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2021/04/23 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 本会議 第18号 令和3年4月23日
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2021/04/23 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 本会議 第18号 令和3年4月23日

#1
令和三年四月二十三日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第十八号
  令和三年四月二十三日
   午前十時開議
 第一 自然公園法の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、少年法等の一部を改正する法律案(趣旨説
  明)
 一、日程第一
 一、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する
  法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)
     ─────・─────

#2
○議長(山東昭子君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 少年法等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。上川陽子法務大臣。
   〔国務大臣上川陽子君登壇、拍手〕

#4
○国務大臣(上川陽子君) 少年法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 近年の法律改正により、公職選挙法の定める選挙権年齢は満二十年以上から満十八年以上に改められ、また、民法の定める成年年齢も二十歳から十八歳に引き下げられることとなり、十八歳及び十九歳の者は、社会において、責任ある主体として積極的な役割を果たすことが期待される立場となりました。
 刑事司法における取扱いにおいては、十八歳及び十九歳の者は、成長途上にあり、可塑性を有する存在である一方、このような社会情勢の変化を踏まえますと、これらの者については、少年法の適用において、その立場に応じた取扱いをすることが適当であると考えられます。
 そこで、この法律案は、少年法を改正して、十八歳以上の少年の特例等を定めるとともに、関係法令を、法律を改正することにより、所要の措置を講ずるものであります。
 この法律案の要点を申し上げます。
 第一は、十八歳以上の少年の保護事件について、家庭裁判所が原則として検察官に送致しなければならない事件に、死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪の事件であって、犯行時十八歳以上の少年に係るものを加えることとするものであります。
 第二は、十八歳以上の少年の保護事件について、虞犯をその対象から除外するとともに、家庭裁判所による保護処分は、犯情の軽重を考慮して相当な限度を超えない範囲内においてしなければならないこととするものであります。
 第三は、十八歳以上の少年について、検察官送致の決定がされた後の刑事事件の特例に関する少年法の規定は、原則として適用しないこととするものであります。
 第四は、十八歳以上の少年のとき犯した罪により公訴を提起された場合には、略式手続による場合を除き、記事等の掲載の禁止に関する少年法の規定を適用しないこととするものであります。
 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の趣旨であります。(拍手)
    ─────────────

#5
○議長(山東昭子君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。磯崎仁彦さん。
   〔磯崎仁彦君登壇、拍手〕

#6
○磯崎仁彦君 自由民主党の磯崎仁彦です。
 自由民主党・国民の声を代表し、ただいま議題となりました少年法等の一部を改正する法律案について質問いたします。
 質問に先立ち、昨日の気候変動サミットにおいて、菅総理が、二〇三〇年度の温室効果ガス削減目標を、二〇五〇年カーボンニュートラルと整合的で野心的な目標として、従来の二〇一三年度比二六%から四六%に引き上げ、さらに、五〇%の高みに向け挑戦を続けていくと表明されたことを高く評価することを申し上げ、質問に移りたいと思います。
 来年から民法の成年年齢が十八歳に引き下げられます。選挙で投票できる年齢は十八歳に引き下げられ、既に実施されています。
 今回の少年法改正はこれらの改正が契機となって検討されたものですが、少年法については、これまでも凶悪な少年事件が発生するたびに、また、少年事件を引き起こした少年が、犯罪を犯すなら未成年のうちにといった供述をするのを聞き、未成年ゆえになぜ保護されるべきなのかと、少年法改正の声が高まったことが何度となくありました。
 再犯防止は国の最重要課題の一つです。今回の少年法改正を検討するに当たり、法制審議会においては、非行少年を含む犯罪者に対する処遇を一層充実させるための刑事の実体法及び手続法の整備の在り方が検討されたと聞きます。
 総理は、再犯防止という大きな枠組みの中で少年法はどう位置付けられるとお考えなのか、お伺いをいたします。
 少年法を考える場合においては、どういった立場に立つか、また、どういった視点を重視するかで内容は大きく異なります。
 民法上の成年となれば、監護権などの親権が適用されなくなります。一人前なのだから全部自分で決めなさい、自らの行動を抑える能力もあるのだから自分の行ったことに責任を取りなさいと考えることができます。
 他方、法はそれぞれの立法趣旨や立法目的があり、民法の成年年齢がそのまま少年法の少年年齢の引下げにつながるわけではないとの考え方もあります。また、被害者や被害者家族の感情や、処罰、謝罪、贖罪をしてほしいという思いを考えるべきとの声も強くあります。
 二十歳未満の者は可塑性を有し、更生や再犯防止のための教育的処遇が有効であることから、その者の健全な成長発達、非行のある少年の立ち直りや育ち直りを図ることが少年法の目的であることに鑑み、十八歳、十九歳の者への扱いを、二十歳以上の者、十七歳以下の者とのそれとどうバランスを取れたものとするかが重要です。
 総理は、民法の成年年齢引下げを踏まえ、国民の中には様々な立場、考えの人がいる中、今日の少年法はどうあるべきとお考えでしょうか、御所見をお伺いいたします。
 次に、特定少年に関して伺います。
 本改正では、少年は二十歳に満たない者としており、現行と変えていません。その上で、十八歳及び十九歳の者を特定少年とし、それ以外の少年と異なる措置としています。
 二十歳未満による事件では、これまでどおり、捜査の結果、犯罪の嫌疑があるときは、事件は家庭裁判所に送致されます。ただし、特定少年は、死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役、禁錮に当たる罪の事件、つまり強制性交等や強盗などが原則逆送の対象に加えられます。ただ、原則逆送の対象となる強盗罪について見れば、同罪は窃盗と暴行の併合罪に近い類型であることから、犯情の幅が極めて広いという特徴があります。
 今回の改正前から、原則逆送に当たる事件であっても、家裁の調査で事情を考慮し、刑事処分以外の措置が相当か否かが判断されます。改正後も、特定少年で原則逆送の対象に加えられた罪の事件でも、これまで同様、家裁で調査が行われた上で判断がなされることとなります。
 そこで、犯情が広い強盗犯についても、家裁での調査を踏まえた判断が適切に機能するように、どのような運用がなされるべきとお考えでしょうか、法務大臣の御見解を伺います。
 少年法では、交友関係に問題があるなど、犯罪につながるおそれもある虞犯は家庭裁判所に送致されますが、今回の改正法では、特定少年は虞犯の対象外です。民法等で自らの判断により社会生活活動を行うことができるにもかかわらず、犯罪に着手していない特定少年を虞犯とすることは人権的にどうなのかという見方からすれば、虞犯の外に置くべきとなります。
 一方、十八歳や十九歳は民法上の成年ですから、契約などができることに目を付けて、詐欺組織へと誘われるなどの懸念もあります。また、厳しい生活環境から犯罪に手を染めかねない十八歳、十九歳の者が、児童相談所に一時保護を求めたとしても、児童福祉法では十八歳未満を対象としています。
 児童福祉法などの関連する法令との連携により、法のはざまを塞いで一枚岩の行政支援体制を構築する、あるいは、未成年にはふさわしくない仕事をする者やインターネットに潜む闇をうろつく者に救いの手を差し伸べるNPOとの協力を強化することなど、少年法の枠の外でも特定少年が犯罪に手を染めてしまうことを未然に防ぐ対応を強化する必要があるのではないでしょうか。法務大臣の御見解をお伺いします。
 少年による犯罪では、不定期刑、そして二十歳以上の者との収容や懲役、禁錮の執行の分離、資格制限の緩和など、幾つかの特例があります。しかし、今回の改正案では、特定少年に係る事件が検察官に送致された後は、刑事事件に関するこれらの特例を原則として適用しないこととしています。
 このうち、資格制限の緩和については、刑事処分に付された特定少年の社会復帰を妨げるものになるのではないかと懸念する声があります。資格制限の在り方については、引き続き、今回の改正がもたらす特定少年の更生状況や犯罪行為の推移、あるいは世論などをしっかりと検討した上で、早急に結論を得るべきではないでしょうか。さらに、資格制限が適用されたとしても更生の道が断たれないように、職業訓練や制限解除後の資格取得に向けた教育支援など、行政的な後押しを抜本的に強化することも必要ではないでしょうか。総理のお考えを伺います。
 少年法六十一条は、「当該事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならない。」という、いわゆる実名報道を禁ずる条文があります。しかし、少年の実名が報道されないから非行に走るという意見、さらに、幾つかの少年事件では少年の実名や顔写真が報道されることがあり、そのたびに少年法六十一条はどうあるべきかとの議論がなされてきました。
 今回の法改正では、十八歳及び十九歳の者、すなわち特定少年が犯した罪により公訴を提起された場合には、略式手続による場合を除き、記事等の掲載の禁止に関する少年法の規定が適用されません。この推知報道の制限の解除は、社会復帰の可能性あるいは表現の自由、知る権利とのバランスなど、様々な角度からどのような議論を踏まえた上で設けられたのでしょうか。
 また、刑事裁判において家裁への移送が決定されたときには家裁手続に戻りますが、それにもかかわらず、既に報道されてしまっているという事態に陥ります。この場合、特定少年の権利とのバランス、さらに、インターネット上に個人情報がいつまでも残りかねないことも考慮し、対応を考えるべきではないかと思いますが、法務大臣の御所見をお伺いいたします。
 最後に、保護司について伺います。
 本年三月に開催をされた国連犯罪防止刑事司法会議、京都コングレスにおいても、保護司に代表される我が国の更生保護制度の意義が世界に紹介され、高く評価されました。しかし、犯罪を犯した人や非行のある少年の立ち直りを地域で支えている保護司の数は減少傾向にあり、保護司法で定められた定数を下回る状況が続いています。高齢化の進展も顕著です。
 少年法の最も大切な理念である更生を担っておられる保護司として身を粉にして取り組んでおられる方々への思い、さらに、保護司をめぐる体制の強化についての御所見を総理にお伺いして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

#7
○内閣総理大臣(菅義偉君) 磯崎仁彦議員にお答えをいたします。
 少年法の位置付けについてお尋ねがありました。
 犯罪を取り扱う刑事司法制度には、罪を犯した者の再犯防止とともに、被害者や社会の応報感情に応え、犯罪を抑止する役割も求められます。少年法は、このような刑事司法制度の枠内で、少年の健全育成を図るものであると考えます。
 少年法の在り方についてお尋ねがありました。
 少年法の在り方については、少年の保護、教育とともに、被害者を含む国民の理解、信頼の観点を考慮することが不可欠であります。
 特に、十八歳及び十九歳の者については、民法の成年年齢の引下げなどの社会情勢の変化がある一方、成長途上にあり、可塑性を有する存在であることも踏まえ、少年法においてもその立場に応じた取扱いをすることが適当であると考えています。
 十八歳及び十九歳の者に係る資格制限についてお尋ねがありました。
 十八歳及び十九歳の者を含む若年者の再犯防止、社会復帰を図る上で、就労の促進は重要であると考えています。政府としては、資格制限の在り方について、就労の対象となる業務の性質や実情等を踏まえつつ検討を進めてまいります。また、矯正施設における職業訓練や学習機会の付与、出所者等への就労支援や学習支援などについても一層の充実に努めてまいります。
 保護司についてお尋ねがありました。
 保護司の方々には、社会奉仕の精神をもって非行少年等の孤独、孤立などに向き合い、立ち直りと再犯防止に御尽力をいただいております。
 安全、安心な社会になくてはならない、この世界に誇るべき保護司という存在を未来につなげていくために、その活動支援の充実強化や環境整備による負担軽減に取り組む比較的若い方など、幅広い層からの適任者確保に努めてまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣上川陽子君登壇、拍手〕

#8
○国務大臣(上川陽子君) 磯崎仁彦議員にお答え申し上げます。
 まず、十八歳以上の少年の原則逆送事件の運用の在り方についてお尋ねがありました。
 本法律案では、十八歳以上の少年に係る原則逆送事件についても、現行法と同様、例外となるただし書を設けることとしています。
 現行法の下、家庭裁判所は、原則逆送事件が基本的に重大な事件であり、丁寧な調査が必要な場合が多いとの認識の下、十分な調査をし尽くした上で、逆送決定をするか否かを慎重に判断しているものと承知しています。
 そのため、御指摘の強盗罪を含め、新たに原則逆送の対象となる事件についても、処分決定機関である家庭裁判所の運用において十分な調査を尽くし、犯情の軽重を含む様々な事情を考慮した上で、適切な処分の判断が行われるものと考えています。
 次に、十八歳以上の少年の犯罪防止対策についてお尋ねがありました。
 本法律案では、十八歳以上の少年について、虞犯による保護処分はしないこととしていますが、非行防止のためには、一般に、早期の段階における働きかけが有効であり、また、これらの者の健全育成のためには、対象者の任意に基づく支援、措置が重要であると認識しています。
 法務省では、法務少年支援センターにおいて、NPO等の民間団体等と連携し、地域における非行、犯罪の防止のための活動を行うほか、更生保護サポートセンターにおいて福祉、警察等の関係機関等と協力し、非行相談等を実施するなどの取組を行っており、また、他の関係機関でも様々な取組を行っているものと承知しています。
 法務省としては、本改正を機に、関係機関等と連携しつつ、少年の健全育成、非行防止のための取組を強化するなどしてまいりたいと考えています。
 最後に、十八歳以上の少年に係る推知報道の禁止の解除についてお尋ねがありました。
 推知報道の禁止に関しては、少年の更生と憲法で保障される報道の自由等との調整の観点から、解除の当否及び範囲について、御指摘の家庭裁判所への移送との関係も含めて幅広く検討を行いました。その結果、責任ある主体として位置付けられた十八歳以上の少年については、公開の法廷で刑事責任を追及される立場となる公判請求の時点から禁止を解除することが適当であると考えたところです。
 その上で、公判請求時点での推知報道の解禁により、十八歳以上の少年の健全育成、更生が不当に妨げられることのないよう、その事件広報に当たっては、御指摘のようなインターネットの特性をも踏まえ、適切に対応していく必要があると考えています。(拍手)
    ─────────────

#9
○議長(山東昭子君) 真山勇一さん。
   〔真山勇一君登壇、拍手〕

#10
○真山勇一君 立憲民主・社民の真山勇一です。
 少年法等の改正案につきまして、会派を代表して質問いたします。
 その前に、まず日米首脳会談の成果について、菅総理にお伺いさせてください。端的に、そして明確にお答えをお願いします。
 日米関係は非常に大切です。各国の首脳に先駆けての対談で、総理とバイデン大統領との間にジョー、ヨシと呼び合う関係が構築できたと報道されています。しかし、共同声明などの内容を見てみると、少し、いや、かなり不安になる部分があります。
 今回の首脳会談では、台湾の安全やウイグルの人権問題が話し合われたと聞きます。菅総理、日本は台湾の安全にどうコミットメントをし、どのような手段でこれを達成しようとしているのですか。軍事的オプションはそこに含まれますか。あるとしたらどんな形ですか。
 ウイグルには具体的にどのような人権問題が存在すると考え、どのような手段でその解決を求めますか。
 尖閣周辺の海域で中国公船の活動が活発化しています。この地域で有事が発生した際、アメリカは必ず日米安全保障条約を適用しますか。また、アメリカに助けてもらうために、菅総理はアメリカに対して何らかの約束をしましたか。お答えください。
 野心的で独善的な膨張政策に対して毅然として対抗することは、対外政策として必要です。しかし、一方、相手との緊張を高めるだけではなく、対話の努力をすることも大事な外交でしょう。バイデン政権は、日米首脳会談で中国の行動を厳しく問題視しつつも、同時に、ケリー特使を上海に派遣し、気候変動政策などで協力を呼びかけました。菅総理、日本は今後、どのようなチャンネルで、どのようなことを目指して中国との関係悪化を防ぐつもりですか。
 首脳会談では、新型コロナや東京オリンピック・パラリンピックのことも話し合われたと伺っています。
 菅総理は、アメリカの製薬会社と電話会談をして、ワクチンを確保したとおっしゃっています。アメリカへ出かけてなぜ電話ということも言われていますけれども、ともあれ、日本国民全体に行き渡るだけのワクチンはいつ届くのですか。医療従事者への接種、高齢者、高リスク者への接種が完了するのはいつですか。そして、一般国民への接種が開始されるのはいつからで、集団免疫を獲得するのはいつになるのでしょうか。
 ワクチンの接種が遅れている我が国の現状です。お示しいただいたとおりの日程でワクチンの接種が進まなかった場合、菅総理は政治的にどのような責任を取るのか、失敗した場合、内閣総辞職の覚悟があるのかどうか、端的にお答えください。
 三月二十一日に全国的に緊急事態宣言を解除した後、第四波が急拡大しており、ついに三度目の緊急事態宣言の発動に追い込まれることになりました。これについても総理はどう責任を取るおつもりか、お答えください。
 東京オリンピック・パラリンピックについても、不安は大きくなっています。
 今回の首脳会談で、アメリカは選手団を必ず派遣すると約束はありましたか。バイデン大統領を開会式などに招待しなかったのでしょうか。日本の感染状況が問題ないのであれば、各国の選手団とともに諸外国の要人も自信を持って招待してはどうかと思いますけれども、そういうおつもりはないのか、伺います。
 万一、感染が収まらず、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令されているような状況だったとして、本当にオリンピックを開催するのですか。オリンピックには大量の医療ボランティアも必要ですが、国内の医療体制は逼迫しています。
 世界各地で新たな変異株が報告されており、外国選手団などを経由して新たな感染が国内に蔓延した場合、また、逆に外国のお客様に国内のウイルスを蔓延させた場合、オリンピック・パラリンピックは成功と言えますか。そうなったとき、菅総理の責任は総辞職に値するのではないかと思いますが、いかがお考えでしょうか。私もオリンピック・パラリンピックを楽しみにしてきただけに、このような質問をするのは非常に残念ですが、これは人の命の問題ですので、あえて質問させていただきました。
 それでは、法案について質問します。
 総理に、本改正案が提出された理由についてお尋ねします。
 そもそも、なぜ今、本法案が提出されたのか、その理由がさっぱり分かりません。今回の改正案の柱は、十八歳、十九歳を特定少年として区別することです。少年でもない、成人でもないという曖昧な存在をつくるわけですが、その理由は一体何なのか理解に苦しみます。若者の更生という観点からは大きな後退です。刑事罰の若年化が狙いなら、その理由が説明されておらず、必要性も認められません。菅総理、そもそもなぜこの法案を提出したのでしょうか。
 改正の理由として、成年年齢の引下げ等の社会情勢の変化と少年による犯罪の実情ということが挙げられています。具体的にこれが何を意味するのか、御説明ください。
 成年年齢の引下げと少年法の改正とに一体どんな関係があるんでしょうか。最新の知見によると、人間は二十五歳頃まで発育途上にあり、教育及び更生の効果が高いと言われています。法律上の成年年齢が十八歳に引き下げられても、健全な発育を考えて、お酒やたばこは二十歳まで禁止されています。若さゆえに犯罪を犯したとはいえ、更生できる若者は更生すべきです。
 政府は、今回の改正で少年犯罪への対応を大転換するわけですが、現行の制度に致命的な失敗や欠点があるのでしょうか。菅総理、具体的にお示しください。
 少年による犯罪の実情といいますが、若年人口の減少によって、少年犯罪の全体数は減り続けています。そして、凶悪犯罪の数は、人口が減少する以上の速度で減っています。凶悪な犯罪が一つ起きるとメディアで大きく報道されるため、確かに目立ちますが、実態は減少傾向にあるのです。むしろ、従来からの更生保護行政や再犯防止制度の成果もあって、状況は大いに改善してきているというのが実情ではないでしょうか。
 少年犯罪の数、特に凶悪犯罪の件数は増えているのか減っているのか、上川法務大臣、具体的な数値でお示しください。
 私は、十数年間、保護司をしてきましたが、今回の少年法改正には強い違和感を持っています。
 上川大臣は、先日の京都コングレスにおいて、日本の保護司制度をローマ字のHOGOSHI、HOGOSHIとして世界に広め、世界保護司デーを設けると宣言されました。それなのに、今このような少年法の改正を必要とするほど保護司による更生保護の取組は効果がなかったのでしょうか。大臣、明快な言葉でお答えください。
 次に、改正案の具体的な内容についてお尋ねします。
 まず、特定少年の検察への逆送致についてです。
 十八歳、十九歳を特定少年とし、原則として短期一年以上の刑に当たる事件は一律に検察へ逆送の対象になります。これは、現行の条件である故意による被害者死亡の場合から大幅に拡大されるもので、極めて広い範囲の犯罪が含まれることになります。
 現行の少年法は、対象者の立ち直りを考慮し、家庭裁判所がきめ細かい処分を行うことを考えていますが、再犯防止の観点からも逆効果となるのではという指摘があります。なぜ一律の逆送致が必要なのか、理由をお示しください。
 この基準が適用された場合、逆送致させる特定少年の数はどの程度増えるのか、家庭裁判所の調査数、少年鑑別所の全体の鑑別数はどの程度増加するのか、そして、それに対応する十分な人員が確保されているのか、お答えください。
 また、改正後の第六十二条第二項ただし書には、短期一年以上の罪であっても逆送致にしない例外事案もあるという規定があります。どんな例外があり得るのか、恣意的に判断されたり社会的圧力によって判断がゆがめられることのないよう、はっきりとした基準をお示しください。
 次に、特定少年に対する保護処分についてお尋ねします。
 本改正案では、特定少年に対する保護処分は、犯情の軽重を考慮して相当な限度を超えない範囲内とされました。現行の少年法は、個々の少年の健全な育成を重視して、犯情の軽重を問わず保護を要するとしているんですが、これが大きく変わります。今回の改正では、育成や更生の効果が十分に出る前に保護処分が終了することは起きないのでしょうか。
 また、施設収容をしない六か月の保護観察処分が新設されますが、このような短期間の処分でも十分な場合とはどのような事案か、その理由とともに具体的にお示しください。
 さらに、施設収容可能な二年の保護観察処分が新設されます。これはどのような場合でしょうか。二年という期間にする理由は何ですか。法務大臣、具体的にお答えください。
 次に、推知報道禁止の解除規定について質問します。
 本改正案では、特定少年が公判を請求された時点で実名の報道が認められます。これは一体、何を目的とした改正でしょうか。法務大臣は、実名報道が少年犯罪への抑止効果があると考えていらっしゃるでしょうか。
 一方、刑事裁判所の事実審理の結果によっては、家庭裁判所への移送もあり得るとされています。しかし、この時点で既に広く推知報道がなされているのですから、少年法の理念とは矛盾することにならないでしょうか。審理の結果、無罪になる可能性は否定できません。社会復帰を支援する家族の生活にも著しい困難をもたらし、帰住先を失うことで対象者の更生を妨げるおそれも指摘されています。こうした推知報道による回復不能の事態に対する救済措置、回復措置などを考えておられるのでしょうか、伺います。
 また、事件報道の中では被害者の名前が報道されるのだから、加害者の方も、特定少年であってもその名前を報道されるべきという意見があると聞きます。しかし、本来ならば、加害者側の実名報道を推進するのではなくて、被害者側の名前の報道についても、本人と御家族の心情や生活の立て直しに配慮して抑制するべきではないでしょうか。上川法務大臣、そうした検討をなさるおつもりはありませんか、伺います。
 さらに、特定少年から虞犯を除外する理由についてもお尋ねします。
 十八歳、十九歳という区別などなく、少年は全て要保護性に基づく処分が必要だというのがこれまでの少年法の趣旨でした。司法の現場に携わる人々からは、虞犯とする家庭裁判所の司法手続は選択肢として極めて有効であり、セーフティーネットの役割を果たしているという指摘もあります。今回の改正は、特定少年の要保護性、虞犯によるセーフティーネットは不要ということなのでしょうか。
 特に、女子少年には、より切実な問題があります。虞犯の女子少年には、虐待の被害者やそれに関連した種々の深刻な外傷性の精神疾患を有する者が少なからずいます。特定少年から虞犯を除外することは、精神医学的な観点からも非常に重大な問題があるとの指摘があります。それでも十八歳、十九歳を虞犯から除外する理由は何でしょうか。お答えください。
 また、特定少年には、不定期刑も適用されなくなります。少年は成長発達の途上にあり、教育による更生や改善が期待されるからこそ、幅のある刑期で柔軟な対応を可能にしているのが現在の少年法です。特定少年も、本人の個別事情に応じた処遇により、教育、更生の可能性が高まるはずですが、これを否定する確固とした知見などはあるのでしょうか。
 不定期刑の適用が除外された場合、有期刑の上限は三十年になります。十八歳、十九歳の特定少年がこのように長期間の刑に服した場合、社会復帰を著しく困難にしかねませんが、法務大臣はそうした事態を容認するのでしょうか。
 さらに、特定少年については、社会復帰をした後、仕事を探す際、資格制限排除の特例が適用されなくなります。これによって罪を犯した特定少年の将来は、選択肢、狭められてしまいます。
 資格制限に関する少年法の規定は、資格制限からできるだけ早く少年を解放して、本人の更生を助けるという趣旨でした。法務大臣、もはやそうした配慮は不要とお考えなのでしょうか。お答えください。
 今回の少年法の改正には、更生保護の根幹、被害者、加害者双方の人権に関わる極めて重要な課題が表れています。それはつまり、菅政権が国民の命や人生をどう考えているかが問われていることだと思います。菅総理大臣、上川法務大臣の誠実な答弁をお願いして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

#11
○内閣総理大臣(菅義偉君) 真山勇一議員にお答えをいたします。
 台湾、ウイグル、尖閣諸島などについてお尋ねがありました。
 台湾をめぐる問題については、我が国として、従来から、当事者間の直接の対話によって平和的に解決されることを期待するとの方針は一貫しています。引き続き両岸関係の推移を注視してまいります。
 なお、台湾有事における我が国の対応に関しては、個別具体的な状況に即して判断することになります。そのために一概に述べることは困難であります。
 新疆ウイグル自治区に関しては、重大な人権侵害が行われているとの報告を含め、様々な情報に接しております。詳細は差し控えますが、政府としては、同自治区への人権状況については深刻に懸念しています。引き続き機会を捉えてこうした考えを中国側に伝達するとともに、関係国とともに中国側の具体的な行動を強く求めていきます。
 尖閣諸島への個別具体的な状況における米軍の対応については、その詳細を明らかにすることは差し控えますが、いずれにせよ、先般の日米首脳会談でも、バイデン大統領から日米安保条約第五条の尖閣諸島への適用を含むコミットメントが確認されたところであり、政府として、米国が条約上の義務を果たすことに信頼を置いております。
 日中関係についてお尋ねがありました。
 我が国としては、主権に関する事項、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値については譲歩する考えはありません。
 その上で、重要な隣国である中国との安定した関係は、日中両国のみならず、地域及び国際社会の平和と繁栄のためにも重要です。中国との間には様々な懸案が存在しておりますが、引き続きハイレベルでの機会を活用して中国との率直な対話を行い、懸案を一つ一つ解決し、また中国側の具体的行動を強く求めていく考えです。
 ファイザー社CEOとの電話会談及びワクチン供給のめどなどについてお尋ねがありました。
 ファイザー社CEOとの電話会談については、新型コロナの状況、ワクチン供給に係るファイザー社との調整の状況、先方の意向などを踏まえ、今回の訪米の機会に実施することになりました。
 会談では、本年九月までに我が国の対象者に対して確実にワクチンを供給できるよう追加供給を要請し、先方からは協議を迅速に進めたいとの話がありました。これ以上の会談の詳細は相手方との関係もあり差し控えますが、九月までにワクチンの供給がなされるめどが立ったと考えております。
 ワクチン接種の日程や感染拡大の責任等についてお尋ねがありました。
 医療従事者等については、五月十日の週の配送をもって必要な数量の配送が完了する見込みであり、速やかに接種していただきたいと考えています。
 高齢者については、来週から本格的に配送が行われ、六月末までには、高齢者全員分のワクチンについて、自治体の需要を勘案してお届けすることとしております。
 その上で、接種のスケジュールについて、一日も早く国民の皆さんにワクチンをお届けする観点から、政府としての考え方をお示ししてまいりたいと考えています。
 なお、今回のワクチンの集団免疫効果については、現時点では明らかになっていないと承知しています。
 この感染拡大を食い止めるため、対策を徹底するとともに、感染対策の決め手となるワクチンについて、希望する全ての方々への速やかな接種が進むよう、先頭に立って全力を尽くすことが私の責任であると考えており、引き続き政府を挙げて対応してまいります。
 日米首脳会談での東京大会に関するやり取り、要人の招待などについてお尋ねがありました。
 会談では、私から、バイデン大統領に対し、今年の夏、世界の団結の象徴として東京大会の開催を実現する決意を述べ、大統領からはこの決意に対する支持を改めて表明をいただきました。
 首脳会談のやり取りであり、これ以上の詳細は差し控えますが、東京大会への各国・地域の選手団の派遣及び要人の招待については、各国・地域のオリパラ委員会によって判断されるものと承知しています。
 いずれにしろ、政府としては、米国を含む多くの国・地域に東京大会に参加いただけるよう、感染対策を含め、環境整備に引き続き努めてまいります。
 東京オリンピック・パラリンピックの開催やその責任についてお尋ねがありました。
 まずは、新型コロナウイルスの克服に全力を尽くしてまいります。
 IOCバッハ会長とも昨年から東京五輪を必ず実現することで一致しており、先月の協議においても、引き続き東京大会の成功に向けて緊密に連携していくことを確認をしております。
 安全、安心な大会を実現するため、内外の感染状況を踏まえた対策が極めて重要です。このため、選手や大会関係者について、出入国や滞在中に定期的に検査を行うとともに、滞在先や移動手段を限定して一般の人と交わらないようにするなど、対策を徹底して行ってまいります。こうしたことにより、新型コロナの感染拡大を抑え、安全、安心な大会が実現できるよう全力を尽くすことが私の責務であると考えています。
 今回の改正の理由等に関してお尋ねがありました。
 お尋ねの社会情勢の変化は、選挙権の年齢の引下げなどにより、十八歳及び十九歳の者が責任ある立場となったという趣旨であり、少年による犯罪の実情は、少年犯罪の動向やその後の対応等を広く含む趣旨であります。
 十八歳及び十九歳の者については、民法の成年年齢の引下げなどにより、社会において責任ある立場になる一方で、成長途上にあり、可塑性を有する存在であることも踏まえ、少年法においてもその立場に応じた取扱いをすることが適当であると考え、所要の措置を講ずることとしたものであります。
 現行少年法の問題等についてお尋ねがありました。
 今回の改正案は、現行法の制度に問題があることを理由とするものではなく、選挙権の年齢の引下げなどの社会情勢の変化を踏まえ、十八歳及び十九歳の者については、少年法においてもその立場に応じた取扱いをするためのものであります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣上川陽子君登壇、拍手〕

#12
○国務大臣(上川陽子君) 真山勇一議員にお答え申し上げます。
 まず、少年犯罪の動向についてお尋ねがありました。
 少年による刑法犯の検挙人員については減少傾向にあり、平成二十七年には四万八千六百八十人でしたが、令和元年には二万六千七十六人となっています。
 次に、何をもって凶悪犯罪というかにつきましては、様々な考え方があり得ますが、一例として、現行少年法における原則逆送の対象となる罪の事件の終局処分人員について申し上げると、これについても減少傾向にあり、平成二十七年には三十二人でしたが、令和元年には十人となっています。
 次に、保護司についてお尋ねがありました。
 近年、公職選挙法や民法の改正など、十八歳及び十九歳の者を取り巻く社会情勢が大きく変化してきていることに鑑みると、これらの者については、少年法の適用においてもその立場に応じた取扱いをすることが適当であると考えられることから、今般、少年法等を改正することとしたものです。
 一方、保護司の方々には、犯罪や非行をした人に寄り添い、懇切な指導、助言を行うなどして少年の再非行の防止や立ち直りに重要な役割を果たしていただいており、保護観察官と協働して行う更生保護の取組は相応の効果を上げているものと認識しています。
 法務省としては、今後も、保護司の方々に対し、その活動支援の充実強化や環境整備による負担軽減に取り組むなどして、更生保護活動の充実強化に全力を尽くしてまいります。
 次に、十八歳以上の少年に係る原則逆送対象事件の拡大についてお尋ねがありました。
 本法律案においては、十八歳以上の少年について、一定の重大犯罪に及んだ場合に刑事処分が適切になされることを制度的に担保するため、原則逆送対象事件を拡大することとしています。
 そして、このような観点からすると、拡大する範囲については、犯罪の類型的な重大性を示す法定刑を基準とするのが合理的かつ明確であると考えられることから、死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役、禁錮に当たる罪の事件を対象に加えることとしています。
 原則逆送対象事件について、逆送決定をするか否かは、家庭裁判所において、個別の事件ごとに、犯行の動機、態様及び結果、犯行後の情況、特定少年の性格、年齢、行状及び環境その他の事情を考慮して判断されるべきものであることから、実際に逆送される人員、人員数の見込みや家庭裁判所における詳細な判断基準について確たるお答えをすることは困難です。
 他方で、本法律案においては、十八歳以上の少年に係る事件についても、現行法と同様、全件を家庭裁判所に送致することとしており、家庭裁判所の調査件数、少年鑑別所の鑑別件数や、これらの機関の業務体制に直ちに影響が生じるとは考えていません。
 次に、十八歳以上の少年に対する保護処分についてお尋ねがありました。
 現在の少年事件における実務の運用上も、一般に、犯罪事実の軽重と処分との間の均衡を考慮して処分選択が行われているとされていることなどからすると、犯情の軽重を考慮して相当な限度を超えない範囲内で保護処分を行うものとしても、実務上、家庭裁判所における要保護性に応じた適切な処分選択や処遇機関における処遇に直ちに支障が生じるものではないと考えています。
 六月の保護観察処分については、比較的軽微な罪を犯し、その問題性が比較的小さく、遵守事項違反の場合の収容の仕組みがなくても改善更生を図ることができると認められた者に課すことを想定しており、少年院への収容の仕組みがなくても保護処分としての実効性に欠けるものではないと考えています。
 二年の保護観察処分については、要保護性に照らし、社会内処遇が適切、適当であるものの、六月の保護観察処分では不十分であると認められた者に課すことを想定しており、二年という期間については、現行法上、十八歳以上の少年に対する保護観察の期間は二年とされ、処遇期間として十分と考えられることなどを踏まえたものです。
 次に、十八歳以上の少年に係る推知報道に関してお尋ねがありました。
 推知報道の禁止の解除については、少年の更生と報道の自由等との調整の観点から、家裁裁判所への、家庭裁判所への移送や無罪判決の可能性も含めて検討した結果、十八歳以上の少年についても推知報道を一般的に禁止した上で、逆送されて公判請求された場合には、公開の法廷で刑事責任を追及される立場となることに鑑み、その時点から禁止を解除して、十八歳以上の者、二十歳以上の者と同様に取り扱うこととしたものです。これは犯罪の抑止を目的とするものではなく、また、少年法の理念と矛盾するとは考えていません。
 他方で、刑事事件の被害者や関係者の名誉、プライバシーが適切に保護されることは少年事件であるか否かにかかわらず重要なことですが、そのために報道に対する事前規制を設けることについては、一般に、憲法で保障された報道の自由との関係で慎重な検討を要するものと考えています。
 次に、十八歳以上の少年を虞犯による保護処分の対象としない理由についてお尋ねがありました。
 保護処分は、対象者の権利、自由の制約という不利益を伴うものであり、民法上の成年となり監護権の対象から外れるのに、罪を犯すおそれを理由として国が介入する保護処分を行うことについては、民法改正との整合性や責任主義の要請との関係などの問題点があるため、本法、法律案では、十八歳以上の少年に対して虞犯による保護処分はしないこととしています。
 もっとも、十八歳以上の少年の健全育成のためには、対象者の任意に基づく支援、措置が重要であると認識しており、法務省としても、引き続き関係機関等と連携しつつ、法務少年支援センターや更生保護サポートセンターにおける各種取組など、少年の非行防止のための取組を強化するなどしてまいりたいと考えています。
 次に、十八歳以上の少年に対する不定期刑の適用についてお尋ねがありました。
 本法律案で十八歳以上の少年に不定期刑を適用しないこととしているのは、不定期刑の機能を否定する趣旨ではなく、重大な罪を犯した場合であっても、年齢のみを理由に刑期を短縮した短期を含め、定め、一例に、一律に寛大な取扱いをすることは、責任ある主体としての立場等に照らし、適当でないと考えられるためです。
 現行の不定期刑の長期の上限が十五年であるのに対し有期刑の上限は三十年となりますが、十五年を超える刑期となる事案は極めて重大、悪質なものであることからすると、十八歳以上の少年の立場に応じた適切な取扱いであると考えています。
 そして、定期刑を科すとしても、仮釈放の仕組みにより、改善更生の度合いに応じた弾力的な処遇を行うことは十分可能であり、社会復帰が著しく困難になるものではないと考えています。
 最後に、十八歳以上の少年に資格制限の特則を適用しないことについてお尋ねがありました。
 個々の資格制限規定は、それぞれの法律における行政目的を実現するために設けられたものであり、十八歳以上の少年について、業務の性質や実情等を問わず、年齢のみを理由として資格制限規定の適用を一律に緩和する少年法第六十条の特則を適用することは、責任ある主体としての立場等に照らし、適当でないと考えられます。
 もっとも、とりわけ若年者の再犯防止、社会復帰を図る上で、就労の促進は重要であると認識しています。前科による資格制限の在り方については、本改正を機に、関係府省と連携し、政府としてしかるべき検討の場を設けた上で、若年者の社会復帰に際してのニーズ調査、有識者を交えた検討など、必要な取組を責任を持って進めてまいりたいと考えています。(拍手)
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#13
○議長(山東昭子君) 伊藤孝江さん。
   〔伊藤孝江君登壇、拍手〕

#14
○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。
 私は、公明党を代表し、少年法等の一部を改正する法律案について質問をいたします。
 国民投票の投票権年齢、選挙権年齢が十八歳以上に引き下げられ、令和四年四月からは、民法における成年年齢が十八歳に引き下げられます。
 これらの法定年齢の改正を踏まえてもなお、今回、少年法の適用年齢は引き下げられることなく十八歳、十九歳も特定少年という呼称で少年と位置付けられました。これにより少年法においては、十八歳、十九歳に対しても健全な育成を期すという目的の下で処遇が検討され、決せられることになります。
 また、原則として全ての事件を家庭裁判所に送致する、いわゆる全件家裁送致の原則も維持されました。
 少年法の適用年齢を引き下げることなく、全件家裁送致の原則が維持されたことは高く評価いたします。これは、現行少年法が少年の再犯防止や改善更生に有効に機能していることの現れと考えますが、十八歳、十九歳に対しても少年法を適用することとし、全件家裁送致の原則を維持することとした理由について、総理にお伺いをいたします。
 家庭裁判所が刑事処分を相当として検察官に送致する、いわゆる逆送の範囲について質問をいたします。
 改正法では、特定少年の原則逆送の範囲について、死刑又は無期に加え、短期一年以上の懲役、禁錮に当たる罪が追加されました。この趣旨について、法務大臣に伺います。
 原則逆送対象事件であっても、調査の結果、刑事処分以外の措置を相当と認めるときは、逆送せずに家庭裁判所で審理されます。成人と同様に公開の法廷で刑事裁判を受けるのか、少年法の下で保護・教育的処分がなされるのかが、家庭裁判所調査官の調査によって判断されます。全件家裁送致とされた趣旨からすると、この調査官調査は、逆送をしない特段の事情があるか否かを調査するというだけでは足りず、特定少年の詳しい生育歴や生育歴上のエピソードなども含め、要保護性についても十分な調査、鑑別が必要であると考えます。原則逆送対象事件だからといって、調査官調査が形骸化してしまうことがあってはなりません。
 原則逆送対象事件における特定少年の要保護性に関する調査官調査、鑑別の重要性及びその要保護性が逆送するか否かの判断に与える影響について、法務大臣の答弁を求めます。
 改正案では、特定少年に対する家庭裁判所の保護処分は、犯情の軽重を考慮して相当な限度を超えない範囲で行うとされています。
 単に犯罪の軽重によって保護処分の範囲が決せられるのであれば、少年法の目的にそぐわないものとなります。ここに言う犯情の定義はいかなるものでしょうか。犯罪の行為態様や結果など犯罪そのものに関する事情だけではなく、要保護性に関する事情も含まれると考えますが、法務大臣の見解を伺います。
 また、保護処分の限度を設けることは、いかなる判断に影響を及ぼすことになるのでしょうか。保護観察や少年院送致といった処分を言い渡すか否かの判断、処分の期間の上限、処遇の内容等に与える影響について、法務大臣の答弁を求めます。
 次に、特定少年は虞犯の対象から除外されることになります。十八歳で民法上の成年となることや責任主義の要請などを考慮したものと承知しております。
 二〇一九年の統計では、十八歳、十九歳の虞犯件数は三十二件、全体の二三%です。うち保護観察と少年院送致を合わせた保護処分は二十八件、保護処分率は八七・五%と極めて高率です。
 少年法が改正されても、これらの少年を早期に支援する必要性は変わりません。むしろ、民法上成年となることで社会的な支援を受けにくくなり、より脆弱性が増してしまう可能性もあります。
 実際に対応すべき事案では、反社会的勢力に取り込まれた少年、風俗業に従事してしまった少年、行き場のない家出少年など困難なケースも多く、非行などの逸脱行動に関して理解のある専門家などの関わりや居場所の提供などの支援、また、アウトリーチ型の支援が求められます。
 罪を犯すおそれのある特定少年の更生保護のためには、省庁の枠を超えて総合的に行政、とりわけ福祉的な保護、支援を強化することが必要であると考えますが、総理の御所見を伺います。
 次に、推知報道の制限について伺います。
 改正法では、特定少年のときに犯した罪により公判請求された場合には推知報道の禁止を解除するとされました。
 ただ、一旦公判請求された場合でも、刑事裁判所から再度家庭裁判所に移送される可能性があります。その場合には、改めて推知報道の禁止の対象になりますが、既に推知報道がなされていれば、その不利益は回復し難いものとなってしまいます。また、特にインターネットでの掲載では、半永久的に当該情報を閲覧することが可能となります。
 特定少年の更生の観点からは、事案の内容や報道の公共性などを踏まえ、報道に十分な配慮が求められると考えますが、法務大臣の答弁を求めます。
 改正法では、特定少年が逆送された後、少年法の定める特則について原則適用しないこととされました。そのうちの資格制限の在り方について伺います。
 平成二十九年に策定された再犯防止推進計画において資格制限の見直しに向けた取組が始まっているところ、各府省庁において所管する資格について見直しの要否を個々に検討する必要があるため、法務省のみで検討を進めることには限界があります。
 就労は再犯防止にとって重要です。資格制限の在り方について、関係府省庁が一体となって検討し、早急に結論を得るべきと考えますが、総理の答弁を求めます。
 長年、少年事件に関わってこられた弁護士の方が、少年に対し、国家として、人、予算、手を掛けて育て直しをするのが少年法だとおっしゃっていました。少年は可塑性に富んでいます。保護や教育で育て直しに取り組むことは、少年にとっても社会にとっても大きな意味を持ちます。
 少年法に対しては、適用年齢を始め様々な意見があります。また、少年の凶悪犯罪が増えているとか、少年法の処分は軽過ぎるなどといった少年法に関連する誤った情報を見かけることがあります。
 罪を犯した少年への理解や社会での受入れにつなげるためにも、正しい情報が広がり、少年法に対する国民の理解や信頼が得られることが大切であると考えます。この点について法務大臣の答弁を求め、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

#15
○内閣総理大臣(菅義偉君) 伊藤孝江議員にお答えをいたします。
 少年法の適用年齢及び家庭裁判所への全件送致についてお尋ねがありました。
 十八歳及び十九歳の者については、民法の成年年齢の引下げなどの社会情勢の変化がある一方で、成長途上にあり、可塑性を有する存在でもあります。これを踏まえ、今回の改正案では十七歳以下の者とは異なる特例を定めながら、少年法の適用対象とすることとしています。
 また、改善更生、再犯防止を図るべく、家庭裁判所の機能を最大限活用するため、家庭裁判所への全件送致を維持することとしております。
 十八歳及び十九歳の者に対する保護、支援についてお尋ねがありました。
 少年の健全育成、非行防止のためには、関係機関による支援等が重要であり、これまでも関係省庁や民間団体が連携をし、相談、助言やセミナーの開催など様々な取組を行ってきました。政府としては、引き続き十八歳及び十九歳の者を含む少年の健全な育成、非行防止のため、官民一体となった取組の充実強化に努めてまいります。
 十八歳及び十九歳の者に係る資格制限についてお尋ねがありました。
 十八歳及び十九歳の者を含む若年者の再犯防止、社会復帰を図る上で、就労の促進は重要であると考えています。政府としては、資格制限の在り方について、就労の対象となる業務の性質や実情等を踏まえつつ検討を進めてまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣上川陽子君登壇、拍手〕

#16
○国務大臣(上川陽子君) 伊藤孝江議員にお答え申し上げます。
 まず、十八歳以上の少年に係る原則逆送対象事件の拡大についてお尋ねがありました。
 公職選挙法や民法の改正により十八歳及び十九歳の者が責任ある主体として積極的な社会参加が期待される立場となることや、刑事司法に対する被害者を含む国民の理解、信頼の確保という観点からは、これらの者が重大な犯罪に及んだ場合には、十八歳未満の者よりも広く刑事責任を負うべきものとすることが適当であると考えられます。
 そこで、本法律案では、十八歳以上の少年について、原則逆送対象事件を拡大することとしています。そして、拡大する範囲については、他の刑事法でも基準として用いられ、強制性交等罪、強盗罪なども含まれる死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役、禁錮に当たる罪の事件を対象に加えることが犯罪の類型的な重大性を表す法定刑やこれに該当する犯罪の性質等に照らして適当であると考えたものです。
 次に、十八歳以上の少年に係る原則逆送対象事件における調査、鑑別の重要性等についてお尋ねがありました。
 現行の原則逆送の例外を定めるただし書の運用に関しては、家庭裁判所は、原則逆送対象事件が基本的に重大な事件であり、少年が根深い問題を抱えていて、丁寧な調査が必要となることが多いとの認識の下、要保護性に関する少年鑑別所の鑑別や家庭裁判所調査官の調査の結果を十分に考慮し、逆送決定をするか否かを慎重に判断しているものと承知しています。
 本法律案では、十八歳以上の少年に係る原則逆送対象事件についても、現行法と同様に例外となるただし書を設けることとしているため、要保護性に関する鑑別や調査の重要性に変わりはなく、家庭裁判所においては、それらの結果を十分に考慮した上で、逆送するか否かを慎重に判断するものと考えています。
 次に、本法律案における犯情との用語の意義についてお尋ねがありました。
 本法律案における犯情は、当該犯罪の性質、犯行の態様、犯行による被害等を意味するものです。一方、要保護性とは、一般に、少年による再犯の危険性と保護処分によるその防止の可能性を合わせたものと解されていると承知しており、その意味で、要保護性に関する事情が必ずしも犯情に含まれるわけではないと考えています。
 他方で、本法律案における犯情の軽重を考慮して相当な限度を超えないとは、犯した罪の責任に照らして許容される限度を上回らないという趣旨であり、裁判所は、十八歳以上の少年に対し、その範囲内で対象者の要保護性に応じて処分を選択して課すことになります。
 次に、十八歳以上の少年に対する保護処分に関し、犯情による限度を設けることによる影響についてお尋ねがありました。
 現在の少年事件における実務の運用上も、一般に、犯罪事件、事実の軽重と処分との間の均衡を考慮して処分選択が行われているとされ、また、一般的には犯罪事実の軽重と要保護性は対応、相関しているとの指摘がなされているものと承知しています。
 そうすると、十八歳以上の少年について、犯情の軽重を考慮して相当な限度を超えない範囲内で処分を行うものとしても、実務上、家庭裁判所が要保護性に応じた適切な処分選択を行い、それに基づいて処遇機関において処遇を行うことに直ちに支障が生じるものではないと考えています。
 次に、いわゆる推知報道の禁止の一部解除についてお尋ねがありました。
 実名報道などの推知報道の禁止を定める少年法第六十一条の趣旨は、少年の特定に関する情報が広く社会に伝わり社会生活に影響を与えるのを防ぎ、その更生に資することにあります。
 本法律案では、少年の更生と憲法で保障される報道の自由等との調整の観点から、責任ある主体として位置付けられた十八歳以上の少年については、公開の法廷で刑事責任を追及される立場となる公判請求の時点から禁止を解除することが適当であると考えたものです。
 その上で、推知報道の一部解除によって健全育成、更生が不当に妨げられることのないよう、関係機関において事件広報に当たって適切に対応することが必要であると考えています。
 最後に、少年法に対する国民の理解などについてお尋ねがありました。
 少年法について広く国民の皆様に理解を深めていただくことは、罪を犯した少年への理解やその社会復帰の観点からも重要です。
 本改正法が成立した場合には、その趣旨、内容について若年者にも理解しやすいものとすることに十分留意しつつ、幅広い媒体、手法を活用し、効果的な周知広報活動に努めてまいります。(拍手)
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#17
○議長(山東昭子君) 清水貴之さん。
   〔清水貴之君登壇、拍手〕

#18
○清水貴之君 日本維新の会の清水貴之です。
 会派を代表して、ただいま議題となりました少年法等の一部を改正する法律案について質問をいたします。
 今回の法改正では、少年法の適用年齢を現行どおり二十歳未満にとどめつつ、十八歳、十九歳の検察逆送致の罪種の範囲を拡大し、起訴後の実名報道も解禁するとしています。後ほど個々の問題点に触れますが、権利と責任、そして罪と罰のいずれのバランスも欠く、中途半端な法整備ではないかと我々は考えます。
 十八歳、十九歳は成人なのか少年なのか。この単純な問いに答えを出さないまま、彼らを新たに特定少年なる言葉でくくり、いびつで不安定な存在に据えているのが今回の法案の姿ではないでしょうか。
 大人と少年の境界については、既に平成二十八年施行の改正公職選挙法で十八歳以上に選挙権が与えられており、来年四月には民法改正により成人年齢が十八歳に引き下げられます。
 改正公選法は、附則で、少年法と民法については必要な法制上の措置を講じると明記していました。要は、無用な混乱を招かないために、法的な線引きをそろえるよう促したものです。当然、少年法の適用年齢は十七歳以下に引き下げ、刑事上も十八歳、十九歳を成人として扱うべきです。
 政府の曖昧な措置では、民法で新たに成人に加わる世代に大人としての責任を植え付けるための明確かつ有効なメッセージにならないのではないかと考えます。
 総理にお伺いをします。
 選挙権を有し、投票行動で政治や社会を変えることもできる十八歳、十九歳が、罪を犯したときだけは少年として扱うことが理にかなっていると言い切れるのでしょうか。
 法案のベースとなった法制審議会の少年法改正要綱は、十八歳、十九歳は十分に成熟していないと指摘しました。十分な成熟が認められない彼らが民法では大人に扱われ、選挙権も有することは大いなる矛盾です。選挙の際、未成熟としている十八歳、十九歳の有権者に党が投票や支持を呼びかける構図を是とされるのでしょうか。
 民法の成年年齢の引下げに伴い、理論上、十八歳、十九歳も公認会計士や医師免許などの国家資格に基づく職業に就く道が開かれ、裁判員裁判の裁判員を務めることも可能となります。他人の財産や生命を預かり、あるいは裁くことができる人間を、犯罪に手を染めたときは特別扱いすることが認められることが果たして公正な法制度だと言えるのでしょうか。
 親の監護から離れ、自由に意思決定できる代わりに、自らの行動に責任を持つことは世の理ですが、それと十八歳、十九歳を成人扱いしない少年法とのそごをどのように説明されますか。
 世界を見渡しても、刑事法制上十八歳、十九歳を成人として扱っていない国は一割強しかありません。我が国の十八歳、十九歳の成熟度は国際基準から後れを取っているというのでしょうか。少年に対する刑事政策をめぐって、世界の趨勢と我が国の対応が乖離している理由をお答えください。
 法案では、加害者の保護や更生に重きが置かれ、犯罪被害者本人や御家族の思いが置き去りにされています。加害者が少年であろうと誰であろうと、被害者本人や御家族が受けた痛みや悲しみ、悔しさは一つも変わりません。
 私の地元、兵庫県神戸市で平成九年に起きた連続児童殺傷事件で少年にお子さんを殺害された土師守さんは、去年の夏、与党が今回の少年法改正の方向性を固めた直後のメディア取材で、こう切々と訴えられました。
 残念としか言いようがありません。民法でも成人と扱われるのには、責任のある行動を取れると認定されているからです。それなのに、罪を犯したときだけ少年ですというのは筋が通りません。この根本にメスを入れないのなら、改正は大きな意味を失うのではないでしょうかと。
 総理は、土師さんのこの言葉をどのように受け止めますか。土師さんが言う根本にメスが入れられたと胸を張れますか。併せてお答えください。
 政府は、従来、犯罪被害者等の支援のための取組に当たっては、被害者やその御家族の方々の御意見に常に耳を傾けながら、あらゆる犯罪被害者に対して絶えず必要な施策を検討し、速やかに実施することが重要である旨示しています。
 では、今回の少年法改正に当たって、犯罪被害者や御家族の声はどこにどのように反映されたのでしょうか。政府は現在、特に少年犯罪による被害者とその御家族に対し、いかなる支援を行っているのですか。今後、どのように支援を充実させていくお考えでしょうか。法務大臣に答弁を求めます。
 現行の少年法でも、十八歳、十九歳の年長少年に対しては、究極の刑である死刑を禁じていません。加えて、逆送範囲が拡大され、実名報道も一部可能となるのであれば、既に更生を旨とする少年法の範疇にあるとは言えないのではないでしょうか。法務大臣の認識をお示しください。
 そもそも、更生の機会は年齢に関係ありません。五十代でも六十代でも、全ての受刑者に対して与えられてしかるべきです。民法で大人に扱われるのですから、十八歳以上はひとしく刑事処分を科し、十八歳、十九歳の若年成人の受刑者には教育の機会を更に提供すればいいのではないかと考えますが、法務大臣、いかがでしょうか。
 逆送範囲の拡大と実名報道の一部解禁については一歩前進と評価する声がありますが、二十歳以上の大人と同様に扱わないためのびぼう的措置にすぎません。
 逆送の対象は、現行の故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に、死刑、無期又は短期一年以上の懲役、禁錮に当たる罪が加えられましたが、償うべき犯罪に大きいも小さいもありません。どんな軽微な犯罪でも、民法で大人と認定されるならば、それに見合う責任と罰を負わせるのが当然の姿だと思います。
 罪を犯した少年が反省もせず、二十歳未満だから大丈夫だとうそぶく場面に幾度も接し、歯ぎしりした現場の捜査官、たくさんいらっしゃいます。特殊詐欺の犯行グループから、少年法に守られているから安全だという甘い言葉で受け子に誘われ、犯行に手を貸すケースも後を絶たないと聞きます。
 総理に伺います。
 十八歳、十九歳によるあらゆる犯罪の抑止効果を上げる上で、特定少年として中途半端に扱う対応は妥当だと言えるのでしょうか。十八歳、十九歳を漏れなく成人として同等に扱うのと比べ、どちらにより犯罪抑止効果があると考えますか。
 法案では、少年事件において、捜査機関は一定の嫌疑がある限り、原則として家庭裁判所に全件送致するという枠組みは維持されています。全件送致主義を堅持する意義は何でしょうか。また、十八歳、十九歳による重大犯罪案件について、全件送致した上で逆送するという手続を取る理由を御説明ください。
 重大犯罪の十八歳、十九歳については、起訴段階で実名や年齢、職業などの記事等への掲載、いわゆる推知報道の禁止が解除されます。これ自体も犯罪の抑止につながると考えますが、では、なぜ犯罪の軽重で推知報道の是非について線引きをするのか、法務大臣に伺います。
 推知報道解禁の対象媒体については、新聞紙その他の出版物とされたままで、SNSなどのインターネット上の媒体の扱いが明確になっていません。情報化社会が進んだ今、誤った情報であっても瞬時に広がり、その影響は計り知れません。推知報道された特定少年の家族や十七歳以下の共犯者などまで推知できる情報がネット上に掲載、拡散される懸念も拭えません。被害者とその家族ら周辺の情報もしかりです。
 推知報道に関するインターネット上の扱いをしっかり定める、少年法で明文化するなどし、さらには罰則規定も設けるべきではないかと考えますが、法務大臣の認識をお示しください。
 十八歳、十九歳を変わらず少年の枠に押しとどめる今回の少年法改正の中身は、まさに決められない大人たちの問題であると申し上げ、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

#19
○内閣総理大臣(菅義偉君) 清水貴之議員にお答えをいたします。
 少年法の適用年齢と選挙権についてお尋ねがありました。
 少年法の適用年齢と選挙権の年齢は、それぞれ趣旨が異なり、必ずしも一致しなければならないものではありません。その上で、十八歳及び十九歳の者に選挙権が認められたことも踏まえ、少年法においてもその立場に応じた取扱いをすることが適当であると考えています。
 少年法の適用年齢と民法の成年年齢についてお尋ねがありました。
 少年法の適用年齢と民法の成年年齢も、必ずしも一致しなければならないものではありません。また、今回の改正案では、十八歳及び十九歳の者には虞犯による保護処分をしないこととするなど、民法の成年年齢の引下げを踏まえた措置も講じており、少年法と民法の取扱いにそごがあるとは考えておりません。
 少年に対する刑事政策の比較についてお尋ねがありました。
 各国の少年法制は、その国固有の様々な事情に基づいて形成されており、関連する法制度が全体として機能するように成り立っています。したがって、少年法の適用年齢の違いのみを捉えて各国の少年に対する刑事政策を比較することは適当ではないと考えます。
 犯罪被害者やその御家族の思いについてお尋ねがありました。
 犯罪被害者やその御家族の方々の思いは真摯に受け止めております。その上で、今回の改正案では犯罪被害者の方々などの御意見も踏まえ、十八歳及び十九歳の者について、原則逆送対象事件の拡大や推知報道の禁止の一部解除などの措置を講じていることといたしております。
 今回の改正による犯罪防止、犯罪抑止効果などについてお尋ねがありました。
 今回の改正による犯罪抑止効果については、その性質上、実証的な比較、評価は困難でありますが、少年犯罪の動向については、引き続き把握に努めてまいります。
 また、家庭裁判所が少年の再非行の防止に重要な役割を果たしてきたとの評価を踏まえ、十八歳及び十九歳の者についても改善更生、再犯防止を図るべく、その機能を最大限活用するため、家庭裁判所への全件送致の仕組みを維持することといたしております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣上川陽子君登壇、拍手〕

#20
○国務大臣(上川陽子君) 清水貴之議員にお答え申し上げます。
 まず、本法律案における犯罪被害者等の声の反映や犯罪被害者に対する支援についてお尋ねがありました。
 本法律案は、法制審議会の部会に少年犯罪の被害者の方に委員として御参加いただき、調査審議が行われた結果、総会において全会一致で採択された答申に基づくものであり、原則逆送対象事件の拡大や推知報道の一部解禁など、被害者を含む国民の理解、納得という観点も踏まえた制度としています。
 犯罪被害者の支援については、政府において、犯罪被害者等基本法の理念にのっとり、少年犯罪の被害者の方々を含め、犯罪被害者やその御家族の方々のための相談体制を充実させるなどの各種取組を切れ目なく行ってきたところであり、引き続き、更なる推進、充実に努めてまいります。
 次に、十八歳及び十九歳の者の少年法上の位置付けに関してお尋ねがありました。
 本法律案では、十八歳及び十九歳の者について、責任ある主体として積極的な社会参加が期待される立場となる一方で、成長途上にあり、可塑性を有することを踏まえ、原則逆送対象事件を拡大することや、公判請求された段階で推知報道の禁止を解除することなどの特例を設けた上で、刑事政策的な観点から全事件を家裁、家庭裁判所に送致し、原則として保護処分を行うという少年法の基本的な枠組みを維持することとしています。そのため、十八歳及び十九歳の者については、引き続き少年法の適用対象とすることが適当であると考えたものです。
 最後に、十八歳以上の少年に対する推知報道の禁止の解除についてお尋ねがありました。
 本法律案においては、十八歳以上の少年のとき犯した罪について、公判請求の時点から推知報道の禁止を解除することとしていますが、これは、犯罪の軽重によって区別する趣旨ではなく、手続の段階として、公判請求されると公開の法廷で刑事責任を追及される立場となることを考慮したものです。
 インターネット上で本人であることを推知させる情報を流布する行為は、少年法第六十一条の禁止の対象となることから、現時点で同条の規定ぶりを改めなければならないとは考えていません。
 また、表現の自由や報道の自由は憲法上保障された重要な権利であることから、推知報道の禁止に違反する行為に罰則を設けることについては、特に慎重であるべきと考えています。(拍手)
    ─────────────

#21
○議長(山東昭子君) 川合孝典さん。
   〔川合孝典君登壇、拍手〕

#22
○川合孝典君 国民民主党・新緑風会の川合孝典です。
 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました少年法等の一部を改正する法律案について質問をいたします。
 まず、その前に、本日決定される緊急事態宣言に関して、菅総理大臣に二点質問をいたします。
 まず、まん延防止等重点措置の政策効果についてお伺いをします。
 東京や大阪などでは、これまでもまん延防止等重点措置が講じられてきました。にもかかわらず、僅か一か月余りで緊急事態宣言が再発令せざるを得なくなっております。このような事態に直面し、菅総理は、鳴り物入りで導入されたこのまん延防止等重点措置の政策効果について、今どのように評価しておられるのか、これをお伺いします。
 次に、緊急事態宣言の再発令に当たっての補償の在り方について菅総理に質問します。
 政府は、これまで、感染拡大リスクが高いと言われている業種に対して時短営業や休業を要請ベースで行ってきております。企業や店舗も生き残りのため、今も営業を継続せざるを得ない状況に置かれているわけでありますが、中途半端な対策では感染拡大防止の効果が得られないことは、これまでの対策結果が全てを物語っております。
 期間を区切って事業規模別の休業補償を行うことを前提として、時短営業や休業の指示を徹底することで緊急事態宣言の実効性を高めるべきと考えますが、菅総理の認識を伺います。
 それでは、少年法等の一部を改正する法律案について質問に入ります。
 公職選挙法や民法における成年年齢の十八歳への引下げに伴い、今般、少年法の改正案が提出されましたが、ここで十八歳及び十九歳の者を新たに特定少年と位置付けることが提案されております。
 来年四月一日の改正民法の施行によって、十八歳及び十九歳の者は、親権に服さず、その行為能力が認められることとなります。成年として認められた以上、その行為能力に見合った責任を負うという横並びの考え方は国民にとっては理解しやすいものであり、成年年齢引下げの趣旨とも整合しているものと考えられております。
 しかし一方で、二十歳未満の者に対して定められている未成年者飲酒禁止法や未成年者喫煙禁止法等の規制は今後も維持する方向で検討されており、全ての法律が横並びで成年年齢を引き下げているわけではありません。私は、それぞれの法律が律する目的や趣旨を法律ごとに、個別具体的に検討すべきであると考えております。
 そうした視点に基づくと、本法案が十八歳及び十九歳の者を少年法上の少年と位置付けているにもかかわらず特定少年として大幅な特例を認めることは、少年法本来の目的である少年の健全な育成を期することとの間に法体系上の不整合を生じさせるものと私は考えます。また、その結果、法改正後の運用上、混乱が生じることを私は危惧いたしております。
 少年法の理念を守りつつ、特定少年をどのように取り扱うのかが今後は問われることとなります。そうした視点から、以下、質問をいたします。
 まず、現行少年法の理念及び評価について伺います。
 現行少年法は、第一条で、少年の健全な育成を期すという目的を定めております。少年法に健全育成の理念が設けられた理由と、この理念に基づき、これまで十八歳及び十九歳の少年の処遇を行う上で現行少年法が果たしてきた機能に対する法務大臣の認識をお伺いします。
 また、少年法第二十二条第一項は、審判は、懇切を旨とし、和やかに行うとともに、非行のある少年に対し自己の非行について内省を促すものとしなければならないと定めていますが、この理念は特定少年にも当てはまるのか、法務大臣にお伺いをします。
 次に、全件送致主義を維持することについてお伺いします。
 本法律案では、特定少年も従来からの少年と同様、犯罪の嫌疑がある限り、全件を家裁へ送致するという全件送致主義の枠組みを維持することとしております。この措置について、法制審議会ではどのような議論が交わされ、この結論に至ったのかを法務大臣にお伺いします。
 次に、特定少年に係る逆送規定の対象の拡大についてお伺いします。
 本法律案では、特定少年について、検察への原則逆送の対象となる事件に、死刑、無期又は短期一年以上の懲役、禁錮に当たる罪を加えるとしていますが、具体的にどのような罪が新たな対象となるのか、また、昨年における十八歳及び十九歳の犯罪の中で、新たに原則逆送対象事件の範囲となる最も多い犯罪類型について法務大臣にお伺いします。
 次に、特定少年に対する保護事件から虞犯を除外することについて伺います。
 虞犯少年とは、犯罪に結び付くような問題行動があり、要保護性は高いものの、犯罪に至っていない少年を指していますが、本法律案では、特定少年を保護事件の対象から除外することといたしております。要保護性が高い虞犯を対象外としたその理由、近年の少年保護事件における虞犯の割合、そして虞犯の事由としては何が多いのかを法務大臣にお伺いします。
 次に、特定少年に関する資格制限の在り方についてお伺いします。
 資格制限の特則は、少年の教育可能性を重視し、広く更生の機会を与え、社会復帰を容易にすることを目指すものであるとされています。しかし、本法律案では、特定少年が刑に処せられた場合には、資格制限の特則を適用しないこととしていますが、その理由を法務大臣にお伺いをします。
 また、この特則の適用を除外した場合、どのような資格取得が制限されることになるのか、具体的にお答えください。
 平成二十九年十二月十五日に閣議決定された再犯防止推進計画では、刑務所出所者が求職活動を行う上で資格を有していないことが就労の壁となっていることから、法務省には、罪を犯した者等の就労促進の観点から、需要が見込まれる業種に関し、資格取得の制限の在り方について検討を行うことが求められております。仮に、特定少年に資格制限の特則を適用しないとした場合であっても、資格制限の在り方の検討を行い、その者の就労を促進することが再犯防止につながるのではないかと考えられますが、法務大臣の見解を伺います。
 次に、推知報道、いわゆる実名報道の禁止の解除について伺います。
 本法律案では、特定少年が公訴を提起された後、推知報道の禁止を解除することとしています。現行少年法で少年に対する推知報道の禁止規定が設けられてきたこれまでの趣旨と、本法律案で特定少年について解除することとした理由について、法務大臣にお伺いをします。
 また、特定少年に対する推知報道が解除される具体的なタイミングについてもお答えください。
 次に、第五種少年院についてお伺いします。
 本法律案では、これまで第一種から第四種まであった少年院の区分に新たに第五種少年院を追加し、一定の条件下で保護観察に付された特定少年を収容することとしております。このような制度を設ける理由及び特定少年はどのような場合に収容されるのか、その手続の方法を含めて法務大臣にお伺いします。
 次に、施行期日についてお伺いします。
 本法律案の施行期日は令和四年四月一日とされており、既に一年を切っております。
 十八歳及び十九歳の少年の取扱いをこれまでと大きく変えるのであれば、その趣旨や具体的な変更点などを現場の矯正保護施設の職員にも十分周知をして、特定少年の取扱いの適正性を確保する必要があると考えられますが、法務大臣の見解を伺います。
 最後に、今後の保護矯正の在り方について質問します。
 私は、今回の法改正によって、少年法上の判断基準の多くが二十歳から十八歳へと引き下げられることに伴い、この機会に保護矯正教育の在り方やその対象年齢を改めて見直すべきと考えております。
 諸外国では、成年年齢を十八歳とする一方で、二十歳を超えても裁判所の選択により、少年に準じた特則を若年犯罪者に適用するといった取扱いを行っている事例が数多くあります。
 少年犯罪者の処遇の実質に着目をし、より幅広い年齢での保護矯正教育のプログラムを構築すべきと考えますが、この点について法務大臣の見解を伺い、私の質問を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

#23
○内閣総理大臣(菅義偉君) 川合孝典議員にお答えをさせていただきます。
 まん延防止等重点措置の評価と緊急事態宣言の実効性確保についてお尋ねがありました。
 今回のまん延防止等重点措置の効果については、今後、専門家による分析を行っていただく必要があると考えておりますが、先行して実施をした宮城県では、新規感染者数が減少をいたしております。
 一方で、東京、京都、大阪、兵庫の四都府県を対象に緊急事態宣言を発出し、ゴールデンウイークという多くの方々が休みに入る機会を捉え、強力な対策を短期集中的に実施し、ウイルスの勢いを抑え込む必要があると判断し、本日、分科会に諮問したところであります。
 政府としては、緊急事態宣言の影響を受ける方々への支援策をしっかりと講じつつ、この感染拡大を食い止めるために対策を徹底してまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣上川陽子君登壇、拍手〕

#24
○国務大臣(上川陽子君) 川合孝典議員にお答え申し上げます。
 まず、少年法における健全育成の理念などについてお尋ねがありました。
 少年の健全育成について規定する少年法第一条は、一般に、少年法が将来再犯、再非行に及ばないように改善教育することを目的とすることを示したものとされています。このような目的の下、少年法に基づく現行制度は、十八歳及び十九歳の者を含め、少年の再非行の防止と立ち直りに一定の機能を果たしてきたものと認識しています。
 また、本法律案では、家庭裁判所での審判の方式について規定する少年法第二十二条第一項は、十八歳以上の少年にも適用することとしています。
 次に、家庭裁判所への全件送致の仕組みに関する法制審議会での議論についてお尋ねがありました。
 法制審議会の部会では、検察官から家庭裁判所に送致する事件の範囲について、いわゆる全件送致とする案のほか、一定の事件に限る案についても検討が行われました。
 その中で、一般に、全件送致の仕組みは少年の再犯防止等に有効に機能してきたと評価されており、被害者を含む国民の理解、納得の観点から、原則逆送対象事件を拡大することを前提としつつ、全件送致の仕組みを採用することには合理性があるなどの御意見が示され、最終的に、全件送致とする案が採用されたものと承知しています。
 次に、十八歳以上の少年に係る原則逆送対象事件についてお尋ねがありました。
 改正により、十八歳以上の少年について、新たに原則逆送の対象となる罪名としては、例えば強制性交等罪、強盗罪などがあります。
 令和元年十二月から令和二年二月までの三か月間に処分罪名の内訳を調査した最高裁判所事務総局の資料によれば、終局時十八歳又は十九歳の少年による死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役又は禁錮に当たる罪の事件の人員数は五十二人であり、そのうち強制性交等が十六人、強盗が十四人、強盗致傷が十人でした。
 次に、十八歳以上の少年に対する虞犯による保護処分についてお尋ねがありました。
 保護処分は、対象者の権利、自由の制約という不利益を伴うものであり、民法上の成年となり監護権の対象から外れるのに、罪を犯すおそれを理由として国が介入する保護処分を行うことは、民法改正との整合性や責任主義の要請との関係などの問題点があるため、本法律案では、十八歳以上の少年に対して虞犯による保護処分はしないこととしています。
 最高裁判所事務総局の資料によると、令和元年に家庭裁判所で終局した十八歳及び十九歳の少年に係る一般保護事件について、終局人員の総数に占める虞犯の人員の割合は約〇・四%であり、虞犯の態様として多かったのは不良交友や不純異性交遊などでした。
 次に、十八歳以上の少年に資格制限の特則を適用しないことについてお尋ねがありました。
 個々の資格制限規定は、それぞれの法律における行政目的を実現するために設けられたものであり、十八歳以上の少年について、業務の性質や実情等を問わず、年齢のみを理由として資格制限規定の適用を一律に緩和する少年法第六十条の特則を適用することは、責任ある主体としての立場等に照らし、適当でないと考えられます。
 刑による資格制限の例として、例えば国家公務員については、国家公務員法により、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者が欠格事由とされています。
 次に、資格制限の在り方の検討についてお尋ねがありました。
 十八歳及び十九歳を含む若年者の再犯防止、社会復帰を図る上で、就労の促進は重要と認識しています。
 そこで、本法律案による改正も踏まえ、若年者に焦点を当てた前科による資格制限の在り方について、政府としてしかるべき検討の場を設けることとしています。その上で、関係府省と連携し、若年者の社会復帰に際してのニーズ調査や有識者を交えた検討など必要な取組をしっかりと進めてまいります。
 次に、いわゆる推知報道の禁止の一部解除についてお尋ねがありました。
 推知報道の禁止を定める少年法第六十一条の趣旨は、少年の特定に関する情報が広く社会に伝わり社会生活に影響を与えるのを防ぎ、その更生に資することにあります。
 一方で、推知報道の禁止は、憲法で保障された表現の自由や報道の自由を直接制約する例外規定であることや、被害者等については推知報道を禁止する規定がないことからすると、十八歳以上の少年について一律に推知報道を禁止することは、責任ある主体としての立場や刑事司法に対する被害者を含む国民の理解、信頼の確保の観点から適当でないと考えられます。
 その上で、十八歳以上の少年についても、逆送されて公判請求された場合には公開の法廷で刑事責任を追及される立場となることに鑑み、本法律案ではその時点から推知報道の禁止を解除することとしています。
 次に、第五種少年院を設ける理由とその収容手続についてお尋ねがありました。
 第五種少年院は、特定少年に対し、保護観察中の遵守事項違反があった場合に少年院に収容する制度、少年法第六十六条第一項が新たに創設されることに伴い、設置されるものです。
 この収容制度は、少年院において処遇を行わなければ改善更生を図ることができないと認められる者について、一定期間少年院に収容し、再び効果的に保護観察を継続し得る状態に至らせるためのものであり、その特性に配慮した処遇を行うため、第五種少年院を設置することとしました。
 保護観察中の特定少年が、遵守事項を遵守せず、その程度が重いと認めるとき、保護観察所の長が家庭裁判所に対して申請をし、家庭裁判所の審判を経て収容されることとなります。第五種少年院の具体的な処遇内容については、少年院入院の早期から保護観察所と必要的に連携した処遇を行うこととするなど、今後適切に検討してまいります。
 次に、法改正の内容の職員への周知についてお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、本法律案が成立した場合、来年四月一日の施行に向けて、本改正の趣旨や変更点等について、保護処分を受けた少年の処遇に関わる職員に対し、周知を図る必要があると認識しています。
 そのため、少年院や保護観察所等の職員に対して、今般の改正の趣旨等について、研修その他の機会を捉えて十分に周知を図り、特定少年にふさわしい処遇の充実に努めてまいります。
 最後に、罪を犯した若年者の処遇の在り方についてお尋ねがありました。
 罪を犯した若年者の改善更生及び再犯防止を図るためには、施設内及び社会内において、その特性に応じた処遇を適切に行うことが重要であると考えています。
 法制審議会の答申においては、例えば、おおむね二十六歳未満の若年受刑者について、少年院の知見等を活用して、その特性に応じた処遇の充実を図ることなどが求められています。
 法務省では、現在、このような答申も踏まえ、施設内及び社会内での処遇の具体的内容について検討を行っているところです。(拍手)
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#25
○議長(山東昭子君) 山添拓さん。
   〔山添拓君登壇、拍手〕

#26
○山添拓君 日本共産党を代表し、少年法等改正案について質問します。
 法案に先立ち、新型コロナ対策に関し、総理に質問します。
 総理は今月一日、まん延防止等重点措置を初めて適用することとした際、集中的に対策を講じることで緊急事態宣言に至ることを防ぐと述べました。ところが、蔓延を防止できず、三度目の緊急事態宣言が避けられない状況です。その原因をどう認識していますか。第四波は、やむを得ない事態ではなく、やるべきことをやらなかった結果だという認識はありますか。
 大阪府や東京都は、休業要請など強い対策を検討しているといいます。前回より厳しい措置をとるなら、前回を上回る事業者への十分な補償が不可欠です。雇用調整助成金の特例措置を五月以降縮減する方針は撤回し、五月以降引き下げる予定の休業支援金の上限額も維持すべきです。これらを含め、直ちに補正予算を編成すべきではありませんか。
 総理は、東京五輪への影響はないと思っていると述べました。その根拠は何ですか。都知事が東京に来ないでと言う中、五輪開催は無理です。政府として、中止を決断すべきではありませんか。
 検査と医療を抜本的に強化し、感染収束へあらゆる力を尽くすよう求め、以下、法案について質問します。
 本法案は、選挙権年齢が十八歳以上に引き下げられ、民法の成年年齢が十八歳とされたことを理由に、十八歳、十九歳にも成人と同様の刑事罰を科すべきだという議論が契機となったものです。しかし、法律の年齢区分はそれぞれの趣旨や目的により決められるべきです。十八歳選挙権は、若い世代の政治参加と国民主権を実現する重要なものですが、だからといって少年法の適用年齢を改める必然性はないのではありませんか。
 成年年齢引下げの一連の動きは、二〇〇七年、第一次安倍政権が憲法改悪のための国民投票法を強行したことがきっかけです。改憲を狙う政治的思惑の延長線上に、少年法をもゆがめることは許されません。
 内閣府の二〇一五年の世論調査では、少年非行は増加していると答えた人が八割近くに上り、増えたのは、自分の感情をコントロールできず行うもの、凶悪化したもの、集団によるものだと思うとの答えが上位を占めました。
 しかし、少年事件は、ピークだった一九八〇年代以降、事件数でも人口比でも減少し続け、戦後最少を更新しています。殺人、強盗、強制性交など凶悪事件は一%程度であり、凶悪化しているわけでもありません。少年事件が急減していることをどのように認識していますか。現行少年法とこれに基づく保護処分は有効に機能しているのではありませんか。
 にもかかわらず、世論の受け止めとの乖離があるのはなぜだと考えますか。政府は、本来、少年事件の現状と少年法が果たしている役割を正確に情報発信し、少年事件が増加し、凶悪化しているとの誤解を解くことこそ求められているのではありませんか。
 以上、総理に答弁を求めます。
 本法案は、検討段階から異例の経過をたどっています。法制審では、少年法の適用年齢を十八歳未満に引き下げるべきか否か、仮に引き下げた場合にどのような措置が考えられるかが論点でした。ところが、昨年十月の答申は、三年半にわたる議論を経たにもかかわらず、適用年齢引下げは今後の立法プロセスでの検討に委ねるとし、判断を先送りしたのです。同時に、答申は、十八歳、十九歳について特別の規定を設けることとしましたが、これは昨年七月の与党PT合意の内容を反映したものです。
 答申を受け、どのような検討を経て成案を得るに至ったのですか。法制審も、法務省内での検討も、成年年齢引下げの改正民法との同時施行にこだわる官邸、与党の強い意向の下に、法改正ありきで進められたのではありませんか。
 未成年者の事件は、成人の事件と異なり、全て家庭裁判所に送致され、家裁調査官が、少年の資質や背景にある家庭環境、学習環境をきめ細かく調査し、教育的な視点から少年に対する処遇を決定します。現行法がこのような全件送致主義を取っているのはなぜですか。少年の成長発達権を保障し、立ち直りや育ち直しを図るためではありませんか。
 本法案は、十八歳、十九歳について、家庭裁判所から検察官に事件を送り返す逆送の対象事件を大幅に拡大するものです。二〇〇〇年に改正された現行法は、殺人や傷害致死など故意に人を死亡させた場合に限って逆送の対象としていますが、これを法定刑が短期一年以上の懲役などの罪に広げようとしています。強盗や事後強盗など、罪名が凶悪であっても、実際には万引きをして店員に捕まりそうになったので突き飛ばした場合など、行為の態様や結果の大きさはまちまちです。
 短期一年以上の罪に拡大する理由は何ですか。逆送となる事件数はどの程度増える見込みですか。罪名のみで判断して原則逆送の事件を増やすことは、家裁調査官による丁寧な調査や教育的処遇を困難にします。少年の健全な育成という少年法の目的に反するのではありませんか。
 現行法は、少年事件について、実名や住所、顔写真など、本人であることが推知される報道を禁止しています。SNSを含め、インターネットで公開された情報は半永久的に残ります。本人が立ち直りを果たしたとしても、好奇や偏見の目にさらされ、退学や退職を余儀なくされることが容易に想像されます。少年の家族が誹謗中傷を受ける可能性もあります。
 被害者遺族で犯罪被害者を支援する団体の片山徒有氏は、非行少年でも、問題行動を克服して、社会に有用な人材となった例はたくさんある、実名報道にさらされ、疎外される人をつくり出してはいけないと述べています。この声にどう応えますか。
 成人の事件でも、起訴された時点では無罪推定が原則です。被害者報道を含め、刑事事件における推知報道の在り方そのものについて検討が求められているのではありませんか。
 学校に行かずにゲームセンターに入り浸る、家出して帰ってこない、夜間に繁華街をうろつき、出会った仲間と交際する、犯罪に至らなくても将来罪を犯すおそれのある少年は虞犯といい、保護処分の対象とされます。
 本法案は、十八歳、十九歳を虞犯の対象から外しています。十八歳、十九歳で虞犯が減少し、保護の必要性がなくなったという事実があるのですか。公選法や民法との整合性を図るという説明は、少年の立ち直りの機会を奪う理由にはならないのではありませんか。
 私は、先日、群馬県の女子少年院、榛名女子学園を訪れました。虐待やネグレクトなど厳しい生育環境で育った少年が多く、少年院に入り、初めて一日三食の規則正しい生活を経験した、落ち着いて本を読む時間を得た、人に話を聞いてもらえたなど、育ち直しの機会を得る少年もいます。「ケーキの切れない非行少年たち」で知られたように、認知力が弱く、知的障害や発達障害を抱えた少年も少なくありません。虞犯は男子に比べ女子で高い割合を占めています。その理由や背景をどう認識していますか。
 児童福祉法の対象でない十八歳、十九歳が虞犯による保護処分の対象からも外れることになれば、性風俗業への関わりや反社会的勢力に取り込まれるのを防ぐセーフティーネットが失われることになるのではありませんか。
 以上、法務大臣に答弁を求めます。
 コロナ禍で、十八歳、十九歳を含む若い世代は深刻な困難に直面しています。政治に求められているのは、少年法の厳罰化ではなく、若者に手を差し伸べ、少年事件に携わる人や現場への支援を強めることだと指摘し、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕

#27
○内閣総理大臣(菅義偉君) 山添拓議員にお答えをいたします。
 新型コロナの感染拡大の原因等についてお尋ねがありました。
 専門家によれば、変異株の感染者の増加傾向が続いており、陽性者に占める割合は、大阪、兵庫で約八割、東京でも約三割と上昇し、急速に従来からの置き換わりが進みつつあるということであります。こうした中、政府としては、まん延防止のための重点措置の徹底など、自治体とも連携をしながら必要な対策を講じてきたところであります。
 事業者への支援についてお尋ねがありました。
 今回の緊急事態宣言の休業要請などによって影響を受ける事業者に対しては、しっかり支援を行い、事業と雇用、暮らしを守っていく考えです。御指摘の五月以降の雇用調整助成金や休業支援金の取扱いも含め、その具体的な内容は早急に検討し、お示しをいたします。その対策の実施に当たっては、これまで措置した予算や、必要に応じて五兆円の新型コロナ予備費を活用することで適切に対応してまいります。
 東京五輪についてお尋ねがありました。
 まずは、新型コロナウイルスの克服に全力を尽くしているところです。東京大会については、感染症対策をしっかりと講じ、安全、安心な大会を実現する決意です。このため、選手や大会関係者について、出入国や滞在中に定期的に検査を行うとともに、滞在先や移動手段を限定し、一般の人と交わらないようにするなど、対策を徹底して行ってまいります。
 IOCバッハ会長とも、昨年から、東京五輪を必ず実現することで一致しており、引き続き、東京都、大会組織委員会、IOCと緊密に連携して、しっかりと準備を進めてまいります。
 少年法の適用年齢についてお尋ねがありました。
 今回の改正案では、法制審議会の答申を受け、十八歳及び十九歳の者については、民法の成年年齢の引下げなどの社会情勢の変化も踏まえ、少年法においてもその立場に応じた取扱いをすることとしたところであり、改憲のためなどといった御指摘は当たりません。
 少年犯罪の動向などについてお尋ねがありました。
 少年による刑法犯の検挙人員数は減少傾向にあり、少年法に基づく現行制度は、再非行の防止に一定の機能を果たしていると認識しています。
 御指摘の世論調査の結果については、様々な評価があり得るため、一概にお答えすることは困難ですが、少年犯罪の現状等について国民の皆様の御理解を得ることは重要であり、引き続き正確な情報提供に努めてまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣上川陽子君登壇、拍手〕

#28
○国務大臣(上川陽子君) 山添拓議員にお答え申し上げます。
 まず、少年法の適用年齢に関する検討経緯などについてお尋ねがありました。
 法制審議会の答申では、十八歳及び十九歳の者の位置付けや呼称については、今後の立法プロセスにおける検討に委ねるのが相当であるとされました。その後、法務省では、この答申に基づく本法律案の立案の過程において、十八歳及び十九歳の者については、十七歳以下の者とは異なる特例規定を設けつつ、全事件を家庭裁判所に送致し、原則として保護処分を行うという少年法の基本的な枠組みを維持することから、引き続き少年法の適用対象とすることが適当であると考えたものです。
 法制審議会の答申は、委員、各幹事がそれぞれの学識経験に基づき調査審議を重ねた結果として取りまとめられ、また、法務省はその答申に基づいて立案作業を行ったものであり、御指摘のような意向や方針の下で議論を進めたものではありません。
 次に、家庭裁判所へのいわゆる全件送致の仕組みの趣旨についてお尋ねがありました。
 現行少年法が、少年事件について全件を家庭裁判所に送致し、家庭裁判所が調査、審判を行った上で処分を決定する仕組みとしているのは、少年の処分は、専門的な調査機構を持ち、少年事件を専門的に取り扱う家庭裁判所の判断に委ねることが適切であると考えられたことによるものです。
 次に、十八歳以上の少年に係る原則逆送対象事件の拡大についてお尋ねがありました。
 十八歳及び十九歳の者については、その責任ある主体としての立場等に照らすと、重大な犯罪に及んだ場合には、十七歳以下の者よりも広く刑事事件、刑事者責任を負うべきものとすることが適当であり、そのような観点からすると、死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役、禁錮に当たる罪の事件を原則逆送の対象に加えることが、犯罪の類型的な重大性を表す法定刑や犯罪の性質等に照らして適当であると考えたものです。
 実際に逆送決定をするか否かは、家庭裁判所が個別の事件ごとに様々な事情を考慮して判断するものであるため、逆送される人員に、人員数の見込みについて確たるお答えをすることは困難ですが、本法律案では十八歳以上の少年に係る原則逆送対象事件についても現行法と同様に例外となるただし書を設けており、家庭裁判所においては、現行の原則逆送対象事件と同様に、十分な調査等を尽くした上で逆送するか否かについて慎重な判断がなされると考えており、少年法の目的に反するものでもないと考えております。
 次に、十八歳以上の少年に係る推知報道の禁止の一部解除に関してお尋ねがありました。
 推知報道の禁止を定める少年法第六十一条の趣旨は、少年の特定に関する情報が広く社会に伝わるのを防ぎ、その更生に資することにあります。
 しかし、推知報道の禁止は、憲法上の表現の自由や報道の自由を直接制約する例外規定であることなどからすると、十八歳以上の少年について一律に推知報道を禁止することは、責任ある主体としての立場等に照らし、適当ではないと考えられます。
 もっとも、推知報道の禁止の解除によって健全育成、更生が不当に妨げられることのないよう、関係機関において、事件広報に当たって適切に対応することが必要であると考えています。
 次に、刑事事件における推知報道の在り方についてお尋ねがありました。
 刑事事件の被害者や関係者の名誉、プライバシーが適切に保護されることは、少年事件であるかどうかにかかわらず、重要なことであると考えています。もっとも、そのために報道に対する事前規制を設けることについては、一般に憲法で保障された表現の自由や報道の自由との関係で慎重な検討を要するものと考えています。
 次に、十八歳以上の少年に対し虞犯による保護処分をしないこととする理由についてお尋ねがありました。
 保護処分は、対象者の権利、自由の制約という不利益を伴うことからすると、民法上の成年とされ、監護権の対象から外れる十八歳以上の少年に対して、保護の必要性があるというだけで後見的介入を行うことが、成年年齢引下げに係る民法改正との整合性や責任主義の要請との関係で許容されるか、国家による過度の介入とならないかといった点で、その許容性、相当性に問題があると考えられます。そのため、本法律案では十八歳以上の少年については虞犯による保護処分はしないこととしています。
 次に、女子の虞犯少年についてお尋ねがありました。
 虞犯を含め、少年が非行に及ぶ理由や背景については、少年の性別だけでなく、家庭環境や経済的な問題、少年の資質など様々な要因が考えられるところであり、お尋ねについて一概にお答えすることは困難です。
 最後に、十八歳以上の少年に対し虞犯による保護処分をしないことによる影響についてお尋ねがありました。
 十八歳以上の少年について、虞犯による保護処分をしないとしても、その健全育成のためには対象者の任意に基づく支援、措置が重要であると認識しており、法務省としても、関係機関等と連携しつつ、法務少年支援センターや更生保護サポートセンターにおける各種取組など、少年の非行防止のための取組を強化するなどしてまいりたいと考えています。(拍手)

#29
○議長(山東昭子君) これをもって質疑は終了いたしました。
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#30
○議長(山東昭子君) 日程第一 自然公園法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。環境委員長長浜博行さん。
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   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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   〔長浜博行君登壇、拍手〕

#31
○長浜博行君 ただいま議題となりました法律案につきまして、環境委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、国立公園等を保護しつつ地域の主体的な取組による利用の増進を図るため、質の高い自然体験活動の促進又は利用拠点の質の向上のための協議会の設置及び計画認定制度の創設、利用のための規制の強化等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、法改正の意義及びその効果、設置される協議会の構成員及び運営の在り方、国立公園における廃屋への対応策、分譲型ホテルの在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して山下委員より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#32
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の皆さんの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

#33
○議長(山東昭子君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。(拍手)
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#34
○議長(山東昭子君) この際、日程に追加して、
 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#35
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。議院運営委員長水落敏栄さん。
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   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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   〔水落敏栄君登壇、拍手〕

#36
○水落敏栄君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、国会議員の歳費の月額について、令和三年十月三十一日までの間、引き続き二割削減する措置を継続しようとするものであります。
 委員会におきましては、本法律案と東徹君外一名発議による国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案(参第二四号)を一括して議題とし、質疑を行いましたが、その内容は会議録によって御承知願います。
 本法律案について質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本維新の会を代表して東徹理事より賛成の旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#37
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の皆さんの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

#38
○議長(山東昭子君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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