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2021/04/01 第204回国会 衆議院 第204回国会 衆議院 本会議 第16号 令和3年4月1日
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2021/04/01 第204回国会 衆議院

第204回国会 衆議院 本会議 第16号 令和3年4月1日

#1
令和三年四月一日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第九号
  令和三年四月一日
    午後一時開議
 第一 民法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 総務大臣武田良太君不信任決議案(安住淳君外四名提出)
 議員辞職の件
 人事官任命につき同意を求めるの件
 食品安全委員会委員任命につき同意を求めるの件
 預金保険機構理事任命につき同意を求めるの件
 国地方係争処理委員会委員任命につき同意を求めるの件
 公害等調整委員会委員任命につき同意を求めるの件
 日本銀行政策委員会審議委員任命につき同意を求めるの件
 労働保険審査会委員任命につき同意を求めるの件
 中央社会保険医療協議会公益委員任命につき同意を求めるの件
 運輸審議会委員任命につき同意を求めるの件
 日程第一 民法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律案(内閣提出)
 子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時二分開議

#2
○議長(大島理森君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――

#3
○武部新君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 安住淳君外四名提出、総務大臣武田良太君不信任決議案は、提出者の要求のとおり、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。

#4
○議長(大島理森君) 武部新君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#5
○議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、日程第一に先立ち追加されました。
    ―――――――――――――
 総務大臣武田良太君不信任決議案(安住淳君外四名提出)

#6
○議長(大島理森君) 総務大臣武田良太君不信任決議案を議題といたします。
 提出者の趣旨弁明を許します。本多平直君。
    ―――――――――――――
 総務大臣武田良太君不信任決議案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔本多平直君登壇〕

#7
○本多平直君 立憲民主党の本多平直です。
 私は、立憲民主党・無所属、日本共産党、国民民主党・無所属クラブを代表して、総務大臣武田良太君不信任決議案について、提案の趣旨を御説明します。(拍手)
 まず、決議案の案文を朗読します。
  本院は、総務大臣武田良太君を信任せず。
   右決議する。
    〔拍手〕
以上であります。
 三年半前、五年ぶりに国会に戻ってきた私は、安全保障委員会で野党の筆頭理事を仰せつかりました。常任委員会での理事自体初めて、ましてや筆頭を初めて務める私の交渉相手が、与党筆頭理事を務める武田良太議員でした。
 欧州視察、沖縄、岩国などへの数度にわたる米軍基地視察なども御一緒し、時には対立し、時には協力しながら、委員会を運営させていただきました。日程交渉中には、本来、法案審議を進めたいはずの武田筆頭から電話をなぜか途中で切られたりしたことを懐かしく思い出しています。
 武田筆頭の手練手管に、不慣れな私が丸め込まれ、他の野党の皆さんに大変御迷惑をおかけするなど、いろいろなことがありました。今の自民党には少なくなってきた、野党の立場も一定理解できる、古きよき自民党を体現している方だということを知り、一定の敬意を持っておつき合いをさせていただいてまいりました。
 国家公安委員長で初入閣をされた際には、率直にお祝いも伝えさせていただきました。内閣が替わって留任され、総務大臣という重職に就かれた際は、失礼ながら正直驚きましたが、その御活動を注視してまいりました。
 今回、この趣旨弁明の大役を仰せつかりました。国民の間には大きな不信が渦巻いています。当然ですが、これまでのこうした経緯を超えて、しっかりと趣旨弁明をさせていただきます。
 国民の多くがコロナ禍で深刻な打撃を受けています。先日も、ある飲食店経営者の方から、もう持ちこたえられないかもしれないという悲痛なお声を直接伺いました。菅政権のコロナ対策の問題点には今日は触れませんが、政治や行政が国民に厳しい御協力をお願いする、まさに今ほど政治や行政に信頼が必要とされているときはありません。
 ところが、政治と行政の側では不祥事の連続です。
 予算委員会で質問させていただきましたが、カジノ汚職も未解決、安倍前総理の桜を見る会問題も秘書のみに責任を押しつけた形ですが、到底納得できません。主として予算委員会でついた百十八回ものうそについて、予算委員会の場では御説明や謝罪もないままです。
 巨額選挙買収問題の河井御夫妻は、ようやくお二方とも辞任されるようですが、余りに対応が遅過ぎます。そもそも、税金も原資の一部である自民党からの一億五千万円もの資金提供は、買収目的交付罪の疑いがあり、この解明もまだ進んでいません。
 森友問題で自殺された赤木さんが残した赤木ファイルは、財務省によって存否すら明らかにされず、御遺族の思いを考えると、やりきれない思いでいっぱいです。
 そして、私が予算委員会で担当していた鶏卵汚職問題。
 世間の注目が総務省に集まる中、しつこく追及し、誰に指示されたわけでもありませんが、野上農水大臣の不信任案の原稿を勝手に準備していた関係で、少し詳しく振り返ることをお許しください。
 大臣室や……(発言する者あり)是非お許しください。
 大臣室やホテルのトイレで計五百万円を鶏卵業者から受け取ったことをお認めの吉川農水大臣が議員辞職、在宅起訴された、昭和をほうふつとさせるとんでもない事件は、皆さん当然御存じだと思います。
 一方、皆さんがお忘れだと思いますし、マスコミにも全く取り上げていただけませんので、あえて時間をかけて御説明しますが、菅総理が、安倍総理時代十人いた内閣官房参与のうち、選びに選んで五名のみ留任をさせたうちのお一方、西川公也内閣官房参与は、鶏卵業界団体の顧問を兼任し、業者から千五百万円、在任中だけでも数百万円を受領したとされています。
 そもそも、安倍内閣の農水大臣時代に政治資金問題で辞職した方を、総選挙の落選後、総理任命の内閣官房参与として、専用車、個室、農水省からも含め二名の秘書官、一時間の出勤だけで日給二万六千円、年収約四百万円を国民の税金から支払って仕事をさせていた挙げ句の今回の不祥事。さらに、疑惑発覚と同時に、一言の説明もなく雲隠れ。
 検察は職務権限の関係から起訴しないようですが、本当にそれでいいんでしょうか。官僚は委員会室で厳しい質問を受けるのに、西川公也元内閣官房参与は説明もなし。政府からの聞き取りを頼んでも、聞き取りさえしていただいていません。こんな不正義が許されるはずはありません。菅総理の任命責任が厳しく問われます。
 さらに、緊急事態宣言下における一連の与党議員の会食問題です。
 自民党の三名、公明党の一名の深夜までのクラブでの飲食、その後も、自民党議員の高級ラウンジでの深夜の飲食も発覚しました。そもそも、菅総理自身が、政府が大人数の会食を避けるよう呼びかける中の昨年十二月十四日、政権の後ろ盾である二階幹事長から呼ばれたとはいえ、銀座のステーキ店で八名の会食をしていたことに端を発していることは、改めて強く申し上げたいと思います。
 当然、多くの公務員は真面目に国民のために仕事をしていただいていますが、残念ながら、安倍、菅と続く長期政権の下で、こうした政治の緩みが官僚にも伝播しています。今般明らかになった厚生労働省職員二十三名の会食、総理大臣や与党議員が範を示していない中、起こるべくして起こった不祥事と言えるでしょう。
 農水官僚の場合は、何と吉川大臣に誘われて鶏卵業者と二度にわたり会食。大臣に誘われたのだから情状酌量の余地があると私は最初思ったんですが、その後の調査のいいかげんさは総務省より悪質です。
 総務省問題に世間の注目が行っているのをいいことに、他の接待についての内部調査について、鶏卵行政に携わった職員を調べると広範囲に調査しているように装いながら、実は、勝手に調査対象を食肉鶏卵課というたった一つの課に絞り、それに気づいた私が委員会で指摘すると、人事院の指導でやったと虚偽の答弁をする。官僚の言いなりの野上農水大臣に真相究明は到底無理だと考えますし、こんな国会を欺くような調査で大臣を答弁に立たせた農水官僚にも猛省を促します。
 国際基準……(発言する者あり)これからやりますから、待っていてください。
 国際基準から大きく遅れつつある鶏卵現場のアニマルウェルフェアへの影響、さらに、答弁拒否を一か月以上続けた挙げ句、ようやく予算審議の最終盤で明らかにしましたが、アキタフーズへの補助金が、大規模業者優遇の制度変更により、二〇一九年度は一億三千万、これが、コロナ禍で多くの企業が苦しむ昨年度には二億一千万と倍増した経緯。行政がゆがめられた問題は、今後とも追及をしていきます。
 官僚の失態といえば、今般相次いだ法案のミスも看過できません。条文そのものが、三法案、一条約の十二か所、参考資料の誤りは、二十二法案百二十二か所、政府提出法案の四割にも及びます。一体官僚機構に何が起こっているのか。真摯な反省と再発防止を強く求めます。
 これら官僚の劣化、たるみの背景に、内閣人事局の権限を恣意的に悪用する安倍、菅長期政権の弊害による忖度の横行、官僚の無気力化などの深刻な問題があることを指摘しておきます。
 これら政治家、官僚と業界の癒着、緩みが象徴的に表れたのが、本日の本題である一連の総務省接待問題です。
 本年二月、週刊文春が、東北新社による総務省幹部接待問題を報じました。
 東北新社と総務省幹部を結びつけたのは、菅総理が総務大臣時代、大臣秘書官に抜てきし、その後東北新社に入社した御長男、菅正剛氏と思われます。そもそも、東北新社の創業者と菅総理とは、同郷のよしみで長年にわたる交流があり、多額の献金もお受け取りの関係です。
 衛星放送事業を行う東北新社は、監督官庁である総務省に取り入るため、谷脇康彦前総務審議官や吉田眞人総務審議官、秋本芳徳情報流通行政局長らに対し、組織的な接待攻勢をかけました。
 その後の調査で、かつて情報流通行政局長を務めた山田真貴子前内閣広報官が、国民の感覚から大きくかけ離れた七万六千円もの高額接待を受けていたことも判明しました。菅総理は、一度は留任させようと、コロナの重要な情報を国民にお伝えする記者会見の開催にまで影響が出ました。その後、体調を理由に辞職。我々への説明も謝罪もないままです。
 結果として、十二人もの総務省幹部が延べ三十八回にわたって東北新社関係者と会食し、うち十一名が国家公務員倫理規程に違反する行為があったとして処分を受けるに至りました。
 総理の御家族が関係していることは、森友学園問題を思い起こさせ、特定業者が有利な扱いを受けていたことは、行政の私物化疑惑、加計学園問題を思い起こさせます。
 また、接待は、個人ではなく、ここまで来ると組織ぐるみで受けていたと言える状況であり、二十年以上前のあの大蔵省接待汚職事件をほうふつとさせる、体質的な不祥事と言わざるを得ません。
 この事件では、官僚七名が有罪判決を受け、百名以上が処分、そして、ここをしっかり聞いていただきたいんですが、三塚大蔵大臣と松下日銀総裁も引責辞任をしています。この反省に立って、二〇〇〇年には国家公務員倫理法が施行。行政に対する国民の信頼回復が図られることになりました。
 しかし、今般の総務省接待問題は、こうした歴史の教訓を踏まえた国家公務員倫理法を踏みにじるものです。また、飲食の提供は、接待という概念にとどまらず、状況によっては収賄に当たる犯罪行為にもなり得る行為だということを改めて指摘したいと思います。
 以下、この組織ぐるみの不祥事への対応について、武田良太君を不信任とする具体的な理由を申し述べます。
 武田大臣が監督すべき幹部官僚は、予算委員会で、国会の質問よりも省内調査を優先するかのような、調査中なので答えられない。ふざけているんですね。さらに、お答えは差し控える、記憶にありませんなどの……(発言する者あり)当然ですという、自民党からやじをいただきました。すごいですね、こういう答弁が当然だという感覚。
 これらの答弁を繰り返しました。我々の度重なる抗議で、ようやく答える。答弁拒否をしていたやり取りの時間を一体何だと思っているんでしょうか。さらに、放送業者を利害関係者かどうか分からないなど、明らかな虚偽の答弁を繰り返しました。こうした、国会を軽視する、虚偽を含む答弁を連発する幹部職員への監督責任は極めて重大です。さらに、週刊誌の報道で音声データが明らかになって、ようやく、これまで記憶にないと言っていた答弁を翻す。貴重な予算審議の時間をふざけた虚偽答弁で奪った官僚への監督責任は極めて重大です。
 また、武田大臣自身も、問題当初、二月十六日のこの本会議を始め、今後厳正に調査すると答弁すればいいものを、総務省は適切に業務を行っており、放送行政がゆがめられたということは全くないなどと、根拠のない強気の発言を繰り返しました。極めて不誠実と言わざるを得ません。翌日の予算委員会で追及され、現時点での認識だったと勝手に表現をつけ加えましたが、この本会議場での発言、極めて軽率だと言わざるを得ません。
 森友問題での同様の安倍前総理の強気の完全否定発言が、財務省の隠蔽、改ざんを招き、挙げ句に自殺者まで出した経緯への反省が全く見られません。
 二月二十四日には、先ほど述べたように、総務省の調査で、十二人もの総務省幹部が延べ三十八回にわたって東北新社関係者と会食し、うち十一名に国家公務員倫理規程に違反する行為があったとして、処分を受けるに至りました。内閣広報官である山田真貴子氏への七万六千円接待も明らかになり、辞職へとつながりました。
 我が会派や他の野党の皆さんからは、甘過ぎるとお叱りを受けるかもしれませんが、あえて個人の見解を申し上げれば、この時点までの武田大臣は、この際、徹底的に調べろと持ち前の強気で指示し、結果、政権中枢の山田真貴子内閣広報官の問題を週刊文春さんの力をかりることなく明らかにしたことは、私個人としては、公平に、一定の評価をしたいと思っています。現に、インチキ調査で隠蔽を図る野上農水大臣に対し、私は、三月一日の予算委員会で、武田大臣に調査のやり方を聞いてみたらいいんじゃないんですかと野上大臣にアドバイスを差し上げているほどだったんです。
 しかし、これ以降の武田大臣を評価することは全くできません。
 その後、これ以上接待はないと言っていた谷脇さんがNTTからも高額の接待を受けていたとの事実が発覚しました。武田大臣自らが、前回調査の際に再三確認したにもかかわらず、新たな違反が疑われる行為が確認され、甚だ遺憾だと述べておられますが、遺憾なのは、調査に対して一定の評価をしていた私のせりふです。内部調査が、結果、お手盛りだったことは、一月もたたずに明らかになりました。大臣の責任は極めて重大です。
 接待問題が菅政権の看板政策である携帯電話料金値下げなどにも密接に関わるNTTに拡大し、さらに、御自身の接待問題も取り沙汰され始めると、大臣の発言は更に悪質になりました。
 個別事案は答えを差し控える、国民が疑念を抱くような会食、会合に応じたことはないと一体何度答弁されましたか。我々議員は、質問したい項目を準備し、事実確認をした上で、その事実を評価し、議論します。事実を答弁していただかなければ、質疑は成り立ちません。
 結果、大臣はNTTとの会合に参加されていましたし、多くの国民は疑念を感じています。
 会合に参加した他の歴代総務大臣も御自身の解釈で釈明されていますが、関係業者からの供応接待の禁止という極めて明快な大臣規範は、我々国会が決めた法律ではなくて、内閣が独自に決めた規範です。違反しているかどうか、事実関係の答弁拒否は、重大な国民への背信行為です。もしも、「国民の疑惑を招くような」の解釈を当事者が勝手にしていいような、抜け道ありきの大臣規範なら、即刻改めていただきたいと思います。
 衆議院では、菅総理の長男との会食はないと、自分に有利な個別事案は答弁しています。参議院では、個別事案は答えないと繰り返し繰り返し、我が党の小西議員から、NTT澤田社長の実名を挙げ、衆議院では個別事案を答えたこととのダブルスタンダードではないかと追及されると逆切れするなど、委員会質問を冒涜するにもほどがあります。
 挙げ句の果てに、三月十七日、武田大臣は、答弁席に向かう官僚に対し、記憶にないと言えと発言。後に、なぜか無意識に口に出たと釈明していますが、言語道断です。議場外のパーティーなどで軽口、失言で、辞任に追い込まれた大臣は何人もいます。委員会質疑での真剣な質疑中のこの発言一つ取っても、不信任の理由になると考えます。
 そもそも、外資規制違反に気づいた東北新社側の総務省に報告したとの証言と記憶にないとの答弁ほど事実認識が大きく食い違ったままの現状は、極めて異常です。どちらかが国会でうそをついているという異常な状況が続いている中でのこの発言の重大性は、極めて大きいと言わざるを得ません。
 当然、問題の本質は、放送行政、通信行政がゆがめられたのではないかという深刻な問題です。どちらも貴重で有限な電波などの配分について、国会審議の中でも幾つも疑念が生じています。
 昨年末に出た衛星放送の未来像に関するワーキンググループの報告書が、接待の前後で大きく方向が変わり、東北新社や衛星放送協会の要望どおり、本来民間同士の課題である衛星放送料金の低減に向け、総務省が関与するとの内容で取りまとめられました。
 二〇一八年の衛星電波の割当てでは、画質の悪い囲碁・将棋チャンネルより高画質のチャンネルが割当てから漏れました。
 そして、極めつけは、我が党の小西参議院議員が明らかにした東北新社の外資規制違反の問題です。
 外資規制自体も、外国勢力による放送の支配を許さないための極めて重要な規制です。この違反自体も深刻な問題ですし、一定の措置も取られたようですが、更に重大な問題は、総務省がこの事実を知りながら対応を怠った、いや、それどころか、子会社などを使った隠蔽工作に加担したのではないかとの疑惑が現在未解明なまま放置されているのが、我が国の総務、放送行政の実情です。
 大臣個人が関与し得た時期ではありませんが、こうした重大な疑惑に明確に答えられず、僅か非常勤のメンバー四人の検証委員会の、いつ終わるのか分からない調査待ちというのが、お寒い現状です。
 本来、大臣が先頭に立って調査を行うべきですが、もはや、武田大臣自身、これまで述べた国会での姿勢などから、こうした調査の陣頭指揮に立てるとは到底考えられません。大蔵省問題の際の三塚大臣を見習い、総務省の心機一転のためにも、一連の問題の責任を取ってお辞めになり、新しい体制をつくり、調査を進めるべきです。
 安倍政権、菅政権の問題は、問題や不祥事の発生そのものよりも、問題や不祥事が発生しても誰も責任を取らないことだと私は思っています。
 政治家も官僚も完璧な存在ではありません。誤りもあるし、不祥事も起こります。我々の先輩の多くも、御自身にとって不本意な場合であっても、問題の責任を取って職を辞する決断をしてきましたし、かつての自民党も、大蔵省事件の際の三塚大臣のように、御自身に直接の非はなくとも、監督責任を取って、組織の再生を図る決断をされる方が多くおられました。
 武田大臣自身がそうした判断をされない以上、国会がその意思を示すべきだと考えます。
 規制と利権の魔界である総務省を離れ、私も今は平議員としてお待ちしておりますので、長年所属された専門分野である安全保障委員会にいま一度戻られ、共に安全保障の議論をできることを心よりお待ちしております。
 以上が、総務大臣武田良太君不信任決議案の趣旨であります。
 各党各会派から、特に外資規制など経済安全保障について日頃勇ましい発言をされている議員の皆様など、お一人でも多くの御賛同をいただけることを心からお願いして、趣旨弁明を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    ―――――――――――――

#8
○議長(大島理森君) 討論の通告があります。順次これを許します。鈴木淳司君。
    〔鈴木淳司君登壇〕

#9
○鈴木淳司君 自由民主党の鈴木淳司です。
 私は、自由民主党・無所属の会及び公明党を代表して、ただいま議題となりました武田総務大臣に対する不信任決議案に対し、断固絶対反対の立場から討論を行います。(拍手)
 この度野党諸君から提出された決議案は、全くもって理不尽なものであり、ただのパフォーマンスにすぎません。野党諸君は、旧態依然とした日程闘争をコロナ禍にあるこのタイミングで行ったわけでありますが、国民の誰一人としてこのように無駄に時間が浪費されることを喜んでいないことに、どうして気がつかないのでありましょうか。
 今般、総務省の複数幹部が国家公務員倫理規程に違反する接待を受けていたことが判明し、行政の公正性、公平性に対する国民の疑念を生じさせている事態となったことは大変遺憾であり、一刻も早く信頼回復に努めてもらわなければなりません。
 この問題について、武田大臣は、当初からリーダーシップを発揮し、迅速かつ厳正な対応を取ってこられました。
 東北新社との会食に関わる事案については、直ちに国家公務員倫理法に基づき調査を開始し、二月二十四日には、幹部職員を含む十一名の処分等を行うとともに、武田大臣自ら大臣給与三か月分を自主返納することとしております。さらに、NTTとの会食について報道がなされると、その日のうちに新たな調査に着手し、引き続き真相究明を行っています。
 野党からは、こうした武田大臣の一連の対応に対し、虚偽答弁ではないか、責任を果たしていない、ごまかすよう部下に答弁指示したとの批判が行われてきましたが、いずれの批判も全く当たりません。
 武田大臣は、自身の会食について、大臣等規範を踏まえ、説明すべき点は説明し、国民の疑念を招くような行為はしていない旨を一貫して答弁してきており、虚偽との指摘は全く当たりません。
 また、調査を進めていく過程で、その時点その時点で把握し、確認できたことを前提にして国会において丁寧に説明を行ってきており、不十分な点があればしっかりそれを受け止め、誠実に対応しております。
 現在も、他に不適切な会食等倫理法令に反する事案がなかったか、検事経験のある弁護士の方にも参加いただき、常に第三者のチェックを受けながら徹底的な真相究明が進められているところであります。
 また、行政がゆがめられたのではないかとの疑念については、武田大臣は、既に三月十七日に情報通信行政検証委員会を立ち上げ、検証に着手をしております。この委員会は、検事経験のある弁護士の方が座長を務めるなど、全て第三者の有識者で構成されており、第一回会合では、総務省が客観的なエビデンスに基づいて証明できているか厳しく徹底して検証すべき、関係者に対しヒアリング調査等を行う必要がある等の討議がなされていると報告されています。
 政務三役や退職者についても、委員会として調査対象とする方向で進んでいると伺っており、国会に対しても、誠心誠意対応し、説明していく、その責任を全うすべきは、武田大臣をおいてほかにありません。
 なお、過去の衛星基幹放送の認定に対して外資規制違反の事実が判明したことについては、三月二十六日に、認定を取り消す旨の発表をしています。外資規制違反に関する総務省職員の認識に係る質疑の際の発言も、大臣自身、答弁指示の意図は毛頭なかったとのことであり、誤解があることにつながったことについては率直におわびをされております。
 以上のように、武田大臣は、国民の疑念を生じさせた事態に対して、自ら先頭に立って対応し、調査、検証を進めてきており、不信任とする理由は全くありません。
 武田大臣は、昨年九月に総務大臣に就任して以来、大臣自ら先頭に立って改革に取り組んでおります。
 例えば、携帯電話の料金については、各事業者から低廉な新料金プランが発表されるなど選択肢が広がりつつあります。また、デジタル庁の創設について、関係大臣と協力し、昨年末に基本方針を策定し、この方針に基づいて関連法案が今国会に提出され、現在審議中であり、着実に前に進めております。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響により地方税等が大幅な減少となる中、令和三年度地方財政計画において、一般財源総額、地方交付税総額共に前年度を上回る額を確保するなど、地方にしっかりと軸足を置いた政策が実現できる環境を整えております。
 さて、本日、四月一日は武田大臣の五十三回目の誕生日と伺っております。武田大臣には、心を新たに、引き続き、自ら先頭に立ち、総務省一丸となって、一連の事案の真相究明による信頼回復と改革に取り組み、是非とも総務省を立て直していただきたいと思います。
 以上、述べてまいりましたように、武田大臣の不信任を求める理由は全くありません。このことを重ねて申し上げ、良識ある衆議院の皆様に対し、このような決議案を断固として否決していただくことを強く求めまして、私の討論を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

#10
○議長(大島理森君) 岡島一正君。
    〔岡島一正君登壇〕

#11
○岡島一正君 立憲民主党・無所属の岡島一正です。
 私は、会派を代表しまして、ただいま議題となりました武田良太総務大臣不信任決議案に賛成の立場で討論いたします。(拍手)
 国会、行政を真っ当に変えるためです。
 冒頭、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々に心から哀悼の意を表します。また、闘病中の皆様にも心からお見舞いを申し上げます。
 そして、危険と隣り合わせで、過酷な状況、そこで日々奮闘されておられる医療・介護従事者、そして国民の皆様に、心より敬意と感謝を申し上げます。
 私は、国会議員として、国民に向けた決意を持って言葉を発します。今日もそうです。一方で、大臣は、国民に向けて、行政府の長としての責任を持って言葉を発するべきです。大臣の言葉は責任のあかしです。この点、武田大臣は、責任のない言葉で不誠実な答弁を繰り返してこられました。総務省の長たる大臣の任にあらず、不信任に値するものです。
 不信任案に賛成する第一の理由は、総務省接待問題について、武田総務大臣が極めて無責任な対応を押し通したことです。
 菅総理の長男、菅正剛氏が勤務する東北新社が総務省の幹部官僚への接待を行い、衛星放送事業の許認可や外資規制違反逃れなど、総務省が東北新社への便宜供与を図った疑いは否定できないままです。
 武田総務大臣は、この疑惑に、放送行政がゆがめられた可能性は全くないと否定し続けていますが、総務省内とはいえ、第三者委員会ではそれをいまだ調査中で、結果も出ていません。ゆがめられた可能性は全くないと担当大臣が断言するのは、第三者委員会の存在をおざなりと告白したのも同然です。武田大臣の対応は、結論ありき、極めて後ろ向き、無責任です。
 接待を受けた官僚を慌てて処分、異動させたものの、それは、大蔵省の官官接待以来の接待官僚の大量処分という醜態です。これこそ行政のゆがみのあかしです。それを否定する武田大臣は、無責任と言わざるを得ません。
 第二の理由は、総務省接待問題質疑で、総務省の鈴木信也電波部長に、記憶がないと言えと聞こえる指示をしたことです。
 三月十六日の衆議院予算委員会での東北新社の外資規制違反をめぐる逢坂誠二委員の質問で、鈴木部長が答弁に立つ際、閣僚席から武田大臣が、記憶がないと言えと発言したとする問題がありました。三月十八日の衆議院総務委員会では、山花郁夫議員が、大臣が記憶がないと言えと指示したのかとただしたところ、口に出たかもしれないとしつつ、答弁を指示する意図は全くないとして、発言を認めた一方で、答弁指示の意図は否定しましたが、三月十九日の参議院予算委員会では、誤解を与えたのであれば申し訳ないと謝罪。なぜか無意識で出たんでしょうなどと、要領を得ない答弁に終始しました。
 大臣は、部下に対するこの発言が指示でないと言いつつ、国民に対して、責任ある言葉での説明を一切行っていません。
 第三の理由は、自らの会食の有無についても、国民をはぐらかす無責任な言葉で、不誠実な国会答弁を繰り返したことです。
 NTTによる総務大臣経験者ら政治家の接待について、会食の有無をただされた武田大臣は、会食の場を認める三月十八日までの一週間、その間、国民の疑念を抱くような会食や会合に応じることはないと衆参で三十回ほども繰り返してきました。さすがに、余りつき合いがないので黙っていたという麻生財務大臣すら、何回も同じことを言っている、テレビで見ていたらどんなふうに取られるのかと苦言を呈したほどです。
 武田大臣は、身に覚えがあったのか、週刊文春による発覚に備えて、疑念を招く会食と、会食の定義をくくる逃げの言葉を用意して繰り返していたのです。
 その後、週刊文春の報道が出ると、昨年十一月に、電気通信事業者であるJR東海が招待し、NTTやドコモが同席した場を認めましたが、今度は、食事は注文せず、ビール二、三杯程度をいただいた後、退席した、費用として一万円を支払った、同席はしたが、食事は食べなかったので、会食ではないと言い張りました。しかも、武田大臣は、出席者から特定の許認可に関する要望や依頼を受けていないと強弁し、関係業者からの供応接待を禁じる大臣規範に抵触しないと主張しました。
 誤解を生んだのであれば申し訳ないと言いましたが、そもそも、国民に生まれたのは、誤解ではなく、疑念です。疑念かどうか、大臣規範に抵触するかどうか、それを受け止める、判断するのは国民であり、大臣ではありません。
 昨年十二月二十一日の「ドコモ「異次元値下げ」に至る舞台裏」というダイヤモンド・オンラインのインタビューで、武田大臣は、自身が料金値下げに取り組む中で、携帯事業者の人にむしろ会うべきではないと思いました、私は、方向性を示した後、料金引下げに関することでは一切会っていません、というのは、決断が鈍るからです、人間っていうのは、思い切ったことをするときには相手と会っちゃいかぬのです、情も芽生えるし、そこのところはフェアにやっていますと語っています。
 昨年十一月十一日、NTTがドコモを完全子会社化するための株式公開買い付けをしていた時期に大臣が会っていた、そのNTTは利害関係者、ドコモは携帯事業者。会っているじゃないですか。そのうちの誰かに情が芽生えて決断が鈍って、何らかの要望を認めたのではないですか。会っているではないですか。インタビューの自分の言葉に責任がないのではありませんか。
 武田大臣は、二〇一八年九月、雑誌「経済界」でのインタビューでは、政治家が絶対忘れてはならないのは、声の大きい人、利益団体ばかりの声を聞いて、大局を見失うことを一番恐れていなくちゃならぬと語っています。
 利益団体の話を聞いて大局を見失ってはならないという信条ならば、NTTなど関係業者という利益団体と不適切な時期に会食の場を共にした武田大臣は、直ちに大臣の職を辞するべきです。大臣の言葉は、国民への責任のあかしなのですから。
 武田大臣には昨年も不信任決議案を出しましたが、今国会での答弁は、更に無責任な言葉に満ちています。
 三月二十二日、衆議院の総務委員会、私は武田大臣に、大臣規範だけではなく個々の政治家の倫理の問題としても、関係業者のNTTが株式公開買い付けをしている最中に、利害関係者であるJR東海、ドコモ、NTT、その最高幹部と食事の場を共にする、その場に行くこと自体が倫理的に問題ではないかとただしました。大臣は、それは利害関係者と認識した上で、自らが倫理観と節度を持って判断することだ、それはあり得ると答えました。
 大臣、国民そして国民の代表たる議員の常識では、利害関係者との飲食を伴う場に行かないのが真っ当な倫理観と節度です。大臣規範に関しても、それは、大臣個々の判断で違ってはならないから共通の規範があるんです。
 私は、この大臣の発言にがっかりしました。大臣、その場しのぎの詭弁で保身に走る答弁をされるのかと、残念でした。
 大臣、残念ながら、国民に対して大臣としての責任のあかしのない言葉に終始した大臣の下での総務行政の再生は、望むべくもありません。あなたは、不信任です。

#12
○議長(大島理森君) 岡島君、時間が過ぎております。

#13
○岡島一正君(続) 以上で私の討論を終わります。(拍手)

#14
○議長(大島理森君) 本村伸子君。
    〔本村伸子君登壇〕

#15
○本村伸子君 私は、日本共産党を代表して、武田良太総務大臣に対する不信任決議案に賛成の討論を行います。(拍手)
 不信任に賛成する理由の第一は、武田総務大臣が一連の総務省接待疑惑の真相解明に後ろ向きの姿勢を取っているからです。
 総務省幹部が組織ぐるみで菅総理の長男が勤務する東北新社やNTTからの違法な接待漬けとなっていたことは、国家公務員倫理法に違反するだけではなく、特定企業と癒着し行政をゆがめる贈収賄疑惑にほかなりません。疑惑の真相解明によって行政や政治への信頼回復を図ることは、一刻の猶予も許されません。
 ところが、武田大臣は、二月十六日、衆議院本会議で、総務省官僚と衛星放送事業者の癒着、菅総理が総務大臣当時、自ら大臣秘書官に任命した長男が関与していた問題の徹底解明、真相究明を行うべきという私の質問に、「総務省においては、関係法令に基づいて、適切に業務執行を行っており、本事案により放送行政がゆがめられたということは全くありません。」と強弁いたしました。きちんとした調査も行わない段階での断言です。
 その後の追及に、現段階ではという文言を加え、言い繕い、いまだに国会に資料を提出せず、不誠実な態度を取ってきました。
 事実は、その後の経過が示すとおりです。
 総務省の放送行政に関わる幹部官僚が軒並み利害関係者である東北新社と会食を重ねていたことが明らかになり、谷脇総務審議官や山田広報官の事実上の更迭に至りました。
 さらに、接待の背景には、衛星放送の周波数割当てや放送事業者認定をめぐる疑惑などがあり、東北新社の外資規制違反まで明らかになりました。
 さらに、政府出資会社であるNTTが、総務審議官などの官僚だけではなく、歴代総務大臣、政務三役にまで接待をしてきたことは深刻です。菅総理の肝煎りで推進するデジタル化や携帯電話料金問題との関係など、真実を明らかにするべきです。
 一連の疑惑の真相解明に後ろ向きの姿勢を取ってきた武田大臣は、大臣を続けるべきではありません。
 第二に、武田総務大臣が、総務省のトップとしての責任を取ろうとしていないばかりか、疑惑の当事者となっているからです。
 底知れない違法接待の横行と、その下で放送・通信行政がゆがめられていた責任は、官僚の更迭で済まされるものではありません。
 しかも、武田大臣自身がNTTと会食をしていた事実を隠し続けてきたことは、言語道断です。
 大臣が接待を受けた昨年十一月以降、NTTのドコモ完全子会社化、ビヨンド5G研究開発促進のための基金創設などを行った情報通信研究機構法の改定、通信事業をめぐる業界、行政の大きな動きがあり、こうした動きに影響があったのか、国民の疑惑に一切答えようとしていません。
 再三の野党の追及に、国民の疑念を招く会食や会合に応じたことはないと具体的な答弁を避け続け、週刊誌報道を受けて、一転、NTTとの会食を認めました。
 しかし、その説明は、JR東海の葛西名誉会長と私以外の出席者は存じ上げておりません、中座する前提でお酒のみをいただき、食事はいたしておりません、応分の負担を行っておりますとしましたが、案内の内容や応分の負担について、客観的に示す資料は何一つ提示されておりません。
 接待ではない会食などと言うだけの武田大臣の姿勢は、大臣の資質を欠くものと言わなければなりません。
 最後に、この間、総務省にとどまらず、農林水産省贈収賄事件、文部科学省の接待問題など、各省で関連業界、特定企業との癒着の横行が明らかになっています。これは、モリ、カケ、桜など、行政を私物化してきた安倍総理と菅総理の二代の政権にわたる官邸主導の強権的な霞が関支配と無関係ではありません。
 菅政権そのものの責任が厳しく問われていることを指摘し、武田良太総務大臣の不信任決議案に賛成の討論といたします。(拍手)

#16
○議長(大島理森君) これにて討論は終局いたしました。
 ただいまから十分後に記名投票をもって採決いたしますので、しばらくお待ちください。
    ―――――――――――――

#17
○議長(大島理森君) 総務大臣武田良太君不信任決議案について採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行います。
 本決議案に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。
 なお、今回の投票につきましては、順次間隔を空けて登壇していただくため、通常より時間をかけて氏名点呼を行わせます。――議場閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕

#18
○議長(大島理森君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。
 投票を計算させます。
    〔参事投票を計算〕

#19
○議長(大島理森君) 投票の結果を事務総長から報告させます。
    〔事務総長報告〕
 投票総数 四百五十二
  可とする者(白票)        百三十
  否とする者(青票)      三百二十一
  ほかに無効              一

#20
○議長(大島理森君) 右の結果、総務大臣武田良太君不信任決議案は否決されました。(拍手)
    ―――――――――――――
安住淳君外四名提出総務大臣武田良太君不信任決議案を可とする議員の氏名
安住   淳君   阿久津 幸彦君   阿部  知子君   青柳 陽一郎君
青山  大人君   荒井   聰君   伊藤  俊輔君   池田  真紀君
石川  香織君   泉   健太君   稲富  修二君   今井  雅人君
生方  幸夫君   江田  憲司君   枝野  幸男君   小川  淳也君
小熊  慎司君   小沢  一郎君   尾辻 かな子君   大串  博志君
大島   敦君   大西  健介君   逢坂  誠二君   岡島  一正君
岡田  克也君   岡本 あき子君   岡本  充功君   奥野 総一郎君
落合  貴之君   海江田 万里君   金子  恵美君   神谷   裕君
亀井 亜紀子君   川内  博史君   菅   直人君   吉良  州司君
城井   崇君   菊田 真紀子君   黒岩  宇洋君   玄葉 光一郎君
源馬 謙太郎君   小宮山 泰子君   後藤  祐一君   近藤  和也君
近藤  昭一君   佐々木 隆博君   佐藤  公治君   斉木  武志君
櫻井   周君   重徳  和彦君   階    猛君   篠原   豪君
篠原   孝君   下条  みつ君   白石  洋一君   末松  義規君
関  健一郎君   田嶋   要君   高木 錬太郎君   武内  則男君
津村  啓介君   辻元  清美君   手塚  仁雄君   寺田   学君
中川  正春君   中島  克仁君   中谷  一馬君   中村 喜四郎君
長尾  秀樹君   長妻   昭君   西村 智奈美君   野田  佳彦君
長谷川 嘉一君   原口  一博君   日吉  雄太君   平野  博文君
広田   一君   福田  昭夫君   古本 伸一郎君   堀越  啓仁君
本多  平直君   馬淵  澄夫君   牧   義夫君   松尾  明弘君
松田   功君   松平  浩一君   松原   仁君   道下  大樹君
緑川  貴士君   宮川   伸君   村上  史好君   森田  俊和君
森山  浩行君   矢上  雅義君   谷田川  元君   屋良  朝博君
山内  康一君   山岡  達丸君   山川 百合子君   山崎   誠君
山井  和則君   山花  郁夫君   山本 和嘉子君   柚木  道義君
横光  克彦君   吉川   元君   吉田  統彦君   笠   浩史君
早稲田 夕季君   渡辺   周君   赤嶺  政賢君   笠井   亮君
穀田  恵二君   志位  和夫君   清水  忠史君   塩川  鉄也君
田村  貴昭君   高橋 千鶴子君   畑野  君枝君   藤野  保史君
宮本   徹君   本村  伸子君   浅野   哲君   高井  崇志君
玉木 雄一郎君   西岡  秀子君   古川  元久君   前原  誠司君
山尾 志桜里君   赤松  広隆君
否とする議員の氏名
あかま 二郎君   あべ  俊子君   安倍  晋三君   逢沢  一郎君
青山  周平君   赤澤  亮正君   秋葉  賢也君   秋本  真利君
麻生  太郎君   畦元  将吾君   穴見  陽一君   甘利   明君
安藤  高夫君   安藤   裕君   井出  庸生君   井野  俊郎君
井上  信治君   井上  貴博君   井林  辰憲君   伊東  良孝君
伊藤 信太郎君   伊藤  忠彦君   伊藤  達也君   伊吹  文明君
池田  道孝君   池田  佳隆君   石川  昭政君   石田  真敏君
石破   茂君   石原  伸晃君   石原  宏高君   泉田  裕彦君
稲田  朋美君   今枝 宗一郎君   今村  雅弘君   岩田  和親君
岩屋   毅君   うえの賢一郎君   上杉 謙太郎君   上野  宏史君
江崎  鐵磨君   江渡  聡徳君   江藤   拓君   衛藤 征士郎君
遠藤  利明君   小倉  將信君   小此木 八郎君   小里  泰弘君
小田原  潔君   小野寺 五典君   小渕  優子君   尾身  朝子君
越智  隆雄君   大岡  敏孝君   大串  正樹君   大隈  和英君
大塚   拓君   大西  英男君   大西  宏幸君   大野 敬太郎君
岡下  昌平君   奥野  信亮君   鬼木   誠君   加藤  鮎子君
加藤  勝信君   加藤  寛治君   梶山  弘志君   勝俣  孝明君
門   博文君   門山  宏哲君   金子  俊平君   金子 万寿夫君
金子  恭之君   金田  勝年君   上川  陽子君   神谷   昇君
神山  佐市君   亀岡  偉民君   鴨下  一郎君   川崎  二郎君
河村  建夫君   神田  憲次君   神田   裕君   菅家  一郎君
木原  誠二君   木原   稔君   木村  次郎君   木村  哲也君
木村  弥生君   城内   実君   黄川田 仁志君   岸   信夫君
岸田  文雄君   北村  誠吾君   工藤  彰三君   国光 あやの君
熊田  裕通君   小泉 進次郎君   小泉  龍司君   小島  敏文君
小寺  裕雄君   小林  茂樹君   小林  鷹之君   小林  史明君
古賀   篤君   後藤  茂之君   後藤田 正純君   河野  太郎君
高村  正大君   國場 幸之助君   左藤   章君   佐々木  紀君
佐藤  明男君   佐藤   勉君   佐藤 ゆかり君   齋藤   健君
斎藤  洋明君   坂井   学君   坂本  哲志君   櫻田  義孝君
笹川  博義君   塩崎  恭久君   塩谷   立君   繁本   護君
柴山  昌彦君   下村  博文君   新谷  正義君   新藤  義孝君
菅   義偉君   菅原  一秀君   杉田  水脈君   鈴木  馨祐君
鈴木  俊一君   鈴木  淳司君   鈴木  貴子君   鈴木  憲和君
鈴木  隼人君   関   芳弘君   薗浦 健太郎君   田所  嘉徳君
田中  和徳君   田中  英之君   田中  良生君   田畑  裕明君
田村  憲久君   平   将明君   高市  早苗君   高木   啓君
高木   毅君   高鳥  修一君   高橋 ひなこ君   竹下   亘君
竹本  直一君   武井  俊輔君   武田  良太君   武部   新君
武村  展英君   橘  慶一郎君   棚橋  泰文君   谷   公一君
谷川  とむ君   谷川  弥一君   津島   淳君   辻   清人君
土屋  品子君   出畑   実君   寺田   稔君   とかしきなおみ君
冨樫  博之君   渡海 紀三朗君   土井   亨君   冨岡   勉君
中曽根 康隆君   中谷   元君   中谷  真一君   中根  一幸君
中村  裕之君   中山  展宏君   中山  泰秀君   永岡  桂子君
長尾   敬君   長坂  康正君   長島  昭久君   二階  俊博君
丹羽  秀樹君   西田  昭二君   西村  明宏君   西村  康稔君
西銘 恒三郎君   根本   匠君   根本  幸典君   野田  聖子君
野田   毅君   野中   厚君   葉梨  康弘君   萩生田 光一君
橋本   岳君   馳    浩君   鳩山  二郎君   浜田  靖一君
林   幹雄君   原田  憲治君   原田  義昭君   百武  公親君
平井  卓也君   平口   洋君   平沢  勝栄君   深澤  陽一君
福井   照君   福田  達夫君   福山   守君   藤井 比早之君
藤丸   敏君   藤原   崇君   船田   元君   船橋  利実君
古川   康君   古川  禎久君   古田  圭一君   古屋  圭司君
穂坂   泰君   星野  剛士君   細田  健一君   細田  博之君
細野  豪志君   堀井   学君   堀内  詔子君   本田  太郎君
牧島 かれん君   牧原  秀樹君   松島 みどり君   松野  博一君
松本  剛明君   松本  文明君   松本  洋平君   三谷  英弘君
三ッ林 裕巳君   三ッ矢 憲生君   三原  朝彦君   御法川 信英君
宮内  秀樹君   宮腰  光寛君   宮崎  政久君   宮澤  博行君
宮路  拓馬君   宮下  一郎君   武藤  容治君   務台  俊介君
宗清  皇一君   村井  英樹君   村上 誠一郎君   茂木  敏充君
盛山  正仁君   森山   裕君   八木  哲也君   簗   和生君
山際 大志郎君   山口  俊一君   山口  泰明君   山口   壯君
山下  貴司君   山田  賢司君   山田  美樹君   山本  幸三君
山本   拓君   山本ともひろ君   山本  有二君   吉川   赳君
吉野  正芳君   義家  弘介君   和田  義明君   若宮  健嗣君
鷲尾 英一郎君   渡辺  孝一君   渡辺  博道君   赤羽  一嘉君
井上  義久君   伊佐  進一君   伊藤   渉君   石井  啓一君
石田  祝稔君   稲津   久君   浮島  智子君   江田  康幸君
大口  善徳君   太田  昭宏君   太田  昌孝君   岡本  三成君
北側  一雄君   國重   徹君   佐藤  茂樹君   佐藤  英道君
斉藤  鉄夫君   高木 美智代君   高木  陽介君   竹内   譲君
富田  茂之君   中野  洋昌君   浜地  雅一君   濱村   進君
古屋  範子君   桝屋  敬悟君   吉田  宣弘君   鰐淵  洋子君
足立  康史君   青山  雅幸君   井上  英孝君   浦野  靖人君
遠藤   敬君   串田  誠一君   杉本  和巳君   馬場  伸幸君
藤田  文武君   美延  映夫君   森   夏枝君   石崎   徹君
大塚  高司君   白須賀 貴樹君   田野瀬 太道君   松本   純君
丸山  穂高君
無効                   一
     ――――◇―――――
 議員辞職の件

#21
○議長(大島理森君) 去る三月二十五日、議員河井克行君から、今般、一身上の都合により衆議院議員を辞職いたしたく御許可願いたい旨の辞表が提出されております。
    ―――――――――――――
    辞職願
  今般 一身上の都合により衆議院議員を辞職いたしたく御許可願います。
   令和三年三月二十五日
          衆議院議員 河井 克行
  衆議院議長 大島 理森殿
    ―――――――――――――

#22
○議長(大島理森君) これにつきお諮りいたしたいと思います。
 河井克行君の辞職を許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#23
○議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、辞職を許可することに決まりました。
     ――――◇―――――
 人事官任命につき同意を求めるの件
 食品安全委員会委員任命につき同意を求めるの件
 預金保険機構理事任命につき同意を求めるの件
 国地方係争処理委員会委員任命につき同意を求めるの件
 公害等調整委員会委員任命につき同意を求めるの件
 日本銀行政策委員会審議委員任命につき同意を求めるの件
 労働保険審査会委員任命につき同意を求めるの件
 中央社会保険医療協議会公益委員任命につき同意を求めるの件
 運輸審議会委員任命につき同意を求めるの件

#24
○議長(大島理森君) お諮りいたします。
 内閣から、
 人事官
 食品安全委員会委員
 預金保険機構理事
 国地方係争処理委員会委員
 公害等調整委員会委員
 日本銀行政策委員会審議委員
 労働保険審査会委員
 中央社会保険医療協議会公益委員
及び
 運輸審議会委員に
次の諸君を任命することについて、それぞれ本院の同意を得たいとの申出があります。
 内閣からの申出中、
 まず、
 人事官に川本裕子君を、
 食品安全委員会委員に脇昌子君、川西徹君、浅野哲君、伊藤充君及び香西みどり君を、
 預金保険機構理事に大塚英充君及び福田正信君を、
 国地方係争処理委員会委員に菊池洋一君、山田俊雄君、小高咲君及び勢一智子君を、
 公害等調整委員会委員に若生俊彦君及び大橋洋一君を、
 労働保険審査会委員に植木敬介君を、
 中央社会保険医療協議会公益委員に秋山美紀君及び飯塚敏晃君を
任命することについて、申出のとおり同意を与えるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#25
○議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。
 次に、
 食品安全委員会委員に高原和紀君を
任命することについて、申出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

#26
○議長(大島理森君) 起立多数。よって、同意を与えることに決まりました。
 次に、
 国地方係争処理委員会委員に辻琢也君を、
 日本銀行政策委員会審議委員に中川順子君を、
 運輸審議会委員に和田貴志君を
任命することについて、申出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

#27
○議長(大島理森君) 起立多数。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。
     ――――◇―――――
 日程第一 民法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律案(内閣提出)

#28
○議長(大島理森君) 日程第一、民法等の一部を改正する法律案、日程第二、相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。法務委員長義家弘介君。
    ―――――――――――――
 民法等の一部を改正する法律案及び同報告書
 相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔義家弘介君登壇〕

#29
○義家弘介君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、法務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、民法等の一部を改正する法律案は、所有者不明土地の増加等の社会経済情勢の変化に鑑み、所有者不明土地の発生を防止するとともに、土地の適正な利用及び相続による権利の承継の一層の円滑化を図るため、相隣関係並びに共有物の利用及び管理に関する規定の整備、所有者不明土地管理命令等の制度の創設並びに具体的相続分による遺産分割を求めることができる期間の制限等に関する規定の整備を行うとともに、相続等による所有権の移転の登記の申請を相続人に義務づける規定の創設等の措置を講じようとするものであります。
 次に、相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律案は、社会経済情勢の変化に伴い所有者不明土地が増加していることに鑑み、相続等による所有者不明土地の発生の抑制を図るため、相続等により土地の所有権を取得した者が、法務大臣の承認を受けてその土地の所有権を国庫に帰属させることができる制度を創設しようとするものであります。
 両案は、去る三月十六日本委員会に付託され、翌十七日上川法務大臣から趣旨の説明を聴取し、十九日に質疑に入り、同日参考人から意見を聴取いたしました。三十日、質疑を終局し、採決の結果、いずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、両案に対し附帯決議が付されたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――

#30
○議長(大島理森君) 両案を一括して採決いたします。
 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#31
○議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
    〔議長退席、副議長着席〕
     ――――◇―――――
 子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明

#32
○副議長(赤松広隆君) この際、内閣提出、子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。国務大臣坂本哲志君。
    〔国務大臣坂本哲志君登壇〕

#33
○国務大臣(坂本哲志君) ただいま議題となりました子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 政府においては、全ての世代の方々が安心できる社会保障制度を構築するための改革を進めており、長年の課題である少子化対策を推進する一環として、待機児童の解消に向け、全世代型社会保障改革の方針に沿い、増大する保育の需要等に対応し、新子育て安心プランの実現を図るとともに、子ども・子育て支援の効果的な実施を図る必要があります。
 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、地域子ども・子育て支援事業その他の子ども・子育て支援を行う関係機関相互の連携の推進に関する事項を市町村子ども・子育て支援事業計画において定めるよう努めるべきこととしております。
 第二に、特定教育・保育施設に係る施設型給付費等の費用のうち満三歳未満児相当分について、事業主拠出金をもって充てることができる割合の上限を五分の一に変更することとしております。
 第三に、政府は、令和九年三月三十一日までの間、雇用する労働者の子育ての支援に積極的に取り組んでいると認められる事業主に対して助成及び援助を行う事業ができることとしております。
 第四に、児童手当が支給されない者のうちその所得が一定額未満のものに限り特例給付を支給することとする措置を講ずることとしております。
 最後に、この法律案は、一部の規定を除き、令和四年四月一日から施行することとしており、これに伴う必要な経過措置について定めるとともに、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の趣旨であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

#34
○副議長(赤松広隆君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。大西健介君。
    〔大西健介君登壇〕

#35
○大西健介君 立憲民主党・無所属の大西健介です。
 私は、会派を代表し、また、立憲民主党子ども・子育てプロジェクトチームの座長として、ただいま議題となりました法律案について質問いたします。(拍手)
 安倍前総理は、我が国の少子化を、国難とも言える状況と言い、二〇一七年九月には、急速に進む少子高齢化克服を理由の一つとして、いわゆる国難突破解散を行いました。
 菅総理は、内閣発足に当たり、安倍政権の継承が私の使命と述べました。
 そこで、少子化は国難であるという考え方は菅政権においても引き継がれているのか、また、それを理由にして解散・総選挙まで行った結果、少子化は克服に向かっているのかについて、まず、坂本大臣に伺います。
 足下では、新型コロナウイルスの感染拡大によって、結婚や妊娠、出産を控える動きが広がっています。少子化が一層進むことが懸念をされています。出生数が二〇一九年に初めて九十万人を割り、八十六万ショックと言われましたが、このままでは八十万人割れする可能性があるとの見方が出ています。
 政府は、新型コロナウイルスの感染拡大が婚姻数や出生数に与える影響をどう見ているのか、厚労大臣に伺います。
 新型コロナウイルスの感染拡大は、出生数の減少だけではなく、子供のいる世帯の収入にも影響を与えています。そのような状況の中、なぜ今このタイミングで子育て世代の負担増となる児童手当削減を強行するのでしょうか。
 今は子育て世帯を国が全力で応援するときなのに、ここで児童手当を削減することは、子育て世帯に対して、国は子育てに冷たいというメッセージとなり、子供を持つこと自体や、二人目、三人目を諦めることにつながりかねないと思いますが、坂本大臣、いかがですか。
 我が国の家族関係社会支出は先進国の中で最も低い水準であり、その水準を大幅に引き上げるべきです。政府は児童手当を削って待機児童対策に充てるとしていますが、これは、兄のお小遣いを減らして弟に回しているようなもので、同じ子育て予算の中でのやりくりではなく、他の先進国に比べて少ないと言われている子育て予算全体を増やすべきだと考えますが、坂本大臣、いかがですか。
 また、菅総理は、常々、省庁縦割り打破ということを言われています。待機児童対策に必要な予算を同じ子育て予算の中でやりくりすることは、この菅政権の方針に反するものではありませんか。坂本大臣に伺います。
 子ども・子育て政策は多くの省庁にまたがっており、見事に省庁縦割りとなっています。そこで、民主党政権では、子供政策、家庭政策を一元的に立案、遂行する独立の省である子ども家庭省の創設を目指しましたが、東日本大震災の発生などもあり、実現には至らず、内閣府に現在の子ども・子育て本部ができました。
 一方、最近になって、自民党の若手議員有志が子供関連政策を一元的に所管する子ども庁創設を求める提言をまとめたと聞きました。
 私どもがずっと以前から言ってきたことであり、本当にやる気があるなら、是非、私たちも協力して、一緒に実現したいと思います。菅政権として、子供関連政策を一元的に所管する独立の省庁をつくるつもりが本当にあるのか、加藤官房長官にお尋ねします。
 今回、特例給付をもらえなくなる六十一万人の方々は、所得制限で、既に高校授業料無償化や給付型奨学金など多くの子育て支援を受けられておらず、児童手当の特例給付が唯一受けることができる子育て支援給付となっています。特例給付をもらえなくなる方々からは、頑張って稼いで高い税金や保険料を納めているのに、児童手当の特例給付まで取り上げるのは子育て罰の厳罰化だと声が上がっていますが、坂本大臣はどう思われますか。
 児童手当法は、第一条で、家庭等における生活の安定に寄与することを目的としており、一般家庭を広く対象として、児童の養育に伴う家計の経済的負担を社会全体で分担することを狙いとしています。特例給付に所得制限を設けることは、この法の目的に反するおそれがあります。
 私たちは、社会全体で子供の育ちを支えるという考え方に立ち、親の年収にかかわらず、全ての子供に対して児童手当を給付すべきと考えますが、坂本大臣、いかがですか。
 また、同じ子育て支援であっても、政府は、不妊治療支援や幼児教育の無償化には所得制限を設けていません。その理由も併せて教えてください。
 政府は、年収一千二百五十万円以上の世帯では保有する金融資産の額が大きいとしていますが、それを言うなら、金融資産に課税して、そちらから取ればよいのではないでしょうか。
 コロナ禍で所得が激減している世帯がある一方で、株価の高騰により富裕層も増えています。野村総研の調査によれば、純金融資産保有額一億円以上の富裕層と五億円以上の超富裕層の世帯数、保有資産額は、いずれも、アベノミクスが始まった二〇一三年度以降一貫して増加しています。そして、全世帯数の二・五%の富裕層、超富裕層が全体の二一・四%の資産を保有しています。
 子供に関係ない親の年収や金融資産を理由に児童手当を削減する代わりに、アベノミクスの恩恵を受けた方々に負担をお願いすることについて、少子化の原因の一番は、産んだら大変とばかり言うからとの持論をお持ちの麻生財務大臣のお考えをお聞きします。
 本法律案には検討規定が置かれているとともに、昨年十二月十五日の全世代型社会保障改革の閣議決定には、児童手当について「世帯合算導入が必要との指摘も含め、財源確保の具体的方策と併せて、引き続き検討する。」と書かれています。
 今回、世帯合算の導入は見送られましたが、今後も世帯合算を導入する可能性があるのかどうなのか、また、検討はいつまでに行うのか、坂本大臣に確認します。
 年収一千二百万円以上の者への特例給付の不支給を前提に、世帯合算が導入されると、夫七百万、妻五百万でも所得制限にひっかかることになります。これが果たして高額所得と言えるのでしょうか。
 子供がいる世帯の約六割が共働き世帯であることを考えれば、世帯合算の導入は、共働き世帯の負担増や女性の就労意欲をそぐことにつながるおそれがあり、子育て世帯間に新たな分断を生むことになると考えますが、坂本大臣、いかがですか。
 この度、約六十一万人の子供に対する特例給付を廃止することにより得られる財源効果は約三百七十億円ですが、児童手当システム改修等に要する経費として、令和三年度予算には約二百八十九億円が計上されています。約三百七十億円の財源を捻出するのに約二百八十九億円をかけるのは、余りに不均衡で、特例給付をもらえなくなる人々の理解は得られないと思いますが、坂本大臣、いかがですか。また、なぜこれだけ多額のシステム改修費用がかかるのかについて、併せて御説明願います。
 政府は、特例給付を一部廃止することで得られる財源を待機児童対策に充てることとしています。一方、政府の待機児童ゼロ目標は、当初、安倍政権下の二〇一三年度に五年での達成を掲げていましたが、計画最後の二〇一七年度に目標を三年先送りし、二〇二〇年度末を期限としていました。
 期限の二〇二〇年度末は昨日過ぎましたけれども、目標は達成できたのでしょうか。達成できていない場合は、その反省とともに、新たな目標達成期限をこの場でお約束していただきたいと思いますが、厚労大臣、いかがでしょうか。
 待機児童を解消するためには、保育士の確保が大きな課題ですが、政府は、待機児童解消のために、あと何人の保育士を確保する必要があると考えているのか、坂本大臣に伺います。
 保育士確保には、処遇改善が不可欠です。私たち野党は、二〇一八年に、保育士等の賃金を月額五万円引き上げる法案を提出しましたが、たなざらしになっています。私たちの提案に賛同していただけないなら、具体的にどのような処遇改善策を考えているのか、坂本大臣からお示しください。
 また、保育士の人件費については、委託費の使途の弾力運用が認められており、これでは処遇改善を行おうとしても、穴の空いたバケツに水を注ぐようなものです。委託費の弾力運用に厳しい歯止めをかけるべきと思いますが、坂本大臣、いかがですか。
 子ども・子育て支援施設で働く方々は、多数の子供と接触する環境の中、新型コロナウイルスに感染するリスクにさらされながら、子供たちに感染させないように細心の注意を払い生活し、働いておられます。新型コロナウイルスとの戦いも一年以上続いており、疲労やストレスもピークに達しています。
 立憲民主党は、医療従事者等に加え、子ども・子育て支援施設で働く方々に対しても慰労金を支給する内容の法案を提出しています。子ども・子育て支援施設に勤務して利用者と接する方々に対し慰労金を支給する必要性について、厚労大臣の見解を伺います。
 新型コロナウイルスの感染拡大により影響を受けた子育て世帯を支援するため、政府は、二度にわたり、ひとり親世帯臨時給付金を支給しましたが、生活が厳しい二人親家庭は支援の対象外でした。
 私たち野党が二人親家庭も対象に低所得者の子育て家庭に給付金を支給する法案を提出したところ、政府も、ようやく、二人親家庭を含む低所得の子育て家庭に対し、子供一人当たり五万円を支給することとなりました。
 これに対し、当事者や支援団体からは、感謝の声とともに、給付金は一時的なものであり、低所得の二人親家庭に対する恒常的な支援を望む声がありますが、厚労大臣の見解を伺います。
 事業主拠出金の率は、二〇一五年度の子ども・子育て支援制度創設当初は〇・一五%でしたが、累次にわたる引上げの結果、現在は〇・三六%となっています。
 事業主拠出金は、最低賃金引上げや社会保険料の負担増が続いている中で、業績のよしあしに関係なく全ての企業を対象に厚生年金とともに徴収されており、コロナ禍の極めて厳しい経済状況の中での料率引上げには、特に中小企業の反対意見があります。
 現在、事業主拠出金の率は、企業規模、業種、地域等に関係なく一律となっていますが、その理由はなぜか、また、差異を設ける考えはあるのか、坂本大臣に伺います。
 最後に、よりによって、感染予防を呼びかける立場の厚労省の職員が、国民に自粛を強いておきながら、自分たちは大人数で、時短要請を守らず、深夜までマスクを外して送別会を行っていたことには、開いた口が塞がらず、国民の皆様に深くおわびをしなければならないと思います。
 予約は、緊急事態宣言の解除前に、わざわざ午後十一時まで営業している店を探して行われており、十数人は営業終了後も午前零時近くまで居座るなど、極めて悪質です。
 我慢を強いられている国民のコロナ疲れも限界に達しつつある中、緊急事態宣言下での与党議員の銀座クラブ通いに続き、これでは、政府のお願いを国民が聞いてくれなくなり、緊急事態宣言解除後のリバウンドの兆候がある中、第四波を防ぐための政府の対策にも影響が出るのは必至です。軽率だったでは済まないと思いますが、改めて厚労大臣の見解を伺います。
 国民が国を信じることができない状態では、国民は安心して子供を産み育てることはできません。それこそが国難であり、それを克服する道は政権交代しかないということを申し上げ、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣坂本哲志君登壇〕

#36
○国務大臣(坂本哲志君) 大西健介議員の御質問にお答えいたします。
 少子化に対する認識についてお尋ねがありました。
 我が国の少子化の進行は深刻さを増しています。少子化の背景にある個々人の結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む隘路の打破に強力に取り組むことが重要です。
 政府では、これまでも、幼児教育、保育の無償化、高等教育の修学支援など、子育て世帯全体の支援を充実させてきたところです。
 菅政権においては、安倍政権の取組を継承し、長年の課題である少子化対策を大きく前に進めていくこととしております。
 引き続き、少子化社会対策大綱等に基づき、安定的な財源を確保しつつ、ライフステージに応じた総合的な少子化対策に大胆に取り組むことで、少子化という国民共通の困難に真正面から立ち向かってまいります。
 子育て世帯に対するメッセージについてお尋ねがありました。
 子育て世帯に対する支援としては、これまでも、幼児教育、保育の無償化などを行っており、さらに、不妊治療助成の拡充や、十四万人の保育の受皿確保による待機児童の解消などを行っていくなど、子育て世帯全体への支援を充実させてまいります。
 今回、年収一千二百万円相当以上の方の月五千円の特例給付を見直すこととしていますが、子育て世帯へのトータルでの支援は確実に拡充されてきていると考えております。
 こうした子育て支援の充実をきちんと図っていくことで、子育て世帯が希望を持つことができる社会となるよう、国としてしっかりメッセージを発信してまいります。
 子育て予算の増額についてお尋ねがありました。
 子育て世帯に対する支援としては、これまでも、幼児教育、保育の無償化などを行っており、さらに、不妊治療助成の拡充や、新子育て安心プランの実施による待機児童の解消などを行っていくことから、高所得者の方も含め、子育て世帯全体への支援を充実させてまいります。
 このうち、待機児童問題については、四年間で十四万人の保育の受皿を整備することとしました。
 この運営に必要となる追加費用については、今般の児童手当の見直しにより生じる財源等に加え、企業からも一千億円を追加拠出していただき、所要額を確保しています。
 児童手当の特例給付の見直しについて、このような総合的な少子化対策を進める中で、長年の課題である待機児童問題の最終的な解決を図るものであり、全体のバランスを考えた上での措置であることを御理解いただきたいと考えています。
 特例給付や他の制度の所得制限についてお尋ねがありました。
 何をもって子育て罰と呼ぶかは様々だと思いますが、子育て世帯に対する支援としては、令和元年十月から、所得にかかわらず、幼児教育、保育の無償化を開始する等しており、今般も、待機児童の解消、不妊治療助成の拡充などを行い、高所得者の方も含め、トータルでの子育て世帯全体への支援を充実させてまいります。
 また、幼児教育、保育の無償化は、少子化対策とともに幼児教育の重要性の観点から実施したものであり、不妊治療助成の拡充については、不妊治療への保険適用を実現するまでの間、現行の助成制度の拡充を行うこととしているものです。これらは、所得の多寡にかかわらず、支援が必要な方に対し、その必要な支援を重点的に提供するとの考え方から実施するものです。
 一方、児童手当は、家庭等の生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的として、現金を給付するものです。
 このように、各制度において所得制限を設けるかどうかは、個々の制度の目的や支援方法などに応じて判断されるべきものと承知しています。
 世帯合算を導入する可能性及び検討時期についてお尋ねがありました。
 児童手当の世帯合算については、世帯間の公平性の観点から、導入を求める重点化の御意見や、導入した場合の共働き世帯への影響等があるとの意見がありましたが、検討の結果、今回の見直しにおいては導入を見送ることとしたものです。
 改正法案では、附則に、期限を明記しない検討規定を設け、子供の数等に応じた児童手当の効果的な支給及びその財源の在り方や支給要件の在り方について検討することとしています。
 その際には、少子化の状況を始め、子ども・子育て支援に関する施策の実施状況、子育て家庭への影響等もよく注視しながら、少子化の進展への対処に寄与する観点から検討してまいります。
 システム改修費に要する経費についてお尋ねがありました。
 今回の児童手当の見直しは、令和四年十月支給分から適用することとしています。それに向けて、地方自治体においては、システム改修等の準備を令和三年度中から行う必要があります。このため、千七百四十一ある全ての市町村でシステム改修等が円滑に実施できるよう、全額国庫負担により補助するための予算をシステム改修経費及び事業費として計上しております。
 また、令和四年分から、毎年提出を求めている現況届の届出義務を廃止して、受給者の利便性を向上させることとしています。あわせて、そのシステム改修も行うことを想定しており、過去の実績も踏まえ、必要な予算を適切に計上しているものです。
 保育士等の処遇改善と委託費の弾力運用についてお尋ねがありました。
 保育士等の処遇改善は大変重要な課題であると認識しており、これまでも、平成二十五年度以降、月額四万四千円に加え、平成二十九年度からは、技能、経験に応じた月額最大四万円の処遇改善を実施しているところです。
 高い使命感と希望を持って保育の道を選んだ方々が長く働くことができるよう、引き続き、安定的な財源を確保しつつ、必要な支援を着実に実施してまいります。
 私立保育所の委託費は、運営主体の安定的、効率的な事業運営を図る観点から、一定の範囲内で、当該保育所の運営費以外に充てることができるよう、弾力的な運用を認めております。ただし、適正な運営に関する一定の基準を満たすなど、保育の質に関する要件を満たすことを前提としているところです。
 また、必要な場合には都道府県が委託費の使途について確認し、保育士の処遇等に不適切な事例が明らかになった場合には改善を求める等、都道府県が指導を行うこととしております。
 こうした仕組みを通じて、委託費の適切な運用に努めてまいります。
 事業主拠出金の率についてお尋ねがありました。
 児童手当の支給など、事業主拠出金を財源とする施策は、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することにより、将来の労働力の維持、確保にもつながるため、幅広く事業主から一律の拠出をお願いしているところです。
 また、事業主拠出金については、事業主の便宜及び事務の簡素化を図るため、厚生年金保険料の徴収の例により、厚生年金保険料とともに日本年金機構等が徴収することになっています。
 こうした制度の趣旨や効率性を踏まえ、事業主拠出金についても、全国一律で拠出金率を設定しているところです。そのため、企業規模等によって拠出金率に差を設けることは様々な課題があると考えております。
 なお、本法案には、厚生労働大臣が認定する、くるみん認定等を取得した中小企業の事業主に対して助成事業を行うための改正を盛り込んでおり、中小企業における子育て支援の環境整備を促進してまいります。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣田村憲久君登壇〕

#37
○国務大臣(田村憲久君) 大西健介議員にお答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症が婚姻数や出生数に与える影響についてお尋ねがありました。
 令和二年の人口動態統計速報によると、年間の出生率はここ数年と同様に減少傾向、年間の婚姻数は一割を超える大幅な減少となっていますが、例年と比べ、傾向が変化しているところもあるため、本年一月以降の数値を注視していく必要があると考えております。
 厚生労働省としては、今後とも、妊娠、出産、子育ての不安の解消などにしっかりと取り組み、子供を安心して産み育てることができる環境の確保を図ってまいります。
 待機児童の解消についてお尋ねがありました。
 保育の利用申込みの増加に対応するため、政権交代以来、約七十二万人の保育の受皿を整備し、昨年四月の待機児童数は、調査開始以来最少の一万二千四百三十九人となっております。
 本年四月の待機児童数は、今後調査予定であります。
 待機児童の解消のためには、女性就業率の上昇に対応した保育の受皿確保とともに、地域の特性を踏まえた支援が必要であり、新子育てプランに基づき、できるだけ早く待機児童が解消されるよう取り組んでまいります。
 必要となる保育人材の数についてお尋ねがありました。
 新子育て安心プランで四年間に十四万人分の保育の受皿整備を行うことに伴い、あくまでも機械的に試算すれば、新たに二・五万人程度の保育人材の確保が必要と見込んでおります。
 保育人材の確保に向け、処遇改善のほか、保育士資格の取得促進、就業継続のための環境づくり、離職者の再就職の促進、保育現場と職業の魅力向上に総合的に取り組んでまいります。
 子育ての現場で従事される方々への慰労金についてのお尋ねがありました。
 児童福祉施設等で従事しておられる方々に対し支援が行き届くようにすることが重要との考えの下、施設が職員に対し、業務時間外に消毒、清掃等を行った場合の賃金や感染症対策についての手当の支給、感染を防ぐために職員等が購入した物品等に対する補助などを行った場合に、補助を行うこととしております。
 こうした取組を通じ、現場で御苦労されている方々の気持ちに寄り添った支援をしっかりと講じてまいります。
 低所得の子育て世帯への支援についてお尋ねがありました。
 今般の特別給付金は、未来を担う子供たちを第一に考え、コロナ禍における低所得の子育て世帯の実情を踏まえた生活の支援を行う観点から、三月十六日に決定した緊急支援策の一環として、一律五万円の給付を行うこととしたものであります。
 また、今般の特別給付金に加え、緊急小口資金等の新規、再貸付けの四月以降の継続や償還免除要件の明確化、住居確保給付金の再支給の四月以降の継続等により、低所得の子育て世帯も含め、生活に困窮される方々に支援を行うこととしております。
 引き続き、低所得の子育て世帯を含め、新型コロナウイルスの影響を受けられる方々に対して必要な支援が届くよう、しっかり取り組んでまいります。
 厚生労働省職員の会食についてお尋ねがありました。
 厚生労働省の職員が、送別会の趣旨で、大人数で深夜まで会食を行っていた事実が確認されました。
 新型コロナウイルス感染症対策を進める立場にある厚生労働省において、あってはならないことであり、国民の皆様の信用を裏切る形になったことについて、深くおわび申し上げます。
 必要な調査の上、三月三十日付で、会食に参加した課長級職員について減給、管理監督者である局長について訓告など、関係職員に対して処分を行いました。この課長職については、併せて、同日、大臣官房付に異動させたところであります。
 加えて、今回の事案を非常に重く受け止め、厚生労働大臣としての責任を痛感し、私の給与の全額二か月分を自主返納することといたしました。
 改めて、全職員の認識を徹底し、二度とこのようなことが起こらないように、全力で取り組んでまいります。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣加藤勝信君登壇〕

#38
○国務大臣(加藤勝信君) 大西健介議員より、子供関連政策を一元的に所管する省庁の設置についてお尋ねがありました。
 子供に関する政策については、自民党内において、御指摘の勉強会等で、所管する組織の在り方を含め議論が行われ、今般、自民党において更に検討が進められていくものと承知をしております。
 また、政府においては、子供に関連する様々な課題に対応するため、内閣府、厚生労働省、文部科学省などが、課題に応じて連携も図りながら、取組を進めているところであります。
 大切なことは、未来を担う子供たちを社会全体で支えていくことであります。政府として、子供関連政策をしっかりと前に進めるべく、引き続き取り組んでまいります。(拍手)
    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

#39
○国務大臣(麻生太郎君) 大西議員から、児童手当の所得制限と金融資産課税について、一問お尋ねがあっております。
 今回の児童手当の見直しにつきましては、今後四年間で十四万人分の保育の受皿整備に向けて安定的な財源を確保するという観点から、経済界にも、事業主に対しまして事業主拠出金を追加拠出していただき、そういった中で、年収一千二百万円以上相当の方について、月額五千円の特別給付を支給しないということにしたものであります。
 なお、金融資産課税につきましては、平成二十六年から、上場企業の譲渡益の税率を倍に引き上げたところでありますが、更なる見直しにつきましては、令和三年度与党税制改正大綱において、税負担の垂直的な公平性を確保する観点から、諸外国の制度や市場への影響を踏まえつつ、総合的に検討するということとされており、経済への影響等々をどう考えるかといった論点も含めまして、総合的に検討していくべき課題と考えております。(拍手)
    ―――――――――――――

#40
○副議長(赤松広隆君) 古屋範子さん。
    〔古屋範子君登壇〕

#41
○古屋範子君 公明党の古屋範子です。
 私は、自由民主党・無所属の会、公明党を代表して、ただいま議題となりました子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案について質問いたします。(拍手)
 今回のコロナ禍で、医療、介護、子供、子育てなどの社会保障、生活困窮者支援や生活保護といった社会的セーフティーネットの重要性が、私たちの暮らしにとって安心の基盤であることが改めて実感されました。
 政府が二月に発表した二〇二〇年の出生数は、速報値で八十七万二千六百八十三人と、過去最少を記録しました。このように人口減少、少子高齢化の流れが続いている現状を鑑みますと、人々の安心を確保するため、社会保障制度は今後一層重要な役割を果たすこととなり、次世代育成支援対策の強化が急がれております。
 二〇一九年十月より、消費税率引上げによる税収を活用して、幼児教育、保育の無償化という新制度が施行され、はや一年半が経過しようとしております。
 家庭の経済的事情にかかわらず、希望すれば誰もが必要な教育を受けられる社会を目指し、公明党は教育費の負担軽減を一貫して訴えてまいりました。二〇〇六年に発表した、子育て支援策の集大成である少子社会トータルプランの中でも、幼児教育無償化を掲げ、所得の低い世帯や多子世帯などを中心に、無償化や負担軽減を段階的に実現させてきたところです。
 政府・与党としても、全世代型社会保障の構築に向け、消費税率一〇%への引上げの増収分を使い、財源を生み出すという大きな決断で、少子化を克服する、子育て世帯の負担を軽くするという強いメッセージを発信し、未来の宝である子供たちを社会全体で育てていく大きな第一歩になったと考えます。
 初めに、子ども・子育て支援に関する政府の基本的な考え方について、坂本大臣にお伺いいたします。
 具体的な質問に移ります。
 政府が昨年策定した全世代型社会保障改革の方針には、公明党が二十年以上にわたり推進してきた不妊治療の保険適用や、待機児童対策などが盛り込まれました。
 子育てと仕事を両立し、安心して育てられる環境整備も重要です。
 待機児童の解消に向けては、昨年末、二〇二一年度からの四年間で新たに十四万人分の保育の受皿を確保する新子育て安心プランが策定されました。保育の受皿確保とともに、保育の質の確保、向上、保育士不足の改善も重要であります。
 こうした取組に加え、安心して子供を産み育てられる環境整備に向けては、更なる経済的負担の軽減が重要です。
 公明党が長年主張を続けてきた幼児教育、保育の無償化については、現在、三歳から五歳は全員無償化しており、約九千億円の予算が計上され、毎年約三百万人の子供が対象となっております。
 今後、一部にとどまっているゼロ歳から二歳の無償化についても、更なる拡大を目指します。
 さらに、全国三千人の議員とともに行った調査でも、無償化に対する多くの感謝の声をいただきました。その中で、幼稚園として基準を満たさないため、これまで幼児教育無償化の対象になっていなかった、いわゆる幼児教育類似施設に通う世帯への支援がこの四月からスタートすることとなり、期待の声が届いています。
 今回の改正案では、待機児童問題の解決のためだけでなく、子育て支援を拡充する、重要な改正であると考えます。
 まず、田村厚生労働大臣に、新子育て安心プラン策定の意義、必要な保育人材を確保しつつ新たな受皿をどう整備していくのか、待機児童解消への御決意を伺います。
 また、今回の改正による国民へのメリットについて、坂本大臣、御説明ください。
 次に、児童手当法の改正について伺います。
 今回の改正では、待機児童対策の財源として、児童手当を見直し、年収一千二百万円以上の世帯を特例給付の対象から外すこととなりました。ただし、公明党の主張により、児童手当の所得制限の基準は、世帯合算ではなく、引き続き、現行の、夫婦のうち所得の高い方となりました。今後、子育て支援に必要な財源確保については、社会全体で子育て支援をしていくとの大きな方向性の中で、政府全体の予算の中で捻出すべきであります。
 現在の児童手当は、所得制限限度額以上の方々について、特例給付として、子供一人当たり月額一律五千円が支給されております。今回の特例給付の廃止について、政府は希望出生率一・八を目標に政策を進めてきたところであり、こうした政策に逆行しかねないとの批判の声もありますが、今回の改正は、全体として子育て支援の拡充になるものと考えます。
 こうした批判について、坂本大臣の御見解を伺います。
 あわせて、改正案には、児童手当の効果的な支給、支給要件の在り方について、検討規定が設けられております。今後の児童手当の見直しについて、お考えを伺います。
 次に、子育て支援における企業の責務について伺います。
 今回、子育て支援への企業の役割は非常に大きいことから、新プランの財源として、企業から追加で拠出をいただくこととなっております。加えて、各企業において育児休業を進める取組を加速させなければなりません。
 特に、男性の育児休業取得が重要な課題となっております。
 昨年十月、公明党女性委員会として、男性の産休制度の創設を盛り込んだ、真の男女共同参画社会の実現を目指す提言を菅総理に提出いたしました。
 この提言を反映した形で、厚生労働省は、今国会に育児・介護休業法の改正法案を提出しております。男性の育児休業取得促進のための男性の産休制度の創設を目指すものと承知しています。
 その際、従業員の育児休業取得など、子育て支援に積極的に取り組む中小企業には、新たな補助金の創設など支援策の充実が不可欠です。
 男性の育児休業取得については、くるみんマークがメルクマールになっています。今回の法案においても、これを条件とした新たな補助金を、中小企業向けの新しい五十万円の助成金を創設することとしています。
 子ども・子育て支援法において、企業主導型保育事業等の事業に対するものは別として、企業に対する直接の支援はこれまでにない画期的な支援であり、大変有意義なものと考えます。子育て支援を効果的に行うために、企業の力は不可欠であり、特に男性の育児休業取得促進への取組が重要です。
 子育て支援に積極的に取り組む事業主に対する助成制度について、中小企業を対象としている趣旨と、企業における子育て支援への責務について伺います。
 あわせて、今後どのように取組を進めていくのか、坂本大臣の答弁を求めます。
 次に、身近な地域における子育て支援について伺います。
 少子化や核家族化の進行、地域社会の変化など、子供や子育てをめぐる環境が大きく変化する中、子育て中の親の孤独感や不安感の増大等に対するため、身近な場所で適切な支援を受けられる体制の整備が重要です。
 子育て支援をする主体としては、企業だけではなく、地域のNPOや社会福祉法人、個人や大学など、いろいろな機関がありますが、これをつないでいくことが重要であると考えます。子育て家庭が身近な地域で安全かつ安心な子育てができるよう、総合的な支援を実施する必要があります。
 今回、市町村計画の見直しを通じて、多機能型の地域子育て支援を推進することとしていますが、市町村における新たな展開のイメージについて、どのような内容を想定しているのか、三年度予算も含め、御答弁ください。
 最後に一言申し上げます。
 昨年来の世界的なコロナ禍に直面し、都市住民の地方回帰が注目されるなど、これまでの国や地方の在り方が大きく変貌しつつあります。国として、少子高齢社会のグランドデザインを明らかにし、次世代を育てるための政策の優先順位をどうするのか、議論を深めていくことが求められています。
 私たちも、公明党の強みであるネットワーク力を存分に発揮し、国民に寄り添い、一人一人の声を的確に捉えた上で、少子化対策に全力で取り組んでまいります。
 今回の改正法案は、子育て支援を進めるため、大いに意義のある法案であります。早期の成立を期して、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣坂本哲志君登壇〕

#42
○国務大臣(坂本哲志君) 古屋範子議員の御質問にお答えいたします。
 子ども・子育て支援の基本的考え方についてお尋ねがありました。
 我が国の少子化の進行が深刻さを増す中、コロナ禍における結婚、出産の今後の推移についても、危機感を持って注目していく必要があると考えています。少子化の背景にある個々人の結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む隘路の打破に強力に取り組むことが重要です。
 政府では、これまでも、幼児教育、保育の無償化、高等教育の修学支援など、子育て世帯全体の支援を充実させてきたところです。
 さらに、今般、新生活への経済的支援を含む結婚支援、不妊治療助成の拡充を含む妊娠、出産への支援、待機児童の解消のための新子育て安心プランの実施や、男性の育児休業の取得促進など、男女共に仕事と子育てを両立できる環境の整備など、新型コロナウイルス感染症を踏まえた取組も含め、結婚、妊娠、出産、子育てのライフステージに応じた支援策を全体として充実させることとしています。
 引き続き、少子化社会対策大綱等に基づき、必要な安定財源を確保しつつ、少子化対策を全体として確実に進めてまいります。
 本改正法案のメリットについてお尋ねがありました。
 今回の改正では、待機児童の解消に向けた事業主拠出金の上限割合の引上げを行います。これにより、公費に加えて、新子育て安心プランの実現のため企業から追加拠出いただいた一千億円を保育所等の運営費に充当でき、保育の需要の増大に対応できるようになります。
 次に、市町村計画の任意記載事項を追加します。これにより、地域の子ども・子育て支援を行う関係機関相互の連携の推進を図っていくことで、子育て家庭への様々なニーズに対応した支援が円滑に進められることが期待されます。
 さらに、子育て支援に取り組む事業主に対する助成制度を創設します。これにより、従業員が希望に応じて育児休業等を取得しやすくする環境整備を進めていきます。
 これらにより、子ども・子育て支援施策の充実が更に図られると考えています。
 児童手当の見直しについてお尋ねがありました。
 子育て世帯に対する支援としては、これまでも、幼児教育、保育の無償化などを行っており、さらに、不妊治療助成の拡充や、新子育て安心プランの実施による待機児童の解消などを行っていくことから、子育て世帯全体への支援を充実させてまいります。
 このうち、待機児童問題については、四年間で十四万人分の保育の受皿を整備することとしました。この運営に必要となる追加費用については、今般の児童手当の見直しにより生じる財源等に加え、企業からも一千億円を追加拠出していただき、所要額を確保しています。
 児童手当の特例給付の見直しについては、このような総合的な少子化対策を進める中で、長年の課題である待機児童問題の最終的な解決を図るものであり、全体のバランスを考えた上での措置であることを御理解いただきたいと考えています。
 また、改正法案では、附則に検討規定を設けており、子供の数等に応じた児童手当の効果的な支給及びその財源の在り方や支給要件の在り方について検討することとしています。
 その際には、少子化の状況を始め、子ども・子育て支援に関する施策の実施状況、子育て家庭への影響等もよく注視しながら、少子化の進展への対処に寄与する観点から検討してまいります。
 くるみん認定を受けた中小企業に対する助成制度についてお尋ねがありました。
 企業の責務として、子ども・子育て支援法においては、労働者の職業生活と家庭生活との両立を図るための雇用環境の整備を行うことにより、雇用する労働者の子育ての支援に努めることとされています。
 今回の助成制度は、従業員に対して育児休業の取得を促進するなど、子育て支援を積極的に行う事業主に対する助成を行うことで、こうした支援に取り組もうとする事業主を後押しし、企業における子育て環境の整備を更に進めることを目的とするものです。
 厚生労働大臣が子育てサポート企業として認定する、くるみん認定企業については、大企業と比べ、中小企業はその企業数に比して認定企業の割合が低い状況となっております。こうしたことから、特に中小企業への後押しを強めるべく助成を行うことといたしました。
 今後、制度の詳細について、経済界からの意見も踏まえながら、厚生労働省とも連携しつつ、助成事業を行う体制の整備や事業主への制度の周知も含めて検討を進めてまいります。令和三年度の下半期から速やかに助成事業を開始することができるよう、準備を行ってまいります。
 多機能型地域子育て支援についてお尋ねがありました。
 在宅で子育てを行う家庭等が身近な地域で安全に、かつ安心して子育てができるよう、令和三年度予算においては、利用者支援事業では、地域の支援員が子育て支援を行う各事業所等を巡回し、連携、協働の体制づくり等を行うことの促進、ファミリー・サポート・センター事業では、安心して子供の預かり等を実施するため、地域子育て支援拠点等との連携の強化等を行うこととしています。
 本法案においても、市町村子ども・子育て支援事業計画に記載する事項に、地域の子ども・子育て支援を実施する関係機関相互の連携の推進に関する事項を追加することとしています。
 こうした関係機関の連携を進めることで、子育て家庭の個別の状況を機関相互で共有し、家庭の状況に応じた必要な支援へと結びつけられることなどが期待されます。引き続き、地域の子ども・子育て支援の取組を推進していきたいと考えています。
 以上です。(拍手)
    〔国務大臣田村憲久君登壇〕

#43
○国務大臣(田村憲久君) 古屋範子議員にお答えいたします。
 待機児童の解消についてお尋ねがありました。
 新子育て安心プランでは、できるだけ早く待機児童の解消を目指し、女性の就業率の上昇に対応するため、令和三年度から六年度末までの四年間で約十四万人分の保育の受皿を整備することといたしております。
 その際、地域の特性に応じた支援、魅力向上を通じた保育士の確保、地域のあらゆる子育て資源の活用を柱として、取組を推進していくことといたしております。
 各自治体における待機児童解消に向けた取組をしっかりと支援し、できるだけ早く待機児童が解消されるよう取り組んでまいります。(拍手)
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#44
○副議長(赤松広隆君) 藤田文武君。
    〔藤田文武君登壇〕

#45
○藤田文武君 日本維新の会・無所属の会の藤田文武でございます。
 ただいま議題となりました子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案について、会派を代表して質問いたします。(拍手)
 我が国は、人口減少、超少子高齢社会に直面しているわけでありますが、この人口動態の問題は、経済成長の鈍化、労働力不足、地方の衰退、年金を始めとする社会保障制度の持続可能性の低下など、あらゆる社会問題に波及しています。
 これまで、民主党政権、自公政権を通じて様々な少子化対策を実施してきたことについて全否定はしませんが、特殊出生率を最も重要なKPIと考えるならば、これまでの取組が大きな効果を上げたとは決して言えません。
 調査によると、理想の子供の数を持たない最大の理由は、子育てや教育にお金がかかり過ぎるという経済的な理由です。本改正案は、児童手当に所得制限を設けるというものですが、社会全体で全ての子供や子育て世代を支えていくという観点から、非常に後ろ向きな改正であると言わざるを得ません。
 今考えるべきは、児童手当の額を数千円上げるか下げるかや、所得制限を設けるか否かというような小手先の微修正案ではなく、中長期的な人口動態の在り方を見据え、更に踏み込んだ大胆な政策を立案し、実行することであると考えます。
 我が党はこれまで、幼児教育から大学、専門学校、高等教育までの完全教育無償化、子供の数が多いほど税負担が大幅に軽減されるN分のN乗方式の所得税制、児童税額控除型の給付つき税額控除、そして、最強の子育て政策とも言える、ゼロ歳から全国民一律でのベーシックインカムの検討などを提案してまいりました。
 子供への投資は、日本社会の未来への投資です。今こそ、微修正型の政策から脱却し、こうした大胆な政策を本格的に検討することで、社会全体で全ての子供や子育て世代を支えていくという決意を示すべきであると考えますが、大臣の御見解をお聞きいたします。
 今回のコロナショックは、我々が先送りにしてきた多くの本質的問題を日本社会に対して突きつけ、産業構造や都市機能、税制や社会保障、政治システムの在り方といった、日本の根本的な社会構造についても転換を迫ることになります。現在の日本政治の根源的問題は、目の前の課題に対して後手後手に対応するばかりで、中長期的な国家ビジョンから巻き戻した網羅的な政策立案がなされないことに尽きます。
 短期的かつ現状維持、微修正型である政府・与党のプランAに対し、我が党は、国家百年の計に立った大きな視点と思い切った発想で新しい時代の社会像を指し示すプランB、経済成長と格差解消を両輪で実現するグレートリセット、日本大改革プランを提案し、政権与党に対して正面から挑戦することを宣言して、私からの質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣坂本哲志君登壇〕

#46
○国務大臣(坂本哲志君) 藤田文武議員の御質問にお答えします。
 大胆な少子化対策についてお尋ねがありました。
 少子化の背景には、個々人の結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む様々な要因が絡み合っています。中でも、子育てや教育にかかる費用負担の重さは、子供を産み育てたいという希望がかなわない障壁の一つになっています。
 政府では、これまでも、幼児教育、保育の無償化、高等教育の修学支援など、子育て世帯全体の支援を充実させてきたところです。
 引き続き、少子化社会対策大綱等に基づき、安定的な財源を確保しつつ、ライフステージに応じた総合的な少子化対策に大胆に取り組むことで、個々人の希望の実現を阻む隘路の打破に強力に取り組み、子育てを社会全体で支えてまいります。
 以上です。(拍手)
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#47
○副議長(赤松広隆君) 浅野哲君。
    〔浅野哲君登壇〕

#48
○浅野哲君 国民民主党・無所属クラブの浅野哲です。
 子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案について質問をいたします。(拍手)
 今回の改正案は、待機児童対策としての保育の受皿十四万人分確保に向けた財源を確保するため、事業主の拠出金割合を五分の一に引き上げるという内容になっていますが、そもそも財源が足りないことに対する抜本的な対策が示されていません。消費増税の際、量的拡充と質の向上を実現するために必要とされた一兆円超のうち、〇・七兆円分は消費増税で確保する方針でしたが、残り〇・三兆円のめどは立っていません。
 少子化対策も含めて考えるのであれば、社会全体で支えるための安定的な財源確保が必要と考えますが、政府の見解を伺います。
 また、拠出金を活用した企業主導型保育事業については、内閣府の報告によれば、昨年度は全国二十三の施設で助成金の不正受給が発覚するなど、一部の施設でずさんな運営実態が明らかとなっています。
 新しい子育て安心プランにおいても、企業主導型保育事業による保育の受皿整備を行うのでしょうか。行われる場合、約十四万人分のうちどの程度の受皿が企業主導型保育事業によって整備されるのでしょうか。まずは不正受給対策等を徹底する必要もあると考えますが、お考えを伺います。
 今回の見直しの影響で、約六十一万人、全体の四%の子供が受給の対象から外されます。子供を育成する基本的な責任は保護者にありますが、子供は育ちの場を選ぶことはできません。子供に関する社会手当や現物給付は子供自身に対する給付と位置づけ、世帯の所得によらず、全ての子供を平等に取り扱うべきと考えますが、政府の見解を伺います。
 また、今回の改正によって、手当の廃止対象となる子育て世帯の負担が増えることは明白です。年収千二百万円の御家庭の場合、そこから税金や保険料を差し引くと手取りは約八百六十万円。このくらいの収入であれば月五千円の負担増は大丈夫だろうという理屈があると推察しますが、なぜ千二百万円なのか、改めてその根拠を御説明ください。また、今後この年収要件が更に引き下げられる可能性についても、政府の見解をお聞かせください。
 これまで子育て支援の財源確保のために消費増税や扶養控除を廃止してきた経緯を踏まえれば、待機児童対策の財源三百七十億円を捻出するために、新たな予算措置をすることなく、児童手当を縮小するという形で子育て世帯間の負担のつけ替えを行っている点は問題だと考えます。消費増税等で解消できなかったのであれば、その理由説明や予算検証、ほかからの財源確保の検討などを先にしっかりと行い、国民に示すべきと考えますが、政府の見解を伺います。
 また、日本の子育て支援に対する国の予算規模はまだまだ十分ではありません。児童手当や保育所運営費を含む家族関係社会支出の対GDP比は僅か一・二九%となっています。これは、イギリスやスウェーデンなど諸外国に比べて低い現状にあります。
 私は、少子高齢化先進国である日本は、今後、世界で一番子供を育てやすい国、子供に手厚い国を目指すべきだと考えています。そのためにも、まずは児童手当や扶養控除等の家族政策に関する予算を少なくとも現状の二倍以上にすべきと考えますが、政府の認識を伺います。
 最後に、国民民主党は、全ての子供たちが安心できる環境で健全に育まれ、同時に、全ての保護者がゆとりと責任を持って子育てができる社会基盤を構築することを目指し、特定財源として子供国債の創設を二年前から提案しています。政府内においても是非とも検討していただきたいと思います。
 以上で私の発言を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣坂本哲志君登壇〕

#49
○国務大臣(坂本哲志君) 浅野哲議員の御質問にお答え申し上げます。
 安定的な財源確保の必要性についてお尋ねがありました。
 待機児童対策については、これまで、待機児童解消加速化プラン、子育て安心プランに基づき、消費税財源や事業主からの拠出金を活用しつつ、待機児童の解消に取り組んでまいりました。
 今般の新子育て安心プランの財源については、昨年末の全世代型社会保障改革の方針において、「社会全体で子育てを支援していくとの大きな方向性の中で、公費に加えて、経済界に協力を求めることにより安定的な財源を確保する。」とされていることから、児童手当の見直しにより生じる財源等に加えて、事業主からの拠出金の追加負担を求めることにより、安定的な財源を確保するものです。
 引き続き、少子化社会対策大綱等に基づき、必要な安定財源を確保しつつ、更なる保育の受皿確保を含め、少子化対策を全体として確実に進めてまいります。
 新プランにおける企業主導型保育事業の位置づけについてお尋ねがありました。
 新子育て安心プランにおいては、市町村計画の積み上げや女性就業率の上昇見通しを基に、約十四万人分の保育の受皿整備をすることとしたものです。
 約十四万人分の受皿整備については、これまでの市町村における受皿整備量を踏まえれば、市町村において整備可能であると考えられるため、企業主導型保育施設の整備は含まれておりません。
 なお、企業主導型保育事業については、不正事案等の課題に対応するため、実施機関である児童育成協会において、新規申請施設に対する審査基準の厳格化や、運営施設に対する年一回の立入調査のほか、公認会計士等による専門的な財務監査、施設長OB等の巡回指導員による巡回指導などを実施することにより、不正受給事案の防止はもとより、施設における保育の質の向上や事業の継続性の確保を図っているところです。
 引き続き、実施機関による事業の実施状況等について、内閣府による指導、支援の下、継続的に点検、評価を行い、事業の効果的、安定的な運営を図ってまいります。
 子ども・子育て支援の所得制限についてお尋ねがありました。
 子育て世帯に対する支援としては、これまでも、幼児教育、保育の無償化などを行っており、さらに、不妊治療助成の拡充や、新子育て安心プランの実施による待機児童の解消などを行っていくことから、高所得者の方も含め、子育て世帯全体への支援を充実させてまいります。
 このうち、待機児童問題については、四年間で十四万人分の保育の受皿を整備することとしました。
 この運営に必要となる追加費用については、今般の児童手当の見直しにより生じる財源等に加え、企業からも一千億円を追加拠出していただき、所要額を確保しています。
 児童手当の特例給付の見直しについては、このような総合的な少子化対策を進める中で、長年の課題である待機児童問題の最終的な解決を図るものであり、全体のバランスを考えた上での措置であることを御理解いただきたいと考えています。
 児童手当の所得制限の額として、今後の見直しについてお尋ねがありました。
 児童手当について、年収一千二百万円相当以上の方については月額五千円の特例給付を支給しないこととしておりますが、これは、他の制度等を参照しながら、総合的に検討した結果です。
 具体的には、例えば、税制において、配偶者控除を受けることができる年収の上限が一千百九十五万円となっていることや、保育料の所得判定区分のうち最も高い保育料が適用される区分が世帯年収一千百三十万円以上となっていることも参照しながら、総合的に検討したものです。
 なお、改正法案では、附則に検討規定を設け、子供の数等に応じた児童手当の効果的な支給及びその財源の在り方や支給要件の在り方について検討することとしています。その際には、少子化の状況を始め、子ども・子育て支援に関する施策の実施状況、子育て家庭への影響もよく注視しながら、少子化の進展への対処に寄与する観点から検討してまいります。
 家族政策に関する予算への政府の認識についてお尋ねがありました。
 国によって国民負担率などが異なることから、単純に比較することは適当ではありませんが、我が国の家族関係社会支出の対GDP比は、欧州諸国に比べて低水準となっているものと認識しています。総合的な少子化対策を大胆に進めていくためには、必要な安定財源を確保しつつ、効果的な少子化対策に、できることから速やかに着手することが重要だと考えています。
 これまでも、幼児教育、保育の無償化などを行っており、今般、子育て世帯全体への支援を更に充実させることとしています。
 引き続き、少子化社会対策大綱等に基づき、必要な安定財源を確保しつつ、少子化対策を全体として確実に進めてまいります。
 子供国債の検討についてお尋ねがありました。
 総合的な少子化対策を進めていくための財源確保の方策については、様々な議論があると承知しています。将来世代の負担増を招くことがないよう、必要な安定財源を確保しながら、少子化対策を全体として確実に進めてまいります。
 以上です。(拍手)
    〔国務大臣田村憲久君登壇〕

#50
○国務大臣(田村憲久君) 浅野哲議員にお答えいたします。
 待機児童の解消についてお尋ねがありました。
 保育の利用申込みの増加に対応するために、政権交代以来、約七十二万人の保育の受皿を整備し、昨年四月の待機児童数は、調査開始以来最少の一万二千四百三十九人となっております。
 一方、各市町村の計画の積み上げや女性就業率の上昇を踏まえ、更なる保育ニーズに対応するため、関係省庁と連携し、新たに必要となる財源を確保しつつ、四年間で約十四万人分の受皿を整備する新子育て安心プランを取りまとめたところであります。地域の特性に応じた支援などにより、できるだけ早く待機児童が解消されるように取り組んでまいります。(拍手)

#51
○副議長(赤松広隆君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――

#52
○副議長(赤松広隆君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時五十七分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       財務大臣
       国務大臣   麻生 太郎君
       総務大臣   武田 良太君
       法務大臣   上川 陽子君
       厚生労働大臣 田村 憲久君
       国土交通大臣 赤羽 一嘉君
       国務大臣   井上 信治君
       国務大臣   加藤 勝信君
       国務大臣   坂本 哲志君
 出席副大臣
       内閣府副大臣 三ッ林裕巳君
ソース: 国立国会図書館
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