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2021/05/13 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 文教科学委員会 第12号 令和3年5月13日
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2021/05/13 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 文教科学委員会 第12号 令和3年5月13日

#1
令和三年五月十三日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十一日
    辞任         補欠選任
     藤川 政人君     世耕 弘成君
 五月十二日
    辞任         補欠選任
     加田 裕之君     水落 敏栄君
     宮崎 雅夫君     有村 治子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         太田 房江君
    理 事
                赤池 誠章君
                上野 通子君
                吉川ゆうみ君
                斎藤 嘉隆君
    委 員
                有村 治子君
                石井 浩郎君
                世耕 弘成君
                高階恵美子君
                水落 敏栄君
                石川 大我君
                横沢 高徳君
                蓮   舫君
               佐々木さやか君
                安江 伸夫君
                梅村みずほ君
                松沢 成文君
                伊藤 孝恵君
                吉良よし子君
                舩後 靖彦君
   国務大臣
       文部科学大臣   萩生田光一君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  岡田 直樹君
   副大臣
       文部科学副大臣
       内閣府副大臣   丹羽 秀樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        戸田 浩史君
   政府参考人
       内閣官房内閣参
       事官       安中  健君
       外務省大臣官房
       審議官      曽根 健孝君
       外務省大臣官房
       参事官      有馬  裕君
       文部科学省大臣
       官房長      増子  宏君
       文部科学省初等
       中等教育局教育
       課程総括官    串田 俊巳君
       文部科学省高等
       教育局長     伯井 美徳君
       文部科学省科学
       技術・学術政策
       局長       板倉 康洋君
       文部科学省研究
       振興局長     杉野  剛君
       スポーツ庁次長  藤江 陽子君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国立大学法人法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(太田房江君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、藤川政人さん、加田裕之さん及び宮崎雅夫さんが委員を辞任され、その補欠として世耕弘成さん、水落敏栄さん及び有村治子さんが選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(太田房江君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国立大学法人法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣参事官安中健さん外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(太田房江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(太田房江君) 国立大学法人法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#6
○有村治子君 皆様、おはようございます。自由民主党の有村治子です。
 二十分という限られた質問時間を最大限に生かしたいので、御答弁は要点のみを簡潔に賜りますれば大変有り難く存じます。御協力を仰ぎます。
 早速本題に入ります。
 この国立法人大学改正法によって、改正によって、今後、大学経営の一環として日本の国立大学と外国企業が共同で出資するケースも増加が見込まれます。社会実装という点では評価すべきことですが、我が国が生み出した貴重な研究成果や先端技術、経営ノウハウが国外に不当に流出するおそれも出てまいります。外国企業と一言で言っても、純粋民間企業ではなく、外国国営企業だったり、事実上外国政府が支配する企業が日本の大学と組みたいと思うこともあるでしょう。
 このため、外国企業との共同出資には、日本の大学の知的財産や稼ぐ力を守り、安全保障の視点を生かす点からも、例えば一定の領域規制を掛けるなど、的確な対策を講じるべきだと考えます。文部科学省の見解をお伺いします。

#7
○政府参考人(伯井美徳君) 今回の法改正によりましては、国立大学法人等が行うことができる出資の範囲を拡大することとしております。国立大学法人等が出資を行う際は、その適正性を担保するために文科大臣の認可を必要としております。
 仮に外国企業との共同出資となる場合には、その認可の際に、共同出資の相手方の情報把握や秘密情報の管理など、技術流出防止のためのリスクマネジメント体制が大学において構築されているかなどを先生が御指摘の点も踏まえてしっかり確認することを検討してまいりたいと考えております。

#8
○有村治子君 是非よろしくお願いいたします。
 続けて、我が国の高等教育機関における健全性を確保するために各国の大学が直面している課題について質問を続けます。
 孔子学院についてです。
 今年三月、防衛省の防衛研究所が東アジア戦略概観二〇二一を発表しました。これは、日本を取り巻く東アジアの安全保障環境を学術的に研究をし、日本語と英語で毎年公表されているものです。驚くべきことに、ここに孔子学院が取り上げられています。教育部門であるはずの孔子学院が米国の安全保障の章において詳細に分析されており、アメリカが国家安全保障上の重要課題として孔子学院を警戒している近年の状況を日本の防衛省防衛研究所がレポートしているという点に深いメッセージがあるのではないでしょうか。
 孔子学院は、二〇〇四年、外国における中国語と中国文化の普及を図る目的で、中国政府肝煎りの国家戦略として設置されました。NGO、非政府組織の形を取っていますが、実態は中国共産党、中国政府教育部を中心とした各省機能を結集させた国家プロジェクトであり、中国国内の大学と受入れ国の大学を提携させて、中国から教員や教材を各国に派遣して、世界的な規模で影響力拡大が図られてきました。
 そもそも、孔子学院という名前は、約二千五百年前の中国の思想家、孔子の名前を冠していますが、論語や儒教とは直接の関係はありません。文化大革命では迫害の対象となった孔子も、現在においては世界に冠たるブランドネームとして中国共産党に重用されており、胡錦濤政権に続く習近平国家主席もソフトイメージを使ったこの海外工作を殊のほか重視しており、外遊先では積極的に孔子学院を訪問しています。
 資料の一と二を御覧ください。二〇一九年現在、世界の百六十二の国々や地域において、大学レベルに設置された五百五十の孔子学院と小中高校などに設置された千百七十二の孔子学級が存在しています。日本においては、現在、少なくとも十四の大学に孔子学院が設置、確認されています。
 この十五年ほどの間に孔子学院は破竹の勢いで世界的な拡大を図ってきましたが、資料四、読売新聞いわく、中国のスパイ拠点警戒、米国、孔子学院閉鎖次々という記事で読売が報じているとおり、近年、むしろ各国で警戒感が増し、孔子学院の閉鎖も相次いでいます。我が国においても拠点を閉鎖したところがあります。
 そこで、外務省にお伺いします。
 中国が戦略的にターゲットにし、世界最多、百十以上の孔子学院を設置されてしまった米国では様々な摩擦が起きています。アメリカの大学で教えている教授陣、教職員によって構成される米国大学教授協会及び全米学術協会は、近年、孔子学院に対し警告の声明を出しています。どのようなものでしょうか。

#9
○政府参考人(有馬裕君) お答え申し上げます。
 大学教授や学識者から成る会員団体である米国大学教授協会は、二〇一四年に発出した声明の中で、大学が第三者による統制を許すことは学問の自由や大学の自治の原則と相入れないとして、孔子学院と各大学との間の合意内容が適切な形で見直されない限り大学が孔子学院との関わりは絶つことを推奨しております。また、米国の非営利団体である全米学術協会は、二〇一七年に発表した報告書の中で、米国の孔子学院には知的自由や透明性の観点から懸念があるとして、全ての大学に対して孔子学院を閉鎖するように呼びかけております。

#10
○有村治子君 教育現場のみならず、米国議会でも動きがあります。一昨年、上院の国土安全保障・政府問題委員会は、米国の教育制度に対する中国の影響について公式な報告書を発表しています。
 孔子学院について、この報告書ではどのような指摘がなされていますか。続けて外務省にお伺いします。

#11
○政府参考人(有馬裕君) お尋ねの報告書は、米国上院国土安全保障・政府問題委員会の常設調査小委員会において二〇一九年二月に公表されたものでございます。
 報告書では、第一に、中国政府が孔子学院に関連して米国教育機関に対し一億五千万ドル以上の資金を提供してきたこと、第二に、中国政府が孔子学院の予算、教育内容、採用といったほぼ全ての側面を管理していること、第三に、孔子学院の教職員は中国の国益を擁護するよう誓約していること、第四に、一部の学校との合意では契約内容を非公開とする条項が付されているが、学問の自由を確保するため契約内容は公開されるべきことなどが記されております。
 また、米国務省は、査証が申請された際に孔子学院との関係を記録しておらず、結果として孔子学院に関連する中国籍の者がどれだけ米国内にいるかを把握していないとも記されております。
 さらに、中国政府から一定額以上の資金を受領した学校のうち七割近くが義務に反して教育省に報告をせず、教育省もそれへの対応ができていないことが、等が記されております。

#12
○有村治子君 ありがとうございます。
 この報告書を公開した上院では、今年三月、孔子学院についての管理を強化するための法案を与野党全会一致で可決をしています。
 米国議会での警戒感と相まって、ホワイトハウスも動いています。昨年夏、トランプ政権において、ポンペオ国務長官は、孔子学院が中国共産党による世界規模のプロパガンダ、政治宣伝工作に使われていると断定をしました。資料三のとおり、昨年十月にはポンペオ国務長官とデボス教育長官が連名で全米各州の教育長官と全米各大学の学長に通達を出し、アメリカの教育機関が孔子学院を受け入れることの深刻な影響を国中に警告をしています。アメリカが自国の教育制度を脅かすリスクとしていかに孔子学院を警戒しているのか、その緊張感が伝わってきます。
 すなわち、共和党政権であれ民主党政権であれ、与野党の区分なく、米国の教育大臣も外務大臣も、はたまたCIAやFBIという情報捜査機関までもが中国共産党にとって都合の良い主張と仕組みが孔子学院によってアメリカの教育現場に浸透していることを警告し、民主主義国家としての最大級の対策を打ってきています。
 外務省にお伺いします。
 では、米国以外の自由民主主義国では孔子学院についてどのようなことが起こっているのでしょうか。

#13
○政府参考人(曽根健孝君) お答えします。
 米国以外に関しましても、報道等によりますと、カナダではマクマスター大学とシャーブルック大学、フランスにおきましてはリヨン大学、ドイツにおきましてシュツットガルトメディア大学とホーエンハイム大学、スウェーデンにおいてストックホルム大学と、こういった大学等において機関の閉鎖が、措置がとられているというふうに承知しております。
 これらの機関を含む中国の各国における動向につきまして、外務省としても常日頃から情報収集に努めておりまして、随時関係省庁とも共有しているところでございます。

#14
○有村治子君 今おっしゃっていただいた国に加えて、オーストラリアでも深刻な事態が生じています。(資料提示)オーストラリアが中国によって気付かぬうちに侵食をされてきた経緯を詳細に記したサイレントインベージョン、日本語訳はハミルトン教授による著書「目に見えぬ侵略 中国のオーストラリア支配計画」という、ドキュメンタリーのような大学教授によるレポートですが、ここにおいても孔子学院のことが詳しく書かれています。孔子学院の出資が、中国教育部門を通しているものの、実態は中国共産党の中央喧伝部から出ている点などを指摘し、米国で指摘された孔子学院の数々の問題点と同様の手口でオーストラリアのキャンパスが中国に侵食されている様子が、関係者、関係大学、実名の記録として書かれています。
 これらの民主主義国で共通することは、ホームランド、すなわち自国の本土の、よりによって国の未来を担う将来世代の学びやが中国喧伝工作のターゲットになっていることを各国が安全保障の脅威として認識をし、内なる守りを固めようと立ち上がっている現実であります。
 そこで、外務省にお伺いします。
 日本の大学内において、孔子学院のような外国政府が事実上支配する文化発信拠点というものはほかに例があるのでしょうか。

#15
○政府参考人(伯井美徳君) 文科省としてお答えさせていただきますが、文部科学省におきましては、孔子学院のほかに御指摘のような文化拠点が大学に設置されている例は承知しておりません。

#16
○有村治子君 今、伯井局長が証言をしていただいたとおり、中国共産党の孔子学院だけなんですよね。日本の大学において唯一組織的、戦略的に設置されてきた文化センターが、同盟国でもない共産党一党支配の国の拠点であるということが果たして健全なことなのかどうか。
 共産党一党支配の国では、全体主義的、権威主義的な統治体制、すなわちトップの意向が絶対の正義とされて、政権に意見する民主的な声が出にくい、情報統制下に置かれる国民みんなが自由に参加できる普通選挙も事実上なく、ゆえに民主的な政権交代も起こらず、時の政権の誤謬や過ちが指摘されにくいという特徴があります。今回の感染症についても、私たち世界がそのような傾向を目撃しているというふうに理解をいたしております。
 今まで、日本側の大学が中国側の大学と個々に孔子学院設立の交渉を行い、その契約内容は、先ほど外務省がおっしゃっていただいたように、中国政府には報告される反面、日本国内では文部科学省に対して報告義務がありません。孔子学院の実態がどのようなものなのか把握する仕組みがないからこそ、少なからずの日本国民が不安感と不信感を持っておられるのだと思います。
 文部科学省は、現在のところ、孔子学院についての情報をほとんど持ち合わせていません。しかし、その一方で、日本政府においては、ほかの複数の省庁の方が孔子学院に関する動向にアンテナを張り、情報収集を図っています。つまり、文部科学省以外は孔子学院を純粋な国際交流拠点だとは見ていないということなのではないでしょうか。
 大学構内に置かれる孔子学院の周辺では、例えばチベット、ウイグル問題、天安門事件、宗教に対する弾圧、人権問題など、中国共産党にとって都合の悪いテーマを取り扱わないタブーがある一方で、例えば台湾の表記や尖閣諸島についての政治的主張など、中国政府の公式見解をなぞり拡散してくれる中国通の人材を世界各国で囲い込み、受入れ国の世論に働きかけさせ、中国に有利な国際世論をつくっていく手法が懸念をされています。
 私たち日本を始め民主主義国の高等教育では、多様な言論が自由に表明されてこそ真理の探求が進むとの信念があるはずです。キャンパスにおける言論の自由、思想の自由、学問領域の自由を堅持するために、各国は努力して孔子学院の透明性を求めています。
 誤解が生じないよう明確にいたしますが、私は、孔子学院を現在キャンパスに設置している日本の大学等をその事実だけをもって直ちに批判しているわけではありません。一般論として、他国の豊かな文化や言語に対する深い理解、国際交流を進めようと尽力をされてきた関係各位の善意と御努力に敬意を払います。
 しかし、近年の中国外交、また中国共産党の対外教育工作を見ていると、善意の国際交流というだけでは説明の付かない国家的動機があり、中国の政治的喧伝が各国の教育行政と深刻な摩擦を起こしている以上、日本の教育行政としてもこの問題から目をそらすわけにはいきません。
 そこで、文部科学大臣に伺います。
 文科省としても、当事者意識を持って孔子学院の現状を把握し、人事権や予算権、カリキュラム編成権において日本の大学が主体的な管理を行えるよう、孔子学院の透明性を図り、私学助成も含めて大学教育を支えている国民の安心につなげていただきたいと思います。
 萩生田大臣の御見解、今後の展望についてお伺いをいたします。

#17
○国務大臣(萩生田光一君) 大学は学術の中心であって、その教育研究に関しては当然にして自主性が尊重されることが重要です。
 御指摘の孔子学院につきましては、同盟国である米国、また、自由や民主主義、法の支配といった共通の価値観を持つヨーロッパの国々からも廃止や情報公開を求める懸念の声が高まっております。
 その運営の透明性が求められているものと承知しておりますので、文科省としては、関係省庁と緊密に連携して動向を注視するとともに、我が国の大学において孔子学院が設置されている以上、大学の主体的な研究活動が妨げることがないよう、孔子学院を設置している大学に対して、組織運営や教育研究内容等の透明性を高めるべく、情報公開を促してまいりたいと思います。

#18
○有村治子君 萩生田大臣、ありがとうございました。
 やはり、文科省以外の省庁が情報を持っているという現実を鑑みても、その省庁間の連携を図っていただき、まさに、実は、私立大学に孔子学院が設立をされていますけれども、国立大学でも孔子学院が設立されそうになった動きがございました。まさに、対外的に先端技術の技術流出をどうするかと、他国に深刻な技術が持っていかれないようにすると同時に、ホームランドとして、我が国の、日本の浸透をどう外国の喧伝部から守るかということも大事な問題になってきている世界の潮流がございます。教育分野においても、日本を守るための安全保障の視点を持つことは時代の要請であると、必要な時代になったというふうに確信をいたしております。
 萩生田大臣を筆頭に、文部科学省の御活躍を念じて、しっかりとアンテナを張っていただいて、特に自由民主主義国家としての潮流をしっかりと念頭に置いていただいて施策を進めていただきますことを心からお祈り申し上げ、私、自由民主党、有村治子の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#19
○石川大我君 立憲民主・社民の石川大我でございます。今日は四十分ということで少し長丁場でございますが、よろしくお願いをいたします。
 法案審議の前に、まず初めに、オリンピック・パラリンピックについてお伺いしたいと思います。
 十一日のニュースです。オリンピックのテストイベントである水泳飛び込みのワールドカップが五月一日から六日まで東京で開催されたわけですけれども、ここで提供された食事についての記事が出ました。ちょっと見てみますと、栄養バランスが良いとは言えないお弁当やカップ麺が出たというような報道です。
 まず、オリンピック・パラリンピックの本番についてのお話ですけれども、過去の大会の報道を見ますと、選手たちがビュッフェで自由にその国の特徴のある食事をしているということで、非常に私たちも興味深く見たというのを過去のオリンピックでは覚えているわけですけれども、当初の予定としてはどんな予定があったのでしょうか。おもてなしということでこの招致をしたわけですから、それにふさわしい計画、企画というものがあったんだろうと思いますが、教えてください。

#20
○副大臣(丹羽秀樹君) 東京大会におきましては、訪れる選手や関係者に対しまして、日本の食文化をもちろんのこと、我が国の高品質な食材をアピールするということで、関しましては大変良い機会だというふうに思っております。
 選手村で提供される食材におきましては、全国から集めた持続可能性に配慮した調達基準を満たした食材を提供することとなっており、大会関係施設に食材を提供したいという意欲のある産地の励みとなるような、大会初となります産地名等の表示を行う予定になっております。
 特に、選手村におきましては、参加する選手が良好なコンディションを維持でき、また競技において自己ベストを発揮できるような飲食提供が行われることになっており、一方、コロナ対策といたしまして、フロアの混雑状況やメニューの内容をスマホで見られるようにしたり、テーブルの椅子を六人掛けから四人掛けに変更したり、選手等にも、また手指消毒、マスク着用、会話の抑制など様々な御協力をお願いするようにいたしております。

#21
○石川大我君 今、自己ベストを発揮できるようなということで様々な工夫をされているかと思いますが、今、少しお話をいただいたところだと思いますが、コロナ対策ということで一定これ制限が掛かるということだと思いますが、その辺りはいかがでしょう。

#22
○副大臣(丹羽秀樹君) コロナ対策につきましては、先ほども申しましたけど、フロアでしっかりと混雑の状況を把握できるように、選手が同じ時間帯に重なり合わないように、スマホでその現場の状況をしっかり把握できるようにしたり、また選手同士の会話、盛り上がったりすることがありますので、そういったことも抑制できるように、またパーテーション等もしっかりと設置して選手の感染状況も、感染対策も行っていきたいと考えております。

#23
○石川大我君 るる御説明いただいたところなんですが、これ、ビュッフェはビュッフェで変わらないんですかね。我々が例えばビジネスホテルなんかに入りますと、今、ビュッフェはビュッフェだけれども、工夫して、様々、蓋を付けたりとか手に手袋したりとかいろいろあるかと思うんですが、そういった、時間云々というのは分かるんですが。

#24
○副大臣(丹羽秀樹君) 従前でありますと、映像、様々な、オリンピック、過去の大会見ますと、ビュッフェで選手村で食堂で盛り上がっていらっしゃるような映像もございましたが、今回は、感染症対策の観点から申し上げますと、プレートで一人一人にお渡しするという、ビュッフェでお互いの選手同士が取ったりすることがないような感染症対策を取り組んでいきたいと考えております。

#25
○石川大我君 ありがとうございます。
 そうした中ですけれども、確かに今回の水泳飛び込みのワールドカップは水泳連盟主催ということであるわけですけれども、ただ、オリンピックに続くテストイベントということで、昨日ヒアリングをさせていただきましたが、現場現場はそれぞれ皆さん御努力をいただいていると、ホテルでも大変な御努力、延期ということもありますので御努力をされたということは理解するわけですけれども、ただ、この報道の内容を見ますと、毎食自室で三食弁当ということでして、選手がSNSに投稿したんですね、これ、画像を。そうしましたところ、ちょっと見ますと、白と茶色、御飯とあと揚げ物がどさっとあって、そしてその上にポテトサラダが別盛りであるというような状況でして、ちょっとこれはないんじゃないかなというふうにも思います。選手からは、野菜とか新鮮な果物が欲しいという要望に、これシロップ漬けの甘いものを、フルーツを持ってきたりしているんですね。で、追加に出したのはカップラーメンということで、これまた画像がありまして、見てみますと、これ、どことは言いませんけれども、コンビニのマークが付いておりまして、両方とも、フルーツもですね、これ、恐らく言われて慌てて近所のコンビニに買い出しに行ったというような、そういったところが見て取れるわけです。
 この件、政府としては、他の日の、ほかの日のお弁当というものを把握をしたりしていますでしょうか。これ、隔離の時間が、日時が三日間あるということですから、そういった意味では、これは同じ施設だということはヒアリングで聞いているわけですけれども、短い方でも、隔離と出場とその後のというのを含めますと、一週間近くこれ、隔離、そしてお弁当を自室で、そして内容がこの状態というのは、先ほど、今副大臣からもいただきましたけれども、自己ベストを発揮できるような食事であったのかということ、これ、これが極めて日本のおもてなしとして世界に発信されてしまうというのはとても残念なのではないかなと思うんですが、ほかのお弁当の把握というものと、そして、これちょっと残念じゃないかという認識の共有をしたいんですが、いかがですか。

#26
○政府参考人(藤江陽子君) 御指摘の飛び込みのワールドカップ二〇二一につきましては、日本水泳連盟を始めといたしまして様々な関係者が協力し合って、新型コロナウイルス感染症対策を徹底した中で感染者を出すことなく無事に終了しているということをまず御報告させていただきたいと思います。
 スポーツ庁といたしましては、この本大会の開催に当たりまして、主催者に対して、原則として毎日のコロナ検査の実施ですとか徹底した動線分離などの防疫措置を海外からの参加者の入国に際しての条件として示させていただいたところでございまして、この一環といたしまして、日本水泳連盟におきましても、先ほどの御指摘のように、国際水泳連盟とも協議した上で、食事につきましては三食ともボックスミールとして自室での食事ということの方針を定めたものと承知しておりますし、また、カップ麺等の御指摘もございましたけれども、ボックスミールでは足りないという選手もいる中で、自室で食べられるものをということで、要望に応えながら補食として提供しているというものでございます。
 安全、安心な大会実施ということが第一という中で、そのために各種様々な制限がある中でそれぞれの関係者が感染防止策の徹底のために努力をされたというふうに認識しておりますけれども、結果といたしまして、御指摘のそのSNS等において御指摘のような発信がなされたということは残念であるというふうに考えております。
 今回は東京大会のテストイベントも兼ねて開催された大会ということでございますので、こうした点も含めまして大会本番に向けた経験として生かしていきたいという、いただきたいというふうに考えているところでございます。

#27
○石川大我君 時間がないのでもう少しにしますけれども、そのSNSで発信されたことが残念なのではなくて、やっぱりこういったものがいろいろ無理が出てきているということがとても残念だという答弁をいただきたかったなと思います。
 今回、オリンピック本番と違うとはいえ、報道では、二十六競技、約二十六競技のうちのこれ一つでして、出場国は五分の一というかなりこれ小さいサイズです。それでも問題が起こっています。これ、報道によればほかにも、空港での誘導が全くない問題ですとか、空港で出国まで三時間掛かったというような問題、ホテルでのフロアから一切出られない、エレベーターの前にも門番のような人がいて出ることが全くできないといったような不満もこれ出ているわけです。
 コロナ対策としては、今御答弁もありましたけれども、我々も知っているところでありますが、例えば選手は空港からホテルに直行するんだとか、一般の人とは接触しない、ホテルと競技場の往復のみなんだと、町に自由には出さないんだからこれは安全、安心なんだというようなことをおっしゃっておりますけれども、今回この大会で分かったこととしては、計画としてはそれは分かりますけれども、実際に来るのはやっぱり生身の人間が来るわけですよね。そしてさらに、オリンピックとなれば長期間といった中で、隔離、管理の中でオリンピックが行われる。
 おもてなしどころではないということだと思うんですが、そうした中でもオリンピックを強行するのか。現場は頑張っているというのはとても昨日のヒアリングでもよく分かるんですけれども、お弁当まで頭が回らないという中で、果たしてこれ、無理やり開催するのが、オリンピック憲章、おもてなしのオリンピックになるのかということは指摘をさせていただきたいというふうに思います。
 そして、次の質問に移らさせていただきますが、高等教育機関等でのハラスメントの問題についてお伺いをしたいというふうに思います。
 大学生間でのいじめ、ハラスメントを原因として命を落とす大学生のニュースが後を絶ちません。今回は、二〇一八年に神戸の甲南大学の二年生だった男子学生が学園祭の模擬店の売上げを横領したという誤った情報を理由に、加入していた文化系クラブを強制的に退部をさせられると、そればかりか、他の部にも彼をほかの部に入部させないように部長が連絡をするといったいじめ、ハラスメントが発生をし、結果的に命を落としてしまう、自殺を、自死をしてしまうという痛ましい事件についてです。
 この事件について、大臣、把握はされていますでしょうか。

#28
○国務大臣(萩生田光一君) 平成三十年に甲南大学において学生間のトラブルをきっかけに学生が自ら命を絶たれたことについては承知をしております。
 学生等が自ら命を絶つということは決してあってはならないことであり、亡くなられた学生の御冥福をお祈りするとともに、御遺族の皆様に心よりお悔やみを申し上げたいと思います。

#29
○石川大我君 まず、大臣との共通認識を得たいと思うんですけれども、これ、大学生の間であっても、いじめやハラスメント、それはあってはならないということについてお伺いをしたいと思います。改めての確認です。

#30
○国務大臣(萩生田光一君) 教育研究機関である大学においてハラスメントが生じることはあってはならないと考えております。
 文科省の調査において、国内のほぼ全ての大学がハラスメント等の防止の取組を実施し、また学生等が利用できる相談窓口を設置していると確認をしております。

#31
○石川大我君 お互い、その認識から話を始めたいと思うんですが、大学生なんですけれども、小中高校生のときは、いじめにはいじめ防止対策推進法が対応いたしまして、原因と疑われる自殺や長期の欠席もこれ含めまして調査をします。ガイドラインがありまして、公平、中立性が確保され、組織が客観的な事実認定ができるよう構成することとして、弁護士、精神科医、学識経験者らで構成することというふうにしています。弁護士、精神科医、学識経験者らで構成する第三者委員会を設置するよう教育委員会や学校法人にこれ求めております。中立性を確保するために、学校側と被害者側それぞれの推薦した団体から委員を選ぶ形式とか、かなりこれ、しっかりしたもの、第三者委員会があるなというふうに思っております。
 一方、大学生が今度社会人になりますと、パワハラに関してはパワハラ防止法があるわけです。この大学生の部分だけすぽっと抜け落ちてしまっている、ここの手当てが非常に必要だというふうに思っております。
 大学などの高等教育機関に対してはどのような仕組みを検討を進めているのか、まず伺いたいと思います。

#32
○政府参考人(伯井美徳君) 御指摘のように、いじめ防止対策推進法におきましては大学は対象となっていないということでございますけれども、大学におきましてもいじめは決して許されるものではないということで、各大学における適切な対応をお願い、求めているところでございます。
 文部科学省といたしましては、学生相談室、保健センター、指導教員、学生支援担当部署等が連携し、相談体制を強化をしていただくというのがまずもって必要であろうということで、現在、九割、約九割の大学でカウンセラーの配置等がされております。学生相談を担当する教職員の能力向上なども取組も進めているところでございます。
 大学における学生間のいじめにつきましては、やはり大学の独自性、あるいはそういった責任の下で具体的に取り組んでいただくということが重要なんですけれども、文部科学省といたしましても、そうした取組をしっかり横展開するとか周知する、あるいはより促していくということで、学生間のいじめの防止措置が適切に講じられるよう努めてまいりたいと考えております。

#33
○石川大我君 ありがとうございます。
 以前、私がこの委員会の中で、一橋大学でのアウティング事件というのがありました。これは、ゲイであることを打ち明けた学生の情報を同級生にばらしてしまった、暴露をしてしまったということで、それを苦に校舎から転落死をしてしまったという事件なんですけれども、これに関して質問をしまして、通知なども出していただいたところなんですが、これ、雇用主と雇われている教員との間というのがこれメーンでございまして、受験生、学生、求職者など確かに書いてあるんですけれども、この学生対学生という、そこのハラスメントの留意についてはなかなか伝わらない内容でして、先ほどいろいろと御説明をいただいて資料もいただいているところなんですが、もう一歩踏み込んだ対策、これが必要だと思うんですが、いかがでしょうか。

#34
○政府参考人(伯井美徳君) 昨年、令和二年十一月十三日付けの通知の話かと思いますが、職場におけるパワハラを行ってはならない旨の方針の明確化を行う際に、学生等に対しても同様の方針を示すことが望ましい旨通知をいたしましたが、御指摘のように、学生間のハラスメントについて講ずべき措置を通知したものではございませんでした。
 学生間のハラスメント防止については、先ほど言いましたように、各大学において適切に対応するということが必要というふうに考えておりまして、文部科学省におきましても、先ほど申し上げました相談体制の整備など強化に努めているところであります。
 さらに、各大学では、学外の相談窓口として、外部の民間相談機関の活用や、そのハラスメント対応部署の相談員として外部の専門家の活用といったことも行われているところもございます。例えば、東京大学におきましては、学外の弁護士事務所と大学が契約いたしまして、ハラスメントについて大学を通さずに弁護士が電話等で直接相談に応じると、そういう窓口の設置も見受けられます。
 大学における学生間のハラスメントにつきましては、各大学において具体的な取組や対応を行っていただきたいわけでございますけれども、文部科学省といたしましても、そのハラスメント防止に関する取組状況の調査とか、今言った東京大学のような好事例ですね、こうしたものを横展開することを通じまして、学生間のハラスメントにつきましてもその防止措置が適切に講じられるようしっかり努めてまいりたいと考えております。

#35
○石川大我君 先ほど、今御紹介をいただきました良いアイデアの共有ですけれども、周知はとても大切なんだというふうにも思っております。そして、大学ということですから、先ほどの中で独立性というお話もありましたけれども、やっぱりこれ自主自律で、余り国が介入するのはよくないんだろうということは、やっぱり大学という高等教育機関、大学等の高等教育機関ということでは理解をするところなんですけれども。
 しかし、大学に設置されているこのハラスメント委員会などの窓口について、共通の設置基準がなく自主的な取組が多いという中で、ひどいところになると、これ、残念ながら、相談して問題を解決するというのが本来の在り方なんですが、逆にこれをこのハラスメント委員会の中で握り潰してしまうというか外に出ないようにしてしまうというような役割を残念ながら果たしてしまうということが、大学の保身ということもあると思うんですが、そういった話をよく残念ながら聞きます。
 甲南大の件も、男子学生、お一人でかなり頑張っていらっしゃいまして、いろいろ経緯を御遺族の方からも、ズームですけれどもヒアリングをしましたけれども、大学の学生部に相談をして、謝罪文をその部長には書いていただいて、その横領したということは誤りであったということをきちんと書いてもらって、そしてこの強制退部と他部への入部拒否要請というのを撤回してもらったと。
 しかし、この撤回した文章は、学生部が入った話合いの中で、表に出さないでほしいとか、それでは、うわさは広まっているのに、せっかく謝罪文書いてもらっても、それを表に出さないで自分の中の腹の中に入れておいてくれというのは、ちょっとこれが名誉回復にはならないんじゃないかなというようなこともあります。一八年の五月ですけれども、その謝罪文の掲示を求めたんだけれども、学校側は拒否していると。
 そんな中で、この男子学生は、ハラスメント委員会に部長の行為はハラスメントなんだというふうに訴えたわけですね。しかし、大学側からは、ハラスメントに当たらないとしたばかりか、男子学生にも問題はあったんだというふうにして、逆に本人を追い込んでいくという結果になりました。ハラスメント委員会といっても、これ中身を見ますと、副学長、学生部、学生室事務部、総務部の部長、学長が指名する専任教員で構成されていて、これ全て内部なんです。
 こういった委員会では駄目で、やっぱり文科省としては、ガイドラインとか何がしかのこういう法整備ですとか、そういったことを求めていく必要がもうあるんじゃないか、そういう時期に来ているんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

#36
○国務大臣(萩生田光一君) 先生御指摘のとおり、いじめ防止対策推進法では大学生が対象になっていない、また、社会人のハラスメントでは、組織の問題として教職員や事務職員の皆さんとの関係では法律が裏打ちをされていますけれども、学生同士というのは言うならば法の想定の外に置かれてしまっている、そうは言うものの、そういう人たちもきちんと包含をしてくださいねという概念は法律上にはあるんですけれど、私、就任以来、日本の最高学府の大学ですから、自主性、自律性、また独立性を重んじて、余り箸の上げ下げみたいなことは言わずに、いろんなことを信頼をして今日まで一緒に仕事をしてきたんですけど、そうでもないなと思うことがたくさんありまして、かなりきめ細かく言わないとなかなか対応していただけない部分があるなというふうに感じております。
 今回の御指摘は極めて重要でありまして、新学期が始まったところでありますので、是非、こういった事例、いい事例の紹介と、あるいは事件、事案などでこういうことには気を付けましょうということも含めて、何らかの形で、やっぱり国公立、私立含めて全ての大学に同じ問題意識を持ってもらうような、そういう方針というものを少ししっかり立ち上げて話合いをしていきたいなと思っております。

#37
○石川大我君 今大臣から方針を立ち上げていきたいというようなお話もいただきました。
 文科省の取組、少し御紹介をいただきたいんですけれども、アンケートを、ハラスメント防止に関する取組状況ということでアンケートなどもしていただいているということだと思います。その点ちょっと、少し御紹介いただけますでしょうか。

#38
○政府参考人(伯井美徳君) アンケートもそうですし、大学改革状況調査の中で、ハラスメントに関する調査、大学におけるハラスメント等防止のための取組状況について隔年で調査を行っております。どうした取組をしているかということを、各大学の窓口、ハラスメントに関する窓口とか機関の設置状況とか、そういったことを隔年で調査し、公表しております。

#39
○石川大我君 少し、ちょっと甲南大学の話に戻りますけれども、少し追加でお話をしておきますと、この甲南大学のハラスメント委員会なんですが、議事録は、その被害の学生、自殺をされた、自死をされた学生の聴取録を除き非公表だったりとか、聴取をした人数や学生の数、教員の数、肩書なども不明のままでして、客観性というものがどう担保されたのかという疑問が残ります。
 大学の規程を見ますと、外部専門家を出席させることができるということが書いてあるんですが、できる規定になっているということで、残念ながら今回外部の専門家が入ったという形跡はないということでして、議事録についても保護すべき個人情報が多く開示できないというふうにしているんですね。
 このヒアリングの中で、一時間半、二時間ぐらいお話をさせていただきましたが、御遺族は今回の大学の対応自体がもうハラスメントだったというふうにおっしゃっております。亡くなった男子学生も大学の対応に失望して遺書を書いておりまして、その遺書の中で、自殺の原因は、甲南大学の対応も遅く、私は限界となりましたというような言葉を残して亡くなっています。お母様とお話をしたんですが、お母様は、最初、私はもう死のうと思ったと、死のうと思ったけれども、そうではなくて、やっぱりこういった学内でのハラスメント、そういったものがなくなるように私が声を上げることが子供のためになるんじゃないかということで生きようと思ったというお話が大変印象的でありました。
 そういった意味で、是非前向きに、目指す方向当然一緒だと思いますので、大臣と一緒に歩んでいきたいというふうに私思うわけですが、このアンケートなんですけれども、三項目ですね、調査状況ですかね、学内におけるハラスメント等の防止の取組を実施している大学というのは九九・七%という調査が出ておりまして、それ自体はいいんですけれども、今お話をしましたような問題があるという中で、細かく聞いていただいているんですが、細かくというか、三つなんですよね。つまり、学内の全ての学生及び教員が相談できる窓口を設置しているところはどうなのかとか、ハラスメント等の防止のための全学的な調査、対策の常設機関を設置しているのか、それからあとは、常設なのか、学内の設置が必要と認めた場合に設置をするということで、この三項目しかないので、是非これ大臣にお願いしたいんですけれども、もう少し中身をしっかり調査をしていただいて、例えば、その調査をする人間が学内だけなのか学外が入るのか、あと議事録の公開ですとか中立性の担保の方法、そういったところも含めて、是非この調査をしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

#40
○国務大臣(萩生田光一君) 文部科学省では、大学におけるハラスメント等の防止のための取組状況について隔年で調査を行っておりますが、御指摘のように、第三者窓口の設置状況等については現在調査項目に含まれておりません。
 私は、一義的には、やっぱり自分の学校の学生さんのことですから、大学の職員ですとか大学が責任を持って、委嘱をしたカウンセラーですとかこういった人たちがまず一義的には相談に乗っていただく必要があると思いますけれど、他方、委員も御指摘になったように、例えば学内での非常に不名誉な事案などについては、学校の評判が落ちるなどということで、できるだけその内部で穏便にということで表面化しないで、結局、どなたかが泣き寝入りするというような事例も今までもございました。
 したがって、その学校関係者じゃない人に相談をしたいという学生のニーズもあるんだと思いますので、先ほど東大の例を示しましたけれども、外部の法律の専門家などに気軽にアクセスができるような仕組みというのは今後多分必要になってくるんじゃないかなというふうに思っております。
 是非、次の機会から、この第三者窓口の設置について、設置状況を項目に入れてヒアリングをしていきたいと思っております。

#41
○石川大我君 ありがとうございます。是非検討していただきたいと思います。こういった形で自死される方がもうこれからは出ないように一緒に取り組んでいきたいというふうに私も思っております。
 それでは、法案についての質問をさせていただきたいと思います。
 先日の参考人招致でのお話ですけれども、駒込参考人から報告のあった筑波大学の事例というのがありました。指定国立大学の申請書類という公文書に対して、学長が率先して留学生数の虚偽記載を行った疑いがあるという問題です。タイムズ・ハイアー・エデュケーションの世界大学ランキングでの外国人学生数の水増し問題なんですけれども、これ、筑波大学の問題だけでなく、日本の高等教育そのものの信頼にこれ関わるというふうに思います。
 陳述にもあったとおり、筑波大学の学長選考会議や監事が正式な調査を開始したというような記録はありません。学長に対するこれ牽制機能というものが今回法案の中に入るわけですけれども、なかなかこれが機能していない。単に牽制機能を強化するだけでは実効性が乏しいのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

#42
○政府参考人(伯井美徳君) まず、筑波大学の指定国立大学申請に当たっての虚偽記載があったのではないかということに関する事実関係ですけれども、文部科学省に提出のあった構想調書に記載された外国人学生数が実態と異なっているという声が学内の一部から上がっていることは承知しております。
 この点につきましては、外国人学生数につきましては調査によってその定義が違っておりまして、目的や用途に応じて使い分けているというのが現状でございます。この点、筑波大学の構想調書においては、海外のベンチマーク大学との比較のためにタイムズ・ハイアー・エデュケーションの世界大学ランキングに提出したデータを使用したものでありまして、そのこと自体に問題があったと我々は考えておりません。
 また、外国人学生の範囲につきましては、そのタイムズ・ハイアー・エデュケーション社と筑波大学の間で協議を行いまして、今後の調査に対して提出するデータについて合意をしているということは事実ですが、筑波大学が提出した過去のデータについて、したがって、それが虚偽記載であったとタイムズ・ハイアー・エデュケーション社が認定したものでもないというふうに承知しております。
 したがいまして、そういう事実関係の中で、このことだけで監事や学長選考会議による学長の牽制機能が働いていなかったんじゃないかというと、必ずしもそうではないんじゃないかというふうに私どもは考えております。

#43
○石川大我君 今、定義が違うというお話ありましたけれども、タイムズ・ハイアー・エデュケーション側は明確な基準を示しており、そこについては少し疑問があるところであります。
 指定国立大学の申請書類に疑いのある、誤った疑いのある数字を記載していることに対して、これ文科省として調査や確認ということはしないということでしょうか。

#44
○政府参考人(伯井美徳君) 筑波大学の構想調書そのものについては、先ほど申し上げましたように、問題があったとは考えておりません。
 一方で、学内の一部において構想調書における外国人学生数が実態と異なっているのではないかという疑念の声があるということでありますので、その点に関しては、筑波大学執行部から学内の構成員その他、広く適切な説明がなされるということは必要であるというふうに考えております。

#45
○石川大我君 これ、当然公平性というものが、ほかの大学は従っているにもかかわらずということで、公平性ということもあると思いますし、これ指定国立大学ということになればお金も当然ほかよりも多く出るということで、この指定国立大学というのは日本の模範となるような大学ということですので、その申請の内容の正確性ということについてはしっかりとこれは調査すべきなのではないか、学内から声が上がっておりまして、これヒアリングも私の事務所としては続けているところですが、しっかりこれは調査をすべきだということは申し上げたいというふうに思います。
 そして、意向投票についてお伺いをしたいと思います。
 文科省は、大学のことは大学でというふうに言う一方、学長選挙は意向投票の無効化というのも指示しております。そのために生じた大学のガバナンスの問題には目をつぶるというのは明らかなダブルスタンダード、ガバナンスを大学の手で行えということであれば、学長の選考方法についても口を出すべきではないのではないかというような意見もありますけれども、その意味で、意向投票の無効化、これは撤回すべきなのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

#46
○政府参考人(伯井美徳君) 国立大学法人におきましては、学長の選考あるいは解任の申出に係る手続や方法について、学長選考会議がその権限と責任において主体的に判断し定めるということとなっております。
 したがって、学長選考に当たっていわゆる意向投票を行うことにつきましては、直近、令和元年の学校教育法等の改正時の施行通知におきましても、法の規定にのっとり、意向投票によることなく、学長選考会議の権限と責任において適正に選考を行うべきものであるというふうに示しているところでございまして、この考え方は変わらないところでございます。

#47
○石川大我君 意向投票によることなくということのこれ解釈だというふうに思うんですけれども、これ、意向投票によることなくというのは、やるなということではないということでよろしいでしょうか。

#48
○政府参考人(伯井美徳君) いわゆる意向投票を行うことについて、それを法令において禁止されているものではございません。禁止されているものではないが、そうした場合もやはり学長選考会議の権限と責任でしっかり決めてくれと、こういう趣旨でございます。

#49
○石川大我君 ここですね、多くの大学で、この意向投票によることなくという文言の考え方として、これ、さらっと読んでしまうと、意向投票をするなというふうに求めているというふうに勘違いをしている方が多いようなんですが、これ実は法律的には意向投票はやってもいいんだということで、これ学内の意向を知る上での手段としては、重ねてですけれども、これは意向投票によることなくというのは、やるなということではなく、学内の意向を知る上での手段としてはありだということを確認させてください。

#50
○政府参考人(伯井美徳君) 法律上、意向投票という言葉は出てこないわけですけれども、いわゆる意向投票を行うことは先ほど言いましたように禁止されるものではないと。その場合も、投票結果をそのまま学長選考会議の選考に反映させるなど過度に学内の意見に偏るような選考方法は、これ学長選考会議の権限と責任で選考するという法の規定の趣旨からしてどうかというような考え方でございます。

#51
○石川大我君 ありがとうございます。
 お話の中にもあるんですけれども、この意向投票と異なる学長が選ばれる場合がありますね。そういう場合、今お話しいただいた、御説明いただいたとおりだと思うんですけれども、意向投票と異なる学長が選ばれた場合のこの解釈、学長選考会議、監察会議、あっ、学長選考・監察会議ですか、新しくなった、ここでの場合の理解というのはどういうふうに理解されますでしょうか。

#52
○政府参考人(伯井美徳君) 現状におきましても、これ平成三十一年三月時点のデータですけれども、意向投票の規定を持っていない大学も十程度ございますし、今御指摘ありましたけれども、意向投票の結果、一位でない候補者を選出した事例もございます。
 法律的には、その学長選考会議、今度、学長選考・監察会議になります、法案提出しておりますが、そこがその権限と責任で基準、選考理由、選考結果等、プロセスも明確にしながら選考すると、その権限と責任において選考すると、それはあくまで我々が求めているものでございます。

#53
○石川大我君 今、権限と責任でというお話がありました。この責任の部分、とても大事だというふうに思っております。
 少し御説明をいただきたいんですが、この意向投票とは異なる学長が選ばれた場合、学長選考・監察会議としては、意向投票とは違う結果が選ばれたわけですから、やっぱりそこに責任、責任という意味ではこの説明責任というものが生じてくるんじゃないかなというふうにも考えております。意向投票に反する結果が出したわけですから、それに対する合理的な説明責任があるというふうに解釈してよろしいでしょうか。

#54
○政府参考人(伯井美徳君) 現行法、まあ省令におきまして、学長の選考理由あるいは選考過程について公表するということを現行、省令でも義務付けておりますが、今御指摘いただいたように、やはり今後は学長選考会議のその審議経過をより透明化していくということが重要であるというふうに考えておりますので、審議経過を記録として残していくこととか、あるいは学内外のステークホルダーに対してしっかり説明責任が果たされるよう、公表内容をより充実するような方向で検討してまいりたいというふうに考えております。

#55
○石川大我君 昨年十二月に国立大学法人の戦略的経営実現に向けた検討会議が取りまとめた国立大学法人の戦略的な経営実現に向けては、監事については、その候補者の選定に当たっては、多様なステークホルダーの協力、助言を得て人選を行い、その選定過程や結果を広く公表するなど、責任を十分に果たし得る適任者を選考するための適切なプロセスを工夫すべきであるというふうにしております。
 文科省は、選考会議も監事も選任方法は各大学に任せるということになっておりますけれども、少なくとも、監事、学長選定、監察会議のメンバー選定を学長と切り離したり、学長による選定人数を一定以下、まあ駒込参考人は三分の一というお話がありましたけれども、そういった方針を示すべきだと考えますが、いかがでしょう。

#56
○政府参考人(伯井美徳君) 監事につきましては、これは文部科学大臣任命でございます。ただ、大学の意向ということで、運用上は大学の推薦のあった、法人からの推薦のあった者を任命するということになっております。
 いずれにせよ、ここは適正な人事ということでしっかり対応する必要があると考えております。
 学長選考会議の委員については、現行法におきまして必ずしも学長の影響力を排除する仕組みとはなっていないのは事実でございます。
 一方で、現行制度、学長選考会議が自ら学長解任の議論を始めなければチェック機能が働かない仕組みですが、今回の改正では、その監事の牽制機能を強化いたしまして、直接、学長選考会議、監察会議に監事が報告するというような、チェック機能が迅速に働くような仕組みを設けたり、学長選考会議に学長の職務状況の報告を求める規定を設けることによって、なぜ学長選考会議がそういう権能はあるのに学長のチェックをしっかりしないのかというような趣旨の改正も行っておりますので、監事や学長選考会議が自らの権限と責任においてしっかり学長に対するチェック機能というのも果たしてもらえるようにしてまいりたいというふうに考えております。

#57
○石川大我君 十一日の駒込参考人の陳述の中でちょっと気になったことをお伺いしたいと思います。
 中期目標、中期計画の中身について、かなり具体的な内容に文科省が踏み込んでいるという点です。お話の中ではマイナンバーというのが具体的に挙がっておりまして、これはどうなんだろうというふうに思っております。これまでの具体的な内容を文科省が目標を立てて成果を上げよというのは、学問の自由への侵害ともなりかねません。
 文科省の中期目標や中期計画の考え方、基準をどのようにお考えになっているのかをお聞きしたいと思います。
 マイナンバーというものが出てくることによって、この言葉自体が独り歩きをしてしまう心配があるのかなというふうに思います。つまり、学生に対してこれマイナンバーをたくさん取得させた方がたくさん国からお金がもらえるんだみたいな、そういった誤ったメッセージにならないか、その点についてお聞かせください。

#58
○政府参考人(伯井美徳君) 今御指摘いただきましたように、第四期中期目標期間に向けて、国が総体として国立大学法人に求める役割や機能を明確化する観点から中期目標大綱を示すこととしておりますが、これは基本的方針を示すにとどめて、とどめまして、各法人がその中から特に重視するものを選択して、追記、修正した上で中期目標の原案を作成するというような仕組みで、引き続き、法人の自主性、自律性を尊重した仕組みとして、まだ現在素案ですけれども、そういうことで検討して、引き続き検討してまいりたいと考えております。
 御指摘のマイナンバーの点につきましては、その中期目標大綱案におきまして今いろいろ各法人の意見を聞きながら検討を進めているところですけれども、マイナンバーにつきましても、デジタルキャンパスの推進方策の一つとして、マイナンバーカードの活用について原案では掲げられております。
 各法人において大綱を追記、修正した上で中期目標の原案を作成するということは可能と先ほど申し上げましたけれども、必ずしもマイナンバーカードの活用に限られることなく、各法人においてデジタルキャンパス推進に向けた意欲的な目標を検討いただければというふうに考えております。

#59
○委員長(太田房江君) 時間が来ております。

#60
○石川大我君 お時間が参りましたので、これで終わりたいと思います。ありがとうございました。

#61
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。よろしくお願いいたします。
 国立大学法人法の一部を改正する法律案について質問をいたします。
 国立大学は、世界最高水準の研究教育の実施、また全国的な高等教育の機会均等といったような役割、これをまず担ってきたわけでございますけれども、ソサエティー五・〇、またポストコロナなど、新しい時代の到来を見据え、国立大学には新たな価値の創造と社会基盤の構築をリードする役割も期待されると思っております。国としては、国立大学が今挙げたような役割をしっかりと果たせるよう、適切な在り方を検討していく必要があるというふうに考えます。
 まず大臣に、こうした新しい時代の到来を見据えて、国立大学に求められる役割についてどのようにお考えになっているか、また、そのような役割と今回の法改正の関係、法改正の狙いについて伺いたいと思います。

#62
○国務大臣(萩生田光一君) 国立大学は、ポストコロナに向けて日本社会を大きく転換させる機動力として期待をされており、また、ソサエティー五・〇への変革期に求められる人材像を見極め、グローバル時代を牽引するイノベーションの担い手を育成することが求められています。
 これらの要請に応えていくためにも、国立大学法人が自律性を高めて世界最高水準の教育研究や地域社会のニーズを踏まえた教育研究を展開することが重要であり、そのためのステークホルダーの信頼を得られる自浄作用を持つガバナンス体制や外部資金獲得も含めた資金調達力の強化が必要です。
 このため、昨年文部科学省に設置した国立大学法人の戦略的経営実現に向けた検討会議において国が国立大学法人に期待する役割、機能等について議論を行い、同会議の最終取りまとめでは、機能拡張により公共を担う経営体へ転換し、社会変革の機動力として新たな役割が求められること等について提言がされました。
 本最終取りまとめも踏まえ、今回の改正では、中期計画の記載事項に中期目標の実施状況に関する指標を追加をし年度評価を廃止すること、監事の監査体制を強化するとともに、学長選考会議の委員構成を適正化し、学長の業務執行状況に対する監察機能を強化すること、国立大学法人等による出資対象範囲を拡大すること、一法人複数大学制度の活用による二組の法人統合などを内容として盛り込んでおり、国立大学法人等の管理運営の改善並びに教育研究体制の整備及び充実等を図ることとしているところです。

#63
○佐々木さやか君 今大臣からも触れていただきましたけれども、今回の改正で国立大学法人の組織体制の見直しが幾つかなされております。
 うち、学長選考会議につきましては学長を加えることができなくなるなど、多様なステークホルダーからの信頼を確実に獲得していくという観点から、この会議の強化というものが一つのポイントとなっているところでございます。しかし、この点につきまして、学長選考会議、監察会議について、経営協議会や教育研究評議会の委員というものは学長が依然として指名ができるということで、学長選考会議の牽制機能の実効性は不十分ではないかと、こういう指摘もございます。
 そこで、改めて、本改正によって学長選考会議によるチェック機能の確保というのはどのように改善をされるのか、伺いたいと思います。

#64
○政府参考人(伯井美徳君) 御指摘いただきましたように、現行法上、学長選考会議の構成員となる者を選出する経営協議会及び教育研究評議会の議長はいずれも学長でございまして、必ずしもその学長の影響力を排除するという仕組みではございません。
 一方、現行制度では、学長選考会議が自ら学長解任の議論をスタートしなければチェック機能が働かないという仕組みでありますが、今回の改正案では、文部科学大臣が任命する監事が、学長に不正行為や法令違反等があると認めるときは、学長本人、文科大臣への報告するとともに、それに加え、学長選考・監察会議にも報告するということとなっておりまして、チェック機能が迅速に働くようになることが期待されております。
 また、選考会議が学長に職務の執行状況の報告を求める規定を設けることによりまして、そういう権能ができているのに学長選考会議はなぜ報告を求めないのかというふうに問われる立場になるということでございまして、そうした改正によりまして、学長選考会議が自らの権限と責任においてチェック機能を発揮するということを期待したいと考えております。

#65
○佐々木さやか君 今回の改正において、監事の体制強化も行われます。この監事の体制の強化に関して、先日参考人質疑がございましたけれども、そこで参考人の先生からも様々な御意見をいただきました。監事として適切に職務を執行していくためにどういった能力が必要かというような御意見もあったんですが、私が伺った印象としては、大変高度な能力、見識、また人間力といったものも求められるということでございました。こういった監事にふさわしい人材の確保をどのように行っていくかということも一つ課題であろうかと思います。
 また、就任をしていただく監事の方に資質向上に努めていただくというための研修なども重要だというふうに思いますけれども、どのようにこういった点について行われているのか伺いたいと思います。

#66
○政府参考人(伯井美徳君) 国立大学法人の役員である監事は、いわゆる一般職公務員のように厳格な勤務時間管理に服する職ではありませんので、文部科学省といたしましては、監事の常勤化による監査体制の強化という改正の趣旨に照らしながら、各国立大学法人の状況等も踏まえながら、柔軟かつ適切に適材、適任者が確保できるよう、各法人と意見交換を進めてまいりたいと考えております。
 その際、研修等につきましては、文部科学省や、国立大学法人等の監事が構成する監事協議会におきまして監事としての資質向上を図る研修会を例年開催しているんですけれども、今後もそうした監事協議会や国大協などの関係団体とも協力し、その監事の研修や人材の発掘なんかも含めまして、監事になり得る方々の育成確保策についてしっかり検討していきたいと考えております。

#67
○佐々木さやか君 是非よろしくお願いをしたいというふうに思います。
 また、本改正では、指定国立大学法人について大学発ベンチャーへの出資を可能とするなど、国立大学法人等による出資の範囲の拡大が行われます。指定国立大学法人のような大学でのトップレベルの研究成果を産業につなげていくということで我が国のイノベーションを促進していくことは大変重要だと思います。それとともに、国立大学に期待されることとしては、地域経済への貢献、活性化と、こういった視点も必要かと、重要かと思います。
 大学での研究成果を活用し、地域経済の活性化に貢献するという観点からは、今回どのようなこの点について改正がなされるのか伺いたいと思います。

#68
○政府参考人(伯井美徳君) 今回の法改正では、現在国立大学法人に認められております出資事業の実績あるいは大学からの要望等を踏まえまして、現在指定国立大学法人のみに特例的に認められております大学の研究成果を活用した研修、コンサルティング等を行う事業者への出資を全国立大学法人へ拡大すること、あるいは大学の研究成果を活用して商品サービス開発、提供を行ういわゆる大学発ベンチャーへの直接出資、これは指定国立大学法人に限って可能とするということなどを措置することとしております。
 こうした改正によりまして、例えば地方国立大学の研究成果を生かして、地元自治体や企業の要請を踏まえた研修、コンサルティング事業を展開するなど、国立大学法人が保有する研究成果の社会還元が一層促進されるとともに、そうした社会還元を通じて国立大学法人が地域社会のニーズに応えていくということが期待されるわけでございます。
 また、今回法改正で大学発ベンチャーの直接出資、これは指定国立大学法人に限り認めるということを述べましたけれども、そうしたことにつきましても、法案をお認めいただければ、その実績も見ながら、今後、他の法人にも対象を拡大するということも検討し、そうしたことを通じて地域経済への活性化の貢献というのを期待していきたいと考えております。

#69
○佐々木さやか君 国立大学法人の戦略的な経営実現に向けた検討会議の最終取りまとめでは、以下のような記述がございます。国が、ガバナンスを含め抜本的強化を行う国立大学法人に対して支援を行う大学ファンドの創設の動向も踏まえつつ、新たな法的枠組みの在り方について、法律的な見地も含めて大胆な検討に早急に着手することを期待するというものでございます。
 これは、本法律案による改正にとどまらず、更なる改革の必要性を述べたものと理解しておりますけれども、今回の改正にとどまらず、具体的に、今どのような課題が残されていて、またこれらについてどのようなスケジュール感で次の改革に着手する、取り組んでいく予定なのか、この点について伺いたいと思います。

#70
○政府参考人(伯井美徳君) 今回の法改正におきましては、今御指摘いただいた国立大学法人の戦略的経営実現に向けた検討会議による提言を踏まえまして、大学の自浄能力を高めるガバナンスの実現や、そうしたガバナンスを前提にした上での自律性を高めた経営裁量拡大を図るための財務基盤の強化に向けた規制緩和ということで、言わば第一弾の国立大学改革として盛り込んだところでございます。
 その上で、同検討会議で提言された第二弾の更なる国立大学改革の実現に向けては、その大学ファンドを受けるにふさわしいガバナンスの構築や、世界トップレベルの大学になるための特例的な規制緩和策等について引き続き検討することとしております。具体的には、ニューノーマル時代の大学経営の実現を念頭に置きまして、高い自律性と厳しい結果責任を求めるステークホルダーガバナンスといったことの在り方、あるいは更なる多様な自己財源を増やすための規制緩和策などにつきまして、来年の通常国会での法案提出に向けて、大学ファンドの創設に向けた検討と連動しつつ、検討に着手することとしております。

#71
○佐々木さやか君 今、スケジュール感について、次の国会へということでお話がございましたけれども、大変重要な部分でございますので、しっかりと検討を持って、かつスピード感を持って取り組んでいただきたいというふうに思います。
 この度、奈良教育大学と奈良女子大学が統合されることになります。奈良女子大学は二〇二二年度に工学部を新設する予定というふうに聞いております。女子大学に工学部を設置するというのは私立も含めて初めてのことということでございます。工学部での女子学生というのは、我が国では僅か一割程度でございまして、OECDの中でも最も低い比率となっております。理系の中でも、まあ理系自体、女性がまだまだ少ないわけですが、特に工学部は女子学生が少ないということで、そうした中で初めて工学部が設置されるということで大きく期待したいというふうに思っております。
 これまでの科学技術というのは、なかなか女性が多く参画する状況にはなかったのではないかと思います。科学技術が男性によって研究開発されてきた状況だったのかなと思いますけれども、しかし、男女が共に研究開発することによって、経済的価値の高い特許を出せるようになった、また融合領域分野の論文がより広く使われるようになったと、こういったこともデータで示されているそうでございます。
 これから、この新しい時代、ソサエティー五・〇時代というのは、大量に同じものを作ってという時代ではなくて、様々なものを少量生産していくと、こういった時代とも言われているものでありまして、これからの物づくり、工学の分野にも、また科学技術の分野にも、より多くの多様な感性が必要不可欠ではないかなと。その中で、この女性の参画というものも非常に重要だというふうに思っております。
 ダイバーシティーの推進というのは科学技術のイノベーションにつながっていくと思います。日本の科学技術分野における女性の活躍促進、活躍の推進と、また、そこにおいて国立大学が果たす役割について文科省としてどのように考えているのかお聞きしたいと思います。

#72
○政府参考人(伯井美徳君) 佐々木先生御指摘のとおり、多様な視点や優れた発想を取り入れて科学技術イノベーション活動を活性化していくためには、女性の能力を最大限に発揮できる環境を整備し、その活躍を推進していくことが必要であるというふうに考えております。我が国では、依然として理工系の学部に在籍する女子学生の割合というのは、比較的多い理学部でも三割に達せず、工学部では二割に満たないということで、自然科学分野での女性の活躍に課題が見られるというのが現状であります。
 そうしたことを踏まえまして、文科省としては、まず裾野を広げるということで、女子中高生への自然科学系の進路に対する興味、関心、理解を深める取組や、大学における女子学生への効果的な文理融合、STEAM教育の実施であったり、女性研究者が自らの研究活動に専念できるような環境、仕組みを確立する大学への支援といったことに総合的に取り組んでいくことが必要と考えております。
 国立大学におきましては、御指摘いただきましたように、奈良女子大学では、圧倒的に女子学生比率が低い工学分野で活躍する女性を育成するということで、令和四年度に工学部を新設することが予定しております。そうしたことをきっかけに、あらゆる分野で女性が進出することで多様性を確保し、我が国において女性活躍を牽引する人材を育成する観点からも国立大学が担う役割は非常に重要であるというふうに考えておりまして、先導的な貢献を果たしていただくよう、様々な取組支援策を講じていきたいと考えております。

#73
○佐々木さやか君 最後に、大臣にお伺いしたいと思います。
 今後、ポストコロナの新たな時代における大学教育というものがどういうふうに、どうあるべきかということですけれども、オンラインによる学びを効果的に行っていくということが一つ重要かと思います。他方で、従来から申し上げておりますけれども、やはり大学においても対面による教育というものが重要ではないかと思っております。やはり教育というのは、私は人と人との人格による触発というものが教育ではないかなと思っております。ですので、感染対策はもちろんしっかりしていただいた上で、今後もやはり対面が重要、その上でオンライン教育の良さを生かしていくと、このバランスを取っていくことが重要ではないかなというふうに思っております。
 こういった観点から、今後、新たな時代における大学教育における対面の学びとオンラインによる学び、こうした点について、この大学教育においてどのような教育がふさわしいかと、この点について大臣に最後にお伺いしたいと思います。

#74
○国務大臣(萩生田光一君) 今後、ポストコロナの時代においては、コロナ禍での各大学の取組等を踏まえつつ、ニューノーマルにおける新たな大学教育を実現していくことが重要と考えています。
 オンライン授業については、自分のペースで学習できることや、他のキャンパスの授業を受けられるなどの利点が指摘されており、こうした利点を活用することで大学教育の質を高める取組が期待できるとの意見もございます。他方で、オンライン授業については、他の受講生と全く仲よくなれず、孤独感ですとか不安感を感じることや、肉体的な負担等課題も指摘されているところです。また、大学教育において豊かな人間性を涵養するためには、対面による学生同士で、学生と教職員の間の人的な交流が行われることが重要だと思っております。
 こうした点を踏まえながら、対面とオンラインの利点を生かしたハイブリッドによる学習者本位の効果的な教育実践などのニューノーマルにおける大学教育について、具体的な方策を教育再生実行会議等において議論いただいた上で、大学教育の質保証の観点からその実現に取り組んでまいりたいと思います。

#75
○佐々木さやか君 終わります。

#76
○松沢成文君 日本維新の会の松沢成文でございます。
 法案の質問に入る前に、私がこの委員会でも何度か取り上げてきた歴史教科書の問題について、まず伺っていきたいと思います。
 私もこの委員会で、特に中学の歴史教科書において、従軍慰安婦という表記、あるいは中国人の徴用とかですね、こういう誤解を招く間違った表記が余りにも今回多かったんじゃないかと、こんな質問をしてきたわけですが、御承知のとおり、我が党の馬場幹事長が衆議院に提出した「従軍慰安婦」等の表現に関する質問主意書に対する政府の答弁書において、慰安婦問題に関して、従軍慰安婦との表記は適切ではなく、単に慰安婦という用語を用いるのが適切だとして、これまでの政府の統一見解を修正いたしました。
 これを受けて、大臣は、これで教科書は変わる、政府が決めたことだから教科書会社に従ってもらわないといけないというふうに発言したという報道がありますが、これは事実ですか。

#77
○国務大臣(萩生田光一君) 私も新聞でこの記事を見ましたけど、それ最後まで読むと、と周囲に語ったということで、新聞社から取材を受けてこのようなコメントを直接した事実はございません。

#78
○松沢成文君 十日の衆議院の予算委員会で、大臣は、教科書会社の対応状況を踏まえ、教科書検定基準に則した教科書記述となるよう適切に対応していきたい、これははっきりと答弁をしております。
 従軍慰安婦に関する政府の統一的な見解が変更されたことで、現在検定を終えている中学校と高校の歴史教科書における当該箇所は、教科書検定規則十四条一項が定める、誤った事実の記載又は客観的事情の変更に伴い明白に誤りとなった事実の記載若しくは学習する上に支障を生じるおそれがある記載に該当することになりまして、これに対して、教科書会社は、文部科学大臣の承認を受け、必要な訂正を行わなければならず、さらに、この同条の第四項に基づいて、大臣は教科書会社に訂正の申請を勧告することができるということになっていますが、そういう理解でよろしいですか。

#79
○政府参考人(串田俊巳君) お答えいたします。
 教科書の記述が、今回閣議決定されました内容に基づきます記述となっていない場合には、教科書検定規則第十四条第一項に規定いたします、児童生徒が学習する上に支障を生ずるおそれのある記載に該当することとなるものと考えられます。こうした場合には、同規則におきまして、教科書発行者が訂正申請を行わなければならないものと規定されているところでございます。
 発行者から訂正申請がなされなかった場合、教科書検定規則におきましては、文部科学大臣が訂正の勧告を行うことができる、そういった旨の規定があるところでございますが、実際に訂正申請の勧告を行う必要があるかどうかなどにつきましては、教科書の具体的な内容や発行者によります申請の状況を踏まえまして適切に判断してまいりたいと考えております。

#80
○松沢成文君 大臣、そうであれば、まず教科書会社に訂正の申請を出してもらうことを私はしばらくは待つべきだと思います。教科書会社もいろいろ、どういうふうに記述を変えるのか、いろいろ考えなきゃいけません。でも、ある程度待った上で出てこない場合は、大臣は、私は、大臣の方から教科書会社に対して訂正勧告を行って、そして、もし必要であれば修正版の再配付を求めるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。記載の変更について、現場の教員から生徒へどうしてこういうふうになったかということもしっかりと説明する必要もあると思いますが、大臣、いかがですか。

#81
○国務大臣(萩生田光一君) 教科書の記述が今回閣議決定された内容に基づく記述になっていない場合、まずは教科書発行者が訂正申請を行わなければならないルールとなっております。私としては、今回の閣議決定を踏まえ、関係の発行者がどのような訂正申請をするのか、その状況を踏まえ、実際に訂正申請の勧告を行う必要があるかどうか判断をしてまいりたいと思っています。
 また、教科書検定規則においては、訂正申請が了承された場合、承認された場合、教科書発行者は速やかに訂正の内容を教科書を使用している学校及び教育委員会へ通知しなければならないとされております。したがって、今回の件につきましても、訂正がなされた場合には、訂正内容について学校等に適切に通知がなされ、学校現場での指導に生かされるものと考えております。
 先生もおっしゃっていただいたように、直ちに私が訂正命令というよりは、教科書会社が当然この流れを受け止めて動きがあるんだと思います。しかし、現在発行済みの教科書については、これは教科書会社に責任があるんじゃなくて、文部科学省の検定によって認められているものでありますから、年度途中でどういう作業ができるのかというのは少し見守っていきたいなと思っています。
 ただし、そうなると、じゃ、今使っている子供たちは、間違ったといいますか、過去の価値観の表記のままの教科書を学ぶことになる可能性がありますので、これは文科省として逆に教育現場の方にしっかり周知をしていくということも同時に考えていかなきゃいけないと思っています。

#82
○松沢成文君 教科書会社の判断を、私、どれぐらい待つべきなのか。これ、じゃ、半年、一年出てこなかったら、教科書会社はもう直す意思がないということですよね。だから、そうであれば、その政府見解に反する表記が教科書に載り続けることになってしまうので、これは大臣の方からしっかり訂正しなさいと言うべきだと思うんですね。
 それで、中学校の歴史教科書については、山川出版のいわゆる従軍慰安婦という問題、表記だけですから、これはもう教科書として出て、生徒が四月から使っているわけですね。これをいきなり全部直せというのはかなりの作業なので、ここは工夫が必要だと思いますが、高校の歴史教科書で従軍慰安婦という表記があるものはまだ現場に出ていません、見本本の段階ですから。これ、早く教科書会社に判断させて、訂正しますという申請を上げてもらって、それならばきちっとやってくださいねと大臣として行動を起こさないと、来年から使う教科書の印刷に間に合わなくなるんですね。
 だから、それもあるので、私は、いつまでも教科書会社の判断を待ちますじゃなくて、例えば三か月なら三か月待ちますが、それであれがない場合は、訂正の申請がない場合は、大臣の方からきちっと訂正するように言いますよというぐらいの見解があってしかるべきだと思いますが、大臣、いかがですか。

#83
○国務大臣(萩生田光一君) 今発行済みの教科書については先ほど説明したとおりなんですけど、これからすなわち印刷に回るものについては、当然その来年度の教科書の記述は変わっているものだということを前提で準備をしていただくものだと思っていますので、私から時限的な期限を切るというよりは、当然来年に間に合うような対応を各社がしていただけると思っております。

#84
○松沢成文君 まあ性善説に立ってそれを期待するというのは分かりますが、私は、その申請をしてこない場合は、その教科書が現場に出回ってしまいますので、これはこれでまた問題ですから、文科省としても、まあ水面下の調整もあるでしょう、こういうものは、しっかりと全ての教科書の表記が政府見解に伴ったように直ってもらうように努力をしていただきたいというふうに思います。
 さて、今回の答弁書で、慰安婦問題に関して、従軍慰安婦等の表記は適切ではなく、単に慰安婦という用語を用いるのが適切だとしつつも、いわゆる従軍慰安婦との表現を自ら述べた平成五年八月四日の河野官房長官談話については政府は継承するとしています。これは大きな矛盾だと思いますね。
 私は、この政府見解として、従軍慰安婦という表記はやはり好ましくないと、それは、従軍慰安婦が強制連行や、もっと言えば性奴隷みたいなところまでつなげて語られているので、それを幾ら調べても、その軍の方の資料なんかからは出てこなかったということも政府ははっきり言っているわけですからね。
 そうであれば、この河野談話自体を撤回するというのはまたまたこれ外交上難しいかもしれません。ただ、いわゆる従軍慰安婦という記載については、修正することをしない限り、私は様々これからまた問題が起きてきちゃうと思うんですけれども、政府として河野談話を撤回若しくは修正することを明らかにすべきと考えますけれども、いかがですか。

#85
○内閣官房副長官(岡田直樹君) 先生御指摘の質問主意書に対する答弁書でお答えをいたしましたとおり、これまでの経緯を踏まえて、政府としては、従軍慰安婦という用語を用いることは誤解を招くおそれがありますことから、従軍慰安婦又はいわゆる従軍慰安婦ではなくて、単に慰安婦という用語を用いることが適切であると考えているところであります。そして、近年、これを用いているところでございます。
 今回の答弁書は、現時点における用語の使用に関する政府の考えを示したものでございまして、慰安婦問題に関する政府調査当時に用いられていた個別の用語等については見直すことは考えてございません。
 いずれにせよ、政府の基本的立場は平成五年八月四日の内閣官房長官談話を全体として継承しているというものでございまして、この談話を見直すことは考えてございません。

#86
○松沢成文君 なぜ、いわゆる従軍慰安婦という文言が入っている。それで、その河野談話の中をよく読んでみますと、強制性をかなり認めちゃっているんですね。でも、それに対して、まず社民党の辻元議員から、平成十九年ですか、この強制性というのはどういう意味だと質問主意書が出て、それで政府は、強制性はあったのかという質問主意書に対して、改めて調査した結果、これもう資料も全て調べましたと、聞き取りもやりましたと、でも、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述はなかったといって、これは政府がまた答弁しているんです。これも閣議決定しているんですね。
 それで、今回、我が党の馬場幹事長が、この従軍慰安婦という言葉自体も強制性、強制連行、性奴隷みたいなことをイメージさせるので好ましくないと、だから、この言葉遣いやめた方がいいんじゃないかと言ったら、政府は、そのとおりです、だから、従軍慰安婦はやめて慰安婦にします、あるいは従軍と慰安婦が連結して出てくる文章も好ましくないのでそれもやめますと、そして、いわゆる従軍慰安婦についてもこれは好ましくないのでやめますと言ったんですよ。
 こうやって、政府見解では、幾つかの質問主意書に答えて、従軍慰安婦、いわゆる従軍慰安婦も含めて、政府はやめますと。それは強制連行を想定される、想像されるから好ましくないんだといってやめておきながら、河野談話というのは、強制性を半分認めて、そして謝罪をして、そしてこういういわゆる従軍慰安婦問題あったと、大変申し訳なかったというのが同時に残っているわけですよ。
 これ、岡田さん、こういうのをダブルスタンダードと言うんですよ。もっと悪い言葉で言うと、二枚舌と言うんですよ。だから、外国から、諸外国からまた不信感を買うんです。この政府の対応について、報道ベースですけれども、中国は、言葉遊びに何やっているんだと、もう批判していますよ。本質をついていない言葉遊びで、政府は何やっているんだと。そして、韓国政府の方は、典型的なダブルスタンダードと。むしろ、外交的にはまた諸外国ともめるようなことを残しちゃっているわけですよ。
 私は、政府見解で、従軍慰安婦という言葉、いわゆる従軍慰安婦という言葉、これは強制連行を想像させるのでやめますと言った以上、河野談話を見直す、これをやらない限り、政府のダブルスタンダードは、ずうっとこれ、諸外国からもあるいは国民の中からも不信感を持ち続けることになりますよ。何の解決にもならない。
 河野談話を見直す、撤回する、あるいは修正する、これに向けて政府の中で検討をしていただきたい。いかがですか。

#87
○内閣官房副長官(岡田直樹君) 松沢先生、今様々な経緯をお述べになりました。そして、今回の馬場議員からの質問主意書に対しましては、政府はこれまでの経緯も踏まえて真摯にこの答弁書を調整したものと私は思っております。ですから、二枚舌とかダブルスタンダードという御指摘は必ずしも当たらないと、このように申し上げたいと思います。
 その上で、今回の答弁書の趣旨は、現時点における用語の使用に関する政府の考えを示したものであって、慰安婦問題に関する政府調査当時に用いられていた個別の用語等につき見直すことは考えておりません。
 また、政府の基本的立場は、これはもう累次申し上げてきたところでございますけれども、平成五年八月四日の内閣官房長官談話を全体として継承しているというものであって、この談話を見直すことを考えているわけではございません。御理解賜りますようお願いします。

#88
○松沢成文君 全然分からないんですけど、政府も真摯に検討してきたので、ダブルスタンダードとか二枚舌とか言われるいわれはないと。事実としてダブルスタンダードなんです。それをしっかりと訂正するなり改革しないと、これからもずっと、慰安婦というのは従軍慰安婦であって、強制連行されて性奴隷にもされて、日本軍というのは本当にひどいことをやったんだと、一生謝り続けろと、誤解を信じて言われ続けるんですよ。
 政府は、だって事実じゃないと言っているわけだから。それは、戦争だからいろんなことがあるのは私も分かります。ただ、強制連行を証明する調査結果は出ていないわけですから、そこをちゃんと主張して、反省すべきは反省しなきゃいけないです、もちろん。ただ、従軍慰安婦という言葉は強制連行を連想させて、性奴隷という批判も起きていると。そういう資料はありませんでしたということは世界にはっきり主張していかないと、これ、慰安婦像、世界中に幾つ建つんですか。みんな強制連行で、日本軍は本当にひどいことをしたと、これを歴史に残そうといって世界で運動されているんじゃないですか。これ、日本の国益を著しく損ねているんですよ。
 そこを政府はしっかり考えて、加藤官房長官にも言ってください、本当にすばらしい新加藤談話を出してみろと。それで日本の主張をしっかり伝えて、言うべきことは言う、反省すべきは反省する、そのやっぱり改革、めり張りの利いた改革をやらない限り、一生この問題は言われ続けます。それでいいというのであれば、まあ御自由にということですけどね、はい。(発言する者あり)
 はい、法案の質問、じゃ最後に一言言いましょう。済みません、法案の質問を忘れていました。私の演説会じゃないんでね、済みません。
 一つ、今回、最後に聞きますけれども、学長のリーダーシップを強めるための改革をやってきたんだけれども、ちょっとリーダーシップを尊重し過ぎて、余りにもちょっと暴走する学長が多くなったんで牽制機能も努めようと、でしょう。
 それで、私は、一つの解決策はですね、これ法律で全体を縛るのはいかがかという案もあるかもしれませんが、やっぱり学長の最長在任任期というのを決めておくべきですよ。これやっぱりね、十年なら十年。十年やって改革できない、リーダーシップを発揮できない学長は、幾らやってもできません。やっぱり首長だって、私、神奈川県知事のときに知事多選禁止条例作りました。権力が集中して長期化すると、必ず権力暴走するし、腐敗するんです。
 だから、学長のこの任期というか、最長、何だ、任期を私は統一として国で決めてもいいんじゃないかと思いますけれども、見解はいかがでしょうか。

#89
○委員長(太田房江君) 簡潔にお願いいたします。

#90
○政府参考人(伯井美徳君) 現行法上、学長の任期は二年以上六年を超えない範囲で定めると。再任についても法律上の制限はございません。
 学長の任期については様々な御意見ございますが、任期の長期化、再任が一概に問題であるとまでは言えない状況ではないかというふうに認識しておりまして、それぞれの法人において、学長選考会議における議論に基づき自主的に判断していただきたいというのが私どもの考えであります。

#91
○松沢成文君 済みません、時間が来てしまいましたので、終わります。

#92
○伊藤孝恵君 冒頭、大臣にヤングケアラー問題について一言だけ伺いたいというふうに思います。
 ヤングケアラーの支援マニュアルを年度内に策定するという報道、うれしく拝見をいたしました。厚生労働、文部科学両省の共同プロジェクトチームが五月中に報告をまとめて、有識者会議を設置して、多機関連携のノウハウを具体的に盛り込むといった内容で、今後、文科省としては、まず、やっぱり教育委員会のコミット、これ要りますし、学校内で声なき声を聞く人材の育成というのが大変重要になってくるというふうに思います。
 今後、どのように現場と対話をしていくのか。実際、一九年通知では浸透しませんでした。それを今度は浸透させていく、動かしていく。どういうふうに動かしていくか、お考えがあればお聞かせください。

#93
○国務大臣(萩生田光一君) ガイドラインを作るという決定をしたわけじゃなくて、今厚労省といろんな詰めをして、ヤングケアラーについての認知度を高めていこうと、ヤングケアラーという実態があるということを国全体でしっかり見ていこうということを高く掲げていきたいと思いますので、その上で、学校が果たせる役割というのは大きいことは私も承知しているんですけれど、今まさに教員の皆さんの働き方改革などを見直そうというときに、また新たなテーマで、学校の先生は責任を持ってヤングケアラーを見付け出して、そして救済組織へつないでくれというようなことを追加の仕事として行うというのは余り望ましくないんじゃないか、それよりも、専門性の高い人たちを更にマンパワーとして現場に入れていく、例えばスクールソーシャルワーカーなどのですね、そういった専門性高い人たちを増やしていく方が効果があるんじゃないかなどなど、今まさに検討中でございまして、担当が丹羽副大臣なので、答弁させます。

#94
○副大臣(丹羽秀樹君) 今、厚生労働省の山本副大臣と一緒に、公明党の山本副大臣と一緒になって、早期発見を、真に必要な、真に支援の必要なヤングケアラーに対してしっかりとつないでいくということを、学校現場でも対策を、また、いかに先生始めスクールソーシャルワーカーの方々がそのヤングケアラーを早期に発見できるようなシステムをつくっていくかということを検討会議で打合せいたしております。

#95
○伊藤孝恵君 突然の質問にもかかわらず、ありがとうございました。
 では、本法案の質疑に当たり、私、今回、国立大学というのは本当に一体何のためにあるのか、法人化というのはどうして必要だったのか、今回の学長選考過程に代表される権力とガバナンスの課題にどういうふうに向き合っていくのか、その意見を申し述べるには、未来の目途からの逆算といいますか現在地の把握が必要になるとの思いから、資料一、二、まず御覧ください。我が国の一人当たりのGDPランキング及び国際競争力ランキングです。
 IMDの国際競争力評価では、平成元年、一九八九年から四年連続一位だった日本ですが、平成の終わりの三十一年、西暦二〇一九年には三十位に、二〇二〇年は過去最低の三十四位になりました。転落の要因として特に指摘されているのがビジネスの効率性の領域で、GDP規模ではアメリカ、中国に次ぐ日本であるにもかかわらず、一人当たりのGDPになると二十六位になってしまう。よって、資料一と二がさもありなんという相似曲線になっております。ここに資料付けておりませんけれども、WEFが毎年公表しているICT競争力ランキングにおいても日本は十五位と順位を年々下げており、数字だけ見れば、もはや日本は先進国ではございません。
 そして、資料三、日本の国立大学、東大、京大の停滞、それから東北大、東工大、阪大の大幅な下落について、これは大臣の所見伺っておかなければならないというふうに思います。
 大臣、二点です。この世界大学ランキングをどう御覧になっているか。事前に文科省とお話ししたところ、上位にはいなくても中位層には結構いるんですというふうに誇っていらっしゃったんですが、先ほど伯井局長から、次国会にトップ大学になるための特例的な規制緩和や大学ファンドと併せて何か提出したいなんという話もありました。やっぱりトップ大学というのを目指しているんだなというふうに思いましたけれども、御評価、大臣がどういうふうに御評価されているか教えてください。

#96
○国務大臣(萩生田光一君) 何か今二つとおっしゃいませんでした。ごめんなさい。(発言する者あり)そういうことですね。はい。
 お答えします。
 国立大学の法人化により、自律的な運営を確保することを当初の狙いとして、大学の裁量を拡大するとともに、経営力向上に資する規制緩和を拡大してまいりました。その結果として、教育研究活動の活発化や外部資金等の増収といった成果につながっていると評価します。
 具体的には、研究面では、寄附金などの外部資金の受入れが拡大するとともに、大学発ベンチャーの設立数が大きく増加するなど、研究成果の社会還元が進展しました。また、教育面では、各大学が学部、学科の廃止、転換、特色や強みを生かした新設など、時代や社会のニーズに合わせた組織の見直しを進めてまいりました。
 さらに、我が国の大学は、例えばタイムズ・ハイアー・エデュケーションでいいますと、国別のランクイン大学数では世界第二位となっており、その意味では、全体の底上げという観点で、法人化後の様々な改革について一定の効果が上がったのではないかと考えております。しかしながら、同ランキングは、我が国の大学の国際的な評価を知り、改善する上で参考になるものであり、各大学において課題について分析の上、教育研究力の向上に努めていただくための一助となるものと考えております。
 一方で、世界トップ研究大学との資金力の差の拡大、研究力に関する国際的な地位の低下などの状況に鑑み、国の資金を活用して創設する大学ファンドや、外部資金の拡大を含む大学改革により、トップ研究大学の抜本的強化を図ることが重要と考えております。
 今後、文科省としても、我が国の教育研究力の向上及び国際競争力の強化に向けて、こうしたトップ層の国立大学を伸長させるとともに、地方大学など分厚い中位層を含め、多様性に富む各国立大学の特色や強みを引き出し、国立大学総体として改革を後押ししてまいりたいと思います。

#97
○伊藤孝恵君 この世界大学ランキングというのは、やはり参考にしているという御答弁でしたが、やっぱり世界の方々はこれ非常に参考にしていますし、優秀な教員を引っ張ってきたいんだったら、また留学生等日本で学ぶ学生を募るんだったら、やっぱりここの順位というのは、僕ら中位層にいっぱいいるので大丈夫ですというようなものではなく、しっかりと目指していただきたいなという思いと、昨日、参議院では子ども・子育て支援法改正案の質疑が行われましたが、待機児童対策の財源は当然一般会計を通じた増額で手当てすべきを、事もあろうに児童手当の支給制限による財源を捻出するという筋悪な法案でした。この子ども・子育て関連予算というのは、科学技術予算とほぼ同水準、五兆から六兆、GDPに占める割合はたった一%にすぎません。
 資料五を御覧ください。
 これ、平成二年度と令和三年度の予算を比較してみました。税収、入ってくるお金というのは全く変わっていませんけれども、出ていくお金、歳出は一・六倍になりました。理由は、社会保障費が三・一倍に膨らんでいること。よって、歳入を特例公債で賄っている、だから我が国は人や科学技術に投資できないんだなんというふうにおっしゃる方もおりますけれども、それは到底追認できるものではありません。
 資料四を御覧いただくと、GDP規模上位三位までの国の科学技術予算の推移を平成元年からグラフにしました。
 アメリカは高位安定ですね。中国は、二〇〇〇年に入った頃から本当に鋭角を描いて上昇しています。二〇一八年時点の予算規模は、アメリカは日本の一・九倍、中国は六・七倍、最新数字ではもう八倍ぐらいになるそうです。
 おとといの参考人質疑の中で、金沢大学の山崎学長が、基礎研究の推進がおろそかになっていることを指摘した上で、研究人数を増やして、研究所群を増やして、かつその水準を保って、さらには研究者たちを交わらせる異分野融合研究というのの必要性を指摘されていらっしゃいました。予算規模は現在の二倍必要なんじゃないかというような言及もありました。
 これ、大臣にも伺いたいと思います。
 イノベーションのシード、種ですね、種である特許数、アメリカは日本の今二倍、中国は四倍です。基礎研究費の割合目標を一五%に定める中国と、その現状の数字の把握、それから目標数字も持っていない日本、戦略的に若者をアメリカやヨーロッパの一流大学に送り込んで国内に戻して拠点を構えさせる中国と、人への投資にかじを切れない日本、大臣、我が国の科学技術への向き合い方ですね、この予算規模、基礎研究、人材育成について、それぞれについて御所見をお伺いします。

#98
○国務大臣(萩生田光一君) 研究費など科学技術の関係予算につきましては、アメリカについては二〇〇〇年に十一・二兆円だったものが二〇一八年には十五・一兆円と高い水準で推移しておりますが、その四六%が国防関係の科学技術研究費ということになっています。また、中国については、二〇〇〇年に三・三兆円だったのが二〇一八年には実に八・五倍の二十八兆円となるなど高い伸びを示しております。
 我が国の科学技術関係予算は、アメリカや中国には及びませんが、ドイツやイギリスなどの他の先進国と同様に着実に増加をしており、対GDP比では米国、ドイツ及び英国を上回る水準にあります。これは、一九九六年以降、科学技術基本計画に研究開発投資目標を定めて科学技術関係予算の確保に努めてきた結果であり、本年度からの第六期科学技術・イノベーション基本計画においては、五年間で、政府全体で約三十兆円、官民合わせて百二十兆円という、これまでで最も野心的な投資目標を定めさせていただきました。
 研究開発費における基礎研究の割合については、我が国はおおむね一五%を占めておりますが、アメリカやイギリスなど同水準の割合で推移していると思っております。また、研究者の人数について、人口一万人当たりではおおむね五十四人程度であり、アメリカやイギリスなどよりも高い水準で推移しています。
 しかしながら、我が国の大学においては、教員の職務に占める研究活動の割合は低下しているとともに、若手研究者の任期なしポストの減少などもあって、特に若手研究者が腰を据えて研究に専念し難い状況になっていると認識しており、それに加え、経済的不安やキャリアパスの不透明さにより、博士後期課程に進学する学生の数は減少傾向にあります。大学等における研究基盤については、欧米の主要大学では大学が保有する数兆円規模のファンドの運用益も活用した充実した研究基盤が有しており、我が国の大学の基礎研究の、研究基盤との格差につながっています。
 このような状況を踏まえ、文科省では、十兆円規模の大学ファンドの創設等大学改革、また、若手研究者を中心に、最長十年間、挑戦的な研究を支援する創発的研究支援事業、博士後期課程学生への経済的支援の抜本的な拡充などの取組を進め、我が国の研究力の強化につながるように引き続き取り組んでまいりたいと思っております。

#99
○伊藤孝恵君 時間がありませんので、このクロスアポイントメント制度がほとんど進んでいないというのについては、ボトルネックを見出していただいて解消し、そして交流を進めていただきたいという御指摘のみにとどめますが。
 立法事実について伺いたいというふうに思います。
 今回の改正案が学長の不正や法令違反等への監視を強化する法案である以上、学長の不正や法令違反等に係る立法事実が存在するはずだというふうに思います。事実、ちまたに、報道にあふれております。
 しかし、文科省の事前の説明では、これはそうではなくて、前々から計画されていたもので、昨今問題になっているような、筑波大学、旭川医科大学、北大などの学長に関連する報道とは関係がないというふうにおっしゃるんです。本当ですか、大臣。

#100
○政府参考人(伯井美徳君) 時系列で申し上げますと、昨年十二月に国立大学法人の戦略的経営実現に向けた検討会議から最終取りまとめ、御報告をいただいて、国立大学法人の改革ということを進めておるものでございます。同報告で受けた提言を受けた今回の改正でございまして、学長選考会議の見直しなど、あるいは監事の監査体制の強化などの法改正を内容としておりますが、あくまでこの会議での議論、提言を受けたものでございまして、国立大学法人の自浄作用を高め、広く社会から信頼されるガバナンスを構築するためのものであるということで、昨今の報道等で出ている事柄とは関連はいたしますけれども、立法事実としてこういった個別具体の事案をきっかけとした改正ではないということでございます。

#101
○伊藤孝恵君 局長、教えてください。昨年六月末、文科省は北大の総長を解任しました。解任の事由、何か。それから、文科省として独自に事実関係を調査したのかどうか、教えてください。

#102
○政府参考人(増子宏君) お答え申し上げます。
 文科省では、令和元年七月に北海道大学総長選考会議から行われました国立大学法人法第十七条第四項、これは、文科大臣が行う学長の解任は、当該国立大学法人の学長選考会議の申出により行うものというふうになっておりまして、これに基づいて、名和前総長の解任の申出を受けて以降、行政手続法に基づく名和総長への聴聞を文科省として実施するなど、法令の定める手続に沿って検討をしたところでございます。
 なお、解任の申出の事由でございますが、役職員に対する総長としての不適切な行為、あるいは対外的な大学の信用失墜行為、総長としての資質を疑われるような行為、合わせて二十八件の事案が申出がございました。その申出を検討した結果、総長選考会議の申出の内容は、国立大学法人法に規定する役員たるに適しないと認めるときと、これに該当すると判断いたしまして、昨年六月三十日で解任処分を行ったところでございます。

#103
○伊藤孝恵君 もう時間ないので終わりますけれども、これ、実際パワハラに関する文書は存在しなかったわけですよね。
 これ、今後も、学長選考会議の申出に従って解任するという事例をつくってしまいましたので、こういうふうな前例をつくったということ、この後もこういったような事例があるというような理解をみんなしているということを申し添えて、質問を終わります。

#104
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
 本改正案では、学長への監視機能の強化を目的に、学長選考会議の牽制機能及び監事の監査体制を強化するということです。が、果たしてそれだけでガバナンスの透明性、公正性が担保され、自浄作用が機能するのかということは問われていると思うわけです。
 一方、近年、多くの国立大学で、学内構成員の意見である意向投票の結果を学長選考会議が覆すという事態が起こっております。今年一月の毎日新聞の国立大学への独自アンケートによりますと、法人化以降の間に実施された教職員の意向投票のうち、学長選考会議によって投票結果が覆され、投票結果と異なる学長が選ばれた事例というのが二十四校、二十九回に上るとのことです。
 こうした中で、今、学長と教職員との意思疎通に大きな問題が起こり、法人運営に支障を来しかねないような事態が起きていると思うんですけれども、これ、つまり、意向投票の結果と違う学長を選んだことのみならず、問題は、そういうところで全く説明責任が果たされていないというのが重大な問題だと思うわけです。
 なぜ意向投票の結果と違う学長が選考会議で選ばれたのか、それを説明しなくてはならない、それは選考会議の責任だと思うんですけれども、それがほとんど行われず、選考会議で何が行われているのかが不透明、ブラックボックス化しているということが執行部への不信につながっていると思うわけです。
 改めて、こういうことをなくすためには、まずはやっぱりどのような議論を経て学長選考がその会議で行われたのか、そのプロセスを明らかにするのは当然のことであり、牽制機能の強化というのであれば、この学長選考会議の議事録を公開すること、これを法律に明文化すべきと思いますが、大臣、いかがでしょう。

#105
○政府参考人(伯井美徳君) 御指摘のように、国立大学法人が自律性を高めると同時に、広く社会から信頼される経営を実現という意味では、法人自身の自浄能力を高めるためのガバナンス体制を充実すると。その中で、学長選考会議につきましても、今回、牽制機能を強化するということでありますので、よりその透明性を高めるというのも、御指摘のとおり、透明性を確保した会議の運営というのはこれまで以上に求められるというふうに考えております。
 現在、省令で学長の選考理由や選考過程、すなわちプロセスについて公表することを義務付けておりますが、今後、学長選考会議の審議記録、審議経過ですね、審議の経過を記録として残すということ、あるいは学長の選考理由や選考過程について、学内外へのステークホルダーに対する説明責任が果たされるような公表内容を充実すべきことなどをお示ししていただくことを検討していきたいというふうに考えております。

#106
○吉良よし子君 既にやっているという話ですが、これまで以上にも必要だという御答弁もありました。ただ一方で、実際に今行われているその公表事例というのを大学のものを見てみると、本当に議事録、審議過程の公表というのがほとんどされていないところが多数あるわけです。
 資料をお配りしました。京都大学なんですけれども、京都大学の場合は、昨年、総長選考の際、意向投票において過半数の得票に達した候補者がいなかったと。でも、従来であれば、その際は決選投票となる再意向調査というものをやっていたわけですが、それをやらないということを総長選考会議が決定したと。それについての議事録ということで出されている、ホームページに公表されているのがこれなんですけど、これ見ても、なぜ再意向調査を実施しないと決定したのかというその理由は一切ないんですね。再意向調査を実施しないことを決定したという文言のみが載っていると。
 これに疑義を持った京都大学教職員組合がその選考過程について公開質問状を提出したものの、この間、四か月たなざらしにされていると。ようやく、この法案、本法案の審議に入った、国会で審議に入った四月二十一日になってようやくこれから検討しますという回答が出てきたということなんですけれども。
 やっぱり大臣、これ、これを議事録の公表として言ってしまっていいのかと。やっぱり、こういうものじゃなくて、透明性を担保するための説明ということでいえば、どのような議論がそれぞれの選考会議で行われたのか、どのような意見が出されたのか分かる、そういう議事録の公表が望ましいと思いますが、大臣、いかがですか。

#107
○国務大臣(萩生田光一君) 今回お認めいただく法律を施行する段階で、その透明性やまたプロセスの公開などについては当然細心の注意を払っていただくことを求めていきたいと思っています。
 ただ、人事のことですから、それぞれの候補者に対して、例えば評価だけじゃなくて批判も当然あるわけでありまして、そういったことまでつまびらかに一語一句を公開することが透明性だと私は思っておりませんので、この京都大学の件は非常に質素だなというふうに私も思いますけれど、きちんと説明を果たせるような環境というのは各大学がきちっとフォームをつくっていただけると思っていますし、また、それが足らざるところがあれば必要に応じて指導することも考えなきゃいけないと思っています。
 例えば意向調査のことをすごく皆さん心配されているんですけど、別にやってもいいんですよ。既に国立大学の五十以上は意向調査やっているわけですから。ただ、じゃ、その有権者をどうやって決めたのかと。教授会だけなのか、助手は駄目なのか、あるいは職員はどうなんだと、いろんなことを考えると、その一票の価値というものがしっかりしていない中での意向調査だから、文字どおり意向調査で、新しい学長さん、こういう人がいいよねと、この人の言っていることはこういう点は我々とは意見が違うよねという、そういう意向をくみ上げて選ばれた学長さんが是非いい学校マネジメントをしてもらいたいので。
 これは、組織票で、学部の数で、学生数が全然違う、学部のでかい教授がたくさんいるところとか職員がいっぱいいるところが票をいっぱい持っているような、そういうやり方での意向調査が優先するんだといったら、そういうところからしか学長は出てこなくなっちゃいますので、意向調査は意向調査として大いに学内で働く全ての人たちの考えを聞く、そういう役割を果たしてもらいたいと思いますが、是非、その後の説明責任というのは、今回法律で定めた形にのっとってしっかりやっていただくことを前提にしたいと思います。

#108
○吉良よし子君 まだ聞いていないことまでいろいろ御答弁いただいたわけですけれども、まずは、議事録の公表についてはやっぱり丁寧にやっていただくのが筋だと思うんです。やっぱりこの、特に、人事のことと言いますけど、再意向調査をしないことを決定したという辺りについては、やっぱり議論の過程公表することは可能だと思うんですね。そういうことも、議論の過程公表しないまま結果しか示さないということを様々な大学でやられているから、やっぱり不信というものが蔓延してしまうというのは問題です。議事録の公表、強く求めたいと思います。
 学長への牽制機能そのものについても伺いたいと思うんです。
 本改正案では学長選考会議メンバーから学長を外すとしていますけれども、外れたとしても、その学長選考会議の委員となる経営協議会や教育研究評議会の議長というのはもうやっぱり学長であり、その委員の指名というのは学長指名なので、結局学長の選んだ委員が学長を選ぶという仕組みに変わりはないという批判、指摘が十一日の参考人質疑でありました。
 確かに、この仕組みをそのままにしておくと、選考過程での公正性にも疑義が出てくるだけでなく、例えば解任要件に該当する報告が監事から出されたとしても、その学長が選んだ委員が公正にその問題について議論するのかどうかというのが疑問も出てくる可能性もあるわけです。
 だから、そういう意味では、この学長の意向に左右されないメンバーになり得る一般の教職員や学生からの直接請求による学長リコール制度についても法に明記すべきじゃないかと思うんですが、大臣、いかがでしょう。

#109
○政府参考人(伯井美徳君) いわゆるリコール制度につきましては、それぞれの法人において学長選考会議における議論に基づきまして自主的に判断し、そういう制度を設けている法人も現在八十五法人中五十五法人ございますが、あくまで自主的に判断されるべきものというふうに考えております。

#110
○吉良よし子君 自主的に判断ということですけれども、やっぱりこういう直接のリコールというのも大事だと思うんですね。例えば、民間企業においても信任調査の結果に基づいて社長が辞任するなどという例もあるわけです。国立大学について言えば、学長の権限が余りにもこの間肥大化しているということを踏まえれば、教学側からの学長への牽制機能、今回も牽制機能を強化しなきゃいけないというわけですから、そういう意味では教学側からの牽制機能も強化しなきゃいけないと私は思うんです。
 先ほど五十五法人ということでしたけど、例えば旭川医科大学でも、今年二月二十四日、学長解任を求める署名が学内規定に達する条件に達したということで学長解任の審査を選考会議に請求しているところだと聞いているわけですけれども、全ての大学にそういう仕組みがあるわけではない。しかも、それどころか、その学長選考の際に、先ほど大臣はやってもいいみたいなことをおっしゃいましたけれども、意向投票すら行わない、むしろ、意向投票が廃止され形骸化している大学が増えているわけです。
 これ、もう一度確認します。一言でお願いいたします。
 これ、意向投票というのは法的に禁止されているものではありませんよね。大臣、お願いします。一言で。

#111
○政府参考人(伯井美徳君) 国立大学法人法では意向投票についての規定はなく、法的には学長選考会議の権限と責任において学長を主体的に判断するという定めでございます。一方、いわゆる意向投票を行うことについては法令において禁止されているものではございません。

#112
○吉良よし子君 禁止されるものではないと。ただ、それを覆すのが、先ほど石川議員からもありました、二〇一四年の法改正時の、意向投票の結果をそのまま選考結果に反映させることは適切ではないと示した施行通知なんですね。そして、経済財政運営と改革の基本方針二〇一九、いわゆる骨太の方針においても、各大学が学長、学部長等を必要な資質能力に関する客観基準により法律にのっとり意向投票によることなく選考するとされ、実質、意向投票の禁止とも取れる方針が再三政府から出されてしまっているわけです。
 その結果、先ほどの毎日新聞の国立大学へのアンケートを見てみると、二〇〇四年の法人化当初は意向投票廃止した大学三校にとどまっていたのが、その二〇一四年の施行通知が出された以降、一気に十四校が廃止したということが明らかになっている。政府のこの方針がきっかけで意向投票を廃止する大学が出てきているわけですね。
 これ、二〇一四年の法改正時、当時の下村文科大臣も、いや、これから意向投票はやめるべきだということを国が言う考えはありませんとおっしゃっていた。けれども、実際には、この施行通知や骨太の方針で何か禁止と読める、そういうものが出されているのが、私、本当に問題だと思うんです。参考人質疑でも言われましたけど、この意向投票の廃止、形骸化によって学長が暴走する中で、影響を受けているのは学生であり、若しくは市民なんですね。
 例えば、二〇一三年に教職員の意向投票で敗れた現職候補を学長選考会議が学長に指名して、さらに、その後、選考会議が意向投票そのものを廃止した福岡教育大学では、小中高の一種免許取得が可能だった初等教育教員養成課程のカリキュラムを原則小学校一種の免許しか取れないように学長主導で変更してしまったと。これは、学生自身にも、そして近隣自治体の教員採用にも影響する変更だと思うわけです。
 また、先ほどの旭川医科大の事例でいえば、コロナ患者を受入れしようとした病院長が学長により解任されるという学長の暴走事案なんですけれども、まさに、一四年の通知では、過度に学内又は機構の意見に偏るような選考方法だと意向投票を言っているわけですけど、実際に起きているのは、学内じゃなくて学外のステークホルダーの利益を損ねていることだと思うわけです。
 改めて、この施行通知や骨太の方針見直して、学長選考のプロセスにちゃんと意向投票を位置付ける、これこそ牽制機能の強化だと思いますが、いかがでしょう。

#113
○政府参考人(伯井美徳君) 先ほども申し上げましたように、法律、国立大学法人法においては、学長の選考、解任の申出に係る手続、方法について、学長選考会議が自らの権限と責任において判断し定めるということになっておりますので、あくまで同会議において検討すべきものというふうに認識しております。
 そういう趣旨で、通知、閣議決定においては、法の規定にのっとり、意向投票によることなくと、これ、意向投票をやることまでを禁止しているものではないですが、最終的に学長選考会議の権限と責任において適正に選考を行うということを示したものでありまして、この考え方自体は変わるものではございません。

#114
○吉良よし子君 考え変わらないと言いますけど、結局、実際に起きていることは政治主導による意向投票の禁止と取れるような事態なわけです。これは憲法二十三条で保障される学問の自由や大学の自治を侵すことにもつながる大問題だと思いますし、経営による教育や研究への支配というのは許されないということも申し上げて、質問を終わります。

#115
○舩後靖彦君 れいわ新選組、舩後靖彦でございます。本日もよろしくお願いいたします。
 十一日の本委員会での参考人の皆様からの御意見を踏まえ、私は、本法案に対し、反対の立場から質問いたします。
 では、早速質問に入ります。
 代読いたします。
 まず、本法案の根幹にある問題について質問いたします。
 さきの参考人質疑で、京都大学の駒込教授が二〇〇四年に国立大学が法人化されて以来の変化を端的にお話しくださいました。要点を紹介しますと、学長を始めとする少数の役員と一般の教職員や学生との亀裂が深まっている、学生のニーズではなく、政府あるいは経営のニーズによって研究、教育分野がスクラップ・アンド・ビルドされる事態が相次いでいる、研究、教育、医療の公共性や地域貢献という観点から、大切な組織や部門が採算に合わない、コストカットが必要という経営理由で潰されていくということでした。
 そうした中で、二〇二二年から始まる第四期中期目標期間では、国は中期目標大綱を示し、各大学法人がその特性に応じて選択し、中期計画の原案を作るとされています。しかし、大綱の中から必ず中期計画に含めるべき項目が指定されており、あらかじめ方向性が決められているのでは大学の自主性が発揮できるのか疑問です。
 さらに、今回の中期計画への評価指標の導入で、その達成状況が予算や人事に影響する懸念はないのでしょうか。定量的な指標を重視し、その指標をクリアした大学や部門の予算を増やしたり特例を認めたりする仕組みは、研究、教育と医療の現場をゆがめていくと思います。
 各大学法人が自由に中期目標を作成し、かつ財政措置が担保され、中期目標期間終了後の業務の改廃を自ら決定できるのであれば問題はないとは存じます。しかし、資料一にもありますように、日本の高等教育への公財政支出割合がOECD諸国でワースト一位です。この上、運営費交付金を定率で減らされ、国立大学法人が資金の自己調達を強いられる経営環境に突き進むおそれがあります。そうなりますと、お金が稼げないとして文系や基礎科学の分野が不採算組織と判断され、改廃に利用されるおそれがあると考えます。
 大臣、この点について御見解をお聞かせください。

#116
○政府参考人(伯井美徳君) まず、第四期中期目標期間に向けての中期目標大綱でございますが、これは国が総体としての国立大学法人に求める役割や機能を明確化する観点から大綱を示すということとしておりまして、大綱においては国立大学法人が果たすべき役割や機能に関する基本的方針を示すにとどめ、各法人はその中から特に重視するものを選択したり追記、修正した上で中期目標の原案を作成するというふうな仕組みでございます。引き続き、法人の自主性、自律性を尊重した仕組みとしてこれを検討してまいりたいというふうに考えております。
 また、指標は各法人が作成した中期計画の達成状況を可視化し、適正な業務運営を担保するためのものでございまして、運営費交付金における成果に係る客観、共通指標にリンクさせることは考えておりません。加えて、学長による人事権の行使を強化することを目的とするものでもございません。
 さらに、学問分野の多様性を強化していくというのは重要であるというふうに考えておりまして、各法人が例えば特定の学部、研究科等の収支のみを評価指標として設定し、それを不採算組織であることというふうなことをもって当該組織の改廃につながるようなことは想定しておりません。

#117
○委員長(太田房江君) 舩後委員が質疑の準備をしております。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#118
○委員長(太田房江君) 速記を起こしてください。

#119
○舩後靖彦君 代読いたします。
 先日の参考人質疑の資料の中に、監査項目にキャッシュフロー計算書の公開を見たのですが、これは投資家向けのものであり、想像できることは、大学を企業化したいのではないかと思います。この点について大臣の御見解をお聞かせください。

#120
○政府参考人(伯井美徳君) 国立大学法人が各ステークホルダーに対してその信頼性を確保していく上で、一定の会計、財政についても公表をしていくということは重要であるというふうに、財務内容に関する事項を一定程度公表していくことは当然重要であるということでございまして、必ずしも投資家向けではなく、国立大学が様々なステークホルダーとの関係で信頼を得ながら自主的に経営を改善していく事項としてそうしたことも求めていくと。
 現在、国立大学法人の会計基準の見直しということも行っておりまして、国立大学法人の特性に即しながらも、できるだけ見える化が図れるような仕組みというのも検討しているところでございます。必ずしも投資家を目的としたものではございません。

#121
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 次に、学長に対する学長選考・監察会議、監事のチェック機能についてお尋ねします。
 今回の法改正の趣旨は、学長選考・監察会議から学長を外し、学長の職務についてチェック機能を同会議に持たせるという内容です。
 学長選考・監察会議は、学外者を含む経営協議会からと学内者による教育研究評議会から同数の委員が選ばれることになりますが、どちらもその議長は学長です。経営協議会のメンバーは全員、教育研究評議会のメンバーは大半もそれぞれ学長が任命することになっています。これでは会議に対する学長の影響力は排除できないのではないでしょうか。
 また、今回の改正で学長に対する牽制、チェック機能を持たせています。しかしながら、監事は慣例として学長の推薦があっても文科大臣が任命します。学長選考・監察会議のメンバーも大半が学長の任命という構造になっています。果たして、学長の影響力が温存された構造で任命される監事と学長選考・監察会議に学長に対する厳正なチェック機能が働くのか、極めて疑問です。更に言えば、逆に学長を補佐、監査し、大学のガバナンスに重要な役割を果たすべき監事、若しくは学長選考・監察会議の委員に対するチェック機能がないように見えます。
 大学が社会の公共財としてその役割を果たすために、学長、法人執行部に対する公正なチェックをする仕組みが必要です。この点について、大臣の御見解をお聞かせください。

#122
○国務大臣(萩生田光一君) 現行法は、学長選考会議の構成員となる者を選出する経営協議会及び教育研究評議会の議長はいずれも学長であり、必ずしも学長の影響力を排除する仕組みとはなっていません。
 一方で、現行制度では学長選考会議が自ら学長解任の議論を始めなければチェック機能が働かない仕組みですが、今回の改正により、文部科学大臣が任命する監事が学長に不正行為や法令違反等があると認めるときは、学長本人及び文部科学大臣への報告に加え、学長選考・監察会議にも報告することとなり、チェック機能が迅速に働くようになることが期待されます。また、学長選考会議が学長の職務の執行状況の報告を求める規定を設けることにより、学長選考会議はなぜ報告を求めないのかを問われる立場になります。
 監事については、法改正により、二名のうち少なくとも一名は常勤監事とすることにより、全ての国立大学法人で監事の行う監査業務が一層充実したものとなるように必要な体制を確保することとしております。この度の改正により、監査体制の強化が実効性のあるものとなるよう、各法人が監事をサポートする体制を整備するための支援策や監事に対する研修等の育成方策について、関係団体とも協力しながら検討してまいります。監事の日常業務に対する服務監督は国立大学法人が行うこととなりますが、万が一、監事が監査を行うことが難しいと判断される事態が生じた場合には、当該法人の意向も踏まえながら、最終的には任命権者である文部科学大臣が判断を行うものと考えております。
 また、学長選考会議については、今後、ステークホルダーに対する説明責任が果たされるよう、公表内容を充実することなど、会議の透明性を確保する必要性をお示しすることも検討しています。

#123
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 次に、学長、大学執行部に対してリコール制度を認めるべきではないかという点について質問いたします。
 昨年三月に公表された国立大学法人ガバナンス・コードにより、教職員らが学長候補者を投票する意向投票の効力が否定されました。つまり、学内のボトムアップ式の意思決定を反映しなくてもいいルールにされてしまったのです。こうなると、何千人にも及ぶ学生、教職員の声を反映する回路がありません。外部委員を含む僅か十数名の会議のメンバーによって学長が選出される仕組み自体が非民主的ではないかと感じます。
 大学によっては、教職員の一定割合の発議によって、学長の解任動議、リコールを認める事例もあるようです。しかし、学長が真にリーダーシップを発揮するためには、大学構成員との間の信頼関係が欠かせません。ほかの先生方も御指摘されていますが、リコール制度を担保するなど、学長に対するチェック機能をより広く認めるべきだと考えます。
 この点について、大臣の御見解をお聞かせください。

#124
○政府参考人(伯井美徳君) 国立大学法人におきましては、学長の選考、解任の申出に係る手続や方法について、学長選考会議が自らの権限と責任において主体的に判断し定めるというものでございまして、同会議において検討すべきものということで現行制度はなっております。
 学長選考に当たっていわゆる意向投票を行うことにつきましては、先ほどもございました、令和元年の学校教育法等の改正時の施行通知などにおいてお示ししているとおり、法の規定にのっとり、意向投票によることなく、学長選考会議の権限と責任において適正に選考を行うべきものというふうに示しておりますが、これは、いわゆる、先ほども言いましたように、意向投票を行うことを禁止しているものではなくて、あくまで、その投票結果をそのまま学長選考会議の選考結果に反映させるなど、過度にその投票結果に偏るような選考方法は適切ではないと考えておりますが、禁止されているものではないと、あくまで選考会議が自らの権限と責任において判断すべきものであるということを明確にしたものでございます。
 また、いわゆるリコール制度などにつきましては、それぞれの法人において学長選考会議における議論に基づき自主的に判断され、現に実施されているところもございます。そうしたような制度の設計でございます。

#125
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 本法案の審議を通し、国立大学法人のガバナンス強化というのが、社会の期待に応えるためと言いながら、実は政府、経済界の要請の中で行われてきたことを感じております。
 教育研究機関である大学にガバナンス改革を持ち込み、政府の指針に沿った目標を定めて競争させる今の国立大学法人の在り方を根本から見直す必要があると申し上げ、質問を終わります。

#126
○委員長(太田房江君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

#127
○吉良よし子君 私は、日本共産党を代表して、国立大学法人法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 本法案では、学長への監視機能の強化を目的に、学長選考会議の牽制機能及び監事の監査体制の強化をうたっていますが、学長が選んだ委員が学長を選ぶ仕組みは変わりません。さらに、学長や学長選考会議に対し学長の意向に左右されない一般の教職員や学生の意見を反映させることについて、本改正案で全く言及がないことは重大です。
 政府は、二〇一四年の施行通知と経済財政運営と改革の基本方針二〇一九により、意向投票の禁止とも取れる方針を出しています。この政府主導の意向投票の廃止、形骸化こそが学長の暴走を誘発し、学生の学習権の侵害など、学内外の利益を損ねる原因となっています。
 監事による学長の業務執行への監査権限の強化についても、中期計画に明記される評価指標に基づき、監事がその業務の遂行の効果的、効率的な達成を監視することになります。こうした仕組みの導入は、指標の達成に対する大学への強力な圧力として作用することは明らかです。
 教育研究は大学の本質的な使命です。経営による教育研究への支配は許されません。ましてや、本法案を通じて、又は法律に基づかない閣議決定や施行通知などを通じた文科省行政による大学自治への介入は見過ごすわけにはいきません。日本国憲法二十三条に定められた学問の自由と大学の自治を守り発展させることこそ大学運営に求められています。
 なお、本法案は、限定的な出資に限られてきた国立大学法人の出資について、指定国立大学法人に限り新たに大学発ベンチャーへの出資を可能にするとしています。損失リスクを伴う事業への出資を可能にすることは、本質的業務である教育研究の安定的な運営を損なうおそれがあります。そうではなく、運営費交付金など国の支出を増やして大学の運営を支援すべきであることを申し上げ、討論といたします。

#128
○舩後靖彦君 私は、れいわ新選組を代表し、国立大学法人法の一部を改正する法律案に反対の立場から討論を行います。
 本法案は、国立大学法人等の管理運営の改善並びに教育研究体制の整備及び充実等を図るため、学長選考会議から学長を外し、学長の職務執行の状況の報告を求める権限を付与し、その名称を学長選考・監察会議とすること、監事の体制を強化すること等の措置を講ずることを趣旨としております。
 しかし、本委員会の質疑でも指摘されているとおり、委員の大半を学長が選ぶ体制は何ら変わっていません。学長選考の透明性、公平性を担保する仕組みにはなっておりません。また、監事も学長選考・監察会議の大半の委員も学長の意向を反映した人選となっています。学長の強力な権限集中に対して、学長選考・監察会議と監事の牽制、チェック機能が厳正に果たせるか疑問です。
 そもそも、外部委員を含む十数名の選考会議に学長選考の権限を移譲し、教職員、学生の意向が反映される仕組みがないことは、大学自治において大いに問題であると考えます。
 二〇〇四年の国立大学法人化以来、教育研究機関である大学には政府の方針に沿ったガバナンス改革が持ち込まれ、東大など上位大学に資金や人材が集まりやすい選択と集中の政策を進めました。しかし、日本発の論文数の国際シェアは中国や欧州勢に抜き去られました。上位大学が伸び悩むだけでなく、中堅大学も失速しています。
 公共財としての大学に課せられた役割は、決して政財界の利益、関心に沿うことだけではありません。学術の発展と国民への還元をなすためには学問の自由を保障することが大切です。大学が企業経営のように成果、効率優先で競争させられている現状を改めるべきです。
 大学の最大のステークホルダーである学生、教員が自由、自主的に学び、研究できる環境整備をすることこそ今の大学法人に必要ではないでしょうか。
 本法案の小手先の改正ではこの間の国立大学法人の問題点を解決することはできないことを指摘し、討論を終えます。

#129
○委員長(太田房江君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 国立大学法人法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#130
○委員長(太田房江君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、斎藤さんから発言を求められておりますので、これを許します。斎藤嘉隆さん。

#131
○斎藤嘉隆君 私は、ただいま可決されました国立大学法人法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会及び国民民主党・新緑風会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    国立大学法人法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
 一、学長がリーダーシップを発揮するためには学内からの信任と支持が不可欠であることを踏まえ、学長選考・監察会議の運営に当たっては、大学の自治を尊重し、多様な意見を持つ教職員・学生等を含む学内外のステークホルダーの理解を得られるよう努めること。また、可能な限り議事の内容を公表するなど、より一層の透明性の確保に努めること。
 二、学長選考・監察会議を構成する経営協議会の委員及び教育研究評議会の評議員の任命等を学長が行う仕組みは維持されることを踏まえ、その選定過程の透明性・公正性が担保される選任の在り方について検討を行うこと。
 三、監事の学長に対する第三者性・中立性を確保するとともに、監事の公正かつ厳正な監査業務の遂行に資する体制を整備すること。また、学長に対する牽制機能の実効性を確保する観点から、公益通報制度を活用するとともに、地域の弁護士等と連携するなど必要に応じて外部有識者による確認・検証の手続を講ずるよう努めること。
 四、国立大学法人による出資については、各国立大学法人の自主性・自律性を尊重するとともに、出資の実績によって自己収入が増加した場合、国立大学法人運営費交付金の減額等により、国立大学法人の財務基盤強化の意欲が削がれることのないよう留意すること。また、出資を行うに当たっては、財務状況の健全性を損なうことなく、戦略的・長期的に資金運用できる体制の整備に万全を期すること。
 五、一法人複数大学制度による国立大学法人の統廃合に当たっては、国立大学法人の経営基盤の強化及び効率的な経営を実現するとともに、個々の国立大学における教育研究の多様性が損なわれることのないよう十分に留意すること。
 六、国立大学法人が高い自主性・自律性を持ち、社会変革を先導する新たな役割と使命を果たすことができるよう国立大学法人に関する制度的枠組みや国による支援の在り方について継続的に検討すること。とりわけ中期目標・中期計画の策定に当たっては、国立大学法人の自主性・自律性に基づく発展を尊重する観点から、大学政策上必要となる大枠の方針を提示するにとどめ、国立大学法人に対する事前の規制とならないよう十分に留意すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

#132
○委員長(太田房江君) ただいま斎藤さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#133
○委員長(太田房江君) 多数と認めます。よって、斎藤さん提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、萩生田文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。萩生田文部科学大臣。

#134
○国務大臣(萩生田光一君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。

#135
○委員長(太田房江君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#136
○委員長(太田房江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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