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2021/04/05 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 決算委員会 第1号 令和3年4月5日
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2021/04/05 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 決算委員会 第1号 令和3年4月5日

#1
令和三年四月五日(月曜日)
   午前九時三分開会
    ─────────────
   委員氏名
    委員長         野村 哲郎君
    理 事         古賀友一郎君
    理 事         舞立 昇治君
    理 事         牧野たかお君
    理 事         古賀 之士君
    理 事         里見 隆治君
    理 事         芳賀 道也君
                足立 敏之君
                赤池 誠章君
                今井絵理子君
                大家 敏志君
                酒井 庸行君
                自見はなこ君
                滝沢  求君
                豊田 俊郎君
                西田 昌司君
                藤井 基之君
                山田 俊男君
                小沼  巧君
                勝部 賢志君
                岸 真紀子君
                塩村あやか君
                吉田 忠智君
                伊藤 孝江君
                下野 六太君
                平木 大作君
                柴田  巧君
                柳ヶ瀬裕文君
                岩渕  友君
                武田 良介君
    ─────────────
   委員の異動
 一月二十六日
    辞任         補欠選任
     岩渕  友君     田村 智子君
     武田 良介君     大門実紀史君
 一月二十七日
    辞任         補欠選任
     自見はなこ君     櫻井  充君
     柳ヶ瀬裕文君     片山 大介君
     田村 智子君     岩渕  友君
     大門実紀史君     武田 良介君
 一月二十八日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     自見はなこ君
     下野 六太君     高橋 光男君
     片山 大介君     柳ヶ瀬裕文君
 一月二十九日
    辞任         補欠選任
     高橋 光男君     下野 六太君
 二月一日
    辞任         補欠選任
     今井絵理子君     岡田 直樹君
 二月二日
    辞任         補欠選任
     岡田 直樹君     今井絵理子君
 三月二日
    辞任         補欠選任
     岩渕  友君     大門実紀史君
 三月三日
    辞任         補欠選任
     大門実紀史君     岩渕  友君
 三月四日
    辞任         補欠選任
     武田 良介君     紙  智子君
 三月五日
    辞任         補欠選任
     足立 敏之君     磯崎 仁彦君
     今井絵理子君     宮本 周司君
     吉田 忠智君     小西 洋之君
     伊藤 孝江君     塩田 博昭君
     紙  智子君     武田 良介君
 三月八日
    辞任         補欠選任
     磯崎 仁彦君     足立 敏之君
     宮本 周司君     今井絵理子君
     小西 洋之君     吉田 忠智君
     塩田 博昭君     伊藤 孝江君
     岩渕  友君     大門実紀史君
 三月九日
    辞任         補欠選任
     柴田  巧君     片山 大介君
     大門実紀史君     田村 智子君
 三月十日
    辞任         補欠選任
     下野 六太君     若松 謙維君
 三月十一日
    辞任         補欠選任
     若松 謙維君     下野 六太君
     片山 大介君     石井 苗子君
     武田 良介君     大門実紀史君
 三月十二日
    辞任         補欠選任
     大家 敏志君     三宅 伸吾君
     下野 六太君     塩田 博昭君
     平木 大作君     河野 義博君
     石井 苗子君     柴田  巧君
 三月十五日
    辞任         補欠選任
     今井絵理子君     山田  宏君
     三宅 伸吾君     大家 敏志君
     河野 義博君     平木 大作君
     塩田 博昭君     下野 六太君
 三月十六日
    辞任         補欠選任
     山田  宏君     今井絵理子君
     大門実紀史君     吉良よし子君
 三月十八日
    辞任         補欠選任
     柳ヶ瀬裕文君     高木かおり君
 三月十九日
    辞任         補欠選任
     高木かおり君     柳ヶ瀬裕文君
     田村 智子君     武田 良介君
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     吉良よし子君     岩渕  友君
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     今井絵理子君     山田  宏君
 三月二十九日
    辞任         補欠選任
     山田  宏君     今井絵理子君
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     滝沢  求君     野上浩太郎君
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     野上浩太郎君     滝沢  求君
 四月二日
    辞任         補欠選任
     足立 敏之君     宮本 周司君
     小沼  巧君     田名部匡代君
     下野 六太君     高橋 光男君
     平木 大作君     矢倉 克夫君
     柳ヶ瀬裕文君     高木かおり君
 四月五日
    辞任         補欠選任
     田名部匡代君     小沼  巧君
     柴田  巧君     清水 貴之君
     岩渕  友君     倉林 明子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         野村 哲郎君
    理 事
                古賀友一郎君
                舞立 昇治君
                牧野たかお君
                古賀 之士君
                里見 隆治君
                芳賀 道也君
    委 員
                赤池 誠章君
                今井絵理子君
                大家 敏志君
                酒井 庸行君
                自見はなこ君
                滝沢  求君
                豊田 俊郎君
                西田 昌司君
                藤井 基之君
                宮本 周司君
                山田 俊男君
                小沼  巧君
                勝部 賢志君
                岸 真紀子君
                塩村あやか君
                田名部匡代君
                吉田 忠智君
                伊藤 孝江君
                高橋 光男君
                矢倉 克夫君
                清水 貴之君
                高木かおり君
                岩渕  友君
                倉林 明子君
                武田 良介君
   国務大臣
       内閣総理大臣   菅  義偉君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣     武田 良太君
       法務大臣     上川 陽子君
       外務大臣     茂木 敏充君
       文部科学大臣
       国務大臣     萩生田光一君
       厚生労働大臣
       国務大臣     田村 憲久君
       農林水産大臣   野上浩太郎君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  梶山 弘志君
       国土交通大臣
       国務大臣     赤羽 一嘉君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       防災))     小泉進次郎君
       防衛大臣     岸  信夫君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 加藤 勝信君
       国務大臣
       (復興大臣)   平沢 勝栄君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災、
       海洋政策))   小此木八郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、規
       制改革))    河野 太郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策、地方創生
       ))       坂本 哲志君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    西村 康稔君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(マイナ
       ンバー制度))  平井 卓也君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       クールジャパン
       戦略、知的財産
       戦略、科学技術
       政策、宇宙政策
       ))       井上 信治君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(男女共
       同参画))    丸川 珠代君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  坂井  学君
   副大臣
       財務副大臣    中西 健治君
       厚生労働副大臣  山本 博司君
        ─────
       会計検査院長   森田 祐司君
        ─────
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  近藤 正春君
       原子力規制委員
       会委員長     更田 豊志君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        笹嶋  正君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       松田 浩樹君
       内閣官房領土・
       主権対策企画調
       整室土地調査検
       討室長      中尾  睦君
       内閣官房まち・
       ひと・しごと創
       生本部事務局次
       長        菅家 秀人君
       内閣府地方創生
       推進事務局審議
       官        佐藤 朋哉君
       内閣府総合海洋
       政策推進事務局
       次長       田邊 靖夫君
       総務省総合通信
       基盤局長     竹内 芳明君
       外務省大臣官房
       審議官      田島 浩志君
       外務省大臣官房
       審議官      岡田 恵子君
       外務省大臣官房
       参事官      石月 英雄君
       外務省総合外交
       政策局軍縮不拡
       散・科学部長   本清 耕造君
       外務省北米局長  市川 恵一君
       厚生労働省健康
       局長       正林 督章君
       厚生労働省子ど
       も家庭局長    渡辺由美子君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    赤澤 公省君
       農林水産省経営
       局長       光吉  一君
       経済産業省大臣
       官房商務・サー
       ビス審議官    畠山陽二郎君
       経済産業省大臣
       官房審議官    矢作 友良君
       経済産業省大臣
       官房審議官    三浦 章豪君
       経済産業省貿易
       経済協力局貿易
       管理部長     風木  淳君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       茂木  正君
       中小企業庁事業
       環境部長     飯田 健太君
       国土交通省総合
       政策局長     石田  優君
       環境省環境再生
       ・資源循環局次
       長        松澤  裕君
       防衛省整備計画
       局長       土本 英樹君
   参考人
       独立行政法人地
       域医療機能推進
       機構理事長    尾身  茂君
       東京電力ホール
       ディングス株式
       会社代表執行役
       副社長      文挾 誠一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○令和元年度一般会計歳入歳出決算、令和元年度
 特別会計歳入歳出決算、令和元年度国税収納金
 整理資金受払計算書、令和元年度政府関係機関
 決算書(第二百三回国会内閣提出)(継続案件
 )
○令和元年度国有財産増減及び現在額総計算書(
 第二百三回国会内閣提出)(継続案件)
○令和元年度国有財産無償貸付状況総計算書(第
 二百三回国会内閣提出)(継続案件)
    ─────────────

#2
○委員長(野村哲郎君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二日までに、足立敏之君、平木大作君、下野六太君、柳ヶ瀬裕文君及び小沼巧君が委員を辞任され、その補欠として宮本周司君、矢倉克夫君、高橋光男君、高木かおりさん及び田名部匡代さんが選任されました。
 また、本日、柴田巧君が委員を辞任され、その補欠として清水貴之君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(野村哲郎君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(野村哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(野村哲郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 令和元年度決算外二件の審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#6
○委員長(野村哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#7
○委員長(野村哲郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 令和元年度決算外二件の審査のため、本日の委員会に東京電力ホールディングス株式会社代表執行役副社長文挾誠一君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#8
○委員長(野村哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 また、令和元年度決算外二件の審査のため、必要に応じ政府関係機関等の役職員を参考人として出席を求めることとし、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#9
○委員長(野村哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#10
○委員長(野村哲郎君) 令和元年度決算外二件を議題とし、本日は全般質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。

#11
○古賀友一郎君 おはようございます。自由民主党・国民の声、長崎県選出の古賀友一郎でございます。
 先月、新年度予算が成立をいたしまして、今月から国会も後半戦に入りました。我々参議院は、予算の先議権がある衆議院に対して決算の参議院ということで、決算審査を重点課題に取り組んでおりまして、そのスタートとして、新年度早々、こうして菅総理始め全大臣にお越しをいただいて質疑をさせていただくわけでございます。そうしたすばらしい質疑の場に今回質問の機会をお与えいただきました先輩、同僚議員各位に心から感謝を申し上げながら、質問に入ります。
 まず、取り上げなければならないのは、やはり新型コロナ対策でございます。今日から、大阪、兵庫、宮城の一府二県にまん延防止等重点措置が実施されることになりました。昨年、一回目の緊急事態宣言が出されてからあさってでちょうど丸一年になりますけれども、これまでに我が国の感染者数は約四十八万人、亡くなった方も九千人を超え、後遺症を含め今なお闘病されている方々が大勢いらっしゃいます。衷心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 そして、国民経済的にも、事業の廃業、解雇、雇い止め、収入の減少、学業への支援等々、甚大な影響が出ております。この間、菅総理、安倍前総理始め、各閣僚、政府の皆様、専門家の皆様、そして医療従事者の方々には本当に昼夜を分かたず御尽力をいただいてまいりました。そして、国民の皆様方にも御協力と御辛抱をいただいております。しかし、それでもなお感染は収束せず、またしても拡大する気配を見せております。
 現在、ワクチンの少なくとも一回目を受けた方は約百十万人ということで、その効果も期待するところでございますけれども、まだ全国民の一%未満であり、どうしてもこれは時間が掛かります。
 感染症対策の基本原則は、政府の分科会尾身茂会長の国会答弁をお借りすれば、一つは人と人との接触を断つこと、もう一つは感染拡大が始まる初期の頃に少しやり過ぎくらいの対策を打つということであります。感染拡大の兆候を早くつかんで少しやり過ぎぐらいの強い対策を打つ、早く手を打てば影響を受ける人の数も少なくて済みます。
 そして、これに付け加えるとすれば、やはりできるだけ短い期間で収束させることが重要と考えます。感染が収束しないと、国民の人命、健康、生活、経済、さらには国、地方の財政に至るまで、国民的コストは増え続けます。そして、そもそも国民の辛抱にも限界がございますし、感染が収束しないうちは経済も本格的に回復いたしません。
 私は、こうした早く、強く、そして短くという対策を実施しにくい、この要因が二点あると思っております。
 一つは、法的規制の問題であります。大方の国民の皆様はお願いベースの対策にも御協力いただけますけれども、それを徹底して短期間で収束させていくには、やはりこの規制もやむを得ないのではないかと、こういうふうに思います。
 二月の特措法改正で一定の規制強化はなされたものの、外出制限、営業の休止、地域を越えた移動規制といった強い規制については、これは憲法上許容されるかどうかも含めて、今後の検討課題だと思います。そして、もう一つは、そうした強い規制を国民に受け入れていただけるだけの経済的支援措置がこれ問題であります。
 政府におかれては、これまでも雇用調整助成金、家賃支援給付金、持続化給付金、無利子無担保融資など、様々な手当てを講じてこられました。そのことには心から敬意を表したいと思います。しかし、返せる当てのない借金はできないとか、あるいは事業規模に見合っていないとか、これはもう様々な御意見がございまして、これも一定の改善は図ってきておられますけれども、必要なところに過不足なく支援が行き渡っているか、雇用はしっかり守られているかという点から、私は更に改善を要すると思っております。
 そこで、今日は、菅総理に新しい提案、制度を御提案したいと思います。(資料提示)
 それは、事後査定融資制度というものであります。これ、名前も私が勝手に付けたものでありますけれども、普通、融資というものは貸す前に審査をするというものでありますけれども、これは審査を後回しにして、とにかく簡易、迅速に資金を供給して、後で返せる範囲に借金の額を調整しようという、そういう制度であります。
 もちろん、何も条件を付けないかといえばそうではございません。まず、従業員の雇用を守ってもらうことはこれは条件といたしますし、また、借り逃げするような悪質な人を排除するため、地銀、信金や商工団体などの協力を得ながら、顔の見える、実体のある事業者であることだけは確認いたしますけれども、それさえ確認できれば、取りあえず希望額を融資をいたします。ただし、利子については、無利子にしてしまいますと必要以上に借りようとしてしまいますので、利子は付けさせていただきます。
 そして、感染終息後に事業者の収益力などを審査して、貸したうちの何割を返してもらうかを決めます。ですから、全額利子を付けて返していただく事業者もいれば、半分だけ返してもらうとか、あるいは、中には全額免除という事業者も出てまいります。当然、返済を免除した分は公費で補填をすると、こういう制度であります。
 こういった制度を一つ用意しておけば、大きな店も小さな店も、それから飲食店もそれ以外でも、そして人件費、家賃その他の固定費や臨時の出費もこれはもう全て賄えますので、縦割りで幾つものこの支援制度を林立するようなことも必要でなくなりますし、支援を受ける方の方もこれは分かりやすくなるというふうに思います。
 また、感染が終息すればかなりの部分はこれは返していただけるはずでありますから、全額公費で補償するような制度と比べまして、そうでなくても危機的な状況にある我が国の財政にも配慮できると思います。
 この提案は、実は昨年の三月、参議院自民党として政府にお持ちした提言の中にも入っておりますし、参議院内閣委員会でも、昨年三月、今年の二月にも御提案してきたものでありますが、今回こういう機会いただきましたので、是非菅総理のリーダーシップで御検討いただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。よろしくお願いします。

#12
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今御提案をいただきました事業支援について、真摯な検討を進められ今回御提案をいただいたと、このように承知をしております。
 その上で、御提案の制度は、個々の企業に希望額を融資した上で、事後に返済免除額を企業ごとに決める、このように承知しています。新型コロナによる影響や今後の収益を個々の企業ごとに評価することには、公平性の観点からここは難しいものじゃないかなというふうに思います。他方、事業、雇用を守る、ここの考え方については、委員とは十分に共有をしているところであります。
 これまで、資金繰り支援、さらには雇用調整助成金、飲食店などへの協力金や一時金による支援、ここを行わさせていただいてきています。さらに、先般は、多くの雇用を抱える飲食、宿泊など、この事業者に対する金融面への支援策、これは中堅、大手でありますけれども、決定をいたしました。今般、飲食店に対する協力金について、かねてよりこの国会でも要望の強かった事業規模に応じた仕組み、こうしたことを導入をさせていただくことにしております。
 そうした中で、失業率は先進国でも最も低い水準にあります。今後も、事業者の皆さんの声に耳を傾け、こうした様々な支援というものを行って、事業と雇用、ここをしっかり支えていきたいと思います。

#13
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 いろいろ御検討いただいていることは心から敬意を表したいと思います。
 ただ、この今回の新型コロナにかかわらず、感染症との闘いは、これはもう永遠に続くというふうに思います。特に、今回のように無症状でも広がる感染症を克服するには、やはり苦しくても一旦この社会経済活動を止めるということもこれはやむを得ないんじゃないかと、こういうふうに思っております。そのときに、この法的規制と経済的支援措置、しっかり国民の皆様に止まっていただくための支援措置というのは、これはその対策としてもう必要不可欠のツールになると、このように思いますので、是非今後ともその取組についてはよろしくお願いしたいと思います。
 次に参ります。
 元々、この新型コロナが発生していなくても我が国は課題山積の状態でございますけれども、中でもこの社会保障については国民最大の関心テーマであります。少子高齢、人口減少が進む中、医療、年金、介護など、我が国の社会保障は大丈夫なのかという不安であります。結局、しかし、この問題の根底にあるのは、支える側と支えられる側のバランスの問題だというふうに私は捉えております。
 かつて我が国は、一人のお年寄りを十人くらいの現役世代で支える胴上げ型の社会でございました。現在は二、三人で一人を支える騎馬戦型の社会であります。これが二、三十年たちますと、一人で一人を支えるという肩車型の社会が到来するということであって、そうなってしまうとこれは現役世代が負担に耐えかねると、これがこの問題の本質でございまして、このバランスをこれ以上崩さないようにしていかないと社会保障を維持することもどんどん難しくなっていくと、こういう事情でございます。
 この問題に関して、私は以前から、我が国の六十歳定年制が若過ぎるのではないかという問題意識を持っておりました。ちょうど十年前、私、総務省で地方公務員の定年制度を担当しておりまして、当時から、六十五歳までの雇用は、再任用ではなくて、定年自体を六十五歳まで引き上げるべきじゃないかと、こういうふうに思っていたわけでありますけれども、その当時は国家公務員が進まなかったということでございまして、国家公務員も、民間の定年年齢が引き上がっていかないと、なかなか公務員優遇批判が起こるということで難しいというわけでありました。しかし、じゃ、この民間の定年が上がってきているかといえば、これはもう厚労省も長年これは促進をして努力をされてきておりますけれども、少しずつ上がってはきていますけれども、まだそれは二割というような状況でございまして、そういう状況なのであります。
 ただ、この肩車型社会の到来が、私たち、到来するまで私たちに残された時間はそう多くはないという状況の中で、この社会全体の定年を引き上げていくためには、かつて完全週休二日制がそうであったように、まず公務員から始めて、それを民間に普及していってもらう、そういう手法でいくほかないのではないかと、五年前、私、党の一億総活躍推進本部で意見具申いたしまして、そのときの党の提言を政府側で受け止めていただいたのが当時官房長官だった菅総理でいらっしゃいます。その後、政府内での検討を進めていただき、昨年の通常国会に国家公務員と地方公務員の定年引上げの関連法案が提出されるに至りましたけれども、誠に残念なことに、検察官の勤務延長問題に巻き込まれる形で、国家公務員の法案は廃案になってしまいました。今年度から改正高年齢者雇用安定法が施行され、民間には新たに七十歳まで就業させることの努力義務が課せられることになりました。
 こうしたことからも、公務員の定年も少なくとも六十五歳には引き上げていかねばならないと思うわけでありまして、この法案の問題点を修正して速やかに国会に提出していただきたいと、こう思うわけでありますが、これは菅総理に御見解いただきたいと思います。

#14
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私自身も、少子高齢化社会が進行する中で、この対応策というのは委員と全く一緒でありまして、委員から提案をいただいたときにそうしたものを参考にしながら、今政府として進めているところであります。
 まず、社会全体として、働く意欲のある高齢者の皆さんには社会を支えていただく、こういうことが重要だと思いますし、これは官民通じたものだというふうに思います。このような考え方の下で、民間については、七十歳までの就業機会確保を努力義務とする改正高年齢者雇用安定法、今言われました、提案ありましたけれども、本年四月にこれ施行されるところです。
 また、国家公務員についても、豊富な知識、技術、経験などを持つ高齢期の職員に最大限活躍をしてもらい、複雑高度化する行政課題に的確に対応していくためには、定年を引き上げる、このことが必要だというふうに考えております。現在、改正法案、この早期提出に向けて政府として準備を進めているところであります。

#15
○古賀友一郎君 ありがとうございました。力強い御答弁いただきました。早期にということでございました。よろしくお願いしたいと思います。
 この問題は、この先に地方公務員の問題、そして民間の問題がございますので、武田総務大臣、田村厚労大臣にも引き続きお力添えをよろしくお願いしたいと思います。
 今申し上げた問題とともに、この深刻さの度合いを増している我が国の課題は少子化の問題でございます。我が国の出生数は、二〇一九年、明治の統計開始以来初めて九十万人を割って、八十六万五千人となりました。これは第一次ベビーブーム期の三分の一の水準でございまして、しかも、このコロナ禍で更にこの少子化が進行することが懸念をされております。この八十六万ショックを受け、ちょうど昨年の四月でありましたが、我々参議院自民党政策審議会は少子化対策の緊急提言を作りまして、第四次の改定期を迎えていた政府の少子化社会対策大綱に反映していただきました。
 子供を持てない理由として世論調査で第一に挙げられるのは子育てにお金が掛かり過ぎるということでございますが、この点、教育費に関しては中間所得層も含めた高等教育修学支援の在り方について、そして生活費に関しては児童手当の在り方について、それぞれ現在我が党の方で議論、検討を進めているという状況でございますけれども、それ以外にも、結婚支援の問題あるいは育児休暇の問題、仕事と育児の両立支援の問題などなど多岐にわたる課題がございまして、その対策には多額の予算が必要になってまいります。
 そもそも我が国の少子化対策は、一九八九年の合計特殊出生率がひのえうまの年を下回ったいわゆる一・五七ショックから始まっているわけでございますけれども、その後三十年、今日に至るまでその一・五七を超えたことは一度もなく、直近の二〇一九年は一・三六という状況でございまして、これは、人口増減が均衡する二・〇七の人口置換水準どころか、希望出生率一・八にも遠い状態であります。
 この危機的な状況を反転させていくには、これまでの延長線上の対策では難しいと思いますので、この予算の確保、これにつきましても、既存の財源でできる範囲の対策を講じるというのではなくて、対策に必要な分だけ財源をつくり出していくと、こういうやり方でいかなければいけないんじゃないか、こういうふうに思うわけであります。
 もちろん、既存の予算の無駄を省いて財源を捻出するということは、これは必要でありますけれども、それだけではこれから必要となる少子化対策予算を確保することは難しいと思われます。実際、待機児童対策の財源を確保するために児童手当の予算を削らざるを得ないのが現状でございます。少子化対策予算全体のパイを増やさなければならないのに、そのパイの中で取り合いをしなければいけない、こういった状況にあるわけであります。
 必要な対策費を確保するために、安定的財源をどこにどう求めていくのか、財源を創出していくということについて、これは財務省、麻生財務大臣の御協力をいただきたいと、このように考えるわけでございますが、御見解をよろしくお願いいたします。

#16
○国務大臣(麻生太郎君) これはもう、少子化並びに高齢化というのは、多分日本にとっては中長期的にはこれが最大の国難と言えるほどの話だと、私はそう認識しているんですが。
 これは、背景というのはいろいろな理由があるんで、金銭、何というの、家庭の事情とか、まあ戦後はいろいろまた別のものがありましたし、いろんな時代がありましたので、二百何十万人、私らの世代の次の世代ですけれども、そういった、何、物すごく子供の、団塊の世代なんていう言葉も最近は聞かれなくなりましたけれども、そういったのと絡み合っておるんですが。
 金が掛かるというのが一番大きな理由の一つになっておりますので、私どもとしては、これ幼児教育とか保育の無償化、また、今後、十六万、十四万か、十四万人のいわゆる保育の受皿というものをつくらないかぬということで、この予算でもやらせていただいたんですけれども。
 少子化社会の対策大綱というの等に基づいて、いわゆるそれぞれのライフステージに合わせた少子化対策に向けた取組を進めていかないかぬと思いますけれども、これ少子化、子供が生まれないということによって、今使っておりますものを、あらかじめ我々が使うということはその分は今借金でやっていますから、その借金が後世に残るということになりますので、これは高齢化もさることながら少子化の方が極めて深刻な話でして、昭和三十五年にいわゆる皆保険が始まったときには勤労者六人、高齢者一人の六対一ぐらいの比率だったんですけど、今はそれが二・幾つになるとか二人に一人、もうしばらくすると一人に一人というような話になりますと、とてもじゃありませんから。
 そういった意味では、これはみんなでということで今消費税等々やらせていただいたんですけれども、いずれにいたしましても、安定的な財源を確保しておきませんと、借金があったら、それで育てられた人が今度は払うときは物すごいまたことになりますので、是非そういった意味では、これはちょっと簡単に目先のあの金を持ってきてこっちへというような簡単な話ではないと、私どもは基本的にそう思って、中長期的なことを前提にこれは考えないかぬ問題だと思っております。

#17
○古賀友一郎君 麻生大臣と問題意識共有させていただいたというふうに思います。
 これからの課題ということでございますが、やっぱり何の対策を取っていくにも財源、安定的な財源。ですから、これは、財務省もこれは政府を挙げてということでございますから、この財源を求めていくと、つくっていくと、見出していくと、この取組に是非、我々も党の方で今議論をしておりますので、是非御協力方よろしくお願い申し上げたいと思います。
 次に参ります。
 この少子化対策も、ある意味ではこれは経済対策というふうに言えると思います。経済的に先行きの見通しが明るくなれば、子供を持つ経済的、精神的なゆとりも出てまいります。経済をどのように立て直していくかについては、我が国の経済を牽引するような民間需要をどのようにつくり出していくかということが、これはアベノミクスからの問題、宿題でございまして、我が国の経済政策上の基本的な課題でございます。
 この点、私はかねてからこの水素エネルギーに着目をしておりましたので、昨年末、政府がグリーン成長戦略を打ち出されたのはまさに我が意を得たりという思いでございました。水素は燃やしても水しか排出しない究極のクリーンエネルギーでございます。この水素をエネルギー源とする水素社会を推進していくことは、経済に、社会に大きな変革が起こりますけれども、それを経済効果として見れば、この膨大な民間需要の創出ということになるわけでございます。しかも、この水素の技術においては我が国は国際的にも優位を保っているわけでございますから、これを生かさない手はないと思います。
 政府におかれても、平成二十九年に世界に先駆けて水素基本戦略を策定して取り組んでおられることは承知しておりますけれども、今年度の水素関連予算はこの中心で取り組んでいる経済産業省でも七百七億円でございまして、昨年の当初予算と比べても実は七億円しか増えていないんですね。私はもっともっとこれは力を入れていくべき分野だというふうに思っておりますので、まさに菅総理、麻生財務大臣の是非お力添えをお願いしたいと思います。
 そして、この水素社会の推進に欠かすことができないのは国民の理解であると思います。地球温暖化の防止だけでなくて経済対策としても有用であるということをアピールしていくには、私は数字を示していくべきだと、こういうふうに思っております。
 この点、昨年末のグリーン成長戦略では、機械的な試算と断った上で、二〇三〇年で年額九十兆円、二〇五〇年には年額百九十兆円程度の経済効果と、こううたわれておりますけれども、水素だけ見た場合にはいかほどなのか、そして、この直接投資額だけではなくて、産業連関分析も含めてその波及効果まで計算するとどれぐらいになっていくのか、私はもっともっと大きな金額になっていくと思います。それから、既存の産業と置き換わっていくという部分もありましょうから、このプラスとマイナスで我が国の経済成長にどれほど貢献していくか、こういった試算も大変これは有用な試算だというふうに思います。
 もちろんこれは不確定な要素も多々ありましょうけれども、この国民の理解、それから民間企業の投資意欲、そしてさらには、この必要な予算を確保していくためにもそうした経済効果を試算していくべきではないかと考えますけれども、梶山経産大臣のお考えをいただきたいと思います。

#18
○国務大臣(梶山弘志君) 委員から、グリーン成長戦略、とりわけ水素についての御質問がありました。
 水素はカーボンニュートラル実現に向けた鍵であると考えております。今後、社会実装を進めていく上では、国民の皆様に水素の果たし得る役割を理解していただくことは大変重要なことであります。そのための手段として水素や水素関連技術の経済波及効果をお示しすることは、議員御指摘のとおり、重要な要素であると考えております。
 水素やその関連技術がもたらす経済波及効果は大きいと認識しておりまして、例えば、世界の企業百九社が参加するハイドロジェンカウンシルといった水素の業界団体では、世界の水素関連市場が二〇五〇年で二・五兆ドルになるといった試算が示されています。米国の水素・燃料電池ロードマップやEUの水素戦略では、水素に取り組む意義として、水素やその関連技術がもたらす将来市場の規模や雇用創出効果に言及をしております。
 実は、昨年の十二月に我が国においても水素のバリューチェーン協議会というものができました。その発足のときには八十八社であったものが、三か月後の先月末においては百九十五社になっているということで、大変企業又は団体の関心が高い、高くなってきているということでもあります。
 経済産業省では、水素の今後の戦略について、エネルギー基本計画の見直しに向けた議論への反映も見据えながら議論を進めているところでありまして、水電解装置の製造分野、液化水素運搬船といった貯蔵・輸送分野、水素ガスタービンや燃料電池自動車など、多岐にわたる新たな技術の社会実装に向けて取り組んでいるところであります。
 委員がおっしゃったように、まだ不確定要素があります。そして、開発余地がある分野があります。そういったものも含めてしっかりとした経済波及効果出していきたいと思いますし、こういった取組の進捗も踏まえながら、国民の理解や幅広い民間企業の協力を得るとともに、日本企業の挑戦を促すためにも、精緻な経済波及効果の試算についても前向きに検討してまいりたいと思っておりますけれども、エネルギー分野の新しいプレーヤーなんですね。水素やアンモニアというものが入ってきて、熱利用も含めてどれだけのボリュームを占められるかということを、大変大きなカーボンニュートラルに向けた課題であると思っております。

#19
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 前向きに検討していただけるということでありますが、やっぱりこの定量的に示していくということは、これはやっぱり国民の理解、盛り上がりをつくる上で大変私は重要なテーマだと思います。是非、もう認識は大臣と全く同じ認識を共有させていただいておりますので、是非よろしく前向きにお願いいたしたいと思います。
 そして、この水素は、やっぱり化石燃料、我が国、輸入に頼っておりますけれども、エネルギー自給の向上といいますか、エネルギー安全保障、この面からも純国産エネルギーになり得る極めて重要なエネルギー源でございますので、そういった意味からも是非これは推進していかなきゃならない課題だと思います。
 そして、この水素社会に対する国民の理解を得るためには、経済効果以外にもこのモデル地区をつくって見える化を図っていくことも私重要だと思っております。現在、福島県の浪江町でその実証実験が始まったところでございますけれども、私はそのフィールドとして離島も考えるべきだと、こういうふうに思っております。
 離島は、太陽光以外にも風力、波力と、海に囲まれて自然のエネルギーに恵まれておりますけれども、本土との送電線が結ばれていない島々が多いわけですから、発電だけではその利点を生かし切れないと、こんな問題がございます。
 また、国境離島の地域社会を維持することは我が国の安全保障上も大変重要なテーマでありますけれども、そのために島に新たな産業を興していくということもこれは大変重要なテーマだというふうに認識しております。豊かな自然のエネルギーを生かして、水を電気分解して幾らでもためておける水素を作って、島内で使うだけじゃなくてそれを域外に輸出して、そういったことを通じて島に産業を興していく、こういったことが大変重要だと思います。
 離島、特にこの国境離島ですね、そうした水素社会のモデル地域として推進していくことについて、御担当の小此木大臣に御見解をいただきたいと思います。

#20
○国務大臣(小此木八郎君) お疲れさまでございます。
 昨年の十月なんですけれども、御地元の長崎県五島市福江島を訪ねまして、中村知事さんや野口市長に様々御案内をいただきました。委員がおっしゃいましたように、生活の社会そのものがなかなか形成していくのに生活上困難がいろいろあるということで、国会でもおつくりいただいた支援策がどのように使われているかということについて拝見をさせていただきました。
 特定有人国境離島地域、先ほど申し上げたようにいろんな困難はあります。一方で、自然再生エネルギーなどの資源が豊富であり、その中でも洋上の浮体式発電の設備を拝見いたしました。こういったことの活用をどんどんしていくべきだという意味からのお話でもあると思いますけれども、先ほど梶山経産大臣が前進に向けた発信をされましたし、環境省におきましても、地域の再生可能エネルギー等の資源から水素を作り地域で使うというサプライチェーン構築のための実証事業等にも取り組んでいると承知しています。
 内閣府といたしましても、そういった特定有人国境離島地域に対する水素社会のモデルの取組について様々連携をしながら情報提供をしていきたいと、こういうふうに思っています。関心を示した地域から、やる気のある、前に進めていこうという意思のある自治体等に対して、しっかりとその取組を発信をしながら提供をして、横のつながりも重要だと思っておりますので、そういった連携活動、私たちもしてまいりたいと存じます。

#21
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 経産省、環境省、それ以外の関係省庁もあると思います。しっかりと連携して、そういった新しい産業を興していくという意味でもしっかりとこの離島対策に取り組んでいただきたいと、このようにお願いを申し上げます。
 離島について申し上げますと、私、先月の内閣委員会でも離島の物価問題を取り上げました。やっぱり物価が高いという問題で、そのときに内閣府の和田政務官から、国境離島の物価の実態を調査すると、調査するよう検討したい旨の御答弁を頂戴いたしました。小此木大臣におかれましては、この物価問題についても今後お取組をお願いできればと、このようにお願い申し上げたいと思います。
 次は、食料安全保障の問題に移りたいと思います。
 その中でも、今回取り上げるのは、企業が農地を所有することの問題についてお伺いしたいと思います。
 現在、兵庫県の養父市で、国家戦略特区の特例として企業が農地を所有することを認めて事業が行われておりまして、これを全国展開すべきかどうかをめぐって激論が交わされております。他方、規制改革推進会議の方でも、農地所有適格法人の議決権要件について、企業など農業関係者以外の人に半分を超える議決権を容認すべきかどうかが議論をされております。これらはいずれもこの企業の農地所有が課題となっている、こういった論点であります。
 私は、企業が農業経営に参入することは、生産性の向上、あるいは農家の後継者不足を補って持続可能な経営にもつながるという期待もございますので、そのこと自体は問題とは思っておりませんし、現に企業が農地を借りて農業に参入することは今でもできるわけでございます。
 しかしながら、これが所有権となると話が変わってまいります。仮に企業に農地所有を認めた場合、外国からの投資を規制する制度がほとんどない我が国においては、それは国内企業だけではなくて外国資本、外国企業にも認めるということになります。
 現在、世界では、将来の食料不足への懸念から、国境を越えた農地争奪戦が繰り広げられております。一般に狙われやすいのは発展途上国の農地でありますけれども、これは先進国も例外ではないと、こういう状況であります。
 こういう状況の中で、この大規模化と資本の論理を行動原理とする企業に農地所有を解禁するということは、これは我が国の農地を大規模に買収されるというおそれもございますし、一旦所有権を開放してしまうと取り返しが付かない問題になる、こういう問題でありますから、これは極めて慎重に考えていかなきゃいけない問題だと思います。
 そこで、これは農地を所管される野上農水大臣に御見解をお願いいたしたいと思います。

#22
○国務大臣(野上浩太郎君) やはり国民に食料を安定的に供給をしていくためには、優良農地を確保するとともに、その農地の農業上の利用を図るということが必要だというふうに考えております。
 そういう中で、今お話ありましたとおり、農業者の高齢化ですとかあるいは担い手不足が進行する地域において農業生産を担う存在として企業は期待できるものと考えておりまして、企業の農業参入を図るために平成二十一年に農地法改正でリース方式を完全に自由化したところでありまして、改正前の約五倍のペースで参入が進んでおりまして、今後ともこれを推進してまいりたいと考えております。
 他方、企業による農地所有につきましては、これは農業、農村現場において、農業から撤退をしたり、あるいは農地を他用途に転売をされたり、あるいは産廃置場になるのではないかと心配の声があることも事実でありまして、これは慎重に検討していく必要があると考えております。
 なお、我が国におきまして農地を取得する際、外国人や外国法人の別はありませんが、農地法におきましては、取得する農地の全てを効率的に利用して耕作を行うこと、あるいは役員の過半が農業に常時従事する構成員であること等の要件を満たす必要がありますので、地域とのつながりを持って農業を継続的に営めない法人は農地を取得することができないことから、外国法人が農地を取得することは基本的には困難であると考えております。

#23
○古賀友一郎君 慎重に検討するということでございました。是非慎重な検討をお願いしたいと思います。
 そして、最後に大臣がおっしゃった、事実上大丈夫じゃないかというような御答弁がありまして、たしかそれは、この地域とのつながりを持って行うという要件があるから事実上外国企業が買収するのは難しいんじゃないかと、こういうふうな御答弁だったと思いますけれども、しかし、地域とつながりを持って農業をやっているその企業を今度は買収すると、こういうこともこれはあり得ると思いますので、そこは本当に歯止めになるんだろうか、私はちょっと懸念を持っております。
 いずれにいたしましても、この所有権にこだわる理由が私にはどうもいまだに理解ができないところがありまして、そういったことも含めてよくよく慎重に御検討いただきたいと思います。
 いずれにしても、これはまた、菅総理も、坂本大臣も、それから河野大臣も、それぞれの所管に関わってくる話でございますので、今申し上げたような視点もしっかり踏まえた上で御検討いただければと、こういうふうに思います。
 次に、安全保障問題といたしまして、核兵器禁止条約について伺います。
 今年一月、核兵器禁止条約が発効いたしました。世界で初めて核兵器を違法化する国際的法規範が誕生したことは、唯一の戦争被爆国であり核兵器の廃絶を究極の目標としている我が国としては、これまでに御尽力された方々の御労苦を含め、高く評価すべきだと思います。
 しかしながら、我が国がこの条約に今加盟できるかということについては、私も政府見解同様、難しいと思っております。それは、条約第一条一項(f)において、核兵器で威嚇する援助を求めたり受けたりしてはいけないという趣旨の条文があって、それを留保することも認められておりませんので、もし我が国が条約に加盟すれば、米国の核の傘から離脱しなければならなくなると考えられるからでございまして、現実の極東アジア情勢を踏まえるとそれは難しいと言わざるを得ないんだと、私もそう思います。
 まさにこの理想と現実のギャップの中で我が国は難しい立場にあると思いますけれども、差し当たっての課題は、来年一月までに開催予定の第一回締約国会議に我が国がオブザーバーとして参加すべきかどうかということであります。この点について、政府は慎重に見極める必要があると、こういうスタンスでございますけれども、私は参加すべきだと思っております。確かに、我が国の安全保障環境を考えればこの条約は理想に過ぎるかもしれませんけれども、締約国の国々は我が国と目標を共有する言わば同志であります。我が国が核兵器保有国と非保有国との間の橋渡しを自任するのであれば、その同志に背を向けるわけにはいかないというふうに思います。
 もちろん、ただ行って座っているだけでは意味がありません。私は、我が国がなすべきことが少なくとも二つあると思っております。一つは、我が国が条約に加盟できない理由をきちんと説明することであります。国際的説明責任を果たすのは我が国の責務と思います。もう一つは、被爆の実相を世界に普及することについて締約国に協力を求めるということだと思います。特に、核兵器保有国の国民に知ってもらうということは重要と思います。五年前、米国のケリー国務長官が広島の原爆資料館を訪問された際、胸をえぐられるように感じた、その感覚を世界に広めることであります。
 条約の批准国は二月の段階で五十四か国、まだ批准していない署名国が三十二か国ということで、今後も増えていくでありましょう。協力してもらう国は多いにこしたことはありません。
 そこで、このオブザーバー参加について前向きに検討すべきと思うわけでございますが、茂木外務大臣の御答弁をお願いいたします。

#24
○国務大臣(茂木敏充君) 我が国は唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界の実現に向けた国際的な取組をリードする使命を有しておりまして、これは我が国の確固たる方針でありまして、その点は古賀委員と全く同じ意見だと思っております。
 その上で、今御提起のありました締約国会合へのオブザーバー参加につきましては、委員もよく御存じの、これまで述べてきた我が国の立場にも照らして、また、実際に締約国会合、今後どうなっていくかと、こういったこともよく見る必要があると思いますし、さらには、地域の安全保障環境、我が国を取り巻く環境と欧州、中南米、全く違っていると思います。そういったことも考慮した上で慎重に見極める必要があると思っております。
 政府として、引き続き、核軍縮の進展に向けて、国連総会への核兵器廃絶決議案の提出であったり、やはり被爆の実相、これを知ってもらうということは重要でありまして、オバマ大統領もそうでありますが、様々な世界の関係者の方々に広島、長崎を訪れてもらうと、こういった被爆の実相を伝えると、こういった取組を通じて、立場の異なる国々の橋渡しに努めて、核軍縮の進展に向けた国際的な議論にも積極的に貢献をしていきたいと考えております。

#25
○古賀友一郎君 いろいろ御心配はあるかと思いますが、そういうもろもろの事情、我が国の事情ということを、ものをしっかりとやっぱり世界に分かってもらう、これやっぱり私重要だと思っております。
 国際的信用というのは私は基本的な国益だと思っておりますけれども、その国益を守るためにもやはりこの橋渡し役としてふさわしい振る舞いというのが必要だと思います。いろんな考慮、事情はあるでしょう。しかし、いろいろ考えた上で、そこはしっかりと我が国の気持ちが締約国の皆さんにも、それから核保有国の皆さんにも伝わるように、しっかりとお取組をお願いしたいと、こういうふうに思っております。
 また、先月、英国が核兵器の保有を強化する方針を打ち出すということもございまして、今、保有国の核軍拡の懸念も高まっておりますので、そういった、我が国としては今こそ冷静な対応を呼びかけるということも大変重要なことだと思いますので、そういうことも含めてよろしくお願い申し上げたいと思います。
 最後になりますけれども、東京オリンピック・パラリンピックの意義について伺いたいと思います。
 いよいよ開会まで三か月余りに迫りました。一年延期されて迎えるオリパラであります。海外観客の受入れは断念することになりましたけれども、これは是非成功させたいと思います。
 現在、参議院自民党におきましても、各国が安心して選手団を派遣していただけるよう、各議員が手分けをいたしまして各国大使館を訪問して、関口議員会長、世耕幹事長のメッセージをお渡ししながら、疑問や御要望に応えられるよう政府、組織委員会との橋渡しの活動を今行っているところでございます。
 ただ、一方では、国民の皆様から、このコロナ禍で開催することに対して厳しい御意見があるというのも、これはまた事実でございます。そうした状況の中でこの大会の開催意義を国民に理解していただくには、やはり五輪精神の原点、すなわち平和や人権の尊重といった原点に立ち返ることが重要ではないかと、こういうふうに思います。
 経済面の効果は大きく減殺されることになりましょうけれども、しかしその分、この五輪精神を見詰め直す、コンセプトを見詰め直す非常にいい機会ではないかと私は思っておりますので、そういったコンセプトについて、丸川大臣の御見解をよろしくお願いいたします。

#26
○国務大臣(丸川珠代君) 御質問ありがとうございます。
 まず、参議院自民党の皆様方が自発的にいろいろな大使館を回ってコミュニケーション取ってくださっているということをお伺いいたしまして、皆様方の活動には心から敬意を表したいと存じます。
 また、入国の手続を始めとして、これからまた変異株を前提に様々変化があるところ、恐らくはそれを受け止めてこれからいろいろな方の入国について検討されるという、各国の皆様にとっては情報が不足しているという印象を持たれていることは否めないと思いますので、できる限り、四月中のプレーブックの改訂に合わせて速やかに情報発信をと思っているところでございます。
 そして五輪の精神ということでございますが、オリンピック精神、オリンピック憲章にはオリンピズムの根本原則として、平和な社会の推進や人権の尊重ということについて定められております。コロナ禍で、今こそこうした精神が世界の連帯を示していく一つの大きな原則になるということは、私も信じて疑いません。
 是非、この東京大会で、皆様方にも、こうしたスポーツができる幸せ、スポーツができるということは平和のあかしでございますので、こうしたことにも再認識をして、また、国連総会で採択されておりますオリンピック休戦協議というものも、休戦決議というものも改めて認識をしていただいて、このオリンピックの意義、そしてもたらす希望について、世界の人々と共有をしていきたいと思います。
 御指摘ありがとうございました。

#27
○古賀友一郎君 ありがとうございました。今こそこの五輪精神を見詰め直すときであると、こういうことであります。
 今回、最後にこの平和の問題を取り上げたのは、我が国は、この戦後七十五年、戦火を交えることもなく、他国を武力で威嚇することもなくやってきた国であります。そういう平和を語る、そして語るべき国だろうと、こういうふうに思います。そのためにも、内政をしっかり立て直して、そして外交に取り組む、こういったことをテーマにして質問させていただきました。
 時間になってまいりましたので、次の自見はなこ委員にバトンタッチをいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

#28
○委員長(野村哲郎君) 関連質疑を許します。自見はなこさん。

#29
○自見はなこ君 自由民主党・国民の声の全国比例区選出の自見はなこでございます。古賀友一郎先生からバトンを受けまして、関連質疑をさせていただきます。
 参議院での決算委員会が、本日、全閣僚入りで始まりました。国民の幸福と福祉の向上につながるような建設的な議論ができるのが、この良識の府としての参議院決算委員会のすばらしさであると感じております。先輩方そして同僚議員の、質問に立たせていただくこの感謝の気持ちを込めて、そして質問にも気持ちを込めて質疑をさせていただけたらと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 一問目でございます。新型コロナウイルス感染症とワクチンの実施体制について質問をさせていただきたく存じます。
 昨年の一月以降、新型コロナウイルスの感染に当たってくださっている保健所、検疫、自治体職員、現在は市町村事業であるワクチン接種を、全国に約八百五十あると言われております地区医師会の先生方が、行政とまさに二人三脚で計画策定の段階からの調整などを進めてくださっておりますが、そういったお仕事や、治療や宿泊療養に当たっている皆様、またノンコロナの部分の医療をしっかりと支えてくださっている全ての医療、介護、福祉従事者の皆様に心から感謝を申し上げたいと思います。また、亡くなられた方々には哀悼の誠をささげ、治療中の方々にも心からのお見舞いを申し上げます。
 さて、本日四月五日から五月五日まで、三府県六市、大阪府、兵庫県、宮城県の、大阪市、神戸市、仙台市などの区域におきましてまん延防止等重点措置が実施をされようとしております。この度の感染拡大、東北の地域では病床があっという間に埋まってしまったよという声を聞きました。感染は、あるときから急拡大をいたしますので、このまん延防止等重点措置は感染が急拡大をする前に実施していただくことが非常に重要だと考えます。
 その前兆を捉えられないのかということで、二十代、三十代の新規陽性患者数の七日間移動平均の前日増加比、これが四日連続一を超えて増加してきた場合には特に注意が必要だと、大阪大学医学部感染制御学の朝野教授が指標として出されているところでもございます。政府におきましては、ちゅうちょすることなく客観的な数字で御判断いただければと思います。そして、その判断が結果として国民やその地域の皆さんの命と暮らし、この両方を守ることになります。
 また、厚生労働省におきましては、変異株のモニタリングは民間検査会社と連携し、より一層徹底し、しっかりと行っていただく必要がございますが、百年前のスペイン風邪の際にも、変異株の出現により感染拡大や致死率が上昇したということが知られております。今回の新型コロナウイルス感染症、ここも二週間に一度のペースで変異を繰り返しているとも言われており、それ自体はウイルスの性質としては通常のことであり、珍しいことではございません。
 理解しておくべき大切なことは、このウイルス自体は人の体の中でしか生存できないということであります。よって、人から人への感染を一人一人の心掛けで抑えていただくことが何より肝腎です。地道ですが、一人一人のマスク、そして手洗い、手指衛生、三密回避の積み重ねが何よりの対策となります。
 ワクチンが行き渡ること、そして特効薬が出回るまでは、幾度か我々は感染の波を経験することになると思います。その間、政府においては、医療の逼迫度合いの指標のモニタリングと同時に、雇用、経済対策は万全の構えで行っていただけるものと信頼をしております。人々の不安に寄り添い、行っている施策がしっかりと国民に伝わるようにコミュニケーションしていただくようにお願いをしたいと思います。
 さて、その中で、これから幾度か経験するだろう波を少しでも小さくしていくのがワクチンでございます。その効果には大きな期待をしております。
 現在、新型コロナウイルスの接種費用は、事務費を含めて一人当たり二千七十円であります。集団接種会場では、数多くの事務職のスタッフや問診担当の看護師や保健師、医師など、大勢の人々が関わります。当初示した予算では足りないということで、政府は、今年二月一日には当初の倍増となる三千億円を計上していただいております。また、掛かり増し経費についても支払うということは自治体に十分に伝えているとは承知していますが、これも、実は昨年と同様のことでございますが、執行の部分では、なかなかもう一歩、自治体に費用については認めてもらえないんだけれどもという医療機関の声も時折聞こえてまいっているところでもございます。
 そこで、河野大臣、田村大臣にお伺いをしたいと思います。
 診療報酬や補助金、予備費の活用など、幾つもの方法があるかと思いますが、協力をいただいているコロナワクチン接種を行う医療機関への財政支援についてお答えください。

#30
○国務大臣(田村憲久君) 本当、日々、医療機関の皆様方には、大変なコロナ対応ということで御尽力いただいていることに改めて心から厚く御礼を申し上げたいというふうに思います。
 やはりワクチン接種、医療機関の皆様方の御協力いただけないとこれは進まないわけでありまして、そういう意味では、日本医師会中川会長、これ菅総理ともお会いをいただいて、菅総理からもお願いを再度いただいたところでありますが、今言われたとおり、一回当たり二千七十円という接種費用プラスいろんな掛かり増しの経費掛かると思います。これは、自治体と医療機関が協議をいただいて、円滑な接種体制を構築するためにということで必要なもの、これは合理的に必要な部分はしっかりと補助をさせていただくということであります。
 あわせて、よく申し上げますが、今まで四・六兆円ほど医療機関等々に対していろんな対応という形で資金を用意させていただいて、それぞれ今まで交付決定してきたものもございます。さらには、診療報酬に関しましても、この四月から、やはりしっかりと感染防護等々対応いただかなきゃなりませんので、それに対しての上積みといいますか、そういうものもさせていただいておるわけであります。
 それぞれ大変厳しい状況でございますけれども、我々といたしましても最善の努力をさせていただきたいというふうに思っております。総理からも、コロナに対応されている医療機関で運営できなくなるようなことがあってはならないというような、そんなお言葉もいただいておりますので、しっかりと我々としても注視をさせていただきながら、しっかりとした対応をさせていただきたいというふうに考えております。

#31
○国務大臣(河野太郎君) 医療関係団体の御協力をいただいて、しっかりとワクチン接種進められるように、私といたしましても田村大臣としっかりと連携をしてやってまいりたいと思います。

#32
○自見はなこ君 ありがとうございました。
 昨年の秋から始まりました、インフルエンザと同時期に備えてということのいわゆる発熱外来の体制がございます。これは、医療機関の口座に直接厚生労働省からお金が振り込まれる仕組みとなってございまして、執行のペースが非常に速かったということで、大変喜びの声もいただいたところでございます。
 地方自治体を経由するときに、議会ですとか様々な事務手続で時間が掛かるということもございます。是非、あらゆる方法を尽くしていただきまして、菅総理の御発言もいただいたということでありますが、このコロナ対応している医療機関、ワクチンもそうであります、この収支が赤字になるということのないようにしっかりとお支えをいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 二問目は、加藤官房長官にお尋ねをいたします。
 自民党でも昨年末に外国人観光客コロナ対策プロジェクトチームで提案をし、政府もこれを受け止め、現在準備を始めているのではないかと思いますが、水際対策の強化としての統合型入国者健康情報等管理システムについて質問をいたします。
 これは、入国をしてくる外国人を、観光客だけではなく、ビジネストラックやレジデンストラックも含めて一元的に管理、把握するというものであります。外国との往来が再開されたときには水際の感染モニタリングとして機能するという、大変意義のある仕組みとなってございます。加えて、外国からの方が仮に陽性者となった場合には、国内で新型コロナウイルス感染症の一元的な管理を行っている情報基盤でありますHER―SYSに必要な情報が流し込まれる仕組みになっております。この情報の中には、当然ながら変異株の情報あるいはワクチンの情報も流し込まれるということになってございます。
 ですから、当然ながら、変異株のモニタリング、特に流入のところも、このシステムが稼働すればより効率的に行えるようになると考えます。外国の方々にとっては、双方向の相談機能も多言語で行われ、安心も提供することができます。
 また、変異株などの感染状況の把握の仕方においては、専門家の意見を聞いて公知することになると思います。国民への説明をするための広報機関もこれはしっかりとしたものが是非求められると思いますし、構築していただきたいと思います。
 まさに、水際対策を見える化し強化してほしいという国民の声に応えるものの、その基幹となるシステムだと私は考えております。計上された七十三億円の開発費の費用が無駄だと主張する論調もございますが、全体像を理解していないままの批判に基づく点も多いのではないのかなと感じております。この金額は、あくまでも、システムの構築だけではなく、その運用も含めた全体のコストでありまして、利用者との接続部分のいわゆるアプリの開発に係る部分はそのうちのごく一部であると認識をしております。
 オリパラの大会に海外から観光客は来なくても、外国との往来の再開はどこかのタイミングで必ずやってまいります。また、現在世界で盛んに議論されておりますワクチンや検査のデジタル陰性証明書などの話もあり、今後も、加藤官房長官、木原稔総理補佐官の下で省庁横断にシステムを構築することの意義は非常に大きいと考えています。私は、むしろ必要なところにはしっかりと対策をし、予算を付けていく、これが政府に求められることだと考えております。
 加藤官房長官にお尋ねをいたします。新型コロナウイルスの変異株の出現等の情勢の変化も踏まえまして、このシステムの水際対策への活用については、必要であれば新たに調達を掛けてでも時勢に合った必要な機能を実装するべきということを私は検討すべきと考えておりますが、木原稔総理補佐官を中心とするチームの検討の方向性について教えてください。

#33
○国務大臣(加藤勝信君) 統合型入国者健康情報等管理システムについて御質問いただきました。
 同システムは、まさに、オリパラは一つの契機とするものではありますけれども、それに限定するわけではなくて、広く日本への入国者を対象に、入国に係る手続、入管や検疫等様々な手続を一つのシステムとして管理していこうと、政府のデジタル化といった流れにも沿うものだというふうに認識をしております。
 今回のオリパラで海外からの受入れは行わないということでありますけれども、選手、スタッフ、関係者、こうした方々をまず想定した上で今システムを構築し、この間、不要なものは節減できないか、木原補佐官を中心に精査をし、オリパラ向けに、六月中にはシステムを稼働していきたいと思っております。
 その上で、オリパラ後ということでありますけれども、このシステムをどう活用していくのか、今御指摘があった新型コロナウイルスの変異株をめぐる情勢、あるいはその後の健康管理の具体的な在り方をどうしていくのか等々、様々な状況を踏まえながら、これは必要に応じ見直しというか拡充を図りながら、速やかな実施を、入国者全体に対する速やかな実施を図っていきたい、こういうふうに考えております。

#34
○自見はなこ君 加藤官房長官、誠にありがとうございます。
 この案件は、本当に多省庁にまたがってまいります。外国との関係でいえば外務省でございますし、また国内の感染症対策はもちろん厚労省でありますが、それ以外にも経産省、国交省、そして観光庁、様々な機関がまさに連携をして事に当たらなければいけない。また、デジタル担当大臣の平井先生も、平井大臣もおられますが、デジタルの全面的な活用ということも求められるわけであります。是非、官房長官におかれましては、その調整、そしてリーダーシップを発揮してくださいますようにお願いを申し上げます。
 さて、次は、菅総理にこども庁についてお尋ねをしたいと思います。(資料提示)
 二月の二日から三月の十六日まで、自民党の若手有志約二十名が呼びかけ人となり、チルドレンファーストの子どもの行政のあり方勉強会を合計八回開催いたしました。総勢、大臣経験者を含め八十名近い先生方に御参加をいただきました。事務局を山田太郎先生とともに運営いたしました。太郎とはなこのコンビで、事務所スタッフも大変によく頑張ってくれたと思っております。(発言する者あり)ありがとうございます。
 この勉強会では、子供の自殺や虐待などの件数がこのコロナ禍で増加している中、子供政策は待ったなし、特に、平成三十年に公表された厚生労働省の二〇四〇年を見据えた社会保障の将来見通しの中でも、子ども・子育て関連支出の対GDP比は一・七%と、ヨーロッパなどの先進諸国と比較しても著しく低いままでございます。また、行政の縦割りにより子供政策がより一層推進できないといった要因もございます。一人一人が健やかに育つということ、楽しく学び、生きがいを持って人生を送れるということ、子供を持ちたい、育てたいという人々に寄り添い、我が国はチルドレンファーストの政策に今こそかじを大きく切るべきときだと考えております。
 この勉強会では、皆様から意見を聞きたいということで二週間にわたりウエブでアンケートを実施しましたところ、これは私たちも大変驚きましたけれども、何と一万七千四百五十八名の皆様から、そして意見数といたしましては四万八千件以上の意見を頂戴をいたしました。その意見を反映させて我々は提言を作ることといたしました。毎日の生活に追われている子育て世代にとっては、こういうウエブのアンケートをもっともっとやってほしいという声だけでも千件ございました。アンケートには全て目を通し、分類をいたしました。デジタル民主主義という言葉をこのとき山田太郎先生からも教えていただきました。その結果は、実に五十三ページに及びます。こども庁の創設に向けてというホームページで公表しておりますので、御関心のある方は是非御覧いただければと思います。
 ちなみに、平仮名でこどもといたしましたのは、小学校前の子供たちが、あっ、自分たちのことなんだと読めるように平仮名にいたしました。誰かが自分たちのことを理解しようとして、ケアをしようとしてくれているという私たちのメッセージが、時に困難な状況の中にある子供たちにも届けたい、届くようにという願いを込めてございます。
 そして、アンケートの結果でございます。八割が女性になってございます。そして、年代も二十代、三十代で七三・三%、四十代を含めると九一%になります。そして、二十四項目の中から一人三つまで項目を選び、記載をしていただきました。全体として最も要望が多かったのは、パネルの右上と右下に記載がございますが、教育、保育、少子化、児童虐待・社会養護、子供の貧困、産後ケア、一人親、いじめ、不妊治療、障害児支援と続いてまいります。
 男女や子供の人数あるいは年代を用いたクロス分析というものも行っておりますが、男性と女性を比べますと、女性の方が産後ケア、不妊治療、保育が男性と比較して優位な要望でございました。
 一番多かった教育では、親の収入の格差が子供の教育格差、体験格差につながっているという声、公教育の質を向上してほしいという声がございました。これは、三月三十一日に成立をいたしました三十五人学級の実現に向けた改正義務教育法もございまして、萩生田大臣の手腕とともに大きく改善していくことと思われ、ここも期待をしているところでもございます。
 また、第二位の保育の質、ここも、保育の質の向上の際にも、まず保育士さんたち、大変な環境で働いている彼女たち、彼らの労働環境や処遇改善を是非行ってほしいという声、これもございました。また、幼児教育の質の担保、これも是非行ってほしい、あるいは男性の育休、働き方改革の必要性などの声も大変大きなものがございました。
 虐待や自殺などからSOSを拾い、子供の命を守る体制強化や、菅政権でも大きく光を当てていただきました不妊治療の費用、そして周りの理解の促進、そういったこと、そして同時に、妊娠、出産、産後の助産師によるケア、こういった充実を望むという声が赤裸々な言葉で書かれてございます。
 議論を通しまして、私たちは幾つかの論点整理をさせていただいております。
 こちらの図を御覧ください。
 議論を通して、子供を性犯罪から守るDBSという無犯罪証明という仕組みですとか、あるいは子供の死因究明、CDRの仕組み、これは子供がどの場所で亡くなったかによって所管省庁が違うというところから大きな課題が四年前はありましたが、平成二十八年に、これは内閣府子ども・子育て本部でゼロ歳から六歳まではある程度統一的に対応していただいていると思っておりますが、こういったCDRの仕組みや障害者支援、そして実は子供のホスピス、これは担当課がございません。こういった各省庁間の間に落ちてしまっているものや責任の所在がはっきりしないものも多く、課題としての論点整理をさせていただきました。また同時に、国と都道府県と市町村の間の整理も必要な課題だという認識をいたしたところでもあります。
 そこで、我々は提言に、専任の大臣を置くこと、強い権限を持たせること、そして対GDP比子ども・子育て関連支出を倍増するということを打ち出し、子供に関係するこれらの諸課題の網羅的な把握と子供の医療、保健、療育、福祉、教育を一元的に所管するこども庁の創設に向けた緊急提言を先週取りまとめ、そして官邸にお伺いをしたところでございます。
 菅総理にお伺いします。子供政策を一元的に所管するこども庁創設に向け、決意のほどをお聞かせください。

#35
○内閣総理大臣(菅義偉君) 日本の将来を考えれば、国の宝であります子供たちの政策を何としても進めなきゃならない、そのことは政治の役割だというふうに思っています。子供たちが生まれ、育ち、学んでいく、それぞれの段階ごとに光を当て、前に進めていきたい、このように考えています。
 不妊治療は、この一月から所得制限をなくして助成額を大幅に拡充したその結果として、現場の先生方によれば受診者が大きく増えているということであります。
 また、待機児童問題を解決するために、既に予算を用意をして、四年間で十四万人分の保育の受皿を整備することを決定をしております。
 また、ベビーシッターなどを使いやすくするよう、税制面、予算面でもしっかり支援措置を実施をしております。
 また、この四月には、四十年ぶりの大改革となります、小学校二年生で三十五人教育が始まります。
 新型コロナの影響が長引く中、困難にある一人親、また二人親でも所得の低い御家庭には新たに子供一人五万円を給付をさせていただく、このことを決定いたしました。
 また、子供に関する施策というのは安全、安心の確保から少子化対策まで極めて多岐にわたって、担当する省庁も複数にまたがっています。例えば、あってはならない児童虐待、このことにあれば、内閣府、厚生労働省だけでなく警察庁、文部科学省、法務省、総務省など、多くの省庁が関係をしてきています。こうした中で、子供たちのために何が必要であるのか、そうした視点に立って、縦割りを打破して組織の在り方をもう一度抜本から考えていく、このことも必要だというふうに思っています。
 今般、自見委員を始めとする自民党の若手の皆さんから要請をいただき、こども庁創設に向けて要請をいただき、また積極的な提言をまとめていただきました。まずは、党内において日本の未来という大きな視点に立って更に検討を進めてもらいたいというふうに思います。皆様方の要望というものを私は極めて重く受け止めて、しっかり対応していきたい、このように思います。

#36
○自見はなこ君 大変心強い言葉でございました。
 成育基本法という議員立法がございます。これは、三十年掛けて小児科医会、産婦人科医会、助産師会の先生方が子供たちのための基本法を作ってほしいということでこの活動を続けておりましたが、これが二〇一八年十二月に制定をさせていただいております。この言葉の中にも、パネルにも書かせていただいておりますが、実は成育基本法はその法律の文言の中に、この行政の在り方において見直しをしっかりと見ていこうということを書かせていただいております。私たちの子供たちを取り巻く環境は待ったなしだと思います。
 また、菅総理は、総裁として三月の自民党の党大会の場で、何よりも進めたいのが未来を担う子供たちのための政策、それがまさに政治の役割、子供が生まれ、育ち、学んでいく、その一つ一つに光を当てて前に進めていきますと語られました。恐らくは、全国でこのテレビを見てくださっておりますアンケートに答えてくださった方、本当にしっかりとお声が届いたと実感をしているのではないでしょうか。
 また、萩生田文科大臣、田村厚労大臣、加藤官房長官、そして世耕参議院幹事長、それぞれからも先週の閣議後記者会見等で大変前向きな発言をいただきましたことにも、ここに感謝を申し上げたいと思います。また、上川法務大臣におかれましても、前回の法務大臣時代よりチルドレンファーストという言葉をいつも信念にしていただいており、ここも大変心強く感じているところであります。
 今後は自民党の中での議論が深まっていくと思いますが、しっかりと実現に向けて皆で力を合わせて進んでいきたい、そういうふうに決意を今新たにしたところでございます。どうぞ関係の皆様、よろしくお願いをいたします。
 残り時間僅かとなりましたので、質問ではなく御紹介に代えさせていただきたいと思います。
 三月三日というのは何の日だか皆様御存じでしょうか。この三月三日というのは、実は耳の日でございます。これが実はWHOでもこの三月三日は耳の日ということで、今年の三月三日、コロナで大変だったと思いますが、WHOにおいても世界の聴覚に関する世界報告の発表イベントが行われています。ワールド・レポート・オン・ヒアリング、私は大変興奮を持ってこの発表を受け止めたところであります。
 WHOとしては、この世界の中の難聴対策をしっかりと進めていくことが多くの国民、多くの世界の人たちにとって非常に重要だということから、二〇三〇年までに聴覚ケアサービスの普及率を二〇%向上させるという目標、行動も示されたところでもございます。また、難聴の早期の発見、予防、そしてタイムリーな治療とリハビリテーション、様々なことにも言及をしていただいております。そして、今後は十年間にわたり新生児、小児、成人に関する三つの指標をモニタリングし、また、これは社会的孤立、そしてうつ病、そして認知症との関わりも深いということから、これは全世界的に進める施策として大きな大きなプレスリリースを行ってくださったところでもございます。
 私は、会長は石原伸晃先生でありますけれども、自民党の中に難聴対策議員連盟というものがございまして、この後質問に立たれます今井絵理子さんとも、先生とも一緒に活動してまいりました。
 一番初年度は、これは千人に一人という新生児難聴、ここに対してまずは光を当てながら施策を進めていきましたが、今後はいよいよ高齢者だと思ってございます。高齢者は、特に高音域などの難聴は行政で行うスクリーニングがほとんどない状況でございます。耳鼻科学会もアプリを紹介して、早期発見の取組も必要だとも思ってございます。また、補聴器の形も、耳の形やフィッティングと呼ばれる幾つかの調整が必要でございまして、是非ここには補聴器の相談員へとしっかりとつないでいただき、そして認定補聴器販売店、技能者による適切な補聴器へのアクセスの政策というものが非常に重要だと思っております。
 田村大臣におかれましては、孤独・孤立担当の坂本大臣と連携をいたしまして、この高齢者の具体的な難聴対策の推進についてしっかりと取り組んでいただきたいと思っております。
 こういった公衆衛生の課題をしっかりとやることで国民一人一人がより一層幸せになるように、子供を真ん中に置いた社会づくりも併せてしっかりと進めていきたく存じます。
 本日は、質問の機会、ありがとうございました。

#37
○委員長(野村哲郎君) 関連質疑を許します。今井絵理子さん。

#38
○今井絵理子君 自由民主党の今井絵理子です。本日はよろしくお願いいたします。
 本日は、私のライフワークである障害者に関わる政策や教育、そして私の故郷沖縄の振興について質問をさせていただきます。
 初めに、障害者に関わる政策で多くの方々に知っていただきたい制度があります。それは電話リレーサービスです。今年の七月一日から公共インフラとして開始されます。電話リレーサービスとは何なのか、パネルを御覧ください。(資料提示)
 電話リレーサービスとは、聞こえない人や発話が困難な人と聞こえる人を通訳オペレーターが手話や文字を音声に通訳し、リアルタイムに電話でつなぐサービスのことです。私たち聞こえる人は当たり前のように電話を使っています。しかし、これまで、聞こえない人は電話を使うことはできませんでした。
 公益財団法人日本財団は、この状況を通信のバリアフリーの課題とし、電話リレーサービスの制度化を目指して、二〇一三年よりモデルプロジェクトを実施されてきました。そして、二〇二〇年六月五日、聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律が成立、七月一日から、二十四時間三百六十五日、一一九を始めとした緊急通報にも利用できるようになったこのサービスには、私は大きな期待を寄せております。
 そこで、まず二点確認をさせていただきたいと思います。一点目は利用できる人の範囲、そして二点目、どのような費用負担が発生するのでしょうか。簡潔にお答えください。

#39
○政府参考人(竹内芳明君) お答えいたします。
 今お尋ねのございました電話リレーサービスは、聴覚や発話に障害のある方と聴覚障害者等の以外の方が通訳オペレーターを介して双方向通信を可能とするものでございます。
 負担額、負担についてのお尋ねがございました。
 まず、利用者料金につきましては、一般財団法人日本財団電話リレーサービスは、電話リレーサービス業務規程におきましてこの利用者料金を定めております。具体的には、基本料として月額百七十八・二円、一分当たりの通話料は、固定電話着の場合五・五円、携帯電話着の場合は三十三円、又は基本料金なしの場合には、一分当たりの通話料が、固定電話着の場合十六・五円、携帯電話着の場合四十四円と定められております。
 また、オペレーターやシステム運用経費等の費用に充てるため、電話事業者等による負担金を原資とする令和三年度の交付金額は約十五・四億円であり、電話提供事業者の御負担は一番号当たり年間合計七円となっております。

#40
○今井絵理子君 ありがとうございました。
 障害者手帳の有無にかかわらず、聞こえる人からも掛けることができます。費用負担については、分かりづらいといった声がありますので、国民の皆さんに丁寧に説明をしていただきたいと思います。
 もう一度パネルを御覧ください。こういったシーンで利用できるようになります。聴覚障害者等の自立した日常生活や社会生活の確保に寄与するものだと思われます。
 さて、ここからは課題について質問させていただきます。
 まず初めに、通訳オペレーターの人材育成と確保についてお尋ねいたします。
 現在、オペレーターの要件として手話通訳士、手話通訳者、要約筆記者などが規定されています。これらの有資格者は、以前から人材不足が指摘されています。そのため、人材の取り合いにならないようにするためにも、総数を増やしていく必要があります。
 また、手話通訳オペレーターの方には相当の手話スキルが要求されます。専門的な言葉や地域による手話表現の違いなどもあり、それらに対応しなければなりません。専門的な知識や技術を習得するための研修を行う必要があると考えます。
 リレーサービスが安定的、また継続的に提供するためには、オペレーターの人材育成と確保が喫緊の課題と思いますが、厚労大臣の見解をお聞かせください。

#41
○国務大臣(田村憲久君) おっしゃられますとおり、電話リレーサービスですけれども、これ、通訳オペレーターという方々がしっかりとその役割担っていただいているわけでありまして、その質というものをしっかり担保していかなきゃならないということで、総務大臣がこれ基本方針の中で要件を定めておるということで、今言われたとおり、手話通訳士、また通訳者でありますとか、それからもう一つは要約筆記者のこれ登録試験合格者という形で、都道府県でやられておられる試験を合格しているということが要件になっております。
 同時に、これ実際問題、やっていただく場合には、厚生労働省の養成カリキュラム、こういうものをしっかりと研修で受けていただくと、こういうふうになっております。
 手話通訳者また要約筆記者、これ養成は都道府県でやっていただいているわけでありまして、これに関しては、地方自治体等々に対する財政支援、これをしっかりやること、それから、指導者の方々の養成、これもやっていかなければなりません。
 あわせまして、手話通訳士に関しましては、これは国が試験を実施いたしておるわけであるわけでありますけれども、あわせて、これ若年層がなかなか今試験を受けていただけないといいますか、有資格者が少ないということがございますので、その若年者に向けてのやはり広報等々をしっかりやっていく中で、若い方々にも手話通訳士としてのいろんな役割を担っていただきたいということで、諸般のいろんな活動をさせていただいておるということであります。

#42
○今井絵理子君 是非、質の担保、そしてこの財政支援、是非よろしくお願いします。
 また、若年者に向けて、やはり手話通訳士・者の今ニーズが高まっております。是非、総数を増やしていただく取組もどうぞよろしくお願いします。
 次に、電話リレーサービスを介して金融機関等を利用する際の本人確認についてお伺いします。
 キャッシュカードやクレジットカードなどを紛失した際、聞こえる人はすぐに銀行に電話を掛けてカード使用停止の手続を取ると思います。その際、必ず求められるのは本人確認です。
 通訳オペレーターを介した場合、本人確認を認めないケースもあると伺いました。顧客の本人確認はセキュリティーの観点からとても重要なものですが、これが聴覚障害者にとっては大きな壁となっています。
 この点について今後どのように対応されるのか、金融担当大臣及び経産大臣にお伺いいたします。

#43
○国務大臣(麻生太郎君) これは、今井先生御指摘のとおり、この金融機関においてよくある話がこの話です。いわゆるキャッシュカードをなくしちゃったとかそういったときに、いわゆる聴覚障害者の方々は、健常者じゃないと話が全然通じませんので、そういったときに連絡の受付の手段というのを、これを確保しないと非常に手間暇の掛かる話になりますので。
 そこで、昨年の六月でしたか、聴覚障害者によります電話利用の円滑化に関する法律というのがたしか七月だか六月だかにあれ通っておりますので、それにおきまして、各金融機関に対しましてこの電話リレーサービスに対する理解の促進をまず要請をということになります。
 電話リレーサービスを通じた緊急時の意思確認手続の積極的な利用というのを求めているところなんですが、これ成り済ましが最も起きやすい話ですからね。誰でも思い付きますよね、悪いふうに考えれば。そこで、このリレーサービスをやる手話通訳ができるレベルの人というのは一応金融の単語ぐらい知っておいてもらわぬと、単に子供との話だけができるだけじゃできませんので。
 金融庁としては、金融機関に対してこれをやるという法律で促すために、この利用性を向上させるためには、金融側がそういった資格のある人をそちらで用意して、そこに電話を掛けてもらわないと、リレーができるからって成り済ましやられたらかないませんので、そういった人たちをちゃんと養成してということをやってもらわないと信用問題がなかなか成り立たないということだと思いますので今やらせていただいていますが、昨年の三月の段階でこれ金融機関で設置してあるのは三・六%ですから、今年の三月までどれくらいちょっと進捗したか、まだ三月の統計が出ておりませんので分かりませんけれども、いずれにいたしましても、このあれを広げてまいりたいと思っております。

#44
○国務大臣(梶山弘志君) クレジット会社につきましては経済産業省の所管ですので、私からお答え申し上げます。
 聴覚障害者の方がクレジットカードを紛失してクレジットカード会社にカードの利用停止の申出を行うような場合、クレジットカード会社において電話リレーサービスのような受付手段を確保することは大変重要なことであると考えております。
 昨年六月、聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律が公布されたことを踏まえて、経済産業省では、クレジットカード会社が電話リレーサービスに対応するよう、業界団体を通じた周知に取り組んできたところであります。これを受けて、一部の事業者は電話リレーサービスによるクレジットカード利用停止の申入れを既に受け付けておりますけれども、しかしながら、受付をちゅうちょする事業者が一定数いることも事実であります。利用する動きを一部に止めずに、業界全体に広げていくことが重要であります。
 今般、電話リレーサービスの提供事業者として、日本財団リレーサービスが総務省から指定を受けました。今年の七月から法律に基づくサービスが開始されると承知をしております。こうした今年七月のサービス開始をきっかけとして、総務省とも連携をし、事業者の実態把握のための調査を行った上で、それを踏まえた事業者への制度、サービスの周知、利用の促進、徹底に取り組んでまいりたいと思っております。

#45
○今井絵理子君 ありがとうございました。
 やはりオペレーターの信頼性も含め、まずは周知をしていただきたいなと思っております。
 ここまでの議論でお分かりいただけるように、リレーサービスの利用促進のためには、全ての方々がこのサービスを知っていただく必要があると思っております。七月一日から始まる電話リレーサービス、大臣、国民の認知度を上げていく必要があると考えますが、大臣の決意をお聞かせください。総務大臣。

#46
○国務大臣(武田良太君) 日々、手話の普及に御尽力をいただいておりますことに敬意を表しますとともに、また、このリレーサービスの普及に向けても、委員には先頭に立って今日まで御尽力をいただきました。心から感謝を申し上げたいと存じます。
 この普及に向けてですけれども、まさに広く国民の方々にその存在や内容について御理解をいただくことが最も重要となってまいります。
 総務省では、先週四月二日から周知、広報を開始しておりまして、リーフレットの配布やウエブページによる情報の発信を行っております。また、私からも、記者会見の場で、国民の方々の御理解をいただけるよう呼びかけをさせていただきました。
 今後も、厚生労働省、金融庁、経済産業省を始めとする関係省庁、地方公共団体、サービス提供機関、関係諸団体と連携をしながら、電話リレーサービスの普及に向けて周知、広報を徹底してまいりたいと考えています。

#47
○今井絵理子君 ありがとうございました。
 このリレーサービスという制度を今回は広く知っていただきたく、質問をさせていただきました。運用に当たってはまだまだ課題が出てくると思いますが、引き続き、委員会などで取り組んでいきたいと思います。
 ここで手話での質疑は終わりにして、続きまして、特別支援教育についてお伺いします。
 私は、当選以後ずっと、委員会質疑など機会あるごとに現在の特別支援教育の在り方に対して抱いた疑問を文科省にぶつけてきました。学校とは、教師とは、教育とは何なのか、一体誰のためにあるのか、今日も問い続けたいと思います。
 まず、教育職員免許法附則第十五項に関して伺います。
 教育職員免許法の規定により、特別支援学校の先生は原則二種類の免許状が必要です。例えば、特別支援学校の小学部の先生は、小学校の教員免許と、障害種に応じた特別支援学校の教員免許が必要となります。ところが、特別支援学校の免許がなくても教壇に立つことができる例外規定があります。それが教育職員免許法の附則第十五項です。
 パネルを御覧ください。
 全体で見ると、特別支援学校の教員免許を持っている割合は八三%です。御覧のように、特別支援学校の教員免許を持っている、免許状には五つの障害種別があります。それぞれの障害種で見ると大きな差があります。聴覚に限っては僅か五七・八%です。聾学校に勤める先生の約半数は専門外の先生ということになります。
 皆さん、聾学校の先生は手話ができると思っていませんか。総理、御存じでしたか。テレビを御覧になられている皆さんも驚きだと思います。
 息子は聾学校に通っていました。当時、私は、専門的な知識とスキルを持った先生がいると思っていました。でも、必ずしもそうではありませんでした。先生と満足に手話でのコミュニケーションを取れない児童生徒は、当然ながら授業も理解できないことになります。もちろん、先生の負担も相当なものとなります。自腹で休日に手話サークルに通ったり手話のDVDを購入して勉強されたり、頭が下がる思いでいっぱいになりました。
 しかし、後に、この状況を許している根拠が教育職員免許法附則第十五項にあることを知りました。そこにはこのように規定されています。幼稚園、小学校、中学校又は高等学校の教諭の免許状を有する者は、当分の間、特別支援学校の相当する各部の主幹教諭、指導教諭、教諭又は講師となることができると。
 ちょっとここで、この条文の「当分の間」の解釈を確認させていただきたいと思います。
 法律等で「当分の間」という文言を使う場合、多くは、その条文が近い将来に削除、改正がされることを想定し、そのときが来るまで有効とする意味で使われますが、大臣、それでよろしいでしょうか。

#48
○国務大臣(萩生田光一君) 法令で「当分の間」と定めるのは、例えば、この語を用いた規定において定められた措置が臨時的なものであって、将来において当該措置が廃止又は変更されることが予定されるが、法令制定の時点において特定の期間を見通すことができない場合などに用いられると認識しております。

#49
○今井絵理子君 となると、先ほどの御答弁だと、この附則は改正、廃止を見据えて作られたものということでよろしいですよね。

#50
○国務大臣(萩生田光一君) そのとおりです。

#51
○今井絵理子君 ちなみに、この規定ができたのは昭和二十九年です。六十六年が経過しています。六十六年の長きにわたりこの状況を放置していると言っても過言ではないと思っています。
 平成二十七年には、大臣の諮問機関の中教審が、この例外規定の廃止を見据えて、令和二年度中におおむね一〇〇%の免許の保有に向けて取り組むよう答申されました。にもかかわらず、残念なことに、直近の令和三年一月二十六日の中教審の答申には、期限目標が削除され、後退する表現となりました。
 大臣、特別支援学校の免許状の取得は、教員の専門性を高め、児童生徒の障害の特性に応じた教育力、指導力を高めることになります。この附則第十五項の廃止又は段階的な廃止に向けての大臣の見解と、免許状保有率おおむね一〇〇%の実現に向けた今後の取組についてお伺いします。

#52
○国務大臣(萩生田光一君) 特別支援学校における特別支援学校教諭の免許状所持を当面猶予する特別教職員免許法附則第十五項に関し、平成二十七年の中教審の答申では、今後五年間におおむね全ての特別支援学校教員の免許の取得を目指すこととされました。
 これを受け、文科省では、都道府県の免許法認定講習等の開設の支援、独立行政法人特別支援教育総合研究所による免許法認定通信教育の実施の拡大などを行い、各都道府県においても特別支援学校教諭等の免許状保有率向上に取り組んでいただいた結果、平成二十六年度当時七二・七%であった特別支援学校の教員の特別支援学校教諭の免許状保有率は、令和二年には八四・九%まで上昇したものの、全ての教員が免許状を所持する状態には至っておりません。
 附則第十五項の在り方については、本年一月まで、中教審や新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議でも議論が行われ、この中でも、附則第十五項を廃止した場合、特別支援学校と小中学校等との人事交流が停滞し、特別支援学校における教科指導や小中学校等における特別支援教育の質が低下する懸念があるなどの意見がありました。
 こうした状況等を踏まえ、文科省としては、今後、特別支援学校教員の免許状保有率について、引き続き特別支援学校で勤務する教員、小中学校からの人事交流により特別支援学校で勤務している教員ごとに把握した上で、少なくとも引き続き特別支援学校で勤務する教員については、可能な限り速やかに全ての教員が免許状を所持するように取り組んでまいりたいと思います。あわせて、人事交流により特別支援学校で勤務している教員についても、人事交流期間中に速やかに免許を取得できるようにその方策を検討したいと思います。
 こうした取組を通じて、引き続き、特別支援教育に関わる教員の専門性向上に努めてまいりたいと思います。

#53
○今井絵理子君 ありがとうございます。
 教員になってから認定講習などを受けて免許状を取るということも理解できますが、是非、大学、そして大学院、専攻科における教員養成課程で私は育成するべきだと思っております。
 なぜなら、視覚や聴覚に係る免許状を取得できる大学はとっても少ないんです。例えば、北海道、東北地方で聴覚に係る免許状を取得できる国立大学は、宮城教育大学僅か一校なんです。これでは、学びたくても学べない学生もいると思います。要望にとどめさせていただきます。
 先月三月十二日、萩生田大臣は、令和の日本型教育を担う教師の養成、採用、研修の在り方について中教審に諮問されました。
 ここで様々な議論が行われると思いますが、提案なんですけれども、中教審の下に分科会やワーキンググループという形で、特別支援教育を担う教師についての検討組織を設けて議論していただくのではよいかと考えますが、御所見をお願いします。

#54
○国務大臣(萩生田光一君) まず、前段の問題意識、先生、私、全く一緒でございまして、本当は在学中に特別支援の免許も一緒に取れる仕組みをつくっていきたいなと思っています。
 この五十年ぐらい、大学の教職課程って、ビルド・アンド・ビルドで、何もスクラップしないでどんどんどんどん新しいものを詰め込んでいるんですね。結果として本当に時代に合っていない中身になっていますので、この機会に全面的に見直そうと思っています。
 そして、例えば、大変失礼ですけど、議員立法で、教育実習で今介護実習というのを義務付けています、七日間。私は、その学校の先生になる人が介護の現場に行くことは大いに結構だと思うんですけど、それを七日間やるんだったら、特別学級や特別支援学校に行っていただいて、そしてやっぱり障害のあるお子さんと接していただくことの経験をした方が教員を目指す上では極めて有意義ではないかと思っていまして、こんな点も足下から見直しをさせてもらいたいと思います。
 したがって、今回は、三十五人学級というのはその一つのテーマなんですけれど、令和の時代の新しい学校像というのをしっかりつくっていきたいと思います。例えば、GIGAスクールでICT教育が現場に入るのに、大学の教職課程でICT関連のマストの教科というのは一こましかありません。一こまですから、これはもうほとんどやらないに等しいと言っても過言ではないわけでございまして、こういったものも見直していかなきゃならないし、オンラインを使いながら様々な実習を付加していくことも可能だと思います。他方、教員の志願者がなかなか増えてこないという社会的な問題もあります。非常に厳しい労働環境にあるということで、今その見直しもしています。
 この機会を逃したら日本の公教育を変えることできないと思っていますので、教員の養成段階から障害のあるお子さん、特に障害種も様々ですから、一つだけ分かっていてあとは分からないというんじゃなくて、先生方が幅広く障害を持つお子さんたちと接することができる、そういう環境というものを教育段階からつくっていきたいと思いますし、仮に現場に出てからそういうことを勉強しようという人に対しては、やっぱりこれは国が支援していく仕組みもつくっていく必要があるんじゃないかと思っていまして、これから行う様々なヒアリングについては、今御提案のような特別支援の必要性についてもしっかりとお話を聞いて制度化をしていきたい、こう思っております。

#55
○今井絵理子君 ありがとうございます。前向きな答弁、本当にありがとうございます。是非よろしくお願いします。
 時間、残り四分になりました。特別支援教育についてちょっと熱くなり過ぎて、私の故郷沖縄のことについてもお話を聞きたかったんですけれども、総理にお伺いしたいと思います。
 今年度末に沖縄振興特別措置法が期限を迎えます。これからの沖縄振興の在り方が問われる一年となります。また、来年は、沖縄本土復帰五十年という大きな節目を迎えます。
 私は、沖縄は、様々な課題がありますが、日本で最も可能性のある町だと思っております。日本で最も高い出生率、日本で最も高い若年人口の割合、アジア交流の窓口となり得る地理的優位性、これほどまでに潜在力のある町はないと思っております。しかし、子供の貧困や県民所得、一人当たりの県民所得もまだ全国最下位でございます。
 私は、これからの沖縄はこれまでの歴史を重んじながらも変化を恐れずに前に進んでほしい、その先に新しい沖縄があると思っております。今年は、沖縄が真の意味で自立し、持続的な発展に向けた勝負の一年だと思います。
 総理は、官房長官時代から幾度となく沖縄を訪れ、沖縄の振興に御尽力していただきました。最後に、そんな総理の沖縄に懸ける思いをお伺いし、私の質問を終わりたいと思います。

#56
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私自身、官房長官と同時に沖縄基地負担軽減担当大臣として、沖縄の軽減負担を目に見える形で実現をしたい、そんな思いで全力で取り組んできました。結果として、那覇空港第二滑走路の完成とか、あるいは、まさに戦後最大の返還であります北部訓練場、こうしたことを実現することができたと思っています。さらに、この夏には、名護東道路が全面開通をして、美ら海水族館や世界遺産の今帰仁城跡へ、ここのアクセスが大幅に改善をされる予定であります。沖縄は極めて可能性が高いと思います。
 しかし一方で、様々な課題があるということも事実であります。今御指摘をいただきましたように、一人当たりの県民所得が全国最下位あるいは子供の貧困、こうした課題があります。
 こうした課題を克服して、沖縄の優位性だとかあるいは潜在力を生かし、更にその可能性を伸ばしていけるように、私自身、引き続き沖縄の観光、さらには層の厚い各種産業の振興、また基地跡地の利用も含めて、国家戦略としてやはりこの沖縄振興策を総合的、積極的に全力で取り組んでいきたいというふうに思います。

#57
○今井絵理子君 ありがとうございます。
 以上です。

#58
○古賀之士君 立憲民主・社民の古賀之士でございます。
 まず、この時間は、最初に総理大臣にお聞きをいたします。総理大臣の訪米の延期及び総理官邸での会合についてお尋ねをいたします。
 まず、菅義偉総理大臣の訪米が延期となった理由、改めてですが、菅総理大臣御自身からお答えをお願いいたします。

#59
○内閣総理大臣(菅義偉君) 四月前半にも訪米をし、バイデン大統領との間で初の対面の日米首脳会談を行う方向で調整をしてきたところでありますが、今般、調整の結果として、諸般の事情が許せば、米国時間四月十六日にワシントンにて日米首脳会談を行うことになったものであります。

#60
○古賀之士君 理由をお尋ねしているわけなんですが、その理由というのは、差し障りのない範囲で、菅総理大臣、お答えいただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。

#61
○内閣総理大臣(菅義偉君) 訪米の成功に万全を期すために、準備に要する時間を勘案をし、具体的な日程として四月十六日に決まったものであります。

#62
○古賀之士君 それでは、どなたか、済みません、分かる方に御質問をさせていただきますが、この日本側の発表は理解できますが、本件についてアメリカ側の発表というのはどうなっているでしょうか。アメリカ政府の発表はどうなっているでしょうか。お分かりいただける方で結構です。では、外務大臣、お願いいたします。

#63
○国務大臣(茂木敏充君) 米国側から正式な発表をされているかどうか今確認しておりませんが、米側とは、四月十六日、菅総理が最初の外国首脳としてバイデン大統領と首脳会談を行うと、このことについてはしっかりと確認を取っております。

#64
○古賀之士君 済みません、私が見る限りでは、アメリカ政府の発表というのが今まだ見受けられないと思っております。この辺について、何か情報が入っていましたら教えていただけないでしょうか。

#65
○政府参考人(市川恵一君) お答えいたします。
 米国政府からは、サキ・ホワイトハウス報道官より、総理を初の外国首脳として十六日にお迎えする旨、発表があって、御発言があったというふうに理解しております。
 以上です。

#66
○古賀之士君 万全を期すためということでございますが、いずれにせよ、双方がきちんとタイミングよく発表を行っていただくということが一つ筋だと思いますし、また、十六日にきちんとした形で成果を上げられますようにお願いをしたいと思いますし、また、十六日に延期したことによって様々な、先週の金曜日でしたか、テレビの速報で最初に我々も知ったわけですけれども、様々なところに、やはり総理始めとする様々な大臣の皆さんたちの影響も出ておりますので、よろしくその辺も御配慮いただければと思います。
 それでは、続きまして、総理官邸での会合について伺います。
 総理官邸で会合を開催する場合の利用規約についてですが、坂井官房副長官にお尋ねします。これどのような会合でも開催可能でしょうか。

#67
○内閣官房副長官(坂井学君) 総理大臣官邸の管理に関する規則によりますと、官邸を行政事務の遂行以外の目的に使用させてはならないとされており、この規定を踏まえれば、首相官邸においては行政事務の遂行に資する会合等の開催が可能であるものと認識をしております。
 今回の御質問、四月一日の昼の集まりを念頭に置いて行われた、質問されたものと思われますが、当日は、令和三年二月の労働力調査を見ながら雇調金の政策始め雇用対策を議論をしたり、四月二日に厚労省が紙を出していただいたと承知しておりますが、V―SYSの運用緩和、並行接種等々に関しての意見交換を行ったものであり、官房副長官の職務の一環であるものと認識をいたしております。こうした政策的な意見交換につきましては、官邸の執務室において議員を含め様々な方々と通常行っており、それ自体に問題があるとは考えてはおりません。
 今般の会合においては、実際に参加したメンバーも、政策提言、それから状況報告、また表敬訪問など、それぞれの思いでおいでいただいたようでありますが、特定の議員等の会合を官邸で開催をしたと御批判をいただいているとも認識をしておりまして、そこは真摯に受け止めてまいりたいと思っております。
 官房長官からもこうした行為は慎むよう注意を受けておるところでございまして、配慮が足りなかった点をしっかり反省させていただいた上で、一層職務に精励してまいりたいと思います。

#68
○古賀之士君 情勢の交換ですとか意見の交換を行うということを今おっしゃっていましたけれども、たしか私が聞いている報道では黙食だったと聞いておりますが、その辺はどうなっていますでしょうか。

#69
○内閣官房副長官(坂井学君) お弁当を用意をしたということでございますが、私自身も少し遅れて行きました。そのときに、応接室を二つ追加で用意をし、三つの部屋を使って、そのときまでに十一人の方がその三つの部屋を使って黙食にて食事をほぼ終わらせておりました。その後、食事を終わらせて、食事はもう手短に済ませて、その後、マスクをして一つところに全員が集まっての意見交換を行ったということでございまして、食事の時間、弁当を食べた時間というのはまさしく数分だったのではないかと思っております。

#70
○古賀之士君 食べられた時間は黙食で数分ということでございますが、一般、今、国民の皆様方は、こういった昼食を兼ねての会議というのは原則控えていらっしゃると伺っています。そしてまた、コロナ対策もする場合に当たっては、今日も、今、答弁席の前にもアクリル板が用意されていますが、こういった型で、万全の対策とは言えないかもしれません、これでも。それでも、しっかりとした対策を取っていらっしゃいます。
 ただ、今お話を聞いていると、今後も、じゃ、そういう感じの会合はお続けになるということでよろしいんですか。
 私は、少なくとも今、全てとは言いませんが、ほとんどのところでランチミーティングやランチ会合などは少なくとも控えて、その分会議の時間を短縮したり、あるいは、お弁当などは準備されても、これはやっぱり飲食店の皆さんたちの応援もあるでしょうから、お弁当は準備しても、速やかにそれを会議が終わり次第持ち帰っていただく、そして、できるだけ感染の、必要のないところで召し上がっていただくというところにまで配慮されていると思うんですが、若干どころか相当私開きを感じるんですが、その辺いかがですか。

#71
○内閣官房副長官(坂井学君) 今回の件に関しましても、政府の方から国民の皆さんに基本的にはお願いをしている条件下でということでお弁当を取らせていただいたつもりではございますけれども、その点に関しても様々な御批判をいただいているものと認識をいたしております。ですので、そういった批判等、真摯に受け止めさせていただいて、しっかり反省をさせていただいた上で職務に精励してまいりたいと思っております。

#72
○古賀之士君 やるかやらないかお尋ねしているんですが。反省はもう十分されていらっしゃるという認識を取っておりますが。

#73
○内閣官房副長官(坂井学君) 先週の衆議院での委員会でもお答えさせていただいておりますが、今後は控えさせていただきたいと思っております。

#74
○古賀之士君 済みません、そうすると最初の答弁との矛盾を感じるんですが。
 問題はないという御発言でしたけれども、今の結びの発言ですと、衆議院でもお答えになっていますがということですが、その辺を少し整理してお答えいただけないでしょうか。

#75
○内閣官房副長官(坂井学君) 問題はないと申し上げたのは、総理大臣官邸の管理に関する規則等に照らし合わせて、その使用の趣旨という点に関しましては問題はないと考えているといったことでありますが、先ほども申し上げましたように、特定の議員との会合を開催をするということでありますとか、今指摘をされましたように、食事を、お弁当を用意をするということでありますとか、そういったことは御批判をいただいているということも認識をいたしておりますし、官房長官からも慎むようということで注意を受けているということで、この点に関して反省をするという意味からも、控えさせていただきたいということでございます。

#76
○古賀之士君 もうこれで時間をどんどん食っていくのももったいがないので次に進めさせていただきますが、是非、先ほど申し上げたように、昨日のNHKの「日曜討論」でもお話がありました。いわゆる花見の時期に、屋外であっても、いわゆるブルーシートを敷いてでの集まり、あるいは飲食、こういったものを控えるようにということで、屋外でもそういう状況で今国民の皆さんたちが御辛抱されています。そして、外であって、なおかつ公園などでブルーシートで座って飲酒ができないものですから、立って、立ち飲みでそういう飲酒をやっていてもクラスターが発生したという事例を昨日の「日曜討論」でも例示されていました。そういうことを考えると、是非もう一度きちんとした規約なり思いを伝えていただければ大変有り難いと思っております。よろしくお願いいたします。
 では、その新型コロナウイルス感染症、COVID―19の対策について伺います。
 まず、菅義偉総理大臣に伺います。
 いわゆる第四波の可能性についてどのようにお考えなんでしょうか。特に、まん延防止等重点措置が適用されている三府県のうち大阪府と兵庫県について、緊急事態宣言の期限を早めて解除したのは早過ぎたのではないかという声がございますが、これに対していかがお考えでしょうか。

#77
○内閣総理大臣(菅義偉君) まず、全国の新規感染者数は三月上旬以降増加が継続しております。特に大阪、兵庫では感染の再拡大が起こっており、一都三県では、新規感染者数は微増ですけれども、人流が急増しており、今後感染の再拡大の懸念もあります。その他において、宮城、山形、沖縄でも若年から中年層を中心に感染拡大が見られます。現時点において第四波といった全国的な大きなうねりとまではなっておりませんが、政府としては強い警戒感を持って対応することが必要であるというふうに考えています。
 今御指摘をいただきました大阪府や兵庫県について、二月下旬の段階では感染者数も大きく減少をし、病床の状況も改善をしており、あらかじめ決められていました緊急事態宣言の解除の基準を十分に満たしておりました。こうした中で、知事から要請があり、専門家の御意見を伺った上で宣言を解除をしたものであります。

#78
○古賀之士君 今総理大臣がおっしゃってはいただきましたが、その一方で、この緊急事態宣言の期限を早めて解除するという際においては、相当いろいろな話合いに時間が掛かったとも言われております。普通の会議よりも一層の時間が掛かったということで、恐らく、賛成する方もいれば、それから、それに対して、いや、時期早尚だという方もやっぱりいらっしゃったんじゃないかと思います。その辺についてはまだはっきりとしたことはもちろん分からないわけでございますけれども、とにかくそういう声が上がっているということで質問させていただきました。
 報道を見ますと、自民党からコロナ対策のこれも独自の補正予算を作る話が出てきておりますが、これは政府として、総理大臣は、このコロナ対策のその独自の補正予算に関してはどのようなお考えを今お持ちでしょうか。

#79
○内閣総理大臣(菅義偉君) 第三次補正予算と、そして今回のこの本予算、この予算で必要なものについては機動的に対応できる、このように思っています。

#80
○古賀之士君 そういうことでありましたら、またその辺をしっかりと審議させていただければと思います。
 では、済みません、通告をしておりませんが、済みません、総務大臣にお尋ねします。
 今、私の、それから総務大臣の地元でもあります福岡県では知事選挙も行われております。また、これから先、衆議院の補欠選挙、それから、年内には、秋までには必ず総選挙も行われています。
 このコロナ禍の中で今療養中の方々というのは、何か投票できる手当てと、手だてというのは何かあるんでしょうか。検討中も含め、また、もし今この時間お答えできないんであれば、私の質問時間のときに御答弁いただいても結構です。いいですか、今。よろしくお願いします。

#81
○国務大臣(武田良太君) 不在者投票等、できる限りの使える制度を進めて使っていかなくてはなりませんけれども、今いろんな方面からいろんな意見というもの寄せられております。国民に与えられた公平な権利でありますから、これが的確に行使される、できる環境というものをつくるために我々も努力してまいりたいと、このように考えております。

#82
○古賀之士君 実際に、先々週のこれは地方議会の選挙でしたけれども、いわゆる惜敗をされた方と当選された方の差が僅か三票ということもありました。一票の重みというものも含めて、もし、コロナ感染で今療養中の方が投票できる手だてがもしありましたら、これから先、また総選挙も控えている段階でございますので、是非御検討いただきたいと思います。
 さて、まん延防止等重点措置、これが適用されまして、その大阪府で聖火リレーが来週の十三日と十四日に予定されています。これを踏まえて五輪担当大臣に伺います。
 これまで沿道で密になった場所もありますが、また、大阪府知事からは、大阪市は迂回をした方がいいんじゃないかとか、いろいろな御意見もあるようでございます。これに対して、見直しを含め、五輪担当大臣としての御所見を伺います。

#83
○国務大臣(丸川珠代君) ありがとうございます。
 まず、大阪府知事が、大阪府内十八の自治体を走り抜けるわけですが、そのうちの大阪市内におけるまん延防止措置の発出等を勘案されてのことだと思いますが、聖火リレーについては公道の走行を見合わせるということの方針を表明されております。他方、公道を走るリレーはやらないけれども、その市内を走る予定だったランナーについて何らかの代替措置がとれないか検討しているということでございますので、今まさに組織委員会と御調整をいただいているという認識であります。
 恐らく近いうちに組織委員会から正式に、この部分どのようにするかという発表があろうかと思います。

#84
○古賀之士君 来週の話でもありますし、また、聖火リレーはその後、ゴールデンウイークのときには沖縄それから九州というようなルートも予定されています。人出が更に増える可能性もあるという状況ですので、是非、その橋渡し役として是非よろしくお願いします。
 オリンピックに関する資格認定証、IDカードというのは、これどの程度発行されるのでしょうか。いわゆるスポンサー企業への発行枠というのがあるんでしょうか。あるとすれば、どの程度発行する予定があるのでしょうか。引き続き大臣にお尋ねします。

#85
○国務大臣(丸川珠代君) 東京大会に参加する選手や大会関係者の円滑な出入国や本人確認及び会場等への適切なアクセスを管理するため、組織委員会においてアクレディテーションカードを発行することになっています。
 これ、選手は最大、国内外合わせてオリンピックは一万一千九十人、パラリンピックは四千四百人ということは私どもも把握ができているんですが、スポンサー企業を含めて大会関係者、これメディアからいろいろとカテゴリーがございますけれども、これについては、我々が、大会運営に関係する人だけに限ってくださいというお願いを受けて、今まさに組織委員会において個別に精査をしていただいているところでございます。
 なお、アクレディテーションカードには、カテゴリーとしてはスポンサーのカテゴリーがございます。ただ、枚数は、大変恐縮ですが、恐らく今精査されているということと加えて、スポンサーごとに相対の秘密保持契約を結んで、その中に枚数のことも入っているんだそうでして、私どももこれは把握が残念ながらできません。

#86
○古賀之士君 恐らく、ただ、出入国の大きな仕事というのはやはりどうしても政府の関係ということになってくると思いますので、是非その辺はもう一度きちんと対応していただくということが必要かと思います。
 それともう一問、丸川大臣にお尋ねします。
 週刊誌の報道で組織委員会が抗議をしていますが、これは言論の自由からして問題ではないだろうかという声も上がっておりますが、丸川大臣は今どのようにお考えでしょうか。

#87
○国務大臣(丸川珠代君) 私もまだこの件について詳しい説明、組織委員会から聞かせていただいておりませんけれども、コメントはこの点では差し控えさせていただきます。
 いずれにしても、まず詳細をよく把握させていただきたいと思っております。

#88
○古賀之士君 丸川大臣もメディアの御出身ですので、その辺の、言論の自由ですとか、あるいはまた国民の知る権利というものは基本的なものとして御認識があるかと思い、質問させていただきました。是非その辺の新しい情報を精査されて、是非、別の機会で結構ですので、是非コメントをお願いいたします。
 さて、今日は、お忙しい中、尾身先生にお越しいただいております。ありがとうございます。
 尾身参考人は、二月の基本的対処方針等諮問委員会で、緊急事態宣言を解除することによる心理的な影響についても強くやらないと、私は同じことが起きる可能性が極めて高い、今まで学んだことを徹底して、国も自治体も我々も、かなり強い一体感と緊迫感を持たないと、これはリバウンドする可能性が高いと述べられていました。
 解除後の現在の状況を踏まえた尾身参考人のお考えを伺います。お願いします。

#89
○参考人(尾身茂君) 私は、現在の状況は、去年の暮れ、まあ暮れから、そして今年の初めに緊急事態宣言を出した頃に比べて幾つかの特徴があると思います。
 一つ目は、クラスターが多様化しているということです。今までは飲食店を中心に、それが今はかなり多様化しているということ。二番目は、人々の行動変容に対する協力が今まで以上に更に得にくくなっていて、実際に昼夜かかわらず人流はかなり増えているということ。それから、変異株の割合が東京なんかも含めて少しずつ増加しているということで、感染対策の困難さという意味では、かなりまた一つ上の困難さに今突き当たっていると思います。
 そういう意味では、かなりこうした多様な感染源に対して直接的に、より直接的に介入するというようなことが私は今まで以上に強く求められていますと思います。例えば、飲食店に対する見回りなんというのは、これは一つ分かりやすい例ですけれども、それから、ガイドラインを遵守している店とそうでないのをはっきり分ける、まあ認証制度をするということ。それから、その他いろいろありますけど、CO2のモニターをするなど、今まで以上に感染源に対して直接介入するということが私は必要だと思います。
 それで、今、東京なんかでも実はいろんな特徴が出てきまして、一つはいわゆる今週先週比、今週と先週の比がどうなっているというのは、これはもう三週連続で一を超えております。それから、変異株の割合も東京なんかでは徐々に、まあ大阪ほどではまだないですけど、増えている。それから、実は緊急事態宣言解除後、更に人流が増えていて、この解除後の人流の影響がこれから一、二週間で出てきます。そうしたようなことを考えると、私は東京も大阪のような状況になる可能性があると思います。
 したがって、こうした状況を回避するためにはどんな効果的な対策を打てるのかということをもうそろそろ検討、真剣に検討すべき時期に入りつつあると私は思っております。

#90
○古賀之士君 尾身先生、お忙しい中、ありがとうございます。
 今の御所見を伺っておりますと、まだまだ気を休まるどころか、更なる私たちはしっかりとした緊張感を持ってこのコロナ対策を行っていかなければならないと、まさに身の引き締まる思いがいたしました。また、様々な問題点を御指摘いただきまして、ありがとうございました。
 一方、現場のそれこそ例えば飲食店でも、今回の場合は退店することが要求できるということが具体的に書いてありましたけれども、これは現実的に飲食店の方から、仮にマスクをしてこなくて入ってこられた方に帰ってくださいということを言うのはなかなか現実的には難しいという声も聞いております。でも、それが実際に要請できると文言には書かれていても、現実それが果たしてできるのかというのは甚だ疑問であります。そういったことをしっかりとチェックしていく必要があるかと思います。
 医療の現場でもそうです。医療の現場でも、マスクは、御存じのように医療の専門のマスクですのでコストが掛かります。その分、コストが掛かっているので、一日の枚数を例えば一人一枚にしなさいとか、そういうことが実は起こっている医療機関もあります。毎回毎回相手が替わって、本来でしたらそういう防御服も含めて替えていきたいんだけれども、それを許していないという医療機関もあるという声も伺っておりますので、是非その辺も御留意ください。
 さて、私たちは、持続化給付金の再支給が必要だと考えております。そのための法案を提出しておりまして、前回の持続化給付金の性質は法律に基づくものではありませんでした。
 私のところにも、建設業のいわゆる一人親方の方から、持続化給付金が不支給になりました、行政手続法に基づく不服申立てができないので納得がいきませんという声が寄せられております。この給付金が中小企業庁長官との民法上の契約に基づいていたからです。つまり、不服があった場合、もうこれ究極、裁判に訴えるしかないと。裁判になれば、当然お金も掛かります。時間も掛かります。もう切迫した生活を皆さんたち余儀なくされている方にとっては、これはやはり法律でよるべきものではなかったのかという切実な声が届いております。
 この点、今後も発生すると予想される災害や疫病などの際にも迅速に給付が可能となるように、より一般的な、例えば給付金法というような法律を制定することも一つの案だと思います。今国会では、預金口座登録や預貯金口座とマイナンバーのひも付ける法案が審議されていますが、国民が経済的に困っているときに給付をするのは国の義務だと定める法律を作る方が、やはり優先的に進めていった方がいいと考えますが、菅総理大臣は今どのようにお考えでいらっしゃいますか。

#91
○内閣総理大臣(菅義偉君) 当然のことでありますが、感染症の拡大や災害等が生じた際に必要な支援を迅速にお届けする、これは国の重要な役割であるというふうに考えています。ただし、その支援の内容というのは事案ごとに大きく異なるものであり、法律に一般的な義務を定めるよりは、むしろ、政府が過去の経験から学び、その時々で適切な内容の支援を政府一体となって迅速に検討をし、実施することが重要であるというふうに考えています。
 また、マイナンバーについては、預金口座と結び付けることによって迅速な給付が実現できるというふうに考えています。
 こうしたことをしっかりと対応していきたいというふうに思います。

#92
○古賀之士君 是非、法律での制定を望みます。
 そして、多くのお困りの皆さんたち、それからあと、これから先の、今のいろいろなお話を伺っていますと、これ人ごとではなくて、いつその当事者になるか分からない状況に国民の皆様はあると思います。そういった方々が当然、不服の申立てができるときに裁判でしかないということを考えると、これはやはりセーフティーネット本来の姿では、若干どころか相当な距離を感じてしまいますので、是非善処いただきますようお願いします。
 また、それに対しても提案をさせていただきます。私たちは、その提案という形でいろいろなことも申し上げております。ですから、反対ということをよく言われるんですけれども、内閣法、閣法のおよそ九割は賛成をさせていただいております。その辺も是非御留意いただけたらと思っております。
 さて、日本の産業構造についてお伺いをいたします。物づくりに関してのお尋ねです。
 日本の株式総額、一位がトヨタであるということから分かるように、我が国の産業の中核は何といっても自動車関連産業です。
 令和二年の貿易統計を見ますと、全体の輸出が六十八兆四千億円、輸入が六十七兆八千四百億円、結果として五千六百億円の黒字です。このうち、自動車関連産業では、輸出が十四兆四千六百億円、輸入が二兆六千億円となり、実に十一兆八千六百億円の黒字を出しています。
 これに対して、電気機器では、輸出は十二兆八千二百億円と自動車関連産業に匹敵するんですが、輸入も十一兆三千五百億円と巨額なため、この電気機器に関しての黒字は一兆四千七百億円にすぎません。ちなみに、電機産業の輸入額十一兆三千五百億円は、石油、石炭、天然ガスといった燃料の輸入代十一兆二千五百億円を上回り、最大の項目だったことも実はこれ注目をすべきところです。
 さて、このようなところからパネルを御覧いただきたいです。また、委員の皆様方、総理大臣始め閣僚の皆様方、資料の一でございます。(資料提示)
 このような状況は、自動車一本足打法と呼ばれることがあります。この自動車一本足打法については、産業構造ビジョンで戦略五分野の八ケ岳構想へとした対策が打ち出されております。大変すばらしい政策です。すばらしいんですが、一つだけ欠点があります。産業構造ビジョン、正確には産業構造ビジョン二〇一〇といい、実に十年以上前に発表されたものなんですね。それにもかかわらず、現状はさきに述べたとおりです。
 この十年間、産業構造の変革についてどのような政策を打ち出し、どのような効果があったと、これは未来を考えていく上で非常に大事な部分だと思います。菅総理大臣の御所見を伺います。

#93
○内閣総理大臣(菅義偉君) 御指摘いただいています産業構造ビジョン二〇一〇では、今後の稼げる企業、産業の厚みを増していかなきゃならないとされており、こうした問題意識の下に産業構造の転換を進める施策を進めてきたものであります。
 例えば、インフラシステムの輸出の分野では、日本の質の高いインフラのトップセールスや各種公的支援制度の整備、改善等の取組を進めて、最新のこれ実績で約二十五兆円の受注を獲得するなど、成果を上げることができていると思っています。また、宇宙、ロボットなどの先端分野でありますが、日本独自の高度なGPSで自動運転への活用などが期待される準天頂衛星システム「みちびき」の整備や、この国産衛星のベトナムへの輸出、こうしたことを進展しております。産業用ロボットの出荷額について、この十年間で四〇%近くここは増加しています。
 一方、先端の分野の一つとしてのデジタル、エネルギーについては、新型コロナへの対応やデジタル化の進展など、国際競争は更に激しくなる中で我が国産業の競争力は相対的に低下している、こうした認識を持っています。
 政府としては、グリーン社会への転換、デジタル化への対応、新たな日常に向けた事業再構築へ集中投資、こうしたことを促すことによって日本企業のイノベーションを後押しをして新産業の創出につなげていきたい、このように考えています。

#94
○古賀之士君 菅総理大臣、ありがとうございます。
 と同時に、これから先の今後についてはまた後ほど時間がありましたら質問させていただきますので、御答弁お願いします。
 時間の関係で、そのほかの質問を一部飛ばして、四ポツに移らせていただきます。デジタルプラットフォーマーについてでございます。
 パネルの二を出していただいて、お願いします。
 この十年の物づくり産業政策を、ディスプレー産業を例にしてこれから先考えていくということも必要だと思いますが、ディスプレーが今かなり厳しい状況だというところからです。
 一方、LINEの個人情報保護の不備が指摘されておりますけれども、LINEペイに関連する決済情報、口座情報について、他国で保管されていたようなんですね。
 二年前の本会議で実は質問させていただいています。キャッシュレスの消費者還元事業について、決済データが例えば中国において処理及び保存された場合、我が国の法律においてポイント補助に値するかどうか政府がチェックできるかという質問でした。
 経産大臣は、決済事業者に対して、個人情報の許可のない利用防止の体制整備を含めて十分なセキュリティーを担保にすることを求めることとしています、具体的には、決済事業者の登録手続の際に、セキュリティーに関する外部認証や社内規定などの提出を求め、どこでデータを処理、保存するのであれ、十分なセキュリティーが担保されているか審査を行うこととなります、その上で、仮に制度の実施に通じて十分なセキュリティーが担保されていない事業者が発覚した場合には、当該決済事業者の参加資格を停止し、補助金返還要求を実施するなど、厳しい対応を取ることとしておりますと、二年前の経産大臣が答弁をしております。
 そこで、今現在の経産大臣にお尋ねですが、LINEペイも含め、当時の審査は十分だったとお考えでしょうか。

#95
○国務大臣(梶山弘志君) 今委員がおっしゃったように、前、当時の大臣は、国際規格へ準拠していることを確認をする、決済事業者がですね、そしてセキュリティーガイドラインの遵守を宣誓していただいていることから、これら国際規格やガイドラインに違反している事実、例えば保存されている決済取引データに無権限の第三者によるアクセス等が発生していたなどが明らかになった場合には、経済産業省として補助金返還請求を含めた必要な措置を検討していくということを発言をされております。この時点では、しっかりとした調査をした上でそういう形取らせていただいたということであります。
 今回、LINEペイが課題になっているということでありますけれども、取引データが例えばどこの国に保存されているか、キャッシュレス・消費者還元事業の決済事業者の登録審査時には確認はしておりません。
 他方、決済事業者が国際規格へ準拠していることを確認をして、業界団体のセキュリティーガイドラインの遵守を宣誓していただくことで、どこでデータの処理、保存をするかによらず、個人情報を適切に管理、利用する組織体制が確立されていることの確認を行ってきたということであります。
 LINEペイ株式会社の個人情報の取扱いにつきましては、現在、個人情報保護委員会などの関係省庁において精査を行っているものと承知しております。まずはその精査を待ちたいと思っております。その上で、登録審査時の宣誓内容などと異なる事実が発見された場合には、経済産業省においても必要な対応を検討してまいりたいと考えております。

#96
○古賀之士君 何度も申し上げますが、二年前に質問をしている項目でございます。したがって、今の状況だと、まだ検討されている、調査中だということでございますが、その内容次第によっては、経産大臣、補助金の返還請求を行うのか、こういったものをしっかりと判断いただいて公表していただきたいと思っております。よろしくお願いします。
 それでは、続きましては海外からのサーバーアクセスに関してお尋ねです。
 外務大臣に伺います。
 犯罪捜査であれば米国の政府機関が国外のサーバーにアクセスできるクラウド法というものが注目されています。日本の個人情報保護法では法令に基づく場合は保護の例外とされていますが、アメリカの、その米国のクラウド法は法令に当たらないと聞いております。ならば、クラウド法の対処について、これは日本とアメリカ、行政協定の締結が必要となるというケースが出てくるかと思うんですが、現状はどのようになっているでしょうか。

#97
○国務大臣(茂木敏充君) ありがとうございます。
 恐らく、先生の今の質問の流れでいいますと、テクノロジー企業のデータ開示と、これに関連してのお話かと思いますが、米国と日本の間ではそのような行政協定の締結に向けた交渉は開始をいたしておりません。

#98
○古賀之士君 茂木外務大臣、お願いといいますか要望でございますが、是非、ですから、訪米も延期になって十六日ということにもなっておりますし、これかなり重要な問題だと思っております。
 したがって、この訪米のフェース・ツー・フェースで会えるチャンス、あるいは事務方の皆さんもいらっしゃるかと思いますが、是非、この行政協定というものもひとつ話の机上に上げていただくということを是非要望いたします。お願いいたします。御答弁いただけますか。

#99
○国務大臣(茂木敏充君) 菅総理の訪米につきましては、当然、強固な日米同盟を確認する、さらには自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて日米が中心になって協力していく、さらに気候変動等々の問題もあると思いますが、今後、技術の分野でどんな協力が必要であるか、日米間で、またどんなルール作りが必要であるか、そういったテーマも重要であると思っております。
 今後、議題も含めて調整していきたいと思っております。

#100
○古賀之士君 ありがとうございます。
 いわゆるその根幹を成す日米安全保障の問題の中に、これからは経済をやはり中心としたその安全保障の分野、中でもデジタルあるいは経済、こういったものを含めた各国間の安全保障というものも、これ情報を含めて大事な分野になってくるかと思います。対応願います。
 さて、続きましては、SNSを始めとするネットシステムでは、個人情報を引換えに広告を行うビジネスモデルが確立されております。
 例えば、スマホやパソコンを見て、自分の好みに近いコマーシャルなどが、ネット広告が出てきて、おっ、おっと気付かれた方もいらっしゃると思いますが、その個人情報を引換えとする広告のビジネスモデル、これ個人情報の保護を徹底させると現行のビジネスモデル自体がこれ崩壊しかねないという懸念もあると伺っております。
 そこで、これは経済再生担当大臣の西村大臣にお尋ねをいたしますが、その辺りのこの情報とそれとビジネス、このバランスについてどのように考えていらっしゃいますか。

#101
○国務大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。
 御指摘のように、SNSを始めとする多くのインターネット上の無償サービス、これデジタル広告によって支えられているという面があります。それから、多くの利用者の方がこのインターネットによって様々な便益を享受しているという面もあります。そして、こうしたデジタル広告の効率を高めるために、御指摘のように、サービス提供を行う事業者が利用者のデータを収集して嗜好を分析しているということが行われております。
 一方、こうしたデータの収集や利用に対して、まさに御指摘のようにプライバシー上の懸念が世界的にも高まっております。個人情報を適切に保護しながらいかにこのイノベーションとのバランスを図っていくか、これが大きな課題、重要な課題になっているというふうに認識をしております。
 現在、デジタル市場競争会議というものを設置しまして、その場で専門家にも入っていただきながら、プライバシー上の課題も含め、デジタル広告市場に関する競争評価を行っているところであります。市場の健全な発展という視点から、御指摘のようなバランスも十分に踏まえながら検討を行っていきたいと考えております。できるだけ早期に方向性まとめていきたいというふうに考えております。

#102
○古賀之士君 御存じの方も多いと思いますが、アメリカでは株式の取引が無料でできるロビンフッドというアプリがございます。これは、個人情報と引換えに手数料が無料になるということです。こういうビジネスモデルというのは今後ますます増えてくる可能性もありますので、私どももそれに見合った提案もしっかりとさせていただこうと考えております。
 さて、パネルを出していただきたいんですが、時価総額上位十社について日本と米国を比較してみますと、大きな違いがあることに気付きます。
 アメリカでは、アップル、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブック、アルファベットなどプラットフォーマーが並んでおりますが、日本はソフトバンクグループが該当するかどうかといったところです。何よりも規模が異なります。日本一位のトヨタはおよそ二十七兆円に対して、アメリカ一位のアップルは日本円に換算するとおよそ二百七十兆円余りと、もう桁が違います。文字どおりです。世界全体の時価総額ランキングでは、トヨタは三十二位でございます。
 株式市場は現在の評価と将来への期待を表していると言われておりますが、パーソナルデータを活用したデジタルプラットフォーマーが特にここ十年強くなりました。それに比べて日本は立ち遅れているという声も聞きます。
 アメリカだけではなく、中国ではアリペイやウイチャットなどの企業も成長しております。日本におけるデジタル社会の実現を目指す上で、国際的な状況を踏まえ、菅総理大臣はどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。

#103
○内閣総理大臣(菅義偉君) 近年、特に世界における時価総額の上位の企業のうち、日本企業の位置付けが低下をしているのは今お示しをいただいたとおりであります。
 こうした中で、我が国としては、プラットフォーマーについて、その取引環境を含め、デジタル市場の適切な競争環境を整備するルール、この形成を進めるとともに、我が国の企業についても、AIやデータを活用したデジタル化、この取組を、税制措置や標準化支援など、支援することによって競争力を強化していく、このことが大事だというふうに思っています。
 また、デジタル改革の司令塔として強い権限を持つデジタル庁を創設をして、行政のデジタル化や民間におけるデジタル化を促進をして、経済成長の好循環を実現したいと思っています。
 また、デジタルを我が国の次の成長の原動力とすることで経済構造の転換を図り、日本企業の国際競争力というものを高めていきたい、このように思います。

#104
○古賀之士君 自動車一本足打法の話もさせていただきました。そういう意味では、今世界各国に後れを取っているこの各産業をいかにボトムアップしていくのか、それから今トップを走り続けている企業を更に伸ばしていくのかというのは、これ重要な課題だと思います。
 ただ、その自動車一本足打法の中でも、例えばカリフォルニア州の自動車走行実験、これは日経新聞の二月の朝刊からの出典ですけれども、これは、実際に走った走行距離でも人が操作に入った介入頻度でも、アメリカはもちろんなんですけれども、中国にも大きな差が付けられております。
 このパネルを見ていただくだけではなかなかその全体像は判断できない部分もあるんですが、日本の自動車産業の未来についてかなり不安だという声も聞き始めております。
 次の成長の原動力、これはやっぱりデジタルと言っても過言でないと思います。
 総理は所信表明演説で、梶山元官房長官から言われた、国民の食いぶちをつくっていくのがおまえの仕事だという言葉を信条としていると述べられました。まさにデジタルで国民の食いぶちをいかにつくっていくというのが総理のお仕事ではないでしょうか。
 その点、今から、ずっと述べました危機感も含めまして、データの活用をどう伸ばしていくかというのが重要になってくると思います。
 この決算委員会のお部屋の中にいる皆さん、それからNHKの中継やインターネットでライブ配信を御覧の、お聞きの皆さん、スマホのユーザーはかなりいらっしゃるでしょうが、国産のOSを使ったスマホを持っている方というのは誰もいないと思います、残念ですが。
 何か分からないことを調べるには多くの人がグーグルを使います。思い付いたことを他人に伝えるにはツイッターが、短い短文では、短い短文というのは重複ですね、短い文では便利です。きれいな写真を載せるのであればインスタグラム。ネットショッピングの代名詞は、御存じのように今やアマゾンです。
 気が付けば、重要なデータを取り扱うほとんどの海外企業、これがもう席巻していると言っても言い過ぎではありません。それはもう釈迦に説法かもしれませんが、プラットフォーマーの株がアメリカでも高いのは、日本人のデータをアメリカの会社が、言ってみれば、言葉は悪いかもしれませんが、吸い上げてビジネスにしてきた結果ということも言えるんじゃないかと思います。
 私たちはこれまで、食料自給率、四〇%前後が今問題にもなっていますけれども、またエネルギー自給率も気にしてまいりました。これ提案ですが、この二つと並んで、重要なテーマであるデジタル自給率あるいはデータ自給率、こういった指標を上げていく、そして具体的に数値化して上げていくことがこれからの政府にとっての大きな役割だと思いますし、私たちも提案をしていきたいというふうに思っております。
 今後の日本の産業構造を考えるに当たって、デジタルの活用が本当に重要だというのは皆さん認識をされていらっしゃると思いますが、あとは具体的にどうやっていくかです。その辺について菅総理の御所見を伺います。

#105
○国務大臣(平井卓也君) 済みません、データ戦略については、九月一日に法律が通れば創立されるデジタル庁が一定の役割を果たしていくということなので、私から答弁をさせていただきたいというふうに思います。
 思い返せば、平成二十八年に、官民データ活用推進基本法、これは起草に私が関わりまして野党の皆さんと協力して作った、データの利活用をやろうという法律なんですね。それから、今回、IT基本法を廃止してデジタル社会推進形成基本法を制定をお願いしているというのは、今までのやっぱりデジタル化の取組が不十分だったので、ここは、社会全体としてデジタル化を取り組む中で、まずは国民の利便性を上げていく、そして生活を安全、安心なものにしていくと同時に、やっぱりグローバルにこのデジタル化というものが進んでいる中で、国際的に通用するやっぱりデジタルというものを進めていこうと。
 先生が御指摘になっていた時価総額の話、それはトヨタとテスラを比べると一番よく分かる面でもあるんですが、何々産業という一つのくくりの考え方ももはやないんではないだろうかと思っています。その意味で、デジタルシフト、デジタルトランスフォーメーションというのを進めていくために基本的にやらなきゃいけないのは、やっぱりデータのルールです。大阪のG20で、DFFT、トラストを我々世界に打ち出して、それも一定の評価を受けているんですけれども、データの真正性、取引の、その間違いのない取引のやり方、そして、そういう連携基盤みたいなものの設計はもう既に今取りかかろうとしております。
 デジタル庁が創設させていただきましたら、データのオーソリティーとしてそのベースの部分を支えて、民間の皆さんのデータの流通がやりやすい方向にしていきたいと、そのように考えております。

#106
○古賀之士君 いろいろな御意見があるかと思いますが、御提案をさせていただいた、食料自給率、エネルギー自給率に加えてデジタル自給率やデータ自給率、こういった指標を加えていってはどうかという提案なんですが、菅総理大臣からこの点について御所見あればお願いします。

#107
○内閣総理大臣(菅義偉君) そうした提案については検討させていただきます。

#108
○古賀之士君 短い答弁だったんですが、前向きな答弁だというふうに理解をさせていただきますし、また、中継が時間が迫っているということで私に御配慮いただいたんではないかというふうに理解もしております。
 一旦ここで私の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。

#109
○委員長(野村哲郎君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十二分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会

#110
○委員長(野村哲郎君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、岩渕友さんが委員を辞任され、その補欠として倉林明子さんが選任されました。
    ─────────────

#111
○委員長(野村哲郎君) 休憩前に引き続き、令和元年度決算外二件を議題とし、全般質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言をお願いします。

#112
○古賀之士君 引き続き質問の機会を与えていただきましてありがとうございます。
 残り私の持ち時間五分ということでございますので、まず菅総理大臣にお尋ねをして、お時間がありましたら梶山経産大臣にお尋ねをいたします。内容は、先ほど時間の関係で飛ばさせていただきましたディスプレーの問題でございます。
 まずお尋ねをいたしますが、令和元年度のINCJの業務の実績評価について、これ、有機ELを作っているJOLEDについて、将来、保有する株式の譲渡そのほかの処分を決定したときには、我が国ディスプレー産業全体のあるべき姿を念頭に処分方法を検討し、また、経済産業省との緊密な連携を継続されたいという経済産業大臣の意見が付されております。
 この点、菅総理のお考えになる我が国のディスプレー産業の全体のこれあるべき姿、そしてディスプレー産業の未来について御所見をお願いします。

#113
○内閣総理大臣(菅義偉君) ディスプレー市場は非常に厳しい競争環境にあって、現在、日本企業は苦戦をしている、このように認識をしております。一方で、将来的にコアになる技術や強みを持つ企業もあることも事実であります。例えば、液晶よりも薄く軽量で消費電力の少ない有機ELディスプレーを低コストで製造できる新たな技術など、世界で唯一技術を持つ企業が存在をしています。
 将来の我が国ディスプレー産業が目指す姿としては、日本企業一社だけで勝ち抜こうとするのではなく、日本企業がコア技術を押さえた上で、国内外の企業との連携を進め競争力を高めていく、そうした方法が重要だというふうに考えています。さらに、ディスプレーの技術をヘルスケア分野などにも応用していくなど、新たな市場開拓も必要だと思います。政府としてもしっかりと必要な後押しを実施させてまいりたい、こういうふうに思います。

#114
○古賀之士君 そのジャパンディスプレイの件を残念ながらこれ糧としていただきたいということでの質問でありました。
 というのは、梶山大臣、少し時間があるようですのでお尋ねします。
 つまり、このジャパンディスプレイというのは、産業革新機構という、官民ファンドという、そういいながらも、国が大きな影響を持つところが経営の主導を握ってきました。ところが、リストラに次ぐリストラによって辛うじてという状態であります。あまつさえ、不正経理に手を染めまして、証券取引等監視委員会から二十一億円もの追徴金の納付命令が出されているという有様です。
 産業革新機構、そしてこの後継となるINCJの直轄とも言えるジャパンディスプレイがこうした状況になったこと、こういうことを踏まえて、この今総理がお話しになったいわゆる有機ELの場合のJOLED、こういうことにならないようにしていただきたいんですが、経産大臣の御所見をお願いします。

#115
○国務大臣(梶山弘志君) ジャパンディスプレイ、日本の高い技術力を結集して、当時急成長が見込まれていたモバイル向けの液晶パネルを中心にグローバル市場で競争力を高めていくといった戦略の下に、ソニー、東芝、日立のディスプレー部門を統括し、二〇一二年に設立をされたものであります。
 設立時には、ジャパンディスプレイが中小型ディスプレー事業におけるグローバルリーディングカンパニーとなることを期待し、産業革新機構からも出資を行ったところでありますが、しかし、二〇一四年以降、韓国企業が技術的に優位にあった有機ELのコストが下がり、モバイル市場に急速に浸透したことや、中国企業を始めとする新興勢力が液晶分野の技術で急速にキャッチアップするなど、ディスプレー市場の競争環境が激変し、経営環境が特に厳しい状況になってきたということであります。
 二〇二〇年一月に、民間の投資ファンドであるいちごトラストと資本業務提携を締結をして財務基盤の強化を行うとともに、社長も含めた経営体制を一新をしたところであります。現在、新経営陣の下でディスプレー事業の効率化を図るとともに、ジャパンディスプレイが持つセンサーなどの高い技術力を生かして、ヘルスケアを始めとした新分野での市場獲得などに更なる成長を目指しているところであります。
 JOLEDの話がございましたけれども、JOLEDも、大きなテレビの画面というのはまた別の国がやっているところが主力になっておりますし、小さなスマホの画面もそういうところであります。中型のもの、例えばパソコンの表示であるとかディスプレーであるとか、また、そういうヘルスケア向けということで、新たなそこの分野について注力をしていくということであります。

#116
○委員長(野村哲郎君) 古賀ユキヒロ君。

#117
○古賀之士君 之士でございます。済みません。
 先ほど、午前中、自民党の古賀委員からも御指摘がありました。新しい提案もありましたけれども、その提案の前提も、実は雇用を守ると、企業さん、事業さんがしっかりとその人たち、働く人たちの雇用を守るというのが前提のお話でしたよね。
 と同時に、今私が提案、提議しているのは、ジャパンディスプレイは、残念ながらこれリストラに次ぐリストラが相次いだと、実質的にはこれ政府が主導していたわけです。こういう矛盾が生じないように是非お願いをしておきたいということを述べまして、私の質問を終わりまして、関連質問を田名部委員に替わります。
 ありがとうございました。

#118
○委員長(野村哲郎君) 関連質疑を許します。田名部匡代さん。

#119
○田名部匡代君 立憲民主党・社民の田名部匡代でございます。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
 まず、質問に入らせていただく前に、先般、台湾で大規模な脱線事故がありました。東日本大震災のときにも大変大きな御支援をいただきました。改めて、お亡くなりになられた方々、心からお悔やみを申し上げたいと思いますし、また、おけがをされた方々などにお見舞いを申し上げたいと思います。
 総理もツイッターなどでお言葉を発信されたようですが、改めて何かございましたら一言お願いします。

#120
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私も、鉄道事故の一報を聞いたときに東日本大震災のことを思い出しました。そういう意味合いの中ですぐにツイッターをさせていただいたと、こういうことであります。
 台湾の皆さんの、亡くなられた方に心からお悔やみ申し上げますとともに、けがをされた皆さんにお見舞いを申し上げたいと思います。

#121
○田名部匡代君 ありがとうございました。
 それでは、質問に入らせていただきますが、コロナ関連に、関する質問の前に、確認だけでございますので、不妊治療、そしてセーフアボーションについて先にお伺いをさせていただきたいと思います。
 菅内閣では、不妊治療の支援を拡充をいたしましたし、また公的医療保険適用の方針もお決めになりました。多くの方がこのことに期待をしていると思いますし、喜んでいるのではないかなと思っています。
 あわせて、厚労省は、両立支援等助成金事業で不妊治療と仕事の両立支援をするということであります。これもとても大事なことだと思いますが、具体的にどういうことをされるのか、大臣からお願いします。

#122
○国務大臣(田村憲久君) 子供を持ちたいと思われる御夫婦が、やはりしっかりと子供が産める環境というものをつくっていかなきゃならないということでありまして、次世代育成推進法等々で、これ指針を改定いたしまして、この四月からその行動計画の中で、不妊治療等々を受ける労働者、そういう方々に配慮した措置を講ずるということ、これ、入れた方が望ましいという中にこれ入れさせていただきました。
 そういう意味では、各企業でそういう対応をいただきたいという思いなんですが、一方で、不妊治療等々をして、当然休まなきゃいけないということが起こってまいります。そういうときに休業等々の対応をしたりでありますとか、あとフレックスタイムなんかで対応いただく、こういうことに対して助成制度という形で国の方が助成をさせていただいて企業を後押ししようと。で、こういうものをSNSでありますとか、いろんなところで広報しまして、各企業に御理解をいただきながら体制を整備していただきたいと、こういう思いであります。

#123
○田名部匡代君 ありがとうございます。
 働きながら頻繁な通院を余儀なくされますし、とても時間が掛かるわけでありまして、社会全体の理解、また働いているその職場の理解というのはとても重要だと思いますので、是非、いい取組ですから、企業の皆さんにも御理解をいただいて、進めていただきたいというふうに思います。
 現在、五・五組に一組の割合で不妊治療やまた不妊に関する検査を受けておられて、二〇一八年にはおよそ十六人に一人が不妊治療によって生まれてこられたということです。一方で、ようやくその苦しい治療の後で子供さんを授かったとしても、流産されてしまう方も少なくありません。また、妊娠されても流産や死産を繰り返してしまう不育の方というのもおられます。
 今、パネル御覧いただきたいというふうに思うんですけれども、(資料提示)これ、厚生労働省の資料によりますと、不妊治療における流産率は三十五歳で二割、四十歳で三五%、四十五歳以上で六六%ということになっています。加えて、流産後、PTSDと中度から重度の不安、またうつになった方合わせて、術後一か月で六四%、三か月後には五二%、九か月後でも四一%というふうになっています。不妊治療への支援というのは先ほど申し上げたようにとても大事なことでありますし、精神的なこうした心のケアというものを長期的に行っていくということも必要だというふうに考えます。
 あわせて、身体的負担を取り除いていくこともとても大事です。この問題は、立憲民主党、我が党の塩村あやか参議院議員が熱心に取り組んでいるんですけれども、流産や中絶の場合、世界ではセーフアボーションがスタンダードとなっています。これは薬を飲む方法なのですが、日本ではまだ六割がそうではない手術というふうになっています。
 WHOは、女性の体と心への負担がより少ないとして、このセーフアボーション、薬の使用であるとか真空吸引法というものを推進しているんですけれども、この服用する薬については、OECD三十七か国中三十二か国、その他の国合わせて七十七か国で承認をされていて、OECD諸国で認可されていないのは、スロバキア、トルコ、ポーランド、韓国、そして日本だけというふうになっています。
 そこで、総理に確認をさせていただきたいと思います。このミフェプリストンとミソプロストールという薬なんですが、これが製薬会社から製造販売承認申請され、一定の手続が行われた後、承認されれば、保険適用になるということでよろしいでしょうか。

#124
○国務大臣(田村憲久君) 経口中絶薬ということで、ミフェプリストンとミソプロストールという薬でありますけれども、これに関して申請が出てくれば、安全性、有効性しっかりと確認した上で、それに対して承認が出れば、これ治療上必要だという場合には保険収載で対応すると。保険収載した後、治療上必要であるということが重要でございまして、その場合に関しましては、これは保険適用という形になります。

#125
○田名部匡代君 今申し上げたように、世界七十七か国では承認されていて、女性の心と体、まさに本当に精神的な負担、そして身体的な負担というものが大きいわけです。
 総理に一言いただきたいんです。是非、そういった今申し上げたような女性の現実があるので、是非これは速やかに、承認をされればですね、保険適用ということを進めていただきたいというふうに思いますけれど、総理、いかがでしょう。

#126
○内閣総理大臣(菅義偉君) 有効性、安全性等が確立している治療については保険適用する、このことがまずは基本だというふうに思います。
 今の経口薬についても、薬事承認がされた場合には、胎児の死亡等による流産など治療上中絶が必要な場合に、ここはやはり保険適用というふうに考えています。

#127
○田名部匡代君 是非、不妊治療をされて、そしてその後流産をされるという、そしてまた身体的に苦痛のあるこういう処置がなされているという現状を是非総理にも知っていただいて、改善をしていただきたいというふうに思いますし、是非とも保険適用を進めていただきたいというふうに思っています。
 それでは、コロナウイルス問題に入らせていただきます。
 西村大臣、今回、まん延防止等重点措置、実施すべき区域を三府県とした理由、そして重点措置の解除の基準は何かということについて教えてください。

#128
○国務大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。
 まん延防止等重点措置でありますけれども、これ基本的対処方針にお示しをしているとおり、都道府県、ある都道府県においてその特定の区域において感染が急激に拡大する、そのことによって県内全域に広がる、こういったおそれがあるときであります。特に、ステージ3相当、全体ではステージ3相当だけども、あるエリアが広がっている、そこで抑えなきゃいけない、そうしないとステージ4に行き緊急事態宣言になってしまうかもしれない、そういう段階で機動的に対応するということにしております。
 そして、今回、全国のいろんな状況を日々、感染状況、病床の状況などを確認しておりますけれども、この大阪府、兵庫県、そして宮城県につきましては、まさに中心部である大阪市、神戸市、仙台市において言わばステージ4相当までの感染状況になっておりまして、この地域、その市だけで見れば緊急事態宣言を出してもおかしくないぐらいのレベルまで急激に感染が広がっているということで、このエリアで抑えていくために、まん延防止等重点措置、これは専門家の意見も聞いて判断をさせていただいたところであります。知事とも連携をして対応させていただいております。
 そして、解除につきましては、今申し上げたそれぞれの中心部であるそれらの市の感染状況がこれ収まってくることが大事でありますので、今もうステージ4の状況にその市だけ見れば行っているわけですけれども、これはステージ3の段階に行って、全体としてその地域から県全体、府県全体に感染が広がらないような状況、これをつくり出すことが大事だと思っております。
 あわせて、病床の状況、それぞれの市ではかなり逼迫してきておりまして、ステージ4の状況になってきておりますので、病床の確保も確認しながら、府県全体でステージ3以下になっていることをしっかり確認をできればと。
 いずれにしましても、それぞれの都道府県知事と、府県の知事と連携しながら専門家の意見を聞いて判断をしていきたいというふうに考えております。

#129
○田名部匡代君 これ、重点措置期間に、例えば先行してその解除をするだとか、また延期をするだとか、また区域を拡大するだとか、そういうことも想定されているんでしょうか。

#130
○国務大臣(西村康稔君) まん延防止等重点措置は、基本的には機動的に短期間集中で抑え込むのが基本でありますが、今回、連休の前ということもありまして、特に大阪、兵庫で変異株がかなり広がってきていることを考えますと、この大阪、兵庫との行き来で、連休中の行き来でですね、更にこれが全国的に広がることも含めて考えまして、一か月間、五月五日までとさせていただいておりますので、今の段階で予断を持って申し上げることは避けたいと思いますけれども、感染状況、病床の状況を確認しながら適切に判断をしていきたいというふうに考えております。
 そして、どの地域に強い措置を講じるかというのは、これは知事の判断でありますので、兵庫県の場合は神戸と大阪の間の阪神間の四つの市ということで対応されています。
 いずれにしましても、そうした状況についてもそれぞれの知事と連携をしながら、知事が適切な判断をできるようにサポートしていきたいというふうに考えております。

#131
○田名部匡代君 ありがとうございます。
 地元の青森県でも先日、障害者の施設で感染が拡大をしまして、八十名を超えるクラスターとなりました。そのほかにも小学校や保育施設でもクラスターが発生しています。
 先ほど尾身先生の方からもクラスターが多様化しているというようなお話もあったと思いますが、教育福祉施設の職員の方々は日頃から本当に大変な御苦労をいただいて感染防止対策に当たっていただいておりますが、しかしながら、それでも感染者が出てしまい自責の念を抱いている方も多いということで、特にまた変異株についても、情報が乏しいということもあって、例えば、子供とか若い人たちにより感染してしまうのではないか、学校が始まるけど大丈夫だろうか、こういうようなこともあって不安は増しているというふうに思うんですが。
 今日は、お忙しい中、尾身先生にもお越しをいただきまして本当にありがとうございます。是非、尾身先生の方から、変異株について現時点でどのように分析をされておられるのか、また、全国のクラスターの発生状況から、今後の変異株の感染拡大に迅速に対応していくにはどういったことが重要だというふうにお考えになるのか、教えてください。

#132
○参考人(尾身茂君) お答えいたします。
 変異株の感染力は、国内でもイギリスのように少しずつ強まっているという可能性が、いろんな情況証拠からしてそういう判断を私どもはしています。そういう中で、一体何をこれからやるべきかということですけど、私は四つあると思います。
 一つは、もうこれはいろんなところで議論されていますけど、国は五%から一〇%というモニタリングを四〇%に増やすという、これは非常に重要なので、これはしっかりこのことをやっていくということ。
 それで、それと同時に、二つ目として非常に重要なのは、見付かったときに、変異株の感染、クラスターが見付かったときに、これをもう迅速に対応して、これが広がらないように封じ込めるということが非常に、今までのところ幸いに、クラスター、変異株によるクラスター起きていますけど、これはクラスター、今のところうまく封じ込めています。このことを、変異株が見付かったらすぐ対応して、その感染が外に拡大しないということが極めて重要で、三つ目です。
 それから、一般の人々が行うことは以前と変わりませんけど、今まで以上に注意していただくことが重要で、そのためには、国は変異株のいろんな情報をつぶさにしっかり分かるような形で情報発信をしていただければと思います。
 最後に、これは今、医療供給体制の強化ということで今厚生省と地方自治体が頑張っていただいていますが、これについてはなかなか難しいところがありますけれども、最大限、各地域のキャパシティー、限界のところまで強化するということが大事で、以上四点が非常に極めて重要で、今これをしっかりやる時期に来ていると思います。

#133
○田名部匡代君 ありがとうございました。
 こうした変異株が拡大していくのではないかというようなときに、余りこういうことは申し上げたくないですけれども、残念ながら、厚生労働省老健局二十三名の深夜までの飲食ということがありました。
 もう何度もこのことは指摘をされていて大臣の方からもコメントがありますので、いいんです。私、もちろん、それは国民の皆さんがこれだけ御協力をいただいて苦しい思いして辛抱しているのにということもそのとおりですし、加えて、やっぱり重要な人材じゃないですか。万が一、それでクラスター発生していたらどうするのかということを、本当にそのことが一瞬たりともよぎらなかったんだろうかと、二十三人なんという大人数でですね。やっぱりそこは今後も徹底していただく必要があると思うんですね。それは何も厚生労働省の問題だけじゃない。本当にもう寝ずにいろんな作業もされていて、頑張っているのは分かります。でも、許されることではなかったということ。
 総理、これ厚生労働省のことだけじゃないと思うんですね。もう一回、尾身先生もおっしゃっている、リーダーが汗をかいてやっぱり対応していく、発信していくということが大事だとおっしゃっていましたけど、総理から改めて、全体に対してどういう指示を出していくのか、どういう体制で国民の皆さんの信頼を取り戻して、そしてコロナを封じ込めていくのか、決意をお聞かせください。

#134
○内閣総理大臣(菅義偉君) 厚生労働省の事案が発生した後、閣議の日に、たしか閣議が終わった全閣僚に対して、私からもう一度、それぞれの省庁を徹底をして洗って、二度と再びこうしたことがないような、そうした指示をいたしました。
 このことについて、厚労省、まさに昼夜問わず頑張っている中でこうしたことが起きたことは大変残念なことであるというふうに思っています。

#135
○田名部匡代君 是非、二度とこういうことが繰り返されないようにしっかりとリーダーシップ発揮していただきたいと思います。
 先ほど少し、変異株で子供を持つ親御さんたちが非常に不安な思いをされていると。私のところにも、新学期が始まるんだけれども大丈夫なのだろうかというような問合せがあります。そこで、若い人たちに対しての感染力が強いのではないか。先ほど尾身先生からもお話がありました。やっぱり正しい情報を常に発信をしていっていただくことがとても大事だと思うんですね。
 今日は文科大臣にお聞きをしたいと思いますけれども、日本小児科学会予防接種・感染対策委員会で、三月二十三日に、子どもと新型コロナウイルスの変異株の感染についてという見解が示されたんですね。そこでは、何というか、重症化をするようなことはない、ただ、小さいお子さんであれば感染防止対策が自分でできないので、そこでの感染の心配はあるのかなというような見解だったんですけれど、これから学校なども始まる中で、きちんとした情報を発信していただきたいということと、安心と健康を維持するため、子供たちの間でも感染防止を、防いでいかなければならないというふうに思うのですけれど、何か改めて学校での対策等はお考えなのでしょうか。

#136
○国務大臣(萩生田光一君) 新型コロナウイルス感染症の変異株について、国内において感染者の確認が続いており、まん延防止策等重点措置を実施するとされた地域や感染者が増加している地域など、一層警戒が必要な状況であると考えております。
 これまでも学校では地域の感染状況に応じた感染症対策を講じておりますが、変異株であっても、三つの密の回避やマスクの着用、手洗いなど基本的な感染症対策が奨励されておりますので、各学校においてはこれらの基本的な対策を改めて徹底していただきたいと考えております。
 加えて、各学校に対しては、それぞれの地域の感染状況に応じて、感染症対策を講じてもなおリスクの高い教育活動は一時的に制限していただくよう、衛生管理マニュアルや通知でお示しをしてまいりました。
 今回、まん延防止等重点措置を実施するとされた地域を含め、全国の学校設置者においては引き続き保健所と連携を密にしていただくとともに、新年度を迎え、各学校において教育活動を行っていくに当たっては、改めて感染症対策を徹底していくことが必要です。必要な対応が明らかになった場合には、速やかに厚生労働省と連携し、学校の設置者等への情報提供や注意喚起を行ってまいりたいと思います。
 先生、せっかくこういう機会に質問をしていただいて良かったなと思っていますのは、ワイドショーなどで子供に感染が広がりやすいとおっしゃる番組や先生がいらっしゃるんですけれど、国内の知見も、あるいは先に変異株がはやった英国などの知見でも、そういうことは確認されていません。子供のみならず、変異株、今まで、言うならばゲノム調査を数多くやっておりませんから、もしかしたら過去かかったお子さんも変異株だった可能性も否定できないわけでありまして、子供だからといって変異株がかかりやすいんだと今報道されているものはこれは明らかに間違いであるということは、先ほど先生もおっしゃったとおりだと思います。
 しかしながら、変異株ですからどういう対応になっていくか分からないので、ここは予断を持たずにしっかり注意をしながら、少しでも心配があった場合には早め早めに学校現場、御父兄の皆さんに情報提供をしていきたい、こう考えております。

#137
○田名部匡代君 大臣、ありがとうございました。
 私も、今日のこの機会は、テレビやラジオをお聞きになったり御覧になっていただいている方々にできるだけ正しい情報を知っていただくということと、もちろん、何というか、油断をするとか気を緩めるということとは違って、少しでも正しく安心してもらうというか、そういうことはとても大事だと思ったので、お話をしていただいて良かったと思います。
 次に、スクリーニング検査についてお伺いをいたします。
 以前、衆議院の厚労委員会で、田村大臣の方から、全国に変異株のスクリーニング検査を徐々に広げているという御答弁があって、先ほどもお話があった四〇%を目指していくということで、民間にも御協力をいただくというお話だったと思いますが、現時点でそれはどのような状況になっているのか、教えてください。

#138
○国務大臣(田村憲久君) 元々、感染研の専門家の方々のいろんな御評価の中で、五から一〇%ぐらい全体の中でスクリーニングをすれば、全体、その地域の大体どのような状況かというのは分かるというお話だったんですが、なるべく多くやって早く囲い込んだ方が感染の拡大というのはある程度これは抑えられる。ただ、もちろん優位性がありますので、これは尾身先生もよくおっしゃられる話ですが、将来的には多分置き換わっていくんだと思いますけれども、それを余り速いスピードになりますと体制が整備できませんので、そういう意味で、より多くということで四〇%。これ、大きな民間の検査会社、こういうところをお願いをさせていただいて、技術の移転、試薬等々をお渡しして、そういうところを中心に今民間の皆様方のお力をお貸しをいただいております。
 今、全国平均大体三〇%ぐらいまで来ておるということなんですが、東京、大阪はまだ二〇%ぐらいなものですから、更にこれを進めていこうというふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、まずはそういう大きいところ、民間会社、民間検査会社等々にお願いをさせていただきながら、もし余力があれば小さいところも技術移転をさせていただきたいんですが、これは国では全部把握できておりませんので、都道府県のいろんなお力をお貸しをいただかなきゃならぬということでありますので、まずは四〇%を一つ目標に、早急にこの割合に引き上げてまいりたいというふうに考えております。

#139
○田名部匡代君 四〇%でいいのかどうか、まずは四〇%ということだと思いますけど、先ほど尾身先生の方からも、見付かった時点で迅速に対応することが大事だというお話ですから、やはりこれを確実に見付けていく、そして封じ込めていくということが大事だろうと思います。大臣おっしゃったように、今後は置き換わっていく可能性が非常に高いわけですので、是非、体制しっかり整えて速やかに検査をしていただきたいというふうに思います。
 多くの自治体で、現在、住民のワクチン接種がスムーズに行われるように御努力をいただいています。接種券の発送準備、接種場所の確保、万が一電源が切れた場合の電気の調達など、いろんなことをやらなきゃいけないわけですけれども、加えて、医師の数が少ないなど、近隣市町村と連携をして接種を進める自治体もあって、地元の、私の青森県内も、四十市町村のうち、ワクチン接種会場における医師が充足していると答えたのは、私が確認した時点で、先月の下旬ですが、十三市町村と半数にも至っていないというのが現状です。それでも何とか対応しようということで、体制を今整えつつあるということだと思います。
 ただ、高齢者のワクチン接種についても、国はいつまでにやりますと言うんだけれども、結局それはいつ来るか分からないということもあって、いつ来るのかと、いつ打てるのかという問合せも相当役所の方に届いている。それがなかなか答えられないと。役所の仕事としてそういうこともまた負担、負担というか、時間を取られているというようなこともあるんですね。
 ちょっと先に確認しますが、現在、住民票のある地域の接種が原則ですけど、市町村域をまたいで入院しているとか、また福祉施設等に入られている場合、指針では接種可能ということなんですが、別途行われる申請手続がある、これが簡素化されているのか、そして、こういう手続で今、全国、何か問題は起こっていないのかということを分かったら教えてください。

#140
○国務大臣(河野太郎君) 今回のワクチン接種は原則居住地でお願いをすることになっておりますけれども、様々な事情で居住地で打てない方はほかの市町村でも打てるようになっております。その際、打っていただく自治体に届けをしていただいてワクチン接種をしていただくことになっております。様々な方法で届出をしていただくということにしております。
 何か問題があるようなら、更なる簡素化を含め考えていきたいというふうに考えております。

#141
○田名部匡代君 分かりました。
 是非、それぞれの地域の中で問題があるようであれば迅速に対応していただきたいと思いますし、可能な限り簡素化していただきたいと思います。
 今後の最新のスケジュールについてはどうでしょうか。

#142
○国務大臣(河野太郎君) 予定どおり、四月の十二日から接種を開始していただきます。当初は、知事会を始め関係団体から様々なことを確認しながら少しずつ立ち上げてほしいという御要望がございましたので、十二日の週、十九、二十六の週、少しゆっくりスタートしていただきますが、二十六日からの二週間で全ての市区町村千七百四十一に一箱ずつ、加えて四千箱、五千七百四十一箱を供給できる体制になっております。
 また、五月の十日からの二週間で一万六千箱を供給できるような体制になりますので、そこから先は自治体の接種のスピードに合わせて供給をしっかりやってまいりたいと思っております。

#143
○田名部匡代君 これ、地元からの声なんですけれども、高齢化が進む過疎地域で介護職員、施設の職員の方も接種の優先順位を医療従事者と同等に上げたいというような声もあって、それぞれの市町村で接種順位についてある程度柔軟に対応したいということもあるのかと。
 ただ、高齢者を先にというのは重症化をするということを含めてよく分かっておりますけれども、こういった地域によって多少その地域のやりたいようなことをお認めになるというようなことはあるんでしょうか。

#144
○国務大臣(田村憲久君) まず、これ、医師が中心というのは、これも御理解いただきたいのは、やはり一番その暴露する可能性が高い、つまり感染する可能性が高い。その上で、やはり重症者、死亡者を減らしていくためには医療の提供体制しっかり確保しなきゃならないということでございますので、一位にこれ医療関係者という形になっております。
 今言われた部分に関しましては、例えば離島でありますとか本当の過疎の地域、こういうところで、効率上、もうそれが一つの自治体になっている場合に関しましては、もう、一回持っていってそこで全部打たないと、特に離島など何遍も往復しておったんじゃ時間が掛かりますので、そういうのはそれぞれの自治体で十分にワクチンの量が確保できるんであるならばお考えをいただいて結構であるということになっております。
 それと、もう一つは、高齢者と一緒に施設なんかはもう打った方が効率的ではないかという場合もございますので、これは過疎地でありますとか離島関係なく、そこの自治体でワクチン十分にあるよということであれば御判断で施設で一緒に打っていただくということも可能であります。

#145
○田名部匡代君 分かりました。どうもありがとうございます。
 是非これからもしっかり対応していただきたいと思うんですけど、先ほど古賀委員の方からもありました。政府も様々努力はされていると思いますし、この対応については与野党関係ないと思うんですね。私たちの方からもいろんな提案をさせていただいておりますし、いいものはそれは取り入れていただいて、そしてお互い知恵を出し合って少しでも早く封じ込めるということが大事だと思うんです。
 こういう言い方は失礼かもしれませんけど、やっぱりちょっとワンテンポ遅いのかなと。PCR検査の拡充であるとか休業支援の期限延長、また低所得の子育ての世帯への支援というものも私たちはずっと提案をしてきているわけですから、ようやくそれを御決断いただいた。
 さらには、やはりここは持続化給付金も是非やっていただきたい。緊急事態宣言が出された地域だけではなくて、本当に苦しい思いをされていて、年末でふだんの売上げが落ち込んだところにいて、全くほとんどなかったところに、三月、四月という春の書き入れ時にも人が出ていないということで、融資があるでしょうというふうにおっしゃるんですけれども、とても更なる融資は受けられないというような、そういう苦しい状況にあるわけですから、是非これは受け止めていただいて実施をしていただきたいと思うんですけど、総理、一言お願いします。

#146
○内閣総理大臣(菅義偉君) 御党からは、以前よりそうしたことの要請をいただいています。そういう中で、政府としてはできることについて一つずつやらさせていただいています。
 持続化給付金につきましては、前回のときと今回違っていまして、飲食に的を絞った対策だったものですから、それ以外の対応策でさせていただいているということであります。

#147
○田名部匡代君 飲食が駄目ということは、もうずうっとたどれば生産者まで大変なんですよ。だから、その全体が大変なんですね。もちろん、飲食での今いろいろ時短要請だとかなんですけれども、そこに関わる人たちというのは、東京だけでもない、大阪だけでもない、私の地元青森県だって、本当にみんなが、万が一感染させてはいけない、万が一何かあってはいけないという中で自主的に自粛をしながら日々感染拡大を防いでくださっている。その中で苦しい思いになっているわけですから、是非、もう一回そのことは受け止めていただいて、御検討いただきたいというふうに思います。
 苦しい思いをしているのは今申し上げた方々だけではなくて、実はコロナ禍における児童養護施設退所者の現状というものも、結局頼るところがないわけですから、十八歳になって退所をしたときに一人で自立をしていかなければならない中で、様々な、政府も本当にいろんな支援策を出してくださっているんですが、メニューは並んでいるんだけど、それが本当にうまく活用されているのかな、支援につながっているのかな、どうなんでしょうかと確認したところ、なかなかその後追いでの確認というか調査はされていないということと、進学に対しても支援拡充しましたよね。そのことによって、じゃ、進学率、これパネル見ていただきたいんですけれど、社会に出て働きたいという子もいる、それはそれで頑張ってもらいたい。ただ、進学をしたいという子もいる。進学をしたいのに進学ができない現実があるんだとすれば、何とかしなきゃいけないということなんですね。
 いろんな支援をやっていただいているので、じゃ進学率はどうなっているんですかというと、去年の進学率の調査というのはないので分からないということなんですよね。これ、やっぱり調査をするべきじゃないかと思うんですけど、いかがでしょうか。

#148
○国務大臣(田村憲久君) 進学率でありますけれども、言われますとおり、これ、調査の結果、三十年度末に高等学校を卒業した児童の状況でありますが、大学及び専修学校等に進学した児童養護施設等々の退所者でありますが二八%、全高卒者の中でこういうところに就職された方が七四%でありますから、そういう意味では、約三割と約七割以上でありますので、まあ半分以下ということになっています。
 これ、二十八年度に、二十九年度にどういう要因で進学しないかというのを調査しているんですが、一つはやはり経済的理由、それからもう一つはモチベーションといいますか、大学を、する気になれない、そもそもそういうような認識になっていないというようなことがございます。
 それではやはり困りますので、やはりしっかり意識持ってもらえるように、先ほど委員がおっしゃられました学習塾の費用、こういうものも支援の対象にしておりますし、それから自立支援の相談の職員の配置、これを手厚くして、そもそもその大学等々、専門学校を目指すことがどういうことなのかというような、将来の自立に向けてのいろんな支援もしていくと、こういうことをする中において、しっかりと対応をする中において、進学をなるべくしていただきやすいといいますか、する気持ちにもなってもらわなきゃいけませんので、そういうところまでを含めた支援をしっかりと進めてまいりたいというふうに考えております。

#149
○田名部匡代君 皆さんのところ、お手元には資料、新聞記事配付をさせていただいていると思うんですけれど、大臣も後で是非目を通していただきたい。
 支援にたどり着いていないんですよ。誤った情報で、支援を受けようと思っていろんなところ、ネットで調べて行っているんだけれども、誤った指導を受けて、受けられないだとかそういうこともあるので、是非支援を受けたい子供たちがきちんと支援を受けて社会で自立していけるように、調査されるということだったので、調査の結果も私たちにも情報提供していただいて、今後必要な支援考えていきたいというふうに思います。
 それで、次に食料支援のことをやろうと思ったんですが、先に食料安全保障、国家戦略特区についてやらせていただきたいと思います。
 コロナを経験して、これからは今まで以上に食料安全保障の観点に立って農地政策を考えていくべきだというふうに思います。まず、通告していないんですけど、農水大臣、どうでしょう。

#150
○国務大臣(野上浩太郎君) 今お話ありましたとおり、食料安全保障、今コロナの状況を踏まえて極めて重要な課題だと認識しております。特にその農地は、これ農業生産の基盤になりますので、これは食料安全保障、食料自給率向上の観点からこれは国として守っていく責任があると考えております。

#151
○田名部匡代君 食料安全保障、もちろん自国のこと、日本国のこともそうなんですけれども、やっぱり国内の問題だけではないと思っているんですね。
 現在、世界人口の八・九%に当たる約七億人が飢餓に苦しんでいるということで、FAOほか四つの国連機関で七月に共同で、世界の食料安全保障と栄養の現状二〇二〇年の報告書を出しています。そこでは、COVID―19で一億三千万人以上の人が慢性的な飢餓に陥る可能性もあるという指摘がありました。つまり、安易な食料輸入というのは、結局途上国の飢餓問題を更に悪化させる要因にもなりかねない。誰もが十分に安全で栄養ある食料にアクセスできるようにするためにも、国際社会と協力をしてこういった問題にも取り組んでいかなければなりません。
 そういった問題を解決するためにも、やっぱり自分たちの国の食料自給率を上げていくということが私は本当に大事だと思うんです。それは量的な問題だけじゃないんですね。肥料をどうするのか、また種の確保をどうするのか、労働力どうするのか、流通体制どうするのか、あらゆることを含めて、日本の安全保障、食の安全保障というものを今ここで見直すべきだと思っています。
 総理、日本では今、自給率四五%としていますが、ちょっと低くないですか、これ。

#152
○国務大臣(野上浩太郎君) 今先生おっしゃられましたとおり、食料の安定供給というのは、それはもう国家の最も基本的な責務の一つでありまして、我が国の農業の生産基盤を強化をしてこの食料自給率を図っていく、もう極めて重要なことであります。
 食料・農業・農村基本計画におきましては、品目ごとに消費の見通しと生産努力目標を設定をしております。それを積み上げた結果、令和十二年度の食料自給率、今お話のありました四五%と設定をしているわけであります。この目標は、直近の三八%から九%で七ポイント上昇させるものでありまして、まずはこの目標をしっかり達成をしていきたいと思います。いつも議論させていただく中で、少しでも上げていかなきゃならないというのは共有をしているところだというふうに思います。

#153
○田名部匡代君 まあ数字を何か、何というんですかね、もう目標に掲げていますみたいなことだけでは駄目なんですよね。理念を持って、やっぱりそれは少なくとも私は五〇%を目指していくべきだと思うし、そのために何をするかということを真剣に考えなきゃいけないと思っているんですね。
 現下の世界の食料事情を考えれば、今でもトウモロコシや大豆の価格が高騰するとか、食料需給は逼迫しているんです。更にこれで人口が増加すれば、どういうことが予想されるでしょうか。干ばつだとか地球温暖化の影響もあるわけですよね。大規模災害も世界各地で頻発をしていると。
 今回、マスク不足で経験したように、国にお金があれば何でも手に入るとは限らない。こういう中で物事を考えていかなきゃいけないと思うんですけれど、しかしこの間、国家戦略特区、未来投資会議、規制改革推進会議、非常に強引な改革を進めてきました。これが本当に食料安全保障に資することなのか。
 私は、市場原理だけでやっぱりこういう問題を語るべきではないということを、本当にこれは声を大にして反対をしたいというふうに思っているんですけれど、国家戦略特区が提案する民間の農地所有について、これ、五年やって結果が出なかったのに、何で二年延長するんですか、大臣。

#154
○国務大臣(坂本哲志君) 養父市の国家戦略特区の農地の問題だと思いますけれども、農地としての、株式会社が、企業が売買することができるということで国家戦略特区として指定されておりますけれども、これは十ある国家戦略特区のうち養父市だけがそれに手を挙げました。
 ですから、養父市で一・六ヘクタールの売買が行われましたけれども、それが果たして全国展開にした場合にどういう課題が出るのか、あるいはどういうニーズが出るのか、やはりもう少し様々な調査をしなければいけないということで二年間延長し、その間に政府として調査をするというふうにしたものであります。

#155
○田名部匡代君 いや、違いますよね。全国展開にしたときどういう問題が出るかじゃなくて、五年間やってみて結果が出なかったんですから、それが答えじゃないですか。所有面積、六社で一・六ヘクタール、この程度の数字で成果が大いにあったと、これ、成果があったと言っているんですよ。普通の感覚だったら、ほとんどなかったということになると思うんですね。
 これ、民間議員は、農地を所有するのか借りるのかは企業の判断であると、企業の選択肢を増やすために農地所有を認めるべきだと主張していますけれども、民間議員の中に農業に詳しい人はどれだけいらっしゃるんですか。名簿を拝見した限りゼロですよ。
 やっぱり、養父特区のその僅か一・六ヘクタールでもって全国の四百四十万ヘクタールの農地を語るというのは全く理解ができません。
 総理、これ、農業に関する知見がない民間議員だけで農業政策を語る、そして、それをやるべきだと、何というか、ごり押ししてくるって、これ一体どうなんですか、どう思われますか。

#156
○内閣総理大臣(菅義偉君) 規制改革を進めて次の成長の突破口をつくるのがこの内閣の仕事だと思っています。
 平成二十五年の制度創設以降、国家戦略特区は、地方公共団体や民間事業者からの規制改革提案を受け、民間有識者も参画する特区諮問会議で審議することで、岩盤規制改革の鍵となる地域限定により大胆な規制改革を断行することにより、地方創生や経済成長に大きく寄与してきたものと承知しています。
 大胆な規制改革を進めるためには、その分野の専門家だけでなく、経済構造を俯瞰的に捉えることのできる有識者の参画によって我が国経済社会全体の構造改革を推進していく、このことが重要だというふうに思っています。引き続き、全力で取り組んでいきたいと思います。

#157
○田名部匡代君 これ、そのメンバーも、かつて、当時のオリックスの会長である宮内さんが規制改革・民間開放推進会議の議長として一般小売店における医薬品の販売について規制緩和を行ったのは特定企業の利益を図ったためではないかという議論がありました。
 これ、いつも名前が登場しますけれども、竹中平蔵さんについても、これまでも何度も利益相反ではないかという指摘がなされてきました。今回も、パソナが淡路島で農地転用を行う際の基準を緩和するとの話もあったというふうなことも聞いていますけれども、パソナの顧問は竹中平蔵さんなんですね。その竹中さんが民間議員として参加しているというのは、これは私、大問題だというふうに思いますよ。
 やり始めたときには、規制改革しなきゃいけないことはいろいろあったと思います。それは抵抗に遭ってできなかったこともあった、それは民間議員の方々がいい提案もしてきたかもしれない、これ長くやっているうちにだんだんやることなくなって、自分たちのうまみはどこにあるんだろうかというふうになってなかろうかと。
 こういうメンバーが物事を決めるというのは私は問題だと思うし、総理、この民間議員の選定基準というのは一体何なんでしょうか。明確にお答えをいただきたいと思います。

#158
○国務大臣(坂本哲志君) 国家戦略特区諮問会議の有識者議員は、今御指摘になりました竹中議員を含め、経済社会の構造改革の推進による産業の国際協力の強化等に関し優れた識見を有する者を任命し、個別企業の利益ではなく、優れた識見を有するという立場から我が国全体の構造改革のために御意見を賜っているということでありますので、全体の仕組みをどうするかということで、利益相反とか個々人の問題とか、そういうことで指摘されることではないし、非常に透明な論議が行われているというふうに思っております。

#159
○田名部匡代君 やっぱり、これまでも何度もそういう指摘をされていること自体問題じゃないですか。そういう疑いを持たれないような人選をするべきですよ。というか、私はそもそも、人選どころか、必要ないというふうに思っているんですけど。
 私は、何も企業の参入自体がけしからぬというふうに言っているわけではないんです。さっきもありましたけれども、自民党の委員のお話の中にありました、平成二十一年に農地法が改正されて、リース方式で全面解禁されているんですね。企業はリースで農地を借りることができるんですよ。この結果、企業参入数は、平成二十二年の三百八十四法人から平成三十年、三千九百四法人と十倍にもなっているんですね。別に今後ともリース方式で進めていけばいいと思うんですけど、どうですか。

#160
○国務大臣(坂本哲志君) 確かにリース方式が多くなっておりますけれども、国家戦略特区の方針としては、五年間実施をして、そして支障がなければそれは全国展開するという方針になっております。ですから、支障がないことは、五年間でありましたけれども、五年間で証明されましたけれども、果たしてそれが全国展開になった場合にはどうなのかということで二年間の調査をするということであります。
 そういうことで、支障がない、そしてその後の選択肢を広げると、リースであろうと所有であろうと選択肢が広がるというようなことで、所有についての様々な調査をするということにしているところであります。

#161
○田名部匡代君 これは、以前、平成二十八年、石破地方創生大臣、これ養父特区のときの議論、答弁ですけれども、これ、転用、農地転用の話の懸念があるということに対して、転用しなきゃそれでいいのかというと、そういう話じゃなくて、やっぱりこの法律の趣旨に鑑みて、本当に農業の参入者が増えましたか、収益が上がりましたか、農地が有効に利用されていますか。つまり、所有できるといって、さっき言ったように一・六ヘクタール、じゃ雇用はどうなのか、地域の理解はどうなのかというと、そういうことがなかなか難しいから今までもリースで増やしてきたんです。
 農家の方々が、農地転用するんじゃないかとか産業廃棄物置場になるんじゃないかという懸念を持っていることも、この民間議員の方々は知っているんですね。だけども、やっている五年間でそんな事実はないと言うんですよ。当たり前じゃないですか、そんなこと。試している五年間にそんなことが起こったらびっくりしますよ、逆に。
 いや、こういったことも、資料を付けたかどうかももう忘れちゃいましたけど、実際にあるんですね。農地転用して元に戻したところもある、指導してもそのまま放置しているところもある、きちんと指導しようと思ったら所有者がいなくなっちゃった。過去にこういうことがあるから現場の人たちは不安に思っていて、ありもしない取って付けた話をしているわけじゃないんですよ。
 農水省の説明は、私は別に農水省の味方するわけじゃないですけど、民間議員の方々、これはバイアスが掛かっていると、あたかも事実ではないかのような指摘していますけど、大臣、大臣も農水省の説明は事実ではないというふうにお考えですか。

#162
○国務大臣(坂本哲志君) 昨年十一月に行われた規制改革の提案を受けて、経済社会の構造改革の推進による産業競争力の競争、強化に関し優れた識見を有する民間議員も参加する特区の諮問会議の中で農水省の方が説明をいたしました。それにはバイアスが掛かっているんではないかというようなことで民間議員の方が指摘をされまして、十二月の中で指摘をされまして、その指摘に対して、農水省からはそうではないというようなお答えをいただいているところであります。

#163
○田名部匡代君 大臣、農水省の説明について大臣はどう思われたのかと聞いているんです。

#164
○国務大臣(坂本哲志君) もう一度繰り返します。
 昨年十一月に規制改革推進会議のワーキンググループで農水省の説明が事実に反するという指摘が、十二月の国家戦略諮問会議で指摘がありました。それに対しては、その場で農水省の方から説明があったということであります。

#165
○田名部匡代君 いや、答えていないですよ。
 その説明を民間議員はバイアスが掛かっていると。もっとひどい言い方していますよ。説明を聞いて大臣はどう思われたのかと聞いているんです。

#166
○国務大臣(坂本哲志君) 私は、その場で農水省の説明がありました、それに対して民間議員の方々が納得されたというふうに思います。
 ただ、十一月の時点の農水省の説明と、それから十二月の諮問会議の中での、国家戦略特区諮問会議の中での説明が少し食い違っていたのかもしれません。しかし、その場では、農水省の説明に対して民間の諮問委員の方々が了承をされたと、了解をされたと、理解をされたというふうに思っております。

#167
○田名部匡代君 何かよく分からないんですけれど、やっぱり何をもって成功と見るのかという、私がさっき言ったように、一・六ヘクタールを成功と言えるのかというと、全くそうではないと思う。だけど、国家戦略特区は、それを成功と見て全国展開するのがこの法律の趣旨だというふうにおっしゃっているんですね。これまで様々な理由で全国導入が難しかった制度についても、導入が簡単な地域を特区指定して、それでちょっとでも結果が出れば全国展開になるのかと。いや、それが本当に法の趣旨だとすれば、これは再考するべきだというふうに思いますよ。
 農業なんて、じゃ、そこでうまくいったから全国に当てはまると思われますか。それは、総理はよく御存じだと思いますよ、秋田の農家の御出身だということで。こんな養父でやったことが私の地元の青森県でぴったり当てはまりますか。そうじゃないですよね。二年間調査するって、じゃ何を調査されるんですか。

#168
○国務大臣(坂本哲志君) まず、国家戦略特区の成果としては、様々な成果があります。都市公園内に保育所をつくる、そういったものが実現しました。それから、古民家を利用した宿泊施設の旅館業の適用、こういうものがありました。
 そして、今回のことにつきましては、やはり、先ほど言いましたように、農水省としっかりそこは話合いをして、どういう調査項目にするのか、そういうことを話して、政府として調査をしてまいりたい、その中で、どういうニーズがあるのか、どういう問題点が出てくるのか、こういった調査をした上で改めて法案を提出したいというふうに思っております。

#169
○田名部匡代君 もう時間がないので。全く納得してない。
 野上農水大臣、大臣がこのぐらいのことをきちんと伝えてくれなきゃ駄目なんですよ。伝えている、やっぱり政策決定するのは立法府である国会。やっぱり国民のそれぞれの地域の思いを受けてこの場に来ている、それを、民間議員ペーパーがあたかもその国家戦略の全てを決定するかのように、僕らが言ったらあとは、バックに誰が付いてくれているのか知りません、何でも通るだろうと。こんなことは絶対私は許してはならない、間違っていると思いますよ。いろんな声があるんですから、やっぱりそういうことを真摯に受け止めていかなきゃならない。ずっと、ありがとうございます、苦しい、いろんな思いで農地守ってきたんですね。
 もしやるんなら、これ、さっき申し上げたように、食の安全保障の観点で、だったら、どれだけ、自給率上げるためにどれだけの農地を確保するのか、どこで何を作ってもらうのか、動物の餌はどれだけ必要なのか、それはどこで作るのか、そういったことを全部やってからなら分かりますけど、さっき言ったように、転用できちゃうんですよ、所有したら。何に使われるか分からない。
 それがお配りした資料にあったそうであります、最後の方。違法転用というのが三千件も四千件もあるんですから。その事実を受けて、やっぱり農家の皆さんは何かあったらどうするんだろうというふうに心配をされているんです。地域のその集落の皆さんとうまく関係をつくって、そして集落一体で環境を保持したり、そして農地を保全したり、こういうことをやりながら農業をやっていかなかったら、いきなり企業が参入して、自分たちの利益は上がったかもしれないけれど、それで地域が豊かになるなんて、私は全くそうは思いません。
 是非、このことは大臣にも受け止めていただいて、いえ、総理、総理に受け止めてほしいんです。それがやっぱり地域の、改革こそ善というわけでは私はないと思いますよ。守るものは守りながら、でも、その地域みんなを発展させるためにどうするのかということを、是非その視点で物事を考えていただきたいというふうに思います。
 総理、一言お願いします。

#170
○内閣総理大臣(菅義偉君) 食料の安定供給は国家の最も基本的な責務であります。農地、最大限に活用し、国内生産を拡大するには、意欲と能力のある担い手に農地を集約をし、大規模化を図っていく必要があるというふうに思っています。
 そのために、農地バンクを創設をし、リース方式によって農地の集積を促進するとともに、企業による所有権取得の要件をこれ緩和しました。企業の農業参入は農業の活性化のために不可欠だと考えています。株式会社の農地取得を更に容易にした国家戦略特区の措置について、今年度中にニーズと問題点の調査を行い、その結果に基づき全国への適用拡大について調整をしていきます。
 私は、第二次安倍政権の中で、官房長官当時、農業改革、農協法改正、六十年ぶり、森林法改正、漁業法改正、七十年ぶりに行ってきました。それはやはり、そこで働く農村の皆さんのその所得を拡大をしていくためにはそうしたことが必要だと思って取り組んできておるところです。

#171
○田名部匡代君 時間なので終わります。

#172
○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。よろしくお願いいたします。
 現下の最大の懸念であるコロナ対応、これは後ほど同僚の高橋議員からも質問があります。私からは、来週に迫りました日米首脳会談、こちら中心に取り上げたいと思いますが、まずその前に、今日の議題であります令和元年度決算報告に関連しまして、総理に、地方公共団体における情報セキュリティー対策、これと併せて関連省庁の連携についてお尋ねをしたいと思います。
 平成二十七年、二十八年の両年度予算で、地方公共団体の情報セキュリティー対策予算として約二百五十五億円計上をされたところであります。しかし、今般の会計検査院の報告によりますと、多くの地方公共団体でまだ住民情報の流出のおそれがある、またインシデント、重大事故につながるような事件発生した場合の事業者との役割の担当などが不明確であるなど、見られているということであります。
 行政のこのデジタル化の推進に伴いましては、地方公共団体が持つ情報の管理、今後ますます重要であり、さらには情報セキュリティー対策の強化も急務であるというふうに思っております。政府にそれを促すとともに、あわせて、地方公共団体へのこの指導、助言、支援などをめぐりましては関係省庁でどのように連携を図るのか。特に、今年度はデジタル庁創設になります。地方公共団体のシステム構築などもデジタル庁の所管であるわけでありますが、総務省とデジタル庁のこの関係の在り方というものをどのように捉えるのか、まず総理の御見解をいただきたいと思います。

#173
○内閣総理大臣(菅義偉君) 地方公共団体のデジタル化に当たっては、情報セキュリティー人材の確保がこれ極めて重要だというふうに認識をしています。
 そのため、情報セキュリティーに関する基本的な方針を策定するデジタル庁や、地方公共団体との連絡調整を行う総務省の関係省庁としっかり連携をして対応していくことが必要だというふうに思います。
 財政面での支援に加え、研修や、優秀なデジタル人材を国、自治体、民間で行き来させることによって、情報セキュリティー対策の強化、ここをしっかりと支援をしてまいりたいと思います。

#174
○矢倉克夫君 デジタル庁と関係省庁の連携という意味合いでは、最近、COCOA、この関係でも議論があったところであります。また、地方公共団体、今総理から情報セキュリティー、御答弁をいただきました。特に、マイナンバーを軸にした給付業務のこの拡大が見込まれていることであったり、今ワクチン接種、地方自治体進めていただいているんですけど、台帳の情報などの管理や、これ広域化などが進んでいる、こういう面では更に重要性が増しているところであります。しっかり御対応いただきたいと思います。
 そのほか、令和元年度決算報告に当たりましては、例えば企業主導型の保育事業など、これ通常保育だけでなく病児保育や一時預かり保育なども実施する想定で補助金などがこれはなされたわけでありますが、同じく会計検査院の報告によりますと、ほぼ半数の施設が事業を実施していなかった。その理由は、周知がされていなかったというようなこともあったというふうに指摘があったところであります。あわせて、今回の決算の報告に受けて制度の周知というものも政府としてもしっかりと対応をお願いしたい、このことも御要望をさせていただきたいと思います。
 その上で、引き続き経済産業大臣にお伺いをしたいと思います。
 決算の意義のうち、予算の当初目的がしっかり果たされているのかということ、これ検証することも重要である、その関係で、中堅企業を含む中小企業の資金繰りについてお尋ねをしたいと思います。
 企業の資金繰り支援、このコロナの状況下で無利子無担保の予算枠、これが設定をされております。政府系やまた民間の金融機関などで、今、融資決定実績は、令和三年一、二月時点で計百八十五万件、三十兆円ほどというふうに私理解をしております。
 ただ、中小企業庁によりますと、その多く、大体六割が据置期間がこの一年間ということでありまして、融資のピークが昨年の五月であることを想定すると、この六月ぐらいから元本の返済が始まるというふうに理解をしているところであります。
 御案内のとおり、災害時の融資というのは、この毀損した生産設備、これを復旧するということで一回きりの融資でも効果はあるわけでありますが、このコロナの状況下で融資はそれとは異なって、とにかく融資をこうつないでいって、つないでいってコロナ前の状態を保持していく、そのためのつなぎというのが非常に重要で、運転資金の枯渇をなくすというのが重要であるというふうに思っております。現状は、まだ運転資金の大きい中堅企業を含めて大変な環境で、一回だけのこの融資というだけでは政策目的というのはこれ達していないというふうに理解もしております。
 その上で、政府として是非、中堅企業を含む中小企業全体の資金繰り、全力を挙げていただきたいと思いますが、経済産業大臣から現在の方針を答弁いただければと思います。

#175
○国務大臣(梶山弘志君) 委員御指摘のように、新型コロナ感染症が長期化する中で、中小企業のみならず、コロナ禍により深刻な影響を受けている飲食・宿泊業者を中心とした中堅・大企業に対しても資金繰り支援を行う必要性が高まってきているということであります。
 三月二十三日に、関係省庁において、新型コロナの影響を受けている飲食、宿泊等の企業向けの金融支援等についてという支援策パッケージを取りまとめ、公表をいたしました。
 具体的には、中堅企業向け支援として、民間と協調して融資を行うという原則を一時停止することにより政府系金融機関が単独でも積極的に支援を行うこと、財務基盤強化のための支援を強化するため資本性劣後ローンの金利水準を当初三年間一%程度とすること、金融機関側が審査に要する期間を原則一か月程度に短縮することなどに取り組むこととしておりまして、私からは、商工中金に対して対応に万全を期すように直接指示を行ったところであります。
 引き続き、関係省庁とも連携しながら、中堅企業も含めた中小企業の資金繰り支援に万全を期してまいりたいと考えております。

#176
○矢倉克夫君 是非、今この環境下で必死になって頑張っている中堅企業を含めた中小企業への資金繰り、全力で応援をしていただきたいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。
 あわせて、続いて、もう一つ決算の意義である施策効果のデータに基づく検証という観点から、インフラ整備が及ぼす減災効果の検証について、国土交通大臣にお伺いをしたいと思います。
 パネルを御覧いただきたいと思います。(資料提示)
 こちら、以前、予算委員会でも私、掲げたことがあるものですけど、土木学会作成による、阪神・淡路大震災の後、二十年を踏まえた災害被害の全容であります。ここにありますように、災害が、被害が起きると、直接被害だけではなくて間接被害というものもあり、それによってGDPが大きく毀損をされるわけであります。このモデルの下、大きな災害が起きたときの被害額を示したのがパネル二であります。
 ただ、他方で、このパネル二からは減災額とか減災率というような項目がある、そこを見ていただけると分かりますように、適切な対処をすれば相当程度の減災効果というのはこれ見込まれる、つまり適切なインフラ投資の投資効率というのは非常に高いということであります。
 その上で、改めて、必要なインフラ投資は次世代に残す資産であると、この観点から、三か年緊急対策に引き続いて、昨年、公明党が主導もし、五か年の、五年の十五兆円の予算計上される見込みでありますが、これに限らず、一般論としてインフラ整備が及ぼす減災効果につきまして、このパネルにあるようなモデルなども使いながら、国としてもっとしっかり検証を継続をしていただいて今後の財政出動に生かすべきと考えますが、国土交通大臣の御所見をいただければと思います。

#177
○国務大臣(赤羽一嘉君) 今、矢倉委員の御指摘のとおりだというふうに私も思っておりますが、激甚災害が今、我が国ではいつどこで起こっても全く不思議ではないと、そういう状況にあるということは中央防災会議でも発表しているところでございます。一たび激甚災害が起これば、人的災害、資産の災害のみならず、示されたように経済災害も大変少なくないと、大きいものがございます。
 それに対して公共インフラ対策が効果があるというのは、皆肌合いとしてはよく実感をしているわけでありますが、それがいつ、災害がいつ発生するかが不透明ですから、その切迫度合いが低いですとか、対策へそれほどコストを掛けること、なかなか理解を得るというのが非常に難しい、こういう状況があるわけでございます。
 えてして、災害が発生してからその重要性というのが認識されるということが間々ありまして、令和元年度の東日本台風でも、八ツ場ダムがあったということで利根川の氾濫が防げたですとか、また平成三十年の西日本台風では、倉敷市真備町で浸水想定区域どおりの洪水になってしまって千二百ヘクタールで四千百世帯が浸水をしたと、まさにハザードマップの重要性というものが改めてそのときに認識をされたと、こうしたことが繰り返されてきたわけでございます。
 そういう意味では、事前防災の必要性について国民の皆様の理解をどう得れるかと、これが非常に我々としては大事だというふうに思っておりまして、一つは、その対策の見える化、進捗の見える化ということが大事だと。
 今年度から、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策、これ十五兆円の規模でございますが、百二十三の対策、これもう明確にしておりまして、一つは、風水害、また大震災への抜本的、総合的な対策として七十八対策、十二・三兆円、またインフラの老朽化対策で二十一対策、二・七兆円、そしてデジタル化というのも入っておりまして、二十四対策で〇・二兆円と。こうしたものをはっきりと掲げて、それがどのように効果が出ているのかということもしっかりお伝えをしていきたいと、こう思います。
 中でも治水対策は、これまででなく、流域治水ということで、本川、支川、また上流から下流まで関わる市町村と県と国、また地域の企業と地域住民の皆さんが協議会をつくって、一級水系百九全てで流域治水プロジェクトを策定したところでございますので、これ、地元の関わる人が皆さんよく理解をした上で計画を立てて、この中長期的な計画をしっかりと着実に実施をしていくと、こうしたことが大事だというふうに思っておりますし、三か年対策で入っていなかったインフラの老朽化対策、この老朽化も非常に深刻でございまして、例えば橋については、築五十年が全体で今約三割でありますが、十年後には五五%が築五十年という老朽化が進むということでありまして、これ事前対策、事後対策、その効果というものは明らかに違うということでございます。
 加えて、ハードだけではなくて、やはり先ほど申し上げましたハザードマップを分かりやすくして、やはり防災意識を高めていくということですとか、また、公明党の山口代表からの提案で実施をさせていただきましたが、気象台のOB、OGの皆さんを気象防災アドバイザーに任命させていただいて、その方たちが地域の自治体に行って、そして地域の防災力も向上すると。
 ハードとソフトの両面にわたる防災・減災対策をするということ、まさに防災・減災が主流となる社会をつくっていくということが大事だと思いますので、こうしたことはしっかりと説明を果たしながら御理解をいただけるように対応していきたいと、こう考えております。

#178
○矢倉克夫君 防災・減災が主流、まさにそれを未来に残す資産として、是非大臣のリーダーシップでお願いをしたいと思います。
 続きまして、冒頭申し上げましたとおり、日米首脳会談を前に、総理始め皆様に御質問をしたいと思います。
 まず、ミャンマーや拉致問題など、この人権をめぐる状況についての対応を総理にお伺いをいたします。
 ミャンマー、私も平和の象徴としてのヨウコウザクラの植樹などのイベント、植林なども関わったこともあるんですけど、今の深刻な事態、本当に心が痛いですし、人権上看過ができない状態であります。
 国家や政府の都合で奪われていい生命など全く存在しない、これを強く訴えた上で、日本は戦後七十五年以上平和主義を掲げて、武力による威嚇、これを徹底して否定をしてきた、そういう日本だからこそ、積極的に人権をめぐる国際議論、効果的にリードをしていただきたいと思っております。
 ミャンマーを含めたこの人権をめぐる国際情勢に日本としてどのような方針で臨まれるのか伺うとともに、もう一つ、あわせて、我が国にとって本当に解決すべき人権問題の最たる問題の一つが拉致問題であります。今次訪米においてどのような御意向で、バイデン大統領、これを伝えるのか、米国の関与を求めていくのか。戦略的忍耐というものに逆戻りさせてはいけないと思います。
 拉致の即時解決に向けた両首脳の結束した意思というのを国際社会に示していただくとともに、北朝鮮も今、瀬戸際外交という兆しもある。単なる制裁強化というのではなく、やはり中国も巻き込んだ関係国との連携、この解決に向けた連携の道筋というものをしっかり描いていくべきと考えますが、総理の御見解をお伺いいたします。

#179
○内閣総理大臣(菅義偉君) 我が国としては、国際社会における普遍的価値であるという基本的人権、さらには法の支配、そうしたことはいかなる国においても保障されるものだというふうに考えています。それが基本的な考え方であります。
 そういう中で、我が国として、この拉致問題でありますけれども、日朝平壌宣言に基づいて、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決をして、不幸な過去を清算をして国交正常化を目指すという考えに変わりはありません。
 また、拉致問題は私の政権の最重要な課題であります。現時点で日米首脳会談のやり取りについて予断すべきでありませんけれども、こうした立場を踏まえつつ、拉致問題を含む諸懸案の解決に向け、米国や中国を含む関係国との緊密な連携、こうしたものを図っていきたい、こういうふうに思っています。

#180
○矢倉克夫君 この人権の問題、どういうふうに解決していくか。これ、為政者個人に対する標的というのも、象徴的な意味合いもありますが、効果としては限定的な部分もあるかもしれませんが、最終的にはどうやってこれをやめさせるか、応じざるを得ないような環境をつくるのか。例えば貿易管理というものもありますし、ドイツなどは自国域内の企業に対して人権抑圧に絡んでいるような取引がないかチェックをすると、こういうような規則を作るように動いているようであります。こういったことも参考にしていただきたいというふうに思っています。
 改めて、人権一般についてですけど、全ての国に人権を守る義務があり、これは普遍的な規範であります。ミャンマーだけでなく、日本の近隣諸国も含めて全ての国はこの規範の下にある、これは過去の歴史からの教訓であるということを改めて強くお訴えをしたいというふうに思っております。
 さて、引き続いて、日米首脳会談に関係しますけど、今回、中国との関係をいかに取るか、その認識のすり合わせがまた重要な課題というふうに、議題というふうに思っております。
 先日の2プラス2、日米の外務大臣、防衛大臣のこの会談においては、ルールに基づく国際秩序というのが言及をされました。ルールというものは意味はあると思いますけど、一つは、国際社会の一員として認められるための最低基準の規範でありまして、もめ事の泥沼化を防ぐ客観的な基準としての機能も有している。
 私も、中国のレアアース輸出規制の際に、日本が勝訴したWTOにおける紛争チームの一員として関わらせていただきまして、アメリカとかヨーロッパなどとの連携にも深く関わったわけでありますけど、あのときには、最終的には、勝訴の結果を受けて二〇一五年に中国は輸出規制措置をこれ撤廃をしたわけであります。この経験から、改めて、ルールに基づく冷静な議論と、そしてルールを土台にした国際的な連携というのが重要であると理解もいたしました。
 その関係でお伺いしたいのが、中国のこの動きに関しての中国海警法についてであります。外務大臣にお伺いしたいと思います。
 国際法に基づく客観的なルールとしてこれは捉えることが必要であります。例えば同法の二十二条、これは海警機構などが武器使用を認めているその管轄権の定義などが曖昧など、例えば国際ルール、特に国連海洋法条約の関係などでもやはり問題は大きいというふうに私は考えております。
 政府として今後どのように、どのような場でこの海警法の問題を強く訴えていくのか、外務大臣からの所見をいただきたいと思います。

#181
○国務大臣(茂木敏充君) まず、ルールにのっとって行動すると。基本的には、矢倉委員おっしゃるように、国際法であり、それが場合によっては国際海洋法条約であったりとか通商の世界ではWTOと。
 二〇一五年、確かに勝訴しております。ただ、その後、その結果を相手側がきちんと守っているか、こういったことも担保をしていかなけりゃいけないと、このように考えております。
 その上で、お尋ねの中国海警法についてでありますが、議員御指摘のとおり、海警法、曖昧な適用海域、さらには武器使用権限等、国際法との整合性の観点から問題ある規定が含まれており、我が国を含みます関係国の正当な権益を損なうことがあってはならないと、このように今考えております。
 中国海警法によりまして、東シナ海、南シナ海などの海域において緊張が高まること、全く受け入れられないと考えておりまして、こうした我が国の強い懸念、中国側に対して引き続きしっかりと伝えていきたいと思っております。
 日本が伝えるだけではなくて、当然こういった認識については先日も日米の2プラス2でも確認しておりますし、日米間、さらにはG7の場、そして、ASEANを含む関係国等々としっかり連携しながら、働きかけを強めていきたいと思っております。

#182
○矢倉克夫君 大臣、冒頭、先ほどおっしゃった担保のためには、やはり連携の強化の枠組み作るというのは非常に重要かというふうに思います。今回の訪米も、是非その契機にしていただきたいと思います。
 あわせて、もう一つルールの意味、これは新しい秩序を作っていく基準であって、ルール作りを共有することで、関係国も共通の目的観に立ってまた連携していく、こういう基盤でもあるというふうに思っています。
 今回、米中にとっては、一つはそのフィールドは気候変動対策だというふうに理解もしております。アメリカも、この分野で中国との協力明言しているわけでありますが、総理にお伺いしたいと思うんですけど、日本にはこのルール創造の関係としての米中をつなげていく役割もあると考えておりますが、それへの御所見とともに、今回の訪米を機に、日米で共同して、今、中国は温室効果ガス排出世界一位であります。その中国に対して、一層の取組を促していただきたい。中国は自国の温室効果ガス削減の絶対値まだ示していないわけであります。
 是非、日本と同様の目的である二〇五〇年までに実質カーボンニュートラル実現、これを促していただきたいというふうに思いますが、総理の御所見をいただきたいと思います。

#183
○内閣総理大臣(菅義偉君) まず、日本で二〇五〇年カーボンニュートラル、こうした高い目標を掲げたことで、今回初めての首脳会談になるわけであります。そこの中で、当然気候変動というのは大きな課題として議論をしたいと、このように思っています。そして、日米で、できればこの気候変動、このことはリードしていきたい、こういうふうに思っています。
 中国でありますけれども、今委員から御指摘ありましたように、気候変動問題を始めとした国際社会が直面する課題、こうしたことについては、団結した世界を実現することが可能だというふうに思います。
 気候変動の問題の対応について、世界最大の温室効果ガス排出国である中国による取組というのはこれ不可欠でありますので、そうした中で、バイデン政権と緊密な協力を進めて、同時にこの脱炭素社会実現に向けた取組を含めて、中国が大国としての責任を果たすと、そうしたことができるように働きかけを行っていきたいというふうに思います。
 こうした取組を通じて、米中を含む世界各国との連携を深めながら、この世界の脱炭素化を前進させる、そういう思いであります。

#184
○矢倉克夫君 是非、総理のリーダーシップで引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 あと、報道によりますと、経済安全保障の関係で少し、日米首脳会談ではレアアースの供給網確保も議題になるという報道もありました。もしそうであれば、これ経済安全保障という観点からも、防衛にも影響するところであり、是非進めていただきたいと思っております。
 この経済安全保障をめぐって最近特にこれ課題になっているのは、中国やまたアメリカ双方が、お互いの特定企業向け輸出だったり、また特定品目の輸出を禁止する措置、これ発動し合っている点であります。背景には、軍民融合、いわゆる民生技術が軍事転用されるこの状況下にあって、技術の囲い込みというのが言われているところであります。
 特に、今、米中双方の動きは、日本を含めた第三国経由、これの輸出も対象にしているという点で日本企業にも影響が出る可能性があり、実際出ているところはあります。それに対して、経済産業大臣に、政府としてどのように対応されるのか、お伺いをしたいと思います。

#185
○国務大臣(梶山弘志君) 米中によります輸出管理強化の下で、産業界からは米中の板挟みになるとの懸念の声が上がっていると承知をしております。
 昨年十一月、私から、海外市場におけるビジネスが阻害されることのないよう備えていただくとともに、過度な萎縮は不要であること、経済産業省が前面に立ってサポートしていくことを発信をさせていただきました。その後も、こういった観点から、産業界との対話というものをしっかりと重ねているところであります。
 経済産業省としては、引き続き、産業界に対し、米中の動向を始め最新の情報をタイムリーに共有をしていく、また、懸念を抱える企業から相談には積極的に対応してまいりたいと考えております。また、我が国と同様に米中両国による輸出管理で影響を受ける欧州、EU諸国等との連携も含めて、関係国との対話等を通じて、引き続き、日本企業の事業環境の維持向上に努めてまいりたいと考えております。

#186
○矢倉克夫君 ありがとうございます。是非、産業界とも連携して、また、これについても、EUなどが第三国が法令を域外適用してきた場合の、それに対してのある意味措置を可能にする規則を作るなど、なかなかしたたかな動きをしているという情報も入ってまいりました。他国の一方的措置によって我が国企業が損失被らないように是非細心の対応をお願いしたいと思います。
 関連して、要望だけしておきたいのが、半導体とかポスト5G、これを含む通信技術、こういった先端機微技術、これらについても同じような特に懸念もある中にあって、やはりこの分野における更なる技術力の向上を日本が図るということは、今の複雑な環境下においての立ち位置明確にする上でも、また、今後特にこういう部分の平和的な利用をしっかり主導していくこの日本の立ち位置をつくる上でも、やはり重要かと思います。経済産業省の方で様々な予算組まれているというふうに理解もしておりますが、こういうポスト5Gとか先端半導体の技術に関する予算というのもしっかり拡充をお願いしたいと思っております。
 あわせて、また気候変動にちょっと戻らせていただきます。
 総理にお伺いしたいと思いますが、総理のリーダーシップで二〇五〇年までに実質カーボンニュートラル実現、公明党も連立協定の下でそのような趣旨の下、入れ込ませていただいています、進んでいることを改めて感謝を申し上げるとともに、今後の政治スケジュール見ると、首脳会談の後には四月に気候変動サミットがあって、六月にイギリスを議長にしたG7サミットがあって、それで秋にはCOP26がこれあるわけであり、どういうタイミングで日本としてしっかり野心度ある目標を掲げていくか、今後の日本の議論をリードする上でもやはり重要かなというふうに、特に二〇三〇年までの国別の温室効果ガス目標、こちらについてしっかり野心度ある発信をしていく必要はあるかというふうに思っております。
 総理は、これ、今まではCOPまでに示すというふうによく発信をされていらっしゃいましたが、やはりアメリカも政権交代をして、世界の動きも相当加速度的に速くなっているので、より早いタイミングでしっかりと日本の方針を定めなければいけないと思っております。
 例えば、四月の気候変動サミットもあり、その後もあるわけでありますけど、できる限り早いタイミングで野心的なものを掲げるべきと考えますが、総理の御所見をお伺いしたいと思います。

#187
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今委員から御指摘がありましたように、日米首脳会談、そして米国主催のこの気候変動のサミット、これ四月二十二日ですから、そして六月にはサミット。そうしたことの日程を考えたときに、やはり目標というものを明確にそれぞれの世界がしてくると思いますので、今委員から御指摘ありましたように、できるだけ早くという、そういうことの中で考えていきたいと思います。

#188
○矢倉克夫君 恐らくアメリカも今の動きの中では相当早いタイミングで出してくると思います。アメリカと日本でしっかり共同歩調を取って、世界を大きく、この方向性を示していくというリーダーシップを図る上でも、是非、今の総理の御決意のままに早い段階でお示しをいただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 要望をもう一つだけ。これはCOPに向けた要望になるんですけど、小泉環境大臣、気候変動担当大臣、COPの交渉という形で絡むかと思いますが、特に、やはり国別の目標というのは、それぞれ基本は各国のエネルギー政策事情に左右されるものでありまして、有利な条件にある者がどうしてもそうでない者を批判するという、そういう構図にも陥りがちなところもある。
 これはこれで非常に大事なんですけど、やっぱり地球的な問題なので、地球的にどれぐらい削減したかという、その貢献度もしっかり測る。日本が強みを持っている他国の温室効果ガスを削減したということがちゃんと評価されるようなルールを作っていくというのも、ルールメークという上では非常に重要だと思いますので、それは是非お願いをしたいというふうに思っております。
 続いて、ちょっと時間があれですが、同じく気候変動対策、こちらについては今度国内の関係で、ちょっと端的に経済産業大臣にお伺いもしたいと思うんですが、この温暖化対策を国際的な約束を守るという文脈だけで捉えてしまうのはやはり足りない部分はあるかなと。この機会にしっかりと産業構造を変革して、やはり日本のエネルギー構造、やっぱり自給社会をつくっていく大戦略として位置付けていかなければいけないと思います。
 その鍵がやはり再生可能エネルギーでして、やはり地域にある資源からエネルギーを生んで、輸入に頼らない自給自足の社会をつくっていく。そのためには、地域に密着したやはり小規模だけどアイデアにあふれたスタートアップの企業や、地域密着のプロジェクトなど、こういうのをしっかり支えなきゃいけないと思っています。
 政府の二兆円のファンド、これは重要でありますけど、やはり事業の目安が二百億規模という大きなものになってしまうと、どうしても既存の企業のプロジェクトというものに集中しがちであって、新しいアイデアがあるものに対しての、本来であればなかなか金融が回らないようなところもこの機会にしっかりと回るという流れになるかどうかというのは非常に懸念がある。
 その辺りについて、大臣としては、そういうところまでしっかりお金を回すものとして設計するということを御検討いただきたいと思いますが、御見解いただければと思います。

#189
○国務大臣(梶山弘志君) まず、二〇五〇年のカーボンニュートラルに向けては、再生可能エネルギーを最大限導入していくという前提で、さらにまた、技術開発、イノベーションを進めていくということでこの基金を創設をさせていただいたということであります。
 今委員がおっしゃるように、高い技術を、技術力を持つスタートアップ、また、新たな産業をつくり出していく可能性を秘めておりまして、デジタル分野等の特に活躍が見込まれる領域において積極的に参画を促していくことが有効であると考えています。
 こうした観点を踏まえて、スタートアップ等との効果的な連携を採択審査の加点措置により優遇をすること、二百億円という想定規模にかかわらず、必要に応じて小規模なプロジェクトを柔軟に組成をすること、そして開発テーマを分割して公募すること、他のスタートアップ支援策により開発された技術シーズを本基金で事業規模拡大につなげていくこと等によって、スタートアップ等の幅広い主体がプロジェクトに参画しやすいようにしてまいりたいと思っております。
 これら柔軟な制度運用により本基金を効果的、効率的に活用してまいりたいと思っておりますし、しっかりとそれらの活動をよく見た上で柔軟な運用をしてまいりたいと考えております。

#190
○矢倉克夫君 是非、これはもうオールジャパンで、いろんな関係者が関われるような枠組みに是非していただきたいと。
 あと、もう一点だけ、要望では、やっぱり国民がしっかりと関われるような、とりわけ、例えば、行動変容に取り組む国民の皆様に対してのポイント還元制度とか、やっぱり国民の皆様も参加できるような枠組みというものも、是非これはまた省庁一括して、縦割りもなくして、しっかり検討をいただきたいというふうに思っております。
 あわせて、最後、日米首脳会談という点ではここで一旦終わらせていただいて、是非、総理には、アメリカとのこの世界に向けた立ち位置というのを確認いただく機会に是非していただきたいことを御要望したいというふうに思います。
 続きまして、また総理にお伺いしたいと思うんですが、今度は中間層への支援拡大に向けた点についてお尋ねをいたしたいと思います。
 昨年、総理も御出席くださいました公明党の党大会におきまして、石井啓一幹事長は、弱者を生まない政治を目指すと表明して中間層支援に言及されました。私も委員長を務めている青年委員会が、昨年八月に当時の安倍総理に青年政策二〇二〇、申入れしたんですけど、最重点課題は中間層への力強い支援であります。
 多くの若い層と話をして感じたことは、低所得の方のみならず、中間層と言われている方も、所得の多寡にかかわらず、所得が伸びるその上昇を上回るペースで負担が増えてしまう、それとともに、病気や事故などが起きたらやはりいつでも誰でも弱者になってしまうという、こういう強烈な不安を持っているという点でありました。特にまた、行政からその上ではサービスを提供、なかなか行き渡っていないというような不信感というものもある。これを放置すると社会の分断につながるというふうに思っております。
 公明党は、同じく党大会で、つながり、支え合う社会を目指すと、これ掲げましたが、これは、こういった中間層の方々を負担する側だけにとどめるのではなくて、幅広くサービスを受ける側に取り込むことでみんながみんなのために納得して負担し合えるような、そういう社会をつくっていこうという趣旨もございます。
 そのためにも、教育や、また医療や介護や住まいなど生きていくために必要な分野をこれ徐々に無償化していく、この手始めというわけではないですけど、奨学金の所得制限を緩和するなどいろいろあると思いますが、具体としてというよりは理念として、こういう無償化の範囲を拡大も含めた中間層の支援というものに対しての総理の御決意をお伺いしたいと思います。

#191
○内閣総理大臣(菅義偉君) 矢倉議員が中心となって取りまとめた、昨年八月に安倍前総理に提言をいただいた青年政策二〇二〇にありますように、中間層が豊かさを実感できる社会の構築、ここは極めて重要だという認識をしています。
 まず、その提言もあるように、強い経済をつくり上げ、賃上げを通じて皆さんの所得を引き上げていきたいというふうに思います。政権交代以来、毎年二%前後の賃上げを実現をしてきております。新型コロナの中でも、例えば直近の上場企業の経常利益は平均で前年を約二割上回っており、今年も賃上げの流れが継続できるように経済界に要請をしています。
 その上で、御指摘をいただいていますこの公平感、こうしたものを持っていただくためには、社会保障や教育サービスを幅広く行き渡らせ、負担も公平に行っていただく、このことが大事だというふうに思います。
 これまで社会保障は給付の七割は高齢者向けでありましたが、消費税の財源を約二兆円使って、若者に思い切った投資をするため、幼児教育や大学の無償化を安倍政権の中で進めました。
 一方で、現役世代と高齢者で負担を分かち合うために後期高齢者の医療費を二割負担を導入する、こうした改革というのをしっかり説明しながらこれからも進めていきたい、このように考えます。

#192
○矢倉克夫君 是非、若い人たちがやっぱり元気である、あしたはもっと良くなると、こういうふうに思えるような環境、それが社会の基盤になって全ての世代の希望になるという点があります。総理の今の御決意のままに、引き続き我々も連携していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 もう一つ、今、若い層との関係でちょっとパネルを御覧いただきたいと思うんですけど、引き続きの青年委員会で大変恐縮ですけど、一昨年来、私たち、若者との対話運動を繰り返して多くの声を受けてまいりました。特に声の大きかったうち、幅広い世代に関わるような声として拾ったのがこのパネルに書いてある項目、五項目になります。
 公明党青年委員会、この三月より、ボイスアクション二〇二一と題しまして、これら五つの政策からいいねと思うような政策を若者に選んでもらう政策アンケートを、これ運動を展開、今のところオンラインでありますが、コロナの状況が許せば、政治家と一体となって、街頭でボードを持ってしっかりとアンケート活動をするという関係になっております。今の時点で、十万、二十万ぐらいの声は既にいただいているところであります。
 こういう活動は、有識者の方からは、やはり若者が自ら上げた声が実現できたという、この実感につながる、これはやはり政治意欲を高めて若者の社会参画を促す、未来の民主主義をつくる動きだという声もいただいたり、また主権者教育という意味でも重要だというような声もいただいたところであります。
 総理に、こういう若い人たちの声を政治家が一体となってしっかりと拾い上げていく、こういう運動についての評価と、あと若者が政治行政に主体的に参加する意義をお伺いするとともに、あわせて、行政の審議会など、こういうところに積極的に若者を登用していく、この意思形成の過程にも若い人が入っていくということが、主権者教育だけではなくて未来の民主主義をつくる上でも重要と考えますが、総理の御所見をいただければと思います。

#193
○内閣総理大臣(菅義偉君) ネット上で若者の意見を聞きながら若い世代の方々に政治に参加していただく取組というのは、極めて大事だというふうに思います。それと同時に、参画、参加をして、自分たちが要請をしたものが実現をしていく、そのことが大事だというふうに思います。
 私自身、総理に就任して以来、携帯電話料金の引下げ、不妊治療など子育て支援、気候変動問題、デジタル化など、長年指摘されてきた課題に取り組んでいるわけでありますけれども、今の若い世代に大きく関わる、関わりのある政策だというふうに思っています。そういう中で、こうした政策を分かりやすく発信をして若い世代の方々に関心を持ってもらえるように、ここは常に努力しなきゃならないと思っています。
 今御指摘をいただきました政策を決定する、また様々な意見を聞く審議会などに若い世代の方々に御参加をいただき、その意見もしっかり反映をさせていく、こうしたことは大事だというふうに思っていますので、その委員構成にも配慮していきたいと、このように思います。

#194
○矢倉克夫君 総理、ありがとうございます。是非、若者の社会参画、お願いしたいと思います。
 最後、一点だけ、質問したかった核兵器について、これも私の埼玉の地元の中学校の子供たちから手紙をいただきまして、印象的だったのは、核は廃絶できるんだという、この力強さであります。やはり、これは未来からの啓示であるというふうに思っております。
 様々課題のあるところではありますが、政治家は若い人たちから未来を担わせて、教えていただいているという理念で、この問題についても、我々としても核廃絶に向けてしっかりと頑張りたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げて、私からの質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

#195
○委員長(野村哲郎君) 関連質疑を許します。高橋光男君。

#196
○高橋光男君 公明党の高橋光男です。
 本日は、参議院の伝統の決算委での質問の機会をいただき、ありがとうございます。早速質問に入らせていただきます。
   〔委員長退席、理事古賀友一郎君着席〕
 まず、令和元年度決算に関し、政府開発援助、ODA予算についてお伺いします。
 資料一、パネル一を御覧ください。(資料提示)
 これは、令和元年、二〇一九年まで十年間の二国間ODAの予算の推移を示した表です。言わばODA十年の決算です。御覧のとおり、最新の年度で、経済インフラ分野は五三・一%、保健分野を含む人間の基礎生活分野は二七・一%と、この差が過去最大になりました。
 注目すべきは、十年前は基礎生活分野の方が多かったのが逆転し、その差がどんどん広がっていることです。保健分野は二・五%、水、衛生などの関連支援も含めて僅か八・六%です。人道支援も三・四%しかありません。
 コロナ禍の中、そもそも日本人技術者が渡航困難ですので、経済インフラの事業の実施は難しいはずです。また、国民の税金を使ったODAの適正な執行のためには事後の検査が不可欠ですけれども、令和元年度の海外会計実地検査は前年の半分以下、僅か四件だけでした。これは、コロナ禍の影響で海外渡航自体ができなかったためです。一方において、途上国では保健分野など人間の安全保障が危機的状況です。
 そうした中、公明党の働きかけで、日本は途上国向け国際的なワクチン支援枠組み、いわゆるCOVAXファシリティーへの参加を決めました。しかし、日本の拠出は二億米ドル、アメリカの二十五億米ドルの十分の一以下です。しかも、変異株発生や接種対象人口が二割から三割に増えたため、資金ギャップが約二十億ドルに膨れ上がっています。
 シリア、ミャンマーなどの人道危機下の人々にも公平なワクチン支援が必要です。今こそ、我が国として追加の資金的貢献をちゅうちょなく行い、来月のグローバルヘルスサミットなどで私は表明すべきだと考えます。保健分野は、多くの日本企業が貢献できる分野でもございます。総理も、昨年十二月の経済財政諮問会議において、保健分野へのODAの積極的活用による国際貢献を検討するように御指示をされたと承知しております。
 茂木大臣、是非、保健分野を今後五年で倍増させるなど、また同時に人道支援も拡充させるなどして、人間の基礎生活分野へのODAの抜本的拡充を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。

#197
○国務大臣(茂木敏充君) 我が国は、人間の安全保障を確保する上で不可欠な分野として、これまでも保健、そして人道を含みます基礎生活分野の取組を重視をしてまいりました。どうしても分け方でいいますと経済インフラであったりとか保健と、こうなるんですが、もちろんこの経済インフラにつきましても、それぞれの国での国民の生活の向上につながる分野で、そういったものも多くあるとは思っております。
 その上で、御指摘のとおり、新型コロナの拡大、これは人間の安全保障の危機でありまして、我が国は医療保健体制が脆弱な途上国に対する二国間、そしてまた国際機関経由の支援によりまして、保健医療システム強化のための取組、これまで例えば借款であったりですと三か月ぐらい交換公文やるのに掛かったりしたんですが、これを三分の一、一か月に縮める、これまでにないスピードで支援を実施してきているところであります。
 また、途上国も含めましたワクチンへの公平なアクセスと、この確保は極めて重要だと考えておりまして、これがなければ、仮に先進国でこの新型コロナ収束したとしても、またどこからから世界的な拡大と、これが起こる懸念も残るわけであります。そのために、COVAXファシリティーなど国際的な枠組みに対して、その創設、中心的な役割担ってまいりました。今、二億ドル拠出をいたしております。当然、財務省とも今後調整をさせていただく必要はあると思います。今後、更なる貢献に向けて、日本としてどういうことができるかしっかり考えていきたいと思っております。
 また、こういった多国間の枠組み、これを補完するために、日本の経験であったりとか強みと、こういったものも生かしながら、ワクチンをその国に届けても最終的に一人一人に接種しなきゃなりませんから、保冷設備であったりとか運搬手段も含めて、ラストワンマイルの支援、こういったことにも日本の強み生かしてしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
 途上国は、経済インフラから保健、人道を含みます基礎生活分野まで様々な課題抱えております。まずは、それぞれの国に対する現場のニーズと、こういったものをしっかりくみ上げて、それに対応した支援というものを充実していきたいと思っております。

#198
○高橋光男君 是非よろしくお願いします。
 一方、国内でもコロナへの対応がまさに正念場でございます。本日から、まん延防止等重点措置が地元兵庫県でも神戸市など四市で適用されました。
 緊急事態宣言が解除された三月十八日の議院運営委員会で、私は総理に対し、神戸の経験を生かした変異株対策を要望し、政府はオールジャパンで取り組むとお答えになられました。
 そこで、まずお伺いします。
 そもそも、変異株の感染力でございますが、従来のコロナウイルスと比較してどうなのでしょうか。また、変異株の重症化率、死亡率等の把握はどこが行っていますか、お答え願います。

#199
○副大臣(山本博司君) 委員お尋ねの変異株の性質につきましては、英国、南アフリカ、ブラジルから報告されている変異株にはいずれも従来よりも感染しやすい可能性があると指摘されておりまして、また、英国や南アフリカのものにつきましては重症化しやすい可能性も示唆されております。加えて、南アフリカ、ブラジルから報告されている変異株の例を含め、免疫やワクチンの効果を低下させる可能性がある変異についても報告されております。
 この変異株につきましては、国立感染症研究所を中心に国内外の様々な情報を収集しているところでございまして、引き続き科学的知見を積み上げてまいりたいと思います。

#200
○高橋光男君 公明党はこれまで、国立感染研だけでなく、国立国際医療センター、また国立衛生研究所、熱帯医学研究所、長崎大学などの関係機関との連携強化を要請してきました。現状はどうなっているのでしょうか。

#201
○国務大臣(田村憲久君) おっしゃられますとおり、国立感染症研究所また国立国際医療研究センター等々、連携していくこと大変重要だというふうに考えております。
   〔理事古賀友一郎君退席、委員長着席〕
 例えば、この臨床情報でありますとか、それから様々な情報が集まってくるわけで、検体等々をこの国立感染症研究所またNCGM等々がやはり分析、解析をしながら、例えば治療薬の開発でありますとかワクチンでありますとか、こういうものをしっかり開発していくこと、大変重要であると思いますし、一方で、今おっしゃられました長崎大学とも、これ、国際保健人材を育成するのにNCGM、大変なこれ連携をしておりまして、サテライトのいろんな勉強の場といいますか、そういうものをつくっていただきながらいろんな協力をする中で、世界にもそういう人材が今活躍をいただいておるということでありますし、さらには、ネルフィナビル等々の医薬品のこれ臨床を今やっていただいております。これ、厚生科学研究でやっておったんですけれども、これを今度またAMEDの方の研究事業の方で支援をいただくということ等々、今言われたいろんな機関等と連携しながら、いろいろな研究調査、こういうものをしっかりやっていくことが大変重要だというふうに考えておりますので、委員のおっしゃるとおり、これからもしっかりと連携を進めてまいりたいというふうに考えております。

#202
○高橋光男君 次に、この資料二、パネル二を御覧ください。これは、二月中旬から三月中旬までの一か月間の神戸市内の変異株の確認状況と病床の逼迫状況を示したものです。
 まず、線グラフを御覧ください。青線が新規陽性者数です。一週間当たり五十人から百五十四人に増加しています。一方、黄色の線は変異株の確認数です。七人から六十九人に増えています。下の紫色にございますように、神戸では新規感染者のうち六割から七割の変異株検査を行っており、全国トップクラスです。
 次に、帯グラフです。これは病床占有率で、便宜上、日にちを定め、その時点での割合を示しています。御覧のように、三月にかけて病床全体及び重症者用病床の占有率がどんどん高まり、中旬時点でもう七割を超えています。
 このグラフから、変異株感染患者の増加と病床の逼迫度の進行の間には一定の関係性があることを見て取れるかと思います。この背景には、変異株患者は、一度退院した後再度入院を求められることがございます。その後、二度のPCR検査を行って陰性にならなければ退院ができないということがございます。その結果、従来株の患者が一週間ほどなんですけれども、変異株患者につきましては約一か月間の入院期間になっていますので、病床を逼迫している状況なのです。
 私は、この問題を現場の方々から伺い、先月十八日の議院運営委員会で指摘を行い、入院期間や退院基準などの現場対応方針を早急に示すべきと求めました。現状どうなっていますでしょうか。神戸市の病床逼迫度は既に八割から九割に達していますけれども、医療体制は大丈夫なのでしょうか。田村大臣、お願いします。

#203
○国務大臣(田村憲久君) 兵庫県、全体的に一旦収まったものですから、その後、比較的軽い方も含めて病院に入っていただいておるということはございました。今、そういうものも含めて見直しをいただいているんですが、今言われました変異株の時系列なデータと病床の逼迫度、使用率、こういうデータは委員もおっしゃられたとおり大変重要でありまして、厚生労働省のアドバイザリーボードにも適時こういう資料を提出させていただいております。
 そんな中で、先般も議論をいただいたんですが、やはりこの変異株に関しましても、もうそろそろ、比較的症状軽い方若しくは無症状の方、こういう方々はもうホテル等々療養施設に入っていただくようにしていこうと、それから英国株に関しては、これは他の従来株の方々ともうそろそろ一緒の病床の中でもいいのではないかと、こういうような話の中で、今そちらの方に変換をいただきつつあります。
 一方で、これどれぐらい、退院基準をどうするかという問題はあるんですが、感染性がやはり強いということと、やはりウイルスを持っている期間が長いのではないかというようなことも言われておりまして、今これいろいろと研究者、専門家の方に評価をいただいている最中でございます。感染研等々とも連携しながら、こういうものに対してしっかり情報を得た上で、どれぐらいの退院基準を作るべきか、これ早急に検討してまいりたいというふうに考えております。

#204
○高橋光男君 今おっしゃったように、感染性が高い、ウイルスが長く保持される、こうしたことがあるからこそ関係機関との連携が必要なわけでございまして、研究を早く進めていただきたいと思います。
 そしてまた、退院基準につきましては、私は十八日に求めました。三十一日に厚労省の方から事務連でその緩和を指示されたというふうに承知しております。余りにも時間が掛かり過ぎではありませんか。その間に、もう神戸では七割から九割に病床占有率が上がっているんです。事態は急を要するんです。したがって、国にはスピード感を持って対応するように、よろしくお願いいたします。
 そして、私が強調したいのは、他の地域におきましても、変異株の検査率、今、四割に上げるというようなお話ございますけれども、同じような事態が生じるのではないかということでございまして、そのための対策が必要だということです。つまり、検査率が上昇するに伴いどのような事態が生じるのか、予測して対策を取るのが重要だと思います。その意味で、前回、私は神戸の経験を生かすべきだとこの場でお願いをいたしたところでございます。
 更に申し上げれば、国はいまだに都道府県単位の変異株感染者数の総数ぐらいしか公表していません。しかしながら、この先ほどお見せしたパネルにございますように、感染者数の推移、病床逼迫度との関係性、例えば主要都市などだけでも結構ですので、公表して見える化すべきではないでしょうか。そうすれば、実態把握のみならず、国民の皆様が危機感を持っていただくことができて、行動の変容にもつながるのではないかと思います。
 また、宿泊療養や自宅療養における感染管理、健康管理どうするのかも、これ課題でございます。例えば自宅療養では、家庭内の感染リスク、またあるいは、重症化しやすいために、容体が急変した場合にどのように対応するのかも懸念されます。この点、公明党が推進したパルスオキシメーターを本当に現場に必要なところにお届けしていく、こうした努力も必要かと思います。
 従来以上に保健所と医療機関の連携、円滑な広域調整等も必要だと思います。間違っても国の不作為で医療崩壊が起きるようなことがないように万全を期していただくことを強く求めて、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 続いて、感染防止策に関してお伺いします。
 感染力が高いとされる変異株が蔓延している以上、本来、緊急事態宣言と同様あるいはより強固な防止策なくして感染拡大は封じ込められないと考えます。県は見回りを強化するなどの手を打っています。国としても、感染予防のアクリル板設置や距離の確保などのガイドライン遵守を徹底するため、例えば飲食店への時短要請に伴う協力金の給付に当たって、そうした対策を守ることを誓約するとの文書を取り付けるなど、実効的な措置が必要なのではないでしょうか。
 さらに、今般の措置によって影響を受けるのは、夜間営業の飲食店のみに限りません。兵庫では、今般の措置を受けて、県から日中も含めた不要不急の外出・移動自粛の要請が出ました。今般、新たな支援策におきましては、まん延防止等重点措置の対象地域で時短要請を受けた飲食店との取引関係者も支援対象になっています。
 一方で、日中も外出自粛の要請があるのですから、その間、つまり五時から二十時までの間、その間でも営業していない飲食店多数ございますけれども、その日中において時短をした場合においても、現行の一時支援金と同様に対象に含めて給付すべきではないかと思いますが、それぞれ西村大臣、梶山大臣に御答弁をお願いします。

#205
○国務大臣(西村康稔君) まず、協力金につきましては、まん延防止等重点措置で二十時までの時短ということでお願いをしております。これに御協力いただける事業者については、今回、その影響の度合いに応じてということで、売上げの、規模別、それから売上高の減少、こういったことによって支援を行うこととしておりますので、最大、月額換算で最大六百万円までの支援を行うことといたしております。
 そして、梶山大臣からも答弁あると思いますけれども、影響を受ける事業者については経産省の方で支援をしていくということで、こういった支援によって御協力いただけるようにしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えております。

#206
○国務大臣(梶山弘志君) 先週の木曜日、四月一日のコロナ本部の取りまとめを踏まえて、政府として、まん延防止等重点措置の影響により売上げが半減した中堅・中小事業者に対して、一月当たり法人二十万円、個人事業者十万円を上限に、売上げ減少相当額を給付することといたしました。
 御指摘の日中のみしか営業していない飲食店については、一時支援金では、外出自粛要請の影響を受けた事業者として整理し、支援対象としてきたところであります。これに対しまして、新たな支援策における外出自粛要請の扱いには、まん延防止措置の内容や法的位置付けも踏まえて制度設計をしていくこととしておりまして、決まり次第発表させていただきたいと思います。

#207
○高橋光男君 ありがとうございます。
 続いて、コロナ禍の中でも忘れてはならないSDGs、国連の持続可能な開発目標に関してお伺いしていきます。
 資料三、パネルを御覧ください。これは国際的に権威ある団体が日本のSDGsの達成状況を示したものでございます。緑が達成見込み、黄色、オレンジとなるほど程度は悪くなり、赤は後退、減少を示しています。
 一年前に国会で取り上げたとき、政府としては、この赤やオレンジ色の目標を黄色に、そして緑にすることを目指すと確認をいたしました。この中で日本が最も遅れているのがゴール五ですね、ジェンダーの平等でございます。先日発表された世界経済フォーラムの報告書においても、百五十六か国中百二十位でございました。
 そうした中、社会における男女間の格差、いわゆるジェンダーギャップの解消を地域再生戦略に位置付けた全国唯一の自治体がございます。兵庫県豊岡市です。同市では、男性が二人に一人に対し、女性の若者は四人に一人しか町に戻ってこない状況の中、人口減少や少子高齢化、こうした課題に対して、若い女性の流出こそが最大の要因であると考えて、町全体で意識改革や女性が働きやすい職場づくりに向けた先駆的な取組を行っています。演劇の町の特性を生かし、劇団の方にも参加してもらいながら、男性上司が女性部下を演じる、その逆もやってみる、そうする中で固定的な性別の役割分担、決め付け、思い込みに気付きを与えていく、そうしたワークショップが本当に数多く行われている中で、現実に女性が声を上げていいんだと、町が変わろうとしているとの声が若者女性から出始めています。
 こうした取組は、是非、国としても全国的に展開していくべきと考えます。その中で、豊岡市のような取組、これが若者の女性の定着率や地域経済の活性化につながるのかどうか、この調査を行っていただきたいと思いますし、地方創生総合戦略においてもジェンダー平等の実現を柱に据えていただく、そして様々な推進交付金を連携させた長期的な支援、お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

#208
○国務大臣(坂本哲志君) 委員の御地元の豊岡市のジェンダーギャップ解消戦略、大変私たちも関心を持って見守っております。
 まずは、御指摘の地方創生推進交付金を活用していただいて、そして、地方公共団体の自主的、自立的なこれからの活性化、発展、これを実現していただきたいというふうに思います。そして、もう一方のまち・ひと・しごと創生総合戦略の中には、女性を含めた多様な人材の活躍を推進する横断的な目標が掲げられております。
 そういうことで、これから委員の御地元で、私の方の地方創生推進交付金と、それから男女局、丸川先生の方の地域女性活躍推進交付金、これは併用をできます。これを併用しながら、これからジェンダーギャップの解消に向けて、私の方の地方創生推進交付金の活用事例などをしっかりと周知をさせていただいて、私たちの方としても関係部局の方としっかりと検討をしてまいりたいと思っております。

#209
○高橋光男君 関連して、続いての質問、生理の貧困対策についてお伺いします。
 先月四日、我が党の佐々木議員が、様々な理由で生理用品を買えない生理の貧困の問題について取り上げ、丸川大臣が必要な対策を検討したいと答弁されました。その後、公明党として総理に対し緊急提言も行う中で、先般、内閣府の地域女性活躍推進交付金を拡充し、生理用品の提供を可能とすることが決定されました。本当にありがとうございます。
 こうした国の動きに先駆けて、現在、公明党地方議員の皆様が全国的にこの防災備蓄品を活用した生理用品の提供に取り組んでいます。我が地元兵庫県でも、既に十五の市町が要望書を提出し、提供が開始されています。しかしながら、備蓄品だけでは足りないので、どう継続していくかが大きな課題となっています。
 そこで、確認をさせていただきたいのですけれども、先ほどございました地域女性活躍推進交付金を活用し、学校の保健室等において生理用品を必要とする子供たちに提供することは可能なのでしょうか。そうした中で、是非、文部科学省とも連携し、学校の保健室等においても必要とする子供たちに安心して提供するようにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#210
○国務大臣(丸川珠代君) まず、御党から先月十五日に緊急提言をいただきまして、それらも踏まえて、地域女性活躍推進交付金、大幅に拡充させていただきました中で、これを生理用品の配布に使っていいということにいたしましたところ、公明党所属の地方議員の皆様方に対して積極的にこの活用を呼びかけていただいているということで、大変敬意表したいと思います。
 この地域女性活躍推進交付金は、NPO、地域のNPOなどの民間団体に地方自治体から委託していただく形で御活用いただくようになっておりますが、これ、学校で配布する場合もそのような段取りを取っていただくということになりますけれども、そうしますと自治体、学校、それから恐らく教育委員会との連携が非常に重要になりますので、私どもの方からは、自治体の皆様方にこの学校、教育委員会とよく連携してくださいということをお願いをしております。
 一方、萩生田大臣のところからは、教育委員会に宛ててもお声掛けをしていただく、この連携をお願いしますというお声掛けをしていただくことになっておりますので、是非こうした連携をうまく使っていただいて、それぞれの自治体でお取組をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

#211
○高橋光男君 ありがとうございます。
 私自身も、全国で今回の取組が進み、この生理の貧困問題が少しでも解消するよう、公明党地方議員の皆さんと力を合わせてまいる決意でございますので、よろしくお願いいたします。
 そうしましたら、続いて、もうこれは要望にとどめますが、七月には国連のハイレベル政治フォーラム、HLPFというのがございまして、ここでSDGsの関連で政府は自発的な国家レビュー、これ策定されるわけでございますけれども、しっかりとこれをPDCAサイクルにおけるチェックの位置付けとして市民社会のお声も聞いていただき、そして誰一人取り残さないこのSDGsを進めていくんだということを国際社会にしっかりと訴えていただきたいと思います。
 そして、最後に総理にお伺いします。
 今日は、このコロナ対策、ジェンダーの話を取り上げさせていただきましたけれども、SDGsの取組、非常に重要でございます。しかしながら、これ、目に見えない課題なので、政策介入が難しいところでございます。私は、だからこそ、政治の強力なリーダーシップが不可欠だと考えます。
 もちろん、SDGs、我が国だけでできるものではありません。だからこそ、今回訪米されるに当たって、バイデン大統領とも確認をしていただきたいことがございます。それは、恐怖からの自由、欠乏からの自由を基礎とする人間の安全保障の重要性です。
 この理念の原点は、今から八十年前、フランクリン・ルーズベルトが行った演説におきまして、四つの自由、そのうちの二つでございます。他人の自由を犠牲にした上で持続的な平和を得ることはできないと大統領は宣言をしました。この理念は、我が国の憲法前文におきましても、平和的生存権におきまして規定されているところでございまして、私は、人間の安全保障の理念はここから発していると思っております。
 したがって、今回の訪米において、是非とも、これ、大統領の執務室の真ん中にはルーズベルトの肖像画がどんとあります、ここで会談をされる総理には、この人間の安全保障の重要性をしっかりと大統領とも確認していただき、国際社会に向けて、このSDGsを中心に誰一人取り残さない世界を目指して協力していく、この決意を示していただきたいと思いますが、御決意をお願いいたします。

#212
○内閣総理大臣(菅義偉君) 現時点で、日米首脳会談での議題や九月の以降の日程について予断すべきではないと考えます。
 その上で申し上げれば、新型コロナウイルスにより人間の安全保障が脅かされており、持続可能な開発目標の達成に向けた取組が一層加速されることが必要だと考えております。
 政府としては、昨年末、私が本部長を務める持続可能な開発目標推進本部で新たなアクションプランを取りまとめました。このアクションプランに基づいて、米国を始めとする関係国とも緊密に連携し、グリーン社会の実現に向けた取組や途上国への保健分野の支援などを進めていきます。そして、誰一人残さない社会の実現に向けて、目標の達成を随時検証しながらしっかり取り組んでいきます。

#213
○高橋光男君 時間になりました。終わります。
 ありがとうございました。
    ─────────────

#214
○委員長(野村哲郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、田名部匡代さんが委員を辞任をされ、その補欠として小沼巧君が選任をされました。
    ─────────────

#215
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。
 本日は、決算委員会におきまして質問の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。
 昨今、この海域においては、中国の海警局の船が領海侵入をし、安全保障の問題は喫緊の課題であると思っています。また、国内に目を向ければ、やはり安全保障上の土地取引ですとかそういった様々な課題があり、我々も大変危機感を覚えているところであります。
 通告に従いまして、安全保障から見た土地取引について今日は伺っていきたいと思います。
 先月の二十六日に閣議決定がやっとされたこの重要土地等調査法案、この法案は、自衛隊の基地や原子力施設などの周辺の土地取引について、一定の制限を掛けて国が監視をするというものであります。
 我が日本維新の会は、百九十二回国会、百九十三回国会、百九十七回国会、そして二百三回国会、今回の二百四回国会、五回目、議員立法を提出させていただいております。一月の二十九日に参議院に提出をさせていただきましたけれども、なぜ我が党がこの法案にこれほどまでにこだわっているのか。やはりそれは、我が国の領土を守り、平和と安全を確保するため、この一点に集中しているわけです。政府は国会召集後直ちにこの法案を出していただきたかったと、我が国が今どのような状況にあるのか、もっと危機感を示すべきだというふうに考えております。
 ここで、政府案と我々日本維新の会が提出をしております法案内容を比べてみました。我が党の法案は、後に説明をさせていただきますが、安全保障上極めて重要な内容まで網羅をしております。逆に、政府案では、幾つかのポイントが抜け落ちている。是非ともここをお伺いさせていただきたいというふうに思っております。安全保障の問題というのは、やはり国民の皆さんに分かりやすく説明するのが国会議員の責務であると思うからであります。
 それでは、早速質問に入りたいと思いますが、政府案が対象とする今回のこの土地というのは、自衛隊、米軍、海上保安庁の施設の周辺、そして原子力発電所などの重要インフラである生活関連施設などの周辺、そして国境離島などの土地を指しております。そして、この施設の敷地からおおむね一千メートル、一キロ範囲内ですね、この土地、建物の所有者の氏名や住所、国籍、これを調査するというものであります。これで、維新案はこの距離に、先ほど政府案の一千メートルというこの距離に、制限を設けておりません。なぜならば、安全保障上必要であれば範囲を広げて規制をしなければ意味がないというふうに考えているからなんです。
 そこで、菅総理に質問させていただきたいと思います。
 政府案では、この重要施設の周辺地域を一千メートル以内と定めた根拠、これは何なのでしょうか。また、対象の土地等を必要な最小限度という条件を付けた理由、これが何なのか、閣議決定に臨まれた菅総理の御見解をお聞きしたいと思います。

#216
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今般の法案は、国境離島等において長年の問題となっていた、目的が不明な土地の取得に対処するものです。この法案では、防衛施設の周辺等において土地の利用規制等を行うこととしており、施設への妨害行為が懸念される範囲を念頭に周辺おおむね千メートルの範囲で対象区域を指定することにしております。
 また、土地等の利用規制は私権を制限するものであることから、安全保障の確保のために必要最小限、最小限度のものにすべきことを条文上も明記しているところであります。

#217
○高木かおり君 御答弁の中で、やはり財産権の問題ですとか私権制限、こういったことは承知をしております。けれども、一方で、その一千メートル以内と距離の制限を設けて、さらに、必要な最小限度という条件では、これやっぱり狭い範囲に限定されてしまうおそれがあるんではないかというふうに大変危惧をしているんですね。
 また、報道によりますと、防衛省のある市ケ谷の周辺の市街地、これはやむを得ない範囲にとどめるということで、事前届出が必要な特別注視区域、これから除外するとも言われていると。
 こういった中で、アメリカでは既に安全保障上の規制として、対米外国投資委員会や外国投資リスク審査現代化法が存在をして、外国人による不動産の取引を審査、調査、そして場合によっては取引を停止又は禁止することができるということです。特に、この対象取引の不動産の距離については、アメリカの軍事施設から百マイル、これ百六十キロメートルの範囲での不動産取引を審査対象としていると、規制しているということなんですね。
 我が国の政府案の一キロメートルという国土を守る安全保障としての考え方、これには雲泥の差があるんではないかと。是非ともこういったところも再度御検討いただけないのかなというふうに、これは要望をしておきたいと思います。
 次に、土地取引の事前届出についてお聞きをしていきたいと思います。
 政府法案では、特に重要性の高い特別注視区域と呼ぶ周辺区域の取引については、これ事前届出を課しています。維新案でも、土地取引等が国家安全保障上重大な支障となるおそれがある区域、これすなわち第一種重要国土区域と申し上げておりますが、ここでの取引について、やはり維新でも事前届出は義務付けている、ここは共通しているところなんです。
 そこで、小此木領土問題担当大臣に伺いたいと思います。
 政府案によれば、これ、事前届出をしないで土地等売買等の契約を締結したとき、六月以下の懲役又は百万円以下の罰金に処するとしておりますけれども、これ、契約そのものは有効なんでしょうか、お聞かせください。

#218
○国務大臣(小此木八郎君) お疲れさまでございます。
 ただいまの御質問ですけれども、結論からいって、その契約そのものは有効となるということを主張しております。
 そもそもといいますか、もうこの問題の不安なるものは、やはり御指摘の安全保障上の観点から、どのような形で土地が利用されているのかという不安と、自分たちの土地そのものがどういうふうに制限されるのかと、両方の不安がこれあろうかと思います。その観点から、まず法案作成の前に、様々な分野から成る専門家からなどの意見をお聞きしまして、その専門家会議の中からその検討しながら、参考にしながら法案を提出させていただきました。
 この事前届出についてですけれども、特別注視区域内の土地等の権利移転の実態を随時把握するための措置であることから、仮に事前届出義務に違反した場合であっても私人間で締結された契約の効力に影響を与えるものではないというのが冒頭の私のお話であります。
 本法案においては、ここで、安全保障の観点から支障を来すおそれのある土地等の利用の中止の勧告あるいは命令を行うことや、国による土地の買取りの申出等を行う等の措置を盛り込むこととしており、全体としての制度の実効性を担保としております。

#219
○高木かおり君 両方の御意見があるということも承知はしているんですけれども、やはりこの点、罰則覚悟で土地取引を行う悪意ある者に対して、これで果たして対抗ができるのかなというふうに懸念をするわけです。
 我が党の、国家安全保障の観点から支障を来すおそれがある取引だということになれば、審査して取引内容の変更又は中止の勧告や命令ができることに加えて、立入調査、そして最終的には国が必要に応じて土地の収用又は使用することまでも法案に盛り込んでいます。
 もうかなり厳しいことを申し上げてはいるんですけれども、やはりこれ、罰則は掛けるけれども契約は有効ということになれば、これやはり本末転倒になるんではないかと。もちろん、これ、抑止力という効果はあるかもしれませんが、やはりここは徹底して悪意ある者には使用させないということ、これを政府案にしっかりと条文に盛り込んでいただくと、これを要望させていただきたいと思います。
 続いて質問させていただきますが、沖縄県の全体のパネルでございます。(資料提示)
 これ、単刀直入にお聞きをします。沖縄県に存在する自衛隊施設のうち何%が民有地なんでしょうか。防衛省、お聞かせください。

#220
○政府参考人(土本英樹君) お答え申し上げます。
 令和三年一月一日時点におきまして、沖縄県に所在する自衛隊施設は全体で約七百八十一万平方メートルでございまして、そのうち委員御指摘の民有地は約四百五十四万平方メートルで、全体の約五八%ということでございます。

#221
○高木かおり君 パネルを御覧いただきまして、沖縄にはこれだけ自衛隊の部隊が点在しているわけです、北部から南部まで。特に、先ほど御答弁いただきましたこの自衛隊施設における民有地の全体の割合が五八%、後に、ちょっと後でお示しをさせていただきますけれども、私が入手している資料では平成三十一年三月現在のものになっておりますが、これを踏まえて次のパネルをお示しください。
 ここ見ていただきましたら、平成三十一年三月現在で合計は六二・三%となっています。特にこれ、南部地区がこの時点では七八・六%が民有地なんです。政府案では、この自衛隊施設の敷地そのものは含まれておりません。これ何が問題かといいますと、民有地は自由に売買されてしまう可能性があり、安全保障上重大な問題なのではないかと考えています。
 そこでお聞きしますが、我が党が提出している法案には、この防衛施設の敷地が盛り込まれています。政府案にもこの防衛施設自体を盛り込むべきと考えますが、小此木大臣、いかがでしょうか。

#222
○国務大臣(小此木八郎君) まず、やや繰り返しになるかもしれませんが、本法案ですけれども、安全保障等の観点から、防衛関係施設等の重要施設や国境離島等の機能を阻害する土地等の利用を防止するために、国として必要なまず調査あるいは利用の規制を行うということであります。
 御指摘の防衛施設の敷地ですけれども、防衛省が所有権又は利用権に基づき管理を行っている土地であるということがございます。当該施設の機能を阻害する行為のために利用されることはおおよそこれは想定されないという考えの下、本法案の対象とはしていないところであります。

#223
○高木かおり君 先ほど答弁の中で、おおよそ使われないと、売買されないんじゃないかというようなお考えだということなんですけれども、やはりここ、敷地に網を掛けないというこの政府案に対しては大変不安に感じるわけです。敷地に民有地があることによって、いつ何どき売ろうと思えば売ることができてしまうんじゃないかと、重要施設の敷地そのものにやはり規制を掛けていかなければ、国土の安全保障という観点からしっかりとこの国土を守ることができないのではないかというふうに考えるわけです。
 まだまだこれについては議論を深めていかなければならないと思っておりますし、そして、やはりこれ、一歩前進の法案であるというふうにも私は理解をしております。ただ、今御指摘をさせていただいたところも、これからしっかりと今後も議論を重ね、検討していただきたいというふうに要望させていただきたいと思います。
 繰り返しになりますけれども、我が党は、この法案に対して懸ける思い、何度も議員立法を提出させていただきました。これは、やはり我が国を守り、そして平和と安全をしっかりと担保するため、そして実効性のある法律を作っていきたい、その思いでありますので、今後とも是非とも議論をさせていただきたいと思います。
 時間の都合上、もう一問ございましたが、また別の機会に質問をさせていただきたいと思います。
 続きまして、規制緩和と労働市場について。
 これ、特に非正規雇用の問題なんですが、コロナ禍においてこの非正規雇用の方々、大変厳しい状況に置かれている、もうこれは国会で何度も多くの議員が取り上げているテーマでございます。
 田村厚生労働大臣に伺いたいと思います。
 私は内閣委員会に所属しておりますが、その中で無期転換ルールについて何度か質問をしております。その中で、実はこの無期転換ルール、必ず五年たったら、その更新を重ねて、次には正社員になれるであろうという夢と希望を持って働いておられる方も多いわけです。
 そういった中で、この要望をして、無期転換ルール、無期になりたい、正社員になりたいという要望をした方が、実はサンプル調査におきますと、五百五十一人中一七・三%、この五百五十一人というのは労働政策研究・研修機構のサンプル調査の中の数字でございます。ちょっと時間の関係上はしょって申し上げてはおりますけれども、その中で無期転換の権利を行使した方、これが九十六人、一七・三%なんですね。
 この九十六人の方々、全員正社員になれたのかどうか、権利を行使をしたけれども無期転換ができなかったのかどうか、こういった数字、把握されていますでしょうか。

#224
○国務大臣(田村憲久君) 委員おっしゃられるとおり、五年超えて有期繰り返して労働契約続いた場合には、次の契約、五年を超えた次の契約から、これ申し込めば、無期転換を申し込めば、これは承諾するものとみなすということなので、まあ契約を申し込んだらそれでもうそれは無期転換になるものというように法律では、労働契約法十八条には書かれているわけであります。
 そういう意味からいたしますと、今言われた、つまり一七・三%は出しておりますので、本来はみなすという話であり、実はこのJILPTの調査は企業を中心にやっておりますものですから、企業から労働者の方々に渡していただいておりますので、実はそれから先のことはなかなか我々も調査し切れていないのというのが実態であります。
 いずれにいたしましても、ちょうど見直し期間に来ておりますので、見直しのための今調査に入っておりまして、この無期転換、どういう問題点があってということを更に整理した上で、制度の見直しに向かっての検討を始めたいというふうに考えております。

#225
○高木かおり君 先ほどのサンプル調査の数字というのは、二〇一八年三月現在、かなり年数たっているんですね。やっぱり、そういった数字を政府が把握していること、これは絶対必要だと思います。それがなかなか、これからだというお話なんですけれども、この無期転換ルールの権利行使、結局これだと、このままだと絵に描いた餅になるんではないかと、政府がそれを言ってしまっている状態ではないかと思うんですね。
 政府が決めたルールにのっとって権利行使を非正規雇用の方々がしているわけです。それを、例えば五年行く手前の四年と十か月とか十一か月、そこで雇い止めに遭うような、こういったことがもう一人でもないように、しっかりとやっていただかなければならない。それを正当な理由なく拒否する、これは無期転換の制度を直ちにこれ見直していかないといけないという事態になっていくと思います。是非そこは徹底的にしっかりとやっていただきたいと思います。
 時間があとございませんので、次に移らせていただきます。
 プラスチックと資源循環についてでございます。これについては小泉大臣に伺いたいと思います。
 私たちの生活の中で、このプラスチックは本当にこの世の中でたくさんあふれていて、大変な恩恵も受けているわけですけれども、一方で、このマイクロプラスチックの人体への影響ですとか、海洋中には二〇五〇年にはもうプラスチックごみの重量が魚の重量を超えるんだと、こういった有名な話もございます。
 そういった中で、昨年、レジ袋が有料化されました。けれども、今コロナの中で、大変、ステイホームということで、デリバリーですとか宅配、そういったことで、プラスチック容器が逆に十年間で最多、昨年の、前年比の四・七%増えているということなんですね。
 こういった状況を踏まえて、このレジ袋、しっかりとこれ、レジ袋を有料化したということを検証をして、そして次のステップ、次の法案がまたこれから出てくると思いますけれども、そこにしっかりと検証したことを反映しているのか。これからの小泉大臣のこのプラスチックごみ削減に対する意気込みも含めて、最後、御答弁いただきます。

#226
○国務大臣(小泉進次郎君) 御質問ありがとうございます。
 先生が冒頭今おっしゃられた背景というのがまさにそのとおりでありまして、我々、世界で見れば二番目に、一人当たりの容器包装の廃棄量、このプラスチックの、多い国でもあります。そして、新たな状況が出てきたのは、今まで我々日本人はそのプラスチックの容器包装で出たごみを中国を含めてアジアに対して輸出をしていたわけです。それが、中国のプラごみの輸入の禁止、そして東南アジアも含めてそういった規制も広がってきたことによって、いかにこれからプラスチックを自国の中での資源循環をしていく環境をつくるかということが非常に重要になってきました。
 そこで、我々、令和元年には、プラスチックの資源循環戦略というものをまとめまして、その戦略に基づいて、大阪ブルー・オーシャン・ビジョンもありますが、目標達成をしていこうと。昨年、レジ袋の有料化はまさにその皮切りになったわけでありますが、先生御指摘の検証はどうなっているのかということについてのまず一点目をお答えをすると、レジ袋の使用量が多いのは、コンビニ、スーパー、ドラッグストア。この三大業界では、コンビニでレジ袋の辞退率が約二三%だったものが今約七五%に、スーパーでは辞退率が約五七%から約八〇%にそれぞれ増加をしました。ドラッグストアでは、レジ袋の使用量が約八四%減少しました。こういった報告を受けています。
 さらに、削減量という観点からも、民間の調査会社のデータによれば、二〇一九年は二十万トンだったものが、今は、二〇二〇年は十三万トンに、三五%の国内レジ袋流通量の削減になりました。環境省のデータによれば、一週間レジ袋を使わなかった人の割合が有料化前と比べて三割から七割に倍増以上したということで、結論から申し上げれば、昨年七月のレジ袋の有料化によってプラスチックごみの削減に効果があったと考えています。
 そして、それを踏まえてこの法案になっているかと。プラスチックの新しい法案、経産省と一緒に出していますが、これはまさに、レジ袋やスプーンだとか、こういった一部のものではなくて、あらゆるプラスチック全てに対して掛けている法律を提出をしています。
 今後、その全体を含めた新たな使い捨てプラスチックが日本の中からなくなっていくことを目指した法律であることを多くの皆さんに知っていただくように、国会審議の中で理解を深めていただければ、いければと思います。ありがとうございます。

#227
○高木かおり君 終わります。

#228
○委員長(野村哲郎君) 関連質疑を許します。清水貴之君。

#229
○清水貴之君 日本維新の会の清水貴之です。よろしくお願いをいたします。
 私は、新型コロナウイルス感染症対策についてお伺いをいたします。
 今日から、大阪、兵庫、宮城県内の対象となる市でまん延防止等重点措置始まりました。その適用の決定までの流れを見てみますと、大阪府というのは早い段階から要請をするということを吉村知事明言をしておりまして、一つ前の日曜日ですね、三月二十八日には西村大臣にその意向を伝えたと聞いております。三月三十一日に国に要請、四月一日に決定と。兵庫や宮城は、当初はそれほど積極的な形ではなかったんですが、どちらかというとこの二県に関しては国主導で動いていって、兵庫県は一日に正式要請で、四月一日、当日に決定です。宮城は前日の夜に要請して、翌日に決定ということになっています。
 こういった決まり方なんですけれども、国が主導するのか、県の要請ありきなのかというのがちょっと分かりにくいなというふうに感じます。責任と権限が曖昧になるのではないかというふうに思うのと、変な形での、この国と県の、都道府県の主導権争いみたいなものが起きてもこれはよろしくないので、こういったことをしっかりと整理しながら進めていくべきではないかと思いますが、西村大臣、この辺りの対応についてお聞かせください。

#230
○国務大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。
 改正されました特措法におきましては、このまん延防止等重点措置、導入されたわけですけれども、改めて、知事が要請をできるという規定を明記をしたところであります。その上で、要請のあるなしにかかわらず、当然知事が一番地域の感染状況あるいは病床の状況もよく御存じなわけですから、知事と連携をしながら、専門家の意見を聞いて、そして国が責任持って、国が最終的に判断をするわけであります。したがいまして、どの地域を、どの県、府県をですね、都道府県を対象とするかというのは国に説明責任があります。
 その上で、その都道府県内の範囲内でどの地域に対してどういった措置を講ずるか、これは知事の権限でありますので、知事がそのことについては説明責任も負うということになります。
 そして、今回、それぞれ連携をしながらやってきたわけですけれども、吉村知事から御連絡を何日か前にいただいたときは、そういうことを考えていると、今後の状況を見て最終的に本部で決めたいということで、三十一日に本部で決定した旨御連絡をいただいて要請を受けたというわけであります。
 そして、兵庫県、宮城県についても、それぞれ、もうその前から何度も連絡を取り合いながら、状況はどうなのか、そういったことを確認した上で、それぞれの知事ともそうした、こうした措置について、まん延防止等重点措置をとることについて理解、了解をいただく中で、大阪から要請をいただいた三十一日の翌日、一日の朝、分科会を開いて専門家の意見を聞いて、夜に政府が対策本部で決定したということでございます。

#231
○清水貴之君 まさに今日からということですので、そこに、大阪そして兵庫、宮城に関してはもう全力を傾けていくというのはもちろん大前提だと思っているんですが、ただ一方で、こちらにありますように、様々な宣言、要請というのが発出をされています。そして用意をされています。(資料提示)
 一番上の緊急事態宣言は今は出ておりませんが、二番目のまん延防止等重点措置が今日からということです。で、その下、独自の緊急事態宣言、これは各自治体で行っているものですが、宮城県と仙台市は先月十八日から、山形県と山形市も二十二日からと。独自の外出自粛や時短要請というのもあります。外出自粛、今、北海道札幌市でこれ出されています。時短要請も、東京など一都三県、名古屋市、沖縄本島など、まあこれ以外にも多々あると思いますが、様々な地域で行われていると。
 こうなると、各地域地域が考えながらこれは対策を取っているというのは理解をするんですが、一方で、もういろいろなものがあり過ぎて、様々なものが存在することで、宣言慣れというものが生じてしまっているんではないかと、だから一つの宣言がなかなか効果を生まないのではないかというふうにも思います。
 そこで、今のまん延防止等重点措置なんですが、国が決定をして都道府県が地域を決めていくという話でしたけれども、今大臣からもありましたとおり、やはり地域のことを一番分かっているのは地域ですので、例えばですが、これもう発出そのものも地域に任せる、それぐらい責任と権限を地域に移していくみたいなことも考えてもいいのではないかというふうにも思うんですが、西村大臣、いかがでしょうか。

#232
○国務大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。
 今回、まん延防止等重点措置に三府県ですね、私ども指定をすることによって、それぞれの知事が、大阪市であったり、神戸市と阪神間の市であったり、あるいは仙台市ということで措置を講じていますが、この内容は、二十時までの時短と、それからイベントについても緊急事態宣言と同じ五千人までということで、言わばこの三つの都市はもう、この都市、部分だけ限って見ればもう緊急事態宣言出してもおかしくないような感染状況、病床の状況になっておりますので、そういう意味で緊急事態宣言と同じレベルの大変厳しい私権制約を伴う措置を講じているということであります。あの法律のときも私ども様々議論しましたけれども、そうした厳しい私権の制約を伴うものでありますから、専門家の意見を聞いた上で国が判断をしていくという枠組みを取っております。
 ただ、先ほど申し上げたように、知事の要請する規定も置いておりますし、緊急事態宣言よりかはより地域を絞って、業種も絞って、そして短期間で集中してやるという機動的な対応を想定してきたわけでありますし、今回もそうした対応をしてきているところであります。
 その上で、下の青いパネル、パネルの青いところの部分は、これは二十四条九項でありますので、これはそれぞれの県、市で、それぞれの判断で対応していただくことになります。その上で、宮城、仙台、それぞれ緊急事態宣言、独自に発出されておりますが、これまでの経験から見ても、これ専門家の皆さんも評価をされているんですが、例えば熊本とか宮崎でも、かなり厳しい状況になっても独自の緊急事態宣言で、かなりこれは県民にとってはインパクトのある対応ということで効果を持ってきております。
 私ども、こうした二十四条九項の対応につきましても、協力金などの支援も含めて緊密に連携して、それぞれの地域の状況に応じて対策をしっかりと講じていきたいというふうに考えております。

#233
○清水貴之君 ここで改めて総理にお伺いをしたいんですけれども、現状大変厳しい状況だというふうに思います。前の週より感染者が増えているのは全国で四十二都道府県ということになっていますから、ほぼ全ての地域で今増加が始まっていると見ていいんだと思います。
 改めて、総理の現在の認識、午前も質問あったんですが、第四波と考えるかどうかというのも、ここもお聞きしたいと思います。そして、年初より緊急事態宣言を発出し時短要請も行ってきたんですが、結局、やはり人が、まあ交流が増えるこの時期ですから、抑え込むことができずにという状況になっています。ということは、時短要請も有効な、有力な対策の一つだとは思いますが、それだけではやっぱりなかなか抑え込めないというのも現実だというふうに思います。
 そういった中で、どういった対策をしてどう抑え込んでいくというふうにお考えなのか。大阪では、吉村知事などは、もうマスク着用のこの義務徹底化、これをもう強く押し出してやろうとしています。そういったのも含めて、どのように今後のこの対策考えておられるのか、お聞かせください。

#234
○内閣総理大臣(菅義偉君) まず、全国でありますけれども、新規感染者数は三月上旬以降、増加が継続しております。
 特に大阪、兵庫で感染の再拡大が起こっており、そして宮城、山形、沖縄でも若年から中年層を中心に感染拡大が見られています。ただ、現時点で、全国で大きなうねりとまでは行っていないと思っています。ただ、政府としては強い警戒感を持って対応することが必要だと考えています。
 そういう中で、先般、宮城、大阪、兵庫県について、特定の地域を中心に急速に感染拡大が進んでいることから、医療提供体制の逼迫が懸念されることなどから、専門家の意見を伺った上で、まん延防止等重点措置を実施をいたしました。
 そして、今回も、それぞれ飲食店、二十時までの時間短縮を要請することになりました。さらに、今回は、これ全ての県でそうですけれども、全ての飲食店への見回り、これを実施をすると。さらに、変異株への監視体制の更なる強化や他の都道府県との往来の自粛の要請、高齢者施設への定期的な検査の徹底、感染拡大に備えた病床や療養ホテルの確保、こういった対策講じておりますけれども、ただ、やはり見回りを徹底をして、そこの店に入っていただいて、その店が、アクリル板だとか、そこまでチェックをすると、そして、できれば適格の店というその証紙まで貼るとか、いろんなことを考えていただいていますし、そうしたことをやはり徹底してやることがこの感染拡大を防止することにつながるだろうというふうに思っています。
 それと同時に、この感染対策はまさに奇策はなくて、やはりそうしたことを徹底して足を運んで行って、また基本的な感染対策というのが重要です。そういう中で、マスク、手洗い、三密を回避、まさにこれが基本だというふうに思いますし、そうした中で感染拡大を防止をできると、このように考えています。

#235
○清水貴之君 今、総理からの見回りのお話ありましたが、大阪のその市内、対象だけで五万店舗あります。兵庫県だと大体一万六千店舗というふうに言われています。なかなかこれも、どう回っていくのかというのも大変なところですので、その辺りの是非サポートもお願いいただけたらと思います。
 続いては、先ほど高橋委員からも御紹介のあった変異株に対するこれ神戸市の対応状況を、田村大臣、お聞かせいただきたいと思います。
 神戸市はもう一月から、年初から変異株の監視というのを本格的に始めていまして、現在は新規陽性者の六〇%以上で検査を実施をしています。ちょうど真ん中が市内陽性者に占める検査数割合ですが、六割、七割近く検査をしていると。一番端が、右端が変異株の割合ですが、もう五割、六割ぐらいになっているということです。
 こういったことから何が見えてくるかといいますと、変異株の退院条件ですね、今はPCR検査で二回の陰性確認が必要です。その結果、変異株患者は退院まで平均で大体三週間、中には一か月を超える人もいると。二回の陰性確認が必要だというのと、変異株がやっぱりなかなか抜けにくいという特徴があるということで、ベッドの回転率が悪くなり、病床が逼迫しているということです。
 ここで田村大臣にお願いをしたいと思っているのが、やはりこの変異株に対する国としての知見ですね、地方がどう対応したらいいか、PCR検査が本当に二回必要なのかどうなのか、この辺りの指針というのをなるべく早く作っていただきたいというのと、やっぱりベッドの回転率、病床がどんどん逼迫してきていますので、当初より病床数を増やすようにという指示を出されているということを聞いていますが、さらに、この変異株の、長い時間が掛かるということを前提にそういったものも制度設計していかなければいけないんじゃないかと思っております。田村大臣、お願いします。

#236
○国務大臣(田村憲久君) 先週、厚生労働省アドバイザリーボードでいろいろと御議論いただいたんです。大阪と兵庫のこの変異株は、どうやら英国株そのものであると。ケント株という何か言い方しておりましたけれども、まあ町の名前らしいんですが。そういう意味では、まだ証左はしっかり出ていないですけれども、やはり感染力が高いのではないかと、こういうようなことを言われる方々が専門家の中にも多かったということであります。
 三月の二十四日に、まず五月に向かって病床をしっかり確保というんですが、もう四月から増えているところありますから、もう四月以前から、そうとは言わずに、増えているところは早急な病床の対応ということをお願いをいたしておるわけでありますが。
 あわせて、やはり兵庫、大阪はもう五割ぐらいがこの英国系の変異株なものでありますから、これだけ増えてくる、しかも無症状、軽症の方が比較的多いものでありますから、今までは個室のベッドという話だったんですけれども、もう個室のベッドじゃなくて、例えば療養施設の対応、それから、従来株の方と病院の場合ではもう同室でももういいのではないかということになってまいりまして、そういうお願いを改めてさせていただいております。ここはウイルスの干渉等々でかかりづらいであろうという、そういうような専門家の御意見もいただく中において、そういうような形にさせていただきました。それぞれがやはり、まあ変異株といってもコロナであるということの対応の中の話であります。
 あわせまして、それだけではなくて、今言われた退院の基準、これを何とかという話もございます。今、国立感染症研究所でいろいろと議論していただいております。感染力もあるし、先ほども申し上げましたけれども、ウイルスを出している期間も長いのではないかと、こういうことも言われておりますので、やはりここは専門家の評価が必要でありますが、かといってそれほど時間を掛けるつもりもございませんので、退院基準、今までの、従来でいくと十日、感染から十日たって病状がなくなれば、これ七十二時間たてば退院という形なんですけれども、そういうような発症から十日というわけではなくて、二回という今PCRの話になっておりますけれども、これも含めてもうちょっと簡素化できないかということを早急に検討させていただきたいというふうに思っております。

#237
○清水貴之君 そして、今再拡大と闘っているさなかに解除の話は早いかもしれないんですが、ただ、宣言中のこの対策を濃くしていくためにはゴールを決めていくというのも大事だというふうに思っております。
 西村大臣、再度お願いします。
 一月に発令した緊急事態宣言、これ解除の目安、当初は一日当たり東京の新規感染者五百人下回ることと言われていたんですが、二月の上旬には下回ったけれども、結局、解除されませんでした。ステージ4を下回ることという基準もあったんですけれども、解除、下回っても、ぎりぎり、ちょっと五〇%近いからということで解除されませんでした。でも、解除を決めた際にはまあ安定して基準を満たしているということだったんですが、その時点では東京とか埼玉は前週比で大体もう一・一、一・一なんということで上昇傾向があったと。となりますと、この基準というのがやっぱりはっきりしないと、もうゴールがやっぱりしっかり決まっていないと、もう皆さんやっぱり緩みも生じてくるんだと思います。
 この辺りの対策も、西村大臣、考えるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

#238
○国務大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。
 三つの場面をお示しいただいておりますけれども、一つ目は、これ東京が二千五百人とかの、基準で、感染者がありましたので、二十時までの時短、これを徹底をお願いして、何とか下げていくんだという、まあある意味、私なりに目標、これは基準、五百人という基準ですから、ここまで、これ八割減ですよね、二千五百人から、これを目指して皆さんに御協力をお願いしたいという思いで申し上げました。ただ、指標は病床の状況など六つの指標がありますので、一つだけ大丈夫になっても、東京都の病床の基準が五〇%前後でありましたので、超えていたと思います。まだ解除できる状況になかったと。
 それから、二番目のときもそうですけれども、辛うじて千葉、埼玉が五〇%を切っていましたけれども、これすぐ逆戻りして五〇%を超えるような状況もあり得たわけでありますので、そういう意味で、安定的にこれがステージ3以下になるということで、専門家の意見も聞いて判断させていただきました。
 最後のところは……

#239
○委員長(野村哲郎君) 時間が超過しておりますので、発言をおまとめください。

#240
○国務大臣(西村康稔君) はい。
 まさに、総括しますと、御指摘のように六つの指標をしっかり見て、そして再拡大しない安定的な状況になっているということを、専門家の意見も聞いた上で判断をしていきたいというふうに考えております。

#241
○清水貴之君 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

#242
○芳賀道也君 国民民主党・新緑風会の芳賀道也です。
 大阪でも一日の新規感染者が過去最高を超える日があったり、宮城県や山形市などで、全国で感染拡大が続く中、政府の対策は余りにも遅い、また、このままでは暮らしていけない、仕事が、商売が続けられないという切実な声がなぜいまだに届かないのかという観点から質問をさせていただきます。
 今日はテレビ、ラジオの前に多くの国民の皆さんがいらっしゃいます。総理、各大臣、不安なときにこそ、国民の不安を和らげるためにも説明は大事だと思います。是非分かりやすい言葉で簡潔にお答えいただければと思います。
 私、初めておととし国会議員になって、驚くことが国会でいろいろありました。その一つ、昨年七月二日、厚生労働委員会でコロナ対策について質問しました。地元の医療関係者の声も受けて、コロナで受診控えもあり無利子の融資などだけでは病院はやっていけない、直接の支援が必要だと質問をしましたら、大きな声で、そうだと掛け声を掛けてくださったのが、何と与党の医師でもある委員の先生でした。初めて与党から声援をもらってびっくりいたしました。ああ、与党の先生も同じ考えなんだと思ったのであります。これがもう九か月前のことです。
 パネル一をちょっと御覧いただきたいんですけれども、(資料提示)私の地元、山形県の比較的規模の大きい病院の収支です。山形の病院も、コロナ患者を受け入れた病院も、あっ、受け入れていない病院もほとんどが赤字。唯一、一つだけが補助金で何とか黒字を達成しましたが、それ以外は全て赤字。中には、二億六千万、四億円を超えるというような赤字もあります。コロナだけではなくて、病院の存続も危ぶまれ、コロナ禍で頑張る医療関係者の待遇改善もこれでは全くできません。余りにも対策が遅く、直接の支援が必要なことは明らかです。
 是非総理にお聞きしたいんですが、国民の声が届かないだけでなく、与党内の良識ある医師の声までがなぜ届かないのか。何人もいらっしゃる与党で医師である議員の皆さんから、いやいや、総理、病院にはもう直接支援が必要ですよと、こういう声をお聞きになったことはないのか。あるかないか。あるとすれば、それがいまだに実現できないのは、その理由は何なのか、お聞かせいただけますか。

#243
○国務大臣(田村憲久君) 状況をちょっと御説明させてください。
 四月からこの一月まで、医療機関の減収額、これ収入の減少ですけれども、一・四兆円と、十か月、こうなっております。一方で、四・六兆円とよくお話をさせていただくんですが、三次補正まで含めて四・六兆円、このうち、これ交付金であります、このうち一・八兆円がもう申請がされてきておりまして、そのうち一・七兆円が交付決定され、一・五兆円が交付済みになりました。ですから、ある意味、一・四兆円減収する中で一・五兆円は交付済みであります。もちろん、ここの中には例のあの医療関係者への支援金も入っておりますから、それが全て医療機関の収入ではございませんけれども、一方で、これ以外にも、あの、年末年始、総理の英断をしていただきました二千七百億円の、最大一千九百五十万円という、重症のコロナ患者の病床一床当たりでありますけど、こういうようなお金が二千七百億円。
 それから、診療報酬等々にも、コロナ関係、例えば、重症患者の場合は三倍でありますとか、中等症は三倍から五倍の診療報酬を付けておりますので、先ほど言った一・五兆円よりも更に多くのお金が入っていると思います。ただ、そこはグラデーションがあるので、要はたくさん収入があるところとまだ入っていないところはあると思います。
 いつも総理がおっしゃられますけれども、そういういろんなことを考えた上で、コロナでですね、コロナに対応いただきながらそれでも運営ができないというような医療機関があってはこれはならないことでありますので、我々もいろんなお話をお聞かせをいただきながら、様々な政策これからも検討して、しっかりとコロナ対応いただいたところがちゃんと運営できるように対応してまいりたいというふうに考えております。

#244
○芳賀道也君 是非総理に、その声が届いているのか、実現できていないのは何なのかをお聞かせいただきたいので、お願いします。シンプルでいいです。

#245
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今大臣るる説明をしましたけれども、この医療機関に対しては、医療関係者や与党の御意見も伺いながら、また皆さんの意見も伺いながら、四・六兆円の予算を計上し、感染拡大防止のための支援や、新型コロナ患者を受け入れる医療に対しては一床当たり最大千九百五十万円の強力な支援もこれ実施してきています。
 これ、いつの日にちか、今の資料、何月かよく分かりませんけれども、こうした形の中で、今、さらに大臣申し上げましたような診療報酬の大幅な引上げなどを行ってきていますから、赤字のことは常識ではなかなか考えられないんです。
 それで、私自身、こうした支援によって、新型コロナ患者を受け入れる医療機関において基本的にこのことで減収になることはないものと考えておりますけれども、仮に減収になったとすれば、更に対策を検討し、医療現場の方が財政面でちゅうちょすることがないようしっかりと支援していく、ここの方針は全く変わっていませんし、そのように対応をさせていただいているところであります。

#246
○芳賀道也君 これ現実赤字ですし、ほとんどが二〇二〇年度の決算ということになりますので、それだけ支援が足りないんです。
 今、いろいろ厚労大臣も総理もこういうことやっているとおっしゃったんですけれども、先ほどこの委員会でも、私も尊敬するすばらしい方ですよ、自民党の自見先生がやはり病院の収支についてお願いしますよと質問されていたじゃないですか。こんなに立派な支援があるなら、与党の議員からも病院に対する支援をよろしくというような質問、あり得ないじゃないですか。そう指摘して、次の質問に移ります。もうこれ以上この話をしてもしようがないと思います。
 次は、野党は反対ばかり、対案がないということをよく信じている一般の方が随分いらっしゃるんですけど、総理、総理はそう思っていらっしゃるかどうか、お聞きしたい。

#247
○内閣総理大臣(菅義偉君) この新型コロナというこの厳しい状況を乗り越えていくためには、ここは与党も野党もないというふうに思っています。国会審議を通じて様々な御提案をいただいて、そのことに謙虚に受け止めながら、大事なものはしっかり対応させていただいております。
 例えば、強く御要望いただいた事業規模に応じた協力金、これについては今回実現をさせていただきますし、さらに、一人親、また二人親でも低所得の方については、子供に対して一人五万円を支給させていただく、こうしたこともたしか皆さんからもいろいろ御要望があったというふうに思っています。
 引き続き、国民の命と暮らしを守る、そういう中で、提案の中で必要なものであればそこは謙虚に受け止めて取り入れさせていただきたい、こう思います。

#248
○芳賀道也君 是非、野党は反対ばかり、提案がないと思っているのか、イエスかノーかでお聞きしたいんですが、お願いします。

#249
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私、今こんなに丁寧に答えたのに、褒められるのかと思ったんですけれども。
 本当にそういう意味で答えさせていただきました。

#250
○芳賀道也君 具体的に聞きたいと思うんですが、コロナ禍、個人の十万円給付、最も早く提案したのはどこだったでしょうか。同じように、一人親支援、学生支援、家賃支援についても最も早く法案を提出したのは政府・与党だったか、野党だったか、お答えいただけますか。

#251
○内閣総理大臣(菅義偉君) そこについては、いろんな方から、いろんな政党からそういう申入れがあったんじゃないでしょうか。

#252
○芳賀道也君 野党は反対ばかり、対案がないというのをわざわざ触れたのは、私、友人からも、議員になった途端に、野党は反対ばかりだから提案がないんだと、おまえはそういう議員になるなよと、そう信じ込んでいる人はそう言ったんですね。
 議員になって来てみたら、全く真逆でした。コロナ禍、個人十万円給付を最も早く提案したのは国民民主党。四月の半ばになって公明党さんも参加していただいて、どんでん返しで実現しました。さらに、一人親支援、学生支援、家賃支援についてもいち早く法案を議員立法で作って出したのは、当時、立国社、立憲、国民、社民。こういう先輩のように次々にいち早く法案を出せる議員になりたいものだなと思っていましたが、その法案は残念ながら与党から否決されてしまって、けれども、その後、遅くなりましたけれども、同じように一人親支援、学生支援、家賃支援、必要なことが次々実現しているんですね。
 総理、今、このコロナ禍であって、与党も野党もないんだということで、是非国民のためになることはやるんだという力強い御答弁がありました。もう一度確認します。そのとおり、そう思っていらっしゃいますね。

#253
○内閣総理大臣(菅義偉君) 余り疑わないでいただきたいなというふうに思います。そのとおり、そうであります。

#254
○芳賀道也君 有り難い言葉を、力強い言葉を聞きましたし、国民も見ていますので、この困難の中で与党も野党も、いや、話し合って決めているんだということが国民に見えれば、それが一つ大きな国民の安心につながると思うんです。
 次のパネルをちょっと見てください。
 これ、立憲民主党、国民民主党、それから無所属の碧水会の皆さんも協力して、つい先日、金曜日、参議院に提出したばかりの法案、支援策です。略称、分かりやすいように、事業規模に応じた経費支援法案ということです。同じ山形選出の参議院議員の舟山政調会長、参議院では矢田わか子議員など、それから衆議院では玉木代表、そして高井崇志議員などが諸外国の優れた例も参考に法案を作って、立憲の皆さんとも協力し、無所属碧水会の皆さんとも協力して提出したものです。
 是非、ちょっとテレビを御覧の皆さん、ラジオをお聞きの皆さんにはちょっと見ていただけないんですけれども、これ新しい法案ですので皆さん知っていらっしゃるということではないでしょうから、簡単に説明をさせていただきます。
 経営努力ではどうしようもない収入減少を国が支援しようというもの。コロナで減収になっているあらゆるお店や業種が対象。それから、地域の限定もないんです。今、様々な宣言や時短要請出されているところとそうでないところの差があって、それが問題だという声、国民の声があります。地域の限定も、あらゆるお店、業種が対象。それから、減収五〇%という様々な支援金がありましたが、五割減収というハードルは高いという声に応えて、減収三割減から対象になっています。
 ここまでよろしいでしょうか。あらゆる業種が対象、地域の限定もない、減収三割減から対象で、その分、減収に応じて支援しようという法案です。減収額に応じて、固定費や雇用調整助成金で補填されない人件費の四割から九割まで給付するというものです。
 総理も事業規模に応じた支援がようやくできたと言っていますが、これは休業への支援金のみということで、是非この法案、よく実にみんなで考えて、いろんな細かいところまで検討されている法案です。是非やりましょうよ、どうでしょうか。

#255
○国務大臣(西村康稔君) もう御説明してきたところでありますけれども、今回、八時までの時短に当たりまして、影響の度合いに応じた支援策ということで、最大月額換算で六百万円までの支援策を行うこととしました。
 あわせて、前の緊急事態宣言のときには六十万円、三十万円の一時支援金ということで支援をしてきたわけでありますけれども、今回、影響を受ける事業者、時短の対象でない方々についてどういうふうに扱っていくのか、これは経産省で詳細、今詰めているところでありますけれども、それ以外に一兆円の交付金を全国に配っておりまして、約二十の、二十を超える都道府県でそれぞれ支援策を行っております。最も大きいのはお隣の岩手県で、これは三〇%の減少になった事業者に対して最大二百万円の支援を行うということでありますし、それぞれ、山形県も三〇%以上減少で二十万円の支援を行うということであります。それぞれこういう形で支援策を講じてきております。
 その上で、今回御提案をいただいておりますので、法案の取扱いにつきましては国会でお決めになるものというふうに承知をしておりますけれども、私どもよく参考にさせていただきながら、不断の検討を続けていきたいというふうに考えております。
 ちなみに、検討課題として、ドイツの例を参考にされたということで承知をしておりますが、ドイツは全国を対象に休業、かなり厳しいロックダウンを行っておりますので、日本とは少し状況が違うということもあると思います。また、一千億円までの企業の、まあかなりの大企業まで国民の皆さんの税金で支援するのかという点もあるかと思います。
 いずれにしましても、参考にさせていただきながら、今後も不断の検討を続けていきたいというふうに考えております。

#256
○芳賀道也君 是非総理にお答えいただきたかったんですが、この法案という、どうでしょうと聞いて、こういうことをやっていますということではなくて、やっぱり国民も見ているんですから、この法案についてはこうだと。最後の方であった、いわゆる小さなお店から超大企業を除くということで、年間売上げ百億円以下ということにしています。超大企業、あっ、ごめんなさい、一千億円以下ですね、失礼しました、一千億円以下としていますが、これ、じゃ、この規模がちょっと、線引きをもうちょっと変えたらいいんだということならそれは修正にだって応じるんですから、総理もおっしゃっていたんですから、話し合いましょうよ。どうなんですか、総理、お願いします。

#257
○内閣総理大臣(菅義偉君) 法案については、国会でそれは話し合うのが当然だと思います。

#258
○芳賀道也君 本当にいい中身だと思うんです。支給が遅いって、これから、様々な給付金でありましたので、一旦金融機関が払って、国が保証して、金融機関は速やかに払う、で、国は後から金融機関に払うとかですね、手続、チームだけでは遅れるということがありました。ですから、税理士さん、会計士さんの皆さんにも支給申請を手伝ってもらう。様々に考えてあるんですよ。是非こういうものを、一緒に与党も野党もなく話し合っていきましょうよ。
 このことはお願いしたいと思いますし、様々な法案を否決して、やがて与党案で採決したというときに、遅れに遅れてしまったり、不十分だったり、野党案と同じにしないためか、支給の方法でも複雑になったり、混乱を招いてしまったケースもありました。そういうことじゃなくて、この法案でやりたい。
 いい例でいうと、ちょっと与党も大人げないな、否決しておいて自分の法案を出してそれを採決、そういうのではなくて、先日もありました、コロナ禍、誰一人取り残さないために孤独担当大臣が必要だと主張しましたら、総理も含めて、野党の主張ですけれども、そのとおりだと言って乗ってくれたじゃないですか。こういうふうに、与党も野党もなく、国民のためになることはやるんだということが、菅総理の人気というか、支持率にも私はつながっていくと思いますよ。
 総理、いかがでしょう。是非やりましょう。これ、いい法案なんです。

#259
○内閣総理大臣(菅義偉君) 先ほど申し上げましたように、いろんな提案をいただく中で、謙虚に、与党でも野党でもなく、いいものについてはそれは取り上げさせていただいている、まさにこのコロナの緊急事態ですから、そういう姿勢で取り組んでいることを申し上げます。

#260
○芳賀道也君 はやりの言葉で言うと超いけてる法案ですので、是非検討をしていただきたいと思います。
 また、国民民主党は、これはお店とか事業をやっている人ですから、国民一人当たり十万円の現金給付や低所得者にはプラス十万円、二十万円給付なども打ち出しています。この経費支援と併せて二度目の個人現金給付、是非実現してほしいですし、あわせて、雇用調整助成金の特例の延長もできるだけ早く決定し、働く人も、それから経営者の両方も安心して経営計画を立てられるように、コロナを乗り切っていけるようにお願いをします。山形県からも、雇用調整金の特例が打ち切られたら失業が大きく増える可能性があるという強い要望もいただいております。
 次に、パネル三を御覧いただきたいと思います。
 我が国の新型コロナの検査実施数、人口千人当たりでOECD諸国と比べると、びりから二番目。首都圏などで二度目の緊急事態宣言の延長を出した際、総理が記者会見で改めて検査を増やすという発言もあり、私は聞いていて、一年前の記者会見かと耳を疑いました。
 なぜ日本の新型コロナの検査能力、こんなにも低く、増えないのでしょうか。これネックになっているのは何なんでしょうか。

#261
○国務大臣(田村憲久君) 昨年の二月頃、二千ぐらい、一日、だったです。四月、一万能力になって、この一月、十一万、今十八万人、一日当たり、これPCRが主なものでありますけれども、検査能力あります。プラス抗原検査キット、よく玉木代表お出しいただいております抗原検査キット等々は、今年度、一千二百五十万回分これ用意しておりますので、検査能力はそれなりに上がってきておりますが、検査数が少ないというのは、一つはやはり感染者が少ないということでありまして、これ例えば、ドイツは感染者数が八・八倍、日本の、検査数も八・四倍です。アメリカは感染者数が日本の二十五倍、検査数は十五・九倍。イギリスは感染者数が十七・六倍、検査数が二十四倍と。大体、感染者が増えてくると当然検査が増えるという結果でございますので、そういう部分もある。
 何を申し上げたいかというと、これ無症状の方々はもっと検査という話はあるんですが、これやっていただくのもなかなか大変であります。なぜか。無症状なのにもし感染者となれば、これ、そのまま療養していただかなきゃならない。それだけじゃなくて、濃厚接触者も二週間どこかで療養という形になりますから、なかなかそこを考えると、無理やり検査をさせるということができないというところは、これはやはり自由主義国家でございます。アメリカは三億回以上もう検査やられておりますけれども、それでもやはり感染者が減らないということを考えると、計画的に戦略的に検査をやっていくということが大事でございますので、今そういう方向性の下で検査を進めておるということであります。

#262
○芳賀道也君 ちょっと私、耳を疑う発言がありまして、分かっちゃうと対応しなきゃいけないから検査しないと受け取れる発言もありまして、ちょっと驚くべきことですし、前総理が検査数が少ないと、前総理が検査数が少ないということで八月に一日二十万件の簡易検査を目指すとおっしゃって、目指す目指す目指すと言って、実際に実現したのは一月になってからでした。その後も、一月で一日二十万件、三か月間だということで一千万件ですが、今一千二百五十万ということがありましたけど、それ以降は余り増えてない、これも何とかしてもらわなければ困るなと思います。
 検査の話ばかりでもなんですけど、このワクチンも、これ、日本の遅れ、ちょっと愕然としてしまうんですよね。パネル四ですけれども、OECD三十七か国で百人当たりの新型コロナワクチンの接種回数、日本が最下位、一%にも行っていないということなんですね。もうOECDどころか最貧国より遅いというふうに言われています。
 ちょっと情けないというか、日本のワクチン接種は何でこんなにも遅いのか、これもネックになっているのは何なのか、教えてください。

#263
○国務大臣(田村憲久君) 誤解のないように、先ほど検査の話はそれだけ人権に制約が掛かるという意味で申し上げておりますので、決して、その方々を隔離しなきゃいけないのか、できるキャパがないとかいう話じゃなくて、人権問題として無理やり検査をさせられないということ、若しくはそれによって人に迷惑を掛けるという意識がそれぞれの方々にやはり芽生える中でなかなかやっていただくのが難しいというところはどうか御理解をいただきますようにお願いいたしたいと思います。
 その上で、ワクチンの方なんですが、これもやはり一つは感染者が少ないということで国内治験がなかなかやりづらいというのがございます。そういう意味では、日本で一定程度の治験をしないと、これはやはり、第三相試験とまでは言いませんけれども、ワクチン、なかなか有効性、安全性、ましてや人種差によって薬やワクチンというようなものは影響が出るのが違うということもございますので、そういうことも遅かった、遅いという一つの要因であると。
 ですから、比較的アジアで感染者が少ないところというのは欧米と比べると遅い傾向。ただし、中国に関しては、自国でこれはワクチンを作っております。我が国がワクチンを作るのが比較的遅いというところは、これから我々もいろんな部分を反省しながら、しっかりとワクチン等々を開発できるような、そういうような体制を組んでいかなければならないと思っておりますし、今そういう形の中でいろんな支援をさせていただいておるということであります。
 いずれにいたしましても、様々な事由、理由、特に感染者が少ないというのが治験の問題で一つ大きなネックになっておるというのは事実でございます。

#264
○芳賀道也君 大臣のおっしゃった理由も当然あると思います。しかし、これほど遅かったという理由にはならないのではないかと思うんですが、やっぱり甘かった契約の問題とか様々、やはり反省がないと次に進まないと思いますので、ほかのところのせいにばかりしないで、やっぱりこちら側に、進める側に問題がなかったのかもしっかり検証をしてほしいと思います。
 さらに、二〇一〇年六月、厚生労働省の新型インフルエンザ対策総括会議の報告書では、ワクチン対策について、国家の安全保障という観点からも、可及的速やかに国民全員分のワクチンを確保するため、ワクチン製造業者を支援し、開発促進を行うとともに、ワクチン生産体制を強化すべきだと。あわせて、輸入ワクチンについても、危機管理の観点から複数の海外メーカーと連携しつつ、ワクチンを確保する方策の一つとして検討していくべきであると。これ、二〇一〇年六月に提言されているんですよね。
 更に触れると、アメリカでは、国防総省の防衛先端技術研究計画局がメッセンジャーRNAワクチンの開発に二〇一三年から国防総省が補助を与えていて、その総額は日本円で二十七億円。
 我が国でも、この二〇一〇年の新型インフル対策総括会議の提言に沿って国内ワクチン製造者を支援してワクチン開発を応援、次の感染症対策を進める、安全保障、日本を守る、国民の命を守るためにも、こうした抜本的なところをサボってきた、これをしっかりやっていくことが必要なんじゃないかと思うんですが、いかがでしょう。

#265
○国務大臣(田村憲久君) ワクチンという意味では、委員おっしゃられましたとおり、まあSARSでありますとか、MERSもそうかも分かりませんが、あとエボラ、こういうもので、やはり欧米等の製薬会社はいろんな研究のデザインを作ってやっておられたと。そういう中で、メッセンジャーRNAのような、そういうワクチン開発というものも、コロナではありませんけれども、ノウハウをしっかりと得ておられた、こういうことがあるのは確かであります。
 もう一つは、日本のワクチンメーカーというのは元々は研究所が発のところが多くてですね、比較的規模がちっちゃいところが多かったというのが今までの現状であります。それに比べて欧米は大きいところが、それこそベンチャーのいろんな技術を使って開発する。日本の製薬メーカーもどんどん今変わりつつありまして、ベンチャーのそういう医薬品の開発企業等々と提携しながら、若しくはそのノウハウを買いながらいろんな対応しておりますけれども、そういうところ等々、やはり日本の国もこれから大きく変わっていかなければなりませんし、国としてしっかりと体制等々組んでいかなきゃならない。
 特に、ベンチャー系の製薬企業等々にはそういうものを開発、うまくそこが育っていくようなエコシステム、こういうものもつくっていかなきゃなりませんので、様々な観点からこれからも支援をしていけるような体制をつくってまいりたいというふうに考えております。

#266
○芳賀道也君 山形もそうなんですが、陽性者が増えている地域では老人施設なんかで繰り返し検査を行うんだなんて話が出たことがありました。それもなかなか進まない。さらに、保育園、幼稚園、学校、放課後の見守り施設、介護施設、訪問介護、安心して従業員も働き、それから利用者も迎えることができるように、繰り返し無料の検査が行われることが大事だと思うんですが、これもなかなか実際には進んでいない。
 なぜ進まないのか。そのネックとなっているのは何なんでしょう。

#267
○国務大臣(田村憲久君) 感染拡大している地域では、保育所も含めていろんな検査、行政検査でお願いしていただきたいことはお願いしております。
 それ以外でも、介護施設等々は今までもお願いをしてまいりました。特に、介護施設の場合はコロナに感染すると重症化リスクが高い方々が多いわけでございますので、働く方々含めて定期的にやっていただきたいと、もう何度もお願いしてきたんですが、これもやはり、一つは自治体の保健所との関係、これがどうしても、多くの方々対応という話になると、検体どう取るんだと。今は唾液で取れるようになってきましたのでPCRしやすくなってまいりましたし、あと検査能力の問題がありました。これもプール検査等々をこれ認めるようにいたしましたので、スクリーニングでプール検査や、それこそいつも言われている抗原検査キット等々を使ってやっていただく、いろんな方法があるというふうに思います。
 三月いっぱいで、いっぱいまでにやってくださいということで、今大体二万九千ぐらいの対象のうちの半分ぐらい、一万五千ぐらいもう実施してきていると思います。徐々に進んでおりますが、これを四月から定期的にやっていただきたい。
 ただ、全部じゃないんです、これは。なかなか難しいのは、先ほど言いましたとおり、従業員の方々に検査を無理にしていただくということを御理解いただくために、それは事業者もいろんなやっぱり説明していかなきゃならないと。中にはワクチンを打つ権利、打たない権利というのがあるように、検査を無理やり受けさせるというわけにはいかないものでありますから、御理解をいただいて検査を受けていただかなきゃならない。
 そういうところで事業者の方々も御努力をいただいておるということでございますので、しっかりと、全施設等々を対象に、我々としては何とかしていただきたいという思いがございますから、これからもしっかりと我々は行政として支援をしてまいりたいというふうに考えております。

#268
○芳賀道也君 時間もありませんが、国はそういう検査もできるようにしているんだというんだけど、なかなかそれが末端までどういう仕組みでどうやるのか、これ伝わっていないという部分もあります。検査能力がまだまだ足りないという話も今大臣からもありました。PCR検査だけではなくて簡易抗原検査、こういったものも活用して、不安を取り除くためにも、これからももっと地方との意思の疎通を良くして感染対策を進めていっていただきたいと思います。
 時間ですので質問を終わります。ありがとうございました。

#269
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子でございます。
 厚労省の老健局老健課、深夜までの大宴会をしていたということで、大変な衝撃を与えました。国民の信頼を裏切るもので、断じて許されるものではないと。官僚が正常な判断ができなくなっていると。こうした背景に、これ国民に自粛を要請する中で、総理を始めとした政治家、これ相次いだ会食、緊急事態宣言下での飲食等がありました。パネルを用意しております。(資料提示)
 総理、これ、こうした政治家の飲食等について、今回の事案に対する影響はなかったと言えるんでしょうか。

#270
○内閣総理大臣(菅義偉君) その影響がなかったかどうかというのは、私が申し上げるべきじゃないと思います。

#271
○倉林明子君 いや、私、影響がなかったとは言えないんじゃないかと思うんですね。
 政治家が率先してこれ自粛破り、先にやっていたんですよね。で、官僚にも国民にも、自粛要請してもこれ協力してもらえないと、こうした要因を政治家自らがつくっていると、こういう認識はありませんか。

#272
○内閣総理大臣(菅義偉君) いずれにしろ、やはり自粛をしていくというのは当然のことだというふうに思っています。

#273
○倉林明子君 せっかくこうしたテレビでこの問題を取り上げたんですよね。やっぱり真摯な謝罪ということを国民にも示すということでは、私はそういう機会として発言を期待したいなと思ったんですよね。
 国民には自粛を求めながら、自ら破ると。これ、必死でコロナ対応をしている、奮闘しているんですよ、現場は。そこに対する冷や水を浴びせるものだし、私、何よりも自粛効果を損ねているということを指摘したい。その責任は極めて重大だということ、重ねて申し上げたいと思う。
 何かコメントありますか。総理。

#274
○国務大臣(田村憲久君) いや、これ厚生労働省で起こった案件でございまして、一番感染防止を示していかなきゃいけない、それを進めていかなきゃいけないこの厚生労働省で、このような大人数で深夜までということで会食をしたわけでございます。
 私も政治家であり、そして大臣でございますので、その最高責任者でございます。本当に心から国民の皆様方にはおわびを申し上げ、二度とこのようなことがないように、起こらないようにしっかりと対応をしてまいりたいというふうに考えております。

#275
○倉林明子君 総理、政治家としていかがですか。

#276
○内閣総理大臣(菅義偉君) 常に襟を正して行動しなきゃならないというふうに思っています。

#277
○倉林明子君 本当に自粛を要請して、お願いして協力してもらうと。感染予防対策、先ほど総理は奇策がないとおっしゃった。国民に協力してもらうしかないというときですから、だからこそ申し上げておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 この新規感染者数が増加に転ずると、そして第四波に既に入っているという専門家の指摘もあります。各地で飲食店等に対する時短営業がこれ要請をされております。緊急事態宣言指定地域、そして新たに適用されたまん延防止等重点措置地域については、一定の新たな支援策ということも盛り込まれたと承知しております。しかし、その他の地域のところで見ますと、これ一日二万円、最大でも四万円ということになるんですね。これで封じ込めができるんだろうかというふうに思うんですけれども、総理、御見解いかがですか。

#278
○国務大臣(西村康稔君) まず、まん延防止等重点措置、今行っておりますけれども、ここの八時までの時短につきましては、売上げあるいは売上減少額に応じて月額換算で最大六百万円までの支援を行うこととしておりますので、これ、かなりの部分をカバーできる、固定費をカバーできる、もちろんそれ以外に雇用調整助成金もありますので、人件費なども含めてカバーできると思いますので、何とか協力に応じていただければというふうに考えております。
 そして、それ以外の地域は、まん延防止等重点措置が三府県で行われておりますので、一律四万円で基礎として、県においてそれを上下できる、場合によっては六万円、七万円とできるという仕組みにしております。総額の範囲内で、規模の小さいところは二万円とするとか、そういった工夫をしていただくことにしておりますが、それぞれの県では、やはり事務手続の簡素化、支給の迅速性というものを考えて一律四万円とされておりますけれども、今回、まん延防止等重点措置で私どもやり方、基準を示しましたので、今後はできる限り都道府県にそういった対応を、規模別の対応を促していきたいというふうに考えております。

#279
○倉林明子君 まん延防止等の重点措置についてはそうなんですよ。一定踏み込んでいただいた。
 しかし、関西圏ですけど、私、京都では重点措置対象外で、今その他地域ということになるんですけれども、これ補償がないということで、このままでは廃業するしかないという悲鳴が上がっております。実際に店舗閉じたところもぽつぽつと出てきているんですね。
 私、今日紹介したいのは、京都市の卸売市場、ここで仲卸やっている人たちからのお話なんですね。これ、市場法によって休むことができないんです、食料の安定供給という使命がありますから。そうすると、緊急事態中どういうことになったかというと、毎月、一事業者ですよ、数百万円から一千万円の赤字になるというんですよね。これ、飲食店等に対してその他地域最大一日四万円ということ出されたけれども、全く足りないわけです。
 こういう業種あるんですよ。ほかの業種の支援策ということで、やっぱりこういう実態、まん延防止等重点措置の地域以外で深刻な事態があるということをしっかりこれ見る必要があるというふうに思うわけです。
 飲食店等に対する時短営業の要請、紹介したように京都でも続いているし、その他の地域でも、重点措置じゃないというところに対しても要請掛けています。これ、緊急事態、まん延防止等重点措置以外、ここでもずっと影響が続いているという事態なんですよね。
 ところが、その他の地域では、持続化給付金も家賃支援給付金ももう打ち止め。持続化給付金なのに何で一回こっきりなんやと、持続化するまで出してくれという声が出ているわけです。要望強い持続化給付金の再支給、この決断が私求められているし待たれていると思うんですけれど、いかがでしょうか。

#280
○国務大臣(西村康稔君) 緊急事態宣言のときには、一時支援金ということで六十万円、三十万円の支援を経産省から行っていただきました。そしてまた、今回、まん延防止等重点措置によって影響を受ける方々にも、ちょっと名称まだ決まっておりませんけれども、支援を行うということにしております。
 あわせて、一兆円の地方創生臨時交付金を各都道府県にお配りをしておりまして、これを活用して二十以上の都道府県がそれぞれ独自の支援策を行ってくれております、地域の実情に応じてですね。大きいところは岩手県の法人最大二百万円、あるいは徳島県の百万円とか大分県七十万円など、それぞれの地域の事情に応じて支援策を行っていただいておりますので、こういった交付金も活用していただければと思っております。
 いずれにしましても、経済の状況、経営への影響など、私どもしっかりと見ながら、必要な対策、今回補正、新年度の予算で五兆円の予備費もございますので、そういったことの活用も含めて必要な対策を機動的に講じていきたいというふうに考えております。

#281
○倉林明子君 やっぱり、第三波、緊急事態宣言が解除されたと、さあ、これから何とか希望が見えてくるだろうかというところに今第四波ということで、本当に苦境に陥っているわけですよ。そういう人たちに共にこの苦境を打開しようというメッセージを、事業規模に見合った持続化給付金と、こういう再支給をやろうという決断を、私、今示すべきだと思うんです。

#282
○内閣総理大臣(菅義偉君) 持続化給付金でありますけれども、昨年は幅広い業種に休業要請を掛けたという中でのお願いでありました。昨年と状況は違っているということも事実じゃないでしょうか。
 そして、今回、飲食の時短に的を絞った対策の中で、今、西村大臣が説明をしましたように、飲食店以外にも最大六十万円、個人事業主三十万円、こうした対策も講じているところであります。

#283
○倉林明子君 補償をしっかりして支えていくということが、これ、コロナの第四波へ向かう上でも物すごくやっぱり大きなメッセージになる、何よりも自粛要請、この効果を上げることにもつながるんだということを強調したい。
 次に、医療提供体制の確保、検査についても伺いたいと思います。
 現状を確認したいと思います。患者の大幅増を想定した病床・宿泊療養施設確保計画を自治体に対して要請しております。それぞれの内容、策定期限ということで、簡潔にお答えください。

#284
○国務大臣(田村憲久君) 三月の二十四日、事務連絡出させていただいた案件だというふうに思いますが、五月までにしっかりと計画をお作りをいただいて体制整備していただきたいということで、これ要は、病床のみならず、他に療養施設でありますとか在宅の場合もあり得ると思います、増えてきた場合には。そのときには、在宅での健康観察等々、委託も含めてしっかり対応いただきたい。
 それからあと、調整ですね。入院なのか、それとも在宅、療養施設、在宅なのか療養施設なのか、この調整が感染の急拡大で滞って、待機者という方々が増えたということがございました。この調整機能もしっかりとおつくりをいただきたい等々。
 病床の場合は、重症者のための病床、中等症者、それからあと、もう症状は治って快気されているんだけれども、体が高齢者ですからなかなか自宅に帰れないという場合、どうしてもその後、転院をいただいて、一定程度リハビリも含めた対応をいただかなきゃいけないというので、そういう受皿の病院、こういうところも確保いただきたい。それぞれの役割分担の中でしっかり病床確保をいただきたいという、そういうお願いを出させていただきましたが。
 あわせて、四月もうこういう状況で、もうまん延防止重点化措置ということで大阪、兵庫、宮城となっておりますので、四月も、そこの地域だけではなくて、自分の地域が感染が拡大したときの対応は、それまで、五月までの計画でできているところもすぐこれを使っていただくことも含めて別途これは作っていただきたいということで、ダブルスタンダードというかダブルトラックで走っていただきたいというようなお願いをさせていただいたわけであります。

#285
○倉林明子君 今、数のところで紹介なかったんだけれども、病床数、第三波のときの二倍という、こういう設定でお願いしているという数だということなんですね。うなずいているので確認だと思います。
 これ、第三波で私分かったのは、確保しているはずの病床数が現実にはすぐ使えないという実態でした。病床があっても、医師や看護師の体制が取れずに稼働できないという事実ですよね。病床数二倍と、今回の目標というのは、私は余りにも現実離れしているんじゃないかというふうに思うし、第三波というのは日本の医療体制のやっぱりキャパ、キャパが本当に分かったということを教訓とすべきだということを言いたいんですね。
 医療機関のこの負荷をどうやって軽減していくのかという対策が絶対要るんですよ。そのためにも、重症患者、これいかに抑制できるかということが非常に大事な取組の勘どころになろうかと思います。無症状の感染者も、いかに早期につかんで保護できるかということになります。私、今本当に急いでやるべきは、この検査の規模とスピード、急いで引き上げることだというふうに指摘したいと思うんです。
 そこで、現状を確認します。
 高齢者施設等の職員に対する検査の実績、これ、どうかということです。三月末をめどに求めていた緊急事態宣言を出していたところということでしたけれども、これがどうなっていて、四月―六月の実施計画というのは一体どこまで提出されているんでしょうか。

#286
○国務大臣(田村憲久君) 二倍と申し上げたのは、感染者が二倍になっても、前回の二倍になっても対応できるようなという一つの事例です。それぞれの地域で感染者の数字は出していただく予定でありますが、なぜそう申し上げたかというと、最大一週間で二倍ぐらい増えたんですよね、前回、新規感染者が。それぐらい速いペース。しかも、イギリス株のように感染拡大、非常にスピードが速い、イギリスがそうでありましたけど、そういうこともございますので、緊急事態宣言を発出しても、すぐには緊急事態宣言発令できませんし、その時点の二週間後に本当の数字が出てきますから、そういう意味で、そういうようなつもりでという事例でお示しをさせていただきました。
 その上で、十都府県、先ほど来申し上げておりますけれども、基本的には歓楽街があるような大きな都市でありますが、そこの高齢者施設に関して定期的に集中的にということをお願いいたしておりますが、これ、四月一日で確認できたのが、一万九千程度の施設から申込みがあって、一万五千程度の施設で実施済みということでございます。あわせて、四月以降は定期的にということで、これ実は十都府県だけじゃなくて他の地域、つまり歓楽街が、大きな歓楽街がないところも含めてなるべく幅広にやっていただきたいということを全国にお願いをいたしておりまして、それは四十の自治体の方から今この計画を提出をいただいておるということであります。

#287
○倉林明子君 今年の高齢者施設、医療機関での集団感染ということで見ていますと、昨年と比べても、高齢者施設で五倍、医療機関で三倍ということで、集団感染やっぱり引き続き多いですよね。
 今回の計画策定に当たって、今、数字、昨日まで待っていても数字は、あっ、昨日じゃない、週末の時点では数字いただけなかったので今初めてお聞きした数字ではあるんだけれども、これ対象、どの施設までやるのかとか、高齢者施設だけなのか医療機関も含めるのかという対象をどこにするのか。そして頻度、月一回なのか週一回なのか、そういう基準は示されてなくって、これ自治体に丸投げだと、まあ自治体任せだということにとどまっているんですね。これ、今後の感染状況に応じてやっぱり対象地域も追加するということで、今、四十の話ありました。しかし、一気に本当にやっていく必要があると思うんですね。これ、後手に回るようなことがあってはならないということは申し上げておきたい。
 次、モニタリング検査についてです。これ一日一万件目標ということで掲げられました。これ実績を確認しますと、モニタリング検査、実績を確認しますと、直近の一週間で見ますと、実施、検査実施は一日七百四十八件という数字が確認できるかと思います。これ、一万件という数字目標はいつまでに達成するという計画ですか。

#288
○国務大臣(西村康稔君) モニタリング検査であります。ちょっと実績、計算、最新四日までで累計二万七千件キットを配布しております。そして、そこから返ってくるのにちょっと時間が掛かりますので、その翌週に集計をしておりますけれども、先月二十八日までに回収できた分が一万一千人分あります。七件の陽性疑いということで把握をしております。
 今後、四月中には一日五千件、そしてゴールデンウイーク明けには一日一万件を目指して拡大していくこととしております。少し方針を変えて、駅や空港や、要は活発な人がいるところ、あるいは繁華街などで配ってやっていたんですけれども、もう感染が、それは感染の再拡大の兆候をつかむという意味で始めたんですが、もう感染が少し広がってきておりますので、大阪や東京などではですね、まず行政検査で症状ある人がどの地域に多いのか、これを分析をして、その地域のより密になりやすい工場とか寮とかですね、そういったところを調整して検査を行うということで、大阪府、東京都ともそういうことで、例えばですね、連携をして、質、量共に改善を、増やしていきたいと、高めるよう調整を進めたいと考えております。

#289
○倉林明子君 四月で一日五千件と、ゴールデンウイーク後でようやく一万件ですよね。これ、専門家からも、一日一万件では感染源の探知に極めて不十分だと、我々十万件ということを言うてますけれども、専門家からは三十万件ぐらいに引き上げる必要があるんじゃないかという指摘もありました。
 対象についても、緊急事態宣言解除の十一都府県にこれ限定ということでの取組になっていました。今急拡大しているということで申し上げますと、山形、愛媛、青森、こういう地域は対象になっていないということだったんですね、金曜日のところまででいいますと。これ、もう方針変えたということでおっしゃいましたけれども、件数の目標は変わっていないようであります。極めて少ないし、遅いという指摘をしたいと思います。
 そこで、対象を思い切って拡大すること、これと併せて、モニタリング検査の同意要件、先ほどもちょっと議論ありましたけれども、陽性の場合は、これ自分で病院に行き、最終判定の検査を受けると、これが検査を受ける同意要件になっております。陽性でもあとは本人任せと、これ適切な保護にはつながらないというふうに思うんですね。陽性になることを恐れて検査協力も進まない、そういうことも起こっています、実際に。
 モニタリング検査で陽性となった場合の営業や生活の補償、こういうこともセットでやらないと効果につながらないと思うけれども、いかがですか。

#290
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のように、質、量共に高めていきたいと考えておりまして、地域は先週、沖縄や北海道でも開始をしております。また、宮城でも開始すべく調整をしております。
 モニタリング検査だけで兆候をつかんだり、あるいは感染源を特定するということではなくて、いわゆる行政検査が一日五、六万件は行われていると思いますし、そこでいろんなことも分かってくるわけであります。それから、高齢者施設の集中検査、あわせて、歓楽街で重点検査、これは仙台でも行われておりますし、山形でも行うべく調整をされていると理解をしておりますが、それから愛媛も繁華街で起こっていますので重点検査やっております。こうしたものを総合して、私ども感染源の特定をしていきたいと考えております。
 その上で、陽性になった場合、判断された場合ですね、この場合、まず私どもの検査で陽性疑いということで医師につないで、そして医療機関で判断をされるわけですけれども、その上で陽性と判断された場合ですね、まず入院とか宿泊療養、これは全額公費により負担をしておりますし、それから健康保険制度による傷病手当金の仕組みがありますので、そういったものを通じてしっかりと支援をしていければというふうに考えております。

#291
○倉林明子君 無症状の陽性者をやっぱり保護にしっかりつなげると、これが大事だと。感染拡大を防ぐために、補償の問題もお話ししましたので、実際にそれを恐れて受けないというようなことにつながってはならないので、踏み込んだ検討を求めたいと思います。
 変異株の把握についても聞きたい。直近の状況で、東京、埼玉、千葉、神奈川、宮城県、実績、数字だけでお答えください。

#292
○国務大臣(田村憲久君) 三月二十二日から三月二十八日の数字でいいですか、累計で。
 東京が十八、それから埼玉七、千葉十六、神奈川が十三等々、PCRでの検査で、実施率が二三%、一三%、三五%、二六%、二四%、全体で三一%であります。

#293
○倉林明子君 これ、今、到達を分かりやすくちょっとしてみたんです。高齢者施設等の社会的検査について、今いただいた数字なのでこれパネルには反映できていませんけれども、まだまだだということは確認できたかと思うんですね。一日当たりのモニタリング検査も、目標から見たら随分とまだ実績は大きな桁違いです。PCRの実施率も、これ四〇パーにとどめていいのかという水準ですので、これ更に引き上げる必要があると。
 私、この変異株の動きや関西圏での感染者急増というような動きを見ますと、急激な拡大を追い切れるテンポになっていないということを指摘したいと思うんです。
 四波封じ込めるために、この規模、スピード、思い切って引き上げる必要がある。総理の決断を求めたい。

#294
○国務大臣(田村憲久君) 我々も、でき得る限りこのスクリーニング検査を率を上げていきたいという思いがあります。
 ただ、これはもう実務的な話なので、要は、その中で大きな検査会社は幾つか国である程度連携取れますので、そういうところには試薬と技術移転して全部やっていただこうと。ただ、それぞれ都道府県でちっちゃいところとやっていますので、そういうところとの連携は国ではなかなか難しいので都道府県にお願いしなきゃなりません。
 そういう意味で、実質的にまずは四〇%というのは非常にこれは実現可能な数字でございますので、そういう意味でまずは四〇%と申し上げさせていただいておるということであります。

#295
○倉林明子君 第三波では、救える命が救えなかったんですよ。現場では命の選別も迫られたんです。
 二度とこんなことを起こしてはならないと最後申し上げて、終わります。

#296
○委員長(野村哲郎君) 関連質疑を許します。武田良介君。

#297
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
 東京電力柏崎刈羽原発でIDカードの不正利用、さらに、テロ対策設備の機能喪失、こういったテロ対策に関わる重大問題が次々と発覚をいたしました。
 規制委員会は、この問題の重要度を世界最悪レベルの赤というふうに評価をいたしましたし、東電の安全を守る活動に長期、重大な劣化が見られるということで是正措置命令を下しました。この是正措置命令そのものは原子炉に核燃料を装填してはならないと、こういう話ですけれども、実際に是正されるまでは原発を動かすこともできない大変重大なものだと思います。
 こうした命令は「もんじゅ」以来二例目というふうに言われております。「もんじゅ」の事案というのは、日本原子力研究開発機構が「もんじゅ」は稼働していないということを理由にして行うべき安全点検を行わなかったということですけれども、今回はそれに続く二例目、しかし、発電用の原子炉としては初の命令が下されたわけであります。
 そこで、東電に伺いたいと思いますけれども、この事態、どう受け止めておられますか。

#298
○参考人(文挾誠一君) お答えさせていただきます。
 ID不正使用問題に加えまして、核燃料物質防護設備の一部機能喪失といった一連の不適切事案を起こしてしまいました。地域の皆様を始め、広く社会の皆様に御不安と御心配をお掛けしておりますことを改めて深くおわび申し上げます。
 三月三十一日に原子力規制委員会より、先生御指摘のとおり、柏崎刈羽原子力発電所におきます特定核物質、特定核燃料物質の移動を禁止する是正措置命令が出されております。大変重く受け止めてございます。
 当社は、福島第一原子力発電所で重大な事故を起こしてしまい、社員全員がしんから反省し、二度とあのような事故を起こさないと志を共有してまいりました。事故の反省から、安全意識、技術、それと対話力の不足というものを向上するための取組を進めてまいりましたが、そうした中でこのような事案を起こしてしまったことは痛恨の極みでございまして、その取組は十分でなかったというふうに認識してございます。
 いま一度、福島第一原子力発電所事故の反省と教訓という原点に立ち返りまして、根本的な原因究明と組織全体として対策の強化を図りまして、抜本的な対策を講じていく必要があるというふうに考えてございます。
 発電所に経営資源を最大限投入いたしまして、発電所と本社が一体となりまして原因の究明と対策を取りまして、その対策の定着と効果を認識しまして信頼の回復に全力を挙げてまいります。
 以上でございます。

#299
○武田良介君 「もんじゅ」については、原子力規制委員会が二〇一五年、主務大臣である文科大臣に対して勧告を出しました。それは何と書いてあるかといいますと、「もんじゅ」は、研究開発段階とはいえその規模は発電用原子炉に近いもので、リスクも軽視できないと。安全確保上の難度が勝るとも劣らないのであり、当委員会としては、機構は「もんじゅ」を扱う主体として必要な資質を有していないと考えるというふうに言っているんですね。
 東電も自らの資質を問われているということをしっかりと自覚すべきだというふうに思いますし、何より、パネルにしました、東電による不祥事は今に始まったことではありません。(資料提示)
 これ、東電のプレスリリースや報道から私の事務所でまとめましたけれども、東電のデータ改ざん、隠蔽、安全軽視がずらっと並びます。このデータの改ざんとか隠蔽というのは意図的に社会の目をごまかそうとしているものであって、電力事業者として到底信用できない行為であることは言うまでもありません。
 何より、東電は福島第一原発事故の当事者です。原発事故の発生前から、日本共産党の吉井英勝議員が津波による電源喪失の危険を指摘してきたにもかかわらず、対策は取られませんでした。原発事故の発生時の対応でも、メルトダウンが起きていたにもかかわらず、当時の清水社長がメルトダウンという言葉を使わないように指示していたということも明らかになりました。事故後も、柏崎刈羽原発の事故対応拠点となるべき免震重要棟が地震に耐えられない状態であったという事実を隠していたことも明らかになりました。
 総理に伺いたいと思います。
 これだけの不祥事が長きにわたって続いています。三・一一の原発事故の後も続いております。何でこれだけ東電で不祥事が続くとお考えですか。

#300
○内閣総理大臣(菅義偉君) 安全対策をしっかり実行しなきゃならない東京電力が重大で不適切な事案を起こしたことは大変遺憾であり、深刻に受け止めています。原子力規制委員会からも、柏崎刈羽原発の組織的な管理機能の低下や安全文化の劣化が指摘されていると承知しています。
 過去の不適切な事案も踏まえ、なぜこのような事態を繰り返してしまうのか、東京電力が規制委員会の検査に真摯に対応し、根本的な原因を究明しなければならないのは当然のことだと思います。
 経済産業省も、東京電力に任せることではなく、組織的な改善の道筋を描いていかなきゃならないというふうに考えています。

#301
○武田良介君 どうも人ごとに聞こえてしようがない。政府の責任を自覚すべきだということを申し上げたいと思うんですが、規制委員会にもお聞きいたします。
 規制委員会は是正措置命令下しましたけれども、設置許可の取消し、その原子炉を保有できないという、そういう状況の判断もできた、法律上はできたはずであります。ですから、三月二十四日の原子力規制委員会の場で、東電に対して原子炉の設置許可を取り消すか、あるいは是正措置を命じるか、議論がされた。この議論の内容を見ますと、設置許可取消しについては今後の検査を見なければ判断できないということなんですけれども、パネルにあるように、ずらっとこれまでも並んでいるわけであります。こういうことを考えれば、もう設置許可の取消しということも必要なのではないかと、私、率直に思います。
 更田委員長は、記者会見などでも、将来の許可の取消しの可能性も否定しないというふうに述べておられますけれども、確認します、許可の取消しの判断、除外されませんね。

#302
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
 原子力規制委員会としましては、将来の東京電力柏崎刈羽原子力発電所の設置許可の取消しについて、将来における可能性を否定しているものではございません。

#303
○武田良介君 重ねて、更田委員長、その検査結果を踏まえて、ちゅうちょなく設置許可の取消し、これも判断するということでよろしいでしょうか。

#304
○政府特別補佐人(更田豊志君) 今後、恐らくは一年以上にわたる期間ですけれども、まさに委員御指摘のように、なぜ東電で続くのか、ここがポイントであります。この先ほどの東京電力からの答弁にもありましたが、東京電力が考えている原点というのは本当に原点なのか、原点と言えるものなのか、そしてなぜ東京電力で続くのか、最終的な判断に至るまでにやはりきちんと詰めるべきところは詰めるべきというふうに私たちは考えております。
 そういった意味におきまして、これから一年間の検査を通じてしっかりとした確認をしてまいりたいというふうに思います。

#305
○武田良介君 ちゅうちょなく判断するべきだと思いますし、私、速やかに設置許可取り消してしかるべきだというふうに思いますが。
 こんな東京電力に原発の安全検査を任せるというふうにしたのが二〇一七年の原子炉等規制法の改定であります。この青字で書いたところであります。これまでの検査というのは、電力会社も規制機関も一緒になって検査をやってきた。しかし、新しい検査制度では、検査を行う主体はあくまで事業者だというふうに、事業者による自主検査に変更されてきました。これ、事業者任せでは不正も見抜けないではないかということを、私、当時からも指摘をしてまいりました。
 そして、今回の審査制度がスタートしたのは二〇二〇年の四月からであります。まさに新しい審査制度が始まって一年もたたないうちに発覚したのがID不正の問題であり、テロ対策設備の機能喪失の問題であります。
 東電に任せたら、一年もたたずにこんな事態になってしまったと。この事態をどうお考えになるのか。更田委員長、いかがですか。

#306
○政府特別補佐人(更田豊志君) 今回の施設の機能の一部喪失事案については、その機能、機器の機能が喪失していたこと自体ももちろん重大なことなんですけれども、ただ、そういった機能喪失があったときに事業者が十分な代替措置をとることが義務付けられています。この代替措置がきちんととられていなかったことを原子力規制委員会は非常に重く見ています。
 この代替措置が不十分で、なかったというのは、日曜日の夜間に検査として入って確認することができました。このやり方は旧制度ではできないやり方でありまして、常駐の検査官が二十四時間いつでも踏み込めるという新しい検査制度の、もちろん突然踏み込まなくても、定期的に何月何日に行きますよという検査でも同じことが見えたかもしれないです。しかしながら、今回は新しい検査制度の利点がそういった意味で生きたというふうに考えております。
 また、今回の事案の発生自身と制度の変更自体のタイミングというのは、これは相関があるものだというふうには捉えておりません。

#307
○武田良介君 今、抜き打ちの検査もありましたけれども、いつもやっていくものではないというふうに私説明も受けております。そうしたら、不正が発覚した後の対応にどうしてもなってしまうんじゃないだろうかというふうに思えてなりません。
 大体、福島原発事故を受けて設置された国会事故調の報告書、何て書いてあるか改めて読みましたけれども、規制当局が事業者のとりことなり、規制の先送りや事業者の自主対応を許し、国が自らの責任を回避してきたことが事故の背景にあると指摘されているわけです。福島の事故の教訓を決して忘れてはならないということを私は強調したいというふうに思います。
 総理、私、政府の責任問いたいと思うんですね。東電はこういった改ざん、隠蔽、安全軽視の姿勢で一貫しています。ついにテロ対策めぐって赤の評価も下されました。東京電力に原発を動かす資格はないんじゃないだろうかというふうに思うんです。
 先日の予算委員会で総理は、原発を扱う資格に疑念が持たれても仕方がないというふうに答弁されておりますが、疑念ではなくて資格なしとはっきり言うべきじゃないですか。

#308
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今般の東京電力の不適切な事案は、地元の方々の信頼を損ねる行為であり、組織の体質や原発を扱う資格にまで疑念を持たれてしまう、このこともやむを得ない、そのように思います。
 東京電力においては、高い緊張感を持って、責任を持ち、まずは規制委員会の検査に真摯に対応すべきだと考えています。その上で、東京電力の組織的な管理機能について抜本的な対策を講じる必要があると考えます。
 東京電力を監督する立場の経済産業省から厳しく指導させたいと思います。

#309
○武田良介君 国は東電の株の半分持っているわけですよ。衆議院の質疑でも、日本共産党の藤野保史議員が、エネ庁幹部が八十回も異例の新潟訪問をしていたということも明らかにしました。国は再稼働を進めようとしているのであって、まさにその当事者としての責任をどう考えているのか。
 そういう中で、東電が今年に入ってからもこういうことをずっとやってきた。
 もう一度問いたい。そこら辺の責任、どのようにお考えなんですか、総理。

#310
○内閣総理大臣(菅義偉君) まず、東京電力は、高い緊張感を持って、規制委員会の検査に真摯に対応していくべきだというふうに思います。そして、東京電力の組織的な管理機能について抜本的な対策を講じる必要があるというふうに思っています。
 東京電力を監督する立場の経済産業省から厳しく指導をさせていきたいと思います。

#311
○武田良介君 いや、本当に人ごとのような答弁ではいけないというふうに思うんですね。
 再稼働ありきで安全軽視の、そんな原発を絶対動かしてはならないと思いますし、東電に運転する資格なしということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。

#312
○委員長(野村哲郎君) 他に御発言もないようですから、本日の審査はこの程度といたします。
 次回は来る七日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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