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2021/04/27 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 法務委員会 第10号 令和3年4月27日
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2021/04/27 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 法務委員会 第10号 令和3年4月27日

#1
令和三年四月二十七日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     高橋はるみ君     渡辺 猛之君
 四月二十六日
    辞任         補欠選任
     山崎 正昭君     加田 裕之君
     谷合 正明君     新妻 秀規君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本 香苗君
    理 事
                磯崎 仁彦君
                豊田 俊郎君
                真山 勇一君
                伊藤 孝江君
                清水 貴之君
    委 員
                小野田紀美君
                加田 裕之君
                中川 雅治君
                福岡 資麿君
                森 まさこ君
                山下 雄平君
                渡辺 猛之君
                難波 奨二君
                新妻 秀規君
                川合 孝典君
                山添  拓君
                高良 鉄美君
                嘉田由紀子君
   国務大臣
       法務大臣     上川 陽子君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局総務局長   村田 斉志君
       最高裁判所事務
       総局家庭局長   手嶋あさみ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        青木勢津子君
   政府参考人
       内閣府男女共同
       参画局長     林  伴子君
       総務省行政管理
       局公共サービス
       改革推進室長   渡部 良一君
       法務省大臣官房
       政策立案総括審
       議官       竹内  努君
       法務省大臣官房
       司法法制部長   金子  修君
       法務省民事局長  小出 邦夫君
       法務省刑事局長  川原 隆司君
       出入国在留管理
       庁次長      松本  裕君
       外務省大臣官房
       参事官      大鶴 哲也君
       厚生労働省大臣
       官房危機管理・
       医務技術総括審
       議官       佐原 康之君
       厚生労働省大臣
       官房生活衛生・
       食品安全審議官  浅沼 一成君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○法務及び司法行政等に関する調査
 (技能実習生の新型コロナウイルス感染症のク
 ラスター発生に関する件)
 (地方裁判所支部における合議制に関する件)
 (養育費の金額の決定の在り方に関する件)
 (新型コロナウイルス感染症の水際対策に関す
 る件)
 (名古屋出入国在留管理局における被収容者の
 死亡事案に関する件)
 (法務局における登記簿等の公開に関する事務
 に関する件)
 (選択的夫婦別氏制度に関する件)
 (法制審議会の在り方に関する件)
○少年法等の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────

#2
○委員長(山本香苗君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、高橋はるみさん、谷合正明君及び山崎正昭君が委員を辞任され、その補欠として渡辺猛之君、新妻秀規君及び加田裕之君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(山本香苗君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府男女共同参画局長林伴子さん外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(山本香苗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(山本香苗君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#6
○磯崎仁彦君 おはようございます。自由民主党の磯崎仁彦でございます。
 質問の時間が十五分と非常に限られておりますので、早速質問に入らせていただきたいと思います。
 先日、三月十六日に、大臣所信に対して質問をさせていただきました。本日は、そのとき残った質問を中心に質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 まず、新たな質問でございますが、新型コロナウイルスの感染症に関する質問をさせていただきたいと思います。
 変異株の感染が拡大をしております。二十五日から四都府県に緊急事態宣言が三度目発令をされております。一日も早い収束が望まれるところでございますが、依然として各地でクラスターが発生をしている、こういう状況でございます。
 クラスターで非常に気になりますのが、技能実習生のクラスターの発生ということでございます。今年に入りましても、いろんな新聞の記事等々を見ますと、福岡県、福井県、茨城県、岡山県等で外国人の技能実習生のクラスターが発生しているというふうに聞きますけれども、まず、法務省としてどの程度把握をされているか、質問させていただきたいと思います。

#7
○政府参考人(松本裕君) お答え申し上げます。
 外国人技能実習機構では、監理団体等に対しまして、技能実習生が新型コロナウイルス感染症に感染した場合には技能実習機構まで速やかに連絡をいただくことをお願いしているところでございます。
 あくまでも任意のお願いでございまして、網羅的に把握しているものではございませんが、またクラスターか否かを把握しているものではございませんが、当庁におきまして把握している技能実習生の感染者数は、このような報告体制が整った昨年七月以降、本年四月二十三日時点までの累計で八百十三人と把握しているところでございます。

#8
○磯崎仁彦君 ありがとうございました。
 なかなか、報告ベースでの数字ということで、昨年の七月から今年の四月の十三日まで八百十三名ということでございました。新聞等々いろいろ見ましても、これが技能実習生なのかどうなのかというなかなか確たるものではないかもしれませんけれども、やはりかなり発生しているというのは現状ではないかというふうに思っております。
 いろんな話を聞きますと、外国人の技能実習生につきましては、例えば狭い建物で大人数の方が共同生活をしているという実態、また、食事も決まったところにみんな一緒に出かけていくといったような状態、あるいは、これは日本人もそうですけれども、送別会を大々的にやって全員が参加するといったような、こういう文化、さらに、ふだんの接触交流が日本人以上に密で濃い、こういったようなやはり特徴があるんだろうというふうに思っております。
 クラスターについて言えば、例えば病院であるとか高齢者施設とか教育施設であるとか、いろんなクラスターがあるわけでございますけれども、やはりそれぞれどういう理由で、どういう原因で発生するのかという特徴があるんだろうというふうに思っておりますので、その特徴をしっかり踏まえた上で対応していくことが必要だろうというふうに思っております。この外国人技能実習生については、クラスターが発生しやすい環境にあるというふうに言っても過言ではないだろうというふうに思っております。
 法務省としても、やはり関係部署と連携をしながらしっかりと対応を取るべきというふうに考えますけれども、大臣、いかがでございましょうか。

#9
○国務大臣(上川陽子君) 技能実習生の皆さんが置かれている環境ということにつきましては様々な特徴があるということ、また、特に言語の問題がありまして、新型コロナウイルス感染症に関しましてやはり必要な情報をしっかりと得るということがなかなか難しいと、こういうことが考えられるということでございまして、昨年の緊急事態宣言の実施以前の令和二年の三月でありますが、外国人技能実習機構から監理団体及び実習実施者に対しまして、職場における感染防止対策の徹底等の情報につきまして周知を行ったところでございます。
 それ以降も、この実習実施者及び監理団体に対しましては、新型コロナウイルス感染症の拡大、感染拡大の状況に応じまして随時通知を発信し、感染予防に関する取組についての周知を行ってまいりました。
 例えば、共同生活の場合の感染防止策等の基本的な感染予防の取組の徹底、また、入国後講習及び朝礼等の場におきまして、職場及び生活上の感染予防対策を技能実習生に対して必ず説明をすること、また、監理団体におきまして、監査等で実習実施者が行う感染予防及び健康管理の取組についての確認をすることなどなどでございます。
 あわせまして、技能実習生御本人に対しましては、直接情報発信を行うことが必要であることから、外国人技能実習機構のホームページ、またSNSを通じまして、令和二年三月以降累次にわたりまして、感染予防対策につきまして、やさしい日本語、そして八言語による情報発信を行うなどの必要な周知を実施しているところでございます。
 さらに、出入国在留管理庁におきましては、今年の三月から外国人や支援者等に対しましてメール配信サービスを実施しているところでございまして、今後はこういったサービスを活用して積極的に発信してまいりたいというふうに考えております。

#10
○磯崎仁彦君 ありがとうございました。
 大臣言われるように、言語の問題というのは非常に大きなところかと思います。引き続き、やはり、技能実習生、本来の目的をしっかりと日本で果たされるように、いろいろな対応をこれからも継続をしていただきたいというふうに思っております。
 次の質問でございますけれども、前回、大臣に法と社会のギャップということについて質問をさせていただきました。質問後、このギャップを埋めることにソフトローが大きな役割を果たしているのではないかという、そういう思いに至りました。
 そこで思い出しましたのが、令和元年の会社法改正があったわけでございますけれども、そのときに参考人として御意見を伺いました東京大学大学院法学政治学研究科の藤田友敬先生のお話でございます。藤田先生は次のように述べられております。
 最近では、ソフトローと呼ばれる規制の意義も強調されています。ソフトローは、会社法や金商法のようなハードローとは異なり、国が作成し、国がエンフォースするというような規範ではありませんが、近年、コーポレートガバナンス・コードとかスチュワードシップ・コードといった重要なソフトローの存在感が増してきております。
 また、次のようにも述べられております。
 改正法案の条文だけを見ると何か物足りないというふうに思うことがあっても、それは規制なく野放しにせよとの趣旨ではなく、ソフトロー等による規制を期待しているという場合もあるということに御留意をいただければと思いますと、こういう意見を述べられております。
 そこで質問でございますけれども、現実に立法作業を行うに当たりまして、このハードローとソフトローのすみ分け、あるいはその役割分担についてどうお考えになられた上でこの立法作業を行っておられるのか、お伺いをしたいというふうに思います。

#11
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。
 ハードローとソフトローを厳密に定義することはなかなか難しいわけでございますが、一般に、会社法のように国家が法令という形で定めて、かつ国家により履行が強制されるような規範はハードローと呼ばれて、コーポレートガバナンス・コードやスチュワードシップ・コードのようにそのような性質を持たない規範はソフトローと呼ばれているものと承知しております。
 このハードローとソフトローのすみ分けや役割分担をどのように考えるべきかについては、分野によって様々な考え方があり得るところでありまして一概に申し上げることは困難でございますが、社会経済情勢の変化のスピードが速まり、かつ複雑化している現代におきましては、これらを適切に使い分け、活用することによって社会の変化に対応していくことが重要であると認識しております。
 例えば、社会に浸透していないルールにつきましては、まずはソフトローとして国家による履行の強制がない形で導入して、その後、そのルールが一定程度浸透した後に実効性の高い形でハードローとして導入するなど、時に一方が他方に先行する形で役割を分担するということもあり得るものと理解しております。

#12
○磯崎仁彦君 ありがとうございました。
 確かに明確な定義はないということでございますけれども、やはりソフトロー等がハードローに移っていく、あるいはハードローの隙間を埋める形でソフトローがあるといったような、いろんな形態があるんだろうというふうに思っております。
 前回もお話しさせていただいたように、やはり今、社会の動きというのは非常に速いものがあるというふうに思っております。したがいまして、ハードローで対応できない部分をこのソフトローで補っているという部分もあるんだろうというふうに思っております。
 ハードローにつきましては、違反をしたような場合には、今御答弁がありましたように、国として強制をされるというか、罰則等も含めて違反については強制されるようなことがあるかと思いますが、このソフトローに反する言動についても、やはり今、国民の目というのは非常に厳しいものがあるんだろうというふうに思っております。
 ハードローの基準は法に明確に規定されているということかと思いますが、ソフトローの基準につきましては、例えば社会の変革であるとか、あるいは国民の意識の変化とともに移り変わっていくという、恐らく変更もしやすいような、そういう性格を持っておりますので、それだけに、社会の動きにつれて企業がこのソフトローにキャッチアップできていない場合には、逆に非常に不買運動が起こったり、そういうリスクを伴うのではないかなというふうに思っております。
 これは法務省に質問するのがどうかというふうには思いますけれども、このソフトローの分野における企業のリスクということについてお考えがあればお伺いをしたいというふうに思っております。

#13
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。
 ソフトローを委員御指摘のとおり国家によるエンフォースメントがないものとして定義しますと、ソフトローにつきましては、それに従わなくても法的な強制や制裁はないということになります。
 もっとも、一般的に、ソフトローの適用対象となる企業等がそれに従わない場合、キャッチアップしていない場合には、取引上の不利益あるいはレピュテーションリスクなどの事実上の不利益を被ることとなりますので、その意味で一定の実効性が担保されているものと言え、その点でソフトローの存在意義が存在するものと理解しているところでございます。

#14
○磯崎仁彦君 ありがとうございます。
 それでは、次の質問に移りたいと思います。
 これも前回質問させていただいた関係ですけれども、昨年十二月に取りまとめられました法務・検察行政刷新会議の報告書、これについてどう取り組んでいかれるかにつきましては、前回、上川大臣にお伺いをさせていただきました。残っていた何点か、時間の限りお伺いしたいと思います。
 我が国の刑事手続につきましては、被疑者への取調べへの弁護士の立会いにつきましては、先日、森まさこ委員が質問をされました。私からもしっかりと検討をお願いをしたいというふうに思います。
 私の方からは、以前から、弁護士・依頼者の秘匿特権、これを我が国においても認めるべきではないかということをこれまでもいろんなところで主張してまいりました。無論、我が国と諸外国とではいろんな制度に差がございます。例えば、とりわけアメリカにおきましては、ディスカバリー、証拠開示制度、こういったものが非常に広範に認められておりますので、そういう意味では我が国の制度と大きく背景が違うということはあろうかと思います。
 しかしながら、企業におきましては、違反行為の有無を確認するために弁護士による社内調査を行う際には正確な情報を把握する必要があるという点、あるいは、企業がコンプライアンス、これは今非常にコンプライアンスが求められているところでございますけれども、弁護士による社内調査あるいはその相談を適切に行えるようにすることによってコンプライアンスは高められる面があるということ、そして、企業活動が非常にグローバル化する中で、文書の提出命令を受けて提出をすることが海外におきましてはこの秘匿特権を放棄したものとみなされる、こういった懸念を回避するという意味でも国内企業のリスクを低減をさせるためにこの制度が必要ではないかという、こういう目的が主張されているわけでございます。
 我が国におきまして、この弁護士・依頼人の秘匿特権につきましては、どちらかというと消極的、否定的だというふうに思いますけれども、その理由は何なのかお伺いをしたいというふうに思います。

#15
○政府参考人(川原隆司君) お答えいたします。
 刑事訴訟法上、弁護士などにつきましては、依頼者の秘密を委託されるという社会生活上不可欠な職業に対する社会的な信頼の保護を図るため、押収拒絶権や証言拒絶権が認められております。
 その上で、お尋ねの弁護士・依頼者間秘匿特権の制度が、刑事手続において、弁護士のみならずその依頼者である被疑者なども証拠物の押収等を拒絶することができるものとするものであるとすると、その制度を導入することには次のような問題点があると考えられます。
 一つ目は、捜査機関が収集することのできる証拠や裁判所の事実認定に用いることのできる証拠の範囲が制約され、適正な事実認定に支障を生じること。二つ目は、被疑者などが弁護士との間のやり取りに関するものである旨を申し立てた場合に、直ちに捜査機関が当該証拠物を押収することができない、あるいは押収済みの証拠物を見ることができなくなるとすると捜査が遅延することになり、とりわけ厳格な時間制限のあるいわゆる身柄事件ではその支障が顕著であること。三つ目は、刑事事件の被疑者には暴力団等の反社会的勢力に属する被疑者もいるところ、そのような者も秘匿特権を行使できることとなるため、捜査の妨害や遅延等を目的とした濫用的な権利行使が懸念されることであります。
 したがいまして、弁護士などに認められている押収拒絶権等を超えて依頼者にも秘匿特権を認める制度を導入することにつきましては、事案の真相解明という刑事訴訟法の目的を阻害することとならないかとの点を含め慎重な検討を要するものと考えております。

#16
○磯崎仁彦君 時間ですので終わりたいと思いますが、日本の場合には、平成三十年ですか、から司法取引の制度も導入をされていると思います。そういう意味では、司法取引が導入される前と、やはりこの司法取引を円滑に進めていくためにはこの制度の導入ということも必要ではないかという、そういう意味で是非今後とも検討していただければというふうに思っております。
 まだまだ質問ありましたが、時間ですのでこれで終わりたいと思います。ありがとうございました。

#17
○真山勇一君 立憲民主・社民会派の真山勇一です。
 私も時間が短いので、早速質問に入りたいというふうに思います。
 今日は、大きく二つテーマ、質問させていただきたいんですが、まず最初のテーマです。裁判所の合議制ということについてお伺いしたいと思います。
 裁判所は合議制が原則、合議制というのは裁判官が三人というふうに伺っております。この合議制でやるのが原則ということになっておりますけれども、地方裁判所の支部では、場所によって、合議制、三人の裁判官で行うことと、単独制、一人の裁判官でやる裁判というふうにあるそうなんですね。この区別というか運用について、まずお伺いいたしたいと思います。

#18
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。
 裁判所法第二十六条一項におきましては、「地方裁判所は、第二項に規定する場合を除いて、一人の裁判官でその事件を取り扱う。」と定めておりますので、これによりますと、地方裁判所において裁判官が一人で裁判を行う単独制が原則として規定されているものと思います。
 事案の内容等を考慮して三人の裁判官から構成される合議体で審理及び裁判をする旨の決定をされた事件、あるいは簡易裁判所の判決に対する控訴事件等の法律において合議体で審理及び裁判をすべきものと定められた事件を除いて一人の裁判官で事件を取り扱うこととされておりますので、地方裁判所の支部におきましてもこのような運用がされているというふうに承知をしております。

#19
○真山勇一君 今の裁判所法二十六条、地方裁判所は、支部は原則単独制というふうに今伺いました。
 ただ、今、お分かりのように、世の中の動き、社会、非常に複雑になっています。多様化しています。そういう中で、一つの事件を解決するということは大変難しい。一人の知恵よりもやっぱり三人でやるということが非常に大事になるんじゃないか、いろんな、多角的に裁判を見るということは大事だというふうに思うんですね。ですから、そういう意味で、支部でも合議制のところがあるというふうに思います。
 事件がやっぱり多かったり、それから事案によっては複雑なことが多いところではやはり合議制にした方がいいんではないかというふうなことがあるわけですけれども、そういう考え方はいかがなんですか。

#20
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。
 合議事件を地家裁の支部で取り扱うかどうかという点につきましては、その支部の管轄区域内の人口動向、それから、御指摘のありましたような事件の係属状況のほか、最寄りの合議事件取扱庁までの交通事情等の様々な要因を総合的に勘案して、地方裁判所及び家庭裁判所支部設置規則三条一項に基づきまして、各地家裁の裁判官会議において決定をされるべきものというふうに認識をしております。

#21
○真山勇一君 今日これ伺ったのは、実は、お配りした資料一を見ていただきたいんですが、これは、私の地元の神奈川県の地方裁判所相模原支部と、それからあとは、ちょっと名前は挙げておりませんけれども、A、B、C、D、各首都近辺の支部を挙げております。
 これ見ていただくとお分かりのように、相模原支部、民事の事案の受ける件数というのはやっぱりここのところ増えています。それから、ほかの支部A、B、C、D、これ全部合議制でやっているところです。ところが、相模原だけはこれ合議制じゃないんですね、単独制なんです。これ、A、B、C、D、見ていただくとお分かりのように、増えているところがありますけれども、どちらかというと、近年、どうなんでしょうかね、少しずつやっぱり減っているということもありますし、単独制の相模原よりもむしろ事件は少ない支部も合議制でやっているというようなことがあります。
 こうしたことから、相模原では、しかももう一つありますね。相模原市というのは政令指定都市ですね。全国で政令指定都市というのは二十あります。二十あるんだけど、十九は全部合議制取り入れているんですね。相模原だけ取り入れてないということがありまして、地元ではやはり裁判は合議制でやっていただきたいという声がかなり強いんですけれども、この相模原が何で単独制なのでしょうか。

#22
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。
 相模原支部につきましては、その管内に今委員御指摘のとおり政令指定都市である相模原市を有しているというところでございますし、管内人口は約八十五万人程度ともちろん少なくないですし、それに応じて事件数も決して少なくないというところで認識をしております。
 この事件数に応じた裁判官を配置しているところでございますけれども、他方で、横浜地裁本庁までのアクセスが約五十分程度と比較的良好であるというところがございまして、相模原支部管内の合議事件を取り扱うことになっております横浜地裁本庁におきましては、行政事件、知的財産事件、医療事件等を集中的に取り扱う部を設けております。
 専門的な知見を要する事件を適正かつ迅速に処理する体制が本庁の場合に整備されているというところを考慮いたしますと、現時点では、横浜地裁本庁で相模原支部管内の事件につきましても合議事件を取り扱っているということは事件処理体制として合理性があるものというふうに考えております。

#23
○真山勇一君 先ほど三つの条件挙げられました。人口、それから事件の数、これ見ていただければお分かりのように相模原は多いですよね。それからもう一つ、今おっしゃった交通機関の話、相模原から横浜まで五十分。私の感じでは、私も横浜に住んでおりますので相模原までよく行きますが、五十分、駅から駅まで快速に乗れば五十分で行くかもしれないけど、普通、各駅停車だとなかなか、一時間、私の認識では一時間以上掛かります。
 実は、ここに名前を挙げていませんが、ほかの支部、明らかに時間がそれよりも短い時間でアクセスができるところでもなっているから、余り交通機関って私は理由にならないと思うんですけれども、どうですか。

#24
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) それぞれが絶対的な指標として挙げているわけではございませんで、申し上げた点の総合考慮をし、また、人口動態などにつきましては歴史的にかなり動きがあるところもございますので、そういった歴史的な経過なども考慮した上で体制を検討しているというところでございます。

#25
○真山勇一君 相模原は、ちなみに裁判官、判事は何人いらっしゃいますか。

#26
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) 裁判官は六人を配置しております。

#27
○真山勇一君 六人いらっしゃるなら、私は物理的に、合議制にしたいという要望があるんならできないことはないなというふうに思うんですけれども。最高裁判所事務総局発行の二〇一九年の裁判所の迅速化についての報告という中にも、そういう部分については工夫すべきであるというふうにしているんですね。
 時代の情勢変化はいろいろあると思います。見直しは考えられておられますか。

#28
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。
 最高裁といたしましては、限られた人的、物的資源を有効に活用しつつ、利用者の利便性を確保して司法サービスを充実させていくということが重要であると考えております。
 ですので、今後も、相模原支部管内を含む横浜地家裁管内の人口動態、事件数の動向、交通事情等の観点を注視しつつ、必要な事件処理体制の整備に努めてまいりたいというふうに考えております。

#29
○真山勇一君 裁判のスピード化というのは今本当に大きな課題になっていることです。こういう体制も時代に合わせて、それから状況に合わせて変えていく。六人もいらっしゃるわけですから、三人って私はできないことじゃないと思います。例えば二人しかいないんだよとか、そういうことならば、これはまた人を増やさなくちゃいけないとか大変だと思うんですが、六人いらっしゃるんだったらなぜできないのか。
 是非これは、是非見直しを検討していただきたいということを強く申し上げます。地元はもうここ数年そういうふうな要望を出しておりますので、是非よろしくお願いします。
 次に移ります。
 次は先日の少し質問の続きなんですが、実は先日御紹介した別居親、赤ちゃんを引き離されてしまった母親、資料二を見ていただきたいんですが、この方なんですが、私がまずお聞きしたいのは、家庭裁判所は、その監護権の決定に際して、乳児というもの、乳児、赤ちゃんに対しての見解、考慮、どういうことを考えておられますか。

#30
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。
 一般論といたしまして、まず、家庭裁判所において子の監護者の指定をするに当たりましては、民法の趣旨を踏まえ、子の利益を最も優先して考慮しており、個別の事案に応じて、父母の側の事情としてそれぞれの養育能力や監護の状況等、子の側の事情として子の年齢や発達の程度、心情や意向等を総合的に考慮しているものと承知しております。
 特に子が乳児である場合におきましては、一般に母親を含む養育者との身体的な接触が重要であるといった知見があるところ、子の監護者の指定に当たりましては、そのような知見も踏まえ、これまでの主たる監護者が誰で、どのような監護状況か、子と養育者とが基本的な信頼や安定した関係性を築いているか、築くことができるか、養育者の下で子の情緒が安定しているかなどの事情等についても考慮して、子の利益を最も優先する観点から適切に判断しているものと承知しております。

#31
○真山勇一君 今の御説明だと、乳児、赤ちゃん、特に新生児、ごめんなさい、新生児は生後二十八日までなんですが、乳児というのは一歳に満たない赤ちゃんを乳児というそうなんですけれども、この子供を引き離されてしまったお母さんは、現在はもうその坊や、男の子なんですが、八歳ですけれども、引き離されたときは三か月半ですよね、誕生して三か月半。で、それを考慮した上で、連れていった父親の方が監護権ふさわしいという判断をされているんですけれども。
 今おっしゃったところでやっぱり私、気になるのは、そのいろんな子供の発達とかいろんな状況、それから子の利益とか考えたら、やはり、そういうもので決めるというふうにおっしゃっていましたけれども、実際にその三か月半の乳飲み子を母親から引き離すってどういうことなのかなと、私はそう思いますね。
 私は、お医者さん、産科のお医者さんにお話聞きました。三か月半、目が見えるようになるんです、赤ちゃん。お母さんとのスキンシップが大変大切な時期です。赤ちゃんの将来の人格形成などにも大きな影響考えられる。やっぱりそういう時期に、じゃ、これは、このケースはきっとお母さんよりもお父さん側を監護者に決めた方がいいということだと思うんですけれども、やはりその前に、こういう場合も今おっしゃったように二人、両方から話はちゃんと聞いていますね。

#32
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。
 子の監護等に関する事件というのは、非常に、その子の利益を最優先で考慮する必要があるところでございますが、他方で、御両親の、当事者御自身の間の葛藤が強い場合も多くて、解決が難しい事案だというふうに承知をしております。
 したがいまして、それぞれの当事者の方からお話を丁寧に聞くということは励行をしているところと承知しております。

#33
○真山勇一君 丁寧に両方の当事者から話を聞く、大事なことだと思うんですよ。それじゃなければ審理とか調停できないと思うんですね。
 私は、この御当人、対象の方の、独居親の方から裁判所の決定を一部いただいたんですが、これちょっと御紹介しますね、一部ですけど。
 正常な発達に必須なことは、母親が育てることではなく、ちょっと途中省略しますが、現実に相手方が母親的な監護者となっていて、相手方を監護者に定めることが相当である。これ、別居親の母親に対して、母親が育てることではなく、もう断定しているんですよね。ちょっとやっぱり、本当にこういう調書を作る専門家の方にしては、これ、母親に対してこんな冷たい言葉ってありますか。しかも、別のところではミルクで育てればいいと言っているんですよ、母乳じゃなくて。まるで母親のことを考えていない。
 こんなことが、両方のことをちゃんと聞いたらこういう言葉出ますか、相手に対して。おまえは要らないんだよ、母乳飲ませなくていいんだよ、そんな言葉出ますか。

#34
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。
 個別の事案における裁判官の判断ないし審判書きの記載につきまして最高裁としてお答えすることができないことは御理解をいただきたいというふうに思います。
 ただ、その上で申し上げますけれども、委員御指摘のような医学的な知見が存在することは承知をしておりまして、一般に、哺乳等を通じた養育者の愛着関係や養育者との、失礼いたしました、養育者との愛着関係や心理的なきずなは子の健全な成長、発達のために大変重要なものと認識しております。ただ同時に、母親も含めて、それは母親に限らずでございますけれども、養育者との安定的な愛着関係の重要性を指摘する考え方もあるところというふうに承知をしております。
 いずれにしましても、家庭裁判所におきまして子の監護者の指定をするに当たっては、子の最善の利益という観点から、すなわちその事案におけるその子にとって何が必要かと、重要かという観点から当該事案における様々な事情を総合的に考慮するところでございまして、その際には、委員御指摘のような知見を含めまして、子の心身の発達等に関する様々な専門的な知見を踏まえた検討が大変重要であると認識しているところでございます。

#35
○真山勇一君 そのとおりです。そのとおりのことを現場でやっていただけていれば、こういう質問をしなくても済みました。
 そうじゃないんですよ。だって、両方から話聞いている人が、子供と離れ離れになって、三か月半ですよ、お母さん。考えてくださいよ。母乳飲ませたいというのに会わせないんですよ。ミルクで育てればいい、母乳じゃなくてミルクで育てればいい、正常に発達するためには母親が育てることでなくていいと言っているんです。こんなに断定的に言うんですね。これ、やっぱりおかしいと思います。
 やはり両方から話聞いたら、私はこういう文章にならないんじゃないかということを言っているんです。母親のことを、子供を連れ去られてしまった母親のことを考えたら、こんな冷たい言葉を平気で書いて相手に与える、出すということが私は信じられないです、やっぱり。だって、二人とも傷ついているんですよ、どうやってこれを解決していくかという。やっぱり子の、先ほども、もう本当にこれ、答弁で必ず子の利益ということをおっしゃいますけど、子の利益になっているのかな、そういう気がします。
 大臣にお伺いします。この三か月半の赤ちゃんを母乳なんか要らないからと離すことについてはどう思いますか。

#36
○国務大臣(上川陽子君) 赤ちゃんは母親が命懸けで産むところでありまして、赤ちゃんとその健やかな成長のために愛情を持って育てる環境をつくっていくということは極めて重要であるというふうに私自身は思っております。
 乳幼児期をどのように親子の関係をつくっていくのかということについては、先ほど最高裁の答弁でありましたように様々な知見がございまして、そういった知見をしっかりと生かしながら、チルドレンファースト、赤ちゃん優先に考えていくということを徹底して、制度の面でもまた運用の面でもしっかりと対応していくことが大切ではないかというふうに思っております。

#37
○真山勇一君 是非、大臣、機会があったら現場にそういう、つまりこういうようなことにならないように、やはりいろいろ現場に大事なことを伝えていただきたいというふうに思います。
 時間がないので、もう一つお伺いしたいのは、今、コロナで面会交流ができなくなっている別居親がいるんですよ。もう端的に聞かせてください。コロナというのは面会交流について不要不急というふうにお考えですか。

#38
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。
 コロナ禍における面会交流実施の緊急性の程度ということにつきましては、事案ごとの個別性もありまして一概にお答えすることは難しいところでございますが、一般論としましては、親子間の直接的な面会交流を含め適切な面会交流の実施などを通じまして父親と母親の双方が適切に子の養育に関わることは、子の利益、子の健全な成長という観点から重要であると考えられるところでございます。
 個々の裁判体におきましては、今申し上げましたような適切な形での面会交流の実施と実現することの重要性を十分に考慮をした上で、当該地域における新型コロナ感染症の感染状況を含む面会交流の実施に係る諸事情や父母双方の考え方なども踏まえ、子の利益を最も優先した面会交流の在り方について適切に判断しているものと承知しております。

#39
○真山勇一君 コロナになってから、やっぱり相手方からコロナだから会わせられないということが多いんですね。別居親にとっては、そういうふうに言われちゃうと、もうもしかして本当にそういうふうに決められたら会えなくなっちゃうというもう恐怖心から、もうそれ以上話ができなくなっちゃうということなんですよ。
 だから、今おっしゃったように、両方で話し合って決めることというのは大事だというふうに思うんですけど、一方的にそうなるとやはり問題なのは、関係者の団体のアンケートでも、やはりコロナになってからこの一年、一回も会えていないという例が非常に増えています。これ、やはりコロナ禍でも面会交流したいという片方の親がいらっしゃったら、やっぱり両方で話し合う。当事者じゃ話し合えないんだから、そういうときはやっぱり裁判所、これがどういうふうに関わり合うか。もう行ったら駄目だと言われるんじゃないかというその恐怖心がある、こういう状況はやっぱり取り除かなくてはいけない、取り除いてほしいというふうに思います。
 今、状況に合わせて適宜ということをおっしゃいました。それが必要だというふうに思います。マスク会食だってやっていいんですから、そうすればマスクして会えばいいんだし、時間が一時間半から二時間マスク会食ということなら、面会交流の時間だって二時間ぐらいしか認めてもらっていないじゃないですか。何のことはないと思うんです、きちっとコロナ対応していればね。
 これは是非、割とコロナで、不要不急というふうな理由で会わせてもらえないという恐怖感を別居親が抱えている、これは是非改善していただきたいということをお願いして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#40
○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。よろしくお願いいたします。
 今日は、養育費の問題についてお伺いをいたします。
 この養育費の不払問題、我が党のPTでも提言を二度させていただき、また、この三月三十日からは法制審の家族法制部会でも審議が始まったというふうにお聞きをしております。数ある課題の中で、今日は、実務的に大きな問題になっております養育費の額の迅速、適切な決定という点についてお伺いをさせていただきたいと思っています。
 現在の実務におきましては、子供の年齢、人数、またそして父母双方の収入が判明すれば、裁判所の策定した養育費の算定表に基づいて養育費の額の目安を容易に算定することが可能になっております。ただ、実際には、この専門家でなければこの養育費の算定表の存在を知らないということもありますし、また算定される金額についても、多くの場合には二万円程度幅があるというものになっています。確定的な金額が出されて解決という形にはならないという点もありますので、裁判所の外で当事者だけで話合いをする場合の指針としてはまだまだ十分なものとは言えない面があるのではないかというふうに感じております。
 そこで、まず、この養育費の算定表につきまして利用方法を分かりやすくガイダンスをするとともに、必要な事項を入力すれば養育費の目安の金額が具体的な金額で自動的に算定されるような自動算定ツールを法務省のウエブサイトで早急に提供してはどうかと考えますけれども、法務省、いかがでしょうか。

#41
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。
 養育費の取決めを確保する観点からは、離婚を考えている方などに養育費の重要性や取決め方法に関する必要な情報提供を行い、父母間の協議を促進することが重要であると考えております。
 最高裁のホームページでは養育費に関する取決めの参考情報として養育費の算定表が公表されておりますが、これに加えまして、養育費に関する情報を必要とされる幅広い範囲の方々から、これを容易に用いることができる養育費自動計算ツールを提供してほしいという意見があると承知しております。
 この点につきましては、御党の不払い養育費問題対策プロジェクトチームや、法務省に設けた有識者会議でもある養育費不払い解消に向けた検討会議からも、同様の御提案、御指摘をいただいたところでございます。
 養育費の自動算定ツールにつきましては、現在、離婚を考えている方に向けた情報提供のための法務省のウエブサイト上で新たに提供する方向で検討を進めているところでございまして、養育費に関する取決めの促進、確保に向けて今後とも情報提供の充実に努めてまいりたいと考えております。

#42
○伊藤孝江君 この養育費の額の決定に関して、制度的には、諸外国には例もありますけれども、養育費の統一的な算定基準や算定方式をまず法律で定める、そして誰でも容易に法的根拠のある具体的養育費額を算出することができるような仕組みの導入をそもそも検討していくべきではないかという点を考えていますけれども、いかがでしょうか。

#43
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、具体的な養育費額の算定に用いられております算定表につきましては、これ法定されているものではございません。一般の方にはその存在自体が余り知られていないという指摘のほか、この算定表を用いると、例えば月額四万円から六万円といったように幅のある金額で算定されるために、その幅の中で合意に達することができない例もあるというふうに承知しております。
 この点につきましては、法務省の担当者も参加していた家族法研究会が本年二月に公開した、公表した取りまとめにおきましても、両当事者の収入、子の数等を変数とする養育費に関する統一的な算定基準や算定方式を法定するということについても検討することが提案されております。
 養育費の算定について基準を法定化し、容易にする方策については、今後、法制審議会の家族法制部会においても検討の対象となり得る重要な課題であると認識しているところでございます。

#44
○伊藤孝江君 この算定表であったり自動算定ツールですね、こういうものをしっかりと充実させていくというのは本当に非常に大事な観点だというふうに思っています。
 ただ、この算定表などのツールというのは、やっぱり両親の間で、両親の間で協議をしっかりやっていただくという、それを手助けするものであるというふうにも考えています。できることであれば、やはり子供のために、算定表やツールで示された金額を踏まえてしっかりと、金額をもしそのままにするとしても、ちゃんと話し合って決めていただきたいということがあります。
 例えば、この算定表、今も御説明にもありましたけれども、確定的な金額を出すものではありません。子供の年齢に関しては、例えば二つのパターンですね、ゼロ歳から十四歳というのと十五歳以上という、この二つのパターンに当てはめると。ゼロ歳から十四歳というので一つの幅なので、かなり金額にも違いが出てくるんだろうなということもあります。
 また、子供に病気や障害がある場合などの現在の事情だけではなく、例えば進学について、これが来年、再来年という近いところであれば子供がどういう希望を有しているのかと、いろんな算定を簡素化すればするほど個別事情が加味されにくくなるという可能性もあります。
 養育費の額を迅速に決めることができるようにという観点と、夫婦間がどのような状況にあっても親であることに変わりはなく、子供のために話し合うということを両立させていきたいというふうにも思っております。算定表で金額が分かれば終わりなんだということではないという点の理解についても求めていかなければならないと思いますけれども、この点、いかがでしょうか。

#45
○政府参考人(小出邦夫君) 先ほども申し上げたとおり、家族法研究会では、養育費に係る統一的な算定基準や算定方式を法定することや、その算定のための自動算定ツールを行政機関のウエブサイト等で公開することについて検討することが提案されておりますが、その提案には注書きが付してございまして、このような計算ツールを作成する場合には、あわせて、最終的な養育費額は個別事情を考慮することによって変更し得るものであることを明確にしておく必要があるものと考えられるという指摘が付記されております。
 子供の養育に必要な費用の額は子供の心身の状態やその監護状況等の個別事情によって異なり得るものでございますので、仮に養育費の算定基準や算定方式を法定し、裁判官も基本的にこれに拘束されるような制度を設けるにしても、最終的な養育費の金額にはこれらの個別事情を反映することができるようにする必要があるものと考えられます。
 いずれにいたしましても、委員御指摘の点は今後の検討に当たって考慮すべき重要な事項であると考えております。

#46
○伊藤孝江君 ちょっと質問を一つ飛ばさせていただきます。
 実際に、実務でこの養育費算定表を使って金額を決めるということはもちろん多いというか、ほとんどなんですけれども、この支払義務者の収入が分からない、認定できないというときに大きな問題が出てきます。支払う側、義務者が収入を教えようとしない、資料を出さない、あるいは金額を低く偽ってくるというような場合ですね。
 実際に、子供の成長に責任を担うという観点からはすごく残念でもありますし、許されることではないと思っています。養育費を一円でも高くという、金額を高く上げるということよりも、きちんと資料を出して、幾ら払うのが適切かという、その話合いにきちんと応じるということ自体がまず親の責任なんだということをしっかりと受け止めていただきたいと思っております。
 そこで、この養育費の支払義務者の収入額の適切な把握についてお伺いをさせていただきます。
 この点で、義務者の収入や財産に関する客観的資料を集める、出させるということの手段を強化していくということが大事だというふうに思っています。夫婦間であっても、別居や離婚をした場合、相手方の状況の把握というのは簡単ではないときが多いです。
 実務では家庭裁判所から調査嘱託により勤務先に照会することもありますけれども、勤務先において、個人情報保護などを理由に嘱託に応じないという場合も多くあります。義務者の収入がこれで把握できなくなっちゃうわけですね。
 養育費の場合は、親である以上、負担の責務があることは明らかであり、また、早くに、早期に解明する必要性も特に高いという観点からすると、例えば養育費を争点とする事件においては、嘱託先において調査や嘱託に対する応答義務を特に明文化をする、あるいは雇用主の協力義務を規定するなどといった具合で養育費に関する手続上の特則を設けること、これを検討していくべきではないかと考えますけれども、いかがでしょうか。

#47
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。
 養育費の算定に当たっては義務者の収入を把握する必要がありますが、実務上、権利者において義務者の収入に関する資料を有していない場合には、委員から御指摘ございましたが、家事調停や家事審判の手続において、市区町村に対する義務者の課税額の調査嘱託や、勤務先に対する義務者の給与の支払に関する証明書等についての文書送付嘱託を利用することが考えられます。
 もっとも、これも委員御指摘のとおり、これらの決定がされた場合であっても、嘱託を受けた相手方において、例えばこれらに応ずる義務があるかどうかが明らかでないなどと考えて、これに応じない場合もあるという指摘があることも承知しております。
 この問題は、養育費の算定にとどまらず、民事手続法一般にも影響し得るものでありますが、まずは必要性の高い養育費の取決めの場面において対応を検討すべき喫緊の課題として指摘がされているところでございます。
 この点は、今後、法制審議会家族法制部会におきましても検討の対象となり得る重要な課題であると認識しているところでございます。

#48
○伊藤孝江君 ありがとうございます。
 資料が最終的にはあるんだという場合には、その出していただく手続を強化するという観点があります。また、この資料自体がなかなかないというのも現実には多くあります。義務者が自営業者であったり、また同族会社の役員などの場合ですね。
 この場合、給与所得者とは違って、月々の収入に関する公的書類が限られるために、義務者の申告によらなければならないということになります。その結果、収入書類を提出をしなかったり、あるいは離婚後に収入が激減したという書類を出してくる場合があります。
 私の経験でも、自営業者の場合では、実際に申告している金額が現実とは全然違うんだということをお母さんの側が、奥さんの側がおっしゃっても、なかなかそれを証明するものが難しいであったり、同族会社であれば、お父さんの会社に息子が勤めているというような場合に、急にそれまでの金額、例えばそれまでは五十万もらっていたんですよと言っていても、突然給与明細が二十万とかになって、不景気になったので給料が下げられてこうですというようなものが出てきたりというような、金額をいじられてしまうというようなことの主張がされる事案も多く見てきました。
 実際には、裁判所では、収入が分からない場合、賃金センサスを柔軟に用いるなどという形で工夫をされているところではあるかと思いますけれども、適正な養育費の確保が求められるという状況からすると、収入の実態把握が難しい場合、婚姻期間中の収入や経営する事業規模、継続年数に基づく現収入の推定規定、あるいは、養育費の支払義務者には正しい収入の申告義務を制裁付きで課す仕組みなど、要は義務者のごね得を許さないという制度をしっかりとつくっていくべきではないかというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。

#49
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、養育費の支払義務者が自営業者である場合には、その正確な収入の実態を把握することが必ずしも容易ではないという指摘があることは承知しております。
 この点につきましては、昨年十二月に御党の不払い養育費問題対策プロジェクトチームからも御提言いただいているところでございまして、検討の必要性が高い問題であると認識しております。
 もっとも、自営業者につきましては、その経営状況というのは様々であることから、どのようにすれば実態と合致した正確な収入を把握することができるかといった点については、例えば租税徴収あるいは金融機関における実態把握の方法など、他分野の知見も参考にしながら十分な検討をする必要があるものと考えております。
 御指摘の点は、今後、法制審議会家族法制部会においても検討の対象となる重要な課題であると認識しておりますが、事務局を務める立場といたしましても、この自営業者の収入の実態に関する情報収集を行うなど、調査審議の参考となる素材を提供することができるような対応に努めてまいりたいと考えております。

#50
○伊藤孝江君 是非よろしくお願いします。
 この収入の実態を把握するための方策を強化していくこと、また、それでも把握し切れない場合にどうするかという制度設計については法制審でも取り上げてしっかりと議論をしていただきたいというふうに考えますが、大臣、いかがでしょうか。

#51
○国務大臣(上川陽子君) 先ほど来の答弁をさせていただいているところでございますが、委員御指摘のとおり、義務者の収入を正しく把握することがなかなかできないということがございまして養育費の速やかな取決めの障害となる例があると指摘がなされているところでございます。
 昨年十二月、御党の不払い養育費問題対策プロジェクトチームからも、先ほど来の御質問ございましたが、裁判所主導の情報取得制度の導入等による審理の迅速化、また義務者が自営業等の場合の実質的収入の認定手続の検討についての御提言をいただいたところでございます。
 法制審議会家族法制部会におきまして、こうした問題については極めて重要な検討課題ということでございます。あくまで利用者目線に立つこと、そして現場のニーズにしっかりと耳を傾けながら充実した議論が行われるということを期待をしているところでございます。

#52
○伊藤孝江君 よろしくお願いいたします。
 この養育費に関連して以前に一回だけお伺いをしたことがあるんですけれども、できたときにですね、法務省が作成された養育費に関する動画、初めて作りましたという動画ですけれども、見せていただきました。
 やっぱり文章で長々、特に法律に関係することを書いているものを読むよりはかなり分かりやすくできていたのかなというふうに思っておりますし、今いらっしゃらないですけど、小野田政務官が最後にメッセージを出されているものも私的にはすごく感動しながら見せていただいたところではあります。
 ただ、その中で、この新しい試み、本当に良かったと思っている中で、ちょっと二、三点、意見をちょっと言わせていただければというふうに思っているんですが。
 いろんな説明が一連のビデオの中でずっと時系列によって説明をされてくるので、私がここを見たいなというときにどこのテーマを見ればいいのかというのが、ずっと見ている中で出てきますという感じになっているので、問題点とかこういう質問とかというごとに、短い、一個二分とか三分とかのビデオになっているとより早く行きやすいかなと、たどり着きやすいかなというのを感じたというのと、内容的には、あの中で、三か月養育費が払われていなくて、奥さんの、お母さんの側から三か月払っていないけどどうなっているのという電話をして、支払義務者の御主人の方が、いや、会社辞めたんだ、独立したんだ、給料がないんだよという話をされて、じゃ差押えとなっているんですけど、ちょっとあれ、残念だなというのか、会社辞めて給料がないという状況なのであれば差押えというふうにすぐ行くのもなかなか実際にどうなのかなというところもありますし。
 できたら、受け取る側からの視点だけじゃなくて、支払う側からの観点も一つ入れていただいて、今月お給料が減りましたとか、なくなりました、支払えないというときに、例えば、通常五万払っているなら今月は一万しか無理なんだという連絡をまず入れることであるとか、話し合ってみるとか、そういうような視点も是非入れていっていただきたいなと。お給料がないような場合に、実際差し押さえようと思っても差し押さえるものすらないということも多いという現実もあります。
 どうやって親として長い期間、これから関係を離婚した後も続けていくことができるのかというところでは、養育費を単に回収するという観点じゃなくて、協議をしながらしっかりと払ってもらう形をつくっていくということにも焦点を置いたビデオにしていただきたかったかなというのが一つ思っているところでもあります。
 というのが私の感想なんですけれども、大臣、この動画に関してのもし感想とかありましたら、また反響ありましたら是非御紹介いただければと思うんですが、いかがでしょうか。

#53
○国務大臣(上川陽子君) この動画でございますが、養育費バーチャルガイダンス二〇二一ということで、先月の十二日に法務省のウエブサイトで公開したものでございます。養育費の受取を諦めている方、またちゅうちょしている方に是非御覧をいただきたいということで、まだPRが十分ではないというふうに思っておりますので、更に広げてまいりたいというふうに思っております。
 今、積極的な、こういう視点ということでいろいろ御指摘がございましたけれども、やはり利用される方のニーズ、声にしっかりと応えるということがこのバーチャルガイダンスの目的でありますので、ちょっときめ細かなチェックをしながら、次のときにはまたそうした視点も入れて作っていきたいというふうに思います。
 今、これをまず公開、公表したところでございますので、たくさんの方に御覧をいただくということに積極的に努めてまいりたいというふうに考えております。

#54
○伊藤孝江君 済みません、最後の質問させていただきます。
 ちょっと観点は変わりますけれども、この養育費のお支払をしっかりとしていただくということも踏まえてということかと思うんですが、先般、大臣の方から離婚届の書式を変更するというような形での発表がなされました。是非この概要とその目指すべきところを、大臣、お答えいただけますでしょうか。

#55
○国務大臣(上川陽子君) 今回は、今般、離婚を考えている方が、これらの事項に関する法的知識、また相談機関等の情報を入手しやすくするという観点、それを通じて必要な取決めの更なる促進を図りたいと、こういう観点から、民事局長通達で定めます離婚届の標準様式、これを変更することといたしたところでございます。
 具体的には、養育費の公正証書による取決めの有無の欄の追加、また財産分与等に関する情報提供の追加、また法テラスへのアクセスに関する情報提供の追加などを行ったものでございます。
 また、離婚届に設けました養育費と面会交流に関するチェック欄の趣旨等を説明する動画、これを新たに作成してインターネット上での公開をしているところでありますが、離婚届のチェック欄の横にQRコードを設けておりまして、そこからアクセスして視聴ができるように工夫をしているところでございます。
 今回の様式変更につきましては、必要な広報活動、周知徹底につきまして努めてまいりたいというふうに考えております。

#56
○伊藤孝江君 以上で終わります。ありがとうございました。

#57
○清水貴之君 日本維新の会の清水です。よろしくお願いをいたします。
 新型コロナウイルスの水際対策について伺います。
 前回同内容で、私、三月十六日のこの委員会、大臣所信に対する質疑の際に、同じような、同じ内容の質問をさせていただいております。
 そのときの答弁としましては、三月五日に政府対策本部で決定した水際対策、これについてお答えいただいたかと思います。例えば、入国者に対してアプリを導入して、その入国者のその後の行動を管理していくですとか、変異株の流行国からの入国者に対しては宿泊施設でしばらく待機をしていただくような、こういった説明をいただいていたかと思います。
 この話がもう一か月半以上前なんですね。そのときからまた大分状況が変わっている。まあ正直に言って悪化しているというこの状況の中で、対策に何か変化があったりとか変えてきたものとか、そういったことがあるのかどうか、お聞かせいただけたらと思います。

#58
○政府参考人(松本裕君) まず、水際対策の点からお答え申し上げます。
 政府といたしましては、委員御指摘の変異株の警戒が世界的に高まっていることなどを踏まえまして、三月十八日に開催されました新型コロナウイルス感染症対策本部におきまして、一時的に停止しております全世界からの新規入国を認める枠組み、ビジネストラック及びレジデンストラックにつきまして、当分の間、一時停止を継続することといたしました。
 現在は、公益性のある者、人道上の配慮の必要性のある者、再入国者等、特段の事情のある者のみ、出国前七十二時間以内の検査証明の提出を求めるとともに入国時の検査を実施するなど、防疫強化措置に従うことを条件として、厳格な運用の下、入国を認めているところでございます。

#59
○清水貴之君 今説明あったとおり、ビジネストラックを停止するなどありまして、去年の十一月、十二月、そして今年の一月などは大体月に五万人、六万人ぐらいの外国人の方が入国されていたんですが、先月でしたらもう二万人ぐらいには減ってきているということではあります。が、ただ、やはり毎月それぐらい、万単位の方が、外国の方が入国されているということですから、その対策というのをしっかり取っていかなければいけないんだというふうに思います。
 また、変異株に対する対策なんですけれども、前回の質問時は、大体一日当たり千五百人程度の入国者に対し、変異株が確認されている国や地域からの入国者が大体千人ほどであるという話がありました。そういった方に対して検査をしているということなんですが、今現在どういった、どれぐらいの検査をしているのかという話と、前回のその質問をさせていただいたときには、三泊四日で宿泊をして検査をしっかりしていく中で、やっぱり空港近くのホテルの確保、宿泊施設の確保が非常になかなか厳しいんだという話、これは決算委員会では田村大臣からも同様の答弁がありました。その後の状況などは改善されているんでしょうか。

#60
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。
 現在、変異株が流行している国・地域といたしまして、英国、南アフリカ共和国等の二十九の国・地域を指定しているところでございます。これら英国、南アフリカ共和国を変異株流行国として検疫強化を開始した十二月二十六日から四月三日までの間に入国した変異株流行国・地域に滞在歴のある方の空港検疫における検査数は約一万三千六百件でございます。
 現在、変異株が流行している国・地域からの入国者に対する検疫強化措置といたしましては、議員御指摘のとおり、出国前と入国時の二回の検査、さらに、検疫所が確保した宿泊施設での待機を求め、入国後三日目に追加の検査を実施しております。このために必要な宿泊施設につきましては順次確保を進めているところでございまして、三月末までに全国で約二千八百室を確保しており、現在更なる確保に努めているところでございます。
 現状、直ちに施設のキャパシティーが逼迫している状況ではございませんが、変異株流行国の増加も見込まれる中、今後も状況を踏まえまして必要な宿泊施設を確保してまいりたいと考えております。

#61
○清水貴之君 宿泊施設は現時点では足りているということなんですか。今おっしゃったとおり三月末時点で二千八百室で、大体一日、三月の段階では千人ぐらいの方が来られていたわけですね。と考えると、果たして回っていくのかなと、ちょっと足りないんじゃないかなというふうにも感じるんですけれども、足りている状況ではあるんですか。

#62
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。
 一日千人、まあ最大ということでお話しさせていただいたというふうに思っておりますが、現在この受入れキャパシティーが二千八百室ということでございますが、これ、いわゆる三泊四日、さらにホテルの、施設の整備等が一日掛かりますので四泊五日分として計算しますと、一日最大五百六十人程度でございます。足下では、一日当たり新規入所者、この変異株流行国等から入国される方が対象になりますが、約二百から四百で推移をしておるところでございます。直近五日間、四月二十日から四月二十四日の平均で約三百人でございます。
 ということでございまして、直ちに逼迫している状況ではございませんが、今後まだ変異株流行国の増加も見込まれておりますので、引き続き必要な宿泊施設の確保に取り組んでまいりたいと考えています。

#63
○清水貴之君 実際、その何重にもわたる検査を空港で、若しくは宿泊施設でされている中で、実際にその検査で陽性と確認された方というのも当然いらっしゃるのではないかと思うんですが、どれぐらいの数いるのかというのと、その検査を受けて陰性確認が取れて入国のオーケーが出て入られたけれども、その後陽性が確認された方も、これももしかしたらいらっしゃるのではないかというふうに思うんですけれども、この辺りの数字というのはどうなっているんでしょうか。

#64
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。
 変異株流行国・地域に滞在歴のある方に対する空港検疫の検査の結果、陽性が確認されたのは百三件でございます。
 また、三回の検査結果が陰性だった方で、その後、自宅等待機をなされた方で、自宅等待機で陽性が確認されたというのは、私ども、HER―SYSという情報ネットワークなどを活用しながら確認しているところですと二名いらっしゃるということでございます。ただ、これ随分前のデータ、つまり入国されたのが随分前の方というふうに聞いておるところでございます。

#65
○清水貴之君 確認されて、百三件の方はその後、入院するなりなんなり対策を取って、恐らく回復されてから入国されるか、まあ帰国されるかは分かりませんが、そういった対応されたんじゃないかと思います。
 で、気になるのは、やはり残りの二名の方ですよね。検査は通ったけれども、入った後に確認された。今お話あったとおり、大分前の検査だということなんですが、とはいえ、そういった方が発生しているというのは、どうなんでしょうか、その検査にやっぱり何か問題があって擦り抜けてしまったのか、それとも入国した後で、その時点では陰性だったけれども、その後の活動の中でかかってしまうということも考えられるわけですから、この辺りというのは非常に重要になってくるのではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

#66
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。
 この新型コロナウイルス感染症の特徴といたしましては、潜伏期が一日から十四日間ということ、また、ウイルス量が少なくて発症が、症状がですね、症状を呈さない場合や、あるいは各種の検査に引っかからないようなことがありまして、どうしてもいわゆる水際措置だけではこの感染症を防御することができません。
 そういうこともありまして、私どもといたしましては、検査結果が陰性であったとしても、入国後十四日間の自宅等待機、さらには公共交通機関の不使用などのお願いをしているところでございます。

#67
○清水貴之君 そうなると、その後の、入国後の追跡調査というのが大事になってくるんだというふうに思います。
 その調査としては、スマートフォンアプリを活用した位置情報の確認、これ原則毎日と。ビデオ通話による状況の確認、原則毎日と。この中で、三日間以上連絡が取れない場合などは民間の警備会社などによる見回りを行っていくということ、これは田村厚労大臣もかなり強く、こういったことをやっていきますというのを話されていたのを記憶をしているんですが。
 ただ、私が、入国した方、最近ではないですよ、少し前ですけれども、入国された方の話を聞いていると、実際はメールが、LINEなどでメールが届いて、ピピッと何かちょっと返信したら、本当に三十秒ぐらいで終わるような返信したらもうそれだけで、あとは別に何か細かく聞かれるわけでもないし、これで本当に大丈夫なのかなというようなことを、入国した方からもそういう話を聞いていますので、やっぱりこの追跡調査というのをしっかり行っていくのが大事だと思います。
 今抑えられているほかの外国、ほかの国の話なんかも調べますと、やっぱりこの辺りしっかり、結構厳しくやっているんですよね、その十四日間の待機の間の、本当に全く外に出れないような状況にするとか。それまで強い措置をして抑え込んでいる国が多い中で、やはりここの部分をしっかり活用していくというのが大事ではないかと思うんですけれども、現状どうなっているのかというのと、警備会社を使われるというのを強くおっしゃられていましたので、どれぐらい今その出動した回数があるのかというのを教えていただけますでしょうか。

#68
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
 海外からの入国者に関する防疫措置につきましては、現在、御指摘のとおり、健康フォローアップ、これはメールや電話で行っておりますけれども、このほか、位置情報の確認、ビデオ通話による状況確認、そして三日以上連絡が取れない方の見守りを順次行うこととなっております。
 現在、健康フォローアップは入国者健康確認センターにおいて行っておりまして、入国後十四日間の待機者のうち、メール等により健康状態の確認に回答せず、かつ位置情報アプリによる呼びかけに応じない方、こういった方がいらっしゃいます。また、自宅等から一定距離以上離れていることが確認された方に対してはビデオ通話による状況確認を重点的に行っておりまして、直近では一日当たり約百名の対象者に対して確認を実施しております。
 なお、今御指摘の民間警備会社による見回りについては、まずは一部の地域から開始していくことを目指しまして、業者との調整を今鋭意進めているところでございます。
 引き続き、この十四日間の健康確認については、民間警備会社による見回りの早期実施も含めて鋭意調整を進めてまいりたいと考えております。

#69
○清水貴之君 民間警備会社の話、田村大臣に対して、私、決算委員会で質問させていただいたの三月中旬だと思うんですけど、もう一か月以上たっているんですけど、まだ動いていないということなんですか。それ、ちょっと遅くないですかね。いかがですか。

#70
○政府参考人(佐原康之君) 現在、四月中の開始を目指して調整を進めているという状況でございます。

#71
○清水貴之君 最後に、あとは人数についても伺わせてください。最初に、冒頭申したとおり、今はレジデンストラック、ビジネストラックが停止されているので大分減ってはきているんです。それでもやっぱり二万人ぐらいの方が入国されていると。で、去年の四月、五月、六月、この厳しい緊急事態宣言を取っていた、第一回目の措置をとっていた時期というのは大体四、五千人だったんですね、入国者が。
 ですので、どうでしょう、それぐらいまでぐっとやっぱり絞っていく必要というのはないんでしょうか。それともやはり、特段の事情を運用したりして今は入国されている方いらっしゃいますが、やっぱりこの辺というのは、ある程度は入国される方というのもいるという中でこういった対策を進めていかなければいけないんでしょうか。いかがでしょうか。

#72
○政府参考人(松本裕君) 委員御指摘のとおり、昨年の四月と今年の三月を比較した場合に、入国者数というのは増えております。
 その前提として、特段の事情がない限り上陸の拒否を講じているという状況でございますが、この特段の事情により入国を認めております事例といたしましては、日本人や永住者の配偶者等の身分関係のある者とか、例えばワクチン開発の技術者、あるいはオリパラの準備運営上必要な、必要不可欠な者等の公益性のある者、あるいは再入国者等を特段の事情がある者と認めているところでございます。
 他方、昨年の四月末の時点におきましては、永住者の配偶者とか公益性のある者につきましても原則入国を認める対象としていなかったという事情がございまして、そのようなことからくる数字の違いでございます。
 ただ、現状におきましては、先ほど厚労省からも御説明がございましたように、検疫上の措置等というのが当時と比べまして充実しておりますので、その辺をかみ合わせて適切な対応を取っていきたいと思っているところでございます。

#73
○清水貴之君 終わります。ありがとうございました。

#74
○川合孝典君 国民民主党・新緑風会の川合孝典です。
 今日も名古屋入管の被収容者の死亡事案について確認をさせていただきたいと思いますが、先週、衆議院の法務委員会においてやり取りがなされている中で、新たに診断情報提供書というものの存在が指摘をされました。質疑聞いていて非常に違和感持ったのは、この新たな診断情報提供書の存在について中間報告書に記載しなかったことの理由として、松本次長は、亡くなられた方の名誉、プライバシーに影響を及ぼすのではないのかと配慮した結果だとおっしゃったんですが、質問に対して答えているように聞こえなかったわけであります。
 改めて確認しますが、外部医師が仮放免の必要性を指摘していたことについて中間報告書に記載をしなかった理由を御説明ください。

#75
○政府参考人(松本裕君) お答えいたします。
 まず、前提といたしまして、中間報告までの調査の状況といたしまして、三月四日に診療を行いました外部病院の精神科医師に対しまして当庁における調査の一環として聴取等をお願いしたい旨を病院側に要請したんですが、応じていただくことができず、その現状は現在も同じでございます。そのため、まず、中間報告の内容は、当該医師から当庁が直接確認できた内容を踏まえたものではございません。
 その上で、委員から御指摘のございました当該医師作成の診療情報提供書の記載につきまして申し上げますと、その情報提供書におきまして、その医師のお考えといたしまして、どのように考えたものか難しいです、確定はできないですがという前置きなどを前提といたしまして、病気になることで仮放免してもらいたいという動機についての指摘や身体化障害の疑いとの点のほか、詐病の疑いとの可能性の指摘もその背景事情となる内容とともに記載されておりまして、これらの内容は委員御質問で御指摘の記載部分と一連一体のものでございまして、これをそのまま中間報告に引用して公表することは御本人の名誉やプライバシーに関わることになるのではないかと考えたところでございます。
 さらに、御指摘の記載は、仮放免、記載上は仮釈放となっておりますが、仮放免の必要性を断定的に指摘された内容ではなく、仮放免を望んで心身の不調を呈しているのならという前提で、かつ、どうしたものであろうかとの問いかけを行う内容であったこととか、二週間後の再診の指示等がなされていたことなども御指摘の中間報告の記載内容の判断に影響したものでございます。
 もっとも、御指摘の点につきましては、国会の質疑等におきましても厳しい御指摘を受けるなどしておりまして、この部分をそのまま記載すべきであったという御指摘については真摯に受け止めているところでございます。

#76
○川合孝典君 気になる発言があったんですが、医師から、医師に対しての聴取、応じていただくことができずとおっしゃいましたけど、なぜですか。

#77
○政府参考人(松本裕君) 当庁が行っております調査は行政機関としての調査でございまして、刑事手続における捜査であればともかく、当庁の行政機関としての調査には応じることができないという内容だったと認識しております。

#78
○川合孝典君 その調査に応じていただくためにはどういう手続が必要なのか教えてください。

#79
○政府参考人(松本裕君) 最終的には、その病院あるいはお医者さんの了解を得るということが必要となります、任意での調査ということでございますので。

#80
○川合孝典君 つまりは、任意でない調査に切り替えないと要請には応じていただくことがないということですね。ということは、その問題をクリアしないと事実関係が明らかにならないということですが、この点について、上川法務大臣、通告をいたしておりませんけれども、この点についてどのように御認識され、今後御指示される必要性についてどのように捉えていらっしゃるのかをお答えください。

#81
○国務大臣(上川陽子君) 今、私の立場は、調査チームを編成をして、そして、その調査チームにおきましての客観公正性ということがございましたので、第三者の目線をしっかりと入れるようにということで、トータルのチーム編成の中で、しかも、体調が非常に悪い状況の中で、刻々と変わる中で、施設におきましては、診療所、所内にも診療所がありますし、臨時で来られて、臨時というか、何というんですか、常勤という形ではないにしてもお医者様が診るという状況、そして、その方の御指示で外部の病院等におきましてもきちっと行くということ、いろんな制度がございますので、そういったルールに基づいてしっかりとやったかどうかという事実の状況をしっかりと把握した上で、そして真相の状況を解明していくということが必要ではないかと、こういう指示をいたしております。
 私自身、指示をした者として、今、出入国在留管理庁の方が専門チームをつくって動いている状況でございますので、こうした国会の場におきましても、先生方から様々な御意見、御指摘もいただいております。そのことについてはしっかりとフォローしていきながら調査も加えていくということでありますので、最終報告に向けて、さらに、中間報告もなるべく早い時点で出した方がいいのではないかと私自身思っておりましたので、調査は迅速にしていただきたいと、このことについては指示もしてまいりました。
 ゆえに、この間様々な御指摘がある中、それをまたフォローしていく、あるいはその原因分析をして、そして検証しながら、改善策までしっかりと外部の方の御意見も求めながらやっていくという、こうした方針で動いておりますので、私自身、一つずつの事案、状況のことにつきまして、私自身が調査チームのトップとして今動くということ自体も私自身控えさせていただいている状況であります。
 むしろ、チームをしっかり編成した上で対応していくことが客観、中立であるということのあかしではないかと、こんなふうに思っておりまして、様々な御意見につきましては、これは真摯に受け止めると、この姿勢は変わりはございません。そのような方針で今臨んでいる状況でございます。

#82
○川合孝典君 突然の質問に対してありがとうございました。
 もう一点、ちょっとこれ、これも違和感を感じていることではあるんですけれども、このいわゆる診療情報提供書というものは、これどこから出てきたものなんですか。

#83
○政府参考人(松本裕君) 委員御指摘の金曜日の衆議院の法務委員会で取り上げられた、報道で示されたものがどこからのものなのかというのは、我々は承知しておりません。
 ただ、当該外部病院の先生が、この診療情報提供書といいますのは、その診察をされた結果を入管の施設内の非常勤のお医者さんに伝えるためのものでございまして、その原本は名古屋入管局において受け取り、調査チームにおいて把握をしているというものでございます。

#84
○川合孝典君 では、そちらの方から何らかの情報が外部に向かって開示されたということの理解でよろしいんですか。

#85
○政府参考人(松本裕君) 当庁といたしまして、外部の方に現時点でそれらの記録を開示したということはございません。
 そういう意味合いにおきましては、これはマスコミに取り上げられたものという意味合いではなくて、この診療情報提供書及び亡くなられた方に関する医療関係の記録、これは、この外部病院におきましての記録につきましては、亡くなられた方の御遺族等の要請を受けまして病院から大使館の方に提供されたというふうには認識しているところでございます。

#86
○川合孝典君 いずれにしても、外に向かって情報が提供された形跡はあるということですね。なるほど、分かりました。
 いろいろと御説明いただいて、当初の違和感は多少ちょっと謎が解けた部分もある一方で、診療情報提供書に記載されている内容というのがその後の調査の結果に対して極めて大きな影響を及ぼすと。現状、まだその内容が検証できていないとしても、少なくともこの報告書があるということの存在自体は記載すべきでしたよね。そのことが後でほかのところから回ってくることで、結果的に入管が不必要に情報を隠蔽したと捉えられかねないような状況を生じさせたということはこれ事実であります。このことは強く指摘させていただきたいと思いますし、出していただきたいと言った情報に対して、別のところに出せる情報があるにもかかわらず、国会からの報告の要請に対して一部とはいえ情報が隠されている、マスキングされているということは非常に不愉快です。そのことは指摘させていただきたいと思います。
 その上で、もう一点確認なんですが、私、一連の中間報告書を拝見させていただいていて気になったのが薬剤の処方の関係のことなんです。
 ちょっと確認させていただきたいんですけど、入管の中でこのスリランカ人の女性の方の様々な治療行為を行うに当たって、血液検査等をやっていらっしゃったのか、既往症があったのか、これ確認させてください。

#87
○政府参考人(松本裕君) お答え申し上げます。
 まず、血液検査でございますが、本年一月二十二日から二十六日にかけて血液検査を実施しております。血液検査の結果は、軽度の多血及びC反応性たんぱくの異常値が認められたため、経過観察し、二か月後に血液の再検査をするよう指示がなされたものでございます。なお、亡くなられた後の司法解剖における血液検査につきましては、当庁としては把握しておりません。
 なお、既往症につきましては、令和二年八月二十日の収容開始の際に作成された健康状態に関する質問書において、体調不良の箇所はないと回答し、既往症についてもないと回答しておられるという状況でございます。

#88
○川合孝典君 つまりは、体調がおかしくなられる前の時点での血液検査結果と、それからあとは本人からの問診だけという理解でよろしいですね。

#89
○政府参考人(松本裕君) 一月二十二日といいます検査をした時期というのは体調が悪くなった頃でございますので、それ以降の血液検査結果というのは、当庁としては把握していない状況でございます。

#90
○川合孝典君 私が実はちょっと気になりましたのは、中間報告の中に様々な薬剤の処方の履歴が記載されておりましたが、その中で、要は抗精神薬を、亡くなられる二日、三日前からか、処方を始めていらっしゃいます。
 ちなみに、この薬なんですけれども、劇薬指定されている薬でありまして、その処方に当たって警告ということで、本剤投与中は血糖値の測定等の観察を十分に行うことということが記載されている。それで、糖尿病性昏睡等重大な副作用が発現し、死亡に至る場合があるということが実は指摘されている薬ということであります。同時に、いわゆる突然死についても、本剤による治療中、原因不明の突然死が報告されているという、これが実は能書に書かれている内容ということでありまして、したがって、この薬自体を処方するに当たって細心の注意を払って処方しないといけないということがあるにもかかわらず、それが結果的になされていなかった可能性も当然類推されるわけでありまして、その辺りのところについて、これドクターの方から入管の職員の方は説明受けた上で処方されていたのかというのは確認されていますか。

#91
○政府参考人(松本裕君) 御指摘の処方につきましては、外部の病院で指示を受けて、調剤薬局で入手をして、夜寝る前に投薬するようにというその医師の御指示に基づいて、亡くなられるまでの二日間、前々日の夜と前日の夜に投与したというふうに把握をしておりますが、今委員御指摘のような、この抗精神薬の効用等について職員が把握していたのかという点については、現時点においては把握していなかったんではないかという状況でございます。

#92
○川合孝典君 恐らくそうなんだろうと思います。
 よくよく読んでみますと、いわゆる倦怠感、脱力感、意識障害等のそういう症状が出る、これ、高血糖か低血糖かの場合に当然出るということなわけでありますが、そうした状況が起こったときには速やかに投薬を中断した上で医師の診断を受けることということになっています、これ。処方量についても、二十五ミリからが最小ドーズで、百ミリから実はこれ処方が始まっていて、医師の処方が間違っているとは申し上げませんけれども、ただ、慎重に病状を管理をしなければいけない薬剤であったにもかかわらず、そのことが十分なされていなかったということは十分指摘できるわけでありまして、この点については今後調べていただきたいと思いますし、そういうことも背景にあるので医師のきちっと聴取というものも行っていただきたいということを申し上げさせていただきまして、時間が参りました。終わります。
 ありがとうございます。

#93
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 今日は、法務局の乙号事務に関して質問をいたします。不動産や法人の証明書発行、登記簿や地図の閲覧などを行う業務のことです。
 登記の申請手続は甲号事務と呼ばれます。これに対して、証明書の関係は乙号事務とされています。利害関係者しか閲覧できない書類があったり、証明書の内容について説明を利用者から求められたり、あるいは、そもそも証明書を正しく発行するということ自体についても知識と経験を要する業務です。
 二〇〇六年に公共サービス改革法、いわゆる市場化テスト法の対象となり、民間に開放され、四年ごとに競争入札が行われています。二〇二〇年十月からの四年分について、昨年二月から入札が行われました。資料を御覧ください。
 全国五十局あり、手続としては五十二の入札でした。ところが、そのうち二十三で不調となり、二度目、三度目でも決まらず、新潟と鳥取では随意契約で従来の会社が受託を継続すると、こういう例もありました。これほど不調が多いのは初めてのことです。
 大臣に伺いますが、なぜこんな事態を招いたと認識していますか。

#94
○国務大臣(上川陽子君) 今委員の方から御説明をいただきましたが、この乙号事務につきましては、法務局におきまして登記簿等の公開に関する事務でございまして、平成十九年度に民間競争入札の対象となってから対象登記所を順次拡大をいたしまして、二十年度入札以降は、一部の小規模登記所を除く全国の登記所におきまして包括的民間委託に係る入札を一斉に実施しているところでございます。
 令和元年度の一般競争入札、全国五十局、うち二十七局落札、二十三局不調と。不調二十三局のうち、再度の公示、入札につきましては、今御指摘いただいたとおり再度公告入札を行ったところでありますが、二局については落札されておりません。この二局につきましては、従前の委託契約期間を令和三年三月末まで延長するとともに、改めて入札を行った結果、いずれも落札されたと、こういう経緯でございます。
 多数の局におきまして複数回にわたりまして入札が不調となったということ、乙号事務の円滑な委託業務の開始に影響を与えかねないものでございまして、重く受け止めている状況でございます。
 次回事業は令和六年十月からの実施ということでございますが、この入札におきましては、今回の入札結果の要因等をしっかりと検討しつつ適切に対応してまいる所存でございます。

#95
○山添拓君 なぜかということには明確にお答えいただけなかったんですが、まあ予定価格が安過ぎて落札しなかったからと、こういうことですよね。

#96
○国務大臣(上川陽子君) いろいろな要因があろうかと思います。五十局全体の中でどうだったのか、しっかりと検証していかなければいけない大変重要なことだと思っております。要因等の分析についてはしっかりしてまいりたいと思います。

#97
○山添拓君 五十二のうち、前回の落札価格と比べると五十局で増額になりました。で、全体では二十八億円余り増額になったんですね。四年間の落札、入札ですので年間七億円の増額ということになるわけです。乙号事務というのは法務局の中で行われます。システムも設備も法務局が提供します。したがって、受託金額のほとんどは人件費に充てられるべきものです。
 ところが、資料二枚目を御覧ください。民事法務労働組合のハローワークの調査です。求人票によれば、例えば東京では時給千七十円、大阪九百六十四円、福井八百三十円、秋田七百九十二円などとなっていました。多くの法務局で最低賃金水準なんですね。要するに、最賃分の引上げすらままならないような予定価格だったと。だからこそ不調を招いたわけです。
 法務省は、こうした賃金実態については承知されているんでしょうか。

#98
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。
 乙号事務は、委員御指摘のとおり、国民の権利の基盤である登記簿等の公開制度を担う重要な業務であると認識しておりまして、公共サービスの質を確保することが必要でございます。このような観点から、入札実施要項におきましては、委託事務の実施に当たりまして、利用者の満足度、各種証明書等の適正な作製、引渡し及び各種証明書等の交付等に要した時間について要求水準を設定しております。
 他方で、入札実施要項におきましては最低賃金法を含む労働社会保険諸法令の遵守を入札手続における審査項目としておりますが、受託事業者が賃金額などの雇用条件をどのように設定するかといった具体的な事業の遂行については、労働社会保険諸法令を遵守している限りは受託事業者の判断に委ねられるべきものであると考えているところでございます。

#99
○山添拓君 いや、最低賃金を上回っていればいいんだというような答弁なんですが、実施要項の中には、落札者の決定について考慮すべき事項として積算の妥当性、その中身として、当該単価で適切な人材が確保されるか否か、賃金額が適正か否か、あるいは労働者が当該金額で了承しているか否かなどについても見るべきだというふうにあります。
 ですから、最賃水準になっているかどうか、これ把握されているわけですね。

#100
○委員長(山本香苗君) 小出民事局長。すぐお答えになられますか。

#101
○政府参考人(小出邦夫君) 繰り返しになりますけれども、労働社会保険諸法令を遵守している限りは受託事業者の判断に委ねられるべきものと考えており、それに基づいて実務を運用しているということでございます。

#102
○山添拓君 いや、お示ししましたような、こういう最賃水準の時給になっているということ、これ把握されていますかという質問です。

#103
○委員長(山本香苗君) すぐお答えできますでしょうか。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#104
○委員長(山本香苗君) 速記を起こしてください。

#105
○政府参考人(小出邦夫君) 労働社会保険諸法令を遵守しているかどうかということについて、それに重大な違反があるかどうかということについては把握しているということでございますので、最低賃金法違反であるかどうかについては把握しているということでございまして、そこの水準が具体的にどの程度なのか、最低賃金をどの程度上回るのかということについては具体的には把握していないということでございます。

#106
○山添拓君 把握していただきたいと思います。
 元々は、民事法務協会が受託し、正規職員だったんですね。しかし、市場化テストの経過で千四百人が職を失いました。
 労働組合が行った職場アンケートに五百人以上が実態を寄せています。非正規雇用が九七%、雇用期間は三か月と六か月で合計五二%、一年だという人は三五%でした。五十歳以上が七割を超え、勤続十年以上が四割近かったのですが、手取り賃金十五万円未満という方が七五%でした。知識や経験が豊かな方も含めて低賃金です。九割が将来不安を抱えているといいます。不当な雇い止めや団交拒否など、労使紛争も起きているといいます。
 大臣に伺いますが、登記事務の重要性に照らして、このような働き方というのは果たして妥当と言えるのでしょうか。

#107
○国務大臣(上川陽子君) 先ほど民事局長の方から答弁させていただいたところでございますが、入札の実施要項につきましては、最低賃金法を含めましてのこの労働社会保険諸法令の遵守、これを入札手続における審査項目としている状況でございます。
 受託事業者がその後、賃金額などの雇用条件をどのように設定するのかといった具体的な事業の遂行に関することでございますが、これは、労働社会保険諸法令を遵守している限り、受託事業者の判断、これに委ねられるべきものと考えております。

#108
○山添拓君 最賃を上回っていればそれでよいというような話に聞こえるわけですが、これ、ほとんどが女性の職場なんですね。これでは続けていけないという悲鳴も上がっています。これ、改めるべきだと思うんです。
 民間競争入札の根拠とされた市場化テスト法では、サービスの質の維持向上と経費の削減を求めています。この間、四年ごとに三回の入札が行われてきましたが、国が乙号事務を実施していたときの経費と比べると、二〇一二年度は四十二億円余りの削減、一六年度は四十億円余りの削減、二〇年度は三十八億円余りの削減ということで、削減はしているんですけど、その削減幅はだんだん減ってきているんですね。
 乙号事務の場合に、サービスの質を維持向上しようと思えば、職員を定着させ、知識や経験を蓄積し、能力を発揮していただくこと以外にはないと思うんです。しかし、経費の削減を進めようと思えば、人件費を削ることになります。今でも最賃水準の働き方ですが、これ、更に削っていくということになるんでしょうか、法務省。

#109
○政府参考人(小出邦夫君) 繰り返しで恐縮でございますが、労働社会保険諸法令を遵守している限り、どのような賃金を設定するかというのは受託事業者に委ねられているところでございます。

#110
○山添拓君 その委ねているだけでは立ち行かなくなるのではないかという指摘をしているんですね。
 総務省に伺います。
 市場化テスト法では、競争入札を継続するかどうか、四年ごとに監理委員会が評価を行っています。二〇一九年にも市場化テストを継続することが適当であるとの判断を行っていますが、乙号事務は一般入札を始めた二〇〇九年から既に十五年経過することになります。テストの期間というのはもう終わっていると思うんですね。監理委員会としてテストを終了させる、そういう判断することもできますね。

#111
○政府参考人(渡部良一君) お答えいたします。
 公共サービス改革法第三十三条の二によりまして、法務大臣は、不動産登記法等の特例として、登記所の特定業務を官民競争入札又は民間競争入札の対象とすることができるとされてございます。
 官民競争入札等監理委員会は、官民競争入札等の実施に当たりましては中立かつ公正な立場からそのプロセス全般に関与するものでございますが、特に法律の特例を講じて官民競争入札等の対象とし、民間事業者が実施することを可能としました特定公共サービスにつきましては、官民競争入札等を実施するかは法務省において判断いただくことになると思います。

#112
○山添拓君 いや、監理委員会が、継続することが適当という判断をしているんですね、評価としてしているわけです。だったら、継続することは適当でないと、こういう判断も監理委員会としてし得るんじゃありませんか。

#113
○政府参考人(渡部良一君) お答えいたします。
 お尋ねの前回の評価に際しましては、法務省から提出されました、平成二十七年度登記簿等の公開に関する事務(乙号事務)の民間競争入札に係る委託業務の実施状況についてという報告書に基づき判断してございます。
 同報告では、公共サービス改革法に基づく民間競争入札を実施することによりまして引き続き公共サービスの質の維持向上及び経費の削減を図ることとしたいとの意向が示されておりまして、官民競争入札等監理委員会におきましても市場化テストを継続することが適当であると評価をしております。

#114
○山添拓君 では、大臣に伺います。
 乙号事務は登記実務において欠かせない業務です。入札が不調になって先行きが定まらないということはあってはならないと思います。市場化テスト法の下で、これ以上経費の削減ありきと、そういう競争入札を続けていけば、賃金はせいぜい最賃水準です。非正規雇用で不安定で長く続けることのできない職場となって、知識や経験は継承されていかないだろうと思います。市場化テストの対象から外すという判断を法務省としては行うべきじゃありませんか。

#115
○国務大臣(上川陽子君) 今回の、多数の局におきまして複数回にわたりまして入札が不調になったということ、このことにつきましては、乙号事務の円滑な委託業務の開始に影響を与えかねないと、こういうことでございまして、今回、その次回のこともございますので、今回の入札結果の要因等の分析をしっかりとした上で適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
 この乙号事務につきましては、これまで公共サービス改革法に基づきまして包括的な民間委託、これを実施してきたところでございますが、何といっても公共サービスの質の確保が重要でありますし、また経費の削減を実現すること、これができているという状況でございますので、引き続き民間競争入札の対象としていくべきものと考えているところでございます。
 今、この原因、どういう要因であったのかということについてはこれからしっかりと検討をしてまいりたいというふうに思いますが、いずれにしても、受託事業者によりまして労働社会保険諸法令の遵守、これにつきましても大変重要なことでありますので、入札の機会等を通じて適切に確認をしてまいりたいというふうに考えております。

#116
○委員長(山本香苗君) 山添拓君、おまとめください。

#117
○山添拓君 時間ですので終わりますけれども。
 全国あまねく提供されるべき公共サービスだと思うんですね。登録手数料は全国同じなのに窓口業務の賃金は格差があってよいというのも変な話なんですよ。元々、これは政府が公務員の削減を進めていく中で行われたものです。政府による雇用破壊、これを続けるのはいいかげんやめるべきだということを指摘して、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

#118
○高良鉄美君 沖縄の風の高良鉄美です。
 まず、司法試験における新型コロナ感染症対策について伺います。
 昨年の司法試験は、新型コロナ感染症への不安が広がる中、安倍総理の国会答弁もあって延期の措置がとられました。今年の司法試験は五月十二日から十六日まで行われると聞いています。昨年の状況とは違って、若者にも重症化のリスクが高い変異株の影響が懸念されています。会場の一つである東京は試験前日の五月十一日まで緊急事態宣言下にあり、緊急事態宣言中に県をまたぐということや、試験が五日間にも及ぶことから長時間密になるということへの不安の声も寄せられています。
 受験生が安心して受験できることが最も重要ですが、全国の試験会場で感染防止対策がどのように取られているのか、法務省に伺いたいと思います。

#119
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
 令和三年司法試験の実施に当たりましては、新型コロナウイルス感染症の状況等も踏まえまして、司法試験の実施主体である司法試験委員会において、受験者間の距離が十分確保できる配席とすること、試験室等の換気、消毒を徹底すること、受験者にマスクの着用を義務付けること、全ての試験場にサーモグラフィーを設置するなどして受験者の体調確認を実施すること、それから、試験監督員等につきましてもマスク及びフェースシールドの着用を義務付け、検温等による体調管理や消毒を徹底することなどの感染防止対策を講じるものと承知をしております。

#120
○高良鉄美君 いろいろ対策を取るということでした。
 無症状の感染者が万一おられたというようなことになったとしても濃厚接触にならない程度の距離を十分保つと、特に前後の座席の間もしっかり取っていただきたいと思いますし、消毒の措置をとられるということであるということを伺いました。そのことを受験生にしっかりと広報していただいて、丁寧に不安の払拭に努めていただきたいと思います。
 次に、選択的夫婦別姓について伺います。
 アメリカ・ニューヨークで夫婦別姓のまま結婚した日本人の夫婦が婚姻関係のあることを戸籍等で公証される地位にあるということの確認等を求めた訴訟の判決で、東京地裁は四月二十一日、日本でも婚姻自体は有効に成立していると認定をいたしました。このような訴訟は選択的夫婦別姓制度を求める国民の声の表れであり、民法改正に向けた検討を行うことがますます重要になっていると思います。
 制度導入に向けてどのような対応をしていかれるのか、法務省に伺いたいと思います。

#121
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。
 選択的夫婦別氏制度の導入に関しましては、平成八年及び平成二十二年に法案の提出に向けて法制審議会の答申を踏まえた改正案を準備いたしましたが、この問題については国民の間に様々な意見があったほか、当時のそれぞれの政権与党内においても異論があったことなどから、改正法案の提出までには至らなかったものでございます。
 現在、各党において、夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方に関して様々な形で検討が進められているものと承知しております。法務省といたしましては、そのような各党での検討が充実したものとなるように、法制審議会での検討の経過や最近の議論状況等について積極的に情報提供するなどして、できる限りの協力をしているところでございます。
 今後も、各党での検討を含む国会における議論が充実したものとなるように、こうしたできる限りの協力を続けるとともに、引き続き広報、周知を徹底するなどの環境整備にも努めてまいりたいと考えております。

#122
○高良鉄美君 これまでの議論の集積ということもありますし、環境は随分、本当に今の御答弁のとおり変わってきたと思います。選択的夫婦別姓に賛成の世論も随分変わってきたと。それから、選択的夫婦別姓を求める請願、地方議会の意見書も次々出ていると。それから、夫婦別姓訴訟というのも、現在も係属中のこともあります。それから、民法改正を求める声というのはますます高まっていると思います。
 このような状況を受けて、選択的夫婦別姓制度導入に向けてどのような取組をされるのか、法務大臣の決意を伺いたいと思います。

#123
○国務大臣(上川陽子君) ただいま委員御指摘をいただきましたとおり、選択的夫婦別氏制度のこの導入を求める声ということにつきましては、国民の様々な意見ということでございますので、十分に耳を傾けるということが極めて重要であるというふうに考えております。
 また、令和二年十二月九日でありますが、夫婦別氏を認めず婚姻届を受理しないのは憲法に違反すると訴えた三件の家事審判の特別抗告審におきまして、最高裁の審理が大法廷に回付されたところでございます。今後改めて司法の判断が示されることが想定されるわけでございます。
 法務省といたしましては、ただいま民事局長からの答弁をさせていただきましたけれども、各党での検討を含む国会におきましての議論、これが充実したものになるようにしっかりと協力の取組を続けるとともに、夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方に関しましては、国民各層の意見もございます、また、国会における議論の動向、司法の判断、こうしたことをしっかりと注視しながら検討を進めてまいりたいと考えております。

#124
○高良鉄美君 かつて、上川大臣は賛成であると、夫婦別姓にですね、表明されています。国民の声を聞くということで、先ほども紹介しましたように随分環境も変わってきているということと、それから対応を、国会の議論を注視しているということでございました。法改正に向けてリーダーシップを発揮されるように、法務大臣として、今、法制審の答申のお話もありましたので、是非ともそういう形でしっかりとリーダーシップを発揮されるように期待をしております。
 次に、女性差別撤廃条約について伺います。
 国連女性差別撤廃委員会は、二〇一九年十月、第九回政府報告審査を簡易手続で行うということを日本政府に伝えていますが、事前に日本政府の意向を聞いて判断したと承知しています。簡易手続にするかどうかの判断はいつどこでされたのかということを外務省に伺いたいと思います。

#125
○政府参考人(大鶴哲也君) お答え申し上げます。
 お尋ねの簡易報告手続は、この締約国の履行状況につきまして、まず締約国から報告書を出して、これに委員会からの質問票に対する回答を提出するというのが従来の二段階方式のやり方であるわけですけれども、これを改めまして、委員会から締約国に送付する質問票に対する回答をもちまして報告とするというのを簡易報告手続というふうに呼んでおります。
 二〇一四年、国連総会決議に基づきまして、他の人権条約も含めまして、人権条約体の効率的な運営のために締約国にこれを奨励するという決議が出ております。
 こういった流れの中で、二〇一八年、女子差別撤廃委員会から全締約国に対しまして事前質問票が配られまして、その導入についてのお尋ねがございました。同年四月、この委員会からの導入希望についての照会に対しまして外務省の中で検討を行いまして、先ほど申し上げたような国連総会決議の存在、これを委員会も奨励しているということ、それから、実質面におきましても差別撤廃委員会等の関心事項がより明確になるという観点から、外務省の中におきまして検討し、導入を希望する旨、回答いたしました。
 通例でありますと、その後、具体的な導入プロセスについての協議が始まるわけですけれども、しばらく連絡がなかったために、二〇一九年十月になりまして当方から委員会側に確認を行いましたところ、既に導入を決定したという通知を受けたと、こういう経緯でございます。

#126
○高良鉄美君 今御説明があったとおり、この簡易報告の手続ですね、これは、それ自体はもう実質的に、悪いというわけじゃなくて、逆にいろんな中身も含めて、導入の経過ありました。簡易手続になってもこの内容自体は後退しないというふうに聞いております、今のとおりですね。むしろ、そういった際に穴を埋めるというんですかね、細かい点で疑問が出た場合には、やはり日本政府にも当然、外務省聞きますし、それから、やはりNGOにもその隙間を埋めるためにいろいろ聞いてくるんじゃないかということで、NGOの説明というのも重要になってくるんじゃないかなと思います。
 国連女性差別撤廃委員会は、二〇二〇年三月九日、日本政府に対して、事前質問事項という、リスト・オブ・イシューということを、これを送っています。それに対する日本政府の回答期限は二〇二一年三月、先月となっていましたが、現在も回答されていないと伺っています。回答していない理由と今後の見通しについて内閣府に伺います。

#127
○政府参考人(林伴子君) お尋ねの件につきましては、現在、外務省を始めとする関係省庁と連携して作業を進めているところでございます。
 今回の政府報告の策定に当たっては、昨年十二月に閣議決定された第五次男女共同参画基本計画の内容を回答に反映させる必要があることや、多数の質問が様々な省庁に関係しておりまして所要の調整が必要であることなどから時間を要しておりますけれども、なるべく速やかに作業を進めて提出をしたいというふうに考えております。

#128
○高良鉄美君 なるべく早くということで、やはりこういった回答を出すことによって更にまた国連からの対応というのがありますので、日本からのこの回答を待っている、あるいはそれを出されて初めて、いつ頃、また日程というのが決まってくると思います。
 男女共同参画局は、NGOとの対話をもう本当に他の省庁よりも率先して行っていると思います。国連女性差別撤廃委員会からのフォローアップ文書の取扱いについては、過日、私の質問で、府省間のやり取りというのにもちょっと不備があったということが分かりました。先ほども少しNGOの話をしましたけれども、これはもうNGOとの対話も少ないということが影響しているんじゃないかなと思います。
 国連はNGOとの対話を大変重要視していると思います。外務省、内閣府がNGOとの対話を積極的に行って、この女性差別の撤廃に向けて貢献されるよう求めて、質問時間前ですけれども、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

#129
○嘉田由紀子君 碧水会の嘉田由紀子でございます。少数会派にも十五分というお時間いただきまして、ありがとうございます。
 私は、引き続き、離婚に関わる子供の幸せづくり、どうしたらいいかということで質問させていただきます。
 本日も、真山議員、また伊藤議員が既に御質問くださっておりますけれども、まず最初に離婚届の書式変更について、本日、伊藤孝江議員が先ほど具体的に御指摘くださいました。
 今日、資料一として、その離婚届が変わった、変更されたものをコピーで出させていただいております。面会交流及び養育費に関するチェック欄に、養育費の分担について、取決め方法、括弧、公正証書、それ以外、を追加した経緯につきまして、質問をまずさせていただきます。

#130
○政府参考人(小出邦夫君) 民事局長通達で定めておりますこの離婚届の標準様式につきましては、平成二十三年の民法改正を受けまして、協議離婚時の面会交流や養育費の取決めを促進する観点から平成二十四年に様式を変更して、面会交流及び養育費のそれぞれについて取決めの有無を尋ねるチェック欄を設けたところでございます。
 養育費や面会交流等の子の監護について必要な事項につきましては、一般に子の利益を図る観点から父母の離婚時に必要な取決めがされることが望ましいと考えられます。
 そこで、今般、離婚を考えている方がこれらの事項に関する法的知識や相談機関等の情報を入手しやすくするとともに、それを通じて必要な取決めの更なる促進を図る観点から、民事局長通達で定める離婚届の標準様式を変更することとしたものでございます。
 委員御指摘の養育費の取決めに関する部分につきましては、現状では、取決めに当たり、口頭による方法、公正証書による方法あるいは公正証書以外の書面による方法等が用いられているわけでございますが、将来的に養育費の不払が発生した場合に強制執行することまで念頭に置くと、養育費の取決めについてはできる限り債務名義となる公正証書によってすることが望ましいと考えられます。
 そこで、離婚時の養育費に関する取決めを公正証書によってすることを検討していただくきっかけになるように、その情報を提供するとともに、その活用状況を把握する観点から取決め方法に関するチェック欄を新たに設けることとしたものでございます。

#131
○嘉田由紀子君 四月十六日に法務大臣が記者会見をしてくださいまして、かなりニュースも取り上げていただきましたので、広がりつつあると思います。そこには、先ほど来話題となっております動画など丁寧に御説明いただきまして、また、相談をするにはどうしたらいいのかということで、法テラスなどの記述もございます。かなり前進したと思います。
 常々申し上げておりますけれども、本当に、離婚の危機に入って初めて、養育費、あるいは面会交流、あるいは単独親権、共同親権、あるいはその親の義務ということに気付く人が多い、ふだんそういうことはほとんど考えないという中で、今回少しでも改善をしていただいて、大変有り難いことでございます。
 これと関連しまして、実はこれ、地方自治体の窓口がどう対応するかというのが大変重要でございます。市区町村千七百二十四、あるいは地方六団体、どうこの書式の変更あるいは離婚前後の情報提供ということを徹底しておられるでしょうか。お願いいたします。

#132
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。
 今回の離婚届の標準様式の変更につきましては、戸籍事務を取り扱う全国の市区町村に対して十分な周知を図り、その趣旨等を御理解いただくことが必要であると考えております。今回の変更に合わせて、四月十六日付けで全国の法務局、地方法務局宛てに通達を発出し、管内の市区町村長に周知するよう指示したところでございます。
 このほかにも、市区町村の戸籍事務担当者向けの戸籍専門誌に様式変更をお知らせする記事を掲載するなどして、戸籍事務を取り扱う市区町村への周知を図ってまいる所存でございます。
 また、今回変更した離婚届の標準様式を国民の皆様にも広く周知する観点から、法務省のホームページに掲載したほか、今後も法務省で提供している離婚を検討している方々に向けたウエブサイトでその趣旨を説明することなどを予定しております。
 今後とも、地方公共団体等への周知を含め、必要な対応について検討し、実施してまいりたいと考えております。

#133
○嘉田由紀子君 最近、プッシュ型情報提供と言うらしいんですけれども、情報提供する側が力を入れて、そして国民の皆さんが単なる受け身ではなくて理解していただけるような、そういう方向で是非お願いいたします。
 本日の二点目の質問は、四月八日に審議会の在り方についてお伺いいたしました。先ほど来からこの民法改正について、法制審議会あるいは法制審の家族法制部会の構成がどうなっているのかということでお伺いしました。
 そもそも、これ、ちょうど世紀替わりの頃です、平成十一年の四月二十七日に、審議会等の整理合理化に関する基本的計画ということで閣議決定された指針がございます。それについては、審議会というのはそもそも行政への民意の反映の観点から原則として民間有識者から選ぶものとすると。ここには、国会議員や国務大臣、国の行政機関職員、地方公共団体又は地方議会の代表等は、当該審議会等の不可欠の構成要素である場合を除き、つまり、当該審議会等の不可欠の構成要素であるのは例外として認めるという、そういう文脈です、それは認めると。なお、国の行政機関職員、地方公共団体又は地方議会の代表者である者を属人的な専門的知識及び経験に着目して委員等とするとあります。
 そこで、法制審議会、法制審議会の各部会、四月八日にリストを配らせていただきましたけれども、大きく三つのカテゴリーで委員会が構成されております。委員の方が二十四名、幹事が六名、それから事務局ですね。その委員の二十四名の中に四名の行政の言わば担当者がおられるわけです。これ、例えば小出民事局長さんが入っているの、個人的にどうこうではないんです。これ構造の問題ですし、組織の問題ですから。
 その行政の方が入っている、そこに対して、審議会の不可欠の構成要素である場合とはどのような場合を想定し、属人的な専門的知識及び経験とはどのようなことを意味するんでしょうか。ここもお願いいたします。

#134
○国務大臣(上川陽子君) ただいま委員から御指摘いただきましたこの審議会等の組織に関する指針におきましては、国の行政機関職員等は、当該審議会等の不可欠の構成要素である場合を除き委員等としないものとされているところでございます。ただし、国の行政機関職員等である者を属人的な専門的知識及び経験に着目して委員等とすることは排除しないものとするとされております。
 法制審議会及び部会は、民事法、刑事法その他法務に関する基本的な事項につきまして調査審議することを目的としているものでございます。このような調査審議を行うためには、そうした基本的法律の立案やとりわけ運用等に関する専門的知識や行政事務の経験を有する委員又は幹事が不可欠でございます。
 法務省職員等を委員又は幹事に任命しているのは、このような属人的な専門的知識及び経験に着目をしたものというふうに考えております。

#135
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 四月八日も同じ答弁をいただきました。民事法なり刑事法なり、基本的行政を扱う、特に立案プラス運用のところで経験が大切だということの答弁をいただきました。
 私自身、知事をやったりしながら、この審議会を言わば諮問をする大臣が、言わば指揮監督するその行政職員さんに、実は委員というのは議決権があります、二十四人のうちの四人の方。その場合に、議決を行うに際しては、議事について諮問を行った法務大臣の指揮監督から外れると考えてよろしいのか。議決には、議案の賛否の決定、大臣の下で働く行政職員ではなく個人としての裁量を有するのか。ここも法務大臣の御見解、お願いいたします。

#136
○国務大臣(上川陽子君) 先ほど申し上げたとおりでございますが、法務省職員は、基本的法律の立案やとりわけ運用等に関する属人的な専門的知識及び経験を有することから、法制審議会又は部会の委員に任命をされているところでございます。
 そのため、議決権行使につきましても、その専門的知識及び経験に基づいて行われるものでございます。法務大臣の指揮監督を受けるものではないというふうに承知をしております。

#137
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 大変明確に、法務大臣の指揮監督を受けるものではなく、言わば属人的な専門性で委員として判断していただくということですね。
 その場合に、私、これまで法制審なり審議会の議事録いろいろ見てきて、発言のときの発言者を公表するものとしないものがあるようでございますけれども、今回、この法制審議会家族法制部会というのは、大変、まあある部分の人たちかもしれませんが、大変生殺与奪の権を言わば支配するほどの重要な法案です。
 先ほど来、真山議員も質問していられましたけれども、本当に親子が分離される、もう家族破壊というようなところですので、ここの発言者名を議事録に公表していただきたいんですけれども、そこのところの方針はいかがでしょうか。

#138
○政府参考人(金子修君) お答えいたします。
 一般的に、国の行政機関に置かれた審議会につきましては、平成二十三年四月に決定されました行政文書の管理に関するガイドラインにおきまして、行政機関における意思決定に至る過程等を合理的に跡付け、又は検証することができるよう、発言者等を記載した議事の記録を作成するものとされています。
 法制審議会では、平成二十三年六月に開催された第百六十五回会議におきまして、このガイドラインの趣旨等を踏まえ、法制審議会及び部会の議事録には発言者名を記載し、さらに、原則として発言者名を明らかにした議事録をインターネット上に公開することを決定し、以後、現在までこれに従った運用をしております。この方針については今後も変わりがないものと認識しております。

#139
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 発言者名はもうインターネットまで公開すると、透明性を担保していただく大変大事なことだと思います。
 もう時間迫っておりますので、最後に、令和二年十二月に法務・検察行政刷新会議報告書がございまして、ここには、法務省における政策決定過程がかなり旧態依然だと、社会の変化に付いていってないというような批判に対して、激変する社会動向、世界動向への感度を大きく引き上げ、迅速かつ果断に制度、運用の変更を行えるダイナミックで若々しい組織に変貌を遂げられるよう政策決定過程のイノベーションを起こすべきであるという指針があります。
 法務省さん、この辺、どのようにお考えでしょうか。お時間迫っていますので、短くて結構です。お願いいたします。

#140
○国務大臣(上川陽子君) 法務・検察行政刷新会議におきましては、今委員が読み上げていただきましたとおり、非常にビビッドに取り組むようにという御示唆をいただき、様々な御意見も頂戴しております。
 法務行政の政策プロセスにつきましては、こうした様々な御意見、しっかりと受け止めさせていただく、特に社会情勢は刻々と変わっているということもございまして、鋭敏にそれを捉えていく、また未来志向でこれを政策に的確に反映させていくと、こうした使命もございます。
 EBPMという、エビデンス・ベースド・ポリシー・メークがございますし、またPDCAのサイクルをしっかりと回していく、こうしたことも極めて重要であるというふうに思っておりまして、こうした政策立案のプロセスの新しいこうした取組につきましても、この法務省の中の組織風土にしっかりと根付かせるように取り組んでまいりたいというふうに考えております。

#141
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。大変力強い法務大臣の御決意をいただきました。
 私、今、日本の中で一番の弱者は子供たちだと思います。声を上げられない子供たち、チルドレンファーストで、是非法務大臣に、その法務省の、また法務行政の改革、イノベーションに取り組んでいただけたらと期待を申し上げ、これで終わります。
 以上です。

#142
○委員長(山本香苗君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────

#143
○委員長(山本香苗君) 少年法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。上川法務大臣。

#144
○国務大臣(上川陽子君) 少年法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 近年の法律改正により、公職選挙法の定める選挙権年齢は満二十年以上から満十八年以上に改められ、また、民法の定める成年年齢も二十歳から十八歳に引き下げられることとなり、十八歳及び十九歳の者は、社会において、責任ある主体として積極的な役割を果たすことが期待される立場となりました。
 刑事司法における取扱いにおいては、十八歳及び十九歳の者は、成長途上にあり、可塑性を有する存在である一方で、このような社会情勢の変化を踏まえますと、これらの者については、少年法の適用において、その立場に応じた取扱いをすることが適当であると考えられます。
 そこで、この法律案は、少年法を改正して、十八歳以上の少年の特例等を定めるとともに、関係法律を改正することにより、所要の措置を講ずるものであります。
 この法律案の要点を申し上げます。
 第一は、十八歳以上の少年の保護事件について、家庭裁判所が原則として検察官に送致しなければならない事件に、死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪の事件であって、犯行時十八歳以上の少年に係るものを加えることとするものであります。
 第二は、十八歳以上の少年の保護事件について、虞犯をその対象から除外するとともに、家庭裁判所による保護処分は、犯情の軽重を考慮して相当な限度を超えない範囲においてしなければならないこととするものであります。
 第三は、十八歳以上の少年について、検察官送致の決定がされた後の刑事事件の特例に関する少年法の規定は、原則として適用しないこととするものであります。
 第四は、十八歳以上の少年のとき犯した罪により公訴を提起された場合には、略式手続による場合を除き、記事等の掲載の禁止に関する少年法の規定を適用しないこととするものであります。
 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の趣旨であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに可決くださいますようお願いいたします。

#145
○委員長(山本香苗君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ─────────────

#146
○委員長(山本香苗君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 少年法等の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#147
○委員長(山本香苗君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#148
○委員長(山本香苗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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