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2021/04/15 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 内閣委員会 第12号 令和3年4月15日
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2021/04/15 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 内閣委員会 第12号 令和3年4月15日

#1
令和三年四月十五日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     古賀友一郎君     藤井 基之君
     山田 太郎君     宮沢 洋一君
     熊谷 裕人君     塩村あやか君
 四月十四日
    辞任         補欠選任
     岡田 直樹君     加田 裕之君
     藤井 基之君     古賀友一郎君
     宮沢 洋一君     山田 太郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         森屋  宏君
    理 事
                酒井 庸行君
                徳茂 雅之君
                木戸口英司君
                平木 大作君
                矢田わか子君
    委 員
                大家 敏志君
                加田 裕之君
                古賀友一郎君
                高野光二郎君
                山田 太郎君
                山谷えり子君
                和田 政宗君
                小沼  巧君
                塩村あやか君
                杉尾 秀哉君
                石川 博崇君
                柴田  巧君
                高木かおり君
                市田 忠義君
                田村 智子君
   国務大臣
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    小此木八郎君
   副大臣
       内閣府副大臣   三ッ林裕巳君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       三谷 英弘君
       経済産業大臣政
       務官       宗清 皇一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮崎 一徳君
   政府参考人
       内閣法制局第二
       部長       平川  薫君
       警察庁長官官房
       総括審議官    櫻澤 健一君
       警察庁長官官房
       審議官      小柳 誠二君
       警察庁生活安全
       局長       小田部耕治君
       財務省大臣官房
       審議官      小宮 義之君
       スポーツ庁審議
       官        豊岡 宏規君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    宮崎 敦文君
       経済産業省大臣
       官房審議官    福永 哲郎君
       経済産業省貿易
       経済協力局貿易
       管理部長     風木  淳君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律
 案(内閣提出)
    ─────────────

#2
○委員長(森屋宏君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動につきまして御報告いたします。
 昨日までに、熊谷裕人君及び岡田直樹君が委員を辞任され、その補欠として塩村あやかさん及び加田裕之君が選任をされました。
    ─────────────

#3
○委員長(森屋宏君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣法制局第二部長平川薫君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(森屋宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(森屋宏君) 銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#6
○徳茂雅之君 おはようございます。自由民主党の徳茂雅之でございます。
 本日は、銃刀法改正案質疑の機会を頂戴いたしました。森屋委員長を始め、理事、委員の各位の皆様に感謝申し上げます。
 早速質問に入らせていただきます。
 今回、規制の対象となりますクロスボウ、いわゆるボウガンでありますけれども、必ずしも身近で見るような機会がありませんので、ちょっとインターネットサイトでどういうものか少し調べてみました。
 通販サイトで見てみますと、ピストルクロスボウというふうに呼ばれる、ピストルぐらいの大きさで小型で片手で持てるボウガンでありますとか、あるいはコンパウンドクロスボウという、これは大型で、弓に滑車が付いていまして、見た目にも非常に威力がありそうなボウガン、こういったいろんな種類のボウガンが、クロスボウが発売されておりました。
 また、国内の専門ショップのサイトも見てみました。そのショップのサイトを見ますと、その冒頭に、今後銃刀法の改正が想定されるというような注意文も書かれておりましたし、また、未成年者に対する販売について確認書を提出求めるような、そういった記述もございましたが、一台数十万円もするようなクロスボウも販売されています。
 こういった形で、世の中に一般に現在では自由に流通をして購入することができる状況になっておりますけれども、そもそもクロスボウというものはどういうものなのか、あるいはアーチェリーとかいわゆる和弓、弓道で使う弓とはどう違うのか、ここについて政府の方にお尋ねしたいと思います。

#7
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 クロスボウは、改正法におきまして、引いた弦を固定し、これを解放することによって矢を発射する機構を有する弓のうち、内閣府令で定めるところにより測定した矢の運動エネルギーの値が、人の生命に危険を及ぼし得るものとして内閣府令で定める値以上のものと定義しているところであります。
 アーチェリーや和弓は人力で弦を引いたままの状態で狙いを定めて射る必要があるのに対しまして、クロスボウは弦を引いた状態で固定し、引き金を引いて矢を発射する機構を有する点で異なるところでございます。このため、アーチェリーや和弓と比べますと、クロスボウにつきまして一般的に操作が容易であり、習得までの期間も短いなどの特徴がございます。
 なお、この点、関係団体によりますれば、アーチェリーの場合、競技において初心者の方が三十メートル先の的に矢を当てられるようになるまでには数か月を要するのに対しまして、クロスボウの場合につきましては、競技において初心者の方でも初日に三十メートル先の的に矢を当てることが可能だというところでございます。

#8
○徳茂雅之君 構造面の違い、取扱いの簡便さの違いがあるというお話でございました。
 今回の規制は、単に所持について規制掛けるだけではありません。クロスボウの携帯あるいは使用、それから譲渡といった、いろんな側面で幅広い規制を掛けています。
 これまで青少年育成条例等、自治体での規制が掛かっている部分がございましたけれども、法律上は、軽犯罪法に触れる場合以外は事実上自由であったというふうに理解しております。
 今回、これまで原則自由であったものを、ある意味がちがちの規制を掛けるということにしたわけでありますけれども、こういった幅広い規制を掛ける理由についてお尋ねします。

#9
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 今回の改正は、令和二年六月に兵庫県宝塚市におきましてクロスボウを使用して四人を殺傷する事件が発生し、さらに、同年七月、八月とクロスボウを使用した殺人未遂事件が相次ぎ発生するなど、最近におけるクロスボウを使用した凶悪犯罪の発生状況やクロスボウが銃刀法で規制する空気銃等に匹敵する威力を有していること等に鑑みまして、クロスボウによる危害予防を目的として、そのために必要な諸規定を整備しようとするものでございます。
 このため、まず、クロスボウを原則所持禁止とした上で許可制を導入し、標的射撃等の一定の用途に供するためクロスボウを所持しようとする者については、クロスボウごとにその所持について都道府県公安委員会の許可を受けなければならないこととしております。また、クロスボウの所持許可を受けた者に対しましては、その所持に伴う事件や事故を防ぐため、許可された用途に供する場合を除く発射の禁止や適切な設備及び方法により保管する義務を課すこととしております。さらに、クロスボウの不法所持や不正流出を防ぐため、販売事業者に対する譲渡し時における所持許可証の確認義務等を設けることとしております。
 このように、様々な側面から規制を行うことにより、クロスボウによる事件、事故の防止を図ろうとするものでございます。

#10
○徳茂雅之君 ありがとうございました。
 クロスボウによる事件、事案について、まだ記憶に残っていますのがいわゆる矢ガモ事件であります。平成五年ということで、随分前の事件であります。
 その当時は、恐らくいわゆるネット通販というものが余りなくて、店頭等で購入せざるを得なかったと思いますけれども、その後、インターネットの普及に伴って、ネット通販である意味幅広く自由にクロスボウを購入できる機会も増えてきたんだと思います。恐らくそれに伴いまして、これは警察庁の調べでありますけれども、この十年余りでクロスボウに関する問合せ、相談も増えてきておりますし、いわゆるクロスボウを利用したようないろんな殺傷事案も増えてきたということで、検挙件数も三十件を超えてきているというふうに聞いております。
 このように、最近、クロスボウを利用した事案、事件が増えてきたにもかかわらず、先ほど少しありましたけれども、今回、今こういう大きな、大幅な規制を掛ける理由について改めてお尋ねします。

#11
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 警察におきましては、クロスボウを使用した犯罪の発生状況を踏まえつつ必要な対応を行っていくこととしていたところでございますけれども、クロスボウを使用した犯罪の発生状況について見ると、確認できる範囲で申し上げますと、平成十四年から平成十八年の五年間の刑法犯事件の検挙件数は六件となっておりまして、その罪種は傷害や器物損壊等でございました。これに対しまして、平成二十二年一月から令和二年六月までの間のクロスボウが使用された刑法犯事件の検挙件数は二十三件と多数の事件が発生しており、しかも、殺人や殺人未遂等の故意に人の生命、身体を害する罪の事件が半数を超えていたところでございます。
 そして、令和二年に入りまして、同年六月に兵庫県宝塚市におきまして、クロスボウを使用して三人を死亡させ、一人に重傷を負わせる大変痛ましい事件が発生し、その後も、同年七月、八月と殺人未遂事件が相次いで発生したところでございます。
 また、クロスボウの威力について警察庁科学警察研究所において実験を行ったところ、銃刀法上規制されている空気銃等の威力に匹敵することが確認されたところであります。
 このようにクロスボウが使用された凶悪事件が相次いで発生したことを踏まえまして、今回の法案を提出させていただいたところでございます。

#12
○徳茂雅之君 ありがとうございました。重大な凶悪な犯罪が急増してきたということでありました。
 それでは、個々の規制についてお尋ねします。
 まず、改めて、今回のクロスボウの所持について、原則禁止で、一定の条件の下に許可制ということにした背景についてお伺いします。

#13
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 クロスボウにつきましては、最近におけるクロスボウを使用した凶悪犯罪の発生状況やクロスボウが銃刀法で規制する空気銃等に匹敵する威力を有していること等に鑑みまして、その所持等に係る規制が必要と認められるところであります。他方で、標的射撃等の社会的に有用な用途に用いられている実態が確認されているところであります。
 こうした状況を踏まえまして、クロスボウによる危害の発生を防止するため、クロスボウの所持については、これを原則禁止とした上で所持許可制を導入し、所持しようとする者が人的欠格事由に該当しないかなどを事前に審査して、適正な取扱いを期待できない者には所持を認めないこととしつつ、適正な取扱いが期待できる方につきましては標的射撃や動物麻酔等の社会的に有用な用途に限定して所持を認めることとしたものでございます。

#14
○徳茂雅之君 ありがとうございました。
 続いて、クロスボウの流通、販売、譲渡等についてお尋ねします。
 今回クロスボウの譲渡についても規制を設けていますけれども、この理由についてお尋ねします。

#15
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 クロスボウによる危害の発生を防止するためには、所持許可制の導入と併せて、クロスボウが不正に流出して不法に所持されることがないよう実効性のある仕組みが必要でございます。
 そこで、改正法におきましては、販売事業者等がクロスボウを販売する場合には、クロスボウを購入しようとする相手方からその者の所持許可証の提示を受けてからでなければ譲り渡してはならないこととするものでございます。
 以上です。

#16
○徳茂雅之君 ありがとうございました。
 国内におけるクロスボウの販売ルートというのは、最初に申し上げましたとおり、今やインターネットによる通販がメーン、中心だろうというふうに考えています。やはり、インターネット通販といいますのは、対面販売と比較しましても、いわゆるチェックというのがおろそかになりがちであります。
 また、クロスボウのメーカーでありますけれども、国内には実質、事実上製造しているメーカーはないということで、ほとんどが輸入に頼っているんだろうというふうに思います。
 その上で、今回、クロスボウの規制について、特にインターネットによる販売あるいは輸入についてどのように対応していこうとしているのか、お尋ねしたいと思います。

#17
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 改正法におきましては、販売事業者は購入者から所持許可証の提示を受けた後でなければクロスボウを譲り渡してはならないこととされておりまして、その具体的な方法は内閣府令で定めることとしております。
 この内閣府令におきましては、現行の銃砲のインターネット販売時の手続同様、適法に所持できる者以外の者に譲り渡されることを防止するため、販売事業者は、クロスボウを購入しようとする者の所持許可証の原本を確認した上で配送し、引渡し時には運送事業者に運転免許証等による本人確認を確実に行わせなければならないこととすることを予定しております。加えて、業としてクロスボウを販売する者につきましては、都道府県公安委員会に届出をしなければ適法にクロスボウを所持できないこととしておりまして、これらの規定を適切に運用して、クロスボウが不法に流出することのないよう努めてまいりたいと考えております。
 また、海外の販売事業者から輸入する場合には、海外業者には以上申し上げた規定の適用はございませんが、改正法の施行後クロスボウを輸入しようとする者は、関税法によりまして、税関に対し所持許可証等クロスボウを適法に所持することができる者であることを証明する書類を提示しなければならず、こうしたものを提示しなければ輸入が許可されないこととなります。
 これまでも警察におきましては、既に、銃刀法で規制されている銃砲の輸入について税関等と協力して違法な流通の阻止を図っているところでございますけれども、クロスボウについても税関等の関係機関と緊密に連携をして違法な流通の阻止を図ってまいりたいと考えております。

#18
○徳茂雅之君 ありがとうございました。
 所持許可証による本人確認をしっかり行っていくということでありますので、適正な運用をお願いしたいと思います。
 現状、クロスボウは年間千台以上販売しているような業者もあるというふうに承知しております。ある意味、相当多数のクロスボウが既に世の中に流通しているんだと思います。これらについて許可が行われなければ、最終的には何らかの形での処分ということになろうと思います。実際、かつて規制が導入されたような準空気銃、あるいはダガーナイフと呼ばれる刃渡りの短いナイフについても、経過措置とともに処分、回収が行われたわけであります。
 今回、既に流通しているクロスボウについて許可がなされなかった場合にどのように対応するのか、規制するのか、お尋ねします。

#19
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 現実にクロスボウが故意に人の生命、身体を害する犯罪の道具として使用されていることを踏まえますと、クロスボウによる危害の発生を防止するためには、改正法の施行後に新たにクロスボウを所持しようとする者のみならず、改正法の施行時に現にクロスボウを所持している者についても規制対象とする必要があると考えております。
 ただし、先ほど先生からも御指摘がございましたような準空気銃やダガーナイフを所持禁止等にした過去の銃刀法改正時の例に倣いまして、改正法の施行時、現にクロスボウを所持している方につきましては、経過期間、経過措置として、施行日から六か月間は当該クロスボウに関する限り所持禁止の規定を適用しないこととしておりまして、この六か月間に所持許可を申請していただくか、適法に所持することができる方に譲り渡していただくか、あるいは廃棄するかといった措置をとっていただくこととしているところでございます。
 改正法が可決、成立されれば、現にクロスボウを所持している方が経過措置期間における許可申請、廃棄等の手続を適切に取っていただけるよう、経過措置期間における手続を含めた改正内容について広く周知を図ってまいりたいと考えております。

#20
○徳茂雅之君 ありがとうございました。
 是非、経過期間中の適切な周知の措置と広報をお願いしたいというふうに思います。
 最初申し上げましたとおり、クロスボウといいますのは、これまで原則自由に誰でも購入、所持することができました。ただ、私、振り返ってみましても、なかなかこれ、一部の愛好家のみが嗜好するものだろうというふうに思っていまして、なかなか一般の方が、例えば銃や刀剣と比べて、身近じゃないんですけれども、理解するのが難しくて、ある意味規制の必要性の意識が高まりにくいんじゃないかなということを危惧しております。
 今回、広範に規制を掛けるわけでありますけれども、法規制の実効性をしっかり高めるために、先ほどありましたとおり、是非その規制の内容の周知をお願いしたいなというふうに思っていますが、最後に大臣に、今回の法改正について意気込みといいますか決意をお尋ねして、質問の方を終わらせていただきたいと思います。

#21
○国務大臣(小此木八郎君) 委員の先ほどのお話のように、意識の高まりということでありますけれども、これがそういう意味で高まっていなかったという実情があったとも感じます。あるいは、何を申しても、その令和二年六月、昨年ですね、兵庫県宝塚市においての肉親間での殺傷事件、こういったものは大変痛ましい話でもあり、かつ皆さん衝撃的な思いをされたと、こういうふうに思います。その後も、同年、去年の七月、八月と事件が、殺人未遂事件でありますけれども、相次いで発生したことを重く受け止めて、このようなクロスボウによる被害を起こさないよう、クロスボウの所持を原則として禁止した上で許可制を導入すること等をその内容としておりますが、法案が可決、成立されれば、改正法の周知を図るとともに、改正法を的確に運用することによりクロスボウを使用した犯罪を防ぎ、国民の皆様に安心して暮らしていただけるよう、警察を徹底的に指導してまいります。

#22
○徳茂雅之君 ありがとうございました。
 是非、小此木国家公安委員長、しっかりと警察を指揮いただいて、本改正がしっかりとその趣旨が伝わるように指導をお願い申し上げまして、質問の方を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。

#23
○杉尾秀哉君 立憲民主・社民の杉尾秀哉でございます。質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 本日は、銃刀法改正案の質疑ということですけれども、小此木国家公安委員長に来ていただいておりますので、少しだけ新型コロナ関連で伺いたいことがございます。
 全国の警察署で新型コロナウイルスの感染者が出ていると、こういう報道がございますけれども、人数など、これ警察庁の方では統計取っているんでしょうか、どうでしょうか。

#24
○政府参考人(櫻澤健一君) お答えいたします。
 警察職員の累計の感染者数についてでございますけれども、昨年三月から本年四月十三日までに全国で合計千六百八十三人の警察職員が感染しているところでございます。

#25
○杉尾秀哉君 中に、留置施設の収容者がコロナに感染をしてクラスターが発生した事例があると、幾つか報道でも見られますけれども、どれぐらいの件数が確認されているのか。留置人が感染源と見られるケース、これについてもお答えください。

#26
○政府参考人(櫻澤健一君) お答えいたします。
 個々の感染事例がクラスターに該当するか否かは保健衛生当局において判断されております。昨年三月から本年四月十四日までに、地方自治体の発表を通じまして警察庁において把握している警察関係のクラスターは二十四件でございまして、うち留置者又は留置担当官が関係するものは四件でございます。
 先ほど、全国で千六百八十三人の警察職員の感染が判明していると申しましたが、これまでに、このうち留置担当官については全国で九十名の感染が、これは警察職員ではありませんが、被留置者につきましても全国で百四名が感染が判明しております。
 なお、御指摘のクラスターの発生源については、残念ながら感染経路が特定されているものがないため、お答えしかねるところでございます。

#27
○杉尾秀哉君 感染拡大の原因として、例えばこれ、警察によっては留置所で自殺防止のためマスクをさせないというところもあると、こういう報道も聞いております。そこから看守係、それから別の留置人に広がったケースがあるのではないかという分析もありますけれども、ここで小此木委員長に伺いたいんですけれども、これ、クラスターが発生して窓口を閉めた警察署なんかもあるようですね、一時的に。警察署、留置所でのこうした感染拡大を防ぐためにどのような対策を指示しているのか。
 例えば、これは警視庁のケースですけれども、逮捕した容疑者にPCR検査義務付けると、こういう対応をしている都道府県警もあるようですけれども、小此木大臣の考えを聞かせてください。

#28
○国務大臣(小此木八郎君) 警察業務は、不特定多数の人との接触や、一定の人数による集団的な活動が避けられないということがまずございます。こうしたことから、警察業務の性質を踏まえた上で、各都道府県警察において感染防止対策を講じるよう指示はしております。
 具体的には、不特定多数の市民と接する窓口で透明ビニールカーテン等を設置するなど、警察職員と接する市民への感染拡大を防止するための対策を講じるとともに、平素から消毒措置を徹底する、柔軟な勤務形態を活用するなどの感染防止対策を講じております。
 また、留置施設については、従前からマスクの着用、原則一人一人部屋の、一人一人部屋の運用等の取組を指導してきているところであります。
 警視庁では、留置施設での多数の感染者が出たことも踏まえまして、本年一月ですから、本年一月ですけれども、新たに留置予定の被疑者に対し、本人の同意を得た上でPCR検査を実施しているものと承知しておりますけれども、警視庁以外の都道府県警察に、失礼、道府県警察ですね、警視庁以外の道府県警察においては、留置施設の環境、逮捕者の数等も異なって、また被留置者を原則一人一人部屋の運用にするなどの感染防止対策が徹底されておりますので、現時点で一律のPCR検査の実施を予定しているところはないものと承知しておりますが、今後も引き続き感染防止対策を徹底するよう警察等を指導してまいります。

#29
○杉尾秀哉君 感染力が強いいわゆる変異株が拡大しているというのはもう周知の事実でございます。十分に尽くしていただきたい、防止策をですね、と思います。
 もう一つだけ、新型コロナ関連なんですけれども、東京オリパラ用の警察官のプレハブの仮設の宿舎が新型コロナウイルスの感染者のために改修されたものの、結局一度も使われることなく元に戻されたと、こういう報道が先週ございました。これ、どれぐらいの予算が結局使われることになったんでしょうか。

#30
○国務大臣(小此木八郎君) 予算そのもので申しますと、無症状者等の滞在施設への改修に約三十七億円、東京大会の警備部隊等の宿泊施設に、これ今度戻すための再改修に約十一億円を要しました。

#31
○杉尾秀哉君 四十八億円って大変な金額ですけれども、これ厚労省に聞くんですが、どうしてこんなことになったんですか。なぜ使わなかったんですか。

#32
○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、昨年四月、この新型コロナウイルス感染症に係る初の緊急事態宣言が出され、感染者の療養の場の確保が喫緊の課題となる中で、この東京大会のために準備した警察派遣部隊用の宿泊施設を一時的に無症状者等の滞在施設に改修したということでございますが、当時、東京都といたしましては、プレハブ施設を宿泊療養施設として活用する方向で検討をされておりました。ただ、まずは確保済みのホテルを活用するということとしたいというのが意向でもあったと伺っております。
 その後、ホテルの確保も進みまして、結果として確保されたこれらのホテルで宿泊療養の対応については対応できたということから、当該施設は使用されなかったものと承知をしております。

#33
○杉尾秀哉君 これで最後にしますけれども、これ四十八億円というと、かなりな税金を、まあ要するに無駄金だったということですよね。これの経緯も含めてきちっと検討、検証していただきたいんですけれども、小此木大臣、どうお考えでしょうか。

#34
○国務大臣(小此木八郎君) 検討そのものは常に私大事だと思っておりますけれども、この場合ですが、昨年の四月、初めてのこの感染症対策としての緊急事態宣言が出されたときでもございました。今も不明確、不正確なところはございますけれども、一年前は更に大きな不安と不明確が、私ども政治においての者も、国民の皆さんからすれば更に多くの方々が不安を感じた中での話でありまして、この備えを擁しておくということは当時は必要なことだと思って、結果的にそれが使用されずにまた改修を、戻されているということでありますけれども、こういうコロナ対策、みんなでやっていかなきゃいけないものとも思い、特に責任のある政治の場に立つ者、いろんな御指導、御協力もいただきながら尽くしてまいりたいと存じます。

#35
○杉尾秀哉君 分かりました。
 それでは、銃刀法の関連について、本題を伺いますけれども、先ほど徳茂委員からの質問もありました、やはり矢ガモ事件というのが二十六年前ぐらいなんでしょうか、三十年近く前にあって、もう大きく報道されて、それで、当時はボウガン、ボウガンというふうに言っておりましたけれども、その危険性が指摘されていた。
 しかし、その法規制がその後なされず、言わば野放し状態だったということなんですけれども、さっきちょっと質問がありました、過去十年間に発生した警察が認知したクロスボウによる事件、事故の件数と、このうち殺人、殺人未遂など生命や身体を害する罪に関するもの、これは何件なんでしょうか。

#36
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 警察庁におきまして調査したところによれば、クロスボウが使用された刑法犯事件の検挙件数は、平成二十二年一月から令和二年六月までの間に二十三件ございまして、このうち殺人事件が四件、殺人未遂事件が四件、強盗致傷事件が二件といった、故意に人の生命、身体を害する罪の事件が十三件と半数以上を占めているところでございます。このほか、軽犯罪法違反、動物愛護法違反等といった特別法犯事件の検挙も九件ございまして、同期間の検挙事件の件数は合計三十二件に上ります。
 また、クロスボウの事故につきましてはこういった調査を行っておらないところでございますけれども、クロスボウを誤って操作した結果、矢が自分に当たって死亡されたといった例を承知しているところでございます。

#37
○杉尾秀哉君 今詳しい件数言っていただきました。半数以上ですね、刑法犯。殺人、殺人未遂など生命や身体を害する罪に該当するものだった。これは決して割合としても低くないと思います。しかし、実際には何ら規制がされずに、先ほど話にあった去年六月の宝塚の事件が起きたということでございます。
 この間、有識者会議等を開くなど、法規制検討の動きというのはこれはなかったんでしょうか。

#38
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 警察庁におきましては、クロスボウを使用した事件の発生状況を見ながら必要な対応を考えていくということをしておったところでございますけれど、それまでの間につきましては、特段検討会を開催するといったようなことは行っておらないところでございます。

#39
○杉尾秀哉君 特段動きがなかったということなんですけれども、やっぱりこれ遅いんじゃないかというふうに思うんですよね、実際に殺人事件も起きているわけですので。そして、現に去年の六月の事件は、これ一家で三人の方が亡くなって一人の方が重傷という、四人死傷という非常に衝撃的な事件でした。
 こうした法規制がされない間に悲惨な事件が起きてしまったこと、警察行政の責任者としてどういうふうにお考えなのか、また、今回の法規制をめぐる一連の経緯について、委員長は委員長なりに、どういうことが教訓としてあるのか、お答え願えますでしょうか。

#40
○国務大臣(小此木八郎君) 先ほど数字的なことは事務方がお答えを申し上げました。この十年での在り方、死者の数が多いとか少ないとかという話ではないと私も認識しています。前の委員のときに、去年六月に痛ましい、そして衝撃的な、三人、家族が家族を、対して起こした事件と、その七月、八月にも連続して起こりました。
 これ、ちょっと私の話になりますけれども、その当時、自民党の中でのテロ・治安対策調査会というのがございまして、そこの責任ある立場におりまして、その会を開いて参加をしていただいたメンバーも大変関心が高く、これまで意識がそこまでなかったという、これ正直申し上げて、そういう意味での警察に対する思いも、政治家自らの思いも併せて一緒に議論、現状を含めて聞かせていただくなど、議論を深めてまいりました。
 そのとき私は今の立場になるとはもちろん思っておりませんでしたけれども、そういうその引き続く中でのもちろん責任を感じながら、警察とともにこの有識者会議を経て今日に至っておるというのが正直なところでございます。

#41
○杉尾秀哉君 今回こういう形でクロスボウが規制されることになったわけですが、有識者検討会の議論なんかを見ていますと、例えば同じ弓という範疇だと、弓道、競技人口十三万人以上と、それからアーチェリーも一万三千人以上は少なくともいると、こういうふうに言われております。一方で、クロスボウの射撃の競技人口は百名程度ということなので、これはもう全然裾野が違うわけですね。
 その有識者検討会の議論を見ても、やっぱり弓道、アーチェリーでもクロスボウと同等の、同様の威力がある、実際に死亡事故なんかも複数の事故が起きていると、アーチェリーや弓道も比較対象として見てほしいと、こういうふうな議論があったとも聞いております。
 そこで伺いますけれども、アーチェリーや弓道が今回規制の対象とならなかった理由、また、両者と今回のクロスボウとの違い、これはどういうことなんでしょうか。

#42
○国務大臣(小此木八郎君) クロスボウは、弦を引いた状態で固定をして引き金で引いて矢を発射する機構を有するものであり、人力で弦を引いたままで狙いを定める必要のあるアーチェリーや弓道の和弓と比べると、一般的に習得までの期間は短く、操作が容易であるもの、その反面で、犯罪に悪用される凶悪事件が相次いで発生をしているということ。
 一方、アーチェリーや和弓は人力で弦を引いたままの状態で狙いを定めて射る必要があり、クロスボウと比べると習得までの期間を要します。アーチェリーや和弓が犯罪に悪用された事件について、警察庁において平成二十二年一月から令和二年六月までのこの十年余りの期間の状況を調査しましたところ、故意に人の生命、身体を害する罪の検挙事件は確認されておりません。
 このような犯罪実態から、アーチェリーと和弓については、現時点ではその所持を規制する必要はないというのが今の考えでございます。

#43
○杉尾秀哉君 今の小此木委員長の答弁ですと、現時点ではないということでしたけれども、ただ、同じようなその事件がやっぱり発生した場合、特に深刻な事件が起きた場合、今後、その和弓、アーチェリーが規制の対象となるということもあり得るんでしょうか、大臣。

#44
○国務大臣(小此木八郎君) 現実に、このクロスボウも昨年の六月その機運が高まってきた、人々が感ずるその事件の恐ろしさ、それが今まで予想もしなかったと、まあ私たちが言うべき話じゃないかもしれませんけれども、こんなことがあり得ないと思っていたという現実のその思いから今御議論をいただいております。
 そういうことからすると、これは全てのものを排除できないということが様々な点で言えるとも思います。その都度その都度しっかりと注視をしながら、警察とともにその注視をしながら、指導できるところをしっかりと指導してまいりたいと思います。

#45
○杉尾秀哉君 やっぱり、和弓とかアーチェリーというのはスポーツですし、簡単にその習得、技術ができないということも分かります。ただ一方で、そういう威力を備えていることも事実なので、ここは警察当局として注視はしていただきたいというふうに思います。
 もう一つ、同じクロスボウに似たものとして、いわゆる高性能ゴム銃というんでしょうか、スリングショットというのがあるそうです。私はよく知らないんですけど、確かに写真見ると、何かこんな感じで引っ張るようになっています。
 で、実際に過去十年間で刑法犯の件数、このスリングショットですね、十七件、また水中銃というのがございますけれども、これも一件の殺人未遂事件が起きておりますけれども、こうしたスリングショットとか水中銃などクロスボウと類似するものを今回規制の対象に加えなかった理由を教えてください。

#46
○国務大臣(小此木八郎君) 杉尾委員のちょっと年を存じませんが、多分同じぐらいなのかなと思いますけれども、スリングショットというのはパチンコとよく言われて、こっちのパチンコじゃなくてね、こっちのパチンコだと思うんですけれども、それが、そういったものも、水中銃とかそういった威力の増したものが今いろんな販売、あるいは手に入れることもできるということであると思います。
 先ほど申し上げた、平成二十二年一月から令和二年六月までの約十年余りの期間においてこれらが使用された刑法犯罪事件の検挙件数を確認したところ、和弓、アーチェリー、スリングショットについては、故意に人の生命、身体を害する罪の事件は確認されなかったということ、これも同じです。水中銃については殺人未遂が一件でありましたが、これは偶発的な犯行であり、犯行に使用する目的で水中銃を入手したものではなかったということ。
 このような犯罪実態から、先ほどと同じになりますが、現時点ではこれらの所持を規制する必要はないと考えておりますが、引き続き犯罪実態については注視をしてまいります。

#47
○杉尾秀哉君 ありがとうございます。
 これも同じくしっかりと今後の推移を見ていていただきたいというふうに思いますけれども、実は宝塚の事件の後にも、私の地元の長野県の長野市でもやはり同じような殺人未遂事件が起きています。その後も神戸か何かでもやはり殺人未遂事件が起きていたと思うんですけど、今回のその規制がマスコミ等で報じられることによって、法律の施行と所持の許可制に移行するまでの間に駆け込み需要が発生する可能性というのも指摘されています。
 この駆け込み需要対策、例えばその販売業者に対して、まあ今はもちろんそれは強制というか義務ではないですけれども、任意でその本人確認を求めるように指導したり、何らかその協力要請を販売業者にする、こういったことというのは警察庁として考えていないんでしょうか、どうでしょうか。

#48
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 改正法につきましては、国民への十分な周知等に要する期間として、公布の日から起算して九か月を超えない範囲内で政令で定める日から施行することとしてございます。施行するまでの間は規制の効力が発生しないことから、許可なく新たにクロスボウを所持することも可能でございます。
 一方、そのような者も含めまして、改正法の施行時には、現にクロスボウを所持している者は、施行日から六か月間の経過措置期間に所持許可を申請していただくか、適法に所持することができる方に譲り渡すか、あるいは廃棄するかといった措置をとっていただくことが必要になります。
 御指摘の、施行日までに新たに所持しようとする方につきましては、今申し上げたような法規制の内容を認識していただいた上で購入を行っていただけるよう、公布後速やかに広く国民に対しましてホームページ、SNS、ポスター等で内容を周知することに加えまして、業界団体等の協力もいただきまして、経過措置期間内に許可申請等をすることなくクロスボウを所持し続けた場合には不法所持として刑事罰の対象となることも含めて、内容をしっかり周知してまいりたいと考えております。

#49
○杉尾秀哉君 今回の法改正で譲渡しに対しても制限が加えられると。具体的には、販売、譲渡しの際に、購入する相手方が所持許可証を提示、確認する義務を負うことになるということでございます。
 さっき徳茂委員の質問にもありましたけれども、クロスボウの実際の、まあ現在ですね、販売というのはほとんどネット経由でどうも行われているらしいと。先ほどの話ですと、ネット販売で所持許可証の提示など確実に遵守させるため、そういうその方策を取っているということなんですけれども、銃刀に倣ってですね。
 ただ、先ほど聞いておりましても、所持許可証の原本確認とか免許証本人確認、特にその所持許可証の原本確認って、これ簡単に偽造、どんなものだか僕も見たことはない、よく分からないんですけれども、これ簡単に偽造できたりとかしないんですか、こういうことで大丈夫なんですか。どうですか。

#50
○政府参考人(小田部耕治君) 銃刀法におきましては、現在の銃砲につきましても同様に所持許可証等の原本を確認した上で譲り渡すという仕組みを取っておるところでございますけれども、こういった販売事業者に関しまして、そういった不正な形で販売されてしまうといったようなことについては把握していないところでございます。

#51
○杉尾秀哉君 把握していないということなんですけど、本当にないのかなというふうに思いますが。
 あともう一つ、輸入の話ですけど、これ、業者による輸入の件は先ほどの答弁のとおりだと思うんですけど、やっぱり個人による並行輸入、こういうものに対してはどういうふうにその規制を加えるのか、今回の法規制の趣旨を徹底させるのか。これ、具体的にどういうふうにその対処をする方針なんでしょうか、どうでしょうか。

#52
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 今お尋ねございました個人による海外からの輸入につきましても、これ、改正法の施行後、クロスボウを輸入しようとする者は、関税法によりまして、税関に対して所持許可証等クロスボウを適法に所持することができる者であることを証明する書類を提示しなければならず、こうしたものを提示しなければ輸入が許可されないということになります。
 警察といたしましては、銃砲に関する水際対策と同様、クロスボウにつきましても、税関等の関係機関と緊密に連携して違法な流通の阻止を図ってまいりたいと考えております。

#53
○杉尾秀哉君 ネットでじかに取引をして個人的に輸入する場合というのはどうなるんですか。

#54
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 インターネットを通じて個人的に輸入する場合におきましても、こういった税関の手続が必要になるものと認識しております。

#55
○杉尾秀哉君 税関通さなくてもできなくはないですか。駄目ですか。

#56
○政府参考人(小田部耕治君) 税関を通すという適正手続を取らない場合には、また何らかの罰則の対象になる可能性があると思っております。

#57
○杉尾秀哉君 ちょっとそこのところをもう一回ちゃんと詰めていただきたいと思います。
 時間参りましたので、質疑終わります。どうもありがとうございました。

#58
○小沼巧君 立憲民主・社民の小沼巧でございます。
 質問の前に、冒頭、先週の内閣委員会の中におきまして、内閣府の政務官から答弁の撤回等々の話がございました。その件につきまして、森屋委員長を始め、また理事の皆様各位に感謝と敬意を申し上げたいと思います。
 そのことに加えて、私自身、しっかりとこの立法府そして行政府の関係の、緊張関係の在り方、そして、この良識の府たる参議院において真摯に議論をしていくということが非常に重要であるという決意から、今後とも、そして今日も、これからもしっかりと議論をしてまいりたいと思いますので、今日はどうぞよろしくお願いいたします。
 早速、今日は、小此木委員長に、通告の順番等々、順不同になりまして恐縮でございますが、お伺いしてまいりたいと思っております。
 今日は銃刀法の改正ということでありますけれども、基本的に会派としても賛成をしてみたいなという思いで、スタンスで臨んでいるところでありますが、幾つかまだ疑いがございますので、その疑いをただす、そのような議論をしてみたいと思っておるところであります。
 全体像についてまずお伺いしたいと思っております。銃刀法、先ほど来の議論でありました、例えば輸入の話がありました、販売や所持の話もありました。製造といったところもあるのかもしれません。このいわゆるクロスボウの、サプライチェーンという単語が適切なのかどうなのかは定かではありませんが、全体像を見回したときに、今回の規制をやる、今回のクロスボウにおける不幸な事件等々を防いでいく、そのところの勘どころといったものはどういうことなのか、それについて小此木委員長の見解をまずお伺いできればと思います。

#59
○国務大臣(小此木八郎君) このクロスボウそのものの使用のされ方というのが、競技で使っておられる方々、あるいはそれを適切な使用の在り方を考えておられる方々と、こういう認識があります。あるいは、それ以外には、趣味といいますか、持っておこうということが、数としてはこの部分が一番多いのかなというふうな私の思いがございますが、もう何度も答えておりますけれども、その中で、昨年のようなあの衝撃的な、昨年だけじゃないんですけど、特に昨年のような事件があったということで、これを抑えなきゃいけないという機運が高まってきた中で、この販売の在り方、入手の仕方、こういったことも踏まえて、改めて考えて規制を設けようじゃないかと、私は政治家として、国家公安委員長としてそういう思いがございます。

#60
○小沼巧君 御答弁ありがとうございます。その問題意識は私も同じでありまして、いかにしてそのことの実効性を担保していくかということが重要な問いにならざるを得ないかなと思っておるところであります。
 全般的に見ておりまして、基本的にその考え方、賛成なのでありますが、今日はせっかくの法案審議ということでありますので、少し、いや、相当かもしれません、法案のテクニカルなことについても少しお伺いしてみたいと思っております。
 例えば、内閣法制局にまずお伺いいたしますが、背景、問題意識として申し上げますね。今回は、例えば改め文、改め文といいましょうか、「けん銃を」のけんの字を漢字に改めるとか、みねを漢字に改めるとか、こういうような字句修正を行っておるところであります。一方で、いわゆる小さい「っ」とか、「ゃ」とか、拗音、促音といいますけれども、今回の第二項においては、第二条ですね、定義の部分ですね、「あって」みたいなことの小さい「っ」ではなくて、でっかい「つ」のままなんであります。何でここは直さなかったのかなということを思うのでありますが、その意味で、例えば現段階において昭和六十三年七月二十日の通知があるかと思います。
 法制局にお伺いしますが、この通知の概要と、現時点においてもこの通知は有効なのか、お答えをお願いします。

#61
○政府参考人(平川薫君) お答えいたします。
 今御指摘にございました通知は、昭和六十三年七月二十日付けで内閣法制局より出したものでございます。その題名は、「法令における拗音及び促音を用いる「や・ゆ・よ・つ」の表記について」というものでございまして、この通知におきましては、昭和六十三年十二月に召集される通常国会に提出する法律及び昭和六十四年一月以後の最初の閣議に提案する政令から小書きとすることとする一方で、それ以外の法律及び政令の一部を改正する場合においては、その施行時に改正元の既存法令の一部として溶け込む部分については小書きとしないということを内容とするものでございます。

#62
○小沼巧君 今日時点においても、有効漏れだ、有効なのかということも聞いておったんですけれども、有効ですよね、ですよね。ということであればいいです、はい。
 有効なのでありますということでありまして、六十三年から小さい「っ」とかも改めようじゃないかということをやっておるのでありますが、今回は漢字の字句修正はやっているのに何でここだけやっていないのかなということが疑問でありまして、その点についての御解説をお願いできますか。

#63
○政府参考人(平川薫君) お答えいたします。
 今申しましたとおり、拗音、促音の取扱いにつきましては、既存法令において改正元に溶け込む部分は改正元の法令の表記に従って大書きにするということにされているものでございますので、「つ」とか、拗音、促音についてはそのまま大書きにしているということでございます。
 一方、その法令における漢字使用についてでございます。従来から原則として常用漢字表によることとしておりまして、常用漢字表が改められた場合には、新たに起案する法律又は政令だけでなく、既存の法律又は政令についても実質的な改正を行う機会を捉えて改正をするということで、ちょっと取扱いが異なっているものでございます。
 拳銃等の漢字の拳、漢字の拳でございますが、平成二十二年十一月三十日に常用漢字表というのは改正されております。その改正において新たに追加された文字でございますので、それまでの銃砲刀剣類所持等取締法での拳という字は平仮名書きとされていたものでございます。常用漢字表が改正された後は、銃砲刀剣類所持等取締法に用いられる平仮名のけんの字につきましては、実質的な改正が行われる規定に含まれている場合につきましては、その改正に合わせて平仮名書きを漢字に改めてきたという経緯がございます。
 今回、銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案につきましては、改正後の対象となる複数の規定において、けん、平仮名書きの部分でございますが、けん銃等の用語を漢字にする必要があったところですので、規制の対象をより明確にする観点から、銃砲刀剣類所持等取締法第二条第一項の定義規定において平仮名けん銃の用語を平仮名書きから漢字に改めた上で、平仮名けん銃の用語につきまして、同法を通じて平仮名書きを漢字に改めるということにしたものでございます。

#64
○小沼巧君 御答弁ありがとうございます。
 要すれば、最近、この国会においては条文のミスなのではないのかということがよく騒がれておりますけれども、今回はミスではないということだと理解をいたしました。
 でも、「峰」っていうのは、二条の二項で「みね」を漢字にするのに、その直前にあるんですよ、「あつて」って。「あつて」を「あって」にしなかったとかというのは何でなのかなということは思いますが。
 もう一つだけ。今日は経産省の政務官にも来ていただいておりますが、これは通告していませんので私から言っちゃいます。経産省が提出しておる法律において、「若しくは」というのを「若ししくは」と書いてあったというのがありましたね。あれはあれで駄目だなと思うんですけれども、それをきっかけに私自身もこの法律の全体見てみますと、まあ似たような間違いがあるんじゃないのかなということに気付いたわけであります。具体的には、この銃刀法に加えまして、暴力行為等処罰ニ関スル法律、これも併せて改正になってございます。
 それでは、改正案のところをよくよく見てみますと、若しくはと言うとあれなんで、法令用語的に役所実務ではこれ音読み、訓読み回して、若しくはというのはジャクシクハとかという発音をするんですけれども、若しくはとなっているのではなくて、「若ハ」というように改正をされています、この法律においては。何か送り方が一個の法律で変なんですけれども、この違いはどのように理解すればよいのか、もしかしたらこれは間違いなのではないかという疑いがあるわけですが、これについての御解説をお願いします。

#65
○政府参考人(平川薫君) お答えいたします。
 暴力行為等処罰ニ関スル法律については、大正十五年に制定されたものでございまして、そもそもの原文が片仮名書き、文語体で記載されているものでございます。片仮名書き、文語体の法令を一部改正する場合には、その地の文の文章に合わせて片仮名書き、文語体で改正することとされております。これは、法令の一部改正については、いわゆる溶け込み方式が取られているからでございます。また、片仮名書き、文語体の法令を改正する場合には、改正しようとする法令がどのような送り仮名の付け方を採用しているかに従って、それに合わせた付け方をするということになっております。
 現行の暴力行為等処罰ニ関スル法律第一条等において、片仮名ハのみを送り仮名とする「若ハ」が用いられております、原文、ほかの部分を見ていただければ分かると思いますが、ことから、改正後の同法第一条の二第一項においても、これに合わせた表記としたものでございます。

#66
○小沼巧君 御答弁ありがとうございます。
 そういうことが併存しておるのってなかなか問題じゃないかな、具体的な実務上も含めて。また、条文の参照条文を引用するときに間違ってしまうんじゃないのということの懸念を覚えるわけでございますが、今の段階ではそういうルールになっているということなのであれば、これはこれでよしと認めざるを得ないと思っておりますので。
 ただ、今後気を付けていただくように、また何かの改正の機会に、その決まっておるルール自体がもし仮に見直すようなことができるのであれば、法令の間違いも防ぐ、そして、そもそも法律読みやすいということにもなる、つながる有益なことだと思いますので、この点については引き続き問題意識を持ちながら議論をさせていただきたいと思いますので、委員長におかれましても、是非こういったことを御留意、こういうことがあるんだよということを御留意いただければと思っております。
 さて、その上で、今の文言の、法令上の文言についてはクリアいたしましたので、具体的な法律の中身についてお伺いしてまいりたいと思っております。
 先ほど来の中で様々議論ございましたが、出ていない論点というのは製造とか所持だということだと思っております。
 今回は、先ほど来答弁が複数回ございましたが、クロスボウを何で規制するのか、それは、空気銃と同等の威力、匹敵するとおっしゃっていましたね、単語としては匹敵するが適切なのかもしれませんが、要は威力が空気銃と匹敵するものであるということが認められたということが立法事実であると思います。
 そうすると、空気銃ってそもそも経産省所管の法令であります武器等製造法の規制に係っております。同じような、具体的には空気銃、空気銃というのは猟銃等でして、武器等製造法第二条第二項第五号に規定されているものでありまして、製造とか販売においては知事の許可がされるものであります。
 ここで疑問を思いますのは、クロスボウ自体が空気銃と同等の威力だと、匹敵していると、なんだけれども、今回は武器等製造法の中でクロスボウを位置付けていない、この点が矛盾で、分からないなと思っておるんですが、今回、何ゆえに武器等製造法においては新たな規制の導入であったり様々な手当てをしなかったのか、この理由についてお伺いをいたします。

#67
○大臣政務官(宗清皇一君) お答えをさせていただきます。
 先生も御承知だと思いますが、この武器等製造法では、武器や猟銃等の製造及び販売について、武器関連産業の発展に資する事業活動の調整等の観点から許可制としているところでございます。
 先生御指摘の武器等製造法の規制対象であります空気銃といいますのは、昭和三十年当時、猟用、狩猟ですね、狩猟用として広く流通してきた実態を踏まえて規制対象となっているものでございます。他方で、このクロスボウの製造及び販売につきましては、国内で製造している事業者は把握されていないこと、販売はインターネットを中心に行われているんですけれども、多くの事業者の販売数は年間で数十本であること、こういう報告がされているわけでございます。
 こうした実態を踏まえまして、クロスボウについては規制するに足る製造及び販売の実態が国内にないため、事業活動の調整などを目的とする武器等製造法については規制しないこととしています。クロスボウの製造及び販売の実態には、今回の銃刀法改正によって届出制が導入されているなどの一定の規制措置が講じられているものと承知をしております。
 以上でございます。

#68
○小沼巧君 御解説をありがとうございます。
 分からなくもないです。現時点において国内で製造業者がいないということは分からなくもないです。ただ、それでいいのかということはよくよく考える必要があるのではないか。
 具体的には、今回の銃刀法改正の審議も、クロスボウが出ていって実際に痛ましい事件が幾つか起こって、その後にようやくということなのであります。規制とか、まさに公衆衛生の、安全等々ということを考えると、今は確かに事業者ないですよ、なんだけれども、将来もしかしたら出てくるかもしれない。そういったところに対して事前に網を張って、何か悪意を持ったことが起こらないようにしておくということの考え方から、武器等製造法についても検討しておくことが有益なのではないか、私はこのように考えておるから質問しておるのであります。
 その意味について、この見解、という考えを持っておりますが、政務官の御見解をお願いいたします。

#69
○大臣政務官(宗清皇一君) お答えをさせていただきます。
 武器等製造法では、人又は動物の殺傷を目的とする武器及び猟銃等が規制の対象でございまして、産業だとか娯楽、スポーツの用に供するものは規制の対象外となっております。
 クロスボウにつきましては、昨年末に警察庁で取りまとめられたクロスボウの所持等の在り方に関する報告書にもありますとおり、国内では、射撃競技であったり、射撃競技以外の標的射撃、動物麻酔、調査研究といった目的で使用されていると承知をしております。
 現時点では、クロスボウが主に殺傷の目的で使用されているわけではないというこの実態を踏まえまして、武器等製造法については規制をしないということにしていますけれども、今後、クロスボウが猟銃に広く使用されるなど使用実態に変化が生じた場合には、その規制の必要性についてしっかりと検討してまいりたいと考えております。

#70
○小沼巧君 御答弁ありがとうございます。
 今後しっかりと検討なさるということの視点は大事だと思いますので、古いからということで安易にこれを見過ごしているということではならないと思いますので、注視はしていただければと思います。
 用途についての議論もございましたが、これ実際のところ、用途はどうであっても、実際、威力という面で見ると同等であると、空気銃とということでありますので、この辺についてはやっぱり注視が必要だなと思うことを申し述べさせていただきたいと思います。
 さて、それに併せて、若干これも製造のところに関連して、これ、もしかしたら答弁が二つ、経産省なのか警察なのか、どちらにもまたがっちゃうかもしれない案件なんですが、製造についての今回はあれであります、所持について、完成品を所持したことについての規制ということでありますが、部品、完成品、仕掛品、これについての規制というのは抜け道としてないんだろうか、このように思うわけでございます。
 ちょうど一週間前、アメリカ・バイデン政権が、いわゆるゴーストガンと言われるものらしいですね、製造番号が刻印されていない組立て式の銃なんだそうでありますが、これを、この管理を柱とする銃規制を発表したということでありまして、部品に対しても製造番号の刻印を義務付けることで管理を厳格化しているということがアメリカのバイデン政権の流れのようであります。
 その意味で、今回、部品に対する規制といったものがないように見受けられるのであるが、この点についての抜け漏れはあるのかないのか。また、内閣府令で定める番号、記号の打刻に係る措置の省令イメージ、具体的には改正法の四条の四第二項でありますけれども、これの省令イメージというのはどういうものであるのか。併せてお伺いをいたします。

#71
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 銃刀法は、拳銃につきましては、拳銃それ自体の所持を原則禁止とするほか、一定の主要な拳銃部品、銃身、機関部体、回転弾倉といったものにつきましてもその所持を原則禁止としております。これは、暴力団等が摘発を免れる目的で拳銃を部品に分解して所持するという潜脱行為が行われている実態に鑑みまして、これを防止するために規定されたものでございます。
 一方、猟銃や空気銃につきましては、今申し上げたような実態までは認められないこともあり、部品の規制を設けておらず、クロスボウについても同様に部品の規制は設けておりません。
 都道府県公安委員会に届け出たクロスボウ製造業者、製造事業者以外の者が部品を組み立ててクロスボウを製造した場合には、これを所持した事実をもって不法所持となり、刑事罰の対象となるところでございまして、警察におきましては、サイバーパトロールや一般の方々からの情報提供を通じまして、不法所持されたクロスボウがないかどうかについて状況把握に努め、これに対する取締りを厳正に行ってまいりたいと考えております。
 それからもう一点、法案の第四条の四第三項の内閣府令のイメージについてでございますけれども、第四条の四第三項につきましては、許可を受けた者の所持するクロスボウが当該許可に係るものであることを表示させるため必要がある場合には、都道府県公安委員会が内閣府令で定める措置を命ずることができることとしてございます。これは、シリアルナンバー等が付されていないクロスボウを想定したものでございまして、例えばクロスボウに標章を貼付するといったようなことを検討しておるところでございます。

#72
○小沼巧君 御答弁ありがとうございます。
 確かに部品については規制はないと。ただ、完成品にした瞬間に所持規制の違反になるんだということで、そこで実効性を担保しておるんだと、申し分ないところなのかと思って理解をいたしました。
 また、省令のイメージについてお伺いしましたし、それは過度なものではないよねということを私も理解するところであります。
 あわせて、省令のイメージで、根本であります、今度は第三条ですね。内閣府令で定める実際に規制対象とするものはどういうものなのかということにありますが、この点についての議論がまだなされていないなと思っておりましたので、内閣府令でどんなものを定める御予定なのか、ここについてお伺いしたいと思います。

#73
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 改正法第三条第一項は、クロスボウの威力に関しまして、内閣府令で定めるところにより測定した矢の運動エネルギーの値が、人の生命に危険を及ぼし得るものとして内閣府令で定める値以上となるものと定めているところでございます。
 内閣府令で定めるもののうち、まず、矢の運動エネルギーの測定方法につきましては、内容の詳細は検討中でございますけれども、空気銃の場合と同様、発射する矢の先端から〇・七五メートルの点と一・二五メートルの点との間を移動する矢の速さと質量からその運動エネルギーを測定することを想定しております。
 次に、人の生命に危険を及ぼし得る程度の矢の運動エネルギーにつきましては、これも内容の詳細は検討中でございますけれども、空気銃における人の生命に危険を及ぼし得る威力の下限値、これ、平方センチメートル当たり二十ジュールでございますけれども、この下限値で弾丸を発射した場合の侵徹量、例えば弾丸等をゼラチンに対して発射した場合には、そのゼラチンに貫通した距離と、こういった形になるわけでございますけれども、その侵徹量と同等の侵徹量となる場合における矢の運動エネルギーを定めることを予定しているところでございます。

#74
○小沼巧君 御答弁ありがとうございます。
 現行の銃刀法等々による空気銃と大体同等のイメージなのかなということで理解をいたしました。過度な規制になり過ぎない、かといっても緩過ぎないようなものにしていただければと御要望申し上げたいと思います。
 時間の関係でほぼ最後の質問になると思います。流通、販売のところであります。
 例えば、今回の条文で言うところの二十一条の二を見ますと、クロスボウの販売事業者、いわゆるなりわいとしてする者ですね、反復継続してということだと思いますけれども、これについての譲渡の制限というのはなされておりますが、なりわいとしない者に対してはどうやって規定をするのか。これが条文上見たところないのであります。
 国内における個人間取引、輸入については先ほどありましたので、国内における個々人間取引において、なりわい、業としての認定を取っていない相手方の取引、これについても管理の規制、管理なりカバーすることが必要ではないかと考えますが、この点、どのような仕組みでどういう実効性を担保しておるのか、この点について最後お伺いします。

#75
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 改正法におきましては、クロスボウを譲り渡す場合には、相手方からその者の所持許可証の提示を受けるなど、相手方が適法に所持できる者であることを確認してからでなければ譲り渡してはならないこととしてございます。
 この規制は、クロスボウの製造販売事業者との取引だけでなく、個人間の取引であっても適用されるものでございます。

#76
○小沼巧君 時間になりましたので、終わります。どうもありがとうございました。

#77
○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。
 本日は、質疑の機会をいただきまして、大変にありがとうございます。
 これまでの諸先生方の質疑とかぶる部分もございますので、項目を飛ばしたり、また順番を変えたりさせていただくことをお許しをいただければというふうに思います。
 先ほど来質疑の中にもありますとおり、昨年の六月、兵庫県宝塚市で衝撃的な凶悪な殺傷事件が発生をし、またその後も殺人未遂事件が相次いだということを受けて、警察庁で有識者検討会が立ち上げられて、報告書が昨年年末に取りまとめられたところでございます。
 今回、この法案審議、参議院先議ということで行われているわけでございますけれども、早期成立を期待するとともに、実効的な規制の在り方ということについて、政府、警察庁の御尽力をお願いをしたいというふうに思っております。
 今回の法改正によりまして様々な規制が課されることになるわけでございますが、その中で、クロスボウの所持許可に当たって人的欠格事項というものが設けられることになります。十八歳という年齢制限のほかに、アルコール・薬物中毒の者、あるいはストーカー行為、配偶者暴力防止法の対象者などに対しては所持許可を与えない、不許可とするということになっております。
 これまで過去にクロスボウを用いて事件を起こした被疑者に仮にこうした人的欠格事由が当てはめられていた場合には、六五%が人的欠格事由に該当すると。すなわち、事前に事件の発生を防ぐことができたということから、極めて重要なこの人的欠格事由の条項が盛り込まれているというふうに認識しております。
 そういう意味でいいますと、今後、所持許可の審査に当たっては、これまでのクロスボウ使用事件の状況も踏まえたこの人的欠格事項に関する厳格な審査というものが極めて重要ではないかというふうに思いますし、また、現に所持している方々も経過措置期間中に許可申請を行っていただくことになりますけれども、このような審査を行っていくということが重要かと思います。
 そこで、具体的にどのようにこのような人的欠格事由に該当するかどうか、例えばその申請されている方がアルコール中毒であるかどうかなど審査をしていく必要があるかと思いますけれども、具体的にどのように審査をしていくのか、その対応について警察にお伺いをしたいと思います。

#78
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 今回の改正は、最近におけるクロスボウを使用した犯罪の発生状況等に鑑みまして、クロスボウの所持を原則として禁止した上で許可制を取り、クロスボウを所持しようとする者は都道府県公安委員会の許可を受けなければならないこととするものでございます。
 そのため、改正法におきましては、クロスボウの適正な取扱いを期待できない者を事前に排除するため、現行の銃砲刀剣類に共通する許可の欠格事由と同じ欠格事由、具体的には、先ほどお話ございましたけれども、十八歳に満たない者、禁錮以上の刑の執行を終えてから五年を経過していない者、暴力的不法行為を行うおそれがある者、他人の生命、身体、財産や公共の安全を害するおそれがある等と認めるに足りる相当な理由がある者等を規定することとしてございます。
 また、改正法の施行の際、現にクロスボウを所持している者から経過措置期間中に許可申請がなされた場合におきましても、同様の欠格事由の審査が求められることとなります。
 これまでも、警察におきましては、銃砲刀剣類につきまして、銃刀法に定める欠格事由があるかどうかについて申請者御本人への面接調査や周辺調査等を実施した上で審査を行いまして、その結果、欠格事由に該当する場合には不許可、取消し等を行っているところでございます。
 クロスボウにつきましても、各都道府県警察におきまして所持許可に関する的確な判断が行われるよう、欠格事由を判断するに当たっての留意事項や各種調査の実施要領について指導するとともに、各種調査や審査等が適正かつ確実に行われるのに必要な体制が確保されるよう努めてまいりたいと考えております。

#79
○石川博崇君 しっかりとガイドライン等を定めて、都道府県県警に対する指導、助言をよろしくお願いしたいというふうに思います。
 また、先ほど来の御質問にもありますけれども、クロスボウは基本的にインターネットを通じた販売が大部分を占めております。そういう意味で、ネットにおける取引というものの監視体制あるいは規制というものが極めて重要になってまいります。
 その中で、特に個人間の取引、先ほども御質問にありましたけれども、いわゆるCツーCのフリマサイトあるいはインターネットオークションサイト等での個人間の取引について規制を掛けていくということが極めて重要ではないかというふうに思います。駆け込み需要ではなくて駆け込み譲渡、つまり今回規制が課されることになったのでこの際販売してしまおうというふうに思ってフリマサイト等に出品をされる方も増える可能性があるのではないかというふうにも思います。
 そういう意味では、この法施行まで九か月あり、また六か月間の経過措置期間が設けられるわけでございますが、それまでの間にフリマサイト等で売却を試みる、あるいは購入される方々に対する注意喚起、これをそのフリマサイトの事業者からも行っていただく必要があるのではないかと思っております。
 既に大手のインターネットオークション事業者あるいは大手のフリーマーケットアプリ事業者におかれては、大半がこのクロスボウの出品をそもそも既に明示的に禁止している事業者が多いというふうにも聞いておりますけれども、この各、まだ出品が可能なフリマサイト等における注意喚起等、どのように行っていくのか、警察の対応をお聞きをしたいと思います。

#80
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 お尋ねの点につきましては、これまで把握する限りにおきまして、大手のインターネットオークション業者におきましては既にクロスボウの出品を明示的に禁止しておりましたり、大手のフリーマーケットアプリの運営業者においては、既にクロスボウの出品を明示的に禁止しているところもあれば、銃刀法などの法律に違反するおそれのあるものは出品禁止としているものの、クロスボウを出品禁止対象として明示していないところもあると承知しております。
 インターネットにおきます違法な個人間売買、これを防ぐためには、警察による取締りのほか、関係方面とも協力した対策が必要と認識しておりまして、今後、公布後早い段階から国民一般に対する広報啓発活動を行いますとともに、個人間取引に利用されることが想定されますフリーマーケットアプリ等の関係団体に対しまして、クロスボウが銃刀法上の規制対象となったことを説明の上、出品の禁止についての協力の働きかけを行うことなどを通じまして、インターネット上での違法な個人間売買の防止に努めてまいりたいと考えております。

#81
○石川博崇君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 また、これもこれまでの質疑の中でございましたけれども、クロスボウの製造業者というのは国内に今ない中で、輸入の段階での厳格な審査あるいは取締り、いわゆる水際対策、これが極めて重要になってまいります。
 現在、猟銃を輸入する場合には、この水際対策として、まずは都道府県の公安委員会から銃砲の所持許可証、これを得る、その上で経産省から外為法に基づく輸入承認証を得る、その証明書類を税関に示した上で輸入許可を税関から得るという三段階の水際対策がなされているというふうにお伺いをしております。
 今般の銃刀法改正でクロスボウが所持許可等規制が課せられるに当たって、クロスボウの輸入に対する取締り、監視体制の強化を進めるためには、こうした関係法令を所管する財務省あるいは経産省と警察が緊密に連携していくことが極めて重要だというふうに考えておりますが、国家公安委員長の御見解をお伺いしたいと思います。

#82
○国務大臣(小此木八郎君) クロスボウについて、現在国内で製造している業者はないという報告を受けております。クロスボウの違法な流通を阻止する上では、輸入段階での措置が重要であると私も認識しています。
 改正法の施行後、クロスボウを輸入しようとする者は、関税法により、税関に対し所持許可証等クロスボウを適法に所持することができる者であることを、これを証明する書類を提示しなければなりません。こうしたものを提示しなければ輸入が許可されないこととなります。
 これまでも、警察では、既に銃刀法で規制されている銃砲の輸入について税関等と協力して違法な流通の阻止を図っているところでありますが、クロスボウにつきましても、税関等の関係機関と緊密に連携をして、違法な流通の阻止を図るよう指導してまいります。

#83
○石川博崇君 ありがとうございます。
 今、委員長から、税関等の関係機関と緊密に連携しという御答弁をいただきました。
 では、関税法を所管する財務省、今日来ていただいておりますけれども、この改正後、税関においてどのような審査あるいは取締りの強化を図っていく方針か、お聞きをしたいと思います。

#84
○政府参考人(小宮義之君) 税関におきましては、銃刀法において所持等が禁止されている銃砲刀剣類が輸入される際には、関税法の規定に基づきまして、輸入しようとする者が銃刀法の規定に基づき適法に所持することができる者かどうかを確認し、確認できれば輸入を許可することとしておりますが、逆に確認できない場合は輸入を許可しないこととしております。また、輸入申告等がなく不正に銃砲刀剣類が輸入されることのないよう、国内外の関係機関から得た情報や、エックス線検査装置等の最新の取締り検査機器などを活用しつつ、関係機関とも緊密に連携することで厳格な水際取締りに努めているところでございます。
 銃刀法が改正され、クロスボウについて所持の禁止と所持許可制が導入された場合には、税関におきましては、銃砲刀剣類と同様に、輸入しようとする者が銃刀法の規定に基づき適法に所持することができる者かどうかを確認し、問題がなければ輸入を許可いたしますが、確認できない場合には輸入を許可しないこととなります。
 今後とも、警察等の関係機関と緊密に連携の上、厳格な水際取締りに万全を期してまいりたいと考えてございます。

#85
○石川博崇君 ありがとうございます。
 猟銃等の場合は、先ほども申し上げましたとおり、公安委員会からの銃砲所持許可証に加えて、経産省から輸入承認証を取り付けるということになっております。外為法を所管する経産省として、今回の銃刀法の改正を受けてどのような取締りを行っていくのか、御見解をお伺いしたいと思います。

#86
○政府参考人(風木淳君) お答えいたします。
 現行の外為法及び輸入貿易管理令では、各国の関税率表の品目分類等を統一し、国際貿易の円滑化に資するために作成されたHS条約というものがあるんですが、これに基づいて、武器などと分類される品目、九十三類に当たります、これに該当するものを規制対象として輸入管理を実施しているところであります。
 クロスボウは、HS条約上、武器九十三類ではなく、運動用具などの九十五類に今位置付けられているものでございます。したがいまして、今般の銃刀法の改正によりクロスボウが所持規制の対象となることをもって外為法の規制対象となるものではないところでございます。
 なお、ただし、先ほどからありますように、水際規制の観点からは、今般の銃刀法の改正によりクロスボウの所持規制が措置されることになりますので、これによって、クロスボウを輸入する際には、税関において銃刀法上の所持許可証を確認できる者に限り輸入が許可されるということになると承知しています。
 経済産業省といたしましても、引き続き、関係省庁と連携の上、クロスボウに係る水際規制の状況をしっかりと注視した上で適切に対応してまいりたいと考えております。

#87
○石川博崇君 今経産省さんからの御説明がありましたけれども、猟銃に関してはいわゆるHS条約上武器に位置付けられているために経産大臣からの輸入証明書を取り付けるという手続を取っているけれども、今回のクロスボウについてはHS条約上武器に位置付けられていないと、運動用具に位置付けられているがために外為法上の規制をする段階ではないというお話でございました。
 果たしてそれで本当にいいのかということを少し深掘りさせていただきたいというふうに思いますが、別にHS条約上位置付けられていなくても、我が国の政策判断として輸入管理規則手続を取ることは、例えば農産品の輸入規制など、ほかに多くの例があるというふうに思っております。このクロスボウについて、特に国内に製造メーカーがなく、輸入における水際規制というものが極めて重要という観点からは、猟銃では先ほど申し上げましたとおり三段階の規制があるわけですけど、その三段階のうちの一段階を行わないということで本当にいいのかということを、是非認識を強く持っていただきたいというふうに思っております。
 猟銃と同様、クロスボウについても外為法における輸入管理、これは検討すべきではないでしょうか。いかがですか。

#88
○政府参考人(風木淳君) お答えいたします。
 先ほどからございますように、今般の銃刀法の改正によって、税関の水際監視が銃刀法の所持許可証を確認できる者に関して行われるということで違法な流通が阻止されるような形になっていると承知しております。
 外為法の輸入規制でございますが、これ、外国貿易及び国民経済の健全な発展を目的とします外為法の法目的に沿って必要最小限というふうに規定されておりますので、あわせて、WTO協定その他の整合性も踏まえて、従前より、この九十三類、武器を輸入管理の対象としてきているというところでございます。
 したがいまして、経産省としては、今後、この銃刀法改正に係る国内規制の開始後の水際規制の状況をしっかり注視した上で、必要に応じ関係省庁とも連携して対応を考えていきたいというふうに思っております。

#89
○石川博崇君 国内規制開始した後の水際状況、水際監視の状況を注視の上、対応を検討したいという御答弁でございましたので、しっかりと御検討していただきたいというふうに思っております。
 ここで疑問となりますのは、いわゆる先ほど話にありましたHS条約上、クロスボウが運動用具に位置付けられている、武器ではないということから、外為法における経産省の輸入管理を行わないということでございますけれども、そもそもその運動用具に位置付けたままでいいのかということも、やはり殺傷能力、あるいは日本の国内におけるこうした凶悪な犯罪が発生しているということを考えれば、各国に働きかけて、そのHS条約上の位置付けを変えるべく日本としてルールメーキングを国際社会で行っていくべきではないかというふうに考えておりますけれども、このHS条約所管される財務省としては、このクロスボウを武器に分類するような働きかけを行うつもりはないのか、御見解をお伺いしたいと思います。

#90
○政府参考人(小宮義之君) お答え申し上げます。
 HS条約につきましては、輸出入貨物の品目分類の国際的な統一性を確保し、国際貿易の円滑化や貿易統計の比較分析を容易にすることを目的として、輸出入貨物を組織的、体系的に分類したものでございます。したがいまして、HS条約上の品目分類はあくまでこの観点から各国共通の理解や取扱いを定めるものであって、輸出入貨物の規制を左右するものではないというふうに承知をしております。また、規制の対象の指定等は各国の裁量にも委ねられているところでございます。
 その上で、現在九十五類、これは遊戯用具及び運動用具等でございますけれども、に分類されているクロスボウにつきまして、九十三類、これは武器、銃砲弾等でございますが、に分類されるよう国際的に働きかけていくべきではないかとの御指摘でございますが、具体的にどのような対応をし得るかについて、まずは関係省庁等と連携しつつ検討させていただければと存じます。

#91
○石川博崇君 国際社会におけるクロスボウの実際の使用の在り方等あるかと思いますので、しっかりと議論、関係省庁と行っていただきたいというふうに思います。
 その中で、今財務省から御答弁いただいた中で、HS条約上の品目分類、今は九十五類に位置付けられて、運動用具に位置付けられているわけですけれども、そのHS条約上の品目分類は輸出入の貨物の規制を左右するものではないと、あくまでも各国の裁量に委ねられているというふうに御答弁がございました。一方で、経産省からは、このHS条約上に、九十五類に分類されているから外為法上の輸入管理を行うものではないというふうな御説明がございました。
 この財務省と経産省のHS条約に関する考え方、若干そごが生じているんではないかというふうに思いますが、経産省、もし御答弁できるようであれば見解を教えてください。

#92
○政府参考人(風木淳君) お答えいたします。
 まず、そごはございません。HS条約は国際条約でございますので、我が国としてもしっかり遵守するものと承知しておりまして、我々外為法を執行する立場から、まさに外為法の法目的に沿ってしっかり判断をしていくということでございます。
 先ほど申し上げたとおり、第一条に外国貿易及び国民経済の健全な発展、それから必要最小限の規制という考え方がございます。それから、WTO協定との整合性の観点もございます。したがいまして、この水際監視に重ねて規制をするか否か、これについては、今後の実態も踏まえて、しっかり注視をした上で判断していきたいというふうに考えております。

#93
○石川博崇君 ありがとうございます。
 であれば、経産省、最初に御答弁あった、今回輸入管理をしない理由としてHS条約上の分類ということを挙げられたんですが、それだけではないということをしっかり省内で見解を整理をしていただいた方がいいのではないかということを要望としてお伝えをさせていただきたいというふうに思っております。
 それでは続きまして、時間も限られておりますが、今回の改正案におきましては、既にクロスボウを所持している方の許可申請手続を行っていただくための経過措置期間を行うということになっております。平成十八年の改正による準空気銃規制、あるいは平成二十年の改正によるダガーナイフの規制と同様に六か月とされたわけでございます。しかし、この六か月間の間に、例えば、以前購入していて押し入れにしまっていて気付かずにそのまま保管していたという方、許可申請の手続とか廃棄の手続とか、うっかり忘れてしまわれる方もいらっしゃるのではないかというふうに想定されます。
 法律の立て付け上は、六か月後に、うっかりであったとしても所持していれば不法所持に当たるのではないかということ、銃刀法違反に問われてしまうのではないかということも考えられるわけでございますが、故意に所持を継続をしていたわけではない、このようなうっかり所持のケースについて、どのように現場で判断をすることになるのか、どのような場合に所持違反として問われることになるのか、この概念について認識をお伺いをしたいと思います。

#94
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 銃刀法に言う所持に当たるためには、物を自己の支配し得べき状態に置くという外形的要素に加えまして、所持の認識という内面的要素がなければならないと解されているところでございます。
 一般論として申し上げますれば、経過措置の期間の経過後も許可申請等することなく、所持の認識を持ってクロスボウを自己の支配し得るべき状態に置いている場合には不法所持となり得る一方で、所持の認識がない場合には不法所持に当たらないこともあり得るところでございますが、いずれにいたしましても、不法所持罪が成立するか否かについては、個別具体的な事実関係に即して判断されるものと考えております。
 改正法では、六か月間の経過措置期間を設けまして、施行時に現にクロスボウを所持している者につきましては、施行日から六か月間は例外的に所持を認め、その間に所持許可を申請するか、適法に所持することができる者に譲り渡すか、廃棄するかの措置をとっていただくこととしているところでございますが、施行時期につきましては、公布の日から起算して九か月を超えない範囲内で政令で定める日としております。
 この期間に、現にクロスボウを所持している方に対してもしっかりと周知を図って、許可申請や廃棄手続の準備をしていただくことを可能にすることで、経過措置期間における手続を適切に取っていただけるようにすることを考えているところでございます。
 現にクロスボウを所持している方が経過措置期間における手続を適切に取っていただけるよう、経過措置期間における手続について広く周知を図るとともに、都道府県警察におきましても、現にクロスボウを所持している方からの相談や問合せに適切に応じられるよう指導してまいりたいと考えております。

#95
○石川博崇君 今御答弁いただきましたとおり、不法所持罪が成立するか否かは個別具体的な事実関係に即して判断されるけれども、所持の認識がない場合には不法所持に当たらないこともあり得るということでございましたので、各県警にもしっかりとこのことも含めて、相当程度、いや、うちにあったの知らなかったけど、押し入れに、整理をしたら、掃除をしたら見付かったということもあり得るんじゃないかというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 各地方自治体でもこのクロスボウ規制に関する取組というのは進んでいるところでございます。令和二年十月末の時点で二十八の府県において、今現在は更に増えて三十を超える府県において、青少年保護を目的とした青少年育成条例の中でクロスボウを有害玩具類に指定し、販売等を禁止している自治体が多くございます。
 法改正後、施行後は、こうして各自治体が国に先駆けて行ってきたクロスボウ規制の取組、また既に地方自治体、こうした自治体においては様々な情報も有しておるかと思いますが、大方の自治体においては知事部局において行われていて、もちろん警察、県警とも連携はされているとは思うんですけれども、今後一層、各県警とそれから地方自治体の知事部局との情報共有、連携が重要ではないかというふうに思っております。
 こうした各地方自治体との連携について、国家公安委員長の見解をお伺いしたいと思います。

#96
○国務大臣(小此木八郎君) 地方自治体の条例の状況につきましては、委員が今述べられたとおりであります。
 兵庫県において、クロスボウを規制する新たな条例が制定され、クロスボウを取得した際の県への届出義務等が定められたものと承知しております。
 このように、各自治体においては住民の安全、安心の確保のため、それぞれの地域の実情も踏まえた様々な取組を行っておられるところ、改正法の施行に当たっては、このような自治体と都道府県警察との間において連携や情報共有を含めて効果的な対策が講じられるよう、一層警察を指導してまいります。

#97
○石川博崇君 ありがとうございます。
 それでは、最後の質問とさせていただきたいと思います。
 これまでの質疑にもございましたけれども、クロスボウの競技団体等関係者の方々、あるいは産業分野でこのクロスボウを実際に使用されている方々もいらっしゃいます。本法律案の提出に先立って警察庁において有識者検討会を開催をされたわけでございますが、その検討会にはクロスボウの競技団体の関係者の方々も参加されたというふうに伺っております。例えば、大学の部活動においてクロスボウの保管の実態に即した御要望、あるいはクロスボウの標的射撃を行う場所の確保に関しての要望などが出されたと伺っております。こうした関係団体の皆様からの要望というものをどのように今回の法改正の改正案の中に反映されたのか。
 また、産業用途では鯨の生体組織の採取目的などで使用されている関係者もいらっしゃいますし、また林業でこのクロスボウを利用されている方々もいらっしゃいます。こうした産業目的で使用されている方々への丁寧な説明というものも不可欠だというふうに考えておりますけれども、この対応についても併せて警察庁から御答弁をいただきたいと思います。

#98
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 今回の改正の検討に当たりましては、クロスボウの射撃競技団体を始め、クロスボウを使用している関係者の方からその実態をよく聞いてきたところでございます。
 例えば、昨年九月から同年十一月までの間に警察庁で開催いたしましたクロスボウの所持等の在り方に関する有識者検討会におきましては、現在、クロスボウ競技のために借りられる場所が限られており、銃砲のような指定射撃場でなければ撃てないとするのは厳し過ぎるといった意見でございますとか、大学の部活動におきましては、学生が持ち帰って保管した場合の盗難の危険性等を考慮してクロスボウを大学でまとめて保管していることに配慮してほしいといった意見があったところでございます。
 こういったことを踏まえまして、改正案におきましては、銃砲のような指定射撃場制度は設けず、危害予防上必要な措置がとられている場所として内閣府令で定めるものにおいてクロスボウの標的射撃を行うことを可能とする、射撃指導員がクロスボウの保管の委託を受けられることとすることとしたところでございます。
 また、産業の用途でクロスボウを使用している関係者に対しましては、その使用実態の詳細を確認し、当該実態も踏まえ具体的な検討を進め、既に銃刀法で定められている産業用の銃砲の所持と同様、産業の用途での所持を認めた上で、許可の有効期間を設けないこととするほか、所持許可を受けた者の監督の下に作業に従事する者は、都道府県公安委員会に届け出た上で、所持許可を受けた者の指示に基づいて当該許可に係るクロスボウを業務上使用するために所持することができることとしておりまして、産業の用途に即した配慮をしているところでございます。
 これら関係団体等とはこれまでも適宜適切に連絡を取ってきたところでございますけれども、引き続き、コミュニケーションを取り、改正法の内容について丁寧に説明、周知を図りながら、改正法の円滑な施行に努めてまいりたいと考えております。

#99
○石川博崇君 ありがとうございました。
 本法案、早期成立とともに、二度とあの痛ましい、また凶悪な犯罪が発生しないことを心より念願、期待をいたしまして、私の質問に代えさせていただきます。大変ありがとうございました。

#100
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。
 本日は、銃刀法の改正案について御質問をさせていただきます。
 先ほどから、クロスボウ、日本ではボウガンという名称で知られているわけですけれども、このクロスボウは、現在、我が国ではスポーツ用品として、これ誰もがインターネットなどで今は自由に購入ができるというような状態でございます。元々は中世で武器として使われていて、その後は動物の狩猟とかそういったことを経て、今はそういうスポーツ競技でのスポーツ用品という、こういった形で広く世間に出回っているという状態なんですけれども、ただ、先ほどから議論ありましたように、簡単に、しかも、かなり定めた標的に正確に撃ち込むことができる、こういったクロスボウの特徴を悪用しての犯罪、これによって死亡事件も発生しているということが何度も先ほどからお話の中にありました。やはり私たちが衝撃を受けたのは、兵庫県の宝塚市での事件だったと思います。その後にも殺人に使われるという事例が相次いだわけですね。
 その後に、やはりこれ、日本にはとどまらなくて、世界でも、二〇一八年のアメリカ、ここでは、加害者は十三歳、そして被害者は十歳と八歳の子供が被害に遭っていると。また、その次の二〇一九年には、ドイツで二人心臓を撃ち抜かれ、一人は首に突き刺さったと。その次の二〇二〇年の一月、これ去年のことですね、これ本当に衝撃だなと思っていたんですけど、イギリスのBBCの報道では、当時七十四歳の男性が家の外で作業中に三十九歳の男にクロスボウで射抜かれて、肋骨、二本の肋骨の間から突き刺さって、脾臓、それから胃と腸にまで貫通して大出血の末、それがまた腕の骨に突き刺さって粉々になったと。大変痛ましい事件が外国では発生しています。
 これは、どうしてそういった全身にわたる損傷が大きかったかと。今日、ちょっと資料を付けさせていただいています。こういったクロスボウの矢の先端の図なんですね。これ、この今私が御説明しました七十四歳の、クロスボウが突き刺さった後、三週間後にこの方は亡くなったんですが、この方に使われた矢と同じ型の矢をこれちょっと資料で付けさせていただいています。
 見ていただいたら分かるように、普通の矢ではなくて、かみそりに鋭いエッジがあることが分かります。こうした矢に加工することで標的へのダメージが大きくすることができてしまうと。クロスボウを使ったこういった殺人事件は、本当に日本だけでなく世界でも起きているというわけなんですね。
 この海外の規制がどうなっているのかというところに視点を合わせますと、イギリスでは、このクロスボウ、クロスボウ法一九八七、こういったものが制定をされていて、イングランドやウェールズ、スコットランドでは十八歳未満には売買することができない規定になっています。別の法律では北アイルランドでも同じ規制を行っているということで、十八歳未満の所持は禁止、そして法律に違反すると刑事罪があるということです。
 我が国の規制の是非考えるに当たって、やはりこの他国での、同じような殺人事件が起こっている他国での規制内容を比較するということは重要であるということで今御紹介をさせていただきましたが、その上で、我が国における規制について伺っていきたいと思います。
 今回、クロスボウを銃刀法に組み入れて改正するに当たりまして、銃刀法の立法趣旨を知ることというのは非常に重要だと考えています。
 そこで御質問しますけれども、このクロスボウが、現行で規定する、これ銃刀法の第一条での危害予防上必要な規制という点、それから、これは現行法の第三条の十三で、矢を発射するという行為、発射罪ですね、この危害を予防上必要な規制や発射罪、そもそもこれに該当するということは、これ容易に予想が付いたと思うんですよね。それが、今日も少し御質問の内容は重なる部分はあるんですけれども、なぜこれが、ここまで容易に推察できるのに、今までこの法律が、今回一歩前進ではあるんですけれども、放置されてきてしまったのかと。もっと早く規制をしていれば、こういった犠牲者というのは生まれなかったのではないのかと、そういうふうな思いでおります。
 これについて、小此木国家公安委員長、お伺いをしたいと思います。

#101
○国務大臣(小此木八郎君) 先ほどのちょっと警察の職員の答弁と同じようなことになると思いますけれども、平成十四年からの数字を申し上げてまいりました。
 十四年から平成十八年、五年間の刑法犯事件の検挙件数は六件となっています。その罪種は傷害や器物損壊等でありました。これに対し、平成二十二年一月から令和二年六月までの間のクロスボウが使用された刑法犯事件の検挙件数は二十三件。多数の事件が発生しており、しかも殺人や殺人未遂等の故意に人の生命、身体を害する罪の事件が半数を超えていたということでありまして、これ、だんだんその認識が改まっていたということの事実があります。
 先ほどの答弁でも申し上げましたけれども、政治家としても、国民の皆さんの中でも、その恐ろしさという機運が非常に最高潮に達したというのがやはり昨年の六月の事件であったと思います。先ほども申し上げましたけれども、私、その対策の党内の責任ある立場も務めておりまして、警察とともにこれは責任を果たさなきゃならないねということから議論を重ね、有識者会議も設け、この立場になってからでありますけれども、今日に至っております。
 その責任を感じておるからこそ、まずは皆さんに御議論をいただいて、この改正案成立させていただいて、更なる抑止、食い止めるということに努めてまいりたい、こういう思いでおります。

#102
○高木かおり君 やっぱり、今まではそういったこのボウガン、クロスボウというものがこれほどまで殺傷能力あるということの認識がやはり薄かった部分があるんじゃないかなというふうに思うんですね。今、本当に力強く、これからしっかりやっていくという御答弁をいただきましたけれども、是非これ、一歩前進という意味では私もこの法案については賛成なんですが、幾つかちょっと引き続いて御質問をさせていただきたいと思います。
 この改正法案の中身を見てみますと、ちょっと細かいところなんですが、改正法案の第二条の定義にクロスボウの定義を本来書き込むべきなんじゃないかというふうに私は感じたんです。そのようには実はなっておらずに、この改正案では、第三条の所持の禁止の部分に銃砲若しくはクロスボウというふうに書かれておりまして、銃砲とクロスボウを分けています。そして、クロスボウの後に括弧書きでクロスボウの定義が書かれております。
 弾丸を使用していないから、あえて等にクロスボウを含んで、銃砲には含まないという理解でよろしいんでしょうか。まずこれに御答弁いただきたいと思います。

#103
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 銃刀法につきましては、銃砲刀剣類所持等取締法という法律の名称のとおり、殺傷機能が高く犯罪に悪用されるおそれの高い銃砲及び刀剣類を規制の中核として第二条で定義を定めまして、それに類似する準空気銃、刃物等につきましては、それらの物品の規制に関する規定において定義をしているところでございます。クロスボウにつきましては、銃砲刀剣類そのものではございませんが、これに類似する物品として、今回、銃刀法の規制の中で規制対象とすることとしたものでございます。
 御指摘の定義の規定の位置につきましては、クロスボウの所持を原則禁止することとしたことから、これを規定した第三条において定義を定めているものでございます。

#104
○高木かおり君 御答弁は分かるんですが、ただ、やっぱりこの第三条の所持の部分にクロスボウと書き込まれていて、このクロスボウの定義、定義の部分にクロスボウということでしっかりと書き込まれていないというのが、やはりちょっと私にとってはそのクロスボウを単に付け足したというような印象を持ってしまったんですね。
 やっぱり、この第三条は定義を踏まえて所持の禁止を定める条項でありますから、この三条にクロスボウの定義を書くんではなくて、第二条に書くべきではないかというふうに考えるんですけれども、もう一度御答弁いただけますでしょうか。

#105
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 繰り返しになってしまうんですけれども、銃砲刀剣類所持等取締法におきましては、銃砲及び刀剣類を規制の中核としております。したがいまして、この第二条の定義におきましては、この銃砲及び刀剣類の定義に関する規定を定めているところでございまして、銃砲刀剣類そのものには当たらないけれどもそれに類似するその他の物品につきましては、その他の物品の規制の中で規定を定めているというふうにされているところでございます。

#106
○高木かおり君 あくまで定義のところにはその法案の名前の性質上書き込めないということなのかもしれませんが、やはりしっかりとこのクロスボウに対してもきちんと今後的確に、そして今必要とされているそういった対応をしていただけるように、決してこのクロスボウは二の次なんだというような印象を与えないように、しっかりやっていただけたらなというふうに思います。
 それでは、次の質問に移らせていただきますが、先ほどお示しさせていただいた冒頭の資料で示しましたように、クロスボウの矢の部分には、損傷度合いを強くするために、この部品を交換することで殺傷能力を高めることができるということなんです。
 そこで、このような取替え可能なパーツについても改正法に含まれるんでしょうか、御答弁をお願いします。

#107
○国務大臣(小此木八郎君) 矢については、一定の威力の矢を発射する機能を有するクロスボウ本体と一体となることによってその危険性が顕在化するものであり、矢単体の所持については規制はしておりません。
 銃刀法において、所持許可を受けたクロスボウを当該許可に係る用途に供するため使用する場合を除いては、発射することは禁止されるところでありまして、例えば、標的そのものを破壊してしまうような矢尻に刃の付いた矢について、標的射撃の用途のクロスボウで使用することは、当該規制に違反することとなり、取締りの対象となり得ます。

#108
○高木かおり君 やはり、今までこの規制ができていなかったといいますか、性善説で考えればまあそんなことはしないだろうというようなことで今までも法規制がされてこなかったわけなんですが、やっぱり、悪意を持ってやる方からすれば、その取替え可能なパーツ、これは規制が掛かっていないということになりますと、これやはり、この形状見ていただくと、そのパーツだけどこからか入手をしてそこに付け替えるということもあり得るんではないかというふうに考えると、すごく不安に感じる部分もあるんですね。それで、それに付随する部品等、こういったことにもやはりしっかりと規制をするべきではないかというふうに考えております。
 時間の関係上、それについては御検討をまたいただきたいなというふうに申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
 次に、購入について伺いたいと思いますが、改正法では、動物麻酔や射撃の競技者など購入対象者を限定して購入できる余地を残しているわけです。
 そこでお聞きをしたいんですけれども、クロスボウを個人が合法的に購入する場合、そのときに、許可するに当たって、公安委員会からの所持許可を受けなければならないと思いますけど、その場合、欠格事由ですね、この欠格事由について非常に判断が重要だと思うんです。この欠格事由というのは、これ誰がどのように判断しているのか、御説明願います。

#109
○政府参考人(小田部耕治君) 銃刀法の所持許可の欠格事由につきましては、様々な法令違反の関係であったり、一定の行為をするおそれがある者であったり、そういったものが人的欠格事由と定められているところでございますけれども、許可申請があった場合には、担当の警察職員の方で本人に対する聞き取りをしたり、周辺調査をしたり、所要の関係機関に対する照会を行うなどして、人的欠格事由の有無について確認しているところでございます。
 その上で、そういった一定の調査を経た上で、都道府県公安委員会において所持許可を与えるかどうかということの判断をしていると理解しています。

#110
○高木かおり君 この欠格事由について、十八項目ほどあるかと思いますけれども、ほとんどはイエスかノーかで判断ができる欠格事由の判断だと思うんですけれども、二項目ほどは、やはり暴力的不法行為等を行うおそれがある者ですとか、そういったなかなかマル・バツでは判断できないような部分もありますので、そういったところも、是非とも厳格に行っていただきたいなというふうに要望をさせていただきたいと思います。
 続いてですけれども、インターネットでの販売についても、今日、様々な論点が出ていたかと思います。今の状態では誰でもが簡単に買えてしまう、これを規制していこうという話ですが、改正後もインターネットで個人でも販売が可能なんでしょうか。その場合はどのような合法的な販売プロセスをたどるのか、簡潔に御説明願います。

#111
○国務大臣(小此木八郎君) 本改正法ですけれども、クロスボウを個人間で譲り渡す場合には、相手方からその者の所持許可証の提示を受けた場合でなければ譲り渡してはならないこととしており、その具体的な方法は内閣府令で定めることとしております。
 この規制は、個人間におけるインターネット上の取引にも適用されるものであり、内閣府令で定める予定の内容に即して、具体的な流れの例を挙げれば、まず、クロスボウの所持許可を受けている販売者がインターネットを通じて当該クロスボウの購入を募る、購入しようとする者は当該クロスボウを所持するため都道府県公安委員会から所持許可を受けて所持許可証の交付を受ける、購入しようとする者は販売者に対し所持許可証の原本を送り、販売者はこれを確認した後、所持許可証とともに当該クロスボウを配送する、販売者は配送事業者が購入者に引き渡す際に運転免許証による本人確認を行わせるという流れが想定されます。

#112
○高木かおり君 今までよりは本当にいろいろな部分で規制を掛けていただいているということなんですけれども、先ほど、業者となるためには公安委員会への届出も必要だということだと思うんですね。業として販売、これ、反復継続の意思を持って販売をしていく、そういった場合には公安委員会への届出が必要なんですけれども、個人が単に手放す場合、これは公安委員会に届出の義務はなくて、許可証でいいということだと思うんですね。という、同じ売るにしても、まずここに差が生じているなというふうに感じています。
 許可証の意味は、所持を認めるということで、販売を認めるということではないというふうに私は考えていますが、個人が販売する場合、単なる許可証だけでこれ本当にいいのかと、ここについては再検討が必要なんではないかなというふうに考えています。インターネットで個人が販売する場合には、その個人の良識が問われて、それを逐次当局がインターネットに張り付いて取り締まるということは不可能だと思います。
 そもそも、今回の法改正、クロスボウも銃刀法のカテゴリーに入れて所持を禁止するという趣旨から考えますと、販売者も購入者も個人という、個人対個人のインターネットでの売買、これはまあそもそも禁止するべきではないのかなというふうに考えるんですけれども、委員長、どうでしょうか。

#113
○国務大臣(小此木八郎君) 銃刀法においてですが、不正な売買を防止するため、販売事業者によるものだけではなく、個人間における売買においても相手方からその者の所持許可証の提示を受けるなど、相手方が適法に所持できる者であることを確認してからでなければ譲り渡してはならないこととしているところでありまして、この規制はインターネット取引に対しても適用されるものであります。
 他方、個人間における売買はフリーマーケットアプリが利用されることが多いと承知しているところでありまして、インターネットにおける違法な個人間売買を防ぐためには、警察による取締りのほか、関係方面とも協力した対策が必要と認識しており、今後、フリーマーケットアプリの関係団体に対し、クロスボウが銃刀法上の規制対象となったことを説明の上、出品の禁止について協力を働きかけることや、サイバーパトロール等を通じインターネット上で違法な取引が行われていないかどうか状況把握を行うなどして、インターネット上での違法な個人間の売買に、努めてまいりたいと存じます。

#114
○高木かおり君 是非ともインターネット上でのというのは厳しく取り締まっていただきたいというふうに思います。
 この許可証を持たなければ罰せられるわけですけれども、今回法律が成立して、今日も論点に上がっていたかと思いますが、公布の日から起算して九月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すると附則でこれ定められているわけなんですが、法律が成立して施行まで最大九か月間、この九か月間の期間においては、法律が成立今回しても、この間売買、これ許可証を持たなくても売買できるということでしょうか。再度改めてお答えいただけますでしょうか。

#115
○国務大臣(小此木八郎君) 改正法についてですが、国民への十分な周知等に要する期間として、公布の日から起算して、おっしゃったように九か月を超えない範囲内で政令で定める日から施行することとしております。
 改正法が施行されるまでの間については、クロスボウの所持等に関する規制の効力がまだ発生しないことから、クロスボウを許可証なく所持等することは可能でありますが、施行の際、現にクロスボウを所持している者については、施行の日から六か月間の経過措置期間において所持許可を受けるか、適法に所持することができる者に譲り渡す等するか、あるいは廃棄するといった措置をとるべきこととなっていることから、施行後の経過措置期間においてこれらの手続を円滑に行っていただけるよう、公布後速やかに改正法の内容についてこれを周知してまいりたいと存じます。

#116
○高木かおり君 もちろん、ある一定の期間がないと、先ほど議論があったかと思いますけれども、持っていることに気付かなかったですとか、御家族の中で、自分の、我が家にそういったものがあるのを知らなかったですとか、要は周知徹底をする期間というのは必要だと思いますけれども、やはりこういった、凶悪犯罪にも使われてしまうというこういったこの今回のボウガンですね、この殺傷能力等、そういったことを考えますと、やはりちょっと期間が長いような気もいたします。
 そういった中で、もっと、私としてはもう少し期間を、できるだけ早く、そういった周知徹底をして、広く周知徹底していただいた上で適切な処置を是非とも要望させていただきたいと思います。
 続きまして、少しちょっと視点を変えて、クロスボウをインターネットで違法に販売している場合、これサーバーを規制することは可能なんでしょうか。

#117
○国務大臣(小此木八郎君) 本法改正案については、不正な売買を防止するため、販売事業者によるものだけではなくて、個人間における売買においても、相手方からその者の所持許可証の提示を受けるなど、相手方が適法に所持できる者であることを確認してからでなければ譲り渡してはならないこととしているところであります。この規制はインターネット取引に対しても適用されるものであります。
 御指摘は、フリーマーケットアプリによる個人間の取引を制限するためにサーバーを規制することについてのものと理解いたしますが、インターネット上において購入者を募るようなことを法的に規制することについては慎重な検討を要するものと考えますが、今後、フリーマーケットアプリの関係団体に対し、クロスボウが銃刀法上の規制対象となったことを説明の上、出品の禁止について協力を働きかける、サイバーパトロール等を通じ、インターネット上で違法な取引が行われているかどうか状況把握を行うなどして、インターネット上での違法な個人間の売買の防止に努めてまいりたいと存じます。

#118
○高木かおり君 先ほどからインターネットでの販売等についてお聞きをしているんですが、やはりこれ、違法業者を当局が探索して発見するというのはなかなかこれ、ずっと張り付いているわけにはいかないと思いますので難しいんじゃないかなというふうに、どうしてもこういうものは闇に潜ってしまったり、そういったこともありますので、改めてこのインターネット販売そのものについてもやっぱり厳しく対応していただきたいと。もうできれば禁止するぐらいのことをやっていただきたいなというふうに私自身は思っております。
 次に、もう一枚の資料を見ていただきたいと思います。
 これは、ユーチューブでこのボウガンの作り方を紹介している動画なんですね。ユーチューブでこのクロスボウを簡単にできる方法を紹介していて、今後、このようにクロスボウの作り方を流している動画、これ禁止されないんでしょうか。クロスボウの所持は禁止だけれども、作り方のこういったものは禁止されていないのか、御答弁願います。

#119
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 改正法におきましては、クロスボウの製造行為自体は規制しておりませんが、製造に係る所持を含め、所持全般を原則禁止とした上で、都道府県公安委員会に届け出てクロスボウの製造を業とする者について業務のため所持することを認めているところでございます。したがいまして、都道府県公安委員会に届け出たクロスボウ製造事業者以外の者がクロスボウを製造した場合は、これを所持した事実をもって不法所持となり、刑事罰の対象となるところでございます。
 なお、クロスボウの製作の仕方、これ自体につきましては、それ自体をもって直ちに違法と判断することもなかなか難しいかと思われますので、そういったものについてのその制限でありますとかそういったことについては慎重な検討を要するものと考えます。

#120
○高木かおり君 これ、こういった動画で作り方をユーチューブで流しているのは別に違反ではない、禁止していないということなんですけれども、これ、資料見ていただくと、これフォークなんですが、すごく、ちょっと簡単に、おもちゃのようには見えますけれども、これがどれほどの威力があるのかと、まあ私も試したわけではないですが、やっぱりこういったものがユーチューブで普通に流れている。これ、まあこれはちょっとおもちゃのようですけれども、本物らしきものが、例えばボウガンが作られました、作っているところのサイトは規制はしないけれども、でも、作って持った、所持した時点では違反なんだという、こういう状態なんだと思うんですね。
 この点について、ちょっとこれは通告はしていないんですけれども、小此木委員長、こういったことについては、まあちょっと心配し過ぎかもしれませんけど、やっぱりこういったものが目に見えるところに、至る所にこういったユーチューブなんかが流れていてこれを作ってしまう、作ってしまったら持ってしまう、持ってしまって使ってしまう、こういったことにならないのか私は不安なんですけど、その点について御見解いただきたいと思います。

#121
○国務大臣(小此木八郎君) 委員にも加わっていただいて、先日、ストーカーの規制法にも通ずる話かもしれませんけれども、時代は流れる中で様々な環境が変わってきたり、良きものとして使っていたものが時間たったら今回のもののように悪辣な使い方になって、非常に悲しい事件を巻き起こすことになってしまいました。
 ですからこそ、国は国として、公は公として、あるいは議会も含めて、国民の間に起こる残念な事件、あるいは良いものとしっかりと分けることができるように注視をしてまいることが必要だというふうに常々これは思っていますが、その中で、まともに使う方と、つまりそういう人たちの私権を制限をしてしまうことがどうしたってこれ議論につながると思います。慎重かつ重要なテーマとして我々は捉えて、常に議論をし、決めていく姿勢を持っていくということが必要だと思っています。

#122
○高木かおり君 大変難しい部分だということは承知しております。ただ、やはりこういった懸念点というのも、今答弁していただきましたように、やっぱり常に念頭に置きながら判断をしていただけるというのは是非とも今後も引き続きお願いをしたいなというふうに思います。
 今日ずっと質疑をさせていただいて、ほかの委員の方々の話も聞いていまして、やはり、おっしゃっていただいたように、今まではそんなことはなかったんだけれどもということが、やっぱり被害が起こってから、後からこういう法改正ですとかそういったものができていくと。それもすぐできるわけではないということで、やっぱり先手を打って、そういったことが起こらないように、予防的に様々な対応をしていただきたいというふうに考えております。
 時間が来てしまいました。まだまだ、少し質問を残してしまいましたけれども、是非とも、今回の法改正、一歩前進だというふうに思っています。いろいろと出た論点に関しては今後もまた御検討いただけるようにお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#123
○矢田わか子君 国民民主党、矢田わか子です。今日もよろしくお願いいたします。
 昭和二十五年の制定から実に十六回目の改正となります。質問内容重なりますので、少し飛ばしながらやりたいと思います。
 まず、今回のように、銃刀法のこの規制についてより実効性を上げていくためには、私はやっぱり競技団体とか輸入販売業者団体の全国組織の協力が必要ではないかと思っています。
 資料一に少し団体をまとめてみたんですけれども、残念ながら、このクロスボウに関しましてはしっかりとした運営を行う団体の整備がどうもできていないようであります。射撃、猟銃関係の主な全国団体の概要一覧、資料一にお示ししておりますけれども、各団体とも長い歴史を持ち、スポーツ振興、鳥獣の保護など活発な活動展開しているんですね。一方、この全日本クロスボウ協会、日本ボウガン射撃協会の二つの団体、会員数も少なく、販売店との連携についても十分ではないように見受けられます。
 警察庁としては、既存する団体の運営実態などをどのように把握されているのか、そして、今後、このような団体、どのように育成しようとされているのか、お答えいただければと思います。

#124
○国務大臣(小此木八郎君) 矢田委員がおっしゃったように、関係諸団体の御紹介ありましたけれども、こういった団体と今後もしっかりと連携をしていくということ、何があるのか、どういうことがいけないのか、何のためにやっているのかという連携をしていくことが重要だと思っています。
 警察庁においては、クロスボウ関係団体として、競技団体である日本ボウガン射撃協会、クロスボウの正しい使い方と理解普及を目的とし、販売店等を会員とする全日本クロスボウ協会を把握していると私も報告を受けています。警察庁で開催されたクロスボウの所持等の在り方に関する有識者検討会では、両団体の方々に委員として御参画いただいて、競技者や販売事業者等の観点から貴重な御意見をいただいたと聞いております。
 今後とも、両団体と適時適切にコミュニケーションを取り、改正法の内容等に関する周知広報、施行後に予定している講習会の準備などにおいて必要な協力を得ながら、改正法の円滑な施行が図れるよう警察を指導してまいります。

#125
○矢田わか子君 そもそも、この標的射撃競技のスポーツについてお聞きしていきたいなと思っているんですが、オリンピックの競技になっているものも含めて、多数この競技があるというふうに思います。ボウガン、クロスボウは比較的容易にマスターできるということで、弓道やアーチェリーのように技術や訓練の度合いを争うという競技レベルのものではないのではないかというふうに思っています。むしろゲーム的な要素が強いのではないでしょうか。
 しかも、弓とかアーチェリーは、先ほど来からありますとおり、しっかり習得するためにも時間も掛かりますし、殺傷能力も低いという一方で、このボウガンについては殺傷力が高いということでもあります。オリンピック競技としても、やり投げとかフェンシング、柔道、レスリング、射撃、アーチェリーなど、戦いとか戦闘に対するこの競技たくさんあるんですね、歴史的にも。
 でも、ただ、文科省として、今回この規制対象となるクロスボウのような標的を狙う射撃競技、どういった視点からスポーツとして位置付けているのかについてお答えいただけませんか。

#126
○大臣政務官(三谷英弘君) お答えいたします。
 先ほど御指摘いただいたとおり、ゲーム性が高いですとか殺傷能力が高いというような点も御指摘のとおりあるのかもしれませんけれども、スポーツ基本法に基づいてまずお答えさせていただきますと、その前文において、心身の健全な発達、健康及び体力の保持増進、精神的な充足感の獲得、自律心その他の精神の涵養等のために個人又は集団で行われる運動競技その他の身体活動ということがスポーツはということで書いてありまして、そういったものに照らしてどうかということを考えなければいけないと。
 一般的にどのような活動がスポーツに位置付けられるかという点については、文部科学省が一概に判断する性質のものではありませんけれども、ただ、例えば、スポーツ、本当になかなか定義難しいところではありますが、アーチェリーですとか、それから日本のものでいうと弓道、それから時々海外のスポーツ番組を見ているとダーツとかもやっているわけです。
 それがどこまでがスポーツと位置付けられるかということについては必ずしも定義がないところでありますけれども、いずれにしても、現時点においては、このクロスボウを含めまして、オリンピックの競技大会等における実施競技については、競技の状況等を踏まえて主催者が決定するということの整理とさせていただいております。
 以上です。

#127
○矢田わか子君 私は個人的に、本当にこれスポーツなのかなとやっぱり思えて仕方がないわけであります。スポーツ振興するということはとっても大事なことですが、やはりこうした競技においては、安全対策、それから教育も含めて、文科省としての役割を今後も是非果たしていただきたいなと思います。
 続いて、もう皆さんも取り上げているこの危険物の販売規制の在り方について、消費者庁、今日来ていただいていますので、消費者庁も含めてお聞きをしていきたいと思います。
 このクロスボウの販売ルート、八割はネット通販と言われています。一体現在どれぐらいの流通量があるのか、本当にどなたが把握しているのかというようなこの疑問もあります。消費者庁がネット通販において、いわゆる危険物の取引の規制については何らかの対応をされているというふうに認識をしています。例えば、同じ危険物でも、可燃物だとかいわゆる爆発物についてはもう厳しい規制があるというふうにお伺いしておりますが、ネット販売事業者の自主規制を含めて様々な規制をこうしたクロスボウ等のようなものにも掛けていくのかどうか。先ほどもありましたように、メルカリとか個人でもう販売するような時代がありますので、私も試しに見てみましたけど、もういっぱい売っていますよね、このクロスボウ。
 こういったことに対して、消費者庁、どのようにまず課題を捉えているのかお聞かせいただきたいのと、警察庁としては、こういったネットを通じた取引、特に、済みません、闇サイトと言われるようなものもありまして、薬物や危険物の取引といったものを含めてどのように監視していくのか、取締りしていくのかについて、それぞれお答えいただければと思います。

#128
○副大臣(三ッ林裕巳君) お答えいたします。
 一般に、消費者の生命又は身体に対して危害を及ぼすおそれが多い製品等については、個別法によって基準適合義務や表示義務、販売規制等が掛けられているものと承知しております。
 消費者庁の対応という点では、現在御審議いただいている取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律案では、商品の安全性の判断に資する事項等に著しい虚偽、誤認表示がある商品等について、内閣総理大臣がオンラインショッピングモール等の取引デジタルプラットフォームに対して出品の削除等を要請することができることとしております。
 新法案の要請の対象は内閣府令で定めることとしておりますが、例えば委員御指摘のクロスボウ等の危険性のある商品について、法による規制対象であるにもかかわらず規制対象ではないと偽る等の虚偽の表示がされる場合についても、新法成立後に取引の実態を注視しつつ検討してまいりたい、そのように考えております。

#129
○国務大臣(小此木八郎君) いわゆる闇サイトですけれども、このサイトにおける危険物の取引に係る検挙件数の統計はありませんが、警察においてですけれども、サイバーパトロールあるいは一般の方々からの情報提供を通じてインターネット上で違法な取引が行われていないか、不断の状況把握は努めているところでございます。
 今後とも、インターネット上における違法な取引に係る取締りについて、国民の協力も得ながら、強力に推進するよう警察を指導してまいります。

#130
○矢田わか子君 先ほども出ていた、特に輸入したものの規制ですね、税関等できちっと規制をしていただかないと、昨日検索したサイトから、リアルでハンターになりたいといってこの大きなボウガンを買っていらっしゃるような人のサイトがありまして、皆さんも検索していただいたらと思いますけど、実に簡単に税関も通過をしているんですね。これ、かなり殺傷能力の高いものだと思いますが、個人特例での通関を了承いたしますということが経産省から本人宛てに最終的には来て輸入できたと、三十日以内に輸入できたというような記事まで載っているんです、体験談として。
 したがって、やっぱりしっかり取締りをしていただかなければ、こういうのを見て、自分も、じゃ、買おうかというような人がこれからも後を絶たないと思いますし、私、何よりも、これ公布してから九か月ですので、まだ大分先なんですね。これから参議院通過して、衆議院があって、そしてその後公布し、その後九か月ですから、来年以降になるじゃないですか。この間も含めてしっかりと周知徹底していかなければ、多くの、流通量、幾らつかんでいますかと申し上げたとおり、今、私が検索しても出てこなくて、大体年間千数百件の購入があるだろうと推測されているんですよ。じゃ、日本全体にどれだけあるんだというようなことも本当はしっかり見ていかないといけないですし、その方々に対する意識啓発、広報含めてしっかりやっていただきたいなという思いであります。
 続いて、人的欠格事由の問題について触れていきたいと思います。
 申し上げたとおり、これ昭和二十五年から十六回目のこの改正ですが、この人的欠格事由、いわゆる持てない方については平成十八年の改正で終わっております。資料二に今どういう状況になっているのかまとめましたけれども、この銃刀法による人的欠格事由と風俗営業法、それから警備法における人的欠格事由を少し比べるために掲載、並べてみました。ほとんどが風俗営業法とか警備業法については五年というのが、再び過ちを犯さないための期間五年ということの規定が多いわけなんですが、なぜかこの銃刀法、所持の許可制の人的欠格事由のストーカー行為を行った者とDVの保護命令を受けた者だけは三年となっているんです。
 近年、銃刀を使ったストーカー殺人とかDVが殺人事件に発展するものも多発しており、なぜここだけ三年にしたのか、見解をお願いします。

#131
○国務大臣(小此木八郎君) 銃刀法第五条第一項ですが、銃砲等の人的欠格事由として、一定の犯罪の刑に処された場合は五年、ストーカー規制法に規定するストーカー行為を行ったり、同法の禁止命令や警告を受けた場合は三年、DV法に規定する保護命令を受けた場合は三年としています。これは、ストーカー行為を行ったり、ストーカー規制法の命令や警告、DV法の保護命令を受けたりした者は、いずれも銃砲等を所持させることは危害予防、防止上適切ではありませんが、その期間については、命令や警告等の刑罰に処せられていない段階で欠格要件とするものであることから、前科の場合より短い期間として三年としております。
 一方、人的欠格事由としては、これらの規定のほか、他人の命、生命、身体若しくは財産若しくは公共の安全を害し、又は自殺をするおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者、こういう条項が設けられております。御指摘のような殺傷事件につながりかねない危険な行為を行っていた者については、命令や警告を受けて三年を経過した後であっても、個別具体的な事情に応じて、この条項に当たるとして許可を与えないことができます。
 今後とも、ストーカー行為等を行った者について適切な対応がなされるよう警察を指導してまいります。

#132
○矢田わか子君 ちょうど先週、ストーカーに対する改正法の論議、ここでさせていただきましたけれども、二〇〇〇年にこの法律ができて以降、やはり近年、特に二〇一二年以降、犯罪とか起こっている、増加が、検挙率が一気に増えているわけです。令和元年でいうと、暴行が百三十九件、傷害八十九件ということで、当然のことながらストーカーによる殺人ということも、一旦ストーカーをして、そういう未遂を犯した方々を含めて考えたときに、本当に三年でいいのかということをやっぱり疑問として残りますので、是非、この項目、十七項目めに、集団的に又は常習的に暴力的不法行為を行うおそれがある者という事由がありますので、こういったものを活用しながら、しっかりと危ない方には所持させないということの徹底を図っていただきたいというふうに思います。
 それと、同居家族ですね、実際に、本人が持っても、同居家族にこうした方がいる場合どうするのかということも本当は話し合っておかなければいけないというふうに思っています。近くにありますので使ってしまうおそれがあるということですので、その辺りも含めて是非次なる御検討に加えていただければと思います。
 続いて、ゲームによる影響についてお伺いをしていきたいと思います。
 私は、根本的にこういった犯罪を絶つために、今、やっぱりこのゲームとかがオンラインによって身近に市場形成しているというか、特に中高生ですね、反射能力を競うシューティングゲームだとか、本当に身近に購入できるような環境にあるということが大きくこうした事件にも影響しているのではないかと思っています。
 この内閣委員会でも三年前に久里浜の医療センターを訪れておりまして、当時、樋口院長という方に、実はギャンブル依存症のことをお聞きしに行ったんですが、ギャンブル依存症もだけれども、最近はやっぱりネット依存、ゲーム依存、若い人たちのそういうものが問題になっているんですという話をお聞きしております。
 最近のその樋口院長の少し動きを見たときに、三月に発表されている論説で、やはりコロナ禍でオンライン授業が増加をして、やっぱりオンラインで家にずっといますから、このネットとかゲーム依存が更に増えているというふうなことも発表されております。
 家にいてずっとネットに向き合って、ゲームとかスマホに向き合うこの中毒について、それだけならまだしも、反射神経を競うこのシューティングゲームについては、大脳生理学上、脳を活性化させるという見識とともに、一方で海馬の脳細胞を減少させるというような見識も上がっております。
 ゲーム依存への対応という問題もありますけれども、このゲーム上で敵や怪獣というんですか、ゾンビとか撃って倒すというバーチャルの世界に浸っていると、現実世界でやっぱり実際の人間を標的にして撃ってしまいたくなるというふうなこの行動が起こるんじゃないかというような研究も進められているわけです。
 少年犯罪の予防という点から、こういったゲーム、犯罪との関係について、過去の犯罪事例から検証したり研究していく必要が私はあると思いますが、大臣、いかがですか。

#133
○国務大臣(小此木八郎君) 先ほど杉尾委員との間でパチンコの話をしましたが、キャラメルの空き箱なんか狙ってこうやっていたことと、あるいは、それから何年かたつとインベーダーゲームというテレビゲームがあって、侵略してくるものを撃ったりなんかして、これが非常に人間の痛みを忘れているんじゃないかなんていう学校の先生やいろんな大人の方から教わったというか、そういうこともありました。
 そういう意味のことをおっしゃっているんだと思いますけれども、確かにそういう様々な研究、あるいは、私の所管ではありませんけれども、教育といいますか、そういったことが重要になってくるとは本当に常々私自身も政治家としても人間としても思っています。
 今後、委員の今の御指摘の点も踏まえて、ゲームと少年事件の関係については、関係省庁と連携しつつ、いつものような話になりますけれども、どのような対応が必要かも改めて幅広く検討するように警察を指導してまいり、一緒に考えていきたいと思います。

#134
○矢田わか子君 内閣府にはギャンブル依存症対策のチームはおりますけれども、こうしたゲーム依存の担当がないと今日言われましたので、そういうことへの提言も含めて是非お願いをしたいなと思います。
 最後に、他の殺傷力の高い危険物の規制についてお伺いをしていきます。
 資料を御用意いたしました、資料三ですね。
 今回、クロスボウがこの対象となったわけですが、ほかにも危険な銃刀類としてたくさん私はあるというふうに思っています。
 例えば、ちょっと通販を触っても、マチェットというアウトドアとか農耕作業に使うなたのようなものなんですけれども、ジャングルとかでこのマチェットで枝やつるを払いながら進んでいくというふうな場面が映画等でも見られたことがあるかと思います。この刃渡りの長いもの、殺傷能力持っていますし、こういったものが本当に売り買いされているということに対して、大丈夫なのかなという懸念があります。
 平成二十年には、ダガーナイフ所持の禁止ということで銃刀法改正されていますが、このマチェット、どうなんでしょうかと。対象にならなかった理由が知りたいですし、ほかにも、これ一例であって、ちょっと見ただけでも、これ大丈夫と思うような、いわゆる殺傷力が高いと思われる危険物たくさんあるわけです。こうしたことについてどのように規制を掛けていくのか。
 特に、小此木大臣、先ほどから、まだ殺人が起こっていないということが対象にならないんだというふうな御意見ありましたけれども、水中銃とかですね、けど、これ、殺人が起こってから規制掛けるんじゃなくて、やはり予備的にこういったものは規制していくことを少し考えなければ、後追いになってしまわないかという懸念があると思いますが、いかがでしょうか。

#135
○国務大臣(小此木八郎君) 御指摘のように、人の殺傷に使用される物品は様々であるところ、軽犯罪法では、人の生命を害し、又は人の体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を正当な理由なく隠して携帯することは禁止されています。警察では、同法に違反する事犯に対して厳正な取締りを行っているものであります。
 その上で、新たに規制対象とするものを銃刀法において追加する場合には、一般に、規制の必要性、凶悪犯罪の発生等、殺傷能力、社会的有用性、規制対象の明確性、銃砲刀剣類との類似性を総合的に判断することとしています。
 銃刀法において規制対象物を追加するに当たっては、これらの点を踏まえ、個別具体的に検討する必要があると考えており、引き続き、状況をしっかりと注視することは必要だと思っておりまして、それで適切に対応してまいりたいと存じます。

#136
○矢田わか子君 中国で開発されたレーザーガンも載せております。これ、無音で光線も見えない、八百メートル先から標的を狙えるというもので、当然これ普通に売っておりませんけれども、私が言いたいことは、こういうふうに日進月歩、科学は進化していきますので、これで本当小さなもので売り買いが行われる時代も来るかもしれないということなわけです。したがって、是非、予防的にも、銃刀法で規制するものについては先進的に考えて対応をお願いして、質問に代えます。
 ありがとうございました。

#137
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 今回の銃刀法の改正でクロスボウを一般的な所持の禁止対象とすると、これはもう重大犯罪が起きていますので、私たちも当然のことだと考えます。
 その上でお聞きしたいのは、なぜ今国会までこうした改正の提案がなされなかったのかということです。既に皆さんからも指摘があったとおり、あの矢ガモ事件は一九九三年と。東京の石神井川で背中に矢が刺さった状態のオナガガモが発見され、連日ニュースで報道されたことは私も大変記憶をしているところです。当時の報道は動物愛護ということが焦点だったとは思います。しかし、警察としては、クロスボウの危険性、やっぱり認識をされていたのではないかというふうに私には思えるんですね。
 いただいた警察庁の資料で、二〇一〇年以降で三十二件の検挙件数ということでいただいたんですけど、じゃ、各年ごとで見てみると、二〇一〇年に傷害事件起きています、一件。一一年に殺人事件二件、強盗傷害一件。二〇一三年にも殺人、強盗致傷、脅迫、これ二件。二〇一五年には殺人未遂三件、脅迫、建造物損壊、それぞれ一件。これ、毎年のように、生命、身体を害する事件は発生していたわけですよね。
 昨年六月、宝塚市での本当に重大な事件で三人が亡くなられてしまったと。これで検討会の議論が行われたということなんですけれども、先ほどの質問の中で、それまでに検討されなかったのかという質問がなされて、していませんでしたという御答弁でしたので、私が聞きたいのは、何で検討がなかったのか、そこについても答弁いただきたいと思います。

#138
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 警察におきましては、クロスボウを使用した犯罪の発生状況を踏まえつつ必要な対応を行うこととしておったところでございまして、そのクロスボウを使用した犯罪の発生状況について見ると、確認できる範囲で申し上げれば、平成十四年から平成十八年の五年間の刑法犯事件の検挙件数は六件となっており、その罪種は傷害や器物損壊等であったということでございます。
 これに対しまして、平成二十一年、いや、二十二年一月から令和二年六月までの間のクロスボウが使用された刑法犯事件の検挙件数は二十三件と多数の事件が発生しており、しかも殺人や殺人未遂等の故意に人の生命、身体を害する罪の事件が半数を超えていたところでございます。そして、令和二年に入って、同年六月に兵庫県宝塚市でクロスボウを使用して三人を死亡させ、一人に重傷を負わせる大変痛ましい事件が発生し、その後、同年七月、八月と殺人未遂事件が相次いで発生したところでございます。また、クロスボウの威力につきまして警察庁科学警察研究所において実験を行ったところ、銃刀法上規制されている空気銃等の威力に匹敵することが確認されたところでございます。
 先ほど、検討を行っておらなかったという趣旨のお話ございましたけれども、それは検討会という形の開催をしていなかったというものでございまして、私どもとしては発生状況を踏まえつつ必要な対応を行っていくこととしておったところでございます。そういった状況下にあったものですから、私ども、クロスボウが使用された凶悪事件が相次いで発生した状況を踏まえ、今回の法案を提出させていただいているところでございます。

#139
○田村智子君 二〇〇八年には衆議院内閣委員会で泉健太議員が、クロスボウなどを凶器として幾つも事件が起きていると、報道を読むと、頭をぶち抜くなど非常に凶悪で凄惨な事件なんだということも紹介しながら質問されているんですよ。銃刀法での規制が必要ではないかという問題提起に、警察庁の答弁は、犯罪の発生状況などをよく踏まえた上で必要性を慎重に検討ということだったんですね。これ二〇〇八年ですから、国家公安委員長、慎重が過ぎたんじゃないかというふうに率直に指摘せざるを得ないんですけど、いかがですか。

#140
○国務大臣(小此木八郎君) これ、批判があることは甘んじて受けなければならないと思いますけれども、やはり慎重というのは、一方では法律をしっかりと作る、まとめ上げるという中では必要なことだとも思います。
 一方で、何度も繰り返され、この委員会でも取り上げられましたけれども、昨年の非常に悲惨な心の痛くなる事件について、改めて政治がそこに思いを致して、今日御議論をいただいているということにつながっておると思います。
 なお注視をして、今日までいただいた様々な皆様方の御提案、御提言やら御意見も伺いましたので、そういったことも注視をして、取り組むことがあればしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。

#141
○田村智子君 先ほど必要な対応もしてきたところだということなんですけど、有識者会議の報告書を読みましたら、矢ガモ事件を契機に、クロスボウを販売する業者などが安全普及協議会をつくり、その自主規制にまずは任せたと。しかし、協議会は活動していない、クロスボウの輸入、製造、販売の全体を統括する業界団体も存在していない、普及の自主規制は個別の事業者任せで危険である、こういうことが指摘されているんですね。どういう必要な対応をされてきたんだろうかなというふうな疑問にもなるわけですね。
 これ、もう今回規制するということですから、やはり命が奪われてからの規制だったということも踏まえて、やはり今後の対策ですよね、今度これで法改正やったら、やっぱり適切に、クロスボウを使われた事件が起きないようにという対策求めていきたいと思うんです。
 そのためにお聞きしますが、現在国内に流通しているクロスボウの数、法施行後所持を許可されると思われる数、これどれくらいになるのかは分かりますか。

#142
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 国内におけるクロスボウの販売につきましては、主にインターネットを通じて行われているものと承知しております。
 現在クロスボウの販売に関して法律上の規制が特段設けられておらないことから、国内に流通しているクロスボウの正確な数量につきましては明らかではございませんが、関係団体によりますと、射撃競技のためにクロスボウを所持している者は約百名程度であり、競技以外で用いられるクロスボウにつきましては、年間千数百本販売している業者は一社認められますけれども、その他の業者につきましては年間数十本販売しているというふうなことでございました。
 なお、現在、国内においてクロスボウを製造している事業者は把握しておりませんで、国内で販売されているクロスボウのほとんどは海外から輸入されたものと見られ、これを国内の販売事業者が販売している状況を私どもとして把握している状況でございます。

#143
○田村智子君 実態がよく分からないところで規制を掛けるわけですから、これなかなか大変だと思うんですね。
 法施行後、そうすると、違法な所持とならないように、どういうふうに呼びかけて、どうしてくれということになるんでしょうか。特に廃棄などはどういうふうにするんですか。

#144
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 改正法につきましては、国民への十分な周知等に要する期間として、公布の日から起算して九か月を超えない範囲内で政令で定める日から施行することとしております。
 その上で、改正法の施行時に現にクロスボウを所持している者につきましては、施行日から六か月間は例外的に所持を認め、その間に所持許可を申請していただくか、適法に所持することができる方に譲り渡していただくか、廃棄するかの措置をとっていただくことにしております。
 これにつきましては、警察においては、改正法の公布後速やかに広く国民の皆様方にホームページ、SNS、ポスター等によりまして、今回の法改正によってクロスボウの所持が原則禁止され、許可制となること等を周知するとともに、現にクロスボウを所持している方に対しまして、業界団体等からも協力を得て、施行日から六か月以内に許可の申請や廃棄等の処分をするよう呼びかけることとしておりまして、円滑な施行に向け取り組んでまいりたいと考えております。
 なお、クロスボウの廃棄に当たりましては、警察に持ち込んでいただければ無償で廃棄を行うこととする予定でございまして、この点につきましてもしっかりと周知を図ってまいりたいと考えております。

#145
○田村智子君 先ほど来指摘があるとおり、クロスボウは国内で製造がされていないので、ネットで買った人がほとんどじゃないかと思われるんですよ。そうすると、やっぱり、皆さん指摘されたとおり、法施行前にネットで売っちゃうということが相当に考えられるわけですよね。
 やっぱりここは注意喚起やっていくんだということなんですけれども、やはり今から、今買っちゃったら違法な所持になることになりますよということがばんばんネットのところに出てくるとかいうようなことも含めて求められてくるというふうに思うんですけど、いかがでしょうか。

#146
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 改正法を円滑に施行し、現在流通しているクロスボウを含め不正な流通を防止するためには、改正法の施行前から国民一般の方々や関係方面からの御理解と御協力をいただくことが必要であると認識しております。このため、警察におきましては、改正法の公布後早い段階から国民一般に対する広報、その際には、経過措置、施行後の経過措置期間経過後は不法所持に該当することも含め、しっかりとこの改正法の内容についての周知を図るとともに、また、クロスボウの廃棄に当たっては警察に持ち込んでいただければ無償で廃棄を行うことの周知を図りたいと考えております。
 また、個人間取引に利用されることが想定されますフリマといったアプリ等の関係団体に対しましては、クロスボウが銃刀法上の規制対象となったことを説明の上、出品の禁止についての協力を働きかける、こういったことなどを通じましてインターネット上での違法な個人間売買の防止に努めてまいりたいと考えております。

#147
○田村智子君 これは、出品者に対しても、警察などに持ってきてくださいという呼びかけが必要だと思うんですよね、安全に廃棄するから。だから、粗大ごみでぽんと捨てられて、何か中身が見えるような捨てられ方で、あっと興味持って拾われちゃったりとかということも私はとても怖いと思うんですよ。持っていたら駄目だと言われたら簡単に捨てる。だから、警察などに持ってきてください、安全な廃棄が必要ですということも含めての注意喚起を是非やっていただきたいというふうに思います。
 国家公安委員長にお聞きしたいのは、実は、こういう個人が所有するものを買うということを営業として行うことは古物営業法の規制の対象なんですよね。警察にその業の届出をして、営業許可を必要とします。
 しかし、ネットでこの個人が買い取るそのサイトを運営する、これもある意味営業だと私は思うんですけれども、個人売買の営業のようなものだと思うんですけれども、これはもう古物営業法の対象外になっていて、前回、古物営業法の審議をしたときにも、改正の審議をしたときにも、果たしてこのメルカリのようなものが全くその、実際は古物の売買なのに何の規制もなく行われていていいんだろうかと、それは違法物の売買とか盗難品の売買に使われることにはならないかということが議論になったんですね。
 やはり、今回このクロスボウのこともあって、改めて問題提起をしたいと思います。古物営業法の改正でネットの売買をどうするのかということも是非検討の必要があると思いますけど、いかがでしょうか。

#148
○国務大臣(小此木八郎君) 銃刀法において、不正な売買を防止するため、インターネットによる取引を含め、個人間の売買の際に相手方から所持許可証の提示を受けてからでなければ譲り渡してはならない規制を設けております。
 昨今、個人間における売買ではフリーマーケットアプリ等が利用されることが多いと承知しておりますが、警察では、違法な流通を防ぐため、改正法の公布後早い段階から、国民一般に対する広報活動のほか、フリーマーケットアプリ等の関係団体に対し、クロスボウが銃刀法上の規制対象となったことを説明の上、出品の禁止について協力を働きかけることとしております。
 また、今後、クロスボウの所持者が古物営業者に対し買取りを求めることも想定されるところ、古物営業者に対してもクロスボウが銃刀法上の規制対象となったことを踏まえた適切な対応をするよう働きかけ、これを行ってまいりたいと思います。
 このような関係方面とも協力した対策のほか、サイバーパトロール等を通じ、インターネット上での違法な取引が行われているか、その状況把握を行うなどしてインターネット上で違法な個人間売買の防止に努めてまいります。

#149
○田村智子君 古物営業法とネットの関係というのも是非今後検討していっていただきたいというふうに思います。
 それで、今日は、残る時間、警察行政に関わって質問をいたします。
 二〇〇七年、佐賀市で、知的障害を持つ安永健太さん、当時二十五歳が、自転車で蛇行運転をしているとして、サイレンを鳴らしたパトカーが追尾しながら止まりなさいと繰り返した。恐怖心があったのか、安永さんは走り続け、赤信号で止まっていたバイクにぶつかって転倒。警察官は力ずくで組み伏して歩道に移動させ、警察官五人で取り囲み、うつ伏せに倒して後ろ手の手錠を掛け、足も縄で拘束しようとしている最中、安永さんは心肺停止となって死亡したと。警察官は、安永さんを精神錯乱と判断したから保護したのだというふうに説明があると。
 これ、佐賀地検で、警察官の取り押さえ行為と安永さんの死亡に因果関係はないとして不起訴になっています。その後、遺族の請求によって行われた裁判でも、警察官に対して無罪判決が確定しています。しかし、今も障害者団体や安永さんを支援する方々は、なぜこのような事件が起きたのかを問い続けておられます。この事件や裁判の後に障害者差別解消法が制定されるなど、障害を持つ方々への行政の対応には大きな発展が求められてきました。
 その見地に立って、警察が保護だと言う行為の結果、知的障害者が命を落としてしまったこの安永事件について、国家公安委員長の認識を伺いたいと思います。

#150
○国務大臣(小此木八郎君) お尋ねについての話ですが、平成十九年九月、佐賀市内において路上を自転車で蛇行し、信号待ちで停車中のバイクに追突した後に当該バイクを蹴るなどして暴れる男性を警察が保護した際、意識不明となり、同日、病院で亡くなられた事案であると承知いたします。
 また、本件については、佐賀地裁において、担当警察官に対する特別公務員暴行陵虐罪の事実で付審判決定がなされましたが、平成二十四年に最高裁で無罪が確定し、保護の際の警察官の行為が違法であるとして慰謝料を求めた国家賠償請求においても地裁、高裁共に本件の違法性は認められずに、平成二十八年に最高裁が上告を棄却したことにより確定しているものと承知しています。
 保護した男性が亡くなったことは誠に残念でありますけれども、本件に関する訴訟の結果にも鑑みれば、一連の対応に問題があったとは考えていません。
 委員御指摘の障害を理由とする差別の解消に関する法律第十条第一項の規定に基づき、佐賀県警においては、合理的配慮の提供等を内容とする、佐賀県警察における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領を策定しているものと承知しています。
 こうした状況を踏まえて、警察活動において障害者に接する場合には、その特性を理解して適切に対応することが重要であると考えており、保護についても適切に業務が行われるよう指導してまいりたいと存じます。

#151
○田村智子君 無罪判決が確定していたとしても、警察官による保護の結果、直前まで元気だった安永健太さんは命を落とされたわけですよ。だから、なぜそのような結果となったのか、どうしたら防げたのか、障害者施策の到達点を踏まえて、警察行政としての検証が必要だというふうに私は思うんです。
 警察の言う保護というのは警察官職務執行法第三条に基づくもので、精神錯乱者や泥酔者、迷子、病人や負傷者など、応急の救護が必要とする者を本来保護すべき人に引き渡すための応急措置とされているんですね。
 でも、私、判決文とか事件についての報道とかを読んで、やっぱり警察官の行為は最初から、知的障害を持つ安永さんにとっては保護というよりも恐怖心やパニックを引き起こすようなものだったと思えるわけですよ。直接取り押さえたのは五人の警察官ですけれども、無線で応援要請したので、ほかのパトカーも次々と駆け付けて、裁判の中で認められたのは、十五人もの警察官が集まっていた、証言ではもっといたと。安永さん取り囲んで力ずくでうつ伏せにして、アスファルトに押さえ付けて、後ろ手に手錠を掛ける。これ、保護なんですかね。応急の救護と言えるのかと。
 私、特に保護における手錠の使用、特に後ろ手の手錠、これがもたらす問題というのは検証が必要だというふうに思いますけど、いかがでしょうか。

#152
○国務大臣(小此木八郎君) 手錠の使用についてですが、裁判例において、被保護者が現に暴行しているなど、自己若しくは他人の生命、身体等に危害を及ぼす事態に至るおそれが極めて強いような場合であって、その危害を防止し、その者を保護するため他に適切な方法がないと認められる場合に限り、真にやむを得ない限度と方法で行われるべきであるとされております。
 また、同じく、いわゆる、おっしゃいました後ろ手錠については、通常の手錠使用ではどうしても措置し得ないような特別な事情のある場合などに限られるものと承知しています。
 先ほども申し上げたとおり、佐賀地裁において担当警察官に対する特別公務員暴行陵虐罪の事実で付審判決定がなされましたが、平成二十四年に最高裁で無罪が確定し、保護の際の警察官の行為が違法であるとして慰謝料を求めた国家賠償請求においても地裁、高裁共に本件の違法性は認められず、平成二十八年に最高裁が上告を棄却したことにより確定したものと承知しており、一連の対応に問題があったとは考えておりませんが、引き続き、保護における手錠の使用が適切になされるよう、警察を指導してまいります。

#153
○田村智子君 今御答弁あったとおり、真にやむを得ない限度。この安永さんは、ううとか、ああとか、この警察官の問いかけに対してそういう声を発することしかできなかった。腕を振り回したり足をばたつかせたりしていた。これが押さえ付けて後ろ手の真にやむを得ない限度なんだろうかということは、是非やっぱり検証してほしいんですよ。
 過去の裁判例見ても、この後ろ手、後ろ両手錠、これは身体の自由が極度に制限され、場合によっては身体に危険を及ぼすこともあるから、通常の手錠使用ではどうしても対処し得ないような特別な事情のある場合のほか、安易にこれを用いるべきではないというような判例もあるわけですね。これ、是非検討していただきたいんです。
 それと、私は、やっぱりこの後ろ両手錠で地面に押し付けて、これ、アメリカで起きたフロイド事件をやっぱり思い起こしてしまいますよ。
 裁判でも焦点となったのが、何でそんな事態になったのかということだと思うんです。警察官は、安永健太さんが知的障害者であることを認識していなかったのかということが問われたわけです。そうであれば、そういう対応をやっぱり求められるわけですからね。大きな音出し続けたり、みんなで取り囲んだらパニックを起こしてしまうということも想定されるわけですから、別の働きかけができるわけですよ、知的障害者ではないだろうかというふうに思ったら。
 ところが、裁判の中で警察官の証言は、一瞬たりとも顔は見ていなかったので分からなかったという、保護する相手に対して一瞬たりとも顔を見ていなかったと言うわけですよ。で、ううとか、ああとか、言葉を発しない、だから精神錯乱、あるいは薬物使用などを疑った、それで力ずくで。こういうことの検証をしてほしいんです、是非。
 これ、二〇一五年、差別解消法に沿って様々な行政を行うに当たって、警察庁は、警察庁における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領を定める訓令、これ発出するに当たってパブリックコメントを募集しています。そこで、日本自閉症協会は、安永さんの事件を引きながら次のような意見を上げているんです。
 警察庁は、二〇〇四年二月に、障害を持つ方への接遇要領を編集、発行しています。また、二〇〇八年には、明治安田こころの健康財団の警察版コミュニケーション支援ボードの作成にも協力しています。ところが、佐賀市の事件では、取り押さえた警察官は、警察庁作成の接遇要領を見たこともないと裁判で証言しています。もしも五人のうちの一人でも接遇要領の内容を知ってくれていたら悲劇は起きなかったでしょうと、こういうふうに指摘した上で、研修の義務化をしてほしい、しかも定期的に継続的に行ってほしいと。
 そうやって警察官が障害の特性を学んで、特性に応じた接遇を身に付けるといった研修を義務付けてほしいんだというふうに求められていますけれども、いかがでしょうか。

#154
○国務大臣(小此木八郎君) 障害がある方の特性を理解をし適切に対応することは、市民に接する機会の多い警察活動においても重要な事柄と認識しております。
 こうした観点から、各都道府県警察において、障害者の人権に配慮した適正な職務執行を期するため、職務倫理に関する講座、講義、関係施設を訪問しての実習、部外の有識者を招いた研修会の開催など、警察学校や職場における研修が行われているものと承知しています。また、こうした警察職員に対する研修は、採用時や昇任時だけでなく、様々な機会を捉え随時行われているほか、障害者施設があるといったその地域の特性を踏まえて行うなど、工夫を凝らして行われているものと承知しております。
 今後とも、障害のある方への適切な対応のため、様々な機会を捉えて教育を徹底していくよう、しっかりと指導してまいります。

#155
○田村智子君 この日本自閉症協会のパブリックコメントがどう生かされたのかなと思って、その警察庁における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領を定める訓令、これインターネットで見ることできましたので見てみました。
 もっとそこからひも付けられて具体化したものはあるとは思うんですけれども、その中では、主には幹部のところへの研修をやるんだというようなことが書かれていたり、あるいは、その後どういう研修やるのかというのを、回数を定める等々のことが書かれているんですけれども、私、大切なのは、基本的知識はもちろんだと思うんですけれども、実際の業務に即した具体的な研修であり、実践の中での検証だと思うんですよ。
 だから、安永さんの事件を、是非、裁判で無罪になったからこれは誤りがなかったんだというふうに捉えるんじゃなくて、まさにこれは、私は率直に言えば、結果として接遇が間違ったから、障害者だと認識できなかったわけですから、障害者だと認識できないまま対応しちゃったわけですから。じゃ、何でこういうふうになったのか、どういうふうな対応をすればよかったのかという点での検証を、それが今日の到達点での検証だと思うんですよ、裁判当時ではなくて。今日の障害者施策の様々な到達点での検証をして、その後の研修にも是非生かしていっていただきたいということを重ねて要求しておきたいと思います。
 それで、もう一つ、警察官職務執行法第三条で使われているこの精神錯乱という文言についても問いたいんです。
 二〇一二年、福岡高裁判決は、精神錯乱を正常な意思能力、判断能力を欠いた状態と定義して、警察官の呼びかけに応じない、うう、ああしか言わない、両手を振り回すなどの警察官への抵抗という言動から、安永さんを精神錯乱とし、保護は相当であるというふうに判決が出されたんですけれども、しかし、これは、この判決の後に日本政府は障害者権利条約の批准国にもなっているということも是非捉えたいと思うんです。
 安永さんは、知的障害等の特性によって、とっぴな出来事に対して正常な意思能力や判断能力を欠いた状態にあった。彼に対する不意の、しかも意に反する取り押さえ、これが興奮してしまった結果ではないのかと思えるわけですよ。そして、障害者団体の方々からも、知的障害や精神障害の特性、そこにゆえんする言動について精神錯乱と認定する、これは時代遅れの障害者観であるというような指摘がされているわけです。
 この精神錯乱という文言を、警察官職務執行法第三条にあるのがふさわしいのかどうか。私は、削除ということも含めて検討することが求められると思いますけれども、いかがでしょうか。

#156
○国務大臣(小此木八郎君) 警察官職務執行法第三条は、個人の生命、身体の保護といった警察の責務を遂行するための具体的な一方法として、応急の救護を要する者がいる場合に警察官がこれを保護すべきことを定めたものであり、同条第一項で保護の対象とすべき者を定めているところであります。警察としては、御指摘の用語自体は差別的、侮蔑的なものではないと認識しております。
 いずれにせよ、一般の方と接する機会の多い警察官が障害の特性を学ぶことは重要と認識しており、引き続き、障害のある方への対応における意識の向上やその必要な知識の習得のための教育が徹底されるよう警察を指導してまいります。

#157
○田村智子君 コミュニケーションが難しくて、それが理解されないというのは障害の特性なんですよね。精神錯乱ではないんですよね。この障害者の団体の方や安永さんを支援されてきた皆さんの訴えというのは、是非ちょっともう一度重く受け止めていただきたいということを繰り返しておきたいと思います。
 私、改めて、この安永健太さんの事件というのは、つい最近ドラマで、これを基にしたドラマも放映をされて、御覧になった方もおられるかと思います。もちろんあれはノンフィクション、じゃなかった、フィクションで、安永さん事件が基ではあるけれども、フィクションのドラマではありました。
 改めて、そのドラマや裁判の様々な記録も読んでみて、私は、当時の警察官の対応には、当たり前の私たちが暮らす日常の社会の中に障害者がいないことになっているというような対応だったんじゃないのかというふうに思えてならないんですよ。だって、誰一人、障害を持つ人なんじゃないかというふうに考えなかったんですもの、その行動が、言動が。
 だから、そういうことから、やっぱり自閉的傾向があって、人とのコミュニケーション、意思疎通に困難抱えていても、自立して生きていこう、一人で頑張って生きておられる障害者の方がおられる、そういう方々の中で警察行政がどうあるべきなのかということを是非とも問いかけていきたいと思うんですね。
 フロイドさんの事件ということを言いましたけれども、アメリカでやっぱり黒人の方が、別に犯罪を犯したわけじゃないんですよ、だけど、やっぱり様々な抵抗をした、怪しい、危ない人だと思われて、押さえ付けられて命を落としてしまった。そこからブラック・ライブズ・マターの運動がうんと広がったわけですよね。マイノリティーに対するちゃんとした視点を持たなければ駄目だと。
 これは是非日本の警察行政についても求めたい、このことを申し上げて、質問を終わります。

#158
○委員長(森屋宏君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕

#159
○委員長(森屋宏君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、矢田さんから発言を求められておりますので、これを許します。矢田わか子さん。

#160
○矢田わか子君 私は、ただいま可決されました銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会、国民民主党・新緑風会及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずるべきである。
 一 所持禁止対象となるクロスボウを定める内閣府令等を早期に制定するとともに、本法の運用に当たっては、明確な運用基準を都道府県警察に示して、その適正な執行を確保すること。
 二 クロスボウの所持許可に当たっては、厳格な審査や的確な行政処分による不適格者の排除等が確実に実施されるよう、都道府県警察に対し指導・助言を行うこと。
 三 クロスボウの所持禁止及び許可制導入について、販売・輸入事業者を始め国民に対して積極的に広報啓発を行うこと。とりわけクロスボウを既に所持している者に対しては、経過措置期間中の許可申請や廃棄手続が円滑かつ適正に行われるよう、法改正内容の周知徹底を図ること。
 四 クロスボウの入手経路の大半がインターネット上の取引であることに鑑み、個人間の売買を含め、事業者とも協力の上、その監視及び取締りを一層強化すること。また、関係機関とも緊密に連携し、クロスボウの輸入時の審査・検査体制を強化すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

#161
○委員長(森屋宏君) ただいま矢田さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕

#162
○委員長(森屋宏君) 全会一致と認めます。よって、矢田さん提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、小此木国家公安委員会委員長から発言を求められておりますので、この際、これを許します。小此木国家公安委員会委員長。

#163
○国務大臣(小此木八郎君) ただいま御決議がありました附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。
 ありがとうございました。

#164
○委員長(森屋宏君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#165
○委員長(森屋宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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