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2021/04/08 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 法務委員会 第6号 令和3年4月8日
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2021/04/08 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 法務委員会 第6号 令和3年4月8日

#1
令和三年四月八日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月六日
    辞任         補欠選任
     宮崎 雅夫君     山崎 正昭君
 四月七日
    辞任         補欠選任
     渡辺 猛之君     高橋はるみ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本 香苗君
    理 事
                磯崎 仁彦君
                豊田 俊郎君
                真山 勇一君
                伊藤 孝江君
                清水 貴之君
    委 員
                小野田紀美君
                高橋はるみ君
                中川 雅治君
                福岡 資麿君
                森 まさこ君
                山崎 正昭君
                山下 雄平君
                難波 奨二君
                谷合 正明君
                川合 孝典君
                山添  拓君
                高良 鉄美君
                嘉田由紀子君
   国務大臣
       法務大臣     上川 陽子君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局人事局長   徳岡  治君
       最高裁判所事務
       総局民事局長   門田 友昌君
       最高裁判所事務
       総局家庭局長   手嶋あさみ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        青木勢津子君
   政府参考人
       内閣府日本学術
       会議事務局長   福井 仁史君
       警察庁長官官房
       審議官      猪原 誠司君
       法務省大臣官房
       政策立案総括審
       議官       竹内  努君
       法務省大臣官房
       審議官      山内 由光君
       法務省大臣官房
       司法法制部長   金子  修君
       法務省民事局長  小出 邦夫君
       法務省刑事局長  川原 隆司君
       出入国在留管理
       庁次長      松本  裕君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    小林 洋子君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    大坪 寛子君
       厚生労働省子ど
       も家庭局児童虐
       待防止等総合対
       策室長      岸本 武史君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○法務及び司法行政等に関する調査
 (被疑者取調べへの弁護人の立会いに関する件
 )
 (離婚後の子の養育に関する件)
 (難民認定制度に関する件)
 (訴訟手続のIT化に関する件)
 (外国人労働者向けの相談窓口に関する件)
 (刑法における性犯罪規定の見直しに関する件
 )
 (調停委員の任命に関する件)
 (法制審議会の委員等の任命に関する件)
○民法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
○相続等により取得した土地所有権の国庫への帰
 属に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────

#2
○委員長(山本香苗君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、宮崎雅夫君及び渡辺猛之君が委員を辞任され、その補欠として山崎正昭君及び高橋はるみさんが選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(山本香苗君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府日本学術会議事務局長福井仁史君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(山本香苗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#5
○委員長(山本香苗君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#6
○森まさこ君 自民党の森まさこでございます。前回に引き続き質問をさせていただきます。
 京都コングレスでは、議長を務めた上川大臣の国際感覚が際立っていました。日本国民として誇らしかったです。
 資料一と二を御覧ください。
 この京都コングレスのサイドイベントの日本の刑事司法に関するオンラインイベントは、七百人以上のアクセスがあり、カルロス・ゴーン事件を契機とする日本の刑事司法制度に対する多くの誤解を解くために効果があったと思います。是非この動画を引き続き視聴できるようにしてほしいのですが、大臣、いかがでしょうか。

#7
○国務大臣(上川陽子君) 京都コングレスの開催、これで一か月がたとうとしておるところでございます。委員も大臣時代に、この京都コングレスにつきまして、特にサイドイベントの開催については大きな御指導をいただいたものと承知をしております。ありがとうございました。
 この我が国の刑事司法制度につきまして、正しい理解の醸成ということは極めて重要でございまして、その意味で正確な情報をしっかりと国際的にも発信していくということが重要と考えます。
 そうした中で、今回、具体的に国連への提出文書、また参加者への配付資料等におきまして我が国の制度につきまして的確な説明に努めたほか、サイドイベントとして日米の法学者によるパネルディスカッションを実施し、日本の刑事司法制度についての比較的な視点からの議論をしていただき、そして、そのものを今委員から御指摘の法務省のコングレスサイトにおきましてオンデマンドで配信を行ったところでございます。動画ということにつきましても、記録として極めて重要なものでございます。
 これは、この終了した後にどうするかということでございますが、このイベントにつきましては動画配信も終了したところでございますが、法務省では、引き続き諸外国に向けまして効果的な発信体制・方法を検討いたします。刑事司法制度その他の法務省の各種の施策につきまして、国際的な理解を得られるよう、積極広報ということに努めてまいりたいというふうに思っております。何らかの形、その議論の内容につきましても、できる限りの発信をしてまいりたいというふうに考えております。

#8
○森まさこ君 是非、この動画、大変好評でございましたので、例えば、動画自体は国連の許可も必要なんでしょうが、その議事概要を起こして法務省のホームページで紹介するなどの広報に努めていただきたいと要望をいたします。
 二問目に移ります。
 取調べの弁護人立会いについて、前回は刑事局長の御答弁でしたので、大臣に答弁をいただきたいと思います。
 取調べの弁護人立会いがないことは、ダボス会議を始め海外から批判をされています。京都コングレスのサイドイベントでも、日本の制度に好意的なアメリカ学者でさえ、この問題だけは指摘をしておられました。
 前回、刑事局長が答弁をなさった内容ですが、今回、大臣が御答弁をいただくということで、議論を分かりやすく整理したいと思いまして、資料を準備いたしました。
 資料三を御覧ください。
 前回の、刑訴法の改正がございました、その附則九条によると、一項で録音、録画の見直し、二項で「前項に定めるもののほか、」とありますから、見直しの対象は録音、録画に限らないことは明らかです。つまり、取調べの立会いが三年後の見直しの対象ではないと言い切ることはできません。
 さらには、資料四の四ページを御覧ください。
 今年の二月十六日、法務省政策評価会議で、法務省自ら、三年後見直しを含む適切な時期に見直すと答弁しているのです。この答弁は法務・検察行政刷新会議の報告書に触れておりますが、それは資料五の十ページと資料六の二十三ページにございます。
 資料六の二枚目でございますが、ページ数二十三ページでございます、これを御覧ください。資料六の二十三ページ、これは昨年十二月二十五日頃に、上川大臣宛てに鎌田座長から手渡されました。ここに法務大臣に対する記述があるので読み上げます。
 とりわけ被疑者取調べへの弁護人の立会いについて様々な意見が示されたところであり、令和元年六月までに施行された平成二十八年改正刑事訴訟法の三年後検討が予定されていることから、法務大臣において、前記各意見の趣旨も十分にしんしゃくし、検討のために必要十分な資料を収集、分析した上で、三年後検討の場を含む適切な場において、弁護人立会いの是非も含めた刑事司法制度全体の在り方について、社会の変化に留意しつつ、刑事手続の専門家以外の多様な視点も含めた幅広い観点からの検討がなされるよう適切に対応すること、とございます。
 そもそも、改正法の録音、録画が法制審に諮問される前提となった法務省内の検討会である検察の在り方検討会議では、取調べの立会いが議論に上がっていました。というのも、改正の発端となった検察のフロッピーディスク証拠偽造事件の村木厚子さん本人が検察の在り方検討会議のヒアリングで取調べの立会いの導入を求めているのです。しかし、検察の在り方検討会議の取りまとめ後、録音、録画だけが諮問されたのです。
 ですから、改正の三年後の見直しでは、録音、録画だけで足りるのか、取調べの弁護人立会いが必要なのかを議論すべきことはむしろ当然と考えています。三年後とはいつか。令和五年に当たります。大臣、令和五年を見据えて、先ほどの資料六の刷新会議の報告書を踏まえて、いつ取調べの弁護人立会いについて検討を開始されるおつもりですか。また、どのような場でされるおつもりでしょうか。御答弁をお願いいたします。

#9
○国務大臣(上川陽子君) 委員御指摘の被疑者の取調べへの弁護人の立会いの制度についてでございますが、御紹介いただきました法務・検察行政刷新会議におきましても、制度の導入を求める意見がある一方で、現行法の下でこの制度だけを導入した場合の支障についても強い懸念を示す意見もあるなど、様々な御意見が示されたものと承知をしております。
 先ほど委員から法務・検察行政刷新会議におきましてのそのことに記述してある部分について読み上げていただいたところでございますが、そういう状況の中での御提言になったというふうに思っております。
 この制度につきましては、平成二十八年の刑訴法の改正に先立つ法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会におきまして議論をされたものでございます。取調べの在り方を根本的に変質させて、その機能を大幅に損なうおそれが大きいという問題が指摘されまして、その上で導入しないということとされたものと承知をしております。
 したがいまして、被疑者の取調べへの弁護人の立会いの制度につきましては慎重な検討を要すると考えておりますが、先日の三月三十日、私、答弁をさせていただきましたけれども、私の方から刑事局に対しまして適切に対応するよう指示をしたところでございます。
 法制審議会、また法務・検察行政刷新会議での様々な御意見も踏まえつつ、適切に対応していくものと承知をしております。

#10
○森まさこ君 大臣、ありがとうございます。
 大臣から刑事局に指示がなされたということでございますが、その後の刑事局長の答弁が、指示をされた割には積極的な対応を感じさせないものであったものですから、今回、再度質問をさせていただきました。是非、大臣から更に、再度、三年後の見直しを含む適切な時期に検討するようにというふうに指示をお願いしたいと思います。国際世論からの批判も多くございます。
 そして一方で、捜査手法が海外と異なり、手足がとても少ないんだというような捜査機関からの意見もございます。それでありましたら、制度設計を工夫してそのバランスを取るように、そういった議論をもっと国民を巻き込んですることが望ましいというふうに考えておりますので、御検討をよろしくお願いいたします。
 三問目に参ります。
 性犯罪について質問をします。
 この性犯罪についても、刑法の改正に三年後見直しが付いています。三年後の時期は令和二年に当たりますので、令和二年に私がこの検討会を設置いたしました。資料七にございます。上川大臣が熱心にお取り組みになられたワンツー議連の申入れを受けてしたものでございます。
 資料七にある検討会のメンバーは七割が女性を任命しました。また、新たな取組として、被疑者側だけではなく被害者側の弁護士を初めて入れました。そして、被害者団体にも初めて入っていただいたということでございます。この検討会のその前の検討のときには、従来は、一人を除き全て実務家、つまり弁護士、検事、裁判官、学者によって構成されておりましたが、それ以外の、被害者側の、本人たちの声をより多く反映させようという趣旨で構成をいたしました。
 前回の検討会は平成二十七年、そこで検討された論点が全て法制審に諮問されたわけではございませんので、残された論点は二十七年から六年間そのままになっております。是非、今度は、女性の割合も多いこの検討会の、そして被害者の視点がより多く入っているこの検討会の出された論点はしっかりと法制審の議論にかけていただきたいと願っています。そろそろ検討会の取りまとめの時期に入ると伺っております。更にスピードアップということをお願いしたいと思います。
 今から法制審にかけるとしまして、そしてその後改正となると、二十七年のときに取り残された論点は、そこから始まって六年プラス何年かたって、もう十年の声を聞いてしまうのではないかと恐れています。その間に毎日のように被害者が出ているということを考えますと、是非、大臣に早く法制審に諮問をしていただき、改正に向けて進んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#11
○国務大臣(上川陽子君) 性犯罪は、被害者の尊厳を著しく侵害する、その心身に長年にわたりまして重大な苦痛を与え続けるというものでありまして、決して許されるものではございません。厳正に対処していく必要があるものと認識をしております。私も、その意味で、この問題、そして被害者の方々の声を受け止めながら、粘り強く皆さんとともに活動してきたところでございます。
 今般、性犯罪に関する刑事法の検討会、これを立ち上げていただきまして、そして今、令和二年の六月からこれまでの間に十四回の会合を開催をされているところでございます。多角的な論点から様々な議論が活発に行われてきたものと思います。構成のメンバーの中に被害者を代表する、被害者の支援を代表する方にも入っていただく、またそれに関連している弁護士の皆様にも入っていただくと、こうした形の中でこの十四回の議論がなされてきたところでございます。
 十四回の会合は令和三年三月三十日の開催でございましたけれども、座長から、次回の第十五回、この会合は四月の十二日開催する予定ということでございますが、それ以降、取りまとめに向けました議論を行いたい旨の提案があり、これが了承されたと聞いているところでございます。この検討会におきましては、様々な意見を取りまとめ、更に御議論が深まるということを通して、迅速かつ充実した審議をお願いしてきたところでございますので、しっかりとそれを待ちたいというふうに思います。
 法制審議会への諮問という形の中でのこの御質問でございますが、今の段階で、最終的な取りまとめはお任せしているという状況でありますので、それをもってその諮問の部分の時期まで明示することができないところでございますが、いずれにしても状況は非常に切実な状況がありますので、その意味で更に充実した御議論がなされるよう期待をさせていただいているところでございます。

#12
○森まさこ君 質問を終わります。ありがとうございました。

#13
○真山勇一君 立憲民主・社民会派の真山勇一です。どうぞよろしくお願いします。
 裁判所、特に家裁、家庭裁判所の体制についてということでこのところ質問させていただいているんですが、今日もその続きで、別居とか離婚をめぐる子供の問題について取り上げたいと思います。
 先日途中になってしまったので、その続きということになりますので、まず、今日は厚生労働省に前回伺ったことからの確認をさせていただきたいというふうに思います。
 児童相談所は、精神的な虐待は虐待ではないという認識なのでしょうか。

#14
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
 児童虐待防止法におきまして、児童虐待として身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待の四類型が規定されておりまして、精神的虐待、これは、もちろんその個別の当てはめは個別の判断でございますが、精神的虐待というのはここで言うところの心理的虐待に含まれると解するのが通常であろうと考えております。

#15
○真山勇一君 では、例えばですね、一方の親を嫌うように子供に仕向けたり悪口を言わせたりすること、これ片親疎外という言葉で呼ばれているんですが、これは虐待に当たりますか。子供に対する虐待に当たりますか。

#16
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
 先ほど児童虐待の四類型についてお答え申し上げましたが、御指摘の片親疎外という行為によりまして子供に身体的又は心理的外傷が生じる場合など、子供の最善の利益の観点から見て問題がある場合にはこの虐待に該当するということも考えられると思います。
 例えばでございますが、これも個別判断になりますが、子供に別居親を罵倒させるなどによりまして子供がトラウマを受けたというような場合には心理的虐待に当たることがあるものと考えております。

#17
○真山勇一君 前回御紹介した当事者の女性なんですが、資料一を見ていただきたいんですが、その方のこれ事件の経過を書いた記者会見用のメモです。これをいただきました。
 これ読みますと、真ん中辺りになりますけれども、失礼しました、下の方にあります下線部分ですけれども、これをちょっと見ていただきたいんですが、児童相談所に相談し、精神的な虐待として調査と子供たちのケアをお願いしましたが、身体的な虐待がないので虐待はないと言われて何もしてくれませんでしたというふうに書いてありますけれども、この対応、これは適切なんでしょうか。

#18
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
 この個別の事案についてのお答えは差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として申し上げれば、もしこのとおりに身体的虐待以外は虐待ではないというような対応だったといたしますならば、先ほどの児童虐待防止法に定める四類型の考え方とは合わないものでございます。

#19
○真山勇一君 では、これは適切な対応ではないということでよろしいですか。

#20
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
 繰り返しで恐縮でございますが、この件が個別案件として不適切であったかどうかについてのお答えは難しゅうございますが、このような、一般論として、このような身体的虐待でなければ虐待ではないというような捉え方をこの児童虐待についてしているということがありますならば、それは児童虐待防止法の四類型の考え方と合わないので適当ではないということになります。

#21
○真山勇一君 では、一般的にそういう意味の虐待が確認されたときは、確認されたとしたら、やっぱり一般的に言って、こうしたケースの場合はどうなんですか。児童相談所にこういうことが起きないような指導なり、そういうことはするということでよろしいんですか。

#22
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
 これも一般論としてのお答えになるものでございますが、虐待の事実を把握したような場合には、児童相談所は、子供の状況、保護者の状況、生活環境などから総合的に判断をしまして、必要があれば、例えば保護者に対しまして助言、指導や児童福祉司指導といった指導を行いますほか、その現在の環境に置くことが子供の安全な家庭生活を確保する上で問題があると判断されるような場合には一時保護を行うといった対応も含めて対応するものでございます。

#23
○真山勇一君 やっぱり児童相談所を頼ってきている当事者の方というのは、もう本当に深刻な状況、いろいろ、ケースはいろいろあるでしょうけれども、頼ってきているわけなので、是非適切な対応ということを現場に徹底していただきたいということを申し上げたいと思います。
 次に移りますけれども、この資料一の、前回も途中まで御紹介したんですけれども、この女性のケースは、不倫をしている夫に三人の子供を連れていかれてしまって三年間会えないでいる女性なわけですけれども、裁判所の決定で、一か月に一回、子供から手紙が送られてくるだけということなんですね。その手紙に、子供が書いてある写真も一緒に、しねとか、ばばあとか、ばかとか、中指を立てたポーズ、これはどういうことか意味は御存じだと思います、中指を立てたポーズ、それから、母親から来た手紙ですね、これをはさみで切っている姿、写真に撮れていて、そういう写真が母親の方へ送られてきているんですけれども。
 裁判所に伺いたいんですけど、これ、こういうことは片親疎外に当たりますか。児童虐待でしょうか。伺いたいと思います。

#24
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。
 個別の事案を前提としたコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
 また、片親疎外に当たるか、虐待に当たるかということ自体と申しますよりは、先般お答えさせていただきましたとおり、子の利益の観点からどういう影響があるかということを中心に考えていくことになるというふうに承知しております。

#25
○真山勇一君 それでは、子の利益ということを大事に考えていきたいとおっしゃった。子供が、このお子さんは十歳前後のお子さんです、そのお子さんが自分で自ら、ママ嫌いだからばかって書こう、そういうことを子供が思っていたとしたら、やっぱり親はどういう指導を、子供に対してどういうことを、言うべきじゃないかと思いますし、こういうことが子供にもし親から言われていたりすると、それは子供のその福祉の最善という観点からどういうふうに考えられますか。

#26
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。
 子供にとって、申し訳ございません、同居親の行為によって子に心理的外傷が生じるなどの子の心身に重大な影響が生じているというような場合には、例えば監護親の指定をするに当たっては、同居親の監護者としての適格性を否定する方向での事情として考慮されることは一般論としてはあり得るところだと存じます。

#27
○真山勇一君 やっぱり子供の精神状態どういうものかというの、これすごく大事なことだと思うんですよね。やっぱり一般的に考えれば、常識的に考えれば、子供が母親に物すごい憎しみ持っていれば別ですけど、普通だったら、やっぱり子供がこういう、母親、本当の母親ですよ、実の母親に向かって、しねとか、ばばあとかって書くこと自体が異常だと思うんですよ。
 それは、何でこういうことが起きたかというのは、当然、そうすると家裁では調べているというふうに理解していいんですね。

#28
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) 御説明させていただいておりますとおり、子の利益の観点から関連する事情を総合的に考慮するということでございますので、子に与える影響を中心に、関連する事情については十分考慮しているものというふうに承知しております。

#29
○真山勇一君 毎回、子の利益のためということを伺うの、もう当たり前ですよ、これは当たり前のことなんですよ。ですから、そんなに何回も何回も繰り返して私の方におっしゃらなくても分かっている。私もそれを踏まえて質問をしているわけですし、そちらも当然このことを十分分かっているわけですよね。
 こうした場合、では、そうやってこういうふうなことが一般的にあった場合、家裁というのはどういう対応を取るんでしょうか。

#30
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。
 一般的な対応と申しますか、それぞれの親から事情を聞き取る、御主張になっておられる点に関連する資料を調べる、そういった形で様々な必要な事実の調査をするということになるかと存じます。

#31
○真山勇一君 今おっしゃったことが現場では行われていると私は信じています、信じています。信じて質問行きたいと思います。
 そうすると、こういうことが起きていたことでこの女性は相談しているわけですよね。で、児童相談所に、さっきお伺いしましたように、児童相談所にも相談したけれども、その後、家裁の方でどういうふうになっているか、どういうことを決められたかというと、写真が送られてくるということを、その事実を伝えたら、夫が撮る写真は子供の福祉に反するとして二か月に一度に減らされました。この行為は、これは認めているということなんでしょうか。そして、毎月送られていた手紙を、二回にするということは、それに対する適切な対応なんでしょうか。

#32
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) 繰り返しになり恐縮でございますが、個別の事案に即した判断の適否のお尋ねにつきましては、裁判の独立の観点からいたしましても最高裁としてお答えは差し控えさせていただくべきことは御理解をいただきたく存じます。
 また、一般論といたしましても、面会交流の内容や回数を含めまして、その在り方を定める際には、一方の親の他方の親に対する行動や態度等が子の心身に悪い影響を生じている等の事情がある場合には、そうした事情は子の利益の観点から、子の利益、子の安心、安全の観点から考慮すべき重要な事情であることは委員御指摘のとおりと存じますが、具体的な事案においては、最終的には、先般御説明させていただきましたとおり、父母双方及び子に係る様々な事情、考慮要素を総合的に考慮して判断するところになるところでございまして、その中には、調停手続等の過程を通じてそれぞれの当事者に格別に働きかけた結果なども踏まえ、子の利益の観点から安心、安全に実施できる交流の可能性など様々な事情が含まれ得るものと考えられますし、その時点における子の心身の状況からいたしますと、子の利益の観点からかえって慎重な対応が求められるということもあり得るようには存じます。
 したがいまして、いずれにしましてもやはり個別の事案に応じた判断ということにならざるを得ないものと存じます。

#33
○真山勇一君 でも、今おっしゃったことは分かりますけれども、一般論で結構なんですよ。子供が片っ方の親に対して悪口とかママ嫌いだとかということを言っているというのは、明らかにやはり子供の状態っておかしいって考えるのが例えば裁判官であり調査官のその仕事の大事なことじゃないんでしょうか。何で子供がこういう行動を取っているんだろうということをいろいろ調べていらっしゃるということですね。で、ケースによって違うからということなんですけど、一般的に言って、子供がそういう行動取ることはどうなのかということを調べたら、そういう手紙を書くことを、月に一回は駄目だけど、二回ならいいんだという、そういう解釈でこういう判断が下るんですか。

#34
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。
 その判断の、最終的な判断の在り方につきましては先ほど申し上げさせていただいたとおりでございますけれども、一般に、子が父母の紛争に巻き込まれ、会えない親に対して否定的な感情を持つに至ることはあり得るものと承知しておりまして、そのような事態は子の福祉の観点から望ましくないというふうに考えております。
 もっとも、子が別居親を拒絶する態度を示した場合には父母や子の要因が複雑に作用しているということも多く、家庭裁判所といたしましては、家庭裁判所調査官において行動科学の知見を活用して多角的な視点から拒絶の要因を分析し、その結果も踏まえて、父母や子に対して適切に働きかけるなどして、子の福祉にかなう解決に努めているものと承知しております。

#35
○真山勇一君 いや、おっしゃっていることはそのとおりなんですよね。現実見てください、現実ね。子供のこうした行動をまだ更に続けていても問題ないというようなこれは解釈にしか見えないんですよ。二回、毎回やっちゃ困るから、それを一回減らせばいいみたいなね。そういう解決策って、それは世間から見たらやっぱりおかしいですよ。両方からちゃんと聞いているのかなと疑問持たざるを得ないじゃないですか。
 まずこれをやめさせて、それで次にどうするかと。つまり、物の順番ってあると思うんですよ。これ完全におかしいですよ。そういうふうに思いませんか。

#36
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) 個別の事案についてはなかなかもうお答え申し上げられないところでございますが、一般に、調停委員会若しくは審判を担当する裁判体といたしましては、関係する事情を十分聴取して、もちろん調停の過程におきましては子にとって利益になるような形での実施を目指して様々な調整をしているところと存じますし、その基にある原因等につきましては調査官調査の活用なども通じて行動科学の知見から様々な分析をした上で行っているものと承知しております。

#37
○真山勇一君 私は本当に、個別のケースというよりも、本当に一般的に、一般的なことで伺っているわけですよね。やっぱり、調べたならば、まず子供のこうした行動をどうやったら止められるかということを考えて、それからどうするかと考えるんじゃないかと思うんですが、これは明らかに子供が母親に対してこの片親疎外をやっていることを認めているじゃないですか。少なけりゃいいと、十回じゃなくて五回ならいいよと言っている。私は、これはちょっとどう考えてもおかしな対応だというふうに思います、一般的な対応としても。まず、だって、これ一般的に言って、こういうことを子供にやらせちゃいけないですよ。それが大原則ですよ。それが子供の利益であり、子供の福祉じゃないですか。
 もうこれ以上やっていても同じようなお答えしかならないんで、ただ、これ本当によく考えていただきたい問題だというふうに思います。いろんなことを調べるけれども、だって、これは元々こういうことがあっちゃいけないことじゃないですか。それを認めておいて、幾らいろんなことをやったとしても説得力ないですよ。済みません、そういうことでお願いします。
 これ関わっていてもう時間がなくなっちゃったんで、いつも途中になっちゃって済みませんが、もう一つ、ケース、二枚目見ていただきたいんですが、これは、生後数か月の乳児が夫に連れ去られるというケースがよくあるというふうに、私の方も何件か伺いました。この資料二の母親、お母さんは、生後三か月半の我が子を引き離されてしまったという母親のメモなんですね。お宮参りのやり方をめぐって夫婦仲が険悪になったということで、夫は赤ちゃんを連れて実家へ帰っちゃって戻ってきてくれないということで、女性は監護者の指定と子供の引渡しを求めたんですが駄目だったということなんです。
 伺いたいのは、生後三か月半の赤ちゃんを母親から引き離すということ、これはまあいろんな状況があるんでしょうけど、これはごく、こういうことはあり得るんですか。

#38
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) 個別の事案ということではお答えすることができないことは御理解いただきたいのですが、その上で、一般論としてでございますけれども、乳幼児にとって母親を含む養育者との身体的な接触が重要であるという知見についてはもちろん承知しておりますところでございまして、そのような接触は重要であるということでございますが、その最終的な判断ということになりますと、子の監護者の指定に当たっては、個別の事案に応じて、子の年齢や発達の程度等についても考慮して、子の利益の観点から判断がされているものと承知しております。

#39
○真山勇一君 まあ、きっと夫婦仲が悪くなった原因というのはいろいろあると思います。それぞれ言い分があるんで、それはあるとは思うんですけれども。
 私、小児科のお医者さんにこれについてお話を伺いました。三か月半の乳児ですね、母親にだっこされてお乳を飲むというそのスキンシップを通して母親を認識する大事な時期なんだそうです。赤ちゃんのその後の感情とか人格形成にとって大事な時期である、こうしたことは、やはり赤ちゃんに母乳を飲ませることは大事だというふうにお医者さんはおっしゃっているんですけれども。
 この母親に監護権が与えられなかった理由としては、こんなことを言っています。ミルクで子供は育つから母乳である必要はないと言い切っているんだそうです。そうかもしれませんけれども、本当に三か月半の赤ちゃんを母親から引き離す、そういうことは、ほかにいろんな要素があったとしてもやむを得ないことですか。

#40
○委員長(山本香苗君) お時間が過ぎておりますので、簡潔に。

#41
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げたとおりでございまして、一般論として乳幼児にとって母親を含む養育者との身体的な接触重要だということはそのとおりかと存じますが、子の年齢や発達の程度、それからその他の事情、監護者の指定をするに際しまして、父母の側の事情として養育能力や監護の状況等、それから子の側の事情といたしまして心情や意向等、総合的に考慮すべきところかと存じます。

#42
○真山勇一君 時間が来ておりますのでまとめますけれども、やっぱり我が子を出産したばかりの母親が自分の赤ちゃんにおっぱい飲ませたい、それすら認めてくれないわけですよ。やっぱり、何があったのかということも気になりますけれども、やっぱりこういう対応は、母親から見れば、本当に血も涙もない対応しかしてくれないんだな、そう思うんじゃないかと思うんです。本当に子供の福祉とか利益、これで本当に大事にしているのかなと言わざるを得ないんです。
 また途中になってしまったので、また次回に質問をさせていただきます。
 ありがとうございました。

#43
○谷合正明君 公明党の谷合です。
 政府の孤独・孤立対策における法務省の取組について伺います。
 単に既存の政策の延長ではなく、またコロナ以前に戻すだけでなく、SDGsが達成された社会を目指し、より多様性と包摂性のある社会を構築していくべきであると考えております。
 公明党におきましても、社会的孤立防止対策本部を先般設置をいたしまして、実は法務委員長の山本香苗議員が党の本部長でやっておるんですけれども、私は事務局長で支えておりますが、何回かヒアリングを重ねておりまして、先日は矯正施設退所者地域支援官から、特に高齢者であるとか障害者の方の出所者への支援の話を伺ったところでございます。
 特に司法と福祉の連携強化が必要だなというふうに痛感したわけでありますが、大臣には、この政府の孤独・孤立対策の策定に当たっての法務省の取組と大臣の決意について伺います。

#44
○国務大臣(上川陽子君) 今委員から、SDGsということでございますが、お触れになりました。誰一人取り残さない社会の実現のためには、今この新型コロナ禍におきましてますますプレッシャーが掛かっているという状況でございますので、今まさにこの問題を真っ正面から捉えていく必要があるというふうに思っております。
 法務省におきましては、これまでも様々な部署におきまして対策を講じてきているところでございますが、人権擁護機関におきましては、この孤独・孤立問題に関連するものも含めまして、いじめや虐待、ハラスメント等を始めとした様々な人権問題につきまして相談をしっかりと受け付けているところでございます。そしてまた、それに対して対応をするということについて、周辺の機関とともに対応するということでございます。
 また、今、ヒアリングをしていただいたということでございますが、犯罪や非行をした者につきましても、再犯等を防ぐための社会的な取組ということについては孤立防止の一番の影響が及んでいる状況でもございますので、更にコロナでということになりますと、そうしたものについてもしっかりと対応をしていく必要があると改めて思っております。厚生労働省と連携をいたしまして、高齢者又は障害を有する者で適当な帰住先がない受刑者等につきまして福祉サービスが受けられるよう調整を行う取組につきましても実施をしております。
 また、在留外国人の方々でございますが、孤立させることなく、社会を構成する一員として受け入れていくという視点に立ちました共生社会の実現のための取組ということ、こうした各種の取組を行ってきたところでございます。
 何といっても、関係機関、地域、民間の方々と、マルチステークホルダーと連携をしていくということが、こうした孤立、孤独の中でいらっしゃる方々の、手を差し伸べるためにはこの連係プレーが何よりも大事であるというふうに思っておりますので、まさに施策の届け先となる様々な方々の立場に立って、そのニーズをしっかりと踏まえて、そしてニーズに対応した対策を実施、推進してまいりたいというふうに考えております。
 特に、委員御指摘の司法と福祉の連携につきましては、地域において福祉、医療等の関係機関と連携をした息の長い支援が行われることが重要であると考えておりまして、更生保護施設の退所者等に対しましての訪問相談支援事業、これは令和三年度から実施をすること、また満期釈放者等に対しましての相談や、また関係機関と連携して支援に積極的に取り組む保護司会を始めとする民間協力者等への支援の充実強化、こうしたこともしっかりと対応してまいりたいと考えております。

#45
○谷合正明君 是非大臣のリーダーシップを発揮していただきまして、政府の孤独・孤立対策を進めていただきたいと思います。
 そして、孤独・孤立対策の一環にもなると思いますが、インターネット上の誹謗中傷対策です。
 昨年五月、女性プロレスラーがSNS上での中傷によりまして追い込まれ、そして自ら命を絶つケースがございました。私たち公明党にもインターネット上の誹謗中傷、人権侵害を防いでいくためのプロジェクトチームを発足させまして、昨年六月は、当時森大臣にですね、申入れも行ったところでございます。円滑な被害者救済を図るため、新たな裁判手続の創設を含む発信者情報開示請求の実効性の向上、適切かつ迅速な削除等の促進、相談体制の強化、情報モラル教育の一層の充実など、総合的な対策を官民連携して計画的に進めることを訴えてまいりました。
 この度、大臣所信にも言及されておりますが、インターネット上の誹謗中傷対策につきまして、こうした提言を受けて、法務省としての取組を伺いたいと思います。

#46
○国務大臣(上川陽子君) インターネット上での誹謗中傷等の書き込みにつきましては、同様の書き込みを次々と誘発をするものでありまして、取り返しの付かない重大な人権侵害につながるものと認識しております。決してあってはならないことと考えております。法務省におきましては、御提言の内容も踏まえまして、この問題に対しまして対策を進めてきたところでございます。
 まず、被害者救済の迅速化という視点から、新たな発信者情報開示手続を創設することなどを内容とするいわゆるプロバイダー責任制限法の改正案につきまして、民事基本法制を所管する立場から、所管省であります総務省と連携をし、その検討に協力してまいりました。
 また、法務省の人権擁護機関におきましては、相談者の意向に応じて、違法性を判断した上でプロバイダー等に書き込みの削除を要請をしております。この削除要請の実効性を高めると、こういう視点から、法務省におきましては、総務省とともにプロバイダー事業者等との意見交換の場となります実務者検討会、これを開催いたしまして、削除要請に対する理解を求めるなどしているところでございます。
 さらに、御提言を踏まえまして、総務省等と連携をいたしまして、被害者がどのような相談窓口を活用すればよいのか分かりやすく整理した上で周知をする、それとともに、相談を受ける者の研修を実施するなどして相談体制の強化を図っているところでございます。
 御提言を踏まえて、刑事法上の対応としても、侮辱罪の法定刑の在り方の検討を行っております。検察当局におきましては、刑事事件として取り上げるべきものについては事案の内容を踏まえた適正な処分に努めているものと承知をしております。

#47
○谷合正明君 命に関わることでありますので、支援制度には迅速性や分かりやすさ、こうしたことを求めてまいりたいと思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、在留資格のない在留外国人に対するワクチン接種について伺います。
 三月三十一日付けで厚生労働省が事務連絡を出しました。こうした方々に予防接種を可能とする趣旨、またその根拠は何でしょうか。そして、副反応が出た場合の対応はほかの接種者と同じと考えてよろしいでしょうか。
 さらに、平成二十四年六月の事務連絡、また、その年の七月の厚生労働大臣会見でも被仮放免者はワクチン接種できるとしておりますけれども、新型コロナウイルスのワクチンに限らず、一般に被仮放免者はワクチンの予防接種法に基づき、失礼しました、予防接種法に基づきこうしたワクチンの対象と考えていいのか、整理してお答えいただきたいと思います。

#48
○政府参考人(大坪寛子君) お答え申し上げます。
 今お尋ねがありました新型コロナのワクチンの接種につきましては、これは疾病の蔓延上の緊急の措置ということで今般実施をすることとなっております。したがいまして、その対象者には、仮放免となって、地域で、日本国内で居住をされている実態のある方が含まれるというふうに考えておりまして、その旨の事務連絡を三月三十一日に出させていただいたところでございます。したがいまして、これは予防接種法に基づく予防接種でございますので、同様に健康被害の救済制度、これの対象になるというふうに考えております。
 また、お尋ねのありましたその他の予防接種でございますが、これも、御指摘をいただきましたように、平成二十四年の事務連絡で既にお知らせをしておりますが、仮放免中の方がその市町村の区域内に居住をしているということが明らかな場合には、予防接種法に基づく予防接種、これの対象者として自治体に周知をしているところでございます。

#49
○谷合正明君 それで、厚労省に確認するのがいいかどうか分かりませんが、そうした予防接種を疾病の蔓延の防止を図るためということで今回対象にしている、その基、根拠となるのは、これはあれですか、入管法の附則の第六十条から読み取れるということでよろしいんでしょうか。これは入管庁の方に聞いた方がいいかな。

#50
○政府参考人(松本裕君) 委員御指摘のとおりでございます。

#51
○谷合正明君 それで、三月三十一日付けの厚労省の事務連絡には、入管庁と協議の上、事務連絡を出したということでありますけれども、入管庁の立場として留意するということは何かあるのでしょうか。
 また、このワクチン接種については、一般に市町村からワクチン接種券が自動的に送付されるということは、そういうことはあるんでしょうけれども、想定し難いところもあるので、周知ということが大変鍵だと思っておりますが、多言語化などの周知をどのように図っていくのか、この点について確認したいと思います。

#52
○政府参考人(松本裕君) 出入国在留管理庁におきましては、四月一日付けで地方出入国在留官署宛てに、厚生労働省から出されました事務連絡を確認し、地方公共団体に対して必要な協力をするよう依頼する事務連絡を発出しているところでございます。
 委員御指摘の事務連絡に係る仮放免者の方々のみならず、在留外国人の多くの方々が、コロナ禍の現状におきまして予防接種を受けることが可能なのか、あるいは可能であるとしても、いつどこで、どのような手続が必要なのかなどにつきまして十分な情報に接することができず不安に思っておられることは当庁としても認識しているところでございます。
 そのため、これらの不安を解消し、在留外国人の方々が円滑に、かつ確実に予防接種を受けることができるようにするためには、積極的で、かつ正確な情報発信が重要と考えております。そして、当庁はその大きな責任、役割を担っているものと認識しているところでございます。
 当庁といたしましては、これまでも厚生労働省を始めとする関係省庁等と連携の上、在留外国人の方々に対する在留支援の中核的役割といたしましてFRESCを設置、運営しているほか、地方公共団体が運営する一元的相談窓口、これは多言語対応でございますが、これとも連携し、多方面での在留支援に取り組んできたところでございます。
 予防接種に関する情報発信につきましても、これらの連携の枠組みを活用することに加えまして、当庁として運営しております外国人生活支援ポータルサイトやSNS、さらには先般導入いたしましたメール配信サービスを活用しまして、これらの情報が在留されている外国人の方々、そしてこれらの方々を支援してくださっている方々にも適切かつ迅速に届くよう努力してまいりたいと思っているところでございます。

#53
○谷合正明君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、難民について質問をいたします。先に留学生の受入れのところから聞きます。
 お手元に、皆さんに資料を配付させていただいております。これは三月三十一日に法務省報道発表資料ということで公表された資料の中に入っているものでありまして、我が国における難民庇護の状況等ということで、全体像がまとめられた表でございます。難民が、令和二年の一年間でいうと、条約難民が四十七名、その他の庇護、いわゆる人道配慮ですが、ここは四十四名、計九十一人という結果になっております。難民につきましては、定住難民と条約難民に分類されて数字が公表されております。
 そこで、私が思いましたのは、この統計表に、シリア難民の留学生を今政府は受け入れておりますけれども、それが記載されていないので、記載すべきではないかと考えています。
 このシリア難民の問題が起きたときに、この難民保護をどうしていくのか、ヨーロッパでは相当な社会、政治問題になりましたけれども、我が国は、この第三国定住の対象としてはミャンマー難民に限っていたものですから、シリアは対象としていなかったと。ただし、日本として何もしなくていいのかということがあって、実は私、二〇一五年にシリア難民キャンプを訪れまして、そのときに、やはり、例えば留学生として受け入れるという形を取るということがあり得るのではないかと。当時、UNHCRのハイコミッショナーでありましたグテーレスさん、今国連の事務総長をしておりますけれども、グテーレスさんとも意見交換を重ねまして、是非日本で留学生の形として受入れをやってほしいという話がありました。そこで、私もPTの座長としてそうした提言を安倍総理にさせていただきまして、二〇一六年に安倍総理がシリア難民の留学生を五年間で百五十名という形で受け入れるということを発表して、二〇一七年からこれ既にスタートしております。
 これは、実は今、留学ビザという、就学ビザというカテゴリーで来ておりますから、ここの数字には、表には入っていないんだと思うんですけれども、ただ、元々の経緯からすると、UNHCRの方もこれは第三国定住のある種発展した形だというふうに認識をされておりまして、今、日本にいるのはたしかレバノンだとかヨルダンにいるシリア難民の留学生が来ているんですけれども、家族とも一緒に来ているんですね。
 ですから、こうした数字を報道発表資料の中に是非入れ込んでもらいたいというか、入れ込まないと対外的な情報発信としてちょっと不十分ではないかと思いますので、ここの記載を工夫するなり変えていただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。

#54
○政府参考人(松本裕君) 委員御指摘のとおり、シリア人留学生の受入れにつきましては、シリア危機により就学機会を奪われたシリア人の若者に教育の機会を提供することを目的としました政府の取組でございまして、御党の御提言に基づくものと認識しております。
 御指摘のとおり、当庁といたしましても、受入れ状況を積極的に広報していくことは我が国の難民支援の姿勢を広く理解していただくためにも重要であると改めて認識いたしました。そのため、その趣旨から、難民認定数等の統計資料に付記して、直ちに積極的に広報することといたします。

#55
○谷合正明君 最後に、ミャンマー情勢に絡んで質問したいと思います。
 今お手元に配付されている資料で、その他の庇護で、二十年から二十六年の間、結構三桁で人道配慮で日本は受け入れている。これ、背景に、ミャンマーの当時の政情不安定な背景があって、その後、民主化になってきたので減ってきているというのが、私はそういうふうに理解しております。定住難民、第三国定住もミャンマー難民でずっとやってきているんですけれども。
 それで、今のこの情勢の中なんですけれども、今後、政治的弾圧や差し迫った命の危険などにより、我が国の庇護を求めるケース、あるいは既に日本国内にいるミャンマー人による難民認定申請について、これは適切に取扱いされるよう求めたいというふうに思っております。大臣所信におきましても、真に庇護を必要とする者の迅速な保護が必要であるというふうに言われておりますので、是非そうした対応をお願いしたいと思います。

#56
○政府参考人(松本裕君) 委員御指摘のミャンマーの関係におきましても、を含めて、その本国の情勢等に関しまして、当庁といたしましても、外務省あるいはUNHCR等の関係機関と適切あるいは積極的に連携しながら、その正確な情報を把握して適正な難民認定という運用を行ってまいりたいと思っております。

#57
○谷合正明君 もちろん、こうしたことは発生しないことがもちろんだとは思うんですけれども、仮にそうなった場合の対応ということだと思っております。
 時間が参りましたので、質問を終わりたいと思います。

#58
○清水貴之君 日本維新の会の清水です。よろしくお願いをいたします。
 裁判手続におけるIT化、オンライン化について伺います。
 オンラインで民事訴訟の手続を進めるウエブ会議、昨年の二月に導入されまして一年少したちました。ちょうどと言ったらあれなんですが、新型コロナウイルスの拡大と時期が一致をしまして、当然、その前からこれは決まっていたことではあるんですが、このコロナの拡大においてもこういったウエブ会議の導入などは様々な効果があったのではないのかなと思う一方、課題なども出てきているのではないかというふうに感じます。
 一年を経て、現状、その課題であるとかメリットであるとか、どのようにお考えでしょうか。

#59
○最高裁判所長官代理者(門田友昌君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、裁判所におきましては、現行法の下で速やかに実施することのできる民事訴訟手続のIT化の第一段階の取組としまして、昨年の二月、知的財産高等裁判所及び高等裁判所所在地の地方裁判所本庁からウエブ会議等のITツールを用いて争点整理を行う運用を開始しまして、昨年の十二月には全国の地方裁判所の全ての本庁に運用を拡大いたしました。
 裁判所に実際に出頭することなく裁判官や相手方当事者の表情を見ながら協議をすることのできるウエブ会議は利便性が高いという認識が高まったこともございまして、実施件数は順調に伸びております。具体的な実施件数につきましては、本年二月分が最新のものとなりますけれども、全国で一か月間で延べ八千件以上の手続で利用されておるという状況でございます。
 今後も、国民の皆様の理解を得つつ、ウエブ会議等のITツールを用いて争点整理を行う運用を定着させまして、安定的な運用を行うように努めてまいる所存でございます。

#60
○清水貴之君 スタートした当初が数百件からスタートしていますので、二月の八千件というのはもう相当な数だなというふうに感じます。
 今後これが広がっていくとしまして、今言われているのが、平均的な審理期間というのが延びてきている傾向にあるというふうに言われていますし、データから見てもそうです。地裁の第一審の平均審理期間、民事訴訟が九・五か月、刑事が三・四か月と、ここ十年もう長期化の傾向にあるということで、こういったITを活用することによってこの辺も短縮していけるのではないかと。火曜日には裁判官の定員法もありましたけれども、そういったことで様々な負担というのも減らせることにつながるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

#61
○最高裁判所長官代理者(門田友昌君) お答えいたします。
 ウエブ会議等を活用して争点整理を行う運用によりまして、裁判所への負担が減りまして期日調整が容易になることなどから、この運用が更に定着していくことで審理期間の短縮につながる面もあろうかと存じます。
 もっとも、民事訴訟手続におきましては、当事者が主張、立証を準備しまして、これを裁判所に提出して審理を進めるということが原則となっておりますので、審理期間は当事者の主張、立証活動に左右される面も大きいところでございますし、また、審理の在り方の変化や事件の性質、難易度等に影響されるという面もございます。
 したがって、ウエブ会議等を用いることによりまして直ちに審理期間が短縮するというわけにはまいりませんけれども、合理的な期間内で適正な解決を図るということは民事裁判に携わる者にとって重要な使命ということでございますので、ウエブ会議等の導入に合わせて審理運営の工夫を進めまして、当事者の協力も求めるなどしまして、少しでも審理期間を短縮することができるように努めてまいりたいと存じます。

#62
○清水貴之君 今おっしゃったとおり、中身に関しては当事者によって左右されますからそこは変わらないとは思うんですけど、これ事務手続とかの面ですから、この辺りはかなり影響が、いい方の、いい方というか、短くなる方の影響が出るのではないかというふうに思います。
 この裁判のIT化、日本では今スタートして、さあこれからだというところではあるんですが、諸外国ではもう既に実施しているところがかなりあるというふうに聞いています。アメリカは身体拘束の判断や罪状認否をビデオ会議システムでこれ実施していますし、イギリスも陪審員が遠隔で評議をしていると。韓国なんかも大分進んで、裁判所間を中継つないで証人尋問も行っているということですから、かなり進んでいるように思いますが、こういった海外と比べて日本の現状というのはどう捉えていますでしょうか。

#63
○政府参考人(川原隆司君) お答え申し上げます。
 委員が今御紹介されました例は基本的に刑事の例でございますので、刑事のIT化ということでお答え申し上げます。
 まず、刑事手続における情報通信技術の活用につきましては、令和二年七月に閣議決定されたIT新戦略におきまして、令状請求・発付を始めとする書類のオンライン受交付、刑事書類の電子データ化、オンラインを活用した公判など、捜査、公判のデジタル化方策の検討を開始することとされております。
 法務省といたしましては、その検討を進めるために、刑事手続における情報通信技術の活用に関する検討会を立ち上げ、本年三月三十一日に第一回会合を開催したところでございます。
 委員が御指摘になりましたような諸外国における刑事裁判IT化の状況について網羅的に把握しているものではございませんが、例えば、国によって要件は異なりますが、オンラインによる証人尋問を行うことができるとされている国や、被告人等もオンラインで一定の刑事裁判手続に参加することができるとされている国もあるものと承知しております。
 我が国の現状でございますが、我が国におきましては、現行法上、一定の場合にいわゆるビデオリンク方式で証人尋問を行うことができるとする規定が設けられている一方で、訴訟関係人につきましては公判期日に出頭、出席することが前提とされているものと承知しております。
 先ほど申し上げました検討会では公判段階におけるオンラインの活用についても検討対象になり得るものと認識しているところでありまして、いずれにしましても、法務省としては、情報通信技術の活用によってより適正かつ迅速な刑事手続が実現できるよう、スピード感を持って検討を進めてまいりたいと考えております。

#64
○清水貴之君 ありがとうございます。
 もう一度、済みません、民事の方に戻りまして、その裁判のIT化なんですが、家裁ですね、家事事件への適用というのはどういった流れになっていくのかというのもお伺いしたいというふうに思います。
 この家裁での家事事件、令和元年度裁判件数が約九十万件ですから、かなりの件数に上るわけです。なかなか、例えば離婚であったり相続であったり、その当事者がすごく苦労していらっしゃる方とか負担を感じているような方々というのも、こういったIT化の進捗によって裁判における負担というのも軽減されていくんではないかというふうに思いますけれども、今後、この家事裁判におけるIT化の導入に向けてどのようにお考えでしょうか。

#65
○国務大臣(上川陽子君) 令和二年七月十七日閣議決定されました成長戦略フォローアップにおきまして、この民事訴訟手続のIT化の実現のため、二〇二二年、令和四年中の民事訴訟法等の改正に取り組むこと、また、民事訴訟手続のIT化の検討も踏まえつつ、二〇二〇年度、令和二年度中に家事事件手続及び民事保全、執行、倒産手続等のIT化のスケジュールを検討することとされているところでございます。
 民事訴訟手続のIT化につきましては、法制審議会民事訴訟法(IT化関係)部会におきまして、本年二月に民事訴訟法(IT化関係)等の改正に関する中間試案を取りまとめまして、本年二月二十六日から五月七日までの間、パブリックコメントの手続を実施しているところでございます。
 家事事件手続及び民事保全、執行、倒産手続等につきましては、このような民事訴訟手続のIT化の検討状況も踏まえつつ、速やかにIT化の検討を開始し、二〇二二年度、令和四年度までに一定の結論を得るように検討を進める所存でございます。

#66
○清水貴之君 もう一度、今度はまた刑事、お聞きをいたします。
 ここがもうIT化進んだらかなり負担が減るのではないかなと思うところが、逮捕状の請求などに関してです。現在は、その逮捕状を請求するために警察官の方が裁判所まで行くのにもう何時間も、もう地方では車乗って運転していかなければいけないなどということもある。警察官が逮捕状を請求する側の負担というのも非常に大きいですし、一方で、裁判官というのも、請求があったらこれはすぐに対応しなければいけないので、二十四時間体制で宿直業務などもあると。裁判官の人数が多いところだったらいいですけれども、地方で本当に何人かで回しているようなところでしたら、もう数日に一回はこの宿直が回ってきてということで、裁判官の方々の負担も大きいと。
 これも定員法で、裁判官って、やっぱり今はなり手がという話もありましたけれども、こういったところへの負担軽減というのも、その裁判官のなり手問題の解決にもつながっていくのではないかというふうに思います。
 逮捕状などといいますと、かなりこれはプライベートな情報だと思いますので、その管理の在り方とか秘密漏えいとか情報漏えいとか、ここは相当注意をしなければいけないとは思うんですが、その一方で、ここがIT化、オンライン化などが進んでいくとかなり効率的になっていくのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

#67
○政府参考人(川原隆司君) 刑事手続のIT化の意義につきましては、手続に関与する国民の負担軽減に資するものであり、感染症の感染拡大時にも円滑、迅速な手続の遂行を可能とする観点から有用であると考えております。
 また、委員が御指摘になりました逮捕状を始めとする令状の手続、こういったものを始めとしまして、電子データ化した書類を用いて手続をオンラインで行うことができるようにすることは、手続の合理化、効率化や関係機関の負担軽減にも資するものと考えております。
 この点も委員から御指摘がありましたけれども、もとより、刑事手続のIT化に当たっては、刑事手続で扱う情報の性質に鑑み、情報セキュリティーに万全を期すことが重要であると考えております。
 先ほども申し上げましたが、法務省といたしましては、情報通信技術の活用によってより適正かつ迅速な刑事手続が実現できるよう、スピード感を持って検討を進めてまいりたいと考えております。

#68
○清水貴之君 もう一点、同じ刑事手続で、ここも是非効率化進めていくべきではないかと考えるのが、証拠開示の部分の電子化です。今は原則もう書面対応をしているということで、まあ複写に、コピーするのに時間も掛かりますし、これ費用も、決まった業者が担当するということで、白黒で一枚四十円掛かるそうですね、カラーだと八十円と。もう膨大な裁判資料をコピーするのに、弁護士事務所ではもう何十万とか何百万とか負担することもあるというふうに聞きました。
 ここもやはり、改ざん防止とか情報漏えいを防ぐといった、こういった対策は当然必要だと思いますが、今この世の中、デジタル化にどんどんどんどん向けて進んでいっていますので、この辺りもデジタル化したデータで対応できないかと、これも相当な効率化につながっていくのではないかと、負担軽減につながるのではないかと思いますが、いかがですか。

#69
○政府参考人(川原隆司君) お答えいたします。
 先ほどお答えいたしました刑事手続における情報通信技術の活用に関する検討会における具体的な検討事項については検討会において決められるべきものと考えておりますが、御指摘の証拠開示のデジタル化についても検討の対象となり得るものと承知しております。
 先ほども申し上げたところですが、もとより、刑事手続で扱う情報の性質に鑑み、情報セキュリティー対策に万全を期すことが必要でございますが、こういった観点も考慮しながら今後の検討がなされていくものと考えております。

#70
○清水貴之君 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

#71
○川合孝典君 国民民主党・新緑風会の川合でございます。今日もよろしくお願いします。
 本日も外国人労働者を取り巻く様々な諸課題についてということで御質問させていただきたいと思いますが、たくさん質問作らせていただいて、多分最後まで行かなくなってしまう可能性が高いので、今日、私のためだけに来ていただいている小林審議官の方から、二番の方の質問から先に始めさせていただきたいと思います。
 これまで総論でいろいろ質問させていただいてまいりましたが、今度はちょっと各論で深掘りをして、実態についていろいろと質疑させていただきたいと思います。
 まず、上川法務大臣に確認をさせていただきたいんですが、法務大臣として、現在自治体において取り組まれている外国人労働者に対する相談窓口の整備状況について、大臣としてどのように御認識されているのかという現状認識をお教えいただきたいと思います。

#72
○国務大臣(上川陽子君) 様々な困り事、また御相談を抱えた外国人の方々に対しましては、生活の一番身近な地方自治体のそうした中で対応していくということ、これは極めて重要なことだと考えております。しかも多言語で対応していただくということ、これが重要であるということでございます。
 その意味では、地方公共団体が相談の窓口をしっかりと設けていただくということが有益な取組として考えられるところでございまして、法務省におきましては、外国人受入環境整備交付金によりまして、地方公共団体による一元的相談窓口の設置、運営を支援をしているところでございます。交付金は日本語を含みます十一言語以上での情報提供及び相談対応を行うことを条件としておりまして、各窓口では多言語での対応が可能な体制を整備をしていただいているところでございます。
 交付決定を受けまして一元的相談窓口を開設、運営している地方公共団体でございますが、令和元年度末時点でありますが、百三十九団体となっております。例えば、福岡県の一元的相談窓口は十九時まで開設しておりますし、浜松の一元的相談窓口は土日祝日も相談等に応じる、そうした取組を行っております。令和二年度は百九十七の地方公共団体に対しまして交付決定をしているところでございます。
 こうした外国人の受入環境整備交付金による支援、この継続はもとよりでございますが、またFRESCという組織、これまでも御紹介をしてまいりましたけれども、そうしたところで一元的に様々な情報を集約しながら、いい事例を地方公共団体にも提供するなどして、全国でユニバーサルにサービスができるようにしていくという体制整備に全力で取り組んでまいりたいと思っております。

#73
○川合孝典君 ありがとうございます。
 法務省としてお取組を進めていただいているということは、今の大臣の御答弁で理解いたしました。
 そこで、厚生労働省さんの方に確認をさせていただきたいと思いますが、現時点での、全国都道府県労働局並びに労働基準監督署の中で、外国人への多言語での労働相談の対応ができる窓口というのはどのぐらい整備されているんでしょうか。現在の進捗状況をお願いします。

#74
○政府参考人(小林洋子君) お答え申し上げます。
 厚生労働省におきましては、地域ごとの外国人の在住状況等を踏まえまして、一部の労働局、監督署に外国人労働者相談コーナーを設置をするとともに、外国語で相談に対応できる相談員を配置しているところでございます。そこで労働条件に係る相談対応を行っております。
 相談コーナーの設置数でございますけれども、平成三十年度に三十三か所、令和元年度に六十三か所、令和三年度に六十八か所と増やしてきているところでございます。また、相談コーナーに来ることができない方、近隣の相談コーナーで母国語による相談をできない方のため、外国人労働者向け相談ダイヤルを設置して対応しているところでございます。

#75
○川合孝典君 少しずつ増えているということについては今の御答弁で分かったわけなんですが、実は都道府県の労働局、全部で四十七あるわけでありまして、同時に、実は全国に労働基準監督署、これが三百二十一か所あります。つまり、この厚生労働省の地方の出先機関がこれだけで三百七十か所ほどある、六十九か所ということになるわけでありまして、そのうち六十八か所に何らかの形の相談窓口が設置されているということであって、つまりは二割行っていないというのが今の状況ということです。
 現状のこの多言語相談窓口の設置状況の進捗状況について、厚生労働省としてどのようにお考えなのかをお教えください。

#76
○政府参考人(小林洋子君) お答え申し上げます。
 外国人の労働者相談コーナーにつきましては多言語化を進めてきている状況でございまして、平成三十年度に六言語、元年度に八言語、それから令和二年度に、あっ、平成三十年度に六言語、元年度に八言語に拡充し、令和二年度には更に五言語を加えて、現在十三言語について可能となってございます。
 また、先ほど申し上げました外国人労働者向けの相談ダイヤルを設置をして、こちらは全国どこからでも対応できるんですけれども、こちらでも十三言語対応できる体制を整備しておるところでございます。
 今申し上げましたように、外国人労働者相談コーナーについて、これまで対応言語数の拡充、それから設置数の増加に努めてまいりました。また、相談コーナーに来ることができない方や近隣で母国語による相談をできない方については、全国どこからでも相談が可能な外国人労働者向けの相談ダイヤル、これを設置して対応してきたところでございます。
 今後とも、地域ごとの外国人の在住状況を踏まえつつ、外国人労働者相談コーナー、それから相談ダイヤル、こちらを適切に運営して、外国人労働者の方々に対し支援を行ってまいりたいというふうに考えてございます。

#77
○川合孝典君 総論の部分を聞いているわけじゃなくて各論の話しているんで、そこのところを踏まえて簡潔に、済みません、呼んでおいて簡潔にというのも失礼な話ですが、よろしくお願いします。
 今、一般論としてそういう説明していただいたんですけど、実際調べてみましたところ、多言語対応できる窓口なんてほとんどないですよね。要は、ポルトガル語が、二年前のこれデータなんでその後どうなっているか分かりませんが、ポルトガル語が対応できるところが十九か所。ブラジル人の労働者が多い場所ですね、いわゆる群馬県ですとか静岡ですとか。英語が対応できるところが十五か所、中国語十三か所、スペイン語九か所といったような形になっているんです。だから、多言語と言いながらも極めて限られた言語での対応しかできないような整備状況にしか今まだなっていないというのが現実だということなんです。
 で、何かあったら相談ダイヤルがありますという話はありますけれども、実際、そのNTT回線使ったダイヤル相談でどれだけの人たちが相談に、窓口にアクセスできるのかという話になったときに、それが有効に機能しているかどうかということも実際検証はされていませんよね、数は把握はされているんだろうと思いますけれども。
 私、やっていないと言っている話じゃなくて、なぜ、要は、法務省としては多言語対応をということで交付金まで出して取組をしていただいていることに対して、厚生労働省の都道府県の窓口、労働基準監督署でその取組が速やかに進んでいないのかという、外国人労働者の方がこれだけ急速に増えてきているのであれば、それに対応できるだけの相談窓口が必要だという認識を厚生労働省としてお持ちになっているのかということが問われているということを指摘をさせていただいているということを御理解いただきたいと思います。
 これ以上踏み込んだ話は田村厚生労働大臣と多分させていただかなければいけないと思いますので、答弁は求めませんけれども、お願いしたいのは、それぞれの相談窓口でどういう言語での相談窓口の対応ができているのかということを是非速やかにお調べいただきたいと思います。コロナ対応があって皆さんも大変だと思いますけど、その多言語対応が実際それぞれの地域でどう対応できているのかという、言語ごとに是非調べていただきたいということをお願いをしておきたいと思います。
 済みません、こちらの方の質問はこれで終わらせていただきたいと思います。
 次に、一番目の質問に戻らせていただきたいと思いますが、いわゆる外国人技能実習制度に関しては、監理団体ですとか送り出し先機関の問題ですとか、研修、実習実施企業の問題ですとか、様々なステークホルダーに関わる問題というのが指摘されておりますけど、本日はその中で、この研修や技能実習を適正に実施する上でその妨げとなるような不正行為について法務省として調査をされているというふうに伺っておりますが、近年のこの不正行為の実態について、まず上川法務大臣の御認識をお聞かせいただきたいと思います。

#78
○国務大臣(上川陽子君) この技能実習制度でございますが、技能等の移転を通じた国際貢献、これが最大の目的の制度でございます。その意味で、多くの技能実習生の方々、実習を全うされて母国等で御活躍をされている方々がたくさんいらっしゃるということを承知しております。
 しかしながら、一部の受入れ企業等におきましては、この制度の趣旨が必ずしも十分に理解されず、労働関係法令違反等の問題、また技能実習生等が失踪してしまうと、こういった問題が生じているということは事実でございまして、大変重く受け止めているところでございます。
 御指摘いただきました不適正事案につきましては、平成二十九年施行されました技能実習法に基づきまして、この外国人技能実習機構が受入れ企業等に対する実地検査、また技能実習生からの母国語相談対応等を行うなどして、制度の適正化や、また技能実習生の保護の取組を進めてきたところでございます。
 また、受入れ企業等の不適正事案に対しましては、外国人技能実習機構が指導、勧告を行い、事案の内容に応じまして主務大臣等においてこの技能実習計画の認定の取消し等を行うことによりまして、技能実習制度の適正化を図っているところでございます。
 厚生労働省及び外国人技能実習機構ともしっかりと連携をし、この技能実習法の趣旨に沿った適切なものとなる制度が活用されるよう、引き続き適正化に努めてまいりたいというふうに思います。

#79
○川合孝典君 ありがとうございます。
 入管庁の方に今度は、毎回済みません、よろしくお願いします。
 この不正行為の件数については、不正行為ということで平成三十年まで集約した資料、広報用の資料をお作りになられているんですが、ここ近年は減少傾向にあるという数字がこの資料からは読み取れるということなんですが、この不正行為の件数や不正行為の把握の方法というものは、具体的に入管庁さんとしてどのように把握していらっしゃるのかをお教えください。

#80
○政府参考人(松本裕君) まず、件数そのものでございますが、平成二十九年十一月一日から令和三年三月二十六日までの間に監理団体の監理許可を取り消しましたものが十八件、実習実施者の実習計画認定を取り消したものが百八件となっております。
 その不正の把握の方法でございますが、基本的には外国人技能実習機構におきまして、あるいは緊急性を要するような場合には当庁の地方入管局が直接、監理団体や実習実施者に対する実地検査等を行って、そこの中での把握というものがございます。さらには、技能実習生からの相談、申告等が技能実習機構が受け付けておりまして、その中で不正事案を把握するというケースもございます。
 以上でございます。

#81
○川合孝典君 三か月置きに監理団体から、若しくは実習実施企業の方から報告なんかを受け付けてということで伺っておったんですけど、受け身で報告を受けてその報告に基づいて把握しているだけではなく、技能実習生当事者からの相談を踏まえて対応していることもあるということ、そういう理解でよろしいですか。

#82
○政府参考人(松本裕君) まず、ちょっと数字から申し上げますと、技能実習機構に対しましての相談件数、申告件数は、平成三十一年度、令和元年度でございますが、相談件数は七千四百五十二件ございます。さらに、申告件数、不正な取扱い等が行われているというものが申告件数でございますが、平成三十一年度、令和元年度が百三十三件ございます。そのような中、そのような点が端緒となって実地検査等を行うケースもございます。

#83
○川合孝典君 そうした不正、あっ、やっぱり終わってしまった。これ以上しゃべると時間が掛かってしまいますので、残余の質問は次回に回すことにいたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

#84
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 性暴力の被害当事者などでつくる団体、Springが昨年十一月、性被害の実態調査アンケートの結果を発表しました。インターネットで実施をされ、三週間で六千件近い回答が寄せられました。性被害の内容や加害者との関係、被害当時の状態や加害者の言動なども含めて、質、量とも豊富で、とても画期的な調査だと私は思います。
 被害者の八割以上が警察に被害を相談しておりませんでした。さらに、警察に相談した八百九十四件のうち、約半数、四百二十九件は被害届を受理されなかったと答えています。
 昨年六月、政府の性犯罪・性暴力対策の強化方針を受けて、警察庁は被害届を即時受理するよう各都道府県警察に通達しています。しかし、現実には、客観証拠がないとか、あるいは暴行、脅迫がないなどといって受理されないケースが引き続きあるということも伺います。
 受理件数というのは増えたんでしょうか。

#85
○政府参考人(猪原誠司君) お答えいたします。
 警察におきましては、犯罪被害の届出に対しては、その内容が明白な虚偽又は著しく合理性を欠くものである場合を除き、即時受理することとしております。
 また、警察庁におきましては、被害者支援団体の方々や性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの方々から被害届の受理に関する御意見等を伺うなどして実態把握に努めるとともに、必要に応じて都道府県警察を指導しているところであります。
 今後も引き続きまして、こうした取組を推進するなどして、被害者の方の心情に配意した適切な性犯罪捜査が推進されるよう都道府県警察を指導してまいりたいと考えております。

#86
○山添拓君 受理件数が増えたかどうかというのは、今の段階では分かりませんか。

#87
○政府参考人(猪原誠司君) 性犯罪の認知件数につきましてであります。
 まず、強制性交等でありますが、令和二年中、千三百三十二件を認知しております。令和元年につきましては千四百五件となっております。改正刑法の施行されました平成二十九年以降を見ますと、認知件数は増加傾向にございます。
 また、強制わいせつでありますが、令和二年中、四千百五十四件を認知しております。令和元年につきましては四千九百件でございます。これにつきましては、近年、認知件数は減少傾向にございます。

#88
○山添拓君 強制性交についても、一昨年に比べると認知件数としては減っているという話でありました。
 Springの調査では、被害に遭った際、すぐに被害だと認識できたかという問いに対して、いいえと答えた人が五二%でした。被害と認識するまでの年数は平均七年だったとも言われています。被害を認識して、意を決して警察に相談しているんですよね。ですから、まず被害申告は受け止められ、支援につながることが大事です。どんな警察官、検察官、裁判官に当たるか、被害者の運次第だという事態は防ぐべきであります。
 刑法の性犯罪規定そのものについても、人権、個人の尊厳に即した改正が求められます。
 日本学術会議は、昨年九月二十九日、同意の有無を中核に置く刑法改正に向けてと題する提言を発表しています。同意の有無を中核とするのが国際人権基準だとしていますが、どのような内容でしょうか。

#89
○政府参考人(福井仁史君) 日本学術会議でございます。御説明をさせていただきます。
 まず、昨年九月の私どもの提言の方で、同意の有無に関しまして、これを犯罪構成要件の検討に用いる際に有用な国際人権基準として二つのものを紹介しております。一つは、二〇〇九年でございますから平成二十一年になりますが、国連の女性に対する暴力に関する立法ハンドブックというものでございます。もう一つは、その二年後、欧州評議会の方で採択されました、女性に対する暴力及びドメスティック・バイオレンス防止のための欧州評議会条約、略してイスタンブール条約と呼ばれているものでございます。
 簡単にちょっと中身を御紹介させていただきます。女性に対する暴力に関する立法ハンドブックでございますが、これは、その内容的にはいろんなことを述べておりますけれども、特にこの関係では、強制力や暴力を用いてなされるという要件を廃止した上で、明白かつ自発的な同意の不存在のみを犯罪成立要件としつつ、この同意を確信するに至った経緯について被告人に証明を求める、あるいは広範な強制された状況下で行われた行為を全て犯罪とする、そのいずれかを採用するように勧告しておられます。
 学術会議の提言では、性暴力については、加害行為の態様ではなく、同意の不存在又は状況のみを要件とする犯罪化が認められているというふうに解説しております。
 それから、もう一つのイスタンブール条約でございますが、これは、女性に対する暴力の一形態として性暴力、強制性交を含むを規定しておりまして、その中で、必要な同意が自由意思の結果として自発的に与えられなければならない、当該自由意思は関連する状況の文脈において評価されるというふうに規定しております。
 これも提言の中では、犯罪の成否は、あくまで同意の有無によって決せられるのであって、暴行又は脅迫の有無によって決せられるのではないというふうに述べているところでございます。
 提言の該当部分の概要は以上のとおりでございます。

#90
○山添拓君 ありがとうございます。
 同意は自由意思の結果として自発的に与えられなければならないという指摘は重いものだと思います。
 ところが、現在の刑法では、暴行、脅迫が成立要件となる、あるいは抗拒不能が成立要件となる。ですから、同意がない場合であっても、暴行や脅迫が認められない限り犯罪が成立しないものとなっています。これは国際人権基準と相入れないと、同意の有無を中核とする改正が必要だというのが学術会議の提言です。
 法務大臣、どう受け止めておられるでしょうか。

#91
○国務大臣(上川陽子君) 法務省におきましては、この提言の送付を今朝受けたところでございますが、令和二年十月二十日の開催されました第七回の性犯罪に関する刑事法検討会におきまして配付をさせていただいているところでございます。
 提言の内容につきまして、この刑法の改正に関わる事項につきましては、現在、性犯罪に関する刑事法検討会におきまして活発に議論をしていただいているところでございます。私といたしましては、検討会に検討を今お願いをしているということで、最終的な取りまとめの段階に次のステージから入るという、そうした理解でございますので、慎重に、しかししっかりと御議論をいただけるものと思っております。

#92
○山添拓君 検討会で確かに配られたんですが、配られただけなんですよね。学術会議から説明を受けるということもされていないようです。学術会議の活動が見えないと批判された自民党の幹部の方おられましたが、見ようとしない側の問題だということも、この際、指摘をしておきたいと思うんです。
 自由意思に基づく同意と言えるには、性行為の意味を理解し、自分が性行為をしたいのかしたくないのか判断できる必要があります。では、何歳以上ならその判断ができるのかと。刑法は十三歳を基準にしています。十三歳未満は同意の有無にかかわらず犯罪が成立します。これは、一九〇七年、明治四十年ですが、十二歳から十三歳に引き上げられて現在に至っています。その際、その理由は、女子発育の程度を探求した結果というふうにされました。
 しかし、身体的に発育しているからといって、性行為の意味、あるいは心身への影響、リスク、社会経済的な負担の可能性などについて十分な理解があると言えるのかどうか、自由意思に基づく同意を期待できる年齢とは言い難いのではないかと思いますが、大臣、いかがですか。

#93
○政府参考人(川原隆司君) 委員御指摘のとおり、現行刑法は、十三歳未満の者につきましては暴行、脅迫を用いなくても強制わいせつ罪や強制性交等罪が成立するものとしております。これは、一般に、十三歳未満の者は性的行為に対して同意、不同意を決する能力がないからであると考えられているところでございます。

#94
○山添拓君 いや、そうなんですけれども、自由意思に基づく同意を期待できる年齢とは言えないのではないかというのが私の指摘です。
 二〇一八年には、東京都足立区の区立中学校で行われた性教育の授業で、性交、避妊、人工中絶、そういう言葉を使ったことが不適切だと、これは自民党の都議が議会で指摘をされたんですが、そういう指摘があったことを受けて都教委が区教委を指導するという事態も起きました。ですから、性教育が十分とは言えない下で性的同意だけは適切に行える、こういうふうに考えるのは困難じゃないかと思うんですね。
 国連は二〇〇八年、日本に対して同意年齢の引上げを勧告しています。性暴力の被害者団体などからも声が上げられています。ところが、先ほど大臣の言及された検討会、同意年齢引上げの根拠は何なのか、十四歳や十五歳でも性交やキスを経験しているのに違法としてよいのか、同年齢同士の性行為を犯罪としてよいのか、そうして、意見が出されて、同意年齢の引上げに疑問を呈する意見が相次ぐ状況になっております。検討会の行方にも不安も広がっています。
 そこで厚労省に伺いますが、児童福祉法は児童に淫行をさせる行為を禁止し、罰則の対象としています。児童とは十八歳未満をいいます。なぜ十八歳未満との性行為を禁止しているんでしょうか。

#95
○政府参考人(大坪寛子君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、この児童福祉法、これは児童の福祉の保障を目的とした法律でして、ここでいうところの児童が十八歳未満という定めで構成をされております。
 ここで、この同法三十四条で、同条の第一項第六号に規定する児童に淫行をさせる行為、これを含みます児童の福祉を著しく阻害する行為を列挙いたしまして、これを法律上禁止をしているところでございまして、これは、同法六十条におきましてもかなり重い罰金、懲役などを併科するということで規定をしているところでございます。

#96
○山添拓君 それは同意の有無にかかわらず禁止という趣旨でしょうか。

#97
○政府参考人(大坪寛子君) はい。児童福祉法におきましては、同意の有無などは特に規定をされておりません。

#98
○山添拓君 例えば、東京都の青少年健全育成条例は、何人も青少年と淫らな性交又は性交類似行為を行ってはならないと定めていますが、こうした規定、全国にありますが、同様の趣旨だと思います。淫行だとか淫らなという文言の曖昧さ、これは問題だと思いますが、少なくとも、若年者について同意の有無にかかわらず身体的な保護が必要だ、まあ福祉と言及ありましたが、そういう考えは否定できないところだと思います。
 一方で、刑法上は、十三歳以上になりますと、暴行、脅迫、あるいは強い抵抗、こうしたものが証明できないと犯罪が成立しません。もちろん立証責任は検察官が負うわけですが、実際には被害者の証言の占める割合、その比重が重くなります。被害者に事実上立証が求められると言ってもよい状況があります。十三歳にこれを求めるのが正義にかなうのかということが問われていると思うんですね。
 大臣に伺いますが、やはり性交同意年齢は引き上げるべきだと思います。少なくとも義務教育終了後の十六歳未満に引き上げるべきだと考えますけれども、大臣、認識はいかがでしょうか。

#99
○国務大臣(上川陽子君) この委員の御指摘いただきました、暴行、脅迫を用いなくとも強制性交等罪や、また強制わいせつ罪が成立するものとされる被害者の年齢ということでありますが、現行法上十三歳とされているこの年齢を引き上げるべきだという御指摘があることにつきましては承知をしております。
 また、法務省におきまして、今実際に開催しております性犯罪に関する刑事法検討会、この場におきましても、その年齢の引上げについての是非につきまして検討すべき重要な論点として掲げられているところでございまして、まさに今議論が行われているところでございます。私自身は検討をお願いをしているという立場でございますので、この段階で、また意見を申し上げるということ自体が差し控えるべき事柄ではないかというふうに考えております。
 先ほど申し上げたとおり、この検討会におきまして更に論点整理が行われるということを、座長が次の段階からということで御発表なさって、決議をされたということでございますので、充実した御審議がなされるように期待をしているところでございます。

#100
○委員長(山本香苗君) お時間過ぎております。おまとめください。

#101
○山添拓君 検討会の取りまとめは、是非同意年齢の引上げの方向でまとめていただきたいと思います。そして、その続く法制審でも、被害者や支援者の声、あるいは心理学者など専門家の知見が反映されるように求めて、質疑を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

#102
○高良鉄美君 沖縄の風の高良鉄美です。
 本日は、前回予告しましたように、最高裁が調停委員の任命に際して外国籍者を拒否していることについて質問します。
 私がこの問題を取り上げるのは、人権の問題であり、憲法の問題だからです。最高裁は、調停委員は公権力の行使又は国家意思の形成への参画に携わる公務員に該当すると主張し、外国籍者を排除しています。外国籍者を拒否することは調停制度の趣旨にかなうのかと、こういう視点から伺います。
 民事調停委員及び家事調停委員規則第一条では、「民事調停委員及び家事調停委員は、弁護士となる資格を有する者、民事若しくは家事の紛争の解決に有用な専門的知識経験を有する者又は社会生活の上で豊富な知識経験を有する者で、人格識見の高い年齢四十年以上七十年未満のものの中から、最高裁判所が任命する。」と定めております。国籍は任命の要件としていません。国籍は要件でないから、家庭裁判所から推薦依頼を受けた弁護士会からは、国籍の有無にかかわらず調停委員としてふさわしい弁護士を推薦しているのだと思います。
 神戸家裁から家事調停委員を推薦依頼された兵庫県弁護士会は、家事事件に精通している韓国籍の梁英子弁護士を度々調停委員に推薦しています。しかし、神戸家裁は、梁弁護士が外国籍であることを理由に最高裁への任命上申を拒否しています。これは家裁の判断ではありません。最高裁事務当局の指示によるものだからです。家事事件を多く扱い、家裁からの信頼も厚い梁弁護士が、国籍がないというだけで拒否されたことは、これに対して一番怒ったのは、調停の行われる当のこの家裁の所長と聞いています。梁弁護士によると、拒否は昨年十一月で実に十五回に上ったそうです。
 この問題の最初の質問の通告で、外国籍の弁護士が調停委員となるためには帰化すればなれるのかと聞いたところ、最高裁の担当者は、帰化すれば可能だと答えました。しかし、国籍以外の要件を満たした方に、しかもこの国籍は規則の中にない、そういったもので帰化を強いることというのが問題ではないのかと、国籍による差別と言わざるを得ません。最高裁の見解を伺います。

#103
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答えを申し上げます。
 公権力の行使又は国家意思の形成への参画に携わる公務員となるためには日本国籍を必要とするとされているところ、民事調停委員、家事調停委員の法令上の権限、職務内容等に鑑みれば、調停委員は公権力の行使又は国家意思の形成への参画に携わる非常勤の公務員に該当し、その就任には日本国籍を必要とすると考えているところでございます。

#104
○高良鉄美君 規則にないことを考えていると言った方がいいと思いますけれども。
 では、帰化の関連でいいますと、日本国籍取りますと、中国人の弁護士が帰化して調停委員になったケースを紹介します。その調停委員は、中国人が関係する紛争に多く関わられて、家裁からむしろお願いされて、中国人が関係する紛争の調停がその方に集中していると伺っています。
 日本には、特別永住者を含めて中長期に滞在する外国人は三百万人に上ります。調停で争う紛争の当事者は日本人には限りません。生活習慣や文化を熟知した多様な人材が調停を務めることで調停制度は充実すると思います。この充実することよりも最高裁は日本国籍を持つことが重要だとお考えでしょうか。御見解をお伺いします。

#105
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答えを申し上げます。
 調停委員の任用に当たりましては、法律の専門家ばかりでなく、豊富な社会経験、人生経験を持つ良識豊かな方や、法律以外の分野での専門的な知識、経験を備えた方を迎える必要があると認識しておりまして、現在も社会の多様な分野で活躍されている方が任命されております。
 今後も、国際化の進展等の社会の変化に応じ、当事者が様々なバックグラウンドを持っていることも踏まえ、そのニーズに応えることができるよう多様な人材を確保していく必要があると考えておりますが、先ほど述べた理由から、日本国籍を有しない方を調停委員に任命することは難しいと考えているところでございます。

#106
○高良鉄美君 今の最初の部分は良かったんですけれども、この多様な人材をして、しかも日本の国際化ということに貢献するような形でやっていくということですけれども、これは規則にもない、通達にもないと、法律にももちろんないと。法の支配や、あるいは法治主義でもないわけですよね。どこからこれが来ているのかという、その国籍の考え方ですね、これは考えでしかないわけですよ。
 そうすると、資料でお配りしています。公権力の行使と言っていますけれども、公益社団法人日本調停協会連合会が調停について紹介しています。見てもらうと、この調停とは何かということを見ていただくと分かるように、調停委員は説得調整活動を行うのであり、当事者が合意しなければ調停は成立しません。公権力を行使する場面はありません。最高裁が答弁で公権力を行使する根拠に挙げたものはいずれも公権的判断を行うものではないと思いますが、これまで調停委員が公権力を行使したケースがあるのか、どのような場合にどのような公権力を行使したのか、具体的に示していただく必要があります。
 そこで、具体的にお尋ねします。二〇一一年から二〇一五年において、調停委員会の調停前の措置、これは民事調停法の十二条一項にありますけれども、この調停前の措置を命じた件数は、二〇一一年で六十三件、二〇一二年三十三件、二〇一三年三十一件、一四年二十一件、一五年三十件と承知していますが、この場合に、当事者又は参加人が正当な理由なくこれに従わないために過料の制裁を科した件数は何件あるんでしょうか。

#107
○最高裁判所長官代理者(門田友昌君) お答えいたします。
 民事調停法第十二条第一項に基づく調停前の措置を講じた場合において、当事者又は参加人が正当な理由なくこれに従わないために過料の制裁を科した件数についてお尋ねですけれども、これに関する統計は取っておりませんので、お答えすることができません。

#108
○高良鉄美君 それでは、二〇一一年から一五年、同じくですね、調停委員会の呼出しを受けた事件の関係人が正当な理由なく出頭しないために過料の制裁を科した件数というのは何件あるんでしょうか。

#109
○最高裁判所長官代理者(門田友昌君) お答えいたします。
 調停委員会の呼出しを受けた事件の関係人が正当な事由なく出頭しないために過料の制裁を科した件数につきましても、統計を取っておりませんので、お答えできません。

#110
○高良鉄美君 それでは、二〇一一年から一五年において、同じ期間ですけれども、調停委員会の調停前の処分を命じた件数は何件あるんでしょうか。また、当事者又は利害関係参加人が正当な理由なくこれに従わないために過料の制裁を科した件数は何件あるんでしょうか。

#111
○最高裁判所長官代理者(門田友昌君) お答えいたします。
 家事事件手続法第二百六十六条に基づきます調停前の処分を命じた件数につきましては、こちらも統計を取っておりません。また、調停前の処分として必要な事項を命じられた当事者又は利害関係参加人が正当な理由なくこれに従わないことを理由とした過料の制裁の件数につきましても、統計を取っておりませんので、お答えできません。

#112
○高良鉄美君 統計を取っていないという、この公権力の行使の根拠が分からないんですけれども、それほど大事なことじゃないんじゃないですか、これ、公権力の行使がと言って。それだから調べていないんでしょう。この調停委員会の権限については公権力の行使と法文ではあるかもしれませんが、そんな件数を取らないというのは、じゃ、公権力の行使が分からなくなってしまうじゃないですか。
 国連の人種差別撤廃委員会から三度差別撤廃を勧告されていることは重く受け止める必要があります。最高裁は、国連からのこの勧告を無視し続けています。最高裁が国連人権機関からの勧告に従わないことは、政府や国民に対して、国連からの勧告には従わなくてもよいという、最高裁がメッセージを出してしまうおそれがあるんじゃないでしょうか。お伺いします。

#113
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のような勧告を受けているということは承知しておりますが、先ほど述べた理由から、日本国籍を有しない方を調停委員に任命することは難しいと考えているところでございます。

#114
○高良鉄美君 資料の三枚目を御覧いただきたいんですけれども、これは最高裁から任命を拒否されている方のリストですけれども、外国籍ですね、多くはもう日本で生まれ育った方です。中には不幸な過去を背負わされた在日の二世や三世もいらっしゃいます。なぜ人権のとりでと言われる最高裁から差別を受けなければならないのか。この方々は弁護士として日本で活躍し、日本社会に大きく貢献しています。中には、もう法曹養成に携わる弁護士もいるわけです。差別をする側は忘れても、差別を解消されなければ傷が癒えることはありません。
 最高裁はこの外国籍者を排除することのないように求めますけれども、これ、最高裁というのは憲法の中で名前があるわけですよ、名称が、最高裁判所はと。この最高裁は人権保障のとりでと言われています。そして、憲法九十八条は、国際条約、国際法規を遵守するようにと書いていますけれども、これは国際的な問題というよりも法の支配の問題で、この法の支配には違憲立法審査権やあるいは最高法規性、ほとんど民主主義や人権も入っていますけれども、こういったところで、憲法の目的というのは人権保障、人権を救済することにあって、その人権救済機関が最高裁判所なわけですよ。そこに、なぜ人権救済機関がこの差別をするということがあるのかというわけですね。
 だから、こういったことを考えますと、私たち、法の支配の在り方というのを最高裁に前回問うとは、あるいは話すとは、もう、ちょっと信じられなかったんですけれども、これ、きちんとしていただきたいということを私強く言っておきたいと思います。
 そして、実際に最高裁判所は、婚外子の相続分違憲決定、それから国籍法の違憲判決を最高裁は出しましたが、その際には国連からの勧告というのを裁判規範として、違憲判断の根拠として示してきているわけです。だから、裁判規範の一種として、国連からの勧告ないしは国際規約、そういったものを用いているわけですね。
 是非、最高裁、これは別に判決の内容を言っているわけでもないし、介入でも何でもないです。法の支配ということを一番関連している機関だからこそ、そこを重視していただきたいということをお願いして、私の質問を終わりたいと思います。

#115
○嘉田由紀子君 碧水会の嘉田由紀子でございます。
 これまでから引き続いております親の離婚後の子供の幸せの問題について質問させていただきます。本日も真山議員の御質問にもございました。
 実は、先日も申し上げましたけれども、将棋の橋本崇載八段、四月二日に突然プロ棋士の引退を表明し、その理由が、ある日突然、妻に子供を連れ去られたことということでした。
 実は昨日、直接に橋本さんとお会いをいたしました。そして、橋本さんに、この本日資料一として出させていただいておりますこのカラーの資料、これは子育て改革のための共同親権プロジェクトの皆さんが自分たちで作ったもので、三百四十六名の方の賛同を、顔を出しておりますけれども、これを橋本さんにお見せしたら、あっ、本当にこういう、自分が直接被害者になるまで子供の連れ去りなんてあるのを知らなかったと、でもこんなにたくさんの方が被害を受けているんですねということで、橋本さん自身もこれから生きる力をいただきましたと言っておられました。
 上川大臣、橋本棋士のように突然子供を連れ去られた事案を聞いてどのようにお感じになられるでしょうか。

#116
○国務大臣(上川陽子君) ただいま、橋本崇載元棋士によりまして、御指摘いただきました資料も含めて、先回もそのようなお話をいただきました。
 御指摘された公表及び発信の状況については承知をしているところでございます。個人の公表や、また発信につきまして、法務大臣としてこの所感を述べるということについてはなかなか難しいところでございまして、差し控えさせていただきたいと思います。
 父母が婚姻している場合はもちろんでございますが、離婚した場合でありましても、父母が子供の養育について共同して関わり、それぞれが適切にその役割と責任を果たすということ、子供の利益を図るという観点から極めて重要であるというふうに考えております。

#117
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 今の大臣の立場としてはそれ以上踏み込めないとは思いますが、もういつも申し上げておりますように、日本の民法八百十九条では、離婚をしたらどちらかの親を親権者として決めなければいけない単独親権、これはもう明治民法から、それこそ百二十年も前に決められ、そして、その親子分断の民法が橋本八段のような悲劇を起こしている構造的背景でもございます。
 そこで、今回、二月十日に法制審議会が始まり、三月三十日には法制審議会の家族法制部会が始まりました。その委員名簿を資料二として本日お出ししております。
 委員及び幹事の選定手続とその根拠についてお教えいただけますか。

#118
○政府参考人(金子修君) お答えします。
 法制審議会の委員は法制審議会令第二条第一項によりまして、また法制審議会の幹事は法制審議会令第五条第二項によりまして、いずれも学識経験のある者のうちから法務大臣が任命することとされています。また、部会に属すべき委員及び幹事は、法制審議会令第六条第二項により、審議会の承認を経て会長が指名することとされております。

#119
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 法制審議会や法制審議会の各部会の名簿をお一人ずつ見ていただきますと、例えば法制審議会では一名、政府職員が入っております。それから、審議会の家族法制部会では、部会長も入れて全体二十四名のうち四名が国の職員でございます。例えば、具体的には内閣府の岸本室長、あるいは法務省の小出民事局長、最高裁の手嶋家庭局長、法務省の堂薗審議官と、二十四分の四、幹事の方では十二分の六が言わば国の行政機関の職員でございます。
 法務大臣の下で働く行政職員を委員として、しかも、この法制、家族法制の方の委員はここに議決権まで与えているんですね。そういうことで、第三者性を欠いているという批判があるかもしれません、お手盛りと言われないかと。この辺りについて、御見識はいかがでしょうか。

#120
○政府参考人(金子修君) 質問の御趣旨は、諮問した法務大臣の下で働く職員が委員、幹事になっているという御趣旨かと理解しますので、法務省の職員について御説明します。
 法制審議会は、民事法、刑事法その他法務に関する基本的な事項について調査審議することを目的としております。これらの基本的法律の制定、改正等に関する事項は主として国民生活の基本的秩序に関するものであり、各種法律問題の細部にわたる検討と、これに基づく綿密、周到な答申要綱の作成が必要とされます。法務省職員は、このような検討等を行うために必要な民事法、刑事法といった基本的法律の立案や運用等に関する属人的な専門的知識及び経験を有することから、委員又は幹事に任命されるものでございます。
 このように、法務省職員を法制審議会及び部会の委員又は幹事に任命することは、法制審議会の目的に照らし必要であり、また専門的知識及び経験に着目して任命されるものであることから、お手盛りであるとは考えておりません。

#121
○嘉田由紀子君 ただいまの御答弁の中に、基本的法制であるから行政職員が必要だと。例えば、私自身は国土交通省の委員をしたり環境省の委員をしたりしておりましたけれども、例えば河川法は、じゃ基本的な法制ではないのか、環境、水質保全法はというようなことで。基本的法制度だから行政職員が必要だという説明には私は納得をしておりません。
 参議院の法制局のホームページでは、審議会の目的がはっきり書かれております。行政への国民参加、二点目、専門知識の導入、三点目、公正中立性の確保、四点目が利害の調整でございます。
 今回の法制審議会の幹事及び家族法制部会の委員や幹事として法務省職員が任命されていることが、国民の目から見て、果たして公正中立性の確保が維持され、利害の調整がなされていると言えるのでしょうか。特に今回の家族法制の方は、離婚後の子供の親権の問題など、かなり国民的にも利害の対立する、あるいは様々、これによってまさに生殺与奪の権、生きる力を失ってしまうような、そういう大きな影響のある法制審議会でございます。
 果たして公正中立性の確保が維持され、利害の調整がなされると言えるのでしょうか。法務大臣、お願いいたします。

#122
○国務大臣(上川陽子君) 法制審議会及び部会は、民事法、刑事法その他法務に関する基本的な事項につきまして調査審議をすることを目的とするものでございます。先ほど答弁をしたところで、のとおりでございまして、このような調査審議を行うためには、そうした基本的な法律の立案、とりわけ運用等に関しまして専門的な知識また経験、こうしたものを有する委員又は幹事が私は不可欠であるというふうに考えております。
 したがいまして、法務省職員を法制審議会及び部会の委員又は幹事に任命することは法制審議会の目的に合致するものというふうに考えております。

#123
○嘉田由紀子君 ここは国民的な広い議論が必要だと思いますけれども、資料三、時間がありませんので、ちょっと急がせていただきます。
 資料三に、最近出版されました「実子誘拐ビジネスの闇」というノンフィクションライターの池田良子さんの書の終わりの三ページ分を添付いたしました。これを見ていただくと、今回の法制審議会に期待してはいけないとあります。この本は、出版社によりますと、関係国会議員ほか法制審議会の委員にも見本が送られているということでございますけれども。
 判検交流による法務省職員、つまり、裁判官の身分を有している方が裁判官のまま法務省に入りますとこれは三権分立に反することになるので、検事の身分に変わる。判検交流により法務省職員として行政を担い、そして、これ自身は最高裁判所との三権分立が不明瞭になります。あわせて、共同親権に反対する人たちがある意味で専門職として入り、そして裁判所の裁判官、この辺りの裏の見えない利害の輪っかというのが私はあるのではないのかと思っております。今日はもう時間がありませんので、これ以上申し上げません。
 そして、個別の委員が例えばこの委員に入っていらっしゃること、これ、個人の問題ではありません、組織の構造の問題です。昭和二十年代以降、この判検交流というのは、言わば法務省の職員、人的に不足するということで、最高裁判所から裁判官の方が検事になられる。個人的にどうこうではなく、七十年以上もそういう構図をつくっていることに私自身はかなり驚いております。
 今日も、高橋元知事おられますけれども、トップに立つ者はいつも言わば国民、県民の皆さんの理解を得ながら公正中立な審議会というのを言わば運営しなければいけないと私自身は思っておりましたけれども、国の中で行政職員が直接議決権のある委員に入っているところ、今ほかの省庁も調べさせていただいております。三千ほど審議会があるということで、到底調べ切っていないんですけれども、私はまだこの法務省のこの事例しか、法務省の事案しか出会っておりませんが、ここは今日問題提起させていただいて、この後続けさせていただきたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。

#124
○委員長(山本香苗君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
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#125
○委員長(山本香苗君) 民法等の一部を改正する法律案及び相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。上川法務大臣。

#126
○国務大臣(上川陽子君) 民法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 この法律案は、所有者不明土地の増加等の社会経済情勢の変化に鑑み、所有者不明土地の発生を防止するとともに、土地の適正な利用及び相続による権利の承継の一層の円滑化を図るため、民法等の一部を改正しようとするものであります。
 その要点は、次のとおりであります。
 第一に、この法律案は、民法の一部を改正して、境界標の調査のための隣地使用権及び電気等の継続的給付を受けるための設備設置権等の相隣関係に関する規定の整備や、所在等が不明な共有者がいる場合における共有物の利用及び管理等の共有に関する規定の整備を行うとともに、所有者の所在等を知ることができない土地若しくは建物又はその共有持分及び所有者による管理が不適当である土地又は建物について裁判所が管理人による管理を命ずること等を内容とする所有者不明土地管理命令等の制度を創設するほか、具体的相続分による遺産分割を求めることができる期間の制限等を内容とする相続に関する規定の整備を行うこととしております。
 第二に、この法律案は、非訟事件手続法及び家事事件手続法の一部を改正して、民法の一部改正により創設される制度の裁判手続を創設する等の規定の整備を行うこととしております。
 第三に、この法律案は、不動産登記法の一部を改正して、相続等による所有権の移転の登記等の申請を相続人に義務付ける規定を創設するとともに、不動産登記に係る手続における申請人の負担の軽減を図るため、簡易な相続人申告登記制度を創設するとともに、特定の者が所有権の登記名義人となっている不動産を一覧的に確認することができる所有不動産記録証明制度を創設する等の規定の整備を行うこととしております。
 続いて、相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 この法律案は、社会経済情勢の変化に伴い所有者不明土地が増加していることに鑑み、相続等による所有者不明土地の発生の抑制を図るため、相続等により土地の所有権を取得した者が、法務大臣の承認を受けてその土地の所有権を国庫に帰属させることができる制度を創設しようとするものであります。
 その要点は、次のとおりであります。
 第一に、相続等により土地の所有権又は共有持分を取得した者等は、法務大臣に対し、その土地の所有権を国庫に帰属させることについての承認を申請することができることとしております。
 第二に、法務大臣は、承認申請に係る土地が、通常の管理又は処分をするに当たり過分の費用又は労力を要する土地に該当しないと認めるときは、その土地の所有権の国庫への帰属についての承認をしなければならないこととしております。
 第三に、法務大臣は、承認に係る審査をするため必要があると認めるときは、その職員に事実の調査をさせることができるものとするとともに、調査権限に関する規定を設けることとしております。
 以上が、これら法律案の趣旨でございます。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。

#127
○委員長(山本香苗君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 両案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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