くにさくロゴ
2021/04/15 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 法務委員会 第8号 令和3年4月15日
姉妹サイト
 
2021/04/15 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 法務委員会 第8号 令和3年4月15日

#1
令和三年四月十五日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十四日
    辞任         補欠選任
     宮崎 雅夫君     渡辺 猛之君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本 香苗君
    理 事
                磯崎 仁彦君
                豊田 俊郎君
                真山 勇一君
                伊藤 孝江君
                清水 貴之君
    委 員
                小野田紀美君
                中川 雅治君
                福岡 資麿君
                森 まさこ君
                山崎 正昭君
                山下 雄平君
                渡辺 猛之君
                難波 奨二君
                谷合 正明君
                川合 孝典君
                山添  拓君
                高良 鉄美君
                嘉田由紀子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        青木勢津子君
   参考人
       日本司法書士会
       連合会会長    今川 嘉典君
       日本土地家屋調
       査士会連合会会
       長        國吉 正和君
       全国青年司法書
       士協議会会長   阿部健太郎君
       公益財団法人東
       京財団政策研究
       所研究員・研究
       部門主任     吉原 祥子君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○民法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
○相続等により取得した土地所有権の国庫への帰
 属に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(山本香苗君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、宮崎雅夫君が委員を辞任され、その補欠として渡辺猛之君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(山本香苗君) 民法等の一部を改正する法律案及び相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 本日は、両案の審査のため、四名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人は、日本司法書士会連合会会長今川嘉典君、日本土地家屋調査士会連合会会長國吉正和君、全国青年司法書士協議会会長阿部健太郎君及び公益財団法人東京財団政策研究所研究員・研究部門主任吉原祥子さんでございます。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、議事の進め方について申し上げます。
 まず、今川参考人、國吉参考人、阿部参考人、吉原参考人の順にお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 また、各委員の質疑時間が限られておりますので、御答弁は簡潔にお願いいたしたいと存じます。
 それでは、まず今川参考人、お願いいたします。今川参考人。

#4
○参考人(今川嘉典君) おはようございます。
 日本司法書士会連合会会長の今川でございます。この度は、意見陳述の機会をいただき、ありがとうございます。
 先月、三月十九日の衆議院法務委員会におきましても参考人として意見を述べさせていただきました。本日も、司法書士についての説明と当連合会の活動を御紹介申し上げるとともに、衆議院での御議論や附帯決議などを踏まえ、改めまして本法案に対する我々の捉え方についてお話をさせていただきます。
 なお、一昨年、実に十七年ぶりに司法書士法が改正されまして、我々は法の中に使命規定を持つに至りました。先生方におかれましては、お力添えをいただいたことに対しまして、改めてこの場をお借りしてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
 資料の御紹介をいたします。お手元にこのようなクリアファイルで配付をさせていただいております。この中には、当連合会並びに全国の司法書士会における相続登記促進に向けての活動のパンフレット、あるいは、一般の方に今回の法改正の趣旨を簡単に説明するQアンドA、それから、そもそも相続、相続登記はどういうものかということを市民に分かりやすく説明するためのハンドブックなどであります。特にこの「よくわかる相続」というハンドブックは、市民や自治体に対して今まで累計五十一万部配布をさせていただいております。もちろん無料で配布をさせていただいております。またお時間があるときにお目通しをいただければ幸いでございます。
 まず、司法書士について簡単に御案内をいたします。
 司法書士は、現在、法人会員を含め全国約二万三千五百の会員がおります。各自が全国五十の司法書士会に登録をしています。それら司法書士会を束ねる形として当連合会があります。司法書士は、日々、多くの不動産登記や商業登記の申請を行うとともに、裁判所に提出する書類の作成や簡易裁判所の代理を通じて裁判に関する事務を行っております。
 また、成年後見制度に関しましては、身近な暮らしの中の法律家として、高齢者や障害者の権利擁護のために、その制度成立当初より積極的に取組を行ってまいりまして、専門職の中では司法書士が最も多く後見人等に就任をしております。ちなみに、公表された数値を御紹介しますと、令和二年の就任件数は、司法書士が一万一千百八十四件、弁護士さんが七千七百三十一件、社会福祉士さんが五千四百三十七件となっております。
 所有者不明土地問題と司法書士の実務との関わりについてお話をいたします。
 所有者不明土地問題の発生の大きな要因として、相続登記や住所、氏名の変更登記が未了となっているということが挙げられております。この相続登記を含む不動産登記の大部分は司法書士が代理人となって申請をしており、我々は登記の専門家であると自負をしているところであります。したがって、国家的課題とも言える相続登記等の促進は、まさに我々自身の課題でもあるというふうに強く認識をしております。
 相続人の中に高齢者が含まれており、遺産分割協議を行うために成年後見人を選任しなければならないという例が少なくありません。このような場合には、司法書士は、家庭裁判所への成年後見開始の申立てをサポートするとともに、先ほども述べましたように、成年後見人に就任して遺産分割協議等も遂行しております。
 裁判事務に関しては、土地所有権の集約、例えば時効取得を原因とする所有権移転登記手続請求訴訟や抵当権抹消登記手続訴訟等の業務を行っています。また、簡易裁判所における土地を目的とする訴えに関しまして、原告、被告双方又は一方に司法書士が訴訟代理人として選任された率は、司法統計上、平成二十七年から令和元年において平均約五七%となっておりまして、多くの司法書士が土地を目的とする訴えに関与しているということになります。
 空き家等の対策についても、自治体と連携をさせていただき、空き家対策計画に参画するとともに、自治体からの要請により所有者や相続人の調査、探索を行い、必要に応じて財産管理人に就任し、空き家の解体撤去等も行っております。
 そして、これからのお話になりますが、今回の改正により導入される新制度、すなわち相続登記や住所変更登記の義務化、相続人に対する負担軽減策として導入される幾つかの簡略化される登記手続などは、登記の専門家として当然対応させていただきます。また、共有不動産に関して新たに導入される持分取得や持分譲渡の制度、所有者不明土地管理人等の新たな財産管理制度なども、いずれも多くの司法書士がこれまで日常的に行ってきた業務の延長としてしっかりと対応できるというふうに考えております。
 今回の法案について、二点述べさせていただきます。
 まず、相続登記の義務化についてです。これは衆議院でも御議論が白熱していたと思います。
 先月、三月十九日の衆議院法務委員会でも述べましたとおり、当連合会といたしましては、単に相続登記を義務化することには消極でありました。国民への周知を徹底し、土地基本法に規律されている土地所有者の責務等を含めて新制度に対する理解を得ることがまず必要であり、あわせて、義務化を実効性あるものとするとの観点から、負担軽減策をパッケージとして導入することが必要であると考えています。また、民法や不動産登記法の改正とは別に、個人で管理したり流通に乗せることが困難な土地の受皿としてのランドバンクのような施策をも併せて取り入れることが必要と考えております。
 相続登記の義務化は国民の皆様に直接新たな負担を課すものであるため、その負担をできる限り小さくするとの観点から、我々は、相続登記に代わるより簡易な手続を行うことによって義務を履行したものとみなすこととする制度を設けることを提言していたところですが、その我々の主張の延長として、今回、相続人申告登記が導入されたことについては、本来の相続登記と比べて簡便な手続によることが可能であり、評価をいたしております。もちろん、原則としては、遺産の分割が行われ、その結果を踏まえた確定的な所有者を登記することが好ましいと考えているのは言うまでもありません。
 義務化に伴う過料につきましては、事前に登記官から登記申請を催告することなど相続人に対する配慮の仕組みが予定されており、厳罰化を目的とするものではないと認識しております。そして、過料措置の運用に当たっては、相続登記の義務化を実効性あるものとするための負担軽減措置に重きを置くよう、今後、省令や通達等で適切な運用が定められるものと期待をしていますし、実務の現場を知る者として、国民の皆様の負担軽減につながるような提言等を行っていく所存です。
 いずれにいたしましても、司法書士としましては、国民の皆様が過料に処されるといったことがなるべくないよう、正確な情報と的確なアドバイスを提供するなど、周知活動等に努めてまいりたいと存じます。
 相続登記の義務化が与える影響ですけれども、相続登記の義務化に関する本法案が成立しましたら、その影響は国民の皆様に直接及ぶことになります。それに加え、私ども司法書士の意識も明確に変化すると考えておりますし、変えていかなければならないと思っております。
 依頼者から相談を受ける際、相続登記はしなくてはなりませんかといった質問を受けることが多くございます。これまでは、相続登記をすることは義務ではありませんが、登記をしておいた方がよろしいですよという回答が限度でありました。このような回答を差し上げた場合、依頼者からは、誰も使っていない土地だし、義務もないのであれば登記しなくてもいいですねという対応を取られる方も一定数おられました。相続登記がされていないことによって様々な社会的問題が発生すること、それから、後々、御自身やそのお子さんにも将来負担を抱えることになることなどを、現在でも説明は申し上げております、そして登記申請を促しているところでございますが、これからは、国民の皆様に対し、所有者としての基本的な責務も含めて、更に御理解をしていただくよう周知活動を行ってまいる所存でございます。
 二つ目に、新たな財産管理制度についてですが、所有者不明土地管理制度や管理不全土地管理制度などの新たな財産管理制度の導入が予定されています。
 財産管理制度は、従来、人を単位とし、原則としてその人の全財産を管理するという制度でした。ある意味、重厚な制度であり、選任を申し立てる者及び選任された管理人の双方において重い負担が伴う場合もありました。
 しかし、提出法案では、所有者不明土地管理人等、不動産単位の財産管理を実現することができるようになっています。これは、不動産の状況に応じ、柔軟でかつ効率的な管理を行うことができる提案であると受け止めています。
 司法書士は、これまで、不在者財産管理人や相続財産管理人に就任し、その事務を行ってまいりましたが、その経験を生かし、新たな財産管理制度にも的確に対応してまいります。
 そのためには、当連合会といたしまして、管理人養成のための充実した研修カリキュラムを組むとともに、裁判所に対し候補者名簿を提出するといったことも検討しているところでございます。
 司法書士の取組について御紹介を申し上げます。
 当連合会では、昭和六十年から、相続登記はお済みですか月間と題しまして、相談会の開催など相続登記の促進に関する事業を実施してきております。
 また、平成二十八年頃からは、法務局と各司法書士会とが連携をして、未来につなぐ相続登記プロジェクトとして、国民に対し相続登記の重要性を周知するための活動を全国的に行っております。
 また、所有者不明土地特措法に基づいて平成三十年度からスタートしている長期相続登記未了土地の解消作業においては、全国の法務局の相続人調査事務に関する入札において、全ての法務局において司法書士の団体が落札をして、法定相続人の調査を実施しております。
 そのほか、相続に関する研修会、講演会、シンポジウムの開催などを通じ、相続登記の重要性を訴えてきました。
 更なる取組として、本年三月一日より、全国五十の司法書士会に相続登記相談センターを設置しております。また、全国どこからでも統一フリーダイヤルで最寄りの司法書士会につなぐシステムも構築をしております。既に多くの国民の皆様から相続登記の義務化などに対する相談が寄せられているところです。
 加えて、相続登記の義務化によって国民の皆様が不測の事態に陥らないようにすべく、今後もシンポジウムや広報活動等、様々な周知の活動を行ってまいりたいというふうに考えております。
 これまで申し上げましたとおり、全国の司法書士は、相続登記の申請、その前段階としての相続人調査、裁判業務を通じての土地所有権の集約、担保権の抹消、成年後見制度を活用した遺産分割協議などに関与してきました。また、不在者財産管理人や相続財産管理人に就任し、所有者不明土地問題の解消とその発生を抑止するための業務も行っております。
 本改正による新制度の運用に当たっては、正確な情報の提供と適切なアドバイスなど、専門家がしっかりとサポートすることが不可欠であります。したがって、司法書士の役割は今後は一層重要なものになると考えております。法案が成立した際も、これまでの実績を生かし、司法書士界総体を挙げて所有者不明土地問題の解消及び抑止のために活動していく所存でございます。
 以上でございます。御清聴ありがとうございました。

#5
○委員長(山本香苗君) ありがとうございました。
 次に、國吉参考人にお願いいたします。國吉参考人。

#6
○参考人(國吉正和君) 皆様、おはようございます。
 日本土地家屋調査士会連合会会長の國吉正和でございます。本日、このような場面で意見を申し上げる機会をいただき、本当にありがとうございます。
 今日重要な問題となっております、所有者不明、不動産登記を見ても所有者の所在の把握が難しい土地に対する解決策等について、日本土地家屋調査士会連合会でも、日頃の業務において日々対処しなければならない事柄として、以前より問題提起させていただいておりました。法制審議会民法・不動産登記法部会の委員として参加させていただき、実務家の立場から問題点を説明し、議論をしていただきました。
 今回の民法等の一部を改正する法律案、そして相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律案について意見を述べさせていただきたいと思います。
 私ども土地家屋調査士は、昭和二十五年七月三十一日、土地家屋調査士法の制定により誕生し、昨年、令和二年に七十周年となりました。その記念すべき年に改正土地家屋調査士法が施行され、一部改正された土地家屋調査士法において、土地家屋調査士は、不動産の表示に関する登記及び土地の筆界を明らかにする業務の専門家として、不動産に関する権利の明確化に寄与し、もって国民生活の安定と向上に資することを使命とするという使命規定を持つ資格者として位置付けられました。先生方には、改正法の制定に当たり御協力いただきましたこと、改めて感謝申し上げます。
 我々土地家屋調査士の会員は、全国で約一万六千二百名の個人会員と約四百七十の法人会員が登録し、全国五十会の単位会を組織し、当連合会が設立されているところです。そして、五十会の全ての単位会が土地の境界紛争解決のためのADR機関を運営しております。また、表示に関する登記等の相談業務も、各単位会を中心に、法務局、司法書士会等関連団体と協力し定期的に行い、依頼者、市民の皆様に活用いただいているところです。
 土地家屋調査士は、不動産の表示に関する登記について必要な土地又は家屋に関する調査又は測量、筆界特定手続の代理、土地の筆界が現地において明らかでないことを原因とする民間紛争解決手続、いわゆるADRの代理関係業務を主な業務としております。
 土地の分筆登記、地積更正登記、又は土地取引における境界の確定業務など、土地に関する業務については、一筆一筆の土地の境界を、隣接土地所有者との立会い確認を経て、隣地土地相互の境界が将来にわたり安定したものとなり、紛争を生じさせないよう気を配り、業務を行っております。当然ながら、土地の境界の確認においては、依頼者から依頼された土地に隣接する全ての土地との境界を確認することが基本となっております。
 今日、先生方にお配りしております、私どもの、クリアファイルに入っております、ちょっと資料として、一つ、不動産登記法施行規則第九十三条の調査報告書というものを例示として挙げさせていただいております。そこの二ページ目から四ページ目にありますとおり、隣接土地所有者との境界確認の経緯などを登記所に報告するという形を取っております。
 また、土地の境界確認の重要性、必要性については、委員の先生方に同じく資料としてお配りさせていただいておりますパンフレットを後ほど御覧になっていただければと存じますけれども、当連合会では、くいを残して悔いを残さず、いわゆる境界標を残して悔いを残さないという標語とともに、境界確認と境界標を設置することによる隣接関係の安定と安心を唱えてきたところでございます。
 ところが、近年、隣地所有者等との連絡が取れない、また、連絡が取れたとしても、境界に関する所有者の意識が薄く、立会いに応じていただけないという事案が多く見られるようになりました。そのため、隣地との境界立会いについては、土地について行うべき管理の一内容として土地所有者の義務としてまとめていただきたいと訴えてまいりました。
 このことは、民法典ではなく、土地基本法により土地所有者の責務という形で規定され、土地の所有者は、その所有する土地に関する登記手続その他の権利関係の明確化のための措置及び当該土地の所有権の境界の明確化のための措置を適切に講ずるように努めなければならないとされました。この土地基本法の精神を促進して、今後の規律の制定などに生かしていただきたいと思っております。
 今日の問題で、一つであり大きな問題となっている事柄が、所有者の所在の把握が難しい土地が多いということであります。この場合には、土地の分筆登記手続や不動産流通のための確定測量が滞るといったことになってしまいます。土地家屋調査士は、業務を通じ、依頼者のみではなく、依頼地を囲む全ての隣地所有者の皆様との境界確認を行っておりますので、この所有者不明土地に遭遇する機会が最も多い資格者であると思っております。この問題の重要性を以前より訴えてきたところであります。
 そこで、今回の法改正に対しましても、当連合会では、土地所有者の把握が可能となる仕組みを考えるべきであるという意見を発信してまいりました。その結果、法改正案では、相隣関係については、私どもの業務にも関係いたしますが、境界標の調査又は境界に関する測量のため必要な範囲で隣地を使用することができる、ただし、目的、日時、場所、方法を隣地所有者及び使用者に通知するという規律、そして、他の土地に設備を設置しなければ水道、ガスなどの供給が受けられない場合の設備の設置権の規律の整備が提出されています。これらの規律は、隣接地が所有者不明土地であったとしても、土地所有者が自らの事業等を行うためにも必要なことであると理解しております。
 次に、所有者不明土地等の管理制度についてでありますが、隣地の所有者と境界の確認をする必要がある場合に、隣接地の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、筆界特定手続を利用するほか、最近では、不在者財産管理制度を活用し、財産管理人と土地の境界確認をすることによってその目的を達することが行われております。
 今回創設することとされております所有者不明土地管理人制度は、人の財産全体ではなく、個別の土地についての管理制度です。まさに今述べました土地の境界の問題など、一筆の土地の個別の事情を解決する最適な制度であると理解しております。
 そして、不動産登記法における所有者不明土地に関する問題としては、登記簿に記載された所有者の情報が実態と異なっていることが非常に多く存在し、九州の大きさに匹敵するとも言われました。その原因に、相続登記が未了である、住所の変更等が登記に反映されていない、そして外国人、外国に住所を有する所有者に連絡等が取れないということが言われ、私どもの実務の現場においても、先ほど申し上げましたとおり、土地に関する調査の段階で業務に支障を来しているのが実態であります。
 不動産登記法の改正案では、相続登記、住所等の変更登記の義務化、そして外国に住所のある者の日本国内における連絡先の登記、所有不動産記録証明書の交付など、所有者不明土地の問題解決に有効な措置が盛り込まれたものと理解しております。
 最後に、相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律でありますが、所有者不明土地の発生を抑制するための方策としては重要であると理解しております。
 これらの法案が成案となり、所有者不明土地の問題の解決に大いに寄与できることを希望しているものであります。
 そして、これらの法案に対し、より実効性が確保できますよう、当連合会から四つの意見を述べさせていただきます。
 一つ目は、隣地使用権、設備使用権についてです。
 これらの使用権が創設されたとしても、やみくもに使用できるものではないと理解しております。その使用によって相隣関係に新たな紛争を生じさせないよう、隣地所有者、使用者に対し、手続的な部分で使用者に対しきちんとガイドラインを作成し、その啓蒙を行うことが必要であると考えています。
 二つ目は、新たに創設される管理人制度についてです。
 利害関係人の請求により、個別の土地、建物について管理人が選任されることとなりますので、各不動産の個別の事情、利害関係人の請求の目的などを考慮し、それぞれの事案に適した管理人が選任されるべきであると考えています。それぞれの事案に適した管理人は、各資格者の適性を考慮し、選任を行うシステムを構築するべきであると考えております。
 三つ目ですが、所有者不明土地をこれ以降増やさないための相続登記、所有者住所等の変更登記、外国に住所のある者の日本国内における連絡先の登記、そして所有不動産記録証明書の交付等の規定は有意義で有用なものと歓迎しております。
 ただし、今回の改正では、表題部所有者についての規律が対象外となっております。その理由は、主として登記のシステム上の問題等にあると理解しております。もっとも、表題部所有者のままになっている土地、建物は現に存在しておりますし、将来的な課題として、これらについても表題部所有者を対象とすることを検討いただきたいと考えております。特に、所有不動産記録証明制度については、その有用性に鑑み、優先して表題部所有者を対象に加えていただけるよう検討をお願いしたいと考えております。
 四つ目ですが、土地所有権の国庫帰属については、承認申請の要件として、境界が明らかでない土地その他の所有権の存否、帰属又は範囲について争いのある土地は要件から外れます。承認は土地の一筆ごとに行うものとするという規定になっております。境界、つまり所有権の範囲が明確になっていないと、国庫に帰属した後に管理すべき土地の範囲が分からず支障が生じることとなるため、承認申請の際に境界が明らかになっていることは当然に求められることだと思っております。
 国庫への帰属を望む国民からすると、手続は簡便に、費用は安価にと望むのが当然であります。また、本制度の適切な利用を促すという面からも、そのような制度運用が求められると考えます。
 一方で、承認は一筆毎に行われるため、当該土地の筆界と承認申請において境界とされたラインとが大きくそごした場合には、管理のために余計な時間と費用を要すこととなります。国の負担が増える結果になるため、筆界と申請時において境界とされたラインとは基本的に一致することが望まれます。これらの間で大きくそごが生じるケースがどの程度起こるかについては制度施行後の運用状況を見ていく必要があると思います。
 今回の法案が成案した後の将来の課題として、筆界特定手続における筆界調査委員、表題部所有者不明土地の登記及び管理の適正化に関する法律における所有者等探索委員等と同様に、民間資格者を活用し、法務局の実地調査が適正、的確に行われるような仕組みの構築の要否について注意を払う必要があると考えております。
 土地家屋調査士は、今回の改正案に対し積極的な対応をしてまいりたいと思います。今申し上げました意見に対しても、組織として国民のために協力していく用意をしております。是非数々の問題が解決されることを願っております。
 以上、私ども日本土地家屋調査士会連合会としての意見を申し上げさせていただきました。
 本日はありがとうございます。

#7
○委員長(山本香苗君) ありがとうございました。
 次に、阿部参考人にお願いいたします。阿部参考人。

#8
○参考人(阿部健太郎君) おはようございます。
 ただいま御紹介をいただきました全国青年司法書士協議会会長の阿部健太郎と申します。この度、このような発言の機会をいただきましたことに改めて御礼申し上げます。ありがとうございます。
 当協議会は、全国約二千五百名の青年司法書士から組成される任意の団体であります。様々な社会問題に対し、青年司法書士の目線で取組を行っております。創立は一九七〇年、昭和四十五年であり、昨年で創立五十周年を迎えました。当協議会に関する詳細につきましては、本日パンフレットを配付させていただいております。こちらのパンフレットを御覧いただければ幸いです。
 それでは、まず、民法等の一部を改正する法律案に関する当協議会の考えについて意見を述べたいと思います。
 今回の法律案は、所有者不明土地問題を解消することを主な目的としておりますが、その中でも長期相続未了土地の問題について、お手元の資料に配付しております、こちらの資料の一ページ目にも記載させておりますとおり、市民の価値観や家族観の変容などにより、意思に基づく遺産分割を行うことができず、相続が発生するたびごとに未分割のまま法定相続による承継がなされる結果、権利が分散してしまうことに本質的な問題があると考えております。
 私たち司法書士も、日々執務の現場で市民の方から相談に対応しておりますが、合意形成が困難となる主な理由は四つに分類できると考えております。
 一つ目は、核家族化や高齢化などによる当事者の関係性の希薄化が挙げられます。特に、被相続人の兄弟姉妹が相続人になるケースでは、高齢であったり代襲相続の発生などにより関係当事者が初対面であるケースなども珍しくないため、遺産分割協議を進めることが困難であるケースが散見されています。
 二つ目は、合意形成を支援する社会的な制度や資源の不足が挙げられると考えております。現状、合意形成を行うための社会資源としては裁判所の役割が大きいところですが、市民の裁判への抵抗感や費用負担、申立て手続の手間など、利用に際し障壁がないとは言えない状態です。
 令和元年度の司法統計によれば、家庭裁判所の遺産分割事件は一万二千七百八十五件であり、令和元年度の死亡者数百三十八万一千九十三名の一%にも満たない状況であり、同様に、令和元年度の相続その他一般承継による所有権移転登記件数である百十七万六千二百三十九件と比べても一%となっております。
 裁判所での遺産分割事件数と死亡者数や相続登記件数を直接比較すること自体には関係性を見出すことはできないとしても、実際に裁判所で解決に向けた対応がなされている案件に比べ、高齢化や関係性の希薄化によって合意形成が困難になっている案件などは、必ずしも当事者間に紛争が内在しているわけではなく、裁判所での解決にはなじまないケースも一定数あるというふうに考えております。そのような事例において、合意形成をサポートする制度や社会資源の不足も一因じゃないかと考えている次第です。
 三つ目は、まさに相続人間にて紛争が生じ、合意形成が困難である場合です。この場合は、司法書士が書類作成を行った上で裁判所への申立てを行ったり、弁護士を代理人として依頼し、解決を模索するような案件です。
 四つ目は、不動産の利用価値及び経済価値が無価値又は限りなく僅少であり、換価も困難であるため、遺産を承継する相続人が、遺産承継をすることが相続人の負担となってしまう場合です。このような場合、結果として承継先が決まらず、放置されることとなる場合があります。
 本日は、実際に当協議会の会員が受託した案件の相続関係を、守秘義務に考慮し、加工して図示した資料も配付しております。
 配付資料二ページ目は、兄弟相続が相続人であり、関係当事者が十七名いる事案です。三ページ目は、高齢者になる配偶者が自宅を相続するに当たり、他界した配偶者の兄弟姉妹に連絡し、合意形成をしなければならないという事案です。いずれのケースも関係当事者間の関係性が非常に希薄であり、住所や電話番号などといった連絡先さえも把握しておらず、当事者だけでは合意形成が困難であったことから、登記手続に関する相談を端緒として司法書士において支援を行った結果、合意に基づく権利確定を行うことができた事案となっております。
 このように、関係当事者のみでは合意形成が困難である場合にどのようにして合意形成を支援していくのか、この点が非常に重要になると考えております。
 長期相続未了問題の本質については、これまで申し上げてまいりました関係当事者間による合意形成の困難さにあると考えておりますところ、今回の法律改正がどの程度有効であるのか、しっかり検証が必要であると考えております。
 相続登記を義務化し、新たに相続人申告制度を導入することで、確かに、これまでと比べ、相続人を把握し、関係当事者の連絡先を知る端緒を確保するという意味において一定の効果は期待できるかもしれません。しかしながら、先ほどから申し上げておりますとおり、合意形成に至らなければ長期相続未了の解決に資することはなく、その点において、今回の法改正では対応が行き届いていない部分が存在するのではないかと考えております。
 当協議会では、相続登記の義務化に関し、二〇二一年二月二十五日付けにて会長声明を発出いたしました。会長声明では四つの点について指摘させていただいております。本日は、そのうち二つについて、お時間をいただいて御説明させていただきたいと思います。
 まず、一つ目の課題は、先ほどから申し上げておりますとおり、相続登記の義務化と長期相続登記未了の解消の整合性に関する指摘となります。こちらにつきましては、本日配付資料四ページにも図示させていただきましたとおりであり、本質的解決に必要となる合意形成に至らないケースが増える結果になることを危惧しております。
 相続人申告登記につきましては、新しい制度であるため、運用面などの詳細については今後検討されるものと思われますが、本日配付資料五ページに記載のとおり、様々な課題があると考えております。
 特に、兄弟姉妹が相続人であるケースなどでは、相続人申告登記に必要となる戸籍の収集も相応な負担となることが予想されますため、市民の負担軽減に寄与するとも限らず、また、二次相続など、今後相続が複数世代にわたって発生した場合の登記記録方法などにも課題が残ると考えております。
 戸籍収集に関しましては、戸籍法が改正され、広域交付などの導入も準備されており、また、四月十三日の参議院法務委員会において、山添議員の質疑に対する政府答弁において、相続人申告登記の添付書類の範囲は工夫し検討を行う旨が答弁されておりますので、今後負担軽減などが検討されることとは存じますが、どこまで負担軽減が図ることができるのか注視をしているところでおります。
 二つ目の課題といたしましては、登記名義人の住所、氏名の変更について登記を義務化する点についてであります。この点については、個人情報やプライバシーの観点から課題があると考えております。
 今回の法改正により、所有権登記名義人は住所、氏名につき登記記録上に公表することが義務付けられることになります。
 しかし、近年の個人情報への意識の高まりに対し、逆行する施策であるのではないかと感じているところです。この点につきましては、現登記制度においても、登記申請を行うことで登記記録上に住所、氏名が公示される点、財産分与などの登記原因も公示されるため離婚といった身分事項まで登記記録から推察できてしまう点、抵当権の債権額などが公示される点などについて、市民の意識や感覚と登記事項を広く公示する必要性との調整を行うべき時期に来ているのではないかと考えているところです。
 所有権登記名義人の住所、氏名の変更を義務化することで、婚姻や離婚、養子縁組といった極めて私的な身分事項であり非常にセンシティブな事項が登記記録から容易に推察できる状態となります。登記の公益的な側面を強化するとの考えは理解できるものの、利用者たる市民の理解が得られるのか疑問視しており、本改正にて手当てしているDV被害者などのケースに限らず、登記名義人の個人情報やプライバシーに配慮した形での制度運用が必要であると考えております。
 長期相続登記未了問題の解消に当たっては、発生の予防と利用の円滑化という二つの側面から総合的かつ本格的な対策を行う必要があり、様々な施策をパッケージにて実施することを検討している点は衆議院の審議などでも繰り返し答弁がなされているところです。
 発生予防の観点から、遺言や信託を始めとした生前の財産承継に関する支援体制の拡充が重要であるのはもちろんのこと、利用の円滑化につき以下の二点の視点から支援体制の必要性を提言し、意見陳述のまとめとさせていただきたいと思います。
 一点目は、本日の意見陳述において終始一貫して述べてまいりました合意形成支援については、まずは裁判所における手続の利便性を向上させ、夜間、休日の調停の拡大やウエブの活用、申立て費用を始めとする経済的支援などを行うことが必要であると考えております。
 また、様々な機関や専門家の助力を得ながら、市民の意思に基づく合意形成を後押しする新たな施策が重要であると考えております。特に、関係当事者間において紛争性が顕在化しておらず、人間関係や年齢などが要因で合意に至らない事案などにおいては、第三者が中立的な立場で関係当事者の交通整理を行うことで合意形成ができる場面も多いため、ADRの活用や各種専門家が支援できる環境の整備を含め、広く社会資源の活用を検討することが必要であると考えています。
 相続登記の義務化により、法定相続による持分登記や相続人申告登記のみがなされ、終局的な権利の帰属が確定しないという状態にならぬよう、市民への周知を行い、遺産分割に基づく登記を促進し、長期相続未了問題の解決に資することは、私たち司法書士が担う責務でもあると強く考えております。
 四月十三日の法務委員会の審議において、上川法務大臣より、相続登記や遺産分割を取り扱う司法書士などの専門職者と十分に連携することが重要との御発言もいただいておりますので、登記手続や裁判所提出書類の作成などの業務を通じて、我々司法書士も引き続き合意形成の支援を積極的に行ってまいりたいと考えております。
 また、二点目は、関係当事者のいずれも承継を望まない不動産などについては、モラルハザードとの均衡を考慮しつつ、国土利用の観点から、国や市町村が管理する受皿の拡大の必要性を感じております。
 私人にて管理する意識が低下し、事実上管理がなされていない不動産について、相続登記を義務化し、土地所有者の責務としての管理を求めたとしても、結果として不完全な管理しかなされず、土地の利活用には寄与しないケースも出てくるのではないかと考えております。
 土地の計画とともに権利関係が更に複雑化する可能性もあるため、土地の利用に関し国、地方公共団体が積極的に関与することが求められると考えております。関係当事者だけでは解決が困難である事案などでは、国や地方公共団体が積極的に対応することが求められ、土地の利活用に関する様々な情報提供や広報を含めた周知も重要となります。
 日々、相談の現場で不動産に関する様々な市民の声を耳にし、最前線で対応している我々司法書士も、相談を通じて様々な施策や制度を教授するなど、周知への役割も果たしていく責任があると改めて感じているところです。
 所有者不明土地問題は我が国が直面する大きな社会的課題であり、当協議会の問題意識及び解決に向けた提言が課題克服に向けて少しでも寄与するものであれば幸いです。
 以上をもって私の意見陳述とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。

#9
○委員長(山本香苗君) ありがとうございました。
 次に、吉原参考人にお願いいたします。吉原参考人。

#10
○参考人(吉原祥子君) 本日は、意見陳述の機会を与えていただき、誠にありがとうございます。公益財団法人東京財団政策研究所の吉原と申します。
 東京財団は民間の政策シンクタンクで、私は、その中で所有者不明土地問題について調査を行ってまいりました。また、法制審議会民法・不動産登記法部会に委員として参加させていただきました。
 本日は、これまでの調査結果と、そして民法・不動産登記法部会の議論を踏まえながら、この度の法案について所見を申し述べます。お手元にA4一枚の資料を配付させていただきましたので、御参照いただければ幸いです。
 この度の法改正議論の契機となった所有者不明土地問題とは、不動産登記簿などの所有者台帳により土地の所有者が直ちに判明しない、又は判明しても所有者に連絡が付かない事象を指します。東京財団では、この問題の実態や構造を把握するために、これまで全国の自治体へのアンケート調査などを行ってまいりました。そこから見えてきたのは、人口減少、高齢化といった社会の変化に対して、不動産登記制度や、さらにその根底にある相続の仕組みなど、従来の制度が十分に対応できていない実態でした。
 アンケート調査に自治体から寄せられた回答には、例えば、相続登記が進みづらい理由として、現行法において相続登記が義務ではないことや、手続の煩雑さや費用の問題を挙げる声が多くありました。また、山林や耕作放棄された農地など、わざわざ相続登記をするメリットが相続人の側に感じられなくなっているといった記述や、土地の売買も鎮静化しており、正しく相続登記を行っていなくても当面実質的な問題が発生しないケースが増えているといったコメントも寄せられました。また、土地の資産価値の低さや管理責任を理由に相続放棄が増加傾向にあることや、親族関係の希薄化に伴う遺産分割協議の難航を指摘する声もありました。
 さらに、所有者が不存在となった土地の利用について、財産管理制度などの仕組みはあるものの費用対効果が見込めず、放置せざるを得ない事例もあることなど、制度的な課題を指摘するコメントもありました。こうした問題は、自治体の努力だけでは解決は困難であり、国による制度の見直しが必要です。
 振り返ってみますと、日本の土地制度は、明治以来、人口の増加や、土地は有利な資産という前提の下で構築されてきました。従来の土地政策は、戦後の高度経済成長やバブル経済を背景に、地価高騰や乱開発など市場の行き過ぎを抑制することが主眼であり、現在、日本の各地で発生している低未利用の土地の管理や人口が減る中での相続の在り方など、市場原理では解決が難しい、また個人の所有権にも関わる課題については踏み込んだ検討が行われてきたとは言えません。
 所有者不明土地問題とは、そうした従来の制度と人口減少という社会の変化のはざまで広がってきた構造的な問題です。万能薬はありません。また、特効薬もないと思います。問題の解決のためには、既に不明化してしまった土地への対応策と、そして今後の問題の発生予防のための方策を、土地政策と民事基本法制の両面から一つ一つ積み重ねていくことが必要です。
 こうした観点から見ますと、この度の民法等の一部を改正する法律案並びに相続土地国庫帰属法案は、まさに社会の要請に応える法律案であると言えます。この度の法案では、所有者不明土地問題の発生防止と土地の適正な利用と管理、そして相続による権利の承継の円滑化に向け、共有制度、相続制度、財産管理制度など、多岐にわたる重要論点について抜本的な改正案が示されています。これだけ多くの重要な見直しが行われたことに大変驚くとともに、これらは土地の権利関係に多大な時間を費やしてきた地域の関係者の方々の間では待ち望まれてきたことであると思います。
 それでは、今後、こうした新たな制度について議論を深め、広く社会に浸透させていくにはどのような点が大切になるでしょうか。二点述べたいと思います。
 まず一点が、この法案を読み解く上で鍵となる土地基本法の存在です。
 先ほど國吉参考人のお話にもございましたが、政府による所有者不明土地問題への一連の対策の中で、昨年、約三十年ぶりに土地基本法が改正されました。そこでは、所有者不明土地の発生抑制や災害の予防、復興など、持続可能な地域の形成を図る観点から、土地の適正な利用と並んで、新たに管理の必要性が明示されました。そして、所有者の責務として、登記など権利関係の明確化と土地の境界の明確化に努めることが新たに規定されました。さらに、土地所有者の適正な利用、管理を支える観点から、国、地方公共団体、事業者、国民一般の責務にも管理の重要性が盛り込まれています。
 この度の民事基本法制の改正案にある相続登記の義務化や所有者不明土地管理制度の創設などの土台には、この土地基本法の考え方があります。今後、法案の議論を深め、また、新たな制度を広く社会に普及していくに当たっては、こうした土地基本法の考え方を土台として、社会の中で共通認識を醸成していくことが大切であると考えます。
 新たな制度を広く社会に浸透させていく上でもう一つ大切な点が、制度の実効性をどのように高めていくかということです。
 所有者不明土地問題は、短期的な費用対効果から考えれば、誰にとっても解決のインセンティブが働きづらい課題です。また、土地や相続についての制度改革は個人の権利に関わる問題であり、国民の理解がなければ進めることはできません。そう考えますと、新たな制度の普及と実効性の確保には、今後、地道な息の長い取組が必要であると考えます。
 具体的には、相続登記の義務化は、できるだけ手続コストを下げるとともに、制度の丁寧な周知を図り、一人一人の行動を促していくことが求められます。
 不動産登記制度の持つ、個人の権利を保全し、取引の円滑に資するということと、それから、物権の変動を公示をし、それが社会の中で様々な場面で利活用されていくという、その役割を改めて認識をし、一人一人が登記をしていくということの重要性を確保していくということが大事になります。
 そして、遺産分割協議が早期に行われ、その結果が登記に反映をされるという、そのあるべき姿に向けて、この度の改正案では、相続人申告登記制度などの手続の負担の軽減化策など、具体的な政策がパッケージとして提案されております。これらは、国民の負担の軽減と、それから法律の実効性の確保ということを考えて、バランスを取った上での制度提案だというふうに受け止めております。
 条文を読む限りにおいてはなかなかその詳細が見えないところもございますので、これらを社会に広く周知していく上では、是非、利用者の側に立った分かりやすい説明を努めていくということが大切であろうと感じているところです。
 そして、所有者不明土地管理制度などの新たな財産管理制度の創設においては、各管理人の選任場面や要件を分かりやすく整理し、また、管理人の選任申立てに関わる費用負担の在り方を工夫するなど、制度が有効に活用されるよう環境を整えることが必要です。
 相続土地国庫帰属の制度については、窓口となる法務局の人員、予算を確保するとともに、農林水産省、財務省など関係省庁間の政策連携を図り、そして、住民からの問合せへの対応など、法務局と市町村が円滑に連携していく必要があります。その際には、市町村の業務の効率化や合理化に配慮することも大切です。
 相続土地国庫帰属の制度は、文字どおりゼロからのスタートであり、また、国民の関心や期待が高い分、厳格な審査要件や負担金の在り方などについて今後様々な議論や検討が必要になると予想されます。しかし、こうした制度が新たに提案され、実現に向けて動いているということ、また、こうした議論が始まっているということ自体が大変大きな一歩であると考えております。人口減少時代における土地の利用、管理の新しいサイクルを模索する過程とも言え、このプロセス自体が重要な過程を持つものだと考えております。
 そして、こうした民事基本法制の見直しによって土地の適正な利用、管理が実現し、問題の発生、拡大が抑制されることで、土地政策における管理不全土地対策や低未利用土地の利用促進策が地域で進展することが望まれます。
 所有者不明土地問題は、様々な土地利用の足かせとなり、地域の活力をそぐものです。今後の防災や減災など、あるいは災害復旧などの支障ともなります。是非この問題を我々の世代で解決し、土地を次の世代へ適切に引き継いでいけるよう、この度の二つの法案が成立することを心より願っております。
 以上が所見でございます。ありがとうございました。

#11
○委員長(山本香苗君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#12
○豊田俊郎君 自由民主党の豊田俊郎でございます。
 それぞれの立場で貴重な御意見拝聴できたことを大変うれしく思いますし、これを基盤に更なる審議を重ねて、この法案、一日も早く成立するよう努めてまいりたいというふうに思います。
 吉原祥子先生のお話のまとめの中に、我々の世代でこの問題を解決し、次の世代へこの財産をしっかり受け継いでいくことが使命だというような、大変貴重なお話でくくっていただいたんですけど。
 先生が出された、これはたしか四年前だというふうに思いますけれども、「人口減少時代の土地問題」という著書を発行なさっておりまして、この中で、地籍調査、不動産登記制度の限界ということの中で、ある意味では課題が多過ぎてなかなかこの問題は解決できないんじゃないかなという、そんな悲観的な御意見を伺ったこともあります。
 それから四年がたって、まさに私は隔世の感があるのではないかなというふうに思いますけれども、吉原先生の今の所感があれば、この変化、どうして起きたのか、御感想があればまず最初にお聞きしたいというふうに思います。

#13
○参考人(吉原祥子君) ありがとうございます。
 四年前には思いもしなかった政策の進展が見られていると思っております。これは、やはり地域の方々の思いというもの、それから、本日も御出席されている司法書士、土地家屋調査士、そういう専門の方々は分かっていたけれども一般には認識されていなかった課題というものが、東日本大震災やそれから空き家問題において、空き家、空き地の所有者の、あるいは相続人の探索に時間が掛かるということが地域においても顕在化をしてくる中で、社会課題として認識をされるように急速になってきたのだろうというふうに思います。
 あるいは、話が長くならないようにします、その中で、やはり登記の義務化ということは、正直私は最初は懐疑的でした。実効性の問題と、それから、やはりこれは私的自治の原則に基づいて行うものではないのかという考え方もございます。
 ただ、よくよく考えてみますと、不動産登記制度には、物権の変動を公示するという、そして、それが例えば地籍調査、公共事業などの所有者探索の情報源であり、固定資産課税台帳の情報源であるという、そういう国の公共的な事業の土台であるという公的な役割を担っています。
 この所有者不明土地問題が顕在化する中で、不動産登記制度が持つそうした公共的な機能というものの重要性が改めて認識をされ、そして、義務化についても必要性と許容性が社会の中で合意がされつつあるのではないかなと考えているところです。

#14
○豊田俊郎君 どうもありがとうございます。
 先生におかれましては、是非、公的なシンクタンクの立場でこの問題を更に追随して御研究なさっていただいて、更に御提言をいただければというふうに期待を申し上げたいというふうに思います。
 それでは、あと三名の先生方に御質問をしたいんですけれども、実は十五分の時間しか与えられておりません。もう既に四分ほど過ぎておりますので、一人三分、四分ということでございますので、一問ずつ質問をしたいというふうに思います。
 最初に、司法書士会を代表しての今川会長さんに御質問を申し上げたいというふうに思います。
 このいわゆる相続登記の義務化を推進していく上には、土地所有者、いわゆる、の負担軽減ということが大きな作用を及ぼすというような御発言でございましたけれども、確かに登記ということになりますといろんな費用も掛かることも事実でございます。トータル的にパッケージで考えた中でこの費用の減額ということを私は考えていく必要があるというふうに思います。御意見の中では、特に固定資産税等の減額というようなお考えもあるようでございますけれども、それを含めた対応が必要だというふうに思います。
 私は、先生にお伺いしたいのは、実は、本来であれば遺言書をやっぱり活用した対応が一番私は有効だというふうに実は思って、考えております。その点、司法書士としてのお考えがあればお聞かせを願えればというふうに思います。

#15
○参考人(今川嘉典君) 先生御指摘のとおり、遺言書があると、相続が発生した場合にはスムーズに登記手続に結び付けることができますので、選択肢の一つとして土地所有者にはその遺言書を利用するということを是非考えていただきたいというふうに思っております。それに関しては、我々がしっかりといろんな情報を、正確な情報をお伝えして、しっかりと自分の考えに合った選択が取れるように、今後も周知活動をするとともに、相談体制を強化して支援をしていきたいというふうに考えております。

#16
○豊田俊郎君 ひとつ対応をお願いしたいというふうに思います。
 続きまして、國吉参考人にお尋ねを申し上げたいというふうに思います。
 國吉参考人においては、法制審議会等でいろんな御発言をいただいておりまして、先生の話を聞きまして、ほとんど今回のこの改正の中に網羅されているというふうに思っておりますけれども、一つだけ御懸念がございました。いわゆる今回のこの相続登記の義務化及び符号の表示の関係でございますけれども、相続登記及び氏名若しくは名称又は住所の変更の登記の義務化でございますけれども、これはあくまでも所有権登記名義人に限ったことでございますし、また、所有不動産記録証明書の関係でございますけれども、これもいわゆる所有権登記名義人に限った対応ということでございます。
 問題なのは、表題部所有者、いわゆる保存登記がされていない状況での対応についてでございますけれども、この辺で何か御見解があればお聞きしたいというふうに思います。

#17
○参考人(國吉正和君) ありがとうございます。
 実は、法制審議会の中でもこの表題部所有者について意見を申し上げさせていただきました。例えば、相続が未了の土地の一つに例えばいわゆる道路の中に私有地として残っているもの、そういったものについては、実は、固定資産税等が掛かっていないため、相続人自体が、その所有権が例えば被相続人にあったかどうかという情報もなかなか取りづらい。そうすると、相続の登記をしたんですけれども、実質的な相続登記をしたんですけれども、その部分だけは漏れてしまうというようなことが多く見られています。その例えば道路内の敷地であったりするものについても、やっぱり表題部のみの土地が昔から残ってしまっている部分があると思っております。これらの土地についても、やはりこれ以降、相続登記の対象若しくは住所変更登記の対象にしていかないと、いつまでたっても残ってしまうということの繰り返しだと思っております。
 そのために、それから、所有不動産記録証明書についても、この表題部所有者についても一緒に記録の中に加えていただくということが、将来的に、その相続登記、それから所有者の変更登記などを推進するためには是非必要だというふうに考えているところでございます。

#18
○豊田俊郎君 この表題部所有者のいわゆる改正が二年前、一年半前でございますけれども、探索についての変更というか改正が行われたわけでございますけれども、私も、実務上、こういう物件というか、こういう土地に出会うことが多々ございました。そういう意味合いからすれば、今回はこの制度からは外れておりますけれども、是非、所有権登記名義人と同じような対応を今後も求めてまいりたいというふうに思っておりますので、会としてもその辺の主張を是非繰り返していただければというふうに思います。
 青年司法書士協議会の阿部健太郎先生にお伺いをいたします。
 申告登記でございますけれども、いわゆる兄弟姉妹、きょうだいに相続される場合、また、二次相続が発生した場合には逆効果じゃないかというようなお話、それが一つの反対理由だというふうに伺いましたけれども、兄弟姉妹、きょうだいの相続じゃなく、二次相続でなければ今回のこの対応というのは私は有効だと思うんですけれども、その辺はどうお考えになりますか。

#19
○参考人(阿部健太郎君) ありがとうございます。
 我々が、相続人申告登記に関する問題意識の一つとして、兄弟姉妹の場合に関して有効性が疑問があるというところも一つありますが、そうではない一般的な、両親が亡くなって子供が相続するようなケースにおいてこの申告登記が有効かどうかという点については、こちらにつきましても、先ほども意見陳述で申し上げました、やはり合意をして、終局的な権利の帰属がやはり必要なことであって、相続人であるということを報告的に登記記録に残したとしても、それは、連絡先が確保されるという意味においては一歩前進という意味において評価はできる部分ではありますが、やはり本質的に解決するに当たっては、そういう連絡先の記録ではなく、相続人間での合意を行った上で最終的な権利の帰属を確定させるということが必要ではないかと。そういった面において申告登記ではまだ不十分な点があるというふうに考えているというところです。

#20
○豊田俊郎君 まさしく後半の部分はそのとおりだというふうに思いますけれども、やはり、これだけ長期にわたって課題が出てきたことへの対応、今回は見直し規定も入っておりますので、やはりここは一歩前へ進めて私は実行することが大事だというふうに思いますけれども、是非参考にしたいというふうに思います。
 最後に、士業の御三方に同じ質問で、一言ずつ答えていただければ結構なんですけれども、今回この制度ができたことによって、財産管理制度、いわゆる所有者不明の財産管理制度のいわゆる監査人というか管理人に指名される機会が圧倒的に増えるというふうに思いますけれども、この対応について、お三方、御意見あれば一言ずつ伺いたいというふうに思います。

#21
○参考人(今川嘉典君) 司法書士は、今までも相続財産管理人、不在者財産管理人に選任されておりますし、東日本大震災の際も復興庁と連携を取りまして名簿を提出するというようなことも行っておりますので、当連合会としましては、司法書士のレベルを上げるための研修をして、新しい財産管理人制度に対応できるような対応、養成をして、なおかつ名簿を整えるなどの組織的な対応も検討いたしております。

#22
○参考人(國吉正和君) 土地家屋調査士は、先ほどもお話ししましたとおり、境界の確認業務を行っております。そのために、その所有者が不在であるときの不在者財産管理人との立会い、そしてまた、土地家屋調査士自らが不在者財産管理人になるというケースもだんだん増えております。そして、土地家屋調査士法の改正によって、我々連合会そして各単位会が研修を実施する義務があります。そして、各会員はその研修を受ける努力義務があるということになっております。
 そういったものを含めて、依頼者への提供する成果も含め、我々の能力担保を図っていきたいというふうに思っておりますし、また、単位会の一部においては、先ほど言いましたけれども、財産管理支援センターというものをつくって、そういったことに対応していくという一応組織もつくらせていただいておるところでございます。

#23
○参考人(阿部健太郎君) 我々の問題意識についても、先ほど今川日司連会長の方から御発言がいただけましたとおり、既に財産管理人等の就任をしておりますので、一定の経験値は持っているというふうに考えておりますので、新しい制度に対応するために、組織的な対応を日司連が取り、そして我々個人、そして青年の会員は、引き続き研さんを積み、新しい制度への対応をし、その担い手としての、給源としての役割を果たしていくことが重要だというふうに考えております。
 以上です。

#24
○豊田俊郎君 終わります。ありがとうございました。

#25
○真山勇一君 立憲民主党の真山勇一です。
 四人の参考人の方、本当にありがとうございました。
 短い時間なので、私の方も率直な御質問、そして簡明な答えを皆さんからいただきたいと、四人の方からお答えをいただきたいというふうに思っております。
 まず、今川参考人から伺いたいんですけれども、やはり、不明土地のその問題を解決していくためには、住所、氏名、この未了問題が一番大きいということをおっしゃっておりました。
 今、土地というのはやっぱり外国人の方もかなり多いというふうに思うんですね。国内の人でさえもなかなか住所、氏名、追跡していくのが大変だという状況の中で、外国人の方が持っていらっしゃる土地というのは、特に、以前は外国人登録証みたいなものがあって、それである程度最新の情報というのが分かったということですが、残念ながら日本の戸籍制度のようなものがないというところが多いということで、なかなかその現住所が分からなくなってしまうということが多いと思うんですが、この外国人の方の所有している土地の登記とか売買のときの何かはっきりした証明する形というのはどんなことが必要だというふうにお考えでしょうか。

#26
○参考人(今川嘉典君) 今川です。
 外国人の方の相続登記についてですが、日本人と同じように相続を証する書面というものを提供しなければなりません。それは原則本国の官憲が作成したものとなっているんですが、なかなかこの入手が難しいということで、今先生がおっしゃったとおり、かつてありました外国人登録原票というのが非常に大きな証拠となっていたわけでありますが、その制度が平成二十四年に廃止されまして、外国人住民票制度というのができました。
 その外国人住民票制度は、残念ながら外国人登録原票よりも親族関係の情報が少ないということになっていまして、今でも廃止されたその登録原票を閲覧していかなきゃいけないというふうになっております。ただ、この閲覧の仕方がちょっと使い勝手が悪いところがありますので、個人情報に十分配慮しながらも、閲覧をしやすい制度にしていただきたいというのが一つ要望であります。
 それから、外国人の方は、実は出生や死亡をしますと自治体に届け出なければならないことになっています。そして、婚姻関係も届け出ることができるというふうになっております。ところが、長年期間たちますと、どこの市町村に届出をしたのか忘れてしまう、それから市町村の届出書の保存が、期限が切れて廃棄されてしまうと。これも相続の重要な証明書になりますので、この保存期間も延長してほしい、例えば除籍謄本のように百五十年としていただきたいというふうな意見を我々も持って、提出もさせていただいております。
 さらに、外国人住民票の情報を、まずは少し豊かにできないものか。一つには、備考欄というのがありますので、そこにもう少し親族関係、身分関係の情報を追記すること、それから出生や死亡の届出をした市町村はどこであるのかというのを明記しておくと。こういうことによって、相続が発生したときの相続証明書の入手が非常に楽になってくるんではないかなというふうに思っております。
 最終的には戸籍のような外国人登録台帳制度みたいなものができるということが理想なのかもしれませんが、まずはこの外国人住民票の親族関係の情報を豊かにしていただきたいということで、出入国管理庁に対して我々かつて意見書も出しておりますので、是非先生方で検討をいただきたいなというふうに思っております。
 以上でございます。

#27
○真山勇一君 ありがとうございました。
 次に、國吉参考人にお伺いしたいと思います。
 やはり、土地問題というのは、境界というのは、これは一番大事なことじゃないかというふうに思っております。土地家屋調査士の皆さんというのは、その現場、まさにその現場が仕事場ということで、測量とかその確定でいろいろな問題を経験するというか、そういう問題に突き当たるというふうに思っているんですが、先ほどありました、隣地、全ての隣地が分からなくちゃいけないということなので、やはりなかなか難しさがあるみたいで、トラブルもあるということですけれども。
 ガイドラインが必要というふうにおっしゃっていましたけれども、今の決め方ですと、そういうことで本当に隣地の境を決めるのにトラブルなんか起きないのか、もう少し何か具体的にトラブル避けるようなアイデアというのは、國吉参考人、何かお考えありますでしょうか。

#28
○参考人(國吉正和君) 境界問題については、先ほども先生からも御紹介ありましたとおり、依頼された土地を囲む全ての土地に対して一応確認をしていると。その確認をする理由としては、実は、登記、不動産登記の中では十四条地図、十四条一項地図というのがあって、それを基に要は筆界を確認をしていくんですけれども、いろいろな資料に基づいて境界を復元するという作業を行っております。
 ただ、その復元したポイントについて、やはりそこに隣地との争いがないかということも含めて隣地の方に確認をお願いをする。先ほども言いました、将来的にわたって土地が安定し、国民生活の安心、安全を担保するというような形になります。そのときに、やはり一人一人の方々に一応そういう認識をきちっと確認をするということが大事であります。
 その中でやはり、先ほどもお話ししました、やはりその権利ですとかそういった管理のことについて、気分が薄いというんでしょうかね、責任感というか、その管理をするという行為自体をまだちょっと気持ちがないというか、そういう方がやっぱり増えてきているというところが一番問題なんだろうと思います。それをやっぱりきちっと我々の方から説明をし、納得をいただくということに非常に苦労をしているところでございます。

#29
○真山勇一君 ありがとうございました。
 それでは続いて、阿部参考人に伺いたいと思います。
 やはり、阿部参考人で私がちょっとそのとおりだなと思ったのは、今回の所有者不明土地、やはり名義人の住所、氏名、これ義務化するということですけれども、公益性とそのプライバシーの問題、その辺り大変難しいなということをおっしゃっていました。個人情報、結婚、離婚などの情報も入ってしまうということの一方で、今回のやはり改正の中に、将来的にですけど、マイナンバーを使ったり住基ネットも使おうという、もう更にシステム化とかデジタル化は進んでいるんですね。
 この辺の兼ね合いってやはりいつも難しいことだというふうに思うんですけれども、この大きな流れの中でやはりデジタル化は進むんじゃないかと思うんですが、それとプライバシー、この辺の問題で、この土地取引の観点から意見をお聞かせ願いたいと思います。

#30
○参考人(阿部健太郎君) ありがとうございます。
 御指摘のとおり、将来的にデジタル化を利用することによって、今課題となっている登記による公示とプライバシーの問題というのの両立を図る可能性ということは非常にあるのではないかなというふうに思っておりますし、期待をしているところではあります。
 こちらにつきましては、今回の住所登記以外に、登記記録そのもの、今の現行制度にもやはり配慮をしなければいけない点というのは先ほど意見陳述をさせていただいておりますので、この辺りにもそういったデジタル化というもので配慮することができるんではないだろうかということで、不動産登記の公示の在り方そのものについてそういったことが活用ができる余地というのは非常にあるし、私は期待しているところだというふうに考えております。
 以上です。

#31
○真山勇一君 ありがとうございます。
 それで、阿部参考人、将来的にマイナンバーを使ったり住基ネットを使うということについては、積極的に賛成ということなのか、あるいは懸念なんかも感じておられるかということですけれども、その辺はいかがでしょう。

#32
○参考人(阿部健太郎君) マイナンバーとの連携ということについては、我々の協議会でもかなり議論をしているところではあります。
 一つの考え方として、住所や氏名などは登記上記録として表に出さずに、マイナンバーの番号だけが表に出て、必要な場合はその番号から利害関係を疎明した上で必要な情報を得ることができるような制度設計にすれば、ある程度の個人情報が守れるということにはなるのではないだろうか、そういった登記記録制度の在り方ということは一つ提言として考えているところです。
 ただ、こちらについては、マイナンバーの番号を登記記録として公示するということについての市民の抵抗感というのがまだまだ深いものがあるんではないだろうかということを考えております。
 マイナンバーというもの自体が公示されることで、そこから個人情報が漏れるということはないというような仕組みになっているということを市民の方にしっかり理解をいただいて、そういった記録制度にすることの理解を得るというところがこれからのステップかなというふうに思っているところです。

#33
○真山勇一君 ありがとうございました。
 ちょっと、かなり工夫が必要かなという今印象を受けました。ありがとうございます。
 それでは、吉原参考人にお伺いしたいんですけれども、今回の土地政策改正を大きな視点から御意見伺って、これまでなかなか所有者不明土地が解決しなかったのは、義務、義務化というところがなかったり手続が煩雑だったり、それから場合によっては費用が掛かるという意味でメリットがないというようなことをおっしゃりました。それで、それとあと、ほったらかしても余り実質的な問題は起きていないというような御指摘もありましたけれども、その辺りがこれから所有者不明土地をなくしていく大きなポイントになってくるんじゃないかと思うんですが、私は、この土地の問題というのは、個人が所有をしている土地ということがあるにしても、やっぱり国がある程度整備していく積極的な姿勢も必要じゃないかなと。
 先ほどちょっと國吉参考人の方からも出ましたけど、例えば境界決めるんだったら地図とか、それから古い情報とかいろいろあると思うんですが、その辺り、吉原参考人のお話の中に、国により制度の見直しを積極的にやっていく方がいいんじゃないかというふうなちょっと御意見があったんですけれども、国の関わり、どの辺ぐらいまでこの土地政策について関わりを持つべき、あるいは持った方がいいんじゃないかという辺りをお聞かせください。

#34
○参考人(吉原祥子君) ありがとうございます。
 大変難しい点だと思います。国がいろいろと決めても、それを地域の市町村でどこまで実行できるかという問題があると思います。国の方では、大きな今回の民事基本法制や、それから土地政策の大枠というものをつくり、そして、でき得るならば地方公共団体それぞれが地域の特性に応じた取組を進めるということが理想ではあると思います。
 ただ、そうはいっても、市町村は現在様々な大きな緊急度の高い課題を抱えて、正直言って所有者不明土地問題までやっているような場合じゃないというところもたくさんあると思います。
 そうした中で、この土地問題について地道な取組を支援をしていくという意味では、まず国がやる、できることというのは、実は国がいろんな仕組みをつくっています、ここ数年、国土交通省が。それを見える形で市町村に示し、担当者が異動をしてもノウハウがきちんと引き継がれるような形で政策をきちんと伝えていくということ。それから、自治体の業務においてどのような効率化、合理化が図れるのかということを、実際に国土交通省はモデル事業などをやったり優良事例をいろいろ集めていますので、それを広く共有していくということ、そうしたところがまず重要ではないかと思います。

#35
○真山勇一君 特に、この国庫帰属のことについては割と私は条件が厳しいかなというふうに思うので、これなかなかうまくこの辺が機能するのかなというふうに思っているんですけど、その辺りはどういうふうにお考えですか。

#36
○参考人(吉原祥子君) ありがとうございます。
 私も全く同感です。こういう仕組みができたことは大変大きな一歩で、そして、この制度の成否、うまくいったか、いかなかったかということを短兵急に判断することは、拙速に判断することは避けなければいけないと思います。
 この制度の活用件数が多ければいいというものではこれはありません。どのように本当に必要なものが国庫に帰属するのかということを見極めるということを誰がどう連携していくのかということが重要で、この手続において住民がたらい回しにならないような仕組みをつくらなければいけません。まず自治体の窓口に行ってみたら、いや、法務局だよと言われて、法務局に行ったら、まずは既存の、農林地であれば農林地の既存の仕組みを使うことが推奨されますので、また役所に戻されたと。結局、ぐるぐる回ったけど申請は受理されなかった、承認されなかったということになれば、もう役所の人も、それから住民の方も、コストだけ掛かって解決できなかったということになりますので、そこを、どうやったらこの仕組みを本当に有効に活用できるかというのは息長く挑戦していくものだと思います。

#37
○真山勇一君 四人の参考人の方、ありがとうございました。

#38
○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。よろしくお願いいたします。
 今日は、四人の先生方、本当にお忙しい中、参考人として貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。
 まず、司法書士会連合会会長の今川会長に、今川参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。
 相続登記の義務化についてお伺いをいたします。
 今回の法改正の中で、相続登記の義務化、また過料が科せられるというのは、やはり一番大きなインパクトを持って受け止められるところなのかなというふうに思っております。その中で、相続登記の義務化ですので、国民の皆様には新たな負担を課すものになります。
 その中で、この負担が課せられるということで、取りあえず、じゃ、登記をしておこうということで、法定相続分による登記が増える可能性もあるかと思います。また、義務を取りあえず履行しなければならないということで、相続人申告登記をしてそのままというのもあり得るのかなというふうにも考えられるところもあります。相続人が発生する都度、いたずらに登記名義人が増えてしまうかもしれない、あるいは相続人申告登記がされたまま放置されてしまうことがあるかもしれないというのは考えておかなければならない観点かなと思っています。
 あくまでも、法の趣旨は、先ほども今川参考人からもありましたけれども、遺産分割協議を経てしっかりと確定的な所有者の登記をしていくというところにあるかと考えますけれども、日本司法書士会連合会として、その点、どのように考え、またどのような活動をされていくのかという点についてお伺いをさせていただきます。

#39
○参考人(今川嘉典君) まず、いたずらに登記名義人が増えてくるということに関しましては、相続は、人は死亡しますと遺言がない限り法定相続分でまず一旦相続されますので、登記をしなかったとしても、そのしないで置いておけば相続人がどんどん増えて、遺産共有の共有者が増えていくという事態は変わらないということですので、今回の法改正があって初めて相続人というかその共有者が増えていく問題が顕在化したわけではないということを、まず一点申し上げておきます。
 そして、今回の改正により課される義務を履行するために、取りあえず保存行為として相続分による登記をしておくという考え方はあるかもしれません。ただ、これはあくまでも暫定的な登記であります。つまり、遺産分割協議をしていない未分割の状態を登記しておくということですから、暫定的な登記であるというふうに考えております。
 それから、相続人申告登記の申出をすることによっても義務の履行を免れるということになっているんですが、これも、あくまでも何らかの事情で遺産分割協議が進まない、あるいは登記ができない方のための救済措置であるというふうに思っておりますので、暫定的な法定相続分の登記、救済措置である相続人申告登記、これを最初に出してくるというのはやはり違っていまして、やはりあくまでも遺産分割協議をしていくということが最初にあって、そのための暫定的な措置、救済的な措置をどうするかというふうに考えていかなければいけないと思っておりまして、この遺産分割協議の申告、あっ、促進について、司法書士会としては登記の専門家としてサポートをしていきたいというふうに思っております。
 先ほども申し上げましたように、相続登記の相談窓口の充実等を図って、その辺り、国民に法定相続分による登記、相続人申告登記、そして遺産分割協議を経た登記、この意味をしっかりと御説明を申し上げて、相続登記、確定的な登記名義人の登記をしていくということを促進していきたいなというふうに思っております。

#40
○伊藤孝江君 もう一点、今川参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。
 この義務化という点では、今回、氏名又は名称及び住所の変更の場合ですね、この場合も登記の義務化が課せられます。これも国民の皆様に新たな負担を掛けてしまうという点では同じかと思っています。特に住所変更については、例えば転勤なども含めて住所が頻繁に変わる方もいらっしゃるというのも現実だと思っています。
 ただ、その一方で、今回の所有者不明土地の原因というのか、実態というところを見ますと、所有者が分からない割合が約二二%という中で、相続登記の未了の方が約六五・五%、住所変更の登記の未了の方が約三三・六%というふうに公表されておりますので、やっぱりこの住所変更の登記をいかに推進をしていくかというのも大きな課題だというふうに考えております。
 この所有者不明土地問題の発生を抑制していくという観点で、住所等の変更登記、この申請がしっかりと行われるようにしていくためにも、どのような負担軽減策を講じていけばいいのかという点についてのお考えをお聞かせいただければと思います。

#41
○参考人(今川嘉典君) 御指摘のとおり、氏名又は名称及び住所の変更登記の義務化というのは、これも国民の皆さんに新しい義務を課すものであります。住所変更の登記も相続登記と同様に、一定の添付書類というものを提出しなければなりません。すなわち、住所のつながりを付ける住民票であったり戸籍の付票を添付する必要がありますので、国民の皆様にとっては一定の負担が掛かるものであります。
 ただ、今回の法案の中に示されていますけれども、将来的には、登記官において、住基ネットやそれから商業・法人登記システムと連携をし、そこへアクセスすることによって定期的に住所変更等の情報を登記官が入手して、職権で名義人の氏名又は名称及び住所の変更の登記をする仕組みが整備されることになっておりますので、その点、国民の負担の軽減がされるというふうに捉えていいというふうに思っております。
 ただ、阿部参考人からの御指摘にもあったように、職権でやるということが個人情報のプライバシーの問題にはならないかという観点はあります。ありますが、そもそも今、登記情報は公開をされております。元々、抵当権設定登記のような個人情報も含まれております。個人情報であるから登記情報を少なくすべきだという議論と、不動産、特に土地は国土であり、また周囲に、管理の仕方によっては周囲に大きな影響を与えるから登記情報はもっと豊かにするべきであるという一方の考え方もあります。
 これは、登記情報をどうするか、そして公示制度をどうするかという根本的な問題でありまして、そこから考えていくべき問題であろうかというふうに思っておりまして、そう簡単には解決が付かない、これから長期間時間を掛けて解決をしていく、考えていくことだろうなというふうに思っております。
 それから、過料の制裁についても、法制審議会でも議論されておりましたが、いきなり不意打ち的に過料に処するということはないというふうにされておりますので、今後、省令等でその手続が、細かい運用が定められると思いますけれども、我々、実務家の立場としてしっかりと意見を申し上げまして、使い勝手のいいようになるような制度となるよう意見を申し述べていきたいというふうに思っております。
 以上でございます。

#42
○伊藤孝江君 土地家屋調査士会連合会の國吉参考人にお伺いをさせていただきます。
 先ほどの話の中でも、ライフラインの設備設置権に関係するお話がありました。今回、法改正の中でも隣地使用について新たな規定が設けられることになるわけですけれども、日常の業務の中で境界確定をしていく、測量していくということに関連する中で、このライフラインの設備設置をしていくというところにも実際に携わられることも多い業務なのかなというふうに思っております。で、実際に導管を設置していくというときに、現状どのような障害があって、それが今回の法案でどのように解決が図られていくのかという点について御説明いただけますでしょうか。

#43
○参考人(國吉正和君) ありがとうございます。
 この導管設置権の問題ですけれども、今先生がおっしゃったとおり、境界確定と付随して、例えば私道であったり公道であったりするところに私有地があると、そういったところにライフラインを通すために、今現状ではその土地所有者全員から承諾を得るというのが実態でございます。
 道路には、当然ですけど、通行するための目的のほかに、今ありました、上下水道ですとかガスなどのライフラインを敷き詰めていくということがあります。この私道所有者に対してその設置についての承諾を求めるというのが今ほとんどの場合必要とされています。そして、その導管の管理者であります多くの地方公共団体の水道局ですとか都市ガスの事業者なども、その導管の設置について、その設置者に対して私道所有者の承諾書を添付を求めるということが多くされています。
 そのために、その私道の所有者の中に相続未了の土地があるというときには、またその相続人の方たちの承諾を得なければならないというようなことがあって、非常に導管設置が困難というような場面が見られるということでございます。この私道所有者の中には、ちょっと、何というんですか、承諾の見返りを要求するケースですとか、それから、中には導管設置の承諾を得られないために住宅の建築ができない事例ですとか売却ができないとか、そういったような事例が見られています。
 本改正案についてこの導管設置権が一応成立したとすれば、これらの、基本的にはその土地所有者の承諾書等の取得が必要ないということになるんだろうと思いますけれども、ただ、これをやっぱり実効性のあるものにするためには、今言いました、多くの地方公共団体ですとか水道局、それから都市ガスの事業者などの規定の中に今でも私道の所有者全員の承諾が必要であるというような規定なりがあるというのが実情でございます。そういったものについても、この地方公共団体、それから事業者に対して、これらの導管設置権のことについてきちっと啓蒙していただいて、取扱いについていま一度確認をしていただくような手続を是非していただきたいし、また、それらの周知をお願いをしていきたいというふうに思っております。

#44
○伊藤孝江君 ありがとうございます。
 吉原参考人に、ちょっと違う観点でお伺いをさせていただきたいと思います。
 今回の所有者不明土地問題の実効性をどう確保するのかという観点で先ほどお話ありました。その中で、やっぱり一人一人の意識を変えていくというのか、国民の皆さんにどう理解をしていただいて、どう行動していただくかというのが大事になってくるかと思っています。吉原参考人の書いた、事前の資料でいただいているもので見せていただいたものでも、まずは一人一人が自分や親族が所有する土地の登記や境界などについて日頃から関心を持つことが第一歩だというようなことであったり、また別の記事の方でも、土地制度について学校で学ぶ機会がないというような問題の指摘もしていただいているところでもあります。
 そういう観点で、国民の意識をどう変えていくのかというところでの国に求められる役割であったり、お考えがありましたら、是非御教示いただければと思いますけれども、いかがでしょうか。

#45
○参考人(吉原祥子君) ありがとうございます。
 意識改革というのは本当に難しいし、また僣越なことだなというふうに思いながらも言ってはいるんですけれども、恐らく、所有者不明土地問題というふうに国民に言っても、余りぴんとこないんじゃないかと思います。例えば、空き家と言えば目に見える形でそこに存在し、空き家が危険家屋化することでどういう危険があるのかということも実感しやすいんですけれども、所有者不明土地問題というのは目に見えない権利の問題ですので、いざ自分がその被災地の住人であったり、相続に直面するという一生に一度の場面になって、こんな仕組みだったんだと気が付くということが多いかと思います。
 そうした目に見えづらい、また、所有者不明土地ですと看板が立っているわけでもない問題について、自分のこととして考えるには、予防が一番大事であり、所有者不明土地問題とあえて呼ばなくていいんだろうと思います。うちの財産をどういうふうに活用するのかということを自分個人の話として一人一人考えていくということかなと思います。あとは、教育の現場でこの問題を話す機会がないということについては、やはり機会をつくっていかなければいけないとは思います。

#46
○伊藤孝江君 ありがとうございます。
 以上で終わります。ありがとうございました。

#47
○清水貴之君 日本維新の会の清水と申します。
 大変お忙しい中、今日はお越しいただき、そして貴重なお話を聞かせていただきまして、ありがとうございます。
 私は、まず吉原参考人にお話をお聞きしたいと思います。
 今回、国庫に土地を帰属させることができるようになるというのは一つの大きなポイントかなというふうに思っております。ただ、私の問題意識としては、帰属させた後、国の手に渡った後に、じゃ、どうその土地を生かしていくのかという、こういったポイントが余り議論されていないなというふうに感じております。
 この点、私も、事前にいただいた資料で、読売新聞の平成三十年の記事で吉原参考人はアメリカのランドバンクの話などに触れられておりまして、このランドバンク、日本でも国交省がモデル事業をつくって、全国で何か所かで今進めているところではありますが、こういった海外の事例なども鑑みて、どうこのランドバンクというものを日本で、例えばどう生かしていけばいいのかですとか、どういった活用方法があるのか、有効に土地を活用していくというポイントからお話をもしいただけましたらと思います。お願いします。

#48
○参考人(吉原祥子君) ありがとうございます。
 国庫帰属させた後にどうするのかということは、これからの難問の一つだと思います。どこでも使い道がなくて困った土地なので、それを有効活用するというのは容易ではないと思います。そこに税金を使う、それから人を使う、その人員を要するということに対して、やはり様々な見方が出てくると思いますので、ここは担当になった省庁の方も困ったなと正直思っていると思います。そこはもうそこの省庁の所管になったんだからお願いしますということではなくて、省庁が連携するということと、自治体でも考えるということが必要であろうというふうに思います。それは本当に大きな課題だと思います。
 今回の国庫帰属はあくまで最終手段であって、申請をする前に、まず所有者として売却を試みたり、農林地であれば既存の森林経営管理法や農業基盤経営促進法などを使って様々な利用を試みるということが求められますので、そのプロセスにおいて既存の政策の利活用が進むということが大事になってくるだろうというふうに思います。
 それから、ランドバンクというのは、一つの手段であり、万能薬ではありませんが、大事だと思います。ランドバンクは、権利自体をそこに移してしまうというものと、あとコーディネーター機能を担うというものと二つあると思いますが、大きく、いずれにしても、コーディネーター役の人はとても重要で、ランドバンクについては、山形のつるおかランド・バンクはよく成功事例として挙げられますが、残念ながら、第二、第三のつるおかランド・バンクの話は余り聞こえてこないんですね。なぜそれが広まらないのか、どういう課題があるのか。やはり人とお金の問題が大きいと思いますので、それも一つの選択肢としつつ、既存の仕組みをどう生かしていくのかということが大事かなと思っています。

#49
○清水貴之君 ありがとうございます。
 続いて、國吉参考人に、今の同じ観点、流れなんですけれども、土地の有効活用というポイントからお聞きをしたいと思います。
 私も、事前に地元でこういった、土地家屋調査士の方なんですけれども、こういった取組をされている方にお話を聞きまして、どんな、所有者不明土地ってどういうイメージをお持ちですかと聞かれまして、私のイメージは田舎の方の山林とかをイメージしていたんですけど、いやいや、それだけじゃないんですと、今は本当に町中のニュータウンとかでオールドタウン化しているようなところでもう所有者不明の土地というのもどんどん出てきているんですよというお話を聞かせていただきました。ああ、そうなんだと思ったんですけれども。
 そういった現場にやっぱり行っておられるというところで、町中の、住宅地の中などで発生している所有者不明土地、こういった土地の有効活用などについて、今後どうしていけばいいのかという御意見ございましたらお願いできますでしょうか。

#50
○参考人(國吉正和君) 実は、都市部においてもそのいわゆる所有者不明土地で更地になってしまっているというのは、私の地元でもよく見かけるところでございます。都市部においては、よく見かけるのがポケットパークとか、各自治体における例えば災害の備蓄倉庫ですとか、そういったものは結構見られるところでございます。ですから、そういう災害に対する空き地のようなことでもいいのかもしれませんけれども、そういった活用があるのかなというふうに思っております。
 やはり、そういった国庫に帰属した一つ一つの土地を個別に利用をしていくというのはやっぱりある程度の制限が出てきてしまうので、将来的なことを考えますと、私の考えとしては、それをなるべく集約できるような何かシステムを考えていったらどうかなというふうに思っています。例えば、山林ですとか農地もそうですけれども、個々の一筆一筆の土地をやはりどこかの時点で集約できるような何か手当てを考えていくと、今の現状ではなくて、いろいろな広域的なものに利用もできるというふうに考えておりますので、ちょっとそういったところを考えていったらどうなのかなというふうには考えていたところでございます。

#51
○清水貴之君 そういった土地の今度は活用という意味で、まあ需要と供給とか、これをよく分かっていらっしゃるのは地元の不動産会社さんなどかなとも思うんですね。こういったところとの連携とかつながりとかというのはどうお考えでいらっしゃいますか。

#52
○参考人(國吉正和君) 私ども土地家屋調査士会も、やはりいろいろな問題などを解決するためには、例えば、私ども土地家屋調査士だけではできないというのはもう分かり切っていまして、今回一緒に出ております司法書士会さん、それから我々、それから弁護士会さん、若しくは宅建の方、若しくは建築の方と、いろいろな士業との連携をやっぱり模索をしていって、それぞれの適性に合った意見などを集約した形で対応していったらいいのではないかというふうに考えております。

#53
○清水貴之君 確かにそうですよね。もう誰かが単独でできる話じゃなくて、これはもう国も関わってきますし、もちろん各自治体も関わってきますから、うまくコーディネートしてチームつくっていくというのが大事かなと思う一方で、難しい話なんだろうなとも思っているところです。ありがとうございます。
 続いて、今川参考人、お願いをいたします。
 そうやって国庫に帰属をしようとしても、今回、話出ていますように、なかなかこの要件が厳しいところもあってこれができないと。そうすると、説明いただきましたとおり、今度新しく制度化されました財産管理制度、これを使っていくという話になった場合に、これが、じゃ、国庫帰属するときになかなか要件高くて、ハードルが高くてできなかった、はね返されてしまったものが、今度、じゃ、この財産管理制度で、さあ、進んでいこう、これでいこうと思ったときに、果たして、じゃ、すんなりいくものなのか。ここに何か課題とか問題点とか、こういったものが生じるものなんでしょうか。

#54
○参考人(今川嘉典君) 今川です。
 先生御指摘のとおり、相続によって承継した財産の中で管理困難な土地がある場合は、今回新しい制度ができまして、家庭裁判所に対して相続財産の管理人の選任を申し立てる、そしてその管理人にその管理を委ねるという方法は選択肢の一つとしてあると思います。もっとも、この管理、処分の決定をするのは裁判所なので、御本人が望むとおりの決定が出るかどうかは分かりませんけれども、そういうことを選択肢として一つ取ることはできます。
 そこで、先生御質問の課題なんですが、相続財産の管理人だけではなく、相続人全員が相続放棄をした際に選任される清算人等についても共通する課題として、この選任を申し立てる際に、申立人自身が裁判所で選任される管理人の報酬や諸費用をあらかじめ納める、予納しなければならないという問題があります。
 これ、申立人は、申立てをしたいんだけれども、資力によってはその負担が非常に重くなるという場合がありますので、ほかにも様々な管理人の制度があるんですけれども、同様の問題がありますので、是非、その申立ての際の費用等の予納についても何らかの軽減策のようなものが考えられないか、御検討をいただきたいなというふうに要望をいたします。

#55
○清水貴之君 確かに、今まで登記をしてこなかった方が多い、その原因の一つにやっぱり金銭的な負担が大きいというのもありましたものね。
 この予納って、まあいろんなケースがあると思うんですけれども、例えばまあ大体どれぐらい必要になってくるものなんでしょうか。一概には言えないと思いますが。

#56
○参考人(今川嘉典君) 相続財産管理人や不在者財産管理人でいきますと、地域によって違うんですけれども、五十万から百万という数字をよく耳にしますので、人によっては相当の負担になるという場合があるというふうに思っております。

#57
○清水貴之君 ありがとうございます。
 続いて、阿部参考人、お願いをいたします。
 まずは、私、マイナンバー、事前に資料も読ませていただいて、マイナンバーとの関係をお聞きしようと思っていたら、真山先生に聞いていただきましたので。
 マイナンバーに、ただ、行くまでにですね、今でもできること、いろいろ効率化って、今オンラインが進んでいます。また、こういった取引というのは、相続とか不動産取引というのは判こ社会だというふうに思いますが、こういったところ、でも今、脱判こというのが世の中で進んでいます。
 こういったところで、非常に様々今手続が煩雑なものをもっとスムーズにいくようにする、効率化できることというのがあるのではないかというふうに想像するんですけれども、この辺りについての御意見ありましたらお願いをいたします。

#58
○参考人(阿部健太郎君) ありがとうございます。
 おっしゃるとおり、不動産登記手続はまさに判こがまだ根強く必要性が認められている中で、先行して、商業登記の分野では一部判このところが軽減化されたりということがありますが、不動産登記はまだそちらのものは始まっていない、これからの検討というところになっていると。
 ただ、先生おっしゃるとおり、それを活用することで手続の軽減というところは図れるんではないだろうかというところに期待する反面、まだそこまでの、インフラの整備も含めた国民の理解というところまでは進んでいないんじゃないだろうかというのがまず一定の理解です。
 少し長い目というところでも、話がありました、マイナンバーの話ですけれども、今すぐできるかどうかは分かりません。ただ、長期的ではなく中期的な視点という意味においては、今の登記というのは、基本的にはインターネットの中を使えば誰でも閲覧ができてしまうというような状態になっている。その中で、先ほど、個人情報も含めたいろんな情報がインターネットを通じて誰でも見れてしまう、この状態を少し制限をするということで、必要な人が見れるのはフルの情報が見れるけれども、そうでない方については一部、いつでも誰でも、ある種興味があれば取れてしまうような状態というのを一部制限するような方法という形で、閲覧の在り方というのを少し考えるということであれば、そこまでの期間がなくてやれるんではないかなというふうに考えているところです。
 以上です。

#59
○清水貴之君 もう一点、阿部参考人のお話の中で、やはり様々な利害関係者が合意形成をしていく、これが難しい、よってサポートする、支援する仕組みが大事だというふうにお話がありました。第三者が中立的にというお話もありました。
 ただ、今コメントいただいたとおり、ADRももちろんありますよね。こういったものが、既存のものがある中でまだまだ足りない部分、こういったところがあったらいいんじゃないかというのがあれば教えていただけたらというふうに思います。

#60
○参考人(阿部健太郎君) ADR、確かに、御指摘のとおり、裁判所での利用のしづらさを補完する制度として導入をされてはいるんですが、やはり数字、実績という面においてはまだまだ利用が少ない。
 その理由は様々あるというふうには思います。まだそういった手続が広く認知をしていないということですとか、そこで合意を得たものが、合意が履行されなかった場合に強制力を持って手続をすることができないなど課題がありますので、その辺りの課題の克服ということがまず一点必要になるんだろうなというふうに思うのと、先ほど私の方でお配りした資料もありますが、多数当事者となってくると、やはりその解決、ADRでやりましょうというところの合意を取るところからかなり頓挫してしまいますので、なかなかその辺りの合意形成をしていくのが、合意形成の前段階の合意形成という言い方になるかもしれませんが、その辺りから苦労するなというのが現場の意見です。

#61
○清水貴之君 以上で終わります。どうもありがとうございました。

#62
○川合孝典君 国民民主党・新緑風会の川合孝典と申します。
 本日、参考人の先生方には貴重な御意見を頂戴しまして、ありがとうございました。
 先生方の御意見を拝聴していて、今回の法改正をおおむね前向きに捉えた上で、今後に向けてどう適正に運用をしていくのかということも含めた御意見を頂戴したと思いました。そこで、今回の法改正の実際の運用面について少し御認識をお伺いしたいと思います。
 まず、今川参考人、そして阿部参考人に司法書士のお立場から御意見を頂戴したいんですが、今回、相続登記の義務化に伴う過料というものが規定をされました。今回の法改正によりまして相続登記が義務化されることによって、国民は新たな義務を課せられるということになるわけであります。しかも、その義務の不履行があった場合には十万円の過料に処すという制裁規定が入っているということでございます。
 提出法案では、正当な理由がないのにその申請を怠ったとき、これが過料を処すということになりますが、その正当な理由の有無は、恐らくこれ、登記官が御判断されることになるんだろうと思われます。そして、この正当な理由について登記官の恣意的な判断があっては当然ならないわけでありますが、あらかじめこの正当な理由とは一体何なのかということの基準が周知されていないと、いきなり過料十万円を請求される可能性があるのではないかと素朴に考えられるわけでありまして、したがって、現場で相続人の方々等と接する立場の司法書士のお立場から、依頼人に対して正確な情報に基づいてどう説明していくのかということが今後問われることになろうかと思います。
 そこで質問ですが、この正当な理由の説明について、どのように今後、法改正後運用していくべきとお考えなのかをお二方からお聞かせいただきたいと思います。

#63
○委員長(山本香苗君) それでは、まず今川参考人。

#64
○参考人(今川嘉典君) 今川です。
 先生御指摘のとおり、法案では、正当な理由がないのにその申請を怠ったときに義務違反として過料に処されるという規律になっています。言い換えると、正当な理由がないのにその申請を怠った場合に限り過料に処されるということになります。先生御指摘のとおり、正当理由は登記官が判断をするということになると思われます。
 現在提出されている法案には、具体的な規定、明確には書いてありませんが、法制審議会の議論の中では、あらかじめ登記官が相続人に登記の申請を催告し、それでもなお申請を怠った場合に過料に処すると、そういうふうに相続人に配慮した取扱いをするということが確認をされております。
 そして、その運用については、法制審議会の要綱の中にも記載がありますが、法務省令で所要の規定を設けるというふうに記載をされていますので、司法書士としては、曖昧な形ではなくて、どのような場合に過料に処されるのか、どのような事実があれば正当理由として認められるのかなど、これは、相続人から相談を受けた際にはやっぱり正確な情報を提供して、安心して手続を行ってもらう必要がありますので、その正当な理由についての検討はこれから始まるんだと思うんですけれども、できる限り明確にしていただくことをまずお願いするということと、省令等の規定を定めるに際しては、我々実務家の意見も是非取り入れていただきまして、国民の皆様にとって不意打ちや不公平感のないように、そのような運用が図れるように希望しておりますし、我々は実務家としてしっかりと意見を申し述べていきたいというふうに思っております。

#65
○参考人(阿部健太郎君) 御質問ありがとうございます。
 私も、やはりこの過料の制裁という点については非常に興味を持ち、問題意識を持っているところです。先生御指摘のとおり、やはりどのような状態に過料が科されるのか、正当事由というのはどういうところまで認められるのかということが明らかになっていない状態で過料を科すということを先行して法律に定めるということに対する問題意識というのは私も持っているところです。
 その正当事由については、法務省がこれから定めるということですので、これからの議論を待つしかないというところだと思いますが、四月十三日の法務委員会の審議の中でも、法務省の方から一部このような事例ということで挙がっているものとしては、数次相続が発生して相続人が数十人を超える場合など極めて多数に上がっている場合とか、遺言の有効性などが争われているようなケースとか、登記を担う者が重病であった場合などが正当事由として挙げられるというような答弁がされております。
 この点につきましても、三年経過時の過料の対象の時点で例えば重病であった、正当事由があった場合に、その重病であった状態を脱して、要するに病気が治癒した場合について、三年前は正当事由で過料は免れました、四年後に病気は治っていましたというときに、果たしてそれは遡ってまた義務や過料の対象になるのか、三年前に病気であればもうその後も過料は免れるような形になるのか、このようなところも非常に曖昧であるというふうに問題意識を持っておりますので、この辺り、やはり公平性を持った形で今後の議論がされることを切望しておりますし、我々も今後、引き続き問題意識を発言していきたいというふうに思っております。
 以上です。

#66
○川合孝典君 ありがとうございました。
 いずれにいたしましても、この問題については今後の議論というものが非常に重要になるということで捉えさせていただきました。
 続きまして、國吉参考人に御質問させていただきたいと思います。
 先ほどの御説明の中にもいわゆる不動産登記法十四条地図のことについて少し言及がございましたけれども、一昨日の法務委員会で私自身が民事、失礼しました、法務省の方に確認をさせていただきまして、実際、現在のその登記に当たっての諸手続を行うのに、いまだにいわゆる公図を、地租改正時の公図をそのまま使っている事例があるということを聞きまして、事実なのか聞きましたところ、法務省の方で実際にまだ使っているという、こういう話が出たわけであります。
 当然、測量技術の問題もあり、この地租改正時の公図というものの正確性というものにはかなり疑念が生じるわけでありまして、そうしたことを踏まえて、國吉参考人のお立場として、今回、このいわゆる所有権、いわゆる所有権界を確定させるということをもってその様々な諸手続を今後進めていくということになろうかと思うんですが、そのこととは別にいわゆる公法上の筆界の概念もあるわけで、所有権界と筆界にこういう古い地図を使っていわゆる境界特定を行う場合に差異が生じる可能性がないのかどうかと。
 これ、つまりは、市街地の場合には近い過去に様々な測量等も行っている可能性がありますけれども、これが中山間部やいわゆる大規模に所有者不明土地になっているような場所では相当いいかげんになっている可能性があるのではないのかということをちょっと懸念いたしておりまして、したがって、今回この法律が改正されることによって、所有権界が確定されて以降、例えば国にその土地が帰属されるということになった後、その土地利用を行う段階になって問題が生じる可能性というものがないのかということをちょっと疑問に感じたものですから、先生のお立場からこの問題についてどのように捉えていらっしゃるのかをお教えいただきたいと思います。

#67
○参考人(國吉正和君) 今、川合先生がおっしゃったとおり、公図地域といいまして、十四条地図のない地域というのは数多くございます。
 通常ですと、公図だけではなくて、今先生がおっしゃったとおり、以前に測量をした測量成果であったり、例えば登記簿の面積ですとか、それから地目の状態でいわゆる精度区分といいまして、登記簿の面積と実際の面積がどのぐらい違った場合にも不動産登記法上は一応受理できるというような、いろいろな制限がございます。そういったものを駆使しながら、我々土地家屋調査士は、基本的には公図の線といいましょうか、を一応復元をしていくという努力をしております。
 その一つの筆界を決めたり所有権界を決めたりする中で、一つとして、やはり一番、本来であれば土地の所有者さんが御自分の土地の境界についても一番情報を持っているはずであるわけなんですけれども、ただ、そのときに所有者不明であったり、そもそもその管理をしていないという形であると、やはりそれぞれの方の主張もなかなか見出せないということになるかと思います。
 そのときに、今、法務省の方と我々土地家屋調査士、それから専門家の皆さんで、その筆界特定の在り方というものを今検討をしているところでございます。そういったものをやっぱり検討しながら、様々な資料に基づいてきちっと公図の境界に、公図に合ういわゆる筆界線を見出していくという努力をこれからもしていかなければならないというふうに思っています。
 以上でございます。

#68
○川合孝典君 ありがとうございました。
 続きまして、吉原参考人に御認識をちょっとお聞かせいただきたいことがあります。
 今回、この土地所有権の国庫への帰属に関わる様々な規制やハードルを見ておりまして感じたのが、やはり、先ほど先生が御説明になられたように、土地は資産であるということを前提としての土地の様々な諸制度というものがこれまで組み上げられてきたということであって、結果、モラルハザードに対する議論というものもそうしたところから生じてきているというふうに私は理解させていただいたんですが。
 他方、海外の事例なんかを拝見しておりますと、例えばドイツなどは、ドイツ民法で、いわゆる土地を放棄をするということについて、土地所有権は所有者が放棄の意思を登記所に対して意思表示を行って登録されれば認められると、放棄が、ということになっていて、その考え方の背景にあるのは所有者の自由な処分権能を尊重するということだというふうに記されております。
 日本とは全くこれ違う考え方、土地に対する考え方なわけでありますが、いわゆる土地放棄の権利の自由というものが日本でなじまない理由というのは一体何なのかということについて、もし御見解があればお教えいただきたいと思います。

#69
○参考人(吉原祥子君) 法律の専門家ではない私がお答えすることが適切かどうか分からないんですけれども、ドイツの場合は、恐らく所有に伴う、権利に伴う義務の考え方というものがまず根底にあるのかなと思います。その違いが大きいように思います。
 日本の場合、土地の所有権にどういう責務が伴うのかという議論はこれまで余りされてこなくて、先ほど申し上げました土地基本法の中で初めて、土地所有者の責務ということが初めて法的に明記をされました。そうした権利と義務の関係についての社会的理解というものの違いが一つあるかなと思います。
 それから、処分をできると、自由な処分権能があるんですというふうにドイツでは言われているということで、確かに国庫帰属を、あっ、放棄をしている事例も幾つかあるようです。
 以前、朝日新聞の報道で読んだことがあるのは、そうした事例はあるけれども、やはり余り件数が増えてくると受入れ自治体としても利用の課題が生じているという報道も読んだことがあります。
 あとは、やはり今回の法改正の議論の中でも、やはり土地の所有権の放棄というのは現行法上は難しいのではないかという方向で行っているというふうに理解をしております。

#70
○川合孝典君 突然の質問で大変失礼いたしました。ありがとうございます。
 時間が来ておりますので、最後に今川参考人にもう一問御質問させていただきたいと思います。
 土地所有権の国庫の帰属に関する法律の内容について、今回のこの法律改正で、相続を機に土地を手放したいとお考えになられている方々にとっては大変大きな期待を寄せていただいているものなんだろうというふうに理解しておるんですが、これまでも様々議論をされておりますとおり、国庫に帰属される土地については、その後、国が管理コストを当然支払わなければいけないということから、一定の要件が定められなければいけないというのはこれは当然のことであるというふうに私も理解しておりますが、今回、この法案における法務大臣の国庫帰属の承認要件を見てみると、相当に様々なハードルが課せられているということでありまして、司法書士のお立場として、また実務家のお立場として、このハードルを今後、将来的に見直していくに当たってどういうことを考える必要があるのかということについて、今川参考人に、時間の関係がありますので、お一方だけ御質問させていただきます。

#71
○参考人(今川嘉典君) 先生御指摘のとおり、今回の制度は所有権の放棄制度ではないということ、そういう性格のものだというふうに理解しています。
 国の管理コストに加えてモラルハザードの問題、土地基本法で定められた所有者としての責務に反する行為をするというようなこともありますので、様々な要件が設けられて、結果的に我々も広く国庫帰属を認めていこうという趣旨ではないように思われます。
 ただ、我々実務を行う上で、土地を手放したい、相続をしたくない、管理ができない、有効に利用できない、子供に残しておきたくない、寄附をしたいという、こういう要求、要望は数多く聞きます。
 実は、今回の法案の成立で期待をしていた国民の方はたくさんおられるのではないかというふうに思いますので、こういう形で落ち着いたこと自体はまずは認めておりますが、この内容は国民にしっかりと周知をしていく必要があると思います。
 それと、五年後に見直しをするという見直し条項がこの法律は入っていますので、しっかりと見直しをもう先生方にしていただきたいということと、我々としては、実務の運用の実績を見て、その検討課題を先生方にまた御提示をしていきたいなというふうに思っております。
 以上です。

#72
○川合孝典君 ありがとうございました。
 終わります。

#73
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 参考人の皆さん、本日は大変ありがとうございます。
 初めに、吉原参考人に伺います。
 三年前に国交省の所有者不明土地特措法案の参考人質疑でもおいでをいただきまして、その際、私も国土交通委員でしたので、その節は大変お世話になりました。当時の特措法は公共事業における収用や利用権の設定を内容とするもので、その法案としては、所有者不明土地の発生を抑制したりあるいは解消したりという問題の根本解決とはならないものだと、そしてそれは次の課題だと、当時、参考人も意見を述べていただいておりました。
 そこで、この法案は、今度の法案は、その次の課題への十分な解答と言えるのかどうかですね。先ほど万能薬、特効薬はないというお話ありましたけれども、対症療法ぐらいにはなるのか、それとも更にまだ課題がかなり残されているという御認識か、伺えますでしょうか。

#74
○参考人(吉原祥子君) ありがとうございます。
 ここが、今回、抜本的な見直しが数多くされておりまして、対症療法を超えた抜本的な解決策が複数示されていると思っています。ただし、その効果が出てくるのは、十年、二十年、三十年掛かると思います。
 例えば、共有制度の解消をしやすくすることとか、あるいは遺産分割協議の期間制限のこと、それから財産管理、新たな財産管理制度の創設など、それから国庫帰属の制度、そして登記の義務化、そうした抜本的な見直しが行われたということは本当に驚くべきことだと思っています。
 これからは、むしろ、これだけの制度をつくって、さあ、これからどうやってこれを育てていくんだろうかということを考えると、次なる課題も非常に大きいなという感じがいたします。
 それから、残された課題は何があるかというと、例えば相続放棄の問題があります。相続人全員が相続放棄をしてしまった場合、そこに財産管理人を誰かが、利害関係人が選任をすれば、管理人が申し立てられて、権利の流動化が始まっていきますけれども、誰もそこの土地に対して管理人の申立てをしなかった場合というのは、やはりそこは宙に浮いたままになってしまうということはあります。
 今回、九百四十条の改正ということで、元相続人の権利の範囲というものも明確化されましたし、相続放棄の在り方というのが今後、一つ、本当は余りこういうことを言うと民法の先生方には怒られてしまうんですけれども、あると思います。
 それから、今回の法改正の議論で、一つ途中で落ちましたのが時効取得ですね。実質的に共有者の一人がずっとその家に住んでいたり土地を管理している場合に時効取得を認められるかという論点も途中で落ちました。それは今後の課題として残っているかと思います。

#75
○山添拓君 ありがとうございます。
 國吉参考人に伺います。
 土地家屋調査士の皆さんは、国交省の地籍、管轄する地籍調査ですね、あるいは法務省の所管する法務局備付け地図の作成などにも携わっておられると伺っています。これ、近隣の方への聞き込みだとかあるいは地歴の調査だとか、本当に大変な作業かと思うんですが、地籍調査というのは、聞きますと全国で五二%ぐらい、あるいは法務局備付け地図というのは五七%ぐらいと、全国を網羅するにはもうこれ数十年掛かるということを伺います。
 所有者不明土地を解消していく上でも、あるいは基本的なインフラ整備という点でも、こうした作業を加速させることは必要だと思うんですけれども、その際、政策ですとかあるいは予算の上で、国政のですね、政策や予算の上で何が求められているとお考えでしょうか。

#76
○参考人(國吉正和君) 地籍調査、それから十四条地図の作成についてはいろいろな問題点を指摘され、今回の土地基本法の形では、地籍調査の新十か年計画の中では、例えば筆界特定手続の利用をするとか、それから、各実行する行政からの筆界案の提出などによって筆界未定の土地をなるべく少なくしたいという手続つくりました。それによって、その実効性をどれだけあるかというのはまだ今後見ていかなければならないと思います。
 そして、地籍調査ですけれども、例えば街区先行型といいまして、一筆一筆の中までではなくて、いわゆる街区をまず固めようという一応形を進めていこうということもありますので、それらのことも一応考慮しながらこれから先の地籍調査の有効性などもやっぱり見ていかなければいけないなというふうには思っています。
 特にこの十四条地図などについては、先ほども言いましたように、全ての筆界点について立会いをしていくというプロセスがあります。そういったものも含めて、例えば我々が、土地家屋調査士などの専門家ができれば関与できる、なるべく関与できるようなシステムですとかなどを、やっぱりこれから先、構築というか、より進めていくということが重要なのかなというふうには考えております。

#77
○山添拓君 ありがとうございます。
 それでは、今川参考人と阿部参考人に伺います。
 この法案では、相続登記を義務化すると同時に、より簡易な仕組みとして相続申告登記が新設をされます。申告登記では、必ずしも相続人の全員が判明するとは限りませんし、持分が明らかになるわけでもありません。したがって、法定相続分の所有権をそこから移転するという手続もできず、所有者不明土地の実質的な解消になるわけではないかと思います。
 先ほど今川参考人も、遺産分割の促進があるべきであって、まず申告登記から行くべきじゃないという御意見述べられておりましたが、そのとおりだと思うんですね。しかし、法務省は、相続登記よりむしろ申告登記の活用を希望、期待すると、こういうふうに国会では述べています。
 ですから、こうした登記、申告登記ですね、実際には増えていくことが予想されるわけですが、その際に実務上懸念される点について、今の段階で想定されることがありましたらお願いいたします。

#78
○参考人(今川嘉典君) 懸念されることというのは、相続人申告登記だけをしてそのまま放置しておくということだろうと思います。
 先ほどから何度も申し上げておりますように、本来、遺産分割協議を経た確定的な権利者の登記をしていくというのが本来の目的でありまして、何らかの形でそれができないという場合に法定相続分による登記をするということもあるんですが、それはやはり未分割の状態を表す暫定的なものであるという意識を持ってもらわなきゃいけないと。そして、それもままならないときには相続人申告登記という救済措置もあるんだというふうに考えるべきでありまして、遺産分割協議を経た登記と法定相続分による登記と相続人申告登記を同列に並べて考えるべきではないというふうに思います。
 そして、一方、今これは、私申し上げましたのは相続人の立場からの考え方でありまして、一方、登記は公示制度でありまして、その登記簿を見る人の立場からすると、全く登記がされていない状態、それから法定相続分で住所、氏名、持分まで入っている状態、それと相続人申告登記の状態というのを考えたときに、少なくとも相続人申告登記の場合は連絡先ぐらいは分かるようにはなっているという意味で、その登記情報を見る人からするとある程度有用なものであるということは間違いないなと。
 ただ、そこで終わらせるかどうかは実は我々の責任でもあろうと思っておりますので、もう再三述べておりますが、遺産分割を促進して確定的な登記がされるよう我々専門家がしっかりとサポートしていくべきだろうなと、まあ弁護士さんと一緒にサポートしていくべきだろうなというふうに思っております。

#79
○参考人(阿部健太郎君) ありがとうございます。
 私たちの方も申告登記に問題意識は持っておりまして、お配りさせていただきました今日の資料の方の六ページ、ごめんなさい、五ページ、六ページ辺りにも幾つか詳細に私たちの問題意識を述べさせていただいております。
 時間の関係もありますので、この中で幾つか挙げて御答弁という形にさせていただきたいというふうに思いますけれども、まだこれから、相続申告登記ということの運用についてはこれからということもありますので幾つか推測という面もありますけれども、山添先生の方でも前回御質疑いただきました二次相続への対応の辺りも非常にどうなるかが分からないというふうになっているという点と、申告登記をした後に住所や氏名が変更したとしても、その変更登記自体はすることが求められていないので、一時的には住所、氏名は申告登記で登記されますが、その申告登記した方が更に住所や氏名を変更した場合はそれが登記記録として残りませんので、すごくスポットでの登記記録、連絡先は確保できるんですが、また次の瞬間にはその方の連絡先が、その日以降のものはまた追わなければいけなくなってしまうという点において、ひどく限定的な連絡先の確保手段になっているのではないだろうかという点。
 また、相続人申告登記をした方が更にお亡くなりになった場合は付記登記の付記登記をしていくというような形になっていますが、これが数世代続くと、付記登記の付記登記の付記登記の付記登記というような形で、永遠に付記登記が繰り重なっていくと。最終的に、付記登記が何度も繰り返された後、合意を形成して登記をする場合は、最初の登記名義人のところに戻ってもう一回ゼロから相続登記を何世代もしなければ、結果、利活用ができないということにもなりますので、やはりこの申告登記というものは、決して全く意味がないということは申し上げませんが、まだまだ課題があるのではないか、それをいかにこれから運用上で改善する工夫ができるかというところがこれからの課題かなというふうに思っております。
 以上です。

#80
○山添拓君 ありがとうございます。
 それでは、残りの時間で今川参考人、阿部参考人、吉原参考人それぞれに、もし御意見あれば一言ずついただきたいと思っているんですが、今のお話からも遺産分割が大事だということかと思います。この法案では、同時に、民法改正によって遺産分割における具体的相続分の主張を十年に制限しようという内容があります。この法案提出の経過に照らせば、これも所有者不明土地の解消のための一つの手段と考えられているものと思います。
 所有者不明土地の解消というのは、相続人のためというよりは、公共事業や災害復旧や、あるいは土地を取得して事業を行いたい者のために登記の公示的な効果を期待するもので、半ば公益目的だと思うんですね。それによって遺産分割における特別受益や寄与分の主張ができる権利を制約していくと。ですから、公益目的によって権利を制約するということになります。しかも、その範囲は、土地だけではなく、建物や動産や債権などほかの遺産にも及ぶことになります。
 この目的と手段との合理性についてどのようにお考えかということについて、最後に御意見伺いたいと思います。

#81
○参考人(今川嘉典君) 今川です。
 先生御指摘のとおり、遺産分割協議は義務でもなかったですし、いつやってもいいということで、特別受益や寄与分といった具体的相続分もいつ主張してもいいということになっていまして、それが十年を経過したらできなくなるということは、これは権利行使の仕方が変わるわけですから、影響はあると思います。
 ただ、遺産分割協議をする中で、長期間、期間が経過しますと、その具体的相続分を証拠立てるものも乏しくなってきて、勢い遺産分割協議が長期化するという問題も多分あるんだろうなというふうに思います。そこはバランスで、どこかで区切りを付けるということも必要だということで、今回十年という数字が出てきたんだろうなと思っております。
 ですから、国民には十分周知をしなければならないと思いますが、この十年という数字についてはまずは受け入れて、遺産分割協議を促進する方へ向かうべきかなというふうに今のところは考えております。
 以上です。

#82
○参考人(阿部健太郎君) こちらにつきましても先生と同じ問題意識を持っておりまして、十年経過したことによって具体的相続分についての権利主張ができなくなる、これは非常に市民には大きな影響を与えるところだというふうに思いますので、こちらを導入するに当たっては、やはりかなりの周知をしなければいけないというところ。
 ただ、今、今川参考人が申し上げましたとおり、とはいえ、やはり一定のところで区切らないと、それが今後の遺産分割の合意形成の阻害要因にもなる。要するに、資料もない、証拠もない中で主張をされると、結果、合意の妨げになるということも実際起きているということですので、その辺りの整合性をどう取るかというところはやはり重要であるのかなというふうに考えるところです。
 以上です。

#83
○参考人(吉原祥子君) 私も、お二人、さきの参考人の方々と基本的に同じ意見です。十年をたつ前に、経る前に相続し、遺産分割協議を行うことは相続人のためにもなるというふうに考えております。
 また、十年経過した後でも相続人間で合意ができれば具体的相続分に基づく分割というものは可能ですし、また、十年経過する前に裁判所に申立てをするといった方策も設けられておりますので、そこは法制上もバランスが取られているのではないかと考えております。

#84
○山添拓君 ありがとうございました。今後の参考にさせていただきます。

#85
○高良鉄美君 沖縄の風の高良鉄美でございます。
 今日は、貴重な御意見いろいろお聞かせいただきまして、ありがとうございました。
 私の方は沖縄選出の議員ですから、所有者不明土地というともう沖縄戦の関連があって、激烈な戦火の中で、命ももちろんそうですけれども、財産、そしてやはり記録ですね、これがもう失われているということで、もうとにかく所有者不明土地というのが多いと、しかもばらばらにあるということを思い起こすわけですけれども。
 まず、やはり全体的な問題として、沖縄の場合は、今全国でこの法案が問題にしている所有者不明土地というものに対して、吉原参考人に、この辺、今回法改正して、沖縄の場合と全国とは随分違うのかもしれませんが、所有者不明土地問題の沖縄の場合にはこれどういうふうに貢献されるのかなと、関係するかなと、促進とかですね、そこをちょっとお伺いしたいんですが。

#86
○参考人(吉原祥子君) ありがとうございます。
 今回の法改正が沖縄の問題に対して貢献する部分と、それから沖縄の経験が日本全体に役に立つ部分と、両方あると思っています。
 まず、今回の法改正が沖縄に役に立つ部分としましては、例えば、所有者不明土地管理制度が新しくできましたので、やはり沖縄の不明地で解消が困難な部分については、こうした新しい管理人制度を使って、利用に向けて促進できる道が開かれたというふうに考えております。
 それから、沖縄の経験が生かせる部分としましては、沖縄では不明地について県や市町村を管理者と立てて、登記簿にも、私の記憶違いでなければ登記簿にもその旨記載していたのではないかと思います、管理者として。その過程で県や市町村がどのように、管理者としてどういう業務を担っていて、どのぐらい負担になっていたのかということが今後管理制度というものをつくっていく上での大きな参考になるのではないかなと思っております。

#87
○高良鉄美君 ありがとうございました。
 特殊、沖縄的なものという部分と、全国に適用できるような、あるいは準用できるような、そういったことがあるということでしたけれども。先ほど、地籍調査をされた御著書もあるということで豊田議員の方から、委員の方から紹介ありましたけれども。
 やはり沖縄の地籍を調査していく、あるいは、國吉参考人にお聞きしたいんですけれども、くいを打って悔いをなくすというような最初に衝撃的なお話がありましたけれども、沖縄の基地の場合に、なかなか地籍が不明確であるということで、一九七七年だったと思うんですけれども、地籍明確化法ができて、もうくいを、ある程度話を聞いたりいろいろしながら、このぐらいの面積だったということで直線的に結構やったところもあるように私は聞いていますけれども。
 全国でも、そういう不明土地の中で、周りが大丈夫だと、周りが明確になっているという場合に、残ったところが明確なんだというような方式があると思うんですけれども。
 その辺ちょっと、沖縄のことに限らず、こういったくいを打って調べるということに対して非常に御苦労されているというのが先ほどありましたけれども、こういった形の御苦労を含めてちょっと、問題として何かありますでしょうか、今後も含めて。

#88
○参考人(國吉正和君) 実は、土地家屋調査士といいましょうか、不動産登記法で公示されております一筆一筆の成り立ちの問題なんだと思うんですけれども、そもそも、元々は明治の地租改正の頃には一筆一筆を測りながらそれをまとめて地図を作っていくという方式を恐らく取ったんだと思うんですね。今現在の測量ですとか調査、調査、測量の観点からいいますと、大きな地域を測りながら周りから攻めていくというんでしょうか、そういうような形式でやっぱり地図などを作っているということになります。
 ですから、そうすると、そもそもその地租改正時代若しくは昔の一筆一筆の土地の境界が成り立ったときの測量のやり方ですとかやっぱり精度によって、今どういうふうに復元するかというのはそれぞれの地域によってやっぱり違ってくるというふうに思います。ですから、今であれば、高度な機械を使って、それこそ何ミリですみたいな形で測量成果が出てきますけれども、昔の間尺ですとか、何尺何寸何分とかですね、そういったようなときに作った図面との成り立ちについてはやっぱりそれぞれの地域によって違ってくると思っています。
 ですから、それぞれの地域の当時、昔の測量をやった方法ですとか成果の正確性だとか、そういったものも含めて考えながら要は境界を確認していくという作業がどうしても必要になってくると思います。ですので、地域のそういったもの自体をやっぱりそれぞれが確認をしながらやっていくということが重要なんだと思っております。

#89
○高良鉄美君 本当に御苦労が大変だと思うんですけれども。
 今、先ほど吉原参考人の方からもありましたけれども、沖縄の場合には県とか市町村の方が管理をしながらということでしたけれども。スタートが何か米軍の指導で、一九四六年からもう五一年の間にある程度やっていくというのがあって、残ったのがかなりあったわけですけれども、そこも継続して当時の琉球政府と市町村がやったということなので、ある程度はあっても、結構虫食いで現在も残っているという状況ですので、またこれからこれを、この法案を活用しながらやる場合もいろんな御苦労があるかと思います。
 続きまして、今川参考人にお聞きしたいと思いますけれども、先ほど山添委員の方からもお話があったものですけれども、改正案の民法の九百四条の三ということで、先ほどの十年というのがえらく強調して出ているような感じがしまして、その十年をたつともう何かこれがぎりぎりかなとか、そうなるともう法定相続分の割合しかもらえないんじゃないかとか、そういうのをどうしても考えてしまうし、それから、地域的なものもあるかもしれませんが、のんびりしている方がいらっしゃると十年というのはあっという間みたいな形で、ああ、過ぎてしまったという、救済も必要かと思いますけれども。
 先ほどの確認ですと、相続の開始から十年というのは一つの区切りとして取っておくということでしたけれども。分割協議というのが、法定相続分ではなくて分割協議でもうどんどん決めていくのを促進するというのがありましたけれども。その分割協議、遺産分割協議の、何というんですか、促進をして、それをきちんと、十年超えてもできますよということについてやっぱり周知をするというのはとても大切と思うんですけれども。
 そこら辺の議論ですね、法制審の方で御参加されていたということで、そこを踏まえて、ちょっとこの辺の話、もう少し聞かせていただけますでしょうか。

#90
○参考人(今川嘉典君) 今川です。
 先生おっしゃったとおり、法制審議会の委員として私出ておりましたので、そのときの議論をお伝えをいたします。
 我々にも、今先生おっしゃったように、まず、十年を経過したらもう遺産分割できない、分割協議できないんですか、もう法定相続分で自動的に分割されちゃうんですよねと言われる人もいます。そしてまた、十年経過すると、遺産分割協議はできるにしても、法定相続分以外で分割協議をすることはままならないというふうにもう強制されるんですかという質問がよくあります。
 私もその点、法制審議会の部会で質問もしましたし、部会資料の五十一番にも書いてありますが、十年の期間経過後に、相続人間で具体的相続分による分割をするとの合意がされた場合、つまり法定相続分とは違うような協議をした場合でも、全員の合意でやる場合はもちろん分割協議でもできるし、調停や審判の場でもそれは認められるとされておりますので、相続人全員の合意があれば法定相続分によらない遺産分割を調えることが可能であるということが確認されております。
 この点については、国民の皆様に混乱がないようにしっかりと政府の方も周知をしていただきたいですし、我々も依頼者にしっかりと説明をしていきたいなというふうに思っております。

#91
○高良鉄美君 ありがとうございます。
 寄与分とか特別受益のも、もう全部考慮が入ってくると、この議論の際に、ということで、今そういうのが入っていたと思いますので。
 もう一点、今川参考人に、この所有者不明土地の管理人の制度についてちょっとお伺いしたいと思うんですけれども。
 この管理人ですね、所有者不明土地の管理人は、あくまでも管理をするということが中心ですので、基本的にはもうそれ以外の形で債務の弁済ということはできないと、することはできないというふうにされていますけれども、だとすると、この管理不動産を売却する必要性が生じたと仮になって、その不動産に抵当権等がある場合に、この抵当権者に対する弁済ができないのかということなんですけれども、これによって阻まれるんだから結局売却も進まなくなるんじゃないかというふうにも考えられるんですけれども、これ実務的に、この辺、何か、どういうふうに解決というか、方法があればということですけれども。

#92
○参考人(今川嘉典君) 先生御指摘のとおり、私、司法書士ですので、実務の現場にいまして、新しい管理人ですね、所有者不明土地管理人が裁判所の許可を得て売却をする場合に、弁済はできないんだということでありますと、抵当権の抹消をすることができない。そうすると、抵当権付きの不動産を購入するような人がいるだろうかというのがすぐ司法書士として気になりまして、理論上はそうなってしまうという議論があったものですから、それじゃ売却はできませんねという話になったんですが、結局、必要な場合には裁判所の方で許可を得た上で弁済をすることは可能であるというような整理もされましたので、司法書士としてほっとしまして、今安心しておるところです。
 ですから、実務の運用においては裁判所が適時判断をしていただいて、抵当権の抹消もした上で売却をしていくということが可能になる、そのような運用になるというふうに今、信じております。
 以上でございます。

#93
○高良鉄美君 ありがとうございます。
 やはり、こういう実務の場で、非常に気になる点とか、今回の管理人制度ですね、そこの部分からいうと、本当に今後も頑張っていただく司法書士の先生方、それから弁護士ももちろんそうでしょうけれども、土地家屋調査士の方々、そういったところできちんと、特に司法書士の先生方、大変だと思うんですけれども、またいろいろ今後も取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、阿部参考人にお聞きしたいんですけれども、先ほど本法案の、いろんなものが入っていますけれども、基本的には、慎重にしながらも、基本は賛成という形で議論は今あって、しかし問題点があるということで、プライバシーの問題のほかにもありましたけれども、私、ちょっとこのプライバシーの問題というのが非常に気になりまして、国が、特に国庫の問題もありますので、国がこういう制度をつくっていくといったときにやっぱり配慮しなきゃならないものというのは、このプライバシーの問題というのは憲法が国に対して要求しているものだと思うんですね、配慮するというのは。
 この辺り、やっぱり御指摘によって、私、非常に、ああ、そうだなと思いまして、その辺、もう少し何か関連したことが、あるいはこの問題についてちょっと、もっと注意喚起のような主張がありましたらお願いしたいと思います。

#94
○参考人(阿部健太郎君) 御質問ありがとうございます。
 私たちの問題意識については先ほどから述べさせていただいているとおりでありますが、考えなければいけないのは、そのプライバシーや個人情報に対する意識というのが、この数年、この十年の中で非常に変容しているということがまず一点挙げられますので、今までやっていた制度で問題がなかったからこれからもそれでよいのだというふうな議論ではなくて、そういった感情や考え方が非常に変容しているというところを考えなければいけないということが一点。
 それから、もう一点は、やはりITやインターネットを使った技術の革新が目覚ましいということで、以前であれば、法務局に行って登記簿を取らない限りは他人の住所、氏名であっても閲覧したりすることはできなかったわけですが、今はインターネットでパソコン、家の、前のパソコンに、いれば、全国どこの情報でも登録さえすれば取れるという形で、かなり膨大に取ることもできてしまうというようなことの技術の進歩も一つ影響しているんじゃないかなというふうに思っているところです。
 こちら、少し話が違うところではありますが、一昨年ですかね、破産をした方や民事再生を申し立てた方の官報に掲載された情報をインターネット上の地図に表示するような問題が起きました。これも、官報という公に出ている情報を落とし込んだので問題がないというのが一つの考え方。まあ結果的には閉鎖という形にはなっておりますが。
 これも、登記も同じように、今、登記という公開している情報を大量に集めてビッグデータ化しているような企業も出始めておりますので、やはりそういった民間利用という意味においてはよいのかもしれませんが、ある種、公示している目的とは違った形での利用につながっている可能性も非常にありますので、やはりそういった技術の革新ということに応じた対応をしていく必要があるというふうに考えております。
 以上です。

#95
○高良鉄美君 時間が来ましたので終わりたいと思います。ありがとうございました。

#96
○嘉田由紀子君 碧水会の嘉田由紀子でございます。
 四人の参考人の皆さん、それぞれ御専門の立場から丁寧な御意見ありがとうございます。
 まず、司法書士連合会会長様の今川様にお伺いをしたいんですが、今回、相続登記の義務化によりまして多くの関係者の負担が増えると思うんですが、折しも今、デジタル改革関連法案、衆議院を通過いたしまして、参議院でも審議が始まりました。
 このデジタル技術を活用することによりまして、国民あるいは関係者の負担が軽減されるような施策は考えられるでしょうか。今川参考人にお願いいたします。

#97
○参考人(今川嘉典君) 相続登記においては、まず戸籍を集めていくという作業がどうしても必要であって、それ大きな負担になりますので、オンラインで取得することができる、オンラインで請求することができると国民や我々資格者の利便性は大幅に向上するというふうに思っておりますので、是非オンラインによる戸籍の請求、実現をしていただきたいなというふうに思っております。
 それから、マイナンバーカードが今徐々に普及してきておりますけれども、このマイナンバーカードが普及しますと、登記申請する際に印鑑証明書や住民票を添付する必要がなくなりますので、マイナンバーカードの普及も今希望しておるところではあります。
 ただ、マイナンバーカードの場合は、そのマイナンバーカードで電子署名された電子文書を受け取る側、つまり我々ですけれども、添付情報であるとか委任状に付された電子署名が有効かどうかの確認をしなければいけません。実は、当連合会では、マイナンバーカードの電子署名について、全国の司法書士がどこにいてもその有効性を検証することができるというシステムを自前でつくり上げました。二月十五日から稼働しております。これは、多分、士業界で初めてではなかろうかと思っております。
 今後も、デジタル化社会に対応することができるように当連合会で活動していきたいなというふうに思っております。

#98
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 これまで、印鑑証明という大変財産のベースになる、それを確保するのも結構手間掛かったんですけど、逆にマイナンバーカードで代理できるとなると、それはそれでかなり利便性は高まると思うんですが、ただ、そのまさに証明ですね、そのシステムを司法書士会でつくっていただいた。本来国がやらなきゃいけない仕事かと思うんですけど、先行的に投資いただいているということで、大変心強いです。ありがとうございます。
 同じく、私、ずっと女性の社会参画ということを考えて、また発言もしてきているんですけれども、専門職における女性の参画、身の回りにも随分優秀な司法書士の方がたくさんおられるんですけれども、この司法書士会における女性の参画状況、役員の割合とか、あるいは、現在、今後の取組など、どうお考えでしょうか。

#99
○参考人(今川嘉典君) 今川です。
 現在、全国の司法書士会員は二万二千人おります。うち、女性会員は四千百人です。全会員に占める割合は一八%ほどになります。ただ、その女性会員の割合は増加傾向にあります。
 そして、日司連の役員ですけれども、あっ、連合会の役員は、現在、約女性の割合は一一%です。ただ、全国五十ある司法書士会の役員の女性構成比については、三〇%に達した会もあるというふうに聞いておりますが、まだまだ多いとは思えません。
 当連合会では、平成三十年九月に男女共同参画推進室を設置しまして、組織的、横断的、計画的に男女共同参画の推進に取り組む体制を整備しております。そして、男女共同参画基本計画を策定して、現在これに基づいて具体的な事業を行っております。
 女性会員を増やすために、女性司法書士のインタビューをユーチューブで流したりしておりますし、また、単位会によっては、司法書士会によっては、女性のための女性司法書士による無料相談会をして一日で九十二人の相談があるという実績もありますし、また、大阪の司法書士会においては女性とこどものための専門相談会というのを毎週行っております。
 こういうように、男女共同参画社会の形成というのは、我々の、国民の権利を擁護して、もって自由かつ公正な社会の形成に寄与するという司法書士の使命にも通じるものでありますので、今後も、各団体との協力の下、取組をしていきたいというふうに考えております。

#100
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 仕事と子育ての両立という面でも、比較的時間の自由があって、一種の自営業のようなものでございますので、もっともっと私も女性に入っていただき、クライアントもそれだけ身近になってきますので、壁が低くなるのかなと。是非、子供さんと教育のところも今後ともお願いいたします。ありがとうございます。
 國吉参考人にお伺いしたいんですが、土地所有権の国庫への帰属に関するこの法律案の中で、かなり国際化が進んでいる中で、所有権の登記名義人が国内に住所を有していないとき、その国内における連絡先となる者の氏名あるいは名称及び住所その他の国内における連絡先に関する事項として、法務省令、七十三条の二第一項二号で新たな規定が定められると伺っているんですけれども、この規定が定められることによりまして具体的にどのような効果が期待されるでしょうか、お願いいたします。

#101
○参考人(國吉正和君) 先ほどの意見陳述でも述べさせていただきましたとおり、私どものその土地の調査を行う、当然ですけれども、隣接地の中にはやっぱり外国籍の所有者さんもおりますし、また、日本ではなく外国に住所を移していらっしゃる方がいる、多くなっているというのはもう目に見えております。
 そのときにやっぱり一番大変なのは、やっぱり外国に住所がありますとなかなか連絡が取れない。そしてまた、今ちょっとコロナの時期ですので、どちらかといいますと、日本にいらっしゃった外国の方が本国へ帰りまして、もうこっちへ来れないというような形で、もう立会い自体がなかなかできないという形が多く見られます。
 そのときに、やっぱりこれは、日本国内にそういった方との連絡が取れる方をきちっと決めていただければ、その方を通じて連絡を取れるということで、そういった土地の境界問題についても促進できるのではないかなというふうには思っているところでございます。

#102
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 運用面が大変だと思いますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
 それから、阿部参考人様に、実は私、司法書士の皆さんの世界をよく知らないので全く素人の質問なんですが、全国青年司法書士協議会という方と、それと日本司法書士連合会と、何かすみ分けというか、年齢か何かの違いがあるのか。例えば、JCでしたら四十歳までと、その後、様々な商工会の活動に入ったりするんですけど、そこを少し、初歩的なところですが教えていただけますか。

#103
○参考人(阿部健太郎君) 御質問ありがとうございます。
 当協議会は、パンフレットでも配らせていただいているところですが、まず日本司法書士会連合会と全国青年司法書士協議会の違いというところではありますが、日本司法書士会連合会という形になっておりまして、日本司法書士会連合会は、各全国の五十の単位会を、司法書士会員が各地の司法書士会に登録をし、その各地の司法書士会の総体としての組織が日本司法書士会連合会という形になっておりまして、一つの強制会という形になっております。
 同じ全国組織ではありますが、全国青年司法書士協議会という当会は、完全なる任意の団体になりますので、この当会の考え方に志を同じくする仲間たちが集っているというような形で、全国に同じような青年会が各地にありまして、その青年会のメンバーが全国で集ってきているのが当団体というような形。
 特段、そういった意味ではすみ分けというようなものがあるわけではなく、完全なる別団体というところにはなってくるのかなというふうに考えているところです。

#104
○嘉田由紀子君 そうすると、例えば、阿部さんも日本司法書士会に入って、ある意味で義務的にそちらに入る、弁護士さんが日弁連に入らないといけない。そして、その上に青年司法書士協議会というのがあると理解をしてよろしいでしょうか。上というか、別組織で、任意団体として。

#105
○参考人(阿部健太郎君) まず、私の場合ですと、私は神奈川県横浜市で事務所を構えておりますので、司法書士の登録をする場合は神奈川県司法書士会に登録をします。神奈川県司法書士会を通じて日本司法書士会連合会の名簿に登載をされるんですが、登録は神奈川県司法書士会です。神奈川県司法書士会が日本司法書士会連合会の構成団体というような形になっているというところ。そして、日本司法書士会連合会と我々全国青年司法書士協議会とは完全なる別団体という形になりますので、特段、上下関係とか何か関係性があるということにはならないということになると思います。

#106
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 クライアントとしてどちらに相談したらいいかなというようなこともあるかもしれませんので、またいろいろと勉強させてください。申し訳ありません、立ち入った質問でしたら。
 もう時間が迫っているんですけれども、最後に吉原参考人様に、私は、これからの温暖化が進み、環境破壊が進み、そして日本の国土の土地利用というのは今まで余り意識的に進んでいなかったところが必要だと思うんですね。例えば、災害ですと、水の問題ですと、より川の面積を増やしてグリーンインフラという形、そうすると生物多様性なり、魚たちも喜んでくれるだろうと、そんなところで研究もしてきているんですが。
 それから、グリーンインフラだけではなくて、本当に生き物がすみやすい国土、そのときに、今回、不明土地の国庫帰属、国に寄附できるというような制度ができているんですけど、こういう土地を新しく社会のニーズに合わせるような形で転換するモデルプロジェクトなりができたらいいなと思うんですけど、土地利用の御研究している立場からどうでしょうか、そんなことは可能となるかどうか、ちょっとアドバイスをいただけたら有り難いです。

#107
○参考人(吉原祥子君) ありがとうございます。
 是非そうした方向に進んでいければというふうに思います。今回のキーワードの中の一つに権利の分散化という言葉がありましたけれども、日本の場合は物理的にも権利的にも細分化されているという現状がありまして、そうしたグリーンインフラのような大きな面積で活用していくというところにもそうした所有者不明土地問題の課題が現れてしまっているのかなと思います。
 この問題が、遺産分割協議の早期の合意、それから登記に反映されていくこと、それから共有制度が解消されていきやすくなるといった今回の法制度が活用されることで、大きな面積の土地活用というものの道が開けていって、今先生がおっしゃったような生物多様性を生かしていくようなグリーンインフラの活用などにも多面的につながっていくことがまさに望まれるものだと思っております。
 ありがとうございます。

#108
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。これで終わります。

#109
○委員長(山本香苗君) 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の皆様に一言お礼を申し上げます。
 参考人の皆様方には、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト