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2021/04/20 第204回国会 衆議院 第204回国会 衆議院 法務委員会 第15号 令和3年4月20日
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2021/04/20 第204回国会 衆議院

第204回国会 衆議院 法務委員会 第15号 令和3年4月20日

#1
令和三年四月二十日(火曜日)
    午後三時十七分開議
 出席委員
   委員長 義家 弘介君
   理事 伊藤 忠彦君 理事 稲田 朋美君
   理事 奥野 信亮君 理事 宮崎 政久君
   理事 山田 賢司君 理事 稲富 修二君
   理事 階   猛君 理事 大口 善徳君
      井野 俊郎君    大塚  拓君
      神田  裕君    黄川田仁志君
      国光あやの君    小林 鷹之君
      武井 俊輔君    出畑  実君
      中曽根康隆君    野中  厚君
      深澤 陽一君    藤丸  敏君
      藤原  崇君    盛山 正仁君
      山下 貴司君    吉野 正芳君
      池田 真紀君    寺田  学君
      中谷 一馬君    松平 浩一君
      屋良 朝博君    山花 郁夫君
      吉田 宣弘君    藤野 保史君
      串田 誠一君    高井 崇志君
    …………………………………
   法務大臣         上川 陽子君
   法務副大臣        田所 嘉徳君
   法務大臣政務官      小野田紀美君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    近藤 正春君
   政府特別補佐人
   (人事院総裁)      一宮なほみ君
   政府参考人
   (金融庁総合政策局参事官)            石田 晋也君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    川原 隆司君
   政府参考人
   (出入国在留管理庁次長) 松本  裕君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房危機管理・医務技術総括審議官)            佐原 康之君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官)  浅沼 一成君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           大坪 寛子君
   法務委員会専門員     藤井 宏治君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十日
 辞任         補欠選任
  山下 貴司君     藤丸  敏君
同日
 辞任         補欠選任
  藤丸  敏君     山下 貴司君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する法律案(内閣提出第三六号)
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件
     ――――◇―――――

#2
○義家委員長 これより会議を開きます。
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 各件調査のため、本日、政府参考人として金融庁総合政策局参事官石田晋也君、法務省刑事局長川原隆司君、出入国在留管理庁次長松本裕君、厚生労働省大臣官房危機管理・医務技術総括審議官佐原康之君、厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官浅沼一成君及び厚生労働省大臣官房審議官大坪寛子君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○義家委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#4
○義家委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。稲富修二君。

#5
○稲富委員 立憲民主党の稲富でございます。今日も質問の時間をいただきましてありがとうございます。
 三月十七日にやった黒川氏の問題について今日は取り上げてまいりたいと思います。
 大臣にまず伺います。十七日の質疑の際にやり取りした問題がちょっと不明確なところがあったので、改めてお伺いします。
 資料の一枚目の左側でございますが、三月十七日の時点ではまだ略式起訴は決まっていないということだったんですけれども、十三日、十四日に報道があったものですから、私から略式起訴することになったのかということをお尋ねしたら、大臣からは、個別事案に関する捜査の具体的に関わることであるので答えられませんということでございました。私からは、とはいっても、新聞等で、マスコミでかなり報道されているということで申し上げたら、大臣から、刑訴法四十七条の趣旨に基づいて適切に運用しているという御答弁だったんですけれども。
 そこはそことして、私が申し上げたかったのは、要するに、国会と報道といいますか、そこの情報開示の在り方について、二重基準になっているのではないかということを御指摘をさせていただいたわけですけれども、これについて、やはり二重基準はまずいんじゃないかというふうに思うわけですが、その点はいかがでしょうか。

#6
○上川国務大臣 先般の私の、三月十七日時点で御質問をいただいたということでございまして、そのときは、報道は出ておりましたけれども、この問題につきまして公表したのが三月十八日ということでありましたので、その時点におきまして、私、そのように答弁したということでございます。先ほどの国会の議事録のとおりであります。
 今御質問でございますけれども、刑訴法の四十七条ということでございまして、あくまで一般論ということでございます。検察当局におきましては、刑訴法四十七条、この趣旨を踏まえまして、個別の事案ごとに、公益上の必要性とともに、関係者の名誉及びプライバシーへの影響並びに捜査、公判への影響の有無、程度等を考慮し、公表するか否か、公表するとして、どの程度の情報を公表するか、これを判断しているものと承知をしております。
 その上で、同一の個別事案に関しまして対外的に公表できる内容ということでございますが、例えば国会での御説明と報道機関に対しての対応とで差を設けているということはないものと承知をしております。

#7
○稲富委員 なので、当然、国会にも報道機関にも同じ対応をしているんだ、二重基準はないんだという御説明ですよね。
 よく出てくる刑訴法四十七条について、ちょっとお伺いをいたします。お手元の資料の二ページでございます。
 これは局長ですかね。ちょっと改めてここに書いてあることを言うと、「訴訟に関する書類は、」「公にしてはならない。但し、」がついていまして、「公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる場合は、この限りでない。」と、原則非公開であるけれども、ただし書がついているということです。
 この趣旨ということですけれども、ここは書類というふうに書いてありますが、改めてお伺いしたいのは、口頭ならどうなのかということと、ただし書の公益上の必要その他の事由の中に報道の自由は含まれるのか、お伺いをいたします。

#8
○川原政府参考人 お答えを申し上げます。
 質問のうち、最初の点でございます、四十七条に口頭の場合は含まれるのかという点でございます。
 あくまで一般論として申し上げれば、刑事訴訟法四十七条は、「訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。但し、公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる場合は、この限りでない。」と規定しており、書面そのものを示す場合ばかりでなく、その方法のいかんを問わず、公益上の必要その他の事由がない場合や、これらの事由が認められたとしても相当と認められない場合には、その内容を明らかにすることが許されないものと承知をしております。
 それから、二つ目の点でございます、公益上の必要その他の事由に報道の自由は含まれるのかという点でございます。
 この刑訴法四十七条ただし書の公益上の必要その他の事由が認められるか否かにつきましては、個別の事案ごとに判断するほかなく、一概にお答えすることは困難でございますが、一般には、報道の自由という一事をもって直ちに公益上の必要その他の事由に該当するものではないと解されるところでございます。

#9
○稲富委員 ということは、刑事局長、この解説書の、私がお持ちしているところの「その他の事由」のところに書いてありますけれども、「報道機関の報道の自由といえども原則としてこの事由にあたらない。」ということをおっしゃったということですかね。それでよろしいですか。

#10
○川原政府参考人 お答えいたします。
 この点、若干いろいろな考え方があるところでございまして、私が先ほど御答弁申し上げましたように、報道の自由という一事をもって直ちにこの事由に該当するものではないということでございます。

#11
○稲富委員 分かりました。確認をいたしました。
 その上で、これは山花先生も当委員会で御質問されていましたけれども、改めて伺いますが、この刑訴法四十七条の趣旨に違反した場合というのはどんな罪に問われますか。

#12
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 今委員御質問の中で、どのような罪に問われるかということでございます。
 それが犯罪ということを想定されているということであるならば、犯罪の成否は捜査機関により収集された証拠に基づき個別に判断されるべき事柄でございますので、お答えを差し控えさせていただきますという点をまず申し上げた上で、その上でなお、あくまで一般論として申し上げれば、刑訴法四十七条は、「訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。但し、公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる場合は、この限りでない。」と規定しておりまして、捜査情報の公表につきましても、公益上の必要その他の事由がない場合や、これらの事由が認められたといたしましても相当と認められない場合には、これを明らかにすることが許されないものと承知しております。
 その上で、国家公務員が、このような刑訴法四十七条の趣旨に違反しまして、職務上知ることのできた秘密を漏らしたという場合には、国家公務員法の秘密漏えい罪の罪が成立し得るものと承知しております。

#13
○稲富委員 これは、資料一枚目の右の方に、山花先生が刑事局長との御答弁の中であった、国家公務員法の百条に違反し得ることがあり得るということかと、そういう御答弁だったと思います。
 そうすれば、要するに口頭で、例えばですけれども、ちょっとお伺いしたいんですけれども、例えば、検察官が記者とマージャンをする中で、口頭で検察官しか知り得ない情報を伝えるということは違反になりますか。

#14
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 具体的な犯罪の成否は捜査機関が収集した証拠によって判断されるべき事柄でございますので、お答えを差し控えさせていただきたいと存じます。

#15
○稲富委員 お答えを差し控えるということですね。分かりました。
 次に行きます。大臣、順番を変えて四番目に行きますので、済みません。
 資料の三ページ目からを御覧ください。冒頭申し上げましたように、十三日にこのような報道がありましたので、全部分かり得るところでお持ちをしております。
 十三日、読売と毎日に黒川元検事長略式起訴という記事が出ております。右の方を見ていただくと、最後のところに「黒川氏も略式起訴の方針に同意しているという。」と丁寧に説明までついていて、同意している旨も書いてある。
 翌日を見てみると、次のページ、四ページを見ていただくと、産経、朝日、そして同じ十四日に東京、日経、そして、ここに出しておりませんけれども、共同も、十三日の夕刊にも出ております。
 それで、我々、随分と議論する中で、記者が何か事件に食い込んで情報を取るということは確かにあろうなということは否定するものではありません。ただ、これを見ると、何か事件に食い込んで記者がネタを取ってこうなったとはとても思えないような、その他の新聞もですね。
 そこで、改めてですけれども大臣に伺いたいのは、これはほぼ全紙にこういう形で十八日の前に出てしまっているわけですが、法務・検察から何らかの情報漏えい、略式起訴になるという情報漏えいはなかったということでよろしいでしょうか。

#16
○上川国務大臣 今、報道機関各社の記事ということでの言及がございましたが、報道各社は、独自の徹底した取材活動に基づいて得た様々な情報を報道機関各社の判断において記事にしているものと思われます。報道機関がいかなる取材、情報に基づいて当該報道を行っているかにつきまして、承知をしておりません。

#17
○稲富委員 報道各社のことを伺っているわけじゃなくて、法務・検察が、この十八日に略式になるということを、情報を誰かが、先ほど、刑訴法四十七条では、文書だけではなくて口頭であってもこれは許されない、趣旨からすると許されないわけで、口頭でもそういった情報を伝えているということはないということでよろしいかという御確認です。

#18
○上川国務大臣 この記事につきましては、報道各社が責任を持って取材をした上で、今のように各新聞その他で報道しているものと承知をしておりまして、それがいかなる取材、情報に基づいてそうした報道を行っているかについては承知をしておりません。

#19
○稲富委員 なかったと言っていただければそれでいいんですけれども、なかなかそのこともお答えできないということですね。
 大臣、ごめんなさい、ちょっと飛ばして六番目に行きます。
 そこで、漏えいがあったかどうかということでいろいろな議論がありまして、資料六ページを御覧いただければと思います。
 理事会、理事懇で、まず、記事がリークされているかもしれないという調査をしていただきたいということで、この資料を法務省から右、左といただきましたけれども、確認ですが、これは法務省の資料ですので、当然大臣の決裁は受けているということでよろしいでしょうか。

#20
○上川国務大臣 内容については報告を受けている状況でございます。

#21
○稲富委員 それで、この中で、まず左側のところでいけば、情報源に関する調査結果ということで、ここのちょっと赤線、マーカーを引いたのは、報道機関ではなくて内部の調査をしてはどうかということに対して、「検察当局に対する調査を行うとした場合には、真相を解明し、法と証拠に基づき適正な科刑の実現等を図るという検察当局の活動を不当に制約することとなりかねない」。ここはおかしいということは山花委員も御指摘がありました。
 そこで、右の方へ行きますと、いや、そうはいっても内部調査していることはあるじゃないかということで、例えば右側の、黒川元検事長の賭けマージャンについては法務省の内部で調査をした、じゃ何で今回は調査をしないのかということに対して、こういうお答えでございました。上の方です。「当該報道については、漏えいがあったことを疑わせる確たる証拠が存せず、事件関係者への取材等により記事にできる内容でもあることから、」「調査を行うことは、抑制的であるべき」。
 ここでまず伺いたいのは、大臣に伺います、これは大臣が見られたということで、「漏えいがあったことを疑わせる確たる証拠が存せず、」というところなんですけれども、私からすれば、漏えいがあった確たる証拠と言われれば、それはないかもしれないなと思います。ただ、漏えいがあったと疑わせる確たる証拠というのは、まさにこの様々な報道機関であって、報道記事であって、疑わせるに十分な確たる証拠だと私には思えますけれども、それで十分じゃないんでしょうか。

#22
○上川国務大臣 今読み上げた文言でございますが、当該報道につきまして、漏えいがあったことを疑わせる確たる証拠が存せずということでございます。
 そもそも、特定の報道を端緒として、報道機関による報道経緯あるいは根拠につきまして調査を実施することにつきましては、これまで答弁を繰り返してこさせていただきましたけれども、一般的には抑制的であるべきというふうに考えております。
 検察当局におきまして、今、情報漏えいがあったことを疑わせる、うかがわせる確たる証拠がない、すなわち、報道内容自体が漏えい行為の具体的事実そのものを示すものではなく、その嫌疑をうかがわせる十分な根拠がないにもかかわらず調査そのものを実施することになりますと、およそ報道がなされれば、情報漏えいの可能性を疑ってその報道経緯や根拠を調査することになりかねず、それ自体が報道機関の取材の自由、取材源秘匿の自由に対する影響があり得ることなどから、相当ではないというふうに考えております。
 いずれにしても、個別の案件に関しましては、調査の必要性の有無も含めまして、検察当局におきまして適切に判断するものと考えております。

#23
○稲富委員 そのようにざっくりと答えられると、これはかなりいろいろな経緯でここまで実は法務省から文書をいただいておりますので。
 漏えいがあったことを疑わせる確たる証拠が存せず、事件関係者への取材等により記事にできる内容でもあることから、抑制的であるべきだ、黒川氏の賭けマージャンと比べてこういう理由でこうできないんだというふうにおっしゃっているわけなので、今私が申し上げたのは、漏えいがあったことを疑わせるに十分な確たる証拠だと思うんですけれどもどうですかと、いや、それは確たる証拠と疑わせるに十分な証拠ではないかということを申し上げているんですが、大臣、もう一度お答え願えないでしょうか。

#24
○義家委員長 速記を止めてください。
    〔速記中止〕

#25
○義家委員長 速記を起こしてください。
 上川法務大臣。

#26
○上川国務大臣 先ほどちょっと申し上げたところでございますが、特定の報道を端緒として、報道機関による報道経緯また根拠につきまして調査を実施すること自体、これまでも御答弁申し上げてきたところでございますが、一般的には抑制的であるものというふうに考えております。
 検察当局による情報漏えいがあったことをうかがわせる確たる証拠がない、すなわち、報道内容自体が漏えい行為の具体的事実を示すものではなく、その嫌疑をうかがわせる十分な根拠がないにもかかわらず調査を実施することになりますと、およそ報道がなされれば、情報漏えいの可能性を疑ってその報道経緯や根拠を調査することになりかねず、それ自体が報道機関の取材の自由、取材源秘匿の自由に対する影響があり得ることなどから、相当ではないと考えているところでございます。
 個別の案件に関しまして、調査の必要性の有無も含めまして、これは検察当局において適切に判断するものと考えております。

#27
○稲富委員 ちょっとオウム返しになっちゃうんですね。
 じゃ、同じことを聞きますけれども、その次の、「事件関係者への取材等により記事にできる内容でもあることから、」と書いてあるんですけれども、三月十八日の略式が事件関係者への取材等により記事にできる内容なんですか。事件関係者へ取材すればそれが分かるのかということなんですけれども、これは書いてあるので、事件関係者への取材等により記事にできる内容なんですか、大臣。いや、これは通告していますよ、大臣に。

#28
○川原政府参考人 お答えを申し上げます。
 略式手続にすることが事前に事件関係者に分かるかということでございますが、略式手続の流れについて御説明申し上げます。
 基本的には、刑事裁判というのは、公開の法廷で裁判を受ける権利があるというふうに憲法でされていまして、本来は公開の法廷で受けるものでありますが、刑事訴訟法は、その例外として、書類審査のみで、非公開の手続で裁判官による有罪を科す略式手続を設けております。
 これは、今申し上げましたように、本来、公開の法廷で裁判を受ける権利を有するにもかかわらず、非公開の書面審理をするものですから、略式手続によって起訴される者本人に略式手続の内容を告知してその同意を得る必要がございます。
 したがって、略式命令による起訴をする前には、当該、その時点では被疑者になりますが、略式命令によって起訴する予定の被疑者に対して、あなたを起訴する場合、あるいはあなたを起訴するときに、略式命令手続によりますよということで、それで同意しますかということを確認した上、書面できちんと同意の署名を取りますので、通常の公判請求、すなわち略式と違う場合には、事前に検察官から何らかの告知がない場合には当該本人にとってどういう処分なのか知り得ないところでございますが、略式命令手続に関しましては、今申し上げましたように、刑事訴訟法の規定にのっとった手続を取ることによって、本人あるいはその本人から話を受けた弁護人なども場合によっては含むと思いますが、に対して、略式命令になるということを事前に知ることは可能でございます。

#29
○稲富委員 それは、そうすると、この事件関係者というのは黒川氏しかいないんじゃないですか。今おっしゃったことは、書類を、同意を得るために、それは当然、今の話でいえば黒川氏だけですよ、これは。じゃ、黒川氏がこの事件関係者であるということでこれが分かったということにしかならないんじゃないですかね。

#30
○川原政府参考人 お答え申し上げます。
 今私が御答弁申し上げましたのは、略式手続の性質上、被疑者本人がまず略式になる予定であるということを知り得るということを申し上げました。
 その上で、誰から取材をしたかということになりますと、それは被疑者本人から、自分がどうもこうなる、検察官からこう言われたということを聞いた者がもしいたとするならば、それらの者もそういった状況を知り得ますので、具体的な報道が、報道の根拠となった事件関係者については、被疑者本人以外の可能性もあると考えられるところでございます。

#31
○稲富委員 ちょっと分からないですね。先ほどの説明だと、略式の場合は、本人に書類をもって同意するかどうかというのを尋ねてという御答弁をされました。それを、ある意味、法務・検察、ごめんなさい、私も素人なので、どこからは分からないですけれども、要するに、法務・検察当局から書類が行って、同意を取るかどうかということをやって、それ以外は、検察か本人以外は知りようがないんじゃないですか。ほかに誰が知るんですか、それは。

#32
○川原政府参考人 お答えを申し上げます。
 略式命令手続について説明を受けて同意するのは被疑者本人でありますが、被疑者本人はその後自らの周囲の者と接触して何かを話すことは可能ですから、そういう意味で、今委員お尋ねのように、略式手続の告知等をしたとしても、被疑者本人と検察関係者しか知り得ないのではないかと言われますと、被疑者本人からの広がりも考えられる。例えば、繰り返しで申し訳ありませんけれども、弁護人がいた場合に、弁護人に対して、自分は今日、検察官から略式だと言われて、それに同意してきたということを報告すれば、その弁護人もそういうことを知り得るところでございます。
 もちろん、これは一般論として申し上げているところでございます。

#33
○稲富委員 一般論ですけれども、今、かなり具体的な話で、要するに、黒川氏そして検察、そして黒川氏からの広がり、そこしか事件関係者ということは言えないと思うんですね。だから、これは何かざっくり書いているんですけれども、その前の部分の疑わせるに確たる証拠も私はあると思うし、事件関係者への取材というのも極めて限られたところであるということから、やはり調査すべきじゃないかというふうに思うわけです。
 ちょっと質問を変えます。
 事件の起訴、不起訴というのは、当然検察、そして、その判断というのは検察内あるいは法務省内で共有をされるという理解でよろしいでしょうか。

#34
○川原政府参考人 お答えを申し上げます。
 一般的に、起訴、不起訴は、上司の指揮監督を受けつつ、担当検察官の責任で行うものでございますが、お尋ねは、検察当局における捜査活動や捜査体制にも関わる事柄でございますので、お答えを差し控えさせていただきたいと存じます。

#35
○稲富委員 一般論で結構なんですけれども、起訴、不起訴というのは当然検察官がやって、その判断は、判断自体は誰が共有をするんですかね。もちろん検察官そのものもそうですけれども、どこまでその判断が共有をされるのか、あるいは、そういうことを知り得るのかということをお尋ねします。

#36
○川原政府参考人 お答えを申し上げます。
 先ほどお答え申し上げたところでございますが、起訴、不起訴は、上司の指揮監督を受けつつ、担当検察官の責任で行うものでございます。したがって、担当検察官及びその指揮監督を行った上司は知るところでございますが、それが具体的にどこの範囲かということにつきましては、先ほど申し上げた理由から、お答えを差し控えさせていただきたいと存じます。

#37
○稲富委員 分かりました。ありがとうございます。
 なので、やはりこれは、事件関係者、当然知り得るのは、法務・検察か、この場合でいえば、略式でいえば黒川氏、そして黒川氏の周辺しかないということだと思うんですね。
 例えば、もう一つ聞きますと、大臣、これは三番目の質問です。ごめんなさい、ちょっと順番がいろいろになってしまいまして。
 黒川氏が、三月十八日、一転して略式起訴にされたということなんですけれども、その過程において、なぜそういう不起訴から略式に変わったのかということ、なぜ判断が変わったのかということをまずお伺いします。

#38
○上川国務大臣 お尋ねの件につきましては、個別事件におきましての捜査又は証拠関係の具体的内容に関わる事柄であるということでございますので、詳細につきましてはお答えは差し控えさせていただきたいというふうに存じます。
 その上でということでございますが、検察当局におきましては、一般的に、検察審査会の議決においてなされた指摘を踏まえて、諸般の事情につきまして総合的に考慮して起訴すべきものと判断をする、こういう手続になっているものと思います。

#39
○稲富委員 なかなかお答えできないということなんですけれども、要するに、ここは何か新たな判断が、昨年七月からこの三月十八日までに材料が生まれているわけじゃなくて、ただ判断が変わったんですよね。だから、新たな事実が発掘される中で、様々な調査、再捜査をする中で変わって、それで新たな事実が出てきて、そして新たな判断が出てきたということではなく、判断を変えたということなので、恐らく、やはりこの事件関係者というか知り得る人というのは、検察か黒川氏周辺しかないということだと思います。
 ちょっと時間なので、大臣、法務・検察行政刷新会議の報告書でこういう表現があります。検察官の倫理というのを掲げて、常識から乖離しないようにするために研修をするということがあるんですけれども、やはりこの一連の流れは、報道がなされているのに、情報漏えいはもちろんないと。国会にも報告をしない、内部調査もしない。あるいは、検察のナンバーツーであった黒川氏が賭けマージャンをやって不起訴処分だったというのも、私は常識から乖離していると思います。
 常識から乖離しないようにするためと、ここには具体的な取組方針を法務省は掲げていますけれども、まさにこの間の対応は常識から乖離していると私は思いますけれども、大臣、最後に御答弁をお願いします。

#40
○上川国務大臣 法務行政でございますが、国民生活の安全、安心を実現することを使命としています。国民の皆様からの信頼なくしては成り立ち得ないものであると考えておりまして、この点につきましては検察においても同様と考えます。
 法務・検察行政刷新会議の報告書におきましては、検察官の倫理、こうした側面で、今委員が読み上げたような内容でございますが、社会の目を意識し、また常識から乖離しないようにするということについては重要なことであると認識をしております。
 検察におきましても、様々な批判また指摘に対しまして、自らその行動を省み、思考して、自律的に行動すべきことが求められているのでありまして、そのような中で、社会の目をしっかりと意識し、そして常識から乖離しないように心がける、これが鉄則であるというふうに思っております。
 今回、様々な委員からも御指摘がございました。法務行政におきましても、そうした点につきましては、私も預かる者としてしっかりと対応してまいる、こうした覚悟を改めてしたところでございます。

#41
○稲富委員 終わります。ありがとうございました。

#42
○義家委員長 次に、階猛君。

#43
○階委員 立憲民主党の階猛です。
 稲富委員に引き続きまして、法務・検察の情報管理体制と国会からの調査説明要求への対応について大臣に伺いたいと思いますが、今日は人事院総裁にも来ていただいております。人事院総裁に最初に確認しておきたいと思います。
 略式命令請求を検察官が行う場合、先ほど来出ていますとおり、特捜部で決裁をして、それを本人に伝えて同意を得るということが必要であります。このような手続が行われたことを公表前に部外者に漏らした場合は国公法百条の秘密保持義務に違反するということで、先ほど来ありましたとおり、秘密漏えい罪ということで一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金が科されるということは、確認したとおりです。
 もう一つ、刑事罰ではなくて人事処分の関係でも確認したいんですが、こういう秘密漏えいがあった場合、国家公務員法八十二条一項一号違反で懲戒処分の対象となるというふうに理解しておりますが、それで間違いないかどうか、確認させてください。

#44
○一宮政府特別補佐人 職員の職務規律違反のおそれがあるときには、それ自体が認められれば違反になるということで、懲戒処分の対象になるということになると思います。(階委員「職務規律違反じゃないですよ。国公法違反ですよ、今言っているのは」と呼ぶ)職務、服務規律違反ということが国公法違反ということになると思うので、そこに該当するということになると思います。

#45
○階委員 だから、国公法違反の場合は懲戒処分の対象になるということでよろしいですよね。うなずいていらっしゃいますので、そうだという答えだと理解します。
 そこで、大臣に伺いますけれども、今回、資料一を見ていただきたいんですが、稲富委員が三月十七日に質問した段階で二ページ目の報道がもう既に出ていたわけですけれども、この中で、東京地検特捜部が略式起訴の方針を固めたということと、黒川氏がこれに同意したということが報じられているわけですね。実際に略式命令請求が行われたのは三月十八日です。すなわち、公表前にこうした重要な事実がマスコミに伝わっている、何らかの形で伝わっているわけです。
 先ほど答弁がありましたとおり、仮にこの情報が漏れたとすれば、特捜部の関係者か黒川氏本人の関係者しかあり得ないわけです。懲戒処分を行わなくてはいけないかどうか、これを判断する前提として、黒川氏はもう辞めた人なので調査の対象にはならないにしても、法務・検察の組織の中で内部調査をすべきではないかというふうに思うんですね。
 この内部調査ということは、過去、まさに黒川氏のマージャン事件でもやっているわけですから、やろうと思えばやれないわけはないということで、なぜ、この情報漏えいが懲戒処分事由であるにもかかわらず内部調査を行わないのか、これをお答えください。

#46
○上川国務大臣 これまで一連の御質問をいただいてまいりましたけれども、特定の報道の経緯や根拠につきまして調査等を行うことにつきましては、様々な問題がございまして、一般的には相当ではないものと考えております。
 報道機関の取材の自由また取材源秘匿の自由等に対する影響があり得るということ、また、真相を解明し、法と証拠に基づきまして適正な科刑の実現等を図るという検察当局の活動そのものを制約することになりかねないということ、また、事件関係者等の行動の自由、また防御の活動に影響を及ぼしかねないこと、こうした問題がございまして、一般には相当でないものというふうに考えております。
 御指摘の報道につきまして、今、経緯、時系列で表をお出しいただいておりますが、十三日のこの黒川元検事長関連の報道に関してでございますが、漏えいがあったことを疑わせる確たる証拠が存せず、事件関係者への取材により記事にできる内容でもあるということでございまして、法務省が検察当局に対しまして調査を指示、命令したり法務省自らが調査を行うということについては抑制的であるというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、個別の案件に関しましては、調査の実施の必要性の有無も含めまして、検察当局におきまして適切に判断するものと考えておりまして、法務省として調査をするという考えはございません。

#47
○階委員 じゃ、賭けマージャンのときはなぜ調査をしたんですか。教えてください。

#48
○上川国務大臣 いかに御指摘の調査が行われたかということにつきましては、この報道内容自体が現職の幹部の犯罪行為を具体的に記事にするものであったことに加えまして、黒川元検事長自らが取材を受けた事実を報告し、賭けマージャンを行っていた事実関係をおおむね認めたことから、処分対象事実の存在が明白となったという事実経過の下で、人事上の処分等を行う目的で調査を行ったものでございます。調査の必要性が十分に認められる事案であった旨の報告を受けているところでございます。
 いずれにいたしましても、個別の案件に関しましては、調査の必要性の有無も含めまして、検察当局におきまして適切に判断するものと考えておりまして、法務省として調査を行う考えはございません。

#49
○階委員 今までの答弁、文書にしますと、大体、私の資料の四ページ目に書かれてあることが、大臣がお話しになったことのほぼ同じ内容だと思うんです。
 確たる証拠がなければ調査しなくていいのかということなんだと思うんですね。確たる証拠があろうがなかろうが、法務・検察の情報管理体制、本当にちゃんとなっているのかどうかという観点から調査をすべき場合はあるのではないか。
 かつ、確たる証拠が必要だという立場に立ちますと、通常、情報漏えいがあった場合、報道機関の側から、どこから情報を入手したとかどういうルートで情報を得たとかということは、まさに報道の自由で、報じるわけがないわけでして、確たる証拠なんというのは絶対あり得ないと思いますよ。
 確たる証拠があろうがなかろうが、懲戒事由であり、かつ刑罰にも問われる情報漏えいが疑われている、そういう可能性があるというふうに大臣が判断すれば、ここは積極的に内部調査をすべきだと思いますよ。
 何か、法務省の官僚が書いてきた文書をそのまま読み上げるんじゃなくて、法務大臣はガバナンスするわけでしょう。ガバナンスPTをつくってガバナンスしようとしているわけだから、言いなりにならないでガバナンスしてくださいよ。
 まさに、この黒川氏の賭けマージャン以来、法務・検察とマスコミとの癒着が疑われているような中に、こういう事件が、事件というか、こういう報道があったわけですよ。通常だったら、情報管理体制は大丈夫かということで、大臣自ら率先して内部調査をやれと言うべきですよ、我々に言われなくても。なぜそんなことをやらないんですか。
 紙ばかり読み上げないで、自分の考えでお話ししてくださいよ。納得いきません。大臣、お願いします。

#50
○上川国務大臣 私は、法務大臣として、検察当局に対し、今委員の方が御指摘いただいたような、そうした指示等を行うことにつきましては抑制的であるべきというふうに考えております。
 そもそも、検察は、公共の福祉の維持そして個人の基本的人権の保障とを全うしつつ、事案の真相を明らかにして、刑罰権、これを適正に行使するという重要な役割と権限を有しております。このような検察の性格から、法務大臣との関係におきましても、検察の公正中立の確保が要請されているものと理解をしております。
 検察におきまして、様々な批判、指摘に対して、自らその行動を省み、思考して、自律的に行動すべきことが求められているのでありまして、私から御指摘のような指示等を行うことについては抑制的であるべきではないかというふうに思っております。
 ガバナンスもいろいろな考え方があろうかと思いますが、私としては、今こうした立場に立った上で、様々なことを考えた上で、今のような判断をしたところでございます。

#51
○階委員 大臣おっしゃるとおり、検察は刑罰権を行使するという重要な役割とか権限を持っているわけですよ。そういう組織だからこそ、自らを律して、違法行為など決して起こしてはならない。それが、昨年損なわれているわけですよ。だから、我々は問題にしているわけです。
 黒川氏がそれを損なった。それを回復しようと思って、法務・検察行政刷新会議をつくり、今ガバナンスPTをやっているわけでしょう。仏作って魂入れずですよ、このままじゃ。ちゃんとやってくださいよ、内部調査。当たり前でしょう、去年あれだけの問題を起こしておいて。
 もしこれをやらなければ、これからも情報漏えい、検察は何やってもおとがめなしということになりますよ。懲戒処分もされない、刑事罰も行使されない、検察官だけは法を破ってもおとがめなし、そんなので信頼回復なんかできるわけないじゃないですか。何を言っているんですか。法務大臣として資質を欠きますよ。
 法の支配を貫徹するのがあなたの仕事でしょう。ガバナンスをしっかりするんだったら、内部調査をやってください。
 もう一回お尋ねします。これは大臣の資質を問いますからね。内部調査をやらないんですか。

#52
○上川国務大臣 検察が国民の信頼を失墜させるという事態が生じたことについては、極めて重く受け止めている状況でございます。
 私も、九月に法務大臣に任命をされまして、この法務行政、司法の分野におきましての国民の皆さんからの信頼を得るために、日々それぞれの組織の中で、検察の理念も含めまして、どのようにしっかりとやっていくのかということについては、これに全く考えが及ばない中でやっているという、そういう御指摘もございましたけれども、そういうことではなく、極めて緊張感を持って取り組んでいるところでございます。
 信頼を回復するということにつきましては、検察の精神及び基本姿勢、これを示すものとして策定いたしました基本規程であります検察の理念におきましては、「関係者の名誉を不当に害し、あるいは、捜査・公判の遂行に支障を及ぼすことのないよう、証拠・情報を適正に管理するとともに、秘密を厳格に保持する。」と、明確に規定をしているところでございます。
 私は、この検察の理念ということについては、かつての様々な問題があったことを受けて、総力を挙げて検察の理念を作り上げてきたところでありまして、そこに掲げられているこの基本的な考え方、これについては極めて重要なものというふうに思っております。
 検察当局におきましても、今般の当委員会で様々な御指摘があり、そして、一年もたっているところでもございますが、引き続きこうした御指摘を得ているということについては、これは真摯に受け止めるべき事柄であるというふうに思っておりまして、常にこの検察の理念、これに立ち返りまして、捜査上の秘密の保持に格別の配慮を払っていく、このことについては、組織としての矜持を持って取り組むべき事柄というふうに考えております。

#53
○階委員 具体策が全くないわけですよ。自ら内部調査はしないということですね、そうすると。結論はそうなんですね。結論だけ、自ら内部調査はしないと。
 では、そういう前提でお聞きしますけれども、国会が国政調査権の行使として、今回情報漏えいがあったのかどうか調べますと言ったら、それには協力しますか。お答えください。

#54
○上川国務大臣 もとより国会の国政調査権は大変重いものというふうに思っておりまして、これについては最大限の尊重を要するものというふうに考えております。
 国政調査権の行使、あるいは、これを背景とした国会の委員会におけるお求めにつきましては、法務省として、法令の許す範囲で、でき得る限り協力すべきものと考えております。このような考えの下で、これからも真摯に対応してまいりたいというふうに考えております。

#55
○階委員 それでは、国政調査権によって、今回の件で情報漏えいがあったのかどうか、この点について理事会で協議していただきたいと思います。

#56
○義家委員長 ただいまの件につきましては、理事会にて協議いたします。

#57
○階委員 その上で、国政調査権を尊重するという今のお言葉がありました。
 私たちが国会で質問するのも、国政調査権の行使の一環として、あるいは行政監視の一環として行っているわけで、憲法上の権能に基づいて行っているわけですね。
 それに対して、一ページ目の稲富委員の質問に対する大臣の答え、現在捜査中の個別事件に関する事柄であり、お答えは差し控える。こういう答弁が、稲富委員に限らず、私もそうですけれども、様々な委員に対して連発されているわけですね。
 今日は、法制局長官にもお越しいただきました。
 こういう答弁が連発されていることがあるわけですけれども、他方で三ページ目、これは内閣法制局で出している憲法関係答弁例集というものから抜粋したものです。国政調査権と検察権ということで書かれてありますけれども、まず、検察権の行使は、行政権の作用であるから、一般論としては当然国政調査の対象となり得るということを書いた上で、最後の方で、検察権の行使についての国政調査に当たっては、検察権の独立を損ない、ひいては司法権の独立を害するようなことがないよう慎重な配慮が必要であるというふうにあります。
 検察権の行使についての国政調査に当たって、検察権の独立を損なわないようなやり方かどうか、これはどういう基準で判断するのか、また、誰がそれを判断するのか、お答えください。

#58
○近藤政府特別補佐人 お答え申し上げます。
 ただいまの御質問でございますが、国政調査による調査を求められた各省庁において、基本的にはそこは判断をしていくということかと存じております。

#59
○階委員 じゃ、検察権の独立を損なうかどうかというのは、検察権は法務省に関わるところだから、法務省が自由裁量、自由に判断していいということになるわけですか。お答えください。

#60
○近藤政府特別補佐人 先ほども法務大臣からお答えございましたように、国政調査権の行使については、政府としては、できる限りこれに対応していくという基本的な考え方の下でのぎりぎりの判断だと思いますけれども、基本的には、それぞれ国政調査の対象になった省庁において、自由裁量というのはあれですけれども、きちっと、国政調査によって得られる利益と、それに答えることによって害される利益というところの比較考量によって、それに直接お答えするか、ある程度答えられないものとしてお答えするのか、そこは各省庁において真剣に検討した上でお答えするということだと思います。

#61
○階委員 法制局長官、それで本当に憲法に合致していると言えるんですかね。
 議院内閣制の下で、内閣は、行政権の行使について、連帯して国会に責任を負うわけでしょう。なのに、国会が調査しろと言ったことに対して、調査に応じるかどうかは役所の方で判断しますと言ってしまったら、骨抜きになっちゃうじゃないですか。そんな答弁でいいんですか。公式見解ということでいいですか。政府統一見解でいいですか。

#62
○近藤政府特別補佐人 お答えいたします。
 従来から、国会の国政調査権と、特に今お話があった検察権の関係については、長くいろいろ議論がされました。それで、政府としても、これまでもいろいろなお答えをしておりますけれども、国会の国政調査権と検察権との関係に関する質問主意書というのが何度かございますけれども、その中で、政府全体としてこう答えております。
 先ほど、階先生の資料の三にありますような観点から、捜査の内容等の秘密であって現在及び将来の検察運営に重大な支障を来すおそれのある事項については、国の重大な利益に悪影響を及ぼすおそれがあるものとして、これを明らかにしないこともやむを得ないところと考えるというのが政府の公式の見解でございます。

#63
○階委員 では、もうちょっと具体的な形でお聞きしますけれども、一般論としてお尋ねですが、検察の情報管理体制を監視するために情報漏えいの有無を調査する。既に報道がなされている、かつ事件の処理も終わっている、捜査には影響がないと思っています。そういうことを調査するというのは検察権の独立を損なうのかどうか、お答えいただけますか。

#64
○近藤政府特別補佐人 お答えいたします。
 今一般論でとおっしゃいましたけれども、基本的には個別の問題に入った話でございますので、先ほど申し上げたように、一般論とする検察と国政調査との関係については先ほどお答えしたとおりでございまして、今の話は個々の具体的案件についての関係省庁の具体的な御判断の問題だと思いますので、ちょっとそれについてのお答えは差し控えさせていただきます。

#65
○階委員 では、関係省庁責任者である法務大臣に聞きますけれども、検察の情報管理体制を監視するという目的で、国会が情報漏えいの有無を調査することは、検察権の独立を損なうというふうに考えるか否か、大臣の見解をお願いします。

#66
○義家委員長 速記を止めてください。
    〔速記中止〕

#67
○義家委員長 速記を起こしてください。
 上川法務大臣。

#68
○上川国務大臣 国会の国政調査権、あるいは、これを背景とした国会における御質問につきましては、最大限の尊重を要するものと考えております。
 しかしながら、捜査内容そのものを明らかにすることは、単に具体的事件の捜査、公判への支障になるというだけでなく、関係者の名誉、プライバシーの保護の観点から問題があるのみならず、罪証隠滅活動を招いたり、関係者の協力を得ることが困難になるなど、今後の捜査、公判に重大な支障が生じるおそれがあるということでございます。裁判所に予断を与えるなど、司法権の独立に影響を与えるおそれもございます。
 国会において具体的事件の内容に関する御質問、これもお答えいたしかねる場合もあるということについては、御理解いただきたいというふうに思います。
 国政調査権の行使、あるいは、これを背景とした国会における御質問に対しまして、法務省としては、法令の許す範囲内で、でき得る限り協力すべきものと考えておりまして、このような考えの下におきまして、真摯に答弁してまいりたいというふうに考えております。

#69
○階委員 もう捜査は終わっていますからね。捜査への影響はないと思うんです。
 それで、かつ、刑事確定訴訟記録法という法律がありますよね。確定したものについては刑事の訴訟記録を公開できる。今回、もう、報道によりますと、黒川氏は罰金を納めているということなので、確定しているんだと思っています。確定しているようであれば、私ども国会に対しても、確定した刑事記録について公開してもらえませんか。大臣、お願いします。

#70
○上川国務大臣 ただいま委員から、確定した刑事事件の訴訟記録に関しまして御質問がございました。
 一般論として申し上げるところでございますが、確定した刑事事件の訴訟記録につきましては、その確定記録を保管する検察官が、刑事確定訴訟記録法に基づく閲覧申請に対しまして、同法に規定される要件を満たしていると判断した場合に、閲覧が許可されるところでございます。
 また、謄写につきましては、その確定記録を保管する検察官の裁量により、認められる場合もあるものと承知をしております。
 法務省は訴訟記録を保管しておりません。法務省から訴訟記録の写しを提供することなどにつきましても困難であるということにつきましては、御理解をいただきたいというふうに思います。

#71
○階委員 いや、だから、国会で、なぜ処分が変わったのか、先ほど稲富委員からも質問があったとおりですよ。そういったことを確認する上でも、確定した記録というのは公開してもらう必要があるわけですよ。
 一々、私ども国会議員も、国会で質問権を行使するだけではなくて、刑事確定訴訟記録法ですか、これに基づいて手続をしないと情報が得られないわけですか。そういう姿勢だから、国政調査権に全く応じる姿勢がないんじゃないか。
 これは確定したものですから、捜査にも何も影響はないでしょう。これは、法務と検察、人事処分だって一体となってやってきたわけだから、そんな記録なんかは出せるはずじゃないですか。我々、国政調査権の一環として、質問権を行使し、そして今の記録を求めていますので、出していただくよう手配していただけませんか。

#72
○上川国務大臣 確定した刑事事件の訴訟記録につきましては、先ほど申し上げたとおりでございまして、極めてルールが定められているところでございます。
 法務省におきましては訴訟記録を保管しておりませんで、法務省から訴訟記録の写し、これを提供することは困難であるということは、御理解いただきたいと思います。
 御指摘の件でございますが、保管検察官の判断、これに関わることでございまして、お答えは差し控えさせていただきたいというふうに思いますが、この保管検察官におきまして適切に刑事確定訴訟記録法に基づきまして判断をするものというふうに承知しております。

#73
○階委員 刑事確定訴訟記録法に基づく手続をするかどうかについては、今日の大臣の答弁を後で精査した上で、しかるべき対応を取りたいと思っていますが、最後にもう一度だけ確認します。
 国政調査権の行使には応じられるということで伺いましたけれども、ゆめゆめ検察権の独立がどうとかいろいろな理由をつけて調査を拒むということはないということでお願いしたいと思うんですが、調査には誠実に応じるということでよろしいですね。

#74
○上川国務大臣 国政調査権の行使、あるいは、これを背景とした国会そして委員会におきまして、お求めについては、法務省としては、法令の許す範囲内で、できる限り協力すべきものというふうに考えております。
 先ほど来答弁をさせていただいておりますが、御指摘のような特定の報道の報道内容、また根拠について調査等を行うことにつきましては、様々な問題がございまして、一般的には相当でないものというふうに考えております。
 先ほど法務大臣としてガバナンス云々の話の質問もございましたけれども、私自身は、さきに申し上げたとおり、検察の自律性ということについて、これを最大限、しっかりと自らが律していくという検察の理念に基づいて判断すべきものというふうに考えておりまして、個別の案件に関しまして、調査の必要性の有無も含めまして、これは検察当局において適切に判断するものというふうに考えております。

#75
○階委員 だからガバナンス能力がないと言われるんですよ。今は平時じゃないんですよ。検察が信頼を失墜し、それを取り戻す過程で疑惑が生じているわけだから、積極的に調査に応じるべきでしょう。誰のために仕事をしているんですか、組織のためですか、国民のためですか。国会が信任して、内閣の一員なわけでしょう。しっかり、国会に対して責任を果たしてくださいよ。法務・検察組織のためにやっているんじゃないでしょう。そこをちょっと考えを改めてもらわないと、とてもじゃないけれども、大臣の下で、これから重要な入管法の審議なんかできませんよ。ちょっと考えを改めてください。国会に対してもっと誠実に対応してもらえませんか。
 見なくていいですよ、私は心構えを聞いているんだから。そんな紙を見て答えることじゃないでしょう。

#76
○上川国務大臣 法務行政につきましては、国民生活の安全、安心を実現する使命としておりまして、国民の皆様からの信頼なくしては成り立たないものというふうに考えております。
 私は昨年の九月十七日に任命をされましたけれども、その当時、その前の様々な事態を非常に憂慮しておりました。そして、一層国民の皆様から信頼されるためにはどうすればいいのかということを絶えず自問しながら、法務省全職員の先頭に立って法務行政に取り組む必要があると考え、行動してきたところでございます。
 昨年でありますが、大臣就任の直後でございまして、全国の検察庁の長官に向けまして、検察が国民の信頼という基盤に支えられ続けることができるよう、引き続き、一つ一つの事件に対しまして、しっかりと使命感を持って職務に取り組んでいただきたいとお伝えをいたしました。この点については、これを大臣から改めて申し上げるということそのものが極めて重いものというふうに考えておりましたけれども、そうしたことについて、就任直後、これは九月でございましたけれども、発信したところでございます。また、職員が一たび非違行為に及べば、職場環境そのものが害されるだけではなくて、国民の信頼も損なわれることになるということで、いま一度襟を正して、自身が範を示してほしいということも申し上げたところでございます。
 全国の検察庁の長官に伝えたところでございますが、一つ一つの事件にしっかりと取り組んでいき、その職責を果たしていく、それが、検察が国民から信頼を得ていくことにつながるものというふうに考えております。
 様々な御指摘をいただいて、そこからの気づき、また学び、こうしたことの機会を与えるということは非常に大事であるということで、検察刷新会議におきましても、研修の重要性ということについては、理念の中に書かれている文言をしっかりと体得しながら、そして繰り返し、繰り返し、繰り返し、原点に立って、そして自律的に行動を変えていく、踏まえていくということが重要であるというふうに思っておりまして、それ自身が組織全体の適正性、また国民からの信頼に応えるものというふうに考えております。
 もとより国会におきましての質問に対しましては、私自身、真摯に向き合って答弁をしてまいったところでございまして、この姿勢については、これからもそのような姿勢で更に努力をしてまいりたいというふうに考えております。

#77
○階委員 いや全く、長いだけで、心に響かない。また、官僚の紙を読んでいるということは、ガバナンスする側がガバナンスされているんじゃないかという思いを強くしました。極めて残念です。
 さて、その上でですけれども、検察の信頼を失墜したもう一つの要因の検察庁法改正案、余人をもって代え難いと言っていた黒川氏がああいう不祥事を起こして、検察組織というのはよっぽど人材がいないんだなということを国民に知らしめたわけですけれども、今回、検察庁法改正案が改めて国公法の改正案と一緒に出されるわけですけれども、この検察庁法改正案、どのように起案というか、起草されたのかということについてお尋ねしたいと思います。
 人事院総裁、昨年この場にお越しいただいて、法案を作成する過程で解釈変更がされたわけですよね、検察官の勤務延長について。解釈変更がされたんだけれども、今回は、この解釈変更、法案の中身を見ますと、勤務延長規定の適用はやはりなくなったわけですね。去年は勤務延長規定の適用があるという法案の内容だったし、その前提で解釈も変更されていた。今回は、勤務延長規定の適用がなくなったということは、自然に考えれば解釈変更も必要がないということで、人事院の方に、やはりあの解釈変更はなかったことにしてくださいということで相談があったのかなと思うんですけれども、どうだったんでしょうか。お答えください。

#78
○一宮政府特別補佐人 法務省からは、検察庁法改正案の方針について、今回、相談や協議は受けておりませんが、御説明はありました。

#79
○階委員 どのような説明ですか。お答えください。

#80
○一宮政府特別補佐人 本年三月八日に法務省刑事局長が当方の給与局長のところに来訪され、検察庁法改正案の方針について御説明がありました。

#81
○階委員 説明があったというときの、刑事局長が持ってきたペーパーが、五ページ目、六ページ目ですね。極めて簡単なものですね。五ページ目が表紙でありまして、六ページ目が中身ですけれども、「検察庁法改正案の方針について」。
 「前回の通常国会に提出した法案」、1、定年引上げ及び役降りの制度の説明があって、2については勤務延長及び役降り特例の説明があるという中で、二つ目の丸、「今後提出予定の法案の内容」としては、1のみ、すなわち定年引上げ及び役降りのみとするということで、検察官は勤務延長や役降り特例はできなくなるということを一方的に説明して帰られたということでよろしいですか。
 かつ、それを人事院としては何も不思議には思わなかったということでいいですか。

#82
○一宮政府特別補佐人 検察官の勤務延長等について、検察庁法でどのような特例を設けるかについては、法務省において適切に整理されるべきものと考えておりますので、特段意見は申し上げておりません。

#83
○階委員 不思議ですよね、昨年はあれほど大騒ぎをして、解釈変更、あったのかなかったのか、あったということで、文書に日付のないものまで出されて、人事院はちゃんと協議したんだと言っておられたのに、今回、そうした大ごとになった解釈変更を有名無実化するような法案が出されるわけですよ。それに対して何の意見も言わなかったというのも不思議な話なんですが。
 そもそも、大臣に伺います、法案を提出した責任者として大臣に伺いますけれども、今回の法案なんですが、もっと単純に考えて、去年出した法案というのは、元々の案というのは、一昨年の十月に、勤務延長とかがない、勤務延長規定の適用がないという前提で、つまり昔の解釈で法案を作っていたわけです。そのときの法案を今回出せばよかった話じゃないですか。なぜ、解釈変更は維持したまま、解釈変更はあるけれども適用はないというような複雑なたてつけにしているのか、そこがよく分からないので、理由を説明してください。

#84
○上川国務大臣 昨年の通常国会におきまして提出いたしました国家公務員法等の一部を改正する法律案でございますが、このうち、検察庁法改正部分につきましては、国会のみならず、国会外におきましても様々な批判がなされまして、そして、立法府の判断で廃案に至ったものでございます。
 当時、法律案に対する批判に加えまして、元検事長による非違行為によりまして、法務行政及び検察の活動そのものが国民からの信頼を損なう事態となったところでもございます。
 先ほど来申し上げているとおり、法務行政及び検察の活動でありますが、国民生活の安全、安心の実現を使命としておりまして、国民の皆様からの信頼なくしては成り立たないことでございます。
 そうしたこと、こういう経緯も踏まえまして、法務省といたしましても、法案に対する国民の理解が十分に得られなくなったことを重く受け止めて、同じ内容の法案をそのまま提出しても国民の理解を得ることが難しいと考えたところでございます。
 法務省といたしましては、このように国民の理解が得られなかった内容のまま法案を再び提出するということは、国民の信頼という基盤によって立つことにも照らしますと避けるべきと考えまして、国家公務員法上の勤務延長の規定は、法文上、検察官に適用しないという規定を置きまして、検察官の役降りの特例も置かないこととするなどの内容を変更したものでございます。

#85
○階委員 いや、法案の今回の内容を聞いているわけじゃなくて、解釈変更は維持されているという前提の法案になっているということを問題にしているわけですよ。解釈変更は維持されているということでいいんですよね。まず、前提として確認させてください。

#86
○上川国務大臣 先回の手続の中で、解釈変更について行った、これは維持している上でということでございます。

#87
○階委員 維持する必要性はどこにあるんですか。黒川氏以外、解釈変更されたものが適用された事例はなかったと聞いていますよ。余人をもって代え難いじゃなくて、余人をもって適用し難い、そんな解釈変更をなぜ維持する必要があるんですか。維持する必要性をお答えください。

#88
○上川国務大臣 今御指摘いただきました解釈変更についてでございますが、これは、一般の国家公務員に勤務延長制度が導入されました昭和五十六年当時と比べまして検察官を取り巻く情勢が大きく変化したことを踏まえまして、検察官につきましても、定年後も引き続きその職務を担当させることが公務遂行上必要な場合があると考えられたことから、関係省庁と協議をするなど適正なプロセスを経て行われたものと承知をしております。それ自体が誤っていたというものではなく、撤回する必要はないものと考えております。

#89
○階委員 いや、そしたら、じゃ、今度は法案の方がおかしいということになるでしょう。必要があるから解釈変更は維持すると言うんだったら、今回の法案は、必要があるのに適用しないということにしたということですか。必要があるのに解釈変更は適用しない、そういう理解でよろしいですか。

#90
○上川国務大臣 適用除外規定を置くこととしたところでございますが、御指摘のとおりでございますが、もっとも、法務省におきましては、昨年の通常国会に提出した法案につきまして、先ほど来申し上げたとおり、国民の皆様の理解が十分に得られなかった、また国会外でも様々な指摘があったことについて重く受け止めまして、今回の法案では、法文上、国家公務員法上の勤務延長の規定は検察官に適用しないという規定を置きまして、検察官について勤務延長をすることができないということとしたところでございます。

#91
○階委員 何を言っているかよく分からないんですけれども、解釈変更をなぜ維持する必要があるのかと言ったら、様々な情勢変化があって維持しなくちゃいけないということを言っているんだけれども、じゃ、なぜ法案についてはそれを適用しないということにしたのかと言うと、検察官に対する批判があったからということをおっしゃるわけですね。
 どうなんですか。本当のところは必要があるということをおっしゃっていて、でも、しようがないから、いろいろ批判が出たからしようがないのでやむなく外した、そういう考えなんですか。
 大臣、自分の言葉で答えてください。ちゃんと理解していたら、こういうことに対して自分の言葉で答えられるはずですよ。

#92
○上川国務大臣 御指摘の解釈変更につきましては、先ほど述べたとおりでございまして、必要がありということで、適正なプロセスを経て行われたものと承知をしております。
 法務省といたしましては、先ほど来申し上げて、繰り返しになるところでございますが、昨年の通常国会に提出した法案につきまして、国民の皆様からの理解が十分に得られなかったことを大変重く受け止めまして、同じ内容の法案を再び提出することは避けるべきと考えたところでございます。検察官に勤務延長の規定を適用しないという政策判断を行ったところでございます。
 国家公務員法上の勤務延長を検察官に適用しないという規定を置くことといたしましたのは、御指摘の解釈変更を前提としつつも、今後は検察官に勤務延長の規定を適用しないということを明文で定めたものでございまして、従前の解釈変更を改める解釈変更を行ったものではございません。

#93
○階委員 必要があるけれども、今回、批判があるので法文では適用しないということにしましたということですと、新たな疑問が生じるわけですよ。
 というのは、前回、解釈変更を何のためにやったんだと聞いたときに、法案を作成する過程で検討しましたと言っていたわけですよ。つまり、法案とリンクしていたわけですよ、解釈変更って。でも、今の話だと、法案と解釈変更は切り離されましたよね。あのときの説明と全く真逆のことを言っているじゃないですか。おかしいでしょう。必要があるんだったら入れなくちゃいけないだろうし、逆に、法案に入れないんだったら解釈変更もなかったことにすればいいじゃないですか。なぜそれができないんですか。
 使わない解釈変更、現に黒川氏以外使ってこなかった解釈変更、これを維持する。単にメンツにこだわっているだけでしょう。元々必要がなかったんだから、必要がないということがはっきりしているんだから、あるいは、適用しても結局意味がなかったということもはっきりしているわけだから、この解釈変更自体をなかったことにすればいいじゃないですか。その方が単純明快ですよ。何を訳の分からない説明をしているんですか。
 それこそ、大臣のリーダーシップで、もっと、普通の、常識に沿ったことをやってください。解釈変更をなかったことにしてくれませんか。お答えください。

#94
○上川国務大臣 繰り返しになるところでありますが、法務省としては、昨年の通常国会に提出した法案につきまして、国民の理解が十分に得られなかったことを大変重く受け止めたところでございます。検察官に勤務延長の規定を適用しないという政策判断を行ったところでございます。
 この政策判断の当否につきましては、御質問ございましたけれども、委員のようなことの判断もあろうかと思いますが、その時々の、その当時の様々な状況を踏まえて決せられるものでございまして、それぞれの判断時におきましての状況に照らしてみますと、そのいずれもが正当と言える場合もあるというふうに考えております。先ほど、真逆のという御指摘もございましたけれども、これは政策判断の当否に関わる事柄というふうに理解をしております。

#95
○階委員 あらゆることについて方向性が見えない、今の法務省だと思っています。
 大変お忙しいところお呼び立てしましたけれども、法制局長官、人事院総裁、お戻りいただいて結構ですので、委員長、お取り計らいをお願いします。

#96
○義家委員長 御退席いただいて結構でございます。

#97
○階委員 次に、変異株の方が、最近急速な勢いで感染者を増やしております。
 変異株の水際対策、昨年末以来、法務省としてもかなり神経を使ってやってきたはずなんですが、なぜこの変異株の水際対策が機能せず、感染が広まっているのかということについて、大臣の分析というか評価というか、お答えいただけますか。

#98
○上川国務大臣 新型コロナウイルス、また新型コロナウイルスの変異株、こういう形で、昨年来、大変大きな国民的な不安も高まっている状況でございます。政府はこれまでも、国内外の感染状況、これを見極めつつ、必要な水際措置を着実に講じてきたところでございます。
 昨年末の変異株、これの発生を受けまして、令和二年十二月二十三日及び二十五日に、変異株の流行国でございましたイギリスと、そして南アフリカ共和国からの入国者に対しまして、水際対策の強化を決定いたしました。これによりまして、法務省としては、全ての国、地域からの新規入国を認める措置の利用者につきまして、英国及び南ア共和国に十四日間以内に滞在歴のある者につきましては入国を認めないということとしたところでございます。
 また、十二月二十六日には、予防的措置ということでございますが、全ての国、地域からの新規入国を認める措置を、滞在国にかかわらず一時停止をし、この措置によりまして、全ての外国人の入国を認めないということとしたところでございます。
 さらに、一月十三日には、英国からの帰国者によるクラスターで変異株が確認された事例、またブラジルからの帰国者で新たな変異株が確認された事例等を受けまして、ビジネストラックとレジデンストラックにつきまして、緊急事態宣言が発令されている間でありますが、一時停止をいたしました。これらの措置により、全ての外国人の入国を認めないということにしたところでございます。
 また、三月十八日、一連の一時停止でございますが、緊急事態解除宣言後も、当分の間、継続することとしているところでございます。
 水際対策につきましては、こうした一連の予防的な措置を受けて対策を講じてきているところでございますので、引き続き、国内外の感染状況等を見極めながら、関係省庁と連絡をしながら、必要な水際対策の在り方について不断の検討を続けてまいりたいというふうに思っております。

#99
○階委員 全く質問に答えていないわけですよ。なぜ水際対策が機能せず変異株が広がっているのかということを尋ねているわけで、何をやってきたかというのは全然聞いていませんから。
 それで、厚労省にも来ていただいていますけれども、私は、結局、入国する段階では検査をちゃんとしますよね、で、陰性だということになって入国するわけですけれども、陰性も、偽陰性の場合もあれば、検査結果は陰性だけれども、その後、発症して感染を広めるという場合もあると思っています。
 だから、入国した後、どういうふうに対応するかというのが大事だと思っていて、七ページ目に、検疫での対応についてということで、済みません、これは厚労省かな、作成してもらったのは。ですね。厚労省の作成資料だということで、訂正しておきます。この入国後のところを見ていただくと、変異株流行国では、入国後三日目の検査陰性で宿泊施設を退所して、その後十四日間自宅等で待機。それから、変異株流行国以外の国では、十四日間自宅等で待機。
 この十四日間の待機というところが遵守されていれば、これほど変異株が広がっていなかったんじゃないかと思っていまして、この辺り、十四日間の自宅待機をどうやって担保していたのか、その取組がどうだったのかというところ、私は非常に問題があったんじゃないかなと思うんですが、この辺りについて御説明いただけますか。

#100
○浅沼政府参考人 お答えいたします。
 議員御指摘のとおり、検疫では、これまで空港検査で二百名の変異株陽性者を発見するなど、国内への新型コロナウイルスの変異株の流入防止に一定の役割を果たしていると考えておりますが、新型コロナウイルス感染症の潜伏期間が一から十四日間程度であるということを踏まえますと、検疫での検査結果が陰性であっても、その後、陽性になる可能性はございます。そのような場合であっても感染拡大を防止することが重要であるというふうに考えております。
 このため、検疫での検査結果が陰性の方であっても、入国後十四日間の自宅等での待機と公共交通機関の不使用を求めるとともに、健康フォローアップを実施し、健康状態に異常があった場合には速やかに必要な対応を講じることとしておりますが、各地域の感染拡大への対応など多忙を極める保健所に代わりまして、国が民間委託により設置するセンターがフォローアップを実施することで、入国者の健康状態をより確実に把握し、異常が確認された場合には、保健所と連携いたしまして、速やかに必要な対応を取ることができる体制の整備を図ったところでございます。
 このセンターが行う入国者のフォローアップにつきましては、順次強化を進めまして、例えばアプリケーションを活用した位置情報の確認やビデオ通話による状況確認、また、三日以上連絡が取れない等の場合には、民間警備会社等により自宅等への見回りを実施することとしております。
 これらによりまして、入国後十四日間の健康状態の確認と自宅等待機を徹底する体制を構築し、国内の感染拡大防止を図っていくこととしております。
 水際対策につきましては、関係省庁が連携し、機動的に実施してきたところではございますが、今後とも国内外の感染状況などを見極めつつ、政府全体として必要な対応を講じてまいりたいと考えております。

#101
○階委員 正直言って、これまでの水際対策、今、ビデオ通話というお話も出ましたけれども、非常にビデオ通話をする範囲が狭いという問題とか、警備員の見回りも、まだやっていないでしょう、これからやる話でしょう。全然駄目ですよ。これじゃ感染は防げないですよね。
 そこで、これからまた新しい変異株、インド辺りで大変な、今度、重症化するとかワクチンが効かないとかいろいろ言われていますけれども、もうこれ以上変異株が流入しないように、入国してからのしっかりとした監視体制、構築してください。よろしくお願いします。
 もうだんだん時間がなくなってきたので次の質問に行きますけれども、これから入管法の改正案の審査に入っていきますけれども、名古屋入管で三月に亡くなったスリランカ女性、この方について、いまだに、死亡事案であるにもかかわらず、死因が判明していない。これはどういうことなんですか。なぜいまだに死因がはっきりしないのか。
 これは法案審査する大前提ですよ。今の入管がどういうことになっているのか、これを分かった上で、長期収容の問題点などを把握して、改善策を議論すべきじゃないですか。死因が解明されていない段階で法案審査なんかできるわけないでしょう。どうして遅れているんですか。大臣、お答えください。

#102
○上川国務大臣 今般の死亡事案につきましては、司法解剖を実施した解剖医によりまして鑑定が継続中でございます。現時点で死因の判明には至っていないと聞いているところでございます。
 一般論として、鑑定におきましては、病理的な検査を行って、その結果を踏まえるなどの必要性から、一定の時間を要する場合もあり得るところでございます。
 現時点でございますが、出入国在留管理庁として、鑑定によりまして死因が判明する時期、このことも含めまして確認ができていないと承知をしているところでございます。

#103
○階委員 全く何か人ごとのような、問題意識の感じられない答弁でしたけれども。
 これは、八ページ目、九ページ目に中間報告の概要部分をコピーしてつけましたけれども、一月ぐらいから健康状態がかなり悪化していたわけですね。これを放置してきたという疑いがあります。先日もニュースなどで私も拝見しましたけれども、点滴を打ちたいと言っていたにもかかわらず、一切応じていなかったというようなこともあったようです。こうしたことは把握されていますか、大臣。

#104
○上川国務大臣 今回は、医療体制も含めまして、当該亡くなられた方の状況、体調も含めまして、どのような状況になっているのかということについて、第三者を交えての調査を尽くした上で、今、中間報告という形で取りまとめているところでございます。また、第三者からの御意見がございまして、その辺のいろいろな意見がございますので、それも含めまして、事実関係については調査も更に加えているところでございます。
 中間報告でもお示ししたところでございますが、亡くなられた方が様々な体調不良を訴えて、また支援者の方からも健康状態を懸念する申入れがなされていたということでございます。こうした事実については事実でございまして、そういう中で死亡という結果に至ったということについて、重く受け止めさせていただいているところでございます。
 中間報告をお出しをしたところでございますが、司法解剖の結果や第三者の方々の意見をも踏まえまして、事実関係につきましては更に調査、更に評価、検討を加えまして、可能な限り速やかに、必要な改善策を含みましての最終調査報告を取りまとめてまいりたいというふうに考えております。

#105
○階委員 時間が来ましたが、死因が解明されない以上は、ちゃんと法案審議は進みませんよ。これは法案審議の大前提ですよ。
 それで、入管の中での不適切な処遇があったかもしれないということで、大臣も今お認めになっていたと思うんですが、これは本当に、これほどの事件、事故が起きているということですから、もっと当事者意識を持って迅速に、死因を国会に明らかにするようにしてください。よろしくお願いします。
 終わります。

#106
○義家委員長 次に、池田真紀君。

#107
○池田(真)委員 立憲民主の池田真紀です。
 階委員の今の質問の、名古屋入管の質問からさせていただきたいと思います。一から三ということだったんですが、三からになりますけれども。
 本当に、まだ中間報告ということでありますが、しかし、この中間報告を受けた上で、新たな指示とか、あるいは何か大臣から御指示をされたことがありましたら教えていただきたいと思います。

#108
○上川国務大臣 今般の中間報告でございますが、これにつきましては、でき得る限り調査に全力を傾注するようにということで、その報告につきましても、明らかになった、現段階での判明している事実に基づきまして、亡くなられた方の収容中の診療経過等の客観的な事実関係、こういったものを取りまとめたものでございます。これには第三者の方々にも調査に加わっていただいたということであります。
 その上ででございますが、出入国在留管理庁に対しましては、本事案におきましての当局等の対応の適否などにつきまして、今後、司法解剖の結果、また更なる調査により確認等をする点も踏まえて、事実関係に評価、検討を加えて、可能な限り速やかに必要な改善策を含む最終調査報告を取りまとめるよう指示をしているところでございます。
 また、調査に加わっていただきました外部の五名の方々の御意見また御指摘も引き続き踏まえながら、最終報告に向けまして、中立公正な調査、これを実施することも指示をしているところでございます。
    〔委員長退席、伊藤(忠)委員長代理着席〕

#109
○池田(真)委員 改善策を含めということでありますが、まず実態把握だと思います。そして、あと、この中間報告を御覧になられた段階でも、ちょっと確認をしたいなというふうに思うことは私もあるんですね、なので、大臣はあったのかなというふうに思いまして、今確認をさせていただいたところです。そういうことでは、確認ということはなかったということであります。
 この事実確認の詳細を今すぐということではなく、最終報告に向けて、改善策を含めて早期に調査をするようにということだったということですか。

#110
○上川国務大臣 体調が経過措置の中でどのように変わっているのかということも、医療の関係の対応がどうだったのか、これについて事実関係をしっかり把握していなければ、どのように問題があったのかということについての対応策も講じることができませんので、まずそれが、きちっと事実関係が、調査をしていくというこの基本については、申し上げたとおりでございます。
 そして、それに対して公正でなければいけないということで、外部の方にも入っていただいて、意見も求めて、そして調査についても、こういうことを更に深く調査するようにという御指示もいただいておりますので、そういう中で今動いているという状況でございます。
 今、それをベースに、最終報告に向けて評価をして改善策をまとめるという、そのステージということの前提にある事実関係についての更なる検討も含めまして対応しているということでございますので、そのように御理解いただきたいというふうに思っております。

#111
○池田(真)委員 それでは、今分かっている範囲での事実確認といいますか、文書を読むだけでは、理解というところ、解釈というところを確認させていただきたいと思います。順次確認させていただきたいと思います。
 まず初めにですが、資料を私、抜粋でつけさせていただきました、口頭で読むと時間がないかなと思いましたので。
 まず、三ページ目の、「警察に出頭した」という表現になっています。これは、恋人に追い出されてというのが後ほど書かれておりますけれども、ここのまとめのところには「警察に出頭した」というふうになっています。
 この事実なんですが、この間にも、DV防止法の改正ですとか、二〇〇五年の入管法の改正でも、在留資格を喪失している場合でも保護を優先させることが明確に規定をされています。このような対応があったのかなかったのか、教えてください。

#112
○松本政府参考人 お答えいたします。
 お尋ねにつきましては、御指摘のとおり、まず、違反調査の際に、恋人に家を追い出されてほかに帰るところも仕事もなかったのでスリランカに帰国したいと警察に出頭した旨の御本人の供述がございます。さらに、名古屋入管局における記録上、亡くなられた方が自ら交番に出頭した事実が確認されたことから、御指摘の中間報告の記載としておるところでございます。
 さらには、御本人、本年一月四日に仮放免許可申請をされておりまして、その申請理由書の中に、直筆で、収容前に同居していたスリランカ人の彼氏から暴力を受けた旨、あるいは、彼氏から収容中の御本人宛てに、スリランカに帰ったらあなたに罰を与えるなどと書かれた手紙が届いたためスリランカに帰国しない旨等が記載された申請書が出されたという経緯がございます。
 これを踏まえて、DVとしての何か特別な対応を入管局として取っていたのかという点につきましては、現時点で調査している限りにおきましては、特段の対応を取ったという事実は認められておりません。

#113
○池田(真)委員 その際、通訳は一緒におられましたか。

#114
○松本政府参考人 お答えいたします。
 先ほど申し述べました違反調査の際には、通訳人はついておりません。

#115
○池田(真)委員 評価、分析は後ほどと思っていますので、事実確認を次々行かせていただきたいと思っています。
 できることなら、松本次長、次の仮放免の話はまだ私質問していなかったので、まず出頭の事実のところで、助けてくださいという表現ではなかったのか、DVはシェルター等の対応をしなかったのかという質問ですので、そこだけどんどん答えていただければ、次のお答えといいますか、飛ばしていただければと思います。
 次ですけれども、たくさんありますので、次、三ページ目、手続というのが下の方にあります。これはまた次の話に出ますけれども、コロナの感染で、航空便、いろいろコントロールされておりましたので、なかなかスリランカ便がなかったという中でのお話だと思いますが、この事実上の、手続の調整の手続とは何でしょうか。

#116
○松本政府参考人 お答えいたします。
 国費送還の実施を可能とするため、当時は、コロナ禍で、スリランカに対しましての通常便が飛んでいなかった状況におきまして、臨時便の搭乗等に関して関係機関との調整を行っておりましたところ、臨時便の搭乗者のリストに登載させることはできましたものの、帰国後の隔離施設での隔離等の検疫措置等に必要な費用の国費による支払い方法について更に調整を行う必要があったものと認識しております。

#117
○池田(真)委員 支払い方法についてということでした。
 それでは、次になります。四ページ目、死亡時の体重は、出入国管理庁としては把握できていないとあります。
 こちらの方、再度確認いたしますが、現時点でも分からないということでしょうか。

#118
○松本政府参考人 お答えいたします。
 入管局として把握しております体重につきましては、最終が二月二十三日でございまして、亡くなられた当時の体重については把握しておりません。

#119
○池田(真)委員 死亡時の体重等は公表されることが多いので、現時点で把握ができていないということを今確認をさせていただいたということであります。
 そうしますと、次でございますけれども、次のページですね、五ページ目になりますけれども、五ページ目の二段落目といいますか、看守勤務員に対し体調不良を訴えた記録は見当たらずというふうになっております。
 この間、こちらは体調不良の記録は見当たらないということだけが書かれておりますが、その他の記録、いわゆるどういう主張をされていたか、あるいはどういう体調であったか、どういう行動を中でされていたかというような、その他の記録はあるわけですね。
    〔伊藤(忠)委員長代理退席、委員長着席〕

#120
○松本政府参考人 お答えいたします。
 御指摘のとおり、体調等に関する以外の記録というものは、当然、収容は継続しておりますので、ございます。

#121
○池田(真)委員 次、七ページ目を御覧ください。こちら、今度、共同部屋から単独室に移されたというふうになっています。
 この単独室は医務室か監視室かということをお答えいただきたいと思います。

#122
○松本政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘の単独室といいますのは、体調の確認をするために単独で寝起きをさせている部屋という意味合いで用いております。

#123
○池田(真)委員 いやいや、私が言った単独室じゃなくて、この記録に単独室と書いてあるから聞いているんです。
 医務室だったのかということを聞いているんですけれども、いかがでしょうか。医務室なのか監視室なのか。

#124
○松本政府参考人 お答えいたします。
 医務室ではございません。その単独室につきましては、モニターで本人の様子が確認できるようになっております。(池田(真)委員「だから、どちらなんですかと聞いているんです」と呼ぶ)済みません。医務室ではございません。
 どちらかの、もう一つというのは。(池田(真)委員「監視室ということですね。モニターつきの監視室ということですね」と呼ぶ)モニターで本人の容体等を確認できるようになっております。

#125
○池田(真)委員 この監視モニターですが、外部委託でしょうか。

#126
○松本政府参考人 お答えいたします。
 モニターにつきましては、入国警備官が確認をしているところでございます。

#127
○池田(真)委員 次ですけれども、受診のルールをちょっと確認をさせてください。十四ページになります。
 その前に、今まだ捜査中だと思いますが、このモニターで確認されたビデオを委員会に提出いただきたいんですが、いかがでしょう。

#128
○松本政府参考人 御指摘の点につきましては、現在、当委員会の理事会協議事項となっていると承知しているところでございます。
 当庁といたしましても、その内容に応じて適切に対応したいと思っているところでございますが。(発言する者あり)

#129
○義家委員長 速記を止めてください。
    〔速記中止〕

#130
○義家委員長 速記を起こしてください。
 出入国在留管理庁、今の件は理事会協議にはなっておりませんので、正確な答弁をお願いいたします。

#131
○松本政府参考人 申し訳ございません。私の勘違いでございました。
 御指摘を踏まえて、対応の在り方について検討させていただければと思います。(発言する者あり)
 済みません、正確に申し上げます。
 監視カメラの内容等というのは、収容施設でございます、一般に公開することが予定されていないものでございますので、この委員会でのお示しの仕方等については検討させていただければと思います。

#132
○池田(真)委員 委員長、理事会協議でお願いいたします。

#133
○義家委員長 ただいまの件につきましては、理事会にて協議いたします。

#134
○池田(真)委員 ビデオなんですけれども、前回といいますか、以前のビデオも公開をされていて、本当に痛ましいビデオを今世界中で亡くなられる瞬間まで見ている、そんな状況ですから、今回のことの検証とか新たな法案の審査には極めて重要なものだと思いますので、是非よろしくお願いいたします。
 続けて行きます。どんどん、今日は確認だけさせていただきたいと思いますので。
 まず、受診のルールです。
 こちら、十四ページにありますけれども、十四からだんだん医療の関係がありますが、内科医は週に二日、ここではいらっしゃった、そして看護師は非常勤で毎日いらっしゃったということでありました。
 しかし、こちらの方を見ていくと、バイタルチェックといった意味で、毎日、看護師、医療の目があったのかどうか、それとも、バイタル自体を、医療ではなくて、いわゆる看守の方ですか、看守勤務員の方が行っていたのか、この点をお伺いさせてください。

#135
○松本政府参考人 お答え申し上げます。
 亡くなられた方につきましては、看守勤務員が本人の居室に入室して、毎朝の検温その他のバイタルチェック、このバイタルチェックは、体温、血圧、脈拍、血中酸素濃度のチェックでございますが、これを行っていたところでございます。

#136
○池田(真)委員 看護師ではないということですね。

#137
○松本政府参考人 主として看守勤務員が行っていたと認識しております。

#138
○池田(真)委員 医療下には置かれていなかったということでした。
 それでは、こちらの十五ページの上に、「例えば、」というふうに、私が丸をつけさせていただきました。こちらは誰の主観が入っている記録なのかということです。様々な、いろいろな、膨大になるのか分かりませんけれども、事実の記録を集めてこの中間報告書をまとめた方なのか、それとも、この医師が言った、医師といいましても精神科医ですけれども、「例えば、」という、その「例えば、」は誰のお言葉でしょうか。

#139
○松本政府参考人 お答えいたします。
 御指摘の箇所につきましては、外部病院の精神科の医師による診療結果に関する収容施設非常勤医師宛ての情報提供書、正確に申し上げますと、診療情報提供書の記載内容及び当該精神科医による身体化障害の疑いとの診断理由について説明を受けた職員の報告書等に基づくものでございます。

#140
○池田(真)委員 「例えば、」というこれは、医師が書いたものですか、説明を受けた職員がここにまとめとして書いたんですか、報告書に書いたんですか。

#141
○松本政府参考人 お答えいたします。
 先ほど申し上げました、医師が記載しました診療情報提供書の記載と医師から説明を受けた職員の報告書に基づく記載で、そのとおりの発言を医師がしたというものではなくて、医師の判断内容を記載したという位置づけでございます。

#142
○池田(真)委員 その医師の判断内容、説明が、口頭での説明を職員が書いたということですか。これはすごく重要です。「例えば、」は誰が書いた言葉ですか。

#143
○松本政府参考人 申し上げます。
 診療情報提供書には、かなり詳細に、収容施設内の非常勤医師に宛てての診察の結果の情報を提供するという位置づけで、その医師の所見が記載されております。その内容と、直接その医師から話を聞いた職員の報告書に基づくものでございます。

#144
○池田(真)委員 その診療情報提供書にこの「例えば、」という文言が入っていたのかと聞いているんです。

#145
○松本政府参考人 御指摘の点はございません。

#146
○池田(真)委員 これは診療情報提供書ではなくて、医師が書いたものではなくて職員が書いたものだということをやっと確認をいたしました。
 次、十五ページ。こちら、亡くなる前日です、九時十八分に、看守勤務員の四名の介助を受けて着替えをした。そして、その後は、もう一か所出てきますね。亡くなる日もですけれども、十八ページ、亡くなる日になりますけれども、この日の九時十分にも四名の方が入室して、このときも着替えを実施しています。前日と当日というところの介助で、四名というふうに書かれています。
 この看守の四名の介助、四名で入ったときの役割を教えてください。

#147
○松本政府参考人 お答えいたします。
 個々の具体的な役割等につきましては、現時点の調査においては確認できておりません。
 死亡前日の午前九時十八分につきましては、四人の介助によって着替えをさせたということは認識できております。

#148
○池田(真)委員 四名の介助というのは異常じゃないんですか。だから私、聞いているんです。レクで説明を受けました。少なくとも、レクに来られた方は役割をおっしゃっていました。本当に把握されていないんですか。

#149
○松本政府参考人 申し上げます。
 私が先ほど御答弁いたした事実関係の認識にとどまるものでございます。

#150
○池田(真)委員 私の認識というのは、だから、分からなかった、把握していないということでいいんですよね。確認です。

#151
○松本政府参考人 お答えいたします。
 当日の状況といたしまして、看守勤務員から入浴、歯磨き等を促されて、何もしたくないと述べるものの、脱力した様子の本人の着替えをさせるには四人が必要であったという状況でございます。

#152
○池田(真)委員 聞いていないことを答えなくて結構です。
 四名の介助というのは極めて特徴的なんですね。私、亡くなる直前も、そして重度の方も、亡くなった方も介助させていただきました。四名というときは極めていろいろな事情があるときです。特殊的に、入管的なところで、例えばドアを開けるとか見張りをするとか、来られた方はおっしゃっていましたよ。
 四名というのは極めて、ここを見るだけでも異常なんですよ。何をしに来たのかなと思うんですよ。暴れて何かする人じゃないでしょう。だから聞いているんですよ。
 本当に把握していないということでいいですね。そのまま、いいんですね。

#153
○松本政府参考人 お答えいたします。
 収容施設等の属性から、もちろん、その職員は逃走防止等々という役割も担っておりますが……(池田(真)委員「逃走、逃走防止」と呼ぶ)いや、一般的にです。ただ、本件につきまして、四人の職員は、亡くなる前日につきましては、着替え等をすることについて四人が対応した、その点は委員御指摘のとおりでございます。

#154
○池田(真)委員 四名の着替え、寝たきりであってもなかなかあり得ない話ですね。
 そして、逃走防止という話もありました。この記録があって、逃走防止をしますか。あり得ない御答弁です。答弁がとても不誠実、とても不誠実です。まずそのことだけは指摘をさせてください。
 次の質問です。死亡診断書についてお答えいただきたいと思います。
 なかなか、死亡診断書といいますか、死亡診断書なのか死体検案書なのか、今の時点で交付されているものはどちらでしょう。

#155
○松本政府参考人 死体検案書でございます。

#156
○池田(真)委員 こちらは、医師法二十一条に基づいて警察署に届出をされた後、今、司法解剖等を行っているという扱いでよろしいですか。

#157
○松本政府参考人 お答えいたします。
 名古屋入管局から警察には届出をいたしております。

#158
○池田(真)委員 あと、同時進行、同時評価で評価はできると私は思っていますけれども、十九ページになります。既に今、中間報告が出されて、最終的なまとめの段階では、一番最後のところの「死因の適切な把握に向けて努力」と書いてありますけれども、死因の適切な把握の前に、死に至るまでの過程の記録がこの段階であるわけですから、そこは同時進行で評価ができると思うんですね。分析、評価をしているんでしょうか。

#159
○松本政府参考人 お答えいたします。
 中間報告として公表した事実に限らず、現在も調査を継続しているところでございます。その点につきましては、事実関係の細部の確認にとどまらず、医療的な対応等々についても検討を行っているところでございます。

#160
○池田(真)委員 死亡診断書、死体検案書、その先の解剖も、私もいろいろと携わらせてもらっておりますので、現段階で出ております死体検案書も委員会に提出をお願いいたします。

#161
○義家委員長 ただいまの件につきましても、理事会にて協議いたします。

#162
○池田(真)委員 あと、こちらの方、後になって親族が分かったというふうに情報が入っております。国内でというふうにそちらからレクをいただいて聞いておりますが、その親族といったものはそれまでなぜ調査をされていなかったんでしょうか。

#163
○松本政府参考人 お答えいたします。
 済みません、ちょっと私の認識が間違っているかも分かりませんが、我々の認識では、御親族ではないというふうに認識しているところでございます。

#164
○池田(真)委員 正式な答弁でよろしいですね。

#165
○松本政府参考人 お答えいたします。
 国内でという前提であれば、そのように認識しているところでございます。

#166
○池田(真)委員 国内ではいらっしゃらないということだったということでよろしいですね。大きな声で答弁いただければよろしいんですが、私はそういうふうに聞き取りましたが、いいですか。うなずくだけでも、どちらでも。

#167
○松本政府参考人 お答えいたします。
 御指摘をいただいたところでございますので、御指摘の点については、親族であるのかどうなのかという点につきまして、これから改めて確認したいと思います。

#168
○池田(真)委員 いやいや、遅れている理由の中に、親族が国内に見つかってというのは、そちらで説明をレクでいただいたから、私、今確認をしているんですよ。
 今のが正式な答弁ということでよろしいですね。

#169
○義家委員長 速記を止めてください。
    〔速記中止〕

#170
○義家委員長 速記を起こしてください。
 松本次長。

#171
○松本政府参考人 お答えいたします。
 いずれにしても、今後確認させていただきたいと思いますが、我々の調査、現状の調査におきましては、生前は国内で親族が把握されていない状況であったと認識しております。

#172
○池田(真)委員 何か、生前はということですね。もう結構です、時間がもう終わりになりますので。
 本当に、もう一点だけですが、最終報告になりますけれども、この後、最終報告は、なるべく早くというふうに大臣は先ほどおっしゃられましたけれども、いつというふうにお考えですか。通常であれば、私も前回お願いしたのは、入管法に入る前に明らかにしてくださいというふうに申し上げておりました。いつ頃を目指していらっしゃるんでしょうか。

#173
○松本政府参考人 お答えいたします。
 御答弁させていただいておりますように、死因についてまだ解明ができていない状況におきまして、その最終報告といいますのは、解剖結果とか、あるいは現在も進めております更なる調査により確認すべき点も踏まえて、把握した事実関係につきまして評価、検討を加えた上で、必要な改善策を含む最終調査報告を取りまとめる予定でございます。その上で、可及的速やかに対応したいと思っているところでございます。

#174
○池田(真)委員 いつということだけで結構ですので。まだというよりは、やる気がないなということと、あと、もう今分かっている時点でも改善はあるでしょう。そこはおかしいですよ。見殺しですよ、これは。私、みとりもやりましたよ。でも、二十四時間以内に何で死亡診断書が書けないんですか、医療。なぜここの中で医療を受けていなかったんですか。いろいろなことがあるわけですよ。
 本当にこの後、法案審議入りをしようと思っているのか。もっと言えば、体制が大変なら言ってくださいよ。そもそもの収容施設の在り方だって、考えてみりゃ分かるじゃないですか、本当に。その前に、カメラだって、全部ビデオは公開されていますから。全世界の方が見ていますから、この方の前のやつ。ここを改める、そういう審議じゃないんでしょうか。本当に不誠実だったなというふうに思って、とても残念でなりません。とても審議なんて、私は、通常ではあり得ない。恥ずかしい国だと思いますよ、このままいくと。
 もう早急に、死因がどうであれ、それまでのだけでも、対応がどうだったか分析、評価はできるはずです。改善策を含めてお願いをしたいと思います。
 そして、今日、大変申し訳ありませんでした。順番を変えたことで、大坪審議官と川原刑事局長も、お答えを準備いただきましたけれども、また改めて質問させていただきます。申し訳ありませんでした。
 ありがとうございました。

#175
○義家委員長 次に、藤野保史君。

#176
○藤野委員 日本共産党の藤野保史です。
 私も、階委員、池田委員と同じく、名古屋入管での死亡事件を取り上げたいと思います。
 今日は、在日スリランカ協会の副会長、そしてもう一方、傍聴にお見えになっております。そして、国会の議員会館前でも、多くの日本人支援団体の皆さんが座込み、シットインなどの形で抗議の声を上げていらっしゃいます。こうしたまさに重大案件、国内外の注目を集めているということを踏まえて答弁をいただきたいと思います。
 配付資料の一を御覧いただきたいんですが、中間報告、ここの十七ページに、死亡当日、三月六日の様子が書かれております。午前八時十二分、「看守勤務員二名が入室し、Aの血圧等の測定を実施したが、血圧及び脈拍については、計測器がエラー表示となり測定できなかった。」とあります。その以降も、表裏、当日の様子を配付資料につけているんですが、この後、例えば別の器械で、その計測器がエラーになったのであれば別の計測器を持ってくるとか、そういう形跡はないんですね、午後の二時七分まで。二時七分も十一分も測定できなかったというふうになっております。
 入管庁にお聞きしますが、午前八時の段階で、例えば別の器械で測り直すとか、あるいは、もう測れないほど血圧などが弱いということであれば、その時点で外部の医師に連絡する、連れていく、なぜこういうことをしなかったんですか。

#177
○松本政府参考人 御指摘の、あるいはお尋ねの点も含めまして、死亡当日の対応における具体的な判断過程やその適否、相当性につきましては、更に必要な調査を継続しているところでございます。

#178
○藤野委員 とんでもない話なんですよ、これは。一般の病院だったらあり得ない話でして、しかもこれは土曜日です、起きたのは。土曜というのは、この報告書にありますが、医師もいない、看護師もいない。測定を行ったのは、書いてあるように、看守勤務員なんです。普通だったら、自分のところにそういう専門家がいなければ、こういう重篤な方はやはり外部に診てもらおうとか、あるいは医師に連絡しようとか思ってしかるべきなんですね。それをやられていない。
 配付資料の六、ちょっと飛んで見ていただきたいんです。これは、二〇一九年の六月に長崎県の大村入管センターで起きた、ハンストの末に餓死したという大変な事件でありますが、入管庁はこれを受けて、二〇二〇年の三月十一日に通達を出しているんですね、「被収容者の健康状態の把握及び拒食事案への対応について」。その中で、右側の2の(8)のところにこう書いてあります。「診療室の医師が不在である場合等において、拒食者の体調が悪化していることなどにより、速やかに医療上の措置を要すると認めるとき(その要否の判断に迷うときを含む。)は、直ちに、救急車の出動を要請し、又は外部病院で診療を受けさせる」、こういう通達を出しているんですね。
 今回、確かに拒食とは少しは違います。ただ、体重が短期間で大幅に減少していること、そして被収容者の体調が悪化していること、そして診療室の医師が不在であること、これは共通しているわけです。どう見てもこの方の容体は悪化していたわけで、直ちに救急車、あるいは外部病院の診療、対応すべきだったと思うんです。
 大臣、これは何でやられなかったんですか。

#179
○松本政府参考人 委員御指摘の通達の拒食のケースに限らず、体調の悪い場合には外部病院あるいは救急搬送という指導を行っているところでございます。
 その上で、亡くなられる前日、当日等の対応についての相当性等については、今調査を行っているところでございます。

#180
○藤野委員 今回の入管法の話が先ほど来出ておりますが、この法案の五十五条の三十七というところには、入管の新しい役割として、一般の医療水準に照らした医療を提供する、条文上言いますと、「社会一般の保健衛生及び医療の水準に照らし適切な保健衛生上及び医療上の措置を講ずる」という条文が入っているんですよ。しかし、ウィシュマさんは、この方は、一般的な医療であれば受けられた血圧の再測定とか外部病院での迅速な対応というのを受けられなかった。まさに本法案の前提になる問題なんですね。それをはっきり言おうとしない。
 次に、中間報告九ページには、この間ずっと問題になっています点滴の問題が指摘されております。九ページには、支援者がこの方と面会し、面会後、外部病院において点滴の措置を取るべきではないかという申入れがあったという記述があります。そして、それに続いて、こう書いているんですね。「この頃、名古屋局の処遇部門においては、Aの摂食状況、健康状態の推移を踏まえ、Aに対して施設に常備されていたOS―1を与えることを検討していたところ、この申入れ」、その支援者からの申入れ、「がなされたことをも考慮し、二月三日夕方から、OS―1を与えるようになった。」と書いてあります。
 同じ報告書の十一ページにも、二月十日、その支援者から、面会終了後、処遇部門に対して点滴を受けさせるべき旨の抗議がなされた、それについてこう書いてあるんですね。「これに対し、処遇部門側から、Aに」、この方に、「OS―1を与えていることなどが説明された。」とあります。つまり、OS―1というものを点滴に代わるものとして与えていたということが分かるわけです、この報告書から。
 しかも、その最初の判断、二月三日ですが、これは医師でなく処遇部門が行ったというんですね。九ページには、元々、処遇部門でこのOS―1を与えることを検討していたところ、この申入れがあったことも考慮し、二月三日夕方からOS―1を与えるようになったと。ですから、これは医師の判断じゃないんですよ。
 しかも、OS―1を与え始めたのは二月三日ですが、この二月三日から、二十二日、後で言いますけれども、栄養剤が与えられます、ようやく栄養剤。しかし、この栄養剤が投与されるのに二週間、二月三日から二十二日まで、点滴でもない、栄養剤でもない、OS―1が与えられ続けた。
 配付資料の三を御覧いただきたいんですが、OS―1とは何かと入管自身が言っているんですね。二月九日の査定評価Aのところに、経口補水液、これがOS―1のことですが、経口補水液はあくまで補助が目的のため、食事、飲水が可能であれば積極的な支給の必要性は低い、持続可能な対応でもない、はっきり言っているわけです。
 中間報告の別紙四の一と二には、薬のリストがざあっと羅列していますけれども、当然ここには入っておりません。薬じゃないからです。二月十九日の査定評価には、「体重減少が著しく要注意レベル。」というふうに書かれているんです、配付資料の三を見ていただきますと。
 入管としても、要するに、OS―1というのはあくまで補助的なものであって、持続可能ではない、しかも、体重減少が著しく要注意レベルだと認識されているわけですよ。にもかかわらず、何でOS―1を与え続けたんですか。

#181
○松本政府参考人 お答えいたします。
 OS―1は、医師の処方を要しない飲食品でございまして、名古屋入管局にある程度の分量がストックされておりましたところ、それを与えるとの判断は、御指摘のとおり、入管局処遇部門で行ったところでございます。
 その上で、OS―1の投与状況につきましては、看護師がこれを把握して、一日当たり適切な分量の指導を行うなどし、庁内の医師も、OS―1の投与状況を看守勤務員からの口頭報告により把握しつつ診療方針を定めていたものと認識しております。

#182
○藤野委員 元々八十四・九キログラムだったこの方の体重は、二月上旬の時点で六十九・五キログラム、十五・四キロも減っているんですね。OS―1の出番じゃないんですよ。
 これはTBSニュースの独自の報道ですけれども、四月十四日。二月十日の面会記録で、面会された松井さんという方の話として、セーライン、これはシンハラ語で点滴を意味するそうです、セーラインを打ってほしいと本人が発音している、私は、私はというのは松井さんは、意味が分からなくて聞き返して、それで点滴だとジェスチャーしてくれて分かったということも報道されております。セーライン、つまり点滴という言葉が本人から出ているわけですね。
 つまり、やはり体重減少なんです、問題は。一般的な医療だと、体重の五%あるいは五キログラムを超える体重減少、意図しない体重減少というのは精査を要する、医療的対応を要するというふうにされているんですね。医師が継続的にその方を診ているんじゃなくて、例えば消化器内科の方とか精神科とか、同じ人が診ているわけじゃないんですね。
 この方の身長からすれば、体重というのは正常か肥満になるように一般的には言えますので、しかし、この間の体重減少そのものをしっかり診ていたかというと、診ていない可能性がある。だから、OS―1という全く関係のないというか筋違いなものを与えていた可能性があるわけですね。
 次に進みますけれども、二月二十二日から、先ほど言いましたけれども、ようやくOS―1に加えて栄養剤の投与が始まります。しかし、これは一日一回で、この栄養剤は、別紙四によりますと、百八十七・五ミリリットル、一日一から二包みだけというんですね。これは、お医者さんにお聞きしましたら、到底足りないという量なんですよ、この栄養剤自体が、投与を始めたけれども。しかも、一日一回でずっと続いております、この記録を見ますと。
 しかも、今問題にしたいのは、この栄養剤の投与が始まった二月二十二日から三月四日まで、三月四日というのは精神科を受診するんですが、十日間、医師による診察は全く行われていないんです。何で十日間も、栄養剤の投与が必要だと判断しておきながら、医師の診察を受けさせなかったのか。
 これも報告書に書かれています。配付資料の四の左側を御覧いただければと思うんですが、中間報告の十三ページ、医師の診断を受けさせなかったのは、「Aの摂食状況や処方薬の服用状況に改善の傾向がみられるようになり、」とあるんですね、改善の傾向。だから、「二月二十二日の甲医師による庁内診療以降、」「三月四日までの間は、庁内診療室又は外部病院での診療は行われなかった。」と報告書に書いてあります。
 しかし、本当に改善の傾向だったのか。これは配付資料の四の左側を御覧いただければと思うんですが、本当にずっと、ここにありますけれども、「分からない。」「私、何にも分からない。」「私、大丈夫じゃない。」「耳の奥から何か聞こえる。」「頭の中で電気工事しているみたい、」「波の音が聞こえる。」と。三月三日には、「もう死んでも良いと思う時がある。」とか「来年は日本人の恋人がほしい。」という、ちょっとこの二つは、私は、この言葉そのものがなぜ出るのか。五はまだあれですけれども、六もやはり本当に深刻な状況を示している言葉だというふうに私は読みました。
 つまり、中間報告が改善の傾向にあると言っていた二月二十二日から三月四日までの間も、ずうっとこうやって体調不良を訴えているし、幻聴やうつ病の症状のようなものが続いているわけです。
 入管庁、これでどうして改善の傾向にあるということになるんですか。

#183
○松本政府参考人 お答えいたします。
 委員も御指摘された中間報告の記載内容でございますが、看護師のリハビリテーションの状況あるいはその間の飲食の内容がそれまでと比較して増えてきたというような状況を踏まえてのものでございます。

#184
○藤野委員 いや、医師がそういう診察をした上で改善の傾向と言うならまだ分かりますよ。しかし、入管庁だけの対応で、しかも、非常に断片的なものですけれども、こういう状況がある。
 実は、この看護師作成メモというのは、中抜きというか、これは主観的情報Sというのと、客観的情報Oというのと、査定Aというのと、そしてプランというP、四つそろって初めて一つのあれが分かるんですが、この報告書は本当に抜けているんですよ。だから、実態が分からない。
 もう一つ言います。三月四日になって、ようやく外部の丁病院精神科で診察を受けます。ところが、ここで驚くべき診断がされているんですね。先ほど池田委員からも指摘がありました。配付資料の五、これは中間報告の十四から十五ですけれども、こうあるんですね。「丁病院精神科の医師は、Aが訴える症状の出現時期が、Aが帰国希望から日本への在留希望に転じた時期と合うことから、例えば、病気になることにより仮放免をしてもらいたいとの思いが作用するなど心因性の障害を生じさせている可能性がある」。私、本当に、本当にこれは許せないと思うんですが。
 ちょっと配付資料の二をもう一回見ていただければと思うんです。ここは、この方の手紙なんですね。手紙で何と言っているか。左側の二つ目の黄色、「ちゃんと検査もして薬をもらって、私の病気を全部終わりにするように頑張って元気になる。●●に問題あげたくない。」要するに、心配かけたくないというんですね。これは支援者の方です。そして、下の方には、外部の病院に行きたいとありますし、「私が自分(入管)の収容施設にいるから、外の病院に連れて行ってくれない。回復させたいけどどうすればいい?助けてください。」「すぐに助けてください。」と言っているんです。まさに悲痛な叫びです。
 大臣、これは大臣がお答えください。頑張って元気になるというのがこの方の願いだったんです。ところが、中間報告には、あろうことか、「病気になることにより仮放免をしてもらいたい」。余りにもひどいねじ曲げじゃないですか、大臣。

#185
○松本政府参考人 まず私からお答えいたします。
 中間報告の記載内容は、医師の判断ということでございまして、その内容の相当性等については引き続き調査を行っているところでございます。

#186
○藤野委員 いや、本当に私はもう許せないというか、こういう中間報告は報告に値しませんよ。いろいろなところで矛盾があるし、印象操作的に何か、病気になることにより仮放免ということが専門家の知見として書かれているわけですよ。何なんだ、これは。
 もう一つ紹介しますと、配付資料の二の左側と右側を比べていただきますと、左側は、今言ったようにウィシュマさんの手紙あるいは中間報告の言葉です。右側は、看護師作成メモと先ほど言ったものの中にこうあるんですね、「薬は嫌です。」と。この方が言ったかのように、主観的あるいは査定評価として、「薬は嫌です。医師の診察も嫌です。外の病院に行くのはもっと嫌です。」と「かたくなに拒否していた。」とか、こういう文言があるんですよ。何なんだという話なんですよ。
 同じ中間報告の中に、ウィシュマさんの手紙があって、それにはちゃんと治すという、同時に看護師メモなるものがあって、これは非常に脱落が多いんですが、そこには「かたくなに拒否していた。」と。こんな報告は成り立たないですよ。人一人死んでいるんですよ、亡くなっているんですよ。
 大臣、このことをどう思われますか。

#187
○上川国務大臣 今回、亡くなられた方の健康に関して、医療の状況とかあるいは対応についてどうなのかという事実関係、これを明確にしていかない限りその原因や背景も分かりませんので、しかし、出入国在留管理庁の方でやると、前から御指摘もいただいてきましたけれども、客観性、中立性に欠けるという御指摘もございまして、その意味で、五名の外部の方に入っていただきながら客観的、中立に調査をしっかりとしていくということ、これを前提に動くということで調査をしてお出しをした中間報告でございます。
 様々な御指摘、角度がありまして、森羅万象全部を記述するということについては、今のような御指摘の部分についてまた更に調査を加えるということが必要ではないかと私自身思っておりまして、ゆめゆめそれをねじ曲げたりするというような趣旨のものでは全くありませんので、ここのところについては、これから、中間報告はお出ししましたけれども、最終報告に向けまして、なるべく早く中間報告を出していただきたいと思って私も指示していたところでございますが、更に調査を加えて、そしていろいろな御意見を踏まえながら、最終的なところまでしっかりと調査を加えていくことが大事ではないかというふうに思っております。

#188
○藤野委員 私は、この中間報告、到底納得できないんです。最終報告、もちろん拝見しますけれども、これは法案に深く関わるわけです。最も基本的な死因すら明らかにしないまま、法案審議というのはできないと思うんですね。
 先ほど申し上げた条文だけじゃなくて、ほかにもあるわけです。もう一個見ていきたいと思うんですが、仮放免との関係で、あるいは身柄解放ということで、法案の五十二条二では収容に代わる監理措置制度というのが新設されます。これは、主任審査官が相当と認めるときに、収容しないで監理措置にという条文なんですが、結局、主任審査官が判断する。これは今の仮放免などと同じなんですね。
 この点で重大なのは、入管庁が現行の仮放免の運用方針を、黒塗りで、開示していないということなんです。
 配付資料七なんですけれども、これは一部ですけれども、方針がずっと続いていまして、ほぼ真っ黒けなんです、真っ黒。驚くべきことに、今回の法案を審議というか議論した法務省の収容・送還に関する専門部会で、専門委員から、これはちょっと、前提になる今の運用の方針だから、この黒塗りはせめて外してくれと専門委員から開示を求められても開示しなかったというんですね。それでどうやってこんな法案が出てくるんだ。現行の仮放免制度がどのような運用方針で行われてきたのか、その検証もできないようにしておいて、同じ主任審査官が判断するスキームの監理措置制度を持ってきているわけです、今回。
 大臣、同じスキームの法案を審査してくれ、審議してくれというなら、最低限、この現在の運用方針の黒塗りを外して開示すべきじゃないですか。(発言する者あり)

#189
○義家委員長 御静粛にお願いします。

#190
○松本政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘の仮放免運用方針につきましては、業務上の支障等の事情から、御指摘のような黒塗りになっているところでございます。
 さらに、御指摘の改正法案における監理措置制度というものは、全く新たな制度として設けたいと思っているところでございます。

#191
○藤野委員 いや、同じなんですよ。主任審査官が相当と認めるときなんです、結局。要するに、法務省内の裁量がもう一個増えたという、同じスキームなんです。
 大臣、お聞きしたいんですけれども、今回の事件、例えば法案の五十五条の三十七では、先ほど言いましたけれども、社会一般の保健衛生及び医療の水準に照らし適切な保健衛生及び医療上の措置を講じると規定されているんです。しかし、この方は、一般的な医療水準のものすら受けられなかった。
 また、五十五条の四十二では、入国者収容所長等は、速やかに、医師等による診察、括弧、栄養補給の処置を含むとあるんですよ。栄養補給の処置を含むを行い、その他必要な医療上の措置を取るという規定になっております。しかし、この方は、点滴を求め続けたにもかかわらず、OS―1を二週間与えられ続け、二月二十二日以降、十日間も医師の診察は受けられなかったんです。そして、死の間際にも、血液測定器のエラーが放置される。どこが必要な医療上の措置なのか。
 そして、今申し上げた五十二条の二では、収容に代わる監理措置、あたかも何か収容に代わる措置ができるかに言いますけれども、同じようなスキームなんです、相当と認めるときと。
 いずれにしろ、大臣、今回の事案とこの入管法改正案、密接に関連すると思うんですが、そういう認識をお持ちですか。

#192
○上川国務大臣 今回、命を預かる施設におきましてこうした事案が発生したということにつきましては、私も大変重く受け止めております。
 そして、そのこともございまして、直ちに、出入国在留管理庁に対しましては、コロナ禍ということもございましたので、そのことも併せて、まず正確な事実関係の速やかな調査を進めるということ、そして、コロナ禍の状況を踏まえて、また被収容者に対しまして十分な診療や健康管理を行うこと、現行の制度の下で可能な医療体制充実の努力の三点を指示をしたところでございます。
 法律云々ということ以前の問題として、この医療体制充実の努力などは私が前に赴任したとき対応したことでございますので、そういったことにつきまして最大の努力をしていく必要があるということで、今、ほかの二つの点につきましても、対応をしっかりとすべく指示を徹底しているところでございます。

#193
○藤野委員 結局お答えにならないんですね。
 私は、もう終わりますけれども、この方はそもそも収容する必要はなかったと思っています。身元引受人もいたわけですから、仮放免されるべきだったと思うんです。ところが、全件収容主義で収容され、不合理な仮放免の運用によって身柄解放の機会も奪われた結果、命を失っているんです。まさに現行の入管制度の犠牲者ですよ。
 何でこういうことになったのかという問題の解明なくして入管法審議などあり得ない、このことを指摘して、質問を終わります。

#194
○義家委員長 次に、高井崇志君。

#195
○高井委員 国民民主党・無所属クラブの高井でございます。
 私は、今日はちょっと、新型コロナの関係で、大変生活に困窮されて債務を負っている方のガイドラインというのがあるんですね。これは、今日は金融庁に来ていただきましたけれども、元々、東日本大震災の発災後に起こって、そのときは個人債務者の私的整理に関するガイドラインというのができて、平成二十七年に、今度、自然災害による被災者の債務整理に対するガイドラインというのができた。
 そして、去年の十二月に、これを新型コロナで大変困窮している方々にも適用しようということでできたところまではよかったんですけれども、実際運用してみると、なかなかうまくいっていないというか、いろいろ債務を負っている方に債権者がいるわけですけれども、債権者が何者かいる場合に、皆さんがこのガイドラインを守ってくれればいいんですけれども、一部の方が守らないと、結局全体が、ほかの債権者も、じゃ、弁済を求めるということになっちゃって、うまくいかない。
 私が聞いているのは二者なんですけれども、本当は名前を出してもいいんですけれども、今日はあえて言いませんけれども。大手の地銀とそれからクレジット会社なんですが、そこが、例えばこのガイドラインでは、債務者の更生を図るために、債務者の手元に一定の金額を残すことができるはずの制度なんですけれども、いや、手元資金があるなら返済しなさい、それじゃないと誠意がないですよね、あるいは、いつだってうちは不同意にできるんですよと言ってみたり、あるいは、債務者に、破産してもらったって構わないんですよみたいなことを実際に言っているということをお聞きしています。
 あるいは、ゼロ弁済という言葉があるんですけれども、これは、現預金が九十九万円より少なく、二十万円以上の動産がない場合は債務免除になるというようなことをゼロ弁済と通称言っているそうなんですけれども、これも守られていないというような実態が報告をされています。
 このガイドラインを作るに当たって、金融庁もオブザーバーで入られて、業界の、もちろん法律とか制度ではないんですけれども、ガイドラインなんですけれども、金融庁も関わっておられますけれども、今私が申し上げました、債務者の手元に一定の金額を残すことができる、あるいは、ゼロ弁済も認めている制度だ、このガイドラインはそういう制度だと考えてよろしいでしょうか。

#196
○石田政府参考人 お答え申し上げます。
 昨年十月、金融機関等関係団体や日本弁護士連合会等の関係機関をメンバーといたしました、自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン研究会におきまして、新型コロナウイルス感染症の影響により法的整理の要件に該当することとなった個人の債務者を支援する自然災害債務整理ガイドラインの特則が、金融機関等関係団体の自主的、自律的な準則として策定、公表されているところでございます。
 本特則におきましては、債務の弁済ができなくなりました債務者が、一定の要件、すなわち、例えば、債務者が弁済について誠実であり、その財産、負債の状況を対象債権者に対して適正に開示している、また、本特則に基づく債務整理を行った場合に、破産手続や民事再生手続と同等額以上の回収を得られる見込みがあるなど、対象債権者にとっても経済的な合理性が期待できることなど一定の要件を満たしている場合に、債務者は債務整理を申し出ることができることとされているものでございます。
 本特則を活用した債務整理支援におきましては、本ガイドライン及び特則のQアンドAにおきまして、対象債務者は破産手続において、いわゆる自由財産と扱われる一定の財産を手元に残すことが可能とされているところでございます。
 また、本特則による債務整理支援の具体的な内容につきましては、債務者の財産、負債の状況等が異なりますので一律のものではございませんが、あくまでも個別事案ごとに、本特則上の要件にのっとりまして、債務者と債権者の合意に基づきまして債務を減免する等の支援がなされるものでございます。
 したがいまして、債務者の財産等の状況によりましては、御指摘のございましたいわゆるゼロ弁済、債務者の返済額がゼロ円になるというケースもあり得るものと承知しているところでございます。

#197
○高井委員 随分詳しく答弁いただきましたけれども、結局、わざわざ金融庁もアドバイザーで入ってガイドラインを作ったわけですよね。しかし、やはりさっき言ったように、一部の方でもそれを守らないと結局全体が守られなくなってしまうので、ここは確かに、業界のというか、ガイドラインなので、なかなか金融庁がいろいろ言いにくい。まあ、私であれば法律にしてくれと申し上げたいんですが、なかなか法律も難しいと、金融庁も実は法務省にも言ったら言うので。
 それだったら、ガイドラインがきちんと有効に機能するようにしていただければいいので、これは平成二十四年、東日本大震災のときは二十三年か、その一年後かな、平成二十四年、この制度ができてから一年後に、金融庁の監督局長の名前で、全銀協や地銀協を始め六、七団体の長宛てに、周知徹底を図られたいという趣旨の通達文書を出しております。
 是非今回も、こういった事例が、既に制度ができてから三、四か月たって実際に起こっているようですので、改めてそこをしっかり周知徹底を図るべきだと考えますけれども、そして同時に、やはりきちんと金融庁としてそこの部分を、制度が、ガイドラインが崩壊しないようにしっかりと見ていただきたいと思いますけれども、いかがですか。

#198
○石田政府参考人 本ガイドラインの特則は、繰り返しになりますけれども、金融機関等関係団体の自主的、自律的な準則として策定、公表されたものでございまして、いわゆる法的拘束力というものはございませんが、金融機関等でございます対象債権者、債務者並びにその他の利害関係人によって自発的に尊重され、遵守されることが期待されているものでございます。
 金融庁といたしましては、本特則を活用した積極的な支援を促す観点から、金融機関に対しまして、同特則の積極的な周知や丁寧な相談対応に加えまして、本特則の運用に際しまして、自由財産の拡張や債務整理の対象債務についても、個人債務者の生活や事業の再建のため、可能な限り柔軟な支援に努めることをこれまでも要請してきているところでございます。
 さらに、本特則に係るリーフレットを、ガイドライン運営機関と金融庁、財務局の連名で金融機関の店頭に掲示してもらう等の周知活動を実施しているほか、金融庁のウェブサイトにも掲載しております。全国の地方公共団体や商工団体にも備え置いてもらうなど、積極的な周知徹底に取り組んでいるところでございます。
 私どもといたしましては、引き続き、関係機関と連携しつつ、本特則の適用対象となる債務者の方に対しまして、金融機関による本特則を活用した適切な支援がなされるよう、しっかりとフォローしてまいりたいと思っております。

#199
○高井委員 私、厚労委員会にも入っているんですけれども、厚労委員でも、やはり生活困窮者対策、本当に今深刻で、コロナ禍がここまで長引いて仕事がない、そういった中で債務を抱える方がいて、それでわざわざ作ったガイドラインというか、本来自然災害だけだったのを新型コロナにも適用したわけですから、そこがうまくいっていないということであれば、これはやはり是非とも金融庁としてしっかり対応いただきたい。
 これがうまくいかないようなら、私は法整備を考えていただかなきゃいけないと思いますし、あとは、先ほど二者、名前は出しませんでしたけれども、金融庁には伝えてあるので、是非そこはしっかり対応していただきたいなと。改善されないようだったら、この委員会でまた取り上げますし、そのときはもうお名前も出さざるを得ないかもしれませんので、是非そこはお願いをしておきたいと思います。
 それでは、次の話に入りますが、先ほどから、黒川元検事長の話ですけれども、これは前回の少年法のときから私もこだわってずっと聞いていますけれども、先般、理事会、理事懇だったかな、法務の中でこの件が議論になりました。
 それで、官房長が、今日来られていませんけれども、こういうふうにおっしゃっていました。取材を、リークや情報漏えいがあったかというときに、官房長にも取材があった、ただ、自分は知らないので、この件にはタッチしていないから答えませんでしたということなんですけれども。
 じゃ、もし知っていた場合、知っている人に取材が行くということがありますよね。そのときに、知っている人がはいと言ったと、うなずくぐらいでもいいですよね、記者は大体うなずいたら書くんじゃないかと思うんですけれども、うなずいたら、これはもうリークになるんですかね、あるいは情報漏えい。リーク、情報漏えいというのはちょっと言葉の定義が曖昧なので、両方、リークでも情報漏えいでもいいですけれども、それに当たるのかどうかをお聞かせください。

#200
○川原政府参考人 お答えを申し上げます。
 まず、お尋ねのうち、リークという言葉につきましては、委員もおっしゃっておられますように、法令上の用語ではなくて、法務省としてその定義について特定の見解を有しているものではございませんので、ちょっとリークという言葉の関係につきましてはお答えすることが困難であることを御理解賜りたいと思います。
 その上で、情報漏えいでございます。情報漏えいということで、国家公務員法百条の「職務上知ることのできた秘密」を漏らした場合に該当する場合を念頭に置いておられるのではないかと思いますので、それを前提にお答えいたしますと、これは罰則に最終的になりますので、具体的な事案において、犯罪の成否は捜査機関が収集した証拠によって判断されるものでございますが、あくまで一般論として申し上げますと、この国家公務員法百条にいう「秘密」というのは、非公知の事項であって、実質的にもそれを秘密として保護に値すると認められるもの、いわゆる実質秘をいうとされております。
 このような判例のいう実質秘を漏らす行為につきましては様々な態様があり得るところでございまして、証拠上、お尋ねのような行為がこれに当たると認められる場合には、国家公務員法百条一項の「職務上知ることのできた秘密」を漏らした場合に該当し得るものと考えます。

#201
○高井委員 該当し得るということですね。
 ですから、取材にどこまで話すかというのはなかなか難しいところで、前回の少年法の議論のときでも、検察も警察も、何か報道記者発表のときは特定の幹部がやっているとかいろいろおっしゃいますけれども、通常の取材のときにどこまでしゃべるのか、ここがやはり一番の問題なわけです。
 これは、大臣、先ほども答弁されたんですけれども、三月十三日の黒川元検事長の報道で漏えいがあったんじゃないかということに関してなぜ調査しないのかという問いに対して、事件関係者への取材等により記事にできる内容でもあるから、法務省のせいじゃない、あるいは検察のせいじゃない可能性があるから調査しないということなんですけれども、事件関係者への取材、ここでいう事件関係者というのはどういう人を想定されていますか。

#202
○川原政府参考人 事件関係者でございます。一般的には、事件関係者というのは様々な場合があり得るところでございますが、先ほど別の委員の御質問にも御答弁申し上げましたように、本件、略式手続によって最終的な処理をしておりますので、法律上の規定によりまして、あらかじめ被疑者に対しまして略式手続によることを告知して、その同意を得なければなりません。ということで、まず被疑者が事前に知り得るところでありまして、さらに、その被疑者本人から聞き知った者がいる場合もあろうかと思います。そういった意味で、略式手続の場合は、一般的に、略式手続の告知を受けた被疑者及びその者から聞き知った者がこれに含まれるのではないかと考えます。

#203
○高井委員 それは、じゃ、被疑者若しくはその周りの人ですよね。ある意味、一般市民、国民ですよね。ですから、そういう人から情報漏えいしたんじゃないかということと、法務省よりもそっちの方から漏れた可能性が高いと言っているのに等しいんじゃないですか。
 その人よりも、まずは法務省から漏れた可能性を調査すべきじゃないですか、大臣、最後に。やはり調査すべきじゃないですか、今の観点からいっても。

#204
○上川国務大臣 三月十三日の黒川元検事長関連の報道に関しまして、再度御質問ということでございます。
 御指摘の報道につきましては、漏えいがあったことを疑わせる確たる証拠が存せず、また事件関係者への取材により記事にできる内容でもあるということでございまして、法務省が検察当局に調査を指示、命令したり、法務省自らが調査を行うことにつきましては抑制的であるべきというふうに考えております。
 今回の件につきまして、調査の実施の必要性の有無も含めまして、検察当局において適切に判断するものと考えておりまして、法務省として調査を行う考えはございません。

#205
○高井委員 時間がないのであれですけれども、国民よりも法務省を守っているというか、法務省は信用できるけれども国民は信用できないみたいなことですよね、そうなると。やはりどっちも調べるというか、まずは自分の足下の法務省を調べるべきだと思います。
 終わります。
     ――――◇―――――

#206
○義家委員長 次に、内閣提出、出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。上川法務大臣。
    ―――――――――――――
 出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――

#207
○上川国務大臣 出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 近年、退去強制令書の発付を受けたにもかかわらず、様々な理由で送還を忌避する者が後を絶たず、迅速な送還の実施に支障が生じているのみならず、退去強制を受ける者の収容が長期化する要因ともなっています。こうした状況を改め、退去強制手続を一層適切かつ実効的なものとすることは、適正な出入国在留管理を確保する上で喫緊の課題です。
 この法律案は、以上に述べた情勢に鑑み、所要の法整備を図るため、出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正するものであります。
 この法律案の要点を申し上げます。
 第一は、在留特別許可制度について、退去強制令書が発付されるまでの間に申請を行うことを可能とするとともに、在留特別許可を行うか否かの判断に際して考慮すべき事情を明示することとするものです。
 第二は、退去強制を受ける者のうち、退去強制令書の円滑な執行に協力しない国が送還先である者及び送還を積極的に妨害する行為を行ったことがある者に対し、一定の要件の下で自ら本邦から退去することを義務づける命令制度を創設し、命令に違反した場合の罰則を整備することとするものです。
 第三は、難民認定手続中は法律上一律に送還が停止されるといういわゆる送還停止効に例外を設け、同手続中であっても一定の場合には送還を可能とすることとするものです。
 第四は、退去強制令書の発付を受けた者の自発的な出国を促すため、素行等を考慮して相当と認められる者について、その申請により、速やかに自費出国をした場合には上陸拒否期間を短縮することができることとする制度を設けるものです。
 第五は、退去強制手続における収容に代わる選択肢として監理措置の制度を創設し、当該外国人の逃亡のおそれの程度等を考慮して相当な場合には、収容せずに監理人による生活状況の把握その他の監理に付する措置を取りながら手続を進めることとするものです。あわせて、仮放免は、健康上、人道上その他これらに準ずる理由により収容を一時的に解除する制度と改めるものです。
 第六は、入国者収容所等における被収容者の処遇について、金品の取扱い、保健衛生及び医療、外部交通等に関する事項を明確化するため、具体的な規定を整備するものです。
 このほか、難民に該当しないものの難民に準じて保護すべき者を補完的保護対象者として認定する手続を設け、これを適切に保護するための規定を整備すること、十六歳未満の外国人が所持する在留カード及び特別永住者証明書の有効期間を見直すことなど、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の趣旨であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。

#208
○義家委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――

#209
○義家委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本案審査のため、明二十一日水曜日午前九時、参考人として慶應義塾大学名誉教授・弁護士安冨潔君、特定非営利活動法人難民を助ける会会長柳瀬房子君、日本弁護士連合会人権擁護委員会元委員長・弁護士市川正司君及び弁護士児玉晃一君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#210
○義家委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、明二十一日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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