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2021/04/22 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 国土交通委員会 第12号 令和3年4月22日
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2021/04/22 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 国土交通委員会 第12号 令和3年4月22日

#1
令和三年四月二十二日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     森屋  隆君     杉尾 秀哉君
     安江 伸夫君     西田 実仁君
 四月二十一日
    辞任         補欠選任
     杉尾 秀哉君     森屋  隆君
     高瀬 弘美君     竹内 真二君
     西田 実仁君     安江 伸夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         江崎  孝君
    理 事
                足立 敏之君
                大野 泰正君
                青木  愛君
                杉  久武君
                浜口  誠君
    委 員
                朝日健太郎君
                岩井 茂樹君
                岩本 剛人君
                岡田  広君
                金子原二郎君
                清水 真人君
                鶴保 庸介君
                馬場 成志君
                牧野たかお君
                増子 輝彦君
                熊谷 裕人君
                野田 国義君
                森屋  隆君
                竹内 真二君
                安江 伸夫君
                室井 邦彦君
                榛葉賀津也君
                武田 良介君
                木村 英子君
   国務大臣
       国土交通大臣   赤羽 一嘉君
   副大臣
       国土交通副大臣  岩井 茂樹君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       朝日健太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        林  浩之君
   政府参考人
       農林水産省農村
       振興局整備部長  安部 伸治君
       林野庁森林整備
       部長       小坂善太郎君
       国土交通省都市
       局長       榊  真一君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        井上 智夫君
       国土交通省住宅
       局長       和田 信貴君
       気象庁長官    長谷川直之君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(江崎孝君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 本日もどうぞよろしくお願い申し上げます。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、高瀬弘美君が委員を辞任され、その補欠として竹内真二君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(江崎孝君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省水管理・国土保全局長井上智夫君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(江崎孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(江崎孝君) 特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#6
○足立敏之君 おはようございます。自由民主党の足立敏之でございます。
 本日は、質問の機会を与えていただきまして、江崎委員長を始め各党の理事、委員の皆さんに感謝を申し上げたいと思います。
 私は、建設分野の代表ということで、インフラ整備、治水対策、災害対応に取り組んでまいりました。本日は、その経験を踏まえまして、いわゆる流域治水関連法案について質問をさせていただきたいと思います。
 平成二十九年の九州北部豪雨、平成三十年の西日本の豪雨災害、令和元年の台風十九号による東日本の豪雨災害、令和二年の球磨川の水害など、これまで経験したことのないような極めて大規模な浸水被害が毎年発生をしています。このように激甚化する水害、土砂災害の発生状況を考えますと、地球温暖化に伴いまして気候が大きく変化し、これまで生じていなかったような現象が発生しているのではないか、そう懸念されます。
 現に、気象庁では、資料の一、お手元に配っておりますけれども、これに示しましたとおり、一九九一年から二〇二〇年の三十年間の日降水量二百ミリ以上の大雨の日数ですけれども、これが一九〇一年から一九三〇年の三十年間に比べまして一・七倍に増加しているというふうにしております。
 また、今後の予測につきましても、次のページで資料二ですけれども、文科省と気象庁は日本の気候変動二〇二〇という資料を発表しまして、パリ協定で合意されました今世紀末には二度上昇するという目標が達成された場合に、二十一世紀末の日降水量二百ミリ以上の大雨の年間日数が二十世紀末に比べて約一・五倍に増加する、仮に温室効果ガスの排出がより高いレベルで続くと想定した場合、いわゆる四度上昇シナリオでは、二十一世紀末の日降水量二百ミリ以上の年間日数が二十世紀末に比較して二・三倍に増加するというふうに予想をしております。
 こうした状況を踏まえまして、水害、土砂災害が頻発している状況について地球温暖化の影響と考えているのか、気象庁長官にお伺いをいたします。

#7
○政府参考人(長谷川直之君) 気象庁から、水害や土砂災害を起こすような大雨の状況についてお答え申し上げます。
 先ほど御紹介ございましたとおり、気象庁の気象台などによる過去百年以上の観測データによりますと、災害をもたらすような大雨の発生の回数には増加傾向が見られております。先ほど御紹介ありましたように、一九〇一年から一九三〇年までの三十年間と一九九一年からの三十年間を比較いたしますと、例えば一日当たりの二百ミリ以上の大雨の回数、一・七倍に増加しております。これには地球温暖化の影響がある可能性があると考えております。
 また、将来につきましても、先ほど御紹介ございましたとおり、パリ協定の二度目標が達成された場合であっても、二十世紀末の、申し訳ございません、今世紀の末には二十世紀末の約一・五倍にこの大雨の頻度が増加するというふうに予測しております。これは、地球温暖化による影響を予測したものでございます。
 大雨の発生回数などは年々変動が大きいものでございますので、気象庁といたしましては、引き続き長期変化の傾向をより確実に捉えるために、今後もデータの蓄積やその分析に取り組んでまいります。また、気候変動の予測を充実強化いたしまして、地球温暖化の対策に資する情報発信に引き続き努めてまいりたいと考えております。

#8
○足立敏之君 ありがとうございました。
 私といたしましては、今も話のありました地球温暖化に伴う気候変動の脅威、これにつきまして気象庁としてしっかり国民に警鐘を鳴らしていただくようにお願いをしたいと思います。
 ところで、国土交通省では、早くから地球温暖化の脅威につきまして検討に着手をいたしております。御承知のとおり、地球温暖化対策には、CO2など温室効果ガスを削減する緩和策と、具体的に発生してきた影響への対策を講じる、例えば激増する水害、土砂災害への事前防災対策ですけれども、そういったことを講じる適応策と両面がありますけれども、地球温暖化対策というとどうしても緩和策の方に目が行きがちなんですけれども、適応策も非常に重要な課題ですので、その辺りについて今日はお話をさせていただきたいと思います。
 国交省では、私が水管理・国土保全局の河川計画課長の頃なんですけれども、平成十九年八月に社会資本整備審議会に気候変動に適応した治水対策小委員会を設置しまして、水災害分野における地球温暖化に伴う気候変化への適応策のあり方についてという答申をいただきました。その後、民主党政権下で一旦検討が滞りましたけれども、平成二十六年一月に、私が水管理・国土保全局の際に、局長の際に再び検討に着手し、平成二十七年八月に、水災害分野に係る気候変動の適応策のあり方についてという答申をいただいております。さらに、その後、平成三十年四月に気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会を立ち上げ、資料三にお配りをしております、先日小池参考人からも配付のありました資料の中に含まれておりましたけれども、今後、温暖化により気温が二度上昇すると、降水量が北海道や九州北西部で一五%増加する、他の地域でも一〇%増加するというふうに予測されています。また、温暖化が更に進行して気温が四度上昇しますと、北海道や九州北西部では降水量が約四〇%、その他の地域でも二〇%増加するというふうに見込まれる、こういった結果を発表しています。これは、先日小池参考人もおっしゃっていましたけれども、大変深刻な状況だというふうに言えるかと思います。
 こうした状況下で河川の洪水対策を考えるに当たりましては、過去の雨を前提にした計画ではやはりもう不十分で、トレンドで考えるのではなくて、気候変動の影響を加えて抜本的に安全度を向上させることが必要と考えます。
 先日、小池参考人はこれまでの雨のデータに今の数値を掛けるというふうなお話をされていましたけれども、そういった考え方で今後河川の計画の対象となる降雨についても再検討することが不可欠であり、それに従って河川整備基本方針、これも見直しが必要になるというふうに考えています。
 地球温暖化の進展に伴いまして河川整備基本方針を見直すことの必要性と、仮にそうした方向で既に検討を進めている河川があるなら、どの河川を対象に検討を行っているのか、水管理・国土保全局長に伺いたいと思います。

#9
○政府参考人(井上智夫君) 今後、気候変動の影響により更に頻発化、激甚化が予想される水災害に対応するためには、治水対策の強化が必要です。このため、河川整備基本方針を従来の過去の降雨実績に基づくものから、気候変動による降雨量の増加などを考慮したものに見直してまいります。
 この見直しに当たって、専門家から成る検討会を設けて、河川整備基本方針に用いる雨が将来どの程度増加するか等について御検討いただいたところ、二十一世紀末時点で世界の平均地上気温が二度上昇した場合を想定し、降雨量を一・一倍とするとともに、過去に経験したことのない雨の降り方も考慮して治水対策の検討の前提となる基本高水を設定すべきとの見解が示されたところです。
 こうした基本的な作業にのっとり、新宮川や五ケ瀬川といった、近年大規模な水害が発生した際の洪水流量が現行の河川整備基本方針で定める基本高水を上回った水系から順次河川整備基本方針の見直しに着手し、治水対策の強化を図ってまいります。

#10
○足立敏之君 ありがとうございます。是非検討をしっかり進めていっていただきたいと思います。
 ところで、こうした豪雨災害が頻発している状況を踏まえまして、国土交通省では、令和元年十一月に、社会資本整備審議会に気候変動を踏まえた水災害対策検討小委員会を立ち上げまして検討を行い、河川整備のスピードが気候変動に伴う治水安全度の低下に追い付かない、そういうような状況を踏まえまして、河川の関係者だけではなく、流域内のあらゆる関係者が被害の最小化のため協働して洪水に備える流域治水という考え方を導入するというふうに伺いました。
 国土交通省が今回導入した流域治水とはどのような考え方なのか、赤羽国土交通大臣に伺いたいと思います。

#11
○国務大臣(赤羽一嘉君) 今、足立先生から質問のやり取りがありましたが、私の認識では、かねてから地球温暖化による洪水リスクの高まりというのは当然議論がされていたんだと思います。ただ、そこは恐らく、ちょっと言い方が正しくないかもしれませんが、まだ観念論の世界というか、それが平成三十年の七月の豪雨災害ですとか、また、私が就任した直後の令和元年の東日本台風、台風十九号の災害でそうしたものが現実の災害として頻発するようになり、その被害も相当甚大化、深刻化すると、これはもう具体的に、抜本的な、また総合的な治水対策の見直しをしなければいけなくなったのではないかと。
 ですから、それまでは総合治水という、特定の都市河川において取っていたものを普遍化するといった言い方が非常に分かりやすいかもしれませんが、要するに、何回も申し上げておるところですが、上流から下流、本川だけではなくて本川、支川、それも、それを統一的にやるというのはなかなか難しく、それは足立さんが局長のときに一番苦労されたんだと思いますが、上流部分の人たちと下流部分のやっぱり、何というんですかね、お互いの立場というのが違うので、やはりそうしたことの調整というものもなかなかできなかった。ですから、上流は県管理の場合が多いから県の河川管理者のイニシアチブで、ですが下流は国の管理という、そのときには、やはり、ちょっと私は分からないんですけど、恐らく整合性が取り切れない部分もあったんではないかと。
 十九号のときも、例えば福島県の阿武隈川に行きましたけど、ここは、郡山というのは非常にくぼ地なので多分堤防強化が進んでいたんだと思いますが、あのときはその南側の須賀川市と北側の本宮市の堤防が決壊してしまったというようなこともあり、そうしたことで、やはり水系全体を俯瞰してこれは本当に計画的にやらないと、国民の、地域住民の命、暮らしを守ることはできないと。
 そうした思いで、今回は上流から下流、本川、支川の関わる全ての首長、また企業ですとか地域の代表、こうしたことの声を集約する中で計画的に対応しようと。それも、河道掘削とかの河川の中だけではなくて、その周辺の地域の開発の仕方ですとか、あるときには居住地を移転してもらうですとか、また、ハードだけではなくてソフトも加えて、避難の体制の在り方とかいわゆるマイタイムラインとか、そうしたことも含めてのプロジェクトにしなければいけないと、こう考えて進めていきたいと思います。

#12
○足立敏之君 ありがとうございます。赤羽大臣のリーダーシップでしっかり流域治水進めていただくようにお願いしたいと思います。
 ところで、今お話ありました、かつて都市化の進展が著しかった昭和五十年代頃、都市化に伴う河川の流出増、これに河川整備が追い付かず浸水被害が増大したために、総合治水という考え方が提唱されました。十三日に委員派遣で多目的遊水地を視察した神奈川県の鶴見川もその対象河川でございますけれども、こういった総合治水と今回提唱されております流域治水がどこが違うのか、その辺を水管理・国土保全局長に伺いたいと思います。

#13
○政府参考人(井上智夫君) 総合治水は、高度成長期以降著しい市街化が進み、宅地開発や舗装等により雨水の流出が増大したことに対応するため都市部の河川において取り組んできたのに対し、流域治水は、気候変動による降雨量の増大に対応するため、都市部のみならず全国の河川において取り組もうとするものです。
 また、具体的な取組内容を見ると、総合治水では、河川整備に加え、流域において開発に伴う雨水の流出増を相殺する調整池や河川管理者等が主体となった雨水貯留施設等の整備を進めてきたのに対し、流域治水では、河川整備を更に加速するとともに、流域のあらゆる関係者が協働し、降雨量の増大を踏まえたダムの事前放流や雨水貯留対策の強化、さらには、浸水リスクが特に高いエリアにおける立地規制なども対策メニューに加えて、総合的かつ多層的に進めていくものです。

#14
○足立敏之君 ありがとうございました。従来の総合治水には先輩方の熱い思いもありますので、それを発展させる形でこの流域治水をしっかり進めていただきたいというふうに思います。
 ところで、最近発生しております大規模な浸水被害にとりまして、以前、佐賀県の工場で油の流出があったり郡山のバスの大量水没があったり長野新幹線の車両基地の水没など、様々な不測の事態が生じました。また、医療機関だとか高齢者施設の水没なども生じておりまして、昨年の球磨川の千寿園の例など、深刻な事態を生じたケースもあります。こうした浸水被害は、ハザードマップの情報に基づき的確に対応していれば未然に防ぐことができたのではないかというふうに考えます。
 しかしながら、ハザードマップ自体は必ずしも十分浸透している状況ではなく、もう少し分かりやすくて使い勝手のいいハザードマップの作成を進めるべきだというふうに考えます。
 現在、自民党の測量設計議連で、岩井副大臣も参加されてございますが、三次元基盤情報を活用したハザードマップを検討中でありまして、全国測量設計業協会連合会からも大いに期待を集めております。都市局でも、プラトーという三次元地図データベースを活用したデータ共有システムも検討されております。こうした取組を総合化することによりまして、地盤高も含めた三次元のデータを活用した分かりやすい、使いやすいハザードマップの開発につながることを期待したいというふうに思います。
 お手元の資料四に、それを少しイメージしたものを準備させていただきました。三次元データを使うことによりまして、どの辺まで浸水しているかとか、そういった中で避難経路どういったものを使えばいいのかとか、そういったことが把握できるようなものができると分かりやすいんじゃないかというふうに思っております。
 こうしたハザードマップなど、河川情報に関する今後の取組方針につきまして、水管理・国土保全局長に伺いたいと思います。

#15
○政府参考人(井上智夫君) 住民の命を守るための警戒避難体制の強化は流域治水の重要な柱の一つであり、住民の皆様に平時からハザードマップ等を活用して水害リスクへの認識を高めていただくことが重要です。このため、国土交通省では、ハザードマップ等の情報を分かりやすく提供できるよう、洪水や土砂災害などの災害原因別に作成されたリスク情報を同一の地図上に重ね合わせて表示する取組や、リスク情報を三次元で視覚的に分かりやすくする取組を進めているところです。
 一方で、これらのリスク情報の基盤となる地図データは、より精度を高めるとともに、都市部を中心とする住宅等の土地の変化にも対応していく必要があります。このため、ドローンなどの新技術の活用とそれを扱う人材の育成も推進しつつ、地図データの詳細化や定期的な更新にも努め、より視覚的に分かりやすい水害リスク情報を的確に提供してまいります。

#16
○足立敏之君 ありがとうございました。しっかりと検討を進めていただきたいと思います。
 ところで、洪水時の安全確保のためには、今回定められます浸水被害防止区域に不適格な建築物が設置されている際には事前に移転をさせることが可能となるような制度が必要だというふうに考えております。以前の国会でも、都市局長に御質問させていただきました。東日本大震災の際に、津波で被災した地域の住宅の高台移転には、居住に適さない区域内にある住居を集団移転させるという防災集団移転という制度が大きな役割を果たしました。
 この災害の危険区域にあります住宅を移転させるための施策、防災集団移転という制度につきまして、これまで浸水に関する実績がどの程度あるのか、また、今回の法改正に伴いましてどのようなことが可能になるのか、都市局長に伺いたいと思います。

#17
○政府参考人(榊真一君) お答えを申し上げます。
 防災集団移転促進事業は、これまで、昭和四十七年の制度創設以来、六十二市町村、計三万九千戸の住宅の集団移転を支援してまいりました。このうち洪水に起因するものといたしましては、これまで、四市町村において計九十四戸の移転が行われております。
 防災集団移転促進事業を行うに当たりましては、あらかじめ移転対象となるエリアを条例で災害危険区域として指定する必要がありますが、事業を検討している自治体からは、災害危険区域の指定手続が大変だといった御意見をいただいております。
 このため、今回の法律改正では、浸水被害防止区域や土砂災害特別警戒区域など、災害を特に警戒すべき区域を防災集団移転促進事業の対象エリアとして追加することとしております。これによって、市町村が改めて災害危険区域を指定しなくても事業を実施することが可能となりますことから、事業の円滑な実施が図られるものと期待をしております。

#18
○足立敏之君 ありがとうございました。しっかり進めていただきたいと思います。
 ところで、最近、台風が来るときに、鉄道の計画運休、デパートやスーパー、コンビニなどの計画休業、学校の計画休校などの措置がとられるようになってまいりました。とても重要な取組だというふうに思っております。こうした取組は、タイムラインに基づく行動というふうに言われています。
 私が水管理・国土保全局長をしていた二〇一二年なんですけれども、アメリカを襲ったハリケーン・サンディ被害調査のために、土木学会と連携しまして調査団を派遣をいたしました。その結果報告の中で、アメリカではタイムラインという行動表を、これを関係者が共同で作成して、それに基づき対応を行うことでハリケーン・サンディの際にも大きな効果を発揮したというふうに伺っております。日本でも、私の後任の局長、森北局長のときに、当時、太田昭宏大臣の下で国交省としてもこの考え方を導入しようということを決定しまして、関係者が協力してタイムラインを策定して、それに基づく取組がもう既に始まっています。
 一方、防災・減災には、公助のみならず自助、共助の取組も大事で、特に自助という観点では、平成二十八年の鬼怒川の決壊地点の復旧復興を図る中で、当時の国土交通省の所長、里村所長というんですけれども、彼の発案で始まりましたマイタイムライン作り、これが大変有効だというふうに考えています。当時、私も、既に国会議員になっておりましたけれども、現地に行かせていただきまして、直接所長から地域の方々とのやり取りの様子なども伺いました。まさに現場から生まれた貴重なソフト対策だったというふうに思います。
 このマイタイムライン、先日からも何度かお話が出ておりますが、お手元にそのイメージを示させていただきましたけれども、最悪の事態を想定して、そこから逆算して、時間を逆算して、いつまでに何をやらなきゃいけないのか、これをあらかじめこういう行動表にしておきまして、それを基に、こういうタイミングだとこんなふうな動きをしようじゃないかというような、そういう行動の基になる規範といいますか、そういうものを作ろうというものでありまして、これは非常に重要な取組で、先日も首藤参考人からも評価いただきましたけれども、しっかりと進めなきゃいけないんじゃないかというふうに思っております。
 今後、このマイタイムラインですけれども、積極的に普及を図るべきと考えますが、水管理・国土保全局長に伺いたいと思います。

#19
○政府参考人(井上智夫君) マイタイムラインは、住民一人一人がハザードマップを活用して、どのタイミングで避難行動を取ればよいかを確認するものであり、自助の観点から住民の防災意識を喚起し、平素より水害リスクへの認識を深める意義もあるものと考えております。
 マイタイムラインの作成は、一人よりも地域住民が顔を合わせて避難行動を話し合うワークショップの中で行うことが効果的であることから、国土交通省では、市区町村に対してワークショップに必要な技術的な助言や教材の提供などを行っているところでありますが、令和二年一月時点では、まだ百三十七の市区町村にとどまっているところでございます。
 こうした取組が更に拡大するよう、令和二年六月、マイタイムラインのワークショップの主催者となる市区町村向けに、これまでの実績に基づく運営ノウハウを具体的に整理した資料をお示ししました。また、マイタイムラインの一層の普及拡大を目指してワークショップのファシリテーターを育成するため、気象キャスターや防災士の方を対象に、マイタイムラインを作成する上でのポイントを理解していただく講習会の開催も行っているところです。
 国土交通省では、住民自らが水害リスクを認識し的確な避難を実現するため、引き続き、マイタイムラインの普及に取り組んでまいります。

#20
○足立敏之君 ありがとうございました。
 先日の参考人の質疑の際に、首藤参考人からはプッシュ型の情報が欲しいというお話がございました。私としては、この今のタイムライン、マイタイムラインなんですけれども、AIなどを活用して、様々な活動をAIが指示してくれるような、ハイブリッド型とでもいうんでしょうか、マイタイムライン、そういうようなものを先ほどお話しした三次元の基盤情報だとかああいったものと組み合わせて作成していくことが必要じゃないかなというふうに思っております。
 是非、井上局長の方で御検討いただいて、適時的確にプッシュ型で今こういうことをしなさいというようなタイムライン、こういったものが作られるように是非ともお願いをしたいというふうに思います。
 最後ですけれども、今後、この法案の施行によりまして水害被害が軽減されることを心から期待を申し上げまして、私の質問を終えさせていただきます。
 以上です。

#21
○熊谷裕人君 立憲民主・社民の熊谷でございます。流域治水法の質疑に当たらせていただきたいと思います。
 埼玉県出身でございまして、実は、埼玉県は日本一川の面積の広い県でございまして、海はないんですけど川の面積は日本一ということで、長さもかなりの長さがある県でございます。そういったところなので、流域治水については私もかねてから関心を持っていたところでございまして、しっかりとこの法案成立をさせることで水害被害を軽減をしてまいりたいなと思っております。
 今の議論のところで、赤羽大臣の方から御答弁で、これまではやはり上流域と下流域でかなり災害に対する考え方というか理解が違って、その合意形成をしていくのが大変だったんだというような御答弁もありました。私もそう思っておりまして、今回の流域治水という考え方に基づいたとしても、例えば、私の地元、利根川という川がありまして、幾つかの県にもまたがっていますし、かなり長い川でございます。小学校の社会科に出てくるような川でございまして、上流域と下流域では、水害に対する意識だったりですとか、それから利益相反をするようなことも考えられるんだと思っております。
 これから、法律に基づいて流域協議会をつくって議論を重ねていって、その利益相反をするようなところの調整をしていくということになるんだと思っておりますが、その辺どのように国交省としてリーダーシップを発揮していくべきかというところをまず大臣にお尋ねをしたいと思います。お願いいたします。

#22
○国務大臣(赤羽一嘉君) 今お話ありましたように、どうしても自分の、当然ですけど、住んでいるところが大事であるということで、上流、下流、また、本川、支川、なかなか計画的に足並みをそろえる治水の対策が講じられない、そのことによって大変大きな被害を招いてしまったというのが、平成三十年の七月豪雨災害もそうですし、令和元年の東日本台風のときもそうだというふうに思っております。
 こうした教訓をどう生かすのかと。これまでどおり、まあちょっと地域エゴという言葉は正しくないかもしれませんが、地域それぞれの思いの中でやるということはやはり相対的な大きな損失を生じる原因をつくってしまうと、こうしたことはよく御理解をいただいて、だからこそ、まず、この協議会にはあらゆる関係者が参加をすると。
 そして、そこには、やはり科学的な分析とか河川管理者からの客観的なデータの提供ですとか、また、それぞれの地域の特性、地域の洪水の歴史に詳しい方ですとか、最近、そうした思いの中で、気象台のOB、OGが地元の地域防災力の向上のために地域で貢献できるような気象防災の役を付けて活躍をお願いしたりとか、こうしたことを取り組んでおりますので。
 まさに中立的、客観的、そして科学的な立場での議論がなされ、そして、それでもそういう順番付けを、上流で水をためて、下流から堤防強化ですとか河道掘削というのが基本的な考え方でありますが、そのタイムラグの中で発生するリスクをどうミニマイズするのかというのは、やはり地元地元の特性に応じて対応を取らなければいけないと思いますので、この期間は、工事の期間、順番が来るまではこのリスクはもう承知で我慢しろというような、そんなことでは洪水対策になりませんので、そうしたことについてはしっかりと対応しながら丁寧に議論を進めて、その地域地域、流域ごとのプロジェクトというか流域治水の計画を立てていただいて、あと、今、五か年の、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策の予算等も投入しながらしっかりと進めていきたいと、原則的にはそういうふうな考え方であります。

#23
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 様々な知見を集めなきゃいけないというところに、今大臣の御発言にもありましたけれど、過去の災害だったりとか伝承されているような言い伝えが多分あって、そういうこともこれからの治水対策に生かしていくべきだと思います。集合知という形で様々な情報を本当集めて、災害のリスクを低減させるためにしっかりと国交省、リーダーシップを発揮していただければと思っております。
 次に、国交省の中だけでも連携大変だと思いますが、やはり流域治水ということを考えると、他省庁との関連ということも出てくるんではないかというふうに思っております。
 私、災害特でもちょっと質問させていただきましたけれど、治山事業がやっぱり大切だというふうに思っておりまして、この辺、国交省として他省庁との連携をどのようにこの流域治水を進めていく中で考えているか、お答えいただければと思います。

#24
○政府参考人(井上智夫君) 平成二十九年九州北部豪雨など近年の豪雨災害では、大量の流木が河川をせき止め、大規模な河川氾濫の一因となっていることから、上流域にある森林の整備や治山対策は治水上も重要と考えています。
 具体的には、上流域において流木の発生自体を抑制する森林整備や治山ダムの整備と、流木の河川への流出を抑制する砂防堰堤の整備などを一体的に推進することが有効と考えています。
 このため、流域治水の推進に向けた関係省庁実務者会議に林野庁も参画いただき、本省間の連携を強化するとともに、各水系ごとに設けた流域治水協議会においても林野部局にも参画いただくなど、現場レベルでの連携も図っているところです。
 去る三月三十日には、全国百九の全ての一級水系で取りまとめた流域治水プロジェクトの全てにおいて森林整備、治山対策を位置付け、本格的な実践のスタートラインに立ちました。
 引き続き、流域治水の旗振り役として、林野庁などとの関係機関とも連携し、対策の強化充実を図ってまいります。

#25
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 今、局長の答弁の中で、林野庁との連携という御答弁がありました。今日、林野庁の皆さんにも御出席をいただいております。
 ちょっと地元のことになるんですが、皆様方のところに資料をお配りをさせていただきました。埼玉県飯能市の山林メガソーラー開発という資料でございます。
 昨年の十一月にも災害特で質問させていただいたりしたんですが、地元の飯能市というところで、市の公有地を民間に長期貸与してメガソーラー施設とサッカー場を造るんだという事業がスタートしております。様々な規制、歯止めを掛けていただいているんですが、その歯止めを掛けているぎりぎりのところの開発が進んでいるところでございまして、写真を見ていただくと、一枚目が、木がたくさん生えているところに私が見ているところが出ていますが、去年の十一月の十六日でございます。めくっていただいて、今年の四月十日にお伺いをしたところ、このように木が全部なくなって丸裸で、これからメガソーラーを設置するというような形になっております。
 全国でこんな事例がたくさんあるんじゃないのかなというふうに思っておりますが、林野庁として、このメガソーラー発電施設の設置が今どれくらいの規模で全国で行われているか、把握をしていたら教えていただきたいと思います。

#26
○政府参考人(小坂善太郎君) お答えいたします。
 民有林で一ヘクタールを超える開発を行う場合は、林地開発許可制度、それに基づきまして、都道府県知事が災害の防止等の要件について審査して許可することとしております。
 この林地開発許可制度により林地開発の状況を把握しておりまして、平成二十四年のFIT制度創設以降、森林での太陽光発電施設の設置を目的とした開発が増加しておりまして、令和元年度の太陽光発電施設の設置に係る林地開発許可処分の件数は、全国で二百三十六件、面積で三千二百十七ヘクタールとなっているところでございます。

#27
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 これ、一ヘクタール以上で許可をしているところということで、二百三十六件、三千二百十七ヘクタールという御答弁ございました。
 私のここは、その許可の基準に当たらないように一ヘクタールをちょっと欠けた面積にして、サッカー場をメーンにしてメガソーラーの施設を造るというような形になってしまっておりまして、巧妙に逃れているような形でございます。
 この四月に行ったときに、たまたま山を下りてきて沢のところで休憩をしていたら、地元の方、地元に住んでいる方とたまたまお会いしまして、お話をさせていただきました。雨が降ると、やっぱりもう木が切られてしまったのですごい土砂が沢に流れ込んで、もうすごい色になっていると、それを将来土石流が発生するんじゃないかと心配をして引っ越しをした人ももう既に出ているというようなお話を聞きました。
 災害対策という観点から、私もちょっとどうなのかなというふうに思うところがございまして、林野庁としてこういう山地、林地の開発について今後どのような対応を考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。

#28
○政府参考人(小坂善太郎君) お答えいたします。
 農林水産省におきましては、森林法に基づき、水源や災害の防止など、特に重要な森林については、まず保安林に指定します。保安林におきましては、開発行為を厳しく制限しております。この保安林以外の森林につきましても、先ほど御答弁させていただきましたように、林地開発許可制度により都道府県知事が許可する、そういう仕組みにしているところでございます。
 この林地開発許可制度につきまして、太陽光発電施設の整備に当たり、大規模な土地改変を行う事例とか地域住民の反対運動が起こる、そういった事例が見られることから、令和元年六月に有識者による会議を設け、林地開発許可の在り方について検討を行いました。そして、太陽光発電施設の特殊性を踏まえた許可の基準、そういった技術的助言を発出し、県の方でこれに基づく許可を進めていただいているところでございます。
 具体的には、太陽光発電施設、整形しない自然斜面に設置しますので、そういった場合もきっちりと確実に防災施設を設置すること、さらには、雨水の流出量、水が出てきますので安全に処理する措置をすること、さらに、景観の問題がございますので森林を一定割合切らずに残すこと、こういったことを定めさせていただいているところでございます。
 今後とも、こうした形で、適正な制度の運用を通じて森林の公益的機能の確保に努めてまいりたいと考えております。

#29
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 やはりメガソーラー施設、発電施設、私もこれからのことを考えると必要だと思っておりますが、やはり適した立地というものがあると思います。林野庁として、災害リスクのあるようなところについては、できるだけ適したところへの誘導という形をしていただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それから、ちょっと話変わりますが、森林環境譲与税の話も、ちょっと林野庁来ていただいているのでさせていただきたいと思っております。
 この譲与税、始まりました。ただ、人口割りというところで今配分をされているので、私の地元のさいたま市は、対象の森林がないんですけれど、譲与税、結構な額をいただいていますし、日本で一番もらっているのは横浜市という形になっております。
 やはり下流域の人口の多いところに配分をされていて、上流域の森林をやはり扱っているところの譲与税が若干少ないんじゃないかなというふうに思っておりまして、下流の、下流域の自治体がこの譲与税を使って上流域の治山事業の対策に使えないかとか、又は山を大切にしようという山の日もできておりますので、山、山林を大切にしようという気持ちを涵養するような植林イベントをする方がいいんではないかと思っておりまして、譲与税がそういうところに使えないかなというふうに個人的には思っておりますが、譲与税の使い方についてどのようになっているか、教えていただければと思います。

#30
○政府参考人(小坂善太郎君) お答えいたします。
 森林環境譲与税は、令和元年九月に譲与がスタートしたところでございます。各自治体におきましては、森林整備やその促進のための普及啓発など、税を活用して地域の実情に応じた様々な取組が進められているところでございます。
 議員御指摘の上下流の自治体間連携につきましては、例えば、荒川流域にあります東京都の豊島区、それと埼玉県の秩父市が連携いたしまして、豊島区が上流の秩父市内の広葉樹林を整備する、そういった取組であるとか、木曽川流域にあります愛知県の豊明市と長野県の上松町が連携して、上流の上松町で生産された木材製品を豊明市内の新生児に、赤ちゃんにプレゼントする、そういった取組が進められているところでございます。
 森林環境税を活用して森林整備を進める上で、議員御指摘のとおり、上下流連携という形で森林の少ない都市部と山村部が連携することは非常に有効な取組と考えておりまして、農林水産省としましても、このような取組の横展開を図るべく、市町村へこうした事例の共有や助言等を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

#31
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 是非、この流域治水という考え方にも合致するものであろうと思いますので、是非、国交省、農水省と連携を進めていただきたいと思います。
 林野庁に対しての質問、以上ですので、よろしければ、委員長、御退室をお願いいたします。

#32
○委員長(江崎孝君) 林野庁小坂部長は退席されて結構でございます。

#33
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 続いて、個別のことをちょっと聞いてまいりたいと思います。
 現在、特定都市河川の指定は八水系六十四河川ということを聞いておりますが、今後、指定の拡大に向けてどのように取り組んでいくのか、お聞かせいただければと思います。

#34
○政府参考人(井上智夫君) これまでは、市街化の進展によって土地の雨水浸透機能が低下している都市部の八水系六十四河川を特定都市河川に指定し、総合的な対策を進めてきました。一方、近年激甚化、頻発化する豪雨災害や今後気候変動による降雨量の増加への対応は、全国で行うことが必要となります。
 このため、今般の法改正により、特定都市河川の指定対象を地方部を含む全国の河川に拡大することとし、都市部の河川のみならず、バックウオーター現象によって氾濫がしやすい本川と支川の合流点付近や、川幅が狭くなるいわゆる狭窄部の上流側などの自然的条件にある河川についても指定できることといたします。また、特定都市河川の流域において自治体等が整備する雨水貯留浸透施設に対する財政支援を手厚くするとともに、流域水害対策計画の作成に係る技術的助言により、自治体の人的負担軽減にも努めてまいります。
 これらにより、現状の八水系六十四河川から、関係自治体との調整を経て、数百程度の河川を指定することを想定しております。

#35
○熊谷裕人君 今、八水系六十四河川から数百程度の河川に広げていくという御答弁をいただきました。それでも対象外になる河川が出てくるんではないかなと思っておりまして、対象になれば、御答弁にもありましたように、雨水貯留浸透施設だったりそこへの支援だったり土地の利用規制だったりということに踏み出すことが今度の法律でできるようになるんですが、指定外のところについては、なかなかそこへの支援というのが見えてこないのが現状だと思っております。
 ただ、この雨水貯留浸透施設は、私は、どの河川、指定から外れてしまったような河川の流域の自治体でも必要だなというふうには思っておりまして、とりわけ、そういった自治体が個別にもし取り組むようなことになるんであれば、そういった自治体への財政支援等をお願いをしたいなというふうに思っておるんですが、指定の対象外に今回なってしまった自治体への支援ということは今どのようにお考えなのか、お聞かせいただければと思います。

#36
○政府参考人(井上智夫君) 今般の法改正により特定都市河川の対象を地方部を含めた全国の河川に拡大していることとしておりますが、これは、法施行の後、その指定の作業が進むことになります。その上で、特定都市河川に指定されていない河川においても、浸水被害の防止、軽減のため、流域における雨水貯留対策や土地利用、住まい方に関する対策を組み合わせ、あらゆる関係者が協働する流域治水を推進することが重要です。
 このため、特定都市河川に指定されていない河川においては、特定都市河川流域における支援や規制内容と差はあるんですが、雨水貯留浸透施設については、自治体に限られていた支援対象に民間企業も追加し整備促進するとともに、土地利用、住まい方については、災害危険区域による建築制限などの既存制度を活用した対策を進めてまいります。

#37
○熊谷裕人君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 続いて、治水対策とまちづくりでちょっと素人ながらの考えがありまして、お尋ねをしたいと思っております。
 これから、人口減少社会を迎えていきます。それでもまちづくりを進めていかなければなりませんし、並行して防災対策をしていかなければいけないと、まちづくりと防災というのは並行して行っていかなければいけないと思っておりまして、これから様々な、新設の道路だったり更新をしなければいけない道路だったり、公共施設、公共事業に関わるものもたくさん出てくると思います。
 こういったところで、治水というところにちょっと焦点を当てまして、新しい道路を造るとか道路を改修をするときに、昔あった二線堤というんでしょうか、堤防の外にもう一個造ってというような機能を持たせた道路の整備の在り方があるんではないのかなとちょっと考えておりまして、そういった考えについて念頭に入れてなんですが、まちづくりと治水・防災対策というのをどのように進めていくのか、それから、まちづくりとそういった治水対策だったりするところのスピード感がやっぱり違うと思うので、そういったところの整合性をどう取っていくのかというところで国交省のお考えがあればお聞かせいただければと思います。

#38
○政府参考人(井上智夫君) 河川から洪水があふれた場合、あらかじめ盛土でかさ上げした道路等によって市街地への氾濫拡大をできるだけ防ぐ先生御指摘の二線堤というものは、被害を最小限にとどめるとともに、浸水を免れた道路を利用して災害復旧活動を迅速に行うことも可能となりますので、大変有効と考えております。
 宮崎県高鍋町では、内水による浸水が市街地に広がらないよう、町が自ら盛土により町道の一部をかさ上げした事例があります。また、宮城県大崎市では、国道のバイパス整備の際に、道路管理者である宮城県と河川管理者である国が連携して、堤防の機能を併せ持つ連続的な盛土の上に道路を整備した事例があります。
 国土交通省としては、先生おっしゃっているようにスピード感を持ってやるということも重要でございますので、引き続き、治水とまちづくりが連携した二線堤の整備に対し技術的、財政的支援を行い、自治体などによる整備を促進してまいります。

#39
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 是非、本当にスピード感が、町をつくるというのはちょっと長期的な視点もあるけれど、防災対策には本当に喫緊の課題というところもありますので、そのスピード感が随分違うと思いますので、できるだけ予算を効率的に使うというところのスピード感を合わせていただければ有り難いなというふうに思います。よろしくお願いいたします。
 続いて、グリーンインフラの活用についてお聞きしたいと思っております。
 浸水被害の軽減に当たってグリーンインフラの活用ということが具体的に挙げられておりますが、なかなかイメージ、私自身はできなくて、このグリーンインフラの活用というと、町中の雑木林だったりちょっと緑のあるところを保全をして、ちゃんと浸透させて雨水が流れていかないようにすることなのかななんてちょっと思っているんですが、具体的に言うとどんなことがグリーンインフラの活用で考えられているのか、御教示いただければと思います。

#40
○政府参考人(榊真一君) お答えを申し上げます。
 グリーンインフラとは、社会資本整備や土地利用等のハード、ソフト両面において、自然環境が有する多様な機能を活用し、持続可能で魅力あるまちづくり、地域づくりを進める取組です。二〇一五年に閣議決定されました国土形成計画において初めて政府計画に位置付けられましたが、生物の生息、生育の場や、樹木による暑熱対策、良好な景観形成といった自然環境が有する多様な機能を活用する幅広い可能性を有していると考えております。
 今回の流域治水関連法案におきましては、こうした自然の力を活用し、水田を含む川沿いの低地など流域の保水・遊水機能を有する土地を貯留機能保全区域として指定できるようにいたしますとともに、雨水を蓄え、地中に浸透させる能力が高い都市部の緑地を特別緑地保全地区として指定できるようにし、これらの区域で土地利用に一定の制約を課すことによって流域治水対策に役立てることを考えております。

#41
○熊谷裕人君 分かりました。今ある自然を活用してということでございますね。ありがとうございます。私も、これからちょっとこのグリーンインフラの活用についていろいろと考えてまいりたいと思います。
 続いて、ちょっと関連するのかもしれませんが、荒川の洪水対策の中で、私の地元で荒川の第一調節池、いわゆる彩湖という、人工の湖というかあるんですが、そこがこの間の平成元年の東日本台風のときもかなり機能していただいて、私の地元のさいたま市で、本当ぎりぎり、荒川越流ぎりぎりだったんですが、見に行って怖くなるぐらいのぎりぎりのところでございまして、機能してくれたんだなというふうに思っております。
 そこの上に、今、第二、第三の調節池が整備をされておりますが、その進捗状況と、第二、第三のこの調節池が造られたときに、今ある第一と比べてどれくらいの効果がまた増すような見込みであるか、お聞かせいただければと思います。

#42
○政府参考人(井上智夫君) 荒川第二・第三調節池は、埼玉県さいたま市、川越市、上尾市の広い河川敷に計画されているものであり、荒川第一調節池の約一・三倍に当たる約五千百万立方メートルの洪水調節容量を活用して水位を低下させるものです。戦後最大規模の洪水が発生した場合で例えますと、東京都との県境付近で約八十センチの水位低減効果を見込んでおり、令和十二年度の完成を目指して事業を進めています。
 今月末にさいたま市条例に基づく環境影響評価の手続を完了させ、その後、工事用道路の整備に着手してまいります。

#43
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 これもできるだけ早く整備をしていただくと、埼玉県もそうですし、東京都のいわゆるゼロメートル地帯のところへの影響というのもかなりある、荒川の越流、決壊というところになると本当に首都防衛というような話も出てくると思いますので、そういったところにそういった言葉が出ないように、できるだけこの調節池の事業を進めていただけるようにお願いをしたいと思います。
 続いて、令和元年の東日本台風の被害の復旧状況について幾つかお尋ねをしたいと思います。
 法案というか、この東日本台風の被害があってから、復旧をするのに、原形復旧にとどまらないで改良復旧の手法を取り入れましたということをお聞きをしておりますが、実は、埼玉県の都幾川水系で、入間川水系なんですが、都幾川というところで、東松山の早俣地区というところで堤防の決壊がありました。復旧作業をしていただいて工事が完了したということで、先日、見に行ってまいりました。皆様方のお手元に配っている二つ目の写真でございます。
 一枚目の上が決壊直後に見に行ったときの写真でございまして、テックフォースの方が来ていただいて作業に入っているところ、そして、その下から次のページ以降が復旧工事が終わった状況の写真でございます。決壊したところは、一枚目の下の写真のように、のり面も含めてしっかりコンクリートで固めていただいて、天端も舗装をしっかりし、また、コンクリート以外のところののり面、堤防ののり面については芝を植えて養生していただいております。
 ところが、この決壊をした先、一枚目の写真のちょうど人が何人か写っているところに私が一人立って指を指しているんですが、ここについては、まるっきり土の、天端も舗装されていない、横も補強されていない前のままの堤防が続いておりまして、ここだけやはり若干堤防の高さも低くなっております。
 せっかく破堤をしたところの復旧作業をしていただいて、改良も含めてやっていただいたということなんですが、この部分がこのままでは、同じような洪水が来たときにここが今度破堤をするんではないかという心配をしておりまして、ここの整備についてはどのようにしていただけるのかということをお尋ねをしたいと思っております。
 この元年に破堤をしたところはやはりカスリン台風のときに破堤をしているというふうに地元の方がおっしゃっていて、聞き取りをしましたら間違いなく破堤をしているということで、破堤をしたところを直してまた破堤をしたというところなのですごい懸念を持っておりますが、どのように御対応いただけるか、お答えいただければと思います。

#44
○政府参考人(井上智夫君) 入間川流域においては、令和元年東日本台風と同規模の洪水でも再度災害を防ぐことを目標に、昨年一月、国、県と四市町が連携して入間川流域緊急治水対策プロジェクトを策定し、令和六年度までに河道掘削、堤防整備、遊水地などを完成させるよう、総額三百三十八億円の治水事業などに取り組んでいるところでございます。
 先生御指摘の都幾川、早俣地区につきましては、決壊した堤防の復旧と併せて必要なかさ上げ、拡幅を完了したところもございます。一方で、当該地区から下流側百二十メートルの区間につきましては今現在用地取得を順次進めているところでございまして、この用地取得が一部はできておりますので、それにつきましては出水期明けの十一月より工事をいたしますし、引き続き用地取得に努めていきたいと思っております。
 一方で、かさ上げ、拡幅が完了するまでの間、堤防が低いままとなっておりますので、その間の危険性をできるだけ低減するために、土のう積みなどの水防活動により対応することとしております。
 今後も、引き続き、国、県、市町と連携しながら本プロジェクトを着実に進め、地域の安全、安心の確保に努めてまいります。

#45
○熊谷裕人君 できるだけ早くこの堤防のかさ上げ等、また改良工事をしていただきたいと思います。菜の花が咲いていてすごくきれいなんですけれど、それと災害の大きさと比べられませんので、是非早急な対応をお願いをしたいと思います。
 今、局長の御答弁で、入間川の入間川流域緊急治水対策プロジェクトというお話がございました。三百三十八億円の予算を付けていただいて、遊水地のお話も出ましたが、ここともう下流の二か所、遊水地の整備がプロジェクトの中に位置付けられておりまして、ここの二つの遊水地の現在の進捗状況、地元の自治体さん、今、四自治体という話を聞きましたが、そこの話合いというか協議の状況についてお尋ねをしたいと思います。
 現地行かせていただいて、生活を再建をしているお宅もたくさんあるものですから、その遊水地のところで生活再建をしようかどうかと悩んでいる方もまだまだいらっしゃる現状でございまして、これからその被災者の皆さんの将来設計にも関わってくることだと思いますので、その辺の進捗状況と将来展望が分かりましたらお知らせいただきたいと思います。

#46
○政府参考人(井上智夫君) 都幾川遊水地、越辺川遊水地は、河川沿いの土地を盛土で囲み、洪水時の河川水を貯留し、下流の水位を下げることを目的にしております。この二つの遊水地については、地元自治体と調整した上で、今コロナの感染症ということがございますので、どのように住民の方々とお話しするかということのそういった対応についても調整していった上で、先月二十二日から、回覧によっておおよその遊水地の範囲と補償の基本的な考え方を土地所有者などの皆様にお示ししたところです。
 今後も、この土地所有者の方々の皆様の御理解をいただいて御了解を得るということが重要ですので、しっかりと事業の内容であるとか補償の考え方を御説明して、その上で測量や地質調査を進めて、できれば令和六年度までの少しでも早い時期での両遊水地の完成を目指してまいります。

#47
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 五年計画の中でできるだけ早く御対応いただければと思いますし、ここの遊水地を造るための堤防のかさ上げみたいなところに、さっき言った二線堤みたいな考え方で、道路をかさ上げして遊水地の堤防にするというようなこともちょっと考えていただけると有り難いなというふうに思っております。
 もう一つ、越水に対して粘り強い河川堤防についてちょっとお尋ねをしたいと思います。
 先日の参考人質疑でも、そういった耐越水堤防工法というのがあると、千曲川の洪水で取られたというような話が参考人の方からありました。
 私、この先ほど言った現場に行ったときに、舗装された天端の越水した内側というんですかね、越水した反対側のところの天端の下がすごくえぐれている現場があって、写真を撮ってまいりました。そこのところ、今ちょっと写真が見付からなくなって付けてないんですが、そういったところもありますので、この粘り強い堤防を造っていくべきだと思っておりますし、できるだけ天端の舗装をしていただきたいなと思っておりますが、その辺についてのお考えをどのようにお持ちか、お尋ねしたいと思います。

#48
○政府参考人(井上智夫君) 令和元年東日本台風では、堤防の上面を舗装で強化していたことなどにより、越水が生じても決壊に至らなかった事例が見られました。
 そのような越水しても決壊しにくい、粘り強い河川堤防の整備に当たっては、堤防上面の舗装のほかに、堤防の住宅地側の斜面や斜面底部をコンクリート等で被覆するなどの工法で進めています。こうした工法は、まずは、洪水時に水位が上昇しやすいにもかかわらずその危険な状況を当面解消することが困難な区間を対象に、優先的に整備を進めております。
 国土交通省では、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策等を活用して堤防上面の舗装などを進めてきましたが、引き続き、この五か年加速化対策も活用し、粘り強い河川堤防の整備を積極的に進めてまいります。

#49
○熊谷裕人君 よろしくお願いいたします。
 続いて、危険区域内の要配慮者利用施設の避難についてちょっとお尋ねをしたいと思っております。
 高齢者施設とか障害者施設がそういったところにあった場合に、避難計画だったりということを自治体に勧告、助言をしていただくようなことが今度決められますが、なかなか障害者施設の避難先を確保するのに苦労したという事例が私の地元でもございました。その辺どのように国交省として取り組んでいくのか、お聞かせいただきたいと思います。

#50
○政府参考人(井上智夫君) 高齢者施設の避難は、多くの時間と多くの支援要員の確保が必要となり、利用者の身体的負担も大きいことから、避難自体をしなくてもよいように、まずは、施設を災害リスクの低いエリアに建てるよう誘導することや、容易に避難できるように施設内に垂直避難場所を確保することが重要です。
 その上で、こうした対応が取られていない施設については訓練等を重ねて避難の実効性を確保することが重要となるため、本法案では、施設管理者が避難確保計画に災害の種類に応じたふさわしい避難先や避難支援要員の確保方策を適切に定めることができるよう、市町村の助言を受けることができる仕組みを設けることとしておりました。
 引き続き、厚生労働省と連携して、高齢者施設等の利用者の安全を確保する取組を進めてまいります。

#51
○熊谷裕人君 ありがとうございます。
 今、高齢者の施設の話をされましたが、実は、障害者の施設、この令和元年の台風のときに高齢者施設が水没をしてニュースにも取り上げられた隣に実は障害者施設がありまして、とりわけ発達障害者の皆さんの施設だったんですね。それで、避難先、学校に避難をしたんですけれど、非常に環境が変わるとパニックになっちゃうような方たちが多かったので、そこに苦労したと。学校が再開をされて、今度は市の公共施設に転居をしたんですが、また大変な思いをされたというところで、是非、精神障害の皆さんのところへの支援というところを是非国交省としても厚労省へ強く働きかけをしていただきたいと思っておりますが、政務三役の中で熱意を持って取り組んでいただけるかどうか、決意をお聞かせいただければと思います。

#52
○副大臣(岩井茂樹君) 大変重要な御指摘を本当にありがとうございます。
 まず、災害が頻発化、そして激甚化をしている中で、障害者施設などの要配慮者の方々への対応というのは非常に重要でありまして、施設が浸水しても安全を確保できる設備を設けるとともに、避難を確実にしていく必要があるということで考えております。
 実は、水防法等によって、これまでもですが、災害時の避難に配慮が必要な方が利用する施設には避難確保計画の作成や訓練の実施が義務付けられておりますが、残念なことに、令和二年七月豪雨では、計画を作成し訓練を実施していたにもかかわらず、施設の利用者である高齢者が被災を受けるなど痛ましい被害が発生しました。
 恐らく、ここの問題というのは、私考えるに、計画を作る際にきめ細やかな助言をするスキームがそこに入っていなかったことが一つ大きな要因だと考えております。このような教訓に、高齢者施設だけでなく障害者施設においても避難の実効性が確保されるように、厚生労働省ともしっかりと連携をして、安全な避難先の確保や早めの避難行動などについて施設管理者自ら点検と改善を実施するように、力強く求めていきたいと考えております。
 さらに、障害者にとって避難先の確保が難しいとの御指摘もありました。施設管理者が避難確保計画を定める際に適切な避難先を選定できるように、今後、厚生労働省とともに必要な技術的支援を進めてまいりたいと考えております。

#53
○委員長(江崎孝君) 時間が参っております。簡潔にお願いします。

#54
○熊谷裕人君 終わります。ありがとうございました。

#55
○杉久武君 公明党の杉久武でございます。
 本日は、流域治水関連法案につきまして順次質問をしてまいりたいと思います。
 まず、先月末に成立をいたしました令和三年度予算の中で、公共事業関係費は、令和二年度の当初予算に比べ二十六億円増の六兆六百九十五億円が計上されておりますが、その主な柱の一つとして、国や自治体が住民、企業と連携してハード、ソフト両面から防災・減災を強化する流域治水を進めていくことが示されておりまして、さらに、今月からスタートいたしました防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策でも流域治水の推進が行われているところでございます。
 その上で、本日、この流域治水を確実に進めるために、九本の法案がワンパッケージとなった大変大きなボリュームの本法案の審議が行われているわけでございますけれども、この流域治水を論じる前に一つ確認をしておきたいのが水防災意識社会の再構築についてでございます。
 これは、二〇一五年九月に発生をいたしました関東・東北豪雨災害における甚大な被害の発生を機に、国土交通省におきまして水防災意識社会再構築ビジョンとして策定されたものでございますが、これは、施設の能力には限界があり、施設では防ぎ切れない大洪水は必ず発生するものとの意識を改革し、社会全体で洪水氾濫に備える必要があるとの社会資本整備審議会の答申を踏まえて策定されたものであります。
 そこで、国土交通省に質問いたしますが、二〇二〇年度を目途として水防災意識社会の再構築に向けて取組を行ってきた水防災意識社会再構築ビジョンの成果について確認をするとともに、水防災意識社会の再構築の取組と流域治水を今後どのようにリンクをさせていくのか、お伺いをしたいと思います。

#56
○政府参考人(井上智夫君) 平成二十七年の関東・東北豪雨の被害を踏まえ、水防災意識社会の再構築の取組を進めてきたところですが、平成三十年七月豪雨や令和元年東日本台風など、気候変動の影響により水災害が激甚化、頻発していることから、これらの取組を更に一歩進め、流域治水への転換を進めることとしました。
 水防災意識社会の再構築の取組では、先ほど委員御指摘のとおり、施設では防ぎ切れない大洪水は必ず発生するとの考えに立ち、氾濫した場合でも被害の軽減を図るため、特に氾濫域での警戒避難体制強化などを行ってまいりました。
 具体的には、住民の早めの避難に資する水位計や河川監視カメラの中小河川などにおける増設や、堤防決壊までの時間を少しでも引き延ばす堤防の強化等を実施したことにより、沿川住民の命の危険が軽減されたものと評価しております。
 その上で、流域治水では、こうした氾濫域での対策を更に発展、拡充させ、集水域、水が集まってくる区域まで含めた流域全体であらゆる関係者の協働により対策を進めることとし、具体的には、避難体制を更に充実させるためのマイタイムラインの作成、活用を促進することに加えて、堤防整備や雨水貯留対策など、氾濫をできるだけ防ぐ、減らすハード対策を加速するとともに、リスクのより低い地域への居住誘導など、氾濫が発生した際の被害を軽減するまちづくりなど、総合的かつ多層的に取り組むこととしております。

#57
○杉久武君 防災の社会的な意識改革を引き続き是非進めていただきたいと思いますし、社会全体での防災の取組が一層促進されるよう、国土交通省には引き続き取組をお願いしたいと思います。
 次に、治水対策といいますと、従来、河川管理者が主体となって対策を講じてきたところでありますが、今回の流域治水という考え方は、従来の治水対策に加えて、水系を氾濫域も含め一つの流域として捉えて、その河川流域に関わる全ての関係者が一体となって流域全体で水害を軽減させる取組を行っていこうとする、河川行政の大きな転換点になると言ってよいのではないかと私は思っております。
 こうした流域治水の先駆け的取組といたしましては、昨年の七月豪雨等によって激甚な被害を受けた河川について緊急治水対策プロジェクトを立ち上げ、国や県、関係市町村が連携しながら、流域全体で再発防止に向けたハード、ソフト一体の対策を行っていただいております。
 また、先月三十日には、全国百九の全ての一級水系と十二の二級水系におきましてその流域治水プロジェクトが一斉に公表されましたが、近年の気候変動による災害の激甚化、頻発化を踏まえ、上流、下流、本川、支川の流域全体を俯瞰し、河川整備、雨水貯留浸透施設、土地利用規制、利水ダムの事前放流など、あらゆる関係者が一丸となって取り組む治水対策の全体像を取りまとめた初めての取組であります。
 そこで、国土交通省に質問いたしますが、緊急治水対策プロジェクト及び流域治水プロジェクトの取組の現状と成果についてお伺いをしたいと思います。

#58
○政府参考人(井上智夫君) 令和元年東日本台風など近年甚大な被害が生じた信濃川など十水系においては、緊急治水対策プロジェクトを策定し、被災沿川自治体と連携しつつ、再度災害を防止するために必要なハード、ソフト対策を一体で取り組んでおります。
 ここでは、河道掘削や堤防整備、遊水地整備などの短期集中的な改良復旧が進捗するとともに、流域治水の考え方を先駆的に取り入れ、流域自治体において水田や用水路での雨水貯留や浸水した地区での家屋移転に向けた取組が進んでいます。
 一方、今後の気候変動の影響を踏まえると、甚大な被害が生じた十水系に限らず、全国で事前防災対策を推進する必要があり、去る三月三十日、全国百九全ての一級水系において、国、都道府県、市町村、企業などあらゆる関係者が協働して取り組むべき対策を緊急治水対策プロジェクトを包含する形で流域治水プロジェクトとして策定、公表したところです。
 今後も、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策も活用してこうした取組を強力に推進するとともに、流域治水関連法案の枠組みの活用により、流域治水の一層の充実と効果的な推進を図ってまいります。

#59
○杉久武君 我々公明党は一貫して防災・減災を社会の主流にと主張してまいりましたが、各種治水プロジェクトも私どもの考えを具現化する重要な枠組みであると考えておりますので、国土交通省は引き続き推進をいただきますようお願いしたいと思います。
 次に、先ほども申し上げましたとおり、近年相次ぐ河川の氾濫や激甚化、頻発化する水害に対し、河川流域全体で被害を軽減する取組を進めていくために、国土交通省では、流域自治体や民間企業、住民などあらゆる関係者が一体となって水害対策に取り組む流域治水の方針を打ち出し、施策を推進していただいておりますが、流域治水は、マンパワーの一体化による取組だけではなく、例えば、大量の雨水を貯留施設や遊水地、田んぼなど河川以外も活用しながら文字どおり流域全体で受け持ち、地域の安全性を高めるという視点も重要でありますし、増水時には河川があふれることを前提とした戦略的な土地利用も求められております。
 そこで、今回の法改正では、流域全体の関係者が一堂に会した協議会を設けて、雨水の貯留対策や浸水エリアの土地利用の方針を検討した上で流域水害対策計画に反映し、関係者それぞれが主体的に対策に関わるようにすることとされているところであります。
 そこで、国土交通省に質問いたしますが、この流域水害対策に係る協議会で参加する全ての関係者が主体的に関与するために国土交通省はどのような支援を行っていくのか、確認をしたいと思います。

#60
○政府参考人(井上智夫君) 流域治水の取組の実効性を高めるためには、河川管理者のみならず、流域のあらゆる関係者が主体的に雨水の貯留対策や適正な土地利用などを行うことが必要です。
 このため、流域治水の実施主体に対しては、客観的データに基づき対策の必要性を御理解いただくとともに、協議会の運営において目標、役割分担の明確化や対策効果、達成度の見える化など主体的に関わっていただくための工夫を行い、さらに、技術面、財政面からの支援も行ってまいります。また、浸水被害から国民の命と暮らしを守るためには住民自身による的確な避難も重要であり、例えば、ハザードマップを活用したマイタイムラインの策定支援について、協議会を通じ、市町村へアドバイスを行ってまいります。
 このように、国土交通省が流域治水の旗振り役として、あらゆる関係者と一丸となって取り組んでまいります。

#61
○杉久武君 何事も主体的にこれ関わっていただくことが非常に大事でありまして、主体的でなければ全ての対策も絵に描いた餅となりかねませんので、国土交通省には万全のサポートをよろしくお願いをしたいと思います。
 次に、今回の法改正で特筆すべき柱の一つとして、浸水の危険性が高い地域における住宅や高齢者施設などの開発、建築について許可制を導入する点が挙げられます。
 具体的には、川底の掘削など河川整備を進めても浸水リスクが残る場所を浸水被害防止区域として都道府県知事が指定し、これら区域では、例えば、住宅などを新築する際には、居室の床面を浸水が想定される高さ以上にすることなどの条件を満たさない限り建築を許可しないということとされております。
 私も昨年十一月本委員会で指摘をさせていただきましたが、昨年七月の豪雨におきましては、熊本県球磨村の特別養護老人ホーム千寿園が水没し、十四名の方の尊い命が失われたことを鑑みますと、こうした悲劇を二度と繰り返さないためにも、開発や建築の段階から被災リスクなどの安全性をしっかり確認する制度を導入した意義は極めて大きいと、私自身、本法案に強い賛意を示したいと思っております。
 また、今回の法改正では、洪水や雨水出水等に対応したハザードマップの作成エリアを、現行の大河川等から家屋等の防御対象のある全ての河川流域等を加えることが示されるとともに、浸水が想定される区域にある高齢者施設などの避難計画や訓練に対し市町村が助言や勧告を行う制度の創設なども重要な柱というようになっております。
 そこで、国交省に質問いたしますが、浸水の危険性が高い地域における住宅や高齢者施設などの開発や建築の許可制について、都道府県に対し国土交通省はどのようなサポートを行うのかを確認するとともに、中小河川等のハザードマップ作成の推進や高齢者施設などの避難計画や訓練に対する市町村の関与について国土交通省としてどのような後押しをされるのか、見解を伺いたいと思います。

#62
○政府参考人(井上智夫君) 国民の命を守るためには、住宅や高齢者施設の立地段階から安全を確保する土地利用規制や、治水施設の能力を超える洪水に備えた警戒避難体制の強化が重要であり、これらの実施主体となる自治体に対して技術面と財政面から支援していく必要があります。
 まず、浸水被害防止区域の指定を担う都道府県に対しては、国などの河川管理者から水害リスクの高い場所をお知らせするとともに、土地所有者等の御理解もいただけるよう、想定される浸水深や頻度などを客観的データとしてお示しするなど、区域指定を支援してまいります。
 また、市区町村が実施主体となるハザードマップの作成については、国や都道府県が設定した浸水想定範囲に避難所等の位置情報を電子地図上で重ねるツールの提供などハザードマップの作成を技術面から支援するとともに、防災・安全交付金により、財政面からも支援することとしています。
 さらに、高齢者施設等における避難対策については、設備の改良に対する厚生労働省からの財政支援に加えて、市区町村が施設の避難計画に対して助言等を行う際に参考となるチェックリストを提供するとともに、厚生労働省とも連携し、市区町村の福祉、防災両部局を対象とする研修会を行うなど、技術面で支援することとしております。
 本法案を活用した流域治水の成否は自治体が握っていると言っても過言ではなく、自治体との連携を密に取りながら、土地利用規制や警戒避難体制の強化に取り組む自治体を支援してまいります。

#63
○杉久武君 今御答弁いただいたとおり、やっぱり自治体にしっかり頑張ってもらわないといけないところもたくさんありますので、国土交通省には自治体への十分なサポートを是非お願いをしたいというふうに思います。
 最後に、赤羽大臣に質問をさせていただきます。
 一般的に、水害といいますと、堤防が決壊して川が住宅地に氾濫する災害がイメージされますが、こうした水害を外水氾濫と呼ぶのに対し、内水氾濫と呼ばれる水害も毎年深刻の度を深めております。
 内水氾濫で思い浮かべるのが、一昨年、二〇一九年十月の台風十九号による多摩川の内水氾濫が記憶に新しいところでございますが、この水害では、特に川崎市の武蔵小杉駅周辺において増水した多摩川の水が下水道を逆流し、タワーマンションの電源設備が浸水したことで電気や水道が一週間以上も使用できなくなったわけであります。当時、テレビでは連日のように報道されまして、社会的にも大きな反響を呼びましたが、このとき、初めて内水氾濫という言葉が社会に大きく認知されたのではないかというふうに思います。
 国土交通省の資料によりますと、二〇一八年までの十年間に全国で起きた水害の被害額二・五兆円のうち三割程度が内水氾濫によるものと伺っておりますが、全国の家屋等の浸水被害を見ますと、六四%に当たる約二十一万棟が内水氾濫による浸水となっております。これは、内水氾濫が主に地下街や地下施設があるような都市部などの市街地で発生する災害であり、一たび発生いたしますと被災する住宅や施設が圧倒的に増加するからにほかなりません。
 赤羽大臣におかれましては、本年二月十三日にこの内水氾濫が起きた多摩川流域を視察いただいておりまして、大臣からは治水対策の促進に向けて国交省を挙げてしっかりと取り組むと力強い御発言もございましたが、先ほども指摘したとおり、内水氾濫は都市部が持つ構造的な問題で、被害が大きくなる上に、地下街が水没するといった新しい災害も引き起こしております。
 そこで、国土交通大臣にお伺いいたしますが、内水氾濫など想定を超える都市型水害への対処に対する見解をお伺いをしたいと思います。

#64
○国務大臣(赤羽一嘉君) 杉委員御指摘のように、災害は、人口集中地域に起こると、それは当然のことながら被害が拡大して深刻化すると、まさに内水被害も御指摘のとおりでございます。私の地元の神戸も大変そのリスクははらんでおりますし、実は、昨年七月に福岡県の久留米市を訪問いたしましたが、この久留米も、三年連続で内水被害としての浸水が続いているということでございます。
 ですから、この内水被害をどうするかというのは、これはまさに今回の流域治水の取組と考え方は一緒に捉えておりまして、下水道管理者に加えて雨水の貯留対策担う自治体と民間企業、地域の代表、こうした人たちも一緒になって協議会をつくっていただいて、その中で内水対策をどうするのかということを進めていきたいと、こう思っております。
 そして、他方でいいますと、下水道、大変老朽化をしておりますので、この老朽化をどうするのか。下水道の整備は喫緊の課題でありますが、これは、今後の、最近の気候変動によって想定される被害の大きいところから優先的、重点的に下水道の整備を促進していくと、これを計画的に進めていくのと同時に、民間の皆様による協力で雨水の貯留対策が進むように、税制面、予算面で支援をしていくと。
 あと、河川の樋門で逆流、操作のミスによって逆流を起こすという、たしか佐賀県の六角川なんかもそうだったと思いますが、そうしたことが起きないように、樋門等の操作規則の策定の義務化も求めているところでございます。
 他方、もう一つ、あとポンプ、排水ポンプというのは大変大きくて高価なもので、なかなかその設置が難しくて、毎回地方整備局から一番性能のいいものを運んでやっているんですけど、これはもう少し何とかならないかということで、自動車業界とポンプ業界、初めて異業種連携を行っていただきまして、自動車のエンジンを排水ポンプに転用するということで、コストも多分十分の一以下ぐらいになるし量産もできる、また、部品の交換もたやすいので故障のリスクも下げられるという、この前、先日協定結ばれたところでございまして、そうしたこともしっかりやっていきたいと思います。
 老朽化につきましては、ちょっと重ねてになりますが、全四十八万キロメートルのうち、その三分の一の十七万キロメートルがこの二十年後に五十年以上の、布設後五十年以上、老朽化するということでございますので、これは、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策の中で一つの柱となっています老朽化対策、しっかりと予算を使いながら対策を進めていこうと、こう思っております。

#65
○杉久武君 しっかりと国交省を挙げて対策を進めていただけますよう、我々もしっかりと応援させていただきたいと思います。
 時間になりましたので、質問を終わります。ありがとうございました。

#66
○室井邦彦君 維新の室井でございます。
 私は、流域治水の推進に向けた体制についてお伺いをしたいと思います。
 歴史上、この治水は時の為政者の最大の関心事でございました。また、毎年のように地震、水害、土砂災害の自然災害が発生する我が国は、世界随一の災害大国とも言えると思っております。水害、土砂災害の頻発化、激甚化は、この二〇一〇年以降、水害に対する国民の意識を随分変化をさせました。水災害の脅威を身近に感じる人が増えてきたと、こういう実感をしております。
 当然、私もそうでありますが、この堤防やダムなどの施設では到底防ぎ切れない大洪水は必ず発生するものとして、水災害に対する防災意識の変革を、このような変革を背景として、国土交通省は水防災意識社会再構築ビジョンを策定していると認識をしております。ハード、ソフト対策を一体的、そして計画的に推進しているものと認識しておりますが、残念ながら、想定外の災害が毎年のように生じ、各地に爪痕を残しておるところであります。
 流域治水を実現していくためには、各地方整備局における執行体制の確保が重要になると考えておりますが、今回のこの法改正に伴う治水対策を着実に実施できる状況にあるのか、お聞きしたいと思います。
 もう一点、また、流域全体のあらゆる関係者が協働して取り組むためには、国の関係府省庁間の連携、調整が体制構築の鍵になると考えております。政府でのこの国土交通省の役割についてお聞きをしたいと思います。

#67
○国務大臣(赤羽一嘉君) 御質問、大変ありがとうございました。本当に御指摘のとおりでございます。
 災害が頻発化しておりますので、様々な形でその復旧復興事業に当たらなければいけない、それと、また激甚化もしておりますので、本当にそれが、県管理の河川でも道路でも、これ国が代行で、直轄代行でやると、やはり国の職員が現場に出なければいけない、当然これは民間の皆さんにも御協力をお願いしているわけでございますが、まさに人員の体制を整えるというのは非常に喫緊の課題でございます。
 実は、国交省発足の平成十三年から令和元年まで、この地方整備局、これは北海道開発局も含めての定員でございますが、約七千名、二三%減少してしまいました。その中で、私も相当危機感を持って当時の菅官房長官とも御相談をさせていただいて、久しぶりにというか発足当時から初めて、令和元年から二年のこの一年間で五十七名の純増を認めていただきました。また、令和二年から令和三年、この一年間では百三十四名の純増も認めていただいておりまして、今、政府としてもこうした純増体制で現場の体制を整えなければいけないというのは、まさに今全力でやっているところでございます。
 恐らく今後は、今お話ございました関係省庁との連携、調整の体制もということでございます。利水ダムの活用で災害協定を結ぶということになりますと経済産業省、電力では経済産業省ですし、かんがい用のものでは農林水産省とやらなければいけません。先ほどの御質問にも出ておりましたが、森林や水田を使った治水ということになりますと農水省の出先の農政局、森林管理局、また環境省の環境事務所、こうしたところとも連携を取らなければいけませんし、高齢者福祉施設の避難確保については、これも厚生労働省と御相談しなければいけないと。
 まさに縦割りを排して政府一丸となってやっていきますし、また、その調整に当たるための地方整備局の人員の体制強化も、まだこれ私の頭の中だけでありますけれども、そうしたことも、体制を増強しなければ本当の意味での地域住民の皆様の命と暮らしを守ることができないのではないかと、そうした危機感を持ってしっかりと取り組んでいきたいと、こう考えております。

#68
○室井邦彦君 ありがとうございます。
 純増をそうして形に表して頑張っていただいていることに期待を掛けますし、これからもひとつそれぞれの地域の安全、安心確保のために御努力をしていただきたい、このようにお願いを申し上げます。
 続きまして、水害からの都市、住宅の強靱化についてお伺いをいたします。
 この我が国国土は、御承知のとおり、七割が山、また、可住地は約三割しかありません。地理的条件から大都市や都市の中心部に人や物を集積させ、生産性を高めてきた結果、水災害のリスクも高めるという弊害をもたらしたわけであります。令和元年の東日本台風は、都市部において内水氾濫を起こし、中高層建築物等は被災をし、長時間にわたり居住できない状態が発生したと記憶をしております。
 令和元年の東日本台風は、都市部において内水氾濫を起こし、中高層建築物等は被災し、長時間にわたり居住できない事態が発生しておりますが、近年のこの激甚化する水災害から、都市の強靱化が求められております。そういう中、水害の、水災害の危険なエリアにおいて高層建築物の強靱性を高めるため、どのような支援をこれから実施していこうとしておられるのか、お聞きをしたいと思います。
 続けて、都市局の関係でありますけれども、お聞きをしたいと思います。
 内水被害を踏まえた今後の対応として、垂直避難のできる民間の中高層マンション等に周辺住民の一時的な避難スペースを置くことができると更なる避難箇所の確保にまた寄与するものと考えておるわけでありますが、ゼロメートル地帯等においても持続可能なまちづくりを進めていくことが求められるわけでありますが、危険なエリアにおいても壊滅的な被害の発生を回避し、より安全性の高いまちづくりの実現にどう取り組んでいくのか、この二点を御質問したいと思います。

#69
○政府参考人(和田信貴君) 御指摘のとおり、水災害の危険性が高いエリアにおきまして高層建築物の強靱性を高めることは重要な課題と考えてございます。
 令和元年の東日本台風における高層マンションの電気設備の浸水被害を踏まえまして、国土交通省では、経済産業省と連携しまして、建築物における電気設備の浸水対策ガイドラインを取りまとめました。そして、このガイドラインをマンション管理、不動産業、あるいは設計、電気設備等々関係団体を通じて企業や管理組合等に周知してまいりました。
 具体的には、建築主や所有者、管理者が専門技術者のサポートを受けまして、市町村のハザードマップにある想定浸水深等を踏まえまして、その想定浸水深より高い位置へ電気設備の設置、あるいは浸水経路への止水板の設置等の対策を取ることが望ましい旨を定めてございます。
 また、マンションの管理組合につきましては、昨年の周知にとどまらず、マンション管理センターが実施するセミナーに今年度からこのガイドラインの内容を盛り込む予定にしておりまして、浸水対策の重要性、必要性、これを継続的にマンション居住者等に周知してまいります。

#70
○政府参考人(榊真一君) お答えを申し上げます。
 大都市部のゼロメートル地帯など、広範囲で長期間の浸水が発生するおそれがあるエリアでは早い段階から広域避難を実施する必要がございますが、令和元年東日本台風では、移動手段となる公共交通機関の計画運休など、広域避難を実施する際の多くの課題が明らかになりました。
 このような地域におきましては、河道掘削や遊水地整備などの治水対策を強化するとともに、垂直避難の実効性を高めるため、浸水域にとどまらざるを得ない方々が避難し、しばらくの間滞在できるような避難場所の確保を進めることが重要であると考えております。
 昨年十二月に取りまとめられました災害に強い首都東京形成ビジョンでは、建築物上層階の避難スペースの整備や公園の高台化などにより避難拠点を確保し、それらを浸水深よりも高い位置にある通路等でつなぐ高台まちづくりの推進が打ち出されたところであります。
 この高台まちづくりの推進にも資するよう、今回の法案では、災害時の避難路や避難場所、避難者の診療の場となる医療施設、生活関連物資を供給する店舗などが一体となった避難拠点を都市計画に位置付け、その計画的な整備を図ることとしております。また、地域の取組が進みますよう、避難拠点の整備に対する財政支援措置も用意いたしております。
 加えて、令和三年度予算におきましては、水害時の避難者等を一時的に受け入れるため、地方公共団体と水害時の避難者の受入れ協定を結ぶオフィスビルやマンション等に対し、必要な避難スペースの整備を支援する制度拡充も行っております。
 こうした取組を通じ、大都市部のゼロメートル地帯における避難先の充実を図ってまいりたいと考えております。

#71
○室井邦彦君 よろしくお願いを、対応をしていただきたいと思います。
 私は尼崎市に住まいを持っておりますけれども、尼崎市の半分近くはゼロメートル地域ということでありますので特にこの問題については非常に関心がございまして、ひとつよろしく御指導のほど、お願いをしたいと思います。
 続いて、洪水時におけるダムの洪水調節機能の強化についてお伺いしたいわけでありますけれども、もう時間も押し迫っておりますので端的に質問いたしますが。
 この令和元年の東日本台風では、百四十六ダムのうち六ダムにおいて異常洪水時防災操作に移行されたと、そしてまた、平成三十年七月の西日本豪雨においても、洪水調節を行った二百十三ダムのうち八ダムで異常洪水時防災操作に移行したと。このように結局施設能力を上回る洪水発生が常態化しているというところに非常に心配をしておるところでありますが、洪水前に事前放流を実施するなど、気象の予測技術の向上を図ってより高度にダムを活用していこうとするこのダム操作を行う職員の負担が増加をするという懸念がありますが、また、この効果的なダム操作のためには気象情報を活用したシステム開発の向上が極めて重要と考えております。
 国土交通省として今後どのような管理体制を取っていこうとされておるのか、お聞かせをください。

#72
○政府参考人(井上智夫君) 気象予測に基づいて事前放流を開始するためには、事前放流の開始のトリガーとなるダム上流域の予測雨量の算出が必要となるほか、洪水を迎える前からダムの操作に従事することが必要となるなど、職員の負担が増大するおそれがあり、このため、事前放流に関する作業を効率的に実施すること等が重要と認識しています。
 まず、ダム上流域の予測雨量の算出作業については、ダム管理者が独自に情報の収集や計算を行わなくても自動的に予測雨量が提供されるシステムを国土交通省において開発し、運用を開始しております。また、洪水を迎える前からダム操作に従事することが必要となることを受け、交代要員の配置や交代要員に対して遠隔で操作内容を指示できる支援ツールの整備等に取り組んでいるところです。さらに、ダム操作に熟知した職員を養成することも重要であり、訓練により習熟度の向上に努めてまいります。

#73
○室井邦彦君 申し訳ありません、四十五分という時間が私の持ち時間でありますのでこれで終わりますが、井上さん、局長にはまた次の機会に御質問したいと思います。お許しください。
 終わります。

#74
○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。よろしくお願いします。
 まず、近年、やっぱり地球温暖化の影響等もありまして、数十年に一度と言われるような豪雨ですとか台風によって、ここ数年は本当に毎年のように甚大な洪水、土砂災害が発生しているという状況だと思います。こうした状況の中で、従来はダムとか堤防で水をあふれさせない治水というのが基本的な考え方だったと思うんですけれども、その考え方では地球温暖化の今の状況にはもう太刀打ちできないというのが実態になってきていると。そういう中で、水害多発時代の治水のパラダイムチェンジというような大きな考え方の転換ということで、流域治水という考え方であったり対策が打ち出されたんだなというふうに私としては受け止めております。
 そうしたこの流域治水、どういう姿を目指すのかということについて、まず、赤羽大臣としての御所見がありましたら、是非、流域治水、こういった治水を目指すんだという点を是非お聞かせいただきたいというふうに思います。

#75
○国務大臣(赤羽一嘉君) 今のお話のとおりでございますけれども、これまでは、先ほどからも何度か答弁させていただいておりますが、河川管理者が中心となってというか河川管理者単位で、川の中であふれさせないような治水という、そうした、粗っぽく言えばそうしたことを進めてきたと、そこだけではお話しのように地球温暖化の影響の中で太刀打ちができない、どうしようかということで、この水をあふれさせない治水だけではなくて、三本の柱を立てようと。
 一つ目は、水があふれない治水でありますが、氾濫をできるだけ防ぐための対策、これを深掘りをしていこうというのが一本目。二つ目は、被害の対象を減少させるための対策と、これちょっと簡単に説明させていただきますが、後でですね。三つ目は、被害の軽減、早期復旧復興のための対策、これソフト対策。この三つの柱から成る流域治水をやっていこうということでございます。
 最初の、一つ目の水をあふれさせない治水、従来型の深掘りでありますが、これは、河川管理者単位ではなくて上流から下流、そして本川、支川と、管理者がそれぞれいろいろ異なる場合が多いわけでありますが、それを全て包含をした形に加えて、地元の企業、地域の代表、こうした人たちが一つの協議会として計画的なものを作ろうと。その中で、これは、当然のことながら、粘り強い堤防等の整備の更なる加速に加えまして、新たには、利水ダムの事前放流ですとか民間企業の協力による雨水貯留対策の拡充、こうしたことで水をあふれない対策の強化を図っていこうと。
 二つ目につきましては、これは水があふれた場合を想定しながら、被害対象を減少させるための対策として、リスクのより低い地域への居住の誘導ですとか、そもそも危ない地域の開発の規制等々を行うということでございます。
 そして、三つ目の被害の軽減、早期復旧復興のための対策としては、これはまさにソフト対策でありまして、地域の防災力を向上させるということで、中小河川も含めたハザードマップの作成、これは、より分かりやすいハザードマップで多くの皆さんに理解をしていただこうと、そして、そのハザードマップを活用したマイタイムラインとかコミュニティータイムラインみたいな形を作成しながら地域防災力を向上していくと。
 まさに、ハード、ソフト、また、あらゆる関係者が共有しながら、しっかりとした科学的分析に基づいた流域治水対策が必要だということで、今回、法改正も提出させていただいたところでございます。

#76
○浜口誠君 ありがとうございます。大変よく理解できました。
 まさに、ハード、ソフト、関係者全てが連携して取り組んでいくのが流域治水だと、言わば全員野球の治水対策だというふうに私も受け止めております。そうした中で、この流域に関係する自治体の皆さんはまさに運命共同体なんだと、もう上流、中流、下流、それぞれがつながっているんだという意識を持って、まさに、国、都道府県、市町村、企業、住民、全ての人がこの流域治水に全員で参画していく、その体制をつくっていくことが大変重要だというふうに思います。
 また一方で、住民の皆さんも、こういった治水は行政にお任せということではなくて、やはり自分が住んでいるその土地は、地域はどういった水害のリスクがあるのかとか、あるいは防災への認識を高めるとか、住民の皆さんの意識改革もこれ同時にやっていくことが大変重要だというふうに思っております。
 そこでお伺いしたいと思うんですが、この流域治水に関わる関係者の方の連携強化、これをどうやって進めていくのかという点と、あと、住民の皆さんのそういった意識、防災ですとかリスクに対しての認識を高める、こういった住民の側の意識改革への取組という点でどのように考えておられるのかをお伺いしたいと思います。

#77
○副大臣(岩井茂樹君) 浜口委員にお答えをいたします。
 流域治水の本当に重要なポイントを二点御指摘いただいたと感じております。一つ目が、委員御指摘のとおり、連携の強化、関係者の連携の強化という話と、もう一つが住民の意識をどうやって持っていくかという話でございます。
 連携強化については、この流域治水というのは、上流域に雨が降って、それが集水域で集められて河川に流れ込んで、場合によれば氾濫域まで流れていったところで一定量を超すと氾濫をするというスキームの中で、やはり上下流、関係者の連携というのは大変重要になってくると思います。その意味での流域治水でございます。
 この考え方を基に、本年三月三十日、全国百九全ての一級水系で今後取り組むべき治水対策の全体像を流域治水プロジェクトとして公表した際も、国、都道府県、そして市町村、地元企業、それだけではなくて関係団体等が一堂に会する協議会、これをつくらせていただきまして、関係者と緊密な連携の下で取りまとめたところでございます。今後の本格的な実践において、関係者と一体となって引き続き取り組んでいかなければいけないということが一点。
 そしてもう一つ、後半の意識改革、意識の持ち方についてでございますが、流域の住民には、自ら命を守る避難を的確に行っていただかなければなりません。そのためには、国民の行動様式や社会の制度の中の防災・減災の視点を取り入れ、国民の防災意識をまずしっかりと高めていくということが肝要かと考えております。
 このため、具体的な取組といたしまして、住民一人一人がハザードマップをしっかりと活用できる、これが重要でございまして、自らの避難行動をあらかじめ自分の気持ちの中で確認をしながら、マイタイムラインの作成などを通じて水害リスクの周知徹底と防災意識の向上を図っていかなければなりません。
 また、事前に水害リスクを把握する観点からも、昨年八月、不動産の購入者等に対する重要事項説明の際に、取引物件の所在地における水害リスク、これをしっかりと事前に説明をするように義務化をしたところでございます。
 地域住民の安心、安全を確保するために、流域治水の旗振り役として、国交省が責任感を持ってこれを進めていきたいと思います。

#78
○浜口誠君 ありがとうございます。
 岩井副大臣の方から大変力強い御答弁いただきました。ありがとうございます。
 火曜日の参考人の質疑の中で、首藤参考人の方から、やっぱり人の行動ってなかなか変えられないんだという率直な御指摘もございました。まさに住民の皆さんの行動を変えるというのはそう簡単ではないというふうに思いますので、今御説明、御答弁いただいた内容もしっかりやっていただきたいと思いますし、更なるやはり住民の皆さんの行動を変える、意識を高めるための取組というのを是非国交省がリーダーシップを取って行っていただきたいというふうに思います。
 流域治水は、従来のダムとか堤防に加えて、流域全体でまさに水を受け止めて水害を減らしていくということだと思っています。その中には、我々が視察で見させていただいた多目的の遊水地ですとかあるいは田んぼダムとか、いろいろなやり方があります。
 ほかにも、上流域で少し堤防の低いところがあって、そこから水があふれて水田で水を受け止めるですとか、まさに自然の緩衝材である遊水地の活用ですとか、もっと言うと、何かいろんなやり方があるらしくて、水流を弱めて土砂を取り除くことができる水害防備林というようなものも非常に氾濫を防止するためには有効だというようなことも言われております。いろんなやり方があります。
 流域全体で治水をしていくという観点で、今後、雨水を貯留する施設の対策強化どのように行っていくのか、さらには、貯留保全区域のこの区域への支援策、どういった形で自然をうまく利用して、そこを水を受け止める地域として活用していくのか、そういった面での今後の取組を伺いたいと思います。

#79
○国務大臣(赤羽一嘉君) 雨水貯留対策と、いわゆるこの法案で指定させていただきます貯留機能保全区域というのは、目的は一緒なんですけれども、ある意味で、雨水貯留対策の方はつくり出す、この貯留機能保全区域の方は今あるものを利用させていただくということで、少し違いがあるのではないかなと。いずれも水を下流部に漏らさないということでは大変効果があるというふうに考えておりますので、しっかりそれを進めていく流域治水対策になることを期待していますし、国交省としてもそういう方向で頑張りたいと思いますが。
 まず、遊水地の整備、前半の方の雨水貯留浸透施設は自治体、その樋体が、自治体ですとか民間企業が行うことが多いわけですので、そうした方々に財政の支援ですとか固定資産税の軽減と、こうしたもので整備を促進、支援をしていきたいと、これが一つでございます。
 他方で、貯留機能保全区域、これ、具体的に言いますと、霞堤ですとか、また田んぼ等々の土地が元々持つ雨水等を貯留する機能、これを将来にわたって保全することも有効な対策だというふうに考えておりますので、貯留機能保全区域としてこの法案ではそうした土地を指定させていただいて保全を図ってまいりたいと思っておりますが、このことについては、現状あるものであるということで、具体的な支援策が今あるわけではございません。
 ただ、今後、各地域でこの流水治水プロジェクトというか、具体化してくる中で、現場からそうしたことについても支援が必要であるという声が出てくれば、それには適時適切に対応しなければいけないと、こう考えておるところでございます。

#80
○浜口誠君 ありがとうございます。
 貯留機能保全区域の支援策については、是非、赤羽大臣、柔軟に対応するという御答弁だったと思いますので、そういった地元のいろんな、この地域を保全するためにはこういった点で是非国、地方自治体から支援があると、よりいわゆる貯留機能保全区域として維持ができるんだという地元の声にもしっかり耳を傾けていただいて、今後の支援策については柔軟に対応していただきたいというふうに思います。
 では、続きまして、やっぱり林業、農業、先ほど熊谷先生の方からも林業との関係がお話ありましたけれども、流域治水を考える上では、こういった林業、農業との関係というのも、これしっかりやっていく必要があると思います。
 例えばですけれども、農業関係でいうと、ため池とか田んぼダムというのが非常に水をためるということでは有効な手段だと思っています。一方で、ため池はやっぱり老朽化が進んでいまして、いろいろ課題があります。ため池の中で、自然災害で人的な被害を生じさせるおそれのあるいわゆる防災重点ため池というのが二〇一九年の五月時点で全国で六万四千か所ぐらいあると、農業用ため池の約四割がそういうため池になっているということのようです。
 こういったところのしっかり対策をしていかないといけないというふうに思いますし、あと、林業は、森の保水力をしっかり高めていく、今、やっぱり森の保水力が低下しているというのが大きな課題だと言われています。林業従事者は、一九六〇年のときは日本全国で四十四万人の方がいらっしゃったんですけれども、今、二〇一五年で林業関係者は五万人を割っていると、こういう実態ですから、いかに森を守るかというのも大きな課題になっているんじゃないかなというふうに思っております。
 そこでお伺いしますけれども、ため池の老朽化の対策ですとかあるいは防災機能の強化、どのように取り組んでいこうとされているのか。一方で、森林関係ですね。森林関係についても、やっぱり防災機能という観点で治山というのが大変重要な取組になってくるというふうに思っておりますので、林野庁の取組状況についてお聞かせいただきたいと思います。

#81
○政府参考人(安部伸治君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、ため池は全国で十六万か所ございまして、その大部分が江戸時代以前に築造されております。それで、豪雨や地震に対して脆弱なものや劣化が進行しているものが多数存在していますことから、これまでも、ため池の改修等への財政的な支援を行ってきたところです。
 一方、令和元年に施行されました農業用ため池の管理及び保全に関する法律に基づきましてため池の所有者等による届出や管理義務を明確にしますとともに、令和二年に施行されました防災重点農業用ため池に係る防災工事等の推進に関する特別措置法に基づきまして都道府県知事が防災重点農業用ため池を指定するとともに、国は、この防災工事等につきまして、緊急性の高いものの補助率のかさ上げでございますとか地方財政措置の充実など、財政上の措置を講ずることとしたところでございます。
 農林水産省といたしましても、流域治水を推進する上でため池への降雨の一時的な貯留、これは有効であると考えております。引き続き、老朽化したため池の整備を始めとする防災・減災対策を推進してまいります。

#82
○政府参考人(小坂善太郎君) お答えいたします。
 流域全体で治水対策を進めていく上で、議員御指摘のとおり、上流域の森林の有する水源涵養機能であるとか土砂流出抑制機能を適切に発揮していくことが重要だと考えておりまして、例えば、林業関係者、森林所有者とか森林組合が行う間伐等へ支援する森林整備事業であるとか、あとは山腹崩壊、渓流の荒廃を防止するための土止め工、谷止め工等を施工する治山対策進めているところでございます。
 特に、流域治水の推進に当たりましては、水系ごとに設置されている流域治水協議会に我が方の森林管理局や都道府県の林務部局が参画させていただいております。そういう中で、例えば河川の上流域において流木の発生を抑制するための治山ダムを集中的に配備するとか、例えば渓流沿いの危険木を除去するような対策であるとか、また、保水機能を維持するための森林整備を重点的に実施する、そういったことを下流の治水対策と連携して進めていくこととしているところでございます。
 さらに、近年、降雨形態非常に変わってきました。そういうものを踏まえた効率的な治山対策の在り方について、学識経験者による技術的な検討を行いました。そういう中で、例えば、森林土壌を保持し、保水機能を発揮させるための間伐等の森林整備と、筋工、柵工の設置を組み合わせた、そういうような対策を進めるみたいな取りまとめもいただいたところでございます。
 こうした検討結果も踏まえながら、国土強靱の五か年の加速化対策の予算も活用しながら流域治水との連携進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

#83
○浜口誠君 ありがとうございます。
 是非、各省庁連携取って、大変大事な取組だと思いますので、国交省を中心に是非対応をお願いしたいと思います。
 続きまして、気象庁、今日来ていただいていますので気象庁さんにお伺いします。
 専門家からの指摘として、今気象庁が持っているスーパーコンピューターでは気象衛星から送られてくる多量のデータをフル活用するだけの能力がないんじゃないかというような指摘もあるというふうに聞いております。今後、気象庁の予測というのが大変重要だというふうに思っていますので、今後、そういったスーパーコンピューターの整備も含めて、予測精度の向上に向けて気象庁としてどのような取組をされていかれようとしているのか、その点をお伺いしたいと思います。

#84
○政府参考人(長谷川直之君) お答え申し上げます。
 気象庁では、気象予測の精度向上を図るため、最先端の気象衛星であるひまわり八号などの膨大なデータを効果的に取り込んで気象予測を行う技術の開発を進めるとともに、こうした技術を日々の気象予測に活用するため、最新のスーパーコンピューターを導入し、運用しているところでございます。
 一方、大学などの研究機関におきましては、より高頻度でより高密度の衛星データを取り込んで予測を行う技術などについて最新の研究が進められていると承知しております。このため、気象庁では、研究機関の専門家に参画いただきまして、このような予測技術に関する意見交換や情報交換のための懇談会を定期的に開催するなど、最新の研究成果や知見を導入するための取組を進めているところでございます。
 今後とも、研究機関などと連携をして、大容量化する観測データの利用技術の開発や予測技術の高度化を進めるとともに、それらの技術を活用して日々の気象予測を行うために必要なスーパーコンピューターの性能の確保にも努めてまいります。

#85
○浜口誠君 是非しっかりとした対応をお願いをして、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

#86
○武田良介君 日本共産党の武田良介でございます。よろしくお願いいたします。
 流域治水の関連法について早速質問させていただきたいと思いますけれども、今回の流域治水のポイント、もう既に議論があるわけですけれども、河川区域中心だけということではなくて、広く集水域、氾濫域も含めて、あるいはそれと関係すると思いますけれども、あらゆる関係者の皆さんが共にこの治水に主体的に参画していくことが大事だという議論が先ほどもありました。答弁もありました。
 それだけに、この流域治水プロジェクトの策定に当たって、こういう集水域だとかあるいは氾濫域におられる住民の方々がどうこの計画の策定に関わっていくのか、主体的に関わっていくのか、ここは非常に重要だというふうに思っておりまして、先ほどから話ありましたけれども、重ねて、例えば、三月三十日に流域治水プロジェクト、各水系で発表されましたけれども、これ発表されるまでも住民がどう参加してきたのか、そんな問題意識も持ってちょっと質問させていただきたいというふうに思います。
 私の地元長野県でありますけれども、佐久市というところがあります。佐久も、台風十九号のときに大変大きな被害が発生をいたしました。そういう地域であり、今回発表されている取りまとめ案、流域治水プロジェクト取りまとめ案では、遊水地を設けるという計画がこの佐久市にもあります。
 佐久市では、この遊水地の候補地となっているところで農業をやられている方が、この土地は優良農地なんだということをおっしゃっておられます。ここで米の苗も作っているということがあって、その水路との関係で非常に適しているんだと、苗を作ることもですね。だから、ここを遊水地として潰されてしまうという思いを持っておられ、反対だということをおっしゃっておられるというふうにお聞きをしております。
 ここでちょっと国交省にお伺いしたいと思うんですが、遊水地で優良農地が潰されるなら反対だと、こういう声があるわけですけれども、どう答えていくことになるんでしょうか。

#87
○政府参考人(井上智夫君) 個々の問題というものは地域の中でのお話合いということがまず第一だというふうに思っておりますが、遊水地の場合は、その地先だけじゃなくて、下流に与える水位の低下効果というようなことがあります。ですから、流域全体の中で考えるという面と、やはりその地域の中で土地を持っている方々、それから農業をされている方々、そういうふうな方と、今先生がおっしゃっていたのは長野県の管理の区間のところだと思いますけれども、事業主体である長野県あるいは佐久市、そこでしっかりと話合いをしていただいて、その中で地域の中で決めていただく、そういうふうなものの積み重ねの中で、それが積み重なってこの流域治水全体が進められていく、そういうふうに私どもは考えているところでございます。

#88
○武田良介君 そうしましたら、もうちょっと具体的に聞かせていただきたいんですが。
 私、現場では、用地買収をして代替の農地という話もあるように聞いているんです。ただ、同じように農業ができなくなってしまうという声があるんだということも少しお聞きをしているんですが、現状は佐久はそうなのかなと思っているんですけれども、一方で、例えば地役権を設定をして、いざ洪水が来たときには補償しましょうという形で、遊水地の中なんだけれども農業を続けていただくという例は、これは今も全国にあると思うんですけれども、この点だけ確認させてください。

#89
○政府参考人(井上智夫君) 今先生が御指摘のとおり、遊水地といってもいろんなやり方がございます。用地を買収して、容量を増やすためにその買収した土地を掘って、掘削して容量を稼いで、できるだけ治水の効果を上げようというようなこと、そういうときは用地買収を先行してやるやり方ですし、今の営農というような形を継続するようなやり方もあります。そのときは、地役権という設定で、大体おおむねこれまで三分の一ぐらいの補償をするというような形でやっています。ただ、その場合は、掘削をしないので治水効果は減るということになります。
 そういうようなことは、いろんなどういう使い方があるかというのは、まさしくその必要性、事業の効果、地元の方々の御理解、そういうことを含めて地域の中で決めていただいているということでございます。

#90
○武田良介君 そうしますと、ためる容量が違うので、仮にそこで農業を続けるという場合には、ためる量が減るので、どこかでそれを補わなきゃいけないという、そういう話合いが必要になるということだと思うんですが、そういう話合いが調っていけば、仮に買収ではなくて地役権を設定するというような変更も今後あり得るということでいいんでしょうか、調えばですね。

#91
○政府参考人(井上智夫君) 個々の地域についてどういうふうになるかということについてはちょっとその地域の中で決定いただくことになりますが、一般的な場合、もちろん、いろんな選択肢あらゆるものの中でどういう組合せがいいのかというようなことを考えていくということが基本でございます。

#92
○武田良介君 優良農地が遊水地を造られることで潰されてしまうのは反対だという、私が今紹介したのはそういう声ですけれども、やはりこれ、関係者が増えてくればこういう声というのはぶつかってくるんだろうというふうに思いますし、流域治水の考え方そのものは非常に大事だと私やっぱり思っているんですけれども、それだけに、こういう声が出てきたときに丁寧に答えていかなければならないんだというふうに思うんです。
 それで、先ほども話ありましたけれども、今回、この百九の一級水系と十二の水系で流域治水協議会が設置をされるということです。上流、下流、本流、支川、あらゆる関係者の協働、総勢二千を超える機関が参画と、先ほども副大臣からも答弁がありました、協議会つくってきている。この協議会に、住民が構成員の一人として入っている協議会というのはあるんでしょうか。

#93
○政府参考人(井上智夫君) 今委員御指摘のとおり、三月三十日に百九の水系でやるとき、これを検討するに当たりまして、流域治水協議会というようなことを設置いたしました。
 これについては、まずはそのプロジェクトの実施主体である流域自治体や農林関係部局など主要な担い手に参加いただく形でスタートを切りました。このため、現時点では住民が協議会の構成員として参加している事例はありませんが、流域治水は住民を含むあらゆる関係者が協働してハード、ソフトの治水対策に取り組むものでありますので、今後、協議会にも何らかの形で参画、参加していただくことが重要と考えております。
 先日委員の方々に御視察いただきました鶴見川におきましてもこれまで先行的にやっておりまして、公募に選ばれた住民が懇談会に入ったり、行政から成る協議会があって、それで報告、助言等を行っている、そういうふうな形がもう既に行われているものと承知しております。

#94
○武田良介君 じゃ、今はないと、これまでは住民の参加というのはなかったということでありました。だからこそ、今のような遊水地、優良農地が潰されてしまうという声が今出てきて、大変なことになるのかなというふうに思うわけですけれども。
 少し確認しますけれども、じゃ、まとめてお伺いします。
 先ほども熊谷委員の方からもありましたけれども、特定都市河川に指定された場合に、流域水害協議会というのがつくられるわけですよね。指定されないケースもあり得るというふうに認識しておりますけれども、その場合には、今、流域治水プロジェクトを取りまとめてきたあの協議会がそれを引き継ぐというんでしょうか、そういう形になるんだというふうに理解をしております。
 ちょっとまとめてお伺いしますけれども、それぞれどういう条文あるいは規約によって住民の参加というのは今後保障されていくことになるんでしょうか。

#95
○政府参考人(井上智夫君) ただいま委員御指摘のとおり、特定都市河川に今後この法が施行されて指定されることになれば、その中に流域水害対策協議会という法定の協議会が設置されることになります。
 ただ、これは法的なものでの位置付けとしての協議会ですけれども、既に流域治水というものは大きな概念で進めてやっているので、先ほど御説明しました流域治水協議会というのがもう既に一級水系の中で進んでいるというところでございます。
 こういう方に、是非今後とも住民の方々にも参加していただく、特に雨水の貯留とか避難対策に主体的に関わっていただく方には是非入っていただきたいということで、我々としては、そういうような関係者が入れるように、自治体の関係者と連携して考えております。
 では、その条文の方はどうなっているかということでございますが、改正後のものを含めまして、特定都市河川浸水被害対策法においては、住民意見の反映等を直接規定した条文としまして、流域水害対策計画の策定に当たって公聴会の開催等により住民の意見を反映させるための措置を行うよう定めた第四条第五項、それから、浸水被害防止区域の指定に当たって住民等が意見を提出する旨を定めた改正後の第五十六条第四項があります。また、流域水害対策協議会の構成員につきましては、河川や下水道の管理者、知事や市町村とともに、河川管理者等が必要と認める者をもって構成する、そのことを改正後の同法第六条第二項において規定しており、地域防災活動を主導されているような方々に参画していただくことが可能な制度となっております。

#96
○武田良介君 流域治水プロジェクト、これまでまとめてきた協議会の規約というのを資料で付けさせていただきました。資料の二の一と二という二枚になるんですけれども、ざっと紹介しますと、協議会の構成というところで減災対策協議会というのを位置付けるというふうになっておりまして、この減災対策協議会、二の二ですけれども、これはどういう構成になるかといえば、事務局は、必要に応じて別表一の職にある者以外の者、学識経験者等の参加を協議会に求めることができると、ここでその住民の皆さんも参加してもらうということを読むというふうにお聞きをしております。
 今答弁いただいたのは指定された場合の条文の方だと思うんですけれども、必要となったときに参加していただくことができる、そういう方たちをもって構成するという規定になっている。必ず参加しましょうと、できますよというふうな条文ではないんだけれども、先ほども答弁ありましたように、今後その関係者の皆さんに参加していただくようにしていきたいということで井上局長からも答弁ありました。
 大臣に一言いただければと思うんですが、大臣も、これまでもこういう住民の皆さんの参加というのは大変大事だというふうに繰り返し御答弁いただいておりますけれども、規定だとか条文はこういうことではあるんだけれども、是非住民の参加が必要だというふうに私も思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

#97
○国務大臣(赤羽一嘉君) 今局長の答弁でも、法文上も住民の参加は別に否定されてありませんし、何よりもまず、なぜ流域治水をやるかというと、それは地域住民の命と暮らしを守るためでありますから、その地域住民不在の対策というのはあり得ないと、これは明言しておきたいと思います。

#98
○武田良介君 住民参加の大切さということに関わって、先ほども少しありましたけれども、上流と下流というところの相互理解というんでしょうか、非常に重要だなと私も思っておりまして、一つ私が経験したことも御紹介させていただきたいと思うんです。
 私、地元長野県ですし長野市に住んでおりますけれども、決壊したところの長沼地域というところの皆さんと一緒に、新潟県の方に伺わせていただいたことがあります。そのときに、新潟県の水害の歴史ですとか、あるいは現在行っている下流域、中流域も含めてですね、中流、下流の治水対策、何をやっているのかということを一緒に学ばせていただきました。新潟県の水害の歴史を知りましたし、長沼の地域の皆さん御自身も被災者であるわけですから、大きな経験だったと思うんですね。
 そのときに、国土交通省にも、大河津分水路といって、中流域の最後のところから日本海に早く出して、余り新潟市の方の下流域に洪水が行かないようにしよう、その分水路の今改修工事という、もう大プロジェクトですけれども、今やっておりますが、そういう説明も国交省から現地で聞かせていただきました。お世話になりました。ありがとうございました。
 やっぱりそういうことを千曲川の上流域、ああ、千曲川じゃない、信濃川の上流域の皆さんも理解するということは非常に重要だったというふうに思うんですね。そういう進捗との関係で、長沼の皆さんにすれば、狭窄部の開削、先ほども少しありましたけれども、これが非常に大事なんだけれども、それがなぜすぐできないのかとか下流域との関係とか、理解を深める上で非常に重要だったというふうに私は思っております。
 先ほどありましたように、信濃川の中でも流域治水プロジェクトを作るために協議会つくるわけですけれども、非常に長大なので、上流と中流と下流ということで三つの協議会に分かれている、やっぱりここが一つ信濃川の特徴だと思うんですね。それぞれの協議会にこれから住民の方が参加していく、これは当然だということで今御答弁もいただきました。この協議会同士が交流するということと同時に、一方で、住民の皆さん自身が理解を深めていく、そういう懇談の場みたいなものも設定してもいいんじゃないだろうかというふうに私思っております。
 やっぱり先ほどもありましたように、住民の皆さんが主体者としてこれに参加していくというときには、三月三十日に発表された流域治水プロジェクト、遊水地はこうだ、反対の意見が出てきてどうするかということだけではなくて、それを自分たちが主体者として、三月三十日前から本来は一緒に議論して作っていくということが重要だったのではないか、それが本当に住民の皆さんも主人公とした、主体者とした本来の流域治水の住民参加の在り方ではないかなということを私は思っておるわけであります。
 その点について、最後、大臣に一言いただきたいと思います。

#99
○国務大臣(赤羽一嘉君) おっしゃるとおりでありまして、やっぱり地域住民の皆様を守るためには、やはりなかなか難しいんですけど、住まわれているところだけではなくて、上流、下流、本川、支川までのことまで理解をしていただくというのは非常に大事だと思っています。
 そうした意味で、昨年、千曲川、信濃川水系、大変大きな災害、ああ、一昨年ありましたので、そうしたことの拠点として、今、長沼地区ですか、決壊した穂保地区について河川防災ステーション、また、信濃川流域のところでももう一件造るということで決定をし、着手し始めましたので、そこが中心となって、地域防災力の向上につながる、地域住民の皆様の御理解を深められる場としていきたいと、こう考えているところでございます。

#100
○武田良介君 結果を押し付けていくということではなくて、本当に地域住民の皆さんと一緒に治水を考えていくことが重要だというふうに思います。
 ありがとうございました。

#101
○木村英子君 れいわ新選組の木村英子です。会派を代表して質問いたします。
 本日は、災害に備えるために重要なハザードマップについて質問いたします。
 平成十七年の水防法改正により、各市町村のハザードマップの作成が義務付けられました。それが今回の法改正では、今までハザードマップの対象としていなかった中小河川においても対象となり、ハザードマップの作成が義務付けられることになっておりますが、昨今の温暖化による豪雨などの水害が頻発している中で、ハザードマップの作成は、災害に備えるためにも最も重要なツールだと考えます。
 例えば、昨年の令和二年七月豪雨によって九州などを中心に被害が発生し、熊本県球磨村では、高齢者施設千寿園で要支援者の利用者が十四人も亡くなってしまいました。当時の計画規模降雨に対応したハザードマップでは、千寿園付近において想定される浸水深は二メートルから五メートルとされていました。
 しかし、資料一のとおり、この千寿園での被害を受けて立ち上げられた検討会の資料によれば、千寿園は、土砂災害と火災を想定した避難訓練を行っていましたが、洪水氾濫による浸水のリスクがあることについては認識が薄かったと報告されており、千寿園において洪水ハザードマップが重要視されていなかったことが大きな被害につながってしまった一つの原因ではないかと思われます。
 このようにハザードマップが大変重要であるにもかかわらず、資料二を御覧いただくと分かるように、NTTドコモモバイル社会研究所が二〇二〇年に行った調査によると、ハザードマップの認知度は三割程度しかなく、周知すら徹底されているとは言えません。
 そこで、質問いたします。
 国や地方自治体ではどのようにハザードマップを周知しているのでしょうか、お聞かせください。

#102
○政府参考人(井上智夫君) お答え申し上げます。
 洪水ハザードマップの周知については、水防法において市区町村に義務付けされており、具体的には、印刷物の配布のほか、インターネットや自治会の掲示板の活用、説明会の実施、避難訓練での活用に取り組んでいるところです。また、国土交通省では、テレビ、メディアなどを通じたハザードマップに関する広報や、災害に応じて避難先の選択が容易になるポータルサイトを開設する等の取組を行っています。
 しかしながら、委員御指摘のとおり、民間の調査では、年齢層によって異なるものの、ハザードマップの認知率は三〇%程度にとどまっている、あるいは、災害が起きたときに知らなかったとか知っていたけど使い方が分からなかったなど、実際の避難に結び付いていないことが結果が示されており、周知がまだまだ十分ではないと認識しております。
 そのため、住民一人一人が居住地のリスクや避難経路、避難先を特定して的確な避難行動を取るために有効なマイタイムラインを作成する際にハザードマップを活用していただくなど、より効果的な周知の取組を進めてまいります。

#103
○木村英子君 分かりましたが、これから、より効果的なハザードマップの周知をお願いしたいと思います。
 先ほどの話の中で、テレビやインターネット等のメディアで報告されていると言われましたが、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、身体障害者など、支援がなければ情報を取得できない障害者にとって、今お聞きした周知方法ではハザードマップの情報を知ることが困難であり、ハザードマップの存在すら知らない障害者がたくさんいます。また、存在を知っていたとしても、ハザードマップそのものが障害者が利用しやすい工夫されたものになっていません。差別解消法が施行されているにもかかわらず、ハザードマップについては、障害者に対しての合理的配慮がなされていないのが現状です。一人一人の障害の特性を考慮した点字や音声、手話、漢字のルビなどの合理的配慮を尽くした分かりやすいハザードマップの作成とその周知が必要だと思います。
 このような現状において、ハザードマップの作成やその周知を工夫されている事例があります。資料三と四を御覧ください。
 最近では、視覚障害者向けに手話での、ああ、間違えました、聴覚障害者向けに手話での説明動画を公開している宮城県の民間団体や、長野県在住の視覚障害者の方が自ら点字でハザードマップを作る取組を行っており、兵庫県のNPO法人では、触るハザードマップという触地図のようなハザードマップを作って障害者向けのワークショップを独自に行っているなど、障害者やその支援者自らが災害情報へのアクセスをしやすいように取り組む事例も増えてきています。
 このような取組は、ハザードマップについて情報のバリアに直面してきた障害当事者たちの体験から始まっています。それは、国や地方自治体による障害者に配慮したハザードマップの取組が遅れていることが原因ではないかと思います。このような現状では、障害者が実際に水害に備えることができません。
 そこで、赤羽大臣に質問いたします。
 障害者が災害に備えるためには、それぞれの障害の特性を考慮した点字や音声などのハザードマップを作成することが必要だと思われます。そのためには、国の検討会などへの障害者参画が欠かすことのできない課題だと思います。今まで、障害当事者抜きで災害対策が進められてきたことによって、障害者の人たちが災害時に深刻な状況に置かれてきました。
 ですから、障害者に分かりやすいハザードマップの作成に当たっては、障害によって合理的配慮は違いますので、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、身体障害者など様々な障害を持った当事者を検討会の委員として参画できるように御検討いただきたいのですが、大臣のお考えをお聞かせください。

#104
○国務大臣(赤羽一嘉君) 何事も当事者の意見を反映させるということは大変重要なことだと考えておりまして、例えば、新幹線のフリースペース六席が実現したわけでありますが、そのときにも、JR全社の社長とともに障害者団体の皆様の代表複数名もメンバーとして出席をしていただいて、意見交換をしながら、あのフリースペースの六席という結論に達したということでございます。
 そうしたことというのは、この災害におけるマイタイムラインとか、私は、ハザードマップもそうなんですけど、もっともう少し広く、災害弱者と言われる障害をお持ちの方、高齢者、独居の高齢者、また外国の方、そうした方たちをどう地域として避難することができるのかと、そうしたことも大変重要な課題だと思っております。ですから、ハザードマップの在り方も含めてそうした協議会はつくるように、国交省だけの範囲に収まらないかと思いますが、内閣府の防災担当も含めて指示をしたいと、こう思っております。
 また、ちょっとそもそもで言うと、ハザードマップというのは健常者にとっても非常に何か分かりにくい、多分、私、ちょっとざっくばらんに言いますと、頭のいい人が作ると大体こういうざまになって、自分たちはよく分かる。
 あと、どんな周知徹底しているかというと、多分、各市町村のホームページに載せているということなんです。それを載せて、見れば分かるんだというのは、何というか、全く現場が分かっていない、そのギャップがすごいんですね。だから、そこを、はっきり言って周知している努力なんて全くされていないという、私なんかから見ればそうした評価ですよ。知らせ、使っていただこうという発想にないからこのざまであって。
 ですから、今、国交省の都市局の若手職員で、今日、足立さんからの御質問でも御紹介いただきましたが、3Dの都市モデルのプラトーというものを立ち上げてやっぱり視覚に訴えるとか、やっぱり使ってもらって何ぼだという発想が全くないんですね。ビラも、ビラを作ることが目的で、読むか読まないかは、それはもう向こうの勝手だというのが、はっきり言ってそういう染み付いた根性だというふうに私は思っておりますので、それを転換していかなきゃいけない。
 あと、結局、私、阪神・淡路大震災からの体験からいうと、もう平素からの準備に尽きるんですよね、被害の最小化というのは。ですから、マイタイムラインといっても、一人で作る人は、これもうほとんどいないと思いますよ。だから、地域でやっぱりそうした講習をしたり避難訓練の体制をつくって仕掛けをしないと、これは、もう地域防災力なんてそんな簡単に上がりませんよ、言うほど、と私は個人的に思っているので、まさに政府と地方自治体が働きかけてやはりやっていくということにより初めて実効性が伴うということであります。
 その中で、ハザードマップの理解のしやすさというのは、これは健常者というか一般市民でも分かりやすいものを作るということと同時に、障害を持たれている方にとってはこのプラトーでもやっぱり判別がしにくいとか、視覚障害者の方とか様々な障害の、何というか、障害によって様々なバリアというのは違うと思いますので、その点は、現場の皆様方、当事者の皆様方の声を反映する形でしっかりとそれが改善できるように、それは腰を据えて取り組ませていただきたいと、こう思っております。

#105
○木村英子君 赤羽大臣からとても有り難いお言葉をいただきましたので、本当にありがとうございます。
 それでは、質問を終わります。

#106
○委員長(江崎孝君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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