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2021/05/12 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第6号 令和3年5月12日
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2021/05/12 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第6号 令和3年5月12日

#1
令和三年五月十二日(水曜日)
   午後一時三十九分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         芝  博一君
    理 事
                豊田 俊郎君
                三宅 伸吾君
                山田 太郎君
                牧山ひろえ君
                杉  久武君
                高木かおり君
                伊藤 孝恵君
                岩渕  友君
    委 員
                足立 敏之君
                小川 克巳君
                高橋 克法君
                堂故  茂君
                羽生田 俊君
                藤川 政人君
                山田 俊男君
                和田 政宗君
                石垣のりこ君
                勝部 賢志君
                塩田 博昭君
                下野 六太君
                梅村みずほ君
                大塚 耕平君
                浜田  聡君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        塚本 禎宏君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国民生活・経済に関する調査
 (「誰もが安心できる社会の実現」のうち、困
 難を抱える人々への対応について)
    ─────────────

#2
○会長(芝博一君) ただいまから国民生活・経済に関する調査会を開会をいたします。
 国民生活・経済に関する調査を議題といたします。
 本日は、中間報告書を取りまとめるに当たり、これまでの調査を踏まえ、「誰もが安心できる社会の実現」のうち、「困難を抱える人々への対応」について委員間の意見交換を行います。
 本日の議事の進め方でございますが、まず、各会派一名ずつ御指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
 なお、発言を希望される方は、挙手の上、会長の指名を受けてから御発言をいただくようにお願いを申し上げます。
 また、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、委員の発言はお一人今回は五分以内となるように御協力をお願いをいたします。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、発言のある方は挙手をお願い申し上げます。
 山田太郎委員。

#3
○山田太郎君 自由民主党の山田太郎でございます。
 今回、この「困難を抱える人々への対応」ということで、大変有意義な内容になったかと思っております。合計十四名のいろんな先生方から五回にわたって議論をされてきましたが、特に、私自身、共通してというか、特に取り上げたいのが、その困難の中でも子供をめぐる問題というのが大変大きな問題だということが改めて今回の調査会では議論になったんではないかなというふうに思っております。
 まとめてみますと、一つは特別支援学校の問題、それから障害を持つ子、それから子供の性被害、性教育の問題、それから外国人の子供、ヤングケアラー、子供の自殺、それから養育費の確保と、この辺りが、十四人の参考人の先生方から七つ子供の問題、半分がもう完全に子供の問題であるということが大変特徴的であったというふうに思っております。これまで政治の支援が行き届かなかった部分があるんではないかといった辺りですね、特に、貧困の問題なんというのも議論はされてきましたが、またそことは別の困難を抱えるということが別にクローズアップ今回されて議論されたんではないか、こんなふうに思っております。
 そんな中でも、課題として共通項があったかと思います。もう対策の第一位は、やはり相談体制ということがどの項目でもあったと思います。結局、誰に言えばいいのか、あるいはその実際の情報が、国であったり行政であったりしても、問題を対策しようとしても声が届かない、相談する先がない、こんなことが言われていたんではないかというふうに思っています。
 いずれにしても、この相談体制の仕組みをしっかりつくらなければ、我々立法府、そして行政もですね、いわゆる実態の把握もそれから政策の提言もできないわけでありまして、まず第一歩としてはこの相談体制という辺りが非常に重要な問題ではないのかというふうに思っております。
 もう一つは、縦割り、横割りというんですかね、そのはざまに落ちてしまった子供の問題が非常に多かったんではないかということも今回の調査会全体を通じて感じたところであります。
 例えば、縦割りの問題でありますと、あるいは横割りもそうなんですけれども、典型的だったのは、子供の自殺の問題というのを取り上げましたけれども、実際、市区町村で、例えば子供が自殺したという内容が、市区町村、教育委員会、それから都道府県に上がって文科省に上がると、そのラインの中でなかなか情報が伝わってこないということはライフリンクの清水代表の方からも強く議論がありまして、そういった省庁間を、枠組みを超えた形、子供の自殺の問題になれば当然学校も教育委員会ももしかしたら当事者である可能性もあるということで、本当にその自治体任せ、現場任せだけで問題が解決できるんだろうか、こういったような議論もされたかというふうに思っております。
 自殺一つ取り上げても、どこでこのいわゆる自殺があったかということによっては府省庁の担当が違うということも従前から指摘されていますし、そういう意味では、チャイルド・デス・レビューのような仕組みを日本でもいち早く立ち上げる必要があるのではないか、こんなふうにも思っております。
 ちなみに、これは我が党の方でも議論をしている部分でつまびらかになりましたのは、二〇一九年の自殺者というのがあるんですけれども、その人数が、三百三十九名が自殺なんですけれども、その中の例えばいじめで亡くなった人がどれぐらいなのかということを文科省に尋ねたことがあります。その文科省の回答は、何と三百三十九名中、いじめによる原因で亡くなった子供は十名程度ではないかと、こんなことがあって、本当なのかといったことも指摘されました。
 そういった意味で、我々立法府も行政も、特にこの霞が関、永田町になると、本当に困難を抱えた現場の子供たちの声なり実情が届いているんだろうかということを大変考えさせられる内容だったというふうに思っております。
 それから、成蹊大学の澁谷教授も、ヤングケアラーに関してのしっかりした担当部局をつくってくださいと、全く解決するといった動きが行政の中にないんだと。それから、外国人の子供たちも、外務省、文科省、厚労省、法務省にまたがる問題ということになって、その制度のはざまにやはり落ちていると。それから、特別支援学校の子供の虐待といった問題、これはまた、学校から離れて家庭の中でそういったことが行われると、所管の違いというのが出てくるだろうということもあるかと思っております。
 そういうことで、この制度のはざまに落ちた子供たちをどう救うのか、この辺りを是非また次の機会、この調査会でも議論できれば幸いだと思っております。
 時間になりましたので、以上にしたいと思います。ありがとうございました。

#4
○会長(芝博一君) それでは、次に発言のある方は挙手をお願いいたします。
 石垣のりこ委員。

#5
○石垣のりこ君 「誰もが安心できる社会の実現」について、今国会では、子どもをめぐる課題、外国人をめぐる課題、そして新型コロナウイルス感染症による国民生活・経済への影響、社会的孤立をめぐる問題、そして生活基盤の安定に向けた課題というそれぞれのテーマで五回にわたって十四人の参考人の方にお話をいただきました。
 このコロナ禍におきまして、まずやらなければならない喫緊の課題というのは、この調査会において、困難を抱える人々への経済支援ではないでしょうか。
 この一年で、特別定額給付金、持続化給付金、雇用調整助成金、一人親世帯への給付などはありましたが、政策の失策から感染は収束しておりません。経済活動の停滞は続いております。給付以外にも収入が減った人を対象に無利子でお金を貸し出す特例貸付けがありますが、その窓口になっている社会福祉協議会の職員は、業務が多忙を極め、苦しい状況の人に借金をさせている、これが福祉なのかと悩みながら職務を行っているという報道もあります。
 不況のしわ寄せは、社会の弱いところに向かっていきます。本調査会で取り上げられた困難を抱える人々は、そうした支援すら受けられない、また、受けられたとしても、それだけでは憲法で保障された最低限の生活すらままならない人も多いはずです。まず、そうした困難を抱える人々の命を守るために必要な現金給付、早急に実行されるべきであると申し上げたいと思います。
 さらに、この緊急時において命を支えるために給付されたお金の一割が消費税として回収されるという愚策とならないためにも、本調査会でも例示されましたように、消費税ゼロ、凍結なども有効な手段の一つであると考えます。
 そして、今回の調査会での諸課題なんですが、全体を通して言えることは、人を大事にしない、お金を掛けない、自己責任偏重の政策の弊害であり、やはり政治の責任であるということです。
 義務教育段階における特別支援教育のお粗末な現状にしても、子供の性暴力被害や国際水準から取り残されている性教育にしても、直接子供たちに向き合って諸課題に取り組んでいく教育現場、大人の側に余裕がなさ過ぎるということが大きく関係していると思います。
 よく指摘されることですが、日本の教育に対する公的支出は余りにも少ないです。OECDが昨年発表した調査によりますと、二〇一七年、初等教育から高等教育の公的支出、国内総生産に占める割合は、日本は二・九%、比較可能な三十八か国中の三十七位です。本当に惨たんたる数字だと思います。
 学校のクラス当たりの生徒数は、日本は、小学校がおよそ二十七人、中学校がおよそ三十二人、OECD各国の中でも最も多いレベルになっています。今国会でようやく日本でも小学校の三十五人学級導入が決まりましたけれども、そもそもこの三十五人学級の実現というのは、民主党政権当時に自民党さんが導入に対して消極的だったために頓挫した民主党の政権で、政策です。およそ十年遅れてになりますが、ようやく自民党さんの御理解も進んだということで、実現はしました。とはいえ、更なる教育の質の向上のためには、小学校のみならずの改革が必要と考えます。
 また、日本における外国人労働者、特に外国人技能実習生をめぐる諸課題にしても、外国人の子供の不就学についても、人をないがしろにする、余りにも残念過ぎる人権への認識が根底にあると思います。外国人であるからという理由で不当な労働条件で働くことを余儀なくされること、そうした制度設計を容認しているのは、ほかならぬ政治の責任です。
 本調査会のテーマは、「誰もが安心できる社会の実現」です。この誰もがというのは、日本国籍を有する日本人のみならず、日本に住んでいる外国人も含めて誰もがであるはずです。基本的人権の原理というのは、人類普遍の、特定の国家の憲法に先立つ原理であるという性格を持っており、全ての国家の国民に適用されるべき原理であるというのが世界水準の人権意識であるべきです。
 本調査会が目指す「誰もが安心できる社会の実現」のためには、そうした世界水準の人権意識を持つことが重要であることは明白です。しかし、日本では、どうも人権というのは、思いやりであって、一種の道徳と勘違いされている節があるのではないでしょうか。
 この点について、中央大学の池田賢市先生は、人権教育が目指しているのは、構造的に問題を把握することであり、それに基づく社会変革である、これは道徳が言わば心のありようといった個人の内面に焦点を当てて、その枠組みにおいて問題を把握しようとしていることとは大きく異なる、社会問題に対する道徳的な心の持ちようによる解決というアプローチは、自己救済を強調し、国家等の公的機関がやるべき諸施策を免責する危険性をはらんでいると指摘しています。
 この池田氏の指摘は、まさに現在直面しているコロナ感染症という国家の危機に対し、自粛という自己救済を強調し、政府が取り組むべき感染対策、十分な生活支援策を行わない無責任さを容認してしまう危険性と重なることを指摘しておきたいと思います。
 以上です。

#6
○会長(芝博一君) それでは、次に御意見のある方は挙手をお願いいたします。
 杉久武委員。

#7
○杉久武君 公明党の杉久武でございます。
 会派を代表して意見を申し述べます。
 困難を抱える多くの人々がコロナ禍の厳しい状況下で必死に暮らしており、本調査会において重要な課題を幅広く取り上げることができたことは大きな意義があります。困難を抱える人々に対して支援の手を差し伸べ、寄り添いながら、活力ある未来を実現していくことが求められているのだと思います。
 まず、二月の参考人質疑では子供をめぐる課題を取り上げました。特別支援教育について、参考人からは、多様な学びの場の整備を進めるとともに、十分な就学相談を行って、本人や保護者が就学先を主体的に選択していくことが重要であるとの意見が述べられました。
 特別支援教育の現場では、児童生徒数が増えて教室が不足し、理科室や図書室を使って対応している事例もあります。また、高い専門性が求められる特別支援教育において、免許状の在り方が課題となっております。障害のある子供たちが個性や能力を更に伸ばしていけるよう、特別支援教育に携わるスタッフや施設の充実、就学相談に必要なスキルを備えた人材の確保、教育の専門性を向上させるための取組を早急に進めることが必要です。
 次に、外国人をめぐる課題については、参考人から人権に関わる問題提起がなされ、外国人労働者に係る切迫した状況が伝えられました。
 グローバル化が急速に進展する中で、多文化共生社会を実現することは、外国人のみならず日本人にとっても意義のあることであり、諸課題の解決に向けた施策を推進していくことが重要であります。特に、外国人が日本で生活する際、言葉の壁が様々な困難を引き起こしています。教育現場や行政手続で意思疎通を図るため日本語の学習機会を充実させるとともに、易しい日本語を活用して必要な情報を発信するなど、我が国としての対応が求められております。
 新型コロナウイルス感染症による国民生活、経済への影響については、商店街、フリーランス、ベーシックインカムに着目して参考人の意見を伺いました。
 商店街は、構成する店が事業を行うにとどまらず、防犯や地域活動に取り組んで地域社会を守ってきました。大型店との競争など、従来から厳しい事業環境にありましたが、コロナ禍によってますます厳しい状況に追い込まれております。
 政府は、持続化給付金や雇用調整助成金、家賃支援給付金など様々な支援策を講じ、心強い支援であったとの評価もいただいておりますが、コロナ禍の影響の長期化も視野に入れ、地域の実情を踏まえたきめ細やかな支援策の実行が必要と考えます。
 社会的孤立をめぐる課題につきましては、引きこもり状態にある人々にどのような支援の手を差し伸べるか、深刻さを増す八〇五〇問題に対してどのような施策を講じていくかという課題に直面しております。
 参考人からは、自死ではなく生き続けられるための選択肢として引きこもっている状況についての意見が述べられました。
 公明党といたしましても、中高年の引きこもりが深刻になっているとの現場の声を受け、政府に対してその実態調査を求めてまいりましたが、二〇一九年に初めて実現をいたしました。
 地方自治体やNPO、福祉関係者など、幅広い機関が連携し、誰にも相談できずに孤立する本人や御家族を発見して寄り添う体制を整備することが重要であり、安心して過ごすことができる居場所の確保が何より求められます。
 最後に、生活基盤の安定に向けた課題につきましては、参考人から自殺の深刻な状況について意見を伺いました。コロナ禍の収束が見通せない中、自殺者数が増加に転じ、悩みや困難を抱える人々に寄り添って支える取組が急務となっています。参考人からは子供への対応の必要性について熱い思いが語られましたが、状況は極めて深刻であります。
 公明党としても、昨年十一月にコロナ禍における自殺防止対策の強化を求める緊急提言を行いましたが、要因の迅速な分析や最新の動向を踏まえた相談支援体制の強化が必要です。
 コロナ禍により、困難を抱える人々の状況が一層深刻化しております。様々な困難に対して適切な支援策を講じていくことが我々に課された責務であり、課題解決に向けた歩みを着実に進めてまいりたいと申し上げまして、意見表明を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#8
○会長(芝博一君) それでは、次に発言のある方は挙手をお願いいたします。
 高木かおり委員。

#9
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。
 本調査会におきましては、この「困難を抱える人々への対応」ということで、多くの参考人の皆様から意見を聴取させていただきました。その中でも、今、特にこのコロナ禍におきまして私たちの生活も一変いたしました。経済的にもやはり厳しい世帯も増え、特に非正規の女性の厳しい状況が浮き彫りになっております。
 加えて、幾ら感染対策をしても今猛威を振るっているこの変異株、感染力が強いと言われる中、本当にメンタル的にも不安を抱えながら生活をしていると、もうこういった現状の中で、このコロナによって打撃を受けている職種で働いていて次に転職を希望するような方もおられますが、日本はまだまだこの転職市場というのは多様な働き方ができていない状況です。この点もしっかりクリアをしていくことが求められていると思います。
 私は、女性のリカレント教育が大変重要だと推進の立場でおりますけれども、このコロナの前から、女性が一度妊娠、出産、育児などで休職しますと、社会復帰するためには大変覚悟が要ります。自分の今後のキャリアプランを考え、学び直しながら働く環境を整えていくと、こういった時期は大変重要だと考えています。
 また、この女性に関して申し上げますと、大変この非正規雇用というのが多いと、これがコロナ禍で浮き彫りとなりました。この問題も大変深刻であると受け止めております。真っ先に雇い止めに遭ったのは非正規の方々です。子育てをしている女性が時間の都合上パートで働き続けていたら、賃金は上がりません。これが男女の賃金格差が生まれるゆえんであると思っております。
 そもそも、正社員としての働き方というのは、長時間が前提、残業もある、これが当たり前となっていますけれども、短時間で正社員として働ける、こういった働き方も考えていくべきだと考えています。この点が実現できれば、家族の形も多様化する中で、多様な働き方が広がっていくのではないかと思っております。
 私がこのリカレント教育を進めたい理由の一つとして、やはりこの学び直し、再チャレンジできる社会を目指す、これによって生きる希望につながっていくのだと思っているからであります。
 今、コロナ禍で、特に女性の自殺、児童生徒も、こういった引きこもりや自殺、こういった問題がまさに喫緊の課題であると、本日も他の委員からお話がありました。やはり、この再チャレンジしようという気持ちになるためには支えてくれる相談者が必要であり、そういった相談体制の充実も喫緊の課題であると思います。こういった相談体制を設置していくためにも、その現場の実態調査、こういったことも加えて重要になってくる。その中で、オンライン化が進むという中で、SNS等を使った相談体制、これをしっかりと充実していくべきだと思っております。
 子供たち、それから弱い立場の女性や引きこもり、自殺を考えてしまうような、こういった方々の支援をしっかりとこれからもこの調査会においてやっていくべきだという意見を申し述べさせていただきまして、私からの意見とさせていただきます。
 本日はありがとうございました。

#10
○会長(芝博一君) 次に発言のある方は挙手をお願いいたします。
 伊藤孝恵委員。

#11
○伊藤孝恵君 新型コロナウイルス感染症は社会の最ももろい部分をあぶり出しました。こういった危機のとき、いろいろなところで引用される十八世紀のスコットランドの哲学者、トマス・リードの言葉があります。鎖の強度はその一番もろい箇所の強度に等しい、なぜなら、その箇所が崩れたら鎖全体がばらばらになって崩れ落ちるからだ。日本社会の最ももろい部分とはどこなのか。
 ステイホームは家の中の問題を顕在化させました。家計の悪化は生きる気力や尊厳を奪い、いらいらが抑えられずに弱い子供や家族に手を上げる大人を増加させました。DV相談件数はコロナ禍で過去最大。偏りがちだった育児、家事、介護の女性への負担、非正規雇用者の失業やシングルマザーと子供の貧困は、自助、共助の域をとうに超え、公助の具体策を必要としています。コロナ禍において、男性の自殺者は減る一方で、女性の自殺率が一五・四%も増加した事実とともに、我々が直視すべき課題です。
 また、児童虐待件数も過去最大。小中高生の自殺も一九八〇年の統計開始以来過去最高。孤独な育児による産後うつによる自死は二倍というデータもあります。その他、外国人労働者、児童生徒、独居高齢者、ヤングケアラー、不登校、引きこもり、今必要なのは、社会の一番もろいところ、崩れ落ちそうなところに駆け寄って補修することなのだと思います。
 その意味で、当委員会における調査項目はまさに現下の社会の要請に応えるものであり、委員長、両筆頭理事、また調査室、委員部始め、この場をつくってくださった皆様の御尽力に感謝いたします。
 さて、次は、当調査会がいかなる意思を持って動くかについて本日は議論せねばなりません。
 四月二十一日の参考人意見陳述の中で、早稲田大学の棚村先生より、養育費不払問題の解消に向けた具体的な法制の提案がありました。養育費の合意形成及び履行確保の支援に関する法律とタイトルされたものです。
 私は、児童手当並びに児童扶養手当の超大幅拡大により社会で子供を養育することを望んでおりますが、それがかなわない現状では、養育費の有無というのが、一人親家庭で育つ子供たちの学びや育ち、満腹度合いや選択肢、いわく将来に直結する課題であるため、その確保の方策に絞って本日は述べたいと思います。
 上川法務大臣は、今年二月、法制審議会に養育費確保等に関する制度の見直しを諮問し、四月十六日には早速、離婚届の書式を見直し、公正証書を使っているか否かを尋ねるチェック欄を追加する旨を表明しました。早い自治体では今月から運用が始まっています。
 しかし、これはあくまで自主的に、全体の八七・二%を占める協議離婚における公正証書での養育費取決めを施すもの、促すものであり、その効果は未知数です。法制的なアプローチという意味で考えれば、強制執行受諾文言付公正証書等を離婚以前に的確になされるよう、情報提供や相談体制、費用負担援助、それがDV等で困難な方への配慮もした上での取決め義務化が第一ステップです。もとい、現行法制下では、これが全ての入口になります。この場合、民事執行法を自ら行使しての強制執行となるため、第二ステップとしては、この強制執行の支援、場合によっては行政による徴収、サービサーを介しての徴収支援等が考えられ、既に取組を始めている自治体もあります。さらに、第三のステップは、まず行政が不払養育費を肩代わりした上で徴収もしてくれるといったものです。不払に悩む方々にとっては本望である反面、では、偽装離婚すれば養育費を税金で賄ってもらえるということか、行政職員を取立てに駆り出すのかなどの指摘も実際にあるところであり、これらについては幅広いステークホルダーの意見とともに国民的議論に付す必要性を感じます。
 いずれにせよ、全ての入口、課題解決の端緒である公正証書取決めの合意形成支援と義務化及び簡易算定表整備の必要については感じるところであり、そもそも養育費が子供の育成に必要不可欠であるという総則、目的や基本理念、国や地方公共団体の責務等について立法府の意思を示すべきだと思います。
 本調査会は、第百三十二国会において高齢社会対策基本法案を取りまとめています。第百五十一国会の共生社会に関する調査会では、配偶者からの暴力及び被害者の保護に関する法律案、いわゆるDV防止法可決、第百五十九国会ではその改正案も可決させており、良識の府参議院の調査会立法が現下の課題につながる政策推進のよりどころとなっています。
 委員各位におかれましては、法制審や政府の結論を待つのみならず、政党の議論を静観するのみならず、調査会での議論を踏まえた立法について御検討いただきたくお願い申し上げます。
 終わります。

#12
○会長(芝博一君) 次に発言のある方は挙手をお願いいたします。
 岩渕友委員。

#13
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
 本調査会は、「誰もが安心できる社会の実現」を大きなテーマとして、二年目となる今年は「困難を抱える人々への対応」について参考人質疑を行ってきました。
 コロナ禍の下、誰もが困難を抱える可能性があり、既に困難を抱えている人々に矛盾が集中する下で、国民の命と暮らし、雇用となりわいを守るために、憲法二十五条を始め、憲法を生かすとともに、自助ではなく公助が重要になっています。
 女性や子供の自殺が増加するなど、矛盾が集中をしています。
 女性の困難と負担増は深刻です。非正規労働者の多くが女性であり、雇用の調整弁として解雇が増えています。女性が非正規を選ぶ理由の多くは子育てや介護であり、妊娠、出産、育児を理由に仕事を辞める女性は非正規労働者が圧倒的に多いというのが実態です。参考人からは、日本では子供を育てることがペナルティーになっている、こうした状況を改善するために雇用機会均等法の強化を求める、こうした提案もありました。介護を受けることができない状況が介護離職やヤングケアラー問題につながっており、参考人からは介護体制の充実を求める意見がありました。
 コロナ禍で家庭での性暴力被害が増え、家が必ずしも安心、安全な居場所ではないという子供たちがいる中で、参考人からは、一時的に避難できるような場所の拡充が必要という意見がありました。性の問題は虐待やDV、性暴力など多くの問題とリンクしており、参考人からは、ジェンダー平等の実現が様々な問題の解決にもつながるという話がありました。
 女性が非正規を選ばざるを得ない実態から考えても、コロナ対策から考えても、構造的な問題の転換のためにもジェンダー平等の実現が必要だということを指摘しておきたいと思います。
 先日、保護者や教職員の長年の運動と幅広い世論によって小学校における三十五人学級が実現をしました。小学校全体で学級規模を縮小するのは四十年ぶりのことです。子供たち一人一人に向き合えるように、制度の更なる拡充と教員や養護教諭を増やすことが必要です。参考人からも、先生の負担を減らし教員を増やすことは、子供が育つ環境づくりという意味で極めて重要という意見がありました。特別支援学校でも、在籍する子供たちが増える一方で、学校数が足りず、一つの教室をカーテンで仕切って使うといった実態が問題になる中、参考人からは、基準の策定に当たって活動が十分できるようにという意見がありました。
 コロナ禍で中小事業者やフリーランスの方々も大きな打撃を受けています。参考人からは、フリーランスにも国民健康保険の傷病手当金の支給を求める意見が出されました。中小事業者は地域の雇用と経済を支え、防犯や見守り、コミュニティーの場、お祭りといった文化の担い手など、重要な役割を果たしています。事業継続のための直接の支援が必要です。
 技能実習生や外国人労働者の実態も深刻だということが明らかになりました。解雇や休業手当の未払などによって困窮をし、生活ができない、借金の返済に困るといったことが起きています。参考人からは、技能実習生をめぐって、労働者として権利を主張できるようになっていないことがコロナ禍で問題が起きることにつながっている、こうした指摘もありました。
 コロナ禍から国民の命と暮らし、雇用となりわいを守ること、コロナ禍で明らかになった社会の弱い部分を大本から変え、「誰もが安心できる社会の実現」に向けて政治が役割を果たすよう私も力を尽くす決意を述べて、意見表明といたします。

#14
○会長(芝博一君) 引き続き、発言のある方は挙手をお願い申し上げます。
 浜田聡委員。

#15
○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHK党、参議院所属会派はみんなの党です。よろしくお願いいたします。
 少数会派にも意見表明の場を設けていただけることに感謝します。
 この調査会のテーマを再確認してみますと、三年間を通じた調査テーマが「誰もが安心できる社会の実現」、その中で二年目の調査テーマが「困難を抱える人々への対応」となっております。今国会で調査会では五回参考人質疑行われており、それぞれ、子供、外国人、コロナウイルス感染症による影響、社会的孤立、生活基盤の安定に向けた課題についてお話を聞かせていただきました。
 一年前を振り返りますと、一年前の調査会のテーマ、「困難を抱える人々の現状」でした。一年前のこの調査会においても総括として意見表明の機会をいただきまして、その際、私は、所属政党の主張を踏まえて、NHK訪問員による子供や外国人が受ける被害、NHK訪問員が社会的弱者を狙っている現状についてお話しさせていただきました。
 我々NHK党が国会で議席をいただき、そして国政政党となって一年九か月となりました。この間、私は、NHK党の国会議員として、この調査会を含む国会の場で、NHKが引き起こす様々な問題のうち最大の問題、委託業者による営業訪問員の問題について何度も取り上げさせていただきました。おかげさまで、国会の内外でこの問題が大きく周知されることになったと自負しております。
 昨年末にNHKで大きな動きがありました。前田晃伸会長が、NHK訪問員による戸別訪問を抜本的に見直すという発言がされたことです。それを反映してか、NHKの今年度の収支予算と事業計画では、委託法人手数料が二百五十二億から百六十三億へと減額となっており、八十九億円、約三割もの大幅減となっております。
 NHKは、訪問によらない営業方針を打ち出しております。今後、訪問員によるトラブルがなくなるかどうかに注目しております。NHKに関するこれら一連の動きというものは、一昨年に我々NHK党が民意によって国会で議席をいただいたことに影響していることは間違いありません。
 この調査会の今年のテーマを改めて確認してみますと、「困難を抱える人々への対応」というものでした。今国会の調査会で取り上げられた子供や外国人、社会的に孤立しつつある方々というのは、我々が問題視するNHK訪問員の被害に遭いやすい方であります。
 先ほど申しましたように、NHKは営業の問題を反省し、その営業の方針を変化させていることで少しずつ改善に向かっているのではないかと思います。こういった変化については、もちろん我々NHK党の力のみならず、与野党含めました多くの皆様の御協力によるものと思います。そして、何より有権者の皆様の力がその最たるものでございます。この場をお借りして感謝申し上げたいと思います。
 ところで、NHK訪問員の問題を何度も取り上げさせていただいておりますが、営業訪問員の問題というのはNHKだけではありません。どういうことかというと、NHK以外にも各家庭を戸別訪問する営業の訪問員がおりまして、調査会で取り上げられた子供や外国人、社会的に孤立しつつある方々というのは、このような営業訪問員によって被害を受ける可能性があります。
 具体的なものとして、その最たるものが新聞販売の訪問営業が挙げられます。御存じのとおり、各種新聞は販売部数が年々急速に減少しております。様々な社会の変遷により新聞業界は凋落傾向にあると言っていいと思いますが、そのような業界がその凋落に対応し切れず、NHKに勝るとも劣らない強引な訪問営業などで多くの問題を引き起こすわけですが、その際にまず影響を受けるのは、この調査会で取り上げたようないわゆる社会的弱者の方々であることは間違いありません。
 NHKも新聞も、大きなメディアでありながら自らの問題の報道には消極的だからこそ、情報収集が重要です。私は、今後も国会でこのような訪問営業の方による人的な被害というものを取り上げて、少しでも改善していけるよう心掛けていきたいと思います。
 この調査会、三年間を通じたテーマが「誰もが安心できる社会の実現」です。実現には大変な困難が伴いますが、我々NHK党としては、せめてNHK訪問員が来ることをおびえる必要のないという意味で、安心できる社会は実現したいと考えております。この実現に向けて今後も邁進していくことを誓いまして、私の意見表明とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。

#16
○会長(芝博一君) 以上で各会派の一巡目の発言は終了をいたしました。
 引き続き、他に発言の御希望のある方は挙手をお願いを申し上げます。
 牧山ひろえ委員。

#17
○牧山ひろえ君 立憲民主・社民の牧山ひろえです。
 本年度の国民生活・経済調査会におきましては、「誰もが安心できる社会の実現」という三年越しの大テーマの二年目として、「困難を抱える人々への対応」という中テーマの調査に取り組んでまいりました。
 子供や外国人をめぐる課題のように対象に着目した小テーマ、社会的孤立や生活基盤の不安定さなど状況に着目した小テーマを設定し、調査を行っています。また、猛威を振るい続けるコロナ禍が社会の弱い部分を直撃し、今まで隠されがちだった問題点を顕在化させた点にも着目しました。
 中テーマを構成するものとしての小テーマの立て方、それぞれの小テーマごとの参考人の選定なども含めて、幅広過ぎる傾向がありましたが、その分、様々な角度から、大テーマである「誰もが安心できる社会の実現」、逆の表現を用いると、安心の阻害事由となるような日本社会の問題点を探求できたのではないかと評価しております。
 ただ、重要なのは、今回も含めた調査結果をいかに有効に活用していくかということです。もちろん、今回の参考人質疑で見聞した内容は、それぞれの関連する委員会等で各々の質疑に反映する等はしていることと思います。私も質問主意書なども含めて自分の政策活動に取り入れています。
 ただし、本来的に言えば、院としても今期の調査活動を国民のために有効に活用していくようにしていくべきではないかと思うのです。社会の弱い部分を多角的に取り上げるという貴重な調査の機会なのですから、一過性の取組で終わらせてしまっては余りにももったいないのではないかと思います。
 とりわけ、今期の中テーマは、困難を抱えるということです。社会で困難を抱えているということは、社会のメーンストリームにいない、正面から問題とされていない、どちらかといえば後回しにされているということです。今回の参考人質疑でも、参考人の陳述で初めて実態を生々しく聞いたケースも間々ありました。
 このように、行政が優先的に取り扱わない分野について、行政監視を重視する参議院として、社会の諸課題に対する定点観測と取組の推奨を仕組みとして行うことができないかということを考えております。イメージ的には、例えばSDGsの国内版です。御存じのように、SDGsは持続可能な開発のために国連が定める国際目標で、十七の世界的目標、百六十九の達成基準、二百三十二の指標がございます。
 今回の件を始めとして、日本社会の問題点を明確に項目立てし、現状を把握し、改善の指標を策定し、年限を区切った改善達成への動機付けとする。この仕組みを参議院主導で動かし、行政の取組を促す。もちろん、これはあくまでも一例で、こうでなければならないというわけではありません。大事なのは、今回の調査を一過性のものに終わらせず、参議院が関与する形で解決への道筋を付ける仕組みづくりを意識すべきではないかということです。
 来年の中テーマは、今期の調査を前提とした活力ある未来の実現とされています。持続的な改善に向けての仕組みづくりという視点を来年度の調査に取り入れていただければ幸いです。
 今期のテーマに関連して、幾つか具体的なコメントをさせていただきます。
 外国人技能実習制度をテーマとした際の、契約内容も含む来日時の契約に既に人権侵害の芽が埋め込まれているという指摘、それも含めた悪質ブローカーの実態把握や規制が重要であること、また、ヤングケアラーをテーマとした際の、ヤングケアラー自身にその概念や支援策を認識してもらう必要性、ヤングケアラーを担当する省庁にヤングケアラー問題を担当する独立した部局を設置するべきだなどの提案は、出席されていた参考人の諸先生からも強い賛同を得た内容ですので、是非、中間報告にも反映していただきたいと思います。
 以上でございます。

#18
○会長(芝博一君) 次に発言の希望のある方は挙手をお願いいたします。
 梅村みずほ委員。

#19
○梅村みずほ君 よろしくお願いいたします。日本維新の会の梅村みずほと申します。
 今回は、皆様と一緒に、困難を抱える人々の課題に十四名の参考人と一緒に検討を重ねてこられたというのは大変有り難い機会でもありました。そして、困難を抱える皆さんの諸課題に向き合っているときに、私の中で浮かんだキーワードは三つございます。まずは、金銭的な解決策が必要であろうということ。もう一つは、SOSの出し方、これが重要であろうということ。そしてもう一つは、家庭というキーワードです。特に、やはり二人の子供を育てる身といたしましても、子供に関する様々な状況というのは胸が苦しくなるものがございました。
 あえて申し上げたいのは、政治は家庭に介入するべきではないという意見が多数あるのは存じ上げておりますけれども、やはり家庭というものにそろそろ目を向けていかなくてはいけないのではないかということでございます。
 自民党の若手の皆さんが中心となって、子供家庭庁、最初はそういった名前だったかと思いますけれども、そしてこども庁の創設のプランを練られたということを私も聞き及んでおります。大変期待しておりますけれども、返す返すも残念なのは、子供家庭庁ではなくこども庁となったことです。
 子供が種だとすれば、家庭は土です。土に養分がなければ、どんなにいい種であっても育たないのではないかと思っています。きっとその辺りはほかの皆様も賛同してくださることなのではないかと思うんですけれども、やはり今こそ政治がこの家庭というものにも目を向けていかなくてはいけないというふうに思っております。
 家庭の在り方は多様化しております。一人親家庭、ステップファミリー、里親家庭、特別養子縁組家庭、貧困家庭。こうして、子供と切り離せないのが家庭である以上、多様化している家庭、困っている家庭にどうサポートをしていくかというのも政治の課題になりつつある、それが令和という時代なのだろうというふうに思っております。
 私も二人の子供を育てながら、本当に多くのお母さん、お父さんたちと触れ合ってまいりました。そして、同じ国に、同じ時代に子育てをする仲間でありながらも、そんなスタンスで子供と付き合っていてもいいのかと思うような、親になる資質を疑いたくなるような親とも出会ってまいりました。そして、そういった家庭の問題、政治では介入すべきではないと言われている家庭の問題が出てきているのが、子供の虐待であり、自殺であり、そして子供が苦しんでいる様々な課題なのではないかというふうに思っております。
 ですので、子供家庭庁という名前ではなくなったわけなんですけれども、こども庁というものができました暁には、積極的に私どもからも家庭に関する課題というもの、そして解決策というものも一緒に提案してまいりたいと思うところでございます。
 そして、私は、子供の明るい笑顔、幸せな未来というものを考えましたときに、子どもの権利条約というものにつきまして子供自身に知ってもらう必要があると考えております。そして、親も子供の権利について知る必要があり、そして教師も子供の権利について知っておく必要があるというふうに思っております。
 子どもの権利条約、日本も批准して久しいわけですけれども、当事者である子供の中に自分に権利が保障されているのだと知っている子供は大変少ない現状にあります。ですので、まずは学校の教育で子どもの権利条約について先生から教えてあげてほしい、家庭からも教えてあげてほしいと思っています。
 私の地元は大阪でございますけれども、大阪の生野区に生野南小学校というところがございまして、生きる教育というものが注目を浴びております。これは私、人権教育でもあり、すばらしい道徳教育でもあると思っているのですが、この小学校は元々校内暴力が百件ほど年間にある学校でした。そして、病院のお世話になるような暴力沙汰が三十一件あったというところが、最近はゼロ件になっております。
 それはなぜかといいますと、やはり小学生ながらにちょっと荒れたといいますか、言葉に語弊があると申し訳ないんですけれども、そういった荒れた子供の多い学校で、先生がこの子たちをどうしてあげようかと考えたときに、まずは国語教育にフォーカスをしました。言葉で伝えられなくて手が出てしまう、足が出てしまう、そんな子供たちに懇切丁寧に気持ちを伝えるのは言葉なんだということを熱心に教えるために、国語教育を一年生から六年生まで一貫して集中的に授けてきました。それと同時に、プライベートゾーン、人に触られては駄目なところだったりとか子どもの権利条約についても教えています。
 赤ちゃんを間近に見せてあげて、誰しもだっこされてきたんだよと。この小学校のエリアには児童養護施設から通っている、そんな子供たちもおりますので、みんなすぐ歩けたわけじゃないよ、いろんな人にだっこされてきたんだよということを赤ちゃんとの触れ合いの中で教えていく。そして、皆さんが抱えている悩み、例えば、あんたなんか産まなければよかったというふうに言われて受けた傷がどのようなものであるのか、自分では処理できない悩みはSOSを出さなくちゃいけないんだということも教えております。
 子供を幸せにするために是非家庭というものにもフォーカスしたいということを申し上げまして、発言を終了します。
 ありがとうございました。

#20
○会長(芝博一君) 次に発言の希望のある方は挙手をお願いいたします。
 伊藤孝恵委員。

#21
○伊藤孝恵君 本調査会では、子供をめぐるあらゆる問題について、参考人の皆様より様々な課題を預けていただきました。自殺、不登校、引きこもり、特別支援教育、ヤングケアラー、性暴力、外国人児童生徒、これら全て我々が最優先に取り組むべき課題です。なぜなら、子供の心を育めない、安心、安全な環境で大きくなれない、そんな国に連なる未来などないからです。
 中でも、政治がこれまで、移民とは認められないから、集住地域特有の問題だから、多国籍過ぎるから、その取組を怠ってきた外国をルーツとする子供たちの育ちや学びの問題は既に臨界点を超えています。自治体任せの国の姿勢が地域間の大きな対応格差も生んでいます。
 出入国在留管理庁によれば、二〇二〇年六月末時点で在留外国人はおよそ二百八十八万人、外国人労働者は二〇年十月末時点で百七十二万人と、十年間で二・六倍になりました。彼らは労働力ではありません。この国の一員として家族とともに暮らしております。
 公立小中学校に通う子供たちはおよそ九万七千人いて、日本語で十分に日常会話ができなかったり授業参加に支障が生じたりしている小中学生が一八年度でおよそ三万六千人、十年間で三割増えました。もとい、日本国籍であっても、日本語の指導が必要な子供もおよそ九千人います。
 文科省は、二六年度までに十八人につき一人程度の教員を追加で配置するとしていますが、ただでさえ教員確保の難しさがある中、果たして日本語指導もできるような担い手は見付かるのか。国が日本語指導を自治体や学校現場に任せきりで、指導人材の育成や確保を先送りしてきた今、何が起こっているか。
 五月九日の新聞に気になる指摘がありました。文科省が外国人集住地域と位置付ける群馬、長野、静岡、愛知、三重など、八県二十五市町の教育委員会を対象に二〇年度に調査した結果、外国人児童生徒の六・五%が、学校教育法が発達障害や知的障害などを抱える児童生徒のための教育の場と定める特別支援学級に在籍しており、これらは通常の二倍に上る、二〇一六年調査から全く改善していないというものです。
 背景には、日本語指導が必要な外国籍の小中学生を受け入れる体制の不備、指導者がいないといった理由でおよそ半数が日本語授業を実施できておらず、ある中部地方の教育委員会が、日本語が身に付いていない子供を人数の多い通常の学級で手厚くサポートするのは難しいので、検査による障害の判断なしに、診断なしに支援学級に在籍させるケースがあると認めたとも書かれていました。支援学級が日本語指導を担うことになれば、本来の目的である障害のある子の学びや育ちへのサポートが手薄になるなど、日の目にも明らかです。
 現在、教育委員会の分掌規程には、外国人の子供の教育に関する記載は九二・三%の確率でありません。就業案内や手続等をする旨を規定していない自治体は九六・三%に上ります。
 一方で、外国人教育に携わる業務を職務と明確に位置付けて取り組んでいる岐阜県可児市のような自治体では、不就学児童生徒がゼロになったというような好事例も出てきておりますし、外国人児童生徒の特別支援学級在籍率が二・四%と、全児童生徒割合二・六%を下回った愛知県豊橋市では、入学直後の学習を支援する通訳をおよそ三十五人確保、障害の有無も母語での検査を進めており、子供たち一人一人に適した教育環境を整えることで、彼らが自然に地域の生活者となり、多文化共生に関する市民意識も向上してきたと言います。最近では、外国人市民が自治会役員になったり、外国人の赤十字救急法指導員が日本で初めて誕生するなど、外国人市民が支援される側としてではなく支援する側であることも体現する事例が生まれていると言います。
 海外では、公用語を母語としない子供の語学力向上に対し、積極的な取組がなされています。子供の問題を軽視すれば、それがやがて社会の分断を生むことを過去の歴史から学んでいるからです。アメリカでは、子供の数に応じて各州に補助金を支給し、年一回の試験でその成果をトレースしています。韓国も同様に韓国語能力試験を実施し、企業のグローバル化、人材確保に向け、外国人が安心して暮らせるよう教育体制の面でも条件を整えています。
 言葉の力は、この国で生きていく力そのものです。それを子供たちに送ること、学ぶ場所の環境を整えることは我々の大きなミッションではないでしょうか。
 終わります。

#22
○会長(芝博一君) それでは、他に発言はございませんか。
 それでは、塩田博昭委員。
 五分以内でお願いいたします。

#23
○塩田博昭君 公明党の塩田博昭でございます。
 本調査会を通しまして様々な専門家からの御意見を伺う中で、やはり困難を抱える人への支援を行うための制度や体制が余りにも不十分であるということが感じ取れる参考人からの御意見が余りにも多かったと。また、例えば、ライフリンクの自殺防止相談を行う清水代表も、相談スタッフが絶対的に足らないということを非常に強調されておりました。また、リカレント教育を進めるためのオンライン教育の充実なども多くの課題があるということが分かりました。
 こうした課題は我が国が抱えている重要なテーマばかりでありまして、やはり今後立法府において更なる努力が必要であるというふうに感じております。そして、自助、共助、公助だけでなくて、一人一人が支え合う新しい福祉や共生社会づくりを進める必要がやはりあるんだろうというふうに考えております。
 また、コロナの影響で生活に困窮をされた一人親への支援についても、国から二度にわたる支援も行われましたけれども、新たに一人親に限らず両親への子供一人五万円などの支援ということもございますけれども、しかし、現実に考えると、DV被害等で逃げておられるような家庭を守ることが余りにも今難しいということがございます。結局、逃げておられる状況なので、離婚もできておられなかったり、一人親にもなっていないというような、こうした方に対して支援が難しいという状況がございます。このようなはざまで苦しんでおられるような人に対して、やはり特例で支援ができるような制度を考えておく必要がこれからはあるんだろうというふうに思います。
 こうした本調査会における参考人からの意見を幅広く聞くことで、福祉の面の更なる充実に臨んでいきたいと、このように考えております。
 以上でございます。

#24
○会長(芝博一君) 他に発言はございませんか。──他に発言がないようでございますので、以上で委員間の意見交換を終了いたします。
 各委員におかれましては、貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。
 本日伺いました御意見を踏まえ、各理事とも協議の上、中間報告書を作成してまいりたいと存じます。
 それでは、本日はこれにて散会といたします。
   午後二時三十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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