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2021/04/27 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 農林水産委員会 第10号 令和3年4月27日
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2021/04/27 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 農林水産委員会 第10号 令和3年4月27日

#1
令和三年四月二十七日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十一日
    辞任         補欠選任
     高橋 克法君     北村 経夫君
     宮崎 雅夫君     松山 政司君
     山田 修路君     関口 昌一君
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     北村 経夫君     高橋 克法君
     関口 昌一君     山田 修路君
     舞立 昇治君     松川 るい君
     松山 政司君     宮崎 雅夫君
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     松川 るい君     舞立 昇治君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         上月 良祐君
    理 事
                堂故  茂君
                藤木 眞也君
                山田 修路君
                田名部匡代君
                紙  智子君
    委 員
                高橋 克法君
                野村 哲郎君
                林  芳正君
                舞立 昇治君
                宮崎 雅夫君
                山田 俊男君
                石垣のりこ君
                郡司  彰君
                森 ゆうこ君
                河野 義博君
                熊野 正士君
                高橋 光男君
                石井 苗子君
                舟山 康江君
                須藤 元気君
   国務大臣
       農林水産大臣   野上浩太郎君
   副大臣
       農林水産副大臣  宮内 秀樹君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       熊野 正士君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        笹口 裕二君
   政府参考人
       外務省大臣官房
       審議官      田島 浩志君
       厚生労働省大臣
       官房生活衛生・
       食品安全審議官  浅沼 一成君
       農林水産省大臣
       官房総括審議官  青山 豊久君
       農林水産省大臣
       官房総括審議官  森   健君
       農林水産省大臣
       官房政策立案総
       括審議官     村井 正親君
       農林水産省食料
       産業局長     太田 豊彦君
       農林水産省生産
       局長       水田 正和君
       農林水産省農村
       振興局長     牧元 幸司君
       農林水産省政策
       統括官      天羽  隆君
       林野庁長官    本郷 浩二君
       水産庁長官    山口 英彰君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (RCEP協定に関する件)
 (食品ロス削減に向けた取組に関する件)
 (農業用ため池の管理及び保全に関する件)
 (米政策に関する件)
 (外国資本による森林買収問題に関する件)
○畜舎等の建築等及び利用の特例に関する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(上月良祐君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○委員長(上月良祐君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に山田修路さんを指名いたします。
    ─────────────

#4
○委員長(上月良祐君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、外務省大臣官房審議官田島浩志さん外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#5
○委員長(上月良祐君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#6
○委員長(上月良祐君) 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#7
○石垣のりこ君 立憲・社民会派の石垣のりこでございます。よろしくお願いいたします。
 さて、三月二十一日に一都三県に出されていました緊急事態宣言が解除になりましておよそ一か月、さらにまた緊急事態宣言が三回目出されたということになります。その間、まん延等防止措置もなされ、この短い間で三回目の緊急事態宣言が出されなければならなかったというのは、何よりももう政治の失策としか言いようがないことだと思います。
 その点、内閣の一員として、まずは野上大臣に、どのように責任を感じていらっしゃるかということを一言伺いたいと思います。

#8
○国務大臣(野上浩太郎君) 今回の緊急事態宣言では、ゴールデンウイークの短期集中対策としまして、飲食の対策を強化するとともに、一旦人の流れを止めるために、多数の者が利用する施設への休業要請を含む強力な措置を講ずることとしたところであります。
 農林水産省では、農林水産業あるいは食品産業の動向を注視しつつ、食料の安定供給に万全を期してまいりたいと考えております。

#9
○石垣のりこ君 農林水産省のホームページで、野上大臣が皆さんへのメッセージ、ビデオメッセージ出されていらっしゃるのも私も拝見いたしました。
 そんな中で、昨日、農水省所管のGoToイート事業についてまず伺いたいと思うんですけれども、昨日、奈良県でプレミアム食事券、プレミアム付き食事券が販売されたと、この中において、いうニュースがありました。現在のこのGoToイート事業の実施状況、どうなっていますでしょうか。

#10
○政府参考人(太田豊彦君) お答えをいたします。
 GoToイート事業につきましては、都道府県が地域の感染状況等を踏まえて、飲食店の営業時間の短縮要請などと併せて、食事券の販売の一時停止、あるいは食事券、ポイントの利用自粛の呼びかけの実施、こういったものを判断しております。
 四月二十六日現在でございますけれども、東京都、大阪府、京都府、兵庫県などを含む二十三の都道府県におきまして食事券の販売の一時停止が行われております。これ以外の二十四県につきましては販売停止はなされておりません。また、二十四の都道府県において、食事券、ポイントの利用を控えるよう利用者に呼びかけがなされているところでございます。

#11
○石垣のりこ君 二十三都府県ですか、今利用、販売一時停止ということなんですけれども、先ほど申し上げました奈良県なんですが、ニュースにもなっていましたけれども、ほとんどの指標で今ステージ4超えていると。直近一週間の十万人当たりの感染者数が全国で三位、五一・五六人と、こういう数字が出ております。まん延防止等重点措置も今出ていない状況で、でも指標はこれなわけですよね。病床使用率も七四%。
 ここにおいてGoToイート食事券を販売する意義というのが本当に不思議でならないんですが、これに関して農林水産省としては、何らかの措置であるとか、関係省庁も含めてだと思うんですけど、GoTo事業を含めてだと思うんですが、連携して何か対処なさっていらっしゃるんでしょうか。

#12
○政府参考人(太田豊彦君) お答えをいたします。
 奈良県につきましては、先ほどの販売停止が行われていない、販売停止が行われていない二十四県に入るところでございます。
 こうした中で、奈良県に対しましては節目節目で、まあ奈良県だけではないですけれども、GoToイート事業の行っている事業実施主体あるいは県、都道府県に対しまして、節目節目でいろんな要請をするとともに、特に個別に、奈良県を含む関西圏の感染状況を踏まえまして、特に慎重な判断を行うように重ねて依頼をしてきているところでございます。
 この中で、奈良県につきましては、感染経路のほとんどが大阪関連で、県内の飲食店が感染源となった事例はごく僅かであるということで、感染予防対策を徹底の上で消費喚起策を行いたいという判断で実施されているというふうに承知をしております。
 一方で、この感染が拡大しているという局面、それから飲食店でのリスクが高いという、そういったエビデンスもありますので、まさに先ほど、九時三十五分ぐらいでございますでしょうか、先方の副知事が連絡が取れましたので、私の方から重ねて慎重な対応をお願いをしたところでございまして、検討、早急に検討するという御返事をいただいているところでございます。

#13
○石垣のりこ君 先方との、副知事との連絡が取れて対応していただいているということなんですけれども、これ、もう、宮城県もそうなんですが、かなり、宮城がまん延防止措置になると同時ぐらいですね、もうトップファイブぐらいに奈良県は感染者数十万人当たりが非常に多かった地域です。それでもかかわらずこういう動きが出てしまうということ、これはひとえにやっぱり政府の、人流を止めなければいけない、感染源として、感染する場所として飲食店というのがあって、時短を要請する、皆さんにもできるだけ外食しないように、するとしてもごく少人数でお願いしたいと、そういうことを言いながら、このGoToイートを結局は止められない、皆さんに使用を控えていただくということにしかならないというのは、これ、どういうふうにしたいんだろうと、私たちはどういうふうに行動したらいいんだろうかと非常に迷いも生じさせますし、ある種、ダブルバインド、全く逆方向のメッセージを同時に出すと私たちの思考を硬直させてしまう、そういう政策をされていると言われても仕方がないのではないかと思います。
 事業のこれ終了が六月末ということなんですけれども、クーポンと食事券が使えるのがですね、その間、まん延等防止措置、重点措置、あと緊急事態宣言がある中で、終了時期の変更というのは今検討されていらっしゃるんですか。

#14
○国務大臣(野上浩太郎君) GoToイート事業の食事券の利用期限につきましては、昨年十二月に決定をしました経済対策に基づいて六月末とされております。
 五月十一日までを期限とする緊急事態宣言が発令をされたわけでありますが、五月以降の感染状況などまだ不確定な要素が多いことから、現段階では七月以降の具体的な対応、予断できる状況にはないところでありますが、これは各地域の声を伺いながら適切に対応してまいりたいと考えております。

#15
○石垣のりこ君 結局、中止にはしていないから、自粛はしてもらって使わないようにはしてもらっているけど、使えない状況じゃないから、多少の温度差というか濃淡はあるかもしれないけれども、六月末に取りあえずしているという状況だと思うんですが、これだと思い切って使える地域とそうじゃない地域の差というのも非常にありますし、じゃ、いざ、五月十一日をもって緊急事態が一都三県で解除されました、まん延防止等も何とか取りあえず収まりましたということになったと、駆け込み利用があって、これが直接的な理由になるかどうか分かりませんけれども、そういう利用のされ方が更に感染を広げる可能性というのもこれ決して否定はできないわけですよね。
 是非、この六月末の利用期限を、その段階でどうなるかというのはもちろんありますけれども、皆さんがより安心して使える環境で大丈夫なんだというふうに御理解いただけるように、その延長も含めた検討を是非していただいた方がよいのではないかと申し上げたいと思います。
 その上で、先ほどこのGoToイート事業が感染拡大の拠点になっているというか、理由になっているというふうには捉えていらっしゃらないと御発言ありましたけれども、GoToイート事業開始から現時点までの飲食店における感染者数、教えてください。

#16
○政府参考人(太田豊彦君) お答えをいたします。
 GoToイート事業につきましては、参加飲食店において従業員又は事業の利用者に新型コロナウイルス感染者が確認された場合は、飲食店からの協力を得て、また保健所と連絡を取り合った上で飲食店から報告が行われるよう、受託先である事業者に対して指示をしているところでございます。
 十月の事業開始以降四月十六日までの約六か月間の累計で、新型コロナウイルス感染症に感染した従業員の人数は二百五十八名、店舗数は百八十九店舗との報告を受けております。また、GoToイート事業の利用者において感染者が出ているという報告は受けていないというところでございます。

#17
○石垣のりこ君 これ、今さらっとおっしゃいましたけれども、報告を受けることにはなってはいるんですが、もちろんこれは義務ということではなく、あくまでもGoToイートに参加している事業者、お店から農林水産省に報告が入るという仕組みになっていて、かつ、従業員の方しか把握できていないわけですよ。そこからもしかしたら利用者の方に広がっているかもしれないけれども、それは保健所の方がどういうふうに把握をしていらっしゃるかなんですけれども、ちなみに、保健所への問合せ等で利用者への感染が広がっているかなどの確認ってされていらっしゃいますか。

#18
○政府参考人(太田豊彦君) お答えをいたします。
 このGoToイート事業の仕組みとしては、事業実施主体との、事業実施主体に対する指示において事業者から報告を受けるということになっております。
 その飲食店からの報告を基に事業実施主体が保健所と連絡を取ったところで、GoToイート事業参加店舗で客が感染したとの疑いを持って保健所が調査している事例というのが一店舗あったということでございます。感染した客は、それがGoToイート事業かどうかというのは明確ではありませんけれども、その店舗において感染した利用客というのは十一名になっているところでございます。

#19
○石垣のりこ君 利用客の方にも、直接的な原因というか理由かどうかは分からないけれど、いらっしゃるという事実は一定把握していらっしゃるということだと思うんですが、基本的にはお店からの申告でございます。
 このGoToイート事業に関しても、先ほども申し上げましたけれども、本当にこれ飲食店利用促進、これが、本来、皆さん、利用者の方が安心して使える状況になるまで取りあえず一旦止めて、その上で、感染がしっかりと終息した段階で皆さんが安心してお使いいただけるように、是非農水省としてもしっかりと先導をしていただきたいなというふうにお願いを申し上げます。
 続いて、米からの転作政策について伺います。
 二〇一八年の生産数量目標配分の廃止以降のことをあえて伺いますけれども、半世紀以上にわたって政策としては豊作を手放しで喜べないと、非常に残念な状況が続いているわけなんですが、この特に三年、転作政策に重点を置かれていらっしゃると思います。この転作に関しての現在までの評価というのがどうなっていらっしゃるか、野上大臣、お願いいたします。

#20
○国務大臣(野上浩太郎君) 主食用米の需要は毎年減少していくと見込まれる状況にありますが、まず、このような中で引き続き行政による生産数量目標の配分を行うこととした場合、生産者自らが市場のニーズを捉えて需要に応じた生産を行う状況に導くのが難しく、また、生産数量目標の配分に基づいて決められる主食用米の作付面積も減り続けることがあると考えられます。
 米の需給と価格の安定を図っていくためには、やはり今後とも国内の消費拡大あるいは輸出拡大の取組を進めつつ、水田フル活用の予算などを活用して、自らの経営判断による需要に応じた生産、販売を着実に推進していくことが重要であると考えております。
 こうした中、現在の需給環境を見ますと、人口減少等によりまして主食用米の需要が減少しておりますので、そういう中で、令和二年度産については需要減少に見合った作付面積の削減が進まなかったことなどから厳しい需給環境にありまして、令和三年産の主食用米につきましても、全国で過去最大規模の六・七万ヘクタールの作付け転換が必要となっているわけであります。
 国としましては、需要のある作物への転換ですとか水田フル活用、あるいは、今、全国会議を随時開催をしておりますが、情報提供、事前契約、複数年契約、長期計画的に販売する販売方法等々支援をしながら、生産者、産地が消費者、実需者のニーズを的確につかんで水田農地化を進めていく判断ができるような環境を整えてまいりたいと考えております。

#21
○石垣のりこ君 お配りしている資料で、一枚目ですけれども、主食用米及び戦略作物等の作付け状況ということで、転作を推奨している、現状どのぐらい進んでいるかと。ここ近年、横ばい、微増のものもありますが、ほとんど今行き詰まりを示しているのではないかというのがこの数字からは読み取れます。
 今年、今年度ですね、六・七万ヘクタールの転作目標の達成を目標としているわけなんですけれども、前回の農林水産委員会でも話がありましたが、各議員の先生方からも御指摘がありましたけれども、やっぱり皆さん米価が下がるのではないかと非常に懸念を示していらっしゃいます。
 この今六・七万ヘクタールという、需給バランスを保つためにはということで示していらっしゃる数字、どのぐらい達成見込みがあるか、御見解をお願いいたします。

#22
○政府参考人(天羽隆君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、令和三年産の主食用米の作付けにつきましては、全国で過去最大規模の作付け転換が必要という状況でございます。これが実現できないということになりますと、需給と価格の安定が崩れかねない正念場という考えから、昨年十二月には大臣談話も発表されているところでございます。
 農林水産省といたしましては、現下の厳しい需給環境の下で需要に応じた生産、販売が進みますよう、令和三年産の作付けに向けまして、令和二年度の第三次補正予算におきましては、水田リノベーション事業、新市場開拓用米、加工用米、麦、大豆、野菜、果樹等について低コスト生産技術の導入などを支援する事業でございます。また、麦・大豆の収益性・生産性向上プロジェクトによりまして、水田での麦、大豆産地の団地化、営農技術、機械の導入、一時保管や保管施設の整備などへの支援を措置いたしますとともに、令和三年度の当初予算では、水田活用の直接支払交付金の様々な措置を盛り込んだところでございます。
 また、先般、水田リノベーション事業の採択結果を公表してございます。本事業において採択されております地域協議会がこの事業の申請時に申告をした新規の作付け転換面積は合計で約二・一万ヘクタールとなってございます。六・七万ヘクタールの作付け転換に向けまして、水田活用の直接支払交付金も活用をして、主食用米からの作付け転換をしっかり支援をしていく考えでございます。
 また、このような需給の動向、関連施策につきまして、関係者の皆様方への丁寧な周知なり理解の促進のため、全国会議を六回開催しておりますし、県ごとの協議会、それから地域協議会などにおきましても、説明、意見交換会、ウエブも併せて進めているところでございます。
 このように、生産者団体、地方自治体、商系業者などとも連携をいたしまして、六月末の営農計画書の提出期限に向けて作付け転換の推進に努めてまいります。このようなことによりまして、令和三年産における過去最大規模の作付け転換に対応できると見込んでおりますし、しっかり関係者一丸となって取り組んでいく必要があるというふうに考えております。

#23
○委員長(上月良祐君) 天羽統括官、答弁はできるだけ簡潔にお願いします。

#24
○石垣のりこ君 長く御答弁いただきましたけれども、おっしゃっていることというか、私が答えていただきたいことに関しては、努力して六・七万ヘクタールを達成しようと思っているという。事実の数字としては二・一万ヘクタール、今のところは何とかなりそうだけれども、三倍以上まだ開きがあるよという数字しか私には聞こえてきませんでしたが、六・七万ヘクタール達成しない場合、米価が下がる可能性が高いということで、最終的にはどうなるか、その作況にもよるかもしれませんけれども。
 これ、米価下落に対して大臣はどうなさるおつもりなのかというか、どういうふうにされるおつもりなのか。下がった場合、本当どういうふうにされるというふうにお考えなんですか。

#25
○国務大臣(野上浩太郎君) 今答弁がありましたが、令和三年産の作付け転換に向けては、六月末の営農計画書の提出に向けて検討を進めているところでありまして、話あったとおり、水田リノベーション事業ですとか麦・大豆プロジェクトですとか水田活用直接支払交付金等々措置をして、作付け転換が進むように今取り組んでいるところであります。
 今、見込みとしては水田リノベーションでは二・一万ヘクタールということでありますが、引き続きこの六・七万ヘクタールの作付け転換に向けて進んでまいらなければならないと思います。そのためには、やはり産地にしっかり理解をしていただく、しっかりと説明をしていくことが重要で、全国会議やウエブの活用等々の話もありましたが、生産団体、地方団体、商系業者とも連携をして、これ六月末の営農計画の提出に向けて作付け転換の推進に努めてまいりたいと思います。
 米価下落について、一般論として申し上げれば、例えば経営安定のためのセーフティーネットですとか、ナラシや収入保険等の補填があるわけでありますが、やはり令和三年産の過去最大の作付け転換の実施に向けて、引き続きこの関係者と連携をしてやっていくことが大事だと思っております。

#26
○石垣のりこ君 最低限のセーフティーネットはあるとはいえ、やはり皆さんが、営農されている方が安心して米であったり、野菜も含めてですけれども、生産していただける環境にないということは言えるんだと思います。
 今年だけではなくて、やっぱり今年の在庫状況というのが来年の需給見通しにもダイレクトに反映される、関わってくるということで、今後も最低でも毎年十万トンの米の消費減少というのがたしか見込まれていたと思うんですが、転作必要面積が一定、これはやっぱり増えていかざるを得ないということを示しております。
 交付金単価というのは稲作所得との均衡を一つの目途に設定されているということで、これ、今後、米価が仮に下落していくとなると、交付金単価というのも下げられることになるんでしょうか。

#27
○政府参考人(天羽隆君) 委員の御質問は、水田活用の直接支払交付金の交付金単価だと考えております。
 主食用米の需要、委員御指摘のとおり毎年減少傾向にございます。産地ごとの実情に応じて、主食用米から麦、大豆ほか需要のある作物に転換をしていくということが重要であると考えております。このため、御指摘の水田活用の直接支払交付金では、主食用米と遜色のない所得が確保できるというようにとの考えの下、例えば麦、大豆につきましては十アール当たり三・五万円といったような形で全国一律の戦略作物助成の単価を設定しておるところでございます。
 一方で、麦、大豆など転換作物の作付けを支援をいたします水田活用の直接支払交付金の仕組み、これを安定的に運用することによりまして、麦、大豆など転換作物にしっかり取り組めるようにしていくということが重要だというふうにも考えておりまして、水田活用の直接支払交付金、これは平成二十五年度措置をしたわけでございますけれども、二十五年度以降、主食用米の相対取引価格は年々の需給動向に応じまして変動しているわけでございますが、これまで戦略作物助成の交付金の単価は基本的に変わってございません。

#28
○石垣のりこ君 余りその交付金の単価が乱高下するところまでは行かないかもしれませんが、それによって左右されて、結局その影響を被るのは現場の農家の方たちでございます。そういうことがないように是非ともしていただきたいと思いますが、作る自由、売る自由ということをできるだけ推し進めて、農家の方たちが自主的に、自発的にもっともっと営農していただくための本来施策であるはずですのに、結局は、需給バランスという指標が一つ示されて、自粛を要請されているコロナ対策のようなことが米政策においても行われているのではないかというふうに、つい重ねてしまいます。
 根本的な米政策の先が見えないという点で、ちょっと農林水産省としての見解を是非とも伺いたいと思うんですが、二〇二〇年、昨年の十月十九日付け、財務省の諮問機関であります財政制度審議会に参考資料として提出された農林水産省関連の資料の中に、農業生産構造の現状という資料がございました。資料のこれは三枚目、提出している資料の三枚目になります。
 このような大きなグラフがございますが、その上の箱のところの文言でございます。農業の総産出額九兆五百五十八億円等々書いてありまして、結局何が書いてあるかというと、米というのは人手も掛かってお金も掛かって、その割には全然全くもって効率のいい食物じゃないんじゃないかというような非常にひどいことが書かれているというふうに私は受け止めたんですけれども、この記載を御覧になって、大臣、これは財務省が提出した資料ですけれども、これに対してどのように物を申されるか、是非とも教えていただきたいと思います。

#29
○国務大臣(野上浩太郎君) この昨年の十月の財政審の資料でありますが、お話あったとおり、この米の、農業の総産出額が九兆五百五十八億円に占める米の割合は二割弱であるが、六割以上の農家が従事をして、直接的な補助金は麦、大豆等の土地利用型作物も含めると約六千億円が措置されているですとか、あるいは、野菜、果樹や畜産合わせて産出額の七割を占めるが、農家数、補助金共に少ない等々の記述があったところであります。
 そういう中で、やはり主食用米の需要が毎年減少していくと見込まれる中で需要と価格の安定を図っていくためには、国内の消費拡大や輸出拡大の取組を進めつつ、需要に応じた生産、販売を着実に進めていくことが重要と考えていますが、やはりその際、国民への食料の安定供給の確保ですとか、食料自給率あるいは自給力の向上の観点からも、水田をフル活用して、麦、大豆の、新市場開拓用米あるいは加工用米、飼料用米などの需要のある作物へ転換をすることが重要であると考えております。このため、水田活用の直接交付金等によりまして支援を講じているところであります。
 農林水産省としては、やはり農業者が安心してこの麦、大豆等の転換作物に取り組めるようにするとともに、米の生産コストの低減を進めることによりまして効率的に水田フル活用施策が展開できるようにしていくことが重要であると考えております。

#30
○石垣のりこ君 私自身は農業にもっともっとお金を掛けていいと思いますけれども、でも、かといって、補助金頼みだけになっても、偏ってもいけないなというふうに考えております。
 米政策に関しては、その年々の、農水省としては、需給バランスのその価格、減反、どのぐらいしたらいいのかという指標を示すということしかされていなくて、これどこまで進めていくおつもりなのかなと、将来的なお米の、どのぐらい生産していくのを、人口も含めて消費拡大どこまでやっていってというトータルのビジョンが残念ながら見えないという状況がやっぱり問題なのではないかと思います。
 なので、やっぱり主食であるこのお米というのを農業の中でどのように位置付けてどのように守っていくかという点において、やっぱり今現場任せにどうしてもなってしまっている米政策に関しては、もっともっとやはり国としてしっかりと主導されながら、現場としっかりとお話をされながら進めていかなくてはいけないのではないかと思いますが、一言、大臣、御見解をお願いいたします。

#31
○国務大臣(野上浩太郎君) やはり、米政策進める上で、現場、生産者としっかりとその理解を得ながら進めるということが極めて重要であります。先ほど来、様々な全国大会あるいはウエブ等々の交流等々も話をさせていただいておりますが、その現場、生産者の理解を得ながら進めるということに全力を挙げてまいりたいと考えております。

#32
○石垣のりこ君 まだまだちょっと申し上げたいことはあるんですけど、次に行きたいと思います。汚染水の海洋投棄についてです。
 原発事故を理由に現在輸入規制を行っている国と地域の現状を教えてください。

#33
○政府参考人(太田豊彦君) お答えをいたします。
 原発事故による我が国の食品に対する輸入規制につきましては、政府の最重要課題の一つとして、農林水産物・食品輸出本部の下で、日本産食品の安全性について科学的根拠に基づいて説明をしてきているところでございます。
 その結果、原発事故発生後に輸入規制を導入した五十四の国・地域のうち、現在までに三十九の国・地域が規制を撤廃しております。しかし、依然として全体で十五か国・地域が日本産食品に対して規制を維持しているところでございます。
 最近の状況ということで申しますと、相手国の事情に応じて、在外公館を通じ、またテレビや電話による会議などを活用しながら様々なレベルで規制に撤廃、規制撤廃に向けた働きかけを行っておりまして、最近ではモロッコ、エジプト、レバノン、UAE、イスラエルの五か国が撤廃をしているところでございます。

#34
○石垣のりこ君 規制を行っている地域を伺ったので、解除された地域については補足としては有り難いんですけれども、ちょっと時間の関係上端的にお答えいただけると幸いでございます。
 原発の事故の影響で輸入規制を行っている地域が十五か国・地域ということがございました。宮城はホヤが有名ですけれども、震災前の生産量が大体七千から一万トンぐらいありました。そのうちのおよそ七割から八割が輸出、特に韓国を中心とした輸出ですが、今、韓国の輸出止まっております。外国に出せない分、国内消費を何とか喚起しようと、いろんな食べ方を提案して頑張っている地元の方もいらっしゃいます。でも、十年たっても、やはりこれだけ言葉を尽くして説明をしているにもかかわらず、やっぱりまだまだ規制が取れない地域と、しかも、その規制が取れていない地域というのは日本からにとっての大きな輸出の相手国なわけでございます。
 そういう現状プラス、四枚目の資料になりますが、福島の今試験操業の水揚げ量についての資料もございますけれども、福島の漁業の回復の現状について端的にお答えいただいていいでしょうか。

#35
○政府参考人(山口英彰君) お答えいたします。
 福島県は、沖合底引き網漁業を含む沿岸の漁業、養殖業の水揚げ量が、震災前の二〇一〇年、平成二十二年の約二万六千トンであったのに対しまして、令和二年の水揚げ量は、試験操業という形態を取っていたということもありまして約四万、あっ、失礼、四千五百トンの一八%にとどまっております。
 このような状況の中、福島県漁連では、平成二十四年から続けてきました試験操業を本年三月末で終了し、四月からは本格操業に向けた移行期間として震災からの復興に取り組まれると承知しております。

#36
○石垣のりこ君 端的にお答えありがとうございます。
 今一八%にとどまっている、あくまでも試験操業ということで、これから本格操業に向けた今準備期間として四月からはスタートしているわけなんですが、あくまでも、やっぱり一番影響を受けているのが福島ということで、一つの例として示させていただいていますけれども、この汚染水が排出されるとなると、やはりこれは日本全国、特に太平洋沿岸には大きな影響があると思われます。
 売上げの回復状況のアンケートというのが次の資料にあるんですけれども、これは水産加工業者に対して行われたアンケートでございます。今年の春に行われたアンケート結果ということで、八割以上の回復をしていると答えた事業者の方が今四九%なんですね。十年たって八割の回復が半分と、非常に厳しい状況です。
 これは原発事故の影響が全てではもちろんないんですけれども、現状が厳しいという実態のこれは表れというか、一つだと思います。この状況を御覧になって、大臣、どのように受け止めていらっしゃいますか。

#37
○国務大臣(野上浩太郎君) このアンケート、令和三年の一月から二月にかけて実施をしたわけでありますが、このアンケートにおきまして売上げが八割以上回復したと回答した業者の割合が四九%ということでございますので、依然としてこの売上げの回復が遅れていると認識をいたしております。また、売上げが戻っていない理由としては、販路の不足や喪失が二五%と一番多いわけでありますが、次いで原材料や人材の不足などが挙げられております。
 こうしたことを踏まえまして、水産庁では、販路の開拓につながる東北復興水産加工品展示商談会というものを実施してまいりました。これは仙台で開催をしてまいりました。また、昨年はウエブ開催などによって開催をしてまいったわけであります。顧客の回復や開拓に必要となる競争力のある商品を作るための加工機器の整備ですとか、あるいは輸送に係る経費の一部助成なども行っております。
 さらに、現在の状況も踏まえまして、やはり大阪や東京などやはり大消費地での販路の拡大を目指さなきゃならないということで、その商談会を増やすほか、外食や、メディアを活用した情報発信、あるいはECサイトでの売場づくり等々、様々な販路の回復、新規開拓の促進に努めてまいりたいと考えております。

#38
○石垣のりこ君 十年いろいろやっていらっしゃったとは思いますが、それでも現状これだと。かつ、販路の開拓というか回復というところも、これ前年度の水産庁さんの同様のアンケートの中では、販路の今回復が難しいというところと風評被害とが実は選択肢としては一緒になっていたんですね。これ、全てがイコールでもないと思いますが、全く切り離して考えられるものでもないというふうに思います。
 その上で、今、水産加工業の方のアンケート、これ水産加工業の方にしか取っていなかったということだったので、この例を出させてもらいましたが、さらに、これは消費者庁のアンケートになりますけれども、食品購入に際しての意識、食品の産地を気にする理由で、放射性物質の含まれていない食品を買いたいからと回答した人の割合は今下げ止まっていて一四%、およそ一四%という結果も出ております。
 これまでさんざんいろんな対応をしてきた。じゃ、具体的にどのぐらい予算を投じてきたのか。予算、主な対策については細かくなるので、予算お幾らだったのかということをちょっと教えてください。

#39
○政府参考人(村井正親君) お答えいたします。
 農林水産省では、被災地の復興を応援するため、平成二十三年四月以来、食べて応援しようのキャッチフレーズの下、東日本大震災の被災地産食品の販売フェアですとか社内食堂等での積極的利用の運動を継続して展開しております。また、厚生労働省など関係府省と連携して、食品中の放射性物質の検査結果など食品の安全性や魅力に関する情報について、ホームページやSNSなどを通じて情報発信を行っております。
 委員の方から予算額というお話ございましたけれども、現在、この農林水産業全般にわたる風評払拭を主眼とした事業といたしましては、福島県農林水産業再生総合事業を実施しております。この事業が平成二十九年度から実施をしておりますけれども、この事業の中では、第三者認証GAPですとか水産エコラベルの取得の促進、農林水産物の放射性物質の検査の推進、販売フェア、商談会の開催といった販売促進など、生産から流通、販売に至るまでの総合的な支援を行っておりますけれども、二十九年度から令和三年度までの五年間で二百三十五億円を措置をしております。

#40
○石垣のりこ君 二百三十五億円、その金額を伺いたかったんです。
 二百三十五億円掛けてきて、全部が全部風評被害だということではないかもしれませんけれども、水産加工業の方は八割売上げが回復したのが半分だという現状、それで一四%の方がやはりまだ気にして、いろいろ産地を気にして買っていらっしゃるという現状、やはりまだまだ、十年たっても東日本大震災、福島原発の事故の影響というのは大きく響いているわけです。
 もう、現状がまだこれだと。そこに更にやっぱり追い打ちを掛けるように汚染水の排出ということが突如降って湧いたということになるわけですよね。これって、やはりもう生産現場においてもそうですし、消費者側においてもそうですし、世界の皆さんもいろいろと注視されていらっしゃいますけれども、やっぱりここでこれをやるということ自体の判断に対してもう首をかしげるというか、真逆の対応をされていらっしゃるんじゃないかというふうに思わざるを得ません。
 ALPS処理水という名の汚染水の海洋投棄というのが、これは二年後に考えられているということで、先ほど福島の今の漁業の再生状況一八%という話がありまして、資料を見ていただければ分かりますが、五年後に五割まで回復するという目標を立ててはいらっしゃるんですが、これはあくまで二年後のこの汚染水の排水ということを視野に入れていない試算になっているという話を聞いております。
 これ、汚染水の海洋投棄が与える影響というのを、野上大臣、改めてどういうふうに受け止めて、考えていらっしゃいますか。

#41
○国務大臣(野上浩太郎君) 福島第一原発の事故以降、農林水産物につきましては買い控えですとかあるいは価格の低下が生じてきたと認識しておりますし、流通段階でも福島県産から他の都道府県産への代替が進むなど、なかなかその販路が回復しない状態が続いております。
 こうした中で、十三日に関係閣僚会議で基本方針決定をしたわけでありますが、その中では、福島県の漁業、観光、商工業、農林業等についてALPS処理水の処分に伴い新たに生じ得る風評被害の懸念が示されたことを踏まえ、対策を講じることとされておりますが、具体的な対策については、この新たに設置をされましたALPS処理水の処分に関する基本方針の着実な実行に向けた関係閣僚会議におきまして、水産業を始めとした多くの関係者の皆様の御意見を幅広くお聞きしながら、生産、加工、流通、消費、全ての段階での追加の支援策を政府全体で検討してまいらなければならないと考えております。

#42
○委員長(上月良祐君) おまとめください。

#43
○石垣のりこ君 はい。
 関係者の理解ということですけど、二〇一五年、福島で行われた会合の中で、関係者の理解なしにいかなる処分も行わないというふうにお約束をされていらっしゃる、その一つ、そして、やっぱり海洋投棄を行わないことが何よりも風評被害対策になるということを申し上げて、私の質問を終わります。

#44
○高橋光男君 おはようございます。公明党の高橋光男です。本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 本日は、ため池の整備に関してお伺いしたいと思います。
 御承知のとおり、ため池につきましては、平成三十年七月豪雨、いわゆる西日本豪雨において多くの決壊、損壊が発生し、大きな被害をもたらしました。我が地元兵庫県でも、実に百八十三か所が被災しました。こうした事態を受けて、国は全国のため池の緊急点検を実施し、必要なところに応急措置等防災対策が進められることになりました。その年度、平成三十年度から開始した防災・減災、国土強靱化緊急対策の下で、対策の優先度が高い約千のため池を昨年度中までに改修、統廃合することになったと承知いたします。
 今年も出水期が迫っております。気候変動による豪雨災害は、コロナ禍に関係なく我が国に再来する可能性があります。これまでの対策の実施状況を、このレビューをするとともに、このため池整備に係る今後の国の姿勢をただしてこれからを展望することは、国民の命と暮らしを守る上で時宜にかなったテーマではないかというふうに考え、本日はこの点に関して質問をさせていただきたいと思います。
 まず、皆様、我が地元兵庫県は全国一ため池が多いことを御存じでしょうか。合計二万四千四百ものため池がございます。これは全国の約十六万あるため池のうち一五%超を占め、全国断トツ一位です。なので、兵庫県はため池王国というふうにも言われております。一方で、例えば一番少ないのはこの東京なんですけれども、十五のため池しかありません。もうこの差というのは非常に歴然としているわけでございます。他県も見ますと、広島県で約一万九千、香川県は約一万五千と続き、これら瀬戸内地域で約五割を全国の中で占めている状況です。これは、瀬戸内気候のため降雨量が少ないということが背景にございます。
 多くが江戸時代以前に築造されて、農業用水を確保するために造成されたものです。通常、農業用水は河川の水を利用しており、全国的には九〇%近くが河川の水を利用していますが、兵庫県ではため池の水の利用が約半分も占めております。
 こうした歴史的背景がある中で、ため池の権利者の世代交代が進んだり、あるいは権利関係が不明確かつ複雑になったりしているところが多く存在します。また、近年では、離農や高齢化によって管理がおろそかになってしまい、日常の維持管理が適正に行われていないところも少なからずございます。
 こうした状況を受け、令和元年七月、所有者、管理者、行政機関の役割分担を明らかにし、適正な管理保全を図るために、農業用ため池管理保全法が施行されました。そして、平成三十年豪雨時に発生したような決壊による水害から国民の生命、財産を保護するために、令和二年十月、防災重点農業用ため池防災工事等特別措置法が施行されました。こうした法体制の下で、ハード面、ソフト面、両面でのため池整備が進められているところでございます。
 そこで、まずハード面の整備につきまして野上大臣にお伺いしたいと思います。
 防災・減災、国土強靱化三か年緊急対策では、冒頭申し上げましたように、優先度が高い約一千の防災重点ため池を昨年度までに改修、統廃合するとの目標につきまして、これは達成されたのでしょうか。この点、平成三十一年、すなわち令和元年三月に、衆議院での我が党稲津久議員による質疑に対し当時の吉川大臣は、三か年緊急対策の予算を活用していくというふうに答弁をされました。そこで、実際、この三年間でどのくらいの予算が手当てされたかについて、併せてお答えください。

#45
○国務大臣(野上浩太郎君) ため池は、今お話あったとおり、全国で十六万あるわけでありますが、その大部分が江戸時代以前に築造されておるものでありますし、豪雨や地震に対して脆弱なものですとか、やはり劣化が進行しているもの、多数存在をしておりますので、その整備、改修が防災上重要な課題となっておりました。特に、決壊した場合の浸水区域に住宅や公共施設等が存在をしまして人的被害の与えるおそれのある防災重点農業用ため池につきましては、この三か年緊急対策につきまして重点的、計画的に整備を行ったところであります。
 この三か年緊急対策におきましては、予定していました九百八十二か所のため池防災対策を完了する見込みでありまして、当該対策に充当した予算額は国費ベースで約四百七十億円となっております。

#46
○高橋光男君 ありがとうございます。
 しっかりとした目標を立ててその約一千のため池の整備というものが進められてきた、そのために必要な予算が充当されてきたという大臣の御答弁だったかというふうに思います。
 続いて、防災重点ため池のお話でございますが、これも兵庫県は九千百三十五あります。これも全国断トツトップなんです。一方で、ため池を整備していくには、今人材が不足している状況です。ため池整備のためのハード面での予算的手当てはもちろん必要ですけれども、同時に、技術的な人員体制、執行体制が不可欠なところです。
 実際、県は、特措法に基づき、十か年の実施計画でございます防災工事推進計画を決めました。これに基づき、ため池整備を集中的かつ計画的に推進する方針ですけれども、技術的なサポートや人を雇うための補助金、また国からの人材派遣等、執行体制の充実を図るための支援を強く要望されています。この点、今コロナ禍でございますけれども、例えばオンラインを活用するなど、遠隔でもできることがあるのではないかというふうに思います。
 そこで、国としていかなる支援が可能かにつきまして、熊野政務官に御答弁をお願いします。

#47
○大臣政務官(熊野正士君) お答えいたします。
 防災重点農業用ため池整備の支援につきましては、令和二年に施行されました防災重点農業用ため池に係る防災工事等の推進に関する特別措置法に基づきまして、緊急性の高いものの補助率をかさ上げするとともに、地方財政措置の充実を図るなど、財政上の措置等を講じたところであります。
 また、兵庫県等において設置されておりますため池サポートセンターが行う現地パトロール、ため池管理者等への技術的指導など、ため池の適切な管理に資する活動は重要と認識をしております。これらの活動に対して定額助成しているほか、研修講師としての国職員の派遣、オンライン研修等を通じてその執行体制の充実を支援することとしております。
 農林水産省としては、防災重点農業用ため池の防災対策が円滑に講じられるよう、ため池サポートセンター等の活動を引き続き支援してまいります。

#48
○高橋光男君 力強い御答弁、本当にありがとうございます。
 おっしゃったとおり、ため池サポートセンターの活動などは兵庫県非常に活発でございますので、そうしたところに必要な支援が届きますように心からお願いを申し上げます。
 続いて、ソフト面に関してでございますけれども、今後、豪雨等により特に大きな被害が予想されるため池については、各市町村が浸水想定区域図に避難場所や緊急連絡先等の防災情報を掲載したため池ハザードマップ、これを順次作成するものと承知いたします。
 そこで、最新の策定状況及び今後の取組につきまして御答弁をお願いします。

#49
○政府参考人(牧元幸司君) お答えを申し上げます。
 この農業用ため池のハザードマップにつきましては、ため池管理者と行政機関等の間で緊急連絡体制の整備でございますとかため池浸水想定区域図の作成を行った上で、決壊した場合の影響度に応じまして都道府県及び市町村が優先順位を付けて作成をすることとなっておりまして、令和二年三月末時点におきまして全国で約一万六千か所作成をされているところでございます。
 今後とも、このハザードマップの作成というものを積極的に推進してまいりたいと考えております。

#50
○高橋光男君 そのハザードマップをしっかり策定していただくことも大事ですけれども、しかし、それを住民の方々に周知していくような取組も併せて大変重要だというふうに思いますので、是非ともよろしくお願い申し上げます。
 そして、国は、昨年度からため池防災支援システムというものを構築されまして、その運用を開始し、その一部として、ため池の管理者の日常点検あるいは大雨特別警報発令時や大地震発生時に緊急点検を行い、その結果を報告できるスマホ用のため池管理アプリ、MEAPというんですかね、こちらを開発されたというふうに承知いたします。
 今後、より多くの管理者の方に利用していただけるように、このアプリ、しっかり普及促進を図るべきというふうに考えますが、その取組状況についてお伺いしたいと思います。
 あわせて、このアプリを通じて点検結果がタイムリーに共有されて、平時から有事の際に迅速な初動対応に活用できるようにすべきと思われますが、いかがでしょうか。御答弁をお願いいたします。

#51
○政府参考人(牧元幸司君) お答えを申し上げます。
 この御指摘をいただきましたため池管理アプリでございますけれども、これは情報通信技術を活用いたしまして、ため池の管理支援ツールといたしまして設計開発したものでございます。現地での点検結果の報告が本アプリを利用することで円滑に進むものというふうに考えているところでございます。
 農林水産省といたしましては、これらの支援ツールを現場に積極的に活用していただけますように、点検報告手順等を記載をいたしましたマニュアルの整備でございますとか、行政担当者、ため池管理者等を対象にいたしました訓練、研修の実施等によりまして普及に努めているところでございまして、今後とも積極的に普及を図ってまいりたいというふうに考えております。
 また、本取組のようなこの情報通信技術の活用につきましては、災害時の点検報告の円滑化、また災害被害情報を踏まえた行政機関における災害時の初動対応や復旧支援の迅速化、これに委員御指摘のように大変資するものと考えておりまして、引き続き推進してまいりたいと考えております。

#52
○高橋光男君 ありがとうございます。
 まさに平時での準備、こうしたアプリ等の普及等がまさに緊急時においてその初動対応に生きていく、そして大事な本当に取組だというふうに思います。まさにこの情報技術を活用したというのも、今スマホ等が普及している中で、まさにリアルタイムでその管理状況というものが把握できると、非常に優れた私は取組だというふうに思いますので、是非、普及促進について強化していただくようによろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、地域の住民参加の下でのため池保全、この必要性についてもお伺いしていきたいというふうに思います。
 ため池が地域の方々と共存していくためには、地域による環境保全の取組、これ非常に大事でございまして、これは後押ししていく必要があるというふうに思います。我が兵庫県では、ため池保全県民運動という地域ぐるみで取り組むため池保全活動が活発に行われています。毎年十月を県下全域でため池保全に重点的に取り組むため池クリーンキャンペーン重点期間と定めて、県民参加の下でため池を守る活動に取り組まれているところでございます。
 一方で、全国的に見れば、まだまだこうした活動は十分に行われていないのではないかというふうに思います。つきましては、国として、こうした好事例を横展開し全国的に推進していくための取組、これを強化していく必要があるというふうに思いますけれども、宮内副大臣に御答弁をお願いいたします。

#53
○副大臣(宮内秀樹君) お答えをいたします。
 ため池を適切に保全管理していく上におきまして、地域の環境保全の取組と連携することは大変重要であるというふうに考えております。例えば兵庫県の明石市では、ため池のクリーンキャンペーンや環境教育等の活動に対しまして、多面的機能支払交付金によりまして支援を行っているところでございます。
 また、先生御指摘のように、兵庫県のため池保全県民運動、このような地域ぐるみで行われている事例につきましては、これまでの事例集の作成等を通じまして全国の皆さん方に紹介をしているところでございます。
 ため池の環境保全に係る優良事例につきましては、ため池フォーラムや研修会の場の活用などを図るなどいたしまして、これまで以上にまさに横展開を図っていきたいというふうに考えております。

#54
○高橋光男君 ありがとうございます。
 今副大臣がおっしゃられた明石の事例なんですけれども、多面的機能支払交付金ですかね、こちらを使われた事業でして、私も昨日、農水省の方に御紹介いただいて非常にすばらしいなというふうに思ったのが、このため池を地域の財産と位置付けて、地域の住民、また企業、漁協等の農業者以外の団体とも協力してそうした環境保全運動を展開されているだとか、私も先ほど申し上げましたクリーンキャンペーン、ごみ拾い、草刈り等の活動を住民が一体となってなされている。そしてまた、ノリの、兵庫県はノリの有名な産地でございますけれども、ノリの育成に必要な栄養分を含むため池の泥や土、こうしたものを海へ流すため池一斉放流といったような取組も実施しています。
 また、あわせて、近隣の小学校を対象に、副大臣も紹介されましたため池や田んぼの役割を学ぶ環境体験学習、こうしたものも行われているところでございまして、まさに地域一帯となった、地域と共生するため池という取組が活発に行われているところでございますので、是非こうした取組を兵庫県のみならず全国的に後押しする、そうした交付金の活用というのをお願い申し上げたいというふうに思います。
 そして、最後でございますが、以上のような今日お願い申し上げたハード面、ソフト面、両面からこのため池の整備進めていくためには、防災・減災、国土強靱化三か年緊急対策に続き、この防災・減災、国土強靱化五か年加速化対策の中でしかるべく予算を確保していく必要があるというふうに考えます。
 そこで、野上大臣にお伺いします。
 防災・減災、国土強靱化五か年加速化対策で手当てされる事業費ベース約十五兆円の予算のうち、ため池の防災対策に使われる予算はどのくらいでしょうか。この点、私は、三か年緊急対策と同等以上、加速化対策というわけでございますから、すなわち、先ほど答弁いただいた四百七十億円の三分の五以上、少なくとも約八百億円から九百億円程度の予算を真水で確保すべきというふうに考えます。
 また同時に、ため池が多い兵庫県、また広島県、こうした瀬戸内地域圏に対しては特に手厚く手当てされるように、ニーズに応じてしっかりと配分をしていただきたいというふうに考えますが、いかがでしょうか。

#55
○国務大臣(野上浩太郎君) 防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策でありますが、その額は約十五兆円程度であります。そのうち、防災重点農業用ため池の防災・減災対策につきましては、事業費ベースでおおむね千八百二十億円の規模を見込んでおります。また、ため池の防災・減災対策、これ効果を最大限発揮できるように、各県の要望を踏まえて適切に予算を配分してまいりたいというふうに思いますし、ため池の防災・減災対策、これ極めて重要でありますので、これ三か年緊急対策の実績も踏まえてしっかり予算の確保に努めるとともに、これまでに増して対策を強化して、必要な支援をしてまいりたいと考えております。

#56
○高橋光男君 ありがとうございます。
 しっかり予算を確保して、ハード面、そしてソフト面、両面でのため池整備、ため池保全がしっかりと国が責任を持って行っていただくことを心からお願い申し上げて、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。

#57
○石井苗子君 ありがとうございます。日本維新の会の石井苗子です。
 冒頭、質問に入る前に、GoToイートのことについてちょっとコメントさせていただきます。
 医学的に見ますと、クーポン券が悪いんでも食べることが悪いんでもなくて、だらだらとしゃべりながら食べることがいけないんであります。ですから、クーポン券を配って、クーポン券に条件を付けて、三十分以内で食べて、テークアウトで持って帰ると、そうすればお店も少しは助かるんじゃないかと思うんです。お酒を飲まなければ、時間の問題じゃないんですね、いつどのくらいの長さで食べるかということで、両者が満足いくような条件付ければよかったんじゃないかと私は思っております。
 それでは、今日は、牛肉の輸入セーフガードについて集中的に質問をさせていただきます。
 三月十八日から四月十六日までアメリカ産の牛肉に対するセーフガード、これ発動されました。生鮮、冷蔵及び冷凍の牛肉、三十日間、関税が二五・八%から三八・五%まで引き上げられることになった。実際には三〇対八でアメリカが八持つという細かいことは分かっているんですが、このセーフガード発動に至った原因をまず教えてください。

#58
○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、二〇二一年三月上旬までの米国産牛肉の輸入量が日米貿易協定に基づきます牛肉セーフガードの基準数量を超過したため、協定に基づきまして、三月十八日から四月十六日までの三十日間、牛肉セーフガードが発動いたしました。米国産牛肉の関税率二五・八%から三八%、あっ、三八・五%に引き上げられたところでございます。
 この発動した要因についてのお尋ねでございますが、二〇二〇年度、昨年度の牛肉の輸入量全体でございますけれども、これは新型コロナウイルス感染症による外食需要への影響もございまして、その前の年度に比べまして九五%でございまして、減少しております。しかしながら、主要な輸入先国でございますオーストラリアにおきまして干ばつの影響によりまして牛肉の生産量が減少したために、その代わりに、その代替といたしましてアメリカ産が輸入されたということが牛肉セーフガードが発動するに至った主な要因と認識しております。

#59
○石井苗子君 私は、二〇一九年の十一月十二日だったと思いますが、この農水で、当時の江藤農水大臣に質問をしたんです。かなり追及した質問をしたんですが、その議事録に、過去の最高実績が二十五万五千トンだったので、セーフガードの発動水準を二十四万二千トンというところで切らせていただいて、そのセーフガードによって輸入が抑制的になるよう防衛ラインを引いたと答弁されています。
 セーフガードの抑制効果を強調していらっしゃったように読めるんですけれども、これ、今の御説明だと、当初はオーストラリアがあるから増えても大丈夫だというような御説明だったんですが、ちょっと異常な事態になったと、コロナも原因だということなんですが。セーフガードを引いたことによって頭を抑えられて、二〇二〇年度ではTPP12、これはアメリカを入れているわけですね、イレブンプラス日米貿易協定があるわけなんですが、それを合わせた水準の六十一万四千トンに比べると八千トンのダウンになっていて、その枠内に収まったという、そういう江藤大臣の御説明でした。
 実際のセーフガードの効果を説明されていたと理解したんですが、が、この度セーフガード発動に至ったということは、セーフガード抑止効果を見誤ったということでございますか。

#60
○国務大臣(野上浩太郎君) 二〇二〇年度の米国産の牛肉の輸入量につきましては、今答弁あったような様々な理由から二〇一九年度に比べて増加をしておりますが、輸入業者からは、セーフガードの輸入基準数量を意識して調達を行ったと聞いております。
 このように、セーフガードを措置していることによって輸入急増を抑制する効果は一定程度あったものと考えております。

#61
○石井苗子君 見通しが甘かったということではありますか。どうでしょう。抑制効果はあったけど、見通しは甘かったということでしょうか。

#62
○政府参考人(水田正和君) 御指摘でございますけれども、今申し上げましたとおり、主要な輸入先国でございます豪州におきまして、干ばつの影響でございます、干ばつの影響によって牛肉生産量が減少しました。その結果といたしまして、その代わりにアメリカ産の輸入が増えたということでございまして、トータルでの牛肉輸入量全体は減っております。五%減っているという状況でございまして、セーフガードに、先ほど大臣から答弁いたしましたように、輸入急増を抑制する効果はあったわけでございますが、それ以上に豪州産の減少が大きくて、その代わりにアメリカ産が輸入されたと、そういった事態であったというふうに理解しています。

#63
○石井苗子君 干ばつの影響だったということですが、セーフガード措置がとられた場合、その後、十日以内に協議を開始して、九十日以内に終了させるということになっています。この協議で発動基準数量が引き上げられるんではないかという危惧があるんですけれども、農水省としてはどのような方針で協議に臨むのか。これ外交交渉ですから差し控えるというお答えが多いんですが、国内関係者の理解が得られるようにしっかり協議いたしますというような、普通というか当たり前の答弁ではなくて、もうちょっと具体的にお話をいただけますでしょうか。

#64
○国務大臣(野上浩太郎君) 米国産牛肉のセーフガードにつきましては、日米貿易協定に関する日米間の交換公文で規定されたルールに基づいて、米国と引き続き協議を行っていくこととしております。
 まずは今回セーフガードの発動に至った要因等を分析をしながら協議を行っていくことになると考えておりますが、これは外交交渉でありますので、協議の詳細については差し控えさせていただきたいと思います。
 農林水産省としては、協議の結果を油断せず、関係省庁と連携をしながら、今お話ありましたが、国内関係者の理解が得られるように、これしっかり協議に臨んでまいりたいと考えております。

#65
○石井苗子君 このセーフガードの問題というのは、農水がどっちの味方なんだというような単純な話ではないというのは分かるんですけど、非常に複雑で巧妙な交渉が必要になってくると思うんです。
 次に質問したいのがRCEP協定なんですけれども、この協定について質問します。
 我が党の日本維新の会は、かねてより自由貿易体制の拡大というのを主張しておりまして、TPP11、日本EU・EPA、日英EPAなど、これまで賛成の立場を取ってまいりました。
 RCEP協定は、日本、中国、韓国やASEAN、十五か国が参加しています。人口が二十二・七億人で、GDP二十五・八兆円、じゃない、八兆米ドルですね、共に世界の三割を占めるという経済連携協定ということになるんですが、巨大な自由貿易圏がここに築かれているということになります。日本貿易を見ましても、貿易総額のうち約五割、五〇%はこの領域が占めているというふうに理解しておりますが。
 今、世界が保護貿易といいますか保護主義に傾きつつある中で、自由貿易、RCEP、大きな成果があると思うんですが、これ、自由貿易の推進というのは日本が取るべき姿勢であるということには賛成しているんですが、だからといって、やみくもに関税撤廃すればよいというものではなくて、中国や韓国、インドネシア等の間で日本の輸出関心品目について関税撤廃を獲得したということ、これ立派だと思いますが、まずそれをどう評価しているかと。しかし、その後、その品目についてどのような輸出促進策を取っているのか、ここをお聞きしたい。サポートできるのかというところ、ここをお聞きしたいんですが、いかがでしょうか。

#66
○国務大臣(野上浩太郎君) RCEPにおきましては、粘り強く交渉しました結果、中国に対してはパック御飯等、あるいは米菓、ホタテガイ、ブリ、しょうゆ、切り花、韓国に対しては菓子、インドネシアに対しては牛肉等の品目で関税撤廃獲得したところでありまして、今後、輸出拡大が期待をされると考えております。
 昨年十一月に農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略取りまとめたわけでありますが、二十七の輸出重点品目を選定をしまして、品目別に具体的な輸出目標を立てて主要なターゲット国を設定をし、輸出産地の育成ですとか輸出物流の構築などマーケットインの輸出体制の構築のための施策を推進していくこととしておりますが、今般、RCEPにおいて関税が撤廃された品目にはこの輸出重点品目が含まれておりますので、RCEP加盟国に含まれるアジア諸国はこれらの品目の主要なターゲット国となります。
 この枠組みは我が国の輸出促進に対して大きなチャンスとなることと考えておりますので、この協定による成果を活用しながら、スピーディーにこの実行戦略を実行してまいりたいと考えております。

#67
○石井苗子君 それは、この農水が五品目を勝ち取ったということを、大変すばらしいことなんですが、もう自画自賛に終わってしまったら駄目だと思っているんですよ。どのようにサポートしてこれを現実のものにしていくかということで、RCEP協定では、中国への輸出品目は関税撤廃を獲得した品目でも実際には検疫の関係で輸出できない品目だと、こういう問題があって、ここに批判があるわけです。つまり、ルールがあってもサポートができないじゃないかということなんですね。検疫の交渉次第では今後輸出できるようになるのかどうかと、ここが大きな争点だと思うんですけれども、なるのでしょうか。

#68
○政府参考人(森健君) お答えいたします。
 RCEP協定におきまして、中国側の関税撤廃を獲得した品目には、先ほど大臣から答弁ありましたとおり、ホタテガイを始めブリ、しょうゆ、パック御飯など、我が国の輸出重点品目が含まれております。こういった点、輸出の拡大に寄与すると考えておりますが、他方で、御指摘のとおり、関税撤廃を獲得した品目のうち例えば豚肉や果樹などにつきましては、検疫等の理由により引き続き中国への輸出が認められていないという状況でございます。
 このRCEP協定では、衛生植物検疫措置、いわゆるSPS措置が自国と他の締約国との間に貿易に影響を及ぼしていると認める場合には技術的協議を要請することができまして、この要請が行われた場合には原則として三十日以内に協議を行う義務というものが発生するというふうに定めているところでございます。本協定が発効すればこの協議の場も活用することができるようになるということでございます。
 今後、本協定で獲得しました関税撤廃の成果を最大限に生かすとともに、こうした協議の場も活用しつつ、あらゆる機会を捉えましてSPS措置に関する協議を進めることによりまして、更なる農林水産物・食品の輸出促進を図ってまいりたいと考えているところでございます。

#69
○石井苗子君 つまり、まだ成果は分からないということですよね。今、片っ方で検疫に関する交渉は行っていて、それがうまくいったときに輸出できるように関税撤廃を勝ち取ったと、このように理解しておりますが、農薬が何%だとか、今私たち、豚熱とかそういうことでいろいろと悩んでいる点があるわけなんですが、もうここを何とか、検疫に関する交渉を成功した暁にはという、そこをやっていただかないと、これうまくいったということにはならないと思うんですが。
 さらに、農水省は今回、RCEPに関しては影響試算を行わないということです。これ、毎回出していたのに、今回は行わないということなんですね。大臣は、影響試算を行ったらどうかという御質問があったときに、こうお答えになっているんです。農林水産品については、全ての参加国との関係で、いわゆる重要五品目について関税削減、撤廃から全て除外し、関税撤廃率は近年締結された二国間FTA並みの水準とした、したがって、国内農林水産業への特段の影響はないと、この答弁を繰り返していらっしゃるんですが、先ほどの質問の続きですけど、影響試算をするコストというのはどのくらい掛かるものなんでしょうか。

#70
○政府参考人(青山豊久君) お答えいたします。
 これまでの影響試算につきましては、農林水産省内での業務の一環として個別品目ごとにその影響を子細に検討した結果を積み上げております。したがいまして、特段の外部委託等は行っておらず、農林水産省職員が影響試算に要したコストを切り分けてお示しすることは困難であると考えております。

#71
○石井苗子君 そこですよ。省内でやるんですからコストは掛からないはずなんです。そうですね。
 私、東京大学の鈴木宣弘教授の試算というのもちょっと見させていただきましたけど、農業生産の減少の額は五千六百億円と書かれておりまして、TPP11の一・二六兆円の半分程度になっていますが、半分程度とはいえ相当な損失額になります。RCEPでは野菜、果物の損失が八百六十億円と農業部門内で最も大きく、TPP11の二百五十億円の損失の三・五倍になると見込まれています。
 大臣は試算の前提条件が不明だから評価できないという立場をお取りですけれども、試算の前提条件というのは、作況指数とか自給率とか幾らですとか、前提に入れるの大変複雑で難しいわけですけれども、でも、疑義を挟む声が出ているのであれば、政府で試算して反論を、せめて反論を出すべきだと思うんですが、いかがでしょうかね。農水省は絶対間違わない、誰が何と言おうと突っぱねる、続けるという姿勢はよろしくないと思うんですけれども……(発言する者あり)あちらの方から声が出ておりますけど、私の私見でございますが、改められるお気持ちはないでしょうかね、最後に。

#72
○国務大臣(野上浩太郎君) RCEPにおける我が国農林水産物の関税につきましては、先ほどお話ございましたとおり、重要五品目、すなわち米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物について関税削減、撤廃から全て除外をし、また、関税撤廃率は近年締結された二国間EPA並みの水準としました。また、国産と競合関係にある品目ですとかあるいは生産者団体が国産の巻き返しを図りたいとする品目は関税撤廃の対象外とするとともに、譲許した品目についても、用途や価格面で国産品と明確にすみ分けができているもの、あるいはRCEP参加国からの輸入実績がゼロ又はごく僅かなもの、締結済みのEPAと同水準の関税率であるものであることに加えまして、多くの品目で長期の関税撤廃期間を確保しております。
 以上のことから、RCEPについては国内農林水産業への特段の影響はないと考えておりますので、影響試算を行う予定はございません。

#73
○石井苗子君 影響試算を計算するというのはモデルが必要で、これ今使っているのはGTAPモデルというモデルなんですね。その前提条件というのは、その統計を取るために科学的なエビデンスが必要なんですけれども、大変面倒くさいです。大変です。しかし、さっき、コストは掛からない、省内でできるんだとおっしゃった。ということは、その専門家の学者さんがやること以上の試算を農水が出してくるぐらいではないと、やっぱり鈴木教授が何を出したのかということについて細かいところまで反論していくというぐらいのことをやらないと、ただ集計をしているだけで、統計的に科学的なエビデンスに基づいて、試算は要らないのだ、大丈夫なんだということは言えないと私は思うんですが、試算がなくてどうして言えるのかよく分からないんですが、あくまでも大丈夫だということが大臣お答えになったということで、私としては、大事な大きな問題でありますから、やっぱり反論するときは試算を出してきてやっていただきたいと、このように思います。
 ちょっと早く終わりましたので、この辺で今日の質問は終わらせていただきます。ありがとうございました。

#74
○舟山康江君 国民民主党の舟山康江でございます。
 私からは、外国資本による水源林などの森林買収の実態についてお聞きしたいと思います。
 政府は今国会におきまして、重要施設周辺等及び国境離島など重要土地の利用調査及び利用制限に関する法案を、先月、国会提出すべく閣議決定をしております。この中には水源林というものは入っておりませんけれども、ただ、やはりこの外国資本による森林買収に関する問題はもうかれこれ十数年前からかなり課題となっておりまして、今農水省でも調査を進めているということであります。そういった問題意識から、平成二十三年には森林法も改正をして、一定程度、土地の売買についての届出義務を課すということもしております。
 そこで、まずは外国資本による森林買収の実態と問題意識につきまして、まずは大臣からお答えいただきたいと思います。

#75
○国務大臣(野上浩太郎君) 御指摘のございました外国資本による森林買収についてでありますが、これは平成二十一年頃から報道等各方面で取り上げられまして、水源林の買収が目的ではないかとの懸念が示されたものと承知しております。
 このため、農林水産省としては、平成二十二年から外国資本による森林買収に関する調査を行っているところでありますが、初回調査の対象としました平成十八年から令和元年までの累計で二百六十四件、二千三百五ヘクタールの森林買収を把握し、公表しているところであります。これらの外国資本による森林買収のうち、地下水の取得を目的とした事例ですとか、あるいは無許可開発のような森林法上特に問題となる事例等の報告は受けておりませんが、引き続き実態の把握をしていくことが重要であると考えております。

#76
○舟山康江君 平成十八年からの累計で二千三百五ヘクタールというお答えがありました。実は、そのほか、国内の外資系企業と思われる者による森林買収もほぼ同じというか、それ以上ですね、累計で二百一件、五千二百五十五ヘクタールあるということで、これ両方合わせると七千五百ヘクタール以上という形になります。
 今大臣から御答弁ありましたように、果たしてその目的が何なのか、本当に地下水を取ろうとしているのか、そういったところは分かりませんけれども、いずれにしても、この農水省が毎年報告しているプレスリリースを見ましても、未定だったりとか資産保有という形だったりとか、非常にまだ目的が分かりにくいという状況だと思っております。
 そういう中で、把握の方法についてお聞きしたいんですけれども、先ほど紹介させていただきましたように、まず、森林法につきましては二十三年の改正時に、新たに森林の土地の所有者等となった者の届出義務があるということですけれども、この森林法改正によってどこまで詳細に把握ができているのか、そのほか国土利用計画法ですとか不動産登記法でも、今年の改正で不動産登記法に関しては登記が義務付けられますけれども、こういったほかの手法を利用しながら、どこまで正確にどのような形で把握できているのか、今の実態についてお聞きしたいと思います。

#77
○政府参考人(本郷浩二君) お答え申し上げます。
 外国資本による森林買収の状況については、今委員おっしゃられました、森林法に基づき市町村に提出される新たな森林の土地の所有者となった旨の届出や、国土利用計画法に基づき市町村を経由して都道府県に提出される一定面積以上の土地について売買などの契約を締結した旨の届出、不動産登記法に基づく登記を基に届出人の居住地や法人の所在地が海外であるものについて都道府県を通じて把握しているところでございます。
 このうち、森林法に基づく届出については、平成二十三年の森林法改正によって措置されたものであり、近年では年間約三万件の届出がなされているところでございます。
 また、国土利用計画法に基づく届出は一定面積以上の土地利用を、土地取引を対象としており、この届出の対象となる取引は、届出者の負担を軽減する観点から重複を避け、森林法の届出の対象から除外されております。このため、国土利用計画法に基づく届出も活用して把握しているところでございます。
 さらに、不動産登記簿に記載された所有者情報についても、都道府県、市町村の林務担当者が入手することが可能となっているところでございまして、森林法に基づく届出に記載された外国の住所の確認や、森林法に基づく届出が行われていない売買等の情報を把握した場合の確認に活用されているところでございます。

#78
○舟山康江君 重ねて確認させていただきますけれども、今のこの三つの手法、主に三つの手法でほぼ漏れなく把握できているという御認識でよろしいんですか。

#79
○政府参考人(本郷浩二君) 居住地等の観点で、外国にあるものについては把握できているというふうに考えております。

#80
○舟山康江君 そのほか国内の外資系企業というものもやはり把握を、一応把握をされていますけれども、こういったところもしっかりと、外国資本だからとか外国人だからといって、はなから疑うわけではありませんけれども、やはりしっかりと把握できる体制を引き続き取っていただきたいと思います。
 次に、その利用目的ですね、利用実態、利用目的についてはどのような手段でどのように把握をされているのか、お答えいただきたいと思います。

#81
○政府参考人(本郷浩二君) お答えを申し上げます。
 森林法に基づく新たな森林の土地の所有者となった旨の届出は、市町村が間伐の遅れている森林の所有者にその実施を促すなどの行政指導を行う上で必要な森林の土地の所有者情報を得ることを目的としております。
 農林水産省が行っている外国資本による森林買収に関する調査では、この届出情報に記載された届出人の居住地を外国資本であるか否かの判断に活用しており、また、この届出の備考欄に記載していただいている森林の土地の用途について利用目的として公表しているところでございます。また、届出に記載された目的どおりに利用されたかどうかについては、基本的に森林法に基づく伐採の届出や林地開発許可申請により把握できるものと認識しております。

#82
○舟山康江君 記載されている利用目的というのは、先ほど少し紹介しましたけれども、かなりの部分で単なる資産保有だとか未定というものが非常に多いとお見受けしております。
 そういう中で、実際の利用実態ですね、それは伐採の届出若しくは開発許可ということですけれども、これ、開発許可に関しては、現行法では一ヘクタール以上の森林において開発許可が必要となっておりますけれども、少なくとも一ヘクタール以上に関してはしっかりと把握できているという、これまたそういった理解でよろしいんでしょうか。

#83
○政府参考人(本郷浩二君) はい、そのとおりでございます。

#84
○舟山康江君 問題は、その開発自体が一ヘクタール未満の場合にどのように実態を把握しているのか。これは、今外国資本ということを言いましたけれども、内外問わず、やはり森林の開発がどのように行われているのかというのはやっぱりしっかりと把握していかないと、まさにこれから温暖化に、温暖化対応とか、あとはその景観、環境、土砂災害、こういった影響にも非常に関係すると思いますので、もう少し詳細に把握する必要があると思っております。この辺りの問題意識はいかがなんでしょうか。

#85
○政府参考人(本郷浩二君) 林野庁としましては、今の委員のお話のように、そういう実態について都道府県に調査を依頼しているところでございます。その調査を踏まえて、現実にどのような現況にあるか、あるいはどのような開発行為が行われているかを把握しているところでございます。

#86
○舟山康江君 これ、開発行為について、私いろんな問題意識を現在持っております。一つは、一ヘクタール未満であれば何ら許可が、許可なく開発ができるということ、これが妥当なのかどうなのか、やはりそこをしっかり考えていかなければいけないと思うんですね。
 資料一を御覧いただきたいと、資料一って一枚しかないけど、資料を御覧いただきたいと思います。
 これ、太陽光発電、これ外国資本に限らないんですけれども、太陽光発電施設の設置を目的とした開発行為についてなんですけれども、これも一ヘクタールということで、様々な問題が今起こっております。
 真ん中からちょっと下の方に絵がありますけれども、これは人家等に近接して設置している事例ということで、残置森林が十分配置されていないということで、これは林地開発許可対象外、つまり面積が少ないということでこのような状況になっていますけれども、こういう状況を果たして放置していいのかという問題意識を私は非常に強く持っておりますけれども、この事例について林野庁はどのような見解を持っていらっしゃるでしょうか。

#87
○政府参考人(本郷浩二君) 林地開発許可制度は、森林を開発することにより公益的機能が低下し発生する災害を防ぐことを目的としており、森林の開発面積が一ヘクタールを超える場合に土砂の流出の災害の発生頻度が急激に増加する傾向があることから、一ヘクタールを超える開発を規制しております。また、森林法においては、公益的機能の発揮が特に求められる森林については保安林に指定し、転用等を厳しく規制しているところでございます。
 一方、都道府県においては、地域の実情に応じた条例等の制定により、景観保全や災害防止等のため、太陽光発電施設の設置を伴う小規模林地開発を規制する独自の取組が進められており、このような取組について、都道府県等の森林保全の施策に役立てていただくよう情報提供も行っております。
 このような委員の御指摘のような小規模な開発行為においても災害が発生している事例があることは承知しており、森林法に基づく規制と各地域の独自の規制が相まって地域の実態に即して森林の保全が図られるよう、農林水産省としても、引き続き、林地開発制度の適正な運用や実態把握の情報収集、分析に努めてまいります。

#88
○舟山康江君 もう確かに、林野庁の動きが待っていられないということで、各自治体独自に様々な条例を作って、何とかこういった危険な、その様々なリスクのある開発を止めていこうといろんな自治体が取り組んでおりますけれども、本来はやはりこの森林法等でもう少し、何というんでしょうかね、面積要件を緩和するとか、こういった見直しが必要ではないかと思いますけれども、そのような検討はされていないんでしょうか。全て条例に委ねるというような対応なんでしょうか。
 そこは大臣の御決断もあると思いますけれども、私はやっぱりこの、これ林野庁の資料ですよ、林野庁もこういった事例があるということを認識していて、そういうことで許可基準の運用細則を決めたということですけれども、そのときにお聞きしたら、これは面積要件以下なので、幾らこの運用細則を変えたといってもここは手を付けられないんだと、こんなお答えがありましたけれども、これ大問題だと思いますけれども、大臣、その辺、面積要件等見直す予定はないんでしょうか。

#89
○政府参考人(本郷浩二君) ただいま委員の御発言がございましたように、我々も、小規模な開発行為においても災害が発生している事例があることは調査をしております。この調査の実態を踏まえて実態把握を行い、そのような状況を踏まえて考えなければならないというふうに思っております。
 今回のこの運用改正、許可基準の改正に当たっても、そのような検討はさせていただいたところでございます。

#90
○舟山康江君 今のお答えは、検討したけれども面積の引下げには至っていないと、こういうことなんでしょうか。
 加えて、これも、面積にかかわらずやはり地元から聞こえてくるのは、この開発許可権者は都道府県知事だということですけれども、その際に、地元自治体の意見聴取という仕組みはありますけれども、大体、現実的にこういった大規模開発が行われたときに、やっぱり地元自治体のいろんな反対が結構あって、そこであつれきが生まれたりします。そして、地元としては賛成できないけれどもということの場合でも参考意見を述べるにとどまることから、実際には地元の声が余り重視されない形で決まっていってしまうこともあるということなんですね。
 ですから、これ、意見聴取ではなくて、例えば地元自治体の同意を必須にするというような、こういった見直しも必要ではないかと思いますけれども、それが、ハードルが高くなるように見えますけれども、将来的にきちっと地元の同意の中で物事が進んでいくためには、やっぱりきちっと入口のところで地元の同意というものを必要とさせるべきではないかと思いますけれども、そこはいかがでしょうか。

#91
○政府参考人(本郷浩二君) 林地開発許可制度においては、開発により森林の有する公益的機能が阻害されないよう、災害の防止等の許可要件を定めております。
 許可に当たって、都道府県知事は市町村長の意見を聞くこととされておりますが、その同意を要件とはしておりません。しかしながら、都道府県知事は市町村長の意見も踏まえ審査することとなり、開発行為に伴う災害の防止等の措置が適切かつ確実に講じられるものと考えております。
 なお、農林水産省において、令和元年十二月に太陽光発電施設の特殊性を踏まえた許可基準に関する技術的助言を通知しており、その中で、配慮事項として住民説明会等を通じて地域住民と十分に話し合うことを定めております。
 また、太陽光発電については、FIT制度における事業計画策定ガイドラインにおいて、地域住民と適切なコミュニケーションを図ることなどを努力義務としており、このような取組とも連携することにより、地域との共生を図りつつ、森林の機能が適切に確保されるよう、林地開発許可制度の適切な運用に努めてまいります。
 なお、地域の、市町村のですね、市町村長の同意を要件とすることは法制度上の問題もありますので、今後検討させていただきたいというふうに考えております。

#92
○舟山康江君 是非私は検討するべきだと思うんですね。住民説明会も配慮事項ということで、なかなか法的な担保がない中できちっと行われている事例ばかりではないという実態があります。是非、見直しに向けてしっかりと動いていただきたいと思います。
 実際に、本来こういった地域に密着した再エネというのは、地域との共生の中で、地域の同意の中で進められるべきですけれども、現実は、外資が来たり外から大きな企業が来て、そこの土地だけ借りるような形で事業を行うという事例がやっぱり多発していると思うんですよ。そういう中で、しっかりと地元との調和を図る上でもやっぱり法制度的にもう少し担保をしていかないと、これからカーボンニュートラルなんということが進みますと、ますますこういった懸念が高まっていくと思います。せっかく進めようと思っても、入口のところでこのような対立が生まれてしまえば全く進まないと思いますので、やっぱりここは農水省としてしっかり考えていただきたいと思います。
 更に言えば、農山漁村再エネ法というものがあります。私、この仕組みももうちょっと生かしていくべきだと思うんですよ。この農山漁村再エネ法の中では、市町村に協議会をつくって基本計画を立てて、そして事業者の計画に対してしっかり認定をしていくという形になっているんです。こういう形がうまくできれば、多分調和した形で進んでいくと思うんですけれども、これちょっと通告していないですけど、この農山漁村再エネ法が何でうまく使えていないのか、その辺、何か分かれば教えていただきたいんですけど。

#93
○政府参考人(本郷浩二君) 農山漁村の再エネ法につきましては、私どもも、風力発電あるいは地熱発電ですとか、そういうものについて様々案件としていただいているところでございます。
 なお、太陽光発電のこの施設について、再エネ法に通じてこうされているというようなものは承知、今私自身資料持ち合わせておりませんけれども、承知しておりませんが、そういう協議会を設置をして皆さんの御議論をいただくというようなこともお願いをしていく中でFIT制度の適切な運用が図られていくような対応をしてまいりたいというふうに思っております。

#94
○舟山康江君 これ林地も入っていますので、やっぱりこういった仕組みをしっかりと使いながら、やっぱり地元自治体、地元住民を含めた参画の形をつくる、そんな形をつくっていく参考にもしていただきたいと思いますし、是非この仕組みも活用しながらこの再エネの普及に努めていただきたい、そして、林地開発に関してやはり適切な開発行為が行われるようにしていただきたいと思っております。
 時間となりましたので、終わります。

#95
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。答弁は極力簡潔にお願いいたします。
 今日、RCEP協定について質問します。
 RCEPの交渉会合等は会議日程が公表されず、何が議論されているのかよく分からない状況で進んできました。
 私、交渉会合が開かれるという情報を得て、各国の交渉関係者と市民団体の意見交換会に何回か参加をしたことがあります。意見交換会では、TPPとは違ってバランスを取ろうとしているという意見や、一部の国がルールを押し付ける交渉になっているという批判もありました。テーマ的には、地球温暖化の問題ですとか、それから医薬品に関わる問題、それから小規模農業、企業による種子の私物化の問題、ISDSなどについても意見交換が行われました。
 RCEP交渉は二〇一二年の十一月に始まったんですが、立ち上げのときの共同宣言には、地域経済統合の過程におけるASEANの中心性とASEANのFTAパートナー諸国のより広く深い関与に際しての利益を確認し、あっ、認識しとあります。このASEANの中心性ということについて、どういう意味なのか教えていただきたいと思います。

#96
○政府参考人(田島浩志君) お答えいたします。
 RCEP協定は、我が国とともに、RCEP協定は、我が国とともにASEANが推進力となって交渉が進められて合意に至ったものであります。このような認識は、我が国のみならず参加国との間で広く共有されているものと考えており、委員御指摘の共同声明にもそのような認識が反映されていますし、昨年十一月の地域的なRCEPに係る共同首脳声明でもそのような認識が反映されております。
 委員お尋ねのASEAN中心性とは、地域の枠組みにおける議論をASEANが域外国を巻き込む形で推進していくことを意味する概念でありまして、このRCEP協定は、後発開発途上国を含めて参加国の発展段階状況が大きく異なる中でも、物品、サービスにとどまらず、投資、知的財産、電子商取引なども含めて新たなルールまで盛り込んだものでありまして、この地域の望ましい経済秩序の構築に向けた大きな一歩になるものと考えています。
 このように、枠組みにおける議論をASEANが関係国を巻き込む形で推進し、様々な困難を乗り越えて署名に至ったこと自体がASEAN中心性の増進に寄与していると考えております。

#97
○紙智子君 ASEANが全体を、いろんな条件がある中でそこの、主導的にというか、やっていくという意味なんじゃないのかなというふうに捉えています。
 それで、RCEP参加国には、今もお話ありました格差があります。一人当たりの国民総所得は、トップの約六万ドルから五千ドルにも満たない後発開発途上国まで含まれているということです。私、この発展段階などで相違がありますから、ASEANの中心性という言葉を聞いたときに、東アジアに新しいルールを作るものというふうに思って注目をしていました。ところが、日本は、TPPが二十一世紀型の通商交渉なんだとして、TPP水準のバリューチェーンの構築を求めてきたんじゃないんでしょうか。
 先日の参議院の外交防衛委員会で、参考人質疑が行われました。参考人からは、RCEPの特徴は、新しい国際分業だとかサプライチェーンの構築、強靱化が容易になるというように言われました。このASEANの中心性に配慮した互恵的な協定になっているんでしょうか。

#98
○政府参考人(田島浩志君) お答えいたします。
 先ほどお答え申し上げましたとおり、RCEP協定は、我が国とともにASEANが推進力となって交渉を進められ、合意に至ったものであります。このようなASEAN中心性に対する認識は、我が国のみならず参加国の間で広く共有されているものと考えております。
 また、RCEP協定の意義は、各国による関税の削減、撤廃の面だけではなくて、原産地規則や税関手続などの共通ルールの整備や、投資環境にまつわる知的財産、電子商取引などの分野における新たなルールの構築にもあります。
 RCEP協定により、ASEANを含め世界の成長センターであるこの地域と我が国のつながりがこれまで以上に強固になり、これを通じて我が国及びASEANを含む地域の経済成長に寄与することが期待されるものと考えておりまして、ほかの参加国、参加各国もまたそのような認識を共有していると考えております。

#99
○紙智子君 互恵的な協定になったんでしょうかというふうに私聞いたんですよね。そこがすごく気になるところで、RCEP協定について幾つかの論評が出されています。
 エコノミストは、工業製品を人件費の安いところで組み立てることができる加工拠点として使えるとか、国境を越えて最適分業体制をしきたい企業にとっては使い勝手がいい協定だという意見が出ています。一方、インドが離脱したことについては、ASEANに進出した日系企業が巨大なマーケットを抱えるインドへアクセスしやすくするものだったので、インドの離脱に対して失望の声が大きいと。互恵的な協定というよりも、企業のための協定になるんじゃないかというふうに感じるわけですよね。
 そして、農林漁業の影響についても聞きたいと思うんですけれども、日本の農林水産物の関税撤廃率は、ASEAN、オーストラリア、ニュージーランドは六一%、中国は五六%、韓国は四九%であると公表していますけれども、現行のこれ関税率の、関税の撤廃率というのは何%なんでしょうか。

#100
○政府参考人(森健君) お答えいたします。
 RCEP協定の交渉開始に際しましては、中国及び韓国に対しては、既に無税でありました品目の割合については二一%となっております。
 お尋ねのASEAN等につきましては、ASEANとの経済連携協定につきましては既に五二%が関税撤廃というふうになっておりますが、個別の個々の国とはまた別々にEPAを結んでおりますので、それぞれの国によって数値が異なっております。

#101
○紙智子君 ASEANはもう既に関係結んでいるところがあるから余りあれなんですけど、中国と韓国が今回新しくということですから、中国、韓国に対して、二〇%からそれぞれ五六%、四九%に増えるということですよね。
 それで、日本の関税撤廃、削減の約束が公表されていますけれども、これ品目、タリフラインは幾つあるんでしょうか。また、関税率が一〇%以上の品目というのは幾つあるんでしょうか。

#102
○政府参考人(森健君) お答えいたします。
 RCEP協定におきます農林水産品の総タリフライン数については二千六百二十ラインとなっております。このうち、いわゆるMFN、最恵国税率が一〇%以上のタリフラインは八百二十二ラインとなっております。八百二十二ラインとなっております。

#103
○紙智子君 つまり、関税率一〇%以上の品目が八百二十二あるということですよね。結構あるわけですよね。
 それで、TPP11や日欧EPA、日米貿易協定などメガFTAが発効しているのに、更に自由化が進みますと、これ日本の農林漁業への影響というのが心配されるのは当然だと思うんです。企業はコストを削減するために安い農林水産物、加工原料、加工食品を効率よく調達したいというふうに思うわけですよね。ですから、関税率や為替相場や価格を見ながら調達先を変えるんだと思うんです。
 そこで、影響試算について聞きます。
 TPPの影響試算は、関税率一〇%以上かつ国内生産額で十億円以上の品目、農産物では十九品目、林水産物では十四品目で影響試算を出しました。そこで、TPPで影響試算を出した品目に沿って一〇%以上の品目を関税撤廃、削減約束の一覧表で見たんですよね。
 そうすると、例えばASEAN、オーストラリア、ニュージーランドに対しては現在一七%、七・九%の生鮮ブドウが将来的には無税になると、それから一七%の生鮮リンゴも無税になる。それから、ASEAN、オーストラリア、ニュージーランド、中国に対して今二三・八%のパイナップル、二五・五%のオレンジジュースが無税になる。RCEP参加国に対して二九・八%の調製した桃は無税になります。将来的に無税になるかんきつ類が結構あるわけですね。それから、穀物類では、RCEP参加国に対して二一・三%のそば、小麦の混合の粉が無税になると、二〇%のバレイショの粉も、一四%のインゲンマメの調製品も無税になる。水産物では、ASEAN、オーストラリア、ニュージーランド、中国に対して一五%のモンゴウイカは無税になる。RCEP参加国に対して一〇・五%のタラのフィレ、ウナギ、一〇%の昆布かずのこ、これが無税になると。
 まだまだいっぱいあるんですけど、今紹介したのが関税率が一〇%以上の品目の一部ですよ。TPPのときには影響試算しているのに、なぜRCEPではこの影響試算を出さないんでしょうか。農水大臣に聞きます。

#104
○国務大臣(野上浩太郎君) 今個別の品目、幾つか御言及いただきましたので、必要であればまた答弁をさせたいと思いますが、いずれにしても、RCEPにおける関税については、重要五品目は撤廃除外をして、関税撤廃率は近年締結された二国間EPA並みの水準としたと。
 また、今いろいろ品目を挙げて言及をいただいたわけでありますが、国産と競合関係にある品目ですとか生産者団体が国産の巻き返しを図りたいとする品目、あるいは関税撤廃の対象外、品目はですね、関税撤廃の対象外とするとともに、譲許した品目ですね、今いろいろ御言及いただきましたが、譲許した品目につきましても、用途や価格面で国産品と明確にすみ分けができている、あるいはRCEP参加国からの輸入実績がゼロ又はごく僅かなもの、締結済みのEPAと同水準の関税率であるもの等々から、特段の国内農林水産業への影響はないと考えておりますので、影響試算は行う予定はないということでございます。

#105
○紙智子君 全然納得できないですよね。
 関税率が一〇%以上の品目が二千六百二十品目の中で三分の一もあるんですよ。今からでもこれやっぱりちゃんと影響試算出すべきじゃないんですか、大臣。

#106
○政府参考人(青山豊久君) 大臣からお答えいたしましたように、用途や価格面で明確にすみ分けができているとか、それから、実際の輸入実績がごく僅かな品目でございますので、特段の影響がないということで……(発言する者あり)特段の影響がございませんので、影響試算を行うということではございません。

#107
○紙智子君 もう全然それじゃ納得できないですよ。
 農水省は、TPP11、それから日欧EPA、日米貿易協定が発効して農林水産物への影響があるということを認めて影響試算を出したわけですよね。それなのに、RCEPはどうして試算しないんですか。いや、影響がないという試算があるんですか。だったら、それだって出すべきだと思いますよ。影響試算がなければ、大体にして対策だって打てないじゃないですか。いかがですか。

#108
○政府参考人(青山豊久君) 交渉において特段の影響がないように交渉結果を得られたというふうに考えておりますので、影響試算を行うということではございません。

#109
○紙智子君 もう意味分からないですよね。やっていただきたいです、しっかり。それで、やっぱりみんなが見て、ああ、なるほどなと納得できるようにすればいいじゃないですか。生産者は、既に自由化が進んでいるのに、更なる自由化が日本農業に与える影響を心配しているわけです。今からでもやっぱり影響試算は出すべきだと。
 そして、本会議のときにも言いましたけれども、中国及び韓国に対して無税品目の割合というのは、対中国で八%から八六%になるわけです。対韓国でいうと一九%から九二%に上昇しますから、これ、日本から中国、韓国に工業製品を輸出する企業にとってはこれは大きなメリットになるんだろうと思うんですね。企業の利益のためにこれやっぱり農林水産物を差し出したんじゃないかというふうに言わざるを得ません。
 それで、次にちょっと食の安全についても聞きたいんですけれども、過去には中国で生産したギョーザなどが問題になりました。
 厚生労働省にお聞きしますけれども、二〇一六年以降の輸入食品の届出件数、輸入重量、違反件数、そのうちの中国の違反件数について、ちょっと時間がなくなってしまうので、一六年のときと直近の二〇一九年ということでそれぞれお答え願いたいと思います。短くお願いします。

#110
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。
 二〇一六年度につきましては、輸入届出件数が二百三十四万件、輸入重量が三千二百三十万トン、違反件数が七百七十三件、このうち中国の違反件数が百八十一件となっております。
 二〇一九年度につきましては、輸入届出件数が二百五十四万件、輸入重量が三千三百二十七万トン、違反件数が七百六十三件、このうち中国の違反件数が百八十五件となっております。

#111
○紙智子君 あれっ、二〇一六年は百八十二と言いました。二百二じゃなかったでしたっけ、中国の違反件数。

#112
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。
 二〇一六年度につきましては、中国の違反件数が百八十一件となっております。

#113
○紙智子君 ちょっと年数を追ってずっと調べてみると、大体中国が一番この違反件数が多いんですよね。次いでアメリカなんです。この二国が断トツに多くて、三桁超えている違反件数なんです。
 それで、中国からですね、違反件数のその中身、特徴についてどういうものがあるのか、説明してください。

#114
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。
 中国からの輸入食品等における違反事例といたしましては、例えば微生物規格の不適合、農薬の残留基準の不適合、添加物基準の不適合、指定外添加物の使用、器具、容器包装、おもちゃの材質規格の不適合等が確認されております。

#115
○紙智子君 これ、今すごく専門用語で言っていたからイメージが湧かないんですけど、違反した品目で幾つかあるんですけれども、例えば揚げたピーナツからアフラトシキンという、これカビ毒ですね、毒性のあるカビ毒が出てきたとか、それからニラ、ブロッコリー、タマネギなどから農薬が検出されている、それから二枚貝などから大腸菌などの基準値を超えているものが出てきているという違反があるわけです。
 それで、輸入食品の検査割合なんですけど、一九九〇年には一七・六%だったんですけれども、二〇一〇年には一二・三%に下がり、二〇一九年には八・五%ということで、この三十年前の今半分に検査率が下がってきていると、割合がですね、ということなんです。
 RCEP協定でも、これ貿易の円滑化、迅速化が求められているわけで、現在の検査率が八・五%程度ということになると、検査体制を抜本的に拡充すべきではありませんか。

#116
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。
 我が国食品の安全に関する基準に適合しない食品が輸入されないよう、全国の港や空港の検疫所で、食品添加物、残留農薬、遺伝子組換え食品等を検査するためにサンプルを取って行うモニタリング検査や、このモニタリング検査の結果を踏まえて、食品衛生法の違反の可能性が高いと判断された食品を対象に輸入者の経費で全量を留め置いて検査をする命令検査など、違反のリスクに応じた検査を実施しているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、今後の輸入食品の増加の可能性を踏まえまして、検疫所の職員の資質向上、必要な職員や検査機器の確保等、適切な監視、指導を徹底するための体制整備を図り、引き続き輸入食品の安全性の確保に万全を期してまいりたい、検査の充実を図ってまいりたいと考えております。

#117
○紙智子君 横浜の検疫所に見に行ったことありますけど、大変な作業ですよね。前処理から含めて検査に至るまで、大変なやっぱり重労働というか、こなしながら精いっぱい頑張っているんだけれども、やっぱり足りないと思うんですよ。もっとやっぱり体制強化して、そして国民の口に入るものが安全でなければいけないということでは、是非こういう体制を強化していただきたいというふうに思います。
 RCEP協定は情報が少なくて、国民的な議論というのが不足していると思うんです。情報公開、そして丁寧な説明ということをちゃんとこれから後もやっていくように求めまして、私の質問を終わります。

#118
○須藤元気君 こんにちは。須藤元気です。
 本日は、食品ロスとフードバンクの問題について質問させていただきます。
 まず、食品ロス問題ですが、SDGsにおいて食料廃棄の削減目標が明記されたことなどから、日本だけでなく世界中で取組が進んでおります。例えば隣の国、韓国では、食品ロスの問題が随分と前からあったと聞いております。
 韓国にパンチャン文化というものがあります。キムチやナムル、卵焼きだったり突き出しみたいなものが最初に出てきます。しかし、あの突き出しは食べ残しが多く、かなりの食品ロスがあるそうです。そこで、国が模範飲食店制度を策定し、パンチャンからビュッフェ形式に変更が促進されました。認定されればいろいろな優遇措置があり、ソウル市は、二〇一一年の導入後、約六年で食品ロスが五〇%減少したといいます。
 次に、欧米に目を向けてみますと、同じくフードロスの問題がありますが、元々ドギーバッグという習慣があります。御存じですかね、ドギーバッグ。私が初めてこの言葉を聞いたのは、二十年前、ロサンゼルスで格闘技留学をしていたときです。アメリカ人のルームメートとレストランに行ったときに、食事終わりに彼がキャン・アイ・ハブ・ア・ドギーバッグと店員さんに言いました。何のことかよく分からなかったんですが、店員さんが持ってきたのは食べ残したものを持ち帰るパックでした。食べ残したものを飼い犬のために持ち帰るという建前でドギーバッグ、犬のバッグというんだよと教えてくれました。アメリカでは、ハイクラスなレストランでも、そこそこ残すと必ず、必ずかな、大抵、持ち帰りますかというふうに聞いてきます。
 このドギーバッグの文化はフードロス削減への貢献も期待できますが、日本では余り浸透していないように感じます。(発言する者あり)いや、しかし、昨年、農水省でニュードギーバッグアイデアコンテストを行ったりと、日本でも取組が始まっております。そして、令和元年十月より施行された食品ロス削減の総合的な推進を目的とする食品ロス削減推進法ができました。
 まず、そういった動きがある中で、現在の食品廃棄ロスの発生状況はどうなっているのか、教えてください。

#119
○政府参考人(太田豊彦君) お答えをいたします。
 本日、たまたま本日でございますけれども、平成三十年度の数値を公表したところでございます。三十年度の食品ロス量は六百万トンとなっておりまして、前年度から十二万トン減少しております。このうち、食品産業から発生した事業系の食品ロス、これは三百二十四万トン、家庭から発生した家庭系の食品ロス、二百七十六万トンとなっております。
 農林水産省におきましては、事業系の食品ロスにつきまして、二〇三〇年度までに二〇〇〇年度比で半減させる目標を設定し、関係省庁と連携しながら目標達成に向けた取組を推進しているところでございます。

#120
○須藤元気君 今年、今日ちょうど出たということで六百万トンですが、世界全体の食糧援助量は、二〇一四年ですが、約三百二十万トンです。やはりそれを考えると、日本国内の食品ロスが多過ぎると言わざるを得ません。
 では、なぜこんなに多くの食品ロスが排出されるのでしょうか。その原因は様々ですが、食品流通業界の習慣である三分の一ルールが要因の一つとされているとフードバンクの関係者からお話を聞きました。
 三分の一ルールとは、メーカーからお店の棚に並ぶまでの期限は、製造日から賞味期限までの期間の三分の一までとするルールです。例えば、賞味期限が三か月とすると、一か月以内に棚に並べなければいけません。また、販売期限ですが、製造日から賞味期限まで三分の二までとされ、その期間を過ぎると、賞味期限内であっても店頭から撤去され、返品や廃棄されるのが一般的です。
 海外でもこのような納品期限は存在していますが、アメリカでは二分の一、フランス、イタリア、ベルギーは三分の二、イギリスでは四分の三となっております。国際的に見ても、日本の三分の一は短いと言えるのではないでしょうか。
 国としてこの納品期限のルールを緩和するよう推進していくべきだと思いますが、いかがでしょうか。

#121
○政府参考人(太田豊彦君) お答えをいたします。
 今委員おっしゃったように、日本ではいわゆる三分の一ルールと言われる商習慣がございます。
 一方、アメリカにおきましては消費者が、納品期限二分の一となっている例が一般であると承知をしておりますけれども、これは、アメリカでは消費者が賞味期限間近の食品であっても購入をためらわないという傾向があります。また、一般に小売店において賞味期限まで販売が行われているということが背景にあるというふうに考えております。
 農林水産省におきましては、食品製造業等からの食品ロスの発生を削減をするという観点から、小売事業者に納品期限の緩和の働きかけを行っております。令和二年十月時点で百四十二の事業者が納品期限の緩和に取り組んでいるところでございます。
 また、消費者にも賞味期限の意味を正しく理解していただくために、小売店舗で使用できるポスターを小売事業者に提供するなど、消費者啓発の取組も行っております。
 納品期限を緩和した場合、小売業者の販売期間が短くなるため、売上げの減少や小売店からの食品ロスの発生を招くおそれもあります。このため、小売業者及び消費者の理解、協力を得ながら取組を広げていくことが重要と考えているところでございます。

#122
○須藤元気君 スーパーとかで閉店時間が近くなると、お魚とか何か割引しますよね。廃棄してしまうなら売ってしまおうということで、是非三分の一ルールから漏れた食品を同じように割引をするなどとして、食品ロスを減らしていただければと思います。
 では次に、食品ロスの問題につながっているフードバンクについて質問いたします。
 今回のコロナ禍では、飲食店が厳しい状況に置かれていることがクローズアップされている一方で、コロナ弱者の姿も多く報じられています。自助ではどうにもできない状況が続く中、最終的には生活保護という仕組みがあると菅総理は発言されました。おっしゃることは分かるんですが、最近、「男はつらいよ」シリーズを見ている私としては、総理、それを言っちゃおしめえよという気持ちでございます。現在は生活保護の申請方法が以前に比べて緩くなったとはいえ、もらわずに踏ん張っている人たちがたくさんいるという現実にも目を向けるべきだと思います。
 先月、一人親の子育て世帯に対する特別給付金の三度目の支給が行われることが決定しましたが、一人親世帯ではないですが、収入が減って困っている人たちもたくさんいるのも事実であります。
 昨年三月、農水省は、新型コロナの拡大に伴い、フードバンクの情報を集約し、ホームページ上で発信する取組を始めるとともに、フードバンク活用の促進対策を行いました。そして、新たに食品受入能力向上緊急支援事業として、今月七日から事業者の公募が開始されております。
 この事業について、具体的な内容とこれまで行われてきた事業の違いをお聞かせください。

#123
○政府参考人(太田豊彦君) お答えをいたします。
 農林水産省におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、三月十六日に取りまとめられました非正規雇用労働者等に対する緊急支援策に基づきまして、フードバンクに対して食品の受入れ提供を拡大するために必要となる経費の支援を行っているところでございます。
 この事業でございます。従来の事業では、寄附を受けた食品の一時保管用の倉庫あるいは運搬用車両等の賃借料につきましては補助率二分の一としていたところを、今回は新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた緊急対策として十分の十で支援を行うとともに、また事業実施主体につきましても、従来事業では設立三年以内の団体としておりましたけれども、この事業では全てのフードバンクを対象とするとしたところでございます。
 本事業を全国のフードバンクにしっかりと周知をいたしまして、広く活用いただけるように努めてまいります。

#124
○須藤元気君 ありがとうございます。今回は全ての団体が対象となるということで、今後も措置の強化を図っていただきたいです。
 フードバンクは基本、ボランティアで成り立っております。コロナの影響により食品がフードバンクに大量に持ち込まれることが多くなる中、感染防止のためボランティアの人数を制限したことから、対応ができなくなるところもありました。食品提供を断らなくてはいけない団体もある一方で、配布したくても配るものがなくなる団体もあるのが現実のようです。
 実は私も、東日本大震災のとき、自分でウイ・アー・オール・ワンというボランティアチームをつくり、半年間活動していましたが、同じような経験をしました。震災の三週間後、四月一日からボランティア活動を始めたんですが、その頃はまだ全国から食べ物が大量に集まっておりました。しかし、需給バランスが崩れており、賞味期限が切れかけたパンやおにぎりがボランティアチーム、私のボランティアチームにも毎日段ボールで大量に回ってくるという状況でした。ボランティアチームを含めても消化し切れないくらいでした。
 逆に、私のチームも始めたばかりは全然うまくいかないことだらけで、一番最初に用意したのは、トラックで七トンの水とドラム缶十個とまきを運んでドラム缶風呂を造ることでした。お風呂好きの私としては、被災者の方にお風呂に入ってもらいたいと思いしたんですが、しかし、早速このドラム缶風呂を設置をしたんですが、まきだと全然火力が足りなくて、お湯が沸かないというアクシデントが起きました。結局入れるくらいの温度になるのに半日以上掛かり、そして自衛隊がお風呂を、自衛隊が造ったお風呂が近くにあるという情報をその場で知りまして、恥ずかしながら、私のお風呂プロジェクトは初日で終わりました。
 そんなちょっと落胆している私の前に長い行列ができまして、なぜそうなったかといいますと、断水していたので、その七トンの水を分けてくれということで住民の方がすごく来てくれまして、本当に無駄にならなくてよかったです。
 実はプランBとしてこういうシチュエーションも考えていたと来ていたメンバーに私はうそをついたことをここでざんげいたします。この私の失敗のように、ボランティアではミスマッチというものが起こり得ます。
 ちなみに、ちょっとまたさっきの話ですけど、結局求められていたのは泥かきでした。泥かきをやったんですが、結局泥を入れる土のう袋が足りないという現場になりまして、まさしく何か、事件は会議室で起きているんじゃない、現場で起きているんだと、「踊る大捜査線」でそういう名ぜりふがありますけれども、まさしくその状況でした。
 もちろん、最近ではスマホやタブレットでうまく情報共有をしている地域もある一方で、今でも手作業で食品を必要としている人たちに配布している地域も少なくありません。食品を必要とする人たちに公平に行き届くようにするためには、こうした課題の解決に向けた、フードバンクでの食品不足やミスマッチという課題の解決に向けた国の支援と連携が必要です。
 少し話は長くなりましたが、そこで、政府が大型冷凍冷蔵設備を確保し、長期保存ができるシステムなどの基盤をつくり、アプリなどで一括管理をすれば、その地域ごとに在庫量を把握することも可能となります。そのことは食品ロス削減推進法の趣旨にも合うと考えますが、農水省の御見解を伺います。

#125
○副大臣(宮内秀樹君) お答えをいたします。
 我が国では、やっぱりフードバンク活動がようやく広がり始めたということだと思います。また、設立して間もない団体が多いこともありまして、取扱量が少ない小規模な団体が多いというのが実情であるというふうに認識をいたしております。
 政府主導で大型冷蔵設備を整備すべきとの先生の御提案でございますけれども、多種多様な食品を受け入れまして適切に管理、保管し、ニーズに対応して食品を配送できるようにする必要があることや、設備の維持運営に必要な人材、資金を確保する必要もあると、また、賞味期限間近な食品の取扱いも多くて、食品の事故が発生した際の体制を整備する必要もあるということ等の課題もあるというふうに認識していまして、ハード面、システム面の対応にとどまらないため、大規模な施設で一括で管理するよりも、現在地域で活動しているフードバンクによるきめ細やかな食材提供の取組を拡大していくことの方が現在のところは望ましいのではないかというふうに考えているところでございます。
 このため、農水省におきましては、まずはフードバンクの体制強化の、体制や機能の強化による食品受入れ能力の向上に取り組んでおりまして、食品の受入れや提供を拡大するための経費の支援や、先ほども説明させていただきましたが、また、食品の品質管理やトレーサビリティーに関するフードバンクの適切な運営を進めるための手引の作成、あるいは食品企業と食品を必要としている人、施設とのマッチング機能の強化、アプリの作成などを考えており、等を進めているところでございます。
 引き続き、これらの取組を推進してまいりたいというふうに考えているところでございます。

#126
○須藤元気君 ありがとうございます。
 フードバンクのインフラ整備、食品の確保、運搬、配布能力といった団体の基盤整備が必要であり、個々のフードバンクの活動規模を拡大するため、提供元である食品企業などとの連携の拡大が求められています。
 フードバンクのシステムの構築については、コロナの拡大が収束したからといって終わらせるべきではありません。しっかりとした体制を平時から構築しておくことにより、食品ロス削減への対応のみならず、非常事態が生じた場合における生活困窮者を助けることができると思います。時限的な支援ではなく、恒久的な制度としてフードバンクを支える仕組みを、仕組みづくりを前向きに検討するべきと思いますが、野上大臣の御見解をお伺いします。

#127
○国務大臣(野上浩太郎君) このフードバンク活動は、食品ロスの観点からも極めて重要でありますし、コロナの影響によって生活困窮者支援等の観点からもその役割はますます高まっていると思います。今般、そういう観点で、緊急対策として食品の受入れ、提供の拡大に取り組むフードバンクへの支援を行っているところであります。
 一方で、農林水産省におきましては、全国のフードバンク活動の農林水産省ホームページでの情報発信ですとか、あるいはフードバンクと企業、自治体との意見交換会の開催等を通じたフードバンクの認知度の向上を図るとともに、企業から食品の情報提供と子供食堂からの需要情報ですね、この提供情報と需要情報、これを一元的に管理できるマッチングシステムを開発をしまして、アプリ等で提供する取組の実証、構築をいたしております。
 また、フードバンク活動における食品の輸送、保管費への支援等を今実施しているところでありますが、今後とも、こうした施策をしっかりと実施をして、フードバンク活動を推進してまいりたいと考えております。

#128
○須藤元気君 ありがとうございます。
 今大臣は、ホームページとか作ったり、あと認知度を高めるということですが、やはり僕もフードバンクの話をして、やっぱりこの業界の人はもちろん知っていますけれども、友達とかで知っている人がほとんどいないという状況です。知っていたらやっぱり持っていくと思うんですよね、食品とか。是非、やはり認知度、プロモーションをしっかりしていただければと思います。
 こういった、私のモットー、ウイ・アー・オール・ワン、私たちは全て一つというのをもう格闘家時代から掲げております。誰一人置き去りにしない社会づくりのためにも、このフードバンク、大切な存在だと思っております。是非しっかりと取り組んでいただければと思います。
 少し早いですが、私の質問を終わりにします。ありがとうございました。

#129
○委員長(上月良祐君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────

#130
○委員長(上月良祐君) 次に、畜舎等の建築等及び利用の特例に関する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。野上農林水産大臣。

#131
○国務大臣(野上浩太郎君) 畜舎等の建築等及び利用の特例に関する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 近年の経済連携協定の締結による関税削減等により畜産物の価格の低下が見込まれる一方、経済連携協定による輸出相手国の関税撤廃等により我が国の畜産物の輸出は着実に増加しており、これを拡大する絶好の機会でもあります。このような中、我が国の畜産業の国際競争力を強化し、その振興を図るためには、省力化機械の導入による生産性の向上や増頭による経営規模の拡大を進めていくことが必要であります。しかしながら、省力化機械の導入や増頭を行うためには、通常、畜舎等の建築等が必要となりますが、その際、建築基準法に基づき行う畜舎等の建築等に係る負担が畜産業の経営実態から見て大きくなってきているところです。
 こうした状況を踏まえ、建築基準法によらず畜産業の経営実態に合った畜舎等の建築等ができるよう、畜舎等の建築等及び利用に関する計画の認定制度を創設し、その認定を受けた計画に基づく畜舎等の建築基準法の特例を定めるため、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、本法律案が対象とする畜舎等についてであります。
 一定の高さ以下の平屋で建築士により設計された家畜の飼養の用に供する施設及びこれに関する施設並びに堆肥舎であって、市街化区域等以外の区域において新築、増改築等が行われるものを本法律案の対象とする畜舎等とすることとしております。
 第二に、計画認定制度の創設についてであります。
 建築基準法の緩和を受けようと希望する者は、畜舎等の建築等及び利用に関する計画を作成し、その計画が、畜舎等の利用の方法について畜舎等における一日当たりの滞在時間の制限等の利用基準に適合すること、また、畜舎等の構造等について利用基準に適合する利用の方法と相まって安全上支障がないこと等を定める技術基準、すなわち建築基準法よりも緩和された技術基準に適合していること等について、都道府県知事の認定を受けることができることとしております。この場合において、一定の規模以下である畜舎等については、技術基準への適合審査を不要とすることとしております。
 第三に、建築基準法令の適用除外であります。
 前述の都道府県知事の認定を受けた計画に基づき建築等がされた畜舎等については、建築基準法並びにこれに基づく命令及び条例の規定は適用しないこととしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。

#132
○委員長(上月良祐君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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