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2021/04/13 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 財政金融委員会 第9号 令和3年4月13日
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2021/04/13 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 財政金融委員会 第9号 令和3年4月13日

#1
令和三年四月十三日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     高橋はるみ君     末松 信介君
     石川 大我君     勝部 賢志君
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     滝沢  求君     野上浩太郎君
 四月十二日
    辞任         補欠選任
     末松 信介君     今井絵理子君
     藤末 健三君     三木  亨君
     宮沢 洋一君     岩本 剛人君
     勝部 賢志君     岸 真紀子君
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     岩本 剛人君     山田 太郎君
     三木  亨君     三浦  靖君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 信秋君
    理 事
                西田 昌司君
                宮島 喜文君
                牧山ひろえ君
                秋野 公造君
    委 員
                今井絵理子君
                岩本 剛人君
                櫻井  充君
                中西 健治君
                中西 祐介君
                藤川 政人君
                三浦  靖君
                三木  亨君
                元榮太一郎君
                山田 太郎君
                岸 真紀子君
                古賀 之士君
                水岡 俊一君
                横山 信一君
                音喜多 駿君
                上田 清司君
                小池  晃君
                大門実紀史君
                浜田  聡君
                渡辺 喜美君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
   副大臣
       内閣府副大臣   赤澤 亮正君
       財務副大臣    中西 健治君
       経済産業副大臣  長坂 康正君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        和田 義明君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        前山 秀夫君
   政府参考人
       内閣府男女共同
       参画局長     林  伴子君
       内閣府子ども・
       子育て本部審議
       官        藤原 朋子君
       警察庁長官官房
       審議官      檜垣 重臣君
       金融庁総合政策
       局長       中島 淳一君
       金融庁企画市場
       局長       古澤 知之君
       金融庁監督局長  栗田 照久君
       金融庁証券取引
       等監視委員会事
       務局長      松尾 元信君
       総務省大臣官房
       審議官      馬場竹次郎君
       法務省大臣官房
       審議官      堂薗幹一郎君
       財務省主計局次
       長        角田  隆君
       財務省主計局次
       長        宇波 弘貴君
       財務省主税局長  住澤  整君
       国税庁次長    鑓水  洋君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    依田  泰君
       経済産業省貿易
       経済協力局貿易
       管理部長     風木  淳君
       中小企業庁事業
       環境部長     飯田 健太君
       国土交通省大臣
       官房審議官    池光  崇君
       国土交通省大臣
       官房技術審議官  東川 直正君
       国土交通省道路
       局次長      宇野 善昌君
   参考人
       日本銀行総裁   黒田 東彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (金融機能の再生のための緊急措置に関する法
 律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理の
 ために講じた措置の内容等に関する報告に関す
 る件)
 (防災・減災対策における保全の在り方に関す
 る件)
 (地域金融機関による事業継続支援に関する件
 )
 (預金保険機構の財務状況等に関する件)
 (金融緩和政策の現状に関する件)
 (子ども・子育て支援施策の財源に関する件)
 (税務調査手続のデジタル化に関する件)
 (中央銀行デジタル通貨に関する件)
    ─────────────

#2
○委員長(佐藤信秋君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、高橋はるみ君、石川大我君、滝沢求君、宮沢洋一君及び藤末健三君が委員を辞任され、その補欠として野上浩太郎君、今井絵理子君、岩本剛人君、三木亨君及び岸真紀子君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(佐藤信秋君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府男女共同参画局長林伴子君外十八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(佐藤信秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(佐藤信秋君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁黒田東彦君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#6
○委員長(佐藤信秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#7
○委員長(佐藤信秋君) 財政及び金融等に関する調査を議題といたします。
 まず、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件について、政府から説明を聴取いたします。麻生内閣府特命担当大臣。

#8
○国務大臣(麻生太郎君) 令和元年八月八日及び十二月十日に、金融機能の再生のための緊急手当てに関する法律の第五条に基づき、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出をいたしております。
 報告対象期間は、通算して、平成三十年十月一日以降令和元年九月三十日までとなっております。
 この御審議に先立ちまして、その概要を御説明申し上げさせていただきます。
 まず、今回の報告対象期間中に、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は行われておりません。
 次に、預金保険機構による資金援助のうち、救済金融機関等に対する金銭の贈与は、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で十九兆三百十九億円となっております。
 また、預金保険機構による破綻金融機関等からの資産の買取りは、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で六兆五千百九十二億円となっております。
 なお、預金保険機構の政府保証付借入れ等の残高は、令和元年九月三十日現在、各勘定合計で一兆九千八百五十五億円となっております。
 ただいま概要を申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しましては、これまでも適時適切に所要の措置を講ずることに努めてきたところであります。
 金融庁といたしましても、今後とも、各金融機関の健全性にも配慮しつつ、金融システムの安定確保に向けて、万全を期してまいる所存であります。
 御審議のほど、よろしくお願いを申し上げます。
 済みません、冒頭、金融機能再生のための緊急措置に関する法律と言うところを緊急手当てと申し上げておりますので、訂正させていただきます。

#9
○委員長(佐藤信秋君) これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#10
○秋野公造君 公明党の秋野公造でございます。お役に立てるように質疑をしたいと思います。
 今日は、西田先生始め自民党の皆様、委員各位の皆様方の御配慮で、トップバッターとして質疑をお許しいただきましたことを心から御礼を申し上げたいと思います。
 三月二十二日の財政金融委員会に引き続きまして、剣道について質疑を申し上げたいと思います。
 前回の質疑におきまして、日本固有の文化であります剣道、そして、その防具を作製するという技術、こういったものは継承すべきではないかということ、文化財として国民に長く継承すべきであるということ、それから、世界選手権に勝って剣道の普及を含む文化を守るという貴い取組を公務員の皆様方が担ってくださっているということについて質疑をさせていただいたわけでありますが、警察庁の皆様方には種々お願いをさせていただきました。
 まず一点目に、少年剣道教室に、再開へ向けてお願いをさせていただいたところでありますが、その後の取組につきましてお伺いを申し上げます。

#11
○政府参考人(檜垣重臣君) お答えいたします。
 警察庁では、これまでに活動を再開した少年剣道教室における新型コロナウイルス感染症の感染防止に向けた具体的な取組事例を収集しております。
 活動を再開している少年剣道教室では、全日本剣道連盟の対人稽古再開に向けた感染拡大予防ガイドラインを参考に、参加者の体温、体調確認、稽古前後の手指の消毒、稽古中のマスク、フェースシールド等の装着、窓の開放等による換気、発声の抑制などの取組を行っております。このほか教室独自の取組としましては、稽古前の消毒液による床の消毒、一回の稽古人数を減らすため複数のグループに分けて実施する、また、活動場所のより広い施設への変更をするといったような感染防止に努めているところでございます。
 警察庁としましては、今後、各地域の感染状況等を踏まえつつ、こうした取組事例を各都道府県警察に紹介することとしており、現在その具体的な時期や方法について検討しているところでございます。

#12
○秋野公造君 ありがとうございます。
 次に、特練の方を含めた職員の皆様方の訓練、これにつきましても早く再開をお願いをしたところでありますが、この取組につきましても御説明をお願いします。

#13
○政府参考人(檜垣重臣君) 警察術科の訓練につきましては、現場警察官の執行力の維持強化のため、感染防止対策を徹底した上で、全国の感染状況等を踏まえつつ、警察力の維持を前提に訓練内容を適宜見直しながら実施しているところでございます。
 警察学校における剣道訓練につきましては、四月一日から一部の相対動作訓練を再開することとしたところでございます。一方、特別訓練員の訓練を含めました従来の剣道訓練の再開に向けて取組を進めるに当たっては、一般の方々よりも更に厳しい感染防止対策と訓練中の事故防止対策の両面を考慮した訓練方法を検討する必要がございます。
 今後は訓練時に使用する感染防止用具に関する検討を進めるとともに、関係団体と連携しつつ、感染防止対策に配慮した訓練内容の更なる充実に向けた取組を進めていくこととしております。なお、各種大会や昇段審査につきましては、感染防止に関して更なる配慮をするよう全日本剣道連盟に申し入れることも含め、引き続き検討を進めてまいります。

#14
○秋野公造君 ありがとうございます。
 とても大事な御答弁だと思っておりまして、少年剣道の再開につきましては全日本剣道連盟のガイドラインを参考にしながら、それに上乗せをする形で再開を進めていただいている。学校剣道、警察学校の剣道を含め、職員の皆様の剣道については更なる感染対策を求めていくということでありまして、是非こういった議論をしっかり行っていただきまして、警察の皆様方の命とそして訓練ということの両立に資するような御検討を、議論を是非お願いをしたいと思います。
 今、檜垣審議官の方から感染防止用具につきまして一言ありましたけれども、もしもこの感染防止用具につきまして具体的な検討がなされておりましたら、その事例につきまして一言御説明をお願いしたいと思います。

#15
○政府参考人(檜垣重臣君) 感染防止用具につきましては、訓練中の事故リスク回避方策や訓練時に着用するのが適当なマスクの態様等、感染防止と訓練中の具体的な場面を想定しつつ検討を進めているところでございます。

#16
○秋野公造君 ありがとうございます。
 その上で、世界選手権へ向けての取組でありますけれども、韓国始めとして諸外国においては、やはり優勝に向けて取組が行われているというようなことも仄聞をしておりますけれども、次回の世界選手権の大会において代表の候補者になるような、そういった方については早期にこの制限を解除して訓練を始めていただきたいと改めてお願いを申し上げたいと思いますが、御見解をお伺いしたいと思います。

#17
○政府参考人(檜垣重臣君) 感染が、中止となりました今年の世界選手権につきましても、昨年の七月の段階では、代表選手候補者に選出されると思われました警察官につきましては、徹底した感染防止対策を講じつつ個別に訓練を行わせることとしておりました。
 世界大会に向けました訓練につきましては、この取組を参考にしつつ、できる限り早期に開始するように取り組んでまいります。

#18
○秋野公造君 すぐに訓練を開始していただけるということでよろしいでしょうか。もう一言お願いをいたします。

#19
○政府参考人(檜垣重臣君) 繰り返しになりまして恐縮でございますけれども、警察力の維持という観点から、感染防止対策に配慮しつつ、訓練の開始時期につきましては検討してまいりたいと思っております。

#20
○秋野公造君 是非よろしくお願いをしたいと思います。
 それでは、引き続き、三月二十三日の財金でもう一個、私、長崎県島原半島における自転車道の整備につきましても質疑をさせていただきまして、整備をしていただけるという御答弁でありました。
 この自転車道ですけれども、来年、新幹線が開業します諫早駅から島原鉄道が走っておりまして、その先の廃線された部分に自転車道を造っていただくということでありまして、その自転車道の終点の先には天草という、今は橋が架かっておりまして半島となっているわけでありますけれども、そこを三十分で結ぶ、長崎県南島原市の口之津と、それから熊本県の天草市の鬼池を結ぶ航路がございます。
 平成二十八年の一月の予算委員会で私、長崎県長崎市の茂木と、それから熊本県の苓北町の富岡を結ぶ航路、これにつきましては離島航路の特例として認められるのではないかといったことを当時の石井国土交通大臣に質疑をさせていただきまして、あり得ると石井大臣から答弁をいただきましたことで国交省内で検討いただきまして、今離島航路の特例として認められているわけでありますが、今私が申し上げました長崎県南島原市の口之津及び熊本県天草の鬼池を結ぶこの航路につきましても、通勤の足となっているだけでなく、生鮮食料品を始めとする生活物資の輸送にも大切な足となっております。
 この航路は離島航路整備法の離島航路と位置付けるべきではないかと併せて御提案申し上げたいと思いますが、国交省の見解をお伺いしたいと思います。

#21
○政府参考人(池光崇君) お答えいたします。
 委員御指摘の航路につきましては、島原と天草を結ぶルートでありまして、一日十五便から十七便が運航されておりまして、双方の住民の皆様や貨物の移動に大きな役割を担っていると認識しております。
 離島航路につきましては、離島航路整備法におきまして、本土と離島とを連絡する航路、離島相互間を連絡する航路その他船舶以外には交通機関がない地点間又は船舶以外の交通機関によることが著しく不便である地点間を連絡する航路をいうとされております。
 口之津と鬼池を結ぶ本航路につきましては、半島地域間を結ぶ航路ではありますが、船舶以外の交通機関によることが著しく不便である地域間を連絡する航路として、まさに離島航路に該当することをしっかり明確にしていきたいと考えております。

#22
○秋野公造君 ありがとうございます。引き続きよろしくお願いをしたいと思います。
 次に、トイレについてちょっとお伺いをしておきたいと思います。
 快適なトイレは、被災地においても非常に重要でありますし、道路などを含めた工事を行う現場においても非常に重要なものであります。
 元々、トイレカーといってトイレと車が一体化したようなもの、すなわち、どこにでもトイレを簡単に設置することができる、こういったものを推進をしてきたわけでありますけれども、こういったものを含む快適トイレを先般国交省が直轄工事の建設現場で原則化したということで、一段と働きやすい環境整備ができたということで女性の技術者の採用も増えたと、非常に喜んでいただいているということも聞いてございます。
 大変うれしく思っているわけでありますが、この快適トイレの導入状況についてまずお伺いしたいと思います。

#23
○政府参考人(東川直正君) お答え申し上げます。
 建設現場における働きやすい職場環境の整備でございますけれども、建設業の将来の担い手を確保する観点から重要であると認識しております。
 このため、国土交通省では、洋式便器の設置、また臭いが逆流しない機能などを備えましたトイレを快適トイレということで標準仕様を定めまして、平成二十八年十月以降に入札手続を開始する直轄工事に原則できる限り導入しているところでございます。
 この直轄工事における快適トイレの導入状況でございますけれども、平成二十八年度は約三四%でございましたけれども、市場における快適トイレの流通状況に課題があることなどからまだ一〇〇%というところまではなっておりませんけれども、令和元年度は約六五%まで進展しているところでございます。
 国土交通省といたしましては、引き続き建設現場において全ての人が働きやすい職場環境の整備に取り組んでまいります。

#24
○秋野公造君 ありがとうございます。
 私、熊本地震が発生したときには現地におりまして、まさにあの震度七というのも体感をさせていただきました。
 その後、熊本地震の復旧に携わったりする中で、軽トラックにトイレを載せていたりした場合に、それが高速道路上で落下をしまして中のし尿が飛び散ってしまうような、そういうことも過去にはあったわけでありますけれども、先ほど申し上げたこのワーク・ライフ・バランスということと、それから、軽トラックにこの仮設のトイレというんでしょうか、そういったものを載せるような形でのし尿の運搬から、やっぱり密閉した容器を積んで、そして特殊車両ふん尿車として登録をしたトイレカーに変えていくということを、道路交通法の法令を遵守するように、そういった取組も必要ではないかと考えておりますし、今直轄工事におきましてどんどん推進していただいていることを有り難く思うわけでありますが、一方で、地方公共団体においてはまだまだそういうところが共有できていないように思っておりまして、地方公共団体に対する取組につきましてお伺いしたいと思います。

#25
○政府参考人(東川直正君) お答え申し上げます。
 地方公共団体の工事においてこのトイレをどう設置していくかということは地方公共団体の判断ではございますけれども、業界全体にとって望ましい取組として、国が、国の快適トイレに関する事例の取組を事例集としてまとめておりまして、またこれを公開しているところでございます。国や地方公共団体などの発注者が参画する発注者協議会というものがございますけれども、毎年開催しておりますけれども、こういった場で地方公共団体にも広く周知しているところでございます。
 国土交通省としましては、直轄工事でこの快適トイレ導入を更に積極的に推進していくということとともに、地方公共団体にもより周知していくということで、建設現場の働きやすい環境の整備を推進してまいりたいと考えております。

#26
○秋野公造君 ありがとうございます。
 このワーク・ライフ・バランスを進めていくということはとても重要なんですが、こういったことが財政上の効果として見込まれればとてもきれいなことだと思うんですけれども、先ほど申し上げたように、女性の就労が、就業が増えたといったような効果などもあろうかと思いますが、こういった快適トイレの推進ということについて財務省はどのようにお考えでしょうか。ちょっと難しい質問になるんですけれども、ぼわっとした質問で大変恐縮でありますが、御見解お伺いしたいと思います。

#27
○政府参考人(角田隆君) お答え申し上げます。
 率直に申し上げた方がいいと思いまして、余りよく、現場のことを余り勉強していないものですから、今日は改めてこの快適トイレというお話を伺わせていただきました。
 方向性としては是非進めていくべきことだと思いますし、工事現場に限らず、先ほど出た災害の場合、避難所の生活が長期化する傾向がございますので、快適度についても目配りをしなきゃいけないんだろうと思っております。災害も頻発しておりますので、そういう時代になったんだろうと思います。
 そのときに、先ほど国交省から答弁ありましたけど、まだ十分な量が確保されていないために現場で一〇〇%に到達できていないんだということでございますし、そのときに無理に地方公共団体に広げても、結局分散、薄まきになっちゃうと思いますので、その供給量も伸ばしていくことを考えながら、災害時には災害時で対応しますし、日頃の日常使いみたいなものが一方であるので、十分な量のマーケットが整いましたというところまでうまく引っ張っていっていただければなというふうに思います。
 これは、費用対効果の問題というよりはやや総合的な考え方で、ダイバーシティーというのも建設、公共調達の分野でもそれなりに大事なことだというふうに考えておりますので、そういったことの一端で、直接的な目的じゃないかもしれませんけど、そうした間接的な効果を特に直轄事業がリードして世の中を変えていくというのが大事な視点だと思っております。
 もちろん、そのためにむやみやたらに必要以上に快適トイレを設置するということが目的ではありませんので、そこはよく、そういう意味での費用対効果という観点は十分に考えながら、施行区域が広いところとかには基数を確保するというふうなことが大変重要なことではないかなと思っております。

#28
○秋野公造君 ありがとうございます。
 次に、防災・減災対策として、予防保全、それから事後保全につきましてちょっとお伺いをしたいと思います。
 インフラの老朽化は今どんどん進んでおりまして、この機能を維持するという観点から、壊れてから修理するのか、それとも壊れる前に修理をするのかといったようなことで、先ほど申し上げた予防保全の方が経済的には効率が高いといったようなこともだんだん分かってきているわけでありまして、国交省所管の十二分野について、この事後保全から予防保全と比較した場合の三十年後の推計結果というのが、予防保全の場合、事後保全と比較して約五割減少するというような成果も出ているようであります。
 この予防保全へ本格転換を推進をするということが、インフラの機能を維持するということと、それからトータルコストの縮減にもつながるのではないかと私は考えますが、こういった老朽化した施設の修繕というものを不要に早めるということではなくて、適時適切に行って、この予防保全型のインフラメンテナンスの段階に移行することが重要じゃないかということを考えておりますが、これ、麻生大臣に御見解をお伺いしたいと思います。

#29
○国務大臣(麻生太郎君) 高度経済成長期という、まあ秋野先生生まれる前の話かもしれませんけど、この言われたときに、やたらめたらと日本は、地方の道路、それからダム、下水道等々、いろんなものを一斉にやった時代があったんですが、こういったものの寿命というか、あれがある程度来ているということは間違いないんですが、これコンクリートでできておりますので、元セメント屋から言わせてもらうと俺の方がよっぽど詳しいと思っていますけれども、この種の話はもう昔からあるんですけれども、それより足りない、もう絶対量が足りていないものですから、そっちの方をどんどんと先にやって、このメンテナンスというのにもうちょっと時間を掛けておけば、トンネルがおっこったとか橋が崩落したとか、ああいったような事故は防げたであろうと、これはもう技術屋なら誰でも知っている話なんだと思いますが、そういうのに、メンテナンスに金を掛けた方がトータルコストとしては安いということが、今一応、道路の舗装率も昔と違ってほぼ全国、国道はコンクリート等々でできるようになってきましたので、そういったために、今この集約化するとかなんとかするということによって老朽化対策のためのインフラ、今言われたように、インフラのメンテナンスをするためにあらかじめ予防的にやっておくという話が重要なんだと、そういった方がトータルで安く付くという話になってきておりますので、昨年の十二月でしたか、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策というのを閣議決定しておりますけれども、そういった中において、予防保全するためのメンテナンスというものへの転換というものを老朽化対策に併せて重点的に取り組むということに、建設省というか、これ何て、今国土交通省か、あそこでそういうことになってきていると思っておりますので、私どもとしても、これは財政預かる立場といたしましては、トータルコストとしてそっちの方が安くなりますし、安全、安心の面でも、そっちはおっこってから埋めるんじゃなくて、落ちる前にということをやった方がよろしい。
 科学も進歩してきてドローンなんて技術ができたもんで、トンネル内の中にドローン飛ばせますから、トンネル内にやぐらを組んでやるよりドローン飛ばして全部やっていった方がよっぽど安くて効率よくできるという技術も使われるようになってきていると思っていますので、こういったような方向でやっていければなと、私どもそう思っております。

#30
○秋野公造君 ありがとうございます。本当に答弁ありがとうございました。
 無駄な予防保全であってはならないということは当然のことであります。そのためには、やっぱり質の高い点検を行うことが重要だと思っておりまして、公共工事の品質確保の促進に関する法律に基づきまして、こういう直轄工事においてどういった点検についての取組行われているか、お伺いしたいと思います。

#31
○政府参考人(東川直正君) お答え申し上げます。
 維持管理業務や災害時の対応については、各地域共に、基本的に地域の建設業者によって支えられていると考えております。
 議員御指摘のいわゆる公共工事品確法に基づく基本方針におきましては、インフラの適切な維持管理に関しまして、点検、診断、維持、修繕などの適切な実施の重要性、また、公共工事等の発注者が維持管理の担い手の中長期的な育成及び確保に配慮することなどが規定されているところです。
 この規定を受けまして、国土交通省では、地域の守り手である建設業者が持続的に活躍できる環境を整備するために、維持工事などにおきまして、本店又は支店が地域内にあるなどの適切な地域要件を設定するとともに、災害時に活動いただくと総合評価落札方式で加点評価するなどの措置を行っています。
 また、技術力、この問題も重要でございまして、点検や診断の質を確保するため、一定水準の民間資格を国土交通省登録資格とする制度を導入しておりまして、点検などの業務においてこの資格を配置予定技術者の要件としたり、あるいは総合評価落札方式へ加点評価するなどの措置を行っているところでございます。

#32
○秋野公造君 今、東川さん御答弁くださいました国土交通大臣登録資格でありますけど、私たちはこの中のインフラ調査士などを中心にしまして質をしっかり上げていくべきだということを、平成二十六年五月には当時の太田大臣、平成三十年十二月には当時の石井大臣、それから國重政務官と要望してきたわけでありますけれども、道路メンテナンス会議で周知をしていただいたりしてくださっているということではありますけれども、実際にどれぐらい活用されているかということについてちょっとお伺いしておきたいと思います。

#33
○政府参考人(宇野善昌君) お答え申し上げます。
 橋梁等の維持管理、更新を適切に実施するためには点検の質が重要であり、必要な知識及び技能を有する技術者が点検を行う必要があります。国土交通省では、一定水準の技術力等を有する民間資格を国土交通省登録資格として登録する制度を平成二十六年度より導入しております。道路分野では令和三年二月時点でインフラ調査士を含め延べ二百十二の資格が登録されており、登録した資格を有する技術者を点検等の業務に活用する取組を進めております。このような取組について、委員御指摘のとおり、各都道府県に設置されている道路メンテナンス会議等を通じて地方公共団体にも周知してきたところでございます。
 この度、都道府県及び政令市を対象に、道路橋又は道路トンネルの点検において技術者に求める要件として国土交通省登録資格を活用しているかどうか確認したところ、令和三年二月時点で都道府県については二十四団体、政令市については十一団体が活用しております。
 国土交通省といたしましては、引き続き、道路メンテナンス会議等を通じて地方公共団体へ周知するなど、国土交通省登録資格の活用に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。

#34
○秋野公造君 ありがとうございます。
 徐々に進んできているということでありますけど、ちょっと総務省にお伺いしておきたいと思いますけれども、質の高さを担保するために国交省と連携をしてこの登録資格制度を全国の自治体等に周知をしてくださったということでありますが、ちょっとお伺いしておきたいのは、この予防保全に資する点検の費用が地方債の対象となるのかということ。それから、建設工事がどうしても延びてしまったりしたときに、例えばですが、翌々年度以降になった場合でも地方債の対象とすべきではないかということはお願いをしてきたところでありますが、この現在の取扱いについて進捗をお伺いしたいと思います。

#35
○政府参考人(馬場竹次郎君) お答えを申し上げます。
 地方債の発行は、地方財政法におきまして建設事業の財源とする場合などに限定をして認められておりますが、建設事業の実施に当たり、詳細な点検をしなければ工事方法の決定ができない場合など、建設事業の実施のために直接必要と認められる点検に要する経費につきましては地方債の対象となることとしております。
 また、委員からかねてより御指摘をいただいておりますが、建設事業の実施時期や点検の翌々年度以降となってしまう場合におきましても、やむを得ない合理的な理由があり、点検に基づき事業を実施することが確実と見込まれ、建設事業と一体的であることが計画などにより確認ができる場合には、当該点検に要する経費につきましても地方債の対象となることとしております。

#36
○秋野公造君 これ、地方債の対象になるということでありますれば、更にこの点検の現場において質をどう高めていくかということが非常に重要になります。予防保全の計画対応を担保するということでありますので、こういった資格を持つ人の活用についてそれは必須と考えますけど、今後の取組についても含めてお伺いしたいと思います。

#37
○政府参考人(馬場竹次郎君) インフラの長寿命化対策を進めるにおきましては、一定の技術力を持った人材の確保や育成に取り組むことで点検、診断の精度向上を図ることが重要であると考えております。
 国土交通省におきましては、インフラの点検等に必要な技術水準を満たす民間資格を登録する制度を平成二十六年度に創設をし、こうした資格を有する技術者を点検等の業務に活用する取組を進めていると承知をいたしております。これを踏まえ、総務省といたしましては、これまで、全国都道府県財政課長・市町村担当課長合同会議におきまして、インフラ調査士を含む国土交通省登録資格制度につきまして地方団体への周知を行ってきたところでございます。
 今後とも、国土交通省と連携をしながら、こうした制度を地方団体に周知をするなど、点検、診断の精度の向上を図ってまいりたいと考えております。

#38
○秋野公造君 ありがとうございます。よろしくお願いしたいと思います。
 次に、先ほど大臣がコンクリートの話もしてくださいましたけれども、コンクリート舗装についてもちょっとお伺いしておきたいと思います。
 防災・減災、国土強靱化の五か年加速化対策にて、道路関係については、四車線化等、ミッシングリンクを解消すると。本当に大きな取組を行ってくださっておりますけれども、この道路施設の老朽化の中でこの舗装の老朽化といったような課題もあろうかと思いますけれども、まず舗装の老朽化対策の現状についてお伺いしたいと思います。

#39
○政府参考人(宇野善昌君) お答え申し上げます。
 道路舗装の効率的な修繕に向け、国土交通省では、平成二十八年度に舗装点検要領を策定し、国、地方公共団体においてこれを基に定期点検を実施しているところでございます。
 令和元年度までの点検では、国が管理する道路で平成二十九年度からの三か年で点検を実施した約三万五千キロメートルのうち約四千七百キロメートル、地方公共団体が管理する道路で点検を実施した約五万五千キロメートルの区間において、早期に修繕が必要な段階にあると診断されております。
 このため、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策において、緊急輸送道路等の防災上重要な道路で早期に修繕が必要な道路のうち、損傷が著しい約二千七百キロメートルを対象に集中的に対策を実施することとしているところでございます。

#40
○秋野公造君 この舗装の中で、遮熱性舗装、これが通常の舗装と比べて路面の温度を下げると、こういった効果もあると聞いておりますけれども、コンクリート舗装の特徴、いい面、悪い面、ちょっとお伺いしておきたいと思います。

#41
○政府参考人(宇野善昌君) 委員御指摘のとおり、一般的にコンクリート舗装はアスファルト舗装に比べ路面温度が五から十度低いことのほか、高い耐久性を有する等の特徴を有しております。例えば、国道二十号東京都八王子市のコンクリート舗装区間では五十年以上にわたり大規模な補修を実施していないなどコンクリート舗装の耐久性が高いことが確認されており、アスファルト舗装と比較した約五十年間の維持管理コストは、初期の施工費用を含めても三分の一程度に縮減される効果が確認されております。また、コンクリート舗装の材料であるセメント及び砕石は国内調達が可能であり、安定的に確保可能という長所も有しております。
 一方、コンクリート舗装には、水道管や電気通信管路など埋設物の掘り返しが難しいこと、コンクリートが固まるまで長時間を要し、交通開放に時間が掛かること、走行時の騒音や振動が大きいこと、アスファルト舗装に比べ滑りやすいこと等の課題があると認識しております。

#42
○秋野公造君 メリットの方が大きいということだろうと思います。
 最後に、財務省にお伺いをしたいと思います。
 このコンクリート舗装など、温暖化対策にも資するということでもあろうかと思いますので、こういうライフサイクルコストの低減という観点からこういった取組も進めるべきではないかと考えますけど、財務省の見解、お伺いしたいと思います。

#43
○政府参考人(角田隆君) お答え申し上げます。
 温暖化対策のところ、若干整理すると、恐らく温室効果ガスの話とは別に、言わばヒートアイランド現象だと思います。それはもちろん、コンクリートの方がより温度が低くなるということです。相対的にはということだと思いますので、結局、緑化とかいろんなことをしていかなきゃいけないんだろうと思っております。一つの方法だと思いますけれども、いろんなことを総合的に講じなきゃいけないんだろうと思います。
 その上で、ライフサイクルコストの関係でいえば、当然、我々としてはライフサイクルコストは低い方がいいと思っているわけなんですけれども、最終的にはその現場の条件、交通量とか、先ほど開放するのに時間が掛かるというお話がありましたけれども、コンクリートの場合は養生期間取りますので、新設する道路なんかの場合は問題ないと思うんですけれども、舗装をやり直すときにコンクリートに切り替えようとすれば、それは相当期間閉じることを想定していただかなきゃいけませんし、また下に埋設物があるようなところはやむを得ず掘り返すこともありますので、そういったことを総合的に道路管理者に御判断いただいて、それでコンクリートの方がよければコンクリートを積極的に使っていただくということが大事なのではないかなというふうに考えております。

#44
○秋野公造君 終わります。ありがとうございました。

#45
○牧山ひろえ君 立憲民主・社民の牧山ひろえです。
 本日の議題でありますFRC報告に関連し、金融に関する諸課題について幅広く取り上げさせていただきたいと思います。
 コロナ蔓延の長期化に伴う経済の落ち込みは、幅広い業種、そして業態の企業に影響を及ぼしていることは御承知のとおりでございます。政府は累次の経済対策や補正予算を通じて無担保無保証融資や持続化給付金などの資金繰り対策を講じていますけれども、元々経営基盤が脆弱な小規模の企業を中心に、それだけでは持ちこたえられないところも増えていると思われます。
 例えば、日本政策金融公庫総合研究所が一月二十五日に公表した全国中小企業動向調査結果によりますと、従業員二十人未満の小企業では資金繰りDIが去年の十月から十二月期の実績でマイナス二四・八、それから今年一月から三月期の見通しではマイナス四六・一と、マイナス幅が拡大しております。そして、資金繰りが悪化する企業が増える傾向にあります。
 また、東京商工リサーチが一月十三日に公表しました二〇二〇年の企業倒産状況を見ますと、負債総額一千万円未満の倒産件数は前年と比べて二三%増の六百三十件となりまして、二〇〇〇年以降で年間最多となった二〇一〇年の五百三十七件を上回る結果となりました。倒産には至らなくても、休廃業や解散した企業も増加しております。第四波の影響など、今後の景気の先行きによってはこのような形で事業を畳んでいく企業が増加することが心配されます。このままでは、感染収束後に景気回復を目指そうにも、経済の担い手自体が大幅に減少していく懸念がございます。
 そこで、お聞きしたいことがありますが、小規模の企業における資金繰り悪化や倒産増加などの現状をどのように捉え、そしてこれまでの資金繰り対策に加えて現時点の経営実態を踏まえてどのような支援策の整備を行っていくのか、金融庁と経済産業省の認識を伺います。それに加えて、やむを得ず事業を畳む企業にも従業員がいる場合も多く、円滑に事業が承継されれば雇用の維持にも有効なことから、事業承継などの支援策についても経済産業省に伺いたいと思います。

#46
○副大臣(赤澤亮正君) コロナ禍における事業者の状況については、特に小規模事業者について、委員御指摘のとおり、引き続き厳しい状況が続いているという認識を共有させていただきます。
 銀行全体での融資残高が三月末時点において約五百三十七兆円、前年比五%増となっており、倒産件数については実は年八千件を下回り、過去三十年ぶりの低水準となっておりますが、今朝の報道でも昨年末以降増加傾向にあるという報道があったということを承知をしております。また、休廃業、解散件数については約五万件と過去最多の規模になっております。
 こうした状況を踏まえて、事業者の事業継続を支援するため、政府全体としては資金繰りを含む様々な支援策を行ってきておりまして、資金繰り対策として官民金融機関に対する長期の返済猶予や新規融資の積極的な実施などの徹底の要請、日本公庫の特別融資や保証協会保証付融資の拡充を進めてきたほか、これにとどまらない対策として、人件費について雇調金の特例、あるいは休業支援金、休業給付金の延長など、あるいは事業転換等を進める中堅・中小事業者に最大一億円補助をする事業再構築補助金や、時短要請に応じた飲食店への協力金、これについては野党からの御指摘もいただき、国会の附帯決議にも応えて公平性増そうということで事業規模別の協力金に見直して、四月十二日、まん延防止等重点措置の実施と同時に始めさせていただいております。また、飲食店と取引を行う中堅・中小事業者への一時支援金などを進めております。
 引き続き、こうした支援策を事業者の実態に応じてしっかりと講じながら、新型コロナウイルス感染症の状況も踏まえて、関係省庁と連携して、小規模事業者の皆様も含め事業の対応に万全を期してまいりたいというふうに考えてございます。

#47
○副大臣(長坂康正君) お答えさせていただきます。
 委員御指摘の問題意識は大変重要な点だと私も共有をさせていただいております。委員御指摘のように、経済産業省では、新型コロナウイルスの感染症によりまして影響を受けた事業者に対し、これまでも実質無利子無担保融資を措置をいたしまして、上限をまた引き上げるなど手厚い資金繰り支援を行ってまいりました。
 また、コロナの影響が長期化する中で、中小企業景況調査によりますと、中小企業の資金繰りDIは、コロナ前と比較いたしますと依然厳しい状況にあるものの、二〇二〇年四―六月期のマイナス四八・三を底に改善傾向にはございます。また、二〇二〇年の倒産件数は三十年ぶりに八千件を下回る一方で、御指摘のように、先行きが見通しづらさもございまして、休廃業、解散件数は約五万件と、二〇〇〇年以降過去最多を記録をいたしております。
 こうした状況を踏まえまして、本年三月に梶山大臣、麻生大臣から政府系・民間金融機関等に対しまして、据置期間など到来する既往債務、既存の債務の条件変更、リスケについて長期の延長を積極的に提案するなど、実情に応じた最大限柔軟な対応を行うことなど改めて要請してきたところでございます。また、このほかにも、コロナの影響を受けた事業者に対しまして一時支援金の支給、事業再構築補助金や持続化補助金による支援などを講ずるなど、事業者の皆様が置かれている状況に応じて多層的な対策を講じてきております。
 あわせまして、委員が御指摘の雇用の維持だけでなく、中小企業の貴重な技術などの散逸を防ぐためにも事業承継が重要と認識をいたしております。こうした観点から、第一に、本年四月一日より活動を開始いたしました事業承継・引継ぎ支援センターによるワンストップ支援に加えまして、第二に、事業承継・引継ぎ補助金による設備投資や販路開拓、専門家活用の支援、そして第三に、承継時の税負担を実質ゼロにする事業承継税制、第四といたしましては、さらに、令和三年度税制改正での経営資源の集約化に資する税制措置の創設など、中小企業の事業承継を後押ししているところでございます。
 引き続きまして、中小企業・小規模事業者の皆様の事業継続と円滑な事業承継に向け、万全を期してまいりたいと考えております。

#48
○牧山ひろえ君 コロナの直撃を受けている業種はもちろんですけれども、それ以外の業種にもダメージは拡大しております。ここで気を緩めずに、本当の意味でできることは全てやるということがやはり重要だと考えます。結果までコミットする方針で取り組んでいただければと思います。よろしくお願いします。
 財務省と金融庁では、去年の三月の大臣談話によって、政策金融機関や民間金融機関に対して企業の資金繰りを支援するために次のことをしました。
 経営相談、新規貸出しや既存債務の条件変更等について積極的に応ずるよう要請するとともに、条件変更等の対応状況を報告させ、当局が公表するようにしました。この取組は、リーマン・ショックの影響がまだ残る中、中小企業金融の円滑化を図るために当時の民主党政権下で制定した中小企業金融円滑化法と同様の方法でございます。
 財務省と金融庁の公表によりますと、民間金融機関、政策金融機関のいずれにおいても、申込みがあった中小企業の九九%超で条件変更等に応じており、厳しい経済状況を踏まえて、金融機関が自らの役割を発揮しようとしていることがうかがえます。ただ、第四波とも思えますリバウンドの猛威など、更に厳しい状況が続く中で、事業継続に不安を抱える中小企業も数多くあります。
 昨年春に実質無利子無担保の特別貸付けを受けた企業の中には、返済時期が近づいて再度の条件変更等が必要になるところも想定されています。特に政策金融機関ですとか、地銀、第二地銀、信用金庫、信用組合といった地域に密着する金融機関には融資にとどまらないきめ細やかな支援を継続してもらいたいと考えますが、麻生大臣の御意見を伺いたいと思います。

#49
○国務大臣(麻生太郎君) 新型コロナウイルスというものの流行の始まる前ぐらいから、資金繰りはかなり中小企業は苦しくなっていたはずですよ。コロナだけのせいにしている人多いけど、コロナの以前からかなり厳しくなっていると私どもはそう思っておりましたので、官民の金融機関に対してこれまで結構繰り返し、何ていうんですかね、中小企業に限りませんで、事業者の資金繰り支援に万全を期すということを申し上げて要請をして、官民両方の金融、銀行等々、機関に対して、返済猶予というのを、一年間の無利子無担保等々でやらせていただいた分に関して延滞をさせるという話の条件をいろいろ言ったんですけれども、政府系金融機関で、令和三年の二月末で、政府系金融機関で九九・六%、民間金融機関でも同じく九九%で、同じくあそこも、ほかの金融、組織金融というのありますので、その組織金融機関は九九・五%ぐらい、いずれもこの変更を実行しております。実行率がこれだけ上がっておるというのは事実でありますので、かなりの対応はそれででき上がっているはずだと思っております。
 事実、そういった意味では、倒産件数等々を見ましてもその数字に表れていると思っておりますので、これが、さらに、このコロナがどうなっていくかというところが今よく見えてこないところなんですが、長期化することに踏まえまして、先月の八日からでしたか、もう一回、無利子無担保融資の据置期間とか返済期間等々について、借りている人の側からの要求に応えて長期の延長等々を積極的に提案する、あんたもうできないでしょうがと、もう一回やったらどうですかというような話を金融機関の方から中小企業の方に提案する。こんなことやったことないですけど、そこまでやらしていただいているところが出てきて、結構そういった提案をもらったという方もいらっしゃいましたので、それなりのことをしてもらっていると思っていますが、それに当たっては、一応これで無利子無担保は切れますけれども、金利につきましてはゼロ%なわけにいかないので、今までだったら二%とかなんとか言っていたのを〇・何%で延ばしませんかというような最大限柔軟な対応がなされるように、結構いろんな業者の方からその対応の返事をいただきますので、それなりの効果が普及しているかなとは思っております。

#50
○牧山ひろえ君 今の支援策の大枠は一年前に組み立てられていますけれども、コロナ禍で一年を経過した中小企業の体力は枯渇しかけているという違いがございます。現在の状況に合わせた新たな施策を検討する必要があります。
 では、これらの特に民間の金融機関の経営状態には、このような企業支援を可能とするような余力が現在並びに将来においてもあるのでしょうか。今後の見通しについては新型コロナウイルス感染症が収束に至るまでの期間によって変化すると思うんですけれども、金融庁は、景気回復が遅れた場合における金融機関の経営への影響をどのように予測しているのでしょうか。御見解を伺いたいと思います。

#51
○国務大臣(麻生太郎君) 足下の今の状況において、日本の金融機関というのは、リーマン・ショックとかその前の九七年の、何というんですか、アジア通貨危機ですか、ああいうときに比べましたら日本の金融機関の、何というのかな、財政内容、財務内容というのは、極めてあの頃に比べたらもうはるかに健全化されているのは事実だろうと思っておりますので、総じて充実した状況にあります、これは中小を含めまして。
 そういった意味で、業者の資金繰り支援に対応ができていると思っておりますし、今金を借りてくれる人がいないために事態が起きていますので、金貸しというのは金を借りてくれる人がいないと成り立たない商売ですから、だから、そういった意味では、金を借りてくれる人がいなかったのが今そういった形で金を借りる人が出てくるということは、それなりの収益が経営としては回っていくことになりますので、将来これがどうなるかというのは、それはちょっと確たることは申し上げられませんけれども、今少なくとも潜在的に、早め早めに結構分析をやらせていただいておりますし、いろんな意味で金融機関というものの安全性、健全性というものを維持した上で、金融システムの安定というものにつきましては、これは結構な形になっていると。
 今取り急ぎ、これが少々延長されたり長引いたからといって直ちに地方の金融機関が破綻をするというような状況にはないと、そう思っております。

#52
○牧山ひろえ君 特に地域経済において健全にして機能する金融機関の存在は死活的に重要だと思います。コロナ禍による地域金融機関への影響については、注意深く見守らなければならないと思います。特に景気回復が順調に進む場合だけでなくて、ある程度回復が遅れるシナリオもやはり想定する必要があると考えております。
 小規模企業や非正規雇用労働者等が厳しい状況にさらされている一方で、株式市場の動きは大きく異なっています。東京株式市場は、昨年春のパンデミックの顕在化の際には世界的な株安に見舞われたものの、その後は、一時的な調整がありつつも、総体として活発な動きが見られました。
 日経平均の株価は、二月十五日の終値で、バブル経済崩壊以来三十年半ぶりに三万円台を回復しました。ただ、この株価水準につきましては実体経済と乖離しており、大規模金融緩和による投資マネーの流入などの影響を指摘する声もあります。また、日銀による上場投資信託、ETFの大量買入れや年金積立金管理運用独立行政法人、GPIFによる運用など、公的な資金が市場を支えている側面も大きいのではないかなと思います。
 特に、日銀によりますETFの買入れは、非伝統的金融政策を取っている諸外国の中央銀行にも例のないものであり、保有規模も極めて大きなものとなっています。結果的に金融資産を持つ富裕層に有利となり、現下の厳しい情勢の下に置かれている非正規雇用労働者等との格差が広がることになると思うんですね。言わば官製相場で国を挙げて強い人たちを応援していると指摘されても何らおかしいことではないと思います。
 もちろん、年金積立金の運用等を通じて幅広い国民に恩恵があるという見解が全て否定されるものではないと思うんですけれども、逆に株価が下落する局面では年金積立金が毀損するおそれがあることも常に意識されなければならないと思います。
 実体経済と株価の乖離の現状と、更なる格差を生み出しかねない現状をどのように評価しているか、麻生大臣の認識を伺いたいと思います。

#53
○国務大臣(麻生太郎君) これは、牧山先生御存じのように、株価の話になりますと、ちょっと、いわゆる経済の実態とか企業の状況とか国際情勢とかいろんなものが絡んできますので、様々な要因を含めた結果としてマーケットで決まるということになっておりますので、その水準が高いか安いかということに関しましてはなかなか申し上げられないところなんですが、これが、株価というのは先行き指標ですから、そういった意味では、私どもとしては、こういったような動きは注視をしておかないかぬとは思います。
 今、所得格差の話や株の話が出ていますけれども、これも前から言われていることでありまして、私どもとしては金融所得課税というものに関しましては分離課税というのをやらせていただいておりますので、その点につきましては、これ一回税金を払われた後の配当ですから、それにもう一回金を掛けるというのは二重、何ですかね、二重取り、まあ早い話が税金を二回掛けることになりますので、これちょっとなかなか世界中でそんなことやっているところありませんし、そういった意味では、これなかなか一概には言い難いのが一つ。
 それから二つ目は、今個人金融資産というのは、今、日本中で一千九百六十兆円ぐらい巨大なもの、日本の国家予算の十何倍、二十倍近くに膨れ上がっておりますけれども、こういったようなもので預貯金がどんどん増える。
 御存じのように、金利というのは普通預金だったら〇・〇〇二ぐらいですから、そういったものでいきますと、少なくとも預貯金という現預金よりは資産に換えられたらどうですかということを申し上げて長いことになりますけれども、日本の場合、個人金融で持っておられるその一千九百兆のうち実に六〇%近く、五十何%は現預金です。世界中でこんなに現預金が高い国はありませんから、普通はみんな債券とかそういったものに回っていくんですが、日本は全然しない。多分株屋が信用がないんだと思いますけれども、株式はもう全然信用できねえということになっておるのでだまされた人がいっぱいいるんだと思いますけれども、投資して損した人がいっぱいいるんですよと思いますよ。
 だから、そのおかげで今信用がないから投資しないという人もそれは大勢、バブルのときにそれに踊って痛い目に遭った方もおられるというせいもあってか、金利が付かない今の時代に全然そっちに金が回らぬということになっているのは、傍ら回している人もいますから、回している人は当たってどんどん伸びていくということになって、そっちに課税しろと。自分も投資したらって、いや、自分はしないと、もうけたやつだけ面白くない。それはなかなか、自由主義の世界ではそういった話はなかなか通らぬ話なのだと思っておりますので。
 私どもとしては、この金融分離課税については長期的な問題として考えないかぬ問題だと思っておりますけれども、約四年、五年ぐらい前にこれ倍に、税金を倍にさせていただいておりますので、そういった意味では今後この問題考えないかぬ問題だと思ってはおりますけれども、これが今固定化されているという段階ではそれほどひどい状況になっているとは思っておりませんけれども、いずれにしても、個人預金というものの内容を見ますとそういう状況になっておりますので、この株との関係って、これもまた下がりますから、上がったり下がったり、これ常に、常の話なので、そこらのところの考え方というのを慎重にやらにゃいかぬところだなと思っております。

#54
○牧山ひろえ君 以前本会議でも指摘したんですけれども、政治は格差の拡大と中間層の減少にもっと危機感を持つべきだと思います。
 近時における民間金融機関の融資増加分の多くは、信用保証付きの無利子無担保融資となっています。苦境に陥った企業に対し必要な資金を行き渡らせるため、政府が貸倒れのリスクを肩代わりする信用保証の活用は、企業を支援し倒産を防ぐ効果的な手段だと思います。また、信用保証の活用は政府の方針に沿った動きでもあります。
 一方で、金融機関が適切なリスクテークを行っていないのではないかとの見方も多く指摘されています。例えば、リスクを負わない銀行が保証付融資に目標を課しているとの指摘があります。ある新聞報道では、大きな声では言えないけれども、現場には信用保証付き以外では貸すなと言っている、こうした地銀幹部の発言が紹介されている記事がありました。
 民主党政権の下では、中小企業金融円滑化法というものを制定し、金融機関に対してコンサルティング機能の発揮を求めました。今日でも金融庁は事業性評価に基づく融資などの推進を図っており、コロナ禍であれば、なおさら金融機関は本業での役割を果たすよう努めるべきだと思うんですね。
 金融庁は金融機関に対し、モラルハザードにつながらないように監督を強化するべきではないかなと思います。単なる資金供給にとどまらず、経営相談や経営支援に積極的に応ずるよう促すとともに、中小企業の金融相談窓口の更なる連携などを検討する必要性があるんではないかなと思います。金融庁の御認識を伺いたいと思います。

#55
○副大臣(赤澤亮正君) 金融庁は、従来より、適切なアドバイスなどを通じて顧客企業の価値向上を支援していくこと、すなわち、委員御指摘のコンサルティング機能の発揮、これをすべきであると、これが金融機関の果たすべき役割ということで考えてございます。特に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大で地域企業が多大な影響を受ける中で、金融機関がこれまでの取組を一層進め、事業者の実態に応じた経営改善、事業再生、事業転換支援など、委員のおっしゃる本業を力強く進める必要があると考えてございます。
 具体的には、事業者の状況を金融機関が能動的に把握しつつ、その実情に応じて、例えば、政府の支援策も活用した事業再構築の支援、中小企業再生支援協議会の支援機能を通じた既往債務の条件変更や事業計画策定、また、地域経済活性化支援機構、REVICも活用した資本性資金の供給や事業再生支援などの様々な支援策を地域の関係機関と協働しつつ適時適切に実施していくことが重要であると考えております。
 金融庁としては、こうした観点から、金融機関に事業者支援の対応を促しつつ、関係省庁とも連携しながら、各地域での支援機関間の連携体制の強化を図る、業態、地域別に政府や金融機関などが行う支援策などについて説明会で周知を図るなどの取組を進めており、引き続き、事業者の実態に応じた経営改善支援等が進むようにしっかりと対応してまいりたいと考えてございます。

#56
○牧山ひろえ君 コロナ対策のための信用保証協会の保証付融資は、民間金融機関にとっても信用リスクは事実上ゼロです。このことは、支援拡大のエンジンになる一方で、金融機関が本来すべき融資対象の目利き、すなわち企業価値のシビアな評価を怠り、相手を問わない融資の拡大に走らせる危険があります。
 本来は市場から退場すべき存続可能性の少ない企業が支援策を利用して不自然に延命する、このようなことがあると、健全企業にとっても成績の足かせとなり、日本経済の復活にも悪影響を及ぼします。そのことを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。

#57
○古賀之士君 古賀之士でございます。
 牧山理事に引き続きまして、関連の質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、麻生大臣にお尋ねをいたします。
 先ほどから質問の中で、内閣府、それから経産からの答弁がありました。倒産は二〇〇〇年来過去最低の八千件を下回っていると。一方で、休業、廃業は過去最悪だと。この現状を、働く皆様方、この方たちを含めて、今現状を麻生大臣はどのような認識をお持ちなんでしょうか。恐れ入ります。

#58
○国務大臣(麻生太郎君) これは全く通告があっていませんから、あんたの勘だけでしゃべれと言ってんだろうから、同じことだと思いますので。
 少なくとも、倒産がないというのは、少なくともリーマン・ショックのときに比べて二分の一ぐらいなものだと思いますので、そういった意味では、あのときのちょっと数字、正確じゃありませんので、あの頃に比べて、今回の方が少なくとも政府の拠出金等々は明らかに今回の方がでかいです。
 それから、あのときは、間違いなく非常に厳しかったのは金融という部門で、これはリーマンという巨大な投資機関が倒産したことによって発生しておりますので、今回のようにいわゆる中国から来たウイルスによるものだというようなもので全般に行ったというのと全く条件が違って、今回は銀行は健全なものですから、銀行はですね。少なくともあのときはとにかくキャッシュというものがマーケットから全く消えましたから、一晩の銀行間取引のオーバーナイトコールが一晩で五%とか、今だったら一年間でゼロ%だといっているのと桁違いな状況になりましたので、ちょっと突然に、まあ突然といっても、あのときはファニーメイやらいろいろな大きな金融機関がアメリカで潰れていった後の話ですから、それは急というわけでもありませんでしたけれども、まさかという感じがありましたものですから、ちょっと波及がトタに来たという感じと波及効果は大きかった。
 今回はじわじわと来たというのと、金融機関はむしろ金がいっぱいあって、倒産しそうな企業に対する小口の金融に回せる元の金がしっかりしていたと。加えて、政府の補助も行った、支援も行った、無利子にします、無担保にしますというような対応もさせていただきましたので、そういった意味では状況は違っているんだと思いますけれども、何となくこのコロナのために高齢者の方々が休業しちゃう、店を閉めちゃうという人が多いので、若い人が倒産したというよりは、若い人はまだやり直せる、十分にあるからと。でも、高齢者はもうここらでちょっとという一つのきっかけになってやめたと。私、八十歳ですけど、私の仲間で見ていますと、とにかく金は借りているけど、もうとにかくまたぞろよといって、まあここらでやめるわという人が地元なんかでも多いように見受けますので、受けている方々の感情、雰囲気というものがリーマンのときとはちょっと違うかなというのが正直な実感です。

#59
○古賀之士君 通告なしで大変失礼いたしました。麻生大臣はその辺の経験も豊富でいらっしゃいますので、当然お答えも十分できるという私は認識の下に質問させていただきましたので、どうぞ誤解のないようにお願いをいたします。ただ、働く皆さんたちの思いですとかそういったものを、もしよければこの時間の質問の中でまた機会がありましたらよろしくお願いいたします。
 そして、と同時に、今、高齢者の方が休業されると。まさに麻生大臣が八十歳でいらっしゃるならば、もっともっと麻生大臣のように元気で若々しく、しっかりとその事業を続けたいという方がもっと現れてもいいんじゃないかと思っているわけでございますが、それを支えていく金融機関に関して今日は質問をさせていただきます。
 まず、参考人に伺います。金融庁です。
 資料の一を御覧ください。
 右下、これは金融強化勘定についてなんですが、預金保険機構の令和元年度決算の財務諸表です。本勘定のこれ右下にある部分なんですが、利益余剰金とあります。利益剰余金ですね、五百六十一億円とされています。
 そして、一枚おめくりください。
 資料の二、金融審議会のワーキンググループ報告書のこれ注の部分です。二〇二〇年度末の見込額およそ三百五十億円とされております。つまり、一年で二百億円減少するんでしょうか、それとも、これ定義が異なるのでしょうか。金融庁参考人の方、この質問にお答えいただきますようお願いします。

#60
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 金融機能強化法に基づく資本参加は、直接的には預金保険機構の協定銀行であります整理回収機構が行っております。令和元年度におきまして、整理回収機構は、資本参加した個別の金融機関に係る信託受益権につきまして、会計処理のルールに従って二百三十億円の減損処理を行ってございます。これを受けまして、預金保険機構は令和二年度に整理回収機構に対して補填金として二百六億円を支払っていると。
 このため、預金保険機構の令和二年度決算の利益剰余金は二百億円程度減少する見込みであるということでございます。

#61
○古賀之士君 続いての質問なんですが、ただこれ、恐らく様々な形で、決算の内容を見てみますと、右上、今度、資料一、もう一度御覧いただきたいんですが、財務諸表のこの右上の部分ですね、短期の借入金、これ一年以内の借入金、返さなきゃいけないそうですが、四百七十七億円とされております。
 これ、合併等の資金交付制度の原資として利益余剰金を充てるとしていますが、となると、この借入金の返済を先に行うというのがこれ筋ではないかと思ったりするんですが、再び金融庁参考人にこれお尋ねいたします。どうなっていますか。

#62
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 今ほど申し上げましたように、金融機能強化法に基づく資本参加は、直接的には整理回収機構を通じて行っているというわけでございますけれども、この資本参加に必要となる資金につきましては、預金保険機構が金融機能強化勘定において短期借入金ですとか預金保険機構債の発行により調達をしておりまして、整理回収機構が実際に資本参加を行う際には預金保険機構が必要な資金の貸付けを行っているという構図になっております。したがいまして、預金保険機構は、資本参加を行った金融機関から返済がなされた際には、その資金によって借入金等の返済を行うということになります。
 一方で、御指摘の利益剰余金につきましては、資本参加先の金融機関からの配当金等の利益計上の積み上げでございまして、今国会に提出させていただきました法案に盛り込んでおります資金交付制度におきましては、この利益剰余金の範囲内において預金保険機構が資金の交付を行うこととさせていただいておるところでございます。

#63
○古賀之士君 ちょっと分かりづらい部分もあるんですけれども、これ結局、公的なお金を貸し付けることによって金融機関を支えていくという思いもあるわけですけれども、これ実は、一番大きなのは、これ山梨県のある信組なんですね。平成の二十一年でこれ四百五十億円と、これ間違いない話ですよね。一方で、東日本大震災のときに、石巻、気仙沼、宮古、この三つのエリアの信組で四百三十億円という額が出ているんですね。つまり、これ震災のときでも四百三十億円、三つの信組で。一方、去年は山梨の一つの信組で四百五十億円と。これ結構な金額なんですね、この比較をするとですね。これについてどのように考えていますか。また、公的資金を更にこれ投入するとかいうのは何か今お考えありますでしょうか。

#64
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 今ほどおっしゃっているのは、山梨県の山梨県民信用組合の件だと承知しておりますけれども、この山梨県民信用組合は、預金量が四千億円程度という非常に、信組にしては非常に大きなところでございまして、よって、資本注入する額も大きくなったということでございます。

#65
○古賀之士君 今後の公的な資金に関しては、見通しはまだ分からないという認識でよろしいんですか。

#66
○政府参考人(栗田照久君) おっしゃるとおりでございまして、今この山梨県民信用組合は過去の不良債権処理を進めているところでございまして、それを踏まえて、今後の状況によって必要があればということでございますけれども、現時点において何か決まっていることはないということでございます。

#67
○古賀之士君 その辺を慎重に取扱いを要望いたします、要求いたします。よろしくお願いします。
 それでは、資料の三、預金保険料率についてお尋ねをいたします。
 この預金保険の料率を、これ引下げが去年も、昨年度行われているわけなんですが、これ根拠というのがありましたら教えてください。

#68
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 まず、この預金保険料率につきましては、中長期的な預金保険料率の在り方を検討するために設置されました預金保険料率に関する検討会というところが二〇一五年の一月三十日に報告書を公表しておりまして、預金保険機構は、そのときの、二〇一五年三月の運営委員会におきまして、二〇二一年度末に責任準備金が五兆円程度になるように積立てを行っていくということを当面の積立目標として、適用する預金保険料率についてはこの目標を確実に達成できる水準に定めるということについて合意をしておりまして、これにのっとりまして毎年度の預金保険料率を定めているところでございます。
 こうした枠組みの下で、二〇二一年度の預金保険料率につきましては、二〇二一年三月の運営委員会におきまして、二〇二一年度末までに五兆円程度という責任準備金の積立目標を確実に達成できる水準を前提として算定を行ったところ、被保険預金残高が足下大幅に増加していることを背景といたしまして、現行料率〇・〇三三%を〇・〇三一%に引き下げることが適当であるとされたということだと承知しております。

#69
○古賀之士君 金融担当大臣でもある麻生大臣にここお尋ねいたします。
 資料の四を御覧いただきたいんですが、この預金の保険料率の検討会の報告書というのを、これ今お話が出まして、添付しております。上から四行目の終わりぐらいから読み上げますと、金融経済情勢等を踏まえ、適用料率や目標水準及び定め方、達成時期について、必要に応じ点検することが適当であると書かれています。この点、新型コロナウイルスの影響を麻生大臣はどのようにこれお考えになるでしょうか。
 足下の企業というのは持ちこたえているところもあります。先ほどお話を伺ったように、何とか本当に頑張っているというところがいっぱいあるかと思いますが、このままの状況が続けば、息切れする企業が出かねません。その場合に、当然、支える金融機関にも影響を与えることになります。
 保険料率を現段階で引き下げることが、つまり、これ平成の二十七年の報告なんですね。ですから、もうあれから随分たっているし、なおかつ、コロナというものはその後来ているわけなんです。ですから、果たしてこれ、五兆円というので積立てを目標に考えて保険料率取っているわけですけれども、金融機関にとってほんの五兆円で足りるのかなというような心配も出てくるかと思うんですが、その辺も含めて麻生大臣にお願いいたします。

#70
○国務大臣(麻生太郎君) これも通告がないので、お答えするということになっていますので、ちょっと数字が違ってくるかもしれませんが、少なくとも今企業に対して私どもいろんな形で融資をさせていただいているんですが、古賀先生御存じのように、金借りたら、バランスシート上、貸方、借方で、借りていくと、債務が超過するほど金を借りにゃいかぬということになりますと、貸方の方が早い話が大きくなっちゃうということになりますと、金は法律的には借りられない。債務超過をしているところに金を貸したら、それは取りっぱぐれても銀行の責任になりますので、そういった意味では金は貸せないというのはどこでも同じルールなんですが、日本の場合、これを、いわゆるサブ、何ていうの、そういう状況になっていても、早い話が劣後ローンという形で金を貸すと、それは借方じゃなくて貸方の方にその金が、勘定が立ちますので、劣後ローンを組んでくださいという指導をいわゆる政策銀行等々からやらせていただいておりますので、少なくともその部分はきちんとした形で金を継続して借りられる形になりますので。
 今回の場合は、特にそういった中小零細と言われる飲食業で起きる率が非常に高いということになっておりますが、これはコロナが終わりますとそれはみんな戻ってくる客なんであって、石炭みたいになくなっていくのと訳が違いますので、確実に戻ってくるお客さんなものですから、そういった形で、劣後ローンという形で資本に金が入ってくるということになりますので、その分はまずは十分そこでやれる。そこは資本として持っておきますと、銀行側にとりましては、それはそれなりの資本ですから、きちんとした形でそこに資産として残っておるわけなんで、そういった形で直ちに銀行がどうのこうのという状況になっているというのは、今すぐはちょっと当分見通せないと思っております。

#71
○古賀之士君 済みません、度々の通告なしで失礼をいたしております。
 では、保険の料率についてこれ参考人にお尋ねします。
 保険の料率というのは一律、これメガの銀行も、それから比較的資本の規模の小さい第二地銀ですとか信組、こういったものも入ってくるかもしれませんけれども、これ、たしか可変料率といって、つまり大きな取扱量をやっているところは保険料率を下げていこうとか、そういう検討がなされようということがあったかと思うんですけれども、現時点で、今その辺の検討はどうなっていますでしょうか。

#72
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 金融庁におきましては、令和元年八月に公表いたしました金融行政の方針におきまして、地域金融機関の将来にわたる健全性を確保するための規律付け、インセンティブ付与としての機能も視野に入れて、預金保険料率の在り方の方向性について関係者による検討を進める旨を示させていただきました。
 現行の預金保険料率につきましては、今ほど委員から御指摘がありましたように、預金保険の対象金融機関に対して同一の預金保険料率が適用されておりますけれども、預金保険法におきましては、各金融機関の健全性に応じて異なる預金保険料率、いわゆる可変料率を適用することも許容されております。
 この可変料率につきましては、これまで既に可変料率を導入している諸外国の制度調査などを進めておるところでございますけれども、他方で、現下の最重要課題は新型コロナウイルス感染症への対応、事業者支援の取組促進でございまして、足下では具体的な検討が今止まっている状況でございますけれども、時期を見て引き続き検討を行うということを考えていきたいというふうに考えております。

#73
○古賀之士君 保険料率も更なる今後の課題、宿題であるというふうな理解をさせていただきました。
 時間がなくなりましたので、次はもう本当に骨子のところだけ行きますが、大変皆さんが気になっていますGPIF等の投資基準等についてお尋ねをいたします。
 これ資料の五、御覧いただきましょう。
 皆さん方にとっては釈迦に説法かと思いますが、これはGPIFのホームページから出してきたものでございます。基本ポートフォリオ策定に用いるベンチマーク、これ政策ベンチマークと呼んでおりますが、資産の区分によってその政策のベンチマーク、基本ポートフォリオの、まあ基本に当たるというものです。資産区分は、国内の債券はNOMURA、外国債券はイギリスの企業、国内株式はTOPIX、そして外国の株式はこれアメリカにある企業の傘下に入っているものということです。
 ここで、時間がなくなったので、こういった海外の企業が作成したこのベンチマーク、こういったものはきちんとこうやってオープンにはされているんですけれども、麻生大臣、これ、もうちょっと時間がなくなってきたので、まず総論、まとめから伺います。
 国民に資産形成してもらうわけですけれども、こういったその海外からのベンチマーク、政策ベンチマークが組み入れられるということに関して、これは問題はないのかどうかというのをお尋ねいたします。

#74
○国務大臣(麻生太郎君) これは一般論としての話になりますけれども、これは、何というの、我々としては、偏っていますので、キャッシュにですよ、預金が、だから、預金とか、何でしょうかね、長期の積立てとか分散とかいろいろやっていますので、一般論としては、今やるインデックスの投資については、これは海外企業というものが作成したインデックスというのを利用して我々としては分散投資によってリスクの軽減を図ると、これは有効な手段なんだと、それは間違いなくそう思って、安定資産というものを図る一つの方法なんだとは思っていますけれども。
 ただし、海外指標でベンチマークであれ、日本の会社が運用したベンチマークであれ、これよくインデックスというものの特徴をつかまえておかないと、これが上がっているからといってその全てのインデックスがそうなっているんじゃありませんので、そういった意味で適切に運用してもらわないと、あのインデックスを信用してと、いや、そのインデックスはその部分においては確かですけど、その他のところにおいては確かじゃありませんよということになりますので、是非そこらのところのインデックスの特徴もよくつかまえておいていただかないと、当たり外れというか間違いが起きるという可能性があると思ってはおります。

#75
○古賀之士君 これは問題提起だけさせていただいて、これはまた後ほどまた日を改めてこの件についてのお話は深掘りをさせていただこうと思います。
 というのは、例えば資料の六、これは朝日新聞デジタルの記事でございますが、ノルウェーの政府系のファンドというのが、きちんとこれウオッチリストを指定して出しているわけです。これはたまたま日本の企業が記事になっていますけれども、ここがちょうど今人権問題などでもなっておりますミャンマーの合併企業と提携をしているというところで、これはちょっと問題があるんじゃないかということで、きちっとこの辺を政府系のファンドというのは公開をして、中央銀行の投資運用局、こうやって発表して皆さんたちに周知するということです。
 したがって、これどういうことかというと、単に経済でお金を、年金を増やせばいいというだけではなくて、こういう政府系の、あるいは中央銀行の役割の中には、人権や、それから、更に言えば武器の関連をする、実際にこれアメリカでは大統領令として一部海外の武器に関連する企業の排除、こういったものもなされているところです。日本は残念ながらそこまで至っていないという現状もございます。
 したがって、これから、このGPIFというのは皆様方の大切な年金の資産運用を預かっているところでもございますし、様々なこの世界の情勢を向けて、もちろん年金の額が増えるにこしたことはないんですけれども、様々な今世界の流れや情勢を考えていくと、今後重要な案件になってくるのではないかと思っております。
 こういう問題提起をさせていただいて、時間がなくなりましたので質問を終わろうと思いますが、麻生大臣、念のため伺います。
 何か、今の現時点でこの問題提起に関して何か御所見がありましたら、よろしいですか。いいですか。はい、分かりました。じゃ、後日また問題提起をさせていただきます。
 時間となりましたので、質問を終わります。ありがとうございました。

#76
○西田昌司君 自民党の西田でございます。
 まず、麻生大臣、ちょっとおわび申し上げます。
 今回、私、日銀報告に対する質問と勘違いしまして、黒田総裁ばかりに質問通告をしておりまして麻生大臣にはしていなかったんですけれども、ちょっと通告がないですけれども……(発言する者あり)はい、ありがとうございます。麻生大臣の見識を伺う程度の話でございますので、是非是非お願いします。
 それで、その日銀に質問する前に今日はちょっと質問させていただきますが、例のあの東芝のTOB買収騒動なんですね。
 これ、先日突如発表になりまして、東芝にCVCというファンドがTOBを掛けると。ホワイトナイトが登場したように報道されているわけですけれども、実は、この東芝問題、ちょっと調べていくと、元々、この今のCEOは次期株主総会で退任が既に決まっていると言われていた方であります。その方が自らの出身母体、これCVCの会長だったわけですけれども、そのCVCからTOBを掛けられたことで、退任せずにそのまま留任だというふうに今言われています。さらに、このTOB報道によって株価が急上昇したわけですね。ということは、しかも、この東芝の取締役会議長さんは、報道で言っておられますけれども、当社からそういう要請をしたことはないというふうに断言されているわけですね。
 そうすると、これはホワイトナイトが登場とかそんな話じゃなくて、CEOが保身のために自らの出身母体にお願いをしてこういうことを画策したんではないかということが蓋然性として疑われるわけですね。利益相反事案ということもあると思いますが、こういうことについて、これはしっかり、もしそうであればこれは金融証券取引法の違反で犯罪行為になりますし、法務省にもその辺の見解お聞きしたいし、また、直接の監督官庁である金融庁もどうなのかということについて、まずちょっと事務方の方に質問させていただきます。

#77
○政府参考人(松尾元信君) お答え申し上げます。
 個別の会社に関する事柄についてはコメントは差し控えたいんですが、その上で、一般論として申し上げれば、証券取引等監視委員会は、相場操縦などの不公正取引等、金融商品取引法上の法令違反に該当する事実が疑われる場合には適切に対応することとなります。
 証券取引監視委員会としては、今後とも市場監視に努めてまいりたいと考えております。

#78
○政府参考人(堂薗幹一郎君) お答えいたします。
 東芝とCVCについて、もろもろの報道がされていることは承知しております。
 個別具体的な案件についてお答えすることは困難でございますが、あくまで一般論として申し上げますと、会社法上、業務執行権限を有する取締役等がその職務を行うに際しては、法令、定款の定め及び株主総会の決議を遵守し、会社のために忠実にその職務を執行する義務を負うということとされているところでございます。また、取締役等が自己又は第三者の利益を図って会社の利益を害することを防止するため、取締役等が自己又は第三者のために会社と取引をする場合や会社が取締役等の債務につき債権者に対して保証あるいは債務引受けをするなどの場合には、利益相反取引として、その取引について重要な事実を開示して取締役会の事前の承認を得なければならないというふうにされているところでございます。さらに、取締役会の決議につきまして、特別の利害関係を有する取締役等は決議に加わることができないということにされているところでございます。このように、会社法上も、取締役等の利益相反行為によって会社が不当に損害を受けることがないよう、各種の措置が講じられているところでございます。
 いずれにいたしましても、御指摘の事案につきましては、会社法を所管する法務省においても今後の動向を注視してまいりたいと考えているところでございます。

#79
○西田昌司君 今、事実関係、これから明らかになってきたらそういう犯罪行為につながることにもなりかねないので、重大な関心を持ってそれぞれ注視をしていただきたいと要望しておきます。
 それと、そういう証券取引上の問題だけじゃなくて、そもそも東芝というのは原子力事業を行う国益に直結する会社であります。そこで、外為法上の届出対象会社ということになっておりますが、原子力以外にも、半導体、それから防衛関連の事業もされているわけで、大変国益として、こういう会社が外資の中に取り込まれてしまうと国益を逸するおそれもあるわけですね。
 それで、こういう観点からも、例えば再上場するんだと言っているんだけれども、そういう保証もありませんし、大体こういう、この手のファンドがやるのは、まずは買って、そしていいところだけ切り売りして利益を上げるというのが大体相場なんですよ。そういうことになっちゃうと、本当に東芝がなくなるだけじゃなくて、日本のそういう原子力技術始め様々な技術が分散してしまうということになるので、ここはしっかり徹底的な調査はすべきだと思うんですけれども、これは経産省ですかね、所管されている、その見解をお聞きしたい。

#80
○政府参考人(風木淳君) お答えいたします。
 個別企業の案件についてお答えは差し控えたいと考えておりますが、一般論として申し上げれば、原子力発電などの重要インフラや半導体、それから防衛に関わる事業などを実施する日本企業を海外投資家が買収する際には外為法に基づく届出が求められるということでございます。
 その上で、将来の事業売却によって国の安全を損なうおそれなどについて、外為法にのっとり厳格に審査することとなっております。

#81
○西田昌司君 これから事実関係が明らかになるでしょうけれども、私自身、東芝の方からのいろんな情報も得て今述べているわけでありますので、しっかりここは調査していただきたいと思います。
 黒田総裁、今日は来ていただきましてありがとうございます。本題に入ります前に、今も熱心に聞いていただいていまして、首も振っていただいていたので、黒田総裁から見られてこの今回のこういう取引提案、どういうふうにお考えですか。それから、麻生大臣にも同じくお聞きしますので、一言ずつどうぞ。

#82
○参考人(黒田東彦君) 本件につきましては、日本銀行の所掌の事務と直接関係がございませんし、今関係各省の方がお答えになったのをよく聞いておりまして、関心はありますけれども、それ以上に何か特別なコメントをするのは差し控えたいというふうに思います。

#83
○国務大臣(麻生太郎君) 個別案件ですからね、これは。ちょっとお答えは差し控えさせていただくというのが最も無難な答弁じゃないでしょうかね。

#84
○西田昌司君 まあそういうことだと思いますが、重大な関心を持ってやっぱり見ていただきたいということであります。
 それで、本題に入ります。
 まず、日銀の黒田総裁にお伺いしますが、異次元金融緩和ということで二%の物価上昇を達成させると、これはもう短期間にやるということをそもそも就任のときに宣言されていたんですけれども、結果できなかったと。
 振り返ってみて、その原因は一体何だったのかということを率直に述べていただきたいと思います。

#85
○参考人(黒田東彦君) この二%の物価安定目標が達成されていない背景には様々な要因があると思いますが、一番思いますのは、やはり二〇一四年以降の原油価格の大幅な下落、これが、それまで一・五%程度まで上昇していた予想物価上昇率がまた再び落ち込んでしまったということが大きな要因としてあるのではないかと思っております。
 さらに、より根本的には、我が国ではこの予想物価上昇率に関する複雑で粘着的な適合的期待形成のメカニズムが非常に根強いと。すなわち、長期にわたるデフレの経験によって定着した物価が上がりにくいことを前提とした人々の考え方とか慣行が根強いために物価上昇率が高まるのに時間が掛かっていると、この点は先月実施した点検でも改めて確認されたところであります。もっとも、点検では大規模な金融緩和が金融環境を改善させて需給ギャップのプラス幅拡大とプラスの物価上昇率の定着という効果を発揮してきたことも一応確認されております。
 したがいまして、日本銀行としては、やはり点検を踏まえた政策対応によって持続性と機動性を増した長短金利操作付き量的・質的金融緩和の下で長期的に強力な金融緩和を粘り強く続けていくということで、時間は掛かると思いますけれども、二%の物価安定の目標を達成できるというふうに考えております。

#86
○西田昌司君 日銀としては、要するに金融緩和をしてお金を借りやすい、そういう環境を精いっぱいつくってこられたと。しかし、なかなかその効果が上がってこないということなんですね。
 しかし、黒田総裁がされたことは私はそれなりの評価はもちろんしているんですけれども、実際問題、お金を借りやすくしても、お金を借りて使うものがなかったら借りないわけですよね。これはよく言われる、この金融というのは引くことはできても押すことはできないということであります。つまり、需要不足というのが一番大きな問題だと思うんですが、いかがですか。

#87
○参考人(黒田東彦君) この点は、金融政策について、インフレになりそうなとき、物価上昇が激しいときに金融引締めによってそれを防圧するということは非常に効果的であるけれども、物価上昇率が低くて需要が十分でないときに金融緩和をしてもなかなか効果が上がりにくいという議論は非常に長く続いておりまして、実は私、五十年程前に英国に留学したんですが、当時英国でもそういう議論が非常に盛んでした。
 ただ、御案内のとおり、その後、米国を中心にマネタリストの議論が出てきて、それからその後、米国でもグリーンスパン議長の下で金融政策によって物価安定が実現できたということもありますので、確かに、引締めのときはぎゅっと引き締めれば経済活動がすぐに低下して物価上昇率は下がると。それに対して、金融緩和して経済活動が上がって物価上昇率が上がっていくというのに若干時間が掛かるということは事実ですけれども、やはりこの物価の安定というのは中央銀行のどこでも使命でありますし、やはりそのためには金融政策を活用して、時間が掛かる場合があると思いますけれども、それでもやっぱりそれによって物価の安定を図るということがやはり必要であろうというふうに考えております。

#88
○西田昌司君 黒田総裁も率直におっしゃっていただいたように、要するに、元々金融というのは需要を生み出すものじゃありませんから、引き締めさすことはできると。だから、逆に今おっしゃったことを言うと、要するに、私は前から言っているのは、財政出動がそもそも需要をつくり出すんですから、どんどんやるべきじゃないかと。しかし、財政出動をやると、要はそれはインフレになっちゃうと。どんどんどんどんインフレになったらどうするんだという話を常に財務省は言うわけですよ。
 しかし、今、黒田総裁がいみじくもおっしゃったように、そのときは金利上げれば一挙にへこむんだと、こういうことなんですよね。だから、そうであるのに、片っ方、この日銀の方が金融緩和しているのにこの財務省側が財政拡大をしないと、ここが一番の問題だと思うんですけれども、麻生大臣、いかがですか。

#89
○国務大臣(麻生太郎君) これは急な御質問なんで、こんなことを大概やっていると毎回毎回急な質問ばっかりでこっちも迷惑しますので、以後、年配者として、これまでの伝統にも十分注意をし、対応していただけるように与党理事としてお願いしておきます。
 政権交代以降、一貫して我々バブルというものからいかにデフレになっていったあの経緯から脱却するかというのが優先順位の一番ということに考えておりましたので、金融につきましては大胆な対応を日銀と共同声明というものを出した上でやらせていただいた結果、いわゆる円安にもなりましたし、輸出企業を中心に大幅な黒字ということになったので、事実、あのところ、過去、幾らだったかな、七十九円だったかな、何だかと思いますので、そういった意味で、私どもあの低金利環境というのを踏まえてこれまでいろいろやらさせていただいた結果が、規模も、まあ何十兆円、二十兆円ぐらいからいろいろやらせていただきましたけれども、何度もこのあれを利用して、私どもとしては、リニアモーターをやってみたり、高速道路だ、飛行場などいろんなもの、というのは財政投融資というものをかなり積極的に使わせていただいてこれまでやらせていただいたんだと思っていますが、これはいわゆる資産の投資ですから、何も赤字公債で先返ってこない金をやっているのと訳が違いますので、そういった意味では極めて有効に使わせていただきながら景気回復を図りということをやらせていただいたんだと思いますが、デフレの方は残念ながら、世界中が当時みんな二%を目指していましたけれども、今はもうとてもそんな状況にある国は世界中、特殊な国以外はありませんから、インフレ率一〇〇〇〇%を超えておりますベネズエラなんというのもありますので世界中とは言いませんけれども、少なくともそういった状況に今ない中で、私どもは日銀と一緒になってそれなりにこの金融、財政というのをうまく連動させながらここまでは来れたかなと思って、借金も新規国債、毎年一兆数千億やらせていただいて、八年間で十二、三兆、新規国債発行額を減らしてきたんですけど、このコロナのおかげでもう全くもう一回やり直しということになっておりますけれども、少なくともアメリカやら何やらと違って、結構日銀と財務省がきちっと連絡した上で、連携をした上でいろいろやらせてきていただいた成果はそれなりのものがあったんだと思っています。

#90
○西田昌司君 今そういうふうに麻生大臣はお述べになったんですが、そこで、ちょっと黒田総裁にお伺いしますが、そもそも異次元の金融緩和というのは、政府側と日銀側が物価目標二%達成させるんだということで政策協定をされたわけですね。その政策協定というのは、日銀はとにかく異次元の緩和をすると、財政側は財政出動して下支えしてやっていこうと、こういうことだと思うんですよ。日銀は、実際マイナス金利までやっていますから、もう考えられないことまでやっているんです。まさに異次元なことをやっておられますよ。
 ところが、政府側はこの間どうだったかというと、麻生大臣は今いわゆる財政投融資とおっしゃっていますけど、財政投融資というのはいわゆる真水じゃなくて返してもらいますというお金です。それも出した時点では確かに需要創造になりますから、それはそれで意味はあると思いますが、問題は、片っ方はそういうふうに日銀がやっておきながら、十分な財政出動が私はできていないと思っています。それどころか、消費税を二回にわたって上げました。五%から結局八、一〇となったわけですね。これは財政出動じゃなくて財政引締めなんですよ。これをやってしまっているんですね。
 だから、そういうことを考えると、黒田総裁からすると、政策協定に従って私は金融緩和したのに、政府側の対応は我々が思ったよりも不十分な対応じゃなかったかというふうにお思いじゃないかと思うんですが、いかがですか。

#91
○参考人(黒田東彦君) この共同声明、御案内のとおり、たしか二〇一三年の一月に政府と日本銀行で発出された共同声明でありますけれども、その中で、デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のために政府と日本銀行がそれぞれの役割をしっかりと果たしながら連携してマクロ経済政策の運営に当たるということを示したものでございます。
 すなわち、日本銀行は、金融緩和を推進し、二%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現することを目指す。一方で、政府は、成長力の強化に向けた構造改革を進めるとともに、機動的な財政運営を行いつつ、中長期的に持続可能な財政構造を確立するための取組を着実に進めるというふうに共同声明でされておりまして、この間、政府と日本銀行が共同声明に沿って必要な政策を実施してきたわけですけれども、それぞれについて十分かどうかという議論はあろうと思いますが、私は、個人的には構造改革の面でもう少しあってもよかったかもしれないとは思っておりますけれども、機動的な財政運営を行いながら、一方で、この中長期的に持続可能な財政構造を確立するための取組を着実に進めるという面では政府もしっかりと政策を実施してきたというふうに思っておりまして、このことは我が国の経済を支える上で大きな役割を果たしてきたというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、日本銀行としては、引き続きこうした考え方に沿って二%の物価安定目標をできるだけ早期に実現することを目指して適切な金融政策運営をしてまいりたいと、こういうふうに思っております。

#92
○西田昌司君 まあ麻生大臣の前でなかなか足りませんでしたとは言えないでしょうけれども、しかし、日銀はそれでやっておられるのは事実です。そこは評価したいんですが、しかし、これはやっぱり副作用があるわけですよね。
 昨今の金融、地銀の再編話なんかはまさにその典型で、麻生大臣は、リーマンのときに比べれば金融機関は非常に安定しているという、こういうお話ですけれども、確かに不良債権というものを今は抱えていませんから、そういう意味では大丈夫ですよ。しかし、収益力が大幅に落ち込んでいるのは間違いない話で、一旦そういう不良債権問題が出てきたときに、これ大変な、この資本を毀損してしまう可能性が大いにあるわけです。
 そういうことを考えておられるんでしょうけれども、今日、日経の朝刊、ぱっと見ましたら、「コロナ融資に金利上乗せ」という記事が出ていました。要するに、これは貸出し促進付利制度というんですか、要するに、日銀の当座預金、本当は〇%ですけれども、金融政策上、金利を付けて、金融機関、国債買いやすくするということもあるし、金融機関を応援していると。もう片っ方で貸出しをどんどんさすためにマイナス金利を付けて、貸さないとおまえら損だぞという、罰金も取っているわけですね。しかし、どちらにしましても、このことが金融機関にとって大変負担になってくるので、マイナス金利というのはですね。そこで、そういうコロナ融資やったところはプラスアルファの付利を付けてやろうと、こういうことだと思います。
 それはそれでいいんですけれども、もう片っ方で、ここに書いてあるのは、要するに、これからアメリカではバイデン政権の下で巨額の財政出動もあり、早期の景気回復の期待が高まると。そうなってきたときに、アメリカの方は、この金利も、金融緩和からもうちょっと市場に任せていこうじゃないかということになる。そうすると、金利が上がるわけですね。金利が上がると、日本はマイナス金利、ゼロ金利、それが金利が上がるとアメリカのドルの方が、どうなるんですかね、これ、日本の円とドルの為替の関係でバランスが崩れてくると。だから、それに対抗するためには深掘りするマイナス金利をやれる準備をしているんだという解説なんですが、そうなんですか。

#93
○参考人(黒田東彦君) 今回の金融政策の点検に基づきまして幾つかの金融政策の運営についての基本的な考え方を示したわけですけれども、その中の一つに、例えば十年物長期国債の金利の目標をゼロ%程度としていたわけですけれども、それについてはプラスマイナス〇・一%程度の倍程度の変動は差し支えないというふうに申し上げてきたんですが、その後、また変動幅が非常に縮んでしまって、国債市場の機能度が低下しているということも踏まえまして、プラスマイナス〇・二五%程度の変動を認めようということでやや明確化したとか、その他、ETFについて弾力的な買入れをするとか、いろんなことを言っておりますけれども、これは米国の経済成長によって米国の長期金利が上がってきて、それに対応して為替がどう動いて、それの経済とか金融に対する影響を考慮して決めたというよりも、むしろ、基本的にはコロナ対応で様々なことをやり、非常に大幅な金融緩和を続けているわけですが、その副作用にも十分配慮して金融緩和が持続できるように、さらには、必要なときに思い切ってマイナス金利を更に深掘りするとか、ETFを大幅に、大規模に買い入れるとか、そういう機動性を高めるということで行ったものであるというふうに御理解いただきたいと思います。
 なお、為替について日本銀行として何か申し上げるのは僣越ですけれども、一般論としてよく言われているのは、アメリカが仮にこのままどんどんG7の中で経済回復が先行して、仮に長期金利も上がっていくというような状況になればドル高になるだろうというふうには言われているんですけれども、市場で言われているだけで、本当にそうなるかどうかとは、そういうのは、為替レートというのはいろんな要因で動きますので、何とも言えないのではないかというふうに思っております。

#94
○西田昌司君 為替はいろんな理由がありますけれども、一般的に、経済が良くなると金利も上がるし、そしてアメリカの方もドル高ということになってくる可能性がありますよね。日本の場合は円高よりも円安の方がいいみたいに言っている人が多いんですが、だから、逆に日銀が金融緩和をやめて金利が付くと円も上がっちゃうと、円高なっちゃうじゃないかということを言う人いるんですが、そんなことを言っていたらいつまでたってもゼロ%金利から抜けないんですよ。
 そもそも、やっぱり私は、目指している経済の姿がどこなのかということをはっきりやっぱり示していただきたいわけです。つまり、今は、これはまあ異常事態が八年続いていますけれども、やっぱり特別な対策ですよ、これは、物価上昇、デフレからの脱却というね。正常な状態というのは、この前のときもちょっとお話しさせていただきましたけれども、やはり経済成長して、当然長期金利も伸びてくると、それが二%の物価目標だったら金利も二%ぐらいは付いてきて、そのことによって経済自身も活力があるということだと思います。
 もちろん、金利が上がると円高の方に振れてしまうんじゃないかということで言われますが、これは麻生大臣もよく昔からおっしゃっていましたけれども、日本は外需に依存している国じゃないと。そもそも内需依存国ですから、円高になることによって、原材料、エネルギー、そういうものが安く入ってきますし、そして、内需が潤って経済が大きくなっているんですから、そのことによって恩恵を受ける方が大きいわけですよね。輸出の企業というのは確かに打撃を受けるかもしれないけれども、輸出企業というのは、車に象徴されていますけれども、大半は現地生産していますからね。今回のアベノミクス効果で七十九円からぐっと円安の方に行ったけれども、結果的には何だったかというと、輸出額は増えたように見えているけれども、輸出量は結局は増えていないという統計データもございます。
 ですから、要するに、余り円安にこだわって、まあそのために金利を下げておられるんじゃもちろんないわけなんだけれども、最後、出口の形というのはそういう内需で引っ張っていくような形、だから金利もそれなりに付いてということが正しいと思うんですが、黒田総裁、いかがですか。

#95
○参考人(黒田東彦君) 一つ、先ほど私、従来プラスマイナス〇・二%の倍程度というふうに申し上げたと思いますけれども、プラスマイナス〇・一%程度の倍程度というふうに申し上げていたということの誤りであります。訂正させていただきます。
 この為替レートの日本経済に対する影響というのは、御指摘のように、一方で原材料の輸入につきましてはそれがより安く入ってくるという意味でプラスになる面と、他方で輸出産業に対してマイナスが出てくるという面と、実は、今や我が国の競争力の強い産業は、輸出もありますけれども、自動車などを見ていただくと分かりますように、米国市場向けには米国で生産すると、海外生産になっているわけですね。
 だから、そういう意味では、輸出依存度はそれほど増えていませんというか、ずっと、数字覚えていませんけど一五%以下ですから、ドイツのように三〇%とか、あるいは中国ですら三〇%ぐらいあったわけですから、そういうところに比べると全然輸出依存国でないんですけれども、ただ、海外生産をたくさんしていまして、そこの収益は、国内で統合するときに為替が円高になっていると海外収益が非常に小さく、マイナスになってしまう、小幅になってしまう。逆に円安になっていると、海外収益を本社に合算するときに収益が非常に大きくなるということで、為替が円安になったときの効果は、むしろ輸出の数量が増えるというよりも、海外生産に基づく収益が非常に大きくなるということの方が大きいと。
 これは、これまた個人的な経験で申し訳ないんですが、私がかつて英国に留学していたときに、英国がポンドを切り下げたのに輸出が増えないと、おかしいと言っていたんですが、それはJカーブ効果というだけでなく、むしろ、当時既に英国の産業は海外生産に転換していたので、海外生産分の所得が英国内の企業の所得で膨れて、それが設備投資とかあるいは賃金の引上げという形で内需を支えるという、ポンド安が外需を支えるのではなくてむしろ内需を増やしてくれて景気が回復すると。それはそのとおりになったんですね。
 だから、我が国の場合も為替の動きは、御指摘のように日本は輸出依存国ではないのですが、やっぱり海外生産には非常に大きく依存していますので、その部分で、やはりトータルで見ると、為替は、もちろん円安になればなるだけいいというものでもないし、円高になればなるほどいいというものでもなくて、ある均衡値の幅の中で動いているのが一番望ましいわけですけれども、円高になる、円安になるといったその局面だけ見た場合には、必ずしも円高になると非常にプラスになるということではなくて、今申し上げたような円安のプラス面もかなりあるということは御理解いただきたいと思います。
 その上で、日本銀行としては、先ほど来申し上げているとおり、二%の物価安定目標の実現を目指して金融緩和をしていますので、当然ですけれども、二%の物価安定目標が実現できる状況になれば、金融緩和政策から出口、そしてそういう下で長短金利も次第に上昇していくということは当然だと思います。
 ただ、今の時点ではまだ、御案内のとおり、原油価格の下落の影響とか何かを除いたコアの部分では依然として消費者物価上昇率はプラスですけれども、全体としてはマイナスになっている状況ですので、まだまだ金融緩和を続ける必要があるということでありますので、将来の姿は委員御指摘のとおりだと思いますけど、今の時点でそういうことを具体的に議論するには至っていないということは御理解いただきたいと思います。

#96
○西田昌司君 ありがとうございました。
 もう時間がなくなってきましたので。
 今、要するに、今の時点では金融緩和はまだそのまま続けるということですからね。ということは、これはもう何度も、釈迦に説法ですけれども、よく国債残高が増えると利払い費が増えて破産するんだというんですけれども、黒田総裁がおられる間は絶対に、少なくともあり得ないんですよ、これは。あり得ないんですよね。だから、そういうこと考えると、このときをもう最後のチャンスだと思って、やっぱり財政拡大をしっかりやるべきなんですね。
 麻生大臣、最後にそのことについてお尋ねします。どうですか。

#97
○国務大臣(麻生太郎君) 今総裁の言われたのが基本なんですけれども、何だか貿易立国という頭がまだ残っているのがいっぱいいるんじゃないですか、世の中。
 今、貿易黒字なんて何ぼのもんです。それよりGNIの方がよっぽどでかいでしょう。グロス・ナショナル・インカムという、いわゆる所得収支の方がでかいわけですよ。何のおかげで、円高のおかげでしょうが。収支がでかいんですから、こっちの方は。GDP、輸出ばんばんやったって、安くなったというけど、円がその分安くなったことでそれだけ利益が減るって先ほどの話ですから。そういった意味では、金融立国みたいな形で貿易立国なんて話じゃなくなって、GDPからGNIに替わっているという感覚が、記事書いているいわゆる人たちは全く欠落しているように僕には見えますね、話していて。
 GNI、まあ当時はGNIなんて言葉はありませんでしたけれども、少なくとも、どうでしょう、リーマン・ブラザーズが一九八五年の九月、ああ、プラザ合意が一九八五年の九月ですかね、あれ。あのときに円が二百四十何円から百二十円まで一年ぐらいでどおんと円が暴騰したのを円高不況と書いたじゃないですか、あのとき、新聞というのは。実際は円高大好況になったんじゃないんですか、デフレになって。
 あのときにもう一回覚えたんだからと思いますけれども、あれによって各日本の企業は、世界に出ていったら日本は倍の金持ちになっていますから、じゃんじゃんじゃんじゃんMアンドAだ、工場買って日本の生産拠点を移した。それが日本のGNIの始まりだと思いますけど、その分だけ海外へ拠点が移りましたから、日本の企業においては国内生産より海外でつくった方が安くてもうかるということになって、国内はなっていったというのは、デフレにおっこっていく次の段階なんじゃないんですかね。
 僕には歴史的にはそういう流れになっていると思いますから、いいところ、円が安くなる、どっちがどういいかというのはその企業によって、戦略によって違いますけれども、今そこそこ、百円台で大体ずうっとこの八年間ぐらい来ておりますので、少なくとも為替の話等々をこのところ、アメリカの財務大臣と話をしたことはこの数年間一度もありませんから、そういった意味では、かつてみたいに上がったり下がったりするときよりはよほど安定している今の方というのは、日銀の金融政策であり、財務政策がそこそこ折り合っているところなのかなとは思っていますけれども、いずれにしても、円が安くなりゃガソリンの値段は上がりますし、いろんな形で私どもとしてはそこらのバランスをよく見ておかないかぬところだと思っております。

#98
○西田昌司君 時間になりましたので終わりますが、ようやくちょっと話が合いかけてきたかなと思ったときに時間になったので、また次回させていただきます。
 ありがとうございました。

#99
○委員長(佐藤信秋君) 午後一時四十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時四十分開会

#100
○委員長(佐藤信秋君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、三木亨君が委員を辞任され、その補欠として三浦靖君が選任されました。
    ─────────────

#101
○委員長(佐藤信秋君) 休憩前に引き続き、財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#102
○音喜多駿君 日本維新の会の音喜多駿です。
 初めに、FRC報告に関連して、このコロナ禍でますます苦境に立たされている地方銀行の問題について質問させていただきます。
 今月五日、全国各地の二十以上の地方銀行のアプリで障害が発生し、利用ができないという事態になりました。地方銀行アプリは、残高照会をすることができるだけではなく、振り込みや振替、あるいは税金や公共料金の各種支払ができるものであり、これ後に議論させていただきます給与のデジタル払い、これが始まれば更に重要性が高まるものです。今後ますます需要が高まるこうした金融インフラに不具合が出る、このことは銀行の業務の健全かつ適切な運営の確保に支障を来すと考えます。
 今回発生した障害はNTTデータのサービスの故障が原因ということでありますが、金融庁として、銀行業務に密接に影響を与えているこうしたサービス事業者に対して何ができるのか、例えば業務改善命令など、こうした権限を及ぼすことが可能かどうか、まず担当者に伺います。

#103
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 一般論として申し上げますと、金融機関の外部委託先に関しましては、銀行法等におきまして、金融機関の業務の健全かつ適切な運営を確保するため、特に必要があると認めるときはその必要の限度において報告徴求、立入検査を行うことができるとされておりますけれども、この委託先に対して業務改善命令を行うという制度にはなっておりません。

#104
○音喜多駿君 金融事業者ではないので直接的には難しいということなんですが、一定の影響力は及ぼすことができるということで理解をいたしました。
 これからこのサービスのデジタル化、これ地銀でも一層進めていかなくてはなりませんから、金融庁としても信頼性確保の手段をこれ幅広く持っていただきたいと思います。
 さて、今後地方銀行に影響を与えると考えられるのが、現在内閣府などで議論されている給与のデジタル払いの解禁です。これまでの給与の支払についてほぼ独占的な立場にあった銀行、そして店舗網、ATM網が充実していることで地域における優位性を保っていたこの地銀にとって、デジタル払いが解禁されますと、知名度のあるメガバンクやネット銀行、さらには資金移動業者を給与支払先に指定する企業や個人が増える可能性があり、地方銀行のビジネスモデルが揺らいでしまうんじゃないか、そういった懸念、見方もございます。
 そこで、給与のデジタル払いが地銀に与える影響につき、金融庁としてどのように捉えているのか、見解を伺います。

#105
○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。
 御指摘の賃金の資金移動業者の口座への支払、いわゆる給与のデジタル払いについては、現在、厚生労働省に設置された労働政策審議会において、労使双方の意見を踏まえつつ検討が行われていると承知しております。
 したがって、現時点で地域金融機関に与える影響について確たることを申し上げることは困難ではございますが、金融庁としては、各地域において金融機関が十分な利用者保護を図りつつ利用者のニーズに応えた金融サービスを提供していくことが重要と考えております。

#106
○音喜多駿君 まあまあ、結論が出ていないから議論を見守っているというスタンスなんだと思いますけれども、給与のデジタル払い、これはフィンテックを進めるためには非常に重要であり、解禁を推進するべきだと私は考えております。
 一方で、これは、地方銀行については、先ほど述べましたように優位性が崩れると、こういう可能性があるわけですから、対抗できるだけの利便性のあるデジタルサービスの充実を促すということが同時に必要であると考えます。
 また、地方銀行を支えている、先ほど言ったNTTデータさんのようなサービス事業者にも信頼性の確保を一層高めてもらうということも重要であり、今般発生したアプリの不具合などはできる限りあってはならないことであると考えます。
 この給与のデジタル払いに対応すべく、デジタルサービスの拡充と信頼性の確保を地銀とデジタルサービス事業者に求め、そしてまたこれを支援していくべきと考えますが、麻生大臣の見解をお伺いいたします。

#107
○国務大臣(麻生太郎君) 今おっしゃったように、賃金の資金移動業者というものに対しての口座支払、いわゆるデジタル給与という話なんでしょうけど、今、厚生省じゃない、厚生労働省との間で今審議が行われていると聞いているんですが、このデジタル払いはさておきとして、一般論として言って、地域の金融機関においていわゆるデジタル化に取り組むというのは、これは利用者保護を図っておかないとこれとてもえらいことになりますので、利用者保護を図って利用者の信頼も得ておかないかぬということなんだと思いますので。
 かつて、音喜多先生生まれる前、俺たちの給料は全部現金払だった。あれが銀行払いになって、支払といって紙一ひら来て、全く重要性がなくて、うちは炭鉱やっていましたので、炭鉱の支払、全部現金がいきなり変わったから大騒動でしたな。何だこれとか言われて、そういう、これも似たようなことになりかねぬと、御年配の方なら。ということになりますので、よくよく、厚労省の言うように、現場との話をよくよくしておかないとこの話は無駄な騒ぎを起こしかねぬというところはより良いサービスというものをやる上での大事なところだと思いますので、そこらも踏まえた上で対応していかないかぬだろうなと思います。

#108
○音喜多駿君 時代の流れと申しますか、私は給与を現金でもらったことないんですけれども、ただ、取っ払いの日払のアルバイトとか行くと、時々、はい、一万円とかくれる現場とかもありまして、その方がやっぱり確かにもらった感じがあるというのは非常に実感としてはよく分かります。
 ただ一方で、このデジタル社会ですから、やっぱりもらったもらわないというようなこともありますし、確実にこのエビデンスが残るデジタルのやり取り、これ不可避だと思いますので、しっかりとこうしたものも金融庁としての対応を考えていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、菅政権が創設意欲を示しているこども庁構想に関連してちょっと幾つか質問させていただきたいと思います、財源にも関わりますので。
 麻生大臣もよく国難とおっしゃっている少子化対策のためにも、子供に関する政策を一元的に担当する省庁をつくって抜本的な解決を図っていくと、これは方向性としては期待ができるものだと思います。
 一方で、省庁の線引きが変わるだけの組織、見た目は司令塔、中身は横並びレベルの取りまとめだけ、そういった組織になってしまうのではないかというのも懸念はされるところであります。
 幼保一元化のときも、結局あのとき、一体化するんだと、一元化するんだという期待がありながら、結論としては、厚労省、文科省、そして内閣府という三元化したということで、現場の事業者からもいまだに非常に極めて厳しい評価の声があるというわけですから、この二の舞になってはいけないというふうにも思っております。
 そして、財源の方で見ると、対GDP比で考えると、我が国の少子化関連の政府支出は欧州各国に比べて半分程度しかありません。もし本気でこども庁が司令塔となって少子化対策を行っていくのであれば、予算や人事について、財務省やあるいは人事局に強く、いや、財務省や人事に強く当たる権限を与える必要があるのではないでしょうか。
 そこで、現状、子供が対象の施策について、縦割り行政の弊害が具体的にどのようにあると考えているのか、また、こども庁の創設に際しては人員や権限を潤沢に持つ組織というのが求められていると考えますが、この実現のための課題について、現状の内閣府の見解をお伺いいたします。

#109
○政府参考人(藤原朋子君) お答え申し上げます。
 子供に関する施策、様々多岐にわたっておりまして、政府におきましては、個々の課題に応じて関係省庁が連携をして取組を進めているところでございますが、このうち、例えば私ども内閣府の子ども・子育て本部では幼児教育・保育等の子ども・子育て支援につきまして所管をしておりまして、厚生労働省や文部科学省と連携を図りながら施策を推進しているところでございます。
 御指摘の組織の在り方につきましては、先般、自民党有志の勉強会において提言がまとめられ、子供の政策について所管する組織の在り方を含めて議論が行われた結果、提言がまとめられたと承知をしております。また、今後、自民党におきまして更に検討が進められていくというふうに承知をしておりますので、その議論をよく注視をさせていただきたいと思っております。
 いずれにしても、私ども、未来を担う子供たちを社会全体で支えていくことが大事であって、内閣府としても子ども・子育て支援施策を総合的に推進をしていきたいと考えております。

#110
○音喜多駿君 まず自民党内で、与党の中で議論をされていると、それ見守っていくというのがスタンスなんだと思いますけれども、いろいろ話聞くと、自民党の議員の中でも本当に百花繚乱というか同床異夢、目的は一緒なんだけれども皆さん考えていることは違うという状況のようでありますが、いずれにせよ、これは必ず省庁の皆さんに降ってかかってくる話題でありますし、いろいろ報道も出ているように、腹案というのはもうお考え始められているんだと思いますので、先ほど申し上げたような二元、三元行政にならないようにという、その二の舞繰り返さないように検討をスタートしていただきたいなというふうに思っております。
 我々も対案出していきたいと思っているんですが、その今の子育て関連の予算でいいますと、今国会にて二本セットで提出されている子ども・子育て支援法の一部改正案、そしてあと児童手当法の一部改正案、これは非常に問題だと思っております。
 これ、もちろん内閣委員会で議論するんですが、これ財源論なので私これちょっと聞きたいんですけれども、児童手当の見直しをして待機児童対策などの財源不足を解消すると、こういう立て付けになっておりまして、これ子育て予算の付け替えにすぎない、そういうものになっていると思います。子育て関連の予算を増やさずに子育て予算の枠内で調整をしたこの理由について改めてお伺いいたします。

#111
○政府参考人(藤原朋子君) お答え申し上げます。
 子育て世帯に対する支援といたしましては、これまでも一昨年の幼児教育、保育の無償化などを行っており、また、今般、不妊治療助成の拡充ですとか新子育て安心プランの実施による待機児童の解消などを行い、子育て世帯全体への支援を充実させているところでございます。
 このうち待機児童問題につきましては、四年間で十四万人分の保育の受皿を整備をすることといたしました。この運営に毎年度必要となる追加費用につきましては、今般の児童手当の見直しにより生ずる財源とともに、企業からも一千億円を追加拠出をいただきまして所要額を確保しているところでございます。
 児童手当の特例給付の見直しにつきましては、さきに述べましたこの総合的な少子化対策を進める中で長年の課題である待機児童問題を最終的に解決を図るというものでございまして、全体のバランスを考えた上での措置であるということを御理解いただきたいというふうに考えております。

#112
○音喜多駿君 全体のバランスを考えて御理解いただきたいということなんですが、全くこれは理解できません、私は。
 というのも、まず、そもそもこれ、本法案は二本セットで提出されているわけですが、今の御説明、なかなか苦しいと思います。必要な財源は子育て支援の枠内で移動させている、この対応では、子育て予算、支援全体に係る予算はやっぱり増えないわけですよね。
 そして、この削減策によって打ち出される政治的メッセージというのがこのたった、たったという表現があれですが、三百七十億円、今回の手当のカットによって生み出される三百七十億円と引換えに打ち出されるこの政治的メッセージというのが余りに強烈であり、これ政府が子育て支援に後ろ向きであると、こういうふうに捉える国民というのは非常に多くいらっしゃると思います。コロナ禍で出生率が激減して誰もが危機感を感じるこのタイミングで、三百七十億円の財源を生み出すために本当にこの児童福祉手当の見直しというのが今やるべきことなのかどうかというのは強く疑問が残っています。
 加えて、子育て関連予算を増やすことは、消費税増税の際に政府がした国民へのお約束です。少子化社会対策白書にも、幼児教育、保育、子育て支援の質、量の拡充を図るためには、消費税率一〇%への引上げにより確保する〇・七兆円程度を含めて一兆円超程度の追加財源が必要とされており、政府は、追加で必要となる〇・三兆円超の確保に最大限努力するものとされている、このように明記がされています。
 じゃ、この〇・三兆円の確保については現状どうなっているのか、これ、まず財務省にお伺いいたします。

#113
○政府参考人(宇波弘貴君) 子ども・子育て支援分野の充実でございますけれども、消費税増収分を活用してまず予定されていた〇・七兆円分、この分の充実を着実に実施をする。このことと併せまして、さらに、一〇%への消費税率引上げ時に行った消費税収の使途を変更いたしまして、これと事業主拠出金の追加の拠出と合わせまして更に二兆円規模の財源を追加投入をし、保育の受皿の大幅な拡充、あるいは幼児教育、保育の無償化、高等教育の無償化などの取組を進めてきたところでございます。そういう意味では、消費税の引上げに際して、〇・七兆円を大きく超えるような様々な子ども・子育て支援の充実をしてきたところでございます。
 御質問のありました〇・三兆円超の分につきましては、これまで、保育士などの二%の処遇改善の実施、副食費相当額の免除措置の拡充など、財源を確保しながら可能なものから順次実施してきたところでございます。
 引き続き、子ども・子育て支援を着実に実施するため、関係省庁とも連携し、各年度の予算編成過程において必要な財源の確保に努めてまいりたいと考えております。

#114
○音喜多駿君 これも多方面から指摘されていると思いますが、お金に色は付いていないので、予算が増えているというふうないろんな答弁出てくるんだと思いますけれども、当初予定されていたような、そしてこの少子化社会対策白書に書かれているような形で〇・三兆円超の確保、これがなされたとは、私は今の説明では納得できない、なされてはいないというふうに思います。やっぱりこの確保が見えてこない、子育て支援に対して国民との約束であるその確保もできていない状況で児童手当をカットする、こうしたものは承服できませんし、このままこども庁を創設したとしても、名ばかりで看板の付け替えをしたと、選挙前でいろんなことをされたいという思惑もあって、そういったものでは意味がないわけであります。
 そこで、このテーマの最後に大臣なんですが、追加で必要とされているこの〇・三兆円超の確保、これは明確にしっかりと早急に行うと同時に、子育て関連の支出というのは欧州並みにもう倍増、もう大幅にアップさせるべきと考えますが、大臣の所見をお伺いいたします。また、こども庁構想に対しても、大臣、何か受け止めがあれば教えてください。

#115
○国務大臣(麻生太郎君) この御指摘のあった子育て支援に係る〇・三兆円の施策の話ですけど、その一部については必要な財源というのを確保して実施してきたところなんですけれども、引き続き各年度の予算編成というものの過程においてこれは検討していきたいと思っておりますんですが、この家族関係社会支出というものについては、国民負担の違いなどもあって、一概にこれは、海外と比較というのはなかなかこれはできないんですが、少子化というのは、これは我が国にとって中長期的には最大の国難と言うべき問題だと思っていますので、この子育て支援については、安定的な財源というものを確保して全体として前に進めていくという必要があるんだと思っていますので、国民負担が三〇%とかいろんな表現があるんですけど、よくよくここのところは検討した上でやっていかないかぬと思っております。
 今、こども庁の話も、これは自民党の中でいろいろ有志の間で議論が行われて、総裁というか総理の方からも党に対して検討を進めるように指示があったというように理解していますけれども、まずは、いろいろこれは、幼稚園と保育園と幼保一元化の話に絡んで、これは、私はここに来てから四十年ぐらいになりますけど、ずっと同じ話をやっているような感じがしますから、これは簡単にはいかぬですよと、それはそう思いますけどね。

#116
○音喜多駿君 ありがとうございます。
 簡単にはいかぬですよというコメントをいただき、本当そのとおりだと思います。
 これ、本当に仮にこの一元化をして子供に関する施策をまとめるとすれば、厚労省、文科省というところの大半の権限を集めなきゃいけないわけですから、これは全省庁を解体して解体的出直しをするぐらいの、そういう大きな話に私はなりかねないというか、本当にやるならそうすべき話だと思うんですよね。
 ですから、そのレベルでしっかり問題解決になるのかどうか、我々は別に構想を否定しているわけではありませんから、しっかりと対案を作って建設的に議論してまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。

#117
○上田清司君 国民民主党・新緑風会、新緑風会の上田清司です。
 本日は、黒田総裁におかれましては、お忙しい中お出ましをいただき、ありがとうございます。
 早速ですが、三月十九日のより効果的で持続的な金融緩和を実施していくための点検というこの報告書、一ページには、雇用、所得環境が改善した、企業の労働生産性を向上させた、物価上昇率はプラス状況が定着した、良好な経済状態が続いた、日本経済の中長期的な課題についても前向きな動きが進んだと、非常にいいことずくめのことが書いてあります。
 一方、同じ日にちと次の日、三月十八日、十九日の金融政策決定会合における主な意見、この主な意見を黒田総裁が取りまとめられた形になっているわけでありますが、ここでは少し斜めの見方も書いてあります。我が国の景気は、内外における新型コロナウイルス感染症の影響から引き続き厳しい状況にありますが、基調としては持ち直している。我が国の景気は、海外経済から持ち直す下で改善基調にあるが、感染症の影響などで下振れリスクが大きい。また、先行き経済は回復するものの、引き続き我が国の物価の動きが弱いと見ている。インフレ予想は弱含んでおり、賃金も上がりにくく、各種部門ショックが物価を当面押し下げするリスクが大きい。欧米と異なり、日本ではインフレリスクよりも依然としてデフレリスクの方が高いと。ある意味ではちょっとニュアンスが違うなと。
 また、日銀展望レポートでも、どちらかといえばちょっとニュアンスが違うということでありますが、場合によっては異なる見解になっているんではなかろうかと私は少し驚いているようなところもあるんですが、こちらのニュアンスの差というのはどのような形で黒田総裁は思われているのか、確認させていただければ幸いです。

#118
○参考人(黒田東彦君) まず、点検自体は、御案内のとおり、これまでの金融政策を振り返り、さらに、コロナ感染症の影響が長引く下で、今後とも必要な金融緩和が効果を発揮していくためにどういう見直しが必要かという観点から行ったわけでございます。
 他方で、毎回の金融政策決定会合あるいは展望レポートの場合は、足下の景気動向あるいはその先の景気、物価動向についての議論が中心になりますので、一見違うように見えますけれども、基本的に日本銀行の政策委員会としての考え方が違っているというわけではないということを御理解いただきたいと思います。
 その上で、今回の点検では、金融緩和が効果を発揮してきたことは確認したんですが、同時に、市場機能あるいは金融仲介機能へ与える影響についても分析いたしまして、それらを踏まえて、副作用を抑制しつつ、より効果的で持続的な金融緩和を実施するための政策対応を行ったわけでございます。
 具体的には、例えば市場機能の維持と金利コントロールの適切なバランスを取る観点から長期金利の変動幅を明確化したと。あるいは、金融仲介機能への影響に配慮しつつ、機動的に長短金利の引下げを行うことができるように、貸付けに関して貸出し促進付利制度、利子を上乗せするという制度を創設いたしました。さらに、日本銀行が受け入れる当座預金のうちマイナス金利が適用される部分が過大にならないように、当該部分の算出方法の技術的な調整なども行っております。
 このように、今回の点検は、緩和の効果だけでなくて副作用にも配慮しながら各種の政策対応を決定したということであると御理解いただきたいというふうに思います。

#119
○上田清司君 同じことを言っているんだというお話でありますが、雇用・所得環境が改善した、リーマン・ショック、東日本大震災の後でありますので、そこそこ良くなるのは当たり前でありまして、雇用も、高齢者あるいは女性の参加、これも、ダブルインカムをしなければ暮らしていけない、あるいは老後不安だということで働いている、こういう環境もあることも事実だと思います。
 企業の労働生産性が諸外国と比べて極めて低いことも御承知のとおりであります。物価上昇のこのリスクより、むしろデフレリスクの方が大きいというふうなこともわざわざ書いてあるぐらいですから、プラス状況が定着したというには、なかなか表現としてはオーバーではないかと思っております。
 幾つかそうした点も踏まえて、二〇一六年九月に総括的な検証、この中では、極めて、いわゆるマイナスの部分に関しても率直に取りまとめておられます。なぜ二%の物価上昇が実現できないのか。先ほども西田議員の質疑に対してのお答えもされました。原油価格の下落など、また、幾つかの事例がありますが、ちょっと省略させていただきます。あるいはまた、マイナス金利が金融機関の収益に与える影響が大きくなる傾向がある、収益の金融機関体力への影響は蓄積的である、また、長期、超長期金利の過度の低下は保険や年金などの運用利回りを低下させる、マインド面などを通じて経済活動に悪影響を及ぼす可能性があると、二〇一六年の九月には総括的な検証でこのようにまとめておられます。
 そのとおりだというふうに思っておりますが、この総括的な検証でいう、収益の金融機関体力への影響が蓄積的と言われましたが、まさにそれが今回の質疑の私のポイントであります。この破綻金融機関の処理のための報告、これが厚くなっては困るなと、薄い状態であってほしいという意味であります。
 なぜならば、平成十三年三月以来、金利の二元化が進んでおります。御承知だと思いますが、金利が〇・五未満と一二%以上の部分に分けると、それぞれ倍になっているんです。真ん中がなくなっているんですね。どんどん、金利が少なくて、住宅ローンだとか、そうした企業の低金利での貸出しなんかあるんですが、一方では一二%以上の金利が倍になっているんですよ、貸出しが。これ何なんだといったら、これは実は、いわゆる大手銀行の系列の子会社のカードローンですよ。一二%以上の金利で新たなるサラ金が始まっているんですね。本体がもうからないので子会社でもうけるという仕組みですね。
 その究極の技が、いわゆるアパートローンでありますよ。そして、有名なところがスルガ銀行に代表されるような犠牲者をたくさん出すと、こういう仕組みになってきているんですね。収益がない、ゆえに体力が落ちてきている、それがどんどん蓄積していますねという、そういう総括的な検証までされておられますが、そのとおりになっているんですね。そして、おまけに金融庁長官まで、前の森長官まで、地銀が泣き言を言っていると、泣き言を言う前にスルガ銀行のまねしてみろなんて言っているんですよ。ばかなことを言っているんじゃないと。そういう長官が金融庁におられたわけですよ。
 こういうことに関して、まさにマイナスの副作用がこの超金融緩和によって起こっているんではないかということに関して、総裁のお考えをお伺いしたいと思います。

#120
○参考人(黒田東彦君) 御指摘のこの二〇一六年に実施した総括的検証では、量的・質的金融緩和の効果を検証するとともに、超長期金利の過度な低下が経済活動に悪影響を及ぼす可能性、あるいは金融緩和が金融機関収益に累積的なマイナスの影響を与える点を指摘しております。
 こうした認識は現在も変わっておりません。今回の点検でも、超長期金利の過度な低下がマインド面などを通じて経済活動に悪影響を及ぼすことが示されております。また、収益の金融機関体力への影響は累積的なものであり、金融機関収益の下押しの長期化によって、一方で金融仲介機能が停滞方向に向かうリスクと、他方で過熱方向に向かうリスクと、双方に注意する必要があるということを改めて認識しております。その上で、先ほど申し上げたとおり、副作用を抑制しつつ、より効果的で持続的な金融緩和を実施していくための各種の政策対応をこの点検の中で行ったわけでございます。今後とも、緩和の効果だけでなく、様々な副作用にも十分配慮しながら、丁寧に政策運営を行ってまいりたいというふうに思っております。

#121
○上田清司君 今、副作用にも十分注意しながら政策の打ち込みをしていきたいということで、ある意味では副作用ということを認めていただいているわけでありますが、金融担当大臣としての麻生大臣、先ほどちょっと申し上げましたが、〇・五%未満の金利と一二%以上の金利がそれぞれ貸出しが倍になっているというこの目下の情勢の中で、言わば犠牲者もたくさん出てきているという状況で、こうした収益の金融機関体力への影響というのが相当この超金利政策で出てきているところですが、こうした部分に関して、本当に今のままでいいのかという疑問を私も持っております。
 一定の評価をするものですが、そろそろ転換点なり何らかの形があるべきではないかという西田議員からも御指摘がございました。私もそのように思っているところですが、いかがでしょうか。

#122
○国務大臣(麻生太郎君) これ御存じのように、これ金融政策に関します具体的な話、これはもう日本銀行にまず委ねられるべきだという大前提の下で、今、マイナス金利という言葉が出るようになって数年たちますけれども、金利だけじゃなくて、例えば、そうですね、我々のおりました長崎とか九州でいえば、あそこの肥後銀行や十二、八十二銀行、いずれもこれ人口が減ってきて、言うなら合併ということになったんだと思いますし、ほかにも山陰の地方でそういったところ幾つか出ていますけれども、いろんなものが出てきていることは事実です。傍ら、今六十何行ある、そんなに必要かよという御意見もこれは昔からある話等々、金融機関をめぐります環境というのは金利以外にもいろいろな問題がいっぱい出てきているんだと思っておりますけれども。
 今言われましたように、低金利だとなかなか利ざやで食えるという時代でありませんし、また同時に、リーマンのときは金がなかったんですけど今は金がありますものですから、安くしないと、金を借りてくれる営業を銀行がしないといかぬ時代。頭取室に踏ん反り返った人が、金借りに来るという時代じゃありませんからということになっておりますので、いろんなところを考えないかぬと思って日銀もやっておられるんだと思いますけれども。
 少なくとも、日銀の準備金に積んであった金、あれ、マイナス金利だったあれは一応ゼロにはなっていますけれども、今度、間違いなく貸せば、今の状況で新たに貸せば〇・一付けますという、日銀が地銀に金貸したら金利付けてやるなんていうことを今度やっておられますけれども、いろんな意味で、日銀もそういったことを考えながらやっておられるんだと思いますが、これは経営能力、経営格差、いろんなものが付いてくるんだと思いますが、今言われたちょっとそういったような話とこちらの高い話と、ちょっと両極端の話というのは、ここはどうやっていくか、ちょっと私の所管ではありませんので何ともお答えのしようがありませんけど、少なくともこれによって金を借りている側の利用者、これちょっと数が多いので、こちらの方のいわゆる資金繰り等々の対策に支障が来すというのだけは私らにとって一番問題なところなので、そこらのところはそういった影響が出ないように、幸いにして今のところ相対的には安定をしておりますし、リーマンのときやらその前の、そうですね、アジアの通貨危機のときに比べりゃはるかに銀行の内容はしっかりしておりますので、そういった意味では、自己資本比率見ましても高いものになっておりますから、今のところすぐという話ではないかとは思いますけど、長期的にきちっと見ておかねばならぬなとは思っております。

#123
○上田清司君 ありがとうございます。
 この地域における金融機関、とりわけ小さな町や小さなエリアになればなるほど一種のコアになっております、単にお金を貸すだけではなくて、人材も含めた、情報も含めたですね。これが合併して大きなところのさる支店にしかすぎないという形になってくると、どうしても、金融機能は果たすんですが人的機能やあるいは情報機能というのが弱くなります。例えば、その町の何らかな形での委員を出すとかあるいは何らかな形で町の様々な行事に顔を出すということも本社に聞かなければとかそういう話が出てきて、地方の振興の妨げになるような傾向があることも事実なんです。これはもう現に起こっております。
 そういう意味では、できれば残ってしっかり事業が展開できるようにするというのが私は本来だと思います。地方を活性化させるということに一つのポイントをしっかり当てるならば、そうだと思っております。そういう意味で、是非そういう御理解もしていただきたいと思っております。そのためには、また日銀の様々な副作用に関する、それをカバーするような仕組みというのはしっかり考えていただきたいと思います。
 最後に、総裁は、やっぱり株価に、総裁のコメントというのは株価にも影響を与えますので、常に強気強気というのが、まあやむを得ない仕儀だとは思っておりますが、二年で二%の物価目標の実現の見通しも六、七回、私の記憶では変えられたし、現在ではもういつやるということも言われておりません。幸い、全ての世界の主要国は金融緩和をやり、大量に流通をしておりますので、ある意味では、為替も変動がなく安定はしております。ただ、まさに禁じ手みたいなことをずっと続けているわけですから、こんなことがいつまでも続くわけがないと私は思っておりますし、しかも、この金融緩和を、超金融緩和を通じても経済成長は一%程度ということですので、必ずしも私はこれは成功しているとは思えないんですね。
 この点について日銀総裁の考え方を伺って、質問の終わりにしたいと思います。

#124
○参考人(黒田東彦君) この点につきましては、委員が御指摘になったような今回の点検でかなり長い期間の金融緩和の効果というものを指摘しておりまして、ただ、その一方で、やはり様々な副作用というものがあるということも同時に指摘して、その副作用に配慮しつつ、二%の物価安定の目標を実現するために粘り強く金融緩和を続けていくということが必要であり、そのための点検を行ったということでありまして、八年間、量的・質的金融緩和を続けてきたわけですけど、まだ二%に達していないということは大変残念ではありますけれども、今後とも、物価安定の目標に近づくべく、あるいはそれを実現すべく、適切な金融政策を行い、また、その関係のことについて、戦略とか方針について金融政策決定会合で議論して、適切に情報発信をして、マーケットとか関係者にもこの日本銀行の金融政策の方向、在り方というものを十分お知らせしていくということをしてまいりたいと思います。

#125
○上田清司君 ありがとうございました。
    ─────────────

#126
○委員長(佐藤信秋君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、岩本剛人君が委員を辞任され、その補欠として山田太郎君が選任されました。
    ─────────────

#127
○大門実紀史君 大門です。
 最初に、委嘱審査のときに取り上げさせていただきました大手損保による損保代理店に対する優越的地位の濫用、代理店いじめですね、その問題について、そのときに三つ金融庁にお願いしたことがございます。その後の対応を伺いたいと思いますけれども、一つは、この大手損保による代理店いじめといいますか、そういうものは全国で起きている問題でございますので、各地方財務局でそれぞれ地域の中小代理店の声を聞いてあげてほしいというお願いをいたしまして、既に近畿財務局や福岡の事務所などでは対応していただいているところでございますけれども、ほかでも全体で、全国で起きておりますので、どこ行っても、そんな問題知らないとか、門前払いとか、あるいはよく分からないから帰ってくれというようなことがないように、各地方財務局に徹底してほしいというお願いをいたしましたが、その後の対応はどうなっているか、お願いいたします。

#128
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 財務局における損保代理店からの相談対応の徹底につきましては、先月三月二十四日に全国の財務局に対しまして事務連絡を発出いたしまして、代理店からの相談については丁寧に対応するように周知徹底を図ったところでございます。

#129
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 特に前回取り上げた福岡と九州では、この三大損保、それぞれいろんなことが起きておりますので、福岡事務所以外の事務所でもきちっと話を聞いていただけるようにお願いしたいというふうにお願いしておきます。
 二つ目、前回お願いしたのは、大手損保の本社自身が自分のところの関係の代理店の相談窓口を設けるべきだと。要するに、大手、本社の方針もあるんですけれど、各支社やあるいは現場の社員がやり過ぎて、高圧的な、もうパワハラ的な、あれこれやることが多かったわけですね。そういう点では、本社が代理店の方々の相談を受ける窓口をつくるべきだということを申し上げましたけど、その大手損保、特に三大メガ、四大と言ってもいいですけれど、そこの本社としての代理店対応の窓口の設置ですね、これはどういうふうになりそうですか。

#130
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 大手の損害保険会社におきます代理店の声を聞く相談窓口の設置につきましては、既に設置済みのところもございますけれども、まだ設置していない大手につきましても、現在、直接本社に相談できる窓口を設置すべく準備をしているところということでございまして、ゴールデンウイーク前後には稼働できるのではないかというふうに聞いております。

#131
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 これも金融庁の指導によってつくる方向になっているということで、ありがとうございます。
 三つ目にお願いしたのは、そもそも代理店の組織として日本損害保険代理業協会というのがあるわけですね。日本代協でございます。本来は、代理店の組織ですから、この日本代協が現場の代理店さんの声をよく聞いて、それを大手損保に伝えるべきだということも申し上げました。その点で、金融庁として日本代協に働きかけていただきたいということを申し上げましたが、この点ではその後どうなっていますか。

#132
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 金融庁と日本損害保険代理業協会との意見交換会につきましては、今月二十七日に開催を予定をしておりまして、その際には、各都道府県の代協会長にもオンラインで参加をお願いしたいというふうに考えているところでございます。

#133
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 三つお願いして、全て機敏に対応していただいております。感謝申し上げたいと思います。
 今日でこの問題を取り上げたのはもう国会で十回目になります。金融庁の迅速な誠実な対応でいろいろ改善も進んできておりますが、ただ、根本的には、一方的な手数料の引下げとかポイント制度、あるいはそもそも契約の仕組みが大手損保に有利になるような仕組みになっているとか、あるいは代理店を整理、淘汰する戦略を持っているとか、いろんなことがありますけれども、余りにちょっと前近代的で、民民の契約というにも恥ずかしい、ちょっとそれでは片付けられないような優越的地位濫用の疑いの濃い事例が多過ぎるんで、一つは公正取引委員会への訴えということも準備されているようですし、もう一つは、金融庁頑張ってもらっています行政からのアプローチということがあって、全体として、何というんですかね、本当に大手本位じゃなくて顧客本位の健全な業界にしていく必要があると思いますので、引き続き金融庁の御協力をお願いしたいと思います。
 次に、資料用意いたしましたが、これも先日取り上げましたが、闇金融の問題です。後払い現金化という闇金融が今横行しているという話をいたしまして、商品を介在させることで貸金業じゃないということでカムフラージュをして、実際には年利数百%という高金利を貪っている闇金の話でございました。
 金融庁と警察庁に対応をお願いしたんですけれども、これも早速金融庁は、こういう相談を一手に受けてきた被害者支援団体であります、マスコミにも登場しておりますけど、大阪いちょうの会、大阪いちょうの会というのがございますが、そこに直接ヒアリングをしていただくということになっていると聞いております。この点でも金融庁、迅速に対応していただいたと思っております。
 この関係で一点知っておいていただきたいと思って資料を配りましたけど、毎日新聞の記事で、「「借りパク」ネット制裁」というのがあります。
 今、闇金から借りて、もう当然返せなくなるわけですね、暴利でございますので。返せなくなると、昔のように怖いお兄さんが来て脅し付けたり、目ん玉売れとか腎臓売れというような話ありましたけど、今はそういうふうなことはほとんどなくて、何をやるかというと、電話掛けてきて、非常に丁寧な言い方で電話掛けてきて、返していただけないと会社に連絡しますと、おたくの娘さんとか家族に連絡しますというふうにまず脅したりするわけですね。本人はもう追い込まれていますから、家族にも知られたくないということで返すためにまた借りるということで、どんどんどんどんはまっていって追い込まれていくわけでございます。
 もう一つの手法がこの資料なんですけれども、返せなくなったらネットにあなたの、貸すときにいろんな情報取るわけですね、家族から会社からですね、その情報をネットで流しますよと、ネットに全てオープンにしますよということをやるわけでありまして、それが今問題になっておりますが、この人は金返さなかったということをわあっとネットでやるわけですね。これによって自殺に、新聞に記事になっていますが、大阪で自殺に追い込まれた母子の問題が載っておりますけれども、それぐらい抹殺、社会的抹殺に使うようなサイトなんですけど、ここに流すぞということでまず脅すわけですね。で、もう返せなかったら流しちゃうわけですね。そして、もう自殺に追い込まれるというところまで行くと。これも脅しの手段に使って、それでまた借りさせて、とことんとことん借りさせるということをやっているわけであります。
 これは金融庁だけの対応では難しいと思うんですけれど、警察庁、あるいはネットの関係でいきますと総務省も関わるかと思うんですけど、いずれにせよ、金融庁もこれ関心を持っていただきたいし、多重債務対策会議というのが今も一応あるかと思うんですけれど、関係省庁の会議ですね、そういう機会があれば各省庁とも情報交換をしていただいて、こういうサイトが大変なことに使われているということで、省庁間でも、私も警察庁とか総務省には要請いたしますけれど、金融庁も関心持って対応していっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#134
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 金融庁におきましては、貸金業登録を受けずに貸金業を営む闇金融業者を把握した場合には、捜査当局等への情報提供を行うなど、これまでも関係機関と緊密に連携し、厳正に対処してまいりました。
 今御指摘がありましたように、返済できない人の個人情報をネットで暴露するなどの脅しを取立ての手段として用いるものについても、当然のことながら、その存在を把握した場合には、引き続き関係機関と連携し、厳正に対応してまいりたいというふうに考えております。
 また、消費者被害の拡大防止の観点からは、消費者庁等の関係機関とも連携いたしまして、広く一般の方々への注意喚起を更に行ってまいりたいというふうに考えております。

#135
○大門実紀史君 よろしくお願いいたします。
 次に、今日は税務調査とデジタル化の問題を取り上げさせていただきます。
 国税庁が税務調査を行う際に、納税者の銀行口座を調べることがあります。これはむやみやたらにやってはいけないということになっておりまして、プライバシーの問題ありますので。また、銀行調査というのは本人だけではなくて本人の取引先からの入金とか支払とかが明らかになりますので、本人だけではなくて、すなわち取引先の調査もやることになりますので、いわゆる反面調査にもなりますので、今まで国税庁の通達やあるいは銀行業界の申合せなどでも、この銀行口座を調べるということは慎重な対応をしてもらうということになってきておりました。その銀行調査、すなわち税務署から金融機関、銀行にいろいろ照会、問合せをやることですね、これが銀行調査そのものでございますが、それをこれからデジタル化、オンライン化しようという動きになってきております。
 まず、国税庁に伺いますけれど、これは何のためにやる必要があるんでしょうか。

#136
○政府参考人(鑓水洋君) お答えいたします。
 国税当局におきましては、法令の規定に基づき、税務調査等で必要がある場合に、対象者を特定した上で金融機関への預貯金情報の照会を実施してきております。
 このような行政機関から金融機関に対して行われる預貯金情報の照会については、これまで書面で行われてきたため、行政機関及び金融機関の双方にとって大きな業務コストが生じているという課題がございます。そのため、平成三十年一月に取りまとめられましたデジタル・ガバメント実行計画におきまして、官民双方の負担を大幅に軽減するとともに迅速かつ適正な行政事務の遂行を達成するとの観点からオンライン化を図る旨の方針が示されてございます。
 国税庁といたしましても、この方針に基づき、金融機関に対する照会をオンラインに切り替えることを予定しておりまして、昨年十月から十二月にかけ、一部の国税局及び税務署を対象に実証実験を実施したところでございます。

#137
○大門実紀史君 要するに、銀行への照会実務、これはいろいろ手続が要るし、紙でお願いして、回答があってとかいろいろありますよね。そういう事務コストの削減、あるいは郵送で、実地もありますが郵送するコストの削減、そういう、何というんですかね、そういう業務の効率化といいますか、そういうことがあって、資料で示しましたが、ガバメント実行計画で今ちょっとお話があったような実証実験をやろうということになったということでございます。
 次の資料三がその実証実験の図解にしたものでありますけれど、これもちょっと簡潔に、どういう実験なのか教えてくれますか。

#138
○政府参考人(鑓水洋君) お答えいたします。
 委員御指摘のその実証実験についてでございますが、これはオンラインにより照会を行う場合の事務フローですとか、その効率化効果などを検証するために行ったものでございます。
 この実証実験の結果といたしましては、預貯金情報の照会をオンラインで行った場合、郵送に比べて照会や回答に掛かる日数が大幅に短縮できることが確認されたところでございます。

#139
○大門実紀史君 今後に関わるので、この仕組み、実証実験の仕組みをちょっと聞きたいんですけれど、これNTTデータが介在しておりますけど、今後これ本格的に稼働していくときもこういう民間のクラウドとか民間のデータベースを使う、そういう想定なんでしょうか。

#140
○政府参考人(鑓水洋君) お答えいたします。
 ここのクラウドで、クラウドといいますかこのオンラインで行うシステムにつきましては、今郵送で行っているものをまさしく通信手段によって行うというふうに変えていくということでございますけれども、想定してございますのはあくまでも専用の回線でもって行うということでございまして、情報漏えい、そういった問題については万全を期していきたいというふうに思います。

#141
○大門実紀史君 後でアメリカの事例申し上げますけど、こういう民間の企業を介在させるということがどうなのかというのはまず問われなきゃいけないですね、将来ですね。
 もう一つ、ちょっとこれ不思議なんですけど、何でこんな、東邦銀行、福島銀行、これ両方とも福島にある銀行ですよね。あと横浜銀行。何でこういう狭い範囲で実証実験したんですか。

#142
○政府参考人(鑓水洋君) お答えいたします。
 実証実験というのはあくまで部分的に行うものでございまして、これを最終的には全国展開をするということを目標に、それが有効かどうかということを試すというものでございまして、そのためのサンプルといたしまして、仙台局、それから東京局及び今御指摘のありましたような税務署、こういったことを対象にして行ったところでございます。

#143
○大門実紀史君 よく分からないんですけど、横浜銀行というのはあれですよね、昔から大蔵銀行と言われているように、大蔵省、財務省の天下りが多いとか、福島はちょっと分かりませんが、要するに、頼みやすいところに頼んだんですよね、簡単に言うと、協力してくれやすいところにですね。何かそんな気がいたしますけれど、余りこういうところに、この特定の銀行にお願いすると、その銀行というのはちょっと風評が出ますよ。あの銀行は税務署に協力しやすい銀行だというふうになりかねないんで、もうちょっとちゃんと見といた方がいいなと、現場からどう思われるかですね。これはちょっと余計な話かも分かりませんが、申し上げておきたいと思います。
 とにかく、この実証実験で効率化するのは間違いないと。これは当たり前ですよね、紙をデータにするんだから、一般的に効率化しなかったら余計おかしいわけでね。
 ただ、次の資料がございますけど、この問題をどう捉えるかなんですけれど、単純に一言で言いますと、これは納税者のプライバシーを税務署と銀行がオンラインでスムーズに分かち合えるようにするための実験というか、システムの構築であります。
 したがって、税務署と銀行にとっては、銀行についてはちょっといろいろあるんですが、少なくとも事務負担の軽減、これはそうなるでしょうと。そのものは私も否定しませんけれど、じゃ、税務署と銀行が負担が減って良かったねと、良かった良かったということだけで済む問題なのかということで、現場からいろいろ懸念の声が上がっております。
 そもそも、銀行の口座というのはプライバシーなんですけど、プライバシーをのぞかれない権利というのが憲法で保障されております。憲法十三条ですね。裁判例にもあるとおりですね。よく言われるのは、やましいことがないなら見られてもいいじゃないかというような、何で抵抗するんだというようなのがよく出がちですけど、それは、御存じか分からない、ナチス・ドイツのゲッペルスが言った言葉であって、それを基にユダヤ人の人たちのプライバシーを調べて、あれだけ虐殺したわけですね。
 だから、やましいところがなきゃいいんじゃないのというのは、ちょっとここの話は違うんで、よくそこのところはプライバシーはなぜ守らなきゃいけないかということを基本に聞いてもらいたいんですけれど、納税通信という新聞にいろいろもう懸念が書かれております。要するに、この税務調査で納税者の権利を侵害することにつながる危険性が否定できないということであります。
 さっき申し上げましたけど、そもそも、今税務調査で、銀行への照会、問合せというのは、内閣府の資料によりますと、各自治体も問合せするんですよね、地方税とかのことでね。で、国税ですよね。あと福祉関係も問合せとかあって、書面による照会、回答のやり取りが年間六千万件あるそうですね。膨大な数であります。ただ、国税はそのうちの一割ということになりますので、約六百万件が国税からの銀行への問合せ、これだけでもすごい数でありますけれども、私、この税務調査問題、長く取り上げさせてもらっていますけれど、この六百万件がそもそも、大変だ大変だと言いますけど、本当に照会する必要があってやっているものなのか。六百万件というと、件数からいうとほぼ全ての調査、何でもかんでも銀行に照会しているんじゃないかというふうに思ったりするんですね。
 ですから、この手続のデジタル化の前に、照会する必要があるケースだけをちゃんと国税庁の通達どおりやることがまず肝腎で、どんどんやれと言っておいて、数が増えたから大変だと言う前に、きちっとやる必要のあるところだけやるとすればこれ六百万件もならないと思うんですけれど、まずその点いかがですか。

#144
○政府参考人(鑓水洋君) お答えいたします。
 国税当局におきましては、法令の規定に基づき、税務調査等で必要がある場合に対象者を特定した上で金融機関への照会を実施しているというところでございます。
 お尋ねのその六百万件という数字でございますけれども、それは、私どもが集計しているというより、むしろ内閣府の方で金融機関にアンケートを取った結果というふうに承知してございますが、例えば、一納税者について複数の金融機関と取引があったり、あるいは複数の支店と取引があったりする場合、そのそれぞれについての件数の合計額というふうに認識してございますので、私どもとしては、あくまでも、今申し上げたとおり、税務調査等で必要がある場合に対象者を特定した上で照会を実施しているということでございます。

#145
○大門実紀史君 ちょっと具体的に申し上げますね。
 銀行に照会するというのは、先ほど申し上げましたけど、調査対象の本人だけじゃなくて、その取引先まで調べることになります。あるいは銀行そのものを調べることにつながりますので、これは反面調査。したがって、これは調査対象以外の第三者も調べてしまうということがあるので、慎重にということになってきております。
 ですから、これは実地にしろ書面にしろ、郵便でお問合せにしろ何にしろ、デジタルにしろ何にしろ、この反面調査は安易にやってはいけないと、対象の本人以外を勝手に調べることになりますのでね。任意調査でございますので安易にやっちゃいけないということになるわけでありまして、その点から、国税庁の事務運営通達、指針にもそのことはいろいろ書かれております。かなりもう昭和三十年ぐらいから、あっ、二十数年からいっぱい出ているんですね、これに関しての通達類はですね。
 全部を紹介できませんけど、一つ二つ申し上げますと、国税庁の事務運営通達、指針にもなっていますが、取引先等に対する反面調査の実施に当たっては、その必要性と反面調査先への事前連絡の適否を十分検討すると。事前連絡をやる必要がある、やらない必要、やらないというのはよっぽどの事例だと思うんですけれど、十分検討する必要があると。実態として事前連絡をされた例は、私は余り承知しておりません。
 そもそも、この始まりからいって、昭和二十六年の国税庁長官通達とありますけど、そもそもなんですけど、普遍的に個人別の預貯金等の調査を行うようなことはこれを避けると、やらないということに、これが原則だということですね。慎重にするために、それを担保するために、税務署長のちゃんと判こがある書面を持って税務署員は銀行に行って、調べたいと、教えてくださいとやるということまで定められております。
 これらの基本的な姿勢、現場的にいろいろあるんですね。これ、守っているか守っていないかというところはあるし、守っていない例もたくさん指摘させてもらってきたところなんだけれども、少なくともこの基本姿勢は、このデジタル化、オンライン化する上でどのように具体的に担保されるんでしょうか。

#146
○政府参考人(鑓水洋君) お答えいたします。
 今委員お尋ねの通達につきましては、金融機関に対する反面調査が、その通達の発令当時における銀行業務や貯蓄増進に及ぼす影響を考慮して、銀行調査を行うに当たっては慎重を期すべきである旨を指示したものでございます。
 国税当局といたしましては、法令の規定に基づき、税務調査等で必要がある場合に対象者を特定した上で、金融機関等との取引について調査を行わなければ、その者に対する適正な課税、滞納処分等が困難と認められるなど、金融機関等の取引を調査する必要があると認められる場合に実施することとしてございます。
 現在そのような考え方で実施してございますけれども、これは照会方法がオンラインに切り替わったとしても変わるものではございません。

#147
○大門実紀史君 これから制度の構築だと思うんですけれど、今、例えば具体的に、税務署の方が、郵送の場合でこの人の口座について教えてくれというのがありますけど、例えば銀行に行くと、そしてこの方の口座を教えてほしいというときに税務署長の判この押した書面を持っていきますよね。これはデジタルの上でいくと、ただ、何かあれですか、PDFでそういう税務署長の何かを相手に送るということだけになるんですか、ただそういった仕組みになるということ。

#148
○政府参考人(鑓水洋君) お答えいたします。
 ただいま、先ほど申しましたとおり、金融機関に対してオンラインにより照会する場合であっても書面により照会する場合と変わるものではございませんし、また、調査担当者等が金融機関に対して照会を行う場合には管理者の指示に基づき実施することとしておりまして、これは現在そうでございますが、これもオンラインにより照会する場合と書面により照会する場合とで変わるものではございません。したがいまして、デジタル化によって金融機関に対する照会を例えば安易に行うようなことにはならないというふうに考えてございます。
 いずれにいたしましても、オンラインによる照会の全国拡大の際には、職員への指導を適切に行いまして、適正な運用の徹底、確保に努めてまいりたいと思います。

#149
○大門実紀史君 この前、消費者保護の契約書面のデジタル化についてちょっとお話ししたことあるんですけど、これ対面とデジタルというのは、代わりにやれるという簡単なものでもないんですよね、いろんなことがあって。例えば、税務署の人が銀行に行って、税務署長の判こ、署名をもらって見せます。見せてと言っても、その銀行の方もいろいろですよね。何でもかんでも税務署にぺらぺらしゃべる銀行だと信用されないから、どうして必要なんですか、何に必要なんですか、こういろいろ聞いて、いろいろこうやって、しかし税務署も全部言えないと。いろんなやり取りの中でまた支店長に相談に行って、じゃ、これとこれは御覧になって結構ですというふうに、この人と人とのこととかがあるわけですね。
 ところが、これとこれとは言えるけど、これとこれは言えないとか、そのニュアンスも何もないし、じゃ、逆に言うと、これじゃ分からないから、これではお答えできませんからという、特に地銀とか信用金庫にもあるんですけれど、何でもお客さんのこと答えるわけにはいかないと、ちゃんと理由言ってくださいという、やっぱり取引先守らなきゃいけないから、言った場合にお断りすることもあるわけですね、場合によっては、レアケースでね。それはどうなるんですか。断るのは何かボタンでノーとか簡単にやるんですか。どういうふうにして断る、その理由とかどうやってやるんですか、やり取りは。

#150
○政府参考人(鑓水洋君) お答えいたします。
 委員御指摘の点については、金融機関に職員が実際行って調査するようなケースを想定されておっしゃっているんだと思いますけれども、書面の照会は郵送で行うものでございますので、必ずしも職員が金融機関に赴いて言っているというやり方でやっているわけではございません。その書面でやっている照会について、今回はオンラインに変えるということでございます。

#151
○大門実紀史君 申し上げていることは、よく考えていただきたいということなんですね。プライバシー守るというのは非常に大事なことでありますので、調査を何も拒否しろとか、そういう意味じゃないんですよ。プライバシーを守りながらやるのが任意調査でありますので、余計なものまで暴き出すということではなくてね。暴かれたって別に構わなくても嫌なものですよね、何でもかんでも見られるというのはですね。
 参考までにアメリカで今どういうことになっているかというのが最後の資料でございまして、アメリカでは二〇一九年七月に、日本とは逆の方向ですね、納税者ファースト法、これトランプ政権なんですよ、トランプ政権のときに納税者ファースト法というのが成立をいたしました。
 さらに、中身は何なのかという反面調査の関係でいくと、資料六枚目以降がその解説になっております。CNNニューズですね。
 要するに、アメリカでは反面調査の手続に、逆に納税者本人を参加してもらおうという、納税者を大事にしようという改正が行われているんですね。税務署と銀行の関係だけじゃなくて、納税者の声をきちっと聞くと。当たり前です。本人のことなんだから、本人にその手続に参加してもらうという改正がされております。
 いろいろ書いてございますが、全部紹介する時間ありませんが、例えば、反面調査は実施する前に、先立つ四十五日前までに本人に反面調査やらせてもらいますよと、よろしいですかという通知をすると。これちょっと、大変厳しい改正になっております。
 また、大体デジタルというとアメリカの方が先行しているわけですね。さっき言ったNTTどころか、民間企業もいろんなノウハウを持っているんですけど、そのアメリカでは民間のIT企業のプラットフォームを使って税務調査の効率化をやろうなんて発想がありません。発想がありません。アメリカでさえありません。
 このCNNニューズに書いてございますけど、デジタル化による効率化というのは、アメリカにとっては納税者の手続上の権利、納税者の手続上の権利を常時侵害する装置を導入するものであると、こういう捉え方をするわけですよ。常時このデジタル化によって侵害されるおそれがある、そういうものを導入するということになるので、逆に、このデジタル化が進む中で納税者を参加してもらうと、歯止めを掛けると、そういうことですね。デジタル化が進めば進むという、なればなるほど逆にそういうことをきちっと考えないといけないというのがアメリカが先に示していただいていることでありまして、このアメリカのIRSですね、連邦課税庁と日本の国税庁はなぜこんなに違うのかというふうに、違う方向ですよね、安易にやろうと。安易とは言いませんが、何も考えないでただ進めているということではないかということを大変危惧しております。
 これから検討ということなので、その点はきちっとアメリカの例も参考にしながら構築してほしいと。デジタル化一般を反対しているわけではありません、業務の効率化というのはね。あるいは、場合によっては納税者の方も、長い時間調査入って、どうなるか分からない。別に悪いことしていないんだけど、何か間違いがあって指摘されたらという不安とかをずっと抱えるわけですよね。そういう点では、もうはっきりすることははっきりした方がいい場合もありますので、業務のスピード化を何も反対するものじゃありませんが、納税者の権利の点でどうかということを危惧しているわけであります。
 最後に、麻生大臣に伺いますけれど、この前の消費者保護のあれもそうなんですけど、何でもデジタル化すればいいというものじゃなくて、やっぱり対面で、だからこそ守っている世界、守られる世界、いろいろあるわけですよね。そういう点でいきますと、このデジタル化を進めるからこそ権利侵害とか、何といいますか、には重々留意してやる必要がありますので、今まで国税庁、ちゃんとそういう通知は一応出しておりますので、デジタル化に当たっての改めて通知を出すとか、そういうことも含めて、その納税者のプライバシーを侵害しないようなことを考えていく必要があるのではないかと思います。
 ちょっとこれからの方向ではありますけれど、麻生大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

#152
○国務大臣(麻生太郎君) これ、まあ税務調査でなんという話はもう何百年似たような話をずっと我々はしておるみたいなもんなんでしょうけれども、この税務調査というのは仮にも理解と協力、納税者の理解と協力を得て行われるものだと思っておりますので、これは国税の方としてもこのことは十分に理解をした上で、納得した上で、十分にやった上でやらにゃいかぬので、今御指摘のありましたように、法令なんかで定められた手続というのがありますので、その手続を守って税務調査を実施するということになっておりますので、これはデジタル化されてもその基本は変わりませんということだけははっきりしているんじゃないかと思っております。

#153
○大門実紀史君 終わります。ありがとうございました。

#154
○渡辺喜美君 みんなの党、渡辺喜美であります。
 午前中、西田委員と黒田総裁とのやり取りの中で五十年前に留学しておられたときの話をされておられましたが、多分、流動性のわなと言われるものだったんではないんでしょうかね。
 これは、御案内のとおり、金利はゼロにまでしか下がらないので、低金利下では金融緩和幾らやっても効き目ないよと、こういう話なんでありますが、量的緩和というのは明らかに効果があったんですよ。日銀の分析でも、三三%ぐらいは調達コストの影響で効果があったし、三六%ぐらいは株式の上昇による資産効果、二〇%ぐらいが為替の影響だと、そういう分析されておられることを日経の滝田さんが書いておられましたけれども、こういうその黒田プットがなければ恐らく消費増税だけ行われて、日本経済はもっとひどいことになっていたはずなんですよ。
 そういう立場から改めてお聞きいたしますけれども、この前、三月でしたか、私が、衆議院の財金で黒田総裁が長期金利の拡大幅は考えていないとおっしゃったことを非常に高く評価した記憶があるんですが、その後の点検会合でもって、何と、長期金利の幅を〇・五拡大したと。これは国会の説明とどういう整合性があるんでしょうか。

#155
○参考人(黒田東彦君) 今回の点検の中でも明らかにされたわけですが、金利の変動は一定の範囲内であれば金融緩和の効果を損なわずに市場の機能度にプラスに作用するということが定量的に確認されたわけですが、こうした観点から、二〇一八年の七月に強力な金融緩和継続のための枠組み強化を行った際に、市場機能の維持と金利コントロールの適切なバランスを取るため、長期金利の変動幅についておおむねプラスマイナス〇・一%の幅から上下その倍程度変動し得るということにしたわけですが、今回、長期金利の変動幅を上下にプラスマイナス〇・二五%程度というふうに明示いたしましたのは、これまでやや幅を持って表現していたものを明確化するものであって、殊更その変動幅を拡大したというわけではないというふうに考えております。
 と申しますのは、先ほど申し上げたように、二〇一八年七月に強力な金融緩和継続のための枠組み強化を行った際におおむねプラスマイナス〇・一%の幅から上下その倍程度変動し得るというふうにした結果、一時その長期金利の変動幅がある程度拡大したんですが、そういう点で国債市場の機能度が改善したんですけど、その後また変動幅が結果的に非常に狭くなっていったということを踏まえまして、この金利の変動幅についてより明確な言い方をすると。
 一方で、もちろん金融緩和の効果を損なわずに市場機能にはプラスになるという範囲内で明確化をしたというふうに御理解いただきたいと思います。

#156
○渡辺喜美君 黒田総裁の金融政策を評価する立場から、できるだけ好意的に解釈したいとは思うんですがね。
 プラスマイナス〇・二からプラスマイナス〇・二五まで拡大、幅を広げたわけではないとおっしゃいましたけれども、そういう表現がいいのかどうかよく分かりませんが、深掘りの幅も拡大されたと。もう何かあったら、とにかくマイナス金利の深掘りもあるんだよという理解でよろしいですか。

#157
○参考人(黒田東彦君) その点はそのとおりでありまして、長短金利を更に引き下げる必要があった場合に、特にマイナス〇・一%というマイナス金利を深掘りするということになると思いますけれども、その場合に、金融機関の基礎的収益力に対する影響をある程度緩和するために、深掘りする幅のプラス更に付利するということで金融機関が貸出しを引き続き積極的に行えるようにしたということでありますので、これは変動幅の明確化と別な話ですが、確かに、更に必要があった場合には更に長短金利、イールドカーブ全体を引き下げることができるように、金融機関の基礎的収益力に対する影響を緩和する措置を導入したということであります。

#158
○渡辺喜美君 付利というのは余り私は賛成しないんですけどね。日本銀行にお金預けておくよりも民間に貸出しした方がはるかにもうかるわけですよ、金融機関というのはリスク取って何ぼの世界ですからね。日本では、そのリスク管理、すなわちリスクをいかに取るかのアート、技というよりも、いかにリスクを取らないかの隠し芸だと言われるようなこともあったりして、もっと私はリスクテークをできる、そういう金融ビジネスに努めてほしいと思うんですね。
 三月三十一日ですか、野口旭さんと呼ぶんですか、新しい政策委員が着任されますけれども、野口さんが着任される前にこの点検会合やっちまったらいいじゃねえかと内閣参与の高橋教授は言っておられるんですけど、そういうことはないんですか。

#159
○参考人(黒田東彦君) この点検会合を三月中に行ったのは、実は、二%の物価安定の目標を実現するために大規模な金融緩和を実施していますけれども、二%の物価安定目標の実現に至っていないと、また、感染症の影響によって経済や物価の下押し圧力は今後も継続して、二%の物価目標の実現には時間が掛かるということが予想されるということから、当面、感染症の影響への対応が必要であるほか、長期的に二%の目標を達成するためにより効果的で持続的な金融緩和を実施していくことが重要だという認識から、昨年十二月の決定会合において、より効果的で持続的な金融緩和のための点検の実施をするということを表明いたしまして、準備が整ったことから、三月の会合で点検結果を取りまとめて公表したということでございます。

#160
○渡辺喜美君 私は、黒田総裁はリフレ派であると信じたいんですけどね。今度、リフレ派が総裁も入れると五人になるわけですから、これはもう思い切った政策を実現できるようになると思います。
 六月には、今週国会で承認された、中川順子さんとお読みするんでしょうかね、野村アセットマネジメントの伝説の女性CEOですよ。中川さんは事務職で野村に入られたんだそうですね。イメージ的には野村の制服着た女子社員、それが結婚されて一旦退職して、また再就職して野村アセットマネジメントの社長にまで上り詰めたというわけであります。
 日銀のETFの時価総額が今五十兆円をたしか超えているんだろうと思うんですね。そうすると、この日銀のETFを信託しているのは三井住友信託ですが、ここは、私の調べだと三年間で二千数百万円ぐらいの信託報酬でやっていると。一方、アセマネの方は〇・〇八八ぐらいから〇・一一ぐらいですか、上位三社の場合は。TOPIX型じゃない、日経平均型です、あっ、TOPIX型ですね。TOPIX型の場合には上位三社がそんな感じで、これはエコノミストの井出真吾さんというニッセイ基礎研の方が指摘していることなんですけど、何と下位三社でいくと、この手数料もっと低いんですね。〇・〇六から〇・〇七八だというんですよ。
 これは分配金が六千億円以上日銀に入ってきますよね。ここから、分配金から差っ引かれてこの信託報酬、管理手数料が入ってくる。だから、公開していないわけですよ。だけど、何でこの井出さんが、割と正確だと思うんですけれども、出したかというと、ETFの方のアセマネの方は手数料を公開していると、日銀は額を公開していると。だから、大体分かっちゃうんですね。そうすると、これ十年間で一体どれぐらいの手数料払ったかというと、何と二千億円ぐらい払っているという計算になるわけですよ。
 せっかく伝説の女性CEO、日銀に迎えることになるわけですから、この際、どうですか、手数料の引下げ競争でも促すような仕掛けつくってみたらいかがでしょうか。

#161
○参考人(黒田東彦君) 現在、日本銀行が保有しておりますETFの残高は、簿価ベースで三十四、五兆円で、時価ベースでウン十兆円というところでありますけれども、この日銀保有ETFの手数料につきましては、あくまでもこのETFを運用する投資信託委託会社の手数料というもの、これは日本銀行保有のものでなくてETFの保有者であれば誰でもひとしく負担するものであります。
 その上で、日本銀行では市場の需要動向を反映させる観点から、市中流通残高に応じてETFを買い入れるというふうにしております。そういうことから、日本銀行としては、あくまでもその市中流通残高に応じて買い入れておりまして、特別に日銀だけ手数料を引き下げるというようなことは現実的でないと思いますが、いずれにしても、投資信託委託会社に適切にその運用を委託して、そして、今御指摘のように、分配金として、手数料を除いた言わば手取りの額を日本銀行として最近時点だと六千億円程度受け取っているということでございます。
 したがって、手数料について具体的に私の方から申し上げることは差し控えたいと思いますが、御指摘のような額であろうとは思っております。

#162
○渡辺喜美君 別に私は、中川政策委員が利益相反だとか、そんなことを追及したいと思って言っているわけじゃなくて、黒田緩和を好意的に解釈する立場を取りつつ、どっちにしたって日銀の通貨発行益というのは国庫に戻っていくわけでありますから、その国庫納付金に貢献できるような道があるんじゃないのと言っているだけなんですよ。
 日経平均型のETFはもうやめるとこの間決めたんですよね。そうすると、日経平均型の方が手数料は高い、TOPIX型の方が安いわけでありますから、さらにこれ、何かの工夫があれば、日銀だけ安くするというよりも、何かの仕組みでもって、三井住友信託がその注文出すんでしょうかね、もっと安いところ、これたくさんあるわけですから。下位三社なんというのは占率、占有率という、シェアということですかね、八%、上位三社が九二%ですか。ですから、何か仕組みようがあるような気がしてならないんですよ。
 ちなみに、国債って大量に日銀買っていますけど、手数料って払っていないじゃないですか。払っていますか。払っていないはずですよ。ですから、あっ、何かお答えあります。

#163
○参考人(黒田東彦君) 国債については市場から直接買っておりますので、手数料を払う必要はないわけでございます。

#164
○渡辺喜美君 そういう種類のものとETFって明らかに違うと思うんですよね。ですから、せっかくこれだけ黒田緩和でもってこんなコロナ禍でも何とか金融資本市場安定しているというわけでありますから、ちょっともう少し芸のあるお金の使い方やってほしいなと思うんですね。
 国債と同じように手数料なしで買うことができるのが地方債なんですね。地方債は、一切今、日銀買っていません。正直、私はいつも申し上げるように、国債、なかんずく長期国債が日銀の金融政策にとっての王道だと。日銀というのは、昔は短期金利だけだったわけですよね。しかし、私の解釈では、一九九〇年代の終わり頃から日本銀行はもう二刀流にならざるを得ないと、つまり長期金利と短期金利と両方を見るしかないという具合に、もう日本経済が金融パニック、デフレ経済突入で追い込まれてしまったんですね。
 ですから、国債の玉が足りないというんだったら、地方債にまで広げたって罰は当たらないんじゃないんでしょうか。どうでしょうか。

#165
○参考人(黒田東彦君) 現状、日本銀行の資金供給に関して、国債買入れを始めとして十分な手段がありますので、現時点で日本銀行が地方債の買入れを行う必要性があるとは考えておりません。
 なお、御案内のとおり、地方債につきましては、我が国では国が策定する地方財政計画に基づいて地方交付税などによって各地方自治体の財源保障がされているわけです。これは非常に米国その他の国と違う点なんですけれども、財源保障がされておりまして、また地方債の発行に当たっては、国との協議が必要だということになっております。
 そういうこともありまして、地方債と国債の金利というのはスプレッドも安定していて、地方債について何か買い入れなくちゃいけないという必要性があるとは考えられませんし、現時点で委員の御指摘のような国債が足りないというか買い入れる国債がないというような状況にはなっておりませんので、今その地方債の買入れを行う必要があるというふうには考えていないところでございます。

#166
○渡辺喜美君 いつも御指摘申し上げますように、おむすび山のカーブなんですよね。長期保有国債、残存期間六、七年だったかと思いますけど、平均残存期間がですね、これがいっときの八十兆円からもう二十兆円ちょこっとぐらいの水準にまで来ちゃっているんですよ。私に言わせりゃ、やっぱり明らかにこれ玉が足りないということなんだろうと思うんですね。
 一方、地方は、総務省は別に反対していないって国会答弁で言っているわけですよ。そうすると、質問通告していないんで麻生大臣には聞きませんけど、財務省はやっぱり中央集権型の財政構造を守るために、まあ総務省もそういう中央集権型の財政構造には大賛成ですから、それ守るためにステルス、隠し芸で、やっぱり反対と言わずに何かやっているような気がしてならないわけであります。
 昔、昭和二十二年頃でしょうか、一万田総裁という方がいらっしゃって、まあいつものように見てきたような口利いて済みませんけれども、当時は、占領下だけれども戦時体制の統制型システムが物すごく強く残っていた時代ですよ。日本が戦後復興で、川崎製鉄という会社が千葉県かどこかに一貫生産のできる設備を造ろうと。それに対して、インフレ退治が先だという一万田総裁が、そんな融資したらペンペン草を生やしてみせると言ったというすごいエピソードが残っていますけれども、いや、当時の日銀総裁というのはすげえ権限あったんだなと思いますが、今朝の日経新聞の一面トップ見て、ちょっと驚きました。
 何と、中国人民銀行などの金融当局が、十二日というんですから昨日ですかね、アントグループ、アリババのアリペイの運用会社なんですか、アントグループ、去年のたしか十一月かに上場ストップ掛けられたところですよ。いつかも指摘したように、どうもこのアリババを国有化しようという魂胆があるのかなと私は思っているんですけど、アントグループに三回目の事情聴取が行われたと。そして、このアントを金融持ち株会社に転換して、全ての金融事業を当局の監督下に置くよう定めて実施を求めたと。いや、すげえことをやっているんだなと思いますよ。
 中国の新興企業に逆風という見出しになっているんですけど、習近平主席が肝煎りで始めた科捜研じゃなくて科創板というんですか、ハイテク企業向けの市場では、今年に入って何と八十八社が上場手続をやめたということであります。
 上海総合指数なんかを見ていると、どうもピークアウトしている感じがあるんですね。いち早くコロナから回復して、経済も好調だというのが中国の売りだったんですが、世界に先駆けて好調のはずの中国の株価が何かちょっと弱くなっているよなという感じを受けるのは私だけでしょうかね。
 また、アルケゴスというファミリーオフィスがこの前破綻して、何か五倍とか六倍とかのレバレッジ掛けていたというんですから、えっ、ファミリーオフィスってそんなすごいことをやっているのかと改めて驚いた。このアルケゴスは、百度とか中国企業の株をたくさん持っていたらしいんですね。リーマン・ショックのときもそうだったけれども、ゴールドマンなんかはいち早く売っ払って逃げちゃった。逃げ遅れたのが今回は野村とか、もう一つどこかの銀行が報道されていますけれども、どうも私は、こういう話を聞くにつけて、何か異変が起きていそうな感じがしてならないんですね。
 アメリカ経済は、パウエル議長とイエレン長官のコンビでゴー・ツーならぬゴー・ビッグ政策が行われて、長期金利がちょこっと上昇したと。でも、アメリカは日銀のようにイールドカーブコントロールなんてやっていませんから、いつまた長期金利、どおんと跳ね上がっても不思議ではないですね。
 アメリカが金利引き上げると必ずどこかがおかしくなるというのは、これはもう歴史の教訓ですよ。財務官やっておられた黒田総裁にはもう本当に釈迦に説法の話ですけれども、昔のメキシコ危機なんというのもそうだったですね。
 ですから、そういう変調がどうもある気がしてならないことについて、黒田総裁はどういう御認識お持ちでしょうか。

#167
○参考人(黒田東彦君) 現在の国際金融市場の動向を見ますと、やはりワクチン接種の進展、あるいは米国を含む一部先進国での追加経済対策などを背景とした世界的な景気回復期待の高まりから、市場センチメントが改善しているということは事実であります。IMFやOECDも最近新しい見通しを次々に出しておりますけれども、いずれもこれまでの見通しよりも上方修正しているということで、その背景には、やはりワクチン接種の進展と、それから米国を含む一部先進国の追加経済対策などを背景にしていると思います。そうした下で、米国の長期金利が大きめに上昇して、欧州の長期金利も上昇しております。また、先進国の株価は上昇しております。
 一方で、御指摘のとおり、中国を含めた新興国の株価は先進国に比べると上昇が抑制された形になっております。この背景としては、市場ではやはり先進国の長期金利上昇ということが意識されているという声も聞かれております。
 もとより、感染症の帰趨とその影響を始めとして、国際金融市場に影響を与える様々な不確実性があるということはよく認識しておりますので、今後とも国際金融市場の動向を十分注視して、必要に応じて政策対応をしてまいりたいというふうに考えております。

#168
○渡辺喜美君 とにかく日本は十年に一回ぐらい危機に見舞われてきましたので、過去の失敗の事例、これはもう山のように蓄積されているんですね。とにかく、西田委員もおっしゃっておられたけれども、金融政策せっかく吹かしているのに財政で引締めしちゃったりとか、逆のこともあったりして、それが日本の失われた二十年、三十年の歴史をつくってしまったということであります。
 国際金融のトリレンマというのがありまして、自由な資本移動、自由な金融政策、固定相場制、この三つというのは二つまでしか成立しないんだという有名な定理であります。今、日本銀行も四月からようやく、遅ればせながらというんでしょうか、中央銀行デジタル通貨、CBDCの取組というのを始められたと。日本銀行からいただいた資料を見ると全くごもっとものことがたくさん書いてあるんですけど、大体イメージ的には百万円まででしょうかねとか、まあその中央銀行システムすらなくなっちゃう仕組み方もあるんですけれども、中央銀行とか今の銀行システムは温存してやりましょうとか、いかにもモデラートな、方向性とまではいかなくても、そういうところが示唆されているわけであります。
 元大蔵官僚の野口悠紀雄教授によりますと、オーストリアの経済学者、フリードリッヒ・フォン・ハイエクは中央銀行は要らないというお立場だったんでしょうかね。中央銀行の歴史って野口教授によるとそれほど古いものじゃなくて、スウェーデンのリスクバンクが十七世紀ですから。アメリカのFRBに至っては二十世紀になってからできた。日本銀行は松方正義さんなども出資して十九世紀の終わり頃できたというわけでして、このデジタル通貨というのはまさに根本的な問いを我々に突き付けていると言っても過言ではないんですね。
 一方、デジタル共産主義と言われる中国ではいち早く実験に乗り出して、まだ実験の段階だけれども、報道によると、北京オリンピックの頃までにはもう実用化したいんだと。これ、仕組み方によれば、中国人民銀行が全部トレースできちゃうわけですね。いや、これ、すげえことになったな、そこまで監視されるのかよと。香港の活動家の中には、地下鉄乗るのにデジタル通貨なんか使ったらもう全部トレースされちゃう、全部捕捉されちゃうから、わざわざ現金で乗っているなんという話もありますけれどもね。
 日本人は現金が大好きだと。なぜこんなに現金が多いんだというと、それは、私に言わせればデフレだからなんですよ。デフレのときには、もうそれは現金の方がいいわけですよ。価値がどんどん、たんすの中に入れておけば価値がどんどん上がってくれるわけですからね。
 ですから、この現金に代わる匿名性というのは多分デジタル通貨ではできないでしょうし、いや、逆にデジタル通貨にした方が、百万円、デジタル通貨で早く使わないとマイナス金利が付いちゃいますよとかいう設計にすると使われるんじゃないかなんということを言う人もいるんですが、そういう懲罰的なことをやって本当にいいんですかとか思うんですね。
 じゃ、先ほどのそのデジタル人民元の話に戻りますけど、じゃ、このデジタル人民元がいずれドル覇権に代わるすごいことになるのかというと、どうも私にはそう思えないんですよ。それが先ほど申し上げた国際金融のトリレンマというやつで、自由な資本移動もない、為替ターゲットの金融政策、一万田総裁じゃないけれども、相変わらず窓口規制なんてやっている、そういう国の通貨が貿易決済の手段として世界中に行き渡って、それで覇権的な立場を構築できるのかといったら、それはちょっとクエスチョンマークだなと思うんですが、いかがでしょうか。

#169
○参考人(黒田東彦君) 他国の政策について具体的にコメントすることは差し控えたいと思いますが、中国人民銀行自身の説明によりますと、デジタル人民元を発行する目的の一つは、現金発行コストの削減、それから企業の資金回転率の改善といったことを通じた決済システムの効率性の向上であるというふうにされております。また、デジタル人民元については、金融犯罪の防止や金融包摂、モバイル決済が拡大する中であっての金融システムの安定化といった狙いもあると認識をしております。
 いずれにしても、デジタル人民元を始めとして海外の動向、特にこのCBDCの動向についてはBIS等の会議なども通じてよく意見交換もしておりますし、海外の動向についてはしっかりと見ていきたいというふうに思っております。

#170
○渡辺喜美君 これも西田委員が取り上げた話ですけど、東芝の問題、これは次回やりますが、私は外為法改正のときに、これはアクティビスト規制法になる可能性があるよということを御指摘をいたしました。まさに今それが現実のものになりつつある。しかも、産業革新機構とか日本政策投資銀行まで一緒にかもうというわけですから、何じゃ、日本は統制経済にまた逆戻りするのかと、そういう疑問を非常に抱かせかねない問題であります。これは次回に質問をしたいと思います。
 ありがとうございました。

#171
○委員長(佐藤信秋君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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