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2021/05/07 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 第8号 令和3年5月7日
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2021/05/07 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 第8号 令和3年5月7日

#1
令和三年五月七日(金曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十八日
    辞任         補欠選任
     自見はなこ君     堀井  巌君
 五月六日
    辞任         補欠選任
     野田 国義君     徳永 エリ君
 五月七日
    辞任         補欠選任
     安江 伸夫君     下野 六太君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石井 浩郎君
    理 事
                進藤金日子君
                本田 顕子君
                山田 修路君
                宮沢 由佳君
                竹谷とし子君
    委 員
                上野 通子君
                太田 房江君
                徳茂 雅之君
                藤末 健三君
                堀井  巌君
                三木  亨君
                宮崎 雅夫君
                山田 俊男君
                川田 龍平君
                岸 真紀子君
                徳永 エリ君
                福島みずほ君
                伊藤 孝江君
                下野 六太君
                安江 伸夫君
                松沢 成文君
                柳ヶ瀬裕文君
                伊藤 孝恵君
                田村 まみ君
                大門実紀史君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(地方創
       生))      坂本 哲志君
   副大臣
       内閣府副大臣   三ッ林裕巳君
       厚生労働副大臣  山本 博司君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        吉川  赳君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮崎 一徳君
       常任委員会専門
       員        佐藤 研資君
   政府参考人
       内閣府地方創生
       推進事務局審議
       官        佐藤 朋哉君
       総務省総合通信
       基盤局電気通信
       事業部長     今川 拓郎君
       出入国在留管理
       庁在留管理支援
       部長       君塚  宏君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    横幕 章人君
       農林水産省大臣
       官房参事官    大島 英彦君
       農林水産省農村
       振興局農村政策
       部長       山口  靖君
       経済産業省経済
       産業政策局地域
       経済産業政策統
       括調整官     桜町 道雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(石井浩郎君) ただいまから地方創生及び消費者問題に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、自見はなこ君及び野田国義君が委員を辞任され、その補欠として堀井巌君及び徳永エリ君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(石井浩郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府地方創生推進事務局審議官佐藤朋哉君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(石井浩郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(石井浩郎君) 国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#6
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子です。
 今回の法改正によりまして、株式会社等による農地取得特例の期限を延長することとなっています。農地は農業を営む上で必要となる基本的な生産基盤であり、我が国のように、国土が狭く、かつその三分の二は森林が占めるという自然条件の下、食料の安定的な供給を図るためには、優良な農地を確保し効率的に利用することが必要であると理解をしております。一方で、本法による株式会社等の農地所有につきましては、当該農地が目的外使用、転売又は開発行為等により荒廃することがないように十分配慮することを求めておきたいと思います。
 その上で、国家戦略特区制度に関することで、今回は法改正の対象には至りませんでしたが、東京都が申請をしている件について質問をさせていただきます。
 平成三十一年四月二十六日に東京都が国家戦略特区ワーキンググループヒアリングで提出した資料を配付しております。
 東京都は、高度人材の受入れ促進に向けた同性パートナーの在留に係る特例の創設を申請しています。東京都によれば、国際金融都市東京の実現に向けた外資系金融機関CEO等との意見交換において、外資系金融機関のCEOよりこう発言があったということでございます。多様な外国人材を活用するためには、同性パートナーも異性パートナーと同様に在留を取り扱うことにより、アジアの他の金融都市にない強みとして、東京への高度金融人材の流入を促すと。そこで、東京都から同性パートナーの在留に係る特例の創設が提案されました。
 これについて内閣府としてどう捉えているか、坂本大臣に御所見を伺います。

#7
○国務大臣(坂本哲志君) 高度人材の受入れ促進に向けた外国人同性パートナー在留に係る特例の創設につきましては、今委員おっしゃいましたように、平成二十九年九月の特区諮問会議において東京都知事より御提案がありました。その後、特区ワーキンググループにおいて法務省や東京都に御参加をいただきまして議論を積み重ねてきたものと承知をしております。
 国家戦略特区の目的であります産業の競争力の強化や国際的な経済活動の拠点の形成を実現していく上で、高度外国人材の受入れの促進は非常に重要な課題であるというふうに認識しております。本件につきましても、引き続き法務省等の関係機関と連携しつつ検討を進めてまいります。

#8
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 重要な課題であるとの認識が示されました。
 この件に関する国家戦略特区ワーキンググループヒアリングの議事要旨を拝見いたしますと、引き続き法務省と事務的に議論し、ワーキンググループ等でまた議論の機会を設けられればというような内容になっておりました。
 その後の法務省との協議はどうなっていますでしょうか。もう少し詳しくお願いいたします。

#9
○政府参考人(佐藤朋哉君) お答え申し上げます。
 今御指摘いただきましたように、本件につきましては、昨年の六月四日の国家戦略特区のワーキンググループにおきまして、提案者である東京都及び関係省庁である法務省に御参加をいただきまして議論を行ったところでございます。当日の会議では、東京都からの提案に対しまして、法務省からは、在留資格上、外国人の同性パートナーシップを同性婚と同様に取り扱うことの問題点等について御説明があり、ワーキンググループ委員との間で議論が行われたところでございます。
 その後、六月十日の特区諮問会議において、金融系外国企業等の我が国進出の加速化などの観点から、外国人同性パートナーの在留資格の在り方について引き続き検討を行うということを決定したところでございます。
 これを踏まえて、内閣府としては、引き続き法務省と連携しつつ検討を行ってきているところでございますけれども、現時点ではなお特例の創設には至っておらないという状況でございます。

#10
○竹谷とし子君 議事要旨を拝見いたしますと、発言をされているワーキンググループ委員の方はおおむね前向きであると理解をいたしました。この問題に関しては、やはり在留資格を所管する法務省が鍵を握っていると思います。
 私は、この問題につきましては、そもそも国家戦略特区制度というよりも日本全体で取り組むべき人権上の課題だというふうに理解しております。それが今すぐには解決が難しそうだと判断して、東京都は、国際金融都市を実現するために高度人材を呼ぶという趣旨で、その方が同性パートナーを有している方であったときに、せっかく日本に来ようとしている意思があった方であったとしても、そのパートナーがなかなか日本に来られないという事情があったときに二の足を踏んでしまう、それが一つの支障となっているということを解決するために特区として認めていただきたいということであったと理解をしております。
 そこで、在留管理を所管する法務省に伺います。
 現在、双方の本籍地、国、地域で同性婚が異性婚と同様に認められている場合には特定活動として在留資格を認めていますが、その理由をまずお尋ねいたします。

#11
○政府参考人(君塚宏君) 出入国在留管理庁からお答えを申し上げます。
 入管法上の配偶者としての地位を前提とする在留資格が認められるためには、それぞれの国籍国において法的に夫婦関係にあり、かつ我が国においても法律上の配偶者として扱われるようなものであることを必要としております。我が国におきましては、法制度上同性婚が認められないことから、同性パートナーは入管法上の配偶者には含まれないものとして制度の運用に当たっているところでございます。
 その上で、同性婚の当事者がいずれも外国人である場合、その双方の本国、地域で有効に同性による婚姻が成立しているときは、在留資格を有する外国人の同性パートナーにつきましても、本国と同様に我が国においても安定的に生活ができるようにとの配慮から、特定活動という在留資格による入国、在留を認めているところでございます。

#12
○竹谷とし子君 安定的に生活できるようにとの配慮、すなわち人道的観点からの配慮ということだと思います。
 同性婚カップルには人道的観点から認められている一方で、パートナーシップ制度における登録を行った同性パートナーには、同性婚の配偶者と同様には現在は特定活動の在留資格を認めておられません。
 その方々には人道的配慮がなされない、その理由を伺いたいと思います。

#13
○政府参考人(君塚宏君) お答えを申し上げます。
 当該出身国での同性パートナー制度におけるその登録が認められていたといたしましても、当事者双方の国籍国、地域で有効に婚姻が成立している場合と異なりまして、諸外国の制度の状況も現状においては十分に把握できておらず、また、我が国に中長期にわたり在留いただく中で、適切に在留状況を見ていく上で、身分関係の明確性、確実性の点やその把握、確認方法等に課題があることから、こうした現状において在留資格を認めていないということでございます。

#14
○竹谷とし子君 日本以外のほかの国、地域において、同性婚や、また同性パートナーシップに対する在留を認めている国、地域があると承知をしております。このような諸外国の制度を参考にして、日本においても在留を認めるように検討をしていただきたいと考えております。
 繰り返しになりますが、法務省においてその検討状況を伺いたいと思います。

#15
○政府参考人(君塚宏君) 先ほど申し上げたとおり、双方の国籍国、地域における婚姻が成立している同性パートナーにつきましては入国、在留を認めている一方で、当事者一方の国籍国、地域のみにおいて婚姻が成立しているという場合につきましては、先ほど申し上げましたが、身分関係の明確性、確実性やその把握、確認方法等に課題がございまして、現状においては在留資格を認めていないわけでございます。
 それから、今御提示ございました、婚姻ではなく同性パートナーシップ制度における登録が認められている場合につきましては、これは諸外国の制度の状況というものを現状において十分に把握をしておらない状況でございます。また、当事者双方の国籍国、地域で登録が認められていたとしても、この身分関係の明確性、確実性という点で同様の課題があることから在留資格を認めていないわけでございます。
 その上で、当事者一方の国籍国、地域において婚姻が有効に成立している同性パートナーの在留資格の付与の在り方につきましては今後ともしっかりと検討してまいりたいと考えているところでございます。

#16
○竹谷とし子君 当事者一方の国籍国、地域において婚姻が有効に成立している同性パートナーの在留資格の今後の在り方についてしっかり検討してまいりたいという御答弁、ありがとうございます。その件に関しましては、是非、以前よりも一歩進んだと思っておりますので、積極的に進めていただきたいと願います。
 その上で、それと並行して、繰り返しになりますが、婚姻ではなく同性パートナーシップ制度における登録が認められている場合についても在留資格を認めていただけるように検討をお願いしたいと思います。
 東京都が提出した資料によりますと、香港においては、日本同様に、法律による自国の同性婚や同性パートナーシップ制度はなく、従来、法律婚以外の同性カップルのパートナーに対する配偶者ビザの付与は認められていなかったということです。しかしながら、数次の裁判を経て、二〇一八年七月に同性カップルのパートナーにもビザ取得に関して法律婚と同じ権利を認める裁判の判決があり、これを受け、同性パートナーへの配偶者ビザを認める新たな入管制度が導入されたということでございます。
 法務省におかれましては、同性パートナーシップ制度における登録が認められている場合でも外国人パートナーに在留資格を認めない理由として、諸外国の制度の状況把握、身分関係の明確性、確実性の点やその把握、確認方法等を理由に挙げられていますが、それらのほかの国、地域では解決している技術的な課題ではないかと思います。それらを調査し参考にして解決策を御検討いただきたいと思います。いかがでしょうか。

#17
○政府参考人(君塚宏君) 今委員御指摘ございました香港におけるビザの特例につきましては、司法判断を受けてこのような特例が設けられたということについては承知をしているところでございまして、また詳細な調査を行う必要もあるかと思っております。
 ただ、いずれにいたしましても、この他国の同性パートナーシップ制度において公的に登録が認められていたとしても、当事者双方の国籍国、地域で有効に婚姻が成立している場合と異なりまして、この在留資格への該当という点でこれを審査するということに当たりまして、この身分関係の明確性あるいは確実性の点やその把握、確認方法に課題があるということで、現状においては在留資格を認めていないところでございます。
 いずれにしましても、同性婚につきましては、出身国での身分法制度あるいはその形態など様々であるものと承知をしておりますし、また入国・在留手続面での申立て内容も種々ございます。そこで、まずは、先ほど申し上げましたけれども、現状において在留資格を認めていない当事者一方の国籍国においてのみ婚姻が有効に成立している同性パートナーの在留資格の在り方につきましてしっかりと検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。

#18
○竹谷とし子君 この件に関しましては少しずつ少しずつ進んできているものというふうに承知をしておりますので、今お願いしたことについても今後検討していっていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 続きまして、離島におけるオンライン診療について伺います。
 先日、公明党離島振興対策本部では、オンラインで三重県鳥羽市からヒアリングをさせていただきました。
 鳥羽市は、答志島、菅島、神島、坂手島の小規模沿岸部離島四島を有しております。一九五四年以降、公的医療機関として離島に市立診療所を開設、離島住民の方々に対して、外来診療や往診、各種検診の実施と、医療サービスを提供してこられました。しかしながら、一九五〇年代に三万人を超えていた鳥羽市全体の人口も、二〇一六年には二万人を切り、国立社会保障・人口問題研究所によりますと、二〇四五年には八千五百七十二人まで減少すると推計をされています。離島においては更に顕著であり、この十年間で二七%に当たる約千二百人の減少があるということでございます。
 このようなことから、今後の市立診療所の運営においても、人口減少に伴う患者数の減少を踏まえて、効率的な医師配置やICTを利用した診療を活用し、安定した医療が住民に提供できるような診療所運営を考える必要があるということでございます。
 現在、鳥羽市の医療施設は二次医療機関を担う病院施設はなく、全ての離島に市立診療所を設置し、医師を常駐されているということです。しかし、離島人口の減少に伴い患者数は減少傾向であり、さらに、診療報酬請求額は大きく減少して支出超過となっているということでございます。原則として診療所ごとに管理者となる医師一名を配置し運営に当たっており、自治医科大学卒業生の派遣や全国からの公募という形で辛うじて医師を確保している現状です。
 へき地や離島の医療に携わる医師の全国的な不足は今後も続く見通しでございます。今後欠員が生じた場合に、新たな医師の採用に時間を要し、現状の診療体制を維持していくことの困難も予想をされております。
 このような課題を踏まえて、鳥羽市では、必要な保健医療サービスを維持しつつ効率的な診療所運営を行う体制について、数年にわたり検討を進めてこられました。
 近距離沿岸部の離島四島を抱える地理的条件を考慮した結果、複数の医師が複数の診療所を担当、兼務するグループ診療、面で支える医療と言われております。令和四年度から移行する予定とされています。グループ診療を実施した場合に、医師の離島滞在時間が現在よりも減少するということがやむを得ない状況になるそうです。島民の不安の増大、医療の質の低下も危惧されております。そのため、ICTの活用、特にオンライン診療によって島民の安心を確保することを目指しているということでございます。
 そこで、実証実験を行われました。例えば、成果の例としては、天候の悪化時やグループ診療の動きの中で医師がその離島に不在であっても、医師が通常に近い診療の提供が可能であるということが示されたそうでございます。定期薬を切らすこともなく、いつもと違う症状で受診をした患者様にも対応することが可能であり、島民の満足度も高かったということです。また、緊急疾患の発生時でも患者の状況を大きく間違うことなく把握でき、医師、患者とも共に不安を軽減できたということでありました。さらには、新型コロナウイルス感染によって起き得る事態に対して柔軟な対応が取れる可能性も示されたということです。
 しかしながら、実現に当たっての課題も浮き彫りになりました。保険請求の要件が当該医療機関内において行うということとなっているため、緊急時等に医師が自宅や出先でオンライン診療を行うと診療報酬の保険請求ができないということとなり、オンライン診療の普及の壁になるとの指摘でございます。例えば、実証実験のときには、夜間緊急時に患者の自宅に訪問した看護師の方から連絡をもらった後、約三十分ほど掛けて鳥羽市の休日・夜間応急診療所まで行って、そこで診察を開始したということでございます。
 そこで、厚生労働省山本副大臣にお越しいただきましたので、要望させていただきます。
 離島等でオンライン診療の活用が進むための方策について、このような現場の状況等を踏まえながら、次期診療報酬の改定に向けて御検討をお願いしたいと思います。

#19
○副大臣(山本博司君) ありがとうございます。
 私も、全国の離島、百六の離島を回らせていただいておりますので、医師の不足している離島やへき地において情報機器、ICTを活用したこのオンライン診療というのは大変有用であると実感している一人でございます。
 その意味で、厚労省におきましても保険診療において評価を行っている次第でございます。例えば、令和二年度の診療報酬改定におきまして、離島を含めた医療資源の少ない地域等におきましてオンライン診療がより柔軟に活用できるように診療報酬の要件について見直したところでございます。これは医師の所在に係る要件の緩和ということでございまして、例えば本土からやる場合の遠隔医療、遠隔診療とか、こういうことを認めたということでございます。
 診療報酬におけるこのオンライン診療の評価の在り方等につきましては、新型コロナウイルス感染症の状況も踏まえながら、検討されている、オンライン診療の適切な実施に関する指針の改定状況を踏まえて検討することにしている次第でございますけれども、竹谷委員御指摘のような鳥羽市でのそういう事例も含めて、離島等で様々な活用が更に進むための方策につきまして、現場のこうした状況、自宅等では使えないというお話もございましたけれども、こうした現場の状況等を踏まえながら、次期診療報酬改定に向けまして、中央社会保険医療協議会において検討してまいります。

#20
○竹谷とし子君 ありがとうございます。是非よろしくお願い申し上げます。
 こうした離島における遠隔医療を実現するためにも、ブロードバンド環境がなくてはなりません。公明党離島振興対策本部として、全国各地の離島を訪問しながら離島の課題や要望を伺い、政府に離島のブロードバンド環境の充実を求めてまいりました。
 通信環境が整備されているということは、今は暮らしに不可欠の条件であると思います。地域の活性化にもなくてはならない前提条件でございます。条件不利地域である離島のブロードバンド環境に関して、光ファイバー整備の現状はどうなっていますでしょうか。また、我が党としても強く後押しして、令和二年度の第二次補正予算に約五百億円の補助金が計上されました。整備状況はどうなっているか、総務省に伺いたいと思います。

#21
○政府参考人(今川拓郎君) お答え申し上げます。
 御指摘ございました離島における光ファイバーの世帯整備率は、令和二年三月末時点で九〇・六%となっております。この条件不利地域における光ファイバー整備を支援する補助事業、高度無線環境整備推進事業と申しておりまして、お手元にもお配りいただいているところでございますけれども、令和二年度第二次補正予算などにおきまして、委員御指摘のとおり、五百億円を超える予算を計上いたしまして、現在、その多くを本年度に繰り越して実施しているところでございます。この各地域の補助事業が完了した場合には、離島の世帯整備率はおおむね九五%となる見込みでございます。
 なお、総務省では、これもお手元の資料に御配付いただいておりますけれども、令和三年度から、地方公共団体が行う離島地域の光ファイバーなどの維持管理に要した収支赤字の一部を補助するなどの財政措置を講じているところでございます。こうした支援措置を踏まえまして、残された離島市町村から一層の光ファイバーの整備希望が出てきた場合にはきめ細かな支援ができるように対応してまいりたいと考えているところでございます。

#22
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 維持管理にも支援をしていただいているということでございます。通信環境というのは、離島の生活、そしてそこにお住まいの方々の医療、また命を守ることにもつながっていくことでありまして、大変重要なことでございます。
 災害時に光ケーブルが切れてしまうというような被害もこれまでありました。災害時に離島において被害があった場合、この復旧費用、これが非常に重いというお声もございます。
 自治体の負担に対して国としてどのような支援を行っているのか、総務省に伺います。

#23
○政府参考人(今川拓郎君) お答え申し上げます。
 先ほど御説明申し上げました高度無線環境整備推進事業の補助事業では、条件不利地域の地方公共団体が保有する光ファイバー設備が被災した場合における災害復旧費についても支援対象としておりまして、離島については補助率を三分の二としております。また、この補助事業の地方負担分についても地方財政措置を講じているところでございます。
 なお、参考でございますが、地方公共団体が災害保険に加入している場合は、この保険料について、離島の地方公共団体の光ファイバー設備の維持管理に要する経費の一部として補助するなどの財政措置も講じているところでございます。

#24
○竹谷とし子君 離島においては補助率を三分の二としている、そして補助事業の地方負担分についても地方財政措置を講じていただいているということでございます。
 ただ、残る自治体の負担をする部分についても、小さな自治体でありますと非常に重いという声をいただいているところでございます。今の御答弁の中で、そこの部分について、保険に入ったときの保険料についても経費の一部として補助として認められるという御答弁であったと思います。財政的に厳しい離島自治体にとっては大変重要なことであると思います。いざというときに備えて保険に入るように周知もしていっていただきたいと思います。
 今後も離島が過度の財政負担なく住民生活を支えるためのブロードバンド環境を維持できるように、引き続ききめ細かな対応を総務省にお願いしたいと思います。
 最後に、スーパーシティ構想に関しまして伺います。
 昨年の諮問会議において、その他の重点的に進めるべき規制改革事項としてスーパーシティ構想の早期実現が挙げられています。未来の生活を先行実現するスーパーシティ事業は、デジタル化の恩恵を地域に暮らす方々がしっかりと受けていくためにも、やり方によっては非常に有用なものになる可能性があると思っております。
 一方で、それが成功するには、一定の個人情報を扱う必要も出てきます。その際に、個人が安心して情報を提供できる信頼関係が不可欠であると考えております。
 スーパーシティ事業に係る個人情報を地方公共団体が住民への同意や通知がなく事業者に提供することがないように、また具体的なそのための防止策取り決めていく必要があると思いますが、このことについて方向性を伺いたいと思います。また、同意した後に不同意に変更した場合には、提供済みの個人情報を事業者が使えないようにするべきとも考えます。御所見を伺います。

#25
○政府参考人(佐藤朋哉君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘いただきましたとおり、スーパーシティ構想を推進するに当たりましては、住民等の方々の個人情報の保護というのは重要な課題であるというふうに認識をしているところでございます。
 こういう認識に基づきまして、昨年の十月に私ども、国家戦略特区の基本方針、閣議決定しているものですが、この基本方針を改定いたしまして、スーパーシティの区域の指定基準の一つといたしまして、「地方公共団体及び関係事業者等において、個人情報保護法令等の遵守を含め、住民等の個人情報の適切な取扱いが図られることが見込まれること。」というのを明記したところでございます。
 現在、全国の地方公共団体からこのスーパーシティの提案を受けてその区域指定に向けた検討を進めているところでございますけれども、今後、個人情報保護に知見を有する有識者の御意見もいただきつつ、公正かつ透明なプロセスで選定してまいりたいというふうに考えております。
 御指摘いただきました、スーパーシティの実施段階においてどうなのかということですが、関係の地方公共団体や実施事業者等においては個人情報保護法令の徹底遵守が求められるということでございまして、御指摘のその地方公共団体が保有する個人情報につきましては、一般的には、各地方公共団体が定める個人情報保護条例によりまして、本人の同意に基づくときなど条例で規定する特別な場合以外は目的外の提供はしてはならないこととされているというふうに承知をしております。また、個人情報の提供を受けた事業者に対しては、個人情報保護法に基づきまして一定の場合に利用停止などを請求をできるものというふうに承知をしております。
 もとより、個人情報保護策の詳細を含めまして、スーパーシティ構想の具体的な内容については、区域の選定後に内閣府や地方公共団体が構成員となって設立されます区域会議において検討されることになりますけれども、内閣府といたしましても、区域会議の一員として、このスーパーシティ構想の実施段階においても個人情報保護法令の遵守を含めて住民等の個人情報の適切な取扱いが図られるようにしっかり取り組んでまいりたいというふうに考えております。

#26
○竹谷とし子君 ありがとうございました。
 時間ですので、終わります。

#27
○山田修路君 自由民主党の山田修路です。
 今日は、農地制度など土地に関する制度について質問したいと思います。
 時代の流れに応じて規制や制度を見直していくべきですけれども、今言いました農地など土地に関する制度については、世の中に大変大きな影響を与えるものであります。十分な検討、議論が必要でございます。
 そこで、まず、法人農地取得事業に関連して質問に入りたいと思います。
 農地法では、農地所有適格法人という一定の要件を満たした法人に所有権の取得が認められているわけですけれども、この国家戦略特区では、この農地所有適格法人以外の法人について農地の所有を認めることとしておりますが、その理由について伺いたいと思います。

#28
○政府参考人(佐藤朋哉君) お答え申し上げます。
 養父市で活用されております法人農地取得事業に係ります特例につきましては、一般論といたしまして、農地のリースについては、リース契約の解除あるいは期間満了後に更新できないことによって事業継続ができなくなる可能性があること、あるいは、安定的、長期的な経営環境を整備して事業者が長期的な見通しの下で投資を行うことを可能とするために、農地のリースに加えて農地の所有も選択肢の一つとすべきであるという考え方もあることと、こういうような背景の下に、養父市からの御要望も踏まえまして、特区ワーキンググループや特区諮問会議での議論及び政府内での調整を経て、農地法の特例といたしまして、一定の要件の下に株式会社等による農地所有を認めることを盛り込んだ特区法の改正法案が平成二十八年に国会に提出されまして成立いただいたものというふうに承知をしております。

#29
○山田修路君 この法人農地取得事業は、五年間に限って法人による農地所有権の取得を許可できるというふうにしておりますが、この五年間に限っている理由についてお伺いしたいと思います。

#30
○政府参考人(佐藤朋哉君) 本特例につきましては、企業による農地所有に対する様々な懸念があったということを踏まえまして、国家戦略特区の中でも一定の要件を満たす区域に限定をいたしまして、かつ、今御指摘ありましたように、期間も五年間に限定をした上で、試験的な事業として株式会社等による農地所有を認めることとしたというふうに承知をしております。

#31
○山田修路君 当時の議論として、五年たったらどういうふうにするつもりであったのか、そのことについての議論、方向性はあったんでしょうか。

#32
○政府参考人(佐藤朋哉君) お答え申し上げます。
 今申し上げましたとおり、この特例の創設に際しましては、企業による農地所有に対する様々な懸念を踏まえて、国家戦略特区の中でも対象区域を一定の要件を満たす地方公共団体に限定をした上で、かつ期間も五年間に限定をすると、そして試験的な事業として実施するということとしたと承知をしております。
 したがいまして、本特例の創設の時点では、この特例の期限、つまり五年間を経過した後の取扱いについては決まっていなかったというふうに承知をしております。

#33
○山田修路君 ありがとうございます。
 この制度としては、五年間で期限が切れているわけではなくて、五年間で許可をして、その後、特区の中では事業がその法人はできるという仕組みですので、何か期限切れというわけでも必ずしもないということであります。
 そして、この国家戦略特区の基本方針、これは基本方針が定まっておりますが、その中で基本的考え方という規定があります。そこで二つ重要なことが書いてあると私は理解をしております。一つは、実施状況について適切な評価を行うこと、これが一つです。そして二つ目は、一定期間が経過し特段の弊害がない特区の成果は全国展開に向けた検討を重点的に進めるなど全国展開を加速化すると。この二つであります。この基本方針からすると、このまず第一に実施状況をしっかりと評価していくこと、そして、本当に懸念がないかどうか、懸念がなければ全国展開するということですけれども、その二点を確認する必要があると思います。
 まず、この法人農地取得事業の成果、この五年間の実績、成果についてどういうことがあるのか、お伺いしたいと思います。

#34
○政府参考人(佐藤朋哉君) お答え申し上げます。
 この特例につきましては、平成二十八年の創設以来、これまでに養父市におきまして六法人がこの特例を活用して農地を合計一・六ヘクタール取得をしております。これらの六法人が所有又はリースしている農地の面積は合計で約三十一ヘクタールでございまして、このうち約十五・七ヘクタールは従前は遊休農地であったというふうに承知をしております。そして、これらの六法人によりまして、農業の六次産業化による地域経済の活性化、あるいはスマート農業実証事業による新たな中山間地域における農業モデルの構築などの成果が上がっているものというふうに評価をしております。
 また、例えばその法人が取得した農地を産廃置場にしてしまうんではないかというふうな懸念も指摘されたわけですが、そういった特段の弊害というものもこれまでのところ生じていないというふうに認識をしております。

#35
○山田修路君 今おっしゃったこと、本当にその所有権の移転による成果であるのかどうか、そして、懸念がないと言われていますけれども、本当に懸念がないのか、そこはしっかりチェックをする必要があると思います。
 そして、五年前の国会で、当時の石破地方創生担当大臣は次のようにおっしゃっているんですね。その転用の懸念等が払拭されたというだけでは当然駄目で、この法律の趣旨に鑑みて、本来その国家戦略特区にふさわしいような効果が上がっているのかを検証する必要があるんだと。例えば農業の参入者が増えたとか、あるいは収入が上がったとか、あるいは農地が有効に利用されているとか、そういう国家戦略特区にふさわしい成果が当然上がっていなければならないんだと石破大臣は述べております。
 今言われたこと、まあ一部はそういうこともありますけれども、本当に国家戦略特区にふさわしい成果であるのかということを十分吟味する必要があると思います。そして、これはまた後でお聞きしますけれども、国家戦略特区にふさわしいと石破大臣がおっしゃっているのは、やはり政府、国が目指している政策の方向に合っているということでなければ、この国家戦略に基づいた特区というふうには言えないというふうに思います。
 この点はまた後ほど質問しますけれども、まず、今おっしゃった十五・七ヘクタールですか、遊休農地が解消されたなどおっしゃっておりましたけれども、これは本当に所有権の取得による成果であるのかどうかですね。
 この養父市で新規参入した法人の農業経営面積のうち、リース、賃貸借によるものと所有権によるもの、それぞれ何%であるのか、お伺いしたいと思います。

#36
○政府参考人(佐藤朋哉君) お答え申し上げます。
 養父市においてこの特例を活用している六法人が所有又はリースしている農地の面積は、先ほど申し上げましたとおり、合計で三十一ヘクタールとなっております。その内訳ですけれども、この六法人が所有している農地の面積は合計約一・六ヘクタール、先ほど申し上げましたその三十一ヘクタールの約五%ということでございます。で、六法人がリースしている農地の面積は合計で二十九・四ヘクタールですので、全体の約九五%ということになっております。

#37
○山田修路君 今おっしゃったように、六法人の経営面積のうち、所有農地の面積は一・六ヘクタール、僅か五%です。先ほど遊休農地十五・七ヘクタール解消されたと言っていますけれども、ほとんどはリースで、所有権のものがあるのかどうかは知りませんけれども、ほとんどない。この所有権は、僅か一・六ヘクタールといえば小学校の運動場一枚ぐらいの面積にすぎないわけです。
 これを、これだけを見て所有権の効果が上がっているんだという論拠には全くならないと言わざるを得ません。これはリースによる成果であって、まさにこのリースによる成果というのは政府が進めている賃貸借による規模拡大という政策の妥当性を示すものであって、所有権が必要だということを示す証拠は一切ないと言わざるを得ません。
 全くこの正反対の結論を導くような議論が諮問会議ではなされているのではないか、大変不安になります。結論ありきで議論しているのではないかという気がいたしますが、その点についてどうお考えでしょうか。

#38
○政府参考人(佐藤朋哉君) この特例を活用している法人でございますけれども、確かに御指摘のとおり、というか、先ほど御説明申し上げましたとおり、面積割合で見ればそのリースの割合が非常に大きいということでございますけれども、これらの法人はその所有又はリースしている農地を一体として農業の用に供しておりまして、法人がそれぞれの経営判断によりまして農地の所有とリースを適切に組み合わせて営農することが可能になるというところにこの特例の意義があるのではないかというふうに考えております。したがいまして、この特例を活用して営農している法人の実績を全体として評価することが適切なのではないかというふうに考えております。
 私も、実際に現地にお邪魔いたしまして、実際にこの特例を活用して農地を所有している企業の方にお話を伺いました。少し具体例申し上げますと、ある企業の方は、元々市外で建設業を営んでいらした企業なんですけれども、養父市内で農地を所有して営農しているうちに、周囲の農家の方々からもそれぞれの農家が所有されている農地の耕作も依頼されるようになったと。御高齢でなかなか自分で田んぼ耕すのが難しくなっているというような事情もあって、うちの田んぼも耕してほしいと、こういうような形で依頼されるようになって、結果としてそのリースによる営農面積というのがどんどん増えていったと、こういうことをお話しいただいた方もいらっしゃいました。
 あるいは、その農地を自分で所有するということで、回収に長期を要する投資をするという判断、思い切ったそういう投資判断が可能になったことで、大規模な水耕栽培のプラントの建設をして今LEDを使ってレタスの水耕栽培の実証をやっていらっしゃる企業の方、こういう例もございました。
 こういうように、この特例によって法人の農地所有が可能になったことによってこういった取組が進展をして、例えば農業の六次産業化による地域経済の活性化などの成果が上がっているのではないかというふうに認識をしております。

#39
○山田修路君 それは個々の農家に行けばいろんなことはあるでしょう。いろんなことはありますけれども、その一つ二つの例を挙げて、だから所有権が必要だという根拠には全くならないと思います。それはなかなか、今言っているように、九五%の要因で達成されたこと、そして五%の要因で達成されたこと、それが全体として一〇〇%のものが生じているわけですけれども、どこの部分がその効果があったか特定できない場合には、当然のことながら九五%のものは九五%の影響を及ぼしたと考えるのが普通であって、五%の中の僅かな一、二例を取り上げて、これで効果があった、これが国家戦略特区として大事なことだと言うのは、ややというか相当無理がある。結論ありきで議論しているのではないかというふうに思います。
 やはり一般論として、それでは今度は懸念の話に移りますけれども、法人の農地所有の弊害、先ほどちょっと懸念の話がありましたけれども、どんなことが懸念されているのか、農水省にお伺いしたいと思います。

#40
○政府参考人(大島英彦君) お答え申し上げます。
 企業による農地所有については、農業、農村の現場におきまして、水管理、土地利用に支障が生ずるのではないか、あるいは、収益が上がらなければ容易に農業から撤退してしまうのではないか、また、農地を他用途に転売されたり産廃置場になるのではないかなど心配する声のほか、地域との調和が図れるか等の懸念があるところでございます。
 農地は、農業生産の基盤であると同時に、地域における限られた貴重な資源、財でございます。食料安全保障、自給率の向上にも直結するものであることから、企業の農地所有につきましてはこれらの懸念の声も踏まえて慎重に検討していく必要があると考えているところでございます。

#41
○山田修路君 今、農水省から懸念の話がありました。そして、内閣府から先ほど懸念は余りなかったんだという御説明もありましたので、質問する予定でしたけど、ちょっと飛ばさせていただきます。
 そして、内閣府の方からそういった懸念は生じていなかったという先ほど御答弁ありましたけれども、この農地の耕作放棄になっていってしまう、あるいは転用される、産廃置場になるというのは、農業参入直後に起こるものではないんですね。当たり前のことなんですね。特に、この特区のように注目されているところで、最初入ってすぐに、二、三年したらもう転用するとか産廃置場になるということがあり得るということ自体がもう想定されないわけですね。
 普通の農地では、一年に一作、稲作なら一年に一作、もう何年もやってみて全然成果が上がらない、そしてやむなく放棄してしまう、あるいは転用になってしまうということが起こるわけであって、数年間、数年、二、三年の間に何も起こらなかったから懸念が解消されたと考えること自体、もう既に、もう結論ありきでやっている、議論しているとしか思えません。
 そして、もう一つ大事な点があるんですけれども、この不適切な事態が生じた場合には再売買の予約という制度をつくっています。本当にこれが再売買の予約で元に戻っていくのかということが、実効性があるのかということもこの制度の一つの問題であると思いますけれども、その点についても全然、このセーフティーネットが本当に働くのかどうか、この点についても全くその検証がなされていないわけであります。このセーフティーネットが働くかどうか、これも重要な論点であります。
 このセーフティーネットについての検証もしていない、そして今言ったように、二、三年たって何も懸念は生じなかったということで弊害がないと結論付けるのは時期尚早ではないかと思いますが、内閣府さん、どうでしょうか。

#42
○政府参考人(佐藤朋哉君) お答え申し上げます。
 この特例につきましては、ただいま農水省さんから御説明がありましたような、法人による農地取得について様々な懸念があったということを踏まえまして、今御指摘いただきましたとおり、法律上、法人がこの特例に基づいて農地の所有権を地方公共団体から取得するためには、農地を適正に利用しない場合には地方公共団体にその所有権を移転する旨の書面契約を締結することと、これが要件の一つとされておりまして、これを受けて、養父市でも、法人と締結する契約書において、今御指摘ありましたけれども、農地の不適切な利用があった場合に備えて再売買の予約などを規定しているところでございます。これだけではなくて、養父市においては、これらの法人を定期的に訪問をされまして営農状況を適宜把握されて農地の適正な利用を確認すると、こういった対応を行っているというふうに承知をしております。
 こういう取組の結果、まだ時間が浅いという御指摘でございますけれども、この平成二十八年以降、これまでに農地を取得した法人による不適正な農地の利用といった弊害は生じていないという状態でございます。

#43
○山田修路君 今言いましたように、成果についての検証も全く不十分であるし、懸念についての検証も不十分であるということですから、ここで全国展開をするというようなことがあっては当然ならないはずであります。
 二年間延長という制度でありますけれども、この調査、ニーズと問題点を調査するということになっておりますが、全国展開を前提とした調査になってはならない。今までのその内閣府の、何というのか、前かがみのというのか、姿勢では、全国展開を前提とした調査が行われてしまうのではないかと大変懸念をしているわけですけれども、事実に基づく調査をしっかりやっていただきたいと思いますが、どうでしょうか。

#44
○政府参考人(佐藤朋哉君) お答え申し上げます。
 この特例につきましては、今御指摘いただきましたとおり、政府としてニーズと問題点の調査を特区区域以外においても本年度中に実施をして、その結果に基づいて全国への適用拡大について調整をいたしまして、早期に必要な法案の提出を行うことというふうにしております。
 この調査の内容、具体的な内容あるいはスケジュール等の詳細についてはまだ未定でございまして、今後、農水省ともしっかり連携をして検討してまいりたいというふうに考えておりますけれども、今御指摘いただきましたとおり、今後の対応の方向性についてはまさにその調査の結果を踏まえて判断をすべきというふうに考えておりまして、全国展開をする、あるいはしないという結論ありきで調査を行うものではございません。

#45
○山田修路君 先ほどから言っていますように、この二年間の調査で全国展開をするかどうかということを決めるのではなくて、特区における成果が上がっているのか、そして懸念は払拭されたのかということがなければ、二年間調査をして全国展開するというのなら、別に特区でやらなくたって二年間調査してやればいいことなので、本来やはり特区における状況というのをしっかり検証する、それは先ほど言いましたように基本方針に書いてあるわけでして、そこをしっかりやっていただきたいと思います。
 そして、もう一つ石破大臣がおっしゃっていたのは、国家戦略特区にふさわしいような内容でなければならないんだと言っていましたけれども、おっしゃっていましたけれども、その法律の一条には、社会経済の構造改革や国際競争力の強化につながるふうにその国家戦略特区というのを実施していくという目的規定があるわけです。
 内閣府にお聞きしようと思ったんですが、ちょっと飛ばさせていただいて、当然のことながら、農政の方向でも構造改革そして国際競争力の強化は重要な課題になっております。もちろん、国家戦略特区においてもそのような方向に沿って進めていくということだと思うんですけれども、それでは国の政策の方向がどうなっているのか。
 農業の経営規模拡大あるいは競争力強化、構造改革、こういったことについて、これまで農政の経緯を見れば、所有権の集積、これはなかなか進んでいかないということから、利用権を集積する方向でずっと推進をしてきている、こういう政策の方向にあると思います。もちろん、所有権の移転、集積を否定するものではありませんけれども、そこがメーンの通り、メーンの政策ではないということだと思います。
 農業経営の規模拡大あるいは構造改革について政策がどういうふうに変わってきたのか、農水省に伺いたいと思います。あわせて、現実の農地の権利移転の現状、つまり所有権の移転と利用権の設定はそれぞれどのようなウエートになっているのか、伺いたいと思います。

#46
○政府参考人(大島英彦君) 農地制度の沿革につきましては、まさに委員おっしゃられたとおりというふうに承知をしております。
 農地政策につきましては、平成二十一年に抜本的な農地法の改正をいたしまして、第一条の目的規定を含めた改正を行い、農地制度の基本を所有から利用に再構築をすると、その際、リース方式での株式会社の農業参入を完全自由化したというところでございます。また、この考え方にのっとり、平成二十六年には農地バンク制度、これも法改正により創設をいたしまして、リース方式を基本に農地集積を促進してきているところでございます。
 賃借権であるがゆえに柔軟な、何と申しますか、その零細、分散されている現状からのリシャッフルも可能になって、産業競争力の強化に資する面的集積が図られてきているというものだというふうに考えておりますし、これからもそのような方向を模索していきたいというふうに思っております。
 最後に、御質問がありました所有権と利用権のウエートでございますが、平成三十年の数字で申し上げますと、権利移動面積に占める所有権と利用権の割合は二対八ということで、委員御指摘のとおり利用権の比重が高くなっているところでございます。

#47
○山田修路君 ありがとうございました。
 国家戦略特区は、やはり国が進めていこうとする政策を一層進めるようにセットしていくべきものと思います。もちろん、所有権の移転を否定するわけではありませんけれども、やはり国の政策全体としては利用権の設定を進めていこうということであります。また、実態も現実にはそうなっているということでありますので、国家戦略特区の全国展開ということで仰々しくこの所有権の移転を打ち出していくということとなれば、本当に農業の構造改革や国際競争力の強化につながるのかどうか、大変疑問に思っております。
 坂本大臣、この辺は精通をされておられますので、御意見をお伺いしたいと思います。

#48
○国務大臣(坂本哲志君) 養父市の国家戦略特区におきましては、これまで利用権の設定、こういったものを中心として農政が進められてまいりましたけれども、やはり一番大事なことは、ここで、養父市の中で一番大事なことは、法人がそれぞれの経営判断の幅を広げられる、そして、農地の所有とリースをどう組み合わせるのか、そして、そのことで新たな営農が可能になるのではないか、こういうことであろうと思います。
 その結果が、六法人が合計三十一ヘクタールの農地を利用して営農するに今至りました。一方で、十五・七ヘクタールの遊休地が農地として再生をされました。さらには、農業の六次産業化による地域経済の活性化など、成果が上がっているというふうに認識をいたしております。
 また、養父市の方でも、地域農業の振興の有効な手段として本特例の継続を強く要望しておられます。養父市が本特例を引き続き安定的に利用できるよう、本法案により本特例の期限を延長する必要があるというふうに考えたわけでございます。
 本特例の全国展開につきましては、先ほどから事務方からも言っておりますけれども、今年度中に実施予定のニーズと問題点の調査の結果を踏まえて調整することになりますので、現時点では全国展開を前提とした議論は差し控えたいと思います。
 いずれにいたしましても、内閣府といたしましては、委員からの御指摘の点を踏まえながら、今後の調査結果や養父市での取組状況の評価を踏まえながら、農林水産省と本特例措置の全国への適用拡大について議論を継続するなどの調整をした上で、早期に必要な法案の提出を行いたいというふうに考えているところであります。

#49
○山田修路君 ありがとうございました。
 養父市から希望があるということで、二年間延長することについては特に反対をするわけではありませんけれども、また、調査をされることも全国展開を前提にせずにということでやっていただきたいと思いますが、やはり特区の成果、所有権による法人の農地所有の成果と懸念というのはやはり特区の中でしっかりと検証していく必要があると思いますし、今の状況では不十分だというふうに思います。
 また、その政策の方向と沿っているのか。もちろん、先ほどから言っているように、所有権の取得自体を否定するものではありませんけれども、全体の農業政策の方向とのやはり整合性ということも大事な点なので、この点について農政にも精通されている坂本大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

#50
○国務大臣(坂本哲志君) 本特例につきましては、政府として、ニーズと問題点の調査を特区区域以外においても今年度中に実施をすると、その結果に基づきまして全国への適用拡大について調整をし、早期に必要な法案の提出を行うということといたしております。
 全国の農地面積、四百三十から四百四十万ヘクタールあります。その中で、まず一部の、養父市だけの今回の評価でございますので、それを更に延長した上で全国調査を行うということであります。その具体的な内容の、調査の内容、具体的な内容は、内容やスケジュール等におきましては詳細は現時点では未定でありまして、今後、政府として検討してまいりたいと思っております。
 いずれにいたしましても、全国展開をする、あるいはしないという結論ありきで行うものではありません。御指摘も踏まえまして、内閣府としては、今後の調査結果や養父市での取組の状況の評価を踏まえながら、農林水産省と、農林水産省と本特例措置の全国への適用拡大について議論を継続するなど、調査をしっかりと進めていかなければいけないと思っております。

#51
○山田修路君 この法人農地取得事業については今後またいろいろ検討されると思いますので、我々もしっかりまたフォローしていきたいと思います。
 時間も大分なくなってきたんですけれども、今回の改正事項ではありませんけれども、この特区法の十九条の農地等効率的利用促進事業について質問をいたします。
 これは、農地法三条の農業委員会の許可権限を市町村長との合意で市町村長の部局が行うことができるようにするものであります。
 そもそも、市町村長の部局とは別に、独立行政委員会である農業委員会が農地法三条の許可を行うということとしている理由についてお伺いしたいと思います。

#52
○政府参考人(大島英彦君) お答えいたします。
 農地法に基づく農地の権利移動の許可に当たっては、取得する農地の全てを効率的に利用して耕作をすること、必要な農作業に常時従事すること、周辺の農地利用に支障がないこと等の点につきまして、農業の現場の観点に立って判断を行う必要がございます。
 このため、地元の農地の利用状況等に精通している委員から成る農業委員会において御判断をいただき、農地法第三条の許可を行っているというところでございます。

#53
○山田修路君 この今の特区法の十九条で市町村長の部局が対応できることとしている狙いについて内閣府にお伺いします。

#54
○政府参考人(佐藤朋哉君) お答えいたします。
 国家戦略特区における農地等効率的利用促進事業、御指摘の農業委員会と市町村の事務分担の特例でございますけれども、これにつきましては、農地法等の特例といたしまして、市町村長と農業委員会との合意の範囲内で、農業委員会が行う農地の権利移動に関する許可関係事務を市町村が行うことを可能にするものでございます。
 御指摘のこの本特例の狙いでございますけれども、農業委員会が農地のあっせん、遊休農地の解消等に注力することができるようにして、地域の農地の流動化が円滑に進むようにすることであるというふうに承知をしております。

#55
○山田修路君 今この事業を実施しているのは、養父市、新潟市、常滑市ですけれども、今おっしゃったような狙いは達成されているのかどうか、どう評価しているのかについてお伺いしたいと思います。

#56
○政府参考人(佐藤朋哉君) お答え申し上げます。
 御指摘いただきましたとおり、この特例につきましては、これまでにこの国家戦略特区の中で、養父市、新潟市、それから常滑市において活用されておりまして、令和元年度末までの許可事務の処理件数の実績は、養父市が三百六件、新潟市が九百四十六件、常滑市が百五十二件の合計千四百四件というふうになっております。
 この特例の活用によりまして、農地の権利移動に係るその申請から許可までの事務処理期間は、令和元年度末時点では、養父市では十八・三日から六・六日へと十一・七日の短縮、新潟市では二十二・九日から三・三日へと十九・六日の短縮、常滑市では同様に五日間の短縮というふうになっておりまして、この特例は地域の農地の流動化に寄与しているものというふうに考えております。

#57
○山田修路君 今、処理期間が短縮されたというお話ありましたけれども、農地法なりで審査をすべき項目は変わっていないわけですね。ですから、現地調査が必要であったり要件を確認したりするという事務は依然としてあるわけです。
 期間が短くなったと言いますけれども、いろいろお聞きをしますと、実際には、農業委員会の委員さんが現地調査に行っていると、その分は事前調査などでカウントせずに、それでまあ大体オーケーになったところで申請書を出してもらって、その書類審査をする期間だけを見て短くなったとおっしゃっているようなところもあるように聞いております。
 やっぱり実態としては、現地調査に行く人、農業委員さん、先ほど農水省から説明がありましたけれども、現地のことに精通をしている人が見に行って、やっぱりこれ大丈夫かなということをチェックしなければ、机の上だけで処理をして短くなったというふうに評価をしているのは、かなり実態に、実際、実態を見ていないのではないかというふうにも思います。
 その辺はしっかりとチェックをしていただきたいと思いますし、それから、本来、その期間を短くするというのであれば、農業委員会の事務処理の在り方をどうするかということを議論すべきなのであって、ほかの人がやったから短くなるというはずは本来ないんですね。同じ要件の下に同じことを調べているわけですから、そんなに急激に短くなるはずはない。
 そして、先ほどおっしゃいました、農業委員会が農地のあっせんや遊休農地の解消に力を注いでいくことで農地の流動化や耕作放棄地の解消が進むということですが、今ほどあったのは、処理期間が短くなったということをおっしゃっておるだけで、それならば別に特区で議論をしなくたっていいような話だと思います。
 本来、この今特区として、国家戦略特区として狙っていたその遊休農地の解消あるいは農地の流動化を進めるということであれば、これはこの特区が設定された後、平成二十八年に農業委員会法が改正をされて、二十八年にその改正法が施行されたんですが、この地域では、農業委員さんのほかに農地利用最適化推進委員さんなどを置いて、この流動化やあるいは遊休農地の解消のための仕組みを新しくつくって全国展開をしているということであります。
 そういう意味でいえば、本来、行政組織として別の組織でやるべきだと判断したものを、それぞれの合意によって場所を移して、しかもその期間が短くなったというようなことを特区の成果とするんではなくて、本来、国、農政が進めているこの農地の流動化あるいは遊休農地の解消のために農業委員会を活用するという方向で国家戦略特区としても何ができるかというようなことを考えていくという方がよほどこの国のためになるのではないかと思います。
 坂本大臣に、その辺についてお伺いしたいと思います。

#58
○国務大臣(坂本哲志君) 今事務方から説明があったとおりでございますけれども、国家戦略特区によります農地等の効率的利用促進事業につきましては、養父市、それから新潟市、愛知県の常滑市の三市で活用されておりまして、農地の権利設定等の許可に係る事務処理期間の大幅な短縮と、それによって、そのことが農地流動化へ寄与したというような成果はこれ上がっているものというふうに思います。
 一方で、委員御指摘のとおりに、平成二十八年に農業委員会制度が改正をされました。農業委員会とそれから農地利用最適化推進委員の二階建てによって、よりきめ細かに各市町村の、あるいは各自治体、それぞれの地域の流動化の促進に向けた施策が全国的に行われたわけであります。
 しかし、農業委員会は、これは月一回の開催でもございますので、どうしても、やはりそれはどうしてもいろんな判断が遅れがちでございます。また、農地の流動化促進という政策目的に向けては、やはり大切なことは、各地域がそれぞれの状況に応じて様々な選択肢を活用することができるというのが大切な一つではないだろうかというふうにも思っております。
 いずれにいたしましても、内閣府といたしましては、委員御指摘も踏まえまして、引き続き、本特例の全国展開について農林水産省と議論を継続するなど、しっかりと検討してまいりたいというふうに思っております。

#59
○山田修路君 処理期間が短くなったというのは、先ほど言いましたけれども、要件なりやるべきことは同じなので、大臣おっしゃいましたけれども、その開催日が決まっていて遅れがちだということはまああるのかもしれませんけれども、それは農業委員会制度の運用の仕方を考えればいいことであって、本来別の、市町村部局とは別に農業委員会というところで処理をすべきだというふうに決めたものを、合意によって場所を変えるということで達成をすべきものでは本来ないわけであります。そして、やはりやるべきは、農業委員会がもっと速やかに効率よく活動できるようにしていくこと、このことが大事なことであると思います。
 そして、もう一つ質問しようと思ったんですが、時間がないので、せっかく来ていただいて申し訳ないんですけれども、農家レストランのことについてちょっと質問しようと思ったんですが。
 この農家レストランについても特区で六年ぐらい前に認めて全国展開をしたということなんですけれども、元々、農家レストランについては六次化を進める上で大変有力な手段であって、その六年前のときから、こんなものは特区でやらずにすぐに全国でやったらどうですかと、農家の人たちもこれで六次化が進められて大変いいんだと。
 例えば直売所とか加工施設は当時でもできたわけですから、別に国家戦略特区を通じずに全国展開をしているわけですから、まさに今の国家戦略特区の運営が、さっき言った二つの例のように、国の政策に合わないものを無理やり進めていたり、あるいは、本当は全国展開すればいいものを一回特区でこなしておいて、成績を特区に付けてもう一回全国展開するというような、その遅らせるような効果も生じているんではないかと私は懸念をしております。
 是非、実態に合った、つまり本当に国に役に立つような国家戦略特区というものを実施していただきたいし、そういったことについての改めて検証も坂本大臣にお願いをしたいと思います。

#60
○委員長(石井浩郎君) 簡潔にお願いいたします。

#61
○国務大臣(坂本哲志君) はい。
 国家戦略特区は、特区としてこれまでも幾つかの成果を上げてまいりました。これからも国際戦略あるいは国際競争力にしっかり打ち勝つための新たな農業政策、あるいはこれまでの農業政策との整合性、それも含めながらしっかりやってまいりたいというふうに思っております。

#62
○山田修路君 ありがとうございました。
 終わります。
    ─────────────

#63
○委員長(石井浩郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、安江伸夫君が委員を辞任され、その補欠として下野六太君が選任されました。
    ─────────────

#64
○徳永エリ君 立憲民主党の徳永エリでございます。今日はどうぞよろしくお願い申し上げます。
 私も、農地所有適格法人以外の一般企業が農地を取得できる特例措置、これについてお伺いしたいと思いますが。
 私、今国会では環境委員をさせていただいておりますけれども、これまで国会議員にしていただいてから十年間、農林水産委員として仕事をさせていただいてまいりました。ここにも農林水産委員のメンバーの先生方、与党にもたくさんおられますけれども、この十年間、農業、林業、水産業に係る規制改革について相当激しい議論をしてまいりました。さっきの農家レストランの話もそうですし、農地をコンクリートで固めて植物工場を建てると、これも私たちが相当厳しく追及させていただいて、与党の皆さんにも危機感を持っていただいて、最初は高さ制限しかなかったものを面積制限を入れてもらったりとか、農業の用に供すると徹底していただいたりとか、いろんなことを工夫をしながら何とか懸念を払拭しようとしてきましたけれども、そういうことがまた徐々に緩和されていくという状況であります。
 国家戦略特区諮問会議とか規制改革推進会議、これ、何かある日突然ぽんと規制改革の案が出てくると。で、関係する省庁がそこに出ていって、それは駄目だと相当厳しく抵抗しているんです。それでも、そんなことお構いなし、最後は持ち回り決裁でも決めてしまうと。最初に出てきたものが大体そのまんま決まってしまうんですね。だから、今回もとても心配しているんです。農地だけは絶対に駄目だと思っています。
 山田先生が今おっしゃったお話、もう全て賛同できるところなんですけれども、私もいろいろと御指摘したい点がありますので、重なるところもありますけれども、順を追って御質問させていただきたいというふうに思います。
 まず、国家戦略特区諮問会議の委員は、さっきの基本方針の話もありましたけれども、国家戦略特区は規制改革の突破口なんだと、実験場でうまくいけば全国展開することが原則なんだというふうに言っているわけですね。
 昨年の七月の資料を私お配りいたしましたけれども、この養父市の状況でございますが、農林水産省からいただいた資料でございます。
 養父市では、特区法改正前は十六社がリース方式で農業に参入していました。法改正後は十六のリース法人のうち四社が農地を取得しています。また、七社が新規参入をいたしましたけれども、農地を取得したのはそのうちの二社、残りの五社は全てリースであります。しかも、六社の所有面積は、資料にもありますように、僅か一・六五ヘクタール、経営面積は二十四・四九ヘクタールということで約六・七%。
 この特例措置による実績に関しては、うまくいっているのかうまくいっていないのか、正直どこをどう判断していいのか、この数字で判断するのも、これ後ほどお話ししますけれども、なかなか難しいところはあるんだと思います。しかし、やはり規制官庁であります、この農地に関しては、農林水産省も大変に懸念をしているところであります。与党の中でも、今、山田委員のお話もありましたように、多くの先生方が大変に懸念をしているということであります。
 とはいえ、いろんな御意見があるし、これまでその実績と言い難い状況であっても強引に進められてきたという現実もあるという中で、今この一般企業の農地取得を全国に解禁する、このことについて、坂本大臣御自身がこのいろんな様々なやり取り、今の山田先生の御意見もありますけれども、お聞きになっていて、どのようにお感じになっておられるのか。この養父の実績が全国展開につながるような実績なのかどうかというところも、二年延長ということもありますけれども、現時点で大臣として、まあ衆議院のやり取りもいろいろ聞いておられると思いますけれども、どのようにお考えになっているのか、まずはお聞きしたいと思います。

#65
○国務大臣(坂本哲志君) 私も養父に行きまして、町長さんあるいは関係者の皆さん方とお話をいたしました。町長さんはもう一生懸命でございました。そして、成果というのをやはり非常に強調をされておられました。そしてその後、私が行った後、町長選挙、また続投ということになりました。
 ですから、養父での評価、それは出ているんだろうというふうに思います。私も国家戦略特区の中で、有識者会議の中で成果は出ているというふうなことを申し上げておりますので、成果は出ているというふうにも思います。そして、特段の障害も、弊害も出ていないということであります。
 ですから、五か年間の様々な特区としての試みをやって、そして、これは弊害がない、一定の評価が出ているということであれば全国展開するということになっていくわけでありますけれども、先ほど言いましたように、やはり特区、十国家戦略特区ありますけれども、その中で養父市だけであります。しかも、全国の農地四百四十万ヘクタール、そしてこの養父市で所有が移転されたのは一・六ヘクタールということでございますので、そのまま全国展開ということは、なかなかこれはこれまでの農地政策等鑑みても厳しいであろうと、難しいであろうというようなことで、本特例については例外的に、政府といたしまして、ニーズと問題点の調査を特区区域以外において今年度中に実施をし、その結果に基づいて全国への適用拡大について調整をし、早期に必要な法案の提出を行うというふうにしたところでございます。
 内閣府といたしましては、今後、農林水産省とも十分話合いをしながらしっかりと検討をした上で、できるだけ早期に法案を提出することができればというふうに思っております。

#66
○徳永エリ君 現状としては、養父の実績では全国展開はなかなか難しいであろうということでありますけれども、昨年の十二月に行われました第四十八回国家戦略特区諮問会議、規制改革推進会議第二回議長・座長会合の場で様々なやり取りがありますが、議事録を改めて見てみますと、八田達夫民間委員でございますが、農林水産省は全国化できない根拠として事実に反する説明をしてまいりましたというお話をしていたり、また、竹中平蔵氏でございますけれども、養父市がどうも余りうまくいっていないというバイアスの掛かった説明を役人の人たちがしているのは大問題だと、この規制改革推進会議への虚偽説明はたまたま私たちの目に触れた氷山の一角ではないかと。
 まあ、いろんなところで事実ではないことを農林水産省が言っているんじゃないかということを言っているわけでありますが、私たちも、農水の部会でも、いろんなところで内閣府からも農水省からもこの養父のケースについて御説明をいただきました。農水省は虚偽説明なんか一切していません。事実を淡々と私たちに説明してくれているだけです。
 こういう物の言い方は、高圧的な言い方は許し難いと思いますよ。推進する人たちがいて多くの人が懸念しているのであれば、本当に大丈夫なのかと、ちょっと待ったと不安に思う人たちの声にこそ真摯に耳を傾けるべきであって、農水省に対するこの言い方は本当に失礼だと思いますよ。もうこんな議論の仕方はあり得ないというふうに私は思います。
 農水省が慎重だというのは先ほどもお話がありましたけれども、慎重な理由があるわけです。ただ、安倍政権になってから、企業がどんどん農業に参入して、規模も拡大されていっている、まあリースという形ですけれども、あるいは法人が規模拡大されていっていると。一方で、中山間地、条件不利地、こういったところは高齢化が進んでいてなかなか新規参入者もいないと、荒廃農地も広がっていると。そういう中で、いや、企業が参入してくれるんだったらいいじゃない、農地を取得することができるんだったら参入するよというそういう企業がいればいいんじゃないのと、何で企業が農地取得しちゃいけないのという、そういう一般的な意見もあると思います。これも事実だと思います。
 ここで改めてお伺いしますけれども、農林水産省として、企業が農地を取得すること、これに対して懸念している理由は何なのか。先ほどの山田先生の説明以上に思いをしっかり語っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

#67
○政府参考人(大島英彦君) 先ほど山田委員に一般的な懸念事項については申し上げたところでございます。地域の周辺の資源管理への影響ですとか、容易に農業から撤退してしまうんではないかとか、他用途への転売、あるいは産廃置場になるのではないかと。
 これは、個人と法人でなぜ違うのかということについては、やはり株式会社という形態ですと、その農業者個人がやっていらっしゃる場合と比べて、その株式の構成、株主の構成等が変わることによって様々な方がその要は経営の支配権を持つお立場になられるということだろうというふうに思います。それは、株式会社性悪論に立った我々農水省の守旧派的な思い込みということではなくて、やはり、現にこれまでの歴史の中では様々な、実際はそのまだ制度がしっかりと枠組みをはめてかなり厳しい規制を掛けていた時代から、その名義貸しとかの形で、いろんな形で、何と申しますか、ディベロッパー的な方々ですとか投機目的の方々とかが闇名義でやられてきて、さんざんいろいろと現場に様々な御懸念を、御不安を与えてきたという実態があったのは事実でございます。
 私どもとしては、そういった実態も踏まえて、現場のお声、現場の懸念もよく踏まえながら、どのような形が農地制度の制度設計としてふさわしいのかをしっかり考えていくべき立場だというふうに思っております。

#68
○徳永エリ君 企業と一口に言ってもいろんな企業があると思うんですよ。本当に優良な志の高い企業もあれば、営利目的だけの企業というところもあるわけですから、ですから、企業全体に対して、農地を取得できるということに対して今農水省がおっしゃったような懸念があるんだというふうに思います。
 先ほど私が申し上げました国家戦略特区の民間委員のあの高圧的な物の言い方、そして農水省のこの本当に心配する思い、改めてこの話を聞いていただいて、坂本大臣、どのように思われますか。

#69
○国務大臣(坂本哲志君) その前に、私はさっき、養父市、町長と言いましたけれども、養父市、市ですので市長でございます。訂正をいたしたいと思います。
 昨年十二月の民間委員の、国家戦略特区諮問会議におきます民間委員から農林水産省への説明についての指摘につきましては、これは民間議員の個別の発言でございますので、コメントは差し控えさせていただきたいというふうに思っております。
 ただ、一般論として申し上げれば、規制改革を進めるに当たっては、オープンな場で民間有識者や規制所管庁がそれぞれの立場から自らの考えを表明して建設的で闊達な議論を行うということは大事なことであるというふうに思いますので、どちらがどうということでその発言を差し止める、あるいは発言に対して様々なことを私たちの方からコメントするということは、先ほど言いましたように、差し控えてまいりたいと思っております。
 ただ、今委員も言われましたように、農地の問題というのは非常に難しいです。そして、歴史があります。ですから、私たちとしては慎重にしなければいけないと思いますけれども、平たん地は別にして、中山間地の農地というものを果たして今のままにしていていいのか、どういう方法があるのか、それを何とか耕作放棄地を解消するような担い手が本当に現れるのか、いないのかというようなことを考えますと、その株式会社の売買ということだけではなくて、いろんな問題をやはりここで私たち全員が考えていかなければならない課題であるというふうに思っております。

#70
○徳永エリ君 このときの会議だけではなくて、これまで水産庁を相手に、あるいは国土交通省を相手にいつもこういう高圧的な言い方を民間委員がしてきて、黙れと言わんばかりの議論をここでしてきているわけですね。やはり本当にいろんな人たちの意見を聞く場であるならば、こういった誰かを悪者にするような議論はやっぱり認めるべきではないと、ちゃんとここは是正させるべきだというふうに私は思います。
 養父市の実績についてですけれども、実は私のところに養父市の関係者の方が二度ほどいらっしゃいました。一時間以上いろんな話をさせていただいて、養父市がどういうところかというその動画まで持ってきていただいて、私も、見なければなかなか物を言えないなと思って行ってこようかなと思ったんですが、動画を見せていただいて、本当にあの中山間地、傾斜は厳しいし、農地は細長くて点在しているし、野生鳥獣との闘い、もう高齢者の皆さんはとてもやっていられないということで農業をやめて、荒廃農地が広がっていると。人口がかつては三万人ほどいたのが今二万六千人ぐらいに減っていって、これからどんどんどんどん減っていくと。
 これ、何とかしなきゃいけないという広瀬市長さんの必死の思いがあったと思うんですね。やっぱりもう一回農業で頑張ろうと。だけど、地元の農家では、もう一回農業でもって振興していくというのはなかなか難しいので、もう外から入ってきてもらおうと、企業の力を借りようと。そういうことで、その企業参入のための環境を整えたいというのが養父市の思いなんだというふうに思います。
 農業生産法人の要件の緩和、あるいは農業委員会の農地権利移転業務を市に移管して、農業委員会には地域の農業の監視、振興の指導、また農地における構築物、これ、いわゆるさっき言った、コンクリートで固めて植物工場を造れなかったのが造れるようになりましたのでそういうこととか、それから企業の農地所有もその環境整備の一つだったんだというふうに思います。
 それで、ここのお配りした資料には名前は書いておりませんけれども、どういう法人が参入したのかということは、一社一社のことを丁寧にお伺いいたしました。花を作っているところもある、養蚕を行っているところもある、認知症の薬が開発できるという可能性もあるというふうなことも聞いておりますけれども、地域とも大変にうまくコミュニケーションを図っておられて、いわゆる志の高い本当にすばらしい企業の方々が参入していただいております。
 雇用も何かの資料で二十二人ぐらい増えたって書いてあったのを見た気がするんですが、百人以上は何か雇用が増えたということも聞いておりますし、地元の農業高校の学生さんが卒業してその参入した企業に勤めることができたということでありますから、それも広瀬市長さん、養父市の皆さんにとっては、いやあ、もうこれ、国家戦略特区、農地を企業が取得できるこの特例措置でもって本当にうまくいって有り難いと思っているんだと思います。
 それは養父市の問題です。たまたまそういった志の高い企業が入ってきてくれた、うまくいった。養父市はうまくいきました。でも、全国展開、意味が分かりません。例えば、私の地元の北海道なんかは、一農家の耕地面積、約三十ヘクタールですよ。一農家ですよ。これ、六社入って一・六ヘクタール。スケール感でいえば、実績、もう考えられませんよ。だけど、条件の悪い養父市にとってはもう本当に有り難い、すばらしい実績なんだと思います。
 そこはそこと評価して、いや、だったら養父市のような、同じような条件の、条件の悪い中山間地で特例的に展開していこうとか、そういったことをまず検討する、考えるのが先であって、この養父市、養父市がうまくいったからといって、もう北海道から沖縄まで条件全部違うわけですから、それを一気にですね、養父市がうまくいったから全国展開したってうまくいくんだ、その理由が全く分かりませんけれども。
 何か、伺うのもなんですけれども、いかがでしょうか、大臣、今の私の話を聞いていて。こう考えるのが私はまともだと思いますけど、いかがでしょうか。

#71
○国務大臣(坂本哲志君) 今委員が言われたことも含めて、調査項目をしっかり農林省と話し合いながら、これから調査をしながら、そして調整すべきところは調整していかなければいけないというふうに思っております。

#72
○徳永エリ君 私は、農林水産省は考え方変わらないと思っていますので。
 それで、もう一度一枚目の資料に戻っていただきたいんですけれども、令和二年七月末の資料と、それから今年の一月末の資料というのを農水省に出していただきました。
 これ、見てください。本当に企業が農地を取得することがいいのであれば、去年の七月の段階から今年の一月までの間にこの六社においても農地の取得面積が増えてもいいんじゃないかなと私は思うんですよ。ところが、増えているのはリースだけなんですよね。例えば、B社の場合は五・三七ヘクタール、そしてE社の場合には〇・二六ヘクタール、これリースで面積が増えているわけであります。所有面積が、全体の経営面積に占める所有面積が、去年の七月の末の段階では六・七%だったのが、今は五・五%に下がっているということであります。
 リースもそして所有も両方でうまくいっているんだというお話もありましたけれども、本当に所有でうまくいくのであれば、もっと所有面積は増えてもいいんじゃないかなというふうに思うんですね。これ見ていると、リースでいいんじゃないかと、企業が農地を所有する、取得するメリットがどこにあるのかと、なぜリースでは駄目なんだというふうに思うんですけれども、この点に関してはいかがでしょうか。

#73
○国務大臣(坂本哲志君) 養父市で私たちが大事だなと思っているところは、所有とリースを一体として農業経営を考える、そして経営判断をする、その組合せでどういう農業をするのか、農業経営をするのかということができる、選択肢が広がる、経営の選択肢が広がる、これが本特例で意義があるところであるというふうに思っております。そのことが、六法人が合計三十一ヘクタールの農地を利用して、僅か一・六ヘクタールであるにしろ、所有とリースをそれぞれ組み合わせながら営農活動をしてきたということであるだろうというふうに思います。
 また、養父市におきましては、現在約十の法人から本特例を活用した新規の農地の取得について相談を受けておるということも聞いております。そういうこともありますので、本特例の延長を強く要望し、そして、引き続き本特例を安定的に活用ができるようにということで延長をした、延長をお願いしているというところでございます。

#74
○徳永エリ君 重ねて伺いますけれども、坂本大臣は企業が農地を取得するメリットって何だと思いますか。

#75
○国務大臣(坂本哲志君) やはり農地を取得することによって、農業の長期戦略、これをやはり描くことができるということであります。農業というのは、何をどのようにしてもやはり一つの作物を作るのに一年は掛かるわけでありますので、それを二十年、三十年計画でどのようにしていくかということは、それは所有というのは一つの、柱の一つにはなってくるというふうに思っております。

#76
○徳永エリ君 特に養父の場合、国家戦略特区の特例措置の実験場になっていたわけですから、恐らくその段階で参入しようとした企業は、農地を取得すること、特例だし、これはメリットがあるんだろうと思って農地を買ったのかもしれません。でも、恐らく養父市、その荒廃農地、農業をやめてしまった高齢者の方々、ただでもいいから借りてもらいたいと、耕してくれるんだったらどうぞと、先祖代々ずうっと受け継いできたこの農地をしっかり守りたい、そういう方がたくさんいるんだと思うんですよね。
 確かに、ある程度は取得して良かったと思っている企業もあるかもしれません。でも、実際にリースで何の問題もないんじゃないかというふうに思うんですよ。むしろ、今まだ始まったばっかりですから、この事業が、計画が、経営がうまくいかなくなったときに、じゃ、どうしようかと。これ、取得してしまったら、どこかに売るとかそういうことになるわけですけれども、これ、それこそ国家戦略特区、これが全国展開されてなければ企業に売るということもできないわけで、もうずっと持ち続けなきゃいけないということにもなるわけですよね、ともすると。リースの場合だったら、やめなければいけないと思えば返すことができるじゃないですか。で、またほかの人が借りることもできる。その長期戦略を考えると、私はむしろリースの方がいいんじゃないかなというふうに思います。そこはいろんな意見があるのかもしれません。
 それで、この養父市の特例措置、今回の改正で二年延長するということでございますけれども、全国展開するか否か、今後どのような基準で評価をして判断していくのかということなんですけれども、現時点で御説明できますでしょうか。

#77
○国務大臣(坂本哲志君) 二年延長するとともに、政府として、その中でニーズと問題点の調査を特区区域以外においても今年度中に実施を、その調査を実施するというふうにしております。そして、調整をした上で、早期に必要な法案の提出を行うということにしております。
 このニーズと問題点の調査というのは、特区区域外でも本特例を実施するニーズがあるのか、仮に実施した場合に問題はあるのか等の調査をするものでありますけれども、本特例の全国展開等につきましては、養父市における取組状況等も踏まえつつ、この調査の結果を総合的に勘案して調整していく必要があると考えております。したがって、あらかじめ調査の結果が一定の数値を上回れば機械的に全国展開する、あるいはしないというような定量的な指標を設定することは困難であるというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、内閣府といたしましては、今後の調査結果や養父市での取組状況の評価を踏まえながら、農林水産省と本特例措置の全国への適用拡大について議論を継続するなどの調整をした上で、早期に必要な法案の提出を行いたいというふうに考えております。

#78
○徳永エリ君 これ、調査はどこがやるんですか。

#79
○国務大臣(坂本哲志君) 内閣府と農林水産省と十分話し合いながらやってまいります。そして、調査としては政府が行うというふうになります。

#80
○徳永エリ君 この調査はすごく重要だというふうに思います。できれば、内閣府は内閣府で、そして農林水産省は農林水産省でそれぞれ調査をしていただいて、その上で政府として調整をしていただきたいと。是非そのようにお願いいたします。
 これ、調査に関しても、どうもこの国家戦略特区諮問会議から圧力が掛かるのではないかということを大変懸念をいたしております。
 令和三年の一月十五日に、特区の規制改革の全国展開について、お配りした資料の四枚目でございますけれども、今回、養父市の農地取得の特例に関しては、全国展開に先立ち、ニーズと問題点の調査を特区区域以外において実施する方針が示された、これは本件の特殊性を踏まえた例外中の例外と認識している、仮にこれが前提となって今後の全国展開に際しこうした調査を改めて行うこととなれば、特区で規制改革の実証を行う意味が失われ、特区制度の否定に等しいと、今後の規制改革で仮にこうした調査が前例とされれば規制改革の道を閉ざす重大な支障にもなりかねない、したがって今回の調査はあくまで例外中の例外であり今後の前例とはならないことを明確にすべきであると。
 こういうペーパーが出されておりますけれども、これに関して、大臣、いかがですか。

#81
○国務大臣(坂本哲志君) これは民間のペーパーでございますので、受け止めるべきところは受け止めなければいけないと思いますが、国家戦略特区におきます規制の特例措置は、国家戦略特区基本法に基づきましてその実施状況等について適切な評価を行い、当該評価に基づいてその成果を全国に広げていくというのがまずこの法律の原則でございます。
 他方で、本特区は、特例は、全国で十区域の国家戦略特区全てにおいて活用可能な通常の特例とは異なりまして、例外的に対象区域が養父市一か所に限定をされております。ほかの分野のものにつきましては十か所のうち複数で行われておりますけれども、この農地の問題については養父市一か所でございます。
 このために、本特例につきましては、本年一月の特区諮問会議におきまして、例外的に、政府として、ニーズと問題点の調査を特区区域以外においても今年度中に実施し、その結果に基づき全国への適用拡大について調整し、早期に必要な法案の提出を行うことということを決定したところでございます。この民間議員の提出資料におきましてもおおむねこのような考え方が述べられているんだというふうに承知をしております。
 いずれにいたしましても、先ほど言いましたけれども、今後の調査結果や養父市での取組状況の評価を踏まえながら、農林水産省と本特例措置の全国への適用拡大について論議を継続してまいりたいと思いますけれども、内閣府としていろいろ権限が及ぶのは、例えば調査をするにしても、それは十の国家戦略特区区域だけです。そのほかの農地の問題につきましては、これは農林水産省さんの方の管轄でございますので、そこをしっかりと農林水産省と話をしながら、これからそのニーズを調査する、あるいは調整をしていくというふうにしてまいりたいというふうに思っております。

#82
○徳永エリ君 全国展開を前提としないと、これは山田先生もおっしゃっておりましたけれども、是非ともそのような状況の中でニーズと問題点の調査をしていただきたいと思いますし、農林水産省と話し合いながらというところが非常に気になっておりまして、いいじゃないですか、農水省は農水省で調査すれば、内閣府は内閣府で調査すればいいわけですから、その調査結果をすり合わせてまた検討すればいいわけですから、そこは透明性のある調査をしっかりしていただきたいということをお願い申し上げたいというふうに思います。
 それから、農地を民間企業に開放する、取得できるようにするということは、これは日本の企業だけではないですよね。外資を妨げることはできないと思いますが、確認をさせていただきたいと思います。

#83
○国務大臣(坂本哲志君) その前に、済みません、いろいろ後ろからチェックが入りますので。国家戦略特区法と言いましたけれども、国家戦略特区の基本方針において、五年間の経過を経た後というような方針が、そして全国展開がということが決められているところでございます。
 この外国企業の問題については、それぞれの党でいろいろな論議が行われているんだろうというふうに思っております。養父市で活用されております法人農地取得事業に係る特例措置につきましては、法律上、農地を取得、所有できる法人の要件として、地方公共団体との間で、農地の不適正な利用があった場合には地方公共団体へ所有権を移転する旨の書面契約を締結をしております。ですから、もう一度何かほかのものに使おうと思ったら、その自治体、当該自治体が、養父市が買い戻さなければいけないというような書面契約をしております。
 地域の他の農業者との適切な役割分担の下に継続的かつ安定的に農業経営を行うということが見込まれることという一文が入っております。そして、業務執行役員等のうち一人以上の者がその法人の行う耕作等に常時従事すると認められることというふうなことが規定をされております。
 したがって、法律上、外国企業を排除する規定が置かれているわけではありませんけれども、地域とのつながりを持って農業経営を行うことができない外国企業は、本特例措置によりまして農地を所有することは現実的に困難であるというふうに考えております。

#84
○徳永エリ君 外資は排除できないということであります。
 北海道の函館にフランスの老舗ワイナリーが進出してきました。去年からブドウの栽培を始めました。これはリースという形であります。でも、御存じのように果樹は十年とか二十年とか時間が掛かりますから、これは、農地を取得できるようになればすぐ買うと思いますよ。取得すると思いますよ。
 それから、日本の農地は区画整備もきちんとされていて、基盤整備もきちんとできていて、私も連休ずっと北海道の農村を回ってきましたけれども、本当に毎回見るたびに美しい農村、美しい農地ですよ。生産基盤もしっかりしている。それが企業が取得できるということになれば、こんなのすぐ外資のターゲットになるじゃないですか。
 今、中国は農村人口が減って、スマート農業をどんどんやっています。食料不足を懸念していて、いろんな法律もできています。もし北海道の農地が買えるんだったら買いますよ。買って、そこで農業生産を行って、作った農産物を自国に送って自国で消費しますよ。そんなことが起きて本当にいいんでしょうか。
 今、アメリカも中国も、海外は食料を戦略物資にしていますよ。それこそこの気候変動等の問題もあって、もし農産物が作れない、できなかった、大きな被害に遭った、食料自給率三八%の我が国、海外から輸入しないと食料不足になる。でも、どうですか、これまで。エネルギー資源にしろ、ワクチンにしろ、買い負けてばっかりいるじゃないですか。農産物だって買い負ける可能性があるわけですよ。だから、今やらなければいけないことは、農地をしっかり守って、生産基盤を強化して、農業生産を行い、食料自給率を上げることなんですよ。
 令和十二年、ここまでに農地を四百十四万ヘクタール、これ維持しておかないと、今、食料・農業・農村基本計画で言っている食料自給率、目標四五%、これ達成できないんですよ。これ、このままで行くと四百万ヘクタール切りますよ。そんな状況にあるので、それこそ条件の悪い農地、荒廃農地ですよとかいろんなこと言っていますけれども、優良農地が狙われたら本当に食料安全保障上大きな問題だというふうに思います。
 もう一つ、再エネの問題です。
 今環境委員会にいて、再エネタスクフォースが、例えば保安林だとか緑の回廊だとか森林だとか、そういうところに太陽光発電所、これを造るために開放しろというふうに言っているわけです。
 農水省も開放を求められましたよね、いかがですか。再エネタスクフォースから開放求められましたよね。

#85
○政府参考人(山口靖君) お答え申し上げます。
 ただいま先生から再エネタスクフォースでの議論につきましてお尋ねがございました。
 昨年十二月二十五日の第二回再エネタスクフォースにおきましては、再エネの促進に向けた農地の活用について議論が行われまして、例えば、既に森林の様相を呈しているなどの再生困難な荒廃農地は自動的に非農地化すべき、あるいは荒廃農地以外の優良農地も再エネ、農山漁村再エネ法の対象とすべきといった御意見があり、農林水産省に対して更なる検討が求められたところであります。
 このため、農林水産省としては、三月二十三日に開催された再エネタスクフォースにおきまして、再生利用が困難な荒廃農地の非農地判断を進めること、あるいは農山漁村再エネ法も活用して営農が見込まれない荒廃農地を再エネ設備に活用するための方策を行うことの旨を報告したところでございます。
 もとより、農林水産省としては、国民への食料の安定供給のため、国内の農業生産の基盤である優良農地の確保は重要であると考えており、荒廃農地につきましても、その解消に向けて再生利用及び発生防止の取組を進めることとしております。
 一方、こうした取組によってもなお農業的な利用が見込まれない、すなわち荒廃農地であって、耕作者を確保することができず、今後も耕作者を確保する見込みがないものにつきまして、二〇五〇年のカーボンニュートラル社会の実現に向けて再エネの導入に活用していくという方針でございます。

#86
○徳永エリ君 これまで、なるべく荒廃農地をつくらないと、あるいは荒れた農地をもう一回元に戻すと、いろんな政策資源を農水省としては投入してきたんだと思います。それが再エネタスクフォースから開放を要求されて、荒廃農地、この要件を緩和したということで、お配りした五枚目の資料でございます。
 二〇五〇年カーボンニュートラルに向けて、農山漁村地域において再生可能エネルギーの導入を積極的に進めるスタンスに立ち、優良農地を確保しつつ荒廃農地に再生可能エネルギー設備を設置しやすくするために農地転用規制等を見直すということで、八割規制、十年規制もあっという間に緩和されてしまったわけであります。もう通知が出されるということでございますけれども。
 優良農地は絶対に開放しないと農水省は言っているんですが、それは頑張ってやってもらいたいんですけれども、一方で、経産省から出ている資料の中に、荒廃農地で発電事業をやると整地をするのに工事費用が莫大に掛かると、どういう理由か分かりませんが、そういう資料がぱらっと入っていたんですね。だから何なんだという話ですけれども、今は荒廃農地というふうに言っておりますが。
 今日は参議院の本会議で温対法の代表質問もさせていただきましたけれども、温対法も成立して、国民が一番上に来ているわけで、先頭に立ってみんなで取り組もうということで、そういう中で、いや、優良農地であっても再エネに適しているじゃないかと、これ、カーボンニュートラルに向けてみんなで協力しなきゃいけないんだという話になれば、優良農地を開放しろという話にももしかしたらなりかねないということも大変に懸念をいたしています。
 だから、企業に農地の取得を認めてしまったら、企業は転売をする、あるいは農業以外の目的に転用する、そういうことも十分考えられるので、だから、企業に農地を取得できるようなそういった全国展開はやめてもらいたいと。絶対にやめた方がいいと、諸外国の様々な状況もにらみながら絶対にやめていただきたいということを強く申し上げて、時間が参りましたので終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#87
○柳ヶ瀬裕文君 日本維新の会の柳ヶ瀬裕文でございます。
 諸先輩方の様々な質問、勉強させていただきました。ありがとうございました。
 私の立場をあらかじめ申し上げておきますと、この法案には賛成ではありますけれども、今回の、それはちょっと、工場等の規制に関して我々は促進の立場であるということもそうですし、様々な規制改革を進めていくという観点からこの特区法の改正には賛成なんですが、今回のその企業の農地取得に関しては、これは全国展開すべきだというふうに考えておるということはあらかじめ申し上げておきたいというふうに思います。
 まず、あっ、でも、坂本大臣、大変ですね、本当、お立場が。なかなか、ちょっと聞いていて、大変なお立場だなと。だから、今日僕も坂本大臣に、何でこれを進めないんだというちょっと強い口調で迫ろうと思ったんですけれども、ちょっと、何ですか、坂本大臣と僕は同じ方向を向いているんだなということがよく分かりましたので、後押しする観点から質問をしてまいりたいというふうに思っております。
 まず、この耕作放棄地の問題、日本の農業は大丈夫なのかという、大問題ですよね、これについてしっかりと考えていかなければいけないというふうに思います。
 耕作放棄地の拡大、これは止まりません。平成二年には二十一・七万ヘクタールだったものが、平成二十七年には四十二・三万ヘクタールということで、倍近くなっているわけですよね。さらに、この中でも荒廃農地と、先ほども出てまいりましたけれども、再生利用困難となっている、もう作物の栽培が客観的に不可能となっている農地はもうどんどん増え続けているという状況であります。
 この現状について農水省にまずお伺いしたいと思いますけれども、非常に危機感を持っているのか、どのように認識をしているのか、現状についてですね、お伺いをしたいと思います。

#88
○政府参考人(山口靖君) 委員の質問にお答え申し上げます。
 中山間地の荒廃農地につきましては、令和元年、全国の荒廃農地面積二十八・四万ヘクタールのうち十七・九万ヘクタールと約六割を占めているところでございます。
 荒廃農地の発生要因につきましては、農家の高齢化、労働力不足、土地持ち非農家の増加、傾斜地などの自然条件が悪い等の要因があるものと考えております。
 いずれにいたしましても、その農業生産の基盤である農地につきましては、国民のための限られた資源であり、地域における貴重な資源でありますから、中山間地域において農地を確保することは極めて重要であると考えておりまして、荒廃農地の発生の防止と解消に努めてまいりたいと考えているところではあります。

#89
○柳ヶ瀬裕文君 今の答弁からは余り危機感が感じられないんですけれども、私は非常に危機的な状況だなというふうに思っています。
 これだけ耕作放棄地が増え続けているということに対して農水省が様々な施策を行ってきたということは存知しております。この元農水事務次官の奥原さんの「農政改革」という本を、これも読まさせていただきましたけれども、これも読ませていただき……(発言する者あり)あっ、参考にしちゃいけないと言われていますけど、参考にさせていただきました。いろんな施策をしっかりと取ってきたということもよく存知をしているんですけれども、ただ、現状、この耕作放棄地が伸びとどまらないという状況があるということは、これ間違いないわけですよね。
 じゃ、これをどうやって止めていくのかといったならば、これの一番の問題点は、これ農水省の観点からすると担い手不足、これが一番の大きな問題なんだということでありますから、私、これ担い手をどうやって確保していくのかということが最大の課題ということだと思います。
 じゃ、その担い手はどこにいるのかといったならばこれは企業だろうというのは、これ当然の考えであります。ですから、企業が農業をしやすくする整備づくり、整備環境を整えていくということはもう極めて重要なことだというふうに思うわけであります。
 改めてお伺いしますけれども、企業のこの農地所有に関して懸念されていることはたくさんあるようですけれども、これ簡潔に言うと何を懸念されているのかということを農水省にまずお伺いしたいと思います。

#90
○政府参考人(大島英彦君) 先ほど山田委員あるいは徳永委員からの御質問に対してもお答えさせていただいているとおりでございますが、企業による農地所有につきまして、我が国、所有権の絶対的な権利として大変強い処分権を持っているということの中で、その農業者による適切な農業支配、農業のコントロールが利かなくなってくるのではないかという御心配の下に、農業からの撤退、他用途への転売あるいは産廃置場等の形で、何と申しますか、足が速く、もうからないと思ったらすぐに抜けてしまって、後を焼け野原にしてしまうというような形での御心配があるというのは、私ども様々なところから御心配のお声を伺っているところでございます。

#91
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。
 これ、先ほど来、数名の委員の方がおっしゃっていましたけれども、この転用の懸念があるということで、企業が買ってそこが産廃になってしまうんではないかと、こういった懸念があるということでありますけれども。
 それでは、ちょっとお伺いしたいんですけれども、現状、この農地からの転用が毎年なされているわけですけれども、これ、平成二十九年で約一万七千ヘクタールもの土地が住宅用地であったり工業用地等々に転用をされているわけです。これ合法的に転用されているということですし、また不法に産廃、産業廃棄物を置くような土地になってしまったといった事例も非常に多く報道等で見るわけですけれども、この現状に対してどのように認識をされているのか、この産廃等に今なっているということに対して何らか把握をされているのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。

#92
○政府参考人(山口靖君) 転用許可を受けまして農地が産業廃棄物や建設残土の捨場に転用された実績につきましては、そのような用途の調査はしていないところから把握はしていないところでございます。
 一方、違反転用に係る調査では、産業廃棄物ですとか建設残土の捨場とされた実績を調べておりまして、この調査によれば、平成三十年度に新たに発見されたものとしては、産業廃棄物の捨場としては、件数として十三件、面積としては約六ヘクタール、建設残土の捨場としては、件数としては三十八件、面積としては約八ヘクタールとなっているところでございます。

#93
○柳ヶ瀬裕文君 ちょっとよく聞こえないので、ちょっとしっかりと御答弁お願いしたいというふうに思いますけど。
 これ、現状でも、産廃になっているところ、個人で農家をやっていらっしゃって、でも担い手がいないということで、これ、もう故意にやられているのかどうか分かりませんけれども、もう産廃になっているところもあれば住宅等に転用されているところもあるということで、この転用されている面積が、もう先ほど来申し上げていますけれども、約一万八千ヘクタールと、毎年ですよ、にも及んでいるということでありますけれども、この現状に対してどのような認識を持っているのか、これについてお伺いしたいと思います。

#94
○政府参考人(大島英彦君) 企業の農地所有全般についての考え方といたしましては……(発言する者あり)転用ですね。

#95
○政府参考人(山口靖君) 繰り返しになりますけれども、我々、農業の生産基盤として農地が非常に大切な資源であるというふうに考えております。
 こうした観点から、農地の確保につきまして再生利用も含めてしっかり取り組んでいるところでございますが、建設残土とかそういうような形で利用されることにつきましても農業委員会などを通じて適切な指導をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

#96
○柳ヶ瀬裕文君 いやいや、その農地が貴重な資源だと言っておきながら、でもそのどれくらいのところで建設残土が置かれているのか、産廃となっているのか、そのデータもないんですよね。それは把握されているんですか、それはどれくらいあるのかということは。

#97
○政府参考人(山口靖君) 繰り返しになりますが、その転用許可を受けまして、例えばどういう用途で転用されたのかという推移を公表しているところでございますが、産業廃棄物ですとか建設残土の捨場につきましては、その他の業務用地というような形で、そういう分類で含まれております。おりますけれども、その内訳としては具体的な件数や面積は把握していないというところでございます。

#98
○柳ヶ瀬裕文君 いや、それは把握された方がいいと思いますよ。農地を守るんですよね。農地を守る必要があるんじゃないでしょうか。
 しっかりと日本の農業を守るためには農地を守らなければいけないわけですけれども、これだけ多くの土地が毎年毎年転用されていっている。そして、その一部は不法に様々なものが投棄されているという実態もある。そして、建設残土の置場になっていたり、まあそれは許可を得てですね、なっていたり、産業廃棄物が置かれていたり、そういうこともある。でも、その実態はよく分からないと、内訳は把握していないということですよね。それで本当に日本の農地守れるんでしょうか。どうぞ。

#99
○政府参考人(山口靖君) 転用許可の面積自体につきましては、例えばその転用の用途としても、住宅ですとか工業用地ですとか公園ですとかあるいは商業用地ですとか、そういうような分類でどれだけ転用がなされているというのは全て把握をしております。御指摘の例えば建設残土のような分類につきましては、その他の業務用地としてその件数なり面積というのは把握をしておりますけれども、その詳細どれぐらいというようなところについてまで把握は統計上されていないというところでございます。

#100
○柳ヶ瀬裕文君 これは平成二十九年ですけど、この用途転用されている、農地がほかの用途になっているものは一万七千ヘクタールあると、そのうちの約四千七百がその他の業務用地ということになっています。その建設残土が置かれているところというのはこれ四千七百ヘクタールぐらいのところなんでしょう。これ、毎年毎年そうでしょう。毎年五千ヘクタールが農地からそういった建設残土が置かれる等の業務用地に転用されていると、合法的にということですよね。さらに、さらに、様々な報道を見る限りでは、不法に投棄がされて、荒廃農地に様々な産廃が投棄されるというような状態に至っているということであります。
 その中で今回、国家戦略特区で皆さんは、農水省の皆さんね、その懸念があるんだということで、企業が農地を取得するとそれが転用されて産廃になるかもしれないんだということしきりにおっしゃいますけれども、でも現状も把握していないじゃないですか。農地を守るんですよね。農地を守るためにまず現状を把握しなくちゃならないと思いますよ、それは。是非これは把握をしていただきたいというふうに思います。答弁求めていません、はい。
 その上でお伺いしたいというふうに思いますけれども、これ、今回の規制改革には極めて厳しい要件が課されているというふうに考えて、私は厳し過ぎるなというふうに思うぐらいの要件が課されているわけですけれども、これ、民間企業が農地を所有する際の法人の要件ということで、先ほどもおっしゃいましたけれども、農地の不適正な利用の際、地方公共団体へ所有権を移転する旨の書面契約を締結することということになっています。つまり、企業が農地を取得したならば、それを不適正に利用するというようなことあったらそれを自治体が買い上げるという、もう極めて厳しい内容がこれ課されているわけですけれども、これはどのような内容なのか、ちょっと御説明いただけますか。

#101
○政府参考人(佐藤朋哉君) お答え申し上げます。
 先ほどもちょっと御説明させていただきましたけれども、今御指摘いただきましたように、この特例では、今農水省からも御説明ありましたけれども、法人による農地取得についてのいろんな懸念があるということを踏まえまして、法律上、法人がその農地を、農地の所有権を地方公共団体から取得するためには、農地を適正に利用しない場合にはその地方公共団体に対してその所有権を移転すると、そういう旨の書面契約を締結するということが要件の一つとされております。
 これを受けまして養父市では、この制度に基づいて農地を取得する法人と締結する契約書において、農地の不適正な利用があった場合に備えて再売買の予約などを規定しております。その再売買だけではなくて、その売買予約権の完結権を保全するための仮登記というのも農地の所有権の移転登記と同時にやっております。
 そういう制度上の仕組みを設けるとともに、実際、養父市におかれては少なくとも一か月に一回は行っているとおっしゃっていましたけれども、要するに、しょっちゅうこれらの法人、市役所の方が回られて、どうですかと、どんな感じですかという形で農地の適正な利用をちゃんと確認すると、こういうようなことをやっていらっしゃるというふうに承知をしております。

#102
○柳ヶ瀬裕文君 ですから、これは無制限に企業に農地の買収を認めるというようなものでは全くないということですね。
 ですから、これは転用を実質的にはもうできないような条項になっているという中で養父市もやって、で、そのような転用という事態も起きていないんだということだというふうに思います。
 先ほど養父市の成功の事例について様々おっしゃいましたけれども、私は、養父市のような成功事例が全国に広がればいいというふうに思います。そのためには、やっぱりある程度の厳しい要件、区域要件もそうでしょう、法人の要件もそうでしょう、一定付けながら全国展開をしていくということは必要だと思いますけれども、この全国展開の仕方というのはこの様々な要件を付けるということもできるわけですよね。それはこれから様々な話合いの中で決めていくということだと考えますけれども、いかがでしょうか。

#103
○政府参考人(佐藤朋哉君) お答え申し上げます。
 今御指摘いただきましたとおり、この特例についてはまず二年間延長して、その間に政府としてニーズと問題点の調査を特区区域外においても今年度中に実施をすると、その結果に基づいて調整をするということになっております。
 ですから、その調査の結果あるいは養父での取組の評価を引き続き踏まえた上で、今御指摘のあった制度面をどうするかという点も含めて今後調整をしていくということになろうかと思います。

#104
○柳ヶ瀬裕文君 ですから、もう実質転用なんかできないというシステムの中でこれ全国展開をしていくということが私は望ましいというふうに思います。
 そこで、農水省に聞きたいんですけれども、先ほどの耕作放棄地が減らない、増え続けているということであります。それをストップを掛けるために多様な担い手の人に参入をしていただくということが必要だというふうに考えます。
 その一つが企業だということでありますけれども、この耕作放棄地が個人の皆さん、農家、今の現状からするとなかなか下げ止まらないという状況があると思いますけれども、今のような転用をしっかりとセーブした形、制約した形での企業の参入、農地所有ということに関してはどのようにお考えなのかということをお伺いしたいと思います。

#105
○政府参考人(大島英彦君) 企業の農業参入自体は、委員おっしゃるような担い手の確保という観点からもこれは重要なことだというふうに思っております。
 私どもとして、この企業の農業参入を全面的に否定しているということではございませんで、先ほど来の委員からの御質疑の中でも御答弁申し上げておりますとおり、平成二十一年には農地法の改正をいたしましてリース方式を完全に自由化しているということもございますし、現行、農地所有適格法人の制度の枠組みの中で一定の枠組みを、要件を満たせれば、これは入ってこられるようにしているということでございます。
 リース方式の下では法改正前の約五倍のペースで参入が進んでおりますし、このような形での企業の農地所有、企業の農業参入を積極的に進めて、この現行制度の枠組みの中で積極的に進めていくということが大事だというふうに考えております。

#106
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。
 ですから、この企業の活用というのはもうしっかりと農水省も考えていただきたいと思いますし、今の企業の参入を阻むものではないということをおっしゃっていました。これは、今のシステムの流れはそういう形になっていますよね。
 今リースということが主力になっているということですけれども、それはリースか所有かという問題ですけれども、所有になかなかなっていないから所有の必要がないんだというのは、僕はこれは暴論だというふうに思います。それは、所有の方が得だというふうに考えることができればそれは所有を選ぶわけであって、企業がいかに参入しやすい環境を整備するのかといった意味では、リースか所有なのかと、これをしっかりと選べるということが必要だというふうに思います。
 今回のその養父市の件について神戸大学の方で調査をしまして、ここで神戸大学の調査研究、養父市の国家戦略特区の効果の検証というものが二〇二〇年の五月に出されました。ここに書かれていることとして、農地取得は農業に真剣に取り組んでいるという企業の地域住民への意思表示や本気度を示すために有効であることや、農地への施設の建設や特殊な肥料の使用等、企業独自の土地の使用がしやすいことが立証されているといったこともございます。
 つまり、やっぱり取得をした方が、それは、僕はリースよりもやっぱり取得はしてもらった方が責任を持ってその場で農業に取り組んでいただけるんではないかというふうに思います。ただ、その法人の在り方に関しては、しっかりとやっていただける方を選んでいくという要件は必要だというふうに思いますけれども、それを選ぶことができれば、これは、今困難な状況にある特に中山間地域の担い手不足の中でもう非常に有効な手になるんではないかというふうに考えているわけです。だから、全国展開が必要なんだということを申し上げているわけですね。
 ちょっと聞きたいことはたくさんあったんですけど、ちょっと時間が迫ってまいりましたが、調査についてお伺いしたいと思いますけれども、この調査の主体は内閣府であるということでよろしいんでしょうか。

#107
○政府参考人(佐藤朋哉君) 先ほど大臣からも御答弁ありましたけれども、今後、農水省と内閣府で協力をしてやっていきたいというふうに思っております。

#108
○柳ヶ瀬裕文君 これは内閣府がやるべきだと思いますよ。それは、規制改革の原則は、規制官庁がそれを判断するわけではありません。それが、広く国民にとってその規制が必要なのかどうなのかということを判断する、そのために坂本大臣はいらっしゃるわけですよね。
 なぜ岩盤規制と呼ばれているのかといったならば、それは各省庁の抵抗が激しいから、だから岩盤規制と言われているものであります。ですから、それに対してドリルで穴を空けるというのがこの国家戦略特区の役割でありまして、規制官庁が自らその規制について調査をするといったならば、その結果はおのずと見えてくるということです。
 ですから、先ほどありましたけれども、透明なところで、第三者、また民間議員、また養父市等々の意見をしっかり踏まえた調査を行っていただきたいということ、これを申し上げておきたいというふうに思います。
 と同時に、じゃ、ニーズの調査をするということをおっしゃっていますね。でも、ニーズなんて分かるんですかね。これ、自治体にヒアリングをして、いやいや、こういう企業から問合せありませんかというようなヒアリングでとてもニーズなんか把握できないと思いますよ。
 ですから、このニーズの調査をするということは、もう私はちょっとこう、あくまでもやっぱり問題点がなければこれ全国展開をするというのが原則でありまして、そうやって進めてきたということですから、問題点の調査、これに注力するべきというふうに思いますけれども、もしニーズを調査するということであれば、これは参入する企業の側にしっかりとヒアリングをしていただきたいというふうに思います。
 これ、経団連なんかも、二〇二〇年二月十八日に、新たな食料・農業・農村基本計画に対する意見という中で、この担い手の確保がもう何よりも必要であるということの中で、企業による農地所有の全面的な容認ということ、これを要望事項として出しているわけであります。こういった様々な経済団体等のヒアリング、ニーズの調査ということを行っていただきたいというふうに思いますけれども、見解を伺いたいと思います。

#109
○政府参考人(佐藤朋哉君) お答え申し上げます。
 この今年度中に実施する予定にしておりますニーズと問題点の調査の具体的内容あるいは調査対象については、今後、農水省とも協議をして検討したいというふうに思っておりますけれども、その上で、現時点で私ども内閣府としての考えということで申し上げれば、今御指摘いただきましたように、今後、この特例のユーザーとなる可能性のある民間企業の方から御意見を伺うというのは有益ではないかというふうに考えております。

#110
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。
 是非、そのニーズの調査ということをするのであれば、もうしっかりと企業の側にアプローチをしていただきたいということです。自治体ではこれ分からないということはあらかじめ申し上げておきたいというふうに思います。
 それから、この国家戦略特区全般についてなんですけれども、極めて停滞しているなという印象を受けています。これまで国家戦略特区で実現した特例措置は百十五項目、そのうち全国展開されたものは四十五項目ということであります。ですから、もうほとんどのものは全国展開されていないということでありますけれども、これで果たして、国家戦略特区が国家戦略特区たるゆえん、岩盤規制を改革していくんだという、菅総理いつもおっしゃっていますけれども、規制改革が一丁目一番地なんだという、その役割を果たしているのかどうか極めて私は疑義を持っているということでありますけれども、ちょっと時間がありませんので、坂本大臣に、今後、この国家戦略特区をもうしっかりと、スーパーシティもあります、もうしっかりと生かしてこの岩盤規制の改革に挑むんだということ、この点についてお伺いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

#111
○国務大臣(坂本哲志君) これまでは私はかなり効果を上げてきたというふうに思います。
 都市再生プロジェクトにおきまして様々な許認可権をワンストップでやる、あるいは都市公園内に保育所をつくる、こういったことをやってまいりました。それぞれに、社会保障上にも、あるいは国際競争力を高める上にも効果があったというふうに思います。
 加えて、今委員おっしゃいましたように、スーパーシティについては大変な候補地が名のりを上げております。こういったものを通しまして、しっかりと将来の国益になるようなこの特区構想というものを進めてまいりたいというふうに思っております。

#112
○柳ヶ瀬裕文君 時間が参りましたので、終わります。ありがとうございました。

#113
○田村まみ君 国民民主党・新緑風会の田村まみです。よろしくお願いいたします。
 まず初めに、国家戦略特区のその位置付け自体、目的、意義について伺おうと思ったんですけれども、先ほど来の質問でももう既に答弁がたくさんございましたので、今、柳ヶ瀬議員が坂本大臣に質問をされて、国家戦略特区が効果が上がったのかという質問があって、大変あったという回答がありました。私の二つ目の質問のところで、まさしくその効果、総括をお伺いしようとしていましたので、そちらの方を先にお伺いしたいと思います。
 二〇一三年に取りまとめられた日本再興戦略で、国家戦略特区と関連するKPIとして、世界銀行のビジネス環境ランキングにおいて二〇二〇年までに先進国で三位以内に入るというふうに目標を掲げておられました。一三年には十五位、一九年には二十五位と後退、二〇年には十八位と改善はしたものの、目標には相当な乖離があるままです。
 先ほどは相当な効果があったという評価でしたけれども、大臣におかれまして、この国家戦略特区の取組、今ほどの目標数値も含めて総括をお願いしたいと思います。

#114
○国務大臣(坂本哲志君) 効果があったといいますのは、それぞれの事業において効果があった、さっき言いましたように、都市再生プロジェクトでこれはワンストップで早急に迅速に都市開発ができるようになったと。このことについては、東京都は三十事業で約十一兆円の経済波及効果があったというふうにしているところであります。
 ただ、御指摘のとおり、世界銀行が令和元年十月に公表いたしましたビジネス環境ランキングにおきましては、日本は百九十か国中、地域の中で二十九位、それからOECD加盟国、三十七か国でございますけれども、その中で十八位となったというふうに承知をしております。
 もとより、国家戦略特区の取組のみによって当該調査におけるランキングが決定されるものではありませんけれども、大胆な規制改革を進め、世界で一番ビジネスのしやすい環境を整備するということは引き続き内閣の重要な課題であるというふうに思っております。
 国家戦略特区につきましては、平成二十五年十二月の制度創設以降、岩盤規制改革の突破口として、これまで長年にわたって実現できなかった規制改革を実現することで地方創生や経済成長に大きく寄与をしてまいりました。そういうことを踏まえながら、今後もこの国家戦略特区の推進にしっかり取り組んでまいりたいというふうに思っております。

#115
○田村まみ君 先ほど、四十五項目は全国展開になったという結果だったり、今ほど大臣からは東京の中での三十事業、十一兆円というような結果とかもお示しいただきましたけれども、この規制改革が目的ではなくて、やはり国民生活の向上、これも、これに寄与することも目的というふうにされていました。
 なかなか、世界の企業ランキングでは、平成元年、上位五十社中、日本は三十二社が、いまだに、二十六位に一社のみみたいなことだったりとか、コロナ前からでも、国民生活の一つの基準となる名目賃金は横ばいだったり、GDPも停滞し続けているというようなことを考えたときに、今回も幾つか国家戦略特区の中での法改正の提案がありますけれども、本当にこれがどのような効果が現れるのか、そしてこのKPIが本当にこれでいいのか、目標数値がこれでいいのかということも含めて併せて考えていただいて、今後の取組をまず私たちも見守っていきたいと思いますし、今日は私は大きく農地取得の特例と工場緑地の件について御質問したいというふうに思います。
 まず一つ目、企業の農地取得特例について御質問いたします。
 まず初めに、私も、企業農地取得特例にはほかの特例措置と異なって五年間という期限が設定されていたというふうに承知しておりますけれども、これの理由と経緯について伺いたいと思います。

#116
○政府参考人(佐藤朋哉君) お答え申し上げます。
 先ほども申し上げましたけれども、企業による農地所有につきましては、特区に指定をされました養父市からの提案を踏まえて、特区ワーキンググループでの議論も行いながら政府内で検討を行い、平成二十八年に国会に提出された国家戦略特区法改正案に盛り込まれたと、その上で成立させていただいたというところでございます。
 その際に、やはり企業による農地所有に対する様々な御懸念があったと。こういうことを踏まえまして、政府の中で調整を行い、対象区域を国家戦略特区の中でも一定の要件を満たす区域に限定をして、かつ期間も五年間に限定をした上で、試験的な事業として株式会社等によるその農地所有を認めることにしたと、こういう経緯があったというふうに承知をしております。

#117
○田村まみ君 今ほど答弁にあったとおり、試験的なというふうな言葉がありましたけれども、さっきの質疑の中では五年後にどうするかということもはっきり決まっていなかったみたいな回答もあって、試験的という割には何をどうするかということがないまま五年間やってきたというのは、まあまあ結論ありきだったのかなというふうに、先ほど来出ている戦略特区の議事録の中のやり取りも見ながら私もそう思わざるを得ないというような感想を今持ちました。
 もう一点、重なる質問ですけれども、特例の適用対象地域が養父市一都市しか指定、活用されていない理由について、先ほど来限定してやるべきだというような懸念はおっしゃっていらっしゃいましたけれども、ほかの自治体から本当に申請がない、活用がされていない、その原因についてどのように分析されているかも併せてお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

#118
○政府参考人(佐藤朋哉君) お答え申し上げます。
 本制度については、先ほど来御指摘あります、農地が産廃置場になってしまうのではないかというような懸念があったことを踏まえまして、法律上、対象区域を限定しております。具体的に申し上げますと、その農地の効率的な利用促進、効率的な利用を図る上で農業の担い手が著しく不足をしていること及びその従前の措置のみによっては遊休農地等が著しく増加するおそれがあること、この二つの要件に該当するものとして政令で定める地方公共団体に限定をしておりまして、政令で養父市が指定をされているということでございます。
 じゃ、なぜ、その養父市以外の特区の自治体、地方公共団体から要望がないのかということでございますけれども、その理由といたしまして幾つか考えられると思いますけれども、まずはそもそも、今申し上げましたとおり、この特例の対象区域が限定をされているということでございます。先ほど大臣からも御答弁ありましたけれども、特区の通常の特例というのは全国十ある特区のどこでも使えるというのが原則なんですが、この特例については、今申し上げたとおり、制度的に対象区域が限定をされていると、こういうことでございます。
 もう一つは、これも先ほど来議論に出ておりますけれども、農地の適正な利用を確保するという観点から、まずその地方公共団体がその農地の売買契約の当事者にならなければいけない、農家などからその農地を買い取って法人に売却すると。万一、その法人が農地の不適切な利用を行った場合にはその農地を買い戻す必要があるということで、地方公共団体に非常に強いコミットメントを求めるような制度上の仕組みになっていると、こういうことも理由の一つとしてあるのかなというふうに考えております。

#119
○田村まみ君 養父市一か所の事例で企業の農地所有についての懸念、目的外使用や転売などの懸念が払拭されたというのは私も言い難い状態だと思っておりますし、今後二年間延長したところで、これまで手を挙げなかった国家戦略特区のほかの地域の中では調査も何もできないというふうに私は感じております。二年間延ばす意味が何があるのかというのは、全く理解ができないというふうに、今のところ印象を持っております。
 一方で、農水省の方にお伺いしたいと思います。
 農地、特に耕作放棄地の対策として中山間地の農地についての対応の必要は、これは必要だというふうに考えております。国民の食を守るための農業で、農業就業人口が減少し続け、高齢化が進行している上に、新規就農者が定着しないという国内の現状、これは打破しなければいけないというふうに考えております。
 その新規就農者を定着させるために、働き手が安心できる就農、就労環境を整える必要もあるというのは一つ挙げられております。勤務時間や給与規程を明確にすること等、なかなか農業の今の在り方の中では難しいと言われていますけれども、今後、そういう新規の就農者のことを考えたときには検討すべき内容だというふうに私自身思っております。法律に従って社会保険や有給休暇を適用するや、生活習慣に合わせて柔軟な労働環境が提供できるような働き方を実現するというときには、私は、農業外の企業の参入、これも一つの手段であるとは思っております。
 その上で、今農水省が規定されています農地所有適格法人の認定要件そのもの、これを更なる見直しを進めるべきだというような声も出ておりますけれども、これの検討についてはどのようになっているでしょうか。

#120
○政府参考人(大島英彦君) 先ほど来るる、法人の農地所有について現場からどのような形での御懸念が寄せられているのかということについては御答弁申し上げてきたところでございます。
 そのような御懸念に対して、どのような方にどのような条件で農地を御利用いただければそのような懸念が払拭され、農地法、農地制度の目的に即した農地利用が図られるのかという観点から、これまで、社会経済情勢の変化にも対応しつつ、現場の声を伺いながら、農地所有適格法人制度の要件については随時見直しをしてきたところでございます。
 平成二十七年の改正でも、議決権要件の農業関係者以外の総議決権に占める割合を緩和をしてございますし、農作業に従事すべき役員の数についても緩和をしてきたというところでございます。このような形で今の要件をはめておりますことについては、その時々の立法府との御議論の中で、様々な御議論を経て今の形がございます。
 基本的には、この特に議決権要件、注目されているところでございますけれども、農業関係者が総議決権の過半を占めるということを要件とすることによりまして農業関係者が農地あるいはその農業経営の決定権を確保できるようにする、そこを担保する、これはこの制度のコアだろうということでやってきたところでございます。
 このような要件緩和の中でも、要件緩和を進める中で、所有適格法人制度の枠組みの中での参入も過去五年対比では一・八倍ということで、多くの法人に御活用いただいているところでございまして、引き続きこのような制度の枠組みの中でしかるべく企業参入を進めてまいりたいと考えております。

#121
○田村まみ君 農水省の対策の中で結果が出ているというふうな答弁だったというふうに思っております。
 しかし、今回の諮問会議の中での強硬な主張というのを、こういうことを防ぎ、きちっと説明していくというのは、私は農水省の責任であるとも思います。農地を守るためではなくて、農業と食を守ろうとする企業の農業参入や農業経営の障壁を残していて、結果的に日本の農地、食が守られることにつながらないようなというようなことはあってはならないと思います。
 是非、偏った農家保護策に見られないような検討をきちっと進めていただき、常に改善していくというところの姿勢を見せていただくというのも私は大事だと思いますし、今のような結果を数字で残していくというのも大事だというふうに考えますので、是非引き続きの検討もお願いしておきたいと思います。
 最後に、坂本大臣にお伺いしたいと思います。
 実は私、この委員会で坂本大臣に初めて今日質問をしております。なので、実はホームページを見て、坂本大臣ってどちらの御出身で、どういうようなプロフィールをお持ちなのかなというふうに、実は通告はゴールデンウイーク前にして、ゴールデンウイーク中に見たんですよね。
 今日お伺いしようと思った質問は、二年間でどんなような調査をされて、どういうふうに全国展開の判断基準するんですかというふうに伺うようにしていたんですけれども、もうそれ、ずっとさっきから質問出ています。
 で、私一番びっくりしたのが、プロフィールではなくて掲げられているマニフェストの中に、安心して安全な生活と国づくりのためにはというところで、第一次産業の活性化というのを挙げられているんですよね。そこに、現実としては農林業は疲弊する一方です、なぜなのかを分析し根本的な改革をする必要があります、農林業は利潤追求という経済行為と集落や国土の維持機能という二つの面を持っております、経済行為のみを重視するなら民間企業の参入が考えられますが、農林業が持つ本来の役割、国土保全や集落の多様な働き方を考えると、民間参入は危険が伴いますというふうに書いてあるんですよね、マニフェストに。私、これ見て本当に驚いたんです。
 済みません、何か意地悪をしようと思って聞きたいわけじゃないんですけれども、こういうお考えをマニフェストに載せておいて、今回の皆さんがこれだけ危惧をされているこの国家戦略特区の二年間延長、この間の調査だったりとか今後の展開というところを、是非このマニフェストを踏まえた上で大臣の見解をお伺いしたいと思いますけれども、お願いいたします。

#122
○国務大臣(坂本哲志君) それは私が国会議員になったときに書いたマニフェストでございますので、まあ大方その考えは変わっていない、ないつもりであります。
 やはり経済に偏重し過ぎた農政ということになりますと、やはり地域の生活あるいは集落、そういったものが崩壊していく可能性がありますので、それはやはりしっかり慎重に考えなければいけないというふうに思います。
 しかし、一方の方で、なぜ担い手がやっぱり少なくなっていくのか、なぜ耕作放棄地が全農地の一割にもなるのか、そして、なぜ高齢化がこんなに進むのか、それは何なのかということを考えた場合には、やっぱりいま一度、その所得の問題とか、農業所得の問題とかですね、そういうこともやはり考えていかなければいけないというふうに思います。
 ですから、それを一つ一つやはり解析していくと、例えば中山間地において耕作放棄地が広がっていく、それを防ぐために、じゃどういう方法があるのか、今までやってきた方法で果たして新しい担い手によって中山間地が再生できるのかどうかということも含めながら、一つ一つを、やはり過去の政策を維持しながらも、過去の政策にとらわれ過ぎない形での新たな農業政策というものをつくっていかなければいけないというのが私の今の考えであります。

#123
○田村まみ君 済みません、であれば、今後進めていく中での、その国会議員になった当時の、民間参入は危険が伴いますといったところのその危険というのはどういうもので、今回の件に関してはその危険があるのかないのか、その懸念があるんであればどのような対応をされていくのかというのをお伺いしたいと思いますが、どうでしょう。

#124
○国務大臣(坂本哲志君) 様々な民間企業があるというふうに思います。地域をしっかり大事にして農業に特化した民間企業もあれば、一時的にもうけさえすればいいというようなこともあると思います。そこは養父市で様々な条件も付けられておりますけれども、やはり民間産業としての、民間企業としてのしっかりとした倫理性、あるいは食料、農業、農村への理解、こういったものを見極めていく、そういうことが必要であるというふうに思っております。

#125
○田村まみ君 それがあるというのは皆さんも分かっているんですけれども、やはりこれから参入する企業をどのように見極めていくかということだったり、この諮問会議の議論で進め方、在り方に対しての不透明さがやはり国民含めて私たちの疑問を今こうやって呈しているところだというふうに思いますので、是非その点はしっかり大臣の所管の中で管理をしていただきたいというふうにお願いをしておきたいというふうに思います。
 あと、是非、さっきの所得補償ということでいけば、大臣の所管ではないですけど、戸別所得補償の復活も是非お考えください。お願いいたします。
 続きまして、今日一回も質疑がありませんでした工場新設の規制緩和について御質問したいと思います。
 まず初めに、工場新設の際に確保すべき緑地面積等について国の基準が制定されたのはいつか、そして、この国家戦略特区内で特例同様の緑地面積の基準緩和についての見直しが行われたのはいつなのかということをお示しください。

#126
○政府参考人(桜町道雄君) お答え申し上げます。
 工場立地法の緑地面積等の基準につきましては、昭和四十九年、公害問題の深刻化を背景に、工場の敷地に占める緑地面積の割合を二〇%以上、これを含む環境施設の割合を二五%以上とすることを全国一律の基準として定めてございます。この基準自体はこれまでに改正したことはございません。
 他方で、平成九年の法改正に始まりまして、最終的には平成二十八年までの累次の法改正を経て、地域の実情に応じて柔軟かつ適切な規制を行う観点から、市町村に対しまして、国の基準に代えて、国が定める一定の範囲内で条例に基づき独自の緑地面積等の基準を定めることを可能とするような措置を講じてございます。また、この間、総合特別区域法や東日本大震災復興特別区域法等におきまして、環境の保全が図られることを前提に、一定の要件を満たした場合には市町村が条例に基づきまして更に独自に緑地面積率等を定めることを可能とする、そういった措置を講じてございます。

#127
○田村まみ君 今の答弁にあったとおり、既に国の基準はあるとはいえ、その地域の実情を踏まえてある程度の緩和をできるような形での様々な見直しは進んでいるというような内容になっています。
 法律案の特例措置では、区域計画の認定があった場合に、市町村の条例の制定により緑地面積等の基準の緩和を可能としていますが、建築物の防音だったりとか防火性能の技術の発展、又は大気中への排出物の浄化の技術などが進んでいるという、四十九年以来とまた今現在が違ってきているというような中で、工場立地法における国の基準の見直しについてそもそもの検討が必要だったのではないかというふうに思いますが、経産省の見解はいかがでしょうか。

#128
○政府参考人(桜町道雄君) お答え申し上げます。
 工場立地法の緑地面積率等の基準につきましては、工場立地が周辺地域の生活環境との調和を図りつつ適正に行われる、そういうことを目的として定めているものでございます。環境の保全を図ることを前提にではございますけれども、地域の実情や情勢が変化したときに、その変化に伴い対応すべき課題に応じて柔軟かつ適正、適切な規制を行うことは重要だと思ってございます。こうした観点を踏まえまして、先ほどの御答弁申し上げたような様々な累次の規制緩和を行ってきたという状況でございます。
 引き続き、各制度の運用状況も注視をいたしまして、御指摘のような技術進歩を含めた様々な情勢の変化を見極めつつ、地域の実情を把握する地方自治体等の御意見にもしっかり耳を傾けてまいりたいと考えてございます。

#129
○田村まみ君 国家戦略特区の中で改正するような内容なのか、そもそも今の技術の発展等を踏まえた世の変化を踏まえて、経産省として、所管の省庁として検討すべき内容かというと、私はどちらかというと経産省の方がきちっとやるべきだというふうに今の答弁を聞いて改めて実感しましたし、実際、環境の保護と言いながらも、今は平地の中での緑地というよりかは屋上でもオッケーとかいうような形で、本当に本来の最初の工場法ができたときの目的と同じかというと、そうではなくなってきている現実もあるというふうに思います。
 ただ一方で、工場火災自体は増えています。この発生原因は、実はこの緑地帯がなくなっているとか、それが改正されたからというよりかは、どちらかというと施設の老朽化とか人手不足による施設管理の不十分さとかいう部分だと思いますので、あわせて、経産省には、是非安全衛生管理の視点で工場立地のいろんな規制についても検討いただきたいということはお願いしておきたいと思います。
 その上で、坂本大臣、今回の法案成立後、既に、工場立地法の第四条の国基準、国基準の準則で、四条の二で先ほど来答弁がありました市町村準則、そして地域未来投資促進法の第九条の市町村準則、総合特区区域法の第二十三条の準則と、四つある工場敷地の緑地面積等の規制の特例措置について早期に私は整理すべきだというふうに考えています。
 その上で、今回、国家戦略特区の目的、意義とされている経済社会の風景を変える大胆な規制・制度改革の突破口というふうには私には到底思えないです。また、国際的な経済活動の拠点の形成を図るというところに照らしてみても、国家戦略特区での措置ではなくて、工場立地法改正と工場での事故を防ぐ対策をセットで対応する方が本当に現実的ですし、世界からビジネスを呼び込んで安心して日本で事業をしていただけるというようなことに私は資するというふうに思います。
 そもそも緑地面積の規制は国家戦略特区の措置でなければ進まないくらいの岩盤規制だと大臣はお考えでしょうか。

#130
○国務大臣(坂本哲志君) そもそも国家戦略特区における規制の特例措置といいますのは、国家戦略特別区域基本方針に基づきましてその実施状況等について適切な評価を行い、当該評価に基づきその成果を全国に広げていくということになっております。活用から一定期間が経過し、特段の弊害のない特区の成果については、全国展開に向けた検討を重点的に進めるということがこの方針の原則でございます。
 本特例につきましても、法案を成立させていただいた暁には、特区の各地区に対しまして積極的な活用を促し、実績を積み上げつつ適切な評価を行い、その評価に基づいて、関係省庁としっかり連携しながら全国展開について積極的に検討してまいりたいと思っております。

#131
○田村まみ君 意気込みは伝わったんですけれども、そこ、それほどの意気込みが必要なほどの岩盤規制なのか。私自身は、先ほど経産省の方にお願いしたとおり、是非その安全衛生、そこの事故を防ぐということをセットにこの緑地の面積の考え方ということを整理していただいて、国家戦略特区が、ここの成果だけを基に全国に広げるということではなくて、本来の意味でのこの緑地面積をきちっと守っていただきたいということをお願いして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

#132
○大門実紀史君 大門です。
 まず、今もお話がありましたが、株式会社などによる農地取得特例の期限延長についてでございますけれど、聞いていますと、もう山田先生含めて反対多数じゃないかと、もうこの際撤回したらどうかと、大臣の所信を、反対だったということでしたら、いうような議論がされたんじゃないかと思うんですよね。それでも、なぜこんなものをごり押ししなければいけないのか。あえてごり押しする理由をお聞きしたいと思います。

#133
○政府参考人(佐藤朋哉君) 私からお答えさせていただきます。
 この特例につきましては、先ほど来御答弁申し上げているとおり、農地法の特例といたしまして、特区の中でも一定の要件に該当する区域に限って、一定の条件の下で株式会社等に対して農地所有を認めるという特例でございまして、これまでに、養父市においては、六法人が一・六ヘクタール取得をして、農業の六次産業化による地域活性化などの効果が上がっていると、こういうふうに評価をしているところでございます。
 特段の弊害も生じていないと、こういう状況の下で、養父市においては引き続き是非使いたいと、安定的に使いたいという御要望もいただいているところでございますので、今回これを二年間延長する法案をお願いしているということでございます。

#134
○委員長(石井浩郎君) 大臣、答えますか。

#135
○国務大臣(坂本哲志君) 何回か言いましたけれども、農業の現実というのは非常に厳しいものがあります。平たん地は別にして、やはり中山間地においては今後どうしていくかというのは非常に大きな問題であると思います。このまま放っておけば、耕作放棄地は増えますし、自然災害の原因にもなりますし、病害虫やあるいはイノシシ等の温床にもなります。
 様々な課題がある中で、じゃ、今までのとおりにやっていて果たしてこの耕作放棄地や中山間地の農業が解消できるのかどうか、そこにどういう手があるかというのは考えなければいけない問題だというふうに思います。それが株式会社でいいのかどうなのか。あるいは、例えばJA辺りが別会社をつくってそこに乗り出すということが果たしてできるのかどうなのか。あるいは、国がいろんな形で中山間地なりあるいは農地の整備辺りに予算を振り向ける枠があるのかどうか。
 こういったものをいろいろと考えていきますと、やはり養父市においてこの五年間やってきたというのは一つの大きな、先ほど事務方も言いましたけれども、実験であったというふうに思います。その実験の中でやはり得られた成果、それを活用しながら、今後それを、全国展開ありきではなくて、どういうふうにしていったら日本の農業のこれからの振興につながるかということを、これから二年間掛けてニーズの調査、問題点の調査、これをした上で調整をしていきたいというふうに思っているところでございます。

#136
○大門実紀史君 問題意識は大臣と共有するわけですけどね。
 いろんな議論ありましてね、徳永さんからあったとおり。企業の農地取得を認める、認めようと、認めたいと。認める理由として、大臣からのお話ありましたけど、担い手がいないと。いないから企業に入ってもらう、あるいは耕作放棄地をどうするかという点で企業に入ってもらったらどうかというようなことが掲げられてきたわけでありますけれど、この養父市で何かすごい成果があったような話がありますけれど、私も現地の話を聞きましたが、本当にそんなに、今申し上げた担い手をつくるとか耕作放棄地をなくすという点でいかほどの成果があったのか、ちょっと改めて佐藤さん、説明してくれますか。

#137
○政府参考人(佐藤朋哉君) 今申し上げましたとおり、養父市においてはこの六法人がこれまでに一・六ヘクタールの農地を取得をしております。これらの六法人が所有又はリースをしている面積は合計三十一ヘクタールということでございまして、それによって遊休農地の解消、農地としての再生などが行われております。また、ある法人においては、酒米を作って、それで日本酒を造って、それを国内のみならず海外にも輸出すると、こういうような例えば農業の六次産業化というような成功例も出ているということでございます。
 こういったことで、地域の経済の活性化にも一定の寄与をしているというふうに考えております。

#138
○大門実紀史君 まあそんな大した話じゃないと思うんですよね。私も現地の、市長さんが一生懸命おっしゃっているのは知っているんですけれども、率直に言って、農業関係者からは何ぼのもんだという話があるわけですよね。
 ですから、さっき申した担い手不足対策とか耕作放棄地の解消という点では、別にその農地の取得があったから、なかったとか、ほとんど関係ないような、数字的にはもう先ほどあったので言いませんけれど、そういうものではないかと思います。
 じゃ、なぜ、しかもこれ農水省もそういう評価をしているという中で、なぜこれが今回出てきたのかと。与党の中でも相当否定的な反対意見もあったと。にもかかわらず何で出てきたのかということなんですけれども、これは、これも先ほどからありました国家戦略特区諮問会議ですよね、そこが全ての出所、出てきたところですよね。ちなみに、諮問会議が口を開けば、岩盤規制を打ち破ると、何かそれを錦の御旗のように言っていますけれど、そんなきれい事じゃないですよね。利害関係者いっぱいいますよ、あそこ、ですよね。
 こういう言い方というのは、かつて小泉内閣のときに、野党だけではなくて参議院の自民党の皆さんも抵抗勢力というレッテルを貼るわけですね。これ敵をつくるわけですよね。そういう手法が行われてきたんですが、今は役所が岩盤だというレッテルを貼られて、何かそこに向けてみんなで打ち破ろうというふうな、レッテルを貼って自分たちのやりたいことを、あるいは利益を通すというのがここでもやられているということはちょっと長い歴史で見ておく必要があると。
 岩盤なんていうものはそんな実体のないものだと。役所だって一生懸命仕事しているわけです。必要な仕事やって、必要な規制もあれば必要な規制緩和もやっているわけですから、諮問会議のような岩盤とレッテルを貼って敵をつくるというのに余り乗せられない方がいいということは申し上げておきたいと思います。
 その国家戦略諮問会議で去年の十月二十二日に四十七回の諮問会議がありまして、その中で、国家戦略特区の今後の運営についてというペーパーが出されております。何を言っているかというと、要するに、簡単に言いますと、養父市一つでは駄目だと、これでは全国展開できないと、理由にならないと。一つしか、まあ成功しているとは思いませんが、養父市でやっていることだけでは駄目だと、二例目をつくる必要があると。二つ目の例をつくる必要があるということが、そうしないと全国展開につながらないということが言われております。
 十二月二十一日の第四十八回の諮問会議では、八田さんが言っていますけれども、企業による農地所有を全国で可能にすることは規制改革の一丁目一番地だと、この改革すらできなければ成長は望めないと、全国展開の遅れ、養父市一つでしかやられていないということについて大変焦りを表明されているわけであります。
 竹中平蔵さんも、その養父市の例がうまく、先ほどありましたね、徳永さんから、うまくいっていないのは、うまくいっていないということを官僚が政治家たちに説明しているというようなことを、さんざん農水省の役人さんをばかにしたり、それにだまされている与党議員というようなことで国会議員までばかにしているような言い方をしているわけであります。
 申し上げたいことは、目的は何かということなんですね、国家戦略諮問会議の。これは全国展開です。養父市を延長して二例目を、今、二例目って、手挙がっていませんよね、どこからも。二例目をつくって全国展開を目指すと、そのためにこの養父市を延長しろと、それで全国展開に結び付けろということをもう明確に諮問会議では言っているわけですけれど、まず、佐藤さん、そういう認識でいいですか。

#139
○政府参考人(佐藤朋哉君) その諮問会議で議論がありましたのは、そもそもその国家戦略特区の特例措置というのは、原則として、特区でまずはやってみてその実施状況を評価すると、で、その評価に基づいて特段の問題がなければそれを全国に広げていくというのが原則でありますので、その原則に即して言えば、本特例についても全国展開について積極的に検討をすべきであると、こういう御主張がなされたものというふうに考えております。

#140
○大門実紀史君 坂本大臣はこの諮問会議に出ておられましたけれど、八田さんとか竹中平蔵さんとかがおっしゃっているのは、全国展開したいということを中心に話を展開されていたというふうに、まあ議事録にはそうなるわけですけど、そのことは確認されますか。

#141
○国務大臣(坂本哲志君) それは、国家戦略特区の有識者のメンバーでありますので、全国展開をしなければいけないというようなことで発言もされておられます。
 養父市の場合にその成果が出ていないんじゃないかというようなこともおっしゃいましたけれども、もし養父市が何も手を着けなかったらこの五年間どうなっていたかということを考えると、やはり三十一ヘクタールの農業活用あるいは十七ヘクタールの農地再生、こういったものに対しては効果があったというふうに思っております。
 それから、十の国家戦略特区の中で養父市一つだけじゃないかというふうなことを言われましたけれども、やっぱりこの農地の問題というのは、非常にデリケートな問題があって、それぞれの首長さん、なかなか手を挙げるのに勇気が要るんだろうというふうに思います。その中で、養父市の広瀬市長は手を挙げて、そして何とかこの中山間地の農地をやはり活性化させたい、農業を活性化させたい、そのことについては、やはりその後の、去年だったかな、今年だったかな、行われました選挙でも四期目当選をされておられますので、やはり私は市民が認めた成果の一つであるというふうにも思っているところでございます。

#142
○大門実紀史君 今のところ一つ、ほかの自治体ではやりたいと手が挙がっていないのは、その勇気が要ると、それがまさに皆さんが議論あったとおり、いろんな企業が農地を取得することに対する懸念があるから、だからためらっていると、勇気が要るということなので、そんな勇気が要るようなものを広げようという方がおかしいんですよね。そこに根本問題があるというふうに思います。
 ただ、私、議事録読んでいて、十二月二十一日の第四十八回の方ですけれど、八田達夫さんが、すごいですね、農水省はうそつきだというような誹謗中傷をさんざんやったことが書かれているんですが、その中で八田さんがおっしゃっているんですけど、農林水産省は全国展開の条件として、これ全国展開する条件としてですね、諮問会議の評価は無視して、つまり養父市はよくやったと、成果は出ているんだというのが諮問会議の勝手な評価ですけど、それを農水省は無視していると、改めて新たな基準で評価するようやり直しを求めていると、農水省がですね、その理由として与党の反対を挙げておりますというようなことが書かれていて、まあ要するに、農水省の、私思うんですけど、非常に客観的な説明を与党の議員の皆さんが受けて、それならばやっぱり新たな基準で評価しなきゃいけないねとおっしゃっていることに対して、八田さんは、有識者は文句を言っているということになるわけですね。
 で、その次に書かれているんですけど、特区の事務局も、それならば仕方がない、そういうことだというふうにしているということを八田さんがおっしゃっているんですけど、聞きたいのは、まあ五年後なり何年後なり、農水省あるいは与党の皆さんが同じ評価、やっぱり新たな基準で考えるべきだということも含めてですね、このときの、去年の十二月の時点と評価が変わらなければ、これは特区事務局としても全国展開する、しないと、しないこともあるということでよろしいですか。

#143
○政府参考人(佐藤朋哉君) お答え申し上げます。
 繰り返しになりますけれども、この特例につきましては、このニーズと問題点の調査というのを今年度中に特区区域以外にも実施をすると、その結果に基づいて調整をするということにしております。したがって、まず農水省とよく連携をいたしまして、このニーズと問題点の調査をしっかりと実施をした上で、どうするのかということを一緒によく考えたいというふうに思っております。

#144
○大門実紀史君 今日の議論聞いておりますと、必ずしも特区事務局、坂本大臣のところは、全国展開もやるよということにはなっていないと、これから評価をして考えていくということなんで、有識者会議、有識者会議じゃないです、諮問会議の有識者の言うとおりに、言いなりになっているわけではないというニュアンスは分かりましたけれど、やはり無理のあることでありますので、正確な判断、正確な評価をしていっていただきたいということは申し上げておきます。
 で、坂本大臣、そもそも、先ほどありました、大臣の所信はそういうところに、こういうことになかったということで、そうだと思うんですよね、普通ならば。
 それで、お聞きしたいんですけれども、そもそもこの耕作放棄地が増えてきた、担い手が不足してきた、この問題の根本がどこにあるかと、このことを抜きにして、企業に入ってもらえば解決するということにはならないというふうに思うわけでありまして、先ほど所得補償もありましたけれど、農業で生計を立てることができなくなっていると、こういう問題をおいておいて、農業をする人がいないから企業に入ってもらえばいいんだということにはならないと思うんですよね。
 やはり根本的な、今の農業を本当に発展させていくという点でもっと考えなきゃいけないことがあると、もっと根本的に与野党含めて考えなきゃいけないことがあるということが大前提だというふうに思うんですよね。それも抜きに、何か企業が参入したらいろんなことが解決するというふうにならないと思うんですけれど、この点のお考えを聞いておきたいと思います。

#145
○国務大臣(坂本哲志君) なぜ農業が疲弊しているのか、なぜ担い手がなかなか現れないのか、その問題が解決できれば、解決の糸口が見付かれば、これはその日本の農業これから大いに振興されると思いますけれども、なかなかそれをどういうふうな方法論によって政策付け、政策化していったらいいのかというのが分からない中で、この日本の農業のやはり衰退なり日本の農業の迷いというのがあるんだろうというふうに思います。
 そういう中で、やはり特区として、十特区の中で、一養父市の中で特区を試みた。その中で、企業の農地の売買によって農業が活性化するかもしれない、あるいは農地が再生するかもしれないというような挑戦をした養父市に対しては、私は大いに称賛すべきであるというふうに思います。
 そして、当初の予定どおりであったかどうかは知りませんけれども、やはり一定の評価は得たと。一定の評価は得た中で、それで今後どうしていくかということを考えたときに、先ほど言いますように、養父市一つではなかなかこの農地問題を考えていくには無理がありますねということで、全国的にニーズあるいは問題点、こういったものを調査をした上で調整をして、そして早期に法案提出をしようというようなことであったわけでありますので、まだ結論を、結論ありきでやるわけではありませんけれども、非常に今後のやはり農業の在り方というものをしっかりと考え、その暗中模索の中で今回の法案の提出をさせていただいて、多くの皆さん方の御意見を聞こうということであります。

#146
○大門実紀史君 分からない、暗中模索とおっしゃいましたけど、日本の農業をどうしていくかという提案は野党も自民党の方々もしているわけですよね。そのやっている上でこれは危ないよということを申し上げているわけでありますので、逆に、こういうこの企業参入ということがあると本来の解決の方向にかえってややこしい、足かせになるんではないかという点を申し上げて、質問を終わります。

#147
○委員長(石井浩郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

#148
○岸真紀子君 立憲民主・社民の岸真紀子です。
 国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案に対し、会派を代表して、反対の立場から討論を行います。
 まず、そもそもの問題は、国家戦略特区が世界で一番ビジネスのしやすい環境を整備し、経済成長につなげるとうたっているように、経済社会を優先し過ぎているということです。一体誰のための規制緩和なのでしょうか。地方創生にとって一番大切なその地域とそこで生活する住民のためという観点が抜け落ちていることは看過できません。
 今回の改正案の内容についても同様の指摘をせざるを得ません。
 まず、国家戦略特別区域諮問会議の議員に、なぜ特区に参入している企業の役員が加わっておられるのでしょうか。これでは利益相反の疑念が拭い切れません。
 今回の改正案では株式会社等による農地取得特例の期限延長が含まれており、兵庫県養父市で事業展開するオリックス農業の親会社、オリックスの竹中平蔵さん、秋山咲恵さんと二人の社外取締役が国家戦略特別区域諮問会議に参加しています。諮問会議の議員自らが自己に関係する規制を緩和し、農地取得を全国に広げるべきという主張は、特定企業への利益誘導に当てはまるのではないでしょうか。諮問会議の議論から利害関係者を除外するという基本的なモラルが図られていないことは問題です。
 また、農地所有適格法人以外の一般企業が所有することへの将来的な懸念、例えば農地転売や産廃置場になる等の悪用を防ぐための対策が講じられておりませんし、農地をリースではなく所有しなければならない必要性は感じられません。
 そもそも養父市において、農地を取得したのは六法人のみ、そのうち一法人は営農を休止しており、規模拡大をした四法人は大部分はリース方式です。そのことから考えれば、成果が得られたとは言い切れずに、全国展開を視野に入れた二年間の延長は必要ありません。
 次に、工場新増設推進のための関係法令の規制緩和は、事業の実施に際し配慮すべき生活環境との調和について区域計画に定めることとされていますが、その具体的な記載内容は必ずしも明確にされていません。市町村の条例により規制緩和を可能とする区域計画を認定するに当たっては周辺住民等の意見が適切に踏まえられなければならず、周辺環境との調和の確保が十分に配慮されるか甚だ懸念が残ります。
 さらに、中心市街地活性化基本計画の認定に係る手続簡素化も拙速と言わざるを得ません。
 想定される場面には、スーパーシティの区域計画の作成と併せて中心市街地活性化計画を作成、変更する場合が含まれています。スーパーシティ構想は住民の個人情報にも関わる重要なものであるにもかかわらず、構想段階から住民が意見を反映する体制が確約されていません。中心市街地活性化基本計画も慎重にすべきです。
 以上のことから、本案に反対であることを申し述べ、反対討論といたします。

#149
○大門実紀史君 大門実紀史です。
 日本共産党を代表して、反対の討論を行います。
 最大の反対理由は、株式会社等による農地取得特例の期限を延長する点です。
 農業を主として行っていない企業に農地の所有を認めることは、容易に農業から撤退し得る者の参入を認めることになり、耕作者の地位の安定を損ないます。耕作者が農地を所有することが望ましいという農地制度を根幹から覆すことになります。また、農地所有権を企業に広く認めると、取得された農地の荒廃や無断転用の懸念があります。
 本特例が適用された兵庫県養父市を見ても、国家戦略特区諮問会議の評価は全く当たっておらず、現地の実態を見れば、中山間地の農業振興にはつながっておりません。農業で生計を立てることができないという問題を脇に置いたままでは、幾ら企業の参入の条件を緩和しても、耕作放棄地の増加や担い手不足の問題を解決することはできません。
 また、工場立地に際しての緑地面積等の基準を緩和することや、建築基準法上の用途規制緩和手続の特例及び中心市街地活性化基本計画の認定手続の特例についても、住民の暮らしより開発を優先するものであり、賛成できません。
 以上、反対討論といたします。

#150
○委員長(石井浩郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#151
○委員長(石井浩郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、宮沢君から発言を求められておりますので、これを許します。宮沢由佳君。

#152
○宮沢由佳君 私は、ただいま可決されました国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党及び国民民主党・新緑風会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずるべきである。
 一 養父市で実施されている法人農地取得事業の農地所有の評価に当たっては、リースではなく農地を所有する目的、所有による効果を明らかにすること。また、農地は地域ごとに特徴が異なるため、養父市における所有農地で弊害がないことをもって、この制度の全国展開及び実施期間の再延長を行わないこと。さらに、本法に基づく対象地域を検討するに当たっては、当該地域の農業経営及び農地の利用状況等について慎重に検討すること。
 二 本法による株式会社等の農地所有については、当該農地等が目的外使用、転売又は開発行為等により荒廃すること等のないよう十分に配慮すること。近隣農家等の懸念・不安の払拭に努めること。
 三 株式会社等の農地所有を認めた後、農地の利用状況等について的確に監視するよう特定地方公共団体を指導するとともに、目的外使用等を理由に農地等の所有権を当該地方公共団体に移転するに当たっては、当該地方公共団体は住民の負担を軽減するよう努め、売買による場合においては適切な価格で取得するなど、当該住民に必要以上の負担とならないよう配慮すること。
 四 令和三年度中に国家戦略特別区域以外においても政府が実施する法人農地取得事業に係るニーズと問題点の調査は、その実施目的を明確にし、全国展開を前提としないこと。また、その調査及び結果の判断に当たっては、株式会社等の農地所有に関する懸念を十分踏まえること。
 五 法人農地取得事業の取扱いについては、国家戦略特別区域諮問会議の民間議員の意見のみによるのではなく、国民の代表である立法府の意見を尊重すること。
 六 工場立地法等に基づく工場敷地の緑地面積率等の規制について、国の準則又は市町村の準則に代えて、市町村の条例により、緑地面積率等の基準の緩和を可能とする国家戦略特別区域工場等新増設促進事業を定めた区域計画を認定するに当たっては、周辺環境との調和の確保に十分に配慮したものとなるようにすること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

#153
○委員長(石井浩郎君) ただいま宮沢君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#154
○委員長(石井浩郎君) 多数と認めます。よって、宮沢君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、坂本内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。坂本内閣府特命担当大臣。

#155
○国務大臣(坂本哲志君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。

#156
○委員長(石井浩郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#157
○委員長(石井浩郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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