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2021/04/27 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 文教科学委員会 第10号 令和3年4月27日
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2021/04/27 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 文教科学委員会 第10号 令和3年4月27日

#1
令和三年四月二十七日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十五日
    辞任         補欠選任
     藤木 眞也君     世耕 弘成君
     石垣のりこ君     蓮   舫君
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     石川 大我君     福島みずほ君
     安江 伸夫君     西田 実仁君
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     福島みずほ君     石川 大我君
     西田 実仁君     安江 伸夫君
 四月二十一日
    辞任         補欠選任
     石川 大我君     福山 哲郎君
     安江 伸夫君     西田 実仁君
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     横沢 高徳君     杉尾 秀哉君
     西田 実仁君     安江 伸夫君
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     杉尾 秀哉君     横沢 高徳君
     福山 哲郎君     石川 大我君
 四月二十六日
    辞任         補欠選任
     世耕 弘成君     本田 顕子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         太田 房江君
    理 事
                赤池 誠章君
                上野 通子君
                吉川ゆうみ君
                斎藤 嘉隆君
    委 員
                有村 治子君
                石井 浩郎君
                高階恵美子君
                本田 顕子君
                水落 敏栄君
                石川 大我君
                横沢 高徳君
                蓮   舫君
               佐々木さやか君
                安江 伸夫君
                梅村みずほ君
                松沢 成文君
                伊藤 孝恵君
                吉良よし子君
                舩後 靖彦君
   国務大臣
       文部科学大臣   萩生田光一君
   副大臣
       文部科学副大臣  丹羽 秀樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        戸田 浩史君
   政府参考人
       文部科学省大臣
       官房サイバーセ
       キュリティ・政
       策立案総括審議
       官        行松 泰弘君
       文部科学省大臣
       官房学習基盤審
       議官       塩見みづ枝君
       文部科学省総合
       教育政策局長   義本 博司君
       文部科学省初等
       中等教育局長   瀧本  寛君
       文部科学省初等
       中等教育局教育
       課程総括官    串田 俊巳君
       文部科学省高等
       教育局長     伯井 美徳君
       文部科学省研究
       振興局長     杉野  剛君
       文部科学省研究
       開発局長     生川 浩史君
       文化庁次長    矢野 和彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関
 する調査
 (原子力分野における人材育成の現状及び課題
 に関する件)
 (地方自治体における学校一斉休業の決定権限
 の所在に関する件)
 (高等学校等における通級指導に関する件)
 (教科書調査官の選考過程の在り方に関する件
 )
 (ヤングケアラーへの支援方策に関する件)
 (高等学校の入試におけるジェンダー平等に関
 する件)
 (学校における医療的ケアのための看護師配置
 拡充に関する件)
○国立大学法人法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────

#2
○委員長(太田房江君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、石垣のりこさん及び藤木眞也さんが委員を辞任され、その補欠として蓮舫さん及び本田顕子さんが選任をされました。
    ─────────────

#3
○委員長(太田房江君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文部科学省大臣官房サイバーセキュリティ・政策立案総括審議官行松泰弘さん外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(太田房江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(太田房江君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#6
○赤池誠章君 自由民主党の赤池誠章でございます。
 昨今、国家と国民の安全を守るということが改めて考えさせられる懸案事項が身近になってきた感がございます。幾度となく領海侵犯を行うチャイナの膨張主義、目的不明のサイバー攻撃、先般のLINE事案や昨年来のコロナ禍の感染症もしかりであります。
 一方、天然資源の少ない我が国にとって、エネルギー問題も国民の生活、経済に不可欠な課題であります。政府が掲げるカーボンニュートラル、脱炭素社会を目指すなら、再生可能エネルギーの主流化はもちろんですが、原子力の取扱いを避けて通れず、もはや感情論で議論すべき段階ではなくなってきていると思います。
 このような状況下、我が国の科学技術や人材育成において文部科学省の役割は大変大きいものがございます。文科省所管の法人、研究機関、大学等が有する科学技術を守るのはもちろんですが、とりわけ国家安全保障分野を担う国家社会の形成者として人材をどう育成するか、今まで以上に重要性を帯びてきており、国家の将来が懸かっていると言っても過言ではございません。
 そこで、まず、懸案事項の一つでありますサイバー攻撃についてお伺いいたします。
 先般、我が国を支える科学技術力の一翼を担うJAXAにサイバー攻撃がありました。その被害状況をお聞きしたいと存じます。その他、所管法人や研究機関、大学等に被害はあったのでしょうか。あわせて、各所管法人の研究機関、大学等のサイバー攻撃に対する対策についてもお伺いいたします。

#7
○政府参考人(行松泰弘君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のJAXAの事案につきましては、平成二十八年度当時に不正なアクセスはあったということですけれども、情報の漏えい等は確認できなかったと、なかったということで報告を受けております。また、一橋大学、慶応義塾大学、そういったところにもそのアクセスはあったという報告は受けておりますけれども、そのほかの文科省の所管法人からはその件に関する不正アクセス等の報告はこれまでのところございません。
 このようなサイバー攻撃に対する文部科学省所管の法人の対策につきましては、まず独立行政法人等におきましては、サイバーセキュリティ基本法に基づきまして政府機関と同水準のセキュリティー対策を実施をしているところでございます。また、国立大学法人等におきましては、情報セキュリティー対策基本計画を策定し、定期的にその評価と見直しを求めるとともに、セキュリティーの司令塔機能の強化を求めるなど、サイバーセキュリティー対策の更なる強化を実施をしておりまして、公立、私立大学等に対しましても、サイバーセキュリティー対策推進のための体制整備や情報セキュリティーポリシーの策定など、着実なサイバーセキュリティー対策の実施を求めておるところでございます。
 こうしたサイバー攻撃は、組織化、巧妙化が進んでおりまして、文科省としては、関係省庁と連携をし、緊張感を持ってサイバーセキュリティー対策の強化に努めるとともに、文部科学省所管法人に対しても引き続きサイバーセキュリティー対策の強化を促してまいりたいと考えております。

#8
○赤池誠章君 今、文部科学省説明がなかったんですけれども、今回の事案は、報道されておりますので、先生方も御存じのとおり、警視庁が共産党員、チャイナの共産党員を被疑者として書類送検をしたということでございます。つまり、JAXAを始め二百の国内企業に対して一連のサイバー攻撃というものが、大陸の山東省青島市を拠点とする人民解放軍の戦略支援部隊ネットワークシステム部隊が関与している可能性が高いと警視庁、警察庁が位置付けているということでございます。そういう面では、犯人が具体的に分かっている、それも隣国の軍組織が関与しているという大変重大な事案が明らかになったということでありますので、これは偶発的な形ではなく、今後も当然狙ってきている。
 これは、文科省のみならず、政府全体、また、一番重要な問題は、重要インフラという問題もございます。先週にも内閣府にサイバー攻撃が掛けられたという報道もございます。情報流出がなかった、被害がなかったからそれでいいというのでは当然済まないわけであります。特に、重要インフラが攻撃をされたとしたら、大規模災害と同様に、それが停止をすると国民生活に多大な影響が出る可能性があると。また、文部科学省関連でいえば、技術、科学技術が情報したらそれがどういうことになるかということも付いて回るわけであります。
 サイバー攻撃対処には、未然防止、拡大防止の観点ということで、情報共有を始めとした官民の連携が極めて重要とされております。先ほど御説明をいただきましたけれども、大学、所管法人、研究法人はもちろんですけれども、やっぱり私大には、特に建学の精神で依頼ということしかできないだけではなく、やっぱりしっかり連携をしていただきたいというふうにも思っておりますし、外為法に基づく貿易管理体制については経産省、文科省が連携して大学の体制強化を行っているという、そのことも連携をして、引き続き、サイバー攻撃に対する防御体制強化すべく、指導そして予算支援もお願いしたいと存じます。
 次に、サイバー攻撃への防御体制を強化するには、当然それを担う人材の育成が必要であります。その育成策の現状と課題について見解を伺います。

#9
○政府参考人(伯井美徳君) サイバーセキュリティー人材を含む情報技術人材の育成につきましては、平成三十一年四月に経産省が公表したIT人材需給に関する調査におきまして、二〇三〇年にIT人材が最大で七十九万人不足するという試算結果が示されております。また、令和元年六月に策定されたAI戦略二〇一九におきましては、令和七年度までに、文理を問わず、全ての大学、高専生五十万人が初級レベルの数理、データサイエンス、AIを習得することと、さらに、一定規模の大学、高専生二十五万人が自らの専門分野への応用基礎力を習得することが目標として掲げられています。
 こうしたことを踏まえ、文科省では、数理、データサイエンス、AI教育のモデルカリキュラムや教材を策定し、情報セキュリティーを学ぶということも位置付けるとともに、これをいかに全国の大学に普及、展開していくかということが課題でございますので、現在、六大学を拠点とし、更に百校以上の協力校、連携校を措置いたしまして、その普及、展開を進めているところでございます。また、サイバーセキュリティー人材を含む情報技術人材の育成に向けて、産業界との連携による、大学と産業界の連携による拠点の形成、高専における情報セキュリティープログラムの開発、展開などにも取り組んでおります。
 文科省といたしましては、こうした取組を生かしつつ、質の高い情報技術人材の育成をし、その中でサイバーセキュリティーにしっかり対応できる人材を育成するということで、こうした教育プログラムの全国展開を進めているところでございます。

#10
○赤池誠章君 七十九万人が二〇三〇年ということで不足するという推計の中で、今御説明をいただいたような形で、初級レベル又は専門分野ということで人材育成を行っているということでありますが、これ、人材不足というのは、経済成長率それから労働生産性の向上と連携があって、その都度数字というのは増えたり減ったりするものかもしれませんが、ただ、やっぱり文科省が育成しているというのは中核人材だと思っておりますので、そういう面では、裾野を広げるのは当然ですけれども、中核人材の育成としたらやっぱり大学を中心にやっていただくということになると思いますので、是非、拠点校と連携校という仕組みを有効に機能できるように、実効性の高い形で推進をしていただきたいし、その辺は、やっぱり仕組みができるまでは思い切った予算支援も含めてお願いをしたいと存じます。
 続きまして、サイバーに関わる技能を持つ人材を育成する過程においては、当然その技能を正しく使うということが大変重要になってくるわけであります。幾ら高い技能を習得しても、その力を誤った方向に使えば、当然それは犯罪行為となるわけであります。社会に多大な影響を与えることになりかねないということであります。
 そういう面では、いよいよ義務教育段階から一人一台情報端末配備が進められて、発達段階に応じて、プログラミング教育であったり、コンピューターを活用した技術、そして高校段階には情報科という新たな必修科目がいよいよスタートしようとしているわけであります。人材育成過程において、ITの能力を付ければそれでいいというだけではなくて、やっぱりその表裏一体としたサイバー犯罪に関する教育もしっかりやっていかなきゃいけないと思っております。その現状と課題について見解を伺います。

#11
○政府参考人(塩見みづ枝君) お答え申し上げます。
 ICTを日常的に使用することが当たり前の社会になる中で、子供たちがサイバー犯罪に巻き込まれたり加害者になったりすることなく、ICTを適切に使いこなす力を育てることが一層重要となっており、新しい学習指導要領におきましては情報モラルを含めた情報活用能力の育成を重視しております。
 各学校での指導に当たりましては、児童生徒の発達の段階に応じまして、犯罪被害を含む危険の回避など、情報を正しく安全に利用できるようにすることや、情報発信による他者や社会への影響、ネットワーク上のルールやマナーを守ることについて考えさせる学習活動などを通じまして情報モラルを確実に身に付けさせることが重要と考えております。
 このため、中学校の技術・家庭科技術分野におきましては、情報セキュリティー等に関わる基礎的な技術の仕組み及び情報モラルの必要性について理解させるとともに、高等学校の新しい必履修科目であります情報Ⅰにおきまして、情報に関する法規や制度、情報セキュリティーの重要性、情報社会における個人の責任及び情報モラルについて理解させるということとしております。
 あわせまして、文部科学省としましては、動画教材を含む教員向け指導資料や研修教材の作成、配付、スマートフォン等をめぐるトラブル防止のための児童生徒向け啓発資料の作成、配付行うほか、さらに、独立行政法人教職員支援機構と連携いたしまして、情報モラルや情報セキュリティーに関する教育を含めたICT活用に関する指導者の養成研修などに取り組んでおります。
 これらの取組を通じまして、情報モラルを含めた情報活用能力の着実な育成に取り組んでまいりたいと考えております。

#12
○赤池誠章君 高校段階ですと、新たな教科、情報の中でサイバー犯罪ということを具体的に、学習指導要領の変更もあり書かれているということで、来年度からですかね、行われるんですが、やっぱり小中段階というのは発達段階だから知識を教えて、犯罪まではと思うんですが、やっぱりその辺は今後見直していただきたいと思っているんです。
 小中学校段階であればこそ、技術力は大してないなんという最初から決め付けないで、できる子はどんどんできて、ところが、犯罪の知識がなくて、やったことが大犯罪なんということが海外では既に起こっていますので、やっぱりその辺は、犯罪に関しては小中学校からきちっと、それは犯罪者になるんだと、巻き込まれるだけでは、あなたが犯罪者になるんだということをしっかり教えていただきたいというふうに思っております。
 続きまして、四番目の質問なんですけれども、サイバー人材の育成とともに、国家の基盤技術として、エネルギーの自給率が低い我が国にとっては、国家安全保障面からも、再生可能エネルギーの主流化とともに、当然原子力人材の育成というのは引き続き重要な課題だと思っております。福島原発の廃炉促進というのもございます。将来のカーボンニュートラル、脱炭素社会実現といった課題もございます。
 原子力人材の現状と課題について見解を伺います。

#13
○政府参考人(生川浩史君) 原子力の安全確保、信頼性の向上と原子力イノベーションの促進を実現するに当たっては、大学等において優れた人材を継続して育成していくことが必要であるというふうに認識をいたしております。
 一方で、我が国の原子力人材育成の現状につきましては、原子力関係学科、専攻や原子力専門科目の開講数の減少、原子力関係の教員数の減少、稼働している試験研究炉の減少等に伴う実験、実習の機会の減少といった傾向が見られるところであります。このような中、大学等における原子力の人材育成の基盤が脆弱化してきており、この基盤の強化が今後の大きな課題であるというふうに考えております。
 このため、我が国全体として原子力分野の人材育成機能を強化するために、令和二年度から、大学や高等専門学校等が連携をして、共同カリキュラムの開発や単位互換の推進、講義資料のオンライン化などを行うとともに、原子力施設や大型実験施設等の共同利用による実習機会、内容の充実等を進める国際原子力人材育成イニシアチブ事業という事業を実施をし、基盤的な教育機能を強化するための取組を支援をしてきているところであります。
 また、今御指摘ございました東京電力福島第一原子力発電所の廃炉の関係でございますけれども、英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業という事業において、令和元年度までに、大学や高等専門学校等における廃炉に関するカリキュラムの策定や学生実験環境の充実等の取組を支援するとともに、令和元年度以降は、日本原子力研究開発機構と大学がクロスアポイントメントを活用した産学官連携ラボラトリーというものを設置をし、将来の廃炉を長期的に支える人材の育成を進めているところでございます。
 文部科学省としては、引き続き、原子力の基盤と安全を支える幅広い分野における人材育成をしっかりと進めていきたいと考えております。

#14
○赤池誠章君 一時期は大学の学部、学科名から原子力がなくなるなんという形で将来が危ぶまれた。それが逆に、福島原発の事故に、直接ではないにしても背景としてあったのかもしれないなんて思わざるを得ない部分もございます。
 さきの大戦の反省を考えても、エネルギーが我が国の戦争の要因になったとも言われているわけでありますし、今後もこのエネルギー問題というのは我が国の発展や生活の維持のために欠くことのできないものでございます。
 先ほども申し上げましたが、地球温暖化が進んでいるという中で、二酸化炭素削減は世界的な課題であります。その実現に向けても、繰り返しますが、再生可能エネルギーの重要性は当然とはいえ、余りにも急ぎ過ぎて太陽光パネルや蓄電池が全てメード・イン・チャイナみたいなことになったら、何のための安全保障かということにもなりかねません。
 そういう面では、この原子力、まさにそれを担う科学技術庁が現在の文部科学省に、前身でございますので、引き続き人材育成、技術の発展に向けて頑張っていただきたいと思います。
 昨日はチェルノブイル事故から三十五年目の節目でもございました。いまだにチェルノブイルは棺おけをして廃炉作業が全く進んでいない。その中で、我が国は様々な技術革新、現場の御苦労の中で廃炉作業が、大変ですけれども、課題もたくさんありますが、進めようとしているということもございます。
 唯一の被爆国として、戦後、原子力の平和利用等を国是として今日まで歩んできました。福島の事故の反省の上で、長い年月掛かりますけれども、廃炉も含めて、是非、またカーボンニュートラルに資する革新的な原子力の開発に向けても、引き続き文部科学省の担当者のお力を入れていただきたいと思います。
 最後になりました。
 昨今のコロナ禍の中で注目を浴びている、集めているのが感染症研究であります。感染症の最先端研究に係る人材育成にもつながってきます。感染症研究の拠点となる長崎大学医学部の現在建設中のBSL4、バイオセーフティーレベル4について、その現況とその意義をお伺いいたします。

#15
○政府参考人(杉野剛君) 長崎大学のBSL4施設につきましては、平成二十八年度に感染症対策の関係閣僚会議におきまして整備が決定し、平成三十年度から建設工事を開始しておりました。現在、本年七月の竣工に向けて最終的な整備を進めているという状況でございます。
 BSL4施設は、エボラウイルスあるいはラッサウイルスなどの病原性の高い病原体、一種病原体と呼ばれておりますけれども、この一種病原体を安全に取り扱うことができる施設でございます。そうした病原体、ウイルスの遺伝子レベルの解析あるいは動物実験等を通じまして我が国全体の感染症の基礎研究力の底上げが可能となっておりますし、また、ワクチン、診断法の開発、海外機関と連携した国際的な感染症対策の強化、さらには危険性の高い病原体の取扱いに精通した人材の育成、確保といった点で我が国の感染症対策への貢献を期待しているところでございます。

#16
○赤池誠章君 ありがとうございました。
 なぜ我が国が国産ワクチンを開発できなかったのか。その一端が、BSL4、つまり病原菌を研究できる場所がなかったと。現在、世界二十四か国五十九か所にもあったにもかかわらず、戦後、我が国には稼働できなかったというこの現実をしっかり踏まえなければいけないと思っております。
 その一因としては、残念ながら、我が国は戦後、危機、危険を避けていれば大丈夫だという安易な意識が政府に、そして我々側にもあったのではないかと考えています。本日質問させていただいた点は我が国の抱える課題の一端ですが、安全保障上の課題は遠い世界の話ではなく、一たび問題が起これば身近な生活に直結するような課題も増えてきています。
 文部科学省も政府機関として重責を担っているという自覚の下、各種政策の遂行をお願い申し上げます。
 以上です。

#17
○斎藤嘉隆君 立憲民主・社民の斎藤嘉隆です。今日もよろしくお願いをいたします。
 私、まず初めに、今、コロナ禍の中で、各地域の学校、運営上、様々厳しい状況の中にあるというふうに思っていますけれど、基本的な考え方というか構えを確認をしたいんです。
 まず、この学校休校、昨年、御案内のように、安倍総理のあの休校要請によって、長期間にわたって全国ほぼ全ての学校で休校がなされたという状況がありました。現在も、緊急事態宣言やまん延防止の措置を受けて、この学校休校、現実的にはまだ全面的に休校に至っているという状況は、一部を除いて、ないというふうに思っておりますけれども、一部、市などでは一斉休校に言及をする首長さんもいらっしゃるし、大阪などはオンライン併用で今教育が行われていると、このように認識をしています。
 まず冒頭、大臣に、この学校一斉休校に対する基本的な考え方をお聞きをしたいと思います。

#18
○国務大臣(萩生田光一君) 学校の臨時休業は、地域の感染状況を踏まえ、学校の設置者において判断するものですが、地域一斉の臨時休業については、学びの保障や子供たちの心身への影響、また、子供を持つ医療従事者が仕事を休まざるを得なくなるなどの観点も考慮する必要があると考えます。そのため、真に必要な場合に限定し、慎重に判断すべきと考えます。
 緊急事態宣言の対象地域等においては、感染症への警戒度を高めることが重要であり、感染リスクの高い教育活動を一時的に制限するなど、感染症対策の更なる徹底を図っていただきたいと考えています。また、緊急事態宣言の対象地域以外の地域においても、感染症への危機意識を共有し、全ての関係者が当事者意識を持って対策を徹底していただきたいと考えています。
 文科省としても、緊急事態宣言の対象となっている都道府県教育委員会等とも連携を強化し、必要な支援を進めてまいりたいと思います。

#19
○斎藤嘉隆君 これ、そもそも、公立小中高等学校の、例えば学校を休校するとかオンラインにするとか、これは一体誰にそのことを決める、何というか、権能というかがあるんでしょうか。

#20
○政府参考人(瀧本寛君) 学校の臨時休業は、地域の感染状況を踏まえまして、学校の設置者において判断をするものでございます。特に、地域一斉の臨時休業については、学びの保障や子供たちの心身への影響、あるいは子供を持つ医療従事者が仕事を休まざるを得なくなることなどの観点も考慮する必要があると考えます。そのため、文部科学省としては、真に必要な場合に限定し、慎重に判断をすべきと考えております。
 文部科学省としては、各学校の設置者と連携を強化し、学校における感染症対策を支援してまいりたいと考えております。

#21
○斎藤嘉隆君 学校の設置者というのは、これは一義的にその市町村の首長ですか。

#22
○政府参考人(瀧本寛君) 学校の設置者そのものについては、これは今先生お尋ねの公立学校については地方公共団体になります。小中学校であれば、市町村が設置者でございます。このことについては、学校教育法上も、学校を設置できるのは国、地方公共団体ないしは学校法人ということに定められておりますので、設置者としては、公立の小中学校でいえば市町村ということになります。

#23
○斎藤嘉隆君 いや、私、お伺いしたいのは、これはその学校を設置した市町村のいわゆる市町村長がそのことを決める権限があるのかということをお聞きをしています。

#24
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 学校保健法に基づく臨時休業については、これは設置者が定めると、設置者が判断をする、判断をして臨時休業することができるという定めになっております。
 この設置者についてということでの御質問だと思いますけれども、具体の事務処理としては、教育委員会に具体の事務処理は下りているということになります。

#25
○斎藤嘉隆君 ここ、ちょっとすごく重要なところなんですね。私、教育行政における執行権限というのは教育委員会なんですよ、首長じゃないんですよ。これ、地教行法の趣旨でしょう、これが。これをやっぱり文科省さん、もっと認識をしていただかないと、大変大きな間違いを犯すことになってしまうんではないかなと思う。
 二〇一七年の地教行法の改正の折に、私、これ、与野党協議の野党側の代表者でいろいろ協議をさせていただいたんですけど、このときに、いわゆる新教育長制度が導入されて、教育の政治的中立とか、継続性、独立性とか、あとレーマンコントロールとかですね、こういう趣旨が非常に私は明確になったと思っているんです。首長さんはもちろん首長さんの役割があって、例えば予算編成とか、それから大綱を決めるとかですね、いわゆる、それから総合教育会議で協議をするとかですね、こういう役割が明確になったんですよ。
 例えば、今申し上げた総合教育会議が新設をされたけれども、この会議で扱うべき内容は、子供の身体の保護等緊急に講ずべき内容なども例示をされていて、これは当時はいじめ問題とかそういったことを念頭に置いてこういうものが例示をされたというふうに認識をしているんですね。
 先ほど申し上げた、休校をどうするとか、それから、何というか、リモートでの授業をどうするとかということを最終的に決定をして執行する権限は教育委員会にある。もちろん、その教育委員会が決まるに当たって、決めるに当たって、首長さんの意見が先ほど申し上げた総合教育会議などで反映をされて決まってくるというのが本当の姿なんですね。
 例えば、去年の一斉休校は、こういうようなプロセスを踏んで、きちんと法的に正しい形で休校がなされたのかどうか、僕、こういうことをきちんと把握をして促すのが文科省の仕事だと思うんですが、いかがですか、局長。

#26
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 御指摘の点のうち、地教行法との関連についての言及いただきましたけれども、その部分は、その改正の経緯等についてはそのとおりだと思っております。
 なお、この新型コロナウイルス感染症に関して言いますと、別の要素がございまして、新型インフルエンザ等対策特別措置法の中で、緊急事態宣言区域においては市町村の長も教育委員会に対して感染対策上必要な要請をすることができるという法的権限を与えられている部分もございますので、しかしながら、先ほど、学校、ちょっと法律名訂正するかもしれません、学校保健安全法に基づく臨時休業で定めているところの設置者が臨時休業を行うことができるということについての具体的な事務処理、運営管理に係る権限としては教育委員会にございますので、新型特措法とも併せ、両者が学校現場の状況も十分踏まえながら、しっかりと連携をして判断をしていただく必要があると考えております。

#27
○斎藤嘉隆君 そういうケース、これからもあると思うんですけれど、首長さんがいろんな状況の中でいろんな思いを持たれていろんな発言をされるけれど、基本的には首長さんの一存で決めるようなことではないんですよ、こういったことは。現場の実態踏まえて、教育委員会で首長も含めて議論をされて、みんなで決めることなんです。なのに、どこかでどこかの首長さんが、うちはもう一斉休校するとか、そんなことを報道で発表してそのように進んでいくなんということは本来あるべき姿ではないと思うんですね。
 こういうところはやっぱりきちきちっと私はしていくべきだ。そのために新しい教育長制度をつくって、新教育長に教育委員長も教育長も兼ねるような大きな権限を与えたわけですから、そこを是非、今後、いろんな局面がこのコロナ禍で出てくると思いますが、是非、文科省の皆さんにはそこの大筋のところを踏まえていただきたいなというふうに、これはちょっと要望をさせていただきたいというふうに思います。
 じゃ、ちょっと別件で、昨年四月に施行されました改正給特法の状況についてお伺いをしたいと思います。
 これは、御案内のように、一昨年度にいろんな形で審議をして、学校における教職員の時間外勤務、在校等時間の上限指針というものを設けて、これを法的な根拠のある指針に格上げをしたと、こういう法改正であったんですけれど、昨年、二〇二〇年度に各都道府県、政令市においてこれは条例制定がなされて、その後、市町村による規則等が整備をされると、月四十五時間、年三百六十時間の上限方針が策定をされると、こういう予定でずっと来ていたわけです。これが、言えば全ての前提条件であったというふうに思いますが、文科省もこの条例とか規則の制定に向けてかなり強力に働きかけをされていらっしゃったと認識をしていますけれども、二〇二〇年度中に全ての都道府県、政令市において条例が制定をされたということでよろしいでしょうか。

#28
○政府参考人(瀧本寛君) お答えを申し上げます。
 改正給特法に基づきます教育職員の業務量の適切な管理等に関する指針等によりまして、都道府県及び政令市に対して服務監督権者である教育委員会が定める在校等時間の上限方針の実効性を高めるための条例の制定を求めるとともに、各都道府県、政令市及び市区町村に対して上限方針を教育委員会規則等によって定めるよう求めているところです。
 このうち、令和二年九月現在の条例の制定状況を調査した学校の働き方改革のための取組状況調査によりますると、条例を整備済みあるいは二年度中に、令和二年度中に整備予定とした都道府県については八三%、政令市は一〇〇%となっているところでございます。

#29
○斎藤嘉隆君 いや、それで、その局長の答弁は前も聞いたんですけど、今現在でもう全部条例が制定をされていると、こういうことですか。

#30
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 大変恐縮です。そのことについての確認は取れておりません。済みません。

#31
○斎藤嘉隆君 市町村教育委員会の規則等の制定の状況は何らか把握をされてみえるんでしょうか。

#32
○政府参考人(瀧本寛君) これも同じく学校の働き方改革のための取組状況調査の中の結果でございますけれども、昨年九月時点で、指針を踏まえて上限方針を位置付ける教育委員会規則等を整備済み、あるいは二年度中に整備予定とした市区町村は六八・四%となっております。
 以上です。

#33
○斎藤嘉隆君 いや、法案審議のときの、いろんなやり取りをさせていただいて、いろんな前提条件も含めて議論をさせていただいたんですけど、今局長がおっしゃった状況というのは、あのときに文科省さんが御答弁の中であるべき姿として言われていた姿とちょっと違うんじゃないですかね。
 私の認識は、二〇二〇年度中にこの法の施行を受けて全ての政令市それから都道府県で条例が制定をされて、その上で、全ての市町の教育委員会で規則が制定をされて、現場がそれに基づいて、先ほど申し上げた四十五時間、三百六十時間という上限を、法的根拠を持ったこの上限をしっかり守るように努力をしていると、こういう姿が当然今現在ある、あるはずだった、あるはずだったと思っていますけれども、今例えば規則の話をお聞きをしても六十数%ということですし、やっぱりこれは働き方改革が進んでいないと、こういうような認識を我々はすべきなんですかね。いかがでしょう。

#34
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 条例の方については、先ほどもちょっと触れたかもしれませんが、政令市については既に一〇〇パー、その調査の時点で一〇〇%という予定となっておりました。
 また、規則についても、先ほど六八・四%と申し上げましたが、残りの三一・六%も整備について検討中であるということで、準備状況が遅れていたというのが私どもの認識でございまして、鋭意整備に向けて努力をされているという認識でございます。

#35
○斎藤嘉隆君 あのときの議事録を今改めていろいろ読んでいるんですけど、例えば、これ大臣からも文科省の局長さんからも、三年後の勤務実態調査はもう待たないと、待たない、毎年状況把握をして細かくデータ化をして、今後の大きな給特法改正の方向性も踏まえ、含めて、文科省内で議論をしていくんだということをおっしゃっていたんですよ。二〇年度の状況を当然何らかの形で、この答弁のとおりだとすると、二〇年度も二一年度も法が施行された状況を細やかに何らかの方法で把握をして、毎年、毎年データ化して、状況把握をして議論をしていくと、こういう御答弁されているんですよ。
 これは、こういう把握をされているんですか、何らかの方法で。

#36
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 学校の働き方改革のための取組状況調査は毎年行うもので、行う予定としておるものでございまして、本年度についても行う予定としておりますので、先ほど申し上げたのは昨年取りまとめたデータでございますが、本年度についても当然ながら調査をし、把握をさせていただきたいと思います。
 先ほど御紹介した市町村の規則についても、制定に向けて検討中ということが約三一%でございましたので、そちらについてもしっかりとフォローアップをして、制定に向けた指導をしてまいりたいと思っております。

#37
○斎藤嘉隆君 私、昨年度はコロナ感染症の影響もあって、まあ言ってみれば平時ではなくて非常時というような雰囲気が非常に強くて、学校の一斉休校もあったし、部活動もある程度制限をされていたし、それから、その後の感染防止対策のいろんな取組だとか授業時間確保のための対応とか、通常の年ではないような状況が学校の中にあった、これはもう事実だと思います。
 しかし、話をいろいろ聞いていると、昨年は平時ではなかったので、この新たな法の施行はされたけれども、この上限の規制というのはなかなかあの状況の中では守ることが難しいなと、こんなような雰囲気が何か全体にあって、何かこの給特法の改正されたこの法的根拠自身、自体が非常に軽んじられたような状況があったんではないかなというふうに思っているんですね。
 このことについての文科省さんとしての認識はいかがですか。

#38
○政府参考人(瀧本寛君) 今委員から御指摘のあった学校現場におきましては、コロナウイルス感染症対策の観点で、正直、昨年度が働き方改革元年ということで、学校における働き方改革を鋭意取り進めていただくべく、予算的な御支援もいただきつつ、学校現場でも御努力いただこうと思っていたやさきの特別な状況があったのは間違いないと思っております。
 しかしながら、だからといって、改正していただいた給特法あるいはこれに関わる様々な制度改正についてないがしろにしていいというものではございませんので、私どもとしては、引き続き、働き方改革を進めていただくための、当然、各自治体で整備をいただくべき条例、規則等についても引き続き働きかけてまいりたいと思いますし、そのような雰囲気が全くなかったかというと、学校現場の状況からすると、そうした御指摘の一部、当たる部分はあろうかと思いますが、文部科学省としては、先生方の、教師の方々の働き方改革に向けた様々な支援とともに、御指摘の点についても引き続きしっかりとフォローアップをして働きかけをさせていただきたいと思っております。
 以上です。

#39
○斎藤嘉隆君 更にちょっと申し上げると、これも法案審議の際のやり取りで、私は幾度も幾度も確認をさせていただいたことがあるんですけれども、その一つに変形労働制の導入があるんですね。それで、このやり取りはどういうやり取りが主だったかというと、昨年度の時間外労働規制の遵守、これがまず前提としてあって、その上で変形労働の導入を今年度中に各自治体が定めていくと。今年度中というか、今年度中の実施なので、昨年度中に条例等を制定をして変形労働制の導入について検討していくと、こういうことだったと思うんです。それで、これは、時間外労働規制の遵守がなされていなければ、この変形労働の導入時期の再検討あるいは導入しないことなどの措置をとることが当然であると、こういうように文科省さんは答弁をなされているわけですよ。
 昨年度中にこれ変形労働の条例を改正をして、今年から導入をする自治体、都道府県、政令市は今分かっているだけで幾つあるんでしょうか。

#40
○政府参考人(瀧本寛君) お答えを申し上げます。
 各地方公共団体の判断により条例で一年単位の変形労働時間制について活用できるようにした改正給特法の関係規定については、この四月から施行されたところでございますが、文部科学省において把握しているところでは、都道府県、指定都市のうち、八道県、八つの道県に、道と県において本制度に関する条例を制定していると承知をしているところでございます。

#41
○斎藤嘉隆君 その、じゃ、八道府県は、先ほどから私述べています時間外労働時間の上限規制は遵守をされていると、その上でそのような変形労働制が導入されると、こういうことですね。

#42
○政府参考人(瀧本寛君) 改正給特法に基づきます教育職員の業務量の適切な管理に関する指針においては、一年単位の変形労働時間制を適用するに当たっては、御指摘のとおり、上限時間の範囲内であることが前提であること、あるいはこの制度の適用後も対象期間において上限時間の範囲内であること等を求めているところでございます。
 また、この指針におきましては、服務監督教育委員会あるいは校長に対して、この制度を適用するに当たって、タイムカードによる記録等の客観的な方法等による在校等時間の把握や長期休業期間における業務量の縮減を図ること等についても併せて求めてお願いをしているところでございますので、こうした背景からすると、そう理解をしているところでございます。

#43
○斎藤嘉隆君 私はそうは思いません。
 今ちょっと資料も御用意させていただきましたけれども、例えば資料一を見ていただくと、条例、規則で定められた一か月当たりの学校内でのいわゆる在校等時間の時間外での部分ですね、上限とされている四十五時間を超える主幹教諭、教諭の割合を、これは一斉休校明けの状況なんですけれども、NPO法人の調査、結構大きいですよ、九百三十五名対象に行った調査でいうと、もう四十五時間を超えるというのが六二%もあるんですよ。全く守られていないんですね、現実的には。
 こういう状況であるにもかかわらず、今おっしゃっていただいたように、これが、守ることが前提のはずの変形労働時間が、労働制が、各自治体でもう制定が進んでいるわけです。恐らく、今年度中にそれを条例制定をして導入をしていこうという都道府県もかなりあるんだろうと。報道では、更に十二県がそういった検討をしている旨の報道も目にしましたし、これは約束が違うんじゃないですか。
 いま一度、この上限の規定をしっかり遵守をする、その上でこの変形労働時間制の導入の是非について議論をしていくように、私は文科省から各自治体にきちんと議論を促すような何らかの働きかけをすべきだと思います。いかがでしょうか。

#44
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 学校現場の教員の方々の働き方改革を進めていくという決意については私どもも一緒でございますので、この九百三十五のデータは一つのデータとして参考にさせていただきつつ、現場の働き方改革が少しでも進むような方向で、改正いただいた給特法の趣旨がきちんと守られるように、私どもとしても教育委員会を通じて働きかけについてはさせていただきたいと思っております。

#45
○斎藤嘉隆君 これ本当に気を付けないと、こういう状況の中で変形労働だけ先行して導入していくと、長時間労働が固定化していくんですよ。しかも、それはいいということになってしまうんですね、法的に。四十五時間でなくてもいいみたいな、そんな間違った考え方というのがもう当たり前になっていってしまって、もう今以上に、本当に健康を害するような教職員が増えていくことになりかねない。
 ただ、市町の教育委員会は少しでも早く変形労働を導入したいんですよ、導入したい。そして、時間外勤務そのものを減らしたいという思いがあるんですね。この四月、五月も含めてですけど。これだと、何のためのこの変形労働制の導入なのか。これ、そもそも、夏の長期休業中とかに先生たちがもうゆっくりしてもらうというか、そういうこと、めり張りを付けたもう勤務をするということでおっしゃっていたわけじゃないですか。必ずしもそうではなくて、長時間労働を半ば容認するための新たな制度みたいなふうに受け止められてしまっている。
 このことは本当に不幸なことだなというふうに思いますので、この実態について是非御認識を、是非お持ちを、されていると思いますが、更に新たに持っていただきたいということと、それからもう一点、資料の二の方を御覧いただくと、いわゆる教員というのもいろんな役割の方がいらっしゃって、どの方の勤務時間というか勤務労働条件が過酷になっているかというのをちょっと調べますと、これなんかを見るとよく分かるんですが、校長はいいです、同じ管理的な立場にある方でも、教頭とか副校長という方のいわゆる時間外勤務というのが本当に増えているんですね。これを見ると、これは持ち帰りも含めてということでありますけれども、七〇%の教頭とか副校長が過労死ラインを超えて働いていると、こういう実態が出てきています。
 これは、これも市町の教育委員会によって考え方がちょっと間違っているというか、教頭とか校長は管理職だから、どれだけ時間外働いてもいいんだと、こんなような認識も、一部にこういう間違った認識がある。労基法と給特法がもう取り違えられていて、これは全く違うんですね。給特法上でいえば、校長だろうが教頭だろうが副校長だろうが主幹教諭だろうが、みんなその適用を受けるんです。その上で、四十五時間、三百六十時間というものの上限の対象になるんですね。ところが、それがもう全く守られていない。
 一般の職員の労働時間を短縮するために、こういう管理的な立場にある職員に、一部の職員に過剰な負担が行っている、こういう状況はある程度認識はされていらっしゃるんですか。

#46
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 校長先生はもとよりではございますけれども、とりわけ学校の副校長や教頭先生の立場において極めて過重な業務が及んでいるのではないかという声は私自身も耳にしますので、そうした声とこのデータはそれなりに符合するものだと思ってはおります。
 ただ、だからといって、管理職だからといって、給特法の今回の改正いただいた上限規制その他をしっかりと守っていただく必要がございますので、引き続き、働き方改革に向けた働きかけについては努力を努めさせていただきたいと思います。
 以上です。

#47
○斎藤嘉隆君 やっぱり、管理職が一般の職員の在校等時間を管理する、これは当然です。ところが、校長先生や教頭先生になると、一体誰がこの方々の在校等時間を管理するのかというと、自分で管理するわけですよ。なかなか正しい把握も対外的にもできないし、そうすると、これ、そのことによって例えば仮に過労死なんということが起きると、この責任は恐らく教育委員会にあるというふうに思いますけれども、こういったことも含めて、何か労基法と給特法というものの取り違えみたいな一般的な考え方が現場にはびこっているので、こういったこともやっぱり是正を我々も含めてしていかなきゃいけないなと思います。
 それで、これ、ちょっと話は変わるんですけど、例えば、今、文科省さんが一生懸命拡充をしようとしているコミュニティ・スクール、学校運営協議会、これの、済みません、全国的な実施状況というのは今どのようになっているのでしょうか。

#48
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 コミュニティ・スクール、学校運営協議会制度でございますけれども、この制度につきましては、保護者や地域住民等が目標や課題を共有して学校運営に参画する取組でございます。
 全国の公立学校、すなわち幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校を含めた学校の中でのコミュニティ・スクールの導入の率でございますけれども、令和二年七月一日現在では二七・二%、九千七百八十八校でございまして、学校運営協議会の設置が努力義務となりました平成二十九年度と比べますと約二・七倍になっておりますけれども、率としては三割弱ということでございます。
 導入の、県によってもばらつきがございまして、都道府県別の導入率としましては、全校種におきまして和歌山県が九六・一%、山口県が九四・一%である一方、導入率が一〇%未満の県も八県あり、地域差があるところでございます。さらに、学校種別ごとの導入率でございますけれども、小学校、中学校、義務教育諸学校では三〇・七%に対しまして、高等学校、中等教育学校では一八・八%でございまして、学校種においても差があるところでございます。
 文科省においては、全ての公立学校でコミュニティ・スクールの導入を目指して、引き続き必要な支援に取り組んでまいりたいと存じます。

#49
○斎藤嘉隆君 これはちょっと一例ですけど、先ほど管理的な立場にある職員の過重な負担というのを申し上げましたけれど、コミュニティ・スクール自体は、今局長おっしゃっていただいたように、非常に制度としてはメリットが大きいと思います、地域との連携という意味で、地域人材の活用とかそういった意味で。ところが、一体誰が運営を担っているかというと、結局学校なんですよ。コーディネーター的な役割をしなければいけないのは学校の職員で、それも多くが先ほど申し上げた教頭先生とか校長先生とか一部の主任クラスの先生とか、こういった方々に非常に大きな負担が行っている。
 例えば学校運営協議会の会議開こうと思ったって、平日の勤務時間内にはできませんよ、ほとんど。例えば七時から会議をしましょうと、じゃ、誰がそこに同席をするんですか。その会議が終わるまで、学校の職員誰かいないといけないんですね。教頭先生が出席をしたりするし、土曜日、日曜日にこういう催しというか会議が行われることも多いし、計画も学校が立てるし、印刷物の印刷も学校がするし、何が申し上げたいかというと、そんなに全国でやりたければ、このコミュニティ・スクールを、条件整備をすべきじゃないですか。地域連携担当教員を配置するとか、あるいは非常勤でもいいので、これの専任のコーディネーターを、導入をした学校には配置をするとか、そういうことをしないと全国的な展開は無理ですよ。一部に負担が行くだけ。ですから、金も出さず人も出さず、これはメリットがあるのでこの制度を進めましょうなんというもう考え方はやめていただきたいんです。
 それから、いいんです、いい制度なので、であれば、コーディネーター役、それを担うきちんとした人材を全ての学校に配置をしてください。こういうような基本的な考えに私は立っていただかないと、いろんなところからいろんなこういう政策に対しての負担が現場に行ってしまう。いかがですか、このこと。

#50
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 コミュニティ・スクールを推進する課題としましては、特に続けていく上におきましては、校長や関係者の十分な理解とともに、委員ですとかあるいはコーディネーターとなる人材をちゃんと確保するということが課題として挙げられるところでございます。
 学校における働き改革の実現に向けては、保護者や地域住民等との適切な役割分担を進める上で、コミュニティ・スクールの枠組みを活用して、学校が保護者や地域住民等との教育目標や課題を共有しまして、その理解、協力を得ながら進めることが重要であることは論をまたないところでございます。その上で、学校や地域の実情を踏まえて、これまで学校や教師が担ってきた業務の一部を地域や保護者が分担することが適当と判断された場合には、地域学校協働活動推進員を中心に、ボランティアの発掘ですとか連絡調整を組織的、継続的に進めることが重要でございます。
 こうした意味で、学校における働き改革の実現に向けては、コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的な推進が不可欠でございまして、今後とも必要な支援に取り組んでまいりたいと存じます。

#51
○斎藤嘉隆君 ちょっと問うた中身と全然答弁が違いますけれど、もういいです、ここまでにしておきます。ちょっとほかのことも聞きたいので、このことはまた改めてこの委員会で議論したいというふうに思います。
 最後に、文化芸術の支援について一点だけお伺いをしたい。ミニシアターの支援なんです。
 まん延防止措置中はコロナによる時短営業要請の対象とはなっていないんですが、時短営業に応じているところが多かったというふうに認識をしています。飲食店ではないので感染症対応の地方創生臨時交付金の支給対象とはなっていないということですけど、大手の映画館などはポップコーンや飲物販売などで飲食店の登録をしているところが多いので、こういったところは対象になっているということなんですけど、ミニシアターの類いはこのような状況ではない、登録もしていない。
 これ、ミニシアターって、レートショーという遅い時間帯の上映等が売上げの実は四分の一程度を占めていて中心なんです。ところが、時短などでなかなか夜の営業がしづらくて、先日も渋谷のミニシアターが、有名ミニシアターが五月いっぱいで閉館と、こういうことにもなっています。
 これ、緊急事態宣言が出て、千平方メートル以下の店舗、休業要請対象外なので営業を行ってもいいんですけれど、これ世間からバッシングを受ける可能性もあるので、実質的には休業をしたり、座席数を減らして時短営業をしたりと、あるいはレートショーを中止をすると、こういったことを強いられている。
 こうした事業者の支援、事業継続の仕組みを構築しないと、こういう文化が消えていってしまいます。このことはもうゆゆしき事態だと思っていて、一日、要請に応じれば二万円の支給とかですね、香典じゃないんですから、本当に、そういうような指摘もされているような状況で、やっぱりここの支援が今急務じゃないかなと思いますが、この点についていかがでしょうか。

#52
○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。
 今委員御指摘になったような実態にあるというふうに私ども考えておりまして、実際、休業されているところ、時短営業されているところ、あるいは八時まで、そうですね、八時までの時短営業されているところ、大阪は通常どおり営業といったところが多いようです、そういったような実態にございますが、このミニシアターも含めた文化施設の皆様が、徹底した感染対策に努めながら、文化芸術のともしびを絶やさぬように取り組んでこられたと深く敬意を表したいと思いますが、文化庁におきまして、ミニシアターが事業継続のために活用可能な支援として、第三次補正予算におきまして、文化芸術関係団体が感染対策を十分に実施した上で行う積極的な公演への総額二百五十億円の支援、文化施設における感染防止対策等における整備等への約五十億円の支援を行うこととしております。
 こうした支援策を速やかに確実に実行して、現下の厳しい状況を乗り越え、映画、舞台芸術、音楽等の文化芸術活動をしっかりと継続、発展していただけるよう、全力で取り組んでまいります。

#53
○斎藤嘉隆君 もう、ちょっと時間になっちゃって、ごめんなさい、今も答弁にあった積極的な活動とか、こういうのも、じゃ、具体的に一体何があるのかということなんですね。そういったところがやっぱり明確でないものだから具体的な支援ができないので、このことについても引き続き議論させていただきたいと思います。
 ちょっと大臣にいろいろお聞きをしたかったんですけど、時間が来ましたので、また次回に譲りたいというふうに思います。
 じゃ、以上です。ありがとうございました。

#54
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。
 三度目の緊急事態宣言が発出されております。変異株の状況など、若年者に関する感染の状況も変わってきている中で、こうした状況が長期化しております。学校現場を始め関係者の皆様には引き続きの感染防止の御努力をいただく、また、子供たちへの影響も心配されます。文科省においては、引き続きしっかりと注視をしながら必要な対策を取っていただきたいと思います。
 それから、質問に入る前にちょっと一点申し上げておきたいんですが、前回、私、質問で、学校の先生方の子育て、女性の教員の、主にですね、子育てとお仕事の両立のことについて質問したんですが、その後、具体的なお声をいただきまして、そのお声を寄せていただいた方は育休中なんですけれども、もうすぐ復帰を予定していると、でも、不安でいっぱいだと。
 どうしてかというと、その方が住んでいる地域のほかの先輩の子育て中の先生方は時短の勤務をしていないと、誰もしていないと。隣の市ではしている方はいっぱいいるんだけれども、その方が住んでいるところでは誰もしていなくて、みんなどうしているかというと、おばあちゃんと一緒に住んでいたりとか、学校の、職場の近くに住んでいて、もう、すぐ帰ってということをしていたりとかですね、ただ、その方は、そういった支援もなかなか受けるのが難しいし、学校からも家が遠いので、復帰できないんじゃないかと、そういうふうに心配しているという声でした。中には、両立で頑張っている女性の先生、夜八時ぐらいまで学校に残って残業しているので、お子さん方は大丈夫なんですかと聞いたら、本当は帰って御飯を作らなきゃいけないんだけれども待っていてもらっているのと、こういうことも言っていたと。
 これは教員の働き方改革についても重要な点ですけれども、やはり子育てとの両立で悩んでいる先生方というのもたくさんいらっしゃると思います。女性もそうですし、今は男性の教員の皆さんにも是非子育てに参加していただきたいと思いますので、そういった点について、重ねてになりますけれども、文科省としてもしっかり取り組んでいただきたいと思います。これは通告をしていませんので、申し上げるだけにとどめます。
 それでは、質問に入りたいと思います。
 まず、高校での通級指導について伺います。
 文科省では、先月、三月三十一日に公表をしているようですけれども、高校生を対象とした通級による指導の実施状況について調査を行ったと。まず、この概要について教えていただきたいと思います。

#55
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 文部科学省では、平成三十年度から制度化されました高等学校における通級による指導の実態を、実態等を把握するため、令和二年十月に高等学校及び中等教育学校における通級による指導実施状況調査を実施し、先月三十一日に公表いたしたところでございます。
 本調査は、国公私立を問わず、全ての高等学校及び中等教育学校の後期課程を対象に、令和元年度に高等学校等におきまして通級による指導が必要と判断した生徒の数や、実際に通級による指導を行った生徒の数、さらに実際に通級による指導を行わなかった生徒の数を聴取するとともに、通級による指導を行わなかった理由について、本人や保護者が希望しなかったため、あるいは指導体制が取れなかったため、又はその他の中から選択、回答していただくものとなっております。
 その結果といたしまして、令和元年度の国公私立の高等学校等におきましては、通級による指導が必要と学校が判断をした生徒は二千四百八十五人、実際に通級による指導を行った生徒数は千六人でございました。また、通級による指導を行わなかった生徒数は千四百七十九人ですが、その理由については、都道府県等によりましてばらつきはあるものの、最も多かったのは指導体制が取れなかったための千八十五人となっております。
 以上です。

#56
○佐々木さやか君 ありがとうございます。
 高校での通級指導は二〇一八年度から開始をされております。公立の小中学校で通級指導を受けている児童生徒というのは、御存じのとおり、年々増加をしている状況にあります。そういった子供たちがもう高校の進学率というのは非常に高いですので高校に進学するわけですけれども、小中学校で受けていたそうした指導というものがそこで途切れてしまうというのでは問題でありまして、実際に、高校で通級指導を受けさせたいと、こういった御両親からのお声というのも私も実際に多くいただいております。
 スタートして三年程度たちましたけれども、一つは、やはりこの体制をどういうふうに十分に確保していくかということであると思います。先ほど御紹介いただいたとおり、通級による指導が必要だと判断された生徒は合計で二千四百八十五人いたわけですけれども、約四割が、千六人が実際に指導を受けれた。ただ、千八十五人は指導体制が確保できなかったために指導を受けることができなかったということであります。
 この指導体制の確保においては、専門性のある教員をどういうふうに確保していくか、配置をしていくか、また学校関係者からの理解をどういうふうに得るかですとか、様々な課題があるとは思います。こういった課題について、文科省として、今回調査も行ったわけですけれども、どのように認識をして指導体制の確保に取り組んでいくのか、伺いたいと思います。

#57
○政府参考人(瀧本寛君) お答えを申し上げます。
 委員御指摘のとおり、本調査を通しまして、高等学校等において通級による指導が必要と判断した生徒の約四割が指導体制が取れなかったことを理由に通級による指導を受けられていないということが明らかになりました。
 その具体的な理由については、この調査の中そのものでは聞いて、調査をしておりませんけれども、委員御指摘のとおり、障害に応じた専門的な指導を行える教員の確保が難しかったこと、あるいは、そもそも高等学校におきます通級指導がまだ平成三十年に制度化されて年月が浅く、高校関係者の間でこの制度の趣旨の理解が十分に浸透していないことなども考えられると認識をしているところでございます。
 文部科学省におきましては、引き続きこの高等学校におきます通級による指導を担当する教員の加配の充実を図るとともに、あわせまして、担当する教員に対して免許法認定講習を活用した自立活動や発達障害に関する知識、技能の習得の促進や、発達障害の可能性のある児童生徒に対する指導経験の浅い教員の専門性向上に係る支援の構築に関する研究の実施、さらには通級による指導を担当する教師のための参考資料の周知等を行うことによりまして、通級による指導担当、失礼しました、通級による指導を必要とする児童生徒が必要な指導を受けられる環境整備に努めてまいりたいと考えております。
 先ほど申し上げたとおり、三十年度に制度スタートして、元年度でようやく各県少なくとも一校は設置されて、二年度も拡充され、今年度も更に拡充をされてきておりますので、この理解推進とともに、委員から御指摘のあった専門性の観点での支援もしっかりと文科省として努めてまいりたいと思います。
 以上です。

#58
○佐々木さやか君 高校の通級指導、指導体制の確保についてしっかり進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 次の質問に移ります。
 子どもの読書の日というのがありまして、四月二十三日でございました。子供たちにとってこの読書というものは非常に重要であるというふうに思っております。
 この子供の読書の推進について、文科省の取組を伺いたいと思います。

#59
○政府参考人(義本博司君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、四月二十三日は子ども読書の日ということで、これは平成十三年に成立いたしました子どもの読書活動の推進に関する法律によって定められているところでございます。これに合わせまして、文部科学省におきましては、国民の皆様に広く子供の読書活動について関心と理解を深めていただくために、国立青少年教育機構との共催によりまして子どもの読書活動推進フォーラムを開催するとか、あるいは子供の読書キャンペーンの特設ページの開設というふうな取組をしているところでございます。
 また、先ほど御紹介しました子どもの読書活動の推進に関する法律に基づきまして、国において基本的な計画を定めるということになっておりますが、その中においても、学校図書館の計画的な利活用等の学習指導要領を踏まえました読書活動の推進、全校一斉の読書活動、ビブリオバトル、いわゆる書評合戦でございますけど、そのようなイベントの実施など読書習慣の形成に向けた取組、図書の整備、司書教諭、学校司書等の人的配置の促進等の学校図書館の整備充実を進めているところでございまして、これらの自治体の先進的な取組を支援するとともに、それを情報提供することで全国、国全体で取組を充実、推進しているところでございます。
 文科省としましては、今後とも、こうした読書、子供の読書活動の推進に努めてまいりたいと存じます。

#60
○佐々木さやか君 子供たちの読書、本を読んでいない率、不読率というんでしょうかね、これは、小中学生については中長期的には改善傾向にあるそうですが、高校生については依然として読んでいない子供たちの率が高いというふうに指摘をされております。この読書というのは非常に重要だと思いますし、是非子供たちには本を楽しんでもらいたいなと思うわけであります。目標を掲げて、本を読め読めといっても、強制してももちろん読むわけではありませんので、どうやって子供たちにこの読書の楽しみを伝えていくか、そういったところについて是非工夫をいただきたいと思います。
 それから、文科省のこの問題についての取組状況について説明を聞いたときに、私が気になったのが、学校の図書館に、本ももちろんそうですけれども、新聞を配置しているかどうかと、そういったところについて説明を受けましたら、余りされていないんですね。小学校、中学校では四割前後でしょうか、配置している学校の割合が、高校では九割程度なんですけれども。じゃ、何紙もそろえているかというと、必ずしもそうではなくて、小中学校では一紙とか二紙とか、置いていてもと、そういうふうに聞きました。
 私が思うのは、主権者教育の重要性が指摘されております、非常に重要だと思います。この新聞各紙を、例えば授業で活用するとか、どういう今問題が起きていて、そしてどういう新聞でどういう主張がされているのかと、こういったことを子供たちが学んでいくというのは、私はまさに主権者教育ではないかなと。そういう観点からも、本もそうですし、新聞の配置や活用についても是非文科省としても後押しをしていただきたいと思います。
 そして、このコロナ禍ということで、新しい生活様式を踏まえた取組も行われていると認識しております。インターネット、また電子書籍の活用ということもどのように行っていくのかと。もちろん、それが便利な場合もありますし、子供たちの本への興味を深めることにもなるかと思います。
 それから、読書バリアフリー法が施行されまして、読書におけるアクセシビリティーの向上ということも非常に重要であります。しかしながら、そういった障害があって電子書籍やそうしたものをより活用していただくというのは非常に重要なんですが、他方で、やはり子供たちには紙の本での読書の経験、これも是非豊かな経験を、豊かに、経験をしっかりしてもらいたいなというふうに思っております。
 この点について大臣に伺いたいんですが、一人一台タブレット端末ということで、このGIGAスクール構想の下、ICTの活用というのも非常に重要です。ただ、他方で、この紙の本の読書ということについても重要だと私は思うんですが、子供の読書についての大臣の御見解を伺いたいと思います。

#61
○国務大臣(萩生田光一君) 一人一台端末の整備等のICT化の進展により、デジタル書籍の導入が進む可能性が高くなることが想定されます。一方、紙の書籍は一覧性に優れているなどの特性があることや書籍に慣れ親しませる役割を果たしていることなどを踏まえつつ、発達の段階に応じて紙の書籍とデジタルの書籍を効果的に組み合わせていくことが必要と考えています。
 教科書についても、デジタル化がいいのか紙を残すべきか、いろんな議論が今行われていまして、我々としてはじっくり検証しながら前に進みたいなと思っているんです。小学校一年生に本を朗読をするときに、タブレットを持って、こうページをめくりながら読むというのはちょっと想像できないことでありますので、こういった場合にはやっぱり本を持った方がいいんじゃないかというような意見や、あるいは、やっぱり紙のものは、今一覧性のことを言いましたけれども、振り返りという意味では、自分があのときに、ああ、こう思ったんだなんということが、本のちょっとした汚れだとか自分の書き込みだとか、そんなことで気付きをすることもありますので、その有効性もあるんだと思います。
 子供の読書活動は、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、想像力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないものだと思っております。そのため、社会全体で積極的に読書環境の整備を推進していくことは極めて重要だというふうに思います。もちろん、図書館などで閲覧をしたり借りるということも重要ですし、あるいは、大切な本は自分が持つことで安心感やあるいは勇気が湧いてきたり、本棚にしまっておくだけで、背表紙を見るだけでそのときの思いというのがまた喚起されたりするという、そういう力も持っているんじゃないかと思っていまして、是非、子供たちが読書に触れ、豊かな人生を歩めるように、関係府省や地方公共団体、民間等と連携を図りながら、家庭、地域、学校等における取組を後押しをしてまいりたいと思っております。

#62
○佐々木さやか君 ありがとうございます。
 やはり、読書というのも一つの体験だと思います。子供たちの人生を深く豊かなものにすると思います。大臣の御理解に感謝を申し上げたいと思います。是非、引き続きよろしくお願いいたします。
 残り時間が僅かになりましたので、一問だけ伺いたいと思いますけれども、GIGAスクール構想について、先ほどタブレット端末一人一台のお話をしましたが、それを是非活用していただきたいなと思っております。
 しかしながら、教育新聞のインターネットによるアンケート調査なんですけれども、気になる記事がございました。この活用状況に格差が生じてしまっていると。つまり、日常的に活用していらっしゃる教員の先生というものもアンケートの結果によると一九・三%いらっしゃるんですが、まだ子供たちの手元にすら届いていないという状況も四七・一%と高い割合があると。
 これはこれからということなんだと思いますけれども、やっぱり心配なのは、格差が生じてしまう、得意な先生はたくさん使って良い授業ができる、そうではない先生は使えなくて子供たちに影響が出るというのが一番良くないと思います。ですので、この活用についての支援、しっかり行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#63
○政府参考人(塩見みづ枝君) お答え申し上げます。
 GIGAスクール元年を迎えまして、今月から本格的な運用が開始されることを踏まえまして、全国の学校現場における一人一台端末の積極的な利活用を強力に推進していく必要があると考えております。
 このため、文部科学省といたしましても、各教科等の指導におけるICTの効果的な活用に関する解説の動画を作り、またそれを周知しております。また、オンラインによる研修プログラムの充実を図っております。さらに、日常的にICTの活用の支援を行うICT支援員でありますとか、一人一台端末環境の整備を始めとする初期対応等を行うGIGAスクールサポーターの配置促進、さらにはICT活用教育アドバイザーによる専門的な助言、研修支援などの取組も行っております。
 さらに、一人一台端末を活用した学びは、多くの学校にとりまして初めての取組ということになってまいりますので、その支援のために省内にGIGAStuDX推進チームという専属チームを設置いたしまして、学校でのICT活用が積極的に推進されるよう、優れた取組事例の収集、発信など、教育指導面での支援活動を推進しているところでございます。
 今後、一人一台端末の利用状況も適切に把握しながら、全国の学校においてICT環境の円滑な活用が図られるよう、積極的に支援してまいりたいと考えております。

#64
○佐々木さやか君 終わります。

#65
○松沢成文君 日本維新の会の松沢成文でございます。
 私は、本委員会でこれまで度々、中学校の歴史教科書の問題を取り上げてまいりました。調べれば調べるほど、この教科書調査官とかあるいは教科書検定で疑問や疑惑が湧いてくるので、今日もちょっとその続きをやっていきたいと思います。
 まず最初に、改めて、教科書調査官の選考基準とはどのようなものでしょうか。

#66
○政府参考人(串田俊巳君) お答えいたします。
 教科書検定に当たります教科書調査官の選考基準でございますけれども、平成二十一年四月三日に初等中等教育局長の決定がなされておりまして、そこにおきまして教科書調査官の選考について規定されているものでございます。
 具体的には、教科書調査官となることのできる者が満たすべき四つの要件がございまして、まず、担当教科について、大学の教授又は准教授の経歴がある者又はこれに準ずる高度に専門的な学識及び経験を有すると認められる者、次に、視野が広く、人格が高潔である者、次に、初等中等教育に関し理解と識見を有しており、関係の法令に精通している者、四つ目として、現に発行されております教科用図書及びその教師用指導書の著作、編集に従事していない者、その他教科書の発行者と密接な関係のない者と規定されているところでございます。

#67
○松沢成文君 それでは、歴史教科、これは世界史、日本史なんかの主任調査官は大学教授又は准教授の経歴を有しておりませんが、ここでいう担当教科に関して、これらに準ずる高度に専門的な学識及び経験とは何でしょうか。

#68
○政府参考人(串田俊巳君) お答えいたします。
 当該調査官につきましては、中国の政治思想史を専門としているところでございますけれども、中国を始めとして、古代から現代までの東アジア地域の政治、歴史に関する専門的学識を有していると考えております。
 また、大学における講師の経験も含めて確認しまして、担当教科、科目に関する高度に専門的な学識及び経験を有すると認められる者と判断しているところでございます。

#69
○松沢成文君 その中でですね、著書を出していたり、学術論文を発表していたり、あるいは学会の発表があると、こういうものがあって学識としてすばらしいと評価されるんだと思いますが、この方、著書はありません。恐らく学会発表というのもないんでしょう。唯一あるのが学術論文なんですね。
 私は、どんな論文があるのか、この前資料請求をしました。(資料提示)そのときに提出を文科省からいただいたのがこの分厚い「初期毛沢東思想研究」という、厚さでは御立派な論文なんですね。この論文だけじゃなくて、文科省の方は三つ論文があると言うんですね。この論文のほかに、「一九一七年における毛沢東の思想「体育の研究」を中心に」という論文と、もう一つが初期毛沢東思想の特質、倫理学原理、批語から見たという論文なんですね。
 大臣、この彼の論文、目通したことあります、読んだことあります。

#70
○国務大臣(萩生田光一君) 先生が委員会で御指摘をされた後、現物を取り寄せまして、つまびらかに読んでいませんけれども、概要については承知をしているつもりです。

#71
○松沢成文君 串田統括官はこの三つの論文読みましたか。

#72
○政府参考人(串田俊巳君) 大変恐縮ではございますけれども、現在まで読んだところはございません。

#73
○松沢成文君 三つ論文があると言いますが、あとの二つは、この論文二百十九ページ、あと、先ほど紹介した二つはみんな二十四ページと短いんですね。中見てみますと、この二つの論文、みんなこの中に入っているんです。三つの学術論文があるなんというのは、これ、ちょっと事実誤認ですね。一つの論文しか書いていないんです、博士論文としてね。それも、この毛沢東という政治家が中国共産党に入る前にどういうふうに思想が形成されていったか、どういうところから影響を受けて彼の思想が形成されていったかですね。ですから、確かに礼賛本とは言えないかもしれません、中立的に研究していますから。でも、決して批判本ではないですね。毛沢東というのがいかにすごい人物だったかということに結論が来ているわけですよね。こういう論文一つしか、この学術の専門的な学識及び経験を有するという証明がないんですよね。これ極めて偏っていると思いますが。
 ここの選考基準に、視野が広く、人格が高潔である者、それから、初等中等教育に関し理解と見識を有している者。これ、視野が広いんでしょうか。毛沢東の初期の、一人の人物の初期の思想を専門的に研究しているものしか学術論文ない。で、中学校の教育ですね、この広く、初等中等教育に見識を有しているなんて、この論文一つしかなくて何が言えるんですか。これ、かなり偏った選考でこの方、教科書調査官になっていると思うんですが。
 それで、さきの委員会で私は、専門的学識について瀧本初等中等局長、今日は局長じゃなくて総括官が来ていますけれども、に聞いたら、やはり同じようなことを言っていました。中国の政治思想史を専門としておりますが、中国を始めとして、古代から現代までの東アジア地域の政治、歴史に関する専門的知識を有しておりますと。この主任調査官の採用において参考にされた論文を見る限り、彼の専門分野は毛沢東という一人の政治家の政治思想にすぎないというふうに私は思えるんですけれども。
 専門的過ぎて、総合的、俯瞰的にこれアジアの歴史を理解している人とは到底思えませんが、文科大臣はどう見ますか。

#74
○政府参考人(串田俊巳君) お答えいたします。
 教科書調査官の採用時におきまして、これまで執筆した論文に加えまして、経歴、教育業績等を総合的に確認しているところでございます。
 当該の調査官につきましては、大学において講師として勤務する中で、中国の政治思想史のみならず、古代から現代までの東アジア地域の政治、歴史に関します専門的学識も身に付けまして、また教育に携わってきたということでございます。同様に、講師の経験におきまして、韓国についての知識も身に付けているところでございます。
 こうした点を踏まえまして、当該調査官が、中国を始めとして、古代から現代までの東アジア地域の政治、歴史に関します専門的学識を有していると判断しているところでございます。

#75
○松沢成文君 この方、筑波大学は政治学で卒業しているんですね。歴史学ではありません。
 それで、今、目白学院大学だっけな、目白大学の兼任講師というのをやられておりますけれども、そこで教えているのが政治言語文化かな、こんな科目なんですね。ですから、むしろ専門でいうと政治に近いわけでありまして、私は、公民担当の教科書調査官だったらまだ理解できるんですが、この方に、毛沢東の初期の属人的な論文しか書いたことない、それ以外著書もない、学会発表もない、こういう、まあ失礼ですが、専門分野に偏った方に、中学校の歴史、総合的、俯瞰的に全体的に理解してもらえるように教えなきゃいけない、こういう、また、視野が広い歴史教育を担当する、私はこの資格として極めて問題だと思っております。まあ、同じ答弁なので、そこはいただきませんけど。
 さあ、彼は、世界史と歴史の教科書調査を担当する七人の調査官の主任にもなっているんですね。トップリーダーですよ。彼がリードしていくんでしょう、このチームは。
 彼を主任調査官に任命した理由は何でしょうか。

#76
○政府参考人(串田俊巳君) お答えいたします。
 主任教科書調査官に昇任させるか否かにつきましては、調査官としての採用後の勤務実績を評価して行っているところでございます。
 当該の調査官につきましても、その勤務実績を踏まえまして、主任教科書調査官の職務を担うことができると判断し、任命したものでございます。

#77
○松沢成文君 どんなすばらしい勤務実績があったんでしょうか。

#78
○政府参考人(串田俊巳君) 当該の調査官でございますけれども、平成二十四年度に教科書調査官に採用されまして、それ以降、様々な教科書検定の実務に携わる中で経験を積み、その実績などが主任としてふさわしいというふうに判断したものでございます。

#79
○松沢成文君 私がこれまでこの委員会でも取り上げてきた幾つかのテーマがあります。例えば、徴用工の問題とか従軍慰安婦の問題もそうです。
 山川出版の教科書に朝鮮人や中国人を徴用しとありましたが、もうこれなんかは、私のようなある意味で素人が見ても、えっ、中国、徴用というのは国家が国家権力で強制労働に持っていくことをいうんであって、中国って当時日本だったの、気付きますよ、誰でも。それをスルーするんです。信じられない。教科書調査官の目は節穴かということです。その原案をすんなり認めてしまう審議会も、本当に学者か、これはと。目、節穴じゃないですか。
 そういうところはスルーさせておいて、自由社の教科書については、近現代史、もう中国で、通州事件なり南京事件なり上海事件なり、徹底していちゃもん付けるんですよ。私が自由社の教科書を見ていても、えっ、これどこが違うの。例えば、中国共産党が一九四五年に成立したとあって、これもいちゃもんを付けられているんです、調査官にね。なぜなのかと思ったら、当時できたときは、ちょっと左翼のほかの政党もあったので、連立政権だったので共産党政権とは言い切れないとかいう、こういういちゃもんですよ。でも、そんなことを言う方が中学生は理解に苦しむと思いますよ。
 これは、ソ連共産党ができたのは一九一七年、あるいは中国共産党ができたのは一九四九年、これは常識なんです。そうやって一部の教科書については徹底して細かいミスをあげつらって、それで四百三か所、これだけミスがあるじゃないですか、はい、あなたの教科書は一発不合格、こうやるわけですよ。
 それで、山川出版の教科書は、中国人を徴用したなんという、誰が見ても間違えている。文科省は認めていないですけど、山川出版が認めましたよね、これは。この前、大臣そう言いました。こういうことをスルーしている、見逃している。こんな不公平な、事実に反しておかしい教科書の検定の原案を作ると、これ許されませんよ、国益の問題からしても。言い方悪いけど、こんな調査官は即刻首にすべきです。
 さあ、大臣、山川出版は、中国人を徴用したということを、文科省の役人の皆さんは、いやいや、それ間違いじゃないんですといって一生懸命かばっていましたよ。ところが、山川出版の方から、それは間違いだったので訂正しますと来たんです。
 じゃ、文科大臣、これは文科省としても、誤りであったと、山川出版の訂正を認めるということでいいんですね。私はずっとそれを主張してきました。

#80
○政府参考人(串田俊巳君) 御指摘の山川出版の徴用に関する記述につきましては、山川出版の判断においてより確実性を増す記述にするということで訂正申請がなされまして、それは既に文科省として認定をしているところでございます。

#81
○松沢成文君 過ちは改むるにはばかることなかれと言います。
 僕は、きちっと文科省も、間違いを犯しちゃったんだから、済みません、間違っていましたと国民に謝罪した方がいいと思いますよ。こんな基礎的なことをスルーしちゃうんじゃ、公平な教科書検定制度とは到底言えません。猛省を促したい。
 さあ、ここで、あと六人のその歴史地理の、地理歴史の調査官のこの選考に当たって参考にした論文と専門知識、学術を示す資料を是非提示していただきたいと思いますが、どうですか。

#82
○政府参考人(串田俊巳君) お答えいたします。
 教科書調査官を選考する際の資料につきましては、人事管理に関することでございまして、行政機関の保有する情報の公開に関します法律第五条に規定いたします行政文書の開示義務の対象から外れている状況にございます。
 このため、ほかの六人分の選考の際の論文につきましては提出を差し控えさせていただきたいと思います。

#83
○松沢成文君 それはおかしい。主任の調査官の学術論文は私が要求して出したわけです、文科省は。一人については出すけれども、指摘されたから、あとの六人は人事考察上の関係だから出せません、これイコールフッティングじゃないでしょう。
 もし人事考察上そういうものは出せないというルールがあるのであれば、主任のものも出すべきじゃないんです。ちょっと言われたら、はい、出しましたと。それで、ほかのものについて出すかといったら、いや、これは人事考察上出せませんと、こんな不公平なのは、ルールはないですよ。
 これは主任教科書調査官だってかわいそうですよ。何で俺だけ出されるんだと、それで国会であんなこと言われちゃってと。ほかは守られるんですか。イコールフッティングになっていない。出すなら全員出すべきだ、どうですか。

#84
○政府参考人(串田俊巳君) お答えいたします。
 当該の主任調査官の執筆した論文を提出したということでございますけれども、この対応につきましては、当該の調査官に週刊誌報道で取り上げられたようなあらぬ疑いが掛けられたこと、また、そこから毛沢東を礼賛しているのではないかとの疑いが生じまして、それに関します議論となったため、当該の調査官が毛沢東を礼賛しているわけではないといったことを証明する必要が高まったといったこと、そうした特別な事情があったということを勘案して、その結果、提出するということに至ったものでございます。

#85
○松沢成文君 私は、この地理歴史の教科書調査官全員に疑惑持っているんです。週刊誌が言ったから出すんじゃない、国会で言われているんですよ。こんな不公平な教科書検定をやるような地理歴史の調査官、どういうルートで選ばれているんだと、どういう資料の下で選ばれているんだと、国民はみんな疑問に持つと思いますね。これ、きちっと出してくださいよ。
 委員長、これ、理事会の方でも検討いただいて、正式に委員会から資料提出要求お願いします。

#86
○委員長(太田房江君) 後刻理事会において協議いたします。

#87
○松沢成文君 大臣、もう時間がないんで最後の質問にしますが、これは大臣答えていただきたい。
 今後は、教科書調査官の選考に際して、大学教授又は准教授が経験のない者については、担当科目に関してこれらに準じる高度な専門的な学識及び経験を有することを証明する選考資料を公表して、その選考過程を透明化すべきです。じゃないと、こんな不公平な教科書検定をやる人たちがどういう人たちなのか、週刊誌ではスパイだったとも言われているんですよ。あるいは、特に歴史はイデオロギーがあって派閥があります、左から右まで。一人が引退すると、当然その派閥の後継者を調査官に入れようという、こういう運動も起きているやにも聞いています。
 大臣、ここを透明化しないと国民の教科書検定に対する信頼は得れないと思いますが、大臣の政治家としての改革方針を伺いたい。

#88
○国務大臣(萩生田光一君) まず、先生、文科省に対しての御批判は私甘んじて受けたいと思いますけれども、法制化された公のこの委員会の場で、特定の職員を、こんな職員は直ちに首にするべきだと、知事まで経験された先生がそういう発言をこの場でするのはいかがなものかというふうに思います。どうやって首にするんでしょうか。そんな手法があるんでしょうか。
 私はやっぱり、元々この事案は、先生、関心を持って御質疑いただいているのは有り難いと思いますけれども、まさにそのレッテル貼りから始まって、先ほど論文の話がありました、決して礼賛している論文だと私は思いませんよね。きめ細かく、初期の毛沢東の思想について、どうこの人が気持ちが変わってきたかということを客観的に書いてある論文だと私は思っておりますので、そこは意見の違いだと思います。
 ただ、いずれにしても、教科書の調査官は、今まで、採択ルートというのが公にならない中で、何となく前任者が辞めるときに後任者が推薦をされたり、こういったことが慣例的に行われてきたのは事実だと思います。当該職員も民主党政権下で採用されましたんで、私、そのときの経緯詳しくいまだ分からないんですけれども、しかし、仕事ぶりは、誤解を恐れず申し上げますけれども、しっかり働いているし、そこはバランスを持って対応していると、こう思っておりますので、今後の大きな課題として、この大切な教科書を作っていく、その調査官やその選び方については、御提案のあったような透明性を持った方法というものもしっかり考えていきたい、そう思っております。

#89
○委員長(太田房江君) おまとめください。

#90
○松沢成文君 大臣の御意見も分かりましたが、私は、この調査官に対してはかなりの疑問を持っています。調査官としてふさわしくないという考えも持っています。昔知事だったからそんなこと言うなと、それは関係ないでしょう。政治家としての見方、調査、真実ですよ。
 この論文だって、この論文しか学術を証明できるものがないとしたら、私は、中学校の歴史の調査官の、それもリーダーにある、非常に疑問に思いますよ。(発言する者あり)ええ、ほかにもたくさんいますから。ですから、こういう疑惑が国会でも出てくるということは、やっぱり選考過程もっと透明化して、国民のための教育、国民のための教科書なんですから、もっと分かるように……

#91
○委員長(太田房江君) そろそろおまとめください。

#92
○松沢成文君 きちっと改革をしていただきたい、そのことを申し上げて、質問を終わります。

#93
○伊藤孝恵君 資料一を御覧ください。
 自公のワーキングチームによる、わいせつ行為等で懲戒免職になった教員を再び教育現場に戻さないための新法の概要が書かれた新聞記事です。各教育委員会が第三者委員会の意見を聞き、再び免許を与えるのが適当であると認められる場合に限り再交付をする裁量的拒絶権を認めるという内容です。
 この具体的欠格要件、刑の消滅の原則の潜脱、裁量の適正な行使のための枠組みや運用に当たっての実効性を担保するための方策及び第三者委員会の権能や人員構成など、不明な点は今後お伺いするとして、少なくともここに新卒の教員そして保育士は適用外になっていることが分かります。
 今、朝日新聞デジタルで「子どもへの性暴力」という連載が毎日、既に第二十三回までですが、続いており、そこには、ありとあらゆる手を尽くして子供たちのそばに行き、己の欲望のために子供たちの性や尊厳、そして将来や命までも奪う大人たちの姿が描かれております。教師、保育士、医師、施設職員、コーチ、到底この文科委員会の所管の議員立法で太刀打ちできる範囲ではありません。
 資料三を御覧ください。
 国民民主党は、保育士や教員の欠格事由厳格化に関する法案をまとめました。これでも全く足りませんけれども、少なくとも懲戒免職教員が職種をまたいで保育士として働くことがないように、禁錮や罰金の刑に処せられた者が採用されないように、同時に、憲法第三十六条の残虐な刑罰の禁止、同じく第二十二条の職業選択の自由との整合、ほかの資格とのバランス論の議論にも堪え得る内容になっていると思います。
 資料二、これ、今各党が現在検討中の法案というのを四象限に私の方で整理をしてみました。横軸に保育士、教員などの国家資格、学童保育支援員やスクールサポートスタッフなど行政が把握又は関与している職種、さらには塾講師や一部ベビーシッターなど行政が関与せず把握も不可能な職種を記し、縦軸には下から禁錮以上又は罰金刑の刑罰、その上はそれに至らないわいせつ行為になっています。国民民主党は、このオレンジのボックス、つまり刑罰掛ける国家資格というのをスコープしており、自公のワーキングチームはその上のボックスを対象としているという理解です。言うまでもありませんが、現在、被害児童保護の美名の下、懲戒免職でなく自主退職を促す懲戒免職回避によって、わいせつ教員が県をまたいで再び教壇に立つ事例も後を絶たないことから、その厳密な運用と日本版DBSの整備は義務付けられるべきものだとの思いから、国民案にはそれらも入れております。
 大臣、この段において、文科省とか厚労省とかそういった縦割り議論はおいておいて、もうパッケージで、この幾つも今は空いているこの法律の穴、間髪入れずに塞いでいかないと、わいせつをしたい人というのは門戸が開いているところに流れていきます、その小さい穴からその身をねじ込んでいきますので、このわいせつ行為を行う者を再び子供たちのそばで絶対に働かせないために、今この立法府として我々に何ができるのか、何がすべきか、御所見伺います。

#94
○国務大臣(萩生田光一君) 子供たちを守り育てる立場にある教員が子供たちにわいせつな行為を行うことは断じてあってはならないことであり、このような思いを国会議員の皆様とも共有しているところと考えています。
 御指摘の先生の政党の法案については、与党やあるいは御党、それぞれの御議論を踏まえて立案されていると承知をしておりますので、その内容について私が政府の立場でコメントをすることは差し控えたいと考えますが、いずれにしても、文科省としては、国会の御議論も踏まえながら、引き続きこの問題にしっかり対応していきたいと考えておりますし、仮に議員立法ということの手段を取られるということであれば、ここは、今その省庁の壁を越えよという先生の御提案もありましたけれども、政党の壁を越えて、やっぱり一番いいものを最大公約数で御提案いただくことが有り難いなというふうに思っているところでございます。

#95
○伊藤孝恵君 最大公約数で御提案申し上げたいところは積もりに積もった思いなんですけれども、なかなかそういうこともいかなかった場合、大臣、是非この表を見ていただいて、このオレンジのボックスとその上のボックス、いずれもこれは国家資格です、国家が与える資格です。そこを、そこに穴がもし空いているのであれば、その法案を塞ぐ。もし我々の思いが遂げられないのであれば、文科省として御対応いただきたい、そういったお願いをさせていただきたいというふうに思います。
 次に、資料四、ヤングケアラーについてずっと発信を続けている毎日新聞の記事、御覧ください。
 今般、全国調査をしていただいたおかげで、公立中学二年の五・七%、それから公立の高校生、二年生の四・一%、クラスに一人か二人というのが誰にも相談しない隠れた困窮者、また特に今回は幼い兄弟のケアを担っているというところも入れていただいたので、そのケアラーの存在というのが初めて可視化をされました。このフリーコメント欄、拝見しましたけれども、その内容の充実を見てみると、改めて本人への聞き取りに方針転換をしてくださった政府の対応に心から感謝を申し上げます。
 その上で、回答率というのに着目をしてみると、中学生で五・六%、高校生で一〇・九%、学校側からは七割強だったことを考えると、これ余りに少ない。聞いてみると、現場に、QRからウエブに行って、そこから答えをする、入力をするという形だったそうです。
 これ、埼玉県のように、ここはあえて紙で、あえて紙で全数調査をされた方が、隠れた困窮者を見付け出すと同時に、定性、定量のデータが取れたんじゃないかなというふうに思って、残念な思いがいたしますが、資料五を御覧ください。
 ヤングケアラーへのラストワンマイル、本当あと一息というところを、研究の第一人者でもある成蹊大学の澁谷智子先生にもお知恵をいただきながらまとめてみました。先生に教わったイギリスの調査や理念、またヤングケアラープロジェクトなどの居場所づくりのノウハウは大変参考になるもので、特にヤングケアラー十六の権利というのは、国連子どもの権利条約の内容が組み込まれているほか、ケアをすることもやめる権利にまで言及されていて、このやめる権利というのに私は正直目からうろこでした。また、それを第三者のアセスメントによって行うこと、その際、罪悪感を抱かぬようスティグマ対策や家庭への同時に支援する、大変参考になるものだと感じました。
 日本の伝統的な価値観というのは、家族以外がケアラーになるということに不寛容です。理解に乏しいからこそ、財政的な支援というのも不十分。しかし、家族を取り巻く環境というのは昔とは一変いたしました。核家族になり、共働きや一人親世帯は増加し、高齢者や精神疾患などケアが必要な人が増えて、在宅福祉が推奨されているにもかかわらず、世帯の中に大人はいないので、そのしわ寄せが子供たちに行っている。ヤングケアラー対策というのは時代の要請なんだというふうに思います。
 大臣に御提案ですが、この日本版ヤングケアラー十六の権利の策定を始め、思春期独特の羞恥心から周りに自分の状況も話さず、また自分がケアラーなのだということにも気付いていない彼らを見付けにいって、情報を届けて、話を聞いたり、心や体をメンテナンスして、時にはアセスメントツールによってケアを他者の手に委ねる判断をしたりもする。
 学校の中でそれができるんだとしたら誰なんだろうかというふうに私も考えてみました。例えば担任の先生なのか、養護教諭の先生なのか、スクールカウンセラーなのか、スクールソーシャルワーカーなのか、はたまた民間の力を借りるのが現実的なのか。大臣の御所見を伺います。

#96
○政府参考人(瀧本寛君) お答えを申し上げます。
 ヤングケアラーについてですけれども、全ての児童生徒が家庭環境に左右されずに豊かな学校生活を送り、安心して教育を受けられるよう、ヤングケアラーについては、支援が必要な児童生徒を、委員御指摘のとおり、早期に発見をして適切に支援につなぐということが重要であると考えております。
 学校の中でどういう職種が適切かということですが、その子供とその大人との人間関係、その他、個々のケースで様々あろうかと思います。直接的には、福祉の支援とつなぐという観点を重要視すれば福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカーというのが挙げられますし、非常に悩んでいるということで心理の専門家であるスクールカウンセラーに活躍いただく場面もあろうかと思います。また、一番日常的に接しているのは、当然ながら日々の変化に気付きやすい学級担任でございますので、また、相談する敷居が比較的低いと言われている養護教諭の先生というのも非常に重要な職種だろうと思っております。こうした方々が一体となって支援に当たることが重要だと考えております。
 文部科学省としては、引き続き、学校全体で支援を必要とする児童生徒を早期に発見をして、福祉的な支援につなぐための方策について厚生労働省とともに検討を進めてまいりたいと思います。
 以上です。

#97
○伊藤孝恵君 瀧本局長に言及いただいたとおり、やっぱりチームプレーで一人の子供に対して支援をつなげていかなきゃいけないんだろうなというふうに思います。言及いただきましたけれども、我が国は、教育のみならず、子供たちの心身の健康を願って、学校内に独自の職種、養護教諭というのを生み出しました。英語では適切な訳がないためヨーゴティーチャーというふうに言われて、世界中で尊敬を集めている存在だそうです。
 このヤングケアラーというのは、子供の問題というのに帰着するのではなくて、これは地域包括ケアが機能していないんだとか、貧困対策も十分ではないんだというアラームなんだというふうに認識をする必要があるというふうに思います。
 資料六、昨年三月に全国で初めてケアラー支援条例を作った埼玉県のホームページからの抜粋です。こういった形でヤングケアラーが特出しされたことで支援が進む例は、イギリスの二〇一四年子供と家族に関する法律並びにケア法にも見られます。そして、神戸市は、四月、ヤングケアラーを支援する教員の相談を社会福祉士らが受け付ける専門部署を設けました。
 大臣、こういった自治体の動き、それからまた立法府の動き、そういった取組、どういったものを期待されるのか、文科省の今後の動き、目途と併せて御答弁をお願いします。

#98
○国務大臣(萩生田光一君) ヤングケアラーの背景には、少子高齢化や核家族化の進展、共働き世帯の増加、家庭の経済状況の変化といった様々な要因があるものと考えています。
 このような複雑な要因を持つヤングケアラーへの支援を行うには、教育の場と福祉がしっかりと連携し、支援を必要としている子供を早期発見の上、必要に応じて適切な福祉サービスにつなぐことが重要であり、国においても、文部科学省と厚生労働省が合同のPTを立ち上げ、支援策の検討を行っているところです。自治体においても、是非、都道府県、市町村の教育部局と福祉部局がお互いにヤングケアラーへの理解を深め、しっかりと連携した支援が実施されることを期待をしています。

#99
○伊藤孝恵君 こういった埼玉県のような自治体による全数調査ですとかこういった支援条例、こういったものも推進されるように、文科省、厚労省の取組を御期待申し上げます。
 最後に、ヤングケアラーについて私も発信すると、家庭のことは家族で解決するものだとか、ヤングケアラーってただの家のお手伝いのことでしょうとか、そういった御意見、私はもっとやっていたとか、昔はもっとやっていたとか、そういった御意見もよくいただきます。お手伝いは子供が子供として生活ができる範囲で行われるものです。年齢や成熟度に合わない重過ぎる責任、作業を継続的に担うヤングケアリングというのはお手伝いではなくて、子供自身の心身の健康、学業、そして未来にまで影響するものであります。日本の制度はケアを必要とする人を中心につくられており、ケアをするのは家族の務め、例えば家族愛ができるならできるとか、そういうべき論を振りかざす方も少なくありません。
 しかし、大臣も先ほどおっしゃいましたように、家族の力というのが相対的に弱まっている、そういった現在、その助け合いに頼るモデルだとどうしても子供や若者にしわ寄せが行ってしまうというのを理解すべきだというふうに思いますし、一方、ヤングケアラー当事者から寄せられた声としては、私はかわいそうな子だと思われたくない、普通でいたい、ばれたら友達との対等な関係が崩れてしまうような恐怖があるから誰にも言いたくないといったような声も聞きます。彼らは自分たちを特別に加護してほしいわけではなくて、周囲と同じように学生生活を送り、そして家族を守りたい、ただそれだけなんだというふうにも思います。
 ヤングケアラー支援先進国のイギリスでは、こういった課題を顕在化させた当初、ヤングケアラーを大変な目に遭っている子供というふうに描写したことで、テレビCMとかもがんがんやって、このかわいそうな子供たちを救おうみたいなアプローチをしてしまったことで、ケアをされている親や兄弟のスティグマにつながってしまったそうです。今やケアラー当事者同士がフェスのように集まり、オープンにケアラーの課題を話している国が、昔はそういった苦い教訓を今発しているところです。
 ヤングケアラーを悲劇の当事者として捉えないこと。このヤングケアラー問題は今まで語られてきませんでした。動き出した今だからこそ、私たちもこのイギリスの教訓というのを心して受け止め、受け取らなければいけない、そして、その支援策をつくっていかなきゃいけないというふうに思います。
 大臣に最後、一言お願いして、質問を終わります。

#100
○国務大臣(萩生田光一君) 家族が支え合い、助け合うことも大切ですけれども、それを子供たちが学業に影響が出るような事態は避けなくてはならないし、聞こえない声をしっかり聞いてあげなきゃいけないと思います。同時に、大人側も地域や自治体にそんな制度があるのにということを気付かないまま、子供たちに過重な負担が行っているという実態もあるんだと思います。
 様々な情報発信も含めて、今回せっかくこういったことがクローズアップされましたので、御指摘のように、子供ばかりに目を向けるのではなくて、社会全体でこの課題を少しでも前に進めるように、文科省としてできることをしっかりやっていきたい、そう思っております。

#101
○伊藤孝恵君 終わります。

#102
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
 今日は、高校入試におけるジェンダー平等、性差別について伺いたいと思います。
 文科省は、二〇一五年、性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等についてと通知を出しております。その後、ジェンダーレスの制服導入など、各学校の取組も広がっていると承知しておりますが、じゃ、入試はどうなのかということで最初に確認したいと思います。
 公立高校の入学試験において願書等の性別欄をなくした自治体の数というのは今どのくらいになっていますか。

#103
○政府参考人(瀧本寛君) この三月までに試験を終えました令和三年度の公立高校入試の願書では、幾つかの都道府県を除きまして、多くの都道府県で性別欄のない願書が使用されたものと承知しております。
 高校入試に関しましては、願書の様式を含めまして、実施者である都道府県教育委員会等が適切に判断し決定することとされておりまして、文部科学省としては各自治体の判断を尊重させていただきたいと思います。
 以上です。

#104
○吉良よし子君 幾つか除いてですけど、実施している数、お願いします。

#105
○政府参考人(瀧本寛君) 実は、正式な調査をしたものとしてはデータは存在していません。私どもが把握した幾つかと申し上げた根拠は、各都道府県の公立高校入試の要項を私ども入手しておりまして、それを全部開いて見ていって、やや疑義があるところは幾つかだけ電話で確認したということで、正式な調査ではございませんが、その中で分かっているものとしては、この三月までに行われた公立高校入試で入学願書に性別欄を設けている都道府県は六都県でございました。

#106
○吉良よし子君 六都県以外、つまり四十一道府県では性別欄がなくなっているということなわけで、ほとんどの自治体の公立高校の入試で性別欄なくす、ジェンダー平等が進んでいるというのは私、重要なことだと思うんです。
 実際、通知でもあるように、性別や性自認、性的指向にかかわらず、全ての子供たちがひとしく教育を受ける権利があるとすると、やはりこの進学の入口となる入試においてもジェンダー平等目指すべきだと思いますし、逆に言えば、性別、性自認、性的指向を理由にした差別は入試において絶対あってはならないと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

#107
○国務大臣(萩生田光一君) それが望ましい姿だと思います。

#108
○吉良よし子君 望ましいと。もう一言二言言っていただきたかったんですけれども。
 ただ、こうしたジェンダー平等が一定進んでいる努力があると、一方で、見過ごせない事例があるわけです。この間報道もあったわけですけれども、都立高校の入試なんです。
 都立高校の入試では男女別定員制が設けられていると。しかも、長年、男子よりも女子の定員が少なく設定されてしまっていると。二〇二一年度の都立高校の募集人数を調べてみますと、女子の定員は男子よりも九百八十九人、約千人も少ない募集になっております。それの結果どうなるかというと、合格ライン、合格に必要な点数が男女で異なってしまって、女子の方が高くなる傾向にあると。模試を行う会社の試算によれば、その点数差というのは三十五から四十点にもなると。女子の場合が四十点も高く点数取らないと合格できないという大変な点差になっているわけですけど、もうちょっと詳しく言うと、男子の最下位合格者と同点を取ったとしても、女子だという理由でその子は落ちるという結果になるということで、これは性差による、性別による差別に当たるのではないかと思うのですが、大臣、いかがでしょう。

#109
○政府参考人(瀧本寛君) 高校入試の方法等は実施者である都道府県教育委員会等の判断で決定し、各校長がその学校及び学科等の特色に配慮しつつ、その教育を受けるに足る能力、適性等を入試により合否を判定することとされております。
 文部科学省としては、各実施者において入試が適切に実施されることが必要と考えておりまして、性別等の属性に応じた取扱いの差異の設定などを行う場合には、募集要項等にその旨を記載するとともに、実施者がその合理的な理由を説明できることが必要であると考えております。都立高校入試の件につきましては、実施者である東京都教育委員会において適切に説明すべきものと考えます。
 以上です。

#110
○吉良よし子君 事前に示していればいいし、合理的な説明があればいいと、そういう話だったんですけど、いや、そうなのかと。
 おっしゃるとおり、そもそも入試は公平公正であるべきだと。先ほど合理的な説明という話ありましたけど、各高校の校長などが男女別定員制が必要だとして様々意見を言っていると。例えば、報道によると、東京私立中学高等学校協会会長はこのように言っています。男女別定員制をやめると都立高校に進学する女子が増えるでしょう。しかし、私立には女子に比べると男子の受皿は少なく、行き場がなくなる男子が出るおそれがありますと。若しくは、東京都立高等学校入学者選抜検討委員会、保護者や有識者による検討会が高等学校長へのアンケートを取った場合には、男子が入学できる余地を残しておくためにも男女別定員制は意味があるのではないかと考えると。さんざん、私立にしても公立にしても、男子の行き場が心配されているわけです。けど、男子の行き場確保するために、じゃ、それで女子の行き場がなくなっていいんですかという話なんです。
 男子の受皿のために女子を調整弁として扱う、これやっぱり差別的取扱いと言わざるを得ないと思うんですが、大臣、この言い分、いかがですか。

#111
○国務大臣(萩生田光一君) ちょっと分かりづらいですね。ただ、実態として、東京都の場合はもうずっと中学三年生が男子の方が人数が多いという、言うならば実数がございますので、そこはバランスを東京都の都立高校が考えての手段なんだろうというふうに思いますので、その合理的な説明があればいいですよ、じゃ、合理的かどうかとぎりぎり詰められたときに、私がどう思うかと言われて合理的じゃないと言えばこれは大変なことになりますので、東京都としては合理的な判断をした上での今の入試制度になっているんだと、そう理解をしております。

#112
○吉良よし子君 とはいえ、大臣冒頭おっしゃったとおり、分かりにくい、納得がしづらい言い分だと思うんです。
 実数に合わせてとかバランスと言いますけれども、とはいえですよ、私立についてももう女子校ではなく共学化も進んでいるし、私学の関係者に話を聞いたところ、やっぱり私学が女子の受皿になっているという感覚は実態としてはないんだと。いや、問題はむしろ学力中程度の女子生徒への影響が心配で、経済的な理由により本当は都立に行きたかったのに都立に行けない、行けなかったと、それで経済的なしわ寄せ、負担が掛けられてと、もうそれで進学自体どうしようという、そういうことになりかねないということを心配しているという声を聞いているわけです。
 ここで数字確認したいんですけれども、現在、東京都以外の自治体の公立高校の入試において男女別の定員制を設けている自治体というのは幾つあるのでしょうか。

#113
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 公立高校入試において男女別定員制を設けている都道府県は、私どもとしては、東京都を除き把握はしてございません。
 それから、済みません、少しだけ補足をさせていただきたいのですが、先ほど幾つかの声を御紹介いただきましたけれども、東京都も男子の行き場を確保するためにということでやっていることではないと私どもは承知しております。
 そういうことを言った方がいたということでございますし、それから、今し方、私学が女子の受皿という感覚はないという私立学校関係者がいらっしゃるということですが、事実としては私立の女子校の数は多いということはございますが、それは事実として、東京都さんの場合は、先ほど大臣からも少し触れましたが、都内の公立中学校三年生の男女比率に男の子の方が多いという差があって、この比率を基に算出をして募集定員を決めているというのが基本的な考え方であって、男子の行き場を確保するというよりは、東京都としては、その男女が互いの違いを認めつつ個人として尊重される男女両性の本質的平等の理念を生徒に理解させ、その具現化を図るために男女比が大きく偏らない学習環境が大切であると考えて男女別のその募集定員を決めているということでございます。ただし、近年においてはその男女別のその定員に少し弾力化を設ける男女別定員緩和実施校というのを設けて、定員の一部でありますけれども、そうした取扱いを緩和をしている学校がかなり増えてきているというふうに承知をしております。
 ありがとうございます。

#114
○吉良よし子君 いろいろおっしゃったわけですけど、数を確認したんで、要するに、東京都以外の自治体で公立高校の入試で男女別定員制というのを設けているところはないということなんですよ。東京都だけなんです。しかも、女子の方だけ人数少なくしているというのはやっぱりおかしいと言わざるを得ないんですよ。
 報道によれば、例えば大阪府立の高校の普通科も、かつて定員の九割まで男女別に合否を決めていたと。だから、最近、やっぱりこれを変えたんです。なぜかというと、先ほど私が示したような、男女の合格ラインが異なるのを避けるため、不合理を改める必要があったという理由からなんです。もうそういうふうに各地改めてきているわけです。
 それで、しかも、都立高校だって様々おっしゃっていますけれども、例えば一九八〇年度以降導入されたコース別や専門学科の募集を見れば、それは男女別定員での採用じゃないんですね、男女同数なんです。でも、都立の普通科に限ってこの男女別が残されているというのはやっぱりおかしいと。先ほど申し上げた東京都立高等学校入学者選抜検討委員会、ここからももうさんざん、一九九〇年頃からずっとこれを改めろと、男女別ではなくて男女合同での募集が妥当だと、二〇一四年にはこの男女別定員制廃止すべきという、そういう指摘まで出されている。
 三十年以上繰り返しこの問題が指摘され続けている男女別定員制、もう東京都だけ。もうこれは、やっぱりこういうやり方はやめましょうよと文科省としても言うべきときに来ていると思いませんか、大臣、いかがでしょう。

#115
○国務大臣(萩生田光一君) 高校入試において、合理的な理由なく性別等の属性により取扱いの差異を設けることは不適切であると考えます。
 文科省としては、各実施者において入試が適切に実施されることが必要と考えており、性別等の属性に応じた取扱いの差異の設定などを行う場合は、募集要項等にその旨を記載するとともに、実施者がその合理的な理由を説明できることが必要であると考えております。
 先生の御指摘、理解できる部分もございますので、是非これ、東京都議会でしっかり皆さんで議論していただきたいなと思います。

#116
○吉良よし子君 合理的な理由なく性別による差異を設けるのは望ましくないという御答弁でした。
 先ほど報道ではと申し上げましたけど、NHKで特集が組まれまして、その中で、当事者である女子中学生などからも声が上がっているんですね。同じ人間だから、性別関係なく学力レベルで見てほしいと思う、男女じゃなく実力で平等に選んでほしい、これは当然の声だと思うんですね。特に、入試においては公平公正が求められるわけです。
 改めて、大臣、最後にもう一言、入試における差別はあってはならないんだと、公平公正な入試に努めるんだと、その決意を述べていただきたいと思います。

#117
○国務大臣(萩生田光一君) 繰り返しになりますけれども、入試において、合理的な理由なく性別等の属性により取扱いの差異を設けることは不適切だというふうに思っております。是正に向けて努力したいと思います。

#118
○吉良よし子君 性別によって進路を断たれるようなことがないように、高校入試も含めて、差別、一掃していただくよう文科省に強く求めて、質問を終わります。

#119
○舩後靖彦君 れいわ新選組、舩後靖彦でございます。
 本日の一般質問では、大学などのオンライン授業における障害のある学生への合理的配慮について、大臣所信に対する質問で質問通告しながら、時間がなく残ってしまった質問も含めてお伺いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
 代読いたします。
 まず、学校における医療的ケアの提供体制の充実についてお伺いいたします。
 文科省は、医療的ケアの看護師配置を毎年拡充し、今年度は前年度比三百人プラスの二千四百人分の予算を付けています。この点について、一人当たりの時給単価をどの程度と見込んでいるのでしょうか、教えてください。

#120
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 各自治体が行う医療的ケアのための学校への看護師配置を支援するため、国においては切れ目ない支援体制整備充実事業を実施をしているところでございますが、この事業におきましてはですけれども、厚生労働省の令和二年度賃金構造基本統計調査を踏まえまして、看護師の時給単価を千八百円として予算を積算をさせていただいているところでございます。

#121
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 次に、その看護師配置の予算の拡充について質問いたします。その前提として、現状も説明いたします。
 看護師等の学校配置は、具体的には自治体が要項を作って運用しています。各自治体での看護師募集要項を見ますと、有期雇用である会計年度任用職員の扱いで、非常勤看護師、学校看護師などの名称で各自治体のホームページ、ハローワーク等で公募しているところが多いようです。勤務条件としては、自治体のホームページなどを調べた範囲で、一番安い長野市の時給千七十円から一番高い大阪市の千九百十四円、交通費、期末手当が支給されるところとされないところとでかなり差がありました。
 また、この時給ではなかなか看護師が集まらなく、派遣会社から看護師の派遣を受けている自治体、訪問看護ステーションからの派遣を特別に契約している自治体もあり、この場合は時給二千円から三千円くらいになっているようです。訪問看護を学校へ長時間派遣できるよう、特別に訪問看護ステーションと契約している市もあります。しかし、その市の場合、自治体の財政事情や訪看ステーションを運営する事業者の考えから、事業者が本来得られるはずの収入を半額ほどに抑えた契約になっているそうです。そうでもしないと担い手が見付からないからです。
 ほかにも、宿泊を伴う校外学習などでは通常の学校看護師だけでは対応できないため、派遣会社と契約しているケースもあります。保護者によりますと、子育て世代の看護師にとっては、夜勤がなく、勤務時間が一定で、子供が夏休みのとき一緒に休める学校勤務は都合が良いそうです。また、保護者にとっても、看護師の勤務に穴が空いた場合も代替を用意してもらえるので、ウイン・ウインの関係とのことです。また、常時、長期にわたる勤務は難しいので、校外学習などのスポット派遣だけを専門にしている看護師さんもいらっしゃるそうです。
 現在、コロナ感染拡大で医療現場の看護師不足は大変深刻です。しかし、子育て世代の潜在看護師の中には、フレキシブルに働ける環境であれば資格を生かして都合のいい時期に都合のいい時間帯で働きたいと思っている方も多く、学校配置の看護師はちょうどいい働き方とも言えます。しかし、自治体の直接募集にせよ、派遣会社からの派遣、訪看ステーションからの訪問にせよ、賃金の安さがネックになって、質が伴わない、あるいは看護師がなかなか見付からないというのは、医療的ケアの必要なお子さんが安心して学校生活を送るためには憂慮すべき状況です。学校に配置される支援員や看護師など、非常勤スタッフの勤務条件、採用形態、募集方法などは設置者に任されていますが、その基盤整備として人件費の下支えは必要です。
 コロナ禍により、社会における看護職へのニーズはより明確になってきました。派遣会社や訪問看護を利用する場合、国の補助事業の一時間千八百円では到底足りません。文科省は、少なくとも一八年度から三年連続で自治体のニーズが予算額を上回ったと説明を受けました。昨年度は自治体からの申請額のおよそ七割しか補助できなかったそうです。看護師配置に要した額に対し、本来は国の補助率が三分の一で約三三%なのに、昨年度の場合は二三%しか補填されないことになり、自治体の持ち出しが増え、予算規模の小さな自治体では負担が大きくなります。
 文科省が出した学校における医療的ケアの今後の対応についての通知にのっとり、なるべく親の付添いをなくそうと、各自治体でも学校に看護師等を配置するべく努力されていることは理解しております。その自治体の努力に報いるためにも、大臣、看護師配置の予算の拡充をお願いできませんでしょうか、御見解をお願いいたします。

#122
○国務大臣(萩生田光一君) 学校における看護師の配置については、医療的ケアを必要とする児童生徒等の状況を踏まえて自治体等が適切に配置するものであり、文部科学省においては、自治体等の取組を支援するため、学校における医療的ケアのための看護師配置に係る補助を行っているところです。
 この国の補助事業については、自治体からの申請状況等を踏まえ、予算の拡充に努めてきているところですが、なお自治体から予算額を上回る申請をいただいているところでありまして、今先生御披露いただいたとおりでございます。
 当該事業については、令和四年度概算要求における重要な検討課題と認識しておりますので、引き続き検討を行ってまいりたいと思います。

#123
○委員長(太田房江君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#124
○委員長(太田房江君) 速記を起こしてください。

#125
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 それでは、大臣、私と一緒に財務省に参りませんか。謹んでお願いいたします。

#126
○国務大臣(萩生田光一君) 確かに、年度当初のニーズに応えるだけの予算を確保できなかったという事実もある一方、先生も御披露いただいたように、やっぱり自治体ごとのミスマッチもあるんだと思います。長野市と大阪市の例を出していただきましたけど、例えば時給の安い長野市では確保ができて、逆に時給の高い大阪市ではそれでも足りないという状況がございますので、地域性も含めてここはいろいろ知恵を出していかなきゃいけないと思います。
 財務省に先生が一緒に行っていただける、そういう機会があるとすれば、心強いと思っております。

#127
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 私たち、れいわ新選組は、新型コロナ感染対策の最前線で働く医療職、看護職の、介護職などの方々個人へ危険手当を支給することも政府に求めています。こうした政策へも是非御理解いただきたく存じます。
 次の質問に移ります。
 三月十六日の委員会でも質問をさせていただきましたが、オンライン授業における障害のある学生への合理的配慮提供の体制整備についてお尋ねいたします。
 新学期に向け、昨年は一年間オンラインだけだった大学でも対面授業とオンライン授業との併用を準備しています。しかし、三月、年度末を迎える頃から新型コロナの感染が急速に拡大しています。二十五日には東京、大阪、京都、兵庫に緊急事態宣言が出され、今後も大学におけるオンライン授業が広がる可能性があります。
 障害当事者が中心となって活動している全国障害学生支援センターによる新型コロナウイルス感染症に伴う障害学生に関するアンケートの中間報告によりますと、アンケート調査のその他の自由記述欄には、どこに相談したらいいか分からない、合理的配慮に関する相談窓口はあるが、電話相談しか受け付けておらず、メール、ズームなどほかの手段も検討してほしい、支援員、教員に相談しにくいので、アポなしで定期的に会って相談できる時間を設けてほしいという声が上がっており、障害学生への相談体制に課題があることがうかがえます。
 通常の障害学生支援の体制において、各大学で大きな差があります。同センターが出している大学案内二〇二一障害者版によりますと、全国八百十一の大学、大学校において、障害学生支援室等、専門の相談窓口を設け、専任のコーディネーターを置いている大学があります。しかし、大半は一般学生の相談窓口と一緒で、専任担当者がいない状況です。相談窓口なしと回答している大学も数校あります。これでは、個々の障害特性に合った相談や合理的配慮事例の蓄積ができず、急なオンライン授業への配慮には対応できません。
 日頃から、障害学生に対する専門の支援員、専門の支援室の充実強化が望まれます。そのために、大学への支援が必要です。この点について、大臣の御見解をお聞かせください。

#128
○国務大臣(萩生田光一君) 障害の有無にかかわらず、全ての学生がその意欲と能力に応じて大学等において学ぶ機会の確保や、そのための環境整備を進めていくことは極めて重要と考えています。
 日本学生支援機構の調査によりますと、障害学生支援担当部署を設置しているのは全大学等の九六%、専門の部署を設置しているのは全大学等の二二%ですが、文科省では、支援に当たっての基本的な考え方や合理的配慮の決定手順等を取りまとめ各大学等に周知しているほか、日本学生支援機構において、合理的配慮ハンドブックの作成、支援事例の収集、発信、研修会等を実施し、担当者の専門的知識の習得や実践的能力の向上を図っております。
 また、各大学等は、国立大学法人運営費交付金や私立大学等経常費補助金などの基盤的経費を活用しながら障害学生支援策を実施しているところであり、引き続きこれらの予算の確保に努めてまいります。
 あわせて、バリアフリー化を推進するための施設整備や障害のある学生の学習支援に資する設備整備に対する支援を行っているところです。
 さらに、大学等の支援体制の強化を図るため、先進的な取組を行っている大学を中核として、大学等からの相談への対応や、大学間、担当者間の連携等を推進する事業への支援を行っているところです。
 各大学等において、相談窓口の周知や確実に対応できる体制の整備など、障害のある学生の目線に立った支援体制の充実を図ることが重要であるため、文部科学省としては、大学間連携等によるノウハウや事例の共有、担当者への研修などを通じ、引き続き、各大学等における取組の充実を促してまいりたいと思います。

#129
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 次に、デジタル教科書の導入についてお尋ねします。
 三月十七日、デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議が中間提言を公表しました。ICT活用の授業転換の一環として、二〇二四年度のデジタル教科書本格導入を目指すとしています。その中には、紙の教科書を全てデジタル教科書に置き換えるという意見もありました。
 昨日、有識者会議の中間提言について文科省はパブリックコメントの結果を公表しました。それによりますと、賛否両論、慎重論が目立っております。肝腎のデジタル教科書のコンテンツを提供する教科書会社からも様々な懸念が寄せられています。例えば、デジタル教科書のコンテンツに対する検定はどうするか、定価の設定方法などです。デジタル教科書導入自体はデジタル社会に向けての大きな流れの必然であり、止められないでしょう。しかし、学校教育における大きな転換点であるデジタル教科書導入に向け、文科省がどのような制度設計をしていくのか、極めて重要です。
 今年度、文科省は、学習用デジタル教科書普及促進事業として、学びの保障・充実のための学習用デジタル教科書実証事業やクラウド配信に関するプラットフォームの実行可能性の検証を始めています。教科書製作会社、現場の教職員、保護者、そして何より子供たちの声、子供たちからの意見をきちんと反映して、デジタル教科書の可能性、利便性を引き出す仕組みにするため、懸念点をどう検証していくのか、大臣の御見解をお聞かせください。

#130
○国務大臣(萩生田光一君) デジタル教科書の今後の在り方については、三月に取りまとめられた有識者会議の中間まとめにおいても、全国的な実証研究を行いつつ検討することが必要であるとされています。
 そのため、今年度、小中学校等にデジタル教科書を広く提供し、学校現場における普及促進を図るほか、その使用による教育上の効果や健康面への影響を含めた実証研究を行うこととしております。併せて、デジタル教科書のクラウド配信に関するフィージビリティー検証も行うこととしています。また、端末や通信環境の整備については、GIGAスクール構想において一人一台端末や通信ネットワークを一体的に整備してきたほか、家庭での使用に際して低所得世帯への通信費支援策を行っています。
 デジタル教科書の本格的な導入については、次の小学校用教科書の改訂が行われる令和六年度が一つのタイミングだと考えていますが、紙の教科書が、長年にわたり学校教育の基盤を支え使用されてきたことや、一覧性に優れているなどの利点があることも考慮しながら、丁寧に実証研究等の取組を進める必要があると考えています。
 今後のデジタル教科書の在り方については、実証研究の成果を踏まえつつ、引き続き有識者会議において制度面も含め御議論いただき、子供たちの学びが充実するよう、丁寧にスモールステップで進めてまいりたいと考えているところです。

#131
○委員長(太田房江君) 簡潔にお願いいたします。

#132
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございます。
 デジタル教科書は、江戸時代の藩校、寺子屋以来の何世紀にもわたる日本の学校における学びの姿を変える大転換です。是非、慎重な検討をいただきたいと存じます。
 これで質問を終わります。

#133
○委員長(太田房江君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────

#134
○委員長(太田房江君) 次に、国立大学法人法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。萩生田文部科学大臣。

#135
○国務大臣(萩生田光一君) この度、政府から提出いたしました国立大学法人法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 国立大学は、社会変革を先導する存在になることが求められています。こうした期待に応えられるよう、令和四年度から始まる第四期中期目標期間に向けて、国立大学法人のガバナンスの見直しや経営の裁量拡大を図るための制度改革を行うことが必要であります。
 この法律案は、このような観点から、国立大学法人等の管理運営の改善並びに教育研究体制の整備及び充実等を図るため、学長選考会議の機能強化のために必要な措置を講じ、監事の体制を強化すること等の措置を講ずるとともに、小樽商科大学、帯広畜産大学及び北見工業大学を設置する各国立大学法人を統合する等の措置を講ずるものであります。
 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
 第一に、国立大学法人等が作成する中期計画の記載事項として、教育研究の質の向上に関する目標等を達成するためとるべき措置の実施状況に関する指標を追加するとともに、年度計画及び年度評価を廃止することとしております。
 第二に、国立大学法人等の組織体制の見直しとして、国立大学法人の学長選考会議に学長の職務執行の状況の報告を求める権限を付与し、その名称を学長選考・監察会議とするとともに、同会議の委員について、学長を加えることができないこと等としております。あわせて、大学共同利用機関法人の機構長選考会議についても同様の措置を講ずることとしております。また、監事の監査機能を強化するため、監事のうち少なくとも一人は常勤とするとともに、監事は学長等に不正行為や法令違反等があると認めるときは、学長選考・監察会議に報告することとしております。
 第三に、国立大学法人等は、当該国立大学法人等が保有する教育研究に係る施設、設備等の管理及び他の大学等による利用の促進に係る事業を実施する者並びに当該国立大学等における研究成果を活用する事業であって政令で定めるものを実施する者に対し、出資を行うことができることとしております。さらに、指定国立大学法人については、出資対象となる研究成果を活用する事業者の範囲を拡大することとしております。
 第四に、国立大学法人小樽商科大学及び国立大学法人北見工業大学を国立大学法人帯広畜産大学に統合し、小樽商科大学、帯広畜産大学及び北見工業大学を設置をする国立大学法人北海道国立大学機構とすることとしております。また、国立大学法人奈良教育大学を国立大学法人奈良女子大学に統合し、奈良教育大学及び奈良女子大学を設置する国立大学法人奈良国立大学機構とすることとしております。
 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようにお願いいたします。

#136
○委員長(太田房江君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ─────────────

#137
○委員長(太田房江君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国立大学法人法の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#138
○委員長(太田房江君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#139
○委員長(太田房江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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