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2021/04/08 第204回国会 衆議院 第204回国会 衆議院 本会議 第19号 令和3年4月8日
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2021/04/08 第204回国会 衆議院

第204回国会 衆議院 本会議 第19号 令和3年4月8日

#1
令和三年四月八日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十一号
  令和三年四月八日
    午後一時開議
 第一 文化財保護法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第三 特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第四 良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 文化財保護法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第四 良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び高齢者の医療の確保に関する法律の一部を改正する法律案(西村智奈美君外十名提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時二分開議

#2
○議長(大島理森君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――

#3
○議長(大島理森君) 御報告することがあります。
 永年在職議員として表彰された元議員越智通雄君は、去る一月三十日逝去されました。痛惜の念に堪えません。謹んで御冥福をお祈りいたします。
 越智通雄君に対する弔詞は、議長において去る六日既に贈呈いたしております。これを朗読いたします。
    〔総員起立〕
 衆議院は 多年憲政のために尽力され 特に院議をもってその功労を表彰され さきに大蔵委員長 予算委員長の要職につき またしばしば国務大臣の重任にあたられた正三位勲一等越智通雄君の長逝を哀悼し つつしんで弔詞をささげます
     ――――◇―――――
 日程第一 文化財保護法の一部を改正する法律案(内閣提出)

#4
○議長(大島理森君) 日程第一、文化財保護法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。文部科学委員長左藤章君。
    ―――――――――――――
 文化財保護法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔左藤章君登壇〕

#5
○左藤章君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文部科学委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、社会の変化に対応した文化財保護の制度の整備を図るものであり、その主な内容は、次のとおりであります。
 第一に、無形文化財及び無形の民俗文化財の登録制度を新設するとともに、当該登録をした文化財の保存及び公開等に関する指導又は助言、それらに要する経費を補助することができるものとすること、
 第二に、地方公共団体による条例に基づく文化財の登録制度を新設するとともに、当該登録をした文化財について、地方公共団体による文部科学大臣に対する文化財の登録の提案ができるものとすること
などであります。
 本案は、去る三月二十三日本委員会に付託され、三十一日萩生田文部科学大臣から趣旨の説明を聴取しました。昨四月七日質疑を行い、同日、質疑を終局した後、採決を行った結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――

#6
○議長(大島理森君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#7
○議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第二 農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)

#8
○議長(大島理森君) 日程第二、農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。農林水産委員長高鳥修一君。
    ―――――――――――――
 農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔高鳥修一君登壇〕

#9
○高鳥修一君 ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、農林漁業及び食品産業の持続的な発展を図るため、農業法人投資育成事業の対象となる法人として、林業又は漁業を営む法人、食品産業の事業者等を追加する等の措置を講ずるものであります。
 本案は、去る四月五日本委員会に付託され、翌六日野上農林水産大臣から趣旨の説明を聴取し、昨七日質疑を行いました。質疑終局後、討論を行い、採決いたしましたところ、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――

#10
○議長(大島理森君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

#11
○議長(大島理森君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第三 特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

#12
○議長(大島理森君) 日程第三、特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。国土交通委員長あかま二郎君。
    ―――――――――――――
 特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔あかま二郎君登壇〕

#13
○あかま二郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、最近における気象条件の変化に対応して、流域治水の実効性を高めるため、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は、
 第一に、特定都市河川の指定対象に、河道等の整備による浸水被害の防止が自然的条件の特殊性により困難な河川を追加すること、
 第二に、雨水貯留浸透施設の認定や支援の制度を創設し、民間等による整備を推進するとともに、保水、遊水機能を有する土地等を貯留機能保全区域として指定し、雨水の貯留機能を阻害する行為を事前届出制とすること、
 第三に、浸水に強いまちづくりを進めるため、浸水リスクが高い土地等を浸水被害防止区域として指定し、一定の開発行為等を許可制とすること、
 第四に、実効ある避難を促すため、浸水想定区域の対象河川等を拡大し、浸水リスク情報の空白域を解消すること
などであります。
 本案は、去る三月二十三日の本会議において趣旨説明及び質疑が行われた後、本委員会に付託され、三十日赤羽国土交通大臣から趣旨の説明を聴取しました。翌三十一日に質疑に入り、同日参考人からの意見を聴取し、四月七日に質疑を終了しました。質疑終了後、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――

#14
○議長(大島理森君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#15
○議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第四 良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

#16
○議長(大島理森君) 日程第四、良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。厚生労働委員長とかしきなおみ君。
    ―――――――――――――
 良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔とかしきなおみ君登壇〕

#17
○とかしきなおみ君 ただいま議題となりました良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律案について、厚生労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、医師の長時間労働等の状況に鑑み、良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するため、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は、
 第一に、提供する医療の性質上、勤務する医師が長時間労働となる医療機関を都道府県知事が指定する制度を創設し、当該指定を受けた医療機関の管理者は医師の労働時間の短縮及び健康確保のための措置を講ずること、
 第二に、診療放射線技師等について、専門性の活用の観点から、その業務範囲を拡大するとともに、医師等について、資質向上の観点から、養成課程の見直しを行うこと、
 第三に、医療計画の記載事項に新興感染症等の感染拡大時における医療提供体制に関する事項を追加するとともに、地域医療構想の実現に向けた医療機関の取組の支援を行うこと
等であります。(発言する者あり)

#18
○議長(大島理森君) 御静粛に。

#19
○とかしきなおみ君(続) 本案は、去る三月十八日の本会議において趣旨説明が行われた後、同日本委員会に付託されました。
 本委員会におきましては、翌十九日田村厚生労働大臣から趣旨の説明を聴取し、二十四日から質疑に入り、同日、参考人から意見を聴取した後、立憲民主党・無所属より、地域医療構想の実現に向けた医療機関の取組の支援に係る改正規定を削ること等を内容とする修正案が提出され、趣旨の説明を聴取いたしました。
 四月二日からは原案及び修正案に対し質疑を行い、昨日質疑を終局いたしました。次いで、原案及び修正案について討論、採決を行った結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――

#20
○議長(大島理森君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

#21
○議長(大島理森君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び高齢者の医療の確保に関する法律の一部を改正する法律案(西村智奈美君外十名提出)の趣旨説明

#22
○議長(大島理森君) この際、内閣提出、全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案及び西村智奈美君外十名提出、高齢者の医療の確保に関する法律の一部を改正する法律案について、順次趣旨の説明を求めます。厚生労働大臣田村憲久君。
    〔国務大臣田村憲久君登壇〕

#23
○国務大臣(田村憲久君) ただいま議題となりました全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 少子高齢化が進展し、令和四年度以降、団塊の世代が七十五歳以上の高齢者となり始める中、現役世代の負担上昇を抑えながら、全ての世代が安心できる社会保障制度を構築することが重要です。このような状況を踏まえ、医療保険制度における給付と負担の見直しを実施するとともに、子ども・子育て支援の拡充や、予防、健康づくりの強化等を通じて、全ての世代が公平に支え合う全世代対応型の社会保障制度を構築することを目的として、この法律案を提出いたしました。
 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。
 第一に、全ての世代が安心できる社会保障制度の構築に向けた給付と負担の見直しを図るため、後期高齢者医療の窓口負担について、負担能力に応じて負担いただくとの考えに基づき、現役並み所得者以外の被保険者であって、一定の所得や年収以上である方の負担割合について、二割とすることとします。
 また、傷病手当金について、出勤に伴い不支給となった期間がある場合、その分の期間を延長して支給を受けられるよう、支給期間の通算化を行うとともに、任意継続被保険者について、健康保険組合の規約で定めることにより、その保険料の算定基礎となる標準報酬月額を被保険者の資格喪失時の標準報酬月額とすることを可能とします。
 第二に、子ども・子育て支援の拡充を図るため、短期の育児休業の取得に対応して、月内に二週間以上の育児休業を取得した場合には、その月の保険料を免除することとし、また、国民健康保険の保険料について、未就学児に係る被保険者均等割額を減額し、その減額相当額を公費で支援する制度を設けます。
 第三に、全ての世代の予防、健康づくりの強化を図るため、保険者が保健事業を行うに当たり、労働安全衛生法等による健康診断の情報を活用し、適切かつ有効に保健事業を行うことができるよう、事業者等に対して健康診断の情報を求めることを可能とするとともに、健康保険組合等が保存する特定健康診査等の情報を後期高齢者医療広域連合へ引き継ぐこと等を可能とします。
 第四に、国民健康保険制度の財政運営の安定化を図るため、都道府県が国民健康保険の財政安定化基金を国民健康保険事業費納付金の著しい上昇の抑制等のために充てることを可能とするとともに、都道府県国民健康保険運営方針について、都道府県内の市町村の保険料水準の平準化や財政の均衡に関する事項を記載事項に位置付けます。
 第五に、生活保護制度の医療扶助について、電子資格確認の仕組みを導入します。
 最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、令和四年一月一日としています。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ―――――――――――――

#24
○議長(大島理森君) 提出者山内康一君。
    〔山内康一君登壇〕

#25
○山内康一君 ただいま議題となりました高齢者の医療の確保に関する法律の一部を改正する法律案につき、提出者を代表して、提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 少子高齢化が進む中、二〇二二年以降、団塊の世代が後期高齢者となり始め、医療費は増加し、後期高齢者支援金を拠出する現役世代の負担も増大していくことが見込まれます。社会保障制度を持続可能で安心できるものとしていくためには、現役世代の負担軽減は喫緊の課題です。
 政府案では、単身世帯で年収二百万円以上の後期高齢者の窓口負担割合を二割に引き上げることで、現役世代の負担軽減を図ろうとしています。新型コロナウイルスの感染拡大による受診抑制が懸念される中で、窓口負担割合を引き上げることは更なる受診抑制による症状の重症化を招きかねず、コロナ禍の現状で窓口負担割合を引き上げるべきではないと考えます。受診抑制による重症化は、命にも関わる問題です。
 コロナ禍の今、行うべきことは、政府案のように、病気の方が受診する際の窓口負担を増やすことではなく、まず、保険料についての応能負担を強化していくことであると考えます。病気になった後期高齢者の患者さんたちに窓口負担の形で御負担をお願いするのではなく、後期高齢者の中でも高所得の方に保険料の支払いの際に応能負担をお願いする方が、より公平な制度になると考えます。具体的には、保険料の賦課限度額を引き上げ、後期高齢者の中で特に高所得の方に負担をお願いすることによって、公費の投入と併せ、政府案の見込みと同程度、現役世代の負担を軽減できると考え、本法律案を提出しました。
 次に、本法律案の概要を御説明いたします。
 第一に、令和四年度以降の後期高齢者負担率について、当分の間、現行の算定方法により算定された率に、後期高齢者支援金の額の更なる縮減を通じて現役世代の負担の軽減が図られるようにする観点から政令で定める特別調整率を加える特例を設けることとし、現役世代の負担を軽減します。
 第二に、後期高齢者の負担能力に応じた保険料を課することができるよう、政府は保険料の賦課限度額の引上げの特例を設けるとともに、後期高齢者負担率の特例に対応するための保険料の見直しの影響が中低所得者に及ばないよう、後期高齢者医療広域連合が講じる保険料の減額措置に要する費用を国が負担する仕組みを設けることとしております。
 第三に、高齢者の医療に要する費用の負担の在り方については、将来における医療に要する費用の見込み、高齢者の一部負担金に係る負担の割合を引き上げることとした場合における高齢者の必要かつ適切な受診の機会の確保に与える影響及び医療費の動向、各世代の負担能力等を勘案して検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとすることとしております。
 なお、この法律は、公布の日から施行することとしております。
 以上が、本法律案の提案理由及び内容の概要です。
 何とぞ御賛同いただきますようお願い申し上げます。(拍手)
     ――――◇―――――
 全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び高齢者の医療の確保に関する法律の一部を改正する法律案(西村智奈美君外十名提出)の趣旨説明に対する質疑

#26
○議長(大島理森君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。武井俊輔君。
    〔武井俊輔君登壇〕

#27
○武井俊輔君 自由民主党の武井俊輔です。
 ただいま議題となりました健康保険法等の一部を改正する法律案について、自由民主党・無所属の会を代表して質問いたします。(拍手)
 まず冒頭、新型コロナウイルスにおきましてお亡くなりになられた皆様の御冥福をお祈りするとともに、治療中の方の早期回復、そして、対策に今この瞬間も献身的に取り組まれておられる全ての関係者の皆様に心から感謝を申し上げます。
 また、去る先週二日、我が国ときずなの深い台湾・花蓮県におきまして甚大な鉄道事故が発生し、多くの方が亡くなられました。菅総理も早速にお見舞いのメッセージを発出されましたが、改めて、お亡くなりになられた方の御冥福をお祈りするとともに、負傷された方の御回復をお祈りいたします。
 我々自由民主党は、人生百年時代を見据えた全世代型社会保障の改革の実現に向けて、精力的に議論を重ね、政府としての方針決定を促してきました。その中で、全ての世代に向き合う責任与党としてお示しした大きな方向性は、現役世代への給付が少なく、給付は高齢者中心、負担は現役中心というこれまでの社会保障制度の構造を見直し、全ての世代の方々が安心できる社会保障制度を構築し、次の世代に引き継いでいくことにあります。
 そこで、まずお伺いいたします。
 今回の全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案について、改正の背景及び必要性について、総理にお伺いします。
 続いて、後期高齢者医療について伺います。
 平成二十年度の制度開始以降、後期高齢者人口の増加と現役世代の人口減少に伴い、現役世代の保険料による支援金の負担は年々重くなっております。
 また、令和四年度から団塊世代が後期高齢者入りすることによって現役世代の負担は更に大きく上昇することが予測される中、若者の理解を得るためにも、一定の収入があり、負担能力のある高齢者の方に窓口負担の御負担をいただくことは必要です。
 まず、今回、政府が本法案において提案する窓口負担の見直しの目的を、改めて総理に伺います。
 一方、高齢者の方は、多くの方は年金収入を主たる生計手段として過ごしておられます。特に高齢の方ほど収入が低い傾向にあると考えます。また、後期高齢者の方は、医療の必要性も高く、長期にわたり、また頻繁に医療機関を受診することも必要になります。そして、現在、コロナ禍で受診控えも生じていると言われており、通常とは異なる状況下にあります。
 このように、高齢者の疾病、生活状況等の実態を見極めた上で窓口負担の所得基準の設定をする必要があると考えますが、政府案の基準の考え方について、また、必要な受診を抑制しないよう行う配慮措置、国民の理解促進に向けた丁寧な広報、周知も必要であると考えますが、厚生労働大臣の見解を伺います。
 また、全世代型社会保障においては、後期高齢者の窓口負担の見直しによって、後期高齢者支援金の増加を抑制し、現役世代の保険料負担上昇を少しでも抑えることに加え、現役世代の生活と安心を支えるべく、必要な給付の改善を図るとともに、少子化対策の更なる強化が欠かせません。
 今国会においては、子ども・子育て支援法の改正案が提出されていますが、医療保険制度改革においても、現役世代の給付を改善し、子供、子育てを支援していくことは重要だと考えます。
 これらの点について、厚生労働大臣の見解を伺います。
 また、被用者保険とともに国民皆保険を支える国民健康保険制度については、被保険者の年齢構成が高く、医療費が高い一方で、所得水準が低いといった構造的な課題があります。このことから、平成三十年度の国保制度改革により、財政運営を都道府県単位化するとともに、財政支援の強化が図られており、市町村における法定外繰入れも改革前と比較して三分の一程度に減少したと承知しています。
 今後、法定外繰入れの更なる解消や都道府県内の保険料統一といった国民健康保険制度に残された課題についてどのように取り組むこととされているか、厚生労働大臣にお伺いします。
 日本の医療保険における皆保険制度は、国民の医療へのアクセスのよさを保障し、国民の長寿、健康に寄与してきたほか、今般の新型コロナウイルス感染症への対応でも効果を発揮してきました。このすばらしい制度を子供や孫の世代まで、人生百年と言われる中、引き継いでいくのが我々政治の責任だと思います。
 今回の改革は、団塊の世代が後期高齢者入りする二〇二二年度を見据えると、待ったなしの課題です。本法案の速やかな成立が求められるとともに、我々自由民主党は、子供、若年層から高齢者まで幅広い国民の理解と共感を求めつつ、制度の持続可能性を高める努力をたゆまなく続けていくことを申し上げ、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣菅義偉君登壇〕

#28
○内閣総理大臣(菅義偉君) 武井俊輔議員にお答えをいたします。
 法案提出の背景及び必要性についてお尋ねがありました。
 少子高齢化が進展し、令和四年度以降、いわゆる団塊の世代が七十五歳以上の高齢者になり始める中で、現役世代の負担上昇を抑え、全ての世代の方々が安心できる社会保障制度を構築することは、待ったなしの課題であります。
 このため、給付は高齢者中心、負担は現役中心というこれまでの社会保障の構造見直しをし、全ての世代で広く安心を支えていくために、昨年末、全世代社会保障改革の方針を閣議決定いたしました。
 この方針を踏まえ、本法案では、後期高齢者医療における窓口割合負担の見直しなどの給付と負担の見直し、子育て世代の負担軽減を図る観点から、未就学児の均等割保険料を減額する措置の導入、こうしたことを進めることにいたしております。
 今後とも、世界に冠たる我が国の社会保障制度を次の世代にしっかりと引き継ぐために、これまでにない発想で少子化対策に取り組むなど、全世代型社会保障の構築を進めてまいります。
 窓口負担の見直しの目的についてお尋ねがありました。
 若者と高齢者が支え合い、現役世代の負担上昇を抑えつつ、全ての世代の方々が安心できる社会保障制度を構築することは、待ったなしの課題です。
 このため、少しでも多くの方に、支える側として活躍をしていただき、能力に応じた負担をしていただくことが必要であり、今回、七十五歳以上の高齢者のうち、一定の収入以上の方々についてのみ、その窓口負担割合を二割とするものです。今回の改革により、若い世代の保険料負担は七百二十億円減少するものと承知しております。
 その際、窓口負担が二割となる方についても、必要な受診が抑制されないよう、経過措置を設けることとしております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
    〔国務大臣田村憲久君登壇〕

#29
○国務大臣(田村憲久君) 武井俊輔議員にお答え申し上げます。
 後期高齢者医療における窓口負担見直しの所得基準と配慮措置等についてお尋ねがありました。
 今般の改正法案で提案している窓口負担の見直しの所得基準は、課税所得二十八万円以上、かつ、単身世帯で年収二百万円以上、複数世帯で年収三百二十万円以上としております。これは、後期高齢者のうち所得上位三〇%に相当する課税所得以上であること、四十年間、平均的な収入で厚生年金を納めてきた方の年金額を超える水準であることなど、高齢者の負担能力や生活状況を踏まえた上で決定したものであります。
 また、必要な受診が抑制されないよう、二割負担への変更による影響が大きい外来患者について、施行後三年間、一月分の負担増を最大でも三千円に収まるような配慮措置を講ずることといたしております。
 こうした内容について、高齢者を始め、国民の皆様に御理解いただけるよう、後期高齢者医療広域連合や市町村等と連携しながら、丁寧に周知、広報を行ってまいります。
 現役世代への給付改善や子ども・子育て支援についてお尋ねがありました。
 今回の改正法案では、現役世代への給付改善として、治療と仕事の両立を図る観点から、傷病手当金について、出勤に伴い不支給となった期間を延長して支給を受けられるよう、支給期間の通算化を行うことといたしております。
 また、子ども・子育て支援として、短期の育児休業の取得に対応して、月内に二週間以上の育児休業を取得した場合の保険料免除や、国民健康保険制度について、子供の均等割保険料の軽減措置を講ずることとしており、このような改正を通じて、全ての世代が公平に支え合う全世代型社会保障制度の構築に向けた取組を進めてまいります。
 国民健康保険制度における法定外繰入れの解消や保険料水準の統一についてお尋ねがありました。
 市町村の法定外繰入れ等については、従来より、その計画的な削減、解消をお願いしており、平成三十年度から毎年約三千四百億円の財政支援を行うなど、財政基盤を大幅に強化したところであります。
 今回の改正法案では、都道府県と市町村が一体となった取組を推進する観点から、国保運営方針に、市町村の国保特別会計における財政の均衡を保つために必要な措置を定める努力義務を課すこととしており、更に効果的な取組が進むよう、国としても支援してまいります。
 また、保険料水準の統一については、昨年五月にガイドラインの改定を行い、将来的に保険料水準の統一を目指すことを明確化したところでありますが、今回の改正法案においても、保険料水準の平準化を国保運営方針の記載事項に位置づけることとしており、国としても取組を後押ししてまいります。(拍手)
    ―――――――――――――

#30
○議長(大島理森君) 中島克仁君。
    〔中島克仁君登壇〕

#31
○中島克仁君 立憲民主党の中島克仁です。
 ただいま議題となりました、政府提出、全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案及び立憲民主党提出、高齢者の医療の確保に関する法律の一部を改正する法律案について、会派を代表して質問をいたします。(拍手)
 まず冒頭、先ほど、とかしき厚生労働委員長が、フェースガードで登壇し、発言をされました。感染拡大が現実的なものとなり、国民の皆様に感染対策の徹底を求める中、誤ったメッセージになりかねません。極めて不謹慎、甚だ遺憾であり、強く抗議を申し上げることを述べさせていただいた上で、質問に入ります。
 新型コロナウイルス感染再拡大の懸念が日に日に高まっております。昨日は、全国の感染者が一月三十日以来三千人を超え、大阪では一日の感染確認が過去最高の八百人を超えたことを受けて、医療非常事態宣言が発出されました。
 まず、大阪の感染、現状について、菅総理にお尋ねいたします。
 緊急事態宣言の解除時期は適切であったと考えているのか。一方で、その後の蔓延防止等重点措置の適用は遅過ぎたのではないですか。変異株の脅威を鑑みれば、緊急事態宣言も検討するべきだと考えますが、総理の答弁を求めます。
 東京におきましても、昨日、五百五十五人の感染が確認され、蔓延防止等重点措置の適用について国に要請する考えが示されました。早急に東京にも蔓延防止等重点措置を適用するべきだと考えますが、総理の答弁を求めます。
 菅総理は、五日の参議院決算委員会で、新型コロナウイルスの感染状況について、第四波といった全国的な拡大のうねりにはなっていないと発言をされましたが、先週の金曜日、分科会の尾身会長は、私との質疑で、いわゆる第四波という言い方は、それで全然間違いないとの認識を示されました。
 確認ですが、今日の時点でも総理は新型コロナウイルス第四波の状況ではないと考えておられるのか、お尋ねをいたします。
 昨年末、GoToトラベルをやめず、対策が後手後手になった経緯、認識の乏しさ、危機感の欠如が、新型コロナウイルス第三波を招き、医療逼迫を招いたことをお忘れでしょうか。第四波の現状は、昨年同様、政府の後手後手の対応、不作為の連続により引き起こされたことは明白です。
 総理は現在の状況の責任をどのように取られるおつもりなのか、総理の答弁を求めます。
 真っ先に必要なことは、総理自らの言葉で、正確な現状認識、強い危機感を示し、先手先手で第四波対策を具体的に国民に示すべきだと考えますが、総理の見解を求めます。
 菅総理が新型コロナ対策の切り札とし、また、国民からも期待が高まっているワクチン接種について、希望する方が安心、安全、円滑に接種できる体制をつくることを求めている立場から、お尋ねをいたします。
 政府は、二月から医療従事者への接種を、四月から高齢者への接種を開始し、その後、基礎疾患のある人などに順次拡大する方針で臨んできました。しかし、医療従事者の優先接種が終わらないまま、四月十二日から高齢者三千六百万人の接種が始まろうとしており、当初のスケジュールからすると、遅れていると言わざるを得ません。
 ワクチンを打ち終わっていない医療従事者が高齢者のワクチンを打ち始めるケースも出てきますし、高齢者の接種を行う医師自身が、いつ接種されるか分からない状況です。コロナ病棟で働く医療従事者からは、接種を後回しにされる不安も募っています。
 一方、例えば、四月五日に八王子市が先着順で接種予約を受け付け、開始から僅か一時間半で枠が埋まってしまうなど、混乱が生じています。河野担当大臣は、コンサートのチケットを予約するのと違って売り切れることはない、確実に接種できるので焦らないでいただきたいと言いますが、供給が少ないまま四月からの高齢者接種を急ごうとしたのは、ひとえに高齢者の接種を四月中にスタートすると宣言した菅総理のメンツを保つための既成事実づくりではないですか。接種券が送られてきたのに、いつ接種できるのか見通せない高齢者にもっと丁寧に対応すべきではないか、総理にお伺いいたします。
 河野担当大臣は、医療従事者四百八十万人分を五月前半までに、高齢者約三千六百万人分を六月末までに確保できると発表しています。しかし、これはファイザー社との約束であって、EUの承認次第に左右されることは変わりありません。しかも、政府は配送量の確保までで、いつ接種できるかどうかは自治体任せとなっています。
 実際、地方三団体は、五日、市町村へのワクチン配送時期と個数について明確に示してほしいと注文をつけています。国から自治体へ伝えられる供給スケジュールが曖昧では、準備もままなりません。
 ファイザー社のワクチンは現在どれくらい確保されていて、現段階でどのくらいは必ず来るのか、進捗がどうなっているのか。自分はいつ接種できるのかという国民の疑問に答えられるよう、今後のワクチン接種スケジュールの全体像を明確に示していただきたい。総理にお伺いいたします。
 東京オリンピック・パラリンピックの開催に必要な医療スタッフについて、政府は、一人五日間程度の勤務をお願いすることを前提に、一万人程度の方に依頼をしてスタッフ確保を図っているとしております。さらに、解散・総選挙となれば、接種会場や自治体の人手など、ワクチン接種への影響が想定をされます。
 何よりも、変異株の急速な拡大と相まって、感染が爆発的に広がっていけば、ワクチン接種以前に、目の前の患者を救うために集中することになります。このような不測の事態へはどのように対応するつもりなのか、総理に伺います。
 感染対策の両輪は、ワクチンと治療薬、治療方針の確立です。我が国が医療先進国として培ってきた経験医学を、新型コロナ治療方針の確立に向け、最大限発揮する局面だと私は考えます。その象徴が、私の母校である山梨県立韮崎高校の大先輩である大村智博士が開発に深く関与し、四十年間、毎年約三億人もの命に寄り添ってきた抗寄生虫薬イベルメクチンです。メイド・イン・ジャパンのイベルメクチンは、現在、医師主導治験中ですが、海外から有効性の報告が多数示されている上、安全性は確立をされています。
 総理は、二月十七日の衆議院予算委員会での私との質疑で、イベルメクチンについて、我が国にとって極めて重要な薬で、最大限努力、支援していくと答弁をされました。最大限の努力、支援を、具体的にどこに、どのように指示を出されたのかお尋ねするとともに、新型コロナウイルス感染症の局面を大きく打開するための治療法の確立の重要性について、総理の見解をお尋ねいたします。
 総理との質疑の後、厚生労働委員会において、度々治療薬、治療方針の確立の支援について求めておりますが、最大限支援の姿勢が全く見えません。総理の指示が厚生労働省、AMEDに届いているのか、甚だ疑問です。
 総理の求心力、指導力にも関わることでありますので、いま一度、行政府の長として、新型コロナウイルス感染症の治療薬開発、確立に最大限の努力をせよと明確に指示を出していただけないでしょうか。総理に伺います。
 今年一月のいわゆる第三波においては、新型コロナウイルスと確認された三万人以上の方が自宅療養となり、中には、四十度の発熱、強い喉の痛み、せき込みに脅かされ、そのような状況にもかかわらず、医師に診察どころか相談さえできない、薬も出されていない、経過中にお亡くなりになる方も多数おられ、信じられない状況に私は愕然といたしました。
 二度とこのような事態を招かないために、標準治療の確立を急がなければなりません。尾身会長も、先週の私との質疑で、有事の際のプロトコールを作る必要があると認められ、すぐにやるべきだと強い口調で発言をされました。
 総理の指示により、直ちに有事、緊急時における薬事承認の制度づくりを行うべきだと考えますが、総理の見解をお尋ねいたします。
 新型コロナウイルス感染症の蔓延、長期化により、我が国の医療体制の課題が浮き彫りとなりました。その中でも、平時でも問題となり、このコロナにより更に浮き彫りとなった課題が、プライマリーケア機能を持つかかりつけ医の不在です。
 かかりつけ医が制度化されていれば、新型コロナウイルス感染状況において、相談から検査、加療へと適切につなげられたはずです。ワクチン接種も、かかりつけ医の下で的確なリスクコミュニケーションが図られれば、接種を希望する方が安心、安全に、また円滑に接種が進められていくはずです。
 かかりつけ医の機能、役割を明確に定義し、さらに、かかりつけ医を制度化する日本版家庭医制度創設が、コロナ対応においても、また少子高齢化、人生百年時代を迎えた我が国の医療体制の再構築のためにも不可欠だと考えますが、総理の見解を求めます。
 総理は、グリーン、デジタル、ヒューマンと三つのニューディールを掲げておられますが、大事なものが抜け落ちています。有事の際の薬事承認制度創設、日本版家庭医制度創設などを含む医療制度、医療体制改革、メディカルニューディールこそ、今、最も重要であり、求められることと考えますが、総理の見解を求めます。
 政府提出法案について質問いたします。
 政府は、本法案によって、単身世帯の場合で年収二百万円以上の後期高齢者の医療費窓口負担を現在の一割から二割へ引き上げるとのことです。
 窓口で医療費を実際に支払う当事者からすれば、大変な自己負担増となります。後期高齢者の皆さんは、複数の病気をお持ちであるなど、現状においても多大な医療費を支払っている方が多くいらっしゃいます。これに加えて、更に窓口負担を引き上げるということになれば、コロナ禍において既に顕著な受診控えに拍車をかけ、症状の重症化をもたらす可能性もあります。
 少なくともこのコロナ禍においては、これ以上の受診抑制を引き起こすような政策を実施するべきではないと考えますが、総理の見解を伺います。
 今回の法改正では、窓口負担増加に対して一定のラインにキャップをかける配慮措置を講じ、医療費窓口負担引上げに伴う急激な負担増加を抑制するとされています。しかし、配慮措置を加味したとしても、外来費用負担の追加額は最大で年三万六千円に上ります。また、入院費用には配慮措置はありません。
 このような配慮措置では、そもそも後期高齢者の急激な負担増加を抑制するというには不十分ではないかと考えますが、総理の見解を伺います。
 団塊の世代が後期高齢者になり、医療費全体が膨らんでいくにつれて、後期高齢者支援金を負担する現役世代の負担は今後ますます厳しくなっていくことが危惧されます。後期高齢者医療制度について、抜本的な改革が求められていることは明らかであります。
 立憲民主党提出の議員立法では、どのように現役世代の負担を軽減しようとしているのか、議員立法提出者に伺います。
 我々は、医療保険制度の持続可能性を強化し、現役世代の負担を軽減するためには、公費負担の拡充とともに、後期高齢者の保険料の賦課限度額の引上げが必要と考えます。医療サービスの利用を抑制する可能性のある窓口負担の引上げではなく、保険料の賦課限度額の引上げによる応能負担の強化によって、制度の持続可能性を担保するとともに、現役世代の負担を軽減するべきです。
 政府として、現在の後期高齢者の保険料の賦課限度額についてどのように認識をしているのか、総理の見解を伺います。
 政府は、今般の窓口負担の引上げによる給付費減一千八百八十億円のうち、約半分の九百億円は一定の受診控えが起こるという、いわゆる長瀬効果として試算しているとのことです。しかし、この受診控えが症状の重篤化につながるものなのか、単に医療サービス利用の適正化に資するものなのかについては、調査分析が行われておりません。
 医療費の自己負担増をお願いするということであれば、それ以前に、少なくともこれらについて正確に調査分析し、その結果を公表するべきではありませんか。総理の見解を伺います。
 新型コロナウイルス変異株による第四波は、これまでの延長戦での対策では感染制御は困難であり、まして、これまでの対策を正当化するような姿勢では、状況は更に悪化いたします。
 国民の命は菅総理の判断に委ねられております。総理御自身が、正確な現状認識の下、覚悟を持って取り組む姿こそが、国民の希望につながります。国民の命を守るため、全てやる、総理御自身の覚悟の姿勢が確かなものなのか、新型コロナウイルス感染収束に向けて、改めて総理の覚悟をお尋ねし、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣菅義偉君登壇〕

#32
○内閣総理大臣(菅義偉君) 中島克仁議員にお答えをいたします。
 大阪府の緊急事態宣言の解除などについてお尋ねがありました。
 二月下旬の段階では、感染者数も大きく減少し、病床の状況も改善しており、解除の基準を十分に満たしておりました。こうした中、知事から要請があり、専門家の御意見を伺った上で、解除をいたしました。
 今回の蔓延防止等重点措置については、感染状況や医療提供体制の状況等を勘案しつつ、大阪府からの要請を受けた翌日に、専門家の意見を伺った上で、決定いたしました。
 いずれも適切なタイミングで判断したものと考えています。
 重点措置の下で、二十時までの飲食店の時短要請など、緊急事態宣言並みの強力な措置を実施し、さらに、国と自治体が連携し、全ての飲食店への見守り、高齢者施設での定期検査、医療体制の確保をしっかり実行してまいります。
 東京への蔓延防止等重点措置の適用についてお尋ねがありました。
 現時点で東京都から具体的な要請はありませんが、政府としては、新規感染者数や病床の状況などを勘案し、東京都や専門家の御意見も伺いながら、適切に判断をしてまいります。
 新型コロナの感染状況についてお尋ねがありました。
 現時点で全国的な大きなうねりとまではなっておりませんが、全国の新規感染者数は、三月上旬以降、増加が継続しており、かつ、幾つかの地域で感染の再拡大が生じており、政府としては、強い警戒感を持って対応しております。
 引き続き、各地で発生する波を全国規模の大きな波にしないため、地域を絞った重点措置を機動的、集中的に講じ、感染拡大を食い止めてまいります。
 現在の感染状況への責任及び対策についてお尋ねがありました。
 感染対策に奇策はなく、政府としては、飲食店対策、検査の拡大、医療体制の確保を粘り強く進め、地域を絞った重点措置を機動的、集中的に講じ、各地で発生する波を大きな波につなげないよう対策を徹底していくことが私の責任だと考えています。
 高齢者への接種についてお尋ねがありました。
 高齢者への優先接種については、全国知事会などから、段階的に接種範囲を広げ、検証、改善を着実に行うなど、供給体制を踏まえた現実的なスケジュールの下、丁寧に進めてほしい、こうした要望をいただいております。
 これを踏まえ、四月十二日から段階的に開始することとしているものであり、既成事実づくりといった御指摘は当たらないものと考えます。
 また、スケジュール等については、様々な機会を通じて丁寧に情報提供してきたものであり、引き続き、各自治体と緊密に連携し、円滑な接種が進むよう全力で取り組んでまいります。
 ワクチン接種のスケジュールについてお尋ねがありました。
 ファイザー社製のワクチンについては、四月十二日から高齢者への優先接種を始めることとしておりますが、五月二十三日までには全国の高齢者の約半数の方に一回目の接種ができる数量を自治体に配送するとともに、六月末までに全ての高齢者の方に二回接種できる数量を配送する見込みであり、そのために必要なワクチンを確保していく予定としております。
 ワクチン接種に関する不測の事態への対応についてお尋ねがありました。
 御指摘のような様々な事態が発生しても、ワクチン接種に必要な医療関係者等が不足するという事態にならないよう、国において、看護職員の確保策等を用意し、自治体に周知するなどの取組を進めてまいります。
 引き続き、ワクチン接種が円滑に進むよう、医療関係団体とも緊密に連携をしながら、着実に取り組んでまいります。
 新型コロナの治療薬についてお尋ねがありました。
 新型コロナへの治療薬を一日も早く実用化し、その治療法の確立を図ることは、重要な課題であると考えております。
 このため、御指摘のイベルメクチンを含め、治療薬の研究開発について、国として最大限支援をしていくように厚生労働省に対して私から従来から指示しており、これを踏まえて、厚生労働省において様々な支援を行っているものと承知しています。
 新型コロナの治療薬の開発や確立についてお尋ねがありました。
 新たな治療薬の研究開発については、私の指示の下に、厚生労働省において、一日も早く国民の皆様の不安を解消できるよう、日本医療研究開発機構の事業等を通じて、国内外の企業、研究者による研究開発への支援を行っているものと承知しています。
 引き続き、安全性、有効性が確認された治療薬をできるだけ早期に実用化し、標準治療法が確立されるよう、政府として全力で取り組んでまいります。
 有事における薬事承認についてお尋ねがありました。
 有事、緊急時においても、科学的データに基づき有効性、安全性を確認した上で、承認審査に要する時間をなるべく短くすることが重要です。
 我が国には既に医療上の必要が特に高い医薬品等の迅速な承認を可能とする制度があり、新型コロナ関係の薬事承認が行われているところであります。
 引き続き、必要な治療薬等を迅速に国民に届けられるよう、最大限努めてまいります。
 かかりつけ医についてお尋ねがありました。
 高齢化が進展する中、感染症に適切に対応するためにも、日常診療を通じて患者の状況を把握し、発熱時の相談対応や適切な医療機関への紹介、予防接種等を行うかかりつけ医を持つことは重要であり、引き続き、かかりつけ医の育成、普及を進めてまいります。
 医療制度改革等についてお尋ねがありました。
 平時と有事のいずれにも弾力的に対応可能な医療体制を構築することが重要です。御指摘の点も含め、今回の一連の対策について、今後しっかりと検証した上で、必要な対応を行ってまいりたいと思います。
 受診抑制についてお尋ねがありました。
 新型コロナの影響が長引く中にあって、また、今回の窓口負担の見直しによって医療機関への必要な受診が抑制されるといったことのないよう、見直しには経過措置を設けています。また、施行時期も令和四年度後半を予定いたしております。
 窓口負担の見直しの配慮措置についてお尋ねがありました。
 そもそも、今回の見直しは、後期高齢者のうち所得上位三〇%に相当する課税所得以上であり、四十年間、平均的な収入で厚生年金を納めてきた方の年金額を超える水準の方を対象に実施するものであり、その上で必要な配慮措置を講じるなど、適切なものと考えています。
 なお、入院については、既に高額療養費の対象となっている方が多いことから、その影響は限定的であると考えております。
 保険料の賦課限度額についてお尋ねがありました。
 保険である以上、受益と負担が著しく乖離することは納付意欲の低下を招くおそれがあります。このため、保険料納付の上限として賦課限度額を設けているものであり、その見直しを行う場合には、関係者と十分に議論して検討すべき、重い課題だと認識をしております。
 窓口負担の見直しにおける受診行動の変容の分析についてお尋ねがありました。
 今回の見直しにより、御指摘の長瀬効果によって受診行動が変化することは経験的に知られておりますが、個人の健康に与える影響をあらかじめ分析することは難しいと考えます。
 あわせて、今回の改正法案では、一定の収入以上の方々のみを対象にその窓口負担を二割とするものであり、配慮措置もしっかり講じることで、必要な受診の抑制を招かないようにいたしております。
 感染収束に向けた覚悟についてお尋ねがありました。
 感染対策に奇策はなく、変異株といえども、基本的な感染対策を続けることが重要です。
 政府としては、地方自治体とも緊密に連携しながら、飲食店対策、検査の拡大、医療体制の確保を粘り強く進めつつ、地域を絞った重点措置を機動的、集中的に講じてまいります。
 何としても国民の命と暮らしを守るという決意で、対策を徹底してまいります。(拍手)
    〔稲富修二君登壇〕

#33
○稲富修二君 中島克仁議員から、現役世代の負担軽減の方法についてお尋ねがありました。
 医療保険制度を持続可能なものとしていくためには、現役世代の負担軽減は喫緊の課題です。その課題への対応策は、まずは、後期高齢者の中で特に高所得の方に応能負担をお願いすることであると考えます。
 私たちが提出した法律案では、令和四年度以降の当分の間、後期高齢者の負担割合を定める後期高齢者負担率に特別調整率を加える特例を設けます。これにより、現役世代から後期高齢者への仕送りが縮減され、現役世代の負担は軽減されることになります。
 そして、後期高齢者負担率の特例によって生じる後期高齢者の負担については、保険料賦課限度額の引上げにより、所得の高い後期高齢者に更なる応能負担を求めることに加え、国による公費負担によって対応いたします。
 国による公費負担の内容としては、後期高齢者負担率の特例に伴う保険料の見直しの際に、後期高齢者医療広域連合が中低所得の被保険者の保険料を減額できることとし、その費用を国が負担するものとしております。
 これらの措置により、政府案の見込みと同程度、現役世代の負担が軽減されると考えております。
 政府案の窓口負担の引上げでは、新型コロナウイルス感染拡大による受診抑制が懸念される中で、更なる受診抑制によって症状の重症化を招きかねません。コロナ禍の現状で、窓口負担の引上げは行われるべきではございません。(拍手)
    〔議長退席、副議長着席〕
    ―――――――――――――

#34
○副議長(赤松広隆君) 伊佐進一君。
    〔伊佐進一君登壇〕

#35
○伊佐進一君 公明党の伊佐進一です。
 ただいま議題となりました健康保険法等の一部を改正する法律案について、公明党を代表して質問いたします。(拍手)
 全世代型社会保障を実現するためには、給付は高齢者中心、負担は現役世代中心というこれまでの社会保障構造を見直し、世代間の負担を公平にすることに重要な意義があります。
 今回の法改正における最大の議論の一つは、一定の所得以上の高齢者の皆様の窓口負担を一割から二割に引き上げるというものです。
 一方で、実際に負担増となる高齢者の生活にどのような配慮ができるかも重要なテーマでした。どの範囲の方々を見直しの対象とすべきか、公明党内でも様々な意見がありました。また、与党内においても、各レベルでの調整の必要がありました。最後には、菅総理と公明党山口代表が直接会談し、二割負担の対象範囲を決着させ、かんかんがくがくの議論の結論を見ました。
 こうした経緯を振り返り、本法案に示された高齢者の窓口二割負担について、総理の御所見を伺います。
 高齢者の窓口負担が二割となった場合、医療機関窓口での年間支払い額は、平均で約八・三万円から十一・七万円に増加することとなります。
 しかし、これはそれぞれの疾病によっても幅があります。例えば、入院などでは、高額療養費を超える場合が多く、影響は抑えられます。一方で、膝の痛みと高血圧、あるいは脳血管疾患など、複数の疾病を抱え、長期で頻繁に受診されている方ほど、その影響が大きくなります。こうした方々への影響を緩和するため、一定期間にわたって負担増の幅に上限を設けることとなりました。
 当初、政府から示された激変緩和措置は、負担増加額を二年間にわたって最大月四千五百円に収めるものでした。しかし、高齢者の家計支出における医療費負担が大きいという現状を考慮し、我が党からも更なる緩和措置を求めました。
 法案における高齢者への負担増の影響、そして、その緩和策がどのようになったのか、総理に伺います。
 団塊の世代が後期高齢者に移行し始める二〇二二年度から、支え手である現役世代の負担増は大きな課題でした。今回の法案においては、現役世代の負担増軽減の必要性が示されたことは、まず大きな一歩であったと評価いたします。
 一方で、後期高齢者の現役並み所得者への公費投入の在り方等、医療保険制度における負担と給付、公費のバランスについては、公平性等の観点から不断の見直しが必要と考えます。
 法案においては、施行後五年をめどとして検討を加えることとなっていますが、高齢者負担の激変緩和措置も三年間で終わってしまうことを考えれば、五年を待たずして必要な時期に必要な検討を行うべきと考えます。厚労大臣の見解を伺います。
 病気やけがで仕事を休んだ場合に受け取れる傷病手当金は、出勤と欠勤を繰り返したとしても、最初の支給日から一年六か月までの欠勤期間のみが支給の対象となっています。
 近年、医療技術の高度化などにより、例えば、がん患者の皆さんは、手術等で一定期間入院をした後、定期的に通院で抗がん剤治療や放射線治療を受けるなど、休暇を取りながら働くケースが増えてきました。
 こうした実情に合わせて、実際に休んだ欠勤期間を通算して一年六か月以内への支給とできれば、治療と仕事の両立が可能となります。公明党は、二〇一五年八月の厚労大臣への提言を始め、総理への国会質疑などで何度も訴えてまいりました。
 本法案において、傷病手当金の制度がどのように変わるのか、伺います。
 深刻化する少子化社会を克服するため、子育て世帯の経済的負担を軽減することは重要な課題です。
 その一つが、子供の医療費についての負担です。
 これまでも公明党は、各自治体において、地方議員と一緒になって子供の医療費助成を推進してまいりました。また、二〇一八年度から実現した未就学児の医療費助成に対する国保の減額調整措置の廃止にも尽力してまいりました。
 一方、保険料については、国民健康保険に加入する世帯の子供は、被保険者として均等割保険料の対象であり、子供の数が増えるほど世帯での保険料負担が増加することとなっています。
 子育てに係る経済的負担の軽減のためには、国民健康保険における子供の均等割の減額が求められています。法案において、子育て世帯の負担軽減のため、どのような措置を行うのか、厚労大臣に伺います。
 令和元年の法改正においては、全ての健康保険加入者のデータを一元化するオンライン資格確認システムを構築することとなりました。今回の法案により、最後に残された生活保護受給者のデータについても同システムに組み込むこととなります。
 オンライン資格確認システムの導入により、かかりつけ医とそのほかの医療機関、薬局等との間で患者情報を共有することが可能となり、患者の皆さんにとってみれば、診断の質の向上につながります。また、医療費の適正化にも資するものであり、その運用が強く期待されます。しかし、データ修正作業の遅れなどにより、本格運用が本年三月から十月にずれ込んだことは、誠に残念でありました。
 一・二億人の医療情報と三千の保険者のデータを突合させるという巨大なシステム構築です。また、人の移動や転職などによって恒常的なデータ修正が求められます。そういう意味では、ヒューマンエラーは避けられないものであり、その前提の上で作業を進めていくべきです。誤入力のチェック機能の強化など、必要なシステム改修を行うべきです。
 今後のシステム改修やデータ検証作業の取組について、政府の見解を伺います。
 最後に、菅総理に伺います。
 今後も、少子高齢化が進み、人口構造は大きく変動していくことが予想されます。二〇二二年問題や二〇二五年問題に続き、団塊ジュニア世代が六十五歳以上の高齢期に移行し、労働人口が大幅に減少する二〇四〇年問題。さらには、総人口が八千八百万人程度に減少、高齢化率は三八・四%に上昇し、一・三人の現役世代で高齢者一人を支える二〇六五年。
 このような状況に対し、国民皆保険や皆年金が発足した一九六一年当時、高齢化率六・三%、十一・二人の現役世代が高齢者一人を支える形の人口構造を前提とした社会保障制度のままで、日本の社会保障をこれからも維持できるでしょうか。
 今回の法改正は、今、必要な改革ではあります。しかし、これからの二〇四〇年問題などに対応するには、給付と負担のバランスや医療、介護のデジタル化を含めたあるべき医療提供体制など、抜本的な社会保障制度改革が必要です。総理の見解を伺います。
 以上、御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣菅義偉君登壇〕

#36
○内閣総理大臣(菅義偉君) 伊佐進一議員にお答えをいたします。
 窓口負担の見直しについてお尋ねがありました。
 来年にはいわゆる団塊の世代が七十五歳以上の高齢者になり始める中で、少しでも多くの方に、支える側として活躍いただき、能力に応じた負担をしていただくことは、重要な課題であると考えております。
 一方で、その際には、高齢者の生活等の状況をしっかりと踏まえ、必要な配慮措置を講じることも重要な視点であります。
 今回の法案については、こうした観点から、与党内で精力的に議論が行われ、最終的に、私と御党の山口代表との間で、必要な受診が抑制されないよう、経過措置を設けた上で、一定の収入以上の方々についてのみ、その窓口負担を二割とすることとしたものであります。
 政府としては、世界に冠たる我が国の社会保障制度を次の世代にしっかりと引き継ぐとの強い決意の下に、引き続き、全ての人が安心できる社会保障の構築に向けた検討を進めてまいります。
 窓口負担の見直しの配慮措置についてお尋ねがありました。
 今回の窓口負担の見直しに当たっては、窓口負担割合が二割となる方について、必要な受診が抑制されないよう、配慮措置を設けることとしました。
 具体的には、政府・与党の調整の結果、施行後三年間、外来の負担増が最大でも月三千円に収まるような措置を講じることとしており、この配慮措置により、高齢者の年間平均の負担増を三万四千円から二万六千円に抑制するものと考えております。
 社会保障制度改革についてお尋ねがありました。
 希望と活力に満ちた日本を未来につないでいくためには、世界に冠たる我が国の社会保障制度を次の世代にしっかりと引き継いでいかなければなりません。これが我々世代の責務であります。
 こうした決意の下、これまでも、人口構造の変化やライフスタイルの多様化等の社会経済環境の変化も踏まえ、全ての人が安心できる全世代型社会保障の構築に向けて、年金、労働、医療、介護など、社会保障全般にわたる改革を進めてまいりました。
 今般の法案は、こうした中長期的な視点に立ち、若者と高齢者で支え合い、若い世代の負担上昇を抑えるという長年の課題に対応するために、七十五歳以上の高齢者のうち、一定の収入以上の方々について、その窓口負担を二割とするものであります。
 政府としては、まず、この法案の成立に全力を尽くした上で、引き続き、持続可能な社会保障制度の確立を図るため、御指摘の点も踏まえながら、総合的な検討を進めてまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣田村憲久君登壇〕

#37
○国務大臣(田村憲久君) 伊佐進一議員にお答えいたします。
 今後の必要な検討についてお尋ねがありました。
 今回の改正法案の附則においては、公布後速やかに、全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築する観点から、社会保障制度の改革及び少子化に対処するための施策について、実施状況の検証を行うとともに、総合的な検討に着手し、必要な措置を講ずることといたしております。
 この附則の規定に基づき、持続可能な社会保障制度の確立を図るため、医療保険制度についても、現役世代の負担軽減を含め、総合的な検討を進め、更なる改革を推進してまいります。
 今回の改正法案における傷病手当金の見直しについてお尋ねがありました。
 近年の診断技術や治療方法の進歩等により、例えば、がん治療において、手術等により一定の期間入院した後、働きながら定期的に通院治療を行うケースが増えていることなどから、被保険者が傷病手当金を柔軟に利用できないという課題が指摘されているところであります。
 こうした状況を踏まえ、今回の改正法案では、治療と仕事の両立の観点から、出勤に伴い不支給となった期間を延長して支給を受けられるよう、傷病手当金を通算して一年六か月に達するまで支給することといたしております。
 国民健康保険の子供の均等割保険料の減額についてお尋ねがありました。
 国民健康保険制度においては、全ての被保険者がひとしく保険給付を受ける権利があり、子供がいる世帯でも、子供を含めた被保険者の人数に応じて一定の御負担をいただくことといたしております。
 一方、少子化対策は、我が国が最優先で取り組むべき課題であり、昨年五月に閣議決定された少子化社会対策大綱において、「子供の数に応じた国民健康保険料の負担軽減を行う地方公共団体への支援などを着実に実施する。」とされているところであります。
 今般の改正法案では、こうした経緯も踏まえ、子育て世帯の経済的負担軽減の観点から、未就学児の均等割保険料を半額に軽減することといたしております。
 オンライン資格確認の今後の取組についてお尋ねがありました。
 マイナンバーカードを健康保険証として利用できるオンライン資格確認については、本年三月四日から一部の医療機関等においてプレ運用を開始する等、本格運用に向けた準備を進めてまいりました。
 その過程で、保険者の加入者データの確認作業の遅れや、医療機関等における導入準備の遅れなどが課題となっていることが判明したことを踏まえ、本年十月までに本格運用を開始することとしました。
 今後、保険者の個人番号の誤入力をシステム的にチェックする機能の導入や、住基ネットへの照会による個人番号の再確認などを計画的に実施し、本格運用に向けてしっかりと工程管理をしながら取り組んでまいります。(拍手)
    ―――――――――――――

#38
○副議長(赤松広隆君) 宮本徹君。
    〔宮本徹君登壇〕

#39
○宮本徹君 私は、日本共産党を代表して、健康保険法等の改正案について質問いたします。(拍手)
 本法案の最大の問題は、一定所得以上の七十五歳以上の高齢者の窓口負担を一割から二割、二倍にすることであります。
 年を重ねれば病気にかかりやすくなり、病院にかかることも増えます。一割負担の現状でも、三割負担の現役世代よりもはるかに高齢者の医療費の負担は重くなっております。年収比で見れば、四十代と比べ、八十五歳以上は何倍の医療費の自己負担をしていますか。総理は、多くの高齢者が切り詰めて暮らし、医療費負担に苦労しているという認識はお持ちでしょうか。
 政府の試算によると、負担増は平均三・四万円にも上ります。病気が多く、治療が長引くほど負担は増えます。二割負担導入で年十万円以上負担が増える方は、何人ぐらい見込まれるんでしょうか。
 自民党、公明党の合意で、二割負担の対象は、単身世帯でいえば年収二百万円以上からスタートします。なぜ二百万円から二割負担なのか。田村厚労大臣は、収入と支出を見ると十二万円余裕があると答弁しました。総理も、年収二百万円の高齢者の暮らしには、余裕があるとの認識なのでしょうか。
 そもそも、十二万円の収支差は、倹約生活が生み出したものであります。二割負担の導入で、受診抑制が起きるのではありませんか。七十五歳以上の窓口負担の二割導入で一千八百八十億円の給付費が減ると政府は推計しておりますが、そのうち、受診行動の変化によるものは幾らですか。窓口負担の増大が原因で受診を我慢するということになれば、国民皆保険制度が空洞化していくのではありませんか。
 総理は、現役世代の負担の軽減のためだと言います。しかし、現役世代も、いずれは高齢者になります。人生トータルで見れば、現役世代の方も本法案で負担は増えるのではありませんか。現役世代のためというまやかしはやめるべきであります。
 今回の改正案で負担が減るのは、国、自治体が九百八十億円で最も多く、事業主は三百六十億円です。一方、現役世代の本人の保険料の負担軽減は、一人当たり年三百五十円です。菅総理は、まずは自助と言いますが、国と事業主の負担軽減こそが本法案の本当の狙いなのではありませんか。
 さらに、本法案は、二割負担の対象について、所得金額を具体的に明記せずに、「所得の額が政令で定める額以上である場合」としております。つまり、本法案が成立すれば、法改正を経ずに、時の政権の判断で二割負担の範囲を広げることが可能であります。政令によっては、限られたごく一部の低所得者及び現役世代並み所得とされる方を除いて、原則二割負担にもできることになるんじゃないですか。
 自民党は、当初、年収百七十万円以上を二割負担の対象にすると主張していました。将来にわたって、二割負担の対象を拡大しないとこの場でお約束できますか。
 総理、増える医療費の負担を求める先は、年収二百万円の高齢者ではありません。現役世代の負担軽減というのであれば、減らし続けた国庫負担の比率を元に戻すべきです。
 今、アメリカでもイギリスでも、行き過ぎた法人税減税を是正しようとしています。富裕層課税の動きも生まれています。金融所得課税が低い日本でこそ、イの一番に、課税強化で財源をつくるべきではありませんか。保険料についても、後期高齢者医療制度への支援金に関わるところだけでも保険料の上限を引き上げればいいのではありませんか。
 本法案のもう一つの大問題は、都道府県国民健康保険運営方針に、都道府県内の市町村の保険料の水準の平準化や法定外繰入れ解消について定めることを求めている点です。
 自治体が行っている一般会計から国保会計への法定外繰入れをやめれば、これまで市民に寄り添ってきた自治体ほど、国保料は大きく値上げとなります。
 法定外繰入れを行っている自治体数とその総額、及び法定外繰入れをやめた場合、一人当たりどれだけ保険料が上がるのか、お答えください。
 今でも国保が健保組合、協会けんぽと比べても保険料が余りにも高過ぎるという認識を総理はお持ちでしょうか。国民健康保険料の滞納世帯は何世帯で、加入者に占める比率はどうなっていますか。
 税、保険料の過酷な滞納処分は、これまで、自殺や廃業に追い込まれる方も生み出してきました。総理、やるべきは、国保料の引上げではなく、国の責任で公費を投入し、せめて協会けんぽ並みに引き下げることなのではありませんか。
 コロナ禍の下で、国保に加入する自営業者、フリーランス、非正規雇用の労働者の皆さんは、とりわけ厳しい生活状況に置かれている方が多くいます。当初の国保料値上げ計画を見送った自治体も少なくありません。こんなときに、国保料の更なる値上げへ国が圧力をかける法案など、断じて認めるわけにはいきません。
 我が党は、国民健康保険料の子供の均等割について、負担能力に関係なく、人数に応じて負担が増えるのは、子育て支援に逆行すると廃止を求めてまいりました。
 今回、ようやく未就学児について、均等割を減額し、減額相当額を公費で支援する制度が創設されます。しかし、なぜ未就学児までなのか、なぜ廃止でなく五割軽減なのか。子供の均等割は十八歳まで全て廃止し、本気の子育て支援をすべきであります。
 以上、指摘し、質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣菅義偉君登壇〕

#40
○内閣総理大臣(菅義偉君) 宮本徹議員にお答えをいたします。
 高齢者の医療費や生活実態についてお尋ねがありました。
 御指摘の年収に占める窓口負担額の割合について、平均的な年収や窓口負担のみを用いて機械的に計算しますと、四十代では一・一%、八十五歳以上はその五・五倍に相当する五・九%になります。なお、これらの比較は、今回の見直しの対象とならない、一定収入以下の方も含まれたものであります。
 また、医療の一人当たり国庫負担を見ますと、六十四歳以下では二万七千円ですが、七十五歳以上では三十二万八千円と、六十四歳以下の約十二倍となっております。
 また、家計の状況により医療費負担が大変な世帯もあると認識しておりますが、今回の見直しは一定の収入以上の方々に対して行うものであり、必要な受診が抑制されないよう、経過措置も設けることとしております。
 この見直しによって負担が年十万円以上増える方は、見直しの対象となる三百七十万人のうち、〇・一四%に当たる約五千人程度と見込まれます。
 二割負担の対象となる高齢者の生活実態と受診行動の変化についてお尋ねがありました。
 今回の窓口負担の見直しについては、後期高齢者のうち所得上位三〇%に相当する課税所得以上であること、四十年間、平均的な収入で厚生年金を納めてきた方の年金額を超える水準であることなど、高齢者の負担能力や家計への影響も考慮した上で決定をしたものであります。
 また、必要な受診が抑制されないよう、経過措置を設けるほか、施行時期も令和四年度後半を予定しております。
 御指摘の令和四年度満年度の給付費減のうち、受診行動の変化による減少は九百億円と試算しておりますが、このことが直ちに患者の健康への影響を意味するものではないと考えます。
 窓口負担の見直しの目的についてお尋ねがありました。
 今般の法案は、若者と高齢者で支え合い、若い世代の負担上昇を抑えるという長年の課題に対応するために、七十五歳以上の高齢者のうち、一定の収入以上の方々についてのみ、その窓口負担を二割とするものです。この結果、若い世代の保険料負担は七百二十億円減少するものと承知しております。
 また、少しでも多くの方に能力に応じた負担をしていただくことで、制度の持続可能性が高まると考えており、このことは、ひいては、高齢者となり制度に加入することとなる若者世代にとってのメリットにもつながるものと考えます。
 窓口負担の見直しの政令委任についてお尋ねがありました。
 窓口負担の基準については、従来から、法律には負担割合など基本事項を規定した上で、金額等の具体的な基準は政令で定めるのが一般的法形式となっており、今回の改正法案における負担の見直しについても同様の取扱いをいたしております。
 また、二割負担の範囲については、今回の見直しにまずはしっかりと取り組むことが重要であり、現時点で更に対象者を拡大することは考えておりません。
 なお、政令を改正する際には、社会保障審議会を始め、関係者との丁寧な議論を行うこととしております。
 後期高齢者医療制度の財源についてお尋ねがありました。
 高齢者の給付費に対する国庫負担について、各保険者からの拠出金に対する国庫負担は、後期高齢者支援金への総報酬割の導入時に伴い、これまで減少しておりますが、その際には、例えば国民健康保険への財政支援の拡充や財政力が弱い健康保険組合への支援を併せて拡大するなど、必要な支援を行ってきたところであります。
 金融所得課税については、平成二十六年に見直しを行ったところであり、更なる見直しについては、経済社会情勢の変化を丁寧に見極めた上で検討していくべき課題であります。
 保険料の賦課限度額は、保険である以上、受益と負担が著しく乖離することは納付意欲の低下を招くために、保険料納付の上限として設けているものです。その見直しを行う場合には、関係者と十分に議論して検討すべき、重い課題だと認識をしております。
 国民健康保険の法定外繰入れ等についてお尋ねがありました。
 令和元年度で、三百十八市町村、約千九十六億円の法定外繰入れが行われたと承知しています。
 また、滞納世帯数は令和二年六月時点で二百三十三万世帯、加入世帯に占める割合は一三・三%と承知しております。
 なお、市町村ごとに保険料が設定されており、法定外繰入れ等を解消した場合の保険料への影響額をお答えすることは困難であります。
 また、国民健康保険については、高齢化の進行に加え、無職者など低所得の加入者が多いといった課題もあり、保険料負担が相対的に重くなっていると承知しています。
 このため、所得の低い方に対し保険料軽減措置を講じ、年間約三千四百億円の財政支援の拡充を行うなど、公費を他の制度より手厚く投入しており、引き続き、制度の安定的な運営に努めてまいります。
 国民健康保険の保険料についてお尋ねがありました。
 国民健康保険の健全な財政運営のためには、保険料を適切に設定し、受益と負担の均衡を図る必要があり、法定外繰入れ等の計画的な解消を行う必要があると考えております。
 このため、今般の改正法案では、都道府県と市町村が一体となってこうした取組を推進する観点から、国保運営方針に、必要な措置を定めるよう努力義務を課することにしたものであります。
 国民健康保険の子供の均等割保険料についてお尋ねがありました。
 国民健康保険制度では、全ての世帯員がひとしく保険給付を受ける権利があるため、世帯の人数に応じた応分の保険料を負担いただくことが基本であります。
 その上で、今般の改正法案では、子育て世帯の経済的負担軽減の観点から、未就学児の医療費の窓口負担割合が二割とされていることや、所得の低い方にも一定割合の負担をいただいていること等も考慮して、未就学児の均等割保険料を半額に軽減することとしているものであります。(拍手)
    ―――――――――――――

#41
○副議長(赤松広隆君) 青山雅幸君。
    〔青山雅幸君登壇〕

#42
○青山雅幸君 日本維新の会・無所属の会の青山雅幸です。
 私は、会派を代表して、全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案について質問をいたします。(拍手)
 本法案は、まさに日本の置かれた厳しい現実を投影したものであります。
 日本の置かれた現実、それは、紛れもなく、人口構成の高齢化と人口の減少が併存する社会です。
 どちらかだけであるならば、社会も受容することが可能かもしれません。しかし、今、日本が直面しているのは、この両者です。社会保障の受益者が増大し、負担者が減少していく。影響は倍増です。
 そして、短期的に見れば、二〇二五年問題があります。第一次ベビーブームで生まれた団塊の世代が後期高齢者に来年突入します。そして、二〇二五年には、後期高齢者人口が二千二百万人に膨張するのです。
 まず、これは後期高齢者医療制度を直撃します。
 我が国の財政状況の悪化をもたらしているのは、社会保障関係費の増大。他の費目は、国債費以外はこの二十年間横ばい。社会保障関係費の増大を増税を避ける形で賄ってきたがゆえに、その負担の穴埋めは赤字国債に集中化し、国債費と社会保障関係費のみが増大してきました。そして、令和元年度において、後期高齢者医療制度関連の国庫負担が医療給付費全体の約半分を占めています。
 医療費は、年齢階級別にその費用は大きく異なります。平成三十年度において、最少の二十から二十四歳の一人当たりの国民医療費は八万五千円であるのに対し、七十五から七十九歳は七十八万円、十倍弱です。九十歳以上は百十三万円にも上ります。
 平均余命が増えた上に、絶対数も多くなるのですから、社会保障関係費の増大は相当なものとなります。そして、これは現役世代の負担増に直結します。後期高齢者医療制度では、平成三十年度において、自己負担分以外の給付の四五%を現役世代、残りの五五%を公費で負担しているからです。
 このような状況のままで、二〇二五年問題を乗り越えることはできるはずもありません。政治はマジックではないのです。困難な課題に対しては、国民全てが負担を分かち合わずして乗り越えることは不可能。給付を削るか、受益者の負担を求めるか、財源を増税で確保するか、あるいは将来世代にまたも負担増となる赤字国債発行で乗り切るか、いずれしかありません。厳しい現実に国民とともに直面している政権与党を非難しても、どうにもなることではないのです。
 そして、今回の改正案は、受益者の負担増という、ある意味、世代間公平に配慮した解決策を選択しました。それは、さきに挙げた解決策の中では最も公平かつ穏当な選択と言わざるを得ないでしょう。若い世代には、この先、負担増と給付減という二重の苦悩が待ち受けているからです。
 まず、この点の現状認識が異なるものかどうか、日頃から日本の課題は人口構成の高齢化と人口減少にあるとの見解を述べておられる麻生副総理・財務大臣にお尋ねします。
 二〇五〇年まで続く人口構成の高齢者層増大と勤労世代減少、それは、併せて二割も人口構成を変動させる大変動です。それが二〇五〇年問題と言われるものですが、今回の法案も、そこまでを乗り切る大改革とはほど遠く、いわばびほう策にすぎないものです。その点に関する認識、評価を田村厚労大臣にお伺いします。
 以上のような、本法案を取り巻く、余りにも深刻な将来の日本の大きな課題について、ではどうするかという点についても触れざるを得ません。
 まず言えることは、この問題を党利党略に利用することや政権攻撃の手段とすることは慎まなければいけないということです。
 繰り返しますが、政治はマジックではありません。どこかを立てれば、どこかに負担を求めざるを得ない、そこをごまかすべきではないのです。この大問題について、超党派で議論する場を設け、全政党、全省庁、そして全ての民間研究者や実務家の英知を結集して、これからの三十年を乗り切る方策を忌憚なく議論すべきなのです。
 ここで、子ども庁という、別の角度からこの問題を捉えた構想を提案された菅総理に、そのような議論の場を設けてはいかがかという意見具申をさせていただき、それについてのお考えをお尋ねいたします。
 グレートリセットというべき戦後の再出発から七十五年が経過しました。戦後の焼け野原の中、高齢者層が極めて少なく、若年層世代が多い、富士山のような裾野の広い理想的な人口構成で、幾らでも伸びる余地があり、実際に果てしない成長を遂げてきた若い日本社会から、成熟した、花瓶を逆さにしたような社会に日本は移行し、そして、その移行はますます進行していきます。
 子ども庁構想はそのための改革の一歩ですが、もっと幅広く、社会保障及び税制全般にわたるグレートリセット、日本大改革が必要と考えられます。その点について、菅総理の御見識をお伺いいたします。
 成熟した日本社会の実相に相応したグレートリセット、日本大改革を日本維新の会は提唱します。そして、それはひとしく全ての政党における課題であるはずです。魔術師のように振る舞い、いいとこ取りばかりができるような幻想を振りまくのが、誠実な政治と果たして言えるのでしょうか。
 現実を直視しつつ、支持団体や既得権益の利害にとらわれることなく、最新の知見に基づく政策で日本にリスタートを、新しい希望をもたらすことを目指すことをお誓いし、本法案に関する真摯な質問をさせていただきました。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣菅義偉君登壇〕

#43
○内閣総理大臣(菅義偉君) 青山雅幸議員にお答えをいたします。
 我が国が抱える課題を議論する場についてお尋ねがありました。
 青山議員が御指摘のとおり、我が国は人口構成の高齢化と人口の減少という厳しい現実に直面しており、今後三十年間を見据えて社会保障の問題について答えを出していくことは、まさに政治の役割だと考えております。
 給付は高齢者中心、負担は現役世代中心という構造を見直しをし、未来を担う子供からお年寄りまで全ての人が安心できる社会保障への改革を実現するため、まずは今回の法案の御審議をお願いしており、国会において国民の代表たる国会議員が真摯に建設的に議論することが重要ではないかと思います。
 社会保障や税制全般の改革についてお尋ねがありました。
 私自身、長年にわたり我が国の最大の課題と言われてきておる少子高齢化や人口減少に、何としても答えを出していかなきゃならないと考えております。
 その中で、若者と高齢者が支え合い、若い世代の負担上昇を抑えることは待ったなしの課題であり、今般、七十五歳以上の高齢者のうち、一定の収入以上の方々について、その窓口負担割合を二割とする法案を御審議いただいております。
 また、国の宝である子供たちのための政策を進めることも必要であり、子供たちが生まれ、育ち、学んでいく、それぞれの段階に光を当て、前に進めていきたいと考えております。その際、子供たちのために何が必要かという視点に立って、縦割りを打破し、組織の在り方を考えていくことも重要であると考えます。
 今後も、あらゆる問題を聖域なく議論し、一つ一つの改革を実現していきたいと考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

#44
○国務大臣(麻生太郎君) 青山議員から、増大する社会保障関係費への対応の考え方について、一問お尋ねがあっております。
 来年にはいわゆる団塊の世代が七十五歳以上の高齢者になり始めます。若者と高齢者が支え合い、現役世代の負担上昇を抑えつつ、全ての世代の方々が安心できる社会保障制度を構築することは、待ったなしの我が国の課題であります。その際、高齢化の進展に伴う社会保障費の増加だけではなく、支え手の減少による財源の縮小といった課題にも対応していく必要があります。
 そのため、少しでも多くの方に、支える側として活躍していただき、能力に応じた負担をしていただくことが必要であります。今回の法案では、七十五歳以上の高齢者のうち、一定の収入の方々について、その窓口負担割合を二割にしていると承知をいたしております。
 今後も、給付と負担の見直しを始めとする改革を実現してまいりたいものだと考えております。(拍手)
    〔国務大臣田村憲久君登壇〕

#45
○国務大臣(田村憲久君) 青山雅幸議員にお答えを申し上げます。
 今後の人口構成の変化を見据えた更なる改革の必要性についてお尋ねがありました。
 今後の我が国の更なる高齢化による医療・介護ニーズの増大や人口減少による活力の低下が懸念される中、社会保障制度の持続可能性の確保は大変重要な課題であります。
 そのような中、少子化の中にあっても、社会の担い手を増やし、制度の支え手となっていただくこと、医療・福祉分野の生産性を高め、より少ない人手でも回っていく現場を実現していくこと、給付と負担の見直しを行っていくことにしっかり取り組んでいく必要があります。
 今回の窓口負担の見直しは、給付と負担の見直しの一環として、来年から団塊の世代が七十五歳以上の高齢者となり始める中、着実に実施する必要があります。さらに、今後とも、持続可能な社会保障制度の確立を図るため、現役世代の負担軽減を含め、総合的な検討を進め、更なる改革を推進してまいります。(拍手)
    ―――――――――――――

#46
○副議長(赤松広隆君) 西岡秀子さん。
    〔西岡秀子君登壇〕

#47
○西岡秀子君 国民民主党・無所属クラブ、西岡秀子でございます。
 ただいま議題となりました全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案について、会派を代表して質問いたします。(拍手)
 現在、三府県六市に蔓延防止等重点措置が初めて運用されるなど、第四波とも言える感染拡大が深刻な事態となっております。
 この一年余りの新型コロナウイルス感染症との戦いにおいて、医療現場で昼夜を問わず御尽力をいただいている医療従事者の皆様、また介護従事者の皆様を始めとしたエッセンシャルワーカーの皆様に、心より敬意を表します。あわせて、国民の皆様の御協力に心より感謝を申し上げます。
 コロナ禍において、我が国は、世界に誇る国民皆保険の医療保険制度を持ち、全世代にわたり安心して医療を受ける基盤があり、コロナパンデミックの中、その重要性を改めて痛感いたしております。
 二〇二二年から二〇二五年にかけて、いわゆる団塊の世代が七十五歳以上となり、後期高齢者が増加する一方で、少子化の下、現役世代の人口は減少することが予測されております。
 特に、現在、コロナ禍において少子化が加速しており、厚生労働省が発表した人口動態統計速報によると、二〇二〇年の出生数は八十七万二千六百八十三人、前年比二万五千九百十七人の減少。今年度は八十万人を割り込むと見られ、大変憂慮される状況です。
 現在、後期高齢者の窓口負担は、現役並みの所得がある場合は三割、それ以外の方は一割負担とされています。
 今後、後期高齢者医療拠出金の負担の急増が予測され、持続可能な社会保障制度、現役世代の医療保険負担抑制は、待ったなしの課題と言えます。
 昨年十二月に、全世代型社会保障改革の方針において、現役世帯の負担抑制を図る方針が示され、後期高齢者のうち、既に三割負担をしている方を除き、単身世帯で課税所得が二十八万円以上かつ年収二百万円以上、複数世帯では年収合計が三百二十万円以上の方には、窓口負担の割合を二割とすることが打ち出されました。
 当初、菅総理は、年収百七十万円以上を絶対譲れないと述べられたと報道されておりましたが、どのような基準を基に今回の二割負担の対象となる年収額を算出されたのでしょうか。その根拠についてお尋ねいたします。
 また、極めて重要な点であると考えますが、対象となる高齢者の家計への影響について、菅総理大臣がどのように認識しておられるのか、お伺いをいたします。
 今回の後期高齢者の窓口負担二割を実施しても、財政効果が十分得られず、対象者をもっと広くすべきであるという議論と、一方、コロナ禍において受診控えが続く中で、負担が増えることによって高齢者の受診控えが一層進み、疾病の重症化リスクや必要な医療を受けられなくなるのではないかとの懸念の声が寄せられております。
 また、施行時期が令和四年十月から令和五年三月一日の間に政令で定めるとなっておりますが、いつ施行される予定であるのでしょうか。
 対象となる後期高齢者の収入は主に年金であり、令和三年度は、現役世代の実質賃金が減少していることと連動して、年金支給額がマイナス〇・一%となることが発表されました。令和四年度についても減額される見込みであり、コロナ禍における負担増はなかなか理解が得られないのではないかとの懸念もあります。
 今後、世代間の対立ではなく、持続可能な社会保障制度の在り方の観点から、丁寧な説明、議論が不可欠であると考えます。この両面の意見を踏まえた、菅総理大臣の御見解と施行時期についてお伺いをいたします。
 次に、育児休業中の保険料の免除要件の見直しについてお伺いいたします。
 現制度は、月末時点で育児休業等を取得している場合に、当月の保険料が免除される仕組みとなっています。今国会提出の、育児休業、介護休業等の一部を改正する法律案は、男性の育児休業取得促進のために出産直後の時期に柔軟な取得ができる枠組みとなっており、本法案は、短期の育児休業の取得における現状の不公平を是正するものです。
 ただ、人材不足の観点から、中小企業においては、保険料免除となる十四日以上、賞与については一か月というのは、取得のハードルが高く、公平性の観点からも柔軟に考慮すべきであると考えますが、田村厚生労働大臣の御見解をお尋ねいたします。
 一方、医療費の増加と新型コロナウイルス感染症による経営の悪化による保険料収入の減少により、大企業の従業員が加入する健康保険組合、中小企業で働く人が加入する協会けんぽ共に、財政状況が厳しい状況となっています。
 三月には、大阪にある製造販売会社の健康保険組合がコロナの影響で初めて解散する事態となりました。また、健康保険組合の四割が、ここ十年にわたり、健康診断、疾病予防等に使う一人当たりの保健事業費を縮小してきているという調査結果も出ています。今回の改正では抜本的な解決にならず、今後一層の改革を進めていかなければなりません。
 今後、全世代対応型の持続可能な社会保障制度を国民の皆様にお示しするために、給付と負担の在り方の総合的な見直し、応能負担の在り方、税も含めた議論等を加速していくことが急務であると考えますが、菅総理大臣の御見解をお伺いいたします。
 国難とも言える危機に直面した今、一番必要であるはずの国民の皆さんの政治への信頼、共感が失われていることを深刻に受け止めています。
 国民民主党は、今後とも、真摯に国民の皆様お一人お一人の声をお聞きし、家計と地域を重視する、現実的な未来へ向けた政策先導政党として、政策提案を続けていくことをお誓いし、私の質問といたします。
 御清聴いただき、ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣菅義偉君登壇〕

#48
○内閣総理大臣(菅義偉君) 西岡秀子議員にお答えをいたします。
 窓口負担の見直しの所得基準の根拠と家計への影響についてお尋ねがありました。
 今回の窓口負担の見直しの所得基準は、課税所得二十八万円以上かつ単身世帯で年収二百万円以上としております。
 これは、後期高齢者のうち所得上位三〇%に相当する課税所得以上であること、四十年間、平均的な収入で厚生年金を納めてきた方の年金額を超える水準であること、その所得水準の平均的な世帯における支出をモデル的に分析すると、収入が支出を一定程度上回る一方、今回の改革による窓口負担増は年平均で三・四万円、配慮措置も考慮すれば二・六万円と限定的であることなど、高齢者の負担能力や家計への影響も考慮した上で決定をしました。
 窓口負担の見直しの考え方と施行時期についてお尋ねがありました。
 来年にはいわゆる団塊の世代が七十五歳以上の高齢者になり始める中で、少しでも多くの方に、支える側として活躍いただき、能力に応じた負担をしていただくことが重要と考えます。
 一方で、その際には、高齢者の生活等の状況をしっかりと踏まえ、必要な配慮措置を講じることも重要な視点であると考えます。
 今回の法案では、こうした両面の御議論を踏まえ、必要な受診が抑制されないよう経過措置を設けた上で、一定の収入以上の方々についてのみ、その窓口負担を二割とするものであります。
 お尋ねの施行時期については、周知期間など必要な準備期間等を考慮し、令和四年十月一日から令和五年三月一日までの間で、政令において定めることになっております。
 社会保障制度改革についてお尋ねがありました。
 今般の法案は、若者と高齢者で支え合い、若い世代の負担上昇を抑えるという長年の課題に対応するために、七十五歳以上の高齢者のうち、一定の収入以上の方々についてのみ、その窓口負担を二割とするものであります。今回の改革により、若い世代の保険料負担は七百二十億円減少するものと承知しています。
 政府としては、まず、この法案の成立に全力を尽くした上で、引き続き、持続可能な全世代型社会保障制度の構築に向けて、総合的な検討を進めてまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答えさせます。(拍手)
    〔国務大臣田村憲久君登壇〕

#49
○国務大臣(田村憲久君) 西岡秀子議員にお答え申し上げます。
 育児休業期間中の社会保険料免除の見直しについてお尋ねがありました。
 今回の改正法案においては、月途中の短期間の育児休業等を取得した場合への対応として、育児休業開始日の属する月については、月の末日が育児休業期間中である場合に加えて、新たに、月の途中に短期間の育児休業等を取得した場合にも標準報酬月額に係る保険料を免除することとしております。
 この期間については、月の少なくとも約半分以上の育児休業等を取得していることを評価し、十四日以上としたものであります。
 また、賞与支払い月に育児休業等の取得が多いとの指摘があることを踏まえ、賞与に係る保険料については、一か月を超える育児休業等に限り、保険料免除の対象とすることといたしております。(拍手)

#50
○副議長(赤松広隆君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――

#51
○副議長(赤松広隆君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時五分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       内閣総理大臣   菅  義偉君
       財務大臣     麻生 太郎君
       文部科学大臣   萩生田光一君
       厚生労働大臣   田村 憲久君
       農林水産大臣   野上浩太郎君
       国土交通大臣   赤羽 一嘉君
 出席内閣官房副長官及び副大臣
       内閣官房副長官  坂井  学君
       厚生労働副大臣  山本 博司君
ソース: 国立国会図書館
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