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2021/04/20 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 農林水産委員会 第9号 令和3年4月20日
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2021/04/20 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 農林水産委員会 第9号 令和3年4月20日

#1
令和三年四月二十日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     宮崎 雅夫君     渡辺 猛之君
 四月十四日
    辞任         補欠選任
     加田 裕之君     馬場 成志君
     藤木 眞也君     世耕 弘成君
     山田 俊男君     今井絵理子君
     渡辺 猛之君     宮崎 雅夫君
     石垣のりこ君     蓮   舫君
     高橋 光男君     西田 実仁君
     舟山 康江君     芳賀 道也君
 四月十五日
    辞任         補欠選任
     今井絵理子君     山田 俊男君
     世耕 弘成君     藤木 眞也君
     馬場 成志君     舞立 昇治君
     蓮   舫君     石垣のりこ君
     西田 実仁君     高橋 光男君
     芳賀 道也君     舟山 康江君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         上月 良祐君
    理 事
                堂故  茂君
                藤木 眞也君
                山田 修路君
                田名部匡代君
                紙  智子君
    委 員
                高橋 克法君
                野村 哲郎君
                林  芳正君
                舞立 昇治君
                宮崎 雅夫君
                山田 俊男君
                石垣のりこ君
                郡司  彰君
                森 ゆうこ君
                河野 義博君
                熊野 正士君
                高橋 光男君
                石井 苗子君
                舟山 康江君
                須藤 元気君
   国務大臣
       農林水産大臣   野上浩太郎君
   副大臣
       農林水産副大臣  宮内 秀樹君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       熊野 正士君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        笹口 裕二君
   政府参考人
       内閣府規制改革
       推進室次長    黒田 岳士君
       内閣府地方創生
       推進事務局審議
       官        佐藤 朋哉君
       農林水産省大臣
       官房総括審議官  青山 豊久君
       農林水産省大臣
       官房総括審議官  森   健君
       農林水産省食料
       産業局長     太田 豊彦君
       農林水産省経営
       局長       光吉  一君
       農林水産省農村
       振興局長     牧元 幸司君
       林野庁長官    本郷 浩二君
       水産庁長官    山口 英彰君
       経済産業省大臣
       官房福島復興推
       進グループ長   須藤  治君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房審議官  金子 修一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措
 置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(上月良祐君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、加田裕之さんが委員を辞任され、その補欠として舞立昇治さんが選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(上月良祐君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(上月良祐君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に藤木眞也さんを指名いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(上月良祐君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府規制改革推進室次長黒田岳士さん外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#6
○委員長(上月良祐君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#7
○委員長(上月良祐君) 農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#8
○山田修路君 おはようございます。自由民主党の山田修路です。
 この法案、投資円滑化法案でありますが、農業法人への出資の仕組みを林業、漁業、食品産業などに拡充していくというものであります。その狙いについて農水大臣に簡潔にお答え願いたいと思います。

#9
○国務大臣(野上浩太郎君) 農林漁業、食品産業の分野におきましては、輸出ですとか新しい生活様式に対応した業態転換、あるいはスマート農林水産業の新たな取組が行われてきておりまして、投資活用のニーズがあるものと認識をいたしております。
 一方で、農林漁業等につきましては、投資分野としては手堅い成長が見込まれる分野であるものの、生産活動サイクルが長く、投資回収まで期間が長いために外部からの投資を十分に受けることが難しい状況にあり、こうした新たな取組等への民間投資を促進するための公的な仕組みを整備する必要があります。
 このため、投資円滑化法を改正をしまして、現行の農業法人に加えまして、流通、加工等の食品関連事業者、林業、漁業の生産を営む法人、スマート農林水産業等の農林漁業者又は食品産業事業者の取組を支援する事業を営む法人などを追加するものであります。
 本法案は、こうした農林漁業、食品産業の特性を踏まえまして、日本政策金融公庫の出資を呼び水として農林漁業、食品産業分野への民間投資を促していくとともに、農林中央金庫が積極的に農林漁業、食品分野に資金を供給することを期待をしているところでございます。

#10
○山田修路君 ありがとうございます。
 この法案、賛成でございますが、投資を受ける側の経営が継続していくということが当然前提でありますので、今日は、今回拡充された漁業の関係について質問したいと思います。
 本題にも関係しますが、一番最初、ちょっと関連をしてということですが、福島第一原発のALPS処理水の海洋放出についてお伺いしたいと思います。
 漁業団体、依然として反対をしているということであります。この問題は、福島県だけの問題ではなくて、日本の水産物全体の問題であります。今後とも関係者の理解を得る努力が必要ですし、また、風評被害を防止する取組も必要です。水産業を所管する農水大臣としてのお考えをお伺いしたいと思います。

#11
○国務大臣(野上浩太郎君) 農林水産関係者の皆様が特に懸念されておられますこの風評被害の影響については、実際に放出されるまでの二年間を使いまして政府全体としてしっかりと対策を講じて、支えていきたいと考えております。
 具体的には、がんばる漁業復興支援事業による漁獲量の回復の支援、あるいは荷さばき施設などの共同利用施設の整備の支援によりまして生産段階の支援を引き続き行い、加えまして、福島県農林水産再生総合事業等によりまして農林水産物の放射能性物質検査の推進、あるいは流通実態調査や商談会の開催といった販売促進の支援、第三者認証GAPの取得促進など、加工、流通、消費段階での支援も引き続き行ってまいります。
 さらに、四月十六日には、基本方針の着実な実行に向けた関係閣僚会議が開催をされまして、ワーキンググループを設置をして、水産業を始めとした関係者の意見を幅広くお聞きしながら追加対策の検討をし、機動的に実施することとされたところであります。
 漁業者を始め国民の皆様の御懸念が払拭できるよう、農林水産省としても全力を尽くしてまいる決意であります。

#12
○山田修路君 ありがとうございます。
 海洋放出まで二年ということでありますが、二年というのもすぐたってしまいますので、是非しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 そして、漁業経営の問題について質問したいと思います。
 先ほど言いましたように、投資されるためには経営がしっかりしていなくちゃいけないということですので、漁業経営の支援策についてどのような対策を講じているのか、そして、特に積立ぷらすの財源については大変厳しい状況であると思います。積立ぷらす、私が水産庁で働いていたときに検討されたものでありまして、大変そういう意味では有効な政策であったというふうに思います。ただ、やはり財源不足が心配になる、常にあるわけであります。
 補正予算などの際に積み立てていただいているんですけれども、安定的な財源の確保についてどのように考えておられるのか、お伺いしたいと思います。

#13
○副大臣(宮内秀樹君) お答えをさせていただきます。
 漁業経営に対する支援策につきましては、漁業関係制度資金あるいは漁業信用保証保険制度による資金の円滑な融通をすること、また漁業者の収入減少を補填する漁業収入安定対策事業、まさに積立ぷらす及び漁業共済制度、それから燃料や養殖用の配合飼料の高騰に対する漁業経営セーフティーネット構築事業などによりまして漁業者の経営安定を図っているところでございます。
 先生御指摘の積立ぷらすにつきましては、サンマやサケなどの記録的な不漁の影響等に加えまして、まさに新型コロナウイルスの感染拡大によりまして魚価が低迷をし、需要が減退する大変厳しい状況があり、支払額が増大しているため、令和二年度補正予算及び予備費におきまして、まずは七百八十九億円の基金の積み増し等の措置をとったところでございます。また、令和三年度当初予算におきましても、漁業の収入安定対策事業として二百億円を措置したところでありまして、当面の支払に対して十分な財源を確保するということになるのではないかというふうに考えておるところでございます。
 今後も、漁業者が安心して漁業を継続できるように、漁業収入の安定対策を始めまして、各般の施策による支援に万全を期してまいりたいというふうに考えております。

#14
○山田修路君 特に積立ぷらすについては、先ほど言いましたように、漁業関係者もその財源について心配をされているところでありまして、我々もまたしっかり応援をしていきたいと思います。是非よろしくお願いします。
 そして、日本周辺水域の漁業資源についてであります。大変厳しい状況にあります。もう御案内のとおり、漁業法を改正して、TACやIQなどを使った新たな漁業管理に取り組むということでありますけれども、この新しい漁業管理の仕組み、着実にまた力強く進めるべきと私は思っております。
 取組状況について伺いたいと思います。

#15
○政府参考人(山口英彰君) お答えいたします。
 新漁業法に基づく新たな資源管理システムにおきましては、持続的に生産可能な最大の漁獲量、MSYと申しますが、その達成を目標とし、数量管理を基本とすることとしております。新漁業法の施行に先立ち、昨年九月三十日には資源管理ロードマップを決定、公表し、科学的な資源調査、評価の充実、資源評価に基づくTACによる管理の推進やIQ管理の導入など、新たな資源管理システムの構築のための道筋を示したところでございます。
 こうした中、現行TAC魚種、八魚種ございますが、これにつきましては、MSYベースの資源評価結果が公表された後、漁業者を始めとした関係者が参加いたしましたステークホルダー会合を合計十六回開催いたしまして、この資源管理の目標や漁獲シナリオについて議論を行い、この結果、サバ類につきましては先行的に令和二年漁期から、それ以外の七魚種については令和三年漁期から新漁業法に基づくTAC管理へと、新方式への移行を進めているところでございます。このほか、国際的に資源管理が行われている魚種につきましても特定水産資源に指定するほか、本年七月から開始されますサバ類の管理につきましては、大中型巻き網漁業に公的IQを導入することとしております。
 新たな資源管理の実施に当たっては、漁業者を始めとする関係者の理解と協力を得ながら、引き続きロードマップに盛り込まれた工程を一つ一つ着実に実行してまいりたいと考えております。

#16
○山田修路君 ありがとうございます。
 このこと自体、やはり日本近海の資源状況が悪い中で、しっかりとその資源評価をして、TACやIQなどを使って漁業経営が安定するようにしていく必要があるということだと思います。
 ただ、一方で、漁業団体の方、漁業者の方は、本当にどういうふうに自分の経営がなっていくんだろうか、非常に心配をしている。資源管理、資源評価はしっかりできるんだろうかという心配もあります。漁業者の理解が不可欠でありますが、どのように進めるのか、お伺いしたいと思います。

#17
○大臣政務官(熊野正士君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、漁業関係者の理解が不可欠と考えてございます。
 新たな資源管理の実施に当たっては、漁業者を始めとする関係者の理解と協力を得るため、平成三十年の新漁業法制定以降、三百回以上の説明会を実施し、さらに、昨年十二月の新漁業法施行後も、現地開催、ウエブ開催を含め二十回以上の説明会を実施してきております。さらに、本年三月の水産政策審議会において新たに、TAC管理を検討するに当たって論点や意見を整理するため、資源管理手法検討部会を設置したところであり、資源評価結果が公表された後、水産資源ごとに開催し、現場の漁業者の意見を十分に聞くこととしております。
 今後も、ウエブ会議等を活用しながら漁業者の意見を丁寧にお聞きすることとしており、関係者の理解を得ながらロードマップに盛り込まれた工程を一つ一つ実行してまいりたいと考えております。

#18
○山田修路君 この新たな資源管理がうまく進んでいくためにも、漁業者の協力、絶対必要でございますので、是非しっかりお願いしたいと思います。
 そして、資源の状況、取締りの関係について少しお伺いしたいと思います。
 水産資源、概して悪いんですが、例えば日本海のスルメイカの資源に例を取ってみると、非常に低水準にあると言われておりますが、この日本海のスルメイカのうち、日本漁船による漁獲の割合、そして各国、外国の漁獲量、どのくらいの割合になっているのか、お伺いしたいと思います。

#19
○政府参考人(山口英彰君) お答えいたします。
 日本海で漁獲されておりますスルメイカは主に秋季発生系群でございまして、日本、韓国、中国等が漁獲しております。
 二〇一九年の日本の漁獲実績は一・五万トンでございまして、韓国の漁獲量は、韓国海洋水産部の統計によりますと三・四万トンと報告されております。中国の漁獲量につきましては、公式な統計値が存在しないため、国立研究開発法人の水産研究・教育機構らが人工衛星の画像やAIS等から得られる情報から試算したところ、十五万トンと推測されております。
 中国の漁獲量は推測値でございまして、さらに、北朝鮮の漁獲量が不明であるため、厳密な比較はできませんけれども、日本海で漁獲されるスルメイカのうち相当程度は中国漁船が漁獲していると推測されるところでございます。

#20
○山田修路君 数字が分からない、推計だということなんですけれども、今述べられた数字を足し上げて、北朝鮮は入っていないということですが、日本の漁船の漁獲パーセントって五%とか、もう一割未満ですね、五%ぐらいのものなんですね。
 そこで、さっき言いました、日本漁船に対してしっかり資源を守ってやろうよと言っても、あとの九五%はほかの国が捕っている可能性があるので、やっぱりそこはしっかりやっていかなくちゃいけない。
 そして、中でも問題なのは排他的経済水域ですね。大和堆周辺水域では、これはもう日本が主権的権利があるわけですけれども、そこに北朝鮮の船や中国の船が入って操業していると。こんなことでは、我が国の漁業者に資源を守れと言ったって何だという話になっていくと思います。やはり、ここの主権的権利を守る観点から、しっかりとやはりまず我が国の排他的経済水域から外国漁船を除いていく、あるいは取り締まっていくということが必要ですけれども、この点についてお伺いしたいと思います。

#21
○政府参考人(山口英彰君) お答えいたします。
 大和堆周辺の我が国排他的経済水域における外国漁船等による操業は、違法であるのみならず、我が国漁業者の安全操業の妨げにもなっておりまして、極めて問題があると考えております。このため、我が国漁業者が安全に操業できる状況を確保することを第一に、水産庁は、漁業取締り船を重点的に配備いたしまして、放水等の厳しい対応によって我が国排他的経済水域から退去させているところでございます。昨年は三月に新造の大型漁業取締り船が二隻を就航させておりまして、イカ釣り漁業の漁期が始まる前の五月から、これら二隻を含め、大和堆周辺水域に漁業取締り船を重点配備し、延べ四千三百九十四隻の外国漁船等に退去警告を実施いたしました。
 今後とも、我が国漁業者が安心して操業できるよう、海上保安庁と連携し、外国漁船等の違法操業へ万全の対応を取ってまいりたいと思っております。

#22
○山田修路君 ありがとうございます。
 水産庁そして海上保安庁の取締りの努力は評価はしますけれども、やはり漁業者からすると弱腰なんじゃないかと、もっとしっかりやってくれよという意見が非常に多いわけであります。不満がかなりあるということです。相手方が武器を携行、持っているという情報もあるのでなかなか難しい問題はあると思いますけれども、やはり臨検なり拿捕ということを含めた毅然とした取締りを行うべきではないかと私は思っております。
 農水大臣にこのことをお伺いしたいと思います。

#23
○国務大臣(野上浩太郎君) 大和堆周辺では、今も話が出ましたが、外国漁船の数、昨年一年間で四千隻以上という数に上ります。大変多いことから、取締り船の数が限られる中で一隻ずつに立入検査や拿捕を行えば、その間に他の漁船の侵入を許してしまうという状況があります。こうしたことから、大和堆周辺での外国漁船等の違法操業を防止するには、退去警告をした上で放水といった厳しい措置によりまして退去させることが最も効果的であると考えまして、海上保安庁と連携をして対応しているところであります。
 なお、違法操業外国漁船の拿捕や立入検査につきましては、個別の状況に応じて判断する必要がありますが、退去警告に従わずに違法操業を継続するなど悪質な漁船に対しては拿捕することも含めて、関係省庁と連携をして厳しい対応を行うこともあると考えております。

#24
○山田修路君 ありがとうございます。
 いつも放水が最も効果的なやり方なんだという答弁なんですけれども、実際に、じゃ、それで漁船が、外国漁船が減っているかというと、その効果は具体的に現れていないと私は思うんですね。やっぱり毎年毎年入ってくるということなので、臨検、拿捕は手間が掛かってかえって手薄になると言いますけれども、やっぱりあらゆることをやってみて、効果があるのかないのかやってみて、やっぱり効果がないねというんならそうかもしれませんけれども、やらずに放水がいいんだという判断をされているのは私は承服できないということです。やはりそういうことも含めて検討されるということですから、是非しっかりと対応していただきたいというふうに思います。
 そして、今ほどお話がありましたけれども、取締り船の数も限定的だというお話もあります。海上保安庁の巡視船、また水産庁の取締り船の数を増やしていく、このことは、やはり向こうの数が、向こうの船の数が非常に多いわけですから、やっぱりしっかりそういう対応をしていく必要があると思います。順次やっていただいておりますけれども、今後ともしっかりとまた取り組んでいただきたいと思います。

#25
○国務大臣(野上浩太郎君) 水産庁では、現在、水産庁所有の官船八隻と民間の船を借り上げた用船三十七隻、合計四十五隻で漁業取締りを行っているところであります。
 令和二年三月に新造の大型漁業取締官船二隻を就航させまして、イカ釣り漁業の始まる前の五月からこの二隻を含めて重点配備をしてまいりました。また、今年度中に新たに二隻の大型漁業取締官船を就航させた上で、これ一隻は二千トン級で、一隻は九千、あっ、九百トン級に大型化して更新ということでありますが、このうちの二千トン級の新造船につきましては、大和堆周辺水域を中心に取締り活動を行う予定であります。
 今後とも、放水銃の強化ですとか、あるいは船体の防弾化などの装備面の充実、さらには漁業監督官の増員を図るとともに、漁業者の、海上保安庁との一層の連携強化を図って、安全に操業していただけるような状況をつくり出すように努めてまいりたいと考えております。

#26
○山田修路君 ありがとうございました。
 海上保安庁もそうですし、水産庁のやはり新しいその取締り船の建造というのは非常にピッチが上がってきていると思います。そのことは大変評価したいと思います。是非今後ともそういう方針でお願いします。
 最後の質問ですけれども、やはり、先ほど言いましたように、我が国だけでこの日本周辺の資源を守っていくことはできない。やはり、取締りもそうですが、外国にも規制を守ってもらうという枠組みが必要だと思います。これは、ただ、北朝鮮、中国、韓国、ロシア、いろんな国があって難しいのはそうですけれども、やはりその努力、外交的な枠組みをつくっていくことはどうしても必要だと思いますので、その辺についての大臣の意気込みをお伺いしたいと思います。

#27
○国務大臣(野上浩太郎君) 我が国の水産資源につきましては、我が国のこの排他的経済水域の外側にも分布、回遊をするものが多いわけでありますので、諸外国とも協調して資源管理に取り組んでいくことが重要であります。
 このため、例えばサンマにつきましては、北太平洋公海を条約水域としますNPFCにおきまして、我が国の主導の下に、二〇一九年の年次会合では総漁獲枠が設定をされました。
 また、本年の年次会合では、公海の漁獲枠を三十三万トンから十九万八千トン、四〇%削減する等の措置にも合意するなど、多国間の枠組みの下での議論を進めているところでありますが、一方で、日本海につきましては、現在水産管理の管理措置を議論する多国間の枠組みは設けられていない状況であります。
 このため、スルメイカ等の資源を保全するために、中国に対しまして違法操業の是正を申し入れつつ、二国間の漁業交渉においても実効的な措置を求めているところであります。また、外交ルートを通じても……

#28
○委員長(上月良祐君) 答弁は簡潔にお願いいたします。

#29
○国務大臣(野上浩太郎君) 累次にわたって申入れを行っているところであります。
 以上であります。

#30
○山田修路君 終わります。ありがとうございました。

#31
○森ゆうこ君 おはようございます。
 私、先日、新潟市から介護保険第一号被保険者の大きな保険証が送られてきまして、今日から晴れて前期高齢者でございます。熱い心を持ち続けて頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 月日のたつのが早いというか、この農業の抱えるいろんな問題を解決しないまま、いろんな数値を見ると、もうこの五年後、十年後、日本の農業を守っていけるのかどうかと、物すごい危機感、大臣始め皆さんも持たれているというふうに思います。農業をどうやって支えていくのか、守っていくのか、日本の食料安全保障をどう確立していくのか、大変難しい問題、我々直面しておりますので、しっかりと取り組んでいかなければならないと改めて思っているところでございます。
 今回の法案につきまして、まず農業法人投資育成事業のこれまでの実績と、そして投資額、その成果、それから分かった課題についてまず御説明ください。

#32
○政府参考人(太田豊彦君) お答えをいたします。
 投資円滑化法は、農業法人の育成を支援し、その経営の健全な成長を図るために平成十四年に制定をされております。これまで、一の株式会社と二十二の投資事業有限責任組合が承認をされまして、合計二百五十七件、七十九億八千万の投資が行われてきたところでございます。農業法人の自己資本の充実を通じて、生産の維持拡大や農林水産物の付加価値の向上に貢献してきたものと評価をしております。
 課題でございますけれども、近年、農林漁業あるいは食品産業の分野におきまして、輸出先国の規制に対応するためのHACCP施設等の整備、生産性や品質管理の向上のためのスマート農林水産業等の新たな取組が進んでおりまして、資金需要が拡大をしております。
 農林漁業等につきましては、投資分野としては手堅い成長が見込まれる分野であるものの、生産活動サイクルが長く、投資回収までの期間が長いため、外部からの投資を十分に受けることが難しい状況にあり、これが課題でございます。
 こうした新たな取組への民間投資を促進するための公的な仕組みを整備する必要があると考えているところでございます。

#33
○森ゆうこ君 この法案、審議するに当たっていろいろ調べてみたんですけど、ちょっと分からないんですけれども、このアグリビジネス投資育成株式会社というのはどういう会社なんでしょうか。いろいろ載っているわけですけれども、その設立の経緯や会社の概要、何よりも投資会社ということで、どうやって利益を得ているのか、人件費は掛からないようですけれども、その辺のところ、どのような会社なのか、簡単に御説明ください。

#34
○政府参考人(光吉一君) お答えいたします。
 アグリビジネス投資育成株式会社でございますけれども、平成十四年に農林中央金庫、全国農業協同組合連合会、全国農業組合中央会などの組織が農業法人への投資を行うことを目的として株式会社として設立したものでございます。
 これは、先ほど御答弁申し上げましたが、平成十四年に投資円滑化法が成立し施行され、そういった中で農業法人の自己資本の充実、これを促進するために、今申し上げたような機関がこの法律に基づく事業を行う投資主体として立ち上げたものでございまして、以降、大臣の承認を受けて農業法人投資育成事業を実施してきているところでございます。
 現在、アグリビジネス投資育成株式会社の資本金は四十・七億円でございます。これまで、延べで農業法人向けに百五十二件、四十九・六億円の出資を行ってきております。
 そして、この会社につきましては、出資先からの配当あるいは株式の処分による収入などを収入とし事務所の経費などを賄っておりまして、令和元年度の当期純利益は五千五百万円と承知をしております。

#35
○森ゆうこ君 お話を聞きますと、投資のいろいろなことを調査したり決定したりするその社員あるいは役員、この方たちは農林中金からの出向で、つまり、主要な人件費というのは掛からないというふうに伺っておりますけど、それでよろしいですか。

#36
○政府参考人(光吉一君) お答えいたします。
 今申し上げましたように、アグリビジネス投資育成会社につきましては、先ほど申し上げたような組織が一緒になって組織をつくろうとして立ち上げた法人でございます。
 したがいまして、その役職員の給与につきましてはそれぞれの出身の組織で支払われているというふうに同会社からお聞きをしております。

#37
○森ゆうこ君 役職員の人件費もそうですが、主要な社員、十人ぐらいいらっしゃるそうなんですけれども、この投資のことについて関わる社員、この社員の人件費も掛からないというふうにお聞きしたんですけど、確認ですけど、それでいいですか。

#38
○政府参考人(光吉一君) お答えいたします。
 役員及び社員、職員でございますので、御指摘の社員がそれに含まれております。
 したがいまして、ですから、社員というのはそこの従業員さんのことだと思いますけれども、役員の給与、そして職員の給与、従業員の給与という意味でございますけれども、それぞれの組織で支払われているというふうに聞いております。

#39
○森ゆうこ君 会社ですので一番掛かる固定経費というのは人件費なんですね。でもこれ、人件費は掛からないんです、この会社は。それで、事務所は独立して設けているということですけれども、つまり、会社としては固定経費が掛からない。つまり、その経費をこの投資事業によって確保し、さらには利益を出すために、しゃにむに利益の回収に走らなくてもいいような会社だというふうに理解しましたけれども、確認ですけど、それでいいですか。簡単に答えてください。

#40
○政府参考人(光吉一君) 今申し上げましたように、先ほど申し上げたような機関が組織する法人ということで、役職員の給与につきましてはそれぞれの組織で支払っている。当然、そこにつきまして掛かるコストについて、この会社ということではなくて親元のところで負担をしていると、そういうことでございます。

#41
○森ゆうこ君 それで、この法案改正後、今後ですね、今は、アグリビジネス投資育成株式会社、会社の形になっているのはこれ一社だけなんです。今お話がありましたように、それぞれの元の、農林中金を始め出資をしている人たちのその元から出向という形で役員そして社員が送られてくるわけですから、その株式会社自体の経費を確保するとか、あるいは利益を出していくということにはそれほどこだわらなくていい組織なんだなというふうに私は理解しましたし、今の御説明もそうだと思うんです。
 しかし、この法案改正後、法案成立後、新しい別の投資株式会社というのは当然設立される可能性というのはあるわけですよね。

#42
○政府参考人(太田豊彦君) お答えをいたします。
 今委員おっしゃったように、この制度、国が、投資をしようとする株式会社について事業計画を確認して承認をする仕組みですので、既存のアグリビジネス投資育成株式会社の一社に限られるものではありません。
 今回の改正に伴う参画につきましては、新たな株式会社の参画という形態も考えられるところでございます。

#43
○森ゆうこ君 いや、私は何が言いたいかというと、今、これまでのこの会社、それから設立、組合自体も似たような感じなんですけれども、投資主体は、自ら利益をごりごりと確保するために、投資というと利益を求めていろんな無理な要求を投資先にしたりするというちょっとイメージがあるんですけど、そもそもホワイトナイトみたいなもので、そういう必要はなかった。
 しかし、今度は、今回の法改正で対象も、投資先の対象も拡大しますし、それから今御答弁のように、いろんなところが会社を設立してやってくるということになると、この法、設立当時の、とにかく農林中金等が農業の健全な育成、それから資本の増強、支援するために行ってきた極めていい事業だと思うんですけれども、その性格が変わりはしないかと、そういう懸念はないのかというふうに、その疑問がなかなか解けないものですからお聞きをしているんですけど、大臣、どうですか。
 新しい承認会社が設立する可能性、設立される可能性はあるわけですし、投資対象を広げるわけですから、事業もっと広げるわけですから、出資者の構成も今後変わってくる可能性がある。これまでのこの法律に基づく農業に対する支援、本当は投資向かないですよね、利益の回収に時間が掛かるわけですから。どうやって利益を確保していくんだろうというのは、投資会社のね、すごく不思議でしようがなかったんですが、そもそもそういうことをしなくてもいいところが今までは担っていたんですよ。でも、新しいところもできる。
 この事業、この法律に基づく事業の性格は変わりませんか。変わらなければいいんですけれども、そこを確認させていただきたい。大臣、いかがですか。

#44
○国務大臣(野上浩太郎君) この本制度は、民間の投資主体がその経営判断として自ら成長分野を選定して投資を行う仕組みであります。そのため、多様な在り方に対応できる制度となっておりますが、投資主体がどのような組織体制とするかは、今いろいろ御議論ありましたとおり、民間の経営判断に委ねられるべきものであります。
 一方で、農林漁業あるいは食品産業について、投資分野としては大きな成長は難しくても手堅い成長が見込まれる分野でありまして、民間投資が成り立つ可能性も十分にあると考えております。
 今御指摘のありました投資の性質が変わるのではないかということにつきましては、これまでの投資の考え方等々について基本的な考え方は変わらないと考えております。

#45
○森ゆうこ君 答弁、ちょっとはっきりしないんですが。
 お配りした資料の四枚目かな、規制改革推進会議の令和二年五月十四日の議事概要。この内容は、農水省に確認したら、これは何か、こんなことはないということなんですけれども、アグリビジネス投資育成株式会社がこの株式会社庄内こめ工房に対して出資しているわけですけれども、事業がうまくいって利益が出るようになったら急に、何というのかな、配当をたくさんよこせとか、それから、そういうふうに協力しないと出資を引き揚げるとか、大変なんですよということを、これは農林水産ワーキング・グループでこの齋藤専門委員が発言されているんですけれども、これはどうなっているんですかね。こういう事実関係はあるんですか。

#46
○政府参考人(光吉一君) アグリビジネス投資育成会社から農業法人に行われた個々の投資案件について、民間同士の事案でありましてコメントする立場にはございませんけれども、ただ、およそこの投資会社が法人に出資をいたします際には、あらかじめ当事者間で配当ですとかあるいは株式の買取りですとか、そういったことについて投資契約をしっかりと締結をした上で、それに基づいて出資を実施しているものと考えております。

#47
○森ゆうこ君 じゃ、この規制改革推進会議第十回農林水産ワーキング・グループにおけるこの齋藤専門委員のお話は何かの勘違いということなんですか。
 いや、これをやっぱり心配しているわけですよ。投資の性格がこれから変わっていくんじゃないか。当然、ボランティアじゃないですから、投資をしてその利益を還元してもらうというためにやっていくわけで、投資というとね、ハゲタカファンドみたいなのをすぐ思い付いてしまうんですけれども、そういう、何というのかな、市場原理万能主義、弱肉強食、そういうところに農業を更に追い込んでいくようなものに変わりはしないかと。
 これは事実じゃないと、こういうことはあり得ないと、そういうことであればそうはっきり言っていただきたいんですけれども、どうなんでしょう。

#48
○政府参考人(光吉一君) 先ほど申し上げたように、この委員がおっしゃった事案そのものについてコメントする立場ではございませんけれども、先ほど申し上げたように、投資契約自身を民間の当事者同士締結をして、それに基づいて投資をし、配当を受け取るといったことでございます。
 例えば、買取りについてですと、契約義務違反があったときなどに買取りをしてもらうとか、そういったことを契約に明記してやっておりますので、この事案についてどうかということは詳しくは承知しておりませんけれども、そういう民間の締結した契約に基づいて実行しているものと思っております。

#49
○森ゆうこ君 これまでのこの事業、投資育成事業の実績、それから成果、そしてその課題というのを報告してくださいねとお願いしたその真意は、本当に説明されているようなホワイトナイト的な、そういう、何と言ったらいいのかな、ちゃんとした支援がこの投資という手段を使って行われてきたのか、何か問題はないのか、今後この投資を拡大する、投資先を拡大する、そうすると投資主体、出資者もいろんな人たちが入ってくる可能性があると、どんどん変質していって、まさに我々が心配しているような形にならないのかどうかということがいろいろ調べてみてすごく心配になったので、大臣、どうですか、そういうことはないんだと、この法律に基づく支援事業と育成事業というのはそういうものではないと。新たに設立される会社があるとしても、それが、この令和二年五月十四日の議事概要は、こういうことはまず考えられないと、何回お聞きしてもそうおっしゃるわけですけれども、こういうことが起こってもらっちゃ困るんで、こういうことがないと、そういう会社は承認されないというふうに明言していただけませんか。

#50
○国務大臣(野上浩太郎君) 今回の法改正では投資対象を拡大するわけでありますが、農業法人への投資につきましては、これは農林水産省が投資主体を承認をして適切に監督を行っていくという枠組みに変更はないところでありますので、これまで同様、投資事業計画の審査の段階において配当の基準等も含めて運営方針を確認をして、適切と認められるものを承認することとしておりまして、こうした国の関与によりまして適切な運営が担保されるように努めてまいりたいと考えております。

#51
○森ゆうこ君 そうはいっても、やっぱり民間の投資会社に委ねるわけですから、今までは、さっきも説明しましたが、農林中金など農業の関係のところが本当にホワイトナイトで、このワーキンググループの議事概要を見ると本当にそうなのかなとちょっと疑わしくもなるんですけれども、そういう形でやってきて、株式のその弱肉強食の世界にどんどん農林水産、今度は農林水産事業者全般になるわけですから、そういうことにならないという、やっぱりそのために農水省としてもしっかりやっていただきたいというふうに思ったんでございます。
 それで、この話は後ほどやります土地の話、農地所有適格法人の株式の議決権要件緩和の議論が今規制改革推進会議でやられておりますけれども、それとどうもリンクしているような、そういう懸念が拭えないわけですけれども、それは後ほど質問しますけれども。
 ちょっと質問飛ばすんですが、配付した一番最初の資料、今、木材の輸入がなかなか難しいということで、実は私のところにも地元から、大変な状況になりつつあるので何とか対応してもらいたいということでございます。
 日本産の、国産の木材も高騰を始めているということで、この記事の中に農水省が作った資料もございますけれども、対応はいかがなされますか。

#52
○国務大臣(野上浩太郎君) 現在、御指摘のとおり、輸入木材製品につきましては、北米や中国で木材需要が増大をしている背景がありまして、輸入量が減少して、我が国においても不足感が生じておりまして、国内販売価格も上昇していると認識をいたしております。
 現状では、輸入材の代替として国産材製品の引き合いも強くなっている中で、農林水産省としては、関係者からヒアリングを行って、川上、川中、川下の関係団体による意見交換の場の設定によりまして、国全体や地域における輸入材、国産材の需要動向に関する正しい需要の共有を図ってまいりたいと考えておりますし、また、加えまして、中長期的な観点からは、輸入材の供給リスクの顕在化によりまして国産材の安定供給が期待されますので、需要と供給のマッチングですとか、流通全体の効率化を目指すサプライチェーンの構築を図ってまいりたいと考えております。
 今般の法改正によりましても、林業者の方々の高性能林業機械の導入等の新たな取組を行う際には、使途、資金使途に制限がなく、事業設計の自由度が高い投資による資金調達のニーズがあるものということも聞いておりますが、こういう新しい取組についても、この法改正によりまして後押しをしてまいりたいと考えております。

#53
○森ゆうこ君 くれぐれも全部皆伐をして、とにかくいいとこ取りをしていくというような話ではなくて、持続可能な森林経営、そして国産材のサプライチェーンを確立していくと、そういう方向で更に努力をしていただきたいと思いますし、一応、お配りした資料ですけれども、これと同じ話を地元から、これ何とかしてもらいたいという話来ておりますので、今これからよく調査をするということですけれども、対応策考えましたら是非御報告をいただきたいというふうに思います。
 さて、農地、一体誰が所有をして、誰がこれから農業を行って管理していくのか、目標とする自給率を確保するために将来にわたって守るべき農地面積とはどれぐらいの面積なのか、そして、その農地を守るための政策はどうすればいいのかということについて伺いたいと思うんですけれども、まず、国家戦略特区、養父特区のこの二年延長について、今後二年間何をどのように検証されるのか、お答えをいただきたいと思います。

#54
○政府参考人(佐藤朋哉君) お答え申し上げます。
 今御指摘いただきました養父市で活用されております国家戦略特区における法人農地取得特例でございますけれども、平成二十八年の創設以来、これまでに六法人がこの特例を活用いたしまして、農地を合計一・六ヘクタール取得しております。この六法人の所有又はリースしている農地の面積は合計三十一ヘクタールということになっていまして、そのうち約十五・七ヘクタールは従前は遊休農地であったというふうに承知をしております。これら六法人の営農によって、農業の六次産業化による地域経済の活性化などの成果が上がっているというふうに評価をしております。
 今御指摘いただきました調査でございますが、この特例の期限がこの八月末で切れてしまうということを受けまして、養父市の御要望も踏まえまして、この特例二年延長するということにしておりまして、あわせて、その特例の調査を今年度中に実施するということにしております。
 その調査については、この特例を全国展開するニーズがあるのか、仮に全国展開した場合に問題点はあるのかなどを調査するものでございますけれども、具体的な内容、スケジュールについては現時点では未定でございます。今後、農水省としっかり連携をしながら検討してまいりたいというふうに考えております。

#55
○森ゆうこ君 ちょっと意味が分かりませんね。農水省、何をどうするんですか。これは、養父という中山間地、非常に条件の悪いところで、もうやむにやまれず、農地バンクもなかなか機能しないという中でこの特区ということで五年間やったわけですけれども、この努力については敬意を表したいと思いますが、だからといって、この二年間の間にこれを全国展開して、株式会社が農地を持っても何の問題もないんだと。そもそも、その国家戦略特区の諮問会議の中で、五年間やって何も弊害はなかったと民間委員の方たちは言い張っているんですが、その弊害は、このたったの一・六ヘクタールの株式会社の所有で分かるわけもないですよね。分かるわけないんですよ。だから、一旦二年延長して、何をどう検証するのか、調査するのか。
 もう衆議院、法案通過したんですよね。そういう時点になっても何も説明できないっておかしくないですか。農水省は答えられますか、農水省が中心になってと言っていますけど、農水省は何をやるんですか。

#56
○政府参考人(光吉一君) 先般の委員会におきまして、この調査についても田名部委員から御質問いただきました。その際申し上げたのは、政府として調査を行うので、内閣府として連携をしていく、農水省としてこれについて責任を持ってしっかりやっていくという考えを申し上げさせていただいたところです。
 それで、具体的な調査につきましては、先ほど内閣府の方から御答弁ありましたけど、内容、スケジュールについて今後検討していくということでございますけれども、昨年の諮問会議での、あっ、失礼いたしました、今年一月の決定におきましても、政府として、当該事業に関する特例制度のニーズと問題点の調査を特区区域以外においても実施をするという観点でございます。
 こういった調査を行うということで、詳細については今後検討していきたいと思っております。

#57
○森ゆうこ君 まだ何も決まっていない。それから、たった一・六ヘクタールの所有で弊害がなかったと何で言い切れるのかという説明もない。全くおかしい話なんですけれども。
 一方で、私から見ますと、どうしても株式会社に土地を所有させたいんですね、自民党の内閣は。あっ、自民党と言うと、今、先生方、ちょっとこの問題に関しては違うと思いますけれども、要するに……(発言する者あり)ああ、内閣府か。まあ農水省は違うのかもしれませんが。
 とにかく、それで、先ほども配った規制改革推進会議のワーキンググループですけれども、今は、農地所有適格法人のその株式の議決要件を変えて、何というのかな、更に投資を促進させ、そして農地を所有したいという法人が支配できるように進めようとしている、そういう議論が進んでいるということだというふうに思うんですけれども、内閣府に伺いますが、今どういう方向性でこの農地所有適格法人の議決権要件緩和の議論、進んでいくんでしょうか。

#58
○政府参考人(黒田岳士君) お答え申し上げます。
 規制改革推進会議におきましては、農業者の成長段階に応じた資金を円滑に調達できるようなことを実行して、農業経営を発展させていく方策について上場を目指す農業ベンチャーなどのニーズを踏まえて検討を進めているところでございます。
 論点としては、非公開、非公開株式会社がいいのか、公開会社が必要か、融資ではなく出資が必要か、リースではなく所有が必要か、こういった論点について、現場のニーズ、そして課題等について今検討を続けているところでございまして、一定期間ある地域に溶け込み、農業で実績を上げていただくことを念頭に、農業で起業する若者、上場を目指す農業ベンチャーなどのニーズに応える観点から議論が行われているということでございます。

#59
○森ゆうこ君 私、全部を否定するつもりはないんです。
 大臣、農地といってインターネットを検索すると何が出てくるか。何が出てくるかといいますと、つまり農地をどうやったら売れますかと。もう自分も農業をやらないし、住んでいるところもかなり離れた地域なので、農地を何とかしたいと。だけど、農地バンクに相談してもなかなかうまくいかないと。とにかく農地を処分したい、農地を売りたい、どうしたらいいのか。それに対する回答というか、そういう仕事を代わりにやりますよという広告、だあっと出てくるんですよ。これ、深刻なわけです、実際。私の知人からもそういう相談あります。農地バンクに相談しても、条件不利地域、例えば養父のようなね、そういうところではなかなか難しいと、荒廃させるだけだと、どうしたらいいのか。
 大臣に伺いたいんですけど、目標とする自給率を確保するための将来にわたって守るべき農地面積とは何ヘクタールなのか。そして、それを守っていくためには今のような課題があります、本当に。もっと踏み込んでいろんな政策しなきゃいけないと思うんですけど、その大臣のお考えをお聞かせください。

#60
○国務大臣(野上浩太郎君) 今御指摘ございましたとおり、農地は農業生産の基盤でありますので、国として守っていく責任があると考えております。
 昨年改定されました食料・農業・農村基本計画におきましては、令和十二年における食料自給率、今四五%と定めているわけでありますが、この達成のための前提としまして、様々な施策を講じることによりまして四百十四万ヘクタールの農地を確保すると見通しているところでございます。
 そのために、やはり農業経営の底上げにつながる生産基盤の強化を図ってもらわなければなりませんし、担い手への農地の集積や集約を推進しつつ、中山間直払いや多面的機能支払制度等によりまして荒廃農地の発生防止や解消を図るなど、様々な施策によってこの農地の確保というものを図っていかなければならないと考えております。

#61
○森ゆうこ君 お配りした規制改革推進会議第八回農林水産ワーキング・グループ、今年の三月五日の議事概要でございます。これ、お二方の部分を抜粋させていただきました。お一人は澤浦専門委員、グリンリーフ株式会社代表取締役、で、もう一方は、この先生は農水省とも政策提言等でいろいろと御尽力をいただいた新山陽子先生。
 特に新山先生ですね、やっぱりEUとかでは、この間、ほかの先生方からも指摘がありますけれども、やはり農業というのはその地域、国、国民を守る、その基本的な守るべき対象であって、何というのかな、市場経済、そういうところではなくて、別な方向で話が進んでいるという話がございます。真ん中ぐらいですかね、国際的には近年、食料やそれを供給するフードシステムは、公共財として認識されるようになってきますと、きていますと。で、日本はこれに対して非常に遅れている。
 これ、重要な指摘だと思いますし、私は、この家族経営、その地域を守っていく、そういう観点から、十年前、そのチャンスがあったんですね、もう一回立て直す。それは、言わずもがなですけれども、戸別所得補償制度ということで、きちっと所得補償をしていく、それによって農業を継続していくということについてスタートしたわけですが、それは、残念ながら我々が政権から脱落し、そして、それそのまま進めていただきたかったんですけれども、全く違う農業政策に変えていってしまった。しかも、規制改革推進会議が中心になって、とにかくもうかる農業だと。いいんですよ、もうかる農業にできる人は。成長産業ということでトライしてくれる人たちは、そういう形で応援すればいい。だけど、基本的に守っていくべきものをないがしろにしてしまって十年が過ぎてしまった。だから、非常に焦るわけです。もう一生懸命農業をやってきた地域の人たち、もう六十、七十、あと五年後考えると、もう本当、背筋が寒くなりますよ。
 大臣、今、規制改革推進会議の議論とかに惑わされず、農水省としてもう一回しっかりと、基本的なところを守るための政策をもう一度真剣になってやっていただく、闘っていただく、市場原理万能主義者たちと。いや、そういう部分も、できるところは必要なんですよ。でも、それ全部やっちゃったら、もう日本の農業駄目になりますよ。農地を、気が付いたら必要な農地さえもうなくなってしまう、そうしたらもう取り返しが付かないんですよ。どうですか、大臣。

#62
○国務大臣(野上浩太郎君) まさに今御指摘がありましたとおり、日本の農業経営体のこれは約九八%が家族経営でありますので、こうした方が地域農業を支えているということを認識しております。
 経営規模の大小ですとか、あるいは法人か、あるいは家族経営かの別を問わず、やはり意欲ある担い手を幅広く育成支援していくということは重要であると思います。中小・家族経営など多様な経営体が地域の維持に重要な役割を果たしておりますので、その生産基盤強化に取り組みつつ、先ほど申し上げました多面的機能支払、中間地支払、またあるいは品目別支払の支援を行っているところでありますが、基本計画におきましてもこのことを明確化したところであります。
 いずれにしても、この小規模家族農業を含めて、地域の農業を担う方々がしっかり営農に取り組んでいただけるように取り組んでまいりたいと考えております。

#63
○森ゆうこ君 農政の大転換が必要だと強く申し上げたいと思います。
 最後に、ちょっと時間ないんですけれども、福島第一原発事故によるその処理水について伺います。
 経産省は、ALPS処理水の定義を変えました。最後に、お配りした資料、最後のページ見てください。この下の図、これまでのALPS処理水というのはこの全体を指しておりました。
 資源エネルギー庁に伺いますけれども、今回、四月十三日にその処理水の定義を変えたわけですけれども、新しい定義では、この表のどの部分がALPS処理水ということなんでしょうか。

#64
○政府参考人(須藤治君) お答えをいたします。
 ALPS処理水の定義でございますけれども、ALPS等の装置により浄化処理を行うことにより、トリチウム以外の核種について環境放出の規制基準を満たす水のことをALPS処理水と呼称、呼ぶこととし、その旨を四月十三日にプレス発表いたしました。これは、一部の方々から、規制基準を超える放射性物質を含む水、あるいは汚染水が海洋中、環境中に放出されるのではないかという誤解が示されていたことを踏まえたものでございます。
 今先生御指摘の、この図で言いますと一番左側、にょろにょろ一倍というところがALPS処理水に該当いたします。それ以外の水につきましては、確実に再浄化をした上で環境中への放出ということになります。

#65
○森ゆうこ君 あのね、そういうふうに定義を変えてしまうと余計信用できないんですよ。
 それで、右側の水は何て言うんですかと聞いたらタンクの水と言うそうなんですけれども、いや、本当にね。
 それで、ここがなかなか何度いろんなことをお話ししても通じないんですけれども、なぜみんな反対しているのかというと、やっぱり信用できないわけですよ。こう発表されているけれども、実際にALPSを通った水が東電が分析している結果どおりなのか。それから、今後の放出についても、いろんなことを東電は約束している、あるいは政府が指示するということで基本方針も書かれているんですけれども、本当にその約束が守られるのか。そもそも、今これどういう状況なのか、ほかにモニタリングしているところないわけですよね、ないんです。東電の言うがままなんです。東電は、ID不正事件も含めて、それからテロリスト入りたい放題にずうっとなっていたということで、柏崎刈羽原発の運転、今認められていないわけですよ。そういう状況の中で、きちっと客観的にモニタリングしていく仕組みがない、これからだという、それが問題だというふうに思います。
 ちょっと時間がたったので、一言だけ、大臣。
 そういう意味で、先週末、関係閣僚会議開かれましたけれども、やっぱり農業を守っていく、農林水産漁業を守っていく立場の大臣としてきちっとした姿勢で臨んでいただきたいと思いますが、最後に一言、お願いします。

#66
○委員長(上月良祐君) 答弁は簡潔にお願いいたします。

#67
○国務大臣(野上浩太郎君) はい。
 今お話ありましたとおり、風評被害の発生を防ぐためには、科学的な根拠に基づくことはもちろん、漁業者を始めとする関係者の方々が少しでも安心できるような処分方法であることが重要であることと考えております。
 風評被害の対策等も追加的な対策も検討していかなければなりませんが、農林水産省としては、今後とも漁業者等の気持ちに寄り添って、こういったことがきちんと行われるように意見を述べていきたいと考えております。

#68
○森ゆうこ君 終わります。ありがとうございました。

#69
○河野義博君 公明党の河野義博です。
 数年前、各省が競って官民ファンドを立ち上げました。ハンズオンで支援をするんだといううたい文句で、まさに乱立をいたしました。その運用成績は御案内のとおりでありまして、機能も目的も重複をしておりました。
 農林水産省は、A―FIVE、私は勇気ある撤退だったと思いますし、その決断を評価をしております。今回も、その反省を生かしてよく練られた仕組みにしていただいたなと感謝を申し上げておるところでございます。
 大切なことは、物流、加工はもちろん大切なんですけれども、この改正を通じて、やっぱり生産者が所得が上がっていったということにしていかなければならないなというふうに今考えておりまして、そういった観点から幾つか質問させていただきたいというふうに思っています。
 まずは、現行制度に対する評価に関して伺います。
 現行の投資円滑化法は、規模拡大に意欲的に取り組もうとするものの、天候のリスクもあります、そういった様々な事情で資金調達が限定されている農業法人に対しまして資金供給を促すと、そういう役割を果たしてきているものだというふうに思います。
 実績については、現行の農業法人投資育成事業に基づく農業法人への投資実績は、令和二年十月一日現在、累計で投資件数は二百五十七件、投資額は累計で七十九億八千万円であると思います。この数字について、まずは農林水産省としてはどのように評価をされておられるでしょうか。
 また、この事業で農業への投資が促進されることによって、地域の金融機関が農業投資に関するノウハウを吸収してもらう、また地域産業への育成、成長への発展などへの効果もあると私は考えておりますけれども、現行事業、農業投資に関する人材育成、地域産業の育成にどのように貢献をしてこられたと評価しておられますでしょうか。

#70
○大臣政務官(熊野正士君) お答えいたします。
 議員御指摘のとおり、現行の投資円滑化法に基づく農業法人投資育成事業として、これまで、農林中央金庫等の農協系統が主体となった承認会社であるアグリビジネス投資育成株式会社において、平成十四年の設立以降、百五十二件、四十九億六千万円、地銀の子会社等が主体となった承認組合である二十二の投資事業有限責任組合において、平成二十六年の制度改正以降、百五件、三十億三千万円、合計で二百五十七件、七十九億八千万円の出資を行ってきたところです。
 それらの投資主体の出資先である農業法人の自己資本比率は、出資前後の平均値で約一六・六%上昇したところであり、また、地銀等は農業に係る資金供給の審査のノウハウを蓄積でき、農業投資に係る人材育成にも役立っているものと考えております。
 さらに、本事業の出資による規模拡大や設備投資により、地域雇用者の周年雇用の実現、地銀等の有するネットワークを活用したビジネスマッチングによる販路拡大、認証取得等による安全、安心な高品質商品の販売等、農業法人の健全な成長、発展にも貢献しているものと承知をしております。

#71
○河野義博君 自己資本比率が農業法人一六・六%上昇したということであります。
 政務官に御答弁いただきましたとおり、やっぱり金融機関が農業に対する出資、融資のハードルが下がったと思うんですね。興味あるし、やらなきゃいけないというふうに銀行は都銀も地銀も含めて考えていたんだけど、なかなかチャンスがなかったというところに、こういった機会を通じて様々なノウハウを蓄積してきたという観点から、評価をできるものだと思っています。
 今回の法改正の内容について次に伺います。
 本改正案では、投資対象を現行の農業法人に限らず、林業、漁業、食品産業、農林漁業の支援サービス事業を含む法人まで拡大をするということでありまして、投資対象の拡大は今回の改正の一つの要点であります。この投資対象を拡大することとした背景について、それぞれの業種における最近の資金需要をめぐる動向を踏まえながら御説明をいただきたいと思います。
 また、農林漁業の支援サービス事業、余りぴんとこないんですけれども、どういう事業を想定しておられるのか。これらを、対象ですね、また全ての事業を対象とするのか、あるいは一部に絞って対象とするのか、その具体的な線引きも含めまして、対象の範囲に関する基本的な考え方を御説明いただきたいと思います。

#72
○政府参考人(太田豊彦君) お答えをいたします。
 農林漁業、食品産業の分野におきまして、輸出先国の規制に対応するためのHACCP施設等の整備、あるいは生産性や品質管理の向上のためのスマート農林水産業等の新たな取組が進んでおり、資金需要が拡大をしております。
 これに加えまして、検討に当たってヒアリングや検討会を開催をいたしました。そこにおきましては、輸出の拠点となる海外現地法人の設立であるとか保管施設や物流施設の整備、それから陸上養殖の試験研究段階から事業化ステージに移行するための施設整備あるいは販売会社の設立、木材チップ等の加工事業の全国展開を行うための伐採、運搬用の重機の購入あるいは施設整備など、多くの分野で今後の投資活用のニーズが把握されたところでございます。
 一方で、農林漁業等につきましては、投資分野としては手堅い成長が見込まれる分野であるものの、生産活動のサイクルが長く、投資回収までの期間が長いため、外部からの投資を十分に受け取ることが難しい状況にございます。こうした新たな取組への民間投資を促進するための仕組みを整備するというのがこの法律の趣旨でございます。
 このため、食品産業事業者、林業、漁業を営む法人、それから支援法人等を追加するものでございますけれども、お尋ねの支援サービス事業につきましては、今回の改正で、スマート農林水産業に関する技術の開発、提供、農林水産物・食品の流通、販売のためのオンラインシステムの開発など、農林漁業、食品産業そのものでなくても、農林漁業又は食品産業の持続的発展に寄与すると認められる関連分野の事業者も投資の対象とすることとしております。
 これらの事業者に対して投資を行う投資会社等が本法の承認を受ける場合に、投資先の選定の基準、これから想定される投資先が農林漁業又は食品産業の持続的発展に寄与するものであるかどうか、こういったことを承認段階で審査をすることとしております。

#73
○河野義博君 詳細に御説明をありがとうございました。
 次に、生産者の所得向上に資する取組に関して伺いたいと思います。
 法改正によりまして拡大される産業分野は食品産業だけでも八十万近い企業数であるなど、これまでの農業の法人経営体数が二万三千経営体であることと比較をいたしましても、まさに桁違いに対象法人数が拡大をいたします。そして、この法改正によりまして投資件数、投資額はどの程度増加をすると想定しておられるのか、伺いたいと思います。
 こうした投資の増加により、本法律の目的である農林漁業等の持続的な発展、特に農林漁業者の所得向上にはどういう影響や効果が生じると見込んでおられるでしょうか、お願いします。

#74
○大臣政務官(熊野正士君) お答えいたします。
 本制度は民間の投資主体がその経営判断として自ら成長分野を選定して投資を行う仕組みでありまして、こうした制度の性格上、投資の件数や金額を精緻に見通すことは困難な面がございますが、今後も、一定の収益性の目線は持ちつつ、我が国の農林漁業の発展等の政策的な意義に共感いただける投資主体の参画を想定し、また、近年のこの分野の投資実績が、農業法人投資育成事業の投資額が年平均約十億円程度、六次産業化等の加工、流通分野に取り組んだA―FIVEの投資額が年平均三十億円程度となっていることを一つの目安と捉えてございます。制度全体で農林漁業の生産から二次、三次の関連産業まで、裾野の広い投資が行われることを想定してございます。
 また、本法はフードバリューチェーン全体に携わる事業者全てを支援するものでありまして、農林漁業を営む法人が自らの経営のために直接投資を受けることに加えまして、食品産業分野における流通の合理化、取引の拡大、輸出の拡大、ブランド価値の向上による農林水産物の販売の拡大、また、スマート農林漁業のための機械や技術の開発の成果を活用して生産性の向上を図るなどの間接的なメリットも期待をされております。
 こうした様々な形で農林漁業者の販売先の拡大、所得拡大、生産コストの低減等を通じて、経営発展の機会の増加が期待されるところであります。

#75
○河野義博君 ありがとうございます。
 農林漁業者の、水産も含めて、農林水産漁業者の皆さんのやっぱり所得が増えていくということが大事だろうかと思いますので、サポートをお願いしたいと思いますし、民間事業の取組でありますので具体的な金額を見出すことは困難、この答弁は非常に私は重要だと思っています。
 民間に私勤務しておりましたが、政府が何かやろうとする、目標金額は幾らだとか言われますと、民間は、やっぱりやんなきゃいけないんじゃないか、プレッシャーを感じまして変なことになってしまうんですが、目標金額とかいつまでにこうするとか、逆に私はない方がいいんじゃないかなと思いまして、しっかり案件の目利きもしながら、やっぱり成功実績を積み上げていくということが大事なんじゃないかなというふうに思いますので、今の御答弁、非常に共感を持って拝聴しておりました。ありがとうございました。
 次に、令和二年十一月二十五日に、農林水産省は、農林水産物・食品の輸出等の取組に対する投資の促進に関する基本方向というペーパーを出しまして、農林水産物の輸出を始め、スマート農業の導入等農林水産業の生産の高度化、アグリ・フードテック等による新産業の創出等の新しい取組にチャレンジする事業者は、設備投資や運転資金など様々な用途の資金を調達する必要があると、こういうふうにされてあるわけでございます。
 ここから、例えば、輸出のための国内外のコールドチェーンの整備、海外マーケットの調査、陸上養殖に係る設備の設置、スマート農林水産業、代替肉等のフードテックに関する研究開発など、様々な事業、資金の用途が連想されるかと思います。
 そこで、農林水産省として、法改正後の投資育成事業による供給される資金がこれらの事業展開に具体的にどう生かされると期待しておられるでしょうか。

#76
○政府参考人(太田豊彦君) お答えをいたします。
 出資につきましては、資金使途に制約がなく、事業設計の自由度が高い、それから直ちに返済が始まることがなくて事業の成長に集中できる、それから、当該事業に係る知見やノウハウを有する出資者を受け入れることで経営向上につながる、こういった特徴がありまして、新たな取組にチャレンジする事業者等に活用のニーズがあるというふうに考えております。
 先ほども申しましたヒアリングあるいは検討会の場におきましても、輸出用のサプライチェーン構築に当たっての国内外の施設整備、人員確保、それから取引量が増大することによって拡大する決済サイトの差に対応するための資金基盤の確保、あるいはうまみや栄養機能が高い発芽大豆を加工した植物肉の開発などの点で、先ほどに加えまして、今後の資金ニーズを把握をしたところでございます。
 御指摘のとおり、今後、こうした様々な分野で資金ニーズが生じてくるというふうに考えておりますけれども、今回の措置につきましては、出資でございますので、事業設計の自由度が高いという特徴を生かしまして、新たな取組にチャレンジする事業者等の例えば研究開発、施設整備、人員確保、会社の設立、こういった前向きな事業展開に活用されることを期待しているところでございます。

#77
○河野義博君 従来、そういったことを補助金だけでやってきたところにやっぱり投資が入るということは非常に大事なことだと思いますので、そこでやっぱり事業も成功させるというインセンティブも働くと思いますので、しっかり優良事例を積み重ねていただきたいというふうに思います。
 今回の法改正では、投資主体である投資事業有限責任組合に対します海外投資金額を投資総額の五〇%未満とする規制につきまして、農林水産大臣の確認を受けた場合には対象外とする特例を設けることとしております。
 まず、現行の海外投資割合に対する規制の下で、大臣の承認を受けた投資事業責任組合がどの程度海外投資を行っているのでしょうか。政府は、マーケットインの発想で輸出にチャレンジする事業者を後押しするとしていますが、創業間もない当事者は当然のこと、既存事業者にとっても、リスクを取って新たに海外展開を進めていくに当たっては、出資による資本調達というのは、資金調達というのは非常に有効だと考えておりますけれども、今回、五〇%の海外投資割合に対する規制が外れることにより、リスクを取って輸出に取り組もうとする事業者にどういったメリットが生じるのか、また、どの程度海外投資が増加するものと見込んでおられますでしょうか。

#78
○政府参考人(太田豊彦君) お答えをいたします。
 まず、現行法におきましては、これまで農業法人を対象としてきておりまして、海外法人への投資の実績はございません。それから、今回の改正によりまして五〇%の海外投資割合に関する規制の特例措置を設けます。これは、大臣承認を受けた投資事業有限責任組合の柔軟な資金運用が可能となるというふうに考えておりまして、輸出に取り組む海外現地法人等への投資にも取り組みやすくなるというふうに考えております。
 例えば、この特例がない場合を仮定いたしますと、例えば海外に一億円程度の有望な投資案件があっても、投資事業有限責任組合はその案件に投資するために二倍の二億円の資金を持っていないといけないということになりますので、なかなか機動的な投資ということにはつながらないのではないかというふうに考えております。
 具体的な金額ということでございますけれども、先ほどおっしゃったように、なかなか具体的な金額を見通すことというのは困難な状況ではありますけれども、本特例措置によりまして、輸出に取り組もうとする事業者の資金調達の円滑化に寄与するというふうに考えているところでございます。

#79
○河野義博君 なかなか単独の事業者がすぐに海外に行ってコールドチェーンを構築しますって難しい話だと思います。こういったスキームもやっぱりありますよということが一方で後押しにはつながっていきますので、急な後押しをすることなく、可能な範囲で案件積み上げていきたいなというふうに思います。
 最後に、A―FIVEに関しまして。先ほども申し上げましたが、農林漁業者に対する別の投資スキームとして、官民ファンドでありますA―FIVE、これがありますが、六次産業化に取り組む農林漁業者への出資による資金供給という役割を期待されて創始、創設されましたけれども、結果的に百五億円の累積損失を出すことに至りました。この法改正に当たっては、A―FIVEの反省を踏まえることは非常に大切だと考えています。
 まず、今回の農業法人投資育成制度による投資とA―FIVEによる投資の仕組みの違いについて御説明をいただいた上で、A―FIVEが百五億円の損失を出した、この事態を受けて昨年七月に検証報告が公表されましたけれども、この検証報告で得られた知見を今回の法律案にどのように反映をしていったのか、御説明をいただきたいというふうに思います。

#80
○副大臣(宮内秀樹君) お答えをいたします。
 A―FIVEは、まさに法律によって官の主導で機構を設立、運営してきたものでございますし、政府が最大株主であって、投資事業の運営方針にも関与しておったと。他方、投資円滑化法は、民間金融機関等が設立する株式会社又は投資事業有限責任組合を対象といたしまして、国がこれら投資主体を承認するということを通じて民間投資の円滑化を図るものでありまして、全く趣旨の異なる仕組みであるというふうに認識をいたしております。
 御存じのとおり、本改正の検討を行うに当たって、A―FIVEの検討を行いました。御指摘のとおり、検討会の報告では、投資対象が六次産業化の認定事業者に限定されておったと、手続も重層的であって、スピード感を持った投資ができなかったこと、あるいは、一方で、投資規模等を過大に見込んで、これを前提とした高コストな組織体制を整備してしまったために、投資収益と比較して固定コストが大き過ぎたこと等が挙げられておるところでございます。
 これらの反省点を踏まえまして、今回の改正案におきましては、高コストな投資組織ではなくて、民間の投資主体が採算ベースの事業運営を行う仕組みとする、また、投資対象を限定することなく、フードバリューチェーンに関わる事業者全てを対象とする、それから、個別の投資における事業計画認定の要件を廃止いたしましてスピーディーな投資が行えるようにするというような、そういう検証の教訓をいただきましたので、この検証の教訓を適切に反映した上で実施し、民間の創意工夫を生かしつつスピーディーな投資を行えるようにすることで農林漁業、食品産業への資金供給の円滑化を図ってまいりたいというふうに考えております。

#81
○河野義博君 終わります。

#82
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
 改正案、法律案を読ませていただきました。スキームもよく考えていて、非常に頭がいいなと思ったんですけれども、何か役に立っていないなという感じがいたしまして、今日は、なぜA―FIVEは失敗したのかということを、調査会社みたいな質問を僣越ながらさせていただきたいと思います。
 A―FIVE、八年前、平成二十五年一月に設立されました。六次産業化に取り組む、六次産業化というのは、一掛け二掛け三掛けイコール六で、つまりサービスを商業ベース、ビジネスに持っていこう、つまり農業改革でいかに売るか、売り方を考えるという、これ六次的な産業化と言うそうなんですけれども、それを支援してきたということですね。六次産業化に取り組む農林漁業者を支援してきた農林漁業成長産業化支援機構というのがA―FIVEだということなんですけれども、二〇一一年以降新たな出資の決定を行わないことになったということで、これが結論です。
 昨年のA―FIVEの先ほどありました検証報告では、最終的に累積損失というのは百五億円と先ほど報告ありましたけど、私の手元に百二十億円という情報が来ております。つまり、投資しても返ってこなかったということなんですね。どうして役に立たなかったのか。
 官民ファンドというのは、基本的に、民間で取ることが難しいリスクを取ることによって民間投資を喚起する、つまり呼び水的な役割を果たすことであると言われています。A―FIVEは、政府出資が三百億円です。片や民間出資十九億円というアンバランスなんですが、呼び水としての役割を果たしたと大臣、お考えでしょうか。

#83
○国務大臣(野上浩太郎君) A―FIVEは、出資対象となります事業体に対しまして、地域金融機関等と共同で出資し設立したサブファンドを通じた間接出資、また直接出資を行ってきております。御指摘のとおり、官民ファンドは民間投資の、民間資金の呼び水効果として効果的に活用されることが求められておりまして、このため、A―FIVEがサブファンド等に出資を行うに当たっては総議決権を二分の一以下とすること等によりまして民間投資の喚起を図っており、その結果、民間投資の誘発額につきましては、令和二年三月末現在で、A―FIVEによる出資金額百三十四億円のところ、五百十四億円とされているところであります。
 A―FIVEは農林漁業者の所得の確保ですとか雇用の創出等に一定の寄与があったものと考えておりますが、一方で、検証報告においても、六次産業化の取組への支援に限定されていたこと、あるいは行政計画の認定が必要であったこと等によって、投資ニーズがあっても出資に係る要件を満たす案件が少なく民間の投資を十分に誘発できない要因があったと指摘をされているところであります。

#84
○石井苗子君 ありがとうございます。
 大体一千万から三千万ぐらいの投資額をちょっとぱらぱらと見ていましたら、あのトヨタ自動車が百万円と書いてありまして、捨て金みたいなお金だなと思って、間違いじゃないかなと思ったんですが、百万なんですね。呼び水効果ということではちょっと効果がなかったように思うんです。投資規模を考えないでそのA―FIVEの組織体制をつくったんではないかという疑念があるんですが、その検証報告をちょっと読まさせていただきます。
 A―FIVEの役職員数、平成二十四年度の設立時点において、既に役員十名、職員三十六名、四十六名の定員が確保されておりました。実際に設立の翌年度には四十五人の役職、役職員というんですね、が雇用されておりまして、設立当時にこのような大規模な定員を確保して雇用したことは、投資規模に応じて必要な組織体制の整備を図ったというより、当初予定されていた投資規模や投資回収の見込みを前提として組織を拡大し過ぎたということになる、このような組織体制は今回の新規投機の停止に至った大きな要因であると書かれてあるんですが、要するに、希望的観測だけで過大な役職員を雇用していたという、その経営判断としてはちょっと考えられない、言葉を選ばずに申し上げますと、お花畑的な発想で出発してしまったというように受け止められます。
 このような組織体制を容認してきたということについて、投資規模を考えずに人を入れてしまったというこの点について、大臣は監督する責任というのがあったと思うんですけれども、農林水産省の判断について、大臣、どのようにお考えでしょうか。

#85
○国務大臣(野上浩太郎君) 今御紹介いただきましたとおり、A―FIVE、平成二十四年の設立当初、役員十名、それから職員三十六名、計四十六名の定員でスタートしまして、その後、早期に三百億円、将来的には一千億円超の投資を目指して、業務が本格化した二十七年度末には役員十一名、職員四十六名の五十七名の定員となったわけであります。
 このような組織体制につきましては、今御紹介いただきました検証報告におきましても、当初予定されていた投資規模や投資回収に係る見込み等を前提として拙速な組織拡大が図られたことは否定できずなどの指摘もなされておりまして、目指す投資規模が確保できない中で、結果として見れば、身の丈に合わない組織体制であったと考えざるを得ません。
 このような中で、農林水産省は、出資の拡大及び収支改善を図るために、A―FIVEによる直接出資にも注力するなど運用面の見直しを行うとともに、役職員の削減ですとかあるいはオフィス移転などの経費削減の取組について必要な指導を行ってきたところであります。
 また、そういう中でやはりA―FIVEがこうした事態に至ったことを重く受け止めまして、農林水産省としては、A―FIVEの検証に係る検討会を設置して、令和二年七月にその検証結果が取りまとめられたところであります。
 今後、同様の事態が起きないように、この検証結果を教訓としてまいりたいと考えております。

#86
○石井苗子君 大臣、だけど、これとても私は難しいと思うんですよね。例えばファンドマネジメントのプロなんかを入れるということは、ちょっと調べたんですけれども、非常に数が少ない。私、疫学研究家の数よりも少ないんだなというのでびっくりしたんですけれども。
 そういう意味では、大臣は歴代の役員の職務遂行に当たって、その任務の懈怠と申しますか、そういうのがあったという責任を感じていらっしゃると思うんですけれども、巨額の損失を出したということの意味では歴代の経営陣の責任は重いと思うんですが、これ、自分の資金で出資している民間企業の株主とは違って、政府は国費三百億円ですか、を投入した責任があるということなんですが、株式会社農林漁業成長産業化支援機構の三十四条というのを読まさせていただきますと、本機構は、農林水産大臣がこの法律を定めるところに従い監督する、農林水産大臣は、この法律を施行するための必要があると認めるときには、機構に対してその業務に関し監督上の必要な命令を下すことができると明記されているんですね。これ、チャンスだったと思うんですね。
 巨額の国費を無駄にしてしまったということなんですが、まあ監督責任は重いというふうに言われますけれども、大臣、監督上必要な命令というのをA―FIVEに出しましたか。

#87
○国務大臣(野上浩太郎君) 農林水産省としましては、このA―FIVEの収支改善等を図るために、サブファンドを通じた出資に加えまして、A―FIVEによる直接出資にも注力するなど運用面での見直しを行うとともに、役職員の削減ですとかオフィス移転等の経費削減の取組について、A―FIVEに対し必要な指導を行ってきたところでありますが、これらの取組によってもA―FIVEの累積損失の回収は困難であるとの判断に至りまして、早期解散の判断を行ったものであります。
 この早期解散の判断は更なる損失の拡大を防ぐためのものでありますが、事業の実施状況を絶えず検証しつつ、損失が生ずる事態が発生した場合にはそれを極力最小化していくことも監督官庁である農林水産省としての重要な責任であると考えております。
 今後は、この改善計画に沿いまして、既に出資を行った案件につきましても回収の最大化を図るとともに、経費の抑制も図っていくこととしておりまして、農林水産省としては、これらの取組が着実に実施されるよう指導監督を行ってまいりたいと考えております。

#88
○石井苗子君 御説明ありがとうございます。
 でも、命令を下すことができるというのは非常に大きな権力だと思うので、途中でこのままではプロがいないから駄目だというようなことも言えるのではないかと。
 これ、我が党がすごく問題としている非公式、なれ合いであると必ず失敗する人事というのがありまして、現社長の、これ光増安弘様とお読みするんでしょうか、記者会見を、新聞社の取材で記者会見をやっていらっしゃいます。読みますね。農水省から役員を受け入れるが天下りではないかと、こう言っているわけですね、監督省庁として。その問いに対しまして、大株主の財務省か所管の水産省のどちらからも役員を受け入れないことの方が企業統治上問題であると、今回は農水省に要請したと、このようにお答えしていらっしゃいます。
 一つ間違いがありますよね。天下りじゃないでしょう、これ。出向だと思うんですけれども、私は。政府が大株主だからという理由で役所からの出向を受け入れないと企業統治、つまりはガバナンスできないとおっしゃっているんですが、これは一般的に解釈してもですね、国民の皆様が聞いてもちょっと発想がおかしいなという感じがすると思うんですね。なぜなら、政府が大半を出資している法人は出向とか天下りの役員がいないとガバナンス上どのような問題が生じるのかよく分かりません。
 官民ファンドであってもむしろ民間企業並みに所有と経営を厳格に切り離してですね、さっきマネジメントのプロと言いましたけれども、切り離して厳しく経営責任を問う形にした方がよいと思う、あるいはそういう形にすべきだと思うんですが、大臣の見解伺えますでしょうか。

#89
○政府参考人(太田豊彦君) お答えをいたします。
 官民ファンドの活用推進に関する関係閣僚会議というのがございまして、そこで官民ファンドの運営に係るガイドラインというのを設けております。このガイドラインにおきまして、国と各ファンドの関係については、監督官庁及び出資者としての国と、投資方針が政策目的と合致しているかどうか、それから政策目的が達成しているかどうか、競争に与える影響が最小限になっているかなどにつきまして、必要に応じて国から役職員の出向を可能とする措置を講じるなど、密接に意見交換を常時行うための体制を構築するということが求められているところでございます。
 A―FIVEが改善計画に沿って最大限回収を、最大限投資を回収するとともに、円滑に早期解散を行うために、A―FIVEと農林水産省の連携が重要と考えております。このため、現在、監督官庁である農林水産省から一名の職員を専務取締役として出向させて、政策目的との合致などにつきまして密接に意見交換などを行う体制を確保しているところでございます。

#90
○石井苗子君 ちょっと問題解決にならないようなお答えだと思うんですけれども。
 サブファンドというのがあったんですが、この活用もちょっと余り明確でなかったと思いますね。投資支援を進めること自体は合理的な選択であったと思うんですよ、サブファンドの活用。しかし、出資に関わるA―FIVEの助言、同意等、サブファンドの主体的な取組を阻害する仕組みがあったとか、サブファンドというこの監督するところの機能は十分生かされていなかったと思うんですが。
 さて、この後の質問は、四年後の令和七年度末を目途としてA―FIVEは投資回収を終えると書いてありますが、これ本当にできるんでしょうか。今回は希望的観測ではないと言い切れますか。投資回収までA―FIVEに対して大臣はどのような監督をしていらっしゃるおつもりでしょうか。

#91
○国務大臣(野上浩太郎君) A―FIVEにつきましては既に新規投資は停止をしておりまして、令和七年の末を目途に回収業務を行っていくということとしております。今後、昨年五月に策定した改善計画がございますので、これに沿って既に投資を行った案件について必要な経営支援を実施をしまして回収の最大化を図るとともに、人件費の削減等の経費の抑制も図っていくことといたしております。
 農林水産省としては、これらの取組が着実に実施されるように適切に指導、監督を行ってまいりたいと考えております。

#92
○石井苗子君 かなり高額な回収になると思いますが、現在の、先ほどもありましたアグリビジネス投資育成株式会社、投資事業有限責任組合などの投資主体は投資先の農業法人に対してどれぐらいの決議権を持っているのかをお伺いしたいんですね。私は、余り経営が縛られるような決議権を持たれると投資が増えないと思うんですけれども、決議権の保有割合の制限等ありますでしょうか、お答えください。

#93
○政府参考人(光吉一君) お答えいたします。
 農業法人に対します出資につきましては、投資育成会社や投資育成組合が取得する議決権の保有割合につきまして百分の五十を超えないこととされております。

#94
○石井苗子君 配当に期待しているので、要するに、何というんですかね、無決議権株式などが多いというお答えだと思います。
 となりますと、今後のその議決権の場合をおいて、この人材をどうつくっていくのかという話なんですね。
 報告書をもう一回読まさせていただきます。A―FIVEの検証報告にはこう書いてあります。農林漁業、食品産業、投資という双方の見地を有し、これを実務において実践できる人材を確保できなかった、不十分であったと報告に書かれております。
 A―FIVEの失敗の二の舞にならないように、マネーの専門家ってなかなかいないと先ほど申しましたけれども、投資円滑化法の改正で投資対象を拡大するに当たり、農林漁業や食品産業の投資に精通した人材の確保を、どのような対策を講じてどうしていくおつもりでしょうか。大臣、お答えになれますか。

#95
○国務大臣(野上浩太郎君) 現行の投資円滑化法では、農業法人投資育成事業としまして、農林中央金庫等のJA系統が主体となったこのアグリビジネス投資育成が平成十四年以降百五十二件で四十九億六千万円、また、地銀等が主体となった二十二の投資事業有限責任組合、LPSですね、これが平成二十六年以降、百五件三十億三千万の投資を行ってきたところであります。
 このLPSにつきましては、無限責任組合である投資会社等に加えまして、地銀等も農業投資に関するノウハウの吸収も目的として有限責任組合員として参画をしておりまして、本制度は農業投資に係る人材育成にも貢献してきていると考えております。
 今般の法改正を機に、新しい金融機関ですとか投資ファンドの参入を促して、この分野の投資業務に従事する者を増やしていくことを通じてノウハウを蓄積をして、投資人材を充実させていきたいと考えております。

#96
○石井苗子君 分かりました。
 次に質問したいことなんですが、私の疑問は、農林水産漁業者たちはその出資金を本当に受け入れたいと思っているのだろうかという、このニーズについて質問、最後にさせていただきたいんですけど、農林水産業というのは補助金や融資制度が充実しているので投資に対するニーズは低いのではないかという質問が参考資料にあったんですけれども、投資を受けるメリットとして自己資本の充実につながるということを農水省は挙げていらっしゃいます、書かれてあります。
 投資を受けて経営の自由度が狭くなる中で、農林水産業者は自己資本を充実させたいと本当に考えているのか、今後の投資へのニーズが高まっていると考えているのかと。ニーズがあったならA―FIVEは失敗していないはずなんですが、そこがどうも私は分からない。資本金を増やしたいと本当に思っているのかどうか、その辺は農水さんはどう考えているのかを最後にお聞きしたいと思います。
 大企業の投資も対象になるのかということも併せてお答えください。政府の資金が入っているので大企業を対象にする必要はないのではないかと、企業規模による制限を設けるべきではなかったかなと私個人的に思うんですが、そこの質問に対してお答えをいただきたいと思います。

#97
○政府参考人(太田豊彦君) お答えをいたします。
 出資ということでございます。農林水産業に対する支援策といたしましては、出資以外につきましても、融資、補助金、税制など様々な選択肢がございます。それぞれ特徴あるいは役割が異なるということでございますけれども、その中でも出資については、自己資本の充実を通じて対外的な信用力が向上する、それから資金使途に制約がなく事業設計の自由度が高い、直ちに返済が始まることなく事業の成長に集中できる、当該事業に係る知見やノウハウを有する出資者を受け入れることで経営向上につながる、こういった特徴があるところでございます。
 こうした中で、昨年開催をいたしました検討会あるいはヒアリングにおきまして、輸出用のサプライチェーンであるとか、現地法人の設立であるとか、それから伐採や運搬用の、木材の伐採や運搬用の重機の購入、加工工場の建設、こういった点で今後の投資活用のニーズを把握したところでございます。
 A―FIVEにつきましては反省をしているところでございますけれども、投資の規模に対して過大な体制を取ったということが反省点でございまして、その投資規模に、身の丈に合った体制を構築すればそういったことは防げるのではないかというふうに考えているところでございます。
 一方で、農林漁業や食品産業に関する分野の自己資本比率、これは全産業の平均に比べても低くなっておりまして、こういう状況の中で対外的な信用力を確保するとともに迅速な経営判断を行っていくためにも自己資本の更なる充実が必要だというふうに考えておりますので、今般の改正によりまして、リスクを取って新たな取組にチャレンジする事業者の取組を支援してまいりたいというふうに考えているところでございます。

#98
○委員長(上月良祐君) 時間ですので、おまとめください。

#99
○石井苗子君 はい。
 私はニーズが高まっているのかと考えていますかと御質問したんですが、議決権があると株主の意向を聞かなくてはならないというデメリットがあるということを高く、これを強く反省していただきたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。

#100
○舟山康江君 国民民主党の舟山康江でございます。よろしくお願いします。
 今回の改正法案は、農業法人投資育成事業の対象法人につき、現行法から大幅に拡充して、林業、漁業を営む法人や輸出事業者等が追加されることとなったというものだと理解しております。
 先ほど漁業の話、また林業の話がありましたけれども、私からは、まずは輸出が加わったということで、輸出全般について、今の現状をお聞きしたいと思います。
 政府は、農林水産物・食品の輸出拡大に向けまして、政権交代直後、二〇一三年に農林水産業・地域の活力創造プランにおきまして、二〇二〇年に輸出額を一兆円に倍増するという計画を決定をしております。翌年には、これに加えて二〇三〇年に輸出五兆円を目指すという目標を掲げ、途中の改訂でこの一兆円目標を一年前倒しして二〇一九年に一兆円という形になっております。これを実現するために、お手元に資料、A3縦でお配りしていますけれども、様々な事業を創設して多額の予算を投入してまいりました。
 こんなにあるんだなということなんですけれども、二〇二〇年度まで、これ、下段が前年度の補正予算ですけれども、ここまで当初、補正合わせて千九百九十五億円、約二千億円に上る予算を投入しているということであります。
 これ、赤字で書いておりますのが、行政事業レビュー、これ農水省からいただいた資料にはなかったんですけれども、行政事業レビュー等で農水省から提示された資料にあったものですので、参考までに書かせていただきました。なぜ抜けているのかよく分からないんですけれども、これを入れると更に金額が上がるのかなと思っております。
 一方、輸出額がどれくらい伸びたかといいますと、その前年の二〇一二年から二〇一九年までで約四千六百億円輸出額が伸びているということです。
 それに加え三年度予算、今年度の予算と二年度補正合わせると、ここまで全部で二千五百億円程度の予算を投入していると。それで伸びたのが四千六百億円。簡単にはそういう形になるんですけれども。
 これまでのこの輸出促進の取組の総括について、やはりこれ一旦総括をして、何が必要なのか、何が足りないのか、この目指す方向性が正しかったのかどうだったのか、やはりきちっと考えて次に進んでいかなければいけないと思いますけれども、これまでの取組の総括、効果、そして元々の目的含めて、まずは大臣からお答えいただきたいと思います。

#101
○国務大臣(野上浩太郎君) 輸出対策の予算につきましては、今御紹介いただきましたとおり、二〇一三年度から二〇二〇年度までの八年間で当初、補正合わせまして、毎年大体五十億円から四百十九億円を措置をしまして進んでまいりました。具体的には、輸出先国の規制やニーズに対応した輸出産地の育成ですとか、HACCP等に対応した施設の整備、あるいはジェトロによる輸出総合サポートやJFOODOによる海外マーケットの開拓等を支援してきたわけであります。
 この間、農林水産物・食品の輸出額は、二〇一二年の四千四百九十七億円から二〇二〇年の九千二百十七億円に増加をしたということでありますが、これらの予算を含めた施策の効果によりまして農林水産物・食品の輸出額は着実に増加をしていると考えております。

#102
○舟山康江君 額はさっき言ったように四千六百億円ぐらい、その取組前ですね、それまでもやっていましたけれども、大々的に計画を立てて始めた前と現在比べると五千億円弱ということ。投資効果がどれだけあったのかなという疑問はありますけれども、いずれにしても輸出の増加にはつながっているということではあるのかなと思います。
 ただ、私は、本来の目的は、輸出の額の増加をするだけではなくて、その次に何があるのか、まさに輸出の、資料の三枚目を御覧いただきたいと思いますけれども、これ、農林水産省が行政改革推進会議の行政事業レビューに提出をされた資料となっております。
 輸出の拡大によって農業者の所得向上、雇用の拡大、私はやっぱり国内農業生産の拡大ということもつなげていかなければいけないと思うんですけれども、こういった目的が果たして達成されているのかどうなのか、そこについての総括はどうなっているんでしょうか。

#103
○国務大臣(野上浩太郎君) まさにこの資料にありますとおり、農業者の所得向上ですとか雇用の拡大を目指していくということが重要であります。
 輸出が例えば農林水産業の所得向上につながった事例としましては、宮城県で、輸出用に低価格で安定した品質の米を供給をするために多収性品種の導入による低コスト生産を推進をしまして、それにより収益を拡大している事例ですとか、あるいは茨城県でサツマイモを長期保存することによって年間を通じて輸出する体制を確立をしまして、輸出額及び輸出量が共に前年比十五倍になった事例等があります。
 また、雇用の拡大につながった事例としましては、北海道の水産加工業者におきまして輸出向けに年間を通じた加工業務を行うことで安定的な仕事量を確保して雇用の拡大などにつながった事例等もあります。
 このような輸出の拡大を農林漁業者の所得の向上あるいは雇用の拡大につなげていくということが重要でありまして、引き続き、各施策一体的に行って支援をしてまいりたいと考えております。

#104
○舟山康江君 かなり多額の国費を使っての取組なわけですから、点の存在として拡大を目指すということから、やっぱり面として、全体として所得の向上とか、全体として農業生産の拡大を図っていかなければいけないと思いますけれども、ちょっと見ているとまだまだ点の存在で、全体が果たしてこの輸出促進に対して恩恵を受けているのか。トータルとして、確かに一部成功している人もいますけれども、トータルとして本当にこの方向で今の日本の農業が抱える問題解決につながっていくのか、ここはしっかり検証する中で全体の底上げを図っていく、そんな政策に変えていかなければいけないと思っています。
 資料の次のページ、四枚目を御覧いただきたいと思いますけれども、実は、世界の農産物の輸出市場は、これ、好むと好まざるとにかかわらず非常に拡大しております。二十一世紀に入りまして、世界の輸出市場は三・五倍に拡大していると。こういう中で、我が国は一・九倍にとどまっている。しかも、この世界の輸出市場の中に占める割合は、むしろ二〇〇一年から低下をしていると、こんな状況なんですね。
 世界の趨勢から見ると、まあそれは自然体でもある程度輸出が増えて当たり前の中で、これだけ政府が、まあ官邸主導の形もあったのかなと思いますけれども、力を入れて、予算を掛けて、輸出拡大、輸出拡大と言っている割には趨勢から置いていかれているのではないのかなというふうに思うんですね。
 そうなったときに、果たしてこれまで使ってきた予算がこの自然体、趨勢に加えてしっかり後押しになったのかどうなのか、ここは検証する必要があると思いますけれども、そこはどのように分析されているんでしょうか。

#105
○国務大臣(野上浩太郎君) この世界の農林水産の輸出市場、この資料のとおり、二〇〇一年からこの二〇一八年までに約三・五倍拡大しました。その一方で、日本の輸出額、これ約一・九倍となったということであります。
 これは、国内の関係者も様々な形で輸出事業に取り組んでまいりましたが、輸出額の増加と一定の成果は上げているものの、日本の農林水産物・食品の輸出は国内向けに生産した産品を、余剰品を輸出する体制になっているということがございます。
 これからの輸出の拡大を考えたときに、拡大する海外市場を取り込むためには、やはり海外市場で求められるものを専門的に生産し、輸出する体制もつくっていかなければならないと、マーケットインに転換をしていくということも重要と考えておりまして、このため、昨年、輸出拡大実行戦略が取りまとめられたわけでありますが、この戦略をスピーディーに実行してまいらなければならないと考えております。

#106
○舟山康江君 改めて、やっぱり雇用とか所得の増大、更に言えば国内生産をしっかり拡大していくと。今、自給率が低い中で、やっぱり輸出から国内生産、あっ、ごめんなさい、輸入農産物から国内生産に置き換えていく必要もあると思いますので、この取組が結果的にやっぱり国内生産の増大につながって、輸出もいいですけれども、もっと輸出入のバランスの取れた発展の方向性を模索する、これをしっかり検証していただかなければいけないと考えています。
 資料二ページ目を御覧ください。
 行政事業レビューというものがございますけれども、これ、行政事業レビューにおける主な評価、私も一通りこのレビューシートも読ませていただいて、私が感じたことも併せて書かせていただきました。
 これを見ますと、様々な指摘がありまして、屋上屋を重ねたような事業ではないかとか、PR事業、プロモーションなど重なるものも多いんじゃないかと、そんな指摘もありますけれども、こういう指摘に対して農水省はどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

#107
○国務大臣(野上浩太郎君) この輸出促進には、やはり生産、加工、流通、海外での販売、これ各段階での支援を行うことが必要と考えております。
 このため、輸出事業には、ここにありますとおり、様々な事業があるわけであります。産地の育成、海外需要の創出、輸出環境の整備、海外支援の展開等々、それぞれの目的を持ってその達成に必要な事業を実施しておりますので、屋上屋ということではないと考えておりますが、一方で、輸出促進におきましては、海外での販売力の強化に向けたプロモーションが重要でありますので、プロモーションや海外における販売開拓を支援する事業を実施しているわけであります。
 それ以外にも、海外の規制やニーズに対応した産品の育成、あるいは農林水産物・食品の製造や規制緩和に向けた様々な取組が必要でありまして、グローバル産地づくりやHACCP等の施設対応の整備なども実施をしているところであります。
 今後とも、この各事業を一体的に推進をして、輸出のサプライチェーンを強化をしてまいりたいと考えております。

#108
○舟山康江君 ちょっと具体的に見ていきたいと思いますけれども、この表の一番上、輸出環境整備推進事業ですけれども、この目的の一つとして、原発事故に伴って導入された諸外国における輸入規制に対して対応していくものだということが掲げられております。
 これによって、この事業によってこういった輸入規制がどのように緩和されてきたのか、とりわけ中国や韓国の輸入規制の緩和についての改善は何かあったのか、お答えいただきたいと思います。

#109
○政府参考人(太田豊彦君) お答えをいたします。
 令和元年度における輸出環境整備推進事業では、輸出先国の規制の緩和、撤廃に向けた交渉に必要となる調査、相手国の規制担当官の招聘、それからインポートトレランスの申請や既存添加物等の輸出国への申請の支援、輸出に取り組む事業者の国際的な規格、基準・認証等の取得の支援、こういった輸出環境の整備に向けた取組の実施でございます。
 この結果、原発事故による我が国の食品に対する輸入規制の緩和、撤廃、あるいは動植物検疫協議の進展、お茶や青果物における台湾、米国へのインポートトレランスの申請の実施、既存添加物であるクチナシの使用について米国への認可申請の実施、約三十の事業者による国際的な規格や認証の取得、こういった成果が出ているところでございます。
 原発事故に対する輸入規制の対応につきましては、令和元年度にモロッコや仏領ポリネシアの規制担当官を招聘をいたしまして安全性の説明、それから働きかけを行った結果、モロッコについては規制の撤廃、仏領ポリネシアについては規制の緩和につながったというふうに考えているところでございます。
 残念ながら、近隣の中国、韓国につきましては、なかなかいろんな難しい点があって、現在のところ、規制の撤廃、緩和につながっていないというところでございます。

#110
○舟山康江君 やっぱり中国、韓国に対しては一番インパクトが大きいと思うんですよ。それが、これだけ様々な取組をしている中で緩和に向かって改善がなされていないというのはやっぱり大きな問題ではないんでしょうか。
 加えて、RCEP、今、他の委員会でも議論しておりますけれども、RCEPの成果として農水省は、中国からは輸出関心品目の関税撤廃を獲得ということで、わあ、すごいなと思いましたけれども、実際、関税撤廃した品目はこれ輸出できるようになっているんでしょうか。なっていないですよね。
 こういった、牛肉以外の畜産物、乳製品、果実はやっぱりこういった輸出規制があって輸出できないんじゃないかと思いますけれども、こういった実態はどのように捉えているんでしょう。本当に輸出できるようになった、良かったですという結果にRCEP、結び付いているんでしょうか。

#111
○政府参考人(太田豊彦君) お答えをいたします。
 輸入に、あっ、輸出につきましては、アクセスとそれから検疫と、両面をクリアしていくという必要がございます。RCEPにつきましては、そのアクセスの面につきましての成果が現れたものというふうに考えているところでございます。
 一方、この検疫の問題につきましては、いろいろ、いろんなレベルで働きかけをしているところでございますけれども、なかなか結果に結び付いていないというところでございます。

#112
○舟山康江君 いや、アクセス改善は確かに文書の上ではできているかもしれませんけれども、実際に改善ができていない、輸出できないとなれば、これ絵に描いた餅で、何にもならないと思うんです。
 これ、ちょっと質問ですけれども、経済効果分析には、こういったアクセス改善はしたけれども実際には輸出できないというものは経済効果分析にはどのように反映されているんでしょうか。

#113
○委員長(上月良祐君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#114
○委員長(上月良祐君) 速記を起こしてください。

#115
○政府参考人(森健君) RCEPの経済効果分析につきましては、内閣府等で行ったものでございます。
 ちょっと事前に御質問の方を通告をいただいていなかったもので、この場で明確な御回答はできないかと思いますが、農林水産関係につきましては、言わば国内への農産物生産への影響はないということの前提の下での試算ということになっております。
 輸出の関係についての具体的な効果で何を見込んでいるかという点についても、例えばその品目別の分析ということではなく、全体としての、経済全体としての分析というのが行われているものと承知しておりますが、いずれにいたしましても、ちょっと私どもの、私自身申し上げられるのは、担当ということではございませんので、また明確なお答えについてはまた後ほど御説明をさせていただければと思います。

#116
○舟山康江君 経済効果分析に何を入れているのかというところは非常に大事だと思いますので、委員長、是非後ほど、資料提出を求めたいと思いますので、委員会の方に提出をしていただくよう、取り計らいよろしくお願いします。

#117
○委員長(上月良祐君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議させていただきます。

#118
○舟山康江君 いずれにしても、この輸出に関しては、私は、単に継続して予算を投入するだけではなくて、やはりはっきりとした目的、繰り返しになりますけれども、単に輸出の額を増やせばいいというのではなくて、それがどのように、国内の農業の在り方とか、今後の生産所得、雇用者数に影響するのか、ここをしっかりと検証しながら取り組んでいただきたいと思っております。
 続きまして、法案に移りたいと思いますけれども、今回の法案の検討と並行する形で、農林水産省、令和元年から二年三月にかけて、農業者の成長段階に応じた資金調達のニーズに関する調査を行っております。この調査によりますと、成長段階に応じて資金使途や調達方法に大きな差異は見られず、融資が主であると。法人設立時には七割、発展期には九割となっておりまして、一部出資の活用を求める声も存在という程度なんですね。
 昨年十二月十四日の規制改革推進会議第五回農林水産ワーキング・グループにおきまして資金調達に関するヒアリングを行った際、農業者からは非常に良い融資があるので特に資金調達に困ったことはないという発言がありましたし、先ほどの森委員の資料にもありましたけれども、この八回のワーキンググループでも特に困っていないという、そんな話だったと思います。
 そういう中で、本当に出資のニーズはあるのか、出資の方向は妥当なのかというところの見解をお伺いします。

#119
○政府参考人(太田豊彦君) お答えをいたします。
 御案内のニーズ等に関する調査におきまして、融資が主となっているものの、一部出資の活用を求める声も存在となっているところでございます。融資と出資につきましては、それぞれ特徴や役割が異なっておりまして、融資は安定性、すなわち返済能力を、出資は将来性を主な判断基準としておりまして、考え方、役割が異なるために、双方共に必要な資金調達の手段であるというふうに考えております。
 この調査、農業法人の資金調達ニーズでございます。今般の改正は、農業法人に対する投資を行っております法律につきまして、農業法人に限定せずに、林業、漁業、食品産業、それから支援事業、こういったところに広げるものでございまして、そのニーズにつきましては、有識者の検討会あるいはヒアリングで、輸出用のサプライチェーンであるとか現地海外法人の設立であるとか、物流施設、あるいは事業化ステージに移行するための施設整備、それから木材の伐採、運搬用重機購入、こういったところにニーズがあるというふうに把握をしているところでございます。

#120
○委員長(上月良祐君) お時間ですので、おまとめください。

#121
○舟山康江君 はい。
 ありがとうございました。
 一つの資金調達の手段として出資もあるとは思いますけれども、やはり様々な、融資も補助も様々なことを組み合わせながら農業の発展を図っていただきたいと思います。
 先ほど森委員が引用したこの新山委員の発言ですね。農業は投資の対象にしてはならない分野ではないかと、こんな問題提起もございました。
 もうかる、もうからない以外の部分もあると思いますので、そこもしっかり踏まえた上で対応お願いしたいと思います。
 ありがとうございました。

#122
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 農業法人投資円滑化特措法の改正案についてお聞きします。
 本法に基づく投資対象は農業法人に限定されていましたが、今回、大幅に拡大されています。それは、農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略を進めるためで、リスクを取って輸出に取り組む事業者に投資対象を拡大するものです。
 事業者にリスクを負わせてまで、なぜ輸出を促進するんでしょうか。

#123
○政府参考人(太田豊彦君) お答えをいたします。
 国内の食市場が縮小する一方で、世界の食市場は今後大幅に拡大することが見込まれております。こうした中、農林漁業者の所得向上を図るためには海外のマーケットを獲得していくということが重要であると考えております。
 以上でございます。

#124
○紙智子君 国内の市場が縮小する、で、海外が増えるという話されていて、いつも聞くと人口減少があるんだということを言われるんですね。果たして本当にそうなんだろうかと。本当に日本の食品市場というのは、人口が減少しているから縮小していくんだろうかと。安倍政権以来取られてきた輸出拡大政策で、農林水産物の輸出も増えているけれども、輸入も増えているということなんじゃないでしょうか。
 二〇一三年と二〇一九年の農林水産物の輸出入の金額をそれぞれお答えください。

#125
○政府参考人(森健君) お答えいたします。
 農林水産物の輸出につきましては二〇一三年以降、年々増加しておりますが、二〇一三年が五千五百五億円、二〇一九年が九千百二十一億円となっております。ちなみに、最新の二〇二〇年は二〇一九年を上回る九千二百五十七億円となっております。
 また、農林水産物の輸入につきましては二〇一三年以降、増減が見られるところでございますが、二〇一三年が八兆九千五百三十一億円、二〇一九年が九兆五千百九十八億円となっております。ちなみに、最新の二〇二〇年は二〇一九年を下回る八兆八千九百四十二億円となっております。

#126
○紙智子君 二〇一九年のところまでというふうに言っていたんですけれども、二〇二〇年の話もしてくれました。
 それで、輸出農産物は今の話で見ても二千七百四十二億円増加したのに対して、輸入農産物は四千五百八十一億円も増大していると。輸出額よりも千八百三十九億円上回っているということです。人口が減少して消費が減少するということになったら、これ輸入も減るんじゃないかというふうに思うわけですけど、ところが、輸入は増えているわけですよね、人口が減っても。
 日本の食品市場は人口減少によって縮小しているんではなくて、輸入自由化路線によって輸入農産物が増加をして、国内の農産物の市場は縮小を余儀なくされてきたんじゃないでしょうか。大臣、いかがですか。

#127
○国務大臣(野上浩太郎君) 今御答弁させていただきましたとおり、二〇一三年と二〇一九年の比較では農林水産物の輸入額、増加をしているわけであります。一方で、国内の農業総産出額を見ますと、二〇一三年は八・五兆円、二〇一九年では八・九兆円となっておりまして、四千億円以上増加をしておりますので、輸入も増加をしておりますが、これは必ずしも国内農業が影響を受けたというわけではないと考えております。

#128
○紙智子君 輸入が増えて、影響を受けていないという話ですか。それはどうなんでしょうかね。
 輸出拡大実行戦略では、輸出する体制を構築するために輸出産地をリスト化をするわけですよね。産地形成に必要な施設整備などを重点的に支援すると。グローバル産地づくりということで、これを推進しているわけです。言わば輸出のための産地づくり、工業製品でいえば輸出拠点づくりです。グローバル産地に輸出を増やす目標を立てさせて、輸出額の目標が大きいところを重点的にこれは予算を付けるということになっています。
 例えば、牛肉などが重点品目に挙がっていますけれども、畜産農家が育てた和牛というのは輸出に回されると。で、日本国民は輸入の牛肉を食べる、こういう構造が広がるんじゃないんでしょうか。こういうことでよろしいんでしょうかね、大臣。

#129
○国務大臣(野上浩太郎君) 先ほどお話ありましたとおり、今後、人口減少によりまして国内の食市場縮小していくと見込まれます中で、アジアを中心に世界の食市場の規模は大きく拡大すると見込まれておりますので、国内生産を維持拡大するためにも、この高品質といった日本産の強みを生かした輸出拡大が必要だと考えております。
 また、輸出拡大に向けましては、農業生産基盤の整備ですとかスマート農業の加速化等、これは生産性の向上などの国内生産基盤の強化を進める必要があります。これは、このような取組は国内供給における競争力の強化にもつながるわけであります。
 国内農業の生産基盤の強化を図ることによりまして、国内の安定供給と輸出の拡大、これは両立していくものと考えておりまして、しっかりと各施策を進めてまいりたいと考えております。

#130
○紙智子君 そういうことを聞いたわけじゃなくて、輸出でどんどん出していこうと、逆に、そうすると、自給率が今でさえも三八%なわけですから、じゃ、国内で食べるやつはもっと輸入するのかという話ですよ。そういう逆転現象が起きてくるんじゃないですか、それでいいんですかということを聞いたわけですよ。どうですか。

#131
○国務大臣(野上浩太郎君) いや、ですから、その点につきましては、先ほど申し上げましたとおり、輸入額も増加をしておりますが、農業総産出額というのは二〇一三年から二〇一九年で四千億円以上増加をしておりますので、必ずしも国内農業が影響を受けるというわけではないと考えているということであります。

#132
○紙智子君 ちょっとなかなかかみ合わないんですけど、やっぱりコロナ禍で食料の安全保障ということが今すごく問われているわけですよ。そういう中で本末転倒なんじゃないかというふうに思うわけです。
 それで、私、三月の予算委員会で、コロナ禍で飢餓人口の増大が想定されると、予想されている中で、食料を海外に依存していいのかということで大臣に伺いました。大臣は、輸入品からの代替が見込める小麦や大豆などの国産農産物の増産や加工食品、外食、中食向けの国産原料の切替えに取り組んでいくというふうに答弁をされました。
 農産物を輸出する前に、これ輸入品を国産に置き換えるということを重視すべきなんじゃないですか。

#133
○国務大臣(野上浩太郎君) 今お話ありましたとおり、この食料の安定供給というのは国家の最も基本的な責務でありますので、この国内農業の生産基盤を強化をして、輸入が多い農林水産物の国産品への切替え、これを進めていくことは重要であると考えておりますので、このため、今お話しいただきましたとおり、大豆や小麦等の国産農産物の増産ですとか、あるいは加工、外食、中食向けの原料の国産への切替え、あるいは畜産物、リンゴ、ブドウ、イチゴなどの果実の増産等々を進める。さらには、食と環境を支える国民の理解の醸成が必要なので、そのことを伝える新たな国民運動などの展開も通じて、この農林水産物の国産品への切替えに取り組んでまいりたいと考えております。

#134
○紙智子君 国産に取り替えるという話はいいと思うんですけれども、それで、JA全中がアンケートをやっていますけれども、コロナ禍を経て食料安全保障への関心を持っているというのが六割ですね、それとともに、国産の商品をこの間積極的に購入しているというのが七割など、これ国産食料への意識も高まっているということが明らかになっています。
 是非、農水省として、国産農産物や食品の消費拡大の取組も推進していただきたいと思います。
 次に、牛肉の輸出を例にしながらちょっと具体的に聞きますけれども、畜産物の輸出に当たっては、輸出先の規制やニーズに対応するため、生産者、輸出事業者、食肉処理事業者が共同で輸出に取り組むとしています。
 それで、牛肉を輸出する場合に、海外で拠点となる現地の子会社の設立とか、輸出先国での保管施設や物流設備の整備、それから運転資金などの資金が必要になってくるんじゃないかと。海外での設備投資などの資金が必要なので、今は外国法人に対しての出資規制というのは出資総額の五〇%未満となっていますよね、今はね。それが今回の法改正で制限がなくなるということです。
 和牛農家が輸出先の国に子会社を設立をして投資を受けたと、ところが価格競争が激化して、そういう中で撤退を余儀なくされたという場合、これは誰がリスクを負うことになるんでしょうか。

#135
○国務大臣(野上浩太郎君) 本法案は輸出を含めた新たな事業に取り組む事業者に対しまして出資という形で資金調達の後押しをするものでありますので、御指摘の投資事業有限責任組合による投資リスクにつきましては、資金面では組合員全体が負うと、また業務執行面では当該組合の無限責任組合員が投資に係る責任を負うことになります。
 また、言及いただきました今般の五〇%の海外投資規制、投資割合に対する規制の特例措置でありますが、これは輸出先国のコールドチェーン構築等の我が国の農林漁業や食品産業の事業者の持続的発展に寄与する投資について、投資事業有限責任組合の柔軟な資金運用を可能としたものであります。
 他方、御指摘のとおり、一般的に海外の投資というものはリスクが高いということであります。投資を行う投資主体につきましては、対象国のマーケットですとか社会慣習、規制等に関する知見が不可欠と考えられますので、本特例の活用に当たりましては、当該投資事業有限組合の運営を行う者の人員体制ですとか海外投資の実績等を確認することとしており、加えて、その投資が日本の農林漁業の利益に資することを担保するために、承認組合が外国法人に投資するに当たりましては、我が国の事業者との資本関係や取引関係があること、我が国の事業者の持続的な発展に寄与することについて確認を行うこととしているところであります。

#136
○紙智子君 今、長くいろいろ答えていただいたんですけれども、要するに、出資金を返却できる経済力が法人に残っている場合は返却することになるけれども、法人にその余力がなければ投資会社がリスクをかぶることになるということですよね。ですよね。一言確認します。

#137
○政府参考人(太田豊彦君) 投資がうまくいかなかった、事業がうまくいかなかった場合のその処理でございますけれども、それは持分に応じて責任を負うということになります。

#138
○紙智子君 投資会社がなければリスクをかぶるということになるんだと思うんです。
 それで、海外市場で販売先を失ったこの畜産農家というのは、その後販売先ってどうするのかなと。どう確保するんでしょうか。

#139
○政府参考人(太田豊彦君) 輸出に当たっては、このマーケットインの発想に立ちまして、輸出を行う事業者が自ら販売先を開拓しているということになると思います。しかしながら、新たに海外で販路開拓を行う際には、継続的に購入してくれる取引先を開拓する、あるいは安定した輸出につなげるためには試行錯誤が必要というふうになっております。このため、この法律も活用して資金の供給を行うということになります。
 それから、販路の開拓という点では、農林水産物・食品輸出プロジェクト、GFPによりまして、輸出事業者とのマッチング支援、それからジェトロによる商談会や海外見本市への出展の支援、こうしたことで事業者等の海外での販路拡大というのを支援しているところでございます。
 こうした支援によって自ら海外で販路を開く意欲ある生産者の選択肢を増やすというのがこの仕組みでございますし、輸出プロジェクトなど、予算事業の支援によりまして販路開拓を支援してまいります。

#140
○紙智子君 要するに、失敗した場合は、販路を新たにほかの国にするとか探さなきゃいけなくなると。それ誰がやるのかといったら、何というんですか、畜産農家自身がやらなきゃいけなかったり、そこの関連する業者がやったりということなんだけど、どっちにしても大変なことですよね、試行錯誤しながらだから。すごい大変なことだなと思うんですよ。みんなで輸出にチャレンジしようという掛け声はいいんですけれども、失敗したらどうするのかと。
 生産者の所得は本当に上がるのかということも心配です。投資の促進に関する検討会では、農産物の輸出を進めていくためには、輸出先国のニーズに合う商品をコストを掛けずに大量に供給していくシステムが不可欠であるというふうに指摘しています。輸出体制に生産者が組み込まれてしまうと、これ品質だけでなく、価格的にもニーズに合わせざるを得ません。それでは農産物が買いたたかれることにもなるんじゃないでしょうか。どうでしょう。

#141
○政府参考人(太田豊彦君) 輸出の拡大につきましては、今後縮小していく国内の食市場という状況にありますので、拡大する海外の食市場を狙い、マーケットを獲得していくというのが輸出の拡大の趣旨でございます。
 その際に、安売りをしてですね、極端なことを言えば、赤字でも売り続けるというようなことというのは本来の輸出拡大の趣旨にそぐわないものでございますので、農林水産省あるいは政府を挙げての支援の中で輸出拡大が農林漁業者の所得の拡大につながるように各般の支援を行ってまいりたいというふうに考えております。

#142
○紙智子君 投資家は、資金を運用して利益を上げて何ぼの世界ですよね。規制改革推進会議農林水産ワーキング・グループの専門委員である齋藤一志さん、先ほど森さんも紹介されていましたけど、庄内こめ工房代表取締役ですけど、出資を受けたアグリビジネス社の配当要求が余りにも強くて、利益が百万円出たら全額優先配当をしてくれというふうに要望されて、頭にきて株式を全量買い戻したと、経営する別会社では、大手の商社より出資を受けたんだけれども、三年連続、あっ、三期連続赤字で出資金を引き揚げられたと、これが現実だというふうに言われているわけです。
 利益がどんどん出て配当がすぐ来るとか、大幅な取引増にはつながることがないと資本を引き揚げられてしまうんだと、そういうことを言って、法人経営がこれ投資会社に左右されていくことになるんじゃないかと心配をするんですけど、大臣、いかがですか。

#143
○国務大臣(野上浩太郎君) この投資につきましては、これはあらかじめ当事者間で契約した投資契約に基づいて行われるものと考えておりますが、本法に限らず、一般的に、投資は、投資主体が投資先の議決権を保有をして資金を供給をする、そして経営に参画することによって投資先の成長を図ることを目的とするものでありまして、一方で、その投資を受け入れる法人等についても、その投資によって事業に係る知見やノウハウを有する者を受け入れて経営向上につながるといったメリットがあるわけであります。
 一方で、御指摘のとおり、農林漁業と食品産業の持続的な発展を図るということをこの本法は目的とするものでありますので、農林漁業法人への投資につきましては、農林水産省が投資主体の投資事業計画を審査をして、適切と認められるものを承認することとしております。
 したがって、専らその投機的な利益だけの追求を目的とする投資を行う投資主体は承認を行わないということとしております。その上で、承認を受けた投資主体につきましては、運営状況の把握のための定期的な報告を求めることですとか、あるいは必要に応じて改善命令を発することなどを通じて適切な監督を行って、国の関与により適切な運営が確保されるように努めてまいりたいと考えております。

#144
○紙智子君 この事例のほかにも、実は、輸出に取り組む農業法人が投資会社から配当を強く要求されて、配当を支払うと自社の利益を確保できないために借金してまで株を買い戻したという話も聞いているんですよ。ほかにもあるんですよ。
 農家の経営が投資家に左右されていいのかと思うんですね。農家には、やっぱり国民への食料を安定供給するという大事な役割があるんだと思います。この法改正によって、投資会社は漁業生産組合への投資が、出資が可能となって、漁業者でなくても組合員になることができます。
 漁業生産組合は、漁業者が協同して自らの経済的、社会的地位の向上を図るための相互扶助組織です。組合は、所有と経営と労働の一致を理想として、労働の協同化のために参加する者を組合員としてきました。今回、投資会社が組合員となって経営に介入すれば、漁業生産組合の性格は変質するんじゃないでしょうか、これも一言答えてください。

#145
○委員長(上月良祐君) 時間が参りましたので、簡潔にお願いいたします。

#146
○国務大臣(野上浩太郎君) はい。
 今般の改正によります承認会社による投資の目的は、農林漁業法人等の自己資本の充実を促進をしてその健全な成長発展を図ることにありますので、農林水産大臣の承認を受けた事業計画に基づいて投資が行われることから、これら農業生産の協業を助長し、共同の利益を増進するという漁業生産組合の目的にも合致するものと考えております。

#147
○委員長(上月良祐君) 時間ですので。

#148
○紙智子君 時間ですので、終わります。

#149
○須藤元気君 無所属の須藤元気です。
 本日の議題は投資がテーマとなっている法案です。私も両親からたくさん投資をしてもらい、おまえにはすねどころか大腿骨までかじられたと親にいつも言われております。とにかく子供の頃からいろんなことにチャレンジさせてくれたすばらしい投資家である親に感謝して質疑に入らさせていただきます。
 さて、チャレンジには失敗や試行錯誤が付き物であり、失敗を失敗のままで終わらせず、また新たな事業に挑む人の後押しをする意味でも、こうしたチャレンジを社会全体で支えることは非常に重要なことだと考えております。
 そこでまず、今回の法改正の考え方についてお伺いします。
 今回の法改正は、元々あった農業法人に対する投資の円滑化を目的とした法律の対象を食品産業などに拡大するものということです。ほかの委員の質問と重複する部分もあると思いますが、まずは現在の仕組みや今回の改正の趣旨について、簡潔に確認させていただいてもよろしいでしょうか。

#150
○国務大臣(野上浩太郎君) 現在の投資円滑化法の仕組みは、民間金融機関等が設立します株式会社又は投資事業有限責任組合を対象としまして、これら投資主体が国の承認を受けることによって日本政策金融公庫からの出資を受けられる等の特例措置を講じることによって農業法人への民間投資の円滑化を図るものであります。
 一方で、今般の改正では、この農林漁業ですとか食品産業の分野におきまして、輸出やスマート農林水産業の新たな取組が行われてきている一方で、農林漁業はやはり生産活動サイクルが長いという特徴がありますし、投資回収までの期間が長いために、民間ファンドの資金はIT分野などの投資回収までの期間が短い分野に集中をして、外部からの投資を十分に受けることが難しい状況にあることを踏まえて、法が定める投資の対象を現行の農業法人から林業、漁業、食品産業の事業者に拡大をするとしたところであります。
 農林水産省としましては、この民間の投資主体によります関連分野への資金供給の円滑化を通じて農林漁業の持続的な発展を図ってまいりたいと考えております。

#151
○須藤元気君 ありがとうございます。
 それでは次に、この法案に絡めてフードテックに関して質問をさせていただきます。
 前回の質疑でも触れましたが、フードテックとは、食と最先端のテクノロジーを利用し、食の持つ可能性を広げていくというもので、世界の食料問題の解決にも役立つとされています。
 その中で、フードテックに対する投資については、近年、世界的に増加傾向にあり、二〇一二年には世界の投資規模二千三百四十四億円だったのが二〇一八年には二兆三千百七十七億円と約十倍近くにまで拡大しています。
 また、国別に見てみると、フードテックへの投資が最も盛んなアメリカでは九千五百七十四億円の投資規模がある一方、日本は九十七億円と、約百倍もの差があります。さすがに投資額が百倍違うとメジャーリーグとマイナーリーグでは収まらない差になると思います。
 是非、フードテック界の大谷選手のような存在をつくるべくもっと投資を行っていく必要があると考えますが、このような取組を行っている事業者も今回の改正で新たに対象となるのか、教えてください。

#152
○政府参考人(太田豊彦君) お答えをいたします。
 農林水産省といたしましては、我が国の食品産業を強化する観点から多様な食の需要に適切に対応した産業を振興していくことが重要であると考えておりまして、本法案におきましても、投資対象として食品産業の事業者や、農林漁業又は食品産業の事業者の合理化、高度化その他の改善を支援する事業活動を行う法人、これらを新たに加えることとしている、こととしておりますので、フードテック分野も投資対象となり得るというふうに考えております。
 当省が実施をいたしました検討会、ヒアリングなどにおきましても、委員前回触れられました昆虫食の事業であるとか代替肉の事業、あるいは家畜の生体管理システムや農業用ロボットの開発などの新事業の開発時における施設整備費用、あるいは黒字化が実現するまでの中期的な運転資金などの点で今後の投資活用のニーズを把握しているところでございます。
 本法案におけるフードテック分野への投資推進を通じて、多様な食の需要に対応した新たな市場の創出を推進してまいりたいと考えております。

#153
○須藤元気君 是非、持続可能な社会をつくるためにも、このフードテックを推進していただければと思います。
 次に、この法案によるコロナ禍における食品産業への支援についてお伺いします。
 食品産業、私自身もやっていますが、特に飲食店は度重なる時短要請で非常に苦しい思いをされている方が多いと思います。先週は都内から、午後九時だった閉店時間が再び午後八時になりました。僅か一時間、されど一時間です。この一時間の差は、店をやっている側からとして、すごい、非常に大きいです。例えば、会社勤めをしている人が六時に仕事を終えたとしても、店に来るのが大体七時ぐらいになってしまいます。すぐにドリンクラストオーダーになってしまい、まるで時間内で飲むハッピーアワーみたいな感じになってしまいます。せめて九時までやらせてもらいたいというのが、多くが飲食店が思っているところです。
 このコロナを収束させること、これが何よりも重要だと分かっておりますが、この一時間の差でこの拡大防止にどれだけ影響があるのか、疑問も正直あります。民間の調査会社のデータによると、コロナウイルス関連での倒産の件数は本年に入って急増しており、食品関連の事業者はその中でも多数を占めていました。このように、いつ収束するか分からないこの状況下において、どんどん窮地に追い込まれている状況です。
 今回、投資対象を拡大し、民間の投資を支援するということですが、この法律はコロナ対策にもなるのか、お聞かせください。

#154
○政府参考人(太田豊彦君) お答えをいたします。
 新型コロナウイルスの影響を受けまして、食品産業等の分野におきましては、例えば外食産業でありますと、需要が見込まれる業態、例えば居酒屋から焼き肉屋に転換するといった、そうした業態転換、あるいは、コロナ禍で影響を受けた観光業や飲食業の人材を農家に紹介するサービスの展開、こういった新たな生活様式に対応した取組が行われてきているものと承知をしております。
 本法案は、こうした新たな生活様式に対応した事業転換などの、コロナの影響からの反転攻勢を目指す前向きな取組への資金供給を促進するものでもありますので、外食産業等、農林水産関連産業における重要なコロナ対策の一つと位置付けているところでございます。

#155
○須藤元気君 では、具体的に投資が行われている場面についてお聞きしますが、この法律は民間の投資を促進するのが狙いということです。今回の改正でどんな人たちが制度に参加して投資を行うことを想定しているのでしょうか。また、民間の資金供給を円滑化するためにどんな支援を行うのか、教えてください。

#156
○政府参考人(太田豊彦君) 現行の農業法人投資円滑化法に基づき承認を受けている投資主体といたしましては、農林中央金庫等のJA系統が主体となったアグリビジネス投資育成株式会社が一社と、地銀等が主体となった投資事業有限責任組合が二十二組合となっております。
 本制度は民間主導の枠組みをつくるもので、枠組みによるものでありまして、今後の投資主体の参画について現時点で予断をするということはなかなか困難ではありますけれども、農業法人のみが対象となっている現行法下におきましても、平成二十六年の投資事業有限責任組合の制度追加以降、着実に承認を受けた投資事業有限責任組合が増加していることから、今回の対象拡大によって新たな承認申請というのも期待できるところだというふうに考えております。
 農林水産省としては、投資主体の承認に関する審査の視点、これをガイドライン等で分かりやすくお示しするとともに、多様な主体の参加を得るべく、制度の周知を丁寧に行ってまいりたいと考えているところでございます。

#157
○須藤元気君 投資というと、特定の会社が受けるものであったり、IT等の先進的な分野で、かつ地方より都市で行われているパターンが多いのではないでしょうか。私は東京生まれ、東京育ちですが、北海道の網走に住んでいた経験があるので、その温度差というか、イメージがあります。
 ちなみに、網走というと刑務所を思い浮かべる方が多いと思います。私も、網走に住んでいたとき、東京に来る際、仮出所で来ていますと冗談をよく言っておりましたが、実は、全国の刑務所で網走刑務所は唯一畜産に乗り出しております。飼育する農場は約三百六十ヘクタールで、農場では塀に囲われていない約百頭の牛が伸び伸びと暮らしているとのことです。塀の中にいる人が塀のない牛を育てるという、なかなか感慨深いものがありますが、その名も監獄和牛というウイットに富んだネーミングであります。
 畜産、農産物は、生産だけでなく加工、流通、販売や関連のサービスを通じて地域全体の産業となっており、地方にとって農林漁業、食品産業が地域を支える重要な産業となっていることは言うまでもないことかと思います。
 また、北海道に限らず全国各地に行く機会がありますが、地方のシャッターの閉まった商店街など見かけます。これまで観光でにぎわっていた地域でもコロナの影響で観光客が激減して、ますます地方のエネルギーが失われてしまうのではないかと心配しております。
 そこでお尋ねしますが、この制度に基づいて一つ一つの会社に投資することが日本の地域の農業者や食品産業事業者の役に立つのでしょうか。今までの投資円滑化法による投資実績や想定される事例など含めて、具体的にお答えいただければと思います。

#158
○副大臣(宮内秀樹君) お答えをいたします。
 現行の投資円滑化法案では、承認会社を通じまして、四十三の都道府県におきまして、農業法人が行う生産設備の高度化や規模拡大の取組等に対しまして、二百五十七件、七十九億八千万円の投資が行われてきたところでございます。地域における農産物の生産の維持拡大や付加価値の向上に貢献してきたものと評価しておりますし、まさにこういう事例をどんどん増やしていきたいというふうに思ってのこの法律改正でございます。
 農林漁業、食料産業の分野におきましての投資活用が想定される事例、委員御指摘のところでございますが、当省が実施いたしました有識者検討会やヒアリングにおきまして、こういう事例のニーズがあるということでございます。輸出用のサプライチェーン構築に当たっての設備整備とか、陸上養殖の試験や研究段階から事業化ステージに移行するための施設整備や販売会社の設立、あるいは木材チップ等の加工事業の全国展開を行うための伐採運搬用重機の購入とか設備の整備、これらのニーズがあるというふうに把握しております。そうした新たな取組にチャレンジをする事業者の活用が想定され、期待されるところでございます。
 今般の改正は、農業法人に加えまして、林業とか漁業を営む法人や食品産業やスマート農林水産業等を投資対象として、フードバリューチェーン全体の投資を促進することとしております。地域の農林水産業、食品産業の事業者への投資の拡大を通じた生産性の向上や輸出拡大、フードテック等の新規分野の開拓等に資するものでありまして、農林水産業、食品産業の事業者の所得の向上や、まさに地域の経済の活性化に貢献するものというふうに考えて、期待しているところでございます。

#159
○須藤元気君 ありがとうございます。
 先ほど舟山先生が点から面へとおっしゃっていましたが、是非、幅広く、面で考えて資金供給をしていただければと思います。
 次に、外国法人への投資について質問をさせていただきます。
 冒頭、チャレンジの重要性について強調させていただきましたが、海外への挑戦はその中でも困難を伴うものだと思います。海外進出して現地で日本食レストランを経営されたり、日本の食材を活用した食品を製造しているメーカーの方々がいることはうれしく思います。先生方も、海外に旅行なり視察に行ったときに、日本のレストランを見たり、地元のスーパーでしょうゆだったり日本のカップラーメンがあって、ほっとした経験ないですかね。何か僕はあるんですが。
 実は私、昨年まで二年間ですが、フィリピンのセブ島にあるQQイングリッシュという英語学校の校長をやっておりました。実はここのオーナーは日本人でして、海外進出に当たっては、慣れない土地での経営となり、事業を軌道に乗せるのが大変だったというお話を聞きました。特に、文化、制度、環境や言葉も異なる海外で成功することは簡単ではないと思います。現在はコロナ禍の影響により厳しい状況が続いており、残念ながら私もその影響で、校長、まあ雇われ校長だったので退任いたしました。この学校はオンラインレッスンもあるので千人以上の先生を雇っているので、マネジメントに大変苦労されているとのことです。
 さて、そこで質問です。今回、外国法人への投資に関する改正も行うことですが、海外に打って出ることを支援するという方向性については評価できることだと思います。今回、海外法人へのこの出資を支援することになった趣旨、その仕組みについて教えてください。

#160
○政府参考人(太田豊彦君) お答えをいたします。
 本法案は、昨年十一月に取りまとめられました農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略にも位置付けられておりまして、輸出の重要施策の一つと考えております。このため、農業者に加えまして、林業、漁業の事業者や食品の加工、流通、輸出等の食品産業の事業者も取り組む必要があるため、こうした事業者も本制度の対象として追加をしたところでございます。
 さらに、海外現地の日本食レストランなど、農林水産物・食品の輸出に資する事業活動を行う外国法人についても本制度の投資の対象に追加をいたしまして、フードバリューチェーン全体への投資の促進を図ろうというものでございます。
 今回の改正では、外国法人に対する投資が適切に行われるよう、外国法人に対して投資を行う投資会社等が本法の承認を受けようとする場合には、投資先の選定の基準から想定される投資先が我が国の農林漁業又は食品産業の持続的発展に寄与するものであるかどうかについて審査をすることを想定しております。
 また、投資事業有限責任組合契約に関する法律に基づく外国法人に対する投資額を全体の五〇%未満とする制限につきまして、我が国の農林漁業又は食品産業の事業者の発展に寄与することについて農林水産大臣の確認を受けた投資に関しては、外国法人に対する投資額の制限が掛からないようにする特例措置を設けるものでございます。

#161
○須藤元気君 ありがとうございます。
 海外でチャレンジする人を支えていくことは非常に重要だと思います。そして、海外に限らず、国内においても新たな可能性に挑戦する人にこの法律がしっかりとその支えになっていくことを期待して、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#162
○委員長(上月良祐君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

#163
○紙智子君 私は、日本共産党を代表して、農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法の一部を改正する法律案に反対する討論を行います。
 本法案は、農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略を推進するために、農業法人に限定していた投資会社の投資対象を、林業、漁業を営む法人、食品製造企業や輸出企業等に広げるものです。利益を追求する投資会社に農業を委ねていいのでしょうか。
 改正案に反対する第一の理由は、農林漁業者にリスクを負わせるものだからです。
 改正によってリスクマネーの供給を進めるとしています。既に、アグリビジネス社から出資を受けた農業法人は、百万円の利益が出たら全額優先配当を要求され、株式を全量買い戻したことや、三期連続して赤字になったら出資金を引き揚げられたことなどの実態を報告しています。
 農林漁業は天候の影響を受けやすい産業です。経営が黒字になれば配当を要求され、赤字になれば出資金を引き揚げられる仕組みでは経営の安定は図れません。これでは国民への食料を安定供給することはできません。リスクマネーを供給する仕組みではなく、価格保障、所得補償を充実させることが求められています。
 第二の理由は、投資による企業支配が強まれば、農家の利益が左右され、所得の増大につながらないからです。
 農林水産物・食品の輸出等への投資の促進に関する検討会は、農産物を輸出するには出資先のニーズに合う商品をコストを掛けずに大量に供給するシステムが不可欠であると指摘をしています。輸出戦略目標を達成するために生産者が輸出体制に組み込まれれば、生産物が買いたたかれる可能性もあります。輸出拠点となる海外子会社が価格競争で撤退したら、生産者もリスクを負うことになります。
 第三の理由は、協同組合の性格を変質させるものだからです。
 投資会社は漁業生産組合への出資が可能となり、漁業者でなくても組合員になることができます。これは、労働の協同化のために漁業生産組合の組合員を漁業者に限定している水産協同組合法第七十九条を空洞化するものです。
 コロナ禍によって、生命の源である食料の安定供給が問われています。今必要なのは、輸入自由化路線によって過度に海外に依存する食料を国産に切り替えるなど、食料自給率の向上を図ることです。
 食料の安全保障や食料主権を重視する政治への転換を求めて、反対討論とします。

#164
○委員長(上月良祐君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#165
○委員長(上月良祐君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、田名部さんから発言を求められておりますので、これを許します。田名部匡代さん。

#166
○田名部匡代君 私は、ただいま可決されました農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会及び国民民主党・新緑風会の各派並びに各派に属しない議員須藤元気さんの共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    農業法人に対する投資の円滑化に関する特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  農林漁業及び食品産業を取り巻く諸情勢の変化に対処し、その持続的な発展に向けては、家族農業経営発展の支援及び農業経営の法人化を引き続き推進するとともに、農林漁業の生産現場から、輸出、製造、加工、流通、小売、外食等に至るフードバリューチェーン全体への資金供給の促進を図ることが重要な課題となっている。
  よって政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。
 一 改正後の農林漁業法人等投資育成事業の投資対象が現行よりも大幅に追加・拡大される前提として、我が国の農林漁業は、家族経営及び地域に根差した法人等による経営が中心であり、これらの農林漁業者の経営の安定と所得の向上がその持続的な発展に必要不可欠であることを十分認識し、政府主導で設立した株式会社農林漁業成長産業化支援機構の反省も踏まえた上で、本法に基づく民間の資金供給を促進する制度を適切に運用すること。
 二 農林漁業法人等に対する投資育成事業の実施に当たっては、出資、融資等の資金調達に係る利用者の自主的な判断を尊重した上で、農林漁業法人等が本制度による出資を活用する際に、農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略の実施、六次産業化の推進等、農林漁業及び食品産業の持続的な発展に寄与するための幅広い施策との連携が可能となるよう、丁寧な制度の説明及び周知を図ること。
 三 外国法人への投資割合規制を緩和する改正後の法第十二条の運用等、外国法人に対する投資育成事業の実施に当たっては、国内における投資以上に投資リスクが懸念されることを踏まえて、投資主体に対する適切な指導・監督を行う体制を確保する観点から事業計画の承認に係る基準等を定めるとともに、当該投資リスクの低減に万全を期すこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

#167
○委員長(上月良祐君) ただいま田名部さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#168
○委員長(上月良祐君) 多数と認めます。よって、田名部さん提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、野上農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。野上農林水産大臣。

#169
○国務大臣(野上浩太郎君) ただいまは法案を可決いただき、ありがとうございました。
 附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。

#170
○委員長(上月良祐君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#171
○委員長(上月良祐君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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