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2021/04/20 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 内閣委員会 第13号 令和3年4月20日
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2021/04/20 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 内閣委員会 第13号 令和3年4月20日

#1
令和三年四月二十日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十五日
    辞任         補欠選任
     加田 裕之君     岡田 直樹君
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     岡田 直樹君     加田 裕之君
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     加田 裕之君     岡田 直樹君
     杉尾 秀哉君     森屋  隆君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         森屋  宏君
    理 事
                酒井 庸行君
                徳茂 雅之君
                木戸口英司君
                平木 大作君
                矢田わか子君
    委 員
                大家 敏志君
                岡田 直樹君
                加田 裕之君
                古賀友一郎君
                高野光二郎君
                山田 太郎君
                山谷えり子君
                和田 政宗君
                小沼  巧君
                塩村あやか君
                杉尾 秀哉君
                森屋  隆君
                石川 博崇君
                柴田  巧君
                高木かおり君
                市田 忠義君
                田村 智子君
   衆議院議員
       修正案提出者   松本 剛明君
       修正案提出者   後藤 祐一君
       修正案提出者   濱村  進君
       修正案提出者   足立 康史君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(マイナ
       ンバー制度))  平井 卓也君
   副大臣
       内閣府副大臣   藤井比早之君
       総務副大臣    熊田 裕通君
       総務副大臣    新谷 正義君
       文部科学副大臣  丹羽 秀樹君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        岡下 昌平君
       内閣府大臣政務
       官        和田 義明君
       総務大臣政務官  宮路 拓馬君
       文部科学大臣政
       務官       鰐淵 洋子君
       厚生労働大臣政
       務官       大隈 和英君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮崎 一徳君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       向井 治紀君
       内閣官房内閣審
       議官       時澤  忠君
       内閣官房内閣審
       議官       冨安泰一郎君
       内閣官房内閣審
       議官       二宮 清治君
       内閣官房内閣審
       議官       江口 純一君
       内閣法制局第二
       部長       平川  薫君
       人事院事務総局
       人材局長     西  浩明君
       内閣府大臣官房
       審議官      村手  聡君
       内閣府知的財産
       戦略推進事務局
       次長       渡邊 厚夫君
       警察庁長官官房
       サイバーセキュ
       リティ・情報化
       審議官      河原 淳平君
       警察庁交通局長  高木 勇人君
       個人情報保護委
       員会事務局長   福浦 裕介君
       金融庁総合政策
       局参事官     田原 泰雅君
       総務省大臣官房
       審議官      阿部 知明君
       総務省大臣官房
       審議官      黒瀬 敏文君
       総務省大臣官房
       審議官      辺見  聡君
       法務省大臣官房
       政策立案総括審
       議官       竹内  努君
       法務省大臣官房
       審議官      保坂 和人君
       文部科学省大臣
       官房学習基盤審
       議官       塩見みづ枝君
       文部科学省大臣
       官房審議官    川中 文治君
       文化庁審議官   榎本  剛君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    宮崎 敦文君
       厚生労働省子ど
       も家庭局児童虐
       待防止等総合対
       策室長      岸本 武史君
       経済産業省大臣
       官房審議官    三浦 章豪君
       防衛省大臣官房
       公文書監理官   齋藤 雅一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○デジタル社会形成基本法案(内閣提出、衆議院
 送付)
○デジタル庁設置法案(内閣提出、衆議院送付)
○デジタル社会の形成を図るための関係法律の整
 備に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○公的給付の支給等の迅速かつ確実な実施のため
 の預貯金口座の登録等に関する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○預貯金者の意思に基づく個人番号の利用による
 預貯金口座の管理等に関する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(森屋宏君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 デジタル社会形成基本法案外四案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官向井治紀君外二十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○委員長(森屋宏君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────

#4
○委員長(森屋宏君) デジタル社会形成基本法案、デジタル庁設置法案、デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案、公的給付の支給等の迅速かつ確実な実施のための預貯金口座の登録等に関する法律案及び預貯金者の意思に基づく個人番号の利用による預貯金口座の管理等に関する法律案、以上五案を一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。平井国務大臣。

#5
○国務大臣(平井卓也君) この度、政府から提出をしたデジタル社会形成基本法案につきまして、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。
 情報通信技術が急速に進展し、国民の生活が大きく変化する中、データの利活用が、あらゆる分野における創造的かつ活力ある発展の実現のために不可欠となっています。また、新型コロナウイルスへの対応において、国や地方公共団体のデジタル化の遅れや不十分なシステム連携を背景に煩雑な手続や給付の遅れが生じるなど、社会全体のデジタル化の推進が喫緊の課題となっています。
 さらに、少子高齢化等の社会構造の変化により、社会の多様性が増していく中、情報通信技術の活用により、一人一人のニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会を実現することが重要です。
 この法案は、こうした状況を踏まえ、デジタル社会の形成に関する施策を迅速かつ重点的に推進し、もって我が国経済の持続的かつ健全な発展と国民の幸福な生活の実現に寄与することを目的とするものであります。
 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、デジタル社会を、インターネットその他の高度情報通信ネットワークを通じて自由かつ安全に多様な情報又は知識を世界的規模で入手し、共有し、又は発信するとともに、先端的な技術を始めとする情報通信技術を用いて電磁的記録として記録された多様かつ大量の情報を適正かつ効果的に活用することにより、あらゆる分野における創造的かつ活力ある発展が可能となる社会と定義することとしております。
 第二に、デジタル社会の形成に関し、ゆとりと豊かさを実感できる国民生活の実現、国民が安全で安心して暮らせる社会の実現、利用の機会等の格差の是正、個人及び法人の権利利益の保護等の基本理念について定めることとしております。
 第三に、デジタル社会の形成に関し、国、地方公共団体及び事業者の責務等について定めることとしております。
 第四に、デジタル社会の形成に関する施策の策定に当たっては、多様な主体による情報の円滑な流通の確保、高度情報通信ネットワークの利用及び情報通信技術を用いた情報の活用の機会の確保、人材の育成、生産性や国民生活の利便性の向上、国民による国及び地方公共団体が保有する情報の活用、公的基礎情報データベースの整備、サイバーセキュリティーの確保、個人情報の保護等のために必要な措置が講じられるべき旨について定めることとしております。
 第五に、別に法律で定めるところにより内閣にデジタル庁を設置し、政府がデジタル社会の形成に関する重点計画を作成するとともに、高度情報通信ネットワーク社会形成基本法を廃止することとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容であります。政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第ですが、衆議院において修正が行われております。
 次に、デジタル庁設置法案につきまして、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。
 この法律案は、デジタル社会形成基本法に基づき、デジタル社会の形成に関する司令塔として、強力な総合調整機能を有するデジタル庁を設置し、デジタル社会の形成に関する施策を迅速かつ重点的に推進することを目的とするものであります。
 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、デジタル庁の設置、任務、所掌事務について定めております。
 デジタル庁は、内閣に置き、デジタル社会の形成についての基本理念にのっとり、デジタル社会の形成に関する内閣の事務を内閣官房とともに助けること、デジタル社会の形成に関する行政事務の迅速かつ重点的な遂行を図ることを任務としております。
 また、その任務を達成するため、デジタル社会の形成のための施策に関する基本的な方針に関する企画立案及び総合調整をつかさどるほか、デジタル社会の形成に関する重点計画の作成及び推進、行政手続における特定の個人又は法人その他の団体を識別するための番号等の利用、情報通信技術を用いた本人確認に関する総合的かつ基本的な政策の企画立案及び推進、データの標準化、外部連携機能及び公的基礎情報データベースに関する総合的かつ基本的な政策の企画立案及び推進、国の行政機関、地方公共団体その他の公共機関及び公共分野の民間事業者の情報システムの整備及び管理の基本的な方針の作成及び推進、国の行政機関が行う情報システムの整備及び管理に関する行政各部の事業の統括及び監理等をつかさどることとしております。
 第二に、デジタル庁の組織について定めております。
 デジタル庁は、内閣総理大臣を長とし、事務統括権、関係行政機関の長に対する勧告権等を有するデジタル大臣を置くとともに、副大臣一人、大臣政務官一人に加え、デジタル大臣に進言等を行い、かつ、庁務を整理し、各部局及び機関の事務を監督する内閣任免の特別職であるデジタル監等を置くこととしております。
 また、デジタル庁に、全ての国務大臣等をもって組織するデジタル社会推進会議を置くこととしております。
 なお、この法律は、一部を除き、令和三年九月一日から施行することとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容であります。
 次に、デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。
 情報通信技術が急速に進展し、国民の生活が大きく変化する中、データ利活用の重要性が高まっており、データの適正な利用のためのルール整備と併せ、マイナンバーの情報連携の促進やマイナンバーカードの利便性の向上及び普及の促進等を図る必要があります。また、新型コロナウイルス感染症への対応において、押印、書面を前提とした制度、慣行がテレワークの支障となるなど、社会全体のデジタル化の推進が喫緊の課題となっています。
 この法律案は、こうした状況を踏まえ、デジタル社会形成基本法に基づきデジタル社会の形成に関する施策を実施するため、個人情報の保護に関する法律、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の関係法律について所要の整備を行うものであります。
 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、個人情報の保護に関する法律、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律、独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律の三法を個人情報の保護に関する法律に統合するとともに、地方公共団体の個人情報保護制度についても改正後の個人情報の保護に関する法律において全国的な共通ルールを規定し、全体の所管を個人情報保護委員会に一元化する等の措置を講ずることとしております。
 第二に、国家資格に関する事務等における個人番号の利用や情報連携を拡大するとともに、従業員本人の同意があった場合における転職時等の使用者間での特定個人情報の提供を可能とすることとしております。
 第三に、地方公共団体が指定した郵便局におけるマイナンバーカードの電子証明書の発行、更新等、公的個人認証サービスにおける本人同意に基づく基本四情報の提供及び電子証明書の移動端末設備への搭載を可能とする等の措置を講ずることとしております。
 第四に、地方公共団体情報システム機構の代表者会議に主務大臣又はその指名する者を加えるとともに、同機構の個人番号カード関係事務について、国が目標設定、計画認可、財源措置を行うこととするなど、国によるガバナンスを強化することとしております。
 第五に、押印を求める手続についてその押印を不要とするとともに、書面の交付等を求める手続について電磁的方法により行うことを可能とすることとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容であります。
 次に、公的給付の支給等の迅速かつ確実な実施のための預貯金口座の登録等に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。
 この法律案は、デジタル社会形成基本法案に定めるデジタル社会の形成についての基本理念にのっとり、デジタル化等による公的給付等の受取手続の簡素化、迅速化を進めるため、各行政機関等が行う公的給付の支給等に利用することができる預貯金口座を、内閣総理大臣にあらかじめ登録し、行政機関等が当該預貯金口座に関する情報の提供を求めることを可能とするものです。あわせて、緊急時等の公的給付の支給を実施するための情報について個人番号を利用して管理できることとする等により、公的給付の支給等の迅速かつ確実な実施を図ることを目的とするものであります。
 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、預貯金者は、公的給付の支給等に係る金銭の授受に利用することができる一の預貯金口座について、オンラインにより、又は金融機関の窓口等を通じ、内閣総理大臣に申請をして、その登録を受けることを可能とすることとしております。
 第二に、行政機関等は、公的給付の支給等に係る金銭の授受をするために必要があるときは、登録された預貯金口座に関する情報について、内閣総理大臣に対し提供を求めることを可能とすることとしております。
 第三に、行政機関等は、個別の法律の規定によらない公的給付のうち、国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある災害若しくは感染症が発生した場合に支給されるもの、経済事情の急激な変動による影響を緩和するために支給されるものとして内閣総理大臣が指定するものの支給を実施しようとするときは、当該支給を実施するための基礎とする情報を個人番号を利用して管理することを可能とすることとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容であります。
 次に、預貯金者の意思に基づく個人番号の利用による預貯金口座の管理等に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。
 この法律案は、デジタル社会形成基本法案に定めるデジタル社会の形成についての基本理念にのっとり、預貯金者の意思に基づく預貯金口座への個人番号の付番を推進する仕組みや、災害時又は相続時に預貯金者又はその相続人の求めに応じ、預貯金口座に関する情報を提供する制度を創設すること等により、行政運営の効率化及び行政分野における公正な給付と負担の確保に資するとともに、預貯金者の利益の保護を図ることを目的とするものであります。
 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、預貯金者は、預貯金口座への個人番号の付番を希望する旨を申し出ることができるとともに、金融機関は、預貯金契約その他重要な取引を行う場合に、預貯金者に対し、付番の意思について確認しなければならないこととしております。
 第二に、預貯金者本人の意思に基づき、預金保険機構を介して、一度の申出により、複数の金融機関の預貯金口座への個人番号の付番を可能とすることとしております。
 第三に、災害又は相続の際に、預貯金者又はその相続人が、既に付番された預貯金口座の所在情報を金融機関窓口で確認するサービスを可能とすることとしております。
 第四に、国は、預金保険機構及び金融機関と協力して、預貯金口座への個人番号の付番について必要な広報等を行うものとするほか、預金保険機構の業務の特例として、この法律に基づき預金保険機構が行う業務について預金保険法を適用することとする等、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。

#6
○委員長(森屋宏君) この際、デジタル社会形成基本法案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員松本剛明君から説明を聴取いたします。松本剛明君。

#7
○衆議院議員(松本剛明君) ただいま議題となりましたデジタル社会形成基本法案の衆議院における修正部分のうち、まず、第八条関係につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 第八条は利用の機会等の格差の是正を定めるものであります。障害を要因とする利用機会等の格差を是正する趣旨につきまして、政府原案においては同条の身体的な条件との例示及びその他の要因との文言から、身体障害のほか知的障害や精神障害など様々な態様の障害が含まれると解するとされましたが、障害全般が明示されるような表現に修正することといたしました。
 次に、本修正の内容について御説明申し上げます。
 デジタル社会の形成に当たって是正が図られなければならない利用機会の格差の要因について、「身体的な条件」を「障害の有無等の心身の状態」に改めるとともに、その他所要の規定を整備することとしております。
 第八条関係は以上であります。
 次に、第九条関係につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 政府原案は、第九条において、国及び地方公共団体の役割として、国民の利便性の向上並びに行政運営の簡素化、効率化及び透明性の向上等を挙げておりました。しかし、透明かつ公正公平なデジタル社会を目指すに当たっては、公正な給付と負担の確保という理念も重要であることから、これを国及び地方公共団体の役割として追加することといたしました。
 次に、本修正の内容について御説明申し上げます。
 デジタル社会の形成に当たって国及び地方公共団体が行う施策に公正な給付と負担の確保のための環境整備を追加することとしております。
 第九条関係は以上であります。
 いずれにつきましても、何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

#8
○委員長(森屋宏君) 以上で五案の趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#9
○高野光二郎君 おはようございます。
 平井大臣ほか関係省庁の政務官、そして副大臣の皆様もありがとうございます。
 それでは、早速質問をさせていただきたいと思います。
 これまで、日本のICTの年間額の投資額に対し、米国のICTの投資額を比較しますと、一九九四年には一・四倍のその日本とアメリカの金額の差だったんですが、二〇一六年には四倍に広がりました。アメリカとの投資額がどんどん広がっています。一九九〇年代、二〇〇〇年代を通じて成長を続けているアメリカはICT革命によって労働生産性を大きく高めたのに対し、日本はICTへの投資が驚くほど少なく、デジタル化への対応が遅れていると言われています。
 これまで日本国政府は、二〇〇〇年にITの基本法を制定して、二〇一四年にはサイバーセキュリティ法、二〇一六年には官民データの活用推進基本法、二〇一九年にはデジタル手続法を制定をいたしまして取り組んできましたが、二〇二〇年の世界ランキングでは、日本は六十三か国中二十七位と低迷をしております。
 そこで、平井卓也大臣にお伺いをいたします。
 世界と比較して日本のデジタル化が遅れている原因は何だと考えるのか、見解と御所見をお伺いいたします。

#10
○国務大臣(平井卓也君) 質問ありがとうございます。
 デジタル化の取組については国際比較を、国際規格のランキングが公表されていますが、ほかの国々と我が国とでは社会的な背景とか国家規模等も異なるため一概には比較できないものの、日本のデジタル化がやっぱり相当遅れているというふうに認識をしております。
 先生御指摘の、その今までの我が国のデジタル戦略において、二〇〇一年一月に最初の、一月、IT戦略としてe―Japan戦略が策定されて、当初、超高速ネットワークインフラの整備を最重点政策に掲げて、その目標は要するに早期に達成されたと思います。
 その後、ITの利活用やデジタルガバメントの推進を図る観点から施策を講じてきましたが、今般のこのコロナ、新型コロナウイルス感染症への対応において、デジタル化について様々な課題が明らかになりました。その要因はいろいろあると思いますが、政府全体の政策からすると、そのIT政策の優先順位は低くて、また国民側のデジタルへの期待も必ずしも大きくなかったというふうに思います。そして、単なる、要するに紙からデジタルというようなことで、そのアナログの行政手続をそのまま電子化したということもあります。つまり、利用者にとって使いたくなるようなデザインやインセンティブというものは欠けていたということもあると思います。
 総じて、一言で言うと、今までの我が国の取組は、インフラは整備したものの、その利活用において、またその取組において中途半端であったということだと思います。そういうことを踏まえて、この遅れのアドバンテージとして最大化するために今回のデジタル改革関連法案を提出させていただいているところでございます。

#11
○高野光二郎君 大臣のその率直な御答弁、本当に正しいと思います。ありがとうございます。
 続きまして、デジタル庁についてお伺いいたします。
 これまで政府は、二〇一三年より、内閣官房に民間から登用してきた政府CIO、これは内閣情報通信政策監が政府システムの整備の最高責任者としまして、電子行政の戦略策定や政府全体のIT投資の管理、各省庁の取組の評価といった職務や権限を持っていました。しかし、実際は、各府省庁に命令や是正や勧告をするなど強い権限をその人は持っていませんでした。これまでの実際の役割は、各省庁への緩やかな監督や助言にとどまり、様々な電子行政の目標が先送りになるなど、強力なデジタル改革に進めてこられなかったと指摘をされています。
 そうした課題から、今回のこの法案では、デジタル庁は、是正勧告を出す監督権や総合調整権限、マイナンバー等のID制度や公的機関が保有する社会の基本的データ整備に関する企画立案権限、さらには、各省庁や地方公共団体、準公共部門、これは医療とか教育とか防災等のことでございますが、情報システムの統括、監理など、重要なシステムにおいてはほかにやらせなくてデジタル庁自らが整備する、そこまで権限を持っております。
 そこで、平井卓也大臣にお伺いいたします。
 デジタル庁は、内閣直轄の組織として、総理をトップに据え、専門、専任のデジタル大臣や、事務次官に相当するデジタル監を設置をいたします。まさに日本国全体のデジタル化の司令塔組織となり、内閣直轄の組織として設置されますが、その意義や果たすべき役割、各省庁のデジタル化への取組の遅れに対する指導など、想定される課題についても、対応についてお伺いいたします。

#12
○国務大臣(平井卓也君) もう委員御指摘のとおりで、これまで内閣官房に政府CIOを置いてデジタル化を進めてまいりましたけれども、そのデジタル社会の形成に重要な分野をまたがるIDや認証等の固有の事務を持っておらず、その権限は各府省の施策の総合調整のみに限られていたこと、総合調整についても予算の配分権がないなど、その実効性の担保が十分でなかったと思います。また、政府CIOを支えるスタッフに関しても必ずしも十分なものではなかった、そのような課題がありまして、各府省のデジタル化の取組が十分に推進されてこなかったと思います。
 このような課題に対応するため、デジタル庁は内閣総理大臣を長として内閣に直接設置し、マイナンバー等のIDや認証に関する制度を自ら所管し、重要な情報システムを自ら整備、管理するだけではなくて、関係予算の一括計上、配分権限を持たせること、関係行政機関の長に十分に尊重すべき義務を課した勧告権を専任のデジタル大臣に付与することでその総合調整権限を担保すること、最先端の情報通信技術に精通した民間人を政治任用することを想定したデジタル監を事務方のトップに置くことにより、各省にまたがるデジタル社会の形成に係る施策の推進を着実に進めるために必要な権限と体制を付与しているわけであります。
 このような、デジタル庁に司令塔機能を与え、官民の優秀な人材を集めることで行政の縦割りを打破し、デジタル化を強力に推進することによって国民がデジタル化の利便性を実感できる社会を形成していきたいと考えておりまして、各国のいろいろな同様の組織も我々いろいろと調べさせていただいて、どの政府も、この縦割りの問題とデジタル投資の難しさ、いろいろな課題を抱えています。そういう中で、日本は今回制度設計をさせていただき、法律を提出させていただきました。

#13
○高野光二郎君 ありがとうございます。
 政府でデジタル化を本格導入すれば、あらゆるデータを保有、活用し、AI等を用いた企画の立案や政策決定、施策の、事業のプロセスの最適化と、効果による成果などが可視化されることが私は可能だというふうに考えています。
 我が国では、顧客から発注を受けた元請業者がプロジェクトの遂行を担う一次下請に業務を委託し、さらに、更に細分化をした二次下請、三次下請に振り替えられる、振り分けられるピラミッド型多重下請構造により、グローバルな競争で大変厳しい状況に陥っています。特に岩盤規制が多いとされる医療、農業、教育、雇用など、所管の官庁や関係議員、業界団体が一体となり、その規制改革に反対してきた経緯も確かにあります。
 行政をつかさどる政府では、短期的な目的達成やその場限りの対応策に目立つ主観的、定性的な観点の政策決定ではなく、中長期的な視点による成果を追求した、データに基づく論理的な政策決定が私は必要であるというふうに考えています。政策の目的を明確化し、施策や事業の費用対効果や合理性、計画から実行までのプロセスを含めて、その合理的な判断を、人の感情に基づかない客観的、定量的な観点での政策決定が必要であると考えています。まさに今、政府が注力をされていますEBPM、これも大変重要なサイクルだというふうに考えています。
 そこで、まず政府参考人にお伺いいたします。
 令和新時代はこのような改革が求められており、データによる論理的な政策の立案や決定、その可視化が求められます。そのためには、まず政策立案の基礎となるデータが重要だと考えますが、我が国のデータ整備は残念ながら遅れています。デジタル庁としてデータ整備をどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。

#14
○政府参考人(二宮清治君) お答え申し上げます。
 我が国のデータ整備に関しましては、先生御指摘の課題があるものと認識をしてございます。
 データの整備につきましては、昨年末に我が国初となりますデータ戦略を策定いたしまして、ベースレジストリーを始めとするデータ整備の戦略を取りまとめたところでございます。
 具体的に申し上げますと、公的機関等で登録、公開され、様々な場面で参照される社会の基本データといたしましてベースレジストリーの定義付けを行いますとともに、ベースレジストリーの整備に当たって課題の整備をすることとしたところでございます。
 さらに、データの整備に当たりましては、データの最新性、正確性、網羅性を始めとしたデータの品質が重要となりますので、情報管理や情報連携の前提となりますデータの標準モデルやデータの質を確保いたします品質のフレームワークについて検討を進めているところでございます。
 今後、デジタル庁におきまして、データ戦略に基づいてデータ整備をしっかりと進めてまいりたいと考えてございます。

#15
○高野光二郎君 ありがとうございます。
 平井卓也大臣にお伺いいたします。
 データを整備を促進し、そのデータに基づいた政策推進は、政策の有効性と行政の透明性、信頼性を高めることに私はつながると思います。また、その政策判断に至った経緯を含め、政策決定に関する様々な情報を国民に対し積極的に可視化することによって、国民がより政治に参画する、参画し、より高いレベルの民主主義が確立をされるというふうに考えています。
 データの整備をしっかりと進めた上で、データに基づく政策判断を行っていくことがデジタル庁として重要だと考えますが、大臣の見解をお伺いいたします。

#16
○国務大臣(平井卓也君) 限られた資源を有効に活用して国民から信頼される質の高い行政を展開していくためには、的確な情報把握と課題設定の上で、確かなロジックとエビデンスに裏付けられた政策立案を行っていくというEBPMの取組は非常に重要だと私も考えています。
 また、デジタル社会の形成に向けて政策決定過程の透明化を図ることが重要であり、EBPMはまさにこれに資するものだと考えています。デジタル化も同様で、そのプロセスが透明化であるということが何よりも重要だと考えています。
 この点、官民データ活用推進戦略会議の下に設けられている政府横断的なEBPM推進体制、これ、EBPM推進委員会ですね、において昨年十月からワーキンググループを開催して、政策の立案、評価、見直しのプロセスにおいて、行政データ、民間データといった様々なデータの適切な利活用を図る観点から、自治体や関係省庁の取組についてのヒアリングや学識経験者との意見交換を実施してきております。
 こうした取組を通じて、データを活用した行政の実現に向けて全力を尽くしていきたいと考えております。

#17
○高野光二郎君 続きまして、デジタル庁の民間人登用についてお伺いいたします。
 デジタル庁で採用された民間人は非常勤の国家公務員一般職という扱いになると承知をしています。デジタル庁全体で約五百名、そのうち約百名を民間より採用予定で、既に本年四月に三十五名程度が採用されています。政府は、採用に当たって、米国等で主流のリボルビングドア、リボルビングドア、回転ドアと呼ばれる仕組みを念頭に置き、民間企業と政府の間で人材が行き来をいたしまして、相互の文化定着を目指すと伺っています。私は、このような採用方式を大変評価しています。
 そこで、藤井比早之内閣府副大臣にお伺いいたします。
 民間からの採用は、週三日程度の勤務を想定され、テレワークや兼業も可能としています。その狙いと期待する効果についての御所見をお伺いします。
 また、今般の採用は、ベンチャー企業のように職種別の採用を実施しているものと認識しており、これまでの公務員採用とは大きく異なるというふうに印象を受けております。例えば、役所に通わなくても仕事ができ、東京在住の方でも高知県で仕事ができるといったようなことでございます。このような新たな採用の在り方をデジタル庁が先行的に導入し、成果や課題を分析した上で、今後、ほかの府省庁や国の関係機関、さらには地方自治体等において新たな採用形態の導入を普及促進していくのか、御所見をお伺いします。

#18
○副大臣(藤井比早之君) 高野委員にお答えいたします。
 デジタル庁におきましては、能力と志を併せ持つ優秀な人材を世間から広く集めるべく、原則的には公募方式で、公募形式で民間人材の採用を進めていきたいと考えております。
 今般の採用に当たりましては、兼業可能な非常勤職員として採用を行っているところでございます。優れた専門性を有する人材が常勤、非常勤、兼業、副業といった多様な働き方を通じて、様々な形で組織の意思決定に関わっていくような環境を用意していきたいと考えておりまして、官と民のお互いの強みを生かしながらデジタル改革を全力で進めていきたいと考え、このような採用を実施したところでございます。
 その上で、高野委員御指摘のとおり、今般の採用に当たりましては、採用するポジションごとに求める人物像を定め、人材要件を定義し、必要なスキルキット等を定めて採用を行う等、いわゆるジョブ型の採用を実施したところでございます。
 こうした採用は特定分野への専門性を有するデジタル人材の採用に当たっては非常に有益であると考えておりまして、デジタル庁におきましては、引き続きこうしたジョブ型の採用を進めるとともに、デジタル改革共創プラットフォームにおける地方自治体職員等との討議を通じ、こうしたベストプラクティスの共有を進める等の取組を通じ、国や地方自治体等にこうした採用形態の普及促進を図っていきたいと考えております。

#19
○高野光二郎君 藤井副大臣、三十五人も採用していただいているということでございますが、その三十五人が、来てよかったな、やりがいがあるなと思ってもらうその文化をつくっていただく、風土をつくっていただくということがすごいその後に来てくれる人にも大事になってくるんで、そういった雰囲気づくりを今後ともよろしくお願いします。
 デジタル庁において、正規に採用する国家公務員としてのデジタル庁の職員と民間から採用された非常勤の国家公務員であるデジタル庁職員が技術や情報を共有することにより、政府にとっては民間企業の技術やノウハウを行政サービスに生かすことができます。また、民間企業においても政府の方針や施策を深く共有することができます。それによって、マクロ、ミクロ、双方の社会経済課題に官民一体で対応ができるのも私は魅力だと考えています。
 他方で、民間出身の人材がデジタル庁職員の身分でヒアリングした各企業の重要な情報を聞くこともあると思いますが、各企業がデジタル庁との意見交換を積極的に行っていく環境を整備する観点からは、こうした情報の取扱いに対しては注意が必要だと考えています。
 そこで、政府参考人にお伺いします。
 デジタル庁内において正規の国家公務員と民間出身の職員が相互に情報共有を行ったり、デジタル庁と民間企業が意見交換を行ったりする際には、デジタル庁職員としての立場で各社の重要な技術や企業価値につながる情報に触れる機会も出てくると考えています。民間出身の非常勤職員の重要情報の取扱いに関して、デジタル庁はどのように対応していくのか、お伺いいたします。

#20
○政府参考人(二宮清治君) お答え申し上げます。
 デジタル庁におきましては、能力と志とを併せ持つ優秀な人材を広く集めるべく、原則として公募形式で民間人材の採用を進めていく予定としているところでございます。その際、先生御指摘の問題意識に照らしまして、常勤、非常勤を問わず、職員の情報管理の徹底を図ること、これは極めて重要であるというふうに考えているところでございます。
 そのため、具体的には、民間人材募集の際に、必須条件といたしまして、国家公務員に求められる高い倫理観を持った者であるということを求めること、また、常勤、非常勤の別を問わず、国家公務員法の秘密保持義務が課されることに加えまして、デジタル庁といたしまして、職員が情報管理に当たって遵守すべき規定を設け、適切に運用することとしたいと考えてございます。また、人事関係や調達関係の情報といった機密性の高い情報につきましては、アクセスできる職員を必要最小限に限定するということなどの取組を通じまして、適切な情報管理の徹底を図ってまいりたいと考えてございます。

#21
○高野光二郎君 続きまして、地方自治体を含むデジタル化の推進が必要だと思うんで、この辺、質問させていただきます。
 本年三月三十日に国家公務員テレワーク・ロードマップを改定したと承知しています。本来デジタル庁を、国民に促すべき行政がリモート化が遅れています。
 内閣府が昨年十二月に発表したデータでは、公務員を含む全業種のテレワーク率は平均で二一・五%、公務員のみでは一四%というのが現状です。また、昨年九月に、公務員の在宅勤務状況に関するアンケートでは、公務員の在宅勤務制度についても、週一日も在宅勤務を行っていない割合は公務員全体の六七・四%になっています。内訳は、国が四六・七%、都道府県が七六・一%、市町村は八〇・三%と、地方になるにつれてリモート化が進んでいません。
 そこで、宮路拓馬総務大臣政務官にお伺いいたします。
 窓口業務をオンラインでの業務に移行できれば、時と場所を選ばなくてもよい上に、コストの削減ができるメリットがあります。行政のリモート化、オンライン化を進める上での課題をどのように認識しており、対面業務が多い都道府県や市町村等にどのように実効的に普及を図っていくのか、見解や手法をお伺いいたします。

#22
○大臣政務官(宮路拓馬君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、自治体は住民に身近な行政サービスを提供する役割、いわゆる窓口業務を担っておりまして、自治体の行政手続のオンライン化は住民の利便性向上という観点から大変重要であり、優先して行う必要があるというふうに考えております。
 このため、デジタル・ガバメント実行計画において、処理件数が多く住民の利便性の向上等に資する手続あるいは住民のライフイベントに際し多数存在する手続をワンストップで行うための手続についてオンライン化に優先的に取り組むべきとし、必要な支援を行うこととしたところです。具体的には、国として、マイナポータルについて全自治体との接続環境を整備するとともに、新たに自治体に対して必要となる経費について補助することといたしました。
 また、昨年末に自治体DX推進計画を作成したところですが、今後、手続のオンライン化を含め、より具体的な進め方等について検討し、今年の夏をめどに手順書として提示したいと考えております。
 課題というより、もうとにかく前に進めるべしということで頑張ってまいりたいと思います。

#23
○高野光二郎君 政務官、ありがとうございました。
 生活に直結する法整備や条例、予算を自治体が作り、決定するのが議員です。そして、業務を遂行する職員が、まずはデジタル化への理解と知識の習熟、技術を習得を率先しなかったことが、私の反省も踏まえて、日本全体のデジタル化が遅れた要因だと私は考えています。
 そのため、自民党では各部会や会議で、各国のデジタル化の情勢や民間のデジタル化活用による業務の改善、コロナ禍による業種転換や衆議院、参議院の国会関係のデジタル化について積極的な議論を行いまして、都度、政府に提言を行っています。
 宮路政務官にお伺いします。
 地方のデジタル化推進には、国会や国家公務員はもちろんだが、住民生活に直結する地方の社会基盤をつくる立場である地方議員や地方公務員が率先してデジタル技能のスキルアップやデジタル化の知識格差を改善するために研修等の機会を設けるべきであると考えますが、見解をお伺いいたします。

#24
○大臣政務官(宮路拓馬君) お答え申し上げます。
 高野委員におかれましては、高知県議としての、地方議員としての経験もございまして、その観点から、地方議員も含めての見識でお尋ねをいただきました。
 自治体のデジタル化を進めるに当たっては、職員始め関係者のICTリテラシーの向上などの人材育成が大変重要であるというふうに認識をしております。
 これまでも、地方公務員や地方議会議員に対しても、地方公共団体情報システム機構、いわゆるJ―LIS、あるいは市町村職員中央研修所等の関係機関において、初任者向けの研修から専門性の高い研修まで幅広い研修が実施されているところでございます。
 総務省としては、関係機関と協力して、オンライン研修の拡充や最新の技術動向等を踏まえた研修内容の見直しなど、研修の充実が図られるよう努めるとともに、自治体に対して研修情報を取りまとめて提供し、積極的な活用を促してまいりたいと考えております。
 また、先ほども申し上げたとおりですが、今夏の、今年の夏をめどに昨年末に策定した自治体DX推進計画の手順書を提示したいと考えておりますが、その中で、研修やキャリアパスの形成等の人材の育成手法について盛り込むとともに、併せて先進的な自治体の事例も紹介してまいりたいと考えております。

#25
○高野光二郎君 宮路政務官、御案内だと思いますけど、御地元もそうだと思いますけど、私の県であります高知県とか新たに選挙区になった徳島県というのは、全国でそうですけど、災害がすごくやっぱり多い。大雨のたびに国道が道路規制が入って、通ったらいかぬよみたいなことがあって、役場の職員が役場に行きたくても行けないとか、消防車に乗り込んで入らないと役場に入れぬとか、いっぱいあるんですよね、まあ御案内だと思いますけど。
 だから、このデジタル化をすることによって緊急時にも対応することがやっぱり私は必要だと思うんです。何より、やっぱり職員さんとか市長さんとか首長さんとか地域の議員さんとか、そういった代表者が地域の皆さんの命を守っているというふうに私は思っておりますので、その辺も踏まえて是非推進お願い申し上げます。
 続きまして、企業です。企業活動におけるデジタル化の必要性についてお伺いします。
 DXを推進する企業に対して、業種、年収、従業員数は絞っていない五百社を対象にした調査では、DXに全く取り組めていないが一%、若しくは散発的な実施にとどまっているのが九五%でございます。
 コロナにより業種、企業ごとにDXへの投資は完全に二極化しておりまして、DX格差につながる可能性があります。経営が著しく悪くて投資を控える企業がある一方、資産が豊富な企業や環境変化に敏感な企業がデジタル化への投資を強化しています。
 国内市場においては、コロナ禍により急激に普及するデジタル化は、導入時期や投資の大小により企業間の大きな格差が生まれます。今後、サプライチェーンの中でデータやシステムが共有できない企業はそもそもその商流からはじかれる、そういった可能性もあります。だからこそ、DXは、仕事の効率化に限らず、今後の事業構造の変革による生存競争に勝ち抜くために必要不可欠であり、大企業のみならず、国内のあらゆる中堅・中小企業、小規模事業者のDXが必要であると考えます。
 政府参考人にお伺いします。
 昨年十一月からDX推進に向けて企業がデジタルによって自らのビジネスを変革する準備が整った事業者を国が認定するDX認定制度が本格的に実施されていると伺います。この内容についてお伺いをいたします。

#26
○政府参考人(三浦章豪君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、我が国企業の生産性向上、競争力強化の観点から、規模の大小にかかわらず、企業のデジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXを促進するということは重要な政策課題と認識をしております。
 お尋ねのDX認定につきましては、一昨年改正された情報処理促進法に基づき昨年五月に制度を創設し、これまでに六十九社を認定しております。DX認定制度では、DXに向けた戦略や推進体制などの整備状況を確認し、DXに向けた準備が整っている事業者を認定することとしております。DX認定制度を通じ、DXに積極的な事業者を取引先等に対して見える化をするとともに、例えば、中小企業・小規模事業者が認定を受けた場合には日本公庫による低利融資制度の対象とするなど、各種支援策を講じております。
 今後とも、DX認定制度の普及などを通じ、我が国企業のDXを促進してまいります。

#27
○高野光二郎君 今の話は実は国内市場なんです。やっぱり日本はこれから人口が激減していくので、市場規模が小さくなっていきます。だから、海外に打たなければいけません。だから、次は海外バージョンで質問をします。
 一方で、世界人口は増え続けています。世界で、その中でも成長が著しいアジア市場は大きな魅力です。直近では、TPPやRCEP等の経済連携協定により自由貿易はますます加速をしています。世界の中でも付加価値の高い商品やサービス、技術やシステム等は、輸出において高い関税障壁の撤廃など、協定国に優位にメード・イン・ジャパンが売れるチャンスだと私は考えています。
 そこで、政府参考人にお伺いします。
 このコロナ禍において、デジタル化が世界全体で急速に進んでいます。中小企業がデジタル化への転換により国際競争に生き残るためには、企業別ではなく業種別のデジタル化を推進する必要があると考えますが、今後の取組についてお伺いします。

#28
○政府参考人(三浦章豪君) お答え申し上げます。
 DXにより、グローバルに見ても、ビジネスモデルを抜本的に変革し、新たな成長を実現すると、そういう企業が現れる一方で、それに伴い既存のビジネスモデルが通用しなくなるというような業種も今後増加してくると、かように考えている次第でございます。
 こうした変化の影響をとりわけ大きく受けるのは中小企業でありまして、積極的にDXを進めていくということが必要不可欠だろうと、かように考えてございます。
 御指摘のとおり、我が国企業の九九%以上を占める中小企業のDXの推進のためには、業種ごとにきめ細かく、デジタル時代に対応していくためにどのような取組が求められるかを示していくことが重要と考えております。
 このため、経済産業省においては、企業がDXに向けて実践すべき指針であるデジタルガバナンスコードについて、業種別に参照ができるような対策の整理を進めてきております。その第一弾として、昨年度、製造業におけるリファレンスケースを策定いたしました。この中では、製造工程の可視化、三次元設計の活用、さらにはサプライチェーンにおける取引先の情報連携の推進など、製造業におけるDXの推進に必要な取組や先進事例などを整備しており、現在、その普及に努めているところでございます。
 こうした取組を通じまして、引き続き、中小企業含め、我が国産業全体のDXを推進してまいりたいと考えてございます。

#29
○高野光二郎君 企業別にじゃなくて業種別と言ったのは、企業別、確かにやりたい、支援をしたい、しかし、それはやっぱり県とか市町村と連携をして、県とか市町村にもやっていただかなければならない。そういう観点の中で、もっと大きな枠で業種別でくくるということは、業種別を国が支援するということは、その業種内に集まっている中小企業はお互い学び合うといったようなことが基本でございますので、その辺の御理解の上、よろしくお願いします。
 続きまして、アプリ行きます、アプリ。
 インターネットが登場後、先進諸国の中では日本だけが残念ながらGDPが減少しています。これ事実です。要因として、生産者と消費者が直接取引をするインターネット型産業への構造変化に日本は対応し切れず、多くの産業分野において、旧態依然のピラミッド型多重下請構造により、結果として日本のすばらしい技術やサービスが国際競争力を失いかけています。
 例えば、何でもすぐに安く買える外来種のアマゾンに始まり、日本のインターネット市場は、米系のGAFA、そして世界的には中国企業のBATHが急激に台頭をしてきており、世界中の消費者が、顧客情報をですね、データを中国系とアメリカが握って、それらを更に活用して圧倒的に優位な営業を掛けているというのが実態でございます。一方、日本のIT企業は、利益、企業価値、普及の度合いなど、全てにおいて圧倒的に突き放されている、丸が四つも三つも違うというようなところでございます。
 例えば、私たちが頻繁に使うLINEやフェイスブック、オンライン会議で使用するズームやスカイプ、マイクロソフトのワードやパワーポイント、アイフォンに代表されるアップル社など、ほぼ全て海外企業の製品であります。
 また、コロナ検査においても、最近では、ドイツの企業がスマホで目を撮影して新型コロナが検査できるアプリを開発しました。検査時間は僅か三分で、九五%の精度だといいます。イタリアの企業でも、AIによって患者の話し方やせきを分析し、コロナ感染の有無を八〇%以上の精度で検出するシステムを開発しました。
 一方で、日本も、先月、三月三十一日には、全国選抜小学生プログラミング大会では、小学校六年生の女の子が独学で勉強して、文字がうまく書けない小さな子と耳が聞こえづらいお年寄りの方がコミュニケーションを取るための筆談アプリを独学で開発をしています。
 そこで、政府参考人にお伺いいたします。
 今後、ソフトウエアが一層多様化する中で、このまま海外で製造されたアプリやサービスを日本人が使い続けることには私はリスクがあると思います。メード・イン・ジャパンのソフトウエアを政府として一層支援していくべきだと考えますが、今後の展望についてお伺いします。

#30
○政府参考人(三浦章豪君) お答え申し上げます。
 日本国内で各種アプリ、サービスを提供する場合、日本企業であれ海外企業であれ、まず日本国内、国内の各種法令を遵守するということが前提になるということではございます。
 その上で、ソフトウエアについては、今後更なる成長が期待される市場でございまして、日本企業の競争力を高め、新たな市場を獲得していくということが経済成長のために不可欠であるというふうに認識しております。
 このため、経済産業省といたしましては、ソフトウエア産業の競争力強化に向けて、今後大きく成長が期待される遠隔医療介護、若しくは第二ニーズのバーチャル展示会など、大量のデータを遅滞なく取り扱うということが必要とされる分野での活用を想定しつつ、既存のITインフラでは達成できない大容量、低遅延、同時多接続を可能とするようなソフトウエア技術の開発支援でありますとか、若しくは高度人材の育成のための教育訓練講座の認定、イノベーションを担う突出した人材の発掘、育成を行ういわゆる未踏事業の実施などに取り組んできているところでございます。
 今後とも、こうした政策を活用しつつ、社会のデジタル化を支えるソフトウエア産業の競争力強化に向けた取組を進めてまいりたいと考えてございます。

#31
○高野光二郎君 丹羽秀樹文科副大臣にお伺いします。
 経産省が調査をした二〇一九年のIT人材需給に関する調査では、二〇三〇年にはIT人材の不足が最大で七十九万人になると言われています。これ、高知県の人口より多いです。国内で不足する理由として、IT業界の急成長に対する人材不足。IT技術の急速な変化に対応できるスキルを持つ人材が必要です。
 日本のIT業界は、特にピラミッド型、多重下請構造が顕著でありまして、トップダウンで子会社に提案や商品を投げて、下請会社がその仕事を担う産業構造です。一方、諸外国のIT業界では、プログラマー自身が世の中のニーズを先取り、課題解決のソフトウエアを自らが作り、それを企業が選別、決裁して、新たな技術や製品を世界中に出しています。
 そうしたことから、現在の日本のITの産業界においての課題は、IT人材の量と質の確保であると考えております。デジタルを筆頭に日本の大学の研究調査は諸外国と比べて大きな差があるというふうに認識をしております。財政、環境面において政府が全面的に大学をバックアップしていくことが世界との差を埋め、追い越すことにつながると私は考えますが、具体的な取組や考えについてお伺いいたします。

#32
○副大臣(丹羽秀樹君) お答えいたします。
 令和元年六月に策定されましたAI戦略二〇一九では、二〇二五年度までに、文系、理系を問わず全ての大学、高専生が初級レベルの数理、データサイエンス、AIを習得することが目標の一つとして掲げられております。
 文部科学省では、現在、六大学におきまして、これらを拠点校といたしまして整備し、モデルカリキュラムや教材の開発、従来の文理系の枠を超えた全学的な数理系及びデータサイエンス教育を実施いたしておりまして、全国の大学等への数理、データサイエンス教育の普及、展開を進めております。
 また、数理、データサイエンスの教育の取組を推奨するために、内閣府、経済産業省ともしっかりと連携しまして、初級レベルに当たるリテラシーレベルの教育プログラムを認定する制度を開始するとともに、データサイエンティスト育成のための実践的教育の推進を支援しております。
 文部科学省といたしまして、必要となるAI、IT人材の育成に今後しっかりと取り組んでいきたいと考えております。

#33
○高野光二郎君 ありがとうございます。
 次は、なりわいです。なりわいのデジタル化の普及促進策。
 例えば農林水産省では、農業者等への作業や資金調達等の国の各種支援策に対しての申請を、電子申請を用いて、eMAFF等を積極的に導入し、デジタル化を進めています。この間、自民党の部会で初めて知ったんですけど、かなり進んでいて、すごいなというふうに思いました。
 そして、産業別に所管する府省庁は行政サービスの電子申請の導入、簡素化を図るべきだと考えています。各府省庁の単独施策や事業のデジタル化は、デジタル庁も精査をしていただきまして、関係省庁との合意形成を得て、時には強力な勧告権を使い、推し進めるべきであると考えています。また、政府全体の取組を、行政の縦割りを超えて、縦割りを超えて、何よりも国民が使いやすさを徹底して、意識したデジタルシステムが必要だと考えています。
 藤井副大臣、お願いします。
 新たにデジタル庁が設置されることによって、既に各府省庁で取り組んでいるデジタル化と政府全体のデジタル化推進方針や原則との整合性を伴うシステム構築などの調整をどのように取り組んでいくのか。特に、単独の府省庁のみで対処、解決できることは各々の府省庁の予算で行うべきと考えます。例えば、補助金申請における共通のプラットフォーム化など省庁横断的なデジタル施策には、予算とともにデジタル庁が私は担うことはいいと思います。
 予算や執行、運用体制など、既存の府省庁とデジタル庁の業務責任や役割のすみ分けなど、どのようになるのか、お伺いいたします。

#34
○副大臣(藤井比早之君) お答えいたします。
 デジタル庁は、組織の縦割りを排し、統一的にデジタル化を進めるための司令塔として、これまでの総合調整に加え、関係予算の一括計上、配分権限を有する強い実効性を持った組織でありまして、政府の情報システムを統括、監理することといたしております。
 具体的には、昨年度から全ての政府情報システムを対象として一元的なプロジェクト管理を開始し、プロジェクトの方向性のほか、オープンなデザインとなっているか、関連サービスとの連携の有無、費用の妥当性などの検証を行っているところでございます。デジタル庁では、民間人材の登用など体制の大幅な強化を通じてこの取組を強化してまいりたいと思っております。
 加えて、政府情報システムにつきましては、デジタル庁自身が整備から運用まで責任を持つデジタル庁システム、整備段階ではデジタル庁が、運用段階では各府省が責任を持つデジタル庁・各府省共同プロジェクト型システム、各府省が整備から運用まで責任を持つ各府省システムの三つの類型に分けまして、デジタル庁自らも整備、運用を行うことといたしております。
 これらの取組により、政府全体として統一性を確保しつつ、一層の効率的かつ利便性の高いシステム整備を推進してまいりたいと思います。

#35
○高野光二郎君 最後、大臣、一問だけ。
 私、デジタル弱者なんです。高校のときにワープロの打ち方習ったんで、いまだに、は、き、く、ま、五十音で打っているんです。で、自民党の部会、最近、紙ないんで、iPadとかでやっていますけど、iPad借っているんですけど、あれ打つだけですごい大変なんです。秘書さんから教えてもらって、回転ずしゲームで、打ったらすしが注文できるというやつで一生懸命勉強している状況なんです。
 私、国民もこういう方結構いらっしゃると思うんです。だから、デジタル庁をつくったら、集中デジタルを学ぼう教えよう期間とか、そういったキャンペーン張った方がいいんじゃないですかね。やっぱり誰かが教え、近くの人が教えてあげる、寄り添ってあげるということが必要だと思うんです。どうでしょうか。

#36
○国務大臣(平井卓也君) それもういろいろなことをやらなきゃいけないと思っていまして、まず、デジタル活用支援員は総務省さんの方の予算で全国に配置をしようということで、一部実証も踏まえて実施されると思います。
 そして、デジタル庁としても、まず職員の研修、これ、国家公務員のみならず、J―LISとも一緒に地方自治体の職員の研修等々をやっていきたいというふうに思っています。
 その入力に関しても、当然これ、UI、UXを考えますと、誰でも簡単に入力できる、まあ音声入力の精度も相当上がっていますが、できるだけ誰でもできるようなやり方というものを、これこそまさに、今回、UI、UXの専門家等々はデジタル庁の方で今回採用もさせていただいていますので、結局、使いにくかったらそのシステムはそのシステムとして意味がないというところまで突き詰めていきたいというふうに考えております。
 また、そういう新たにデジタルディバイドみたいなものが発生するのであれば、そういうものに対しても機敏に対応をしていきたいと、そのように考えます。

#37
○高野光二郎君 以上で終わります。ありがとうございました。

#38
○山田太郎君 自民党の山田太郎でございます。
 今日は、私自身、党の方でも、デジタル本部で施策の小委員長で、いわゆるどこでデジタル化の効果を出すかという責任者でありまして、かつデジタル本部の方でも参議院唯一の役員ということでありまして、ちょっと頑張ってやりたいなと思っています。ある意味で与党であることを少し忘れて厳しくやりたいと、こういう思いであります。実際、今回、向井審議官も来ておりますので、真剣度もあるんだなと思いつつ、やりたいと思います。
 今日の議論なんですが、私も代表質問の方でも少しやらせていただいたんですが、デジタル化のやっぱり光と影というのがあって、このデジタル化でまず成功させるためには、一番ピンというんですかね、クリティカル・サクセス・ファクターというか、そういう重要な議論がありまして、ここを乗り越えないと光の部分も実現できませんし、影の部分も暗いままだということで、ちょっとその辺りを今日厳しめにやりたいというふうに思っております。
 特に、光の部分ではデジタル三原則を何とか実現しなきゃいけないと、こういうふうに思っておりますし、一方で、影の部分はもう分かっています。目的外利用というのが最大の国民にとってもいわゆる関心事というか心配事でありまして、目的外利用がどんどん進めば監視社会ということになるわけであります。
 一方で、漏えいと事故ですね。特に事故は、その仕組みが止まる、壊れる、壊されると。これさえヘッジできていればデジタル化というのはスムーズに進むんではないか、電子社会もどんどん進むんではないか、こういうふうに思うわけであります。
 一方で、目的外利用ということに関しては、よくデータの一元化が悪いとかデータの一元化をすると監視社会につながるというふうに言いますが、データの一元化が別に悪いわけじゃなくて、それによってあらぬ人が、あるいは政府も含めて目的外利用をするんではないかということが問題でありますから、そこが、例えばデータコントロール権ということをしっかりつくる、そして仕組みの透明性をきちっと図ると、こういうことがしっかりできればヘッジできるんだろうと、こういうふうに思っております。
 さて、そういった論点で今日は行きたいというふうに思っておりますが、二十二問あるので多分終わらないと思いますので。では、大事なのでじっくり行きたいと思います。
 まず、デジタル三原則についてなんですが、いわゆるデジタルファースト、ワンスオンリー、コネクテッド・ワンストップというのが今回のデジタル改革法案にどう盛り込まれているのかと。実は、デジタル手続法は二〇一九年に通っているんですが、今回のいわゆる原則、いわゆる基本法の中にはそれが入ってこなかったんですね。
 ということなんですが、まず、ちょっとその辺りから、内閣官房さんに、これをしっかり実現するんだというまず意気込みぐらいからスタートしたいと思います。いかがでしょうか。

#39
○政府参考人(二宮清治君) お答え申し上げます。
 御指摘のデジタル三原則につきましては、デジタル手続法第二条各号に明記をされたところでございますけれども、今回のデジタル改革関連法案におきましては、その条文に直接盛り込まれたものではございません。しかしながら、デジタル社会形成基本法案との関係で申し上げますと、国及び地方公共団体におけるデジタル技術の積極的な活用、これ、基本法第二十九条に規定をしております。これを受けて、デジタル手続法は、主として情報通信技術を活用した行政の推進について定めたものとしての位置付けが明確化されているところでございます。
 また、デジタル庁設置法案との関係で申し上げますと、デジタル手続法第四条に基づきまして、行政手続のオンライン化等のための情報システムの整備を総合的かつ計画的に実施するために定めることとされております情報システム整備計画の作成及び推進、これをデジタル庁が担うことを明記をしているところでございます。
 このような法体系の下で、デジタル三原則に基づく政府の取組につきまして、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。

#40
○山田太郎君 総理もやると言ったので、今の答弁からも、やるということなんでしょうけれども、ちょっとお手元の方の資料を見ていただきたいんですが、一ページになります。とはいうものの、今回の住民基本台帳の一部改正案ですと、本当にデジタルファースト、ワンスオンリー、コネクテッド・ワンストップが実現されているかというと、どうもそうではないんじゃないかと。簡単に言うと、引っ越しをしたときに転入届と転出届を結局それぞれ出さなきゃいけない、ちょっとこれはおかしいと。世界的な常識を見ても、通常は転入届一本なんですね。だって、転入すれば転出したのは当然でありますし、どこの国が一々転出届を作っているんだと、こういう議論にもなるわけであります。
 そういう意味で、じゃ、一応便利になったとはいうんですけど、何が便利になったかというと、これはびっくりしたんですが、マイナンバーカードがあると、転出がわざわざ役所に行かなくてもいわゆるできて、転入先にその情報の予約ができますと。でも、結局行かなきゃいけないんですよねというものでありまして、これでもってデジタルファーストなのかと。つまり、デジタルファーストというのは、サービスが一貫してデジタルで完結しているということでありますし、ワンスオンリーという意味では、転出も転入もそれぞれ、また、じゃ、転入を、転入先にデータを送ったんだったらそれでいいじゃないと。
 あるところになると、私調べたんですけれども、もう一度紙に、マイナンバーカードを持っていったところにいわゆる新しい住所を書き直すと。それから、その場で、実はこれも不思議でありまして、マイナンバーカード、住所が入っているものですから、転入届を出しちゃうというか、転出した瞬間にそのマイナンバーカードは一時的に無効になっちゃっているんですね。ということは、転入をするときにもう一度マイナンバーカードを作り直している構造でありまして、そこに住所が書かれると。一番早いところで二十分ぐらい掛かるということなんですけれども、遅いと、その日に対応ができないのでもう一回来てくださいということでありまして、結局、これのために何度も役所に通うと、こういうことになるわけであります。
 ということで、本当にこういうような仕組みでもっていわゆるデジタル三原則実現できるのかどうか、この辺りいかがでしょうか。

#41
○政府参考人(阿部知明君) お答えいたします。
 お尋ねのございました、今回の転出転入届手続についての改正ということでございます。
 これまで多くの市町村では、転出転入手続につきまして、それぞれ来庁して行うことを原則とするとともに、転入届には転出証明書の添付を要し、また転入届をした後に必要となる住民サービスに係る各種手続についても庁舎内の各担当部署で個々に行ってきてございます。
 これに対しまして、今回の改正におきまして、マイナンバーカードの所有者がマイナポータルからオンラインで転出届と転入予約を同時に行えるようにすることに併せて、転入地市区町村があらかじめ転出地から通知された転出証明書情報によりまして住民登録及び住民記録に関する一連の事務の事前準備を行うことを可能にし、転入地への一度の来庁で転出転入手続の時間短縮化、ワンストップ化を図るものでございます。
 お尋ねのございました、転出手続を転入手続に一本化できないかということございました。これにつきましては、市区町村は住民基本台帳上の情報を基礎としまして、選挙人名簿の作成、保険給付、課税等の住民の権利義務に関わる各種の行政事務を行っているところでございます。住民の転出はこれらの住民の権利義務の終期を決める重要なものでございますが、市区町村にとりましては届けがないとこれは分からないということでございます。仮に転出届を廃止しますと、転出後、他の市区町村に転入届が行われるまでの間、転出地では住居の居住、あっ、住民の居住実態がないにもかかわらず、転出の覚知や住民票の消除等が行えず、各種の行政事務を適正に行えなくなる懸念が生じると考えてございます。
 それから、済みません、もう一つだけ。転出転入手続について省略できないかというお話でございました。転入手続につきましては、マイナンバーカードとその電子証明書の認証基盤に関わるものでありますことから、市区町村の窓口における対面の対応が必要と考えておりまして、現時点において直ちにオンライン化することは困難と考えてございます。

#42
○山田太郎君 結局、いわゆるデジタルファーストということで、対面がまた必要だということで、デジタル関係していないじゃないですかという話と、もう一つ、今の答弁で不思議なのは、じゃ、転出届は出したけど転入届を出していない若者って結構多いんですね。
 そうすると、何が起こっちゃうかというと、住民票から消えちゃうんですよ。で、どうなっているかと、戸籍の付票に残るのが精いっぱいということでありまして、考えてみれば、別に転入届を出した瞬間に転出届が抹消されればそれでいいじゃないですかと。システム的なところのロールバックというんですけれども、新しいところにきちっと情報がいわゆる格納されなければ前のものに戻すというのが当然でありまして、じゃ、転出届は出したんだけど転入届を出していない国民を一体どう国は扱うのか、こういう問題も残っちゃっているわけでありまして、ちょっと今の答弁からいって、大丈夫という話もあるかと思っております。
 さて、次なんですけれども、そういう意味では、そこはしっかり今後の検討として、諸外国に倣って、転入届さえ出せば転出は自動的に抹消されるし、それ自身がだって転出をしたという事実ですから。プラス、いわゆる海外に行く人が云々ということもあると思うんですけど、それについては、いわゆる海外に行くという告知をすることによって、転出届を出してもらうということによって戸籍の付票のところに残していくと、こういう手続でいいんではないかなというふうに思いますので、是非そういう形でもって、まさにこの三原則の実現というのをこういうところからやってもらいたい。これはマスター議論なんで、ここがちゃんとできていないと、結局全ての仕組みに連携するところでありますので、是非よろしくお願いしたいと思っています。
 さて、次なんですけれども、いわゆるデジタル資産といったところについても少し行きたいと思いますが、まず、デジタル・ガバメント実行計画において死亡・相続のワンストップサービスが掲げられています。相続人の負担が非常に大きい法定相続人の調査、相続財産の調査についてはどのようにワンストップ、デジタルファースト、ワンスオンリーを進めていくのかと。
 結構相続大変でありまして、例えば、兄弟がいました、自分に子供がいません、その兄弟に子供がいる場合に、自分に子供がいないので、兄弟も亡くなっていると、その代襲相続でもって、兄弟のいわゆる子供の方も調べないと相続が確定しないという問題が起こって、日本中、今大変なことになっているんですね。今回、戸籍の仕組みについてもデジタル化するということですし、そもそも戸籍制度というのは身分関係を管理しているのに、相続調査を今デジタルでできないというのは非常にナンセンスだということにもなっております。
 韓国なんかはすごく進んでおりまして、先代不動産照会サービスなんというのもしっかり国が整備しているわけでありますが、あるいは、もう一つ、不動産とかいわゆる金融資産に関して、まさに、だからこそベースレジストリーということになると思うんですが、それについての仕組みも全く日本はできていないということであります。
 是非その辺り、今後どうされていくのか、お願いします。

#43
○政府参考人(冨安泰一郎君) お答え申し上げます。
 相続関係手続ワンストップサービスにつきましては、デジタル・ガバメント実行計画に基づきまして、内閣官房を中心として関係省庁と連携して推進しているところでございます。
 死亡・相続ワンストップサービスにつきましては、やはり相続された方がいろいろ御負担があるということで、相続された、亡くなられてから相続完了するまでどういう手続があるのかというのを洗い出しまして、それぞれについてどういうような手続、やり取り、御負担があるのかというのを検証して、その各局面ごとにいろいろと対応を考えているところでございます。
 先生御指摘のございました法定相続人の調査につきましても、やはり法定相続人であることの認証をどうするのかということが非常に大きな課題だと思っております。
 法務省において令和五年度に構築予定の戸籍情報連携システムを活用すること等によりまして、法定相続人の確認、特定のオンライン化、デジタル化につきましても、法務省と連携して内閣官房において検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。

#44
○山田太郎君 今の答弁で、検討と同時に、しっかりここは法務省さんと、そのための逆に言うと戸籍なんですから、戸籍の情報化なんですから、お願いしたいと思います。
 さて、もう一つ、デジタル資産という意味では、書面が発行されないオンライン完結の銀行口座とか証券口座って今非常に増えています。銀行も最近はいわゆる通帳を持つと手数料を取ったりとか、こういう方向になると思うんですね。ただ、契約者が死亡しちゃうと相続人が認知することが事実上不可能、難しいというケースもあります。その場合、本人が死亡した場合に相続人が相続財産を認知することができる仕組みというのは必要だというふうに思っております。多分、こういうのがないから、もう一つ、国の方でも最大の問題となっています所有者不明土地問題なんというのも起こっていると。蓋を開けてみると、おじいさん、こんな土地持っていたのかいと、こういうような話も出てくるわけでありますけれども、是非、その辺り、今後どうされていくのか、答弁をお願いします。

#45
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁申し上げます。
 御指摘の相続財産に関する情報の相続人、遺族への伝達等につきましては、相続人負担の、相続人や遺族の負担軽減のために重要な課題になっていると認識しております。一方で、認知できる仕組みということで、自動的にあるいは機械的に伝達できるような仕組みというのはなかなか今実現が非常に困難かなと考えているところでございます。
 ただ一方で、御本人さんの意思になるんですけれども、遺族の負担軽減のために、御自身のやはり散逸しやすい様々な情報、資産等の情報につきましてエンディングノートという形で残す形がありますけれども、そういった方策は遺族のためには有効かと考えているところでございます。
 現在、紙で作成されていることが多いエンディングノートでございますけれども、紛失のしにくさ、あるいは遺族への継承等を考えますと、今後はデジタル化を進めるということも重要かと考えておりまして、内閣官房において当該エンディングノートのデータ標準なども作成しているところでございます。
 内閣官房としては、引き続き、個人の相続財産等の情報の記録や、相続人、遺族への伝達といった課題にしっかり取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

#46
○山田太郎君 もう一つ、デジタル資産に関して、クラウドストレージに保管されているコンテンツ、SNSアカウント及び電子マネーとか電子ポイントですね、これも一体どうなっちゃうのという話だと思います。
 利用規約に相続させることはできないというふうにされている例というのは結構あるんですけど、ルール整備というのはされているのかどうかと。例えば、私人間の契約だったとしても、相続できない一身専属的なものとされるのかどうかと。
 資料はちょっと二ページ見ていただきたいんですが、この件については私の事務所の方が金融庁に対して問合せをしまして、具体的に言うと、ペイペイさんに対してこれでいいのと。ペイペイさんの年間規約が、昨年は第五条で、残高アカウントに関する契約上の地位及びこれに生じる権利義務については相続させることはできないとなっていたんですけれども、問合せをして金融庁さんも何か言われたのか、策を打たれたのか、ペイペイさんは次の年に、要は、アカウントは引き継げないけど、中身に残額がある場合については、いわゆる当社がいわゆる確認した者についてはきちっとその分については振り込みをしますと、こういうようになったわけであります。一方で、ビックカメラのビックポイントなんというのは相続の対象とならないと、こういうふうに書いてありまして、本当にそれぞれの電子マネーとか電子ポイントというのがまちまちであります。
 昨今、給与もアプリに振り込むなんという議論がされている以上、やはりこの問題も避けて通れないと。いわゆる基本的な資産であるという認識をした上で、相続に対しても権利があるのであるということをやらないと、かなり混乱があると思いますが、これ、金融庁さんであれ法務省さんであれ、御答弁いただけないでしょうか、今後どうされるのか。

#47
○政府参考人(田原泰雅君) 電子マネーについて御答弁差し上げます。
 資金移動業者、前払支払手段発行者が発行いたします電子マネーの相続についてでございますけれども、先ほど先生からも御指摘ございましたように、複数の大手事業者におきましては、相続人から申出がありまして、真正な相続人であると確認できた場合には電子マネー残高の返金に応じているというふうに承知しておりますけれども、現段階で、電子マネー関連の業界団体の自主規制ルール等において電子マネーの相続に関する統一的なルールは存在しないというふうに承知いたしております。

#48
○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
 委員御指摘のような契約がされた場合について法務省からお答えをいたします。
 一般論といたしましては、契約において、当事者が死亡したときはその契約が終了したり、あるいはその契約に基づく当事者の権利が消滅したりすることを合意することは可能であると考えられます。
 もっとも、個別の事案において被相続人の一身に専属する権利に当たるかどうかということについては、契約の解釈に委ねられる場面が多いかと思われます。したがいまして、御指摘のような相続をさせることはできないという規定があるからといって、それだけで当然に一身専属権として相続の対象とはならないと言うことはできず、当該契約や権利の内容いかんによりましては当該合意は当事者に一方的な不利益を与えるものであるということで、公序良俗違反により無効とされることがあり得るものと考えられます。
 また、御指摘の利用規約が民法上の定型約款に該当するような場合には、民法上の定型約款の規制に基づきまして、利用者の利益を一方的に害するものとして合意がされなかったものとみなされるということもあり得るかと考えます。

#49
○山田太郎君 今、画期的な実は答弁なんですね。いわゆる民間の契約約款のみではないんだと。国としては、これからデジタル資産というのを、統一的なルールはないんだけれども、そういうことがあり得るんだというような答弁だったというふうに思います。
 改めて、ちょっとここまでで是非平井大臣に、デジタル三原則、まだまだこんな状況ですよと、ただ、これをしっかりやると一つデジタルの光の部分で効果出るんじゃないかということで、今後の指針とか意気込み、教えてください。

#50
○国務大臣(平井卓也君) このデジタル三原則を国会で成立させたときのIT担当大臣も私でしたので、この法案に関しては非常に思うところがあります。そして、なかなかこの三原則どおりに国のシステムがなっていないという問題も感じていますし、結局、今までの当たり前をやっぱり疑ってつくり直すということが必要だというふうに考えています。
 そして、これがやっぱりやるためにデジタル庁が必要なんだと考えておりまして、情報システムの整備及び管理の基本的な方針を策定して、予算の一括計上、配分を行うこととか、デジタル大臣による勧告権などを規定しておって、こうした取組を通じてデジタル三原則の徹底を含めた行政サービスの利便性の向上に、より実効性を持って取り組んでいかなきゃいけないというふうに思います。
 これも、勧告権もお飾りの勧告権ではなく、実際本当に変えてもらうべきものは変える、そして予算の執行に関しても止めるべきものは止めていくというような強い意思を持っていなければ恐らく大きく変えることができないんだろうと考えております。

#51
○山田太郎君 次に、ベースレジストリーというのが議論になっていますが、これとマスターデータとの関係についてちょっと質疑したいと思いますが。
 個人に関する基礎情報としては、まず戸籍、それから住民基本台帳、マスターナンバー、アルファベットを持っているパスポートなんというのがあるんですが、多分日本には、このベースレジストリーを議論する場合のマスターとして、これら、戸籍、住民票、それから戸籍の付票、マイナンバーという四つのマスターが存在しているということであります。多分これが関係として、仕組みを見させていただきますと、非常に厄介になっておりまして、結局のところ、マイナンバーをマスターにすれば本当はいいんだと、そのために本来マイナンバーをつくったんではないかと、こういうふうに思うわけであります。
 例えば、住民基本台帳が市区町村でばらばらに管理、存在しているといっても、結局は住民コードでつながっているわけでありますから、一元管理の議論ということがこれからどうあるべきなのかと、それが監視につながるのかということになるわけでありますが、いずれにしても、このベースレジストリーをつくる意味においてはマスターを何にするかということがあるわけであります。
 そういう意味で、このマイナンバーがマスターたり得ないのかどうかを含めて、どのように整備していくのか、この辺りいかがでしょうか。

#52
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 まず、昨年末のデータ戦略タスクフォース第一次とりまとめにおきまして、社会の基盤となりますベースレジストリーの整備につきまして、整備方針となるロードマップを策定したところでございます。そのロードマップにつきましては、ベースレジストリーのまず定義付けを行っております。ベースレジストリーとは、公的機関等で登録、公開され、様々な場面で参照される、人、法人、土地、建物、資格等の社会の基本データであり、正確性や最新性が確保された社会の基盤となるデータベースというふうになってございます。
 このような定義の下に、重点整備対象候補として、例えば個人、法人、土地、地図、文字、法律、制度、資格、公共施設等を示し、二〇三〇年を目標に整備することとして、そのための仕組みづくりを五年以内に行うというふうに決まったところでございます。そういう意味では、まだまだ段階的に、これから整備方針をしっかり固めて、その上で段階的に整備していくということだろうと思っております。
 そういう中で、これらの問題について例えばどういうふうになっているかと。今おっしゃったような個人に関するデータについては個人を何らかの形で特定する必要があるのではないかという、そういう御趣旨だというふうに思いますけれども、どういう利用のされ方がするのか。個人データですと、当然のことながら、各種個人保護法制あるいはその特例法の法制に従いながら利用されるということになろうかと思うんですが、そういう場合の利用の在り方を、どういうふうになっていくのかというのも詳しくやはり検討する必要があろうかなと思っております。
 そういう中で、何といいますか、現状どうなっているかというと、戸籍は今のところそういったような、何といいますか、戸籍内の多分システムもございますので、当然システム上の何らかの記号、符号あるに決まっているんですけれども、統一的なものは現状なくて、法律上、今後デジタル化を進める際に、マイナンバーの情報連携を使って、それで各種社会保障、マイナンバー制度の情報連携に戸籍情報を引き出せるようにするというようなことになってございまして、この、何といいますか、キーとなるものは、マイナンバーではなくてマイナンバーの情報連携符号というふうにされてございます。
 それから、住民基本台帳は、先生御指摘のとおり、住基コードとそれからマイナンバー。パスポートはちょっと、現状まだ戸籍に、戸籍を中心につくられているというところで、まだパスポート番号とひも付いたというふうな話じゃございませんけれども、そういうふうなものを考えるとき、私どもは、まず制度的なものと、それから、何といいますか、システム的ないわゆるコンピューターサイエンスの問題をやっぱり分けて考える必要があるんではないかと思っております。
 そういう意味で、例えば住民基本台帳の住基コードとマイナンバーというのは、J―LISでは当然対照表があって、住基コード、マイナンバーについて、例えば四情報からマイナンバーを引き出すとか、そういうことも可能になっているというふうなことでございますので、現状、論理的には対応が可能、対応していると、一義的に対応していると。
 一方、戸籍の方の、何というか、マイナンバーの符号でございますけれども、これは一種マイナンバーの暗号というふうに理解できるんではないかと考えておりまして、考え、要するに物の捉え方でございますけれども、例えばマイナンバーを暗号化して各種の、例えば戸籍に送ると、その戸籍の今度復号する手段を持っていないというふうな状態と同じだというふうに思っておりまして、マイナンバー法上、マイナンバー符号もマイナンバーも同じくマイナンバーの規制を受けると、そういうふうになってございますので、そういうふうなものとして考える余地があるんではないかと。
 したがいまして、いずれにしても、今後の検討におきましては、そういった、何をキーとしてどういうふうに使っていくかという全体のアーキテクチャーを考えながら、一方で、セキュリティー、例えば漏えいしたときに大量の被害が出ないようなセキュリティーの問題との、例えばどちらを、どういうふうなバランスを取るかというふうなことも考えながら、先生の御指摘も踏まえまして検討させていただきたいというふうに思います。

#53
○山田太郎君 ちょっとこれ通告にないんですけれども、マイナンバーカードなんですけど、それにちょっと関連して、マイナンバーカードって知られたらまずいんですかねという話と、何かマイナンバーを取得すると、私も取得していますけど、あるところ、性別とか隠しているんですけど住所は隠していないとか、そもそも隠さなきゃいけないのかとか、大体、あんなふうに隠すものだから、うちの母親なんかはマイナンバーカードを貸金庫にしまっておりまして使えない状態になっているんですが、これ何なんだろうという話でありまして、マイナンバーカードって落としても、落とすと大変なことになっちゃうのかどうかとか、あの番号は知られるとまずいのかとか。
 あるいは、住所を持っていなければ、先ほど言ったように、非常に矛盾がなくなりまして、個人認証ができればそれでいいんで、高度な、一々一々市役所に再提出する必要はなく、どちらかというと、期限をもって何年かに一遍チェックをすると、こういう仕組みでいいわけであります。実際、そういうふうなことにもなっているわけでありまして、ちょっとその辺り、IT資産なのか番号資産なのか、マイナンバーカードに関して今後見直す余地はないのかどうか、御答弁、済みません、いただけないでしょうか。

#54
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 マイナンバーカードにつきましては、もう大きく二つの機能があると思いまして、一つは、マイナンバーが書いてあるとおり、本人確認書類としての、対面での本人確認、かつマイナンバーが書いてある、先生御指摘の隠してあるやつですけど、このマイナンバーを書いてあるというところが一つの特徴でございまして、マイナンバーを証明するものとしては、マイナンバーカード又は市役所等に行って住民票をマイナンバー付けて取らないといけないというのがありますので、マイナンバー付きの事務には、対面でやるには、マイナンバーカードというのは、そのマイナンバーを使うというところがございます。
 それが隠すべきものかどうかという点につきましては、マイナンバーというのは、まあ言うたら、みだりに知られるものではないけれども知られたら危険があるものでもないと。例えば、預金通帳の、預金の、例えば預金の番号に近いと。要するに、マイナンバーの数字というのは本人を特定すれども証明はしないと。したがって、マイナンバーを知られたからといって証明するものではないと。預金口座も、預金口座は振り込みには使いますけれども、預金口座だけで下ろせるものではないと。そういうものでございまして、そういう点では、危険、落としたからすぐ危険があるというふうなものでも決してないということでございますので。
 ただ、なぜ制度当初マイナンバーについてやや注意喚起したかというと、やはり、それはやはり、何といいますか、その当時の、何といいますか、国民の不安等に応えるためにそうやったものでありまして、それがいつまでも続くというふうには考えていないというところでございます。
 その上で、もう一つの機能が先生の御指摘のマイナンバーカードの公的個人認証。チップに入っておりますが、このチップは極めてセキュリティーの高いものでございますので、落としたからといって、チップをいじろうとしたらすぐ壊れますので、これもセキュリティーは十分であると考えております。

#55
○山田太郎君 普及のためには、そういった意味で、一千億円今回予算で掛けるのもいいんですけれども、そういったところをしっかり見直すというところから始めた方がいいんじゃないかなというふうに思いますので、ちょっと済みません、通告しなかったんですけど、その辺り触れました。
 さて、実は今日の本丸はこれからだったんですけれども、一個は、このいわゆるマイナンバーをマスターとして使えないのかということで、ちょっと三ページの資料を見ていただきたいんですが、要は、一元管理ということに関して、住基ネット訴訟でもってこれまでも相当議論があって、いわゆる、今回デジタルに関してここを、反対されているところとか気になるところというのはこの部分なんじゃないかなというふうには思うんですね。
 これ、ちょっと見方言うと、住基ネット訴訟の二〇〇八年の三月六日の最高裁の判決とその前の高裁の判決というのを比較して見ているんですが、要は、最高裁は何と言っているかというと、いわゆる個人情報の一元管理が憲法違反というのは直ちには言っていないんですよね。右の方の二ページと書いてある下のところに、現行法上、一元管理、管理することができる機関又は主体は存在していないと書いているだけでありまして、だからといって、一元管理が駄目だとか、そういうことを言っているわけではないということでありまして、もう一個、一元管理の定義というのもしておかなきゃいけなくて、一回一元管理の定義というのは政府でやっているんですけど、共通データベースをつくるということなんですね。分散しながらも、いわゆる、例えばマイナンバーをメタデータとして、マスターデータとして活用して、いわゆる分散されているデータをつないでいくということにおいては何ら問題はないんじゃないかと。
 そういう意味で、今、向井審議官が少し触れられました、制度としての在り方とシステムとしての在り方というのを分けていくということ。直ちに、マイナンバーのマスターデータがただばれたとしても、それ自身にはいわゆる問題ではないんではないかと、こういうような議論もあるわけでありますから、その辺しっかり、一元管理とは何なのかと。
 それともう一つ、最初のテーマにも戻りますが、一元管理が問題なんじゃなくて、一つは、目的外利用を勝手にされてしまうとか、それによって一か所にデータが全部あると漏えいしちゃうリスクがあるとか、事故っちゃったら止まっちゃうよねというところが問題なんであって、別に一元管理そのものが問題だとかいうわけではないですし、実際、実態としていわゆる日本のシステムを全部一元的に持っているわけじゃなくて、もう現実として分散していますし、今後も一元化へのデータベースが、とてもじゃないけれども、大き過ぎてつくれるわけじゃないと思いますが、この辺り、そういう意味で、いわゆるマイナンバーを付してデータベース化できるようマイナンバー法を例えば改正するということは憲法上許されるのかどうかという辺りですね、三ページも見ながら御答弁いただきたいと思います。

#56
○政府参考人(平川薫君) お答えいたします。
 今般のデジタル社会形成基本法案第三十一条の規定におきましては、デジタル社会の形成に関する施策の策定に当たっては、公的基礎情報データベースを整備するとともに、その利用を促進するために必要な措置が講じなければならないこととされており、公的基礎情報データベースに関する具体的な制度については今後関係省庁において検討がなされていくものと認識しております。
 内閣法制局は、閣議に付される法律案を審査し、これに意見を付し、及び所要の修正を加えて内閣に上申することを所掌としておりまして、担当省庁が政策を立案し、立法化の案を作成した段階におきまして、憲法との整合性も含めて審査を行うこととするものでございます。
 お尋ねの公的基礎情報データベースに関する番号利用法の改正につきましては、担当省庁から具体的な案が示された段階で、仮に憲法との整合性が問題となるようであれば、それぞれの憲法の規定に基づき、その整合性について判断することになるものと考えております。

#57
○山田太郎君 ということは、結局は内閣官房さんにこの議論は戻ってきちゃうわけでありますが、今後、内閣官房さんとしてはこの辺り、マイナンバーをマスターとして、マイナンバーを付してデータベース化できるというふうに考えて改革されようとするかどうか。
 もう時間もないので、もう一つ。最高裁の判決も踏まえれば、自己情報コントロール権さえあればいいんだというふうにも読めるわけでありまして、しっかり、例えばエストニアなんかはすごいんですよね。自分の情報がどういうふうに使われたかということが分かると。これは役人でも、自分の情報がどう使われたか分かるし、それが目的外利用だということであれば訴えることもできるということでありますが、この辺り、今後どういうふうにしていかれるのか、内閣官房さん、よろしくお願いします。

#58
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 まず、マイナンバー、マイナンバーがどの分野に使えるかというのと一元管理というのは若干違うと思っておりまして、一元管理という場合は情報の一元管理とシステムの管理とは別だと思っておりまして、情報の一元管理ができるような、情報の中身についてですね、そんな機関は多分日本には存在し得ないんだろうと思いますし、そんなものをつくったら物すごい金が掛かるだろうということであろうかと思っています。
 一方で、システムの一元化というのは当然可能だと思っております。その前提の中で、じゃ、マイナンバーどうするんだという話ですが、マイナンバー自体は、マイナンバーそのものの数字のことと、先ほども申しましたように、符号と、符号化されたものというのは数字としては別のもの、これを別と観念するか同じと観念するかによって若干変わってくると。現状案のマイナンバー法が符号の方はもう少し広く使えるような書き方になっているということでございますので、今後その符号を使ってやっていこうというのが現状の情報連携のやり方なんですが、その先更にデータベースをどうしていくかというのはまだ、まだまだ今後の検討だとは思っております。
 ただ、マイナンバーをそもそも民主党政権時代に最初につくったときも、どこまでマイナンバーを使うのかというのは議論になったところでございまして、税だけで使うのか、税、社会保障で使うのか、行政分野で使うのか、民間も使うのかみたいな議論は当然あったわけでございまして、そのときのアンケートでは税、社会保障というのが一番多かったと。一方で、当然、行政全体に使うという議論も当然あったわけでございまして、行政全体で使うことが当然できないというふうには考えていないということでございます。
 そういうことも踏まえながら、どういうやり方が最も、何といいますか、便利かつセキュリティー上大事だかどうか考えながら検討させていただきたいというふうに思っております。

#59
○山田太郎君 時間になりました。また残りの分については次の機会を捉えて質疑させていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

#60
○木戸口英司君 立憲民主・社民の木戸口英司です。
 早速質問に入らせていただきます。
 先週十六日に、COCOAで起きた不具合とそれが四か月以上放置されたことについて、厚生労働省からCOCOA不具合調査・再発防止策検討チームの報告書が公表されております。資料一でお配りしたものはその一部でありますけれども、その問題、局面、どういう局面でこの問題が起こったのか、あるいは厚生労働省の体制等について問題が分かるところだけ抜粋をしてお配りをさせていただきました。
 結合テストが行われなかったこと、また、そのテストに対する重要性が認識されていなかった、また、業者任せであったということ、事業者と厚生労働省の認識共有が図られていなかった、事業者側もしっかりと認識がされていなかったということ、やっぱりうまくいかないのは当然だなということが書かれております。
 平井大臣も、この問題については何度もいろんな場面で聞かれて、あるいは発言をされています。そもそも発注自体にも問題があったと言わざるを得ないということもおっしゃっておられる。また、今後方針を考えていくと、デジタル庁ができればあるいは今の体制の中でしっかりと関与していくということだと思います。
 そういった上で、この報告書、改めて読まれて、どのような認識を持たれたか、あるいは今後の対応についてお伺いをいたします。

#61
○国務大臣(平井卓也君) 御指摘の報告書は、厚生労働省においてIT室のCIO補佐官を含む専門家の技術的助言も受けて原因や再発防止策を整理したものと承知していますと。
 報告書において、今回の不具合が見逃された原因は、バージョンアップの際に適切なテストが実施されなかったこと、GitHub等の外部からの指摘を不具合の発見に生かすことができなかったこととされておりました。
 今回の不具合を受けて、二月二十五日に内閣官房IT総合戦略室及び厚労省で発足させた連携チームにおいてCOCOAの運用を担っており、今回、この報告書の内容を踏まえて、今年度の契約では委託先の事業者にアプリの改修時に実際の機械を使うというか実機によるテストの必要性を含めて了承を得るように求めており、また、CIO補佐官がGitHubを確認し、有志の民間技術コミュニティーとのコミュニケーションを既に開始しています。
 報告書でまとめていただいた再発防止策は、IT室としても、連携チームにおける今後のCOCOAの運用に生かしていくとともに、また、今回の事案への対応を教訓として、デジタル庁の設置準備にも生かしていくということです。今、COCOAの改修は我々の方でやらせていただいており、もう今週中にも厚生労働省の方から発表があるというふうに思います。

#62
○木戸口英司君 大臣の前の記者会見での発言で、この委託料ですかね、約三億円ということですけれども、とてつもなく高いという評価をされています。今後、IT推進室、そして、いずれデジタル庁ということですけれども、所管をしていけば、こういった費用についても、適正というのはなかなか難しい部分でありますけれども、変えることができるのか。
 もう一つ、大臣の発言で、アプリ系の話は完成形がないのが基本、常にバージョンアップ、そういう機能を持つことができるのもデジタル庁だとおっしゃっている。ここは重要だと思うんですね。まさにこういった取組については、失敗だったり、あるいはバージョンアップだったり、それにしっかりと対応していく、あるいはミスがあったとすれば、それをリカバリーしていく、そういった組織体制あるいは組織文化と。実はこの議論は、また蒸し返すようですけれども、資料のミスがあったときに大臣と議論をした、そういった組織文化をいかに霞が関にこれから根付かせていくか、あるいはデジタル庁の中で大きく変化をさせていくかということが非常に大事だと。まさにミスのリカバリーという部分で非常に大きな問題があったと私は考えております。
 そういった意味で、もう一度ここを立て直していくこと、そして民間から来た職員の皆さんとしっかりと連携をしていくこと、そういった組織体制をつくっていく大臣の決意をお伺いいたします。

#63
○国務大臣(平井卓也君) 全くおっしゃるとおりだと考えています。
 特に、このアプリ等のその開発に関して言えば、リリースしてからが実は本番だというぐらいの認識でやらなきゃいけないということで、やっぱり契約の仕方も変えていかなければならないというふうに考えています。そこの認識が全く足りなかったことと、その運用の部隊を全部丸投げにしてしまったらこういうこともうまくいかないだろうというふうに考えていて、今回の事案、今回新しく三十五人の民間の方々に来ていただいておりますが、その中にはもう実際、本人、御本人がアプリの開発等々に携わっている方も多々いらっしゃいます。
 そういう知見が我々発注者側にあればこういうような失敗はしなかっただろうという思いもありまして、そういう意味で、やっぱり体制をどのようにしてこういう事案に取り組んでいくかということが非常に重要だと思っております。先生の御指摘のとおりだと考えます。

#64
○木戸口英司君 実際、この予算ということで貴重な税金が使われていることでありますので、この適正なということは非常に難しいと思いますけれども、この辺もしっかりとクリアにして、国民に分かりやすく進めていくということ。まあ、このとてつもなく高いという、こういうせりふが、非常にびっくりする話でありますので、しかし、我々はその適正な価格というのは分からないわけですので、この辺も説明責任をしっかりと担っていっていただきたいと、そのように思います。
 そこで、これまでのIT戦略あるいはデジタル化に向けた取組の総括ということ、先ほども議論であったわけですけれども、私の方からもさせていただきます。
 平成十二年にIT基本戦略が策定されております。国家戦略策定の必要性を示し、ここにはインターネット普及率など主要国の中で最低レベルにあるという認識があったということ、その中で、一、超高速ネットワークインフラ整備及び競争政策、二、電子商取引ルールと新たな環境整備、三、電子政府の実現、そして四、人材育成の強化という四つの重点政策分野に集中的に取り組むということで、これまで約二十年取り組んできたと思っております。
 この四つの重点政策分野の取組のこれまでの進捗に対する評価をお伺いいたします。

#65
○政府参考人(二宮清治君) お答え申し上げます。
 先生御指摘の四つの分野でございますけれども、まず一点目、超高速ネットワークインフラ整備及び競争政策についてでございますが、電気通信事業に係る競争政策等を通じまして、平成十五年に高速インターネットを三千万世帯に、超高速インターネットを一千万世帯に利用可能にするとの目標を早期に達成をしております。その後も、高度情報通信ネットワークの形成は格段に進捗をしているという状況かと考えてございます。
 また、二つ目の電子商取引ルールと新たな環境整備の分野でございますけれども、電子商取引準則などが策定されて進められているところでございます。平成十五年のいわゆるBツーB、事業者間の電子商取引の市場規模は七十兆円、事業者、消費者間、いわゆるBツーCの市場規模が三兆円という目標は達成をされております。その後も市場規模は成長を続けておりまして、令和元年にはBツーB市場で三百五十三兆円、BツーCで十九兆円に達しているところでございます。
 三点目でございます。電子政府の実現についてでございますが、デジタル・ガバメント実行計画等に基づきまして計画的に取り組んでいるところでありまして、法令等に基づく行政手続のうち、件数ベースで全体の約八割がオンラインで実施可能となっているところでございます。一方で、紙で別途提出を求めております添付書類の削減とか国民にとって使い勝手の向上、こういった引き続き取り組むべき課題も多いというふうに考えてございます。
 最後四点目、人材育成の強化についてでございますが、大学における高度なIT人材の育成、IT講習の充実などによります国民のIT利活用能力の向上、学校教育の情報化等に取り組んできているところでございますけれども、平成三十年において約二十二万人のIT人材が不足をしております。さらに、二〇三〇年、令和十二年では約四十五万人のIT人材が不足するとの予測もあるところでありまして、引き続きIT人材の育成確保は大変重要な課題と承知をしておるところでございます。

#66
○木戸口英司君 この基本戦略の下にe―Japan戦略ということで進められてきたわけでありますけれども、この戦略においては、五年以内に世界最先端のIT国家となることを目指すという目標が掲げられています。
 資料二でお配りしておりますが、これは本会議で杉尾委員も触れたことでありますけれども、国連電子政府ランキング、二〇二〇年は日本は十四位と、二〇一八年の十位からむしろ順位が低下しているという現実があります。
 世界的な日本との比較は先ほども議論あったところでありますけれども、私申し上げたいのは、平成三十年からも世界最先端デジタル国家創造宣言というのが出されて、今も世界最先端という言葉は生きているということだと思います。しかし、実態と懸け離れている、こういう状況の中で、今後、これをどのように捉えて、今後基本方針が立てられると伺っておりますけれども、しっかりと工程表を示して、世界最先端というこのタイトル、ここにどう目指していくかということをしっかり示すべきだと思いますけれども、こういった視点でいかがでしょうか、お尋ねいたします。

#67
○政府参考人(二宮清治君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のe―Japan戦略におきましては、光ファイバーの世帯カバー率等、九九%を超えるというような目標は非常に早く達成をしたところでございます。しかしながら、その後、官民いずれにおいてもこのインフラを十分に使いこなせていないというところにつきましては反省点でございまして、他の国々と我が国とでは一概には比較はできないものの、日本のデジタル化は相当遅れているというふうな認識でございます。特に、今回の感染症を通じまして、行政機関同士の不十分なシステム連携に伴う行政の非効率や度重なるシステムトラブルの発生など、官民のデジタル化の様々な課題が浮き彫りになったものと認識をしております。
 こういった認識を踏まえまして、先生御指摘の計画的に取組を進めていくということを考えてございます。今般のデジタル社会形成基本法におきましても重点計画というものをしっかりと定めてまいることになっておりますので、そういったものをしっかりフォローアップをしながら、遅れることなく取組を進めてまいりたいと考えてございます。

#68
○木戸口英司君 この世界最先端という目標を立てて、しかも、この創造宣言という大きな看板を立ててきたと。しかし、実態は残念ながらという状況の中で今回デジタル庁がつくられようとしているわけでありますので、やはり、しっかりとここを総括をしてということ大事だと思います。それはここ数か月で行われてきたと思うんですが、ここは総括、認識伺うつもりでしたが、まずは指摘にさせていただきます。しっかりとこの現状を踏まえて、これを国民に知らせて、そして前へ進んでいくということをしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 そして、これまでの体制ですけれども、これも先ほど議論がありました。ここは触れさせていただきますけれども、内閣に内閣総理大臣を本部長にIT総合戦略本部が設置されてきたと、そして政府CIOが平成二十五年から法定化されてきたと。しかし、現実、なかなか現状を打破するまでにいかなかったということは先ほど答弁がありました。
 この体制が、平成二十五年から政府CIOということですから、もう八年近くこの体制でやってきたわけでありますから、それが、このままの体制で今まで続けてきて、なぜこの立て直しということがここまで延ばされたままで来たのか。この間、大臣もIT担当の大臣もされてきたと。いろいろ発言もあるところですが、改めて、この体制の立て直しということがここまで掛かった理由ということも含めて御答弁をいただきたいと思います。

#69
○国務大臣(平井卓也君) さっきの話ですけれども、やっぱり日本って、光ファイバーとか携帯電話のカバレッジやそのデータ通信のスピード、要するに、非常にすばらしいインフラを持っていながら、国民が、要するに本来のデジタル化の恩恵というものを国民に届けることができなかったのはなぜかという問題意識でもあります。
 政府の方のこの政府CIOも、実は各システムの運用経費等々は三割削減という目標を掲げてそれは個別にやってきているんです。ですから、その個別システムの最適化ということは今までもやっていました。
 ただし、やっぱり何が一番足りなかったかというと、省庁横断で取り組むということに関して言えば、なかなかその取組ができていない。結果、やっぱりデジタルの一番のメリットというのは、やはりつながると、情報連携する、そこでとてつもなく便利になったり新しい価値が生まれるということなんですが、そこができなかった。
 電子政府のことに関して言っても、要するに、電子でもできますが、それ圧倒的に便利ではなかった場合、国民の皆さんがそれに飛び付くということではないんです。ですから、電子でもできますというのではなくて、もう圧倒的にそこは要するに便利で早くて安いというようなことにしていかなければならない。つまり、ユーザー目線が足りなかったこと等々があります。
 そういうことで、今までの政府CIOも機能してきましたけれども、基本的には各省庁に対するアドバイザーであり、助けるというスタンスでした。ですから、本来の構造的なアーキテクチャーとかそういうところまで踏み込めなかったというようなことがやっぱり大きな問題で、そこの省庁横断のところを今回何とかやりたいということで、このような新しい組織に強い権限を持たせて、それに取り組もうというふうになった経緯でございます。

#70
○木戸口英司君 これから、大分遅くなりましたけれども、時間が掛かったということを感じますけれども、そこに向かっていくということは我々も期待したいところでありますけれども、しかし、先ほども言いましたとおり、しっかり検証しないと、この省庁横断ができなかった、いわゆる縦割りだったということ、あるいはユーザー目線が足りなかったということ、まさに先ほどのCOCOAの失敗に通じるものなんですね。それが今でも行われてきているということ、これをどうしっかりと立て直していくか、また、霞が関の中にしっかりと根付かせていくかということは本当に大変な取組だと思います。そのことをしっかりと我々もチェックをしてまいりたいと思います。
 そこで、衆議院において議論が行われてきたわけでありますけれども、この法案の修正、また修正案が出されております。資料三で、我が立憲民主党から衆議院になされた修正案の骨子を出させていただきました。我々とすれば、これ、是非この修正をいただいてこの法案を更に良くしていただきたいという、自信を持って我々、部会でもPTでも議論をして出させていただいたものでありますので、法案の修正成ったもの、成らないもの、それぞれあるんですけれども、それぞれこの意を酌んでいただいて取組に生かしていただきたいという意味で、一つ一つその所見あるいは取組を伺ってまいりたいと思います。
 まず、先ほど説明もあった修正された部分でありますけれども、基本理念、第八条関係、利用の機会等の格差の是正について、デジタル社会の形成に当たって是正が図られなければならない利用機会の格差の要因に対し修正が行われ、地理的な制約、年齢、障害の有無等の心身の状態、ここが修正されたわけでありますけれども、経済的な状況その他の要因とされております。
 修正も踏まえ、これらデジタルデバイドに対する現状認識と、全ての国民が公平、安心、有用な情報にアクセスする環境構築に向けた今後の取組についてお伺いをいたします。

#71
○政府参考人(冨安泰一郎君) お答え申し上げます。
 デジタル社会形成基本法案が目指すデジタル社会では、全ての国民が情報通信ネットワークの利用や、自由かつ安全な情報の活用を通じて、デジタル社会の様々な活動に積極的に参加し、能力を最大限に発揮すること、発揮できることが重要と考えております。
 このため、デジタル社会形成基本法案では、様々な要因による情報の活用等の機会格差、機会の格差是正が図られるとともに、情報の活用等の機会の格差が生じないよう必要な措置が講じられるべき旨を定めており、衆議院において、格差の要因の一つとなり得る「身体的な条件」が「障害の有無等の心身の状態」に修正されたことも踏まえ、デジタルデバイドの対策について一層の充実が必要との認識の下、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
 具体的には、関係省庁と連携して、高齢者や障害者等に対して身近な場所でデジタル機器やサービスの利用方法等に関する助言や相談を行うデジタル活用支援員といったリテラシー向上に関する取組を充実するとともに、言葉の壁を克服するため、多言語音声翻訳システムの一層の利用拡大に向けた取組を推進すること、地方にいても都会と同じような仕事や生活ができるよう情報通信ネットワークの全国的な整備を推進することなど、デジタル社会の実現に向けた対応をきめ細かく行ってまいりたいと考えているところでございます。

#72
○木戸口英司君 やはり今回のデジタル化、デジタル改革については期待もあるわけですけれども、一方で、やはり集権的な改革になりはしないかということ、そういった懸念もあるわけであります。やはり分権的であること、あるいは民主的であることということ、このことをしっかりと踏まえてやっていただくことが必要だと思います。
 そして、基本理念、第十条関係の修正案でありますけれども、これは修正案であります、第十条、個人及び法人の権利利益の保護等について、デジタル社会の形成に当たって保護が図られなければならない事項が、一義的には個人の権利利益に関する事項及び高度情報通信ネットワークの安全性及び信頼性の確保であることを明確にするよう、これ修正を求めたものであります。この修正案に対する所見をお伺いいたします。

#73
○国務大臣(平井卓也君) 仮に、御指摘のようにデジタル社会形成基本法案の第十条を修正しますと、デジタル社会の形成に当たって重要な要素となる、信頼性のある情報の自由かつ安全な流通、DFFTですね、法人の権利利益の保護、国の安全が削除されるといった課題があると考えています。
 また、個人情報の保護や高度情報通信ネットワークの安全性及び信頼性の確保については、デジタル社会形成基本法案の第三十三条において規定しておりますので、御指摘の修正点はこの規定と重複することになると考えているわけでございます。

#74
○木戸口英司君 修正そのものに対してはそういう判断だったんだろうと思いますけれども、一義的に個人の権利利益、そして高度情報ネットワーク、通信ネットワークの安全性及び信頼性の確保を更に強調して明確化するようにという趣旨でありますので、この点は強く指摘して、しっかりと取り組んでいただくこと、そのことをまた強調したいと思います。
 そして、施策の策定に係る基本方針、第二十九条関係の修正案でありますけれども、第二十九条、国及び地方公共団体の情報システムの共同化について、デジタル社会の形成に関する施策の策定に当たって講じられなければならないとされる国及び地方公共団体の情報システムの共同化及び集約の推進を努力義務とするように修正を求めたところでありますけれども、この修正案に対して所見いかがでしょうか。

#75
○国務大臣(平井卓也君) デジタル社会形成基本法案第二十九条においては、情報システムの共同化又は集約の推進と規定しており、推進が物事を推し進めるという意味であることから、情報システムの共同化又は集約を行うことだけでなく、それに加えて共同化又は集約に向けて検討を進めることも含まれるというふうに考えております。
 地方公共団体が情報システムの共同化又は集約の推進をしたが、結果的には共同化又は集約が実現できないといった場合も、法律上は否定されるものではないことから、第二十九条の規定はこの御提案の趣旨を読み込めるものだというふうに理解をしております。

#76
○木戸口英司君 衆議院の質疑の途中で義務ということが強調された時期もあったようでありますので、こういった趣旨だということが大臣から明確に答弁があったので、しっかりと、地方自治体との意見をしっかり聞きながら取り組んでいただくということだと思いますので、自治体による上乗せ、横出しを認める範囲、大分狭くなっているという議論もあったところでありますので、今後、自治体の自治を尊重するということを、我々もしっかりとそこはチェックをしていきたいと思います。
 その上で、また、次ですけれども、デジタル社会の形成に関する重点計画の作成手続、第三十七条関係の修正案でありますけれども、内閣総理大臣が重点計画の案において地方自治に重要な影響を及ぼすと考えられる施策について定めようとする場合の意見聴取先として、地方六団体のみならず、地方公共団体の職員が組織する団体の連合体その他の関係者を追加するよう修正を求めたところであります。広く意見を聞くべきということでもありますけれども、この修正案に対して所見をお伺いいたします。

#77
○国務大臣(平井卓也君) デジタル社会形成基本法案の第三十七条第五項においては、重点計画の案において、地方自治に重要な影響を及ぼすと考えられる施策について定めようとするときは、当該施策について、都道府県知事、都道府県議会の議長、市長、市議会の議長、町村長又は町村議会の議長の全国的連合組織の意見を聴かなければならないこととしております。
 この規定は、施策の実施主体となる地方公共団体の執行機関たる都道府県知事及び市町村長の全国的連合組織、議決機関たる議会の全国的連合組織に対して意見を聴くことにより、重点計画の作成に当たって地方公共団体の意見が反映されることを担保するための規定であり、職員については執行機関の一部であることから、知事、市町村長の全国的連合組織の意見を聴くことを通じてその意見も、その職員の意見も把握し得るものと考えています。
 他方、衆議院内閣委員会における附帯決議においては、地方自治に重要な影響を及ぼすと考えられる施策について重点計画を作成するときは、地方六団体のみならずその他の関係者の意見を幅広く聴取することとされております。
 現在、全国の自治体職員等の議論の場として、デジタル改革共創プラットフォームで非常に活発な議論を、これも千百人以上の方々が参加をしてやっています。今日からベータ版から本格版も稼働させるということでございまして、この附帯決議の趣旨も踏まえて、幅広い方々の意見、特に現場の意見をお聞きすることが非常に重要だと考えております。

#78
○木戸口英司君 法律には書き込まれなかったということでありますけれども、仕組みとしてそういったことに取り組んでいくという答弁をいただきました。是非、貴重な意見、やはりしっかり、住民と向き合っている方々でありますので、それぞれまた知見を持っている方々でありますので、是非そのような取組を更に力を入れてやっていただきたいと思います。
 次に、衆議院におけるこのデジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案に対する修正案について議論をさせていただきます。
 公的個人認証法第十八条第三項関係、公的個人認証サービスにおける本人同意に基づく最新の住所情報等の提供について、地方公共団体情報システム機構が本人同意に基づき事業者等の求めに応じて提供する情報から性別に関する情報を除くよう修正を求めたところであります。
 この修正案に対する所見をお伺いいたします。

#79
○国務大臣(平井卓也君) 本改正により地方公共団体情報システム機構から署名検証者等への基本四情報の提供が可能となりますが、基本四情報は、本人を特定するための基本的な情報として広く利用されているものであるとともに、その提供は利用者本人の同意が前提であるため、利用者の意思に反した情報の提供は行われないものだというふうに考えております。
 運用の詳細については今後総務省において政省令を定める予定となっておりますので、例えば性別情報を除いた同意も可能とすることや、同意後もその同意の取消しが可能な仕組みとすることなどを含めて検討されるものと承知しております。

#80
○木戸口英司君 柔軟な検討がなされるということでありますので、時代の要請に合わせてということ、まさにデジタル改革の成功がそこに懸かっていると思いますので、その点は強く要請をしておきたいと思います。
 次に、個人番号カード用署名用電子証明書等の発行の有無にかかわらず、移動端末設備用利用者証明用電子証明書等の発行を受けることができるようにするための検討条項、これから検討していけるようにということで、これを設けるように修正を求めたところであります。
 この修正案に対して所見をお伺いいたします。

#81
○国務大臣(平井卓也君) 移動端末設備用電子証明書については、市区町村窓口における対面での本人確認を経て発行されたマイナンバーカードの電子証明書を信頼性の基礎として用いることで、オンラインで簡便かつ確実に発行することが可能となります。
 これに対し、仮にマイナンバーカードを持ってもない者に発行するとした場合、移動端末設備用電子証明書の発行のために改めて窓口で対面での本人確認が行う必要があり、電子証明書の更新時やスマートフォンの機種変更等の際も同様に対面での手続が必要となる。このことは、利用者にとっても、対面での手続を担う行政機関にとっても過度な負担になると考えています。
 また、マイナンバーカードは対面でマイナンバーカードの確認と身元確認を一枚で行える唯一の公的な顔写真付きの本人確認書類であり、デジタル社会の基盤として引き続きマイナンバーカードの普及に努めることが重要であり、それにプラスしてその移動端末設備用電子証明書を発行することはマイナンバーカードの所有者に対して大きな利便性になるのではないかと考えております。

#82
○木戸口英司君 分かりました。その点は分かりました。
 じゃ、次、個人情報保護法について、第一条関係ですね、第一条関係について、個人情報保護法の目的に、個人情報の取扱いについて自ら決定する権利が保障されるべきであること及び個人情報を保護することを明記するよう修正を求めたところであります。
 この修正案について所見をお願いいたします。

#83
○国務大臣(平井卓也君) 修正案における個人情報の取扱いについて自ら決定する権利とは、いわゆる自己情報コントロール権を念頭に置いたものというふうに理解をしております。
 いわゆる自己情報コントロール権については、その内容、範囲及び法的性格に関して様々な見解があって、明確な概念として確立していないことや、表現の自由等との調整原理も明らかでないことから、一般的な権利として明記することは現状では適切ではないと考えています。
 また、個人情報保護法制は個人の権利利益の保護を最終的な目的として個人情報の保護を行うものであることから、修正案にあるように、個人の権利利益の保護の内容として個人情報の保護を位置付けるのは適当でないというふうに考えております。
 なお、改正案では、事業者や行政機関等が保有する個人情報の取扱いに対する本人の関与を重要な仕組みと位置付けており、本人による開示、訂正、利用停止請求等を可能とする規定を設けています。改正案の内容は、これらの規定等により個人の権利利益を実効的に保護するものとなっていると考えております。

#84
○木戸口英司君 自己情報コントロール権は、先ほど来も議論あるところでありますけれども、また後ほど少し議論をさせていただきたいと思います。
 次に、個人情報保護法に、保有する個人情報の適正な取扱いの確保に関する条例制定の改正案ということで、地方公共団体は、個人情報保護法に定めるもののほか、基本方針を参酌して、その保有する個人情報の適正な取扱いの確保に関し、条例を制定できる旨を明記するよう新条項を設けることを求めたところでございます。
 この修正案に対し、所見をお伺いいたします。

#85
○国務大臣(平井卓也君) この地方公共団体の条例制定権については、憲法及び地方自治法において法律の範囲内で条例を制定することができる、憲法九十四条、地方自治法十四条一項ですね、ことが明記されており、改正後の個人情報保護法の下における条例の制定についても、基本的にはこの考えが当てはまることから、改めて条例制定の一般的な根拠規定を置く必要はないと考えています。
 あわせて、第百八条及び百二十九条は、確認規定にすぎないのであれば削除すべき旨の御提案もいただいたところでありますが、第百八条は、本人開示等請求に係る手続は対外的な効果を持ち、単なる団体内部の手続的事項とは言えない部分があるので、条例を置き得ることを明記するものであり、必要な規定である。第百二十九条は、改正後は、国が策定するガイドラインや個人情報保護委員会の助言等により、個別の個人情報の取扱いの判断に際して審議会等に諮問する必要性は大きく減少すると考えられることを踏まえ、審議会等への諮問は特に必要な場合に限って行われるべきことを定めるものであり、必要な規定であると考えております。

#86
○木戸口英司君 条例制定は他の法律でということでありますけれども、この個人情報保護法については、条例制定、要配慮個人情報の追加、また審議会からの意見聴取、また手数料等ということで、かなり限定されているという認識をいたしております。この点は、また今後の議論、また深めていきたいと思っております。
 引き続き、この改正案についてお聞きいたします。
 個人情報保護法第六十九条第二項第二号及び第三号関係について、行政機関の長等が保有個人情報を目的外で利用し、又は他の行政機関等に提供する場合の要件について、政府案が、法令の定める所掌事務又は業務の遂行に必要な限度で保有個人情報を内部で利用する場合であって、当該保有個人情報を利用することについて相当の理由があるときとしているところ、これにより限定的に、これをより限定的にするよう修正を求めたところでありますけれども、この修正案に対して所見をお伺いいたします。

#87
○国務大臣(平井卓也君) 改正後の第六十九条は、現行の行政機関個人情報保護法第八条の規定を引き継ぎ、行政機関等における個人情報の目的外での利用や提供を、本人の同意がある場合のほか、相当の理由や特別の理由がある場合に限り認めることとしております。
 ここで、相当の理由や特別の理由は、個人の権利利益の保護の必要性と個人情報の有用性とを比較考量し、個人情報の有用性が上回ると考えられる場合に限り認められるものであり、決して個人情報の無限定な利用や提供を求めるものではありません。
 また、相当の理由や特別の理由の有無は第一義的には当該個人情報を保有する行政機関等が判断しますが、その判断が適正であったかどうかを個人情報保護委員会が監視することとしておりまして、決して行政機関等による恣意的な判断を許すものではありません。
 現行の行政機関個人情報保護法第八条の規定は、平成十七年の法制定以来、約十五年間にわたり個人の権利利益の保護と個人情報の有用性との調和の観点から安定的に運用されてきたものであり、今回の改正において規定を変更すべき特段の理由があるとは考えておりません。
 なお、改正後の第六十九条は地方公共団体にも適用されることになりますが、地方公共団体の既存の条例もその大半が、相当の理由がある場合には国の行政機関や他の地方公共団体への保有個人情報の提供等を認めておりまして、それ以外の地方公共団体の条例も、公益上必要があると認めるとき等の個別的な比較考量を前提とした包括的な例外事由を置いております。
 このため、第六十九条のルールを地方公共団体に適用したとしても保護水準が低下することはないと考えております。

#88
○木戸口英司君 今回の個人情報保護法の改正、これまでも重ねてきたわけでありますけれども、やはりここが非常に肝なんだろうと思います。
 今大臣から、しっかりとこの趣旨を踏まえてやっていくということだと思いますが、ここもこの委員会の中で更に議論を深めていきたいと思いますし、また同僚議員とともにこの点質疑を深めてまいりたいと思います。
 そこで、自己情報コントロール権について改めてお尋ねをいたします。
 自己情報コントロール権は明確な概念として確立していない、よって明記することは適切ではないという、先ほどもそういう答弁であったわけでありますけれども、しかも二〇一五年の改正も、二十八条「開示」、二十九条「訂正」、三十条「利用停止等」、自己情報コントロール権が一部具体化されたということの答弁もありました。
 しかし、この先進的な条例では自己情報コントロール権を明示する例も増えてきております。既に明示する例も下級審判決では出てきているところでもありまして、概念として不明確とはもう言えないのではないかと考えます。憲法第十三条に基づくプライバシーの権利には伝統的なプライバシー権を拡張して自己情報コントロール権も含まれるとの考えが憲法学では多数説になっているのではないかと考えます。
 個人情報の漏えいのリスクが高まる中、自己情報コントロール権を憲法上の権利と認め、そしてこの法案の中にしっかりと明示していくべきと考えますけれども、改めてお伺いをいたします。

#89
○国務大臣(平井卓也君) いわゆる自己情報コントロール権を憲法上の権利として認めるかどうかということは司法の場で判断されるべきと考えておりますが、少なくとも我が国の最高裁判所は自己情報コントロール権を憲法上の権利としては認めていないと認識しています。
 その背景としては、まず、今まで何度も申し上げておりますが、自己情報コントロール権については、その内容、範囲及び法的性格に関して様々な見解があって明確な概念として確立していないこと、表現の自由等の他の権利利益との調整原理も明らかでないことがあるものと認識しています。
 なお、事業者とか行政機関等が保有する個人情報の取扱いに関する本人の関与を保障すること自体は大変重要だと考えており、改正案でも現行法に引き続き、本人による開示、訂正、利用停止請求等を可能とする規定を個別に設けております。個人情報保護委員会から、これらの規定を適切に運用して個人の権利利益を実効的に確保していることが重要だと考えております。
 論者によって理解の異なる概念とか外延が確定していない概念を法律に権利として書いた場合、無用の混乱が起きる可能性も否定できないというふうに思います。例えば、自己情報コントロール権という言葉の響きから、個人情報保護法があたかも自己に関する情報について所有権に類する財産的な権利を保障したものであるかのような誤解も生まれる可能性も否定できないと、そのようにも考えております。

#90
○木戸口英司君 権利として実際どのように認めていくかということ、そこが大事だということは私も認識をいたします。司法の方でまた権利として認めていないということも今答弁であったわけでありますけれども、だからできないということでもないと思いますので、行政側としてなかなか難しいとすれば我々立法府でしっかりと議論をしていくということも大事だということだと思いますので、これは各委員とともにしっかりと議論をして取り組んでいければと思います。
 その上で、衆議院内閣委員会において平井大臣、これからやはりいろいろビジネスモデルというか社会のシステムも変わっていくというふうにも思いますし、自分自身が逆に自己情報をコントロールしなきゃいけないとなると、これはこれで大変負荷が掛かるということもあると思うという答弁がありました。
 これは、国民には自己情報をコントロールすることは負荷が高くて、それで明示的に認めることは難しいということを指しているんでしょうか、御説明願います。

#91
○国務大臣(平井卓也君) このとき確かにそのようにお話ししたのは、日本では情報銀行、EUではパーソナルデータストア、この二つのビジネスモデルを検討して、それをいろいろ進めてこられました。ところが、今は、そのEU関連のいろんな皆さんのお話を聞いても、やっぱりパーソナルデータストアというふうになると、これ、人に信託するのではなくて、全部自分の情報を自分でコントロールするのはやっぱり当人にとっては大変だということから、そのビジネスモデルが余り進展しなかったというお話を念頭に発言したものでございまして、日本の場合は、もっと信頼される方に信託して、自分の基本的な考え方に乗ってその情報を運用、コントロールしてもらった方が人に優しいのではないかという趣旨でお話しさせていただいたものでございます。

#92
○木戸口英司君 やはり国民との相互のやり取りの中でこういったものをつくっていくということだと思いますので、なおさら大いに議論をしていければと思います。
 そして、時間もなくなりましたので、これで最後になりますけれども、これ、やはり平井大臣の答弁で、我が国の個人情報保護法制が地方公共団体の先進的な取組によって主導されてきたのは紛れもない事実であってと云々ということがあります。また、法律を出す過程において相当地方自治体との意見交換をやってきたとも述べておられます。
 個人情報保護法における地方公共団体の先進的な取組についての認識と、今回の改正に当たりどのように反映されているのか、伺います。また、今後において、地方公共団体の意見や提案を聞き、反映していくことが重要だと考えますが、その認識をお伺いいたします。

#93
○国務大臣(平井卓也君) 我が国の個人情報保護法制が地方公共団体の先進的な取組によって主導されてきたことはもう紛れもない事実であるということを改めて申し上げさせていただいた上で、今回の改正案でも、全国的な共通ルールを設定するに当たって、地方公共団体の個人情報保護条例の内容を踏まえて保護の拡充を実は図っております。
 具体的には、共通ルールにおいて安全管理措置の対象に派遣労働者や再委託を受けた者が含まれることを明記、提供先への措置要求の対象として目的内提供が含まれることを明記したのは、地方公共団体の個人情報保護条例の内容を取り込んだものであります。また、今回の改正案の検討に当たっては、地方三団体に対するヒアリングを複数回にわたり実施するなど、地方公共団体の意見を丁寧に聴取してきたところでもあります。
 今後も、法の施行のためのガイドラインの策定や個人情報保護法の定期的な見直しにおいて、住民に密着した行政を行う地方公共団体の意見や提案を積極的に反映していくことが重要なので、これからもコミュニケーションを大切にしていきたいと考えております。

#94
○木戸口英司君 以上で終わります。

#95
○委員長(森屋宏君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会

#96
○委員長(森屋宏君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、杉尾秀哉君が委員を辞任され、その補欠として森屋隆君が選任をされました。
    ─────────────

#97
○委員長(森屋宏君) 休憩前に引き続き、デジタル社会形成基本法案外四案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#98
○小沼巧君 立憲民主・社民の小沼巧でございます。
 平井大臣には、デジタル庁関連のことに関しまして、思い起こしてみれば昨年の十二月一日、簡単に触りだけ質問をさせていただいたところでありました。今日は法案の審議ということでございますので、その中身について子細に議論をしてまいりたいと思っております。
 しかしながら、今、最近、一体近頃の日本、デジタル化の流行時代でありまして、猫もしゃくしもデジタル化、こういったことを言っております。デジタル化を唱えない者は経世家でもなければ思想家でもない、改革を進める者でもなければ国民に対して働く内閣でもない、このような状況でデジタル化ということを皆さん言っておるのでありますが、何をもってデジタル化とするのか、何を進んでデジタル化を進んだということにするのか、そのことの中身については、残念ながら、ほとんど茫漠として、理解をすることはとてもできないと思っているのが私の観察であります。
 片やITを導入する、アプリを導入することによってデジタル化と言う者あり、片や紙でやっているものをデータ化することによってデジタル化と言う者あり。その中身は一体どういうことになっておるのか。まずは、今日は法案審議であり、時間もございますので、この点の基本的なところからお伺いしていきたいと思っております。
 今回の関連法案の様々な法案ということで、どっさりと出てきたわけでありますが、まずこの背景、そして教訓について伺ってみたいのであります。所信の中、あるいは様々な提案理由におきましても、様々な問題があって、それを踏まえて今回の法案の提出に至っているということであります。つきましては、二、三事例を挙げていただきながら、一体何がなぜ問題だったのか、その教訓をどのように解釈しているのか、その点についてまずは基本的な考えを大臣の方からお伺いしたいと思います。

#99
○国務大臣(平井卓也君) このデジタル化という言葉が何かもうバズワードのようになっている、その問題意識は私もあります。特に、DXなんというのはもう完全にバズワード化したなというふうにも思うんですけれども、されど、そのデジタルの言葉というのを何かちゃんとした日本語に置き換えるというのも非常に難しくて、今回の法案の中でも、そのデジタルという言葉、なかなか法制局はこういう片仮名嫌いなんですけど、ちゃんとデジタルという言葉になったんですが。
 まず、先ほどの委員会の議論の中でも、二〇〇一年のIT基本法が施行されて、要するに、高度情報通信社会というものの中でみんながインターネットを使えるようにしようねという中で、おいては、先ほど委員長ともお話ししていたんですけれども、離島まで光ファイバーをちゃんと引いているような国はほかにはなかなかありません。ですから、インフラはやったんですよ。すごいスピードでやった。そして、ある意味データ通信に関するいろいろなインフラ、トータルで考えても日本はクオリティーも高いというふうに考えています。
 しかし一方で、電子政府ランキングであるとか、例えばこの間の特別定額給付金の給付に関する作業フローの流れであるとか時間であるとか、そのトータルで考えてみると、国民が満足できるようなパフォーマンスは全然発揮できていなかったというのがやっぱり反省点で、電子政府に関しても、できりゃいいんだろうと。要するに、電子でその情報を送って、一応手続ができるという状態をその一つの、何というか、KPIにしてしまっていたと。つまり、今までの仕事のやり方というものを変えないでデジタルからアナログ、あっ、アナログからデジタルにいろんなものを置き換えていったがために、実ははっきり言って格段の生産性が上がったわけでもなかった。つまり、そこのところが中途半端だったんだと思います。
 そして、私流にそのデジタルという言葉を解釈しているのは、まず一つは、今までのやり方を変えること、それがもう前提になると思います。そして、デジタルの一番のメリットというのが何かと突き詰めて考えたら、やっぱりつながること、つながった上で情報連携ができることということだと思っています。
 そこのデジタルの最大のメリットを、要するに、国と自治体間、各省庁間でちゃんとできていなかった、そのためにいろいろな行政手続というのは不便なままで経緯してしまって、国民が不便さに慣れてしまったがために余り大きな文句も言われてこなかったこと、ここもやっぱり時々の政府の背中を押さなかったということだと思います。
 そういうことで考えてみると、なぜこういうもの、判この問題もそうなんです、今まで判こを押していたから押すということがずっと続けられていて、その判この意味を本当に突き詰めて考えて、この今までの当たり前をやっぱり当たり前じゃないと考える問題意識の持ち方も足りなかったんだと思うんですね。
 全てやっぱりそういういろんな問題が顕在化したのは、今回の新型コロナによるやっぱり我々の社会生活の活動の制限、企業活動の制限、そして多くの皆さんが楽しみにしていたことができないような、大変な不自由な生活を強いられるような状況、そこを緩和するために、デジタルのつながる力、そしてデジタルの持っているいろいろな力を発揮することができなかったということがやっぱり我々どうしても問題であるというふうに思いました。
 そのなぜできなかったかというようなことをずっと、一四年のサイバーセキュリティ基本法、一六年の官民データ活用推進基本法、そしてデジタル手続法、全部私今までそれにかんできていながら、そして最終的な結果を出せていないということで、今回これ、いよいよこうやればできるという長年の思いが一つの今回法案にまとまってきたというふうに思っています。
 あとは、法律が通ってそれを実行できるかどうか。今日は自民党の先生にも厳しくいろいろ御指摘も受けていますが、あとはもうやり切ることだと思います。やり切れば必ず国民の理解を得られるだろうと、そのように考えております。

#100
○小沼巧君 認識は分かりました。
 気合が入ったいい答弁だということは私も同感、今ありましたけれどもね、同意でありますが、一つ振り返って考えてみないといけないことがあると思います。何をやり切るのか、どのような状況でやり切るのか、ここの目指すところがないと、幾ら頑張ったところで全く結果は付いてこないのであろうと思っております。
 平井大臣が過去様々なところで様々議員立法を始めとしていろんなことに尽力しておった、それで成果が必ずしもということについての答弁もいただきましたが、私は今日、今回、その今までのことについての責任追及をするつもりはありません。そこは御安心ください。ただ、どういうことを今後問題として認識しておられるのかということについて問いただしてまいりたい、ここについて思っております。
 今の話、国民の満足とか、つながるとか、当たり前のこと、問題意識を見直す、そういったことは大変重要だと思いますけれども、一つ卑見も交えながら、今回の事例で出されました十万円の給付の話について私なりの教訓ということを申し上げながら、どういうこととして認識が合っているのか合っていないのか、ここについて議論をしてまいりたいと思いますし、もし私の認識、理解が間違っているのであれば、それを是非正していただきたい、このように思います。
 一つが、十万円給付の問題の話、様々ございました。オンラインでやればうまくいくだろうみたいな話がありましたが、結局のところ、実際は手で配った方がいいよねということもあったりしたわけであります。マイナンバーを始めとした様々な番号を忘れて、行列を成したというようなこともあったわけでありました。
 住民理解に対するリードタイムのことについてもなかなか問題があったのではないかということを考えると、実際問題、行政なり業務を処理する現場、担当する現場、ここにおける個別具体的な業務の流れ、フローという言葉もありました。あるいは、実際の申請書類の中身、この内容に対しての理解不足があったのではないだろうか。ゆえに、霞が関なり政府がおっしゃる、机上の空論と言ったら失礼かもしれませんが、理想像、これを現場に押し付けても現場が結局機能しなかった。ひとえに実際の業務の現場に対する理解不足が今回の十万円給付をめぐる混乱につながっていった一つの要因、主因なのではないかと、このように考えますが、大臣の御見解を伺います。

#101
○国務大臣(平井卓也君) 委員の御指摘ももっともなことだと思います。
 なぜ今回その十万の給付が滞ったかということに関して問題意識を持った上で、実は、今回の給付金の口座登録の法律は、もう与野党で議員立法でずっと温めてきたものを今回我々政府の方で提出をさせていただいているんですが、この国は、要するに申請しなければお金を出せない、その給付の法律もなかったんです。また、本来これ、いろんな各党の先生方からも、全員に十万円配ることないじゃないかと、本当に困っている人をちゃんと見付けて、そういう人に迅速にプッシュで配るようなことをするのが本来の政府ではないかという御指摘、もっともだと思うんです。そういうことに近づけていかない限り、毎回毎回、自治体の皆さんに大変なやっぱり負担を掛けて、また同時にコストも掛けて、十分満足できる結果にならないということだと思うんです。
 今回の、初めて、口座情報を災害とか感染症などの緊急時の給付金等の支給に初めて使えるようにするんですね、今回の法律で。これによって緊急時の給付金等の申請において、口座情報の記載とか通帳の写しの添付とか行政機関における口座情報の確認等の作業が不要になるんです。こういうことをやっぱり徹底的にやっていかないと、いつまでたっても自治体任せになってしまうということだと思うんです。
 ですから、今回、昨年、定額給付金の事務においてマイナンバーが使えなかったので、申請者との給付対象者の照合作業がもう手作業で、非常に目視で非効率的なものになっていたんですが、今回、緊急時の給付金の支給事務等にマイナンバーが利用できるようになりますので、これによって申請手続の簡素化とか給付の迅速化というものが実現できると思います。
 更に一歩進んで情報連携ができれば、皆さんがいろいろ、そうあるべきだという、本当に困っている皆さんに対してできるだけ早く給付ができるというような政府のスタイルができるんではないかと思っています。

#102
○小沼巧君 一要素としてはそれはあると思うんですが、そもそもそれだけなんだろうか、これは疑問なのであります。
 口座情報が仮にひも付けられていたら、じゃ、行列はできなかったのか、そんなことはないと思います。じゃ、窓口の、オンラインじゃなくて、実際の郵送とかの様々な申請がありましたよね。こういったことが実現、こうじゃなくて実際全てオンラインで完結できたのか、そうでもないと思います。
 マイナンバーと口座情報のひも付け、それは一つの要素であると思いますが、それだけを理由に今回のデジタル法案ということなのであれば、問題の本質を取り違えているんじゃないだろうか。実際に現場の意見といったこと、実際の申請の処理をどのように行うかといった中身、業務フロー、これに対する理解不足があったのではないかということが私の問題意識でありますが、何か御見解があればお伺いします。

#103
○国務大臣(平井卓也君) それはそうだと思います。そして、今、今まで児童手当とかそういうものも、自治体の皆さんの窓口で手続をしてお金を給付するということですが、国民に困ったときに給付するという法律がないわけですよ、今の日本の国は。今回初めてそれができるということですから、それによって恐らくもう全然違うサービス、つまりプッシュ型に近いような形で、例えば困っている方々にお金を振り込むということは実現可能で、そのときに情報連携ができますから、恐らく自治体の皆さんの今までの作業がなくなると思うんです。
 それは、お金を配る、全員に配るというだけだったら、例えば普通為替で全員に十万円配ったらということだって現実的には可能なんですけど、そういうことも法律的には今できないわけで、そういう意味で、いろいろなやっぱり法律との兼ね合いの中から新しいやり方を見付けていかなければならないと思います。
 我々が最終的に目指しているのは、行政の窓口に行かなくてもスマートフォンで六十秒でほとんどの要するに手続が完了する世界、それに早くして、その窓口業務をできるだけ簡素化した上で、そうはいってもやっぱり人が人を助けるというところに人を多く割かないと、デジタル化をちゃんと進めるためにはアナログの世界で倍汗をかかないと実はうまくいかないと思っています。特にこういう過渡期のときはそうなので、そういうような人に優しいデジタル化を進めていくためにリソースを再配分していくということが非常に重要ではないかと考えています。

#104
○小沼巧君 なるほど。今の御答弁は分かりました。ありがとうございます。
 きれい事に聞こえてしまう、それがどうにもこうにも精神講話のように聞こえてしまうのでありまして、実際に政治に首を突っ込んでいる私がなかなかその具体的な姿、姿というのがなかなか理解できないところにはなっておるのでありますが、いずれにせよ、現場における業務負担というものはどういったことになっているのか、それに対する理解というものを改めて真剣にもう一度考えなきゃならないということの理解は一緒だと思います。
 その上で、もう一つ、今回の、今十万円給付の話等々もございましたが、そもそも政府の中におきまして課題設定自体が誤っておってしまったのではないかということも思います。
 具体的には、今回デジタルということでもう法律も作っていろいろやろうということになりました。企業でいえば、要は戦略課題であります。戦略課題として認識するのか、そうではなく、具体的な業務改善なりオペレーションの課題として認識するのか、ここのボタンの掛け違えが正直あったのではないかなということが私が今回に見てきたこの教訓のもう一つであります。
 十万円給付、法律がないみたいなことをおっしゃいましたけれども、そうなんですよ、法律なくてもできるんですよ。だから、何でわざわざ今回法律を作るのかなということ、ここはよく分からない。
 あえて戦略課題みたいなことにしてしまって、今の実際問題困っている現状というのは、緊急事態宣言がなくなってはおりますけれども、実際生じているんだろうと思います。まん延防止の話もありました。大阪の方ではどうやら緊急事態宣言をもう一回要請するみたいな、そういった報道もなされているのがまさに今日の時点でありまして、状況としては、問題と、このコロナの感染の状況、今し方であっても困っている状況というのは少なからず、いや全国各地にあるんだろうと思っております。
 目先の問題と言われるかもしれませんが、そこに対して法案作成等々に当たってきた官僚の皆様方のリソース、ここに注力して物事を解決していく、その後に華々しいバラ色の未来が待っているのかどうかよく分かりませんが、法律改正を行う等々の戦略を考えるということをやっているということは、まさに戦略なのか、オペレーションの課題なのか、違うと思います。
 今回、何ゆえに戦略課題にしてしまったのか。それによって、現実問題困っている、今現在も困っている人たち、これに対する支援の在り方、制度改善の在り方、手薄になってしまっているんじゃないだろうか。このようなことも今回の教訓の一つだと思いますが、大臣の見解をお伺いします。

#105
○国務大臣(平井卓也君) まず、今回は、給付金の法律改正もしていますが、一番大きいのは、二〇〇一年から施行されているIT基本法を廃止してまでもデジタル社会形成基本法を設置をお願いしているということです。ですから、その形成基本法の中に我々が目指す社会像というものを書かせていただいているし、デジタル十原則というものを、非常に分かりづらい言葉にはなりますけれども、それを全部入れさせていただいています。
 実はそこが、やっぱり目指す社会像というのを、今回、デジタル化の後の、人に優しいというだけではなくて、誰も取り残さないであるとか、アクセシビリティーの保障であるとか、そういう話は今回の基本法ならでは書いたことで、それは要するに社会の選択肢を、要するに地方に住んでいようがどこにいようが、それぞれの皆さんの価値観に基づく幸福を求められるし、いろいろな選択肢を増やすことができると。そういう社会像を大きく目指した上で、ではその上で、今度はデジタルインフラをどうやって、単にネットワークだけじゃなくてソフトウエアも全部含めた上で、デジタルインフラをどうやって実装していくかといったときに、今回の一つの、これは多くの議員の皆さん方の御指摘の中から出た給付に関する法律等々を受け止めて、閣法の中に入れさせていただいたものであります。ですから、それは単なる一つの、多くの皆さんが望むことを早めに今回の中で取り込むということで、言わば最初の第一歩みたいなものだと思います。
 ただ、マイナンバーというものをそこに大きく掲げているのは、デジタルインフラを使いながら、健全な、安全なデジタル社会をつくっていくという上ではIDは絶対に必要で、そのIDと今回のマイナンバーカードのチップによるオーセンティケーションとアイデンティフィケーション、この二つの組合せで社会の公平公正、安全性を担保していこうということと、そこをセットに考えているわけです。
 そして、これ、少子高齢化、人口減少過程に入っている日本がこれから更に成長力というものをある程度確保していくためには、今までのやり方の延長線上でずっとやっている以上、大変苦しくなってくると多くの皆さんも感じていると思います。
 潜在成長率が低いがために、今回、アフターコロナの各国の成長予測を見ても日本は低位になっています。だから、そういうものも、全体、社会全体で変えていくためには、一度はこれ社会に実装させなきゃいけないのが今のやっぱりデジタルのいろいろなインフラだと考えています。その上で、いろいろな方々が新しい価値を創造してくれる社会でないと、日本はこれから大変苦しくなっていく、そういう問題意識も根底にはあります。

#106
○小沼巧君 長らく答弁いただきましたが、私の質問はシンプルでありまして、じゃ、今回デジタル関連法案もろもろが仮に通ったら、今回のコロナ関連の支援策様々あります、ほかにも成長戦略様々ありますということはありますが、何がどう変わるんでしょうか。私にはこの姿が分からないのであります。お答えください。

#107
○国務大臣(平井卓也君) 何がどう変わるかということでいいますと、政府のシステムのつくり方が変わります。これは地方自治体もそうです。基本的なアーキテクチャーから全部見直しますし、今回、予算を我々一元管理させていただきます。最初はこの八千億のうち三千億ぐらいしか我々見られませんが、体制を整えて、トータル全部見られるようにしようと。
 正直言って、各省がばらばらにいろんなものを発注してしまいますと、IT総合戦略室もはっきり言って追えていないんですね。ですから、いろんな不具合が出るようなものに関して言っても、後付けでいろんなことを応えるということになってしまうので、つくる段階から管理をするので、予算の最適化ができるというふうに思います。
 それと、具体的に何が変わるかって、国民側から見ると、やっぱりちょっと時間が掛かりますが、非常に便利になるということと、今回のコロナに関して言いますと、コロナに関する給付に関して、今後のものに関して、恐らく、ああ、今まではできなかったことができるということがもうすぐに表に出てくるというふうに考えております。

#108
○小沼巧君 正直、持続化給付金とか様々なもののどう改善されるのかなということは分かったんですけれども、というか、期待しておったんですけれども、便利になる、じゃ、何がどう便利になるのか、大事なのはそこでありまして、便利になるということはもう誰も反論がしようもないわけであります。それはもうみんな便利になった方がいいのであります。
 じゃ、その便利さといったものは何なのか。それは、今回の法律改正までやってしまってでもやるべきものなのかということ、これが分からない。だから、デジタル化ということはやるんだけれども、同床異夢になっていやしないだろうかと、このように思います。
 システムのつくり方についてもなかなかよく分からないところでありまして、御案内のとおり、様々な役所が予算要求して、財務省において総合調整をしておるのであります。じゃ、予算が一括計上されたから抜本的に何が変わるのかな、国民にとっての制度として何が変わるのかなということはありますけれども、正直、これもよく分からないというところが正直なところであります。
 もう一つ、これに関連して教訓のもう一つありますのが、これ、技術に関する過度な信仰があったんじゃないのか。技術があれば何でも解決できるんだ、このこと自体が誤っておるのではないかと私自身は強く思います。デジタルすれば、何でもない、便利になるといっても、じゃ、どう便利になるのか。給付金の話でありましたけれども、恐らくはまた定額給付金みたいなものをやるのかなと思っているんですが、やらないということの答弁が続いておる以上、国民にとっては大して変わらない、そのように思います。
 技術をつくって何がうまくいくのか、便利になるのか。実際に申請があった、それを処理する、その処理する人間の立場のことも立った上で物事を考えていかないと、そして、すなわち業務の現場における理解がないと、どうにもこうにも技術を入れただけではうまくいかないということになってしまうのではないだろうか。技術があるのはどうでもいいと思います。やったらいいと思います。
 じゃ、それをいかにその道具を使って物事を考えていくのか、場合によっては政策のつくり方かもしれない、国民のニーズの吸い出し方かもしれない、ここのことが肝腎要の考えるべき本質的な論点であって、そこがないまま技術だけやったとしましても、かつては何か、「ケータイを持ったサル」みたいな本がはやりましたが、今になってはスマホを持った猿みたいな、そういう状況になってしまってはとても人間社会にとっては良いものだと思えないのであります。
 その技術をいかに社会に実装させるのか、何かしら具体例、これをお伺いしたいのでありますが、その点についての見解をお願いします。

#109
○国務大臣(平井卓也君) デジタル化は手段であって目的ではありません。技術も全部そうだと思います。
 しかし、もう議員もお気付きだと思いますけど、国のその行政の仕事の仕方、地方自治体も含めて、効率的で生産性が高いとは思わないと思います。そこが今後変わっていくということが一つ。
 それと、これ、法律が通る前から余り、私、こういう具体的に何ができるかというのはやっぱり問題があろうかと思って控えておりますけれども、明らかに今回の法律によって、困っている方々に対して申請をなくして給付をするということは可能になります。そういうところに、例えば所得を要するに今まで調べないと、低所得者の家庭とか、そういうものができなかったものが、今回は情報連携によってこちらで事前に知ることができて、そこにプッシュ型でそういうことをお知らせするということもできるんです。今までそれは全くなかったことなんです。
 ですから、法案が通るまではいろいろ具体的には言えない立場ではございますが、そういういろいろな可能性を考えた上で今回の法律を作っていますので、具体的にはそういうことだと思います。これはたちまちの話です。この法案が通ってすぐの話なので、何年も先という話ではなくて、たちまちそういうことが可能になるというのが恐らく皆さんのやっぱり関心事になると思います。
 それと、やっぱり基本的にはインターネットを使うことが前提となった社会で、やっぱり使った方が便利だということがたくさんあるわけですね。そう考えたときに、やっぱり行政手続等々も、やはり窓口に足を運ばなくてもできるものができる、添付書類が必要がないのであればないようにできるというようなことはやはり絶対にやるべきだと思っていて、今までそれに使っていた時間をほかのものに使えるようになるというのは、行政だけじゃなくて国民側もそうだと思います。
 エストニアの場合は、それをGDPの二%というふうにデジタル化の成果として報告されていますけれども、日本も恐らく、そういうものを新たな生産活動、またいろいろな活動に使えるということは、やっぱり社会にとってはプラスではないかなというふうに思うんです。
 私、技術信仰でも何でもありませんで、結局、人間が幸せになるのは、このアナログ空間でしか感じられないわけです。我々、デジタルでおなかがいっぱいになるわけでもありませんし、あくまでも手段として、今生きている、高齢化が進んでいるその日本の社会をいかに住みやすく選択肢の多いものに変えていくのにはやっぱりデジタル化というのは一つの方法ではないんでしょうかという我々の提案というふうに受け止めていただければと思います。

#110
○小沼巧君 先ほどのところで気になったところありました。法案審議でありますので、せっかくだから、どういったことの支援策が出てくるのか、この法律によって考えるのかということを是非とも御披露いただける範囲でお願いしたいと思っておるのです。何でかというと、それを実現することの根拠となる法律なんだろうということを理解しますので、そういう意味ではこの法案審議の前提であろうと、このように思うのであります。
 何を今の段階で考えておるのか、そして、それは今回の法律改正によって初めてできるのだということについて、言える範囲で構いませんので、お願いします。

#111
○国務大臣(平井卓也君) 今回の私が言っているその口座の話は、公金受取口座登録法案というやつですね。これは、国民の皆さんに任意で公金受取口座、受取のための口座をマイナンバーとともに登録していただき、その口座情報を災害や感染症などの緊急時の給付金等の支給に使用できるようにすると。これにより、緊急時の給付金等の申請においては、口座情報の記載や通帳の写し等の添付、行政機関における口座情報の確認作業等を不要にすることができると。
 そして、先ほども答弁しましたが、昨年の特別定額給付金の事務においては、行政機関でマイナンバーが利用できず、申請者等と給付対象者の照合作業が非効率的なものとなっていたので、本案では緊急時の給付金の支給事務等にマイナンバーが利用できるようにしています。今後、災害とか感染症などの緊急時の給付金等では申請手続の簡素化や給付の迅速化を実現すると。
 そういう意味で、困っているということがある、例えば、例えばですよ、子育て家庭とかそういうところに、今回のこの法案を使ったら、すごく短時間に給付することも可能だということでございます。例えばですけど。

#112
○小沼巧君 例えばということで、なかなかの答弁だと思いますが、新しいものができてくるのかなというのは、正直なところ思えませんでした。十万円の話もしかりですし、子育てのところの給付金、今ある制度、すなわち実際の政府の意思決定の問題でありまして、今回のものをやったらそれがちょろっと早くなるかもしれない、便利になるかもしれない、どの程度なのかのそこは正直定かではありませんが、何かしら新しい支援策が出てくる、それによって国民生活の経済の向上が図られるというようには正直考えられなかったのであります。
 次の質問に移ってまいりたいと思いますが、もし今の私の考えに対して誤解があるのであれば、答弁に併せて直していただきたいと思うのでありますが。
 ちょっと条文に則して、前回の木戸口議員の話からも含めましてやらせていただきたいと思います。衆の内閣委員会も含めたところでありますが、基本法の話であります。情報システムの共同化又は集約の推進、通告の順番からどんどんばらばらになってしまって大変恐縮でございますが、御容赦いただければと思います。共同化又は集約の推進についてであります。
 午前中も答弁があったところでありますが、その内容は、趣旨を、修正案の趣旨を十分読み込めるというような答弁でありました。ちょっと具体的なところがよく分かりませんでしたので、改めてお伺いしたいと思うのであります。義務なのか、これらがについてはということについて、最初は義務だと言っていた。でも、実は次の答弁ではそれらは義務じゃないということで言っておった。何となく理解はしておるつもりでありますが、この情報システムの共同化又は集約の推進につきまして、義務の範囲はどこなのか、どこが義務の範囲じゃないのか、これについて明確な御答弁をいただきたいと思います。

#113
○国務大臣(平井卓也君) 午前中もあった質問だと思うんですけれども、これは、私が三月十二日に衆議院で、委員会で後藤祐一議員への答弁として、地方公共団体にとって情報システムの共同化又は集約の推進が基本的には義務であるという旨を申し上げたところでございます。
 情報システムの共同化又は集約の推進との規定には、推進が物事を進めると、推し進めるとの意味であることから、情報システムの共同化又は集約を行うことだけでなくて、それに加えて共同化又は集約に向けて検討を進めることも含まれるというふうに説明を先ほどもさせていただきました。
 したがいまして、地方公共団体が情報システムの共同化又は集約の推進をしたが、結果的には共同化又は集約が実現できない場合も法律上は否定されるものではない旨も、これは三月二十四日の高木先生への答弁で述べさせていただいたところであります。
 ですから、前者の三月十二日の後藤祐一議員への答弁は法律の規定をそのまま述べたのに対し、後者の三月二十四日の高木錬太郎議員への答弁は規定の解釈を述べたものであって、答弁の内容が変わったということではないということでございます。

#114
○小沼巧君 今の話を理解をするのであれば、共同化又は集約自体は義務ではないのだ、推進が義務なのであるということだと思います。もし間違っていたら訂正してください。
 その上で、じゃ、推進が義務だということであります、法二十九条で。何をもって推進をしたということになるのか、推進ということの十分条件は何なのか、ここの解釈をお伺いします。

#115
○委員長(森屋宏君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#116
○委員長(森屋宏君) 速記を起こしてください。

#117
○政府参考人(時澤忠君) お答えいたします。
 共同化又は集約の推進につきましてでございますが、これは、地方公共団体におきましてデジタル社会形成基本法第二十九条の規定を踏まえまして積極的に取り組んでいただきたいというふうに考えております。この点、地方公共団体はそれぞれ置かれている状況も異なるということもございますので、国として一律に検討の場を指定するといったことは考えておりませんけれども、いずれにしましても、情報システムの共同化又は集約に向けまして、関係者の意見を踏まえながら積極的な検討を進めていただきたいということでございます。

#118
○小沼巧君 今の話、正直よく分かりません。何をもって十分条件なのかというのが問いなのであります。検討、いろんなこと、様々な、あるということなのであれば、今の話を私なりに理解をすると、例えば審議会を開くだったり、あるいは議会で協議するであったり、あるいは場合によっては担当者同士の打合せであったりということも様々含まれるんだと思うんですね。それら何であったとしても、個別判断であって地方自治体の裁量でよいのだということだと理解しましたが、この理解で合っているか、お答えください。

#119
○政府参考人(時澤忠君) 先ほども申し上げましたが、一律に検討の場というようなことは想定をしておりませんで、議員御指摘のように、例えば、事務担当者レベルでの検討の結果としまして情報システムの共同化又は集約を行わないというような結論が出ることも必ずしも否定されるものではないというふうに考えております。
 他方、情報システムにつきましては、これは業務プロセスと表裏一体の関係にありますので、行政運営の根幹を成すものでありますので、地方公共団体の長を始め、関係者が広く参画した上で検討が行われることがこれは望ましいというふうに考えているものでございます。

#120
○小沼巧君 つまるところ、地方自治体の裁量なんだなということを理解いたしました。望ましいということの答弁からも明らかであると思います。もし間違っているのであれば訂正をしていただきたいと思っております。
 さて次に、続きまして、基本法三十七条五項に定める重点計画、これについてお伺いしたいと思います。
 これも法律、字面上はそうなんですけれども、これをどのような解釈にするのか、どういう運用にするのか、これがまさに法案審議の肝でありまして、今後も含めて、それによって政府の法律の執行の在り方自体が規定されるものでありますから、ここについても明確にやっていきたいと思っております。
 さて、法案第五項には、重要な影響を及ぼすと考えられるということがあります。これの場合については地方六団体の意見を聴かなきゃいけないということでありますが、重要な影響を及ぼすと考えられるの定義なり判断基準というものは一体いかなるものであるか、どのような解釈がいいのか、どのような解釈が正しいのか、これについて御解説をお願いします。

#121
○政府参考人(時澤忠君) お尋ねのありましたデジタル社会形成基本法案の第三十七条第五項でございます。
 地方自治に重大な影響を及ぼすと考えられる施策、これは、地方自治体が講じます施策や業務プロセスに大きく関わるような地方公共団体の行政、財政等に重要な影響を及ぼす施策というふうなものを想定をしております。例えば、効率的な行政サービスの実現のための構築を検討しております、ガバメントクラウドの整備、運用や、地方公共団体が保有する情報のうち、例えばオープンデータとして公表すべき情報の拡大等、こういったものの施策が考えられます。こういった施策につきましては、住民サービスを提供します地方公共団体の意見を聞くことが非常に重要でございますので、このような規定を設けるということとしたことでございます。

#122
○小沼巧君 事例はあるんですけれども、判断基準が分からぬのであります。その点についてもう一度答弁を求めたいと思いますが、今答えられますでしょうか。

#123
○政府参考人(時澤忠君) お答えいたします。
 特に、例えば重要かどうかというようなことに、重要な影響、重要ということにつきまして、これをあらかじめ完全に峻別するということはこれはできないということを考えておりまして、個別の案件ごとに判断されるものというふうに考えております。

#124
○小沼巧君 法案なんだから重要の定義ぐらいはないとちょっと困っちゃうんじゃないでしょうかね。恣意的な運用も含めて、何でも、じゃ、これは重要じゃないからといったら聞かなくていいということになりますし、それを許容する答弁になってしまっておりますよ、今の状況だと。
 これについては、恐らく、今日、今の時点で答弁ないと思うので、次回の質疑に移ってまいりたいと思いますが、この条項に関連してもう一度伺います。
 意見を聞く対象ということであります。これ、並べられておりますけれども、これは限定列挙なんでしょうか、それとも、それ以外も含まれる、そして、むしろそれ以外の者に対しても意見を聞くということを想定しておるようなものなのか、この解釈についてお伺いします。

#125
○国務大臣(平井卓也君) デジタル社会形成基本法の第三十七条五項の規定は、施策の実施主体となる地方公共団体の執行機関たる都道府県知事及び市町村の、市町村長の全国的連合組織、議決機関たる議会の全国的連合組織に対して意見を聴くことにより、重点計画の作成に当たって地方公共団体の意見が反映されることを担保するための規定であることから、その対象を地方六団体としていることであります。
 他方、先ほども答弁しましたが、衆議院の内閣委員会における附帯決議においても、地方自治に重要な影響を及ぼすと考えられる施策について重点計画を作成するときは、地方六団体のみならず、その他の関係者の意見を広く聴取することとされています。
 重点計画の策定に当たっては、こうした趣旨も踏まえて、現場を含めた幅広い方々から御意見をお聞きすることが非常に重要だというふうに考えております。

#126
○小沼巧君 御答弁ありがとうございます。その確認であります。
 まさに、冒頭のところで今回の教訓は何だったのかということを問うてまいりましたが、大臣も、現場の理解とかそういったことについて、私が教訓ではないかということに対してごもっともだということの御答弁をおっしゃっていただきました。
 まさに、様々な技術なり情報システム、これをやるのは別に止めやしませんし、誰も反対するものではないと思います。しかし、その技術をどのように使うのか。実際問題、UI、UXなどという言葉がありますが、国民なり住民ということはあります。そして、政府なり自治体が決定するということもあります。その間に立っておるような中で、申請を処理する、判断する、審査基準を行う等々のところの現場、まさにここの理解であったり、ここの現場感覚がないままいろんな政策を推し続けてしまったからこその混乱につながっておったのではないのかということが教訓の一つであると思います。
 その意味で、実際に業務を処理するであったり、あるいは担当する立場の者であったり、こういう方々に対しても積極的に意見を聞かなければ、それを基づいて制度を設計、システムを含めて設計していただかなければ、仏作って魂入れずというような状況になってしまうと思いますが、このような理解をしてよろしいのかどうなのか、大臣から御答弁をお願いします。

#127
○国務大臣(平井卓也君) それはもう全く委員の意見は正しいというふうに思っていて、今回、河野太郎大臣の下でワクチン接種記録システムをつくることになり、我々、IT室を中心としたチームが発足したわけですけれども、このときにはもう徹底的に自治体で、現場で使う方々の意見を取り入れながら、要するに仕様をどんどん変えていきました。だから、政府的に言えば初めてのアジャイル開発みたいなことになったわけですけれども、つまり、共創プラットフォームというのをデジタル庁の準備室の段階で立ち上げているというのは、結局、さっき言った仏作って魂が入らずというより、地方自治体が要するに嫌々使うというようなものをつくったら絶対に失敗すると。
 UI、UXの話は、国民だけじゃなくて自治体の職員が使うという、UI、UXも非常に重要なので、そういう過去の反省も踏まえた上で徹底的に、結局最後は、やっぱり何かの政策を実現するために現場のオペレーションがあるわけですから、そこを一番重要視をしながらシステムを考えていくということは、もうこれから、今までの経験の中でも反省点としてこれからはちゃんとそこを担保していきたいと考えております。

#128
○小沼巧君 あっぱれな答弁だと思います。
 まさに、UI、UXということも含めてやらないといけないということはまさにそのとおりであります。そこは本当にやらなきゃいけない、反省点だと思っております。
 そして、今回の三十七条二項の方で見てみますと、いろいろ計画って作りますよね。自治体現場だけじゃありません。二項、四号だったら、例えば情報通信だったり、あるいは電気のベンダーの話も考えなきゃいけない、五号で見ると教育ということも考えなきゃいけない、六号だったら例えば働く人たちの立場も考えなきゃいけない、七号だったら商工団体とかも考えなきゃいけない、八号は経営の立場だったり、九号は消費者、生活者等々等々、様々あるわけであります。
 どういう現場、UI、UXということを考えていくのかということも含めまして、こういうところの意見というのをちゃんと聞いた上で、その申請なりなんなりを処理する人が使いやすいということをつくっていくということがこれからの肝になっていくと思いますので、その点については、今の答弁是非とも忘れないよう、そのようにお願いしたいと思いますし、万々が一解釈が変わるようであれば、是非とも、これらについては問題だと私自身も厳しく指摘をしていかなければならないと思いますので、その点についてしっかりと執行をしていただかなければならないと、このように思うわけであります。
 時間がほとんどなくなってまいりました。
 一つ、次回の質問につながることも含めて、このいわゆるデジタルというものに対して、今の話はオペレーションの話とかも含めてやってまいりましたが、成長戦略として見たときにどうなのかということをお伺いしてみたいと思うのであります。
 カーボンニュートラルだのデジタルだの様々躍っておりますけれども、何ゆえにこのデジタルというものは成長戦略につながるのか、これが正直なところ私には見えておりません。いわく、コストカット、要すればコストカットみたいなところもありますし、効率化ということでありますけれども、それは経費の削減等々にはつながるかもしれませんが、いかにして新しいサービスが生み出されていくのか、この全体像も含めて分からない。デジタルというものは全体像としてどういうものであって、その中で成長戦略というものがあると思います。
 さらに、その成長戦略の中でいうと、担当大臣が三人ぐらいいられるんでしょうか。平井大臣のところと、あとは経産大臣のところと、あとはそれ以外というところ、様々分かれるんだと思っております。
 デジタルが何ゆえに経済成長につながっていくのか、そして民間投資であったり経済波及効果といったものとしてどのようなインパクトを想定しておるのか、その中でこの法案がどのような関係性を持っておるのか、ここについてまずは簡単に概要をお伺いします。

#129
○国務大臣(平井卓也君) デジタル改革関連法案が目指す社会像は、デジタルの活用によって一人一人のニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会であり、その実現のために、デジタル庁は、デジタル化の基盤整備に取り組むとともに、これらの基盤を活用し、国、自治体、準公共分野や民間分野も含め、社会全体のこのデジタルトランスフォーメーションを進めると。このデジタルトランスフォーメーションというのは、やっぱり新しい価値を生んでいくということを一番に考えるということだと考えています。
 デジタル庁がデジタル改革の司令塔として機能を発揮して未来志向のデジタルトランスフォーメーションを大胆に推進していくことこそが日本の成長戦略として極めて重要であって、私が担当している、デジタル社会の形成基本法案、デジタル庁設置法案などの一連のデジタル改革関連法案が、デジタル庁の司令塔機能を実現し、社会全体のデジタル化の基盤整備を進める上で不可欠なものだというふうに考えています。
 そして、社会課題を解決していくこと、生産性を上げていくことというのは、これはもうまさに新しいビジネスにもつながるというのは、今いろいろな世界で活躍している大きなプラットフォーマーも含め、今急激に成長しているいろいろな企業、皆さん共通だと思っています。
 ですから、社会課題を解決するというのがビジネスにつながる時代に今なっているというふうに思うし、我々はやっぱり何が欠けていたかというと、官民のデータ資源の利活用に関して、まだ全然そういう新たな付加価値の創出をしようというような創造力に欠けていたところがあるというふうに考えています。ですから、日本の企業がそこに今、後れを取っている分、今から伸び代があると考えているので、そこの背中を押していきたいというふうに、そのように思っています。
 いずれにせよ、日本が遅れていることをアドバンテージとして最大化していけば、日本流の成長戦略は、このデジタル化ということ一つ取ってみてもできるのではないかと考えております。

#130
○小沼巧君 時間が参りましたので、残余の質問は次回にしたいと思います。
 ありがとうございました。

#131
○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。
 本日、いよいよ参議院のこの内閣委員会におきましてデジタル関連法案の審議入りということになりました。
 長年、この分野、取り組んでこられた平井大臣におかれましては、非常に感慨深いときを迎えておられるのではないかというふうに思いますけれども、この参議院の内閣委員会でもしっかりと審議をしてまいりたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、最初に平井大臣にお伺いしたいのは、デジタル社会、デジタル社会、今日のこれまでの質疑でもあったわけでございますけれども、デジタル社会の理念とは一体どういうものなのか。デジタル社会とは一体どういう社会を築いていかなければならないのか。
 これまで政府で進めてまいりました、例えばe―Govや電子申請、それは、電子申請できる方はしてください、あるいはホームページで御覧いただける方は御覧くださいといったようなものでございましたけれども、これからのデジタル社会というのは、社会全体のインフラでなければならないというふうに思います。つまり、全ての国民が享受できる、そういうデジタル社会でなければならないというふうに思います。享受できる人だけが利便性を感じ、また支援を受けられる、そういったデジタル社会ではあってはならない。
   〔委員長退席、理事徳茂雅之君着席〕
 私ども公明党としては、一貫して誰一人取り残さないデジタル社会を実現するということを訴えてきたところでございます。この関連法案の法案提出に先立ちまして、党内でも有識者の方々あるいは様々な関係業界の方々からヒアリングと議論を重ねてまいりました。その上で、昨年の十一月十三日に党として、菅内閣総理大臣、そして平井デジタル担当大臣にも党のデジタル庁設置に向けた提言をお持ちをさせていただいたところでございます。
 それを受けて、昨年の年末、十二月二十五日に閣議決定されたデジタル社会の実現に向けた改革の基本方針には、私どもの提言を受けていただいて、デジタルの活用により、一人一人のニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会ということを目指していくということ、それから、誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化を進めていくということ、これを明記をしていただいたところでございます。
 この基本方針に沿いまして今回のデジタル改革関連法案ができ上がったわけでございますけれども、法案説明の折には、平井大臣自ら私ども党の会合にお足を運んでいただきまして、この法案の中には公明党の提言の内容を全て入れたつもりだというふうにもおっしゃっていただきました。心から感謝を申し上げたいというふうに思います。
 このように、今回の関連法案の中には、誰一人取り残さない社会の実現というものの理念がしっかりと打ち立てられているというふうに考えておりますけれども、改めてこの場で平井大臣の方から御所見をいただきたいというふうに思います。

#132
○国務大臣(平井卓也君) ありがとうございます。
 本当に御党の皆さんとは長く一緒に、特に高木先生とはもう十年以上この問題について一緒にやらせていただいて、超党派の議連で今までいろんな法案も審議をさせていて、議員立法にも取り組まさせていただいたような経緯があります。
 そういう中で、デジタル改革関連法案が描く社会像は、デジタルの活用によって一人一人のニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会であり、そうした社会の形成に当たって、誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化を目指しております。
 これは、公明党さんのあの提言にある、豊かな国民生活と誰一人取り残さない社会の実現、全く一致するものでございまして、政府としては、こうしたデジタル社会の形成に関する司令塔としてデジタル庁を設置すること、マイナンバーを利用した国民の利便性向上を図ること、そしてアクセシビリティーの確保を図ること等の措置を盛り込んだその関連法案の成立に今全力を尽くしておるところでございますし、御党の赤羽大臣と一緒になって、障害者手帳をスマートフォンのミライロというアプリの中に取り込んで、全JRの割引、高速道路の割引等々に使えるというようなサービスをマイナポータルとの連携でやっているというようなことは、もうまさに我々の理念に沿ったものの具体化だというふうに考えております。
 そういう意味で、このアクセシビリティーのところは、もう徹底的にここもこだわっていきたいというところでございます。

#133
○石川博崇君 ありがとうございます。
 今大臣もおっしゃっていただきましたけれども、これからが、このデジタル社会の中でアクセシビリティーをどのように構築していくのか、具体的な現場で様々な声も、また御要望も御意見も国民の中から出てこようかと思います。きめ細やかに、私どもも汗をかいてそういった声を拾い集めて、そのデジタル社会の更なる進化というものを目指していきたいというふうに思っております。
 それでは、今回の法案の中で今大臣が御指摘をいただきました点がどのように反映されたのかを確認をさせていただきたいと思います。
 デジタル社会形成基本法案の第三条で、全ての国民が情報通信技術の恵沢を享受できる社会の実現ということが規定されておりまして、現行のIT基本法の三条に加えて、以下の文が付け加わっております。それは、情報通信技術を用いた情報の活用を行うことにより、デジタル社会におけるあらゆる活動に参画という文言も加わっているところでございます。
 デジタル改革基本方針では、誰一人取り残さないデジタル社会の実現と題しまして、人の多様性に尊厳を持つ社会を形成するため、誰一人取り残さないデジタル化を進めることとする、すなわち、誰もが参加でき、個々の能力を創造的、最大的に発揮できる、包摂性、多様性あるデジタル社会の形成を図るとも記載をしていただいているところでございます。
 今申し上げたこの基本法案の第三条の規定、これこそがデジタル改革基本方針の誰一人取り残さないデジタル社会の実現の部分を具体化した条文ではないかと考えておりますけれども、この点、平井大臣にお伺いをしたいと思います。
 また、あわせて、この条文には全ての国民というふうになっておりますが、我が国には生活や滞在している外国人の方々もいらっしゃいます。こうした方々も当然含まれるというふうに思いますが、確認をさせていただきたいと思います。

#134
○国務大臣(平井卓也君) デジタル社会形成基本法案第三条は、御指摘のように、昨年末に閣議決定したデジタル改革の基本方針における誰一人取り残さないデジタル社会の実現の部分を受けたものであります。
 本法案は、我が国が目指すべき社会の姿やそれを達成するための国としての取組の基本的な枠組みを規定するものであり、基本理念や基本方針では他の基本法と同様、その対象を国民と規定しています。このため、主として日本国内に住む国民を対象として施策を実施することが想定されていますが、情報通信技術の進展や社会のグローバル化の進展に伴い、デジタル社会の形成に向けた措置として、在留外国人や短期滞在の外国人も含めデジタル社会の恩恵が受けられるよう、デジタル庁が中心となって各種施策を推進することが重要であるというふうに考えております。
 例えば、現在、在留カードとマイナンバーカードの一体化について関係省庁で検討を進めているところであり、このような取組はデジタル社会の形成に資するものであると考えております。

#135
○石川博崇君 続きまして、最初の質問で大臣がおっしゃっていただいたアクセシビリティーがどのような条文の中で具体化されているのかについて確認をさせていただきたいというふうに思います。
 高齢者の方々、障害をお持ちの方々、また生活困窮者など、一般的にいわゆる情報弱者になりやすい方々へのサポート体制をしっかりと整備していくこと、また、デジタルデバイド、これを解消する取組を精力的に進めていただくこと、これがデジタル社会においては不可欠でございます。
 基本方針におきましても、先ほど言及した項目におきまして、アクセシビリティーの確保、年齢、地理的条件や経済的状況に基づく格差の是正等によって、全ての国民が公平、安心、有用な情報にアクセスする環境の構築を図ると記載をしていただいているところでございます。全ての人に優しいユニバーサルデザイン、これを前提にした社会を構築していく必要がありますし、ここからこぼれ落ちそうな、情報格差に遭いそうな方々を置き去りにしてはならないという意味がこの基本方針に込められたと考えております。
 今回のデジタル社会形成整備法案の中には、マイナンバーカードのスマホへの搭載も規定されているところでございますし、また、今後、健康保険証や運転免許証といった生活に密着をした様々なサービスをマイナンバーカードと結び付けていく、このことも推進がなされていくところでございます。
 そうしますと、例えばマイナンバーカードやスマホを持たない高齢者の方あるいは障害をお持ちの方、こうした方々がアクセスできないような、そういったサービスが広がって、生まれていってはならない、また、情報通信技術を活用できる人、できない人の格差を広げることにつながってはならない、こういったことを避けていかなければならないというふうに思います。
 政府において、このような高齢者の方々、障害者の方々への配慮をこのデジタル社会の構築の中でどのように目配りをしていくのか、具体的な方策を伺いたいと思います。

#136
○政府参考人(時澤忠君) お答えいたします。
 デジタル社会形成基本法案が目指すデジタル社会では、全ての国民が情報通信ネットワークの利用や自由かつ安全な情報の活用を通じまして、デジタル社会の様々な活動に積極的に参加し、能力を最大限に発揮することができることが重要だと考えております。
 このため、デジタル社会形成基本法案におきましては、誰一人取り残さないデジタル社会の形成に関しまして、地理的な制約、年齢、障害の有無等の心身の状態、経済的な状況その他による情報の活用等の機会の格差の是正が必要とされまして、また情報の活用等の機会の格差が生じないよう必要な措置が講じられるべき旨を定めております。
 アクセシビリティーの確保にしっかりと取り組んでまいりたいと考えておりまして、具体的には、UI、UXの改善によりまして、高齢者や障害のある方、デジタルに苦手意識のある方にとりましても使い勝手が良い行政サービスへ刷新すること、ユニバーサルデザインを考慮した設計による機器の開発によりましてインターフェースを分かりやすくすること、高齢者や障害がある方に寄り添った機器やサービスの利用の機会を拡大すること、こういったことによりまして誰一人取り残さないデジタル社会の実現に向けた対応をきめ細かく行ってまいりたいと考えております。

#137
○石川博崇君 今おっしゃっていただいた、高齢者の方々あるいは障害者の方々、こういった情報弱者と言われる方々を巻き込んでいくといいますか、全て、誰一人取り残さない社会にしていくための具体策として期待されるのが総務省の推進していただいておりますデジタル活用支援員の事業でございます。
 現在、新型コロナ感染症によってオンラインサービスの利用拡大が進む一方で、高齢者の中には、デジタル機器あるいはオンラインサービスの利用に不安を覚える方も大変多くいらっしゃいます。そもそもオンラインで様々手続ができること自体を知らないと、そんなやり方があるのかという方も多いわけでございます。そこで、こうした高齢者の方々あるいは障害者の方々の身近に、オンラインでのサービスについて具体的なアドバイスあるいは相談対応、これを実施を充実させていくことが重要でございます。
 総務省が行っていただいておりますこうした情報通信技術の利用をサポートしていくデジタル活用支援員の制度普及に向けては、昨年度、令和二年度では全国十一か所で実証実験が行われ、今年度は全国千か所程度で講座の開催などが予定されているというふうに伺っております。
 我が党といたしましても、冒頭申し上げました昨年の菅総理、平井大臣への提言におきましてこの支援員の普及というものを訴えてきたところでございまして、このデジタル活用支援員の全国展開、これを是非進めていく必要があると考えております。
 今年度は全国千か所程度ということが今のところ予定されておりますけれども、全国自治体千七百あることを考えれば、全国千か所程度というのはまだまだ不十分であるというふうに思っております。これを是非とも、全国でそのデジタル活用支援員の事業を享受できる、その取組を力強く進めていく必要があると考えますけれども、総務省の御所見をいただきたいと思います。

#138
○政府参考人(辺見聡君) お答え申し上げます。
 昨年十二月に閣議決定されましたデジタル社会の実現に向けた改革の基本方針におきましては、今後のデジタル改革が目指すビジョンとして、誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化を掲げているところでございます。
 他方で、内閣府が行いました世論調査によりますと、七十歳以上の高齢者の約六割がスマートフォンなどの情報通信機器を利用していないと回答しております。社会のデジタル化が急速に進む中で、各地域の実情を踏まえつつ、助けを必要とする方々に十分な支援が行き渡るようにすることが必要と認識しているところでございます。
 このため、総務省におきましては、昨年度、全国十一か所におきまして基本的枠組みの構築に向けました実証事業を行ったところであり、この成果を踏まえまして、今年度からは主に高齢者のデジタル活用を支援する講習会の開催をまずは全国千か所程度で行うということを検討しているところでございます。これらの取組に際しましては、民間事業者が実施するスマホ教室の講師など、既に能力を有している人材を活用するとともに、新たに研修などを行うことにより教える人材を育成をするということを想定をしております。
 総務省としては、誰一人取り残さないとの基本方針の下、各地域の実情やニーズを丁寧に把握しつつ、助けを必要とする方々に適切に支援が行き渡るよう、今後とも支援体制の充実を図ってまいりたいと考えているところでございます。

#139
○石川博崇君 今、総務省の方から御答弁で、今年度、令和三年度のこのデジタル活用支援員について、まずは千か所というふうに御答弁をいただきました。まずはということはその後もあるというふうに理解をしたいと思いますし、是非、更に積極的に拡大に努めていただきたいということを御要望申し上げたいというふうに思います。
 続きまして、デジタル改革の司令塔となるデジタル庁について平井大臣にお伺いをしたいというふうに思います。
 デジタル庁の在り方については、これまで様々議論がなされてまいりました。当初は復興庁と同様に時限組織とする案もあったところでございますが、我が党の中で様々議論をいたしまして、やはりこのIT施策の司令塔となるデジタル庁、このデジタル庁は国民の最大幸福を実現するために不断の努力を行う司令塔として常設の組織とすることが適当だというふうに訴えさせていただきました。それもあり、恒久的な組織とすることを決めていただいたところでございますが、官民から意欲のある人材を集め、国と地方の行政システムの標準化、共通化を主導し、目に見える形で結果を生み出してもらいたいと期待をしているところでございます。絵に描いた餅とならないよう、しっかりと後押しをしてまいりたいというふうに思っております。
 従来、政府のIT政策はIT総合戦略本部及び政府CIOが担う形で推進されてきたところでございますが、このデジタル庁の誕生によってどのように体制が変わることになるのか。また、デジタル庁設置法には、デジタル庁に付与される各府省に対する勧告権などの総合調整権限、また各府省との情報システムを統括、監理する権限、これらによって行政の縦割りを打破して社会全体のデジタル化を推進する司令塔をつくり出すという意義があるというふうに考えておりますけれども、平井大臣の御所見を伺いたいと思います。

#140
○国務大臣(平井卓也君) 先生のおっしゃるとおり、これまで、内閣にIT総合戦略本部を置いて、内閣官房に政府CIOを置いて、IT政策を進めてきました。
 実は、二年前に私このIT担当大臣をやらせていただいて、退任の記者会見のときに、今の大臣の権能だと恐らくシステムを横断して最適化をすることはできないだろうということを話させていただいて、それから今回のプランにつながる提言を党の方でまとめさせていただいたという経緯がございます。ですから、はっきりIT担当大臣というのは権限がない大臣であったということはもう間違いありません。
 そして、今回、ほかにも問題がありまして、デジタル社会の形成に重要な分野をまたがるIDや認証等の固有の事務を持っていない、その権限は各府省の施策の総合調整のみに限られていた、総合調整についても予算の配分権限がない、そしてその実効性の担保が十分でなかったと。支える体制も必ずしも十分なものではなかったというふうに考えています。まだ縦割りを是正するというところまでのパワーもスタッフもなかったということだと思います。
 これを踏まえて、デジタル庁設置法案においては、内閣総理大臣を長とするデジタル庁を内閣に直接設置すること、内閣総理大臣を助ける専任のデジタル大臣を置いて、その後、調整機能権限を担保するために、十分に尊重すべき義務を課した勧告権を付与するとともに、予算、関係予算の一括計上、配分権限を持たせる、ここは非常に大きいところだと考えています。
 そして、マイナンバー等のIDや認証に関する制度を自ら所管するとともに、重要な情報システムを自ら整備、管理することなどを規定するほか、発足時点で五百人規模の官民の人材を確保することで、デジタル社会の形成の推進について司令塔機能を一元的に担う組織としてふさわしい権限と体制を付与するということに今回の法律ではなっています。
 このように、デジタル庁に司令塔機能を与え、官民の優秀な人材を集めることで行政の縦割りを打破し、デジタル化を強力に推進することによって国民にデジタル化の利便性を実感できるようにしていきたいと、そのように考えております。

#141
○石川博崇君 ありがとうございます。
 また、このデジタル庁設置におきましては、やはり官民から人材を結集をしていくことが何よりも重要でございます。
 私ども公明党の党内におきましても、様々な有識者あるいは専門家の方からこのような御提案もいただいて、党として、職員の採用において、情報技術に関する技官であるデジタル総合職の採用を新設するよう提案をさせていただきました。これを受けまして、昨年の基本方針では、デジタル人材の採用について、国家公務員採用試験について、令和四年度以降の実施に向けて総合職試験に新たな区分を設ける、(デジタル(仮称))を設けることや、出題などに関する検討を人事院に要請すると記載されたところでございます。
 人事院で現在検討されているというふうに思いますけれども、検討状況、いかがでしょうか。

#142
○政府参考人(西浩明君) お答え申し上げます。
 委員今御指摘がございましたように、デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針におきまして、令和四年度以降の実施に向けて総合職試験に新たな区分を設けることや出題などに関して人事院に対して検討の要請が行われたところでございます。
 人事院では、この要請を受けまして、令和四年度からの総合職試験におけるデジタル区分の新設等について具体的な検討を行っているところでございまして、成案が得られ次第、その概要を公表したいと考えております。

#143
○石川博崇君 成案得られ次第、その概要を公表したいと考えているということでございますが、令和四年度、来年度の試験でございます。できる限り早く公表していただくよう要請させていただきたいと思います。
 他方で、令和四年度の採用試験ということになりますと、令和五年度、令和五年の四月から就職、採用ということになろうかというふうに思います。そうしますと、今年の九月にデジタル庁できるわけでございますが、それ以前の職員で官民から人材を結集することをどう取り組んでいくのかということが極めて重要でございます。
 先ほど申し上げました基本方針のところでは、令和三年度から、デジタル庁を中心に各府省において国家公務員採用試験の総合職試験(工学区分)や一般職試験(電気・電子・情報区分)等の合格者の積極的な採用に努めるとともに、民間企業等における実務経験を有する人材を確保するため経験者採用試験を活用するものとするというふうに記されたところでございます。
 これも含めて、デジタル庁を含め、政府部門においてデジタル人材を官民からどのように結集をしていくのか、これは内閣官房IT室でしょうか、よろしくお願いいたします。

#144
○政府参考人(時澤忠君) デジタル庁を含めました政府部門におきまして、行政官としての、行政官としてデジタル改革を牽引していく人材の確保、これは必須であると認識しております。
 デジタル区分につきましては、先ほど人事院から、人事院に、答弁ありましたように、今検討していただいているところでありますが、来年度の試験区分の新設を待たずに、総合職試験におけます既存の試験区分であります工学において、あるいは、さらには経験者採用試験も活用するということも含めまして、政府部門におけるデジタル人材の採用を積極的に進めていきたいというふうに考えております。
 政府全体の行政官としてのデジタル人材の確保に努めるとともに、特にデジタル庁におきましては、行政と民間双方のデジタル人材が連携して効率的かつ効果的に業務を進める組織文化、こういったものを醸成してまいりたいというふうに考えております。

#145
○石川博崇君 是非、まさにこの日本、オールジャパンでこのデジタル社会をつくっていくために官民の英知を結集していく、また官民の人材を結集していく、このことが真にデジタル庁あるいはデジタル社会の実現に必要なことだというふうに思いますので、積極的な取組をお願いしたいというふうに思います。
 続きまして、マイナンバー関係についての質問をさせていただきたいと思います。
 早稲田大学電子政府・自治体研究所が中心となってICT先進国六十四か国を対象に行った電子政府の進捗度調査では、日本は第七位と比較的上位となっております。しかしながら、早晩言われておりますとおり、新型コロナ感染の拡大によって日本のデジタル化は余りにも遅れていたということが顕著になりました。デジタル敗戦とまで呼ばれるまでに至っているところ、非常に残念でございます。
 アメリカでは、昨年の新型コロナ感染症対策として個人向けに最大千二百ドルの現金給付を行った際に、昨年三月末に法案が成立してから約一か月で一億三千万件の支払が行われております。アメリカでは、よく知られておりますけれども、社会保障番号、これが全国民に付番されており、こうしたインフラが迅速な給付につながったと言われております。
 行政手続における国民の利便性の向上、これを進めていくために、国民が役所の窓口に行かなければ手続ができないことであるとか、あるいは複数の窓口を何度も回らなければならない必要がある、こうした不便さがこれまであったわけでございますが、これがあたかも当たり前のものであるというふうに国民に課していたと、こうした負担を国民に掛けていたということは、我々一同反省をしなければいけないことだというふうに思っております。
 こうした状況を抜本的に改革するための基盤となるツールがマイナンバーでございます。社会保障、税、また災害対策の分野で効率的に情報管理をして、複数の機関が保有している個人の情報を同一人物の情報であることを確認できるようになっており、これによって、公平公正な負担と給付、あるいは効率的な住民サービスを実現するための社会基盤としての活用が期待されているところでございます。
 こうしたこれからのデジタル社会におけるマイナンバーの役割、また意義について、改めて国民に説明していただきたいというふうに思いますけれども、内閣官房、よろしくお願いいたします。

#146
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。
 マイナンバー制度は、マイナンバー、マイナンバーカード、マイナポータルの活用により、行政の効率化と国民の利便性向上の上、公平公正な社会を実現するデジタル社会基盤であると考えております。
 安全で安心なデジタル社会をつくっていくためには、個人を一意に特定するID、すなわちマイナンバーと、インターネット上で確実な本人確認を可能とするマイナンバーカードが必要不可欠と考えております。
 マイナンバーを利用した行政機関の間の、行政機関間の情報連携により、これまで添付する必要のあった住民票の写しですとか課税証明書等の書類を省略することが可能になりますとともに、行政機関における膨大な紙資料の取扱いをデジタル化し、国民の利便性向上と行政の効率化を実現してきているところでございます。
 また、マイナンバーカードは、対面に加えオンラインでも確実な本人確認ができる最高位の身分証であり、子育てを始め、様々な行政手続のオンライン申請、令和六年度末からの運転免許証との一体化など、カードの利用拡大につき、関係省庁と鋭意準備を進めております。
 さらに、民間サービスにおきましても、これまで、オンライン証券やオンラインバンクの口座開設、住宅ローンのオンライン契約などにおいて、本人確認のためのマイナンバーカード、電子証明書の利用が進んでいるところでございます。
 また、マイナポータルにつきましては、行政機関等にある自分の情報を簡単に確認したり、子育てなどに関する行政サービスの検索やオンライン申請をすることができるものでございます。
 マイナンバー制度は常にその普及を私どもとしては図ってきているところでございまして、さらに、更なる普及に当たりまして、今後も国民の皆様の御理解を得つつ、関係省庁と一体となって引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

#147
○石川博崇君 今おっしゃっていただいた中で、マイナンバーカードでございますけれども、これまで普及促進、政府は様々な施策を打っていただいて取り組んできていただいたところでございます。
 当初、そのマイナンバーカードの申請、普及、大変伸び悩んでいたわけでございますが、昨今、例えば運転免許証の一体化あるいは健康保険証との一体化などが打ち出され、また、マイナポイント事業、これが示されたこともあって、ようやく申請件数が今年の三月末の時点で四千五百四十九万件に上ったというふうに承知をしているところでございます。
 政府は、このマイナンバーカードを、令和四年度末までにほぼ全国民にマイナンバーカードが行き渡ることを目指しているという目標を掲げております。最近この申請件数が増えてきているとはいえ、令和四年度末といいますとあと二年でございます。あと二年で、現在で四千五百万件でございますので、あと二年で一億弱、まあ七千万件近い、果たしてマイナンバーカード申請を受け付けることができるのか。まあ直近の交付状況を考えると非常に難しいという局面でないかというふうに思っております。
 現在、先ほど申し上げましたマイナポイントの対象となるマイナンバーカード、この申請期限が本年四月末までとなっております。マイナポイントの申込みが本年九月末までとなっているわけでございますので、そのことかと思いますけれども、是非、マイナンバーカードの取得率の更なる向上、そして政府の掲げている目標達成のために、今申し上げたマイナポイントの対象となるマイナンバーカード申請期限、今年のこの四月末までとなっておりますけれども、その延長あるいは拡充、また第二弾となるマイナポイント施策、これを大胆に実行することも検討対象となるのではないかと思いますけれども、政府の所見、これは総務省でしょうか、お伺いをしたいと思います。

#148
○政府参考人(阿部知明君) まず、マイナンバーカードの交付状況についてお答えいたします。
 マイナンバーカードは、令和三年三月末時点で有効申請受付数の累計は、先ほどおっしゃっていただきましたように、約四千五百四十九万枚、交付済件数の累計は約三千五百九十万枚となり、特に令和二年度一年間における申請数、交付数はいずれも過去最高となってございます。
 現在も、一日当たり申請件数は約十万枚、交付件数は約九万枚でございまして、今後、健康保険証としての利用や国等の機関が発行するカードとの一体化などの利便性向上、市町村の交付体制の更なる充実、広報普及活動の強化によりまして引き続き申請、交付を加速することで、令和四年度末にはほぼ全ての国民に行き渡るよう取り組んでまいりたいと考えてございます。

#149
○政府参考人(黒瀬敏文君) マイナポイントの分についてお答えを申し上げます。
 先ほど答弁がありましたとおり、三月末時点でカードの有効申請受付数の累計は四千五百四十九万ほどとなっておりまして、今月末にはマイナポイント事業の対象人数である五千万人に近づく見込みでございます。
 ですので、まずはこうして今月末までにカードを申請された方が確実に給付を受けることができるようにしたいと考えておりますが、一方で、マイナポイント事業の基盤を活用いたしまして各自治体においてポイント給付施策を実施できますように、今年度、モデル的に事業を実施をし、全国展開につなげていくことといたしておりまして、マイナンバーカードの普及策として活用したいという自治体も出てきております。
 今後、カードの利便性向上など、マイナンバーカードの普及について政府として検討する中で、この自治体版のマイナポイント事業を含め、マイナポイント施策の今後の展開についても検討してまいりたいと考えております。

#150
○石川博崇君 なぜこの四月の末でマイナポイント事業が締切りなのかということを昨日お聞きしますと、マイナポイント事業対象人数を五千万人と見込んでいると、その五千万人の方に必要な予算の手だてがこの四月の末で切れる見込みであるということが理由だというふうに御説明がありました。
 一方で、足下のこのマイナポイントの執行率、執行状況どうなのかというふうに聞くと、このマイナポイントを活用されている方が四〇%から五〇%。まあ増えているとはいうふうにお聞きをしていますけれども、そうしますと、四月末で締め切ったとしても予算が半分近く残るということが想定されるわけでございます。是非そこは、元々のこの事業の趣旨は、マイナンバーカードの普及を図っていく、より多くの方にマイナンバーカードの申請を行っていただくということで、理由が予算ということで、しかもそれが余っているということであれば、柔軟に延長していただくということは是非御検討いただきたいというふうに思っております。今御答弁でも今後の展開について検討してまいりたいということでございますので、要望にとどめておいておきたいと思いますけれども、是非お願いをしたいと思います。
 このマイナンバーカードの普及が伸び悩んでいた背景として、国民の中に、カードの持つ利点、利便性、これがよく分からないという御意見が多いことが一つの理由かというふうに思います。持つ必要性を余り感じていただけないということだと思います。今回のデジタル社会形成整備法案においては、マイナンバーカードの利便性の向上、またマイナンバーカードの発行・運営体制の強化として様々な施策をそうした背景を受けて盛り込んでいただいているところでございます。
 その一つであります転出転入手続のワンストップ、引っ越しの際のワンストップでの手続。転出届あるいは転入届を転出元の自治体と転入先の自治体とそれぞれに行って、窓口に出向いていたことを、今後はマイナポータルを通じてオンラインで、まず、転出地の自治体の窓口には出向く必要がない、また、転入手続を取るときは、当日来庁されればマイナンバーカードを提示する形で転入届が非常に簡便に行えるということが可能となるというものでございます。この規定の施行期日について、公布の日から二年を超えない範囲内で政令で定める日と規定されております。
 非常に期待されるこの転出転入手続のワンストップ化でございますけれども、これには何といっても自治体の御協力、そして自治体の対応が果たしてできるのかということが大きな課題となっております。果たして、この施行期日、二年を超えない範囲で全国の千七百を超える市町村でマイナポータルを通じた転出届を行うことができるように国として支援を行う必要があると思われますけれども、どのような対策を考えているのか。これができていない自治体がありますと、例えば引っ越しをする際に転出先でマイナポータルで転出届を出したとしても、引っ越し先でこれが活用できないといったことが生じかねません。そうした不安を払拭するよう国として全力で取り組んでいただきたいと思いますけれども、総務省、いかがでしょうか。

#151
○政府参考人(時澤忠君) 現在御審議いただいておりますデジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案の中に議員御指摘のとおり住民基本台帳法改正案が含まれておりまして、これが成立いたしますと、マイナンバーカードとマイナポータルを使った転出手続と転入予約のオンライン化、そして転出者の情報の転入地への事前送付が実現します。令和四年度中に自治体において転出転入手続のワンストップ化を開始する予定で準備を進めていきたいと思います。
 御指摘のとおり、マイナポータルを通じてオンラインで必要な手続を実施できることが重要でございまして、この点、令和三年五月から、内閣府におきましてマイナポータルにLGWANとの接続機能を実装することとしておりまして、この結果、全ての地方公共団体のマイナポータルへの接続が実現をします。オンライン申請の受付が可能な環境が整うわけでございます。
 また、内閣官房IT室におきましては、令和三年度に研究調査を実施予定でございまして、自治体における転出転入手続のワンストップサービス用のマイナポータルUI、UXの検討を行うこととしておりまして、引越しワンストップサービスの実施に向けまして、システムの整備に対する支援、あるいは自治体に対する必要な支援、こういったものを行ってまいりたいと考えております。

#152
○石川博崇君 もう一つ、ワンストップ化で、今は転出転入、引っ越しの手続のワンストップ化でございましたが、もう一つ、是非ともワンストップ化で進めていただきたいのが、いわゆるおくやみワンストップでございます。
 親族が亡くなられた場合に残された遺族の方々がしなければならない手続は通常約三十項目程度以上あるというふうに言われております。死亡届、年金手続、不動産の名義変更、税務申告、こうした行政手続、それぞれ自治体や年金事務所、法務局、税務署に対して行わなければならない、大変に手間暇が掛かるものでございます。また、民間の金融機関等にも戸籍抄本等の提出など手続が繰り返し必要となり、そのたびに役所にも行かなければいけない、民間事業者にも行かなければならない。御親族が亡くなられて大変に悲しむ中にある中、負担が大きいわけでございます。こうした手続を是非とも今回のデジタル社会の形成の中でワンストップ化していけないか。
   〔理事徳茂雅之君退席、委員長着席〕
 全国の自治体では、こうしたいわゆるおくやみワンストップ、ワンストップでの手続を可能にするおくやみコーナーを設置をする、あるいは、私の地元、大阪府の吹田市では、住民が死亡届提出された場合に必要な手続を少しでも分かりやすく行えるような、手続を一覧にしたおくやみハンドブックというものを作成をしているところもございます。
 昨年閣議決定されましたデジタル・ガバメント実行計画では、これに関しまして、相続人の手続に係る負担やその手続を受ける行政機関、民間事業者等の負担軽減に向けた取組が必要であるとしていただいております。そして、死亡に関する届出をできるだけ省略するための検討、また、自治体による死亡に関する総合窓口の設置を支援するおくやみコーナー支援ナビ等のツールを整備すると方針を掲げていただいております。
 我が国での年間の死亡者数は直近で年間約百三十八万人と増加傾向にある中で、こうした死亡に関する手続の負担軽減、御遺族や行政、民間事業者にとって切実な問題でございます。こうした問題を解決することにこそデジタル化の意義があるのではないかとも考えております。
 この死亡に関する手続の省略について検討状況はどうなっているのか、また自治体が行っているこうしたワンストップ化の取組についてどのように支援をしていくのか、政府の御見解を伺いたいと思います。

#153
○政府参考人(時澤忠君) 死亡関係手続のワンストップサービスでございます。これは、デジタル・ガバメント実行計画に基づきまして、内閣官房が中心となりまして関係省庁と連携をして推進をしております。
 まず、行政の死亡関係手続でございます。これは、他の手続等の死亡情報を参照することによりまして、行政機関における死亡届の手続、手続そのものを削減するという取組を行っております。
 また、議員から御指摘、御紹介ありましたおくやみコーナーを設置している自治体がございます。これを支援するために、おくやみコーナー設置自治体支援ナビというものを開発、配付しておりまして、自治体における遺族への死亡手続の案内を充実すること等の取組を続けてまいりました。
 また、厚労省、法務省と連携しまして、死亡届、死亡診断書をオンラインで提出できる仕組みの検討を現在行っているところでございます。
 民間の死亡関係手続につきましては、これまでにエンディングノートのデータ標準案の作成、公表を行いまして、個人の相続資産情報等の記録、伝達を容易とした取組を行っております。
 また、現在御審議いただいております預貯金者の意思に基づく個人番号の利用による預貯金口座の管理等に関する法律案、これが成立いたしますと、預貯金口座に個人番号を付番することによりまして、相続時に被相続人の預貯金口座の所在確認が行いやすくなるという点もございます。
 内閣官房といたしましては、関係省庁とも連携をいたしまして、引き続き、遺族や相続人の負担軽減等に向けまして、死亡関係手続のワンストップサービスの推進に取り組んでまいります。

#154
○石川博崇君 是非ともこれは力強く進めていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、電子証明書、マイナンバーカードの電子証明書のスマートフォンへの搭載についてお伺いをしたいと思います。
 今は、マイナンバーカードの公的個人認証の機能を用いて行政手続を行うためには、マイナンバーカードをスマホにかざして読み取って、そして手続を行うことが必要でございますが、今回の法改正の規定によりまして、マイナンバーカードに搭載されている電子証明書とは別に、これとひも付けされたスマホ用の電子証明書を搭載することが可能となり、わざわざマイナンバーカードにかざさなくてもスマホだけで手続を行うということが可能となるところでございます。
 国・地方デジタル化指針によりますと、公的個人認証の機能だけでなく、マイナンバーカードに記載されている氏名、住所、生年月日、性別のいわゆる四情報、これを読み取る券面事項入力補助機能など、マイナンバーカードの持つほかの機能についても、国際標準規格との相互運用性など、相互運用性の確保などの課題を整理した上で、これまで以上にUXを目指したスマホへの搭載方法について検討するとされております。今後は、したがって、スマホのみで様々な行政手続がマイナンバーカードを一緒に持っていなくてもできる可能性があるということでございます。
 そうしますと、一方で、スマホを紛失をしたり、あるいは盗難に遭ったり、そうした場合のリスクということも併せて考えていく必要があります。
 政府によりますと、スマホ等を紛失した場合には、コールセンター等に連絡することによってこの電子証明書の機能を一時保留とすることも可能とするということが言われているわけでございますが、スマホをなくされた方の当事者の立場に立って考えますと、スマホをなくして携帯電話事業者に連絡をして紛失届を出されたりしても、そこに電子証明書を搭載しているかどうかということまで必ずしも意識が回らないのではないかというふうに思っております。
 また、こうした盗難や紛失のみならず、そもそもスマホを機種変更する、あるいは他人に譲渡をする、あるいは売買をする、こうしたときに、スマホを譲渡する前にこの電子証明書の失効手続をしていただくということがこの法制度上も求められているわけでございますけれども、うっかりこうした失効手続をすることについて失念をしてしまう、そのことも懸念されるわけでございます。
 こうした他人に譲渡する場合の失効管理が果たして徹底されるのか、こうしたことへの懸念も残っております。また、それがなされていない場合に不正利用が起こる懸念もあります。こうした不正利用の防止についてもどのような措置を想定しているのか、政府のお考えを伺いたいというふうに思います。

#155
○政府参考人(阿部知明君) お答えいたします。
 移動端末設備用の電子証明書の不正利用対策は、公的個人認証サービスの信頼性に関わる重要な問題だと認識してございます。
 具体的には、移動端末設備はマイナンバーカードと異なり、譲渡、売買等により使用者の変更が想定されることから、本改正においては移動端末設備の使用者に対し、移動端末設備の使用停止時に失効申請を行うことを義務付けております。これに加え、携帯キャリアや中古端末取扱事業者に対し、窓口において電子証明書が失効、削除済みであることを確認するよう要請するなど、重層的な措置を講じる予定でございます。
 また、移動端末設備を紛失した場合には、J―LISのコールセンターへの連絡によりまして電子証明書の機能を一時停止する運用にするとともに、携帯キャリア等において利用者から端末紛失の連絡を受けた際には、J―LISのコールセンターへ連絡すべき旨を案内するよう、携帯キャリア等に対し要請することについても検討しているところでございます。
 いずれにしましても、実運用に向けましては、現在総務省で設置している有識者検討会での議論も踏まえ、不正利用対策を丁寧に講じてまいりたいと考えております。

#156
○石川博崇君 重層的な措置を講じると、また携帯電話事業者にも要請をするということでございますけれども、しっかりとした対応を取っていただくようお願いをして、残した質問はまた次回に行わせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 今日はありがとうございました。
    ─────────────

#157
○委員長(森屋宏君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、加田裕之君が委員を辞任され、その補欠として岡田直樹君が選任をされました。
    ─────────────

#158
○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。よろしくお願いをします。
 まず最初に、衆議院での修正についてお尋ねをしたいと思いますが、今日はお忙しい中、衆議院での修正案の提出者の方々に来ていただき、ありがとうございます。
 私ども日本維新の会は、結党以来、マイナンバーのフル活用を通じた、これ、透明で公正公平な経済社会の構築を目指してきました。そういうことからも、今般のこのデジタル改革関連法案、遅きに失したとはいえ、我が国経済をアップデートするために不可欠な法案だと位置付けております。
 ただ、本会議の際にも申し上げましたが、政府原案には幾つも不十分な点があったのも事実で、私どもとしても、他の会派の皆さんとも協力をし、御賛同を得ながら修正案を出してきたところであります。その一つがデジタル社会形成基本法案であり、御案内のように、先般、衆議院において、同法の第九条に公正な給付と負担の確保のための環境整備が追加をされたところであります。
 そこで、お尋ねをしますが、この修正の意義はどこにあるのか、そしてまた、これによってどのようなデジタル社会を形成できると考えているのか、時間は十分ありますので、詳細に足立康史修正案提出者にお聞きをしたいと思います。

#159
○衆議院議員(足立康史君) 柴田委員にお答えを申し上げます。
 柴田委員御指摘のとおり、このデジタル社会基本法、まず、衆議院から来ました足立康史でございます。ちょっと名前を言っておかな、ありがとうございます。
 柴田委員御指摘のとおり、デジタル社会基本法の政府原案の九条を見ると、国と地方公共団体の役割として大きく二つの柱、国民の利便性の向上と、行政運営の簡素化、効率化及び透明性の向上という二つの大きな柱が掲げられていたわけでありますが、衆議院での審査においてこれを拝見して、あれ、これら二つの柱では何かが足りないなということで、私も最初は何が足りないのかよくちょっと分からなかったんですが、それを考えていろんな書類を見ていると、今、柴田委員がおっしゃったように、私たちがもう本当に結党以来これは大事だという、結党はマイナンバー法ができるより前なんですけど、当初から大事だということで頑張ってきたこのマイナンバーについて作られているマイナンバー法の目的規定に公正という二文字を発見したわけです。
 マイナンバー法の目的規定には、今あった効率化と、行政運営の効率化と、それから国民の利便性の向上に加えて、行政分野におけるより公正な給付と負担の確保を図るというふうに書いてあるんですね。これを見付けた私は、政府が目指しているデジタル社会の形成に当たって、今申し上げた公正な給付と負担の確保という理念が必要不可欠な要素の一つであるとの観点から、与党の、今日おいでいただいていますが、与党の皆様と協議を重ねまして、国及び地方公共団体の役割の三つ目の柱として公正な給付と負担の確保と規定することとしたものであります。
 じゃ、何で政府案に入っていなかったのかということは私も分かりません。ついては、この後、是非、柴田委員の方から、平井大臣せっかくいらっしゃいますから、何で最初は入っていなかったんだということを聞いていただいてもいいかなと勝手に思っております。済みません、勝手に問いを振っていますけれども。
 日本維新の会としては、さきの、先週の十七日の党大会で、いわゆる給付付き税額控除を更に進化させたベーシックインカムを中核とする経済成長と格差解消を実現するためのグレートリセット、日本大改革プランを打ち出しましたが、まさに公正な給付と負担の確保という理念を具体化していく中で、まさに取るべきところから取り、手を差し伸べるべき方々にはしっかりと手を差し伸べていくという、透明かつ公正公平なデジタル社会の形成が図られることになると考えております。
 以上です。ありがとうございます。

#160
○柴田巧君 ありがとうございます。いい修正になったと評価をしております。
 今あったように、所得と資産を捕捉をした上で、取るべきところから取り、手を差し伸べるべき方にしっかり手を差し伸べていくと、こういうことがしっかりできるようになると思うわけですが、それで、私も足立提出者の答弁を聞いていて感じたのですけれども、何でこの公正な給付と負担の確保という大事な点がそもそも政府原案に抜けていたのか、済みません、大臣、通告はしてありませんが、お答えをいただければ幸いであります。

#161
○国務大臣(平井卓也君) それはもう当然のこととして我々想定している内容というふうに考えていたからでございます。

#162
○柴田巧君 いずれにしても、この修正によって透明で公正公平な経済社会がより構築しやすくなったというのは間違いないと思っておりますので、いい修正をしていただいたことに感謝を申し上げ、関係の皆さんにも御礼を申し上げたいと思います。
 一応これで衆議院の方の修正のあれは終わらせていただきますので、提出者の皆さんには御退席いただいて結構です。委員長、お取り計らいの方、よろしくお願いします。

#163
○委員長(森屋宏君) 修正案提出者衆議院議員のお三方は御退席いただいて結構です。ありがとうございます。

#164
○柴田巧君 次に、デジタル庁についてお聞きをしていきたいと思います。
 このデジタル改革関連法案の一番の肝というか、これはやっぱりデジタル庁だというふうに思っていますが、これが要だと思いますが、これがやっぱりしっかり司令塔的機能を果たせるか否かが目的を達せられるかどうかということだと思います。
 したがって、デジタル庁の組織、あるいは人事体制、人材のこと、あるいは機能等について幾つかお尋ねをしていきたいと思いますが、このデジタル庁には局や課が設けられないというふうに聞いておりますが、いわゆるフラットなチームから成るアジャイル型組織というんですかね、これを採用するというふうなことでありますが、大変ユニークで面白い試みだとは思う反面、そういう組織になると責任の所在というのは曖昧になりはしないか、不明確になりはしないかというのを心配をするのですが、懸念をするんですが、これはそういう心配はないのか、大臣にお尋ねをしたいと思います。

#165
○国務大臣(平井卓也君) この官民合わせて五百人程度で国のシステム全体を見ていくというようなこと、これは大変な要するに仕事量になりますので、もう固定化された組織だとなかなか全部のミッションをこなせないというふうに思います。
 デジタル庁は、情報通信技術の急速な発展とか行政需要の変化に対応しながら、社会全体のデジタルトランスフォーメーションを進めていくということも求められています。そのために、デジタル庁の組織や運営体制自体が政策課題の進展や業務の遂行状況等に応じて常に最適化を図り、柔軟な業務配分の見直しを可能とすることが重要だと思っています。
 したがって、デジタル庁では、業務の配分、分配ですか、が固定的な局や課といった組織を置くのではなくて、局長級の統括官や課長級の参事官といった柔軟な業務の分配を可能とする組織形態を取ることにしています。これによって、プロジェクトごとに官民共同チームを組成して、機動的にプロジェクトを進めていくことが可能になるというふうに思います。
 また、その上で、職務を適切に配分し、指揮監督関係を明らかにすることにより、デジタル庁内での権限と責任の所在を明確にして、その上で適正な業務運営を図ってまいりたいというふうに思っています。
 なお、統括官とか参事官といった組織形態は、復興庁のほか内閣府や各省でも採用されていると承知しており、局課制を取らないことにより責任の所在が不明確になるものでもないと、そのように考えております。

#166
○柴田巧君 分かりました。
 次に、じゃ、このデジタル庁がいかに国民にとって利便性の高いシステムを整備していけるかということをお聞きをしたいと思いますけど、これまでの我が国のデジタル政策の失敗というか、まあ、いろんな要因が、背景があるとは思いますが、やはり一つは、利用する側ではなくて供給する側、役所の例えば計画を達成していくためとか、それが優先されてきた、供給者側が優先されてきたというところがあると思いますね。このことが、先ほどからも話が出ておりましたが、デジタルのインフラ整備が整っていてもデジタルガバメントが進まなかった一つの大きな理由だろうというふうに思っております。
 したがって、いかに利用者目線というか、国民にとって使い勝手のいいシステムをつくっていくかというのは非常に大事な点だと思っていますが、そういう中で、デジタル庁は、情報システムの整備、管理に関する事業を統括、監理をし、予算を一括計上した上で当該事業の全部又は一部を自ら執行することとされております。
 そこで、お聞きをしますが、このデジタル庁の創設によって、国民にとってどのように利便性の高いシステムの整備が実現をしていくのか、大臣にお尋ねをしたいと思います。

#167
○国務大臣(平井卓也君) デジタル化に当たっては、そのデジタル化自体を目的とせず、利用者の利便性向上等を目指してまずは業務改革を徹底したいと、その上で使い勝手のいいものをつくっていきたいと思っています。
 具体的にシステムを整備するに当たっては、対面原則や書面原則などの制度そのものを見直し、利用者と行政機関間のフロント部分だけでなく、バックオフィスも含めたエンド・ツー・エンドで、デジタルを前提として業務プロセスを再構築する業務改革を実施した上で、スマートフォン対応や、高齢者や障害がある方、デジタルに苦手意識がある方にも分かりやすいUI、UXによる申請を可能とするようにしたいと考えています。
 デジタル庁においては、民間人材を幅広く登用することを含めまして、体制を大幅に拡充します。そして、デジタル庁の作成する情報システムの整備及び管理の基本的な方針に基づいて関係予算の一括計上、配分を行うこと、全てのシステムを対象として、一元的なプロジェクト管理を通じてプロジェクトの方向性等の検証を行うこと、政府が共通して利用する基盤的なシステムについてはデジタル庁が自ら整備することとしておりまして、こうした取組を通じて、全ての国民がデジタルの恩恵を最大限享受できるよう、民間の知見も活用しながら、徹底した利用者目線で行政サービスの刷新を進めていきたいと考えます。
 先生がおっしゃったとおり、今まではやっぱりサプライサイド側でいろいろなものをつくっておりましたけれども、はっきり言ってUI、UXというのをほとんど要するに設計の段階では議論していなかったと、そういう反省を踏まえたものでございます。

#168
○柴田巧君 ありがとうございます。
 その利用者目線というか国民の利便性の高いものにしていくには、国民に対するこの透明性と説明責任の徹底というのが非常に大事なことだと思うんですね。
 デンマークとか韓国は非常に電子政府のランキングでいっても一位、二位ぐらいを占めるところですが、そこの、正式名称ちょっとあれですが、デジタル庁的な司令塔の組織なんかを見ていても、デジタルガバメントの計画や予算の決定、あるいは執行、進捗状況や成果まで分析、評価、公表する仕組みが整備をされているわけなんですね。非常に国民に対して透明性を高めているということであります。そして、いいことも悪いことも含めて公表しているというところがあって、目標が未達の場合には原因を究明して次の戦略や計画に反映させていくという仕組みを取り入れているわけですね。これが非常に国民からしても信頼性が高まるというか、これがまた国民の利便性の高いものをつくっていける、一つの参考にすべきところかなと思っているわけですが。
 そこで、この今つくろうとする日本のデジタル庁にも、実施された施策をきちんと検証、評価するとともに、次の施策に反映をさせていくメカニズムをやっぱり導入をして、国民に対して透明性を高めることが必要だと考えますが、この点はどういうふうに考えていらっしゃるでしょうか。

#169
○国務大臣(平井卓也君) もう先生のおっしゃるとおりで、プロセスを透明化する、今回のCOCOAの不具合のことを振り返ってみても、やっぱりできるだけ早く問題を明らかにした上でその対応の仕方もちゃんと報告できるということが非常に重要だというふうに思います。
 昨年末に閣議決定したデジタル社会の実現に向けた改革の基本方針では、デジタル社会を形成するための十原則の中で、まず、オープン・透明を掲げています。デジタル社会形成基本法案では、デジタル社会の形成に関する施策の策定、実施に当たっては、広く国民の意見が反映されるような措置を講じなければならないと規定しています。そして、基本法案では、デジタル社会の形成に関する施策について重点計画を策定するとともに、原則として施策の具体的な目標や達成期間を定めることとしています。さらに、重点計画や目標の達成状況はインターネット等により公表することとしておりまして、これらについては適宜次の政策に反映されることになるというふうに考えています。
 委員御指摘の検証、評価のメカニズムについては非常に重要だと考えておりますので、このような仕組みを通じて適切に取り組んでまいりたいと考えております。

#170
○柴田巧君 今大臣もおっしゃったように、このプロセスを透明化していく、そして、いいことも悪いことも含めて国民にオープンにして、それをまた次の施策に取り入れていくということをしっかりやっていただきたいと、注視をしていきたいと思います。
 次に、人材関係、IT人材についてお聞きをしますが、独立行政法人情報処理推進機構社会基盤センターのこのIT人材白書二〇二〇によれば、IT人材が大幅に不足している又はやや不足していると考える企業というのは八九%、約九割ぐらいあります。また、民間のシンクタンクの調査によれば、二〇三〇年にIT人材が、先ほどもありましたが、最大だと七十九万人近く不足する懸念が示されているということになります。
 今般、このデジタル庁の創設に向け、三十五人ほどですか、採用するというところに千四百三十二人応募があったというふうに聞いておりますが、このIT人材の需要が多い状況に鑑みると、これは国内での取り合いあるいは海外も含めた取り合いというのも、獲得競争という、これからも続くと思われますが、創設というこの話題性が欠いた後では、今回は創設するという非常に話題があったわけですが、デジタル庁がIT人材を継続的に確保することは簡単ではないのではないかと思っていまして、そこで、確実に確保していくためには具体的にどのような方策を講じていくのか、また、このデジタル庁で仕事に携わった経験がその後のキャリアにおいてプラスとなる、そういうものでなければこのIT人材を継続的に確保できないのではないかと思いますが、併せて大臣の所見をお伺いしたいと思います。

#171
○国務大臣(平井卓也君) 先生のおっしゃるとおりで、最初はちょっと御祝儀的なところもあって多くの皆さん応募してくれていると思うんですね。ただ、組織がやっぱり風通しが良くてちゃんとした実績が上げられるかどうかというのを多くの皆さん注視していると思います。なので、この組織文化のつくり方とか、組織の意思決定のプロセスの透明化であるとか、いろんな実績が問われるんだろうというふうに思います。
 デジタル庁においては、能力と志とを併せ持つ優秀な人材を集めなきゃいけないと、原則的には公募形式で民間の人材を採用を進めていきます。先生も先ほどお話しいただきましたけれども、東京にとどまらず、様々な地域にお住まいの方も含めて、男女を問わず、まあ千四百人以上の方々に応募をいただいて最終的に三十五名を採用しましたが、リモートワーク前提の採用もその中には入っています。
 その上で、優秀な人材を継続的に確保していく上で魅力的な職務内容や組織文化を形成していくというのが我々にとっては一番大きな課題であって、デジタル庁が提供するサービスは、特定の集団ではなく、要するに国民全体がユーザーであると、社会全体のデジタル化を進める基盤の構築であって、想定のユーザー数が一億約三千万人のサービスを立ち上げるという経験はなかなかほかにはないと思っています。本人のキャリアにとってもプラスになると考えておりますし、今回入ってきていただいた三十五名の方とも私、全員と意見交換させていただきましたが、中には給料が下がる方もおられましたが、それでもこれをやりたいと。やっぱり日本にとってこのデジタル化というのがもうまさに今でしょと、今やらないでいつやるんだというふうに思っていただいて協力をしていただいているというふうに思います。
 そして、さっきもお話ししましたけれども、日本全国どこでお住みになっても勤務できると、リモートワークを前提にの採用もしておりますし、プロジェクトベースの働き方の実施もしますし、言わばデジタル庁はこれから新しいデジタルワーキングスタイルも同時につくっていかなければならないというふうに思っています。
 だから、こうしたそのデジタル庁の方針について、採用広報等を通じてしっかりと世の中に発信しつつ、デジタル庁の理念や価値観に共感していただいて、デジタル庁の新しい組織文化やデジタル改革に向けた機運を一緒につくっていくということが我々非常に重要だと思っておりまして、そういう人たちに届けるような広報活動も非常に重要だし、まずは、今までの霞が関と同じような組織をつくってしまったら何にもならないと、そこにはもう徹底的に私自身こだわっていきたいと考えております。

#172
○柴田巧君 大臣おっしゃったように、今までとは違うこの組織文化をつくっていく、あるいは非常に魅力的な職場に、やりがいのある、今までのない形で進めていただくというのは非常に重要だと思いますし、アメリカなどでは、政府や自治体のそういう仕事に携わった経験は非常にキャリアアップにつながるという環境づくりをしていますので、こういったことも頭に入れてまた進めていただければと思います。大変、人材の獲得、これは今年は、今年度はいいとしても、この後また大変な状況も考えられますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 さて、欧米各国などと比較をして、我が国のIT人材はいわゆるIT関連産業に偏っております。その反面、したがって、その他の産業や公的部門への配置割合が低いのは御存じのとおりでございます。
 アメリカでは公的部門にIT人材が一割以上、シンガポールでは七%と言われておりますが、我が国では今のところ一%未満にとどまっているという状況でありまして、この公的部門全体のIT人材の確保、そして育成にどのように取り組んでいくのか、大臣にお尋ねをします。

#173
○国務大臣(平井卓也君) 委員御指摘のとおり、デジタル庁を含めた政府部門において、行政官としてデジタル改革を牽引していく人材を確保することは非常に重要だと認識しています。
 このためにも、まずはいわゆるデジタル人材に対する採用募集活動を強化して、令和三年度から、デジタル庁を中心に各府省において国家公務員採用試験の総合職区分等の、工学区分ですね、等の合格者の積極的な採用に努めることとしております。また、昨年十二月には、令和四年度以降の国家公務員採用総合職試験にデジタルという新たな区分を設けること等の検討を、先ほども人事院さんの答弁がありましたが、具体的な検討をしていただいていると聞いております。
 このように、政府全体の行政官としてのデジタル人材の確保を努めるとともに、特にデジタル庁においては、行政と民間双方のデジタル人材が連携して効率的かつ効果的に業務を進める組織文化を醸成していくということが重要だと考えています。ですから、公的部門においてもデジタルのキャリアパスが見えるようにしたいと思っています。

#174
○柴田巧君 是非よろしくお願いをしたいと思います。
 人材に関連して、これは内閣官房にお尋ねをしますが、デジタル改革関連法案のワーキンググループの議事要旨によれば、地方でのデジタル人材の育成のために、地方の大学やいわゆる高専においてもこのIT人材を育成できる政策パッケージをデジタル庁が主導で整備する必要が指摘をされていたところですが、これを受けて具体的な仕組みを何か検討しているということがあるんでしょうか。内閣官房にお聞きをします。

#175
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。
 委員御指摘のデジタル改革関連法案ワーキンググループにおきましては、デジタル社会の発展を担う専門的、創造的な人材が不足しており、その育成が急務であること、また、地方の大学や高専等においてデジタル人材を育成できるパッケージをデジタル庁主導で整備する必要があることなど、様々な御議論があったと承知しております。
 こうした御議論も踏まえまして、今般のデジタル社会形成基本法案におきましては、第二十五条におきまして、施策の策定に係る基本方針として、デジタル社会の発展を担う専門的な知識又は創造的な人材を育成するために必要な措置を講じられなければならない旨を規定させていただいております。
 地方を含めた大学や高等専門学校などいわゆる高等教育機関につきましては、高等教育段階における数理、データサイエンス、AI教育の充実、あるいはソサエティー五・〇に対応した高度技術人材の育成などの取組を行っているところでございます。
 また、先ほどからお話ございますけれども、現在、人事院においても、令和四年度以降の国家公務員の採用試験におけるデジタル区分の創設についての検討をいただいているところでございます。こうした取組、あるいはこうした取組を充実させていくことが、地方を含めた大学や高等専門学校におけるデジタル人材の育成の後押しにもなると考えております。
 先ほど申し上げました二十五条の規定も踏まえながら、デジタル庁におきましては、関係省庁と連携しつつ、我が国におけるデジタル人材の育成確保を一層進めていきたいと考えているところでございます。

#176
○柴田巧君 是非進めていっていただきたいと思います。
 次に、本法案では、デジタル庁の設置から十年後にその在り方について検討を加えるということになっているわけですが、先ほど大臣も柔軟にいろんなことに対応していくとおっしゃったんですけれども、特にこのデジタルの技術の進歩はどんどんどんどん速いというかテンポが激しくなっている中で、柔軟にそれこそ対応するには十年というのは非常に長いのではないか、それこそ五年ぐらいがむしろこういうものは適当だったのではないかと思うんですが、この十年とした理由は何なのか、また、柔軟に、この技術の進歩の速さに対応して柔軟に検討できる規定とすべきではないか、併せて大臣にお聞きをしたいと思います。

#177
○国務大臣(平井卓也君) デジタル庁は、当面の重点課題として、マイナンバーの利用促進やベースレジストリー、ガバメントクラウドの整備など、デジタル化の要するに基盤構築に取り組まなければなりません。その基盤をつくった上で、準公共分野や民間分野を含めて社会全体のデジタルトランスフォーメーションを継続的に推進していくことが任務となる組織になります。
 法案上、技術の進歩等に応じた柔軟な組織体制の見直しを可能とする一方、デジタル庁の組織や所掌の事務の骨格については、これらの要するに任務を遂行できるように設計をしたつもりであります。
 このため、この組織の所掌事務の在り方の見直しに当たっては、社会全体のトランスフォーメーションを含めた施策の進捗などの任務の達成状況を見極める必要があり、そのためには十年程度の時間を要するものと考えられることから、施行後十年をめどに必要な見直しの検討を行うとしております。
 しかし、この一年で起きていることは、十年分ぐらいのいろんな変化が一年で起きているという状況を考えますと、もっと柔軟に対応していく必要が出てくるとも考えております。

#178
○柴田巧君 今大臣もお答えになったように、本当にテンポが激しいので、柔軟に検討できる、柔軟な規定にやっぱりしていくというか、柔軟な対応が必要だということを改めてまた申し上げておきたいと思います。
 次に、これ先ほども取り上げられたんですが、お聞きをしたいと思いますけど、本法案においては、マイナンバーカードの所持者であっても、転出手続はオンラインで行えることになっているのに転入手続は役所の窓口に行かなければならないということなんですが、これは本当に、先ほども山田議員からありましたが、デジタルファースト、ワンスオンリー、コクネクテッド・ワンストップというこの考え方からもかなりずれてしまっているなという気はするわけです。
 何で窓口に行かなきゃならないかという理由はさっきおおよそおっしゃったのでこれは聞きませんが、重なるから聞きませんが、これ将来的に、では、技術が進歩して、役所に行かずとも転入手続ができるようになるという見込みはあるのかないのか、お尋ねをしたいと思います、総務省ですかね。

#179
○政府参考人(阿部知明君) お答えいたします。
 お尋ねの件でございますが、今後のデジタル技術の進展等に伴いまして、将来的に対面での手続と同等の本人確認でありますとか住所認定等に係る審査が行われることになれば、対面を不要とする可能性を否定するものではございませんが、現時点では窓口での対応が必要と考えているということでございます。

#180
○柴田巧君 正直、技術的にはすぐにでもできるのではないかと、他の国もこういうことを当たり前にやっているので、十分できるものというふうに思っているんですが、今の答弁では技術的に可能になればということですが。
 これ、大臣に通告していませんが、ちょっと御見解をお聞きをしますが、この法案が通れば大臣に勧告権が与えられます。今のように、なかなか、結局やれるはずなのにいろんな理由をもってやらないというようなことが、改善が見られないと、あるいはやる気が見られないということになれば、これは大臣が勧告するに値するものだという思いはお持ちになりませんか。お聞きをしたいと思います。

#181
○国務大臣(平井卓也君) 法律が通るまで、通っていないのにその勧告権について、今非常に私、答弁しづらいのも御理解いただいたらと思いますが。
 さっきの住民票の話等々に関して言えば、そのマイナポータル等々を使うと、恐らく役所の窓口行かなくても可能になるというのはできると私は思います。結局、今までの当たり前をやっぱり疑って掛かるというところがやっぱりポイントで、今までこうしていたからこれからもこうしなきゃいけないということを一回忘れないと本当の意味でのDXはできないと、そのように思っております。

#182
○柴田巧君 まさにあっぱれな答弁だったと感服をいたしました。是非よろしくお願いをしたいと思います。
 次に、本法案では各種国家資格のマイナンバー制度を利用した登録手続等が規定をされておりますが、現時点では登録情報の利用が規定されていない国家資格について今後どのように利用を促していくのか、これは大臣にお尋ねをしたいと思います。

#183
○国務大臣(平井卓也君) 国家資格の情報連携・活用システム、これ仮称ですけれども、国家資格の登録等に関する事務について、マイナンバーの利用や住基システムとの連携等を可能にすることによって、添付書類の省略等による登録等の手続の簡素化、行政機関等における登録等の処理の効率化、登録情報の正確性の確保、最新化、マイナポータルを活用した資格証明などを実現する基盤になると考えています。
 今回は、看護師、保育士等、社会保障、税分野における三十二の国家資格について、令和六年度中に国家資格のデジタル化を行うというふうにしております。その他の資格についても、昨年十二月に閣議決定されたデジタル・ガバメント実行計画に基づき、関係省庁と一体となってデジタル化の早期実現に向けて精力的に検討していきたいと。また、各資格を持っておられる方からの要望事項もありますし、国家資格ですから、これはやっぱりきっちり国の責任でデジタル管理すべきだと考えております。

#184
○柴田巧君 関係の皆さんの意向も聞き、まあ、今おっしゃったように、国家資格ですから、なるべく広範に使えるようになるのがいいかなと思いますので、取組をまた強めていただきたいと思います。
 さて、この法案についての最後の質問になりますが、この法案では公的給付支給等口座の登録を任意としておりますけれども、支給の迅速化や効率化、事務負担の軽減は、多くの国民が公的給付支給等口座の登録を行うことが必要ということになります。国民が登録するよう、この公的給付支給等の口座登録の推進に向けどのように取り組むのか、大臣にお尋ねをします。

#185
○国務大臣(平井卓也君) 公金受取口座登録法案は、国民の皆様に任意で公金受取のための口座をマイナンバーとともに登録していただき、その口座情報を、災害などの緊急時の給付金を始め、様々な公的給付の支給に利用できるようにするというものでございます。
 多くの国民に登録いただくため、口座の登録申請については、マイナポータルからのオンライン申請のほかに、国民が日常的に利用する金融機関の窓口においても申請するということを可能としています。また、各行政機関に対して各種の公金支給等のために口座情報を申告する際に、併せて公金受取口座として登録するとの同意をいただくことによって登録をすることも可能としています。
 より多くの国民に登録いただけるよう、こうした制度のメリットや様々な登録方法について、金融機関とも連携して、これ、国民に分かりやすく周知することが必要だというふうに考えております。その方法に関しては、これからちょっと皆さんの意見を聞きながらまた考えていきたいと考えております。

#186
○柴田巧君 国民の登録が進むように、またいろいろな取組、推進方法をしっかりやっていただきたいと思います。
 では、法案に続いて、警察行政、そして刑事手続のデジタル化についてお尋ねをしたいと思いますが、昨年十一月に、マイナンバー制度及び地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループで、運転免許証については令和六年度末にマイナンバーカードとの一体化を開始する、双方のシステムを連携させることにより、住所変更の手続のワンストップ化、居住地外での迅速な運転免許証更新やオンラインによる講習、更新時講習受講が可能になるということにしようということであります。
 これらを踏まえ、令和二年度の三次補正あるいは今年度の予算においても、この運転免許証とマイナンバーカードの一体化に向けた警察システムの共通基盤整備等に関する経費が計上されていますが、そこで警察庁にお聞きをしますが、その進捗状況と今後の取組状況、分かれば開発経費及び運用コストの試算というものはどれほどになっているのか、併せてお尋ねをしたいと思います。

#187
○政府参考人(河原淳平君) お答えいたします。
 警察庁では、令和二年度から令和四年度にかけまして、運転免許の情報等を管理するための全国共通のシステムの開発を行っているところでございます。当該システムの開発経費は令和二年度から令和四年度の三か年で約七十三億円であり、令和五年度、六年度の運用経費は年間約三十億円が見込まれております。現在、令和五年一月のシステム運用開始に向けて詳細な設計等を行っているところでございます。
 運転免許証とマイナンバーカードの一体化を実現するためには、更に住所変更のワンストップ化のために必要となる機能等を追加する必要がありますところ、現在、関係機関と具体的な調整を進めておりまして、今後必要な経費を計上した上で、令和五年度から令和六年度にかけてシステムの改修を行う予定でございます。

#188
○柴田巧君 保険証のように土壇場になって延期するということのないようにしっかり準備を進めていっていただきたいと思いますが、この運転免許証とマイナンバーの一体化に向けたシステムの基盤整備では、違反歴がないなどの優良運転者が運転免許証を更新する際の講習である優良運転者講習をオンライン化するというこの関連経費も含まれております。
 そこで、この優良講習のオンライン化の進捗状況と今後の見通しについてどうか、警察庁にお尋ねをします。

#189
○政府参考人(高木勇人君) 優良運転者講習のオンライン化につきましては、令和二年十二月に閣議決定されたデジタル・ガバメント実行計画において、令和三年度にモデル事業を行い、四年度にモデル事業の効果検証や必要なシステム改修等を行った上で、六年度末に全国で実施することとされております。
 モデル事業につきましては、四道府県において本年秋から実施する予定であり、現在、システムの検討や四道府県警察との調整等を進めているところでございます。
 引き続き、令和六年度からの優良運転者のオンライン更新時講習の全国実施に向けて取組を進めてまいります。

#190
○柴田巧君 それで、この優良運転者講習が全てもしオンライン化できれば、現行のこの対面による優良運転者講習を廃止することができるのではないか、そうすると警察行政が多少なりとも効率化されるのではないかと思いますが、そこで、この現行の対面式の優良運転者講習の運用に係る経費というのはどれぐらいか、お示しをいただいた上で、もし廃止する方向性の場合、オンライン化に係るこの経費を差し引いた上でどの程度経費が節減できると今のところ想定しているのか、できるのか、できていればお答えをいただきたいと思いますが、併せてお伺いをします。

#191
○政府参考人(高木勇人君) 優良運転者講習につきましては、受講者が各都道府県に対して支払う手数料によって運用されているところでございます。この手数料については、政令で定める額を標準として各都道府県の条例で定めることとされているところ、現行政令の定める標準額五百円と令和二年中の優良運転者講習受講者数約九百三十八万人を基に試算をいたしますと、約四十六億九千万円となります。
 オンラインによる更新時講習が可能となった後においても、オンラインでの講習を希望されない方やスマートフォン等の機器をお持ちでない方がいることも考慮して対面による講習も併存させる必要があるものと考えておりますけれども、引き続き手数料の標準額の在り方を含めて検討を進めてまいります。

#192
○柴田巧君 いずれにしても、警察行政が多少なりとも効率化され、また、実際に受ける人たちがまた利便性が高まるようなことを考えていろいろ作業を進めていただきたいと思います。
 次に、刑事手続のIT化についてお尋ねをしますが、昨年の七月に決定されたIT戦略でもこの裁判関連手続のデジタル化も掲げられています。その中で、この刑事手続に関しましては、令状の請求、発付を始めとする書類のオンライン化の、受交付ですね、それから、刑事書類の電子データ化、オンラインを活用した公判など、捜査、公判のデジタル化方策の検討を開始するとされております。
 これを受けて、法務省では先月検討会を設置したということですが、政府全体でデジタル化を加速している中にあって、どのようなスケジュールで検討を進めていくのか、法務省にお尋ねをしたいと思います。

#193
○政府参考人(保坂和人君) 刑事手続におきます情報通信技術の活用につきましては、今委員から御紹介ございましたように、IT新戦略において既に閣議決定がされてございます。今も御紹介ございましたように、法務省におきましては、刑事手続に関する情報通信技術の活用に関する検討会、これを立ち上げまして、三月三十一日に第一回会合を開催したところでございます。
 今後のスケジュール、どれぐらいの期間を要するかということにつきましては、第二回におきまして、論点整理といいますか、その検討すべき項目を整理するということになっています。さらに、その後、議論の経過によって、よるところございますので、現時点でいつかということは申し上げることは困難でございますが、我々といたしまして、刑事手続における情報通信技術、この活用につきましては喫緊の課題だというふうに認識いたしておりますので、スピード感を持って検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

#194
○柴田巧君 その捜査や公判などの刑事手続にデジタル技術を活用するというのは時代の要請だと思いますし、もう諸外国では証拠書類など等々データ化が進められているわけです。いずれにしても、今、スピード感持ってという答弁でありましたが、これをおっしゃったように進めていっていただきたいと思いますが。
 次に、このデジタル化に当たって、手続の簡素化、利便性の向上の観点が非常に重要だと考えますが、現在の業務を単にデジタル化するのみではこれまでのデジタル化の歩みと同じで、なかなか活用されないという心配があります。
 今回、令状請求や証拠の電子化、当事者らをウエブでつないだ公判などが検討されているようですけれども、例えば、令状の請求、発付をオンライン化した場合に、捜査現場を始めとする負担軽減をどのように図っていくのか。また、国民の利便性向上の観点も踏まえる必要があると考えますが、今後の検討方針をお聞きをしたいと思います。

#195
○政府参考人(保坂和人君) 御指摘のように、関係機関やあるいは負担軽減、あるいは国民の利便性向上という視点は非常に重要だと考えておりますが、まさにこの検討会におきましてその方策の具体的な項目や内容についてこれから議論が行われようとするところでございます。
 手続の合理化、効率化、関係機関の負担軽減、国民の利便性向上という点につきましては重要な視点として考えておりますので、法務省といたしましては、より適正かつ迅速な刑事手続が実現できるように検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

#196
○柴田巧君 民事の方は大分進みつつありますが、刑事の方はまあいろんな理由があってなかなか民事のように簡単にいかないところもあって、少し遅れているというか、今ようやく本格化しますが、とにかく今のままだったら、逮捕令状を取るときも、例えば離島だと、近くの裁判所がお休みだと遠いところまで行って何時間も掛かるということをしているわけですね。それから、いろんな裁判に当たっても、弁護士さんはこのコピーをしなきゃならないということが大変な負担になって、こういう時代に今までどおりのやり方で本当にいいのかということを踏まえて、しっかり検討を進めていただきたいと思います。
 ただ、刑事手続の場合は、国民の権利義務にも関わることから、他の手続よりも一層厳格さというか丁寧さが必要だというふうにも思うわけでありまして、どうしても民事よりも秘匿性が高い、個人情報が扱われるわけですから情報保護も重要になると思いますが、こうした点をどのように配慮していくのか、お答えをお願いをしたいと思います。

#197
○政府参考人(保坂和人君) 先ほど申し上げましたように、具体的な検討項目や内容につきましてはこれからまさに検討会で議論が進められていくところではございますが、今委員がおっしゃったような刑事手続の特質、この点については、よくそこを考えなければならないという意見は既に第一回の会合でも出ているところでございますので、これからの検討の中でそういったことが十分に踏まえられたものになるというふうに考えておるところでございます。

#198
○柴田巧君 時間が来ましたので今日はこれで終わらせていただきますが、文化庁、文科省、内閣府の皆さんにまた次回させていただきたいと思います。
 今日はどうもありがとうございました。

#199
○矢田わか子君 国民民主党、矢田わか子です。
 平井大臣、先ほど来からのやり取りをお聞きしておりまして、大臣がやはりこの法案に長年のいろいろなこの思いを結実させるという思いでもって提出されたということ、よく理解ができました。
 ただ、本会議でも申し上げたとおり、本当にこれだけの法案を束ねて、幾ら急ぐにしても、出されたということについてやはり私は少し納得できないものがあります。ちょっとあえてここに持ってきませんでしたけれども、皆さん、載っていらっしゃるとおり、この量ですよね。私、もう持って帰るだけでも大変、資料と合わせてもう家に持って帰るだけでも大変で、何度も往復をしながら一生懸命読み込みしましたけれども、どう考えてもやはりこの五つの法案、六十三本、法律を一気に検討することが本当に良かったのかというふうに思えてならないんですが、大臣、一言、それについて御見解お願いできますか。

#200
○国務大臣(平井卓也君) 確かに、今回、皆さんに御迷惑をお掛けしたのは、参考資料とはいえ間違いがあり、そのことに関して皆さんに大変御迷惑をお掛けしました。
 ただ、法案の今回の束ね方なんですけど、怒られるかも分かりませんが、本当はもっと束ねたいんですよ。恐らく、このデジタル改革というのは、今までの仕事を、そのやり方を変えながら、もう実質変えていかなきゃいけないということなので今回提出させていただきましたが、もう毎年毎年、デジタル庁は本来法案を作るよりは実際のシステムということをミッションにすると思いますが、恐らく毎年のように法律を出していかないと多分期待に応えられないんだろうというふうに思います。
 今回は、デジタル化の遅れということでスピード感を持って取り組むという我々のその危機感からこのような形になったということで、どうか御理解をいただければと思います。

#201
○矢田わか子君 その上で、今この法案審議は進めているものの、やはり足下のこのコロナについても私たち大変不安な状況にあると思います。
 また、今まん延防止等重点措置が出されている都道府県においても、感染拡大がやはり収束せずに、もう一度緊急事態宣言を発令しなくてはいけないというふうな都道府県も出てくるのではないかと思う中で、デジタル庁の設置に向けたこの法律の改正含めて準備はしていかなくちゃいけないんですが、走りながらも、足下にあるコロナ対策についてもしっかりと今のITを進めていらっしゃるお立場で御尽力をいただきたいという思いを持っております。
 そこでなんですが、今までやってきました様々な施策、午前中も出ておりましたけれども、やはりCOCOAにしてもHER―SYSにしても、うまく機能しなかったというふうなことのしっかりとEBPMですね、検証を行っていただきつつ、次に向けた改善策を当然打っていただかなければいけないと思っています。
 客観的なやっぱり評価が必要なので、自分たちで評価するだけではなくて、各省庁がですね、するだけではなく、若しくは総務省が行政評価ということの役割担っている中で、その評価を任せるだけではなくて、しっかり第三者が入った評価が私は必要なんじゃないかと思っています。まだ評価するようなフェーズじゃないとおっしゃるかもしれませんが、ただ、今までも、余りにもこの明らかになっているシステムだけでも多くの問題が出てきているということについて、デジタル庁のその設立が、各省庁の業務改善、そして政策能力の、政策立案能力を高めるというような戦略、同時に併せて必要だというふうに思いますけれども、平井大臣の御見解をいただきます。

#202
○国務大臣(平井卓也君) 先生のおっしゃるとおりだと思います。
 結局、情報システムの安定的、継続的な稼働によるサービス保証などの観点から、今回のCOCOAなんかはまあそういうことだったんですが、システム稼働前も含めて検証、監督がやっぱり重要です、あっ、監査が重要です。そのために、デジタル庁においては、システム監査に関する基準を策定して、統括、監理の権限を通じて検証、監査の実施を全省庁に徹底していきたいと考えています。
 今回のコロナ関連のような緊急かつ重要なシステムについては、今回、各省、勝手にどんどんつくってしまいましたけれども、これからはデジタル庁が自ら整備することになると考えています。その際、デジタル庁において、採用する民間人材の知見も活用しながら整備を進めるとともに、検証、監査をしっかりと行える体制をつくろうと今考えているところでございます。

#203
○矢田わか子君 幾つか個別にお聞きしていきたいんですが、まずコロナ対策室の方、済みません、今日はお越しいただきありがとうございます。
 今、やっぱりコロナ対策としていろいろ問題出てきていますけれども、実際にこのデジタルの仕組み、しっかりと活用しているのかどうかについて、COCOA、まだストップしているということですが、いかがなんでしょうか。

#204
○大臣政務官(和田義明君) 矢田先生にお答えいたします。
 足下の感染状況を踏まえまして、強い危機感を持って感染防止対策に取り組む必要があると思います。
 デジタル化の活用につきましては、多様なデータの活用による対策の進化を図り、人と人との接触機会を減らすテレワークの推進や、いわゆるシステムの活用を含め、感染拡大防止の徹底を図ることが重要であると考えております。
 まず、データ活用による対策の進化のところでありますけれども、データを活用した対策につきましては、スーパーコンピューター「富岳」を用いたマスク着用の効果、飲食店等での座席配置の影響等に関するシミュレーションの結果が各業界での対策に活用されております。また、データ分析の結果、飲食を介しての感染など、感染拡大の重要な要素が明らかになったことから、本年一月に発出した緊急事態宣言では、飲食店の二十時までの時短要請を中心とする対策を講じてきたところでございます。
 今後も引き続き、ツイッター等のSNSのデータ、携帯の位置情報を活用した人出のデータなど、様々なデータをAIなどのデジタルの技術を活用して分析し、更なる対策の進化を図りたいと考えております。
 また、直近のデータを見ますと、朝の主要駅の利用者数は、首都圏、関西圏共に増加をしておりまして、改めてテレワークについて、職場への通勤者の七割の削減、すなわち、テレワークの七割を目指すことを含めまして、エッセンシャルワーカーへの配慮が必要であるというふうに考えております。徹底をお願いしたいと思っております。
 なお、このために、中小企業に対するIT導入補助金、二千三百億円の内数でございますけれども、やテレワークの助成金二十三億円などの支援策も用意させていただいているところでございますので、是非とも御活用いただけるようにしっかりとやっていきたいと思います。
 また、接触確認アプリCOCOAにつきましては、より多くの方にお使いいただけるよう、引き続き丁寧に情報発信をしてまいりたいと思いますし、また、改めるべきところは改めてまいりたいと思っております。現状、二千六百九十九万件のダウンロード数というふうなことになっておりまして、陽性の登録者も一万三千八十七件というふうになっております。

#205
○矢田わか子君 和田さん、ありがとうございます。
 厚労省ですね、今まだ東京都で多くの方が自宅療養中だとか病院調整中とか、病院に入れなくてホテルで療養しているというふうなことになっていますよね。三千人以上というふうに私認識しておりますが、そういう方々に対してこうしたデジタル活用はどのようにしているんでしょうか。

#206
○大臣政務官(大隈和英君) お答えいたします。
 自宅で療養される患者さんの方々については、症状に変化があった場合、速やかにこれを把握して医療機関等につなげることが大事でございます。
 保健所で定期的に経過観察、健康観察を行うとともに、症状が変化した場合等に備え、患者からの連絡や相談に応じる体制を構築していく必要がございまして、委員御指摘のように、東京都では、自宅療養者フォローアップセンターを設置いたしまして、LINEアプリ等を使いました健康観察を行っております。これは、チャットボットで問診を毎日実施するものでございますが、そういうものを利活用しながら、引き続き、自宅療養者の健康確保のための体制について、地方自治体において、デジタル技術も活用しつつ、しっかりと構築していきたいというふうに考えております。

#207
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 COCOAの改善にしても予防接種のシステムにしても、今IT総合戦略室がいろいろとアドバイスというか、入り込みながらやっているというふうなお答えもあったと思いますけれども、私がこれなぜ出すかというと、今やっぱりこれ、今のこの感染状況ですね、デジタルがいかに機能してしっかりと国民を、安心高めていくのかということそのものが、これからデジタルを進めていく上でも必ず必要になるわけです。今この状況で、うわあ、やっぱりデジタルあって良かったなと、安心感高まったなということにしなければ、一生懸命描いている絵が実現やっぱりできないというふうに思うんです。
 ですから、是非、九月に向けてお忙しいとは思いますが、同時に走りながら、このコロナ感染対策、しっかりと手を打っていただきたいと思います。
 それともう一点、今、給付金の関係で滞っているものがあるので、厚労省を中心にお聞きをしていきたいと思います。
 決めていただいた二人親を対象とした低所得者に対する子育て世帯生活支援特別給付金なんですね。資料一を御覧ください。三月二十三日に閣議決定をしています。一人親に対しては既に三回目となるので、きちんとこれ五月までに支給と言われておりますが、どうも二人親に対しての支給はかなり遅れるということの報道がなされております。七月以降になるのではないか。なぜここまで遅れるんでしょうか、厚労省。

#208
○大臣政務官(大隈和英君) お答えいたします。
 御指摘のように、三月十六日に決定いたしました緊急支援策の一環として、一人親、そしてまた低所得の子育て世帯に対する、二人親の世帯への給付を行うことにいたしました。
 一人親以外の低所得の子育て世帯に対する特別給付金は、現時点におきましてその申請方法や支給時期は決まっておりませんが、今回新たに支給するものであることから、漏れのないように、できる限り丁寧に、そして正確に所得・課税情報を把握いたしまして、また子供の年齢や養育の実態など様々な情報を勘案して制度を検討しているほか、実務につきまして、これ、大変また自治体さんも御苦労いただきますもので、意見交換を丁寧に行いながら具体的な制度設計を行っているところでございます。
 いずれにしても、低所得の子育て世帯に対しまして一日も早く、可能な限り早期に支給できるように、詳細が決まり次第、その内容をお示ししたいというふうに考えております。

#209
○矢田わか子君 済みません、元々、やっぱり新学年になるときにはお金が掛かるから早めに予備費を活用してやりましょうと決めたはずなんですね。でも、七月では意味がないという声まで届いております。
 だから、こういうところなんですよ。デジタル化が進めばすぐ、即振り込まれるんだということをやっぱり実証していかないといけないと思います。なぜなら、二人親でも児童手当は必ずもらっています、子供がいらっしゃるんですから。その口座に、年収で線引くだけなので、二人合算だったら合算でいいんですが、年収線引きを、その年収も、普通、一般的に考えれば、確定申告しているわけですから、年収は把握できているはずなんですよね。このもどかしさなんですよ。
 したがって、これが、平井大臣、デジタル庁ができて、もっとこのもどかしいところがつなぎ合わせることができれば利便性が高まるんだということを是非実証していただきたいと思いますが、こういう件も進むんですよね。

#210
○国務大臣(平井卓也君) 先生が今言ったお話は、今回の法律が通ればできます。ですので、スピードアップした給付ができるようになると考えていますので、これは厚生労働省において制度設計をしていただいて、できるだけ早く給付するということだと思います。
 問題意識も一緒ですし、迅速化すべきところがどこなのかと、何をすればできるのかということも十分我々理解しておりますので、先生の御意向に沿えるような結果を出していければと思っております。

#211
○矢田わか子君 そうなんです、ですから、ここを乗り越えることができれば、もっとデジタルということに対して国民の皆さんの警戒感が解かれるというふうに私は思っておりますので、是非厚労省の皆さんも御協力をお願いしたいと思います。
 続いて、NISCについてお聞きをしていきます。セキュリティー対策とNISCの役割ということであります。
 当然、サイバーセキュリティー対策を含むセキュリティーの対策、最大の課題であるというふうに思っております。これからやっぱり省庁横断で、しかも全国的な情報ネットワークを構築していくというわけであります。
 今回、デジタル庁が新設されることになりますが、資料二を御覧いただいたら分かるとおり、このNISCは、デジタル庁との間において役割分担を決めて、そのまま組織が残るということになっております。私は、これを残すということはいいんですが、包含してもよかったんじゃないのかと、なぜ独立して残すのかということが少し疑問なんですが、お答えいただければと思います。

#212
○国務大臣(平井卓也君) このNISCができたときのサイバーセキュリティ基本法、法的根拠を与える法律もこれ議員立法だったんですね。そのときのことも思い出して考えますと、NISCはNISCとしてのやっぱりミッションがあるなというふうに考えています。
 そして、デジタル庁は、やっぱりシステムをつくるということを考えますと、やっぱりNISCと強く連携して、その整備方針において、サイバーセキュリティーについての明確な方針を出していく必要があるとともに、そういう理解のある優秀なエンジニアの人材も採用しつつ、我々、重要なシステムについては当該方針に基づいて自ら設計、開発をします。各府省のシステムについては統括、監理を通じて当該方針の実装を進めますと。これらを通じて、政府全体としてのシステム設計の開発段階からセキュリティー対策を強化していくことというふうに考えています。
 セキュリティーに関してはいろいろな方々が関わっておりまして、全体をもう一回、そのフォーメーションをちゃんと見た上で、それぞれが役割分担を明確にしていくということは今必要なことだとも考えております。

#213
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 サイバー攻撃への対応で最も私大事なのは設計、開発段階ではないかと思っています。ここのところでデジタル庁が、今回、共同システムについてデジタル庁が設計、開発まで見るということでもありますので、強化されるんだろうなというふうな思いはあるんですが、過去、例の年金、日本年金機構の百万件の流出問題を考えたときに、重々御承知のことと思いますが、NISCだけでは、原因究明のその調査の対象に中央省庁しかたしか入っていなくて、調査対象になっていなかったので、厚労省に対する注意喚起だけで終わってしまったというのが根本原因だというふうにされていて、その際に、この改正によってほかの機構も全部見れるようにしますということですが、当然、大き過ぎて見れないのでIPAに対して業務委託をするというふうになったというふうに理解をしております。
 ですが、このIPAもそのまま体制が残るということでもありますので、デジタル庁をつくるに当たって、今こういう形でお示しされていますけれども、やはりより連携強化をしながらやっていただきたいなというふうに御要望申し上げておきたいなと思います。
 それから、J―LISのことについてもお聞きをしていきます。J―LISの位置付けと業務の在り方ということです。
 J―LISは、今回、地方公共団体のデジタル基盤改革の推進ということと、これに一千五百億円の基金が付くということと、マイナンバーの今までの普及、利活用についても補正を合わせれば一千三百億を超える予算が付けられます。
 もちろんこうした主体はJ―LISが所管することになっていくわけですが、一方で、今回、政府のやっぱり強力な管理下というんですかね、管理監督権限が強化されるという側面がありまして、大臣、業務改善命令とか、場合によっては理事長の解任までできるということになるわけですけれども、今後、政府が目指す全国的な、標準化するデジタル基盤構築を図る能力、特にデジタル人材の確保によって能力を発揮することが本当にJ―LISができるのかどうかということについて今のお考えをお聞かせいただければと思います。

#214
○国務大臣(平井卓也君) J―LISには、今、地方の職員の研修とかいろんな機能があります。非常に重要な組織だと思っています。
 公的個人認証を含めたマイナンバーカードに関しては、国の責任においてシステムの安定性を更に高めていく必要があると思います。ですから、地方公共団体情報システム機構、J―LISをデジタル改革関連法案によって国と地方公共団体が共同で管理する法人へと転換し、J―LISに対する国のガバナンスを強化するとともに、公的個人認証サービスを含めたマイナンバーカードの発行・運営体制について国の責任と関与を今回明確にしたところであります。
 今後のデジタル社会の形成を考えると、もうまさに議員の御指摘のとおり、J―LISの果たす役割は非常に重要であって、デジタル庁は、国、地方公共団体等の情報システムの整備及び管理に関する基本的な方針を策定する観点から、地方公共団体と連絡調整を行う総務省と連携してそのJ―LISに対して積極的に関与をして、デジタル政府・社会の基盤をしっかりつくっていきたいと、そのように考えております。

#215
○矢田わか子君 総務省からも一言いただけますか。

#216
○副大臣(熊田裕通君) お答えいたします。
 今回の法改正は、地方公共団体情報システム機構、いわゆるJ―LISが発行、管理を担っているマイナンバーカードとその電子証明書がデジタル政府・社会を支える基盤となるものであることから、国の責任においてシステムの安定性の確保や組織の専門性の更なる向上を図るため、国のガバナンスを強化していることとしているところでございます。具体的には、J―LISが担うマイナンバーカード関係事務につきまして国が中期目標を定めることとしており、この中で専門人材の確保や育成についても適切に考慮したいと考えておるところでございます。
 その上で、J―LISが担うマイナンバーカード関係事務につきましては、国が必要な財政措置を講ずる旨の規定を新設しており、さらに、J―LISが自治体の情報システムの標準化、共通化など自治体によるデジタル基盤改革の取組への支援を適切に行えるよう、令和二年度第三次補正予算によりJ―LISにデジタル基盤改革支援基金も造成しているところでございます。
 これらの仕組みや措置を十分に活用し、J―LISの取組を後押ししてまいりたいと考えております。

#217
○矢田わか子君 単年度の予算じゃなくて基金まで持ってやるわけですので、是非計画的にやっていただきたいというふうに思いますし、大臣の所信、表明ではですね、令和四年度までに皆さんにマイナンバーカードを普及させるんだというふうにおっしゃっていて、残りのこの七五%に本当に発行していこうとすると、七千五百万枚と考えても、J―LISは一か月に、一年に、三百三十万枚ですか、発行能力がそれしかないというふうにも記載されておりましたので、是非、人材確保も含めてしっかりと体制強化をしていただきたいというふうに思います。
 続いて、デジタル案件の発注の仕方についてということであります。
 先ほど来からの意見、委員の意見とも重なりますので少しはしょりますけれども、資料三にありますとおり、このCOCOAの三次下請の委託構造について少し意見だけ言わせていただければと思います。
 結果的に、この請け負った事業者の技術力等の問題もあったと思いますが、結局、随意契約で三億、まあ大臣のお言葉を借りればとてつもなく高い金額でもって随意契約をし、結局、これ中抜きで、お名前は控えますが、利益二千二百万得て下請に出しているだけの話なわけです。こうしたことがやはり行われないようにしっかりとこれから管理監督をしていかなければいけないと思います。
 何よりも、国、地方自治体のデジタル化の発注の案件では、発注条件として、やはりある程度出す仕事の量に応じた企業規模がまず必要だということ、これ、企業規模がなければ当然二次請け、三次請けということになりますので、それ必要だと思いますし、一定以上のやっぱり実績のある企業に発注をしていただきたいというふうに思います。決定後は受注先の公表をするなど、請け負った側の責任も明確にやっぱりしていくべきではないかというふうに思います。
 何よりも、出す側の人の目利きがないのでもう取りあえず出すというふうなことがやっぱり過去は行われていたんじゃないのかというふうに思えてなりません。是非この辺りのフォローもお願いしたいと思います。

#218
○国務大臣(平井卓也君) 国の調達においては、会計法令に基づいて一般競争入札を原則としていますが、入札に参加するためには事前に全省庁統一資格の取得が求められており、会社の規模や実績などに応じてランクを定めて、調達案件ごとに参加できる会社のランクを指定しています。また、契約を締結したときには、一定期間後に契約の相手方、契約金額などを公表するということになっています。加えて、情報システムについては、調達案件ごとに事業者の履行体制を証明する書類や再委託に関する書類を提出させ、再委託を行う合理的理由を審査、承認する等、適切な履行が図られるように必要な措置を講じることとされています。
 これらのルールにのっとって業務遂行能力のある会社が適切に受注できるように取り組む必要があるというふうに思いますし、その上で、事業者と対等な立場で交渉できるよう、民間人材の活用や人材育成の強化が必要であり、先生おっしゃるとおり、発注者側の能力を向上させることによって今までのような言わば丸投げ的な発注をやめなければならぬと、そのように思っております。

#219
○矢田わか子君 是非、こういったものがやっぱり新聞等に載ってしまうとまた不信につながるわけですので、是非、以降も含めて対応を強化していただきたいというふうに思います。とにかく、これから、民間人材の方も入ってきているので、しっかりと発注する能力のある方が確実なところに対して発注するというふうにしなければ、こういうこの、何ですかね、中抜き的なこと続くと思いますので、是非お願いをいたしたいと思います。
 最後に、データ活用の有効性と個人情報の関係についてお伺いします。
 今回、何よりもこれ進めるためには、個人情報のこと、大変大事な観点になると思います。平井大臣、そして今日来ていただいている和田さんと一緒にインドに行かせていただいたときに、インドではアドハーという個人認証のカードがあって、九〇%を超える人が附帯していると。それがなければ要するに生活保護とか福祉的な享受ができないからだというふうなことが私も今も思い出されまして、あのとき、やっぱりやらなくちゃいけないなというふうに改めて思った次第です。
 したがって、その個人情報について、いかにセンシティブな情報も含めて個人が信頼して提供してくれるかだというふうに思うんです。
 で、資料四、お配りしている、三条市、新潟県三条市の例、子ども・若者総合サポートシステムというのをちょっと見ていただきたいんですが、やはり行政が保有するデータは、当然、社会問題の解決に向けて住民サービスの向上のために使われていくということが今後増えていくと思います。民間企業も、商品、サービスの開発等、使いたいと思っているところも増えております。この三条市は、子ども・若者総合サポートということで、個人情報の保護の対応を掲載しながら、行政が保有する情報や市民から寄せられる情報を一元管理し、乳幼児から就労に至る各ステージに必要とされ得る支援を行うというシステムになっています。本当求められて多分やっていらっしゃる、すごく有効に活用されているものだというふうに思います。
 やっぱり自己に関する情報の取扱いは自らが決定することが基本条件ですけれども、それを出してでもいろんな価値を付けて返してくれるという安心感があれば、みんな喜んで提供するんですよね。こういう事例こそやっぱり増やしていかなくちゃいけないと思いますが、総務省、まず、こういった情報ってきちっと調べているんでしょうか。各自治体の情報、取組を教えてください。

#220
○副大臣(熊田裕通君) お答えいたします。
 先ほど具体的な事例出していただきまして、ありがとうございました。
 総務省では、地方公共団体における個人情報保護に関する取組につきまして、個人情報保護条例の制定状況や個人情報保護に関する体制整備等について調査を行うとともに、各地方公共団体が適切な個人情報保護対策を実施するための助言を行ってきているところでございます。
 データを活用した行政サービスにつきましても、条例の規定等に則して各地方公共団体において適切に対応していただけるものと承知をしております。

#221
○矢田わか子君 条例の調査だけではなくて、私は、条例のあるなしだけでなく、データの利活用をし、その後、個人情報をどのように管理しているかということを総務省でしっかりと調査をしていくべきだと思います。いわゆる二千個問題というのがあって、きちっとやっているところもあれば、やっぱり曖昧なところもあるわけで、その曖昧なところのところを強化する意味では統一した個人情報保護委員会を出すということはすごい有効です。ただ、それが最終的にどうなっていくのかというところまで皆さん求めるわけなので、是非総務省としてのお取組の強化をお願いしておきたいというふうに思います。
 それと、こういったデータ利活用が行われる一方で、研究機関、民間企業では、現状分析、政策立案の知見を得るためのデータの活用がやっぱりやりにくくなっている、なかなかやっぱり倫理的な観点から研究開発がストップ掛かって進まないという面も出ておりますので、民間に対するデータのオープン化についてどのような配慮が必要なのか、最後に、平井大臣、お願いしたいと思います。

#222
○委員長(森屋宏君) 時間が参っておりますので、おまとめください。

#223
○国務大臣(平井卓也君) やっぱりデジタル社会においては、個人情報も含むデータについて保護を図りつつ活用していくということがやっぱり前提だと思います。そして、先ほど先生がおっしゃっていたとおり、自分に具体的なメリットとして返ってくるならこういう情報を提供したいという方がたくさんいらっしゃるというのは、会津若松のオプトインのやり方を見ていてもよく分かります。そのときに、個人情報をいかに適切に管理をしていくのかということに関して、やはり、個人情報保護委員会を中心にやはり分かりやすい説明をこれからしていくべきだろうと、それで利活用について不安がなくなるようになればいいのかなと、そのように思っております。

#224
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 データの利活用によって多元的な価値への対応を可能とする社会になるんだという強いメッセージを今後とも発信していただきたいと思います。
 終わります。

#225
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 デジタル社会とは、行政手続のデジタル化だけではなく、行政機関などが保有する個人情報を官民共に大規模に利活用していくことで実現するのではないですかと本会議で菅総理にお聞きをしたんですけれども、明確な答弁をいただけませんでした。
 改めて、平井大臣の認識をお聞きいたします。

#226
○国務大臣(平井卓也君) デジタル社会形成基本法案第二条に規定するデジタル社会とは、ネットワークやデータの利活用により、あらゆる分野における創造的かつ活力ある発展が可能となる社会であり、その実現のために、行政手続のデジタル化を含む高度情報通信ネットワークの利用及び情報通信技術を用いた情報の活用を積極的に推進するために必要な措置やオープンデータの推進といった施策を基本的に規定しています。
 他方、今回の法案では、個人情報の一元管理を図るものではなく、国や地方自治体において引き続きそれぞれ個人情報を保有することを前提としておりまして、システムやルールを標準化、共通化し、データも利活用しようとするものであり、その際には個人情報の保護に十分に配慮をしてまいりたいと、そのように考えております。

#227
○田村智子君 それぞれに保有するものを利活用していくんだと。
 官民のデータ利活用はこれまでのIT戦略の柱の一つで、そのための法改正は繰り返されてきました。二〇一六年の行政機関個人情報保護法の改定によって、各府省庁と独立行政法人は、保有する個人情報ファイルについて非識別加工情報として民間における利活用の提案募集を行うこととなったわけです。
 この仕組みをもう少し紹介しますと、各府省庁や独立行政法人は、利用目的ごとに個人情報ファイル、一人一人のデータベースですね、これを膨大に作成しています。タイトルを付け、何が記録されているかという項目とともに個人情報ファイル簿として公表しています。ここに提案募集の対象であるかどうかが記載されています。さらに、提案募集対象ファイル一覧も公表されていて、個人情報保護委員会のホームページから誰でも見ることができます。
 防衛省にお聞きします。
 横田基地騒音訴訟の原告名簿など横田基地訴訟関係の個人情報ファイル十五種類、小松基地騒音訴訟関係で三種類、なぜ提案募集の対象としたのか、それは適法だという判断なのか、お答えください。

#228
○政府参考人(齋藤雅一君) お答え申し上げます。
 非識別加工情報に関する提案募集につきましては、個人の権利利益の保護というものを大前提といたしまして、行政機関個人情報保護法に基づき、行政機関が保有する個人情報を特定の個人が識別できないように加工し、かつ当該個人情報を復元できないようにした上で活用する事業者を募集し、審査や契約等の手続を経て情報を提供する制度でございます。
 提案募集の対象となります個人情報ファイルにつきましては、行政機関個人情報保護法の規定に基づき、情報公開請求があった場合に開示できる情報があるもの等を対象とするということとなっております。
 令和二年度の募集におきまして、先生御指摘のファイルにつきまして、提案募集について防衛省はさせていただいたわけでございますけれども、この当該個人情報ファイルを提案募集の対象とするに当たりましてはこのような制度の下で実施したということでございまして、私ども、問題があったとは考えておりません。

#229
○田村智子君 十四日の本会議で菅総理は、今年度は開示できる箇所が非常に限られていること等を総合的に勘案し、提案募集を行わないこととしたと答弁をされました。
 提案募集の対象ファイルであるという記載を、では、削除したのはいつのことで、今の説明だと適法だということなのに、なぜ対応を変えることになったんですか。

#230
○政府参考人(齋藤雅一君) お答え申し上げます。
 まず大前提といたしまして、提案募集の対象となる個人情報ファイル、これは、行政機関個人情報保護法の規定に基づきまして情報公開請求があった場合に開示できる情報等、そういったものを対象としているということでございます。
 先生御指摘のとおり、本件につきましては、本年四月十四日の参議院本会議におきまして総理からも答弁させていただいておりますが、私ども、毎年、毎年度末に翌年度の提案募集につきましては検討させていただいております。令和三年度に係る提案募集につきましては改めて検討したところでございまして、御指摘の個人情報ファイルにつきまして検討してみますと、提供できる箇所というのが非常に限られているということなどを踏まえまして、令和三年度の提案募集を行わないということとしたところでございます。
 防衛省といたしましては、引き続き、行政機関個人情報保護法の適切な運用に努めてまいりたいと考えております。

#231
○田村智子君 開示できる情報が非常に限られている、そんなの初めから分かっていますよね。初めから分かっていることです。
 三月八日に原告団、弁護団が提案募集を撤回するように申入れをした、だから三月二十三日に方針を変えたというのが実際のところじゃないんですか。

#232
○政府参考人(齋藤雅一君) お答え申し上げます。
 お尋ねの申入れにつきましては、本年三月、申入れ書の郵送という形で、横田基地公害訴訟原告団及び同弁護団のお名前で防衛大臣に宛てて申し入れられたものと承知をいたしております。
 これは、先ほども申し上げましたが、御指摘の個人情報ファイルにつきましては、毎年度末に翌年度の提案募集について検討しておりまして、当該ファイルにつきましても改めて検討いたしましたところ、提供できる箇所が非常に限られているということ等から令和三年度に係る提案募集については行わないということとしたということでございまして、原告団の申入れを直接の契機としたものではございません。

#233
○田村智子君 横田基地騒音訴訟、小松基地騒音訴訟に関わる計十八ファイル以外にも二十二ファイルが提案募集の対象とされています。これらはほとんどが基地周辺の住宅に対する防音工事、空調工事の実績なんですね。氏名、住所、工事内容、工事費用、施工業者など、中には八項目しかないファイルがあるんですよ。当然、氏名とか住所とか、これ当然示すことのできない情報ですから、これ開示できる情報が非常に限られているということになると思うんですよ。それが提案募集をしないという判断の基準だというのなら、なぜこの工事実績のファイルについては今も提案募集の対象なんですか。それとも、もう外したんですか。

#234
○政府参考人(齋藤雅一君) お答え申し上げます。
 御指摘のファイルにつきましては現在も残っております。ただ、これにつきましては、それぞれのその性質等々に応じまして個別の検討の結果として残っているということでございまして、防衛省としては、いずれにしましても、その適切な運用に努めてまいるということには変わりはございません。

#235
○田村智子君 個別の検討なんですよ。どんな基準なのか全く分からないんですよ。基準も分からずに民間に提供しようという、これ全く説明になっていないですね。
 横田基地騒音訴訟の原告団の個人情報ファイル簿見ますと、ある方のファイルは、記録項目は百十二項目に及ぶんですよ。住所、生年月日、死亡年月日、過去の訴訟を提訴していたか、外国人か、当該個人に対する国の主張、防音工事をした住宅への入居日、退去日、訴訟を継承した者がいる場合には承継人の住所、続柄など、訴訟遂行に国が必要としたと思われるありとあらゆる項目が網羅されています。別の方のファイルには損害賠償額やその内訳も記載されています。
 個人情報保護委員会にお聞きします。
 訴訟原告団の個人ファイルを提案募集対象とすることは適法かつ適切であるという判断なんでしょうか。

#236
○政府参考人(福浦裕介君) お答え申し上げます。
 行政機関非識別加工情報の提供に関します提案募集の対象となる個人情報ファイルにつきましては、情報公開法に基づく開示請求がなされた場合に開示できる部分があること、行政の適正かつ円滑な運営に支障のない範囲内で行政機関非識別加工情報を作成できるものであること等の要件を満たすこととされてございます。
 当委員会では、防衛省から、御指摘の個人情報ファイルにつきまして、情報公開法に基づく開示請求を受けた場合に部分開示すべき部分があるため、令和二年度においては提案募集の対象としたものの、令和三年度に改めて検討したところ、当該個人ファイルのうち提供できる箇所が非常に限られていることから、行政機関非識別加工情報を作成する際に行政の適正かつ円滑な運営に支障が生じるものとして対象から除外したとの説明を受けてございます。
 防衛省の説明の内容につきましては、行政機関個人情報保護法の規定に照らして問題ないものと認識をいたしております。

#237
○田村智子君 省庁の言ったとおりのことをただ是認しているんですよね。
 平井大臣にお聞きします。
 横田基地訴訟の原告であることは、本来、当事者以外に明かされることがあってはならない情報です。これが一方的に訴訟の当事者である国から民間利活用の提案募集に掛けられるんですよ。非識別加工されたとしても、原告やその家族は怖さを覚えるんじゃないですか。在日米軍基地に対する個人の意見、つまりは内心をさらされるのではないかという不安、また今後の訴訟をためらわせるということにもなると思います。
 訴訟提起という個人の正当な権利の行使、政治活動、市民活動の萎縮をもたらすことになると私は思いますけれども、大臣、いかがでしょう。

#238
○国務大臣(平井卓也君) 先ほどからお話がありましたとおり、行政機関の非識別加工情報は、個人情報保護の観点からは、個人情報ファイル上の個人情報を個人情報保護委員会が定める基準に従って、特定個人を識別できず、また復元もできないように加工すること、法人の利益を害するおそれ等、その他の利益、権利利益の保護についても、情報公開法上の不開示情報を加工元情報からあらかじめ削除することなど、権利利益保護の観点からは問題のない仕組みとなっています。
 加えて、提案の審査に当たっては、当該の情報の利用の目的及び方法等が本人の権利利益を保護するために適切なものであること等の審査基準への適合を求めるなど十分な措置を講じた仕組みとなっており、したがって、非識別加工情報により個人の権利利益が侵害されることはないと考えています。
 また、個別の行政機関における非識別加工情報の取扱いは、本制度に基づいて各行政機関において適切に行われていると考えております。

#239
○田村智子君 それでは、文科省にもお聞きします。
 国立大学八十六法人のうち、入試ファイル、授業料免除ファイル、それぞれ提案募集をしている大学法人は幾つありますか。

#240
○政府参考人(川中文治君) お答えいたします。
 個人情報保護委員会が公表しています令和二年度の各国立大学法人の提案募集の対象となる個人情報の一覧表によりますと、受験生の入試の点数や内申点などの情報を含むファイルを提案対象としている法人は四十九法人、授業料免除に関する情報を含むファイルを提案対象としている法人は三十法人該当がございました。

#241
○田村智子君 私たちの事務所が数えたら、ものとちょっと数字が違うので後でもう一度確認したいというふうに思うんですけれども、この授業料免除ファイル、ある大学のものを見ますと、母子、父子家庭であるかどうか、障害者がいるかどうか、生活保護世帯であるかどうか、被爆者がいるか、長期療養がいるか、家計支持者別居世帯かなども記録項目として挙げられているんですよ。極めてセンシティブな情報ですね。
 大学センター試験の入試データも提案募集の対象になっています。センターのホームページ見ますと、二〇一八年度五十八・三万人、一九年度五十七・七万人、二〇年度五十五・八万人が受験をしているので、その一人一人について個人情報ファイルが作られ、氏名、住所、年齢、入試の点数などデータとして記録され、しかも提案募集の対象ということになります。これは予備校や進学塾などがビジネスのために活用するということは大いに考え得るんじゃないかと思うんですけれども。
 では、自分の個人情報がこうした個人情報ファイルになっていること、そして民間企業等に利活用の提案募集されていること、これを受験生や学生は知っているんでしょうか、知らせているんでしょうか。文科省、いかがですか。

#242
○大臣政務官(鰐淵洋子君) お答えいたします。
 非識別加工情報制度につきましては、各国立大学法人の判断に基づきまして運用がなされております。御指摘の内容につきましては、当該大学の受験生や学生がどの程度把握をしているかということにつきましては、文部科学省としては承知をしておりません。
 非識別加工情報は特定の個人を識別できないように加工したものであり、個人の権利利益を保護するための十分な措置を講じた仕組みとなっていると承知をしております。
 文部科学省としましては、各国立大学法人におきまして、関係法令の趣旨に基づき適切な運用がなされることが重要であると考えております。

#243
○田村智子君 この場ではあえて大学名は出しませんけど、ある大学の入試業務のためのファイルというのを見ますと、八十項目に及んでいて、試験の調整前得点とか、入試の詳細な情報が分かるものになっているんですよ。健康診断情報も入っていました。また、別の大学では、学生支援課の精神保健相談、心理相談診断、これも相談内容とか書かれているんですよ。また、向神経薬管理簿、どういう薬が処方されたのか、こういうことも提供情報になっているんですよ。また、別の大学、ちょっと驚いたんですけど、報酬、謝金支払のマイナンバーシステムというファイル簿が提供対象になっているんですね、提案募集対象になっているんです。何が記録されているのかといったら、住所、氏名、マイナンバーですよ。
 個人情報保護委員会、お聞きしますけど、これ、個人情報保護委員会のホームページから見ることできるんですけど、マイナンバーシステムを提案募集に掛けるなんて、これ適法なんですかね。本当にちゃんとチェックしているんですか、何が提案募集になって、それが適法、適切であるか。いかがですか。

#244
○政府参考人(福浦裕介君) マイナンバーについてお話ありました。
 マイナンバーにつきましては、個人情報保護法上、個人識別符号という位置付けで全部削除ということの運用になると考えております。

#245
○田村智子君 では、全部削除ですよ。住所と氏名とマイナンバーですよ。これ、非識別加工してどうやって提案募集するんですか。こんなものまで入っているんですよ、提案募集可の中に。全然チェックなんかできてないんじゃないんですか。
 ちょっと大臣にお聞きしたいんですけど、個人情報保護委員会に、国や独法が保有する複数のデータを連携させた上で、じゃ、非識別加工個人情報として提案募集することができるのかというふうに問い合わせたら、それは想定していないけれども、法的には排除もされないとも説明を受けたんですよ。
 幾つかのファイルを連携させる。学籍番号をキーとして、入試点数、成績、進路、これは進路というのもファイル簿の中にありますから、こういうのを連携させた上で非識別加工して提供することも法的には排除されないということになりますね。どういう成績で大学に入学したのか、どういう学績を修めたのか、どこに就職したかなどは人格形成に関わる情報であって、プライバシーそのものです。当事者の知らないところで情報が連携され利活用される。これ、まさにプライバシーに関わる問題、プライバシー侵害だと私は思います。いかがでしょう。

#246
○国務大臣(平井卓也君) 入試情報などが提案募集の対象とされていることは認識していますが、独立行政法人等の非識別加工情報については、行政機関非識別加工情報と同じく、特定の個人を識別できないように、また元の個人情報を復元できないように加工したものであって、個人の権利利益の保護を確保するために十分な措置を講じた仕組みとなっていると考えています。
 このような仕組みにより作成された非識別加工情報により個人の権利利益が侵害されることはないと考えておりますが、詳細は個人情報保護委員会に聞いていただければと思います。

#247
○田村智子君 問題ない、問題ないという答弁ばかりなんですけれども、確かに今私が具体に取り上げた事例は行政機関個人情報保護法の規定にのっとっているというのが政府と個人情報保護委員会の見解なんです。
 この法律の条文はとても複雑で、私も読み解くのにちょっと大変苦労をして、十分読み取れている自信がまだないぐらい複雑なんですよ。国や独立行政法人は膨大な個人情報ファイル既に保有している。どういう個人情報ファイルがあるのか知る権利を保障するために個人情報ファイル簿を作って公表することが法律によって義務付けられている。で、このファイル簿に記載された情報はやっぱり原則提案募集の対象ですよ。
 今言ったとおり、開示請求、開示請求があったらということが言われた。開示請求によって全部又は一部開示となった場合、あるいは非開示決定であっても意見書提出の機会が与えられた場合、あるいは、この部分開示というのは、例えばほとんど黒塗りで記録項目の番号しか開示されない場合、これも部分開示ですからね。だから、具体的なのが全部黒塗りだったとしても、何というか、開示請求によって部分開示したということになっちゃうんですよ。そうしたら、非識別加工して提供することができますよという情報の扱いになっちゃうんですよ。
 この仕組みというのは、個人の権利を保障するための公表とか情報開示、この規定が実は本人の知らないところでの非識別加工とその利活用のエンジンになっている。私、すごい矛盾を感じるんです。
 それでね、この仕組みをどれだけの国民が知っているんでしょうか。まず、仕組みを知らせて、こういう取扱いをどう考えるかということの国民的な議論こそ私は求められていると思います。ところが、この法案では、この個人情報保護法を民間、国、独法、そして自治体で一本化することで、今度は都道府県や政令市にも国と同じ取扱いを義務付けていくのではないんですか。提案募集していくことになるんじゃないんですか。それ以外の市町村についても、できる規定として、同じこと、その権限を付与していくことになるんじゃないんですか。大臣、いかがでしょう。

#248
○国務大臣(平井卓也君) 改正案では、情報公開法上の不開示事由に該当する情報をあらかじめ加工元の情報から削除することを義務付けるなど、住民の信頼を損なうことのないよう万全の措置を講じた上で、地方公共団体においても匿名加工情報の提案募集を行うことを規定させていただいています。
 詳細については政府参考人に答弁させたいと思います。

#249
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。
 公的部門における匿名加工情報の提供制度は、公的部門が有するデータを個人を識別できないよう加工した上で、地域を含む豊かな国民生活の実現に資することを目的として民間事業者に提供し、その活用を促すものです。
 このような制度の趣旨は地方公共団体にも基本的に妥当することから、改正案では、地方公共団体も、その保有する個人情報ファイルについて、匿名加工情報をその用に供して行う事業の提案募集を行うことを想定、規定しております。ただし、都道府県及び指定都市以外の地方公共団体については、匿名加工に関する十分な知見を持った人材を確保することに困難が予想されることから、当分の間、義務ではなく任意で提案募集を実施することとしております。
 なお、匿名加工情報は個人を識別できない情報としての性質上、誰がどのように利用しようとも本人に影響が及ばないと考えておりますが、改正案では、権利利益の保護に万全を期す観点から、情報公開法上の不開示事由に該当する情報については、個人情報を除き、あらかじめ加工元の情報から全て削除することを義務付けることとしております。個人情報については匿名加工されるため、問題ないと考えています。
 これにより、例えば特定のグループに対する差別や偏見につながり得る情報などについては匿名加工の加工元情報からあらかじめ削除されることになるため、住民の信頼が損なわれないような事態、損なわれるような事態は生じないと考えているところでございます。

#250
○田村智子君 だから、地方公共団体も同じことをやることになるんですよ。非識別加工するから大丈夫だという答弁なんですよ。国よりも大量に個人情報を保有しています。機微なデータも含まれています。それを、非識別加工すればいいんだと、そうすればもう個人の情報とは言えないんだといって利活用の提案募集まで掛けていくと。このことに国民的な合意形成があるんでしょうか。
 では、ファイル簿が公表されているので、それを見て、非識別加工されたとしても私にとってはプライバシーの侵害である、だから私の個人情報ファイルは提案募集から外してほしい、こうやって要求することはできますか。その権利はどう保障されますか。

#251
○国務大臣(平井卓也君) 先ほどお話ししたとおり、その権利侵害が想定されないと、非識別加工情報については、ということで、独立行政法人等非識別加工情報の提案募集においては、行政機関非識別加工情報と同様に、本人から自らの個人情報の利用の停止や削除について請求できる規定はありません。

#252
○田村智子君 ないということですね。ないんですよ。
 二〇一七年から始まっている提案募集で、非識別加工個人情報が提供されたのは、今のところ、住宅金融支援機構が保有する約百十八万人分のデータ、これが住信SBIネット銀行に提供されたと、この一件だけなんです。住宅ローンのAI審査モデルを構築するという提案だったということなんですけれども、国交省に私確認したら、住宅金融支援機構に個人情報を提供した人たち、つまり、住宅ローンの融資を受けた人たちには、こういうふうに提供しましたよということも何も通知はされていないということなんですね。
 融資を受けるためとか受験のためとか授業料免除を受けるために個人情報は提供しなければならないんですよ。だけど、それで一度提供したら、本人の知らないところで、非識別加工はされるけれど、第三者に利活用されるということを受け入れなきゃ駄目なんでしょうかね。それも強制されなければならないんでしょうか。
 私はね、提案募集の国民的な合意があるとは思えないので、やめるという選択肢、これ選んでほしいと思うし、あるいは、それが無理だというんだったら、こういう提案募集に掛ける情報ですよということを本人に知らせる、あるいは提供するときにも本人に知らせる、拒否する権利を認める、せめてこれぐらいのことの検討はやるべきではないかと思いますが、大臣、いかがでしょう。

#253
○国務大臣(平井卓也君) もう完全に復元不可能な個人情報、匿名加工情報にした時点で個人情報ではなくなる、本人とは関わりのないものになるということですから、その心配はないのではないかと、そのように考えております。

#254
○田村智子君 非識別加工しても、その情報は生きた人間に由来しているんですよ。その情報の一つ一つは人格を形成しているんですよ。だから、個人情報は個人の尊厳、個人の権利と深くつながっている。それが非識別加工するからいいんだというのは私はとても危険な考え方だと思います。特定されないと言うけれど、どうやって非識別加工したのかということまで、削除を求めるEUのルールのまで日本は行っていないですよ。だから、本当に幾つかの情報を連携させれば、極めて対象者が限られた情報まで入っていますから、個人が特定される可能性だってあるんですよ。否定できないですよ、それだけデジタル技術って私はむしろ進歩していると思いますから。非識別加工だったらもう個人の権利利益と関係ないと、これでいいのかということを問いたいんですね。
 それで、そのそもそもを問いたいんです。日本の個人情報保護の制度は、情報データをどう取り扱うかというルールを定めるもので、個人の権利をどう保護するかという考え方は極めて弱い。一方、二〇一六年に制定されたEU一般データ保護規則、GDPRは、その前文の冒頭に、個人データの処理に関連する自然人の保護は基本的な権利の一つであると記しているんです。個人データの処理、ここに関係した人の方の人間の保護、基本的な権利の一つとしてこれを保護するんだということがまず明記されているんですよ。
 これは歴史的な経緯があります。ナチスのユダヤ人虐殺を支えたのがIBMが開発したパンチカードとカード選別システムによるデータ処理であった。これ、歴史的なこの背景があってのことだというふうに様々な解説書に書かれています。
 一九三九年、ドイツ政府は国内の全居住者を対象とした国勢調査を実施しました。各居住者の年齢、性別、住所、職業、信仰、結婚歴、人種も祖父母の代まで遡って調査をして、これを六十列十行の、つまり六百項目にわたるパンチカード、ここに記録していったんですね。何千人もの事務員がこれに当たった。だから、ユダヤ人がどこに何人住んでいるのか、カードの識別ですぐに分かったわけですよ。収容所に行くときも、ここからこう移動しました、別の収容所に動かすときにも、この収容所から動かしました、全部パンチカードされていくんです。身体的特徴もコードの穴空けで記録をされていくんです。その収容所を退所した理由もパンチングされるんです、死亡なのか移送なのか逃亡なのか。だから、誰が逃亡したかすぐ分かるんです、番号で。ちなみに、このパンチカードで収容所に入れられたユダヤ人は既に名前を失い、まさに個人識別番号にされていたんです。
 大規模な個人情報のデータベースとその識別システムが数十万人のユダヤ人をナチスの管理の下に置くことを可能にした。ユダヤ人をどう特定するのかという課題にIBMはソリューションを提供したと言いました。どうやって本当に抹殺をしていくのか、どこの収容所にどれだけの人を送るのか、それも全部ソリューションで、課題提供で、情報処理で全部把握することができていったわけですね。まさにホロコーストに利活用されていったんですよ。
 こういう個人情報の処理が人権侵害をもたらすことがあってはならないと、個人の権利保護についての確固たる哲学がGDPRには刻まれています。
 では、お聞きします。
 それから時代が大分たちまして、デジタル技術の進歩によって情報処理は当時の百兆倍とも言われています。そうですね、コンピューターのない時代の話です、今のは。大規模なデータ収集と処理、利活用がプライバシー権など基本的人権への脅威、リスクとなっている、そういう認識は大臣にはおありですか。

#255
○国務大臣(平井卓也君) デジタル技術の活用を通じた高度なデータ処理は、様々な社会課題の解決や新たなサービスを通じた国民生活の向上への貢献も期待されています。一方で、大規模なデータ収集と処理、適用が仮に不当な目的、不透明な態様で行われた場合、大量漏えい等の危険性を含め、国民や消費者の不安感の増大を招く可能性があると考えます。
 こうした観点から、個人の権利利益の保護と個人情報の有用性の両方に配慮しつつ、個人情報の保護と適正な利用の両面での強化を図ることが肝要であると考えており、今般の法改正でもそのような考え方に立脚しているというものでございます。

#256
○田村智子君 個人の権利利益の保護というのがプライバシーの保護と、プライバシー権とかというのとイコールになっていないところに非常に問題意識を感じるんですよ。ただ、プライバシー権などの基本的人権、やっぱりここの脅威、リスク高まっているということはお認めになる。だったら、それどうするかという議論が本当に必要なんですよね。
 GDPRは、データ削除権、私のデータを削除する権利、プロファイルを拒否する権利などを認めています。また、アメリカ・カリフォルニア州では住民投票によって、プロファイルを拒否する権利、自己情報決定権などを定めたプライバシー権法を制定した。また、フランスも自己情報コントロール権を明記したデジタル共和国法を制定しています。こういう国際的な動きが広がっているんですね。
 プライバシーを権利として認めるという国が多数になってきているというふうに私は思うんです。特にGDPRの成立以降その動きが強まっていると、私はそう国際動向を見ていますが、大臣、いかがでしょうか。

#257
○国務大臣(平井卓也君) まあ、プロファイリングに関しての問題意識というふうに理解しました。
 個人情報の利活用も含むデジタル経済の進展も踏まえ、世界的に個人情報保護法制が今整備されています。GDPRにおいては、個人が自己のデータの取扱いに主体的に関与するための規定が個別に設けられており、いわゆるプロファイリングについても、専ら自動化された取扱いに基づいた決定の対象とされない権利が規定されていると承知しています。ただし、いわゆる自己情報コントロール権については、その内容、範囲及び法的性格に関し様々な見解があり、定まった概念ではなく、また、いわゆるプロファイリングについても国際的に確立した考えはないと認識しています。
 我が国の個人情報保護法の規律は、GDPRの規律に照らし十分なレベルの保護を保障しているとして、平成三十一年一月に欧州委員会より個人データの越境移転に関する十分性認定の決定が行われており、これを踏まえるならば、EUのGDPRと日本の個人情報保護法とは実質的に見て同等であると言えるのではないでしょうか。
 いずれにしても、政府としては、国際的な個人情報保護をめぐる社会情勢の動向について引き続き注視し、我が国の個人情報保護法制の適切な運用に努めてまいりたいと考えております。

#258
○田村智子君 今の十分性認定についてはまた後日たっぷり議論したいというふうに思うんですけれど、不十分点がいっぱい指摘されていますし、何より、先ほど私が言ったような個人情報に対する哲学がない。EUと日本は決定的に私は違うというふうに思います。
 では、デジタル改革の議論でプライバシー権がどう議論されたのか、これも見てみたいと思います。
 昨年十二月二十一日、デジタル・ガバメント閣僚会議が取りまとめたデジタル社会の実現に向けた改革の基本方針には、デジタル社会を形成するための基本原則として十項目が掲げられています。これは、デジタル改革関連法案ワーキンググループで、内閣府IT室から提案をされ、ほとんどそのまま十原則として確認されたものです。
 これ、具体化の程度はともかくとして、今回の法案には盛り込まれているということでよろしいんでしょうか。

#259
○国務大臣(平井卓也君) 今回の法案には盛り込まれているという理解で結構でございます。

#260
○田村智子君 それでは、ワーキンググループが取りまとめた基本原則案の資料、これこのまま、ほぼそのまま確認されていますので、これが法案にも盛り込まれているということなんですけれども、資料で配付をしました。
 以下の十原則を日本のデジタル社会を形成するための大方針とするというふうに大きく記述されています。この中でプライバシー権に関わるものは一つだけありますね。二つ目の基本原則の公平・倫理の中で、個人が自分の情報を主体的にコントロールというふうに書かれています。しかし、法案では個人情報保護法に自己情報のコントロールは権利としては明記されていない。デジタル社会形成基本法案にも盛り込まれていない。
 基本原則に明記されているのに、法律の条文として明文化をされていないのはなぜなんでしょうか。

#261
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。
 まず、自己情報コントロール権につきましては、その内容、範囲及び法的性格に関し様々な見解があり、明確な概念として確立していないこと等から、一般的な権利として明記することは適切ではないと考えているものでございます。
 ただ、事業者や行政機関等が保有する個人情報の取扱いに対しまして、本人の関与を保障すること自体は重要と考えております。したがいまして、改正案でも、現行法に引き続き、本人による開示、訂正、利用停止請求等を可能とする規定を個別に設けております。
 また、デジタル社会形成十原則につきましては、政策の基本的な方向性を原則として掲げたものでございます。必ずしも権利として掲げているわけではございません。
 ただ、その考え方につきましては、今申し上げましたとおり、個人情報の取扱いに対する本人の関与を保障する規定につきまして、本人による開示、訂正、利用停止請求等を可能にする規定を入れているところでございます。

#262
○田村智子君 繰り返しの答弁の中では、確立した概念になっていないということが繰り返されているんですね。
 しかし、例えば、早稲田大学江沢民国家主席講演会名簿提出事件というのが裁判であるんですけれども、これ、大学が講演会に参加を申し込んだ学生の名簿の写しを本人の同意も取らずに警視庁に提出をした、このことで学生からプライバシー権の侵害として提訴された事件なんです。
 二〇〇三年の最高裁判決について、調査官の解説は次のように述べているんですね。プライバシーの権利とは、私的領域への介入を拒絶し、自己に関する情報を自ら管理する権利、こういうふうに規定した上で、本判決が情報の開示について本人の同意を重要な要件としているのも、このような自己に関する情報を管理する権利の考え方と親和的なものと見ることができようと、調査官がこう解説をしているんです。
 確かに判決の中に、自己情報コントロール権みたいな、管理権みたいな言葉は出てこなかった。しかし、本人同意というところに重きを置いた判決は、自己に関する情報を管理する権利の考え方と非常に近いと、親和的なものだというふうに解説をしているんですよ。これは、閣僚会議でもワーキンググループでも自己情報コントロール権というのは言及されている。私は権利として認めることに問題がないように思うんですよ。
 平井大臣に、それでは、今回盛り込んでいないけれど、だけど、個人が自分の情報を主体的にコントロールできるようにする、これは一般的な個人の権利としては政府は認めるということでよろしいですか。

#263
○政府参考人(冨安泰一郎君) 御答弁いたします。
 繰り返し申し上げていますとおり、事業者あるいは行政機関が保有している情報に対しまして、その個人情報の取扱いに対して、その情報の対象である本人自体が関与することは非常に重要だと考えております。したがいまして、本人による開示、訂正、利用停止等を、停止請求等を可能とする規定を入れているところでございまして、私の考え方は以上でございます。

#264
○田村智子君 関与することは重要と、ここ止まりなんですね。
 それで、確立した考え方になっていないというんですけど、それをいつまで続けるのかなんですよ。だって、デジタル社会を形成しようというんでしょう。ビッグデータ化して、個人情報をビッグデータ化してどんどん利活用しようということなんでしょう。そのときに、自己情報コントロール権というのを今議論して、今法律に書き込まなくしてどうするかということなんですよ。何で先送りにするのかということなんですね。
 住民基本台帳違憲訴訟大阪高裁判決は、憲法十三条の保障する権利として自己情報コントロール権を認め、そこに依拠して、一部国敗訴の判決を導きました。その後、最高裁判決が異なる判断をしたということはもちろん承知をしています。しかし、今、政府の側から、自己情報コントロール権と、こういうふうに認めると、また住基ネット違憲判断のように、国が進めるデジタル政策の妨げになるんじゃないだろうかと、そういう危惧とか、そういう判断、そういう意図は働いてはいませんか。

#265
○国務大臣(平井卓也君) これ、概念として、先ほどから何度も言っていますが、論者によって理解の異なる外延とかその概念とか、外延が確定していない概念を法律にもう権利のように書いてしまうとやっぱり混乱が生じるおそれがあるというふうに思っています。
 具体的には、例えば自己情報コントロール権という言葉の響きから、個人情報保護法があたかも自己に関する情報について所有権に類する財産的な権利を保障したものであるかのような誤解を生む可能性すらあると我々は考えています。

#266
○田村智子君 だから、そういう誤解を解くような議論をすればいいんじゃないですかと思いますよ。
 先ほど、自分の、だから個人情報に関与することは重要だと言った。だけど、重要だと言いながら、先ほど私から提案募集のことをいっぱい紹介しましたけれども、いや、こんな個人情報ファイルが、私のファイルが作られているのかということも知らないでしょう。受験生が、自分の入試のデータが何年もにわたって、まあ三年間ぐらいでしょうか、入試センターのところにあって、それが何かの利活用のために提案募集に掛けられていると、非識別加工の対象にされていると知りもしないんですよ、関与どころか。知りもしないんですよ。
 だったら、もっと、どういう情報が、私のこういう情報がどう使われているのかを知る権利、それに対して関与する権利、これを今の法案の中で議論して規定をしていくというのは、私は当然のことだと思うのに、それをやろうとしない。誤解を生むからだと言う。誤解しないように説明するのが政府の責任なんじゃないんですか。それもやらずに利活用ばっかり進めようとしている。
 今日ちょっと、あともう時間が少ししかないので、プロファイリングのことを一言だけ聞いておきたいというふうに思うんですね、呼び水のように。
 やっぱり私、そのプロファイリングというのは、問題にするのは、次回詳しくやりたいと思うんですけれども、これは、何というかな、データによって個人の行動が変えられてしまう、データが個人の自由を奪う、こういうことにもなりかねない。あるいは、プライバシーが本当にさらされていくような、そういうプロファイリングが実際に行われているわけですよ。だから、この問題というのは本当に、個人情報をどう自分でコントロールし、どう関与していくかということで、非常に重要な問題だと思うんです。
 私、取り上げた一つが、本会議でも取り上げたんですけれども、アメリカの大手スーパー、ターゲット社、女性の購買履歴から妊娠の可能性をプロファイリングして、ベビー用品のクーポン券付き広告というのを、ターゲット広告やるわけですね、送付するわけですね。それは、高校生がいて、お父さんがそれを受け取ってびっくりして抗議をして、抗議をした後に娘が妊娠していたということを知ったという事件として、アメリカでも大きく報道され、国際的に大変注目されている。個人情報のプロファイリングの問題として非常に注目されている事件なんですよ。
 それで、これ、妊娠というのは日本においても要配慮個人情報だと思います、妊娠したか否か。そうすると、その妊娠したか否かを識別するようなプロファイリング、要配慮個人情報を識別するためのプロファイリング、これは禁止すべきだと、禁止されて当然だと思いますけれども、いかがでしょうか。

#267
○政府参考人(福浦裕介君) お答え申し上げます。
 いわゆるプロファイリングにつきましては、個人の権利利益を侵害する場合に問題となり得るというふうに承知をいたしております。
 個人情報の不適正な利用による個人の権利利益の侵害を防止をする観点から、令和二年改正個人情報保護法におきましては、民間事業者に対しまして不適正利用の禁止に関する規律を導入するなど、プロファイリングの懸念に対応するための改正を行ったところでございます。具体的には、違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれのある方法によりまして個人情報の流用を行った場合には不適正利用となります。
 この規制、これらの規制によりまして、問題のあるプロファイリングを含む不適正利用を防ぐことができるものというふうに私ども認識いたしております。

#268
○田村智子君 それ、お答えになっていないんですよ。そういう要配慮個人情報につながるような、この人は例えばがんなんじゃないかとか、病気なんじゃないかとか、妊娠しているんじゃないかとか、そういう情報に行き着くようなプロファイリングは違法ではないですか。違法というか、禁止されるべきではないですか。大臣、いかがですか。

#269
○国務大臣(平井卓也君) その不適正な利用の具体的な基準のお話だと思うんですけれども、個人情報保護法の解釈については、委員御存じのとおり、いわゆる三条委員会である個人情報委員会からやっぱり答えるべきだと考えております。

#270
○田村智子君 時間が来てしまいましたので、じゃ、次回にまた取り上げたいというふうに思いますけれども、これまでの答弁聞いていても、本当に個人の権利利益の保護にもなっていないんじゃないのかと、これでデジタル社会になれるんですかという危惧が一層深まったということを申し上げて、質問を終わります。

#271
○委員長(森屋宏君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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