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2021/04/07 第204回国会 衆議院 第204回国会 衆議院 国土交通委員会 第10号 令和3年4月7日
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2021/04/07 第204回国会 衆議院

第204回国会 衆議院 国土交通委員会 第10号 令和3年4月7日

#1
令和三年四月七日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 あかま二郎君
   理事 古賀  篤君 理事 谷  公一君
   理事 土井  亨君 理事 平口  洋君
   理事 簗  和生君 理事 城井  崇君
   理事 小宮山泰子君 理事 岡本 三成君
      青山 周平君    秋本 真利君
      井上 貴博君    泉田 裕彦君
      岩田 和親君    上野 宏史君
      小里 泰弘君    加藤 鮎子君
      門  博文君    金子万寿夫君
      金子 恭之君    菅家 一郎君
      工藤 彰三君    小林 茂樹君
      鈴木 貴子君    田中 英之君
      田中 良生君    高木  啓君
      中谷 真一君    中村 裕之君
      鳩山 二郎君    深澤 陽一君
      堀井  学君    牧島かれん君
      三ッ矢憲生君    山本  拓君
      荒井  聰君    伊藤 俊輔君
      岡本 充功君    重徳 和彦君
      高木錬太郎君    辻元 清美君
      広田  一君    松田  功君
      道下 大樹君    矢上 雅義君
      山本和嘉子君    北側 一雄君
      吉田 宣弘君    高橋千鶴子君
      井上 英孝君    古川 元久君
    …………………………………
   国土交通大臣       赤羽 一嘉君
   国土交通副大臣      岩井 茂樹君
   国土交通大臣政務官    小林 茂樹君
   国土交通大臣政務官    朝日健太郎君
   国土交通大臣政務官    鳩山 二郎君
   政府参考人
   (総務省大臣官房審議官) 川窪 俊広君
   政府参考人
   (農林水産省農村振興局農村政策部長)       山口  靖君
   政府参考人
   (農林水産省農村振興局整備部長)         安部 伸治君
   政府参考人
   (林野庁森林整備部長)  小坂善太郎君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      松山 泰浩君
   政府参考人
   (国土交通省都市局長)  榊  真一君
   政府参考人
   (国土交通省水管理・国土保全局長)        井上 智夫君
   政府参考人
   (国土交通省国土地理院長)            野田  勝君
   政府参考人
   (気象庁長官)      長谷川直之君
   国土交通委員会専門員   武藤 裕良君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月七日
 辞任         補欠選任
  門  博文君     上野 宏史君
  中谷 真一君     金子万寿夫君
  中村 裕之君     牧島かれん君
  堀井  学君     青山 周平君
  岡本 充功君     重徳 和彦君
  辻元 清美君     矢上 雅義君
  山本和嘉子君     高木錬太郎君
同日
 辞任         補欠選任
  青山 周平君     堀井  学君
  上野 宏史君     門  博文君
  金子万寿夫君     中谷 真一君
  牧島かれん君     中村 裕之君
  重徳 和彦君     岡本 充功君
  高木錬太郎君     山本和嘉子君
  矢上 雅義君     辻元 清美君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一八号)
     ――――◇―――――

#2
○あかま委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省都市局長榊真一君、水管理・国土保全局長井上智夫君、国土地理院長野田勝君、気象庁長官長谷川直之君、総務省大臣官房審議官川窪俊広君、農林水産省農村振興局農村政策部長山口靖君、農村振興局整備部長安部伸治君、林野庁森林整備部長小坂善太郎君及び資源エネルギー庁電力・ガス事業部長松山泰浩君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○あかま委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#4
○あかま委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。小宮山泰子君。

#5
○小宮山委員 立憲民主党、小宮山でございます。
 本日は、流域治水法ということで、本会議に続きまして、質疑をさせていただきます。
 令和元年の台風におきまして、川越市、ふじみ野市、富士見市においても被害が地元でも起きました。これを受けて、水害のあった後、十一月の国交委員会において、建築規制の検討についての問いに、赤羽大臣は、国交省はもとより、法務省を始め関係省庁ともしっかりと連携を取りながら具体的な検討を進めてまいりたいと答えていただきました。その後、都市計画法、都市再生特別措置法改正、そして今回の流域治水の整備と進んでおります。
 先週末、被害に遭ったけやきの郷の、このときの水害の被害報告を聞く機会がありました。当時の状況から、阿部理事長は、いざというときのための障害者の集団避難の場の用意、大規模災害により施設が甚大な被害を受けたときに、応急仮設と、その後の安全な場所への公的補助のある移転の実現、ハザードマップ上にある危険な施設に対して安全な場所への公的補助を改めて要望されました。
 これまでも、法整備が進んでも、新設、大規模改修などの施設が対象となり、実存する既存の施設は、地方自治体の予算がなく、実際には、危険地域からの移転や危険回避の手段から取り残されているままというのが現実ではないでしょうか。
 本会議での質問で、本法案において、これまでの総合治水から流域治水へ大きく国の治水が前進することを確認し、一定の評価をいたしますが、実際に協議会設置、運営、計画の策定、対処の実施がされてこそ、九本束ねたこの法案の意義がある、その認識の下、質問させていただきます。
 まず、地元地域での治水事業についての現状についてお伺いします。
 令和元年の台風十九号により、荒川水系入間川支流の越辺川の堤防決壊によって、川越市、坂戸市などで大規模な浸水被害が生じたことを受けて、関係自治体並びに国交省協力の下、入間川流域緊急治水対策プロジェクトの取組が進められております。河道の流下能力向上を図る施策、遊水、貯留機能の確保、向上を図る施策、さらには土地利用、住まい方についても検討を講じております。
 まず最初に、入間川流域緊急治水対策プロジェクトとして取り組まれている諸施策の現状について御説明ください。

#6
○井上政府参考人 お答えいたします。
 荒川水系入間川流域においては、令和元年東日本台風と同規模の洪水でも再度災害を防ぐことを目標に、昨年一月、国、県と四市町が連携して入間川流域緊急治水対策プロジェクトを策定し、令和六年度までに、河道掘削、堤防整備、遊水地など、約三百三十八億円の治水事業などに取り組んでいます。
 このプロジェクトにおいては、ハード対策として、決壊した堤防六か所の復旧を終えるとともに、約百十万立方メートルに及ぶ河道掘削を下流から順次進めているほか、入間川や荒川への流出を抑制するため整備する二か所の遊水地については、地元調整を行っているところです。プロジェクトの実施により、東日本台風と同規模の洪水が発生した場合でも、越辺川、都幾川では、堤防から洪水が何とかあふれずに流すことが可能になります。
 一方、越辺川合流点より下流の入間川や、更に下流の荒川本川においては洪水時の流量が増えることになりますが、二か所の遊水地の整備の効果もあり、プロジェクト実施前と変わらず、洪水を計画高水位以下で安全に流すことが可能です。

#7
○小宮山委員 川越市とふじみ野市の市境に位置する下水道、川越江川では、荒川水系入間川の支流、新河岸川に続くエリアにて、平成二十九年台風二十一号、令和元年台風十九号と、繰り返し水害が生じております。樋門を開けたままでの河川からのバックウォーターによる浸水、樋門を閉めたことによる内水被害と、原因は異なるものの、同じ地域に浸水被害が生じております。川越江川の地域における内水被害対策の進捗について確認をさせていただきたいと思います。
 あわせて、この法案では下水道法の改正も含まれております。第七条の二及び第三十一条関係、公共下水道管理者、流域下水管理者及び都市下水管理者は、逆流を防止する樋門又は樋管について、操作に従事する者の安全の確保が図られるよう配慮された操作規則を定めなければならないものとすると規定され、これまで全国で約六割の施設にとどまっていた樋門操作規則の策定を義務化するものとなっております。この点に関しましても、併せてお答えいただければと思います。

#8
○井上政府参考人 近年、市街地に降った雨が排除できない内水氾濫が全国各地で頻発していることから、内水対策の強化が重要でございます。
 川越江川は、当該流域の浸水被害を軽減することを目的とした、川越市、ふじみ野市の市境を流れる都市下水路であり、平成二十九年の台風二十一号や令和元年東日本台風において、川越江川の下流部では、合流する新河岸川の水位上昇などにより、浸水被害が発生しております。
 このため、川越市及びふじみ野市において、これまでに、内水浸水の軽減を図るための排水ポンプ車の配備等を行ってきましたが、今後の中長期の内水対策として、両市で締結された内水対策施設の整備に関する協定も踏まえ、新たに調整池や調整池内に雨水ポンプ場を整備することとしており、今年度はそのための測量調査が実施される予定です。国土交通省としましては、必要な施設の整備が早期に進むよう、重点的に支援してまいります。
 また、委員から御質問のありました下水道のことでございますけれども、今後、気候変動に伴う降雨量の増大によって、下水道管理者が樋門等の操作を行う機会が増えることが想定されますが、約四割の施設で操作規則が定められておりません。
 今回の法案では、樋門等の操作を安全かつ確実に実施し、浸水被害の発生を防止するため、河川等からの逆流を防止するために操作を行う樋門等について、操作規則策定を義務づけ、義務化することとしております。
 義務化に当たり、災害時の樋門等の操作員の安全確保が不可欠と考え、操作規則は、「操作に従事する者の安全の確保が図られるように配慮されたものでなければならない。」と規定することとしております。
 具体的には、下水道管理者が定める操作規則において、河川等が危険な水位を超え、更に上昇が見込まれる場合、津波警報が発表された場合など、水位や気象情報等から操作を安全に行えないと判断されるときには、樋門等の管理責任者が操作員に対して退避指示をすることなどを定めること等を想定しております。
 あわせて、下水道管理者が操作規則を策定するに当たって参考となるよう、操作員の退避ルールを盛り込んだ作成指針を作成し、下水道管理者向けの説明会等により周知することで、操作員の安全確保を徹底してまいります。

#9
○小宮山委員 ありがとうございます。
 樋門操作に関しては、本会議で、大臣答弁で、樋門等の自動化、遠隔化について、令和三年度より新たに防災・安全交付金の交付対象に追加し、地方公共団体を財政的にも支援していくと述べていただいております。自動化、遠隔化は、操作に従事する者の安全確保に資するものと思いますので、この施策には期待をしておりますことをお伝えさせていただきます。
 さて、先ほど、水害に遭った理事長さんの話もありました。日本全国あちらこちらで、ハザードエリアに高齢者施設や障害者施設など、様々な要支援者の施設があることは事実でもあります。ハザードエリアからの移転先の用地、災害発生後の仮設住宅建設用地、これがなかなか見つからないというのも現実にあるかと思います。これらの候補地というものは、ふだんから確保していくことというのは、今後様々な大規模な災害が見込まれる中において大変重要ではないかと思っております。
 この点に関しまして、平時であれば、また平らなところがあれば、ふだんは、ソフトボールのグラウンドであったりサッカーであったりとか一般の市民の方が使っていて、必要なときにはそれを転用し、仮設住宅や災害復興住宅、こういったものに転用するということもできるんだと思いますが、なかなかこの準備ができるという状況にないのが現実でもあります。平時のときから確保しておく仕組みというものを進めるべきではないかと考えますが、大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

#10
○赤羽国務大臣 災害対策は、基本的に、全般的に、平素から常に災害を想定して準備をしておくということが最重要だというふうに私も思っております。
 今の仮設住宅についても、阪神・淡路大震災の神戸のときも、都市部の直下型の地震ですから、大変な数の仮設住宅を用意しなければいけないということで、その用地、大変苦労がありました。学校の校庭を使ったりとか公園を、従来の目的とは違うところに造らざるを得なかった。私もあのとき思ったんですけれども、平らであればいいということではなくて、やはりそこにいれば水回りをしなければいけないので大変な工事もかかるということであり、仮設ですから、終わるとまたそれを全部元に戻さなければいけない、大変な状況でございまして、そういう意味では、国交省として、復興まちづくりのための事前準備ガイドラインというものを策定しながら、常に地方自治体の皆さんにそうしたことを訴えているわけでございますが、現状は、昨年七月に実施した調査では、全国の地方自治体のうち、約一二%、二百二十二の自治体が、仮設住宅用地の候補地等について事前検討を行って、それを地域防災計画に位置づけている。この一二%にしかすぎないというのが現実でございます。
 こうしたことについて、まず、仮設住宅の建設用地につきましては、公有地を原則としていますけれども、民有地を借り上げる場合は災害救助法において国費の負担の対象としておりますし、また、国交省の事業としましても、災害時に仮設住宅用の用地として活用できる避難地、避難場所等の整備に対しましては、防災・安全交付金より支援を行っているところでございます。
 また、先ほどからお話に出ている要配慮施設等の移転につきましては、一定の要件はありますけれども、都市構造再編集中支援事業ということで、安全な地域への移転を支援する仕組みも設けているところでございます。
 こうした意味で、特に災害弱者の集中する拠点につきましては、様々な対応もありますけれども、そうしたことをフルに活用していただけるように周知徹底をしていきたいということが一つと、あと、仮設住宅を造るのはテンタティブな話なので、空き家等々を災害協定とか空き家バンクに登録していただいて、いざというときには仮設住宅を経由せずに恒久的な住宅になり得るような、そうした対応も視野に入れるべきだというふうに私は思っております。

#11
○小宮山委員 是非、事前に準備ができるというか、ここを、しっかりと用地というものを確保できるようにしていただきたいと思います。そのためには新しい制度、場合によっては立法も必要かと思います。なかなか仮設住宅を建設する場所というものが見つからず転々とするということもありますし、その後、移転等も強いられることもよく被災地から聞くことでもありますので、是非制度としても成り立つように御検討いただければと思います。
 さて、特定都市河川の指定以外の河川についてお伺いします。
 今回の法案は、この特定の指定河川に指定されるか否かというのが大きな分かれ目になる法案でもございます。また、全国、埼玉県もそうですが、雨水流出抑制条例など、様々な総合治水の取組に従っての条例を作っています。全国の自治体でこれまでの取組との整合性を図られているのか。また、指定河川以外の施策も重要でもあります。特定都市河川指定以外の河川に対して、これまで各地で総合治水として取り組んできた対策が、これまで同様に進めることができるのか。また、国からの支援や対策の内容に違いが生じるのか。違いが生じた場合、非指定河川を有する地域に改修などで不利益になるのかならないのか、お聞かせください。

#12
○井上政府参考人 埼玉県のように、独自の条例によって実施されてきた先進的な取組は、都道府県等の意見を伺いつつ、運用において整合を図り、法改正後もこれまでの取組を継続していただけるようにしてまいりたいと考えています。
 また、本法案の施行により、雨水貯留浸透施設の整備費用に対する財政支援の割合を引き上げることや、新たな土地利用規制などを措置することとしており、新たに法的枠組みを活用していただくことで対策を強化することが可能となるため、特定都市河川の指定についても促していきたいと考えています。
 これまで特定都市河川の対象となっていなかった河川においても、自然条件等によって河道等の整備だけでは浸水被害を防止することが困難な河川を新たに対象に追加することとしており、指定を促すことにより、流出抑制などの対策を強化してまいります。
 また、特定都市河川に指定されない河川においても、自治体に限られていた雨水貯留浸透施設整備の支援対象に民間企業も追加することとし、更に支援してまいります。

#13
○小宮山委員 本会議での大臣答弁において、現状の八水系六十四河川から、関係自治体との調整を経て、数百程度の河川を指定することを想定している旨、答弁されました。
 最上流と最下流、また大きく利害の反する者により構成される協議会の合意形成は相当に難しいと参考人の陳述にもありました。
 例えば、埼玉県下の各河川について、実際にどのような指定を行っていくのか。荒川、利根川といった規模で、上流から下流まで、細かな支流まで含めて指定されるということが生じるのか。荒川の支流である入間川と、更にその支流について指定を行っていくのか。指定する対象の範囲はどこまでなのか、対象となり得るのかが不明瞭であります。
 そこで、流域治水の対象範囲のスケール感、現在の国交省の想定をお聞かせください。

#14
○井上政府参考人 特定都市河川浸水被害対策法は、河道等の整備のみでは浸水被害の防止が困難な河川において、河川への雨水の流出抑制や土地利用規制など、法的枠組みを活用して総合的な浸水対策を実施することで浸水被害を防止することを目的としております。
 荒川、利根川や入間川のうち、国が管理する本川の中下流域等については、まずは河道掘削や遊水地等の更なる河川整備を加速化し、治水安全度の向上に取り組んでまいります。
 その上で、今般の法改正により、バックウォーター現象によって氾濫が発生しやすい本川と支川の合流点や、川幅が狭くなる狭窄部等の自然条件によって、河道等の整備だけでは浸水被害の防止をすることが困難な河川を特定都市河川の対象に追加することとしております。
 このような本川の上流域や支川の流域などについては、主に埼玉県知事が指定権者となりますが、国土交通省としても、特定都市河川の指定の意義や流域全体で取り組む必要性を示すなど、必要な技術的支援を行ってまいります。

#15
○小宮山委員 近年、障害者や高齢者などの要配慮者の関連施設によって、施設ごとに避難計画、タイムラインを作成したり、防災訓練、避難訓練を行っていくという取組が進んでおります。
 関係省庁からの通知を始め文書などの伝達は、国交省からの通知は建設部局や都市計画部局、厚生労働省からの通知は福祉関連部局へ、文科省からの通知は教育部局などへと、地方自治体の組織内においても縦割りで、情報、通知が流れていきます。このような実情から、防災・減災に関する有益な情報や指導内容が十分に共有、活用し切れないまま、時には見落とされるということも起きてしまうことがあります。
 省庁からの情報発信、自治体への指導助言においても、関係省庁との連携を取って実施していくことが重要だと考えます。省庁を超えての連名での通知とするなど工夫を積極的に行い、自治体内での情報共有が行われやすい、特に災害時で各部局が出払っていることもあります、その情報が活用されやすいように努めるべきだと思います。この点に関しまして、国交省より御見解をお聞かせください。

#16
○井上政府参考人 流域治水は、あらゆる関係者が協働して治水対策に取り組もうとするものであり、平時にも災害時においても、その主要な役割を担う自治体が効果的に対策を実行できるよう、自治体内部の関係部局間での情報共有や連携が必要です。
 例えば、災害時に高齢者の命を守るためには、自治体の防災部局のみならず、福祉関連部局と一体となった取組が求められます。そのため、河川が氾濫した場合の被害軽減の取組を協議する大規模氾濫減災協議会に、厚生労働省との連名により、自治体の福祉関連部局の参加を促し、連携体制を構築しています。協議会の場では、気象庁や河川管理者から、いつどのような防災情報が発出され、その際にどのような行動を取る必要があるか等情報共有を行い、自治体の連携しやすい環境づくりに努めているところです。
 三月三十日に全国百九の全ての一級水系を取りまとめた流域治水プロジェクトでは、このほかにも、現場レベルの様々な連携を推進していくこととしました。引き続き、流域治水の旗振り役として、関係省庁とともに、自治体内の関係部局が連携した取組をしっかり支援してまいります。

#17
○小宮山委員 雨水貯留施設の整備など、今回の民間の取組の支援として、固定資産税の減免などは政策推進のインセンティブになるとして有効なものと考えます。
 一方、各自治体の財政は大変厳しい状況にあり、税収減につながることから、自治体からは非常に歓迎されないものではないかとも思います。厳しい自治体財政は、新型コロナへの対応で、なお一層厳しくなっています。治水の取組が進展するかは、やはり財源の確保が重要となります。国からの補助金による後押しが必要ではないか、予算確保に関しての御所見をお聞かせください。

#18
○赤羽国務大臣 まさしく御指摘のとおりでございます。
 今回、そうしたことも踏まえて、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策というものを、これは五か年で計十五兆円の事業費を想定しておりますが、それをしっかり活用する。この大きな予算の塊を活用しながら、完成までの期間を定めて集中的に実施する、それをより集中させるために、個別補助事業として、地方公共団体をしっかり応援してまいりたい、こう考えております。

#19
○小宮山委員 しっかりやっていただけるということで、是非期待したいと思います。
 さて、今回の法改正は、主なものだけでも九本の法律改正となる、いわゆる束ね法案となっております。いずれも治水のため関連しているとはいいながらも、改正に及ぶ範囲が大変広く、成立後に内容を読み込んで、それぞれの地域、それぞれの自治体でどのように活用するのが最適なのかを見極めるのは大変難しいという自治体職員からのお話を伺いました。
 各自治体で今後の事業推進や予算編成に生かされていくためにも、改正法に関するガイドラインとか、分かりやすい説明資料を十分用意しておく、また、理解が進むように国交省からの丁寧な対応、説明が必要となると思います。政府の今後の取組について御説明ください。

#20
○井上政府参考人 本法案では、雨水貯留対策の強化や防災集団移転促進事業による被災前の移転、高齢者施設における避難対策の強化、中小河川におけるハザードマップの作成などに取り組むこととしておりますが、その多くは自治体が主要な役割を担うこととしているため、まず、自治体の方々に改正内容を十分に理解いただくことが必要となります。このため、本法案が成立すれば、直ちに自治体に対し、実務面、技術面から丁寧な情報提供を幅広く行ってまいります。
 例えば、雨水貯留対策、防災集団移転促進事業については、国庫補助だけでなく、地方財政措置や税制を含め、手厚い支援制度を周知します。また、高齢者施設の避難確保については、厚生労働省と連携して、自治体の福祉、防災両部局を対象とする研修会を開催する予定です。ハザードマップの作成については、簡便な浸水範囲の設定手法などのガイドライン、マニュアルを作成、周知します。
 本法案を活用した流域治水の成否は自治体が握っていると言っても過言ではなく、自治体との連携を密に取りながら、流域治水の取組を強化してまいります。

#21
○小宮山委員 ありがとうございます。是非丁寧にしていただければと思います。
 なかなかこの九本の法律、多岐にわたっておりまして、各自治体の方々、ほかの通常の業務もしながらの勉強になるかと思いますので、よろしくお願いします。
 さて、時間の関係で先に進ませていただき、流域治水における生態系への配慮について大臣に伺いたいと思います。
 昨年七月の社会資本整備審議会答申において、流域治水を進める上で、生態系ネットワークに配慮した自然環境の保全や創出、かわまちづくりと連携した地域経済の活性化やにぎわいの創出など、防災機能以外の多面的な要素も考慮し、洪水対策を適切に組み合わせることにより、持続可能な地域づくりに貢献していくべきであると提言されております。
 流域治水において、各地それぞれの生物多様性、自然環境保全、再生をし、自然を生かすといった観点が重要であると捉えているのか、また、生態系ネットワークなど、地域の生態系や生物多様性を治水とともに保全、再生していくのか、国交省のお考えをお聞かせいただければと思います。

#22
○赤羽国務大臣 流域治水を行うことで、国民の皆様、地域住民の皆様の安全、安心を確保するというのは大変重要でありますが、その結果として、生態系に配慮せずに、自然環境が保全されない、また再生ができなくなるということは、やはり基本的にあってはならないことだというふうに考えております。
 具体的には、河川や遊水地を掘削する際には、できるだけ浅く広く掘削することで湿地環境を再生するですとか、また、そもそも保水ですとか遊水機能を有する水田や林など自然地を積極的に活用し、保全しながら、いわゆるグリーンインフラの観点から流域治水を進めていくということを考えていかなければいけないというふうに思っております。
 流域住民の皆様の安全、安心の確保と、自然環境の保全や再生、これを両立していけるように、しっかりと取り組んでいきたいと思います。

#23
○小宮山委員 ありがとうございます。
 本会議で質問したときには、実は環境大臣に質問させていただきましたが、余り流域治水と生物多様性についての関係というのを環境省の方の答弁からは感じられなかったのは大変残念なんですが、是非これを機会に、しっかりと働きかけもお願いしたいと思います。
 さて、グリーンインフラの活用ということで今答弁にありましたが、このグリーンインフラという言葉が日本ではまだほとんど使われていない二〇一四年に、衆議院予算委員会において、私自身は、EUにおいての生物多様性戦略に基づきグリーンインフラ戦略が二〇一三年に策定されることを紹介しつつ、日本でもこの考えを取り入れるよう、当時の安倍総理に提言をさせていただきました。これに対して、安倍総理は、「グリーンインフラという考え方を取り入れて、将来世代に自然の恵みを残しながら、自然が有する機能を防災、減災等に活用していきたいと考えております。」と答弁をしております。
 グリーンインフラという文字が少しずつ広まり、今回の流域治水推進に際しても取り入れられたことは歓迎をしております。しかし、現在、国交省を始め使われるようになったグリーンインフラの意味が、従来の緑化とか公園整備、歩道や建物敷地の一部への植栽を進める等、かなり狭い範囲で捉えられているのではないかとの懸念があります。整備完了した後から劣化が始まる、三十年、五十年で再整備や大規模改修が必要となるコンクリートを基盤としたグレーインフラに対して、整備後、年月を経ていくことで、より機能面でも、地域の生物多様性向上といった面からも一層価値が高くなっていく、植物や生物の力を活用したグリーンインフラという概念の、この幅広い可能性というのをやはり引き出していくというのが重要かと考えております。
 グリーンインフラを普及、推進していくに当たり、単なる緑化推進にとどまらず、自然の力を生かしていくことが重要と考えておりますが、この点に関しまして、国交大臣の御見解をお聞かせください。

#24
○赤羽国務大臣 グリーンインフラというものは、二〇一五年に閣議決定をいたしました国土形成計画において初めて政府としての計画に位置づけられました。それは、生物の生息、生育の場ですとか、樹木による暑熱対策、良好な景観形成といった自然環境が有する多様な機能を活用する幅広い可能性を有しているというふうに考えております。
 当時、振り返りますと、屋上緑化ですとか、様々、相当積極的に取り組まれておりますが、残念ながら余り今、屋上緑化というのは、いろいろな試行錯誤の中で、なかなか難しい点もある、こう言われていると思います。
 それは、多分、小宮山委員が言われているように、そうしたことというよりも、もう少し幅広く、恐らく自然の力を生かしていくということが重要だという認識の下で、例えば、水田を含む川沿いの低地などを、流域の沿川の保水、遊水機能を有する土地を貯留機能保全区域として指定できるようにするですとか、また、雨水を蓄え、地中に浸透させる能力が高い都市部の緑地そのものを特別緑地保全地区として指定できるようにする。こうした形で、やはり幅広い、今ある自然の力を活用していく、そうしたグリーンインフラの方が私は永続性があるのではないかというふうにも思っております。
 しっかり、ちょっと足らない部分、必要であれば局長から答弁、補足しますが、そうしたことを考えながら、グリーンインフラ、本当の、本質の意味でのグリーンインフラを実現できる流域治水にしていかなければいけないというふうに思っております。

#25
○小宮山委員 今大臣にも言っていただきましたけれども、グリーンインフラの概念は大変広いし、また、これまでのインフラ整備とは一線を画すものかと思いますが、これまでも、赤羽大臣も御一緒させていただきました各地の被災地において、山の大規模な崩壊であったり、先回の参考人のときに橋本参考人からも、流域治水を進める上において、地質であったり、地下水の流れであったり、様々なことをしなければ水害は防ぐことができないということも指摘もございました。
 グリーンインフラの概念というのは、そういった意味において、今回の法案では入っておりません農水関係のところとの連携であったり、また、多くの地域を守ってきた市民の団体やNPOなど様々な意見を取り入れて、地域が、しっかりと協議会を通じ、この流域治水というものが、再び水害に見舞われないように、新たな一歩を進めることを心から願いまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#26
○あかま委員長 次に、岡本充功君。

#27
○岡本(充)委員 引き続き質問に立たせていただきます。
 今日は、特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案の質疑でありますので、まずは、これまでの様々な取組をどう評価し、どう改善をしていくか、こういう観点から質問したいと思います。
 一つ目は、浸水想定図というのをこれまで作ってきました。当委員会でいろいろな議論もなされてきたわけでありますけれども、既にハザードマップについてどうあるべきかということで議論もされてきました。特に私が懸念をしているのは、分かりにくさについてであります。まず、そうした観点で一点目の質問をしたいわけであります。
 皆さんのお手元にもお配りをしていますけれども、先般の参考人質疑でも配られました資料でありますけれども、こちらの方は松戸市の洪水と内水のハザードマップであります。それ以外にも、都道府県が出す高潮による被害想定などもあるわけでありますが、こうしたマップがそれぞれにできるというのは、まずは第一段階として必要だと思いますが、これが複合して災害が起こった場合どうなるのかということを示すべきではないかと思うわけでありますけれども、こうしたことを今後示していく予定があるのか、御答弁いただきたいと思います。

#28
○井上政府参考人 水防法においては、洪水、雨水出水、高潮の現象ごとに、それぞれの災害によるリスクを明確に提供するための浸水想定区域を指定することとしております。
 流域治水においては、住民の皆様に円滑かつ迅速に避難していただけるようにすることも重要であるため、今回の法改正においては、浸水想定区域を指定する対象を、住民等の防御対象のある全ての河川流域、下水道、海岸と大幅に拡大することとしており、リスクの情報空白域の解消を進めることとしております。
 一方で、先生の御指摘のとおり、複数の災害が同時に起きるようないわゆる複合災害についても想定しておくことが大事であり、今後どのような災害が同時に起こり得るのか、どのような外力を想定すべきか等について、専門家の意見も伺いながら検討を進めていく必要があると考えております。

#29
○岡本(充)委員 大臣、恐らく参考人質疑を聞かれたと思います。これは、千葉大学の園芸学研究科の秋田教授の資料なんです。そのときにもおっしゃられていましたけれども、これは松戸の例でありますけれども、実際に、内水と、そして洪水のハザードマップが左にあって、そして国土地理院の重ねるハザードマップでは、松戸市のところは白、こういうふうになっていて、住民に分かりづらい。一次素材からどうやって現実に起こる被害をシミュレーションするのかということが必要です。
 今、検討してまいりたいという話ですけれども、検討してまいりたいというのは、やるかやらないか分からないんです。これはやはりやる方向で進めていくというふうに、是非大臣から御答弁いただきたい。

#30
○赤羽国務大臣 やるという方向で検討してまいります。

#31
○岡本(充)委員 是非、これは作っていただかないと、本当に分かりづらいので、お願いをしたいと思います。
 そして、同様に、一級河川と二級河川も地域に流れている、もっと言えば、一級河川と一級河川というのもあります。そうした複数の河川、非常に大きな、広域で雨が降った場合には、こうした河川間のいわゆる複数箇所での堤防の損壊も想定をされるわけでありまして、二つ目のところにあります、これも同様に参考人質疑で出されたものでありますけれども、大阪の淀川と寝屋川などのいわゆるハザードマップであります。
 淀川では雨が降るけれども寝屋川では雨が降らないということはなかなか想定しづらいわけでありまして、淀川が氾濫するような広域の降雨があった場合には、当然寝屋川にも影響があるということが想定をされます。こうしたものも複合したものを作っていくという理解でよろしいでしょうか。

#32
○井上政府参考人 お答えいたします。
 隣接する一級河川と二級河川で氾濫域が重なる地域があり、同時に氾濫が起きるようなケースは想定されるため、どのような外力を想定すべきか等について今後検討を進めてまいります。

#33
○岡本(充)委員 その検討を進めてまいります、やるということでいいんですか、局長。やるということですね。

#34
○井上政府参考人 やる方向で検討を進めてまいります。

#35
○岡本(充)委員 もう一つ重要な点は、昨日ちょっと資料をいただいたんですけれども、これはまた私の地元になっちゃうんですけれども、私の地元に流れている一級河川木曽川と二級河川日光川、この河川、それぞれ想定される雨の量というのを比べてみたら、相当程度、日光川の浸水想定時の降雨が強い。このときに木曽川の方は全く何にも影響がないとは、なかなか考えられないんです。
 つまり、Aという河川ではこの降雨量、Bという河川ではこの降雨量といって差がある場合、やはりひどい方の降雨量にそろえて想定をするということが当然必要なんじゃないか。隣接する川のエリアで想定降雨量にかなりの差があることがあります。それはやはりそういう多い方にそろえて、その際、より少なくて洪水被害が想定される河川については更にどうなるのか、もっと複数箇所で切れるのか、どうなのかということについても想定を出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#36
○井上政府参考人 委員御指摘のとおり、現在、木曽川と日光川で設定している雨量は、木曽川が四十八時間五百二十七ミリ、日光川が二十四時間七百十二・九ミリとなっておって、雨量強度だけ見ると、日光川の方が大きくなっております。
 浸水想定の前提となる想定最大規模の雨量は、当該地域において過去に観測された最大の降雨量を基に、千分の一規模の降雨を大きく下回らないよう、流域の大きさに応じて設定することとしており、同一地域であれば流域面積が小さいほど雨量強度は大きくなります。こういうことで先ほど申し上げたような形になっております。
 このため、流域の小さな日光川における想定最大降雨を流域の大きな木曽川に適用するということになると、その両方見た場合のバランスを考えたときには少し降雨量の設定がおかしくなることになりますので、ここは専門家の意見を聞いて、しっかりと両方にとって最大となるような降雨はどういうようなものかを改めて設定してまいりたいと考えております。

#37
○岡本(充)委員 いろいろなところでこれからシミュレーションを作るわけです。私の地元だから、地域、エリアが分かるんです。
 昨日ちょっと質問通告したんですけれども、聞いたんですけれども、木曽川のいわゆる降雨の予想エリアというのは、揖斐川水系である岐阜県の西濃地方や、それから岐阜県の中濃地方北部なども、これは降雨の対象と。それだけ広い範囲が今の現状では想定降雨の地域ということでよろしいですか。

#38
○井上政府参考人 委員の御指摘のとおり、流域に降っている雨を見ておりますので、木曽川水系についてはそのようになります。

#39
○岡本(充)委員 ということであるとすると、確かに、そこまで、岐阜県の西濃地方の北部から長野県までですよね、それだけの降雨が広範囲に降るということはなかなか想定しづらくても、もっと言えば、岐阜県の西濃北部は揖斐川に流れ込む水でありますから、直接、木曽川の水系に影響が及ばないエリアでもあります、木曽川だけに、単体で見れば。
 そうすると、木曽川のエリア、いわゆる愛知県と岐阜県にまたがるエリアを中心に強い強度の雨が降った場合には、私はやはり、先ほど、それだけ全部、今想定している、岐阜県の、もう滋賀県の県境から長野県までで五百ミリを超えるような雨が四十八時間で降るというのはなかなか想定しづらいのかもしれませんが、もっと狭いエリアで、今言った、それを上回る、日光川のような二十四時間で七百ミリを超える降雨というのはもしかしたら想定できるのかもしれないという意味で、しっかり私も指摘をしておきますので、こうした、すごく広い範囲では出ないかもしれないけれども、木曽川でも十分影響が起こり得る範囲で降るかもしれないという意味で、きちっと想定をして。
 私、いつも思うんです。後からやはりこうでした、やはりこうでしたといって、だんだん、ちょびっとずつ、ちょびっとずつ堤防整備の話が出てくるんです。
 この間も聞きました。もう大丈夫なんですかという話をしたわけですよね。それはなかなか大丈夫だと言い切れないところはあるかもしれないけれども、住民からすれば、いつまでたっても、何だか、今度はやはりこうでした、やはりこうやって計算してみたらああでしたといって、ずっと不安を抱えているのは、やはり私はすっきりしないと思います。
 今の科学の力でこうなんだということをはっきりさせて、それに向けてきちっと建設、堤防の整備が終わったということをアナウンスする、それで少なくとも数十年はいけるようにしてあげないと、数年ごとに新しい数字が出てきて、やはりこうだ、ああだと言われたら本当に不安になるわけでして、しっかりとした数字を出していただきたい。
 その点について、大臣から、しっかりとした数字を出して整備をしていく、少しずつ、ちょこちょこ変更して、堤防の整備はまだだ、まだだなんという話にならないように、是非しっかり検討していただきたいと思いますが、大臣、よろしくお願いします。

#40
○赤羽国務大臣 言わずもがなでありますが、その想定をするときには、例えばスパコン等々を使って、最新鋭の科学的な知見で定めるべきだというふうに思っております。
 ただ、他方、そうであっても、自然と対峙するわけでありますから、そこに、安全神話には陥らないようにしなければいけないわけですし、ハードだけではなくてソフトの対策で命を守る仕組みもつくっていかなければいけない。これは聞かれたわけではありませんけれども、そう常に思っております。

#41
○岡本(充)委員 もちろん、時々の技術の進歩で変わるのは分かりますが、しかし、何か、もうそんなことは前から分かっていたでしょうみたいな話が今更出てくるとかいう、例えば、前回聞いた話では、高潮だけじゃなくて、風が吹くと波が打ち上がって、ちょっと堤防を越えるんです、だから堤防整備、少し高くします、こういう話が出てくるわけですよ。
 波があって高潮になっているときに風が吹くというのは、最新の知見がなくても分かる話なんです。当然のことながら、この風も含めて、高潮かつ風があって、波浪、波が立つという状況でも大丈夫なところまでやっておくというのは当たり前だと思います。風が吹くというのを、最近知った知見なら分かりますよ、そんなことは昔から分かっている話なんですから、そういうことも踏まえてきちっとシミュレーションしてください。高潮対策ができましたと言って、その後に、やはり風が吹くともうちょっと越えるのでもう少し堤防の整備ですと言われると、何だったんだという話になるということなんです。
 そういう意味で、後からちょろちょろと出てくるのではなくて、しっかりと、これで大丈夫だという設計をしてほしいということをお話をしています。
 大臣、お願いします。

#42
○赤羽国務大臣 そういうふうに設定をしていると承知をしております。

#43
○岡本(充)委員 いや、後からこれは出てきているんですよ、実際、やはりその分だけあと一メートル、二メートル高くしますという話は。実際に木曽川の河口部でも今やっているわけですから、それはやはりきちっと対策を立てていただきたいと思います。
 それから、あと、下水道について伺いますが、下水道で雨水の貯留機能を持たせるという場合においての考え方を聞きたいと思います。
 今整備をしている下水道はもとより、過去にできた下水道についても同様に、下水道の管理者に対して雨水の貯留機能をこれから要請していくということになるのかどうか、これについて聞きたいと思います。

#44
○井上政府参考人 これから、内水氾濫が全国各地で氾濫しておりますので、しっかりと雨水の貯留機能を持たせるような整備を進めていきたいというふうに考えております。

#45
○岡本(充)委員 それはだから、下水の要するに管理協定の締結というのがありますけれども、この管理協定を結んで雨水の貯留を求めていくということでいいのかということ、十九条の話ですけれども、そういうことでよろしいですか。

#46
○井上政府参考人 管理協定の話は、民間の方が雨水貯留施設を造った場合に自治体が管理の協定を受けるかということでございますけれども、それにつきましては、その必要がある場合には管理を受けるというふうな形で考えております。

#47
○岡本(充)委員 是非、今現在、建設中のものもあります。これからこういう雨水の貯留機能を想定をするのであれば、こうした点も踏まえて計画を立てていっていただきたいというふうに思いますので、その点、よろしいでしょうか。

#48
○井上政府参考人 はい、法案にその規定がありますので、成立いたしましたら、そのとおり進めていきたいと考えております。

#49
○岡本(充)委員 続いて、ダムの話に行きたいと思います。
 事前放流を行うダムは一体どこのダムにするのか、そしてどの程度事前放流をするのかということについて少し伺いたいと思いますが、そもそも、どのような方法で、どのダムからどの程度水を出すのか。例えば、事前放流をするときに、あらかじめ想定されている放水量というのを出すのでしょうけれども、ある川があって、どこかに例えば狭い部分があったり、若しくは、自然的な地理条件で、流せる水の量が限界があるかもしれません。全部のダムが同時に事前放流というわけにはいきません。
 そういう中で、どこのダムが何割出してどこのダムが何割出すというのは、一体誰がどのような方法で決めて、そしてまた、それについて異議の申立てをする、若しくは、あった場合にはどのような対応をなされるのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。

#50
○井上政府参考人 ダムの事前放流につきましては、令和二年四月、昨年の四月に国土交通省が策定した事前放流ガイドラインに基づいて実施しております。
 これによりまして、各ダムの管理者、利水者等とも相談し、ガイドラインにおいて決められておりますダムの放流設備の能力、下流における流下能力、ダム堤体及び貯水池ののり面の安定を確保できる水位低下速度等を考慮して、また、事前放流に活用する気象の予測の状況も確認をした上で設定することとしております。

#51
○岡本(充)委員 いやいや、それは答弁としてはそうなんですけれども、私は昨日聞いているんです。要するに、分かりやすく言えば、俺のところは余り出したくない、あなたのところで出してください、こういう話になったときに、いやいや、うちも余り出したくないと。例えば、一〇という流下能力がある川があって、全部出したら三〇になってしまうというときに、それぞれ一〇ずつの水量のあるダムが十個あったとして、俺のところは出さない、おたくで三〇全部出してくれ、そういう話になるというようなことになりかねないんですが、その調整は一体誰がどうやってやるのかということを言っているんです。
 要するに、限界は今言ったような方法で決まるんですよね。だけれども、その中での調整、按分は誰がどのようにして決めて、誰が異議申立てができるのかということです。

#52
○井上政府参考人 複数のダムが配置されている水系においては、上流の各ダムからの放流量が合わさったときに河川利用等への影響が認められる場合は、河川管理者である国土交通省が、ダム管理者に対し、事前放流の放流量を調整するなど必要な措置を取るよう要請することとしております。

#53
○岡本(充)委員 つまり、国土交通省が決めると。
 それに対して、異議の申立てはどのようにできて、その異議の申立てはどのようにいわゆる実現されるか。もちろん、駄目だと言われることもあるかもしれませんが、どのように処理されるのか、お答えいただきたいと思います。

#54
○井上政府参考人 現時点では、関係者間における機関間の協力ということで協定に基づいてやるということをガイドラインで決めておりますけれども、今御審議していただいておりますこの法案の中で、法定の協議会という中でになります、その協議会の中で調整をし、協議が調ったものについては、その協議結果の尊重義務をそれぞれの機関が果たしていくという形で進めていきたいと考えております。

#55
○岡本(充)委員 ということは、六条における流域水害対策協議会の河川管理者等の等の中にダムの管理者が入る、こういう理解ですか。

#56
○井上政府参考人 先生の御指摘の今の条文は特定都市河川法の方でございますけれども、ダムについての協議会は、河川法のところに新たに位置づけるダムの洪水調節機能の関係の協議会、この中で定めることとしております。

#57
○岡本(充)委員 じゃ、今回の法律、先ほど言いました第六条第二項第一号の河川管理者等の等の中にはダムの事業者は入らない、こういう理解でいいですか。

#58
○井上政府参考人 特定都市河川法の方の中には、明示的にはそういう条文が入っておりません。河川管理者等が必要に応じて参加を求めることができることになっておりますので、必要な場合は求めることといたしますが、このダムの事前放流の調整につきましては、河川法の方の調整の協議会の中で調整することを考えております。

#59
○岡本(充)委員 そうしましたら、実際の協定をちょっと見たいと思うんですが、木曽川水系の治水協定というのを見たところ、皆様のお手元にも配っておると思いますけれども、要するに、現在の洪水調節容量と、そこから更に、洪水調節可能容量、併せてこれだけできるんだという話が載っています。実際のところ、洪水調節容量がゼロだというところもあれば、洪水調節可能容量が一桁で、万立米ですからそれでもすごい量なんですけれども、少ないところもあります。
 これだけ極端な数字の差になるのはどういうことによるのか、そしてまた、特に、ほとんど容量を提供していない、こういうダムもあるようですが、この事情について少し教えてください。

#60
○井上政府参考人 委員から配付されている資料の最後のページでございますけれども、その表がございます。
 例えば、一番上の丸山ダムということについては二千万トンの洪水調節容量がございます。これは元々多目的ダムで、利水容量がある部分が残り九百八十七あって、その利水容量の中から、気象予測を見て最大三日前から放流可能な量がこの九百八十七・六ですので、この量の大きさは、ダムにある利水容量の大きさの中で、気象予測に基づいて最大可能な量が定められております。
 下の方に洪水調節容量がゼロのところがありますけれども、これは元々治水機能がない、例えば発電のダムであるとか農業用水のダムとかでございますので、ふだんは洪水調節をしておりませんが、その利水ダムに今回御協力いただいて、気象予測に基づいて水位を下げることができたら、それを洪水調節可能容量として使わせていただけるということでございますので、この量がございます。そういうふうなことで算定しております。

#61
○岡本(充)委員 それで、ゼロで一桁みたいなところは一体どういう事情があって、要するに、洪水調節容量、そもそも、先ほど言われたように、発電や農業だというダムであり、洪水調節可能容量もほとんどないというようなダムもありますが、これはどういった事情でこういうような数字になるのか、ちょっと教えていただきたいと思います。

#62
○井上政府参考人 洪水調節容量は、先ほど申しましたように利水専用なのかどうかですけれども、洪水調節可能容量、真ん中の欄のここの大きさが違っているのは、放流設備が大きい、小さいという、今の、現有の目的に応じてやっている設備の能力によるものでございます。
 元々、発電のダムについては、洪水調節用に大量の水を放流する必要はありませんので、発電に必要なものだけの大きさで造っておりました。それで、三日前から例えば気象予測に基づいて流そうとしても限界があって、数字的に抑えられている、そういうような実情と承知しております。

#63
○岡本(充)委員 ということは、そのダムの能力の中でこれが最大限ということであって、逆に言ったら、協力をしてもらえないからこの小さな数字になっているものではない、そういう理解でいいということですね。

#64
○井上政府参考人 そのとおりでございます。
 それで、さらに、国土交通省としましては、この放流設備を増強していただく上での各種支援制度も用意しているところでございます。

#65
○岡本(充)委員 もう少し踏み込んでちょっと聞きたいんですけれども、今度、どういうときに事前放流をするのかということであります。
 基準降雨量と書いています。先ほどの木曽川だと、破堤をする可能性があるのは四十八時間五百ミリを超えるような雨だというような話をしましたけれども、事前放流をするのは二百三十ミリ、二百十ミリと、かなり少ない段階から事前放流をする、こういう予測です。
 そもそもこれは、二十四時間という理解、四十八時間ですか、この二百十、二百三十は。

#66
○井上政府参考人 これは、実際に降った雨ではなくて、予測雨量から考えているものでございます。気象庁の方から出されている短時間の降雨予測の中で、この降雨量がこれに達した場合には事前放流を開始していただく……(岡本(充)委員「二十四時間ですか、四十八時間ですか」と呼ぶ)はい、これはこれから三日間、三日前からできるような形で放流をしていただくということになります。
 ただ、この量が大きいか小さいかとか、ばらつきがあるのは、元々発電のダムであれば、余りに早く雨量がこの予測に達していない時点で放流をすると、発電ができなくなるような問題があったり、水供給ができなくなったりする問題があるので、これを機関間、その関係者の中で、協定の中で合意したわけでございます。

#67
○岡本(充)委員 私が聞いているのは、これは二十四時間の雨量を言っているんですか、四十八時間の雨量を言っているんですかと言っているんです。

#68
○井上政府参考人 これは、計画の中でそれぞれ定めている量で決めておるところでございます。二十四時間とか四十八時間という……(岡本(充)委員「だから、これはどっちですか」と呼ぶ)

#69
○あかま委員長 岡本君に申し上げます。挙手にて、指名の後に発言願います。
 今、ちょっとお待ちください。井上局長の方からまず、引き続き。

#70
○井上政府参考人 まず、これは、基準降水量というのは、このような雨量に達するということが見込まれたもので、その雨量のことを基準降水量として決めているものでございます。

#71
○岡本(充)委員 それは一時間でなるのか、二時間でなるのか、十時間でなるのか、一年でなるのかによって、それは、なるのはどの程度かというような話。一体何時間なんですかと聞いているんです。

#72
○井上政府参考人 これは流域ごとに決めておりますので、流域の中の河川の計画があります。先ほど先生から御紹介ありました木曽川の場合であれば、二十四時間でとか四十八時間でとか、それぞれ日光川とかで決めております。それの中で流域の関係者で河川の計画をやっておりますので、全て全国が二十四時間で決まっているとか四十八時間で決まっているわけではございません。

#73
○岡本(充)委員 通告しているんです。この表を出して、この表の時間は何時間なんですかと聞いているんです。
 ちょっと止めてください、通告しているんですから。

#74
○あかま委員長 速記を止めてください。
    〔速記中止〕

#75
○あかま委員長 速記を起こしてください。
 井上水管理・国土保全局長。

#76
○井上政府参考人 これは非常に重要なことですので、正確を期するため、きちっと調べてから御報告させていただきたいと思います。

#77
○岡本(充)委員 これは通告しているんですよ。この紙で、これが書いてあって、これは一体何時間だか分かるかと。これから先、気象庁に話を聞くんだけれども、一体、何時間前にどれだけ降るかというのはどうやって分かるんだという話をするのに極めて重要なんですよ。
 これは何で通告していたのにその答弁がないんですか。それはおかしいですよ。

#78
○井上政府参考人 正確を期したいと思います。
 先ほど言いましたように、各流域ごとに決めている河川の計画、それとダムの運用というのは一致させなければなりませんので、各河川ごとに決めている計画に基づくその時間、時間雨量について、これと一致させているところでございます。

#79
○岡本(充)委員 質問通告しているんですよ、これは。これから何時間で降るのか、今から気象庁に何時間で予測ができるのかという話を持っていくのに、昨日の段階で、言っておきますけれども、この時間が何時間でどうなのかということによって気象庁ができるできないという話になるんだ、だから調べます、個別それぞれ違うというのも聞いています、だからこの紙を出して聞いているんです。これはちゃんと答えてもらわなきゃ困ります。
 じゃ、ちょっと気象庁に行きます。
 ああ、いいですよ、もう。理事会で報告してください。
 気象庁、済みません、時間が限られていますから。
 じゃ、今、七十二時間前に降雨の状況を確認するという話でしたけれども、今、この七十二時間前に降雨を確認する確率、要するに、二百三十ミリ、これから例えば二十四時間、四十八時間で降るということを七十二時間前に予測する性能というか。
 気象庁の皆さんも頑張っていると昨日聞きました。ちょっと委員の皆さんにも少しお話をさせていただくと、天候が悪い中、船に乗ってゾンデを上げに行っていると。私は、飛行機で行って上から落としているんだと思っていました。船に乗って行っているんですって。大変だと思います。天候が悪くなりそうだ、船に乗って、日本の沖合で天候の調査をしている、それは大変です。もちろん、気象衛星から情報を得たり、各国からの情報を得たり、いろいろ努力をされているという話も伺いました。
 本当に、そういう意味で、予報の精度を上げるために努力をされているということは十分分かっているんですが、その上で、ちょっと厳しい質問かもしれませんが、どのくらいの確率で分かるものなのか、現状と、それから、可能であれば、その精度を更に上げていくためにはどういったものが今後必要になってくるのか、こういったことについて、少し気象庁からお話をいただきたいと思います。

#80
○長谷川政府参考人 お答え申し上げます。
 気象庁では、ダムの事前放流の判断に資するため、三日半、八十四時間先までの雨量予測データを提供しております。例えば、昨年の台風第十号の接近に際して、当庁から提供した予測データに基づいて、九州などの多くのダムで事前放流が実施されているところです。
 この雨量予測の精度は一律ではありませんで、令和元年東日本台風では比較的精度よく予想ができていた一方、誤差が大きかった事例もあって、更なる精度向上を進める必要があると認識しているところです。
 このため、気象庁では、最新の気象レーダーの導入や、気象衛星「ひまわり」による大気の監視の強化、スーパーコンピューターによる気象予測技術の開発などによって、精度向上に努めているところでございます。
 今後とも、最新の科学技術の導入や関係機関との連携によりまして気象観測や予測を充実させて、ダムの事前放流の判断に雨量予測をより有効に御活用いただけるよう、更なる予測精度の向上を図ってまいります。

#81
○岡本(充)委員 本当に、なかなか大変だと思いますけれども、やはり必要なものを整備していくというのは国としても必要な対策だと思いますので、これからも是非いろいろな話を通じて教えていただきたいと思います。
 ちょっと、後で聞かなきゃいけないんですけれども、これは気象庁、せっかくですからもう一つ聞きたいんですけれども、地震についてもいろいろ、予知はなかなか難しいところですけれども、こうしたことについては今どのくらいの精度で、そしてまた、これから先どういうものが必要なのか、同様にお答えいただけたらと思います。

#82
○長谷川政府参考人 地震の予測につきまして、お答え申し上げます。
 中央防災会議防災対策実行会議のワーキンググループの報告書におきまして、現在の科学的知見からは、確度の高い地震の予測は難しいとの見解が平成二十九年九月に示されたところでございます。
 このことを受けまして、気象庁では、南海トラフ地震防災対策推進基本計画に基づきまして、南海トラフ巨大地震について、地震の発生を予測するのではなく、南海トラフ沿いで異常な現象が観測された場合に、巨大地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まっているかどうかを調査して、その結果を南海トラフ地震臨時情報として発表することといたしております。
 今後につきまして、冒頭申し上げた報告書で、今後の防災・減災に向けて地震現象の理解を深めるために、シミュレーションによる地震現象の再現などの研究を進めることが重要とされてございまして、気象庁も大学等の研究機関とともにそのような研究を進めてまいりたい、このように考えております。

#83
○岡本(充)委員 今南海トラフの話が出ましたけれども、南海トラフ、特措法ができて五十年ぐらいたっているという話ですけれども、この中で、集団移転を進めるための対策を取るということもあるようですけれども、実際、集団移転はどのくらい行われているんでしょうか。今の実績について、少し御答弁いただければと思います。

#84
○榊政府参考人 お答えを申し上げます。
 防災集団移転促進事業につきましては、制度創設以来、全国で三万九千戸の移転が実現してございますが、委員御指摘の南海トラフ地震特別措置法に基づく南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域、一都十三県の百三十九市町村が指定されてございますが、この地域において防災集団移転促進事業が実施されたことはございません。

#85
○岡本(充)委員 これは、だから、これも参考人質疑で言われていましたけれども、本当に災害が起きて初めてこうした集団移転が実現するという話になるというのは、なかなか長いこの取組の中でも本当に難しさが際立つ事業だと思います。だから、できないからけしからぬと言っているわけではないんです。本当に、日本人の心情というか、やはりふるさとを思う気持ちが強いがゆえに、なかなか、はあ、そうですかといって引っ越すということは難しいというのはよく分かります。だから、けしからぬと言っているわけじゃないけれども、さりとて、やはり危険な地域がある。
 それで、レッドゾーン、イエローゾーンという、いわゆる開発の制限を土砂法などでしているエリアがあります。実際こうした指定をしていて、実際には開発制限がかかっている地域で、開発制限をかけようと思ったら、地方公共団体の長などから嫌だと言われた、地権者から嫌だと言われた、若しくは、逆に、レッドゾーンに指定していたけれども、土砂法で結構ですけれども、解除した、解除したときには一体どういう事情で解除できるのか、こういったことについて少しお答えいただければと思います。

#86
○井上政府参考人 災害レッドゾーンには、土砂災害特別警戒区域や建築基準法に基づく災害危険区域が含まれます。
 このうち土砂災害特別警戒区域については、都道府県による砂防堰堤等の整備や開発事業者による対策工事等により土砂災害の危険性が除去された場合に解除されます。平成十六年度から令和元年度末までに、全国で約千四百区域において、土砂災害特別警戒区域の全部又は一部が解除されております。
 また、災害危険区域については、建築基準法で津波、高潮、出水等による危険の著しい区域に対し、地方公共団体が条例により定めることとしており、指定及び解除についても、地方公共団体の条例により実施されております。
 なお、先生、先ほどの件ですが、木曽川は四十八時間の計画を持っておりますので、四十八時間の雨量がそこに書いてありますが、それが、気象予測で最大で三日前にあの数字になれば、それから事前放流を始める。あれがもし三日前にはあの基準に達さずに、二日前まで分からないとなったら、その時点で事前放流を始める。その最大三日の予測、長期間の予測の気象庁のを使いますけれども、あそこの数字にあるのは、木曽川における四十八時間の雨量を基準にしております。
 済みません、失礼いたしました。

#87
○岡本(充)委員 ちょっと話が混乱している。それは、済みません、きちっと説明してもらわなきゃいけないので、ちょっと話がずれているので、申し訳ないけれども、レッドゾーンの解除の話に戻ります。
 それをさっきちゃんと言ってくれないと、それはつながるんだから。気象庁に、一体何時間、今のそれでできるのかという話なんですけれども、それを聞けなくなっちゃっているんです、時間がなくなって。
 レッドゾーンの話にちょっと行きます。
 レッドゾーンの今の話で、指定をしようとしたけれども拒否をした事例というのは、結局、あるんですか、ないんですか。拒否された、若しくは、拒否はしなくても、なかなか指定をしようと思ったけれども指定ができない、地権者や自治体のいろいろな事情によってできない、こういったものはどのくらいあるんですかということを聞いています。

#88
○井上政府参考人 今、先生の御指摘の拒否ということについての数字を私は持ち合わせておりませんが、土砂災害の警戒区域のレッドゾーンを指定した後に、その適用に問題があるということで訴訟になった事例はございます。

#89
○岡本(充)委員 その指定をするときに、やはり土地の所有者の意見を聞いて、いろいろな調整をするんです。なかなか難渋しているのはどのくらいあるのかと。つまり、先ほどの話で、移転はなかなかハードルが高い。ただ、開発はできないんだと、今回も法改正で入れていくわけですよ。それが実際どのくらい有効性があるのかということを議論したいと思って、これも通告、昨日したんです。実際にそんなにないと聞いているんですけれども、どのくらいの数があるか、もし分からなければ後日でも結構です、もう一回ちゃんと調べて説明に来てください。
 さっきの雨の話もそうですけれども、私は、役所の方も忙しいと思うし、大変だと思います。いろいろ調べるのは本当に難しいと思います。一点だけちょっと委員の皆さんにも言っておきたいのは、私は、本当に先週から、調べるのが大変だと思うから、通告して調べてもらいたいから、来てほしいと言い続けてきたんですよ。来られたのは昨日なんですよ。それではやはり、それで前日だからもうできませんと言われると残念な気持ちになるわけでして、私も、役所の働き方改革に決して後ろ向きじゃないし、すごく一生懸命仕事をされていることもよくよく分かっているし、だから決して、ここで何か困らせてやろうとか思って言っているわけではないので、慌てて何かやる必要もないし、しっかり調べてもう一回話をしてもらったら、また一般質疑のときにでもやらせていただきますから。
 そういう意味で、きちっと、こちらから要求をしたときに、電話でもいいと最初言っているわけです。電話でもいいというときに、電話でも結構ですから、一本入れてもらって、今度の質疑の通告の件ですと言っているんですから、是非、電話の一本でもいただければ、そこでこういうことでちょっと調べてくれないかという話をすれば、今のようなたくさんの調査になるかもしれないことでも調べられるわけですから、そういう対応をしていただきたいと思っています。
 最後に、大臣、今お話をさせていただきましたように、なかなか、危険な地域をこれから指定をしていくといっても、本当に有効に指定ができるのかということ、そしてまた、場合によっては、解除を千四百か所したというけれども、本当に危険が、一部若しくは全部ですから、一部だけかもしれませんけれども、これはなかなか本当に難しいことだと思います。そういう意味で、実効性がどうできているのかというのをやはり検証していく必要があると思います。
 そういう意味で、最後に、大臣、こうした検証も併せて是非行っていっていただきたいと私は思いますが、これについて大臣の御見解をいただいて、終わります。

#90
○赤羽国務大臣 これまでそういう指定について、以前はリスクの評価ということは定まっていなくて、なかなか難しい過程もあったというふうに思いますが、振り返りますと、四、五年前でしたか、広島の安佐北、安佐南を襲った集中豪雨から、そうした国民の皆さんの意識が随分変わっているものだというふうに思っています。
 いずれにいたしましても、こうした指定をしたり、また土砂災害の解除も、千四百か所で解除もしておりますので、そうしたことについては国民の皆様の安全、安心に関わることでありますから、当然そのようなことはしっかり総括をしながら、より改善に努めるというのが正しい姿だというふうに思っております。

#91
○岡本(充)委員 是非正しい運用をしていただきたいと思います。
 終わります。

#92
○あかま委員長 次に、山本和嘉子君。

#93
○山本(和)委員 立憲民主党の山本和嘉子でございます。
 今日は、流域治水関連法案の質疑ということで、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、顕在化する気候変動を踏まえた治水計画の見直しの必要性についてお尋ねしたいというふうに思います。
 国連気候変動に関する政府間パネルによりますと、気候システムの温暖化は疑いの余地がないというふうに言われています。気象庁でも、平均気温が二度上昇すると降雨量が一・一倍ということ、そして、短時間豪雨の発生回数は今後二倍以上を予測するということでございます。
 顕在化する気候変動に伴う降雨量や河川ピーク流量の増大を見通して、全ての河川において現在の治水計画を見直す必要があるのではないかなというふうに思いますが、大臣からその辺りをお願いいたします。

#94
○赤羽国務大臣 一昨年の九月に、私、国土交通大臣に就任しましたが、その直後から、当時の令和元年の房総半島台風、また、その直後の令和元年東日本台風と、大変未曽有の災害となったわけでございます。そうしたことを受けまして、私、社会資本整備審議会の方に諮問をして、これまでとは違う抜本的な、また総合的な対策を議論をしていただきたいということで報告も受けました。
 その中で、一つは、治水対策については流域治水、これは上流から下流まで、また本川、支川、流域全体を俯瞰する形。これは言わずもがなでありますが、上流から下流まで全部が国管理という河川は極めて珍しいわけでありまして、河川管理者が同じ河川でありながら違う。その河川管理者がそれぞれ治水計画を担うのではなくて、その河川、水系全体に関わる国、県、また関係する市町村、またその地域住民、また地元の企業、こうしたところが一つの共有の認識を持って体制をつくるということで、まず、一級水系、百九の水系全てで流域治水プロジェクトというのを、先日ですけれども、三月三十日に、策定して公表したところでございます。これは、今までの治水対策とは抜本的に違うことをやっていくんだと。
 その数値は、現状のところは、戦後最大の洪水等のことを想定して進めてまいりますが、しかし、今御指摘のように、他方で、これまでの降雨量より一・一倍増えているという事例も出ていますし、そのことについて、様々な被害が、地域地域でこれまでよりも相当規模が大きくなるということが、これをしっかり分析していかなければいけないと思いますので、それはそれぞれの流水地域プロジェクトの場で改善方をしながら必要な対応を深掘りしていく、こうしたことをしっかりと考えていく。
 全ての河川については、御指摘のとおり、抜本的に見直していかなければいけない、そういった認識で取り組んでいきたい、こう思っております。

#95
○山本(和)委員 大臣、ありがとうございます。
 これまでは、過去の被害に基づいて計画を見直してきたという部分はありますけれども、これからは、やはり先々まで見通して改善していく必要性があるというふうに思います。
 私の地元の話を少しさせていただきます。京都府北部の一級河川の由良川についてです。
 地元関係自治体、福知山、綾部、舞鶴、近年発生した複数の大規模出水を踏まえた由良川水系河川整備計画の見直しという要望も出されています。
 なぜ見直しが必要かということで、パネルを御用意しています。お手元にも資料をお配りしておりますけれども、これが由良川、福知山地点の年の最高位なんですが、平成二十五年、二〇一三年、台風十八号で、計画高水位七・七四メートルを超しているわけです。平成二十六年、二〇一四年の豪雨では、高水位は超しておりませんけれども、本川上昇のタイミングと福知山市街地の豪雨のタイミングと重なって、相当な内水氾濫が起こりました。
 おおむね二十年から三十年で計画的に行う河川工事などを定めた河川整備計画や、その基礎にある長期的な河川の整備方針である河川整備基本方針で定めた、洪水防御に関する計画の基本となる洪水である基本高水のピーク流量や、そのうち河道で流す流量である計画高水流量、その流量を安全に流下させるための基準となる水位である計画高水位が現在七・七四メートル。それを含めまして、いつ頃までに何をどう見直していくのか、その辺りを教えていただきたいというふうに思います。

#96
○井上政府参考人 委員御指摘の由良川につきましても、先ほど大臣からお話がありましたように、河川整備基本方針や河川整備計画を、過去の実績に基づくものから、気候変動の影響を考慮したものへと見直す必要があると考えております。具体的には、降雨量を一・一倍した際の基本高水のピーク流量や流域の状況、整備に伴う社会的影響等を踏まえた計画高水流量や計画高水位等について検討してまいります。
 一方、変更の手続、スケジュールでございますけれども、実績の洪水流量が現行の河川整備基本方針に定める基本高水のピーク流量を大幅に上回りましたら、新宮川、ここはちょうど十年前に紀伊半島豪雨が発生したところですけれども、そういうところの水系について優先して進めることとしており、由良川につきましては、現時点での変更の時期は決まっておりません。
 こうした計画の見直しには、気候変動による河川ごとの影響の精査等に時間を要することとなっておりますので、まずは、流域の自治体等と一体となって取りまとめた由良川水系流域治水プロジェクトにおける治水対策を加速していくことと併せ、治水計画の見直しについての検討を進めてまいります。

#97
○山本(和)委員 さっきからも申し上げておりますが、気候変動による降雨量の増加というものをしっかり考慮して見直す必要があるというふうに思いますので、関係自治体からも、流域住民の安心、安全のためにしっかり見直しを行っていただいて、安心、安全な暮らしの実現、心からの願いであるというふうにも聞いておりますので、是非お願いしたいところでございます。
 次は、堤防についてお聞きをしていきたいというふうに思います。
 昨年八月の国交省河川堤防に関する技術検討会報告書によりますと、令和元年の台風十九号、そこで決壊した堤防は、長野県の千曲川で代表されるように、全国で実に百四十二か所もあったということでございます。堤防から水があふれ出るのは一大事でございますけれども、深刻なのは、越水や浸透で堤防が洗掘、破壊、そして、そういうことによって大量の水が一挙に流出するということだというふうに思います。
 由良川の話ですが、由良川の重要水防箇所調書には、左岸、右岸で計百か所近くの堤防について、越水、堤体漏水、基礎地盤漏水、水衝・洗掘、ちょっと土木用語で難しいんですけれども、水衝というのは水がぶつかること、そして、洗掘は川の底をさらえるということなんですが、そのリスク評価が行われているということです。これらは、流域治水の目指す、越水しても決壊しにくい、審議会で言われている、いわゆる粘り強い堤防と言えるのかどうかということです。
 もう一枚パネルを御準備したんですが、これは国交省が出している浸水シミュレーショングラフですが、これは、福知山のある地点での堤防の破堤開始の時間から浸水の高さを示しています。破堤から約七時間で浸水深七・五二二メートル、これはすごいと思います。
 こういった堤防の破堤によるシミュレーションなんですけれども、今後も堤防の強化継続はしっかりすべきだというふうに思いますけれども、その辺りの見解をお願いしたいと思います。

#98
○井上政府参考人 越水しても決壊しにくい粘り強い河川堤防につきましては、洪水時に水位が上昇しやすいにもかかわらず、その状況を当面解消することが困難で、決壊した場合に甚大な被害が発生するおそれがある区間を対象に、堤防上面を舗装し、堤防の住宅地側の斜面や斜面底部をコンクリートで被覆するなどの方法により強化することとしております。
 由良川においては、御指摘のとおり、延べ百六か所の重要水防箇所があり、このうち、洪水時に堤防から越水する危険性が高い箇所が三十一か所ありますが、これらの箇所については、河道掘削などの洪水時の河川水位を下げる対策や、今御指摘いただきました粘り強い河川堤防への強化を進めております。
 その他、御指摘のありました堤防のない箇所、漏水の危険性が高い箇所、川底が極端に掘れるなどの危険性が高い箇所については、それぞれの危険性に応じた対策を計画的に進めるなど、重要水防箇所の対策を推進して、今後とも継続して実施してまいりたいと考えております。

#99
○山本(和)委員 ありがとうございます。粘り強い堤防はかなり重要であるというふうに思いますので、引き続きよろしくお願いしたいというふうに思います。
 次に、短期、緊急的な堤防の安心、安全には、洪水時の水位低下というのが基本であるというふうに思います。その一つに、ダムの洪水調整機能強化というものがあるというふうに思います。
 由良川では、昨年五月、流域七つのダムの関係者の間で、事前放流のための協定が締結されています。新たに関西電力の和知ダムと由良川ダムが加わりまして、洪水調整容量は、これまでの二千二百七十万立方メートルに六百四十万立方メートルが追加されて三割増しになったということですね。これで洪水時の河川の水位低下はどの程度期待できるのか、その辺りも教えていただければと思います。

#100
○井上政府参考人 事前放流は、治水を本来目的としていない利水ダムにおいて、一時的に貯水位を下げて洪水をため込むことで河川の水位を下げる効果があり、浸水被害の防止や軽減につながるものと考えております。
 一方、流域内のダムの事前放流により下流の河川の水位をどれだけ下げられるかについては、洪水に備えて確保するダムの容量が事前の予測降雨によって異なるほか、実際の雨の降り方によって異なることから、一律ではございません。
 実際に、由良川上流域で降雨量が多かった平成二十五年台風十八号と、中流部の福知山市街地付近で降雨量が多かった平成二十六年八月豪雨では、事前放流の効果も大きく異なるものと考えられます。
 このため、事前放流により河川の水位を下げる効果に関して、今後、事前放流の具体的な実例の積み上げに基づいて検討を行い、水系全体で確実かつ効果的なダム運用ができるようにしてまいりたいと考えております。

#101
○山本(和)委員 ありがとうございます。
 治水計画の見直しほか、様々お聞きをいたしましたけれども、やはり将来に対応できる整備が今後も必要になってくるというふうに思います。ダムも堤防も含めて計画の見直し等々を是非お願いしたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、堤防が進む一方で、頻発する内水氾濫、これについても対策強化、やはり必要性が高いということも含めて質問させていただきたいというふうに思いますけれども、洪水が度々発生して堤防整備の進んだ河川では外水氾濫が軽減する、その一方で、堤防内側に水がたまる内水氾濫が今度は頻発化しているということでございます。
 どのようなメカニズムで発生する現象なのか、また、外水氾濫のための河川の基本方針、整備計画に相当する内水氾濫のための防御計画、そういったものも必要なのではないかなと思いますが、是非お聞かせいただければと思います。

#102
○小林大臣政務官 お答えいたします。
 内水氾濫、これは、一時的に大量の降雨が生じた場合におきまして、市街地に降った雨を排水する下水道、そして集まった水を本川まで流す支川、さらには、支川から本川に排水するポンプ施設、これらそれぞれの処理能力が不足している場合や、本川等の水位が上昇した場合に支川や下水道から排水できなくなる場合に発生するものであります。
 このような内水氾濫への対応としては、本川、支川の河川管理者と下水道管理者である地元自治体が計画段階から連携して効果的な対策を実施することが重要であります。
 こうした計画連携を効果的に進めるために、本川、支川における河川整備計画に加え、下水道についても、本法案により、事業計画に計画降雨というものを位置づけて、これに基づく整備を推進することといたしました。
 その際は、地区ごとの浸水リスクを評価し、都市機能の集積状況等に応じてめり張りのある整備目標をきめ細やかに設定して、想定される被害の大きいところから計画的に下水道整備を推進してまいります。
 以上です。

#103
○山本(和)委員 福知山市街地では、二〇一四年八月豪雨で甚大な内水氾濫が起きました。床上が一千五百八十六戸、床下が一千七百十二戸ですね。
 このときは、先ほども資料でお配りしたグラフでもお示ししましたけれども、由良川は計画高水位までは達しておりませんが、内水氾濫の大きな被害が出たということでございますけれども、今政務官に言っていただきました計画連携、そういう意味では、福知山市が和久市ポンプ場、京都府が調整池や排水機場、法川、弘法川の河川改修、そういったこともやりました。国も、排水機場の増強もやっていただいたということでございます。
 こういった結果、同規模の降雨による床上浸水はおおむね解消というふうに聞いています。でも、今るる言っております気候変動の影響も受けて、現在の施設能力はどこまでの豪雨や本川水位の上昇まで耐えられるのか、その辺りもしっかりお聞きしたいと思います。

#104
○井上政府参考人 由良川流域において、平成二十六年八月豪雨によって福知山市街で大規模な浸水被害が発生したことから、国、京都府、福知山市が連携して、国が三基、府が一基、市が一基の排水機場を増強するとともに、府が弘法川、法川の河川改修と調節池の整備を行い、市がため池の改良を行う等の総合的な治水対策の取組を始め、令和二年五月におおむね完了しました。
 これによって、この被害をもたらしました平成二十六年八月豪雨と同規模の洪水が発生したとしても、由良川本川の水位は計画高水位より約一メートル低いことから、五基の排水機場は継続して毎秒七十立方メートルを排水することができると考えられます。
 その結果、床上浸水被害が想定される約千六百戸のうち、約九五%の床上浸水を解消できることとなります。

#105
○山本(和)委員 ただ、今申し上げましたハードの整備後でも、事前のシミュレーションでは、床上浸水が六十一戸残るという数字も実は出ております。ゼロではないわけですね。
 また、福知山市には部分的なくぼ地があります。くぼ地に対しても、どう対応するのかということですね。
 今後の気候変動を考えると、いろいろなハード整備で解消したとはいえ、内水氾濫のための更なる対策強化というのは必要になってくるというふうに思います。近年の雨の降り方を見ていると、これで本当に対応し切れるのかどうかということでございますが、その辺り、もう一声。

#106
○井上政府参考人 委員御指摘のとおり、総合的な治水対策全事業が完了した現時点においても、床上浸水が六十一戸残ることになります。そのため、福知山市により、家屋等の浸水被害を防ぐ止水対策や重点的な避難誘導策の立案など、住民意見を把握しながら進めると聞いております。
 また、今後の気候変動による更なる降雨量の増大を踏まえると、平成二十六年八月豪雨時よりも大きな内水被害が今後発生することも考えられることから、河川管理者が主体となって行う河川対策の更なる強化や、新たに農業用ため池による雨水貯留機能の確保に向けた検討を進め、国、府、市、地元企業や住民など、あらゆる関係者が協働で取り組む流域治水を推進してまいります。

#107
○山本(和)委員 ありがとうございます。
 限りなくゼロに近づけていただきたいというふうに思いますけれども、やはり、誰も取り残されない、置き去りにしない対策ということで、是非お願いしたいというふうに思います。
 次に、流域治水における雨水の流出抑制手段として、雨を一時的に地下にためる貯留施設や家庭用の雨水タンク、そして浸透升というのが例としてよく挙げられるというふうに思いますけれども、どのくらいの数を設置すれば、洪水時の河川においてどの程度の水位低下の効果が生じるのか、データなんかがあれば、ちょっと分かりやすく説明していただければというふうに思います。

#108
○井上政府参考人 流域治水において、雨水を一時的に貯留し、河川への流出を抑制する雨水貯留浸透施設の整備促進は重要です。
 例えば、全国で初めて特定都市河川に指定された鶴見川では、開発に合わせて民間企業が設置した施設を含めて、約四千九百基以上の貯留浸透施設を整備しております。令和元年東日本台風の際には、これらの施設で約二百七十九万立方メートルを貯留したことに加え、河川対策で整備した遊水地で洪水をためた結果、下流の河川の水位を約七十センチメートル低下させ、氾濫のおそれのある危険な水位に至らずに済みました。
 また、雨水貯留浸透施設は、河川水位の低減効果以外に、市街地の浸水被害の軽減にも効果があることから、福知山市を始め多くの自治体が雨水タンクや浸透升の設置にも取り組んでいるところでございます。
 雨水貯留施設は、一基当たりの効果は必ずしも大きくはありませんが、あらゆる関係者が協働して取組を数多く積み重ねていくことにより、気候変動により増大する降雨に対しても浸水被害の軽減に効果を発揮するものと考えており、国としても、自治体等の整備を支援してまいります。

#109
○山本(和)委員 次に、田んぼダムについてもお聞きしておきたいというふうに思います。
 田んぼダムと言われても、ちょっと、余り私、ぴんとこなかったんですけれども、例えば地元ですが、宮津市とか与謝野町にある野田川という川、それは、京丹後市の竹野川で氾濫が発生するとなれば、周囲の田んぼは冠水する。福知山も由良川の氾濫で平地の田んぼは冠水するというところでございます。
 冠水と田んぼダムとの違い、それがどう違うのかを教えていただきたいということと、治水のためとはいいますが、農作物、そして農家さんに大変不利益じゃないかなというふうにも思うんですけれども、その辺りの、田んぼダムについてちょっとお聞きしたいというふうに思います。農水省さんですね。

#110
○安部政府参考人 お答え申し上げます。
 田んぼダムは、水田の排水口に流出量を抑制するための堰板などを設置して雨水を一時的に水田に貯留し、排水の流出ピークを抑制する効果があるものであります。田んぼダムは雨水を人為的に水田に貯留するもので、洪水時に河川が氾濫して水田に流入した状態とは異なります。
 効果の関係ですけれども、水田の水管理や降雨の状況によって変化するため、一概には言えませんが、例えば、令和元年に福岡県筑紫野市で国立研究開発法人農研機構が実施した調査によりますと、雨水の水田からのピーク時の流出量を約四割減少させる効果が報告をされております。

#111
○山本(和)委員 ありがとうございます。流域全体の被害軽減に資する田んぼダム、効果があるということでございますけれども、その導入をするには減災貢献に対するインセンティブ、それの付与が必要になるんじゃないかなと思います。万が一、想定以上の悪影響、収穫とか収入に本当に悪影響が発生してしまった場合、補償や保険など制度整備が必要なんじゃないかなというふうに思います。支援拡充もしっかりと行うべきだというふうに思いますけれども、その辺り、教えていただければと思います。

#112
○安部政府参考人 田んぼダムは、水田が貯留できる水深の範囲内で水田の水位をコントロールして、水田に降った雨の流出を抑制するものでありまして、田んぼダムの取組が原因で被害が生じるというものではありません。
 それでもなお、大雨により農地が被災した場合には、災害復旧事業による支援が可能であるほか、収入保険や農業共済に加入いただいている農業者であれば、水害等による収入、収量の減少について損失補填の対象となります。
 また、田んぼダムの取組につきましては、多面的機能支払交付金によって支援をしてきたところですけれども、今年度から、同交付金に十アール当たり四百円の加算措置を新設をしたところでございます。

#113
○山本(和)委員 今回のこの法案は、今、田んぼダムのこともお聞きしましたけれども、あらゆる関係者が流域全体で行う持続可能な流域治水への転換というふうにも審議会が言っています。その中で、温暖化の中、最終的には計画高水流量をいかに下げていくのかが鍵かなというふうには思っています。その中で有効なものは、今の田んぼダムも含めて、省庁横断でやっていっていただきたいというふうに思います。
 次に、災害発生への準備ですね、避難確保計画、ハザードマップの実質化とその必要性についてお聞きしていきたいというふうに思います。
 水防法や土砂災害防止法では、災害のおそれのある地域の要配慮者利用施設の所有者、管理者に避難確保計画の作成を義務づけているということでございます。昨年十月時点で、水防法関係で八・八万か所中五・五万か所、六二%、そして、土砂災害防止法関係で一・八万か所中一・二万か所、これも六六%と、六割超の施設で計画が策定済みということでございますけれども、市町村単位で見ると、一〇〇%達成しているところとゼロ、幅広い実態があるというふうに思います。
 私の地元も、五市二町ございますけれども、ゼロのところもありますし、八一%までやっている地域もあります。ちなみに、八一%というのは綾部市というところなんですが。
 避難計画作成が進む自治体のノウハウを国交省が主導して横展開していただく、それで発生災害に備えて全国で避難確保計画の作成を徹底する、そういった必要性があるんじゃないかなというふうに思います。
 また、昨年、令和二年七月豪雨で球磨川の千寿園さんの被害、それを考えると、避難確保計画を作成するだけでなく、実効性の確保についても図っていく必要があるというふうに思いますが、その辺りをお願いいたします。

#114
○井上政府参考人 市町村の地域防災計画に定められた要配慮者利用施設については、水防法及び土砂災害防止法によって、施設管理者に避難確保計画の作成と訓練の実施を義務化しております。
 避難確保計画の現在の作成率は、先ほど委員から御指摘がございましたように、水防法の関係ですと六二%、土砂災害防止法関係ですと六六%になっており、更なる進捗が必要と認識しているところです。
 また、委員御指摘のとおり、避難確保計画の作成率は市町村ごとにばらつきがあり、施設への働きかけが積極的に行われている市町村は作成が進んでいる傾向があります。
 このため、作成率が低い市町村において避難確保計画の作成が進むよう、相談窓口の設置や戸別訪問の実施など、取組が進んでいる市町村の工夫事例を紹介し、施設管理者に作成の働きかけを促すことで、全ての対象施設で令和三年度末までに避難確保計画が作成されるように取組を進めてまいります。
 また、千寿園におきましては、避難確保計画を作成していたにもかかわらず被害が発生したことから、社会福祉施設等において、避難確保計画等に対し、必要な改善を求めていくことといたしました。そのための支援として、本法案で、市町村から施設への助言、勧告の仕組みを創設し、訓練等を通じて避難先の適切な選定や避難支援要員の確保など、避難の実効性を確保させることとしております。
 これらの取組を通じ、国土交通省としては、厚生労働省等と連携して、要配慮者利用施設の避難確保の取組を進めてまいります。

#115
○山本(和)委員 ありがとうございます。
 厚労省とも是非連携をしていただきたいと思いますけれども、審議会の資料の中で、近年の高齢化、進んでいる中で、やはりそういう施設の中にいらっしゃる方々、年々増えているというふうにも思いますので、そういった高齢者の方々をしっかり守るという意味では、さっきも申しましたが、国交省などが主導していただいて、そして、そういう避難計画の徹底を、うちは大丈夫だろうというようなところもあると思うんですよね。そういったものも、訪問もされているということですので、しっかりそういうのもケアをしていっていただけたらというふうに思います。
 最後、大臣にお聞きをしていきたいというふうに思います。
 大臣、御覧になったかどうかですが、NHKのBSの番組で、昨年なんですが、「千曲川決壊 そのとき住民は」という番組がございました。そこでは、避難について、命を守る行動をと言われても緊迫感が持てない、堤防決壊など想像できない、農機具が高価で避難できないとか、やはり日本人はなかなか自分のいる場所から避難しないということが実証された、そういったことを紹介していた番組だったんですけれども、私もハザードマップは見ますけれども、なかなか分かりにくい、さっきも岡本委員の質問でもございましたけれども、なかなかちょっと分かりづらい部分があるというふうに思います。
 今回、さっきもパネルで御紹介をいたしましたけれども、もう一度出しますが、これは浸水ナビで、堤防決壊から時間ごとの浸水想定を見ているわけですけれども、これ、実は私の自宅の地点なんですね。これが、部屋が、私、二階に住んでいるんですけれども、二階に水が来るまでは破堤後僅か二時間、天井到達まで更に一時間、三時間後には最大七・五二メートルまで浸水するということで、現在のハザードマップは、想定最大規模の降雨での浸水深が静止画的に示されるというふうに思います。
 これは割と、やってみるべきだというふうに思います。住所を入れたらすぐ地点が出ますし、私も国交省さんに教えていただいて、こういうパンフレットもいただいたんですけれども、国土地理院が作った、これはすごくよくできたシミュレーション検索なんですね。スマートフォンでもできますし、住所を入れていただいて、自分の地点がどれだけ浸水するのかというリスクをしっかり見ていただけるところになっています。浸水の途中経過の分かるグラフとか動画も示されていますし、どのくらいの降雨だと、どこがどう氾濫するか分かる、多段階リスク明示型ハザードマップですね。
 土木学会も言っておりますけれども、やはり明示をしていかないと、なかなか心の避難スイッチがオンにならないというふうに思います。分かりやすいハザードマップ、そういったものを、この浸水ナビ、シミュレーション検索システムも、しっかり、いろいろ宣伝していただくのも一つかなというふうに思います。
 こういった多段階リスク型ハザードマップ、分かりやすいハザードマップ、今のこのテレビ番組も通して、大臣のお考えをお聞きしたいというふうに思います。

#116
○赤羽国務大臣 この今回の提出法案で、流域治水に関わるハードの面ということをいろいろ議論をいただいていますが、先ほどもちょっと申し上げましたが、自然と対峙する場合に、ハードでの対応策というのはやはり限界があるというふうに私は思っております。そこをやはり補うのはソフトの対策であって、地域の防災力の向上ですとか、国民の皆様の一人一人の防災意識の向上というのは、これは本当に必要不可欠だというふうに思っております。
 そういう意味で、全国の地方自治体がハザードマップを整備しているというのは非常に大事ですけれども、現実には非常に分かりづらいですし、洪水ハザードマップと土砂災害とか様々掛け合わせると、なかなかぴんとこないという御指摘もいただいておるところでありますし、私もそう思っております。
 ですから、今、堤防の決壊した場合に浸水がどう広がっていくかという様子、これを動画で国管理の河川については公開をしておりまして、これは県の管理河川にも対象河川を広げていくという試みが一つ。
 また、先日、先日というか、都市局で、3Dで視覚的に分かりやすいPLATEAUというのを立ち上げまして、今全国で五十六の地方自治体で採用していただいていますが、そこをクリックすると、自分のところがどのように、様々なことに使えるんですが、一つは、浸水想定としてはどういうふうになるのかという、画像としてよく分かる。それをもう少し、多分、もう既にできるかもしれませんが、それぞれの建物の特性もインプットされると、ここは避難ができるとか、遊水地があるとか、そうしたことまで広げられる、私は画期的な取組だというふうに思っております。
 こうしたことをやはり活用して、役所も今頑張って、御紹介いただいてお褒めもいただいたんですが、多分、いつも難しいことを書くので、それを読み下せる人というのは、国民にとって、なかなか難しいのではないか。大体、そもそも字が見えないとか、私たちもそういう世代になりましたので、そこのギャップというのはもう非常に難しいので、やはり画像に訴える。そのことを、やはりこの地域が危険度はあるんだということで、地域としてのマイ・タイムラインというか、個人としてのマイ・タイムラインを形成していただくということがやはり必要不可欠だというふうに思っております。

#117
○山本(和)委員 ありがとうございます。
 逃げるやる気スイッチオンになるようなことが、やはり必要性がすごく高いというふうに思います。今回の流域治水の考え方は、流域関係全てが協働して当たっていくということです。粘り強い堤防、田んぼダム、事前放流とか、今申し上げました分かりにくいハザードマップではなくて、逃げるやる気がスイッチオンになる必要性、地域地域で違いはありますけれども、しっかり地域の声を私も届けてまいりたいというふうに思います。
 これで質問を終わります。ありがとうございました。

#118
○あかま委員長 次に、荒井聰君。

#119
○荒井委員 今日は楽しみにしていました。一時間いただいたので、たっぷり、今日は井上局長とプロの水の専門家として少し議論をしたいなと思っていますので、書いたものをしゃべらないで、議論しましょうよ。
 冒頭、大臣、北海道JRの新人の入社式にメッセージを送っていただいたということで、関係者はとても喜んでいます。
 どの組織も、新しい人が入ってこない、あるいは、能力のある人たちが去っていくというのは、それはもう衰退の組織です。そういうことにしちゃいけないんですよね。だから、その組織の中核の人には何とか頑張ってもらう。私は、東京電力のあの事故のときに、どんどんいなくなるのを、会社の社長も組合も含めて、何とか止めろということを一生懸命言っていました。同じようなことが今北海道JRで起きていて、これは何とか止めなきゃならないと思っていたときに、今度のJR対策、そして、入社員の新人に対して大臣からの温かいメッセージ、これで頑張れるぞ、そういう思いがしているということを言っておりましたので、このことは伝えていきたいと思います。
 今度の流域治水は、恐らく五十年に一回あるかないかの大きな、旧河川局にとっての大改正だと思います。ただ、残念なのは、流域治水という言葉をちゃんと定義していない、あるいはそこを法案の中で明示しなかったというのは、私はとても残念に思います。流域治水のための協議会のような形でしか言及していないんですけれども、本来だったらこの法案の河川法の目的のところに入ってもおかしくない、環境問題を河川法につけ加えたあのときよりも、私は、この流域治水という課題は大きなものだと思います。それはそういう形で整理をしたんでしょうから、仕方がございません。
 まず、井上局長と議論する前に、気象庁長官、新たにおめでとうございます。
 流域治水にしても何にしても、気象庁の観測というのが一番のベースになります。今回、気象庁の線状降水帯という一番難敵をどう解決するのかということに関して、気象庁も全力を尽くすという意図表示がありましたし、そしてまた、非常に大きなことは、海上保安庁の船を活用できるように大臣が取り計らった。私は、これは本当は海上保安庁法の業務の中に入れてもいいぐらいな、そのぐらいのことではなかったかと思いますけれども、今度の人員あるいは予算などで線状降水帯の観測というのはかなりの部分いけるのかどうか、その見通しについて気象庁長官のお話を伺いたいと思います。

#120
○長谷川政府参考人 お答え申し上げます。
 線状降水帯の予測精度を向上させるためには、線状降水帯の発生と関連の深い水蒸気の正確な把握が重要な要素の一つでございます。水蒸気の正確な把握のため、令和二年度第三次補正予算により、洋上観測の強化やアメダスへの湿度計の導入などの取組を進めているところでございます。
 このうち、洋上観測の強化につきましては、これまでの研究で、気象庁の観測船におけるGNSSを使った水蒸気観測で一定の精度向上が示されているところでございます。このため、気象庁の観測船二隻に加えまして、今お話のありました海上保安庁の測量船四隻とも連携をした観測体制を構築することといたしました。実際の観測に当たりましては、海洋気象観測船の機動性、これを活用して、効果的に運用をしてまいりたいと考えております。
 また、これに加えまして、大学、研究機関とも連携をして予測技術の高度化を図っていくとともに、今回の水蒸気観測の効果を詳細に分析いたしまして、更なる精度向上のために、最新の技術を活用した観測の強化などについても引き続き検討をしてまいりたいと考えております。

#121
○荒井委員 私の見るところでは、まだまだ精度としては不十分ではないかと思うんですね。これは、衛星でありますとか、あるいは民間と協力をし合って、精度を高めるためのいろいろな技術開発というのはするべきだと思うんですね。それから、船が足りなかったら、これはもう大臣にお願いするんですけれども、海上自衛隊の船をいっそのこと協力してくれというぐらいの、そのぐらいの意気込みで、毎年一兆円の被害が出ているんですから、これは民間の損害保険です。国全体でいくと、二兆円から三兆円くらい出ていると思います。それを防ぐためには、国を挙げて、全ての部局が協力をし合うという体制を取ることが必要だと思います。
 そのために、今の制度なり、あるいは気象庁予算なりでは私は不十分だと思うんですけれども、大臣の御見解はいかがでしょうか。

#122
○赤羽国務大臣 実は、昨年の七月の九州の集中豪雨、これは線状降水帯が約二週間ぐらい停留しまして、毎日、国交省の対策本部を開いておりました。この対策本部の冒頭、気象庁長官が、前日からの変化ということで報告があるんですけれども、毎日全然違うことを、昨日と違うことを言う、どうなっているんだみたいな雰囲気がすごくあって、長官、長官というのは前長官ですけれども、前長官とは少しさしで話して、これは何が足りないんだと。もちろん、線状降水帯自体が非常に予測しにくいということは素人の私なりにも分かっていますが、それは予算で解決できるのか、何が足りないんだという話だった、そんなやり取りもしました。
 気象庁は非常に慎み深い、真面目な人たちの集団なので、この予算を云々ということを、今日の先生の答弁も非常に抑制的な答弁を書いているんですけれども、だからどこまで足りないのか、ちょっと分かりかねる部分もありますが、今回初めて海上からの活用ということで、海上保安庁との合同でより正確なことができるですとか、少しは予算もしっかりと応援しようとか。
 今、実は、TEC―FORCEですとか海上保安庁に対する国会の中を始めとする応援団というのは、非常に応援していただいているわけですけれども、なかなか気象庁というのは光が当たっていない部分があったんですが、これだけ災害が続きますと、気象予測というのが非常に重要だというふうに思っております。
 実は、私、公明党の山口代表が、お父様が気象台のOBということもあって、特段にお願いして、先日、気象庁に関する議員連盟を発足していただきました。これは是非、立憲民主党にもお願いしていただいて、やはり国政において、少なくとも気象庁の重要性というのを応援していただければ、私たちもしっかりとそれに応えて対応していかなければいけない。
 こうして、災害の防災・減災を実現するためにも、気象予測の精度が向上するというのは、私は本当に大事なことだというふうに思っておりますので、是非、引き続きの御指導と御支援、よろしくお願いしたいと思います。

#123
○荒井委員 公明党の山口代表が関係者だったということは、私は分かりませんでした。
 気象庁は、例えば、新田次郎なんかも気象庁の職員だったんですよね。彼が富士山のレーダー建設の立て役者になるわけですけれども、そういう方もたくさんいるわけだから、そういう人たちを集めて気象庁応援団というのを確かにつくっていくべきだというふうに私も思います。
 予算を取るのがすごく下手ですし、PRするのも下手くそですし、PRしようと思ってやったらホームページが何か物議を醸したとか。でも、トライするべきですよ、挑戦するべきですよ。失敗したっていい。挑戦をして、確かに気象庁の役割というのを国民に訴えていくべきだというふうに思います。
 ところで、次に、先ほど山本議員も、それから岡本議員も議論しておりましたけれども、ハザードマップを中心とする、弱者に対する、災害弱者と言われている人たちに対する対策ということが、今までは不十分だったのではないだろうか。
 今度、国土地理院が中心になって、従来の、災害が起きたところの碑を地図に載せるというような動きもしたようでありますし、あるいは、国土地理院が、旧河川局の応援団、あるいは補填するような形で、ハザードマップの上手な使い方というような、そういう動きもしつつあるようであります。
 そういう意味で、国土地理院の役割というのは、もっといろいろなことをやってもらったらいいと思うんですよ。全国の地図、マップをどういうふうに水害と結びつけていくのか。弱者に対しては、逃げ道をどう確保するのかというのが一番大事ですから、そういうことというのは、河川を管理している人たちは平場のところまでなかなか目が及ばないですから、それは地方自治体であり、あるいは全地域のマップを持っている国土地理院がもっと前面に出てきて、私は、分かりやすいハザードマップ、あるいは分かりやすい避難路の、動画で示すと先ほど大臣がおっしゃいましたけれども、そういうことがあっていいんじゃないかと思います。
 国土地理院の総裁、来ていますか。どうですか、そういう点に関して、今の活動なりを踏まえて。

#124
○野田政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、自然災害伝承碑、少し触れていただきましたけれども、過去に発生した様々な災害の様相や被害の状況などを先人の人たちが後世に伝えるために作られた石碑等でございまして、この災害教訓を幅広く伝えるために、国土地理院では、令和元年でございますが、自然災害伝承碑の地図記号を制定しておりまして、地図、地形図等に掲載しております。
 それから、ハザードマップの方でございますけれども、基になるものは各市町村が災害の種別ごとに作成しているわけでございますけれども、国土地理院においては、これらを集約し、ウェブ上で一元的に閲覧できるような、そういう環境を提供しているところでございます。
 これまでも、委員御指摘のように、いろいろ使いやすくしていかなきゃいけないというふうに思っておりまして、ユーザーインターフェースの改良であるとか、それから、様々な防災教育に役立つような機能を追加するといったようなことを行ってきておりまして、今後も、利用者等の声も伺いながら、継続的な改良に取り組んでいきたいというふうに考えております。
 そのほか、国土地理院は、例えば、明治期の低湿地というような、過去の土地利用から地域の災害リスクを知るような地理空間情報であるとか、それから、防災教育や地理教育に活用できるコンテンツを集めた地理教育の道具箱、こういったものも公開しておりまして、広く御活用していただいております。
 また、市町村との連携も積極的に進めているところでございまして、引き続き、こうした取組を通じまして、地域における防災力の向上に向けた取組を支援してまいりたいと思っております。

#125
○荒井委員 国土地理院の院長が国会で答弁するというのは、めったにないんじゃないかと思いますけれども。
 特に、防災教育、あるいは郷土の履歴といいますか、歴史というか、災害の歴史みたいなことを副読本として作るときに、国土地理院はもっと前面に出ていいと思いますね。かつて、「稲むらの火」という、津波を救ったことが国語の小学校の教科書に載っていたんですね。今、それがなくなっちゃっています。地域ごとに災害の形態というのは違うんだと思うんです。その災害の形態をその地域地域の副読本として普及させていくというか、あるいは作っていく、そういうことを支援していく、援助していく、そういう活動を私は国土地理院が中心になってやられたらいいというふうに思います。
 それから、教育の件に絡んでは、気象庁が生物気象を一時取りやめたという話がありましたけれども、あれはきっと、わあっと来たんでしょう、反応が。それでまたやることにしたんでしょうけれども、あれなんかも、教育の一環として、その地域の中学や高校に必ずそういうことに関心を持つ先生も生徒もいますよ、あるいは気象クラブみたいな、そういうのもいますよ、そういう人たちに頼んで観測してもらったらいいんですよ。
 観測する人が少なくなったからそれはやめましたというのはいかにも寂しいし、日本のある意味の文化みたいなことを否定することにつながってしまう。あれが復活するということが新聞で報ぜられていたので、よかったなと思いますけれども、もっと、小学校や中学校や高等学校というのを、教育の現場と一緒になって考えてみたらいいと思います。これは答弁は要りません。
 ところで、今度の法律では集団移転の話がのっていますよね。集団移転は物すごく難しい。私も、地域整備とか地域開発とか、あるいは防災関係でそれを志したこともあるんですけれども、物すごく難しいですよね。ここはどんなふうに具体的にやるのかという具体論が大事だと思うんだけれども、都市局長、どういう具体論がありますか。

#126
○榊政府参考人 お答えを申し上げます。
 防災集団移転促進事業、最近では、東日本大震災の復興で大変活用されました。高台等のより安全な地域に移転する際にこの事業を活用し、二十七の市町村で約三万七千戸の移転を支援し、約一万二千五百戸の住宅団地を整備してまいりました。被災された自治体にとりましては、人員やノウハウが不足しておりましたので、都市再生機構が自治体を支援し、一万二千五百戸のうち二千六百戸、約二割につきましては、都市再生機構が住宅団地の造成に当たっております。
 実際、この事業に取り組んできた地域からは、住み慣れた土地を離れたくないという住民も多く、合意の形成が難しかったというお話や、防災集団移転促進事業に関する経験、ノウハウをなかなか持っておりません市町村にとっては、災害危険区域の指定から始まって、移転先の確保、住宅団地の造成、最終的には住民の移転に至るまで、非常に負担の大きい取組であったと伺っております。こうしたことが防災集団移転促進事業に取り組む上での課題だったんだろうと思います。
 一番大切なポイントは、何よりも、住民の合意の形成を図ることであろうかと思います。
 最近の取組といたしましては、昨年度から、十戸以上の住宅団地が必要でありました要件を五戸以上ということに緩和をいたしました。それから、住民の意向の把握など、計画の策定の部分のてこ入れをするために、予算面での支援をメニューとして新たに加えたところであります。ノウハウが不足しております自治体には、国の職員が直接出かけて指導助言などもさせていただいております。
 こうしたことでこの事業が少しでも進みますよう、努力してまいりたいと考えております。

#127
○荒井委員 それでは、流域治水の話を井上さんとやりたいと思っています。
 流域治水という言葉は、私が学生の時代ですから一九七〇年から八〇年代に、高橋裕さんという東大の河川工学の泰斗、伝説的な人ですが、その人がもう既に流域治水の必要性というのを述べられているんですね。それから、過去の治水の成功例というのをずっと見てみると、やはり流域治水の考え方というのを踏まえているんです。
 流域治水というのはどういうことかというと、今考えられている流域治水でももっと幅広く捉えるべきであって、利水と治水とを総合的に捉える、あるいは地域の開発、林業の開発、そういうものも全体として捉えるということが私は流域治水の根幹だと思うんです。
 ところが、今までの治水、旧河川局の治水の考え方というのは、一個ずつの治水ダムをどう運営するかというのに的を絞り過ぎている、あるいは河川堤防をどう強化するかというように的を絞り過ぎていて、利水との関係はどうするのかとか、あるいは地域との関係をどうするのかという広域的な考え方というのは非常に乏しかったと思うんですね。
 この間の参考人の質疑の中で、河川法五十二条で、利水ダムについて強制的に事前放流させることができるという規定があるにもかかわらず、これをやったことは一回もないというんですね。私は一回あったと思う。一回もない、どうしてですかと聞いたら、いろいろなことをおっしゃっていましたけれども、私は、基本的には、治水だけでやれるんだという、おごりと言ったら怒られちゃうかもしれないですけれども、そういう自信があったのと、そしてそれ以上に大きかったのは、利水側との調整の仕方、あるいは利水側の協力の仕方、そこが欠けていたのではないかというふうに思うんですよ。
 今度、流域治水のこの法案の設定に当たって、井上局長が、農水省の旧構造改善局、農村振興局長のところに挨拶に行ったという話を間接的に聞きました。ああ、本気なんだな、これは本気でやるつもりなんだなというふうにも思いましたけれども、この辺り、基本的な考え方、井上局長、どう考えてここを乗り越えていくことにしたんですか。

#128
○井上政府参考人 荒井先生、御質問ありがとうございます。
 流域治水の捉え方、いろいろな側面があります。場としての流域というような物の考え方、あるいは主体として誰が関わるのかというようなこと、先生の方からもそういう御指摘がありました。
 場でいえば、河川だけでやっていた対策というのを面的に広げていくという、分かりやすいことです。主体であれば、今先生御指摘いただいたように、河川管理者が中心となってやってきたということだけじゃなくて、いろいろな関係者が関わっていく。今回の法案もそういうふうなことを意識してやっていると思います。
 ほかにも、いろいろな幾つかの観点があります。例えば、インフラの整備をするということで確実に安全にするということもありますが、これまで、それに加えて避難に生かしていく。インフラと避難というのも実は一体不可分のところがあって、整備をすれば避難をする時間を稼げるとか、そういうふうなことがありますので、より多くの命を救うことができる。そういった防災の情報の伝達とか避難とか、福祉の方々にどうやって御協力いただくか、そういうのも密接不可分です。
 それから、もう一つ忘れちゃいけないのは、今日は都市局長も来ていますけれども、まちづくりと一緒にやっていくということがあると思います。まちづくりと治水、インフラとの関係というのも、非常にお互い相互作用があるということは、余りこれまでしっかり対応してこれていなかった。ここをやはり今回の法改正も含めてさせていただいていく。
 ほかにもいろいろな切り口があります。とにかく、今回の流域治水を進めるに当たっては、いろいろな切り口で、これまでばらばらになっていたもので一緒にやっていけるものがないかということを探ってきております。
 その一つが、先ほど先生御指摘いただいた農水省さんとの関係でもあります。農業用水のダムを使わせていただくということは、こちらとして治水に使わせていただくということは、やはり御協力いただかなければならないのでお願いに参りましたし、先方の方からも、治水の関係で協力する、利水でもまた一緒にやっていこうねということで、今良好な関係をさせていただいていますし、より積極的に田んぼのダムを活用していただくなど、取り組んでいただいているところがあります。
 林業の林野庁も同じように取り組んでいただいています。厚生労働省もそうです。それから、発電の関係では経済産業省が今協力していただいていますし、さらに、今度は、カーボンニュートラルとかそういうふうな面で、できるだけあるダムを発電にも活用できるように、治水にも協力してもらうんですけれども、冬場はどちらかというとダムはそんなに雨が降らないので発電の方で使えるか、これまでなかったいろいろな協力をやっていく。
 できれば、流域治水というのはそういうものも含めて非常に大きな概念で、いろいろな関係者に御協力いただける取組かなというふうなことで、私もこれからしっかりやっていきたいというふうに考えております。

#129
○荒井委員 井上さん、ありがとうございます。
 国会議員の中で、水利協議をやった議員というのはいないと思うんです。私は、三十年ぐらい前に、国会議員になる直前に、関東農政局で水利権協議をやりました。その協議は極めて激烈でして、どうしてここまでぎりぎりやるのかなと思うぐらいな感じでした。まあ、許可する方はそうでしょうから、それの許可権を取る側の方で、農政側で私はそれを受け持ったわけですので。
 その後、見てみると、私は、水利権協議が大きなわだかまりになっていると思うんですけれども、河川法の改正をするときは、農水省から電話帳ぐらいの質問書を河川局にぶつけるんですよ。それから、農水省の土地改良法の改正のときには、逆に今度は、河川局から電話帳ぐらいの質問書がぶつけられるんです。お互いに何か意地の張り合いみたいな感じがありました。
 そこで、私は、当時、鈴木藤一君が私と同じぐらいなポジションにいたんですけれども、彼に言って、これをこのままやっていたら公共事業全体が潰れてしまう、人事交流をしないかということで、農水省と当時の建設省河川局との間の人事交流をし、第一期生が、私の同期の小林君というのが室長で河川局に赴任をいたしました。
 それから少し変わったと思うんですけれども、しかし、基本的には、水利権を許可する方と、水利権の更新を求める、十年ごとに更新を求めるわけですから、それとの間の様々なやはりわだかまりというのは、私はまだ残っているんじゃないだろうかというふうに思います。
 安部君、いる、農水省の。今、水利権協議、何本やっているんだい。

#130
○安部政府参考人 お答え申し上げます。
 農林水産大臣が持っております水利権でございますけれども、全国で二百九十六件であります。
 それで、先生から協議の関係がございました。これは、毎年大体三十件ぐらいが更新時期を迎えるわけでございますけれども、約二割が、営農の変化によりまして、先生御存じでしょうけれども、作期の前倒しだとか後ろ倒しだとか、そういう変更を伴う協議本数が約二割でございます。その後は、許可期限が来るものですから、それを更新するためのものが八割という状況になってございます。

#131
○荒井委員 本当は、地元の方からは、もっと水利権協議は柔らかくしてくれ、水の使い方というのはその地域地域でいろいろな変化があるわけだから、柔らかくしてくれという要望があるのが普通ですよ。
 私は、小水力発電の制度をつくったんですけれども、課長補佐時代につくったんですけれども、これのために水利権を活用するということになったら、不可能に近いぐらい難しかったですよね。そういうことがあるんだけれども、今は相当改善したというふうに思うんですけれども。
 エネルギー庁、エネ庁はどうですか。水利権協議、どのぐらいやっていますか。

#132
○松山政府参考人 お答え申し上げます。
 委員お尋ねの水力発電に関する河川協議について言いますと、二〇二〇年度、河川管理者から当省に協議いただいたものが、これまたやはり水利権の更新等が中心になるところでございますが、約三百件あったというふうに認識してございます。

#133
○荒井委員 このペーパーは、河川の技術者たちが作った「河川」という雑誌からの抜粋なんですけれども、津田永忠の話を特集しているんです。済みません、ないんです。本当は入れておけばよかったんですけれどもね。津田永忠の話を抜粋しているんですけれども、この津田永忠という方は、江戸時代の治水を成功させた方で、岡山市のそばを流れる百間川、これは放水路なんですけれども、百間川を造り上げた人です。この百間川の越流堰を造った人なんですけれども、この越流堰は、世界文化遺産かな、何かに登録されたぐらいに大きな意味のあるところだと言われています。
 一昨年のあの大水害のときに、この施設があったので岡山市は救われたと。残念ながら、そのすぐ近くの真備町の方は、この後で、資料の中に入れておきましたけれども、水防組合がなくなったこともあって、大被害を被った。
 いろいろな水利施設なりあるいは治水施設というのは、歴史的な経緯というか、歴史的なものを持っていて、それを発掘するだけで、様々な、ダムだけではなくて、ダムもあってもいいんですけれども、ダムだけではなくて、新しい試みの治水技術というのを発掘できるんじゃないかと思うんですね。
 この一の荒手とか二の荒手とかと三段階に分けて、減勢工的に造っているんですね。多分、今の河川工学ではこんなことやらないと思うんですけれども、考えもつかないと思うんですけれども、それをやったのがこの津田永忠という人です。
 こういうことというのは、ちゃんと河川ごとに、流域ごとにカルテを作っておいて、森林の具合はどうなのか、あるいは土壌はどうなのか、この間、橋本参考人が来て真砂土の話をしていましたけれども、それぞれの土壌はどうなのか、雨の降り方はどうなっているのか、どこが河川決壊したのか、越流したのか、その情報をずっと蓄積していくということが必要だと思うんですけれども、局長、どうですか。

#134
○井上政府参考人 委員御指摘の、川にまつわるいろいろな情報をきちっと記録し、それを残し、活用していくということ、これは非常に重要だということは分かっておりますが、なかなかうまく構築できていないというのが現状だというふうに思っております。
 工学的な話につきましても、今の先生のお話にありました百間川の一の荒手、二の荒手、あれは非常に構造物としてもユニークです。
 今ですと、堰というものは、川に直交するように、対立するような形で造るという構造物。これは、川幅をまたぐ延長が小さいので一番経済的だというんですが、水を受け流すときには必ずしもよくない。そういうふうな知恵があの頃にもう存在していた。ところが、逆に、それをうまく現在には活用できていない。そういうことを改めてまた研究して、伝統的な技術をもう一回よく見直してやろうという取組も、ここ数年、数十年、ちょっと始まったところです。
 そういうようなことも含めて、しっかり研究者の方々とも、昔の技術も評価してこれからも生かしていく、そういうようなことをやっていきたいと思いますし、カルテのような形で、現在の情報も今の日頃の管理の中でしっかり残してやっていきたい。
 デジタル化、DXというようなこともあります。いろいろな面で、活用、IoTもできますので、インフラのデジタル環境もできます。いろいろなそういう面では、データを使えるということについては環境が整ってきておりますので、しっかり頑張っていきたいと思います。

#135
○荒井委員 河川ごとのカルテのようなもの、どこで破堤したかとか、どこが土砂崩れが起きたかというのは、それは国家機密でも何でもありませんから、私は、公開のデータにして近くの住民や市町村がそこに書き込んでいく、そういうようなことでデータを蓄積していくということが効果的なのではないかなと。
 この津田永忠の研究をしている小嶋光信さん、この人は、岡山の、どういう方なのかよく分からないんですけれども、その方が、治水というのは政治である、治水は文化である、自然との共生であるということを述べています。
 私は、まさしくそのとおりだと思いますね。治水は、総合的な上下流の調整であったり、地域の調整であったり、業務の、農業との調整であったり、全てのものを含んでいるんですよね。だから、政治そのものなんですよ。
 私は、この間、山田参考人が、水の専門家が議員の中にいないということをおっしゃっていましたけれども、そうじゃなくて、治水の専門家がいないのであって、水利の、利用する方の専門家は、私もそうですし、自民党では平野達男君もそうだったですし、あるいは石川の一川さんという方もそうです。
 そこは、どうして河川工学をやった方、治水をやった方に政治家が出ないのかということは、一度、河川局長、ちゃんと考えたらいいですよ。私は、まさしく政治そのものなのに、政治家を育てられていないというふうに思うんです。特に地方自治体なんかは、治水とそれから感染症の専門家、絶対必要ですよ、政治家としてというふうにも思います。
 だんだん時間がなくなってきたんですけれども、今度の流域治水の中では、治山事業とか、あるいは山を治める植林や森林整備について余り書かれていないんだけれども、これはどうしてだろうか。山を治めることが私は治水の一番の原点だと思うんですけれども、いかがですか、井上さん。

#136
○井上政府参考人 委員御指摘のとおり、山、森林をきちっと管理するということは治水と密接不可分だというふうに私も考えております。
 最近、雨の降り方、それから森林の管理の状況、いろいろなことが相まって、大洪水のたびに土砂あるいは流木が川の中に流れ出て、橋を流し、又はたまって、更に大きな洪水を引き起こすということが顕著になってまいりました。これに当たっては、しっかりと農林水産省さんと私たちと連携しないといけないということで、いろいろな取組を始めております。
 それぞれの目的、森林管理の方からのアプローチもありますし、治水の方からのアプローチもありますが、かなり、一緒に連携することがいいところがあります。同じ沢の中で、上流では森林を管理し、それでも万が一のときに土砂と流木が流れてくるというときには、人家に影響を与えないように砂防の方で対応する、そういうようなのが、幾つか事例ができてまいりました。こういうような取組は、残念ながら、最近起こった災害の被災地から始まっているということです。
 ただ、これを今後は、取組は被災地だけではなく、これから起こるかもしれないところに事前防災としてやっていくということが重要ですので、この流域治水の考え方の中でも、本省庁間でもこの連携の会議を持っておりますし、そうではなくて、今回新たに、百九の水系の中でつくっている地域ごと、流域ごとの協議会の中にも、林野部局、あるいは、林野庁の出先の森林管理局だけじゃなくて、県の林務部の方にも入っていただくというような形で、ふだんから密接にできるような環境をつくって、対策を進めていきたいというふうに考えております。

#137
○荒井委員 今日、林野庁、来ているかい。
 林野庁、流域治水の中で、治水部局から、この辺りが水が出てきた、危ないといったら、その辺りの整備を、補助金もそこに少し集中的につけるとか、あるいは、間伐材の、間伐した、切った林を、全部下まで下ろせなかったら等高線に沿って置くとか、上から土砂が流れないようにと、そういうようなことというのは林野庁でできると思うんだけれども、どうだい。

#138
○小坂政府参考人 お答え申し上げます。
 流域全体の治水対策、流域治水対策を進めていく上で、先生御指摘のとおり、森林の有する水源涵養機能であるとか土砂の流出抑制機能をきっちり発揮させていく、これは非常に重要でございます。
 先ほど御答弁にあったように、今回の流域治水を進めるに当たって、水系ごとに設置される流域治水協議会、これに我が方が参画する、森林管理局の職員であるとか、都道府県の林務担当が参画するということをもう進めております。
 それで、具体的に、例えばこの水系の上の方が非常に危ないとか、地域地域、いろいろなことがあろうかと思います。そういうことを踏まえて、例えば、河川の上流域において流木の発生を抑制するための治山ダムを集中的に配置していくことであるとか、さらには、保水機能を維持するための森林整備を重点的に実施していくこととか、そういうことを具体的に、連携して話し合いながら、下流の治水対策と連携して進めていくということにしております。
 そういった観点で、今後とも、より一層治水との連携を進め、安全の確保、林野庁も頑張っていきたいというふうに考えているところでございます。

#139
○荒井委員 林野庁、頑張ってくださいよ。協力してあげてくださいよ。山を治めることは国を治めることですよ。そういう事例が過去にたくさんあったんですよね。日本の河川が大氾濫を起こしたのは、山がはげ山になったからですけれども、そういう意味では、林野庁の役割は大きいと思うんです。
 そういう意味では、森林環境譲与税という税金が新たにつくられたんですけれども、これは果たして、本当の意味の、当初目的としていたことに使われているんだろうか、都市側に少し手厚くなっているのではないだろうかという気持ちもあるんだけれども、林野庁、どう思いますか。これは林野庁じゃなくて、総務省か。

#140
○川窪政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘の、森林環境税の譲与基準に関する御指摘かと存じます。
 この譲与基準につきましては、森林整備を進めるためには、森林の需要の増加が重要であることですとか、国民全体の森林環境税への理解が必要であることなども総合的に勘案をいたしまして、人口を三割と設定しているものでございます。
 また、この見直しにつきまして、これまでの衆参両院の総務委員会の附帯決議におきまして、各地方団体の森林整備の取組や施策の効果を検証しつつ、必要がある場合には所要の見直しを検討するとされているところでございます。
 今般、譲与初年度でございました令和元年度の活用実績につきましての実績の分析なども行っているところでございまして、引き続き、こうした森林環境譲与税による効果を検証するという上で、令和二年度分を含めまして、その後の事業の実施状況も見極めていきたいと考えております。
 こうした確認状況を踏まえまして、森林環境税の譲与基準の見直しにつきましても引き続き検討してまいりたいと考えているところでございます。

#141
○荒井委員 これは、分配するときに、国交省の意見とか、もちろん農水省の意見は聞いているんだと思いますけれども、国交省、特に治水部局の意見を聞いていくということはとても大事だと思うんですよね。今後見直しがあるのかどうか分かりませんけれども、その際には是非、治水部局との意見調整というものも図るべきだというふうに思いますし、治水部局としても、どこの地域の山林を、治山事業なり、あるいは植林なり、整備が必要なのかということをその地域地域で把握しておくことが必要だと思います。その意味で先ほどカルテ、カルテと私が言っていたんですけれども、そういう意味であります。
 ところで、井上さん、治水事業をやる人というのは、私は、経済観念というか財政の観念というのが乏しいんじゃないか、乏しいと言ったら怒られちゃうな、何となく、予算は国から降ってくるから、国の予算を取ればいいんだ、そういう感覚でいるんじゃないだろうか。治水を本当にやるんだとしたら、これは特定財源とは言わないですけれども、何らかの形の財源みたいなことを考えていくべきだと思いますよ。
 今、国交省の中で一番権勢を振るっているのは道路局だと思いますけれども、道路局がなぜあれだけ大きな力を持つようになり、日本全体の道路の整備を推進することができたのかというのは、道路特定財源という財源の工夫をしたからですよね。これは、新車を買うときに、道路を傷めるから道路の整備に使うお金、あるいは、ガソリンを買うときには、そのガソリンは自動車が使うんだから自動車の道路を整備するんだというこの発想は、田中角栄ですよね。こういう発想があったから、道路特定財源という財源ができて、今、あれは余りにも批判が大き過ぎて、結局一般財源になりましたけれども、そういうことをしっかり考えていったからこそ、道路の整備というのは進んだと思うんですよ。
 今、治水財源というのは、恐らく、圧倒的に少ないと思いますよね。治水財源の一つにこの森林環境税なんかも本当は考えていたんだと思うんだけれども、ほとんどそこには使われなかったでしょう。そういう財源論とか、あるいは、人は、五十年に一回の水害よりも、毎日どういうふうに生活するのか、食べていくのかということの方により多くの関心を持っているわけですから、その経済的な活動にどういうふうに利益を出すことができるかということを工夫してやるのが、私は、治水の部局の人たちの必要なことだと思いますよ。
 そのためには、今、自然再生可能エネルギー、電力というのはどうやって作り上げていいのかということに日本中が困窮しています。その中で、最も質の高い電力は水力発電ですよ。水力発電というのは巨大な電池なんですよね。最近、各電力会社は、太陽発電だとか風力発電だとか、そういうものを造ったときには、蓄電池を造れといって、無理無理電池を造らせています。これは、一基百億とか二百億のオーダーですよ。
 そういうことをするぐらいならば、竹村さんだったかな、前の、元の河川局長、あるいは青山さんだとかが、今の気象の予測が、予報が非常に精巧になったから、各ダムには余裕高がある、その余裕高を使って水力発電をできないかということを提案したことがありますよね。私は、そういうことを考えるべきだと思います。
 利水ダム、農業用のダムでも、かつて私がつくったんですけれども、小水力発電だとか、あるいは、電力会社が持っている水力発電だと、揚水発電を速やかにというか簡単にできるように制度の仕組みをつくってやるとか、そういうことを考えるべきだ。経済的な活動と密接な制度というものをつくってやることが本当の意味の治水事業につながるんじゃないかと私は思っているんですけれども、局長はどうですか。

#142
○井上政府参考人 今、先生から御指摘いただいた水力発電の観点、これは治水との関係も深いということは先ほどもお話をしたとおりです。私たちも、やはり既存にある施設、あるいは貴重な自然、天然資源である水というものをできるだけ有効に活用するという観点、非常に重要だと思っております。
 これまでのルールに限らず、いろいろな新しい技術、例えば先生御指摘があった気象予測というもの、これまでになかったということで、それが活用できる可能性もあります。そういうようなことを取り組んだら、今までやってきた技術、管理の体系をどういうふうに変えられるのか、新しく組み込めばどういうことができるのかということは、私たちも貪欲に検討すべきだというふうに思っております。
 それ自身が今のカーボンニュートラルとかそういうのも貢献することになるでしょうし、意外と、季節的に言うと、治水は夏場に非常に重要ですが、冬場、正月の頃というのは、需給の逼迫度合いというのは実は冬の方が暖房用の電力とかであるとか、それから地域の偏在性とか、うまく活用したらできるとか、いろいろな可能性はあると思っております。
 さらには、もっと積極的にも考えておりまして、今一部進んでおりますが、ダムの施設自身を改造して、今まで事前放流で下げられる規模が限られていたものを、もう少し施設を改造すればダムの水位を下げられる幅が大きくなるとか、そういうことにも取り組んでいって、治水の面でも夏場は役に立ちますし、冬場になると発電のためにも寄与できるような、そういうことがいろいろ気象予測を活用することでできるようになった。
 こういうことについては、これからも技術面、それから私たちがちょっと弱い財政、経済の面、勉強して、しっかり頑張りたいと思います。

#143
○荒井委員 今の議論、赤羽大臣、どのようにお考えでしょうか。

#144
○赤羽国務大臣 私も、道路特定財源については、当時は非常に、批判の方が強い時代に当選をさせていただいたわけでありますが、それは一般会計化してしまった。確かに弊害は随分あったと思いますが、そもそもその淵源を私も学んだときに、田中角栄さんが現役のときに、やはり財源を持たないと何も進まないと。やはり大変炯眼だったんだというふうに思っております。
 そういう意味で、やはり災害から国民の皆様の命と暮らしを守ると言うのは簡単ですけれども、それはそれなりにコストがかかる。そういったことは、今後、その費用をどう国民でシェアをしていくのかということというのは非常に重要なことで、それがなくては具体的にはなかなか計画が前に進んでいかないということで、非常に、政治家としても、行政の立場でも、そうしたことというのはなかなか発言もしにくいし、検討もしにくいんですけれども、まず省内でしっかり検討していこうというふうに考えております。

#145
○荒井委員 時間が少しなくなったので、少しはしょりまして、大都市の特に低平地における高潮対策、あるいはそういうものに対して、私は解答があるのかなと。
 荒川や江戸川の水没地域、江戸川区の区民というのは全部で六十七万人いると言われていますけれども、海抜以下のところに住んでいる人がほとんどだと思うんですけれども、そういうところに対する対策というのは、広域治水のこの制度なり法律でどこまで対応できるんだろうかというふうに思うんですけれども、これは都市局長に聞こうかな。

#146
○榊政府参考人 お答え申し上げます。
 ゼロメートル地帯には人口や資産が多く集積し、一たび大災害が発生いたしますと、広範囲で長期間の浸水が想定をされます。
 早い段階から広域避難を実施する必要がございますが、令和元年東日本台風では、移動手段となります公共交通機関の計画運休など、広域避難を実施する際の多くの課題が明らかになりました。
 このため、昨年の十二月に取りまとめました災害に強い首都「東京」形成ビジョンでは、早い段階からの広域避難ができなかった場合でも命の安全と最低限の避難生活水準が確保できる避難場所として、高台まちづくりの推進が打ち出されたところでございます。
 今回の法案では、この高台まちづくりの推進にも資するよう、災害時の避難路や避難場所、避難者の診療の場となる医療施設や生活関連物資を供給する店舗などが一体となった避難拠点を都市計画に位置づけ、その計画的な整備を図ることとしております。また、地域の取組を進めるため、避難拠点の整備に対する財政的な支援措置も用意させていただいております。
 治水対策をまずはしっかり講じていくということが大切でございますが、災害が発生した場合には、こうした取組を通じて、ゼロメートル地帯における防災まちづくりを進めてまいりたいと考えております。

#147
○荒井委員 高潮対策というか、高潮で非常に悩んでいるのはニューヨーク市なんですよね。ニューヨーク市は、この高潮対策のために、世界中のコンサルタントを集めて競争入札をさせて、まちづくりと連携してどういうふうにこの高潮対策ができるかということをやったようであります。それが成功したかどうか分かりませんけれども、私は、東京の高潮対策やゼロメートル地帯のここの対策というのは、世界の知恵を求めるぐらいの、そのぐらいのものではないかなというふうに思いますので、是非、そこのところは一度議論をしてみてください。
 あと、今日は、とても念願の井上局長と議論ができてよかったと思っていますけれども、最後に、津田永忠、この人の話をしますと、彼の前に熊沢蕃山という有名な儒学者が乗り込んできて、治水をやっているんですね。そのときに、この津田永忠を放じるんです、駆逐しちゃうんです。彼は岡山の藩校の校長に飛ばされるんです。しかし、熊沢蕃山がいなくなったときに、やはり津田永忠のこの治水しかないといって、津田をもう一度呼び返して、あの大治水事業をやったんですね。彼がいなかったら、あの真備町が水没したときの二の舞が岡山市を襲っていたろうというふうに言われています。
 是非、正しいことは、絶対、どんなことがあっても復活するというか、効果を出すということで、私は、この流域治水というのは、今までできなかったこと、そのことのむしろ反省を河川局はするべきで、しかし、それだけに、今までの先輩ができなかったことをやるわけですので、相当な覚悟が必要だということを申し述べさせてもらって、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#148
○あかま委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時四十九分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議

#149
○あかま委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。矢上雅義君。

#150
○矢上委員 立憲民主党、衆議院議員の矢上雅義でございます。
 本日は、流域治水関連法のこの委員会の審議の場で貴重な機会をお与えいただきましたことに、委員各位の皆様方にお礼申し上げます。
 それでは、早速質問に入りたいと思いますけれども、私も、十数年前、地方自治体の首長をしておりまして、大雨警報とか土砂警戒情報とか、そういう警報が出るときは、各役場とも、総務課長とか建設課長が宿直で当直して、一晩中行政機関とかの気象情報を確認して避難勧告とかを出すんですけれども、私たちが昔やっていた頃は、ある程度典型的な形で、一つは、例えば梅雨時期、梅雨前線が停滞して、雨雲が例えば三日間ぐらい停滞すると河川が増水する。例えば私の地元の川辺川でいいますと、五木村で一メートル増水すると、例えば相良村には五十分後、球磨村には一時間半後とか二時間後とか、大体全て予測可能で、特に、中流域では各支川のバックウォーターとか、下流の堤防でせき止めたときのバックウォーターとか、いろいろありまして、それで徐々に、タイムラインごとに上流から下流に危険情報というのを伝達して、それに合わせて避難体制が取れました。最後、八代の河口部に向かいますと、高潮とぶつかりますと高潮対策もしなくちゃいけませんから、そういうふうに非常に時間割りがきちんとできていました。
 また、例えば台風ですけれども、九州では、鹿児島の沖から台風が北上してきて、四国寄りの太平洋側を通るか、また東シナ海側を通るかによって風の当たり方が違いますから、今度の台風は右にそれたからどこが危ないなとか、事前に分かるんですよ。しかし、また、台風そのものが移動していきますから、ある程度の時間を警戒すればいいんですけれども、今回の令和二年七月豪雨は、非常に特異な現象で、もう既に久留米とか、中国、四国でも線状降水帯の影響が出ております。
 実は、この現象に私も気づいたのが平成十七年頃ですね。梅雨時期とか台風時期に気象情報を眺めておりますと、鹿児島沖の甑島あたりから、次は天草沖、そして福岡の、五島列島沖と徐々に上がっていくんですよ。毎年スポットが上がっていって、こんろの種火のようにぽっぽっぽっと雲が湧いてきて、それが偏西風に乗ってずんずんずんずん西から東に流れる現象が起きていました。当初は、最初は気づかなかったんですけれども、なぜかというと、雲が流れてきても大きな被害が出ませんでしたから。
 それで、地球温暖化の影響で、東シナ海側の甑、天草、五島列島の周りに水蒸気が発生する場所があるということは平成十七年ぐらいから私たちも何となく理解していたんですけれども、この十年間、こういう状況になるとは実は思いませんでした。私も、地球温暖化でホットスポットが上に上がっていくから、人吉市は下の方ですから、県南で、だから、福岡の人は大変だなという感覚しかなかったんですよ。そうしたら、去年の七月三日、小雨で、夕方から九時、十時にかけて大雨が降り出して、たった四時間か五時間でもう市房ダムが満杯になって、緊急放流寸前まで行ったんですよ。
 そういうふうに、同時多発的に、上流、中流、下流関係なく、この線状降水帯というのは今はもう、九州の東シナ海の沖合側で発生しますと、例えば水俣、芦北の沿岸部に上陸するときに、沿岸部の後ろにある山にぶつかってまず雨が降って、そして次には、球磨川にぶつかったときに、球磨川の山にぶつかってまた雨が降ります。そして次に人吉盆地の山にぶつかって雨が降って、最後は、宮崎県と熊本県、熊本県の人吉市と宮崎県のえびの市の間に、えびの、小林の間に九州山脈がありますけれども、そこの山脈にぶつかって大雨が降るんですよ。ですから、これだけの大雨が短時間で同時多発的に降るものですから、今まで経験したことのないような豪雨でした。
 そういうことで、今回、流域治水関連法の整備方針とかを改めて見直すということでございますので、過去の実績にとらわれるだけでなく、それにプラスアルファしたコンセプト等の思いがあるかどうか、お聞きしたいと思います。大臣、お願いいたします。

#151
○赤羽国務大臣 まず、矢上委員がかつて首長として、大変な責任と使命の下で現場で対応されていたことを御紹介いただきましたこと、まず心から感謝を申し上げたいと思います。
 おっしゃるように、特に線状降水帯の予測というのは非常に難しくて、先ほど荒井委員のときだったと思いますが、答弁もさせていただきましたが、翌日の予測すらできない。それが約二週間、去年の七月は続いて、球磨川流域で大変な災害を起こしてしまったということでございますので、まずこの気象庁の予測能力を向上させるために、海上保安庁との連携の中で、海上から水蒸気の状況を見ながら予測精度を上げていこうというようなことも当然含めております。
 加えて、流域治水という概念は、これまで河川管理者単位で様々治水計画をやっておりましたが、これは上流から下流、また本川、支川、流域全体を俯瞰しながら、そこの、国と県とそれに関わる市町村の皆さんが、そこは役所だけじゃなくて、そこに加えて企業ですとか住民の代表の皆さんたちが一同に協議会を立ち上げて、流域全体の、上流から下流、本川、支川の治水対策を作っていく。
 その前提としては、過去の降水量のデータにとどまらず、気候変動による、雨の降り方が激しくなっていますので、そこから洪水の流量がどうなるのかとか、また、その洪水が発生する確率がどうなるのかということを、これは科学的に分析をしながら、しっかりとした抜本的な治水対策、総合的な治水対策を行う、これが今回の流域治水の、私はそういう肝だというふうに思っております。
 そうしたことで、全百九の水系で流域治水プロジェクトを策定しましたので、この協議体の中でしっかり深掘りをしていこう、こう考えております。

#152
○矢上委員 今国交大臣がおっしゃいましたように、線状降水帯の予測はかなり難しい。いつそれが完成するか分からないところもあるんですけれども、予測不可能な災害がかなり全国的に起きておりますので、その辺についての幅広いハード、ソフトでの対策を、住民含めたところで頑張っていただきたいと思います。
 続きまして、今、令和二年七月豪雨の被災地も少しずつ公費解体が進んできまして、もう今にでも家を建て直すこともできるような状況になっているんですけれども、実は、なりわい再建支援金を使われる方にしましても、例えば商売人さんですね、冷蔵庫を、冷蔵施設を造りたいけれども、元の場所に造っても大丈夫でしょうかと。要するに、元の場所に造ってまた水害に遭ったらどうするだろうかということなんですけれども、それともう一つ、私のつき合いの人に聞いたら、今、宅地はそのまま、家を建てずに、畑にして野菜を作っていますと。何で野菜を作っているんですかと言ったら、市役所に聞いても、建てていいのか建てて悪いのかよく返事が分からないから、せっかくお金をかけて建てても、また水害が今年来たら大変だと。
 そういうことで、市役所の方にもお聞きしたんですけれども、要するに、総合的な治水対策がはっきりしませんと、災害のときの河川の水位とか越流したときの浸水の高さが分からないと、ハザードマップができない。ハザードマップができないと土地の利用規制とか許可とかが下ろせないから、相談を受けても沈黙するしかないということで、役場の方も、悪気はないんですけれども、答えようがない状況なんですよ。
 そうした中、私たちがテレビを拝見するときの報道では、この川辺川には川辺川ダムという大きな問題が存在しますので、川辺川流域治水対策というときには、必ず川辺川を前提とした、建設を前提とした十年スパンぐらいの計画表が出てくるんですね。新聞とかでゆっくり見たら、ちゃんと一年目、二年目、三年目と計画が立っているんだけれども、テレビで見た人は十年スパンの計画しか見えないわけですよ。
 そうすると、一般の人は、今年の水害で大丈夫だろうかという、一年目のことですね。商売人の方は、来年、再来年、経営再建できるだろうかという、二年後、三年後の心配が非常に頭をかすめるんですけれども、川辺川ダムがあるからこそ十年計画で報道されるんですが、一般的な激甚災害対策の激特事業のように、五年スパンをめどに、ある程度政策の中からセレクトして、住民の生活再建と商売人の経営再建に役立てるような、セレクトされた一年、二年、三年のやはり復旧復興計画を是非つくるためにも、国土交通省の流域治水計画においてもそのような提案をなされてはいかがかと思っているんですけれども、このような、被災者に対する安心感を与えるための情報提供をする上での工夫とかありましたら、お答えください。

#153
○井上政府参考人 被災地における住まいやなりわい、道路や鉄道の再生など、豪雨災害からの復興を本格的に前に進めるには、その前提となる球磨川の治水対策を早急に進めることが重要です。
 また、蒲島熊本県知事からも、昨年十一月、三十回にわたる住民の皆様の御意見・御提案をお聴きする会に自ら御出席され、様々な御意見を踏まえた上で、球磨川流域の治水の方向性が決まらなければ、住まいやなりわいの再建ができないとの御意見、さらには、新たな流水型ダムに関する御要望もいただきました。
 このため、河道掘削、遊水地の整備など、おおむね十年間で集中的に実施する河川対策に、新たに検討する流水型ダムなどを加えた球磨川水系緊急治水対策プロジェクトを本年一月に取りまとめたところです。
 プロジェクトの実施に当たっては、被災地の住まいやなりわいの再建が一日も早く実現するよう、早急に効果を実現できる対策を優先的に進めることとしております。
 具体的には、今年の出水期までに、決壊した堤防の本復旧を完了させるとともに、権限代行も含めた堆積土砂撤去を最大限進めることとしており、あわせて、的確な避難に資するタイムラインの改善等も緊急的に実施してまいります。
 さらに、こうした当面の減災対策と並行して、おおむね五年を目標に、中流部や人吉地区での更なる河道掘削や、掘削土砂を活用した宅地かさ上げを、市町村の復興計画と歩調を合わせるなど、まちづくりと連携して完成させることとしています。
 このような対策を通じて、被災地の皆様に少しでも目標や希望をお持ちいただけるよう、事業内容やスケジュール、進捗に伴う効果等を、県や市町村とも連携し、ホームページやSNS、市町村広報誌など、きめ細やかに様々なツールを活用して、分かりやすく発信してまいりたいと考えております。

#154
○矢上委員 今、詳しく述べていただきましたけれども、特にマスコミ等に対して、被災者に対しての報道をするときには、先ほど申しましたような、安心感のあるような期間に区切ったような、セレクトした情報提供もよろしくお願いいたします。
 続きまして、先ほど川辺川ダムの件も出ましたけれども、蒲島熊本県知事も、多目的ダムの川辺川ダムの中止を表明されて以来、今回、災害の被害を受けまして、流水型ダムについて容認するというお話をされました。
 その中で、私自身被災しまして、これはやむを得ない判断だなと尊重するところでございますけれども、幾つか報道等で、ネット等でも、当時の人吉、球磨の人たちがダムを要らないと言ったからこうなったんだから自業自得じゃないかとか、平成二十年に蒲島知事がダムを中止表明しなければこんな災害は起きなかったという批判的なネット報道とかもございます。
 そこで、歴史を簡単に申し上げますけれども、多目的ダム、川辺川、要するに、農業用水、そして発電用水、治水目的、河川の正常流量の維持ということで、四つの目的、多目的ダムなんですけれども、その一つの大きな柱である国営川辺川利水事業があったんですけれども、平成十五年の五月に、裁判の際に農林水産省が控訴を断念して、国側の敗訴が確定しました。
 それからは、平成十五年の六月から平成十八年の八月まで、七十五回も潮谷義子県知事の下で事前協議をやったけれども、調いませんでした。
 私としましても、このままでは何一つできないということで、相良村長のときに相良村としてダム反対を表明いたしました。それが平成十八年の十一月です。
 その後、ダム反対を表明した後、平成十八年の暮れでしたか、東京から電源開発の役員さんが二名来られまして、相談があると。川辺川ダムが多目的ダムとして完成するかどうかという質問を受けました。私の経験上、これまでの経験上、もう無理だ、何らかの治水ダムに切り替えないと多目的ダムは絶対できませんよということでお話ししましたところ、電源開発においても、役員会で、それではその方向で取り計らいましょうということで、だから、くしくも、平成十九年、農林水産省が国営利水事業撤退を表明し、同じく平成十九年に電源開発も多目的ダムからの撤退を表明されました。
 そういう中で、非常に苦渋の選択でここまで来ましたので、今地元では、皆さん方、国とか県とか、その他の者に対しての批判はありません。災害を受けたことに対してどうやって復旧するかということで、今耐え忍んで頑張っておりまして、これまでの経過に対して、国が悪かったとか県が悪かったとか言う人はおりません。
 それで、ちょっと見てほしいんですけれども、この資料1、川の写真が出ております、二枚組。この資料の一は、山から木を切り出して、いかだ下りをやっております。そして、資料の二は帆かけ船で、これは人吉市から林産物を八代まで運ぶときの風景で、風がないときは、帆かけ船で動かして、八代まで運んだら、あとは人夫さんたちがロープを引っ張って、川岸から上まで六十キロ近く、人吉市までこの船を持って帰るんですよ。
 この作業が、球磨川の舟運が成功したのが、きれいにされたのが、一六六五年に林正盛さんという方が一生懸命頑張って岩を取り除いて舟運を造って、そして、JR肥薩線が明治四十一年に開通するまで二百四十三年、道路が貧弱でしたから、戦後の一時期までこのような舟運がありまして、一六六五年の開削以来、二百七、八十年ぐらい舟運で、この舟の運送で人吉、球磨というところは成り立っておったんですよ。
 ですから、こういう歴史的ななりわいがもうDNAとしてしみ込んでおりますし、農地とかも少ないところで、非常にアユ漁とか、そういうところで生計を立てるしかなかったんですね。だから、人吉、球磨の人たちが、いかにこの川辺川に対する、球磨川に対する思いがあってここまでこじれたかということは御理解いただきたいと思います。
 それを前提に質問があるんですけれども、今、事実上中止状態にある多目的ダムの計画と、今回新たにできると言われる流水型ダムの計画ですね、同一のものなのか別個に存在するものなのか、また根拠法等を教えてください。

#155
○井上政府参考人 過去に検討していた貯留型の川辺川ダムは、洪水調節、かんがい用水の補給、発電等を目的として、河川法及び河川法の特例を定めた特定多目的ダム法に基づき計画していたものです。
 一方、新たな流水型ダムについては、昨年十一月に蒲島熊本県知事から御要望いただくなど、地元から御要望もいただいているところでございます。
 国土交通省としては、これらを踏まえ、新たな流水型ダムについて、本年度から本格的に調査、検討を進めてまいります。
 なお、この新たな流水型ダムのように治水のみを目的としたダムの根拠法は、河川法です。

#156
○矢上委員 河川法を本法として、特例法で特定多目的ダム法があるという解釈ですけれども、ちょっと一つお聞きしたいのは、新しいダム計画を仮に作ったと仮定すると、平成九年の環境影響評価法の成立から後になりますから、環境アセス法そのものの適用の対象案件となるのか、若しくは、球磨川流域全体の総合整備計画がありますから、その総合整備計画の一つの選択肢として、ダム本体の着工された時期がいつなのかということが例えば環境アセスの適用対象の基準となるのか、どちらでしょうか。

#157
○井上政府参考人 川辺川ダムについては、昭和四十六年に工事着手し、つけ替え道路工事、代替地造成工事、ダム本体の関連工事等を進めてまいりました。
 このように、川辺川ダムは環境影響評価法が施行された平成十一年よりも前に工事に着手していることから、環境影響評価法附則の規定により、環境影響評価法に基づく環境影響評価の対象外と解釈されます。
 一方、熊本県知事からは、法に基づく環境アセスメント、あるいはこれと同等のアセスメントとの御要望をいただいていることから、知事の御意向を踏まえ、県と連携を密に取り、しっかり対応してまいりたいと思います。

#158
○矢上委員 ありがとうございます。
 今のところが、ダム反対派の方にしても、賛成派の方にしても非常に重要な点で、環境アセスをきっちりしてもらわないと清流川辺川が守れない、そういう点でみんな非常に興味のあるところなんですけれども、よく分からなかったんですよね。
 ただ、問題は、直接的に法的に環境影響評価法の対象でないとしても、平成十一年のガイドラインを基に、平成十二年頃、国交省が環境影響評価レポート等を作成しておられると思うんですけれども、このレポートに書いてある評価項目とか評価、価値評価、これは今でも通用するものなんですかね。

#159
○井上政府参考人 過去に検討していた貯留型の川辺川ダムについては、環境調査の結果や保全への取組をまとめたレポートを平成十二年六月に公表しております。
 このレポートでは、昭和五十一年度より実施してきた動植物の生息・生育環境や水環境の調査の結果を踏まえ、環境影響の予測や保全措置等を取りまとめておりますが、平成十二年以降、十分な調査ができていない項目もあることから、現在の状況について追加の調査が必要であると考えております。
 また、流水型ダムの場合に追加で調査が必要となる項目についても、検討していく必要があります。
 いずれにしましても、新たな流水型ダムについては、知事の御意向を踏まえ、県と連携を密に取り、しっかり対応してまいります。

#160
○矢上委員 最後、お願いなんですけれども、足羽川ダムの環境影響評価書も読ませていただいたんですけれども、ダム湖内、ダムより上流の濁水については、洪水が収まる直前のヘドロが攪拌された状態での汚水しか書いていなくて、現実、流水型ダムを造りますと、小さい穴で流速を抑えますから、洪水が終わった後、かなりの長距離に堆積土砂が残ります。そして、きれいになった後、本来なら清流が流れてくるはずだけれども、その清流が数キロにもわたって堆積土砂を溶かしながら来ますので、いわゆる白濁りという現象が洪水後もかなりの長い間、出てくると思うものですから、このことについては新しい所見だと思いますので、今後、環境影響評価をされる場合には重点的に検討していただければありがたいと思います。
 それでは、次の質問に移らせていただきます。
 今回、球磨村で被災された方は高台に移転されておられます。そういう具合に、既に、仮設住宅レベルから防災集団移転のような状況になっておりますけれども、なかなか、洪水の際にスーパーとか郵便局とか生活インフラが流されておりますし、路線バスも通りません。
 そういう中で、今後、防災集団移転についての生活インフラ、公共インフラの設置、若しくは、それができないとすると、それらへアクセスが可能となるような手段について、利害関係者の事前協議の場で対象となり得るのか。それともう一つは、もう高齢者の方は住宅を再建するということが非常に厳しい状況でございますので、災害公営住宅のような低家賃で入れるような仕組みもつくってあげないと、宅地を造成して、どうぞ家を建ててくださいでは住めないと思います。その点も含めて、お答えください。

#161
○榊政府参考人 お答えを申し上げます。
 危険な地域から住まいの移転を行うに当たりましては、委員御指摘のとおり、住宅の移転と併せて必要な公共インフラを整備し、移転先における生活利便性をしっかりと確保することが重要であると考えております。
 このため、防災集団移転促進事業におきましては、移転先となる住宅団地の整備と併せて、必要な道路や下水道、集会施設などの公共施設の整備についても支援を行っております。
 さらには、今回の法案におきましては、住宅の移転と併せて、社会福祉施設や学校、病院の移転が必要となる場合、これら施設の移転先となる用地整備も支援の対象とすることとしてございます。
 防災集団移転を行おうとする場合、今、スーパーとか各種利便施設のお話がございましたが、こういった点につきましては、なかなか難しい課題はあるかもしれませんが、移転先となる住宅団地をどこに整備するのか、立地の問題が大変重要であろうかと思います。地元の関係者の皆さんでよく議論を尽くして、その立地について御検討いただければと考えております。
 また、御指摘のとおり、住民の中には、持家を新たに建設するだけの経済的余裕がない方や、なりわいの再建に費用がかさむため当面の住宅費は抑制したい方など、持家を自力で再建することが困難な方もいらっしゃることから、移転後の住まい方のニーズに応じたきめ細かな対応を行うことが重要であると考えております。
 東日本大震災における防災集団移転促進事業では、自ら戸建て住宅を再建される方向けの宅地整備に加えまして、約四千戸の方々には災害公営住宅に移転していただくなど、被災者の多様なニーズに対応してきたところであります。また、移転先となる宅地を分譲するだけではなくて、低廉な価格で賃貸することによって、できるだけ移転される方の負担が小さくなるような工夫を行った例もございます。
 国土交通省といたしましては、今後とも、移転を検討される方々の移転後の住まい方のニーズにもきめ細かく対応し、危険な地域からの移転の促進に努めてまいりたいと思います。

#162
○矢上委員 地方で、高齢者の八十代の方が多くて、災害で車が流されて、ない、それどころか、免許証返納でもう車もないということで、郵便局に行くにも、郵便局は民営企業ですからもう元に戻ってこないということで、非常に郵便ポストを探すのさえ苦労すると。近くに大きな病院が見えるんだけれども、もう年をとって歩いていくのも難儀だということで非常に困っておられますから、是非ともよろしくお願いします。
 時間の関係で、具体的な防災対策について、ちょっと順番を変更しまして、農林水産省の方にお聞きしたいんですけれども、ダム以外の治水対策で、遊水地とか引き堤とかを採用する場合に、必ず地元の農業団体とか市町村から、優良農地だから譲るわけにはいかないということが出てくるんですよ。ところが、同じ熊本県でも、阿蘇市とか熊本市ではちゃんと遊水地、調整池を造っているんですよ。地域によって、非常に協力してくれるところ、してくれないところがあります。
 また、川の堆積土砂を捨てるといっても、私たちの田舎にでさえ、堆積土砂を捨てる場所さえもうないんですよ。山の手入れをきちんとして治山対策をきちんとしないと、山からどんどん土砂が来たら、もう捨てる場所さえないというような状況です。
 農林水産省につきましては、このような対策について、流域治水との絡みでそういう政策を考えておられるか、よろしくお願いいたします。

#163
○山口政府参考人 それでは、お答え申し上げます。
 球磨川の水系につきましても、九州農政局や九州森林管理局も参画して、本年三月三十日に球磨川の水系流域プロジェクトをまとめられたというふうに承知をしております。
 農林水産省といたしましては、治水対策と治山、森林対策、あるいは農業上の利用調整が適切に調整されることが重要だと考えておりますので、今後とも、国交省と連携しながら、しっかりと地元の合意が図られるように、共に活動してまいりたいと考えております。

#164
○矢上委員 もう時間が来ましたのでこれで質問を終わらせていただきますけれども、内排水、内水災害に対する排水ポンプとか、下水道のパイプラインを利用した貯水池機能の強化とか、そういうところも担当部署の方では是非全力で取り組んでいただきますよう、よろしくお願いいたします。
 質問ができなくて申し訳ございませんでした。

#165
○あかま委員長 次に、高橋千鶴子君。

#166
○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 本日は、いわゆる流域治水法案の審議ですが、先週の参考人質疑も大変勉強になりました。とても印象に残ったのが、秋田典子参考人が、利根川の流域のうち、川だけ地形地図というものを示して、山から海まで、川が毛細血管のように大地に張り巡らされているのが分かりますとおっしゃったことです。私たちが川の恵みの中で暮らしていることを改めて認識し、川とともに暮らしていく知恵を紡いでいく場づくり、そういう表現をされました。
 私も、秋田県能代市の生まれですが、子供ながらに、一級河川米代川というのが身近にありまして、特別な誇りのように思っておったものでありました。時には暴れ、大きな犠牲を出してしまうけれども、それでも人々は川を見ながら暮らしたいと思うのではないでしょうか。
 質問の第一は、気候変動を踏まえた水災害対策のあり方について、社会資本整備審議会答申、昨年の七月ですが、提唱した、「「流域治水」への転換」という言葉を使っておりますが、大臣に、転換という認識はあるのか、もしそうなら、なぜ、何を転換するのか、伺います。

#167
○赤羽国務大臣 転換ということが何を指すのかというと、なかなか難しいんですけれども、何回も答弁させていただいておりますが、河川管理者が主体となって治水対策をしてきたというこれまでの治水対策、また加えて、災害の大きさ、雨の降り方等々が、全然、以前とは比較にならないぐらい大規模になっている、こうしたことを踏まえて、上流と下流が、それぞれ管理者が別なところが多いわけでありますが、それはやはり一体的に対応する。上流から下流、本川、支川、流域全体を俯瞰しながら、また、河川整備だけではなくて、周辺の土地の開発ですとか、先ほど午前中も質問に出ていましたが、山の治山とか森林整備、そうしたことまでも俯瞰して流域全体の地域住民の安全、安心を確保する、そうしたことで抜本的な、総合的な対策に変えていかなければいけない。これを称して流域治水として、その想定も、過去最大というようなことからではなくて、これは科学的な分析に基づいて、今後、降雨量が一・一倍になった場合に、その地域地域で起こる流量がどのぐらい増えるのかとか、洪水の確率がどうなのかといったことで、その地域に合ったしっかりとした流域治水プロジェクトを実現していく。
 そういう意味では、これまでに比べると転換、転換というと、がらっと変わるというわけではありませんけれども、何というか、抜本的な対策を取らなければいけない、そうした思いで今回この法案を提出させていただいたところでございます。

#168
○高橋(千)委員 資料の一枚目にその答申の概要をつけておりますが、本文にもありますし、この概要ペーパーのタイトルも「「流域治水」への転換」となっているわけですよね。ところが、大臣がなかなか、今も、難しいとおっしゃったし、その言葉を使いたくないのかな、それがなぜなのかなということを逆に思うものですから、さっきちらっとおっしゃいましたけれども、改めて聞かせていただきました。
 二〇〇四年の新潟・福井豪雨の際、私も現地に参りまして、福井市では、足羽川ダムを早くと市長がおっしゃっておりました。当時の話です。一方、三条市では、二つの県管理ダムがありまして、放流もしましたし、堤防は決壊しました。この堤防が河川改修してから六十七年もたっておりまして、ダムができたからと安心して、堤防の改修が手をつけてこられなかったのでは、こう指摘をしたわけなんです。その際、国交省の答弁は、ダムを設置した目的は十分果たしているという答弁でありました。ダムの堆砂も完成から三十九年目で八十六年分もため込んでいますよと指摘したのに対し、いや、洪水の調節効果には影響なかったと答弁をされました。
 もう、やはり国交省って、絶対認めないのかなと思ったわけであります。ダムありき、あるいは、当初の計画は絶対間違っていないという姿勢を持ち続けているのか。見直しするとすれば、それは気候変動のせいだからだ、今までの見直しではないということなんでしょうかというのが非常に気になったからであります。
 これまでの災害を振り返って、個々に検証してきたわけでありますが、率直に、足りないところは足りない、反省すべきところはする、そういう立場に立ってほしいわけです。そういう意味でも転換であってほしいと思います。次の質問への答弁の中で、もし追加があればお願いします。
 改めて、この三つの柱、資料の一枚目にある三つの柱を見ながら、流域治水とは何か。それから、新法ではないために、条文にも流域治水という定義がございません。それはなぜなんでしょうか。

#169
○赤羽国務大臣 私が申し上げた、ちょっと言葉足らずだったと思いますが、別にそう何かこだわっていることというのは私は全くありません。
 ただ、荒井先生の質問は、実際質問されたかどうか、ちょっとよく覚えていないんですけれども、通告では、かつて鶴見川、先生が言われていましたように、かつてからそういう流域治水の概念というのはあったんだ、鶴見川も上流から下流まで遊水地も造ってきたし、そうしたことと何が違うのかというと、それにプラスアルファだという意味で、がらっと全く違うことをやるわけじゃないという意味でやったわけです。ただ、役所の答弁は、これは別に国土交通省だけじゃなくて、これはちょっと私見から入りますけれども、何か霞が関無謬論みたいな答弁をしたがるので、そういうことは、私は全くそういうこだわりはございません。
 やはり時代が違うし、これだけ災害の規模も全く違うし、頻発もしているし、それはこれまでの何か概念に拘泥するようなことはございませんし、ダムについても、かつてはダムが絶対だみたいな時代もあったかもしれませんが、いっときの、前政権ではダムなき治水というような時代もあったし、そのときそのときの判断とか、環境問題を重視しなければいけないとか、それはそれなりの私は理解をしているつもりでございますが、事ここに至ってはということで、何がベターなのかということだということで、全く私は、ちょっと重ねてなんですが、こだわりはない。
 ただ、この流域治水の定義というのは、ここにも、この資料、高橋さんが作っていただいた資料そのものなんですが、三本の柱ということで、氾濫をできるだけ防ぐための対策、もう一つの柱は被害対象を減少させるための対策、三つ目は、ちょっとこれは分かりにくいんですが、被害の軽減、早期復旧復興のためのソフトの対策。ハード、ソフトだということで、まさに新法であれば流域治水とはという定義があったと思いますが、それぞれの法案の改正で束ねたものなので、あえて流域治水とはということに、どこかの法案で、法律に書き込むのは少しなじまないということでこうさせていただきましたが、こうした三つの柱をもって、上流から下流、本川、支川、地域の関わる人が協働でしっかりとやっていくというのが流域治水だというふうに考えております。

#170
○高橋(千)委員 霞が関や無謬論ではないとおっしゃったので、そこは大事かなと思っております。
 もちろん、流域治水の考え方とか実践というのは、かなり前からやられてきているというのは、実際にそうだと思います。鶴見にも行きましたし、去年質問した佐賀も、そういうかなり実践を進めていたかなと思います。
 ただ、全体としては、河川は河川管理者がやはり治水をするものというのが、上流から下流、流域全体でというふうに、逃がしたりためたり、いろんなことを含めてやっていくんだという考え方に転換したんだろうと思うんですが、やはりダムと堤防で河川の中に閉じ込めるという考え方ではもうなじまなくなったんだ、そういう意味での大きな変化があったのではないか、このように思っているんです。
 特に、今、1で示されたものを絵にしたものが、これも財政審で出された資料ですが、2にありますが、やはりこれは、治水ダムは国交省だけれども、利水ダムとなると厚労もあり、農水もあり、経産もありという形で、本当にいろいろな省庁がこの流域には関わっているんだという図だと思うんですね。そういう意味で、もちろん、この流域治水の関係閣僚会議とか、進めてきたということも承知をしておりますけれども、この連携が本当に決め手になるんじゃないか、このように思っております。
 そこで、次の質問は、ちょっと資料を間違えまして、飛んでいただいて、4番なんですけれども、緊急浚渫推進事業、これは総務省の地財計画に載った事業ですが、五年期限で、昨年から始まりました。この事業の内容と意義について伺いたいと思います。
 ダムの堆砂の問題は、実は私自身が、二〇一四年の十月二十三日、災害対策委員会ですけれども、会計検査院が国交省所管の国直轄と補助ダム、二十三道県百六か所を調査したところ、堆砂が計画容量を大きく上回って、六十年で既にオーバーしているところが二十か所以上もあると。それで、防災ダム、治水低下と書かれたわけですね。実は指摘されたことはほかにもいっぱいあって、計測がされていないとか、いっぱいあるんだけれども、この問題に焦点を当てて前に聞いたわけです。
 あれから六年以上もたっているけれども、例えば、この事業だって昨年始まったというわけですから、どのようにこの堆砂の問題、取り組んできたんでしょうか。

#171
○井上政府参考人 ダムの堆砂につきましては、委員御指摘のとおり、平成二十六年度に会計検査院から、ダムの洪水調節容量内に堆砂しており、その対策を検討するべきなどの改善措置が要求されました。
 これを受け、これまでに、道府県管理ダムも含めた国土交通省所管ダムの堆砂対策の検討状況の把握、公開、ダム管理者自らが堆砂状況を踏まえて堆砂対策の実施判断を適正に行えるようにするためのダム貯水池の土砂管理の手引案の作成などの取組を進めてきたところです。
 さらに、令和元年台風十九号による河川氾濫等の大規模な浸水被害等が相次いだことを踏まえ、道府県等が単独事業として緊急的に行う河川等のしゅんせつを支援するため、令和二年度に緊急浚渫推進事業が創設されたところです。
 同事業の実施期間は令和六年度までの五年間とされており、道府県が管理する治水ダムにおいては、同事業を有効に活用していただけるよう、総務省と連携して、道府県に対し、堆砂対策の重要性や同事業の目的、役割等について継続的に周知してまいります。

#172
○高橋(千)委員 会計検査院から指摘を受けたことを踏まえて、手引や検討状況、見える化してきたというお話だったと思いますが、とはいえ、事業がついたのは昨年からであるということであります。
 また、資料の5には、災害復旧事業としての堆砂除去がついておりますけれども、これも、やはり災害でたまった分だけ、しかも洪水調節容量の部分まで、今年からは事前放流も入るわけですけれども、そこにとどまっていたという点では、非常にまだまだこれからであるということで、本会議では、大臣、延長も検討しますと答弁をいただいておりますので、引き続き、是非お願いしたい、このように思います。
 それで、答申の話を最初にしましたけれども、この気候変動により、今後、パリ協定に基づき気温上昇を二度以内に抑えたとしても、約一・一倍の洪水量や約二倍の頻度の水害が起こるだろうと指摘をされたわけですが、その一・一倍をどのように河川整備基本方針で具体化していくのか。
 これはやはり、否定してくださればいいし、説明してくださればいいだけの話ですが、一・一倍と言ったからといって一・一倍ダムを大きくするんだとか、そういう単純な話では決してない、だからこそ流域治水だと思うんですけれども、そこについてお願いいたします。

#173
○赤羽国務大臣 ちょっと専門的なことが足りなければ、局長から補足してもらった方がいいかもしれませんが。
 もちろん、まず、降雨量が一・一倍のときの洪水量というか流量は一・二倍で、洪水が起こる確率は約二倍とされております。ただ、それはガイドラインで、おっしゃるように、私は、地域地域で雨の量が増えたから、その地域の河川がどのように増水するのかとかということは、一概に決めるというのは、非常に、余り賢くないと思います。その地域の特性に合わせた柔軟な対応で対応していく。
 基本的には、上流で既存のダムですとか遊水地でなるべく雨量をためて、下流の方からはしっかりと河道掘削ですとか樹木の伐採とか堤防強化とかというのを計画的にやっていく。この堤防強化、言わずもがなですが、ちょっと途中で変な形でやると、その周辺が総体的に弱くなって洪水するというようなことも反省の中に入っていると思います。
 これに加えて、河川整備だけじゃなくて、今言っていただきましたダムの事前放流ですとか雨水貯留の対策、これは民間も入れてとか、加えて、浸水リスクが高いところについては法改正もさせていただきましたし、これからも進めていきますが、開発とか建築規制の導入、また、中小河川も含めたハザードマップ、分かりやすいハザードマップを作りながら、これはやはり避難の在り方とかソフトの面についてもやっていく。ですから、ハード、ソフト、総合的に取り組んでいく。
 例えば、一級河川も、一級水系も百九ありますけれども、それを一概にじゃなくて、おっしゃるように、その地域の特性とか、これまでの災害の、これまでの何というか歴史なんかも踏まえながらきめ細かく対策を取る。それがやはり、地元の人たちが一緒になって協議会を立ち上げて科学的な手法で対策を取るということが、我々が想定している流域治水だというふうに認識をしています。

#174
○高橋(千)委員 大臣、余りどんどん先へ行かないで、住民のことも改めて後で伺いますので。
 答申を受けたときに、一回、私、ここで質問していますけれども、やはり洪水量が増えるんだということをきちんと河川整備基本方針に盛り込む、書いたというのはすごく大事だなと思ったんです。でも同時に、何か、さあ、ではダムをかさ上げしなきゃという声も結構あったんですよね、あのとき、災害を受けて。だから、そう単純じゃないんだ、しかし明確にするんだ、この両方をうまくバランスを取らなきゃいけないと思いますので、では局長、少し。

#175
○井上政府参考人 今大臣が答えた点ですけれども、今、まず委員から御指摘ありましたように、気候変動を考慮した治水対策、これを具体化していくということ、これはハード、ソフト、いろんな対策を絡めていくわけですけれども、その中で、ハードの基本となっているものが河川整備の基本方針になっております。これをしっかり検討を進めてやっていくということです。
 まずは、最近非常に大きかった雨、例えば十年前に紀伊半島であった、大洪水をもたらした紀伊半島大水害のときの熊野川、そういうところでは非常に実際に大きな流量が出ましたので、これの基本方針の改正ということを、まず検討に着手していきます。
 ただ、いろんな各流域ごとに検討していかなくちゃいけないので、今後、順次それを進めていくことといたします。

#176
○高橋(千)委員 お願いいたします。三月三十一日に小委員会が始まって、検討が始まっていると承知をしています。
 それで、資料の3がダムの事前放流についての資料なんですけれども、昨年度、全国百二十二のダム、うち六十三は利水ダムで、事前放流を実施しました。これには、二〇一八年、西日本豪雨で、中国電力の発電用の利水ダム、新成羽川ダムが緊急放流を行う中で、下流の高梁、総社、倉敷等で水害が発生、特に倉敷市の真備町では五十一名の方が亡くなったという事案が発生したことが大きな契機になったのではないかと思います。
 先週の参考人質疑でも、磯部作参考人が、この問題を検証してきた立場から、法案に事前放流の実施が明記されたことを評価するとおっしゃっていただきました。
 今回、事前放流の協議会を法定するわけですけれども、そのメンバーをどう位置づけるのかということと、最大放流量はどのように決めていくのか、伺います。

#177
○井上政府参考人 事前放流の取組に当たっては、令和元年十二月に策定した政府の既存ダムの洪水調節機能の強化に向けた基本方針に基づき、水系ごとに河川管理者と全てのダム管理者及び関係利水者から成る協議の場を設けて、事前放流の実施に関する治水協定を締結してきています。
 今回、法案に位置づけられる協議会の構成員については、河川管理者、ダム管理者及び関係利水者に加え、流域の関係市町村長は、ダムから放流された場合の影響について大変関心を高くお持ちなので、必要に応じて構成員に加えることとしております。
 御指摘のあった事前放流時の放流量については、令和二年四月に策定した事前放流ガイドラインにおいて、ダムの放流設備の能力、下流の河川における流下能力、ダムの堤体及び貯水池ののり面の安定を確保できる水位低下速度を考慮して、その最大量を設定することとしております。

#178
○高橋(千)委員 先ほど二〇〇四年の新潟・福井豪雨の話をしましたが、福島も同時に豪雨がありまして、あのときの水害というのは、今回の流域治水にも通じる様々な課題に直面した最初の、私自身としては最初の災害だったなと思っています。
 福島の只見川に行ったわけですが、只見川は細長く、かつ水が大変豊富だということで、電源開発のダムなどがたくさんある地域です。その分、いろいろな、ダムの放流と護岸の決壊といった災害も起きたり、訴訟などもあったわけです。利水ダムが洪水時に治水機能を果たさなくてよいのかという問題意識をあの当時から持ち続けてきました。
 今回のルール作りが本当に有効に働くことを期待するわけですが、元々、河川法五十二条、「河川管理者は、洪水による災害が発生し、又は発生するおそれが大きいと認められる場合において、災害の発生を防止し、又は災害を軽減するため緊急の必要があると認められるときは、ダムを設置する者に対し、当該ダムの操作について、その水系に係る河川の状況を総合的に考慮して、災害の発生を防止し、又は災害を軽減するために必要な措置をとるべきことを指示することができる。」とあります。
 そもそも、この河川法五十二条が発動されてこなかった。これはずっと前から、五十二条があるじゃないかということは、この事前放流がされるずっと前から議論されてきた問題ではあるんですが、今後はこれが生かされると考えてよいでしょうか。お願いします。

#179
○井上政府参考人 委員御指摘のとおり、河川法第五十二条に、河川管理者の方からダム管理者の方に、事前放流のようなものを緊急にやるときの措置ということが定められているところでございます。
 ただ、実態、急に河川管理者が放流をしてほしいと言っても、そのとき突然言われて、何をしたらいいのか、どれだけやったらいいのかということ、何もルールが定められていないということでしたので、実質使われてきたことはなかったということです。
 ただ、先ほどお話がございました高梁川水系の話であるとか、いろいろな実績も出てきましたし、何より大きいのは気象予測が使えるようになったということで、これであれば、台風とかが来る前に事前に水位を下げておく。これは、この河川法の第五十二条というものを背景として、こういうふうな措置ができるんじゃないかということで、昨年から運用を始めているところです。今後もその趣旨に従って進めていきたいと考えております。

#180
○高橋(千)委員 ガイドラインも作られ、法適用もでき、気象予測も早く出るようになった、三日前から動き出すよということで、段取りは整ったと。だけれども、やはりためらうということがないように、やはりこの精神が、本当の意味で使うことができるんだよということで確認をさせていただきたいなと思います。
 それで、先週の参考人質疑のときに山田正参考人は、利根川流域が六都県、百五十二市区町村にまたがる流域である、流域人口は千三百九万人という非常に広い地図を示しまして、上流から下流で一つの運命共同体なんだ、難しいけれども、やはり合意形成をやらなきゃいけないと強調されました。
 資料の6は、これも十月十九日の財政審の歳出改革部会の資料なんですけれども、やはり、一つの流域の中に治水ダムあり、利水ダムあり、ただし、利水ダムといっても、かんがいだったら農水省だし、水道だったら厚労省だし、発電だったら経産省というように、様々ある。ここに書いているように、これまでは個々のダムごとに、降雨予測とか流入量予測とかというのでダム操作をしてきた。でも、今度はやはり、流域治水の具体化に基づいて一元的に把握して、水系全体で効果的、効率的な運用を行うべきだというふうに書いているわけですよね。これは私、非常に重要と思って、参考人の皆さんも同じことをおっしゃっていたと思うんですね。
 流域の中に複数の目的や管理者の違うダムがあると思うんですが、それを含めた流域全体で治水計画、あるいは流域水害対策計画と呼ぶのかもしれませんが、これを作っていくんだと思うんですけれども、大臣に伺います。

#181
○赤羽国務大臣 利水ダムの治水への利用というのは、河川法の五十二条にもそういうものが書かれていてもなかなか実現できなかったというのは、率直に申し上げて、やはり省庁間の壁というのがすごく厚かったんだと思います。やはり、国交省の立場から電力のところに、そこまではちょっと言えないとか、そういったことがあったというのは私の個人的な感想でありますが、びっくりしたのは、ダムのうち三分の一しか治水には使えなかった。
 私、ここは当時の官房長官の菅総理が本当に政治決断をされたというふうに、これは本当に率直に思っております。この省庁間の壁を越えて、せっかくあるんだから、今、ダムをこれから造るなんていう、なかなかそういうことは難しい時代の中で、利水ダムが治水ダムの二倍の容量があるんだから、そこで、可能なものは協定を結ぼうと。そして、電力に迷惑をかけたり農業用水に迷惑をかけた場合にはそこをコンペンセートするような制度もつくろうというのは、私は、すばらしいアイデアだなというふうに思いましたし、その号令の下で協定が結構短期間に結べたというのはよかったのではないかと。
 ですから、こういったことの潜在的な治水能力を発現できるようになったというのは、このことは大変よかったのではないかと思いますし、これをしっかりとオペレーションできるようにしていくことが大事だというふうに認識をしております。(高橋(千)委員「質問に答えていないよね」と呼ぶ)

#182
○あかま委員長 じゃ、高橋委員、もう一個の方を、もう一度。

#183
○高橋(千)委員 今の前段のところは分かっているんです、五十二条の問題はね。
 それで、聞いたのは、複数の目的や管理者の違うダムが流域の中にあるよね、個々のダムだけの予測に基づく計画ではなくて、全体として見ていかなきゃいけないですよねという、まあ当たり前のことだと思うんですが、お願いします。

#184
○赤羽国務大臣 済みません、ちょっと力が入って、肝腎なことが。
 国土交通省の立場としては、こうした複数の利水ダムを更に効率的かつ効果的に活用することができるように、大規模降雨時のダム放流量等のデータを踏まえた操作方法の検証、見直しですとか、放流量を増大させるための放流設備の改造ですとか、こうしたことを踏まえながら、複数の利水ダムが同じ領域にある場合は、それをしっかりと効率的に、また効果的に洪水調節できるようにしていきたい。これは、しっかりそのイニシアチブを取るのはやはり我々の責任だというふうに考えております。

#185
○高橋(千)委員 確認をしました。国交省がちゃんとイニシアを取るということでありました。
 それで、流域治水は、ハードとソフト、治水とまちづくりの両方でという考え方だと思います。これまでも、一昨年の東日本台風を受けての質問などで、私は、ずっとそこに住み、対策を訴え続けてきた地域住民の意見を聞いてほしいと求めてまいりました。流域水害対策計画を作る協議会など、住民参加の仕組みを入れるべきと思いますが、いかがでしょうか。

#186
○赤羽国務大臣 これは、もうそもそも流域治水の中から、最初の概念から入っておりますし、具体的には、この協議会のメンバーでも、地域住民の代表、まあ、地域住民の代表というより、もう少し言えば、地域で防災活動を一生懸命やられていただいている方ですとか、先ほどのお話にもありました、その地域のこれまでの洪水の歴史とかをよく分かっていらっしゃるような方、たくさんいらっしゃると思いますので、そうした方々にも協議会に入っていただいて、その知見を発揮していただけるような場にするべきだというふうに考えております。

#187
○高橋(千)委員 確認をさせていただきました。ありがとうございます。
 本会議の答弁は、河川法に基づきということで、ちょっと私の趣旨よりは後退していたかなと思うわけですから、今の答弁がよかったなと思っています。
 私が住民参加にこだわるのは、やはり住民の中には、この間の参考人でも議論したんですが、上流と下流で理解し合う、あるいは助け合うという認識の共有が必要だと思うんです。水門を開ける閉めるで下流は守られるけれども上流は被害を受けるとか、復旧工事は下流から始まるとか、こうした調整を、やはりお互いが話し合う場があって納得できるというのが大事だと思うし、住まい方についても今後選択を迫られていくわけですよね。区域全体でかさ上げをやりましょうか、あるいは移転が必要かと。東日本台風のときも、甚大な被害を受けた丸森町では、住民が移転先まで見つけて集団移転をすると決めたのに、県が砂防ダムを造るから大丈夫といって移転を断念したんですね。こういうことがあるわけです。
 ハザードマップが精緻にでき上がっても、百年に一度、千年に一度の大水害なら取りあえず自分には関係ないと思うか否か、そういう様々な選択が迫られたときに、判断がしやすい、合意が得られやすい、そういう意味でも、計画の段階、日常的に住民参加の仕組みをつくることが鍵だと思っておりますので、ここは重ねて要望をしたいと思います。
 次に、雨水貯留浸透施設についてなんですが、何か、一番最近では、渋谷駅の東口、東急とURによる雨水貯留施設が完成して、一時間当たり五十ミリを超える雨が降った場合に、地下二十五メートルで約四千立米の雨水を一時貯蔵できる施設が仕上がっているということでありました。
 今後もこうした民間企業、大手が設置するという印象があるんですけれども、特定都市河川浸水被害対策法案の十九条は、地方公共団体自ら管理する必要があると認めるときはとあります。これはどのような場合を想定しているのか。そもそも、この雨水貯留浸透施設というのは、民間が手を挙げるのを待っているというのもおかしいと思うし、どのくらい設置しようとしているのか、伺います。

#188
○井上政府参考人 雨水貯留浸透施設の整備については、これまで地方公共団体が中心に行ってきましたが、民間企業などにも実施主体を広げることで、河川への流出がより抑制されることを期待しております。
 委員御指摘の、今度の特定都市河川法の改正案の十九条で、地方公共団体が自ら管理する必要があると認めるときは、施設所有者等との間において管理協定を締結して、雨水貯留浸透施設の管理を行うことができるという規定がございます。
 この「必要があると認めるとき」というのは、おおむね二つございまして、一つは、雨水貯留浸透施設の適地であるにもかかわらず、公共用地の確保が難しいため、民間企業に設置を促すことで初期の建設コストの削減に資する場合、もう一つは、民間企業に雨水貯留浸透施設を設置する意向があるものの、適切な維持管理のノウハウがない場合などを想定しております。
 一方、民間企業にとっては、維持管理コストを負担せずに、雨水貯留浸透施設に雨水が引き込まれることによって、自らの建築部分の被害軽減にもつながるというメリットもあります。
 このように、管理協定の規定を設けることで、民間企業による雨水貯留浸透施設の整備が促進されるものと考えております。
 また、お尋ねがございました施設の設置目標、規模とかでございますが、これは流域ごとで異なりますが、できる限り河川への雨水の流出を抑制することが望ましく、本法案の施行により、財政支援の強化や固定資産税の軽減措置を行い、費用負担を軽減して、整備を促進してまいります。

#189
○高橋(千)委員 どのくらいというのはなかったわけですが、今の答弁を聞いていて、むしろ地方公共団体がかむのが普通なのかなと。では、いろいろなところが、私も私もといって、ためますよといって、それはためてくれるのはありがたいけれども、ちゃんと流さなきゃいけないわけなので、そこがうまくつながっていかなきゃいけないということもあって、やはり公共団体の関与というのが重要なのかなと思って聞いていたんですが、それは、ちょっと時間もないので、次の質問と併せて答えていただければいいと思います。
 都市安全確保拠点施設というのは、どのような機能を持ち、流域の中にどのくらいつくろうとしているのか、これと併せてお答えください。

#190
○榊政府参考人 お答えを申し上げます。
 一団地の都市安全確保拠点施設は、浸水等の災害リスクがある地域において、災害発生時に地域の居住者等が避難し、安全を確保するための拠点となる施設です。具体的には、災害時の避難路や避難場所、避難された方の診療の場となる医療施設、生活関連物資を供給する店舗などを一体に備えた施設を都市計画に位置づけることとしております。
 施設の数でございますが、この施設は、浸水想定区域の広がり方など想定される災害の規模や範囲、災害のおそれのある地域に居住又は滞在する人口の規模、ほかの避難所、避難場所の配置状況など、地域の実情を踏まえ、災害時の安全を確保する上で地方公共団体が必要と認めた場合に整備されるものと考えております。
 このため、流域ごとに幾つの施設を整備するか、国として、特段決めているわけではございません。

#191
○井上政府参考人 先ほどの委員からの御質問の件でございますが、自治体の関与というようなことは非常に重要だと私ども考えております。
 一つは、今回の法案の中の流域水害対策計画、ここに自治体が入っていて、雨水貯留施設の整備も含めた全体の計画作りのところに自治体が関与していただきますし、それぞれの雨水貯留浸透施設をつくるのに、今回、認定制度というのをつくっております。どこにどのようにつくるのか、それから管理をどういうふうにしていくのかというのを、この申請者の方から提出していただきます。そういうふうな面から見て、ただ単に、突然、民間企業がつくったから管理をとか、そういうものではなくて、しっかり自治体にも関与していただいて、適切な流域治水を進めていきたいと考えております。

#192
○高橋(千)委員 分かりました。
 都市安全確保拠点施設の場合は、必要と認めた場合というふうなお話だったんですけれども、やはり、特定公益施設と一体的に確保する必要のある公共施設ということで、逆に言うと、何か余計なものがくっついてきたり、わざわざ建てる必要のないものが建つってことは、やはりあってはならないかなって思います。
 例えば、空きビルなども含めて、利用できるものは大いに利用していけばいいし、一点豪華な施設ができて、だけれども、住民がそこに行くのはとても大変よというのでは、やはり避難拠点施設としてはどうなのかと思いますので、そこはちょっと指摘しておきたい、このように思います。
 それで、今の水局長の答弁を受けて、次のところに行くんですが、一方で、貯留機能保全区域、こっちはビルとかではなくて、むしろ空き地みたいなところに水をためるという考え方かなと思うんですが、これは地権者の合意のみで、特段の財政措置がない。私、これはすごい大事だと思うんです。思うんだけれども、一切、合意のみでというのはどうなのかなと。必要性を分かりつつも、やはり何らかの、例えば固定資産税の減免とか、あってもいいんじゃないかと。
 あえて、これは遊水地とは違うんだ、田んぼであれば補償もしながら整備していく遊水地とは違うという意味で、どのように考えていらっしゃるのか。

#193
○井上政府参考人 遊水地は、計画的に河川の洪水を流入させ、洪水流量を調節するものであり、河川法に基づく河川区域の指定を行うとともに、河川管理者が整備、管理を行うものです。
 具体的には、遊水地については、用地買収を行うことによって、盛土、掘削、工作物の設置等に河川管理者の許可が必要になるなど、土地利用上の制約が強くかかることになります。
 一方、貯留機能保全区域は、土地利用上の制約を最小限に抑え、現状の土地利用を維持しながら、過去より有していた貯留機能を可能な限り保全するため、土地所有者の同意を得た上で指定し、盛土行為等を行う場合に届出していただくものです。
 このように、貯留機能保全区域は、目的や規制内容が遊水地とは異なるものであるため、その指定促進に当たっては土地所有者の御理解が不可欠であり、制度の意義等を丁寧に説明するとともに、土地所有者への支援策についても、今後、関係省庁と連携しながら検討してまいります。

#194
○高橋(千)委員 青森であれば、空き地を持っている方に、雪捨場を確保して、そこに固定資産税の減免、そういう制度をしています。やはりそういう考え方が必要じゃないかなと思います。
 今日は下水道の話もする予定でしたけれども、時間がなくなりましたので、これで終わります。また次にしたいと思います。

#195
○あかま委員長 次に、井上英孝君。

#196
○井上(英)委員 日本維新の会の井上英孝です。よろしくお願いいたします。
 本日は、特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案ということで質疑をさせていただきますが、私の地元の大阪市を流れる寝屋川流域、大阪府を流れる寝屋川流域は、地盤が河川より低い平地であるという特色に加えて、急激な都市化により雨水の流出量が非常に多いということなどもあり、これまでに数々の水害に見舞われており、総合的な浸水被害対策というのが必要な河川だというふうに言われています。
 先日の参考人質疑の際にもその話をしましたけれども、都市化の進展が著しい寝屋川流域における浸水被害対策の考え方について、今日は井上水管理局長にお越しいただいているので、お聞きしたいと思います。

#197
○井上政府参考人 寝屋川の流域は、洪水時の河川より低い地盤に市街地が形成されてきたため、浸水の常襲地帯となっております。また、流域にはいわゆるオンリーワン企業が多く立地しており、氾濫が発生した場合には、サプライチェーンの途絶など、全国に甚大な影響が及ぶことから、寝屋川の治水安全度の向上を図ることは急務となっております。
 このため、市街化の進展により川幅を広げる等の対策が困難な中でも、実現可能なあらゆる手段を駆使して対策を講じていく必要があり、平成十七年度には寝屋川を特定都市河川に指定して、河川、下水道、流域が一体となった総合的な治水対策を進めています。
 具体的には、大阪府が河道掘削や遊水地、さらには地下河川等の河川整備を行うとともに、国においても、寝屋川が合流する淀川本川の水位を少しでも下げるための対策を進めています。
 また、河川への雨水流出を抑制するため、大阪府が河川の外に調節池を整備することに加え、民間企業に対しても、一定規模以上の開発を行う際の義務として、貯留浸透施設の整備も求めています。
 今後、気候変動により豪雨災害の激甚化、頻発化が懸念されることを踏まえると、更なる対策の強化が必要であり、今回の法改正に盛り込んだ民間による雨水貯留対策の強化や土地利用規制といった新たな法的な枠組みも活用して、寝屋川における浸水被害軽減の取組を一層強化してまいります。

#198
○井上(英)委員 ありがとうございます。
 井上局長も、前職が近畿地方整備局長ということで、寝屋川のこともよく御存じだというふうに思いますので、我々としては非常にそういう意味での安心感というのを持っていますので、是非寝屋川についてお願いをしたいというふうに思います。
 寝屋川流域における浸水被害対策の計画について聞いたんですけれども、河道等の整備だけでは浸水被害の防止というのは困難であり、流域における流出抑制対策に取り組むということも非常に大事だと。特に、河川管理者が、河道等の整備だけでなく、流域で雨水を貯留し流出量を抑制するという整備、これはこの対策法ならではの特色であり、重要な取組であると考えます。
 次に、引き続き、寝屋川の重要な治水施設であります寝屋川流域調節池の整備の進捗状況について局長にお伺いしたいと思います。

#199
○井上政府参考人 寝屋川は、市街化の進展により川幅を広げる等の対策が難しいということで、公園や駐車場等の地下空間を活用した流域調節池の整備が重要かつ不可欠です。
 寝屋川では、河川管理者である大阪府が、貯留量計百八十万立方メートルを目指して流域調節池の整備を進めており、現在までに二十四か所、約六十一万立方メートルの貯留量を確保しております。また、総延長約二十八キロメートルのうち約二十一キロメートルの区間が完成している地下河川の空間を活用した雨水の貯留を行っております。
 河道整備やこれらの雨水貯留対策を重点的に進めてきた結果、例えば平成三十年七月豪雨では、約二千戸の浸水被害をもたらした平成七年と同規模の降雨を観測しましたが、大幅に浸水被害を軽減することができました。
 国としては、今後とも、個別補助事業や五か年加速化対策も活用し、大阪府による施設整備を強力に支援してまいります。

#200
○井上(英)委員 近年、都市部においては、気候変動の影響でゲリラ豪雨が頻発している、内水氾濫のリスクというのが非常に増大しております。また、都市機能の集積や地下街など土地利用の高度化に伴い、被害の深刻化というのも懸念をされています。
 これまでも内水氾濫への対策として下水道の整備を進めてはいただいたものの、水害統計によると、過去十年間の全国の水害被害額の約三割に当たる約〇・八兆円、また、全国の浸水棟数の約六割に当たる二十一万棟が内水氾濫によるものというふうにされています。依然として全国各地で内水氾濫による浸水被害というのは発生をしている。このため、今後は、これまで以上に将来を見据えた下水道による浸水対策を推進することが重要と考えますが、ここでお聞きをします。
 将来を見据えた下水道による浸水対策についてどのように取り組んでいくおつもりか、局長にお伺いしたいと思います。

#201
○井上政府参考人 近年、市街地に降った雨が排除できない内水氾濫が全国各地で頻発しており、浸水被害が発生した箇所を優先して、雨水幹線や雨水ポンプ場といった下水道の整備を推進しています。
 令和元年度までの進捗は、五年に一度程度の大雨に対してでさえ、下水道による雨水排除が必要な地域のうち約六〇%にとどまっており、未整備区域における整備を加速化する必要があります。
 加えて、気候変動により将来の降雨量が増加することを考慮すると、整備が完了した区域も含め、降雨量の増大に対応できるよう、事前防災の考えに基づいた整備を行う必要があります。
 その際は、想定される被害の大きいところから計画的に下水道整備を推進できるよう、地区ごとの浸水リスクを評価し、都市機能の集積状況等に応じて、めり張りのある整備目標をきめ細やかに設定して対応してまいります。

#202
○井上(英)委員 先日、参考人にお越しをいただいて、そのときのやり取りでも、気候変動を踏まえたやはり降水量の増大というのはもう絶対にあるとおっしゃっておられて、それはないにこしたことはない、雨が増えないことは本当はありがたいんですけれども、余り増え過ぎるということは非常に心配な要因の一つでありますけれども、この気候変動を踏まえた降水量の増大にしっかりと備えるためには、河川管理者や下水道管理者等による対策の強化に加えて、流域関係者による協力というのが必要不可欠ではないかというふうに思います。
 このような取組の一つとして、利水ダムによる事前放流の更なる推進というのがあります。事前放流を効率的、効果的なものとしていくためには、電力会社などの利水関係者に積極的に協力いただけるような環境整備というのを始め、必要な取組というのが必要だというふうに思いますが、そこでお聞きをしたいと思います。
 利水ダムの事前放流の取組を更に進めていくためにはどのように取り組んでいかれるのがいいか、お答えいただきたいと思います。

#203
○井上政府参考人 ダムの事前放流については、水系ごとに河川管理者と利水ダム管理者等との協議の場を設置し、治水協定に合意して実施しています。
 事前放流を行った後、貯水位が回復しないことに起因して、利水者に追加的な負担が生じた場合に備え、国土交通省では、これまでに、一級河川において、国による損失補填制度を設けているほか、二級河川等でも、令和三年度より、都道府県が損失補填を行う場合、これに要する経費について、特別交付税が措置されることになりました。
 今後、更に、利水ダムにおける事前放流の取組をより効果的かつ継続的に進めていけるよう、事前放流に必要なダムの機能の保持、強化を目的とした国からの支援の在り方について、関係省庁と連携を図りながら検討してまいります。
 例えば、事前放流で確保した容量を活用して、下流の水位を最も低下させることができるよう、多目的ダムや利水ダムの操作方法の見直しを検討していきたいと考えていますが、その際、多目的ダムの場合は、利水者に積極的に御協力いただけるよう、洪水調節によって利水容量以上にたまった水を洪水後に放流するときに、できる限り有効に発電に活用するなど、ダムの運用改善の検討も進めてまいります。

#204
○井上(英)委員 ありがとうございます。
 本当に、事前放流というのも非常に大事かなというふうに思います。しっかりと、流域関係者というか、当然、お住まいの住民の皆様方に安全にしていただく、そして、無駄といいますか、そういったものが発生しないように気をつけていただいて、しっかりと災害についての対策というのを備えていただけたらというふうに思います。
 次に、流域で今度は水をためる取組についてもお伺いをしたいと思いますが、流域関係者でこれも協力して進めていく必要があるというふうに思います。
 この水をためる対策として、公園や学校の校庭などを活用する公共団体の取組に加えて、大都市部においては、民間事業者による商業施設等での雨水貯留浸透施設の整備についても耳にする機会が増えてきましたけれども、改正案において、民間事業者等が設置する雨水貯留浸透施設の整備計画の認定制度というのが創設をされます。
 このことについてお伺いしたいと思いますが、雨水貯留浸透施設を民間事業者が整備することによってどのような効果が期待できるのか、また、民間事業者にとってどのようなメリットというのが発生するのか、お聞かせいただけますでしょうか。

#205
○井上政府参考人 雨水貯留浸透対策は、これまでは地方公共団体が中心に行ってきましたが、民間企業などにも実施主体を広げることで、河川への流出がより抑制されるとともに、雨水貯留浸透機能を併せ持った商業施設等が整備されれば、地域活性化の効果も期待されます。
 一方、民間企業にとっても、雨水貯留浸透施設に雨水が引き込まれることによって、建築物の部分の被害軽減につながるとともに、雨水貯留浸透施設等を併設する場合には、容積率の割増し措置を受けて建築物を整備することが可能になるなど、メリットもあります。
 このように、民間企業による雨水貯留浸透施設の整備は、行政側にも民間側にもメリットがあることから、本法案の施行により、民間企業等の雨水貯留浸透施設の整備費用に対する財政支援の割合を三分の一から二分の一に引き上げるとともに、固定資産税の軽減措置を行い、費用負担を軽減して、整備を促進してまいります。

#206
○井上(英)委員 是非、水をためる取組として、緑地の有する機能というのをうまく利用していくことも必要だというふうに思います。
 災害防止の観点から、緑地などのオープンスペースというのは、これまでは、一時的な避難場所としての役割を主に担ってまいりました。
 一方で、これに加えて、緑地の持つ雨水の貯留浸透機能というのに着目をして、豪雨対策に資するグリーンインフラとして緑地の保全を積極的に進めているという自治体も見られるようになっています。
 今後ますます水災害の激甚化、頻発化というのが懸念される中、このような取組を全国に広げていくことが必要不可欠だというふうに考えますが、ここでお伺いをしたいと思いますが、今度は榊都市局長にお伺いをしたいと思います。
 浸水被害の軽減に資する都市部の緑地の保全についてどのようにお考えか、お聞かせいただけますでしょうか。

#207
○榊政府参考人 お答えを申し上げます。
 委員御指摘のとおり、例えば、クヌギ、コナラなどの落葉広葉樹林は、落ち葉の分解によって形成された土壌がスポンジのように雨水を蓄え、地中に浸透させる能力が高いと言われております。
 このため、本法案では、緑地の有するこのような機能に着目し、流域治水に資するグリーンインフラとして、雨水貯留浸透機能を有する緑地を特別緑地保全地区の指定要件として位置づけ、その保全を図ることとしております。
 また、今回の法改正に合わせて令和三年度より、流域水害対策計画などに位置づけられた雨水貯留浸透機能を有する緑地について、その保全を図るため、土砂の崩壊を防止する土留め柵など保全に必要な施設の整備について、予算面で重点的に支援することとしております。
 さらに、特別緑地保全地区に指定された場合、税制面でも、相続税や固定資産税が軽減されることとなっております。
 国土交通省といたしましては、こうした財政上、税制上の支援措置について周知を図り、都市部の緑地がグリーンインフラとして積極的に活用されますよう、しっかりと取り組んでまいります。

#208
○井上(英)委員 都市局長、ありがとうございます。
 本当に、そのグリーンインフラを、これも効率よく使えるように、是非お願いをしたいというふうに思います。
 特定都市河川流域において、洪水又は雨水出水による浸水等で住民などに著しい危害が生じるおそれがあると認められる区域を浸水被害防止区域として指定し、分譲住宅や要配慮者利用施設のための開発行為などが許可制とされています。
 浸水被害防止区域の指定は、土地利用に対して一定の制限を課すことになりますことから、土地所有者等の理解を得るというのは容易ではないのかなというふうに思います。
 そこでお聞きをしますが、区域指定が思うように進まないということが想定されるというか、そうなる可能性もあるということで、国としてどのような対策を講じるおつもりか、井上局長にお伺いしたいと思います。

#209
○井上政府参考人 浸水被害防止区域は、浸水被害が頻発する危険な土地に住宅や要配慮者施設の建築等を行う際に、かさ上げ等の措置を求めるものであり、土地所有者等の御理解をいただくことが重要です。このため、本法案においては、知事が区域を指定する際、土地所有者や市町村長等から意見を聴取し、地域の意向を十分に把握する仕組みとしています。
 また、実際の運用に当たっても、流域水害対策協議会などを通じて、想定される浸水深や頻度など、土地ごとの水害リスクを専門的、客観的データによってお示しし、住民等の命を守るためには区域指定をして、かさ上げ等の安全措置が必要であることについて、土地所有者等に御理解いただくよう努めてまいります。

#210
○井上(英)委員 局長、ありがとうございます。
 自然災害が激甚化、頻発化する中、災害リスクの高いエリアから安全なエリアへの移転を進めるということも対策の一つとして非常に重要かというふうに思います。
 今回の法案では、移転を促進する一環として、防災集団移転促進事業の拡充というのが盛り込まれています。この事業は、東日本大震災で三万七千戸の移転に活用されるなど豊富な実績がある中で、中小規模の市町村にとっては、事業の実施体制を構築するということが難しいといったような課題もあるというふうにお聞きをしています。
 そこでお伺いをいたしますが、都道府県は、市町村の申出に基づいて、防災集団移転促進事業の実施が可能であります。改正案は市町村の支援につながる一方で、計画策定までも都道府県が担うということによって市町村の意向が反映されにくくなるおそれがあるのではないかと危惧されますが、国土交通省の見解を都市局長にお聞きしたいと思います。

#211
○榊政府参考人 都道府県が市町村に代わって防災集団移転促進事業に係る事業計画を策定する場合の市町村の意向の反映についてお尋ねをいただきました。
 都道府県は、市町村からの申出を受けて初めて、当該市町村に代わって防災集団移転促進事業に係る事業計画を定めることができるようになりますが、市町村が申出を行う際には、市町村の意向等について都道府県に十分お伝えをいただきますとともに、都道府県もまた市町村の意見を尊重しながら事業計画を策定することが重要であると考えております。
 また、都道府県が事業計画を定める場合には、あらかじめ国土交通大臣に協議し、その同意を得る必要がございますが、その際には、都道府県は当該事業計画について、あらかじめ関係市町村の意見を聞くこととされております。
 国土交通省といたしましては、都道府県からの事業計画の協議があった場合には、市町村からどのような意見が出されているかにもよく留意し、必要があればお話を伺うなど、適切に対処してまいりたいと考えております。

#212
○井上(英)委員 是非よろしくお願いをしたいというふうに思います。
 いずれにしても、都道府県とか市町村の意向というのが反映されないことがないように、くれぐれもよろしくお願いをしたいと思いますが、近年、全国各地で毎年のように豪雨等による甚大な被害というのが発生しています。ここまでに伺ったような、流域関係者と連携して行う取組やまちづくりとの連携というのをしっかりと講じていただいた上で、いざ災害が発生した際には、被災地の早期復旧のため、TEC―FORCEなどを始めとした国による自治体の支援の取組というのが必要だというふうに思います。
 TEC―FORCEは、緊急災害対策派遣隊というものの通称名でありますが、自然災害などが発生したときに、被災自治体に向けて技術的な支援を行う部隊であります。
 地震や台風などで被害が大規模になると、自治体職員だけで対応するというのは困難な場合がある。このようなときに、自治体からの要請によって派遣をして、被害の場所や規模の調査、大雨で浸水したエリアの排水、通行止めとなった道路の応急復旧などを行います。さらに、二次災害を防止する措置のアドバイスや、被災した建築物の危険度判定なども行います。また、停電している自治体庁舎に照明車を派遣して、夜間の明かりを提供するようなこともしているということであります。
 その隊員は、各地方整備局の職員を中心に、地方運輸局、気象庁、研究機関、地方航空局、国土地理院など、国土交通省の様々な機関の職員で構成していて、災害の規模に応じて全国から被災地に出動するというような派遣隊であります。
 被災した場合の早期復旧に向けて、今回の法改正も踏まえて被災自治体をどのように支援をしていくのか、井上局長にお伺いしたいと思います。

#213
○井上政府参考人 被災した施設の早期復旧は、地域の復旧復興のため必要不可欠でありますが、近年、気候変動の影響によって激甚な豪雨災害が頻発する一方で、市町村によっては技術系職員が減少し、災害復旧のノウハウの不足のため、被災施設の早期復旧が困難となっております。
 こうした被災自治体の復旧を支援するため、国土交通省では、被災直後の応急対応の段階からTEC―FORCEを現地に派遣し、自治体管理施設の被害状況調査を行うとともに、本省災害査定官を現地に派遣し、応急措置や復旧方針立案を迅速に行うための技術的助言を行っています。
 また、災害復旧事業に入る段階においても、災害査定の事務手続の効率化により、自治体の手続負担の軽減も図っています。
 これらの自治体支援に加え、高度な技術又は機械力を使用して実施することが適当な工事については、今回の法案により、市町村管理河川の工事についても、また堆積土砂等の撤去についても国の権限代行が可能となることから、こうした方法も活用して早期復旧を強力に支援してまいります。
 被災した方々に一日でも早く元の暮らしを取り戻していただけるよう、今後とも自治体支援の取組を積極的に進めてまいります。

#214
○井上(英)委員 是非よろしくお願いをしたいと思います。
 時間ももうあと五分ですので、最後に二問ほど、あと聞きたいと思いますが、国民の命を守るためには、何といっても、逃げるといいますか、これがやはり一番大事なのかなというふうに思います。
 そのためにも、国民が、身の回りの水害リスクというのを知ることができて、いざというときの避難場所や避難経路を確認するということのできるハザードマップ、今までにも様々議論が出てきたと思いますけれども、やはりハザードマップというのはとても重要だというふうに考えます。
 今回の法案で、ハザードマップの作成対象を拡大するというふうに聞いていますが、附帯決議でも、デジタルデータをしっかりと活用してという注文も入れさせていただきましたけれども、国としてもしっかりと自治体を支援して、この取組というのを強力に支援をしていただく必要があるというふうに考えます。
 今回の改正案で、洪水などに対応したハザードマップの作成というのを中小河川等まで拡大をして、リスク情報空白域を解消するということでありますが、確かに、ハザードマップ未整備地区で被害が発生している事例というのもあり、必要であるというふうに思いますが、ハザードエリアに指定されるということは資産価値が下がるといったような御意見も多々お聞きをしています。
 やはり、住民に対してインセンティブ的な施策というのも組み合わせることで、そういった行動も含め、また、ハザードマップに載ることを御理解いただけるように促せるんじゃないかと思いますが、国土交通省の見解をお伺いしたいというふうに思います。
 また、防災用語が難しいことがあります。これはちょっと、行政用語といいますか、例えば異常洪水時防災操作とは何なのか、多分皆さん分からないと思いますが、これは、ダムが満杯になったときに流れ込む量を通過させることを指すということであります。
 水位情報も、市町村が避難情報を発表する際の目安となる避難判断水位、また、河川が氾濫するおそれのある場合などに使われる氾濫危険水位は、違いを区別しにくいと思います。
 やはり、住民が分かるような整理というのをする必要があると思いますが、井上局長の見解をお伺いしたいと思います。

#215
○井上政府参考人 ハザードマップ等のリスク情報や災害時に発表される防災情報は、住民等に理解いただき、実際の行動に活用される必要があります。
 このため、ハザードマップについては、平時から地域のリスクを知り、自らの命を守る行動のために活用していただくとともに、治水施設の整備の進捗に応じて浸水頻度がどのように変化するかを示した水害リスク情報を新たに作成し、居住場所の選択に生かせるようにしてまいります。
 災害時に発表される防災情報については、用いられる用語の意味が直接分からなくても、災害の切迫性と必要な行動が情報の受け手である住民に伝わるよう工夫に取り組んでおり、例えば河川の水位の情報は、切迫度に応じ五段階に整理した上で、レベルを付した形で発表することとしております。
 また、御指摘の、異常洪水時防災操作といったなじみのない用語を使用する場合、危険を強く訴える必要がある際は緊急放流という語も用いるなど、情報の利用者である住民本位の観点から、情報を伝えていただくメディアとも連携して、見直しを図っているところです。
 引き続き、住民の皆様の円滑な避難に資するため、住民の立場に立った分かりやすい情報への改善を、デジタル技術も活用して進めてまいります。

#216
○井上(英)委員 局長、よろしくお願いします。
 本当に今おっしゃるとおりで、そういう緊急放流と言っていただいたらぴんときやすいといいますか、その辺も是非、考えていただいていると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは最後に、この今回の法改正を踏まえ、今後、ハザードマップ作成、周知というのをどのように進めていくおつもりか、国交大臣にお伺いをしたいと思います。

#217
○赤羽国務大臣 ハードの整備とともに、ソフトの対策というのが非常に大事だと思います。
 また、夜半に急に大雨が降って、緊急状況が出されて、避難所に行くというのも、高齢者の皆さんがそのまま避難所に行くこと自体が大変なことで、なかなか腰が上がらない、ですから避難が遅れて被害につながってしまうということを回避するために、日頃から、住まわれている地域とその周辺の危険度の度合いというか、をよく理解してもらう。それで、でき得れば、やはり地域地域の防災組織みたいなのが活性化していく。
 神戸には、阪神・淡路大震災の後、防災福祉コミュニティーというのを校区ごとにつくりまして、毎月訓練をしながら、そうすると、障害を持たれている方とか高齢者の独居老人がどこにいらっしゃるかというのが分かって、その人たちを実際にどう避難させていくのかというやはりシミュレーションというか、訓練が本当に必要だな、大事だなということを痛切に思ったところでございます。
 それを高度化していくために、やはり分かりやすいハザードマップを作って、今、3Dを導入して様々な試みをしておりますので、一人一人の防災意識の向上と地域の防災力の向上、これを実現していくためにしっかりと取り組んでいきたい、こう思っておりますので、引き続き御指導をよろしくお願いしたいと思います。

#218
○井上(英)委員 どうもありがとうございました。

#219
○あかま委員長 次に、古川元久君。

#220
○古川(元)委員 国民民主党の古川元久です。
 私は、昨今の気候変動による災害の激甚化、頻発化を踏まえて、これまでの治水についての計画、基準等を見直すことと、あらゆる関係者が協働して流域全体で行う流域治水への転換という観点に立った今回の法改正は、正しい方向性に基づいた必要な改正であって、賛成をいたします。その立場で今日は質問したいと思います。
 私の地元、名古屋の北東部で、庄内川とか矢田川という大きな河川が走っているんですけれども、二〇一一年の九月の台風十五号による豪雨の際に、私の地元であります守山区の地域で庄内川が越水して、また内水氾濫なども起きて、相当甚大な浸水被害がありました。
 ちょうど、私、そのときに、災害が起きた直後がちょうど組閣で、私は野田内閣、閣僚として入りまして、そういう、地元でもありましたので、被災後直ちに、当時総理から政府代表として現地に行ってくれという話で、現地に赴きまして被災の状況を自分の目で見て、また、被害に遭った地元の皆さんやいろいろな関係者から当時お話を伺いました。まずは、そのときの私自身の体験から質問したいと思っています。
 実際に越水が起きたのは、台風が直撃しているときよりも、ちょっと去ってからだったんですね。急激に庄内川の水が増水して堤防を越えるということになったんですが、この急激な増水は、庄内川の上流部、岐阜県の多治見だとか、あの辺りの降った多量の雨が一気に下って下流に来た、そのためだというふうに言われていました。
 その背景には、当時いろいろな関係者の方の話を聞いていると、昔は多治見の辺りとか、こっちの上流部というのは本当に山が青くてというところだったんですが、ここのところ、名古屋のベッドタウンとしてすごく宅地開発されていた。よく、名古屋市の市役所の職員の最も多いのが岐阜県の可児市だとかいう話もあるくらい、かなり岐阜県の方から通ってきている。そういう、ベッドタウン化して、それまで山林だったところが開発が進んで、上流域の、それまでだったら山林だったから雨水とかなんかも取りあえずまず保水して徐々に出てくるというのが、一気に下流に流れてきた、そういう影響もあったんじゃないかというふうに当時言われていました。
 河川の下流域でのこうした災害を防ぐためには、上流地域の開発規制とか、あるいは山林の保護、涵養など、やはり河川の上流域の在り方が極めて重要になってくるんだと思います。
 流域治水というのは、まさにそうした視点に立った治水の在り方だと思いますが、今回の改正によって、こうした河川上流域の、これは総合的なことをやらないといけないんですけれども、そういう対策は行われるようになるんでしょうか。

#221
○赤羽国務大臣 まさに、基本的には、流域治水の原則は、上流でなるべく大雨の水をためて下流に一斉に出さない、その中でダムですとか遊水地の活用ということを行っていく、ダムについても利水ダムを協定を結んでやる。加えて、今お話ありましたように、上流部の山が荒れるとか、やはり治山事業ですとか砂防事業、森林整備、これもしっかりとやっていかなければいけない。これは、午前中、荒井委員からもお話があったとおりだと思います。
 この法律については、直接農水省云々ということは書いていませんけれども、今日農水省の政府委員からも答弁があったように、地域でつくる協議会には参加をしていただいて、まさに森林保全を含めた上流での対策もしっかりと、総合的な中の一パーツとしてしっかり対応しなければいけない、こう考えております。

#222
○古川(元)委員 やはり、川下での被害を防ぐためには、川上、これが非常に大事だと思いますから、是非そこは、農水省を始め関係のところがしっかり連携して、総合的な上流域の対策を今後取っていただきたいということをお願いしたいと思います。
 次に、水がついた、浸水した、特に床上浸水などかなり大きな被害を受けた地域、当時の守山区で考えてみますと、実はそういうところというのは、かつてはアシとかが茂っていて人は住んでいない。昔からこの地域は、それこそ堤防が切れたりとか、そういうことで洪水があったんですけれども、そういうときにはそこに水がたまる、いわば遊水地のようなそういう地域、そういう場所が宅地開発されて多くの人が住むようになった。これは、私の地元に限らず、いろいろ災害を受けた、特に水害を受けたところの地域等、元々は人も住んでいなかったところにいろいろそういうものが建って、そこがやはり被害を受けるということが多いんですね。
 今回の改正によりまして、こうしたリスクの高い地域は浸水被害防止区域として指定して、開発等を規制することができるようにはなりますけれども、これまで既にもう開発されてしまって、そういう大勢の人が住んでいるような地域、こういう地域については、今後、具体的にどのような形で対応して水害に強い地域にしていくのか、このところについて国交省としてのお考えをお聞かせください。

#223
○井上政府参考人 既に開発された市街地の浸水被害を防ぐためには、あらゆる関係者が協働した流域治水というのを進めることが重要です。
 三つの柱がありますが、一つは、まず、リスクの高い地域をこれよりもリスクを減らすということで、河道掘削とか河川整備、雨水貯留対策等を組み合わせた治水対策を加速化していきますし、上流域でまだ、先ほど先生がおっしゃったようなアシ原みたいなのがあるところについては、このまま維持保全するような形で進めていきたいと思っております。
 それから、浸水被害が多いところにつきましては、委員が御指摘いただいたような浸水被害の防止区域の指定を行うということも進めて、こういうようなところでの住宅や要配慮者施設の建築を行う際には、かさ上げ等の措置が行われるように進めていきたいと考えております。
 さらには、被害を受けるということも前提とした上で、タイムライン等の作成による避難体制の強化も図っていきたいと考えております。また、本法案においては、災害時の避難場所や医療施設などが一体となった避難拠点を都市計画に位置づけ、その計画的な整備を図ることも考えております。
 これらの様々な対策を地域の実情に組み合わせ、国、都道府県、市町村等が連携し、まちづくりと一体となった治水対策を推進してまいります。

#224
○古川(元)委員 実際に人が住んでいるところというのは、そう簡単に動かすわけにもいかないと思います。でも、やはり、いつ何どき、また被害に遭うかも分からない。そういった意味では、ハード面の整備はもちろんなんですけれども、やはりソフト面、危ないときには早く避難してもらうとか、そして、避難がちゃんとできる場所とかをきちんと確保しておくこと。
 私の地元なんか、ハザードマップで最大の場合には五メートル以上浸水するなんというところでも、近くにそういう高い建物がないんですね。やはりそういうところにはちゃんとそういう建物をつくるとか、あるいは、ここは避難できますよというのをきちんと明示して周知するとか、やはりそういうかなりソフト面の対応というのも大事だと思いますから、ハード面だけではなくて、是非ソフト面にやはり力を入れていただきたいということをお願いしたいと思います。
 次に、当時も内水氾濫がかなり起きたんですが、その理由の一つは、庄内川の水位が上がって、庄内川からの逆流を防ぐために樋門を閉じた、そのことによって、相当な雨が結局庄内川に排出できないものですから、内水氾濫が起きたということになりました。
 今回の法改正によって、こういう、樋門を閉じて、結局それで行く先がない水、それによって起きるような内水氾濫、そういう被害をどのようにして防いでいくつもりで考えていらっしゃるんでしょうか。

#225
○井上政府参考人 今回の法改正では、周辺地域に住宅等がある下水道について、想定最大規模の降雨による浸水想定区域図の策定を義務づけることとしており、また、下水道管内の水位や樋門の閉鎖状況等を住民に提供することで、住民の円滑かつ確実な避難が促進される、こういったソフト対策を考えております。
 さらに、下水道の樋門等の操作規則を義務づけることとしており、これにより樋門の開閉が的確かつ確実に実施され、内水氾濫の被害軽減につながるものと考えております。
 あわせて、樋門を閉鎖した際に排水できなくなる内水への対応として、雨水貯留施設の整備や、内水を強制的に排水するための移動式排水ポンプの配置などが効果的であり、国土交通省としては、これらの整備に対して重点的に支援してまいります。

#226
○古川(元)委員 この前、私の地元でそういう水害被害に遭った志段味地区なんですけれども、ここはまだ区画整理中で、実は名古屋市内でも、まだ一部下水が通っていないところもあったりするんですね。ですから、そういうリスクがあるところは、是非国交省として、国としても、やはり優先的にそういう下水整備とか、様々今局長が言われたような整備を推進をしていただくということを、是非強くお願いしたいというふうに思います。
 次に、当時のときもそうだったんだけれども、どこでもそうなんですが、何かやはりこういう災害がありますと、まず真っ先に出ていって地域の皆さんのために汗をかいているのは、私の地元でいえば消防団です。水防団のところもあると思いますが、本当にこの消防団の皆さん方の対応というのは、いつも私も頭が下がる思いでおります。やはり各地域で、消防団とか水防団というのは地域防災の要となるものだと思います。
 ただ、私の地元でも、高齢化が進んで、なかなか団員のなり手がいない。大体、やはり消防団をやっている方というのは、自分で商売をやっている人とか、そういう人が多いんですけれども、そもそもそういう商売人が減っちゃって、サラリーマンばかりになったりすると、ふだん地域にいないので、何かあったときも助けられない。そういうこともあって、高齢化とか、そういう職業の変化とか、そういうこともあり、団員確保が非常に困難というふうになってきている状況にあります。
 今後、日本全体で人口減少が進んでいって、高齢化もますます進んでいく、こういう状況を考えますと、このままだと本当に消防団や水防団の存続自体が危うくなってくるんじゃないかなというふうに私は危惧をいたしております。こうした状況をどのようにして改善していくつもりか、考えているか、教えていただきたいと思います。

#227
○井上政府参考人 水防の最前線の活動を支えている水防団は、地域の安全の確保に重要な役割を担っております。
 一方で、全国の水防団員は、委員御指摘のとおり、人口減少、高齢化や、平日参集が困難なサラリーマン化の影響で年々減少しており、平成三十一年四月現在では、三十年前と比較して約二割減の約八十四万人となっております。
 このため、国土交通省では、水防活動の担い手確保を図るため、表彰制度による団員の士気向上と社会的な地位向上、退職報償金制度による団員の処遇改善、企業、NPO等の水防協力団体への指定、水防活動の重要性等のPRによる普及啓発等に取り組んでいます。
 また、水防団の円滑かつ安全な活動を支えるため、水防工法の技術伝承や水位予測情報の提供、ライフジャケットや無線通信機器の安全装備に関する防災・安全交付金による支援等の取組を進めています。
 国交省としては、地域防災の要となる水防団の活動の持続発展に向けた取組を進めてまいります。

#228
○古川(元)委員 大臣、ちょっと通告していませんけれども、大臣のお地元でも消防団とか、水防団もあるかもしれませんが、やはり結構、本当にみんな、人が集まらない、高齢化しているという、かなり本当に危機的な状況だと思うんです。
 ですから、大臣、総務大臣とも、政府として、こういう消防団とか水防団、本当にここのところがしっかりないと、もちろん行政が入ってくる。どうしても、まず最初はその地域にいる人たち、やはりそこが防災の一番のまず端緒になるわけですから、是非そうしたところは大臣も、国交大臣としてだけじゃなくて、政府の一員として、そしてまた、地元でもそういう方々からお話を聞いていると思います。
 今言われたようないろんな策をやっているんですけれども、なかなか進んでいないんです、それをやっても。だからもうちょっと、やはり何かもっと画期的なことを考えないといけないんじゃないかなと思いますから、是非この点は大臣においてもちょっと知恵を出していただいて、みんながもっと消防団になりたいなとか、何かそれこそ、こういう消防団とか水防団とかドラマでもやって、キムタクあたりが何かやったりすると、みんなそうなりたくなる。やはりそういう、消防団員になりたい、水防団員になりたい、そういう状況をつくるのに、もっといろいろ知恵を出してもらいたいと思うんですが、大臣の意気込みといいますか、思いというものをちょっと一言聞かせていただけますか。

#229
○赤羽国務大臣 私の選挙区の中でも地域性で全然違いまして、いわゆる農村地域では消防団員に入らないとつき合いができないとか、父親等の、代々のつながりでやらざるを得ないような地域もあれば、もはや住宅地域では、もうほとんど形骸化というよりも、なくなっているところも少なくない。
 これはまさに深刻な状況でありますので、いい知恵はないんですけれども、今ある消防団をしっかりとしたサポート、これまでも総務省にお願いをしながら費用の面ですとか様々なことをやらせていただきましたが、そうしたことは続けながら、そこを核に、プラス、いわゆる普通のサラリーマン、農村部の中にある住宅地の人たちも一緒になって活動できるような仕掛けもやりながら、個々人のやはり防災意識を向上していくということも、何というか、二つのレールで進めていかないと、今の消防団を何とか維持というのは相当無理があるんじゃないかという部分もありながら知恵を出していかなければいけない、これは政府の問題として共有していこうというふうに思います。

#230
○古川(元)委員 私も、地域を代表する政治家の一人としていろいろ考えていきたいと思いますし、是非みんなで、やはり地域の防災を支えている要、消防団、水防団を応援して、維持できるように努力していきたいと思います。
 次は、流域治水プロジェクトについて、これも私の地元であります庄内川水系の流域治水プロジェクトを例にして、ちょっとお伺いしたいと思います。
 先月、庄内川流域治水協議会が開催されて、庄内川水系流域治水プロジェクトが取りまとめられました。先日、ちょっと国交省の方に、その取りまとめを教えてほしいというふうにお願いしましたら、私にはこの紙二枚、これが取りまとめですといって、持ってこられました。
 何か、私は報告書みたいなものとかあるのかなと思ったら、もうこれだけですという話でありまして、その中身を見ますと、参加の機関が今後実施する予定の対策をずらずらずらっと並べている、整理してまとめただけのようなものに見えるんですね、これだけだと。ロードマップというのもあるんですが、これは短期、中期、中長期というふうにあるんですけれども、多くのものが短期から中期、中長期までずっと横に一線になっていて、ずっとやるということで、何か優先度合いも、余りここから見るとよく分からないしというものだったんですね。ですから、これだけ見ると、何がどう具体的にどのタイミングで進んでいくのかというのが余り見えない取りまとめだったんです、私の見た目には。
 この取りまとめで、これは庄内川の例ですけれども、ほかのところでも、大体、ほぼ最近までに流域治水プロジェクトを取りまとめられていたんだと思うんですけれども、この取りまとめで今後の治水の在り方がこれまでとどのように変わってくるのか、教えていただけますか。

#231
○井上政府参考人 流域治水プロジェクトの策定以前は、国や県などの管理主体が持つ計画や工程に基づき、各主体ごとにそれぞれで実施しておりました。これを、この三月三十日には全体を取りまとめてこのような形で見せることにして、対策ごとの役割分担、責任ということを明確にしたわけです。
 委員御指摘のとおり、スケジュールは書いてあったんですが、余りその優先順位とかがはっきり見えない。確かに、まだこれは初めてやったところなので不十分ではありますが、これだけではありません。今後は、それぞれの対策の効果が各地域にどういうふうに裨益するのかとか影響を与えるのかというのを見せていく、もう少し全体の流域を俯瞰しながらも、個別の地域でその影響がどう出るのかとか、いろいろな工夫はしていきたいというふうに考えております。
 今後のこの法の適用でいろいろなことができていくと、そのぐらいの幅も広げていけるし、そういったリスクの情報があると、またいろいろな対策が進んでいくというふうに考えてもらって、これで終わりではなくて、これから、たたき台にしながら、先生のような御意見もいただきながら充実させていきたいと思います。

#232
○古川(元)委員 分かりました。
 では、そうすると、今後は誰が責任者となって、今後のこの取りまとめの具体化をするとかあるいは進捗管理、これを行っていくことになるんですか。

#233
○井上政府参考人 この流域治水プロジェクトというのは、流域の関係するいろいろな部局が集まって策定するものですので、その協議会という中でかかっていますので、全体の中身については、協議会の中でのアウトプットになりますが、当然、事務局、旗振り役というのが必要でございます。それは各流域の河川管理者、庄内川であれば国土交通省の中部地方整備局が事務局、旗振り役になって、このプロジェクトの進捗管理、見える化、いろいろなことについて関係機関と協力しながらやっていきたいと考えております。

#234
○古川(元)委員 かなり関係者も多いので、これだけ見ると、とにかく、ただ単に定期的にそれぞれこれをやっていますというのをまとめただけになったら、なかなか本当に進んでいかないと思うんですね。やはりそこは国交省の中部地方整備局がリーダーシップを取って、ちゃんと、進捗状況はどうなのか、進んでいなければしっかりそこの尻をたたいていくとか、そういうことをやっていただきたいということをお願いしたいと思います。
 こういう協議会についての一つの大臣に対する要望なんですが、私、以前、ハザードマップで、さっきちょっとお話ししたように、五メートル以上浸水するかもしれない、そういう地域の区政協力委員長さんたちと一緒に、中部地方整備局長のところに地域住民の皆さんの要望をお伝えに行ったことがありますけれども、やはり治水を行っていくためには地域住民の協力が不可欠であって、今回のこのプロジェクトの参加の機関の中を見ていましたけれども、その中には地域住民の代表が入っていなかったんですね。
 こういうことをやるのであれば、地域住民の代表の皆さん、特に大きな被害を受ける可能性がある地域の代表の人をやはり入れて、地域住民の皆さんがどういう要望があるのかとか声があるのか、やはりそういうことも聞くようにしていくべきじゃないかと思いますが、いかがですか。

#235
○赤羽国務大臣 先ほども同じ質問にお答えしたとおり、当初からこの協議会には地元の企業ですとか地域住民も含めて参加をしていただくということは答えておりますし、今回、その庄内川のプロジェクトに入っていなかったというのは大変失礼いたしましたが、地域ではそれぞれ防災活動を組織されながら頑張っていらっしゃる方がたくさんいらっしゃいますので、そうした方の、地元の特性の知恵というか知見をしっかり生かしていくことが大事だと思っておりますので、それはしっかり促進していきたい、こう思っております。

#236
○古川(元)委員 ありがとうございます。是非、地域住民の皆さんの声も反映される形で治水を進めていっていただければと思います。
 ちょっと時間も限られてきましたが、最後に、集団移転促進事業について少しお伺いしたいと思います。
 私は、事前防災の手段としてこの集団移転促進事業というのはもっと活用されてしかるべきじゃないかなと思うんですけれども、東日本大震災の被災地も、実は、あの辺の地域のことというのは、日本の将来像を先取りしたような形で、ただ、私もあの当時は政権の側にいましたけれども、そこを先取りして、やはり一つのモデル地区にしようというような形で集団移転促進事業なんかもやりました。
 それによって造られた住宅団地というのがあるんですが、ちょうど今年は東日本大震災から十年ですけれども、せっかく団地ができたけれども、住民が戻ってこないというか、がら空きになっている、そういうような未利用の区画が幾つも見られる、そんなような事例も見受けられるようであります。こういうことが生じた原因、これをどのように考えておられますか。

#237
○榊政府参考人 お答えを申し上げます。
 東日本大震災の被災地で実施されました防災集団移転促進事業におきましては、移転先となる住宅団地を三百二十四地区、一万二千五百戸整備いたしまして、このうち約三百戸、二・四%が未利用区画として発生をしてございます。
 その原因でございますが、発災から時間が経過する中で、被災者のライフステージも変化し、居住地に対する意向が変わっていったということが大きな原因であると考えております。

#238
○古川(元)委員 ありがとうございます。
 今の局長の話を聞くと、やはり、発災から時間がたって、災害が起きてから、こういうふうになったから、では集団移転しましょうかとなると、時間がかかるうちに、もう戻ってこない、そういうことも多いんだと思うんですね。
 そういった意味でも、せっかく集団移転しても使われないとか、あるいは、そもそも、やはりそうした災害が危ない地域で、リスクの高い地域で災害が起きた場合には人的、物的被害が起きるわけですから、その発生を事前に回避するという意味でも、できる限り、災害が起きる前に、事前防災手段として、リスクの高いところから集団移転促進事業を進めていくということが大変重要じゃないかと思いますが、大臣の御認識はいかがですか。

#239
○赤羽国務大臣 防災集団移転促進事業は昭和四十七年に制度を創設されましたが、これまで六十二の市町村で約三万九千戸の住宅の移転が活用されましたが、全て災害を契機にした災害後でございまして、事前は一つも実現しておりません。
 これは、なかなか、危険だと言われていても、憲法で保障されている居住の自由というところもありますし、やはり、どこまでいっても、その地域の方々が自発的に、ここはやはり危ないということで移転するという方が、どれだけ希望された方が集まれるかということだと思います。
 ですから、私たちは、今回の法改正で、その対象の戸数を、この前十戸以上と言っていたものを五戸以上にするですとか、危険地域も少し対象を広げるとか、より使いやすい制度にするというのを今回法改正で入れさせていただきましたが、言ってみれば、もちろん我々の思いは、危ないところに住んでほしくない、それは被害を最小化するというのはそのとおりなんですが、なかなか、もう既に住まれたところについての規制というのは、現状を申し上げれば、特別養護老人ホームですとか、そうしたところについては開発、建築規制をかけるのが現状精いっぱいで、今後の検討事案なのではないかというふうに思うところでございます。

#240
○古川(元)委員 大臣がおっしゃることはよく分かるんですよ。ただ、さっきの東日本大震災のをよくよく考えてみると、元々、あの震災前から東北地方は既に人口が減少を始めていた。今、日本が直面しているのは、これから直面するのは、やはり急速な人口減少なんですね。特に地方における人口減少が進んでいる。そういう中で、災害が起きた、それから後となっちゃうと、もうそれをきっかけに離れちゃうという、今、東北の大震災の後に起きているようなことが、やはりあちこちで起きてしまうんじゃないかと思うんですね。
 ですから、やはりそういう大臣の気持ちは私も共有します。しかし、これからどんどんどんどん人口が急速に減少していく、しかも、それは地方からの方がということを考えますと、そうした地域においては、やはり居住地域を災害がなくても集約化していかないといけない、そういう状況に置かれつつある。だからこそ、その人口減少に合わせた居住地域の集約化と同時に、事前防災のための集団移転促進事業というのを一体的に考えてやはり進めていくというのが、安心、安全かつ地域社会を守っていくという意味でも大事じゃないかと思うんですが、大臣、最後にお答えいただきますようにお願いします。

#241
○赤羽国務大臣 これまでも国交省として、高齢社会を見通して、コンパクトシティーということをずっと言っていました。しかし、これはなかなかやはり、概念としては皆そう思うんですけれども、そうした方が、集中して住んだ方が全てにおいて効率的だ、しかし、なかなかそれが実現してこなかったのも事実でありますが、今回の、そこに加えて、プラスアルファとして災害の概念を持ち込んで、より安全で、より過ごしやすい、また、かつ生産的な地域づくりというのは、方向性としては正しいと思いますので、それをどう実現化していくのかというのはしっかりと検討していきたい、こう思います。

#242
○古川(元)委員 これまで以上に、これからは急速な、そして大規模な人口減少が進みます。このまま行くと、本当に地域のいろいろな社会インフラをそもそも維持ができるかという状況に、もう待ったなしなんです。ある種、今まではそれなりにまだ、いろいろ言ってもねというふうで何とかもたすことができたかもしれませんが、もうこれからはやはりもたない状況に入りつつあると思います。
 だからこそ、そこは事前防災と絡めて、是非そうした方向性をより強力に進めていただきますことを最後にお願いして、質問を終わりたいと思います。
 どうもありがとうございました。

#243
○あかま委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――

#244
○あかま委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 内閣提出、特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

#245
○あかま委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――

#246
○あかま委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、平口洋君外五名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・無所属、公明党、日本共産党、日本維新の会・無所属の会及び国民民主党・無所属クラブの六会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。小宮山泰子君。

#247
○小宮山委員 ただいま議題となりました附帯決議案について、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明いたします。
 趣旨の説明は、案文を朗読して代えさせていただきたいと存じます。
    特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺漏なきを期すべきである。
 一 流域治水に関する施策の決定及びその実施に当たっては、流域治水に係る計画のための協議会で住民、NPO等の多様な意見の反映を促す等により地域住民等の意向が十分配慮されるとともに、上流及び下流のそれぞれの地域の受益や負担が示される中で、円滑な合意形成が行われるよう環境整備に努めること。また、まちづくりとの連携が十分に図られるよう努めるとともに地方公共団体に対しても適切に助言すること。
 二 学校教育及び社会教育における防災教育の充実を図ること。またその際には、災害伝承を調査及び検証の上、次世代に引き継がれるよう適切に活かすとともに、治水や水源保全等における上流域が担う役割の重要性等に対する下流域の理解の醸成に努めること。
 三 流域治水の取組においては、自然環境が有する多様な機能を活かすグリーンインフラの考えを推進し、災害リスクの低減に寄与する生態系の機能を積極的に保全又は再生することにより、生態系ネットワークの形成に貢献すること。
 四 森林の有する水源涵養機能や農地等が一定の洪水低減機能を有することの重要性及び山間地等の土地利用の変化が流域の土砂災害等に影響を与えることを踏まえた森林管理の重要性に鑑み、農林関係機関との連携強化を図ること。
 五 流域治水の取組を強力に推進するため、特定都市河川の積極的な指定に努めるとともに、都道府県による指定を促進するため、流域治水に係る計画の策定及び同計画に基づく取組への必要な支援を行うこと。また、流域が複数の都道府県にまたがる場合も適切な指定が行われ、連携した施策が実施されるよう助言すること。
 六 雨水貯留浸透施設の設置等に当たっては、地形や地質、土質、地下水位、周辺環境等の状況の調査により施設整備の効果の維持に努めること。
 七 浸水被害防止区域や貯留機能保全区域の指定が円滑に進められるよう、ガイドラインの策定や地方公共団体に対する必要な助言等の支援に努めること。また、浸水被害防止区域における既存建築物の安全性の確保や、貯留機能保全区域を対象とした固定資産税の減免措置等の支援策の創設を検討すること。
 八 地方公共団体による浸水想定区域図及びハザードマップの作成を推進するため、デジタルデータの活用等の技術的な支援とともに、財政的な支援を一層行うよう努めること。また、ハザードマップ等に基づき提供される情報が住民の避難行動に結びつくよう、ハザードマップの作成、公表、周知の各段階において、多様な主体の参画の機会を積極的に設けるよう助言すること。
 九 要配慮者利用施設における逃げ遅れによる人的被害を繰り返さないよう、厚生労働省と連携し、避難の実効性の確保に資するため、要配慮者利用施設へ助言等を行う市町村に対して必要な支援を行うこと。
 十 ダムの洪水調節機能を適切に確保するため、災害の予防的措置として必要な堆砂除去に対する国の財政支援制度の創設を検討するとともに、効率的・効果的に利水ダム等の事前放流を実施するために必要な放流設備の増強等を関係者と連携し推進すること。
 十一 防災集団移転促進事業が事前防災対策として活用されるよう市町村等に対して本改正内容の周知に努めるとともに、移転先における持続可能なまちづくりのための必要な助言等の支援を行うこと。また、移転者の経済的負担の軽減に配慮した更なる支援策を検討すること。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)

#248
○あかま委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

#249
○あかま委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣赤羽一嘉君。

#250
○赤羽国務大臣 特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝申し上げます。
 今後、本法の施行に当たりましては、審議における委員各位の御意見や、ただいまの附帯決議において提起されました各事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長を始め、理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し、深く感謝の意を表します。
 誠にありがとうございました。
    ―――――――――――――

#251
○あかま委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#252
○あかま委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――

#253
○あかま委員長 次回は、来る十四日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
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