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2021/04/08 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 内閣委員会 第10号 令和3年4月8日
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2021/04/08 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 内閣委員会 第10号 令和3年4月8日

#1
令和三年四月八日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月六日
    辞任         補欠選任
     安江 伸夫君     石川 博崇君
 四月七日
    辞任         補欠選任
     進藤金日子君     加田 裕之君
     山谷えり子君     山田 修路君
     杉尾 秀哉君     石垣のりこ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         森屋  宏君
    理 事
                酒井 庸行君
                徳茂 雅之君
                木戸口英司君
                平木 大作君
                矢田わか子君
    委 員
                大家 敏志君
                加田 裕之君
                古賀友一郎君
                高野光二郎君
                山田 修路君
                山田 太郎君
                和田 政宗君
                石垣のりこ君
                小沼  巧君
                塩村あやか君
                石川 博崇君
                柴田  巧君
                高木かおり君
                市田 忠義君
                田村 智子君
   国務大臣
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    小此木八郎君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        吉川  赳君
       文部科学大臣政
       務官       鰐淵 洋子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮崎 一徳君
   国立国会図書館側
       専門調査員    千原 正敬君
   政府参考人
       警察庁長官官房
       審議官      堀  誠司君
       警察庁生活安全
       局長       小田部耕治君
       消費者庁審議官  坂田  進君
       法務省大臣官房
       審議官      佐伯 紀男君
       文部科学省大臣
       官房審議官    蝦名 喜之君
       厚生労働省子ど
       も家庭局児童虐
       待防止等総合対
       策室長      岸本 武史君
      ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○ストーカー行為等の規制等に関する法律の一部
 を改正する法律案(内閣提出)
    ─────────────

#2
○委員長(森屋宏君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、安江伸夫君、進藤金日子君、山谷えり子さん及び杉尾秀哉君が委員を辞任され、その補欠として石川博崇君、加田裕之君、山田修路君及び石垣のりこさんが選任をされました。
    ─────────────

#3
○委員長(森屋宏君) この際、吉川内閣府大臣政務官から発言を求められておりますので、これを許します。吉川内閣府大臣政務官。

#4
○大臣政務官(吉川赳君) 冒頭、お時間いただきまして御発言をお許しいただきますこと、恐縮に存じます。
 四月六日の本委員会における私の答弁において、政府の答弁としてふさわしくない内容がございました。
 答弁では、先に一部改正法案を御審議いただきました原子力発電施設等立地地域振興に関する特別措置法について、小沼委員から、今般の改正に当たってほかの法律との平仄をそろえる必要があったのではないか等の御質問をいただき、お答えしたものであります。
 答弁では、同法について、本年三月末の有効期限が迫る中、その延長を最優先として対応させていただいたことを申し上げつつ、それに加え、私、政治家個人としての認識として、同法が議員立法で制定され延長されてきた経緯を踏まえれば、今回の、今回も議員立法による対応がなされ、その中で小沼委員の御指摘の点が検討されることも考えられた旨を述べたものでしたが、政府の答弁、政府の立場をお答えすべき委員会の場での答弁としてふさわしくないものであったと認識をするものであります。
 つきましては、答弁のうち当該部分は撤回し、委員各位におわび申し上げます。

#5
○委員長(森屋宏君) 吉川内閣府大臣政務官におかれましては御退席いただいて結構です。
    ─────────────

#6
○委員長(森屋宏君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 ストーカー行為等の規制等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、警察庁長官官房審議官堀誠司君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#7
○委員長(森屋宏君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────

#8
○委員長(森屋宏君) ストーカー行為等の規制等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#9
○徳茂雅之君 おはようございます。自由民主党の徳茂雅之でございます。
 本院先議の法案の最初の質疑の機会を頂戴いたしました。森屋委員長始め各委員の皆様に御礼申し上げます。
 まず、ストーカー等規制法の質疑に先立ちまして、同じく参議院先議であります銃刀法の改正案の参考資料に誤りがあった件につきまして一言申し上げたいと思います。
 今回の誤りにつきましては、新旧対照条文の傍線の引き忘れと参考資料の誤りでございました。しかしながら、警察関連の法案といいますのは、国民の権利、自由、これを制限するようないわゆる規制法が多くございます。万一、法案、法律の条文そのものに誤りがあった場合には、他の法律と比較しましても、国民生活あるいは経済活動に与える影響って極めて大きいというふうに考えられます。
 今回、銃刀法改正案の資料に誤りがあった件につきまして、これが再度発生することがないように警察庁当局には猛省を促したいと思っております。その上で、実効性ある対策を求めたいというふうに考えておりますが、小此木大臣のお考えをお伺いします。

#10
○国務大臣(小此木八郎君) おはようございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 御指摘の銃刀砲剣類所持等取締法一部改正案の提出に当たりまして、参考資料に誤りがございましたこと、改めて深くおわびを申し上げます。
 今回の誤りについてでありますが、資料の確認を法案の立案に従事していた特定の担当者が行っておりましたが、複層的なチェックが効果的にできていなかったこと等が原因であると、私、報告を受けております。
 こうした誤りの再発防止について、府省庁横断で設置されたプロジェクトチームにおける議論も踏まえつつ、警察庁において、法案の立案に従事していない者による第三者的なチェック体制を取ること等対策を講じていくこととしておりまして、今後も実効ある再発防止に取り組むよう警察を指導してまいる所存でございます。

#11
○徳茂雅之君 是非実効性ある対策、取組をお願いしたいと思います。
 私もかつて霞が関で勤めたことがございまして、何度か法案作成を担当したこともございます。法案作成をする場合にはやはり法案の条文に誤りがあってはいけないと、これは、本当に霞が関で働く公務員の皆さん、みんなそのように考えて一生懸命条文がミスのないように読み合わせを行ったりしています。読み合わせの担当者は、もうある意味何度も何度も読むので、条文を暗唱できるぐらいまで理解されています。逆にそのことが、例えば傍線を引くとか、今回、字数の下げ、インデントを忘れているわけでありますけれども、こういった形式的なチェックが私は漏れているのではないかなと思います。
 ただいま大臣の方から横断的なチェックという話がありましたけれども、担当者任せにすることなく、逆に、そういう横串を通したチェックをしっかり行うことによって全体としてミスが発生しないようなお取組をお願いしたいというふうに思っています。
 この際、併せて一点申し上げたいのが、やはり、霞が関で働く国家公務員の皆様のやはり働きがい、あるいはやりがいの問題でございます。
 今回、恐らく再チェックということで、公務員の皆さんが本当に一生懸命夜を徹してチェック、調べられたんだと思います。これは当然法案を提出する立場として当たり前のことでありますけれども、最近懸念されますのが、やはり国家公務員に志望する新卒者が減ってきている、さらに、霞が関で何年か勤めてまだ若いうちにリタイアしてしまうという人が随分増えてきているということでございます。恐らく、高い志を持って国民のためにあるいは国家のために働こうというふうに思って役所に入ってきたものの、夜遅くまで、そういった意味では、こういう法案のチェックというような作業にずっと担当させられてしまうということだろうと思っています。
 是非これ、大臣始め役所の幹部の皆様には、若い国家公務員、官僚の皆様がやりがい、働きがいをしっかり感じられるような、そういう仕事の割り振りでありますとか配慮を是非この際お願いしたいなということでございます。
 それでは、法案の質疑に移らせていただきます。
 お手元に資料を配らせていただきました。
 まず資料一でございますが、これ、前回、本委員会におけますストーカー法改正におけます決議文でございます。これにつきましては全会派一致ということで、これ議員立法で提出されたものでありますので、決議ということになっております。政府に対して十分配慮をいただきたいという事項が六項目記載されております。
 これを踏まえまして、次のページ、資料二が、これ、警察庁のホームページから作成したものでありますけれども、昨年におけますストーカー事案の発生状況でございます。これ御覧いただきますと、上の段のグラフでございますが、ストーカー事案につきましては、平成十二年、今法案が制定された以降、しかしながらずっとストーカー事案が増えてきたわけでございますが、平成二十八年の前回の改正、施行が平成二十九年の六月であります、平成二十九年をピークに近年は減少傾向にあるということでございます。
 さらに、その下のグラフを御覧いただきますと、顕著でありますのが、これ、警告を出したか、更に厳しい禁止命令を出したかということでありますが、平成二十九年以降、警告は減少し、禁止命令が増えてきていると。これ、法改正によりまして警告なしで禁止命令を発出できるように変えた、その成果が現れたんだろうというふうに思っております。
 こういった状況を踏まえまして、平成二十八年、前回の改正、それから本院におけます決議、これを踏まえまして、ストーカー等の事案の発生抑制に向けて政府としてはどのようなお取組をされてきたのか、お尋ねいたします。

#12
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 平成二十八年の参議院内閣委員会の決議におきましては、警察において被害者等の安全の確保を最優先に組織的な対応を推進、強化する旨決議されているところでございますが、警察におきましては、ストーカー事案について認知の段階から対処に至るまで警察本部で一元的に警察署を指導する体制を構築しているところでございます。
 また、ストーカー事案の特性を踏まえた関係機関等における適切な対応、支援のための人材の育成、被害者に対する心理的なケアのための体制整備、関係機関等における相談体制の拡充強化について決議されているところ、これらの取組は、政府において策定されたストーカー総合対策に基づく取組を関係省庁により推進しているところでございます。
 加えて、加害者対策の観点におきましては、精神医学的、心理学的な手法も含め、適切かつ効果的な手法の研究開発に取り組む旨決議されておりまして、警察におきましては、平成二十八年度から、加害者への対応方法やカウンセリング、治療の必要性について地域精神科医等の助言を受け加害者に受診を勧めるなど、地域精神科医療機関等との連携を推進しているところでございます。

#13
○徳茂雅之君 ありがとうございました。前回の改正決議以降、政府としても一体となって取り組んでおられるという御報告がございました。
 本法は、先ほど申し上げたとおり、平成十二年に議員立法で制定されました。最初の改正が平成二十五年の改正で、これは連続して電子メールを送信する行為を付きまとい行為にするといったような内容でございました。で、前回の改正が平成二十八年の改正であります。
 いずれも議員立法で制定、改正されたものでありますが、今回の改正は、議員立法ではなくて閣法、政府の方で提出されたということでございます。その理由についてお尋ねします。

#14
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 これまでGPS機器等を用いて位置情報を取得する行為につきましては住居等の付近における見張りに該当するものと捉えて対処してきたところでありますが、令和二年七月の最高裁判決におきまして、相手方の自動車にGPS機器をひそかに取り付け、同車の位置情報を探索、取得した事案につきまして、ストーカー規制法が規制する住居等の付近において見張りをしたことには該当しない旨判示されたことから、GPS機器等をひそかに取り付け、位置情報を取得する行為を住居等の付近において見張りをするものとして取り締まることが困難となったところでございます。
 しかしながら、GPS機器等を用いてその位置情報を相手方の承諾を得ないで取得する行為につきましては、相手方の所在に関する情報を極めて容易かつ詳細、確実に把握することが可能となるため、自らの位置情報が詳細に把握されることによる不安を相手方に覚えさせるおそれがある行為であり、把握した位置情報を基に押しかけ等の更なる付きまとい等や凶悪犯罪に発展するおそれがあることから、ストーカー行為の被害を防止するために規制が必要と考えられるところでございます。
 そこで、ストーカー事案の相談や取締りを通じてこうした事案の実態を把握している警察庁におきまして検討し、早急な対応をするべきであると考えられたことから、閣法による改正の手続を通じて国会におきまして御審議をいただいているところでございます。

#15
○徳茂雅之君 ありがとうございました。今回、閣法で提出するということでありますので、本法施行に当たってしっかりとお取り組みいただきたいなと思います。
 ただいま、ちょっと随分次の質問の関連も御説明いただいたと思うんですけれども、ちょっと法案の中身についてお尋ねしたいと思います。
 先ほどからありましたGPS機器等を用いた位置情報の情報取得の関係でございます。
 これについては、先ほど相手方の承諾を得ないでということが御発言がありました。これについては、実は昨年十月から警察庁の中でも検討会を重ねられて今法案を策定されてきたというふうに承知しておりますが、その報告書の中を拝見いたしますと、幾つかの、委員からこの相手方の承諾の有無について幾つかの意見が出されております。
 今回、相手方の承諾を得ないでということを要件にされた理由、それから、当初承諾をされていても、恐らく、例えば男女の関係が途中でうまくいかなくなって、承諾しないと、不承諾になるケースも途中で出てくると思いますけれども、このような場合にはどのように対応されるのか、お尋ねします。

#16
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 例えば、交際関係にある者が相互に合意の上でお互いのスマートフォンの位置情報を共有する場合のように、お互い合意の上で相手方のGPS機器等の位置情報を取得し、あるいは相手方の物にGPS機器等を取り付ける場合につきましては、規制する、規制対象とすべき必要性は認められないことから、相手方の承諾を得ないで行われる行為のみを規制対象としたものでございます。
 また、位置情報の共有当初は双方の同意があったとしても、その後、双方の関係が悪化するなどして位置情報の共有を望まず、今後は位置情報の共有について承諾できない旨を行為者に伝えた場合には、承諾を得ないでの要件に該当することとなると考えておりますが、いずれにいたしましても、個別具体的な事案に応じてその点については判断されることになると考えております。

#17
○徳茂雅之君 ありがとうございました。
 続いて、場所的要件についてお尋ねします。
 現行法では、付きまとい等の場所的要件については、相手方の住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所、つまり住居等というふうにしております。今回の改正では、相手方が現に所在する場所を追加することとされています。
 普通、一般的に考えましても、見張り等の付きまとい行為というのは、まさに相手方がその場で、いる場所で行うのが通常というか一般的というふうに考えられるわけでありますけれども、今回、相手方が現に所在する場所を規制の対象に追加する理由についてお尋ねいたします。

#18
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 現行のストーカー規制法は、相手方の住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所の付近における見張り等を付きまとい等として規制しているところでございますが、最近におけるストーカー事案の状況について見ると、住居等の通常所在する場所に当たらないが、相手方が現に所在する場所の付近における見張り等や同所への押しかけが行われる事案が見られるところでございます。
 こういった相手方が現に所在する場所の付近における見張り等につきましては、実際に行為者が接近してきているという点におきまして、相手方としては、自分の行動が把握されている又は常時監視されているのではないかと不安を覚え、自由に行動することが困難になる不安を覚えるとともに、行為がエスカレートして相手方の身体に対して危害が加えられるおそれがあると考えられることから、今回の改正におきまして新たに規制対象とするものでございます。

#19
○徳茂雅之君 ありがとうございました。
 続いて、文書の連続送付についてお尋ねします。
 文書の連続送付、手紙をたくさん送り付ける行為でありますけれども、この行為といいますのは、これまで規制されていました電話、ファクス、あるいはメールを送り付ける行為と比較しますと、どちらかといったら古典的な、伝統的な付きまといの方法だろうというふうに思います。恐らく随分前からあったのではないかなというふうに思っております。
 今回、これまで、文書の連続送付、これをどうして規制していなかったのかというふうに思うわけであります。この理由と、それとともに、今回新たにあえて規制の対象として追加する理由についてお尋ねいたします。

#20
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 お尋ねの点につきましては、手紙に比べて電話やファクスの手段の方が相手方に対して連続して掛ける又は送付することが容易に行い得ると考えられるため、法の制定当初におきましては電話やファクスが規制対象とされたものではなかろうかと考えられるところでございます。また、その後のストーカー事案の実情を踏まえまして、電子メールやSNSメッセージが法改正で規制対象に追加されたものと承知してございます。
 最近におけるストーカー事案の状況について見ると、手紙等の文書を連続して送付する事案が見られ、行為者が相手方と接触を試みる際の典型的な手段となっており、また、相手方からの電話、ファクス、電子メール等による連絡を拒絶されたため、代替手段として文書を送付する事案も認められるところでございます。
 また、文書の送付については、行為者に住居等を知られていることから、住居に押しかけられたり危害を加えられたりする不安を相手方に覚えさせるおそれがあるとともに、当該行為がエスカレートして相手方の身体に対する危害を加えるおそれも考えられるところでございます。そこで、今回の改正におきまして、拒まれたにもかかわらず連続して文書を送付する行為を新たにストーカー規制法の規制対象とするものでございます。

#21
○徳茂雅之君 ありがとうございました。
 今回の改正案では、禁止命令書の送達について、従来は規則で定めていた、定めていたものをですね、法律によって緊急時には口頭で対応できるようにしています。さらに、行為者の住居、住所又は居所が明らかでない場合には公示送達もできるように改正をしています。
 公示送達というのは、氏名だけではなくて書類の名称、つまり、どういう要件で公示送達をしているのかということがこれは公安委員会の掲示板にも掲出され、世の中一般に公表されることになります。ある意味命令書を受領しない人に対して受領を促進する効果があるということだろうと思いますが、さらに、仮に拒絶した場合には自分の名前がストーカー行為ということで世の中に一般になってしまうということがストーカー行為そのものの私は抑制効果につながるんではないかなというふうに考えております。
 今回、禁止命令書等について、行為者の住所、居所が明らかでない場合に公示送達をすることができる理由について、できるようにする理由についてお尋ねいたします。

#22
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 禁止命令等を行った行為者が所在不明となり、禁止命令等の延長を断念した事案が発生しているところ、行為者が所在不明の場合におきましては禁止等命令書を交付することができず、禁止命令等の効力を発生させることができないこととなります。しかしながら、ストーカー事案におきましては、行為者が相手方のところへ突如現れ、押しかけ等の付きまとい等に及ぼうとすることがしばしば見られるところであり、事態が急展開して重大事件に発展するおそれがあるところでございます。
 そこで、このような場合に、相手方の保護を図るため、禁止命令等を円滑に行い、禁止命令等の効力を発生させることで、ストーカー規制法第三条に違反してストーカー、付きまとい等の行為が更に行われることを防止すべく、禁止等命令書の公示送達について規定するものでございます。

#23
○徳茂雅之君 時間が参りました。
 大臣、一言だけ、本法案制定に向けた決意をお願いします。

#24
○国務大臣(小此木八郎君) 本規制案でございますけれども、最近におけるストーカーの事案の実情に鑑み、相手方の承諾なくGPS機器等を用いて位置情報を取得する行為等を規制することを内容としております。
 この審議を通じて成立をしていただいた後に、改正内容をしっかりと国民に広く周知するとともに、この改正ストーカー規制法を適切に運用し、被害者等の安全確保最優先、これは変わるものでありませんけれども、今後とも各種対策をしっかり推進するよう警察を指導してまいります。

#25
○徳茂雅之君 時間が参りました。終わります。

#26
○木戸口英司君 立憲民主・社民の木戸口英司です。
 ただいま徳茂委員からも銃刀法提出資料のミスについて指摘がありました。私からも一つ大臣にお尋ねをしたいと思います。
 政府提出法案の信頼ということに大きな影響を及ぼしたそれぞれの事案だったと思います。今大臣からは、これからミスが発生しないようにと、その手だてを打つということ、是非そこはしっかりと取り組んでいただきたいと思うんですが、一つ、今回、デジタル改革法案でミスが発覚した、それが、国会に対する報告が大変遅れたということで、その後、そのミスがあったところについてはすぐ御報告があったり訂正があったりしたという、対応が大分変わってきたということだと思います。
 まず、私、デジタル改革の法案のそのミスのときにも指摘をさせていただいたんですが、やはりそのミスの重い軽いの判断を内部でしてしまうというところの中で対応が遅れてきたんじゃないかということ。そして、そのミスをやはりオープンにして、そしてその立て直しをすぐに図っていく、そのオープン性、そしてフラット性、その組織体質の問題。これは、霞が関、警察庁もそうですけれども、こういう役所の体質としていろいろ指摘をされている。
 まあ隠蔽ということもこれまでいろいろな問題としてあったわけですけれども、これをオープンにし、そしてそこにみんなでまた立て直し、取り組んでいくという、そういう組織体質という問題について、これからやはり変えていく必要があるんではないかということを、大臣として所見をお伺いしたいと思います。

#27
○国務大臣(小此木八郎君) 常に分かりやすく、言われるような、オープンにすること大事だと思っています。意識の持ち方、チェックの在り方、先ほど、重層的にと申しますか、第三者機関を設けながら、更に連絡を密にしながらということも大事だと思います。
 委員のおっしゃる意味の重要さも踏まえてしっかりと指導してまいりたいと思います。

#28
○木戸口英司君 是非そのようにお願いをいたします。
 それでは、法案の質疑に入らせていただきます。
 二〇〇〇年にストーカー規制法が制定されて、二〇一三年の第一次改正を経て、その後SNSでの執拗な書き込みなどの被害に遭った女子大生が男に刺されるという小金井女子大生刺傷事件の発生があり、二〇一六年、第二次の抜本的改正がなされてきたところです。その内容は、規制対象行為の拡大、禁止命令制度の抜本的改正、罰則の強化等となっております。禁止命令制度の抜本的改正では、警告を経ずに禁止命令を発令することができると、都道府県公安委員会の有する禁止命令の発令権限を警視総監、道府県警察本部長、警察署長に委任することができる等となりました。
 この第二次改正、これは抜本的改正だったわけですけれども、本法の目的達成に向けてどのような効果があったと受け止めているのか、所感をお伺いいたします。

#29
○国務大臣(小此木八郎君) 平成二十八年のストーカー規制法改正においては、委員御指摘のとおり、SNSの連続送信等の規制対象行為が追加されたほか、禁止命令等に係る警告前置の廃止、緊急禁止命令等の新設等の、禁止命令等の制度の見直し等が行われたところでございます。
 みだりにうろつく行為やSNSを連続して送信する行為が規制の対象として追加されたことによりまして、これらの行為が行われた場合に、都道府県警察では付きまとい等事案として迅速に対応することが可能となったものと承知いたします。
 また、あらかじめ警告を行うことなく禁止命令等を迅速に行うことが可能になったことから、禁止命令等の件数がこれ増加いたしました。令和二年には千五百四十三件と、ストーカー規制法施行後最多となったものと承知しています。
 引き続き、被害者等の安全の確保、最優先として、ストーカー規制法の適切な運用がなされるよう警察を指導してまいります。

#30
○木戸口英司君 今大臣、公安委員長おっしゃったとおりで、法改正後、この禁止命令が制度上も早期に出せるということになったので増加してきていることはそのとおりであります。
 その一方、この公安委員会による禁止命令の濫用可能性の懸念について、これ専門家等から多く指摘をされてきたところです。DV防止法の保護命令は裁判所が出すのに対して、ストーカー規制法の禁止命令は警察行政と密接に関わる公安委員会が出すということで、行政権力の濫用につながりかねないという指摘です。
 ストーカー被害者の訴えに迅速に対応することは非常に重要でありますけれども、犯罪予防が加害者とされる者の人権侵害につながってはなりません。犯罪予防と人権擁護に資する制度を検討すべきとの指摘に対して所見をお伺いいたします。

#31
○国務大臣(小此木八郎君) ストーカー事案についてですが、被害者と行為者の関係性、行為の態様も様々であることから、ストーカー規制法において、事案に応じて迅速かつ重要に対応できるよう、警察を主体として警告、禁止命令等、検挙措置等のうち効果的な措置を講ずることができるようにされたものと考えられます。
 また、禁止命令等を行う場合には、行政手続法の基準に従えば弁明の機会を付与するところ、特に手続に慎重を期するために、事前手続として行政手続法に基づく聴聞を実施することもされているほか、緊急禁止命令等を行う場合も事後手続として意見の聴取を実施することとされておりまして、手続上の保障が図られているものと承知しています。
 さらに、ストーカー規制法第二十一条において、「この法律の適用に当たっては、国民の権利を不当に侵害しないように留意し、その本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあってはならない。」、こう規定されています。
 禁止命令等を始めとするストーカー規制法の運用に当たっては、こうした規定の趣旨を踏まえた上で、被害者等の安全な確保を最優先に適切な運用がなされるよう警察を指導してまいります。

#32
○木戸口英司君 大変な重要な点だと思います。様々、制度としてしっかりとそこが担保されているという御説明でありましたし、もちろんそこに配慮しながら進められていることと思いますけれども、今後、様々の組織あるいは制度をかみ合わせてその点を更に強めていくことは今後検討していくべきではないかと思います。
 そこで、令和二年のこのストーカー事案でありますけれども、相談等件数二万百八十九件、警告、禁止命令三千六百八十九件、被害者への防犯指導一万九千五百五十件、加害者への指導警告一万一千三百四十七件と、ストーカー事案の件数が高止まりしております。まあ若干下がってきているというふうにも見えますけれども、高止まりと言えると思います。ますます犯罪予防の要請が高まる中で、警察の業務負担が高まってきているのではないかと考えます。
 そして、これまでも犯罪が予防できなかったことに関する警察の責任が問題になった事案が複数あって、犯罪予防の適正な対応の在り方や基準について、現状、課題があればお伺いをしたいと思います。

#33
○国務大臣(小此木八郎君) ストーカー事案ですけれども、警察が認知した時点において、暴行ですとか脅迫等、外形上は、これ比較的でありますけれども軽微な罪状しか認められない場合であっても、事態がそれから急展開して更に重大事件に発展するおそれがあることから、その危険性、切迫性に応じて、被害者等の安全の確保及び加害者の検挙等の措置を講ずるなど、組織的なかつ迅速な対応が必要とされるものと承知しております。
 そのため、警察では、被害者等の安全の確保を最優先として、こうした事案を的確に把握するため、ストーカー事案の相談等を受理した場合は、生活安全部門と刑事部門による共同聴取を始めとして、事案の認知の段階から対処に至るまで組織による的確な対応ができるよう、警察本部及び警察署における体制を確立しているものと承知しております。
 引き続き、被害者等の安全の確保を最優先に迅速かつ的確な措置が講じられるよう警察を指導してまいります。

#34
○木戸口英司君 そこで、このストーカー規制法において、この第十条ですけれども、調査研究の推進ということ、また第十一条では、ストーカー行為等の防止等に資するためのその他の措置として、一つ、ストーカー行為等の実態の把握、二、人材の養成及び資質の向上、三、教育活動、広報活動等を通じた知識の普及及び啓発、四、民間の自主的な組織活動との連携協力及びその支援とされております。
 これらの取組状況と成果についてお伺いをいたします。

#35
○国務大臣(小此木八郎君) ストーカー規制法第十条に規定する調査研究の推進についてですが、警察庁において、平成二十六年度から二か年にわたり、加害者に対する精神医学的・心理学的アプローチに係る調査研究を実施し、ストーカー加害者に対する精神医学的・心理学的アプローチの在り方について警察官等に対する専門家からのアドバイス、研修等の実施や、ストーカー加害者の更生に向けた関係機関による連携の枠組みづくりを行うことが望ましいという結論が得られましたところでございます。
 これらの調査研究、加害者対策の推進等を内容とするストーカー総合対策を踏まえて、平成二十八年度から、警察が加害者への対応方法やカウンセリング、治療の必要性について地域精神科医等の助言を受け加害者に受診を勧めるなど、地域精神科医、失礼、地域精神医科医療機関等との連携を推進していることと承知しております。
 また、ストーカー規制法第十一条ですが、そこに規定するストーカー行為等の防止等に資するためのその他の措置について、警察においては、ストーカー総合対策に基づき、非行防止教室や大学における防犯教室等の様々な機会を捉えて、ストーカー事案をめぐる情勢、具体的事例、対処方法等を適切に情報発信するなどにより、被害者にも加害者にもならないための教育啓発活動を推進していると承知しております。
 引き続き、ストーカー被害の防止を図るため、関係機関との連携の下、こうした取組を推進するよう警察を指導してまいります。

#36
○木戸口英司君 このストーカー事案は人間の感情から発する、そこからくる行為でありますので、非常に困難なまた対応ということになる、そのことは言うまでもありません。その意味で、今挙げた第十条、第十一条の取組というのは不断の取組が非常に大事だと考えますので、そのことの取組強化をお願いをいたします。
 また、ストーカー行為罪の成立には、行為者に、第二条に定められている、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的が必要となってきます。
 目的要件を定めることにより刑罰範囲の明確化と限定が図られることには刑事立法においては重要な点であると考えますが、その一方で、好意の感情等の充足を目的として要件化することについては、恋愛等の感情という人間の本質的部分を要件化すること、感情面を要件化すること等、まあ疑問、要件内容が明確性を欠いているのではないかという疑問が呈されております。
 そもそも感情をもとにしたこの事案でありますので、こういった点は避けられないことだと思いますけれども、こういう点について政府内ではどのような整理、対応がなされているのか、また今回の法改正では議論がなされたのかどうか、この点についてです、その点をお伺いいたします。

#37
○国務大臣(小此木八郎君) 非常に重要なことだと思います。好意の感情等の充足目的を付きまとい等の要件とすることについて、ストーカー規制法のその成立当時の付きまとい等の実態として、交際を求めたり復縁を迫ったりするなど恋愛感情等に起因して行われる状況が多く認められ、これらの場合には、その相手方に対する暴力、脅迫、ひいては殺人等の重大犯罪に発展するおそれが強い状況が当時としては見られたということ、また国民に対する規制の範囲を最小限にすべきであるという点を考慮する必要もあったと承知しています。そこで、規制の対象を恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で行われる付きまとい等に限定しているものと承知をしています。
 恋愛感情等の充足目的以外の目的で行われる行為、これを規制対象とするか否かについての言及もございましたけれども、このストーカー規制法の在り方そのものに関わることから、これは慎重な検討を要するものと認識はしておりますけれども、ストーカー事案の実情等に、今のこの実情等に応じて適切に対応するよう警察を指導してまいります。

#38
○木戸口英司君 そこで、現在、恋愛感情、恋愛感情ですね、以外の理由に基づくストーカー事案については、各都道府県が制定している迷惑防止条例に基づいて各都道府県で独自に対応されていると理解しております。恋愛感情に基づかないストーカー事案であっても警察において対応してほしいという社会的要請の高まりがあるんではないでしょうか。迷惑防止条例はあくまで条例であって、全国統一的な対応がなされない懸念が残っています。
 処罰範囲の限定機能に留意しつつも、法の目的である個人の身体、自由及び名誉に対する危害の発生を防止し、あわせて国民の生活の安全と平穏に資するため、ストーカー事案の規制対象の在り方について検討が必要ではないでしょうか。

#39
○国務大臣(小此木八郎君) 恋愛感情以外の理由に基づく付きまとい等についてですが、各都道府県警察において被害者の安全の確保を最優先に防犯指導やパトロール等の警戒活動を行っているほか、言われました迷惑防止条例を始めとしたあらゆる法令等を適用して取締りを行っております。
 恋愛感情以外の理由に基づく行為をストーカー規制法の規制対象とするか否かにつきましては、同法の在り方そのものに関わることから、先ほど申し上げたように慎重な検討を要するものと考えておりますけれども、その実情等に応じた対応を適切に行ってまいります。

#40
○木戸口英司君 それでは、今回の改正の内容についてでありますけれども、文書の連続送付についてお尋ねをいたします。
 第二条第一項第五号は、電話を掛けて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、連続して、電話を掛け、ファクシミリ装置を用いて送信し、若しくは電子メールの送信等をする行為を規制対象としています。
 本改正案ではこの規制対象に文書の連続送付が追加されることになっていますが、今回、文書の連続送付を規制に追加することで新たにどのような事例に対応できるようになるのか。
 また、文書の送付の場合、加害者が被害者の自宅の郵便受けに直接文書を入れる事案が想定されます。その場合、同項第一号で規制されている、住居等の付近において見張り、うろつきなどにも該当すると考えられますが、どのようにここを整理されているのでしょうか。

#41
○国務大臣(小此木八郎君) 現行のストーカー規制法ですが、拒まれたにもかかわらず、連続して、電話を掛け、ファクス装置を用いて送信し、電子メールやSNSメッセージを送信する行為を付きまとい等として規制しているところであります。
 最近のストーカー事案の状況について見ると、手紙等の文書を連続して送付する事案が見られ、行為者が相手方との接触を試みる際の典型的な手段となっておりまして、また、相手方からの、電話、ファクス、電子メール等による連絡を拒絶されたために、代替手段として文書を送付する事例も見られると承知しております。今回、文書の連続送付を規制に追加することで、このような事例に対応できるようになるものと承知しています。
 また、委員御指摘の事案につきましては、現行のストーカー規制法、規定、現行のストーカー規制法に規定する見張りや押しかけ等に該当する場合もあり得るところ、いずれにしても、見張り等の認定については個々の具体的事例において判断されることとなるものと承知しております。

#42
○木戸口英司君 それでは、GPSについてお伺いいたします。
 ちょっと一つ飛ばして二つ目のところですけれども、GPS機器等をストーカー規制法の規制対象とするのかが検討されたストーカー行為等の規制等の在り方に関する報告書には、「GPS機器等を用いた位置情報の取得行為の規制の仕方としては、ストーカー規制法第二条第一項各号に列挙されている「つきまとい等」に位置付けることが適当である。」と記載されています。しかし、本改正案では、GPS機器等に関する規制を第二条の付きまとい等には位置付けず、位置情報無承諾取得等という新たな定義を設けて規制しています。
 今回、別の定義を整備したのはなぜでしょうか。定義を分けた意図についてお伺いをいたします。

#43
○国務大臣(小此木八郎君) 委員の御指摘のとおり、有識者検討会においては、GPS機器等を用いた位置情報の取得行為について、付きまとい等の同様の凶悪犯罪に発展するおそれ等に着目をして、新たに規制の対象とすべきとの趣旨から、付きまとい等に位置付けることが適当であるとの意見を賜りました。
 この点、位置情報無承諾取得等は、通常ひそかに行われるものであり、発見しない限り相手方が不安を覚え得ないという点で現行の付きまとい等とは異なっており、また、一般に付きまとい等の用語から位置情報無承諾取得等が想起され難いと考えられ、別個の定義を設けた方が位置情報無承諾取得等を新たに規制の対象としたことが明確となり、抑止効果も期待できると、こう考えられました。

#44
○木戸口英司君 今回、こういうGPS機器等を用いたストーカー事案、今、様々技術も上がってきてこういう事案が増えてきていることの中で対応がなされたということだと思います。
 時間となってきましたので、最後、二〇一五年、内閣府、ストーカー行為等の被害者支援実態等の調査研究事業報告書のまとめにおいて、地方公共団体における根拠規程の整備等を通して、警察と地方公共団体、都道府県と基礎自治体、地方公共団体と民間支援団体といった、ストーカー被害者支援に係る関連諸機関の役割が明確化にされ、被害の未然防止及び拡大防止に資するような体制づくりが進められることが望ましい、また、このような地方公共団体の取組の促進に向けて、国においても、ストーカー被害者支援に係る総合的な施策の枠組みの提示に向けた協議が進められることが期待されるとされております。
 この総合的な施策の検討と取組状況についてお伺いをいたします。

#45
○国務大臣(小此木八郎君) 内閣府で実施されたストーカー行為等の被害者支援実態等の調査研究事業、この報告書においては、今後期待される取組として関係機関との連携や人材の育成等を図ることが挙げられまして、そういうことだと承知をしています。そのため、ストーカー事案の被害者等への支援では、その支援や安全の確保を的確に実施するため、関係機関との連携協力の促進を図ることは言うまでもなく重要であると認識しています。
 この点、警察において、関係行政機関、民間団体、学校等と緊密な連携を確保して、ストーカー事案の兆候をいち早く把握し、ストーカー事案の、被害の予防、拡大防止を図るなど、関係省庁等と連携しながら各種取組を行っているところと承知しており、引き続き関係省庁等と緊密に連携をしながら各種取組を推進するよう警察を指導してまいります。

#46
○木戸口英司君 先ほど私、禁止命令についてもこの公安委員会によるものということ、今の制度ではそのとおりなわけですけれども、そして、ストーカー規制法の全般にわたっても、各行政機関、あるいは司法とか、地方公共団体もそのとおりであります、今、いろいろな連携をしながら、このストーカー規制法の目的が達成されるように、あるいは犯罪抑止が進むようにということ、総合的な取組が必要になってきているということだと思います。
 なかなか警察行政だけで対応ができないということが多くなってきているのではないかと思いますので、今後とも、今回の改正を契機にそういった検討を進めていくことを要望して、質問を終わりたいと思います。

#47
○塩村あやか君 立憲民主・社民の塩村でございます。よろしくお願いいたします。
 ちょっと質問がほとんどかぶってしまっていて、同じ会派だと、かなり重なる部分がほとんどになってくるとは思うんですが、私なり、当事者なりの問題意識がありますので、そのままやらせていただきたいと思いますが、できるだけ完全にかぶるところは削除しながらやっていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 まず、本法案の趣旨、今回の改正の趣旨を端的にお伺いをしたいと思います。

#48
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 ストーカー規制法は、桶川事件等を踏まえて平成十二年に制定され、その後、その時々におけるストーカー事案をめぐる情勢を踏まえて、平成二十五年に電子メールの連続送信行為の規制等、平成二十八年にSNSの連続送信行為の規制等を内容とする改正がなされております。
 今回の改正は、令和二年七月の最高裁判決におきまして、元交際相手等の自動車にGPS機器をひそかに取り付け、位置情報を探索、取得する事案につきまして、ストーカー規制法で規制する住居等の付近において見張りをする行為には該当しない旨判示されたこと等から、GPS機器等を用いて位置情報を承諾なく取得する行為等を規制対象行為として追加するなどの改正を行うものであります。

#49
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 それを踏まえながら質疑を行いたいと思っています。
 まずお伺いしたいのが、認識が本人ができない付きまといについてです。条文を読む限り、付きまといというものは、軽犯罪法もそうなんですが、本人が認識可能な追尾に限られていると読めます。本法の趣旨に立ち返ればなんですが、これは、被害者の重大な権利侵害につながる可能性がある危険を防止をするというのがこの法律のできた趣旨です。
 例えばなんですが、探偵を介して行われる監視、これ依頼者に好意があったとしても、自分がやっているわけではないですよね。探偵という人を介して行っているような監視、これ条文上は規制対象になっているとは読めないんですが、そのような考えで条文上はよいのか、まずお伺いをしたいと思います。

#50
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 お尋ねの点につきまして、一般論として申し上げますれば、ストーカー事案の行為者から付きまとい等を依頼されまして、当該依頼を受けた者が付きまとい等を反復して行った場合において、行為者が特定の者に対する恋愛感情等を充足する目的を有していることを認識していれば、当該依頼を受けた者は刑法上の共犯の規定により処罰の対象になり得るものと考えております。

#51
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 つまり、このストーカー規制法においては当てはまってこないということだというふうに思うんですよね。であるとすれば、第六条の部分なんですが、これも、探偵の方が依頼者が好意があるということを知っていなければ対象になってこないというふうに思われるんですよ。
 じゃ、どのように対象者をこれ守っていくのかとか、こうしたことは許されるのかという疑問があるわけなんです。もし、このことについて一言いただければと思います。

#52
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 先ほども御答弁申し上げましたけれども、ストーカー事案の行為者から付きまとい等を依頼されて当該依頼を受けた者が付きまとい等を反復して行った場合において、行為者が特定の者に対する恋愛感情等を充足する目的を有していることを認識していれば、当該依頼を受けた者は刑法上の共犯規定により処罰の対象になり得るものと考えられるところでございます。
 また、当該依頼を受けた者においてストーカー行為の行為者が当該目的を有していることを認識していない場合には、当該依頼をした者は間接正犯として処罰対象になり得るものと考えております。

#53
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 なので、ストーカー規制法上には当たってこないということになってくるんですよね。
 これ先ほどから議論になっておりますが、恋愛感情というものが必ずないと駄目だという大前提があるので、付きまといに対してこの法律が残念ながら適用されないというところに私の問題意識があるということを申し上げながら、質疑を続けたいと思っております。
 では、伺います。議論の整理のために教えてください。ストーカーはなぜ犯罪なのか、教えていただきたいと思います。

#54
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 ストーカー行為は同一の者に対して付きまとい等を反復してすることをいい、付きまとい等が反復して行われれば、単なる付きまとい等よりもエスカレートして凶悪犯罪に発展するおそれや、相手方の身体に、安全を脅かす、害されるという不安を覚えさせるおそれが一層高まることとなるところでございます。
 そこで、このような危害の発生を防止し、あわせて国民の生活の安全と平穏に資することを目的として、ストーカー規制法におきましてはストーカー行為を罰則の対象としているものと承知しております。

#55
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 つまり、やっぱり予防というところですよね。これがこの法律の大きな目的、成り立ちなんだというふうに思っています。
 そこで、罪刑法定主義についてお伺いをしたいと思います。
 今回の改正のきっかけなんですが、最高裁がこれまでの流れを断ち切って、GPSを利用しての監視が監視、見張りではないと判決を下して、専門家だけではなくて、世論の戸惑いとそして批判を受けて法改正になったものと認識をしております。
 最高裁の判決の根本には罪刑法定主義があるんですが、これはもう司法の場からも本当に大変に重要な指摘であったと私は思っています。罪刑法定主義というのは近代法の大前提で、何が犯罪で、そしてどのようなことが刑罰が科されるのかとあらかじめ法律で示しておかねばならないというものなんです。
 警察庁にお伺いするんですが、このストーカー規制法における罪刑法定主義、どのように考えているのか、見解をお伺いいたします。

#56
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 ストーカー規制法におきましても、犯罪となる行為とそれに対する刑罰について規定されているところでございまして、刑法の基本原則である罪刑法定主義が適用されるものと承知してございます。
 また、規制対象となる個別の行為について法文上その全てが必ずしも網羅的かつ具体的に記載されてない場合もございますけれども、私どもといたしましては、いずれにしても、ストーカー規制法の適用に際してはその規制の趣旨を踏まえて適切に運用してまいりたいと考えてございます。

#57
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 これも先ほどから議論になっているところで、どこに対して刑罰を科していくのかと、これ非常に、その判断と刑罰の関係、非常に重要だと私は思っています。
 構成要件の明確さというのはしっかりと明示をしておかなければいけないというところがありますので、先ほどの議論からあるように、趣旨を踏まえながらそのときに合わせて変えていくというところは本当にいいのかというところを改めて私たち認識をしておかなくてはいけないというふうに思っているところです。まあこれ罪刑専断主義と言うらしいんですが、こんなことにならないように、今回のように時代に合わせて都度の見直しということは非常に重要であると。先回りということはなかなか難しいというので、今回、後ろに回ったと、後手になったというところはあると思うんですが、流れからして、法律からしてこれは仕方がないというか、こうしたところも致し方がないというふうに思っています。
 ただ一方で、今回は、最高裁の判決でみんながもうびっくりして、世論が、新聞にもたくさん書かれて改正となったんですが、それまでの判決はストーカー規制法の対象になるというようなものもたくさんあったわけですよねと。ただし、きちんと明文化されていなかった問題が残るわけです。
 そこでお伺いしたいんですが、そのようなことが発生しているか法律に書かれていないと、こうしたものについて、これから先、何かが起こって、最高裁の判決があった後に慌てて直すようなことがないように、先回りの改正、そうした兆候が現れたときに改正をするということがあり得るのか、お伺いをしたいと思います。

#58
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 法改正の必要性につきましては、ストーカー事案の実情等に応じて適切に対応することとなると考えているところでございます。警察といたしましては、ストーカー事案等の実態等につきまして引き続き情報収集や分析を行いまして、必要に応じて検討会を開催するなどして、その規制の在り方について適切に判断してまいりたいと考えております。

#59
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 検討会を開催していただけるというのは、もう非常に重要な答弁だったと思います。これ、しっかりやっていただきたいと思いますし、どのような事例があるのかというところは、定期的にちゃんと見直すというか、収集をしていっていただきたいというふうに思っています。
 次になんですが、改めて構成要件についてお伺いをいたします。
 二条一項です。これ、法律において、「「つきまとい等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、」とありますが、これ何回も聞かれていると思いますが、改めて短くお伺いいたします。構成要件に恋愛感情は必須でしょうか。

#60
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 ストーカー規制法の立法当時、付きまとい等の実態として、交際を求めたり復縁を迫ったりするなどの恋愛感情等に起因して行われる状況が多く認められ、これらの場合には、その相手方に対する暴力、脅迫、ひいては殺人等の重大な犯罪に発展するおそれが強い状況が見られたところであります。また、国民に対する規制の範囲を最小限にすべきであるという点を考慮する必要もあったと承知しております。
 そこで、規制の対象を恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で行われる付きまとい等に限定しているものと承知しております。

#61
○塩村あやか君 限定が掛かるということでした。
 それでは、次にお伺いしたいんですが、この条文上にある特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情とは具体的に何なのか、お伺いをいたします。その他の好意の感情とは、典型例である恋愛感情に限らず、おおよそ何らかの意味での好意、好ましい感情であれば包含されるのか、違う言葉で言えばバスケット条項になっているのか、ここをお伺いしたいと思います。

#62
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 ストーカー規制法第二条第一項のその他の好意の感情につきましては、恋愛感情を含む好意の感情を意味し、好意の感情とは、好きな気持ち、親愛感のことをいい、恋愛感情のみならず、例えば女優等に対する憧れの感情等が含まれているものと解されているところでございます。

#63
○塩村あやか君 非常に分かりやすい御答弁、ありがとうございました。
 いずれにしても、その他という部分も、女優とか歌手に対する憧れというある種の恋愛感情的なものが含まれているのが、これは条文上こうにしか解してはいけないということなんだろうなというふうに思います。
 そこを踏まえてお伺いしていきたいんですが、海外のストーカー事例を見てみたいと思っています。今御答弁いただいたように、日本は恋愛感情を構成要件にしているんですが、海外はどうなのかなという部分を調査をしてみました。
 海外の事例の前に、ちょっと辞書的な言葉の確認をしておきたいと思います。これ、国立国会図書館の方に今日来ていただいたので、まず言葉の意味教えていただきたいんですが、ストーカーとか、動詞であればストークですね、この意味を伺いたいと思います。例えばなんですが、広辞苑、大辞林、そして英和であればランダムハウス、この辺りから意味を教えてください。

#64
○国立国会図書館専門調査員(千原正敬君) お答えいたします。
 国語辞典では、ストーカーという言葉の意味につきまして、広辞苑では、広辞苑第七版では、特定の個人に異常なほど関心を持ち、しつこく跡を追い続ける人などと説明されております。また、大辞林第四版では、特定の相手に対し、付きまといや待ち伏せなどの行為を繰り返す人、執拗に追いかけ回す人などと説明されております。他方、英和辞典では、動詞ストークの意味につきまして、例えば小学館ランダムハウス英和大辞典第二版では、獲物などに忍び寄る、そっと近寄る、こっそり追跡するなどと説明されております。
 以上でございます。

#65
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 獲物などに近づくとかいうことなんですよね。
 重ねてお伺いしたいんですが、その言葉の意味に男女間に限りという限定が掛かっているのか、お伺いをいたします。

#66
○国立国会図書館専門調査員(千原正敬君) ストーカーやストークという言葉の意味につきましては先ほどお答えしたとおりでございますけれども、男女間などに限定するという意味では、そのような意味は掛かっておりません。

#67
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 男女に限っていないんですよね、言葉の意味自体としては。
 各国の事例についてお伺いをしたいと思います。
 そうですね、また国立国会図書館にお伺いをしたいんですが、まずドイツについて。ドイツ、イギリス、韓国などなど、ちょっと調べてみたんですが、皆さんのお手元に資料もお配りしているので見ていただきたいんですが、その中から三つお伺いをしたいと思います。
 まず、ドイツです。
 ドイツは、刑法二百三十八条が付きまとい、ストーカーに当たるんですが、これ、どういう内容か、端的に教えてください。また、構成要件は恋愛感情に限定をされるのかも教えてください。

#68
○国立国会図書館専門調査員(千原正敬君) お答えいたします。
 ドイツでは、刑法第二百三十八条により、空間的に接近する行為や通信手段を用いて接触を試みる行為などを執拗に行う行為はストーキング行為として一定の条件の下で規制の対象となっております。それにつきましては、恋愛感情等を充足する目的であることは、ストーキング行為の必須の構成要件とはされておりません。
 以上でございます。

#69
○塩村あやか君 内容自体は日本と同じなんですが、違うところは男女に限っていないというところだと思います。
 次に、イギリスについて伺います。
 イギリスは、自由保護法が日本と同等の法律になるそうなんですが、内容ですね、これ二〇一二年に改正されておりますが、内容と構成要件、そして、それは男女の恋愛感情に限られるのか、お伺いをいたします。

#70
○国立国会図書館専門調査員(千原正敬君) お答えいたします。
 イギリスでは、一九九七年、ハラスメント保護法により、付きまとう行為や見張る行為などがストーキング行為として一定の条件で規制の対象となっております。恋愛感情等を充足する目的であることは、ストーキング行為の必須の構成要件とはされておりません。
 以上でございます。

#71
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 内容は日本とほぼ同じなんですが、男女間に限定されていない法律になっています。
 韓国も聞こうと思ったんですが、時間がもうありませんので、ここはちょっとはしょらせていただきます。
 韓国は、ストーカー犯罪の処罰等に関する法律案がこの間可決されたんですが、第二条に構成要件が書かれているんですが、こちらも恋愛感情は構成要件として書かれていないんですね。なので、日本だけが結構特殊な事情、今、成り立ちから仕方ないんですが、特殊な事情になってしまっています。
 そこで、私はやはり思うんですが、やっぱり海外の事案も、いろいろと法律も参考にしながら、要件というのはやっぱり変えていくべきではないかなというふうに思っています。目的要件を定めることは、処罰範囲が限定、明確化されて、刑事立法としては重要なアプローチであると私は考えています。
 本法案は、一条にその目的掲げているように、本来の趣旨は被害者への重大な法益侵害を未然に防ぐものということを考えれば、やっぱりこれは諸外国のように恋愛感情を有する場合のみに限定するべきものではないというふうに思っているんですが、これについて見解をお伺いしたいと思います。

#72
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 先ほども御答弁差し上げたんですけれども、ストーカー規制法の立法当時、付きまとい等の事案の実態として、交際を求めたり復縁を迫ったりするなどの恋愛感情等に起因して行われる状況が多く認められ、これらの場合には、その相手方に対する暴力、脅迫、殺人等の重大な犯罪に発展するおそれが強い状況が見られたところでございます。また、国民に対する規制の範囲を最小限にすべきという点も考慮すべきというふうなこともあったところでございます。こうしたことから、規制対象を恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で行われる付きまとい等に限定しているものと承知してございます。
 恋愛感情等の充足目的以外の目的で行われる行為を規制対象とするかどうかにつきましては、ストーカー規制法の在り方そのものに関わることから、慎重な検討を要するものと考えてございます。

#73
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 なかなかやっぱりちゃんと検討していかなきゃいけないというところは私も問題認識としては同じです。何でもかんでもというわけにはいかないと。
 その上でなんですが、やっぱり、例えばなんですが、ドイツは法改正に当たってオーストラリアの刑法百七aを参考にしているんですね。やっぱり日本も、海外の事案もしっかり、法律も検討しながら次の改正を行っていただきたいというふうに私は考えています。
 かなり質問かぶる部分が多いので飛ばさせていただくんですが、恋愛感情のない付きまといなんですが、どんな好意を持っていたとしても本法の対象外となってしまいます。そうした付きまとい行為なんですが、現在、都道府県の迷惑防止条例の対象になるというんですが、恋愛感情がないとならないんですね、付きまとい自体はなったとしても。
 そこの大きな違いというのは、恋愛感情の部分と、警告とか接近禁止命令が出せるか出せないかなんですね。未然に防ぐという点でいえば、条例ではやっぱり駄目なんですよ。法の趣旨を考えれば、未然に防ぐということを考えれば、鑑みれば、やっぱり見直すべきところは見直して、恋愛感情に限らないというところを含めて検討していくことが私は必要だというふうに思っています。
 恋愛感情ない付きまといも諸外国のように規制対象にする議論をするべきだというのが今回の私の主な主張でございます。こうした指摘は多くの新聞とか専門の本、書籍にも記されているところで、その辺りもしっかりと研究をしていただきたいなというふうに思っています。
 次回の改正時には、その他の好意の感情を恋愛感情に限定しないこと、その構成要件の明確化を議論すべき、それを是非要望しておきたいと思っております。議法になるのか閣法になるのかという違いもあろうかと思いますが、改めて私からも要望しておきたいなというふうに思っています。
 そのほかには、加害の国際化などもあろうかと思います。この辺りも検討していかなくてはいけないのではないかと。
 残りが、時間がほとんどなくなってきたので、カウンセリングについてお伺いをしたいと思っています。
 これ、各県警が頑張ってくれているんですね。国として、法律としては、研究などはするんですが、その費用負担の面については都道府県が、各警察が頑張っているというところになってきます。やっぱりカウンセリングは非常に重要だと思います。ただ一方で、かなりの数の方が自分が加害者であるという意識はないということも調査の結果で分かっています。全国で同等の取組が受けられないといけないと私は考えているんですが、国が支援することも検討すべきだと考えております。
 最後に大臣に、この法改正の決意と、そしてカウンセリングの重要性も踏まえて一言いただけたらと思います。お願いします。

#74
○国務大臣(小此木八郎君) 委員が様々御指摘いただいたように、人の感情そのものの細分化といいますか、これが二十年前、三十年前とは随分違ってきて、それも、持っている方が訴えられる、それを聞く体制もまだまだ不十分かもしれませんが、そういうこと、環境が整ってはいませんけれども、そういう広がってきたという観点からカウンセリング等も必要だと、こういうふうに思います。
 なお慎重な検討が必要だという答弁は併せ持ちながら、これは私たちやっぱり責任ある対応を、何しろ不幸な目に遭っている方、そしてその方々が遭わないようにする環境を必死になってつくっていく必要があると私自身考えております。

#75
○塩村あやか君 ありがとうございます。
 次回の法改正に向けて、いろんな問題点が残っておりますので、是非検討していただきますようお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#76
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。
 ストーカー行為規制法案に関して私も質問させていただきます。
 まず最初に、もうこれはこれまでの同僚の議員からもるる言及あったところでありますが、やはりストーカー規制法、この第二条、付きまとい等の定義というところから議論をスタートさせていただけたらというふうに思っております。
 もう度重なって指摘ありましたけれども、やはり一番の特徴は、付きまとい等ということの定義の中に、「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、」と定めているわけであります。ある意味非常に特徴的なところでありまして、一般的には、この目的を問わず、付きまといというのは具体的な要件、行為の要件をもって定義するということでありまして、先ほどもありましたけれども、各国の法律を比べてみても、どうもなかなかこの目的要件というところは入っていないようでありますし、また、例えばネット上のセキュリティーを扱っている会社もこういうストーカーとか付きまとい行為って定義しているんですけれども、シマンテック社の定義によりますと、メールやSNS、ブログなどを利用して特定の人物に対してしつこく付きまとう行為ということで、やはり、なかなか、この日本のストーカー規制法の一つの特徴にやっぱりなっているわけであります。
 改めて確認をさせていただきたいんですが、この目的要件を置いた趣旨、そして、もうこれ法の最初の制定から二十年にわたって施行してきているわけでありまして、この置いてきたことによる一つの効果というものは当然私はあるんだろうというふうに思っております。
 この要件がどのような効果を発揮してきたと言えるのか、小此木国家公安委員長から御答弁いただけたらと思います。

#77
○国務大臣(小此木八郎君) 重なる答弁で恐縮ですが、確認ということでございますので。
 ストーカー規制法の立法当時の話、これは、付きまとい等の実態として、交際を求めたり復縁を迫ったりするなど恋愛感情に起因して行われる状況が多く認められました。これらの場合において、その相手方に対する暴力、脅迫、ひいては殺人等の重大な犯罪に発展するおそれが強い状況が見られました。また、国民に対する規制の範囲を最小限にすべきであるという点を考慮する必要もあったと承知しています。そこで、規制の対象を、恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情、これを充足する目的で行われる付きまとい等に限定しているものと承知しています。
 こうしたストーカー規制法が制定されたことにより、恋愛感情等を充足する目的で行われる付きまとい等事案が発生した場合に、相手方に対する暴力、脅迫、ひいては殺人等の重大な発展に、重大な犯罪に発展する前に、被害者等の安全の確保を最優先として迅速かつ的確に対応することが可能となったものと考えております。

#78
○平木大作君 これ、実は二十年前にこの法制定してきた当初から、今大臣の御答弁にも様々ありましたが、付きまとい行為自体は、行為の類型はある意味しっかりと整理をしていただいているんですね。
 八つの行為類型というのはもう既にその当時から示されておりまして、付きまとう、待ち伏せる、押しかける、監視していると告げる、面会・交際、乱暴な言動などの、要求などなどと具体的な行為をちゃんと類型にはしている。でも、あえてこの目的要件を置いたということは私は大変重い意味があるなというふうに思っております。
 やはりこの行為だけで分類していくと、最終的にはこれ結局、最後、じゃ、どれだけの回数を数える、重ねると付きまといになるのかどうかというところの回数の線引きみたいなことが必ず出てくるわけでありまして、ある意味被害を訴えている方が、いや、でもまだ少ないでしょうと言われてしまう可能性がある。ある意味被害に遭った状況を放置する可能性があったわけでありますが、こういう目的要件というものを一つ置いたことによって、例えば、二回、三回、四回と来ているこのメールの内容を見ていたときに、これは明らかにこの目的要件に合致する内容のメールであるということをもってある意味警察の初動が早くなったということは、これは被害に遭われた方たちからも繰り返し御指摘があったところ、ここである意味救われたという声もたくさんあったということは是非御指摘をさせていただきたいというふうに思っております。これはとても大事な要件であるということでございます。
 では、次の問いになりますけれども、令和二年七月三十日の最高裁判決におきまして、このGPS機器等を用いて動静を観察する行為が必ずしも現行法の規制対象にはならないと、こういう趣旨の判断が下されたことを受けて、今回の改正では位置情報無承諾取得等が新設をされることになりました。
 最近のこのスマホのGPS機能って本当に性能が上がっておりまして、私も、つい最近というか先週なんですけれども、この性能の高さを痛感する出来事というのがございました。
 家族が電車の中にスマホを置いてきてしまいました。これは大変だということで、家に帰ってから鉄道会社に電話をして、忘れ物センターにつながるわけですけれども、何時何分ぐらいにどこどこ駅にいた列車の何両目ぐらいに乗っていましたと、そこにスマホを忘れてきたと思いますということをお伝えすると、じゃ、ちょっと折り返しの駅に行ったところで駅員に見てもらいますねということを言ってくれるんですけれども、ありませんでしたということが返ってきて終わる。
 ですが、今、実はこのスマホというのは家族設定をしてあると基本的に家族のスマホがどこにあるかってGPS機能で探れるんですね。そんなこともあって、私のスマホで見てみると、ちゃんと線路に沿ってずっと動いているのが見えるわけです。で、やっぱりあると。これ、駅員さんに探してもらったけど、ないと言われたけど、乗っていますということを再度電話する。そうすると、今度は、夜車庫に入ったときに、じゃ、もう一回、清掃が入るのでそこで確認しますねといってお返事をいただくんですけど、やっぱり見たけどありませんでしたと言われる。でも、ずっと動いているわけです。翌日になっても、この線路に沿って何駅にあるかまで分かるわけでありまして、これ何度電話してもちょっとらちが明かないなということで、実は、今この駅にいるはずであるという、このGPS情報を基に電車を割り出しまして、二両目の車両のこの辺の席の辺りだというのを探したら、実は席の合間におっこっているのを見付けることができて、スマホを回収することができました。ある意味ここまですごいのかということを痛感したわけでありますけれども。
 ただ、やっぱり、ここで確認をさせていただきたいと思うわけでありますが、今回、この位置情報無承諾取得等、ここで規制対象として結局追加をされたのは、位置情報の取得若しくは位置情報を取得する機器の取付け行為のみと考えてよいのか。例えば、もう今、先ほどのスマホでいくといろんなアプリがありまして、アプリによっては会話とか映像とかSNSの発信記録とか、様々プライバシー情報に関するこの取得、技術的には可能になっているわけでありますが、こうした行為というのは対象にならないのかどうか、確認をさせていただきたいと思います。

#79
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 今回の改正で位置情報無承諾取得等として規制されることとなりますのは、相手方の承諾を得ないで相手方の所持するGPS機器等に係る位置情報を取得する行為及び相手方の承諾を得ないで相手方の所持するものにGPS機器等を取り付ける等の行為でございますけれども、相手方のスマートフォンのGPS機能により、その位置情報を共有可能となるアプリケーションを利用して相手方の承諾を得ないでそのスマートフォンの位置情報を取得する行為につきましても、相手方の承諾を得ないで相手方の所持するGPS機器等に係る位置情報を取得する行為として規制対象となるところでございます。
 また、スマートフォンのアプリケーションによりましては、お話ございましたような、その通話履歴や電話帳の閲覧、動画の撮影等、こういったことが可能となるものもあると承知しております。これらの行為は今回の改正の規制対象とはなっておりませんけれども、こうした行為を行うために相手方のスマートフォンに無断でこうしたアプリケーションをインストールする行為は、一般論として申し上げれば、正当な理由がないのに、人が電子計算機を使用するに際して、その意図に反する動作をさせるべき不正な指令を与える電磁的記録を人の電子計算機における実行の用に供した者として、不正指令電磁的記録供用罪に当たり得ると考えられるところでございます。
 私どもといたしましては、こうした刑罰法令に抵触する場合には厳正に対処してまいりたいと考えております。

#80
○平木大作君 私も、今回の法改正に当たって、なかなか、このストーカーは何を考えてどういうふうに行動しているんだろうというのを分かろうとするんですけど、なかなか理解が難しいなと思いまして、例えば被害に遭われた方の書籍を読んでみたり、いろいろしてみました。
 その中で、やはり一つちょっと記述の中にあってこれ何だろうと思ったのが、警察に相談に行ったところ、このストーカーの被害に遭われている方に対して警察側から、スマホの中にケルベロス入っていませんかということを聞いて、それ削除した方がいいですとアドバイスをしている場面がありました。ケルベロスって何だろうと思って調べてみましたら、これ基本は、これ本来はスマホの盗難とか紛失を防ぐためのアプリだそうであります。
 ただ、これ、日本でも海外でも基本的には浮気調査アプリとして有名なようでありまして、やはり何ができるのか。遠隔操作で、要は、その場に、そのスマホが手元になくても、カメラ、マイクを遠隔操作して盗撮、盗聴ができる、あるいは遠隔操作でそのスマホから自分のスマホに勝手に電話を掛けさせられる、あるいはそのスマホの、離れたところにあるスマホのスクリーンショットがすぐ見れる、ショートメールの履歴もチェックできる、通話記録、電話帳も全部見れるということでありまして、これ、ここまである意味プライバシーを丸裸にされるようなアプリがあるんだなということを改めて実感いたしました。ある意味このストーカー行為に及ばれる方というのは、当然今回の、まあやっている方がいて、じゃ、どう変わるのかということを見て、その隙間を多分ついてくる人たちもいるんじゃないかと思います。
 そういう中にあって、法の、法律の条文上、今回のストーカー規制法においては、GPSのこの位置情報を取得するということとそういった機器を取り付けること自体が今回の直接の規制対象になったわけでありますけれども、一方で、こういったプライバシー情報を同意を得ずに得た場合というのは、今御紹介いただいたように、刑法百六十八条の二、三ですとか、そういったほかの罪できちっとこれは犯罪として捜査の対象になるんだということを改めて確認をさせていただきました。ただ、やはり今、こういったアプリケーション本当に野放しにしていていいのかというちょっと思いもあります。
 そこで、今日はちょっと消費者庁に来ていただいていますので、ある意味このプライバシーの侵害等の犯罪行為に悪用が可能なアプリ、例えば、このプラットフォーマーと協議した上で機能とか提供の制限ってすることができないのか、消費者庁にお伺いしたいと思います。

#81
○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 一般論として申し上げますと、どのようなアプリの販売を認めるかについては、アプリストアを運営するプラットフォーム事業者がそれぞれの運営方針に即して決めていただくべき事項であると考えられます。
 しかしながら、御指摘の点につきましては、犯罪行為への悪用が可能なアプリの販売によって消費者にどのような被害が生じるのかという問題があると考えられ、このような観点から事態をしっかり注視していきたいと考えております。
 なお、現在御審議をお願いしている取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律案におきましては、官民協議会の枠組みを創設することとしております。同法案が成立した暁には、必要に応じて官民協議会でデジタルプラットフォーム事業者と対応策について協議を行うことなども考えられるところでございますが、いずれにせよ、実態を踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。

#82
○平木大作君 今、スマホのOSというのはアップルとアンドロイドの二陣営が大体占めているわけでありまして、基本的にアプリの提供はこの二陣営で必ず事前にチェックをしているわけですね。それは、ただ、ある意味両陣営の個社の価値判断の中で認める認めないということをやっているわけでありますが、やはりこれ、今御紹介いただいたような官民協議会の場でも必要とあらば是非議題に取り上げていただき、ある意味強制的に法律で抑え込むということができなかったとしても、ルール作りにしっかり国としても参画をしていくということは御検討いただけたらというふうに思っています。
 これ、例えばスマホのカメラアプリ、普通にOSに入っているものでありますけれども、これも、基本の設定は撮影したとき必ずカシャッと音がするわけですね。これ、いろんな諸説あるんですけれども、基本は、これ痴漢行為に使われないように、盗撮行為に使われないようにということであえて音が鳴る設定になっているそうでありますが、一方で、アプリの中には撮影音を消すアプリというのもどうもあるみたいでありまして、ある意味ちょっとイタチごっこになっているところもあるのかなと思っています。ただ、やはり犯罪への転用の蓋然性が高いものについては、こういった協議の場等でしっかり取り上げていただくということをお願いできればと思っております。
 今回、この法案の審査に際していろいろ学んでいく中で、新しい職業というんでしょうか、行為として私もちょっと驚いたのが、特定屋と呼ばれる行為であります。
 これどういうものかというと、SNSなどに公開をされた情報を手掛かりに第三者の住所や居場所などを特定して報酬を受け取る行為ということだそうでありまして、SNSに載った情報で居場所なんてどの程度分かるのかしらと、どこどこにいますということをやってしまうとやはり分かるわけですけれども、どの程度分かるのかなということもちょっと疑問に思ったんですが、先日の産経新聞に載っていた事例でいきますと、過去に実際にあった例らしいんですが、このSNS上に上げた写真の女性の瞳に映り込んだ景色、これを手掛かりに居場所、住所を割り出してストーカー行為につながってしまったという事例が実際にあるようであります。
 改めて、なかなか、この公開情報を利用しているということですので、今回新設された位置情報無承諾取得等には該当しないと思われるわけですが、何らかのこれ規制課すことができないのか、お伺いしたいと思います。

#83
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 ただいまお尋ねの点についてでございますが、一般論としてではございますけれども、SNS等の公開情報を基にしたものであっても、相手方の情報、住所や居場所等特定して、その情報によってストーカー行為を容易にする行為、こういったものについては刑法の共犯規定により処罰の対象となり得る場合もあるものと考えられるところでございます。
 警察といたしましては、今後とも、ストーカー被害の未然防止を図るため、刑罰法令に抵触すると認められる場合には厳正に対処してまいりたいと考えております。

#84
○平木大作君 これ、なかなか闇が深いなと思っていまして、この特定屋、実際にやっている方たちは余り罪の意識がなかったりもどうもするようだということであります。また、お小遣い稼ぎみたいな形でやっていたり、ちょっとしたスリルとかわくわくを得るために大した報酬を求めずについやってしまう。でも、やった当人が犯罪に巻き込まれるみたいなこともどうもあるようでありまして、ある意味この特定屋行為というものの是非ということも含めて、よくよく検討していかなければいけないと思います。
 ただ、今御答弁いただいたように、改めて確認をさせていただきますが、ストーカー行為に使われることを知って情報提供する、これ自体は処罰の対象になり得るという今御答弁だったかというふうに思っておりますので、この点もしっかり確認していきたいと思います。
 続いて、これは既に同僚議員からも何度か質問あったところでありますが、重ねて確認をさせていただきたいと思います。
 この位置情報の取得及びGPS機器の取付けについては、承諾を得ないで行った場合ということが規制の対象になることが確認されているわけでありますが、有識者検討会でも、まさにこの様々、具体的な事例に即した判断がなかなか難しいんじゃないかという御指摘はありました。例えば、最初はお互い分かった上で楽しんでいて、それが途中から変化したパターンが難しいと。どこで、じゃ、いわゆる不承諾になったのかみたいなことも含めて、結構難しいんだろうというふうに思っております。
 改めて、承諾を得ないでというこの条件を付した理由とともに、これ、やはり冤罪を防ぐという観点からも具体的な判断の目安というのは早期にお示しをいただく必要があるかと思いますが、この点についてお伺いしたいと思います。

#85
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 例えば、交際関係にある者が相互に合意の上でお互いのスマートフォンの位置情報を共有する場合のように、お互いに合意の上で相手方のGPS機器等の位置情報を取得し、あるいは相手方の物にGPS機器等を取り付ける場合につきましては規制の対象とすべき必要性は認められないことから、相手方の承諾を得ないで行われる行為のみを規制の対象としているものでございます。
 また、位置情報の共有当初は双方の同意があったとしても、その後、双方の関係が悪化するなどして位置情報の共有を望まず、今後は位置情報の共有について承諾できない旨を行為者に伝えた場合には承諾を得ないでの要件に該当することとなると考えられるところでございますが、いずれにいたしましても、その該当性につきましては個別具体的な事案に応じて判断することとなると考えているところでございます。

#86
○平木大作君 次の質問に移りたいと思います。
 こういったストーカー被害者を含め、多様な困難に直面する女性に対する支援ということに関して言うと、様々な会議体、検討の場というのはもう既に立ち上がっております。関係府省の連絡会議ですとかあるいは支援の在り方検討会等においてもこれ共通して指摘をされているのが、今、こういった被害者の方たちを支援する制度ですとか相談窓口が十分に周知をされていないために適切な支援につながっていないと、こういう課題が指摘をされているわけであります。
 特にストーカー被害ということに限っていえば、これ当然、対ストーカーに、まさに脅威にさらされているそのときというのは対応の中心が当然これ警察にならざるを得ないんだろうというふうに思っております。ただ、これは、ある意味その手を離れて、刑罰が科された後ですとか、あるいは示談が成立した後も、被害者の方というのは、またいつ来るか分からない、また戻ってくるんじゃないかみたいな不安におびえるケースもあるわけでありまして、この切れ目のない支援ということが極めて重要なんだろうというふうに思っております。
 また、改めて、ある意味どんどんエスカレートしていく過程を見ていくと、やっぱり心理面でのサポートみたいなものも非常に重要なんだろうと。本なんかで追体験している身からすると、何でそういう対応しちゃうんだと、わざわざストーカーから電話掛かってきているのを何で取っちゃうんだ、何で応答しちゃうんだみたいなことをつい思うんですが、結局これ、追い詰められている中で真っ当な判断ができなくなるというところから悪循環につながっているというのが一つの実態なんだろうというふうに思っています。
 その意味では、警察だけじゃなくて、医療機関ですとか心理的なサポートも含めて様々なところとしっかり連携をしていただく、そして、そういった制度もあるんだよということをこれやはり広く知っていただくということが何よりも大事なんだろうと思っております。
 現状の取組についてお伺いしたいと思います。

#87
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 多様な困難に直面する女性への支援につきましては、関係制度や相談窓口の十分な周知を図ることが必要であると認識しているところでございます。ストーカー事案に関する各種相談におきましても、相談者のニーズに応じて、その関係する制度やそれぞれの関係機関の相談窓口について相談者に十分な周知を図ることが重要であると認識しており、関係省庁と連携しながら各種の取組を行っているところであります。
 警察におきましても、ホームページやリーフレット等の作成等を通じまして相談窓口の所在等を広く周知するとともに、ストーカー事案の特徴、被害防止対策、早期の相談の必要性等の情報について周知を図っているところでございます。
 引き続き関係省庁と連携しながら関係制度や相談窓口の周知を図ってまいりたいと考えております。

#88
○平木大作君 窓口は、やはりつながりやすいこと、あるいは多様であることというのはとても大事だというふうに思っています。様々これまでもパイロット事業として民間のシェルターの方たちがSNSを使った相談窓口やっていただいたり、様々、今、多様化にも取り組んでいただいていると思っていますので、是非そういった取組広げていただくのと同時に、知っていただくお取組も前に進めていただけたらというふうに思っております。
 現在、婦人保護事業の運用面における見直しというのが続いております。その中で、携帯電話等の通信機器の使用制限の在り方についても検討されてきたと承知をしております。
 これ、当然、ストーカー被害者の方が避難先ですとか居場所を特定されないためにも、ある意味この携帯電話等の通信機器使わないというのは大事だということは私も理解できるわけでありますが、ただ、一律に一切使用ができませんというような運用もあるようでありまして、そうなってくると今度は、この被害に遭われた方が実際にいわゆる社会復帰する、求職活動をするですとか学校や職場に戻る上でも携帯電話が使えないというのは致命的でありまして、もはやこの日常生活の欠かすことのできないインフラになってきた情報通信機器というのは全く使えないとなると、またこれもある意味弊害が大きいんだろうというふうに思っております。
 こういった観点から、検討していただいているこの安全性に考慮した新たな運用方法について、現時点での調査研究の状況ですとか論点、あるいは見直しの方向性について厚生労働省からお示しいただけたらと思います。

#89
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、婦人保護事業における支援といたしまして、婦人相談所による一時保護や婦人保護施設への入所を行っているわけでございますが、その際に、支援の対象者の方から同意を得られない理由としまして、携帯電話やスマホが使えないということが高い割合を占めているという実態があるところでございます。
 この点を踏まえまして、厚生労働省といたしまして、令和元年六月に取りまとめた婦人保護事業の運用面における見直し方針に携帯電話等の通信機器の使用制限等の見直しを盛り込みまして、婦人相談所一時保護所や婦人保護施設における安全性を考慮した通信機器の運用方法に関する調査研究を令和元年度に行いました。その上で、この調査研究結果を踏まえまして、令和二年十二月二十五日にですけれども、入所者の安全、安心を最優先としつつ、通信機器の利用について様々な制約の中でも可能な限り入所者の希望に沿った対応を行うべきという旨を示しました基本的対応方針を策定いたしまして、これを地方自治体に通知をしたところでございます。
 また、令和三年度予算におきまして、婦人相談員さんや一時保護所等の職員の方が通信機器の性能や取扱いによって生じ得る危険性等について十分理解をしていただいて、入所者の方に対して通信機器の利用に対応していただけるような研修費用を新たに計上したところでございます。
 厚生労働省といたしましては、こういった運用面の見直しを通じまして婦人保護事業における支援が必要な方に行き届くよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

#90
○平木大作君 安全面最優先であることはもう言うまでもないわけでありますが、その上で、今言ったようなお取組、研修も含めて今取り組んでいただいているということでありますので、しっかりやっていただきたいと思います。
 こういったある意味安全性を確保した上での使い方ということがある程度確立をされればというか、ノウハウみたいなものがきちっと確立を、たまっていきますと、これ、次なる被害者を生まないためのある意味スマホリテラシーみたいなものにもまたつながってくるというふうに思っておりますし、そういう意味でいくと、今後の犯罪抑止にもこれ活用できる話だろうというふうにも思っております。
 そこで、最後の問いになるわけでありますが、ストーカー被害を未然に防ぐ、またエスカレートする前に適切な行動を起こす上で、この今言ったような適切な通信機器の使い方もそうでありますし、あるいはストーカーの典型的な事例、あるいは対処方法ですね、こういったものを事前に知っておくということが何よりも大事だと思っております。
 警察庁として今、犯罪意識向上に向けた取組、様々やっていただいていますが、この中に是非ストーカー被害に遭わないための教育といったところも組み込んで被害の減少に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#91
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 ストーカー被害を未然に防止するためには、ストーカーの被害者にも加害者にもならないことの重要性を踏まえつつ、教育活動を通じた知識の普及及び啓発の推進が重要であると認識しております。
 警察におきましては、平成二十七年三月にストーカー総合対策関係省庁会議におきまして策定されたストーカー総合対策等を踏まえまして、非行防止教室や大学における防犯教室等の様々な機会を捉えて、ストーカー事案をめぐる情勢、具体的事例、対処方法等を伝えるなどにより、被害者にも加害者にもならないための教育啓発活動を推進しているところであります。
 引き続き、関係機関等と連携しながら、ストーカー被害の防止に向けたこうした取組を推進してまいりたいと考えております。

#92
○平木大作君 もう既に取り組んでいただいているところも多々あるというふうに確認をさせていただきました。
 しっかり、やはり今回の法改正、そしてそれに伴う諸施策がこれから一人でも多くの方をストーカー被害から守れるように、またこれ国会としてもしっかり見守っていきたいと思いますし、今後も引き続き検討させていただけたらと思っております。
 以上で終わります。

#93
○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。
 このストーカー規制法、制定をされ、何度か見直しが図られてきました。それなりの効果も出ている一方で、先ほども御指摘がありましたように、件数でいうと二万件で高止まりをしている現実であります。加えて、昨今、やはり非常に巧妙化しているというか新たな手口が出てくると言うべきか、悪質化しているというところもあるわけでありまして、今回、GPSの悪用を規制するなど、その対象範囲を広げるということで、これによってストーカー事案が少なくなっていくことを願うという考え方であります。まあ賛成という立場でありますが。
 その上で、確認したいこと、あるいはこれどういうふうに理解したらいいのか、幾つかございますので、順次お聞きをしていきたいと思います。
 まず、この文書の連続送付における拒否の判断についてお聞きをしたいと思います。
 今般の改正によって、先ほどからも話が出ておりますが、拒まれたにもかかわらず連続して文書を送付する行為が規制対象となります。拒まれたにもかかわらずという前提があるわけですが、この拒まれたということはどのようにして判断がされるのか。仮に、例えば被害者から加害者に送付しないよう伝える必要があるということになれば非常にこれ心理的なハードルが高いということになるわけでありますが、警察等に相談すれば対応してもらえるということでいいのか、この点まず確認をさせていただきたいと思います。

#94
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 委員お尋ねの連続して文書を送付する行為に係る拒まれたことに該当するかどうかにつきましては、個別具体の事案に応じて判断されることとなりますが、行為の相手方が文書を送付されることを拒絶していることが必要でありまして、この拒絶には、行為者において相手方が拒絶している旨を認識していることが必要でございます。
 なお、この拒絶につきましては、相手方が拒絶している旨を直接に行為者に対して告げた場合だけでなく、相手方からの相談に基づきまして警察官から行為者に対して相手方が拒絶している旨を告げた場合も、拒まれたにもかかわらずという要件を満たすことになると考えているところでございます。

#95
○柴田巧君 ありがとうございます。
 今申し上げたような場合、警察に相談をしてできるということかと理解をしました。ありがとうございます。
 次に、今申し上げたように、今般の改正で文書の連続送付が規制対象となるわけですが、例えば加害者からのメールを被害者が受信拒否をしていたために加害者が代替の手段として文書を送り付けたという場合には、被害者は加害者に改めて文書の送付をやめるように伝える必要があるのかどうか、この点はいかがでしょうか。

#96
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 先ほども御答弁差し上げたところでございますけれども、連続して文書を送付する行為に係る拒まれたの認定につきましては、個別具体の事案に応じてその該当性が判断されることとなるものでございますが、行為者において相手方が文書の送付を拒絶している旨を認識していることが必要になると解されるところでございます。
 このため、例えば相手方が行為者からのメールを受信拒否した場合において、その他の手段による連絡を含め一切の連絡を拒む趣旨で拒絶し、行為者においてもこれを認識している状況が認められるときは、改めて相手方から行為者に対して別途文書の送付に関する拒絶の意思を伝える必要はないものと解されるところでございます。

#97
○柴田巧君 ありがとうございます。
 改めて別途これ伝える必要がないということが確認をできました。ありがとうございます。
 次にお聞きをしたいのは加害者対策ということだったんですが、今日は大変みんな問題意識が似通っていまして、ストーカー事案を少なくしていこうということですのでどうしても似通うわけで、加えて、後で質問する人ほどなかなかやりにくいというのがあるのでございますが、完全にかぶるところはちょっと割愛をさせていただきますが、この加害者対策というのは非常に重要なことだと認識をしております。被害者の安全確保、先ほどから委員長もおっしゃるように、していくのはもちろん極めて重要なことですが、併せて加害者対策をしっかりやっていくというのは、これも極めて大事なことだと、ストーカー事案を少なくしていく上で極めて重要なことだと思っております。
 それで、三番目の問いについては先ほど大臣からもおおよそ御答弁があったので繰り返してお聞きをしませんが、まあ四番目の問いということになりますけれども、このストーカー行為等の規制等の在り方に関する有識者検討会、ここで本年一月に報告書が取りまとめられて今回の改正案につながったわけですが、その中に加害者対策等について次のような記述がございます。
 「ストーカー事案が依然として後を絶たない状況に対して、加害者対策や教育活動を通じた被害防止に関する知識の普及啓発に関する発言等がなされた。」との記述があるわけですが、検討会においてこの加害者対策や知識の普及啓発に関して具体的にどのような議論がなされたのか。また、その議論を踏まえて警察庁内で今これから検討、こういうことをやっていこうという検討をしているものがあれば、施策があれば御答弁を願いたいと思います。

#98
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 御指摘のストーカー行為等の規制等の在り方に関する有識者検討会におきましては、GPS機器等を利用して動静を観察する行為に対する規制の在り方を中心に早急に検討すべき論点に絞って検討がなされたところでございますけれども、先ほどお話ございましたように、ストーカー事案が依然として後を絶たない状況に対して、加害者対策や教育活動を通じた被害防止に関する知識の普及啓発も重要である旨の発言等がなされたと承知しているところでございます。
 この加害者対策や啓発活動の推進につきましては、政府のストーカー総合対策におきましても、関係機関が連携しつつ、その取組を推進するものとされているところでございまして、警察におきましては、今後とも加害者に対してカウンセリングや治療の受診の働きかけを行うなど、地域精神科医療機関等との連携を図るとともに、非行防止教室や防犯教室等、様々な機会を捉えて、ストーカー事案をめぐる情勢、犯行の手口等の具体的事例、対処方法等、適切に情報発信するなどにより、被害者にも加害者にもならないための教育啓発等を引き続き推進してまいりたいと考えております。

#99
○柴田巧君 とにかく、いわゆる加害者の逆恨みとか復讐心が解消されなければこれは安心して暮らすことが被害者はできないということになるわけですね。したがって、その加害者が、まあこれは本人が自覚していないと難しいという面はありますが、相談できる仕組みというのも大事ですし、出所後の加害者の情報を知る仕組みも、加害者対策としては、新たな被害者を生まないという意味でも非常に重要なことだと私は思っているんですね。加害者側に治療することでいわゆる加害者の無害化を図っていくということをしない限り、被害者は、いつまた復讐されるか、やってくるかとおびえながら暮らすことになるわけです。
 先ほど答弁もありましたが、精神科のお医者様、医療機関などと連携して取り組んでいらっしゃるということですけれども、受診率が非常に低いわけですね。一五%ほどというふうに聞いていますが、強制力がない、費用も掛かるし、本人に自覚が、先ほどもありましたが、ないということもあるんだろうと思いますが、これが一つやっぱりポイントではないかと思っていまして、相手に付きまとうというのは一種の精神疾患の一つだという見方もあるわけですから、相手に近づく神経活動を弱める治療をすることでストーカー行為をやめていくことが可能だと言われていますので、あえてちょっと更に聞きますが、この受診率を上げていく、今そういった医療との連携について具体的にどうしようと考えていらっしゃるのか。先ほどはばくっとした答弁でありましたが、何か具体策があればお聞きをしたいと思います。

#100
○政府参考人(小田部耕治君) 警察におきましては、先ほども御答弁申し上げましたけれども、加害者への対応方法やカウンセリング、治療の必要性について地域精神科医等の助言を受けて加害者に受診を勧めるなど、地域の精神科医療機関等との連携を推進しているところでございます。そういった中で、再発を防ぐことができたという例もあれば、再発したという例等もございまして、どのような場合にどのようなアプローチで対応、治療していく方法を取っていくことが効果的かということについてまだ十分な科学的知見が得られているとは言い難い状況にございます。
 したがいまして、今後とも、この加害者に対する精神医学的・心理学的アプローチに関しましては、地域精神科医療機関等との連携を図りながら、そのカウンセリングや治療の効果について把握し、加害者の付きまとい等の再発防止に資する効果的な方策につきまして情報収集、検討を行ってまいりたいと考えております。

#101
○柴田巧君 先ほどもありましたが、前の改正のときのこの決議にもそういった取組が必要だということが既に盛り込まれて、あれからもう数年たっているわけですから、その医療機関などともしっかり連携をして、どういう効果、より効果的な手法がないのか、しっかりやっていただきたいと思いますので、これ要望しておきたいと思います。
 次に、この法案が成立すれば規制範囲の拡大を伴うということになるわけですが、規制範囲の拡大が伴うということでありますが、やはりその内容を国民にしっかり周知をする、意識を啓発するということが求められると思います。
 このGPSの悪用などが今度新たに対象になりますよ等々ということが分かれば、犯罪抑止ということにもつながっていくと思うわけですが、この点についてどのように取り組む考えか、警察庁にお尋ねをしたいと思います。

#102
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 改正法案が可決、成立されれば、公布後、警察のホームページでの掲載やSNSによる発信のほか、リーフレット等を用いた各種警察活動による情報発信等を通じまして、拒まれたにもかかわらず連続して文書を送付する行為やGPS機器等を用いた位置情報の無承諾取得行為等がストーカー規制法の規制対象となること等を広く周知して、ストーカー被害の防止を図ってまいりたいと考えております。

#103
○柴田巧君 是非そういう際には、先ほどから質問もさせていただきましたけど、被害者から加害者に送付しない、改めて送付しないとか、そういったことなどなども具体的に分かりやすく、被害を防止すると同時に、被害を受ける、そういう可能性のある人が、ああ、そうしたら警察に相談すればいいんだ、あるいはこういうことをしなくてもいいんだということが分かるように周知を図っていただきたいと思います。
 次に、この被害者が、非常に手口が先ほど申し上げましたように多様化、巧妙化、そしてまた最先端技術といいますか、こんなものを用いて悪質化をしているわけですから、そしてこの規制対象が広がっていくわけですから、相談体制の在り方、拡充をしていく必要があると思っています。
 被害者が声が上げやすいやっぱり体制づくりに改めて知恵を絞るべきだと思いますが、この点どのように取り組んでいくか、お聞きをします。

#104
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 今回の改正によりまして、GPS機器等を用いた位置情報の無承諾取得行為等がストーカー規制法で新たに規制されることから、当該行為等に関する相談の増加が見込まれるところでございます。こうした相談に適切に対応し、ストーカー事案の被害者等の安全を確保するためには、相談体制の一層の充実が求められるものと認識しております。
 警察におきましては、ストーカー事案の被害者等の安全を確保する上で必要かつ十分な相談体制を構築するとともに、改正ストーカー規制法の施行を踏まえ、相談内容に対して適切な対処をすることができるよう、引き続き、相談対応者への研修やマニュアル等による専門的能力の向上を図るなど、相談体制の充実に努めてまいりたいと考えております。

#105
○柴田巧君 是非、この国民への周知、また意識の啓発、そして相談体制、規制対象が広がりますから、なおさらしっかりと体制をつくって対応していただきますことをお願いをしていきたいと思います。
 さて、次ですが、先ほどからずっと皆さん取り上げられている問題でございますが、私も大変強い問題意識を持っているところです。
 繰り返しになりますが、ストーカー行為、第二条によれば、恋愛感情又はその他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的でとなっているわけですが、先般、年末から年明けにかけて、民間のといいますか、荻上チキさんなどが率いる民間の皆さんが、一都三県で八千八百人ぐらいに聞いて六千七百人から回答を得た、ストーカー被害の実態を明らかにするための量的調査を行っております。
 そのうち三割ほどが、全く知らない相手やアルバイト先の客など、特に強いつながりがない、関わりがなかった人によるものだったと。だから、恋愛とか好きとか好意とかというものではなくて、ただただ相手を困らせたいという感情から付きまとい行為に発展をしているというケースも非常にあるというのが、これは現実なのではないかと思っていまして、それで、その充足する目的で、この前提条件は本当に必要かという質問をしようと思っていたら、先ほどから同じ答弁が聞きましたので、ここはあえて聞きませんが、大臣、通告はしていないんですけど、今申し上げたことで、大臣の御見解も先ほどお聞きはしましたが、やはり実態にこう踏まえて云々とさっきもおっしゃいましたが、民間の調査は、先ほど申し上げた、一つの参考になると思いますが、警察庁としても、その実態はどうなっているのか、本当に恋愛感情や好きや好意や、そういうものだけではなくて、今申し上げた、ただ嫌がらせのためにやっている、そういったことを一度しっかり本格的な調査をすることがこれからのためにも大事だと思いますが、この点、大臣、どういうふうにお考えになっていますか、お聞きをします。

#106
○国務大臣(小此木八郎君) 私、国家公安委員会委員長といたしましては、警察だけには限らず、よく他省庁との連携というのもあります。他省庁がつかんでいる、例えば厚生労働省始め様々な機関、医療関係、そういったところの情報を常に共有をしていくことが大事であるということは申し上げてきたことが現在までございます。
 一方、警察としても、これ平成十二年の制定とありますけれども、その以前からこの付きまといという、あるいはストークという言葉あったかどうかちょっと分かりませんけれども、そういう行いそのものはあったと思う中での経験値が積まれていると思います。そういったこともしっかりと併せ持つこと、これは常に持っておくことが大事であり、そのことを今後のことについて活用する。
 もちろん、これ私権制限みたいなところもあろうかと思いますので、そこで、先ほどから慎重という言葉を使っておりますが、そういった検討も含めまして、先ほど申し上げたように、被害に遭わないように、あるいは被害に遭った後も心得て行動するようにということを生意気ながら指導しておるつもりでございます。

#107
○柴田巧君 ちょっと今大臣の、これ、委員長の答弁よく分からなかったんですが、じゃ、結論だけもう一回改めて聞きますが、警察庁としてそういう、民間の調査はそういうふうにやってありますが、本当に実態のところどうなのかという、調査するお考えはあるかないか、その点だけ確認させていただきたい。

#108
○国務大臣(小此木八郎君) ごめんなさい。
 常に調査をしているという意味で、その過去の経験そのものを、何といいましょうか、使っているといいますか、捜査において使用しているという意味で申し上げました。

#109
○柴田巧君 とにかく、できて、制定されてもうかなり年数たってきました。それで、改正はしてきたものの、やっぱりいろんな実態というか新しい状況なども出てきているのは大臣もお認めになっていると思いますが、それらをしっかりきちっと認識をするというか、調査をするということなどなど含め、実態に即してまたこの対応をしていただきたいと思います。
 これで、これは、この法案については最後の質問になりますが、先ほど大臣もちょっとおっしゃったところありますけれども、とにもかくにもこの事件防止に向け、関係機関との連携を強化して効果的な取組をやっていく必要があります。これは警察だけ頑張ってもなかなかこれは解決できない問題、いろんな、政府のいろんな関係、あるいは民間の人も含めて、専門家も含めてタッグを組んでやっていかなきゃなりませんが、どのように、関係機関や専門家など社会全体で関与を深めることが重要だと思いますが、どのように取り組んでいくか。あるいは、必要があれば、先ほどもありますが、罪刑法定主義をしっかり踏まえながら、随時、規制範囲、対象も拡大も図っていくということが、必要があるんではないかと思いますが、併せて委員長の所見をお伺いします。

#110
○国務大臣(小此木八郎君) 先ほどからの答弁と重なるのは恐縮ですけれども、ストーカー行為等の防止や相手方の保護を図るためには、被害者の安全を最優先として様々な観点から対応を図ることが重要であり、警察のみならず関係機関との緊密な連携が不可欠であるということは申し上げました。
 また、ストーカー事案について、今後の技術の進展も様々あると思います。新たな手口が用いられることも様々考えられます。現在、政府において、被害者等からの相談対応の充実及び加害者対策の推進等を内容とするストーカー総合対策を推進しているところであります。
 委員御指摘のとおり、ストーカー事案のこのような特性も踏まえて、ストーカー事案の案件については関係省庁と連携した取組を一層推進するとともに、ストーカー事案の実情等に応じた対応を適切に行っていくよう、改めて警察を指導してまいりたいと存じます。

#111
○柴田巧君 ありがとうございます。
 是非、いろいろ連携をしながら、またいろんな状況を踏まえながらしっかり対応していただきたいと思います。
 それで、一つちょっと要望で、当局からもレクを受けましたが、このストーカーの事案の再犯率のデータはないのかと何回か聞いたら、ないと答えられたんですけど、どうしてかなと思っていまして、やっぱり今までの対策が本当に効果があるものなのかどうなのかを検証するためにもそういうデータは本来あってしかるべきだと思いますので、本当にないのか、あるんだけど言わなかったのか、私には、分かりませんが、そういったこともしっかりちょっと対応をしていただければと思いますので、要望しておきたいと思います。
 次に、犯罪者支援についてお尋ねをしたいと思います。
 このストーカーの場合もそうですが、犯罪に巻き込まれると本当に人生が一変をする、あるいは、心身だけではなくて精神的にもまた経済的にも大変苦境に陥る、人生が大きく狂うということがあるわけでございます。
 この二〇一九年に犯罪により被害を受けた人の数は五十八万人を超えていると言われています。犯罪被害に遭う人は特別な人ではないと、社会に普通に暮らしている人たち、まあ我々もいつ何どきそういうことに巻き込まれて人生が暗転していくか分からないというのが正直なところかと思いますが、したがって、その犯罪被害を受けた人が被害を回復し又は軽減し、再びそれぞれの平穏な暮らしを取り戻せるように配慮していくことは、誰もがいつ何どきなるか分からないという世の中の中で非常に重要なことであり、社会全体でそういう取組をしていかなきゃならぬと思います。
 犯罪被害者等基本計画、五年ごとに改定をしているわけですが、第四次計画がこの四月から始まって、これに基づいて犯罪被害者支援に関する施策が進められることになるということでございます。
 国家公安委員長が大臣就任後のインタビューの中で、性犯罪や児童虐待を始めとする潜在化しやすい被害者への支援策をより一層強化したいと、この改定に当たって、インタビューにそういったことなどなど述べておられますが、今回の改定でそういう国家公安委員長の問題意識がどのように反映されたものになっているのか、この点、委員長にお聞きをしたいと思います。

#112
○国務大臣(小此木八郎君) 昨年、私の委員長就任時でのインタビューでの話であると思いますが、第四次犯罪被害者等基本計画の策定に当たり、犯罪被害者等の生活再建の支援、性犯罪や児童虐待を始めとする、潜在化しやすく、そして犯罪被害者への支援等を一層強化していく旨申し上げました。
 今般閣議決定した第四次犯罪被害者等基本計画において、まず、自治体における犯罪被害者等支援を目的とした条例の制定に資する情報提供等の実施を始め、性犯罪や児童虐待等、被害が潜在化しやすい被害者への支援として、ワンストップ支援センターにおける夜間、休日コールセンターの設置等の体制強化、児童相談所における児童福祉司、学校におけるスクールソーシャルワーカー等の配置の充実等の施策を盛り込んだところでございます。
 改めて、私といたしましても、犯罪被害によって苦しんでおられる被害者等の思いに寄り添いつつ、関係府省庁や自治体と連携協力しながら、第四次犯罪被害者等基本計画に盛り込まれた各施策が推進されるよう、引き続き取り組んでまいります。

#113
○柴田巧君 新たな基本計画も始まりました。犯罪被害者の支援が厚くなることを期待をするところですが、この犯罪被害者を支援するため、自治体の取組は欠かせないということになるわけでございます。今委員長もおっしゃった、国家公安委員長もおっしゃったように、このワンストップ支援センターについてはこれ全都道府県で設置をされる、一定の成果を収めてきた、進んできたとは思いますが、しかし一方で、自治体によって取組に差があるのもこれ事実でございまして、今申し上げたワンストップ支援センターにおいては、治療費の公費負担にも地域差がございます。
 また、この支援施策全般について見ても、犯罪被害者支援条例が制定されていない自治体もまだ数多くあるんですね。都道府県でいうと四十七都道府県のうち制定しているのは三十七ですし、政令指定都市では二十のうち十二、また市町村では千七百二十一の五百五十八しかない、そこにとどまっています。また、条例があっても、東京や横浜のように、殺人や性犯罪の際に、の被害者が転居する際の費用を助成する制度を設けているところもありますし、条例を持っていても中身がかなり違うというのがあります。
 住んでいる地域によってこの犯罪被害者の支援に差が出ないように、国が予算面や支援のための人材育成などをバックアップするなど、これ積極的にやっぱり国としても対応すべきじゃないかと思いますが、大臣の御見解を、国家公安委員長の御見解をお聞きをします。

#114
○国務大臣(小此木八郎君) 第四次犯罪被害者等基本計画には、犯罪被害者等支援を目的とした条例の制定のための情報提供等の施策が新たに盛り込まれました。
 これを受け、警察庁においてですが、自治体の職員を対象とした講演会、研修会の開催に要する費用を措置して人材育成に貢献することとしているほか、都道府県警察に対して、自治体における条例の制定に向けた検討等に資する協力を行うよう指示しているところであります。
 引き続き、全国においてきめ細やかな支援が行われ、自治体間での格差が生じないよう、犯罪被害者等支援のための実効的な事項を盛り込んだ条例等の制定や、人材育成を始めとする様々な取組が推進されますように指導してまいります。

#115
○柴田巧君 国が予算を出してというところまではなかなか難しいんだろうと思いますが、とにかく住んでいるところでこの犯罪被害者の支援の差が出てくるということのないように、国としても積極的な対応を是非やっていただきたいと思います。
 次に、犯罪被害者に対する支援の施策の大きな柱として、この金銭を、給付金制度があるわけですね。その金額や対象は少しずつ拡充をしてきているところではありますが、例えば、二〇一九年度の犯罪被害遺族給付金は最高で二千五百万弱、平均すると六百十三万円だと言われています。
 これでは本当に遺族の暮らしを支えるのは難しいのではないかと思いますが、この犯罪被害者等基本法でも再び平穏な生活を営むことができるよう支援するということをうたっているわけですけど、この金額では、果たして本当にそのかなう金額と考えていらっしゃるのか、また、やはり増額が必要ではないかと思うわけですが、併せて国家公安委員長の御見解をお聞きをしたいと思います。

#116
○国務大臣(小此木八郎君) 犯罪被害給付制度ですが、殺人、傷害等の犯罪行為によって重大な被害を受けた方やその御遺族に対し、社会の連帯共助の精神に基づき、国が給付金を支給するものであります。
 御指摘の遺族給付金の支給額について、これまで専門家や犯罪被害者等の方々の御意見を伺いながら、犯罪被害者等に対する経済的支援をできるだけ手厚いものとするために数次にわたって引き上げてきたところであります。
 加えて、犯罪被害者等が再び平穏な生活を営むことができるよう、それを支援するために、犯罪被害給付制度の運用にとどまらず、犯罪被害者等が直面している各般の問題に対し、例えば、居住や雇用の安定を図るために必要な情報の提供、多岐にわたる犯罪被害に対応できる相談体制の確保、更なる犯罪に遭わないための安全の確保といった支援施策を通じて、犯罪被害者と、一人一人に寄り添ったきめ細やかな支援を行っておると存じています。
 今後とも、犯罪被害者等の思いに寄りつつ、犯罪被害者等の権利利益を保護するという犯罪被害者等基本法の理念にのっとり、基本計画に沿って、関係府省庁とも連携しながら、犯罪被害者等を支援する取組の更なる推進、充実に努めてまいりたいと存じます。

#117
○柴田巧君 時間が来ましたので質問は終わりますが、犯罪被害者支援、またしっかりと取り組んでいただきますことをお願いを申し上げて、終わります。
 ありがとうございました。

#118
○矢田わか子君 国民民主党、矢田わか子です。
 小此木大臣、どうぞよろしくお願いいたします。質問重なりますので少し付け加えて質問もするかもしれませんが、御了承いただければなと思います。
 このストーカーの法律は九九年の桶川事件をきっかけに制定されまして、これまでに二回の改正が行われています。御承知のとおり、平成二十五年、そして二十八年、それぞれ、電子メールとかSNSを使って発信、これ規制していくということで付け加えてきたということです。時代とともに、当然、科学技術の進歩に伴って、通信衛星手段の進歩に伴って改正をしてきたということで、今回も、やはり法で抜けていた、ストーカー規制ではどうしても取り締まれなかった事案について、改正を加えてしっかりと対策を打っていこうという意味においては大変評価できる改正であると思っております。
 ただ、私、皆さんもおっしゃったとおり、まず定義、もう一度ゆっくり読み直してみて、皆さんにも一応お配りしたとおり、この定義のままでよかったのかということの疑問を持っております。
 何人かの方からも出ました、まずは恋愛感情という文言であります。好意の感情を持っている者が対象なのか。好意がなくても実は今は付きまといをするようなケースが多々出ています。警察庁が調べているこのデータに見ても、例えばライバル心だとか憎悪の感情だとか、相手に対する何か固執でもってずっと追いかけ回しているという件が一七%程度読み取れるわけです。したがって、まず一つは、恋愛感情というところの定義そのものをやっぱり見直す必要があったのじゃないかということが一つ。
 もう一つが、その後、目的の後なんですが、特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対しとあるんです。ところが、今は、会ったこともない人でも、SNS通じて相手が一方的に知っているだけで付きまとわれているようなケースも、この警察庁のデータを見れば、一六・九%、一七%近くいらっしゃるということなので、やっぱり、私も今日もちょっと怖いのは、これインターネット放映されているんですね。自分もちょっと被害に遭っていることもありまして、ずっと見ていらっしゃるわけですよね。会ったことがない方、でもSNS通じて知っているから、いろんなものを、メールとか送ってこられるんですよね。
 だから、そういう定義そのものもやっぱり見直していく必要があったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

#119
○国務大臣(小此木八郎君) これまでも、ちょっと三回も四回も同じような答えするのも私自身も好むところでありませんけれども、ストーカー規制法の立法当時とそして現在、今の段階では、委員がおっしゃるとおりに、時代も中身も、人間の在り方と申しますか、物事の進展した便利なものの使い方、様々環境が変わってまいりました。
 それとともに、これは誤解をされると困りますが、どちらが被害者なのか、あるいは私権を制限される方が被害を及ぼす者という理解ですとか、様々なことがあろうと思います。そこのところで私たちは慎重な検討が必要だと度々申し上げてまいりましたが、そういうふうに認識しているものの、ストーカー事案の実情等に応じた対応を適切に現在私として指導しているところでありますので、状況の変化については更に頭の中に入れて考えてまいりたいと存じます。

#120
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 やっぱりそうなんですね、どんどん、二十年たちますと、科学技術も進歩しますけれども、やっぱり様々なこの人間関係的なことも進歩していく、変わっていく中で、私は、やっぱり定義そのものについても、ストーカーとは何なのかということの定義を見直さなければ、どうしてもその規制対象ではないということで外れてしまう方々がいらっしゃいます。
 警察庁ではストーカー規制法に抵触しない動機と定義して、精神障害だとか、職場、商取引上のトラブルであるとか、あと親子関係だとか、子供の親権、離婚に伴うトラブル、金銭トラブル等も挙げていらっしゃるんですね。
 ただ、付きまとわれて不安、恐怖を感じるということについてはやはり同じ感情なので、これはストーカーではないということで停止命令が出せないということでは解決につながらないということでもありますので、今回の法改正では追い付いていませんが、またこれ不断の多分見直しをされると思いますので、是非その辺りも頭に置いていただいて御対応お願いしたいと思います。
 それから二点目は、先ほどの平木さんともかぶるんですが、位置情報アプリについて、そのものの規制が要らないのかということについて質疑をしたいと思います。
 私も調べましたところ、資料二にお配りしましたとおり、ケルベロスから始まりスパイジーとかエアードロイドというふうな、もう様々なアプリが、今ここに挙げているだけでも九つ、十ということで、手軽に入手できるアプリがあります。ケルベロスなんかは、もう見てもらったら分かるとおり、位置情報だけではなくて、通話の記録から写真撮影、音声の録音までできてしまうというようなことになっています。
 真ん中にある、このTECWPと書いてある、トラック・エンプロイーズ・チェック・ワーク・フォンというものと右端にあるエンプロイー・ワーク・スパイというものは、どちらかというと、会社が、営業社員で、営業していることを、ちゃんと仕事しているのかどうかというのをチェックするために入れるようなアプリになっているんですけれども、こうしたアプリを、先ほどもあったとおり、何だろうな、やっぱりきちっと本人確認の下で入れているのかどうかということのチェック等はもちろんのこと、一定程度やはり何か規制を掛けていかなければ、まだ今現在はこれですけれども、もう更にもっと進化していくということについて対応し切れなくなるんじゃないかと思います。従業員で、一旦入れたけれども、上司が部下の、恋愛感情を抱いて、仕事で入れたはずのものを位置情報確認として活用しているようなケースもお聞きしたことがありますので、いや、仕事上はオーケーだけれども、個人的なことはもちろんオーケーしていないわけなのにですよ。
 というようなこともあって、やっぱりアプリに対する対応策とか規制ということも視野に入れていかなければいけない時代に入っていると思いますが、これに関する御見解をお願いします。

#121
○国務大臣(小此木八郎君) 委員御指摘のとおり、相手方の所持するスマートフォン等にインストールして、そのインストールされたスマートフォン等の位置情報を他の端末から探索、取得し得るアプリケーションがあると承知していると書いてありますが、これは警察が作った文章なんですけど、承知し得ないところにこういったところの特性があると思います。
 そういう今の現実がある中で、一般論となりますけれども、相手方の所持するスマートフォン等にこうしたアプリケーションを無断でインストールする行為は不正指令電磁的記録供用罪に当たり得ると考えられるところ、こうした刑罰法令に抵触すると認められる場合には厳正に対処してまいりたい。
 なお、位置情報探索、取得等し得るアプリケーションの販売自体の規制という考え方もありますけれども、こうしたアプリケーションが子供や高齢者の見守り等、社会的に有用な用途に広く用いられていることも一方であるということがございます。当該規制は、これは困難でありますけれども、そういう両方の面からしっかりと対応していくということが大切だと思っています。

#122
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 アプリの開発の進化に法律の対応がなかなか追い付いていかないような時代にも入ると思いますので、是非しっかりとチェックしながら、毎年改正しても私はいいと思いますので、法律も、是非対応をお願いしたいと思います。
 続いて、加害者へのアプローチについてお伺いをしていきます。
 これ、参議院で、内閣委員会で決議文が出ている、文言にも入っていると思いますけれども、五番目に入っている内容等も加えながら、やっぱり研究開発、加害者にさせないためのアプローチというのが必要になってくるかと思います。一般の人が加害者になってしまうこのきっかけ、何であるのか。
 一つはやっぱり私は、アルコール依存だとか、いわゆるギャンブラー、ギャンブル依存だとか、そういうものと似ている、ある特定の人に対する固執、人への依存ということが一つ要因になっているのじゃないのかなというふうに思っています。特定の相手に対する過剰な関心、過剰な接近要求、そして無許可で接近してしまうという行為になるかと思いますが、そうですね、決議文が出された平成二十八年から四年がたつわけですけれども、実質的にどのような、警察庁として、この加害者の類型、特徴を分類して研究をしてきているのかについてお答えいただければと思います。

#123
○国務大臣(小此木八郎君) ストーカー事案の加害者の多くですが、これは注意や警告等の措置で行為をやめるという一方、被害者への強い執着心等から、警告や検挙等をされた後も付きまとい等を続ける者が存在することから、ストーカー対策に当たっては、こうした加害者の特性を踏まえた対応が必要であると思っています。
 そこで、警察庁において平成二十六年度から二か年にわたり加害者に対する精神医学的・心理学的アプローチに係る調査研究を実施し、ストーカー加害者に対する精神医学的・心理学的アプローチの在り方について、警察官等に対する専門家からのアドバイス、研修等の実施や、ストーカー加害者の更生に向けた関係機関による連携の枠組みづくりを行うことが望ましいという結論が得られたところであります。
 これらの調査研究や加害者対策の推進等を内容とするストーカー総合対策を踏まえ、平成二十八年度から、警察が加害者への対応方法やカウンセリング、治療の必要について地域精神科医等の助言を受け加害者に受診を勧めるなど、地域精神科医、医療機関等との連携を推進しているところであります。
 これらの取組を引き続き推進するよう警察を指導してまいります。

#124
○矢田わか子君 今でこそ、二十年たちましてストーカーという言葉も大分浸透したと思いますけれども、昔、そんな言葉なかったんですよね。
 私も若い頃、やっぱり付きまとわれたことがありまして、もう電車乗ったら必ずそのおっちゃんがおるわけですよ。ずうっとずうっと一緒にいて、帰り、家まで付いてこられて、御飯食べに行こうやとか言われるんですね。で、やっぱり怖くなるわけですね。毎日毎日同じ電車に、電車変えても必ずいてはる。そういうふうなことを、やっぱり、こういう行為をすれば今はストーカーと言い、それは刑罰の対象になるんだということを広く告知をし、周知をしていくということも私は物すごく大事なことだと思っています。
 加えて、それを生み出さないための施策として、先ほども御説明ありましたけれども、きちっと医療機関で治療を受けてくださいという働きかけをしているにもかかわらず、二〇一九年では、八百二十四名の加害者に働きかけをしても、その治療を受けると言った人が一五%しかいないということでありますので、やはり何か一定の強制力を持たせるとか、もし費用が掛かるのであれば、その受診料の一部を補填するなどして再犯の防止をしていくべきだと思いますが、この辺りはいかがでしょうか。

#125
○国務大臣(小此木八郎君) 平成二十八年度から、警察が加害者への対応方法やカウンセリング、治療の必要性について地域精神科医等の助言を受け加害者に受診を勧めるなど、地域精神科医療機関等との連携を推進していることは述べましたけれども、カウンセリングや治療を行うことで加害者によってはストーカー行為の再発の防止に結び付いた例もある一方で、再発した例も見られる。どのような場合にどのようなアプローチを行うことが効果的であるのか、十分な科学的知見が現在得られているとは言い難い状況にございます。
 平成二十六年度に実施した調査研究でも、面談を無料としたとしても受診に必ずしもつながるものではなく、個人の個別具体的な状況に即して受診の動機付けとなるような様々な形での働きかけが必要であるとされているところであります。
 このような状況から、引き続き受診の働きかけの後の治療状況等の把握を行う必要があると考えられ、委員から御指摘のありました受診費、費用の一部の補助については慎重な検討が必要であると現在は承知しております。
 今後とも、ストーカー加害者に対して受診の働きかけを行うなど、地域精神科医療機関等との連携を図りつつ、そのカウンセリングや治療の効果について把握して、加害者のストーカー行為の再発防止のために効果的な方策について情報収集、検討を行ってまいりたいと思います。

#126
○矢田わか子君 大臣、加害者になってから、摘発されてからそういうふうな対応することも大事と思うんですが、私は、実はその前の段階で、相談者が相談したときに、こういうことをされているんですと相談したときに、やっぱり警察が第一線でどういう対応するのかということは物すごく大事なことだと思っていまして、あの桶川事件もそうだったように、その現場にいる警察官がどう受け取って、どう対応するかによって、事件が起こるか起こらないかということが出てくると思うんです。
 特に、被害者もそうなんですけど、加害者になりそうな方に対して警察が動いて警告だと出していただくのは有り難いんですけど、それをすることでやっぱり逆効果というか、刺激を与えてしまうというケースもありますので、最初相談に行ったときに、その加害者たる人にアプローチをして、できればその人がカウンセリングを受けて、あなた、こういうことしているけど、これはストーカーだし、何か悩んでいることがあるんじゃないですか的な、本当はそこで未然に防ぐ何か体制づくりができないのかなということが思えてなりませんので、また御検討いただければなと思います。
 それから次に、青少年の教育の必要性についてお伺いをしていきたいと思います。
 私も、今年大学一年になる、大学に入る息子がいるんですが、会話をしていると、やっぱりこのストーカーについて、ドラマで見たことあるけど、ほとんどそんなの教育されたことがないんですね。今、中高生なんかはSNSが当たり前なので、いろんなインスタグラムだとかフェイスブックとか発信しまくるわけですね。発信すれば、当然、自分は悪気なくても、自分がどこにいるかとか、毎日ここで御飯食べていますとか、簡単に書きますから、追いかけられる側というか被害者になる側も、それから加害者になる側もいろんな情報をつかみやすくなっているわけです。
 したがって、この教育、中学、高校の段階から、ストーカー行為がやっぱり人権侵害であり犯罪行為であることをきちんとやっぱり学校で教えていく、そして、むやみやたらに自分の情報を発信しないということも加えて教えていく必要があると私は思っています。
 二年前の東大新聞のオンラインに掲載された上野千鶴子先生のこのインタビューが大変面白かったので少し御紹介したいんですけれども。
 東大は学部別の男女比が非常に違っていて、これを専攻のジェンダー隔離といいます。理工系は圧倒的に男子が多く、それも中高一貫男子校出身者、圧倒的に多い。彼らは入った後も、交際経験も恋愛経験もない。九〇年代に学内にハラスメント防止委員会をつくったとき、衝撃のデータが出てきたんです。ハラスメントというと、教師と指導学生との間の非対称的権力関係における性差別だと私たちは予測をしていました。ところが、出るわ出るわ、出たのは圧倒的にストーカー事案でした。うわあ、東大生らしいと思いましたね。女性に妄想を抱いて、その女性との関係の持ち方が分からず、付きまとう。付きまといによって女性が恐怖を感じて、学内に入れない。ハラスメントとは、教育研究の継続を阻害する権力の濫用と定義されますが、女子学生がキャンパスに入れなかったら、教育研究の継続が不可能になります。
 ぐらいの感じで、やっぱり勉強してきて、それ、自分がこう、わあっと好きだという感情をずっと出していくことが実は犯罪になっているということも気付かずにやってしまっているケースが多くいらっしゃるということなんですね。
 文科省、人権教育の一環として、やはりストーカー対策教育、どのようにこれから位置付けていくのか、大事だと思います。特に、ストーカー、二十代からざあっと増加していきますので、とりわけ私は高校生への教育必要になると思いますが、いかがでしょうか。

#127
○大臣政務官(鰐淵洋子君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、学校における教育活動を通じ児童生徒の規範意識を育成することにより、将来、ストーカー行為の当事者、これは被害者、加害者、また傍観者も含まれると思いますけれども、こういった当事者になることがないようにすることは極めて重要であると認識をしております。
 文部科学省としましては、学校において自分を律することなどの成長を促す生徒指導の充実を図るとともに、新学習指導要領の、高等学校におきまして、例えば公民の中で、主体的な個人の内面規律や自立、法や規範意識の意義の理解を促しているところでございます。
 また、昨年六月に政府として取りまとめました性犯罪・性暴力対策の強化の方針を踏まえまして、文部科学省におきましては、子供たちを性暴力の加害者、被害者、傍観者にさせないため、本年度から命の安全教育を推進することとしております。
 この命の安全教育、具体的に例えば御紹介させていただきたいと思いますが、自分や相手、一人一人を尊重すること、不審者等に付いていかないなど、性犯罪も含む犯罪被害に遭わないための防犯指導を行うこと、また、今委員からも御指摘ございました、SNS等で知り合った人に会うこと、失礼、知り合った人に会うことなどによる防犯被害を含む危険や被害に遭った場合の対応などについて教えること、また、親密な間柄でも嫌なことは嫌と言う、相手が嫌がることはしない、そういった認識を醸成する、こういったことを指導内容といたしまして教材案の作成を進めているところでございます。
 文部科学省としては、引き続き、児童生徒の規範意識の育成や、自分や相手、一人一人を尊重する教育を更に推進することによりまして、将来ストーカー行為の当事者になることがないよう努めてまいります。

#128
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 教科書上で習うのも大事なんですけど、人権問題ですとか言ってもなかなかそれ分からないので、できれば、ケーススタディーです、模擬事例をしていただいて、こんなことをしたらストーカーなんですよということを、被害者も加害者も実体験させていくというような教育プログラムの開発を是非お願いを申し上げまして、質問にします。
 ありがとうございました。

#129
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 法案では、ストーカー行為をした者への禁止命令等を送達で行うこととしています。書類を送るという意味ですけれども、これまでと同様に直接交付、その場で禁止命令を手渡すということが最も迅速な対応であり、被害防止にとっても望ましいと考えます。
 これまで対応できないケースのために送達を導入するのであって、迅速な対応のためには、原則としては、まずは直接交付による命令が引き続き行われるべきだというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。

#130
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 現在、禁止命令等は、国家公安委員会規則において定めるところにより、禁止命令等の対象者に対する処分の感銘力や抑止効果を踏まえて、禁止等命令書を交付して行っているところでございます。
 今回の改正後、禁止命令等は書類を送達して行う旨を明文で規定するとともに、禁止命令等の対象者の住所及び居所が明らかでない場合には公示送達を可能とするものであるところ、禁止命令等の対象者に対する感銘力や抑止効果を踏まえまして、引き続き原則として当該命令書を交付して行うことを検討してまいりたいと考えております。

#131
○田村智子君 是非お願いしたいと思います。
 次に、付きまとい行為として文書の連続的送付行為が加わります。これまでは、既に連続して電話を掛けたりファクスや電子メールを送付する行為というのは規制の対象なんですね。文書が入っていなかったのかと私もちょっと驚いたんですけれども、法改正に向けて行われた有識者検討会の報告書でも、文書の連続的送付行為はストーカー行為における典型的な行為の一つと指摘をされています。
 なぜこの規制がこれほどまでに遅れたんでしょうか。

#132
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 ストーカー規制法の制定当初、文書の送付について規制されなかった理由につきましては、手紙に比べて電話やファクスの手段の方が相手方に対して連続して掛ける又は送付することが容易に行い得ると考えられるため、法の制定時において電話やファクスが規制の対象とされたものではなかろうかと考えられるところでございます。また、その後のストーカー事案の実情を踏まえまして、電子メールやSNSメッセージが法改正で規制の対象に追加されたものと承知してございます。
 文書を送付する行為を今般規制することとした趣旨でございますけれども、ストーカー事案におきまして、相手方が行為者からの電話、ファクス、電子メール等による連絡を拒絶したため、代替手段として文書が送付されるといった実情があり、文書の連続送付が典型的な手口として行われていることから、こうした状況を踏まえまして、文書の連続送付行為を規制の対象に加えることとしたものでございます。

#133
○田村智子君 確認いたしますが、その文書というのは白紙であっても、相手や自分の名前だけでも、あるいは文字ではなく記号であっても対象となりますか。

#134
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 今回の改正案第二条第一項第五号に規定されている文書とは、文字や記号で人の思想を表したものでございまして、例えば送付する相手方や送付した行為者の氏名のみが記載された場合も文書に含まれ得ると解されますけれども、白紙につきましては文書に当たらないと考えているところでございます。

#135
○田村智子君 白紙だと誰が送ったか分からないということかもしれないんですけど、推測もできるわけですから、この件も是非考えていただきたいんですね。
 メールは、文章のない空メールであっても既に規制の対象です。有識者検討会の議論を見ますと、加害者が警察からメールの送付をしては駄目だと言われたので手紙を送ることにしたという事例が出てくるわけですね。ですから、これ、文書については抜けがあったというふうに言わざるを得ないんです。
 ストーカー規制法は、一九九九年に起きた桶川事件を契機として議員立法によって成立しました。これまでに二度改正されていますけれども、二度目の改正も逗子事件が契機となったものです。被害者の命が奪われる重大事件が起きてからの対応ということなんですね。現行法での対応ができない限界事例があるのに、法規制が間に合わずに重大事件の発生に至ってしまう。これをどうやって防ぐのかということが引き続き問われていくと思います。
 ストーカー事案の相談、対処事例など、警察庁は各都道府県との交流や指導、助言も通じて情報収集をしていると思います。どんな被害が起きていて、現行法で対応できるのか否かについて常々の検討ということが求められていると思うんですけど、いかがでしょうか。

#136
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 警察庁におきましては、通常の業務を通じまして都道府県警察において対応したストーカー事案を把握しているほか、必要に応じて有識者検討会を開催するなどして、法改正の検討に資することとしてきたところでございます。
 引き続き、ストーカー事案に対する規制の在り方につきまして適切に判断できるよう、ストーカー事案に係る実態を的確に把握してまいりたいと考えております。

#137
○田村智子君 これ、大臣についてもお聞きしたいんですね。ストーカー事案に関する相談件数は毎年二万件を超えています。一方で、ストーカー規制法に基づく禁止命令等は直近で年間一千五百四十三件、警告は二千百四十六件なんですね。もちろん、問題になりそうな行為は何でもかんでもとにかく広く規制しろということではないんですけれども、小さな違反事例、また現行法では対応できない相談事例などは収集をして、検討会で関係者を交えて議論していくということが必要だと思いますが、いかがでしょう。

#138
○国務大臣(小此木八郎君) 先ほども申し上げましたけれども、警察のこれまでの経験の中での様々な取組があったり、いろんな犯罪に対する着手があったと思います。これまでも必要に応じ、それらを、有識者検討会を開催するなどしてストーカー事案の実態を踏まえた効果的な規則の、規制の在り方について議論を行い、法改正に資することとしてきたところと承知しています。
 警察として、ストーカー事案の実態について引き続き情報収集や分析を行って、必要に応じて検討会を開催するなど、その規制の在り方について適切に判断してまいりたいと存じます。

#139
○田村智子君 今日、議論が集中していますストーカーとは何かということもまさにそういう検討の中に入ってくると思うんですけれどもね。
 これ、自らもストーカー被害を受けた文筆家の内澤旬子さんが発起人となって、評論家の荻上チキさんらがストーカー被害のインターネット調査や政策等を提言するプロジェクトを行っていて、この中でもこのストーカーとは何かということの問題提起もされています。
 内澤さんが受けたGPSによる監視行為への規制は今回の法案にも盛り込まれましたけれども、特定の者に対する恋愛感情、好意の感情、それらが満たされなかったことによる怨恨の感情を充足する目的、これに限定されないよねという問題提起は、やはり実際に被害に遭った方々からも問題提起があるということなんですよね。
 今日も議論されて、私も非常に興味深く皆さんの質問も聞いていたんですけど、恋愛感情を動機としたというこの歴史的経緯を振り返れば、やはり警察が痴話げんか扱いをしたということは大きかったと思います。痴話げんかではないんだと。恋人同士、交際相手、あるいは夫婦間のトラブルもそれは夫婦の中で何とかしてねと対応したと。そういうこともあって、議員立法の中で、やはり恋愛感情、好意、こういうものを当事者の問題にしてはいけないよということは、当時、法案の中に相当やっぱり意識されたものだとは思うんです。
 しかし、やはり様々な事件が起きているということを考えてみても、やはり、さっきも言いました相談事例の中で、直近、二〇二〇年にはストーカー規制法に抵触しない動機が八百十六件というふうに示されているんですね、いただいた資料の中で。やっぱり増えているんですよ。そうなると、この八百十六件というのがどういうものなのか、どういう規制が行われていけば重大事案に発展していかないのか。こういうことはやはり検討、具体的に必要だと思うんですよ、一般的に検討しますではなくて。八百十六件あると。いかがでしょうか。

#140
○国務大臣(小此木八郎君) このストーカー規制ということについての立法当時の話は、様々してきたということを先ほど申し上げました。
 ですから、委員のおっしゃっていることを挙げれば、例えば自分に振り返っても、これ選挙に出ているわけですから、様々、人に嫌われていないかなとか、いろんなことを考えながら、地域での活動もあります。余りしつこく迫ってもいけないんじゃないかとか、これはこの辺にしておこうかというものがある。その例が入るわけではありませんけれども、ただ、その中には、先ほどもちょっと触れたのですけれども、余り私権といいますか、そこを制限するようなものに入っていいものかどうかというものも考えなきゃいけないということ、犯罪を犯してはならないということ、悪いやからはしっかりと許さないという気持ちを持たなきゃいけないということは、強い思いとして私もございますし、警察の中にもございます。
 ですから、今言われたようなことについての、慎重という言葉がここに入りますけれども、ここは非常に意味のある言葉としても、私、委員長としても捉えている中で、様々な経験値も活用しながら取り締まっていくように、取締りに当たるように警察を指導しているというところであります。

#141
○田村智子君 ストーカー規制法は刑事罰を科すという法律ですから、私も慎重な検討は必要だと思います。ただ、この本法案が成立しても、GPSによる監視は恋愛感情などとは無関係の怨恨が動機となった場合にはやっぱり規制の対象にならないわけで、それでいいのかという議論は確かにあると思うんですね。
 この議論は、一昨日参議院に送付をされましたデジタル改革関連法案にも関わってくると思います。プライバシー権、個人の情報の保護、これがどう行われるのか。今、与野党を問わず問題意識がこの法案で示されましたので、非常にプライバシー権含めた充実した審議がデジタル改革関連法でもできるのではないかということも期待したいというふうに思います。
 それから、加害者への更生というのも私も問題意識を持っています。それで、法務省にお聞きしたいんですけれども、ストーカー規制法によって懲役刑を受けた場合に、加害者には刑務所での更生教育は行われているのではないでしょうか。

#142
○政府参考人(佐伯紀男君) お答えいたします。
 刑務所等の刑事施設におきましては、ストーカー規制法違反により服役している受刑者はその絶対数が少なく類型化が困難であることなどから、ストーカー規制法違反、これに特化したプログラムというのは実施していないところでございます。
 一方で、受刑者の改善指導のため、改善更生のため、刑執行開始時調査として、原則全ての受刑者に対し、医学、心理学、教育学、社会学その他の専門知識及び技術を活用し、個々の資質及び環境の調査を実施しておりまして、この調査結果に基づき、矯正処遇の目標やその基本的な内容及び方法を定めた処遇要領を策定しているところでございます。
 この処遇要領の結果に基づきまして、罪名にストーカー規制法違反が含まれているか否かにかかわらず、その犯罪態様や特性などに応じ、暴力防止プログラム、被害者の視点を取り入れた教育、性犯罪再犯防止指導などの必要な指導を実施しておりまして、今後もこれらの各種処遇プログラムを通した指導の充実に努めてまいりたいと考えております。

#143
○田村智子君 懲役刑まで科される場合って、ストーカー規制法というより、実際の傷害罪とか殺人罪とか、そういうことになる場合が多々あるということなんだろうというふうに思いますけれども、やはりそういう加害者に対する更生教育の効果とか再犯防止につながっているかというのは、是非、法務省と警察庁とやっぱり連携しながら、このストーカーの加害者に対する教育どうしていくのかという検討も私、求められていくんじゃないかというふうに思います。
 加害者が、これまでも指摘があったとおり、付きまとい行為を自らの意思でやめることができるかどうか、これが根本的な被害者の安全確保につながっていくわけですから、そうすると、既に指摘ありましたけど、警告や禁止命令を出すだけでなくて、その出した相手に更生プログラムにどうつなげていくのかということが求められているというふうに思います。
 これについても既にお答えがありましたので、ちょっと加えてなんですけど、ただそのときに、やっぱり警告するのは警察の側で、その警察があなたこういうプログラムを受けたらどうですかと言っても、加害者にとってみたら心理的には敵ですよね、ある意味。その敵から言われて、はい、そうですかとなかなかなりにくいと思うんですよ。
 そうすると、つなげるためには、もっとちょっと違う立場の方、自治体との協力等々がもっと求められていくんじゃないかというふうにも思うんですけど、その辺りいかがでしょうか。

#144
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 ストーカー加害者の中には、先ほど来お話ありますように、被害者に対する執着心、支配意識などから、警告、検挙等されてもストーカー行為を繰り返す者がいるところでございます。
 警察におきましては、平成二十八年度から、警察が加害者への対応方法やカウンセリング、治療の必要性について地域の精神科医等の助言を受けて加害者に受診を勧めるなど、地域の精神科医療機関等との連携を推進しているところでございます。
 こういった取組を引き続き進めていく中で、加害者に対する精神医学的・心理学的アプローチに関しまして、さらに地域の精神科医療機関等、関係機関等との連携を図りながら、カウンセリングや治療の効果について把握して、加害者の付きまとい等の再発防止に資する効果的な方策について情報収集、検討を行ってまいりたいと考えております。

#145
○田村智子君 今の医療機関ということなんですけど、例えばギャンブル依存症でも、医療機関での保険診療というのはまだ本当に限定的なんですよ。それで、治療ではなくてカウンセリングというふうになると、費用は一時間で数千円から一万円など本当に重くなってしまうんですね。
 アエラの二〇一九年三月二十五日号の記事で、横浜市のNPO法人、女性・人権支援センター、ステップが、ストーカーやDV加害者への更生プログラムに取り組み、約八割に変化が見られたというふうに取材に答えておられるんです。これ、毎週一回で全五十二回にわたるプログラムなんですね。加害者への費用負担の支援というのは反感招きやすいところもあるんですけれども、しかし被害者を守るために必要な施策として検討が求められると思います。
 そして、今言ったとおり、警察だけが加害者に働きかけるのでは、なかなかカウンセリングや治療にも向かいにくいと思うんです。そうすると、民間団体、自治体といかに連携するかということも求められていると思います。その点で、国家公安委員長、お願いします。

#146
○国務大臣(小此木八郎君) 平成二十八年度からですけれども、警察が加害者への対応方法やカウンセリング、治療の必要について地域精神科医等の助言を受け加害者に受診を勧めるなど、地域の精神科医、医療機関等との連携をまず進めていることはこれまでも申し上げたとおりであります。
 カウンセリングや治療を行うことで加害者によってはストーカー行為の再発防止に結び付いた例もある一方で、再発した例も見られ、どのような場合にどのようなアプローチを行うことが効果的であるのか、十分な科学的知見が得られているとは言い難く、平成二十六年度に実施した調査研究でも、面談を無料としたとしても受診に必ずしもつながるものではなく、個人の個別具体的な状況に即して、受診の動機付けとなるような様々な形での働きかけが必要であるとされているところであります。
 このような状況から、引き続き受診の働きかけの後の治療状況等の把握を行う必要があると考えられ、受診費用の一部の補助については慎重な検討が必要であると考えていますが、今後とも、ストーカー加害者に対して受診の働きかけを行うなど、地域の精神科医療機関等との連携を図りつつ、そのカウンセリングや治療の効果について把握し、加害者のストーカー行為の再発防止のために効果的な方策について情報収集、検討を行うよう警察を指導してまいります。

#147
○田村智子君 次に、コロナ禍との関係での警察行政についてお聞きをしたいんです。
 DVや児童虐待から逃れるために家を出てしまう、仕事を失って生活に行き詰まる、今こういう若い女性が増えているという指摘もあり、厳しい状況に置かれていると思います。
 コロナの前から、十代、二十代の女性たちに居場所を提供するという人や組織が性的搾取を目的としているということは支援団体から告発されてきました。二〇一六年には、我が党の池内さおり議員が衆議院内閣委員会で正面からこの問題を取り上げましたけれども、性的被害を防ぐ警察行政はコロナ禍でいよいよ重要性増していると思います。繁華街の路上で女性に声を掛けるスカウト行為、そこからAV出演への強要や性風俗店へのあっせん行為にもつながっています。
 警察庁として、コロナ禍でどのような問題意識を持ち、スカウト行為に対する取締りを行っているでしょうか。

#148
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症の拡大により女性の雇用や所得にも影響が及ぶ中、女性の弱みに乗じて敢行される犯罪について危惧されるところでございます。
 御指摘のストーカー行為につきましては、あっ、失礼しました、スカウト行為につきましては、アダルトビデオの出演強要や性風俗店での稼働につながるものであり、警察としましては、迷惑防止条例、職業安定法、軽犯罪法等を適用して取締りを行っているところでございます。
 引き続き厳正な取締りを行ってまいりたいと考えております。

#149
○田村智子君 福岡県警は昨年七月にスカウト行為の一斉取締りも行ったということなんですね。これ、県迷惑条例違反で逮捕がされているんですけど、コロナで仕事を失った女性に仕事を紹介しようと思ったという供述も報道されています。
 私の事務所で新聞報道をざっと調べたところ、昨年四月の緊急事態宣言後、スカウト行為の逮捕事例の中に、都道府県の迷惑条例違反だけでなく、職業安定法違反容疑という事案が幾つか見られました。
 資料の一枚目、昨年七月、埼玉県大宮署でスカウト会社の役員ら六人が職安法違反で逮捕されていますけれども、これはどのような案件か、簡潔にお願いします。

#150
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。
 お尋ねの事件につきましては、被疑者らが、同じスカウトグループに所属する者がスカウトした女性を不特定の男優と性交等をする映像作品に出演するアダルトビデオ女優として雇用させる目的でアダルトビデオプロダクションの代表者に対し同女性をアダルトビデオ女優として紹介して、これを雇用させ、もって公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で職業紹介を行った事件であると承知しております。

#151
○田村智子君 今年二月には、東京都世田谷区でもスカウト会社社長ら八人の男性が職安法違反で逮捕されています。
 職安法第六十三条は、公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で、職業紹介、労働者の募集若しくは労働者の供給を行った者又はこれらに従事した者に対して、一年以上十年以下の懲役又は二十万円以上三百万円以下の罰金に処すると定めています。
 この職安法違反でのスカウト行為の摘発について、直近の集計をお答えください。

#152
○政府参考人(小田部耕治君) 都道府県警察からの報告によれば、令和元年中、アダルトビデオの出演や性風俗店での稼働に係るスカウト行為につきまして、公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で職業紹介を行ったとして職業安定法違反で検挙しているものは六件でございます。

#153
○田村智子君 二〇一九年、六件ということなんですけど、私、もっと本気で取り締まればもっと被害を防ぐことはできるんではないだろうかと思えるんですよ。
 職安法にある公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務というのは個別の判断ということなんですけれども、判例を見てみても、アダルトビデオへの出演、デリヘルへの仕事のあっせんというのは対象になっているんですね。芸能プロダクションだと言って女性をスカウトし、アダルトビデオへの出演を強要するという事例は後を絶ちません。スカウトする側がAVへの出演であるということを知りながら、それを隠してスカウトすることは職安法違反として摘発することができるということなんですよね。これ大変重要だと思うんです。
 スカウト行為は都道府県迷惑防止条例での取締りというのもやられていますけれども、これも大切なんですけれども、これ規制の対象に地域によってばらつきがあるんですよ。職安法違反は全国での取締りが可能なんです。警察庁としても職安法違反での摘発事例を共有し、今後の取締りに生かしていくということが求められていると思いますけれども、いかがでしょうか。

#154
○国務大臣(小此木八郎君) 本人の意に反してアダルトビデオに出演をさせられたり性風俗店で稼働させられたりすることにつながりかねないスカウト行為については、女性の安全で安心な暮らしの基盤を揺るがす重大な問題であるとまず認識しています。
 警察においては、もう委員おっしゃったとおりですが、こうしたスカウト行為に対し、迷惑防止条例による取締りのほか、職業安定法等の法令を適用して取締りを推進しておりますけれども、今後とも、引き続き、各都道府県警察において検挙事例を含め必要な情報を共有しつつ、厳正な取締りが行われるよう警察を私としても指導してまいります。

#155
○田村智子君 これ、本人が同意した契約書もあるんだと言われてしまって、本当に多くの女性たちが泣き寝入りのような状態にも置かれているんですよね。長時間その場に拘束するようなことをして、もう契約書書かざるを得ないような状況に追い込んでいって、契約書があるのにあなた何で断るんだというふうにどんどん追い詰められていくという事例があるんですよ。だけど、スカウトする側があらかじめAVへの出演をさせるという目的を持っていたら、これもう違反事例になるということなんですよね。だまして連れていった、違反事例として摘発ができるということなんですよ。
 ですから、これ是非知らせてほしいと思うんですね、そういうことを。これ、泣き寝入りになっているような女性に対しても、たとえ契約書があったとしても、だまされて連れていかれていたんだとすれば、それはもう職安法違反なんだと。そうすると、組織的に、そのスカウトやっているようなところを組織的に摘発することもできるというふうに思うんですよ。
 見てみましたら、資料の二枚目と三枚目、大阪府警本部のホームページでは、実態を偽って言葉巧みに勧誘し、アダルトビデオに出演させる者もいます、性風俗店やキャバクラ、アダルトビデオへの出演等で働くように勧誘する行為は違法であり、安易に応じたり連絡先を教えないようにしてくださいと、違法なスカウト行為への注意喚起をしています。この中で、職業安定法違反にもなるんだということも書かれているんですね。
 是非、このスカウト行為のこうした逮捕事例、広く知らせていく、で、被害を未然に防ぐ、これ必要だと思います。既に出演強要されてしまった被害者も、告発するという背中を押すということにもなっていくというふうに思います。特に十代や二十代の女性にそういう情報が届くようなやり方ということも検討しながら、お願いしたいと思うんですけど、いかがでしょうか。

#156
○国務大臣(小此木八郎君) おっしゃったように、そのような行為の被害者にも加害者にもならないようにするための広報啓発活動の推進は極めて重要だと思います。
 警察では、例えば繁華街においてスカウト行為に対する警告の放送を流すこと、駅構内にスカウト行為に対する警告の横断幕を設置すること、スカウトには応じない旨を啓発するためのキャンペーン活動や大学での講演を行うこと等の活動を行っております。
 今後とも、工夫を凝らしながらも広報啓発活動に取り組むよう警察を指導してまいります。

#157
○田村智子君 先ほど事例で挙げました福岡県の一斉検挙の中では、実はスカウトする側に十代の男性というのもいたんですよ。逮捕された側に十代の男性というのがいたんですね。
 私、やっぱり、職安法が懲役刑も含めて刑罰の対象にしているということを、これは女性だけでなく男性の側にも私は知らせていくこと必要だと思うんですね。そういう行為をしたらあなたは懲役刑に処される可能性だってあるんだよと、そうやって、若い男性たちもスカウト行為に関わっていかないような、二重の意味での防犯の、何というんですか、効果というのがあると思うんです。
 特に、コロナ禍の生活苦ということもある、そしてまた、新学期が始まって、東京とか繁華街のところに出てきて、そういう被害に遭いやすい状況が今あるだけに、是非急いでそうした周知広報なども行っていただきたい。このことを要求いたしまして、質問を終わります。

#158
○委員長(森屋宏君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 ストーカー行為等の規制等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕

#159
○委員長(森屋宏君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、矢田さんから発言を求められておりますので、これを許します。矢田わか子さん。

#160
○矢田わか子君 私は、ただいま可決されましたストーカー行為等の規制等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会、国民民主党・新緑風会及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    ストーカー行為等の規制等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずるべきである。
 一 位置情報無承諾取得等の規制対象となる事項を政令で定めるに際しては、科学技術の進展に機動的に対応した内容となるよう配慮するとともに、規制対象の具体的な内容が明確なものとなるよう、十分留意すること。
 二 位置情報無承諾取得等に関し、位置情報記録・送信装置の取付け等に関する承諾の撤回に相手方が応じない場合等については、後に重大な被害へとつながるおそれがあるため、ちゅうちょすることなく警察等へ相談するよう周知すること。併せて、警察において相談に対し適切に対応する体制を整え、その旨についても周知すること。
 三 禁止命令等を書類の送達で行うことにより、従来の直接交付の場合に比べて迅速な対応が困難となる事案も生じうることから、犯罪抑止効果が弱まることのないよう、十分留意すること。
 四 多様化するストーカー事案に早急に対応するため、警察がこれまでに対応したストーカー事案の分析及び検証を行い、その結果、現行の規制では対応できない事例が確認された場合には、法制度面も含め速やかに必要な見直しを行うこと。
 五 ストーカー事案の加害者の再犯を防止するため、性犯罪者に対する性犯罪者処遇プログラム等を参考に、警察と関係機関の連携を推進し、加害者の治療及び更生をより一層支援すること。併せて、ストーカー事案が依然として後を絶たない状況に鑑み、被害発生を未然に防止するための知識の普及啓発等についても、学校教育等の活用を含め、関係府省と連携し、対策を講ずること。
 六 監視カメラを悪用したストーカー事案は、位置情報無承諾取得等同様、相手方が認識できないように行われる極めて悪質な事案であり、本法の規制対象とすることを含め、必要な対策を検討すること。
 七 怨恨の感情等に基づくストーカー事案など、本法に抵触しない動機に基づくものであっても、本法で規制されている恋愛感情に基づくストーカー事案同様、被害者に多大な恐怖をもたらすものもあることから、本法の規制対象とすることを含め、必要な対策を検討すること。その際、過度に広範な規制とならないよう、罪刑法定主義を十分に踏まえること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

#161
○委員長(森屋宏君) ただいま矢田さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕

#162
○委員長(森屋宏君) 全会一致と認めます。よって、矢田さん提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、小此木国家公安委員会委員長から発言を求められておりますので、この際、これを許します。小此木国家公安委員会委員長。

#163
○国務大臣(小此木八郎君) ただいま御決議がありました附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。
 ありがとうございました。

#164
○委員長(森屋宏君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#165
○委員長(森屋宏君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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