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2021/04/19 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 決算委員会 第4号 令和3年4月19日
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2021/04/19 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 決算委員会 第4号 令和3年4月19日

#1
令和三年四月十九日(月曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十二日
    辞任         補欠選任
     高野光二郎君     酒井 庸行君
     小西 洋之君     勝部 賢志君
     井上 哲士君     武田 良介君
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     本田 顕子君     今井絵理子君
     三浦 信祐君     平木 大作君
     浅田  均君     柴田  巧君
     芳賀 道也君     伊藤 孝恵君
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     自見はなこ君     進藤金日子君
     柳ヶ瀬裕文君     高木かおり君
     武田 良介君     紙  智子君
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     進藤金日子君     岩本 剛人君
     下野 六太君     新妻 秀規君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         野村 哲郎君
    理 事
                古賀友一郎君
                舞立 昇治君
                牧野たかお君
                古賀 之士君
                里見 隆治君
                伊藤 孝恵君
    委 員
                足立 敏之君
                赤池 誠章君
                今井絵理子君
                岩本 剛人君
                大家 敏志君
                酒井 庸行君
                進藤金日子君
                滝沢  求君
                豊田 俊郎君
                西田 昌司君
                藤井 基之君
                山田 俊男君
                小沼  巧君
                勝部 賢志君
                岸 真紀子君
                塩村あやか君
                吉田 忠智君
                伊藤 孝江君
                下野 六太君
                新妻 秀規君
                平木 大作君
                柴田  巧君
                高木かおり君
                岩渕  友君
                紙  智子君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣官房長官) 加藤 勝信君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災、
       海洋政策))   小此木八郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、規
       制改革))    河野 太郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       クールジャパン
       戦略、知的財産
       戦略、科学技術
       政策、宇宙政策
       ))       井上 信治君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策、地方創生
       ))       坂本 哲志君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    西村 康稔君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(マイナ
       ンバー制度))  平井 卓也君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(男女共
       同参画))    丸川 珠代君
   副大臣
       財務副大臣    中西 健治君
       厚生労働副大臣  山本 博司君
       農林水産副大臣  宮内 秀樹君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       鰐淵 洋子君
       厚生労働大臣政
       務官       こやり隆史君
        ─────
       会計検査院長   森田 祐司君
        ─────
   政府特別補佐人
       人事院総裁    一宮なほみ君
       内閣法制局長官  近藤 正春君
       公正取引委員会
       委員長      古谷 一之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        笹嶋  正君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       時澤  忠君
       内閣官房内閣審
       議官       冨安泰一郎君
       内閣官房内閣審
       議官       彦谷 直克君
       内閣官房内閣審
       議官       内山 博之君
       内閣官房内閣参
       事官       藤山 智博君
       内閣官房アイヌ
       総合政策室長   岡本 直之君
       内閣官房国土強
       靱化推進室次長  五道 仁実君
       内閣官房就職氷
       河期世代支援推
       進室次長     村瀬 佳史君
       内閣官房内閣人
       事局人事政策統
       括官       山下 哲夫君
       内閣官房内閣人
       事局人事政策統
       括官       堀江 宏之君
       人事院事務総局
       職員福祉局長   合田 秀樹君
       人事院事務総局
       人材局長     西  浩明君
       内閣府政策統括
       官        青柳 一郎君
       内閣府地方創生
       推進事務局審議
       官        佐藤 朋哉君
       内閣府科学技術
       ・イノベーショ
       ン推進事務局統
       括官       柳   孝君
       内閣府宇宙開発
       戦略推進事務局
       長        松尾 剛彦君
       内閣府子ども・
       子育て本部統括
       官        嶋田 裕光君
       宮内庁次長    池田 憲治君
       警察庁刑事局長  藤本 隆史君
       総務省大臣官房
       審議官      阿部 知明君
       総務省大臣官房
       審議官      藤野  克君
       出入国在留管理
       庁在留管理支援
       部長       君塚  宏君
       財務省理財局次
       長        窪田  修君
       文部科学省大臣
       官房審議官    蝦名 喜之君
       文部科学省大臣
       官房審議官    塩崎 正晴君
       文化庁審議官   出倉 功一君
       厚生労働省大臣
       官房総括審議官  山田 雅彦君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    間 隆一郎君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    宮崎 敦文君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    志村 幸久君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    大坪 寛子君
       農林水産省生産
       局畜産部長    渡邊  毅君
       林野庁国有林野
       部長       織田  央君
       水産庁資源管理
       部長       藤田 仁司君
       経済産業省商務
       情報政策局商務
       ・サービス政策
       統括調整官    山本 和徳君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   篠原 栄作君
       会計検査院事務
       総局第二局長   山口  亨君
       会計検査院事務
       総局第四局長   内田 竜雄君
       会計検査院事務
       総局第五局長   原田 祐平君
   参考人
       沖縄振興開発金
       融公庫理事長   川上 好久君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○令和元年度一般会計歳入歳出決算、令和元年度
 特別会計歳入歳出決算、令和元年度国税収納金
 整理資金受払計算書、令和元年度政府関係機関
 決算書(第二百三回国会内閣提出)(継続案件
 )
○令和元年度国有財産増減及び現在額総計算書(
 第二百三回国会内閣提出)(継続案件)
○令和元年度国有財産無償貸付状況総計算書(第
 二百三回国会内閣提出)(継続案件)
 (皇室費、内閣、内閣府本府、警察庁、消費者
 庁及び沖縄振興開発金融公庫の部)
○国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調
 査
 (国会法第百五条の規定に基づく本委員会から
 の会計検査の要請に対する結果報告に関する件
 )
    ─────────────

#2
○委員長(野村哲郎君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十六日までに、小西洋之君、高野光二郎君、井上哲士君、本田顕子さん、三浦信祐君、浅田均君、芳賀道也君、柳ヶ瀬裕文君、自見はなこさんが委員を辞任され、その補欠として勝部賢志君、酒井庸行君、今井絵理子さん、平木大作君、柴田巧君、伊藤孝恵さん、高木かおりさん、紙智子さん、進藤金日子君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(野村哲郎君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと思います。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(野村哲郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に伊藤孝恵さんを指名いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(野村哲郎君) 令和元年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、皇室費、内閣、内閣府本府、警察庁、消費者庁及び沖縄振興開発金融公庫の決算について審査を行います。
    ─────────────

#6
○委員長(野村哲郎君) この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#7
○委員長(野村哲郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#8
○委員長(野村哲郎君) 速記を起こしてください。
    ─────────────

#9
○委員長(野村哲郎君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#10
○山田俊男君 山田俊男です。
 本日は、質疑の機会をいただき、委員各位に本当に感謝申し上げる次第であります。
 去る三月十九日、規制改革推進会議農林水産ワーキング・グループが開催され、農水省等を呼び、生乳流通改革のフォローアップ、ヒアリングが開催されたと承知しております。
 私は、規制改革推進会議の在り方について我慢ができないことがあるので、今回の質疑に手を挙げさせていただいた次第であります。それは、規制改革推進会議に席をお持ちの委員各位はどういう基準で選ばれておいでなのか、各界の識者が選ばれて参加されているものと思います。これまでの委員各位の会議での御発言を議事録等で拝見しますと、それぞれ皆さん一家言をお持ちの方々であり、自らの主張や論理に大きな自信をお持ちの方々であると承知している次第であります。
 まず初めに、皆さんに御覧いただきたい資料をお手元に差し上げます。どうぞちょっとお配りいただけますかね。この資料です。もうお持ちですかね。
 ここにありますが、平成二十九年一月十八日に政府広報として各県の地方紙に掲載された新聞の七段広告であります。私は、朝起きてこの広告を見て、大変びっくりした次第であります。日本の農業をもっと強く、そしてさらに、もうかる農業ということが、言葉がこうして並んでいるわけであります。私は、当時この広告を目にして、非常に、それこそ髪が逆立つほど腹立たしい思いをした次第であります。要は、競争しろと主張しているわけでありまして、脅迫しているんじゃないかと受け止めたからであります。
 そして、下段には酪農家の自由な販売を支援としてあり、自由な販売がもたらす混乱を心配したからです。一体、酪農の牛乳の、生乳の自由な販売というのは一体どんなことなんだというわけであります。新しい制度の下で本当に生じている問題も、この後、続いているというふうに思います。要は、これらの宣伝もあって、結果として制度改正は行われ、関係者は既に新たなスタートを切っているわけであります。この新聞広告に文字が躍るように、農業をもっと強く、もうかる農業ということに果たして現在なっているのかどうか、新しい制度の下で生じている問題もあると聞いております。
 御案内のとおり、酪農は一日も休まず、生乳を搾乳した生産者は、搾った生乳を農協へ委託販売で出荷します。農協は県段階を通じてブロックごとに指定団体を組織し、指定団体が乳業メーカーと価格交渉を行う役割を担い、雪の日も風の日も衛生面に気を付けながらミルクローリーで生乳を集荷し、乳業メーカーの工場へ持ち込む役割を担っています。
 特に重要なのは需給調整です。牛は本来寒冷地の生き物ですので、夏場に乳量が減り、冬場に多く乳を出します。一方、牛乳の消費はその反対で、変動します。学校の夏休み等でも変動します。このため、このままでは腐りやすい生乳の一定量を飲用乳とは別に、乳業メーカーに保存性の高い脱脂粉乳、バター、チーズ等の乳製品に加工してもらうよう仕向けることで需給調整を行っております。そして、加工原料に回すことによる値下げ分について、指定団体は、加工原料乳生産者補給金という制度的な支援も受けながら生産者全体でプールすることで、みんなで引き受けているわけであります。
 このように、指定団体は、酪農家から乳業工場までの原料としての生乳の流通を通じて、牛乳、乳製品の安定供給に大きな役割を担っております。特に、需給調整は、消費者への安定供給と酪農の安定的な維持発展に向けて、乳業メーカーも含め、業界全体でビジョンを共有して取り組んでいるわけであります。こうした強い信頼関係と結び付きは、消費者への牛乳、乳製品の供給において、最も大切な安全、安心の確保という点でも非常に重要です。
 当然ですが、生乳は傷みやすい、だから極めて細心の注意と信頼で管理し、届けることがなされています。それだから、当然、酪農家と指定団体、乳業メーカーの関係は結び付きが強く、あちこちに売る、あちこちから買う、ということではありません。きちっとした結び付きと日頃からの信頼が、いい牛乳と乳製品作りにつながっているのであります。だから、単に余ったから引き取れ、足りないから出せないというものではないのであります。もちろん、その信頼の下で酪農家と乳業者は牛乳を生産し、指定団体と連携して、バターやチーズ等乳製品を加工する取組で調整を図っているわけであります。まさにこの結び付きの信頼こそが最も大事な機能であり、その取組が消費者にいい牛乳と乳製品を届ける礎になっているわけであります。
 こうした生産者、指定団体、乳業メーカーの信頼関係と結び付きは、規制改革に端を発する平成二十九年の制度改正により、今は年間販売計画と販売委託契約という形で具体化されています。このときの制度改正の趣旨は、生産者が出荷先を自由に選べる環境の下、経営マインドを持って創意工夫をしつつ所得を増大させていくということであり、このため、指定団体に全量委託販売する酪農家に限定することなく、加工原料乳の全ての生産者に補給金を交付し、需給に応じた乳製品の安定供給の確保を図ることとされました。
 その一方で、運用ルールの新たな整備に当たり、年間販売計画が飲用向けと乳製品向けの調整の実効性を担保できるものとすること並びに部分委託の場当たり的な利用を認めないルールとすることとされたわけであります。
 かつて規制改革推進会議が、指定団体について市場原理を導入する、生産農家と指定団体との役割分担を見直すとの観点で、安定した生産、流通、販売の在り方に注文を付けてきました。もっと競争しろ、他の加工業者にも開放しろ、それが規制改革だということだったのかもしれません。しかし、いずれにしろ、そうした主張は何とか実現され、制度的に新規参入者にも門戸が開かれ、必要なルールが整備され、新たなスタートが切られています。
 昨年以降、コロナ禍の下、学校休校、学乳需要の喪失による需給緩和の危機など数々の異常事態を迎えるわけですが、指定団体は、生産者、乳業メーカーと一滴の生乳廃棄も出さないという強い決意を共有し、数多くの関係者の一丸となった尽力で消費者への安定供給を何とか維持しました。
 さて、ここで農水省にお伺いしますが、既に新たな制度は発足し、事業者の新規参入に門戸が開かれ、そうした事業者も含めて需給調整が進められることとなりました。その上で、指定団体の取組には一定の評価もあると思いますが、この制度改正やその後の状況について農水省は現状どのような評価に立っているのか、御答弁ください。

#11
○政府参考人(渡邊毅君) お答えをいたします。
 今、先生から指定生乳生産者団体の役割について御質問いただきました。
 現在、指定生乳生産者団体は、全国の生乳の流通量の大宗を取り扱っているところでございますけれども、先ほど来先生からお話のありました生乳の需給と供給にはそれぞれ異なった季節変動がございまして、それを飲用向けと乳製品向けにバランスよく仕向けるということで需給調整をやっていただいております。それによりまして生乳生産の安定を図るということでございます。また、条件不利地域を含めた地域全体からあまねく集乳をするということによりまして酪農経営の安定に寄与しているということだと思います。
 前回の生乳改革の制度改革に、制度改正によりまして、先ほど来お話が出ておりますけれども、補給金を受けられる酪農家の出荷先の選択肢を指定生乳生産者団体以外にも拡大をしたというところでございますけれども、今申し上げたように、需給調整による牛乳、乳製品の安定供給ですとか酪農家の経営安定を図る上で指定団体が果たす役割は重要であると考えておるところでございます。

#12
○山田俊男君 渡邊部長、ありがとうございました。
 ところが、ここへ来まして、規制改革推進会議が、指定団体が生産者、乳業メーカーに不当な圧力を掛けていると主張しています。ましてや、組織解体に言及するなどとは、協同組合の否定ともいうべき発言です。長い年月を掛けながら、調整と合意の下で安全、安心を届ける大変な努力で進められてきているこの仕組みをどうしようというのか、とてもじゃないが納得できません。
 規制緩和だ、自由な競争で生乳を、そして牛乳と乳製品を届けるとおっしゃっているようですが、鳴り物入りで新規参入した事業者の一部が集乳を拒否し、生乳廃棄、訴訟にまでなっている現状をどう考えているのか。また、既に新しい制度の下、部分委託は認められていますが、当初契約にないスポットでの出荷先変更や出荷数量の変更等の契約違反が現場に混乱を生じさせている現状をどうお考えなんですか。生乳の生産、流通、処理、販売の特性と実態をきちっと踏まえた上でのことなんでしょうか。大変疑問があります。
 もちろん、指定団体には法令遵守を徹底する姿勢が求められます。また、新規参入する事業者には、需給調整等も含めて、法の趣旨を踏まえ、関係者と思いを一にして取組を進めるのであれば、継続的に支援する必要があります。ただ、これらのことを規制改革推進会議や、またそのメンバーが御自分たちの関心だけで競争原理を主張され、これまでの多くの酪農家の安定供給の努力や安全、安心を届ける長い努力の取組を踏まえず、いとも簡単に規制改革だ、それが正義だと声高におっしゃっているのであれば、それは大切な酪農生産や国民の健康を支える牛乳の取組を壊すものと言わざるを得ないのであります。
 ここで、畜産政策で多分もうここら辺がはげるぐらい苦労されている農水省の渡邊畜産部長に再度質問いたします。
 ともかく大変な、新しい制度になって、その下で新規参入する事業者もいますが、その一部には、生産者からの集乳を拒否し、大量の生乳廃棄を招き、生産者との訴訟にまで至っている事業者もいると聞いていますが、そのことについて農水省としてどういう事実関係を把握され、どのように評価されているか、お聞きします。

#13
○政府参考人(渡邊毅君) お答えいたします。
 先生から今御指摘のありました、一部の乳業メーカーの人たちが生産者から集乳を拒否して生乳廃棄を招いたという事例、実は令和元年の冬から二年の春にかけて、北海道で一部の集乳業者の集乳停止によりまして生乳廃棄が発生したという件がございます。この件のことだと思っております。
 農林水産省としては、当時、当該集乳業者を始めまして生産者が属する組織ですとか生産者に対して、一体事実関係どうだったのかという聞き取りを行ったところでございます。その結果、当該集乳業者からは、生産段階での生乳への異物混入が原因で受入先の乳業者から生乳の受入れを断られた生産者がおられたということで、その生乳が廃棄されたという報告を、そのような報告を受ける一方で、逆に生産者側の方からは、異物混入は事実であるけれども、既に改善し、その後は当該集乳業者を経由せずにほかの乳業メーカーに出荷が受け入れられていたというようなお話をいただいたところでございます。
 この生乳廃棄の事例につきましては、今訴訟になっておりますけれども、廃棄された生乳の費用をどちらが負担をするのかというところが論点になっているということでございまして、契約当事者間の取引上の問題であるというふうに考えているところでございます。

#14
○山田俊男君 いろんな事実関係があるのかもしれませんが、安定した供給、そして安定した加工、それらを考えますと、こういうことはあってはならないことであります。
 いずれにしても、私は、将来にわたって我が国の消費者に安全、安心な牛乳、乳製品が安定供給される、このことを通じて我が国酪農の持続的発展が実現する、このビジョンは私は疑いのないものだと思いますし、国や、そして制度の運営に当たっては、酪農に携わる全ての関係者がこのビジョンを共有し、その実現に向けて協力することをサポートする、それこそが私は政府の果たすべき役割だというふうにも思います。その関係者には、生産者も指定団体も乳業メーカーも、そして必要な支援を得ながら新しく参入する事業者も私はいていいと思います。その意味では、そのために必要な措置は既になされているはずであります。
 ところが、生産現場において要らぬ混乱や生乳の大量廃棄、ひいては関係者間の疑心暗鬼が生まれていると伝えられています。いかなる大義を振りかざすとしても、これらを助長するようなことは何人もすべきでないと思います。生産者が営々と築き上げてきた協同組織の解体への言及も行うべきでないと言わざるを得ません。
 どうぞ、渡邊部長は大変御苦労がおありだというふうに思いますけれど、本当に大事な生乳、そしてこれは国民にとっても欠かせない本当に大事な栄養源でもあります。これの安定的な、そして安全、安心の流通をどう果たすかということについて、やはりいたずらな、わがままといいますか、いたずらな利害、そのことにこだわって、そして反旗を翻すような話については、やはりきちっと対策を講じなければならないということであります。いかなる大義を振りかざすにしても、これを助長するようなことは何人もすべきではないと、このことを改めて私は申し上げたいと思います。それが新鮮な乳から、牛から搾った牛乳、これをちゃんと国民の健康のために供給するという物すごい大事なことがあるわけであります。
 ところで、河野大臣は神奈川県が選挙区です。神奈川県は、日本の酪農生産の発祥の地であり、そしてそれを支えてきた先進県です。多くの見識ある酪農家が多くおいでであります。そしてまた、それら酪農農家を支える農協や酪農協の皆さんがおいでになります。それらの皆さんの声を是非もっと聞いていただきたいというふうに思います。
 酪農の生産、販売は、我が国の農業と農林水産政策の要の私は事業だというふうに思っております。長い間苦労してきているお役人もいっぱいおいでになります。規制改革推進会議のメンバーの乱暴極まりない発言等に左右されず、大切な日本の食の確保と安全生産、安定生産供給に全力を挙げていただきたい。
 ここで、改めて河野大臣に、日夜、牛乳、乳製品の安定供給に奮闘する生産者、指定団体、乳業メーカーの関係者に、その労をねぎらい、我が国酪農の発展に向けた決意の言葉を求めたいと思います。お願いします。

#15
○国務大臣(河野太郎君) 我が神奈川県、現在では生乳の生産量、全国で一%未満ということでございますが、戦後間もなく、昭和二十六年だったと思いますけれども、全日本ホルスタイン共進会という乳牛の全国品評会の第一回大会が私の地元の平塚市で開催をされまして、天皇陛下がお出かけになった、多分その共進会での写真だと思いますけれども、それを河野謙三大叔父の家で見せていただいたということもございまして、酪農の、山田先生に発祥の地と言っていただきましたけれども、これまでも多くの方が様々御努力をいただきました。現在でも、若手の酪農家が角笛会というのを組織をして頑張ってくれておりまして、数年前にも全国で有数の乳牛を輩出したということで賞をいただいている。まだまだ酪農家、神奈川県でも頑張ってくれているところでございます。
 酪農の生産、流通につきましては、生産者がこの出荷先を自由に選べるなど創意工夫しながら、酪農家の努力がしっかりと所得に結び付くようなインセンティブというのが必要だというふうに思っておりまして、指定生乳生産者団体については、国際的な競争も視野に入れながら、中間コスト、物流コストの削減を進め、酪農家の生産性の向上、そして何よりも所得増加に資する取組をしてくださることを期待をしてまいりたいと思います。

#16
○山田俊男君 河野大臣からは、発祥の地としての誇りをおっしゃっていただいたというふうに思います。私も大賛成です。今もしっかりした酪農家がちゃんと神奈川県においでになります。本当に多くを学ぶことができます。
 ですから、河野大臣は規制改革担当大臣なんです。規制改革推進会議のメンバーがそれこそどんなことを酪農制度について言っているか、どんな攻撃をしているか、そのことをしっかり踏まえていただいて、そして大臣の理念、思いをぶつけていただきたい、こんなふうに思います。
 そして、九州福岡県で大変農業に詳しい宮内農水副大臣に、酪農、乳業振興に向けました決意の言葉をいただきたいと思います。

#17
○副大臣(宮内秀樹君) 九州福岡も酪農地でございまして、大変額に汗して一生懸命国民の食料の安定供給に努めていただいている酪農家はたくさんおります。しっかり支えていきたいという気持ちでございます。
 牛乳、乳製品につきましては、昨今では国民の健康への関心の高さも大変高くなって、人口減少する中でも需要は堅調に推移をしております。大変重要な食品だというふうに認識をしております。
 日本の酪農、乳業は、我が国で消費される牛乳、乳製品需要の約六〇%を生産をしておりまして、豊かな食生活の一端を支える重要な産業分野であるというふうに考えております。その中で、酪農経営は、こうした重要な食品であります牛乳、乳製品の原料となる生乳を一年三百六十五日滞りなく生産をしているということでございますので、大変重要な役割を国の中でも、国民生活、食生活の中で重要な役割を担っているというふうに考えております。
 また、先ほどから御指摘の指定生乳生産者団体は、酪農家の皆さんの努力の結集である生乳を、先生御指摘のように、季節の需要に合わせまして乳用向けと乳製品に分けて、バランスよく仕分けて調整を行っていただいております。生乳生産の安定を図るとともに、条件の不利な地域を含め、地域全体からあまねく集乳を行うことによりまして酪農経営の安定に寄与していただいているというふうに認識をいたしております。
 また、乳業メーカーさんは、消費者に安全、安心な牛乳、乳製品を安定供給することによりまして、我が国の生乳生産基盤を支える役割を十分に担っていていただいているというふうに認識しております。
 こうした中で、昨年のコロナ禍において需要が急激に減少した、給食もなくなったというような状況ではありましたけれども、指定生乳生産者団体が乳業メーカーと連携をしていただきまして需給調整機能を発揮していただいて、保存の利く乳製品に加工するというようなことも調整をしていただきまして、生乳を一滴も破棄することなく乗り越えていただいたというふうに認識をしております。
 このように我が国の安全、安心な生乳、乳製品は、こうした生産者や指定団体を始めとする生乳流通事業者、乳業メーカー、関係者の皆様の大変な御努力によって安定的な供給が果たされ、国民の健康を守っていただいているというふうに認識をいたしております。
 農林水産省といたしましても、昨年の三月に策定した酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針におきまして、十年後の生乳生産量の目的、目標を七百八十万トン、平成三十年度実績の七百二十八万トンから増産を目指して設定しているところでありまして、今後ともその実現に向けまして全力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。

#18
○山田俊男君 宮内副大臣から大変いいお話をお聞きしたわけで、生産者、指定団体、乳業メーカー、連携した取組で大事な生乳、乳製品の確保をちゃんと図っているよというふうにおっしゃっていただいたわけでありまして、大変ありがとうございます。ありがとうございました。
 以上申し上げましたが、規制改革推進会議の各般にわたる意見具申については、農業生産の特性、我が国の気候風土や国土の特性、さらには、小さな島国で必ずしも条件に恵まれているとは言えない環境下にありながら、国民の食料の安定供給と美しい環境保全に努めてきている農業者や行政関係者やJA等の農業団体の一丸となった取組、努力をきちんと評価し、更なる取組を奨励する政策の提言こそ私は規制改革推進会議にまさに求められるというふうに思っております。市場原理と競争を促すだけの規制改革推進会議の主張がまかり通るということは絶対に容認できません。規制改革推進会議の今後の在り方は抜本的に見直すべきです。
 今日、河野大臣にこうしてじかにお話しできて、本当に感謝です。どうぞ、私も与党の議員として過激な言いぶりですが、以上申し上げて、私からの質疑を終わらせていただきます。大臣、しっかり頑張ってください。お願いします。
 ありがとうございました。

#19
○酒井庸行君 自由民主党の酒井庸行でございます。
 決算委員会で質問するのは初めてでございまして、この機会をいただいた委員長始め理事、そして委員の皆様にお礼を申し上げたいと思います。
 まず、ちょっと順番を変えて、大臣にお話をお聞きしなければなりません。
 新型コロナウイルスの感染が拡大をされております。そうしたことから、まずは、この新型コロナウイルスによってお亡くなりになられた皆様に心から御冥福をお祈りを申し上げるとともに、現在感染されている方々にお見舞いを申し上げて、一刻も早く回復されることをお祈り申し上げたいと思います。
 また、いわゆる医療従事者の皆様を始めとして、たくさんの関係の方々がいらっしゃいます。もう私たちは、どれだけ感謝しても、し過ぎることはないと思います。改めて感謝申し上げたいと思います。
 そして、ここに来て新型コロナウイルスは拡大をしてきております。昨日の報告によりますと、全体で四千九十三人ということでございますし、大阪では千二百二十人、東京でも五百四十三人という報告があり、重症の人たちが七百二十三人あるということであります。
 緊急事態宣言というのが三月二十一日に解除されましたけれども、四月の五日にはまん延防止等の重点措置というものが大阪、兵庫、宮城に適用されて、この十二日には東京、京都、沖縄、そして明日からは埼玉、神奈川、千葉、愛知ということがございます。
 尾身会長は、皆さん御承知のように、報道で、もう第四波に入っていると言っておられます。専門家の意見には、再び緊急事態宣言を出して一刻も早くこの感染を食い止めなきゃならないんじゃないのかという御意見もあり、また、今日のお昼のニュース等でもありますけれども、大阪の吉村知事は政府に対して緊急事態宣言をお願いをするということを断言をされております。
 これを踏まえて、大臣、西村大臣から現状を踏まえたところの見解をお聞かせいただければと思います。

#20
○国務大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。
 御指摘のように、全国的に感染者、新規陽性者の報告数が増加をしてきております。特に、大阪、兵庫、関西圏で変異株がもう八割ということで、急速に拡大をしてきております。
 そして、御指摘のように、四月五日から大阪中心にまん延防止等重点措置を行ったものですから、ちょうど二週間ぐらい今たっていまして、この報告数の伸びが鈍化をしてきています。ただ、それでも千百、千二百の水準で高止まっておりますので、病床は非常に厳しい状況になってきておりますし、吉村知事とも昨日も連絡を取り合いまして、こうした状況を共有をしている、まさに極めて強い危機感を持って、対策の強化が必要であるという、そうしたところを共有をしているところであります。
 その上で、国民の皆さんの命を守るために必要となれば、これは緊急事態宣言ちゅうちょするべきではないというふうに常々申し上げておりますし、そういうふうに考えております。緊急事態宣言に万が一なれば、これは休業要請含めて極めて強い措置を、今まで以上に強い措置をとることができますので、そういった対応も可能となってきます。
 他方、今のまん延防止等重点措置でも、今、飲食店の八時までの時短をお願いをしておりますけれども、それ以外の施設についても、集客施設、百貨店などを含めて時短の要請などもできることになっておりますので、こういった辺りを知事とも様々意見交換をさせていただいております。
 いずれにしても、強い措置が、今まで以上に強い措置が必要であると。これを下げていかないと病床がますます厳しくなりますので、そういう意味で、病床はもちろん今国も挙げて、政府を挙げて取り組んでいるところでありますけれども、ただ、それでもこの千百、千二百が続くとこれは大変なことになってきますので、いずれにしても強い措置が必要であるというふうに考えております。専門家の意見を聞きながら、こうした対策の強化、急いでまいりたいというふうに考えているところであります。

#21
○酒井庸行君 ありがとうございます。
 また後ほどお聞きをいたしますけれども、決算委員会でございますので、検査院の方に質問をさせていただきます。
 新型コロナウイルスの感染症対策についてのいわゆる検証について、会計検査院にお伺いをいたしたいと思います。
 いまだに収束が見えないいわゆる新型コロナウイルスの感染症でございますけれども、感染の拡大の、防止の拡大と社会経済の活動の両立を図っていくために様々な施策が講じられておりますけれども、予算規模も大きくなっておりまして、事業規模は、令和二年度の二次補正予算までに、新型コロナウイルスの感染症対策予備費を、十一・五兆円を含めて二百三十三・九兆円となります。さらに、第三次補正で令和三年度予算に関係経費が計上されております。
 昨年の六月に、本委員会の措置要求決議で、事態が収束した暁には、各施策の効果等について徹底的に検証し、次の時代への教訓として活用するべきであるというふうにございます。
 現在、会計検査院では、新型コロナウイルスの感染症対策関係費等の執行に関わって、問題について検査を実施中というふうに伺っております。国の施策、対策には当然のことながら政府自らの検証も必要でありますけれども、次の施策、対策につなげるには大事なこれは検査院のところが重要でありますし、更に効果を上げていかなければならないということで、検査院のチェックが大変重要であるということであります。
 そこで、現在の実施状況というものをお聞きをしたいと同時に、新型コロナウイルス感染拡大防止のための、検査院は、本当のいわゆる強みで、検査院が強みであるところの実地検査というのを令和二年、令和の二年次には中止したということもあると聞いております。また、コロナ禍の中でこれらの感染防止拡大のための実地検査について難しい対応が迫られるというふうにも考えられます。
 また、これは検査院だけではございませんけれども、ワーク・ライフ・バランスの推進や働き方改革などで、男性も女性も育児や介護を担っておられますので時間制約のある職員が増えるというふうに、時間制約のですね、ある職員が増えるというふうに思います。実地検査が縮小して次の年度以降の検査報告に影響があるのではないかというふうにちょっと懸念をする次第であります。
 コロナ前の検査報告の質を維持できるかどうかというのは大変な大きな課題とも言えますし、ウイズコロナの、ポストコロナ時代の実地検査の在り方、そして実地検査をいわゆる補完するために新たな検査方法の手法というのも開発を考えなきゃならないといいますけれども、御見解をお願いいたします。

#22
○会計検査院長(森田祐司君) 御質問ありがとうございます。
 新型コロナウイルス感染症対策に関する各種の施策につきましては、昨年九月に公表しております会計検査の基本方針にも記載のとおり、一定期間に多額の国費が投入されていることなどを踏まえまして、各事業の進捗状況に応じて検査を実施しているところであります。そして、検査に当たっては、各事業等の実施に緊急性が求められていることに留意するとともに、政府の取組方針や動向等を注視しつつ、状況に応じて機動的、弾力的に対応することとしております。
 なお、検査に当たっては、新型コロナウイルス感染症による検査対象機関への影響等に適切に配慮しているところであり、今後も引き続き配慮してまいりたいというふうに考えております。
 会計検査院においては、新型コロナウイルス感染症拡大防止の対応策といたしまして、緊急事態宣言の発出状況等を踏まえて、一定期間、全ての会計実地検査を中止したり、検査対象機関等を一部に限定したりするなどの対応をしてまいっております。そして、このような場合、実地検査に代替し、又はこれを補完する手段として、検査対象機関から提出された計算書や証拠書類を検査したり、その他必要な資料を取り寄せたりして、在庁での検査を効率的、効果的に行うように努めているところであります。
 また、会計検査院では、以前からICTの活用に取り組んでいるところであり、最近はウエブ会議により必要な説明を受けるなど、新しい新たな検査手法も試行して検査を行っているところであります。
 ただ、実地検査には、検査対象を現場でつぶさに確認したり、それを取り巻く周囲の状況も含めて直接把握したりなどといった他の方法では簡単に代替できない重要な機能があるところでありますが、コロナ禍のような事態もあり、また御指摘のワーク・ライフ・バランスや働き方改革に資するということも必要であるというふうに考えております。
 検査の水準を維持しつつ持続的な検査活動が確保できるように、ICTの更なる活用などによりリモートで対応することが可能な部分はないか、あるいは検査の更なる効率化に資する検査手法の開発ができないかなどを検討いたしまして、検査手法を更に工夫し、多様な取組を行ってまいりたいというふうに考えております。

#23
○酒井庸行君 ありがとうございます。
 しきりにICTという言葉が出てまいりました。これは、平井大臣にもまたいろんなことで御活躍にならなきゃならないというふうに思いますけれども。
 いわゆる今変異ウイルスというものも発生をしてきていて、大変な拡大をしております。その意味では、大臣、臨機応変に対応するということが、西村大臣、非常に重要だというふうに思います。先ほどの緊急事態宣言等の話もありますけれども、こうした効果的な対策を講じていくということは、事態の収束が、それを待つということではなくて、直ちに検証して次の感染対策に生かしていかなきゃならないんじゃないかというふうに思います。
 会計検査院の報告を受けて、コロナ関係、コロナに関する施策の効果等について早期に検証をして、教訓として次の施策につなげるよう活用し、より効果的な施策を講じていけるよう大臣にはお願いしなきゃならぬのですけれども、その辺の御見解をお伺いいたします。

#24
○国務大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。
 御指摘のように、去年の春の緊急事態宣言から一年の経験を積んできておりますので、この間の様々な対策の効果、経験、そしてデータも蓄積があります。内外の研究もいろいろありますので、そういったことを基に対策の進化を図ってきたところでありますけれども、更にこれを進めて進化をさせていきたいと考えております。
 少しだけ例を申し上げますと、昨年春、そして夏の経験で飲食店の二十時までの時短は効果があるということが分かってまいりましたので、この一月―三月も八時までの時短を中心に行いまして、ピーク時から新規陽性者の数は八割から九割減少ということで、効果を持ったわけであります。
 ただ、今回は変異株ということで、今回、大阪は四月五日からまん延防止等重点措置で二十時までの時短を行っておりますが、これだけではなかなか下げていくのは難しいんではないかという御指摘も専門家からもいただいております。そういう意味で、様々な分析に基づいて対策を進化させていく、強化する部分もあれば緩和してもいい部分もあると思います、そういったところを行っていきたいと。
 緩和していい部分は、映画館とかイベント、これ野球、Jリーグも五千人まで、この一月―三月の緊急事態宣言の下でも五千人まで、五〇%まで入れていいということで対応しておりました。そこで何か感染が広がったという報告は受けておりませんので、そうした効果もデータの分析によって進化させていくということも行ってきております。
 また、東大の渡辺教授、渡辺努先生という経済学の先生によれば、緊急事態宣言、昨年のときの緊急事態宣言の直接の効果に加えて、それに伴う政府や知事の発信、そうした情報効果、さらには、毎日の感染者数、これ増加をしていったわけで、こうしたことの持つ情報効果、こういったものも認められるということで分析もなされております。
 いずれにしましても、こういった分析を更に進めながら、今回の一月―三月の分析、それからこの四月以降の変異株への対応も、分析を並行的にやりながら対策を更に進化させていきたいというふうに考えております。

#25
○酒井庸行君 ありがとうございました。
 先ほども申し上げましたけれども、臨機応変な対応というのは非常に重要だというふうに思いますので、よろしく引き続きお願い申し上げます。
 大臣は退席されても大丈夫です。この後ありません。
 次の質問に移ります。

#26
○委員長(野村哲郎君) では、西村大臣、御退席いただいて結構です。

#27
○酒井庸行君 官民ファンドについてお伺いをしたいと思います。
 民間が担うことが難しいとされておりますリスクマネーを供給し、民間投資を喚起することを目的とします官民ファンドというのは令和元年度の末時点では十三ファンドございまして、政府からの出資額が一兆一千二百六十六億円、民間からの出資額は四千七百九十一億円、このほかに約三兆円の政府の保証が付されております。これらの十三ファンドの実の投資、いわゆる投融資額というのは二兆五千三百八十六億円でありまして、民間からの投融資額が七兆六千六百三十二億円ということでございます。
 本来、官民ファンドの役割というのは、ここはちょっと聞こうと思ったんですけど、私の方から申し上げます。本来、官民ファンドの役割というのは、政策的に意義の高い分野において、一定の収益を確保しながら、民間だけではリスクを取ることが難しい分野に率先して投資を行うということで信用性を補い、また民間資金の誘発、いわゆる呼び水などをすることだというふうに思いますが、一部の官民ファンドでございますけれども、投資実績が低調であるとともに累積の損失が生じている状況にあるものがあります。
 海外需要開拓支援機構、いわゆるクールジャパン機構はその一つでありまして、最も損失額が大きくなっております。私が政務官をやっていたときにこのクールジャパンも担当いたしましたけれども、非常にいい政策だなというふうに実は思っていました。
 日本の魅力ある商品、サービスの海外需要開拓に関連する支援、促進を目指して設立をされたわけでありますけれども、元年度の累積の損益の計画額が百九十四億円の損失に対して更に二十一億円、つまり増えたと言っていいと思いますけど、二百十五億円というふうになっております。
 このコロナ禍によって投資環境の変化が懸念されるわけでありますけれども、令和二年の十一月に行われた財務省の財政制度等審議会の財政投融資分科会においては、機構は現時点では投資計画の見直しを行う必要はないと説明しております。委員からは、平時の計画どおりに今後も進められるという結論は、コロナの影響を受けているという状況の説明と食い違っているという、納得がし難いとの意見も出されて実はいます。
 二〇一三年に設立をされて、八年が経過していますね。経産省からの資料をいただきますと、二〇二三年には上向くというお話でありますけれども、私の感覚からいくと、サラリーマンをやっていたときの感覚からいくと、もう一般の会社なら、八年もたっていればもうおかしくなっているというふうに思います。
 このプロジェクトには確かに時間は掛かるという、必要があるというふうに言われますけれども、クールジャパン機構に関しては、私はコロナ禍による投資環境の変化を踏まえたことを考えると投資計画を見直す必要性があるんではないかと、見直しを行わない理由も含めて、仮に収益の改善が見込めないという場合には機構の存在危機を問うことも考えなきゃならぬだろうと私は思いますので、御見解をお願いします。

#28
○政府参考人(山本和徳君) お答え申し上げます。
 クールジャパン機構を始めとする官民ファンドは、一般的に、長い投資回収期間を想定する事業や短期の収益性が必ずしも高くない事業に投資を行います。このため、投資回収による収益よりも運営経費などによる費用が先行するのが通例でございまして、クールジャパン機構もそのような状況にございます。
 この機構の設立初期の案件につきましては、政策的意義を重視する余り一から事業を立ち上げるものが多く、また、現地ニーズの取り込みが不十分であったと認識しております。このため、二〇一八年六月からの現経営陣の下で、政策的意義を追求しつつも、現地企業との連携による的確なニーズ把握、既に事業基盤がある事業への投資を中心とするなどの投資方針を新たに策定いたしますとともに、個別投資案件につきまして保有株式の評価減計上による損失の先送り回避、ハンズオン支援の強化などの取組を進めてきたところであります。
 現在、新型コロナウイルスが世界的に流行する中で、人の移動の制限等によりまして、特に店舗型案件やインバウンド関連案件において、計画の遅れなど事業に影響が出ているものがございます。その一方で、巣ごもり需要によるサブスクリプションサービスの新たなニーズ拡大など、プラスの影響が生じているものもございます。
 中期的にはデジタルシフトや消費行動の変容など市場環境の変化が進むと考えられますので、ポストコロナ時代に適応した新たな海外需要を獲得していくことが重要でありまして、クールジャパン機構においては、既に投資をしている事業の価値向上や市場環境の変化への対応も含め、政策性と収益性の実現に向け、取り組んでまいります。
 御指摘いただきました投資計画につきましては、各官民ファンドは累積損失解消のための数値目標計画を策定、公表するとともに、毎年度、計画と実績との乖離を検証し、乖離が認められる場合には五月までに計画を見直すこととされております。
 クールジャパン機構におきましても、現在、昨年度の決算について整理を行っているところではありますが、これまで申し上げた観点も踏まえまして、投資計画についても適切に必要に応じた見直しを検討してまいります。

#29
○酒井庸行君 ありがとうございます。
 納得したわけではないんですけれども、資料をいただいた中で、二〇一八年の六月にCEOの、いわゆる代表者が交代をして、CEOに北川直樹さんが入られて今改革をしているというお話をここで聞きました。それならば、私も頑張っていただければいいなというふうに感じておりますので、是非ともその辺を踏まえて徹底的にやっていただきたいというふうに思っております。
 次の質問に移ります。
 実は、大学ファンドについてのお話をしたかったんですけれども、時間がありませんので、ちょっとごめんなさい、飛ばさせていただいて、平井大臣に関係ありますマイナンバーカードについてお伺いしたいと思います。
 令和二年のマイナンバーカードの一年間の交付枚数というのが一千百八十四万枚ということで、年間の交付枚数としては過去最多となったということでございます。これは、五月から給付が始まった特別の定額給付金のオンラインの申請や、九月から始まったマイナンバーポイントの事業を利用する目的でカードの交付を受ける方が増えたということでございます。
 これによって申請件数は三月末時点で四千五百四十九万件ということで、大幅に増加をしているということでございますけれども、実際に政府が想定していた交付枚数というのが令和二年度までに六千から七千万枚ということでありますので、四年度末にほとんどの住民に交付の達成は厳しいという見通しが立たれています。
 そういう中で、令和元年度の決算において、マイナンバー制度やマイナンバーに関連する経費の歳出予算額はマイナンバーポイントの事業を含めて一千百五十五億円である一方、支出の際の歳出額が五百十一億円ということでありますので、執行率は四四・三%ということになります。詳細を言いませんけれども、総務省関係でいえば、個人番号のカードの交付事業費の補助金なんかは五一・五%、それから交付費の補助金も四三・八、個人番号カードの利用環境整備費なんかは一〇・六%。厚生労働省でいえば、健康保険証の関係の社会保険の関係でも二九・七%という状況があります。
 マイナンバーカードを保険証の、健康保険証の代わりとして活用できるオンライン等の資格のシステムというのは、いろいろなトラブルが相次いで、本格運用は十月に先送りをされているということでありますけれども、内閣府の調査、世論調査や民間のアンケートでは、マイナンバーカードを取得しない理由として、いずれもやはり個人情報の漏えいを心配するものが上位というふうになっています。
 私どもも、もう大分前にマイナンバー取りました。そういう意味では、まだ本当は少しお話ししたいことがありますけれども、参議院ではこれからというか、もう本会議でデジタル法案の審議が始まっておりまして、来週の、もうこの明日からは本格的審議に入ります。マイナンバーカードを基盤としたデジタル社会を何とか実現をしていくためには、これまでの取組をどう捉えて評価しているか、あるいは障害となっている問題点をやっぱり早急に洗って対応しなければならないというふうに考えます。
 カードの確実な普及、活用進まないというふうに思いますけれども、何とか、どんなような認識を持っているか、お伺いしたいというふうに思います。

#30
○国務大臣(平井卓也君) 先生、質問ありがとうございます。また、あしたからの法案の審議でお世話に内閣委員会でなります。
 確かに、そのマイナンバーカード、マイナンバー制度全体で見ますと、カードの普及枚数というのは我々が想定しているよりは少し遅いペース。しかしながら、ここに来て急激に国民の理解が進んで多くの方々が申請していただいているということは、非常に我々としても歓迎したいというふうに思うんですが。
 そもそも、日本のこのIT化といいますかデジタル化というのは、IDなきまま今までやってきたがために、非常に中途半端なサービスしか提供できない上に、非常に基盤が脆弱だったと思っています。安全で安心なデジタル社会をつくっていくためには、個人の特定一意のIDと、ですからマイナンバーですね、そして、マイナンバーカードは、ネット上で本人が本人であることを確定できる、唯一の国がアンカートラストになってやる、まさに認証基盤だと思います。
 ですから、必ずこの基盤は、将来の世代も含めて、デジタル社会の中では絶対に必要な社会インフラだと思っていますので、スピードは遅いですけど着実に積み上がっているし、今後とも積み上げていかなければならないと思います。行政の効率化とか、国民の利便性向上とか、公平公正な社会の実現というのがマイナンバーの目的でありますし、社会保障、税、災害対策の各分野の行政事務において現在利用されているところです。
 先ほど先生の御指摘の個人情報保護の観点からも各種の対策を講じていまして、まず一つは、マイナンバーを取り扱う者に対する漏えい防止など安全管理措置の義務付け、不正アクセス行為等に対する刑事罰の強化、個人情報保護委員会による必要な指導など、マイナンバーの適切な取扱いを法律上担保しています。また、このシステムも、行政機関等の保有する個人情報は従来どおり各行政機関等で分散管理していると、つまり、一元管理をわざわざせずに、分散管理のためのシステムになっています。そして、情報連携の対象となる個人情報は法律又は条例に基づくものだけに限っていますし、情報連携の際は、マイナンバーそのものを使うのではなくて、連携する機関ごとに異なる暗号化された符号を利用して、個人情報が芋づる式に抜き出せない仕組みとしています。そういう意味では個人情報の保護に十分配慮をした措置をしているんですが、このことを更に国民に詳しく説明していかなきゃいけないというふうに思います。
 マイナンバー制度により、現在の児童手当の申請など約二千三百の社会保障手続等の事務においては行政機関間の情報連携を実施しておりまして、これまで行政機関に発行を申請し紙で添付する必要のあった住民票の写しや課税証明書等の書類の省略をできるようにしています。
 また、例えばマイナポータルでは、番号法に基づく情報提供ネットワークシステムを使用した行政機関等のやり取りの記録である情報提供等記録について、やり取りを行った行政機関や日時、やり取りされた情報の名称を確認することが可能になっておりまして、このデジタル社会における透明性は、紙でやっていた時代よりははるかに透明性が高いというふうに思っています。
 個人情報の保護等に万全を期しつつ、今後とも関係省庁一体となって取り組んでいきたいと考えております。

#31
○酒井庸行君 あと二分しかなくなりましたので、丸川大臣に最後の質問をお伺いしたいと思います。
 東京オリンピックでありますけれども、私はもう何としてでも、まず国民の安心、安全、それからアスリート、海外からのアスリートも含めて徹底的な安全を、安心をやっていただきたいと思います。
 その上で、もっと大臣におかれましては、本当のこれまでやってこられた中で、以前の、今大臣になる、国会議員になる前のお仕事、もっと国民に分かりやすくPRできるような番組を作るとか、そういうのを考えてください。そうすると、みんな、ああ、そういうことだったのかと。まだまだ情報が国民には足らないわけですから、そういうことをお願いをしたいと思いますので、一言いただいて終わります。

#32
○国務大臣(丸川珠代君) 国民の皆様もでございますし、これからおいでになる選手や関係者の皆様に対してももっともっと情報をお伝えしていかなければならないと、そのとおりでございます。
 選手の皆さんも関係者の皆さんも、完全なバブルという、一般市民とは交わらない、全ての動線、宿泊所、また毎日の検査、そうした中でクリーンな環境を保って国を出るまで、競技をしていただくところも全てそのようにするということで頑張っておりますので、引き続きの御指導を賜りたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

#33
○酒井庸行君 終わります。ありがとうございました。

#34
○古賀之士君 ありがとうございます。立憲民主党の古賀之士です。
 早速、タイムリーなお話からさせていただきます。
 クールジャパン機構によります寧波阪急への出資についてお尋ねをいたします。
 これどういうことかといいますと、この寧波の阪急、遅れに遅れていたわけですけれども、ようやく先週の金曜日、オープンをいたしました。これ自体は大変めでたいことでございますけれども、資料の一、まず何でこのクールジャパン機構に関連しているのかということで、プロジェクトスキームを御覧いただこうと思います。
 一番左の列ですが、クールジャパンファンドが百十億円の出資をしております。突き詰めれば、これ国税でございます。そして、民間のエイチ・ツー・オー、これは阪急阪神グループの一つです。そして、その下に阪急阪神ホールディングス、そして伊藤忠商事、それぞれが出資をして、その真ん中の列になりますが、日本からのJVは出資比率七〇%でトータル二百十五億円という数字が出ております。つまり、二百十億円の日本のJVが支出したうちの半分以上に当たる百十億円をクールジャパンファンドが出していて、そのほかの百、あっ、九十五億円をその他の民間が出資して、ようやく先週の金曜日、オープンにこぎ着けたというわけでございます。
 さて、それ自体はまあ喜ばしいことなんでございます。ところが、その次の資料の二の一を御覧いただきたいんですけれども、これは先ほど御紹介をしたエイチ・ツー・オーリテイリング株式会社の公表資料からですが、店づくりの四つの柱と書いてあります。これは、一番目にハイエンドと高感度ファッション、二番目が上質で楽しい食スタイル、三番目が体験とエンターテインメント、ようやく四番目にジャパンコンテンツと出てきます。
 次の資料の二の二をおめくりください。
 実際にこのフロア構成を見てみますと、下の地下一階のフロア、ここには三店ほど、四店ぐらいですか、日本のおなじみの企業の名前が書いてあります。それから先、一階から六階までは、これどう見ても、例えばナイキとか、それからプーマとか、あるいはアイシクル、エクセプション、エルドス、それからシャネル、ディオール、ランコム、で、ここにちょっとだけ資生堂があります。そして、一階はルイ・ヴィトン、ディオール、セリーヌ、グッチ、サンローラン。これ、普通に考えると、これ何がクールジャパンなんだろうかという思いがするわけでございます。
 これは、一般のデパートと大差ないんじゃないでしょうか。クールジャパン機構が百十億円もの出資した意味というのは、これ参考人にお尋ねしますが、どこに意味があるんでしょうか。

#35
○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。
 お尋ねの寧波阪急でございますが、立地します寧波市につきまして、中国で有数の経済力を有しておりまして、今後の経済発展のポテンシャルの高い都市であります。今回の取組は、現地の杉杉集団との共同出資によりまして、現地ニーズを取り込みながら日本ブランドの中国浸透を目指したものでございます。これは、商品販売にとどまらず日本のライフスタイル体験を提供することを目指しておりまして、例えば食分野では、ジャパンフードホールや阪急フードホールを設けまして、海外初出店のお好み焼き店なども入居するなど、日本の上質で楽しい食文化を提供するものであります。
 フロア構成についてお尋ねがございました。
 具体的には、地下一階が地下鉄と直結しておりまして、駐車場もありますことから人が集まる重要なフロアであります。地下一階の大部分を占めるフードフロアの半数は日本テナントとするなど、日本の商品といえば寧波阪急が想起されるよう、現地市場で差別化を行っているところでございます。
 また、施設内で注目度が高く特に集客が見込めるのは各階のエスカレーター付近やイベントスペース周囲の区画でございます。ここに日本のテナントを配置することで、訪れた現地消費者にとってまず日本の商品や店舗名が視界に入り、その魅力を感じるような施設といたしております。
 さらに、フロア構成のみならず、イベントスペースでは、日本各地の物産展や伝統的な文化行事など日本関連の催事を積極的に開催いたしますとともに、日本の百貨店経営ノウハウを生かして日本同様のきめ細かなサービスを展開し、日本の商品の購買につなげるものでございます。
 このように、テナントの配置の工夫や日本関連のイベント、サービス提供の在り方も含めて、施設全体として日本の魅力を発信する内容となっておりまして、オープン以来、にぎわいを見せているとのことであります。
 経済発展著しい寧波市において日本ブランドの需要獲得を目指した地域最大級の商業施設を開業することは、クールジャパン機構による支援の意義があるものと考えてございます。

#36
○古賀之士君 お答えいただいた参考人は別に悪くないと思うんですよ。ですけど、正直納得する答えではないと思われます。これは更にちょっと今後、また後日しっかりとやらせていただこうと思いますが。
 では、ちょっとお尋ねします。今にぎわいを目指しているということでしたけど、初日の売上げの目標、初日の売上げ、さらに入場者はどれぐらいいたんですか。

#37
○政府参考人(山本和徳君) 恐れ入ります。今お尋ねの具体的な数字は、今手元に持ち合わせてございません。

#38
○古賀之士君 百十億円もの出資をして、初日の入場者数も売上げも把握をしていらっしゃらない。
 じゃ、年間の売上げは分かるんですか、目標は、今。

#39
○政府参考人(山本和徳君) 恐れ入ります。年間の売上げの目標につきましては非公表ということになってございまして、お答えを差し控えさせていただきたいと存じます。恐れ入ります。

#40
○古賀之士君 これは、納税している国民に対してこれは説明責任を果たしていないですよ。(発言する者あり)でしょう。理由を聞いてよって与党の方がおっしゃっているんですよ。理由は何ですか。

#41
○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。
 このクールジャパン機構による出資につきましては、民間事業者のパートナーが付いてございます。それは先ほど先生の御紹介にもあったとおりでございまして、この民間事業者の皆様と、売上げ、出資、その他のこのプロジェクトの概要については、公表するかしないかにつきましては、この民間のパートナーの皆様の御意見を承って決めることとしております。
 このプロジェクトにつきましては公表を前提としておりませんので、先ほど非公表ということで申し上げさせていただいたところでございます。

#42
○古賀之士君 やっぱり民間のほかの会社と一緒になっているから非公表だというのも、これちょっとなかなか難しい問題で、まあ民間の企業さんはそう言うでしょう。
 ただ、これ、こういう形でスタートした形態が初めてじゃないんですよね、もう参考人はよく御存じですが。かつてはシンガポールにもありました、マレーシアにもありました。これ同じ形態なんですよ。同じ形態のものをやって、しかも二つとも閉店ですよ。当然回収していないわけですよ。そこの説明責任も果たされていない。
 ですので、これはもうこの程度にしておきますが、しっかりとこの問題については、国税がどんどんどんどんこのままだと、つまり今のままで行くと、恐らくまた第四の、第五のこういうクールジャパンのやり方が出てきます。そして、失敗しても誰も責任を取らない、国税もそのまま使い放題。これはやっぱり明らかにおかしい話なので、後日しっかりと経産大臣を含めお尋ねしてまいります。
 では、続いて、コロナに関連する、これ決算委員会にふさわしい内容でございますので、お尋ねいたします。
 それこそ鳴り物入りで始まりました接触確認アプリCOCOAについて、現状と経緯、そして今後についてお尋ねをいたします。
 資料の三、御覧ください。
 ここには、二か月前の二月の十八日の報道発表資料を添付しております。接触確認アプリCOCOAの修正版、一・二・二の配布を開始いたしましたという内容でございます。この後、どうなっているのでしょうか。
 特に、これ、改修というか、修正版を出す前の大きな問題点の一つというのは、アンドロイド版のアプリをお持ちの方は、何と信じられないことに、一日に一回再起動しなきゃいけない。これ皆さん聞いて、えっと思われるでしょう。一日に一回再起動しないと新しい情報が手に入らないアプリなんですよ、これ。こういうことがちゃんと修正されているのでしょうか。参考人にお尋ねします。

#43
○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
 接触確認アプリCOCOAにつきましては、この委員御紹介いただきました二月十八日に配布したバージョン一・二・二、これが最新版になっておりまして、なっているところでございます。
 そして、委員御指摘のこのアンドロイド端末の場合に一日一回のアプリの再起動を要するという大変御不便をお掛けしている点につきましては、これまで、GitHubで有志の民間のエンジニアの方々から本問題の解決のために様々な御提案をいただくとともに、内閣官房IT室にも大変な御協力をいただきながら現在改善を図っているところでございまして、現時点でのステータスといたしましては、この修正版、近々配布をすべく最終調整を行っている段階ということでございます。(発言する者あり)
 大変失礼しました。その点では、まだ引き続き現時点では御不便をお掛けしているという状況でございます。

#44
○古賀之士君 現状、そういうことなんですよ。
 資料の三も、実はちょっとだけヒントが書いてあるんです。四番目の下のところの注意マークのところです。速やかに通知を受けるためには一日に一回程度と書いてありますが、これ何のことかというと、これ再起動のことなんですよね、恐らく。これって分からないですよ。国民の皆さんたちも、使っていて一日に一回再起動を求められているアプリというのはこれ非現実的ですし、無料のアプリだといっても、これを信用をされるというのは、これはもう極めて大きな問題だと思っております。先ほどからお話ししていますが、鳴り物入りで始まったこれ接触確認アプリなんです。
 更にお尋ねをしていきますが、時間がないので問いの三にさせていただきますが、これ四月十六日、ついこの間ですが、接触確認アプリCOCOAの不具合の発生の経緯と再発防止の検討についてという報告書、これが出ております。
 これ、ちょっと不思議なことが幾つかありますので、まずちょっと平井大臣にお尋ねをしたいと思うんですが、これ実は、COCOAの受託業者が千二百万円を自主返納すると伝えられているんですね。COCOAの不具合は許せないんですけれども、責任の所在がこれ曖昧なまま、これ業者が自主返納するというのは、これあしき前例ともなりかねないんですよね。これ、何で決まっちゃったんだろうかと。それから、政府の今後のIT契約で不具合が、こういったことがあった場合、自主返納が前例になりかねない状況なんですよ。
 これというのは、今後のデジタル庁やアプリの開発、それから、そういったものに関して、平井大臣は、こういうことが起きたら返納してもらうということをお考えですか。

#45
○国務大臣(平井卓也君) そのことに関しましては、実は私ではなく厚生労働省にお聞きいただいたらというふうに思うんですが、通常考えた場合は、なかなかそういうことではなくて、訴訟になる、若しくは話し合って金額が出る等々ということだろうと考えております。

#46
○古賀之士君 今後についてちょっと今お尋ねをしたわけでございますので、是非ちょっと今後の、あり得るお話ですので、是非ここは考えていただきたいと思います。
 じゃ、今、厚労省のというお話があったわけなんですが、実はこの経緯は報告書の三ページに書いてあるんですが、読み上げます。昨年四月時点では、これ内閣官房で、テックチーム主導でアプリの検討が行われた、厚生労働省にも関係省庁として声が掛けられていたが、基本的には必要に応じて連絡を受け、関与する程度であったとあるんですね。続いて、昨年の五月八日のテックチーム第三回会合において、厚生労働省がテックチームから提供された仕様書案を用いてアプリの開発、実装、運用することが確認されたというふうに、こう書いてあるわけです。
 この経緯から見られるように、内閣官房のテックチーム主導だったのが厚労省の主管となったことが、今、平井大臣も厚労省の主管だと、これシステム開発そのものの理解の薄さにこれつながったんじゃないかという一つの疑念が生じるわけです。
 オープンソースベースのアプリがHER―SYS連動のためのベンダー発注となって、マネジメントの複雑化にも招きました。こうしたIT部局の考え方と政策部局との連携というのがなかなかうまくいっていないという事例にもなるかと思うんです。
 これ、今後も、特にデジタル庁ができても、これ関係省庁でこういったことが起きるというのはもう容易に想像できるわけなんですね。この辺については平井担当大臣はどのようにお考えですか。

#47
○国務大臣(平井卓也君) 今回のいろいろな厚生労働省での総括の文書を私も読ませていただきましたが、そういうことが起きないようにデジタル庁の開発の体制をつくっていくということだと思っています。
 御指摘のその各省との連携の話なんですが、厚生労働省にも関係省庁として声が掛けられたが、基本的には必要に応じて連絡を受け、関与する程度であったと指摘されており、また、今後のシステム関連の事業実施に当たっては、積極的に内閣官房情報通信技術、だからIT戦略室ですね、との連携、協力を図っていく必要があるというふうにそのペーパーの中にも書かれておったんですが、デジタル庁が創設された後には、国にとって重要かつ緊急なシステムについては、デジタル庁が関係省庁と連携の上、自ら開発し、リリースまで担っていくということになると思います。
 開発経費が一定規模以上などのシステムは、各省庁との共同プロジェクト型システムと位置付けて、デジタル庁と各省庁とで共同チームを立ち上げて、共同で整備、運用に取り組むことになります。
 また、その他のシステムについても、デジタル庁が統括管理を行うこととしていることから、こういった取組を通じて各省庁とも連携していくわけで、そして、この間、三十五人、民間から採用された中にも、もう自ら自分でアプリが作れるエンジニアの方々も今回我々スタッフとしていただいておりますので、今までのようなことはないというふうに考えております。

#48
○古賀之士君 ありがとうございます。
 そういう今お話の中で、連携は今後は何とかできるんじゃないかというお話だったんですが、心配されたことが報告書の五ページに書かれております。読み上げます。昨年の七月十三日にCOCOA担当のCIO補佐官が着任したと。これ、CIOというのは、いわゆる専門家のトップですね、専門家のトップです。これに対して、この方は四か月でもう別なところに行かれたんです。で、報告書の十九ページには、人がどんどん入れ替わるので、ノウハウをインプットしてもすぐリセットされてしまう。つまり、連携が仮にできたとしても、その人がちゃんと責任持って最後まで見届けていない実態があるわけですね。四か月、五か月、数か月でどんどん入れ替わっちゃっているんです。そのたんびにみんなが一からやらなきゃいけないというのが報告書に書かれているわけですよ。
 これってやっぱり大きな問題なんですね。各省庁の都合によって、いや、この人優秀だからもう帰ってきてほしいとか、次はこの仕事が待っているから行ってほしいとかいうのは、それは当然あると思うんですけれども、こういったことが内在しているということも是非御理解いただきたいと思います。
 時間がないので、次の質問参ります。
 と同時に、あと、本当にこれでいいのかなというのがあるんです。例えば、本来のこのアプリができたときの仕様書なんですね。この仕様書の中にこういうことが書いてあるんですね。ちょっと待ってくださいね。余りに多くてですね、私、何言っているか途中で分かんなくなってきました。
 簡単に言うと、仕様書の中でのお話なんですけれども、それぞれの、例えばiOSとそれからグーグルのアンドロイド、これが共同で開発しているものなんですけれども、各社からそれぞれの挙動の差異に関わる説明がなされているものではないということがあるわけですね。つまり、もうあらかじめもう違いがあるんですよと、この差異について、違いについては気付くことが難しい面もあったというふうに報告書で書かれているわけなんですが、これって本当に、そのそれぞれのアプリは同じものだという理解のある中で、アンドロイドとそれからiOSの違いを認識されない方も大勢いらっしゃると思うんですね。
 こういった点も含めると、今、平井大臣がおっしゃったように、日本政府自体が日の丸のアプリを作る、日の丸のソフトを作っていく、こういうことが今後大事になってくるのではないかと思うんですね。
 アップルとグーグルと、今回は急がなきゃいけないというのもあったと思うんですけれども、現実的に、ヨーロッパのフランスではもう自前の国のアプリやソフトを自前で作っているという実例もあるんです。これも良しあしがあるんですけれども、実は。つまり、そういうことをやっていって、我が国のIT技術というものをやはりしっかりと土台を築いていくということも大切なこれ国の役割だと思ったりもいたします。
 今後、まずちょっと伺っておきたいのは、財務大臣に伺っておきます。報告書のような、これ契約書の在り方、これについてと、それと契約に関して、今後こういった問題が出てくる可能性があるというのは財務省としてどのように考えていらっしゃるのか。できれば、日の丸のそのアプリ、ソフト、こういったものまで踏み込んでいただけると有り難いんですが。

#49
○副大臣(中西健治君) 今回、調査報告書にありますとおり、ありますように、概算契約のような不確定要素がある契約の在り方を検討する必要があると、この報告書では書いております。これは、アプリの開発、開発しただけじゃなくて、その後の保守、メンテナンスといったことも必要になってくるので、やはり契約の金額をあらかじめ確定できないだろうと、こういうような問題があるからこうした報告書の書きぶりになっているということだと思います。
 契約制度を所管する財務省としては、これまでの、これまでにおきましても、現行制度上も不確実性がある事業については、契約金額が未確定の状態で概算額により契約した上で、その後の履行状況等を踏まえて契約金額を確定するという、いわゆる概算契約を結ぶことは可能だということでございます。
 しかしながら、一般論として申し上げますと、概算契約は履行状況等によって契約金額が変わってきますので、なかなか予算管理が難しいということもありますので、慎重に検討する必要があるんじゃないかというふうに思います。
 日本製ということについては、ちょっと財務省の所管外でございますので、こちらについてはお答えは差し控えたいと思います。

#50
○古賀之士君 それでは、済みません、西村大臣、お待たせをいたしました。そういうことがあります。
 そして、資料の六を御覧いただきたいんですけれども、これダウンロード数と陽性登録者数の推移なんですね。これ、一月に陽性として登録された方が、これ一月ですよ、千五百人なんです。御存じのように、日曜日、大阪だけで千二百二十人なんですよね。つまり、このアプリって、もうほとんど今国民の皆さんたちは使っていらっしゃらないんじゃないか、現実的に。ダウンロード数、ダウンロード数とここには書いてあるんですけれども、ダウンロード数が問題ではなくて、使っていらっしゃる稼働率が問題なんですよね。そして、なおかつ、それを使っていらっしゃって、接触確認がちゃんとできているかなんですよ。自分は全く人と会っていないのに接触確認ができましたというメールが届いたと、その時刻、何でと思ったら、いや、その時刻と接触した時間は全く無関係なアプリなんです、これ。いろいろあるんですよ、現実的には。
 そういったことも含めて、西村大臣も、今厚労省の管轄になっている、このアプリは。ですから、西村大臣も直接の御関係はないということは言えるとは思うんですけれども、その辺も含めて、このアプリの今後をどのようにお考えになっているのかというのが一点と。お時間がないので、こういう事態になってきました、大変な、今お忙しい中出席をしていらっしゃると思います。しっかりと今、更にブレーキを強く踏む、そういう時期に来ているんじゃないかと思います。そのお考えは今、西村大臣におありになるのか、伺いたいです。
 以上です。

#51
○国務大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。
 まず、この接触確認アプリの件でありますけれども、内外の様々な研究で効果があるということが示されております。イギリスのオックスフォード大学の研究によりますと、スマートフォンユーザーの八割又は人口の五六%がアプリを利用すると流行を抑制できる、ロックダウンを行う必要がなくなるという研究、あるいは日本の日本大学の大前先生の研究ですけれども、人口の四〇%がアプリを利用し、アプリから御指摘の接触の可能性の通知を受けた方が、その六割が外出を控えることによって感染者を半分にすることができる、様々なこうした研究があるところであります。これはまさに、より多くの方がこのアプリを利用してくれて、そして接触通知を受けた方が検査を受け陽性となった場合に、自主的に隔離することによって感染拡大を抑えるという効果があることを示しております。
 様々、取組、改善がなされてきているところでありますけれども、今御指摘ありましたように、度重なる不具合が生じたわけであります。その対応が遅れたことなどの反省に立って報告書が作成され、まさにアプリが適切に機能するということが大前提でありますので、今後も厚労省、そしてIT戦略室の間でチームを設置して連携していくということで承知をしておりますが、当初立ち上げのときには内閣官房も入りまして一緒に行ってまいりましたので、今後、運用体制の改善が図られることを期待をしておりますし、こうしたことを改善を進めながら、同時に多くの人に理解をしていただいて、一人でも多くの方に入っていただき、またスムーズにこうした通知がなされる取組が必要だというふうに考えております。丁寧に説明することも努めていきたいというふうに考えております。
 その上で、今の状況は全国的に感染者の数が増えてきておりまして、特に大阪、兵庫、関西圏で変異株が八割ということで、病床の状況も含めて極めて厳しい状況、強い危機感を持っております。吉村知事とも緊密に連携を、昨日もやり取りをしながら状況を確認しているところでありますけれども、いずれにしましても、専門家の意見を聞いて、対策の強化はもう必要なことはもう間違いありませんので、早急に専門家の意見も聞いて判断をしていきたいと。
 国民の皆さんの命を守るために必要であれば、これはもう緊急事態宣言もちゅうちょすべきでないというふうに考えております。もちろん、まん延防止等重点措置でもまだ強化できることはありますけれども、いずれにしましても、この対策を強めていくことを専門家の意見を聞いて迅速に判断をしていきたいというふうに考えております。

#52
○古賀之士君 ありがとうございます。
 あと、そのアプリの今後の使い方なんですけれども、やはり今、それこそ広報が大事だと思うんですね。
 やっぱり、これまでやはり足りていなかったのは、半年ぐらいアンドロイドを使っていたスマホのユーザーの方にはきちんとした情報が行き渡っていなかったと。それをしっかりとお認めになっている以上は、今後こういう形でより良きものをしていくということをやはりしっかりと、ネットのCMでもテレビのCMでもしっかりと広報していくということが今後大事になってくると思います。
 少なからず見ている限りでは、この接触確認アプリというのは、登場したときは鳴り物入りに華々しかったんですが、現状、この資料を見ていただければお分かりのように、残念ながらダウンロード数だけでも、これダウンロードしたからって必ず使っているわけじゃないんですけど、ダウンロード数だけでも実は鈍化しています。まさにこれ、広報、周知徹底するまさに今大事な時期じゃないかと思うんですが、厚労省所轄のアプリですけれども、お考えがありましたら、両大臣、お願いします。

#53
○国務大臣(西村康稔君) まさにこのアプリを適切に使っていけば感染拡大を抑える有効な手段というふうに内外の研究がもう認めているところでありますので、御指摘のように、その使い方、そして注意すべき事項など含めて、厚労省、そしてIT室、平井大臣、田村大臣とも連携しながら、国民の皆さんに御理解をいただけるように丁寧に広報活動をしていきたいというふうに考えております。

#54
○国務大臣(平井卓也君) 私たちの方がそのアプリの改修、新しいそのAPIの対応等を引き継ぎましたので、今、改修はもう間もなくリリースすることができます。その上で、国民の皆さんに更に知っていただけるように努力していきたいと考えております。

#55
○古賀之士君 ありがとうございます。
 とにかく、少しじっくりとというお話も平井大臣からもお話がありました。まさにそういうところも含めて、日本のIT技術を押し上げていくある意味機会だということも受け止めていただいて、そしてしっかりと、フランスが自国で作っただけが一〇〇%いいわけではないですけれど、もう少しやはり日本の企業さんを後押しするような方法を政府の皆さんたちに考えていただきたい、強く要望いたしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#56
○岸真紀子君 立憲民主・社民の岸真紀子です。
 二〇二〇年、昨年の三月三十一日ですが、参議院の本会議において可決、成立しております改正労働者災害補償保険法、いわゆる労災法についてお伺いをいたします。
 これは、多様化する就業ニーズに対応した労働者のセーフティーネットとして整備されました。一点目は、複数事業労働者という概念を創設、いわゆる副業とか兼業といった複数を掛け持つということを認めた制度となっています。二点目は、複数事業労働者の業務を要因とする負傷、疾病、障害又は死亡、いわゆる労働災害ですが、これについて、一つの仕事ではなく複数の仕事を総合的に評価をして認定をする。例えば脳・心臓疾患であれば、労災の認定基準があって、月八十時間を超える時間外労働を二か月以上続けるとか、月百時間を超える労働時間とか、そういったものですが、掛け持ちの仕事をしていても合計するとそれが百を超えるというか、基準を、百を超えれば認定されるというようなことが可能となりました。三点目は、労働災害が認められた場合の補償の基礎となる給付基礎日額が、災害が発生した職場だけではなくて、それ以外のもう一つの、二つ掛け持ちしていたとすると、もう一つの職場の賃金についても合計した金額が基礎額となるというふうに、三点改正がされたところです。
 そこでお伺いしたいのは、この改正労災法に伴う公務職場、特に私が気にしているのは非正規の状態です。非正規の国家公務員の取扱いがどうなっているのか、人事院にお伺いします。大きく三つ申し上げましたが、これが該当となるのかならないのか、また、検討事項となっている部分があれば、それは今後どうなるのかということまでお伺いいたします。

#57
○政府参考人(合田秀樹君) お答えいたします。
 委員お尋ねの昨年の労働者災害補償保険法の改正により導入されました複数事業労働者についての取扱いということでございますが、一般職の国家公務員が民間企業で兼業している場合に公務上の災害又は業務上の災害を受けた場合について、御指摘の三点について、それを、例えば給与を合算、給与と賃金を合算して公務災害又は労働災害等に取り扱うといったような取扱いはございません。
 この論点の存在というのは私ども認識しておるところではございますけれども、労災制度、国家公務員の災害補償制度、さらには地方公務員の災害補償制度、それぞれ別の制度としてなっておるところでございまして、また、費用負担の在り方等々なかなか難しい論点があって、現在まで特段の措置がなされていないというところでございます。

#58
○岸真紀子君 ありがとうございます。
 私も、深く調べていくと本当に複雑な制度になっていて、なかなか、民間の非正規労働者の処遇改善にはつながっているんですが、公務職場についてはやっぱりその制度が違うということもあって難しいというのはすごく分かりました。
 ただ一方で、非正規がやっぱり大変な状況にあるので、まずは非正規についてやっぱり検討していく必要があるのかなと思って、今回ちょっと問題として挙げさせていただきました。これは引き続きの課題としていきますので、今日はここまでにさせていただきます。ありがとうございました。
 二点目には、子ども・子育て新制度についてお伺いをします。
 子ども・子育て新制度は、幼児期の学校教育や保育、地域の子育て支援の量の拡充や質の向上を進めていくために二〇一五年から始まりました。良いこともありますが、例えば待機児童が減ったとかですね、そういうこともありますが、一方でまだまだ改善が必要なこともあります。更なる改善を目指す観点から、幾つか御質問させていただきます。
 まず、特定教育・保育施設等の各施設の改善が必要なところは指導監査が重要となっています。例えば、施設の広さであったり、環境、保育士の数とか賃金改善などは、働いている保育士等の、だけの問題ではなくて、そもそも子供の安全や命にも関わる問題です。
 制度開始から二〇一九年度までの全国における指導監査の都道府県、市町村別、施設別の実績というのは内閣府で把握しているのでしょうか。また、実地指導は、三年に一回、全ての特定教育・保育施設に行うことが原則と定められていますが、実施できていない自治体というのはあるのかというのをお伺いいたします。

#59
○政府参考人(嶋田裕光君) お答えいたします。
 特定教育・保育施設等における指導監査につきましては、幼保連携型認定こども園につきましては認定こども園法、それから幼稚園、幼稚園型認定こども園については学校教育法、それから保育所、保育所型認定こども園等については児童福祉法に基づき、都道府県、それから政令指定都市及び中核市がそれぞれの法に基づいて施設監査を行うこととされております。あわせて、子ども・子育て支援法に基づきまして市町村が確認監査を行うこととされておりまして、都道府県等が行う施設監査と連携して実施するように求めておるところでございます。
 実績でございますけれども、特定教育・保育施設等に対する指導監査の実施状況につきましては、施設監査につきましては、例えば保育所は平成三十年度で二万三千百八十三施設中で一万九千二百四十九施設、割合にしますと八三%で実施されているところでございます。
 ところが、一方、確認監査の方でございますけれども、内閣府から、基本的な考え方とともに具体的な指針を示し、各市町村において定期的かつ計画的に実施していただくよう依頼はしているところでございますけれども、実績等については現時点では把握はしておりません。
 今後、内閣府において調査方法等を検討した上でしっかり把握していきたいというふうに考えているところでございます。

#60
○岸真紀子君 現時点では把握までは至っていないという御回答でした。
 ただ、保険医療機関の指導監査状況は公表もしています。実際にどこが、どの市町村で何件やっているかということまで公表しています。この特定教育・保育施設も是非公表まで、把握をして公表までしていただきたいと考えます。なぜかというと、やっぱりそれが幼稚園とか保育園の保育士の数であったり施設の大きさであったり、そういった整備に、運営側への抑止力になったり自浄効果につながっていくからです。是非、引き続き、すごく難しい問題かもしれませんが、指導監査を徹底していただきたいと思います。
 次に、文科省にお伺いをいたします。
 指導監査については、私立幼稚園、私立の方ですね、私立の幼稚園は建学の精神でこの子ども・子育て支援事業の指導監査については留意事項となっているはずなんですが、子ども・子育て新制度の枠に入っているのになぜ留意事項とされているのか、また、こういったところについては指導監査というのは行われているのかというのをお伺いいたします。

#61
○政府参考人(蝦名喜之君) お答え申し上げます。
 私立幼稚園に関しましては、学校教育法に基づき都道府県知事の認可を受けておりまして、この当該認可に係る基準の遵守等の観点から都道府県が指導監督を行ってございます。先ほど内閣府の答弁で、施設監査といったような形での監督、監査を行っているというものがございます。同時に、子ども・子育て支援法第二十七条の市町村の確認を経まして施設型給付の支給を受ける私立幼稚園に対しましては、この確認に係る基準の遵守等の観点から市区町村が指導監査を実施することとされてございます。
 施設監査と指導監査、両方ある場合があるということでございますけれども、子ども・子育て支援法に基づく市区町村による指導監査の実施に当たりましては、施設の負担軽減等の観点から、事前に都道府県及び市区町村間で調整を行い、監査の際に求める資料やその様式等について都道府県内において統一化をするなど、相互に連携を図ること等に留意をすることとしているところでございます。
 この実態につきましては、その件数等について把握をしてございませんけれども、こうした留意点なども踏まえながら、各自治体の判断におきまして適切に指導監査が実施をされているものと認識をいたしております。

#62
○岸真紀子君 ありがとうございます。
 公立の方は徹底的に指導監査というのが行われていると思うんですが、調べたところ、余り私立の方の幼稚園については指導監査まで至っていないというような事例もあります。なぜこれが問題かというと、公立より私立の方が教諭の在職年数が短いというのがありますし、しかも、毎日とは言い過ぎですが、大量に退職するという幼稚園、私立幼稚園というのがよくニュースでも上げられている実態にあります。やっぱりこれは、処遇が悪かったり賃金の問題であったり、様々な要素を含んでいるんではないかと考えます。
 私立幼稚園は必須とはなっていないんですが、こういったところこそ指導監査の徹底が必要ではないかと思いますので、引き続き文科省からも御指導をお願いしたいのと、内閣府としても、やっぱり子供の安全を守るというのはすごく大事なことなので、この指導監査というのを徹底していただければと思います。
 次に、二〇一九年度に子ども・子育て支援情報公表システムというのを構築をして、昨年の九月三十日から公開を行っていただいています。中身を見ると、残念ながら大事な項目が未入力となっていました。例えば、教育、保育に従事した経験年数、保育士の方とかですね、そういう方の経験年数は、ベテランのいるところに預けたい保護者から見ればこのシステムがすごく大事な情報なんですが、半分以上が未入力となってしまっています。
 これ、更なる改善をお願いしたいんですが、このことについてお伺いできますか。

#63
○政府参考人(嶋田裕光君) お答えいたします。
 子ども・子育て支援情報公表システム、ここdeサーチでございますけれども、保護者の認定こども園、幼稚園、保育所等の選択に資する施設情報の公表をインターネット上で行うウエブシステムとなっております。
 本システムは、子ども・子育て支援法第五十八条に、特定教育・保育提供者は確認施設情報を都道府県知事に報告し、都道府県知事は当該報告の内容を公表しなければならないとありまして、また、児童福祉法第五十九条の二の五に、認可外保育、認可外施設の設置者は運営状況を都道府県知事に報告し、都道府県知事は公表するものとするとあることに基づきまして、教育、保育の内容や利用定員、実費徴収額などの施設情報を地図上で検索、閲覧できるものとなっておるところでございます。
 本システムは、先ほど委員からもお話ありましたように、昨年の九月に一般公開を開始したばかりでございまして、認可施設の公表率は令和三年三月末現在で九一%、アクセス数は令和三年二月末現在の累計で約七十八万件となっております。
 一般公開に当たりましては、まずは検索、閲覧できる施設数自体を増やすことに重点を置いて情報の入力等を促してきたところでございますけれども、今後、委員御指摘のような保育士等の経験年数などの項目など利用者の選択に資する情報を更に充実して、させるよう自治体に依頼してまいりたいと考えているところでございます。

#64
○岸真紀子君 ありがとうございます。
 まずはスピードを重視して動かすと、公表することが大事だということでスタートしたと思うんですが、確かに自治体の方も多大な業務の中で入力作業とか大変かもしれませんが、是非、これを見せることによってまた教育、保育に従事した経験年数というものも明らかになってきますので、引き続きこれ御努力をお願いいたします。
 坂本大臣にお伺いいたします。
 昨年三月十八日、内閣委員会で私、質問させていただいたことがあるんですが、保育士の処遇改善等加算についての取組です。できれば、介護の処遇改善加算はホームページに掲載するなど見える化というのが義務化されているので、是非この保育士の処遇改善加算も使っているんだということが分かるように見える化してほしいというお願いと、さらに、その後、この取組についてどうなったかというのをお伺いいたします。

#65
○国務大臣(坂本哲志君) 保育士等の保育の現場で働く方々に適切に賃金が支払われるということは非常に重要なことであると考えております。
 処遇改善加算につきましては、加算額の全てを人件費に充てることを要件としておりますが、御承知のように、会計検査院から加算の人件費への充当状況について不適切な事例があるとの指摘等がありました。そのことを踏まえまして、令和二年度から二つのことを、一つは個々の職員の賃金、賃金改善の状況が分かるように、そして二つ目は、加算額に残額があった場合の翌年度における賃金改善額への充当状況、こういったものがはっきりするように、賃金改善計画等の様式を改正をしたところでございます。
 こうした制度の改善を進める一方で、処遇改善の見える化についても重要と考えています。令和元年十二月の子ども・子育て会議の取りまとめにおきましても、更なる処遇改善について、必要な財源の確保や改善努力の見える化等と併せて引き続き検討することとされておりまして、処遇改善の取組状況の公表に関しまして、おっしゃいました介護制度、あるいは先行事例でございます東京都における例も参考にしながら、これから検討してまいりたいというふうに思っております。

#66
○岸真紀子君 大臣、ありがとうございます。
 引き続き、やっぱりこの処遇改善をするということは、いわゆる待機児童、施設があっても入れないのは保育士の数が足りないということもありますので、保育士がなぜ足りないかというと、やっぱり処遇が悪いということがあります。是非、いい制度なので、これを使えるようにして、引き続きよろしくお願いいたします。
 次に、国家戦略特区による家事支援外国人材の受入れについての御質問をさせていただきたいと思います。
 今日は資料の方も配付させていただきました。この家事支援外国人材の受入れは、二〇一五年の七月の法案審議でも様々な懸念が争点となっていたものです。特に心配されていたのが、実際に家事支援を担うために海外から訪日される外国人労働者の処遇がきちんと確保されるのかどうか。これまでも、日本における外国人労働者の受入れ制度は、技能実習生の失踪問題を始め、低賃金、長時間労働、パワハラ、セクハラなど、解決していないことが多くある中での特区での外国人家事支援制度が本当に大丈夫なのかという質疑がされていたところです。
 コロナ禍において、当時から心配されていたことが起きています。外国人家事支援人材を受け入れる特定機関であるニチイ学館がフィリピンの女性労働者を大量に雇い止めという記事です。残念ながら、こういった事態が起きてしまっています。
 この事案について内閣府が把握していること、そして対応についてお伺いします。

#67
○政府参考人(佐藤朋哉君) お答え申し上げます。
 今御指摘いただきました家事支援外国人受入事業でございますけれども、本事業につきましては、その適正かつ確実な実施のために、特区の各区域ごとに内閣府を含む国の関係機関と関係自治体を構成員とした第三者管理協議会が設置をされておりまして、外国人材を受け入れている各特定機関の退職者の情報につきましては、各区域の第三者管理協議会へ報告がなされておるところでございます。
 今御指摘のありましたニチイ学館でございますが、ニチイ学館からその第三者管理協議会への報告によりまして、同社の退職者のうち、様々な事情によって帰国せずに引き続き日本にいらっしゃる方が一定数いらっしゃるということは私ども承知をしているところでございます。こうした方々につきましては、第三者管理協議会といたしまして、元雇用主であるニチイ学館に対して、お一人お一人の状況を確認した上で、本人の状況や意向を踏まえてほかの受入れ事業者へのあっせんや帰国支援などを行うように指導すると、こういった対応を行っているところでございます。
 それから、資料でも御指摘いただいておりますけれども、最近、一連の報道があったということも踏まえまして、先般改めて、事業が行われている各区域の第三者管理協議会から同社に対しまして、従業員の退職や社員寮の抜き打ち調査などの事実関係について報告を行うように求めまして、同社から報告があったところでございます。
 現在、第三者管理協議会といたしましてニチイ学館からの報告を精査しているところでございますけれども、その内容等を踏まえて、今後、必要に応じて更なる対応を検討してまいりたいというふうに考えております。

#68
○岸真紀子君 大事なことなので、法務省に確認させてください。
 当面の救済措置として、今回、事業者側の圧力、ハラスメント、二枚目の、新聞記事の二枚目にも掲載されていますが、退職せざるを得ない状況に追い込まれた労働者がいます。この方たちに特定活動を発出する、そういったことを行っていただけるという理解でよろしいか、お伺いいたします。

#69
○政府参考人(君塚宏君) コロナ禍におきます在留資格上の特例措置につきまして御説明を申し上げます。
 まず、一般的な運用についてでございます。
 雇用主の倒産、雇用先の倒産等により解雇又は雇い止めを通知された外国人の方が在留期限の到来後も求職活動のため在留の継続を希望される場合は、在留資格を今御指摘ございました特定活動六か月に変更いたしまして、引き続き求職活動のための在留を認める運用としておるところでございます。
 一方、出入国在留管理庁では、今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大という非常事態への対応といたしまして、解雇や雇い止めなどにより就労活動の継続が困難となった外国人などに対しまして、在留資格上の特例措置として、一定の要件の下、特定産業分野での最大一年の就労が可能な特定活動の在留資格を許可するという雇用維持支援を行っているところでございます。この特例措置につきましては、今般のニチイ学館から雇い止めを通知された外国人家事支援人材も要件を満たすことにより対象になります。いずれにいたしましても、このことにより本邦での就労の継続が可能となるものでございます。
 出入国在留管理庁といたしましては、今後とも引き続き、ニチイ学館から雇い止めを通知された外国人家事支援人材に対しまして、関係府省や自治体とも連携を図るとともに、個々の事情に配慮しつつ、在留資格の付与につきまして適切に対処してまいりたいと考えております。

#70
○岸真紀子君 是非法務省の方も寄り添った対応をお願いいたします。
 一つ飛ばしまして、各区域では、内閣府、法務省、厚労省、経済省と自治体で構成された、先ほどもお話にあった第三者管理協議会を設置しています。ここがしっかりと管理していくとなっていたはずなんですが、今回のこの一連のことを踏まえると、機能していなかったのではないかと考えるんですが、その部分どうでしょうか。

#71
○政府参考人(佐藤朋哉君) お答え申し上げます。
 先ほども御答弁申し上げましたけれども、各区域の第三者管理協議会では、この事業の適正かつ確実な実施を図るために、法令及びその法令に基づいて定められております指針、こちらに基づきまして、ニチイ学館を含む特定機関から退職者の状況等について継続的に報告を受けておりまして、さらに、必要に応じて追加的な報告徴収あるいは監査、こういったことを行いまして、詳しい実態を把握いたしまして、必要に応じて指導をすると、こういったような対応を行っているところでございます。
 先ほども申し上げましたとおり、ニチイ学館につきましては、同社を退職した外国人材のうち、様々な事情によって帰国せずに引き続き日本にいらっしゃる方が一定数いらっしゃるということも私ども従前から把握をしておるところでございまして、同社に対しては、ほかの特定機関へのあっせんあるいは帰国支援、こういうことをしっかりやるようにという指導を行ってきたところでございます。
 先ほど申し上げましたとおり、先般改めて、一連の報道があったということも踏まえて、同社に対して改めて報告を行うように求めまして、同社からの報告が出てきたところという状況でございまして、今その内容を精査しているところでございますけれども、必要に応じて更なる対応を検討していきたいというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、引き続き、私ども第三者管理協議会といたしまして、関係省庁それから関係の自治体一丸となって、この家事支援外国人受入事業の適正かつ確実な実施に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

#72
○岸真紀子君 この外国人家事支援の話ですが、二〇一五年の七月七日の参議院の内閣委員会で、我が党の石橋通宏議員が、現行の労働法令上、日本人と外国人との均等待遇を担保するための法令上の規定はあるのかと質問しています。当時の厚労副大臣は、均等また均等待遇を直接的に規定した労働関係法令はないと答え、当時の特区担当の石破大臣は、家事支援外国人労働者が守られる具体的な制度設計、運用上担保される仕組みというか、体制をつくることを約束しています。
 その後、そういった体制はできていたのでしょうか。厚生労働省、そして坂本大臣にお伺いいたします。

#73
○政府参考人(志村幸久君) 国家戦略特別区域家事支援外国人受入事業における外国人家事支援人材につきましては、特定機関に雇用される労働者であるため、国籍等を理由とした労働条件の差別的取扱いを禁止する労働基準法第三条など労働関係法令による保護を受けるものでございます。
 他方、外国人家事支援人材とこの家事支援サービスに従事する国内労働者に具体的に着目し、その均等・均衡待遇を直接的に規定した労働関係法令はございません。

#74
○国務大臣(坂本哲志君) 委員おっしゃいました平成二十七年の七月七日、本制度創設のための法案審議の際に、本事業を受け入れる外国人材の日本人労働者と、それから、との均衡待遇の確保について質問いただいたときに当時の石破大臣からの答弁があったということは承知をしております。
 この外国人材の均等待遇の確保につきましては、法律に基づいて定められている指針に規定をされております。具体的には、まず特定機関、例えばここで言うニチイは、外国人材を直接雇用し、そして職務内容や報酬額等を明確に定めた雇用計画書を文書により締結しなければならないというふうにされております。その上で、報酬額については、同等の家事支援活動に日本人が従事する場合の報酬と同等額以上でなければならないというふうにされております。また、これは、労働条件の確保状況等につきましては、特定機関は第三者管理協議会に対しまして定期的に報告する、これ三か月に一回でございますけれども、が義務付けられております。その上で、各特定機関からの報告や監査などによりまして、第三者管理協議会としてこれらの規定の履行状況を確認するというふうにしております。
 引き続き、関係省庁と連携をしつつ、これらの規定の確実な履行を含め、本事業の適切な運用に努めてまいります。

#75
○岸真紀子君 今回、この問題の退職強要をされたフィリピン女性たちから私も直接お話を聞きました。母国に、家族のために、残している家族のために働いてきたと涙ながらに訴えていました。こういった問題になる前に本当は制度がきちんと確保とか確立されていなくてはならなかったのに、残念でなりません。
 引き続き、一方的な今回のような対応ではなくて、やっぱりこの受け入れた側の責任として、大臣、しっかりとこれからも見ていっていただければと思います。
 そのことを要望して、質問を終わります。ありがとうございました。

#76
○塩村あやか君 立憲民主・社民の塩村でございます。今日もよろしくお願いいたします。
 ちょっと質問の順番を入れ替えまして、先に災害対策についてお伺いをしたいと思います。
 資料一を御覧ください。
 西日本豪雨災害や一昨年の台風十九号で明らかになったものが、重機はあってもオペレーターがいないということです。オペレーターというのは操縦する人のことですね。これ、幾つも報道がされましたので、皆さん御存じかと思います。
 私は、西日本豪雨災害時には広島に住んでおりまして、発災当初からその後一年半ぐらい掛けてずっとボランティアをしておりました。シャベルを持って手作業でずっとやっていくものですから、腱鞘炎になったりと大変に苦労をいたしました。そこで、男女関係なく力を発揮できる重機を動かすための資格も取りました。
 しかし、問題は、資格を取得したとしても定期的に練習をする場がない。被災地に行ったとしても、一般ボランティアのところに並んで受付をすることになりますから、重機が余っていたとしても使えません。それはそうなんですよ。もしかするとペーパードライバーかもしれないので、危なくて、受付したら、講習受けたからといって誰でもできるわけではない、これは理解ができるところなんですね。今は幾つかの重機ボランティアさんの団体が頑張って被災地と連携をしているようなんですが、公的支援がないということも問題、課題となっています。
 気候変動の影響とも言われておりますが、近年、災害はどんどんと大規模化しているのが現状です。問題が表面化をして数年たっていることからも、重機ボランティアの団体との連携や支援、練習機会の確保が必要だと考えますが、大臣、いかがでしょうか。

#77
○国務大臣(小此木八郎君) まず、ボランティアに参加していただいている皆さんに、担当大臣といたしましても、大変心強い思いと同時に感謝の気持ちを持っております。そのボランティアの皆さんのやっぱり気持ちが災害現場で有効に機能するようにしなきゃならないというふうに思います。
 これまでも、御指摘のように、例えば平成三十年の西日本豪雨のときには国土交通省や一般社団法人日本建設機械レンタル協会あるいは建設機械メーカーが協力をして無料で貸し出したという話ですとか、地域との連携が行われているということでありますが、おっしゃった点についてはしっかり整理をして、いま一度考えてみたいと思います。
 先ほど申し上げました、意欲あるボランティアの方々の心強い活動があって、その中での重機の貸出しについては、貸出しの際の申込み方法や受渡し方法、足場の悪い被災地で重機を操作する上での安全確保、官民での土砂撤去の役割分担などの整理や調整が必要と考えています。
 いずれにしましても、ボランティアの方々が活動しやすい環境整備についてどのような方法があるのか、関係者からも話を聞いて検討していきたいと思います。

#78
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 これ、私、当選したときからいろいろと質問などをさせていただいたりとか問合せをさせていただいておりました。今の御答弁でかなり前に進んだなというふうに思っておりますので、是非このまま進めていただきたいと思っています。経験のあるボランティア団体さんが全国に幾つもありますので、そこと連携をしていくことが多分一番近道なんだろうなというふうに思っております。是非よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 小此木大臣はここまでで、質問になります。ありがとうございます。

#79
○委員長(野村哲郎君) 小此木大臣、御退場いただきまして結構でございます。

#80
○塩村あやか君 ありがとうございました。
 質問を続けさせていただきます。
 続きまして、就職氷河期について質問をいたします。
 三年で三十万人の正規雇用を目標といたしまして、六百五十億円の予算、そして最近また五十億円を上乗せしたとのことで、七百億円の予算を積んだ就職氷河期の重点支援も二年目を迎えました。先日の内閣委員会で西村大臣は、既に十万人を超える正規雇用の成果があったと御答弁をいただいたんですが、少しちょっとやっぱり違和感があるんですね。
 というのも、昨年度はコロナ不況でありまして、完全失業者数はリーマン・ショック以来の二〇〇九年に次いで悪化をしておりますし、最新の調査では実質的失業者も女性で百三万人、男性で四十三万人と百四十六万人を超えているのが現実です。また、厚労省のコロナに起因をする雇用への影響に関する情報によれば、解雇等見込み労働者数は累計値で九万六千九百八十八人、これ約十万人もいるんですね。加えて、経済界も、何とか就職氷河期お願いできないですかということを私たち言っているんですが、大臣も働きかけしていただいていると思いますが、報道から伝わってくるのは、第二の就職氷河期をつくらないということで新卒を優先しているのが現状です。こちらが期待はするほどの反応が出てきていないのが現状です。
 そんな中、本当に西村大臣が言うような、コロナ不況以前の人手不足のときに出した目標数を達成できそうな中間結果が出ているのか、普通であれば誰もが疑問を持つと思います。
 そこで、大臣答弁の十万人という数字の中身を見てみたいと思います。
 キャリアアップ助成金、これ正社員コースのうち就職氷河期世代の支給決定人数は二万七千七百五十四人です。また、ハローワーク全体の職業紹介によって氷河期世代の不安定就業者、無業者の方が正社員に結び付いた数はこれは七万二千四百六十六人。これ、十万人ぐらいなんですね、足し合わせると。
 そこで、聞いておかなきゃいけないということがあると思います。
 この実績の中に、コロナ以前から働いていたんだが、コロナ禍によって仕事を失い、少し回復をしたところ、例えば秋だと思うんですが、こうしたところで新たに仕事を得た人がいるのではないかということなんですね。これ、氷河期の事業趣旨を踏まえればカウントしていいのかどうかという疑問が残るんですよ。私は、これカウントしてはいけないと思っています。
 コロナ禍によって仕事を失って、そして新たに仕事を得た人は大臣がおっしゃった十万人の中にどれぐらいいるのか、把握していらっしゃるか、お伺いをいたします。

#81
○国務大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。
 先日答弁させていただいた十万人の内訳については今御説明があったとおりであります。
 そして、私ども、目標を、これは行動計画二〇二〇に記載をしておりますとおり、三年後の二〇二二年平均で一九年平均より三十万人増加させるということの目標等を立てております。
 その上で、進捗を評価するために、これ二〇一九年の三十六歳から四十五歳の正規雇用者数、これ総務省の労働力調査によって九百十六万人と算出をしておりますので、現在この二〇二〇年の分の同世代、ちょっと一歳年齢を取られますので、三十七歳から四十六歳のこの正規雇用者数の算出を作業しているところであります。
 したがって、申し上げたいのは、確かに十万人は、こうしたキャリアアップ助成金とかあるいはハローワークで就職に結び付いているんですが、もちろん職を失った人もあるでしょうし、何らかの形でやっていた人が転職した人もあるでしょうし、様々あると思いますので、いわゆるネットで一九年から二〇年にかけてどうなったのかということの精査をいたしております。
 そして、これは、来月、五月にはこの関係閣僚、関係団体、有識者が集まる全国のプラットフォームを開催する予定でありまして、そこで二年度に講じた、令和二年度に講じた施策のフォローアップと併せて、どういった効果が成果を持ったのかということを含めてしっかりと分析をして、総務省の今申し上げた労働力調査の集計と結果と併せて評価、分析を行いたいというふうに考えております。今後とも、その上で、この夏の骨太方針に向けて、今後講ずるべき施策を更に検討していく考えであります。
 いずれにしましても、しっかりとデータ分析をしながら、確かにキャリアアップ助成金とかハローワークでそれだけの新たな、新たなというか、就職の結果は出ていますけれども、凸凹あると思いますので、ネットでどうだったのかということをしっかり評価をして、今後もそうしたデータに基づいて取り組んでいきたいと、支援策取り組んでいきたいというふうに考えております。

#82
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 ちょっと確認でお伺いするんですが、この事業のスタート、そもそも正規雇用を三十万人というのを目標として、コロナ禍以前にスタートをしているものです。
 不本意非正規が五十万人で、就業を希望するんだけれども様々な支援を必要とする人、例えば引きこもりの方とかそうした方が五十万人、計百万人ですよねと。こうした方々を三年の取組で三十万人を正規雇用に移行するということが目標なのですから、このセグメントに入る方々が三十万人の正規雇用にならないといけないという認識を私は持っています。
 これで間違いないかどうか、ちょっと端的にお答えいただけたらと思います。

#83
○国務大臣(西村康稔君) まさに二〇一九年段階で三十六歳から四十五歳の正規雇用の方が九百十六万人おられますので、これにプラス三十万人となるように私ども様々な施策を講じているということであります。

#84
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 もうちょっと重ねて申し上げますが、やはりその五十万人プラス五十万人の百万人、ここの人たちがきちんと正規雇用に結び付かなくてはいけないということを改めて申し上げておきたいというふうに思っています。
 先ほど答弁の中にも少しあったような気はするんですが、改めて確認をさせてください。こうした実態、就職氷河期の実態と、そして、コロナになりまして大分状況が変わってきたと思います。どのような方が正規雇用につながったのか。そもそも論、私たちが対象としなければいけない五十万人足す五十万人の百万人、この方たちがきちんと正規雇用につながっているのか。こうしたことも含めて調査分析行っていただけるのか。これずっと要望してきたんですが、改めてお伺いをいたします。

#85
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のように、コロナを契機としてかなり厳しい、雇用情勢全体が厳しくなっておりますので、特に就職氷河期の世代の皆さん方も厳しい状況にあると思います。
 その上で、私ども、業界団体と連携しまして、短期間で資格などを取得してそのまま、言わば出口、就職ができるという出口を見据えた形の、出口一体型の訓練コースを実施しておりまして、この中には建設業、農業、運輸業、製造業、それから設備工事、リサイクルといったことに加えて、情報サービスの関係もありますし、様々なコースを設けておりますので、この成果がどの程度、どのぐらい上がっているのかということは集計を今しているところでありますので、これも五月、来月には公表したいというふうに考えております。

#86
○塩村あやか君 ちょっと聞いていて、やっぱり多少不安になりました。私が申し上げているのは、コロナ禍以前に正規雇用を求めている方たち、この方たちがきちんと十万人の中に移行されているのか、ここをきちんと調べていただきたいということを改めて要望しておきたいというふうに思います。
 次の質問に移ります。限定求人の実績についてお伺いをいたします。
 限定求人とは、雇用期間に定めのない就職氷河期世代を限定としたものなんですね。昨年度は約七千七百件の限定求人があったそうですが、千件以上あった限定求人の数と業種、教えてください。

#87
○政府参考人(志村幸久君) お答えさせていただきます。
 千件以上あった求人につきましては、輸送、機械運転の職業が二千九百二件でございます。

#88
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 私もちょっと表をもらって見てみたんですが、やっぱり非常に多いのが運輸、そして建設、つまりタクシー運転手と警備員がこれすごく多いんですよね。
 資料二から五を御覧ください。
 これ、インターネットで限定求人、そしてハローワークという検索で出てきた順番です。二は警備員の募集です。一枚にしているんですが、左側は限定求人が出ているんですが、そこの求人のところに、この会社のほかの募集という形で、ハローワークでですね、押すと、全く同じ求人が出てくるんですよね。右側が一般求人です。三、四、五、資料、これ全く同じなんですよ。
 つまり、本人たちの望む職種か疑問というところはさておきまして、限定求人だけではなくて、これ一般求人も一緒に並んで募集がされているわけです。つまり、これ実質的に氷河期に門戸を開いた採用では全くない、従来の採用に助成金を税金として落としているわけです。
 これ、事業趣旨からすると、これはちょっと見直しとか改善が必要ではないかと思うんですが、これ限定求人と言ってしまっていいのか、お考えをお伺いいたします。

#89
○政府参考人(志村幸久君) 限定求人ということで出していただくと、その世代の人は確実に就職につながるということですけれども、それは適切にその求人の趣旨に沿って就職あっせんを処理してまいりたいと思います。
 それ以外の求人につきましても、結果として氷河期の就職につながるようにハローワークとしては努力しているということでございます。

#90
○塩村あやか君 これ、果たして本当にいいんですかね。限定求人というのは、氷河期だけに向けて門戸を開くという形で企業にお願いをしてというイメージで私たちは思っていたんですが、こうやって見てみれば、ほとんどが人手不足の分野で求人をしているわけなんです。
 今のその審議官のお答えですと、これは駄目なものではなくて、このままいくというふうに聞こえてしまうんですが、本当にそれでいいのか、改めてもう一度お伺いしてもよろしいですか。これ、税金落ちますよね。

#91
○政府参考人(志村幸久君) お答えさせていただきます。
 人手不足の、これはもう一般的なあれですけれども、人手不足の深刻な業種、職種でより多くの求人がなされるということは、この就職氷河期限定求人に限らず全体の求人でも同様であって、それ自体が問題となるというふうには考えておりません。
 いずれにしても、令和三年度についてはこの就職氷河期対策についての求人開拓の人員体制を強化しており、引き続き求職者のニーズに合った求人開拓に努めていきたいというふうに考えております。

#92
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 やっぱりちょっと問題があると思いますよね。人手不足の業界が、コロナであろうとなかろうと、就職氷河期であろうとなかろうと募集をしていて、来た人に対して、その就職氷河期というものを掲げておけば、あなた、この年齢だからここね、はい、これ税金、それからその助成金が落ちるわけですから、一部、これ、何だこりゃということになってきますから、やっぱりこうしたところは見直していかなければいけないというふうに思いますし、せめて、これ見直すことが難しいというのであれば、それ以外の開拓、求人の開拓をしっかりやっていかないといけないんだなというふうに思いますので、ここ、改めて要望をしておきたいというふうに思います。
 次です。資料六を御覧ください。
 これもとても悲しくなってくるニュースです。転職系サイトのニュースなんですが、就職氷河期世代の限定求人が解禁されるも実態は年収二百万から三百万円、二種免許、タクシー運転手ばかりだと報じられています。そもそも歩合制でキャリアプランが描きにくい職業だと書いてあるんですね。そこで、そこへどんどんと人を送る作業をしているのが今のこの就職氷河期支援プログラムで本当にいいのかと。
 経済財政諮問会議は、就職氷河期を人生再設計第一世代と言いましたよね。私、当事者なので本当にびっくりして、失礼だなというふうに思ったんですが、どうしてそんなことになったのかを考えれば本当に失礼な言い方だなと思ったんですが、そもそも、今のこうした政府の就職氷河期重点支援では人生の再設計すら難しいわけなんですよ。この記事に書いてあるように不安定、そして年収二百万から三百万円なんですよね。
 限定求人は運輸や建設、介護など人手不足の分野に本当に偏っています。求人の分野しっかり広げていただきたい。改めて、要望、改善してくださいというふうにお願いをしておきます。
 資料七を御覧ください。
 民間はコロナ禍で現状維持で精いっぱいで、氷河期採用に余力なしと第一生命経済研究所の永濱利廣首席エコノミストも指摘をしています。そんな中期待されるのは、公務員の氷河期採用なんですね。
 政府は、二〇二一年度は十八府省で百五十七人の採用を予定しているとのことなんですが、これ、ちょっとやっぱり少ないんじゃないかなというふうに思います。民間が厳しい今だからこそ、もう少し採用人数を増やしてもいいのではないかと思います。こちら、検討をしていただけないでしょうか、大臣。

#93
○国務大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。
 公務員としての採用につきましては、御指摘のように、この公務員、就職氷河期世代向けの公務員試験と、選考試験ということで、毎年百五十名以上、令和二年度から三年間で四百五十名以上の採用を予定しております。これとは別途、既存の中途採用選考がありますので、それと併せて三年間で二千人を超える規模の採用を想定をしております。着実に実施をしていきたいというふうに考えております。
 さらに、国家公務員のみならず地方公務員ですね、これにつきましても総務省と連携して取組を促していきたいというふうに考えております。
 いずれにしても、民間企業においても、私ども働きかけを進めてきておりますので、あわせて、そのモデルとなるように公務員の採用もしっかりと行っていきたいというふうに考えております。

#94
○塩村あやか君 しっかり行っていただきたいと思っておりますが、今の御答弁を聞いておりますと、増やすことを検討するという言葉はありませんでしたので、このままいってしまうのではないかと思います。改めて要望しておきたいと思います。
 例えばなんですが、一番最初に公務員採用を行った兵庫県の宝塚市ですよね。これ、四人の中途採用に一千六百三十五人が応募をして、最終競争率四百倍でした。国家公務員を見ても、百九十九人の合格に二万人、あっ、ごめんなさい、一万九百四十三人が応募をしているわけですね。
 これ、岩手大学の河合教授、准教授なんですが、このように言っています。数人の枠に数百人が殺到する光景は就職氷河期の当時の再現でしかないと、漏れた方への支援が問われていると。私もそのように思います。当事者だったのでよく分かります。この指摘、是非大臣には受け止めていただいて、是非、採用の拡大、御検討いただきたいと思っております。
 そもそも、なぜ公務員の採用を始めたのかといえば、企業でも採用が進む流れにつなげることだったはずです。コロナ禍となって民間が積極的になれないからこそ、その分、公務で採用するんだという気概を大臣に改めてお願いしたいと思います。
 そんな中、経済界が三月に理想的とも言える取組を行いました。先日の内閣委員会でも取り上げました。資料八を御覧ください。
 NTTとKDDIが、氷河期世代一万人想定、応募者全員にオンラインの研修、そして専門的なITスキルの研修を五百人に無料で支援をして、三百人以上を雇用するというものです。他社への就職支援もするそうです。IT業界で必要とされるスキルや社会人マナーの基礎研究、国家資格のITパスポートの取得も費用を含めて両社で支援をして、二〇二二年の就職を目指すとのことで、職種はシステムエンジニアや営業が想定されているとのことです。
 これ、ちょっと新しい職業訓練校みたいなものなのかもしれません。これは本当にすばらしい、もう喜ばしい取組だということで、三月二十二日の内閣委員会でもお伝えをさせていただきました。
 その後、この取組大好評で、一か月を待たずして、追加の募集を掛けるとのニュースも入ってきました。つまり、みんなこうした支援を待っていたんですね。
 私は、内閣委員会でも、就職氷河期の公務員採用、できるだけ拡大してほしいと当事者の皆さんの声も聞いてお伝えをしてきましたし、この民間の取組のようにスキルをOJTや研修で身に付けていただき、公務員として働くもよし、そして希望によっては地方公務や民間の就職支援などにつなげていく、こうした道もどうかということも提案をさせていただきました。こうした民間のいい取組は、国、つまり公務の分野でも検討すべきだと思いますが、大臣の見解をお伺いいたします。

#95
○国務大臣(西村康稔君) まさに、NTT、KDDI、すばらしい取組をしてくれていると思います。そして、そこには民間のNPOがノウハウを提供して、就職につなげていくようなこともお手伝いをしているというふうに承知をしておりますので、そういう意味で、民間企業とそうしたノウハウのあるNPOが連携しながら、こうした一人でも多くの方に採用していく枠組み、就職できる枠組みをつくっている、すばらしいことだと思いますし、また、多くの就職氷河期の方、それぞれ能力、私も内閣府で採用したうちの三名の方にお会いしましたけれども、それぞれすばらしい能力を持っておられて、これまでなかなかそれが発揮できなかったと。内閣府の人事に聞きましても、ふだんよりもひょっとしたらいい人が採れたかもしれないというぐらい、本当たくさんの方がおられるので、そうした方々の能力を発揮できるように、そしてまた、このコロナを機に、自宅でテレワーク、オンラインで仕事をするということももうかなり広がってきておりますので、そういう意味で、こうした取組を更にNPOの支援なども通じて取組を進めたいと思いますし、公共職業訓練においてもIT技術のそうした訓練もやっているんですけれども、さらに、こうした民間のノウハウもうまく生かしながら、公共職業訓練にも生かして、そして、一人でも多くの方がそれぞれの能力、実情に応じて就職ができるように支援をしていきたいというふうに考えております。

#96
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 やはり、公務の分野で入ってきていただくと、その後のキャリアパスというか、人材育成の部分がある程度課題になってくるんだろうとは思います。また、しかし一方で、ある程度の人数入っていただいた方がそういったものをやっぱり組みやすいと思いますので、是非御検討いただきたいと思っています。
 日本総研主任研究員の下田裕介氏は、多くの自治体で広がりが見られる職員採用を更に拡充していくのは一案だと、氷河期世代は、これまでの厳しい時代を経験したからこそ人の痛みが人一倍分かると、住民の痛みを分かち合い、住民に寄り添う行政に取り組むことができるはずだと、行政の場で同世代の力を発揮できる面も大きいに違いないと、そう述べています。是非更なる取組を三年目に向けてお願いをしたいと思います。
 厚労省の調査によりますと、非正規で働く人の月収は四十歳から四十四歳で正社員の約六割しかないんですね。これが五十歳から五十四歳になると五割、もう半額ですね、そこまで低下をして半分となります。正規、非正規の格差は年齢が上がるにつれて開いていってしまう。このままでは、多くが今四十代に入って五十代が見えてきた氷河期世代は、老後の貧困に直結をしてしまいます。数字のマジックで三年三十万人の正社員化に成功というのではなくて、またです、タクシードライバーとか警備員の募集ばかりですよね、今。これ何が問題かというと、年齢的にも体力の問題が出てきます。そして、そもそも女性はこれ厳しいものがやっぱりあるんですよね、この募集だと。
 氷河期が社会に出たときの社会情勢は、個人の力ではどうすることもできないものがありました。だから、政府も三年三十万人と氷河期支援に動いたはずなんですね。更なる民間、公務の分野も含めての取組と併せて、本当に、当初のターゲットであったはずの五十万人足す五十万人の百万人のうち本当に十万人が正社員になったのかを検証して、最後の一年の取組をしていただきたいと思っています。
 そして、コロナがあったわけですから、三年のうち二年間がコロナということになってきますよね、このままだと、いや、もう三年丸々かもしれませんが。来年度で終わらず、氷河期支援、もう数年延ばすことも検討すべきだと思うんですが、いかがでしょうか。そういう検討されているのかもお伺いします。

#97
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のように、お一人お一人の事情、体力ある方もおられれば、ない方もおられるでしょうし、様々な事情、この事情に寄り添いながら、それぞれの方に適切ないわゆる相談を行いながら、そして就職なり今の状況よりも更にステップアップしていく、より良い状況にしていければというふうに考えております。
 その上で、非正規の方は正規社員の方よりも賃金が低いと、所得が低いということでありますけれども、この四月から、昨年四月からの大企業に続いてこの四月から中小企業も同一労働同一賃金になりますので、こういったことも含めて徹底をしていかなきゃいけないと思っております。
 その上で、御指摘のような様々な業態、ITが得意な人もいれば、自動車の関係が好きで得意な人もいるでしょうし、それぞれの事情に応じた、しかも、先ほどちょっと申し上げました出口、就職につながるような研修制度をしっかりと充実をさせていきたいというように考えております。
 その上で、コロナ感染症の影響で全体として雇用情勢が非常に厳しい状況にありますので、そうした中であっても、この就職氷河期の世代の方々が将来へ向けて希望が持てるように対策を強化していかなきゃいけないというふうに考えております。
 先ほど申し上げましたこの五月に全体の、全国のプラットフォーム関係者集まって開きますので、そのときに今の状況も分析をしながら、まずはこの三年間、二年目でありますけれども、三年間集中して取り組んでいきたいと考えておりますし、今の状況も見ながら将来に向けての対応も考えていければというふうに考えているところであります。

#98
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 是非、そのプラットフォームの場でもこの先延ばすということも検討していただきたいと要望いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
    ─────────────

#99
○委員長(野村哲郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、進藤金日子君が委員を辞任され、その補欠として岩本剛人君が選任されました。
    ─────────────

#100
○里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。
 御質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
   〔委員長退席、理事古賀友一郎君着席〕
 本日審査対象となっております令和元年度決算について、会計検査院の検査報告や財務省が取りまとめた個別事業のフルコスト情報の開示、それらの内容を踏まえつつ、今後の施策の在り方について質問してまいります。
 一点目として、災害拠点病院の浸水対策について、まず厚生労働省に、そしてその上で、災害、防災、国土強靱化の観点から小此木大臣にもお伺いをしてまいります。
 一点目の質問です。
 まず、事実確認でございますけれども、令和元年度決算報告におきまして、会計検査院が厚生労働省所管の独立行政法人の災害拠点病院について、自家発電等の浸水のおそれのある場所に設置していたとして、水害時に継続して医療提供できるよう改善の処置を要求しております。その内容について、会計検査院からの説明を求めます。

#101
○説明員(山口亨君) お答えいたします。
 会計検査院は、厚生労働省が所管する独立行政法人である労働者健康安全機構、国立病院機構及び地域医療機能推進機構の三機構の災害拠点病院において保有する自家発電機等につきまして、水害時の浸水対策が適切に実施されているかなどに着眼して検査いたしました。
 その結果、三機構の六病院において、浸水対策を全く実施していない、いなかったなどの自家発電機等がございまして、水害により商用電源が途絶した場合に、自家発電機等が浸水して稼働できず、継続して医療を提供する上で必要な電気を確保できないおそれがある状況となっておりました。
 そのため、会計検査院は、令和二年九月に、会計検査院法第三十六条の規定により、三機構に対しまして、浸水対策について応急的な対処方法を速やかに定めるとともに、自家発電機等を浸水のおそれがない場所に移設したり、自家発電機等が設置されている建物内に浸水しないように防水扉や止水板を設置したりするなどの計画を策定することなどにつきまして改善の処置を要求したところでございます。

#102
○里見隆治君 次に、厚生労働省に伺います。
 この検査院からの改善の要求を受けて、厚生労働省はどのように受け止めておられるか。また、今回の独法三機構のみならず、厚労省として、その他の医療機関についても同様に浸水対策が取られているか実態把握をするべきと考えます。現状、また今後の対応について、厚労省から答弁をお願いします。

#103
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。
 近年の風水害の状況に鑑みれば、災害拠点病院を始めとした医療機関の浸水対策は大変重要であると認識しておりまして、会計検査院の処置要求を大変重く受け止めております。
 今回の改善の処置要求に対しまして、各独立行政法人で措置を、止水対策などの措置を講じることとしておりまして、厚生労働省といたしましても、その具体的な取組についてしっかり確認をしてまいりたいというふうに考えております。
 また、実態把握についてでございますけれども、災害拠点病院については、ハザードマップ等による浸水被害の想定とその対策に関する全国調査を実施しております。一方で、全ての医療機関の状況までは把握できておりませんことから、今後必要な調査を検討し、医療機関や自治体に御協力いただきながら実施してまいりたいと、このように考えてございます。

#104
○里見隆治君 令和二年度第三次補正予算で計上されておりますけれども、これが令和三年度に繰り越されている事業で医療施設浸水対策事業というものがございます。
 これも昨年度しっかりこれ予算に付けましたので、これを活用しながら、電源設備の浸水被害防止の対策を取っていないそうした医療機関に対しても必要な対応を求めるべきだというふうに考えております。
 厚労省から、その事業内容とまたその活用方法についてお伺いをいたします。

#105
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。
 委員御指摘の医療施設浸水対策事業、令和二年度第三次補正予算で計上されたものでございますが、これは、浸水想定区域にあるものの移転することができない災害拠点病院あるいは救命救急センター、周産期母子医療センター等に対して、例えば医療用設備や電源設備を浸水の影響を受けない高い位置への移設等について支援を実施するための事業でございます。令和三年度に繰り越して活用することとしております。
 これについては都道府県を通じて周知をしたところでございますけれども、今後その積極的な活用を促すことによってこの対策に積極的に取り組んでまいりたいと、このように考えております。

#106
○里見隆治君 よろしくお願いいたします。
 そもそもの、今御説明もありましたけれども、そもそもこの災害拠点病院というのは、厚労省の災害時の医療体制の充実強化についてという通知でその定義を記していただいておりますが、それによりますと、災害時に多発する重篤救急患者の救急医療を行うための高度の診療機能を有し、被災地からの取りあえずの重症疾病者の受入れ機能を有するなどの災害拠点病院というふうにされております。したがって、今後もしっかりとこうした対策を講じていただく必要があると思います。
 浸水被害が想定される災害拠点病院、まだこれ可能性としてあるわけでありますが、これ是非、今後、この災害拠点病院、これ様々な要件があると、指定要件があるというふうに伺っておりますけれども、この浸水対策を行っているということをその指定要件に加えること、これも検討すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

#107
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。
 委員御指摘の現在の災害拠点病院の指定要件におきましては、浸水対策につきましては、地域のハザードマップ等により浸水想定区域に所在する場合には、浸水のおそれを考慮しつつ、自家発電機等の設置場所を検討することが望ましい旨を明記しているところでございます。
 その上で、近年、風水害が激甚化、多発化していることから、議員の御指摘も踏まえまして、自家発電等の設置場所のみならず、止水対策も含めまして、災害拠点病院の指定要件の内容についてしっかり議論していきたいというふうに考えております。

#108
○里見隆治君 是非、御検討、積極的に、また結論を早急に出していただくようにお願いをいたします。
 今日は災害拠点病院ということでお伺いをしましたけれども、この病院と、また電源設備という点では、最近の話題になったところでは、ワクチン接種の過程で、零下七十度、七十五度というところで冷凍保存をしなければならない、そのワクチンが電力不足で使えなくなってしまったということもございます。また、重大な局面、様々な形で想定をされるわけですけれども、厚生労働省におかれては、是非この医療機関、そしてその電源設備という観点で遺漏なきよう御対応をお願いしたいと思います。
 こうした厚労省の取組を、今るる状況を確認してまいりましたけれども、最後に、最後といいますか、この部分については、こうした防災施設設備に関する不断の点検の必要性ということについて小此木大臣にお伺いをしたいと思います。
 これ、過去にも、政府、また本委員会でも取り上げられてまいったところでございます。例えば、平成三十年度の決算審査においては、河川管理施設の防災施設本体を稼働するための電気設備について耐震調査が実施されておらず、災害時等に防災施設が十分に機能しないおそれがあることが判明し、本委員会において措置要求決議を行っております。
 さらに、災害拠点病院についてはこれ今取り上げたところですけれども、その後、平成三十年度に十一省庁で実施した重要インフラの緊急点検の中で、非常用自家発電設備の点検を行い、診療機関、診療機能を三日程度維持するために設備の増設等が必要なことが課題として判明したと。その後、政府で御対応いただいているわけであります。さらに、今申し上げた災害拠点病院についての改善処置ということも要求されております。
   〔理事古賀友一郎君退席、委員長着席〕
 こうした中で、災害対策、また国土強靱化対策の小此木大臣にお伺いをしたいと思いますけれども、大臣も、防災、また国土強靱化という意味で各省御指導いただくべきお立場であります。その所掌も大変広くあるというふうに承知をしております。この国土強靱化に関する各省横断的な課題について、様々な施設で同様の事態が繰り返し発生することを回避するためにも、関係省庁間で課題を共有し、横断的な点検を実施する体制が必要と考えますけれども、大臣の御所見をお伺いいたします。

#109
○国務大臣(小此木八郎君) 先ほど委員がおっしゃった平成三十年ですけれども、この年には、西日本豪雨、台風第二十一号、北海道胆振東部地震、立て続けに災害、大きな災害が起こりました。この災害発生時に重要インフラが機能を喪失して国民生活に大きな影響を及ぼしたこと等を受けまして、府省庁横断的に緊急点検、国土強靱化の緊急点検につながっているところであります。
 一方、国土強靱化を効果的に進めるためには、委員の御指摘のとおり、平時より政策効果や課題について府省庁横断的に共有することが重要と認識しております。このため、関係府省庁の局長級が集まる国土強靱化に関する関係府省庁連絡会議等を定期的に開催しており、横断的な課題の共有も含め、連携を強化して取り組んでいるところでありますけれども、引き続きこれは続けてまいりたいと思います。
 さらに、今後、新たに大規模な自然災害が発生し、新たな課題が明らかになった場合等には、施策の点検を含めた必要な対応を講じる体制を構築してまいりたいと存じます。

#110
○里見隆治君 小此木大臣、よろしくお願いいたします。
 大臣におかれては、委員長のお許しをいただければ御退席をいただいて結構でございます。

#111
○委員長(野村哲郎君) 小此木大臣は御退席いただいて結構でございます。

#112
○里見隆治君 続きまして、マイナポータルの活用について、内閣官房、また平井大臣にお伺いをしてまいります。
 本日、お手元に資料も二枚御用意をしております。
 この資料は、マイナポータルの整備、活用について財務省主計局が取りまとめている令和元年度個別事業のフルコスト情報の開示のダイジェスト版、そのうちのマイナポータルの整備、運用についての該当ページでございます。
 個別事業のフルコスト情報につきましては、本委員会では、四月七日の同僚の平木大作議員からの質問でも触れられておりましたけれども、私ども公明党は、決算情報を一つ一つの事業にブレークダウンした形でより詳細な開示を求めてまいりました。本件についても、まず、このフルコスト情報の確認から質問を進めてまいりたいと思います。
 まず、マイナポータルについて、その概要を御説明いただきたいと思いますけれども、あわせて、この資料の二にございますとおり、この上二つの行が人に掛かるコスト、事業コスト、これらがフルコストでございます。そして、その総コストを分子として、マイナポータルアクセス数を分母として、あるいは一アクセス当たりのコストということでアクセス件数を分母としてこのコストを出す、あるいは国民一人当たりのコストとして出したものが表としてまとめられております。
 これらの表について、まずマイナポータルの御説明、また、この一アクセス当たりのコスト、近年どのように推移しているか、できれば令和二年度の見込みですね、決算値は出ていないと思いますけれども、その見込みも含めて御説明をお願いいたします。

#113
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁申し上げます。
 マイナポータルの概要につきましては、マイナンバーカードをキーにした私の暮らしと行政との入口として、平成二十九年十一月より本格運用を開始しており、具体的には、子育てなどに関する行政サービスの検索や行政機関への申請手続をスマートフォンでできるプラットフォームとしての役割や、行政機関が保有している自分の情報について確認したり、あるいは本人が利用歴を取得することができるなど、暮らしをより便利にするためのサービスを提供しております。
 御指摘ございましたフルコスト情報の推移でございますけれども、一アクセス当たりコストにつきまして、この資料にございますけれども、平成二十八年度は二千六百二十四円、平成二十九年度は四千六百七十五円、平成三十年度は四千二百五十五円、令和元年度は千九百六十円となっております。
 また、御指摘ございました令和二年度でございますけれども、決算やアクセス件数など、まだ最終確定をしておりませんのであくまで現時点での参考値ということでございますけれども、クラウドへの移行などによりランニングコストが削減したことや、特別定額給付金もございましてオンライン申請などによりアクセス件数が増加したことなどにより、一アクセス当たり約七十円と見込んでいるところでございます。

#114
○里見隆治君 ありがとうございます。これ、一見して御覧いただければお分かりなんですけれども、丁寧に説明をいただきました。
 これ、当然のことなんですけれども、一アクセス当たりのコスト、これ一国民、国民一人当たりというと、まあ要は一億二千万人で割るということですから十円とか数十円。というよりも、しっかり活用いただくという観点でいえば、一アクセス当たりのコストというものをしっかり捉えていく必要がある。そういう意味では、まずこの分子に当たるコスト、これをいかに低減させていくか、またアクセス件数をどれだけ上げていくかが一アクセス当たりのコストの低減につながると。当たり前のことでありますけれども、それを実際進めていただくということだと思います。アクセスを二倍増やせばコストが二分の一になるという当然の帰結でございます。
 このマイナポータルの利活用促進について、利用者である国民目線の改善はもとより、より利用者にとって行政サービスの窓口となる自治体の目線でも改善が必要だと考えます。この利活用に向けた政府のお取組についてお伺いいたします。

#115
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁申し上げます。
 マイナポータルにつきましては、やはり国民の皆様に使っていただけるということが大事でございますので、そのユーザーインターフェースあるいはユーザーエクスペリエンスの、UI、UXを徹底して見直す必要があると考えております。
 このため、昨年の十二月には、デジタル改革アイデアボックスにマイナポータルの新デザインを掲載して、広く国民の意見を募集しました。また、今委員御指摘、自治体の話ございましたけれども、やはり御協力いただける自治体の皆様からの御意見も頂戴し、委員御指摘のように、国民の目線、また自治体の目線でのUI、UXの改善に取り組んでいるところでございます。
 また、これに加えまして、各自治体におきましての行政手続のオンライン化を支援するため、全地方公共団体のマイナポータルへの接続の実現ですとか、マイナポータルにおける標準様式、申請フォームの自治体に対する提供などを進めさせていただいているところでございます。
 今後、こうしたUI、UXの改善ですとか各自治体への支援を推進することで多くの国民の皆様にマイナポータルの利便性を享受いただけるよう、政府としても取り組んでまいりたいと考えております。

#116
○里見隆治君 私、個々の利用者目線ということに加えて自治体の目線ということを申し上げました。後ほど平井大臣にも御答弁いただきますけれども、是非個人にとっても、また自治体にとっても活用しやすいという観点でお進めいただければと思います。
 もう一点、この利活用推進に加えまして、先ほど申し上げた分子の方ですね、このコスト削減につきまして、調達コスト、またランニングコストを通じてこの不断の削減努力が必要だと考えます。現在の取組状況、また今後のお取組についてお伺いいたします。

#117
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁申し上げます。
 マイナポータルにつきましては、利便性の向上に加えまして、やはり調達コストあるいはランニングコストを抑制していくことが重要だと考えております。
 このため、マイナポータルにおきましても、ぴったりサービスと呼ばれます行政サービスの検索やオンライン申請につきましては当初からクラウドサービスを活用しておりましたが、行政機関が保有する自分の情報の確認、取得等を行える情報提供等記録開示システムというのがございますけれども、この開示システムにつきましても、令和二年四月以降、クラウド化を実施しているところでございます。
 これによりまして、ハードウエアなどの購入、維持管理が不要となるため、トータルでコスト低減を図りつつ、利用状況に応じてシステムの容量や性能を変更することが可能となったことから、令和二年度における情報提供等記録開示システムの保守運用費用は約年間四〇%程度削減できる見込みとなっていると承知しております。
 私どもといたしましては、引き続き調達コストやランニングコストの不断の削減に向けて精いっぱい取り組んでまいりたいと考えております。

#118
○里見隆治君 よろしくお願いいたします。
 最後に平井大臣にお伺いをしたいと思います。
 平井大臣におかれては、デジタルの推進という点でも大変期待を申し上げておりますけれども、今回取り上げましたマイナポータル、もうるる御説明もいただきましたけれども、国民の皆様がサービス行政手続、またオンライン申請などを行うための自分自身の、自分専用のサイト、まさにこのマイナポータルが行政機関へのアクセスの第一歩、ポータルであるわけですから、その活用促進という点で是非御尽力を、大臣自らリーダーシップを取ってお願いしたいと思います。
 以上、これまで様々質問してまいりましたとおり、費用対効果という観点も含めて、マイナポータルについては、ユーザーインターフェースまたユーザーエクスペリエンスの改善といった利便性向上を通して利活用促進することにより、国民の皆様から自治体、国の行政のアクセスの改善につながるよう取り組んでいただきたいと考えておりますが、平井大臣の御決意、御所見をお願いいたします。

#119
○国務大臣(平井卓也君) 質問ありがとうございます。
 マイナポータルは、行政機関が保有する自分の情報へのアクセスを可能にして、自分に関する行政機関の間での情報連携の記録を確認できるなど、マイナンバー制度における国民の信頼確保と安全、安心なデジタル社会の基盤として今後とも整備していくものだと考えております。よって、そのアクセス件数のみをもって費用対効果を測ることは非常に難しい面があるんですが、できることには全て取り組んでいこうと考えています。
 導入期に要した一定の開発運用費は、クラウド移行などにより低減を図る、タブレット端末、平成二十九年から全国の自治体に配備してアクセスのしやすさを高めてきました。これはもう先生方の大変な御尽力によるものです。また、行政手続のメニューを増やしたり、どの自治体でも簡易に利用できるよう支援を行ったり、APIの共通を通じた民間サービスとの連携サービスにより、サービスメニューを増やしてまいりました。
 今後も不断の見直しを行っていく必要があると考えておりまして、加えて、今までは、マイナポータルに限らず、政府が提供するシステムは提供者目線で運営してきましたが、マイナポータルは、マイナンバーカードをキーにした私の暮らしと行政の入口として、国民の皆さんに便利に使っていただけるように、UI、UXを利用者目線で徹底して見直す必要があると考えています。
 今後とも、国民や自治体の意見などを踏まえながらUI、UXを改善し、最終的には、誰でも自宅にいながら、最終的にスマートフォンで全ての行政手続が六十秒以内に完結することを目指しつつ、多くの人々が便利に使えるようにサービスメニューを充実していくことでマイナポータルの利便性向上を図って、圧倒的に便利で、最終的にはデジタルを意識しない社会、人間に優しい社会を提供していきたいと考えております。

#120
○里見隆治君 大臣から力強い御決意いただきました。圧倒的に便利なということとともに、しっかりと情報管理、個人情報の管理も含めて遺漏なきようお願いをし、デジタルの行政の推進、平井大臣にお願いをいたしまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#121
○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。よろしくお願いいたします。
 今日は、まず国家公務員の総合職の志望者が減少しているという点について御質問をさせていただきます。
 配付資料を一枚配らせていただいております、ごめんなさい、二枚配らせていただいておりまして、資料一の方を見ていただけますでしょうか。こちらが、一九九九年から、以前のⅠ種のときからですけれども、総合職の志望者の推移を表しております。この二十年で申込者が約四万人から半分以下まで減りました。この表の後、二〇一九年以降も、昨年、二〇二〇年は一万六千七百三十人、そして先週発表がありましたけれども、今年度は一万四千三百十人ということで、昨年度と比べても一四・五%も申込者が減ったと、減少率が過去最大というふうになっております。
 この国家公務員総合職の皆さん、本当に大切なお仕事を担っていただいております。もうそこは言うまでもありませんけれども、本当に諸政策を企画立案をして着実に実行していくと、まさに国民生活に直結をする仕事をしていただいているというふうに思っております。その中で、この国家公務員総合職の申込者、志望者がこれだけ大きく減少して歯止めが掛からないと、こういう事態になっている原因をどのように人事院として捉えているのかということをお伺いしたいと思っております。
 そして、あわせて、特に今、新型コロナウイルス感染症対策が重要課題となる中で、公務の重要性、再認識されてきています。こうした時期こそ、国家公務員への扉をたたく優秀な若者を、もう例年以上に、もうできる限り円滑に採用するために全力を尽くすべきというふうに考えますけれども、人事院、いかがでしょうか。

#122
○政府参考人(西浩明君) お答え申し上げます。
 過去二十年間の申込者数減少の主な要因といたしましては、若年人口の減少、就業意識の多様化などが背景にあると考えております。
 また、委員御指摘ございましたように、本年の総合職試験の申込者は約一四・五%の減少となりましたが、本年に限って見ますと、コロナ禍の中、大学受験において受験校の絞り込みが起きたり地元志向が高まったとの指摘があったように、公務員試験においても同様の傾向が生じた可能性があると考えております。
 また、総合職につきましては、本府省を中心としつつ、全国転勤を行うこともあることから、元々転勤を望まない学生から就職先として忌避される傾向があったところ、コロナ禍の中でその傾向が高まった可能性があると考えております。
 このように、公務の人材確保をめぐる状況には厳しいものがございますが、公務に優秀な人材を確保するため、学生に公務への就職を選択してもらえるようにすることが必要であり、そのためには、早い段階から公務の仕事を認識してもらい、その魅力ややりがいを伝えるとともに、公務におけるキャリアパスなどのイメージを持ってもらう、もらえるようにすることが重要であると考えております。
 人事院といたしましては、各府省と連携しながら、公務の魅力を幅広く発信するために、従来の対面型の情報発信に加えまして、採用情報に特化したSNSの活用やオンラインイベントを充実させるなど、各受験者層の特性に応じた人材確保活動を展開してまいりたいと考えております。

#123
○伊藤孝江君 今るる御説明がありました。先ほども御質問もありましたけれども、今就職氷河期がもう一度来るんじゃないかというふうにも言われています。去年、今年と本当にこのコロナ禍の不景気だと言われている中で、民間企業の採用、どこまで民間企業に行くことができるんだろうかという不安を考えたときに、公務員が増えるというふうに、まあ私たちとしてはつながっていくんじゃないかと思うわけですけれども、それが公務員にはもう全然足を向けてもらえない、見てもらえないと、これほど残念なことはないというふうに思っています。
 先ほどの人事院の御説明では、いろいろお話もありましたけれども、結局、その子供たちが、若者が減ってきたとか転勤を望まない人がいるとかいろんな理由を挙げて、結局、じゃ、その国家公務員としてあるべき像、どんな像を見てもらうのかというところについての思いというのは余り感じられなかったというふうに思います。しっかりと、本当に人事院としてどう対策をするべきかというところは御検討いただきたいというふうに思っております。
 その中で、ただでさえ国家公務員の志望者がこれだけ長年減少し続けています、その中で、昨年、人事院は、更に学生を混乱させ、各省庁の人材確保を困難にする事態を招いたというふうに私自身は考えております。この点について質問させていただきます。
 近年、多くの民間企業は、例年を上回るペースで内々定を出しております。それに対して、国家公務員総合職試験の方は、もう一枚の資料二を見ていただけますでしょうか。この上の例年というのが例年のスケジュールです。おおむね五月に試験を終え、六月に最終合格発表を受けて、下旬に官庁の訪問、七月上旬に内々定を出していると。大手企業の内々定解禁が六月一日ということで、この解禁から大きく遅れないタイミングで志望者に職業選択を検討する機会を与え、ぎりぎりで有為な人材を確保する工夫をしているというのが例年の取組というふうに承知をしております。
 昨年、大手企業は、いつもと変わらず六月の一日に内々定を解禁しました。大手企業を含む民間企業ですね。ところが、人事院の方は、集団試験の実施に感染拡大リスクがあるということで筆記試験を二度遅らせています。また、二度目遅らせたときには、いつかはまた改めて通知をしますというような、いつやるかも分からないような連絡の仕方でした。結局、一次試験を七月以降に、最終合格発表八月下旬と、大手企業からすると約三か月弱遅れる、もう本当に大変遅れるというようなタイミングで試験がなされることになりました。
 この国家公務員試験の日程変更というのは、全省庁の採用に大きな影響を与えます。総合職試験の実施時期を遅らせることについて、実際に学生を採用する各省庁はかなり反発をして、各省庁の人事担当者と人事院が昨年意見交換をしたというふうに聞いております。民間との競争という点を考えれば、各省庁が納得できないのは当然だというふうに思います。
 この点、総裁としては、試験日程を遅らせることについて各省庁が危機感を持っていたことを認識していたのかどうかと、またそれをどう受け止めたのかという点について御説明ください。

#124
○政府特別補佐人(一宮なほみ君) 御指摘のとおり、昨年度の国家公務員採用試験採用の総合職試験については、第一次試験を四月二十六日に予定していたところ、四月七日に緊急事態宣言が発出されたことを踏まえまして、試験日程を延期いたしました。これは、新型コロナウイルスによる感染症の感染拡大という我が国が経験したことのない状況において人と人との接触を厳しく制限することが求められる中で、受験生の安全を確保し、感染拡大につながらないようにする必要があると判断したものです。
 各府省の反応としては、おおむね、当時の状況下において試験の延期はやむを得ないとの理解が示されるとともに、人材確保への影響を危惧し、可能な限り早期に試験を実施するように要望がありました。
 人事院としては、人材確保が極めて重要であるとの認識の下、各府省の要望も踏まえ、緊急事態宣言の解除後、感染予防対策の徹底と試験会場の確保などに全力を挙げ、可能な限り早期に試験を実施したところでございます。

#125
○伊藤孝江君 人事院の中では、最初、内々定解禁は秋以降でもいいんだという声もあったというふうに私自身は聞いております。その中で、各省庁からのかなりの強い反発意見があって、ようやくここまで持ち直したと、前に戻したというふうに聞いているところでもあります。
 学生の側からすれば、民間企業から六月上旬に内々定をもらっていると。しかし、この総合職の方では、結果は八月の下旬頃にしか最終合格発表が分からないというところだと、やはりこれだけ不安定な環境が続くと不安になるのは当然で、公務員を諦め、離れている学生がいたとしても不思議ではないというふうに考えます。実際に、八月下旬まで最終合格するかどうか分からない中、企業からも決断しないと内々定を取り消すと迫られて、公務の世界を諦めざるを得なかったという学生もいたというふうに聞いております。
 この流れの中で、各省庁において、人事院ではなく各省庁において学生をつなぎ止めるために苦肉の策として講じた点が二つここに入れられております。
 一つが、この六月の事前面談会です。この事前面談会、通常、例年はないものでありますけれども、例年でいえば最終合格発表の後の官庁訪問、事実上の面接の意味をこの事前面談会に持たせました。試験前実施のため、一次試験で不合格になる学生が参加している可能性もありますけれども、やむにやまれぬ状況から各省庁が独自に行った異例の措置でもあります。
 二つ目が、内々定のタイミングですね。一次の合格発表の後、二次試験前に内々定を出しています。八月下旬まで合否が分からないという事態を避けるために、一次試験の合格発表の後に内々定が出されました。これが民間企業の内定を断るタイミングとしてはぎりぎりの時期ということで、各省庁から強く求めて、人事院も渋々これに応じたというふうに聞いております。
 ただ、その後に二次試験が実施されています。この二次試験の出来いかんによっては、内々定が出されていたとしても、最終合格発表の時点で不合格になる可能性があるという、学生にとっては極めて酷な流れというふうになっております。
 残念ながら、今公務員は買手市場ではないという現実の中で、人事院はこの民間企業との競争に勝ち抜かなければならないんだと、人材確保という点で競争なんだというこの現状をきちんと受け止めていないのではないかというふうに思います。有為な人材確保に向けて何をなすべきか、問題意識が希薄なのではないでしょうか。公務員試験の在り方についても、先例にとらわれたしゃくし定規な対応ではなく、柔軟な対応を含め、積極的に検討していくべきだったと思いますけれども、いかがでしょうか。
 ちなみに、この実質的に面接の意味を持たせた事前面談会、これは人事院も行っております。これは、この試験スケジュールでは採用に支障を来すということを人事院自身が認めたものだというふうに私自身は捉えていますけれども、いかがでしょうか。

#126
○政府特別補佐人(一宮なほみ君) 人事院といたしましても、優秀な人材を確保するために、可能な限り早期に採用試験を実施する必要があるというふうには考えております。例年の採用試験の日程の設定に当たっては、民間企業の就職活動日程に関して、関係省庁連絡会議から経済団体へ行われた要請や専門科目に係る修学時間等の確保を求める大学関係者の意見を踏まえつつ、できる限り早く採用試験を実施するように取り組んできております。
 昨年については、先ほど申し上げたとおり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の下で試験日程を延期しましたが、本年については、昨年の試験実施で得た経験も踏まえ、感染予防対策を徹底の上、次の日曜日、四月二十五日に総合職試験の第一次試験を実施する予定であり、例年のスケジュールで各府省における採用活動が行えるようにしてまいりたいと考えております。
 人事院としては、今後とも、各府省や関係各方面と意見交換を行いながら、公務に優秀な人材が確保できるように取り組んでまいりたいと考えております。
 なお、先ほどの人事院も事前に面談をしているというような御指摘ございましたが、六月に実施したのは、企業の説明会というか、内容の説明会ということで実施しているということを付け加えさせていただきます。

#127
○伊藤孝江君 人事院の仕事というのか、役割ですね、もちろん無事に試験を実施をして、感染予防も含めて無事に試験を実施をするということが大切なお仕事だというのはよく分かります。でも、本当にその有為な人材をいかにどうきっちり、きちんと確保していくのかというところについてももっと積極的に取組をしていただきたいというふうに思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
 次に、テーマを移ります。実用準天頂衛星システムの開発、整備、運用についてお伺いをいたします。
 現在、位置情報を測定するものとしてはGPS衛星が用いられております、主にですね。ただ、日本では山間部、また高層建築物が並ぶ都市部が多いことから、測位の精度が落ちたり測位できない場合があります。そこで、GPS衛星とは異なる軌道を持たせて測位の精度や信頼性を向上させるということに加え、災害情報、安否情報を配信するメッセージ機能を有するものとして準天頂衛星システムがあります。このシステムの開発、整備、運用、また準天頂衛星システムの防災機能の強化、開発促進のために、平成三十一年度当初予算、令和元年度補正予算でも多額の予算が組まれ、今の四機体制から七機体制の確立に向けて開発、整備が行われているところです。
 このシステムについて大臣にお伺いをいたします。
 通信網が発達しております今の日本では、準天頂衛星システムを利用しなくても、地上施設を用いて相当程度に位置情報は取得できるというふうに考えます。その中で、また加えてアメリカのGPSも利用することもできるという中で、既存のGPSを増やすのではなく、アメリカに依存をせずに、この日本独自の準天頂衛星システムを整備するということの具体的な意義と費用対効果について御説明いただけますでしょうか。

#128
○国務大臣(井上信治君) 準天頂衛星システムによる測位サービスは、日本全国をカバーする広域性や地上での災害の影響を受けにくい耐災害性などの面で、地上の通信網を利用したサービスにはない利点があります。
 また、準天頂衛星は日本の天頂近くに長くとどまるため、GPS信号が届きづらいビルの谷間や山間部にも位置情報を配信できるほか、センチメーター級の高精度測位サービスや災害時のメッセージ通信機能など、GPSにはない機能も備えております。さらに、二〇二三年度目途の七機体制確立後にはGPSに依存せず持続的な測位を行うことが可能となるなど、日本独自の社会基盤インフラとしての重要性を有しております。
 加えて、自動車やドローンなどの様々な分野で準天頂衛星システムの活用が進んでおり、今後、幅広い分野での社会実装を通じて、イノベーションや新たなビジネスの創出等に貢献することが期待されます。
 引き続き、準天頂衛星システムの開発、整備、利活用を着実に進めてまいりたいと思います。

#129
○伊藤孝江君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 次に、宇宙ごみの除去についてお伺いをいたします。
 昨年十二月に宇宙基本計画が改訂をされました。宇宙ごみを抑制をし、地球軌道上で安全に事業を実施する際のルール作りについて、今年度をめどに中長期的な取組の方針を策定するというふうにされております。
 多くの衛星は極めて高額であり、デブリ除去の際に事故が発生をし第三者の衛星に損害を生じさせた際には、企業経営が成り立たないほどの賠償責任が発生しかねないのが現状です。例えば、ロケットの打ち上げと同じような政府補償の仕組みをデブリ除去についても設けるのか、政府の御所見をお願いいたします。

#130
○政府参考人(松尾剛彦君) お答え申し上げます。
 平成三十年の十二月に、宇宙政策委員会宇宙法制小委員会におきまして、人工衛星の軌道上での第三者損害に対する政府補償の在り方につきまして中間整理が取りまとめられております。
 当時におきましては、軌道上の第三者損害に対する政府補償制度につきましては、まず一つに、第三者損害賠償責任保険あるいはその補償料負担等の前提によりまして効果が異なってくる、第二に、事業者によって、こうした制度を求める事業者の方、あるいはむしろ入れるべきではないとおっしゃる方というようにお考えが異なることもございまして、具体的な制度化までの環境は熟しているとは言えないということで当時は制度の具体化を見送ったところでございます。
 しかしながら、その当時の中間整理におきましても、宇宙をめぐる情勢変化の速さや宇宙空間の特殊性等を踏まえますと、状況を常に確認しながら機動的に対応していく必要があるという指摘がされているところでございまして、また、近年、商業軌道上サービスが実際現実のものとして視野に入ってきつつあること、あるいはJAXA、宇宙航空研究開発機構におきましてもデブリを除去するための実験が開始される予定であること、こうした状況も注視しながら、時機を逸することのないように、この損害賠償に係る仕組みの要否も含めて検討してまいりたいというふうに考えております。

#131
○伊藤孝江君 ありがとうございます。
 最後に、大臣にお伺いをいたします。
 昨年十一月、政府は、宇宙ごみに関する関係府省会議を開き、宇宙ごみの発生を抑えるための日本独自のルールを策定することを決定されております。これを足掛かりに、国際ルール作りで日本が主導的な役割を果たしていくべきと考えますけれども、大臣、いかがでしょうか。

#132
○国務大臣(井上信治君) 宇宙空間の持続的かつ安定的な利用を確保するため、スペースデブリ問題は極めて重要かつ国際社会全体で取り組むべき喫緊の課題であると認識しています。
 昨年十一月に主催したスペースデブリに関する関係府省等タスクフォース大臣会合において、我が国政府による主体的、先行的取組として、政府衛星について、軌道に残存する期間を二十五年以内とする国際ルールの遵守に加え、可能な限り衛星を制御し、大気圏突入までの期間を短縮させること、また、国際ルール作りに政府が率先して貢献していくため、今後の軌道利用に関する国際的な標準や規範の形成に向け、本年度末までに我が国としての中長期的な取組方針を策定することを決定しました。
 また、我が国には、ベンチャー企業を含めスペースデブリ除去をビジネスにしようと意欲的に取り組む企業があり、研究開発や実証実験も鋭意進めております。今後、これらの企業が得た最先端の知見を国際ルール作りの場で発信するとともに、日本が国際ルール形成をリードするよう積極的に働きかけてまいります。

#133
○伊藤孝江君 以上で終わります。ありがとうございました。
    ─────────────

#134
○委員長(野村哲郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、下野六太君が委員を辞任され、その補欠として新妻秀規君が選任されました。
    ─────────────

#135
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。
 本日は、死因究明における諸問題について伺っていきたいと思います。
 この死因究明につきましては、約二年前の二〇一九年、決算委員会におきまして、法医学者の養成という視点を主にお聞きをいたしました。私がなぜこの死因究明ということに特化してお伺いをしていきたいと思うかといいますと、やはり本当の死の原因、これが分からなければ、例えば、ずっと今もコロナ感染症がありますけれども、例えば伝染病の発見が遅れたり、また児童虐待、こういったことが見逃されたり、また、これ犯罪死の見逃しという点から、自殺に見せかけた他殺かもしれない、もしかしたら病死に見えて事故死かもしれない、救える命が今までもあったかもしれない、そう考えると、この死因究明という、こういった視点というのは、亡くなられた方々の声を聞く、また、これから生きていく人々のため、後世のために本当に必要なことであるんではないかというふうに強く私自身が感じるからであります。そして、本当にこれ大変公益性の高いものであるというふうに思いまして、再びこの死因究明について、この決算委員会において取り上げさせていただきたいと思います。
 このそもそも死因究明を進めていくためには法的根拠、法的位置付けが必要でございますけれども、これ二〇一二年、死因究明等推進法、それから警察署長の権限で死因や身元を調査できる死因・身元調査法、この死因究明の二法が成立しました。これで解剖率が上がっていって、そして死因究明が向上していくのではないかと、こういった期待が社会的にも高まったと思います。けれども、これ推進法は時限立法ということで二〇一四年には失効してしまい、そして、これによってまたこの死因究明という観点、これが失速するんではないかという危機感も高まりました。
 それが、その私の質問を前回させていただいた二〇一九年、死因究明等推進基本法が恒久法として成立して、そしてこれ、また解剖率が先進国並みに上がっていくんではないかという、こういった期待に胸が膨らんだというわけなんですが、あれから二年がたって、この予算額の推移、それから死因究明制度がどのように進んできたのかという検証の意味を込めて、本日は質問をさせていただきたいと思います。
 実は、これ、死因究明につきましては、三月十七日の予算委員会で厚労大臣に質問をさせていただいております。それは、新型コロナウイルス感染症対策に関連して、法医解剖に従事する方に慰労金が支給されていないということを知りまして、田村厚労大臣になぜ支給しないのかという理由についてをお伺いしたんですけれども、大臣からは、高齢者等にうつさないため、うつさないという意味で気を遣っていただいているから、そういう慰労金、そういった慰労金なので、解剖医の方々には相手が既に御遺体であるということから対象にならないというふうな答弁をいただいているんですね。
 ただ、今、今日もお話に出てきました、特に大阪では物すごい勢いでコロナの変異株が増えております。急激に重症化するということもあり、自宅で亡くなってしまうと。ということは、明らかにコロナであるということが分からない御遺体も増えてくる可能性もあるということで、私はこの田村大臣の答弁の、相手にうつさないための慰労金という部分、ここをもう少し深掘りして今日はお聞きしたいというふうに思うんです。
 さらに、調べていくと、ワクチン接種についても、法医解剖従事者には優先的に接種されていないケースもあるというふうにも仄聞しております。
 そこで伺いたいんですが、法医解剖に従事する解剖医や解剖補助者に、今後もこの慰労金を出すという検討なされないのか、そして法医解剖従事者へのワクチン接種の進捗状況、これについて政務官に伺いたいと思います。

#136
○大臣政務官(こやり隆史君) お答えいたします。
 まず、慰労金の御指摘でございます。
 この慰労金につきましては、もう委員御承知のとおり、昨年七月までの措置でございまして、当初、全く未体験だった新型コロナウイルスとの闘いの最前線で感染するリスクが高い、感染すると重症化するリスクが高い患者との接触を伴う医療従事者あるいは職員を対象としたところでございます。これ、一方で、解剖につきましては、これWHOも指摘を、認識をしているところでございますけれども、解剖のみに従事する方につきましては、このような患者との接触を伴わないということでリスクが高くないということから対象としていなかったものでございます。
 あと、ワクチンにつきましては、これは御承知のとおり、医療従事者を優先、第一優先で今接種をしているところでございまして、先ほどの慰労金と同じような考え方でございまして、まず、医療従事者については、その業務の特性といたしまして感染症患者と頻繁に接する業務を行うということから暴露の機会が極めて多いということと、医療提供体制の確保が重症者や死亡者を減らすためにも必要であるということから優先順位を決めているということでございます。

#137
○高木かおり君 優先的にという考え方からそういう御答弁になるんだと思います。
 ただ、やはり御遺体から感染する、今私がお聞きしているのは、明らかにコロナの患者さんで亡くなられた、陽性の患者さんだったという方は解剖されていないというふうにもお聞きをしているんですが、ただ、そうではなく、明らかにコロナではなく解剖の場所に運ばれてくるという可能性も否定はできないだろうと。そしてまた、運ばれてくる段階でコロナのウイルスが付いているという、そういった場合もあるだろうと。実際、コロナで亡くなられた方は御遺体からも感染の可能性があるとされて最後の今お別れもできないと、そういった御家族の悲痛なお声もあるわけです。そういったことから、私自身はやはりこういったことも検討されるべきではないかというふうな御指摘をさせていただきたいと思います。
 当たり前ですけれども、これ法医学従事者の方々が慰労金が欲しくて解剖している、そういったことでは決してございません。やはりこういったところを気を遣うのは国の方なんだと、そういった御指摘をさせていただきまして、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 今回の質問はちょっと単刀直入に伺いたいんですが、大学における法医学に関わる人材の人件費、これ解剖医、それから臨床法医学の医師、解剖補助、検査技師等、この人件費が幾らなのか。また、設備費、これは薬物検査等の機材、死亡時画像診断を含むCT等、こういったことを各警察庁、文科省、厚労省から、令和二年度予算額実績ベースで構わないので数値の方を端的にお答えください。

#138
○政府参考人(藤本隆史君) お答え申し上げます。
 警察庁におきましては、令和三年度予算におきまして、司法解剖について解剖等の嘱託を行った医師に対する謝金として約六億二千五百万円、また血液、薬毒物の検査あるいは感染症防止のための消耗品などに要する経費として約十六億三千五百万円を措置をしております。個別の解剖の内容に応じ、支払がなされているところでございます。また、いわゆる死因・身元調査法に基づく解剖につきましては、解剖を実施する大学に対する委託費といたしまして、人件費、検査に要する費用を積算の上、約二億七千五百万円の補助金を措置しており、都道府県警察において大学に対する委託が行われているところでございます。

#139
○大臣政務官(鰐淵洋子君) お答えいたします。
 文部科学省におきましては、各大学の法医学分野等における優れた基礎研究医の養成やそのキャリアパスを構築する取組を支援する基礎研究医養成活性化プログラム等におきまして、直近の令和三年度予算として約四億四千万円を措置したところでございます。
 文部科学省としましては、引き続き関係省庁と連携しつつ、各大学に対して死因究明等推進計画等を踏まえた対応を要請するとともに、必要な支援を行ってまいります。

#140
○大臣政務官(こやり隆史君) 先生、令和三年度でよろしいでしょうか。行政解剖及び死亡時画像診断に係る解剖医、検査技術師等の人件費につきましては、異状死死因究明支援事業として措置をしておりまして、令和三年度予算が一億七百五十四万四千円でございます。あと、解剖台、薬物検査機器などの設備については、医療施設等設備整備費補助金の内数として措置をしておりまして、同補助金全体の額といたしまして令和三年度三十四億円を計上しているところでございます。

#141
○高木かおり君 細かくいただきましてありがとうございます。
 続いて、解剖率について伺いたいと思います。
 政府は、二〇一二年の時点で、衆議院内閣委員会で警察庁刑事局長の政府参考人が答弁されているんですけれども、ちょっと長い答弁なので簡単に要約すると、要するに、政府としては、犯罪死の見逃しの防止という観点から、諸外国の例を見ると五〇%ぐらいを目標に解剖率を進めていきたいと思っていたんですけれども、いろいろと諸外国と制度も違うということで、今は一一%ぐらいだけど二〇%にはしていきたいと、数年で何とか向上させたいという答弁をされているんですけれども、この政府参考人の答弁があった以降、死体取扱総数のうち司法解剖、調査法解剖及びその他の解剖が行われた割合について、ここ数年、十数%の解剖率でずっと推移をしているんですね。
 この数値について政府はどのように捉えておられるのか、小此木国家公安委員長に伺いたいと思います。

#142
○国務大臣(小此木八郎君) 解剖率について、御指摘の数字を答弁したことは承知いたしました。現在私が認識するところですけれども、警察としては、解剖だけではなくて、現場や死者の生前の人間関係の調査ですとか、薬物、毒物の検査、死亡時の画像診断といった他の様々な手段を用いて総合的に犯罪死の見逃し防止に取り組むことが責務であると認識しています。警察にとっての解剖はこの責務を達成するための一つの手段であり、必要な場合に確実に実施するべきものであるところ、引き続き必要な解剖が確実に実施されるよう警察庁を指導してまいりたいと存じます。

#143
○高木かおり君 私自身もこれ、おっしゃっていただいたような死亡時画像診断の普及ですとか、こういった技術も上がってきているということもあると、また、この検視官の見立てですよね、こういった部分も影響されているのではないかと思うんです。
 この検視官は非常に、死体の最初に判断するという意味では死体取扱いの専門家というような形で非常に重要な役割を担っていると思うんです。昨年、警察が取り扱った死体数は約十七万体と聞いています。検視官はやはりこの刑事、警察のスペシャリストとして、犯罪死の見逃しを防止するために現場の臨場など身元の調査や検査に取り組んでいるというふうに大変敬意を表しているんですが、この検視官の数、令和二年で約三百七十名と徐々にこれ増えていっているんですけれども、この検視官の数字、人数ですね、妥当と考えておられるでしょうか、お答えください。

#144
○国務大臣(小此木八郎君) 今おっしゃいましたように、警察においてですが、死体取扱いについての専門的な研修を受けた検視官、この人たちを平成二十一年度以降大幅に増員をしておりまして、その結果、検視官の数は、平成二十年の百六十人から令和二年には三百七十人に増加しています。この検視官の増員等により、検視官の現場への臨場率、この数字が平成二十年の一四%から令和二年には八一%に向上をするなど、犯罪死見逃し防止等の観点から成果があったものと認識しています。
 今後も、関連する研修の充実、検視官の効果的、効率的な運用、検視支援装置等の装備資機材の活用など、犯罪死の見逃し防止のための必要な基盤整備に努めてまいります。

#145
○高木かおり君 一四%から八一%というのはすごい向上率だというふうに思うんですが、この検視官の養成のプログラムについてお聞きをしたいと思います。
 この検視官を育成するプログラム、これやはり、検視官の大変やはり質の、知識の向上ですとか質の、資質の向上というのはすごく重要だと思っているんです。
 数ももちろん増やしていくことは重要ですけれども、中身についても大変重要だと思うんですが、これについて、検視官を育成するプログラムを決めるに当たっては、大学の法医学教室がどこまでこのプログラムを作ることに、編成に対して関与しているのか。これ、警察庁の見解を伺いたいと思います。

#146
○政府参考人(藤本隆史君) お答え申し上げます。
 検視業務におきまして中核的な役割を果たす検視官についてですが、原則として刑事部門において捜査幹部として一定の捜査経験を有する警視あるいは警部から任用するものとされております。その任用に当たりましては、警察大学校において約二か月にわたり専門的な研修を受講しております。
 その研修のカリキュラムですが、例えば法医学教室教授による法医学、解剖学等の講義、ゼミ、あるいは事例研究、また法医学教室や東京都監察医務院での解剖時の研修、また検視官による実務的な講義などであり、日本法医学会からは、専門的な知見のある講師の推薦でございますとかカリキュラムの作成などにつきまして多大な御協力をいただいているところでございます。
 引き続き、検視官に対する研修の充実強化に努めてまいりたいと考えております。

#147
○高木かおり君 これ、なかなか、日本法医学会を通していろいろ御意見を伺っているんだと思うんですけれども、もちろん、この一つ一つの法医学教室に対してどういったことを要望されるかとか聞くのは難しいのかもしれませんけれども、やはり警察サイドが今ほぼプログラムの内容を決めているんだと思うんですね、御意見を伺いながら。もちろん、そこに両者の意見というのもやっぱり必要で、法医学に関する研修プログラムということを考える、法医学サイドが作成するということも今後考えていただくことも必要なんじゃないかなと。もちろん、警察が駄目とかそういう意味ではなく、やはりしっかりと意見を、地域によってもやはりその地域事情というのもありますので、そういったところも検討していただければというふうに思います。
 時間が少なくなってまいりました。最後の質問です。施設整備補助金について伺いたいと思います。
 現在、コロナに特化した補助金というわけではなくて、常時、解剖室の施設整備については国が二分の一負担する補助金がございます。これも前回の三月十七日の予算委員会のときに田村厚労大臣にも伺ったんですが、この解剖室の施設整備補助金の予算額とその執行率、これについて厚労省から説明を端的にしていただきたいと思います。

#148
○大臣政務官(こやり隆史君) 予算額についてお答え申し上げます。
 今、都道府県に対しまして、その施設等の整備について補助事業を行っております。医療施設等施設整備費補助金の内数として必要な額を今、ただいま措置をしておりまして、その補助金の全体の額といたしましては、平成三十年度が二百四億円、令和元年度が五十六億円、令和二年度が七十九・六億円となっているところでございます。
 また、このうち、施設の新築、増改築の経費を補助する死亡時画像診断システム等施設整備事業の執行額につきましては、三十年度が六百九十五万、元年度が三百万と、令和二年度は今のところでゼロ件となっております。

#149
○高木かおり君 これをちょっと今日お聞きしたのは、なかなかこの予算は取っても執行されていないんではないかというところを御指摘したいというふうに思うんです。これ、もう執行されていなかったら制度としては弱く、実効性のある制度にしていかないといけないということです。
 事例を言いますと、ここではある県としておきますけれども、その県には国立大学が施設整備補助金を県を通じて申請したんですけれども、その県は大学の意向を採用することなく補助金の手続を執り行わなかったと、結局この大学は全額大学負担で施設を整備した、その金額は一億を超えているということなんですね。
 このように、施設整備の制度がある、予算はある、補助してもらいたい大学もある、だけど、大学と国との間にある県の意向でこの補助金は使われない。これでは死因究明にストップ掛けていると言われても仕方がないんじゃないかなというふうに思うんですね。
 かつて、死因究明センター構想というのありました。令和三年三月の死因究明等推進計画検討会報告書では、これ言及されていないんですよね。死因究明等推進協議会、これ二〇一四年度から設置されていますけれども、あれから七年経過していますが、これ三十九都道府県にとどまっているということなんです。
 解剖率十数%、少ない解剖医、それから限られた予算、死亡時画像診断の普及、そういった様々、死因究明制度、課題がたくさんまだまだあると思うんです。これ、死因究明制度、冒頭にも私申し上げたんですが、どのような死因であるかを特定する制度ということとともに、その知見を後世の生きている世代に役立てるという意味では大変重要な制度だと思っています。死因究明は、その死者の最後を、尊厳を最後に守るという視点、これ忘れてはならないというふうに思っております。
 今、チャイルド・デス・レビューの調査も始まりました。よく、一人も取りこぼさない、そういった言葉を政府は多用するんですけれども、それ生きている人間だけじゃなくて亡くなった方にも当てはまるというふうに私は思います。
 是非とも、この死因究明制度、これからも充実させていっていただきたいというふうに申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#150
○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。よろしくお願いします。
 まず、官民ファンドについてお聞きをしたいと思いますが、今日は先ほどからこの問題も取り上げて、何人か取り上げておられました。令和元年度末時点のこの官民ファンドの詳しい状況は、先ほど酒井先生からも御紹介がありましたので繰り返し申し上げませんが、お手元に資料をお配りをしているかと思いますけれども、その十三あるファンドの中で、投資実績が極めて低調で、幾つものファンドで多額の累積損失が出ているということでございます。このうち、農水省が所管する農林漁業成長産業化支援機構、まあA―FIVEと言っておりますが、これは赤字が続いて廃止が決まりました。
 官民ファンドへの主な資金源は財務省所管の産業投資資金で、国が持つNTT株やJT株の配当を元手に年一千億から四千億を産業投資に注いできたということですが、その結果がこの累積損失の拡大であります。原資は、今申し上げたように、国民の公的財産であり、大きな損失が発生してA―FIVEのように廃止に追い込まれるということは極めて遺憾なことでございます。
 こういう中、先ほどもありましたが、昨年の十一月に、財政制度等審議会において、財務省から今後の進め方としてこの業績不振の官民ファンドに対する政府の対応方針が示されたところであります。
 これによると、この累積損失の大きい四ファンド、海外需要開拓、いわゆるクールジャパンですね、先ほども取り上げられていました、それから海外交通・都市開発事業支援機構、海外通信・放送・郵便事業支援機構、そして先ほど触れましたA―FIVEについては、新経済・財政再生計画改革工程表に基づいて、令和三年三月期において策定、公表された数値目標、計画と実績との乖離を検証して、乖離が認められる場合には今年の五月までに新型コロナの影響も踏まえた改善目標、計画を策定、公表するということにされました。また、各ファンド及び主務省は、今後とも計画の進捗状況を厳しく検証し、仮にこの改善目標、計画の達成が図られなければ、速やかに組織の在り方も含め抜本的な見直しを行うということにされているということでありますが、その各ファンド、そして主務省の、ちゃんと赤字が出ないようにしっかり、所期の目的が達成できるようにしっかりやっていくのは言うまでもありませんが、先ほど申し上げましたように、これ財務省の責任もかなり大きいわけで、財務省としてもこの監視を強化しようということかと思いますが、そこでまずお聞きをしたいのは、先ほどの政府の対応も示されましたが、現在の取組状況はどうか、財務省にお聞きをしたいと思います。

#151
○政府参考人(窪田修君) お答えいたします。
 御指摘の財政審財投分科会の指摘を受けまして、既に令和元年十二月に御指摘のように早期解散の方針が示されておりますA―FIVEを除くほかの三ファンドにつきましては、本年三月末時点の投資計画の進捗状況等を主務省等において検証することになってございます。その上で、財投分科会においても再び議論を行うなど、必要に応じて財務省においても計画内容やその進捗状況について確認し、適切な対応を取って、促してまいる所存でございます。

#152
○柴田巧君 財務省としてもしっかりこれチェックをしてもらわなきゃならぬと思うんですが。
 お手元の資料にありますように、四つさっき特出しをしている比較的金額の大きいもの以外に、例えば産業革新投資機構は十九億、官民イノベーションプログラムは三十億、あるいは科学技術振興機構は三億、そして地域脱炭素投資促進ファンドは十三億と、決して少なくない額のマイナスになっているわけですね。ところが、さっきの政府の対応方針の中では先ほどの四ファンドしか対象にしていないというのはちょっと理解に苦しむわけですが、この損益を生じさせている他のファンドもやっぱりこれちゃんと対象にしてしっかりチェックをすべきなのではないか、経営状況をチェックすべきじゃないかと思いますが、財務省にお聞きをします。

#153
○政府参考人(窪田修君) 御指摘いただきましたように、数値目標、計画につきましては、令和元年当時、特に累積損失の大きかった四ファンドが対象とされているということで、それ以外のファンドについて対象とされるべきだったとは考えてはおりませんが、ただし、確かに事情が変わることもございますので、現在におきましては、累積損失の有無にかかわらず、官民ファンド全般について、官民ファンド関係閣僚会議等幹事会におきまして今後の累積損益の推移に関するKPIを設定いたしておりまして、有識者の御意見も踏まえつつ定期的な検証が行うこととされているところでございます。

#154
○柴田巧君 本当に、初めちっちゃいと思っても急に大きくなるという、特に新型コロナの中、状況の中であり得る話ですから、しっかりチェックをしていただきたいと思います。
 お手元の資料にもありますように、この令和元年度末で官民ファンド全体の赤字は四百九十六億円に膨れ上がっております。平成三十年度、一つ前の年は三百二十三億だったと思いますから、この一年、あっ、この三十年度から、平成、令和元年度にかけても百数十億上がっているということですけど、そういう意味で、先ほどから触れていますように、原資の多くは我々の、国民の税金でありますから、経営状況をしっかり一層厳しく監視をする必要があると思っています。
 先ほどもちょっとありましたが、各ファンド、主務庁、そして財務省、もうそれぞれのレベルでチェックをするわけですが、この官民ファンドの活用推進に関する関係閣僚会議といったような、政府一体となった、いわゆる横串チェックと言ってもいいのかもしれませんが、そういうものがあるわけですけれども、こうやってどんどんどんどんこの四百九十六まで膨れてくるということは、赤字が、そういった政府一体となったチェックというのは機能していないのではないかと思わざるを得ないのでありますが、やはりこれ、実効性のある政府一体としたチェックにしていく必要があるのではないかと思いますが、官房長官のお考えをお聞きをしたいと思います。

#155
○国務大臣(加藤勝信君) 官民ファンド、もう委員十分御承知のところだと思いますが、十分な民間資金がリスクマネーとして供給されない状況に鑑み、成長戦略、地域活性化、新たな産業の創出などの政策目的を実現するため、また民間投融資を誘発するようリスクマネーを供給するものでありますが、ただ、その原資は国の資金でありますから、それには十分配慮した運用が必要であります。
 こうした観点から、関係閣僚会議では、先ほど委員、ガイドライン等お話がありましたが、官民ファンドの運営に係るガイドラインを改正し、収益性を適切に評価、検証できるよう、累積損益を全ファンドに共通のKPIとしたところであり、また昨年十月の関係閣僚会議幹事会における検証の際には、各ファンドの累積損益に係るKPIの状況を共有し、全ファンドに対して出資の毀損を回避し、効率的、効果的な組織運営を行う方針を確認したところであります。
 また、特に累積損失の大きいファンドについては、先ほど財務省当局といろいろ議論があったところでありますが、今後とも官民ファンドの適切な活用促進に資する観点から、今申し上げたガイドラインを踏まえつつ、関係閣僚会議等において実効性のある検証を行い、必要に応じてまた適切な対応を講じていく、こうした努力を続けていきたいと考えています。

#156
○柴田巧君 先ほども言いましたように、この累積赤字もだんだん膨れ上がってきていますし、この新型コロナの影響で投資状況も、先ほどもありましたが、なかなか思うようにいかないということも出てきますので、更に膨れてくるということ、可能性ありますから、しっかり政府一体となった取組をやっていただきたいと思います。
 私は、ずっとこの決算委員会などで官民ファンドのことを取り扱ってきたというか取り上げてきたんですが、一つの問題意識は、本当に、この官民ファンドって本当は何のためにやるのかなという疑問があるからですね。この官民ファンドの目的は、民間資金は集まりにくいけれども政府が進めたい産業分野のベンチャー投資とも言われていますけれども、成長可能性があればこれは民間ファンドから自然と資金が集まってくるはずで、官民ファンドに持ち込まれるのは、先ほどのクールジャパンではありませんが、いわゆる駄目案件が多いということになりかねないわけですね。しかも、その官民の寄り合い世帯でやるわけですから、この生き馬の目を抜く投資の世界に不向きで、官の判断の遅さが致命傷になりかねないということになるんではないかなと思っています。
 先ほど言いましたように、A―FIVEももう解散ということになりましたが、新型コロナの影響でこれからますますその環境が悪くなる可能性も高い中で、やっぱりこれ統合整理を含めたこの官民ファンドの今後の方向性について、これはっきりさせていく必要があるんではないか。
 つまり、うまくいっていないものについてはやはり出口戦略を明確にしていく必要があるんではないかと思っていまして、政府としてはこれをどういうふうに考えていくか、まあ本当に似通ったものもかなりあるし、役所の第二の財布みたいなものもあるし、それが天下り先になったり、失敗しても誰も結局責任を取らず、国民の税金で穴埋めをせざるを得ないというのが官民ファンドだとしたら、こういうもののこの在り方というのを根本的にやっぱり見直すところに来ているんではないかと思いますが、官房長官のお考えをお聞きをしたいと思います。

#157
○国務大臣(加藤勝信君) 今、例えば新型コロナウイルス感染症の影響もありますけれども、各監督官庁及びファンドにおいては、そうした影響をよく把握して、適時適切な対応が当然必要であります。
 また、複数の官民ファンドは、この新型コロナウイルス感染症の影響を受けた企業等の回復、成長に向けた取組の支援を行うなど、そういったまさにコロナ禍の中で経済底支えのために重要な役割を担っているという側面もあるわけであります。ただ、そこは、先ほど申し上げた、官民ファンドの原資は国の資金でありますから、毀損することのないよう運用することは当然重要であります。
 累積損失の大きいファンドについては、各ファンド及び主務省において累積損失解消のための目標、計画を策定し、定期的に検証を行う。その検証の結果、仮に改善が見られない場合には、事業や組織の抜本的見直しも含め、業務運営の徹底した見直しを行うといった方針で取り組んでいるところでありまして、その例として例えばA―FIVEの話もあるわけであります。
 政府としては、官民ファンドは成長戦略等の政策目標の実現のために有効な手段であると考えており、引き続き官民ファンドの累積損益を含めた運営状況の検証を行いつつ、また、財務の健全性を確保しつつ、官民ファンドの効率的、効果的な活用の促進を図っていきたいと考えております。

#158
○柴田巧君 A―FIVEが解散になる、そしてまた累積の赤字も膨れ上がってきている、こういうことを踏まえて、しっかり政府全体としてもチェック機能を働かせていただいて、また赤字ができた、解散した、国民負担になったということにならないようにしっかりやっていただきたいと思います。
 官房長官におかれてはこれで結構でございますので、委員長、お取り計らいのほどお願いをいたします。

#159
○委員長(野村哲郎君) 官房長官、御退席いただいて結構でございます。

#160
○柴田巧君 じゃ、続いて大学ファンドについてお聞きをしたいと思いますけれども、日本の大学は資金力が乏しくて、若手研究者に十分な給与やポストを提供することが困難な状況にあるという中にあります。したがって、近年、博士課程への進学率の減少や、高度な論文というか、引用がされる論文などの国際的なシェア、順位の低下などが見られるようになりました。このように、我が国の研究力の低下が指摘をされていますが、一刻も早くこの研究力の向上に向け取組を進める必要があるのは言うまでもありません。
 特に、この科学技術立国日本にとって研究力の低迷というのは致命的なことになるわけでありますので、しっかり取組をしなきゃなりませんが、世界のトップ大学というのは、ハーバードにしてもエールにしても、巨額な基金を保有して、その運用益によって優れた研究開発や人材育成への投資をやっているわけですが、この日本においても十兆円の大学ファンドをつくってそういったことをしていこうということに今なってきているわけですが、研究資金を拡充していくことには賛成ですが、このスキーム、やり方は本当に大丈夫なのかなと心配もするところもあるわけでございます。
 詳しいこれ仕組み等々は内閣府のところでこれから決めていくということでありますが、まず、この大学ファンドは十兆円規模が先ほどからも言っていますように予定されていますが、これまでのところ令和二年度三次補正で五千億、そして令和三年度で財政投融資計画で四兆円、合わせて四・五兆円計上されていますが、残りの五・五兆円はいつまでにどのような形で調達をするのか、またこのファンドの運用開始時期や大学への運用益配分開始時期など全体のスケジュールについてどういうふうになっているのか、併せて科学技術担当大臣にお聞きをしたいと思います。

#161
○国務大臣(井上信治君) 御指摘の大学ファンドの原資につきましては、昨年十二月に閣議決定された国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策において、当面、財政融資資金を含む国の資金を活用するとしております。
 大学改革の制度設計などを踏まえつつ、関係省庁と協力し、来年度の概算要求なども視野に入れて、大学ファンドの規模を早期に十兆円規模にすることを実現してまいりたいと思います。
 大学ファンドの運用については、CSTIの下に三月二十四日に設置された大学ファンド資金運用ワーキンググループにおいて、運用の基本的な考え方などについて検討することとしています。これを踏まえ、CSTIとして方針を示し、今年度中の運用開始を目指すことにしています。
 また、大学ファンドの運用益による大学への支援については、CSTIの下に別途三月十六日に設置された世界と伍する研究大学専門調査会での検討を踏まえ、必要な制度改革を行った後、来年度を目途に参画大学を指定する予定、その後、運用状況などを勘案し、令和五年度以降速やかに支援を開始できるよう努めてまいります。

#162
○柴田巧君 この大学ファンドは官民ファンドとまた異なるところがあるんですが、いずれにしても、国民の税金を使っていくことは、公的負担をすることは間違いないわけで、そんな中で、今マイナス金利で国債などの金融商品の利回りも低い中でどうやって本当に利益を上げていけるのか心配をするところですが、このJSTが運用していくということになるわけですが、このJSTではいかにその専門人材を確保するのか、運用の目利き力をどう持っていくのか、今のところそういうことは、今まではそういうことをしていないわけですから、ここら辺はどういうふうにしていくつもりなのか、これは文科省にお聞きをしたいと思います。

#163
○政府参考人(塩崎正晴君) お答えいたします。
 大学ファンドの運用につきましては、資金運用を安全かつ効率的に行うことが重要でございます。このため、JST法におきましては、文部科学大臣が定める資産運用の構成の目標、それから資金調達等に関する基本指針に基づきまして、JSTが資金運用の基本方針を作成し、文部科学大臣の認可を求めるということ、また、JSTに文部科学大臣の承認の上で運用業務担当理事を置くとともに、文部科学大臣が任命した外部有識者による運用・監視委員会を設置することによりまして、必要な管理運用体制を整備することとされているところでございます。
 特に、今述べました運用業務担当理事及び運用・監視委員につきましては、同法におきまして、経済、金融、資産運用、経営管理などの資金運用業務に関連する分野に関する学識経験又は実務経験があることが……

#164
○委員長(野村哲郎君) 時間が参っておりますので、簡潔にお願いいたします。

#165
○政府参考人(塩崎正晴君) 必要とされてございます。
 こうした専門性を有する人材の具体的人選につきましては、関係府省とも連携をしまして、また、経済、金融の専門家の協力も得て、幅広く知見を集めながら対応しているところでございます。

#166
○柴田巧君 これでもう質問終わりますが、しっかり基準を作って、責任の明確化にして国民負担が生じないようにしっかりやっていただきたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。

#167
○伊藤孝恵君 コロナの変異株の子供への感染が心配です。今までは全体の一割に満たなかったその割合、十代、十代未満の陽性者は倍増しております。また、感染力四倍との数字にも不安が高まっております。午前中の衆議院では尾身会長が学校閉鎖に言及をされました。
 山本副大臣に三点伺いたいと思います。
 高齢者施設のみならず、学校や保育施設での検査の強化、教員、保育士、また学童スタッフ等へのワクチンの優先接種、そして十五歳以下へのワクチン接種の備え、検討すべき時期に来ているかと思いますけれども、いかがでしょうか。

#168
○副大臣(山本博司君) ありがとうございます。
 この新型コロナワクチンの接種順位に関しましてですけれども、重症者や死亡者を減らすことを主な目的にしている次第でございます。その接種順位につきましては、重症化リスク、また医療提供体制の確保等を踏まえまして、まずは医療従事者、次に六十五歳以上の高齢者、その次に基礎疾患を有する者という順で順次接種できるようにすることを政府の分科会での議論を経て決定した次第でございます。
 委員御指摘の子供につきましては、現在、国内で接種が進められているファイザー社の新型コロナワクチンは十六歳以上の者を接種対象としているところでございます。また、委員御指摘がございました十六歳以上の学生、教員、保育士等につきましては、今、先ほどお話ししましたとおり、重症化リスクが高い、あるいは医療提供体制の確保には必要といった観点には該当しないということから、優先接種の対象としてはしていない状況がございます。
 ただ、優先接種の対象とならない方々に対しましても、ワクチンの供給量、また地域の実情等を踏まえて順次接種できるようにしておりますので、引き続き、こうした考え方につきまして丁寧に説明するとともに、接種が円滑に進むように全力で取り組んでまいりたいと思います。

#169
○伊藤孝恵君 しかしながら、変異株の全貌が分かってきたわけですね。それが以前とは違う。その子供というところに注目していかなきゃいけないというところが分かっている。そういった部分をもって先手の御検討をお願いいたしたいと思いますし、委員長、副大臣におかれては御退席いただいて結構でございます。

#170
○委員長(野村哲郎君) 副大臣、御退席いただいて結構です。

#171
○伊藤孝恵君 資料一を御覧ください。
 政府のシステム投資についてまとめてみました。報道ベースだけでも総額二百五十七億六千万円の投資がなされております。
 昨年三月九日の予算委員会で、当時の竹本IT担当大臣は、閣議決定したデジタル・ガバメント実行計画において、全ての政府情報について一層適切なプロジェクト管理が実施されるよう、政府CIOの下で、予算要求前から予算執行までを始めとした年間を通じた一元的なプロジェクト管理を実施することとしていると答弁されておりましたが、平井大臣、この資料の一番下にあるシステム、経産省のシステムですけれども、こちらが指摘するまでIT室把握していなかったんですよ。これ、管理できていませんね、大臣。

#172
○国務大臣(平井卓也君) 御指摘なのはこのTeCOTということですね。システムに関しては最初から把握していたわけではございません。

#173
○伊藤孝恵君 では、竹本大臣の一層適切なプロジェクト管理、予算要求前からというところは、では今は違う体制ということになるんでしょうか。
 官房長官、資料二を御覧ください。
 海外観戦客向けオリパラアプリ、七十三・二億円の内訳です。海外観戦客は来ないことになりましたので、サポートセンター十六・六億円など、不要な予算を先週いっぱいで加藤官房長官の下決めると平井大臣が四月十三日の記者会見でおっしゃっておりました。ちなみに、三月二十三日の会見でも全く同じことをおっしゃっておりました。受入れ断念の発表からもう一か月です。どうなりましたか。

#174
○国務大臣(加藤勝信君) 統合型入国者健康情報等管理システムについてでありますが、オリパラの開催を契機にシステムの開発を開始し、必ずしもオリパラ向けに用途を限定せず、広く日本への入国者を対象として、入国に係る様々な手続を一つのシステムで一体的管理をするところであります。
 今般、オリパラにおいて海外から観客の受入れが行わなくなったことに伴い、査証申請、観客の入場に係る部分など不要となる機能の削減を図るべく、委託先との契約変更について調整を始めているところであります。また、仕様や契約の見直しと並行して、オリパラ向けに六月中にシステムを稼働させるべく準備も進めているところであります。
 その上で、オリパラ後については、新型コロナウイルスの変異株をめぐる情勢等々を踏まえて必要に応じ見直しを図りながら、広く日本への入国者全体に向けてのシステムとして活用すべく円滑な移行を図っていきたいと。
 こうした考え方に沿って、一つ一つの事例について見直しを行わせていただいておりまして、例えば選手等大会関係者がIOC又はIPCから発行されるPVC、プレバリッドカード保持者として原則として査証の取得は不要であるため、査証申請に係る機能については今後の開発、運用を停止する方針であります。
 また、海外からの観客の入場時における顔認証に係る機能についても、海外からの観客受入れを行わないことに伴って今後の開発、運用を停止することとしております。
 これらに限らず、海外からの無観客を前提にシステム上必要な機能を確保し、利用者の利便性を図りつつも、不要となる機能については削減すべく、既に委託先との間で契約変更についての調整を始めているところであります。
 こうした、それぞれの今調整をまさに進めさせていただいているところでありまして、引き続き、予算の削減について、内閣官房IT室において契約変更についての調整、これを具体的に詰めております。

#175
○伊藤孝恵君 そのIT室が、加藤官房長官が決めて、その指示に従って削減をするとおっしゃっているんですね。まだ、一か月たちましたが、まだどこを削減するか、そういったところが決まっていないという御答弁でした。
 そして、こういうアプリにする、つまり水際対策アプリのようなイメージでお話をされていましたけれども、周知の事実ですけど、水際はトラベルパスやコモンパスが既に先行しております。日本のエアライン各社にも確認しましたが、今後この二つが主流になるだろうというふうにおっしゃっておりました。現実的には、諸外国で今やっておりますように、国内のライブとかレストランとかで、入口で検温する感じでスマホの陰性確認ができたり、ワクチン接種履歴を確認できたりするデジタル証明書ないしデジタル通行手形、そういったものの検討をしていただきたいというふうに思います。
 平井大臣、資料三、御覧ください。
 オリパラアプリは、五社のコンソーシアムに三十社もの再委託先、再々委託先が鈴なりに連なっておりました。これ、当初より更に増えたと聞きました。なぜでしょうか。既に機能の見直し、業者との話合いを進めているというような官房長官の御答弁ありましたけれども、それらによってということでしょうか。

#176
○国務大臣(平井卓也君) 統合型入国者健康情報等管理システムに係る調達については、一月二十五日付けで二十九事業者、三月十二日付けで八事業者について、業務の一部を再委託等を行うことについて承認しており、本日現在、三十七事業者に対して再委託等をされているものと承知しております。
 これは、受注者であるコンソーシアムより、短期間に集中的に開発を行うためには開発等の実績、経験を有するエンジニア等の必要なリソースを迅速、柔軟に確保する必要があるとして、一部の業務を再委託したい旨の申請があったことから、その必要性等について確認をした上で承認を行ったものと承知しております。

#177
○伊藤孝恵君 そのコンソーシアムについてもお伺いしたいと思います。
 資料四を御覧ください。
 このアプリの入札公示は御用納めの十二月二十八日に行われまして、資料提出期限は一月八日でした。今年の仕事始めは一月四日でしたから、実質、予令で定める入札公示は最短で五日の成立が微妙で、これ法令違反の疑いがあると指摘する識者もおります。
 平井大臣、これ、事前説明会は実施されたんでしょうか。競争入札というのであれば、当然、事前説明会と、そこで公示日程が示されるのが慣例かと思いますけれども、いかがでしょうか。

#178
○国務大臣(平井卓也君) 事前説明会はやっていないですけれども、見積りは取っていたということだと考えます。
 年末年始の、これ、私、衆議院の委員会でも答えました。確かに異例中の異例の発注の期間ではあるんですが、法令、法律的には問題ないということを確認した上でそのようにさせていただいたということですが、何せ開発期間が非常に短いという意味で、先ほど、オリンピック関係のアプリについて、私の方で、竹本大臣との答弁との整合性についてお話しになりましたが、全てがやっぱりその各省庁において異例の発注になったがために、予算要求の段階から我々の方で管理するということができなかったというふうに私は理解しております。

#179
○伊藤孝恵君 異例であるから説明ができないという答弁はまかりなりません。
 結局、これ応札したのは五社から成るコンソーシアム一団体でした。私も会社員でしたから思うんですけれども、この大規模なコンソーシアムをこの僅かな期間で構築できるものなのか。社内稟議よく通ったなというふうに思いますし、出来レースでなければなかなかごり押しできないスケジュールかというふうに思います。
 同じくワクチン接種管理システムの委託先についても河野大臣に伺いたいというふうに思います。
 私は、このベンチャー企業というのが国のシステムを受注することについては賛成の立場です。むしろ、今までベンダーからの出向者を受け入れ、つじつまを合わせてきただけの霞が関のIT人材や、固定社が高単価のおいしい受注を繰り返す、こういったベンダーロックインに疑義があります。政府のIT予算の七五%が運営費などという状態は、今、クラウド・バイ・デフォルトを掲げている政府の方針と乖離しているというふうに思います。
 二〇〇一年にIT基本法を施行したところで、各省庁の横串機能、横串連携もせず、地方自治体がばらばらに調達しているシステムとの連携も考えず、民間の知見、インターフェースにも学ばず、二十年たってもなおこういったCOCOAやオリパラアプリのような調達を続けていることにも怒っています。でも、だからこそ、随意契約でベンチャー企業を選んだのであれば、その理由を述べ、結果を出していただかなければなりません。そうでなければ、そら見たことかとなってしまいますので。
 資料五を御覧ください。
 システムを受注したミラボのこれ登記です。ミラボが国と契約したのは二月十七日ですけれども、その月の初めには、社屋を移転し、資本金及び発行済株式を三倍にし、取締役も同姓の方も含めて二名増やしております。この時点で契約は内定していたということなんでしょうか。

#180
○政府参考人(彦谷直克君) お答えいたします。
 御指摘のような事実はございません。

#181
○伊藤孝恵君 大臣、いかがでしょうか。

#182
○国務大臣(河野太郎君) 答弁のとおりです。

#183
○伊藤孝恵君 では、誰の紹介で、どうやってアポイントを取って、どういう成り立ちでこの方たちが選ばれたのかというところ、ある記事によれば、河野大臣が一月二十五日にマイナンバー連携のシステム構築を発表し、その報道を見た複数社から事業提案があった。その間、二月一日にミラボは規模を大幅拡大し、二月十七日には随意契約をした。随意契約ですから、国際調達基準にのっとらなくても、システム調達に係る関係法令にのっとらなくてもいいから法令違反ではないというような、そういった答弁を、コメントをされたというふうに報道で拝見しました。
 ミラボに担っていただくのは国の基幹システムですから、何せ今回、国民の住基台帳データ、予防接種データを吸い上げてワクチン接種の状況まで把握します。再委託先は二社ありますが、システム検証と負荷検証、脆弱性検証のみ、つまり、この短納期の億単位案件に対して二十名程度の会社で全て内製、高度かつ膨大な究極の個人情報というのを取り扱うということです。
 三月五日に自治体向けに出されたシステム導入に向けた協力依頼文書では、自治体はミラボを監督する立場になるとあり、自治体からしたら、何で望んでもいないマイナンバーひも付けをして、我々を混乱させた上に自分たちがその社の監督者なんだと。それはそういう声も出てきます。当然、この社の信頼性が自治体にとっても関心事となり、私のところにも問合せがありました。
 資料六、東京商工リサーチの資料、御覧ください。
 私も前職で発注仕事もしておりましたので、民間では当たり前なんですけれども、初めて取引する場合には、こういったこの東京商工リサーチ、帝国データバンク、過去実績や取引先情報、経営者のプロフィール含め、契約可否審査を手順を踏んでいたします。
 ミラボに関しては、帝国データバンクには会社情報がございませんでした。東京商工リサーチもYという評価。評価の読み方も資料に記しておきましたけれども、説明責任を伴う評価であるということは間違いありません。
 現に、国のAからDランクに分かれた全省庁入札統一資格に当てはめてみるとミラボはC、下から二番目でして、入札できる役務の提供等の予定価格というのは三百万円以上千五百万円未満に限られます。随意契約でなければ三・八億円のシステムの契約はできません。また、二〇一三年創業ですけれども、業績は二〇二〇年の一年分しか確認できておりません。
 いま一度、随意契約になった経緯、御説明ください。

#184
○国務大臣(河野太郎君) 非常に短期間でシステムを開発をしていただかなければなりませんし、この会社は、これまで予防接種に関するシステムの開発、あるいはマイナンバーのようなセキュリティーの必要とされるシステムの開発実績がありました。ほかのところとも比較をした上で、ここが最適という判断でここが選ばれたわけでございます。

#185
○伊藤孝恵君 私もスタートアップとかベンチャーに政府調達をする門戸は絶対に開いておくべきだというふうに思います。
 しかし、それと責任を、説明を聞いて国民が納得するか、それを求めるかというのは別だと思いまして、ミラボに関しては、例えば参加資格拡大の基準である日本版SBIR制度利用による資格、INCJの投資先による資格及びJ―Startup選定による資格なども、私の確認範囲では確認をすることができませんでした。
 これ、ミラボのためでもありますし、日本のデジタル化のためにも、これ透明性の確保、必ず意識していただきたいというふうに思うんですね。
 いま一度御答弁お願いします。

#186
○国務大臣(河野太郎君) 特に付け加えることはございません。

#187
○伊藤孝恵君 短期間で開発をするというのは、バグは付き物だというふうに思います。私、バグは悪いわけ、悪いものではなくて、必ず起きるものだと思っています。
 バグを早期に発見して、それをシューティングする、そういった体制を組むこと、そういうデジタル社会の常識を踏まえた発注、そしてモニタリングの体制をしくことのみならず、入札スケジュールや開発費、運用費、落札者や再委託構造の検証、使用者や使用率、投資対効果に対する責任、説明をする責任が政府にはあるというふうに思います。
 委員長、国会法第百五条に基づき、コロナ禍のシステム投資が適切に行われているか、会計検査院の検査を要請いたします。よろしくお取り計らいをお願い申し上げます。

#188
○委員長(野村哲郎君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。

#189
○伊藤孝恵君 さて、コロナ禍の給付における各種の事務費についても疑義がございます。
 例えば、今回、低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金、予算額は二千百七十五億円です。執行日が分からない予算を予備費だからと国会に承認させるなんというのもめちゃくちゃですけれども、更に不可解なのは、二百八十億円にも上る事務費です。これ、児扶手の口座に振り込むだけなんだから、何でこんなに事務費が掛かるのか、積算根拠を示してほしいというふうに聞いたところ、詳細はなく、広報啓発費を含んでいるのだというふうに説明をされました。
 これ、官房長官に伺いたいんですけれども、持続化給付金の再委託事務費の中抜き問題というのもありました。事務費の透明性の確保、事務費の透明性の確保というのは必要になってくるんだというふうに思いますが、いかがですか。

#190
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、ちょっと急なお尋ねなので、一般論でということでありますけれども、当然、我々、予算執行に当たっては透明性を確保して、国民の皆さんに説明する、これは当然のことだというふうに思いますが、ただ、もちろん、相手方があったり、それは様々な制約条件があるんだろうと思いますが、その中の下でできる限りの説明に努める、これは当然じゃないかというふうに思います。

#191
○伊藤孝恵君 政府は、令和二年度、百八十五億円の政府広報費を計上しております。さらに、予備費で五十億円を積み増しております。必要な人に必要な情報を届ける予算は必要だというふうに思いますが、この各給付の事務費と銘打たれているところに広報費が計上されているのであれば、この政府広報費との整合性、積算根拠や具体使途、特定企業との癒着の疑義などが持たれないようにすることというのは必要だと思います。
 再び、委員長、国会法百五条に基づき、コロナ禍の給付事務費の適正使用について、会計検査院の検査を要請いたします。よろしくお取り計らいをお願い申し上げます。

#192
○委員長(野村哲郎君) ただいまの件につきましても、後刻理事会で検討いたします。

#193
○伊藤孝恵君 委員長、官房長官におかれましては、御退席いただいて結構でございます。

#194
○委員長(野村哲郎君) 官房長官、退席されて結構でございます。

#195
○伊藤孝恵君 さて、資料七を御覧ください。
 こういったシステム投資、事COCOAをこんな残念なアプリにしてしまったのは、アップルやグーグルの指針に従ってやむを得ず所管を内閣官房から厚労省に移し、その際、モニタリングできる担当者も一緒に異動させなかったからだ、つまり霞が関の組織や人材の融通の利かなさも一因としてあったのではないかと直言する記事になります。
 しかし、内閣官房も厚労省もほかの省庁も、もういっぱいいっぱいなんですという資料八を御覧ください。
 これ、質問主意書の答弁によって明らかにしていただいた各府省庁の超過勤務の実態です。一枚目は、最も長かった職員、内閣官房と経産省は月三百時間を超えています。二枚目は、八十時間超え百時間までの過労死ライン超え、三か月で延べ六千五百三十二人。三枚目は、百時間超えの職員の数の比較、延べ二千九百九十九人。これ、民間企業であれば、どんな理由があろうとこれ労働基準法違反がほぼ全ての省庁に見られる。そして、それは若手や中堅に偏っている中の今回の定年延長、これ大変危惧をしております。
 河野大臣に伺います。
 行政の縦割り打破というのであれば、この勤務時間の現状、業務量把握した上で、人員配置の偏りも政府全体で是正していく、そういった取組も必要になるというふうに思いますが、いかがでしょうか。

#196
○国務大臣(河野太郎君) 定員は措置するところにしっかり措置をしたいと思っておりますけれども、今のままで定員を増やしても、やりがいのない仕事をやらされる人が増えるだけでは意味がないと思います。
 そういう意味で、まずはこの業務の見直し、効率化、あるいはマネジメントをしっかりと改革をする、そういうことをやった上でのこの定員の措置というのが必要なんだろうと思っております。

#197
○伊藤孝恵君 資料九の一、二を御覧ください。
 今ちまたで言われている国会対応業務による深夜残業について、人事院の資料ではそれを認めておりません。特例業務の内容として国会対応業務が六・八%にとどまっているのは本当なのかという気持ちにもなりますけれども、大臣も言及されているとおり、今後、もちろんこういったブラック霞が関の改善をしていく上では立法府との議論も必要になってまいります。そのためにも、これ提案なんですけど、大臣、国会対応のタイムスタディーやりませんか。
 例えば、トヨタ自動車は、カイゼンを行う際にはまず測ります。作業をビデオで撮影して、どの順番でどの作業をするのか、何に何秒掛かっているかを分析して、無理、無駄、むらを明らかにする。その上で改善プランを考える。当然、民間の力を借りなければいけませんので、予算も必要になります。
 ここまでしても、なお立法府とのコンフリクトというのはあるかもしれませんが、これは日本の頭脳、そして政策立法機関、機能を守る、ひいては国民生活を守るというための御検討なんです。御検討いただけませんか。

#198
○国務大臣(河野太郎君) 国会関係の業務、負担の大きいものの一つでございます。これまでも議員の皆様にはオンラインレクなどで御協力をいただいているところでございますので、立法府の御理解もいただきながらしっかり対応してまいりたいと思います。

#199
○伊藤孝恵君 質問はいたしませんが、定員管理にとらわれず、年度途中でも緊急対応が続く場合には柔軟に府省庁間で応援を派遣できるようにしたり、また、毎年度、各省の定員要求審査では府省の枠を超える大胆な定員の再配置はなされない、その偏りは是正できないと思います。一度、各省、人員配置をゼロベースで考える必要があるのではないかというふうに思います。
 今後、今年八月までには全府省で出勤、出退勤時間をカードリーダーにより客観的に把握をするとのことなので、在庁時間と超過勤務命令との突合をし、間違っても予算キャップとの関係で残業代が帳消しにされることのないようチェックしてください。行政コストの見える化の観点から把握と公表、必ず必要だと思います。
 終わります。

#200
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 加藤官房長官、イランカラプテって分かりますか。アイヌという、今日、アイヌのことを聞こうと思うんですけど、アイヌという言葉の意味が御存じかどうか、最初にお聞きします。

#201
○国務大臣(加藤勝信君) まず、アイヌという言葉でありますけれども、人間という意味でありまして、カムイという言葉はよく使われますが、それに対比するものとして使われているものと承知をしております。
 また、イランカラプテということでありますけれども、これ一般的にこんにちはを意味する言葉であるというふうに思っておりますが、イはそれ、ランは心、カラプは触れる、テはさせるということ、それを総称してこんにちはという意味で使われているというふうに承知しています。

#202
○紙智子君 アイヌって人間ということで、アイヌモシリというと人間の大地ということなんですよね。
 それで、官房長官はアイヌ政策の責任者ということもありますので、是非、アイヌの方とお会いするときにはちょっと知っておいてもらって、口に出してもらうといいかなということもあり、お聞きをいたしました。
 そこで、アイヌ語の問題で、このアイヌ語をどう継承するかというのが一つ課題になっております。
 文化庁にお聞きするんですけれども、ユネスコはアイヌ語を消滅の危機にある言語に位置付けていますけれども、その定義を教えてください。

#203
○政府参考人(出倉功一君) お答えいたします。
 平成二十一年にユネスコから発表されました世界消滅危機言語地図におきまして消滅の危機にあるとされた言語については、平成十五年にユネスコ消滅危機言語に関する専門家グループが発表した危険度判定の尺度であります言語の体力測定による評価結果を踏まえ、ユネスコにおいて総合的に消滅危機の度合いを判断し、消滅の危機にある言語との認定が下されたものがこの世界消滅危機言語地図に掲載されているものと承知をしております。
 アイヌ語はここで消滅の危機にある言語と定義され、その危機の度合いは、話す最も若い世代が祖父母以上の世代で、極めて限られた場面でまれに話すのみに相当する、極めて深刻という評価に該当するとされております。

#204
○紙智子君 官房長官は、今ちょっと説明ありましたけれども、アイヌ語は消滅の危機にある言語だと、こういう御認識でおられるでしょうか。

#205
○国務大臣(加藤勝信君) アイヌの歴史、あるいは、例えばアイヌ協会という言葉、今アイヌ協会ですけれども、いっときはアイヌという言葉を使えずにウタリ協会という、そうした本当に厳しい状況の中で、そのアイヌの皆さん方が自分たちの文化あるいは伝統というものを一生懸命継承されてきたと。逆に言えば、それだけの努力を払っていかなければなかなか継承できない、そういう状況にあるというふうに認識をしております。

#206
○紙智子君 北海道が二〇一七年に実施した北海道アイヌ生活実態調査によりますと、アイヌ語を語れる方は五、六人という話です。
 それで、アイヌ語で生活する、母語、母の言葉と書いて母語、母語の話者、話す人、話者は何人おられるでしょうか。つかんでおられますか。

#207
○政府参考人(出倉功一君) お答えいたします。
 この母語の意味するところは様々でありますけれども、一般的な定義で示されている、母語を幼児期に最初に習得される言語とした場合、政府としてこれまでそうした調査は実施しておらず、このアイヌ語を母語とするアイヌの人々がいるかについては把握はしてございません。
 なお、先生からもお話がありましたが、このアイヌ語の話者の人数につきましては、北海道庁が実施したこの二〇一七年度の北海道アイヌ生活実態調査によれば、アイヌ語についてどの程度できますかとの設問に対し、アイヌ語の会話ができると回答した方は、この調査対象六百七十一人のうち五人、約〇・七%というふうになってございます。
 これらのことも踏まえまして、令和元年九月六日に閣議決定されましたアイヌ施策の総合的かつ効果的な推進を図るための基本的な方針におきまして、このアイヌ語が存続の危機にあると位置付けられたものと認識をしてございます。

#208
○紙智子君 アイヌの方に聞いても、やっぱり母語の話者というのは数名程度しかいないんじゃないかと、非常に危機感を持っておられます。
 それで、現在、アドバイザー事業などでアイヌ語を広げる取組が行われています。アイヌ語を学校教育に取り入れている学校数、またアドバイザーの人数について教えていただきたいと思います。

#209
○政府参考人(出倉功一君) お答えいたします。
 文化庁では、アイヌ施策の総合的かつ効果的な推進を図るための基本的な方針に基づいて、存続の危機にあるアイヌ語の復興に向けた取組を進めているところでございまして、具体的には、市町村等への支援を通じた伝統的なアイヌ語に触れて学習できる環境を整備するアイヌ語アーカイブ、これの作成や、公益財団法人アイヌ民族文化財団を通じたアイヌ語の指導者や話者の育成につながるアイヌ語教育事業、それからラジオ講座や弁論大会など一般を対象にいたしましたアイヌ語普及事業や、民族共生象徴空間におけますアイヌ語体験プログラムの実施等に取り組んでいるところでございます。
 また、先生からも御指摘のありました、アイヌ文化等に関する専門知識や経験を有する方二百八十六名をアイヌ文化活動アドバイザーとして財団から委嘱をいたしまして、アイヌ文化の保存、振興を図っている団体や学校等からの要請に基づき派遣し、指導及び助言を行うアドバイザー派遣を実施しているところでございます。令和二年度は百九十八団体ですが、このうち学校関係で百五十件に対して延べ四百十名の方をアドバイザーとして派遣をしてございます。

#210
○紙智子君 アイヌ語の教育基盤整備事業を始めたということも聞いているんですけれども、これについてちょっと説明をしてください。

#211
○政府参考人(出倉功一君) 先生今御指摘のありました事業でございますが、今年度、令和三年度から、先ほど申しました財団におきまして新たに五百二十八万円を計上いたしまして、アイヌ語の効果的、効率的な教育方法とか学習法の確立を目指すアイヌ語教育基盤整備事業、これに取り組むことにしてございまして、文化庁としても支援をしておるところでございます。
 これらの取組の支援を通じまして、アイヌ語話者の育成、これをしっかり進めてまいりたいというふうに考えてございます。

#212
○紙智子君 今、実際に検討会をしてやってきているということなんですけれども、非常に急がれていると思います。予算は今五百万程度ということなんですけれども。
 それで、官房長官にお聞きするんですが、例えば英語なんかの場合も、学校教育で学んだとしても日常生活の中ですぐ生かせるかというと、そう簡単ではないのが実態だと思うんですね。アイヌの方は、このアイヌ語を日常会話で身に付けるために、話者の家に住み込んで一緒に生活して身に付けようということで、そうやってアイヌ語を伝承しようということで、継承しようということで努力をされているんですよね。こういう取組にもやっぱり支援が必要じゃないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

#213
○国務大臣(加藤勝信君) ちょっと一つ一つの具体的な話を必ずしも承知しているわけではありませんけれども、国としては、アイヌ政策推進交付金をつくらさせていただいて、令和三年度予算では二十億円を確保し、文化振興事業、地域・産業振興事業、コミュニティー活動支援事業と、こういった施策を、これは市町村が計画を国に申請し、国が認定し、認定を受けた計画に基づき事業に対して交付金を交付する、こういったことを実施をさせていただいているところであります。

#214
○紙智子君 ちょっと今全体の話だったんですけど、かなり具体的で、やっぱり住み込んでやるんだけど、身に付ける人がいなくなってしまうからやっぱりつなごうということでの努力なので、こういうところにちゃんとピンポイントでというか、そういう計画を作って、そういう支援も踏み込んでやる必要あるんじゃないのかなというふうに思うんですよ。
 テレビで今、例えば英語だとか韓国語だとか、テレビで語学の講座なんかがやられていますけれども、アイヌの場合はまだそういうこともやられていないわけなんですけど、やっぱり消滅の危機にあるということであるわけですから、そういう危機感を持って、更にちょっと踏み込んで考えていただく必要があるんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

#215
○国務大臣(加藤勝信君) 御指摘の趣旨、まずアイヌ施策推進法、これにのっとりながら、国が基本方針を作り、また市町村においてアイヌ政策推進地域計画を作成していただく、こういうスキームになっているわけでありまして、また、それを推進するための予算として、先ほど申し上げたアイヌ政策推進交付金と、こういったものも予算措置をさせていただいております。
 そうした、まさに市町村、そしてアイヌの皆さん方、さらに私どももいろいろお話を聞かせていただきながら、一つ一つ、まさにこの推進法の趣旨に沿って、アイヌの皆さん方が民族としての誇りあるいは自発的意思の尊重、こういった趣旨にのっとって対応していきたいというふうに思います。

#216
○紙智子君 ちょっと踏み込んでいただきたいなというのはあります。
 それで、引き続き官房長官にお聞きしますけれども、アイヌ新法ができて二年たちました。それで、新法ができてからアイヌ推進会議というのはやられているんでしょうか。

#217
○国務大臣(加藤勝信君) アイヌ政策推進会議は、アイヌの人々の意見を踏まえつつ、総合的かつ効果的なアイヌ施策を推進するためのものであり、会議での議論を踏まえ、アイヌ政策推進法の制定、ウポポイの開業など、アイヌの人々に寄り添いながらアイヌ政策をこれまで着実に進めてきたところであります。
 前回は平成三十年十二月に開催したところであり、アイヌ政策推進法施行、これは令和元年五月でありますから、については、昨年七月に委員である北海道アイヌ協会の幹部の方からできるだけ早期に開催してほしいとの御要望を受け、その後、昨年中から開催に向けて会議の資料の準備や日程調整を進め、年明け早々の開催を予定していたところでありますが、御承知のように、コロナに関する緊急事態宣言、また四月からはまん延防止等重点措置が適用されたところから、これまで開催を見合わせているところでありますけれども、こうしたコロナ禍ではありますが、適切な時期に、場合によっては方法、方法も考えながら開催していきたいというふうに考えております。

#218
○紙智子君 コロナが感染が広がってきたのが去年の二月からですから、だから、確かにコロナということはあるんだけれども、しかし、やっぱり必要な会議というのはいろんな対策を取りながらやっている部署もありますから、是非早くやっていただきたいということがあります。北海道でアイヌ協会や自治体などを回って話を聞きますと、なぜ会議を開催しないんだろうかと、アイヌ政策を軽視しているんじゃないかという、そういう不信の声も出てくるんですね。ですから、是非そこは早く行っていただきたいというふうに思います。
 今年は、アイヌ新法ができて二年ということですけれども、五年の計画のちょうど間に入るわけです。それで、やっぱりやって、実際の前進面や課題などを明らかにすることが必要だというふうに思います。
 そこで、アイヌ新法の施行状況、今後の課題なども質問したいと思います。
 アイヌ新法に基づく自治体の計画は、北海道でいうと三十自治体、三重県で一つというふうに聞いています。アイヌ協会があるのに計画を作成していない自治体がなぜあるのかということをお聞きします。

#219
○政府参考人(岡本直之君) お答えいたします。
 アイヌ施策の推進法におきましては、市町村が作成するアイヌ施策推進地域計画につきまして内閣総理大臣が認定を行った場合に、市町村に対して交付金を交付することができることとされております。
 同法の基本方針、これは閣議決定したものでございますけれども、この計画の作成に当たりまして、まず、アイヌ施策の推進に資する事業を行おうとする者が市町村に対しまして計画を作成することを提案することができる、次に、市町村が計画を作成する際にはアイヌの人々の要望等を反映するよう努めることとされております。
 政府としましては、推進法が施行された令和元年五月以降、北海道内の全市町村を対象とした説明会を、これは六月でございますけれども、開催しております。また、北海道内の総合振興局、振興局単位でも説明会を開催しまして、交付金制度について説明するとともに、市町村からの個別の御相談に対応してきたところでございます。
 その結果、令和元年度は十四の市町村、先ほど先生からお話ありましたけれども、令和二年度は新たに十七の市町村が加わりまして、計三十一の市町村が計画を策定して交付金事業を実施しているところであります。市町村と地元のアイヌの人々との調整が整った市町村から順次計画の策定が行われてきているものと考えております。
 しかし、引き続き、政府としましては、交付金制度に関する説明会を各地で開催するとともに、市町村からの個別の御相談に対しましても丁寧に対応し、アイヌ施策に対して意欲のある市町村において計画策定が適切に進められるよう積極的に支援してまいりたいと考えております。

#220
○紙智子君 引き続き、調整整ったところ、相談にも乗るしということではあると思うんですけど、関東アイヌなど、首都圏ではどういうふうになっているでしょうか。

#221
○政府参考人(岡本直之君) お答えを申し上げます。
 先ほど北海道の話をしましたけれども、これは全国の自治体経由で、こういう法律が通って交付金もございますよという話もしてございます。したがいまして、先ほど申し上げたようなスキームでこれはしっかりと周知をしてまいりたいと思っております。
 北海道の方々はもちろん近しいところにおられるわけですけれども、これは全国の問題でもありますので、しっかり積極的に説明をするとともに、支援をしてまいりたいというふうに考えております。

#222
○紙智子君 北海道自治体でアイヌの人がいるところというのは意識してやるんですけど、関東の場合って、埼玉にいたり東京にいたりって、いるんだけど、計画を作るという場合に自治体単位ということになるとどうやってやるのかなというのはあるんですけど、これどう考えていますか。

#223
○政府参考人(岡本直之君) お答え申し上げます。
 なかなかストレートに、何というんでしょう、接触するとかいうこともなかなか難しいかもしれませんけれども、この関東にもアイヌの協会もございますし、先ほど申し上げましたように、市町村にも一応お願いはしてあります。ただ、これも十分だとは思っておりませんで、コロナのせいにしてはいけませんけれども、しっかりと新しい年度もそういう説明会を工夫していくということにしておりますので、その中で先生御指摘の点につきましても、しっかりそういうニーズが把握できるように、我々としては一生懸命頑張っていきたいと思います。

#224
○紙智子君 やっぱり聞き取りをするなど、説明会という話もありましたけど、やっぱりちゃんと把握をしていく、そして必要な対策をやっていくということが必要だと思うんですね。
 それで、交付金事業は国と自治体の事業なので、これ北海道庁が必ずしも全部把握しているわけではないわけなんです。それで、アイヌ協会があるのに計画を作成していない自治体がどうなっているのかというのをやっぱりアイヌ協会にも聞くし、そういうことを北海道とも協力をしながら把握すべきだというふうに思います。情報を共有していくということが必要だと思います。
 それから、課題もありまして、各地のアイヌ協会の方に聞くと、自治体と一緒に五年計画やスケジュールを決めて計画が認められたのに、実際に進める段階になると予算が削られたという話がありました。それで、文化伝承を行う上で、施設面でも人材でも計画どおり進まないという意見なんですけれども、結構そこは昔からやっているところなので、そういうところでもやろうと思ったら削られるという事態があるのかと思ってびっくりしたんですけど、これなぜこんなことになっているのかなと。お分かりでしょうか。

#225
○政府参考人(岡本直之君) お答えを申し上げます。
 いろいろな例はあると思いますけれども、例えば一つ浦幌町の例なんかを挙げますと、これアイヌの方々が利用される生活館の改修ということで要望が出てきております。それで、一応要件といいますか大きさなんかも見ますので、そういったものも見まして、これ自治体の方で、先ほど言いましたように、町でアイヌ施策の推進地域計画を策定していただくと。その上で、交付金を活用した事業を実施するために、町におきまして地元の意見も聞いていただき地域計画を策定するということで、手続は必要になってくると思います。
 その過程で、先生がおっしゃられているような例というのは、これコミュニケーションで、我々も説明会とかアドバイス、あるいは手助けの方が十分に行っていないという点もあると思いますけれども、なかなかその市町村と協会あるいは地元の方々の意見の調整が進んでいないというところもありますので、それを先ほど申し上げましたような我々の課題として受け止めて、しっかり、こういう小さなニーズと要望がしっかり計画策定につながってこの交付金が有効に活用されるように、我々としては一生懸命頑張っていきたいというふうに考えております。

#226
○紙智子君 今の浦幌の話はこれから聞こうと思っていた話で、先にちょっと言われちゃったんですけど。
 要するに、最初に言ったところは新ひだか。ずっと自治体回って、自治体の首長さんなんかも一生懸命取り組んでいるんですけど、実際にやる段になったら削られてしまって、これだったらせっかく五か年計画作ったのに達成できないじゃないかというのがありますので、これはちゃんと調整してほしいということが一つです。
 それから、今の、十勝管内にある浦幌のラポロアイヌネイションというところがあって、ここはやっぱり祭事ですね、祭事を行えるように、生活館がもう古くなっていて狭いし、改修をして活動拠点を整備したいというふうに要望したんだけれども、町にですね、そうしたら、年間千人以上集まらないとそれは対応できないということを言って、断られてしまったと。千人というのは聞いたことないなと思って、一体何を基準にしているんだろうかというふうに思ったわけですけど。
 こういうところも、せっかく若手の人を、あと後継者をつくろうということで頑張っておられて、それで、いろんなこと、祭事をやったりするときにいろんな道具使いますから、ちゃんと保存できるとか、そういうことも含めて改修をしたいという計画なんですけど、いろいろやっぱり理屈を言って認めてもらえなかったということがあって。
 やっぱり人口で何人以上じゃなきゃいけないということになると、そもそもアイヌってコタンでやってきたわけですから、人がそんなにいないわけですよ。自治体だってそんなに人が多いわけではないわけですから、そういうところでそういう基準作っちゃうと、ちょっと難しくなってしまうわけですよね。その辺のところはもっと実情に合わせて柔軟に対応できるようにしていただけないかということなんですけれども、いかがですか。

#227
○政府参考人(岡本直之君) お答え申し上げます。先ほどは失礼いたしました。
 人数の条件のような話でございますけれども、生活館の改修について申し上げれば、先生おっしゃられるように、小さなものの改修のようなもので人数制限を千人とか課しているということはございませんで、実際、実例もまた御説明しますけれども、幾つか、事業費で七百万とか六百万とかでも、こういう事業でも、本当に古く、大事に使っていただいているものを改修する際にそのような人数の、大きな人数の利用制限とか、そういったことを設定しているものではございません。そういう意味では、地域の実情に応じて、それぞれの生活館等の使用状況も踏まえまして柔軟に対応するように我々としては整理しているところでございます。
 今後とも、自治体等、地域からこの計画や交付金に関する相談があれば、実情に応じて丁寧に対応してまいりたいと考えております。

#228
○紙智子君 是非丁寧に対応していただきたいと思います。
 それと、千歳に行ったんですけど、千歳のアイヌは、ここは市の担当者を決めたんですね。窓口ができたということで、随分意見交換しながら進んできていて、例えば丸木舟を造る計画になったりとか、サケの採捕を量を増やしてもらったとか、そういうふうに今進みつつはあるんですけれども、ところが、出ていた話は、アイヌ協会の運営に関わって事業を進めるための運営費、例えば言葉の講習会をやるので、講師を呼んできて受け入れて、それにも全部参加して対応するのに、若手のアイヌの方にそこを担当してもらって、一緒にいるとそれだけですごい勉強になりますので、身に付いていくので、そういう形で人も育てていこうという趣旨でやっているんだけれども、そうすると、そういう講師に対する宿泊だとか、いろんなところをめぐっても足りなくなってしまうというのがあって、やっぱり人材確保という面からも見ると、全然その事務費だけでは足りないという話が出ていて、こういうことというのはもっと工夫できないものなのかなと。
 これは、計画の立て方とか調整の仕方ということで、そういうことというのは工夫できないものなんでしょうか。

#229
○政府参考人(岡本直之君) お答えいたします。
 御指摘の人の経費、人件費的なものでございますけれども、これは交付金の事業の中身としてそれを見るということはできるものと考えております。
 直接、人件費的な運営経費をこの交付金で措置するということは困難であるというふうに整理はしていますけれども、先ほど申し上げましたような手続で、自治体から計画出てきまして、アイヌの方々のお話を聞いて、この事業が認定されるという中で、事業の中でそういう講師の派遣でありますとか、やはり後継者を育てる、人を育てるということもこの交付金の大きな目的の一つでございますので、そういったものはしっかりと見れるような内容になっておりますので。
 いずれにしましても、個別の内容の相談に我々、制約条件ありますけれども、一生懸命応えていくということになっておりますので、その中でまた御相談いただければ丁寧に対応してまいりたいというふうに考えております。

#230
○紙智子君 幾つか実情をお話をしたんですけれども、是非実態をつかんで前に向かうようにお願いしたいと思います。
 さて、ウポポイは予定よりもちょっと遅れて昨年の七月に開業されました。これ、入館者は何人になっているでしょうか。

#231
○政府参考人(岡本直之君) お答え申し上げます。
 昨年の七月十二日に開業いたしまして、いろいろな制約下ではございましたけれども、開業日から四月十八日までの間で約二十二万九千人の方々に御来場いただいております。
 中身を見ますと、最初の七月開業以降は人数制限を行う中でも堅調に増加しておりました。昨年十月にはピーク時で一日平均約二千人の方に御来場いただきました。しかし、十一月以降は、このコロナウイルスの感染拡大や緊急事態宣言の期間と重なって、一月には一日平均来場者数は約二百人まで減少したということもございます。その後、若干増加傾向に転じたんですが、三月の土日には来場者が千人を超える日もございましたけれども、今のような状況で、これはまた少し減ってきているような状況になっております。
 なお、このような状況下におきましても、多数の教育旅行関係者や、修学旅行等でございますが、に御来場いただいておりまして、令和二年度は約五万二千人の児童生徒さんなどが御来場され、また、令和三年度でありますけれども、既に約七万八千人分の予約が入っているところでございます。

#232
○紙智子君 新型コロナの下で、目標には届かなかったけれども、二十二万九千人ということが言われました。
 それで、ウポポイの象徴的空間の構想には、ウポポイをこの歴史や文化を伝えていく、振興を図っていくナショナルセンターということでの、道内各地と連携して振興や文化伝承を広げるネットワークという位置付けがあったというふうに思うんですけれども、その位置付けが見えないという声があるんですね。これはどうなっているでしょうか。

#233
○政府参考人(岡本直之君) お答え申し上げます。
 施策推進法に基づく基本方針、閣議決定で、先生がおっしゃられるネットワーク化に取り組んでいくんだということが明記されております。このことを踏まえまして、ウポポイと各地域の連携を進めるということで、例えば、申し上げますと、このウポポイのアイヌ民族博物館と二風谷のアイヌ文化博物館など、他の博物館との間での展示物の相互貸出しを実施していく、また、ウポポイとアイヌ文化伝承活動が盛んな地域、例えば登別と平取を結ぶバスの運行、あるいは、道内各地のアイヌ古式舞踊保存会がウポポイにおきまして古式舞踊を披露することによる各地域の特色ある文化の発信などを、これは実施済みであるか実施予定であるか、そういうことで、そういった取組を実施していくことにしております。
 引き続き、状況を見ながら、ウポポイとアイヌ文化伝承活動等が盛んな各地域とのネットワーク化というものを進めてまいりたいと考えております。

#234
○紙智子君 白老とか平取とか阿寒とか、それぞれ言葉も違うし文化もちょっと違うし、いろいろ違いもあるし魅力もあるということなので、是非機能を強化して、バージョンアップできるようにお願いしたいと思います。
 さて、次に、木材、サケの問題でお聞きします。
 文化伝承に使う木材についてなんですけれども、アイヌ施策の基本方針では、国有林野における共用林野の活用について特例を定めるとしています。特例について説明をしてください。

#235
○政府参考人(織田央君) お答え申し上げます。
 農山村の生活に必要な自家用のまき等の林産物の採取を認める共用林野制度、これ従来からあった制度でございますけれども、これにつきまして、令和元年のアイヌ新法施行によりまして、アイヌ文化の振興等に利用する林産物の採取のための共用林野、いわゆるアイヌ共用林野の設定が可能になったというところでございます。
 令和二年度末までに、北海道の七つの市町で国有林野の林産物の活用を盛り込んだアイヌ施策推進地域計画が策定され、このうち新ひだか町とは令和二年七月にアイヌ共用林野の契約を締結し、国有林野千六十九ヘクタールからアイヌの祭具であるイナウの材料となる柳の枝を毎年六百本採取できることとなったところでございまして、今年度におきましてもアイヌ文化の振興を目的とした共用林野が設定されるよう、関係市町村、地元アイヌ協会などと連携して取り組んでまいる考えでございます。

#236
○紙智子君 ほかにも自治体でやりたいというところがあったら、それは広げるということですよね。はい、うなずいていましたので。
 それで、もう一つ、アイヌにはニレ科のオヒョウという木があって、オヒョウの樹皮から糸を作ってアットゥシという着物を作る伝統があります。しかし、このオヒョウというのは、林野庁に聞きますと、これは無償提供じゃないんだと、買ってもらうという話を聞きました。そんなにたくさんの本数をやるだけの人いないんですよね、実際上は。
 で、やっぱり国有林ですから、国が木材を販売して、樹皮はアイヌに提供するなど、そういう柔軟な支援が必要ではないんでしょうかね。いかがでしょう。

#237
○政府参考人(織田央君) お答えいたします。
 国有林野につきましては、国民共有の国有財産でございますので、その処分や使用等につきましては、共用林野の使用も含めて原則有償というのが基本的な考え方でございます。
 そのような中で、共用林野制度におきましては、しば、枝、つる類など、採取する林産物の価値が低位であり、かつ、契約相手方が山火事防止等の保護活動を行っていただく場合に限り、免除を含めた使用料の減免の措置を講じているところでございまして、これはアイヌ新法に基づく共用林野も、それ以外の共用林野も同様でございます。
 御指摘のございましたオヒョウニレの樹皮を採取いたしますと、そのことで樹木そのものも枯死してしまいます。一定の市場価値を有するオヒョウニレの財産的価値を失うことになりますので、これを無償とすることはなかなか難しいところでございます。
 林野庁といたしましては、引き続き、アイヌ文化振興に向け、地域と連携をして、このアイヌ新法における共用林野制度の適切かつ効果的な運用を図ってまいる考えでございます。

#238
○紙智子君 木を一本買って、買って文化伝承に使うというのはちょっと無理があるんじゃないかなというふうに思います。ちょっと引き続きこれは検討していただきたいと思います。
 それから、サケについてもお聞きします。
 これ、新法を受けて、サケの採捕も柔軟に対応する必要があるんじゃないかということなんですけれども、これはどうでしょうか。

#239
○政府参考人(藤田仁司君) お答えをいたします。
 まず、内水面におきましては、サケの採捕につきましては、溯河性魚類ということで、川を上って川で卵を産むと、こういうサケの資源の保護培養のために、水産資源保護法によりまして原則として禁止をされているということでございます。
 その例外といたしまして、都道府県が定める漁業調整規則に基づきまして、知事の許可を受けた場合にはサケを採捕できるということになってございます。
 このアイヌ新法におきましては、市町村が策定いたしましたアイヌ施策推進地域計画に内水面サケ採捕事業に関する事項が記載され、当該事業実施のために必要となる許可が求められた場合には、都道府県知事は、当該事業が円滑に実施されるように適切な配慮をするということでは規定されてございます。
 なお、北海道では、これまでもアイヌの方々に対しまして漁業調整規則に基づく知事の許可を行ってきたところでございますけれども、アイヌ新法を受けまして、アイヌの方々からの要望をお聞きし、当該許可に係る手続の運用を改善をいたしたところでございます。
 具体的には、従来、一年間という形で許可をいたしておりましたけれども、計画と同じ期間である五年間まで延長できるということにするとともに、採捕に従事する方のこのリスト、これを事前の提出を不要とするといった、こういった特例措置を講じているというところでございます。

#240
○紙智子君 つまり、毎年毎年誰がやるかというのを出さなきゃいけなかったやつを、それを自治体が出せば、その中に含めて五年間でいいということと、一々名前を言わなくても大丈夫ということにしたということですよね。
 新法を受けて前進したというのは歓迎すべきことだというように思いますけれども、しかし、やっぱりあくまで文化伝承という範囲にとどまっていて、アイヌの人たちの要求は、なりわいとして、元々明治政府が禁止する前は自由に捕っていたわけですから、それをもうあっちこっちに追いやって捕れなくしてしまったという経緯があって、許可ということに対する抵抗が非常にあるという中では、私は、やっぱり世界の少数民族宣言を受けて、オーストラリアだとかニュージーランドを始めとして各国で取り組まれている施策の情報や知見を集めて、今後もちゃんと生かしていくということで努力を続けていただきたいというふうに思います。
 それについて、ちょっと官房長官にも一言お聞きしたいと思います。

#241
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員から共有林野について、あるいは内水面のサケの採捕についてお話がありました。
 政府側から説明したように、それぞれ、共有林野については国有財産の基本的な考え方、内水面のサケを許可なく採捕することについては資源の保護培養の観点からなかなか難しい点はあるというふうに認識をしておりますが、政府一体となってアイヌ新法に基づく各般の振興策、こういったことを積極的に取り組んでいきたいというふうに考えています。

#242
○紙智子君 是非、先住民族の権利を国連少数民族宣言に沿って具体化を進めるように求めておきたいと思います。
 最後になりますけれども、日本テレビの報道で、アイヌ民族を傷つける報道が三月にありました。経過をちょっと簡潔に述べてほしいのと、ちょっと時間の関係もあるので、三月十六日にアイヌ協会から官房長官にしっかり対応してほしいという要望があって、要請があって、官房長官としては再発防止を検討しているというふうに伝えたと聞いていますけれども、ちょっと経過について簡単に述べてほしいのと、その後、官房長官としてはどういう検討をしているのかということを述べていただきたいと思います。

#243
○政府参考人(藤野克君) お答えいたします。
 この番組が放送されたのは三月十二日でございます。この日のうちに、日本テレビから総務省の方には報告がございました。
 日本テレビにおきましては、この三月十二日中に北海道アイヌ協会におわびの連絡をいたしました。それから、同じ日の夕方の全国放送ニュース番組、それから、この番組があった、その次の回が三月十五日だったんですけれども、その三月十五日の番組で謝罪を行っております。そして、同社のホームページでも謝罪文を掲載してございます。三月十八日には日本テレビの会長、それから同月二十二日には社長、それぞれこの本事案発生後の最初の会見に謝罪したというふうに承知してございます。そして、三十一日には北海道アイヌ協会の方に、この本事案の原因、それから再発防止策等の説明を行った、そういうふうに承知してございます。

#244
○国務大臣(加藤勝信君) まず、御指摘の番組による表現、これはアイヌの人々を傷つける極めて不適切なものであり、誠に遺憾だと思いますし、放送当日、私ども、担当部署を通じて当該放送局には厳重に抗議をしたところであります。
 また、放送の翌週、今、三月十六日ありましたけれども、北海道アイヌ協会の理事長始め幹部の方々が直接官邸の方においでいただきまして、再発防止に向けて政府としてしっかり対応していただきたいという強い要請がありました。
 私から、今後、報道関係者を含め、アイヌの歴史や文化をきちんと発信していただくことが重要であり、アイヌ協会の皆さんの御意見も伺いながら、内閣官房を中心に、総務省、法務省も参加した形で、今後このような事案を発生させないための対策についてしっかりと検討するよう指示をし、この間、三月十八日、十九日、四月七日と、三回開催をしているところでありますが、できるだけ早期に対策を取りまとめていきたいというふうに考えております。

#245
○紙智子君 今、その再発防止に取り組んでいるということではあります。
 それで、私は、やっぱりアイヌ新法ができたのに何でこういうことが出てくるのかということなんです。
 それで、やっぱり正しくどういうアイヌの歴史があったのかということが知られていないと、分かっていないということが背景にはあるんだと思うんですけれども、やはり根本的には、明治政府の同化政策とか遺骨を盗掘するとか、そういう日本政府が今まで行ってきたことに対してきちんと謝罪がされていないということがあると思います。ウポポイの展示の内容なんかについても、明治政府が行った中身については非常に軽く触れられているだけで、そういう実態というか事実については非常に軽く扱われているという意見も出されています。
 そして、やっぱり問題は、国民にも理解をしてもらわなきゃいけないけれども、閣僚の間で相次いでやっぱり問題発言が繰り返されてきたんですね。古くは、日本民族は単一民族だというような発言がありましたけど、直近でも、二〇二〇年のときに、これ麻生さんでしたかね、二千年の長きにわたって日本は一つの民族、一つの王朝が続いている国なんだというようなことを言ったりとか、その都度やっぱり問題になっていて、それが繰り返されているというところが非常に問題でありまして、そういうことがやっぱり繰り返されないように閣僚の間でもしっかりとした意思統一をやっていただきたいということを最後にお願いしたいと思いますけれども、一言どうでしょうか。

#246
○委員長(野村哲郎君) 時間が来ておりますので、手短にお願いいたします。

#247
○国務大臣(加藤勝信君) 政府部内においても、アイヌ政策推進法の趣旨、アイヌの歴史、文化について理解を深めていく必要があるというふうに考えております。
 昨年七月、北海道の白老町にウポポイが開業され、アイヌの歴史、文化を学ぶ格好の場であります。私自身は残念ながら、訪問を予定しておりましたけれども、新型コロナの関係で延期をしておりますけれども、できるだけ早くウポポイを訪問したいと思いますし、また、他の閣僚、政府関係者においても、ウポポイを訪問するなど、こうしたアイヌの歴史、文化等に対する理解、これを深めていきたいと考えております。

#248
○紙智子君 終わります。ありがとうございました。

#249
○委員長(野村哲郎君) 他に御発言もないようですから、皇室費、内閣、内閣府本府、警察庁、消費者庁及び沖縄振興開発金融公庫の決算についての審査はこの程度といたします。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#250
○委員長(野村哲郎君) 速記を起こしてください。
    ─────────────

#251
○委員長(野村哲郎君) 国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のうち、国会法第百五条の規定に基づく本委員会からの会計検査の要請に対する結果報告に関する件を議題といたします。
 会計検査院から説明を聴取いたします。森田会計検査院長。

#252
○会計検査院長(森田祐司君) 会計検査院は、国会法第百五条の規定に基づき令和元年六月十日付けで参議院議長から会計検査及びその結果の報告の要請がありました「高速道路に係る料金、債務の返済等の状況」につきまして、国土交通省等を対象に検査を行い、会計検査院法第三十条の三の規定に基づき令和三年四月九日にその結果の報告書を提出いたしました。その報告書の概要を御説明いたします。
 検査しましたところ、高速道路に係る料金設定については、公正妥当主義について高速道路料金の推移を見たところ、その上昇率は電気料金を除く他の公共料金等と比べて低い割合となっていたり、高速道路に係る債務の返済状況については、本四道路に係る出資金について機構解散時までに返済方法を検討することとされているが、機構が出資積立金として積み立てるためには一定の期間が必要になることとなっていたり、全国路線網に係る出資金等について出資積立金の積立時期の見直しを行っていなかったりなどしていました。
 検査の結果を踏まえた会計検査院の所見といたしましては、引き続き、公正妥当主義等に基づく検証を必要に応じて行うとともに、適時適切に料金制度及び料金割引の見直しを行うこと、本四道路に係る出資金の返済方法について、計画的に検討を行い、その結果を債務返済計画に反映すること、全国路線網に係る出資金等について、出資積立金の積立時期の見直しを行い、将来の支払利息の低減を図るよう検討することなどの点に留意するなどして、高速道路事業等を適切に実施する必要があると考えております。
 会計検査院としては、今後とも、高速道路に係る料金、債務の返済等の状況について、引き続き検査していくこととしております。
 これをもって報告書の概要の説明を終わります。

#253
○委員長(野村哲郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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