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2021/04/20 第204回国会 衆議院 第204回国会 衆議院 環境委員会 第6号 令和3年4月20日
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2021/04/20 第204回国会 衆議院

第204回国会 衆議院 環境委員会 第6号 令和3年4月20日

#1
令和三年四月二十日(火曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 石原 宏高君
   理事 勝俣 孝明君 理事 菅家 一郎君
   理事 土屋 品子君 理事 福山  守君
   理事 牧原 秀樹君 理事 生方 幸夫君
   理事 源馬謙太郎君 理事 江田 康幸君
      秋本 真利君    畦元 将吾君
      岩田 和親君    金子万寿夫君
      神谷  昇君    神山 佐市君
      神田  裕君    武村 展英君
      百武 公親君    深澤 陽一君
      古田 圭一君    細野 豪志君
      八木 哲也君    川内 博史君
      近藤 昭一君    篠原  孝君
      関 健一郎君    長尾 秀樹君
      堀越 啓仁君    横光 克彦君
      田村 貴昭君    森  夏枝君
    …………………………………
   環境大臣         小泉進次郎君
   環境副大臣        笹川 博義君
   経済産業大臣政務官    佐藤  啓君
   環境大臣政務官      宮崎  勝君
   環境大臣政務官      神谷  昇君
   政府特別補佐人
   (原子力規制委員会委員長)            更田 豊志君
   政府参考人
   (林野庁森林整備部長)  小坂善太郎君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房原子力事故災害対処審議官)  新川 達也君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           矢作 友良君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官)         小野 洋太君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            茂木  正君
   政府参考人
   (環境省地球環境局長)  小野  洋君
   政府参考人
   (環境省水・大気環境局長)            山本 昌宏君
   政府参考人
   (環境省環境再生・資源循環局次長)        松澤  裕君
   政府参考人
   (環境省総合環境政策統括官)           和田 篤也君
   政府参考人
   (原子力規制庁長官官房核物質・放射線総括審議官) 山田 知穂君
   参考人
   (東京電力ホールディングス株式会社代表執行役副社長)           文挾 誠一君
   環境委員会専門員     飯野 伸夫君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十日
 辞任         補欠選任
  小島 敏文君     深澤 陽一君
  百武 公親君     神田  裕君
  務台 俊介君     岩田 和親君
  長尾 秀樹君     川内 博史君
同日
 辞任         補欠選任
  岩田 和親君     務台 俊介君
  神田  裕君     百武 公親君
  深澤 陽一君     神山 佐市君
  川内 博史君     長尾 秀樹君
同日
 辞任         補欠選任
  神山 佐市君     小島 敏文君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四七号)
     ――――◇―――――

#2
○石原委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、参考人として東京電力ホールディングス株式会社代表執行役副社長文挾誠一君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として林野庁森林整備部長小坂善太郎君、経済産業省大臣官房原子力事故災害対処審議官新川達也君、経済産業省大臣官房審議官矢作友良君、資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官小野洋太君、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長茂木正君、環境省地球環境局長小野洋君、環境省水・大気環境局長山本昌宏君、環境省環境再生・資源循環局次長松澤裕君、環境省総合環境政策統括官和田篤也君、原子力規制庁長官官房核物質・放射線総括審議官山田知穂君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○石原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#4
○石原委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。土屋品子君。

#5
○土屋委員 自由民主党の土屋品子です。
 本日は、温対法改正案に関連した質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 本日は、菅総理が、ワシントンでバイデン大統領との首脳会談を終え、午後には国会で帰朝報告をされます。日米首脳会談では気候変動問題についても大変重要なテーマとして取り上げられたわけでございますが、今回の会談をどのように受け止めておられるか。法案の質問に入る前に大臣から一言コメントをいただければと思います。

#6
○小泉国務大臣 おはようございます。本日も、審議、よろしくお願いします。
 今、土屋先生から、日米首脳会談における気候変動のパートナーシップを始めとする、この意義ということで御質問がありましたが、これは歴史的に日米の間で交わされた初めてとなる気候変動の協力の枠組みであります。
 この意義は非常に大きく、特に、私としてはポイントは三つあると思っています。一つが、一・五度目標の重要性を共有したこと。そして二つ目が、再生可能エネルギーをまず最初に、テクノロジーを含めた協力の中にも一番最初に位置づけたこと。そして三つ目が、自治体の重要性をそこに明記をしたこと。これは、環境省として今までゼロカーボンシティーを広げる努力を続けてきた中で、今度、日米で、この自治体の連携を重要だというふうに位置づけて、その取組を後押しするための連携を盛り込んだこと、これが三つ目として私は非常に大きいと思っています。
 COP26を見据えて、この日米でのパートナーシップを一つの礎として、しっかりと、日本の国際社会に対する気候変動分野でのリーダーシップを今後一つ一つ実現をし、また広げていきたいと考えております。

#7
○土屋委員 ありがとうございます。今の三つの重要な課題について、まさにこれから日本がしっかりと進んでいかなければならない問題であり、我々も共有するものであります。
 さて、総理は、日米首脳会談後に、国際社会の議論をリードする必要から、二〇三〇年までの温暖化ガス削減の新たな目標について、明後日、二十二日からのアメリカ大統領主催の気候変動サミットまでには決定する旨の発言をされたところでございます。サミットには、中国が出られるかどうか分かりませんけれども、中国やロシアを含む世界各国・地域の首脳四十人が招待されておりまして、日本の目標が国際社会にどう貢献するか説明する、よい機会になると期待しているところです。また、六月にはG7首脳会議が開催される予定で、主要国が温暖化ガス削減目標について話し合う、これも大変貴重な場になると思います。
 そんなこの時期に、今日、委員会で温暖化改正案を審議することは大変意義深いと考えております。
 さて、私は、環境副大臣に二〇〇六年に就任しました。振り返りますと、もう十五年も前の話でございます。
 その頃の、じゃ、状況はどうだったかといいますと、国内では、COP12を受け、温暖化防止の二〇一三年以降の枠組みについての検討スケジュールが決まりまして、そして容器包装リサイクル法の改正が行われました。
 また、日本周辺海域で漂流・漂着ごみの問題が大変高まった時代でございます。この問題は、今も変わらず大変な大問題でございます。私は対馬に視察に行きました。実情を見て本当にびっくりいたしました。五メートルの高さのごみが、昔は海水浴ができた海岸だと、そんな様子は全く見えないところ、ごみだらけでございました。そのときの社会はどうかというと、余りまだ気候変動問題や温暖化ガス削減に世間の注目が集まっていない時期であったなと思います。
 一方で、世界に目を向けますと、イギリスが発表したスターン・レビュー報告書、これが、気候変動対策に必要なコストは世界のGDPの一%だが、何もしなければ被害額はGDPの二〇%に及ぶおそれもあるという分析を示し、直ちに対策を講じるよう呼びかけたことが世界中で大変な話題になったときであります。
 現在の異常気象の頻発を考えたとき、温対法ができたのが、一九九八年に公布されましたから、その後、何度も繰り返し法案を改正しながら気候変動の影響に対応してきたわけですが、今回の法改正を機に、本当の意味での温暖化対策の歴史的転換点に立ったと確信しております。日本は変わらなければならないと強く感じております。
 このような前提に立って、質問に入りたいと思います。
 二〇五〇年カーボンニュートラル実現のためには、国民一人一人の理解、協力を得ることが不可欠と考えております。改正案では、関係者との連携を規定するに当たって、国を先頭に規定することが通例であるにもかかわらず、この法案では国民を先頭にと規定しておりますが、これはどのような趣旨と考えたらよろしいんでしょうか。大臣の見解をお聞きしたいと思います。

#8
○小泉国務大臣 今、改めて土屋先生の副大臣時代のことからお話を聞きながら、土屋先生のように環境省の中で積み上げていただいたその礎の下に私は今仕事をしていて、そして、そういった先人たちの皆さんのおかげで今、気候変動が日米で新たな重要議題に上がるという、この次元まで引き上げてくることができた。土屋先生始め、先輩方に心から敬意と感謝を申し上げたい気持ちでいっぱいになりました。ありがとうございます。
 その上で、今の御質問で、なぜ国民を先頭に、関係者の中に位置づけたかということは、やはり、今、私の問題意識の中では、国と自治体、かなり頭が合ってきたと思います。この脱炭素、カーボンニュートラルを進めなければいけない。そして、経団連含めた産業界の動きも、もはや世界中のマネーが動いていますから、ビジネスの前提が変わったということで、もうそちらに行かなければ将来が描けないという、こちらも足並みが合ってきたと思います。
 じゃ、まだ足並みがそろっていないというか、もっと歯車を一緒になって回していかなければいけないところはどこかといったときに、やはり私の思いは、地域の金融機関や中小企業、そして国民一人一人の皆さんと、なぜ我々はこの方向に向かうのか、その先にあるのは、より災害にも強い地産地消型の地域社会が分散型で生まれていく、より持続可能な社会があるんだ、これを共有できるかどうかがカーボンニュートラルまでの長い道のりを歩み切ることができるかに懸かっていると思ったので、私は、この法改正に当たり、国民の理解なくしてカーボンニュートラルはない、そういった思いで、先頭に国民、こういう形で位置づけさせていただいた、その思いです。

#9
○土屋委員 私は、今回のこの法案の中に国民という言葉を入れたこと、本当に強くよかったなと思っております。まさに、下からというか、一人一人の国民から積み上げない限り、私は、二〇五〇年、これは実現できないと考えておりますので、一緒に頑張っていきたいと思います。
 それでは、国民一人一人に環境に対する関心を向上してもらうためにライフスタイルを転換してもらわなくてはならないわけですが、それには行動変容を起こしてもらうための取組が必要になってくると思います。環境省として具体的にどのような取組を行うつもりか、お聞かせいただきたいと思います。

#10
○小泉国務大臣 行動変容を前向きに起こしていただくためにやらなければいけないことは、一つではなく、あらゆる方策が必要だと思います。
 ただ、一つ、行動変容が間違いなく起きた事例でいえば、レジ袋の有料化に伴う行動変容というのは、明白な違いが生まれています。
 そして、さらに、この国会で御審議いただく予定のプラスチック新法、これには、あらゆるプラスチックを対象としていますから、今後、この法案が成立をした暁にはまた更なる行動変容が世の中に生まれてくるのは私は間違いないというふうに思っています。
 そして、今、我々は補助金で電気自動車と再エネ一〇〇%のセットでやっていますが、毎日千件ぐらいの問合せと、今までにない販売の伸びというのを私は聞いています。
 こういった形の行動変容もありますし、最近というか昨日ですね、国交省、経産省、環境省でこれから住宅の分野の脱炭素化をしていくためのロードマップを作るに当たっての検討会が動きましたが、私が太陽光のパネルの義務化も視野にという発言をしたところ、賛否両論巻き起こっているようですが、いずれにしても、それぐらいの次元で考えなければいけないような時代になっているということで議論が巻き起こされる中で、国民の皆さんと理解を共有した上で進める住宅の分野の脱炭素化も、私はこれも行動変容にもつながると思います。
 いずれにしても、あらゆる政策の分野で国民の皆さんとともに議論をし、そして共に脱炭素化の方向に一緒になって動いていくための様々な政策、公明党さんからは、ポイントを利用した、グリーンポイントなどはどうかという話もありますが、今、国・地方脱炭素実現会議で我々が考えているロードマップの中にも今後そういったことも併せて打ち出していけるように、しっかりと準備を進めていきたいと考えております。

#11
○土屋委員 ありがとうございました。
 今、大臣、ほんの一部を紹介していただいたと思いますが、私自身は、消費者問題に関する特別委員長のお役をいただきまして、そのときに、フードロス、食品ロスの問題に関して委員長提案で法案を出させていただきました。こういう問題もまさに行動変容につながるんじゃないかと思いますので、これからも注視していきたいと考えております。
 次に、環境教育についてお話を伺いたいと思いますが、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に、先ほどから何度も出ているように、国民一人一人の協力なくして実現しないということでございますが、未来を担う子供、若者世代への環境教育が大変に重要であると考えています。
 私は、実は、当選当時、文部科学省に環境という教科をつくってほしいと要請しました。そのときは、世界中どこにもそんな教科はないと一蹴されたのを覚えています。
 現在の文部科学省の考え方、今の現状をお聞きしました。今現状は、社会科、理科、技術・家庭科といった、従来の教科の中で教科書を活用しながら取り組むとの姿勢でございます。というのは、社会の中に環境のページがあって、そして、技術・家庭科、理科の中にみんな、それぞれ結構充実しております。
 ですけれども、私の考えは、社会科の授業は社会科の授業なんです。技術・家庭の授業は技術・家庭の中の一部の環境ということになると、丁寧にそればかりやっていられないんですね。ですから、私としては、例えば、一学期に一こま取って環境、それを年間三こま、環境教育に特化した時間割り、カリキュラムとして導入してもらいたいと考えています。
 環境省でも副読本作成のための資料を作っていて、それを参考にして教育委員会が地域の市町村に合った副読本を作っておられます。一部の市のを見せていただきました。全国統一ではなくて、自分の市の中でこういう環境問題があるよ、こういう地域がこういうふうになっているよとか、本当に、まさに住んでいる地域のことを学びながらの環境副読本になっているのはすばらしいと思います。
 ただ、私が調べている限りでは、残念ながらほんの一部の市町村しかまだそういう副読本を作っておられないので、これが普及することが大事かなと思っています。
 今の小学生、一年生、七歳。二〇三〇年、私たちの中間目標。そのとき、三十七歳、小学生は四十代、三十代、この人たちがどのぐらい環境に対して意識が高いか、ここが私は鍵を握るのではないかと思っています。そういう意味で、何しろ、環境をもっともっと、特に小学校ですよね、小学校のときに学べる環境づくりというのをしていきたいと思っていますので、大臣の御所見を伺いたいと思います。

#12
○小泉国務大臣 今の土屋先生のお話を聞いて思ったことは、文科省より土屋先生が先見の明があったということは間違いなかったんでしょうと。
 今、小学生や中学生の学習指導要領もSDGsとか地球環境問題を充実をさせてやるようになりましたし、私、この前、東京のある小学校に頼まれまして、その小学校のSDGsの授業にリモートで私が講師をやらせていただきました。
 そして、今先生が、今の小学生が二〇五〇年には四十代になりという話がありましたが、私は今、息子が一歳三か月で、例えば今から十四年後で、もう日本からは新車販売でガソリン車はなくなるわけですよね。ですから、私の息子はもう新車販売でガソリン車を見ることがない世の中に行くわけです。そういった時代の到来を見据えて今から政策をやらなければいけないし、我々が今目にしているありとあらゆるところにプラスチックがあるような現状も、もう変わってくる世代が到来しますよね、そこを忘れてはならないと思います。
 私自身、今こうやって環境大臣として強い思いを持って気候変動に取り組むことができているのは、生まれ育った町が横須賀という海に囲まれた町だったからというのが私は間違いなくあると思います。海に恵まれ、自然に恵まれ、その恵みが分かっているからですね。そして、それが失われることが、肌で感じていますから。子供のときに遊んだその砂浜がなくなっているところがありますから。それが更にこれから日本全国でなくなっていくわけで、砂浜のない横須賀って私は想像できないんですけれども。残念ながら、推計を見れば、将来、砂浜はなくなる可能性が高いんですね。
 ですから、私は、これからの子供たちにできる限り自然体験の場をどのようにつくっていけるかということも非常に重要なことだと思いますから、そういった意味でも、体験も教育ですから、様々な機会を環境省は今つくる努力もしていますが、引き続き各省との連携も深めてやっていきたいと思います。

#13
○土屋委員 もう一つ、そのことについてでございますが、これは質問ではなくて私の考えていることなんですけれども、教職課程の単位の中に環境を入れるということ、これが重要ではないかと思っています。
 今現在、小学校の先生になってから、研修という中に環境の勉強をしているわけです。ですけれども、こういう時代ですから、教職を取った先生は全部、環境についてはエキスパートであるぐらいの勉強をしていただいて、学校に配置していただくのが非常に重要だと思っています。是非大臣には萩生田文科大臣と話をしていただいて、少しでも前へ進むように、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、大分時間がなくなって、私、いっぱい質問を用意してしまったので、申し訳ないんですけれども、次、質問させていただいて、政府委員からお答えいただこうと思ったんですが、笹川副大臣にお伺いしたいと思います。
 積極的に取り組む自治体に対しての質問なんですけれども、ゼロカーボンシティーの実現に向けて、地域の資源を活用しながら、環境に配慮しつつ、さらに、地域にメリットがある再エネを地元の理解も得ながら円滑に導入するという、今聞いているだけでも大変だなと。この方程式を解くような難解な課題に環境省としてどのような対応をしていくのか、お聞かせください。

#14
○笹川副大臣 おはようございます。
 今、土屋委員からも御指摘がありましたとおり、再エネの導入につきましては、それぞれの地域で、やはり地域的な合意というものがいかに大切かということは様々な事例においても明らかであります。
 そうしたことで、今回の改正案の中では、地域ごとの環境に対する配慮、それから地域貢献に関する事項をその実行計画の中に定めていただきたい、そういうことによってその事業を認定するという制度の盛り込みをさせていただきました。
 ただ、合意を得るという過程の中においては、協議会、それからまた意見聴取、それぞれから、そういう場をしっかりと活用していただきたいということでございますので、環境省としては、本省はもちろんでありますけれども、地方の環境事務所も含めて必要な協力をさせていただきたいというふうに思っております。
 また、令和二年度第三次補正予算及び三年度の予算においても、ゼロカーボンシティ再エネ強化支援パッケージによって、地方自治体の計画策定、地域の合意形成等の取組に対する支援も行っております。
 また、今後、制度の運用につきましては、具体的な方針等を示したガイドラインを整備をさせていただきたいというふうに思っておりますので、国・地方脱炭素実現会議においての議論も踏まえた上で、なお一層必要な施策の検討を行ってまいりたいというふうに思っております。

#15
○土屋委員 改正案の中で自治体が促進区域を設定していくこととなっていますが、再エネの立地については、環境保全地域、農業の振興など、ほかの分野との調整が必要となるわけですが、国としてどのように対応していかれるおつもりか、お聞かせください。
 特に、電車から、それから高速道路から、里山ののどかな風景に突然、ソーラーパネルがばあっと、べたべたべたっとあるところが非常に目立ちます。大変ぞっとするわけですけれども。今後やはりそこら辺も考えて、保全に対する配慮を含めてお答えいただきたいと思います。

#16
○笹川副大臣 ありがとうございます。
 今、土屋委員の御指摘のとおり、やはり、農地の適正な活用ということは、これは大切な観点だというふうに思っております。
 ただ、大臣も視察に行ったりしておりますが、農地の上にソーラーパネルを高さを取って、下の方で作物を作っていく。ただ、これもやはり、出口論も大切でありますので、何を作ったらいいのか、何が消費者に受け入れられるのか、そういうことも含めた上でやっていかなきゃいけない。そういうことがやはり農地の適正な活用につながるというふうに思いますので、それぞれ様々な分野で両立を図っていくことは重要だというふうに思っていますので、農林水産省等々関係省庁との連携というのは、これからやはり必要不可欠だというふうに考えております。
 改めて、促進区域の設定に関する基本的な考え方を地球温暖化対策計画に明記するとともに、詳細については、先ほども申し上げたように、省令やガイドラインにおいて示していきたいというふうに考えております。

#17
○土屋委員 私の地域は都市農業地域なんですね。かなり、例えば梨を作っている農家が梨を切って、だんだんだんだんもう梨を作る人が一人もいなくなるんじゃないかぐらい、恐怖を感じるような状況でございまして。
 そういう中で、今、笹川副大臣がお話しになったように、ソーラーシェアリングというのは今後非常に重要だと思っておりますが、これを普及させるためには、確かに、農水省との連携、物すごく重要だと思いますし、そのソーラーシェアリングの今後の方向性というか、私は有効だと思っていますけれども、環境省として、まあ、有効であるという考えだと思いますけれども、今後の支援についてちょっとお話を伺えれば。

#18
○宮崎大臣政務官 お答え申し上げます。
 脱炭素社会の実現のためには、再エネの最大限の導入拡大が必要でございますが、一方で、御指摘のように、立地に伴う地域トラブルも生じております。このため、地域と共生する再生可能エネルギーの導入拡大が重要でございます。
 先生御指摘のとおり、ソーラーシェアリング、営農型太陽光発電も、農業生産と再エネ導入を両立させ、地域と共生しながら再エネを導入することができる取組の一つでございます。
 このため、環境省では、自家消費型の営農型太陽光発電を促進しております。
 例えば、所沢市におきましては、遊休地となっていた農地にソーラーパネルの設置と併せてブルーベリーやブドウの栽培を行う取組を開始しようとしており、先日、私も小泉大臣と一緒に現地を視察させていただきました。この営農型太陽光の電力は、地元の新電力会社を通じて地域の公共施設等に供給される予定であり、まさに、農業生産やエネルギーの地産地消により地域と共生する再エネ事業の優良事例であるというふうに考えております。
 さらに、今般の温対法改正案では、こうした地域と共生する再エネ導入を促進するために、新たに再エネ促進区域を創設することとしております。
 この法案も活用した地域における再エネ主力電源化に向けた取組が、脱炭素という切り口だけでなく、地域の経済活性化や雇用創出など地域の課題解決にも同時に資するウィン・ウィンの取組となるよう、引き続き再エネ導入拡大に取り組んでまいります。

#19
○土屋委員 先ほどからいろいろ自治体の役割という話がありましたが、本気で取り組んでもらう自治体を一つでも多くつくることが非常に大きな課題だと思います。
 私、地元でも相当自治体によっての温度差があって、やはりリーダーシップを取れる人と取りにくい人といらっしゃるので、そこら辺はしっかりとサポートしていく必要があると考えております。
 地方自治体に対して、一定、同じようなサポートではなくて、やはり、自治体の様子、中身をよく見て、そしてサポートしていく必要があると思いますけれども、大臣の決意をお伺いしたいと思います。

#20
○小泉国務大臣 先生おっしゃるとおり、やはり濃淡あると思っています。ただ、その中で、これだけゼロカーボンシティーの表明をしていただいて、もう三百六十以上にもなっています。そこの中で、今、我々の発想としては、まずは先行的なカーボンニュートラルのエリアを構築をしていって、その先行例を次々に広げていく、脱炭素ドミノというふうに言っていますが。これを広げていくために、まず意欲的な自治体に頑張っていただきたい。それを頑張るためには、やはり人、物、金の支援というのが不可欠だと思っています。それをいかにやっていくか。
 今日も国・地方脱炭素実現会議の第二回が官邸で行われる予定になっておりますが、そこで示していく予定のロードマップの素案、そしてまたさらに最終的にまとめていくもの、この中でしっかりと自治体の皆さんがやろうと思っていただけるような政策、施策も組み込んでいきたいと考えております。

#21
○土屋委員 今年の十一月には英国のグラスゴーでCOP26が開催予定ですが、環境大臣は気候変動問題を兼務されているわけでございまして、まさに各省との横軸を通すための芯になる役割だと思います。そういう中で、我が国としても、より踏み込んだ気候変動対策を説明する、よい機会になることを期待しております。
 私は、特に今後の取組として、気候変動に適応するための、先ほど大臣もお話しいただきましたが、革新的技術開発の推進と未来の環境産業の構築、それに伴う雇用創出と、創出を目的とした気候変動対策における経済的利益創出の重要性の認識が何よりも大切であると考えております。
 大臣には、環境省のみならず、今言いましたように、横軸をしっかりとつけていただいて、緊密な連携を取っていただき、カーボンネットゼロを目指して具体的な戦略策定のためのリーダーシップを取っていただくようお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 本日はありがとうございました。

#22
○石原委員長 次に、横光克彦君。

#23
○横光委員 おはようございます。立憲民主党の横光克彦でございます。
 質問に入る前に、大臣にお願いがございます。
 新型コロナウイルスの第四波が、この五月の連休の前に猛威を振るい始めております。一刻も早く国民の不安を解消するために、ワクチンの早期接種がスムーズに進むように、小泉大臣も発信力のある閣僚として全力で取り組んでいただきたいとお願いを申し上げます。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 地球温暖化対策の推進に関する改正案についてですが、先月、菅総理は小泉環境大臣を新たに気候変動大臣として指名しました。
 初の菅総理訪米で、バイデン大統領との先週十六日の会談では、気候変動対策が主要な議題の一つでした。菅総理は共同会見にて、二十二日の気候変動サミットまでに、あさってですね、あさっての気候変動サミットまでに二〇三〇年までの炭素削減目標に関するコミットメントを表明するとしました。
 また、六月に行われますG7において既に議長国のイギリスは日本政府に対して五〇%の削減目標を掲げるよう働きかけているとの報道が明らかになりました。続く本年十一月には、COP26がイギリスで開かれます。
 まさに日米の新政権にとっても、主要先進国に限らず世界の全ての国は、気候変動対策、待ったなしの状況です。そういった中、これから相次ぐ国際会議を前に、気候変動担当大臣としての決意というものをお伺いしたいと思います。

#24
○小泉国務大臣 今、横光先生から気候変動担当としての決意をということでありましたが、菅総理からは、今後続く国際会合は一連のものがあります、COP26までに、既に終わりました日米首脳会談、今週末の気候変動サミット、G7、そしてG20。こういった一連の国際会合に挑むに当たっては、政府内で方針を一つにして、そして、政府として気候変動の政策をしっかりと表明できるような準備を進めていくことが極めて重要であります。
 そういった形でいえば、この日米首脳会談において歴史的に初めてとなる日米でのパートナーシップを結ぶことができたこと、その中に、重要なポイントを土屋先生の答弁にお答えさせていただきましたが、ここに向けて、政府内、非常に緊密に調整が進み、無事に日米首脳会談の成功に導くことができたことは一つの成果だと思っております。
 総理からは、二十二日の気候サミットに向けて、昨日の有識者会合で、二〇三〇年目標の一つの節目だという御発言がありました。まずは目の前のこのサミットに向けて、最終的に総理が国内外に表明していくことの調整を最後まで関係省庁と密にやっていくことを通じて、日本が世界の中で、日米でリーダーシップを発揮していくというふうに表明したように、先進国の一員として日本の責任を果たす意思を表明できるように調整を進めたいと思います。

#25
○横光委員 ありがとうございます。非常に意欲的な姿勢で臨まれるというのがよく分かりました。
 ただ、日本国の代表として行かれるわけですから、世界に向けて、その前に日本国の中のまとめを、本当に一つの政府としての見解をまとめることができるのかというのがまだまだ課題だと思っておりますので、そういったことも含めてお願いを申し上げたいと思います。
 いずれにしても、国際会議に向けて意欲ある決意を述べられたわけですので、小泉大臣の力が十分に発揮できるように、我々も応援団になりたいと思っております。気候変動には与党も野党もありません。まさに人類の課題でございますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。
 また、今回の改正で、二〇五〇年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにする、この目標が法律に明確に盛り込まれました。この実現に向けた具体的な方策として、地域での再エネを活用した脱炭素化の取組や仕組みを措置するという内容でございます。
 今回の改正において、二〇五〇年までの脱炭素社会の実現を基本理念として位置づけることに伴い、地球温暖化対策の定義において、温室効果ガスの排出の抑制を排出の量の削減に改めることにしております。これについては私も大賛成でございますが、まず、抑制を削減に改めた意図を御説明ください。

#26
○小野(洋)政府参考人 お答え申し上げます。
 現行法におきましては、地球温暖化対策の定義といたしまして、温室効果ガスの排出の抑制並びに吸収作用の保全及び強化と定義しておりますけれども、現行の温室効果ガスの排出の抑制というのは、温室効果ガスの排出量の増加も許容し得る概念となっております。
 一方で、委員も御指摘がございましたが、今回の法案では、カーボンニュートラル宣言を踏まえまして二〇五〇年までの脱炭素社会の実現を基本理念として位置づけるということにしておりまして、これを踏まえますと、法が推進する地球温暖化対策として、温室効果ガスの排出量の増加を含む抑制という概念は本法案に規定する基本理念に沿わないものというふうに考えております。
 このため、温室効果ガスの排出の抑制に代えて、温室効果ガスの排出量の減少を旨とする削減という文言に改正するということとしたものでございます。

#27
○横光委員 私は、この法案でここが変えられたというのは大きな前進だと思っているんです。
 これに関して、中央環境審議会の地球環境部会長をされております早稲田大学の大塚先生は、カーボンバジェットという考え方を日本にも取り入れていく必要がある、これは、気温上昇を一定レベルに抑える場合に想定される、温室効果ガスの累積排出量の上限値でございますが、二〇五〇年に実質ゼロにするまでにどれだけ累積排出量を減らせるかが喫緊の課題、大きな課題でございますので、日本の法律にはこの累積排出量の考え方が入っていないとも言っております。
 カーボンバジェットについての御見解と、排出の量の削減をどう実行していくのか、お尋ねいたしたいと思います。

#28
○笹川副大臣 横光委員も御承知のとおり、IPCCの一・五度特別報告書においても、地球温暖化を抑えるには世界全体のCO2の累積排出量を抑える、すなわち一定のカーボンバジェットの範囲内にとどめることが必要であると報告をされております。
 また、令和二年の環境白書にもこのように記してあります。パリ協定の目標を達成するためには、吸収源を踏まえた累積排出量を一定量以下に抑える必要があり、我が国においても、そうした利用可能な最良の科学に基づき、迅速な温室効果ガス排出削減を継続的に進めていくことが重要と述べております。二〇三〇年という重要な年に向けての十年間が大事でありますので、一つ一つの取組を強化してまいりたいというふうに考えております。

#29
○横光委員 環境分野の柱であります生物多様性、また資源循環の分野には、それぞれ、生物多様性基本法あるいは循環社会形成推進基本法などがあります。しかし、地球温暖化には基本法がありません。大塚先生は、基本法とは政策の基本方針や理念を定めたもので、具体的な施策を進めていく上での起爆剤としての役割も期待できるということを指摘しています。
 そこで、地球温暖化対策あるいは気候変動対策に関する基本法を作って、その法律の基本理念にカーボンバジェットという考え方を入れることは考えておられないでしょうか。

#30
○笹川副大臣 今回の地球温暖化対策推進法は、それぞれ、各主体の責務の明記、地球温暖化対策推進本部の設置、地球温暖化対策計画の策定等について規定させていただいております。緩和策に関する基本法的性格を有しているというふうに認識いたしております。
 また、二〇五〇年までにカーボンニュートラルを達成すると。基本理念規定を新設させていただきました。このことによって基本的な部分がより色濃くなったのではないかなというふうに考えております。
 法案の成立後は、この法律を適切に施行することにより、脱炭素化に向けた取組をしっかりと推進してまいりたいと考えております。

#31
○横光委員 そういう御説明もございましたけれども、抑制から削減に改めたわけでありますので、削減実行のためには後ろ向きでは駄目だと思うんです。条件整備をした上で、カーボンバジェットをこれからの検討課題としてどうか頭の真ん中に置いていただきたいと願っております。
 次に、先週の金曜日に通告した順番を少し変えて、引き続きお尋ねいたします。
 本法案では、二〇五〇年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにする、その実現に向けた具体的な方策として、地域での再エネを活用した脱炭素化の取組を促進するという内容について、市町村など自治体の役割が明示されました。そして、地域脱炭素化促進事業計画の認定制度を創設することにしております。
 また、かねてから、国に先駆けて自治体においては、ゼロカーボンを宣言する取組が進められております。四月十六日時点では、四十都道府県、二百十五市、六特別区、九十町、十九村に上り、三百七十自治体に達しております。人口では一億人を超えました。宣言する自治体も日に日に増えているとお聞きいたしております。これが更に広がれば、点が面となり、脱炭素に向けて大きな力となります。
 さらに、今や、地方の取組だけでなく、国と地方が一緒になって取組を始めています。国・地方脱炭素実現会議の議論が注目され、地域脱炭素ロードマップの策定、そして、二〇三〇年までの地域内の脱炭素化の達成のために、百地域の脱炭素化先行地域の選定など、急ピッチで進められております。
 こうした認定制度の創設にとどまらず、地域の脱炭素化に向けた様々な取組が行われようとしておりますが、国の責務として、脱炭素社会を地域でつくり上げるためには人材の支援、育成が重要であり、また、大前提であります財源がどう予定されているのかということも併せて考えていく必要があると思います。
 このコロナ禍では、各自治体は大変厳しい財政運営を強いられております。地域の脱炭素化に向けて、国の財源の手当てについてどのようなお考えをお持ちなのか、お聞かせください。

#32
○宮崎大臣政務官 お答えさせていただきます。
 環境省といたしましては、令和二年度第三次補正予算及び令和三年度予算におきまして、カーボンシティ再エネ強化支援パッケージを盛り込みました。地方自治体の計画策定や設備導入などの取組を支援していくことで、エネルギーの地産地消や災害に強い地域の構築を進めながら、地域における温室効果ガスの大幅削減を図ってまいります。
 また、昨年末から開催しております国・地方脱炭素実現会議では、地域の取組と国民のライフスタイルに密接に関わる主要分野におきまして地域脱炭素ロードマップを策定することとしており、その素案を本日夕方の国・地方脱炭素実現会議でお示しする予定にしております。
 ロードマップの策定とこれに関連する新規施策を立案するため、自治体、民間企業、金融機関等へのヒアリングを重ねてまいりました。全国知事会ゼロカーボン社会構築推進プロジェクトチームやゼロカーボン市区町村協議会等とも意見交換をいたしまして、地域の脱炭素実現に必要な支援について御意見をいただいたところでございます。
 今後、環境省といたしましては、関係省庁と連携し、ロードマップの策定とともに、地域の脱炭素につながる取組を後押ししてまいりたいと思っております。

#33
○横光委員 今、三次補正、そしてまた今年度、令和三年度の予算に計上しているということでございますが、基金などのアイデアも一つの案であるかと思います。
 いずれにいたしましても、地域の取組や民間事業者への支援などに財源が必要であることは申し上げるまでもありません。どうか国を挙げて、継続的な支援対策として、前向きな検討を進めていただきたいと願っております。
 また、東日本大震災の後、電力不足の深刻化や太陽光発電普及のためのFITの開始と相まって、各地で太陽光発電が事業化され、急速に拡大しました。しかし、関連設備の設置をめぐる環境破壊や景観悪化等にまつわるトラブルが多発し、地域住民や関係する自治体と事業者との間で争いになるケースが多く見られました。
 今日、再生エネルギーの普及における自治体の役割は増すばかりです。そのような観点から、今回の法改正で地域脱炭素化促進事業計画の認定制度を創設することにしたことは必要なことであったと思っております。しかし、この脱炭素化促進事業における県や市町村の具体的な役割はどうなるのか。市町村とともに県の役割は重要だとも考えますが、それぞれの役割の上での関係はどのようになるのでしょうか。お尋ねをいたします。

#34
○小野(洋)政府参考人 お答えいたします。
 お尋ねの、地域脱炭素化促進事業に関する計画・認定制度においての都道府県と市町村、県と市の具体的役割分担ということでございます。
 まず、本制度におきまして、都道府県は、その区域全体の再エネ促進及び環境保全の方向性を示すという観点から、まず、再エネ利用促進等の施策及びその実施目標を定める、二つ目として、市町村が促進区域を設定する際の環境配慮の方針を定めることができることとしております。
 また、市町村でございますけれども、地域において円滑な合意形成を図り、個別事業を促進するという観点から、まず、都道府県の実行計画との整合性も図りつつ再エネ利用促進等の施策及びその実施目標を定める、二つ目として、地域脱炭素化促進事業に関して、促進区域、地域ごとの環境配慮や地域貢献に関する事項を定める、三つ目といたしまして、これに適合する事業計画を認定することができる、こういったこととしております。
 環境省としては、こうした地方公共団体の役割が円滑に果たされ、地域に貢献する再エネの導入拡大が進むようにしっかりと後押ししてまいりたいと考えております。

#35
○横光委員 しっかりと、法律に基づいて、市町村での関係法令の手続が適切かつスムーズに行われるよう願います。
 また、脱炭素先行百地域選定に向けて、今、会議で進められているとの報道がありました。また、長崎の壱岐市は二〇一九年九月に、我が国の自治体としては初めて気候非常事態宣言を行いました。脱炭素の地域づくりを進めています。
 地方から脱炭素のまちづくりを進め、五年の集中期間に政策を総動員して、全国でできるだけ多くの脱炭素ドミノを全国津々浦々に広げていくためにも、重ねて財政的な支援が必要だと思います。
 今後の脱炭素先行の百地域選定の進め方について、大臣のお考えをお聞きします。

#36
○宮崎大臣政務官 お答えいたします。
 お答えする前に、ちょっと済みません、先ほど私の答弁の中で、カーボンシティと申し上げましたけれども、ゼロカーボンシティの間違いでございました。訂正させていただきます、失礼いたしました。
 今の御質問にお答えいたします。
 先行地域の取組の具体化につきましては、現在三百七十自治体となるゼロカーボンシティーを始めとした、地域の脱炭素化に積極的な自治体と行っていくということになります。
 本日、第二回の国・地方脱炭素実現会議を開催する予定でありますが、その中で先行地域として期待される条件も含めて示していく予定になっておりまして、具体的な進め方につきましては引き続き議論を深めてまいりたいと考えております。

#37
○横光委員 世界に目を向けますと、二〇二〇年一月、バルセロナ市が気候非常事態宣言を発しました。二〇五〇年までの脱炭素化という数値目標を掲げて、脱炭素のまちづくりを示しました。これは、更に特徴的なことは、市民が作り上げたものであることです。官僚やシンクタンクではありません。この点では、昨年、札幌市で開催された気候市民会議さっぽろ二〇二〇プロジェクトからも多くのことを学ぶことができると思います。
 今回の法改正に、国民の理解や協力なくしてカーボンニュートラルの実現なしとの考えから、関係者を規定する条文の先頭に国民を位置づける、前例のない基本理念としております。国民は地域においては市民であり住民でありますが、このような市民が参加する脱炭素社会づくりについて、大臣はどのように考えますでしょうか。

#38
○宮崎大臣政務官 お答えさせていただきます。
 二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現を目指し、フランスやイギリスなどの欧州の国々の自治体におきましては、数十人から百数十人の市民を無作為に抽出いたしまして、排出量実質ゼロに向けた取組を話し合う気候市民会議の取組が広がりつつあります。我が国におきましても、御紹介いただきました札幌市や川崎市において、こうした手法を取り入れた計画作りが進められているものと承知しております。
 二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現に向けては、産業界や行政のみならず、あらゆるステークホルダーが関心を持って取り組むことが大変重要であると考えております。昨年十二月に官邸において開催されました二〇五〇年カーボンニュートラル・全国フォーラムにおきましても、一人の百歩より百人の一歩が重要である旨の発信がなされたところでございます。
 地域における脱炭素の実現に当たりましては、今般の温対法改正に基づく地方公共団体実行計画協議会の仕組みも活用しつつ、地域の様々な主体の関与を得ながら進めてまいりたい、このように考えております。

#39
○横光委員 どうかよろしくお願いを申し上げます。
 私は、壱岐市や札幌市を始め、バルセロナなどの欧州各国で行われております気候変動対策における市民参加による取組方式、あるいは市民がつくり上げる脱炭素のまちづくり、これは非常に大事なことだと思っております。是非、こうした仕組みを取り入れていくことを強く要望いたしておきます。
 それでは、次の質問に移ります。
 さて、このように国や自治体が挙げて脱炭素に取り組んでいる中で、具体的にCO2をどう減らしていくかが最大の課題であることは申すまでもありません。私は、世界各国から批判がある石炭火力発電について質問せざるを得ません。
 今日、経産省にもお越しいただいておりますので、まず、エネルギー基本計画を主導しております経産省にお尋ねしたいと思います。脱炭素社会を実現するためには、どうしても電源構成を考えていかなければなりません。第六次のエネルギー基本計画を策定中だと思いますが、いつ頃決定しますか。お聞かせください。

#40
○小野(洋太)政府参考人 お答えを申し上げます。
 エネルギー基本計画の見直しにつきましては、総合資源エネルギー調査会におきまして、二〇三〇年電源構成の扱いを含めまして、今議論を深めているところでございます。
 現在までに九回審議会を開催し、菅総理が表明された二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けた課題や対応の方向性、二〇三〇年に向けた政策の在り方について議論を深めたところでございます。
 現時点におきましてエネルギー基本計画の改定時期は未定でございますけれども、今後、米国主催の気候変動サミット、G7、それからCOP26などの国際会議が予定されておりますので、国際動向を注視しながら検討を加速してまいりたいと考えているところでございます。

#41
○横光委員 まだ策定する時期は未定だ、しかし審議は深めておるというお話でございます。
 今回の見直しは、やはりこれまでの見直しと違うと思うんですね。なぜならば、総理が二〇五〇年カーボンニュートラルを宣言した後の見直しですから、大幅に、この思いに沿った形でエネルギーミックスを作らなきゃいけないと思っておるんです。ですから、是非しっかりとした審議をした上で、できるだけ早く、これから国際会議が続きますので日本の姿勢を示さなければなりません、ですからできるだけ早く策定していただきたい、このように思います。
 ということは、今回は、じゃ、六月のG7、六月のG7といったらすぐですね。この六月までには、日本の電力構成、電源構成というものは、まだ発表できないんでしょうか。

#42
○小野(洋太)政府参考人 お答え申し上げます。
 繰り返しになって恐縮でございますけれども、現時点におきましてはエネルギー基本計画の改定時期は未定でございまして、おっしゃるG7などの国際会議も踏まえまして、国際動向を注視しながら検討を加速してまいりたいと考えているところでございます。

#43
○横光委員 踏まえるといっても、既定の事実なんですね、六月のサミットは。菅総理が出席されるんでしょう。
 私がちょっと心配するのが、六月のサミットでは、これはまだ報道の範囲内ですが、グテーレス国連事務総長がG7に、主要七か国はそれぞれの石炭火力について廃止の方向で計画やスケジュールを伝えるようにという、指令というか指示を出しておるんですね。そういった中でG7が行われるんですよ。そのときに我が国は石炭火力についての意見を言えるんですか、総理は。
 というのは、七か国の中でほかの六か国は、みんな石炭火力全廃という計画をされているんですよ、時期はそれぞれ違いますけれども。アメリカのバイデン政権も、二〇三五年には全電力を化石燃料以外のものにする方針だと報道されております。このように、アメリカでさえ、あの石炭大国だったアメリカでさえ、もう石炭に依存しない、全電力を化石燃料以外というふうな方針を示しているんですね。ほかの六か国も大体同じような思いです。
 となりますと、主要七か国の中で石炭依存を続ける国は日本だけとなりますが、それでよろしいんでしょうか。

#44
○佐藤大臣政務官 お答えいたします。
 今先生から御指摘がありましたように、やはり、国際動向もしっかり見据えていかなければいけませんし、また、総理がそういった国際会議等のスケジュール感も考慮しながら大きな方向性を示していくということであると理解をしております。
 そういった上で、エネルギー基本計画に関しましては、気候変動対策について、温室効果ガス排出の八割以上を占めるのがエネルギー分野の取組でございますので、特に重要だと考えております。
 エネルギー政策を進める上で、やはり、安全性の確保を大前提にしながら、エネルギー供給の安定性の確保、経済性、気候変動問題への対応についてバランスを取ることが重要でありますので、カーボンニュートラルを目指す中にあっても、これらのバランスを取り続けていくことが不可欠になります。
 その上で、二〇五〇年カーボンニュートラルを踏まえて二〇三〇年に向けたエネルギー政策を進めるためには、エネルギーの安定供給を大前提に、まず省エネの深掘り、それから非化石エネルギーの拡大が特に重要でありまして、徹底した省エネ、そして再生可能エネルギーの最大限の導入、安全最優先での原子力の再稼働などを進めていかなければならないと考えているところであります。
 御指摘の石炭でありますけれども、安定供給の観点からは、やはり石炭を含めた火力の役割は引き続き重要でありますが、一方で、脱炭素化に向けて、CO2総排出量の約二割を占めているという石炭火力発電からのCO2排出削減を着実に実施する必要がございますので、非効率石炭のフェードアウトというのをしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っているところでございます。
 現在進められているエネルギー基本計画の見直しに向けた議論の中では、先生から御指摘があったようなこと、またそういった国際情勢も踏まえながら、二〇三〇年度の電源構成の扱いも含めて集中的に議論をしている、そういった状況でございます。

#45
○横光委員 国際情勢を踏まえるというお言葉ですが、国際情勢がどういう情勢かお分かりでしょう、今。
 グテーレスさんが、一昨年のCOP25では、石炭中毒というきつい言葉さえ発しているんです。そして今回、石炭連合のサミットにグテーレスさんがまた一歩踏み込んだビデオメッセージを送っている。今度は、石炭中毒どころか、石炭火力は全廃すべきだ、これがなければ二〇五〇年にカーボンニュートラルなんてできないんだという趣旨の発言をしているんです。それに沿って、先ほど申しましたように、世界各国は、主要先進国を始め、全廃に向けて今スケジュールを立てているんですよ。それが今の世界情勢なんです。そういったものはとっくに皆さん方の中には入っていると思うんです。
 そういった中で、私たちのこれからのエネルギーミックスの見直しがどういう状況になるべきかということは大体分かると思うんですが、今のような状況ではなかなか世界からの批判は免れませんよね。そういう気がいたしております。
 産業界を抱えている経産省の思いもよく分かりますよ。しかし、産業界においても、二〇五〇年カーボンニュートラル宣言を受けてからは脱炭素経営に取り組む動きが始まっております。いろいろな企業が、化石燃料じゃないエネルギーを使いたいという企業がどんどん増えている、そういうふうな動きが始まっているんです。これもやはり、菅総理のあの宣言が、大きく今の日本の産業構造さえも動かそうとしているんですよ。
 例えば、日本のトップ企業でありますトヨタ自動車の豊田章男社長も、記者会見で国の再エネ導入の遅れに危機感を示しました。また、火力発電への依存度が高いままでは日本で生産すること自体がリスクとなる趣旨の発言をしております。日本のトップ企業の社長が、記者会見で、こういった不安感を感じているんです。これは他の企業も同じような思いだと思うんです。
 また、日本ではなお石炭火力依存を続けるようでございますが、先日の報道では、Jパワーは、宇部興産と共同で山口宇部市に計画していた石炭火力発電所の新設を断念すると発表しました。コストが安いんでしょう、安定供給が必要なんでしょう、経産省の意向は。そういった中で断念するということは、やはり規制もありますが、採算に合わないんだという最終結果をしたわけですね、将来を見据えると。ESGやいろいろなことを考えると、将来は石炭火力の時代じゃないんだという判断をしたんだと私は思うんですよ。
 何せ百二十万キロワットの計画の断念ですよ。百二十万キロワットといったら原発一基分ですよね。こういったことを断念した。経産省は石炭火力維持と依存だという方向を示しているようですが、現場ではこういったことが起きておるんです。ですから、こういった事例はこれからも出てくるんじゃないかと。
 今、国の方針では十五基を新設あるいは着工しているという話を聞くんですが、このJパワーが一つなくなったので十四基ですか、いずれも百万キロワット級の大型の火力発電ですよ。これが仮に、そのまま容認しているわけですから、稼働したらどうなりますか。よく考えていただきたいと思います。
 とにかく、現在の電力構成の推移でございますが、二〇三〇年度の火力発電、石炭が二六%となっています。世界がこれをなくそうとしている時代に、二〇三〇年、これから約十年後には世界が全廃しようとする動きの中で、私たちの国は二六%、つまり総発電電力の四分の一を石炭火力で維持するという政府目標となっておるんですよ。
 これを今回このまま追認することはまさかあり得ないと思いますけれども、それほどに今世界は変わりつつあるんです。そこのところをどうか、世界情勢を見据えた上でというお話がございましたが、是非、今回のエネルギーミックスは、二〇五〇年カーボンニュートラル宣言を宣言した以上、この二六%というのは相当、半減ぐらいしなければならないという思いを持っておりますが、いかがでしょうか。

#46
○小野(洋太)政府参考人 お答え申し上げます。
 石炭火力について御指摘がございましたけれども、石炭火力は、安定供給性、経済性に優れていますけれども、議員御指摘のとおり、CO2排出量が多いという環境面の課題があるのは事実でございます。
 今般、脱炭素化という世界的潮流がある、これも認識しているところでございまして、CO2排出量の約二割を占める石炭火力からのCO2の排出削減を着実に実施する必要があるというふうに認識しているところでございます。
 したがいまして、産業界にも参画いただきながら、非効率石炭火力のフェードアウトの議論を行っているというところでございます。具体的には、省エネ法で、石炭火力の発電効率目標として最新鋭のUSCの水準に設定するという規制的措置を導入することとしておりまして、こうした措置を講じることで、非効率石炭火力の稼働抑制や高効率化の取組を着実に推進してまいります。
 さらに、今後は、二〇五〇年時点で石炭火力が稼働する場合につきましても、CO2の分離回収技術の後づけを含めまして、CCS技術を実装させるなど、カーボンニュートラルを実現する方策についても検討を深めてまいりたいと考えているところでございます。

#47
○横光委員 また同じ経済性とか安定性というお答えでございますが、事はもうそんな次元を飛び越えているんですよ。
 例えば、梶山大臣の再エネの主力電源化を早急に達成するという発言、これは小泉環境大臣の再生エネの倍増という高い目標とほぼ一致するわけで、これは今度のエネルギーミックスの変更の中でも調整が進むと思うんです。ただ、やはり石炭火力発電と原発の電源構成をどこまで引き下げた比率になるかどうかというのがキーポイントだと思いますし、そこで今、調査会でも御苦労されているんだと思います。是非、ここのところは、二六%、あるいは原発の二〇から二二%、こういったものは大幅に下げた比率で取り組んでいただきたいということをお願い申し上げます。
 そういった意向はどうですか、論議の中で。

#48
○佐藤大臣政務官 お答え申し上げます。
 様々な御議論があるところでございますけれども、やはり、資源が乏しい国でございます、周囲を海で囲まれた我が国において、スリーEプラスSというのを満たしながら、完璧なエネルギー源がない状況ですので、多様なエネルギー源をバランスよく活用することが大事であります。
 石炭火力は安定供給性や経済性に優れていますが、CO2の排出が多いということでありますので、石炭火力発電からのCO2の排出削減を着実に実施を進めていきます。産業界にも参加をいただきながら、非効率石炭火力のフェードアウトの議論をしっかりと行っていきたいと思っております。

#49
○横光委員 済みません、最後に一言。
 二〇五〇年カーボンニュートラルを実現するためには、二〇三〇年度のエネルギーミックスが何よりも重要なんです。ですから、私はこれをしつこく聞いているんです。二〇五〇年に向けての本気度が問われるわけですので、どうか判断を誤らないような策定をしていただきたいことをお願いして、終わります。
 ありがとうございました。

#50
○石原委員長 次に、堀越啓仁君。

#51
○堀越委員 立憲民主党の堀越啓仁でございます。
 本日も、貴重な質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 地球温暖化推進法の一部を改正する法律案について質問させていただくわけでございますけれども、先ほど委員の方からもそれぞれお話がありましたように、私たちは今、気候危機の状態にあるということでございまして、これは、昨年の十一月に国会で決議をされた、与野党を超えての認識であるというふうに思っております。私たちも、気候危機対策の強化、推進には、やはり二〇三〇年における再生可能エネルギーによる発電割合を五〇%にするべきなのではないかと。それがまずベースになって、そして二〇五〇年のカーボンニュートラルが実現するんだということを掲げているわけでございます。
 その中で、大臣も推進していくべきだと言っていただいている再生可能エネルギー、これは私たちも当然ですけれどもやらなければいけないというふうに思う一方で、これまで、先ほどの委員のお話にもありましたように、再生可能エネルギーを促進するその背景に、生物多様性が奪われてしまったり、あるいは森林の環境保全ということが行われなかったりというような状況が今現状で散見されているというふうに思っておりますので、そうあってはならないということを前提として今日は質問に立たせていただきたいと思います。
 今、実は、国会前でデモが行われています。そのデモは何かといいますと、NDCの目標を、今、政府の方で二〇一三年と比較して四五%削減という目標を出そうとしているのではないかと。
 これは、世界規模で見ると、日本は温室効果ガス排出量の多い国のトップファイブになっていて、そのトップファイブの国々で地球全体の六〇%の温室効果ガスを排出しているというところからすると、やはり日本にも更に厳しい割合が求められているというところであるというふうに思っておりますし、国際機関でもありますクライメート・アクション・トラッカーでは、日本には約六二%のNDCを求めていくべきなんだということを出しております。有識者がかなり集まって研究がなされているところであると思います。
 そこで、ピースフルクライメートストライキといって、モデルであり環境アクティビストの小野りりあんさんという方が主宰をして四日間のハンストをするんですよ。四日間、水と塩だけで。それぐらいの覚悟を持って、今、国会前でハンストをやっているんですね。私も、ちょっとこの後、時間が空いたらば行ってみたいと思うんですが。
 NDCの目標、六二%程度、かなり難しいというのは承知をしているわけですが、しかし、大事なのは、我々国会議員一人一人がそうした思いを持って、それこそ四日間、塩と水だけ、これは命を懸けてのことです、それも笑顔でやっていらっしゃる、その思いを我々一人一人は受け止める必要があるんじゃないかなという思いを持って、ちょっと足を向けさせていただきたいというふうに思っておりますので、是非、委員の皆さん、お気軽に御参加いただきたいというふうに思っております。
 それでは、早速質問の方に入らせていただきますけれども、先ほどお話しさせていただいたように、生物多様性が、再生可能エネルギーの促進やいわゆる地域の循環型の社会の形成において、ないがしろにされていってはいけないということは前提として進めていかなければいけないというふうに思う一方で、ソーラーパネルを始めとする太陽光発電の在り方等々については、やはり地元を始め日本全体でいろいろな地域住民とのトラブルであったり問題も発生しているということであると思いますので、その点に関わる質問をさせていただきたいと思います。
 まず、本改正案について、市町村が地域脱炭素化促進事業の対象となる区域である促進区域を定める際に国が定めることとされている基準の設定の在り方について聞いていきたいと思うんですが、第二十一条の第六項に基づく環境省令として、今後定められる基準が森林法などの既にある関係法令を遵守することを求める程度の内容にとどまるのであれば、生物多様性が脅かされる現状を好転することは私は難しいんじゃないかというふうに思っています。
 再生可能エネルギーが生物多様性などの観点から問題とされるのは、絶滅の危険性にある動植物、地域に生息しているものをちゃんと守れるかどうかという、再生可能エネルギーの設置に関して、立地というのがやはり大きな課題になるんだろうというふうに思っています。
 ですので、端的に言うと、環境省のレッドリストは当然ですけれども、加えて、県自治体や市町村版のレッドリストというものも併せて重視をして、絶滅のおそれのある野生生物の生息や生育が確認されている、そういった地域については促進区域に含めることは望ましくないと私は明記することが必要だというふうに思っているんですね。その点について御見解を伺いたいんです。
 環境省が今現在も提供していますEADASという、可視化できるマップがあります。これは、生物多様性の保全上重要な里山、里地、それから、生物多様性の観点から重要性の高い湿地であるとか野鳥の生息地というものがマップ化されて一目で可視化できる、こういうシステムがあるわけです。環境アセスメントデータベースですね。こういったところもあるということから考えて、やはり促進区域に含めることは望ましくないということを明記することが私は必要なのだと思っています。
 更に言えば、森林ですね。生物多様性を保全するために、CO2を更に吸収するために必要な森林ということも併せて、促進区域に含めることは望ましくない旨をはっきり示すことが必要だと思っておりますが、大臣の御見解を伺いたいと思います。

#52
○小泉国務大臣 今、堀越先生から御指摘があった再エネ促進区域は、地域の再エネポテンシャルの最大限の活用の観点から積極的な設定を期待するものでありますが、同時に、堀越先生御指摘の生物多様性の保全も含め、自然環境の保全への配慮も必要と認識をしています。さらに、我が国の国土の三分の二を占める森林は、森林吸収源対策を含む地球温暖化防止や、多様な野生生物種が生息、生育する場として重要な要素であるとも認識しています。
 このため、改正案では、促進区域の設定に当たっては、環境省令や都道府県の定める環境配慮の基準等に基づいて設定をいただくものとしており、また、地球温暖化対策計画や実行計画マニュアル等においても促進区域の設定に関する基本的な考え方を記載していく予定です。
 今後、こうした環境省令や都道府県の基準等や、地球温暖化対策計画や実行計画マニュアル等の内容について適切に検討するとともに、環境アセスメントデータベース、先生が御指摘のEADAS、これを活用した市町村への環境情報の分かりやすい提供などを通じて、自然環境の保全へも配慮しながら再エネの導入拡大を進めてまいりたいと考えております。

#53
○堀越委員 ありがとうございます。
 やはり、私は、先ほどからお話しさせていただいているように、立法府として、含めることは望ましくないという一言を入れることが必要なのではないかなと。
 確かに、促進する地域、特に地方自治体でも、それは、生物多様性はインフラであり、財産であり、宝物なわけですから、それを無残に脅かすようなことは当然考えられないとは思います。思いたいんですが、ただ、やはり立法府の姿勢としてそういうのはいかぬのだよということを伝えていただくことが必要なのではないかと思って、主張させていただいております。ガイドライン等々をこれから策定して周知徹底していただくということでございますので、それが厳守できるように、これも同時にお図りいただきたいというふうに思います。
 先ほどお話しさせていただいたEADAS、これから質問させていただきますが、温室効果ガスの可視化であるとか、ビジュアルで見れるというのは一目瞭然で非常に分かりやすい点でもありますので、こういったところを活用していただきたいと思うんです。
 私はEADASを何度も見させていただいているんですが、タブレットだといいんですけれども、スマートフォンだとちょっと重いんですよね。これはシステム的な問題で、しようがないのかもしれません。あと、スマートフォンに対応していないような形になっているので、是非、例えば歩きながら見るときに、大きいタブレットやスマートフォンでも見やすいようなものに改良していただけると非常にありがたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、改正案に関連して、少し細かい点なんですけれども、再エネ特措法における環境保全のための手続について伺いたいと思います。
 再生可能エネルギー発電事業者は、再エネ特措法に基づいて事業計画の認定を申請する際に、資源エネルギー庁作成の事業計画策定ガイドラインを確認することとされております。このガイドラインに環境保全に関する推奨される事項が規定されているんですけれども、規定されているだけで実効性が本当にあるのかというところが私は非常に疑問を持っているところでありまして、その効果が最大限発揮されるように、その履行状況を確認できることが大事だというふうに思っています。
 そこで、資源エネルギー庁に伺いたいんですが、この事業計画認定に当たって、環境保全に関して推奨される事項の実施の有無や実施内容を確認する手続は設けられているのか。手続がもしある場合には、その手続は実施の有無とか実施内容をしっかりと確認できるようなものになっているのか。
 例えば、抜取り調査等々を行って実際の確認状況をある程度網羅的に把握して、そして改善の余地があるのであればその作業を行うということがやはり必要なんじゃないかなというふうに思っています。推奨される事項については、期限を設けて実施の有無であるとか実施内容を確認することができるように、私は仕組みを見直す必要があるというふうに思っているんですけれども、資源エネルギー庁の御見解を伺いたいと思います。

#54
○佐藤大臣政務官 お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、再エネの更なる導入拡大や長期安定的な事業の実施のためには、地域や自然環境との共生を図りながら事業を進めていくことが重要であると考えております。
 FITの認定におきましては、二〇一七年の改正再エネ特措法の施行後、申請段階において、環境保全に関する推奨事項を含め事業計画策定ガイドラインに従った適切な形で事業を行うということ、それから、環境保全に関する法令を含む関係法令の規定を遵守すること、この二つについて同意、誓約することを求めている状況であります。
 その上で、仮に認定をされた後において法令違反の疑念が生じるケースにつきましては、都道府県等を始めとする関係行政機関から違反状況についての連絡があった場合に、速やかに当該行政機関及び事業者双方に確認を行って、状況に応じて、再エネ特措法に基づく指導であったり改善命令等を通じて違反状況改善に向けた取組を進めることとしております。
 推奨事項に関しては、こちらは努力義務ということになっておりますけれども、努力義務違反の摘発のために、御指摘の抜取り調査、また推奨事項の実施状況のフォローアップ、こういった考え方もあると思うんですけれども、こういったことよりも、我々としては、関係法令違反といった遵守義務に違反する悪質な事例に対して自治体とも連携して厳格に対応するということを重要だと考えておりまして、今後とも、各地方自治体及び関係行政機関と密接に連携を取りながら、地域や自然環境と共生した再エネ事業が進められるよう取り組んでまいりたいと思います。

#55
○堀越委員 政務官、ありがとうございました。
 今、再エネがいろいろなところで展開されていて、私もこれから更にそれが増えていかないといけないという立場でありますし、国としてもそれは推進していくんだということもあります。しかし、いろいろ見ていると、自然環境との調和とは言いつつ、やはり、自然環境破壊の方が圧倒的に規模的には多い、インパクトとしては大きいんじゃないか、そういうふうに思われるような再生可能エネルギー事業も横行しているというふうに思っています。
 特に、気候変動の時代を迎えていて災害等々が多発している中で、山岳地域、山の部分に太陽光パネル、メガソーラーも展開されているんですけれども、元々地盤がかなり緩くなってしまっている地域があり、さらに、想定を超える雨量によってそれが流されると、当然、下流に人家がないわけでもありません、そういう地域もありますのでね。そういったところは、危険と隣り合わせで生活しなければいけないという不安を持たれている方々も当然多いわけです。これから再生可能エネルギーの在り方についても促進しなければいけないという一方で、やはり環境に配慮しているところをしっかりと守られるようにしていっていただきたいと思います。
 環境保全に関しては、先ほど、推奨される事項に関しては努力義務だということでありましたけれども、これを更に一歩踏み込む必要も私はあるのではないかなというふうに思っていますので、御検討の方をよろしくお願いしたいと思います。
 あわせて、森林法に基づく林地開発の許可制度についても環境保全の観点から伺いたいと思います。
 再生可能エネルギーを導入する際のトラブル、先ほどからお話しさせていただいているように、全国で発生しております。ある日突然森林が伐採され、太陽光パネルが敷き詰められて、自然も景観も破壊されるというような事態は本来あってはならないことだというふうに思っています。
 このトラブルが起こり得る林地開発については、森林法に基づく林地開発許可制度があって、一ヘクタールを超える開発行為を行うときには、許可基準として、災害の防止、水害の防止、水の確保、そして環境保全という四つの観点から審査を行うというものがあって、これにいずれも該当しないと認められるときは各都道府県知事が許可しなければならないよということになっているわけです。
 環境保全に関する基準に関しては、平成十四年三月の事務次官通知によって、周辺の植生の保全等の必要がある場合には、開発行為をしようとする森林区域内の適切な箇所に必要な森林の残置又は必要に応じた造成が行われることが明らかであることとされている。つまり、開発するところにはある一定の必要な森林がある、もしなければ造成してくださいよということが盛り込まれている。
 その上で、細かい運用細則として、平成五年の林野庁長官の通知で、周辺の植生の保全等については貴重な動植物の保護を含むとしていて、各知事の許可に当たっては、単に機械的に決められた残置・造成森林率で見るだけでいいよと言っているわけではないということだと私は思っています。しかし、残念ながら、各都道府県では、環境保全について残置・造成森林率を定めて、これを満たしていればただ機械的に基準をクリアしているというふうなところも懸念として私は持っています。
 言い換えれば、環境保全という項目があるにもかかわらず、森林の残置であるとか造成というのをやられていればそれで環境が保全できているよというふうにみなしているということになるので、環境というのは、そういった点においては、森林の残置であるとかあるいは造成が行われればそれで完全に保全できるというものではない。ただ、もちろん、前提の三項目において水の件であるとかそういうのもありますけれども、この辺りでいうと、生物多様性の観点から弱いんじゃないかと思うわけです。
 例えば、保水力の低下に伴って、水の供給減少によって、蛍であるとかサンショウウオであるとか、その辺の水生の生物等々にインパクトを与えるというようなことがあれば、これは、貴重な動植物の保護を含むとされているわけですから、当然、都道府県は再エネ事業者に対してそうした貴重な動植物の有無を確認させて、貴重な動植物があった場合には、開発による影響を予測して、予測結果を踏まえた上で適切に対応を行うように求めていくことが私は必要であると思います。
 そこで、林野庁に伺いたいんですが、都道府県が森林開発許可に当たってその点に関してどのような審査を行っているのか、審査の実施状況を把握されているのか。把握していない場合には、例えば簡易なアンケートやヒアリングでも結構ですので、この点に関する審査実施状況を調査して把握する必要があると思いますが、いかがでしょうか。

#56
○小坂政府参考人 お答えいたします。
 林地開発許可制度、これは都道府県が自治事務で行っております。個々の案件の審査については都道府県が判断するということになっています。しかしながら、林野庁では、会議等を通じて許可事務の運用状況を把握して、内容によっては許可要件に関する技術助言を設けるとか、そういったことで必要な指導助言を行っているところでございます。
 このうち、環境保全に係る要件につきましては、議員御指摘のとおり、開発行為の目的に応じて森林を残置、造成する割合であるとか配置の基準を定めるとともに、特に貴重な動植物の保護も含め周辺の植生の保全が必要な場合には、残置する森林の適切な配置、つまり、満遍なく残置するんじゃなくて、こういった箇所にきっちり適切に重点的に残置する、そういうことを行うこととか、環境影響評価の実施箇所ではその結果を踏まえた審査を行う、さらには必要に応じて動植物に及ぼす影響の範囲の調査を行う、そういったことを技術的な助言として定めているところでございます。
 こういったことを踏まえ、都道府県におきましては、必要に応じて、例えば環境部局にレッドリストの状況を確認する、それを確認して、そういうものがいれば事業者に伝える、そんな取組を行っていたり、当然、環境影響評価の結果を踏まえた審査を行う、そういったことで適切に運用されているものだというふうに承知しているところでございます。
 以上でございます。

#57
○堀越委員 ありがとうございます。
 様々取組をされていただいているということでありますので、これから更に、事が起こってからそれをまた戻すというのは極めて大変なことになりますので、事前にそういったことが起こらないように是非取組を強化していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、テーマをがらっと変えていきたいと思いますが、温室効果ガスの観測体制の今後の方針についてということで、副大臣、よろしくお願いいたします。
 これまでも私は環境委員会の中で取り上げさせていただいたんですけれども、こちらに模型があります「いぶき」二号、GOSAT2という、温室効果ガスの観測技術衛星二号ですね。これは本当にすばらしい技術だと思います。JAXAとの共同開発によって作られて、私の地元である伊勢崎市に明星電気というのがありまして、その明星電気さんがこの電子パーツを作っているんですね。
 明星電気さんにお邪魔させていただくと、高度なセンサー技術であるとか、宇宙空間で対応が可能な装置等々について開発をされている。そういう高い技術力を結集した、しかも世界にしっかり貢献できるようなものになっているということについては、ここの技術開発等々については、やはり日本の高い技術力が世界に貢献できる大事なテーマだと思いますので、取り上げさせていただきたいと思います。
 この「いぶき」は世界初の温室効果ガス観測専用の衛星で、二〇〇九年一月に打ち上げられて、それから十年以上地球全体の温室効果ガスのモニタリングを行っていて、二〇一八年の十月に二号機、このGOSAT2ですね、これが打ち上げられて成功した。私も打ち上げに行きたかったですけれども行けなかったということで、非常に残念な思いをしておりますけれども。
 一号機の観測データ、これはホームページで誰でも見ることができる。是非、委員の皆さん、今は通信は駄目なんですよね、タブレットの持込みは駄目なんですね、委員会が終わったら、GOSAT2、国立環境研究所のホームページ等々に飛んで、実際に地球全体での温室効果ガスの二〇〇九年から今現在までの変移が色で可視化されて見えるというのがありますので御覧いただきたいと思いますし、これが世界に無償で提供されている、非常にすばらしいことだと思います。
 今回の二号機も、パリ協定に基づく世界各国の温室効果ガス排出量の報告の透明性を確保することであるとか、世界全体での排出削減努力の進捗評価に貢献することが記載をされておりますし、新型コロナウイルス感染症が蔓延を始めて世界全体で経済活動、人の動き等々が止まったときには、温室効果ガスの観測衛星である「いぶき」がCO2濃度を実際に解析して変化が捉えられているということも承知しています。やはり、こういう観測は継続的に行っていかなければならないと改めて感じるというところであります。
 この「いぶき」の重要性について、笹川副大臣、答えていただけるということでございますので、まず、どのように認識されているのか、お伺いさせていただきたいのと併せて、観測を継続していく方針があるのか、温室効果ガスの観測体制について今後の方針をお伺いできればと思います。

#58
○笹川副大臣 堀越委員には、毎回この「いぶき」の運用について委員会で御質問いただいて、エールを送っていただきまして、大変ありがとうございます。同時にまた、群馬の技術も御紹介をいただきまして、同様に群馬県選出の議員とすれば大変感謝を申し上げたいというふうに思っております。
 「いぶき」の役割については、私が答弁するよりも、今、堀越委員からお話しがあったとおりでありまして、やはり一番の「いぶき」の役割の大きさというのはデータを各国、各機関に無償で提供しているということにあるのではないかなというふうに思っておりますし、パリ協定の目標達成のためにはやはり科学的な見地、裏づけというものが非常に大切な観点でありますので、そういった意味において、国際的にもこの「いぶき」の役割というのは大きいというふうに認識をいたしております。
 同時にまた、「いぶき」も、初号機につきましてももう打ち上げをしてから十二年たったわけでありますが、設計寿命が五年ということでありますので、そういう意味では次も考えていかなきゃなりませんし、同時にまた二号機についても、いずれにしてもそろそろ設計寿命の五年ということでありますから、継続して国際社会に貢献していく、パリ協定の目標達成に向けて貢献していくということになったときには、やはり、次の三号機の打ち上げを目指して開発中でございますが、このことについても大事な取組だというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、三号機となる温室効果ガスの水循環観測技術衛星については、二〇二三年度、令和五年度の打ち上げを目指して鋭意開発中であります。
 同時にまた、観測機能を大幅に強化し、排出源の特定能力と排出量の推計精度のなお一層の向上を目指しているということでありますので、引き続いて「いぶき」を通じながらの貢献をしてまいりたいというふうに考えております。

#59
○堀越委員 話を聞いていて、またわくわくしてきたんですけれども、水も観測の対象にすると。これは本当に、今は気候変動の影響で我々日本には大規模な水害被害が起こっている一方で、水がなくなっているという地域もありますので、そういったところを衛星を通じて可視化できるというのは非常にまた貢献につながるのではないかなと思います。二〇二三年ということですので、割とすぐですので、三号機にも期待したいなというところであります。
 効果について、私も、先ほどお話しさせていただいたように、やはり可視化できるということが非常に重要だなというふうに思っていて、ホームページ上で二〇〇九年から現在までの色が分かれるわけですが、現在は、大気全体のCO2濃度は四一二ppmから四一三ppmというふうに言われているんです。ただ、四一二とか四一三とか言われても余りぴんとこないんですね。
 しかし、グラフィックで可視化できるというと、二〇〇九年は真っ青だった、色的には真っ青に映るわけですけれども、今はオレンジ色に変わってきているというのが、毎年毎年の変化というのがはっきり分かるんですね。
 これから気候危機を乗り切っていくには政府の動きももちろん大事、だけれども、国民の理解なくして達成できるとは私も思っていません。なので、本当に起こっているものと、本当にどうなっちゃうのか、イメージを持ってもらうために、この「いぶき」を環境省としてもっとアピールしていただきたいと思いますし、私もこれからもこの「いぶき」を全力で応援させていただきたいと思いますし、加えて水の観測ができるということであれば、更に応援しないといけないなというふうに思っています。
 ちょっとまた視点を変えるんですが、衛星なので打ち上げる、人類はどんどんどんどん宇宙に向かってこれから更に進んでいくんだろうというふうに思っている中で、宇宙ごみの問題というのも非常に実は深刻になってきております。その点について、一点、質問をさせていただきます。
 今回、「いぶき」一号機、十年以上経過している、耐用年数は五年であるけれども今現在も現役で働いているということでありますけれども、当然ですが、急な故障や、それこそ宇宙ごみにぶつかって破損して機能しなくなるということも考えられるというふうに思うんですね。例えば、ほかの衛星に衝突したりとかすると、当然ですけれども、大きな被害をもたらすおそれがあるわけで。
 内閣府によりますと、現在稼働中の政府の人工衛星は気象衛星「ひまわり」など二十から三十基、これまでに打ち上げられた中には故障して宇宙ごみとなった衛星もあるということで、件数は不明ということですね。こうした中で、「いぶき」一号が運用終了後に宇宙ごみになるのを防ぐための対策案を検討し、まとめられているというふうに承知しています。
 そこで伺いたいんですが、一号機の運用はいつ頃終了する予定なのか、終了時期について見通しをお聞かせいただきたいのと、宇宙ごみにならないようなどんな対策をしていくのかということを伺わせていただきたいと思います。

#60
○笹川副大臣 先ほど、可視化のことについてですけれども、スマホの御指摘もございましたので私もちょっと確認をさせていただきたいんですが、国民のスマホの普及率を考えれば、先ほど土屋先生からも御指摘があった、環境の教育というのは何も学校だけじゃなくて、ごく一般的な日常の中でも知るということは大切なことだというふうに思います。堀越委員からの御指摘のとおり、確かに、可視化したときに一発で、ああいう色の映り具合で分かりますので、そのとおりの御指摘と受け止めさせていただきたいと思います。
 また、「いぶき」の一号機の運用終了時期と宇宙ごみにならないようにということでございますが、現在、一号機が宇宙のごみにならぬように、運用終了後に衛星を可能な限り制御して、大気圏に突入させるまでの期間を短縮する方針で、JAXAを始め関係機関と今検討を行っているところでございます。
 二〇二一年度中には一号機の処分時期について判断できるよう検討を進めてまいりたいと思いますし、国内外、特にNASA等の関係機関との意見交換と合意形成を図っていく予定でもあります。宇宙ごみにしないということは大切な観点でございますので、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。

#61
○堀越委員 宇宙ごみというとなかなか想像しづらい部分があると思うんですが、国連でも、宇宙ごみ、スペースデブリというふうに言うんですが、スペースデブリを減らしていこうという取組はしていかないとまずいというところまで来ている、そういう危機感があるんですね。
 プラごみと同様に、対策は二つしかない。まずは減らす。そしてもう一つは、これ以上増やさないということなんですね。なので、今、「いぶき」一号、耐用年数五年を超えて十年以上働いてくれているこの「いぶき」は、これ以上増やさない、ごみにさせないということがまず対象になると思います。
 スペースデブリの問題も、環境省が所管になるのかどうかはちょっと、どこなんですかね、ちょっと分かりませんけれども、ごみというふうに考えたときには、やはりこれも視野に入れていろいろ対応を打っていかなきゃいけないというふうに思うんですね、国として。
 当然、衛星は様々な貢献をしてもらっている大事な科学技術の結集だというふうに思いますし、これから更にその精度が高まってくるんだというふうに思っている中で、今、スペースデブリ、宇宙ごみは一億個以上あると言われているんですね。これは大小様々です、粉砕されたものも含めてそうなんですが。
 これに対して、減らす取組という中にすごいのがあるんですよね。監視、観測するというのは、何となくレーダーで探知してというのは分かるんですけれども、防御というのがありまして。例えば、宇宙ごみが衛星に近づいてきて衝突するということがある、その衝突を熱に変えて防御するという、これはJAXAで開発されているんですね、今現在、研究されているわけですけれども、そういうものがある。ただ、やはり全体としては減らしていかなければいけないというふうに思っていますので、是非この一号機の取組を余り先送りすることなく対応していただければありがたいと思います。
 完全に私の所感になるんですけれども、内閣府で二〇五〇年、二〇四〇年度段階で目指す目標として、ムーンショット目標というのが挙げられている。ここには、宇宙空間に対してどうこうという目標では入っていないんですが、ただ、環境に配慮したことも当然内閣府の方に入っているので、環境省としてこのムーンショット目標をどういうふうに見ているのかというのを後で大臣に聞いてみたいなというふうに思ってはいるんですが。
 宇宙の振興、これらも、やはり、これから本当に現実的に、例えば火星に人が降り立つであるとか、実際にかなりの解像度の火星での映像を私たちが見ることができるようになってきていますので、遠くない未来に宇宙空間がもっと近くなるんじゃないのかなということを考えた上で、宇宙ごみへの対応についても是非我々も進めていかなければいけないんじゃないかなというふうに思っております。
 続いて、恐らく最後の質問になると思うんですが、小泉大臣も記者会見で触れられていましたけれども、内閣府が先月十九日に公表した気候変動に関する世論調査の結果では、脱炭素社会の実現に向け、一人一人が二酸化炭素などの排出を減らす取組について、取り組みたいとする者の割合が九一・九%。高いですね、九割を超えている。排出削減に積極的に取り組む意欲の高まりが見られることは非常に心強いと思います。
 その一方で、二〇五〇年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする脱炭素社会については、十八歳から二十九歳の五三・五%が知らなかったと回答しているんですね。十代、二十代の五三・五%が知らなかった。
 先ほど土屋議員の方からもあったように、環境教育の重要性がこういうところに出てくるんだと思います。私も環境を教科化するのは本当に大賛成でありまして、これはやらなきゃいけないと思います。土屋先生は先見の明があったんだと思います、本当に。
 これからは、環境のことを誰しもが理解している、そういう世界に日本もしなければいけない。諸外国では環境教育をやられていますからね。気候変動、循環社会と言ったときに、みんなぴんとくるんですよ。だから、プラスチックを削減していきましょうと言ったらば、そうだよねというふうにすっと落ちるということ、これがまだ日本では足りていないということがこういう数字からも表れているんじゃないのかなというふうに思っています。そういう意味では、一層の普及啓発が必要になってくると思います。これまで様々な普及啓発が行われてきておりますけれども、根本的な対応にはなかなか難しいのではないかと。
 例えば、私の地元群馬県では自動車の保有台数が日本で一番なので、一人一台、車を持っている。公共交通の足というよりは、車でないと移動ができない、買物もできない、学校にも行けない、そういう状況がありますので、やはり、そういう状況で公共交通機関を利用しましょうと言われても、なかなかそれを進めていくことが難しい部分も残されているんですね、課題としては。なので、各地域の特性を踏まえた上で、より個別具体的に戦術的な普及啓発活動を行っていくことが求められているんだろうと思います。
 そこで、今後どのように人々の意識を変えていく、行動につなげていくのか、具体策について環境省に伺ってみたいと思います。

#62
○小野(洋)政府参考人 お答えいたします。
 二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けては、国民一人一人のライフスタイルを脱炭素型へと転換を図るということが必要不可欠でございます。
 まず、委員から最初に御指摘がございました若者でございますけれども、確かに、御指摘のありました世論調査の結果では、気候変動問題への認知度が相対的に高くないという結果が出ております。ただ、二〇五〇年を担う将来世代でございまして、その意識や行動の変容を促すことは非常に重要だと考えております。
 環境省におきましても、小泉大臣を先頭に若者グループとの対話を積極的に行っておりますけれども、御指摘のような相対としてのデータがある一方で、非常に高い意識を持っている若者もたくさんいらっしゃるというふうに実感しております。
 環境省では、気候変動がもたらす危機的状況やその対策を、環境教育ということもございますので、小中学生でも分かりやすく関心を持っていただけるよう動画、アニメを作成するといったこと、さらに、誰もが身近な将来の天気予報形式の動画を作成するなど、普及啓発を図っております。
 また、これも委員からございました地域の特性に応じた啓発ということでございますが、国の地球温暖化対策計画で大きな方向性を示した上で、例えば地域の地球温暖化防止推進センターがございますけれども、ここで自治体と連携しながら地域の地球温暖化対策に関する普及啓発を進めているところでございます。
 また、昨年末から開催し、本日も開催いたします国・地方脱炭素実現会議における地域脱炭素ロードマップの議論なども踏まえまして、脱炭素型ライフスタイルへの転換を図っていきたいと考えております。年齢も地域も多様な国民一人一人が気候変動対策についてしっかりと理解し、具体的な行動変容に結びつけていけるように、環境省といたしまして、分かりやすく、更に焦点を絞って発信してまいりたいと考えております。

#63
○堀越委員 相対的に低いというのがあるかもしれません。でも、おっしゃるように、高まりは確実にあると思います。だから、外でもやっているんですよね。私も同じ思いで頑張ってまいりたいと思います。
 ありがとうございました。

#64
○石原委員長 次に、川内博史君。

#65
○川内委員 川内でございます。
 委員長、そして理事の先生方、発言の機会をいただきまして本当にありがとうございます。
 小泉大臣以下、政務の皆さん、規制委員長、そしてまた今日は東京電力の副社長さんにも大変お忙しい中をお運びいただいて御発言いただけること、感謝を申し上げさせていただきたいというふうに思います。
 今回の本委員会にかかっております地球温暖化対策の推進に関する法律、誠に大事な法律であるというふうに思います。二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現を旨とするというふうに基本理念に書いてございます。
 カーボンニュートラルは全ての人がそうだねというふうに共通の理解になり得ると思いますが、じゃ、二〇五〇年の姿がどういうふうになっているのかというと、全然、それぞれ違う姿を思い描いているということもあるかもしれない。しかし、この法案で再生可能エネルギーが爆発的に、爆発的にという言葉が正しいかどうか分かりませんが、普及が促進される、そして再生可能エネルギーの割合が飛躍的に高まるということになれば、それは多くの人々にとってよい世の中ということになっていくのではないかなというふうに思うんですけれども。
 まず、参考人の方に教えていただきたいんですけれども、二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現を旨とする、旨という言葉が使ってあるのはいかなる意味かというのを教えていただきたいというふうに思います。

#66
○小野(洋)政府参考人 お答えいたします。
 基本理念の二〇五〇年の脱炭素社会の実現を旨とするというところだと思いますけれども、旨とするというのは、それを重要なことというふうに認識してやっていく、こういう意味でございます。

#67
○川内委員 二〇五〇年の、まあ、これから三十年後ですから、それを法的義務ということはなかなかできないでしょうと。そういうことをみんなで共通の目標にしようねということだろうというふうに思うんですけれども。
 先ほど堀越委員からも提起があったんですけれども、温暖化対策推進法の中で、二十一条で地域脱炭素化促進区域を定めるというふうにしていらっしゃいます。
 再生可能エネルギーの開発事業というのは、地域との紛争あるいは環境破壊をもたらす事例なども仄聞するところでございますけれども、促進区域を定めるよという一方で、ここはちょっと促進しちゃまずいんじゃないのというところも数多く存在するのではないかというふうに思います。
 促進区域を定める、では、ここは促進しちゃならぬねというような区域についてはどのように今後扱っていくのか。促進すべきでない区域を守るために、どのような措置を政府としてはお考えになっていらっしゃるのかということを教えていただきたいと思います。

#68
○小野(洋)政府参考人 お答えいたします。
 委員が御指摘されました第二十一条の六項、促進区域の設定のところでございますが、この設定につきましては、環境省令それから都道府県の定める環境配慮の基準等に基づき設定するということでございます。
 この内容の詳細については、今後、専門家の意見聴取などを行って検討していくことといたしておりますけれども、その基準におきましては、例えば、現在の想定といたしまして、自然公園法に基づく国立・国定公園の特別保護地区であったり、鳥獣保護管理法に基づく国指定鳥獣保護区の特別保護地区といった、こういうところは促進区域に含めることが適当でないというようなことを定めていきたいと考えております。

#69
○川内委員 今、など、といったというふうに説明されたんですけれども、網羅的に、こういうところは駄目だと思っているよということを、せっかくの機会ですから、この場で網羅的に挙げていただけますか。

#70
○小野(洋)政府参考人 お答えいたします。
 あくまで現在の想定ということで申し上げさせていただきます。
 先ほど申し上げました自然公園法に基づく国立・国定公園の特別保護地区、鳥獣保護管理法に基づく国指定鳥獣保護区の特別保護地区、そのほかといたしましては、自然環境保全法に基づく原生自然環境保全地域や国指定自然環境保全地域、種の保存法に基づく生息地等保護区、世界遺産条約に基づき世界遺産リストに登録された世界遺産の核心地域、それから、ラムサール条約に基づく国際的に重要な湿地に係る登録簿に登録された湿地といったところを現在想定しております。

#71
○川内委員 守っていかなければならない地域については、しっかりと国の方で御指導をいただきたいというふうに思います。
 他方で、再生可能エネルギーの場合には、地域の環境の保全のための取組や、あるいは地域の経済及び社会の持続的発展に資する取組等を定めるように努めますということを法案の中に書いてございますけれども、地域が、あるいは地方自治体が再生可能エネルギーの進捗というものにどう絡んでいくのか、どう合意形成をしていくのかということについては、住民とか地方自治体がもっと積極的にコミットできる仕組みが必要なのではないかというふうに私は考えております。
 大臣に御見解をいただきたいんですけれども、大体、再生可能エネルギーでちょっと大きな規模のものをやろうとする人々は、SPCなどを組成して倒産隔離をした上で開発に取り組むということが多いわけですけれども、そのSPCなどに自治体が経営参画する、その事業が成功する場合にはちゃんと自治体にフィードバックが行くというような、経済的な枠組みというものも考えなければならないのではないか、そうすると脱炭素化事業を前に進めることができるというふうに思います。
 環境省の中にも、昨日いただいた名刺の方は、脱炭素ビジネス推進室と、環境省にしては珍しくビジネスという言葉が名刺に出ておりましたので、今私が提案したようなことも必要なことになっていくのではないかというふうに思うんですけれども、大臣の御所見をいただきたい。

#72
○小泉国務大臣 今、川内先生から、環境省の職員の名刺にビジネスとあるのが意外だという受け止めが、ああ、なるほど、環境省はやはりビジネスのことを考えていないというふうに思われているんだなということを再認識し、もはやそれではない、経済と環境は一つだ、そういったことを今まで以上に、川内先生にもそう思われているんですから、多くの方には更にそう思われているんだろうと思います、しっかりと、今の環境省の役割と、時代的にカーボンニュートラルというのは、まさに環境と経済は一つだ、そういったことを伝えていく必要があると考えています。
 先生から今、SPCなどの話で、結果的には経済的にも自治体に裨益する、こういった形の御質問がありました。まさに新電力というのが一つ、その例に当たると思っています。
 現在、日本の中で幾つぐらい地域新電力があるかというと、約六十の地域新電力が自治体から出資を受けて設立、運営されていると承知をしています。
 環境省としては、官民の連携の取組を後押しすべく、これまでも、事業スキームや事業性の検討、事業体の設立支援など、地域における再エネ事業の実施、運営体制の構築を支援してきました。令和二年度第三次補正予算そして令和三年度予算においても、地域における再エネ事業の実施、運営体制の構築等の支援について三十七億円の予算措置を行ったところであります。
 今日も夕方に第二回の国・地方脱炭素実現会議というものが官邸で開催をされて、今後地域の中で脱炭素を進めていくロードマップの素案をお示しすることにしておりますが、地域新電力をどのように後押しして、結果、今までだったら地域の自治体から外に逃げていってしまっていたお金を地域の中で巡るようにしていく、今、地方自治体の九割はエネルギー収支が赤字ですので、こういったことをどうやって地域の中に還元していくか、こういった方向にベクトルが、歯車が動いていくように、このロードマップをしっかりと仕上げていきたいと思います。

#73
○川内委員 私は、大臣、再生可能エネルギーでは地熱推しなんですけれども、日本全国に蒸気の噴き出ている井戸が二千あるんですよ。蒸気の噴き出ている井戸が二千あるんですが、そのうちの六百が大分、四百が私の地元の鹿児島なんですね。
 蒸気が噴き出ているということは、温度が百度以上あります。さらに、噴き出ているので圧力が高いわけですよね。そうすると、噴き出ている井戸にタービンを置くだけで発電するわけです。もちろん、様々な、スケールの問題点、配管に汚れがついちゃうとかそういう問題はありますけれども、そこにタービンを置くだけで発電する井戸が日本全国に二千か所ある。これは温泉法で各都道府県が所管されていますけれどもね。
 そういう井戸があるにもかかわらず、蒸気が噴き出ているところで何をやっているんですかと聞くと、温泉卵を作っていますみたいな、今はそういう状況ですよね。だけれども、そこにタービンを置くだけで五百キロワットから千キロワットを発電するとすれば、これは二千か所集めたら大変な発電電力量になるわけで、そういうことを含めて環境省さんには御努力いただきたいということをお願いをしたいんですね。
 私がなぜこの話をするかというと、先ほども申し上げたように、二〇五〇年の絵姿というものを考えたときに、再生可能エネルギーが本当に進捗をしていかなければ、私は、原子力発電というものについては、福島原発事故を踏まえて、その考え方を転換していかなければならないのではないかというふうに思っています。しかし、いやいや、まだ技術開発もできるし、大丈夫なんだ、やれるんだと言う方々も一方でいらっしゃる、だから全然二〇五〇年の絵姿が違ってしまうということにもなりかねないということで、この温対法を考える上で原子力発電所をどう考えるかということについてちょっと議論をさせていただきたいというふうに思うんですけれども。
 原子力規制委員会は、先週の四月十四日に東京電力に対して、柏崎刈羽原子力発電所において特別な場合を除いて特定核燃料物質を移動しては駄目ですよというふうな命令をされていらっしゃいます。
 この命令文書を読むと、命令の根拠として、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律、いわゆる原子炉等規制法の四十三条の三の二十三第二項の規定を根拠法令としては明記していますが、命令を発する理由については、東京電力の防護措置義務違反は審査基準に違反するというふうに書いていらっしゃいます。
 ここで改めて確認しておきたいんですけれども、今回の東京電力さんの核物質防護措置義務違反は原子炉等規制法の違反ということでよろしいんでしょうか。

#74
○更田政府特別補佐人 お答えをいたします。
 今回の東京電力柏崎刈羽原子力発電所における核物質防護違反は、原子炉等規制法違反に該当するものであります。

#75
○川内委員 原子炉等規制法に違反したと。
 この違反は、最悪の場合は設置許可の取消し等にもつながる重大なものであるという理解でよろしいでしょうか。

#76
○更田政府特別補佐人 原子炉等規制法の定めでは、設置許可の取消しであるとか、一年以内の運転の停止を命ずるというような規定がございます。
 現時点で原子力規制委員会は、原子炉設置許可の取消しに当たるという判断を現時点でしているわけではありません。そのために、核物質防護に関する強化を求めるということで燃料の移動を禁じたものでありますけれども、今後の検査、調査の限りにおきまして、今後の調査を進めていく中で、原子炉等規制法に基づいて設置許可の取消しを行うという可能性を現時点で除いているものではございません。

#77
○川内委員 命令文書の中で、原子炉等規制法違反ですよということが明記されていない、根拠法令としては原子炉等規制法の条文があるわけですけれども、法律に違反しているよということをきちっと書いていないというのはなぜなんでしょうか。

#78
○山田政府参考人 四月十四日に開催されました原子力規制委員会の審議を踏まえ、東京電力が柏崎刈羽原子力発電所において講じている防護措置は原子炉等規制法第四十三条の三の二十二第二項の同規定に基づく実用炉規則の規定に違反したと認められる旨を命令には記述しておりまして、これによって原子炉等規制法違反であることを示しているものでございます。

#79
○川内委員 書いたつもりであるということを今答弁されたんですけれども、次に行きましょう。
 今日は東京電力の副社長さんにも来ていただいておりますけれども、四月十四日の命令に対して、この命令に不服がある場合は三か月以内に審査請求してねということが命令文書の中に教示されているわけですけれども、東京電力さんとしては審査請求をこれに対してされるおつもりがあるのかないのかということを教えてください。

#80
○文挾参考人 お答えさせていただきます。
 四月十四日に措置命令を受領いたしました。当社は、原子力規制委員会の御指摘内容を重く受け止めまして、既に四月七日に、弁明しない旨を回答してございます。現時点では、審査請求を行うということは考えてございません。
 以上でございます。

#81
○川内委員 現時点ではという留保がついたんですけれども、もしかしたらするかもしれないということでしょうか。

#82
○文挾参考人 あくまでも、現時点ではとお答えをしましたけれども、基本的には審査請求をするということは考えてございません。
 以上でございます。

#83
○川内委員 小泉大臣、東京電力さんが命令を受けて、処分を受けている状況の中で、先日、廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚等会議において多核種除去設備等処理水の処分に関する基本方針というものが決定をされたということになるわけでございまして、こういう状況の中でこの方針が決定されたということについて、私は、なぜ今このような方針を決定される必要があるのかということについて疑問を持たざるを得ないわけであります。
 小泉大臣も関係閣僚等会議のメンバーでいらっしゃいます。この方針が発表されてから、麻生大臣が、飲んでも大丈夫だとか、委員会の中でも、じゃ、飲んだらどうですかとかですね。私は、議論として非常に不毛だと思うんですよ。
 なぜこんな不毛な議論になるのかなと思って、基本方針を読んでおりましたら、基本方針の九ページに、福島第一原発のサブドレーン等の排水濃度の運用目標と同じ水準とすると。排出するのは同じ水準とすると書いてあって、注七という注書きがあって、その注七の中に、千五百ベクレル・パー・リットルというのは告示濃度限度の四十分の一であり、世界保健機関、WHOの飲料水水質ガイドラインの七分の一程度というふうに書いてあります。こういうことを書いてあるから、飲めるんだ、じゃ、飲めよみたいなですね。めちゃめちゃくだらない。風評を助長しているだけだと思うんですよ。
 小泉大臣は恐らく三十年後も日本をリードする政治家としていらっしゃる方であるというふうに私は思うんですけれども、だからこそ、こういう不毛な争いになってしまうような、新たな風評を生むような記述について、だって、元々、南アルプス天然水ってあるじゃないですか、ALPS処理水として売るんですかみたいな話になっちゃうわけですね。めちゃめちゃくだらないでしょう、こんな話。元々飲料水なんかじゃないわけですよ。飲む水としてやっているわけでもないものを、こんなことを書くというのは不毛以外の何物でもない。
 だから、この基本方針から、注の七の、世界保健機関の飲料水水質ガイドラインの七分の一程度という、ここのくだりを、告示濃度限度の四十分の一というのはそのとおりだから、ここだけ残しておけばいいじゃないですか、告示濃度限度の四十分の一であり、炉規制法の告示に定められたものよりも随分濃度は低いんだということで十分なんですから、飲料水水質ガイドラインというくだりは削除すべきであるというふうに思いますが、大臣としてのお考えをお聞かせいただけますか。

#84
○小泉国務大臣 まず、先生の御意見として受け止めさせていただきます。
 その上で、基本方針において、今先生がおっしゃったように、記載の部分は、あくまでもWHOの飲料水水質ガイドラインにおける値について客観的に説明したものだというふうに承知をしています。
 そして、私が、四月の十七日土曜日に福島県へ行きまして、内堀知事、そして吉田大熊町長、伊沢双葉町長のほか、職員の皆様などと意見交換をさせていただきましたが、この面談の中で言われたことは、まず一つが、政府を挙げてトリチウムに関する正確な情報を広く発信し国民の理解を深めてもらいたい、そして、今回の処理水の海洋放出と、ほかの国内外の原発で行われているトリチウムを含む水の海洋への放出について、何が同じで何が違うのかといった点を含め、丁寧な説明をすること、こういったことを是非よろしくという御意見をいただきました。
 私は非常に重要な点だと思っています。こういったことの発信を継続的かつ的確にやり続けていくことが、結果として、今、漁業関係者の皆さんは、受け止めとして約束をほごにされたという思いを持たれている方が非常に多く、私も改めて、土曜日に福島に伺いましたが、決定をして流すまであと二年だではなくて、ここからが信頼を積み重ねることができるかどうかの重要なスタートだという受け止めを改めて肝に銘じました。
 そういったことを忘れずに、これから、信頼回復のためにも、そしてまた多くの国内外に対する風評の最大限の抑制のためにも、私はモニタリング調整会議の議長としてモニタリングの在り方を強化しますから、その中で、しっかりとしたものを国内外に公表して、透明性と客観性そして信頼性、これを最重要なポイントだと置いてやっていきたいと思っています。

#85
○川内委員 地元の漁民の皆さんにお会いになられて話を聞いて、その真摯なお気持ちを受け止めになられて、ここからが大事だという大臣の情熱のほとばしる答弁については私は敬意を表するし、心からの信頼を置きたいというふうに思います。
 他方で、この飲料水水質ガイドラインについては科学的なことなのだとおっしゃるけれども、じゃ、今大臣がおっしゃられた、何が同じで何が違うのか、これまでの原子力施設から出ているものと福島第一から出るものと何が同じで何が違うのかということについて、東京電力さん、御説明いただけますか。

#86
○文挾参考人 それでは、お答えさせていただきます。
 建屋内に滞留しております汚染水でございますが、事故当時に燃料が損傷したことによりまして、一般の原子力発電所からの排水には当然含まれない、例えばセシウム137とかストロンチウムの90など、放射性物質が含まれてございます。
 しかしながら、放出する場合には、トリチウム以外の放射性物質については安全性が十分確保できる規制基準未満の濃度であることを、当社と第三者による機関が確認あるいは分析した上で処分をしてまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。

#87
○川内委員 一般の原子力施設からの排水には含まれない核生成物が含まれている、ただ、濃度については低減させるから心配ないよということをおっしゃっていらっしゃるわけですね。
 ただ、小泉大臣、核生成物、一般の原子力施設からは出てこないであろう核物質が、非常に濃度が低くても処理水の中に入っていると。その物質が、じゃ、例えば人間の体の中に入って、放射能の影響としてはICRPとかが評価しているかもしれないけれども、一つ一つの核物質が体内でどのような挙動をするのかということについては誰も分からないんですよ、誰も分からないんです。そこが人々の心配でもあるということです。
 WHOが出している飲料水水質ガイドライン、めちゃめちゃ分厚いんですけれども、じゃ、この飲料水水質ガイドラインというものは、炉心が溶融した、デブリを冷やすために注入された水を処理したもの、あるいはそういう事故を起こした施設で使われている水のことを想定してこのガイドラインは作られているのでしょうか。

#88
○新川政府参考人 お答え申し上げます。
 WHOの飲料水ガイドラインは、あくまで通常の飲料水としたときにどのようなレベルで飲むかということについてのガイドラインとして作成されたものと認識をしております。

#89
○川内委員 飲料水ガイドラインに、事故、作為又はその他あらゆる不測の事態の結果として起こる状況の中では本ガイドラインは適用されないと。事故とかの後の水のことについてはこのガイドラインは適用されないと書いてあるんですね、ガイドラインの中に。
 だから、そもそも、飲める水準なんですよと一生懸命おっしゃるのは、受け取る側からすれば、それは開き直りじゃん、そこまで開き直らなくていいじゃないと。科学的に議論していこうね、真摯に伝えていこうねというのは大臣がおっしゃられて、私もそのとおりだというふうに思います。
 であれば、なおさらのこと、通常は含まれない物質が、物すごく濃度は低い、微量だけれども含まれているよ、しかも、飲料水のこのガイドラインはそんな事故後のことなんか想定していませんよということなのだから、余計な不毛な議論を起こさないためには、この注書きのところは削って、今後はそのような議論はしませんからということを政府として意思を統一された方がいいと思うんですよ。
 濃度は十分低くする、悩みに悩んで、苦しみに苦しんで政府としてはこう判断した、だけれども、技術開発がされてトリチウムの分離技術が低コストでできるようになればそっちを選ぶよ、三十年、四十年、あるいは五十年かかるかもしれない、そういう長い時間の中で、今はこうした、だけれどもそれは未来永劫そうするということじゃないんだという議論にしていくためにも、大臣、ここの注書きの部分は総理とも相談して削ることを検討するよということを是非御答弁いただきたいと思います。

#90
○小泉国務大臣 先生の思いと私の思いで同じな部分は、不毛な議論に陥らず、いかに科学的な根拠に基づいたモニタリングが客観性と信頼性と透明性ある形で行われるか、それによって風評被害を最大限抑制できる方向に持っていけるか、この点については全く共有します。その上で、何が一番情報発信としても適切かは、今日の委員会も踏まえてよく考えさせてもらいたいと思います。
 そして、今のお話を聞いていて、分からないことは分からない、しかし、現時点で科学的に明らかになっていることは明らかになっている、こういったファクトを正確に情報発信をする、そして、これから環境省がやっていくモニタリングと、東京電力がやるものと、そしてまた規制庁がやるものと、さらに、こういったモニタリングをそれぞれやったことに対して、IAEAなどに分析を、比較をしてまた見てもらう、このような形でできる限り客観性、透明性を高めていきたいと考えております。

#91
○川内委員 是非お考えをいただきたいというふうに思います。
 ちょっとファクトを幾つかそれこそ確認させていただきたいと思いますが、タンクにためられているトリチウムの総量というのは今、八百三十とか八百四十兆ベクレルというふうに教えていただいているわけですが、タンクにためられているトリチウム以外の放射能の総量、そしてまた核種の数というものを教えていただけますか。

#92
○新川政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、四月十三日に決定しました基本方針では、ALPS処理水の海洋放出に先立ちまして、トリチウム以外の放射性物質についてALPS等の装置により規制基準を確実に下回るまで浄化処理する、そして、現在の技術では取り除くことが困難なトリチウムについては規制基準を大幅に下回る濃度まで希釈するということとしております。
 また、こういった状況につきまして、第三者の関与を得つつ確認、公表することが重要であると考えております。
 トリチウム以外の物質でございますけれども、残存核種については、検出限界値未満の核種もあると考えておりますのでお答えはできませんけれども、これまでの実績から、検出頻度の高い核種は、トリチウム以外に九核種存在していると理解をしております。セシウム134、137、コバルト60、ルテニウム106、アンチモン125、ストロンチウム90、ヨウ素129、テクネチウム99、炭素14でございます。これらにつきましても、ALPS等の処理によりまして、規制基準を確実に下回るまでに浄化処理をすることが重要と考えております。
 お尋ねの総量でございますけれども、御指摘のトリチウム以外の放射性核種の一つ一つについては、トリチウムのような推定は実施をしておりません。基本方針では、海洋放出をする際には、放出に先立ちまして、規制基準を確実に下回るまで浄化処理をすることというふうにしております。
 以上でございます。

#93
○川内委員 タンクにためられているトリチウム以外の放射能の総量は分からない、こうおっしゃられたわけですね。
 それでは、タンク以外の敷地内、建屋とか、そういうところの汚染水、現在処理されていない、処理前の汚染水のトリチウムの総量並びにトリチウム以外の放射能の総量、そして核種の数を教えてください。

#94
○新川政府参考人 お答え申し上げます。
 一昨年の十二月に東京電力が第十六回のALPS小委員会に提出した資料によりますれば、建屋とタンクに残存するトリチウムの量は約二千六十九兆ベクレルと推定をされております。このうち、タンクに含まれるトリチウムの量は約八百六十兆ベクレルと推定されているものと承知をしております。
 トリチウム以外の放射性核種についての一つ一つの総量については推定は実施をしておりませんが、検出されます核種については先ほど御回答申し上げたとおりでございます。

#95
○川内委員 結局、処理するからいいじゃん、低くするからいいじゃんと言っているわけですね、分からなくて。私はそうじゃないと思うんですよね。きちんと国民にお伝えすることはお伝えをする、そしてまた、漁業者の方にも、聞かれたら、こうだよということが答えられるようにするということが大事なんですよね。
 じゃ、現在、毎日毎日、百四十トンぐらいの水を新たに注入しているわけですね、トリチウムの新たに出てくる年間の総量、新たに生成されるトリチウムの総量というのはどのくらいになりますか。

#96
○新川政府参考人 お答え申し上げます。
 東京電力によりますと、二〇二〇年の汚染水の平均発生量は日量で約百四十立方メートルと示されております。
 昨年二月に取りまとめられたALPS小委員会の報告書において、タンクに保管されている水のトリチウムの平均濃度は約七十三万ベクレル・パー・リットルと示されていると承知をしております。
 大変申し訳ございませんが、タンクに移送する水のトリチウム濃度については個別に測定はしておりません。

#97
○川内委員 これもよく分からないということで、最後に、東京電力さんにせっかく来ていただいておるので……

#98
○石原委員長 川内君、申合せの時間がもう過ぎておりますので。

#99
○川内委員 はい、じゃ、終わります。

#100
○石原委員長 次に、江田康幸君。

#101
○江田(康)委員 公明党の江田康幸でございます。
 本日は、地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。
 公明党は、四月の六日に、二〇五〇年脱炭素社会の実現に向けた中間提言を、菅総理、また小泉大臣にさせていただいております。この提言も踏まえて質問をさせていただきたいと思いますし、また、先日の本会議でも質問に立たせていただきましたけれども、更に深掘りさせていただいて、質問をさせていただきます。
 世界は今、気候危機に直面しておるわけでありまして、気候変動問題への対策が急務であるという国際的な認識が醸成されつつあります。こうした認識の下で、気候変動問題に対する国際的な議論が急速に進展しているわけです。特に今年は、十一月のCOP26に向けて、G7やG20などの一連の重要な国際会議が開催されます。
 アメリカでは、日米首脳会談を終えて、四月の二十二日からは米国主催の気候サミットが控えております。このサミットに向けては、アメリカが野心的な削減目標の検討を進めているなど、気候変動問題における国際的な議論をリードしようとする機運が高まっております。
 こうした中で、菅総理も、二〇五〇年カーボンニュートラルと整合的かつ意欲的な二〇三〇年の排出削減目標をできるだけ早く打ち出し、国際社会の議論をリードしていく必要があると発言をされており、先日の私の本会議質問でも、小泉大臣から、できるだけ早く打ち出すことができるよう調整を進めているところとの答弁がございました。
 日本としても、二〇五〇年カーボンニュートラルを具体化する野心的な二〇三〇年の排出削減目標を国際的にも打ち出していくことにより、環境先進国であるこの日本の復権を期待するところでございますが、大臣、気候変動対策の国際発信について、環境大臣の意気込みをお伺いさせていただきたいと思います。

#102
○小泉国務大臣 前回、江田先生から本会議で御質問をいただいたときには、二〇三〇年目標について、総理からはできる限り早くという指示の下、調整をしているというお話をさせていただきました。
 日米首脳会談も無事に気候パートナーシップを結ぶ形で終わり、そして昨日、有識者会議が官邸で開催されました。その場で総理からは、二十二日に行われるサミットが一つの節目だという御発言がありました。その節目に向けて最後まで関係閣僚、関係省庁と調整に全力を尽くしたい、その結果、日本の気候変動対策に対する二〇三〇年までの確固たる行動を示す、その決意が伝わるものに政府としてまとめ上げる役割をしっかりと担いたいと思います。
 そして、何といってもポイントは、あと九年しかないわけですから、再生可能エネルギーが排出削減の最大のポテンシャルでもあります。この再生可能エネルギーが生み出されるポテンシャルを最大限生かせるようにしなければいけませんし、その生まれたものが全部入っていくという形にしていくことが私は今後不可欠だと考えていますので、こういった必要な主張も関係の省庁ともしっかりやった上で、しっかりと裏づけのあるものにしなければいけないなと感じているところでもあります。

#103
○江田(康)委員 ありがとうございます。
 日米首脳会談を終えて、これから気候変動サミットの会合が控えるわけで、そういう中において我が国としても二〇三〇年の排出削減目標の野心的な見直しも発信されていくものではなかろうかと思いますので、しっかりと大臣にはリーダーシップを発揮していただきたい、そのように思います。
 さらに、それらを実現していくためにいかにしていくかというところにおいて、更に掘り下げて質問をさせていただきたいと思います。経済産業省にお聞きしますが、エネルギー基本計画、再エネ比率の検討状況についてでございます。
 二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現に向けては、温室効果ガス排出量の八五%をエネルギー起源CO2が占めるわけでありまして、であるからこそ再エネの最大限の導入が鍵であると思います。
 野心的な二〇三〇年の排出削減目標と併せて、二〇三〇年の再エネ比率の大幅な引上げと、再エネの主力電源化の実現に向けたエネルギー基本計画の見直しが求められているところであります。二〇三〇年の再エネ比率とエネルギー基本計画の見直しの検討状況について、経産省にお伺いをいたします。

#104
○佐藤大臣政務官 お答えいたします。
 先生御案内のとおり、エネルギー基本計画の見直しに向けては、総合資源エネルギー調査会において、二〇三〇年の再エネ導入の見通しを含め、議論を深めているところでございます。昨年十月から議論を開始しまして、総理が表明をされました二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けた課題や対応の方向性、そして二〇三〇年に向けた政策の在り方について議論を深めております。
 先生御指摘の再エネですけれども、エネルギー安全保障にも寄与できる重要な脱炭素の国産エネルギーであり、二〇五〇年カーボンニュートラル実現に向けて最大限導入していくことが基本方針でございます。二〇三〇年の再エネ比率についても、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現を見据えて、意欲的なものとなるよう、審議会において議論を進めているところでございます。
 具体的には、まず、様々な研究機関、事業者等から徹底的なヒアリングを実施をしております。この中で、地域の懸念が高まる中で、地域との共生を図りつつ適地を最大限確保していくこと、そして、太陽光については、産業規模の縮小傾向がある中でこれを反転させ、産業として再構築をしていくということ、また、工事費が高止まりする中で、国民負担と両立した導入拡大のため更なるコスト低減を進めていくなど、こういった御指摘があったところでございます。
 その上で、今月七日には、こうしたヒアリング結果や二〇三〇年まであと十年を切っているという時間軸を踏まえまして、適地が減少している中で政策努力を継続し足下のペースを維持したパターン、そして政策対応を強化したパターンという、この二つのパターンで場合分けをして、二〇三〇年の再エネ導入の見通しを現時点で整理をしてお示ししているところでございます。
 現時点では実現可能性や定量的効果が明確でない政策については試算の中に織り込んでおりませんので、二〇三〇年再エネ比率がより意欲的なものとなるよう、各省とも連携しながら引き続き検討を進めていきたいと考えております。

#105
○江田(康)委員 二〇三〇年の再エネ比率の大幅な引上げを、その結果として達成していっていただきたいと念願をいたします。
 さらに、グリーン成長戦略の深掘りについてお聞きをさせていただきます。
 今回の改正案では、二〇五〇年までの脱炭素社会の実現が基本理念として位置づけられました。この実現に向けては、意欲的な二〇三〇年の再エネ目標の引上げに加えて、水素、また浮体式洋上風力やカーボンリサイクル、蓄電池など、脱炭素の鍵を握る重要分野でイノベーションを促進していくことが重要と考えます。
 昨年十二月にはグリーン成長戦略が策定されました。成長が期待される十四の重要分野ごとに実行計画を策定して、高い目標を掲げて、二兆円の基金を活用して、あらゆる政策を総動員することにしているわけであります。イノベーションを促進する観点から、今回の改正案における基本理念規定は投資の予見可能性を高めるものと評価をいたしますが、併せて可能な限り具体的な見通しを示すことが重要であると思います。
 先日の私の本会議質問でも梶山大臣から、グリーン成長戦略の内容の更なる具体化に努めるという旨の言及もありましたが、今後、グリーン成長戦略の更なる具体化に向けてどのように進めていくのか、経済産業省にお伺いいたします。

#106
○佐藤大臣政務官 お答えいたします。
 今月十二日の成長戦略会議におきまして、グリーン成長戦略の見直しの検討状況を梶山経済産業大臣から中間報告させていただいております。
 先生御指摘のように、カーボンニュートラルに向けた企業の経営方針の転換などが始まっておりますので、この流れを加速するためにもグリーン成長戦略の内容の更なる具体化が重要であると考えております。
 具体化の検討に当たっては、二〇五〇年の社会における国民生活へのメリットを十分に意識すること、そして政策手段や各分野の目標実現の内容をより一層具体的に提示するという二点を軸に議論を行っておりまして、これにより、企業や人々の行動変容を生み、イノベーションが促進されるよう努めたいと思っております。
 引き続き、関係省庁と連携しながら、グリーン成長戦略の改訂版といいますか、六月目途で取りまとめていきたいと考えているところでございます。

#107
○江田(康)委員 続いて、ライフスタイル転換に向けた、我が党からも提案させていただいておりますが、ポイント制度や、また住宅、移動分野の取組等について環境大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。
 今申していただいたような技術のイノベーションを進めるのと同時に、やはり、今ある脱炭素な技術への需要を喚起して、そして着実に社会実装を進めていくことが重要なわけです。このためにも、国民一人一人のライフスタイルの転換を促すことが重要と。
 そこで、我々公明党は、国民のライフスタイルの転換や、脱炭素化に貢献する商品を購入する等の消費行動を促すため、行動変容に取り組む国民に対するポイント還元制度、グリーンポイント制度を創設することを提案させていただいたところでございますが、四月十五日の本会議において小泉大臣から、国・地方脱炭素実現会議の中で検討をしていくとの答弁がありました。今後、これに関してどのような検討をしていくのか、改めて環境大臣にお伺いをいたします。
 あわせて、ライフスタイルに密接に関わるのがやはり住宅や移動の分野においてでありまして、脱炭素化への取組を更に加速すべきと考えますけれども、環境省としての取組方針をお伺いさせていただきます。

#108
○小泉国務大臣 先生からは、グリーンポイント、公明党の皆さんの御提言のことも、確認の質問もいただきました。
 今、脱炭素につながる行動履歴を見える化をして、地域で循環するインセンティブを付与するなど、ナッジという科学的な知見も活用しながら、日常生活の様々な場面での行動変容を後押しする手法の検討を行っていますので、グリーンポイント制度についても、国・地方脱炭素実現会議の検討の中の一つとしても今後も検討を深めていきたいというふうに考えています。
 私の中で思うのは、プラスチック新法が成立した暁には、環境配慮設計に基づく商品が認定がついて世の中に出回るわけです。そのときに、そういった認定の商品とポイントのようなものが、結果、民間の皆さんの、例えばコンビニで今ポイントがつくような形も出ていますけれども、そういったことも出てくるのではないのかなということも期待もしています。我々政府としても何ができるか考えたいと思います。
 また、住宅や移動の分野、この取組も非常に重要で、先ほど答弁でも申し上げましたが、昨日の十九日に、国交省、経産省と連携をして、住宅の分野の脱炭素化、これについてのロードマップを策定するための検討会が始まったところです。
 私は、太陽光、新築のところに対する義務化なども視野に入れた議論が必要だということを申し上げていますが、賛否も含めて、やはり、それぐらいの次元にこれから社会は向かっていくという中で国民的な議論を是非広げていただきたいし、我々も問題提起もしていきたいと思っています。
 そして、移動の部分も、先ほども言いましたが、再エネとEVなどの電動車の補助金のセットという、前例のない補助金の反響が非常に大きく、毎日千件を超えるような問合せがある中で、この機会に移動の分野の脱炭素化も一気に前に進めていって。町中の景色がそうすれば変わりますから。
 我々も今度、EVなどを各社に持ってきていただいて、これだけ今バリエーションがありますということを環境省でもお見せしたいと思っていますので、その際には環境委員会の先生方にも是非御覧いただければと思います。
 引き続き頑張っていきたいと思います。

#109
○江田(康)委員 ありがとうございます。大臣から今、ライフスタイルの転換へ向けて大きく具体的に進めていくことをお話をいただきました。
 グリーンポイントに関しては、行動履歴を見える化して、その行動に応じてポイントやクーポンとかそういうようなのを発出して、更にライフスタイルの転換を促していくという、非常に現実的、具体的でございます。しっかりと、期待しておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 続いて、この法案のもう一つの重要な視点、これは地域の脱炭素化でございます。
 今回の改正案では、地域の脱炭素化を促進する措置が盛り込まれております。とりわけ、地域の再エネ資源の活用を促す観点から計画・認定制度が創設されるわけです。
 小泉環境大臣からの提案理由説明では、まだ我が国には電力供給の約二倍の再エネポテンシャルがあるとの説明があったところでございますけれども、具体的に、どのようにポテンシャルを推計しているか、まずは環境省にお聞きいたします。

#110
○小野(洋)政府参考人 お答えいたします。
 委員が御指摘いただいた再エネポテンシャルでございますが、環境省で再エネポテンシャルの調査を実施しておりまして、この中では、現在の技術水準で利用可能なエネルギー資源量のうち、法規制や、現在の開発コスト等に基づく事業採算性などの観点から、具現化が期待されるエネルギー資源量を算出いたしまして、太陽光、陸上風力、洋上風力、中小水力及び地熱のポテンシャルが合計で二兆キロワットアワーを超えるという結果になっております。
 資源エネルギー庁の総合エネルギー統計によりますと、我が国の二〇一九年度の発電供給量は約一兆キロワットアワーであるということから、環境省の調査によりますと、我が国の再エネポテンシャルは電力供給量の約二倍存在しているという推計になっております。

#111
○江田(康)委員 今御説明のあったとおり、我が国には豊富な再エネポテンシャルが存在するということでございますが、こうしたポテンシャルを最大限活用するべく、その具現化を図っていくことが重要と考えます。
 本法案では、自治体が策定する地方公共団体実行計画において、都道府県と中核市以上の市町村に対して再エネの利用促進を始めとした施策の実施目標を位置づけることを義務づけるとともに、中核市未満の市町村に対しても同様の目標を設定するよう努力義務化されております。
 これはポテンシャルの具現化のために大変重要な取組であり、二〇三〇年目標や二〇五〇年までのカーボンニュートラルの実現に向けて、自治体に意欲的な目標を設定してもらいながら、自治体が積極的に地域に貢献する再エネ導入に取り組むよう促すことが重要であると考えます。
 そこで、意欲的な再エネ目標をどのように都道府県、市町村に促していくか、環境省にお伺いをいたします。

#112
○宮崎大臣政務官 お答えさせていただきます。
 今先生御指摘のとおり、今回の改正案では、都道府県と市町村が、地域温暖化対策計画に即して、再エネの利用促進等の目標を設定した上で、地域の脱炭素化の促進に取り組むよう措置しているところでございます。
 今後、環境省といたしましては、都道府県や市町村の目標設定に資するよう、自治体ごとの再エネポテンシャル情報を提供するとともに、目標設定の具体的な方法について、今後策定するガイドラインにおいて丁寧に示していきたいと考えております。
 さらに、各自治体の取組状況を見える化するため、各自治体の目標の設定状況等についても情報提供していくことを検討していきたいと思っております。
 こうした取組を通じまして、自治体による地域の再エネポテンシャルを生かした意欲的な目標設定を促してまいりたい、このように考えております。

#113
○江田(康)委員 更に質問をいたします。これは環境大臣にお願いしたいんですが、促進区域設定に向けた市町村への支援についてです。
 ゼロカーボンシティーを始めとして、自治体における意欲的な再エネ目標を実現していくためには、本法案において新たに創設された促進区域の設定を市町村に促していくことが重要であると思います。
 特に、再エネポテンシャルが豊富である地域の多くは人口規模の小さい市町村であるわけでありまして、こうした市町村には財政面や人材面のリソースが不足しているところも多くて、効果的な促進区域の設定について、技術的、財政的な支援が不可欠であると思います。
 また、促進区域内における地域脱炭素化促進事業、これを市町村が認定して促進することとされております。こうした自治体の計画に沿った事業にインセンティブを与えながら、その実施を円滑化していくということが重要だと思います。
 そこで、ゼロカーボンシティーを始めとする地域の脱炭素化に向けて、促進区域の設定に向けた市町村への支援策や、また認定事業への支援策について、環境大臣にお伺いをいたします。

#114
○小泉国務大臣 自治体が意欲を持って頑張っていただいている中で、今ある支援策と、そして、今ではまだ不十分な人、物、金の支援をどうするか、こういった二点だと思います。
 今の支援の中では、令和二年度第三次補正予算、そして令和三年度予算にゼロカーボンシティ再エネ強化支援パッケージがあります。こういった中で計画策定や再エネの事業の実施や設備の導入などの取組を支援することができますので、この予算なども活用いただきたいと思います。
 あわせて、やはり、これから促進区域がいかに増えていくか。これは、まず、促進区域を、取り組みやすいようにしっかりコミュニケーションを自治体と取って、こういった形の促進区域もありますよということのコミュニケーションも大事だと思いますし、また、促進区域を設定したいと思われるように、どのように自治体側に思っていただけるようにできるかも大事なことだと思っています。
 ですので、今日夕方開催される国・地方脱炭素実現会議の中に自治体のメンバーの皆さんもいらっしゃいますので、そういった中で、人の支援、そして情報の支援、そしてお金の支援、こういった今までもヒアリングで御要望いただいていることをこれから政府の施策の中にどのように位置づけていけるか、しっかりとロードマップを固めてまいりたいと思います。

#115
○江田(康)委員 今まさに大臣からいただきましたように、地域脱炭素ロードマップを策定していくという、しっかりと、これに大きな期待を持っておりますので、どうぞ立派なロードマップを策定していっていただきたいと思います。
 次に、経済産業省に一方でお伺いをさせていただきます。温対法の認定事業と再エネ促進事業との連携が大事だということをお訴えしたいんですけれども。
 再エネの主力電源化に向けて再エネの導入を持続的に拡大していくためには、やはり地域との共生が重要であります。今回盛り込まれた仕組みは、地方自治体が中心となって地域の理解を得ながら地域に貢献する再エネ事業を進めていくものでありまして、地域の脱炭素化のみならず、再エネの主力電源化に向けた課題解決にもつながるものであります。
 先日の本会議でも梶山大臣から、再エネの主力電源化に向けて、再エネ電源の接続ルールの見直しや、本法案に基づく地域と共生可能な形での再エネ適地の確保を含めて、関係省庁が一丸となって取り組む旨の御答弁が私の質問に対してありました。
 今回の促進区域や事業認定の仕組みを円滑に運用するためには、促進区域内での地域脱炭素化促進事業について、事業性の確保や系統制約の解消も図っていくことが不可欠です。再エネの主力電源化の実現のためにも、例えば、FITやFIP制度、そして系統接続の円滑化など、再エネ促進政策との連携が非常に重要ではないかと考えますが、経済産業省の見解をお伺いいたします。

#116
○茂木政府参考人 再エネの最大限導入に当たっては、今委員から御指摘があったとおり、地域との共生を図りながら進めていく、これが極めて重要であるというふうに考えておりまして、今回の改正温対法における促進区域において再エネの事業が進むということは、地域における円滑な合意形成に基づいた再エネの導入の推進につながるものというふうに理解をしております。
 この点は、当省の有識者における審議会のヒアリングの中でも、再エネ事業者からも、促進区域の積極的な設定を通じた適地確保を期待する意見が多数ございました。当省としても、温対法の改正法案において、環境省に主導いただいて、自治体が地域と共生可能な適地確保を積極的に進めていただけることを期待しているところであります。
 その上で、促進区域において地域共生に資するような認定事業があれば、FIT制度との連携あるいは系統接続の円滑化について、両省で密接に連携を取りながらしっかりと検討してまいりたいというふうに考えております。

#117
○江田(康)委員 ありがとうございました。両省の連携が大事でございますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 最後の質問になるかと思いますが、せっかくでございます、環境大臣に最後、カーボンプライシングの必要性と導入に向けた意気込みについてお伺いをさせていただきます。
 気候変動対策は、産業の競争力、覇権争いに直結するようになっております。特に米欧では、炭素国境調整措置の検討も精力的に進められております。
 こうした動向を踏まえつつ、我が国としても国益にかなうカーボンプライシングを検討する必要があると考えております。その際、あらゆる選択肢を追求し、中小企業や国民の過度な負担を避けつつ、我が国の技術革新や再エネの普及を後押しできるような仕組みを検討すべきであると考えますが、カーボンプライシングの必要性と導入に向けた意気込みについて、環境大臣にお伺いをさせていただきます。

#118
○小泉国務大臣 まず、カーボンプライシングについては、昨年十二月に総理から、環境省、経産省共に成長に資するカーボンプライシングに向けて検討を進めるようにと。両省が今、それぞれに議論を深めて、両省の中にそれぞれのオブザーバーも入って、梶山大臣と私もよく意思疎通をしながら進める段階に来たことは、今までにない画期的な動きです。
 その上で、改めて私は多くの方にも御理解いただきたいのは、よく、これからは水素社会だと言われます、再エネだと言われます。水素も再エネも、普及の課題は何かといえばコストです。コスト競争力をつけるためには、やはりカーボンプライシングは私は不可欠だと思っています。
 ですので、多くの議員の先生方も、水素社会の実現に向けて取組をされている方々に対しても、カーボンプライシングに対する御理解をしていただいて、一緒になって成長に資する脱炭素の方向により歯車を回していけるようにして、金融の世界でも、やはり、よりESG金融の三千兆円と言われるような資金を日本に対して向けさせていくにはカーボンプライシングが不可欠だという声も届いていますので、今年を前進の一年にできるように、経産省ともよく連携をして前に進めていきたいと考えております。

#119
○江田(康)委員 ありがとうございました。
 もう一つ重要な質問があったんですが、笹川副大臣に答えていただくつもりでございましたが、地域の中小企業の脱炭素経営、また地域の金融機関のESG金融、この普及が大事だということで、笹川大臣に大確信を語っていただきたかったんですが、お時間がなくなってしまいました。しっかりそこも進めていただきますようによろしくお願いを申し上げまして、今日は終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#120
○石原委員長 この際、暫時休憩いたします。
    正午休憩
     ――――◇―――――
    午後三時十三分開議

#121
○石原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。田村貴昭君。

#122
○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。
 地球温暖化対策推進法の改正案について質問します。
 二〇五〇年脱炭素社会の実現を法律に書き込んだこと自体は重要であります。しかし、これは、目標、ゴールとしてではなくて、将来像、ビジョンとしての規定になっています。二〇五〇年カーボンニュートラルは一・五度目標の達成のために必須でありますけれども、なぜ目標として書き込まなかったんでしょうか。これについて説明してください。

#123
○小野(洋)政府参考人 お答えさせていただきます。
 菅総理の二〇五〇年カーボンニュートラル宣言でございますけれども、個別具体的な対策、施策に裏打ちされたいわゆる積み上げ型の削減目標ではなく、将来のあるべき姿を明確に掲げたものと認識しております。
 こうした点を踏まえまして、今回の改正案におきましては、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現を基本理念という形で法律に位置づけることにより、政策の継続性や予見可能性を高め、あらゆる主体の取組やイノベーションを促していくことを狙うものでございます。
 今回の改正案により、二〇五〇年までのカーボンニュートラルの実現に向け、あらゆる主体の取組を加速させるべく、大胆に施策に取り組んでまいります。

#124
○田村(貴)委員 一番基本的なところをお尋ねしますけれども、その基本理念なるものは、できれば達成したい程度のものなのか、二〇五〇年カーボンニュートラルは達成しなければならない目標なのか。どちらなんでしょうか。

#125
○小泉国務大臣 達成をしなければいけないという強い思いで、国際的に協調していかなければ達成できない目標であることは間違いありません。

#126
○田村(貴)委員 確認できました。そうであるならば、やはり、法律に明確に、達成しなければならない目標として規定すべきだと考えます。
 世界の平均気温は、このままのペースで気温上昇が続けば、二〇四〇年前後には一・五度に達してしまいます。
 IPCC、気候変動に関する政府間パネルの一・五度特別報告書では、一、オーバーシュートしない、つまり、一・五度を超えないで来世紀を迎えるシナリオ、二つ目に、限られたオーバーシュートにとどめる、つまり、一・五度を一度上回るけれども一・六度より低く抑えて一・五度に戻るシナリオ、三番目に、高いオーバーシュート、つまり、一・六度を一度上回り、そして大気中の大量の炭素を回収することで一・五に戻すシナリオがあります。
 日本の方向性はどれでしょうか。このままのペースで排出量を高めて、二〇五〇年を過ぎても一・五度を超えたまま、その後、削減へと向かうのか。それは、排出削減の責務を先送りするもので、考えられません。高いオーバーシュートをするシナリオではなくて、オーバーシュートをしない、又は限られたオーバーシュートのシナリオでいくという努力をするということでしょうか。そういう理解でよろしいんでしょうか。

#127
○小野(洋)政府参考人 お答えさせていただきます。
 IPCCの一・五度特別報告書におきましては、将来の気候に関連するリスクといたしまして、地球温暖化が一・五度を超えた後二一〇〇年までに同水準に戻る場合の方が、徐々に一・五度で安定化する場合よりもリスクが大きいというふうに報告されております。
 我が国においても、そうした利用可能な最良の科学に基づき、迅速な温室効果ガス排出削減を継続的に進めていくことが重要であると考えております。
 すなわち、委員お尋ねの点でございますけれども、オーバーシュートをできる限り経験しないように、経験したとしても限定的になるように温室効果ガス排出削減を進め、地球温暖化を一・五度までに抑えることが重要であるというふうに認識しております。

#128
○田村(貴)委員 この点も確認できました。
 そうであるならば、政府の二〇三〇年中間削減目標というのは、IPCC特別報告書の二〇一〇年比四五%、この削減に合わせて二〇一三年比とするならば、半減が必要であります。つまり五〇%ですね。改めて、目標の引上げ、その目標に足る政策の実行を強く求めていきたいと思います。
 地球の温度を一・五度に抑える、これは将来の世代に対する私たち世代の果たすべき責務であります。気候変動は既に完全に防ぐことはできませんけれども、温室効果ガスの削減によって被害を緩和することは可能であります。そのために、再生可能エネルギーの普及拡大が決定的に重要となってまいります。
 一方で、太陽光発電や風力発電所に関わるトラブルが後を絶ちません。以前、この委員会でも、私の地元福岡県の飯塚市の、住民の理解を得ないままで進めるメガソーラー建設について質問をしました。全国多くの地域から私の下に相談が寄せられています。
 そこで、伺います。メガソーラーや大規模風力発電などで、地域のトラブルの原因は一体どこにあるんでしょうか。

#129
○和田政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘のございました太陽光発電や風力発電事業につきましては、その立地状況により、自然環境や生活環境への影響に重大な懸念がある場合や、事業計画そのものについて地域住民への説明が不十分である場合など、地域における合意形成に支障が生じましてトラブルが発生している事例が見られるところでございます。
 具体的に申し上げますと、太陽光発電の場合には、事例を紹介しますと、大規模な面開発に伴いまして、土砂の流出、濁水の発生、景観への影響、加えまして動植物への影響といった懸念が生じている事例、風力発電事業を例に取りますと、希少猛禽類や渡り鳥への影響、通称バードストライクと言われておりますけれども、加えまして周辺住民や学校などにおけます騒音などによる生活環境への影響といった懸念が生じている事例があるところでございます。

#130
○田村(貴)委員 様々な影響が懸念されて、住民との間での対立、トラブルが生まれているという説明でありました。
 風力発電では、一定規模以上の施設に対しては法アセスの対象となっています。風力発電で厳しい環境大臣意見がついた案件というのはどのぐらいありますか。

#131
○和田政府参考人 お答え申し上げます。
 環境影響評価法、いわゆるアセス法に基づきまして二〇一二年十月以降に公告縦覧が開始された風力発電事業の準備書の一部につきまして、希少猛禽類や渡り鳥などへの影響や、騒音による影響の観点から、一部の区域を対象事業実施区域から除外するといったことや、一部の発電設備の配置の取りやめなどといった厳しい内容の環境大臣意見を述べてきたところでございまして、その件数につきましては、これまでの準備書九十二例のうち二十四件ということになります。

#132
○田村(貴)委員 環境大臣から厳しい意見がついたのは、準備書九十二件中二十四件。つまり二六%。大臣、これは非常に高い割合で意見をつけられているということですよね。
 多くの地域の住民それから地方議員さんから相談を私は受けているわけですけれども、多くは、地域外の業者さんが利益を優先するがために、例えば固定買取り価格が高いうちに稼働させたいなど、地元住民の合意を軽視して事業をどんどん進めているわけであります。時には防災上必要な措置も怠って建設を進めているケースもあります。
 大臣、今日初めて紹介するケースを御紹介したいと思います。
 大分県佐賀関半島で関西電力が、大規模なウィンドファーム計画、大分・臼杵ウィンドファーム計画を進めようとしています。予定地に近い大分市の一尺屋上浦地区というところに私は行ってまいりました。そして、住民の皆さん、自治組織の代表者の皆さんからお話を伺いました。
 一尺屋地域は、漁業と、ミカンを生産する地域であります。集落の背後には、斜度が三十度を超える急峻な山が迫る地域であります。土砂災害指定区域もあります。その山の尾根に、風車は実に高さ百三十六・五メートル、ブレードの直径が百三メートル、物すごく大きいですね、これを八基建設する計画です。建設予定地から集落まで最短で八百五十メートルしかない。過去には大雨による土砂災害も発生している。砂防ダムが四か所も設置されている短い谷筋の上の尾根に、風車建設のために、通常の三倍の量の切土、盛土、土地の改変が予定されているという地域であります。
 お話を聞かせていただいた住民の方々は、口々に土砂災害の危険性を訴えられました。
 この案件は、現在、環境影響評価の評価準備書手続の段階で、昨年一月には大分県知事意見が提出されています。大分県知事意見を紹介します。
 対象事業実施区域の周辺には複数の集落等が存在しているために、住民等から、騒音及び超低周波音、景観等の環境面や土砂災害の誘発等の災害面において事業実施を不安視する意見や反対する意見が寄せられているだけでなく、事業者からの説明が十分に行われていないとの意見も寄せられている。そのため、本事業の実施に当たっては住民等及び関係両市と積極的にコミュニケーションを図り、それぞれが抱く不安や懸念等に対して誠実に対応すること、これが大分県知事意見です。
 その指摘にもかかわらず、関西電力は住民に対して十分な説明を行っていません。関西電力は、風力発電所に関する協定書、覚書、確認書案に住民が署名捺印したことで理解を得ようとしたいということであります。しかし、これは、説明がないままに、自治会のほかの議案とともに、訪問によって署名捺印で確認を取ったものであることが分かりました。
 自然と一尺屋を守る会という住民組織が一軒一軒地域の住民を回り、ウィンドファーム計画の説明をしたら、そんな計画があるなんて知らなかったと、土砂災害等の不安の声が寄せられて、地区のほとんどの世帯、百五十世帯のうち百十一世帯から反対署名が集められました。住民が納得できる説明を行わないままに、利益優先で計画を進めているあかしであります。その結果、住民の間には分断が持ち込まれています。不要な分断ですよね。
 ほかにも例があります。鳥取県の南部町では、二〇一七年に持ち上がった風力発電計画に町も議会も反対している。昨年十二月に突然、多くの町民も知らない間に土地の地権者と外資系の風力発電事業者との間で地上権設定の契約が進んでいることが発覚、この地上権設定の契約が土地所有者に不利益を押しつける内容であることも大問題になっているということであります。
 大臣にお伺いします。
 大規模風力発電計画に厳しい意見を二六%の高い割合でつけています。メガソーラーはどうでしょうか。太陽光発電においては、二〇一六年から二〇一八年の夏までの環境省のまとめで、環境保全等に係る問題事例数が六十九件あった。太陽光パネルでもそういう問題になっている。住民のトラブルあるいは住民との対立の回避に今度の法改正というのはどういう役割を果たすのか。効果的になるのか。そして、今、これだけの全国各地で、本当は必要な自然エネルギーの導入に対して、その入口で大問題になっている。
 何が必要だと大臣はお考えになるでしょうか。私も、再エネの導入は大賛成で、九州にいますので、自然エネルギーの宝庫の地域にいますから、どんどんこれが普及すればいいと。しかし、前提となる住民等の理解が得られない、そういう地域はできないと思います。ここをしっかりやはり調整していく必要があると思います。今度の法改正に向けて、私は、住民合意のないこうした事業計画というのは再エネ導入の大きな妨げになると思います。大臣の所見を伺いたいと思います。

#133
○小泉国務大臣 まるで田村先生から法案の改正の意義を訴えていただいたような気持ちで、まさに、この法案の改正を通じまして住民の皆さんの合意を形成することを促す新たな仕組みが再エネ促進区域であると。
 私も、田村先生と同じように、再エネの主力電源化に向けて、とにかく再エネを入れるだけ入れる国にする、そして再エネが増えればほかの電源は減っていく、こういった形に持っていきたいと思う中で、本当に残念なのは、一部の住民の皆さんから不信感を抱かれるような再エネ事業者の振る舞いなどによって、再エネに対するアレルギーが生まれてくるような地域が今出てきていることです。何とかそれを食い止めて、再エネが地域によって歓迎され、再エネが地域を活性化させる、こういった歯車を回していくための法改正だと、強く多くの方に訴えていきたいと思います。

#134
○田村(貴)委員 環境省の方から、今の大臣を補足して、トラブルの教訓である住民合意に対してこの法改正というのはどういう役割を果たすのか、説明していただけますか。

#135
○小野(洋)政府参考人 お答えいたします。
 再エネ促進区域の設定に当たりましては、地域の合意形成のプロセスとして、住民も含めた地域の様々な主体が参画することが望ましいと考えております。このため、本改正案におきましては、地方公共団体の実行計画の策定に当たりまして、住民を含む利害関係者や関係地方公共団体の意見聴取を行うこととしております。また、市町村が地方公共団体実行計画協議会を組織しているときは、協議会における協議が必要である旨規定するとともに、その協議会の構成員になり得る対象として住民というのも明記いたしております。
 さらに、事業者の事業計画についても、市町村が協議会を組織している場合には、計画認定の申請時に協議会への協議が必要である、その旨を規定してございます。
 さらに、加えまして、本改正案が成立した暁には、住民等の関係者との合意形成が適切に行われるように、地球温暖化対策計画や地方公共団体実行計画マニュアル等について検討していく予定でございます。
 これらを通じまして、住民を含めた地域の様々な主体の参画の下で、地域に貢献する再エネの導入拡大を促進してまいりたいと思います。

#136
○田村(貴)委員 私は、いわゆる促進エリアに加えて、自然環境や生活環境を保全するエリアを定める、すなわち、環境保全が図られるエリアも指定していくことが必要ではないかと思います。
 先月公表された日本生態学会自然再生エネルギータスクフォースの答申の指摘が非常に重要だと思います。紹介します。
 再生可能エネルギー施設を検討する段階において、生物多様性保全上重要な地域や猛禽類の生息地や渡り鳥の移動ルートなどをあらかじめ回避することにより、生態系や生物多様性に配慮した立地選定をすることが最も重要であると指摘するとともに、促進区域のみでなく、保全区域の設定が必要であるとしている。
 保全区域も定める必要はあるんじゃないでしょうか。なぜ法改正で保全区域は定めていないんでしょうか。

#137
○小野(洋)政府参考人 お答えいたします。
 実行計画におきましては、市町村の区域内の温室効果ガスの排出削減を目的といたしまして、再エネ目標や目標の達成に向けた再エネの促進区域等を位置づけることとしております。
 こうした中で、保全区域でございますけれども、これは実行計画の記載事項として条文上は規定しておらず、定めることは想定してございません。ただ、市町村が事業の適地を抽出して促進区域を設定する場合には、国や都道府県が定める環境配慮の基準を踏まえつつ、再エネポテンシャルや環境保全を優先すべきエリアを考慮して促進区域を設定していくということを想定しておりまして、いわゆる保全する対象についても、そのプロセスにおいて十分配慮がなされるものと考えております。

#138
○田村(貴)委員 自治体が保全すべき区域について、それなりに定めることもあり得るという話でした。
 環境省は、風力発電に係る地方公共団体によるゾーニングマニュアルの中でこう記載しています。国際エネルギー機関は、風力発電に係るゾーニングについて、行政機関が開発のための特定の領域だけでなく特定の除外領域を指定することはプロジェクト立案時の反対を緩和するのに役立つと推奨している、このように書いてあるわけであります。除外領域の指定が反対を緩和するのに役立つというのであれば、促進のためにこそ、保全すべきエリアを示すことは重要な意味を持つのではないでしょうか。
 市町村がメッセージとして出すことはあり得ると先ほどの回答でありましたけれども、例えば、実行計画の促進区域の事項と併せて保全区域を指定すること、また、参考資料として保全すべき区域を書き込むこと、これは可能なんですか。

#139
○小野(洋)政府参考人 お答えいたします。
 先ほどお答えいたしましたけれども、本改正法案におきましては、いわゆる保全区域につきましては実行計画の記載事項として条文上規定しておりませんので定めることは想定いたしておりませんけれども、促進区域を定めるプロセスにおいて、保全すべき対象をいわば除外するというプロセスが想定されておりますので、そこについて市町村なりが任意に何らかの形で情報を公開するということは考えられるのではないかと思います。

#140
○田村(貴)委員 次に、法案では、地域脱炭素化促進事業の認定事業を行う事業者には環境影響評価法の配慮手続を適用しないとしています。
 お伺いします。まず、そもそも配慮手続というのは何のために行うものなんですか。二つ目、配慮手続を省略するのは、今度の法改正でなぜこう定めたんですか。お答えください。

#141
○小野(洋)政府参考人 お答えいたします。
 まず、本法案におきましては、環境の保全に支障を及ぼすおそれがないものとして環境省令で定める基準に従い、かつ、地域の自然的社会的条件に応じた環境の保全に配慮して都道府県が定める基準に基づいて、市町村が定める促進区域において認定事業計画に従って施設の整備が行われる場合には、環境影響評価法の配慮書手続の特例を講じるということとしております。
 その理由は、こうした促進区域におきましては、事業者による個別の事業計画立案に先立って、市町村により環境の保全に配慮した適正な区域設定がなされている、かつ、当該区域内において、市町村が定めた地域の環境の保全のための取組を満たす事業計画となることによって、重大な環境影響の回避が確保され、さらには環境の保全へのより適正な配慮が期待されるという趣旨でございます。
 委員お尋ねの一点目でございますが、環境影響評価法の計画段階配慮書手続につきましては、事業が実施されるべき区域などを決定する際に、事業の実施が想定される区域について、事業に係る環境の保全のために配慮すべき事項についての検討を行うことで重大な環境影響の回避を図るという趣旨でございます。
 他方、先ほど御説明申し上げましたように、促進区域における認定事業計画に係る事業については、配慮書手続において検討すべき事業の位置、規模等、環境保全上配慮すべき事項について市町村による検討が行われている、検討結果を踏まえて環境保全上の支障のおそれがない場所等で事業者による事業計画が立案されている、地域の自然的社会的条件に応じた環境保全上の配慮基準も満たされているといったことで、事業の実施に係る環境の保全へのより適正な配慮が確保されるものでございます。
 このように、本法案では、事業計画立案の早期段階における重大な環境影響の回避を図ることが制度上担保され、さらに、より適正な環境配慮が期待されるということから、配慮書手続を省略する特例を措置するものでございます。

#142
○田村(貴)委員 大変丁寧に説明していただいたんですけれども、分かりやすく説明してもらえないかなと思うわけですよね。これが、やはり、地域の住民とかあるいは自治体とか環境団体とかに、この配慮手続が省略されるということが不安だという声もありますね。ここはしっかりと説明する必要があるんじゃないかと思います。
 環境の保全に支障を及ぼすおそれがないものとして環境省令とか都道府県の基準があるということなんですけれども、脱炭素化事業の促進区域を決めるその段階で配慮書手続と同等以上の環境への配慮がなされるかどうかというのは、環境省令、そして都道府県基準、この内容になるわけですけれども、これはどうやって担保されていきますか。

#143
○小野(洋)政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、改正法案の第二十一条第六項の環境省令でございますけれども、これは、市町村がこれに従って促進区域を定め、また都道府県がこれに即して基準を定めるという、基本となるものでございます。
 この省令におきましては、発電設備の種類ごとに、法律に基づく保全・保護区域を促進区域から除外すること、環境の保全への支障を防止するために配慮すべき対象を示して、促進区域において事業を実施する場合の配慮すべき対象への考え方を示すことを想定しております。
 例えば、自然公園法に基づく国立・国定公園の特別保護地区は除外するでございますとか、騒音について配慮を要する住宅、施設との距離を適切に考慮する、希少な動植物に対する考え方を示す等を定めることを想定しております。
 一方、都道府県は、環境省令で定めるところによって、地域の自然的社会的条件に応じた環境の保全に配慮して促進区域の設定に関する基準を定めるという条文がございます。
 本省令でございますけれども、これは、発電設備の種類ごとに、地域特性を踏まえた環境の保全のために配慮すべき事項の選定方法、配慮すべき事項ごとに環境の保全に適正に配慮するための文献情報の収集方法、これらに基づく保全の考え方などを示すことを想定しております。
 例えば、地域における希少な動植物や都道府県の定める自然公園の情報を整理して示し、重大な影響を回避するための考え方を示すといったことが想定されようかと思います。
 加えまして、これらを適正に実施するために、ガイドライン等においてより詳細な事項を定めてまいりたいと考えております。

#144
○田村(貴)委員 住環境における影響がやはりしっかりと伝わるような工夫をしていただきたいと思います。それは、自然保護法とか、先ほど聞いていたラムサール条約とか希少動物とか、それは当たり前であります。
 今日私が持ち出した大分の一尺屋なんというのは、一キロもないところに、急峻な山の上に、ブレード百メートル以上ですよ。それを何基も建てたら、どんな災害が起こるか分からない。
 それはもう、私も、そこに住んでいないけれども、非常に怖いなと思いました。それが適地であるのか。そういうところに建ててしまったら、促進エリアとの関係で進出業者の方が、これはリスクを背負うなと。そういうメッセージを発するような法改正になるんですかね。これからそういう手だてが打たれるんでしょうか。そこを心配するんですけれども、いかがですか。

#145
○小野(洋)政府参考人 お答えいたします。
 環境省令で定める基準でありますとか都道府県の基準というのは、先ほど答弁したとおりでございますけれども、これに基づきまして市町村が地方公共団体実行計画に地域脱炭素化促進事業の促進に関する内容を定める際には、地域の環境の保全のための取組というのを定めることとされております。
 市町村が環境保全のための取組事項を適切に定めた上で、こうした取組を満たす形で事業者が事業を行うということによって、適正な環境保全への配慮が期待され、地域トラブルあるいは環境への影響を回避することにつながると考えております。このため、環境省といたしましては、この取組事項が適切に定められるように、参考となる具体的な例をガイドラインにおいて示すことを想定しております。
 例えば、アセス法の対象となるような大規模な風力発電事業、太陽光発電事業の設置に係る事業の場合、促進区域内において、例えば地域における重要な景観資源において風景に支障がない構造、配置等とすることでありますとか、希少な動植物への影響が懸念される場合にはその影響について調査し、その調査結果を踏まえて十分な対応を取ることなどを例示して、適正な環境保全を図ってまいりたいと考えております。

#146
○田村(貴)委員 時間が参りました。この続きは次回の委員会のときに論議をさせていただきたいと思います。
 今日はこれにて終わります。

#147
○石原委員長 次に、森夏枝君。

#148
○森(夏)委員 日本維新の会の森夏枝です。
 本日は、環境委員会で初めて質疑をさせていただきます。質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。
 それでは、早速質問に入らせていただきます。
 昨年秋に菅総理が二〇五〇年カーボンニュートラルを宣言され、今回の法改正においてカーボンニュートラル宣言等を踏まえた基本理念を法に明確に位置づけるというものですけれども、脱炭素社会の実現、地球温暖化対策には、国民の皆様に御協力をいただかなければなりません。
 私も、いろいろな年代の、様々な地域にお住まいの、様々な職業の方にお話をお伺いしましたけれども、まだまだカーボンニュートラル宣言の認知度が低いように思いました。カーボンニュートラル宣言の存在を知らない方もたくさんいらっしゃいました。カーボンニュートラルって何ですか、カーボンってどういう意味ですかという方もいらっしゃいました。国民の皆様に御協力いただくためには、分かりやすい言葉で伝えることが必要だと思っております。
 小泉大臣に伺います。
 私は、カーボンニュートラル宣言がまだまだ国民に認知をされていない、浸透していないように感じておりますが、大臣は国民への認知度についてはどのように認識をされていますでしょうか。また、宣言の存在さえ知らない国民の皆様への周知については、今後どのように取り組まれていくのでしょうか。

#149
○小泉国務大臣 御質問ありがとうございます。
 森先生がおっしゃるとおり、カーボンニュートラルとは何かということはこれからも継続的に訴えていかなければいけないと思いますし、この分野は片仮名が多いので、それをどうやって分かりやすく伝えるかという工夫は、確かに、しなければいけないことはいっぱいあると感じています。
 ただ、一方で、私が余り悲観をしていないのは、間違いなく、気候変動に対する危機感、そして、何かしなければいけないかもしれない、世の中変わってきたというこの雰囲気、そして機運というのは間違いなく高まっていると思います。
 菅総理がカーボンニュートラルを宣言をして、その後に内閣府が十一月から十二月に実施をした調査でも、脱炭素社会について知っていたとの回答が約七割で、今日、前の質疑者のやり取りの中でもありましたが、脱炭素の取組を自分が取り組みたい、そういうふうに思っている方が九割を超えているという今の調査の結果は、一年前でも考えられないぐらいの結果だと思っています。
 ですので、この機運の高まりをいっときの高まりに終わらせずに、長い時間のかかる取組ですから、今後あらゆる施策を通じて、誰もが自分事として取り組めること、まさに小さなことですけれども、今のこの衆議院の環境委員会の景色が、マイボトルが使えるようになったということも、一つの、小さな景色が変わったわけですよね。こういった一つ一つの景色が変わる、そういった場を多くつくっていくことも大事だと考えています。

#150
○森(夏)委員 ありがとうございます。
 大臣と同じような認識を持てているなというふうに思いました。片仮名が多いというのはすごく感じておりまして、機運が高まっているなというのも私自身も同じように思っております。世論調査で七割の方が脱炭素社会に向けて何かやりたいというふうに思われているというのも、国民の皆様にこれから更に行動変容を起こしていただくためにも、大臣の発信力に期待をしておりますので、よろしくお願いいたします。
 次に、ゼロカーボンシティー宣言について伺います。
 このゼロカーボンシティーについても同じ問題がありまして、こちらも様々な方に伺いましたところ、ゼロカーボンって何ですか、文字を書いたら下の紙に文字が写る、カーボン紙のない伝票のことですかと言われてしまった方もいらっしゃったぐらいで、国や自治体、企業の一部の方が理解をしているというだけでは、やはり二〇五〇年カーボンニュートラルは実現できないと思います。
 大臣就任後、ゼロカーボン宣言自治体が四自治体から三百六十六自治体になったと伺いました。人口規模では一億一千万人を超えているとの御説明もありました。
 四自治体から三百六十六自治体になったことで脱炭素の実現に向けて取り組む自治体が実際に増えたことというのは評価をしておりますけれども、一億一千万人の皆さんが、自分の住んでいる自治体がゼロカーボンシティー宣言をしていることを知っているか、宣言の内容を理解しているかというと、そうではないと思います。今後、宣言自治体が一〇〇%達成されたからといって、全国民がゼロカーボンシティー宣言に基づいて温暖化対策に取り組んでいるということにはならないと思いますので、こちらも周知に力を入れていただきたいと思っております。
 カーボンニュートラル宣言後、実際に行動に移していく、結果を出していくための今後の取組について、小泉大臣、お願いします。

#151
○小泉国務大臣 まさに、ゼロカーボンシティーの宣言がドミノのように、私が大臣になったときは四の自治体しかしていなかったのが今は三百六十を超えたという、この宣言のドミノを次はいかに実行のドミノに変えられるか、これが鍵だと思っています。その面からすると、今日の夕方に開催される国・地方脱炭素実現会議でロードマップをしっかりと、素案をまず示して、その素案に基づいて一つ一つの実行策が積み重ねられることが大事だなと。
 ちなみに、先週は埼玉県の所沢に視察に行きました。
 所沢は再生可能エネルギーを非常に頑張っていまして、ため池のような調整池に、水面にソーラーパネルを浮かべる、こういったこともやっていますし、ソーラーシェアリングもメガソーラーも、いろいろな形でやっている。さらに、これに加えて、ごみ収集のパッカー車が、電気自動車のEVパッカー車が走っているんですね。これも、バッテリーが交換式で、自動で行われるのを私も見たんですが、町中で収集員の方が声をかけられるそうです、これ、EVなんですかという。こういうことも通じて、現場の自治体ではできることから始めている取組もありますし、ゼロカーボンシティー推進室という、自治体の中の部屋の名前もつくってやっているところも出てきました。
 こういった先進的な自治体をしっかり後押しをして、先進事例をつくって、それを横展開にいかに広げていくか。札幌など、川崎など、市民の皆さんを無作為抽出で、市民の気候会議のような形で議論をされるようなことも出てきますので、我々としてもそういったいい事例を横展開をしていきたいと考えております。

#152
○森(夏)委員 ありがとうございました。ごみ収集車のEV自動車があるというのは私も初めて知りました。こういった先進事例をどんどん発信していただけたらと思っております。
 次に、食品ロス削減について伺います。
 地球温暖化対策にとって、ごみを減らす食品ロス削減というのは大変重要なことであると思っております。
 私は、環境委員会に所属させていただく前には、約三年間、ずっと農水委員会に所属をしておりまして、そのときにも食品ロス削減に取り組んでまいりました。新型コロナウイルスの影響で、大切に育てた野菜などを大量に廃棄処分をしなければならず、心を痛め苦しんでいる農家さんや、職をなくし食費を削らなければならなくなり空腹でいる方々への支援などをお願いをしてまいりました。食べられるものを処分するのではなくて、必要としている人に届ける仕組みは、国が本気になればできると思っております。他省庁と連携して、是非、環境省にも取り組んでいただきたいと思っております。
 環境省としての食品ロス削減への取組について、大臣に伺います。先週の委員会の大臣の御答弁の中で、食べ残しを持ち帰るドギーバッグ、mottECOという言葉でこれから取り組んでいくというお話がありましたので、是非、mottECOについても御説明をいただけたらと思います。

#153
○小泉国務大臣 まず、今日は、理事の皆さんに感謝申し上げたいと思います。こういうふうに、我々の立場から広報のポスターなどを持ち込ませていただくということに与野党の理事の先生方に御理解をいただいて、今、先生からmottECOについて話してくれというときに、このポスターを持ち込ませていただきました。
 分かりやすく言いますと、五月に、ロイヤルホストとデニーズの一部の店舗でこのmottECOが始まります。これから、ロイヤルホストやデニーズに行って食べ残しが出てしまった場合、もちろん食べ切っていただくのが一番なんです、ただ、もしも食べ残してしまった場合はmottECOというふうに言っていただければ。このドギーバッグ、今、日本では、もっとエコでmottECOなんですけれども、持ち帰りを気軽にいただけるような環境が、多くの国民の皆さんの身近なファミレスから試験的に始まるということですので。
 今、コロナの中でデリバリーとかテイクアウトが大分根づいてきましたが、その次に、持ち帰る、mottECOという、これは民間の公募で選んで大賞に輝いた名前なんですね。非常にすてきな名前で、私は、もっとエコでmottECOという、すてきだなと思っているんですけれども、是非、多くの皆さんに今後知っていただいて、食べ残したときは持ち帰ろう、mottECO、こういう形で、食ロスの削減と、食ロスの削減はCO2の削減ですから、こういった理解が広がっていくことを期待をしています。
 御質問ありがとうございました。

#154
○森(夏)委員 ありがとうございます。笹川副大臣にポスターまで持っていただき、詳しく御説明いただき、ありがとうございました。
 私の問題意識である最初の一問目と二問目で、ゼロカーボンシティーとかカーボンニュートラルという言葉が難しいというふうに問題提起させていただいたんですけれども、mottECO、すばらしいと思いました。大変分かりやすくて、はやりそうだなと思いました。私自身は余り食べ残しをしないんですけれども、今後、食べ残すことがあれば、mottECOしますというような感じで、日常で使える言葉になればなと思っております。
 日本の食品ロスというのは本当に大変深刻な問題であり、国民一人当たりに換算すると、毎日お茶わん一杯分、一年間に六百十二万トンもの食べられる食料が廃棄されており、ごみとして廃棄される食料の運搬や焼却の際に多くの二酸化炭素が排出をされています。
 昨年ノーベル平和賞を受賞された国連WFP、国連世界食糧計画について大臣に伺いたいと思っております。
 国連WFPは、飢餓と貧困をなくすことを使命とする国連唯一の食料支援機関です。この国連WFPが世界中で食料支援をしている食料の約一・五倍の量を日本は毎年廃棄処分をしているという現状がございます。
 新型コロナウイルスが流行する前の二〇一八年の夏に、超党派の国連WFP議連のミャンマー、バングラデシュ視察に参加をさせていただきまして、ロヒンギャ難民キャンプへ行きました。
 ロヒンギャ難民キャンプへ行くには、ランドクルーザーに乗り、がたがたの道なき道を車の中で頭をぶつけながら、何時間も車で移動しまして現地へ行きました。我が党の串田議員も一緒に行ったんですけれども、私と串田議員が乗っている車が途中で故障してしまうほどがたがたの道で、車を乗り換えて現地に向かいました。現地では日本国旗の印刷された袋で食料が届けられており、現地の方々からは日本に対しての感謝の言葉をいただきました。
 現在も、コロナ禍において、感染の危険がある中でも、WFPの日本人スタッフが世界中に食料を届けてくださっております。WFPの活動を日本国民にもっともっと知っていただいて、食品ロス削減の意識改革につなげていただきたい、そして教育現場で子供たちに伝えていただきたいと思っております。関係省庁と連携して是非この活動を伝えていただきたいと思います。
 そこで、小泉大臣に伺います。この国連WFPの活動について、どのように認識をお持ちなのか、どのように御評価をされているのかということをお伺いしたいのと、温暖化対策としてこのWFPの活動を伝えていくことで食品ロス削減への意識改革に私はつながると思っているのですが、いかがでしょうか。

#155
○小泉国務大臣 WFPが世界全体で食料支援をしているその量の一・五倍を我々日本は捨てている、無駄にしている、この現実を多くの方と共有をすること、そのことが食ロスの削減と誰でもできる脱炭素の行動につながると思っています。
 先日、私も、あるネットの番組に出たときに、六百十二万トンという量は東京ドーム五個分ですという話をしたときに、東京ドーム五個分といってもイメージが湧かないというふうに言われて、じゃ、どういう表現だったら分かるかな、ちょっと引き続き考えますという話をしたんですけれども。
 改めて、森先生から今回、WFPとの関連での食ロスの御質問をいただいて、世界全体でWFPが支援をしている一・五倍を我々は無駄にしているんですということは重く刺さるのではないかなと思いますので、私からも、皆さん議連の方々が活動してきた、そこも踏まえまして、しっかりと発信に努めてまいりたいと思っています。

#156
○森(夏)委員 ありがとうございます。WFPの活動を大臣から発信いただけると、現地で感染の危険に大変御苦労しながら活動していただいている皆さんに励ましの言葉ともなると思います。
 日本国内には、WFPの活動に御賛同をいただき御協力いただいている企業の皆様、そして個人で支援をしていただいている皆様がたくさんいらっしゃいます。このWFPの活動を国民の皆様に知っていただくことで、食品ロス削減へ是非つなげていただきたいと思っております。
 次に、再生可能エネルギー普及のための今後の取組について伺いたいと思っております。
 二〇五〇年にカーボンニュートラル、脱炭素社会実現を目指すには、再生可能エネルギーの普及が欠かせないと思っております。これから十年先まで東日本大震災の余震が続くと言われており、首都直下型の地震も近い、そして三連動の南海トラフ地震の発生確率も高まってきていると言われておりますので、二〇五〇年に向け脱炭素社会を目指す中で、我が国の向かう先は原発推進ではいけないと私は考えております。
 原発の放射性廃棄物の最終処分場の問題が、何十年も後回し、先延ばしになっています。二〇五〇年、どんな日本を目指すのか。原発をどうしていくのか、現状維持なのか、減らすのか、なくすのか。どういう選択をしても最終処分場は必要です。震災瓦れきでさえも、県外での受入れは困難でした。簡単に答えの出ない問題であることは十分に理解をしておりますが、関係省庁と連携をして最終処分場の問題にも積極的に取り組んでいただきたいと思っております。
 私はこれまで、東日本大震災復興特別委員会や災害対策特別委員会に所属をしてまいりました。被災者の皆様の声を聞き、災害の教訓を生かすことの大切さを感じ、数十年先の日本のために地球温暖化対策に今本気で取り組む必要があると思っております。
 本法改正において、地域の再エネを活用した脱炭素化を促進する事業を推進するための計画・認定制度の創設も進められていくということですけれども、原発推進ではなく、是非、再生可能エネルギーの普及、利用を促進していただきたいと思っております。
 大臣に伺います。再生可能エネルギー普及のための環境省の今後の取組についてどのように考えていらっしゃるのか、教えてください。

#157
○小泉国務大臣 再エネについては、環境省は、二倍のポテンシャルを持っているということを多くの方と共有したいと考えています。
 よく資源が乏しい国と日本は言われますが、化石資源には乏しい国ですが、再生可能エネルギーの資源に乏しい国ではありません。この二倍のポテンシャルをフル活用して、エネルギー安全保障にも資する、そして地域にもお金が回る、毎年化石資源に十七兆円を外に払うことなくお金を回していくような、開かれた自立国家、自立分散型の社会を築いていきたいと思います。
 そのために、今回の温対法の改正も再エネ促進区域を入れていますし、今後、未利用の土地で、エリアで活用できるところは、徹底的に活用を進めていけるために何ができるかを今考えています。
 もちろん、屋根置きの太陽光と言われるものもそうですし、屋根に限らず、さっき所沢の話をしたように、水面に浮かべるフローティングタイプと言われるものもあるわけで、特に西日本はため池が多いです。そのため池の中で、むしろ太陽光を浮かべた方が景観がよくなるようなケースもあるのではないかなということも私は思っていますので、意外に、この話をすると、水面に浮かぶタイプの太陽光があるということを知らない方が多いです。
 実際、首都圏で、千葉にあるダム湖には、ダムの水面に太陽光を置いているんですね。そういったケースがありますから、もっともっと活用できれば、今までだったらそこが再エネの適地として見られなかったところが適地に変わってくる可能性もあります。
 いずれにしても、できる限りのことをやって再エネをいち早く主力電源化していくことが、トヨタの豊田章男社長が言うように雇用を守ることにもつながる、そういった考えで進めてまいりたいと思います。

#158
○森(夏)委員 ありがとうございます。太陽光パネルを水面に浮かべるような御紹介もいただきました。是非、再生可能エネルギーの普及には期待をしておりますので、積極的な取組をお願いいたします。
 次に、レジ袋有料化による効果と課題について伺います。
 先週、我が党の足立議員からもレジ袋有料化についての質問がありましたけれども、足立議員からは、増税ではないのか、万引きが増えたのではないか、コロナ禍での衛生面などの観点からの質問でしたが、私は、地球温暖化対策としての効果が得られているのかという観点から質問をいたします。
 私の周りでも、マイバッグ、エコバッグを使い始めて環境への配慮をするようになったという人たちがいます。地球温暖化対策には国民一人一人の意識改革が必要だと思っておりますので、レジ袋有料化をしたことで意識が変わったという方々が増えたのは大変よいことだと思っております。
 ただ、一方で、お店のロゴなどを印刷したレジ袋を紙袋に替えたり、バイオマスプラスチックの配合率の高い袋に替えた企業などからは、以前使っていたロゴ入りのレジ袋が、新品のまま、全て廃棄処分をしてしまったというようなお話も伺いました。大変もったいないことだと思いました。
 コロナ禍で大打撃を受けている中小企業がレジ袋の有料化により紙袋などに変更した結果、大きな経費がかかり大変な負担となっているという声も伺いました。こういった声は環境省にも届いていると思います。
 レジ袋有料化が国民のプラスチックごみ削減への意識改革につながっているのか、実際にプラスチックごみの削減につながっているのかなど、まだまだ効果が表れるまでに時間がかかるものもあると思いますが、現在環境省が把握されている中で、レジ袋を有料化したことで得られた効果について教えてください。また、併せて、見つかった課題などもあればお願いします。

#159
○松澤政府参考人 先生に御指摘いただきました課題のほかに、レジ袋有料化について、現場の方あるいは一般の方からお伺いした声、課題についてお答えいたします。
 先日の委員会でも話題に上がりましたコロナ感染の心配あるいは万引き対策、こういったことに加えまして、レジ袋の有料化だけにとどめず、ほかの使い捨てのプラスチックについても対応していくべきだという声、こういった声も含めて、様々な声が環境省に寄せられております。
 レジ袋の有料化の効果については環境省でアンケート調査を行っておりまして、有料化前後で一週間レジ袋を使わなかった人の割合が、有料化前の昨年三月時点は三割でございましたけれども、十一月には約七割と、倍増以上の効果が出ていると思います。
 また、レジ袋使用の多いコンビニエンスストア、スーパーマーケット、ドラッグストアでは、それぞれ業界から、コンビニではレジ袋辞退率が二三%から七五%、スーパーでは五七%から八〇%に増加し、ドラッグストアではレジ袋使用量が八四%減少したというふうに伺っております。
 このほか、民間の調査会社のデータによりますと、二〇二〇年の国内のレジ袋流通量は約十三万トンと、前年の約二十万トンに比べまして約三六%削減されたというふうに見込まれております。
 このように、消費者のライフスタイル変革によりまして、レジ袋の削減が着実に使用済みプラスチックの削減につながっているというふうに認識しております。

#160
○森(夏)委員 ありがとうございます。
 消費者の意識も変わり、実際にプラスチックのごみの削減にもつながってきているということでございますけれども、コロナ禍において苦しい思いをしながらも地球温暖化対策に協力をしている、脱炭素経営に取り組む企業には負担になっていることも事実ですので、是非そういった辺りの御支援もお願いをしたいと思っております。
 近年の災害は激甚化をしており、多くの国民の皆様が地球温暖化対策に取り組まなければならないというのは理解をしていただいているように思います。私自身も以前よりは環境へ配慮した生活を送るようになりましたが、まだまだ、ペーパーレス化も、電気の使用量を減らすこと、ごみの量を減らすことなど、もっともっと私自身もできることがあると思っております。国民の皆さんにも御協力いただかなければなりません。
 今後、国民の皆さんや民間企業に対して、実際に行動に移してもらう、行動変容を起こさせるための取組について、具体的に教えてください。

#161
○小野(洋)政府参考人 お答えいたします。
 企業や国民の行動変容は非常に重要だと考えております。
 例えば、民間企業向けといたしましては、今回の改正法案におきましても、温室効果ガス排出量の報告制度をデジタル化、オープンデータ化するという内容を盛り込んでおりまして、これによって、例えば投資家がそのデータを活用しやすくするということで、企業の自主的な脱炭素化の取組を促進していきたいと思っております。
 また、国民向けといたしましては、例えば、脱炭素の行動履歴を見える化して、ポイントを付与するといったようなインセンティブを与えて、日常生活の場面での行動変容を後押しするといった取組も進めております。
 二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けまして、様々な施策を通じて国民と民間企業の行動変容を積極的に後押ししてまいりたいと考えております。

#162
○森(夏)委員 ありがとうございます。国民の皆様に対してもというのも大切なんですけれども、企業の皆様に対してもメリットがあるように、しっかりと国としてサポートをお願いしたいと思います。
 繰り返しになりますけれども、私は、言葉が分かりにくいというのが環境省の中でよく感じることでございまして、TCFD、SBT、RE一〇〇などというのも、TCFD、第一位なんですよ、世界一なんですよと言われても何のことだろうというふうに、それが企業の評価につながらなかったり。投資家の方々は御存じかと思うんですけれども、やはり、一般国民の方が知っているということで更に投資家の方々の評価にもつながると思いますので、分かりにくい言葉というのはたくさんあると思うので、もう少し国民の皆様に伝えやすい方法、言葉で広めていっていただけたらと思っております。
 最後に、大臣に、地球温暖化対策についての意気込みを伺いたいと思っております。
 大臣の発信力で、是非、国民の皆様に、食べ残しをしない、食品ロス削減やリサイクルなどをしてごみなどを減らす、電気、ガスの節約をするなど、身近なところから御協力いただけることがまだまだたくさんあるかと思います。また、脱炭素社会の実現に向け御協力いただける企業や自治体への支援もお願いをしたいと思っておりますが、脱炭素社会の実現に向け、大臣の意気込みを最後にお願いします。

#163
○小泉国務大臣 今回、日米の気候パートナーシップにおいても一・五度目標というものが重要だというのを認識を共有したというのは大きくて、改めてこれも広めていきたいと思うのは、じゃ、このまま、二度目標と一・五度目標の〇・五度の差で何が起きるのかということはもう一回話さなければいけないと思っています。
 私も、改めてIPCCの報告書を見ると、仮に一・五度にならなくて二度になった場合、人間が居住するほとんどの地域における極端な高温が増加する、これが今世紀中に起きるわけですよね。そして、極端な熱波に頻繁にさらされる人口が約四・二億人増加。そして、サンゴ礁が一・五度の場合は七割から九割が死滅、二度だとほぼ全滅。これが今世紀中に起きると言われていることで、そのことをいかに防いでいくか、多くの方とも共有したいと思います。
 それに加えて、やはり小さなことからも始めなければいけません。私も今はマイボトルをほぼ毎日ずっと持っていますけれども、単純に環境のためではなくて、健康にもいいなというのを思いますね。私、冬でも国会で冷たい氷の入った水を飲むのを嫌だなと思っていたんですけれども、温かいものを飲むときに、体調管理のために今は温かいものを飲めますし、そういった環境と健康というのも、結果、行動が変われば感じることはいっぱいあります。
 是非、多くの皆さんには、何か一つ行動を変えると、その次の行動もまた変えようというふうにきっと思ってくれると思うんです。私、実際にそうでした。そして、私がさっきmottECOの話でデニーズやロイヤルホストの例えを出しましたが、多くの国民の皆さんにとって身近な企業や身近な場所が景色が変わってくる、その姿を一つでも多くつくっていきたいと思っています。
 セブンイレブンなどのコンビニでこれから、プラスチックの使い捨てスプーンを辞退をされた方がポイントがつくようなトライアルをセブンイレブンさんが考えてくれたり、ファミリーマートでこれからフードドライブのようなものが始まったり、こういう形で、みんなが見ている毎日の景色の中が、あれ、何か変わってきたぞと。私も、スーパーに最近行くと、気づいたら紙パックのドリンクとかが増えたり、また長期常温保存型の食品が増えたり、そして、お菓子でも、今までプラスチックの包装だったのが、キットカットが紙に替わったりとか、間違いなく景色は少しずつ変わりつつあるなと手応えを感じています。これを更に加速させるべく、今後とも全力で頑張ってまいりたいと思います。

#164
○森(夏)委員 ありがとうございます。力強い意気込みをいただきました。
 一・五度と二度の大きな違いも、今後、国民の皆様に広く周知をいただきたいと思います。
 私は、大臣と同じ、今年で四十歳になります。三十年後の日本をどういう日本にするかというのは、今、本気で取り組むかどうかだと思っております。災害を激甚化させて多くの人の命を奪うことにならないように、私も超党派でしっかりと御協力をしたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
 以上で終わります。ありがとうございました。

#165
○石原委員長 次回は、来る二十三日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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