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2021/04/13 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 農林水産委員会 第8号 令和3年4月13日
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2021/04/13 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 農林水産委員会 第8号 令和3年4月13日

#1
令和三年四月十三日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     石垣のりこ君     福山 哲郎君
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     福山 哲郎君     石垣のりこ君
 四月五日
    辞任         補欠選任
     宮崎 雅夫君     山崎 正昭君
 四月六日
    辞任         補欠選任
     山崎 正昭君     宮崎 雅夫君
 四月七日
    辞任         補欠選任
     高橋 克法君     馬場 成志君
     宮崎 雅夫君     松山 政司君
     山田 修路君     山谷えり子君
     石垣のりこ君     杉尾 秀哉君
 四月八日
    辞任         補欠選任
     馬場 成志君     高橋 克法君
     松山 政司君     宮崎 雅夫君
     山谷えり子君     山田 修路君
     杉尾 秀哉君     石垣のりこ君
 四月十二日
    辞任         補欠選任
     舞立 昇治君     加田 裕之君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         上月 良祐君
    理 事
                堂故  茂君
                藤木 眞也君
                山田 修路君
                田名部匡代君
                紙  智子君
    委 員
                加田 裕之君
                高橋 克法君
                野村 哲郎君
                林  芳正君
                宮崎 雅夫君
                山田 俊男君
                石垣のりこ君
                郡司  彰君
                森 ゆうこ君
                河野 義博君
                熊野 正士君
                高橋 光男君
                石井 苗子君
                舟山 康江君
                須藤 元気君
   国務大臣
       農林水産大臣   野上浩太郎君
   副大臣
       農林水産副大臣  宮内 秀樹君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        岡下 昌平君
       農林水産大臣政
       務官       熊野 正士君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        笹口 裕二君
   政府参考人
       内閣府規制改革
       推進室次長    彦谷 直克君
       総務省大臣官房
       審議官      黒瀬 敏文君
       農林水産省大臣
       官房総括審議官  青山 豊久君
       農林水産省消費
       ・安全局長    新井ゆたか君
       農林水産省食料
       産業局長     太田 豊彦君
       農林水産省生産
       局長       水田 正和君
       農林水産省経営
       局長       光吉  一君
       農林水産省農村
       振興局長     牧元 幸司君
       農林水産省政策
       統括官      天羽  隆君
       農林水産省農林
       水産技術会議事
       務局長      菱沼 義久君
       林野庁長官    本郷 浩二君
       水産庁長官    山口 英彰君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (みどりの食料システム戦略に関する件)
 (食育の推進に関する件)
 (家畜伝染病対策に関する件)
 (中山間地域の振興に関する件)
 (米政策に関する件)
○農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措
 置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(上月良祐君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、舞立昇治さんが委員を辞任され、その補欠として加田裕之さんが選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(上月良祐君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(上月良祐君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に山田修路さんを指名いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(上月良祐君) この際、野上農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。野上農林水産大臣。

#6
○国務大臣(野上浩太郎君) 今国会に提出した農水産業協同組合貯金保険法の一部を改正する法律案の参照条文に誤りがございました。法律案の関係資料に誤りがあったことについて、深くおわびを申し上げます。
 本件の原因は、印刷原稿の印刷業者への発注及び校正段階でのチェック漏れによるものであります。
 農林水産省として、今回のことを重く受け止め、チェックの体制、手法を含め、誤りや単純なミスを防止するためのマニュアルを整備すること、当該マニュアルに基づき、法令改正担当者等を対象に実践的な研修を実施すること等により、再発防止を徹底してまいります。
    ─────────────

#7
○委員長(上月良祐君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府規制改革推進室次長彦谷直克さん外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#8
○委員長(上月良祐君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#9
○委員長(上月良祐君) 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#10
○高橋克法君 自由民主党と国民の声の高橋克法です。質問の機会をありがとうございます。
 早速質問に入ります。
 米価が心配なんです。地元に帰って、どこへ行ってもその話になります。総務省の家計調査によれば、二月の米に対する支出額は過去二十年間で最低です。米の消費減退に歯止めが掛からない。民間在庫も令和元年九月以降に対前年同月比をずっと上回る状況が続いていて、JA全中の試算でありますけれども、令和四年六月末の民間在庫は二百二十万トンから二百五十三万トン、これ国の見通しを五十万トン以上も超過をしています。多分その方が、現場感覚でJAは計算していますから、こちらの方が近いのかなと私は考えていますが。
 そういう危機的状況の中で、例えば私の地元のJAグループ栃木は四月から、県内の米農家に主食用米から飼料用米への作付け転換を働きかける大規模な個別訪問、これをやってくださっていますが、ただ、JAが把握できている方々というのは全部じゃありません。JAと関係のない集荷業者、それから生産者もいらっしゃる。この方々に対してどのように御協力をしていただけるかというのが大きな課題なので、この生産現場の取組では限界がもう見えているんです。政府においてどのような対応を考えているのか。
 さらに、消費減退の問題を先ほど申し上げましたが、この消費拡大対策に積極的に取り組むことは当然なんですが、相当インパクトを持った実効性のあるものじゃないと農家の方々の不安は解消しない。そのことをお伺いします。

#11
○政府参考人(天羽隆君) お答え申し上げます。
 まず、お米の需給が緩んでいるという御指摘でございます。
 主食用米につきましては、昨年十一月にお示しをした需給見通しにおきまして、令和三年産の主食用米の生産量を六百九十三万トン、令和二年産の生産量七百二十三万トンの対比でマイナス三十万トンとする見通しを示しております。今委員御指摘のとおり、主産地を中心に、全国で今年の稲の作付けについて、田植もそろそろ始まる時期でございますけれども、またその仕向け先について検討が進んでおるところでございます。
 私どもといたしましても、県行政それから市町村それぞれの協議会などに、コロナの中でありますけれども、ウエブも使いながら働きかけをしているところでございます。
 また、足下の在庫でございます。農林水産省が毎月、米穀の取引に関する報告ということで出荷・販売段階の民間在庫量を公表してございます。二月末現在で二百九十四万トン、対前年比でプラス二十八万トンということでございます。
 この民間在庫でございますけれども、農林水産省といたしましては、新型コロナウイルス感染症の影響により中食、外食の需要が落ち込んでいる状況も踏まえまして、米穀周年供給・需要拡大支援事業によります保管経費の支援対象期間を五か月前倒しをし、去年の十一月から支援をすることとしてございます。本支援を活用いたしまして、全農等におきまして、令和二年産米について現時点で二十万トン程度の調整保管に取り組むというふうに承知をしてございます。
 また、令和二年度の一次補正の事業では、コンビニにおけます弁当の御飯大盛りキャンペーン、ラーメンチェーンにおける御飯お代わり無料キャンペーンといった取組を支援をしてございます。さらに、令和二年度の三次補正予算の事業におきましても販売促進、販路の多様化の取組に対する支援を行うこととしておりまして、これらの支援策を積極的に活用していただくよう周知に努めているところでございます。
 加えまして、農林水産省では、お米の消費拡大の取組を応援すべく、平成三十年十月から「やっぱりごはんでしょ!」運動を開始をしてございます。各種SNSにより情報発信をしているところでございます。
 さらに、消費者にとって関心が高い健康、それから新型ウイルス感染症の影響を受ける中食、外食事業者の応援企画……(発言する者あり)

#12
○委員長(上月良祐君) 簡潔な答弁を求めます。

#13
○政府参考人(天羽隆君) はい。
 消費拡大の取組を着実に進めてまいります。

#14
○高橋克法君 需給対策としては、新たに制度化をしました水田リノベーション事業、これ、いろいろお考えくださってつくり上げてくださった、これは感謝します。
 本県では十二地域協議会が取り組むことになっていますが、そして非主食用米などの低コスト生産を今推進しているところですけれども、これもちょっと矛盾が出てきたというか、加工用米についてはこのコロナ禍で日本酒及び酒米の消費減少で需給が緩んでしまっていて、これに加えて、このリノベーション事業で加工用米が増産された場合には更なる需給緩和ということになってしまう。一方で、その実需者からは、交付金の増額分は、おまえ、値引きしろよと。これ、市場経済だからね。そういうことになって、本来の水田リノベーション事業の目的が達せられないような、そんな状況が現場であるんです。
 それについてはどのように把握をして、それに対してどう考えているのか、簡潔にお願いします。二十分しかないんで、四十分欲しいんだけど、まあいいや。

#15
○政府参考人(天羽隆君) お答え申し上げます。
 はしょりますけれども、水田リノベーション事業、委員御指摘のとおり、生産者と実需者の契約を要件として、両者の結び付きの下、低コスト生産に取り組む生産者に対して面積払いを実施するものでございます。
 一方、主食用米を含むお米の需給が前年に比べて緩む中で、加工用米につきましても、生産者や産地の中では実需者からの取引価格の引下げを認められるケースがあるということは承知をしてございます。
 水田リノベーション事業の趣旨につきまして生産者や実需者にしっかり御理解をいただき、加工用米の低コスト生産や取引数量の拡大、中長期的な取引関係の構築につなげていただきたいと考えておりまして、今後も事業趣旨の周知に努めてまいります。
 なお、取引価格そのものにつきましては、本事業の活用のいかんにかかわらず、生産者と実需者との間で双方合意の上で決定されるというものであるというふうに認識をしてございます。
 委員からの御指摘も踏まえ、本事業の適切な運用が図られますよう、取組状況等についてしっかり注視をしてまいります。

#16
○高橋克法君 市場経済というものがどういうものか、魔物が潜んでいる、ある面、弱肉強食である。そんなことも勘案しながら、ちょっと、このリノベーション事業自体は私は否定しませんけれど、そのことを頭に入れて進めていってください。お願いします。
 米政策はいろんな議論があって今の形になっているわけですが、いろんな議論があったんですよ。ただ、いろんな議論があって今が、今の制度があるから、これが未来永劫ではないと私は考えています。今の制度も、これは言葉は悪いけれども、不作が原因で制度の矛盾とか無理な制度設計が露呈しないで来たんだけど、豊作に、豊作になったから矛盾が露呈するなんてこんな残念な話はないですが、そういう現実もありますから、この米政策についてはこれからもどんどん議論していきたいと思うんです。まさにこの日本を救うために農林水産省の皆さんの知見も十分に発揮してもらいたい、そのことをお願いをいたします。
 次、みどりの食料システム戦略について質問します。
 国際的なSDGsであるとか持続可能性の問題、さらには今年九月には国連食料システムサミットというものが開催されますから、このみどりの食料システム戦略をしっかりやっていくぞというのはこれは良いことだというふうに思いますが、一方で、ちょっと急に出てきた話であるし、十分な議論を重ねることがあったのかどうかという問題も私は感じているんだけれども、いずれにしても、みどりの食料システム戦略の基本的な考え方とその狙いを確認をしたいと思うんです。

#17
○国務大臣(野上浩太郎君) 近年の食料・農林水産業を取り巻く状況は、生産者の減少や高齢化等の生産基盤の弱体化、地域コミュニティーの衰退が進みまして、また、地球温暖化に伴う農産物の品質低下や災害の激甚化が顕在化していることに加えまして、新型コロナを契機としたサプライチェーンの混乱等、大変厳しいものとなっております。
 こうした中で、様々な産業でSDGsや環境への対応が重視されるような、今後、我が国の食料・農林水産業においても的確に対応していく必要がありますし、また、国際的な議論の中で我が国としてもアジア・モンスーン地域の立場から新しい食料システムを提案していく必要があることから、農林水産業や地域の将来も見据えた持続可能な食料システムの構築が急務な課題と考えております。
 このため、昨年十月に私から、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現させるためのこのみどりの食料システム戦略の検討を指示をしまして、省内本部を立ち上げ、生産者や食品事業者等の幅広い関係者と計二十回にわたり意見交換を実施するなど、精力的に検討を進めてまいりました。その後、審議会での議論を経て三月二十九日に中間取りまとめを決定しまして、パブリックコメントも行ってきたところであります。
 本戦略は、これまでにない新しい施策でありまして、重要なことと考えております。五月の戦略策定に向けまして、引き続き、現場の声に耳を傾けるとともに、関係者への説明を丁寧に行って、将来を担う若い世代に希望を持っていただけるような良い戦略を策定してまいりたいと考えております。

#18
○高橋克法君 環境保全型農業や有機農業の歴史振り返ると、平成十一年の食料・農業・農村基本法、平成十八年の超党派議員立法による有機農業の推進に関する法律、そして平成二十七年からは環境保全型農業直接支払と、そういう積み上げがあるわけなんですが、日本全体の有機農業の取組面積は全耕地面積の〇・五%、世界全体も一・五%だから、やはりこの有機農業の取組というのはやっぱりいろんなハードルがあるんだなというふうに思います。
 端的に、我が国の有機農業の現状に対する農水省の評価、お願いします。

#19
○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。
 有機農業でございますが、これは、化学合成農薬や化学肥料を使用せず、自然循環を活用して生産を行うということでございまして、農業生産に由来する環境への負荷を低減するものでございます。また、生物多様性保全や地球環境、あっ、地球温暖化防止等に高い効果を示すものでございます。国連の持続可能な開発目標、SDGsの達成にも貢献するものでございます。
 我が国でございますが、有機農業、二〇一八年時点で約二万三千七百ヘクタールで取り組まれておりまして、御指摘のとおり耕地面積に占める有機農業の取組面積の割合は約〇・五%というところでございますけれども、先般、中間取りまとめを行いましたみどりの食料システム戦略の中では、二〇五〇年を目標年度といたしまして、この有機農業の取組面積を耕地面積の二五%、百万ヘクタールまで大幅に拡大することを目標としているところでございます。
 この目標の実現に向けまして、有機農業を実践している農業者の先進的な取組を横展開し普及していくだけでなく、抵抗性品種の開発ですとか除草ロボットによる省力化など、有機農業に取り組みやすくする様々なイノベーションを順次創出するなど、これまでの延長にとどまらず、新たな局面で必要となる取組をしっかりと推進してまいりたいと考えております。

#20
○高橋克法君 ありがとうございました。
 私の考えでは、有機農業に対する評価はと言われたら、済みません、国は積極的に何もやってきませんでしたよということだと僕は思うんですけどね。でも、取り組んでいなかったわけではない、取り組んでいたことは事実としてございますので。
 その上で質問しますが、みどりの食料システム戦略に係る意見交換会においてはいろんな意見が出て、生産技術はほぼ確立しているけれども、物流とか農地の分散、農薬のドリフト、そしてまた社会環境はまだ不十分だというような意見とか、地域ぐるみの取組が必要ですよとか、あとは、販売価格、収入、これはやっぱり新技術の導入などの負担に見合ったものが必要であるとか、それから、これは辛辣で真摯に受け止めていますが、私もそういう思っている部分あるんだけど、農水省は有機農業に取り組む者を異端視してきたじゃないかと、十分力入れてこなかっただろうと、それを安易に二五%、百万ヘクタールと言っても、そんな簡単じゃねえよと、これは私もそのとおりかなと。でも、でも挑戦する価値はあると思っていますから、やっていきましょうという思いで今日質問しているんですけれども。
 とにかく、これ進めていく場合には、これから組み立てていくんだろうけど、生産者、産業界、小売、消費者、そのほかあらゆる関係する部分を巻き込んだ仕組みをちゃんとつくっていかないとこれは絶対うまくいかないというふうに思いますが、どうお考えですか。

#21
○副大臣(宮内秀樹君) お答えをいたします。
 まさに有機農業の取組方、拡大を進めていく際には、生産現場での技術の体系化や普及にとどまらず、実需者や消費者などが様々な関係者と連携した取組を進めていくことがまさに重要だというふうに考えております。
 現在も農林水産省では、堆肥等生産施設などの有機農業の推進に必要な施設整備とか技術講習会の開催や、学校給食を含む販路の拡大の支援、あるいは国産有機農産物を取り扱う事業者であります、今七十社ほどになっているようですけれども、国産有機サポーターズ、これと連携した消費者向けの周知活動等の支援に取り組んでいるところでございますけれども、ただいま委員からの御指摘のあったようなとおり、地域内の様々な関係者が連携して有機農業の普及促進を図れるよう、今後必要となる取組をしっかり検討してまいりたいというふうに思っております。

#22
○高橋克法君 今日、委員の皆様のお手元に一枚紙の資料を理事会の御許可をいただいて配付させていただきました。
 これ、平成十二年に高根沢という町、高橋克法というのが町長やっていた町ですが、平成十二年に土づくりセンターと、これ農水省の御指導いただいてつくったんですよ。環境省からも御指導いただいたんだけど。ここにあるように、消費者、そして土づくり、まあ土づくりセンターを核として農業者と消費者というのをいかに結び付けていくかということでありました。
 なぜ消費者かというのは、生ごみの分別回収に協力していただく。農業者、土づくりセンターで堆肥を作って、それを大地に返して、農業者が農産物を作って、それを実は町の中の、七千ヘクタールの人口三万人のちっちゃな町ですから完結型なんだけれども、それを売る。食べるのは、まず学校給食に入れて、そして直売施設をつくって、直売施設、約年間五億弱売れるようになりましたが、これだとJAさんが協力いただかなならないんだけれども、JAさん入ってこないんで、この直売所はJAさんにお願いをして手数料二〇%払って。だから、五億近い売上げだから、年間一億円近いお金がJAさんには入ったんです。ただ、JAさん、それでも何か足りなかったみたいなんだけれども、それはそれで勘弁いただいて。
 実は、仕組みをうまく回すというのは、お金の力もあるんだけれども、違うんですね。志の力なんですね。生ごみの分別、どこまで町民の皆さんが、非農家の皆さんが協力してくれるか。でも、この仕組みをつくっていって、自分のところの子供や孫が学校給食でそういうものを食べる。うちへ帰ってきて、今日は生産者のどこどこのお兄さんが来て説明してくれたよみたいな話を親にする。親は、それどこで買えるんだって話になる。それで、直売所をつくったら、直売所へ行って買ってくれる。親御さんたちは、自分が大変だけれども、分別したことが自分に回り回って返ってくる、自分の利益にもなる。顔の見えるあそこのおじさんが作った、大切に作った、減農薬で、堆肥でですよ。そういったうまい循環の中でこれが動き出して何とか形になったんですね。非常にこれ細かく書いてあります。こういう細かな設計しないと、なかなかうまくいかない。
 しかも、七千ヘクタール、三万人の町だからできたのかもしれないんだけど、そういうクラスターたくさんつくっていって国全体の底上げをしていくということも、つまり大規模流通とか大手とかという発想ではなく、そんなのも必要なのかもしれません。
 これやって一番びっくりしたのは、農家の武器は農地です、生産手段。しかし、今の農家は自分の生産手段を知らな過ぎる、どういう土か分からない。高根沢町でも、これ始めるまでは年間の土壌診断五件程度、これ始めたら年間五百件以上になったんです。自分の土がどういうものかというのが原点ですからね。これは農業者の意識も変えたんですよ。
 最後の質問になります、もう時間がないので。
 実は、これやっていったときにこうだったんですね。この土づくりセンター、小学校四年生全部、社会科の見学で見てもらっていたんだけど、ある子供が僕にこう言いました。町長さん、世の中に無駄なものって何にもないんですねと、仕組みをつくればみんな大切な有用なものなんですねと。
 この考えというのは、例えば障害者の方々とか高齢者の方々と、全部に通ずるんですよ。仕組みをつくればということなんですよ。これ、国づくり、町づくりにつながるということだし、生ごみにお父さんがたばこを入れたら、お父さん、そこ入れないで、私たちが食べる学校給食、たばこ臭くなっちゃうから。スイスの子供たちは、国産の高い卵と外国産の安い卵があったら国産の高い卵を買っているという話を聞いたことがあります。それはこのスイスを守るためだという。そんな子供たちをつくっていかなきゃならない。それが食育だと思う。
 身土不二という仏教用語、四里四方で食を取れ、お客さんが来たら、馬で四里四方を駆け回って、ごちそうを食べなさい。そして、日本にはごちそうという言葉があるでしょう。馬で走るなりと書くんですよ。そういった文化に根差してこの施策を進めていってもらいたいと思います。
 以上です。

#23
○田名部匡代君 立憲民主党の田名部匡代です。今日もよろしくお願いいたします。
 自民党の高橋委員からすばらしい質問を聞かせていただいて、まだまだ時間足りないということですので、筆頭間でまた次回の委員会は更に十分な時間を取って質疑ができるようにお願いしたいと思います。
 まず初めに、東京電力福島第一原発で増え続ける処理水の処分に関して、政府は海洋放出、二年後をめどにですね、海洋放出をお決めになったということでありますが、まずこのことについて、大臣、どういう話だったのか、どういう内容だったのか、御報告いただきたいと思います。

#24
○国務大臣(野上浩太郎君) 原発事故以来、復興に向けて懸命に取り組まれておられる農林水産関係者の皆様には大変な御労苦と御心配をお掛けしているところでありまして、海洋放出によりまして風評被害が生じることを懸念されるお気持ちというのは当然のことであるというふうに思います。
 政府としては、有識者や専門家から成る委員会による、委員会における六年以上にわたる議論を経まして、幅広い関係者からいただいた御意見も踏まえ、慎重に検討された上で本日の決定に至ったものと考えておりますが、これらを踏まえまして、基本方針では、先般の総理との会談で漁業者から求められたことも考慮しまして、漁業者を始め国民の皆様に対して処理水の安全性や処分方法などを周知し、風評を生じさせないための最大限の努力を行うこと、放出に際しては年間トリチウム放出量を管理目標値を下回る数量に限ること、仮に風評被害が発生した場合には東京電力が適切な賠償を行うと約束すること等が明記されております。また、生産、流通、加工、消費にわたる風評対策につきましては、今後漁業者など関係者の皆様の意見を伺いながら検討していくこととしております。
 処理水の放出までには、二年間で漁業者を始め国民の皆様の御懸念が払拭できるように、農林水産省としても全力を尽くしてまいりたいと考えております。

#25
○田名部匡代君 これまでも全漁連等から、また福島県を始め周辺の自治体の方々からもいろんな御意見あったと思います。特に全漁連の方々からは強い反対の御意見があったというふうに思いますが、今日決定して、現場にはどのような対応されているんでしょうか。報告等はされたんでしょうか。

#26
○国務大臣(野上浩太郎君) この後、決定の後、経産大臣が現場の方に行く、また水産庁等も現場の方に行くということで、今進めているところでございます。

#27
○田名部匡代君 大臣自ら御説明されるおつもりありますか。

#28
○国務大臣(野上浩太郎君) 私自身も、昨年の秋に、大臣就任して初めての視察等々につきましては地元の福島県に参りまして、地元の漁協の会長始め皆さんと話をしてまいりました。また、全漁連の岸会長始め漁連の皆さんともこれまで話をしてまいりました。
 今後とも、この漁業関係者の皆様には、私からもしっかりと話をしてまいりたいと考えております。

#29
○田名部匡代君 全漁連の会長は、政府が専門家の提言を踏まえて決定したいとしていることに対して、海洋放出に反対の立場はいささかも変わらないという考えを示されておられました。
 私たちも、昨日、政府に対して党として申入れをしています。これまでも様々、福島の復興、そして東日本大震災全体の被災地の復興についての提言もさせていただいているんですけれども、この中では、ALPS処理水の処分方法について、国民に対する説明と十分な国民的議論を得てから決定すること、また、当面は地上保管を継続し、海洋放出、大気放出以外の処分方法、例えばトリチウムの分離であるとか放射能濃度の低減など根本的な解決策や福島のみに負担を強いることのない処分方法など具体的な検討を進めること、そして、処分方法の検討をより精密、丁寧に進めるとともに、いかなる処分方法が決定されたとしても、併せて具体的かつ実効性のある風評被害対策を示すこと、こういう提言をしているにもかかわらず、何らそれが検討されずに今日いきなり発表になったということは、これ、風評被害についても何度も委員会でも取り上げましたけれども、十年たっても風評被害は収まっていないんですね。それと闘い続ける福島を始めとする東日本大震災の皆さんの地域の御苦労、苦しみがあるわけですよね。
 いろんな対策しますと政府も取り組んでこられて、全く成果がなかったとは言いません。それでも今なお続く風評被害に、この決定がまた、せっかくここまで十年歩んできたのに振出しに戻ってしまうようなことになりかねないで、私は、安全、いかにいろんなことを示して安全ですと言っても、これも以前申し上げましたけれども、それで安心してもらえるかというのはまた違うことであって、私は、きちんと現場がこれだけ反対の意思を示しているのであれば説明を徹底的に丁寧に行っていく、そして理解をしていただく努力をすべきだったと思うし、風評被害対策についても、じゃ、どういう対策をして、地域の皆さんの暮らし、そして仕事を守っていくのかということをまずは示すべきだったのではないかというふうに思っていますが、大臣、やはり農林水産大臣ということで漁業者の声もよく聞いてこられたと思います。どういうふうにお考えになるでしょうか。

#30
○国務大臣(野上浩太郎君) 私自身も、先ほど申し上げたとおり、漁業者の皆様との対話を重ねてまいりました。その中で、やはり本当にこれまでこの復興に向けまして大変な御努力をされている、御労苦と御心配をお掛けしているということは本当に強く感じております。また、そういう中で、その風評被害について本当に大きな懸念を持たれることも当然のことであるというふうに思います。
 風評被害対策につきましては、先ほど申し上げましたとおり、まずはその防止をしていくことが重要でございますが、政府全体として十分な対策を講じていかなきゃならない。具体的には、これまでも実施してきました生産、加工、流通、消費それぞれの段階での支援策を引き続き行うほか、先ほど関係等閣僚会議で設置が決定をされました基本方針の着実な実行に向けた関係閣僚等会議におきまして、関係者の皆さんの御意見を伺いながら追加的な対策を講じてまいりたいというふうに考えておりますが、いずれにしましても、放出の、処理水の放出まで二年間あるわけでございます。漁業者を始め国民の皆様の御懸念が払拭できるように、私としても全力を尽くしてまいりたいと考えております。

#31
○田名部匡代君 この問題についてはこれでやめますけれども、漁業者を始め現場の皆さんは不信感を募らせていると思うし、大きな不安を抱えていらっしゃると思います。今日、立憲民主党枝野代表から再検討を含めた対応についてコメントの、見解が示され、発表がされましたけれども、是非、どういう安全な方法で地域の本当の意味での復興を成し遂げられるのかということについては、私たちも提言していますので、真摯に受け止めて対応をしていきたいと、そのことを求めたいというふうに思います。
 質問に入らせていただきたいのですけれど、先日、決算委員会で国家戦略特区のことについて御質問させていただきました。このことをやると、とてもいただいた時間では足りないで、これで終わってしまうのですが、今日も衆議院で国家戦略特区、農地でいえば、農水関係でいえば二年延長についての議論がされている最中ですけれども、ちょっと気になっていることがありまして、二年延長して全国の状況を調査をするというふうになっているんですが、これは一体どこが主体で調査をされることになるんでしょうか。

#32
○政府参考人(光吉一君) お答えいたします。
 本年一月の国家戦略特区諮問会議の決定を受けまして、政府として、委員御指摘のとおり、特例制度のニーズと問題点の調査を特区区域以外においても令和三年度中に実施することとしております。
 本調査につきましては、政府として調査を行うものでございまして、内閣府と連携していく必要があると考えておりますが、特区区域以外の農地に係る調査でもあり、農林水産省として責任を持って実施する考えであります。

#33
○田名部匡代君 特区のことについては内閣府が関わるというのは、それは仕方がないかなと思いますけど、それ以外のことについて何か内閣府に権限があるんですか。全国の農業の状況を調査するのに、そんな権限が何か、を持たれているのか。今農水省が主体となってとおっしゃいましたけど、これは農水省がやるべきことであって、まさに現場の状況が分かっているのも農林水産省なわけですよ。
 私は農林水産省を責めようとは思っていませんが、やっぱりそういうことはきちんとしていただきたいんですよね。何か相手の言いなりで、何か何の権限があるのか分からないけれども、都合のいいような解釈をされては困りますので、是非これは農林水産省がやるべきことであって、特区以外の現場の状況については責任持ってやっていただきたいと思いますが、いかがでしょう。

#34
○政府参考人(光吉一君) お答えいたします。
 委員からの御指摘も踏まえまして、農林水産省として責任を持って実施をしたいと思っております。

#35
○田名部匡代君 ありがとうございます。是非そうしていただきたいと思います。
 こういう国家戦略特区の様々な提言があるので、ほかの法案というか、政府のやる施策も何となく、これも大丈夫かな、あれも大丈夫かなという疑いの目で見てしまうんですね、残念ながら。いい法案が出てきても、何か裏があるんじゃないかと思ってしまうんですよ。
 これ、今環境省で温対法の見直しがあるんですけれども、また再生可能エネルギーなどを進めるときに、企業が農地を所有したいと言っていたことと何かこれは関係してくるのではないだろうかとか思いながら、農林水産省の再生可能エネルギー、このことがどういうふうになっているのかなと思ってお聞きをしたところ、再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォースでの御意見に対する農林水産省の対応についてという紙をいただきました。これ、見直しの方針、二〇五〇年カーボンニュートラルに向けて、農山漁村地域において再生可能エネルギーの導入を積極的に進めるスタンスに立ち、優良農地を確保しつつ、荒廃農地に再生可能エネルギー設備を設置しやすくなるためにどうするか、規制を見直すということで幾つか、があっと書いてあるんですけど。
 ちょっと一つ気になっているのが、農山漁村再エネ法による農地転用の特例の対象となる荒廃農地について、これ今三要件あるんですね。生産条件が不利、相当期間不耕作、そして耕作の見込みがない、耕作者を確保できず耕作者の見込みがない、これ三要件あるんですけど、このうちの二要件を廃止をして、耕作の見込みがないことのみでこの対象となるように緩和するというふうになっているんですけど、これ大臣は御存じでした。はい、ありがとうございます。私、うなずいていただきました。
 ちょっと、耕作の見込みがないというのはどう、何をもって判断するのか。私は、農林水産省は、その使える農地をできるだけ使っていただく努力をすることが農林水産省の役目であって、逆に生産条件が非常に不利で相当期間不耕作であることの方がまあそれならと思えるんだけど、何であえて耕作の見込みがないことのみを対象にして再生可能エネルギー導入をできるように緩和をするのかなというふうに思っているんですけど、これ大臣、答弁でいいです、どなた、なぜこういう見直しになっているのか。

#36
○大臣政務官(熊野正士君) お答えいたします。
 今回の見直しでは、優良農地の確保に支障が生じることがないことを前提に、荒廃農地に再生可能エネルギー設備を設置しやすくするため、農山漁村再エネ法の対象となる再生可能、再生利用可能な荒廃農地の要件について見直すこととしております。
 具体的には、これまでは、農山漁村再エネ法の対象は、生産条件が不利であって、相当期間耕作されておらず、かつ耕作者を確保することができず今後耕作の見込みがないことの全てを満たす農地としていたところです。今回の見直しでは、現行の三つの要件のうち、耕作者を確保することができず今後耕作の見込みがないことの要件のみとすることとしております。
 要件緩和に当たっては、モラルハザード防止の観点から、農地バンクの活用や農業委員会のあっせん等の政策努力を払ってもなお耕作者を確保できないような場合に限り適用するなど、優良農地の確保に支障を来すことがないよう対応してまいります。

#37
○田名部匡代君 どうしてそうなったのかと聞いているんです。

#38
○委員長(上月良祐君) 田名部匡代さん。

#39
○田名部匡代君 ごめんなさい、ちょっと具体的にこのことについて通告をしていないので、ということだと思います。
 私は、農水省のそのスタンスを、これから再生可能エネルギーを導入するのに、じゃ、どういうスタンスでいくのかということをお伺いしたいんです、こういう方針を出していて。私は、農林水産省は農林水産省としての役割をきちんとやっぱり果たすべきだと思っていて、これ郡司先生なんかはよく御存じかもしれませんが、旧民主党政権で、農山漁村における再生可能エネルギー、この促進に関する法律出して、震災なんかがあって残念ながらこれは通らなかった、その後、政権交代もありましたので。
 その後、自民党さんでは新しい名前に変えられて、私たちの作った法律では優良農地の確保に懸念が生じるんじゃないか、食料の供給、国土の保全その他の農林漁業の有する機能の重要性に鑑み、地域の農林漁業の健全な発展に必要な農林地並びに漁港及びその周辺の水域の確保を図るため、これらの農林漁業上の利用と再生可能エネルギー電気の発電のための利用と調整が適正に行われなければならないというふうに、これ小里当時の政務官の御発言ですけれども、と言って、わざわざ、中身は一緒だけれどもタイトルを変えて成立を果たしたということなんですけれど。
 私は、先ほど、国家戦略特区の様々な提言なんかも含めて、知らぬ間に、本来は自給率を高めるためにどこでどれだけのものをどうやって作ってもらうのか、そして、農地と人を確保してどうやってその安全保障を、食の安全保障を守っていくのか等を含めたことを積極的にやるのが農水省なのに、今申し上げたように、三要件の中の一番何か判断が曖昧になりそうな耕作の見込みがないということを、これのみにしたということの理由がよく分かんなくて、その農水省が考えるこれからの再エネに取り組むスタンスについて、ちょっと基本的なことなのでお答えください。

#40
○国務大臣(野上浩太郎君) 国民への食料安定供給のために国内の農業生産の基盤でありますこの優良農地を確保していくということは、これ国の重要な責務であると考えております。荒廃農地につきましては、その解消が急務でありまして、再生利用及び発生防止の取組を進めておりますが、その一方、こうした取組によってもなお農業的な利用が見込まれないものも相当数存在するところであります。
 他方で、二〇五〇年カーボンニュートラル社会の実現も重要な課題と認識しておりまして、農林水産省としても、こうした農業的な利用が見込まれない荒廃農地を活用することにより、再生可能エネルギーの導入を推進していく考えであります。
 また、こういう方針の下、見直しを行う際には、優良農地の確保に支障が出ないように、ここは十分意を用いて措置をしてまいりたいと考えております。

#41
○田名部匡代君 しっかり、今大臣がおっしゃったように取組を進めていただきたいと思います。
 私は、再生可能エネルギーが進んでいくことは別に反対していませんし、全ての、今条件にあったような、条件不利で全く耕作ができないような、長期間耕作されていないような土地も全て守り続けろということではなくて、それは調和を図って進めていっていただくことはいいんだけれども、これまでも様々な法改正の中で優良農地に植物工場が建ったりほかのものが建ったりするような法律が進んできたので、今後その再生可能エネルギーを進めようという国の方針の中で更に生かすべき農地が失われていくようなことにならないように、是非しっかりとそこは農林水産省が責任持って取組を進めていただきたいというふうに思っていますので、よろしくお願いをいたします。
 さて、家畜伝染病について今日お伺いしようと思っていたのですけれど、法改正によって飼養衛生管理基準が厳しくなりました。豚、イノシシは、本年四月一日までに新たなマニュアルの作成が義務付けられて、取組進んでいると思うんですけれど、コロナの影響なんかもあって、現場は順調にこの作業を進められているのか、問題はないのか、これ私たちの部会でも徳永委員の方から、現場の状況どうなっているんだと、確認したのかというような質問ありましたけれども、実態調査されていますか。

#42
○政府参考人(新井ゆたか君) お答え申し上げます。
 昨年、家畜伝染予防法を改正をしていただきまして、それに加えまして、それぞれの畜種の飼養衛生管理基準もいろいろ向上いたしました。その中で、特にハードの設備を伴うもの、例えば豚でありますと野生動物の侵入の防護柵のための柵、それからエコフィードの基準の変更、それから鳥でありますと防鳥ネット、豚もそうでございますけど、防鳥ネット等につきましては、それぞれしかるべき猶予期間を置いて十一月一日、あるいは昨年の十一月一日、あるいは本年の四月一日から施行したところでございます。
 私ども、県を通じましてそれぞれの進捗状況を把握をしております。まず、豚の防護柵、豚の農場における防護柵につきましては、二〇二一年の二月時点で全体のうち八五・四%で設置済みというふうになっておりまして、一〇〇%の県は四十七都道府県中十三道府県ということでございます。委員御地元の青森県は六四%ということでございますので、頑張っていただきたいと思っているところでございます。
 これにつきましては、農林水産省といたしましてはいろいろな補助金も準備をしておりますので、そういうものをお使いいただきながら、それから現在未設置のところにつきましては、県が家畜伝染病予防法に基づきます勧告とか命令といったものも使いながら丁寧な指導をしていただきたいというふうに考えているところでございます。

#43
○田名部匡代君 青森県も頑張らなきゃいけないわけですけれど、これ、きちんと経営者の皆さんが自分の経営を守るためにも徹底していただかなければならないと思うんですけれども、なかなか思うようにそれが進んでいなかったり守られていないことに何か問題がというか、課題があるのかなというふうに、まあ、だからいいということではないですけどね。
 飼養衛生管理基準の遵守チェック状況、あっ、遵守状況チェック表、これ四十項目ぐらいあるんですかね。私も拝見したんですが、すっごい細かくて、何か、該当するかどうかに、はい、いいえ、それ以外のところが更に細分化されてチェックをすることになっているんですね。これだけ細かいチェックがされているのに、感染が確認されると必ず、この基準が遵守されていなかった。あるところの知事は、しっかりやっているんだと、これは防ぎようがないと言いながら、結果、手の消毒をしていなかったとか、守られていなかったことが後から分かる。
 これ、じゃ、どこに問題があるのかと。チェックをした段階で、ああ、ここ改善の余地がありますね、改善してくださいねと多分お願いしていると思うんです。その最後の改善されたかの確認ができていないのか。それとも、これ御自身でチェックしてファクスで送ってくださいみたいな自治体もあるようなんですけど、これだけの項目を、逆にどういう状況になっているのかチェックをする人が足りないのか。ちょっと、これがどこに問題があって何度もこのことが繰り返されているのか、課題は何だと思われるか、教えてください。

#44
○政府参考人(新井ゆたか君) 私どもも、飼養衛生管理基準を守っていただくことがやはり農場を守るというところにつながりますので、それぞれの方が責任を持ってやっていただきたいというふうに思っているところでございます。
 今委員からお話がありましたとおり、飼養衛生管理基準、大きく分けてハードの面とソフトの面があると思っております。
 ハードの面につきましては、基本的にウイルスが入らないように、穴があれば塞いでいただく、シンプルに申し上げますとですね、そのための基準を設定しておりまして、それにつきましてはハードを設備していただければ大体基準は満たすということになりますが、一番重要なのは、豚に近づく方、物が全て消毒しているという状況を三百六十五日つくるということでございます。
 一定のウイルスが入るとそこで感染が起こるということでございまして、そのソフトの点については、チェック項目で御自身がやっているというふうに思われていても手洗いが十分でなかったりとか、いろんな形でやはりウイルスの侵入を許しているというのがそれぞれの疫学調査をやったときに判明しているところでございます。
 今回も鳥インフルエンザの発生に伴いまして、自己点検を皆さんの農場にやっていただきました。最終的には、数か月やりまして、一〇〇%に近いところまで参りました。
 やはり自己点検と、それから家畜衛生保健所の指導、これやはり繰り返し徹底をしていただくということが重要だというふうに考えておりまして、そのために分かりやすいマニュアルでありますとかいろいろな今動画のツールなども作っておりまして、それぞれの従業員も含めた方々が日々できるような形をつくっていくというのがベストだと思っております。

#45
○田名部匡代君 これ、経営者の方の意識だけじゃなくて、関係する、出入りをする業者の方々にもしっかりと認識をして高めてもらわなきゃ、持っていただかなきゃいけないというふうに思うんですね。
 ただ一方で、現場は高齢化をしているし、青森なんかでもそうですけれども、労働力を確保することが難しいことによって対策が進んでいないのではないかとか、小規模な経営によって経済力が不足してなかなか対策を進められていないのではないか。これら、こういうことが理由だから、何度も言うけど許されるということではなくて、どういう問題があるのかということはしっかりと丁寧にその課題を見極めて対応してあげていただきたいなというふうに思っていて、やるのはあなたたちの責任ですよと。ただ、言ってもいろんな事情がある。さっきも言った、コロナの中で難しかったんですという方もおられるかもしれない。それを、ただ責任、責任を果たしていないので駄目なんですという冷たい仕打ちをしないようにしていただきたいなと思っていてですね。
 これ、私、青森県でもイノシシの被害が発覚していて、雪が多いとイノシシは足短いから来ないと言われていましたけど、青森でもいよいよイノシシの被害が確認されて、非常に危機感を持っています。
 今までも様々な、野生イノシシに対する経口ワクチン等対策してきたと思いますけれども、これまでの効果はどう評価されているのか、課題は何なのか、今後の対策も含めて教えてください。

#46
○政府参考人(新井ゆたか君) イノシシ対策につきましては三つの対策を講じておりまして、今後もこれを引き続き講じていくということだと考えております。
 一つ目は、イノシシのサーベイランスをしっかりするということでございます。これは豚熱のみならずアフリカ豚熱の観点からも非常に重要でございまして、各県にしかるべくサーベイランスに持ってきた場合には、一頭当たり六千円あるいは七千円の支援をするといった形でしっかりサーベイランスをしていく。それに基づきまして、感受性動物である豚につきましては、それに先んじてワクチンを接種をしていくという体制を整備しているところでございます。
 それから二本目は、捕獲の強化でございます。陽性のイノシシが発見された近隣三十数県につきましては重点捕獲エリアに設定をいたしまして、鳥獣交付金のいろいろな支援を強化するという形で捕獲対策を強化をしております。これも、猟友会等の協力を得ながらしっかり進めてまいりたいと思っています。
 それからもう一つ、経口ワクチンの散布でございます。二〇一九年の三月から始めておりまして、二〇二一年の三月までに約百万個を散布しております。この経口ワクチンにつきましては、イノシシの抗体率を高める、言わば集団免疫をつくるということで実施をしておりまして、やはりまき続けていくということがこの集団免疫をつくるために非常に重要だというふうに思っております。特に、最初からまいております岐阜、愛知県におきましては抗体価が高まっている、そういたしますと野外のウイルス量が減るということでございますので、その辺をしっかりやっていきたいと思います。
 今年度もいろいろな専門家の意見を踏まえながら改善点を講じまして、八十六万個を今年度、経口ワクチンの散布をしたいというふうに考えておりまして、いろいろな省力化の手法、それから空中散布なども踏まえながら、こちらも着実に実施してまいりたいというふうに考えております。

#47
○田名部匡代君 もう一つの問題が、大規模化していることでの、いざ感染発覚したときの殺処分のこと、その後の処分のことだと思うんですけど、これ、青森県でも、確かに養豚なんかでも小規模化が多数占めていて、離農なんかも進んでいますが、一方で、やっぱり一部では規模拡大が進んでいて、県内全体では、飼養頭数は前年より減少しているんですけど、一戸当たりの飼養頭数というのは増加していて全国一位なんですね。これ、採卵鶏でも全国平均の約二・九倍に当たる飼養羽数を持っていて、これも全国一位。青森県でもこれだけ大規模化が進んでいて。
 この間、三月これは二十九日の朝日新聞ですけれど、これ千葉県の鳥インフル、一か月以上たっても埋却が終わらないというような記事もありました。これら、最後埋却地をきちんと準備しておかなきゃいけないんですけど、この状況というのは全国で一体どうなっているのか。やっぱりこれだけ大規模になっていれば処分する頭数だとか多くなっていくわけで、本当に大変だと思うんですよね。それを、じゃ、農家さん、経営者にどこか用地探して準備してくださいねと言っても、なかなかそれだけでは、御自分の努力、努力はしていても、努力だけでは何ともならないところもあるのではないかと。
 じゃ、自治体との連携はどうなっているのかも含めて、ちょっと今の状況についてどう把握されているのか、教えてください。

#48
○政府参考人(新井ゆたか君) お話がございました防疫措置に必要となる埋却地についてでございます。
 埋却地につきましては、毎年、それぞれの畜種ごとに埋却地の確保状況というのを調査をしております。この確保状況の中では、個人が自ら土地を所有しなくても、いざとなったときに県有地あるいは私有地を充てるということでも一応確保をしているというふうにしておりますけれども、そういたしましても、全国で大体一割程度につきましては埋却地がなかなか確保できないという状況でございます。
 特に、委員御指摘がありましたとおり、今シーズン発生をいたします高病原性鳥インフルエンザにおきましては、非常に大規模な農場において発生をしたということでございまして、防疫措置に時間が掛かる、そうしますと蔓延防止の危険が高まるということでございます。特に、鳥につきましては埋却とともに焼却という手法も非常に有効だということが今回判明をいたしましたので、しかるべきウイルスを密閉した箱あるいはボックスに入れていろいろな自治体で分けて焼却をしてもらうということも、千葉県それから岐阜県で、あっ、茨城県では実施したところでございます。
 そのようにそれぞれの畜種によって状況が違うということもございますけれども、いずれにいたしましても、法律におきましても、この埋却地の確保につきましては、生産者だけということではなくて、県が埋却地の土地を調整をするということ、それでも足りない場合には国も協力をするということでございまして、今回も必要な要請があれば国有林野とかそういうものを提供するという通知を各県に出しているところでございます。
 非常に重要な問題ですので、今回の発生を踏まえまして、今後の防疫措置の動員の体制も含めましてしっかり検討していきたいというふうに考えております。

#49
○田名部匡代君 ありがとうございました。
 先ほど御紹介した新聞の報道では自治体の協力も難しいと、得られていないというようなこともあるので、これだけ大規模化してきた、焼却処分というのもあるかもしれませんけれど、迅速にその処分を徹底することが大事だと思うので、その体制についてきちんと国としても責任を持っていただきたいというふうに思います。
 さて、この後、政府備蓄米について、ちょっと以前取り上げたんですけれど、お伺いをしたいと思います。
 今、七人に一人の子供が貧困であると。非正規雇用等、一人親の二人に一人も貧困であると。私、この政府備蓄米を使って子供食堂やフードバンク等の支援をしていることは、これ必要だと思うし、いいことだと思うんですね。前回も、生活困窮者に対しての支援をこれらで考え、検討できないのかということを提案をさせていただきました。
 確かに生活困窮者支援は厚生労働省とおっしゃるんですが、ただ、この生活困窮者自立支援なんかの法律もあるけれども、その制度のはざまに落ち込んで救われない人たちがいる。食べられない子供がいるということはやっぱり食べられない大人がいるということであって、ぎりぎり食費などを節約しながら生活をしている方々がいるわけですから、何とかならないのかなというふうに思っています。必ずしもそれが政府備蓄米なのかということではなくて、今も市場にお米があるというんだったらお米券だっていいわけですけれど、もうちょっとその、いや、食育でしかできないんですと言わずに、支援を検討いただけないのかというふうに思っているんですね。
 一つ、政府備蓄米を活用すれば市場の米に影響が出ると、価格に影響が出るということなんですけれど、ちょっと、どのぐらいだったら影響が出るとか出ないとか試算されたんでしょうか。

#50
○政府参考人(天羽隆君) そのような試算を実際にやっているわけではございません。

#51
○田名部匡代君 試算、いや、分かる、理屈は分かるんだけど、試算もしていないけれど、大人の生活困窮者、食べられない人には、いや、それは市場に、価格、価格に影響が出るからできないんですとただ一言で済まそうとするから、だったら、影響が出るのか出ないのか試算したんですかと言いたくなるわけであってですね。
 また子供食堂に対する支援増やしましたよね。これから例えばどんどん子供食堂をやりたいという人たちが増えてきたときも、政府備蓄米使うわけですよね。それは別にどんどん増えても構わないということでよろしいんですか。

#52
○政府参考人(天羽隆君) 実務的なことになりますけれども、政府備蓄米の無償交付を行うに当たりましては、予算上の裏付けといいますか、財政当局との調整なども経て政府として行っているわけでございまして、数量がどんどん増えていった場合にその年度でどういうふうに対応するのかというのは、調整の結果また判断をしていくということになると思います。

#53
○田名部匡代君 子供食堂の場合はお米を炊いたりして提供するけど、子供宅食の場合はお米のまま渡せるんですよね。これ、何でですか。

#54
○政府参考人(天羽隆君) そもそもから申し上げますけれども、農林水産省では、御飯食を通じた食育などを目的として、平成十年から米飯学校給食の実施回数を前年よりも増やした、増やすという学校に対して政府備蓄米を無償で交付してきております。
 また、近年いわゆる子供食堂の活動が盛んになって、子供食堂において食育の一環として御飯食を推進する事例も見られるなど、子供食堂における食事の提供が学校給食の補完機能を果たすといったようなことでその役割が再認識されたことも踏まえまして、昨年五月から、食育に取り組む子供食堂を対象に加えたところでございます。ここでは、子供食堂で炊いた食事、御飯は炊いて食事を提供していただくということが想定されているわけでありまして、学校給食とほぼ同様のものだというふうに考えております。
 さらに、新型コロナウイルス感染症の影響により子供食堂の開催が困難になるといった事情も伺っておりまして、そういう中で、今年の二月から、いわゆる子供宅食、実際に集まってそこで食事を提供するということはできないけれども食育のチラシやリーフレットを同封するといったようなことで食育の活動をやっていただく宅食について、政府備蓄米と他の食材を併せて配付をするということをさせていただいておるところでございます。

#55
○田名部匡代君 食育の一環ですよね。食育って子供にだけ必要なものですか。

#56
○政府参考人(天羽隆君) 食育自身は子供のみが対象になっているとは承知をしておりませんけれども、これがそもそも学校給食をスタートとして始まっている事業であるということで、学校給食における食育、子供食堂でも食育、その先の子供宅食でも食育ということで進めているということでございます。

#57
○田名部匡代君 もう時間ないので、別に困らせるつもりはないんですけど、片方ではいろいろ理由を付けてできる、私いいことだと思うんです。ただ、どんどんそれは本来の政府備蓄米の目的から、いろんな、いろんなところからいろんな要求があって、ちょっとずついろんな理屈は付けているけれども外れていっているのではないかな。
 私は、誰かが言ったから何かそれはルールから外れるけれどもできて、本当に困っている人がいるけれどもそれはいろんな理屈を付けてやらないということが納得ができないから、このことちょっと何回も取り上げているんですね。苦しくなっているわけですよ、生活は。これ、コロナの影響まだ続くわけですよね。だったら、別にこれに私こだわっているわけじゃない、何かできないかなとなぜ考えてくれないのかと。
 これは食育だからできるんです、本来お米で炊いて配らなきゃいけなかったけど、本当は、今度は米のまま配ってもいいです。学校給食に関係すると言いながら、それは食育なのだと言っているけれども、学校側では、生活困窮者や補食等の支援を農林水産省でやっています。何かこっちでは生活困窮者の支援は農林水産省がやっています、でも、それに対する支援は農林水産省はあくまで食育なんですと言ってやっているんですよ。
 別にその理屈で分けなくても、食べるのに困っている人たちがいるんだから何か検討できませんかということをこれまで申し上げてきた。食育と言うなら大人の食育だっていいじゃないですかと言ったら、勘弁してくださいと言われましたけれども、是非検討いただきたいということを申し上げて、時間なので終わります。

#58
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。よろしくお願いします。
 本日は第四次食育基本法について八問お聞きしたいと思いますので、いろいろ教えてください。
 平成十七年食育基本法成立して、十五年以上たちます。当時、食育とは何かという定義ですが、生きる上での基本、これが食育だとなっています。そこで使われている日本語ですけれども、知育、徳育、体育と、これを生きる上での基本として、食育の基礎となるものにいたすと、このように書いてございます。
 今日は、第四次食育推進基本計画について質問します。第四次です。十五年たって新しく盛り込まれた考え方は何でしょうか。

#59
○国務大臣(野上浩太郎君) 第四次の食育推進基本計画では、今後五年間の重点事項としまして三つの柱を掲げました。一つ目は、国民の健康の視点から、生涯を通じた心身の健康を支える食育の推進。二つ目は、社会、環境、文化の視点から、持続可能な食を支える食育の推進。三つ目は、横断的な視点から、新たな日常やデジタル化に対応した食育の推進。この三つを掲げまして、SDGsの観点から総合的に推進することとしておりまして、持続可能な食や、新たな日常やデジタル化への対応が盛り込まれたところであります。これらの新たな重点事項を踏まえまして、食育推進の目標としまして、産地や生産者を意識した、又は環境に配慮した食品の選択などに関する目標を新たに追加をいたしました。
 この基本法では、都道府県や市町村に、国の基本計画を基本として、それぞれが食育推進計画を作る努力義務が規定をされておりますので、都道府県や市町村においても食育推進計画を見直していただいて、全国で地域に根差した食育が進むように促してまいりたいと考えております。

#60
○石井苗子君 新しくSDGsが加わったということが時代の変化だと思います。
 私ども日本維新の会は、何でもかんでも新しいことをやればいいという政党ではありません。是々非々の政党です。もし、立ち止まって基本的なこと、徳育というものに主点を置かなければならないんだったら、いつだって振り返って元に戻ってもう一回考え直していいと思うんですが、新しい食育基本法では、先ほど御紹介があったように、生涯を通じた身体の健康を支える食育、持続可能な食を支える食育と、この二つでありますが、先ほどありましたように、国民の皆様の持続可能な食事を健康のために支えているかどうかという御指摘もあったとおり、本当に重点事項とするなら、その連携を図ることは大事だと考えております。
 持続可能性というのは、近年、大変重要だという概念になってきておりますが、あらゆる政策の根底にあるべき考え方だとは思いますが、食育と持続可能性の関係について、もし説明するとしたらどう説明するのか、分かりやすく教えてください。

#61
○政府参考人(新井ゆたか君) お答え申し上げます。
 食育基本法の持続可能な食を支える食育の推進という中におきましては、三つの柱を立てております。一つは、食と環境の調和でございまして、これは、農林水産業、食品産業の活動が自然資本や環境に立脚しているということ、国民の食生活が自然の恩恵の上に成り立っているということを認識するということでございまして、SDGsと関連付けますと、目標の十二の使う責任という中に、やはり消費につきましてもその持続可能性を配慮しながらやはりそういうものを選択していく、そういう思いを理解していくということが重要だというのが一本目でございます。
 それからもう一つは、農林水産業や農山漁村を支える多様な主体とのつながりの深化、人の輪ということでございまして、これも、今申し上げました、農山漁村の方々のつくる思いを理解する、それから体験をすることによってそういうふうなものを深めていくということで、交流の促進、地産地消の推進といったものも入れているところでございます。
 それからもう一つは、時間軸の中で、文化とのつながりということで、伝統的な和食文化の保護、継承、これも持続可能な食という中に入れておりまして、これらにつきましても、やはり長寿国である日本の食というのが栄養バランスに優れているということで、これら全体を含めて持続可能性という形で、今回、食育の重点目標として掲げさせていただいたところでございます。

#62
○石井苗子君 農林水産省としては、この持続化、持続化を保つという、持続可能性を支えるための役割があるということで今三つ、調和を持ってやっていかなければならないというお話の中で、自然の恩恵の上に成り立っているということ、消費については思いをはせなければならないということ、国民の健康を守っていくということ、この三つで、一番最初の基本法の徳育というところが今欠けていると私は思っております。
 次の第四次の質問ですが、基本法、基本計画、食育基本計画の、計画の基本的な取組の方針、これについて、少し細かいことですが、徳育についてお伺いします。
 基本方針、(2)食に対する感謝の念と理解としておりますが、食べ物に対して、それを作ってくださった方を含めて感謝の念を示すということは、大変今の時代難しいことになっています。片っ方で捨てていて、片っ方で子供が飢えていてお母さんが御飯に困っているのに助けていないという現状があります。食べ残しや廃棄を減らすためにはその感謝の念をつくるということは大変重要だと思っておりまして、そのような思いを持てる教育が今最も重要であると考えてもおります。
 まだ食べられるものを平気で捨てるというような風潮も一方であるわけですが、そこに対して、この風潮はどのような認識があってそうなっているのかと、その認識はどのように捉えていらっしゃいますでしょうか。大臣にお聞きいたします。

#63
○国務大臣(野上浩太郎君) 食育におきます基本的な取組方針としまして、今お話のありました食に関する感謝の念というものを、感謝の念と理解というものを掲げております。世界の厳しい食料事情を理解をして、食事ができることに感謝の念を持ちつつ、国内では大量の食料が食べられないまま破棄されている、このことを理解する必要があります。
 これらを踏まえまして、もったいないという精神で食べ物を無駄にせずに食品ロスの削減に取り組むことは極めて重要であります。そのため、食育推進基本法におきましても、食品ロス削減のために何らかの行動をしている国民を増やすことを目標として掲げておりまして、八〇%以上の達成を目指してまいりたいと考えております。
 また、農林水産体験をした子供は、食べ物を生産する現場をしっかり見たことによりまして、食べ物を大切にする意識や食べ物への関心を持つようになります。また、食べ残しが少なくなること等が報告されておりまして、子供の頃のこの農林漁業体験というものは大変重要であると考えております。
 このため、農林水産省としては、子供を中心としまして、農林漁業体験活動、これを促進をするために、引受け、受入れ体制の整備ですとか情報提供等々を進めてまいりたいと考えております。

#64
○石井苗子君 ありがとうございます。
 先ほどの御質問にもありましたけれども、子供、小学校五年生の方が、やり方を考えればこの世の中に無駄なものはないのだと言ったということ、これはもう本当に、自然の恩恵の上に食育は、食事は成り立っていると、消費について思いをはせるということの教育も文科省と連携してやっていただきたいと思います。
 食品ロスについていろいろと御質問をさせていただいてまいりましたが、平成二十九年度の推計で年間六百十二万トンを食品ロスとして発生させております。世界で飢餓に苦しむ人々のための食品、世界食糧援助生産数といいますか、援助量と言っておりますが、三百九十万トンですから、一・六倍のものを日本で無駄にしているということです。この仕分を見ますと、事業系で三百二十八万トン、家庭で二百八十四万トンと、余りないわけですね、差が、そこに大きな差が。国民一人当たりでは年間約四十八キロの食品ロスを発生させております。こういった状況です。
 昨年の本会議でも私質問させていただいておりますが、食品ロスの一つの要因となっているメーカー、中間流通、小売にまたがる商習慣というものですが、商習慣の見直しについて答弁をいただいております。納品期限が、納品期限の緩和、賞味期限の年月日の表示ですね、表示の取組を変えるということですが、消費者がもったいないというこの規範的な、規範意識ですね、規範的な意識を育てること、これが私は最も必要なのではないかと思っております。
 余り農水省としては消費者向けの施策をしていないように見えるのですが、事業者向けに、食品ロス削減で商習慣の見直しのほかに行っていることありますでしょうか、大臣にお聞きします。

#65
○国務大臣(野上浩太郎君) 今御指摘ありましたとおり、食品ロス量六百十二万トンのうち、食品産業から発生する事業系、この食品ロスは三百二十八万トンということになっておりますが、これも前年度に比べて七%減少しているところであります。
 農林水産省では、食品ロスについて二〇三〇年までに二〇〇〇年度比で半減させる目標を掲げておりまして、この達成に向けて作業を進めているところでありますが、一つには、先生今御指摘ありました、小売店舗が製造業、卸売業に求めている納品期限ですね、いわゆる三分の一ルールというものの緩和など、商習慣の見直しを進めていくということが重要だと考えております。
 加えまして、そのほかにも、やはり生産、流通などの過程で発生する未利用食品を必要としている人や施設に提供する、今フードバンク活動への支援なども行っております。
 また、飲食店等における食べ切りですとかあるいは食べ残しの持ち帰りを推進をする活動なども行っておりますが、関係省庁と連携しながら、この事業系の食品ロスの更なる削減に取り組んでまいりたいと考えております。

#66
○石井苗子君 商習慣の見直しのほかに行っていることはありますかとお伺いしたんですけれども、総合的に食品ロス削減に対する取組を行っているという御答弁だったような気がいたします。
 私は、これは消費者の意見に関する調査というのをしていただいて、国民のお一人お一人が食品ロス削減のために何らかの行動をしていくという教育も必要なんじゃないかと思うんです。じゃないと、どうしてもこの無駄をつくってしまっているシステムを変えていくことができない。政治家の果たす使命でもないかと思うんですね。子供が飢えているということで、片っ方で食品を捨てている、こんな矛盾は何かの仕組みを変えれば無駄を起こさないでいけるのではないかと思っております。
 次の質問ですが、世の中のSDGs、それは時代に沿って生き残っていくためにどうしていくかを考えることなのだと思いますが、食品基本計画の中では、デジタル化に対応した食育の推進と書いてあります。
 コロナ禍でテレワークなどが多くなってきています。大勢の会食は控えるようにと行政から要請も出ています。昨年からのコロナ禍での生活様式の変化、大きくありました。食育の推進について、この変化はどのような影響がありますか。大臣、お答えください。

#67
○国務大臣(野上浩太郎君) 新型コロナウイルスの拡大によりまして、食育の大きな柱であります共食ですね、御家族とともに食事を取っていただく、あるいは地域の方々とともに食事を取っていただく、この共食が行いにくくなっております。その反面、国民の心身の健康への意識が高まっておりまして、在宅時間や家庭での調理の機会が増えている。また、国民が改めて自身の食生活を見直すきっかけになっていることなど、食育の役割が従前にも増して重要になっていると考えております。
 こうした機会を捉えて、今お話のありましたデジタルツールですね、オンラインを有効活用した食育ですとか、あるいは増加した在宅時間、調理機会を活用してもらうための食に関する情報発信等が進められているところでございます。
 第四次の基本計画におきましては、この新たな日常やデジタル化に対応した食育の推進を横断的な重点事項項目として掲げたところでありまして、これは政府全体として新たに取組を拡充してまいりたいと考えております。

#68
○石井苗子君 ありがとうございます。
 最初に言いましたように、知育というのは知るということです。知育、徳育、体育という、徳育は恩恵にあずかっているという、食べることはそうなんだと、作る人がいて、無駄にしてはいけないんだという徳育です。知育のところが、知るということが、今アプリで食育を子供たちに知らせていくとか家庭に知らせていく、アプリでデジタル社会で食育の知育、知ることを学ぶということなんですけれども、やはりここで、体験イベント、コロナですからできなくなりましたと言いながらも、ここで、今、日本は食品ロスがあるんだと、みんな食べることについてもう一度考え直そうというような情報発信、情報発信、情報発信とおっしゃるんでしたら、そういうことも是非入れていっていただきたいと思います。世の中の無駄をなくすためには、少しずつ情報発信のやり方も変えていっていただきたいと思います。大いにアプリを使って食育をされるのは結構ですけれども、その中身も考えていただきたいと思います。
 まだ時間ありますね。現在の食品安全行政について伺いたいと思います。
 これ、私の関心事なんですけれども、有害な微生物、化学物質などを含むハザード、ハザードというのは危険な要因となるものという意味で使っております。これらを摂取することで人の健康に悪影響を及ぼす可能性がある場合、それを防止して、防いでですね、そのリスクを低減させるための枠組み、リスクアナリシスと呼んでいらっしゃいます。危険の分析と訳すのでしょうか。これは体、体育、体の、国民の健康のために大変重要なことだと思いますが、この危険分析、リスクアナリシスには三つあると思うんですね。リスクの評価というのが一番最初にあると思います。次に、それを管理するリスク管理があると思います。次に、それをどうして必要なのかという、これ情報発信ですが、これがリスクコミュニケーションだと思います。
 この三つの要素から成っていると思うんですけれども、リスクコミュニケーションについては私、随分ここの委員会でも質問させていただいておりますけれども、食品安全行政においてのリスクコミュニケーションについては具体的にどのようなことをやっているのか、教えてください。

#69
○政府参考人(新井ゆたか君) 委員おっしゃいますリスクアナリシスということで、リスクを評価し、管理し、それを理解していただくということで食品安全行政やっております。具体的にはファーム・ツー・テーブルということでございまして、例えばアクリルアミドでありますとか米のカドミでありますとか、そういったものにつきましてリスクを評価した上で、それをどうやって管理していくか、それを理解していただくかということで、リスクコミュニケーションを重視しております。
 済みません、質問取りの段階で復興の、福島の話と思ったものでございますから、具体的には風評被害のリスクコミュニケーションにつきまして答えを用意いたしましたが、基本的な思想は同じだと思っております。
 リスクコミュニケーションにつきましては、まず知ってもらう、正しい情報をきちんと開示して知ってもらうということ、それから、やはり自ら体験してもらうということが重要でございますので、リスコミュの柱といたしましては、特に東日本大震災の場合は食べてもらう、それから来てもらうということを重視しております。
 私ども、リスクコミュニケーションということで、農林水産省、それから消費者庁、それぞれ、場合によっては食品安全委員会も一緒になって、今はなかなか、本来は対話型でやるのが望ましいというふうに思いますけれども、今ウエブでございますので、たくさんの方にできるだけ参加をしていただくということで、ウエブを活用いたしましていろいろなリスクにつきまして開示をし、できるだけ答えるということを繰り返しやっているところでございます。

#70
○石井苗子君 ウエブですね、デジタルを使った社会になっていって、それで理解を求めようとしている一方で、来てください、食べてください、見てください、体験してくださいと。これもう本当に全然違うことを一遍にやろうとしているわけなんですよ。
 私、復興庁でも、このリスクコミュニケーションについて質問をしたんですけれども、まあ意見を言いました。こんだけ大丈夫ですと、こんだけ安全なんですという、じゃ、何だったら、来て食べてくださいと、これはリスクコミュニケーションじゃないんですね。これは、やっぱり農水省として権威を持ってデータを示しながら、なぜこれで大丈夫だということを示していかなければならないと思います。
 復興庁と比較して、この安全性の情報提供について農水がもっと工夫をしていっていただきたいと思います。ここは、農林水産省としての見解として、リスクコミュニケーションとリスク管理、その説明を権威を持ってやっていくこと、信頼を持ってもらうこと、とても大事だと思いますので、頑張っていただきたいと思います。
 あと一問だけ質問させてください。
 小中学生の朝食、これを抜く朝食欠食率というのがありますが、これ一時減少したんです。これは、食べ物がコンビニなどですぐ手に入るようになったので一時減少したんですけれども、令和元年度四・六%とまだ残っておりまして、これを七年度、令和七年度までにゼロにするということなんですが、なかなか難しい面があります、家庭内のことですから。
 でも、農水省は、子供向けの具体的な施策は文科省ですからと言われるんですが、この欠食率ゼロ%を目指すとおっしゃっているからには何かコメントがあると思いますので、最後にお伺いします。

#71
○政府参考人(新井ゆたか君) 今委員から御指摘がありましたとおり、朝食欠食児をゼロ%にするという目標を掲げてまいりましたが、残念ながらなかなかゼロに近づいていくことができないという状況でございます。
 これにつきましては、文科省の早寝早起き朝御飯ということで、早寝すること、要は生活習慣と一緒に朝食を食べていくこと、それから、それぞれ家庭のいろいろな御事情によりましてなかなか朝食が取れないというところでありますと、学校とかそういうところでその代替をするというような施策も一部の学校で行っているところでございます。
 まさにこれは家庭の問題とも非常に密接をするということでございますので、保護者とも手を携えながら、朝食を食べることが一日のスタートになり、やはりそこでやはり全体の生活習慣も含めて改善していくということを私どもとしても広く呼びかけていきたいというふうに考えております。

#72
○石井苗子君 時間が来たから終わりますけれども、私は給食を朝食に変えてもいいんじゃないかと思うぐらい朝の食事は大事だと、子供の体づくりに大事だと思っております。
 終わります。ありがとうございました。

#73
○舟山康江君 国民民主党の舟山康江です。
 今日は、先ほど高橋委員からも問題として取り上げておられましたけれども、みどりの食料システム戦略についてまずお聞きしたいと思います。
 ただ、問題意識共有というついでで言いますと、米問題についても、私も全く今同じ思いで今年の米の今後の行方を心配していると、こんな状況です。以前の質問でも取り上げました。やはり米が過剰になるんではないか、こういった心配が現場各地で声が聞こえてまいります。そういう中で、これまた前回、私も指摘をさせていただきましたし、山田委員、またそして今日の高橋委員からもありました。もはやもう現場任せでは限界じゃないかということだと思っています。
 現場にしっかりメッセージを発信しているではなくて、やっぱりこれ国がどうやって関与していくのか、ここをしっかり考えなければいけないんではないかと思いますし、もう一つは、やはりリノベーション事業等でいわゆる加工用米とか輸出用米を作った場合に、面積を増やすと少し助成金を増やすということをやっていますけれども、その影響で、またあと過剰傾向ということもあって、価格に影響が出ていると。これまた、飼料用米も含めてですけれども、これまた残念ながら厳然たる事実だと思うんです。そう考えると、米、主食用以外に支援を厚くすることが果たして解決に向かうのかということをこれ真剣に考えていかなきゃいけないんじゃないかと思っています。
 ですから、私は、その主食の生産を抑えることにインセンティブを付与しながら、足りないものを増やしていくということをやっていかなきゃいけない、そんな時期にもう来ているんじゃないかと思いますけれども、これ通告していませんけれども、今までの質問の関連ですので、これ大臣から、今のこの米問題についてやはり根本的に考えるべきではないかと思いますので、一言お答えをいただきたいと思います。

#74
○国務大臣(野上浩太郎君) 今、令和三年産の主食用米でありますが、過去最大で六・七万ヘクタールの作付けの転換が必要となっています。これが実現できなければ、需要と供給の安定が崩れかねない正念場と考えております。大臣談話も発表させていただきました。
 今お話があったとおり、令和三年産につきましては、リノベーション事業ですとか麦・大豆プロジェクト等措置をして、さらには水田活用の直接支払交付金等も創設をしたところであります。さらに、リノベーション事業の採択結果が出てきたところでありますが、本事業に採択された協議会が申請時に申告した新規の作付面積は二・一万ヘクタールとなっております。六・七万ヘクタールの作付け転換に向けまして、この水田活用の直接交付金等々も活用しつつ、主食用米からの作付け転換を支援してまいりたいと考えております。
 やはり、この需給の動向ですとか関連対策について、関係者の皆様に本当に丁寧に周知をして理解を促進していくことが重要だと考えております。全国大会、いわゆる会議、六回開催をしてまいりましたし、本省、地方農政局等による各地での説明会も開催してまいりましたが、生産者、地方団体と連携をして、そこの作付け転換の推進が進むように全力を尽くしてまいりたいと考えております。

#75
○舟山康江君 いや、取り組んでおられることは私も理解しておりますけれども、ただ、その価格の問題等、先ほど加工用米の事例では、需要も少し減退しているというところで若干価格が下に引っ張られているということがあると思いますけれども、逆に、飼料用米とか麦、大豆に関しては、まだまだ需要があるにもかかわらず価格がなかなか低迷しているということ。やっぱりここの原因も考えていかないと。増やすために補助金を上げることが果たして農家のためになるのか。先ほど言いましたように、過剰傾向にある主食用米を一定量に抑えるインセンティブですね、そこをやはり考える必要があるんじゃないかということを改めて提起をさせていただきたいと思います。
 続いて、みどりの食料システム戦略ですけれども、今までも議論があったように、地球の持続可能性のために環境負荷を低減するということは非常に重要だと思っています。そのために、農林水産分野においても環境負荷の低減に貢献するという意味で、みどりの食料システム戦略は大いに私は評価をしております。
 そして、このことは政府のグリーン成長戦略にも少し、若干ですけれども位置付けられておりますけれども、私の問題意識は、やはりこれ、どちらかというと経産省主導という中で、その食料・農林水産業の影が若干薄いんじゃないかと思うんですね。しかも、その中身はスマート技術とかイノベーションに若干偏り過ぎているというふうに思います。
 このグリーン成長戦略も五月から六月に改定予定と聞いておりますし、このみどりの食料システム戦略も五月には最終版を出すということです。まずは、みどりの食料システム戦略ももちろんですけれども、この政府のグリーン成長戦略にもっと、真ん中に堂々と、経産省主導ではなくて、この農林水産業、食料の役割というのをもっと色濃く反映させるべきだと思いますけれども、大臣、その主張をいただきたいということを強くお願いします。

#76
○国務大臣(野上浩太郎君) 今御指摘のありましたグリーン成長戦略でありますが、これは二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けまして、昨年十二月に経産省が中心となって関係府省と連携をして取りまとめられたものであります。食料・農業、農林水産業分野につきましても、重要分野の一つとして、二〇五〇年を目標に農林水産業における化石燃料起源のCO2ゼロエミッションの実現と位置付けているところであります。
 一方、農林水産省におきましてはみどりの食料システム戦略を策定を行っているところでありまして、化学農薬や化学肥料の低減ですとか有機農業の拡大等々掲げておりますが、そういう中で、グリーン戦略については、その内容を深掘りして、本年夏に閣議決定予定の成長戦略に反映されるものと承知をしておりますので、農林水産省としても、このみどり戦略の検討状況を踏まえつつ、農林水産関係の記載が充実するように、経産省と連携して対応してまいりたいと考えております。

#77
○舟山康江君 そして、改めてこれ大臣から強く御主張いただきたいのは、これ予算委員会で総理にも直接申し上げましたけれども、やはり今、その地球環境問題、持続可能な社会をつくっていくという意味では、もちろん、カーボンニュートラル、CO2の削減というのは大事なんですけれども、それ以外に、生物多様性の維持、それから全体のその資源利用量の低減、こういった全体の環境負荷の低減そのもの、SDGsを考える際にも、CO2の削減というのはその一部であって、全体の環境負荷低減ということも、やっぱりこの分野でも農林水産業は貢献できると考えています。
 こういう観点もまさにこのグリーン成長戦略に位置付けるべきだという御主張も併せて農林水産省、大臣の方から提言していただきたいと思いますけれども、お考えをお聞かせください。

#78
○国務大臣(野上浩太郎君) グリーン成長戦略、これは二〇五〇年のカーボンニュートラル実現を目標とするものでありますが、一方で、先生御指摘のとおり、これ、カーボンニュートラルのみならず、生物多様性等の環境への負荷低減が重要であります。
 農林水産省におきましては、化学農薬ですとか肥料、化学肥料の使用量の低減を掲げてこのみどり戦略を検討しているところでありますが、食料・農林水産業の持続的な発展、あるいは気候変動、生物多様性の問題への対応等々、やはり地球規模の課題の解決のためにはみどりの食料システム戦略、またグリーン戦略の双方にしっかりと取り組んでいくことが重要であります。
 経産省を始め関係府省と連携をして、これしっかりと対応してまいりたいと考えております。

#79
○舟山康江君 その際に、私、若干懸念しているのが、大臣も所信表明の中で、このみどりの食料システム戦略について、生産力向上と持続性の両立をイノベーションにより実現したいということをおっしゃっておられます。イノベーションは決して否定するわけじゃありませんけれども、本来は、先ほど、高橋委員のこの資料にもありますとおり、循環型農業というんですか、やはり、いかに持続可能な産業として農業を回していくのか、場合によっては、小さい取組のこの連携の中で地域で循環をして、まさに食育の話もありました、様々なその消費者の理解も得ながら回していくということの方、この積み重ねがまさに私はみどりの食料システム戦略の根幹にあるべきだと考えています。
 どうもイノベーションばかりが先に来て、この技術を私は決して否定するものではないですけれども、でも、根幹にあるのは、やっぱりこういった循環型農業、持続可能な農業、小さな取組、決して規模拡大だけではないと、こういった思想ではないかと思いますし、食料・農業・農村基本計画でも、僅かではありますけれども家族農業という言葉が入って、少しまだ政策としては私は弱いと思っていますけれども、そういった方向の芽が出始めているという中で、その循環型の農業の、もう少し強く位置付けていかないと、何かこう、言葉はいいんですけれども、ちょっと目指す方向が、また規模拡大とか輸出拡大とか、そちらの方向ばかりに寄ってしまうことの懸念が非常にあるんですけれども、その辺り、ちょっと根本を見直していただきたいと思いますけれども、いかがでしょう。

#80
○国務大臣(野上浩太郎君) このみどりの戦略において新しい技術をしっかりと活用していくということは重要な分野だと考えておりますが、一方で、先ほど高橋先生からお話のあった、地域の中で循環型の形をつくっていく、循環型農業をしっかりとつくっていくということは、これ重要な課題だと考えております。
 みどりの戦略の策定に当たっても、このイノベーションとともに、そのような循環型農業の推進ということもこれはしっかりと進めてまいりたいと考えております。

#81
○舟山康江君 循環型農業を進めていくに当たっては、やっぱり大規模化だけじゃないということは今まで以上に強く意識をしていただきながら、施策の体系を組んでいただきたいと思っています。
 これ、前回も指摘しましたけれども、相変わらずやっぱり小さな農業、家族農業に対する支援は、環境直払いがありますとか言いますけれども、やっぱりまだまだちっちゃいんですよね。そこを改めて、もう少し小さな取組の積み重ねが大きくなっていくと。今、コロナを契機にいろんな若い方々が地方回帰とか田園回帰と言われていますけれども、いきなり専業農家を目指すんではなくて、まず兼業で始めたいという、こんな声もあるわけですよ。それは、兼業農家だから本気じゃないというわけではなくて、一つの形態としては今後伸ばすべきだと考えています。そういった方々も地域の中でその循環の一つの輪に入って大きくなっていくということですから、その配慮を是非改めて強くしていただきたいということをお願い申し上げます。
 そして、環境負荷をできるだけ低減していくという取組も併せて進められていると思いますけれども、その際に、カーボンフットプリントと、最近何か農水省から余りこの言葉が聞こえなくなったんですけれども、これを含めたライフサイクルアセスメントというものがあります。要は、環境負荷、これは温室効果ガスだけではなくて、生態系への影響とか、化学物質の排出を少なくする、環境への汚染を少なくするということをしっかり評価した上で物事を進めていこうという仕組みですけれども、こういう考え方をこの農業分野でももう少し導入するべきだと思いますけれども、見解を教えていただきたい。そしてまた、その手法が確立しているか否かについて現状を教えていただきたいと思います。

#82
○政府参考人(菱沼義久君) お答えいたします。
 環境負荷の低減に向けた対応策を検討する際には、環境負荷の部分をいかに見える化、定量化に、定量的に評価できるかが重要です。
 委員御指摘のライフサイクルアセスメント、LCAでありますけれども、これは製品サービスのライフサイクル全体の環境負荷を評価する手法で、国際規格でも定められております。
 一方、このライフサイクルアセスメントを食料・農林水産業の脱炭素化の見える化に導入するには、農林水産分野はやはり生産者ごとに工程や栽培環境が異なることといったようなこと、さらに自然環境の影響を受けて温室効果ガスの排出削減、吸収量の定量化がなかなか難しいことといった課題があります。
 このため、農林水産省では昨年九月に検討会を立ち上げまして、ライフサイクルアセスメントを参考にしつつ、食料・農林水産業の環境負荷の低減に向けた対応策、見える化の手法等について検討しているところでございます。しっかりまとめていきたいと思っています。

#83
○舟山康江君 検討会が開かれていることも承知しておりますけれども、一応、これ報告ですかね、調査の報告なんかも見ていますけれども、すごい分かりにくいんですよね、この調査報告。一般社団法人サステナブル経営推進機構というところに委託をして、調査結果が出ていると思いますけれども。
 これ、それなりに勉強しているつもりの私が読んでも全く分からないので、横文字だらけで、そうじゃない方は本当に分からないじゃないですか、これ。すごい分かりにくい報告書なんですけれども、やっぱりすごく大事な視点だと思うんですよ。
 そういった中で、きちっとですね、せっかく委託事業でやっているのであれば、しかも、これカーボンフットプリントの議論というのはもう今から十年ぐらい前はもう少し盛んだったと思いますけれども、今、この環境への配慮とか持続可能性が今まで以上に強く言われているこの段階で後退しているというのはちょっと、まあいろいろ難しいところがあると言われていますけれども、ちょっと若干時代に逆行しているんじゃないのかなと思いますので、これ改めてしっかり議論して、こういう観点からもやっぱり農業農村の優位性というのを生かせるんじゃないかと思いますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 その観点で、やっぱりできるだけ地産地消、なぜかというと、やっぱり見える関係をつくっていくということと、やっぱりその環境負荷を低減していくということにもつながっていくからですよね、フードマイレージとかそんな言い方もされますけれども。そういった意味でも、やっぱりできるだけまずは国産、もっと地域で、地域でないものはその他の地域からですけれども、外からの移出入ですね、輸入したり輸出したりというこの移入、移出というのは今のこういった観点からは若干ずれるか逆行するんじゃないかと思いますけれども、それでもなお輸出拡大に今まで以上に取り組んでいくという方針なのかどうか。この環境配慮というところとの整合性も含めて大臣のお考えをお聞かせください。

#84
○国務大臣(野上浩太郎君) 今、海外におきましては環境に配慮した農産物ですとか食品への需要が高まっておりまして、この有機市場、食品市場が拡大をしておりますが、その中で我が国からの例えば有機茶などの輸出量も増加をしております。
 今後、こうした海外の需要も更に伸びていくものだと考えておりまして、環境への配慮をした産品の生産を行う輸出産地の育成、展開に取り組んでまいりたいと考えておりますが、一方で、今後、農産物・食品の輸出拡大を図るとともに、やはり輸出に際しての環境負荷を低減をしていかなければならない。大ロットや高品質、効率的な輸出物流が重要でありまして、低コスト、最適移送ルートの構築ですとか、あるいは安定的かつ低コストなコールドチェーンの整備等を行うことによりまして、輸出に伴う温室効果ガスの排出削減に取り組みつつ環境負荷低減の取組を進めてまいりたいと考えております。

#85
○舟山康江君 私は輸出をこれまた否定するわけじゃないですけれども、今必要なのは、やっぱりこの輸出に頼っていたものをいかに地域に戻していって国内の生産量を増大させるのか、そしてその中で農業への理解を深めていくのか、こちらの方にもう少し注力するべきであって、今度、また次回質問したいと思いますけれども、かなり輸出促進に相当いろんな施策を導入して予算を投入して取り組んできた、そのいわゆる費用対効果というか、こういったことも含めて、果たしてこれ以上輸出、輸出というところに力を入れていくのがいいのかどうか、ここも今再検討するところに来ているんじゃないのかなと思っています。
 そういう中で、施肥量の低減とか農薬投入量の低減、まさに有機農業の推進ということにもこれから増やしていこうと。目標とすれば、現在の何十倍ですか、五十倍という感じですよね。そういうところまで増やしていこうというところなんですけれども、この理由ですね、どういう背景で施肥量、農薬量低減と有機農業の拡大を図ろうとしているのか、この背景についても教えていただきたいと思います。

#86
○政府参考人(新井ゆたか君) お答えいたします。
 今回のみどりの食料システム戦略におきましては、KPI、本戦略が目指す目標といたしまして、化学農薬使用量それから化学肥料のそれぞれの削減というのを入れております。ここは両方とも化学というふうにしておりまして、化学農薬や化学肥料は主に自然界にはない化学物質あるいは輸入した化石燃料を原料としたものということでございますので、やはり何らかの形で環境負荷となるということはやはりこれ否定できない事実だと思っております。
 これまでも、環境保全型農業ということでできるだけそういうものの投入量を少なくしていくということをやってまいりましたので、今回もこの連続だというふうにして見ている、思います。しかしながら、改めてその使用量の方で目的を設定したと、しかも大きな目標を設定したということにおいては、やはり相当ジャンプしなければいけないというふうに思っております。
 そのためには、化学、環境負荷を軽減しながら持続的な農業生産を確保する、やはり生産力も維持する、二兎を追っていかなければならないという非常に難しい政策でございますけれども、やはり病害虫の管理におきましては化学農薬のみに依存しない総合的な病害虫管理の手法、それから家畜排せつ物等の様々な未利用の有機性資源の循環利用や、ドローン等によるセンシングデータを活用した省力、それから最適施肥といったものを活用することによりまして、生産、化学肥料や化学農薬の使用量の低減とそれから生産性の確保というのをやはり図っていくということで、私どもも相当工夫して進めていかなければいけないと考えております。

#87
○委員長(上月良祐君) おまとめください。

#88
○舟山康江君 はい。
 ありがとうございます。
 結果としてコスト低減にもつながるという側面もあるのかなと思いますけれども、主目的はやはり環境負荷の低減ということで、ここでも、今のお話の中でも様々な技術を活用してという話がありましたけど、やっぱり根っこは、地域の取組がなければそういった方向にも行かないと思いますので、しっかりこの小さな地域の取組を後押しする、ここが重要なんだという視点を持っていただきたいと思います。
 加えて、最後になりますけれども、これ、日本農業新聞のモニター調査では、みどりの食料システム戦略について、名前も内容も知っているという人はまだ一一・五%、名前も知らないが五六・二%ということで、やはりこのPRにももっと努めていただいて、やっぱり現場で知ってもらって取り組んでもらうということが大事だと思いますので、そこも併せてしっかりと行っていただきたいということを最後に申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#89
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 冒頭、これ質問しませんけれども、東京電力の福島第一原発事故による汚染水の海洋放出について述べたいと思います。
 この問題、私も本委員会で何度か取り上げてきましたし、昨日も、党の国会議員団としても梶山経済産業大臣のところに申入れをしまして、決めるなということで言いました。まだ決まっていないと、近日中というふうに言っていたんです。近日中と言っていて、昨日の今日ですからね。本当にこれどういうことかというふうに思います。
 しかも、二〇一五年の八月、福島の皆さん、自治体も含めて決議を上げて政府に対して要請しているのに対して、政府と東電は関係者の理解なしに汚染水はいかなる処分も行わないということを文書で回答しているんですよ。本当にこれ約束違反じゃないかということで、私、厳しくこれは抗議を申し上げたいと思います。
 その上に立って、今日は中山間地域についてお聞きします。
 中山間地域は、人口で全国の約一割を、農家数、耕地面積、農業産出額は全国の約四割を占めているわけです。しかし、過疎が進行して生活や生活条件が、生産条件が厳しくなっている現実にあります。中山間地域の支援策として、中山間地域等直接支払制度があります。
 そこで、中山間地域の直接支払交付金の面積と環境保全型の支払の実施面積、これ資料でお配りしております。水色が中山間地域の直接支払交付金面積、オレンジが環境保全型の農業直接支払です。中山間地域直接支払面積、交付面積は、二〇一四年度の六十八万七千二百二十ヘクタールをピークにして、その後、一旦下がり、横ばいが続いて、二〇一九年度は六十六万五千三百九十四ヘクタールです。これ、なぜ交付面積が横ばいで推移しているんでしょうか。

#90
○政府参考人(牧元幸司君) お答えを申し上げます。
 この中山間地域等直接支払交付金の交付面積でございますけれども、委員お配りの資料にございますように、二〇一四年、平成二十六年度、六十八万七千ヘクタールでございましたところ、第四期対策に移行いたしました二〇一五年度につきましては六十五万四千ヘクタールに減少しているところでございます。
 その理由といたしましては、この中山間地域等直接支払制度につきましては五年を一期ということでやっておりまして、少子高齢化、人口減少の進行等を背景といたしましたこの人員、人材不足、また、地域コミュニティー機能の維持に必要な話合いが、話合いが困難な地域が増加しているということ等によりまして、この第四期対策の初年度に面積が減少したということは考えております。
 その後、この第四期対策の期間中に、各市町村におきまして、本制度に取り組んでいない地域に対しまして交付金の活用の推進活動というような現場の大変な御努力が積み重ねられた結果といたしまして、令和元年度、二〇一九年度でございますけれども、これにつきましては、二〇一五年度から約一万ヘクタール増加をいたしまして六十六万五千ヘクタールとなっているところでございます。

#91
○紙智子君 要するに、今の説明でいうと、中山間地域で高齢化が進んでいて、五年以上もの農業継続できないということが一つ大きな要因としてあるという話だったと思うんですね。
 次に、今立ち上がりましたけれども、環境保全型の農業直接支払、これ自然環境の保全に役立つ農業生産活動の実施に伴う追加的コストを支援するというものですよね。この交付金も、二〇一七年度の八万九千八十二ヘクタールをピークにして下がって、二〇一九年度は七万九千八百三十九ヘクタールと。これ、なぜ落ちているんでしょうか。

#92
○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。
 委員御指摘の環境保全型農業直接支払交付金でございますが、これは、農業者団体などが化学肥料及び化学合成農薬を原則五割以上低減する取組と合わせて行う地球温暖化防止や生物多様性、生物多様性保全等に効果の高い営農活動に対して支援を行うものでございまして、有機農業ですとか堆肥の施用ですとかカバークロップですとか、そういったものに、そういった取組を行う場合に支援をするものでございます。
 この交付金では、二〇一五年から二〇一七年、年度までですね、同じ圃場で二つの取組をやった場合に重複してカウントできるという形でどちらも支援をしておりましたが、取組の実面積を拡大させるということを優先させるという観点から、二〇一八年度からは同じ圃場における支援対象取組を一つに限定していただくと、こういった運用に見直したところでございます。
 この見直しを行ったことや天候不順があったことなどによりまして、二〇一八年度には実施面積が約九千六百ヘクタール減少いたしまして七万九千四百六十五ヘクタールとなったところでございます。
 なお、その見直し後の運用が周知、定着されてきた翌年度の二〇一九年度におきましては、約四ヘクタール、四百ヘクタール増加いたしまして七万九千八百三十九ヘクタールとなっているところでございます。

#93
○紙智子君 つまり、圃場で複数の取組を認めないということが一時下がっている要因というふうに言えると思うんです。
 多面的機能支払も、これ認定農用地面積が減少しています。これも新しく五年間の計画が立てることができなくなっているというふうに聞いています。
 農林水産省は産業政策と地域政策が車の両輪だというふうに言ってきました。しかし、地域政策がこれ機能していないんじゃないかと思うんですね。農地の保全を軸にした政策がこれ限界に来ているんじゃないんでしょうか、農水大臣にお聞きします。

#94
○国務大臣(野上浩太郎君) 中山間地域を始めとする農村地域では、少子高齢化や人口減少が都市部に先駆けて進行しておりまして、この地域コミュニティーの維持や多面的機能の発揮に支障が生じつつあると認識をいたしております。
 こうしたことから、昨年三月に閣議決定しました食料・農業・農村基本計画におきまして、農村を維持して次の世代に継承していくために、地域政策について大きく見直しを行い、三つの柱として推進することとしております。具体的には、中山間地等の特性を生かした多様な複合経営等及び地域資源を活用した所得と雇用機会の確保、二つ目は、地域コミュニティー機能の維持機能や生活インフラ等の確保による農山漁村に人が住むための条件整備、三つ目は、地域を支える体制や人材づくりによる農村を支える新たな動きの創出を推進しているところであります。
 特に、この農村地域における人材不足というものは、これは、農村を支える新たな動きや活力、柱の一つでありますこの分野の中心的な課題でありまして、昨年五月から開催しております新たな農村政策の在り方に関する検討会において現在議論しているところであります。六月中を目途に取りまとめを行うこととしておりますが、検討会での提言も踏まえながら、この人材の裾野拡大というものも図ってまいりたいと考えております。

#95
○紙智子君 今のお話でもありましたけれども、農地の保全、そして多面的機能を発揮するためにも、マンパワー、人がいないとできないということだと思うんですね。
 雑誌「農業と経済」というのが出されていますけど、ここで、私も知っている福島県の二本松の東和地区の菅野正寿さんという方が登場しているんですけれども、この人は、農地集積や大規模化に政策が集中して、兼業農家も農業を維持できる仕組みがなおざりにされてきたんじゃないのかというふうに言っているんですね。それで、兼業で例えば会社勤めしている人、そうしながら農家している人も集落には大事な人材だというのは地域のリアルな姿なんだというふうに言っていて、やっぱり農業だけではなくて、祭り、商店、地域文化、生活圏の地域コミュニティーと一体となって地域を守っていく視点が必要なんだと、そして、今総務省の地域おこし協力隊の制度などに取り組んでいるということも言われているんです。東和地区というのは優良事例として紹介されているわけです。
 そこで、ちょっと総務省に来ていただきましたが、お聞きします。地域おこし協力隊と集落支援員の概要、実施主体、活動期間、交付税の措置、人数等について説明してください。

#96
○政府参考人(黒瀬敏文君) お答え申し上げます。
 地域おこし協力隊でございますけれども、都市地域から過疎地域等の条件不利地域に生活の本拠を移した方に地方自治体が委嘱をするもので、おおむね一年から三年の間、農林水産業への従事ですとか住民の生活支援などの地域協力活動を行いながら、その地域への定住、定着を図る取組でございます。
 総務省では、実施主体である地方自治体に対しまして、隊員の報償費等について一人当たり四百七十万円を上限に特別交付税措置を講じてございます。平成二十一年、隊員数八十九人からスタートいたしましたが、令和二年度には約五千五百人が千六十五の自治体で活躍をしておられます。
 一方、集落支援員でございますけれども、地域の実情に精通をし、集落対策に対するノウハウや知見を有する方に地方自治体が委嘱をするもので、集落の巡回ですとか課題の把握、集落の在り方に関する住民同士の話合いの促進等を行っていただく取組でございます。
 集落支援員の報償費等についても、一人当たり四百三十万円を上限に特別交付税措置を講じてございます。令和二年度は千七百四十六人の専任の集落支援員が三百六十一の自治体で活躍しておられます。

#97
○紙智子君 今お話あったように、地域おこし協力隊、これ二十一年が八十九人から今五千五百人になっているという話ですよね。
 それで、この協力隊というのは、活動地域と同一市町村内の定着率が五〇%だと。どう定着を図るかというのも課題になっていて、弘前大学の平井太郎准教授の調査によると、活動地域と同一市町村内の定住者も、五年目には四分の一、八年を過ぎると約四割が活動地域を去り、近隣の都市部に定住するということなんですよね。主な理由は何かというと、受入れ地域の子育てや教育などの環境が脆弱なことだというふうに言っているわけです。そのほかにも、やっぱり医療体制なんかもあると思うんですよね。
 それで、農地をどうするかという角度だけではなくて、農村地域の資源を保全しながら集落機能をどう発揮していくのか、総合的な対策をこれ検討することが今いよいよ急がれているんじゃないかというふうに思うんですけれども、これ、農水大臣、いかがでしょうか。

#98
○国務大臣(野上浩太郎君) 今ほど来御議論のあります集落機能に着目した対策につきましては、食料・農業・農村基本計画の中で、地域コミュニティー機能の維持や強化を図るために、世代を超えた人々による地域のビジョンづくり、あるいは小さな拠点の形成の推進、地域コミュニティー機能の形成のための場づくりなどに取り組むことといたしております。
 これを受けまして、令和二年度から始まりました中山間地直払いの第五期対策では、集落の話合いによりまして集落の将来像を明確化するために、集落戦略の作成を体制整備単価の要件とし、協定参加者の減少や高齢化、担い手不足といった課題に対応するために、集落機能強化加算ですとか集落協定広域化加算などを拡充をすることといたしたところであります。
 また、令和三年度から、今総務省からも施策の紹介があったところでありますが、この地方公共団体の職員等を対象といたしまして農村プロデューサー養成講座を開催をいたしまして、各府省横断の地域づくりの施策に関する講義を取り入れるとともに、今お話のありました地域おこし協力隊員も参加可能とするなど、今、関係省庁間で連携をしつつ、実施をすることといたしております。
 幅広い関係者と連携をした総合的な施策を講じて、やはりこの集落機能の維持、また発揮を図ってまいりたいと考えております。

#99
○紙智子君 是非、各省庁と連携して進めていただきたいと思います。
 さて、規制改革推進会議についてもお聞きします。
 規制改革推進会議農林水産ワーキング・グループが三月十九日に生乳の流通規制改革について議論をし、改革の遅れを指摘する意見が続出したと言われています。会議は非公開ですので、幾つか事実確認をしたいと思います。
 規制改革推進会議の二〇一六年十一月の意見ですが、改革の原則は、生産者が自ら自由に出荷先を選べる制度に改革する、そして生産者が創意工夫をしつつ所得を増大させるとしています。内閣府にお聞きしますけれども、生乳改革で酪農家の所得は全体として上がったんでしょうか。

#100
○大臣政務官(岡下昌平君) お答え申し上げます。
 農林水産省の畜産物生産費統計によりますと、全国の生乳一キロ当たりの所得は、乳価が上昇したものの、それ以上に生産コストが上昇した結果、平成二十九年度が三十六円、平成三十年度が三十四円、令和元年が三十二円と、減少しております。
 平成二十九年六月に閣議決定されました規制改革実施計画では、牛乳、乳製品の生産、流通等に関する規制改革といたしまして、生産者が出荷先等を自由に選べる環境の下、経営マインドを持って創意工夫をしつつ所得を増大していくことを目的として改革を行うこととされております。
 引き続き改革を進めることで、酪農家の所得増大を目指していくことが重要と考えております。

#101
○紙智子君 議論していないんですか。所得を上げるというふうに言ってきたわけだけれども、実際上がっていないんじゃないのかと。
 それで、最近、今ちょっとお話ありましたけど、取引乳価とか補給金とか、あるいはその副産物、この価格が上昇してきて多少所得は上向いているというのはあるんだけれども、一方で、農林水産省の乳牛の生産費の調査でいうと、生産に必要な費用も増えていると。ある意味、農家にとってみればちょっと一息つけるかなということでもあるんだと思うんですけれども、しかし、これって生乳改革で所得が上がったわけじゃないんですよね。
 生乳は、需要に応じて飲用向けと乳製品向けを調整する必要があって、生乳の需要の全体の安定を図っていくということが必要なわけです。二〇一七年六月の規制改革実施計画においては、飲用向けと乳製品向けの調整の実効性を担保できるものとすること、また、部分委託の場当たり的な利用を認めないルールにすることというふうにしているわけです。
 需要調整と、需給調整と場当たり的な利用について、これどうなっているかというのは議論されていますか。

#102
○大臣政務官(岡下昌平君) お答え申し上げます。
 御指摘の点につきましては、制度改正を受けまして既に実施済みの事項であると承知いたしております。
 先日の規制改革推進会議におきましては、既に実施された事項も含めまして、生産者が出荷先等を自由に選べる環境が実現できているかどうかを議論されたものと承知をしております。

#103
○紙智子君 本当に無責任だなと思いますよ。需給調整に関心ないようですよね。
 昨年のコロナ禍で、学校の一斉休校に伴って学校給食用の牛乳への出荷が止まったことが酪農に与える影響が本当に心配されたわけですよね。そのときに、指定団体が生乳の需給調整に大きな役割を発揮して、生乳を廃棄せずに乗り越えることができたわけですよ。一方で、一昨年に、群馬県の生乳卸のミルク・マーケット・ジャパン、いわゆるMMJですけど、北海道の九戸の酪農家から集乳を停止して、大量の生乳が廃棄される事態が発生しました。指定団体の取組は生乳の廃棄を回避し、もう一方で、規制改革のきっかけとなったMMJは生乳を廃棄する事態に発展したわけですけれども、このことについてはどういう議論していますか。

#104
○大臣政務官(岡下昌平君) 先ほども答弁申し上げましたけれども、規制改革推進会議におきましては需給調整の実効性の担保の重要性を否定したり、あるいは部分委託の場当たり的な利用のための契約違反を認めるような議論が行われたとは承知いたしておりません。
 いずれにせよ、同会議では、生産者が出荷先等を自由に選べる環境の下で、経営マインドを持って創意工夫をしつつ所得を増大していくことを目的として議論が行われているものと考えております。

#105
○紙智子君 本当無責任な議論なんですよね。
 それなのに、いいとこ取りはビジネスの常識だとか、それからホクレンは分割すべきだなんていう意見が出たということですけれども、農林水産省は、これに対してちゃんと説明したりあるいは反論したりとやっているんですか。大臣。

#106
○国務大臣(野上浩太郎君) その議論でありますが、三月十九日のワーキンググループでありました。農家が、あっ、酪農家が出荷先を自由に選択できる環境を整備した制度改革、これは一定の進展があるものの、指定団体への出荷が大宗を占める実態は変わっておらず、指定団体が不公正な取引を行っている疑いも見られることから、実態として制度改革進んでいないとの意見があったところであります。
 委員からは、この生乳改革事業者の競争を促すことによって、酪農家が出荷先を自由に選びやすくするために、実態、取引、実態調査とか防止の取組、あるいは指定事業者が生乳取引を拒否できるルール違反の事例集の全面的な見直しですとか、今お話のあった指定団体の分割や取引条件の透明性の確保のための検討と、そういうような意見があったところであります。
 ワーキンググループにおける指定団体についての議論は、これは分割ありきで議論されたものとは認識していませんが、この現在の指定団体は歴史的に乳業メーカーとの対等な価格交渉を行う上で酪農家が団結をして酪農家の協同組織として発展した経緯があります。こうした経緯を踏まえると、競争を促すために指定団体を分割すれば乳業メーカーに対する酪農家の価格交渉力が弱体することにつながるおそれがあると考えております。
 今回の議論は指定団体が系統外の事業者を排除するような不公正な取引を行っているという懸念があるという点から始まっておりますので、まずはこの不公正な取引について、農水省としては承知していないことから、その実態があるか否かを含め調査をして対応を検討していく必要があると考えております。

#107
○委員長(上月良祐君) おまとめください。

#108
○紙智子君 もう時間になっちゃいましたけど、やっぱり私は、さっき誰かも言いましたけど、農水省は農水省の意見を言うべきだと思うんですよ。
 結局これ、規制改革会議って密室で議論して言いたい放題でしょう。やっぱり、規制改革会議、安倍前総理が、私がドリルになって岩盤壊すと言ってこの規制改革推進会議を主導でやってきたわけですけれども、現場を置き去りにした議論なんですよ。国民に不信を招くような新自由主義的な改悪はもうやめるべきだということを申し上げて、質問を終わります。

#109
○須藤元気君 本日は、たんぱく質が大好きな須藤元気がたんぱく質危機について質問させていただきます。
 世界の人口は約七十八億人ですが、国連の調査によると、二〇五五年にはおよそ百億人に到達すると予測されています。この人口の増加と世界的な食生活の向上によって、食の需給バランスが崩れ、特にたんぱく質の不足が懸念されています。
 たんぱく質不足という響きは元アスリートにとって非常にどきっとする言葉でして、なぜなら、たんぱく質を食べないと筋肉が減っていくという強迫観念があるからです。しかし、これはアスリートだけに限った話ではありません。人の体の約二〇%がたんぱく質からできており、筋肉、皮膚、内臓、爪、髪の毛などをつくる大切な栄養素です。
 日本人の食事摂取基準によると、一般の人が必要とするたんぱく質の量は体重一キロ当たり一日〇・八グラムです。体重が六十キロの人は一日当たり四十八グラムが目安となります。現在の農業、畜産業の在り方のままでは、早ければ二〇二五年から三〇年頃には需給バランスが崩れ始めると予測され、この予測をたんぱく質危機と呼びます。では、たんぱく質を多く含む肉の生産量を増やせばいいのではという単純な話ではありません。肉を一キロ生産するのに、牛なら十一キロ、豚なら七キロ、鳥なら四キロの穀物が必要だと言われており、現在の畜産方法ではいずれ土地も資源も追い付かなくなってしまいます。
 まずは、そんなたんぱく質危機について農水省としてどのように捉えているのか、教えてください。

#110
○政府参考人(青山豊久君) お答えいたします。
 世界の人口の、世界の人口が二〇一〇年の約七十億人から二〇五〇年には約九十七億人に増加することや経済発展を背景としまして、世界の食料需要は増大する見込みでございます。特に、たんぱく質を含みます畜産物につきましては、中低所得国を中心に需要が増大する見込みでございまして、畜産向けの飼料としての穀物の需要が増大することが想定されます。
 我が国における自給力指標の考察におきましても、限られた農地の中で熱量効率の高い作物の作付けが優先されることとなれば、飼料向けの穀物を必要とする畜産物の供給を限定的にせざるを得ないなど、食料需給が逼迫する場面では畜産物の供給は大きな課題となると認識しております。
 いずれにしましても、たんぱく質を含め、国民に対する食料の安定供給は国家の基本的な責務であり、平素から国内生産基盤の強化を図っていくことが重要と考えております。

#111
○須藤元気君 ありがとうございます。
 毎年新しい企業が続々と上場を果たす米国株式市場ですが、植物由来の代替肉を製造、販売するビヨンドミートの上場が話題となりました。ビヨンドミートは、二〇一九年、アメリカ、ナスダック市場に上場し、IPO株価は二倍以上に高騰しました。ビヨンドミートは、食材の質感や調理法をITで解析し、味や香りを損なわずに調理する分子調理法で代替肉を作り出しました。豆類などを組み合わせ、食感を再現し、肉の赤い色はビーツで再現、霜降りに見立てた脂肪分はココナッツオイルなどで表現し、肉特有の風味を出すヘムという成分も作り出すことに成功しました。ビヨンドミートが躍進したのは、世界中でやはりベジタリアン、ビーガンが急激に増加しているのが一つの大きな要因と言えます。
 実は私も、十三年前くらいにちょっとベジタリアンにトライしたことがあります。しかし、三日もたたずに、このプロテインパウダーでは満足しない私の筋肉がたんぱく質、たんぱく質と叫び始め、そう長くは続きませんでした。そこで、基本的にお魚と野菜を中心としたペスカタリアンという食のスタイルになりました。
 話は戻りますが、本物の肉や野菜に代わる植物由来の肉、いわゆる代替肉が求められる時代が到来しております。SDGsの観点からも植物由来の代替肉を政府は推進していくべきではないかと考えますが、農水省の御見解を伺うとともに、これまでの具体的な取組があれば教えてください。

#112
○大臣政務官(熊野正士君) お答えいたします。
 植物性たんぱく等を原料とする代替たんぱく質分野が注目を浴びている背景には、今後も増加する世界人口に対し、持続可能な地球環境を維持する観点からは食肉の供給を安易に増加させていくことは困難であると考えられることから、その技術開発が求められているということもあると考えられます。このようなことを踏まえれば、我が国においては、ベジタリアンやビーガンといった新たな食の需要に適切に対応していくことも重要であると考えております。
 農林水産省においては、昨年十月にフードテック官民協議会を立ち上げ、植物性たんぱくを原料とする代替肉についてもその認知度向上などに向けた取組を推進するほか、本年度予算では、フードテック分野で起業を目指すスタートアップの取組を支援するスタートアップへの総合支援を措置することとしております。
 農林水産省といたしましては、こうした施策を通じ、代替肉も含め多様な食の需要に対応した新たな市場の創出を推進してまいりたいと考えております。

#113
○須藤元気君 実は、日本でもこの代替肉の実は食文化があります。例えば、がんもどき、あれはガンのもどきで肉の代用品でした。そのような食文化があるので、是非この代替肉、推進していただければと思います。
 続きまして、陸上養殖について質問をさせていただきます。
 先日、水替えなしの養殖システムでサーモンを陸上養殖しているFRDジャパンに視察に行ってまいりました。陸上養殖のメリットは、経験や勘だけに頼らず、成長予測に基づく計画的、安定的生産が可能ということです。現場で生のサーモンいただいたんですが、なかなかまろやかでおいしかったです。
 御存じかもしれませんが、天然のサーモンはアニサキスという寄生虫がいる可能性があるので、加熱するか、生で食べるなら一回冷凍してルイベにしなければいけません。実は、日本で生のサーモンを食べるようになったのはここ三十年ほどのことです。
 元々、日本では生のサーモンを食べる食文化はありませんでしたが、一九八〇年代の半ば、サーモンの養殖技術が発達していたノルウェーが、生でも安全に食べれるサーモンを生魚を食べるこの日本に売り込もうということで思い付き、そして成功させました。ですから、いまだに何か頑固おやじのいる江戸前のすし屋とかでは、うちはサーモン置いてねえみたいなことを言われるときがたまにありますが、そういった背景があるからです。
 陸上養殖の話に戻りますが、もちろんコストなどのデメリットもあります。しかし、FRDジャパンのように、水替えなしの養殖システムが開発されたりと技術革新が進み、近年注目を集めています。
 そこで、日本のマーケットに参入を試みる外資による陸上養殖の大規模案件が出てきています。これまで漁業権で守られていた国内での小規模養殖業者も、漁業権を必要としない陸上養殖の登場で外資との競争にさらされるようになります。小規模家族経営の養殖業者の支援、そして技術革新を進めることが急務だと思いますが、農水省の御見解を伺います。

#114
○政府参考人(山口英彰君) お答えいたします。
 御指摘がございましたように、現在の陸上養殖につきましては様々な参入形態がございます。既存の御当地サーモンを養殖する場合や、閉鎖循環システムを使った大規模な養殖などが挙げられるところでございます。
 このような状況を踏まえまして、水産庁では、需要に応じた生産を行うマーケットイン型の養殖業への転換を目指す養殖業成長産業化総合戦略を令和二年七月に策定したところであります。サーモンなど五魚種を戦略的養殖品目として指定したところです。
 この戦略では、輸入サーモンが占める国内生食市場を国産のサーモンが獲得していくために我が国の高品質な養殖サーモンを増産するということにしておりまして、二〇一八年の数字一万八千トンを二〇三〇年には三万から四万トンに増やすという、こういう目標を掲げております。
 サーモン養殖の振興に対する支援といたしましては、国産サーモンを増産するための技術開発として、ニジマスやサクラマス等について、一つは、この海水温が高くて養殖可能期間が短いという我が国のこの沿岸の養殖漁場の特徴を踏まえまして、海水馴致技術の高度化を図るということでございます。また、もう一つ、全国から由来の異なる親魚、親魚候補を集めまして、高成長等の優れた品種の開発等に取り組んでいるところでございます。
 また、民間の養殖施設につきましては、日本政策金融公庫の農林漁業施設資金等の低利融資を利用していただくことができると思っております。
 水産庁としては、引き続きサーモン養殖の振興に取り組んでまいりたいと思っております。

#115
○須藤元気君 ありがとうございます。
 陸上養殖はこの漁業権が要らないというところにちょっと引っかかりはするんですけれども、サーモンでいえば、日本には御当地サーモンが乱立しております。規模感は年間百トン以下の小規模がほとんどということで、しっかりと守っていただければと思います。
 さて次に、たんぱく源として昆虫食も注目されています。昆虫食が注目されるきっかけになったのは国連食糧農業機構が二〇一三年に出したレポートで、今後、昆虫食が食料、飼料になり得るというものでした。
 昆虫は、安く入手できる食材の一つとして、既にアジアやアフリカ、ラテンアメリカを中心とした約二十億人の人々の食事の一部となっております。我々日本人が一番想像しやすい昆虫食はイナゴのつくだ煮でしょうか。最近、イナゴのつくだ煮余り見なくなりましたが、日本では大正時代には蜂、カミキリムシ、蚕など五十種類以上の昆虫が日常的に食べられていたという記録があります。
 昆虫食、ネットで調べていたらいろんな昆虫が販売していたので、実際に購入して食べてみました。私が食べたのがコオロギ、コオロギの幼虫、ゾウムシの幼虫、蚕です。さくさく感があって悪くはなかったんですが、昆虫のサイズによって乾燥度が若干違いました。一つ大きめの蚕が入っていまして、少し乾燥が足りずちょっと半生感があったんですが、意外に濃厚な味わいで悪くありませんでした。何人かに食べてみないと勧めましたが、丁重かつ穏便に断られました。
 そこで、問題、あっ、質問ですが、このみどりの食料システム戦略の中間取りまとめにおいても、新たなたんぱく資源の利活用拡大とあります。ここに昆虫食は含まれているのでしょうか。もし含まれているのであれば、どのような昆虫をどうやって活用するのか、教えてください。

#116
○政府参考人(菱沼義久君) お答えいたします。
 持続的な食料システムの構築に向けて、先般、みどりの食料システム戦略の中間取りまとめを公表しました。この戦略では、資材、エネルギー調達における環境負荷軽減などの推進のため、未利用資源の一層の活用に向けた取組の中で、新たなたんぱく資源の活用として、昆虫の飼料化や食品化の研究開発を必要な取組として記載しております。
 農林水産省では、政府全体の研究開発プロジェクトで、二〇五〇年の将来を見据えて、困難だが実現すれば大きなインパクトが期待される社会課題等を対象とした研究開発を行う、これはムーンショット型研究開発制度でございますけれども、ここにおきまして、令和二年度から実際に飼料用の、飼料用や食用のコオロギ、飼料用のミズアブの持続可能な大量生産体制の構築に向けた研究を推進しているところでございます。

#117
○須藤元気君 ちなみに、調査によれば、世界中で千九百種以上の昆虫が食用として消費されております。最も多く消費されている昆虫は甲虫、カブトムシですか、三一%で、続いて芋虫が一八%、蜂、アリ一四%、バッタ、イナゴ及びコオロギが一三%ということです。
 普及していく上で問題なのがやはりビジュアルでしょうか。あとは、イメージというか、食べませんか、昆虫食といったら、大体リアクションとしてええってなるので、やはりそこのイメージを変えていくことがこの昆虫食の普及につながるのかなと思っております。
 ここまでお話ししたたんぱく質を始めとする食料不足を解消する方法として期待されているのがフードテックです。IoT、AIなどの技術で効率的に農産物を生産し、食料問題の解決の糸口として期待されます。私の筋肉を守るためにも、このようなフードテックの取組に対し、野上大臣の御決意をお聞かせください。

#118
○国務大臣(野上浩太郎君) フードテックの重要性についての御質問であります。
 近年の食料・農林水産業、これは、生産基盤の弱体化ですとか、あるいは温暖化によりまして激甚化、災害が激甚化をしておりますし、SDGsの達成目標等に対応していくことが求められているわけでありますが、こういうことに対応していくために、農林水産省では、先ほど来御議論いただいております、みどりの食料システム戦略の中間取りまとめを行ったところであります。
 また、既に農林水産省では、AI、IoTを活用した小型の除草ロボットといった新たなスマート農林水産業の開発に取り組むほか、今御指摘のありましたフードテックなど新たな技術開発や事業化に対する支援等を行ってイノベーションの創出を推進をしているところであります。
 また、みどり戦略では、サプライチェーン全体を貫く基盤技術を確立するために産官学の連携による技術開発の推進ですとか、AI人材の育成強化、ベンチャー企業の支援といった未来技術への投資拡大、グローバルな研究体制の構築等々図ることとしておりまして、このフードテックを含めました革新的な技術開発、このイノベーションの創出をしっかり進めてまいりたいと考えております。

#119
○須藤元気君 ありがとうございます。
 みどりの食料システム戦略を確実に形にしていくためにも、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。そして、みんなで力を合わせて是非たんぱく質を守っていければと思います。
 少し早いですが、終わりになります。ありがとうございました。オッス。

#120
○委員長(上月良祐君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────

#121
○委員長(上月良祐君) 次に、農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。野上農林水産大臣。

#122
○国務大臣(野上浩太郎君) 農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法においては、農業法人の自己資本の充実を通じ、農業の持続的な発展を図るため、農林水産大臣による承認を受けた投資会社等を通じて、投資を促進してきたところであります。
 近年、農林漁業や食品産業の分野では、輸出のための高度な衛生管理施設の整備や、スマート農林水産業に必要な技術開発等の多様な分野の新たな動きに対応する等の資金需要が生じており、これに対応する必要性が高まっています。
 しかしながら、農林漁業や食品産業については、農林漁業が天候等のリスクを有すること、生産活動サイクルが長く投資回収に時間を有する等の事情により民間投資を十分に受け入れられていない状況にあります。
 こうした状況を踏まえ、農林漁業の生産現場から、輸出、製造、加工、流通、小売、外食等のフードバリューチェーンに携わる事業者全てを対象として、農林漁業及び食品産業の更なる成長発展に必要な資金供給を促進するための措置を講じるため、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の内容、主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、目的規定についてであります。
 農林漁業や食品産業における新たな動きへの資金供給の必要性に鑑み、目的を農林水産漁業及び食品産業の事業者の自己資本の充実を促進し、その健全な成長発展を図るとともに、農林漁業及び食品産業の事業者の事業の合理化、高度化その他の改善を支援する事業活動に対し資金供給を行い、もって農林漁業及び食品産業の持続的な発展に寄与することとしております。
 第三に、投資対象とする法人の追加であります。(発言する者あり)あっ、済みません。第二に、投資対象とする法人の追加であります。
 農林水産大臣の承認を受けた投資会社及び投資事業有限責任組合の投資対象に、現行の農業法人に加え、これまで対象ではなかった林業や漁業を営む法人、そして、農林水産物や食品の輸出、製造、加工、流通、小売、外食等の食品産業の事業者、さらに、スマート農林水産業に必要な技術開発等を通じて農林漁業者又は食品産業の事業者の取組を支援する事業活動を行う法人等を追加することとしております。
 第三に、投資事業有限責任組合に関する外国法人への投資に関する特例であります。
 農林水産大臣の承認を受けた投資事業有限責任組合が、外国法人への投資について農林水産大臣の確認を受けた場合には、投資事業有限責任組合契約に関する法律における農業法人への投資割合に関する規制の……(発言する者あり)あっ、失礼しました、外国法人への投資割合に関する規制の対象外とすることとしております。これを通じ、農林水産物の輸出促進に資する海外での物流・販売拠点の整備等を促進していきたいと考えております。
 以上が、この法律案の提案理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。

#123
○委員長(上月良祐君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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