くにさくロゴ
2021/04/22 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 内閣委員会 第14号 令和3年4月22日
姉妹サイト
 
2021/04/22 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 内閣委員会 第14号 令和3年4月22日

#1
令和三年四月二十二日(木曜日)
   午前十時三分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十一日
    辞任         補欠選任
     岡田 直樹君     三浦  靖君
     森屋  隆君     杉尾 秀哉君
     市田 忠義君     大門実紀史君
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     三浦  靖君     岡田 直樹君
     杉尾 秀哉君     横沢 高徳君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         森屋  宏君
    理 事
                酒井 庸行君
                徳茂 雅之君
                木戸口英司君
                平木 大作君
                矢田わか子君
    委 員
                大家 敏志君
                岡田 直樹君
                古賀友一郎君
                高野光二郎君
                三浦  靖君
                山田 太郎君
                山谷えり子君
                和田 政宗君
                小沼  巧君
                塩村あやか君
                杉尾 秀哉君
                横沢 高徳君
                石川 博崇君
                柴田  巧君
                高木かおり君
                田村 智子君
                大門実紀史君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(マイナ
       ンバー制度))  平井 卓也君
   副大臣
       総務副大臣    新谷 正義君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       鰐淵 洋子君
       厚生労働大臣政
       務官       大隈 和英君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮崎 一徳君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       向井 治紀君
       内閣官房内閣審
       議官       時澤  忠君
       内閣官房内閣審
       議官       冨安泰一郎君
       内閣官房内閣審
       議官       二宮 清治君
       内閣官房内閣審
       議官       江口 純一君
       内閣官房内閣審
       議官       内山 博之君
       内閣府大臣官房
       総合政策推進室
       室長       三上 明輝君
       内閣府規制改革
       推進室次長    黒田 岳士君
       内閣府地方創生
       推進事務局審議
       官        鎌田  篤君
       内閣府科学技術
       ・イノベーショ
       ン推進事務局審
       議官       高原  勇君
       個人情報保護委
       員会事務局長   福浦 裕介君
       金融庁総合政策
       局参事官     田原 泰雅君
       総務省大臣官房
       審議官      阿部 知明君
       総務省大臣官房
       審議官      辺見  聡君
       総務省総合通信
       基盤局電気通信
       事業部長     今川 拓郎君
       総務省総合通信
       基盤局電波部長  鈴木 信也君
       文部科学省大臣
       官房学習基盤審
       議官       塩見みづ枝君
       文部科学省大臣
       官房審議官    高口  努君
       文部科学省大臣
       官房審議官    蝦名 喜之君
       文部科学省大臣
       官房審議官    川中 文治君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    間 隆一郎君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    宮崎 敦文君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    山本  史君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    横幕 章人君
       厚生労働省子ど
       も家庭局児童虐
       待防止等総合対
       策室長      岸本 武史君
       経済産業省大臣
       官房審議官    萩原 崇弘君
       中小企業庁経営
       支援部長     村上 敬亮君
       国土地理院長   野田  勝君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○連合審査会に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○デジタル社会形成基本法案(内閣提出、衆議院
 送付)
○デジタル庁設置法案(内閣提出、衆議院送付)
○デジタル社会の形成を図るための関係法律の整
 備に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○公的給付の支給等の迅速かつ確実な実施のため
 の預貯金口座の登録等に関する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○預貯金者の意思に基づく個人番号の利用による
 預貯金口座の管理等に関する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(森屋宏君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、森屋隆君、市田忠義君及び岡田直樹君が委員を辞任され、その補欠として杉尾秀哉君、大門実紀史君及び三浦靖君が選任をされました。
    ─────────────

#3
○委員長(森屋宏君) 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
 デジタル社会形成基本法案、デジタル庁設置法案、デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案、公的給付の支給等の迅速かつ確実な実施のための預貯金口座の登録等に関する法律案及び預貯金者の意思に基づく個人番号の利用による預貯金口座の管理等に関する法律案について、総務委員会からの連合審査会の開会の申入れを受諾することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(森屋宏君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
 なお、連合審査会の開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#5
○委員長(森屋宏君) 御異議ないと認め、さよう計らいます。
    ─────────────

#6
○委員長(森屋宏君) 次に、連合審査会における政府参考人の出席要求に関する件及び参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 五案審査のための連合審査会に政府参考人及び参考人の出席要求があった場合には、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#7
○委員長(森屋宏君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────

#8
○委員長(森屋宏君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 デジタル社会形成基本法案外四案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官向井治紀君外二十七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#9
○委員長(森屋宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#10
○委員長(森屋宏君) デジタル社会形成基本法案、デジタル庁設置法案、デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案、公的給付の支給等の迅速かつ確実な実施のための預貯金口座の登録等に関する法律案及び預貯金者の意思に基づく個人番号の利用による預貯金口座の管理等に関する法律案、以上五案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#11
○和田政宗君 おはようございます。自由民主党・国民の声、和田政宗でございます。
 本日は、この法案に関連する部分、デジタル社会の我が国の形成などについて聞いていきたいというふうに思っております。
 まず、個人情報保護関連でお聞きをしたいというふうに思います。
 一つ目、LINEについて聞きます。
 LINEにおいては、システム開発を委託する中国の関連会社の技術者四人が二〇一八年八月から今年二月にかけて、氏名や電話番号などの利用者データにアクセスできる状態だったことが発覚をいたしました。LINEは十九日に、個人情報や通信秘密の保護に問題がなかったかどうかや再発防止策について総務省に報告書を提出したということですが、問題発覚以降、総務省はどのように対応してきたか、お願いいたします。

#12
○政府参考人(今川拓郎君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の事案に関しましては、各種の報道や総務省に対する任意の報告などを踏まえまして、三月十九日に総務省より電気通信事業者であるLINE社に対しまして電気通信事業法に基づく報告徴収を行い、四月十九日に報告書を受領したところでございます。この報告書を受領するまでの間、LINE社に対して複数回ヒアリングを行うなど、事実関係やLINE社側の対応状況などを詳細に確認してきております。
 今般、同社より、通信の秘密の保護などに係る支障の発生の有無、通信の秘密の保護などのために必要な体制の確保状況、利用者への説明及び周知の予定、こういったことについて報告を受けたことを踏まえまして、内容を十分に精査した上で、法令に基づき必要な対応を速やかに取ってまいりたいと考えております。

#13
○和田政宗君 この通信の秘密の部分、また個人情報がまさか外に漏れているというようなことは利用者はやはり想定していないというわけでありまして、そういったところの観点からもしっかりと指導していただければというふうに思います。
 それにも関連をするんですが、情報がどのように守られているのかということをちょっとチェックしていきたいというふうに思います。
 決済サービスLINEペイは中国のウイチャットペイと連携をいたしておりまして、ペイペイ、これはヤフーになりますが、中国のアリペイと連携をして、それぞれの加盟店でウイチャットペイやアリペイのQRコード決済を利用できるようになっています。
 こうした連携によって、日本人の個人情報が中国側で見られたり中国側に抜けることはないのか、また政府はどのようにチェックをしているのか、お答え願います。

#14
○政府参考人(田原泰雅君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、LINEペイ社はウイチャットペイと、ペイペイ社はアリペイと連携をしているというふうに承知をいたしております。
 その連携内容でございますけれども、こうした中国の決済サービスの利用者が訪日された際に、国内決済サービス事業者の加盟店におきまして、中国の決済サービスを利用して決済を行うことができるというサービスであるというふうに承知しております。
 このような連携に際しての利用者情報の管理についての御質問でございますけれども、例えばLINEペイ社は、国内加盟店の決済端末でウイチャットペイのQRコードも読み込み可能にして、ウイチャットペイの決済システムに情報を取り次ぐというものでございますので、利用者情報はLINEペイとウイチャットペイのサービスの間で共有されることはないということを公表しているというふうに承知をいたしております。
 個別企業への監督対応につきましてお答えすることは差し控えさせていただきますが、一般論として申し上げますと、情報の適切な管理というものは個人情報の保護や金融機関の信頼確保の観点から極めて重要であるというふうに考えておりまして、金融庁といたしましては、引き続き金融機関において個人情報保護法等を遵守し、情報の適切な管理が図られるよう、関係機関と連携しながら適切に対処してまいりたいというふうに考えてございます。

#15
○和田政宗君 こうした日本の決済サービスを、中国企業が買収、また売却を中国企業にした場合に、日本人の個人情報というのはこの中国企業によって閲覧可能になるのかどうか、もし閲覧可能になる場合、日本人の個人情報をどのように保護していくのか、答弁願います。

#16
○政府参考人(田原泰雅君) お答え申し上げます。
 国内決済サービス事業者が海外企業に買収されて海外企業の子会社となったという場合でございましても、国内決済サービス事業者とその海外企業は別法人ということになりますので、国内決済サービス事業者は個人情報保護法に基づきまして引き続き情報を適切に管理することが求められるというふうに考えております。
 また、国内決済サービス事業者が海外企業に事業を承継しましてその海外企業が決済サービスの提供者となる場合につきましては、個人情報保護法上、事業の承継に当たるというふうに承知をしておりまして、国内決済サービス事業者からその企業に個人データが提供されることになるので、その際には法律上の所要の手続が求められるというふうに承知をいたしております。
 金融庁といたしましては、引き続き、金融機関において個人情報保護法等を遵守しまして情報の適切な管理が図られますよう、関係機関と連携しながら適切に対処してまいりたいというふうに考えているところでございます。

#17
○和田政宗君 この質疑をしましたのは、こういった部分が余りやはり知られていないということが私はあるなというふうに思って質問をいたしました。
 やはり、国民の側も、個人情報の保護というものがどういうふうになされているのかというのはしっかりと認識をしなくてはならないというふうに思いますし、自身も適切な管理というものをしていかなければ、自分の個人情報が、あれっ、知らない間に海外の企業に利用されていたとか、そういったこともあり得るというふうに思いますので、この点、また機を見て私も質疑をしてまいりたいというふうに思いますし、また国民の皆様にもより分かりやすい発信などもしていきたいというふうに思っております。
 アプリのことについて一点お聞きをしたいというふうに思います。COCOAについてお聞きをいたします。
 このCOCOAの導入、接触検知アプリという形での導入というのは、私は極めて有意義であったというふうに思うんですが、やはりトラブルというものがございました。この改善の取組の現況、状況についてお聞きをしたいというふうに思います。
 あわせて、COCOA導入前の昨年五月の段階で、国立情報学研究所の所長さんと京大の教授、研究室が連携をいたしまして接触検知アプリを開発して、実験結果や考察などを日本医師会、COVID―19有識者会議のホームページで公開をしています。これ、実際に京大の大学院の教授に話を聞きましたら、一週間ほどで接触検知アプリ作って、それなりのものを作って、いろいろな実験をもうその時点でやっていたということでありまして、COCOAの導入はその後七月でございました。
 そのことから思いましたのは、やはり、厚労省の方でCOCOAを開発、会社に委託しておやりになっているということの中で、その開発チームも頑張っているわけでありますけれども、様々な外の知見というものも併せてやっていけば、開発、また改善の余地というものは更にいいものになっていくんではないかなというふうに思っておりますが、その点いかがでございましょうか。

#18
○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
 接触確認アプリCOCOAにつきましてでございますが、大変申し訳ありませんけれども、不具合が、大変大きな不具合がございまして、その修正したバージョンを、二月の十八日にバージョン一・二・二というものを配布をいたしました。その後も、その時点でアンドロイド端末のユーザーの方につきましては一日一回アプリの再起動を要するということがございましたので、改修の検討を続けてまいりまして、昨日新しいバージョンを配布をさせていただいたところでございます。引き続き、IT室とも連携をしながら、より良いアプリになるように取組を進めてまいりたいということで取り組んでいるところでございます。
 また、委員御指摘のございました、開発段階でも、国立情報学研究所の喜連川所長の御言及ございましたけれども、これに代表されますように、この接触確認アプリに関しては様々な御提言等々をいただいているところでございまして、こうした外部の有識者あるいは民間の様々な技術者の方々の知見を生かしていくということ、大変重要だと考えております。先般の不具合の一つの反省でもございますので、現在はその外部の有識者やこうした民間技術者コミュニティーとのコミュニケーションを円滑に進めていく体制を強化をいたしたところでございます。
 昨日公表いたしましたアプリの新バージョンのその開発に当たりましても、民間コミュニティーの中で民間の有志の技術者の方々から様々な御提言をいただいて、それをその開発に生かしたというところがございます。
 引き続き、こうしたその枠組みを生かしながら、国民の皆様に広く安心して御利用いただけるアプリとなるように取り組んでまいりたいと考えております。

#19
○和田政宗君 開発してやはりそのまんまにしておくというようなことの中で、その専門性ですとか、いろいろなヒアリングだとかをもっとやっていれば、早めに気付いて改善をすることができたのではないかなというふうに思っておりますし、これは、国民全体で今コロナを封じ込めていく、そして政府全体としても様々な施策を打っていくという中で、更なる改善、また使いやすさ、また利用してもらうということが重要であるというふうに思いますので、しっかりとこれを教訓として、利用して封じ込めていく、こういったことに活用していかなくてはならないというふうに思いますので、引き続きよろしくお願いをいたします。
 では次に、マイナンバー、マイナンバーカードについて数問聞いていきたいというふうに思います。
 マイナンバーカードの機能のスマートフォン搭載に向けた動きや開発状況について、現況はどうなっているか、答弁を願います。

#20
○政府参考人(阿部知明君) お答えいたします。
 今回の法改正案では、公的個人認証法におきまして、スマートフォンに搭載する電子証明書として移動端末設備用電子証明書を創設するとともに、関連規定を整備することで電子証明書のスマートフォンへの搭載を可能とし、スマートフォンのみで行政手続等を行うことを可能とすることとしてございます。
 この移動端末設備用電子証明書でございますけれども、国際基準を満たしました耐タンパー性を有する安全なチップにのみ搭載されるものでございまして、また、利用者の利便性に鑑みまして、マイナンバーカードの署名用電子証明書を用いてオンラインで発行手続を行うこととしてございます。
 法案成立していただきますれば、実運用に向けまして、現在総務省で設置しております有識者検討会の議論などを踏まえまして、今年度中に技術的な安全性等を検証するための実証実験や、スマートフォンに電子証明書を搭載するためのシステム設計を行い、令和四年度中の電子証明書のスマートフォンへの搭載を目指し、取り組んでまいります。

#21
○和田政宗君 これ、非常に利便性ということを考えた場合にすばらしい取組だというふうに思うんですが、これも質問いたしましたのは、余り国民の間に知られていない。期待が高い人は、いろいろネットで検索をして今どうなっているんだということは調べるんですけれども、これ非常に私はすばらしい取組だというふうに思いますので、その開発、実証実験、段階ごとにこういったことが分かってきたとか、こういった実証実験をやっていきますということを、これも広く周知をしていただければというふうに思います。
 併せてお聞きしますのは、マイナンバーカードの生体認証についてです。この開発状況など、現況はどのようになっているか、答弁願います。

#22
○政府参考人(阿部知明君) お答えいたします。
 マイナンバーカードの利用に当たっての生体認証の活用についてでございますが、暗証番号を記憶する必要がないという便利な面がある反面、一定の確率で本人を拒否したり他人を本人と誤認してしまうこと、それから暗証番号とは異なりまして、取り替えることや流出時に消去することが困難といったセキュリティー上の課題もあるところでございます。
 このため、マイナンバーカードの電子証明書の利用に当たりましては、一定の性能や機能を持つ端末の設置などの設備、体制を整えて総務大臣の認可を受けることを要件とした上で、暗証番号の入力に代えて顔認証を利用する方式を令和元年に制度化しておりまして、マイナンバーカードの健康保険証利用でも活用することとしてございます。
 また、署名用電子証明書の暗証番号の初期化、再設定手続につきまして、顔認証技術を活用したアプリを開発しまして、コンビニエンスストアのマルチコピー機を利用してこれを行うことを可能とする方式についても検討を進めているところでございます。

#23
○和田政宗君 これは、マイナンバーカードの課題として、やはりその暗証番号を忘れてしまうというところがあって、これによってまた手続をしていかなくてはならないということで作業が生じてしまう。これをやはりその生体認証ということでうまく組み合わせることができれば、暗証番号の入力などを割愛できるわけです。
 これは、例えば指認証であるとか瞳の認証もそうですが、今御答弁にあったように、顔認証につきましては、これは日本の企業が世界一の技術、もう圧倒的な技術を持っていて、その一社が抜けていますけれども、そのほかの企業も開発というものは当然日本企業しているわけであって、これは日本の優れた技術を組み合わせることによって国民の利便性というものが更に高まるというふうに思いますので、引き続き検討、実験などを進めていただいて、実用化をしていただければというふうに思います。
 そして、今般の法改正案に関連するところでお聞きをしたいというふうに思います。
 災害時、これは東日本大震災のときもそうでしたけれども、津波などによって銀行口座の本人確認書類が手元からなくなってしまう、こういった事態が多く見られました。こうした場合、口座からの引き出し金額というものが限定されることが大体でございます。今般の法改正案でこの点はどうなるのか、御答弁願います。

#24
○政府参考人(冨安泰一郎君) 答弁いたします。
 預貯金口座個人番号利用申出法案につきましては、本人同意を前提に、一度に複数の預貯金口座への付番が行える仕組み等を設け、預貯金口座への付番を推進するとともに、相続時や災害時において、マイナンバーが付番された預貯金口座の所在を国民が確認できる仕組みを新たに設けるものでございます。
 災害時には、通帳、キャッシュカード等を携帯せずに避難した場合や災害によりこれらを紛失してしまった場合など、預貯金口座の情報、口座番号等を把握することが困難となることが想定されます。そのような場合でも、預貯金者は最寄りの金融機関の窓口において、マイナンバーカードの提示等により、自身が預貯金口座を開設している金融機関の店舗の名称、預貯金の種類及び口座番号の通知を受けることができることとしております。
 また、具体的な口座情報の通知を受ける方法につきましては、避難をしているなど被災者の状況が区々であると承知しておりますが、被災者支援の観点から、それぞれの被災者にとって最も利便性の高い方法で迅速に通知を受け取れるように、金融機関、関係省庁と密接に連携して対応してまいりたいと考えているところでございます。

#25
○和田政宗君 今答弁にありましたように、災害の観点というのは、やはりこのデジタル化の中で非常に重要な視点であるというふうに思っています。
 これは、今般の法改正案がしっかりと成立することによって、やはり我が国は、起きてほしくないですけれども災害大国である、そういった中において、国民の利便性、また本当に困っている人が助かる、そういった仕組みになっていくというふうに思いますので、引き続きこの部分の構築をよろしくお願いをしたいというふうに思います。
 そして、ワンスオンリーの点についてもお聞きをしたいというふうに思います。
 この新型コロナで様々な方がお困りになっている中で、企業に対しては持続化給付金、家賃支援給付金、また事業再構築補助金などが創設をされましたけれども、これらを申請する際の提出書類について、オンライン上を含めワンスオンリーの取組はどうなっているか、御答弁を願います。

#26
○政府参考人(村上敬亮君) お答え申し上げます。
 持続化給付金と家賃支援給付金のときは一刻も早くということで対応できていない面がございましたが、現在公募してございます事業再構築補助金から開始をしてございます。
 具体的に、まずGビズIDというのを取っていただきますと、それにひも付いている法人番号、法人名、所在地、代表者名等々、入力不要になってございます。それから、Jグランツという共通の補助金システムを、今後、中企庁で順次電子申請化していくと、基本的にはもう全部これを使うということでございますが、これも一度入れていただくと、事業規模、従業員数、業種、資本金等々、これ全部自動的に転記されますので入力不要ということで、基本的にユーザー目線の立場に立って、今後全ての中小企業庁の電子申請化する補助金についてはこれらの適用拡大を図っていくということで作業したいと考えてございます。

#27
○和田政宗君 まさに企業が申請、これは特に中小企業、中小の事業主さんの場合は、なかなかその事業をやりながら、また書類これ提出しないといけないのかみたいなところがこれまではあったわけでありますけれども、これは迅速性の観点からそれはやむを得なかったという御答弁でありました。で、今は改善をしている。
 この改善によってワンスオンリーが進んでいく、構築ができているということは、これは非常に企業にとっても有意義なことであるというふうに思いますので、もうこのいわゆる補助金、給付金など、以前から、例えば東日本大震災の復興関連の様々な助成金、補助金の申請も、私、ある企業を訪問したときに言われたのは、もう棚全部がその書類で、申請書類で、和田さん、これだけの書類があるんですよというようなことでありました。
 中小企業庁さん、そういったワンスオンリーの取組を進めていただいているということでありますが、これはまさに政府全体としてこういうワンスオンリーの取組というものを進めていかなくてはならないというふうに思っておりますので、引き続き、今般の法改正案を始めとして、そういうデジタル化、ワンスオンリー化というものを政府全体で進めていく取組をしっかりと私も提言をしていきたいというふうに思いますし、サポートをしていきたいというふうに思っております。
 そして、行政のデジタル化、IT活用、またデジタル社会に関連して幾つか質問をしていきたいというふうに思います。
 災害時や緊急時など、これは、政府の各省庁間、多省庁間での会議、これをテレビ会議で行って様々な対応策を練り上げていく、また現況の確認をしていく、こういったことが想定をされております。これ、全省庁間をテレビ会議でつなげる体制に現在政府はなっているのか、この点についてお答えを願えればというふうに思います。

#28
○政府参考人(二宮清治君) お答え申し上げます。
 昨年三月十日の新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策第二弾におきまして、新型コロナウイルス対策として、中央官庁のテレワーク環境整備の強力な実施が掲げられたところでございます。
 先生御指摘のとおり、ウエブ会議システムにつきましては、各府省庁ごとに縦割りでLAN環境が構築されておりまして、府省庁間や外部機関との間で円滑につながらないという課題があったところでございます。
 これに対しまして、緊急措置といたしまして、民間が提供するウエブ会議システムのライセンスなどを内閣官房情報通信技術総合戦略室が一括をして調達をいたしまして、各府省庁の希望に基づいて配付をしたところでございます。この結果、全ての府省がウエブ会議を利用可能となっているところでございます。この取組によりまして、国会の質問への対応でありますとか外部機関との打合せなどの際は、各府省庁のセキュリティーポリシーを踏まえた上でウエブ会議システムを活用しているものと認識をしてございます。
 さらに、内閣官房IT総合戦略室では、府省等ごとに構築をされております政府ネットワーク環境の整理、再構築の取組も開始をしたところでございます。これによりまして、統一的なセキュリティーを確保しつつ、他府省や国会議員、民間企業などを含めまして、ウエブ会議などにより組織を超えた迅速かつ円滑なコミュニケーションを取ることが可能となるだけでなく、テレワークの推進など柔軟な働き方にも資するものというふうに考えてございます。可能な限り早く実現をしてまいりたいと考えてございます。

#29
○和田政宗君 御答弁いただきましたように、コロナ対策、また働き方改革の観点からも、こういったものがしっかりと進んでいく、こういったことが行政においても重要だというふうに思いますので、引き続きお願いをしたいというふうに思います。
 そして、次の質問ですが、お手元に資料を用意をさせていただきました。国土地理院によります去年の七月三日からの大雨による浸水推定図というものでございます。
 行政においてIT活用、また新技術の活用というものは私はどんどん行っていくべきだというふうに思っておりますが、これは、国土地理院の取組として、河川などが氾濫した際に浸水地域をいち早く特定するために、SNSに投稿された画像などの情報を活用して作っているものであります。昨年の七月豪雨では数時間で浸水推定図を公開いたしておりまして、国や自治体の迅速な対応に役立ちました。
 この導入の経緯などを含め、どのような取組か解説を願います。

#30
○政府参考人(野田勝君) お答えいたします。
 国土地理院では、水害の際、浸水範囲の迅速な把握が重要であると認識しておりまして、従来ですと主に空中写真を用いまして把握していたということでございますが、空撮には天候の回復を待つ必要があると、そういう課題がございました。
 そこで、より早く状況を把握するため、御指摘のようにSNS着目いたしまして、浸水範囲やその深さを青色の濃淡で表しました浸水推定図、これを開発いたしまして、平成三十年から作成、提供をしているところでございます。
 浸水推定図の作成の手法でございますけれど、まさに水害に直面している一般の方々、この方々がSNSにその様相を投稿された画像、こういったものを使いまして、水際の位置、これを特定いたしまして、その高さを決めます。それより低い場所は当然に浸水していると、そういう推定ができますので、標高データと組み合わせて浸水した範囲と深さを求めて図示していると、そういうものでございます。
 先生御指摘いただきました令和二年七月豪雨、七月四日に球磨川でこの浸水推定図を作成いたしまして関係自治体等に提供したのを皮切りに、計八か所、延べ二十七面の浸水推定図を作成、提供し、被害の全体像の把握であるとか人命救助、排水作業などに活用されたものと聞いております。
 国土地理院では、この浸水推定図の作成に必要な精密な標高データを整備するということを引き続き進めるとともに、浸水推定図を迅速に作成、提供することで浸水被害の応急対応を支援してまいりたいと考えているところでございます。

#31
○和田政宗君 これ、実はこれを着目して開発をするきっかけは二十代後半の若手職員の提案だということでありました。この提案した若手職員も非常にすばらしいわけでありますし、じゃ、やってみようということで実際に活用し始めた国土地理院の決定というのもすばらしいというふうに思っています。
 これ、非常に、やはり自治体の方に聞いても、こういった浸水推定図が早く出てくるということになりますと、人命救助でありますとか、また、どこにポンプ車を配置する依頼をする、どのように排水をするか、こういったことに非常に役立ったという声が実際聞かれております。
 大臣にお聞きをしたいというふうに思うんですけれども、このように国民に迅速に情報を届けたり正確な情報を届ける上で、国土地理院のように省庁が柔軟にSNSなどの新しいサービスや新技術を活用することが私は重要であるというふうに考えております。しかしながら、省庁の、何というか、性質としまして、前例踏襲主義的なところがあって、新たな技術の活用などについて臆病になってしまう部分もあるというふうに思います。
 国土地理院の場合は、若手職員の発想、よしやってみようということで踏み出したわけでありますけれども、こういった発想の転換ですね、こういったものをどういうふうに行っていくか、御答弁を願います。

#32
○国務大臣(平井卓也君) 大変重要な御指摘だと思います。
 柔軟な発想によって利用者の利便性向上とか事務の効率化が進むことが本来のデジタル化の意義の一つなんですけれども、やっぱり失敗を恐れ過ぎる霞が関の文化とか、前例踏襲をするというようなこととか、アナログを単純にデジタルに置き換えてデジタル化としてしまうようなこととか、それが非常に大きな問題だったと思います。
 今回のデジタル改革においては、これまでのこの霞が関の前例踏襲主義を根本的に変えていくことが必要で、マインドセットを変えるということだろうというふうに思います。その意味で、デジタル庁においては、デジタル政策の司令塔として、高い専門性を有する民間人材を積極的に採用してその意見、知見を生かすとともに、民間企業との対話も進めながら新しい技術や製品の導入に積極的に取り組んでいきたいと、そのように思っています。
 そして、先ほどの事例のほかにもっといろいろなものを組み合わせれば、新しいサービスであったり、新しいその、何といいますか、アラートの出し方とかいろいろできると思うんです。そういう創意工夫を若い職員のみならず省庁全体で取り組んでいけるような、そういうふうになればと思っております。

#33
○和田政宗君 ありがとうございます、大臣。大臣はその点非常に精通をしていらっしゃるというふうに思いますので、デジタル庁のみならず政府全体がそのような方向になるように是非牽引をしていただければというふうに思います。
 そして、我が国のデジタル社会について聞いていきたいというふうに思っております。
 ビヨンド5G、ポスト5Gについてお聞きをしたいというふうに思います。
 コアネットワーク、アクセス系端末、これは3Gまでは日本のシェアが非常に多うございました。もう日本の独壇場というような形であったわけでありますが、これに対して、じゃ、ポスト3G、4G、5Gになっていくときにどうするかということで、欧米、中国、韓国は戦略的にやってまいりまして、欧州はコアネットワークを押さえることによって自分たちのシェアを拡大していった。また、端末などについては中韓が積極的にシェアを拡大をしていった。
 これは、まさに3Gで日本の独壇場であったところを、4G、5Gまでかけて戦略的にシェアを取っていく、こういったことであったというふうに思っております。それで、今どうなったかといいますと、日本はこの5Gについてはもうシェアはほとんどなくて、欧米などの技術や製品を活用している状況であります。
 5G以降につきまして、日本のシェア奪還の取組について御答弁願います。

#34
○政府参考人(鈴木信也君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、現状では我が国のシェアは低い状況にございますが、その要因といたしましては、欧州、アジアなどの企業は知財の取得時点からグローバル市場の獲得での展開を見据えて取り組んでいたことに対しまして、我が国企業は各社が個別に開発した製品を日本市場において展開することを重視したため、国際展開につなげられなかったものと考えております。こうした経験を踏まえると、ビヨンド5Gの研究開発の初期段階からグローバル展開を意識し、海外パートナーとの連携による研究開発や国際標準化活動を強力に推進することにより、グローバル市場の獲得につなげていくことが必要と考えております。
 こうした考え方に立ちまして、今後、具体的には、令和二年度第三次補正予算、ビヨンド5G研究開発促進事業による海外の戦略的パートナーとの連携も視野に入れた研究開発の推進や、昨年末設立されましたビヨンド5G新経営戦略センター、そしてビヨンド5G推進コンソーシアムを通じた産学官一体となった戦略的な知財標準化活動などの推進を有機的に連携させて取り組むことで、ビヨンド5Gの市場において我が国企業が高い国際競争力を発揮できるよう努めてまいります。

#35
○和田政宗君 今部長から答弁ありましたように、これ、国際標準をしっかりと取っていくということが非常に重要になってくるというふうに思いますので、これは教訓として、今、ビヨンド5Gの取組が私はしっかりと進んできているというふうに思いますので、その国際標準をしっかり取っていく、国際特許を取っていく、こういう姿勢をしっかり、姿勢というか、これを是非実現をしていただいて、しっかりと日本のシェア奪還につなげていっていただければというふうに思います。
 今後、そうした技術の進歩があるわけでありますけれども、私は、いろいろ通信の部分を考えますと、利用可能な移動通信や無線通信に適した周波数が枯渇する可能性があるのではないかというふうに思っております。
 現在、テレビ局が抱えている地上デジタルの周波数のうち、全国で余り使われていない周波数、これは、デジタル十三チャンネルはかなり広く使われているわけでありますけれども、例えばデジタル五十二チャンネルは使われていても都市部だけで、空いている部分がかなりあると。ただ、テレビ局がそれ抱えてしまっているという状況で、こういったところを通信において使えるようにしたり、周波数自体を整理再編をする、またホワイトスペース活用という必要性があるというふうに思いますけれども、考え方や取組というのはどうでしょうか。

#36
○政府参考人(鈴木信也君) お答え申し上げます。
 近年、技術の進展に伴いまして電波利用が多様化する中、電波利用ニーズはますます高まっているところ、これら新たな利用ニーズに応えるためには、より一層の周波数の有効利用の促進を始め、周波数共用や再編を推進していくことが重要であると考えております。
 現在、地上デジタル放送用に割り当てられている周波数につきましては、混信を避けつつ、同じ周波数を地域ごとに繰り返し利用する形で有効に利用しており、また、ホワイトスペースと呼ばれます、エリアによっては僅かに空いている周波数もラジオマイクやエリア放送といった用途で利用するなど、周波数の有効利用を推進しているところでございます。
 また、地上デジタル放送用以外の周波数帯におきましても、異なる無線システム間において地理的、時間的に柔軟に周波数共用を可能とするダイナミック周波数共用の活用によりまして携帯電話の周波数の確保を推進していくなど、引き続き、適正に電波の利用状況を把握しつつ、必要な周波数の確保、再編に取り組んでまいります。

#37
○和田政宗君 私、これ、デジタル改革の本丸の部分でもあるというふうに思っておりまして、利用できるところを利用させずに、テレビ局がそれを地上デジタルの周波数として抱えてしまっているというのは、私、これ最後の既得権であるというふうに思っておりますので、ここの部分をしっかり使えるようにしていけば、通信の進展でありますとかそういったところにつながっていくというふうに思いますので、この部分は引き続き私も関心を持って、また御提言なども申し上げながら、しっかりやっていきたいというふうに思っております。
 あわせて、その通信の部分についてお聞きをしたいんですが、自動運転です。これはもう政府全体、各省庁またがる中でもう積極的にやっていく、また世界に誇る技術にしていくというところがあるというふうに思うんですけれども、車と車の間の車車間の通信でありますとか、あと路車間ですね、これは道路のいろいろ附属物でありますとかそういったものと車を通信をさせるというような形でありますけれども、これもう思い切って全ての標識や街灯などの道路附属物、また信号機などに無線通信がやり取りできる機能などをもう国のデジタル改革として一気に進めていく、こういった思い切った取組が必要ではないかというふうに思いますが、考え方はどうでしょうか。

#38
○政府参考人(鈴木信也君) お答え申し上げます。
 高度な自動運転の実現に向けては、死角となる情報や予測情報など目視できない情報が必要となるため、自動車同士や自動車と道路附属物等の間を接続し、道路情報等をやり取りする通信が不可欠であるという認識の下、総務省では、電波利用の観点から、周波数割当て等の制度整備や5G等の情報通信環境の整備に必要な取組を行っているところでございます。
 総務省では、自動運転に必要な通信に係る取組として、安全運転支援を目的とする無線通信システムについて周波数の割当てを行うとともに、当該システムに必要な路側機の整備、運用を担う警察と協力しまして、その普及に努めているところでございます。
 また、交通信号機に設置した5G基地局のネットワークを活用することで5Gエリアの拡充と集中制御による交通信号機の運用コスト削減を実現するため、交通信号機への5G基地局の設置について、技術面や制度面、運用面から実証等を通じた検討を同じく警察庁と令和元年度から連携して行っているところでございます。
 今後も、警察庁を始めとする関係府省庁と連携し、自動運転社会の早期実現に向けて取り組んでまいります。

#39
○和田政宗君 これは、総務省も頑張っておりますし国土交通省なども頑張っておりまして、他省庁がそれぞれ頑張って、時に連携をしながらという状況でありますが、これかなりの省庁にまたがるものでありますので、やはりこれを政府全体として思い切って推進力として束ねていただければというふうに思いますので、この観点も、大臣、是非お願いをできればというふうに思います。
 また、ローカル5Gというものが御答弁の中でありましたけれども、これ、ローカル5Gが進展することによって、例えば今まで携帯電話事業者が全てその通信の部分を、まあ全てではないですけれども多くを握るところがあったわけでありますけれども、ローカル5Gが活用されていけば、携帯電話通信事業者以外の方々もそういう通信のいわゆるコアな部分を占めることができるという形でございまして、そうなりますと、これは携帯電話の料金もまた競争によって下がっていくということでありますので、我が国のデジタル化というものは国民全体に資していく、こういったことにつながっていくというふうに思いますので、しっかりと進めていかなくてはならないというふうに思っております。
 時間が参りましたので、私はこれで終わります。

#40
○山田太郎君 自由民主党の山田太郎でございます。
 昨日に続いて、デジタル化に関しての関連法案の質疑させていただきたいと思います。
 まさに、デジタル化の光と影というところを代表質問以来、質疑等させていただいているんですが、ちょっと今日やり方を変えて、前回、二十二問用意しておいて半分も聞かなかったので、実は今日、十六問もありまして、多分最後まで行かないんですが、重要なところから少し。
 言いたいことは何かということで、最初、実は結論を言いながら中身について行きたいと思いますが、まず、このデジタル化の光と影というのがあるときに、この光の部分は輝かせなきゃいけないんですが、そのためにはもうデジタル三原則重要だと。先ほど和田議員の方からも、このデジタル化成功のためのいろんな指針等についての質疑もしていただいていましたけれども、デジタルファースト、ワンスオンリー、コネクテッドというのが多分できないと駄目だということだと思っています。
 まず、その意味では、一つはベースレジストリーとマスターデータというところを何としてでもやり切らなきゃいけないということで、昨日少し質疑をさせていただきました。その中でも、転出転入ってイロハのイなんですよね。これがとにかく、転出届も出す、転入届も出すということを、ずっと我が国のデジタルガバメントを放置しておいたら、このもうデジタルファーストもワンスオンリーもできないということだと思っておりますので、その辺りは昨日やりましたので、今日はもう一つ、データ利活用と個人情報です。もう一つはセキュリティーの問題と。
 データ利活用とこの個人情報の話に関しては、まさにソサエティー五・〇の時代に入ってきたんですけれども、やっぱり影の部分があると。昨日の質疑の中にもありましたが、個人情報をどうやって保護していくのかということは非常に重要だということだと思います。
 昨日の質疑をちょっと受けて最初に今日私が言いたいことは、実はこのデータ利活用といった場合に、元々のデータというのは基本的に全部個人情報なんですよね、スタートは。なので、じゃ、その個人がどう特定されないか、あるいは類推されて個人が特定されないか、こういったことが重要でありまして、そうなると、匿名加工情報というのをどういうふうに考えて守っていくかということがもう絶対なるわけであります。これが、結局今のデジタル化の中での評価も変わってしまう可能性があると。
 例えば、防犯カメラというのがあるわけですよね。でも、これを監視カメラと言ったら嫌なものです。防犯カメラといえば、エレベーターなんかにも付いていて、防犯、痴漢とかからも守ってくれるかもしれないと。まさにこれ、肖像権の問題もあるので必ずしも個人情報だけの問題ではないんですが、そういった部分。
 それから、最近GPSのアプリがあることによって、コロナでどの街にどれぐらいの人が出ているからということで、対処、対策ができると。元は個人情報のGPSを使っているわけであります。なので、気持ち悪いという人は気持ち悪いと言うけれども、全体ではこれによってコロナの蔓延等を防止する策を取れるということにもなります。
 それから、最近、V―RESASなんというのもありますが、どの産業がどれぐらい落ち込んでいるかということで政策を取ったりとか施策をやることができますが、元々はカード情報とかを使っているわけですよね、例えばこういうものを決済しているということなわけです。つまり、個人の、データ利活用というのは基本的に個人情報からスタートしているものであって、個人情報からスタートしているから全部駄目なんだということではない。
 ただ一方で、この個人情報が仮名化した場合に、あっ、匿名加工をした場合にですね、匿名加工をした場合に、個人に戻ったりとか類推ができて個人が特定されてしまったら駄目だということをクリアしなければソサエティー五・〇の世界には絶対に来ないということがもう今日一つ言いたいことでありまして、その辺りの詳細の質疑をやりたい。
 もう一つはセキュリティーの問題なんでありますけれども、実はセキュリティーの問題に関しては、ISMAPもそうなんですが、外部の攻撃のことばかりちょっと議論されている嫌いがあるのではないかと。セキュリティーというと、目的外利用はされないといったこと、それから漏えいして漏れちゃわないということ、それからもう一つは、事故でそのシステムが止まるとか壊れちゃうとかこういうことがないということが重要でありまして、かのAWSも先般五時間も止まっていたということがあって、そういうセキュリティーの軟弱な部分に関して、乗るということがどうなのかということも含めてしっかり議論していかなければいけない。
 そうなってくると、これは前回多分矢田さんの方が質疑されていましたが、設計、開発段階でこういったセキュリティーのことを考えていかないと組み込めていないということになっちゃうわけですよね。つくったものが堅牢かどうかというものは見れないわけでありますから、堅牢につくらなきゃいけないんですが、残念ながら私は、今回見ていると、セキュリティーの対策が、最初の構想のところにあったとしても設計、開発の実際の段階で監査されていないと非常に難しいんではないかと、こういう問題意識を持っておりまして、そういったところをちょっと詳細にミリミリと今日も質疑をさせていただきたいというふうに思っております。
 さて、それを踏まえた上で、最初に個人情報保護法ということで、法制ということでやりたいと思うんですが、二千個問題であります。
 私は今回、二千個問題を、本当に経年の課題だった、何とかこれを菅政権そして平井大臣の下で、いわゆる条例の凸凹を法律によって安定させるとか一定の水準に整えるというのは本当に画期的なことだったというふうに思っています。ただこれは、国が情けなかったといえば情けなくて、何で各県が条例でそういうのを作っちゃったかというと、国がしっかりその基準となるものを早く出せなかったがために個々の県の事情もあって作ってきてしまったということなんだというふうに思います。
 ただ一方で、要は改正後の個人情報保護法と矛盾する規定がある個人情報保護の条例の方の法的な根拠あるいは法的な拘束力というのはどうなっているのかということをもう一度確認しておかないと、いわゆる上書きなのか、どこの部分が無効になるのか、あるいは、今後オンをしていくところというのもあると思うんですが、その今回の法律と各条例との関係、各県は今回の法律を受けて全部きちっと県議会等、市議会等を含めて改正をしなければいけないのか、条例を、その辺りの関係性についてまずお伺いしたいと思います。

#41
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。
 各地方公共団体におきましては、今回の改正法が成立いたしましたら、その改正法の施行までに、既存の条例の全てにつきまして、地域の特性に照らし存置する必要があるものとそれ以外のものとを種別、棚卸ししていただきました上で、必要な条例の改廃を行っていただくことになると考えております。
 例えば、既存の条例の規定のうち改正後の個人情報保護法と実質的に同趣旨のものは、存置する必要がなくなることから、各地方公共団体において改正法の施行までに廃止していただくことになります。また、既存の条例の規定のうち改正後の個人情報保護法の内容と矛盾、抵触するもの等につきましては、各地方公共団体においてやはり改正法の施行までに廃止していただくことを想定しております。なお、既存の条例の規定のうち改正後の個人情報保護法の罰則規定と同じ行為を処罰するものにつきましては、二重処罰禁止の観点から、改正法の施行とともに失効させることとさせていただいているところでございます。

#42
○山田太郎君 次に、ちょっと質疑通告にはないんですけれども、大臣の感想等で聞きたいと思っておるのが、自己情報コントロール権の問題であります。
 私自身は、日本も自己情報コントロール権というのをきちっと制定するべきなんじゃないかなという考え方で実はありますが、確かに、私も党内でデジタルのこの方面、それから知財の、著作権の実は責任者としてこの議論をかなりやってきていまして、GDPRなんかもしっかりこれまでずっと見てきたりとかしています。
 政府が常に答弁されるように、自己情報コントロール権という形の権利を想起させてしまうと、確かに要はそのデータに権利そのものが発生してしまう。そうすると、何のデータも使えなくなっちゃう、あるいは、誰か、どこから発生したのかということによって、私にはその権利があるんだから保障しろということで社会が混乱するかもしれない。そうすると、確かにそのデータ、情報を使うという意味での表現の自由であったりとか、あるいはニュースでそれを使えば報道の自由ということにもなりますし、言論であればそのデータを使うということ自身がポイントになるかもしれない。
 日本は、著作権でもって創造性があるものに関しては自然権としていわゆる権利を認めていますが、いわゆるデータそのものに対する権利ということに関しては寛容というか自由であると。ただ一方で、自己情報というものはどうなのか、これはしっかり議論しておくことが必要なわけでありまして、仮に自己情報コントロール権という言葉が、そういうあたかもデータに全ての個々人の発生する権利があるのであるということでは混乱するのであれば、自己情報コントロールということでもいいので、その辺りですね。それは実は何かというと、自分が発信した情報に関してどこで使われているかを知る権利であったりとか、それをコントロールできる、つまり消したりとかですね。
 特に、エストニアなんかが一つモデルというふうにもなると思うんですけれども、その辺り、自己情報コントロール権にまつわるところに関して、大臣の方から、今後の在り方、多分検討を個人情報保護法との関連においてもするべきだというふうに思っておりますので、是非御答弁を、済みません、質疑通告なかったんですけれども、平井大臣ならきっとできると思っておりますので、よろしくお願いします。

#43
○国務大臣(平井卓也君) この自己、自分で自分の情報をコントロールするということができるようにするという話は、官民データ活用推進基本法を制定するときに、これももう与野党一緒になって議員立法で作った法律ですけど、さんざんいたしました。
 これ、確かに自己情報コントロール権と言ってしまうと、憲法上の権利として認めるかどうかというようなこともまた司法の場で判断しなきゃいかぬということだと思うんですけど、我が国の最高裁は現時点において自己情報コントロール権を憲法上の権利としては認めていないと私は認識しています。しかし、自分の情報に対して関与して開示とか訂正とか利用停止請求ということは個別に今回その規定を設けているということですから、実質その当時議論していた内容はこれで担保されているだろうというふうに思っています。
 何せ日本の内閣法制局等々は、このコントロールという言葉を法律用語として使うかどうかというようなこととか、まあいろいろあると思います。ただ、日本は、この実質的に個人が関与できるということにおいては、自己情報は自分の関与の下にあって一定のことはできるんだということは今回の法律でも明らかになっていると思います。

#44
○山田太郎君 今の大臣の答弁、非常に重要でありまして、今回の個人情報保護の要諦としてのいわゆる自己情報に関する扱いは、自分で簡単に言うとコントロールができるということで、つまり、いわゆる財産権であったり人格権ということではないんだと。
 この辺りは確かに切り分けないと、この権利というのが独り歩きをすると、発生された個人に全ての権利が発生してしまって他人が全く使えないとか、何かグラフを作ったら、グラフそのもののデザイン性とか意匠性とかというのは権利があるかもしれませんが、データそのものというのは人類共通の財産というか泉のようなものなんだというふうに整理をしておかないと、確かに社会は混乱するかなということがありますので。
 ただ、これまで政府もその辺りの説明も私はちょっと下手だと思っていて、いや、一見すると、私もそうなんですが、自己情報コントロール権というのはきれいだし、確かに欲しいんですね。ただ、それが裏腹にある問題点というところをやっぱりきちっと整理して、きちっと国民に、ただ、とはいうものの、自己情報コントロール権ではないけれども、その自分の情報は、今大臣が答弁されたようにコントロールすることはできる。個人情報保護という観点からいうときちっと保護される、個人も関与できるということははっきりできたんじゃないかなというふうに思っております。
 さて、次に、このデジタル分野というのは、これ今回の二千個問題もそうなんですけれども、ある例えば条例等を作ると、ある県は非常に厳しくて、ある県は非常に緩いというようなこともあります。二千個問題というのはまさにそういうことだったということでありますが、例えば各条例で、あるところで、例えば最近、香川県なんかでゲーム規制みたいな話が条例でできました。これ、オンラインゲームなんていうことになると、ある県では、これ作った人が、そこの県で使われている、香川の子供が例えば買うとか使うとかということは想定できないというか、分からないわけですよね。
 つまり、デジタル化というのは、いわゆるそれこそ地域とか国境を越えるわけでありまして、そうなってくると、デジタル化による法律と今後の条例制定権、あるいは条例制定の問題というのは、少し整理をしておかないと、新たな第二、第三の二千個問題ということが多分考えられるんではないかと。
 ということで、憲法上は、御案内のとおり、条例は法律の範囲の中で作れるということになっております。どっちが上とか下という議論ではないんですけれども、その上書き権というのか、あるいは法律と条例との関係に関して、是非この辺りも御答弁いただきたいと思います。特にデジタル化に関しての件でお願いします。

#45
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁申し上げます。
 先生御指摘のように、地方公共団体が法律の範囲内で条例を制定することができるとされており、改正後の個人情報保護法の下における条例の制定につきましても、この基本的な考え方に即して判断されることになると考えております。
 今回の改正におきましては、全ての地方公共団体に適用される全国的な共通ルールを法律で規定するものでありますが、この共通ルールは、個人情報保護の全国的な最低水準を設定するだけでなく、保護と利活用の適正なバランスを実現するための標準的なルールを定めるものと考えております。
 このような法全体の趣旨に照らしますと、改正後の個人情報保護法におきまして、条例で独自の保護措置を設けることが認められるのは、地域の特性に照らし特に必要がある場合に限られると考えております。具体的には、例えば、地域の特性に照らし特に配慮が必要と考えられる個人情報を当該団体において要配慮個人情報と同様に取り扱うことは、条例による独自の保護措置として認められるものと考えております。
 なお、予測可能性を確保する観点から、現行の地方公共団体の条例の規定のうち、改正案の施行後も地方公共団体の独自の保護措置として規定を置くことが想定される事項につきましては、改正案の中で明文の規定も置いているところでございます。

#46
○山田太郎君 ありがとうございました。
 次に、セキュリティーといったところについて行きたいと思っています。
 ISMAPの話を少ししたいんですが、表を今日はお配りしていますので、ちょっと済みません、大量のデータがあってですね。一ページのいわゆる上段というところを見てほしいんですが、これが、ちょっと分かりにくいんですけど、ISMAP管理基準の全体像ということであります。
 まずちょっと、ISMAPというのは、そもそもどの機関が定めた基準で、どの分野のシステム、どういった事象を対象として、どの機関が運用していくのかということも教えていただきたいと思うんですね。
 私がちょっとこのISMAPについて問題があるなと思っているのは、アプリケーションのセキュリティーとかデータのセキュリティーとかネットワークのセキュリティーとか、特に契約のリスク、こういったものをちゃんと包含して見ていないんではないかと。セキュリティーをする人の振る舞いというんですかね、そういった人としてのコントロールと、あとインシデントが発生した場合の対処と方法についてはきちっと監査の対象は書かれてはいるんだけれども、そのいわゆるネットワークだとか提供する、乗っかる、例えばアマゾンのAWSとかマイクロソフトのAzureだとか、その製品そのものの品質であったりだとか、それが、先ほども申し上げたように、事故、つまり壊れたりとか止まったりしないんだろうかとか、そういった話をきちっと、そのシステムやネットワークに対する堅牢性とか脆弱性というのを見ているのかどうかと。
 私、ISMAPクラウドサービスリストの詳細というのも見させていただいて、かなりいろんな会社のは見たんですけれども、そういったところに関する監査等の記述がないんですね。
 そういった意味で、是非その辺り、ISMAPあるいはそのセキュリティーの監査、管理だけで大丈夫なんだろうかという辺りを是非御答弁いただきたいと思います。

#47
○政府参考人(江口純一君) お答えいたします。
 御質問のあったISMAP、政府情報システムのセキュリティ評価制度でございますけれども、クラウド・バイ・デフォルト原則を踏まえまして、クラウドサービスの導入を加速するという、このために、国際レベルでの管理基準に基づいて、第三者による監査のプロセスを経て安全性が評価されたクラウドサービスを登録する制度ということになっております。
 この制度につきましては、内閣官房の内閣サイバーセキュリティセンター、NISC、あとは、私どもでございますが、IT総合戦略室、あとは、総務省、経済産業省が共同で立ち上げた制度でございまして、管理基準の策定や制度の運用はこれらの府省で共同して担っておるというところでございます。
 管理基準につきましては、情報セキュリティーに関する国際基準でございますISOの基準というものをベースといたしまして、米国の類似制度でございますFedRAMPと申しますけれども、このような制度も参考にしながら策定をしたところでございます。
 具体的に申し上げますと、アプリケーションへの適切なアクセス制御や、不正なログオンからの保護、さらにはマルウエアの検出、予防、暗号化によるデータの保護、ゲートウエアの設定によるネットワーク間のアクセス制御などの管理基準に基づいて、第三者の監査を通じてクラウドサービスの安全性を評価をしておるところでございます。
 これによりまして、各府省におきましては、原則ISMAPに登録されたクラウドサービスを調達するということができることになりまして、制度上確認された安全性を確保できるということの一方で、SaaSなども含めまして各府省が調達するサービス内容は多様であるということから、個別の調達時の契約に伴うリスクなどにつきましては、各府省において調達時に適切に判断をして対応するということとしておるというところでございます。

#48
○山田太郎君 一番最後の答弁のところがすごく気になるというか、問題じゃないかなと思っておりまして、結局、政府が何と言っているかというと、個別の調達時の契約に伴うリスクなどは各府省が調達時に適切に判断して対応していくと、こうおっしゃるんですけど、それじゃ、何のための政府の統一基準なのか分かんないよねと、こういう話なんだと思うんですね。
 実は、今FedRAMPだとかいろいろ話出ましたが、私もそこ専門でやっていましたので、ISOの27000の基準であったりとか政府統一基準というのは、マネジメントとか、先ほどから言っているようにプロセスの部分を見ているだけなんですよね。FedRAMPも同じです。技術やソフトウエアの中身を見ていないということと、もう一つ、資料の二ページの左側見ていただきたいんですが、これも昨日、矢田さんも出されていたんですけれども、指摘されていました。実は、デジタル庁ができた後、NISCとの関係がどうなるのかということで政府が出している資料なんですが、設計、開発段階で何も見ていないということなんですよね。各府省がつくった、中心につくっているところもあるんだから、その各府省が勝手にやってということでは、そここそ監査をしないと、先ほど言ったセキュリティーにおける漏えいとか事故、もしかしたら目的外利用につくれるようにソフトウエアが組まれているかもしれないというような内容に関しては全く監査できていないんじゃないかと。
 驚くべきことは、これ、ISMAPの登録受けるために、監査法人の手数料、私も元々監査法人いましたけれども、二千万から三千万以上という話もあって、これだけの詳細情報と書いてあるのをちょっと拝見させていただいたんですけど、これが二、三千万する内容なのかというふうにもう正直思っておりまして、やるんであれば、ここはしっかり徹底をして、設計、開発段階においてもセキュリティーレベル、このセキュリティーの意味が単に外部からの攻撃であったりだとか人の振る舞いということだけではなくて、そのシステムや仕組みの堅牢性とかそういったものということで、漏えいしないのかどうか、事故が起こらないのかどうか、そこまでしっかり見るべきだと思いますが、改めて政府から答弁いただきたいと思います。

#49
○政府参考人(江口純一君) お答えいたします。
 デジタル庁におきましては、NISCとも緊密に連携をいたしまして、情報システムに関する整備方針においてサイバーセキュリティーを含めた基本方針というものを示すこととしております。
 その上で、システムの設計、開発の段階におきましては、デジタル庁におきましては、セキュリティー・バイ・デザインの考え方の下、当該方針に基づいてシステムの設計、開発を進めるとともに、プロジェクトを推進するチームとは別に、専門知識を有する人材が中心となって、設計、開発段階において整備方針に沿っているかを確認しながら進めるというような体制を構築をしていくということを考えておるというところでございます。
 さらに、デジタル庁にセキュリティーの専門チームを置いてシステムの検証、監査を実施するとともに、NISCの監査を受けるということとなっておりまして、こうした取組を通じてデジタル庁システムのセキュリティー確保を図ってまいりたいというふうに考えております。

#50
○山田太郎君 私もコンサルティング会社にいまして、この辺のシステム開発に関しては開発中もきちっと外部の監査を受けるようなことをする仕組みというのもあります。
 今回のCOCOAに関しても、それから直前になって延期になった健康保険証とマイナンバーの連携ということに関しても、何で問題が起こったかというと、その後の漏えい等々じゃないんですね。システムの開発段階からもう想定されるリスクがあって、それによって止まったりとか、そもそも、このままじゃ情報が漏えいしてしまうような仕組みを健康保険証とそれからマイナンバーカードの方は抱えていたということでありまして、多分、そのまま運用したら、その後、NISCさんは出てこられたんだろうと思いますけれども、データが漏れたということで、インシデントで。
 だけれども、結局はどこに問題があったかというと、やっぱり設計、開発段階なんですよね。ここをきちっと見ていくということを何度も、べきなんじゃないかということを何度もお願いをしておりまして、私は与党の中でもここは重要だということをずっと口酸っぱくして言っているんですが、なかなかですね、指針、方針を作るのが我々の仕事なんだということにとどまっておりまして、是非この辺りは今後きちっと検討してもらいたいと、こういうふうに思っております。
 大臣、済みません、その辺りもお願いします。

#51
○国務大臣(平井卓也君) セキュリティー・バイ・デザイン、そしてサービス・バイ・デザイン、これ基本的にデジタル庁が考えているセキュリティーのといいますかシステム開発の方針なんですが。
 委員の問題意識は私も共有しています。でも、一方で、このFedRAMPもISMAPも物すごいコストが掛かっているということで、クラウドサービス事業者ならともかく、SaaSの事業者にとってもとんでもない高い、要するに監査の費用が掛かってしまうというようなこと、これも一つ問題だと思います。
 そして、今言っていたその委員のリスクというようなものが、これだけ高いお金を払っている割に担保されていないんではないだろうかということだと思うんですけど、こういうこともやっぱり不断の見直しが今後必要だろうというふうに思っています。
 デジタル庁は、この分野の専門家、何人かはもう既に確保しておりますが、これからここを、人材を厚くしていこうというふうに考えておりまして、そういう意味で、これも、これからそういう形でその組織を整備していくということでございますが、問題意識はもう共有しているということでございます。

#52
○山田太郎君 ありがとうございます。九月からデジタル庁発足ですから、その後も体制と仕組み、しっかりいいものをつくっていくべきだと思っております。
 さて、次は、セキュリティークリアランスの問題なんですけれども、まあ身元調査っていうんですかね、いわゆる機密情報に対するアクセスということで、日本の公的個人認証というのは、よくオーセンティケーションというんですけれども、誰の何べえがというのはあるんですが、そもそもその人は資格としてこの情報に接触していいのかどうかということに関しては非常に弱いと思っております。
 後で資料出てきますけど、アメリカなんかだと、安全保障の観点からもPIVというのがあって、クリアランスの仕組みというのがつくられているんですが、是非これ、各府省に情報の格付とか取扱制限に応じた対策を講じるということだけじゃなくて、国全体としてこういったものに取り組むというふうにするべきだと思いますが、この辺りいかがでしょうか。

#53
○政府参考人(江口純一君) お答えいたします。
 先生御指摘のセキュリティークリアランスでございますけれども、この制度を取り入れるということに関しまして、現時点においてIT総合戦略室として検討しているということはまずはございません。今先生おっしゃったとおり、情報システムにおいて取り扱う機密情報につきましては、その情報を扱う府省ごとに情報の格付や取扱制限に応じた対応をするということとされております。
 このようなことに基づきまして、引き続き重要な情報資産をしっかりと保護するために、必要な様々な対策について関係府省とも連携をして検討してまいりたいというふうに考えております。

#54
○山田太郎君 もう、これもう大臣にお願いするしかないのかなと思っておりますけれども、政府はクリアランスについては検討の予定がないとおっしゃっているんですけれども。
 ちょっと資料を、一ページの下の段を見ていただきたいと思うんですが、日本におけるトラストサービスというのがどうあるべきかといったときに、これ慶應大学の先生の資料、手塚先生の資料を参考にさせていただいていますけれども、一つは、デジタル安全保障という意味においては、アメリカは先ほど申し上げたセキュリティーのクリアランスでもってPIVとかいう仕組みがあります。デジタル社会保障という意味では、eIDASということで、ここは法制化の検討をしているということを聞いておりますが、今言ったクリアランスのことについて、私はきちっとやるべきだと。
 一方で、右下なんですけれども、特に国家技術標準機関というところが日本は想定されていないということでありまして、これはEUもアメリカもあるんですね。これ何かというと、先ほどのクラウドであれネットワークであれ、あるいは今後の量子コンピューター、暗号化の技術であれ、どのレベルのものを国家としてはきちっと品質として担保していくべきなのか、どういう方向を見ていくのか、こういった専門の機関がもう各国は必ずあるわけでありまして、きちっとシステムの堅牢性とか脆弱性とか拡張性、パフォーマンス、こういったものを見ていかないと、結局、つくったけどまた壊れちゃった、つくっちゃったけどちっとも重たくて動かない、こういうことになっては仕方がないと思います。
 電子署名法に基づいて暗号の強度ということはやっていらっしゃると思うんですが、それ以外の、本体そのものですよね、それについて、私は、国家技術標準局というようなものを日本のトラストサービスの中にも、これデジタル庁さんの中に是非つくっていただきたいと思いますが、答弁いただけますでしょうか。

#55
○政府参考人(二宮清治君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、トラストサービスにつきましては、安心してサービスが利用されるために一定の技術的要件を満たしていることが必要でございます。また、先ほど御指摘の電子署名法におきましては、国が暗号の強度などの技術基準を定めるとともに、指定調査機関がその基準に基づき認証事業者の調査を行ってきているところでございます。
 デジタル庁発足後は、こういった電子署名法を始めといたしました情報の真正性等を担保するデジタル基盤を担う制度につきましてはデジタル庁が所掌することとなります。電子署名法等の技術基準についてもデジタル庁が所掌するということになります。
 他方、お尋ねの技術標準全般を一元的に検討する組織ということでございますけれども、こちらにつきましては、現在のデジタル改革関連法案には含まれてございませんが、今後、デジタル庁ができ、もろもろの活動をしていく中で、必要に応じて検討されていくものと承知をしてございます。

#56
○山田太郎君 まさにデジタル敗戦というような言葉から議論始まっているんですけど、多分、こういうところを整備しないとまたデジタル敗戦になっちゃうんじゃないかという危惧がありますので、今、今後検討していくべきだという議論もありましたから、是非大臣の方も引き続きよろしくお願いします。
 さて、デジタル庁の役割というところで残した時間質疑させていただきたいんですが、資料の三ページとちょっと二ページをにらみながら見ていただきたいんですけれども、特にまず三ページを先に、済みません、見ていただきたいと思います。
 今回、デジタル庁が関与するシステムの範囲ということなんですけれども、国のシステムは当然全般としてデジタル庁さんは見ますと。ただ、独法の仕組みについては、国の交付金が交付されていないものについては、指導、助言はするが、関係ないというスタンスなのかなと。地方公共団体のシステムに関して、ここがちょっと問題に今後なると思うんですが、国の補助金が交付されているシステム以外のものについては関与しませんと、こういうようなことだと思っております。
 今回、国と地方の仕組み、あるいは、国であろうと地方であろうと、国民から見れば、まさにいわゆるデジタルファーストという意味では閉じているわけでありますから、この税金の観点が、いや、地方であるとか、ここは国税であるとかなんということは、結局、これを許していたら結局また別々の仕組みになりかねないということで、ここを果たして見なくていいのかなと。もちろん、地方自治との関係もあるので、そこの整理は必要だ、だから条例と法律の制定権の話は少しさっき触れたんでありますけれども、ここをちゃんとクリアして、私は、地方公共団体のシステムに関しても、デジタル庁がまさにデジタルファーストの論点からもきっちし見ていくべきだということが重要だとも思います。
 それと、もう一つ気になっているのが、二ページの右上なんですけれども、今回、まさに国のシステムということで十七業務のところの見直しというのをやるんですが、一方で、これはベースレジストリーのマスターのところに非常に関与してくる戸籍のシステムというのが射程外なんですね。ということで、これは範囲に入れないと駄目なんじゃないのというふうにも思っております。
 その辺り、要は、地方公共団体の仕組みや今回の戸籍に関する仕組みをきちっとちゃんとデジタル庁はカバーしていくべきだと、全体として、デジタルファーストにおいてはカバー領域をきちっと全般にわたって見ていくべきだと思いますが、この辺いかがでしょうか。

#57
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁申し上げます。
 デジタル庁におきましては、国、地方公共団体、独立行政法人、準公共分野の民間事業者の情報システムの整備及び管理の基本的な方針の作成及び推進を担うこととしております。この基本的な方針は、デジタル庁の予算一括計上の対象となる情報システムを始め、国、地方公共団体、独立行政法人等の情報システムを対象とするものであり、この中で、ベースレジストリーの整備や情報連携の活用など、各種の原則を記載してまいりたいと考えております。
 先生がおっしゃいましたように、国が交付金や補助金を支出する地方公共団体や独立行政法人のシステムにつきましてはデジタル庁が統括、監理するということにしておりますが、それ以外のシステムにつきましても、ただいま申し上げました整備、管理の基本方針をデジタル庁は推進する立場でございますので、地方公共団体や独立行政法人が整備、運用するシステムの実情をよく把握した上で、当該方針に準拠していただけるよう丁寧に御説明してその浸透を図るとともに、必要な技術的支援などを行ってまいりたいと考えております。
 また、戸籍等についてのお話がございました。
 現時点で、システムの規模が大きく業務間での連携が、地方のですね、地方の業務の中でシステムの規模が大きく業務間での連携が行われている十七の基幹業務のほかに、十七の基幹業務に付随又は密接に連携する業務を今システムの標準化等の対象として予定しております。今申し上げましたその十七の基幹業務等につきましては、さらにガバメントクラウドを利用する予定としておるところでございます。
 戸籍業務等につきましてガバメントクラウドを利用するかどうかにつきまして、今後、地方自治体の意見なども踏まえ、制度所管府省と協議しながら整理してまいりたいと考えているところでございます。

#58
○山田太郎君 是非、各地方のものであったとしても、例えば防災に関する仕組みも、自治体個別システムの七業務として避難者支援だとか避難行動支援等の情報ということが位置付けられていて、これでは防災の全国的なプラットフォームは私はつくれないと思いますから、この辺りの所管におけるところと射程のところというのは、もう一度しっかり議論をされてもいいんじゃないかなというふうに思っております。
 さて、時間もなくなってきましたので、もう一つ、ガバメントクラウドの構築に関して、国産クラウドの採用という辺りですね。
 安全保障とか国内産業の育成の観点も含めて、何とか国内のクラウドをいわゆる立ち上がらせたりできないだろうかと。もちろん、優先的に利用するというのはWTOだとか各条約等の関係でもって難しい面があることは重々承知しているんですが、少なくとも国内産業の育成という部分に関してはできるんではないかというふうに思っております。
 とはいうものの、先ほどちょっと和田さんの質疑にもつながるところあるんですが、国内だといっても、LINEは日本の企業なのかどうかとか、こういう論点もありますし、一方で楽天も、最近、中国IT大手のテンセントの子会社が三月に大株主となったと。もちろん所有と経営の分離という考え方もありますので、必ずしもそれをもってどうだということではないのかもしれませんが、ただ、国内におけるいわゆるクラウドの採用。
 それからもう一つ、時間もないので、政府のデータセンターというのを四月の十二日に成長戦略会議において発表されています。この辺りもこれからやっていくというのは非常に期待もあるし、それを前提として今後のいわゆる国内のデジタルクラウドの在り方ということがいろいろ変わってくると思いますので、その辺り、国産、国内、こういった課題、論点、是非答弁いただきたいと思います。

#59
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。
 ガバメントクラウドにつきましては、複数のクラウドサービス事業者が提供する複数のサービスモデルを組み合わせて相互に接続する形態を取る予定としております。
 その際、選定基準を設けるわけでございますけれども、不正アクセス防止やデータ暗号化などにおいて最新かつ最高レベルの情報セキュリティーが確保できることですとか、クラウド事業者間でシステム移設を可能にするための技術仕様等が公開され客観的に評価可能であることですとか、現在IT室において策定中でございますけれども、そういった技術要件等を全て満たすことなど、そういったことを、基準を満たしていただくことを考えておりまして、こういった基準を満たしていただければ、国際企業か、あっ、国産企業か外国企業かであることをもって排除するということはないということで考えております。
 いずれにしましても、最新動向を注視しつつ、慎重かつ適切に対応してまいりたいと考えております。
 また、データセンターでございます。
 政府といたしましては、クラウドサービスの選定において、セキュリティーに関する対応に加え、我が国の法律及び締結された条約が適用される国内データセンターと我が国に裁判管轄権があるクラウドサービスを採用候補とすることなどを基本方針としており、こうした対応に契約、開発、運用などを含め、国によってしっかりと統制できることが重要であると考えております。
 また、先日の成長戦略会議におきまして大臣より、データセンターについて、各府省がそれぞれ独自のシステムを整備、運用している現状から脱却し、グリーン社会の実現、事業継続計画、BCP、セキュリティーの確保の観点から、段階的に最適化を図るという方針を出されたところでございます。
 政府情報システムにつきましては、クラウドサービスの活用を原則としておりますが、クラウドへの完全移行までの工程、機密性の高いデータの管理やデータのバックアップの方式などを含め、データセンターの整備に向けて具体的な検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。

#60
○山田太郎君 時間になりました。
 やっと政府の方も、これだけ私が何度も何度も言ってきたので、契約に関しては考える必要があるという答弁になりましたので、この辺りも是非セキュリティーの論点からもきちっとやっていただきたいと思います。
 本日はこれぐらいにしたいと思います。ありがとうございました。

#61
○杉尾秀哉君 立憲民主・社民の杉尾秀哉でございます。質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 先週の代表質問で菅総理に、ここ二十年間の日本政府のデジタル政策について、いわゆるデジタル敗戦という言葉を使って原因と責任を問うたわけですけれども、答弁ございませんでした。
 そこで、平井大臣に伺います。
 平井大臣はよくこのデジタル敗戦という言葉を使われます。大臣がこの言葉を使うときにどういう意味でおっしゃっているのか、その失敗を認めるとすれば、その本質、どういうふうに総括されているんでしょうか。

#62
○国務大臣(平井卓也君) このデジタル敗戦ということに関して言えば、これはもう官民含めてというふうに私自身は認識をしています。
 政府全体の政策からしますと、IT政策の優先順位は今まではやっぱり高かったとは言えません。そして、国民側のデジタルへの期待も必ずしも大きくなかったというふうに思います。
   〔委員長退席、理事徳茂雅之君着席〕
 アナログの行政手続の単なる電子化が進められて、利用者にとって圧倒的に便利になるとか使いたくなるというようなものは非常に少ないというふうに思っています。ですから、徹底した利用者目線ということを考えれば、デジタル化の取組がやっぱり中途半端であったというふうに思います。
 デジタルということの本質の一つはやっぱりつながるということだと思うんですね。それがやっぱり完全に最後までつながっていないということがあります。
 そして、このデジタル化というのは私はやっぱり二種類あって、英語で言うところのデジタイズというのとデジタライズ。先生もテレビ局でお勤めだったから感じておられると思うんですが、地上波のデジタル化ということがありました。あれはもうまさにアナログ電波をデジタル電波に変えるという分かりやすいデジタル化なんですが、本当のデジタル化というのは、その時点でやっぱりビジネスモデルも見直すというところが必要だったのではないかと思います。
 海外では、そこでネットフリックスみたいなものとか、今、各局民放もそういうサブスクリプションモデルに移っていますけれども、我々やっぱり政府は、要するに仕事のやり方を見直さずにデジタル化をやってしまった、民間も、デジタル化のインパクトを甘く見てビジネスモデルを見直さなかった、そのために日本のこのデジタルというものが中途半端になってしまったということ等々を含めて敗戦という言葉を使っております。

#63
○杉尾秀哉君 よく分かります。地上デジタルの放送が始まったときにこういう状況になっていることを予測していたテレビ局員はそうそういないと思いますので、その意味では私自身も含めての反省なんですけれども、ただ、今回はやっぱり失敗はできないというふうに思うんですよね。
 例えば、今総括されましたけれども、これは今の菅政権の前の安倍政権のときからそうなんですが、とにかくスローガンをぶち上げては、その総括がないままに、この間、小沼委員もちょっとそういう趣旨の質問をされていましたけれども、その総括がないままに次のスローガンをぶち上げる、こういうことがずっと繰り返されてきた。これはデジタルの政策でもそうだったというふうに思うんです。
 例えば、二〇二〇骨太方針の原案に、各省庁が数値目標を定めて手続のオンライン化を進めると、こういうくだりがあったんですけれども、この方針というのは生きているのか、そうしたことを今回もやろうとされているのか。大臣、答弁できますか。

#64
○国務大臣(平井卓也君) 当時のことも私よく覚えておりまして、要するにデジタル化でできた形ができればいいじゃないかと。つまり、仕事のやり方は余り見直さずに、取りあえずこれがデジタルだというようなことで、数値目標も掲げてできるようにはしたんだけど、使われないというようなものも多かったと思います。
 やっぱり徹底した国民目線でデジタル化を進めるというのが今回我々が明確にしているところでありまして、施策の状況を適切に検証、評価して次の政策に反映、改善していく仕組みの構築、これが今回は絶対必要だと思っています。この点、今回、法律の第三十七条で、デジタル社会の形成に関する施策について、重点計画を策定するとともに、原則として施策の具体的な目標や達成期間を定めることとしています。
 委員の御指摘は非常に重要なポイントであって、今回もうラストチャンスだと我々は思っていますので、その検証、評価のメカニズムに関してはしっかりと取り組んでいきたいと考えております。

#65
○杉尾秀哉君 おっしゃるとおりだというふうに思います。
 これ、全般的なお話は、質問はこれぐらいにしまして、私もちょっと主に個人情報保護の関連を中心に聞きたいんですけれども、一連の法案で、データの利活用推進、それからシステムの統一、マイナカードの利用拡大、こういうことが強調されておりますけど、一方で個人の権利利益の保護が置き去りにされているのじゃないかと、こういう指摘が根強くございます。
 例えば、先週の代表質問で私も総理に質問しましたけれども、デジタル監視法案と、こういう表現を使う方もいらっしゃいます。例えば、新たに設置されるデジタル庁に権限が集中して、官邸直属の情報機関である内閣情報調査室が一体になって全国民の個人情報を集約できる仕組みになる、こういうふうな指摘があります。
 平井大臣、これは荒唐無稽な妄想なんですか、それともそうじゃないんですか。

#66
○国務大臣(平井卓也君) 今回の法案は、デジタル庁や内閣情報調査室に情報収集に関する新たな権限を付与するものでは全くありません。個人情報がデジタル庁や内閣情報調査室を通じて官邸に吸い取られるのではないかという懸念は、これはもう全く当たらないというふうに考えています。
 個人情報の一元化、一元管理を図るものではなく、国や地方自治体において引き続きそれぞれ個人情報を分散して保有、管理することを前提にシステムやルールを標準化、共通化すると。この今回のマイナンバーにしても、やっぱり民主党政権時代にその基本的な方針が決められていて、政府による情報の一元管理に対する懸念というものを避けるためにこれだけ莫大なシステムコストも掛けてきたという経緯があります。
 改正後の個人情報保護法は、行政機関における個人情報の取扱いに関して、現行の行政機関個人情報保護法の規律を基本的に全て引き継ぐとともに、独立規制機関である個人情報保護委員会の監督の下で規律を幾つかの点で強化する内容になっており、例えば個人情報の不適正な取得、利用を禁止する規定を明示的に置かせていただいています。
 したがって、委員の御指摘のような懸念を一部の方々が持っておられるとすれば、今回の法案の具体的な改正内容に基づくということではなく、むしろ社会や行政のデジタル化に対する全般的な、何となく不安であるということに由来するものではないかと思います。
 いずれにしても、我々、丁寧に法案の内容等を説明して、国民の懸念や不安を払拭してまいりたいと考えております。

#67
○杉尾秀哉君 内閣情報調査室のパンフレットを見ますと、この内調というのは総理の目であり耳であると、こういうことが書いてある。内調は個人情報も含めて国内外のあらゆる情報を集めていると、これは有名な話です。私も、実はある案件がありまして、内調に呼ばれまして聞き取りの調査を受けたことがございました。その活動内容というのは秘密のベールに包まれているということでございます。
 やろうと思えば、デジタル庁に集約された個人情報を内調が収集、保有、活用できるんじゃないですか。どうですか。

#68
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。
 今大臣御答弁されましたように、今回の法案でデジタル庁に新たに情報が、収集する、情報収集するという権限が付与されるものではございません。あくまでも、それぞれの情報は行政機関あるいは地方自治体等が保有、管理しておりますので、デジタル庁で個人情報をまず集約するということではございません。
 また、個人情報の取扱いにつきましては、当然、改正法である個人情報保護法の規定の下に適正に取扱いを行うこととなっておりますし、また、個人情報保護委員会がしっかりと監視することになっております。

#69
○杉尾秀哉君 そうおっしゃいますけど、何やっているか分からないんですよ。
 大体、元文科次官が、これは内調かどうか分かりません、公安警察かも分からないけれども、出会い系バーに通っていたことを調べられているんですよね。「官邸ポリス」という本ありますけど、あれ読んでもいろんなことが、あれは何か八〇%から九〇%真実だみたいなことが書いてありますけれども。
 そういう中で、これ、衆議院の内閣委員会でも問題にされたんですが、内調による情報収集の在り方、個人情報保護委員会のこれ監視の対象になっているんですか、どうなんですか。

#70
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。
 現行法でもそうでございますけれども、改正後も、行政機関における保有個人情報の取扱い全般を規律の対象としておりまして、改正後におきましても、捜査機関が保有する捜査情報に含まれる個人情報の取扱いも個人情報保護委員会の監視対象となると承知しております。

#71
○杉尾秀哉君 これ、通告していませんけど、個人情報保護委員会来ていますので、言ってください、今の答弁に対する。

#72
○政府参考人(福浦裕介君) 御答弁申し上げます。
 私どもとしましても、改正案につきましては、現行法と同様に行政機関における保有個人情報の取扱い全般を規律の対象というふうにしていると認識をいたしておりまして、したがいまして、改正後は、捜査機関が保有する捜査情報に含まれる個人情報の取扱いにつきましても、私ども委員会の監視対象というふうになると考えてございます。

#73
○杉尾秀哉君 それはあくまで建前で、そんなこと実際にやっていないでしょう。大体、そもそも百五十人ぐらいの組織で、捜査の関係でそんな監視なんてできますか。そのことについてはまた後で聞きます。
 憲法十三条に基づくプライバシー権、先ほど山田委員が質問されました自己情報コントロール権、これについて含まれると解されるのか否か、その憲法の解釈めぐっていろいろ意見があることは承知しております。
 衆議院の審議、それから、これは参議院、私も聞きましたけれども、委員会の質疑の中でもそうでした。これ、ずうっと一貫して否定的な答弁をされています。ここで、あるとかないとかそういう話を、押し問答を繰り返すつもりではないんですけれども、百歩譲って自己情報コントロール権という言葉を法律に明記しなくても、政府の考え方自体ははっきりさせておかなきゃいけないというふうに思っています。
 そこで、これ平井大臣に伺いたいんですが、デジタル化の必要を感じていない個人や自己の情報の利活用を望まない個人に対して政府はどう対処するのか。また、自己のデータの利活用を望まない個人はこれを拒否できるのか。さらには、個人が自分の情報を主体的にコントロールすること、まあ権利と言うかどうかは別にしてですね、これは国民の権利というふうに考えるか否か。大臣、御答弁ください。

#74
○国務大臣(平井卓也君) これはもう度々衆議院でも、また本委員会でもこの自己情報コントロール権について御質問がありますが、まずはその内容、範囲及び法的性格に関しては様々な見解がありまして、明確な概念として確立していないこと等から、改正案の中で一般的な権利としては明記しなかったということであります。
 その一方で、改正案では、現行法に引き続いて、事業者や行政機関等が保有する個人情報の取扱いに対する本人の関与を重要な仕組みと位置付けています。ですから、本人の関与というのがコントロールという言葉に置き換えられるのかも分かりませんが、つまり、本人による開示、訂正、利用停止請求等を可能とする規定を設けています。
 また、改正案では、現行法に引き続いて、事業者や行政機関等が個人情報を利用する場合には、あらかじめ特定され、本人に対して通知等された利用目的の範囲内で利用することを原則としています。
 これらの仕組みによって、公益上の理由により例外が認められる場合を除き、事業者や行政機関等が個人情報を本人の予期しない形で利用し、本人の権利利益が害されるような事態は生じないということになっています。また、不適切な利用が行われるなどした場合は、本人は事業者や行政機関等に対して自己に関する情報の利用停止を請求することは可能です。

#75
○杉尾秀哉君 これはおとといの質疑の中で田村委員が聞かれたと思うんですけれども、文科省、それから防衛省の個人情報ファイルの件がありました。これ、匿名加工がしてあるから個人情報じゃないんだと、こういうことなんですけれども、こうした場合は本人の申立てでは削除できないんですよね。
 で、私の側からすれば、そのファイルを見れば誰のことだか分かるわけですね。例えば横田基地訴訟とか、それからその大学の入試について分かるわけですよね。これ、だけど、削除してほしいと言ってもできないわけでしょう。どうなんですか。

#76
○政府参考人(福浦裕介君) 匿名加工情報につきましては、既に個人情報じゃないというふうに加工するというふうな制度でございまして、したがいまして、本人からして権利利益の侵害に当たらないということになりますので、そういう救済の制度というのは取られていないというふうな制度でございます。
   〔理事徳茂雅之君退席、委員長着席〕

#77
○杉尾秀哉君 それは建前で分かりますけれども、ただ、これは本人からすれば、あっ、これ自分のことだと分かるわけですよね。それでも、今の制度であると、しかも、今度の法改正によってもそれは申立てできないわけですよね。
 そうすると、データの利活用を望まない個人がこういうデータの利活用やめてくれと言ってもできないというのは、これは確かに個人情報じゃないというその最後の一線はそこなんでしょうけれども、これは、だけど、国民の側からすれば極めて不親切というか、気持ち悪いと言う人もいるだろうし、やめてくれと叫びたい人もいるだろうし、じゃないんですか、どうなんですか。

#78
○政府参考人(福浦裕介君) 繰り返しの御答弁になりまして恐縮でございますけれども、先ほど申し上げたとおり、本人の特定性がないような形での加工をすることによって、そういう制度の前提になってございますので、先ほど申し上げたとおり、そういう救済の制度というのは設けられていないということでございます。

#79
○杉尾秀哉君 これ、またおいおいやりますけど、これ、ひどい話だと思いますよ。
 そして、個人情報の目的外使用が認められる相当の理由、特別の理由について、さきの代表質問でも、保護の必要性と個人情報の有用性を比較考量し、個人情報の有用性が上回ると考えられる場合に限り認められる、個人情報の無限定な利用や提供を認めるものではないと、これは平井大臣の答弁だというふうに思います。
 そこで、平井大臣にここはお答えいただきたいんですが、では、どんな場合が個人情報の保護より有用性の方が上回るのか、その判断は一体誰が行うのか、これ具体的に御答弁ください。

#80
○国務大臣(平井卓也君) 保有個人情報の行政機関等に対する目的外提供が例外的に認められる相当の理由とは、個々の事案に応じて個人の権利利益保護の必要性と個人情報の有用性を比較考量して、個人情報の有益性が上回る場合と答弁をさせていただいています。現行法の下でこの相当の理由に基づく保有個人情報の提供が行われた事例としては、例えば外務省が在外邦人の連絡先等のデータを地籍調査のために市区町村に提供した例が挙げられています。また、このほかで言いますと、国土交通省が日本の船舶に関する登録データを固定資産税の税額決定等のため総務省に提供した例などもあります。
 また、保有個人情報の行政機関等以外の者への目的外提供が例外的に認められる特別の理由とは、個々の事案に応じて行政機関等に対する提供に匹敵するような高度の公益性が認められる場合ということでありまして、現行法の下でこの特別の理由に基づく保有個人情報の提供が行われた事例としては、例えば法務省が矯正施設に収容されている人の名簿を人権救済申立てに関する調査のために弁護士会に提供した例が挙げられております。そのほかで言いますと、外務省が在留外国人の氏名等の情報を本人の安否確認のために日本赤十字社に提供した例等々もあります。
 このような相当の理由や特別の理由の判断は、まず第一義的には当該個人情報を保有する行政機関等が判断しますが、その判断が適正であったかどうかは個人情報保護委員会が監視することとしておりまして、決して行政機関等による恣意的な判断を許すものではないと考えております。

#81
○杉尾秀哉君 高度の公益性と、こういう答弁なんですけれども、高度の公益性というのは極めて曖昧な言葉だと思いますし、最終的にその個人情報保護委員会が中立、客観的な立場で判断するということなんですけれども、そもそもこれ、役所の側からすると個人情報の利活用を推進する立場でもあるわけなので、推進する側の立場の人間がそういうことのその判断を委ねていいのかということと、それから、これは個人情報保護委員会に聞きたいんですけれども、じゃ、その中立、客観的な立場で判断するということにするとして、これも先日、おとといの田村委員の質問の中にもありましたけれども、結局、個人情報保護委員会って行政機関の判断を追認しているとしか思えないんですよね。それに対して、例えば何らかの勧告をしたりとか、そういうふうなことをされている形跡はございません。
 本当に主体的、自律的に判断できているのか、これからできるのか、その辺も含めて双方お答えください。

#82
○国務大臣(平井卓也君) 個人情報保護委員会というのはいわゆる三条機関ですから、高い独立性と政治的中立性を有する機関であって、行政機関による個人情報の目的外利用に関しても、個人の権利利益の保護の必要性と個人情報の有用性の両面から適切な判断をすると思っています。
 また、個人情報保護委員会においては、改正後の公的部門における個人情報の取扱いについてのガイドラインを示すことになっておりまして、具体的な判断基準についてはこのようなガイドラインにおいて示されるものと承知しておりますが、詳細は政府参考人に答弁をお願いしたいと思います。

#83
○政府参考人(福浦裕介君) 行政機関非識別加工情報の提供制度についてでございますけれども、各行政機関において自ら適切に運用することが原則ではございますが、その上で、私ども委員会としまして、提供制度の円滑な運用を確保するために必要があるというふうに認める場合には、当該行政機関に報告や資料提出を求めるとともに、場合によっては実地調査、指導、助言、勧告を行うことができるとされてございます。
 改正法においても行政機関に対して引き続き同様の権限を有することとなってございますので、制度の円滑な運用の確保に向けて、そのように一層努めてまいりたいと考えてございます。

#84
○杉尾秀哉君 今大臣は個人情報保護委員会が適切な判断をすると思うというふうにおっしゃっているんですけれども、先日の答弁を聞いた限りではとても適切な判断ができているとは私は思いません。
 これ、先ほどもちょっと触れたんですけれども、非識別加工の匿名加工情報への統一、それから、個人情報保護法制の一本化に関してちょっと幾つか質問してみたいんですけれども、もう前提は皆さんよく御存じだと思います。今回、個人情報の定義が民間基準に合わせられるということで、個人情報保護の水準が後退する、こういう懸念が指摘されております。この懸念に対して平井大臣、どのようにお答えしますでしょうか。

#85
○国務大臣(平井卓也君) 今回の個人情報保護法制の一元化は、個人情報保護法、行政機関個人情報保護法、独立行政法人等個人情報保護法の三法を統合して一本の法律とするとともに、地方公共団体等の個人情報保護制度についても統合後の法律の中で全国的な共通ルールを設定し、独立規制機関である個人情報保護委員会が我が国全体における個人情報の取扱いを一元的に監視、監督する体制を構築するというものであります。
 これにより、高い独立性を制度上保障されている個人情報保護委員会が、国の行政機関、独立行政法人等、地方公共団体等における個人情報の取扱いを監視、監督することで、これらの機関に対する監視、監督の中立性、客観性が向上すると考えます。我が国の個人情報保護の体制が国際的な趨勢にも合致したものとなることで、我が国の個人情報保護法制に対する国際的な信頼が高まるとも考えております。現行の個人情報保護法制の縦割りに起因する規制の不均衡や不整合が是正されるといった効果も期待できます。
 特に、最後の点については、例えば、国立病院と公立病院、民間病院では同じ病院であっても適用される規律が大きく異なることとか、千七百以上ある地方公共団体のそれぞれが個人情報保護について異なる規律やその解釈を採用していることがデータ連携の支障になっているとの指摘はもうかねてよりありまして、今回の改正はいわゆる二千個問題を解消するものであります。
 改正後は、独立規制機関である個人情報保護委員会が、第三者的な立場から地方公共団体を含む行政機関等に対する監督を行うことにより、行政機関等に対する監視、監督の中立性、客観性が確保され、我が国全体の個人情報保護の水準は全体として向上すると、そのように考えております。

#86
○杉尾秀哉君 幾つか答弁していただいたんですけど、個人情報保護委員会と、それからその条例と法律のことについてはこの後に質問します。
 まず、その非識別加工情報について、これ伺いたいんですけれども、匿名加工情報ということで一本化されるということなんですけれども、これで本当に民間に流通しやすくなるんですか。それほどニーズがあるとは私は思えないんですよね。どうでしょう。

#87
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。
 行政機関非識別加工情報の提供制度は、公的部門が有するデータを個人を識別できないよう加工した上で、地域を含む豊かな国民生活の実現に資することを目的として民間事業者に提供し、その活用を促すものであり、平成二十八年の法改正により創設されたものでございます。
 今回の改正案では現行制度の仕組みを基本的に引き継ぐこととしており、提案募集の対象となる個人情報ファイルの範囲や、民間事業者から提案があった場合の審査基準、情報を提供する場合の個人情報からの加工基準等はいずれも現行法のものと同じでございます。
 改正後は、法を所管する個人情報保護委員会の下で引き続き制度が適正に運用されることが重要と考えており、こうした制度を利用していただきたいと考えているところでございます。

#88
○杉尾秀哉君 去年の夏までやっていました、個人情報保護委員会がやっていた地方公共団体の個人情報保護制度に関する懇談会の開催、これ四回開催されたと思うんですけれども、特にその去年の四回目の議事録を読んでみると、こうしたニーズというのは、これ現場の方ですね、自治体の方から、ニーズ的なものについてはこれ実態としてないという、そういう趣旨の発言が相次いでおりまして、今回のこの法改正によってもほとんどこれ、非識別加工情報をその匿名加工情報ということにしても、これ民間に流通しやすくなるとは、建前上はそういうことなんでしょうけど、実態としてないんじゃないかというふうに思うんですね。
 その一方で、地方公共団体も匿名加工情報の提供に応じなければならなくなる。実際、自治体に事実上匿名加工を強制することになるわけで、これ自治体の方で対応できるのか、過度の負担になるんじゃないか、これについてはどうでしょう。

#89
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。
 先ほど申し上げました匿名加工情報の提供制度の趣旨につきましては、これは地方公共団体にも基本的に妥当すると考えておりますので、今般の改正後の個人情報保護法では、地方公共団体は、その保有する個人情報ファイルについて、匿名加工情報をその用に供して行う事業の提案募集を行うことを規定いたしております。
 しかしながら、都道府県及び指定都市以外の地方公共団体については、匿名加工に関する十分な知見を持った人材を確保することに困難が予想されることから、当分の間の経過措置として、義務ではなく任意で提案募集を実施することとしております。
 義務付けの対象とする都道府県及び指定都市につきましても、制度の円滑な実施に向けて国が必要な支援を行っていく予定であり、御指摘のような過度な負担とならないようにしてまいりたいと考えております。
 まさにこうした点は、昨年、検討会等で都道府県あるいは自治体の方からヒアリングをして、そういった御意見も踏まえてこういうような対応をさせていただいているところでございます。

#90
○杉尾秀哉君 今の答弁ですと、都道府県と政令指定都市以外は当面はこれ義務化しないという、そういうことでよろしいわけですね。
 ただ、こういうところでも、やっぱりそのノウハウもないし人もいないということで、実際、最近、マイナンバーカードの関連でも、やっぱりその下請が二次、三次というような形で処理しているというふうに聞いております。更にこうした業務が増えると更にその下請が増えるわけで、これ情報漏えいのリスクが増すという、こういう指摘があります。
 衆議院段階で平井大臣の答弁を見ても、これ十分な歯止めにならないというふうに思うんですけれども、これについてはいかがでしょうか。

#91
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。
 自治体が匿名加工情報の作成等につきまして外部業者に委託する場合についてでございます。改正案では、地方公共団体から匿名加工情報の取扱いの委託を受けた者に対し、地方公共団体と同等の管理義務等を課しております。
 具体的には、匿名加工情報の個人情報への復元を禁止するとともに、匿名加工情報から削除した情報や加工の方法に関する情報を漏えい等の生じないよう適正に管理する義務を課しております。また、受託業務に従事する者が正当な理由がないのに個人の秘密に属する事項が記録されたファイルを外部に提供した場合に、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金を科すことといたしております。加えて、地方公共団体は、匿名加工情報の作成等を外部に委託する場合には、当然に受託者を厳正に選定していただくとともに、受託者に対しても厳正に監督を行っていただくことを想定しているところでございます。
 このようにいたしまして、情報流出のリスクにつきましても対応してまいっているところでございます。

#92
○杉尾秀哉君 それが実際に厳格に運用できるかどうかということが一番問題だと思うんですけれども、それともう一つ、行政機関が個人情報を取得する際の規制についてなんですが、これ整備法の六十二条一項三号なんですけれども、行政機関等の事務又は事業の執行に支障を及ぼすおそれがある場合は、目的を明示しないで個人情報を取得できるとなっております。
 極めて曖昧な表現になっておりまして、具体的にどういう場合を想定しているのか、また、おそれがあるというのは、一般的な抽象的な危険ということでもいいのか、その二点について答弁ください。

#93
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。
 改正案におきましては、現行の規定を引き継ぎまして、行政機関等が本人から個人情報を取得するときは、利用目的を明示することで行政機関等が行う事務の遂行に支障を及ぼすおそれがある場合など一定の場合を除き、あらかじめ本人に対しその利用目的を明示しなければならないことを定めております。
 今申し上げました、行政機関が行う事務の遂行に支障を及ぼすおそれがある場合というのはどういう場合かということでございますけれども、個別具体的に判断されることになると思いますけれども、例えば被疑者の逃亡あるいは証拠隠滅などにつながる場合等が該当すると考えております。
 また、委員から御質問のございました、おそれがあるとは単なる抽象的な可能性なのかどうかということでございますけれども、単なる抽象的な可能性では足りず、法的保護に値する程度の蓋然性が認められる必要があると承知しております。
 おそれの有無は、一義的には当該個人情報を保有する行政機関等が判断することになりますが、その判断が適正であったかどうかは個人情報保護委員会が監視することになります。

#94
○杉尾秀哉君 今の答弁ですと、捜査の必要があれば目的を明示しないで個人情報を取得できると、こういう解釈だというふうに思います。
 これ、確かに、逃亡のケースとか今おっしゃったような、そういうその危険性というかある場合、これは分かるんですけれども、しかし、この捜査の必要性という、こういうふうなその解釈であれば、任意捜査で際限なく警察に個人情報を収集するお墨付きを与えることにこれなりませんか。どうですか。

#95
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。
 あくまでも、行政機関が行う事務あるいは事業が適正に遂行する、その適正な遂行の支障に、支障を及ぼすおそれがあるということでございますので、その不適正なものは対象とならないと考えております。

#96
○杉尾秀哉君 それも曖昧なんですよね。そして最後は、個人情報保護委員会が監視、監督すると、こういうふうなことで先ほど来答弁が一貫しているわけですけれども。
 そこで、個人情報保護委員会について聞きますが、今回新たに報告要求、実地調査、勧告などの権限が付与されて、行政機関において個人情報の漏えいなどが生じたときには委員会に対する報告義務が創設されるということになっております。しかし、行政組織の体系、基本的な体系との整合性を考慮して、行政機関に対する立入検査や命令権限については規定していないと、こういうふうに何度か答弁されていると思います。平井大臣もそういう答弁をされました。
 しかし、こういうケースがあります。特定個人情報ですね、マイナンバー。これマイナンバー法で、行政機関に対する命令権や立入検査の権限、それからこれを拒否した場合の罰則も規定されていると思うんですけれども、この扱いと矛盾しませんか。どうですか。

#97
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。
 今御指摘のございました番号法と改正後の個人情報保護法では、行政機関に対する規律の基本的な性格が異なると考えております。
 番号法では、特定個人情報を取り扱う主体を官民を問わずに一種の事業者と捉え、これを規律の対象といたしております。このため、結果として行政機関に対しても命令や立入検査の権限が及ぶ形となっております。
 一方、これに対しまして、改正後の個人情報保護法では、現行の行政機関個人情報保護法と同様の考え方で、行政全体としての内部統制の一種として行政機関における個人情報の取扱いを規律しております。このため、内閣の下で行政機関同士は基本的に対等の関係にあるという我が国の行政組織の基本的な体系との整合を考慮し、行政機関に対する立入検査や命令権限については規定はいたしておりません。
 しかしながら、実地調査は、違反に対して罰則が科されない点を除けば立入検査と全く同じものであること、また、個人情報保護委員会の勧告は、独立規制機関の意見として当然に尊重され、行政機関が勧告に従わない事態は想定されないことから、行政機関に対する監督の実効性に欠けることはないと考えております。
 今申し上げましたように、実地調査につきまして、万が一行政機関が実地調査に協力しない場合、個人情報保護委員会が行政機関に対して勧告を行うことになると考えておりますし、また、その行政機関が万が一勧告にも従わない場合は、最終的には、内閣の首長たる内閣総理大臣の指導の下、行政全体としての個人情報の取扱いの統一が図られるものと考えております。

#98
○杉尾秀哉君 少なくとも、その立入検査、立入検査とそれから実地調査、同等だというんですけれども、やっぱり強い権限が必要だと思うんですよね。
 例えばドイツですと、これ個人情報保護委員会に相当するデータ保護コミッショナーというのがあるそうなんですけれども、これ警察に対する立入検査を含めた広範囲な権限が与えられているということで、これは是非日本でもそういう強い権限を、これは個人情報保護委員会に与えてほしい。
 それとともに、今回の法改正で、地方公共団体も個人情報保護委員会の監督の対象になるわけで、大幅に所掌範囲、それから課せられた職務が重くなるし広くなるということなんですが、例えば、これ地方を、今百五十人体制ですよね。これ、地方が対象になって、これどういうふうにして監督、監視するんですか。特に、警察も対象という、建前上はそういうことらしいんで、じゃ、その都道府県警察、これ、どういうふうに監視、監督するのか。地方の出先機関、一切ないわけですよね。こういうことも含めて、これまで幾つか、組織のこと、人員のこと、質問あったと思うんですけれども、いずれも非常に曖昧な答弁になっています。もう少し地方への対応も含めて明確に答弁してもらえませんか。

#99
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。
 最初、ドイツの方について御答弁いたします。
 先生御指摘のドイツの例でございますけれども、やはり国によって法体系が異なりますので、ドイツと日本とで制度を比較することはなかなか容易ではないのではないかなと考えております。
 我が国の個人情報保護委員会は、職権行使について高度の独立性を有していると考えております。ただ、高度の独立性を有しておりますけれども、我が国の行政組織の体系上は、済みません、先ほどと同じ答弁で恐縮でございますけれども、内閣府の外局であり、内閣の下、他の行政機関と基本的に対等の立場であり、個人情報保護委員会とほかの行政機関とは上級、下級の指揮命令関係にあるものではないと考えております。
 ただ、先ほど申し上げましたように、その実効性が確保されるように各般の措置は講じるところでございます。

#100
○国務大臣(平井卓也君) 個人情報保護委員会においては、専門的知見を有する独立規制機関として、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護するという法目的を達成するため、適切な執行をやっていかなければならないと考えております。
 改正法の施行後、個人情報保護委員会は、従来民間事業者における個人情報の取扱いに関して有していた監督権限に加え、地方公共団体である都道府県警察を含む行政機関における個人情報の取扱いについても実地調査や勧告の権限を持つことになります。
 個人情報保護委員会においては、民間事業者への監視、監督活動において培ったノウハウを生かした適切な監視、監督体制の構築や必要な体制強化について検討されているものと承知をしています。必要となる人員については、個人情報保護委員会において、各府省や地方公共団体からの出向に加え、民間での実務経験を有する者や弁護士等の採用などにより官民双方から多様な人材の確保に努めていくものと承知しております。
 今回の改正により、個人情報保護委員会の所掌事務や権限が大幅に拡大強化されることになるため、地方公共団体等の公的部門への監視体制について質と量の両面で具体化すべく、令和四年度から施行に向けて個人情報保護委員会の人員や組織を十分に強化していく必要があると考えております。

#101
○杉尾秀哉君 具体的に早く示していただきたいと思います。
 残りの時間なんですけれども、個人情報保護条例との関係で聞きたいんですが、これ、大臣も、個人情報保護法の改正により現行の自治体の個人情報保護条例が全てリセットされると、こういう表現なんですけど、リセットというのは、ちょっとさっきも説明ありましたけれども、これ、一回チャラにすると、こういう意味なんですかね。

#102
○国務大臣(平井卓也君) 各地方公共団体において個人情報の保護について異なる規律やその解釈を採用していることがデータ連携の支障になっているとの長年の指摘もありまして、今回の改正はこの二千個問題を解消することを目指すものであります。
 そして、以前の私の答弁、リセットと申し上げたのは、各地方公共団体において、改正法の施行までに、既存の条例の全ての規定について、地域の特性に照らし存置する必要があるものとそれ以外のものを棚卸しした上で、必要な条例の改廃を行っていただくという趣旨でございます。
 例えば、既存の条例の規定のうち、改正後の個人情報保護法と実質的に同趣旨のものは存置する必要がなくなることから、各地方公共団体において改正法の施行までに廃止していただくことになると考えております。
 いずれにしましても、改正案の成立後は、法の円滑な施行に向けて地方公共団体に対して丁寧な説明に努めてまいりたいと考えております。

#103
○杉尾秀哉君 先ほどの参考人の答弁をもう少し分かりやすく説明していただいたと思うんですが、そこで、法律を出す過程で住民に密着した行政を担う地方公共団体の意見を聞いたと、こういうふうに言っているんですけれども、地方三団体からのヒアリング会議やった形跡がないんですよね。さっき御紹介しましたけれども、去年開催されたこの個人情報保護制度に関する懇談会では、これ、拙速な議論に異論が百出したということです。中身を見てもそういうふうに分かるんですけれども。
 そこで、これ、総務省に来てもらっているんですが、今回の法改正に当たって、総務省が、千七百自治体、千七百余ということになりますが、自治体にペーパーを出したと、こういうふうに聞いております。どれだけ回答が来たのか、その内容がどうだったのか、教えてください。

#104
○政府参考人(時澤忠君) 私の方からお答えさせていただきます。
 総務省が行いました調査につきまして、これ昨年の十月ですけれども、全都道府県、市区町村を対象に行いまして、個人情報保護条例の現状の把握や検討の方向性に対する意見の調査というものを行っております。全ての団体から回答をいただいております。
 中身につきましては、例えば、死者に関する情報を個人情報の定義に含めないこと、あるいは目的外利用、提供を可能とする要件を行政機関と同様の規定にすること、オンライン結合制限規定を設けないこと、こういったことの論点につきまして意見をいただいたものでございます。
 調査の回答では、法律による共通ルールの設定につきましておおむね賛同いただいたわけですが、一方で、やはり新たな制度につきまして、目的外利用、提供制限について例外規定に該当するかどうか判断し難い場合が生ずるのではないか、あるいは匿名加工情報の提案募集については匿名加工に伴う技術的な負担が多いのではないかというような意見があったところでございます。

#105
○杉尾秀哉君 幾つかやっぱり地方公共団体の方でも懸念があるということで、これ最後の質問になると思うんですが、その条例で独自の保護措置を設けることもこれは排除されないという答弁です。
 地方の特性等に照らして、必要がある場合認められるということなんですが、そこで、例えば国立市のように、自己情報のコントロール権をこれ条例で認めちゃっているところは、具体的に、今回政府としてそれを権利として認めないわけだから、その場合はどうなるのか、ちょっとこれだけ答弁してください。

#106
○政府参考人(時澤忠君) 今回の法改正によりまして、議員の言われましたように、地域の特性に照らして特に必要な場合には条例ができるということでございます。そのほか、例えば法の施行のための細則でありますとか内部の手続など、法律の共通ルールの内容を変更しない事柄については条例で規定をすることができます。
 御指摘のありました自己コントロール権につきましては、地域の特性と関係しないものと考えられますので、具体的な法的効果を伴う権利として条例に規定するということはできませんけれども、純粋に理念的な事項としてでありますと、法律上の共通ルールの内容を変更しないということでありますので、改正後、改正案の施行後においても条例に規定することは可能だと考えております。

#107
○杉尾秀哉君 時間が来ましたので。ありがとうございます。

#108
○委員長(森屋宏君) 午後一時十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時十分開会

#109
○委員長(森屋宏君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、杉尾秀哉君及び三浦靖君が委員を辞任され、その補欠として横沢高徳君及び岡田直樹君が選任をされました。
    ─────────────

#110
○委員長(森屋宏君) 休憩前に引き続き、デジタル社会形成基本法案外四案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。

#111
○塩村あやか君 立憲・社民の塩村でございます。質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 まず、平井大臣にお伺いをいたします。
 前回の内閣委員会で、六十三本の法案を五つに束ねたと。この束ね法案なんですが、束ね過ぎじゃないかという声が出まして、私もそう思うんですね。しかしながら、大臣は、実はもっと束ねたかったという答弁がありまして、ちょっとどよめきが起こったと記憶をしております。
 今後の参考のために、是非、大臣はほかに何を束ねたかったのか、教えてください。

#112
○国務大臣(平井卓也君) 矢田先生に対する私の答弁だったと思いますけど、まず、これ本当にいろいろあるんです。
 まず、マイナンバー関連でいきますと、今、情報連携ですね、これ今、社会保障と税と災害の三分野以外の情報連携というのはまだ全然道半ばということだと思います。それと、在留カードとマイナンバーカードの一体化、これももう是非やりたいというふうに考えていて、今回間に合わなかったものでございます。そして、ちょっとこれは時間が掛かると思うんですけど、読み仮名の法制化、つまり、名前の読み方が確定していないというのがやっぱりこれ一番問題だったと思うんですけど、令和六年からのマイナンバーカードの海外利用に合わせて、公証された氏名の読み方に基づいてマイナンバーカードに氏名をローマ字表記できるように、これ迅速に戸籍における読み仮名の法制化を図ると、これも急ぐと思うんです。
 それ以外でいいますと、これも今後時間が掛かるし、常に見直さなきゃいけないんですけれども、押印と書面というのは今回法改正の中に束ねさせていただいたんですけど、本当のデジタル化のメリットといいますか、便利になったなと国民が実感するためには、対面のところを触らなきゃいけないというふうに思うんです。これも、もう全省庁、徹底的にそこを見てもらうというようなことで、今回間に合わなかったんですが、そういうものをもっと束ねておけば、もっと一気にデジタル化を国民目線で進められるなというふうに考えているところでございます。

#113
○塩村あやか君 ありがとうございました。
 なるほどなというふうに思う部分も非常にたくさんありました。読み仮名の部分とか、デジタル化の時代に後の世代に、私もこの間先祖をたどって戸籍見たんですけど、読み方が分からない先祖が何人もおりまして、なるほどなというふうに思わせていただきました。ありがとうございます。
 今回のデジタル庁の関連の法案なんですが、福祉職とか民生委員の方からも、これまでマイナンバー自体に反対をしていたんだけれども、この法案に対してはできればいい形で前に進めてほしいという意見が私の下にも届いています。
 というのも、私も同じなんですが、今回のこのコロナ禍において、本当に困窮された方々への給付金というものがスムーズに届かなかったということもありますし、特に女性は本当に自殺も増えたということもあって、私も含めて、そうした支援をしている方々にとっては、これはいい面はしっかりと前に進めていくべきであるという考え方なんです。
 ただ一方で、これまで質疑もされているように、やはりちょっと懸念を持ってしまう部分もあると思いますので、今日はこうしたところをなるべく懸念を取っていけるようにお答えいただきたいなというふうに思っています。
 また大臣にお伺いをさせていただきます。
 預貯金口座とマイナンバー、ひも付けて給付金をスムーズに届けるということだったんですが、例えば定額給付金なんですが、世帯主に対して一括給付を行う場合、これ、個人を単位とするマイナンバーに預貯金口座をひも付けるだけで本当に迅速な給付が可能になってくるのか、まずここをお尋ねしたいと。また、世帯単位ではなくて個人個人に対して給付というものももちろんやっていただけるのかと。ここも含めて、そしてできるのかという技術面も含めてお聞かせいただきたいと思います。

#114
○国務大臣(平井卓也君) 要するに、今回の法改正で何ができるのかというようなことを含めてちょっと説明させていただきたいと思います。
 今回の法律の改正は、そもそも、新型コロナウイルス感染症への対応において明らかとなったやっぱりデジタル化の遅れを課題として法改正しています。例えば、昨年の特別定額給付金の事務においては、給付金を振り込むための口座情報を申請時に申告していただかなきゃいけない。申請者や確認作業を行う職員などによってこれが大きな負担になりました。
 また、特別定額給付金の支給事務が法律に基づかない事務であったために行政機関でマイナンバーが利用できなかったがために、申請者等と給付対象者の照合作業が、これテレビでも報道されていましたけれども、非常に非効率的であったということであります。
 このため、公金受取口座登録法案では、国民の皆様に任意で公金受取のための口座をマイナンバーとともに登録していただき、その口座情報を災害や感染症などの緊急時の給付金等の支給に利用できるようにし、緊急時の給付金の支給等にマイナンバーが利用できることに今回するので、ここが大きいと思います。
 これまでの我が国の法律では、災害、感染症等の緊急時に国民が困っている場合に国民からの申請を待たずにプッシュ型に近い形で給付を行うことは実現できませんでしたが、今回の公金受取口座登録法案によって初めて、マイナンバーとともに事前に登録いただいた口座情報を緊急時の給付金の支給に使えるようになるとともに、緊急時の給付金等の支給において必要な情報連携ができるようになることから、もう既に口座が分かっているのであればプッシュ型に近い形で本当に困っている人に、これ申請なしで迅速に給付を行うことがこの法律によってできるようになります。
 そして、この間の特別定額給付金については、迅速かつ的確に家計への支援を行うという給付金の趣旨を踏まえて、住民基本台帳上の世帯を単位として給付を行うことにしました。
 先ほども申し上げましたけれども、公金受取口座登録法案は、任意ですが、公金受取のための口座をマイナンバーとともに登録してもらって、その口座情報を各種公的給付の支給等に利用できるようにするものなので、各種給付等の申請においては、口座情報の記載や通帳の写しの添付、行政機関における口座情報の確認作業等をこれ全部不要にすることができます。
 よって、各種給付等の事務手続において迅速に個人の口座情報を拝受することは可能となりますが、それぞれの給付等を世帯単位とするか個人単位とするかは、給付を所管する各府省の各制度の趣旨や制度設計によるものであって一概には言えないんですけど、ただし、各種給付を受け取るための口座情報が幅広く登録されたら、個人単位で迅速に支給するということの環境が整備されると考えております。

#115
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 御答弁を聞かせていただきまして、ちょっとほっとする部分もありました。やはり、個人単位で支給した方がいいものもやっぱり多々ありますから、こうしたことが技術的にかなり判断するのに容易になるというふうに思いましたので、是非進めていただきたいと思っております。ありがとうございます。
 コロナ禍においては、もうこれ手元にいっぱいあるんですが、いろんな給付金があって、本当に様々なものがあるんですが、先ほど大臣がおっしゃったとおり、様々な理由があって手元に届くのが非常に遅れたと。デジタル化する部分ではスムーズにいく部分もあるんだと思いますが、やっぱり判断するまでに時間が掛かると。その申請をして、プッシュ型以外のものだとすると、申請をしてから、そして、省庁側というか判断する方が判断をして支給をしますよ、給付をしますよという部分に時間が掛かっていてはどうしようもないと思いますので、これは大臣の所管ではないかもしれませんが、その部分も含めてスムーズに今後いくようにというふうにお願いをしておきたいというふうに思っております。何とぞよろしくお願いいたします。
 次の質問に移るんですが、これも大臣にお伺いをさせていただきます。
 ちょっと確認をさせていただくんですが、仮になんですが、デジタル庁がコロナ禍以前に発足をしていた場合、どのような政策を迅速に進めることができたのか、また、実際には取り組めなかったが、デジタル庁が発足をしていれば対応ができた政策を教えていただきたいと思います。

#116
○国務大臣(平井卓也君) デジタル庁は、今回の新型コロナウイルス感染症への対応を通じて明らかとなった、国、地方自治体のシステムがばらばらに整備されて、デジタルの一番のメリットであるこの情報連携が図られていなかったということを問題として、それを解決するために創設するということでございます。そのために、デジタル庁は強力な総合調整権を持っていまして、マイナンバー等のIDや認証に関する制度を自ら所管して、重要なシステムについて自ら整備を行って、国だけでなく地方自治体の情報システムの整備方針を示して、そして組織として設計することができます。
 新型コロナ感染症の発生前にデジタル庁があればという仮定の質問に答えるのは、これは非常に難しいんですが、むしろ、今後このような事態が生じても適切な対応が講じられるように、デジタル庁の機能をしっかりと発揮させていくことの方が重要だというふうに考えています。
 なお、今般のような事態の対応については、組織だけではなくて制度面での対応も非常に重要であり、今般御審議いただいております公金受取口座登録法案によって初めて緊急時の給付等の支給等に、事務等にマイナンバーが利用できることになって、これによって申請手続の簡素化とか給付の迅速化が図られるということでございます。組織と制度の両面からデジタル改革を強力に推進していくことによって、先ほど言ったプッシュ型のサービスを始め、本当に困っている方々に対して給付をするというようなこと、それも個人単位で給付をするというようなことが可能になると考えております。

#117
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 これ聞かせていただいたのは、今回のコロナ禍でデジタル庁があればとか、スムーズな給付ができればどれだけの方の生活と、そして命が守れたんだろうというふうな思いから聞かせていただきました。発足することになれば、是非しっかりと進めて、命を守るという視点でやっていただきたいなというふうに思っております。
 続きまして、公文書の管理についてお伺いをさせていただきます。
 三月十九日の衆議院の内閣委員会におきまして、公文書の改ざんや破棄をどうやって防いでいくのかという質問がありました。政府参考人からはこれまでの取組が答弁されまして、大臣からは、紙は紙でいいところがあるんだが、管理の面からはやはりデジタルより劣る部分があるだろうという答弁がありました。
 しかし、一方で技術面の明確な答弁がありませんでした。しっかり技術を、新しい技術を用いて公文書の管理をして、公文書の改ざんや破棄ということを防いでいくことができるのか、お尋ねをしたいと思います。

#118
○政府参考人(三上明輝君) お答え申し上げます。
 行政文書のデジタル化は、文書管理を確実かつ効率的に行い、行政の説明責任を全うしていく上でも、また、政府全体のデジタル化を進める上でも重要な課題であると考えております。
 政府におきましては、平成三十一年三月に、内閣総理大臣決定をもちまして、行政文書の電子的管理についての基本的な方針を策定しまして、今後作成する文書は、紙媒体ではなく、電子媒体を正本、原本とすることを原則とすること、将来的には行政文書の作成から移管、廃棄までを一貫してシステム上で処理することを可能とする本格的な電子的管理の実現を目指すこととされております。
 また、改ざんの防止につきましては、例えば、電子決裁を修正できない仕組みの導入ですとか、記録用フォルダーの読み取り専用化を行うといった取組を進めてきているところでございます。
 さらに、行政や社会全体のデジタル化が急速に進んでいる中、デジタル時代の行政文書管理の在り方について議論するため、今般、公文書管理委員会の下にデジタルワーキング・グループを設置したところでございます。ワーキング・グループにおきましては、早速あしたから議論を始めまして、スピード感を持って検討を進めていただき、本年夏頃に一定の結論を得るようにしたいと考えております。
 デジタル社会にふさわしい行政文書の管理の実現に向けて、関係機関と連携しながら、御指摘のありました改ざんの防止なども含めて、制度と情報システム両面からしっかり取り組んでまいりたい、このように考えております。

#119
○塩村あやか君 ありがとうございます。やはりこのデジタルの時代に合わせて新しい技術でしっかりと公文書を守っていくということで、改めてお願いをしていきたいというふうに思っております。
 続いてなんですが、これは私、個人的に非常に気になっているものです。転職のときに使用者間で提供できる特定個人情報の範囲ということなんですね。
 デジタル関連整備法第五十五条ですね、本案の五十五条、マイナンバー法改正案では、従業員が転職をした場合、本人の同意があるときは、転職前の勤務先から転職後の勤務先に当該従業者、従業員の個人ナンバー、マイナンバーを含む特定個人情報を提供可能とすることになっています。
 法律案では、個人番号関係事務を処理するために必要な限度で提供ができるとされているんですが、これマイナンバー以外に、例えば前職の賃金、報酬、年収とか、その賃金額の推移とか退職の理由とか、そういった情報も含めて前の事業者は次の事業者、事業主さんにそうした特定の個人情報を渡すことができるのかと。この渡せる特定個人情報の範囲を具体的に教えてください。

#120
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。
 議員おっしゃいましたように、今回の改正法案では、従業者等の転籍、退職があった場合、本人の同意があるときには、転職、退職前の勤務先から転職、再就職した勤務先に対し、マイナンバーを含む個人情報の提供を可能としたものでございます。これは、改めて新しい勤務先で特定個人情報を提出する必要がありますので、御本人さんの負担軽減等に資するものと考えております。
 実際には、グループ企業間など、マイナンバーの提供を行う事業者と受ける事業者との間に一定の関係性が認められる場合を想定しているところでございます。
 マイナンバーを含む個人情報の提供は、個人情報保護の観点から、マイナンバー法に規定された場合を除き認められていないため、転籍による従業員の雇用先の変更等に際し、事業者は従業員から再度マイナンバーの提供を受ける必要があり、国民、事業者双方の負担は極めて大きいとして、今申し上げたとおり、これを改善するものでございます。
 具体的な提供可能な情報の範囲につきましては、今回提出した法案では、委員おっしゃいましたとおり、その個人番号関係事務を処理するために必要な範囲に限定しております。そのために、具体的には、社会保険の資格取得届や給与支払報告書等の提出に必要な氏名、住所、生年月日等が想定されるほか、これらの届出書の提出に必要な範囲で、前出の給与額も含まれるものと考えております。
 ただ、提供可能な情報につきましては、現在も、新しい勤務先に提出させている情報につきまして、これを本人から、マイナンバー、本人が改めて自分で提出するのではなくて、勤務元から提出すると、新しい勤務先の方に提出するということでございますので、何か新たな情報を新たに提供させるということではございません。
 ただ、今後、個人情報保護委員会が定めるガイドラインにおいて、事業者が実施する個人番号関係事務の内容を踏まえ、提供可能な特定個人情報について説明していただくものと承知しているところでございます。

#121
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 この後ガイドラインが作られるということで、しっかりやっていただきたいと思っています。
 例えば、その給与の額なんというものは、例えば確定申告というか、そういったときに、すぐに転職すれば必要だなと思うんですが、例えばブランクが空いた場合に必要ない場合とかやっぱりありますよね。そうしたところも含めてしっかりと検討をしていただきたい。というのも、給与って、やっぱり転職するときに交渉したりしますよね。なので、そこで先に見せるということにならないようにとか、いい条件で交渉をやっていただきたいなと思うこともありますから、いろんな場面を想定して、しっかりとガイドライン作っていただきたいなというふうに思っています。
 次にお聞きしたいのが、その同意の時期なんですね。やり取りする時期も結構大きいんじゃないかなというふうに思っています。もし選考過程など採用前の同意も有効であるのならば、何とか採用してもらうために嫌々でも同意せざるを得ないということになるのではないかと、こうした懸念が寄せられているところです。
 同意の時期は、転職先の使用者がその当該従業員を採用した後に限るという理解でいいんでしょうか、それとも採用前の同意も有効なのか、お伺いをいたします。

#122
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。
 委員おっしゃいましたその本人の同意でございますけれども、従業員のマイナンバーを保有する転籍、退職前の事業者が転籍、再就職先の事業者に直接従業員のマイナンバーを提供したいと考える場合に、具体的な提供先を明らかにした上で求めるものでございますので、その時期は転職先の決定後となることが通例と考えております。
 転職先の事業者が採用の条件として転職前に従業員に同意を求めることにより従業員が不利益を被ることのないよう、制度の適切な周知、広報についてもしっかり行ってまいりたいと考えております。

#123
○塩村あやか君 ありがとうございました。
 確認できて良かったと思います。決して採用選考で不利益にならないように、しっかり運用していただきたいと思っております。
 続いてなんですが、個人情報ですよね、利用目的の明示の例外についてお伺いをしたいと思っています。
 行政機関等における個人情報の取得なんですが、整備法案中の個人情報保護法改正案第六十二条ですね、これにおきましては、行政機関等が本人から直接個人情報を取得するときは、原則としてあらかじめ本人にその利用目的を明示するということを義務付けています。しかし、例外もあって、行政機関等の事務又は事業の遂行に支障を来す、及ぼすおそれがあるときは、目的を明示しないで個人情報を取得できるというふうにしています。
 午前中の質疑にも出ていたことだと思うんですが、ちょっと重ねて質問させていただきたいというふうに思っています。
 ここって、やっぱり事務又は事業の遂行に支障を及ぼすおそれというのは、これ質問しようと思っていたんですが、午前にありましたので改めて確認なんですが、例えば犯罪の嫌疑があるということでいいかと。恐らくいいんですよね、午前中このようなお話があったので、こういったときにはいいんだということで。
 そこでなんですが、要件はやっぱり厳格化しておかなければいけないのではないかというふうに思っています。犯罪の捜査等のために作成して又は取得する個人情報ファイルについては、第七十四条第二項二号により、個人情報保護委員会に事前通知する必要はないということなんですね。で、これ誰が監視、監督できるのかということを聞きたかったんですが、これは午前中の質疑で出てまいりました。個人情報保護委員会が事後的にするということでした。
 犯罪の捜査とか租税に関する法律の規定に基づく犯則事件の調査又は公訴の提議若しくは維持のために作成をして、又は取得する個人情報ファイルと、非常に広範に事前通知の例外を認めていることは、やっぱり問題視する人はたくさん出てきているんですね。例外については厳しく限定する必要があると考えているんですが、いかがでしょうか。

#124
○政府参考人(冨安泰一郎君) お答え申し上げます。
 個人情報ファイルの事前通知の範囲についてでございます。
 改正案では、現行法の規定を引き継ぎまして、行政機関が個人情報ファイルを保有しようとするときには、原則として、個人情報保護委員会に対してあらかじめその名称、使用目的、記録項目等を通知しなければならないこととしています。
 ただ一方で、委員御指摘のとおり、行政機関が保有する個人情報ファイルのうち、国の安全、外交上の秘密その他の国の重大な利益に関する事項を記録する個人情報ファイルや、一年以内に消去することとなる記録情報のみを記録する個人情報ファイルなどにつきましては、現行法と同様、例外的に事前通知を要しないことといたしております。これらの個人情報ファイルは、高度の秘密性を有するため、情報を恒常的に共有する機関や職員の範囲を最小限にとどめる必要があることや、短期間に消去されるため、法への適合性を網羅的に審査する必要性が低いことなどから、事前通知義務の例外とされているものでございます。
 これらの例外規定は、平成十七年の現行法の制定以来約十五年間にわたり、個人の権利利益の保護と個人情報の有用性との調和の観点から安定的に運用をしてきたところであり、今回の改正においては規定を変更すべき特段の理由があるとは考えておりません。
 また、委員も御指摘になりましたように、改正後は個人情報保護委員会が全体として監視するということになります。法を所管する個人情報保護委員会を中心として、個人情報保護を取り巻く社会環境の変化や国際情勢の変化等を踏まえて、改正後におきましても制度の定期的な見直しが行われるものと承知しております。

#125
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 やはり、私の下に寄せられている声の中にやはり疑義を持っている人がたくさんいるということを改めてお伝えをしておきたいと思います。
 次の質問、大臣にお伺いしたいんですが、これもやはり懸念の声があるということで受け止めていただきたいと思います。午前中に杉尾委員の方からも質問があったんですが、地方自治体が持つ個人情報収集の懸念なんですよね。もう膨大な数の、やっぱり一時的には地方自治体が個人情報、接するわけですから、膨大な例えば病歴とかいろんなもの、データとして持つことになろうかと思います。
 ここで寄せられている声というのが、国が地方自治体の情報を活用することを容易とする狙いがあるのではないかという声が寄せられています。もしそうではない場合には、こうした懸念を解消するために、国はどのような場合に自治体が持つ情報へアクセスできるのか、これは基準をはっきりと設けておかなくてはいけないと私も思っています。
 というのも、三月十九日の衆議院の方なんですが、データを所管する行政機関がそれぞれアクセス権限を設定するのでデジタル庁の職員がそれを見ることは不可能だと考えていると、政府参考人から答弁がありました。それは、本当にどんなときもアクセスできない、しないと言い切れるのかどうか、閲覧可能な権限を持つ者は一人も、国の方、例えばデジタル庁とか含めて国の方でいないのか、どんなときも、この辺りがやっぱり気になるところなんですね。
 デジタル大臣とか総理の指示でもアクセスすることはできないぐらい強固なものになっているのか、それとも手順を踏めばアクセスすることができるのか、この辺り、考えを教えてください。

#126
○国務大臣(平井卓也君) デジタル庁が整備して、各省庁や地方自治体が利用することを想定しているガバメントクラウドにおいては、政府の人事・給与関係業務情報システムや文書管理システムなど個々の業務システムに関するデータも格納することを想定しています。
 しかし、当該データへのアクセス権限はデータを所管する行政機関がそれぞれ設定するとともに、当該データが格納されるクラウド上の領域は他のデータが格納される領域とは論理的に分離するということにしています。このため、従前と同様に、データを所管する行政機関以外には当該データにはアクセスすることができません。
 一般的には、データを所管している組織内であっても業務目的以外でデータにアクセスすることは禁じている。さらに、不正にデータへアクセスした場合には懲役や罰金といった罰則を受けることになります。これは、不正アクセス行為の禁止に関する法律が適用になると。
 そして、ガバメントクラウドの実装に当たっては、最新かつ最高レベルのセキュリティーとアクセス制御技術を持つ複数のクラウド環境を採用する予定であり、分散管理や不正アクセス防止策は現行システムよりも更に高度になると考えております。

#127
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 不正なアクセスとか違法なアクセスはできないということでありました。
 一方で、私がお聞きしたのは、どんなときもアクセスできないのかとか、その辺りがちゃんと厳格になっているのかということをお聞きさせていただいたんですね。やっぱりこれ、どうしてこういう疑問が国民というか市民の皆様から寄せられるかというと、私たち政治家とか政治に対してやっぱり信頼というものが今薄くなっているんじゃないかなというところがあります。やっぱりこうしたことを払拭していくためには透明性が高い運用が必要だと思っておりますので、その辺りも含めてしっかりと推進をしていただきたいと重ねて要望させていただきます。
 続きまして、ほかの行政機関、他の行政機関等への情報の提供についてお伺いをさせていただきます。
 これも杉尾委員と質問かぶってくるんですが、相当の理由があれば業務の遂行に必要な限度で個人情報を他の行政機関等にも渡すと、提供するということが認められていると。この相当の理由というのは、行政から行政みたいなお話だったと思います。
 そして次に、特別の理由ということは、これは行政以外に渡す一段高いレベルの、何というんですかね、情報を守るという言葉だというふうに私は認識をいたしました。
 行政機関による恣意的な運用を防ぐという観点から、午前中にも幾つか例示はいただいたんですが、許容され得る具体的な事例をもう少し教えていただけたらなというふうに思っています。

#128
○政府参考人(冨安泰一郎君) 済みません、ちょっと今手元にございますのは午前中に答弁したものと同じになるんですけれども、済みません。
 相当の理由につきましては、外務省が在留邦人の連絡先等のデータを地籍調査の遂行のために市区町村に提供した例ですとか、国土交通省が日本船舶に関する登録データを固定資産税の税額決定等のため総務省に提供した例などでございます。

#129
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 もう少し例示があった方がいいのではないかなと思いますので、是非、後からお部屋にでもいいので持ってきていただけたらと思います。心配をしている方々に、弁護士さんたちも相当心配しておりますので、お渡しをしたいと思っておりますので、お願いをいたします。
 次に、大臣にお伺いいたします。
 データの利活用と個人情報の保護とのバランスについてお伺いをさせていただきます。
 政府は、データを利活用するということと個人情報の保護のバランスの取れたデジタル化を目指していると当然思います。しかし、利活用を進めれば進めるほど個人情報保護の視点がおろそかになる懸念があるという声も寄せられておりまして、私もそれは確かにそうだなというふうに思っています。
 両者のバランスというのはどのレベルを目指していくのか。例えば海外の事例でもいいんですが、そうでなくても結構です、参考となるお話があれば是非、政府の方針、お聞かせください。

#130
○国務大臣(平井卓也君) 参考になる事例ということなので、私がよく知っている範囲でちょっとお答えさせていただきます。
 個人情報を活用して国民が本当にメリットを感じるということですよね。例えば、今、会津若松市はスーパーシティ等々で非常に前に向いて進んでいるんですが、会津若松市の事例で防災関係では、例えば、個人が自身に関する位置情報や医療情報等を自治体に提供すると、これオプトインなんですけど、提供することによって、自治体からスマートフォン経由で避難所までの適切なルートを指示したり、避難所において適切な治療を受けたりすることができると。これは割と市民の理解が進んで、多くの方々が登録しているようでございます。
 もう一つは、私の地元の香川県の話なんですけれども、これ、二年間の実証実験を踏まえて、今年の四月から、診療支援システム、K―MIX R BASICというものがスタートしています。このシステムは何かというと、患者本人のマイナンバーカードを使い、お医者様は自身の医師資格証、HPKIと呼ぶんですが、それを使って、その両方を使って、本人の同意の下で、患者のレセプトデータ、もう既に事前に格納してあるんです、クレンジングして分かりやすい形で。それを診療現場において閲覧するということを可能にしています。これによって、かかりつけ医とか中核病院とか薬局がレセプト情報を共有できるようになって、一人一人によって最適な医療が受けられると。
 実はこのシステムは今回の新型コロナのワクチンの接種の現場でも使われておりまして、本人が書いた問診票よりもこのデータの方が、医者はもう確実に、この方がどういう既往症あり、どういう薬を飲んでいて、今どういう状態であるかということが分かるわけですね。そういうことはもう明らかに国民にとってはメリットというふうに考えます。
 このような事例は、全国探せばまだたくさんあると考えております。

#131
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 なるほどなというふうに思いました。全国にあるいろいろな事例を集めながら、多分いいものをつくっていかれるんだろうというふうに理解をさせていただきました。
 次の質問なんですが、関連をちょっとします。誰一人取り残さないという部分なんですね。
 今のお話だと、やはり皆さんインターネットを持っている、ネットの環境にあるということが恐らく前提になってくるんだろうなというふうに思います。ただ一方で、ネットの環境がなくて、こうしたお届けする情報が届かない人もいるかもしれませんし、登録することがなかなか難しい人もいるかもしれません。特にWiFi環境がないとかというと相当難しいんじゃないかなというふうにも思ったりもしています。
 こうした方々に対してどのように政府は支援をしていくのか、特にWiFi環境の面で御答弁をいただけたらなというふうに思っております。

#132
○国務大臣(平井卓也君) デジタル改革には誰一人取り残さないという視点が不可欠であり、今回、我々は、デジタル社会形成基本法において、経済的な状況に起因するものを含めてアクセシビリティーを保障しようと、情報の活用の機会等の格差是正が着実に図られなければならない旨を規定しています。これは、この法律が目指すデジタル社会においては、機器やネットワーク環境が機会の確保の前提となる場合も当然想定されるので、経済的な状況でその機会が制限されることがないよう配慮する観点から、本法案において是正すべき格差の要因としてそこを明示させていただきました。
 政府としては、これまでも具体的な施策として、例えばWiFi環境が整っていない家庭の児童生徒に対する貸与等を目的として自治体が行うモバイルルーターの整備の支援を講じているほか、低所得世帯で障害のある子供のオンライン学習の通信費の支援、本法案を契機にして必要な施策を引き続き実施していきたいというふうに考えています。
 仮にこの法案が成立すれば、ニーズを踏まえた新規施策の充実を図っていくことが重要でありまして、各省庁と連携して、細やかにしっかりと取り組んでいきたいと考えております。

#133
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 この部分はもう本当に是非しっかりとやっていただきたいと思っています。アクセスできないとかそういったことになれば支援以前の話になってまいりますので、ここだけはもう本当に、コロナ禍を経てもう本当に困窮支援をしている人、私も含めてなんですが、本当に無力を感じたんですね。なので、ここ是非ずっとやっていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
 続きまして、看護師資格、デジタル関係整備法案と看護師資格についてお伺いをさせていただきます。
 今回、看護師さんが不足するということが大きな問題となっておりまして、人材確保に向けた頼みの綱は、全国に約七十万人いるとする資格を持つ今の看護師さん、潜在看護師さんたちだと思うんですね。しかし、この方々たちにマイナンバーを活用してしっかり登録してもらおうと思っても、所在が分からず復帰の働きかけができていない現状があると聞いています。
 田村大臣は、厚労大臣は、看護師の国家資格をマイナンバーを通じて管理をするため準備をしているとおっしゃっているんですが、具体的には、看護師の資格を取得をした際に行う国への登録をマイナポータルを使って行うようにするということなんですが、そもそも、現職の看護師や既に潜在看護師となっている人については改めてマイナポータルで自身が看護師であるということを登録してもらわなくてはいけないと、意味がないということなんですね。
 看護師さんたちに登録をしてもらうための施策について政府内でどのような効果が上がる検討がなされているのかお伺いをいたします。

#134
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。
 委員御指摘のように、潜在看護師さんをしっかりと連絡が取れるような形で把握しておくということは、こういう危機の状況においても大変重要なことというふうに思っています。
 ただいまお話ありましたように、住所を変えたような場合に、そこの連絡先の、何というんでしょうか、変更の届けが出ていないとかいったような理由によって連絡が付かなくなるということがあるというふうに考えています。
 その意味で、今後のことを考えますと、今回の法案でも看護師の資質向上や就業の促進のためにマイナンバー活用して資格管理を行いたいということを御提案申し上げているわけですけれども、今後のその、何というんでしょうか、マイナンバーの登録を進めていくためには、辞めてからではなくて、やはり就業中から確実に登録していただくことが必要だと思います。
 その意味では、まず第一点は、委員御指摘ありました資格取得時、新規取得時、それからあと、いろいろな登録事項を変更するような、例えば改姓をするとか、そういった時点で働きかけるのが一つ。それからもう一つは就業時ですけれども、二年に一度ですけれども従事者届というのを出していただいております。このときに関係団体とも協力して登録を働きかけるというのがございます。
 それから、辞めるときも、実は看護職員の人材確保法で届出の努力義務がございます。このときに働きかける。また、今現在都道府県のナースセンターに登録している離職者は十四万人ほどいらっしゃいますが、この方々は連絡先分かっておりますので、こういう方々にも登録を呼びかけるということを考えております。
 それに加えて、先ほどお話ありましたように、マイナポータル上で看護の資格と連携できるようにするという、そのマイナポータルに触る中で登録したいというふうに思っていただけるような環境整備に努めてまいりたいと、このように考えております。

#135
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 また最後にお答えいただいた部分で潜在看護師さんたちを登録していただくということになるんだと思います。登録してもらわないと意味がないですので、そこをしっかり届くように呼びかけしていただきたいなというふうに思っております。
 一方で、やはりこうした資格を持っている方々をひも付けていくことについては懸念の声も出ているのも事実でございますので、併せて伝えさせていただきたいというふうに思っております。
 次の質問なんですが、条例がない一部事務組合への支援についてお伺いをさせていただきます。
 個人情報保護条例なんですが、全ての都道府県、区市町村で既に制定されておりますが、昨年の二月から三月にかけて個人情報保護委員会が行った個人情報保護条例に係る実態調査において、複数の地方公共団体が行政サービスの一部を共同で行うことを目的として設置をする一部事務組合については、条例の適用関係が明らかではない団体が六百十三もあったということが判明したとのことです。
 これら一部事務組合等におきましても、今後の個人情報保護の取組を着実に実施ができるよう政府として支援を行う必要があると私は思っています。支援を行う考えはあるのか、また、そして支援を行うんだとすれば具体的にどのようなことを考えているのかをお伺いいたします。

#136
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。
 今回の改正は、委員御指摘のように、現在そういう規定がない一部事務組合も含めまして、全ての地方公共団体に適用される個人情報保護に関する全国的な共通ルールを法律で規定するものでございます。新たな制度を円滑かつ適切に運用するためには、現在はそういった条例を持たない一部事務組合においても、事務要領等の整備等、施行に向けた準備を行う必要、行っていただく必要があると考えております。
 このことから、国は、一部事務組合を含めた地方公共団体における法の円滑な施行に向けて、ガイドラインの作成等の必要な支援を行ってまいる予定でございます。

#137
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 結構な数のところがないということですので、やっぱりちゃんと支援をしていかなければ、個人情報、国民とか住民を守るということになってこないと思いますので、その辺りはしっかりガイドラインでお願いをしたいと思います。それこそプッシュ型の支援でお願いをしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 次になんですが、判こですね、判こと書面の見直しについてお伺いをさせていただきたいと思っています。
 今提出をされているデジタル関係整備法案には押印の見直しに関する規定も含まれているかと思います。
 これ、いろんな考えがあるかと思うんですが、一つの考え方として聞いていただければなというふうに思うんですが、これまで日本は、多くの行政手続とか民間における契約手続などにおいて、法令に基づいて書面への押印や書面による申請が求められてきました。また、法令に明確な根拠がなかったとしても、慣行として押印や書面申請が行われている場面もあったかと思います。
 政府は、こうしたことについて、我が国において広く普及をしてきた理由、そしてそれらが果たしてきた機能ですよね、それをどのように評価をして、そして今回残している部分と省く部分が出てきたと思います。そうした、どのように決めていったのかということと、義務付けることについての問題点があれば教えていただきたい。そして、どのように分析、評価をしたのか、政府の見解をお伺いしたいと思います。

#138
○政府参考人(黒田岳士君) お答え申し上げます。
 押印は、本人確認、本人の確認や意思の担保の手段の一つとしてその役割を果たしてきていると認識しております。
 今回の整備法は、その押印の必要性を改めて精査いたしまして、本人確認や意思の担保の手段として押印を求める合理性がないと判断したもののうち、法律に根拠を有するものについて押印を不要とすることとしております。
 なお、実印や銀行印など本人確認や意思の担保の手段として必要不可欠な印章については、印鑑登録制度等とともに今後とも残ることになるということでございます。

#139
○塩村あやか君 ありがとうございました。
 次の質問に移ろうと思ったんですが、ちょっとかなり長い質問になりますので、最後になるんですが、大臣に、済みません、通告をしていないので大変申し訳ないんですが、今回のデジタル関係の法案、しっかり推進をしていただきたいという人たちと、それでもやっぱり不安だという人たちがいるのが現実でございます。大臣から、決意とか、そして心配されている方に対して決意とか、そして懸念点を払拭できる言葉をいただけたらと思います。

#140
○国務大臣(平井卓也君) まず、デジタル化というのがその目的みたいに誤解されるのが一番私は困ると思っていて、あくまでも手段です。我々が生きているこのアナログの空間の要するに質を高めて、人がいかに幸せになれるかということが我々の一番の目的ですので、そこのところを、まあデジタルという言葉に拒否反応を持つ方もいらっしゃいます。私の母親も決して好きではないです。
 そういうことを考えたときに、その説明の仕方が非常に難しいんですけど、高齢化がこれだけ進んで、日本の借金もこれだけ増えて、なおかつ、今後活力がある社会をつくっていくためには、今までのやり方をやっぱり変えなきゃいけない問題はたくさんあると思います。これは与野党共通だと思います。委員が先ほど言っていたプッシュ型の給付なんというものは、もう絶対にやっておかなきゃいけないことだと思うんですね。
 ですから、結局、口座にお金が届くということは、要するに、途中でデジタルというものも多少は関係しますが、それはやっぱり政策判断だと思うんですね。社会全体でそういうことを進めていくために、一つのツールとしてそのデジタルというものは絶対に不可欠だと考えていて、ですから、その目的を共有できるように説明をしていくことによって理解を得たいと、そのように思っております。

#141
○塩村あやか君 個人情報にしっかり配慮しながら進めていただきたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。

#142
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。
 先週、COCOAの不具合の検証結果というのが厚生労働省から発表がございました。この問題自体は、先月十六日に行われました内閣委員会において平井大臣とも議論させていただいたので、今日その中身に具体的に入っていくことはいたしませんが、そのときに大臣から答弁いただいた内容というのは、大臣からこうおっしゃっていただきました。一言で言ってしまうと、発注能力のなさとその後の管理ができていなかったことに尽きると、こういうふうに結論付けられていまして、だからこそ、デジタル庁がシステムを自らつくっていく、内製化していくということ、そしてそのためのリソース、スタッフもしっかり自分たちで持って取組を進めていくんだと、こういうお話がありました。
 本当そのとおりだなと思うと同時に、一方で、この発注能力の問題というのは、政府がもう古典的に抱えている問題でもあったなということをちょっと思いを致した次第です。
 例えば、もう九〇年代までのいわゆるメーンフレームの時代みたいなことを考えてみても、当時は大手のベンダーがいわゆる一円入札みたいなことをやってきて、それで、取った後に付随するシステムとかランニングのところを随意契約で取って結局稼ぐ。ある意味、当時どう呼んでいたかは分かりませんが、結局のところ、もう二十年以上前からベンダーロックインみたいな話はずっと課題としてあって、それがちょっとずつ時代が変わってきて、だんだんだんだんオープンシステムに移行する中で、じゃ、発注の仕方を今度分割発注にすればいいんじゃないかとか、どうしよう、ああしよう、いろいろやってきたけれども、結局ベンダーに丸投げするというところが改まらなかった。
 一つのその解決策としてやはり取り組んだのが、私の認識としては、それ一つではありません、目的一つではありませんが、政府CIOだったりCIO補佐官ということだったんだろうというふうに思っています。彼らは、ある意味、民間の分野で当時のその時々の先端のIT技術にもきちんと触れた上で、是非これは政府の力になってほしいということで来ていただいたというふうに思っていますし、役回り、業務を見ていっても、基本的には政府システム整備の責任者だったり、あるいは政府全体のIT調達を管理していくと、こういう役割で実際に入ってきたわけです。
 じゃ、今どうなるかと。今回のデジタル改革で、デジタル庁の発足とともに、この政府CIO、またCIO補佐官というのは廃止になるわけです。形だけ見ていくと、これまで、この二〇一二年以降取り組んできた民間のIT人材の登用というものが、確かに、政府CIO補佐官の場合でいくと昨年度で六十人ぐらいでしょうか、まあ六十人ぐらい使っていた民間のIT人材が、一旦その肩書を廃止して、今度デジタル庁では百人になると、こういうふうにも見えてしまうわけであります。
 改めて、これまである程度民間人材の活用も含めて取り組んできたけれども、なかなかこの発注能力の向上というところには至らなかった。このことの受け止めと、じゃ、今後どうやって変えていくのかという点について平井大臣にお伺いしたいと思います。

#143
○国務大臣(平井卓也君) 委員御指摘のとおり、もう二〇〇〇年ぐらいからこの発注の問題はずっといろんな形で顕在化していました。
 今委員に言われて思い出したのは、電気通信役務契約という発注の仕方もあって、もうこれこそ丸投げ、しかも、システムに対する所有権というか著作権も政府が持たずに発注していたという時期もあります。その後、分割発注というようなことをして、その分割のやり方を間違えてシステムがうまく開発できなかったというような時代もありました。
 そして、この政府CIOということになるんですけど、この政府CIOというのは権限もあります。しかし、CIO補佐官というのが権限があるわけではございません。CIOの下で、情報システムの運用コストの三割減、そしてシステムの数を減らすという意味で、これシステムの数は半分に減らしたんです。これはやっぱり遠藤CIOとか三輪CIOが民間の今までのいろいろな知識とか考え方を持って成果を上げてきたと思うんですけれども、やっぱりその権限、機能やその政府CIO補佐官自体の人数というものも十分でなかったということと、総合調整権限のみということなんですけど、これ言わばアドバイザーに近い形で、その発注に本当の意味での責任を持つという形ではなかったわけですね。
 ですから、そこは現行のシステムの中なら皆さん頑張ったけれども、もうこれ以上の成果を上げることはできないし、一番やっぱり大きな問題は、要するに省庁がばらばらと、要するにサイロに落ち込むといいますか、省庁間をまたがるということに関して言えば、CIO補佐官は、それぞれの役所のシステムに対する補佐はできても、その省庁を超えてはできなかったんですね。こういうようなことが問題だと思います。
 今回、デジタル庁においては、総合調整権限に加えて、専任のデジタル大臣がおりまして、今言ったような問題を十分にできるように、各省に対して十分に尊重すべき義務を課した勧告権をこの大臣が持つということになります。それと同時に、関係予算の一括計上、配分権限を持つので、全ての政府情報システムを対象として一元的なプロジェクト管理が実施できる。ですから、ここが非常にこれまでとはもう根本的に変わるということだと思います。
 そして、政府が共通して省庁横断して利用する基盤的なシステムに関しては、デジタル庁自らが整備するということも、今まではどこかの役所がやるということだったんですが、今回初めて要するに役所として自分で発注するということになります。
 民間人材の採用に当たっては、デジタル庁の整備プロジェクトごとに求める人材像を定めて、人材要件を割と細かく定義をして今回募集を掛けています。それによって、必要なスキルセット等々を持った人材によって適材適所の人材配置を実現して、専門的な知見が要するにこちら側に蓄積されるようにしていきたいと考えます。
 権限、機能の強化と民間人材のより効果的な活用に併せて、そして行政官も、今回、今までいろいろな研修がありましたけど、その研修の中身も見直して、要するにそういうものに十分能力発揮できる方々を増やしていきたいというふうに思っておりまして、トータルで発注者としての能力を向上させて、今度こそそのIT調達改革をやりたいと、そのように思っております。

#144
○平木大作君 今回、デジタル庁の発足に伴って、様々このいわゆる権限の持ち方も変えていただいているということがあるわけですが、一番実はやっぱり肝腎なのは、最後に大臣おっしゃっていただいたような、組織の中にちゃんとこの持ち込んできてもらったものを落とし込んでいく、そこのある意味仕組みづくりというんでしょうか、運用の仕方というんでしょうか、そこが本当に肝になるんじゃないかなというふうに思っています。
 今、改めて大臣の答弁聞いてふと思ったんですが、これ再三私も質問の中で取り上げさせていただいているんですが、霞が関全体として民間人材の活用、登用ということはもうこれまでも取り組んでいらっしゃっています。割と積極的に採用されているのも認識をしているんですけれども、やっぱり背番号を背負わせ続けている限りにおいて、これはなかなか難しいなというのを正直思っています。
 どの省庁とは言いませんが、やはりどの省庁に行っても何年入省というところが必ず名前の横に入っていて、民間から、いわゆる外部から採用された方のところに民間とでっかく書いてあると。もうこれ、これほど負の、ある意味背番号ってないわけでありまして、あんなもの全部取ってしまってこその組織の融合だというふうに思っていますし、是非そういったお取組していただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 改めて、せっかくですので、発注の最近行われた具体例を通じて、もう少しちょっと掘り下げていきたいと思います。
 今回、三月下旬に予定をされておりましたマイナンバーカードの健康保険証としての利用開始、半年間延期となりました。要するに、一番の問題は、健康保険組合などのこの保険者が持っているマイナンバー情報に多くの間違いがあったと、それが見付かったということだというふうに説明をされているんですが、改めてちょっと厚生労働省に、延期の具体的な理由教えて、お示しいただきたいと思います。

#145
○政府参考人(横幕章人君) お答え申し上げます。
 マイナンバーカードを保険証として利用できるようにする、オンライン資格確認と申しておりますけれども、この導入に向けまして、この三月から本格運用できるよう目指して、一部医療機関等の協力を得ながらプレ運用など準備を進めてきたということでございます。
 そうした準備の過程におきまして、まず、今御指摘ありました、健保組合など保険者側では、コロナの影響もございまして出勤制限など職員の制約もあり、加入者データ、登録すべき加入者データの確認、修正作業の遅れ、また、医療機関等の側、サイドでは、世界的な半導体不足などもございまして、パソコン調達の遅れなどの導入の準備の遅れ、こういった課題のあることが判明してまいりました。特に、保険者が登録する加入者のデータを登録することになっておりますけれども、この一部につきまして、例えば保険者が登録した個人番号が正しくないですとか、被保険者証の情報が一部登録されていないとか、被保険者番号が正確でないだとか、こういった誤りが判明をいたしました。
 こうした現状と課題を踏まえまして、システムの安定性、それからデータの正確性といった観点からプレ運用を継続して、本年十月までに本格運用を開始することとした次第でございます。

#146
○平木大作君 これまでの、ちょっと今日、野党の皆さんの質疑も何となく落ち着いたトーンにある中で、与党として厳しめに指摘をするのは若干心が引けるところもあるんですが、これ、今回のこの健康保険証としての利用というのは、一昨年閣議決定もして、骨太の方針二〇一九にも書き込んで、ある意味マイナンバーカード利便性向上の目玉の一つとして時間を掛けて準備してきた話なんですよ。これがスタートすると言われていた三月中、いつまでたっても何のアナウンスもなくて、三月末になって、いや、実はこれもありました、あれもありましたというのは絶対にやっちゃいけないことでありますし、これ本当に、もう一回改めて一からちょっと考え直していただきたいと思っています。
 主な理由のところは、今御紹介いただいたように、特殊な事情もあるんだろうとは思うんですね。基本的には、お勤めの方が自己申告された、そもそもそこの段階で間違っていたりする。それを企業でまとめて今度転記したり入力をしたりというところでまたエラーが発生したりする。様々ヒューマンエラーが重なるとどうしてもそうなるのかなというのは説明を受けてみると確かに分かるんですが、じゃ、今度十月まで、今、本格運用に向けて、この保険者が管理するマイナンバー情報ですとかあるいは被保険者番号などのこのデータ、修正取り組むということでありますが、これ、できればこのヒューマンエラーを極力排除した形でやっぱりやっていただく、必ず十月に本稼働できるようにしていただきたいと思いますが、この点いかがでしょうか。

#147
○政府参考人(横幕章人君) 今も御指摘をいただきましたように、保険者側の方での登録したデータに誤りが生じたことに幾つか原因ございます。例えば、保険者において同一の届出に記載された情報を取り違えて入力した、あるいは短期間で資格を失った被保険者のデータが、一旦登録すべきところを登録されていなかったなど、幾つかの重立った事情がございます。
 こうした事情、状況を踏まえますと、御指摘いただいたとおり、ヒューマンエラーが、もちろんそれがないように努力はするわけですけれども、それが起こり得るということを前提とした対応が必要だと考えております。
 システム的な対応でもって進めていくということが非常に重要だと考えておりまして、保険者側で個人番号の誤入力をシステム的にチェックする機能を導入する、また、レセプト請求に必要となる被保険者資格の情報、これを再確認、修正するということを重点的、集中的に実施すること、また、J―LISの住民基本台帳ネットワークシステムに対しまして改めて照会を行って個人番号誤りを再確認すると、こういったことなどを計画的に実施していくということとしております。
 このシステムは今後のデータヘルス改革の基盤となることも期待をされておりまして、本年十月までの本格運用と申し上げましたけれども、しっかり工程管理をしながら取り組んでまいりたいというふうに考えております。
   〔委員長退席、理事徳茂雅之君着席〕

#148
○平木大作君 保険者側で誤入力、ある意味はじけるような形でシステム的なチェックもするということでありました。
 割と、経営の標語の中で日本の発明品としていろいろ紹介されている概念ってあるんですが、いわゆるかんばんとかアンドンというのはアルファベットになって世界中で知られる、トヨタの生産システムから取って、世界中の、ある意味MBAの教室で教えられている概念なんですが、日本で意外と知られていないものにぽかよけってあるんですよ。これ、アルファベットでPOKAYOKEってやって、私も学校で教わったとき結構びっくりしたんですけれども、ぽかよけは日本の発明であるというふうに私は大学院で学んだことがあって、ちょっとびっくりしたんですけど。
 要は、システム的にエラーをはじくやり方というのは、まさに先の先まで読んで、いろいろシステムにあらかじめ組み込んでおくという日本の発明なんだというふうに経営学の世界では実は世界で教えられています。
 簡単な例でいくと、ATMありますよね。ATMでお金を下ろしたときに、必ず、これはもう現金を取ってからしか自分のカードって返ってこないようになっているわけですけど、あれって典型的なぽかよけでありまして、結構皆さん、入力をしてカードだけ抜いて、お金取るのを忘れて帰っちゃうみたいなことが昔あったわけで、そういうものについてシステム的に対応したというのがまさにATMの事例なんですけれども。
 あれは日本の発明であるって世界で言われているにもかかわらず、それが全然できていないわけです。やっぱりここは本当に原点に立ち返って、しっかり今回やっていただきたいと思っています。
 もう一つ聞きますが、この今回のマイナンバーカードの保険証利用システム、開発に当たって、これ、ユーザーって考えると、最終的には、国民皆保険ですから、全ての国民が基本的には最終的なエンドユーザーになるんですが、この受付システムが置かれるのは、これ当然病院であり診療所であるわけですので、この医療現場のユーザーってどの程度実際に関わっていらっしゃるのか、人数とか工数とか、もし具体的にあれば是非お示しいただきたいと思います。

#149
○政府参考人(横幕章人君) お答えを申し上げます。
 現場としては、医療、医療機関それから保険者と両サイドございますけれども、こうした現場の意見を踏まえるということは極めて重要な要素でございます。
 御指摘の医療機関のユーザーサイドの御意見、様々な機会を通じて伺いながら進めてきておりますけれども、具体的な人数、工数といった定量的な把握の仕方は、申し訳ございませんがしておりません。
 ちょっと、どういった形で伺ってそれを反映しているかということを申し上げようと思いますが、一つには、このシステムを開発するに当たりまして、円滑な導入支援を実現していくというために、平成三十年度から検討会議あるいはその下で実務者のグループを何度も開催してきております。この中に、医療関係者、医療の現場で実際に従事されている方を含む医療関係者にも入っていただきまして、実際に医療現場で運用する際の在り方、それに影響を及ぼすシステム面中心に御意見を伺ってまいりました。
 また、日頃、医療機関、薬局と密に接点を持ち取り組んできている医療関係のシステムベンダーの方々とも共同作業を進めてきておりますけれども、特に令和元年以降、そういったシステムベンダー向けの説明会を開催しますとともに、情報共有のサイトを立ち上げておりまして、こういったところを通じて、私どもからは開発に必要な情報を提供し、またベンダーサイドからはいろいろな御意見をいただくという形でシステムの仕様ですとか運用等の詳細を作ってきたという経緯がございます。
 さらに、個別の医療機関や薬局から見た御意見ということですけれども、インタビュー調査を幾つか行いつつ、これも導入準備に向けた説明会ですとか、それから、設置に当たり具体的な疑問が大小様々ございますので、これに随時対応するためのコールセンター、それから、プレ運用に先立ちましてテスト的な運用というのもやっていますので、こういったところを通じて具体的な運用面の課題を中心に御意見をいただいてきたという経緯でございます。
 現場で使いやすく、また効率的に運用されるということが非常に大きな一つの要素でありますので、それが実現されるように、御意見伺いながら今後も改善は重ねてまいりたいというふうに考えております。

#150
○平木大作君 今のお話をお伺いして、どの程度って具体的なところまではなかなか見えないところありますが、これ本当に、形ばかりの関与とか、取りあえず意見を聞くプロセスを設けましたというのはほぼ意味がないわけです。やっぱりお伺いしていて感じるのは、仮に、今回加入者データの問題がある意味見付からなかったとして、この本格運用が三月末に始まっていたとして、全ての病院とか診療所も含めて、じゃ、これが本当に皆さんに使っていただけるようになる姿ってイメージできていたのかというところが本当に問われる話だと思っていますし、発注能力って結局最後はそういうことなんだろうというふうに思っています。
 当然、大きな病院もあれば、おじいちゃんの先生が一人でやっている診療所もあって、こんなの要らないよという人たちにどうしたら置いてもらえるのかみたいなものも含めて徹底的にこれ議論しなかったら、ある意味、システムは稼働しました、でも一年たっても二年たっても、ふらっと寄った病院で結局これ保険証として使えませんでしたとなったら、あっという間に、これは何のためにやったんだとなるわけです。そこも含めてやっぱり声を拾い上げるってめちゃめちゃ大変ですけれど、でもそれやる、やらないと成功しないのがこのプロジェクトなんだろうということを改めて指摘させていただきたいと思います。
 医療機関は、大変コロナの対応等もあってお忙しかったり、いろいろ厳しい時期なのはよくよく認識をしております。ただ、やはりプレ運用も、これ当初五百機関参加を予定していたものが実際五十ぐらいしかやっていないということなんですね。ここって、まあコロナ対応とかいろいろあったかもしれませんが、やっぱり現場は基本的にやりたくないんですよ。こういうの入れてくださいと言われたってそんな暇ないよと言って、基本的にやりたくないという中で、五十のままいって本当によかったのかということが当然ありますし、今答弁の中にも、いわゆる世界的な半導体不足でPCがという説明があって、何かこの説明聞いたときに思い出したのが、やっぱりHER―SYSの問題なんですよ。
 HER―SYSのときも実は似たような説明聞いていまして、要はHER―SYSって、本稼働から結局保健所を持っている全ての自治体で使われるようになるまで四か月掛かっているわけです。何でそんなに掛かっているんだと、あんな急いでつくったのにという話なんですけど、これ結局は、いわゆる入力をする電子カルテ端末のそばにインターネットにつながった別のPC端末ないと使えませんというシステムなんですけれども、これ各医療機関に一個一個配ったと、そうしたら、いや、患者さんはこの病棟にもいれば隣の病棟にもいますというときに、一台あったって何の役にも立たないといって、結局ずっとファクスで皆さん入れ続けたわけですね。
 だからやっぱり、どこに配置して誰が入力して何分掛かるのかみたいなことも含めて現場の方と詰めるのが現場の声を聞くということなわけです。それが、ある意味今のところやはりこのシステムについてもできていないのかということは、大変ちょっと厳しい言い方になってしまいましたけれど、指摘をさせていただきたいと思います。
 改めて、もう一回ちょっと大臣に戻ってお話をさせていただきたいと思うんですが、卑近な例で大変恐縮なんですけれども、私、銀行にいたときに、たまたまその銀行の全世界の預かり資産一覧システムというのがありまして、それを刷新するというタイミングに遭遇することがありました。
 このシステムって、預金残高よりはもうちょっと広い概念でして、世界中のいろんな、日本だったり北米だったりアフリカだったり、いろんなところのある意味事業所に分散していわゆる世界中に投資をされている方たちっているんですけれども、その投資の例えば様子、単純にお金が入っている場合もあれば、投資信託だったり株だったりいろいろあるわけですけど、それまでは日本で営業している限りにおいては日本の残高しか見れなかったと、日本の状況しか見れなかったというものを顧客起点で一旦改めようと、システムを。世界中で分散投資している状況をシステムをつなげて一覧化しようという大きなプロジェクトがありまして、私、UAT、ユーザー・アクセプタンス・テストに参加をさせていただきました。
 これ、結構大変なテストでして、ある日突然上司に、二週間ぐらいちょっと、もう今の仕事を全部やめていいからシンガポール行ってくれと、世界中から同じような人たちが集まってくるから、そこで徹底的に新しいシステムを試してみてくれと、使えるように直してくれというふうに言われて、二週間缶詰になってやったわけです。
 やらせていただいたら、当然日本でやっている商品と例えば中南米でやっている商品って全然違うし、そもそも金融は法体系も違えば、いろんな投資のスキームも違うわけですけれども、そういったものをある意味同じ画面の中で管理しようとなりますから、当然、私の目から見ても無駄な機能とか、これは明らかに今の方がいいなと思うものがたくさんあるわけです。ある意味、一番個別最適化されてきたシステムを使ってきたのに、全体最適の観点からもう一回つくり直すということで、これは駄目だということで、二週間とにかく駄目出しをしまくって、もうこのインターフェースも含めて、ここをこうした方がいい、これは駄目だ、どうしろ、ああしろと、こうやって帰ってきて取り組んだわけですけれども、これ一企業のシステムの刷新でもこのくらい大変なわけですね。
 結果的に、実は、これやって、その半年後ぐらいに本格的にシステム自体はローンチをしたんですけれども、やっぱり現場からの評判というのはさんざんなものがあって、結局一年ぐらい使う使わない、すったもんだした挙げ句、サンセットしてしまった、使わないってことになってしまった残念なプロジェクトでありましたけど。
 だからこそ、このいわゆるデジタル化というかシステムをがっと入れ替えると、刷新をするというときには、企業でやる場合には、このいわゆる経営者のコミットメントが本当に大事だということを言われるわけです。経営者が、とにかく今の仕事を引き剥がしてでもいいから現場で使う人をしっかりと入れ込んで、開発ですとかテストですとか、いろんなところでしっかりと一〇〇パーコミットさせて、使いづらくてもいいからこのシステムで必ずやるぞとまで言い切ってやるから初めてこういうのって成功するんだろうと思うんですね。もう本当に卑近な例ですけど、一企業でもこんなもんなわけであります。
 改めて大臣にお伺いしたいのは、この医療現場のDXということは、非常にこれは国民の皆さんからも期待も高いし、絶対にこれはやっていかなきゃいけないものだと思いますが、同時にこれ、よくよく考えてみると、医療の現場と行政というのは、そもそも直接の指揮命令系統がない。平井大臣が病院に対してこのシステム入れてください、田村厚生労働大臣が入れてくださいと言っても、現場が嫌だと言ったら基本的には入らないわけであります。そういった命令権限もない、かつ多忙な医療現場を巻き込まなきゃいけないという意味でいくと、一企業のシステム刷新とはもう訳が違う難しさなんだろうとは思うわけであります。
 この期待の大きい医療のDXということを推進するに当たって、一方で大臣は、やっぱり目指すのは政府から国民に下ろす構造から国民起点に改めるんだということを再三おっしゃっているわけですが、どのように取り組まれるのか、お伺いしたいと思います。

#151
○国務大臣(平井卓也君) 先生ともう全く同じ問題意識持っています。特に、先生が御指摘の医療分野のデジタル化については、国民の期待がもう非常に大きい分野でもあります。
 したがいまして、デジタル庁の創設後は、デジタル庁が情報システムに関する整備方針を関係府省と共同で策定、推進し、当該情報システムの整備、統括を図ると。その中でちゃんとやっていきたいというふうに思います。
 医療分野は、国や地方公共団体、医療機関、審査支払機関、その他もうステークホルダーが多くいらっしゃいます。その中で、ユーザー視点を確保しつつ、デジタル化が国民一人一人にとって最適な医療が受けられる社会の実現に資するものとなるように、これはもう所管する厚生労働省とも十分に連携を図ってやっていきたいと思います。
 今、河野大臣の下でつくっている、我々が協力してつくらせていただいたワクチン接種記録システム、VRSですね、の開発手法は、まさにこれ、デジタル庁が目指すやり方でやってみようということで、開発段階から、接種の実施主体となる自治体や実際に接種を行う医師会から、もう本当に何度もオンライン説明会や政府CIOポータルサイト等で検討中の仕組みを示した上で、御意見をいただきながらシステムの仕様を決めていった、言わばアジャイル型の考え方でつくったものでございます。
 しかし、それでもまだまだ大変な部分があるし、先ほど私答弁で言った、うちの香川県のレセプトのクレンジングしたデータを医療現場でつくるというのは、これ二年間の実証実験をやったんですが、もうこれ、臨床の現場、まさに現場の皆さんがどういうものだったら役に立つかということからつくっているわけで、医師の皆さんが見て、この人の体調が一番分かりやすいと、自分たちが使いやすいというように全部改めてつくったので、今回実装するということになったんだと思います。
 ですから、国がつくってどうぞというやつは絶対駄目で、もう本当に現場の発想、現場が一番必要としているものをつくるということが必要だというふうに思っています。
 その意味で、国民も当然ですが、それを使う現場の方々の目線ということが非常に重要で、我々、えてして、今までは行政をサービスする側の考え方、サプライサイドの考え方で、これでどうだと、どうでしょう、使ってみてくださいというようなつくり方なので使い勝手が悪いというような評価になるものが散見されたのではないかなと、そのように考えております。そこを根本的に改めたいという思いでございます。

#152
○平木大作君 もし同じ問い、厚労省、何かありましたら、お願いいたします。

#153
○政府参考人(横幕章人君) お答えを申し上げます。
 今日はいろいろ御指摘をいただきました。先ほど申し上げましたとおり、いろんなチャンネルを通じて御意見を伺うように努めてまいったつもりではおります。
 その成果の例も少し御紹介させていただきますと、例えば、システムに用いる資格確認端末を設ける必要がございますけれども、御意見があったことを踏まえまして、セキュリティーなどの一定の条件が満たされていれば、新しくその端末を購入しなくても既存のパソコンを使えるようにできるというようなことでありますとか、あるいは顔認証付きのカードリーダーを設置するようにしておりますけれども、それと資格確認端末の関係につきまして、それぞれ一台ずつという関係だけではなくて、端末一台に対して複数のカードリーダーを設置するといった組合せができるようにすると。言わば医療機関のサイズとか患者さんの動線とかに応じるものですけれども、こういったことも当たり前と言えば当たり前なんですけれども、現場からの御意見を踏まえて選択肢を増やしてきているという経緯がございます。
 これで十分というわけではございませんし、私どもからも、医療機関、小規模なところですとか、あるいはITCに関する知見が必ずしも深くないような医療機関もございますので、きめ細かな支援ができるように、なるべく具体的なところに即した支援の仕方も重要だろうというふうに考えておりまして、医療機関向けのポータルサイトで具体的な導入事例を幾つかのタイプを意識しながら御紹介するですとか、それから、マニュアルが非常に分厚くなりがちでかえって読まれないというようなこともございますので、病院や診療所向けのクイックガイドといった一覧性のあるものを作成するとか、そういったことを心掛けているところですけれども、これはなかなか終わりがないというところでもございますので、更に御意見を伺いながら、使い勝手がいい、効率的にまた効果を上げていけるようなシステムにしてまいりたいというふうに考えています。

#154
○平木大作君 是非よろしくお願いします。
 私もUAT参加して、結局そのシステムは日の目を見なかったわけでありますが、これは使わないと決まったときに思わずガッツポーズをしてしまっているわけです。これは本当に不幸な話でありまして、現場の皆さんからガッツポーズをしていただけるような、そういったシステム進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 続いて、データ戦略とその利活用について少しお伺いをしていきたいと思います。
 これ、昨年末、デジタル・ガバメント閣僚会議の下に設置をされましたデータ戦略タスクフォース第一次とりまとめというのが公表になりました。改めてデータの重要性ということを指摘をされていまして、データは国民のより豊かな生活と活動しやすい事業環境実現の要である、また、地球規模の課題から安全保障に至るまで、データの存在、活用が決定的に重要であると、もう本当にそうだなと思うわけです。
 そして、喫緊の課題として、これは先日、本会議でも少し取り上げさせていただきましたが、一つにはベースレジストリー等の基盤となるデータの整備、二つ目がルール、ツール整備を含むプラットフォームの整備、三つ目がトラストの枠組みの整備と、こういう三つに喫緊の課題として取り組むというふうになったわけであります。
 改めて、これだけ大事なデータ、そしてうまく利活用すれば本当に大きなある意味成果を生むことができるデータなわけでありますが、整理された課題自体は、よくよく考えてみると、特別なことというよりは、何かちょっと当たり前のことのようにも映るわけであります。
 改めて、ここ大臣にもう一回ちょっと御答弁いただきたいと思うんですけれども、これまでデータの重要性ということはもうある程度認識としても共有されてくる中で、なかなかその意図したどおりにはデータを活用することができていなかった、このことについてどういうお考えがあるのか、そして、今般のこのデジタル改革を通じてどう変わるのかということについて御答弁いただけたらと思います。

#155
○国務大臣(平井卓也君) このデータの話は、二〇一六年に制定した官民データ活用推進基本法、これももう公明党さん始め、また野党の皆さんにも協力して作った法律なんですが、当時から要するに日本はやっぱりデータをちゃんと使おうねということで、これはもう与野党共通の認識だったと思います。また、そのような法律を制定するというのは、ほかの国ではなく日本が先行した部分もあったと思います。
 しかし、現実はどうかというと、一番データを使うというのがこの国はやっぱり苦手なのではないかなということで、はっきり言って各国に比べてそこは非常に後れを取っている部分があるのではないかと思います。
 なぜデータの活用がなかなか進んでこなかったかという要因はいろいろ言われているんですが、まず、データ分析によって類推される技術ノウハウなどが提供先で目的外利用される懸念、パーソナルデータの取扱い、情報セキュリティー対策、他者の知財、これはノウハウとか著作物ですが、への尊重が提供先で十分に図られる体制ができているのかというような懸念、利用目的の制限や第三者提供の禁止などの契約事項が提供先で遵守される体制が十分かの不安などが、まあいろいろあると思うんです。
 データ戦略タスクフォースにおいてまさにこうした点を議論しておりまして、これらの要するにデータが使われなかった阻害要因の払拭について要するに検討を進めています。
 デジタル庁は、データに関するオーソリティーとしてデータ戦略の実行を進めていかなければならないし、恐らく、日本の成長戦略を考えたときに、このデータの利活用というものなしに描けないんではないかというふうに思います。
 その意味で、安倍総理が提唱されたDFFTですね、このトラストの部分に関してもこれからデジタル庁がきっちりとその根拠をつくっていかなければならないというふうに思っておりまして、もう待ったなしの状況だと思います。
 ですから、そのような不安を拭うように、また、ちゃんとパーソナルデータの取扱いとかセキュリティーみたいなものに関して、ここはもう相当丁寧に、しかもスピーディーにやっていかなければならないと考えております。

#156
○平木大作君 御答弁の中でも、目的外利用とか第三者提供の問題ですとか、まさにこの御懸念なところ触れていただきました。ちょっとこの後の問いの中でもまた再三触れていきたいと思うんですが。
 こういったデータ利用で、私自身がこの最も期待される分野の一つが防災・減災対策だというふうに思っております。ここについては、日本発の仙台防災枠組、この優先行動一の中に実はデータの収集、分析、管理、活用の重要性ということがうたわれております。
 現在、防災科学技術研究所が開発に取り組む災害時情報共有システム、SIP4D、これが実際の災害現場でも試行的に導入をされております。政府も今年度から都道府県災害情報システムとの連携を順次実施をしていまして、二〇二三年までに全都道府県でこのSIP4D活用した災害対応が可能となるよう取組を進めているということであります。
 名前だけだとちょっとイメージが分かりにくいんですが、ざっくり言ってしまうと、様々なデータを統合してマップ上で可視化すると、そして防災に、災害対応に役に立てるという、こういう仕組みというふうに理解をしておりますが、このプラットフォームを用いて、今後、災害対応で具体的にどのような活用ができるのか、お伺いしたいと思います。

#157
○政府参考人(高原勇君) お答え申し上げます。
 総合科学技術・イノベーション会議が推進する戦略的イノベーション創造プログラム、SIPの第一期、平成二十六年から三十年度においてSIP4Dの開発を行ってまいりました。SIP4Dは、災害発生時において、浸水範囲や道路の通行止めなど各種災害関連情報を統合して電子地図上に表示し、関係機関あるいは関係者の間での情報共有を行い、迅速かつ的確な災害情報に、災害対応につなげるためのものであります。
 既に、内閣府防災担当が運用する災害時情報集約支援チーム、ISUTで令和元年度から活用されており、一昨年の台風第十五号に対しては、千葉県、自衛隊、電力事業者、通信事業者等からの停電復旧の支障となる倒木等の箇所の情報を収集し、地図化し、これらの機関に提供することで円滑な倒木処理等の活動を支援したところであります。また、昨年の七月豪雨に際しては、熊本県、自衛隊、国土交通省、電力事業者、通信事業者等から集落の孤立状況及び周辺の道路、電気、通信等のインフラ情報を収集、地図化し、孤立集落の解消及びインフラ復旧活動の計画立案を支援したところであります。
 SIP4Dと都道府県の災害情報システムとの連接による情報共有の自動化のため、技術開発とモデル都道府県での実証等の取組を現在進めております。
 引き続き、災害対応の充実に向けて、内閣府防災担当を始め関係府省と連携し、SIP4Dの更なる活用の促進に向けて取り組んでまいります。
 以上です。

#158
○平木大作君 これ、どんな使い方ができるのかというのも、今いろいろ、例えばこんな使い方あるんじゃないかというのは幾つかありまして、今も御紹介いただきましたが、私も見た中で二つ、例えば停電情報、どの地域が今電気来ていないのかということの上に、マップ上で例えば行政庁舎とか病院とか、そういったものの位置情報を重ねていくことで、いわゆる非常電源車をどういう順番でどういうふうに走らせていわゆるつないでいくのか、電力復旧計画に使うのかとか、あるいは、開設された避難所と道路のこのいわゆる不通区間、ここをやっぱりマップの中で示して、今も答弁にもありましたけど、浸水区域、こういったものも情報を重ねていくと、自動的に残った道路がいわゆる緊急物資の輸送ルートになってくるとか、避難経路に使っていただけるとか、そんなことにも使えるということで、これすばらしいなと思うわけです。
 ただ、今、御答弁の中でもありましたように、これやはり何が鍵になるかというと、関係者間で情報共有するということで初めて活用できるわけですが、ここでちょっと懸念があるということであります。
 具体的なちょっと事例からお話をお伺いしたいと思うんですが、現在、このコロナ禍において、各自治体においては、密を避けるために、例えば今大きな台風が来たとか風水害があったときの避難所自体を、いわゆる場所自体を見直すという動きが少しあります。要は、これまでどおりぎゅうぎゅうに詰め込んでしまうと当然コロナの問題があるということで、例えば、避難所を増設しようということで検討されている。逆のパターンも実はありまして、近年のこの浸水災害等を受けて、ここは避難所としてどうも使えないなというところは逆に使わないようにして減らしているみたいな連携も、動きも今あるわけです。
 こういう中で、仮に今このタイミングで大規模な風水害の発生が予見された場合、まだ来ていなくて予見された場合、この場合、例えば、ふだんと異なる避難所へ行ってくださいという形で個別に連絡を例えばすることですとか、あるいは高齢者の方、障害をお持ちの方、こういった方たちの避難のために、関係者間の情報連携、消防ですとか民生委員の方ですとか、こういったいわゆる避難支援関係者と事前に連携をすることがこれ必要だというふうに思うわけでありますが、この点について、実は国立情報学研究所の喜連川所長が、避難勧告の発令段階など、災害が発生する前の段階においては緊急時の対応に当たるとは必ずしも言えず、自治体が個人情報の利用を目的外利用だとしてためらうケースが出てくるかもしれない、このような御指摘も実はされております。
 この点についての政府の御見解をお伺いしたいと思います。

#159
○政府参考人(二宮清治君) お答え申し上げます。
   〔理事徳茂雅之君退席、委員長着席〕
 今般の個人情報保護法の改正によりまして地方公共団体における個人情報の取扱いに関する全国的な共通ルールが設定をされ、その解釈を個人情報保護委員会が一元的に行う、担うこととなるものでございます。
 また、地方公共団体は、個人情報保護委員会に対しまして、個人情報の適正な取扱いを確保するために必要があると認めるときは必要な情報の提供又は技術的な助言を求めることができるというふうになってございます。
 こうしたルールや運用の統一を通じまして、委員御指摘の災害発生前の対応に係る個人情報の取扱いを含めまして、条例の規定やその解釈が異なることに起因をいたしますデータ利活用の支障は解消されていくものと考えてございます。

#160
○平木大作君 今、テクニカルなところでお答えいただいて、私は、どちらかというと、これは是非連携すべきだという答えをいただけたらとは思っていたんですが。
 改めて、今国会においても実は災害対策基本法の改正案というのが提出をされております。昨日、参議院で趣旨説明も行われたところでありますが、この第四十九条の十五第三項においては、まさに今みたいなパターンですね、これまでは災害対策基本法って基本的に災害時の対応についてこの条文でも定めているんですが、今回の改正の中には、災害時又はそのおそれがある場合にはということで、このおそれの段階からある意味情報共有も含めて促すような規定ぶりになっております。当事者の同意を得た場合となっていたところが、当事者の同意を得ていない場合でも外部提供できるというような改正の内容もあります。
 これ、まだ当然これから審議をしていく内容でありますけれども、非常に技術とかサービスのある意味進化と合わせて法律が今追い付いてこようとしているんだろうなというふうに私は思っております。しっかりとSIP4Dの活用含めて災害対応、是非、事前防災に使える技術、どんどん進めていただきたいというふうに思っていますし、また、今国会においてこの災害対策基本法の改正案、しっかり審議をして成立を図っていきたいというふうに思っております。
 済みません、通告したものの半分ぐらいしか質問できませんでしたが、ちょっと時間の関係もございますので、ここで切らせていただいて、残りはまた次の機会に回したいと思います。
 ありがとうございました。

#161
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。
 本日はこのデジタル関連法案についてお伺いをしていきますが、ちょっと質問通告の順番を一つ変えて、まず大臣に伺いたいと思います。デジタル社会での議会の在り方についてなんです。
 今日、朝から大臣の御答弁を聞いておりましたときに、デジタルは手段であって目的ではないと、これは多様で幸せな社会をこれからデジタルによって実現をしていくんだ、そういうふうに大変私の中では心に響いたんですけれども、そういった中で、今まさにコロナが蔓延をしている、そういったことで社会が大きく変わっています。それ以外にも、少子高齢化、様々、我が日本が抱える大きな問題がたくさんございます。
 そういった中で、このデジタル社会は議会の変革を推し進めていく、そういった意味でも大変私は期待をしています。オンライン議会が既に地方自治体で採用されているというケースがございます。例えば取手市、令和二年九月からオンラインによる委員会出席を可能にした取組があります。
 ここでのアンケートを少し御紹介させていただきますと、慣れてくればもっと有効活用ができる、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から有用なツールだ、事前に操作説明資料や丁寧な説明があったのでよかった、簡潔な議論ができてよかった、こういった御意見が出ています。一方で、改善点といいますと、背景が逆光になっているからよく見えない、インターネット環境によっては音声が途絶えたり映像がフリーズするときがあって、気付いたら会議がいつの間にか進行してしまっていた、また、スマートフォンよりタブレットパソコン、デスク、ノートパソコンの方が使いやすい、そういった御意見もやはり一方では出ているということで、まだまだ始まったばかりでこういったいろいろな御意見があるわけなんですけれども、ある一定、好意的に受け取られているのではないかというふうに思います。これは、この取手市が感染拡大市町村の一つに認定されたことを受けて、定例会の会期中の委員会をオンライン開催したという事例でございます。
 また、ほかにも、大阪府議会の方では、既に昨年の五月にオンラインで委員会に参加できる条例改正をしていたということで、十二月の九日に初めてオンラインによる質疑が行われたというふうに仄聞をしております。
 そのほかにも地方議会の方では徐々にこのオンラインを活用したというような事例が出てきているわけですが、ここで大臣に御質問したいと思います。国会ではいろいろとハードルもあることは承知をしているんですけれども、国会でもオンライン議会を進めていくことによって負担を軽減できる、これは、こういった感染症が蔓延している以外にも、やはり介護や育児、妊娠、出産、そういった、例えば女性の政治分野への進出を加速する、こういった視点も考えますと、是非ともこういったオンライン、考えていただけないかと、大臣の見解を伺いたいと思います。

#162
○国務大臣(平井卓也君) 地方議会のオンライン化というのは総務省の所管ですけど、先生のお話しになったとおり進んでいるところはどんどん進めていて、私も見ていて、非常にその委員会等がオンラインになるというのはいいなというふうに思います。
 それに比べて今の国会はという先生のその御意見だと思うんですけど、国会における審議の在り方はこれ国会で議論するということなので、今の私の立場では余り踏み込んだ答弁はできないんですが、デジタル改革を進める立場からすれば、オンラインを活用することのメリットってめちゃくちゃあると思います。密を避けるというだけじゃなくて、その開催する時間帯も非常に柔軟に動かせられますし、ある意味、本当にそのメリットは十分にあると思うので、是非その多様な議論が行われることを期待しております。

#163
○高木かおり君 大臣、ありがとうございます。予想以上にいい御答弁をいただけて、すごく私たち、ちょっとびっくりしながらうれしく思っているんですが。
 やはり、このデジタル庁設置って本当に、今までの歴史上でもすごく大きな大転換だというふうに私思います。それを機に、私たち国会議員の意識も変えていくと。今までこうだったからこうあるべきだではないと大臣もおっしゃっておられました。私たちが変えていくんだと、そういう意気込みでこの転換期を迎えるというふうに理解をさせていただきたいと思います。
 オンラインのこの議会については、いろいろと賛否両論あるのは私も承知しておりますので、党派を問わず積極的に皆さんと一緒に議論を進めていけたら幸いでございます。
 それでは、質問を元に戻させていただきまして、今回、この菅内閣肝煎りのデジタル庁設置ということで、先ほどからお話に出ております、この五本の大変大型の束ね法案ということになっておりまして、平井大臣からも連日このデジタル推進について、推進に向けての答弁を私もお聞きをさせていただいておりますけれども、やはりこのデジタル推進国家、これを成り立たせていくためには、やっぱり人材、これはこのデジタル庁設置の要の一つなんだなというふうに実感をしております。
 そういった中で、御議論たくさん出ておりましたが、民間から優秀な人材を募集するということで今準備が進められているかと思います。今回、このデジタル人材を民間から採用しておりますけど、この優秀な人材の優秀、ここですね、具体的にどういった人材を指すのか。例えば、何か国家資格、このレベルまでのものを求めているんだですとか、とにかく漠然とですけど優秀だと思えるような人材を集めているんだ、こういった具体的なイメージが湧くような御説明を大臣からいただければなというふうに思います。
 よろしくお願いいたします。

#164
○国務大臣(平井卓也君) デジタル庁においては、自らのその専門分野への知見を有することは大前提として、デジタル庁の理念や価値観に共感できる、能力と志を併せ持った人材を採用したいというふうに思っています。今のところ、デジタル庁に対する期待は非常に多くて、多くの方々、いろいろな能力が持っておられる方々が公募に応じていただいています。
 今般の募集においても、必要な能力は職種によって異なるんですが、例えば大規模システムの構築プロジェクトにおいて責任者を務めた経験を持っている人材とか、ウエブアプリケーションの開発経験及びデータベース設計、構築経験を五年以上有する人材というようなジョブディスクリプションをやった上でその公募をしています。
 ですから、割と細かくそのスキルセットを明確にして今回募集しているにもかかわらず、多くの方々が応じてくれているのは非常に有り難いというふうに思っておりまして、デジタル庁においても、今後も必要な職種についてはもう随時募集を行っていくというふうに予定をしておりますが、まず一番重要なのは、デジタル庁の理念とか価値観に共感して、今までにはない全く新しい組織をつくるんだと、新しい組織文化やデジタル改革に向けた思いとか覚悟のある方々を採用したいと、そのように思っております。
 この必須条件等々に関して言うと非常に細かくなるので、それはあえて答弁今しないでおきます。

#165
○高木かおり君 今御答弁いただいたように、やっぱり理念とか価値観が共感できるような、全く新しい組織をつくるんだという思いや覚悟のある方というふうに大臣から御答弁いただきました。
 私の問題意識としても、やはりもちろんそういったところも重要ですし、例えば外国からのハッカーなどにも十分対応できるような、今細かく言わないですがという大臣からのお話もありましたが、そういった外国からのハッカーにも十分対応できるような人材、そういった能力を持ち合わせている人物なのか、また、プログラムの開発に至るまでの守秘義務の問題、国の仕事で得た情報を民間に持ち帰る上での情報漏えいの問題、こういった、優秀な人材を集めたのだから大丈夫だということではなく、こういったことにならないで、しっかりした倫理観を持った、そういった人材というのも絶対に必要だろうなと。そういった視点を人材の人選の中にも入れておいていただきたいというふうにあえて指摘をしておきたいというふうに思います。
 それでは、次の質問に参りたいと思います。
 この人材に関わることですが、教育機関から人材採用についてということで御質問したいと思います。
 小学校ではプログラミング教育が二〇二〇年から始まりました。この今回の民間人公募で、多くはIT関連企業に勤めている方々が参画をしている、そしてこのデジタル推進をまず行っていくということだと思います。立ち上げの当初ですから、もちろん人材も省庁もそもそもないところからつくっていくわけで、こういった民間からということのスタートを切らざるを得ない部分はもちろんあるかと思います。
 ただ一方で、これだけITの日々進行している、進歩している中で、今後学校教育の中でデジタル人材を育成していかなければいけないと、そういった我が国で人材を育成していかなければいけないという課題が浮き彫りになったかと思います。
 そこで、質問したいと思います。
 IT人材を教育によって育成させて、学校教育の中でIT技術を習得した者の中から今後人材を採用していく仕組みに変えていく、こういったことも必要なんじゃないかというふうに考えるんですが、大臣の見解を伺いたいと思います。

#166
○国務大臣(平井卓也君) 議員の御指摘のとおり、教育機関におけるデジタル化に関する教育の充実は非常に重要だと思っています。
 今般のデジタル社会形成基本法案の第二十五条においても、施策の策定に関する基本方針として、デジタル社会の発展を担う専門的な知識又は創造的な人材を育成するために必要な措置が講じられなければならない旨規定しているところであります。
 現在、大学とか高等専門学校などのいわゆる高等教育機関においては、高等教育段階における数理、データサイエンス、AI教育の充実、ソサエティー五・〇に対応した高度技術人材の育成などの取組が今行われていると思います。こういった取組を促進する政府の施策を充実させていくことが大学や高等専門学校におけるデジタル人材育成の後押しになるものと考えておりまして、デジタル庁においては、関係省庁と連携しながら我が国におけるデジタル人材の育成を進めていきたいと。
 行政官の採用ということですが、一般的に、大学等の教育機関を卒業し国家公務員採用試験に合格した者から、面接を通じて一定のスキルを有する者を採用しているところですが、特にデジタル人材については、令和四年度以降の国家公務員採用総合職試験にデジタルという新たな区分を設けること等の検討を人事院に要請をしまして、人事院も前向きにそれに応えてくれています。
 デジタル庁は、国、地方公共団体、準公共部門等の情報システムの統括、監理を行うとともに、重要なシステムについては自ら整備し、これにより行政サービスを抜本的に向上させていかなければなりません。したがいまして、UI、UXの専門家やクラウドエンジニアなど、最新の技術にも精通した民間の高度な専門人材にデジタル庁に参画していただくことが将来にわたって重要になると考えています。そして、霞が関も地方自治体も、職員の研修の内容を我々が監修して、もっとスキルアップが図られて、仕事ができるような人材が育つようにやっていきたいというふうに思います。
 そしてまた、これは最近、大学生等々からデジタル庁に対するいろいろな御意見、まあ高校生も含めてあります。いろいろな提案等々がアイデアボックスの中にも来ておりまして、若い方々の関心が非常に高いので、構想段階ですけど、例えばインターンシップをやったり、プログラミング教育をやる一つの何となく目標の先にデジタル庁があるという方々もいらっしゃるようなので、そういう方々のモチベーションを上げるというようなことの方法も検討していきたいと考えておるわけでございます。

#167
○高木かおり君 平井大臣、ありがとうございます。
 本当に若い方々のキャリアプランといいますか、どういった道に進みたいと考えるときに、やっぱりそういったこの日本の国の新しい分野の方向性を示していくということは非常に大事だなというふうに思います。
 私自身が、昨年、やはりデジタル庁というのが報道されて以来、駅立ちをしていたときに若い方から聞かれたことがあるんですね。やっぱり関心を持っているんだなと、そういった分野の学生さんでしたけれども。是非そういったところは、本格的なこのデジタル社会を目指すのであれば、やっぱりそういった方向性をきちっと示していくというのは重要だというふうに思っております。
 将来を見据えた最低限のこのIT技術あるいは能力の育成のために、先ほど大臣もおっしゃっていただいたんですけれども、大学での例えば授業でIT技術の講義を例えば必修化、必須化するですとか、やっぱりこれから私たち、日本がこのデジタル社会というものをしっかりと手段として使っていって幸せな社会をつくっていくということであれば、そういった、どの業種に就いたとしても、最低限のIT技術の知識を持った人材、これを継続的に供給できる仕組みというものを構築していくということが求められるのではないかというふうに私は思います。
 少子化のために人材を確保できなかったということになってしまうと、いつまでたっても外部に人材を求めなければならない、頼らざるを得ないという状況になります。自国の情報管理システムの司令塔の中にやはりこれ日本人がいなくては国益を損ねると、こういったことにもなりますし、自前で有能な人材を育てていく、これこそ世界の中の日本、デジタル推進国としての日本ということで、自立した人材を是非とも育成していくということで要望させていただきたいと思います。
 それでは次の質問に移りますが、個人情報漏えいや悪意あるシステム構築者を排除するシステムについてお聞きをしていきたいと思います。
 AI、すなわち人工知能を例に出してこれ説明をしますと、この人工知能であるアルゴリズムによって人間では及ぶことができない速さでデータを数値化して、それをパターン化し、結果を正確に予測する技術というのが進んでいます。これ、医療を始め金融や教育、こういった分野に広がっております。
 しかしながら、AIがどのような結果を出すかについてはブラックボックス化をされておりまして、結局、最終的には人間の行ったプログラミングが結果を左右する仕組みというふうになっているわけなんですよね。
 悪意のある者が結果を操作しようとすればできてしまう環境というものに今あると。AIにはそういう技術だけではない、人間の思考の操作も絡んでくると、こういったことも私たちは知らないといけないなというふうに痛感をしているわけなんですが、そこで内閣府の方に質問したいと思いますが、個人情報漏えいや悪意あるシステム構築者を排除するこのシステムの構築、これも目指すべきではないかというふうに考えているんですが、この点について答弁お願いします。

#168
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。
 デジタル庁の組織の運営に当たりまして、個人情報等の漏えいを防止するよう必要な対応に万全を期していくことが不可欠と考えております。そのため、今職員のお話がございましたけれども、民間人材募集の際に、必須条件として国家公務員に求められる高い倫理観を持った者であることを求めること、常勤、非常勤の別を問わず、国家公務員法の秘密保持義務が課されることに加え、デジタル庁として職員が情報管理に当たって遵守すべき規定を設け、適切に運用すること、人事関係や調達関係の情報といった機密性の高い情報についてアクセスできる職員を必要最小限に限定すること等の取組を通じ、必要な情報管理の徹底を図ってまいりたいと考えております。
 また、システム構築の委託についてもお話ございました。委託先の選定に当たりまして、提供する情報の目的外利用を禁止し、情報セキュリティー対策の実施内容と管理体制を確認すること、委託先に提供する情報を必要最小限とし、不要になった場合は確実に返却又は抹消させること等も併せて実施したいと考えております。
 また、議員御指摘ございました情報漏えいを防ぐためのシステムの構築でございますけれども、当該システム自体の費用対効果あるいは必要性等の吟味、またセキュリティーに関する既存のシステム、サービスの活用の可能性等について精査もしていくことが不可欠と考えております。
 いずれにしましても、デジタル庁として、情報管理の徹底に向けて万全の対応を進めてまいりたいと考えております。

#169
○高木かおり君 今おっしゃっていただいたことをしっかりやっていただければというふうに思います。
 我々の個人情報を使ってAIによって勝手にランキングされてしまう社会に今突入しているというふうに私も実感をしているんですが、そういう意識を我々自身もしっかり持たないといけないなというふうにまず思いますし、個人情報の取扱いについても細心の注意がやっぱり必要だと、我々自身もしっかりとそういった意識を持たないといけないわけなんですけれども、インターネット上でも、プライバシーポリシーに同意しないとそれ以降進めないということが多々あります。そういった経験もしますが、個人情報の自己コントロール権がこれどこまで担保されているかどうか、こういった分からないことが問題なんじゃないかなというふうに思っています。
 民主主義国家である以上、そういったことも担保されなければいけないなというふうに思うんですが、現状のプライバシーポリシーのように、この情報は自治体から国に開示されますよと、簡単な説明で先に進むようなこういった同意の取り方というのは、やっぱり避けるべきではないかなというふうに思います。
 逆に、国民は、個人情報漏えいや悪意ある利用する人材が排除されるようなシステムを幾重にも構築されていることを政府がしっかりとこれ説明をすれば、マイナンバーカードの普及率ももっと上がっていくんじゃないかと、登録する人が増えていくんじゃないかというふうに感じております。そこをしっかり法律で規定し、先ほども御答弁をいただいたんですけれども、国とか地方自治体の職員の方々、民間からの採用者の方々、もしもこういった法に抵触するようなことがある場合は、しっかりと罰を与えるですとか、そういった厳格化をするといったこともしっかりと言っていくと、だから大丈夫なんだということを国民に訴えていくということが必要なんだろうというふうに思います。
 それでは、次にデジタルデバイドについて伺いたいと思います。
 先日、河野大臣のツイッターに、子育て世代の母親から、手書き文書での予防接種をマイナンバーで減らすことはできないかという投稿、これにお答えになられて、大臣、お願いですと、ツイッター上でそういうやり取りがあったということなんですが。
 やはりこれ、情報格差という問題、これ、本日も議論に出ておりましたけれども、今年一月に内閣府広報室が公表したデジタルデバイドの現状というのを私も見てみたんですが、十八歳から二十九歳はスマホとかこういったSNSなんかを九六・九%がよく使うと回答しているんですよね。今度逆に、七十歳以上、利用全然していないという方が四九・八%、ほとんど利用していないという方が八%で、合計五七・八%。これだけの格差があるんだなというふうに改めて思ったんですけれども、若い世代の方々はおおむねこういったSNSを使うことができる。一方で、中高年から高齢者の方々の中には、誰かに相談したくてもなかなかできない環境であったり、そもそもそういうふうに人に聞くのが恥であるというふうに、心情的な部分で聞けないという方々、SNSなどで発信すらできない深刻な環境下にある高齢者の方々も多いというふうに感じております。
 このデジタルデバイドを回避するために、今、政府の方では、デジタル活用支援員、こういった配置のことも考えていただいていて、支援のためにいろいろと政策を考えていただいているんですが、一方で、デジタル化してもデジタルを避けたい方々というのも一定、まあ少数かもしれませんが、一定いるかと思います。また、今言ったようなデジタル活用できない一定の人たち、どのようにして政府としてこのデジタル社会を浸透させていくのか、この点についてちょっと御答弁いただけますか。

#170
○政府参考人(二宮清治君) お答え申し上げます。
 デジタル社会の形成は、デジタルの活用により一人一人のニーズに合ったサービスの選択を可能とすることで多様な幸せを実現するために行うものでございます。御指摘のようなデジタル機器を利用しないような生活様式、選択も、これ当然に尊重されるものだというふうに考えてございます。
 他方、デジタル社会形成基本法案におきましては、政府はデジタル社会の形成に関する国民の理解を深めるため必要な措置を講ずるものとされていることを踏まえまして、政府といたしましては、デジタルのメリット等について国民に分かりやすく説明するとともに、デジタル化による利便性の向上を実感していただけるよう施策の推進を図ってまいりたいと考えてございます。
 具体的に申し上げますと、国民が行政機関との間で情報の入手や申請する際のUI、UXの改善によりまして、デジタルに苦手意識がある方にとっても使い勝手が良い行政サービスへ刷新するなどのアクセシビリティーの確保を行うとともに、デジタル機器を十分に使いこなすことができない方々につきましては、先生御指摘のデジタル活用支援員ですね、身近な場所でデジタル機器やサービスの利用方法等に関する助言や相談を行う、そういった仕組みによりましてリテラシー向上に関する取組を充実をしてまいりたい。そのことによりまして、誰一人取り残さないデジタル社会の実現に向けた対応をきめ細かく行ってまいりたいと考えてございます。

#171
○高木かおり君 ありがとうございます。
 山間部とか離島、そういった後期高齢者の方々まで浸透させるというのはなかなかこれ難しいことだと思います。何か言ってもちょっと伝わらないですとか、そういったこともあるかもしれませんけれども、この施策というのは未来に向けたものであって、この多くの課題を乗り越えて、そして幸せなデジタル社会というものを希望を持って取り組んでいただければ、この多くの課題も乗り越えられて、世界の動静を見ても、先ほどもおっしゃっていただいたように、誰一人取り残さないというスローガンにより近いものになっていくんではないかというふうに思います。
 また、ちょっとどうしても使いたくないという方々に対してどうされるかということに対しても、尊重していただけるという御答弁がありました。強制するものではないというふうに理解をいたしました。
 それでは、続きまして、ガバメントクラウドについてお聞きをしたいと思います。
 これは、今日もLINEについて質疑が出ておりました。やっぱりこれはすごく国民にとっても大変衝撃だったと思うんですね。やっぱりこのデジタル社会というものをどういうふうに捉えるかといったときに、こういう中国の関連企業からのアクセスが可能なんだ、データが韓国で保管されていたのかということがかなり報道がたくさんされて、これまた国民にとっては少し不安があおられてしまったのかなというふうに感じています。
 国民が心配しているのは、それは自分の情報が国や自治体、もちろん外国で管理されて、外国に、外国人の方々にまで漏えいするんじゃないかということで大変不安になったということだと思うんですが、デジタル庁は、改めてこれ聞きたいんですけれども、デジタル庁は、ガバメントクラウドを構築するに当たって、国内で管理する、確実に構築していただきたいと、そういうふうに思いますが、その点について簡潔にお答えください。

#172
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。
 ガバメントクラウドは、政府各省のシステムですとか、あるいは自治体のシステムですとか、そういうのを載せていくものとして用意するものでございますけれども、ガバメントクラウドにつきましては、政府情報システムのためのセキュリティ評価制度であるISMAPに登録されたサービスから調達することを原則とし、データセンターの物理的所在地を日本国内とし、情報資産について合意を得ない限り日本国外への持ち出しを行わないことや、一切の紛争は日本の裁判所が管轄するとともに、契約の解釈が日本法に基づくものであることを契約等により担保できることなどを選定基準とすることを考えております。
 今後この取組を進めるに当たって、最新の動向を注視しつつ、クラウドサービス提供事業者との契約内容とその実効性を担保するための仕様等についても、慎重かつ詳細に検討した上で、適切に対応してまいりたいと考えております。

#173
○高木かおり君 是非ともそういう、恐らくそういう情報もおっしゃっていただいていると思いますし、ホームページ等でもいろいろと政府としても対応はされているんだと思うんですけれども、なかなかそういう、一たびそういった不安があおられるような報道なんかがありますと、なかなかそれに対する打ち消しというところまで見れていない国民の皆さんというのはやっぱり不安に感じるということなので、これは私たちもそうなんですけれども、しっかりこれを国民の皆さんにやはりこのデジタルというものを使って発信がきちんとできれば、そして正しくお伝えをすることができればというふうに考えております。共に頑張っていかなければならない点だなというふうに私も感じております。
 是非こういったことをしっかりと、情報の管理、特に個人情報の漏えい、監視社会の懸念というのが一番このデジタル社会というものを考えるときに重要なポイントだと思います。これが国への信頼、この制度を軌道に乗せるというのが一番の、信頼を勝ち得る一番の要、鍵というふうになるというふうに私自身も感じておりますので、しっかりと国内での運用をお願いしたいというふうに思います。
 続きまして、コロナ禍での自治体への負担についてお聞きをしたいと思います。
 現在コロナ禍でデジタル庁の創設を進めているわけなんですけれども、国や各自治体の職員に大きな負担が掛かっているところに更に負荷を掛けることになる、これ職員の過重労働につながることも懸念がされるわけです。
 デジタル化の重要性は理解をもちろん十分しているわけなんですけれども、慎重なところは慎重に進めるべきというふうに考えるんですが、この点について内閣府の見解を求めます。

#174
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。
 デジタル庁の創設につきましては、技術の急速な進展に伴うデータの利活用の重要性の高まりや、新型コロナウイルス感染症への対応で明らかとなった行政のデジタル化の遅れ等への対応が喫緊の課題であることから、こうした課題の解決のために、デジタル社会形成の司令塔として早期に設置し、デジタル社会の形成を早急に進めることが必要と考えております。
 一方で、デジタル化を進める際には、委員おっしゃいましたように、現場等の意見も十分に踏まえて進めることが肝要であると考えております。例えば、自治体システムのあるべき姿につきましては、デジタル改革共創プラットフォームといった場を設け、政府と自治体職員が直接対話を行い、自治体の職員と意見交換や情報交換等を実施しているところでございます。
 いずれにしましても、デジタル庁におけるデジタル化の推進におきましては、自治体の職員等々の関係者の意見を丁寧に聞いてまいりたいと考えております。

#175
○高木かおり君 是非地方と連携しっかりしていただきたいと思います。
 やはりここをしっかりと地方の御意見を聞きながら進めていっていただくということが、両方、当然デジタルを進めるということが地方でのそういった、行政事務とかそういったことを簡便にするという、そのためにやっているわけなんですけれども、それが余りにも過重労働ということになってしまうと本末転倒ということにもなりますので、是非よろしくお願いをしたいと思います。
 続きまして、ここはちょっと国の危機管理について伺いたいんですが、国益という重要な視点が含まれるということで、今回、二十日の日に中国軍が日本の二百社以上の企業に対してサイバー攻撃を掛けていたということが警視庁から発表がありました。その攻撃対象にJAXAも入っていたということで、情報漏えいはなかったということで安心はしたんですけれども、このJAXAはロケットなど日本の宇宙開発を担う重要な施設です。
 そこで伺いたいんですが、万一サイバー攻撃を受けたとき、あるいは大災害など、国益が損なわれる危険について回避する仕組みを考えていると思いますけれども、デジタル庁としての対処について大臣に伺いたいと思います。

#176
○国務大臣(平井卓也君) サイバー攻撃はもう年々増えていまして、JAXAに限らず、政府機関というのはもう毎日すごい数のいろいろな攻撃を受けています。そういう意味で、それをやっぱりはねのけていかなきゃいけない、その体制は必要だと思っています。
 デジタル庁は、セキュリティー・バイ・デザイン、サービス・バイ・デザインということで、使い勝手の良さと安全性の高さの両立を確保するということがミッションだと考えています。その中でもこのセキュリティーというのはやっぱり非常に重要だと思っていて、デジタル庁は、NISCと連携しまして、情報システムに関する整備方針においてサイバーセキュリティーについての基本的な方針を示して、優秀なエンジニア人材等も採用してその実装を進めると。そして、デジタル庁にセキュリティーの専門チームを置いて検証、監査を実施するということにしています。
 さらに、政府においては、停止すると国民の安全や利益に重大な脅威をもたらす可能性がある業務に関しては、そうした業務を支える情報システムの運用継続計画、BCPをいかに作るかということでございます。デジタル庁としても、情報システムの運用継続計画を適切に整備して、例えば同時被災しない場所へのバックアップシステムの確保や自家発能力の確保の対策を講じていくということで、こうした取組を通じてデジタル庁が整備、運用する情報システムの安定的そして継続的な稼働の確保を図っていくということが非常に重要だと考えております。

#177
○高木かおり君 先ほど大臣が、毎日のようにそういったサイバー攻撃はあるんだというふうにおっしゃっておられました。やはり、もう避けられないということなんだと思います。国としてしっかり情報を守っていただくと、それをお願いするしかないんだなというふうに思いながら、是非ともやっていただきたいというふうに思います。
 時間があっという間に過ぎてしまっておりますが、次に、デジタル教科書について伺いたいと思います。
 二〇二〇年の七月、文科省の有識者によるデジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議で、デジタル教科書導入に向けたスケジュール案を示されました。これによると、児童生徒用のデジタル教科書を二〇二四年度に本格的に導入する方針を固めたということです。即効性、効率性という意味ではデジタル化はもちろんメリットがあるわけなんですが、他方で、この教科書ですね、紙媒体の方が集中力、理解力が高まるというような声も聞かれるわけです。
 そこで、文科省に質問をしたいと思います。デジタル教科書を使用することによって危惧される子供たちへの健康の影響について併せて教育すべきと考えますけれども、いかがでしょうか。

#178
○政府参考人(蝦名喜之君) お答えを申し上げます。
 デジタル教科書の今後の在り方につきましては、委員からも御指摘ございましたように、現在、有識者会議において御議論をいただいているところでございます。現状、デジタル教科書の普及率は約八%ということでございまして、大変低いということもありますので、まずは実際に使っていただくことが最初の一歩であると考えておりまして、三月にこの有識者会議、中間まとめをいたしましたけれども、全国的な実証研究を行いつつ検討することが必要であるというふうにされたところでございます。
 このため、今年度の予算におきまして、まず、小中学校等にデジタル教科書を広く提供し、普及促進を図るほか、教育上の効果や健康面への影響を含めた実証研究を行うための経費を計上いたしております。
 こうした実証研究の成果を踏まえますとともに、御指摘のように、紙媒体の方が集中力や理解力が高まるのではないかという御指摘であるとか、あるいは紙の教科書が長年にわたり学校教育の基盤を支えまして使用されてきたこと、あるいは一覧性に優れている等の利点があることも考慮しながら、引き続き丁寧に検討を進める必要があると考えているところでございます。
 また、健康への留意事項についてのお尋ねがございました。
 例えば、目とそれから端末の画面との距離や、継続して見る時間などに留意することでありますとか、あるいは画面の反射や映り込みを防止するための画面の角度や明るさを調整すること、あるいは、例えば睡眠一時間前からはICT機器の利用を控えることが適切であるといったようなことなどにつきまして、学校現場等に現在周知を図っております。
 その上で、まずは教員がそれらをしっかり理解していただくこととともに、教員ばかりじゃなく子供たち、さらには保護者ともそうした留意事項についてしっかりと共有をしていただきたいと考えているところでございます。
 いずれにしましても、デジタル教科書に関する普及促進や検討に関しましては、一歩一歩着実にスモールステップで進めることが重要と考えているところでございます。

#179
○高木かおり君 以前、私が文部科学委員会におりましたときに、このデジタル教科書と子供の視力の問題というのをちょっと取り上げさせていただいたんですけれども、どうしても私、子供のことになると心配性になってしまうんですが。
 このデジタルが進んでいくことはいいことだというふうに思っているんです。ただ、やはり周りの子供たちを見ていると、どうしても、きっとこのデジタルという世界がすごく興味深くて、思わず集中しちゃうんだと思うんですね。だから、余計にその視力という部分。それから、よく今は音楽を聴くのに聴力の問題という、そういったことも取り上げられていますけれども、なかなかこれが実際に、本当にその健康にどういった影響があるのかということが、今まだまだ検証中という中でデジタルを進めていくということが、私自身はなかなか複雑なんですよね。
 やはりこういったことを、今できることは、こういう視力にも影響がある、明らかに今子供たちの視力を、どういった状況かというのはもうデータが出ていると思うんですが、かなり一・〇以下の子供たちが激増しているわけですよね。これはもうデータで出ていると思いますけれども、そういったことをどうするのか。
 デジタル教科書を進めていくに当たって、そういった指導をしていっていただきたいわけなんですけれども、例えばデジタル教科書というところにできるだけ視力が悪化しないような、何かそういったものを開発するとかという、そういったことがおいおい追い付いてくるのかもしれませんけれども、是非ともそういった点も同時並行で子供たちへの教育、保護者、教師、そういったところにもしっかりやっていただきたいというふうに思っております。
 また、それ以外にも、私自身が紙の教科書で育った世代ですので、やはりこのページをめくるですとかそういった、書くですとかそういったところに、どうしてもそちらの方がいいんじゃないかというように思ってしまう節があるんだと思いますが、この点についても、これからの子供たちはやっぱりデジタルネーティブということで、今までの、今までこうだったからそうなんだという考え方が果たして通用するのかと、そういったことも両方私の中でも試行錯誤しているというような今状況でございますけれども、そういったところも含めて、今後子供たちにより良い教科書ということで進めていっていただきたいというふうに思います。
 続きまして、またこのデジタル教科書を、今度厚労省さんにお聞きをしたいと思います。
 デジタル教育を推進しようとするならば、国民に対して医学的見地、先ほどから視力や聴力のお話をさせていただいていますが、あと精神的な影響についてもしっかりと注意喚起する必要があると思っています。厚労省の見解を伺いたいと思います。

#180
○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
 私の方からは、電子機器の使用、広く電子機器の使用による健康上の影響ということでお答え申し上げますけれども、こうしたこの電子機器の使用による影響について、もちろん現在も進行中、現在進行中で様々な研究行われておりますし、あるいは様々な立場からの御提言も出てきているところでございますけれども、厚生労働省として周知啓発を行っている例といたしましては、先ほど委員の御指摘もございましたが、聴力あるいは睡眠に関して周知啓発を行っている部分がございます。
 具体的には、聴力について、ヘッドホンやイヤホンで大きな音を長時間聞き続けるとヘッドホン難聴のリスクがあるということで、厚生労働省では、健康情報サイトであるe―ヘルスネットにおきまして周知啓発を行っております。また、睡眠について、就寝前に電子機器を使用した場合に光の刺激により入眠までに掛かる時間が長くなるなど睡眠に影響を及ぼすという報告が出されておりますので、厚生労働省では、健康づくりのための睡眠指針、こういうものの中でこうした点を記載をいたしまして周知を行っているところでございます。
 あるいは、厚生労働省の取組全体でいいますと、お子さんということではございませんけれども、労働衛生で、VDT作業における労働衛生管理のためのガイドラインということで、ディスプレーを長く見られる方の心身の負担を軽減するためのガイドラインを示したりというような取組も行っておりますし、少し民間に目を転じますと、日本医師会などがスマホなどの長時間使用に伴う問題についての啓発をされているというようなこともございます。
 こうしたこれまでに得られている知見につきましては、既に学校現場への文部科学省さんが行われている周知の中でも参照されているというふうに承知をしておりますけれども、引き続き、こうした科学的なエビデンスの蓄積が進む中で電子機器が適切に活用されるように、関係省庁と協力して取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

#181
○高木かおり君 是非とも両者同時並行でやっていただきたいというふうに思います。
 私自身もやはり、今、今日冒頭から申し上げているように、このコロナ禍でオンラインが進むということが本当に画期的だなというふうにも感じますし、一方で、先ほどの健康の問題、これも考えていかなければならないということで、これはもう待ったなしで私たちに課せられた課題であるなというふうに考えておりますので、是非よろしくお願いをしたいと思います。
 あっという間にもう時間が来てしまいました。最後に、大臣に質問したいと思います。最終的なデジタル社会とはどういったことをイメージしておられるか、是非大臣から伺いたいと思います。

#182
○国務大臣(平井卓也君) 究極に目指すのは、やっぱりデジタルを意識しないデジタル社会というのにいずれなるんではないかというふうに思います。そして、日本どこに住んでいても、いろいろな多様な選択肢の中で自分の人生設計を立てられる。今回、デジタル庁も、要するに東京在住の方ばっかりじゃないんですよ。リモートワーク前提で、兵庫県の方はリモートワーク前提で今回契約をしました。そういうことですから、どこに住んでいてもいろいろな仕事に参画できるということもあるでしょうし、高齢者から要するに子供たちまで、それぞれデジタル化のサポートによってやっぱり今より質の高い生活ができるようにしたいと、そういう思いです。
 ですから、このデジタルという言葉は日本語に訳しづらいというか、訳すこと自体がもう無意味かも分からないんですが、一方で、先ほどから先生の質問聞いておりますと、やっぱり人間の存在自体はアナログなので、インターフェースも目が悪くなったりいろいろする危険もあると。そういうところで、ちょうどやっぱり人間にとって一番優しいところで社会が成り立っていくのがいいというふうに思います。その意味で、デジタル社会によってこの国の弱点をカバーをして、そして社会全体がもう一段バージョンアップすることによって、次の時代は次の世代の皆さんが更にいろいろな活動がしやすい社会にしていくということも重要だと思います。
 いずれにせよ、これは人間が考えることですから、常に社会の様子を見ながら、適切にデジタル化というものを社会に実装していく、そういう判断をずっとし続けていけるような政府をつくっていくというのが我々の責任ではないかと考えております。

#183
○高木かおり君 時間が参りました。
 やはり、このデジタル社会で多様な幸せな社会をつくっていけるように、しっかりと私自身も頑張っていきたいなというふうに思いました。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

#184
○矢田わか子君 国民民主党、矢田わか子です。今日もよろしくお願いします。
 私は、電子機械工業、通信の分野で、民間で三十二年働いてきましたので、正直なところ、今回の論議、大変期待をしている一人であります。多くの私の支援組織からもいろんな要望、期待が寄せられております。その観点に立って今日も質問させていただきたいと思います。
 まず、DXの本質についてということですが、先ほど来からの質疑でも出ていたとおり、デジタル化は手段であって、実質的な目的は業務の改善、業務プロセスの改善なんだというふうなお話があったかと思います。
 今日、社会経済の発展や産業の振興、そして働き方改革や生活の改善において、やはりこのDXの推進というのはキーワードになるということは間違いないというふうに思いますが、情報処理推進機構、IPAがこのDXの定義を出されています。DXは、AIやIoTなどの先端的なデジタル技術の活用を通じて、デジタル化が進む高度な将来市場においても新たな付加価値を生み出せるよう従来のビジネスや組織を変革することとされています。つまり、DXの本質は、技術ではなくて業務プロセスや変革、組織の変革であるということであります。
 これまで、二〇〇〇年にe―Japanという戦略が出て、IT基本法も整備されて、やってきたわけですけれども、結局、国もいろいろ指導されてきたものの、各省庁が一斉にこの行政手続オンラインのシステム入れたわけですけど、結果として紙がいっぱい残って、最終的には手続等も出向かなければならなかった。これ、前回、山田委員も指摘されておりますが。
 私も、資料三にお配りをしたんですが、高等学校のこれ例は、就学支援金の手続において、生活保護を受給している世帯では、これまで市役所でその生活保護受給証明書をまずもらいに行って、それを持って学校に提出しなければいけなかったということですが、これがマイナンバーのひも付けによって、学校に行って申請書を書けばよくなったということにおいて、生活保護申請しているかどうかは最終的に受給資格の審査をされる都道府県が市町村に確認をするということで、一定便利にはなったんですけれども、やっぱり紙で認定申請書を出し、マイナンバーカードの写しも出さなくちゃ、これ残るわけですよ。
 ちょっと、ある高校生の話を聞いていても、やっぱりこのスマホがある時代にどうしてこの申請書をわざわざ学校に紙で取りに行って出さないといけないんですかと、これもう全部画面上でできないんですかねという、素朴な疑問だというふうに思います。
 こういうことを例に、山田委員も指摘したとおり、これ、住居の転出についてもそうですけれども、出向いたり紙を出すという、この業務革新ということについて、やはり強いリーダーシップを持って大臣が行政機関の長に対してどこまで迫れるのかというのが一つ大きなポイントではないかと私自身は思っております。
 システムの利活用を勧告するという、この勧告権持たれる、すばらしいと思いますが、この勧告権だけではなくて、本来であれば、変化に応じて行政プロセスも刷新するという、そのセットの勧告権持たれるべきではなかったのかというふうに思いますが、この辺りの見解をお聞かせいただければと思います。

#185
○国務大臣(平井卓也君) 先生のおっしゃるとおり、政府のデジタル化の効果を最大限に発揮するためには、既存の業務を単にシステムに置き換えるという形で、システムの利活用だけを推進するのでは駄目で、やっぱり今までのその業務のやり方を変えると。例えば、対面原則とか書面原則などの制度そのものを見直したり、利用者と行政機関の間のフロント部分だけではなくて、バックオフィスも含めたエンド・ツー・エンドでデジタルを前提として業務プロセスを再構築する業務改革、BPRを実施することで行政プロセスの刷新を徹底することが重要だと考えています。
 デジタル庁は、各府省の情報システムの統括、監理のほか、情報システムの整備、管理の基本的な方針の作成の推進、作成推進ですね、関係予算の一括計上、配分等の仕組みを通じて、各府省に対し、当然必要なBPR等の取組を求めていくことになります。
 BPR等については常日頃から取り組んでもらうことであり、勧告といった場面に限られず、デジタル庁においては積極的に各府省の取組を支援していきたいと考えております。

#186
○矢田わか子君 二〇〇〇年頃から二十年間、残念ながら、いろいろな取組してきましたけれども、私は全てにおいてやっぱり中途半端で終わったんじゃないのかなと思っています。
 ここ、本当に、今年をデジタル庁を設置をしてデジタル社会元年と位置付けるのであれば、もう思い切って本当にパラダイム転換しなければ進まないというふうに思っているんです。そういう面でも大臣に物すごく期待をしているわけなんですが、その上で、やはり、先ほど来から質疑にも出ておるとおり、多くの皆さんはやっぱり想像が付かないものに対する抵抗はあって、私も昔、二十年ぐらい前を振り返ってみると、企業の中で初めて、まあ多分デジタルが進んでいる企業にいましたけれども、初めていろいろとデータベース化して、例えば労働時間管理を、紙で書いていた残業時間を全てデータベース化して、打ち込んでください、皆さん、データにするんですと言ったときに、物すごく最初は抵抗があるわけですよ。面倒くさいな、パソコン開いて打ち込むのんと、今まで書いて出してたのにというところから始まるわけですが、この先に、これを一回面倒くさいけれどもやってみると慣れが生じますし、かつ、これを入れていくことでどんなメリットがあるのかということを一生懸命説明をして、やっぱりやっていくことによって、推進していくことによって進んでいった感がありますので、今年やっぱり一番大変なのは、そういう抵抗感のある人にいかに抵抗感なくトライしてもらえるかだと思います。
 スマホもタブレットもそうです。最初は、そんなもの想像も付かない時代からすれば、そんなこの一つの機器の中で全てのデータが取れるというような、多分二十年、三十年前は想像もできなかった。でも、触れてみてやってみれば、こんなに便利なのと、皆さん持つようになるわけですので、そこをやっぱり突破する突破力が私は必要だと思っていて、そのためにも丁寧に、皆さんにもどういう本当にメリットなりどういう将来に対する価値が広がるのかということを、是非政府を挙げて、宣伝すると言ったら言い過ぎかもしれませんが、広報していく必要もあるんじゃないかなと思っています。
 その上で、国家資格についてお伺いをしていきます。
 国家資格のデジタル化ということで今お進めされようとされていますが、資料一のとおり、対象となるものが三十二の国家資格に限定をされているということであります。大半が医療、介護、社会福祉関係の国家資格。
 三十二の資格を対象となぜこれ限定したのかということがちょっとよく分からなくて、多くの国家資格あるわけなので、全部ひも付けをしておけば利便性高まると思うんですけれども、これはなぜなのかについてまずお答えください。

#187
○国務大臣(平井卓也君) まず、各省庁が所管する各種免許、国家資格等に関しては、現在、必ずしもデジタル化が進んでおらず、紙ベースでの処理が行われているため、資格者にとっても行政機関にとってもコスト、労力の両面で負担が少なくないと考えます。
 これをデジタル化するとともに、住基システム等との連携を図ることにより、添付書類の省略等による登録等の手続の簡素化、行政機関等における登録等の処理の効率化、登録情報の正確性の確保、最新化、マイナポータルを活用した資格証明等を実現することはもとより、登録データへのアクセス記録が残るようになり、データ管理の透明性は紙ベースよりも数段私は上がるというふうに考えています。
 今回の改正案は、看護師、保育士等、まずは、現在マイナンバーの利用が認められている税、社会保障、災害分野における三十二の国家資格について、マイナンバーの利用と情報連携を可能にして国家資格のデジタル化を行うというものでございます。税、社会保障、災害分野に該当しない国家資格についても、国の責任でデジタル化をして登録手続の簡素化等を図るべく、昨年の十二月に閣議決定されたデジタル・ガバメント実行計画に基づいて、関係省庁一体となり、その早期実現に向けて精力的に検討していきたいと考えております。

#188
○矢田わか子君 大臣おっしゃったとおり、社会保障の分野、それから税の分野と災害、この三つに限られていたからということなんでしょうけれども、やはりこれから先を考えたときに、例えば今、多分、このマイナンバー活用で登録をすれば、免許証の交付の手続とか、それから就職の際の資格確認においての利便性、本人にとっても向上すると。わざわざ、何年か前に取った資格で、どこ行ったかな証状というようなことがなくなるわけですよね。そういう本人の利便性とともに、やっぱり社会にある様々な課題を解決していくためのソサエティー五・〇ですよね、そのひも付けも、やっぱり社会貢献、貢献じゃないな、社会にとっても、活躍していただく、活動していただくベースにしていただかないといけないというふうに思います。
 今だったらコロナで、もうまさに看護師、お医者さん足らない、どこにいらっしゃるんだ、その方々はというときの、ところの本当だったらひも付けにもできるんだろうというふうに思いますが、そんなのは厚労省考えていらっしゃるんですか。

#189
○大臣政務官(大隈和英君) 御質問ありがとうございます。
 御指摘のように、今、このコロナ禍においても大変人材不足、現場で大変な思いをしておられます介護職員また看護職員の人材確保にデジタルを利用していくというのは非常に重要なことで、御指摘だと思います。
 今般のデジタル改革関連の法案におきまして、看護師及び介護福祉士を含む国家資格の情報連携、活用におきましてマイナンバー制度を用いて行うことですとか、看護師等の資質の向上や就業の促進のために、国から都道府県を通じてナースセンターに情報提供するということを可能にすることを検討しております。
 具体的には、看護師等の業務従事届の情報と看護師等の資格籍簿等の情報を連携させることで潜在看護師等を把握することが可能になりまして、また、これもちろん、御本人の同意というはもちろん大事で、個人情報を保護していきながら、ナースセンターに情報提供して積極的に人材を活用していくということが可能になります。それによって効果的な就業支援を行う。
 また、介護福祉士さんにつきましては、現行制度上、看護師さん等の業務従事者届というものがございません。就業把握を、就業状況を把握する仕組みがございませんことから、現時点ではマイナンバー制度を活用した就業支援ということはできませんが、しかし、この看護師等の就職支援の状況を踏まえてしっかりと検討していきたいというふうに考えております。

#190
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 本人の確認をもちろんした上でですけれども、しっかり登録することで、社会に対しても、何というのかな、課題解決に向けて活躍していただけるんだと思います。
 私、いつも思っていることで一番今解決したいことの一つにやっぱり児童虐待というのがあって、あえてこの児童福祉司のことについてお聞きしたいと思うんですけれども、今、児童虐待の対応件数が、二〇一九年十九万件、十九万三千件超えたということで、もう激増しているというような状況です。こうした予算委員会の場等を通じて、いちはやくという、一八九、掛けていただくダイヤルを無料にしてくれと言った私責任もありますので、多分無料になってつながる率も高くなったんだというふうに思うんですけどね。
 でも、これ何とか解決していくために、本来であれば、児童福祉司の方倍増してくれ、児相の数も増やしてくれということもずっとお願いしてきました。でも、この数字を追ってみますと、やっぱり余り増えていないんですよね。児童福祉司のデータ、まず資料二を御覧いただいたらと思いますけれども、この方々の数自体は、それでも二〇一五年からすれば二倍近くまで増えてきていると、一・五倍ぐらいかな、増えてきているというふうなことなんですが、ただ、対応件数自体がもう十倍以上になっていますので、追い付いていないんですよね。
 この福祉司の司って、つかさと書く、行政に仕えるという意味で、国家資格にはなっていないんですね。したがって、どういう人が福祉司になっているかというと、お医者さんだとか大学で勉強してきた方々ということが中心なのですが、本来であれば、やっぱり国家資格化した上でこの福祉司の方々の活躍の場を広げていくべきではないかというふうなことも考えております。これについてはいかがですか。

#191
○大臣政務官(大隈和英君) お答えいたします。
 御指摘のように、コロナの今、児童虐待、この件数が非常に増えているということは本当にゆゆしき事態でございまして、私自身も胸の痛むところでございます。
 その対策として、しっかりとこの専門的な能力、知識、また資格を有した児童福祉司の育成というものがまた必要になってこようかというふうに考えておりますが、今、子供家庭福祉分野の職員の資格の在り方につきまして、令和元年の児童福祉法等改正法附則の検討規定を踏まえまして、社会保障審議会の専門委員会の下にワーキンググループを設置いたしまして、有識者に御議論いただきまして、本年二月に報告書が取りまとめられたところでございます。
 御指摘の資格の立て付けにつきましては、そのワーキンググループでは、例えば新たに独立した資格を創設する案ですとか、もう一つは、社会福祉士、また精神保健福祉士等の既存の資格の上に有資格者を上乗せして取得していく案の、今、両論併記というふうになっております。
 いずれにしても、今後、この取りまとめを踏まえまして、厚生労働省におきましてしっかりと検討を進め、たたき台を提示した上で、ワーキンググループの親会でございます専門委員会で更に御議論をいただく予定でございます。

#192
○矢田わか子君 児相の仕事は、虐待対応だけではなくて、それこそ不登校の子供たちのお世話だとか、療育相談といって障害のある子供だとか、もう本当多岐にわたるんですよね、里親の、この結び付けだとか。ですから、それを是非デジタル化ですよ、これデジタル化することによって何らかこの児相の相談の業務削減につなげられないのかという視点も是非持っていただきたいと思います。
 おととい質問しました新潟県の三条市の例なんかもあるわけですよね。また、三重県では、AIを活用して、児相のメンバーがタブレットを持って現場に飛んでいって、そこでデータ打ち込みをする。そうすると、書いて、帰って上司に報告するということじゃなくて、もう打ち込んだ時点で上司とか関連機関と連携するわけですよね。そこに打ち込んだ状態の中で、分析までこの症例がたまってくればできて、やはり一時保護する必要性がどれだけあるのかとか、どれぐらいの期間解決までに時間が掛かるのとか、AIがきちっとこのビッグデータを解析しながら、答えをある程度出してサポートしてくれるというふうなこともやり始めている都道府県もあります。
 したがって、デジタル化がやはりこの人数が足らないところの現場をサポートするということもあるので、大臣、こういうこともできると思いますが、いかがでしょうか。

#193
○国務大臣(平井卓也君) 先生がこのデジタル化に対して非常に積極的な姿勢を取っていただいていることに、まずは大変心強く思います。
 今言ったやっぱり児童虐待の現場でも、いろいろやり方はあると思います。ですから、是非、デジタルはやっぱり人を助けるために使われなきゃいけないというふうに思いますので、また先生もいろいろなアイデアをどんどん我々に申し付けていただければと思います。

#194
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 もうたくさんアイデアがあふれるほど今湧いてくるんですよね。多分、だから想像力というか構築力、課題構築力というんですかね、それだと思うんですよね。だから、恐れずにいろんなデータを提供することによって、これだけ利便性が高い、そして個人もいろんなサービスを享受できるということを、やっぱりいろんなパターンをシミュレーションしながら皆さんにお示しを、国民の方々にしていきたいなというふうに思います。
 続いて、DX人材についてお伺いをしていきます。
 圧倒的に足らないんですよね、DX人材が。四十五万人ですか、足らないというふうに言われていて、今後どうやって本当にこの人材育成していくのか、物すごい課題やと思います。
 今回、デジタル庁で募集して、千四百人も来たって私も驚いたんですけど、そのうちのまた厳選された方を採用されたんだと思いますが、これ五百人まで、大臣、伸ばしていくわけですよね。でも、それは、じゃ、どこからというと、企業で育った人とか、ある程度限られた日本のパイの中から採るのか、それともインドとかアメリカとか、そういうところからも、海外からも、無理ですね、採用できませんので。そうしたときに、次なる育成、絶対していかなくちゃいけないんですね。
 それでなんですけれども、企業なんかでもやっぱりなかなか、OJTで昔は育てる余裕があったんですけど、そんな余裕ないですから、結局キャリア採用が主になっています。
 文科省にちょっとお願いしたいんですけど、やっぱりDX人材というのは外部調整とか組織を牽引する力も、またプロジェクト力、そして企画立案ができるデザイン力、そしてシステム設計とか実装までできるアーキテクト力というのがやっぱり必要だと思いますので、単純に工学部とか、そういう理系出ていたらいいとかいうことではなくて、どちらかというと、何というか、構想力というのがすごい必要な私は職種だと思っています。高専とか大学とか大学院の教育の課程の中に、こういう情報通信工学、電子工学のようにDX工学だとかDXビジネスだとか、そういう本当は独自の単元を設けて訓練していくというか、大量にそういうものを学べる仕組みというのが私はこれから絶対要ると思うんですが、いかがでしょうか。

#195
○大臣政務官(鰐淵洋子君) 御質問ありがとうございます。
 デジタル化社会の進展に応じた教育につきましては、令和元年六月に策定されましたAI戦略二〇一九におきまして、令和七年度までに、文理を問わず全ての大学、高専生五十万人が初級レベルの数理、データサイエンス、AIを習得すること、また、一定規模の大学、高専生二十五万人が自らの専門分野への応用基礎力を習得すること、このようなことが目標として掲げられております。
 これらを踏まえまして、文部科学省では、現在、六大学を拠点校といたしまして整備し、数理、データサイエンス、AI教育のモデルカリキュラムの、モデルカリキュラムや教材の開発、従来の文系、理系の枠を超えた全学的な教育を実施し、全国の大学等への普及、展開を進めているところでございます。
 さらに、内閣府、経済産業省とも連携いたしまして、優れた教育プログラムを認定する制度を開始するとともに、高度な技術を備えたデータサイエンティスト育成のため、大学院レベルの実践的教育の推進についても支援をしております。
 今後も、社会に求められる様々なレベルに対応した数理、データサイエンス、AI教育を受けることができる環境の構築を図り、必要となる人材の育成にしっかりと取り組んでまいります。

#196
○矢田わか子君 まあ、ちょっと今までの延長線上ではない教育カリキュラムが必ず必要になると思いますし、今すぐ着手したって何年も先の話なんですね。是非、早期に文科省としても検討を進めていただきたいというふうに思います。
 続いて、デジタルデバイドについてお聞きをしていきます。
 今年、あっ、去年からデジタル活用支援推進事業というのを試験的に取り組み始められていまして、本年度、全国で千か所ですか、で高齢者向けの講座を始められるということであります。
 なかなか、抵抗のある方々にしっかりときめ細かく教えていくということが大事だと思いますので、各地でそういう支援員をつくって整備していくというのは大事なことだというふうに思いますけれども、本当にこの千か所だけで足りるんかというふうなこと、もう全く数が違うんじゃないかというふうに思っているというのが一つあります。
 特に支援員について、退職された高齢者等を活用してというか対象として公募を掛けていくというふうにお聞きしておりますけれども、例えば、私の出身の会社だけでも、民間の退職者OB会としては最大と言われる二万八千人おるんですね。ある程度デジタル関係も、仕事がそうでしたから、たけている方々も多い中で、まあまあ、ある程度時間もあるし幾らでも協力するよと、中に言ってくださる方もいるわけですよ。もっと早期に多くの方々に、全く慣れていない方々を、何だろうな、誘導するというか、大丈夫だよというふうに身近な方が教えていくということが一番安心感も高まると思いますので、加速度的に私はやるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

#197
○副大臣(新谷正義君) お答えいたします。
 まさに委員おっしゃるように、このデジタルデバイドを解消していくこと、これは非常に大きな課題だと考えているところでございます。
 昨年十二月に閣議決定されましたデジタル社会の実現に向けた改革の基本方針におきまして、やはり、目指すデジタル社会のビジョンとして、誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化、これを掲げさせていただいてございます。
 他方で、内閣府の世論調査によれば、七十歳以上の高齢者の方の実に約六割の方がスマートフォンなどの情報通信機器を利用していないと、このように回答しておられまして、社会のデジタル化が急速に進む中で、各地域の実情を踏まえつつ、助けを必要とする人に十分な支援が行き渡るようにする必要がございます。
 先ほど委員もおっしゃられましたけれども、総務省としましては、これは実証事業の成果も踏まえて、本年度から、まずは全国千か所程度、これ、まずはというところでこれはスタートしておるところでございますが、主に高齢者のデジタル活用を支援する講習会の開催を検討しているところでございます。まさにこれ、ちょっと、やはり慣れた方がというところもあるんですけれども、携帯の店舗ということもありますし、また、あるいは地域密着型でということも、そのようにお力をいただいておるところでございます。
 この事業の実施に当たりましては、必要な研修を計画的に行う体制を整備することによりまして、このデジタル活用支援員の育成確保を図ってまいりたいと、そのように考えてございます。また、人件費だけではなくて、交通費等に対する補助を行うことで、関係者が継続的に取り組むことができるように配慮もしてまいりたいと考えてございます。
 この事業に関しましては、総務省としては、やはり誰一人取り残さないというこの基本方針の下に、各地域の実情やニーズを適切に把握をしまして、これは支援が行き渡るように充実を図ってまいりたいと、そのように考えてございます。
 ありがとうございます。

#198
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 携帯ショップとおっしゃいましたけど、多分、デジタルデバイドというか、抵抗ある人は携帯ショップには行かないと思います。娘に連れられてとか子供に連れられて取りあえず行きましたという人が多いので、もっとスーパーの軒先とか、そういう本当身近なところで、ちょっと触っていってみという感じで声掛けてでもやらないと、デバイド解消には絶対つながらないと思います。怖がらんと一回触ってみましょうというところからなんですよ。爆発するかもしれぬと思っているんですよ、携帯触ったら。そんな人たちにどう触ってもらうかということだと思うので、是非また取組の輪を広げていただきたいと思います。済みません。
 続いて、教育のICT化に移ります。私は時間が少ないので、済みません、早口で。申し訳ないです。
 GIGAスクール構想の進捗についてお伺いをしていきたいと思ったんですが、ちょっと時間がありませんので、これ、要望に代えさせていただきます。
 一人一台の端末ということと、それから高速ネットワークの環境整備、もう九八パーまで来ているというふうにお聞きしておりますので、新しい学びが始まることは歓迎すべきことです。ただ、皆さんもおっしゃっているとおり、機械と通信環境が整っても、まずソフトですよね、どんなソフト入れ込んでいくのか。先生が本当に教えれるのかということで、スクール指導員というのをこれからつくっていかれると聞いております。
 資料をお配りしました。資料四ですね。ICTの活用教育アドバイザーということとGIGAスクールサポーター、ICT支援員。本当に整備されて、こういう方々を投入されながら進めていこうということについては大変期待をしております。是非計画的に進めていただきたい。
 ただ、一言、ICT支援員がこの四校に一人というのはあり得ない数だというふうに思います。忙しい先生たちをサポートして、実質的にその教科についてどんなふうに使っていったらいいかアドバイスするんですよね。準備までしていく、この準備、操作の支援ですので、一校に一人どころか一校に複数人いなければ、これ進まないと思います、実質。
 私がなぜこれだけ強く言うかというと、やっぱりまたコロナ広がっているんですね。自主休業ということで、御自身が基礎疾患があったり兄弟とか親が基礎疾患があるからといって学校に行けない子たちがいらっしゃるわけですよ。NHKが調査したところ、東京二十三区と政令指定都市だけで七百人を超える子たちがずっと一年以上学校に行けない。これ是非、総務省、一回調べていただきたいんですよ、どれぐらいの規模で自治体が取組しているのか。文科省においては、できましたら、どれぐらいの規模で子供たちが行けない状態になっているのか、私は調査が要ると思います。
 その上でです、その上で、やはりこのGIGAスクール構想を推し進めて、やっぱり自治体の方で、何らかの理由で行けないときにはしっかりとオンライン教育が進むように、もう一年経験してきましたから、これから先の一年で進めていただきたいと思いますが、総括的にお答えいただければと思います。文科省かどちらか。

#199
○大臣政務官(鰐淵洋子君) 御質問ありがとうございます。
 今委員から御指摘いただいたとおりだと思っております。
 その環境整備につきましても、やはり先ほどもお話ありました、誰一人取り残さないという、そういった理念の下でしっかりと環境整備、引き続き地方自治体を支援しながら取り組んでいきたいと思っております。
 また、具体的に指導員の話もいただきました。是非また委員からも御支援をいただいて、拡充できるように頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

#200
○矢田わか子君 総務省も調査していただけませんか。

#201
○副大臣(新谷正義君) 委員の御指摘も踏まえて、これはしっかり実情を把握した上でまた検討してまいりたいと考えております。

#202
○矢田わか子君 やっぱり学びですので、学びの保障は国挙げてやらなくちゃいけないというふうに思っています。
 せっかく萩生田大臣が一年前倒しで、あっ、一年じゃないか、もっと前倒しでGIGAスクールやろうとお決めになられたわけですので、是非、総務省も文科省も挙げて、お取組の強化をお願いしたいと思います。
 質問を終わります。

#203
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史でございます。
 私は、ふだん財政金融委員会なんですけれども、スーパーシティ法案などのデジタル問題に関わってきた関係で今回のデジタル関連法案に質問させていただきます。
 法案そのものに入る前に、デジタル化関連なんですけれど、内閣府の参考人に確認しておきたいことがございます。
 菅政権になって、先ほどもちょっとあったんですけど、書面のデジタル化、紙をなくせ、判こをなくせという大号令が掛かりました。ただ、世の中から紙や判こを全てなくすのかと、なくせるのかということがあるわけでありまして、特に安全、安心、消費者保護に関わるような分野は無理に紙や判こをなくして被害が広がると大変なことになるわけでございますので、そういうようなことはあってはならないと思いますが、まず、この何か、何でもかんでも紙をなくせ、判こをなくせというのは分野によっては慎重に対応すべきだと思うんですけれど、これは内閣府の参考人で結構です、お答えください。

#204
○政府参考人(黒田岳士君) お答え申し上げます。
 誰もがデジタルの恩恵を最大限受けることができる世界に遜色のないデジタル社会の形成に当たっては、国民が安全で安心して暮らせる社会の実現が大前提であると認識しております。
 そうした大前提の下、今回の整備法法案におきましては、書面等の、書面の交付等を求める手続を所管する各省庁において、昨年秋の段階でデジタル化しても支障がないと判断できたものについて、デジタル化を可能とする改正を行うものであります。また、行政手続については、押印の、先ほど答弁申し上げたように、その本人確認と意思の担保、そこを改めて見直した上で、必要ないというものについては廃止したというものでございます。
 もう少しスピードを上げるべきだという御指摘もありますが、ここで特にその書面の手続を一気に、一律に機械的に廃止するというものではございません。
 また、デジタル化の要件として、相手方の承諾を必要としておりますが、その相手方の承諾というのも、形式的なものではなくて、実質的に国民、消費者の承諾が得られるものとすることが非常に重要だと考えております。

#205
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 ところが、今、消費者保護のための特定商取引法というのがございまして、特商法といいますけれど、その改正案に契約書面のデジタル化、電子化が盛り込まれて大問題になっております。
 特定商取引法というのは、御存じのとおり、お年寄りなどの消費者被害を守るための法律でございまして、訪問販売などの被害の多い分野に縛りを掛けると。その中で、契約書は書面で、紙で交付するというのがわざわざ義務化されているところでありますが、そこまでデジタル化を消費者庁が改正案で出してまいりましたので、お手元に配ったように、もう日々増えておりますが、今の段階で百二十三団体の反対の意見書が出ております。ちょっと私、消費者問題をずっとやってきていますが、こんなに急速に反対の意見書上がっている状況というのはまずなかったというふうに思います。それぐらい現場から反対の声、特に消費生活相談員ですね、消費者団体ですね、日弁連だけではなくて、各地の、各県の弁護士会からも反対の声が上がっております。
 今ちょっとあったんですけど、一応この改正案には、本人の承諾といいますか、本人が同意した場合、デジタルの書面でいいというふうに、本人同意ということは一応前提になっているんですけれども、悪徳、悪質商法の被害者というのは全て本人同意の上にだますんですよ。当たり前なんです、本人同意というのは。ですから、本人同意というのは何の歯止めにもならないんですね、この分野というのは。消費者庁そんなこと百も分かっているはずなのに、本人が同意すればデジタル化はいいですというような法改正を盛り込んだもんでこれだけの反対が出ていると。皆さん被害の実態、相談受けていますから、本人の同意があればいいというもんじゃないということで、これだけの反対の声が上がっているということでございます。
 要するに、契約書面のデジタル化というのは何を目的にしているかというと、契約が早く、スピードアップできるようにということですね、簡単に言えば、オンラインで契約できれば。これは、通常の取引なら、それは私だって、いい商品早く欲しいなと思ったときに、紙でやり取りするよりもオンラインでぱっと契約してもらえば送ってくると、これは便利でいいなと、あるわけですね。ですから、それを全体否定しているわけじゃないんだけれども、この消費者保護の分野ではそれは逆に大変なことになるというのが長年の経験で、それがあるから書面で交付を義務付けてきたというのがあるわけですね。
 例えば、私、ジャパンライフ問題というのはずっと関わってまいりましたけれど、ジャパンライフというのは大問題になりましたが、若い親切な社員が、お年寄り、おじいちゃん、おばあちゃんの横に付いていろんな説明して、ふだんも面倒見て信頼してもらって、で、この健康器具ね、どう、と言って説明するわけですよね。で、ああ、いいかなと思うわけですけれども、思わされるわけだけど、最後は、おばあちゃん、判こ出してきてと、判こ押してと、こう言われるわけですね。そこでふと、判こを押すということでちょっと考えるわけですよ、ためらうわけですよね。それはやっぱり娘と相談してからとかにさせてということになって、そこでワンクッション時間があるわけですね。
 ところが、オンラインで契約書がPDFで送られてくる、クリックだと。すると、横にいた社員がこれ押してと、自分で押しちゃったりすることがあるんだけど、押してということでぽんぽんぽんぽん行っちゃうんですね。ためらうその時間がないと。だから、消費者保護というのは時間が必要なんですね。
 もう一つ、発見するときはそうなんですね。大抵、ジャパンライフの場合は本人いいと思ってずっとのめり込んでいますから、発見するときは家族が発見するんですよ。息子さんとか娘さんが、お金が減っている、何でと。おじいちゃん、どうしたのと聞いても、いいことやっていると思っているから言わないわけですね。で、たんすを開けてみると契約書が出てきたと、変な契約書だ、何これということで国民生活センターに家族が連絡をして、ジャパンライフにはめ込まれているというのが分かって、発覚すると。
 つまり、紙があったからですよね。これが、スマホにしろパソコンにしろ、端末、デジタルの端末にしろ、ブラックボックスに入っちゃうと家族が発見できない、本人も言わないというようなことになるわけで、そういうことでいくと、この消費者被害を防ぐためには時間が必要、紙が必要なんですよね。
 そういうことで、とんでもない法改正が出てきているということでありまして、これは実はデジタル全体にも関わるので今ここでも取り上げているわけなんですけど、過日の財政金融委員会で、菅総理と麻生大臣にもこの問題について見解をお聞きしました。その議事録を付けてありますけれど、要するに、菅総理も麻生大臣も、これはもう慎重に対応すべきことだというふうに答弁をいただいております。
 これ、菅内閣のデジタル化全体にも関わるんですけれど、先ほど黒田さんからもあったけれども、何もかもと言っているわけじゃないんだと、やっぱり慎重に考えるところはあるんだということでいいますと、菅総理は知らなかったと、ここまで、こんなことまでデジタル化していると知らなかったということを答弁されているわけですね。麻生さんも、これはもう私の指摘のとおりだということで、井上大臣にきちんとやるように言っておきましたというようなことでおっしゃっているわけでありまして、総理と麻生副総理の立場で指示されたんだと思いますけれど、というような、そういう問題であります。
 ここでちょっと一点確認したいんですけれども、内閣府が、こんなことはないと思うんですけど、内閣府が消費者庁に、この特商法の契約書まで、この契約書までデジタル化すべきだというふうな、あるいはしろという指示をしたことはありますか。いかがですか。

#206
○政府参考人(黒田岳士君) 経緯について若干詳しく説明させていただきます。
 規制改革推進会議が経済団体からの要望を受けまして、昨年十一月、ワーキンググループにおきまして、特定商取引法のうち特定継続的役務提供に係る契約前後の書面交付の電子化、例えばオンライン英会話など全てオンラインで完結するサービスがあることを踏まえ、これを可能とすべきではないかと消費者庁に投げかけたところでございます。そうしたところ、電子化する方向で検討したい、その旨そのワーキングで即答いただき、消費者庁はその場で大いに評価されたと認識しております。
 それ以前から、当内閣府の規制改革推進室は、リモート社会の実現に向けまして、各府省が所管する民間と民間の間の手続全般につきまして、押印、書面の見直しに向けてそれぞれの府省が前向きに検討するように働きかけたことは事実でございます。
 その見直しに当たりまして、法改正が必要な事項があればできるだけ早い法改正機会を捉えて改正するということのために、一括する法による法案を提出する可能性につきまして同じく昨年十一月に調査いたしましたところ、先ほど申し上げましたワーキンググループで議論した特定継続役務提供に係る契約前後の書面の電子化の改正事項については、その他の省庁との一括法ではなく、あくまで消費者庁自らが個別法の改正で対応予定である旨回答がございました。
 その際、私どもとしては、あらかじめ想定せず、調査対象ともしていなかった訪問販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引、業務提供誘引販売取引及び訪問購入の契約に係る書面交付の電子化等についても個別法の改正で対応予定である旨も併せて消費者庁の方から積極的に我々の方にお知らせいただいたところでございます。

#207
○大門実紀史君 詳しくありがとうございました。
 要するに、規制改革会議の方、会議ですかね、の方としては、今、コロナでオンライン学習とかが広がっていますので、そんなに悪い業者の方がたくさんいるわけじゃないから、そういう方々が契約のときだけ書面でやらなきゃいけないから何とかしてもらえないかという声が上がったんですね。これについて何とかするというのはあり得たと思うんですけれど、それは求めたと。ところが、消費者庁の方は全部やりますと、訪問販売から全部やりますと、自らですね、言ってきたということなんですね、だと思うんですよ。
 ところが、消費者庁は消費者団体に対して違う説明をしてきておりまして、デジタル化は内閣府の方針、つまり官邸の方針なんだと、方針なんだと。特商法の世界で自らデジタル化をやっておかないと、今回ここで議論しております全体のデジタル化法案の中で、つまり消費者庁の所管じゃないところでやられてしまうんで、特商法の消費者庁所管の中でやらなきゃいけないんだというふうな全然事実と違う説明をして、いかにもその消費者団体の方々に対して、これはもうやらなきゃいけないんだからというような説明でずうっとやってきて、私に最初説明したのもそう説明するんですよね。私ずうっとこの問題やっているんで変だなと思って、総理に聞いたら、そんなこと言っていませんということになったわけであります。ちょっと今日確認したかったのは、内閣府の正確な経過の発言を聞いておきたかったということでございます。
 あとは当該委員会でやりますけれど、やっぱり一つの教訓としていただきたいのは、このデジタル化というのが、何でもかんでもデジタル化とか、何でもかんでも紙なくせとか、先ほど大臣からもありましたけど、よく見てやらないと、アナログなんですよ、世界はね。デジタルって一つのツールにすぎないわけだから、何かデジタルが先にありきということではないということで考えていくことの一つかなというふうに思っております。あとは当該委員会でやります。
 法案なんですけれども、私の方は、デジタル社会形成基本法案と個人情報保護法制について聞いていきたいというふうに思います。
 まず、デジタル社会形成基本法案とありますけれど、幾ら読んでも、何といいますかね、菅政権の目指すデジタル社会とはどういうものかというのがなかなかよく分からないんです。政府の説明を聞いてもよく分かりません。
 国民の幸福な生活とか国際競争力の強化というのはあるんですけれど、要するに、今おっしゃっている範囲は、デジタル化によって利便性が向上すると、国民の生活が良くなると、これはもう何も否定することない、そのとおりだと思います。もう一つは、日本経済の、あるいは企業のこれからの発展考えても、それはデジタル化に懸かっていると、国際競争力ですね。これは分かるんですよ。
 これ書いてあるのは分かるんですけれども、デジタル社会という場合、もっと大きな問題はいろいろあるわけですね、社会的にも経済的にもだけじゃなくて。ですから、何というんですかね、デジタル社会の未来社会論といいますか、どんな社会を目指すのかというふうなことがほとんど論じられていないというふうに思います。
 もちろん、デジタル化による利便性の向上とか暮らしの向上は誰も否定しないし、その利便性はみんな享受したいしというふうに思います。ただ、そのデジタル化の便利さを享受することと個人情報の提供とは表裏一体ですよね。自分の情報をたくさん提供すれば提供するほどたくさんサービスが受けられると。逆に言えば、もっと利便性を求めるならもっと情報提供してくださいと、こういう世界になるわけであります。
 大臣もおっしゃったように、私もそう思いますけど、例えば医療情報ですね。なかなか、プライバシーに関わるわけですけど、提供すればそれに見合うサービスも受けられるというような関係にあるわけですね。それが、一つの情報提供が一つのサービスに対応と、これは今だってあるわけでありまして、それだけなら特に問題ないし、今も行われていることでありますけれど、この今議論されている話というのは、提供した情報が用が済めばなくなるんじゃなくて、蓄積されていくと。
 どんどん蓄積されて、分析されて、プロファイリングされると。どこかでほかからの情報と一元化されているかもしれない、一緒になってどこかで自分のことが分析されているかもしれないと。ある意味で監視されているような状況に、もう既にある程度監視されているわけですけど、ようなものですね。例えば、グーグルで検索を幾つかやりますと、どういうわけか自分に合ったような広告が送られてくると。どこかで自分の検索を分析しているわけですね。そういうことは、もう既に一定監視をされているような状況になっているわけであります。
 ですから、利活用、利便性と個人情報の提供、そしてそれが国や企業の、一定蓄積されて分析されて監視下に入るということは表裏一体でこうなっていると。ここのところが、どう考えるかということはこのデジタル社会をどう考えるかということに関わるわけであります。アメリカのような社会を目指すのか、中国のような社会でもいいと思うのか、ヨーロッパが目指しているような社会なのか、あるいは日本は独自にそういうことを構築していくのかというふうな、ちょっとそういう未来社会的な、デジタル社会をどう捉えるかという議論が余りにもないんではないかというふうに思います。
 今申し上げたような、自分の情報がどこかに蓄積されて、国や企業ですね、蓄積されて分析され、管理される社会、これを、世界でも、日本の学者や研究者の方々でもおっしゃっているのは、現代版の監視社会だという指摘をされております。
 衆議院の参考人質疑で弁護士の獨協大教授の三宅弘参考人は、この方は総務省の行政機関等個人情報保護法制研究会の委員も務められた方でございますので発言の意味が重いわけですけど、今回の六法案がプライバシー、個人情報にとって危ないものがあるということを指摘された上で、このままでは監視社会につながっていくと、今回のこの法案をデジタル監視法案と大変厳しい呼び名を付けておられます。政府の研究会におられた方なので、大変衝撃的といいますか刺激的な表現だと思いますけれど。
 平井大臣に伺いますけれど、私は今回の法案がダイレクトに監視社会を目指しているんだというようなことを言っているわけではありませんが、三宅先生がおっしゃるように、個人情報などきちんとやらないと監視社会につながっていく危険性があるというふうに、それは私も思いますけれど、そういう指摘について大臣はいかがお考えですか。

#208
○国務大臣(平井卓也君) 今般のデジタル社会、デジタル改革関連法案は、個人の、個人情報の保護や人権に十分配慮しておりまして、御指摘のようなデジタル監視社会を目指すものでは全くないと思っています。これは、我が国がデジタル改革を進めていく上で守るべき大前提と考えています。
 そもそも、関連法案は個人情報の一元管理を図るものでもない、国や地方公共団体において引き続きそれぞれ分散して個人情報を保有、管理することを前提に、システムやルールを標準化、共通化し、データも利活用する、その上でデータも利活用しようとするものであります。その際には、当然個人情報の保護には十分配慮していかなければならないと考えています。
 このため、改正後の個人情報保護法においては、独立規制機関である個人情報保護委員会が、行政機関や地方公共団体を含む我が国全体における個人情報の取扱いを一元的に監視、監督する体制を構築することとしております。また、デジタルプラットフォーム事業者やSNS事業者が膨大なユーザー情報について例えばAI等で分析を行いプッシュ形式でサービス情報を届けるといった状況の中、増大するデータ流通を個人情報の観点から適正に規律し、個人の権利利益の保護に万全を期すことが重要だと思います。
 この点で、昨年の個人情報保護法の改正によって、インターネットでの閲覧履歴等、提供元、渡し手側では個人データには該当しないが、提供先、受け手側でID等とひも付けることで個人データとなる場合の第三者提供の制限や、外国の事業者に対する罰則による担保のある報告徴取、命令などが盛り込まれた、導入されたところであります。国民が安心してネットワークやデータの利活用を行えるデジタル社会の実現に向けて、個人情報保護委員会において、こうした規定に基づいて個人情報の適切な保護のために必要な法執行が行われることとなると考えております。
 その意味で、日本が目指しているそのデジタル社会というものは、中国型でもなくアメリカ型でもないと、ですからもう一つの方向性だろうというふうに考えております。

#209
○大門実紀史君 先ほど申し上げましたけど、今回の法案が監視社会を目指していると言っているわけじゃないんですね。いろんな方の心配は、いろいろ長々ありましたが、個人情報保護はまだまだ日本は遅れていて、このままでは監視社会につながっていくことを危惧されている意見が識者からも出ているという意味で申し上げているわけです。
 その点で、前回、四月二十日の内閣委員会で我が党の田村智子議員の質疑のときに、平井大臣は、EUと、EUのGDPRと日本の個人情報保護法とは実質的に見て同等であるというふうにおっしゃいましたが、実質的に同等だと、私はこの発言を聞いて大変驚いたんですけど、どういう根拠でGDPRと日本の今の個人情報保護法制は同等だとおっしゃったんでしょうか。

#210
○国務大臣(平井卓也君) 個人情報保護制度は、その国の文化とか歴史的な違いなどを背景に、国や地域によって様々であって、制度の比較は容易ではない。ただし、グローバルスタンダードの観点からは、例えばOECDプライバシーガイドラインが共通の考え方として示されておりまして、日本の個人情報保護法はEUのGDPRと同様に、このOECDのプライバシーガイドラインに準拠しているものであります。
 その上で、いわゆる十分性認定とは、EUのGDPR第四十五条に基づき、欧州委員会が、特定の国又は地域等について、GDPRの規律に照らして十分な水準の個人データの保護を確保していることを認める決定というふうに承知しております。平成二十八年四月より、日本・EU間で、互いの国・地域の個人情報保護法制等に関する累次の対話を重ねた結果、平成三十一年一月に、日本からEUに対しては、日本と同等の水準の個人情報保護制度を有している外国として個人情報保護法の規定に基づく指定をしており、EUから日本に対しては当該十分性認定が行われたものと認識しています。
 このような認識の下で、EUのGDPRと日本の個人情報保護法とは実質的に見て同等であると言えるという趣旨の私の答弁であります。
 いずれにいたしましても、引き続き、個人情報保護委員会において、国際的な動向や情報通信技術の進展等も勘案しつつ、必要に応じた個人情報保護法の見直しが行われることが重要だと考えております。

#211
○大門実紀史君 それは知っていますよ。
 大臣がおっしゃったのは、GDPRと日本の情報保護法制が同等だとおっしゃるから、その言い方は違うでしょうという意味で申し上げているわけですね。
 十分性の決定は後で触れますけれど、十分性の決定というのは、要するに、EUと日本の様々な取引に支障を来すといけないから、いろんな貿易のことも含めて、ですから、EUは条件付、条件付で、条件付で同等とみなしてあげましょうという当局同士の話でございまして、個人にとって、一人の人間にとって、GDPRと日本の個人情報保護法制が同等でも何でもない、これは誰だって知っていますよ、こんなの。別に立場が違ったってみんなあるわけですよね。もう簡単に言いますと、ドイツ人が日本に住んだら、ドイツにいたときのような個人情報保護はされないわけですよ、違うから。そういうこと、そういうことがあるのに何で同等だと言うのかということで、誰も同等なんて思っておりません。
 例えば、一つだけ個人情報の取得に関して申し上げますと、GDPRでは、合法的な個人データの取得方法は幾つか定められております。これはGDPRの第六条なんですけれども、ですから、仮に個人データの取得が本人の同意で、同意によるものであった場合は、本人はいつでも同意の撤回が可能であると。で、同意を撤回した場合は、事業者はその本人のデータを利用停止、削除しなければならないということとか、事業者は契約の締結や履行に必要な情報であることを根拠として取得するか、あるいは事業者の正当な利益のためという根拠に基づいて取得するなど、同意以外にも取得根拠を持っていないと個人情報は取得することができないというふうな、もういろいろ定められております。
 移転の権利もそうですね。本人が、事業者が持っている自分の情報を、データを移転する権利が本人にあるわけですね。これGDPRはあるわけですね。ポータビリティーですね。で、本人がこの権利を行使した場合、自分のデータを持っている事業者は、こちらの事業者に本人がデータを移してくれと言ったら移転しなきゃいけないということまであります。これ日本にないんですよね、日本の保護法制ですね。
 ですから、基本的な考え方として、GDPRは個人のデータを事業者に預託していると、預けて託しているという関係になります、GDPRの場合は。日本はそこまで行っておりませんし、去年の六月ですかね、本人が利用停止を請求できるケースを拡大するというようなことは行われ、改正は行われましたけれど、同意の撤回という考え方は導入しなかったというふうに思います。
 これ一つ取ってもどうして同等と言えるのかということで、同等という、実質的に同等という言い方は違って、それはもうEUとの当局同士の関係で、言葉が本当に同等という翻訳はどうかはもうおいておいて、そうみなしているという、謙虚に言わなきゃ駄目ですよね。何かもう堂々と偉そうに一緒だみたいな言い方しては駄目だということを指摘しているわけであります。
 それは資料を御覧いただければよく分かるんではないかと思います。資料の四でございますけれども、これはまさに今私が申し上げたような、まあ言っておきますけど、もっと違うんですよ、GDPRと日本の個人情報保護法制は。匿名加工情報、忘れられる権利、プロファイリング、要配慮個人情報、裁判所の判例も含めてですね、日本の個人情報保護は到底EU、GDPRに追い付いておりません。
 しかも、先ほど大臣からあった十分性の決定の意味について、これは内閣府の個人情報保護推進室にもおられました宮下紘先生の新著が詳しいんで、そのままコピーさせていただきましたけれど、何を言っているかということなんですが、日本とEUの相互認証というところがございます。ちょっと線も引かないで申し訳ないんですけど、要するに、十分性の決定、これは当局同士で、まあ十分とみなしますよと言ってくれたという話なんですけれども。
 それを、上の左側の、上から三行目からですけど、前述の十分性の要件により、日本の個人データの移転に伴う負担を除去する狙いから、移転に伴う負担を除去する狙い、このためにですよ、だから。スムーズに国同士でいろいろやれるようにという、それが一番ですよね。その狙いから、日本の個人保護法も改正を行ってEUの十分性決定を得ることができたと。ただし、日本の十分性決定は民間部門に限定されたとともに、既存の法制度のみでは不十分であるため、既存の法制度のみでは不十分であるために、EUから移転された個人データについてのみ上乗せの措置、上乗せの措置を講ずることとしたと。補完的ルール、この補完的なルールをくっつけたから、まあ同等とみなしてあげましょうという話なんです。
 ですから、それと、ちょっと何行目か行って、そして、欧州委員会による審査の過程において欧州議会と欧州データ保護評議会から様々な懸念が示されましたということで、いかに日本の保護法制がGDPRに追い付いていないかということを、これ一部、一例だけでこれだけ挙げられたということですね。同意と透明性の義務について、EU法における規定とは異なるとか、あるいは、自動処理とプロファイリングに関する事案について、欧州委員会が監視すべきだと、欧州委員会に日本を監視すべきだと言われているわけですね。
 捜査機関が企業からの自発的な個人データの提供を受けるとの日本側政府の説明について、監視の状況を確認する必要があると。つまり、日本は警察とか捜査当局が民間からヨーロッパに比べて簡単にデータを取りやすいと、それはヨーロッパのとは違いますよと、ヨーロッパはそこは厳しいですよというところはやっぱり監視する必要があるとか様々、要するに、しかも、補完ルールで認めてあげようという補完ルールも、ちゃんとやるかについて監視をすべきだと、EUが日本を監視すべきだと、ここまで言われているわけであります。
 そして、次のページにあるように、このような具体的指摘事項は、単刀直入に言ってEU側から見た日本の法制度の不備であり、今後の日本の法制度を考えるに当たって極めて重要だと。特にEUのデータ保護専門家が懸念していることは、今申し上げましたけど、日本の法制度が官民それぞれ区別されていて、独立した監督機関である個人情報保護委員会の権限が民間部門しか及ばないと。これが大きな原因となり、捜査機関による民間企業の個人データへのアクセスに伴う懸念が示されてきたというふうに書かれているわけですね。
 個人情報保護委員会、この宮下先生の経過と評価は、これ間違っていますか。

#212
○政府参考人(福浦裕介君) 委員御指摘の意見書は、欧州委員会が十分性認定を行う前に欧州データ保護会議により公表された、日本における個人データの保護に対する十分性認定を施行する欧州委員会の草案に関する意見書であるというふうに認識をいたしております。
 この意見書は、GDPRで規定されている欧州データ保護会議の職務の一つとして、欧州委員会が我が国に十分性認定を行う際に、当該十分性認定の決定文書案に関する意見を提供したものでございまして、委員御指摘のとおり、当該意見書では幾つかの懸念点や更なる明確化が必要となる点が示されていると承知をいたしております。
 ただ、欧州委員会におきましては、当該欧州データ保護会議の意見等も踏まえまして、最終的に日本の個人情報保護法の規律はGDPRの規律に照らして十分なレベルの保護を保障しているとして、平成三十一年一月に欧州委員会により十分性認定が行われているというふうに認識をいたしております。

#213
○大門実紀史君 まあ、何もその、事実と違って日本は劣らないんだと、遜色ないんだと言い続ける必要は何もなくて、努力すればいいんですよ、これから、このデジタル化の進展に伴ってですね。そういう姿勢が大事なので、何か、同等だとか、いいんだとか、大丈夫なんだとか言い切っちゃうところが違うんではないかということを先ほどから申し上げているところでございます。
 日本のこれから進むべき道で、いう点でいきますと、アメリカとも中国とも違うという、日本独自という言葉だけは大臣からありましたけれど、私思うんですけど、例えば米中に追い付くという言葉が政府の文書にいっぱい出てくるんですね。アメリカと中国に遅れていると。これは、デジタルという技術で遅れているとか、GAFAがいてBATHがいるということと比べると日本のIT企業の現状は遅れているというのは分からなくはないんですけど、それに追い付くということは一体どういう意味なのかと思うんですね。追い付けるのかと、GAFAに、日本のIT企業が。あるいは、中国の国家と一緒になったBATHに追い付けるのかというふうに思うんですけれど。
 だから、要するに日本企業が追い付くというよりも、まあBATHと一緒にやるって余りないと思いますけれど、GAFAと連携して、GAFAの下請とは言いませんけど、連携してやる程度であって、所詮そういう存在になって、しかないんじゃないかと。もっと違う道を、大臣言われたように、米中の後追いではなく、別のデジタル経済戦略もあるんではないかと思います。
 その点で、資料の最後にお配りしてありますけれど、一つのヒントかも分かりませんが、今までの議論は、利便性の追求と個人情報の保護があたかも相対決するものかのように、相入れないものでバランスを取るような、もののような議論がありました。私たちも、ちょっとそういう対決、対抗軸的に質問をしてきたこともありますが、やはりそれは、やっぱり個人情報をきちっとフォローしないと変な世の中になっちゃいますよという意味ではありましたけれど。
 発想の転換ではありませんけれど、本当に個人情報保護を厳しくやろうとすると利便性が損なわれるものなのかという発想の転換といいますか、むしろ、これからの世の中考えますと、まあ中国みたいな本当にもう監視社会になっていいというなら別ですけど、それが嫌だと、しかし利便性は享受したいと思ったときに、中国はもう捨てていますから、そういうものを、どんどんどんどんもう速いですね、いろんなデジタル化のスピードが、サービスもすごいですよね。それでいいという考え方もあるかも分かりませんが、民主主義国家はそうではないだろうと思うわけですね。
 そのときに、じゃ、一定サービスが制御されるのかと。とは限らなくて、個人起点のデータ流通システムという新しい取組がEUで実験的に始まっております。簡単に言いますと、個人データを徹底的に守って、守ったシステムをつくって、最大限利便性も活用、利便性を享受するというようなことでありまして、相対決するものでないと。個人情報を徹底的に守るシステムをつくった方がかえって利便性をずっと享受することができると、社会も発展すると、イノベーションも起きると、企業も発展するというふうな、そういう発想であります。それが資料にありますが、資料の五の次めくってもらったところなんですけど、EUのDECODEということです。
 これは、ヨーロッパは歴史的に言って、我が党の田村智子議員からもありましたように、ナチス・ドイツのユダヤ人虐殺に個人情報のデータが使われたとか、東ドイツの秘密警察のシュタージの国民監視が続いたとかいろんなことがあって、非常に個人のプライバシー、個人情報については敏感なわけですね。そういうところがありますので、そもそもGAFAなどに、フェイスブックとかアマゾンとかグーグルに個人データを独占されるということそのものに強い警戒心といいますか、違和感を持つわけです。それで、GDPRがまずあると。
 しかし、GDPRというのは、所詮と言ったら申し訳ないですけど、そのGAFAが集めるデータ、その活用から防御すると、防御の意味を超えないと、GDPRはですね。そうではなくて、むしろ、防御じゃなくて、自らデータを、自分のデータを自分で管理すると、新しいシステムをつくろうという取組が始まっております。二〇一七年から始まっております。それがEUのDECODE、個人データの主権を個人に取り戻すという仕組みであります。
 これ、分散型データエコシステムというふうに言われておりまして、個人が自分自身のデータを安全かつプライバシーが保護された状態で管理ができる分散型のエコシステムのプロジェクトでございます。次世代インターネットとも呼ばれておりますし、技術的にはブロックチェーンを使います。GAFAとか大きなデータベースじゃなくてブロックチェーンを使うと。このブロックチェーンを使うことによって匿名性を確保するというようなことを、非常に技術的にはそこが新しい展開ですけれど、そういうことを始めております。
 概要は下の小さな枠に書かれているとおりなんですけれども、今、実験的にバルセロナとアムステルダム市で行われておりますけれど、個人情報を匿名化する、あるいは必要最小限の提供で認証、登録、情報共有ができるシステムでありまして、こういうことをGAFAとかBATH、中国の後追いじゃなくて、こういうことに力を入れて投資をすることにこそ、長い目で見た、中長期的な長い目で見たデジタル社会、そしてそれに伴う企業の発展、経済の発展があるというふうに考えて、EUは第三の道といいますか、独自の道を歩もうとしております。
 この点について、初めて御紹介するかも分かりませんが、平井大臣、デジタルにいろいろ詳しいですから、発想としていかが思われますか。

#214
○国務大臣(平井卓也君) もう実は委員とそこのところの問題意識は非常に共通しておりまして、二〇一六年に私が起草に関わった官民データ活用推進基本法の中で、その多様な主体が個人に関するデータを本人の関与の下で適切に活用できるようにするための基盤の整備を国に求めたんです。もうまさに、それは二〇一六年の段階ですけど、このDECODEであるとか、パーソナルデータストアですね、PDSとか、同じような考え方だと思います。
 それで、正直申し上げて、もう日本にGAFAのような企業は恐らく出てこないし、それを目指している企業もないんですね。言語の問題もあると思います。そして、規模のスケールを求めるというようなことも考えていないし、あれはあれですごくリスクは高いし、もう莫大な投資が要るというビジネスモデルですから、なかなか日本の企業では取り組めないと思っています。
 そこで、一六年のこの規定に基づいて、日本では個人の同意の下でパーソナルデータを預かって、個人の代わりにデータを活用する日本発の仕組みである情報銀行の取組を今推進しておりまして、情報銀行には個人の関与を確保するために、データの提供先、利用目的、範囲について、本人に対して選択肢を用意するということや、データの提供履歴を本人が全部確認できるようにすること等が求められています。こうした仕組みが民間企業において活用されていくことは非常に重要だと思っておりまして、認定を受けたいろいろな事業者がもう既に始めています。ここら辺りが更に大きくなってほしいなというふうに私は思っております。

#215
○大門実紀史君 情報銀行のことは若干承知しておりますけれど、なかなかこのEUがやっているプロジェクトまで行かないといいますか、発想はおっしゃったとおりなんですけれど、もっと将来見渡して、日本の将来見渡して、そのブロックチェーンを使いながらを含めて、いかに利便性を個人情報を守りながらという点の、大きな戦略で出てきているとはちょっと思えないところがありまして、大臣の思いはそこにあったかも分かりませんけれど、そういう点では、こういうところにこそきちっと投資をしていくとか、このデジタル戦略全体の中でそういうことを位置付けていくということもやっぱり必要ではないかと。それこそ日本の未来を開くんではないかということを申し上げまして、今日は質問を終わります。
 ありがとうございました。

#216
○委員長(森屋宏君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト