知をしております。

#66
○白眞勲君 今もいろいろ働きかけは強めていると思うんですけれども、早期解放に向けてはどういった努力というのをされているのか、ちょっと御答弁願いたいと思います。

#67
○政府参考人(森美樹夫君) これまでも御答弁申し上げてきておりますとおり、ミャンマー側に対して、この邦人をできるだけ早期に解放するよう引き続き政府側に、ミャンマー側に対して働きかけを行ってきており、今後ともこれを継続してまいります。

#68
○白眞勲君 ミャンマーに対するODAについてお伺いします。
 これまで茂木外務大臣は、ミャンマーに対するODAについて、二月一日のクーデター以降、ミャンマー国軍が主導する体制との間で新たに決定したODA案件ではない、今後についても早急に判断すべき案件はないと説明をされていましたけれども、これはODAを、供与を停止しているという理解でよろしゅうございますか。

#69
○政府参考人(植野篤志君) お答え申し上げます。
 ミャンマーに対するODAにつきましては、大臣からも御答弁申し上げましたとおり、国軍が主導する体制との間で二月一日のクーデター以降交換公文を締結をして新しく実施を決定した案件はありませんけれども、ミャンマーにおけるODAという意味では、国際機関が実施するプロジェクト、あるいはNGOが実施するプロジェクト等もございまして、そういうものにつきましては二月一日以降も新しく実施を決定したものもございますので、あらゆる案件を全て停止しているということではございません。

#70
○白眞勲君 ODAの実施機関であるJICAについてちょっとお伺いしたいんですけれども、JICAの目的とその理念について改めて御説明願いたいと思います。

#71
○政府参考人(植野篤志君) JICA、国際協力機構は、独立行政法人国際協力機構法に基づき、開発途上国・地域に対する技術協力、有償及び無償の資金協力の実施、またJICA海外協力隊の派遣、そして大規模災害に対する緊急援助の実施に必要な業務等を行っております。
 これらの活動により、開発途上国・地域の経済及び社会の開発等へ寄与することを通じて、国際協力を促進し、我が国及び国際社会の健全な発展に資することを目的としております。

#72
○白眞勲君 ミャンマーにおけるJICAの活動についてお伺いいたします。
 これまでJICAはミャンマーにおいてどのような活動を行ってきて、その実績について、支援額も含めて御説明願いたいと思うんですが。また、JICAが派遣している専門家など、現在どのような状況にあるのかも併せて簡単に説明願いたいと思います。

#73
○政府参考人(植野篤志君) お答え申し上げます。
 ミャンマーにおいてJICAが実施中の案件は、円借款が三十四件で七千三百九十六億円、無償資金協力が十八件で四百五十一億四千八百万円、さらに二十二件の技術協力プロジェクトを実施中でございます。
 また、ミャンマーに派遣中のJICAの専門家は現在十三名がミャンマーに滞在しておりまして、そのうちの一名については御家族一名も同行しておられると、こういう状況でございます。

#74
○白眞勲君 そのミャンマーにいらっしゃるJICAの派遣されている方々、連絡は常々取られているということでよろしゅうございますか。常々取られているのかどうか、安全は確認できているのか、場合によっては帰国ということも念頭に置いているのか、それもちょっとお聞かせください。

#75
○政府参考人(植野篤志君) お答え申し上げます。
 これら十三名の専門家及び一名のその随伴家族の方の安全については、常にJICAを通じて確認をしておりまして、現時点では皆さん安全に現在現地に滞在しておりますけれども、今後の対応については、まさに御指摘の安全確保ということを最優先にしつつ、案件のその目的、内容、あるいは現地情勢を総合的に勘案して今後の対応については考えていくと、こういうことにしております。

#76
○白眞勲君 JICAの理事長についてちょっとお伺いしたいんですけれども、JICA理事長に求められる資質は一体何なのかをお答えください。

#77
○政府参考人(植野篤志君) まず、一般論として、独立行政法人の長に求められる資質に関しては、独立行政法人通則法に基づきまして、当該独立行政法人が行う事務及び事業に関して高度な知識及び経験を有する者、その他当該独立行政法人が行う事務及び事業を適正かつ効率的に運営することができる者のうちから主務大臣が任命することとされております。
 JICA、国際協力機構の理事長につきましては、現在の北岡理事長を始めとするこれまでの歴代の理事長がそうでありましたように、外交政策、それから国際情勢に造詣が深く、我が国外交の最も重要な手段である開発協力の実施を担うJICAを率いるべく、十分なリーダーシップを発揮される方がふさわしいと、このように考えております。

#78
○白眞勲君 政治的な中立性についてはどうでしょうか。

#79
○政府参考人(植野篤志君) お答え申し上げます。
 今申し上げた資質の中には、政治的な中立性ということも含まれているのではないかと考えます。

#80
○白眞勲君 日米貿易協定のWTOへの通報について一点お伺いします。
 外務省の発表によりますと、RCEP署名を受けたFTAのカバー率は八〇・四%となっていますが、この数字には日米貿易協定含まれていますが、WTOに通報していない協定をカバー率に含めてもよいのでしょうか。

#81
○政府参考人(四方敬之君) お答え申し上げます。
 我が国のEPA、FTA等の取組の中で、発効済み、署名済EPA、FTA等の相手国との貿易額が貿易総額に占める割合は、今回のRCEP協定の署名を含めまして約八〇%になっております。この中には日米貿易協定も含まれております。

#82
○白眞勲君 いや、私が聞いているのは、WTOに通報していない協定も入れていいのかということです。

#83
○政府参考人(四方敬之君) 日米貿易協定につきましては、WTOの通報につきまして日米間で調整してきておるところですけれども、その調整状況につきましては、外交上のやり取りでもあり、お答えを差し控えたいと思います。
 他方、日米貿易協定につきましては、私どもとしましては、自由貿易地域、WTOのガット二十四条におきまして自由貿易地域という規定がございますけれども、日本と米国との間で経済上の連携を強化する国際約束として、この約八割の中に含めることが適当だと考えております。

#84
○白眞勲君 先日、本委員会にお越しいただいた菅原参考人の資料によりますと、皆様のお手元の一番最後の資料になりますけれども、日本の貿易に占めるRCEP十四か国の割合は、輸出で四三・一%、輸入で四九・二%であると。で、現時点ではということで、皆さんの資料の、お手元の資料の一番後ろのページの黒い三つの点のうちの二つ目の棒線には、現時点では部分的なFTAである日米貿易協定も含めれば輸出入とも八割にと言っているわけですね。ところが、この菅原先生の表を見ますと、この下にある赤い矢印見ると米国まで矢印が届いていないんですよ、これ。これ、なぜこのようにおっしゃるのかなと思う。やっぱり、これは私もそのときに参考人に聞けばよかったんだろうけれども、やはりこうやって専門家の中でもこの貿易協定に含めていないわけですね、この自由化率の中に、これ見ると。
 これについて、外務省としてはどういうふうにお考えですか。

#85
○政府参考人(四方敬之君) 先般の参考人からの御意見につきまして政府として云々するということは差し控えたいと思いますけれども、政府といたしましても、日米貿易協定につきましては物品の関税を対象としたものであり、サービス分野の自由化や幅広いルールまで盛り込まれておらず、この意味で、これまで我が国が結んできた包括的な規定、すなわちEPA、経済連携協定とは異なるものというふうに考えております。

#86
○白眞勲君 茂木外務大臣は十二月三日、去年の本委員会の質疑において、日米貿易協定について、WTO協定と整合的であると、このことは問題ないと思っておりまして、あとはタイミングの問題だけだと思っておりますと。何らかWTO協定と整合性を欠くから通報していないということではございませんとして、すぐに通報するようなことを述べていらっしゃるんですね。
 日英EPAは、早々、これは十二月三十一日には通報しているんですけど、まだ、いまだに米国に対しては通報されていない。今も日米間の細かいやり取りについてはお答えを差し控えたいみたいなお話ありましたけれど、これ、いつ通報する気ですか。何か後ろめたいことでもあるんですか。お答えください。

#87
○政府参考人(四方敬之君) お答え申し上げます。
 先ほども御説明いたしましたとおり、日米貿易協定のWTOの通報に関する日米間での調整というのは引き続き続いておりまして、米国と調整の上、しかるべくWTOに通報を行ってまいりたいと考えております。

#88
○白眞勲君 いや、ずっとその答弁なんですよ。だから、いつやるんですかということを聞いているんですけど。今のじゃお答えになっていませんよ。大体いつ頃って、すぐにでも茂木大臣はやるって言ったんですけどどうなっているんですかということですよ。お答えください。

#89
○国務大臣(茂木敏充君) いや、私、すぐにやるとお答えしたことないと思いますけど、すぐにやると私が言ったと言うんでしたら、どこでどう言ったのかちょっと御指摘いただいたら。お願いします。

#90
○白眞勲君 あとはタイミングの問題だと思っておりますとおっしゃっているわけですね。じゃ、そのタイミングっていつなんですか。

#91
○国務大臣(茂木敏充君) すぐにやるというのとタイミングの問題というのは全く違うニュアンスだと私は思います。
 あとはタイミングの問題、それは、タイミングというのは日米間でいろいろやり取りをしながら適切なタイミングでやるということでありまして、それをすぐにと言うのは私の発言とは全く違うと思います。

#92
○白眞勲君 タイミングだと、タイミングの問題だと思っております、何らかWTOの協定と整合性を欠くから通報していないということではございませんというふうにお答えになっているわけですね。ですから、整合的である、このことは問題となっていない、WTOとも整合的であると、このことは問題となっていなくて、あとはタイミングだけの問題だと言いながら、整合性を欠くから通報していないということではございませんと言ったら、何の問題もないじゃありませんか。すぐに通報すればいい話だということで、私はそういうふうに感じたわけなんです。だから、すぐにというふうに私は取ったわけなんですね。ですから、それに対していまだに通報していない、これどういうことなんでしょうかということを私は何度もお聞きしているんですね。
 それで、この前、日米首脳会談について、TPPの復帰についてちょっとお聞きしたいんですけれども、これ話題になったんでしょうか、TPP復帰については。日本側から、米国にTPPに復帰するよう促すようなお答えというのはあったんでしょうか。

#93
○国務大臣(茂木敏充君) 白委員の解釈は分かりましたけれど、私の解釈と違うということもお分かりいただけたんじゃないかなと、そのように思います。
 その上で、先日行われました日米首脳会談、大変幅広い分野にわたりまして議論を行いました。日米同盟の強化と、今やこれは二国間の関係ではなくて、地域、世界の平和、安定、繁栄につながるものである。さらには、自由で開かれたインド太平洋、この実現に向けて、先日もQUADも行いました。ASEANでも、AOIPと、こういう新しい概念示しておりますし、またヨーロッパにおきましても、インド太平洋のコミットと、こういったものも進めているところでありまして、日米間でこのインド太平洋の、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた様々な協力を行っていくと、こういったことについても話をしました。さらには、地域の問題、中国、北朝鮮を始めた問題、そして、気候変動、コロナ対策、イノベーションにおける協力、様々な議論をさせていただきました。
 そういった中で、当然、経済の問題さらには通商の問題、それについても話をさせていただきました。日本として私が日米貿易交渉を担当しまして、ライトハイザー通商代表と何度にもわたって議論をする中で、今世界でイノベーションが一番進み、そしてグローバル化が進んでいるのも米国経済である、TPPに米国が復帰する、このことについては米国の経済、雇用にとってもプラスになる、こういったことは何度も強調いたしております。
 今、バイデン政権、まずは通商政策については国内の雇用、これを最重視をすると、このための対策を取ると、そこまでは新たな通商交渉に入らないと、こういうのが基本方針であると思いますが、引き続き、米国との間で経済、通商面でも緊密に連携を取ってまいりたいと考えております。

#94
○白眞勲君 一つ、これは、何度も私聞いているのは、台湾のTPP、台湾はTPP加入に非常に高い関心を示しているということなんですけど、茂木大臣、十二月三日の本委員会においては、協定上排除されるものではないという非常に重要な答弁をされました。TPP11については非常に高い内容、ルールというものが備えているわけでして、これにつきましては国又はエコノミーがこの基準を満たす用意があるということが重要だと。
 最近、このエコノミーという言葉をたまにお使いになるんですけど、国又はエコノミーのエコノミーというのは一体どこを指すのか、ちょっとお答えいただけますでしょうか。

#95
○国務大臣(茂木敏充君) エコノミー、一般的には経済地域若しくは地域ということでありまして、TPPでいいますと独立した関税の地域と、これが一般的にエコノミーと言われていると思います。

#96
○白眞勲君 つまり、それは台湾も意味しているということでよろしゅうございますか。

#97
○国務大臣(茂木敏充君) TPPの文脈におきましては、台湾もこのエコノミーに入ると考えております。

#98
○白眞勲君 この台湾のTPP11加入には、議長国として何が必要だというふうに思われますか。

#99
○国務大臣(茂木敏充君) 我が国として、TPP11以来、様々な経済連携協定、保護主義そして内向き志向が強まる中で、自由主義の旗手としてそういった自由貿易体制の構築、強化に主導的な役割を果たしてきました。
 中でも、TPP11、難航の中でも、こういった、日EU・EPAであったりとかRCEPに先行してハイスタンダード、そしてバランスの取れた、さらにはルール分野も細かく規定をする二十一世紀型の新しい経済連携をつくったものでありまして、これに対して英国は既に加入申請という形でありますし、それ以外にも幾つかの国そして地域というものが関心を示していると。このことは、それだけTPP11というものが高く評価されていると、このことのあかしであると思っております。
 そういった関心表明をされている国に対して、国・地域に対してはですね、日本としてできる限りの情報提供と、こういったものも行いたいと、そういうふうに考えております。
 当然、実際に申請がなされるということになりますと、これを締約国の中で話をするわけでありますが、日本は議長国でありますから当然そこの中での取りまとめと、こういう役割を担っていくと考えております。

#100
○白眞勲君 終わります。
 ありがとうございました。

#101
○小西洋之君 立憲民主・社民の小西洋之でございます。
 私も、議題のRCEP協定に入る前に、理事会で防衛省から説明のありましたワクチンの接種センターのことについて伺わさせていただきます。
 その関連で、初めに、防衛省、政府参考人に、問いの大きな二番ですね。
 今日の理事会で、国会議員の質問に対する防衛省の答弁姿勢等の在り方についてという見解文書を出していただいております。これについて、政府参考人の方からこれの考え方の部分について御説明をお願いいたします。答弁をお願いします。

#102
○政府参考人(岡真臣君) お答え申し上げます。
 国会での審議の場におけます国会議員による内閣に対する質問につきましては、憲法が採用している議院内閣制の下での国会による内閣監督の機能の表れであると考えております。また、防衛省として、行政権の行使に対する、国権の最高機関である国会による民主的統制の重要性は十分認識しているところであります。
 我が国は、憲法前文の平和主義及びその理念を具体化した規定である憲法第九条の下、専守防衛を我が国の防衛の基本的な方針として、実力組織としての自衛隊を保持し、その整備を推進し、運用を図ってきています。
 その上で、我が国の平和と独立を守り国の安全を保つことを目的とする防衛省は、国会での審議の場において、自衛隊の任務、自衛隊に対する指揮監督、自衛隊の行動及び権限等を定める自衛隊法や平和安全法制の解釈を始めとする国会議員による質問に対しては、国会議員は国民の代表として、国会による内閣に対する監督、これは自衛隊に対する文民統制を含むものでございますが、そうした監督の機能を担う立場にあるという認識の下、その趣旨を踏まえた的確な形で答弁を行う必要があると考えております。
 以上を踏まえまして、防衛省としては、今後の国会での審議の場におきまして、質問者の質問の趣旨を踏まえた形で的確な答弁を行うとともに、国会や国民に対する説明責任を全うすべく、不断の努力を行ってまいりたいと考えているところでございます。

#103
○小西洋之君 大変峻厳なといいますか、我々、文民統制、防衛省・自衛隊は実力組織、自衛隊は実力組織でございますので、それに対する民主的統制、すなわち文民統制の観点からも、議院内閣制の下で我々のこの国会質問というのは内閣の監督機能の表れであると。それを、我々としても任務を遂行してまいりますので、防衛省としても的確な答弁をお願いをするところでございます。
 今、防衛大臣、政府参考人が読み上げていただいた防衛省の国会質問への、国会議員の質問への答弁姿勢などの在り方についてのこの考え方というのは、一言一句、防衛大臣以下防衛省の認識ということでよろしいでしょうか。確認のため、お願いいたします。

#104
○国務大臣(岸信夫君) そのとおりに考えております。

#105
○小西洋之君 ありがとうございました。
 この理事会協議事項の発端なんですが、平成二十九年に武器等防護について、安保国会では当時の中谷防衛大臣が、武力紛争が生じているときには武器等防護の下命、命令ですね、の判断はしないというような答弁をしていたんですが、それが政策論を述べたものか、あるいは自衛隊法九十五条の二で法理として武器等防護の命令が禁止されているという趣旨なのかの平成二十九年の私の質問に対して当時の前田防衛政策局長の答弁、で、それに対する先般の防衛省の答弁を発端としたものでございます。
 理事会協議事項として理事会に出していただいた紙には、当時の平成二十九年の答弁について、防衛省として改めて議事録を確認、精査したところ、私としては、今言ったような、法理としてできるのかできないかを一貫して質問をしているということを防衛省としても認識した上で、当時の答弁が私の問題意識とずれた答弁であったということで、事後の補足の説明もなく私に誤解を生じさせたということで、今答弁いただいた、答弁姿勢等に関する考え方に照らしておわびを申し上げますというようなことも記載していただいているところでございます。
 では、そうしたことを踏まえて、ワクチンの接種センターのことで、防衛大臣、よろしいでしょうか。
 今日の理事会で御説明いただいた、先ほど白眞勲先生の質疑にあった大規模接種センター、防衛省・自衛隊により運営するものなんですが、これの法令上の根拠は何になるんでしょうか。私、とてもいいことだと思うんですが、法令上の根拠は何になるんでしょうか。

#106
○委員長(長峯誠君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#107
○委員長(長峯誠君) 速記を起こしてください。

#108
○国務大臣(岸信夫君) これ、今、自衛隊中央病院などを運営している根拠の自衛隊法二十七条によるところでございます。

#109
○小西洋之君 二十七条の何になるのかをちょっと説明いただけますでしょうか。

#110
○国務大臣(岸信夫君) 自衛隊法第二十七条第一項及び自衛隊法施行令第四十六条第三項の規定に基づいて、隊員のほか、隊員の被扶養者等の診療に影響を及ぼさない限度において、防衛大臣が定めるところにより、その他の者の診療を行うことができるとされております。
 新型コロナウイルスワクチンの接種は、自衛隊中央病院が果たすべき本来の任務の一つであると考えておるところでございます。

#111
○小西洋之君 済みません、ちょっと私今手元の六法を開いていたんですが、二十七条の何項ですか。

#112
○国務大臣(岸信夫君) 自衛隊法第二十七条第一項及び自衛隊法施行令第四十六条第三項の規定に基づいております。

#113
○小西洋之君 この今条文を、私手元にあるんですが、二十七条第一項の、病院において隊員その他政令で定める者の診療を行う、この診療というのがワクチンの接種に当たるということと、その政令で定めるというのは、一都三県の住民がその政令で読めるということでしょうか。

#114
○国務大臣(岸信夫君) この政令、施行令の第四十六条ですね、これにおいて、病院においては、前二項に規定する者の診療に支障を及ぼさない限度において、防衛大臣の定めるところにより、これらの者の診療を行うことができるという部分であります。

#115
○小西洋之君 念のためですけど、私は、自衛隊法の災害派遣要請の、自衛隊法八十三条の二項ただし書の自主派遣なのかなと思っていたんですが、そうではないということですね。確認です。

#116
○国務大臣(岸信夫君) 今回は災害派遣ということではございません。

#117
○小西洋之君 明確な答弁いただいたんですが、大臣ですね、大臣の下の自衛隊であると同時に、憲法、法律の下の自衛隊ですので、実力組織です。とても私はいいことだと思うんですが、当然ですね、頑張っていただきたいと思うんですが、やはり自衛隊を動かすときはその法令上の根拠を大臣自らしっかりと確認をいただきたいと思いますが、ちょっと所見だけ一言お願いいたします。

#118
○国務大臣(岸信夫君) 今日、総理からそういう御指示をいただいたところでございますけれども、国民の皆様に一日も早くワクチンをお届けする、このことに政府として全力を挙げて取り組んでいかねばならない、こういうことでありますが、自衛隊として、防衛省・自衛隊としてできる限りのことをやっていこうということで種々検討したところでございます。
 各法令に従ってというその委員の御意見は、まさにそのとおりであると考えております。

#119
○小西洋之君 では、このセンターと運用のことを一点お伺いしたいんですけれども、この一都三県の六十五歳以上の者などに行うということなんですが、当然、一都三県の中の基礎自治体が接種をすることになっていますので、かぶってしまう場合をどのように重複を、やっていくのか。
 その観点から、一都三県の六十五歳以上の者というのはどういう人を想定しているのか。例えば、なかなか接種券が届かないような方で一日も早くワクチンの接種を受けたいというような方を受け入れるのか。重複をどう避けるのかというようなことについて答弁をお願いします。

#120
○国務大臣(岸信夫君) 基本的に、この接種は市町村、市区町村の自治体が主体的に行っていくということでございますけれども、一刻も早く多くの方に接種をいただけるような体制を組んでいくという観点から今回の設置ということになったわけでございます。
 いずれにいたしましても、総理の御指示を受けて、省内でこの後、午後に会議を開き、その場で詳細について決定をしてまいりたいと考えております。

#121
○小西洋之君 ちょっと、大きな問題で想定されるのは重複ですよね。この防衛省のセンターで受けた人、しかも二回受けますから、ファイザーの場合はですね。何かミスあるいは混乱が生じないように、本来はそれぐらい詰めてからやることを決定するんだと思うんですけれども、どのようにこの重複を、もう既に自治体では接種は始まっているわけですので、そういう詰めはなさっているんですか、重複を避ける、あるいは混乱を避ける。

#122
○国務大臣(岸信夫君) その各自治体との間で重複を避ける等の混乱を防いでいくのは当然のことでございます。これから、五月二十四日までの設置に向けて省内でも詳細について詰めてまいりたいと考えています。

#123
○小西洋之君 私は、かねがね、このワクチンは接種体制を構築するということがもう本当に国家、日本、今、社会最重要の課題で、そのためには災害派遣要請を想定しておりましたけど、防衛省・自衛隊にいる看護師の方とかそういう方も是非、私は、イギリスのように、必要ならば法改正をして、そうした今法令で定めている方以外の公務員の人もこの接種や注射をする立場になれるようにすべきだというふうな提言も行っているところなんですが、いずれにしても、しっかり混乱の生じないように取り組んでいただきたいと思います。
 では、RCEPの問題について質問させていただきます。
 外務大臣に伺いますが、先日、四月二十一日の私の本会議での代表質問において、先ほど白先生のところで少し議論出ておりましたけど、TPP11に中国などが関心を示していると。しかし、TPP11は今回のRCEPなどに比べても極めて高いレベルのものでございます。また、そうした関心を示している国がこのTPP11に入るだけのレベルを満たす用意ができているか、それを見極める必要があると考えております。
 それについての大臣の答弁の中で、今私が申し上げたような趣旨をお答えいただいた上で、我が国は、本年、TPP委員会の議長国として戦略的観点も踏まえながらしっかりと対応してまいりますというふうにおっしゃっていただいているんですが、この戦略的観点というのは具体的にどういう趣旨のことでおっしゃっていただいたのかを説明をお願いします。

#124
○国務大臣(茂木敏充君) 若干委員の質問と重なる部分もあるんですけれども、TPP、これはハイスタンダードでバランスの取れた二十一世紀型の通商ルールを世界に広めていくと、こういう大きな意義を有しております。したがって、こういうハイスタンダードのものを広げていくからには、TPPの高いレベルを満たすことができるかどうかについてまずしっかりと見極める必要があると考えております。
 その上で、特定の国・地域の新規加入を認めるかどうかを最終的に決定するに当たっては、その国・地域の参加がルールに基づく自由で開かれた秩序の構築、さらに、それに基づく地域や世界の平和と繁栄を確保することに資するかどうかと、こういった戦略的観点も十分踏まえる必要がある、このことからそのようにお答えいたしました。

#125
○小西洋之君 まあ何か一般的な意味での戦略的観点だということで、分かりました。
 では次の質問なんですけれども、これもさっき白先生の御質問と重なるところがあるんですが、四月二十四日のASEANリーダーズ・ミーティングですね、このリーダーズ・ミーティングで、ミャンマーの国軍司令官の人物が出席をしていますが、この司令官はASEANからいわゆるミャンマー国の首脳として認められて出席していることになっているんでしょうか。どういう立場の者として認められて出席していることになっているんでしょうか。

#126
○国務大臣(茂木敏充君) これは、あくまでASEANが主催をしました会議でありまして、名前はリーダーズ・ミーティングという形になっております。首脳が出ている国もあります。首脳に代わって、タイであったりとかフィリピン、これは副首脳、まあ外務大臣が出ている国もあります。ミャンマーにおいてはフライン司令官が出席をしたと、このように承知をいたしております。

#127
○小西洋之君 今の質問、大臣お答えいただいたんですが、政府参考人の答弁で結構というふうに言っていたんです。政府参考人の方で何か補足、あるいは用意している答弁について答弁お願いします。

#128
○政府参考人(石月英雄君) お答え申し上げます。
 ASEANリーダーズ・ミーティングはASEANの会議であり、フライン司令官の取扱いについて我が国としてお答えする立場にはございませんが、いずれにせよ、我が国としてミャンマーにおけるクーデターを正当化することはありません。また、一日も早い民主的政治体制への回復を期待しているところでございます。
 一方で、事態の鎮静化に当たっては、ミャンマーの国軍、警察への働きかけも必要と考えております。

#129
○小西洋之君 まあ大臣のそつのない答弁がよく分かりました。
 次の質問ですが、ミャンマーのこのRCEPの批准の問題なんですけれども、茂木大臣は、衆議院の方で、国内体制を整え国内手続を進めることが非常に困難だというような見方をお示しになりながら、ASEANと連携して検討するというふうにされております。
 しかし、そもそも日本政府として、現在の軍事政権がRCEP批准の資格ですね、まあ批准を、サインした場合のその法的効果も含め、そういう批准をする資格があるというようなそういう認識にあるのでしょうか。大臣の答弁をお願いいたします。

#130
○国務大臣(茂木敏充君) 我が国として、ミャンマーにおけるクーデターの正当性、認めることはありません。我が国としては、ミャンマーにおいて民主的な政治体制が早期に回復されることが重要であるというのが基本的な立場でありまして、恐らく小西委員もミャンマーの今の体制がそのまま続くことが良いと思っていらっしゃるのではないと思っております。
 その上で、RCEP協定上、署名国が批准書等を寄託者であるASEAN事務局に寄託することになっておりますが、寄託の有効性について特段の規定というのはありません。
 一般論として申し上げますと、RCEP協定の実施及び運用に関する問題については、RCEP参加国、特に締約国間で意思疎通をしながら対応を検討していくことになる、このように考えておりまして、そういった意味でも、RCEPの発効やその後の運営に向けても、日本として早期に国内手続を終えて締約国になるということが極めて重要だと考えております。

#131
○小西洋之君 では次の質問ですけれども、外務大臣にお伺いしますが、このASEANリーダーズ・ミーティングにおいては、さっき御紹介された五つのコンセンサスですね、暴力の即時停止、あるいはASEAN事務総長の支援を受けたASEAN特使のミャンマーへの受入れなどで合意したという議長声明を出しておりますけれども、今般のこのリーダーズ・ミーティングとこの五つのコンセンサス等から成る議長声明を踏まえて、このミャンマー情勢ですね、特に市民に対する国軍の虐殺行為などですけれども、それを即時停止させるなど、そうしたミャンマー情勢の解決のために日本として具体的にどういうことを更にやっていこうというようなことをお考えでしょうか。

#132
○国務大臣(茂木敏充君) 先週土曜日のリーダーズ・ミーティングにおいては五つのコンセンサス、これが発表されたこと、事態の改善に向けた一歩として歓迎をしておりますし、また、ASEANの事態打開に向けた努力、高く評価しているところであります。特に、ミャンマーにおいて暴力が即時に停止されるべきこと、また、全ての関係者の間の建設的な対話が開始されることについて議長声明に盛り込まれたことは前向きな一歩だと考えております。ただ、その上で、対話の開始のためには被拘束者の速やかな解放が重要な土台になると考えておりまして、こういった点も含めて関係者と今後意見交換をしていきたい、そんなふうに思っているところであります。
 二月の一日、クーデターが起きてから三か月近くがたつわけでありまして、デモ等に対する発砲とか深刻な状態続いております。そういったものも見つつ、様々なコミュニケーションも、今まで以上に深い議論といいますか、いろんなアプローチについても、関係者、各国の外相等々でも話し合えると、こういう関係でありますので、ここの中でどう物事を動かしていくかということについては、さらに欧米の考え方も受け止めながら、また一方で、ASEANの動き、こういったことも後押しをしながら、日本としても、どういったことがやり得るかと、また、日本のどういった動きであったりとか発言が効果的かと、こういったことも考えていきたいと思っております。
 ミャンマーにはたくさんの日本企業、これが進出をしているわけであります。これは、ミャンマー経済にとっても極めて今後の発展に向けて貴重な存在であると思っておりまして、そういった企業も今率直に言って迷っていると、こういう段階であるのは間違いないと思っておりまして、事態の鎮静化等々が進まないと、せっかくの企業進出、こういったものがミャンマーの経済発展に結び付かないと、こうならないように努力を進めていきたいと思っています。

#133
○小西洋之君 今の答弁の中で、日本がどういう発言をすればこの事態の解決に資するかということも考えながらやっていきたいというような趣旨のことをおっしゃっておりましたけれども、今いただいた答弁の中、あと、今日の理事会に外務省から提出いただいたあの外務大臣の談話の中にも、対話の開始のためには被拘束者の速やかな解放が重要な土台になることを強調しますと。報道等によれば、この五つのコンセンサスにこの被拘束者の解放というのが盛り込まれずに、ただ、まあ会議の中ではそういう声が上がった、あったというようなことは記述されているというふうに理解しておりますけれども、ここの部分は、この日本政府として、大臣としてこういうメッセージをちゃんと出さなければいけないということで盛り込まれているということでよろしいでしょうか。対話の開始のためには被拘束者の速やかな解放が重要な土台となることを強調しますというものについてですけれども。

#134
○国務大臣(茂木敏充君) 今回の議長声明では、対話の重要性、二か所において強調されているわけでありますけど、対話を進めるといっても、同じ側にいる人たちがやったのでは対話にならないんですね。やはり、何というか、立場の違う人、国内でも、そういった人たちが話し合うことによって、どこに違いがあるのかと、どういうふうにしたらお互いに歩み寄れるのかと、これがまさに必要な対話だと思っております。残念ながら、その一方の方々の多く又は指導的な立場の方が今拘束されている状態というのにあるわけですから、有効な会話、意味ある会話を成り立たせるためには拘束者の解放が必要だと、このように考えております。

#135
○小西洋之君 今のこうしたコメントを積極的に是非発信していただきたいというふうに思います。
 ミャンマーについて更に、最後の質問ですけれども、今回、このリーダーズ・ミーティングに合わせて、国連の事務総長の特使が、国連のミャンマー問題を担当する特使でしょうか、現地入りしたというような報道があります。
 今回の事態なんですが、少し前の質疑でも私触れたんですが、やはり国連が、国連憲章に定める国際の平和等々に関わる問題として、本来、安保理がしっかりとこの問題を議論して、解決のリーダーシップを安保理が取らなければいけない。それに対して、残念ながら一部の国、中国などでしょうか、積極的なそういう協議が、安保理の協議が開かれていないということですけれども、日本政府として、このミャンマー問題、情勢の解決のために、この国連の取組の現状についてどのような日本政府としての今見解にあり、それを更にしっかりと働かせる、動かせるために今どういう取組をしていくお考えでしょうか。大臣、お願いします。

#136
○国務大臣(茂木敏充君) バーグナー特使、ASEANリーダーズ・ミーティングに合わせてジャカルタを訪問しまして、現地で政府関係者等と意見交換を行ったと承知をいたしております。その後もASEAN諸国を訪問する予定であると、このようにも聞いておりますが、我が国として、事態打開に向けたバーグナー特使の積極的行動であると、そのように認識をいたしておりまして、こういったバーグナー特使の活動を評価をしているところであります。
 当然、特使がいろんなところで直接話を聞いたことについてもよく聞き取りをしたいと思っておりますし、今動いているASEANの様々な動き、国連の動き等々も総合しながら、事態の打開に向けて取り組んでいきたいと思っています。

#137
○小西洋之君 ありがとうございました。
 では、続いて、日米首脳会談と、あと台湾海峡の情勢などについて質問させていただきます。
 防衛大臣、実は前回あえて、質疑通告していたんですが、質問を控えると言っていた事項なんですが、仮に、万が一つにもあってはいけませんけれども、アメリカと中国が台湾をめぐって武力衝突をすれば、いわゆる台湾海峡有事と言われるものですけれども、日本にある在日米軍基地は、アメリカが中国と軍事的に対峙するための最重要基盤、軍事的な基盤ですので、日本にある在日米軍基地は、当然に中国からの攻撃対象、攻撃目標になるという理解にありますでしょうか。

#138
○国務大臣(岸信夫君) 仮定の御質問についてお答えを差し控えさせていただきますが、地域の安定、地域の安全保障環境が厳しさを増す中で、在日米軍と自衛隊は様々な事態に対応するため万全の対応を取ってきております。
 一般論として申し上げるならば、日米安全保障条約に基づいて我が国に駐留する米軍のプレゼンスは、極東における国際の平和及び安定の、安全の維持に寄与しており、地域における不測の事態に対する抑止力として機能していると、このように考えておるところでございます。

#139
○小西洋之君 何かすごい答弁をいただいてしまっているように思うんですが。
 二つ目の問い、続けていきますが、同じような問題なんですが、ちょっと局面が違います。万が一つにあってはならないし、そうしたことが生じるために、日本は茂木大臣の外交の総力を挙げて頑張らなければいけないんですが。
 仮にですが、アメリカと中国が台湾をめぐって武力衝突をした際に、いわゆる台湾海峡有事ですけれども、日本が安保法制に基づいてアメリカのために後方支援や集団的自衛権行使などを行えば、在日米軍基地及びそれ以外の日本の領土、領域というのは当然に中国から攻撃対象、攻撃目標になるとの認識、理解にありますでしょうか。防衛大臣、答弁をお願いします。

#140
○国務大臣(岸信夫君) 台湾をめぐる問題につきまして、これも仮定の質問にお答えすることは差し控えさせていただきますけれども、我が国としては、台湾をめぐる問題については、当事者間の直接の対話により平和的に解決されることを期待するというのが我が国の従来からの一貫した立場であります。
 その上で、一般論として申し上げるならば、厳しい安全保障環境の中で、日米同盟の抑止力、対処力は一層重要となっております。平和安全法制の主要な目的は、強固な日米同盟によって紛争を未然に防ぐということでございます。平和安全法制によって日米同盟はかつてないほど強固なものになって、抑止力、対処力も向上していると考えております。
 いずれにいたしましても、一般的に、米軍のプレゼンスは、在日米軍及び我が国に対する攻撃への抑止力になっていると考えておるところでございます。

#141
○小西洋之君 いや、今申し上げた話は、最後に大臣がおっしゃられたアメリカ軍、在日米軍の存在が我が国に対する武力攻撃の抑止力になっているという文脈ではなくて、アメリカと中国が武力衝突、紛争を起こして、それに安保法制に基づいて自衛隊が言わば後方支援活動あるいは集団的自衛権、これはもうアメリカを守るために自衛隊が中国に対して武力行使を行うことですから、そういうことをすれば、在日米軍基地や日本の領域、領土というのが当然に中国からの攻撃対象、攻撃目標になるのかという私からの質問でございました。
 これは前にも大臣に質問して答弁もいただいていますが、二〇一七年、一九年で、当時、トランプ大統領は、攻撃型空母カール・ビンソン、最大のときは空母三隻を北朝鮮に向かって展開をさせ、またグアムから戦略爆撃機を何十回も飛ばして、それに対して自衛隊が、三十回以上ですかね、共同訓練を繰り広げて、結果、結果、それまでは、在日米軍基地、いざ有事の際には、半島有事の際には在日米軍基地は攻撃対象であるということしか言っていなかった北朝鮮が、そういうことをするのであれば我々の攻撃目標は変わるしかないと、在日米軍基地以外の日本そのものを攻撃の対象とすると、繰り返し繰り返し警告を出して、最後には日本のこの四つの島を核ミサイルで沈めてやるというところまで至っているわけでございます。
 しかも、そういう共同訓練でつくり出した北朝鮮の攻撃意思、国家としての攻撃意思の確定と言ってもいいと思いますけれども、そうした状況下において、当時、河野幕僚長は、著作やインタビューでも答え、大臣も認めていただいていますけれども、安保法制による集団的自衛権の発動、アメリカが軍事力を北朝鮮に行使した場合にですね、そういうことを検討していた。すると、北朝鮮から、当然日本、攻撃を受けるわけですから。それが全部防げないということでイージス・アショアの議論に至っているわけでございますので。
 ちょっと大臣、これ、今日、実は理事会で佐藤先生から大変尊敬する、敬意を表する御発言をいただいたんですが、やはり防衛省の国会の答弁というのは、やはり国民、国家のもう生き死にが懸かる案件、安全保障でございますので、日本にいろんな政策課題がありますけれども、その中でまさに国を誤る、国を誤ることが起きるのがこの安全保障、国防の問題でございますので、そこは大臣にはっきりと答えていただきたいんですね。これはもう軍事の常識なんですけれども。
 最後、もう一度聞きますけれども、台湾海峡有事ですね、アメリカと中国軍の武力紛争があって、それに日本が安保法制の下に自衛隊が集団的自衛権の発動などを行えば、在日米軍基地や日本そのものが中国軍から攻撃対象になるということは当然にあり得ると、そういう認識でよろしいですね。

#142
○国務大臣(岸信夫君) まず、委員からの今の御質問の中で北朝鮮の話がございました。これについては、私からコメントをすることは控えたいというふうに思います。
 台湾につきましては、いずれにいたしましても、我が国の立場、一貫とした立場としては、当事者間の直接の対話により平和的に解決されることを期待すると、こういうことでございます。その中で、日米間においては平素から様々なやり取りを行っているところでございます。我が国としても、様々な事態に備えていかなければいけないというのは一般論としてございます。
 その中で、日米の、日米同盟の抑止力、対処力を一層、もうこれ一層重要になっている中で、この抑止力、対処力を高めてきました。こうしたことによって、一般的に、米軍のプレゼンスを高めることによって、在日米軍の、及び我が国に対する攻撃の抑止力になっているものと考えているところでございます。

#143
○小西洋之君 我が国の安全保障において日米同盟が基軸であって、米軍のいざというときのその対処力、あるいは常日頃からのこの抑止力というのが日本の安全保障にとって重要であるということは、我々立憲民主党も、党の綱領を始め、党の基本政策を始め明記しているところなんですが、日米同盟というのはもろ刃の剣で、アメリカが軍事、その代わりにアメリカが軍事行動を起こせば日本そのものが攻撃対象になる、これはもう当たり前の話ですから、そこのこのもろ刃の剣の恐ろしさの面をどう対処していくのかというのが防衛省、防衛大臣の下の防衛省、また我々国権最高機関の国会の国民から課せられた最重要の任務であると思うところでございます。
 防衛省、政府参考人に聞きますけれども、先般の日米首脳会談の後から、一部報道などでは、私がさっき申し上げた台湾海峡有事で自衛隊が安保法制の下で何ができるか具体的な検討を行うべきだとかいう、社会の公器として大丈夫かと思うような議論を繰り広げているような報道機関も幾つかあるところなんですが、それはそれとして、そもそも中国と台湾が軍事衝突ということは、軍事的な見地からとして、合理的な判断として行い得るのかということについて質問をさせていただきたいと思います。
 と申しますのは、先生方も御案内のとおり、北朝鮮ですけれども、非武装地帯ですね、国境線の近くの非武装地帯周辺に物すごい数の長距離の火砲を備えております。なので、韓国軍あるいはアメリカ軍が北朝鮮に本格的な武力行使を行っても、その火砲を全滅できない限りは、非武装地帯から四十キロの距離にあり一千万の人口を擁するソウルなどはその火砲の大きな攻撃を受けると、これは軍事の専門家の一致した見解。よって、半島有事というのは、軍事的な合理的な選択肢としてアメリカ軍、韓国軍、まあアメリカ、韓国から見ても採用し得ない。それと同じような観点がこの中国、台湾の問題で言えるのかどうかについて答弁お願いしたいと思います。
 配付資料の一ページの台湾の持っている軍事力に関する資料の右下の方ですけれども、台湾も長距離射程のミサイルを、巡航ミサイルということですが持っているというようなことなんですが、これらを始め、台湾の非対称的な戦力というのでしょうか、軍事的には、中華人民共和国と台湾であれば、中華人民共和国、圧倒的な大国ですので優位にあり、そういう今優位性というのがどんどん進んでいるということでございますけれども、この非対称的な戦力などを中心にこの問題についての防衛省の答弁をお願いいたします。

#144
○政府参考人(岡真臣君) 幾つかの論点ございますけれども、今委員から御指摘ございました朝鮮半島の情勢につきまして、これは私どもも、我々の考え方、例えば防衛白書のようなところでも示させていただいておりますけれども、先ほど委員からございましたように、北朝鮮軍というのが首都であるソウルを含む韓国北部の都市、拠点などを射程に収める長射程火砲を非武装地帯沿いに常時配備しているというふうに見ております。また、地上戦力につきましても、兵力の約三分の二をDMZ付近に展開していると考えられる、こういった趣旨のことを防衛白書の中でも分析として述べさせていただいております。
 一方で、北朝鮮軍というのは、韓国軍、在韓米軍に対して通常戦力において著しく劣勢にある中で、この劣勢を補おうとして大量破壊兵器や弾道ミサイルの増強に集中的に取り組んでいるということであろうかと思っております。
 それで、この朝鮮半島の情勢を台湾海峡をめぐる情勢と単純に比較することは若干困難かなというふうには思っておりますけれども、一方で、台湾がどのような取組をしているのかというところにつきまして、先ほど委員から非対称戦力という御指摘がございました。私どもも、台湾の当局の考え方として、戦闘機や艦艇等の主要なアセットと非対称戦力を組み合わせた多層的な防衛体制を構築しようとしているというふうに受け止めております。
 例えば、今年の三月に、台湾当局は四年ごとの防衛見直しといったようなものを公表しておりますけれども、その中におきましても、長距離打撃、精密攻撃、サイバー等の非対称戦力を発展させるという方針等を明らかにしているものと承知をしております。
 この非対称戦力でございますけれども、委員からお配りいただいたものの中には雄風2Eという、ここではGLCMと書いてございますが、地上発射の対地の巡航ミサイルでございますが、こういったものを保有していると、まあ十二基というふうに言われておりますけれども、持っていると言われておりますし、また、高速のステルス艦艇を持っていると、こういったものを運用しているというふうに見られているわけでございますが、またさらに、これに加えて、アメリカ政府から台湾への武器売却におきましては、最近では高機動のロケット砲システムであるHIMARSでありますとか、長距離の空対地ミサイルであるSLAM―ERと呼ばれるようなもの、こういったものの武器売却を決定したというふうに承知をしているところでございます。
 先ほど御指摘もございましたとおり、中国は非常に軍事力の強化を急速に進めている中で、中台の軍事バランス、全体として中国側に有利な方向に変化をし、その差は年々拡大する傾向が見られるというところでございまして、こうした中で、中国側がどのような軍事的選択を行うか、これはなかなか一概に申し上げることは困難かというふうに思っております。

#145
○小西洋之君 ありがとうございました。
 私は、日中国交回復、そのときに確認した日本政府のこの台湾問題に関する見解を私も支持する国会議員でございますし、また、そこで、その後に政府が一貫して言っている、この両岸問題というのは平和的に解決されなければいけないということを当然に、もう絶対的に支持する立場でございます。ただ、先般、アメリカのインド太平洋軍の司令官が、六年以内に中国のこの台湾への軍事侵攻は行われる可能性があるということですが、当然、そういうことは平和的解決ではありませんので、絶対あってはならないということでございますが。
 同時に、今答弁いただきましたけれども、この中国と台湾ですね、距離として百数十キロでございまして、御案内のとおり、この中国の、あえて言いませんけれども、この沿岸部には何百万という大都市が幾つも並んでいるわけでございます。
 中国と台湾が本当に国家の存亡を懸けた武力紛争ができるのか。もし、これは地球上で絶対あってはならないことだし、それを阻止するために日本外交が存在するんだというふうに思いますけれども、もちろん防衛省も一定の役割をしていただかなきゃいけませんけれども、一定の役割というのは軍事を積極的にやるという意味じゃないですよ、ではないんですけど、抑止という意味でやっていかなきゃいけませんけれども、やはり、こういう台湾海峡問題を議論するに当たっては、こういう軍事的な、本質的な点だと思うんですけど、こういうこともしっかり見ながら、押さえながら冷静な議論を行っていく必要があると思うところでございます。
 では、続いて、岸大臣が四月二十二日に自民党のある先生の会合で発言をなさった、その発言の趣旨について質問させていただきます。
 尖閣諸島をめぐり、報道によればですけれども、中国は目立たないところで一歩ずつ侵略をする、サラミスライス戦術というものを中国は講じていると。台湾が赤くなったら大変な状況の変化が起こるなどとお述べになったというふうにされておりますけど、この発言、具体的にどういう発言であったのかということと、その趣旨について、大臣の方から答弁をお願いいたします。

#146
○国務大臣(岸信夫君) 今御指摘の会合ですけれども、自民党の議員の会合でございました。我が国を取り巻く安全保障環境についての説明ということで行ったことでございます。その中での発言は、広く一般的に指摘をされております事柄、あるいは私の政治家としてのこれまでの考え、そして防衛大臣としてのこれまで職務を行ってきた中での所感といったものを述べさせていただいたところでございます。
 尖閣諸島については、中国の海警船の動きや、いわゆるサラミスライス戦術と呼ばれる指摘に触れつつ、尖閣諸島周辺を含む東シナ海において力を背景とした一方的な現状変更の試みを継続しようという従来の見解を紹介をしたところでございます。
 台湾情勢については、中国が最近、台湾周辺の海域において、海空域において軍事活動を活発化させていること、さらに、近年、中国が軍事力の強化を急速に進める中で、中台の軍事バランスが全体として中国側に大きな、有利な方向に変化をし、その差が年々拡大する傾向にあるというようなことを概略としてお話をしたところでございます。

#147
○小西洋之君 今おっしゃったこのサラミスライス戦略ってちょっと調べてみましたら、ある方の見解だと、公船による領海侵入を繰り返し、日本の実効支配を脅かすような戦術ということなんだというふうに認識しておりますが。
 ちょっと今、余り具体的にお答えいただきませんでしたけれども、報道で挙げられているようなこの大臣の御発言、その問題意識や、あと御発言の内容について、共感できるところも私あるんです、あるんですが、やはり、国防をつかさどる防衛大臣として、対外的なそのメッセージの重みとかあるいは政治問題というのには常に慎重に御配慮いただきたいと思いまして。
 さっき申し上げましたが、大臣は、尖閣諸島問題を、尖閣諸島をめぐって、中国は目立たないところで一歩ずつ侵略するという、侵略という言葉をおっしゃっているんでしょうか。侵略というのは、やはり軍事でもってある国の領土、領域を奪い取ることですので、今尖閣諸島は、私、中国によって侵略されているとは全く思っておりませんので、海上保安庁は常に頑張って警察力として優位を保ちながら、防衛省ともしっかり連携しているというふうに聞いておりますけれども、我が国固有の領土であり、尖閣諸島は中国の領土だというような発言は、これ本州が中国の領土だという発言と同じようにもう荒唐無稽、ばかげたものでございますので、尖閣諸島については領土問題は存在しないということなんですが、この侵略というような発言をされたのかどうか、であれば、その趣旨についてきちんと大臣として御説明いただく必要があると思うんですが、大臣の答弁をお願いいたします。

#148
○国務大臣(岸信夫君) 今委員御指摘のとおり、尖閣諸島については歴史的にも国際法的にも我が国の固有の領土であって、我が国はこれを有効に支配をしているところでございます。尖閣諸島をめぐっての解決すべき領有権をめぐる問題というものは存在をしていない。侵略されているという事実も、そういう意味ではございません。
 その上で、御指摘の会合において私の尖閣諸島に関する発言については、海警船の動きや、いわゆるサラミスライス戦術と呼ばれる指摘に触れつつ、尖閣諸島周辺を含む東シナ海において、力を背景として一方的な現状変更の試みを継続しているこの動きを、従来の見解を紹介したものでございます。

#149
○小西洋之君 侵略という言葉を言われたのか言われていないのか、ああ、どうぞ。

#150
○国務大臣(岸信夫君) 済みません。
 言葉の使い方等について、今後とも防衛大臣としての立場を踏まえて対外発信に努めてまいりたいと思います。

#151
○小西洋之君 大臣、最後大事なことをおっしゃっていただいたと思うんですが、侵略という言葉を使ったか使っていないかお答えになっていないんですが、いずれにしても、今の答弁だと、いわゆる一般的な意味での侵略という趣旨でおっしゃったのではないということは理解できたと思います。
 ちょっと、今の議論を聞いていただいていた外務大臣、質問させていただくんですが、先般の日米首脳会談とまさに同じタイミングで岸大臣が与那国に視察をされて、それについて政府間の調整が事前にはなかったということなんでございますけれども、我が国の国際関係において、国防をつかさどる防衛省と外交をつかさどる外務省がどのようにこの対外メッセージを発信の仕方を連携していくかということは、私は、特にとても重要な問題ではないかと思っております。特に、私の問題意識ですが、防衛省の対外メッセージが必要以上に行き過ぎると、例えば自衛隊とどこかの国の軍隊の対立の構図みたいなものができてしまって、それによってそれぞれの国の、日本も含め、両国内の世論が過熱するなどの事態が生じれば、大臣の下の、茂木大臣の下の外交の妨げにもなる。
 戦前、日独伊三国同盟というのが結ばれて、よって、それによってアメリカ、イギリスと決定的な対立関係になり、日本は国家破滅の戦争に突き進んでいったわけでございますけれども、当時、山本五十六やあるいは井上成美といった海軍の首脳は、アメリカと海軍力では戦えるわけがないわけであるから、そうしたアメリカとの戦争に行き着くようなこのヒトラーなどの、ムッソリーニなどとの軍事同盟というのはすべきではないというような闘いをしていたというふうに歴史のいろんな書物に書いてありますけれども、一方で、当時、国民世論は、これはマスコミもあおったんですけれども、バスに乗り遅れるなというようなスローガンの下に三国同盟に行き着いてしまったというようなことを考えますと、やはり防衛省のこの、まあ実力組織ですから、対外メッセージ、防衛大臣やあるいは防衛省の制服組、背広組のメッセージというのはしっかりその外交の、やはり外交が主役ですので、メッセージの下に調整、配慮しなけりゃいけない。
 そういう意味で、外務省、大臣の下の外務省のこの取組が必要だと思うんですけれども、今申し上げたようなことについて、政府としてのこの対外メッセージの在り方、その中での特に外務省と防衛省の関係について答弁をお願いいたします。

#152
○国務大臣(茂木敏充君) 最近といいますか、これまで岸大臣若しくは防衛省から外務省に対して、バスに乗り遅れるなと、このようなお話をいただいたことはございません。
 また、先日の日米首脳会談におきましては、これは安全保障も含みます様々な分野について議論したわけでありますから、事前に外務、防衛の間ではしっかり連携をしておりますし、小西委員がおっしゃるように、ワンボイスで発信していくということは極めて重要だと思っておりまして、先日の日米の2プラス2もそうでありましたが、それ以外にも様々な2プラス2、今年実施をしてきている。こういった意味からも、日本の外務、そしてまた防衛が共同して同じメッセージを出す、こういったことは極めて重要だと考えております。
 ちなみに、先ほど言っていたサラミスライス戦略なんですけれど、一般的にはサラミ戦術だと思います、言い方としては。これ、どちらかといいますと、日印国境とかそういうところ、つながっているところで一歩先に行って既成事実をつくると、これがサラミ戦術の基本的な考えで、それが何となく海洋にも今応用されるようになってきたと、こういう流れです。

#153
○小西洋之君 サラミ何がしは、某報道機関の言葉をちょっとそのまま使わせていただいたんでございますけど。
 今、ワンボイスというふうにおっしゃっていただいたんですが、私の質問の趣旨というのは、そのワンボイスだけではなくて、ある共通の事案に対処するに当たっての、やはり外務省としての外交としてのメッセージ、あと率直に言えば防衛、国防としてはあえてこういう言い回しをする、あるいは控えるといったような、そうした政府全体の戦略的なメッセージの発信が必要ではないかという、それの問題意識としては、もう繰り返しませんけれども、過去のような過ちを起こすようなことがあってはならないということでございます。
 では、質問の五番の日米安保条約なんでございますけれども、前回質問させていただいて、資料の二ページから三ページなんですけれども、日米安保条約第三条は、アメリカは各国と同盟条約を結んでいますが全部同じ条文です。ただ、この第三条だけが実は一言一句違う作り込みになっております。
 なぜかというと、資料の五ページですけれども、日本は、資料の五ページですけれども、憲法の下で集団的自衛権は一切できない、もうゼロでございますので、集団的自衛権ができないというその憲法の規定を国際約束の上でも国家間の法的な約束としてちゃんと反映させなければいけないので、あえて日米同盟だけはこの第三条をほかの同盟条約と違う作りにしたと。このことは、岸信介当時の総理大臣の回顧録等にも書かれておりますし、回顧録を待つまでもなく、我が国会の会議録にも山のようにそうした会議録が残っております。この資料三ページですけれども、これ、三ページ、前回御紹介したので繰り返しませんけれども、まさに九条は個別的自衛権しかできないのでそのことをはっきりと明らかに、アメリカとの関係で明らかにするために憲法上の規定に従うことを条件としてという文言を盛り込んだと言っております。
 ところが、この憲法上の規定に従うことを条件としてという日米安保条約の第三条の文言について、先般、岸大臣は、特定の憲法解釈に立ち入った規定ではないというふうにおっしゃっていますんですが、立法過程の立法に係る事実を見れば、その憲法上の規定に、特定の憲法解釈に立ち入った規定でないどころか、まさに憲法九条の規範をこの日米条約上もしっかりと明記をするためにあえて作り込まれた条文に決まっているわけですよ、もうそれ以外あり得ないんですけど、事実として。なので、大臣の見解、政府の見解というのは当時の事実及び、よってこの日米安保条約第三条が持っている規範ですね、日本はアメリカのために集団的自衛権をする必要はないと、なぜならば憲法違反であるから、という意味では、安保法制というのは違憲の立法になるということではないでしょうか。
 答弁をお願いいたします。

#154
○国務大臣(岸信夫君) 日米安保条約第三条について、憲法上の規定に従うことを条件としてという文言があります。このことからも明らかなとおり、特定の憲法解釈に立ち入ったもの、立ち入った規定ではなくて、我が国自身が行う憲法解釈の下で実施されるものと考えております。事実に反する見解ということではないと考えておるところでございます。
 また、この第三条、安保条約第三条についてですね、我が国自身が行う憲法解釈の下で実施されているものというふうに考えておるところであります。特定の憲法解釈に立ち入った規定ではなくて、我が国自身が行う憲法解釈の下で実施をされると。この点で、平和安全法制は、武力の行使の三要件を満たす場合には、従来の政府見解の基本的な論理に基づく必要最低限の自衛のための措置として武力の行使が憲法上許容されると判断するに至ったものであります。安保条約に違反するということではないというふうに考えております。

#155
○小西洋之君 歴史上の事実に反し、かつ憲法の九条の規範に反する答弁をいただいたということを御指摘して、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#156
○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。
 本日は、RCEPの承認が議題になっておりますけれども、私は、RCEPについて質問に入る前に、貿易一般についてどのような考えに基づいているのかということについて質問しておきたいと思います。
 そもそも、必要なものを自国で全部生産するというのは不可能です。特に我が国は、石油とか鉄鉱石とか、原料をほとんど産出しないと。だから、輸入輸出、つまり貿易ということになります。
 次いで、貿易について言いますと、交易条件といいますか交換条件をどうするか、どう成立させるのか、ルールをどうするかと、そういう議論になると思います。その発展型で、具体的なものがTPP、あるいは今回議題になっておりますRCEPであります。
 そこで、国際貿易のことからお尋ねしていきたいと思うんですが、国際貿易につきましては、比較優位の原理、つまり相対的な優位性に基づいて貿易パターンが決まるということが一点であります。
 二〇一九年、一昨年の日本の輸出、これ七十七兆円ですけれども、上位は自動車が一五・六%、半導体等電子部品が五・二%、自動車の部品が四・七%、これらは比較優位とされる範疇に入ると思います。こういう比較優位に入る範疇のものは、できるだけ相手国の関税を下げてもらうとか、売れる先を広げていくということが必要になると思います。
 それから、輸入の方を見ますと七十九兆円でありますが、原油が一〇・一%、LNGが五・五%、衣類が四・一%、これ、比較優位、比較劣位ということでいうと比較劣位に当たります。だから、こういうやつは国内産業をどう保護していくかということがテーマになると思います。
 二点目は、その貿易パターンに対応して資源配分、資本とか労働等の分配と産業構造が方向付けられるというのがもう一点であります。
 それで、その国は利益を得ると。だから、比較優位にあるものをどんどん輸出して、比較劣位にあるものを輸入、あるいは国内産業に関しては保護するということで利益を得ると。貿易収支だけ見ますと、昔はかなり黒字幅が大きかったんですけれども、それがだんだん小さくなってきて、それが移転収支というか、そういうところが増えることによって帳尻を保っているという成熟国家の経済になってきたのかなというふうには思いますけれども。
 今申し上げました相対的な優位性に基づいて貿易パターンが決まるということと、それからその貿易パターンに対応して資源配分と産業構造が方向付けられる、国、国家においてはそこで利益を得ると、この考え方は今なお私は正しいと思っておりますけれども、茂木大臣はどういうふうにお考えでしょうか。

#157
○国務大臣(茂木敏充君) 委員御指摘の考え方、元々は英国の経済学者のデービッド・リカードが、ちょうど英国、当時産業革命が進む中で、一八一七年だったと思いますが、「経済学及び課税の原理」、これを発行いたしまして、そこの中で、比較生産費説、いわゆる委員がおっしゃる比較優位理論を展開すると、そこに遡ると、こんなふうに思っておりますが、これによりますと、各国は比較優位を持つ財の生産に特化をして、それを互いに貿易することによって消費できる財の組合せが各国にとってより望ましいものとなっていくと。また、生産効率が相対的に高い産業による特化によって生産性が高まる等のメリットが生じることになる。これが、重商主義以降取られてきた、その後、貿易政策等々を変えて、この理論が、十九世紀以降になるんですが、各国が取る自由貿易の政策を支えて、多角的貿易体制擁護してきたと認識をいたしております。
 一方で、二十世紀に入りますと保護主義の傾向というのが強まってくると。そういった中で、例えば石炭から石油にエネルギー源がシフトをしていくと。そして、石油の使い方というのも、単に掘ることではなくて、それをいかに同じ品質にするかということで、新しい企業、精製の新しい企業をつくったのがデービッド・ロックフェラーでありまして、ですから、デービッド・ロックフェラーの会社は標準石油、スタンダード・オイルと、こんなふうに呼ばれたわけでありますけれど、こういった資源の囲い込みとか関税率の引上げ等によりますブロック経済とこの形成が、世界恐慌であったりとか二度にわたります世界大戦、この要因の一つになったと言われております。
 第二次世界大戦後、このような反省の下に、ルールに基づく多角的貿易体制の構築と、これが図られまして、関税及び貿易に関する一般的協定が締結をされ、一九九五年にはWTOと、これが設立に至ったわけであります。
 現在どうなっているかと言いますと、貿易は、単に生産物だけではなくて、サービスの取引であったりとか、国境を越えた素材から部品、製品、販売に至ります多国間のサプライチェーンの構築が行われ、また、データの流通等、新しい要素が生まれてきているんだと考えております。
 そうした中で、製品、サービスのみならず、自由で公正なデータ流通も含めたWTOを中心とする多角的貿易体制の強化に取り組んでいくことが、現代的な意味において、グローバル化、グローバル経済化の進む我が国であったりとか我が国企業にとって相対的な優位性につながっていくと、このようにも考えております。

#158
○浅田均君 想定をはるかに超える丁寧な御答弁をいただきまして、ありがとうございます。デービッド・リカードの辺りで止まるのかなと思いますと、まあロックフェラーまで言っていただきまして、ありがとうございます。
 先ほど、ちょっと話それますけど、防衛省においては丁寧な御答弁をお願いしますって小西委員もおっしゃっていましたけれども、今ぐらい丁寧な御答弁をされると小西さんは歓迎すると思いますので、蛇足ながら申し上げておきます。
 今のそのデービッド・リカードの比較優位論について茂木大臣から丁寧な御説明をいただきまして、今なお生きている部分ですよね。経済規模の小さな国においても比較優位にある産業が存在すると、だからこの比較優位に着目して自由に取引が行われたら相互に交換のメリットがある、だから私たちは今回のRCEPも含め自由貿易の拡大を目指している、こういう考え方に立っております。
 で、比較優位というところに戻って考え直しますと、これまた後でもう一回質問させていただきますけれども、だから、そういう比較優位を持っている産業をいかに育成していくか、増やしていくかということが重要であって、国内の産業政策というのもそういう視点でもって、それから、貿易において比較優位を持っているというやつを、国内産業でライバル企業というかライバル産業を育成していくということが、入れ替わっていきますから、重要であるのかなと思っております。
 この今申し上げました自由貿易の拡大、これは僕たちもそういう方向がこれからの日本にとって望ましいなと思っておりますし、政府もそういう方向で進めていただいているんだと思いますけれども、この考えに対して茂木大臣、もう既にある程度お答えいただいているんですけど、改めて御見解をお示しいただきたいと思います。

#159
○国務大臣(茂木敏充君) 比較優位を生かした経済活動を支えるのは自由貿易体制でありまして、我々、小学校の頃、日本というのは天然資源に乏しいと、ですからそういった天然資源を海外から輸入して、それを製品にして海外に輸出する加工貿易立国であると、こういったことを小学校だったか中学校の教科書でかなりそのことは強調されていたと思いますが、日本が目覚ましい経済成長を遂げることができたのはこの自由貿易体制のおかげであると考えております。
 同時に、これは日本だけではなくて、浅田委員おっしゃるように、小さな国においても十分そういったメリットは取れるものではないかなと思っておりまして、例えば日本に入ってくるバラ、ローズ、この一番多い量はアフリカのケニアから入ってくるわけであります。ナイロビ、アフリカにありますけれど、一千六百メートル、高地でありまして、比較的バラの生産には適していると、日光も十分降り注ぐということで、そういったものがそういった地域から入ってくると。
 恐らく、日本でも特殊なものを今作っておりますけど、そういったそれぞれの地域が持つ強みを生かしながら、それを決してロッテルダムを通さずにでも直送できるような体制をつくっていくということは必要だと思っておりまして、そういった意味からも、このTPP11から始まります様々な経済連携協定、広めていくことは重要であって、また日本がそこで主導の役割を果たしていると、また今後も果たしてほしいということについては多くの国から期待が寄せられているところでありまして、その期待に応えて、今後とも、自由で公正な経済圏の拡大であったりとかルールに基づく多角的貿易体制の維持強化に取り組んでいきたい、そう思っております。

#160
○浅田均君 本当に御丁寧な答弁をいただきましてありがとうございます。
 どこかの大学の経済の授業でこういうのを採用していただきたいなと思うぐらい、自画自賛でありますけれども、いいやり取りが続いているなと。いや、笑う人が多いから、でもないですか。
 それで、小学校のとき加工貿易立国だというふうなことを習ったと言ったら、多分世代間で分かれてしまうと思います。僕ら知りませんという方が出てくると思います。自由貿易が続きます限り、今申し上げた、大臣が御説明いただいたような比較優位に基づく貿易産業構造が形成されます。比較優位のある産業は時代とともに変わります。
 例えば、今の大臣の御発言の中にもありましたけれども、二、三十年前の日本、比較優位を持つのは例えば自動車とか半導体であり、これらは今も変わっていませんけれども、例えば二〇〇〇年当時は、二位で七・二%あった事務用機器、これは二〇一九年の輸出順位では上位十位に入っておりません。だから、プリンターとか、国内、デジカメもそうですけど、国内で作っていたけれども、それがもう海外に行ってしまって、逆に輸入するという品目に変わってしまっているわけですね。
 今の日本の産業で比較優位を持つ分野は何とお考えでしょうか。お答えいただけますか。

#161
○政府参考人(田村暁彦君) お答え申し上げます。
 デジタル化の進展や消費者の嗜好性の変化等、様々な要因により産業構造はますます複雑化してきておりまして、委員御指摘の比較優位につきまして一概に申し上げることは難しいわけではございますけれども、その上で、比較優位に関します一つの主要指標として製品の輸出額に着目いたしますれば、委員の御指摘のとおり、二十年前の日本におきまして、自動車、半導体等が主力の輸出品でございました。
 今日、かつての主力輸出品の中には輸出額が減少した品目もあるものの、自動車、半導体、さらに一般機械におきまして、二十年前と比べましても輸出額は増加又は維持されておりまして、この観点から申し上げますと、これらの品目は引き続き高い輸出競争力を保持していると考えてございます。
 以上です。

#162
○浅田均君 自動車、半導体は今なおその比較優位を持つ分野であると考えられると、御答弁だったと思います。
 繰り返しになるんですけれども、時間の経過とともにこの輸出産業の順位は絶えず入れ替わっております。何回も申し上げておりますように、日本の主力輸出品だった、まあ三十年前、四十年前だったら家電ですよね、白物家電と言われていました。あるいは、先ほど申し上げました事務用機器、これ今ではもう輸入品に転じています。
 何でそういうことになったかというと、国内の労賃が上がって、それから海外に安い労働力があるということで外へ出ていったと、一般的にそういう説明されていて、ある意味それは正しいんですけれども、輸出における何が真のライバルかと考えますと、海外の低労働コストと考えるよりも、日本国内で誕生する輸出競争力を持つ他製品であるという、これある学者の主張なんですけれども、これは私はそのとおりだと思うんですね。だから、日本の中でその競争力を持つ、何というのかな、競争力を物すごく持ったものが次々に現れてくると、それは輸出競争力につながって、日本の輸出の一位、二位、上位を占めていくということでこう入れ替わっていく、新陳代謝が起きるというふうな国内構造にしていく必要もあると思うんですけれども。
 この輸出における真のライバルは海外の低労働コストではなくて日本国内で誕生する輸出競争力を持つ他製品であるという主張に関しまして、私はこのとおりだと思うんですけど、茂木大臣はどういうふうにお考えでしょうか。

#163
○国務大臣(茂木敏充君) まず、白物の家電、今、一時期まで大変日本厳しくなってきたんですけど、このワクチン、これに必要な冷凍設備を作るということで、今フル稼働です。全く状況が違っていると、こういうことはありますが。
 いずれにしても、日本の輸出のリーディングインダストリーと、これは戦後、繊維から始まりまして、大体どういう産業が主流かというのは、ドラマでありました「官僚たちの夏」、それで、佐藤浩市とか堺雅人が担当している課が大体、何というか、主流になっていくということで決まっていまして、繊維から造船、鉄鋼、さらには家電、そして自動車、エレクトロニクスと、こういうことになっていくわけでありますけれど。
 同時に、この日本の輸出競争力の源泉、これは日本の経済成長とともにパーキャピタGDP、まあ労働力というか労働コストも上がっていくわけでありますから、単にコスト競争力以上に、技術力や製品力、また製品イメージ、これを含めた総合的な要素によって決まってくるようになってきていると思っております。
 更に言いますと、どこまで圧倒的なシェアを取るかということで決まってきていまして、かつてビデオ戦争というのがありました。ソニーのベータマックス、圧倒的に技術的に優れていると言っておりましたけど、結局、ビクターであったりとか松下が連合軍を組んでVHSを出すという形で、市場をかなり占拠するという形でVHSの勝利につながったと、こういうマーケティングも極めて重要だと考えております。
 競争、いわゆる国内を問わず、少なくともその競争によってそういう強みがつくられていく。また、どの分野が一番その製品を作っていく上でコアになっていくのかと。GEのジャック・ウェルチの言葉で言えばコアコンピタンスと、こうなってくるわけですけど、この製品を作るのにどの分野を押さえておくと決定的に強くなるのか、こういう一番鍵となる部分を押さえる、こういった意味でも競争というのが、健全な競争というのが極めて重要である、そんなふうに考えております。

#164
○浅田均君 何か、外務大臣、経産大臣も御経験で、コアコンピタンスとか重要なところは非常によく分かっておられると思うんですけど、何か、外務大臣の理解力の割には日本のこの競争力が上に来ないというのが何だろうかなという思いを強くいたしますけれども。いや、別に嫌みでも何でもなくて、事実を述べておるだけでありますので。
 それで、貿易パターンというのと国内産業構造が一致しているのが望ましいということから、相対的な優位性に基づいて貿易のパターンが決まりますと。それから、その貿易パターンに対応して資源配分、抽象的に言うと、資本と労働の分配はどういうふうにすべきか、中央と地方の分配はどうすべきか、そういう分配構造ですよね、と、それから、それに伴って産業構造が方向付けられるということでその国は利益を得ると。まあ、資本収支とか移転収支も入れないと黒字にはならないような時代になってきていますけれども。したがって、比較優位理論は一国の産業の在り方を逆に示す指標の役割を果たしていると言ってもいいと私は思っております。
 我が国は相対的優位性に対応した資源配分と産業構造に方向付けられていると経産大臣を経験された茂木外務大臣はお考えでしょうか。

#165
○国務大臣(茂木敏充君) そういう時期もあったと思いますし、残念ながらそうでない時期もあると。どちらかといいますと、残念ながら後者が増えつつあるんではないかなと、そういう思いも持っております。
 武田薬品、かつて一九八〇年代は世界の中でも指折りの製薬会社でありました。それが今は世界二十位にも入らない、こういう状態にあるのは間違いないわけであります。もちろん、製薬会社一つについて問題があると言うつもりはありませんけれど、コロナがこれだけ流行する中で日本でワクチンが作れないと、自国製の、これはやっぱりよく考えた方がいいなと。やっぱり製薬会社だけじゃなくて、大学の研究機関もそうでありますけれど、やっぱりこういう危機に対応するために産業界であったりとか様々な関係するところがすぐに対応できないというのは極めて重要だと思っております。
 そして、私は、これからは産業構造であったりとか資源配分というのは、かつてが貿易パターンであるとしたら、今は国際課題、これによって決まっていくと。気候変動、これは経済の成長要因じゃなくて、まさに経済を成長させていく一つのドライバーになりつつあるという形でありまして、今後、グリーンそしてデジタルを中心に資源配分とか産業構造の転換、図られることが望ましいと思いますし、まさにスピード感だと思っております。もう環境変動の影響、我々が思っている以上に進んでいるのは間違いないわけでありますから、そのスピード感にどこまで付いていけるかということが極めて重要なんだと思います。

#166
○浅田均君 非常に重要なところ触れていただきまして、ありがとうございます。
 今、国際課題というのが成長のドライバー、エンジンとなって、グリーンそれからデジタルがその二つの柱であるという御答弁がありました。私も、そのグリーンガスエフェクトというのについては懐疑的な部分もあります。タイムスパンで、時間で、どれだけの時間幅で見るかということで、例えば今、一万年単位で見ると第四間氷期に当たるわけで、暖かくなる時期ですよね。これもっともっと遡って、第一間氷期、第二間氷期、そういうところまで遡っていくと極に氷がなかった時代というのが地球にはあるわけですね。だから、どこを基点にするかということでかなりこの課題設定も変わってくると思うんですけれども、残念ながらというか、幸運なことにといいますか、一応その温暖化というのがグローバルアジェンダになっていますので、そこを追いかけていく必要があるのかなという気持ちはしております。
 一般的な貿易に関しての一般論に関して質問させていただいて、この質問を前提にして、RCEPという今回承認を求められております経済連携協定について質問していきたいと思います。
 このRCEP、かなり前から交渉が始まっておるわけでありますけれども、RCEPに臨んだ日本政府の獲得目標というのはそもそも何であって、そのためにどのような基本戦略で臨んだのかというのを、お答えできる範囲で結構ですので、御答弁願います。

#167
○政府参考人(四方敬之君) お答え申し上げます。
 RCEP協定には、ASEAN十か国、日本、中国、韓国、オーストラリア及びニュージーランドの計十五か国が参加しております。この参加国のGDPの合計、貿易総額、人口、いずれも世界全体の約三割を占める、また、RCEP協定参加国と我が国の貿易額は、我が国貿易総額の五割弱を占めるということでございます。
 獲得目標という御質問ございましたけれども、八年間にわたる交渉でございましたけれども、この協定は、参加国の経済発展状況等が大きく異なる中でも、物品、サービスの市場アクセスを改善するだけでなく、知的財産、電子商取引等の幅広い、新しい分野における新たなルールを構築し、地域の貿易投資を促進することなどを目的とした経済連携協定でございまして、これは日本にとっても重要な目的と考えております。
 政府といたしましては、RCEP協定を通じ、世界の成長センターであるこの地域との経済連携を強化することは我が国の経済成長にとって不可欠であると考えております。また、本協定は、この地域の望ましい経済秩序の構築に向けた重要な一歩になると考えております。
 基本戦略という御質問ございましたけれども、守りと攻めということでお話をしますけれども、交渉の成果について申し上げますと、物品の市場アクセスにつきましては、まず、いわゆる守りについて、特に農林水産品について、全ての参加国との関係でいわゆる重要五品目について関税削減、撤廃の約束から全て除外し、関税撤廃率は近年締結された二国間EPA並みの水準といたしました。
 これに対して、攻めにつきましては、我が国の関心品目である自動車部品や鉄鋼製品を含む工業製品について、対象国全体で九二%の品目の関税撤廃を実現いたしました。また、農林水産物、食品につきましても、我が国の輸出関心品目について関税撤廃を獲得しております。
 また、ルールについて申し上げますと、例えば、知的財産について、著名な商標が自国や他国で登録されていないこと等のみを理由として保護の対象から外すことを禁ずる規定、また、投資につきまして、ロイヤリティー規制や技術移転要求等を含む特定措置の履行要求を禁止する規定等のWTO協定を上回る具体的成果が得られたと考えております。

#168
○浅田均君 ありがとうございます。
 それでは、先日の本会議の答弁の中で、茂木大臣はRCEPやTPP11はFTAAPへの道のりであるという認識されているというふうな、認識を示されたと私ども受け止めておりますけれども、それでは、そのTPPとかRCEPが発効した後にこのFTAAPの実現に向けてどういうふうな取組をなされていくつもりなのか、お尋ねいたします。

#169
○政府参考人(四方敬之君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のFTAAP、これはアジア太平洋の自由貿易圏ということでございますけれども、このFTAAPへの道筋であるTPPに続きまして、今般RCEPが合意に至ったことは、地域の経済秩序の形成における大きな一歩であると考えております。
 APECにおきましては、昨年十一月に、アジア太平洋地域の中長期的な方向性を示すビジョンであるAPECプトラジャヤ・ビジョン二〇四〇というのが採択されましたが、その中でも、APECエコノミーの高水準で包括的な地域での取組に貢献するFTAAPのアジェンダに関する作業等を通じて、ボゴール目標及び市場主導による地域における経済統合を更に推し進めるという旨言及されております。これに沿って、APECとしましてもFTAAPの実現に向けた取組を推し進めることとしております。
 我が国としましては、FTAAPを含め、質の高い包括的かつより広い地域をカバーする自由貿易圏の実現に向けて、今後とも必要な取組を行ってまいりたいと考えております。

#170
○国務大臣(茂木敏充君) 恐らく、そのFTAAPと、これがよく使われたのは十年ぐらい前だったんじゃないかなと。まだTPPができてこない、これからTPPに入る、交渉に入る前後ぐらいで、最終的な目標としてFTAAPというものを掲げていたと。
 そこの中で、TPPができ上がり、今回、RCEPにつきましても署名に至ったところでありますが、TPPは、今後、このTPPの参加国、これを増やしていくと、地理的にもこれが広がっていって、ハイスタンダードなルールというのが単にアジア太平洋地域だけではないところまで広がっていく可能性がある。
 一方で、そのRCEPにつきましては、後発開発途上国も含まれておりますので、TPPと比べますとルール面で更に改善をしていかなくちゃならない部分というのがありまして、そこはそういった開発途上国の発展度合い等々も見ながら引き上げていくと、こういう感じなんだと思います。
 その仕上がりが、TPPそしてまたRCEPの仕上がりというものがFTAAPになるのか、また、FTAAPとFTAAPが目指してきたようなこういう広域の経済圏であっても、若干地理的な概念とかいろんなことでFTAAPとは違うものになるのかと、これは今後の様々な取組によってであると思いますが、目指している目標というものについては着実に一歩一歩進んできていると、このように考えております。

#171
○浅田均君 今、御答弁にありましたように、確かに広がってきているし、今回のこのRCEPは、次の質問なんですけど、いろいろ凸凹のあるところを含んでいるということで、次の質問ですが、あのRCEP、まあほかのEPAとの一番の違いというものを考えてみますと、これ、LDC、カンボジア、ラオス、ミャンマーが含まれているということだと私は思っております。これらの国々がEPAに参加するのは、日本とASEANの包括連携協定、AJCEPに次いでのことだと思います。
 このLDCですね、リースト・ディベロップド・カントリーと言われておりますけれども、一人頭GDP、一人頭年収物すごく低いと。こういうところは、単に経済発展だけではなしに、その今申し上げました金持ちと所得の少ない人の差が物すごく大きいと。だから、格差是正と社会政策的な課題とか、あのミャンマーで問題になっていますこの人権問題とかも抱えている国が多いと思いますので、そういう問題はその協定の締結時に何か話合いの対象になるのか、あるいは、それは横に置いておいて、ただ貿易の協定について、関税どれだけ下げるとか品目どれにするとかですね、そういうその協定書の中身についてのみ議論されるのか、どちらでしょうか、教えていただけませんか。

#172
○政府参考人(四方敬之君) 委員御指摘のとおり、RCEP協定は、後発開発途上国を含めまして、参加国の経済発展状況等が大きく異なる十五か国による経済連携協定でございますけれども、このように参加国の国内制度や経済発展状況が大きく異なる中でも、物品、サービスにとどまらず、知財、電子商取引等も含めた新たなルールまで盛り込めたことは、今後発展が期待されるこの地域の望ましい経済秩序の構築に向けた重要な一歩になると考えております。
 他方、我が国としましては、自由、基本的人権の尊重、法の支配といった国際社会の普遍的価値がRCEP参加国においても保障されることが重要であると考えておりまして、こうした問題や経済格差等の社会的課題への対応も含め、関係国とは様々な場面で意思疎通を行ってきております。
 一例といたしまして、二〇〇六年以降、日・ASEAN統合基金という形で、我が国といたしましてもASEAN地域における格差是正を中心とした分野で支援を行ってきております。
 いずれにしましても、我が国としましては、まずはRCEP協定の早期発効を実現した上で協定の履行確保にもしっかりと取り組みつつ、RCEP協定発効後も、いかなる協力が可能か、様々な問題につきまして参加各国と議論を行っていきたいと考えております。

#173
○浅田均君 この間参考人に来ていただいて、その中のお一方が、やっぱり格差解消が、経済格差の解消、所得格差の解消というのは非常に重要な課題になってくるというような御発言もありましたので、その点もよろしくお願いしておきたいと思います。
 例えば、WTOなんかを見ていても、今回のこのRCEP、LDC、今申し上げましたような、すごく、ミャンマー、ラオス、カンボジア、LDC三国が入っているということで、メンバーにその三か国が入っていただくということで、全体として、また我が方としてどういうふうなメリットがあるとお考えでしょうか。

#174
○国務大臣(茂木敏充君) 確かに、今回のRCEPの参加国十五か国の中には後発開発途上国も含まれていると。しかし、そこの中で、物品、サービスだけではなくて、投資においても、また知的財産等々においても新しいルール、規定できたということは大きいことだと思っております。
 このRCEPを十五枚の板に例えてみますと、日本の板は縦に長いんですね。それを丸くしておけにしますと、どうしても低い板というのが出てくるわけです。そうすると、水というのをそこの中に入れると、高い板の部分まで水は埋まらなくて、低い板のところまでしか全体の水はたまらない、こういう状況になるわけであります。そうなりますと、このRCEPという新しいおけ、これを今後どうしていくかに当たっては、一つはこの協定を確実に履行していくと。板と板の間の水の漏れを少なくするという履行の確実を保っていくのと同時に、板の低い部分について、少しずつ接ぎ木というかいろんな形でこの板を高くする、そういう国が、こういう努力をすることによって、より貯水量の多いようなおけに仕上げていくということが必要なんだと思います。

#175
○浅田均君 げた履かせるということですね。げたは隙間ありますよね。まあいいです。
 それで、もう時間なんですけど、午前中最後の質問にさせていただきます。
 先ほど小西委員の方からそういう御質問があったんですけれども、ミャンマーは民主的な政治体制が回復されるまで締結の対象外とするのかという質問をしようと思っていたんですけど、日本が早期に締約国となる必要があると、そこで判断できる立場にいたいというふうな茂木大臣の御答弁があったんですけれども、仮にそうなったとしたときに、その軍事政権下である、民主制がまだ回復しているかいないかというのをやっぱりそこで重要な判断材料になるというふうに私は受け止めているんですけれども、大臣の御見解はいかがですか。

#176
○国務大臣(茂木敏充君) 先ほど申し上げたのは、これはドベネックのおけという理論でありまして、これ元々、植物の最小生産費説をもっと分かりやすく言うためにおけに例えてこれをつくったもので、げたを履かせるというのとは若干違っておると思います。
 その上で、このRCEPについては、各国が国内手続を早急に終えてくれることを期待をいたしておりますが、ミャンマーにおいては、我々は、今のクーデター、これは是認できない、早期の民主的な体制の回復と、これを期待しているわけでありまして、そういった働きかけをしていきたい。これは、RCEPの枠組み、ASEAN諸国も入っているわけでありまして、こういった枠組みも活用しながらそういった働きかけもしていければと思っております。

#177
○浅田均君 ありがとうございました。
 ちょうど時間になりましたので、午前中の質疑はこれで終わらせていただきます。残りは午後やらせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

#178
○委員長(長峯誠君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三十分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会

#179
○委員長(長峯誠君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、地域的な包括的経済連携協定の締結について承認を求めるの件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#180
○浅田均君 午前中はミャンマーの件についてお伺いいたしましたけれども、関連してですが、ミャンマーの国軍関係企業からの輸入停止判断に関して、自由、基本的人権の尊重、法の支配といった普遍的価値の保障を前提に参加国間で対応を協議するというふうに、これ茂木大臣の御答弁だったと思いますけれども、御答弁されております。
 ここに中国が入っているというところが非常に重要なところで、果たして中国が入ったところでこういう前提に立って意思決定は可能だと、まあ難しいと思うんですけれども、どういうふうにお考えでしょうか。

#181
○政府参考人(四方敬之君) お答え申し上げます。
 国軍関係企業からの輸入の停止といった措置がとれるかどうかにつきましては、具体的な措置の内容に即して、国際約束との整合性を検討する必要ございますけれども、いずれにしましても、RCEP協定の有無にかかわらず、WTO協定を含む関連の国際法上の規律と整合的な形で対応していく必要があると考えております。
 RCEP協定との関係では、RCEPの閣僚会合や合同委員会の意思決定はコンセンサスによって行われるということでございまして、その意味では、我が国の同意なしに意思決定が行われることもないということでございます。
 政府としましては、この視点からも日本がこの協定を早期に締結し、議論にしっかりと関与していくことが重要だと考えております。

#182
○浅田均君 そういう交渉があるたびに、できるだけ中国をこっちの方に近づけるような御努力をしていただきたいと思っております。
 それで、次の質問ですけれども、日本とASEANの間に包括的経済連携協定、先ほども申し上げましたけれども、が締結されております。この協定とRCEPの主たる違いは何か、対象分野とか関税撤廃率から簡単に御説明いただきたいんですが。

#183
○政府参考人(四方敬之君) RCEPと日・ASEAN包括的経済連携、AJCEP協定との違いでございますけれども、対象分野につきまして、RCEP協定にはAJCEP協定に含まれていない知的財産、電子商取引、競争、中小企業、政府調達が含まれております。
 関税撤廃率につきましては、参加国が異なる等の理由によりまして単純な比較は困難でございますけれども、その上で申し上げれば、AJCEP協定全体の関税撤廃率は品目数ベースで八九%となっているのに対して、RCEP協定全体の関税撤廃率は品目数ベースで九一%となっております。

#184
○浅田均君 ありがとうございました。
 それで、先ほどの国軍関係企業からの輸入停止判断についてなんですが、そのAJCEPですね、ASEANと我が国の包括的経済連携協定というのがまずあって、その発展型として今回のRCEPがあるというふうにも捉えられると。違いはその今御説明いただいた知財とか、電子取引とか、ガバメントプロキュアメントとかですね、言っていただきましたけれども、そもそもその物とそれからサービスの分野は元々入っているわけですので、物の分野がとりわけ入っておりますので、国軍関係企業からの輸入停止判断に関して、まずこのASEANの間の包括的経済連携協定、AJCEPで決めることは、そういうその判断をされることが指針になると思うんですけれども、何か知見があれば教えていただけませんか。

#185
○政府参考人(四方敬之君) お答え申し上げます。
 ミャンマーの国軍関係企業からの輸入の停止といった措置がAJCEP協定との関係でとり得るのかどうかにつきましては、具体的な措置の内容に即してAJCEP協定を含む国際約束との整合性を検討する必要があるため、一概にお答えするのは難しい状況でございますが、いずれにしましても、WTO協定を含む関連の国際法上の規律と整合的な形で対応していく必要がございます。
 ミャンマー情勢につきましては、我が国といたしましても重大な懸念を持っておりまして、ミャンマー情勢の今後の展開も踏まえながら、必要に応じ、ほかのASEAN諸国とも連携しながら今後の対応を検討してまいりたいと存じます。

#186
○浅田均君 今のテーマも含めてなんですが、RCEPというのは、発効後また関係国で協議するという項目が結構御答弁あるいは文書の中にも含まれているわけです。そのルールの改善、向上に向けて各国と議論を深めていきたいと大臣御答弁なさっているんですけれども、国有企業とか労働とか環境、電子取引章、紛争解決については今までいろいろ議論されておりましたけれども、それ以外の分野で何かあるんでしょうか。

#187
○政府参考人(四方敬之君) RCEP協定は、後発開発途上国も含めまして参加国の経済発展状況等が大きく異なる十五か国による経済連携協定でございまして、交渉の結果、委員御指摘のとおり、国有企業、労働、環境に関する規律は盛り込まれませんでした。これらにつきましては、協定発効後も必要に応じて、RCEP合同委員会等の場も活用しつつ、引き続き各国と議論を行っていきたいと考えております。
 また、国と投資家との間の紛争解決手続、ISDSや電子商取引分野におけるソースコード開示要求の禁止等の重要論点につきましては、協定発効後も継続して協議を行うこととなっております。

#188
○浅田均君 このRCEPには、WTO協定にない規定として、商標を含む知財のための国内制度の整備を義務付ける規定を含んでいると御答弁されております。これ、我が方にとって非常に重要なところで、商標を含む知財、これがもう勝手に使われてしまっている。とりわけ韓国とか中国においては、そういう被害とも言えない被害に遭っている国内企業がたくさんあるわけで、これ、こういう規定を設けるというのは非常に重要なことだと思うんです。
 国内制度の整備を義務付ける規定を含んでいるということなんですけれども、これは誰がどういうふうに確認するのか、その手続面を教えていただきたいんですが。

#189
○政府参考人(四方敬之君) 委員御指摘のとおり、RCEP協定には、WTO協定にない規定として、悪意による商標の出願を拒絶し又は登録を取り消す権限を当局に与えることなど、商標を含めた知的財産保護のための国内制度の整備を各国に義務付ける規定を含んでおります。
 一般論としまして、条約に基づいてどのように国内制度の整備を行うかは各国の判断によりますけれども、我が国としては、RCEP協定参加国において関連制度が十分に整備され、かつ実効性のある形で運用されることを重視しておりまして、RCEP協定発効後も各国における状況を引き続きしっかり注視し、適切な整備、運用がなされていない場合には改善に向けて取り組んでいく考えでございます。
 また、当該制度がRCEP協定に従ったものとなっているかは、実際の運用も含め、ユーザーである日本企業等の視点から厳しく問われることになりますけれども、そうした日本企業等の声に対しましては、各在外公館を通じるなどして、また関係省庁とも緊密に協力の上、引き続き必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
 仮に締約国が協定の規定と相入れない措置をとる場合には、RCEP協定上に規定された協議メカニズムや紛争解決手続を活用して適切に対応していくと同時に、必要に応じて外交ルート等を通じて対処することも検討してまいりたいと考えております。

#190
○浅田均君 そうしたら、今まで国内企業で、とりわけ設計図、製品に設計図がもう付いてしまっていると、だから、金型なんかでも、日本で物すごく苦労して作ったやつも、それが対象になっていないので簡単に剽窃されるというのか、それを基に例えば中国とか韓国で作られてしまうと、これは何とか保護していただけないかというような陳情とか苦情をしばしば聞いておるわけでありますけれども、それに類するようなことは、商標等に関して、知財に関して、そういう国内企業がそういう被害に遭っているというような場合、直接何か訴えられるような窓口とかいうのはあるのでしょうか。

#191
○政府参考人(四方敬之君) お答え申し上げます。
 当該企業が海外、RCEP参加国に進出している場合におきましては、その国における大使館あるいは総領事館で御相談をすると、また、国内の企業の場合には、例えば特許庁の関係の主管の話ですと特許庁の方で窓口を設けて個別具体的な事案につきましても御相談に乗っておるというふうに承知しております。

#192
○浅田均君 そうしたら、何かその知財に関してだけ言いますと、ASEANとの間にそういう協定があったと、で、WTO、WTOにはこういう知財のあれはなかったわけですよね。だから、こっちはもう全然使わないと、RCEPだけを使いますと、そういうような企業がもうわあっと増えてしまって、何かもうこっちは要りませんねというようなことは想定されているんですか。

#193
○政府参考人(四方敬之君) 御説明いたしましたとおり、RCEP協定におきましては今般悪意の商標ということで新たに規定が設けられたわけでございますけれども、このRCEP協定を使うか、あるいは、個別具体的な事案において、例えば中国の場合で中国の国内の知財関連の法律に従って企業として紛争解決に持ち込むという選択肢もございますので、今般、RCEP協定が発効する際にはこの新たな規定を活用する余地があると、その場合には、日本政府といたしましても関係省庁が連携してこういう問題について全力で取り組んでまいりたいと存じます。

#194
○浅田均君 もうこれが最後の質問になりますので、ちょっとすっ飛ばして、十九番に行かせていただきたいと思います。
 台湾がTPP11に入るのに必要なものは何ですかという、午前中、白委員の方から質問がありましたので、同じ質問になるといけませんので、加入に必要なものでなしに、TPP11に入る障害となるものは何であるというふうにお考えでしょうか。

#195
○政府参考人(四方敬之君) TPP11協定におきましては、新規加入の対象を国又は独立の関税地域と規定しており、台湾によるTPP11への加入は協定上排除されないというふうに認識しております。台湾は現時点では加入申請を行っていないわけですけれども、台湾を含め様々な国・地域による関心表明がなされていることにつきましては、TPP11の価値の高さが評価されているということでもあり、歓迎しております。
 同時に、TPPは高いスタンダードを満たすことが求められますので、新規加入国がこのTPPの高いスタンダードを満たせるかどうか、また、それは国内の法令をTPPのスタンダードに合わせるような形で整備ができるかどうかといったような点もしっかりチェックされるということになろうかと思います。

#196
○浅田均君 時間になってしまいましたのでこれで終わらせていただきますけれども、もう積み残しがいっぱいあって、ハムラビ法典から日米共同声明からいっぱい残っておりますけれども、連休明けの楽しみということでお待ちいただきたいと思います。
 これで終わらせていただきます。ありがとうございました。

#197
○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平でございます。
 先日の本会議でも質問させていただきましたので、今日は、本会議のときの外務大臣への質問項目とそのときの御答弁、資料としてお手元にお配りしておりますので、それに基づいて確認をさせていただきたいと思います。
 冒頭、今日の理事会で、コロナの自衛隊も御協力いただいての大規模接種センターの話が報告がありましたので、ちょっとその件について私からも防衛大臣にお願いをしたいことがあります。これは外務大臣にも閣僚として同じ問題意識で臨んでいただけると有り難いんですが。
 外務大臣はゴールデンウイークにイギリスに行かれるというふうに聞いておりますけれども、イギリスはワクチン接種に二万人の一般人をボランティアとして活用しているということは、外務大臣、御存じですか。

#198
○国務大臣(茂木敏充君) イギリスの場合、昨年の四月から、ジョンソン首相の下で新たなチーム、チームのトップは元々かなりファンドでも優秀な成果を上げた女性を中心にしまして、もう昨年の四月の段階から、どういった形でワクチンを開発する、そして調達をする、最終的にはそこの中で接種を進める、人材の確保も含めてですね、そういった取組を一年前から進めていると、このように私は理解いたしております。

#199
○大塚耕平君 日本で同様のことができるかどうかは別にして、一般の方を募集して注射を打つトレーニングをして、その皆さんがワクチン接種をしてくれているんだそうです。これはニュースでも見ていますけれども、これはそういうことがあったので、イギリスは取りあえず接種率は高くなっているんですが。
 この度、日本も遅ればせながらこの大規模接種センターをつくるというのは結構なことだと思いますので、今日、防衛大臣に急遽残って聞いていただきたい話は、防衛医大も当然医学部生ですから、四年生になるとCBTというコンピューターを使っての基礎知識テストというのをやるんですよ。これはほかの医学部でも一緒なんですが、CBTが終わると、その後に学生医師という言い方をして、よその国は制度が違いますけれども、同じようなハードルを越えると医療行為のできる国は結構あって、実は我が国の今コロナ対応に当たっているお医者さんたちからも、日本でもCBTの終わった医学部の学生をワクチン接種とかに協力してもらえないかという声が出ているんですね。
 したがって、今日この大規模接種センターの話を聞いたので、私は防衛医大の学生さんたちにも協力をしていただくようなことも考えてほしいと思うんですよ。というのは、恐らくこれ、通常の医学部の学生の皆さんにそれをお願いするとなると、また文科省と厚労省のいろんなせめぎ合いの中で、これが決まるまでに物すごい時間が掛かったり、あるいはそんなことはさせられないというような話に多分なるような気がするんですが、感染状況がこの後想定以上に逼迫化したときにはワクチンの打ち手をどう確保するかというのも問題になってくる可能性があるので、せっかく自衛隊にも御協力いただけるということなら、是非、防衛医大のCBT修了をしている学生にも参加をしてもらう、協力をしてもらうということも御検討いただきたいということを急遽お伝えしたいなと思って残っていただきました。
 一応、何か感想だけでもお伺いできれば幸いですが、そこまで残っていただけたら、あとは委員長にお任せいたします。

#200
○国務大臣(岸信夫君) 今、大塚委員から貴重な御意見をいただいたところでございます。
 ワクチン接種、確かにその打ち手が、数をそろえなきゃいけないという事情もあります。一方で、自衛隊自体は通常の自衛隊病院としてのコロナ患者も受け入れておりますし、また、地域医療を担っている部分もありますから、そうした部分での医官や看護官というものも確保しておかなければなりません。そうした中で、制限がある中ではありますけれども、できる限りの形を今回つくっていきたいというふうには思っております。
 今お話あったCBTにつきましても、その法制面とかクリアしなきゃいけない問題いろいろあるかもしれませんけれども、今後センターを運営していく詳細についても協議をしてまいりますので、その中で検討できるものは検討してまいりたいと思います。

#201
○大塚耕平君 是非よろしくお願いします。
 法律的に乗り越えなければならない点等とおっしゃいましたけれども、今、各国とも言わば超法規的、あるいは法律に基づきつつもスピードを持って対応しているという中において、我が国、これまでの平時の感覚で対応していていいのかということがこれから問われる局面になるかもしれないということなので、是非厚労省や文科省の尻をたたくような形で御検討いただければ幸いです。
 急遽のお願いで残っていただきましてありがとうございました。あと、お任せいたします。

#202
○委員長(長峯誠君) 岸防衛大臣は御退席いただいて結構でございます。

#203
○大塚耕平君 それでは、本題に入らせていただきますが、今日は経産省にもおいでいただいているんですが、まず最初にお伺いしたいのは、この間、本会議質問のときに、関税撤廃率を何%ということをよく喧伝をされるわけですが、これは品目数で通常言われているので、価額ベースでいったら数字が違うんじゃないかというような質問をさせていただいたところ、経産省からは、自動車部品については品目数で八七、貿易額で八六、鉄鋼製品は品目数、貿易額とも八四等々御答弁いただきました。
 これ、どういうふうに算出しているのか、ちょっと簡単に説明していただけると有り難いんですが。

#204
○政府参考人(田村暁彦君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、去る四月二十一日の参議院本会議におきまして、梶山大臣から、中国からは完成車に関する関税撤廃は獲得できていない旨を述べた上、自動車部品、鉄鋼製品、機械類につきまして、中国から獲得した内容につき、品目数及び貿易額ベースの関税撤廃率について回答申し上げたところでございます。
 RCEP交渉におきましては、交渉参加国間の合意に基づきまして、原則二〇一二年及び二〇一三年の輸入額のデータを市場アクセス交渉のベースとして用いてきたところでございます。今般の価額ベースの関税撤廃率の計算におきましては、中国側の同二か年、二〇一二年と二〇一三年の日本からの中国における輸入額の平均値を用いまして、自動車部品、鉄鋼製品、機械類のそれぞれの分野につきまして関税撤廃獲得品目の総額を同分野の中国側の輸入総額で割ったものでございます。
 具体的な金額の詳細につきまして申し上げますと、まず……(発言する者あり)あっ、よろしいですか。分かりました。
 じゃ、以上でございます。

#205
○大塚耕平君 ありがとうございました。
 議事録読むと、必ずしも中国のという特定にはなっていなかったので、今の答弁で、ああ、これは中国向けの数字だったんだなということが分かりました。
 その上で、あとはもうお願いだけですが、今日は、今答弁いただいたような計算の仕方をしているというのは分かるんですが、その品目数と価額ベースがほぼどれも同じ数字になっているというのはちょっとこの理解に苦しむなというところがあるので、一回、そうですね、これはちょっと一回委員会にも資料を提出していただくように委員長にお願いをしたいと思います。
 つまり、品目数では高くても輸出、輸入価額ベースでは随分差があったりとかですね、こういうばらつきがあってしかるべきものが、御答弁いただいたのは全部ほぼ数字が一緒なんですね。だから、どういうふうに出しているのかということについて、資料を是非委員会として求めていただければ幸いです。

#206
○委員長(長峯誠君) 後刻理事会にて協議をいたします。

#207
○大塚耕平君 これは今後も通商交渉において基本的な関心事項ですので、是非御協力をください。
 経産省にはもう質問はありません。
 お手元に、外務大臣に質問させていただいた項目と、その答弁の議事録のコピーがあります。
 まず、外務大臣、御丁寧に御答弁いただいたんですが、ちょっと分からない点があって、例えば、項番一で、同一相手国に対して協定が重複する場合、その中で最も低い関税率や規制が適用されるということでよいかというふうに伺いました、私。これは、RCEPによって、日欧、TPP、それから日米と、ほぼワールドワイドに日本は自由貿易協定の網を掛けて、ASEANとももう個別に結んでいるわけですから、重複しているんですね。そのときにどうするかということに対して、御答弁は、線を引いておきましたが、どちらの協定を利用するかは利用者が判断すると。これは私もなるほどと思ったんですが、結構議場でもへえっという声が出ました。
 この利用者というのは、輸出側ですか、輸入側ですか、どちらですか。

#208
○国務大臣(茂木敏充君) 輸入です。

#209
○大塚耕平君 そうすると、輸入側だということは、輸入する側にとってできるだけ有利な協定を選択するということですね。

#210
○国務大臣(茂木敏充君) 厳密に言えばいろいろありますけれど、ざっくり言えばそういうことです。

#211
○大塚耕平君 そうすると、その輸入側が選択するということは、これは慣行ですか、それとも何か条文とかで、様々な協定の中で取り決められていることなんですか。

#212
○国務大臣(茂木敏充君) 複数のものが適用可能でありますから、当然そこの中で複数のものの中から選べるということです。

#213
○大塚耕平君 いや、これはね、いつも申し上げていますが、困らせるつもりは全くありませんので、確認をしたいんです。
 輸入側だというふうにおっしゃったけれども、輸出側もやっぱり自分たちに有利な貿易やりたいわけですよね。輸出側は輸出側の主張があると思うんですが、これは、輸出側が低い関税率を主張し、輸入側が高い関税率を主張したときに、これはもう輸入側に軍配が上がるという理解でいいんですか。

#214
○国務大臣(茂木敏充君) 分かりませんけど、一般的にそういうことは余り起こらないと思います。

#215
○大塚耕平君 いや、それは、一般的には起こらないような気がするんですが、これだけ複数の協定が同一国に対して重複して、しかも時間差を置いて締結されると、そこはやっぱり整理しておいた方がいいと思うんですね。
 だから、したがって、私の質問の中でも申し上げましたが、今回そういうことも踏まえて考えてみると、初めて自由貿易協定を結ぶ相手、ニューカマーは韓国と中国だけなんですよ。韓国と中国とどういう取決めをしたかということについては今回きちっと評価をしなきゃいけないと思うんですが、ほかはもう、一回それなりのシェークハンドをしているところばっかりですから。
 だから、先ほども浅田委員の御質疑の中で、外務省の参考人の方が、まあこれはいつものことですが、輸入においては重要五品目は守りましたと、輸出においては攻めの姿勢で臨んで九二%の関税撤廃率を実現しましたと。その輸入の方も輸出の方も、当然、日本にとってはどういうふうによかったかということを一生懸命主張されるのは分かるんですが、本当のところは、今回のRCEPは、他国は今申し上げたように既に結んでいて、で、しかも、大臣が御答弁のように、重複しているときは輸入国のいいように選択できて、しかも一般的にはフリクションは起きないとおっしゃるならば、もう既に中国と韓国以外はもうゲームオーバーの状態なんですね。だから、中国と韓国とどういう申合せをしたかということが一番大事なんじゃないんですかということを本会議の質問の中でもお伺いしました。
 したがって、何を問題意識として持っているかということは御理解いただけたと思うので、ここから先はまた個別に詰めさせていただきたいと思います。(発言する者あり)そうですか、はい。だから、また個別に、私も分からないところは事務方の皆さんと話をさせていただきたいと思います。
 もし御答弁があれば。

#216
○国務大臣(茂木敏充君) 関税払うのは輸入業者だというのはお分かりいただけますね、そこは、国じゃなくて。輸入業者と輸出業者の間では、一般的には売ってから契約結ぶということないわけですね。基本的には、契約を結んで、それで輸出というものが成立をして、輸入をし、輸入業者が支払をする。その場合に、輸入業者としては、それは関税もあります。ただ、当然、関税には、例えば原産地規則、ローカルコンテンツがどれだけあるとか、またそれに当たっての手続はどうなると、そういう様々な要素を考えて、どれが一番有利であるかと、こういう観点から、利用者、つまり輸入業者が選択をする。
 その選択をするに当たっては、当然、輸出業者との間には契約が成り立っていて、こういう形でやると、またこういう条件であったら自分が売れるということでやるわけでありますから、私が申し上げる答弁のとおりだと、そう考えています。

#217
○大塚耕平君 別に答弁を否定するつもりはありません。そういう貿易慣行で輸入者側が、もちろん輸出者側と協議をしてコントラクトをするということは理解しましたので、また疑問があったら事務方と確認をさせていただきます。
 そして、この質問の番号と答弁の番号、下線、下線というか横線を引いたところと対比をさせてありますけれども、限られた時間ですので、非常にざくっとした御答弁になるというのも分からないではないんですけれども、どういうふうに読んでも十一番についてはちょっと読み取れなくて、十一番、どういう質問させていただいたかというと、繰り返しになりますが、中国と韓国との申合せが今回一番注目点なんですが、電子商取引について、第十二章三条三項、締約……(発言する者あり)あっ、十一番はね、大臣、これです、質問の紙の十一番です。この質問の紙の十一番、左側に項番が付いていますよね。そうです。えっ、資料が来ていない。これ、今日委員会で配っていますよ。いや、これ。いやいやいや、大臣、それは、だって、これ本会議で質問させていただいて、これ委員会の参考資料として皆さんにお配りしていますよね。(発言する者あり)
 いや、ちょっと待ってください、僕にそんなこと言われても困っちゃう。僕にそんなことを言われても困っちゃう。

#218
○委員長(長峯誠君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#219
○委員長(長峯誠君) 速記を起こしてください。

#220
○大塚耕平君 いやいや、大臣、何を怒っておられるのかよく分からないんですが、今御覧いただいているのは、今日の委員会の、委員会の配付資料は、秘書官、これ行っていないの。今あるでしょう。大臣、この委員会の配付資料の十一番、これは本会議のときにこのまま全部質問させていただいていることで、大臣がちゃんと御答弁いただいているので、そのうちのどれがどれに該当しますかという話を今聞いているんですよ。
 だから、十一番は、締約国による若しくは締約国のために保有され、若しくは処理される情報又は当該情報に関連する措置については適用しないとの合意はどういう意味ですかということを本会議でお伺いして、本会議で御答弁いただいた内容がこれだから、どの部分がそれに該当するんですかということを今お伺いしようとしたんです。
 それは、これを見ながらお考えいただければちゃんと議論は成り立つものだと思って質問をさせていただいています。

#221
○国務大臣(茂木敏充君) RCEP協定の電子商取引章では、第三条においてその適用範囲を定めており、その中で政府調達や締約国による若しくは締約国のために保有され、若しくは処理される情報又は当該情報に関連する措置については電子商取引章の規定が適用されないことを定めております。
 これらの適用除外は、政府自身の活動は民間による電子商取引とは性格が異なっていること等を踏まえ、政府調達に関する措置や政府が保有する情報等についてはRCEP協定の電子商取引章の規定は適用しない旨、定めているものであります。

#222
○大塚耕平君 今、この二十一日の御答弁のこのお配りしている資料の右の方の一部をお読みいただいたんですが、ただ、やっぱりどんぴしゃりのものがないんですよ。このRCEPの第十二章の三条三項に規定してあるこの内容がどういう意味かということを抽象的には今何となくお答えいただいたような気がするんですけれども、これ非常に大事なところなので繰り返し聞いているわけです。
 この締約国による若しくは締約国のために保有され、若しくは処理される情報又は当該情報に関連する措置については適用しないというのは、これはだからどういう意味なんだろうなということが何度読んでも分からないんですよ。だから、ちょっと大臣と意見交換をしたいということでこれ質疑をさせていただいているわけです。(発言する者あり)いやいや、だから、今日、本会議の質問を順番に確認させていただきますというのは通告していますよね。何も記憶してくださいなんて言っていないですよ、目の前にこれお配りしているわけだから。
 だから、どの部分がそれに該当するんでしょうかということを改めてお伺いします。

#223
○国務大臣(茂木敏充君) 今答弁申し上げたとおりです。

#224
○大塚耕平君 この場でさくさくと御答弁いただくことが国会にとって必ずしもいいことだとは思っていなくて、やっぱりこれ、本会議一回、委員会二回でこれだけの協定を議論しようとするんですから、この場で、こちらもいろいろどういう経過だったかということを聞かせていただき、大臣にも、もしお気付きでない点があれば気が付いていただくということができればいいなと思って質問をさせていただいているわけであります。
 委員の皆さんも、今のやり取りを聞いてどういうふうにお感じになったかはそれぞれだと思いますけれども、結局、電子商取引の章を含めて中国と合意はしたけれども、この三条三項のようなことがあると、この電子商取引のところの規定が意味がないんじゃないですかということは本会議でも申し上げました。
 それは、大臣はそういうふうにはお感じにならないですか。

#225
○国務大臣(茂木敏充君) そのようには考えておりません。
 更に申し上げますと、このRCEPにおきましては、後発途上国も含めて、こういった電子商取引であったりとか知財に関して余りなじみがない、初めて協定を作るという中でこういったものを盛り込んだと、この意義は非常に大きいと思っております。これは、七年半にわたる協議を行ってきました。そこの中で様々な人間が関わって、できるだけ高いレベルにしようという中で、ただ、そういった国もあるわけでありますから、そこでぎりぎりの線でまとまったものだと思っております。
 これでは意味がないということでいいますと、日本だけではなくて、この協定に長らく関わってきた他の参加国、閣僚も含めて、そういった方々に対しても、私はそれは幾ら何でも失礼じゃないかなと思います。

#226
○大塚耕平君 いや、ちょっと、そういう観点では共感をできないと思いますけれども。
 ほかにも、外務省としては一生懸命答弁を書いてくれたんだと思いますけれども、こちらも真面目に質問しているわけですから、まあ答えにくいんだろうなと、きちっとジャストミートしていないところはですね。そういうことで聞いているわけなので、十三番、本会議のときの質問の十三番も、これはやっぱりジャストミートしていないわけですよ。コンピューター関連設備の設置、情報の電子的手段による国境を越える移転に関しても、やっぱりその例外規定が置いてあって、そういう点をつまり懸念をしているわけであって、それは本会議でも申し上げましたし、私だけが質問したわけではなくて、何人かが同じようなことをおっしゃいました。
 さっき大臣は、浅田議員との質疑の中で、壁ですか、おけですか、何か、おけですかね、例にして、高さが違うからというお話をされました。高さが高いのと低いのでまちまちのものが高いものにそろっていけばいいですけれども、今世界で何が起きているかということを考えると、低い方にそろえるというモメンタムもあるかもしれないなということを懸念しながら聞いていたわけですが。
 つまり、大臣、私は初当選二〇〇一年ですよ。そのときに、中国がWTOに入って、ドーハ・ラウンド、スタートが決まりました。で、WTOはその後、ドーハ・ラウンドは難航して、結局二〇一七年か一八年に合意はしていますけれども、世界の通商交渉のメーンストリームは個別交渉やそういうグルーピングの方に移っちゃっていますよね。自由貿易と言いながら、二〇〇〇年代に入って中国がこの通商ワールドに入ってきてから、このグルーピングとバイの交渉が進んでいる。したがって、さっき大臣がおっしゃったように、おけの高さの違いのおけがいっぱいできているわけですね。
 これ、どういうことが起きていると思いますか。つまり、大臣と私は同世代ですけれども、さっきも「官僚たちの夏」とか、いろいろ過去の話が出てきて、それは私も同じことを大体記憶しています。ただ、我々の世代の感覚が今世界で起きていることとずれちゃっていたら困るなということなのでもろもろ質問させていただいているわけなんですが。
 さっき大臣が比喩としてお使いになった、あのおけの高さの違うことがいろいろ起きている。それは、結局、通商の世界で何が起きているということを表現されたくてああいう比喩になったんですか。

#227
○国務大臣(茂木敏充君) 先ほど、浅田委員との議論の中で使わせていただいたドベネックのおけ、元々は、これはリービッヒの最小律と。こういう、植物の生育にはリンであったりとかカリウムを含めて十六の要素というのが必要です。そして、植物がどこまで育つかというのは、この必要な要素の中で一番少ない量というか、適正より少ない量で与えられた肥料というか栄養素によって決まってくると。したがって、これを増やすことが植物を生育させるためには必要だと、これがリービッヒの最小律です。
 これをもっと分かりやすくしたのがドベネックのおけというものでありまして、決して私は低いままでいいということではなくて、リービッヒの最小律のように、いかにこれを、おけで、おけの一つの板の高さを上げることによって全体に入る水の量を増やすか、こういう観点から申し上げております。

#228
○大塚耕平君 いや、私が是非大臣にもお考えいただきたいのは、おけの高さの違うこのグルーピングが行われている中で、みんながおけの高いところに行けばベストですよね。いや、ところが、いや、おけの……(発言する者あり)分かります、おっしゃりたいことは分かるけど、おけの低いところで、おけのゲームに入ってきた中国は膨大なマーケットを持っているわけですから、みんなこの中国と組みたいわけですよ。そうすると、中国がのめる高さの低いこのおけにルールが統一されちゃっていく形でグルーピングが行われていっては困るなというふうに私は思っています。
 だから、WTOの流れが続いていると考えるのか、WTOと異なる流れが続いていると考えるのか、ここがポイントだと思っています。だから、同じ流れが続いているということならば、これはできるだけ高さを高くしていくということで、例外をつくっちゃ駄目なんですね。例外をできるだけつくらない様々なグループをつくっていって、だんだんだんだん高さをそろえていくということならいいんですけれども、幾つもグループがあって、対等ならいいですよ、日本と中国が貿易、経済で対等ならいいですけれども、あちらの方がバーゲニングパワーが持っているときに、低い方にそろっていくようなモメンタムが各国に働いてしまっては、最後、じゃ、それにそろえて日本も含めてワールドワイドでやったときには、日本にとっては相当不利な条件に収れんしてしまう可能性があるのではないかということを申し上げているわけです。
 ほかにも、大分時間も足りなくなってきているので、十九番、本会議のときに質問させていただいた十九番、RCEPに対する日中間、日本の経済界と中国当局の認識のギャップについてお伺いしました。これは、答弁の中では、他国の認識等についてお答えする立場にはありませんという一言で片付いちゃったので、特に数字は打っていません。
 ただ、私、本会議のときも申し上げましたが、日本の経団連会長は前向きな非常にコメントを出しておられた、これは当然だと思うんですが。もう一回そのときの発言繰り返しますけれども、中国の習近平主席は、去年の四月十日の中国共産党の中国財経委員会の会議で、国際的なサプライチェーンを我が国に依存させ、供給の断絶によって相手に報復や威嚇できる能力を身に付けなければならないと、これは中国の報道機関でも報道され、そして外電でも引用されているんですね。
 だから、やっぱり、さっき私が申し上げたようなことやこういう日中間の認識ギャップについて、時と場所を捉えて、ちゃんと言うべきことを言っておく必要があるんじゃないかということで質問したわけですが、残念ながら、御答弁では、他国の認識等についてお答えする立場にはありませんということだったので、ここも残念でしたということを申し上げたいと思います。
 もうちょっと突っ込んだ議論をさせていただきたかったですし、特に、この本会議でお伺いした十一番の第十二章の三条三項、こだわるようですが、これが何を言っているのかがよく分からないので、これも改めて外務省にあるいは経産省に聞いてみたいと思います。
 それでは、最後の質問ですが、外務省の方から、三月二十三日のこの委員会と二十四日の本会議での大臣の答弁の一部を修正させてほしいということで御要請がありました。これ、最終的にはもちろんオーケーしますけれども、大事な修正なので、これはちょっと委員会でその御趣旨をお伺いしてから判こを押しましょうということになっています。
 それはどういうことかというと、例の駐留外国軍がその国の法律に従うかどうかというくだりで、受入れ国の同意を得て当該受入れ国内にある外国軍隊及びその構成員等は受入れ国の法令を遵守する義務を負いますと、委員会と本会議で二度にわたって遵守するというふうに御答弁になったんですが、外務省事務方からここを尊重するに変えさせてほしいといって要請があったわけです。
 これは、二度にわたってそういう遵守とお答えになっているので、それは大臣の、まあ言わば、担当大臣としてのこの確信を持って遵守というふうにお答えになったのか、それとも、ここは読み間違いということでそうなったのか。そして、最終的にはこの遵守を尊重というふうに直すということで、私もオーケーしますけれども、この遵守を尊重と変えることの意味は一体どういう趣旨なんでしょうか。

#229
○国務大臣(茂木敏充君) 御指摘の答弁は、一般に、その領域内にある者は属地的にその国の法令が適用されますが、駐留外国軍隊には、その滞在目的の範囲内で行う公務について、受入れ国の法令の執行や裁判権等から免除されることを述べたものであります。この点について自分の答弁は明確であります。
 また、遵守であっても尊重であっても外国軍隊は接受国の国内法令を実態的に守って行動しなきゃならないという点において変わりはありませんが、その上で、答弁の正確性を考えた場合、尊重の方がより正確であるということで事務的に議事録の修正、申し入れたところであります。

#230
○大塚耕平君 もう一回だけお伺いします。
 今の御答弁にもありましたが、どっちでも意味は同じだとおっしゃるなら、そのまま放置しておいてもいいと思うんですけれども、遵守と尊重では何が変わってくるんでしょうか。

#231
○国務大臣(茂木敏充君) 言葉のとおりです。(発言する者あり)

#232
○委員長(長峯誠君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#233
○委員長(長峯誠君) 速記を起こしてください。

#234
○大塚耕平君 最終的にはもちろん訂正応じますけれども、今理事も御疑問を持たれたようなので、ちょっと委員会で、理事会で精査をお願いして終わりにしたいと思います。委員長にお取り計らいをお願いいたします。

#235
○委員長(長峯誠君) 後刻理事会にて協議をいたします。

#236
○大塚耕平君 終わります。

#237
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 RCEPは……(発言する者あり)

#238
○委員長(長峯誠君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#239
○委員長(長峯誠君) 速記を起こしてください。

#240
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 RCEPは、経済規模、人口、貿易規模のいずれも世界の約三割を占め、世界でも最も大きい貿易協定になりました。ASEANの十か国にニュージーランド、オーストラリアなど計五か国が参加をして、日本にとって中国、韓国との初めてのEPAとなります。
 まず、外務大臣にお聞きしますけど、このTPPや日欧のEPAに対してこのRCEPの特徴は、今日も議論ありましたけれども、参加する十五か国の間の経済社会発展の格差が非常に大きいことであります。そういうものを協定はどのように踏まえた内容になっているのか、まずお願いします。

#241
○国務大臣(茂木敏充君) RCEP協定に当たっては、御指摘のとおり、参加する十五か国の経済発展状況は大きく異なる中で、各国内において複雑かつ困難な市場アクセス交渉を行ったところであります。また、ルールの分野でも一部の参加国にとってはなじみの薄い知的財産であったりとか、電子商取引なども含め、幅広い分野で議論を行う必要がありました。そのため、通常の経済連携協定よりも時間を要することになった。結果的には七年半近く掛かったと思いますが、そういうことになりましたが、我が国とともにASEANが推進力となって交渉が進められたと承知をいたしております。
 その結果、本協定は投資国の経済発展状況が大きく異なる中でも、物品、サービスにとどまらず、投資、知的財産や電子商取引も含めた新たなルールまで盛り込んだものとなっておりまして、この地域の望ましい経済秩序の構築に向けた大きな一歩になると考えております。
 同時に、一部の後発開発途上国等については、例えば、サービス貿易章であったりとか、投資章において一部の義務の免除を定めているほか、知的財産章においても、国内の運用変更や法制度の整備等に時間を要する国に対して、必要な範囲の経過期間、これが設定をされているところであります。
 我が国として、まずはRCEP協定の早期発効を実現した上で、ASEANとも緊密に連携をしながら、RCEP協定を通じて、地域におけるルールに基づく経済秩序の形成に指導的役割果たしていきたいと考えております。

#242
○井上哲士君 様々経緯についてお話がありました。
 その結果、果たして、この経済社会発展の遅れた国々の人々、農民や漁民、貧困層など、グローバル化の中で恩恵を受けてこなかった人々を包摂をして、有益な協定になっているのかということが問題だと思います。
 まず、日本農業への影響についてお聞きをします。
 政府は日本農業への影響について、関税撤廃については重要五品目を除外したと、こういうことなどを述べまして、農産物の影響試算すら示しませんでした。
 しかし、重要五品目については、元々米と砂糖以外は、オーストラリア、ニュージーランドを除くRCEP諸国には輸出の余力も実績もないものであります。そして、オーストラリア、ニュージーランドにはTPPで譲歩済みだということで、重要五品目の除外というのは全体の中で占める大きなこととは必ずしも言えなかったんではないか。やはり五品目というのは重要だけど、一部であります。
 では、全体に本当に影響がないのかと。全部の品目でどの程度の撤廃、削除が行われて、どのような影響があるかをしっかり見る必要があると思います。
 その点で、衆議院で参考人として意見陳述をされた東京大学の鈴木宣弘教授が政府と同じGTAPモデルで試算を行った結果、農業への影響は五千六百億円にも及ぶということが示されました。これは、TPPによる農業への影響の一兆二千六百四十五億円の約半分となります。特に、この野菜、果樹への影響が八百五十億円で、TPP11の影響の三・五倍にも達するということがこの試算で明らかにされました。
 こういう試算が行われて農業への影響が具体的に示された以上、政府としてもきちっと試算をして明らかにすべきだと思いますが、まず、いかがでしょうか。

#243
○政府参考人(青山豊久君) お答えいたします。
 RCEPにおける我が国の農林水産物の関税につきましては、重要五品目、すなわち米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物について関税削減、撤廃から全て除外し、また、関税撤廃率は近年締結された二国間EPA並みの水準といたしました。
 また、国産と競合関係にある品目や生産者団体が国産の巻き返しを図りたいとする品目については関税撤廃の対象外とするとともに、譲許した品目についても、用途や価格面で国産品と明確にすみ分けができるもの、RCEP参加国から輸入実績がゼロ又はごく僅かなもの、締結済みのEPAと同水準の関税率であるものであることに加え、多くの品目で長期の関税撤廃期間を確保しております。
 以上のことから、RCEPについては国内農林水産業への特段の影響はないと考えており、影響試算を行う予定はありません。

#244
○井上哲士君 これまで政府はこのRCEPの交渉経過をほとんど明らかにしてきませんでした。そして、今御答弁があったようなことをずっと繰り返されて、農業には影響はないから試算も必要がないということを言われてきたわけですね。そういう政府の説明に、関係者の中から農業への影響を楽観視する声も実際ありました。
 鈴木教授自身がこう言われているんですね。日本の農産物の撤廃率は、TPP、日本・EUと比べて相対的に低く、ある程度柔軟性、互恵性が確保されたと評価していた。しかし、独自試算を行ってみて、そのような評価は甘過ぎることが判明したと、鈴木教授自身がこう言われ、率直に述べていらっしゃるんですね。
 現にこういうGTAPによる試算がもう出ているのに、政府は試算はしていないけど影響はないと幾ら言っても、私はもう全く説得力がないと思うんですよ。本会議でこの問題を我が党紙議員がただしますと、前提条件が違うのでこの試算の評価は困難だというようなことも言われておりますけれども、そうであれば、政府がこうこうこういう前提条件だということを明らかにして試算をすればいいと思うんですよ。影響がどの程度あって、それが許容できるかどうかというのを決めるのは国民であり、国会なんです。
 国会に承認を求めている以上、当然そういう試算を出すのは当たり前だと思いますけれども、農水省、改めていかがでしょうか。

#245
○政府参考人(青山豊久君) いろいろな考え方があると思いますけれども、鈴木教授の試算の前提条件が不明なため、鈴木教授のその試算について結果を評価することは困難であると考えます。
 私ども、今回の各品目につきまして特段の影響がないと考えておりますので、影響試算を行う必要はないと考えております。

#246
○井上哲士君 いや、影響はないと考えているから試算は行わないとずっと言ってきたんですよ。しかし、そうじゃないと。こういう試算が出ている。で、この試算が全部正しいから、農水省、のみなさいと言っているんじゃないんです。違う試算が出ている以上、農水省として、国会の承認求めているんだから、自らがこういう前提ですということを明らかにして試算を出すのは当たり前じゃないですか。
 幾ら、影響はない、試算はないけど影響はない、試算はしないけど影響はないと。説得力ないですよ。それで国民、農民が納得できると農水省思っているんですか。

#247
○政府参考人(青山豊久君) 試算を行いますのは、影響があるというふうに判断した際に試算をして合算して、こう考えていくものでございまして、今回のRCEPについて国内農林水産業への特段の影響はないと考えておりますので、影響試算を行う予定はございません。

#248
○井上哲士君 農水省はそういう判断をされたのかもしれません。だけど、さっきも言いましたけど、それを認めるかどうかというのは国民であり、国会なんですよ。私たちは影響ないと考えているから試算をしていませんと、ほかの試算が出てもそれは評価できませんと。こんなの通用しないということを厳しく言っておきたいと思うんですね。
 この鈴木先生の試算の中でも、野菜や果物の損失が非常に大きな問題だということが浮き彫りになっております。一部は関税の撤廃、削除の例外にしましたけれども、全体の貿易から見れば、部門全体ではほぼ全面関税撤廃に近いというのが鈴木教授の指摘であります。
 お手元に果物の資料を配付しておりますけど、既に果物は日本の自給率三九%なんですね。今回、一部例外を除いて基本的に関税撤廃となりました。特に大きな比重を占めるのはジュースでありまして、輸入量は二百四十八万トンですが、今、国産の生産果物は二百四十六万トンなんですね。それに匹敵する。リンゴは除きましたけれども、ブドウ、オレンジは韓国以外は除外になっております。
 それから、生鮮野菜の輸入について、今、中国が六五%で、ニュージーランドなど中国以外のRCEP圏産が一五%、合計、今回のRCEP圏で八〇%を占めるわけです。今回は野菜全品目をASEAN、オーストラリア、ニュージーランドに対して関税撤廃をいたしました。ショウガ、ゴボウ、エンドウ、カボチャ、ブロッコリー、アスパラガスなど、輸入急増によって自給率が三〇から六〇パー台に下がっている品目については、中国に対しても撤廃をしております。
 これら多くはいわゆる高収益作物で、中山間地域の農業や新規就農者の経営確立の決め手として生産拡大が期待をされているわけですが、今回のこの中身がこういう皆さんを直撃をするのではないでしょうか。いかがでしょう。

#249
○政府参考人(安岡澄人君) お答えさせていただきます。
 野菜、果樹につきましては、委員御指摘のとおり、中山間地域において高収益を見込むことが期待される、また新規就農者が取り組む品目の約八割が占める重要な品目というふうに認識をしております。こうした考え方の下で、RCEP協定においては、中国に対して、タマネギやニンジンなど加工・業務用などで国産の巻き返しを図りたい品目、さらにはリンゴやブドウ、さらにはリンゴ果汁といった国産品と競合する可能性のある品目については、関税撤廃、削減の除外を確保しているところでございます。
 その上で、御指摘のありましたショウガやゴボウなど、品質や用途などで明確に国産とすみ分けられている品目、さらには梨や桃、柿といった輸入のほとんどない品目、こういった品目についても長期の関税撤廃期間を確保したところでございます。
 こうしたことから、本協定による野菜、果樹への特段の影響は見込み難いと考えております。

#250
○井上哲士君 農水省は説明の中で、日本産と海外産の品質など差別化は図られているということも言われるんですけど、鈴木教授はこの試算について、そういう日本産と海外産の差別化を係数として組み込んでいるんだと、それ織り込み済みなんだと言われているんですね。それやった上でもこれだけの影響が懸念されるのであるということを強調されております。
 お手元の表にもありますように、それぞれの品目はいろんな地域地域の特産になっているわけですね。政府は、全体で何か影響がない、影響がないことばっかし強調するわけですけど、個々の一人一人の農家にとって、それぞれの地域にとっていえば、本当に主要な農産物も状況も全然違うわけですよ。受ける影響も全く違うわけですね。そういうことを具体的に明らかにもせず、農家が本当に未来を持って農業をできるのかということが私問われると思うんですね。
 大丈夫だ大丈夫だと言いますけど、輸入果物は一九六〇年には十トンだったんですね。今や四百三十四万トンですよ。野菜も、まあ輸入されることはないだろうといって自由化されましたけど、今や三百万トンですよ、輸入が。そういうことをきちっと見てやる必要があると思います。
 例えばブロッコリーをお聞きしますけど、これは価格が安定しているということで野菜として全国的に生産が振興されていて、特に西日本では新規就農者向けの野菜の位置を占めておりますが、冷凍品を除外したものの、中国のこの生鮮ブロッコリーは撤廃されました。中国はかつてアメリカに並ぶ生鮮ブロッコリーの輸出国だったわけで、非常に今この輸出技術も進歩しておりますし、日中間の距離などを生かして、例えば生鮮の輸出に力を注ぐというようなことも可能性もあるんじゃないでしょうか。そこはどうお考えでしょうか。

#251
○政府参考人(安岡澄人君) お答えさせていただきます。
 委員から御質問のございました生鮮ブロッコリーについては、国産が国内需要の約九割を占めるのに対して、中国からの輸入量は約今一千トンと、国内需要の一%未満という状況にとどまっているところでございます。こうした中国からの輸入については、主に加工・業務用に利用されております。家計消費用に主に利用されている国産とは一定のすみ分けがされているということでございますので、関税撤廃による特段の影響は見込み難いと考えております。
 また、生鮮ブロッコリー、実態を見てみますと、現在、関税率三%と低い関税率が設定されているという状況ですが、中国からの輸入量が少ないのは、品質の面から中国産に対する国内での需要が低いものと考えられます。
 またさらに、三%の関税ですので、この関税が撤廃されても国産の価格などの競争条件が大きく変わるということではありませんので、輸入が増えるということは想定しにくいと考えられます。
 一方で、本協定における合意内容にかかわらず、国産の、国内の農業の競争力強化、これはもう喫緊の課題でございます。特に生鮮ブロッコリーについては、国内の需要、御指摘のとおりで増加傾向にありますので、生産拡大に向けた水田を活用した新たな産地形成ですとか、高品質なブロッコリーを安定生産するために集出荷貯蔵施設の整備などを支援することによって、国産ブロッコリーの供給力の強化を図ってまいります。

#252
○井上哲士君 RCEPにかかわらずいろんな強化をしていく、これはやってもらったらいいと思うんです。ただ、問題はこれ相手がある話なんですね。
 中国はこのRCEPにどう対応しようとしているのかと。日本農業新聞がこう報じました。中国国務院は、RCEP合意前、輸出用に、品質が高い農産物の生産基地の建設を地方に指示をしたと、こういうふうに報じた、地方政府に指示をしたと報じております。
 実際、昨年十一月九日に国務院は対外貿易の革新的発展の推進に関する実施意見というのを公表しておりますけど、この同意見は、国際協力、競争の新たな優位性を育成することで対外貿易の回復を後押しするために発表されたもので、その具体策として、RCEPの早期調印や日中韓FTAの交渉加速にも言及をしております。
 中国がこういうふうにこのRCEPの下で関税撤廃品目に照準を当てて輸出拡大戦略を進めると、そういう可能性を農水省としてはどのように承知をされて、どう対応されようとしているのでしょうか。

#253
○政府参考人(牛草哲朗君) お答え申し上げます。
 RCEP協定ですけれども、先ほど来お話ありますように、重要五品目を関税削減、撤廃から全て除外するとともに、中国に対する関税撤廃率については、近年締結された二国間EPAに比べても更に低い五六%ということに抑制しておること、そして、国産品とすみ分けができている品目や、輸入実績がゼロ又はごく僅かである品目など、関税撤廃を行うものについても長期の関税撤廃を確保しているということでございます。
 その上で、今議員からお尋ねのありました中国の輸出拡大戦略でございますが、これを予断を持ってお答えすることは差し控えたいと考えますけれども、今後とも動向を注視していきたいと考えております。
 いずれにいたしましても、農林水産省といたしましては、RCEPを含む各経済連携協定の成果を最大限活用していくことが重要と考えております。総合的なTPP等関連政策大綱に基づいて、生産基盤の強化、そして新市場開拓の推進等によりまして、確実に再生産が可能となるよう、必要な施策を引き続き実施していくこととしております。

#254
○井上哲士君 注目をしていきたいという話ですけど、中国からの輸入量は、外食で使われる加工冷凍野菜を含めますと三十年間で二十七万トンから百五十五万トンに、既に六倍になっているんですね。この間、いわゆる例えば毒入り冷凍ギョーザとかありましたけど、にもかかわらずこういうことになっているわけです。
 それに対して、私は、まともな対策の姿勢があるとは到底今思えませんでしたし、そもそも試算をしていないと。そういうことで本当に日本農業が守れるのかということを問いたいと思います。
 是非、政府として、中国などの今後の動向も踏まえて農業での影響の試算等を行って必要な対策を進めるということを改めて求めておきたいと思います。
 次に、ISDSについてお聞きしますが、参考人質疑で菅原淳一参考人が、今回のRCEP、総じて、TPPや日EU・EPAと比べてRCEPのルールや自由化の水準は低いと言わざるを得ません、注目すべきことは、このRCEPには見直しや検討の規定が数多く含まれていること、現在が最終形態とみなすべきものではなくて、生きている協定として発効後も進化、成長を遂げていくもの、日本が主導し、それを促していかなければならないと述べられました。
 しかし、TPPで、市民社会がこの有害条項として問題にしたISDSや医療品の特許データ保護期間、著作権の保護期間、農民の種子の権利を制限しかねない国際協定の批准義務化などがこれ盛り込まれなかったのは、やっぱりそういう市民社会の皆さんの大きな世論と運動がありました、それと結んだそれぞれの国の政府の反対の意見があった結果だと思うんですね。
 具体的に聞きますけれども、このISDSについては、日本はこの本協定に盛り込むことを求めたにもかかわらず入りませんでした。どういう具体的な反対の意見があったんでしょうか。

#255
○政府参考人(四方敬之君) 我が国といたしましては、委員御指摘のISDS、国と投資家との間の紛争解決手続に関する条項は、公正中立的な投資仲裁に付託できる選択肢を与えることによって国外に投資を行う我が国の投資家を保護する上で有効な規定であり、我が国経済界が重視している規定でもあることから、交渉の場においてもこれを支持してきましたけれども、交渉の結果、ISDS条項はRCEP協定には盛り込まず、協定発効後に改めて締約国による討議を行うこととされました。この討議は、RCEP協定の発効後二年以内に開始され、討議開始から三年以内に完了する旨が規定されておりまして、協定発効後、討議にしかるべく我が国としましても臨んでいく考えでございます。
 この協定交渉の過程において関係国がどのような立場を取ったのかということにつきましては、相手国との信頼関係ございますので、コメントを差し控えたいと存じます。

#256
○井上哲士君 これ、まあ盛り込まれませんでしたけれども、今言ったような見直しの討議の規定が入っております。
 EUの委員長は、ISDSは死んだとまで述べていますし、バイデン大統領も選挙の公約の中で、こういうISDSが含まれている貿易協定には参加しないというふうに述べていて、今やISDSに固執しているのは日本など僅かになっていると思うんですね。
 こういう世界の動きをどう受け止めているのか、立場を改めるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

#257
○国務大臣(茂木敏充君) 様々な投資関連の協定、ISDSも含めてでありますけれど、投資家の保護とそれから国家の規制権限、このバランスをどうするかということなんだと思います、基本的な議論は。
 私も様々な通商協定に関わってきましたが、確かに、委員おっしゃるように、強く反対される国もあります。結構、ISDS打たれて相当な損害になっているという実例を聞いたりとか、そういうやっぱり経験があるとそうなるのかなと思うところもあるんですが、ISDS条項については、国家の規制権限、これを不当に制約するものではないかと、こういった問題指摘がなされていること承知をいたしておりますが、ISDS条項、本来、投資受入れ国が正当な目的のために必要かつ合理的な規制を差別的でない形で行うことを妨げるものではありません。
 その上で、こうした論点も含めたISDSの在り方については、国連国際商取引法委員会を含めて、様々な国際的な枠組みの中で議論が進められておりまして、我が国としても、これらの議論に積極的に参加をしてきているところであります。
 冒頭申し上げたように、投資家の保護と国家の規制権限、適切なバランスはどうあるべきかと、なかなか難しい議論だと思いますが、この点も含めて、投資関連協定の交渉に引き続きしっかりと取り組んでいきたいと思います。

#258
○井上哲士君 冒頭お聞きしたんですけど、やはり社会経済の発展が大きく異なって、非常に多様性を持っている国々の協定なわけですね。何かこれが高い水準なんだといって何かルールを押し付けるようなことは、それぞれの国の社会や経済、暮らしの発展を阻害するものになりかねないわけでありまして、そういうことはあってはならないということは申し上げておきたいと思います。
 じゃ、こういういわゆる有害条項が盛り込まれなければあとはいいのかということでありますが、協定第一条では、締約国は、特に後発途上締約国の発展段階及び経済上のニーズを考慮しつつ、現代的な、包括的な、質の高い、及び互恵的な経済上の連携の枠組みを目的と明記をしております。
 お手元に資料も配っておりますが、昨年十一月、市民社会などによるウェビナーで、国連の貿易開発会議、UNCTADの上級エコノミストのラシュミ・バンガ氏が関税撤廃の影響試算を発表しております。それによりますと、輸出では日本、中国、韓国だけが伸びて、ASEANは大半は微増ないしマイナス。貿易収支ですね、資料の。これでは、日本だけが九八・六%のプラスで、ASEAN全体ではマイナス、特にマレーシア三六・五%、ミャンマー二七・七%、タイ二二・五%、カンボジア一七・三%という落ち込みがなっております。
 各国にとって互恵的な協定になっていないのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

#259
○政府参考人(四方敬之君) お答え申し上げます。
 日本政府が実施したものでない試算につきましてはコメントを控えたいと思いますけれども、RCEP協定の意義は、各国による関税の削減、撤廃等、物品貿易の面にとどまらず、原産地規則や税関手続等の共通のルールの整備や原材料、部品生産が多国間にわたるサプライチェーンの構築、投資環境に係る知的財産、電子商取引等の分野における新たなルールの構築にもございます。
 RCEP協定により、後発の途上国を含むASEANを含めまして、世界の成長センターであるこの地域と我が国とのつながりがこれまで以上に強固になり、これを通じて我が国及び地域の経済成長に寄与することが期待できると考えておりまして、ほかの参加各国もまたそのような認識を共有しているものと考えております。

#260
○井上哲士君 総合的に考える必要があるということも強調されるんですけど、貿易収支の悪化がその国の経済に何をもたらすのかということを見る必要があると思うんですね。
 今紹介したラシュミ・バンガ氏が、ボストン大学の教授で、国連経済社会理事会開発政策委員会委員のケビン・ガラハー氏らとともに執筆したボストン大学のグローバル開発政策センターのワーキングペーパー、RCEP、物品市場アクセスのASEANにもたらす影響というものが出ていますが、この中で、試算について触れながら次のように述べているんですね。ほとんどのASEAN諸国の物品における貿易収支の悪化の原因は、それらの国における輸入の増加だけではなくて、RCEP域内でより効率性の高い輸出国への貿易転換があり、RCEP参加国への既存の輸出に悪影響を及ぼすことになるだろうと。個々の国の輸入増に加えて、ASEANの中でも貿易転換が起きて既存の輸出に悪影響を及ぼすと、こう指摘をしているわけです。
 進出した企業がこのASEANの中で国境を越えた物品の流通などで利益を上げても、それぞれの国にはこういう指摘されているような悪影響を及ぼすと、こういうことについてはどうお考えでしょうか。

#261
○政府参考人(四方敬之君) 一般論といたしまして、全ての自由貿易協定には、関税削減によって締約国間の貿易が促進され、全体としての利益につながる貿易創出効果と、締約国以外の第三国との間の貿易が抑制される貿易転換効果の双方が伴うとされております。
 お尋ねのありましたのは、こうした一般的な意味での貿易転換についてではなく、RCEP締約国内において、協定から受けられる利益に締約国によって不均衡があるのではないかという趣旨と理解いたしました。
 RCEP協定は、発展段階や制度が異なる多様な国々が交渉に参加した経済連携協定でございまして、各国ごとのセンシティビティーが大きく異なることから、一部の品目については、相手国との経済関係や貿易構造を適切に勘案しながら、譲許内容に差を設けることで全体的な関税の削減、撤廃の水準を可能な限り高めるように取り組んだものでございます。
 さらに、物品貿易のみならず幅広い分野での新たなルールを構築しましたが、一部の後発開発途上国等については、例えば、サービス貿易章や投資章において一部の義務の免除を認めているほか、知的財産章においても、国内の運用変更や法制度の整備等に時間を要する国に対して必要な範囲の経過期間が設定される等の配慮を行っております。
 このような後発途上国に対する配慮等も通じまして、地域の貿易投資を全体的にバランスの取れた包摂的な形で促進する協定となっていると理解しております。

#262
○井上哲士君 非常に最後はバラ色のように言われましたけど、この報告では、自由貿易協定が貿易収支や純輸出を悪化させることになればその国における国内総生産の伸びや雇用に悪影響を及ぼす可能性があると、こういうふうに指摘をしておりまして、まさに貿易収支の悪化がこういう国内経済に与える問題というのを直視をする必要があると思います。
 しかも、こういう悪影響の可能性がコロナパンデミックによって一層深刻になりました。
 RCEPの署名直前の昨年十一月十三日のロイターの報道では、より貧しい国々が新型コロナウイルス感染症の対処に苦闘するときに保護なしに放り出すものだとして人権団体のコメントを紹介をしております。インドネシアのNGOは、協定は労働者と環境を保護するための規定がなく、零細の農業者や企業が既にパンデミックで苦しんでいる中にあって彼らを傷つけることになるだろうと、こういうふうに述べました。
 この記事にも先ほど紹介したUNCTAD上級エコノミストのラシュミ・バンガ氏が登場しまして、このRCEPによる先ほど指摘されたような関税収入の減少などが各国がパンデミックに対応する財政を弱くするということを指摘をしております。ほとんどのASEAN加盟国では輸入が増加し輸出が減少するだろうと、それはそれらの国の貿易バランスを悪化させるとともに財政的立場も弱くさせることになる、RCEPは新型コロナウイルスなどがないときに組み立てられたと、今、諸国はパンデミックと経済の危機に対処する政策的及び財政的余地を制限し、それゆえに諸国の危機を管理する能力を制限することになるだろうと、こういうふうに言っているんですね。RCEPによるいろんな規制や収入減が、危機管理能力であるとか、危機に対応する政策的、財政的余地を削減をしてしまうんじゃないかと、こういう指摘もされております。
 やはりコロナパンデミックが起こるその前に組み立てられたこのRCEPをこのパンデミックの中で進めることに対するこういう弊害、悪影響の指摘、これをどう受け止めていらっしゃるでしょうか。

#263
○国務大臣(茂木敏充君) まず、こういった経済連携協定、確かに短期的、また個別の品目で見てみますと、全部がプラスという形にはいかない部分もありますが、長期的にその国の経済であったりとか雇用に対してプラスの影響を与えると、そういう観点があるから各国合意をして署名に至っていると、このように今考えているところであります。
 同時に、この協定、七年半掛かったと言いましたが、最終段階、まさに大詰めの協議を行っておりましたのは昨年の十月でありますから、そして十一月に署名ということでありまして、昨年、かなり議論が進んでいる段階においてはこの新型コロナと、これは世界的に感染が拡大をすると、こういう状況にあったわけでありまして、コロナが始まる前に合意した協定ではないと考えております。
 ただ、新型コロナの世界的感染拡大によりまして、特に途上国を中心にして、保健医療体制もそうでありますが、経済面でも様々な脆弱性と、これが明らかになっていると、これも事実であると考えておりまして、その点につきましては、国際社会全体で、また日本としてもコロナに向けての様々な途上国支援、またコロナによって影響を受けた経済への支援と、これは行っていきたいと思いますが、思いますが、だから今RCEPを止めるというのとはまた違った議論であると思っております。

#264
○井上哲士君 私はやっぱり、コロナパンデミックというものが、多国籍企業が国境を越えた活動で利益を最大化させるためのルール作りが推し進められてきた中で、経済主権とか食料主権をおろそかにした貿易自由化一辺倒で突き進んだ世界の脆弱性というのを示したと思うんですね。
 本会議では、この点について茂木大臣の答弁は、保護主義や内向き志向の強まりということが言われました。だけど、私は、そういうことでも、だけではない、切り捨てられない話だと思うんですね。この間の国際的な動きというのは、そういう保護主義、内向きとか反グローバル化とかくくれないような、多面的で多様な意味を含んでいると思うんですね。
 やはり経済主権とか食料主権を尊重する方向での貿易ルールの見直しがこのコロナパンデミックを経験して求められておりますけれども、改めて大臣、いかがでしょうか。

#265
○国務大臣(茂木敏充君) 本会議でも質問していただきましたが、改めて丁寧に質問していただいたことに感謝を申し上げたい、そんなふうに思います。
 世界で保護主義や内向き志向が強まる中で、日本は、TPP以来、日EU・EPA、日米貿易協定、日英EPA、RCEPなど、自由貿易の旗振り役としてリーダーシップを発揮をしてまいりました。こうした自由貿易の取組は、持続可能なサプライチェーンの構築というものにも資すると考えております。
 政府としては、今回の新型コロナの感染拡大の教訓、こういったものを踏まえて、医療品であったり食料等、我が国の国民生活に不可欠な物資の安定的な供給の確保に努めながら、自由で公正な経済圏の拡大やルールに基づく多角的貿易体制の維持強化に引き続き取り組んでいきたいと考えております。

#266
○井上哲士君 時間ですので終わります。
 ありがとうございました。

#267
○伊波洋一君 ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。
 最初に、前回に続き、重要土地等調査法案について伺います。
 前回、政府として思想信条に関する情報を収集して調べることは想定していないという答弁でしたが、では、氏名、住所、国籍を把握して個人が特定できたとして、どうやって重要施設等の機能阻害行為を行うかどうか判断するのでしょうか。判断のためには、内閣府自ら思想信条を調査しなくても、国内情報機関に情報を照会する必要があるのではないでしょうか。調査や事前届出によって収集された個人情報について、内閣府内だけでなく他の省庁、内閣情報調査室や防衛省情報本部、公安調査庁、警察庁外事情報部など、国内情報機関に照会したり情報提供することがありますか。

#268
○大臣政務官(和田義明君) お答え申し上げます。
 本法案におきましては、内閣総理大臣がこの法律の目的を達成するために必要であると認めるときに、関係行政機関の長等に対し必要な協力を求めることができる旨を規定しております。
 一般論として、内閣総理大臣は、本法律の目的を達成するために必要があると判断した場合には、本法案に基づき収集した土地等の利用者等に関する情報について、関係行政機関等の協力を得つつ所要の分析を行うこともあり得ます。もっとも、情報の分析に際しては、いかなる機関にいかなる協力を求めるかは個別具体の事情により異なると考えられることから、お尋ねの各機関に対して協力を求めることがあるかどうかを一概にお答えすることは困難でございます。

#269
○伊波洋一君 内閣官房の資料でも、諸外国の同趣旨の制度として、国内法で外国人の土地取引を規制する米国、豪州、韓国の制度が紹介されています。しかし、日本のこの法案は、沖縄県民のように基地周辺に昔から住んでいる住民を対象に政府に調査権限を付与するものです。
 諸外国に既に居住している住民を対象に調査権限を付与するような制度はありますか。

#270
○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。
 法体系でありますとかあるいは安全保障をめぐります環境が異なる各国の制度を一概に比較、評価することは困難ではございますけれども、軍事基地及びその周辺に関しまして、自国民、外国人双方を対象とした利用規制を講じている事例は見受けられるところでございます。例えばでございますが、米国のバージニア州では、軍事基地から一定距離内の土地利用が変更される場合には、その主体が自国民であると外国人であるとを問わず、都市計画委員会が軍に事前通知を行いまして、軍はこの内容を審査した上で勧告を行うことが可能であると承知をいたしているところでございます。また、豪州では、国防大臣が防衛エリアを指定し、立入りを禁ずることや、防衛航空エリアを指定し、建物の設置、使用に規制措置を講ずることが可能になっているというふうに承知しているところでございます。
 以上でございます。

#271
○伊波洋一君 今の報告は質問の趣旨とちょっと違っています。というのは、今、変化があったときにそれを調べるんですが、私が質問したのは、現在、今、いるわけですね、沖縄の住民は基地の周辺に住んでいます。その以前からずっと住んでいた住民に対して、今回調査をするという権限を与えているわけですよ。そういう法案は、つまり既にいる人たちを悉皆調査するということですから、ありますか。

#272
○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。
 重ねての答弁になりますけれども、各国の制度では自国民であると外国人であるとを問わず規制を行うという仕組みでございます。そういったプロセスの中で調査が行われるということはあり得るかというふうに思っております。
 以上でございます。

#273
○伊波洋一君 あり得るかという言いぶりだけど、さっきの答弁は違いますよ。何か変化があって、土地の所有が変わったりいろいろ変化があって、それをきっかけにその土地を調べるという話でしたよ。ならば答弁を変えてください、ちゃんと。

#274
○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。
 先ほど御答弁申し上げました米国のバージニア州の制度では、土地利用が変更される場合に、その主体が自国民であると外国人であるとを問わず、都市計画委員会が軍に事前通知を行いまして、軍はこの内容を審査した上で勧告を行うことが可能であると、こういう仕組みでございます。
 以上でございます。

#275
○伊波洋一君 今の、まず皆さんは全部調査しますよね、そもそも、今ある存在について。変化、土地の移動ということを前提にしないで、まず悉皆調査しますでしょう。そのことを聞いているわけです。そういう調査をする制度はありますかと聞いているわけです。

#276
○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。
 今、私の手元に持っております資料では、そういった意味でのその悉皆調査を行うという制度につきましては承知しておらないところでございますが、私どもの法案で御提案申し上げましている調査も、安全保障の観点から不適切な利用があるかどうかというものを調査をさせていただくこと、こういうものでございます。
 以上でございます。

#277
○伊波洋一君 みんな調査をする、そういうことは外国にはないということですよね。
 法案が成立すれば担当部署が新設されるようですが、定員を増やすんですか、それと予算措置はどうするんですか。

#278
○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。
 本法案に基づく調査等を適切かつ確実に実施できる体制を構築することは重要な課題であるというふうに認識してございます。法案成立後でございますけれども、国会審議の状況などを踏まえて行います区域の指定の準備と併せまして、内閣府への新設を考えております部局における必要な人員でありますとか、あるいは予算の確保に向けた検討を進めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。

#279
○伊波洋一君 沖縄だと米軍基地周辺に住まわざるを得なかった沖縄住民が調べられる。いわゆる我々から見ればスパイ容疑を掛けられて監視対象になるというような感じなんですけど、沖縄戦の実相や戦後の米軍基地の形成過程を体験した沖縄にとっては最もデリケートな問題になると思います。また、既に内閣府が答弁したように、機能阻害行為が実際に存在することはないのに、ないにもかかわらず、立法事実は今ないにもかかわらず、今回情報機関みたいなそういう部署を設置して、今の財政の状況の中で、まさにコロナ禍の中でこういうことをやろうとするというわけですね。
 いずれにしろ、この法案は、基地など重要施設周辺の住民をスパイ視して、国民の間に相互監視と相互不信を持ち込んで戦時体制の空気をつくろうとする、このように思えてなりません。
 イランの核施設が某国のサイバー攻撃を受けたと報じられました。中国のミサイルは、日本を飛び越えてグアムまで到達する射程距離を有しています。そもそも、一キロ圏内に拠点を設けて電波妨害や盗聴など、基地の機能を阻害するというような時代ではありません。
 このような法案は撤回して制定を断念すべきと考えますが、いかがですか。

#280
○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。
 我が国をめぐります安全保障の環境は、極めて厳しい状況になっているものと認識してございます。
 こうした中で、昨年でございますけれども、担当の小此木大臣の下に有識者会議を設置させていただきまして検討を進めさせていただきましたが、今回の法案につきましては、その有識者会議の提言を受けた形できちんとした実態調査をやらせていただきまして、その結果、不適切な利用の実態が明らかになりますれば、必要最小限の範囲で利用規制をさせていただくということで提案をさせていただいているところでございます。
 以上でございます。

#281
○伊波洋一君 いや、防衛省としても、もう二巡して、全国六百二十ですか、六百を超える基地について二巡して周辺地調査をして、僅か七件、外国人の所有者がいたということで、具体的にそういう何か安全保障上支障になるようなことがあったかというと、一つもなかったということはちゃんと答弁されています。今のことを含めて、このような法案が内閣から提出されたこと自体に強く抗議し、撤回を求めます。
 次に、RCEPに関連して伺います。
 外務省によれば、二〇一九年の日中貿易額は三十三兆千三百五十七億円に上ります。これは日本の貿易額全体の二三・九一%ですが、中国の貿易額全体の八%です。一九九九年は一八%でしたから、中国経済の対日依存度は下がっていく一方、日本経済の対中依存度は最大貿易国として上昇しています。米国は日本の貿易総額の一四・七二%であり、中国、ASEAN、韓国、台湾、香港の計五二・六九%の三割にも満ちません。仮に日中関係が悪化し経済的なデカップリングが迫られることになれば、中国にとってそれほどインパクトはなくても、日本経済にとっては致命的な被害を受けることになりかねません。
 先日の菅・バイデン会談については、一九六九年の佐藤・ニクソン共同声明以来、五十二年ぶりに台湾に言及されたことが大きな注目を集めています。日米首脳共同声明、新たな時代における日米グローバルパートナーシップでは、日米両国は、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を目指すと明記されました。在米中国大使館の報道官は、台湾問題は中国の内政であり、中国の根本的な利益に関わる、干渉は受け入れられないなどと強く非難しています。
 一九七二年の日中国交正常化、日中共同声明では、第三項で日本政府は中華人民共和国の立場を十分理解して尊重することを明記し、以降、累次の日中首脳会談で繰り返しこのことを確認しています。さらに、一九七八年の日中平和友好条約を締結して、日中両国の恒久的な平和友好関係を発展させることを約束して今日に至っています。
 日本の対中国外交の基本方針を根本的に転換するようなことには慎重であるべきです。日中関係の基礎を壊してはなりません。
 外務大臣に伺います。
 日本政府は、米国バイデン政権の圧力に屈して七二年の日中国交正常化以降の日本の対中国外交の基本方針を変更したのでしょうか。

#282
○国務大臣(茂木敏充君) まず、日中の経済関係について御指摘いただいたところでありますけど、これは当然貿易額の寡多だけでは決まってこない。例えば、中国で主要な製品作るためには、日本の工作機械であったりとか設備がないとそれが作れない、こういう状況もあるわけでありまして、単に額だけで評価をするというのは必ずしも適切ではない部分があると、こんなふうに思っております。
 さらには、日米経済関係もあります。さらには、今後、気候変動問題等々で、当然、一番CO2を排出している中国への働きかけ、これは国際社会全体で必要なことだと思っておりますし、日本としてもそういったことを行っていきたいと思っております。
 一方で、中国によります力による現状変更の試みと、これはまさに尖閣において、東シナ海において、南シナ海において行われている。さらには、香港、新疆ウイグル自治区の人権問題等々もあるわけであります。仮に、経済問題若しくは気候問題について、中国が一定の協力を行う、だから基本的価値においてもこちらが譲るという関係にはないと、こんなふうに考えております。
 その上で、委員御指摘の記述、これは、日米首脳会談におきまして地域情勢等について意見交換する中で台湾をめぐる状況についても議論が及び、日米両首脳の共通認識として、両岸関係の軍事バランスの変化なども踏まえて、日米両国は、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促すと、このように明記するに至ったところであります。
 台湾に関します我が国政府の立場、これは、御指摘いただきましたように、一九七二年の日中共同声明を踏まえて、台湾との関係を非政府間の実務関係として維持していくということで一貫しておりまして、このような我が国の基本的立場に変わりはありません。
 また、台湾をめぐる問題については、我が国として、従来から当事者間の直接の対話によって平和的に解決されることを期待するとの方針、一貫しておりまして、引き続き両岸関係の推移、注意をしていきたいと、注視をしていきたいと思っております。

#283
○伊波洋一君 ここで申し上げているのは、日中正常化の声明の中である、日中共同声明の第三項の立場に変化はないのですか、ないのですね。お答えください。

#284
○政府参考人(石月英雄君) お答え申し上げます。
 我が国、台湾に関する我が国の政府の立場は、一九七二年の日中共同声明を踏まえ、台湾との関係を非政府間の実務関係として維持していくことで一致しており、このような我が国の基本的立場は変わっておりません。議員御指摘の点も含めて、我が国の基本的な立場は変わっておりません。

#285
○伊波洋一君 そうすると、第三項と一体の日中共同声明、それ以降の日中間のいわゆる四つの基本文書の諸原則と精神というものにも変更はないのですね。

#286
○政府参考人(石月英雄君) お答え申し上げます。
 日中両国は一九七二年の日中共同声明をもって日中関係を正常化させ、一九七八年は日中平和友好条約を締結し、一九九八年の日中共同宣言、二〇〇八年の日中共同声明といった基本文書を作成し、それらに記された精神と方針の上に日中関係を発展させてきており、我が国としてこうした立場に何ら変更はございません。

#287
○伊波洋一君 一方、日米共同声明に、今回のですね、日米共同声明に台湾が明記されたことについて、米国の対中国戦略への日本の参画を明確にするもので、日本が米中軍事対立の最前線に立つことを意味するという評価もあります。
 防衛大臣にお伺いします。台湾有事は重要影響事態や存立危機事態に当たるのでしょうか。

#288
○国務大臣(岸信夫君) 台湾について、いかなる事態が重要影響事態や存立危機事態に該当するかということにつきましては、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して、政府が全ての情報を総合して客観的、合理的に判断することとなります。すなわち、一概にお答えすることは困難でございます。

#289
○伊波洋一君 一九七八年の日中平和友好条約では、第一条第二項において、「両締約国は、前記の諸原則及び国際連合憲章の原則に基づき、相互の関係において、すべての紛争を平和的手段により解決し及び武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する。」と約束しています。
 日本が台湾有事に軍事的に関与した場合、この日中平和友好条約を破棄することになるのではないかと思いますが、お答えください。

#290
○政府参考人(石月英雄君) お答え申し上げます。
 仮定の質問にお答えすることは差し控えたいと思いますが、いずれにせよ、日中平和友好条約を遵守するとの我が国の立場に変わりはありません。
 その上で、両岸関係につきましては、経済分野を中心に深い結び付きを有している一方で、その軍事バランスは確実に変化しており、台湾をめぐる情勢について引き続き関心を持って注視していきます。

#291
○伊波洋一君 日本としては、むしろこの日中平和友好条約の文言を最大限活用して日本と周辺の安全を確保すべきではないでしょうか。

#292
○政府参考人(石月英雄君) お答え申し上げます。
 日本政府としましては、日中平和友好条約を遵守するとの立場に変わりはございません。
 引き続き、両岸関係については引き続き関心を持って注視していきたいと考えております。

#293
○伊波洋一君 日本政府として、台湾問題における両当事者、中国、台湾にどのように働きかけを行っていくのでしょうか。

#294
○国務大臣(茂木敏充君) まさに三月の十六日に、私、岸大臣、ブリンケン長官、そしてオースティン長官との間で2プラス2を行いまして、台湾海峡の平和と安定の重要性、これを強調し、さらには、四月の十六日の日米首脳会談におきましては、この問題について両岸問題の平和的解決を促す、これらは表に出ている文書であります。対外的に発表しているものでありまして、関係者も当然これは御覧になっているだろうと思います。十分明確なメッセージが伝わっていると、このように理解をいたしております。

#295
○伊波洋一君 米国は台湾の支援を表明していますが、四月十六日放映の報道ステーションではショッキングなニュースが流れました。中国軍の台湾侵攻を想定したウオーゲームで、二〇一八年以降、米軍は敗北続きだということです。他の報道でも、米空軍のクリントン・ヒノテ中将は、ウオーゲームでは単に米軍が負けるというだけでなく、負けるまでの時間が年々短くなってきて、最近はあっという間に中国軍に負ける傾向にある、と発言しています。
 米シンクタンク、ランド研究所のデビッド・オクメネク氏は、米国を想定したブルーチームと中国を想定したレッドチームに分けて行われたウオーゲームについて、西太平洋の軍事バランスは逆転している、台湾の空軍は数分で全滅し、太平洋地域の米空軍基地が攻撃を受け、米国の戦艦や戦闘機が中国の長距離ミサイルに阻止される、ブルーチームが断固として介入した場合でもレッドチームの侵攻を退けるとは限らない、と説明しています。
 防衛研究所のコメンタリーでも、米軍が全世界からリソースをかき集めれば米軍の軍事的優位は動かないが、グローバルな総動員を考えず、現在西太平洋地域に配備されているアセットだけ切り取って短期決戦シナリオを想定した場合には、中国が優位に立つ可能性が高くなってきている、と紹介しています。
 同コメンタリーは、日米共同声明の、日本は同盟及び地域の安全保障を一層強化するために自らの防衛力を強化することを決意した、という記述に触れて、米国が長期戦を戦うために日本が当事者として関与すべきと主張しています。しかし、日本が台湾有事に当事者として関与するということは、米国の西太平洋地域における覇権を懸けた戦争に第一列島線内にある同盟国として参戦することであり、これまでも本委員会で議論してきたように、自衛隊や南西諸島の住民が、戦闘の第一段階で中国からのミサイル攻撃を受け止めて耐えることを意味します。
 二〇一二年防衛省機動展開ワーキンググループによる中間報告、機動展開構想概案に示された石垣島における作戦研究においては、戦闘の第一段階では約七割が損耗、死傷して、その後に第二段階で増援が駆け付けて、ようやく島を奪回するというシナリオでした。シナリオは戦闘員だけを記載していますが、これだけ被害が出ていれば、当然民有地や市街も被災し、民間人にも甚大な被害が生じているはずです。
 中国の台湾武力統合、いわゆる台湾有事に日本が軍事的に関与して短期的な戦闘の終結を阻止するということは、すなわち、米国が増援態勢を整えるまでの間、日本が中国の攻撃に長期間耐え抜くことを予定しているのではありませんか。台湾有事に日本が軍事的に関与した場合の被害想定はありますか。

#296
○国務大臣(岸信夫君) 台湾有事という仮定の御質問にお答えすることは差し控えますが、台湾をめぐる問題については、我が国として、繰り返しになりますけれども、当事者間の直接の対話によって平和的に解決されることを期待しているという立場に変わりはございません。先日の日米首脳会談においても、また三月の日米2プラス2や日米の防衛相会談においても、台湾海峡の平和と安定の重要性について認識を共有しているところでございます。
 近年、中国が軍事力の強化を急速に進める中で、中台の軍事バランスは全体として中国側に有利な方向に変化をしています。その差は年々拡大する傾向が見られるところ、防衛省としても、引き続きその関連動向を注視してまいります。
 その上で、あくまでも一般論として申し上げるならば、防衛省・自衛隊として、あらゆる事態において適切に対応できるように不断に検討をしているところですが、事柄の性質上、その内容については申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。

#297
○伊波洋一君 先日、私の東京事務所に石垣島からのパイナップルをいただきました。今、本土では中国が経済制裁で輸入を停止した台湾パインを購入しようというキャンペーンが行われていまして、その関係で、これまで高級パインとして流通していた石垣のパインが逆に本土で売れなくなって困っているという声もお聞きしました。おいしい石垣島のパイン、是非、皆さんには食べていただきたいと思います。
 さて、もし台湾有事になって、日本が軍事的に米国と共同歩調を取るということになれば、真っ先に戦場になるのが南西諸島であり、犠牲になるのは南西諸島に配備された自衛隊と基地が集中している沖縄県の住民です。台湾パインの購入運動が石垣パインの苦境につながることも想像力の問題です。本土防衛の捨て石作戦として唯一地上戦となった沖縄戦が行われたように、台湾有事に日本が軍事的に関与することは、すなわち本土と米国や台湾とのつながりを優先して沖縄県民を切り捨てることにつながることを是非想像していただきたいと思います。
 戦時国際法について、一般論としてお聞きします。
 一般論として、ある国の軍隊が外国領の基地を使用して敵国を攻撃した場合、敵国が策源地である外国領のその基地に反撃を加えることは国際法上是認されますか。

#298
○政府参考人(赤堀毅君) お答えいたします。
 一般論でございますが、国連憲章第二条四は、全ての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しないほかのいかなる方法によるものも慎まなければならないと定めております。
 一方、憲章第七章下での安保理の決定に基づく場合や自衛権の行使の場合には武力の行使が正当されます。
 その上で、ある国による武力の行使が国際法上正当化されるかについては、例えばその武力の行使が自衛権の行使として認められるか否かなど、個別具体的な状況に即して判断されるものであり、一概にお答えすることは困難でございます。

#299
○伊波洋一君 まあ答えにくいということですね。
 もし、それが是認されることになれば、沖縄県にある米軍基地から中国に対して攻撃が実行されれば、中国軍の反撃によって沖縄県民の生命が危険にさらされるということではないでしょうか。
 日米安保条約第六条には、一九六〇年の条約第六条の実施に関する交換公文、いわゆる岸・ハーター交換公文があります。これを解釈するものとして藤山・マッカーサー口頭了解があり、言及した文書が藤山・マッカーサーの討議の記録です。これらにより、米軍には日本政府の意思に反して一方的な行動を取ることがないよう事前協議が義務付けられています。事前協議の対象になっているのは米軍のどのような行動でしょうか。

#300
○政府参考人(有馬裕君) お答え申し上げます。
 日米安全保障条約第六条の実施に関する一九六〇年の岸・ハーター交換公文により、米国は、配置における重要な変更、装備における重要な変更及び日米安全保障条約第五条の規定に基づいて行われるものを除く戦闘作戦行動のための基地としての日本国内の施設・区域の使用については、その行動が我が国の意思に反して行われることのないよう、我が国に事前協議をすることを義務付けられております。
 配置における重要な変更に該当する米軍の規模といたしましては、例えば陸上の部隊であれば一個師団程度の配置ということがいわゆる藤山・マッカーサー口頭了解により日米間で了解されております。装備における重要な変更は、同じく藤山・マッカーサー口頭了解により核弾頭及び中長距離ミサイルの持込み並びにそれらの基地の建設を意味しております。
 これは、米国が日本政府の意思に反して核兵器の持込みを行うことがないようにするために置かれた規定でございますので、中長距離ミサイルとはあくまで核専用の中長距離ミサイルというものを念頭に置いて了解されております。
 日本国から行われる戦闘作戦行動のための基地としての日本国内の施設及び区域の使用にいう戦闘作戦行動とは、直接戦闘に従事することを目的とした軍事行動を指すものでございます。

#301
○伊波洋一君 米ロのINF条約失効以降、米国は、中国のミサイルに対抗し、西太平洋地域における軍事バランスを回復するために、西太平洋地域の第一列島線に射程五百から五千五百キロの中距離ミサイルを配備することを計画していると言われます。こうした要求が米国から日本政府に届いているのではないでしょうか。
 藤山・マッカーサー討議の記録によれば、装備における重要な変更は事前協議の対象になるとされています。今、その中距離ミサイルについては、先ほどの答弁で事前協議の対象ではないということですから、質問の通告していましたが、これは除きます。
 昨年二月、伊江島などで展開された米軍合同演習、ノーブル・フューリーでは、機動展開前進基地作戦の一環として、伊江島が敵の影響下にあることを想定して、まず海兵隊がオスプレイなどで展開先となる滑走路を確保し、深夜に輸送機MC130で輸送してきた高機動ロケット砲システム、HIMARSを展開してミサイルを模擬的に発射し、数分後に同じくMC130で撤収して、その後、海兵隊も撤収するという訓練が行われました。このような訓練、今何回も行われています。
 討議の記録で、二項Bでは、戦闘作戦行動は日本から日本以外の地域に対して行われる戦闘作戦行動を意味する、とはっきり書かれています。
 ミサイル発射は事前協議の対象になりますか。事前協議の定める戦闘作戦行動に当たるのではないでしょうか。

#302
○政府参考人(有馬裕君) お答え申し上げます。
 仮定の質問にお答えすることは差し控えさせていただきますが、一般論として申し上げれば、日米間では、岸・ハーター交換公文により、日米安保条約第五条の規定に基づいて行われる米軍の戦闘作戦行動を除き、日本国から行われる米軍の戦闘作戦行動のための基地としての日本国内の施設及び区域の使用は事前協議の対象であることとされております。
 戦闘作戦行動につきましては、昭和四十七年の政府統一見解で、我が国の施設・区域を発進基地として使用するような戦闘作戦行動の典型的なものとして考えられるのは、航空部隊による爆撃、空挺部隊の戦場への降下、地上部隊の上陸作戦等であるが、このような典型的なもの以外の行動については、個々の行動の任務、態様の具体的内容を考慮して判断するよりほかないとしております。

#303
○伊波洋一君 ベトナム戦争の頃、日本から発進していく兵隊は途中で任務命令が変わっていって、それが外れていったわけですけれども、その沖縄に持ち込んだミサイルを領海の外に発射することは、この戦闘作戦行動に当たると読めます。ミサイル発射が戦闘作戦行動に含まれるか、改めて統一見解をお示しください。

#304
○政府参考人(有馬裕君) お答え申し上げます。
 繰り返しで恐縮でございますが、仮定のお答え、質問にお答えすることは差し控えさせていただきますけれども、一般論として申し上げれば、昭和四十七年の政府統一見解で列挙されている行動はあくまで典型的なものを例示しているものであり、それ以外の行動につきましては、個々の行動の任務、態様の具体的内容を考慮して判断するとしております。

#305
○伊波洋一君 今、ミサイルの時代になりました。アメリカ軍が沖縄や日本列島の各地にミサイルを置こうとしています。それは当然、中国を想定したものです。そのことが先ほど申し上げました政府統一見解に該当するかどうか、これは今示すことが必要です。
 どうしてかというと、日本が、戦争、安保条約上提供している施設がこのようなことに使われるか使われないかということになりますから。
 委員長、政府の統一見解を示すことを求めていただくようお願いします。

#306
○委員長(長峯誠君) 後刻理事会にて協議いたします。

#307
○伊波洋一君 日本政府が米国の戦闘作戦行動を、例えばそのミサイル配備については一応認めたと、できるようになっていますから、通常弾頭では。その際に、実際に戦闘作戦行動の事前協議を求められ、了解したとしたら、了解した時点で日中平和友好条約は壊れることになります。そのときは、尖閣問題ではなく、もはや日中の間は、日本全体を中国から守る必要が出てくる、こういうことになるんだろうと思います。
 防衛省が尖閣で日米共同演習を行うと表明するなど、日本は政府がむしろ国民の反中感情をあおっています。一方の米国は、ブリンケン国務長官が、中国に対して必要に応じて競争的、協力的、敵対的な行動を取る、と柔軟な対応を表明しています。菅・バイデン会談と並行して、四月十七日には、米国のジョン・ケリー特使と中国の気候問題担当特使、解振華氏が、気候変動問題で米中が互いに協力していくとする共同声明を発表しています。
 日本は米国と中国という大国の間に位置しています。このことを踏まえて、米中両大国が紛争に至らないようコントロールしていくことが日本の最大の国益です。軍事的な紛争が生じれば、中国のすぐ隣にある日本、特に沖縄は戦場になり、攻撃にさらされてしまいます。
 外務大臣、日本政府も、防衛力による抑止一辺倒ではなくて、外交に重点を置いた柔軟な対中国方針を示すべきではないでしょうか。

#308
○国務大臣(茂木敏充君) 先ほども答弁申し上げましたが、様々な問題について中国が大国としての責任を果たすように外交ルートを通じて申入れというのを行っているところであります。
 お隣の国であります中国との間には様々な懸案と、これは存在しておりますけれど、首脳レベル、外相レベル含め様々な会談の機会等々を通じて主張すべきはしっかりと主張しながら懸案を一つ一つ解決をすると、そういったことを通じながら中国の具体的な行動を促していきたいと思っております。

#309
○伊波洋一君 沖縄県は、一四二九年から一八七九年まで四百五十年間、琉球王国の時代に独立国として中国と外交関係を築いていました。また、琉球王国以前の三山時代も、一三七二年に中山王察度が初めて明王朝に朝貢して、五百年を超える大陸との外交関係を築いてきました。
 日本の本土は、秀吉の朝鮮出兵も含め、明治維新までの三百年間、中国を脅威と見るか、あるいは嫌中と対立しか経験がなく、沖縄とは対中認識や感覚が異なっているように感じることがあります。米中新冷戦と言われ、米国か中国かの選択を迫られる今こそ、琉球王国の外交の知恵とか経験を学ぶべきではないでしょうか。
 私、このことを外務大臣にちょっとお聞きしようとしていましたが、時間が来ていますので、少なくとも、やはり米中両大国のはざまにあるこの日本の国益、日本の平和を追求するに当たっては、琉球王国の外交から学んでいただきたいともまた思っておりますので、以上を申し上げて、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

#310
○委員長(長峯誠君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 岸防衛大臣、和田内閣府大臣政務官及び政府参考人は御退席いただいて結構でございます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

#311
○井上哲士君 私は、日本共産党を代表して、地域的な包括的経済連携協定に反対の立場から討論を行います。
 本協定は、交渉開始から七年半にわたり、国民生活にどんな影響があるかを国会と国民に一切知らせないまま交渉が行われ、署名されたものです。
 農林水産品への影響についても、国内農業に特段の影響はないと試算すら行っていません。しかし、東京大学の鈴木宣弘教授の試算では、野菜や果物など農業生産の減少額は五千六百億円にも及ぶことが示され、国内農業に深刻な影響を及ぼすおそれがあります。
 さらに、本協定には発効五年後に協定全体を見直す規定が盛り込まれています。また、参加国のうちオーストラリアやニュージーランドについては、本協定にかかわらずTPPの関税率や輸入枠が適用されます。このことは我が国の輸入関税措置を際限なく撤廃していくものです。
 政府はこれまでASEAN諸国とEPAを結び、多国籍企業の海外進出のための環境整備を行ってきました。日本が新たに中国、韓国とEPAを締結することになる本協定により、日本企業のASEAN諸国への海外進出を一層推進するとともに、中国などに生産拠点を移す動きを加速させ、国内産業の空洞化を更に強めるものとなることは明らかです。
 本協定が発効された場合、日本の貿易黒字だけがほぼ二倍となる一方、ASEAN参加国の貿易収支は発効前に比べ軒並み悪化するとの試算があります。本協定が東アジアの互恵的な協定になり得るのか検証すべきです。
 この間の貿易自由化一辺倒が危機に弱い社会経済をつくり出したことがコロナ禍で露呈したにもかかわらず、そこに何の反省もないまま、多国籍企業の利益を最優先にし、本協定で一層の市場開放を推進することは断じて許されません。
 今求められているのは、経済主権や食料主権を尊重する方向での見直しであり、互恵、平等の経済関係を発展させることです。国内生産基盤の抜本的強化や食料自給率の向上などの危機に対応できる強い経済づくりにかじを切ることです。
 以上を指摘して、討論を終わります。

#312
○委員長(長峯誠君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 地域的な包括的経済連携協定の締結について承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#313
○委員長(長峯誠君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#314
○委員長(長峯誠君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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