くにさくロゴ
2021/03/24 第204回国会 衆議院 第204回国会 衆議院 文部科学委員会 第7号 令和3年3月24日
姉妹サイト
 
2021/03/24 第204回国会 衆議院

第204回国会 衆議院 文部科学委員会 第7号 令和3年3月24日

#1
令和三年三月二十四日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 左藤  章君
   理事 青山 周平君 理事 池田 佳隆君
   理事 小渕 優子君 理事 神山 佐市君
   理事 原田 憲治君 理事 菊田真紀子君
   理事 牧  義夫君 理事 浮島 智子君
      安藤  裕君    石川 昭政君
      上杉謙太郎君    江崎 鐵磨君
      尾身 朝子君    大串 正樹君
      金子 俊平君    木村 哲也君
      櫻田 義孝君    繁本  護君
      柴山 昌彦君    谷川 弥一君
      中村 裕之君    西田 昭二君
      根本 幸典君    福井  照君
      藤丸  敏君    古田 圭一君
      三谷 英弘君    村井 英樹君
      山本ともひろ君    川内 博史君
      吉良 州司君    城井  崇君
      下条 みつ君    中川 正春君
      谷田川 元君    山内 康一君
      吉川  元君    笠  浩史君
      古屋 範子君    鰐淵 洋子君
      畑野 君枝君    藤田 文武君
      白須賀貴樹君
    …………………………………
   文部科学大臣       萩生田光一君
   文部科学大臣政務官    鰐淵 洋子君
   文部科学大臣政務官
   兼内閣府大臣政務官    三谷 英弘君
   政府参考人
   (内閣法制局総務主幹)  嶋  一哉君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 難波 健太君
   政府参考人
   (内閣府子ども・子育て本部審議官)        藤原 朋子君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房長) 増子  宏君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房サイバーセキュリティ・政策立案総括審議官)      行松 泰弘君
   政府参考人
   (文部科学省総合教育政策局長)          義本 博司君
   政府参考人
   (文部科学省初等中等教育局長)          瀧本  寛君
   政府参考人
   (文部科学省初等中等教育局教育課程総括官)    串田 俊巳君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局長)            伯井 美徳君
   政府参考人
   (スポーツ庁次長)    藤江 陽子君
   政府参考人
   (文化庁次長)      矢野 和彦君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房危機管理・医務技術総括審議官)            佐原 康之君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           間 隆一郎君
   文部科学委員会専門員   但野  智君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二十四日
 辞任         補欠選任
  上杉謙太郎君     金子 俊平君
  馳   浩君     西田 昭二君
  福井  照君     江崎 鐵磨君
  船田  元君     藤丸  敏君
  寺田  学君     城井  崇君
  山内 康一君     川内 博史君
同日
 辞任         補欠選任
  江崎 鐵磨君     福井  照君
  金子 俊平君     上杉謙太郎君
  西田 昭二君     馳   浩君
  藤丸  敏君     木村 哲也君
  川内 博史君     山内 康一君
  城井  崇君     寺田  学君
同日
 辞任         補欠選任
  木村 哲也君     船田  元君
    ―――――――――――――
三月二十三日
 文化財保護法の一部を改正する法律案(内閣提出第二〇号)
同月二十四日
 教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する請願(石崎徹君紹介)(第三三五号)
 同(泉健太君紹介)(第三三六号)
 同(泉田裕彦君紹介)(第三三七号)
 同(菊田真紀子君紹介)(第三三八号)
 同(黒岩宇洋君紹介)(第三三九号)
 同(斎藤洋明君紹介)(第三四〇号)
 同(櫻井周君紹介)(第三四一号)
 同(青山大人君紹介)(第三七〇号)
 同(中村喜四郎君紹介)(第三七一号)
 同(安藤裕君紹介)(第三八九号)
 同(太田昌孝君紹介)(第三九〇号)
 同(秋本真利君紹介)(第四一二号)
 同(城井崇君紹介)(第四一三号)
 同(小沢一郎君紹介)(第四三三号)
 同(田畑裕明君紹介)(第四七五号)
 学校現業職の民間委託を推進するトップランナー方式の撤回、学校現業職員の法的位置づけに関する請願(長谷川嘉一君紹介)(第三四二号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第三九二号)
 同(笠井亮君紹介)(第三九三号)
 同(穀田恵二君紹介)(第三九四号)
 同(志位和夫君紹介)(第三九五号)
 同(清水忠史君紹介)(第三九六号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第三九七号)
 同(田村貴昭君紹介)(第三九八号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第三九九号)
 同(畑野君枝君紹介)(第四〇〇号)
 同(藤野保史君紹介)(第四〇一号)
 同(宮本徹君紹介)(第四〇二号)
 同(本村伸子君紹介)(第四〇三号)
 同(篠原孝君紹介)(第四三七号)
 国の責任による三十五人以下学級の前進、教職員定数増、教育無償化、教育条件の改善に関する請願(白石洋一君紹介)(第三七二号)
 同(早稲田夕季君紹介)(第三九一号)
 同(山崎誠君紹介)(第四一四号)
 同(関健一郎君紹介)(第四三五号)
 同(本村伸子君紹介)(第四三六号)
 同(原田義昭君紹介)(第四五六号)
 教育の無償化を目指して全ての子供たちに行き届いた教育を求めることに関する請願(篠原孝君紹介)(第四三四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 文部科学行政の基本施策に関する件
     ――――◇―――――

#2
○左藤委員長 これより会議を開きます。
 文部科学行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣法制局総務主幹嶋一哉君、内閣府大臣官房審議官難波健太君、子ども・子育て本部審議官藤原朋子君、文部科学省大臣官房長増子宏君、大臣官房サイバーセキュリティ・政策立案総括審議官行松泰弘君、総合教育政策局長義本博司君、初等中等教育局長瀧本寛君、初等中等教育局教育課程総括官串田俊巳君、高等教育局長伯井美徳君、スポーツ庁次長藤江陽子君、文化庁次長矢野和彦君、厚生労働省大臣官房危機管理・医務技術総括審議官佐原康之君及び大臣官房審議官間隆一郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○左藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#4
○左藤委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。大串正樹君。

#5
○大串(正)委員 自由民主党の大串正樹でございます。貴重な機会をありがとうございます。
 早速お伺いしたいと思います。
 先日は、全会一致で小学校の三十五人学級の実現ということで、大きな前進と捉えてよいのではないかなと思います。小さな一歩というふうに捉える方もいらっしゃるかもしれませんけれども、一つの前進ということであろうかと思います。
 ただ、やや数の議論に終始したような感じがありましたので、少し補足的に、今日は中身についてお伺いしたいと思います。
 この議論の中身というのが、本来、令和の日本型学校教育の議論の一環ということでございまして、この令和の日本型学校教育の中身というのが、少人数学級とそれからGIGAスクール構想という両輪の実践を通じて、個別最適な学びとそして協働的な学びの実現が目標とされているところでございます。
 そこで、まず最初に、さきに出されました答申であります「「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~」、いわゆる令和三年答申というふうに言われていますけれども、この答申に至るまでに共有されてきた問題意識であったり、あるいは議論の背景についてお伺いしたいと思います。

#6
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 ソサエティー五・〇時代の到来といった急激な社会的変化が進む中、子供たちが未来社会を切り開くために必要な資質、能力の確実な育成や、学校におけるICT環境整備の遅れ、さらには、障害のある児童生徒や不登校児童生徒、外国人児童生徒等の増加といった課題に着実に対応するため、これからの初等中等教育の在り方について総合的な検討をいただくこととし、平成三十一年の四月に、新しい時代の初等中等教育の在り方について中央教育審議会に諮問を行い、審議を進めていただきました。
 審議の過程におきましては、御承知のとおり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大という前例のない状況に直面し、長期にわたり臨時休業措置が取られたことで、学校が、学習機会と学力を保障する役割のみならず、全人的な発達、成長を保障する役割や、居場所、セーフティーネットとして身体的、精神的な健康を保障するという福祉的な役割をも担っていることが再確認をされました。
 また、緊急時におきます子供の学びを保障する手段としての遠隔・オンライン教育が注目され、GIGAスクール構想を前倒しをして実現することにより、学校のICT環境の整備が急速に進むこととなりました。
 さらに、AI技術が高度に発達するソサエティー五・〇時代にこそ、教師と児童生徒、あるいは児童生徒同士の関わり合い、自分の感覚や行為を通して理解する実習、実験、地域社会での多様な体験など、対面、リアルでの学びの重要性が高まっていくことも認識されたところです。
 このように、学校教育を取り巻く環境が急激に変化をする中での中教審での審議を経て、本年一月の答申においては、これまでの学校教育のよさを受け継ぎながら、社会構造の変化や感染症や災害をも乗り越えて更に発展する令和の日本型学校教育として、全ての子供たちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びを実現していくことが示されたところです。
 文部科学省といたしましても、新学習指導要領の着実な実施を進めるとともに、この実現に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 以上です。

#7
○大串(正)委員 ありがとうございます。
 働き方改革なんかも含めて、ソサエティー五・〇時代の教育に加えて、今回のコロナ禍という新しい社会の在り方の中で少人数学級の有効性が確認されたりとかする中での審議だったと思います。古くから議論されておりました少人数学級の課題やこの現状の変化を大きく受けて、大変意義深い答申になったのであろうというふうに受け止めております。
 ただ、この答申を拝見する限り、やはり、個別最適な学びと協働的な学びの実現という大きな目標に対して、教育の現場でどのように効果的な指導を実践するかという視点がまだまだそこでは議論ができなかったということで、次の課題とされたわけであります。
 逆に、今の段階では、GIGAスクール構想あるいは少人数学級という環境を整えることの実現が最優先課題として目的と置かれたのは、これはこれでよかったのかなと思いますけれども、ここから先が、本来の目的に至る指導方法の確立というところが重要であると考えております。
 ここで、重要なキーワードと私は受け止めておりますけれども、「協働的な学び」の「協働」についてお伺いをしたいと思います。
 この協働が意味するところは何か、また、誰と誰の協働なのかという点について教えていただければと思います。

#8
○串田政府参考人 お答えいたします。
 今回の答申におきましては、二〇二〇年代を通じて実現を目指す令和の日本型学校教育の姿を、全ての子供たちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びの実現としているところでございます。
 平成二十九年及び三十年に改訂されました新学習指導要領の前文におきましても、「自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となることができるようにすること」について記載があるところでございます。
 こういった趣旨も踏まえまして、今回の答申におきましては、協働的な学びにつきまして整理されまして、探求的な学習や体験活動を通じて、子供同士で、あるいは地域の方々を始め多様な他者と協働しながら、必要な資質、能力を育成する学びとして充実することの重要性が改めて指摘されたということでございます。
 今回の答申におきましては、この協働的な学びにおきまして、子供一人一人のよい点や可能性を生かすということで、異なる考え方が組み合わさり、よりよい学びを生み出していくようにすることが大切であると指摘されておりまして、このような考え方に立って必要な取組を進めてまいりたいと考えております。

#9
○大串(正)委員 ありがとうございます。
 協働という言葉は割とよく使われる言葉で、今、体験型であったり、人々の多様な異なる考えを前提としていろんな形で学んで、学びを深めていただくということであろうかと思いますが、組織論の中では、このキョウドウというのは実はすごくいろんな意味がありまして、日本語だと、同音異義語で共同、コンビネーションという共同。これは、例えば何かをやるときに、一緒にちょっと手伝ってとお願いをすれば、一人で運ぶよりも二人で運んだ方が半分の時間で済むとかという、コンビネーションという意味の共同であります。また、もう一つのキョウドウは、協同組合なんかの協同ですね。英語で言うとコオペレーションだと思いますけれども、一人ではできないけれども、手を貸してもらって一緒にやることによってできなかったことが実現するというのが、こっちの、コオペレーションの協同です。
 ここで言っている「協働的な学び」の「協働」といいますのは、この訳語が当てられるときは、組織論の中で議論されるときは、大体コラボレーションという意味で、このコラボレーションには必ずつきものとして創発という概念がありまして、エマージェンスの創発ですね。よく化学反応みたいな言い方をされるんですけれども、異なる能力の人たちが集まってお互いに刺激し合うことによって全く違う新しい能力を発揮するとか新しい発見がある、そういったことを意味する、創造的なプロセスを含む極めて深い意味が込められている協働でございます。
 ですから、今回、協働的な学びというのは、恐らく、本質的に深めて理解をするのであれば、単に子供たちの発言が増えたとかそういう表面的なことではなくて、子供たちが少人数の中で、対話とか、あるいは時空間を共有することによってより学習が創造的になって、そして、子供と子供あるいは生徒と教師、そういった関係性の中で生徒が成長していくプロセスを可能にしていかなければならないのではないかなと。
 それまで気づかなかったことに気づける、あるいは、お互いを刺激し合うことによって、生徒同士で教え合ったり学び合ったりするような、そういう創造的なプロセスとして位置づけていただければなというふうに思いますので、是非、そういう意味で、この協働という言葉を現場にすぐ投げるのではなくて、その深い意味も実はよく考えて理解をしてもらうような必要があるのではないかなというふうに思います。
 一方で、この協働というのが、三十五人という少人数化の効果に加えて、そういう協働的な学びを指導する教師側にも指導の在り方が問われるわけでありまして、例えば、チームティーチングにしても、複数の先生で協働的なチームティーチングをすることによって、より少人数化との相乗効果を期待できるのではないかと考えます。
 その辺についての御見識をお伺いしたいと思います。

#10
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 ソサエティー五・〇時代の到来や、子供たちの多様化の一層の進展、今般の新型コロナウイルス感染症の発生等も踏まえまして、ICT等を活用した個別最適な学びと協働的な学びを実現するとともに、今後どのような状況においても子供たちの学びを保障することが不可欠であり、そのため、今回、義務標準法を改正し、学級編制の標準を現行の四十人から三十五人に引き下げることとしました。
 ICT環境の整備と、その効果を最大化する少人数学級の実現を車の両輪として進める中で、学習履歴、いわゆるスタディーログを効果的に利活用しつつ、より双方向型の授業を展開し、教師がこれまで以上に子供の成長やつまずきなどの理解に努め、個々の興味、関心、意欲等を踏まえてきめ細かい指導を行うこと、一人一人の意見表出機会を増やし、多様な他者とともに問題の発見や解決に挑むという観点からの授業改善を図っていくこと、子供が自らの学習の状況を把握し、主体的に学習を調整することができるように促していくことなどによる指導の改善を図っていくことが必要です。
 御指摘のチームティーチングにつきましては、複数の教員が協力して授業を行うことで、例えば、個別学習やグループ指導、習熟度に応じた学習が可能になり、個に応じた指導の充実によりまして授業の質が向上する、あるいは、教員が互いに切磋琢磨することで、指導能力の向上や教材研究の深化が図られるといった効果が期待されるところでございます。
 少人数学級の推進に加えまして、このチームティーチングなどの指導の工夫改善も通じて、次代を生きる子供たちの資質、能力を育成していくため、多様な子供たちを誰一人取り残すことなく全ての子供たちの可能性を最大限に引き出す令和の日本型学校教育の実現に向けて、しっかりと取り組んでまいります。
 以上です。

#11
○大串(正)委員 ありがとうございます。
 まさに令和の時代にふさわしいテーマだと思いますので、しっかり取り組んでいただければと思います。
 この趣旨は、やはり、教師も現場で、協働的、コラボレーティブで、そして創造的に成長していくべきであろうかと思いますし、その視点が必要ではないかなというふうに考えているところであります。
 チームティーチングも、教える先生と、そして、ちょっと担任はまだ任せられないからサポートでついてねというようなチームティーチングではなくて、例えば、教科、単元の知識が豊富な先生が教壇に立ちながら、一方で、サポートする先生は、子供たちのやる気を引き出したり、あるいは発話を引き出す、理解を促すようなことが、子供の扱いが得意な先生方が一緒に加わることによって、より創造的な質の高い授業ができるのではないかなというふうに思いますし、そのプロセスを通じて教師も成長していけるという、まさに教室全体が、子供たちにとっても教師にとっても創造的で成長できるプロセスになっていくことを期待したいなというふうに思います。
 そこで、最後に、今回の新たな諮問でありますこの「「令和の日本型学校教育」を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について」、三月十二日に諮問された内容でございますが、令和三年の答申から引き継がれたもので、中身は御覧いただければと思いますけれども、特に私は、五番目に挙げられました環境整備についての諮問のところ、これに何を期待するのかをお伺いしたいと思います。

#12
○萩生田国務大臣 まず、先生、今日は、令和の日本型学校教育の目指すべき姿について御持論を含めて解説いただいて、ありがとうございます。
 おっしゃるとおりで、看板だけ独り歩きしても何の意味もないわけでありまして、しっかり中身がついていくように、全国の地方自治体と、価値観、思い、こういったものを共有して頑張っていきたい、このことを改めてお約束したいと思います。
 新たな時代の学校教育の成否はまさに教師の資質、能力に懸かっていると思います。三月十二日には、本年一月に取りまとめられた中教審答申も踏まえて、教師の養成、採用、研修等の在り方について、教師を支える環境整備など五つの項目について包括的な諮問を行いました。
 文科省では、外部人材の活用や部活動改革など、学校における働き方改革を進めているところです。一方で、教師の社会的役割の重要性に比して、魅力的な職業としての社会的認識は必ずしも十分ではありません。学校が大変な職場というイメージを払拭しつつ、教師が創造的で魅力ある仕事であることが十分に認識され、教師を目指そうとする者が増加する社会を実現していくことが求められています。
 そこで、諮問においては、令和の日本型学校教育を構築するために、時代の変化に応じた高い資質、能力を身につけた教師を確保するとともに、教師が自らの人間性や創造性を高めながら生き生きと活躍できる環境を整備することが重要であることを踏まえ、教師の多様な働き方など教師を支える環境整備、また、教師の学びや経験の振り返りを支援する仕組みなどについて御検討をお願いをしました。
 教師が、教師でなければできない業務に全力投球でき、自らの資質、能力を高めながら子供たちに対して効果的な教育活動を行うことができる環境をつくっていくために、この度の諮問に係る中教審の御議論を踏まえ、あらゆる手段を尽くして、取組をしっかり前に進めてまいりたいと思っております。

#13
○大串(正)委員 ありがとうございました。
 是非しっかりと、教師に難しいことをお願いするばかりではなくて、やはりそれを支えて、そして魅力ある仕事として活躍していただけるような環境を整えるというのが大切だと思います。しっかりとこの辺も議論していただけるとありがたいと思います。
 また、あわせて、令和の日本型学校教育というのをしっかりと評価する仕組みも必要かと思います。
 いろんな、教育学の研究とか最近の報告とかを見ていても、学級人数と学習効果だけを単純に結びつけて因果関係を示しているような研究もあるんですけれども、あくまで、相関はあってもそれだけが因果関係とは言い切れないと思いますので、やはり、今回附帯決議にも付された、効果をしっかりと測るという点は大変重要なことだと思います。これからのEBPMの視点からも、単純に人数だけではなくて、指導方法との相乗効果についても検討していくような、そういう研究を是非進めていただければなというふうに思います。
 ただ、今日お話ししたような協働の効果、コラボレーションの効果を測定するのは大変困難だと思いますので、定量的な評価だけではなくて定性的な評価をしっかり行って、あくまでも質の高い指導方法を横展開していくような、それを普及させていくような取組を進めていっていただければなというふうなお願いをもちまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございます。

#14
○左藤委員長 次に、古屋範子君。

#15
○古屋(範)委員 おはようございます。公明党の古屋範子でございます。
 今日は、幼児教育類似型施設をテーマに質問してまいりますので、よろしくお願いいたします。
 二〇一九年十月から、消費税引上げによる税収を活用いたしまして幼児教育、保育の無償化という制度が施行されまして、はや一年半が過ぎようとしております。家庭の経済事情にかかわらず、希望すれば誰もが必要な教育を受けられる社会、これを目指して、私たちも一貫して教育費の負担軽減を訴えてまいりました。二〇〇六年、大分前になりますけれども、我が党で少子社会トータルプランというものを発表いたしまして、一年半かけて、百五十ページにわたる子育て支援の集大成というべき政策でございますけれども、この中にも幼児教育の無償化を掲げて取り組んでまいりました。
 まず、政府・与党として、全世代型社会保障の構築に向けて、消費税率一〇%への引上げ増収分を使って財源を生み出すという大きな決断で、少子化を克服する、子育て世代の負担を軽くするという強いメッセージを発信して、未来の宝である子供たちを社会全体で育てていくという大きな第一歩になったと考えております。
 初めに、幼児教育、保育の無償化という新たな制度の施行状況についてお伺いしたいと思います。内閣府藤原審議官、よろしくお願いします。

#16
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 令和元年十月から実施をされております幼児教育、保育の無償化でございますけれども、生涯にわたる人格形成の基礎や、その後の義務教育の基礎を培う幼児教育の重要性と、子育てや教育に係る費用負担の軽減を図るといった少子化対策、この両面に鑑みて行っているものでございます。
 この幼児教育、保育の無償化では、三歳から五歳までの子供と、〇歳から二歳までの住民税非課税世帯の子供についての幼稚園、保育所、認定こども園等の費用を無償化をしているところでございます。
 令和三年度予算案におきましては約三百万人の子供がその対象となっておりまして、予算規模といたしましては公費で八千八百五十八億円というふうになってございます。
 幼児教育、保育の無償化につきましては、自治体の御尽力によりましておおむね順調に実施をされていると認識をしておりまして、引き続き円滑な実施に努めてまいります。

#17
○古屋(範)委員 約三百万人、予算八千八百五十八億円規模という幼児教育無償化の施行状況でございます。
 このとき、幼稚園、保育園、認定こども園のほかに、私たち主張いたしまして、幼稚園の預かり保育とか認可外保育園施設も対象となったところでございます。
 これが施行されて、我が党、約三千人の議員がいるんですけれども、幼児教育無償化について子育て世代の御意見を伺う、そういう声を聞く運動を展開いたしました。その結果を翌年の二月に発表したんですけれども、利用者の八七・七%から評価をするというお声をいただきました。また、幼児教育、保育の質の向上とか受皿の整備といった課題も上がりました。また、その中で、幼稚園として基準を満たさず無償化の対象とならない幼稚園の類似型施設、この利用者の負担を軽減してほしいという声をいただきました。
 私、神奈川県に住んでいるんですが、子供が小さい頃、茅ケ崎に住んでおりまして、そこでお世話になった幼稚園、浜竹幼稚園というんですけれども、小さな幼稚園で、とてもきめ細やかな教育をしてくれる大変いい幼稚園でした。そこの副園長さんが、認可幼稚園よりもより質の高い保育実践を目指して、自宅を開放して、定員二十四名の少人数制できめ細やかな保育を行う幼稚園類似施設、虹の丘というものを創設されたんですね。認可外のために行政からの補助金はほぼないんですけれども、いろいろと工夫をしながら、園長である自分は無給にするというような努力をして経営を維持してこられたそうです。
 ところが、無償化が始まって、この虹の丘が無償化の対象外となったということで、保護者が、無償化の対象になった方よりも年間三十万円前後、三年間で百万円近い経済的負担を強いられる。その経済的負担から、もう他の幼稚園に行かざるを得ないというようなことも出てきた。障害を持ったお子さんが、障害児施設と併用を希望していたんだけれども、経済的負担から来られなくなった。ほかにも、様々な影響で親の仕事が厳しくなり、転園をされたお子さんもいるということでございました。園児募集で、例年、募集人員の三倍以上の入園希望の方がいたんですけれども、無償化対象外となってからは定員にすら達していないということで、非常に御苦労されている実態がございます。
 こうした施設、面積、一学級の幼児数など国の設置基準を満たしていない施設を対象に都道府県が認可をしているんですけれども、類似型施設の明確な定義というものはありません。成り立ちも様々で、第二次のベビーブームの頃に幼稚園の設置が追いつかなくて自治体主体で生まれた施設、また、虹の丘のように独自の教育を実践している場、いろいろなパターンがあります。
 この類似型に関しまして、文科省として調査を行っていらっしゃいます。こうした類似型の施設も、地域にとって大変な重要性があるというふうに思っております。文科省は、今年度、こうした幼児教育の類似施設を支援している自治体に対して調査を行っていらっしゃいます。
 本年四月から、幼稚園として基準を満たさないためにこれまで幼児教育無償化の対象となっていなかった、いわゆる幼児教育類似施設に通う世帯への支援がスタートとなりますが、この調査結果についてまずお伺いしたいと思います。そして、幼児教育類似型に通う世帯への支援の必要性、また意義についてお伺いをしたいと思います。

#18
○義本政府参考人 お答えいたします。
 令和元年十月からの幼児教育、保育の無償化の対象となっていない多様な集団活動につきましては、法令の定めや基準等はなく、先生御指摘のように多種多様なものが存在しておりますけれども、各地域に固有の様々な歴史的な経緯を経て、現在も、地域や保護者のニーズに応える重要な役割を果たしているものというふうに認識してございます。
 そのような観点から、無償化の対象となっていないものの、地域にとって重要な役割を果たしている集団活動に対しまして、今年度、令和二年度において、国と地方が協力した効果的な支援の方策について検討するため、二十二の自治体に対して委託調査を実施したところでございます。
 その中におきましては、独自の市町村の支援方策としまして、一定の認証を設けてその中で活動して支援していくとか、あるいは、支援を行う施設についての活動を収集して、認可施設への移行についての支援あるいは調査を行っていくとかいうふうな自治体での支援の状況、さらには、集団活動につきましては、歴史的な経緯の中で、例えば、人口急増期に団地の有志で創設した幼児施設があったりとか、地域の神社、お寺あるいは教会等が地域の子供たちを集めた集団活動を行う、さらには、地域の豊かな自然を生かして自然体験の活動を中心とした施設など、様々な経緯から、いずれにせよ、教育的な観点から活動の計画を策定され、それを自治体が認証する基準でやっていくというふうな実態も分かってきたところでございます。
 この調査と並行しまして、関係各府省、自治体と協議を進めまして、地方自治体が国の補助なしに独自に支援を行っている実態が先行しているということ、さらには、早期に国による支援を求める声があるということ等を踏まえまして、支援を行っている、あるいは支援を希望する地方自治体の取組を後押しするような制度設計が妥当というような考え方に基づきまして、令和三年度の事業として、市区町村の手挙げ方式により、国の補助を行うこととしたところでございます。

#19
○古屋(範)委員 ありがとうございました。調査結果に基づいて、令和三年度から支援を実施することとなったということであります。
 令和三年度から、子ども・子育て支援法に規定をされました地域子ども・子育て支援事業、いわゆる十三事業の多様な事業者の参入促進・能力活用事業に、新たなメニューとして、地域における小学校就学前の子供を対象とした多様な集団活動事業の利用支援というものを追加されました。
 こうした幼児教育無償化の対象外だった幼稚園の類似型施設について、この事業の中に位置づけていくということ、そして、幼児一人当たり月額二万円を給付するということを決定をされました。これは、大きな意義がある、前進だと思っております。
 地域にとって重要な役割を果たしている施設を利用する子供の保護者の利用負担の観点から、利用料の一部を給付をしていくという制度だと思います。これが、市町村の手挙げによる国費の補助事業として、令和三年度の子ども・子育て関係予算に計上がされました。
 自治体の手挙げ方式だ、それから、給付は幼児一人当たり二万円を基準とするということで、この幼児教育類似施設の支援の仕組み、また、支援の対象の基準、国、地方の負担の在り方など、要件の具体的な内容についてお伺いしたいと思います。また、今回、支援対象となった施設はどのくらいあるのか、分かれば教えていただきたいと思います。

#20
○義本政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、令和三年度からの事業につきましては、内閣府の子ども・子育て関係予算のうち、地域子ども・子育て支援事業、いわゆる十三事業の中で、多様な事業者の参入促進・能力活用事業に、地域における小学校就学前の子供を対象にした多様な集団活動事業の利用支援のメニューを追加するということとしたところでございます。
 具体的には、委員御指摘のとおり、地方自治体からの手挙げ方式とするというふうなことにしておるところでございますけれども、支援する対象としましては、幼児教育、保育の無償化の給付を受けない、事業の一定の要件を満たす施設を利用する三歳以上の幼児の保護者が払う利用料について、二万円を基準額として月額として支援するものでございます。
 国と地方の負担の割合でございますけれども、国と都道府県、市区町村、それぞれが三分の一ずつというふうな形で、分かち合う負担にしているところでございます。
 それから、対象施設の基準ということでございますけれども、多様な、いろんな施設があるということを鑑みまして、例えば、保育士あるいは幼稚園教諭等の有資格者の割合ですとかその配置の基準、さらには非常時の対応、それから、幼児の健康管理、安全確保というふうな面につきましては国としての必須の基準を設けるものの、その他につきましては、例えば保育室の面積など、地方自治体の裁量を認める仕組みというふうにしているところでございます。
 市区町村の確認を経た施設については、こうした観点からの支援をさせていただく予定でございます。
 対象の規模でございますけれども、この要件をどれだけ満たすかについてははっきりしないところでございますけれども、本事業の対象となる施設については、市区町村の手挙げ方式の状態等によりますけれども、以前実施した調査では、大体二百前後存在するというふうに理解しているところでございます。

#21
○古屋(範)委員 約二百前後が対象となるのではないかということでございました。
 この幼稚園の類似型施設への支援につきましては、萩生田大臣は、大臣御就任前から、この支援が必要だということを国会において問題提起をされ、発言をされてきたというふうに思います。大臣が御就任されたからこそ、この支援策が決定をしたのではないかなというふうに推察をしております。
 ただ、この手挙げ方式では、自治体によって不公平が生まれないかとか基準のハードルが高いなど、課題を指摘する向きもあります。今、弾力的に運用していくという答弁もありましたけれども、いずれにしても、この幼児教育類似施設を利用されている方が、利用料負担を軽減されている、無償化の支援を受けていることに実感が持てるような、そういう制度にしていただきたいというふうに思っております。
 今回の幼児教育無償化は、義務教育と同じように、子供たちにひとしく充実した教育環境を提供する理念だというふうに思っております。是非、大臣のリーダーシップでこの支援策を成功させていただきたいと思います。御決意を伺いたいと思います。

#22
○萩生田国務大臣 多様な集団活動については、各地域に固有の様々な歴史的な経緯を経て、現在も、地域や保護者のニーズに応え、重要な役割を果たしている施設があるものと考えております。
 今先生から御披露いただきましたけれども、私、党の幹事長代行時代に、幼児教育、保育の無償化はいい制度なんだけれども、ここにあぶれてしまう施設があって、しかし、それは、やはり国の基準を満たしていないわけですから、例えば、園児たちの安全性だとか、そういう課題は当然あります。あるいは、給食の調理室がない施設などもあったり、元々宗教施設の教会やお寺などから発祥しているので、そういった宗教的な色彩の行事なども行うようなこともあったりして、一律には線を引くことは難しいんだけれども、しかし、大事なことは、設置をされている自治体が、この無償化制度の枠に外れたことによって、この施設が消えてなくなってもしようがないんだというふうに思われている施設なのか、いやいや、今までのことを考えたら是非うちの町にはこの施設は残ってほしいんだということを考える施設なのかを、地方の皆さんに是非責任を持って判断していただきたいということで、この一年間、いろんな調査や研究をしてまいりました。
 したがって、やや規制改革なところがあって、本当の社会福祉法人や本当の学校法人であるならば、園児一人当たりの床面積ですとかあるいは階段の桁ですとか、細かい国の基準があるんですけれども、それは、じゃ、現場に任せるから、その代わり、責任を持って一緒にこの園をしっかり守っていくことをやってくれるところに手を挙げていただいて、そこに国費を入れようということにしました。
 逆に言いますと、国費が入ることによって、いろんな足らざるところが全てお墨つきをもらったという勘違いをしてもらうのも困るわけでありまして、園児の安全、安心のためには、やはり今後も、自治体やあるいは設置者が共に施設のブラッシュアップをしていくことも引き続きやってもらわなきゃいけないんだと思います。
 令和三年度予算案においては、内閣府の子ども・子育て関係予算において、地域における小学校就学前の子供を対象とした多様な集団活動事業の利用支援のメニューを追加することにできそうです。
 今お話がありましたように、約二百園が研究段階では対象になっておりましたので、この皆さんが、地元の首長さんがちゃんと手を挙げていただくならば、きっと対象になるということで準備をしております。
 この支援事業については、文科省としてもその企画立案に取り組んできた責任がありますので、まずは、事業の円滑な導入のために、引き続き内閣府等と連携して取組をしてまいりたいと思います。
 あわせて、私、これに甘んじて、やすきに流れてはいけないんだと思うんですね。
 例えば、園舎を持っていない幼稚園などもありますよね。それは、施設の維持費もなければ、固定資産税もなければ、何もないわけですから、じゃ、雨が降ったときにどうするんだと。ふだんは公園で元気に子供たちを遊ばせていろんな教育をしてくれているんだろうけれども、雨が降ったときの代替策だとか、こういうことも、仮に公費が入るということは、多少そういうことを窮屈になってちゃんと考えなきゃいけないんですよということも、この間、呼びかけてまいりましたので、きっと、こういった二百の施設がもし仲間に入っていただくならば、少しずつまた環境がよくなっていっていただけるんだろうということを期待していますし、また、その応援や見守りをしていきたいと思っているところでございます。

#23
○古屋(範)委員 大臣、ありがとうございました。園児の安全、安心が最優先ということでございます。
 私の党におきましても、地方議員とのネットワークで、例えば、これから、茅ケ崎の場合なんかは六月の市議会でこの予算を通して、こうした、自治体がある程度きちっと認めたところに限ってはこの支援策を取っていこうというところもございます。また、子供のために、私たちも、地方議員とのネットワークで、この制度が最大生かされるよう頑張ってまいりたいと思います。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

#24
○左藤委員長 次に、川内博史君。

#25
○川内委員 おはようございます。川内博史でございます。
 委員長そしてまた理事の先生方にお許しをいただきましてこの文部科学委員会で発言をさせていただけますことに、感謝を申し上げさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
 萩生田大臣、本日もよろしくお願いを申し上げます。
 まず、大変残念で遺憾なことでございますけれども、聞きにくいことからお尋ねをさせていただこうというふうに思います。
 亀岡元文科副大臣と藤原次官が、二〇一五年から二〇一九年末まで、宮崎県の学校法人から繰り返し接待を受けた、会食をされたとの報道がございます。報道では、この宮崎県の学校法人は文科省から施設整備費補助金の決定を受けているということも報道されております。
 藤原次官は、定年延長を繰り返し次官の座にとどまる、文部科学省の中でも大変信頼の厚い次官でいらっしゃるのだなというふうに感じておりましたけれども、会食の事実は認めていらっしゃるわけでありますが、文科省に届出はしていないというふうに、あくまでも新聞のコメントでございますけれども、していらっしゃいます。
 萩生田大臣は、この報道を受けて、事実確認を進めるというふうに、指示したと御発言をされていらっしゃいますけれども、この事実確認とはいかなる意味なのか、どういうふうに事実確認をされるのかということについて、そしてまた、現段階で分かっていることがあれば御教示をいただきたいというふうに思います。

#26
○萩生田国務大臣 先日の報道の件について、私から大臣官房に対して、事実関係を確認するように指示を行っているところです。
 現時点において確認できている範囲でお伝えをさせていただきますと、藤原次官は、数年前の夜、亀岡偉民衆議院議員に呼ばれ、赤坂で行われていた会合に途中から参加をしたことがあった、会場に伺い、同席していた方と名刺交換をしたところ、その相手が報道にある学校法人の理事長であった、費用負担については、亀岡議員から、自分が招待しているのだから自分が払うと言われたため、亀岡議員が負担したものとの認識であるということを確認をしております。
 あわせて、今、二〇一九年の副大臣というお話や次官というお話があったんですけれども、次官就任後にお会いをした事実は全くないということで確認をしておりますので、官房長時代にその席に呼ばれて顔を出したということだと思います。
 国民の皆さんから見て行政の公平さに疑念を抱かれるようなことは当然あってはならないと思いますので、引き続き、国家公務員倫理法の趣旨の徹底を行っていくとともに、本件の事実関係の確認を進めてまいりたいと考えています。

#27
○川内委員 今、大臣の方から最後で、国家公務員倫理法の趣旨の徹底を図っていくという御発言があったわけでございますけれども、本件の調査については、国家公務員倫理法あるいは倫理規程にのっとった調査であるということでよろしいかどうかというのを、ちょっと事務方にも来ていただいていますので、御発言いただけますか。

#28
○増子政府参考人 お答え申し上げます。
 この調査につきましては、まずは、次官について聞き取りをしたいと考えております。大臣から今お答えしたとおり、一回は、当該法人の理事長と、亀岡先生から呼ばれて、会って名刺交換をしたと聞いております。次官自身、その後会ったかどうかも含めて今確認をしているということでございますので、しっかりとその辺は確認したいと考えております。

#29
○川内委員 いや、倫理規程や倫理法にのっとった調査であるということでよろしいかということを聞いているんですけれども。

#30
○増子政府参考人 お答え申し上げます。
 基本的には、国家公務員倫理規程に基づいて調査をしたいというふうに考えております。

#31
○川内委員 人事院に対する端緒の報告はされていますか。

#32
○増子政府参考人 現時点で、この会食についての届出はされていないというふうに聞いております。

#33
○川内委員 国家公務員倫理法あるいは倫理規程上は、調査する場合は人事院に端緒の報告をするということになっておるわけでございますけれども、端緒の報告はなされているかということをお聞きしております。

#34
○増子政府参考人 現時点で倫理委員会には相談しておりません。あくまでも予備調査という段階でございます。

#35
○川内委員 大臣、最近もうこういう事例がいっぱい起きていて、国民の皆さんも、訳が分からぬな、霞が関は一体何をしているんだろうというふうに、多くの皆さんがもしかしたら思っているかもしれない。だから、調査の厳正性とか公正性とか、そういうものを担保するためには、規程にのっとってしっかりとした調査をし、事実を国民の皆様にお知らせするということが必要だろうというふうに私は思うんですけれども、したがって、国家公務員倫理法や倫理規程にのっとった調査をするというのであれば、端緒の報告を倫理委員会にきちっとした上で調査をするというのが正しい手続であるというふうに思います。
 したがって、端緒の報告をきちっとして、次官からヒアリングをされるならされるということが正しいやり方であるというふうに思うんですけれども、大臣、いかがですか。

#36
○増子政府参考人 お答え申し上げます。
 まずは、ちょっとまだ疑いということでございますので、まず事実関係を確認するという意味で、大臣から御指示をいただいておりますので、大臣官房の人事課、総務課、それから会計課を含めて、その他事業を担当する関係課において、まず事実確認をさせていただきたいというふうに考えているところでございます。

#37
○川内委員 いや、ここは大臣、大臣としてのリーダーシップをしっかり発揮していただかなければならない部分なんですけれども。
 事務方は事務方で、それはしっかりやられると思います。しかし、ルールにのっとった調査をするという意味において、疑いの段階であれ、ちゃんと端緒を報告し、文部科学省の中でこういう調査をしますからねということを報告した上で調査をする、そして、倫理委員会に報告し、そして、倫理委員会ともしっかり相談した上でいろいろな事実関係を明らかにしていくということが必要であると。問題ないなら問題ないという結論になるわけですから。
 そこは大臣のリーダーシップを発揮していただきたいというふうに思いますが、いかがですか。

#38
○萩生田国務大臣 先生のおっしゃっていることはよく分かります。
 まずは、その報道が出た段階で、直ちに人事院等々とのやり取りというよりは、やはり文科省の責任として調べさせていただきたいと思うんですね。
 先生、先ほど枕言葉で、他省庁でも同じようなことがとおっしゃったんですが、私は性質的に物すごく違うなと思っていますのは、よその役所のと言うつもりはないですけれども、役人の方が明らかに相手の方が分かっていてそこへ出かけていって席を同じくしたというのと違って、文科省に関係があるというか影響のある先生から途中で電話で呼出しを受けて、そこへ出ていったというやり取りを、今報告を聞いておりますので、日程を確認しても、あらかじめ予定されていた会合でしたら、日程を振り返れば何月何日の何時にどこでということも直ちに分かるんですけれども、数年前のことでありまして、結局、今申し上げたような手続の中で、呼ばれてその場に行ったという経緯を本人から聞き及んでおりますので、その辺も含めてよく事実関係を確認した上で、必要があれば先生の御指摘のような手続は当然取っていくことになると思います。

#39
○川内委員 まず、事実関係を明らかにしていただきたいというふうに思いますし、また、それがルールにのっとった手続であることをお願いをしておきたいというふうに思います。
 この問題は引き続き同僚議員から、城井議員からも聞かせていただくことになろうかというふうに思います。
 引き続き、次の質問に移らせていただきます。
 音楽教室事業者とJASRACが今紛争を抱えておりまして、先日、東京知財高裁で判決が出ました。
 JASRACが音楽教室に対して著作権料を払ってくださいよということを提起をし、そしてまた、音楽教室にしてみれば、音楽教室に通ってくる生徒さんたちは、楽器を弾けるようになりたい、あるいは歌が歌えるようになりたいということでやっているわけだから、公衆に対する演奏じゃないんですよということで紛争があるわけですけれども、一部、その音楽教室の主張が認められた部分もこの知財高裁の判決ではあるということでございます。
 この音楽教室とJASRACの紛争について、三年前、平成三十年の三月に、文化庁長官が裁定を行って、JASRACに対して、裁判をやっている間は著作権料を徴収しないようにしてねということで行政指導をされていらっしゃいます。
 今回、判決が確定していった場合、いずれにせよ、平成三十年の三月ですから三年前ですけれども、その使用料は膨大に上るわけでございまして、それはどうするのかということを含めて、文化庁ももう関わりを持っているので、音楽文化がしっかり栄えていくように、そしてまた権利者の権利も保護されるように、しっかりとした行政指導を行うべきというふうに考えますが、文化庁の見解を求めます。

#40
○矢野政府参考人 お答え申し上げます。
 本件につきましては、原告である音楽教室事業者の請求が棄却された一審判決を、今委員御指摘のとおり、一部変更する判断が示されたところでございまして、現時点で判決が確定しているものではないため、今後の対応について予断を持ってお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
 なお、文化庁といたしましては、平成三十年三月に、JASRACの使用料規程の実施保留はしない旨の裁定を行った際、訴訟が係属する中でJASRACが徴収を開始した場合の社会的混乱を回避するため、JASRACと音楽教室事業者との間で訴訟が係属している間は、JASRACと争う事業者に使用料支払いの督促を行わないよう求める行政指導を行ったところでございます。
 先生御指摘のとおり、著作物を利用する、そして著作権を保護するという観点から、バランスの取れた行政を行ってまいりたいというふうに考えております。

#41
○川内委員 まだ判決が確定していないので、言いにくい部分はあると思うんですけれども、いずれにせよ、社会的混乱を回避すべく行政指導をされたわけで、今後も、社会的混乱を回避すべく、この問題については文化庁としても関わりを持っていくということでよろしいかという趣旨の質問なんですけれども。

#42
○矢野政府参考人 お答え申し上げます。
 まさに委員御指摘のとおり、私どもとしては、社会的混乱が起きないように留意しながらしっかり対応してまいりたい、その判決が確定した際には、その内容に応じて当事者間の状況を見ながら必要な対応をしてまいりたいというふうに考えております。

#43
○川内委員 萩生田大臣に、ここで御見解を教えていただきたいんですけれども。
 四月一日から、文化庁長官に都倉俊一さんが就任されます。都倉俊一さんといえば、私なんかは、もうすごく尊敬する作曲家というか、ピンク・レディーの曲をいっぱい作曲していて、小学生の頃とか中学生の頃とか、思い出深い方なんですけれども。
 この都倉さんは、かつて、今話題にしたJASRACの理事長を六年間お務めになられた方で、都倉新文化庁長官、もちろん、識見が高く、立派な方であるというふうに思いますが、JASRACの理事長をされていたということで、この音楽教室との紛争などについて、今、事務方は、社会的混乱を回避すべく必要な関わりは持っていきますよということなんですけれども、長官がJASRACの御出身になるわけで、公正公平な裁定あるいは行政指導ということをとりわけ心がけていただかなければならないというふうに思うんですけれども、文科大臣として、新文化庁長官ともしっかり連携をして公平公正な行政に努めるよという御見解を御披瀝をいただきたいというふうに思います。

#44
○萩生田国務大臣 先生のおっしゃるとおりだと思います。

#45
○川内委員 ありがとうございます。よろしくお願いをいたします。
 次に、小学校、中学校でのフッ化物洗口についてお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。
 最近、子供たちの虫歯というのは物すごく減っているわけですけれども、しかし、平成十五年に厚生労働省がフッ化物洗口に関するガイドラインというのを出して、そのフッ化物洗口に関するガイドラインの中で、学校で集団でやってねということが書いてあるわけです。
 今、新型コロナウイルス感染症の感染の拡大の中で、特に変異株が大変心配されている。変異株は子供たちにも感染しやすいのではないか、そして、子供たちが感染することによって、おうちにいるおじいちゃんやおばあちゃんにその感染が拡大してしまうのではないかというようなことが心配されておりますし、昨日は、ベルギーの大臣がそのような趣旨の発言をしていらっしゃいましたけれども、小中学校でのフッ化物洗口、この厚生労働省のフッ化物洗口に関するガイドラインに端を発して学校で行っているところもあるということで、集団的にフッ化物をブクブクして飛沫を飛ばす、密になる、マスクを外すということで、コロナ対策から見れば感染リスクを高めることになるのではないかと。
 今、菅総理大臣も、今が重要な局面なんだ、緊急事態宣言を解除してここが大事なんだよということをおっしゃっていらっしゃるわけですけれども。
 この、厚労省が平成十五年に作成したフッ化物洗口のガイドライン、三月十二日の厚生労働委員会で、平成十五年のものですから、コロナ対策の観点がこのガイドラインには盛り込まれていないので、コロナ対策の観点も加えるべきじゃないかというふうに申し上げました。これに対して厚労省の正林健康局長は、ちょっと読ませていただいて検討したいと思いますというふうに答弁されました。
 厚労省、その後の検討の状況を教えていただきたいと思います。

#46
○間政府参考人 お答えをいたします。
 虫歯予防のためにフッ化物を応用することについては、WHOのほか、日本歯科医学会と国内外の関係学会等、多くの関係機関の見解から、その有効性や安全性を含め、公衆衛生学的に優れた方法であると認識してございます。
 その上で、委員御指摘のフッ化物洗口ガイドライン、この洗口というのは、いわゆる五ミリから十ミリ程度のフッ化物を口に含んでブクブクうがいをするものでございますが、このガイドラインは、厚生労働科学研究事業の結果に基づき、より効果的なフッ化物洗口法の普及を図るために作成されたものでございます。
 今委員からお話しございましたように、新型コロナウイルス感染症への予防対策が求められる中で、フッ化物洗口を実施する場合には、実施現場におきまして、学校歯科医等の専門家とも相談しながら、例えば密を避けるといった一般的な感染予防の取組の下で適切に対応されているものと考えてございます。
 こうした一般的な感染予防の下でフッ化物洗口が更に円滑に実施されるよう、留意すべき事項等の周知などにつきましては、関係省庁や医療関係団体等とも相談し、検討していきたいというふうに考えてございます。

#47
○川内委員 大臣、私、この新型コロナウイルス感染症対策というのは、本当に、全国民的に心を一つにして取り組まなければならない、感染のリスクは少しでも下げなければならないというふうに思うんですけれども、厚労省は、平成十五年にガイドラインを出してしまっている以上、それを思うと、今更取り下げますとも言えないし、しかし、文科省の立場としては、学校でやりたいところがあったらそのガイドラインに従ってやってねということなんですが、実は、田舎の学校では、このフッ化物の溶液の配合などを学校の先生がじかにやっちゃったりとかして、実はこれは薬剤師法違反なんですけれども、人がいないからしようがないということで、事故も起きたりしているわけですよね。
 それは、文科省、知っていますよね、事情。

#48
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘の、ある県のある市での、濃度の間違いに気づかないまま子供たちにフッ化物洗口をさせていた事故の件については、私どもとしても承知をしているところでございます。
 たまたま、けがをするような濃度ではなかったということではございますけれども、こうした事故が起こらないように、しっかりと十分確認を取りながら、その件については、学校での十分な確認ができていなかった、薬剤の一本当たりの分量に変更があったことについての確認ができていなかったことに起因していると聞いておりますが、そうしたことがないように、しっかりと注意をしながら対応していただきたいというふうに私どもとしては思っております。

#49
○川内委員 注意してやっていきたいといっても、薬剤を調合することは調剤に当たるわけで、これは薬剤師しかしちゃいけないことなんですけれども、地方の学校ではもう学校の先生がやらざるを得ない。別に学校の先生の責任じゃないんですよ。人がいないからですね。
 だから、そういう問題もあるという中で、コロナ対策として、集団にならないようにしましょう、密にならないようにしましょう、飛沫が飛ばないようにしましょう、なるべくマスクを外さないようにしましょうということをみんなでやっている中で、わざわざ、変異株のリスクもある中で、学校で、密になる、マスクを外す、ブクブクする、飛沫を飛ばす、そして子供たちはそういうところでも会話はするということで、新型コロナウイルス感染症対策として、フッ化物洗口については、大臣、子供たちの間でもう虫歯はめちゃめちゃ減っているんですよ、昔と比べて。もうほとんど心配ないぐらい、虫歯の子はいないんですよ、今。だから、今あえてこのフッ化物洗口に固執する理由がないんですよ。それでも、今、この状況の中でやらせるんですかと。
 文科大臣として、せめてこのコロナの状況の中では、フッ化物洗口についてはちょっと気をつけてね、中断しましょうねというぐらいは、各教育委員会に注意喚起を促した方がよいのではないかというふうに思いますが、大臣としての御見解をお願いします。

#50
○瀧本政府参考人 済みません、ちょっと技術的な、細かなところでございますけれども、フッ化物洗口については、それぞれの自治体において御判断をいただいているところでございますけれども、御指摘の、このコロナ禍での安全性に関わってということでございますが、フッ化物を歯に定着させるということですので、ブクブクうがいの段階は、基本的には下を向いて口を閉じてやるものですから、その段階では飛沫が飛び散るというようなことはほぼ心配ないだろうと言われております。
 ただし、ブクブクうがいをした後の、口から吐き出す際に、高い位置から仮に吐き出したりすると、はねたりして、安全性の観点、リスクを上げるという観点では課題があると思っておりますが、そこは、できるだけ低い位置から吐き出すこととか、先ほど厚労省さんからもございましたけれども、できるだけ密にならないような、集団で洗口する場所に行かないようにすることとか、きっちりと間隔を置いて吐き出すこととか、あるいは窓を開けて通気をよくして行うこと、さらには、場合によっては、そのまま吐き出すのではなくて紙コップを使用して吐き出す、量としてはそれほど大量のものを口に含むものではないのでというような、このコロナ禍におきましても、集団フッ化物洗口の安全な実施について、関係の学会からも考え方が公表されておりますので。
 私どもとしては、それぞれの、各学校や設置者の御判断ではございますけれども、学校歯科医というものがいらっしゃいますので、しっかりと、学校歯科医とも十分相談をしながら、フッ化物洗口を続けるということであれば、より安全な方法でやっていただくことを、それぞれの設置者等において御判断いただくべきものと考えているところでございます。
 ちょっと細かな点でございましたので、補足させていただきました。

#51
○川内委員 霞が関の、自分たちがやらせていることに固執する執念というのは大したものだなと、今お話を聞いていて思いましたけれども、要らぬ執念というか。もし学校でクラスターが発生して、それがおうちのおじいちゃん、おばあちゃんに感染が拡大し、もし、そのおじいちゃん、おばあちゃんに何かあってからでは遅いわけですよね。やはり、リスクは全体として予防原則の中で下げていこうねというふうに考えるのが、私はこの状況の中では常識的な考え方なのではないかと。ここまで、いやいや大丈夫ですからと無理やり続けるというのは、これは間違った執念だなというふうに思うんですよ。
 大臣、そう思いませんか。何か一言、感想でいいです。

#52
○萩生田国務大臣 フッ化洗口が一定の効果があるということは厚労省が認めていることです。
 それで、先ほど先生が、大臣、やめさせろ、こうおっしゃったんですけれども、文科省としてやれと言っていることだとすれば、私の責任でやめろということも言った方がいいと思うんですけれども、これは学校の設置者の判断で行っていることだと思います。学校歯科医もいらっしゃいますし、やっていない自治体、やっていない学校もたくさんあるわけですよね。
 他方、やはり手洗い、うがいは続けてくれということは、逆に文書で通達をしています。ブクブクかゴロゴロかはともかくとして、続けてくれと。その場合に、一定の距離を保ったり、休み時間の時間をずらしたり、要するに、流しの前に子供たちが密集しないようにしてくれということはかなり徹底していまして、私もこの間、幾つかの小学校に視察にお邪魔していますけれども、大概、テープが貼ってあったり足跡のマークが置いてあったりして、一定のディスタンスを保ちながら子供たちはうがい、手洗いをしている、こういうふうに確認をしているところでございますので、文部科学省がというよりは、各自治体、設置者で御判断されたらどうなんですかね。私はそんなにこだわりはないんですけれども。

#53
○川内委員 文部科学省がやらせていることではないと。それはそのとおりですね、厚労省のガイドラインに沿ってやっているわけですから。しかし、気をつけてねぐらいは文部科学省としてもおっしゃっていただきたいなということを申し上げておきたいというふうに思います。
 それでは、最後の論点に移らせていただきたいと思います。
 障害者あるいは障害という言葉に関して、先生方のお手元にも資料を配付してございますけれども、スポーツへの障害者の参加の更なる促進のため「障害」の「害」の表記について検討を求むるの件ということで、平成三十年の五月三十日、本委員会で決議がなされました。
 「害」については、障害者の中で「害」は嫌だという意見があるということで、障がい者スポーツ協会が、「害」の字を平仮名にするということで法改正が行われ、それをきっかけとして、「害」の字の表記について、これは資料の一枚目の一番最後のところですけれども、「「障害」の「害」の表記について、障害者の選択に資する観点から、」「碍」を使うという使い方もあるということで、「「碍」の字の常用漢字表への追加の可否を含め、所要の検討を行うべきである。」という決議が行われて、文化審議会国語分科会で議論されていたわけでありますけれども、大変残念なことに、障害の害の字について、「碍」の字も使えるように常用漢字表に「碍」の字を加えてくださいという要望は聞き入れられず、「害」だけが常用漢字表で使える字として残ったということです。
 実は、障害者の団体の方々も、全部とは言いませんよ、全部とは言いませんけれども、大変残念な思いをしていらっしゃって、三枚目の資料に、認定NPO法人日本障害者協議会、これは六十の団体から構成される障害者団体なんですけれども、この文化審議会の国語分科会の結論の後、「文化審議会国語分科会国語課題小委員会(第四十一回) 「碍」の常用漢字化の再度の否定についての声明」ということで、声明が出されました。
 二段落目、報告は、「「害」の字に傷つく人々がいること、見直しの検討を政府に求めた国会決議も「重く受けとめた」とは言いながら、実質的には全くのゼロ回答となりました。三年近い検討の結果がこのようなものとなったことを大変残念に思います。」というふうに述べて、下から二段落目、今回の報告の結果、「「害虫・害悪の害で呼ばないでほしい。私は迷惑な存在ではない」という障害当事者の気持ちは引き続き軽視されることとなります。アイデンティティーを傷つける表記が多様な法令で定められている事態は継続します。」、しかし諦めず取り組んでいきますということを声明をされていらっしゃいます。
 実は、日本障がい者スポーツ協会というのは、この日本障害者協議会にも加盟する団体なんですね。その日本障がい者スポーツ協会の法改正がこの決議のきっかけになったわけですが、それにもかかわらず、「害」の字だけが常用漢字表にあり、「碍」の字が常用漢字表にないために、もちろん常用漢字表になくても使えばいいじゃんという話はあるにせよ、しかし、常用漢字表にある、ないというのは大きなことなんですよ。日本はやはり行政が大きな力を持っておりますので。
 そこで、ちょっと教えていただきたいんですけれども、三年間の検討の中で、「害」の字に対する評価、「害」の字がどんなふうにみんなに思われているのかということについての調査を、審議会の中で議論というものをされたのかということについて、端的に教えていただきたいと思います。

#54
○矢野政府参考人 お答え申し上げます。
 今委員の御質問について、害の字を使用する理由というかその成り立ちというか、あ、そういうことではない。(川内委員「じゃ、もう一回質問をやり直します」と呼ぶ)はい。失礼しました。

#55
○川内委員 矢野さん、よく聞いていてね。
 「害」という字について、じゃ、今答えようとしたことでいいですわ。「害」を使用する理由について議論されたのかということを答えてください。端的に答えてください。

#56
○矢野政府参考人 「害」を使用する例えば意味とか成り立ち、そういったようなことについて詳細に検討したということではございません。

#57
○川内委員 詳細に検討したことはない、「害」がなぜ障害の害に使われるのかということについて詳細に検討していないと。
 じゃ、過去、「害」だけを当用漢字表、常用漢字表に入れた理由は何ですか。

#58
○矢野政府参考人 お答え申し上げます。
 戦後、昭和二十一年に作成された当用漢字表及び昭和五十六年以降に用いられてきた常用漢字表に「害」が採用された一方、「碍」の字が採用されなかったためでございます。
 戦前においても、「害」は様々な言葉に用いられる漢字でございました。使用頻度も高かったため、明治三十三年の小学校令施行規則中教授用漢字に関する規定や、大正十二年に臨時国語調査会が作成した常用漢字表、また、昭和十七年に国語審議会が作成した標準漢字表におきまして、国民の日常生活に関係が深く、一般に使用の頻度の高いものとされた常用漢字に採用されております。
 当用漢字表は、これらの実績に基づくとともに、各官庁、新聞社等から希望の漢字を求め、従来の使用頻度の調査をできる限り活用するとともに、実用を重んじる立場から整理し、慎重に審議を重ねてきたものでございます。
 その上で、障害という語には、明治期から「害」と「碍」とが法令を始め社会においてほとんど同じ意味で使われていたことから、当用漢字表である、うかんむりを用いる表記の方が採用されたところでございます。

#59
○川内委員 障ガイという言葉あるいは障ガイ者という言葉において、「害」を使う場合、「碍」を使う場合が両方併存していた、しかし、「碍」は常用漢字表には採用されなかった。
 そういう経緯の中で、一九五六年、文化庁は、同音の漢字による書換え指導というものをされて、もう「碍」は使わないでください、障ガイ、障ガイ者という言葉を使う場合、「害」だけにしてくださいという書換え指導というものを行っています。その一九五六年の二年前、一九五四年には、法令に使う言葉としても、「碍」は使いません、「害」で障害というふうにしますということを、わざわざ国語審議会は建議していらっしゃいます。
 この同音の漢字による書換え指導、あるいは、その二年前の国語審議会の建議において、「害」だけにする、「碍」は使わないということについて、この漢字の意味、単漢字の意味ということについての議論はされましたか。

#60
○矢野政府参考人 お答え申し上げます。
 ガイの字の単漢字としての意味や成り立ちなどについて詳細に検討したという記録は残っていないところでございます。

#61
○川内委員 だから、「害」の意味と「碍」の意味を詳細に検討せず、「碍」を常用漢字表から外したわけですね。
 「碍」というのは、旅人の行く手を阻む石という意味において、障害者の社会モデルに合致する、そもそもの意味を持つ。他方で、「害」は、いい意味が一つもないわけです。害虫、害毒、害悪、殺害、障害、いい意味が一つもないわけです。その漢字をずっと我々は見せられてきた、国民的にも。
 でも、当時は、優生保護法というのがあって、大臣、これは全会一致で成立した法律で、優生保護法というのは大変な法律なんですけれども、この優生保護法のコンメンタールに、優秀者の家庭においては容易に産児制限は理解実行せらるるも、子孫の教養等についてはおよそ無関心な劣悪者すなわち低脳者低格者のそれにおいてはこれを用いることをしないから、その結果は、前者の子孫が逓減するに反して、後者のそれはますます増加の一途をたどり、あたかも放置された田畑における作物と雑草との関係のごとくなり、国民全体として見ると、素質の低下すなわち民族の逆淘汰を来すことは火を見るより明らかである。
 これは、優生保護法のコンメンタールに書いてあるんです。
 当時のこういう時代状況の中で、今聞いていただいたとおり、余り議論もなく「害」だけが選ばれた、障ガイという言葉を使うときに、あるいは障ガイ者というものを表現するときに。
 いや、それでも、その当時については進歩だったんです。なぜかというと、それまでの時代、障害あるいは障害者というものを表現するときに、法律上どんな言葉を使っていたのかということについて教えてください。

#62
○矢野政府参考人 お答え申し上げます。
 戦前に見られる障害の例でございますが、いしへんを……(川内委員「違う違う、そのことを聞いていない、ちょっといいです」と呼ぶ)
 不具廃疾というような言葉でございました。

#63
○川内委員 じゃ、私が言いますよ。昭和五十六年まで、あるいは昭和五十七年まで、つい最近まで、つんぼ、おし、めくら、不具、廃疾、不具廃疾、不具奇形の児童、白痴者、これらの言葉が法律用語として使われていたということで、内閣府、いいですね。

#64
○難波政府参考人 お答えします。
 委員が先ほどおっしゃられた用語につきましては、昭和五十六年の障害に関する用語の整理のための医師法等の一部を改正する法律又は昭和五十七年の障害に関する用語の整理に関する法律において整理をなされる前に、法令用語として用いられていたというふうに承知をしております。

#65
○川内委員 だから、昭和五十六年、五十七年までは、もう今じゃとても口にすることがはばかられる言葉が法律の中にあった。それを障害とか障害者という言葉に整理したというのが昭和五十六年、五十七年の流れである。そういう中で、優生保護法はこのときも生きているし、余り考えもなく、「害」が常用漢字表にあるから、いしへんはないからということで使われたということなんです。
 法制局にも今日来ていただいていますけれども、法制局も実は、この同音の漢字の書換えについては参加しているんですよ、内閣法制局も。だけれども、漢字のそのものの意味については、さすがの内閣法制局も検討しなかったでしょう。

#66
○嶋政府参考人 お答えをいたします。
 法令で用いる用語につきましては、委員御指摘のように、昭和二十九年に当時の国語審議会の方から、一般国民の守るべき規則を定めた法令の用語が、国民教育の線に沿ったものであり、かつ国民に理解しやすいものであることを要するという観点から、法令用語を改善するための処置を取るよう建議がなされております。その中に、障害の語につきましても、「碍」を「害」に改めるというふうな内容が含まれておりまして、そういった建議の趣旨を踏まえて政府としても対応してきたというふうなことがございます。
 その後、政府におきまして、昭和五十六年に、やはり国語審議会の答申を受けて、現代の国語を書き表すための漢字使用の目安として常用漢字表を定め、公用文における漢字使用もこれによることとしたことから、法令における漢字使用についても同様としてきたというふうなことでございます。

#67
○川内委員 だから、「害」について、あるいは「碍」について、一つ一つについて、その漢字の意味を検討したんですかと聞いているんですよ、内閣法制局は。検討していないんだから、検討していないと一言言えばいいんですよ。

#68
○嶋政府参考人 失礼いたしました。
 漢字の意味ということではなくて、書換えの例が示されているので、それに応じて用語を使ってきたというふうなことでございます。

#69
○川内委員 大臣、今、この人たちは物すごくうそをついているんですよ。当時の国語審議会の議事録には、一つ一つの漢字の意味についてもちゃんと検討したと書いてあるんですよ、内閣法制局も参加してと。だから、いいんです、優生保護法があったし、そういう中で余り考えもなく検討もなく、「害」が常用漢字表にあるからということで選ばれたと。
 だけれども、今、時代が進んで、もう嫌だという声が物すごく高まっている。だから、四十七都道府県で十六の府県が「がい」に開いている。県庁所在地四十七のうち二十五の県庁所在地の市が、「害」は使わない、「がい」にしているという状況なんです。そういう中で、じゃ、文化審議会国語分科会がどういうふうな結論を出していくのか。
 内閣府が、今回の結論を内閣府の障害者政策委員会に報告していますよね。その障害者政策委員会の文化庁の報告を聞いて、障害者団体の方がこんなふうに言っているんです。
 障害当事者には害に抵抗感を持つ人が多い、言葉にとらわれてはならないという人もいる、しかし、その心境に至るまでが大変だ、そのような強さを身につけるまでには言葉のイメージの影響も大きい、言葉もバリアとなるということで、社会モデルに合致する漢字に変えてほしいという意見が、内閣府のつい月曜日の会議でもずっと出ている。
 こんなことを私が文科大臣に申し上げるまでもなく、文科大臣は常に考えていると思うんですけれども、この問題を解決するには、実は、文科大臣は国語分科会に諮問することができるんです。「碍」を常用漢字表に加えてねということを諮問することができる権限を持っていらっしゃいます。
 大臣は、その権限を是非行使していただいて、「碍」の字を常用漢字表に加えて、大臣、おっしゃっていただいたじゃないですか、予算委員会で、みんなが幸せに暮らせる世の中をつくっていけるために前進していきたいとおっしゃった。その大臣の言葉どおりに、「碍」の字も選択できるようにしてほしいんです。それに変えろと言っているんじゃないんです。選択できるようにしてほしいというみんなの願いを是非、大臣、かなえていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#70
○萩生田国務大臣 先生がこの問題に本当に熱心に取り組んでおられていることは敬意を表したいと思います。私も、おっしゃっていることはなるほどとうなずけることもたくさんあります。
 他方、常用漢字表に入れろという一点突破は手法的にどうなのかなという思いがしまして。
 というのは、私、先生が障害者団体の代表の方を文科省に連れてこられていろんな意見を聞いたときに、ああ、なるほどなと思ったんですよ。そうしたら、その後、もうこの話題はやめてくれという団体の方もいらっしゃるんですよね。このことをクローズアップすることで障害者に悪いイメージを与えているじゃないか、我々はそんなこと全然思っていない、プライドを持って日々生活しているので、文字の問題じゃないんですという方も中にはいらっしゃって、なるほどなと、どっちも耳を傾ける内容なんですよ。
 先生の解説によると、そのレベルに行くには、いろんなことを乗り越えた人たちであって、その手前で嫌な思いをして悩んでいる人がいるということも、言われると分からない話ではありません。
 それで、私、常用漢字は、常用していない漢字を常用漢字に文科大臣がしろと言うわけにもなかなかいかないと思うので、まず使うことじゃないですかね。広めていくことで、さっき、自治体の取組、お話ありました。いいんですよ、使って、いしへんを使ってもいいし、平仮名でもいいんですよ。
 ですから、そのことは国会の皆さんみんな知っているわけですから、この際、そういう国民運動に切り替えていった方が私は近道じゃないかなというふうに思っているところでございまして、加えて、先生がお連れいただいた団体の名前も、日本障害者協議会と害という字を使っているんですよね。まずここから変えたらどうかなと思います。
 思いは一緒だと思っています。

#71
○川内委員 ありがとうございました。
 時間が来たので終わりますが、大臣から、国民運動にしていこう、したらどうかと言われたんですが、私は、もうこれはしていこうと言われたと勝手に解釈して、是非、委員の先生方も「碍」を使ってください。「碍」は、旅人の行く手を阻む石という元々の意味があって、それを取り除くことが障害者が自由になることだ、移動する自由、話す自由、聞く自由、見る自由、その自由を獲得するために、私たちは言葉によって社会を成り立たせていますので、是非、大臣も含めて使っていただけるようにお願いを申し上げて終わります。
 ありがとうございます。

#72
○左藤委員長 次に、城井崇君。

#73
○城井委員 立憲民主党の城井崇です。
 本日は、貴重な質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 久しぶりの文部科学委員会、今回も萩生田文部科学大臣との政治家同士の議論ということで、大臣、よろしくお願いしたいと思います。
 まず、冒頭、文部科学省亀岡前文部科学副大臣と藤原文部科学事務次官の接待疑惑報道について、一点だけ事実確認をさせてください。
 学校法人豊栄学園から、文部科学省政務三役、そして藤原文部科学事務次官、当時官房長、及び教育課程特例校指定とそれから施設整備補助金交付決定を担当した文部科学省職員に直接行った陳情の日時、内容、政務については対応した政務の別、事務方については役職の別、並びにその後の文部科学省の対応について大臣からお示しをいただけますでしょうか。

#74
○萩生田国務大臣 一昨日のしんぶん赤旗の記事において言及のありました教育課程特例校の指定と私立高等学校産業教育施設整備費補助金の交付に関し、学校法人豊栄学園と政務三役を含む文部科学省職員の間におけるやり取りについては、現在、事実関係を確認しているところであり、可能な限り速やかに確認を進めてまいりたいと考えております。

#75
○城井委員 先ほど川内委員からも質問があったかというふうに思いますが、行政がゆがめられていないか、法令にのっとった調査の徹底が必要であります。
 大臣、速やかな調査ということでありますが、調査内容について、行政文書の形で本委員会に御提出をいただけますでしょうか。
 委員長、理事会でお取り計らいをいただきたいと思いますが。

#76
○萩生田国務大臣 先ほどもお答えしましたけれども、きちんと省内でも調べますし、また、必要があれば公務員倫理調査会等々との連携も取らなきゃならないと思いますが、出てきたものについては、きちんと委員会の方に報告させてください。

#77
○城井委員 委員会の方にも提出ということで、よろしくお願いしたいと思います。
 委員長、よろしいでしょうか。

#78
○左藤委員長 理事会で協議させていただきます。

#79
○城井委員 では、続いて質問をさせていただきたいと思います。
 次に、新型コロナワクチンの接種順位に係る市町村への裁量付与についてお伺いいたしたいと思います。
 ワクチンの接種順位については、政府分科会での議論を経て、国の役割の下決定しているのは承知をしております。ただ、社会機能を維持する従事者の優先接種について、北九州市を始め、地方自治体や地方議会、国民から強い要望が上がっています。
 社会機能の維持に欠かせない者としての例としては、保育関連施設職員や教職員、消防職員が挙げられています。こうした社会機能の維持に欠かせない者についても幅広に優先接種の対象に追加できるよう、市町村に対して接種順位に関する裁量を付与すべきと考えます。
 そこで、萩生田文部科学大臣に伺います。
 教職員を念頭にした優先接種順位に関する市町村への裁量付与を行うよう政府内で働きかけを行っていただけないかというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。

#80
○萩生田国務大臣 ワクチンの優先接種については、重症化リスクの大きさや医療提供体制の確保といった観点も踏まえて、専門家の議論を経て決められているものと承知しています。
 学校で教育活動が円滑に行われ、保護者を含めた地域の皆さんが安心して働くためには、教職員の感染を防ぐことは極めて重要だと思います。ワクチン接種の在り方については政府全体で検討しておりますが、例えば、社会機能を維持する方々向けの接種の在り方が議論される場合には、地域における学校や教職員の職務の重要性等について、関係省庁にもお伝えをしてまいりたいと思います。
 全体量がまだ明確にならない中で、いろんな議論を政府内でしておりまして、実は、学校の空き教室や体育館を接種会場に使わせてほしいという厚労省からの提案があったときに、それを全国に通知を出すときに必然的にこの話が出てきまして、せっかく会場が学校になっているのに先生たちは打てないのか、こういう議論がありました。
 それは合理的に、例えば予定していた人が来なかった場合にその会場校の先生方に順次打ってもらうなんということも、いろんなシミュレーションを今コロナ室でもやっていただいておりますので、私は、ある意味、学校の先生方というのは社会的に必要な職業の一つだと思っておりますので、引き続き検討させてください。
    〔委員長退席、原田(憲)委員長代理着席〕

#81
○城井委員 教職員の感染防止に関して重要だという点、そして、自治体も含めてですけれども、ワクチンの接種体制の整備については走りながら考えている部分もあろうかというふうに思いますけれども、今日申し上げたこの要望については、三月二十二日にも、北九州市からも直接要望をいただきました。
 こうしたことからも分かるように、地域からの切迫感の強い要望であるというふうに考えています。関係閣僚とともに、早急な検討を是非お願いしたいと思います。
 それでは、次の質問に参ります。
 今回の質疑の機会に当たりまして、私自身も質問の作成をやってまいりましたが、あわせて、インターネットを通じて、文部科学大臣に聞いてほしいことというのを募りました。デジタル民主主義にもつながる試みであります。いただいた御意見や提案は、A4で二十四枚にも上りました。この後の質問は、これらも踏まえて文部科学大臣に伺いたいと思います。
 まず、教育現場における変異株への対応についてお伺いをいたします。
 学校現場における新型コロナウイルスへの対応について御意見をいただいた保護者の皆さんの不安や要望をまとめますと、一つには、児童生徒、学生及び教員への、全員そして頻回のPCR検査の拡充、二つ目には、エアロゾル感染の心配、そして三つ目には、ICT活用促進に当たっての懸念ということでございました。
 そうした部分も念頭に置きながら、まず、教育現場における新型コロナウイルスの変異株の感染拡大を踏まえた対応について伺います。
 変異株は若年世代への感染力が強いとの分析がありますが、これを踏まえての文部科学省の対応はどのようにするか、大臣、御見解をお願いします。

#82
○萩生田国務大臣 新型コロナウイルス感染症の変異株について、国内において感染者の確認が続いており、警戒が必要な状況であると考えております。
 変異株であっても、三つの密の回避やマスクの着用、手洗いなど、基本的な感染症対策が奨励されておりますので、各学校においては、これらの基本的な対策を改めて徹底いただきたいというふうに思っております。加えて、それぞれの地域の感染状況に応じて、感染症対策を講じてもなおリスクの高い教育活動は一時的に制限していただくよう、衛生管理マニュアルや通知でお示しをしてまいりました。
 学校の設置者においては、引き続き保健所と連携を密にしていただくとともに、新年度を迎え、各学校において教育活動を行っていくに当たって、改めて感染症対策を徹底してまいりたいと思います。
 文科省としては、変異株について必要な対応が明らかになった場合には、速やかに厚生労働省等と連携し、学校の設置者への情報提供や注意喚起の対応を行ってまいりたいと思いますが、何となく、変異株は子供にうつりやすいよねみたいなことが世の中で定説になってしまっているのは、やや、ちょっと違和感がありまして、実は、科学的に、そういった数字や、検証を行って国として発表している事実はございません。テレビのワイドショーなどに出てくる専門家と称する先生方が海外の事例をおっしゃっていて、確かに子供の感染がやや増えたのは事実なんですけれども、これは学校内での感染じゃなくて家庭内の感染でありましたので、直ちに、変異株は子供が危ないんだ、こういう一方的な報道を、皆さん惑わされることなく、冷静にきちんと情報を出していきたいと思っています。

#83
○城井委員 マスクについては後ほどお伺いをと思いますが、冷静な情報提供、確かに重要だというふうに思っています。ただ、各都道府県での変異株の確認報道が日々増えているものですから、そのことを踏まえて、現場での対応への不安の声を多くいただいての今回の質問でございました。最新情報の周知を含めて、引き続き対応をお願いしたいというふうに思います。
 次に参ります。
 コロナ禍での自主休校時の成績の取扱いについて伺います。
 新型コロナが理由で欠席する場合には、欠席扱いしない旨の学校現場での対応が続いています。コロナ禍で自主休校の子供たちも多く、また、感染、濃厚接触はもちろん、微熱でも登校を控えるため、自主休校中の子供たちの学びの保障が心配です。
 この学びの保障は、出席停止扱いだけでは解決しないとの指摘があります。特に、通知表等の評価はどうなるか。中一から中三での評価は受験で入試に加点されることが想定されるため、特に本人や保護者からも関心が高い状況です。
 教育現場でのオンライン教育の整備は大前提ですが、登校しない期間が長期化した場合の学力を評価する基準などがないというのが保護者からの声であります。検査や換気などの感染対策をもっと拡充して、子供たちが安心して登校できるようになるのが一番でありますが、先ほど議論させていただいた変異株の影響もあり、在宅での学びの保障整備は急務だという切実な声も届いています。
 新型コロナを理由にした自主休校の子供たちの学びの保障、特に成績の取扱いはどのように対応するか、大臣から明確にお答えをいただけますか。

#84
○萩生田国務大臣 新型コロナウイルス感染症への対応に当たっては、感染症対策を徹底しつつ、最大限子供たちの健やかな学びを保障することが重要です。
 その上で、やむを得ず学校に登校できない児童生徒に対しては、児童生徒の学習に著しい遅れが生じることのないよう、指導計画等を踏まえた教師による学習指導と学習状況の把握を行うことが重要であり、その旨は昨年四月以降、通知をしております。
 また、通知においては、児童生徒が自宅等で行った学習の状況や成果は学校における学習評価に反映できること、進級、進学等に不利益が生じないよう配慮することなども示しております。
 引き続き、学校関係者と緊密に連携をしながら、児童生徒の健やかな学びが保障されるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
 先生、基本的に、本人に症状が多少あって親御さんも御心配でお休みになるというのが長期にわたるということはちょっと考えられないと思うんですね。ですから、基本的にはやはり登校していただくことが義務教育は原則だと思います。
 ただ、御家庭に基礎疾患を持ったお年寄りが同居していて、そして、間は空くんだけれども、子供がちょっと健康状態がいま一つ心配だなんというお子さんは中にはいらっしゃるんだと思います。
 これは、学校長とよく相談していただいて、合理的な理由を確認していただいた上でお休みになる以上は、今心配されているような成績評価なども含めて、学校できちんとルールといいますか制度をつくってその対象児童さん、生徒さんを見ていただくということが原則だと思っておりますので、それで休んだことによって後でマイナスが生じるということがないように、そのことは徹底してまいりたいと思います。

#85
○城井委員 教育現場での丁寧な相談をという部分も大臣から言及いただいたと受け止めています。通知などのルールと、そして現場の実態の乖離がないように、国の方からも引き続き注視をいただきたいということをお願いしたいと思います。
 次に、マスク着用による子供たちの心身への影響についてお伺いをいたします。
 学校におけるマスク着用については、事情がある人は外してよいなど、現在の文部科学省の見解を先日確認をいたしました。一方で、マスクによる感染予防効果は限定的だというのが科学的エビデンスであるにもかかわらず、学校現場では、同調圧力が働くなど、実質的にマスクの強制になっている学校が多い、そうした保護者からの声がたくさん届きました。今回、ネットからいただいた御意見ではこれが一番多かったです。衛生管理マニュアルの改定が必要だという声もあります。
 そこで、以下質問します。
 まず、文部科学省が学校におけるマスク着用の在り方を示すに当たっての科学的根拠が何かという点をお聞きします。
 国立感染症研究所に対して出された令和三年二月一日付の行政文書の開示請求について、同年三月二日、同研究所は開示しないとの決定がなされました。開示請求に係る行政文書を保有していなかったためとの理由です。このことで確認をされたんですが、国立感染症研究所は明確な根拠を示していませんが、文部科学省が依拠する科学的根拠が何かという点、大臣から分かりやすくお示しをいただけますでしょうか。

#86
○萩生田国務大臣 新型コロナウイルス感染症については、一般的には、飛沫感染や接触感染により感染するとされております。御指摘のような、文部科学省としての科学的知見をもってマスクの奨励をしているのかと言われると、そういった科学的知見を文科省として独自に持っているわけじゃないんですが、政府全体として、厚労省が出している感染防止の三つの基本の中にマスクの着用の必要性、また、一般的には、飛沫感染、接触感染は、閉鎖した空間で近距離で多くの人と会話するなどの環境では、せきやくしゃみなどの症状がなくとも感染が拡大するリスクがあるとされておりまして、そういう意味ではマスクは有効だというふうに言われております。
 学校におけるマスクの着用については、令和二年六月の新しい生活様式の実践例などに基づき、飛沫感染を防ぐ観点から、せきエチケットの要領で、身体的距離が十分取れない場合に着用すべきとの考えを衛生管理マニュアルでお示しをしているところでございます。
    〔原田(憲)委員長代理退席、委員長着席〕

#87
○城井委員 限定的ながらに現在取り得る感染防止の手段の一つがマスクだという部分も含めての認識かというふうに思いますが、大臣、文部科学省が示したルールと学校等での実際の運用の差異、学校ごとの運用の差異があるとの保護者からの意見もあります。変異株の感染拡大や、首都圏での緊急事態宣言解除といった前提条件の変化もございます。
 これらも踏まえて、学校におけるマスク着用について、国として今後どのように扱うか、見直しはあり得るかということも含めて、大臣から見解をお聞かせいただけますか。

#88
○萩生田国務大臣 科学的根拠はないなんて謙虚なことを言っちゃったんですけれども、実は、スーパーコンピューター「富岳」でマスクの効果検証を行っておりまして、不織布マスクであるならば、大きな飛沫の飛散をほぼ一〇〇%、また小さな飛沫でも七〇%防ぐことは研究成果として示されているところでございます。
 学校マニュアルにおけるマスクの着用の考え方については衛生管理マニュアルにおいてお示しをしておりますが、これまでも、その時点での状況を踏まえ、記載内容の見直しをしてまいりました。特に、緊急事態宣言は解除されましたが、政府の基本的な対処方針においても、マスクの着用を含めた基本的な感染症対策の推進が引き続き重要であるとされております。
 各学校では地域の感染状況に応じた対策が取られていると考えておりますが、例えば、体育の時間など、マスクを外して一定距離を保って授業を行うことはいいですよなんというガイドラインは示しているところでございますので、必要な対策をしっかり講じながら、マスクの着用に関する新たな知見が得られれば、学校等に対して必要な情報提供を速やかに行ってまいりたいと思います。
 無理して着用させるということを前提にしておりません。

#89
○城井委員 今、最後におっしゃっていただいた無理してのという点は、大変大事な点をおっしゃっていただいたと思います。ありがとうございます。
 続いてお伺いします。学校でのクラスター発生の実態への対応について伺います。
 子供は感染しにくい、学校感染は少ないという意見をあちこちで目にしますが、実際に、学校クラスターはそれなりにあったのではないか。今年一月には、たった一か月の間に小中高で百十ものクラスターが発生しているとの指摘があります。文部科学省が、一月五日、感染者の急増にもかかわらず、休校を避けるようにという通知を出したことも要因になっているのではという指摘もあります。高校では、休校を控えた結果、大規模なクラスターになった例が幾つもあるとの意見もあります。
 これまでと異なり、若年世代への感染力が強いとの指摘があった、先ほど議論させていただいた変異株の感染拡大も踏まえるならば、この休校を避けるようにとの通知が現在の形でよいか、見直し検討が必要ではないか。この点、大臣、見解をお願いします。

#90
○萩生田国務大臣 これは、先生、難しいですよ。休校したら怒られて、休校は避けるように頑張ってくれと言ったら怒られちゃうと、もう本当に手法がなくなっちゃうんですけれども。
 このウイルス、いろんなことが分かってきましたけれども、まだまだ未知の部分もありますから、文科省としては、本当に大事に大事を取って、いろんなことは手前手前で考えているつもりであります。
 ただ、やはり、一斉休校を行って子供たちの学びが遅れる、あるいは精神的にもいろんな不安を子供たちが抱えている、ああいう実態を考えると、社会全体にも大きな影響を与えますから、できる限りやはり学校は開いていくということを前提に、しかし、感染状況に応じて地域別の対応をしていこうということに、ある意味、途中から方針を変えたんですね。
 そのことが逆に邪魔になって、本当は学級閉鎖にしたいのに、あるいは学年閉鎖にしたいのにできないんだという自治体がもしあるんだとすれば、それは逆に御相談いただきたいなと思っていまして、まさにそういう、柔軟に感染状況に応じて各設置者が対応してくださいねというのが今の基本的な姿勢なので、閉めちゃいかぬとか閉めろとか、どっちも両極端に申し上げているわけじゃないので、そこは是非御理解をいただきたいなと思っております。

#91
○城井委員 研究途上でありますし、学説が分かれるのも当然かというふうに思うんですが、大事なのは、最新の科学的根拠がきちんと国民に伝わること、そして、それを踏まえた対応であるということがきめ細かに周知をされることだというふうに思いますので、その点を踏まえての対応を是非引き続きお願いしたいというふうに思います。
 続きまして、第一回共通テストの関係で幾つかお伺いをしたいと思います。
 まず、実施後の評価についてでありますが、検証のための会議を行うと承知しております。ここでは、特に、成績の段階評価の活用状況について確認をさせてください。
 この段階評価は、結局、各大学でほとんど使われなかったんじゃないかと思いますが、大臣、いかがでしょう。

#92
○萩生田国務大臣 高大接続改革に関する教育再生実行会議第四次提言や中教審の答申において、一点刻みによる評価から脱し、多様な評価方法の導入を促進するため、大学及び大学入学希望者に対して段階表示による成績提供を行うことが提言されました。
 こうした提言を踏まえて、平成二十九年七月に策定した大学入学共通テスト実施方針において、結果の表示に関して、大学入試センター試験よりも詳細な情報を大学に提供することとし、大学入試センターにおいて、今年度から初めて、全体における各受験者の位置づけを示す九段階表示の成績を大学に提供することとしたものです。
 段階表示の利用状況の詳細は、現時点では承知をしておりません、今後把握をしてまいりたいと思いますが、各大学の募集要項など可能な範囲で確認したところ、合否判定に段階評価を活用している事例は、現時点では把握はできておりません。
 文部科学省としては、大学入学者選抜実施要項に、共通テストの成績については、素点による選抜だけでなく、資格試験的な利用など、成績の利用方法を工夫することが望ましいとしており、来年度以降も段階表示による成績提供を継続することで、各大学が共通テストを活用し、多様な選抜に取り組むことを期待しているところです。

#93
○城井委員 続きまして、特例追試験の問題がセンター試験の過去問から出題されていた件について伺います。
 国語の出題について、一九九五年のセンター試験本試験の現代文、そして一九九三年のセンター試験本試験古文で用いられた問題文章がそのまま使われていました。一部の傍線箇所も同じ箇所でした。センター試験の過去問との重複がない第一日程、第二日程の受験生との間に明らかに不公平が生じた残念な状況です。
 複数の試験内容を用いることで生じる不公平等の問題点を私たち野党からも事前に何度も指摘をしていたにもかかわらず、複数問にわたり過去問を流用する不公平を放置して本番の出題に至ったのは、大学入試センターの作問能力の明らかな低下と言わざるを得ません。
 事前の指摘にもかかわらず、この出題の不公平、大臣はどのように認識されたでしょうか。いかに対処しますか。

#94
○萩生田国務大臣 特例追試験については、受験機会を最大限確保するため、あらかじめ受験生に周知していたとおり、現行の学習指導要領に準拠して用意してあったセンター試験の緊急対応用問題をベースに出題されたものですが、当該試験は共通テストの第一日程、第二日程と同様、高等学校段階における基礎的な学習の達成の程度を判定することを目的としたものです。
 その上で、国語の大問二問が過去のセンター試験で出題された素材文を再利用していることについては、平成二十年に大学入試センターが、試験問題に適した素材文には限りがある中で、良質な試験問題を作成する観点から、過去の素材文であっても、高等学校における基礎的な学習の達成度を測定する上で適切なものであれば使用することもあり得ると公表しており、かつ、設問は異なるものであることから、直ちに不公平があったとは考えておりません。
 大学入試センターにおいて、共通テストの試験問題についての自己点検評価や第三者評価を行っていると承知しておりまして、こうした評価結果を踏まえ、更なる良問の作成に努めることを期待したいと思いますが。
 先生、これはプロセスを一緒に議論して考えていただいたので分かっていただいていると思うんですけれども、本来だったら、最初の日程があって、追試を用意したわけですよね。だけれども、コロナ禍で、高校三年生でやはり授業が遅れちゃっている人もいるんじゃないかということで、あらかじめ二週間後に第二日程というのをつくり、また、第一日程で、万が一、例えば濃厚接触者などの指定をされて、本人は元気なんだけれども試験を受けられない子たちにも第二日程に回ってもらう、こういうセーフティーネットをつくりました。
 その結果、追試験の問題がなくなっちゃったんですよ。そうすると、この第二日程で同じ状況が起きた場合に、それを救う手段がなくなってしまったので、緊急避難的に過去に作った問題を使いますよということをお話ししました。
 これは、ややアプローチが今の時代のものと違うことはあらかじめ公表しておりましたし、人数がと言ったら誤解を招くかもしれませんが、幸い、対象者が一名だったんですね。その人がこれを使うことによって受験に挑戦することができたということなので、私は、機会を設けるという点では、皆さんに御理解いただけたんじゃないかと。
 これは、同じ素材文が設問されるというのは、共通テストのみならず、私立でも予備校などでも多分にあることでありますし、ぎりぎり詰めていくと、じゃ、取っていた新聞の中から記事が出るのと、読んだことがない新聞が問題になるんじゃ不公平じゃないかと言われても、これまたなかなか解決できない問題もあると思うので、そこは、先生、かなり厳しい御批判いただきましたけれども、今回は緊急避難の中でそれなりによくやったなと言っていただきたいなと。
 今後、そういう問題意識はきちんと持って、対応はしっかりしていきたい、こう思っているところでございます。

#95
○城井委員 緊急対応用の問題を利用したわけですが、あれは一種類しか準備していなかったんですよね。ちょっとびっくりしました。
 大臣、機会を設けることは否定していないんですが、公平な機会にしなきゃいけないというのが私からの指摘です。
 二つ申し上げます。
 一つは、現代文の出題については、初見の問題にいかに対処するかというのが試験の本来の狙いです。ところが、センター試験の過去問を利用した場合には、多くの予備校などでもテキストで使っているケースが多いですから、そうすると初見にはならない。しかも、問題文が違っても、その文章の意図などの読み下しは授業でやりますから、そうすると、そこまで深く学ぶ人とそれなりの人と差がついてくるというのは出てくる。
 一名とおっしゃいましたけれども、人数の違いにすり替えてはいけないというのは大臣お分かりでおっしゃっていると思うんですが、これは人数の話ではありません。事前には人数は分かりませんから、公平な機会にしなきゃいけないという意味での指摘です。
 もう一点、平成二十年から、過去のセンター試験の問題などを素材文に使うということをやりますよという方針を出しているのは知っています。
 ただ、この特例追試験に利用された平成二十七年度の緊急対応用問題以外には素材文を再利用した例はなかったというのが文部科学省からの確認です。これだけなんです。しかも、二つも重なっていましたということで、これを見逃したらいかぬではないかというふうに思うわけです。問題文が違っても、初見ではない受験生が存在することで生じる不公平は、やはり問題だというふうに考えます。
 ですので、大臣、もう一言だけ。今の二つ指摘申し上げた点を含めて、今後、こういうことのないようにするということで、文部科学省から目を光らせてチェックするよということだけ、お答えいただけませんか。

#96
○萩生田国務大臣 繰り返しになりますけれども、緊急避難的に二十五年前の問題を機会を確保するために使いました。
 ただ、先生がおっしゃったのは正論で、本来、できるだけ平等な環境の中で受験生が競い合っていただくのが大切だと思います。
 その初見というのは、確かに、共通テストの初見ということをおっしゃっているんだと思うんですけれども、その辺は御指摘のとおりだと思いますので、今後、そういう、やや首をかしげられるようなことがないように、良問、きちんと設問を作っていただくように引き続き努力すること、これはしっかり文科省としてもセンターに指示をしてまいりたい。そのことは改めてお約束したいと思います。

#97
○城井委員 よろしくお願いします。
 続きまして、四月から新学年を迎える高校生も、この数年の大学入試改革の混乱の影響を大きく受けた世代です。一日も早く落ち着いた方針を示してほしいと切なる願いが多く届いています。
 ここでは、特に、二〇二四年度から始まる新学習指導要領に対応した共通テストについて伺います。
 いわゆる新課程入試の大枠は、いつ発表しますか。二年前予告ルールを今回はお守りをいただけるでしょうか。大学入試センターが新課程入試の入試科目案をヒアリングしていると聞いていましたが、その結果の早期公表も含めて、大臣から明言をいただけますでしょうか。

#98
○萩生田国務大臣 令和六年度に実施する大学入学共通テストの新しい出題教科、科目については、大学入試センターにおいて、試験問題の作成や試験の実施、運営を担う立場から専門的に検討し、大学入試センターとしての案を本日午後公表する予定と聞いております。
 文部科学省としては、今回公表される大学入試センターの案を参考にしつつ、私の下に置かれている大学入試のあり方に関する検討会議での取りまとめなども踏まえ、高校、大学関係者の協議を経て、最終的には本年夏頃を目途に、文科省として、出題科目、教科を正式に決定することとしております。
 その上で、各大学には、令和七年度大学入学を志願する者の準備に資するように、速やかに令和六年度に実施する入学者選抜の出題教科、科目について検討に着手し、御指摘の二年前を待つことなく、決定次第公表するように促してまいりたいと思います。

#99
○城井委員 続きまして、大学生の追加支援について伺います。
 今年度後期の大学生のアルバイトへの就業状況及び収入状況を文部科学省としてどのように把握をしているでしょうか。今年度前半より改善をしたか。大学生からは、時短要請が長引いた飲食店でのアルバイトを中心に、経済的に厳しいとの声がたくさん届いています。
 このアルバイト学生の苦境の把握について、大臣、どのように認識をされていますか。

#100
○萩生田国務大臣 新型コロナウイルス感染症の影響により、民間企業の経済活動も制約を受け、学生のアルバイト先の休業等により、収入が減少している学生もいるという声は承知をしております。
 文科省では、本年一月以降の緊急事態宣言以降の新型コロナウイルス感染症の影響を把握するため、令和三年三月時点における学生生活の実態について、経済状況やアルバイト従事状況を含めた内容を学生等に直接、現在調査をしております。
 なお、民間の調査では、令和二年の秋時点で、前年と比べて学生の収入は減少するとともに、コロナ禍の活動制限により支出も減少しているというふうに承知をしております。

#101
○城井委員 現在調査中ということであります。後ほどの御答弁で、いつ頃調査結果を出せそうかということも併せてお答えいただければと思います。
 この苦境が続く学生に対して、追加支援が必要ではないかというふうに考えます。私ども立憲民主党ほか二党からは、コロナ特別給付金法案を既に国会提出済みで、そうした長期化するアルバイト減収学生の苦境も給付金で支えようという提案をしています。
 あわせて、学生への今後の追加支援についても大臣の見解をお聞かせください。

#102
○萩生田国務大臣 新型コロナウイルス感染症の影響で経済的に困難な学生が修学、進学を諦めることのないよう、しっかりと支えることが何より重要であると考えております。
 経済的に困難な学生に対しては、高等教育の修学支援新制度や貸与奨学金において、家計が急変した学生も含めて随時支援を行うとともに、各大学等が独自に行う授業料等の減免についても支援を行っており、こうした取組は来年度も継続して行ってまいりたいと思います。
 また、学びの継続のための学生支援緊急給付金については、これまで四十二万人に支給を行ってまいりましたが、昨年秋以降にアルバイト収入が減少した学生等一万人に対して追加支給を行っております。
 なお、大学の中途退学者等について、昨年度と今年度の四月から十二月まで比較したところ、中途退学者数については令和元年度よりやや少なく、休学者数についても大きな変化は見られませんが、年度末に向けて引き続き予断を許さない状況です。
 このため、日本学生支援機構の寄附金により、今後、感染対策を講じながら対面授業を再開する大学等を対象に、その大学等が学生に食料品を提供したり、自宅外での生活を再開する学生への支援を実施したりする場合、その大学等の取組に対して助成を行うなど、きめの細かな支援も行っていく予定でございます。
 なかなか評価いただけないんですけれども、このパッケージの中で、無利子の奨学金を学生支援センターの方で、いわゆる小口で、例えば三か月、十万円掛ける三か月、三十万円ですとか、こういったものも今使っていただいております。
 そうすると、国会内では、いや、学生に借金を背負わせるのかという御批判があるんですけれども、元々アルバイトで収入を得ていた者がアルバイトがなくなってしまって収入が途絶えているので、これは例えば、バイト先から前借りで三十万円借りたとしたら、借りるんだと思うんですよ、またシフトに戻ったらそれで相殺していけばいいわけですから。私は、この学生支援機構の無利息の短期のワンショットの奨学金は是非有効に活用していただければ、急場はしのげるのではないかなというふうに思っています。
 仮に、新年度になって状況が変わらないということであれば、これは新たな支援も当然考えていかなきゃいけないということは、注視しながら見てまいりたいと思っています。
 先ほどのアンケートなんですけれども、三月二十七日を締切りでやっております。これは、今まで常に学校経由で学生の声を聞いていまして、私の個人的な考えで、どうもバイアスがかかっているんじゃないかと。学生たちが直接私に言ってくる話やメールと学校経由の話が、どうも温度差があるものですから、直接聞いてみようということで今回実施をしておりますので、またこういう中で様々な声が上がってくると思いますので、学生の皆さんの実態に即して、引き続きの応援体制を組んでいきたいと思っています。

#103
○城井委員 バイト先から前借りのお話がございましたが、そのお店や会社も経営が苦しくてそのお金が捻出できないという状況だということが同時に起こっているということは申し上げておきたいと思います。
 努力のしようのない学生がまだまだおられます。時短営業の影響で、飲食店勤務のアルバイトが一か月一万円にも満たない賃金になったという例も学生から聞いたところです。感染対応が長期化する中、具体的な手だての検討を是非引き続き追加でお願いしたいと思います。
 続いて、大学生の自殺防止対策について伺います。
 警察庁、厚生労働省の資料によりますと、令和二年中の大学生、専修学校生等の自殺者数は五百四十名となっています。これは、令和元年中と比較して五十一名の増加、つまり約一〇%も増えた数字です。
 大学生等は、クラス等で状況を把握するのが難しい上、対面授業が減少したこともあり、対策が届きにくい状況です。文部科学省でも、大学等に対して、学生の精神的健康を維持し、自殺を防止するための対策をやっているということで、取組事例を含めて報告を聞きました。ただ、大臣、それがあっても学生自殺者が約一〇%も増えているという現状です。
 この現状を受けて、新たな対策が必要なのではないかと危機感を強く持っています。大臣、いかがでしょうか。

#104
○萩生田国務大臣 同じ思いでございます。
 学生等が自ら命を絶つことは本来あってはならないことであり、自殺が増加していることについて大変重く受け止めております。
 文科省では、学生等の自殺を予防する取組として、各大学等に対し、より学生等から相談しやすい体制の構築、カウンセラーや医師等の専門家との連携などにより、学生等の悩みや不安に寄り添ったきめ細かな対応をお願いしているところです。
 各大学等においては、例えば、学内の保健センターやカウンセリング室を気楽に利用できるように全学生へのメールの送信、全学生を対象としたメンタルヘルス調査の実施などの取組が進められているところですが、特に年度末や年度始めは環境の変化等により不安を抱えやすい状況にあるため、より積極的に悩みや不安を抱えた学生等の把握や対応に努めていただくよう、重ねて各大学にお願いをしているところです。
 また、厚労省と連携し、自治体で設置する相談窓口やメンタルヘルスケアのサポートに役立つ情報などを各大学等に周知しており、これらの情報を、大学等で設置する相談窓口とともに、学生一人一人に確実に周知するようお願いしています。
 さらに、自殺予防啓発動画を作成し、公開をしました。各大学等の取組の充実に資するよう、新入生への支援等の取組事例の収集や発信、学生支援を担当する教職員へのセミナー、ワークショップを実施しています。
 これらに加え、現在、大学等の取組状況だけでなく、学生等が抱える悩みや相談先等について、学生等の声を直接把握するため、学生生活に関する調査を実施しているところであります。
 文科省として、引き続き、関係省庁とも連携し、学生等の自殺予防に取り組んでまいりたいと思います。

#105
○城井委員 一人一人に届けるのはなかなか難しい対策だというのは十分認識をしておりますが、これまでの対策実行にもかかわらず学生自殺者が増加しているという現実としっかり向き合っていただくことをお願いしたいというふうに思います。
 続きまして、大学における対面授業の再開について伺います。通告は二問しておりますが、二問目の方を聞きたいと思います。
 全面的な対面授業の再開が急務であるということを申し上げたいというふうに思いますが、ただ、この間、文部科学省とこの対面授業再開の議論を私どもとしても行っておりましたが、その折に感じたことがあります。それは、サークル活動や飲み会など、授業以外の活動での感染において大学の責任が問われることを各大学当局が恐れていることを文部科学省が察して、対面授業を促す通知を出す一方で、対応が明確にならない大学がいまだに相当数存在することを黙認してしまってはいないかという点であります。
 対面授業の少なさに対する学生や保護者の不満が更に増幅をしています。飛び級入学者を除けば、大学生や専門学校生は成年年齢に達しています。自ら生計を立てる者もいます。この対面授業の本格再開を促すに当たり、授業以外の活動について、大学からの指示に基づくものでない限りは学生自らの責任の下で行うこと、そうした活動の感染防止等への対応についても学生自らが責任を持って行うことなどを文部科学省として明確化する必要があるのではないかというふうに思いますが、大臣、この点いかがでしょうか。

#106
○萩生田国務大臣 大学における対面授業を促進するためにも、個々の学生の感染対策に関する意識の向上は重要であり、各大学においては、新型コロナウイルス感染症に関する正確な情報の学生への周知や、感染対策のための留意すべき事項の注意喚起の徹底を図っていただくことが必要と考えております。その際、これらの注意喚起等が学生の行動変容にしっかりつながるよう、各大学には、学生との信頼関係を構築した上で、感染対策に関する働きかけを行っていただくことが重要です。
 文科省としては、各大学において学生に注意喚起などを行うべき事項等について、累次にわたって通知などをお示ししてきたところであり、各大学においても、通知の趣旨に沿って、学生一人一人に伝わるような形で注意喚起等を行っていただいております。
 一方で、そのような感染対策を講じたとしても、感染リスクをゼロにすることはできません。この前提に立って、文科省としては、学生に感染が確認された場合でも、感染した学生や学校の対応を責めるのではなく、衛生管理を徹底し、更なる感染を防ぐことが重要である旨を発信をしているところでございます。
 文科省としては、大学における感染対策や学生への注意喚起の徹底を引き続き促しつつ、その結果、感染者が生じたとしても、大学や学生が差別、偏見、誹謗中傷などの対象とならないよう、配慮をしっかり求めてまいりたいと考えております。
 この間、私も大学関係の皆さんに、是非ハイブリッド型の授業をやってほしい、オンラインが全て悪いとは申し上げませんけれども、やはりキャンパスで学生の皆さんと語り合いたい、こういう学生たちのニーズが非常に多いということは伝えてきたんですけれども、大学の皆さんは、社会的使命が高いということをおっしゃるんですね。私、それはいいことだと思うんです、大学自らが、社会的使命が高いと。したがって、過去の例で、運動部の合宿所などからクラスターが出ると、そのことをもって社会的に物すごく批判されるということを気にしていました。
 私は、大学の中で、何らかの形で感染対策をしているにもかかわらず、それは出ることだってあるわけですから、それをもって大学を批判したり叱正するつもりは全くないので、そこはもう自信を持ってやってほしいということは繰り返し申し上げていますが、新学期を迎えるに当たって、もう一度、各大学の皆さんに、是非対面の重要性というものも促していきたいと思いますし、仮に、結果として感染者が出るようなことがあっても、それを、学校を責めたり学生を責めたりということは全く考えていません。ある学校の学長さんは、じゃ、文科大臣が責任を持ってくれるんですかと随分責められたので、持ちますと答えました。
 すなわち、学生の皆さんが学校へ行くために学校の皆さんが様々な努力をしていただくことに対しては、文部科学省、文部科学大臣としては共に責任をしっかり持ちながらやっていきたいと思いますので、どうかフリーズしないで、スイッチがオンとオフしかないんじゃなくて、いろんな知恵を出しながら学生の学びの機会をしっかり確保していただきたいなと思っています。

#107
○城井委員 対面授業再開に当たっては大臣が責任を共に持つということで、心強い答弁をいただいたと思います。引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 続いて、大学院生の支援について一点お伺いいたしたいと思います。
 日本若者協議会から十四項目の要請をいただきました。これを踏まえてひとつ見解を伺います。
 いわゆるアカハラ、セクハラ防止について大変要望が強くございました。教員という立場を利用して学生に嫌がらせをするアカデミックハラスメント、性的嫌がらせをするセクシュアルハラスメント、女性の研究者に対するマタハラ、そして育児を率先して行う男性に対するパタハラなどが問題となっています。
 研究室内や大学内という閉鎖的な環境でこうしたものが起こることで、大学内部の相談窓口に訴えても調査されないケースがあります。また、ハラスメントしたとされる人に訴えがあったということが通告をされて、訴えた人の立場が危うくなるケースも存在します。そのため、独立した対応機関の設置が必要だということが、御意見としていただいています。情報公開の徹底やキャンパスローヤー制度、被害者救済制度の強化も求められます。
 こうした部分を踏まえて、大臣、公平な取扱いを担保する観点から、各大学任せだけではなく、第三者機関の設置も国として行う必要があるのではないか。大臣、御検討いただけませんか。

#108
○萩生田国務大臣 教育研究機関である大学において、アカデミックハラスメントやセクシュアルハラスメントなどのハラスメントが生じることがあってはならず、また、相談を受ける場合には、大学において適切に対応することが重要であると考えています。
 文科省の調査において、国内のほぼ全ての大学においてハラスメント等の防止の取組は実施をされ、また相談窓口が設置されていることは確認をしています。昨年、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の一部改正等により職場におけるハラスメント防止対策が強化されたことに伴い、大学に対して一層の取組を求めております。
 また、大学を通さずに弁護士が電話等で直接ハラスメント相談に応じる窓口を設置することなどの先進的な事例が存在するため、こうした取組を各大学に周知し、各大学の対策の充実を促しているところでございます。
 今後は、各大学の取組が十分機能しているかどうか、例えば弁護士などの学外の第三者を関わらせているかなどを把握をして取組を促すこととしており、こうした取組を通じて、学内におけるハラスメントの根絶に向け、大学及び大学団体等と連携し、各大学における取組の更なる充実を促してまいりたいと思います。

#109
○城井委員 最後に、大臣、まとめて二問、高校の実質無償化に関わる部分についてお伺いをさせてください。
 平成二十二年度から高校の実質無償化が実施をされています。これと同時期から、十六歳から十八歳の子の特定扶養控除が、高校無償化を理由に上乗せ措置が廃止をされて、減額をされています。しかし、平成二十五年の法改正で、高校無償化には年収制限、所得制限が設けられました。しかし、このときには特定扶養控除の見直しは行われず、十六歳から十八歳の子の特定扶養控除は減額されたままです。つまり、高校無償化対象外の世帯には、扶養控除減額を行っている現制度は二重負担ということになっています。これは改善すべきだというふうに思います。
 そして、もう一点、高校の実質無償化の所得制限の不公平についても申し上げたいと思います。
 早生まれの子供が不利益になっているのではないかという声があります。通常、高校二年生のときの算定は、一年生のときの保護者の所得になります。年齢十六歳以上の子供が対象の控除対象扶養親族に当たるか否かの判定は、十二月三十一日の現況で行われます。同じ学年でも、十二月までに生まれた子供たちは控除対象ですが、一月以降の早生まれの場合は対象にならない。よって、同じ学年の中で、保護者の年収が同じでも、無償化される家庭とされない家庭が生まれることになってしまうのではないか。
 所得金額がボーダーラインにある共働きの家庭も多いと思います。この高校実質無償化の所得制限に関する生まれ月による有利、不利について、不公平を直ちに正すべきだというお声が届いております。
 大臣、こうしたお声にいかにお答えになりますでしょうか。
    〔委員長退席、原田(憲)委員長代理着席〕

#110
○萩生田国務大臣 まず、前段の、十六歳―十八歳の子の特定扶養控除の見直しは、当時の民主党政権において、高校の実質無償化に伴って行われましたが、控除縮減に伴う負担増と支援制度創設による負担減の比較をすると、高所得層まで恩恵があった一方、元々授業料が低廉な学校では負担増になっていたこと、私立学校の低所得世帯には授業料を中心に依然として大きな負担があったことなどから、限られた財源を有効活用し、低所得世帯の生徒への支援を充実するため、平成二十六年の制度改正により、高等学校等就学支援金制度において所得制限が設けられているところです。
 また、今年度からは、年収五百九十万円未満の私立高校生を対象に就学支援金の支給上限額を引き上げるなど、低所得世帯を中心に支援を充実しているところであり、現行制度を着実に実施することにより、高校生の教育費負担軽減を図ってまいりたいと考えております。
 なお、就学支援金が支給対象とならない所得の世帯についても、所得税や個人住民税の扶養控除による負担軽減が図られており、必ずしも、二重負担となっているという指摘は当たらないと考えております。
 後段の件は、先生のおっしゃるとおりで、私、これは去年国会でも話題になりまして、実はこの一年間、財政当局ともいろんな打合せをしてきたんですけれども、まだ打開策に至っていません。いませんが、おっしゃるとおりで、一月から三月に生まれたお子さんだけが、結果的に、所得制限枠にあったとしてもその対象にならないというのは、これはもう極めて気の毒な話でありますので、例えば、親の判断であらかじめ収入予測で申し出ていただいて、結果が違えばそれでいいじゃないですか、それで処理をすれば。そうだったとすれば、またそれはそれで、そのままにすればいいだけですから、運用面で何か柔軟な救済策がないか、これはちょっと急いで対応してみたいと思います。

#111
○城井委員 是非よろしくお願いします。
 終わります。

#112
○原田(憲)委員長代理 次に、畑野君枝さん。

#113
○畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。
 まず伺います。
 体操服の下に肌着を着ることを禁じることについて、子供たちや保護者から批判の声が上がっています。萩生田光一文部科学大臣としては、どのような対応を取られますか。

#114
○藤江政府参考人 お答え申し上げます。
 小学校の体育の授業の際の体操服の下に肌着を着用しないよう指導があったことに対して、子供や保護者から批判の声が上がっているということは承知しているところでございます。
 体育の授業における肌着の取扱いについては、各学校において適切に決定されるべきものではございますが、長年の慣習にとらわれることなく、社会通念に照らして必要かつ合理的なものとすべきであり、児童生徒の心情や保護者の意見を尊重することが適切であるというふうに考えております。
 文部科学省といたしましては、先週木曜日、十八日になりますが、教育委員会を通じまして、各学校に点検と必要な見直しを行うよう通知したところでございまして、今後更に、教育委員会の指導主事等が参加する様々な会議ですとか教員研修の場において周知徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。

#115
○畑野委員 大臣、一言いかがですか。

#116
○萩生田国務大臣 これは参議院の委員会でも突然聞かれて、テレビの放映でこういうのがあったといって、ちょっとにわかに信じ難かったんですけれども、調べてみましたら、確かにそういう慣例を続けている学校があるのも事実でありまして、今次長から答弁をしたとおりでございまして、ここは今の時代に合っていないんじゃないか。
 何か、いろいろ聞いてみますと、例えば、はるか昔に乾布摩擦とかを学校全体でやっていた頃に下着が邪魔になるとか、あるいは、汗をかいた後にぬれた下着のまま次の授業を受けると風邪を引くんじゃないかとか、いろんなことの配慮は当時はあったみたいなんですけれども、社会情勢も大分変わっていますので、ここは今申し上げたとおりの、答弁のとおりの対応をしていきたいと思います。

#117
○畑野委員 大事なことだというふうに思います。子どもの権利条約からいっても、しっかりとした対応が求められます。
 児童生徒には、プライベートゾーン、他人に見せない、他人に触らせない、もし触られたら大人に言う、他人に触らないなど、正しく学ぶ必要があると思います。御認識はいかがですか。

#118
○義本政府参考人 お答えいたします。
 政府におきましては、昨年の六月でございますけれども、性犯罪・性暴力対策の強化の方針を策定いたしまして、その中では、例えば、学校等におきまして、水着で隠れる部分については、他人に見せない、触らせない、他人に触らないなどの、自分の身を守ることの重要性等を発達段階に応じて指導するなどの取組を推進することとしているところでございます。
 現在、文部科学省におきましては、内閣府と共同で、子供たちを性暴力の加害者、被害者、傍観者にしないための、生命(いのち)の安全教育に関する教材や指導の手引を作成しているところでございまして、詳細においては現時点ではお答えするのを差し控えさせていただきたいと思いますが、先ほど申し上げました強化の方針の趣旨を踏まえたものにしたいと考えております。
    〔原田(憲)委員長代理退席、委員長着席〕

#119
○畑野委員 ユネスコが定める国際セクシュアリティ教育ガイダンスでは、プライベートゾーンについて五歳から学ぶこととされています。校則や学校の慣行その他についても述べられておりまして、やはり体の権利を人権の問題として適切に学ぶためには、校則や学校の慣行を見直し、子供の意見を尊重する体制をつくっていくことは大事だと思います。
 そういう点を含めて、大臣、このプライベートゾーン、大事だということを、文科省の方でも進めていただいているということですが、その点について御認識を一言伺います。

#120
○萩生田国務大臣 今局長が答弁したとおりでございまして、これからまたしっかり啓蒙していきたいと思います。

#121
○畑野委員 是非進めていただきたいと思います。
 三月二十一日に一都三県の緊急事態宣言が解除されましたが、感染者が拡大傾向の地域もあります。より感染力が高い変異株への置き換わりも言われています。
 政府の検査方針も、無症状者に焦点を当てて幅広いPCR検査を拡大する方向が示されております。ワクチン接種も始まっているんですが、十六歳未満はワクチン接種の対象になりません。
 そこで、まず厚生労働省に伺います。
 二〇二〇年八月二十一日付事務連絡、新型コロナウイルス感染症に係る行政検査に関するQアンドA、その三にある、行政検査の対象四の、当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由がある者は、濃厚接触者以外にどのような者が当てはまるのか、また、学校への対応でも柔軟に行われるのか、伺います。

#122
○佐原政府参考人 お答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症に係る行政検査につきましては、感染者が多数発生している地域等において、感染拡大防止のため、各自治体の判断により、濃厚接触者に限らず、関係者を幅広く検査するよう要請しているところでございます。
 こうした中、委員御指摘の濃厚接触者以外の行政検査の対象者について、例えば、特定の地域や集団、組織等において、関連性が明らかでない患者が少なくとも複数発生しているなど、検査前確率が高いと考えられ、かつ、濃厚接触を生じやすいなど、クラスター連鎖が生じやすいと考えられる状況にあると認められる場合、その地域や集団、組織等に属する方が行政検査の対象となることを厚労省のQアンドAでお示ししているところでございます。
 学校についても、こうした考え方に基づき、個別の具体的な状況に応じて、各自治体の判断により行政検査が行われることはあり得ると考えております。

#123
○畑野委員 大事な御答弁でした。
 ある中学校で生徒に感染が確認されたんですけれども、保健所の調査では濃厚接触者はなしとされて、学校は健康観察期間を設けて四日間臨時休校の措置を取ったんですけれども、教育委員会は、その間、保護者宛てにメールで、疑われる症状があれば受診するようにと呼びかけてくれました。その結果、自費で検査を受けた六人の生徒の感染が確認されたということなんです。検査していなければ学校内でクラスターが発生したことも起こり得る状況だったということです。
 一方、別の中学校では、学校と保健所が相談をして、生徒全員にPCR検査を実施したということです。
 文部科学省に伺いますが、この厚労省の通知で示されている行政検査の対象範囲について、学校関係者にも十分周知する必要があると思いますが、いかがですか。

#124
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 学校で新型コロナウイルス感染者が発生した場合には、学校の設置者は、臨時休業の実施の必要性などを含め、まずは保健所に相談を行うこととしております。保健所は、必要な情報を収集し、濃厚接触者の特定等を実施しますが、濃厚接触者でない者を含めてどの者に行政検査を実施するかは、最終的には保健所が判断するものと承知しております。
 このため、学校及び学校の設置者は、行政検査が適切な範囲で実施されるよう、保健所の調査に協力をして、子供たちが学校でどのような行動を取っていたかなど必要な情報を提供することが必要であり、引き続き教育委員会等に適切な対応を呼びかけてまいりたいと考えております。

#125
○畑野委員 是非、学校の情報を伝えていいのだということを含めて、協力をするということですので、学校長さん始め、大いに言っていただけたらと思うんです。
 大臣、この点で、アメリカのロサンゼルス統一学校区では、学校再開に向けた取組の一つとして、児童生徒及びその家族、教職員等を対象とした定期的なPCR検査が行われているというんですね。私は、学校での感染拡大を防止し、可能な限り教育活動を継続していくためには、児童生徒、教職員に対する積極的なPCR検査を行う必要があるというふうに思うんです。
 この行政検査についても、濃厚接触者ゼロで終わりじゃなくて、それはよく保健所とも協力しながらというお話でしたけれども、進めていく必要があると思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

#126
○萩生田国務大臣 将来的に少し落ち着いた環境の中では、それは手法としてはあっていいと思うんですけれども、今まだ緊急事態宣言が解除されて間もない自治体もある中で、PCR検査は結局一回で済まないですよね、今日の時点で陰性であっても、一週間後、陽性になる可能性もあるわけですから、そうすると定期的に打っていかなきゃならないということもあると思うので。
 手法としては否定しませんけれども、直ちに学校現場などに、例えば全員のPCR検査とか教職員のPCR検査というのを義務づけたり奨励するというのはちょっと難しいかなと。先ほどお話がありましたように、感染が発生した地域などで、保健所当局とも相談しながら、必要に応じてやっていただくというのがしばらくの対応ではないかと思っています。

#127
○畑野委員 一人感染者が出たら是非PCR検査をしてほしいという声もありますから、是非進めていただきたいというふうに思います。
 次に、コロナ禍で経済的困難に直面している学生への支援について伺います。
 直近の、新型コロナウイルスの影響を受けた学生への支援状況等に関する調査では、昨年との比較で、中途退学者は二〇二〇年度の方がやや少ない、二万八千六百四十七人の中退者のうち千三百六十七人がコロナの影響で中退、そして、休学者は前年度と比べ大きな変化はないという結果になっています。
 この間の学生に対する経済的支援との関係について、どのように評価されますか。

#128
○伯井政府参考人 お答えいたします。
 大学の中途退学者数につきましては、今御指摘いただきましたように、昨年四月から十二月末までの調査結果では、令和元年度より、前年度比約七千三百人減ということで少なくなっておりますし、休学者数については大きな変化が見られない状況になっております。
 これにつきましては、昨年四月より開始した高等教育の修学支援新制度、これは家計急変にも対応しておりますし、また、各大学等が独自に行う授業料減免支援など、これまでの支援策が一定程度効果を上げている部分はあるというふうに思います。
 ただ、年度末に向けて中退、休学者が増加する可能性もございますので、予断を許さないということで、引き続き注視をしてまいりたいと考えております。

#129
○畑野委員 おっしゃるように、今が勝負だというふうに私も思います。
 私も、この間、野党共同で、学生支援法案を国会に提出をしてまいりました。授業料半額、困窮学生支援、奨学金返還免除です。
 昨年来やってこられた中で、学生支援緊急給付金ですけれども、これは、給付された学生にとっては、退学や休学を思いとどまった、アルバイトの減収を補い、生活費や家賃の支えになってきたという声があります。事実だと思います。しかし、予算上、四十三万人と限られた支援でした。私たちは、今、百万人の支援が必要だというふうに学生に対して思っております。
 先日、大学から、修学支援新制度を受けているので、この学生支援緊急給付金の対象にならないと言われてしまった学生から相談を受けました。これは実際は対象になるんですけれども。そこで、文科省の方にもアドバイスをいただきながら、学生にもう一回そのことを伝えて、相談を大学としていただきました。最終的に給付が受けられるようになった。本当に学生が喜んでおられました。
 学生の相談に乗っていた県議会議員に聞いたところ、大学は、うちの大学の推薦枠は使い切ってしまったし、最後の推薦の締切りも二日過ぎていたため駄目だ、無理だと思っていたということなんですけれども、文科省によってこの学生がつい先日も救われたということなんです。
 それで、私は是非大臣に申し上げたいのは、今、多くの学生が日々の食費にも事欠くような状況です。全国各地で大学や自治体、NPO、フードバンク、民青同盟などが行っている食料支援には、食べ物や日用品、また、この間質問した生理用品など、必要なものを学生が取りに来るという状況なんです。
 私は、やはり、生活費を直接給付する支援が待ったなしだと思っているんです。文科省もこの間取り組んでこられたと思います。その中の一つが緊急給付金だったわけですから、これがもし学生の中退者を一定抑える力になっているということであるならば、去年やってきたことをこの年末そして来年度もやる必要があると思うんですが、大臣は、このような学生の状況の中で、学生支援緊急給付金のような直接現金を給付する形での支援はもう必要ないというふうにお考えなんでしょうか。私は、来年度も再度、給付金制度をつくる必要があると思います。いかがですか。

#130
○萩生田国務大臣 学びの継続のための学生支援緊急給付金については、これまで、学校が推薦すべきと判断した全ての学生約四十二万人に支給ができました。また、昨年秋以降に経済的に困窮した者など、今、一万人を対象に追加支給を行っております。
 経済的に困難な学生に対して、高等教育の修学支援新制度や貸与型奨学金において、家計が急変した学生も含めて随時支援を行うとともに、各大学等が独自に行う授業料等の減免についても支援を行っており、こうした取組は来年度も継続して行ってまいりたいと思います。
 アルバイト収入の減少については、厚労省の雇用調整助成金や新型ウイルス対応休業支援金・給付金で、学生アルバイトの休業も含めた支援対象になっております。アルバイト収入が減少した学生等には、これらも活用いただきたいと考えており、学校を通じて周知を行っているところでございます。
 学生支援機構の寄附金によって、食料支給ですとか、それから、改めてアパートやマンションの借り直しをする場合の支援策なども講じているところでございます。
 新年度になって、昨年と同じような状況が続いて、学生たちがキャンパスに行けない、あるいはアルバイトもシフトに入れない、こういう状況が引き続き続くのだとすれば何らかの支援策が必要だという前提で、今、アンケートやウォッチをしているところでございます。

#131
○畑野委員 是非検討してほしいんですね。
 三月五日付事務連絡の中で、経済的に困難な学生等に対するきめ細やかな支援についてでは、各大学が学内でのイベントを開催して食料品や日用品の支援を行うといったこともあり得る、そして、感染症対策に運営費交付金や私学助成の感染症対策強化分が活用できるというふうにしておりますので、これは大学が学生や教職員に対してPCR検査を行う場合も使えるのかということと、さっきの来年度の状況を含めて、大学がこのイベントを通じて必要な相談窓口を設けて、困難な学生が活用できる支援策につなぐなどの取組を行う必要があると思いますが、その点いかがですか。

#132
○伯井政府参考人 こうした御指摘のようなイベントを実施する場合には、感染症対策として文部科学省関係予算の活用が可能であるということを周知しております。ただ、PCR検査につきましては、検査の対象とか頻度とか費用負担など、幾つか検討すべき論点があるというふうには考えておるところでございます。
 また、イベントの機会を捉えていろいろ周知とか相談をするというのはよいアイデアだと思いますので、我々、様々な学生への周知をしていく中で、そうしたことも含めて、きめの細かな対応をお願いしたいと思っております。

#133
○畑野委員 最後に、萩生田文部科学大臣に、先ほどの議論のことについて、私も、通告しておりませんが、一言質問いたします。
 藤原誠文部科学事務次官が、前文部科学副大臣の亀岡偉民復興副大臣に同席し、文部科学省から補助金を受けている宮崎県の学校法人豊栄学園から繰り返し接待を受けていたという記録が明らかになった問題について伺います。これは、三月二十二日付しんぶん赤旗の報道によるものです。
 先ほど大臣が、藤原氏は赤坂で会ったという話などをされていましたが、これは何年のことですか、一回だけですか。しんぶん赤旗では、二〇一五年十一月と二〇一七年十一月に会っているという記録がある、会食をしていると言っておりますけれども、いつですか。

#134
○萩生田国務大臣 先ほどもちょっと答弁しましたけれども、あらかじめ予定されていた会合で日程などに記載がされているものじゃなかったので、今、その記事を根拠に、記憶をたどりながら、本人がいろんなことを調べております。
 一回は赤坂で、先ほど申し上げたように、亀岡さんから電話があって、出てこれないかと言われて、役所から行った、そこで名刺交換したということは確認しておりますが、それ以外につきましては、現在、詳細をきちんと調査をしているところでございます。

#135
○畑野委員 金額も、これは、一回の一人当たりの金額、約一万円から二万八千円になる計算というのは、学園側が出していると読み取れるわけですね。ですから、亀岡氏が出したとかいう話にはならないことだというふうに言わなくてはなりません。
 また、事務次官のときも複数回会ったと記されています。この点もしっかりとつかんでいただきたいと思います。
 その点で確認ですけれども、補助金を出している相手の学園また理事長からも当然詳細を聞き、調査すべきだと思いますが、いかがですか。

#136
○萩生田国務大臣 まずは省内で事実関係をしっかり確認して、その上で対応を考えたいと思います。

#137
○畑野委員 教育課程特例校にその後指定されている、あるいは、私立高等学校産業教育施設整備費の補助金約二千四百万円の交付がされている。こういったことで行政がゆがめられたことはなかったのか、その解明が求められているというふうに思いますので、大臣にもそのことを求めると同時に、左藤委員長、資料も求めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

#138
○左藤委員長 まず、それは検討します。

#139
○畑野委員 以上で終わります。

#140
○左藤委員長 次に、藤田文武君。

#141
○藤田委員 日本維新の会の藤田文武でございます。今日もどうぞよろしくお願いをいたします。
 早速質問に入りたいと思います。
 今日は、前半、デジタル教科書について取り上げたいと思います。
 昨年の文科委員会、十一月二十七日に、私、質疑に立たせていただいたときにもいろいろお聞かせいただきました。そのときにも取り上げたんですけれども、今、デジタル教科書は使用制限があります。いわゆる二分の一ルールというもので、各教科等の授業時数の二分の一に満たないようにしましょうと。つまり、ある程度のキャップがかけられていて、自由度が狭められているということがあって、前回も前向きな答弁をいただいたんですけれども。
 これはこの四月から撤廃の方向に動くということを仄聞しておるわけでありますけれども、これは非常に好ましいことであると思いますが、この現状況、今、正式に発表されていない状況だと思いますが、四月からの状況を確認をしたいと思います。

#142
○瀧本政府参考人 お答えを申し上げます。
 学習者用デジタル教科書の使用を各教科等の授業時数の二分の一未満とする基準の見直しにつきましては、デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議において議論が行われ、昨年十二月に報告がまとめられました。
 その報告においては、児童生徒の健康に関する留意事項について周知徹底を図り、必要な対応方策を講じることを前提として、デジタル教科書の活用の可能性を広げて児童生徒の学びの充実を図るために、当該基準を撤廃することが適当であるとされました。
 文部科学省としては、この検討会議の報告を踏まえまして、基準を定めている告示を今月中に改正をして、来年度から運用していくこととしております。
 以上です。

#143
○藤田委員 ありがとうございます。
 撤廃について明言していただきましたので、歓迎したいと思います。ありがとうございます。
 それでは、デジタル教科書、なぜ私がこれを繰り返し取り上げているかというと、非常に可能性のある分野だなというふうに思っています。今後の教育の質というものを上げていく上でも、あと世界のトレンドを見ても、これは競争に負けてはならないし、よくある、テクノロジー的にはもう達成できるにもかかわらず、やはり法整備とか現場のちょっとした目詰まりによってなかなかそれがうまく活用できないということを解きほぐしていくというのが我々政治家の仕事でもあるというふうに思うわけであります。
 そこで、先ほど言及がありました、デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議の内容、それから、中間報告のまとめをいろいろ拝読させていただいていました。その中の内容について、少し突っ込んでお聞きしたいと思います。
 その中に、中間まとめの中の記載の一つで、「令和六年度の小学校用教科書の改訂については、教科書の編集・検定・採択をそれぞれ令和三年度、四年度、五年度に行う必要があり、実際には教科書発行者において既に準備が進められている状況にある。これを踏まえれば、本格的な見直しについては次々回の検定サイクルを念頭に検討することが適当と考えられ、令和六年度時点においては、デジタル教科書の内容は、紙の教科書の内容と同一であることを維持することが基本と考えられる。」という記載があるわけでございます。
 でも、これはタイムスケジュールの話なのである種仕方がないかなというふうには思うわけでありますけれども、それならば、次々回というものは、やはりこのデジタル教科書が、ただ紙の教科書と内容が同一で、平たく言えばPDF化されたものが要するにキンドルのような形で配られる、ちょっとそれに付随する機能が拡張されているぐらいのレベルから、更に突っ込んで次世代型のデジタル教科書というところにやはり踏み込んでいかないといけないんじゃないかと。
 前回もお話しさせていただいたように、今、データの活用というのは、テクノロジーとしては相当進んでいます。例えば、どのページを見た子がどのテストに正答率が高いかであるとか、どのポップアップが有効であるかとかということは、これはデータを取れば、非常に、マーケティング的にもできて、教科書会社さんもそれを反映してよりよいコンテンツを作るということは、技術的にはもう可能です。これをどういうふうに未来像を描いていくかということは非常に重要なことだと思います。
 今、タイムスケジュール、やはりこの数年の検証などを経て、準備期間もありますから、これは、次々回を見据えたイメージづくり、それから未来像を定めていくということは非常に重要なことであると思いますけれども、大臣の御見解をお聞きしたいと思います。

#144
○瀧本政府参考人 現行のデジタル教科書は、紙の教科書の内容を全て掲載して同一性を担保しつつ、デジタル化したことによりまして文字の拡大や読み上げ等の機能が使えるようになったり、加えまして、他のデジタル教材との連携が円滑に行えるようになったりする等のメリットが享受できるものとなっております。
 検討会議の中間まとめでは、委員御指摘のとおり、教科書の編集、検定、採択のサイクル等を踏まえれば、令和六年度時点においては現行の形態を維持することが基本とされています。
 一方、将来的には、デジタル教科書に動画や音声等を取り入れることも考えられるとされておりまして、また、加えて、学習履歴等の教育データの利活用の観点も含め、実証も進めながら総合的な検討を行う必要があるとされているところでございます。
 いずれにしましても、デジタル教科書の普及率は残念ながらまだ約八%と低い状況にございまして、まずは実際に使っていただくことが最初の一歩であり、そのために、現在御審議いただいております令和三年度予算案において、小中学校等にデジタル教科書を広く提供し、教育上の効果や健康面への影響を含めた実証研究、あるいはクラウドを活用する点での実証研究なども含めて行うこととさせていただいているところでございます。
 その中で、デジタル教科書をデジタル教材と連携させて利用すれば、動画や音声等の使い勝手も体験できると思います。また、教育的な観点からは、紙の教科書を使用した方がよいと考えられるのはどのような指導場面なのかといった点も明確になっていくものと思われます。
 このように、デジタル教科書に関する検討に関しては、実証研究の成果を踏まえながら、丁寧に、スモールステップで、かつ確実に進めていくことが重要と考えております。
 以上です。

#145
○藤田委員 ありがとうございます。
 今言っていただいた内容は、堅実に一歩一歩進めていくという、役所のやり方としては正しいと思うんですね。それは是非進めていただきたいんですが、やはり、何か、教育現場はこう変わるんだよ、デジタル教科書ってこんな可能性があるんだよということを指し示す、イメージを共有するということは非常に重要なことじゃないかなというふうに思うわけです。
 それぐらいの可能性があるし、飛躍的に教育の質というものを上げていくツールとして是非考えてほしいと思うので、大臣にも一言いただきたかったんですが、多分思いは共有していただいていると思うので、次に行きます。
 やはり、デジタル回りの技術というのが非常に重要になってくると思うので、今後、これはまだ、デジタル庁というのが準備されているわけでありますけれども、この連携とか役割分担というものは想定するものなのか、又はこのデジタル教科書というのは文科省内で完結していくものなのか。デジタル庁との役割分担というもののイメージがあれば教えていただけますでしょうか。

#146
○萩生田国務大臣 一問戻って、先生から御提案のあった、次々回の検定を時間軸としていろんなことをやっていったらどうかというのは、極めて大事な視点だと私も思います。
 他方、局長が答弁しましたとおり、まだ普及は一〇%に満たないんですよね。だから、すごくわくわくする、いろんな利点もある代わりに、例えば、よく言われている子供への、視力の問題はどうなんだろうかとか、あるいは低学年の子供たちがタブレットを持って朗読をしたりすることが本当に教育上いいのかというようなことも含めて、まさに四月から以降は、しっかり現場を見ながら、実証、検証してまいりたいと思います。
 後ろ足をそろえて、できることをやらないということを前提にしているんじゃなくて、さっきスモールステップということを言いましたけれども、ここを大事にいかないと、想定外の害の方も出てくる可能性があるんじゃないかということも我々は心配していますので、ツールとしては、優れた、いいものだということはよく分かっていますが、その辺は慎重な対応をしていきたいと思います。
 その延長線で、現在開催している有識者会議における議論ですとか来年度実施する実証研究の成果を踏まえて様々なことを検討していきたいと思うんですが、デジタル庁との連携や役割分担に関して、デジタル教科書に関する教育的な側面については、当然ながら文科省が責任を持って取り組んでいく必要があると思います。
 一方、今後、デジタル庁が設置され、例えば、デジタル社会の形成のための施策に関する基本的な方針が示されれば、それを踏まえて、デジタル教科書についても必要な連携を図っていくことが必要だと考えております。
 私とデジタル担当大臣との話合いの中では、このデジタル教科書の有効性なども既に話合いをしていますけれども、それより何より、デジタル庁をつくるんだったらWiFiフリーの日本にしてくれ、どこでもアクセスできるようにしてくれないと、これは思うようなことができない、もう少し大きな視点でデジタル庁は仕事をしてもらえないかということを個人的にはお願いしているところです。

#147
○藤田委員 ありがとうございます。
 私も賛同します。ありがとうございます。
 次に、デジタル教科書の検討会議のメンバーについてです。
 メンバーが悪いというわけじゃなくて、いいと思うんですけれども、教育寄りだと思うんですね。デジタル教科書、やはりデジタル寄りの方、デジタル回りに明るい方というものをもっと入れていって、コロナ対策本部のときもあったと思うんです、感染症の専門家とそれから経済の専門家、この集合知でいかに最適解を見出していくかというようなことがこのデジタル教科書においても起こってくると思うんです。
 このメンバー編成について、デジタルの専門家をもっと増やしたらどうかなというように思うんですが、いかがでしょうか。

#148
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議におきましては、学校の教師、教育行政関係者、教科書協会の代表者などのほか、教育工学を始めとする学識経験者、デジタル教科書の配信を行っている技術者にも構成員として参加いただきながら議論をしていただいております。
 検討会議には、昨年七月から議論をいただいた内容を、私どもとしては、夏頃までに報告書としてまとめていただきたいと考えておりますけれども、その後に、デジタル教科書が標準的に備えることが望ましい機能でありましたり、共通に備えるべき規格等について、専門的、技術的な観点から議論を行うワーキンググループを開催していくことを考えております。
 そのワーキンググループでは、専門的、技術的な議論を進める際、委員御指摘のデジタル関係の必要な知見を有する専門家の方にも是非御協力をいただくということも想定しているところでございます。
 以上です。

#149
○藤田委員 ありがとうございます。
 前向きな答弁をたくさんいただきまして、何か与党の質問みたいになっている感じなんですけれども、でも、文科省さんの取組を聞いていると、非常に前向きにいろいろ進めておられるなということにひとつ敬意を表しながら、引き続きやりたいと思います。
 検討会議の中間まとめなんですけれども、いろいろ、オフラインでも使用できるようにするとか、過年度の教科書をどう閲覧できるようにするかとかということも記載がありました。私は、余りこれは大きな問題じゃないんじゃないかなというふうに思っているんですが、この過年度の教科書についての取扱い、これはパッケージ供給すれば事足りるんじゃないかなと思うのが一つ。
 あともう一つ、もう併せて質問させていただきますが、そもそも、紙の教科書というのは無償提供、それから、今デジタルは移行期なので有償となって今回予算が出ていまして、それを実証的に進めていく、こういうたてつけだと思うんですね。冒頭の二分の一ルールにもありましたが、今後デジタルと紙のボリュームというのがだんだんだんだん変わってくると、私は、紙が無償、デジタルが有償という前提というのは逆転していってもいいんじゃないかなというふうに、これを前提に置くということは余りよくないんじゃないかなとも思うんですが、そのことについての御見解も併せていただきたいと思います。

#150
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 教科書は、児童生徒に必要な教育内容の履修を保障するための各教科等の主たる教材であり、学年が上がっても過年度の教科書を見て振り返りができることは重要であると考えております。
 紙の教科書と異なりまして、学習者用のデジタル教科書については、アカウントの有効期限の問題などがあって、常に利用できるわけではございません。このため、紙とデジタルの教科書が併用できれば過年度分のデジタル教科書は不要ですが、仮に紙の教科書からデジタル教科書に移行するようなことになるのであれば、過年度のデジタル教科書についても何らかの形で使用できるようにする仕組みは必要であろうと考えております。
 ただ、具体的な方法等については、引き続き、今後検討会議において御議論をいただきたいと考えております。
 また、有償、無償の御指摘がございました。
 今回の検討会議の中間まとめにおいては、紙の教科書とデジタル教科書の関係について、「全国的な実証研究や関連分野における研究の成果等を踏まえつつ、更には財政負担も考慮しながら、今後詳細に検討する必要がある。」とされているところでございますので、しっかりと実証研究も行いながら、教科書無償給与制度の対象については、紙の教科書とデジタル教科書との関係に関する検討と併せて、この実証事業の成果も踏まえつつ、検討会議において引き続き議論していただきたいと考えているところでございます。
 以上です。

#151
○藤田委員 ありがとうございます。
 紙を有償にしろと言うつもりはないんですけれども、両方無償だったらいいと。ただ、デジタル教科書を作っていくというこのマーケットというのがまだ未成熟というのもあるので、なかなかこれは慎重にやらないといけないというのは分かりますが、将来的にはやはり、デジタル教科書も無償化していくべきだろうというふうに私は思います。
 それから、ちょっと一問飛ばして。
 大臣に、一月の質疑ですかね、高校の端末整備についてお聞きした際に非常に力強い御発言をいただいて、自治体、責任持ってやれよということをおっしゃっていただきました。
 三月十二日に、高校端末の環境整備促進についての通知が出ています。再度プッシュされているわけでありますけれども、地方創生臨時交付金を使ってやってくださいねと。これ、申請期限は二月二十日なんですけれども、三月十二日に出ている。ちょっと遅かったのかなというふうに疑問があって、事前に話もさせていただいたんですけれども、追加がこのタイミングで出た意図というのを教えてほしいのと、それから、低所得者向けの端末整備の予算がついていますね、これの執行状況を併せてお伝えいただけたらと思います。

#152
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。
 今回、高校生用の端末整備について通知を出した意図というのがまず一点目の御質問かと思いますが、高校の端末整備については、自治体など学校設置者の取組を促進する観点から、本年度末時点における公立高校の端末整備状況を把握し、一日も早く一人一台端末環境の整備に向けて更なる整備を促すという観点から、この通知におきまして学校等の設置者に働きかけを行ったところでございます。
 具体的には、設置者負担で進める場合には、一般財源とともに、今御言及のありました臨時交付金や、あるいは国の補助制度を活用することも含めて検討すること、また、保護者負担によるBYODで進める場合には、学校設置者としての整備方針や考え方等を丁寧に説明しながら、保護者等の十分な理解を得ることが必要であること、その際、経済的困窮等の理由で端末を準備できない家庭に対しては、国の補助制度も活用しながら、積極的な支援を行うこと等について周知をさせていただいたところでございます。
 文部科学省としては、引き続き、地方自治体等に対し、臨時交付金の積極的活用の周知や、令和二年度第三次補正予算を始めとする様々な支援を行うこと等を通じまして、義務教育において一人一台端末環境で学んだ児童生徒が高校に進学した後も同様の条件で学べる環境の整備に向けて、積極的に取り組んでまいります。
 委員から御指摘のありました臨時交付金につきましては、内閣府に確認をしているところでございますと、いわゆる本省繰越しといいましょうか、本府繰越しをして追加の公募をかけるものと聞いておりますので、自治体においてはこの財源についても積極的に活用してほしいということも含めて通知をさせていただいたものでございます。
 また、後段で御質問のございました低所得者向けの予算の執行状況でございます。
 本年三月現在で、公立高校における端末整備に対する当該補正予算の執行状況は約七五%となっておりまして、残額については、文科省の本省繰越しの手続を経た上で、新年度に改めて希望調査を行い、適切に執行することを予定しております。
 なお、自治体の補正予算を立てるタイミングとの関連で、このタイミングで手が挙げにくくて、年度が明けてから必ず挙げたいという意向を聞いている自治体もございますので、これは自治体の御都合ですから、しっかりと私どもで本省繰越しをさせていただいた上で活用していただけるように取り進めさせていただきたいと思っております。
 以上です。

#153
○藤田委員 ありがとうございます。
 ちょっと時間が終わってしまったんですが、最後に大臣、一言だけいいですか。
 端末の整備、ちょっと時間差が自治体によって出ていて、大臣にも前回プッシュしてもらいました。当初、一人一台を、皆さんが持っているスマホでもええやんという認識をしていた自治体もあるというふうに聞いていました。こういうふうなものは駄目やというふうに、結構文科省さんがプッシュしてくださっているというのをお聞きしています。
 これは、自治体間で差が出たり、学校間で差が出たりというのは好ましくないと思うので、ちょっと大臣から一言、力強いお言葉をいただきたいんですけれども、よろしいですか。

#154
○萩生田国務大臣 高校におけるICT環境については、画一的に文科省として指示を出しているわけじゃないので、いろんなレベルのものを使っていらっしゃると思うんですけれども、じゃ、スマホでもいいかと聞かれれば、スマホはやはりスマホですから、教育現場ではタブレットやパソコンで対応していただくことが望ましいと思いますので、スマホでええやんという自治体があるとすれば、それはよくないということをちゃんと発信をしていきたいと思っています。
 何度か繰り返し申し上げていますけれども、小中学校、義務教育においては国の責任で整備してきましたけれども、高校になると、やはり学校の属性によって使うスペックが違うんですよね。だから、この程度でいいだろうと我々が思うようなものでは全然満足できない授業内容の学校もあれば、いや、それでいいよというところもあるので、一律になかなか支援がしづらいんですけれども。
 いずれにしても、小中一人一台端末の環境をせっかく整えたのに、高校に上がったらそれが途切れてしまうというのなら何の意味があったのかとなってしまうので、各都道府県も大変な努力をしてくれています、ここはしっかりスクラムを組んで、先ほど、二十二日で締切りのものを三月十二日に通達させて何なんだという御指摘があったんですけれども、これは明らかに第四次の募集もあるという前提に立って行っておりますので、使えるものは全て使って、一日も早い、高校におけるよいICT環境をつくっていきたいと思っています。

#155
○藤田委員 ありがとうございます。
 ちょっと超過して済みませんでした。ありがとうございました。

#156
○左藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時八分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト