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2021/04/08 第204回国会 衆議院 第204回国会 衆議院 総務委員会 第13号 令和3年4月8日
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2021/04/08 第204回国会 衆議院

第204回国会 衆議院 総務委員会 第13号 令和3年4月8日

#1
令和三年四月八日(木曜日)
    午前九時一分開議
 出席委員
   委員長 石田 祝稔君
   理事 橘 慶一郎君 理事 寺田  稔君
   理事 冨樫 博之君 理事 松本 文明君
   理事 務台 俊介君 理事 岡島 一正君
   理事 岡本あき子君 理事 國重  徹君
      安藤 高夫君    井林 辰憲君
      石田 真敏君    小倉 將信君
      金子万寿夫君    川崎 二郎君
      木村 哲也君    木村 弥生君
      佐藤 明男君    斎藤 洋明君
      杉田 水脈君    鈴木 淳司君
      田畑 裕明君    谷川 とむ君
      中曽根康隆君    古川  康君
      穂坂  泰君    宮路 拓馬君
      山口 俊一君    奥野総一郎君
      神谷  裕君    櫻井  周君
      田嶋  要君    高木錬太郎君
      松尾 明弘君    松田  功君
      道下 大樹君    山花 郁夫君
      桝屋 敬悟君    本村 伸子君
      足立 康史君    井上 一徳君
    …………………………………
   総務大臣         武田 良太君
   内閣官房副長官      坂井  学君
   総務副大臣        新谷 正義君
   総務大臣政務官      谷川 とむ君
   総務大臣政務官      古川  康君
   総務大臣政務官      宮路 拓馬君
   政府参考人
   (内閣官房内閣参事官)  山本 英貴君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 檜垣 重臣君
   政府参考人
   (総務省自治行政局長)  高原  剛君
   政府参考人
   (総務省情報流通行政局長)            吉田 博史君
   政府参考人
   (総務省総合通信基盤局長)            竹内 芳明君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 堂薗幹一郎君
   政府参考人
   (法務省人権擁護局長)  菊池  浩君
   政府参考人
   (出入国在留管理庁出入国管理部長)        丸山 秀治君
   政府参考人
   (財務省大臣官房審議官) 土谷 晃浩君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           蝦名 喜之君
   政府参考人
   (文部科学省総合教育政策局社会教育振興総括官)  寺門 成真君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官)  浅沼 一成君
   政府参考人
   (観光庁観光地域振興部長)            村田 茂樹君
   総務委員会専門員     阿部 哲也君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月八日
 辞任         補欠選任
  小倉 將信君     中曽根康隆君
  高村 正大君     木村 哲也君
同日
 辞任         補欠選任
  木村 哲也君     高村 正大君
  中曽根康隆君     小倉 將信君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三八号)
     ――――◇―――――

#2
○石田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣参事官山本英貴君、警察庁長官官房審議官檜垣重臣君、総務省自治行政局長高原剛君、情報流通行政局長吉田博史君、総合通信基盤局長竹内芳明君、法務省大臣官房審議官堂薗幹一郎君、法務省人権擁護局長菊池浩君、出入国在留管理庁出入国管理部長丸山秀治君、財務省大臣官房審議官土谷晃浩君、文部科学省大臣官房審議官蝦名喜之君、文部科学省総合教育政策局社会教育振興総括官寺門成真君、厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官浅沼一成君及び観光庁観光地域振興部長村田茂樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○石田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#4
○石田委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。斎藤洋明君。

#5
○斎藤(洋)委員 自由民主党の斎藤洋明です。
 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 政府提出の法案に関連いたしまして、質疑をしたいと思います。古川康総務大臣政務官及び政府参考人から御答弁をお願いしたいと思います。
 通告の順に従いまして質問したいと思います。
 本法改正で対処しようとしておりますインターネット上の誹謗中傷などによります権利侵害は、かつてはインターネット掲示板によるものが多かったと思いますが、今日ではSNSによるものもかなり多くの比率を占めていると思います。
 そこで、この法改正によりまして、特にSNSは海外のログイン型サービスが主流でありますが、そういった海外のログイン型サービスでありますとか、あるいは従来からあるインターネット掲示板などのプラットフォームの提供者への対応はしっかりできているものになっていると評価しておられるか、見解を問いたいと思います。

#6
○古川大臣政務官 お答えします。
 御指摘のように、最近では、ログイン型の海外SNSというものが増えてきております。フェイスブックやツイッターと言われるようなものでございます。
 こうしたものにおいては、システム上、実際に投稿を行った際の通信記録の保存は行われておりませんで、アカウントにログインしたときの記録だけが保存されているというケースが多いというふうに承知をしているところでございます。これは、現行法においては対象となっておりませんで、ここが問題だということでございました。
 そこで、本改正案では、発信者を特定するために必要とされる場合には、開示請求の相手方として、ログイン型サービスのアカウントにログインしたときの通信の媒介等した者を追加する、こうした規定を加えることによりまして、発信者の特定を可能とすることにしております。まさに、御懸念の点について対応が図れていると考えているところでございます。
 また、お尋ねがありましたが、改正案において、SNSにログインしたときなどの記録の開示請求の相手方でございますが、これはまさに、御指摘ございましたように、そのSNSを運営するいわゆるプラットフォーム事業者となるところでございます。

#7
○斎藤(洋)委員 御答弁ありがとうございます。
 特にSNSは、海外の事業者がサービスを提供している点で、従来、被害救済でいろいろな面でハードルが高いと言われてきましたので、しっかり対応できるように取組をお願いしたいと思います。
 SNSですと、いわゆるインフルエンサーの影響を受けた方々、いわゆる信者とかと呼ばれるような、SNSに参加している人たちがエコーのようにどんどんどんどん被害を拡大させる例もあります。そういった被害にしっかり対応していっていただきたいと思います。
 二点目にお伺いしたいと思います。
 今、海外事業者のお話もいただきましたが、特に、海外のプロバイダーに対して、手続を、しっかり法的に効力が発揮できるものとなっているか、それから、効力があったとしても実行できなければ意味がないわけで、その実効性の担保の手段はどのようになっておりますでしょうか。

#8
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 本改正案におきましては、海外事業者であっても、日本国内に主たる営業所等を構えている場合には、本法案により創設される開示命令制度においても、我が国の裁判管轄が及ぶこととしております。
 また、日本国内に営業所等がない場合であっても、その事業者が我が国において取引を継続して行っている場合であって、申立てがその事業者の日本における業務に及ぶものである場合には、我が国の裁判管轄が及ぶこととしております。
 なお、民事訴訟法にも同様の趣旨の規定がございますので、現行法に基づいて開示請求訴訟を提起する場合におきましても、海外事業者に対する裁判管轄が認められているところでございます。

#9
○斎藤(洋)委員 しっかり実効性を担保していっていただきたいと思います。
 三点目にお伺いをしたいと思います。
 この法改正により導入される新たな裁判手続は、非訟手続によるものとされております。この非訟手続によることとした理由を改めてお伺いしたいと思います。

#10
○古川大臣政務官 今回、この新たな手続を非訟手続によるものとしたことについてでございますが、どのような手続であるべきかについて、総務省内に発信者情報の開示の在り方に関する研究会を設けまして、ここで有識者の先生方に御議論をいただきました。そうしたことを踏まえたものにしているところでございます。
 その考え方といたしましては、訴訟手続は、関係者の手続保障が手厚く図られる、こういうメリットがあるわけですが、一方で、裁判官の面前での口頭による審問の機会の付与が必要となるなど、一般的に当事者の時間や費用面の負担が大きくなってしまう、こうしたことにどうしてもなってしまうという議論がございました。
 であるとするならば、今回行っていかなければならないものがより迅速性を求められる、そういったことを考えたときには、訴訟手続によらず非訟手続によることによって迅速な被害者救済に資するものにつなげていきたいという考え方の下に、このようなことになったものでございます。
 今回、この改正案におきましては、非訟手続を採用することによりまして、書面での審理を可能とするなど、こうした事案に係る裁判の審理を簡易迅速に行うことができるようになっております。

#11
○斎藤(洋)委員 ありがとうございます。
 迅速な被害者救済という趣旨が全うできるように、改正後、この施行をした場合に、しっかりその後のフォローアップもお願いしたいと思います。
 従来は、訴訟手続の中で、しかも、事実上二段階の裁判を経なければいけないという、非常にハードルが高かったわけで、その点は大きな前進だと思いますので、あとはフォローアップをしっかりお願いして、依然として、当然一定の時間と手続のコストはかかるわけでありますし、実際やってみたらまだまだ何か課題が出てくるかもしれませんので、それは成立した場合の課題として是非受け止めていただきたいと思います。
 続きまして、四点目に、非訟手続が導入されるわけですが、この本法改正により導入される非訟手続の裁判の管轄はどのようになっているか、お尋ねしたいと思います。

#12
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 新たな発信者情報開示制度における裁判管轄は、民事訴訟法における規律を参考としており、プロバイダーの主たる営業所等の所在地を管轄する地方裁判所となります。これは、相当な準備をして訴える原告と不意に訴えられる被告の立場の調整の観点から、原告は被告の法廷に従うとするのが民事訴訟法の原則であることによっております。
 また、開示命令事件は専門性が高いということから、相手方の所在地が東日本の場合には東京地方裁判所、西日本の場合には大阪地方裁判所にも裁判管轄を認める等の規定を設けております。
 改正法における新たな規律として、発信者情報開示について一体的手続を可能とするために、被害者がSNS事業者等に開示命令及び提供命令の申立てをした上で、通信事業者等に開示命令の申立てをした場合には、同一裁判所の管轄に専属するものと規定をしております。
 これらの規定を踏まえまして、被害者の選択により、裁判管轄が定まることとなります。

#13
○斎藤(洋)委員 ありがとうございます。
 この非訟手続の管轄につきましては、様々議論があったかと思います。
 インターネット上の誹謗中傷が起こりやすい理由として考えてみますと、一つは、一見して匿名性が高いように見える、実際には匿名でも何でもないんですが、一見して匿名性が高いように見えること。それから、テキストを打ち込んでアップするだけという意味では、ほかの手段による伝統的な誹謗中傷のやり方に比べて簡単であること。それから三番目に、これが一番大きい原因の一つじゃないかと思いますのが、地理的な距離がハンデにならないということがあると思います。東京で炎上している事案にどの地方からでも書き込める、あるいは、逆もまたしかりであります。
 これに対して、従来、被害者が訴訟手続によって被害回復を図ろうとしても、管轄によって地理的なハードルがあるという課題はあったと思います。これは、訴訟手続の民事の一般原則に従っていますので、依然として残るわけですが。
 そこで、非訟手続の管轄についてお尋ねしたわけですが、非訟手続としていただいたことによって手続がある程度リモートでできるという意味では、一定の評価ができる、一定の前進であると思います。ただ一方で、今申し上げたような、誹謗中傷する側は簡単なんだけれども、訴えた側の被害救済にはなかなかコストがかかるという課題は依然として残ると思います。
 ただ、これは恐らくほかの質問者からもあるかと思いますが、そもそも、原則、インターネット上の言論は自由であるべきですので、そこは緊張関係があると思いますが、被害者救済という観点からは、この管轄の問題につきましても、引き続き、是非、役所としても関心を持って検討していただきたいと思います。
 では、最後、五点目の質問を申し上げたいと思いますが、電気通信に関する技術の進展は非常に急速でありまして、権利侵害の様態も刻一刻と変わっていると思います。私、冒頭で申し上げましたが、かつてはインターネットの誹謗中傷といえば掲示板によるものが専らでありましたが、今、SNSによるもの、それから若年化しているというようなことが見られると思っています。
 その意味では、総務省には、この法改正に限らず、不断の努力をお願いしたいと思いますが、現状認識と今後の取組についてお尋ねしたいと思います。

#14
○古川大臣政務官 お答えします。
 斎藤委員から御指摘ございましたように、まさに、インターネット技術そのものというのは、もう日々秒速で進歩をしているところでございまして、今回の改正案をもって終わりとするのではなく、不断に、それを常に、どういう状況になっているのかについて見直しをすることが総務省として求められていると思っております。これからも引き続き、そうした取組をしっかり続けてまいります。
 また、あわせまして、こうした取組をしている、今回の本改正案の施行によってこれまでよりは様々な形で誹謗中傷に対する対応がしやすくなるということを、それを必要とする方にしっかりお届けをするということをしていただかなければならないと思っています。
 関係者の方とこれまでにも何回か様々な意見交換をさせていただきましたが、被害を受けた方々とお話をしていても、こうした総務省の取組がまだまだ知られていないというところがあります。しっかりとこうしたことについても情報を必要とする方にお届けをしていく、この強い気持ちを持って届けていかなければならないと考えております。
 以上であります。

#15
○斎藤(洋)委員 ありがとうございます。
 政務官、御答弁ありましたとおり、特に被害者の方々から実際にお話を伺うというのは非常に重要だと思っておりまして、是非、今後ともそういう配慮をお願いしたいと思います。
 インターネットは社会公共のインフラでありますから、インフラは本質的に全ての人に無差別に開放されていなければいけないので、そういった大原則とこの誹謗中傷への対処というのは本質的にジレンマを含んでいますので、非常に難しい課題であるとは思うんですが、是非、総務省の専門性をもって継続的に取り組んでいっていただきたいと思っています。
 特に、この電気通信技術ということに関しましては、地理的なハンデですとか、あるいは情報の即時性という意味で従来大きなハンデがあった地方に大きなチャンスをもたらすものでもあると思っています。地方自治のスペシャリストである古川政務官には、是非、地方のためにこの電気通信技術を生かすような政策を引き続き頑張って取り組んでいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
 以上で私の質問を終わります。

#16
○石田委員長 次に、國重徹君。

#17
○國重委員 おはようございます。公明党の國重徹です。
 インターネット上の誹謗中傷や人権侵害、これによって傷ついている人は少なくありません。精神的に追い込まれて、自ら命を絶つ人もいます。被害者の迅速な救済とともに、被害を未然に防止するための実効性ある対策が必要であります。
 昨年五月、我が党は、インターネット上の誹謗中傷・人権侵害等の対策検討プロジェクトチームを立ち上げまして、私がその座長の任を受けました。
 プロジェクトチームでは、現行の法制度や相談体制の実態把握、また、諸外国の対応などに関する調査を行ったほか、プロバイダー事業者や関係団体、ネット上の誹謗中傷案件を数多く担当してきた弁護士、さらに、情報法に精通した憲法学者、こういった方々と意見交換を行い、多角的な検討を重ねてまいりました。そして、これらを踏まえた提言を、昨年六月下旬、当時の総務大臣、法務大臣に申入れをいたしました。
 今日の私の質疑は十五分ということでありますので、細かな質疑はできませんけれども、私どもが申し入れた提言には、二十項目以上にわたる具体策を掲げております。是非、この提言、そして、昨年九月に総務省が打ち出したインターネット上の誹謗中傷への対応に関する政策パッケージ、この着実な実行をまずは強くお願い申し上げたいと思います。
 その上で、本改正案についての質疑に入ります。
 匿名であっても誰かの人権を傷つける投稿をした場合には、その発信者を特定をして、民事上の損害賠償請求や刑事上の責任を問う、このことはこれまでも行われてきました。そして、その際に匿名の発信者を特定するための根拠となってきたのが、約二十年前に成立をしたプロバイダー責任制限法であります。
 しかし、現行法では、発信者を特定するために、一般的に、少なくとも二回の裁判手続が必要となります。時間もコストも労力もかかる、負担が非常に大きい、これが実態であります。そのために泣き寝入りをせざるを得ない被害者も少なくありません。
 そこで、迅速な被害者救済の観点から、本改正案では、一回の裁判手続で発信者を特定できる新たな裁判手続を創設しておりまして、高く評価をいたします。
 他方で、発信者の表現の自由や通信の秘密も重要であります。匿名表現であっても、それが正当な表現である場合には、その匿名性が暴かれるようなことがあってはなりません。
 そこで、本改正案について、発信者の利益を保護するための適正な手続はどのように確保されているのか、お伺いいたします。

#18
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のように、発信者の表現の自由やプライバシーの利益等を確保していくことは大変重要と認識しております。このような発信者の利益を保護するための仕組みにつきましては、本改正法におきましても維持されております。
 まず、発信者情報開示請求権の要件として、権利の侵害があったことが明らかなとき及び損害賠償請求権の行使の必要その他開示を受けるべき正当な理由がある場合という現行法における要件を維持しておりますので、発信者の権利を不当に侵害する開示がされることはございません。
 また、開示請求を受けたプロバイダー等は、原則として、発信者に当該開示請求に関する意見を聞かなければならないこと、発信者が開示に同意しないときはその理由を述べるよう求めること、発信者情報の開示を受けた者及び提供命令により発信者情報の提供を受けたプロバイダー等は、当該発信者情報をみだりに用いてはならないこと等としており、発信者の利益保護に十分な配慮がなされております。
 加えて、プロバイダーによる意見照会に対して開示請求に応じるべきでない旨の意見を述べた発信者に対しては、新たな裁判手続に基づく裁判所の開示命令があった際に、プロバイダーからその旨を通知することとされておりまして、発信者の利益を保護するために、今まで以上の配慮がなされているところでございます。

#19
○國重委員 発信者の利益を保護するために、今まで以上の配慮がなされているということでありました。
 次に、削除等の取組に関してお伺いいたします。
 一つ一つの書き込みそれ自体は権利侵害に当たらない誹謗中傷であったとしても、それらが多くの人によって集中的になされたような場合、被害者が受ける精神的苦痛というのは一つの権利侵害に当たる書き込みよりも大きいことは十分あり得ます。権利侵害の投稿だけではなく、それに至らない、規約違反となる誹謗中傷の書き込みがあった場合にも、被害者保護の観点から、その内容に応じて、削除や非表示、アカウントの停止などが適切かつ迅速に行われることが重要であります。
 しかし、私も実務に携わっている多くの弁護士に話を聞きましたけれども、現実には、被害者から通報を受けても、高度に秘匿性の高いプライバシー侵害の書き込みを始め、極めて問題のある投稿を漫然と放置しているプロバイダーが一部見受けられます。被害者の受けるダメージは余りにも深刻です。
 利用者の投稿に連動した広告収入などの収益を得ている以上、プロバイダーは、これに応じた社会的責任として、削除等の自主的な対応手続を明確化する、そして、これに基づいた適切で迅速な対応を取るべきであります。
 そこで、これに関する事業者の取組の現状はどうなっているのか、また、この実効性を高めるために運用の透明性を確保することも重要と考えますけれども、どのように透明性を確保していくのか、武田総務大臣にお伺いいたします。

#20
○武田国務大臣 総務省では、昨年九月に策定した政策パッケージに基づきまして、本年二月に開催された有識者会議において、プラットフォーム事業者から、まずは、誹謗中傷などに関する削除件数、また透明性レポートの公開状況、日本における削除要請に対応する体制などについてヒアリングを行いました。
 ヒアリングの結果、削除要請への対応体制など日本における対応状況について、国内事業者は公開する一方、一部の海外事業者は一部非公開とするなど、対応に一定程度の差が見られました。
 今後は、有識者会議において、プラットフォーム事業者による取組が適切に行われているか、また、効果が十分に上がっているか、透明性の確保が十分に図られているかといった点を御議論いただき、夏頃までに、事業者による取組の効果検証を行っていただく予定となっております。
 総務省としては、引き続き、政策パッケージに基づき、プラットフォーム事業者による削除などの対応及び透明性向上の促進に努めてまいります。

#21
○國重委員 まずは事業者の自主的な取組に期待をしたいと思います。その上で、仮にその取組が不十分であれば、これは不本意ではありますけれども、削除等の対応手続、その運用の透明性の確保、これらに関する法制化も私は検討せざるを得ないと思っておりますので、そのようなことにならないように、事業者の皆さんには是非適切な自主的な取組を進めていっていただきたいと思います。
 次の質問に入ります。
 法務省の人権擁護機関は、被害者からの申告を端緒として、権利侵害に当たるネット上の投稿の削除要請をプロバイダー等に行っております。この削除要請は、本省の確認を得た上でなされたものでありまして、高い専門性と慎重な判断に基づくものであります。にもかかわらず、削除対応率は六割台にとどまっていると聞いております。
 この削除要請の実効性を高める取組が重要と考えますが、削除要請の現状と課題、これに対する取組をお伺いいたします。

#22
○菊池政府参考人 お答えいたします。
 インターネット上の人権侵害情報に関する人権侵犯事件の処理について、平成三十年一月から令和二年十月までの約二年十か月間に処理をした五千二百二十三件について確認をしたところ、五千二百二十三件のうち削除要請を実施したものは千二百三件であります。そして、削除要請をした千二百三件のうち一部なりとも削除されていることが確認できたものは八百十九件であり、率にいたしますと約六八%となっております。
 法務省の人権擁護機関では、事案を精査した上で削除要請に及んでいるところであり、削除が確認される割合を少しでも上げていくことが課題であると認識しております。
 そこで、総務省とともに、プロバイダー事業者等との意見交換の場である実務者検討会を継続的に開催したり、総務省が開催するプラットフォームサービスに関する研究会に出席させていただくなどしております。また、こうして複数の事業者等が参加する場のほか、個々の事業者等と個別に協議、意見交換を行うなどもしておるところでございます。
 委員御指摘のとおり、法務省の人権擁護機関による削除要請は違法性を慎重に判断して行っているところであり、事業者等との意見交換等の場を通じて、しかるべき判断を経て削除要請がなされていることをプロバイダーに示し、理解を得ることなどを通じて実効性の確保に努めてまいりたいと考えております。

#23
○國重委員 是非よろしくお願いします。
 削除要請への対応率、事業者ごとにかなりのばらつきがありますけれども、法務省の人権擁護機関による削除要請は、先ほど局長の方からもございました、高度の専門的見地から、しかも慎重に、また謙抑的に行っているものですから、それを踏まえて、事業者の皆さんには真摯に向き合っていただきたいと思います。
 また、ネット上の誹謗中傷に関する被害者の相談というのは増加傾向にありますが、その相談にしっかりと対応できる人権擁護機関の体制強化、人員の確保も是非よろしくお願いしたいと思います。
 最後に、適切な任意開示の促進に関してお伺いいたします。
 発信者情報の開示に関しまして、例えば、公共性に関わらない一般個人に対する誹謗中傷、また、通常は明らかにされることのない私人のプライバシー侵害、住所とか電話番号とか、こういったプライバシー侵害、こういった権利侵害が明白な場合には、裁判外での適切な任意開示が進むような環境整備を行うべきであります。
 この点、今月五日に、一般社団法人セーファーインターネット協会は、権利侵害明白性ガイドラインを公表し、権利侵害明白性ガイドライン相談窓口を設置しております。任意開示に向けた大きな前進と評価をいたします。
 一方で、プロバイダー責任制限法の逐条解説には、裁判所の判断に基づく場合以外に開示を行うケースは例外的との記述があることから、実務上、発信者の同意がない限り、リスク回避の観点から、プロバイダーが裁判外で任意に発信者情報を開示することは極めてまれであります。また、権利侵害の明白性が責任阻却事由の不存在の立証まで含むのかが逐条解説で明らかではないため、違法性阻却事由の不存在を前提にすることを明記することも必要と考えます。
 適切な任意開示の促進に向けて、総務省として、プロバイダー責任制限法の逐条解説の書きぶりの見直しを含め、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。

#24
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 総務省では、昨年九月に策定いたしました政策パッケージにおきまして、裁判外開示の促進について取り組んでいくこととしております。
 具体的には、事業者による開示要件の判断に資するよう、プロバイダーに助言を行う民間相談機関の充実、裁判手続において開示要件に該当すると判断された判例等をガイドラインに集積することなどの民間事業者による取組を総務省として支援していくこととしております。
 また、委員から御紹介のありましたように、セーファーインターネット協会におきまして、今月五日に権利侵害明白性ガイドラインが策定、公表され、また、相談を受け付けるための相談窓口が設置されたと承知をいたしております。総務省としては、こうした取組についてもしっかり支援をしてまいりたいと考えております。
 また、今回の法改正の内容も踏まえまして、逐条解説の見直しが必要と考えておりますので、裁判外開示の扱い、権利侵害の明白性の具体化につきましても、御指摘も踏まえながら、適切に対応してまいります。

#25
○國重委員 正当な表現は守りながら、誹謗中傷や人権侵害となるようなネット上の表現は適切に抑止をしていく、そのための総合的な取組を是非着実に進めていっていただきたい、このことをお願い申し上げまして、私の質疑を終わります。
 ありがとうございました。

#26
○石田委員長 次に、松尾明弘君。

#27
○松尾委員 立憲民主党の松尾明弘です。
 私からも、今審議されておりますプロバイダー責任制限法について質問をさせていただきます。
 これまでの議論の中でも触れられていたとおり、このプロバイダー責任制限法に関連する発信者情報の開示は、発信者の表現の自由をどのように守っていくのかという問題と、その書き込まれた情報によって権利が侵害されている被害者の救済をどのように図っていくのかという、非常に難しいバランスを取らなければいけない問題であると私も認識をしております。
 この法案に関する、非常に核心的な、大所高所に立った話は今されましたので、少し私の方から細かい話も伺いたいなというふうに思っております。
 発信者情報の開示手続を行う、これを実際に行っている実務家の方々から話を聞いていても、一番大切になるのがやはり時間だと。発信者情報の開示命令、これに対しては、手続を取っても一定の時間、これまではかかってしまっていて、仮に裁判所の方から開示命令が出たとしても、相手方の通信事業者が通信履歴、いわゆるログですね、これを保存していなければ絵に描いた餅になってしまうので、とにかく時間が非常に重要なんだというふうなことを皆さん異口同音におっしゃっています。
 発信者情報開示請求制度の実効性を上げるという観点、この時間軸を考えると、今回の法改正のように、手続を簡便化して迅速に進むというのはもちろん一つの方向でもあります。それと同じく、通信履歴、ログの保存期間について少し現在よりも延ばす、そうすることによって被害者救済につなげていくというのも一つの考え方としてはあり得るのではないかなというふうに思っております。
 その中で、通信事業者が通信履歴をどのように記録をしていくべきかというところについては、総務省の告示である電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン、この第二十三条の方に規定がされているというふうに認識をしております。
 まず、総務省の方に、今私が申し上げたこの個人情報保護に関するガイドライン、これが、発信者情報開示、この法制の全体の中でどのような位置づけがされていて、意義を持っているのかという点についてお伺いします。

#28
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 通信記録は、インターネットユーザーの個人情報であるとともに、通信の秘密に属する情報でもあるため、厳格な取扱いが求められるものでございます。
 そこで、プロバイダーによる個人情報の取扱いに係る指針であります電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン及びその解説におきまして、課金、料金請求、苦情対応など業務の遂行上必要な場合には通信履歴の記録ができる旨を定め、接続認証ログについては、一般に六か月程度の保存は認められるとする一方、記録目的に必要な範囲を超えてはならず、その記録目的を達成したときは速やかに当該ログを消去しなければならない旨を定めております。
 このように、被害者救済のためにプロバイダーが業務上の必要を超えてログ保存することについては、ログが通信の秘密及びプライバシーに関わる情報であることとのバランスをいかに確保するかという点で課題があるものと考えております。

#29
○松尾委員 今最後におっしゃったとおり、いかにこのバランスを確保するのかという問題は非常に重要な観点だと私も思っていまして、そのバランスを取るという意味合いで、今、標準的には六か月程度は保有は認められても、それ以上については認めるべきではないというような書きぶりがされているというふうに理解をしています。
 しかし、やはり社会は変わってきている、いろいろな技術も変わってきている中で、その六か月というのも、客観的な合理性があるわけではなくて、多分、様々な社会情勢、バランスを取って決めている期間ではないかなと思っています。一度決めたら不変というものではなくて、様々な状況の変化に応じて変わっていくべきものであるというふうに思っています。
 先ほど私が申し上げたとおり、やはり、ログの記録期間、保存期間というものが非常に重要な意味合いを持っている、これを考えると、今ここは、改めて検討するべきポイントではないかなというふうに思っています。
 通信事業者がログを保存するというのも、一から十まで全部保存していくとやはり大変だというのはあるとは思います。ただ、様々な保存をするための機器であったり記憶媒体というものの価格は非常に下がっていますので、記録をすること自体のコストというのは多分低下をしている。
 今回の法改正でもあるように、情報によって権利を侵害された人に対する救済というものの社会的なニーズというものは上がっているということを考えると、このログの保存期間についても、今の六か月から延ばしていくということも検討する値はあるのではないかと考えているのですが、その辺り、いかがでしょうか。

#30
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 先ほど申しましたように、やはりこれは、バランスを取った上で、どこが最適解かということを考えていくことが重要と考えております。
 また、ログを長期保存するということは、一方で、例えばサイバーセキュリティー上の問題であったり、新たなリスクをもたらす、コストのみならず、リスクについても出てくるという面についても配慮が必要と考えております。
 また、委員御指摘のように、被害者救済につなげていくという観点では、今回御提案させていただいております法律改正案におきまして、こういったログがなくなることがない、そういった手続を提案させていただいているところでございます。

#31
○松尾委員 ありがとうございます。
 そうしたら、被害者救済という観点、これを少し突き詰めていくと、今六か月程度というふうに規定がされている中で、もっと短期でしかログを保存をしていない、三か月とか一か月とか、若しくはリアルタイムでどんどんどんどん消していってしまうというような運用をしているような事業者に対しては、逆に、一定期間ログは保存をしておくべきではないかというような方向でのガイドラインの改定というものも考え得ると思うんですが、その辺り、いかがですか。

#32
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 ここは、ログ保存は何のために行うのかということに立ち返って考えてみる必要があるかと思っております。
 現在、ログ保存につきましては、基本的には、先ほども申しましたように、課金、料金請求、苦情対応など業務遂行上必要な範囲でこれを認める、むしろ、通信の秘密を保護する観点からは、こういった業務上の必要を超えて長期にわたって保存することはかえって認められない、業務上の必要が、目的を達成した場合には消去しなければならないというのが現在の考え方でございます。
 したがいまして、今後とも、そういった、事業者が業務上の目的を達成する上で必要な保存期間というのはいかほどの期間が適切なのか、こういった観点で、サービスの変化、あるいは技術の変化、こういったものを踏まえながら、随時検討を加えていくべきものというふうに考えております。

#33
○松尾委員 先ほども申し上げたとおり、やはり、表現の自由であったりとか通信の秘密、そして被害者の救済という非常に難しいところでバランスを取るということが求められている、そういった事案だというふうに思っておりますので、一回決めたらそれで硬直化するのではなくて、是非、様々な情勢の変化、これを踏まえながら、随時検討をしていっていただきたいというふうに思います。
 少し話が変わりまして、電話番号の開示、これについてお話を伺いたいと思います。
 昨年、令和二年八月三十一日付で総務省令が改正されまして、法の第四条第一項に規定をする侵害情報の発信者の特定に資する情報というものについて、発信者の電話番号というものが追加をされました。
 同省令の改正から現在まで約八か月余りが経過をしているのですけれども、この省令改正後に電話番号の開示というものがどのような状況にあるのかというのを、任意での開示であったり法的手続による開示、それぞれについて教えてください。

#34
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 今お尋ねがございましたように、昨年八月に総務省の省令を改正をいたしまして、発信者情報開示の情報の内容として、電話番号を追加いたしました。
 その後、三月までの時点で、国内の大手プロバイダーからの聞き取りによりますと、電話番号を含む開示請求につきましては三百件以上あるというふうに承知をしているところでございます。

#35
○松尾委員 今の数字は、プロバイダーに対して請求されたのが三百件ということですかね。それで、請求を受けて実際に開示をした件数、さらに、任意で開示をした、法的手続で開示をしたという、それぞれの数字を教えてもらえますか。

#36
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 まだ手続が進んでいるものが、期間的なことを考えましても多いということで、現時点で、訴訟係属中のものが非常に多いということでありますが、既に開示済みのものについては、承知している範囲では十件程度というふうに承知しております。

#37
○松尾委員 ちょっとその数字だと、いまいち状況を把握しにくいところではあるんですけれども、じゃ、その訴訟係属中のものというのはどのぐらいあるんですか、三百件の中で。

#38
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 係属中の案件については、ちょっと今、数を精査中でございまして、正確な数を今申し上げることは困難でございます。

#39
○松尾委員 念のために確認なんですけれども、八月の末に改正されて、三月末までの七か月間で三百件請求がされて、これまでに任意であれ法的であれ開示をしたものが十件程度、それ以外に係属中のものがあるけれども件数が分からなくて、開示をしないという判断をしたものについても件数が分からないということですよね。はい、分かりました。
 逆に、電話番号の開示を請求をされたけれども、プロバイダーの方でその情報をそもそも保有をしていなかった、そういった件数というのは分かりますか。

#40
○竹内政府参考人 済みません、そこは通告もございませんでしたので、ちょっと今手元に数字を持ち合わせてございません。

#41
○松尾委員 そうですね、ごめんなさい、私も通告していなかったので、もちろん大丈夫なんですけれども、ただ、一般論としては、昨年の八月に省令改正されて、制度が変わって運用されているわけなので、その改正がどれだけの効果を有しているのか、どれだけ実効性があって、うまくいっていないんだったら、どういうふうに改善していくのかというのを当然見直していかなければいけないわけですから、これからも、その実態の把握をきちんと行っていただいて、必要な対応をしていっていただきたいなというふうに思っております。
 そうしたら、この発信者情報開示命令によって電話番号が開示されました、今のところ十件程度だというふうにおっしゃっていましたけれども、申立人が、電話番号が開示された後というのは、通常、弁護士法の第二十三条の二によって規定されているいわゆる弁護士会照会と言われている手続を通じて、電話会社に対して当該電話番号に係る契約者情報、これを照会をして取得をする、それで発信者を特定するという手続を行うことが想定されているかなというふうに理解をしております。
 先ほど紹介いたしました通信事業者に対する個人情報保護のガイドラインにおいても、その解説においても、電話番号の契約者情報、この番号を契約しているのがどこの誰で、住所、氏名とかですね、これらについての開示は、電話番号に対応する加入者が誰かといった情報の照会であれば、通信の秘密には関係がない、それを侵害するものではないので、法律上の照会権限を有する者からのものであれば応じることもできるというふうに規定をしているところです。
 しかし、これも実務をやっている方の話を聞くと、一部の電話会社においては、弁護士会からの照会に応じることがなく、契約者情報を開示をしないという運用をしているところもあるというふうに聞いています。
 侵害情報によって権利を侵害された被害者救済のためには、この契約情報を開示をしないという取扱い、運用をしているということは余り望ましくない、不適切であるかなというふうに考えているのですけれども、個別の会社がどうとかという話はできないと思うんですけれども、一般論として、この通信事業全般を所管をしている総務省といたしまして、この発信者情報開示制度の趣旨に鑑みて、今のような運用、取扱いをしていることについていかがお考えか、見解を教えてください。

#42
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 昨年十一月に、電気通信事業における個人情報保護に関するガイドラインの解説を改正いたしまして、コンテンツプロバイダーから発信者情報の開示を受けた後に、弁護士会照会により、電話番号に対応する加入者の住所、氏名の提出を求める場合には、照会を受けた通信事業者がこれに応じてもよいというふうに明記をいたしました。
 通信事業者は、このガイドラインに従いまして、弁護士会照会に適切に対応することを総務省としては期待をしております。
 委員御指摘のような点については、私どもとしても、実態を把握した上で、そういった状況があるのかどうか、しっかり実情を把握して対応してまいりたいと考えております。

#43
○松尾委員 ありがとうございます。
 今の御答弁ですと、実態の方を把握された上で必要に応じた対応をされるということだというふうに理解をしたのですが、逆に、今まではそういった実情、そのガイドライン改定後にどのような運用がされているのかというのは、今のところはまだ把握をされていないということでよろしいんでしょうか。

#44
○竹内政府参考人 昨年八月に省令改正をいたしまして、その後、有識者会合等におきまして、今回の法改正の方に、どちらかといいますと重点的に対応してまいりました。
 ちょうど、省令改正して半年近くが経過しておりますので、この年度末を過ぎた時点で、状況等については関係者から聞き取りをしていこう、こういうタイミングでございます。

#45
○松尾委員 ありがとうございます。
 年度末を越えてからまだ日もたっていないので、先ほどと同じように、やはり制度を変えた後には、それがどのような効果が出ているのかというのはきちんと把握していただきたいと思いますので、実態の把握に努めるよう、改めてお願いを申し上げたいと思います。
 ちょっとまた話が変わりまして、国際協調、国際的な取組についてお伺いをしたいと思います。
 私の前の委員からの質問、議論の中にもありましたけれども、やはりインターネット上でのやり取り、書き込みというのは、場所、地理、これに関係なく情報のやり取りが行われるという非常に強い特徴を持っていまして、特に、日本国内でもなく海外からの書き込み、これによって権利侵害をされるということは当然考えられる状況でございます。
 今、このインターネット上での権利侵害に対する対応というものも、当然、法的にはともかくとして、実態としては国内の中で全て完結するわけではもちろんなくて、国際的に、国境を越えて対応するということは、事実上非常に重要であるというふうに考えております。
 そこでまず質問なのですけれども、その発信者情報開示請求の対象とされているインターネット上での権利侵害情報の書き込みが、海外のプロバイダーが管理しているサーバー等を経由して行われるとか、海外の在住者から、海外にいる人から権利侵害がなされたというような、越境している、海外の人が関わって日本国内の人の権利が侵害されたというようなケースが何件ぐらいあるのか、全体でどのくらいの割合を占めているのか、そういった統計的な情報、あるようでしたら教えてください。

#46
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 この点についても、通告いただいておりませんでしたので、実態の数字については今手元には持っておらないところでございます。
 いずれにしても、ネットは国境を越えて海外とつながっておりますので、事業者同士の協力あるいは政府同士の協力、そういったものを通じて様々な形での解決を働きかけていくことは大変重要と考えております。

#47
○松尾委員 是非、実態の方も把握をしていただきたいなというふうに思います。
 それで、その権利侵害、今局長もおっしゃったとおり、やはり国境を越えて情報のやり取りは行われていまして、権利侵害も海外を経由して行われること自体は、多分総務省、局長の方も御認識されているんじゃないかなというふうに思っているのですが、そのような国境を越えた権利侵害が容易に起こり得るという特性を踏まえると、この対応についてもやはり国際的に協調、共同して行っていくということが、実効性を高めていくためにはやはりこれからますます非常に重要になってくるのではないのかなというふうに考えています。
 そこでお伺いしたいのですけれども、このインターネット上での権利侵害、これにどのように対応していくのかということについて、諸外国との間で、政府間、政府の担当部署、所管の官庁等の間で、情報交換を行ったりですとか、認識のすり合わせ、大きな方向性のすり合わせ、そういったことというのは行われているのでしょうか。

#48
○新谷副大臣 委員御指摘の違法・有害情報、これに対しての考え方は、各国それぞれ異なっているというところがあるところでございます。
 総務省におきましては、これまでも、二国間あるいは多国間での対話の場などを活用して、発信者情報開示請求制度を含むインターネット上の違法・有害情報対策について、各国間での取組の共有などを実際図ってきたところでございます。
 経済活動のグローバル化の進展に伴いまして、海外を拠点とした事案というのは今後も増加してくると思われておりますし、委員御指摘のとおり、各国との協力関係、これは非常に重要でございまして、その構築に努めてまいりたい、そのように思っております。
 例えば、本年三月には、これは権利侵害というか、海賊サイトということになるんですけれども、海賊版サイト対策の一環として、ベトナムの情報通信省に対しまして、発信者情報開示制度に関連する情報提供を総務省から行ったところでもございます。
 総務省としましては、今後とも、機会を捉えてこういった取組を順次行っていくことによりまして、この制度に対する各国の理解や協力関係、これをしっかりと深めていきたい、そのように思っておるところでございます。

#49
○松尾委員 そのような協力関係を是非深めていっていただきたいと思います。
 そんな中で、協力関係を深めていく、認識を深めていく、情報交換を深めていく中で、この権利侵害に対する対応、協調して対応していくであったりとか、その権利侵害を規制をするために、統一的なルールで国際的に円滑に行えるようにやっていくべきではないかみたいな、そのようなやり取りであったりとか議論というものは行われているんでしょうか。

#50
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 先ほど副大臣からも御答弁申し上げましたとおり、ベトナムとはそういったやり取りをしておりますし、そういった中で、現状では、やはり制度が全く同じということではございませんので、日本のそういった制度も参考としながら、先方においても、こういった問題についてどのように対応していくのか今後検討していく上で、いろいろまた意見交換もしながら検討していこうというやり取りがあったというふうに承知をしております。
 それ以外に、他国の政府、あるいは国際会合の場においても、こういう重要な問題については様々な形で意見交換をしているところでございます。

#51
○松尾委員 そうですね、私も昨日、様々なところと議論をしている中で、例えばドイツなんかは非常に厳しいと言われていますけれども、それは、過去のナチスに関する表現とかに対しては非常に厳しいみたいな、特殊なというか固有の事情があったりするとか、韓国については、一々全て顕名で、名前をオープンにして書き込みをしなければいけないみたいな制度であったりとか、大きく各国の制度というものが異なっているというのは当然理解していますし、じゃ、今日明日に統一しようという話にもならないだろうというふうなのは当然分かってはいるところです。
 ただ、この先、どんどんどんどんグローバル化が進んでいって、情報の国際的なやり取りもどんどん進んでいく、GDPRとかもできていく中で、やはり、一定の方向性の共有、認識の共有というものは進めていった方が、国際的にも様々な意味でメリットがあるのかなというふうに思っていますし、もし、そういった方向に大きく向かっていくのであれば、是非日本が、そういった分野で、人権を守っていくんだという方向で主導権、イニシアチブを取っていただきたいというふうに思っておりますので、是非これからも積極的な対話を積み重ねていっていただければというふうに思っております。
 また話ががらっと変わりまして、今回新たに創設されました非訟事件手続法についてお伺いをしたいと思います。
 今回の法改正で、発信者情報の開示請求のために新しい裁判手続が創設されました。先ほど来議論に出ておりますとおり、従来は、発信者の特定のために、原則として二回、仮処分と本案ということで裁判手続を経なければいけなかったものが、非訟手続によって、一度に手続が完了するというふうになるとされております。
 実際に、早くなりますよ、早くなりますよということは言われてはいるんですけれども、具体的にどのくらいのスピード感を持って、スケジュール感を持って進むことを想定されているのか。
 もちろん、ケース・バイ・ケースで、事案によって異なるとは思うんですけれども、標準的な、今、総務省の方で想定をされているスケジュール感、例えば、申立てをしてから提供命令であったり消去禁止命令が出るまでにはどのくらいのやり取りがされて、どのくらいの期間を想定しているのか、そこから開示命令が出るまでの間には、どのくらいの期間、何回ぐらいこの主張のやり取りが行われて、期日間はどのくらいの期間を空けるというのを想定しているのかというようなのを、決まっていたら教えていただきたいんですね。
 仮処分であれば一週間とか十日で期日はどんどん入りますけれども、訴訟であれば一か月とか一か月半、間が空くということも当然あるわけですので、大きく変わってきます。
 実際にどのくらいのスケジュール感と想定されているのか、教えてください。

#52
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 本改正案は、現在、発信者の特定には二回の裁判手続を別々に経る必要があるものを、同一の裁判所による一体的な裁判手続の中で行うことを可能とするとともに、期日を開くことなく書面審理とすることを可能とするなど、訴訟手続に比べて簡易な手続による非訟事件の手続を採用しております。これらの仕組みにより、手続の迅速化が図られるものと想定しております。
 個々の事案によって審理に必要な期間というものは様々でございますので、一律に何か月というふうに申し上げることは困難というふうに考えております。

#53
○松尾委員 一律にやるのは困難なのはもちろん分かっていて、先ほど私も述べているんですけれども、標準的にはどのくらいというのを想定されているのか。
 今、仮処分をやるのに数か月、本案をやるのに一年ぐらいで、全体で一年半ぐらいかかっているというものを短縮しようというところがそもそもの議論の出発点なわけですから、制度設計としては、この制度であれば大体このくらいで終わるだろう、そうしたらログの保持期限との比較をすれば間に合うだろう、そのようなバランスを当然見なければいけないと思っているので、想定されていると思うんですけれども、それを教えてください。

#54
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 具体的な期間につきましては、個別の事案によって異なるものの、手続の一本化により、数か月から六か月程度で開示が可能となることを期待しているものでございます。

#55
○松尾委員 数か月から六か月、結構幅があるので、どうなのかなというふうに思うんですが、その手続の中で、発信者に対して意見照会をするというものが手続に組み込まれているというふうに考えています。この発信者に対して意見照会をする手続というのが、発信者の表現の自由を守る、きちんと反論する機会を与えるという意味で、非常に重要な制度かなというふうに考えています。
 ただ、今、実際には現状の実務の運用で、発信者に対して照会、問合せをしても、何も返事もないケースも多いというふうにも聞いておりますけれども、この発信者に対する意見照会、これに対しては、どのくらいの期間、どのくらいの回数というものを行って表現の自由を保障するということとのバランスを取っていこうと想定されているのか、教えてください。

#56
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 現在の制度の下では、発信者情報の開示請求があれば、その都度プロバイダーは発信者に対してその意見を聞かなければならないとなっておりますので、請求のあった都度やっているということかと思います。
 何回あったかということについては、これも、済みません、通告をいただいておりませんので、何年度に何件あったかということについては、手元に数字を持ち合わせてございません。

#57
○松尾委員 ごめんなさい、統計的に何件やっていますかではなくて、一回の手続の中で、一回聞いて連絡が来なかったらもうそれっきりで終わりなんですか、何回か、複数回、念のために一人の発信者に対して確認をするというような制度設計なんですかというのをお聞きしたいんですけれども。

#58
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 制度上は、プロバイダーは発信者に対してその意見を聞かなければならないとしておりますけれども、詳細に、例えば、メールで聞いて返事がなかった場合は何日以内にどうしなければいけない、トータル何回聞く必要があるといった詳細な手続を定めているものではございません。
 ただ、プロバイダーによっては、そういったところを丁寧に行っている事業者もあるでしょうし、返事がなかった場合にどう対応しているかということについては、我々もよく把握はしていきたいというふうに考えておりますが、制度上、そこをこうしなければならないというふうに、細かな点まで求めているものではございません。

#59
○松尾委員 ありがとうございます。
 また新しい制度ができるわけなので、何度も言っているとおり、きちんと実態の把握、状況の把握に努めていただければいいなというふうに思っております。
 それで、期間の話で、ちょっと期間にうるさくて恐縮なんですけれども、先ほど、数か月から六か月程度というふうな期間で手続が終わるということを想定されているというふうにおっしゃっていましたが、これは当然、法的手続ではあるので、その命令に対して不服を申し立てる権利というのはいずれの当事者に対してもあって、抗告であったり異議申立てをすることによって、また期間が延びてしまうということも当然想定されているとは思うのですが、そこの辺りの期間の伸長についてはどのように認識されているのでしょうか。

#60
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 これもちょっと通告のないお尋ねでありますが……(松尾委員「通告しましたよ」と呼ぶ)そうですか。
 開示命令に対して異議がある場合には、当然、被告側が異議の申立てをするための準備期間が必要でありますので、今回の改正法におきましては、その異議申立て期間、準備する期間として一月という期間を定めているものでございます。もちろん、異議がない場合におきましては、速やかに命令に従って開示がされるものというふうに考えております。

#61
○松尾委員 ありがとうございます。
 これは通告していまして、昨日の話の中では、上訴をしたとしても、執行停止効が及ばないということで、情報の開示を求めることはできるので、被害者の保護には、救済には差し障りがないというような制度設計になっているというふうに聞いているので、一応指摘をしておきます。
 それで、これで私がやはり一つ懸念をしているのが、裁判所の負担が大きくなってしまうのではないかということも懸念をしていまして、非訟事件で使い勝手がよくなれば、当然、裁判所に対して申立てをする件数というのが増えることは望ましいことではあるというふうに一般論としては思うのですが、余りにも裁判所にその件数が増えてしまうと、裁判所の業務過多となってしまう。特に、東京、大阪は比較的大きいので処理できるかなとは思うんですけれども、そこで業務過多になってしまうと、裁判で目詰まりを起こしてしまって、また迅速な救済につながらないということにもなりかねないというふうに考えているのですけれども。
 今回のこの制度設計の研究会、最高裁判所の方もオブザーバーで参加されているというふうに聞いているのですが、裁判所は、その辺りの業務が速やかに、円滑に流れていくということに対してどのような意見、どのような見解を持っていらっしゃるのかというのを、分かっていたら教えてください。

#62
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 今委員から御指摘ありましたように、総務省で開催いたしました研究会の第七回会合から、最高裁判所がオブザーバーとして参加をしております。その過程におきまして、発信者情報開示手続の改正について、最高裁は総務省とともに関わってきたところでございます。研究会終了後の法案作成過程においても、最高裁判所とは緊密に情報共有しながら、協力して進めてまいりました。
 今後、本改正案がお認めいただけました場合には、その後、最高裁判所の規則でございますとか、そういった詳細な手続を定めるということになってまいりますが、本改正案については、最高裁判所においても、基本的にこういった手続で進めていくということについて基本的に問題はないということで、確認しながら丁寧に進めてきたものでございます。

#63
○松尾委員 ありがとうございます。
 それで、この非訟事件手続の事件の管轄について、裁判管轄について、先ほど斎藤委員の方からも、管轄がどこにあるのかという点について問題意識を持たれておりました。
 私も同じことをやはり強い問題意識として持っていまして、侵害情報を発信する方は、もう簡単に、ぽちぽちやれば発信できてしまうのですけれども、それをされた方は、それに対する対応、様々な費用であったり手間、コストがかかってくるというところもあって、被害者救済のためには、その裁判の管轄について、裁判所は自分の近くでやれるということはやはり大きなメリットがあるかなというふうに思っております。
 先ほども話があったとおり、民事訴訟法上の普通裁判籍に基づいて、相手方の所在地というのが原則であるというのは当然分かってはいるんですけれども、ただ、本件というのは、本件というかこの発信者情報開示は、広い意味においては、侵害情報によって自己の権利が侵害されたというような大きな枠組みとなっていまして、不法行為という類型に非常に近いのではないかなというふうに私は思っています。
 不法行為に類似しているというふうに考えるのであれば、その裁判管轄については、不法行為地、被害者の住所地というものが裁判管轄として上がってくるというふうに考えていまして、被害者救済の観点からは、その被害者の住所地を裁判管轄として定めることは十分に合理性のある法律の構成ではないかなと思っているんですけれども、この辺りについて、何か御意見があったら教えてください。

#64
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 先ほど御答弁申し上げましたように、裁判管轄につきましては、プロバイダーの主たる営業所等の所在地を管轄する地方裁判所、又は、専門性に鑑みまして、東日本の場合には東京地裁、西日本の場合には大阪地裁にも裁判管轄を認める規定がございまして、こうした規定を踏まえて、裁判管轄をいずれに定めるかということは、被害者の選択によって定められるとしております。
 もっとも、開示命令事件における審理方法は陳述の聴取であるところ、裁判所は、手続の期日を開かずに、書面による審理結果に基づいて判断を行うことも可能でございます。
 また、当事者が遠隔の地に居住している場合などには、当事者の意見を聞いた上で、電話会議システム及びテレビ会議システムを利用することで手続期日を開くことも可能でございます。
 こうした規定を適切に活用することによりまして、被害者の利便性を損なうことなく開示命令の審理を進めることができるものと考えております。

#65
○松尾委員 ありがとうございます。
 とはいえ、裁判所に被害者が全く出廷しなくていいかというと、ケース・バイ・ケース、場合によっては、審理の進行によっては、ちょっと一回来て話を聞かせてくださいみたいなことも当然起こり得るわけで、やはり、被害者の救済を徹底するという意味では、裁判の管轄については、是非、不法行為地、それに準ずるような措置も御検討いただきたいというふうに思います。
 それでは、ちょっとまた話が変わりまして、法律の解釈についてお伺いしたいのですけれども、今回の改正法案の第十五条、第十六条、提供命令、消去禁止命令の条項についてなんですけれども、ここのそれぞれの命令を発出するための要件として、侵害情報の発信者を特定することができなくなることを防止するため必要があると認めるときというような要件が定められております。ここで言う必要があると認めるときというのは、何をもって必要というふうに判断をするのか、その意義を教えていただきたいと思います。
 特定することができなくなるというような抽象的な危険性というものは常にあるわけで、ただ、その一方で、特定するためのログがどれだけ保存されていて、今どういう状態にあるのかというのは被害者の方では知り得ないことであるので、それが強い立証が必要であると非常に困難であるというふうに考えられるのですけれども、この必要があると認めるときはどのように理解すればよろしいのでしょうか。

#66
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 提供命令及び消去禁止命令は、開示命令が決定されるまでの間にアクセスプロバイダーの保有する発信者情報が消去される事態を避けるために創設された制度であり、その発令要件は、発信者情報開示命令の申立てに係る侵害情報の発信者を特定することができなくなることを防止するために必要があると認めるときでございます。
 申立人は、提供命令や消去禁止命令が速やかに発令されないと発信者情報が消去されて発信者を特定することができなくなるおそれがあることを主張、疎明することにより、提供命令や消去禁止命令の決定を受けることができるものというふうに考えております。
 具体的な申立てにおきましては、電気通信事業における個人情報保護に関するガイドラインの解説におきまして、先ほども御説明いたしましたとおり、記録目的に必要な範囲を超えてログを保存してはならないとされていることでございますとか、アクセスプロバイダーにおけるログの保存期間が限られていること、こういった点について主張していくことが想定されるものでございます。

#67
○松尾委員 ありがとうございます。
 そのガイドラインに記載がされているということが必要性の根拠になるのであれば、ほぼ全件について原則としては必要性が認められ、よほど特殊な事情じゃなければ認められないことはないというような結論になると思うのですが、そのような理解でよろしいのでしょうか。

#68
○竹内政府参考人 もちろん、これは裁判所の決定ということでございますけれども、基本的には、そういった点についてしっかり主張、疎明していただければ、命令の決定を受けることができるものというふうに考えております。

#69
○松尾委員 ありがとうございます。
 またちょっと話が変わりまして、先ほどお話がありました政策パッケージに書かれている自主的な取組への取組についてお伺いをしたいのですけれども、先ほど、任意で発信者情報の開示というものに応じるケースというのは余り多くないというような議論もされておりました。
 総務省においては、この任意で発信者情報の開示にプロバイダーが応じるケース、応じないケース、あると思うのですが、それについて、どういったケースでは応じる傾向にあって、どういったケースでは少ないのかみたいな、そういった傾向の分析というものはされているのでしょうか。

#70
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 発信者情報開示請求の件数について、全て網羅的に把握ができているわけではございませんが、私ども、国内のプロバイダーに対するアンケート調査を実施いたしました。
 令和元年度におきましては、裁判外、裁判上合わせて二千五百件の開示請求がなされております。このうち、裁判外での開示請求の件数は約千七百件であり、裁判外での開示請求に応じた件数は四百件、開示請求に応じた割合は約二四%でございます。他方で、裁判による開示につきましては、この開示の割合が約四〇%となってございます。

#71
○松尾委員 件数はそれで、開示をする内容について、どういったケースだと開示をする、どういったケースだとしないみたいな、そういった検討、分析というものがされていますかというのが質問だったんですけれども。されていないならされていないとおっしゃっていただければ大丈夫です。

#72
○石田委員長 質問を聞いていましたか。大丈夫ですか。
 もう一回ちょっと言ってくれる。

#73
○松尾委員 今の、件数もさることながら、されるケース、されないケースがあると思うんですけれども、どういった内容、どういった事案であれば任意で開示がされて、どういったものであればされないというような、その傾向について検討、分析がされているようであれば、その内容について教えてほしい。していないのであればしていないとおっしゃっていただければ大丈夫です。

#74
○竹内政府参考人 されている事案、されていない事案の中身の分類については、今後しっかり行っていきたいと考えております。
 ただ、一般論、現時点で把握している点を一点だけ申し上げますと、著作権に係る権利侵害については開示されやすい傾向があるという点は把握してございます。

#75
○松尾委員 それと、地方公共団体によって、この権利侵害、ちょっとそれるんですけれども、ヘイトスピーチとかそういったものに関するモニタリングとかをされていて、削除要請がされるみたいなことが行われているというふうに私は承知をしておりまして、やっているところ、やっていないところがまだばらばらとあるのですけれども、そういった状況について、総務省の方で実態を把握して、よい取組があるようであれば横に展開していった方がいいと思いますし、必要な支援、人的、財政的、技術的な支援を行えるようであれば行った方がいいのではないかな。
 この自主的な取組の一環としては是非進めていくべきだと考えていますが、その辺りはいかがでしょうか。

#76
○石田委員長 竹内総合通信基盤局長、申合せの時間になっていますから、簡潔に御答弁をお願いします。

#77
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 現在のコロナ禍におきまして、例えば、医療機関の従事者の方々に関する情報でございますとか、そういったものがネット上に、真実であるとないとにかかわらずさらされるケース、医療従事者の方、あるいは患者とされる方に関する情報がネット上でさらされるケースがあり、こうした事案については、例えば、県がネット上をパトロールして、問題のある事案については県庁も一緒になって取り組むといった事案、例えば長崎県などでそういった取組もございますし、他の県でもございますので、そういった事案については、私どもとしても、横展開で、こういうやり方があるということについては情報共有を進めているところでございます。
 県の方でモニター画面をスクリーンショットをしておいて、後で発信者情報開示などを行う場合の証拠として使えるようにしたり、こうした違法・有害情報の発信はやめてくださいということを県のトップが発信をしたりという取組がなされているというふうに承知しております。

#78
○松尾委員 是非、そういった先進的な取組を総務省の方でもバックアップしていっていただきたいなと思います。
 やはり、新しい業界における新しい制度をつくっていくわけですから、いかに運用されているかというところはきちんとモニタリングしていただいて、是非、運用の改善、制度の改善に努めていっていただきたいというふうに思います。
 どうもありがとうございました。

#79
○石田委員長 次に、櫻井周君。

#80
○櫻井委員 立憲民主党・無所属の櫻井周です。
 本日も質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
 時間も限られておりますので、早速質問に入らせていただきます。
 まず最初に、法改正に至る経緯それから立法事実について確認をさせていただきます。
 この法律、プロバイダー責任制限法については、昨年五月下旬の木村花さんの事件があって、インターネット上での誹謗中傷が野放しになっているという問題が世間の注目を浴びることとなりました。ただ、総務省としては、それ以前からこの問題に着目をしていたかというふうに認識をしております。
 昨年一月、私ごとで恐縮ですが、私自身も、この問題、大変重要な社会問題だということで質問主意書で取り上げさせていただきました。当時の答弁書は、本当に大した前向きな答えは返ってきていなかったんですけれども、ただ、当時、高市大臣におかれましても問題意識は持っていただいたんだろうなというふうに思います。
 三月には有識者会議の立ち上げの準備を始めて、四月には第一回会合を開いたということで、高市前大臣の素早い対応、そして、武田大臣はその後を受けて素早い法制化を進めてくださったことについて感謝申し上げるところでございます。
 そこで、まず大臣にお伺いしたいというふうに思いますが、我々は明るい社会をつくっていきたいという思いでお互い仕事をさせていただいているかと思います。誹謗中傷はなくしていかなければならない、被害者が泣き寝入りということがあってはならないというふうに思っているんですが、大臣の、今回の法改正の意義と経緯に対する思いをお聞かせください。

#81
○武田国務大臣 SNS上の誹謗中傷が大きな社会問題となる中で、昨年四月、総務省内に有識者会議を設けました。特に、表現の自由を確保しながら迅速な被害者救済を図る観点から、発信者情報開示制度の見直しに向けて精力的に御議論をいただきました。有識者会議の議論の結果は昨年十二月に最終とりまとめとして取りまとめられ、今般、この最終とりまとめを具体化する形で法案を策定し、国会に提出をさせていただきました。
 この法案は、発信者情報の開示請求に係る新たな裁判手続を創設することなどを内容としており、インターネット上の表現の自由を確保しながら、誹謗中傷に苦しむ方々の迅速かつ円滑な救済が進むものと考えております。

#82
○櫻井委員 大臣の熱い思いも聞かせていただきました。
 ですが、私も、これは一歩前進だというふうに思いますが、これで全て解決できるというものでもないと思いますので、これから、いろいろな残された課題も含めて質問させていただきますが、その前に、まず、時間も限られておりますので、改正案の条文の解釈についてちょっと細かい質問を先にさせていただきます。
 三ポツに移りまして、通告の三ポツですね、括弧一の一条で、今回、発信者情報開示命令事件ということで別な手続が設けられることとなったわけですが、従来の訴訟による方法、これも選択できるのか。つまり、被害者は、どちらか自分がやりやすい方を選択することができるという理解でよろしいでしょうか。

#83
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 今回の改正は、現行法に定める発信者情報開示請求権を存置した上で、これに加えまして新たな裁判手続を創設等するものでございますので、既存の手続であります開示請求訴訟や、さらには任意開示といった手続についてもこれまでどおり活用することは可能でございます。したがって、選択できるということでございます。

#84
○櫻井委員 続きまして、五条三項で、侵害関連通信ということの言葉の定義については総務省令で定めるものというふうにされておりますが、具体的にはどのような通信のことを指すのか教えていただけますか。

#85
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 侵害関連通信に該当するものにつきましては、ログイン時の通信のほか、ログアウト時の通信、SMS認証時の通信などを想定しており、具体的には総務省令でこれを定めることとしております。

#86
○櫻井委員 あともう一つ、五条一項に、特定発信者情報という言葉と、それから特定発信者情報以外の発信者情報、こういう言葉が出てまいります。条文に、特定発信者情報以外の発信者情報というこの一くくりの単語が何度も繰り返し出てきて、非常に条文が読みにくくなっているなと。特定発信者情報との対比で言うのであれば、非特定発信者情報などという言い換えができなかったのかなとか、いろいろ思うんですが、これは私の愚痴でございまして、質問ではございません。
 まず、質問ですが、特定発信者情報についても、これは総務省令で定めるものというふうにされておりますが、具体的にどんな情報なんでしょうか。また、その反対概念として、特定発信者情報以外の発信者情報という言葉も出てくるわけですが、これはどのような情報なのか、それぞれ御説明ください。

#87
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 特定発信者情報とは、発信者情報であって専ら侵害関連通信に係るものであり、具体的には、侵害関連通信に係るIPアドレス及び対応するポート番号、侵害関連通信に係る電話番号、侵害関連通信に係るタイムスタンプといった情報を、本法成立後、総務省令において規定することとなります。
 また、特定発信者情報以外の発信者情報とは、現在、総務省令で規定されております発信者の氏名、住所、電話番号、IPアドレス等の情報であり、基本的に、現行で開示対象とされている、侵害情報を送信した通信に係る発信者情報と同様の情報でございます。

#88
○櫻井委員 続きまして、五条一項三号イに、発信者情報を保有していないというのが出ていますが、これはいつの時点で保有していないということを指しているのでしょうか。いつの時点かということをお答えください。

#89
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 五条一項三号イの発信者情報を保有していないへの該当については、開示の可否を判断する時点において、当該プロバイダーが発信者情報を保有しているかどうかによって判断されるものでございます。

#90
○櫻井委員 続きまして、五条一項三号のハ、侵害情報の発信者を特定することができないとの判断、これはどういうふうにして行うのか、また、このような要件を課したのはなぜか、御説明ください。

#91
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 五条一項三号ハの発信者を特定できないに該当するのは、具体的には、被害者が、通信事業者等に対して開示請求をしたが、当該通信事業者等から投稿時のIPアドレス等に係る発信者情報は保有していない旨の回答を受けた場合などが想定されるものでございます。(櫻井委員「ちゃんと答えていません。要件を課したのはなぜですか」と呼ぶ)
 失礼いたしました。
 これは、ログイン時の情報通信につきましては、発信者が行ったものであっても、それ自体は権利侵害性を有するものではなく、権利侵害通信と比べて、発信者のプライバシー及び表現の自由、通信の秘密の保護を図る必要性が高いものであるため、必要な範囲内において、その開示を認めるものとしたものでございます。

#92
○櫻井委員 続きましては、五条一項一号の中で、権利が侵害されたことが明らかという要件が入っております。これは法改正前からあった要件かと思いますが、具体的にどういうことか、この要件について説明ください。

#93
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 この点につきましては、権利の侵害がなされたことが明白であるという趣旨でありまして、不法行為等の成立を阻却する事由の存在をうかがわせるような事由が存在しないことまでを意味するものでございます。
 この要件の趣旨でございますけれども、こういった権利侵害の明白性を求めておりますのは、発信者情報の開示が、発信者のプライバシーや表現の自由、通信の秘密という重大な権利利益に関する問題である上、その性質上、一旦開示されてしまいますとその原状回復は困難であるということから、安易に開示が行われることがないように、また、濫用的な開示請求により不当な開示が行われることのないようにするためでございます。

#94
○櫻井委員 ここの要件は非常に重要だと思うんですね。
 今の説明は、平成二十九年一月に更新されている総務省のプロバイダー責任法に関する法律の解説の中に載っているとおりなんですが、結局、この説明の中には、裁判官が経験則に基づき自由に判断することになるとも書いてあるわけなんですね。
 これは、明らかなのか、明らかとまでは言えないのか、この境目というのは非常に微妙で、つまり、この線の引き方によっては、被害を受けている被害者の方、自分は被害を受けているんですよと言っても、結局それが無視されてしまうということになるか、もちろん、加害者とされている方、発信者の方ですね、加害していないのに、発信者の方のプライバシーがオープンにされてしまう、相手に伝わってしまうという、どっちかが泣き寝入りするかもしれないというか、どっちかは不当な扱いを受けてしまうかもしれないという可能性がこの幅の間にあるわけですよ。
 だから、これは非常にセンシティブな話、重要な話なんですが、そこが裁判官の経験則に委ねられてしまうというのでは、ちょっと余りにも、立法する側としては不十分なのではないのか。もう少し、こういう場合、こういう場合、いろいろなケース、これは法改正前から変わっていないのであれば、既にいろいろな事例が積み上がっているわけですから、もちろん裁判所の中でもいろいろ整理はされているでしょうが、立法サイド、また行政サイドにおいても、法律の有権解釈をされる総務省においても、きちっとその事例を積み上げておくべきではないのかというふうにも思うんですが、この点、もう一度説明をお願いいたします。

#95
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 こういった判例の、事例の蓄積といったものをガイドライン等によって作成をし、広く関係者で共有していくということによりまして、一方では裁判外での任意の対応というところにも効果的につながっていくものというふうに考えておりますので、総務省としても、そういった事例の集積ということについてはしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

#96
○櫻井委員 そうなんです。というのも、これまでも、明らかとまで言えるかどうかというところの微妙な判断で、明らかとまでは言えないものまで開示してしまうと、今度、プロバイダーの方は、場合によっては責任を問われることになるので注意を要するとまで総務省のに書いてあるわけですよね。そうすると、ちょっとびびっちゃってプロバイダーもなかなか出せないよということになって、被害者救済がこれまで進まなかったのではないのか、こういう話もありますので、是非、先ほど、ガイドラインという形でまとめていくんだというお話をいただきましたので、よろしくお願いしたいと思います。
 それから、次に、六条二項、当該発信者に対し通知することが困難というのがありますが、これはどのような状態を想定しているのか、御説明ください。

#97
○竹内政府参考人 改正法案におきましては、開示の請求があった場合、プロバイダーは、発信者に対しまして、開示に応じるかどうかについて、その意見を聞かなければならないこととされております。
 御指摘の規定につきましては、発信者と連絡が取れない場合など、発信者にこうした通知をすることが客観的に不能である場合などに、プロバイダーに対してかかる義務を免除する規定であります。
 こうした連絡が取れない場合というのは、例えば、利用者の方が、契約するプロバイダーを変更して連絡先が変わった、変わったにもかかわらず、連絡先が変わったという通知をしていないがために、連絡を取ろうとしてもメールが届かないといったようなことが例として考えられます。

#98
○櫻井委員 続きまして、十六条で、裁判所は、発信者情報を消去してはならない旨を命ずることができるというふうに規定をしておるんですが、これに対する罰則規定は特に見当たらないんですね。これにもかかわらず、発信者情報をプロバイダーが消去してしまった場合、どういった制裁というのがあり得るんでしょうか。

#99
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 改正法案におきましては、消去禁止命令に違反して発信者情報を消去したプロバイダーに対する罰則は、御指摘のとおり、設けられておりません。
 もっとも、その消去が故意又は過失により行われた場合については、消去したプロバイダーに対しては、被害者は民法上の不法行為責任を追及することが可能と考えております。

#100
○櫻井委員 そうしましたら、改正案の条文解釈についてはこの程度にさせていただきまして、一ポツの方に戻って質問をさせていただきますが、残り時間も十分ちょっとということになりましたので、既に質問されている部分と重複している部分等は飛ばして質問させていただきますが、簡潔な答弁をお願いいたします。
 まず、誹謗中傷などの書き込みの削除に関する、これはプロバイダーが自主的な取組を進めているということで、先ほど松尾議員からも質問がありましたが、このことについて、どのような取組を行っているのかということをお尋ねをいたします。
 といいますのも、プロバイダーが、先ほど國重議員の質問の中にもありましたが、なかなか十分に対応しない、そういうプロバイダーも中にはいるんだというお話がございました。誹謗中傷を放置しているというのも問題ですが、一方で、誹謗中傷とまでは言えないものについてもどんどんプロバイダーが削除してしまう、こうなりますと、表現の自由の機会を奪ってしまうことになります。
 これはバランスを取らなきゃいけない。バランスを取るんだと言葉で言うのは簡単ですが、非常に難しいバランスを取るということになります。特に、大きなプロバイダーといいますか、大変大きなサービスを提供しているプロバイダーが自主的に判断するということになりますと、ある種の表現の自由の裁量権をプロバイダーが持ってしまう、一民間企業が持ってしまうということにもなりかねないわけでございまして、これはどのような取組をプロバイダーに期待するのか、また、それに対して政府なりがどのように関与するのかについて、説明をお願いいたします。

#101
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 各プロバイダーは、自らの利用規約などに基づきまして、誹謗中傷等の書き込みの削除や非表示、アカウントの停止といった対応を進めていると承知しております。さらに、一部の大手プロバイダーは、問題がある書き込みを的確に把握するため、重点的に対応すべきパトロール対象や運用方法を柔軟に見直しをしたり、問題のある書き込みを自動的に検出することができるAIを開発導入するなど、効率的な削除を実現するための取組を自律的に進めているものと承知をしております。
 こうした各プロバイダーの取組が真に効果を上げているのか、有効であるのかということにつきましては、先ほども御答弁ありましたとおり、有識者会合においてヒアリングを行って効果検証を行っているところでございます。その結果を踏まえて、今後対応すべき点については、夏を目途に、有識者会合において方針を取りまとめていただく予定としてございます。

#102
○櫻井委員 インターネットサービスというのは民間企業のやっていることなので、そこに政府が余り過度に介入するのはいかがなものかと思う反面、他方で、表現の自由とそれから個人の尊厳、名誉ということのバランスの取り方ということで、政府が全く知らぬ存ぜぬというわけにもいかないという、バランスの上に更にバランスを取らなきゃいけない、二重のバランスを取らなきゃいけない、大変難しいところなんです。
 先ほど松尾議員はISPLAW作成のガイドラインの意義というところの質問にたどり着けなかったので、ちょっと私はそこが一番聞きたかったんですが、それについてはまた別の機会で質問させていただきたいというふうには思いますけれども、そういったところの取組が非常に重要だということを申し上げて、次の質問に移らせていただきます。
 損害賠償についてですが、今回のこの誹謗中傷の問題についても、結局のところお金、地獄の沙汰も金次第と言ったりもしますけれども、これは別に被害者の方は、これでお金をふんだくってやろう、こういう思いではなくて、せめてそれぐらい削除してよ、二度とこんなことをしないでよという思いの中で裁判を起こすんだというふうに思います。
 ただ、そうはいっても、裁判を起こすためには訴訟費用もかかる、裁判所に訴訟を起こすためにはお金を支払わなきゃいけない。それから、弁護士さん。個人で、自分で裁判をやる、自力でやるということができる人は世の中にそんなにたくさんはおりませんから、大半の人は弁護士にお願いして裁判をやるとなったときに、やはり弁護士にお願いすれば、これまで三段階訴訟しなきゃいけなかった、今後は二段階でできる、一段階分省略できるとしても、二段階やらなきゃいけない。やはり相当の裁判費用がかかってくるわけです。
 大体、今でも五十万円から百万円ぐらい、弁護士さんにお支払いする分だけでそれぐらいかかっている。プラス裁判の手続の費用等を含めて、場合によっては百万円以上かかっているのではないのか、こういうふうにも言われているわけなんですけれども、こうした中で、これまで十分に、損害賠償ということで、仮に最後まで行き着いて損害賠償を取れたとしても、それでそうした裁判にかかる一連の経費を被害者が十分賄うことができているのか。多くの場合は、赤字といいますか、身銭を切って裁判をしているという話も聞きますけれども、その辺の実態把握について御答弁をお願いいたします。

#103
○堂薗政府参考人 お答えいたします。
 御質問がありましたインターネット上の誹謗中傷を理由とする損害賠償請求事件における損害額につきましては、まず、被害者の方が受けた精神的苦痛の程度等を考慮しまして、その慰謝料等についての額が決まるということでございますけれども、それに加えまして、弁護士費用につきましても損害として認定される場合があるというふうに承知しているところでございます。
 この点につきまして、判例は、不法行為の被害者が損害賠償を求めて訴えを提起し、訴訟追行を弁護士に委任した場合の弁護士費用につきましては、事案の難易、請求額、認容された額その他諸般の事情をしんしゃくして相当と認められる額の範囲内のものに限り、不法行為との間に因果関係を認め、当該不法行為によって生じた損害に当たるという判断を示しているところでございまして、御指摘のような事案におきましても、裁判所は、個別具体的な事案に応じ、ただいま申し上げましたような諸般の事情を考慮して適切な損害額を認定しているものと承知しているところでございます。

#104
○櫻井委員 いやいや、肝腎なことをお答えいただいていないんですけれども。
 結局、被害者は、身銭を切ってやっているのか、それとも、少なくとも、収支とんとんといいますか、別にこれで得しようというわけではないにしても、身銭を切らなくても、最後まで行って勝訴すれば身銭を切らなくて済むというレベルなのか、実際、全ての事案について調べろとは申し上げておりませんけれども、最近の事例なんかを見て、ざっくりどうですかということをあした聞きますからと言って、昨日通告をしているんですけれども、どうですか。

#105
○堂薗政府参考人 お答えいたします。
 ただいま申し上げましたように、まず、訴訟において不法行為が認められますと、その被害者の方が受けた精神的苦痛の程度について、慰謝料という形で損害額の認定がされ、さらに、それに加えまして、弁護士費用につきましても、相当と認められる額について損害として認められるということになりますので、基本的には、そういう形で訴訟を提起した場合には、それによってその損害が回復できないというような事態にはなっていないものというふうに承知しているところでございます。

#106
○櫻井委員 実際、例えば木村花さんの事件を扱われた弁護士さん、ブログにも書いていらっしゃいますけれども、多くの場合、赤字になっているんだ、こういう話もされています。ですので、ちょっとそこはきちっと実態を調べてください。
 昨日の時点で聞いたら、分かりませんという話だったので、それは、個別の裁判事例の中で弁護士費用が一体幾らかかったのかなんて、判決文を見たって載っていないわけですから、調べるのは難しいと思いますから、全ての事案について調べろとは申し上げませんが、幾つか、一体どうなっているのかなと。全体の傾向を見ないと、結局、この被害者救済の一番のネックは多分ここなんですよ。ですから、そこの実態はちゃんと調べていただかないと。法務省においてやっていただきますよう、よろしくお願いいたします。
 最後に、大臣、今回の法改正、一歩前進だとは思うんですけれども、例えば、今申し上げた損害賠償の話、お金の話についても、まだまだ不十分なんじゃないのか。これは、法務省においては、損害賠償というのは民法の体系を大きく変えることになるから余りいじりたくない、そこは勘弁してくれ、こういう話にどうしてもなってしまうんです。
 でも、日本の訴訟において、アメリカみたいに何か法外な損害賠償が認められる、これはちょっとさすがにやり過ぎかなと思いますけれども、ただ、被害者の方が身銭を切ってやらなきゃいけないようなのはやはりおかしいんじゃないか。せめてそこは賄えるぐらい、ちゃんと真っ当な権利、申請した場合には認められるような、そういった方向に変えていくべきだと思うんですが、その点についてどうかということ。
 それから、先ほど来申し上げたように、やはり、被害者とそれから発信者、これの権利のバランスを取っていく、それから、民間企業がやっていることに対して政府はどれだけ介入するのか、関与するのかということのバランス、いろんなバランスを取らなきゃいけない非常に微妙な問題がある。だから、その意味で、一歩ずつ前に進んでいるんだ、こういうことだとは思いますけれども、次のステップに向けて、今回やってみて、まだ至らぬところ、足らざるところがあるんだったら、次にもう一歩進めなきゃいけないと思うんですが、その点についての、大臣の今後の取組に対する意気込みをお願いいたします。

#107
○武田国務大臣 やはり、こういった件で傷つかれた被害者の方々に思いを寄せて、今後とも適切に対処してまいりたいと考えております。

#108
○櫻井委員 多分、今、もうすぐ時間が終わりですという紙がちょうど回ってくるタイミングだったはずなんですけれども、まだ回ってきていないので、もう少しだけお話をさせていただきます。
 この問題について、私自身、本当に、昨年の一月にも問題提起をさせていただいて、野党の一年生議員が言ったところで一体どうなるのかというふうな思いもあったんですけれども、やはり正義は最後に勝つという思いを今回も確信をさせていただきました。大臣、前大臣そして今の武田大臣を含めて、取組に感謝して、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#109
○石田委員長 次に、本村伸子君。

#110
○本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 インターネット上の誹謗中傷、名誉毀損、人権侵害、デジタル性暴力など深刻な被害で自ら命を絶つ方々が後を絶ちません。亡くなられたお一人お一人に心からの哀悼の意を申し上げたいというふうに思います。
 今回の法改正は、発信者情報を開示する時間、費用を抑える非訟の手続が創設をされます。大切なことだと思います。しかし、施行までには時間がございますし、そして、今でも様々できることがある、被害者救済のためにできることがあるということで申し上げたいというふうに思いますけれども、相談先があるということが分かっていれば、命を救うことができたかもしれないというふうに思うわけでございます。まず、被害に遭った場合に、相談先があるということを知ってもらうことが必要だと思います。
 資料一、出させていただきましたけれども、総務省が所管しております違法・有害情報相談センターの相談件数ですけれども、年間で、これは二〇一九年度ですけれども、五千百九十八件と、私は、これはかなり少ないというふうに感じております。これは、相談窓口が知られていないからだというふうに思っております。
 また、資料の五の二を見ていただきたいんですけれども、後ろから二ページ目ですけれども、ここには、相談窓口が幾つかありまして、その案内がございます。先ほど申し上げました総務省の違法・有害情報相談センター、そして法務省の人権相談、これは最寄りの法務局になるかというふうに思います。警察庁の所管の誹謗中傷ホットラインがございます。しかし、まだまだこれは知られていないというふうに思うんです。
 テレビとかインターネットのCMですとか、ユーチューバーの方に広報していただくですとか、あるいは、駅や公共施設のポスターですとか、電車とか、コンビニとか、スーパーとか、そういうところで、全国各地に相談窓口があるという広報が必要だというふうに思います。
 小学、中学、高校、大学、短大、専門学校など、教職員の方々、あるいは学生の皆さん、児童生徒の皆さん、全員に、まずは、こういう相談先がありますよということで、リーフレットとか、カードとか、全員に配布するべきだというふうに思います。まずは、命を守ることにつながりますから、この相談窓口を知らせていただきたいというふうに思います。
 人権侵害、デジタル性暴力やヘイトスピーチ、ハラスメント、深刻な人権侵害は、法務省の人権相談で、無料で削除要請もできるわけでございます。こういうことも是非多くの方々に知っていただいて、相談窓口を是非知らせていただいて、命を守るための政府の行動をお願いしたいと思います。大規模に広報をお願いしたいと思います。
 大臣、そして文部科学省、学校の関係がありますから文部科学省にもお願いしたいと思います。

#111
○武田国務大臣 総務省は、法務省とともに、違法・有害情報相談センターなどの相談窓口について、それぞれの特徴やメリットをまとめたリーフレットを作成をいたしております。
 このリーフレットについては、総務省や法務省のウェブサイトに掲載するとともに、関係省庁や関係団体などを通じて、全国の自治体や学校などへの周知に取り組んでおります。
 総務省としては、引き続き、関係省庁と連携し、積極的に周知をしてまいりたいと考えております。

#112
○寺門政府参考人 お答えいたします。
 青少年のインターネット利用が進む中、インターネット上の誹謗中傷などのトラブルに遭った場合に相談できる窓口などの情報を適切に提供することは、大変重要だと認識してございます。
 このため、文部科学省では、従来より、スマートフォンやSNS等をめぐるトラブルの防止のための児童生徒向け啓発資料の作成、配布、また、警察庁と連携し、実際のインターネットを通じた犯罪被害の事例を盛り込んだリーフレットの作成、周知、さらには、総務省が作成されましたインターネットに係るトラブル事例集の周知などを通じまして、この事例集には委員が御配付いたしました資料五ページの図も載ってございますけれども、これらにつきまして、各都道府県教育委員会や学校等に対し、各種相談窓口の通知を行ってございます。
 また、大学生等に対しましても、学生生活におけるリスクやトラブルに対応し、安心、安全に学校生活を送ることができるように、例えばインターネットでのプライバシー侵害などに関しまして、各種相談窓口の周知を図っているところでございます。
 引き続き、関係省庁と連携を図りながら、相談窓口の周知についての取組を推進してまいりたいと存じます。

#113
○本村委員 この相談窓口、まだまだ知られていないというふうに思いますし、人員体制、体制の在り方、これも全く不十分だというふうに思いますので、もっと強化しなければいけないと思います。その点でも、総務省、法務省にもお願いしたいというふうに、警察庁もお願いしたいというふうに、警察庁については、ちょっと、相談窓口の在り方についてはいろいろあるわけですけれども、お願いしたいというふうに思います。
 資料四を見ていただきますと、権利侵害の対象が、社会人が五七・三%、小学校から大学生を合わせますと一〇%ぐらいになるかというふうに思います。ただ、相談があったということで、この五ページの相談窓口の広報のものですけれども、これでは子供たちは分からないわけです。もっと子供たちに分かりやすい、ワンストップの相談窓口を是非つくっていただきたいというふうに思います。
 そもそも、子供たちが被害者にも加害者にもならないための社会的な啓発というものも必要ですし、学校教育の中での教育も必要だというふうに思っております。
 子供たちの学校生活の中で、ヒエラルキー、序列のようなものができているということが大問題になっております。それがSNSでのコミュニケーションを通じてより可視化されるような状況にあるのではないか、そして、よりいじめとか人権侵害が深刻になっているのではないかということで、大変胸を痛めるわけですけれども、そもそも、一人一人は平等であり、差別されない大切な存在なんだ、個人の尊厳が何よりも大切なんだということをいかに学校の中に、社会の中に徹底をさせていくかということが本当に大きな課題になっているというふうに思います。
 ありのままの自分でいいと安心感を持てるような教育、子供たちの自主的な活動の比重を高めるなど、いじめを止める人間関係をつくる教育、子供たちが話し合う創造的な教育は、予防のためにも大事な教育だというふうに思いますけれども、文部科学省から御答弁いただきたいと思います。

#114
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。
 いじめは決して許されることではございませんけれども、どの学校でも、どの子供にも起こり得るものと考えております。いじめは絶対に許されないとの意識を社会全体で共有をし、議員御指摘のように、子供を加害者にも被害者にも、また傍観者にもさせないという教育を実現することが必要であると考えています。このため、各学校では、全ての教育活動を通じた道徳教育及び体験活動等の充実を図ることとされております。
 文部科学省におきましては、これを踏まえまして、人間関係を形成していく能力、また、立場や意見の異なる他者を理解する能力など、いじめを未然に防止するための力を育むことを促しているところでございます。
 また、これに加えまして、平成二十六年度からは、全国いじめ問題子供サミットという全国的な大会を毎年度開催いたしまして、いじめの未然防止等のために、いじめ問題に関する子供自身の主体的な活動に積極的に取り組んでいる地域や学校の児童生徒が一堂に会しまして、取組の共有や交流の機会を設けるということとしてございます。これにより、各地域で活動の中心となるリーダーが育ち、各地域に戻って、また各地域での創意工夫を凝らした取組が一層推進されることが期待をされるところでございます。
 文部科学省といたしましては、引き続き、学校における取組、あるいは、今ほど申し上げたようなサミットのような取組を通じまして、地域とも連携をして、いじめの未然防止などのための取組を推進してまいりたいと考えてございます。

#115
○本村委員 一人一人に寄り添って、一人一人に行き届いた教育を行っていくためにも、やはり教職員の抜本的な増員というのは必要だというふうに思いますので、総務省が地方財政措置をやっておりますので、是非その点も増やしていただきたいというふうに思いますし、少人数学級ももっと進めないといけない、そして、競争的で管理的になっている教育を根本的に見直さなければいけないというふうに思っております。
 プロバイダーの問題についてお伺いをしたいというふうに思います。
 人権侵害についての相談が多いプロバイダーをお示しいただきたいというのが一点目で、そして、こうした人権侵害、権利侵害の投稿、性的な画像投稿、性暴力の投稿などの削除要請に応じるプロバイダーと応じないプロバイダーの傾向と対策についてお示しをいただきたいと思います。
 総務省、法務省、警察庁、お願いしたいと思います。

#116
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 総務省が運営委託を行っております違法・有害情報相談センターにおきまして、令和二年四月から十二月までの間に相談対応を行った件数の集計を行いましたところ、最も相談が多かったのはツイッターであり、続けて、グーグル、5ちゃんねる、フェイスブック、爆サイドットコムとなっております。

#117
○菊池政府参考人 お答えいたします。
 法務省の人権擁護機関が行う人権侵犯事件の調査処理は、関係者の全くの任意の協力を得て行うものでございますので、今後とも関係事業者等から理解と協力を得ていく観点から、個々の事業者名について、先ほど総務省からお答えがあったことを超えてこの場で申し上げることについては差し控えさせていただきたいと思います。
 その上で、私どもとして、削除要請に応じない事業者の傾向についてどういう印象を持っているかといいますと、一概にお答えすることは困難ですが、個人で小規模にコンテンツを開設していることがうかがえる事業者等で、当機関からの削除要請に対して何らの返答もしていただけないというところが見受けられるところでございます。

#118
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
 警察庁が運用しておりますインターネット・ホットラインセンターでは、インターネット利用者から通報を受けた情報について、児童ポルノ等の違法情報に該当すると判断した場合には、その違法情報が掲載されたサイト管理者に対し削除依頼等を実施しております。
 令和元年中、インターネット・ホットラインセンターから千六百十七件の違法情報の削除依頼を行い、そのうち千四百八十二件が削除されており、おおむねサイト管理者の御協力をいただいておりますが、一部、削除に応じていただけない、又は削除に時間がかかるなどの事例があるものと承知しております。
 今後とも、インターネット上の違法情報に対応するため、インターネット・ホットラインセンターを効果的に運用してまいります。

#119
○本村委員 大変深刻な、性暴力の画像ですとか、削除に応じていただけないということは、かなり、本当に深刻な人権侵害になってまいります。
 誹謗中傷、名誉毀損、人権侵害、性暴力のない、安全なコミュニケーション環境をつくるためのプロバイダーの責任というのはしっかりと明確にして対策を進める必要があるというふうに思いますけれども、総務大臣、プロバイダーの責任の明確化、是非お答えをいただきたいと思います。

#120
○武田国務大臣 インターネット上の誹謗中傷への対応については、昨年九月、総務省において、事業者による自主的な削除などの対応及び透明性向上の促進などを内容とする政策パッケージを取りまとめました。
 この政策パッケージに基づき、本年二月に開催された有識者会議において、プラットフォーム事業者の取組状況についてヒアリングを行ったところであり、夏頃までにその効果検証を行っていただく予定となっております。
 総務省としては、効果検証の結果を踏まえ、プラットフォーム事業者による削除等の対応及び透明性向上の促進に努めてまいりたいと考えております。

#121
○本村委員 最近のウェブサイトなどでは、コンテンツ・デリバリー・ネットワークを用いてプロバイダーを特定する場合、ドメイン、そしてIPアドレス、コンテンツ・デリバリー・ネットワーク、そしてプロバイダーという方法になります。コンテンツ・デリバリー・ネットワークの多くが海外にあるというふうに言われております。コンテンツ・デリバリー・ネットワークがプロバイダーの情報開示をしてくれるとは限らず、プロバイダーを特定するのが困難なケースがございます。
 プロバイダーを特定すること、そして、プロバイダーが特定できない場合でも被害者が救済できる仕組みを検討するべきだと思いますけれども、大臣の見解を伺います。

#122
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 コンテンツ・デリバリー・ネットワークが用いられており、プロバイダーが特定できない場合の被害者救済の方法としては、例えば、発信者を特定するための方策として、発信者情報開示により、発信者の電話番号の開示を受けるということが考えられます。
 総務省では、昨年八月に、発信者情報開示制度の開示対象に発信者の電話番号を追加する省令改正を行ったところであり、これにより、電話番号を介して発信者の特定を行うことも可能となっているものでございます。
 また、コンテンツ・デリバリー・ネットワーク事業者に対しましてキャッシュの削除を申し立てることによりまして、コンテンツ・デリバリー・ネットワークを介したコンテンツへのアクセスを防止することにより、被害の拡大防止が可能であると考えております。

#123
○本村委員 実際に、AVの出演強要問題など、性暴力被害者支援に大変御尽力をされておりますNPO法人のぱっぷすさん、ポルノ被害と性暴力を考える会、ぱっぷすさんが、海外のコンテンツ・デリバリー・ネットワークに要請をしたんですけれども、回答があって、ネットワークプロバイダーであることに注意してください、私たちはホスティングプロバイダーではありません、お客様のコンテンツを管理していませんと要請に応じてもらえなかったそうでございます。
 海外を含め、深刻な性暴力被害の画像の削除ができるように、被害者を救済できる仕組みをつくっていただきたいと思いますけれども、大臣、お願いしたいと思います。

#124
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 様々な権利侵害についての事案が出てきてございます。サービスも多様化しておりますし、サービスを提供する側のネットワーク、サービスも多様化してきております。そうした被害の実態というものも把握をいたしながら、どういった対応が効果的であるのか、どのように対応していくかということについては、引き続き、有識者会合の場において、関係者の英知を結集して議論を進めてまいりたいと考えております。

#125
○本村委員 被害を受けた方々にとって、今回、非訟手続ということもあるんですけれども、裁判所での手続をするということはかなりのハードルになってまいります。
 今回の法改正で非訟手続が創設されたことによって、それ待ちになってはいけない。人権侵害を行った発信者の、裁判ではない任意のプロバイダーからの情報開示が後退するようなことがあってはならないというふうに考えております。
 人権侵害を行った発信者の、プロバイダーの、裁判ではない任意の情報開示、被害者の救済の取組が一層進められるようにしなければならないと思いますけれども、御答弁をお願いしたいと思います。

#126
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 総務省では、昨年九月に策定いたしました政策パッケージにおきまして、裁判外開示の促進について取り組んでいくこととしております。
 具体的には、事業者による開示要件の判断に資するよう、プロバイダーに助言を行う民間相談機関の充実、裁判手続における開示要件に該当すると判断された判例などをガイドラインに集積すること等の民間事業者における取組を総務省として支援していくこととしております。
 この点、通信事業者の団体であります一般社団法人セーファーインターネット協会において設置されました有識者会議におきまして、任意開示の促進に向けた施策の検討が行われており、その結果、今月五日に、権利侵害明白性ガイドラインが策定、公表されたところでございます。
 また、本ガイドラインに関する理解を深めるため、プロバイダーからの本ガイドラインに関する相談を受け付ける相談窓口が設置されたと承知しております。
 総務省としては、引き続き、こうした民間事業者における取組を支援してまいりたいと考えております。

#127
○本村委員 資料の六番を見ていただきたいんですけれども、これは、総務省所管の違法・有害情報相談センターに寄せられたAV出演強要に関する相談者の数なんです。二〇一八年度四人、二〇一九年度四人、そして、二〇二〇年度、四月から十二月で二人ということですけれども、しかし、二〇一八年四月から二〇二一年三月二十九日までに削除が確認されたURLの数は一万一千三百三十一件なんです。
 こういう再拡散した性的画像記録というのは繰り返し投稿され、拡散され、被害が長期化になるということになってまいります。その都度裁判を、裁判所を通じて対応しなければならないということであれば、被害者の金銭的負担は増大をいたします。繰り返し投稿、再拡散した性的画像記録について、被害者が金銭的負担なく救済される仕組みをつくるべきだというふうに思います。大臣の見解を伺います。
 また、AV被害の性的画像記録について、未来永劫拡散されてしまうことを防ぐために、被害者救済のために削除制度の創設が必要だというふうに思いますけれども、見解を法務省にも伺いたいと思います。

#128
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、総務省といたしましては、政策パッケージに基づきまして、発信者情報開示による対応、あるいは事業者の自主的な取組による削除、あるいは裁判外での任意の発信者情報の開示、様々な取組を総合的に推進してまいりたいというふうに考えております。
 委員御指摘の、裁判外でしっかりと取組を事業者が進めやすい環境をつくって、被害者救済の、迅速な解消ということに取り組むべきだという点については問題意識を共有いたしますが、どういうふうにこれを取り組んでいくのか、具体的な手法を含めて、例えば、最近では、事業者によってはAIを活用して検知をし、被害が明白な場合には削除していくという取組も一定程度進んできております。これは、どういう分野の被害かということはさておき、AIを活用して、そういった技術も進んできておりますし、一定程度実装も進んできております。
 こういったものを、今後、どのようにこういったプラクティスを水平展開をしていくのか、そして、こういった取組だけで仮に不十分というような判断がなされた場合に制度的にどういうことを考えるのかという、全体のバランスの取れた議論をしていくことが重要と考えております。
 被害の広がりに対して、官民を挙げてしっかり取り組んでいくことが重要だということは、私どもとしても十分認識をいたしております。

#129
○菊池政府参考人 お答えいたします。
 法務省の人権擁護機関が扱う人権侵犯事件の中には、過去に私事性的画像記録に関する被害申告をした被害者から、再度、同様の投稿について被害申告がされることがあります。
 このような場合には、過去の事案の調査結果をも活用することによりまして効率的に調査を行い、迅速に違法性の判断を行うことができるものと認識しております。
 法務省の人権擁護機関といたしましては、このような調査の効率化等により、私事性的画像記録に関する被害の申告に対し、速やかに対応できるようにしてまいりたいと考えております。

#130
○本村委員 被害者の迅速な救済が取られるように、引き続き、また質問で取り上げたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。

#131
○石田委員長 次に、足立康史君。

#132
○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。
 今日はプロバイダー責任制限法ということでございますが、今いろいろな委員の方々が御質問されて、大体もう質問の論点が尽くされまして、もう分からないことがなくなっちゃいました。困りましたが、一つ、局長、このプロバイダー責任制限法は、木村花さんの事件とかもあって、こういう形でまとめられていることについては敬意を表したいと思うし、我々も賛成をするという方針でございますが、これで全て解決するわけじゃないと思うんですね。これは一つの手段であって、別にこれで何か、オールマイティーだということではないと思っておりますが、局長も同じですね。一応、そういう趣旨を御答弁ください。

#133
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 私ども、昨年、政策パッケージでまとめましたように、今回の法改正による改善というものは、あくまで迅速な被害者救済につなげるための発信者情報開示の部分の改善ということでありまして、制度全体としては、事業者の自主的な削除の取組でありますとか、周知、広報、あるいは相談体制の強化、全体としてやはりバランスを取った上で効果的な対策をしっかりと推進をし、また、その効果が上がっているかを定期的にモニタリングをいたしながら改善をしていく、この全体の取組が必要と考えております。

#134
○足立委員 ありがとうございます。
 その関連で、御承知のとおり、三月三十日にBPOが、木村花さんの関係で、木村さんのお母様が、過剰な演出が番組内であったのではないかということで、人権侵害があったとBPOに申立てをされて、フジテレビは、人権侵害は認められないと反論された、それに対して、委員会は、人権侵害は認められないが放送倫理上の問題があったと判断し、フジテレビに対して改善のための対策を講じることを要望したと、これはBPOのホームページですが、承知しています。
 これは放送番組の中身の問題ですから、総務省から何かというのは言いにくいかもしれませんが、大臣の方から、このBPOの判断について、もしおっしゃっていただけることがあれば受け止めをお願いします。

#135
○武田国務大臣 御指摘の、三月三十日、BPOが委員会決定を行ったことは承知をいたしております。
 総務省としては、放送番組に係る問題につきましては、放送事業者の自主的、自律的な取組により適切な対応が行われることが重要と考えておりまして、今回のBPOの意見等を踏まえたフジテレビにおける対応を注視してまいりたいと考えております。

#136
○足立委員 ありがとうございます。そういうことだと思います。
 ただ、私は、こういう地上波をめぐる、電波放送をめぐるいろいろ不満があるんですね。余り言うとまた番組に出させていただけなくなるので申し上げられませんが、いろいろ不満があります。
 何が不満かというと、やはり民主主義の観点から、もちろん、いろいろな表現をしていくことは大事だし、いろいろな情報を提供していただくことは大事なんだけれども、何かゆがめていたりとか、非常にへんぱなことで、私も政治家として被害を被っております。裁判費用も限られているので訴えているケースは少ないですが、ちょっとこれはひどいじゃないかということが少なくありません。
 そういう中で、私は、これからも、一度ここでも申し上げたことがありますが、もう地上波は返上してくれ、ほかに使いたい利用用途がたくさんあるから。テレビ放送については、地上波はもう返上ということを、なかなかこれは、党の公約に入るかどうかはまた調整しますが。
 何か、ニュースを見ていると、検索していると、かつて、昨年の六月に、テレ朝ホールディングスについて、アメリカのRMBキャピタル、投資ファンドが、要は、利益率も低いから地上波電波を返上せよなんということを株主として要求しているなんということもあるようでありますが、そういうことを議論せざるを得ない時代にもう入っているというふうに私は考えているということを付言しておきたいと思います。
 ということで、プロバイダー責任制限法は一旦、もう賛成ということにさせていただきたいと思いますが、少しこの時間をおかりして、昨日も内閣委員会でもやりましたが、また総務委員会でも別途一般質疑の形で時間を取っていただけるような議論があると承知していますが、フジテレビの話、これを少しやっておきたいと思います。
 昨日、内閣委員会に、総務省、それから財務省にも来ていただいて議論しました。今日も財務省にもお越しいただいています。結局よく分からないんですよ、なぜ二〇%か。だから、この委員会でも、大臣もいろいろお困りになってというか、急にいろいろ降って湧いてきて、いろいろな、この場でもう翌日から、いつ知ったんだとか、そういう微に入り細に入り議論があって、いや、ちょっと整理するから待ってくれと。ごもっともだと思います。私は、そういう脊髄反射のような質問はしません。そうじゃなくて、そもそもその二割って何の意味があるのということを今日は確認をさせていただきたいと思います。
 ちょっと順番をどうするかですが、財務省から行ってもいいんですが、もう一回ちょっと、教育的と言ったら失礼ですが、これはまた国民の皆様も見ますから、財務省から、一般的なことでいいので、外為法の対内直接投資規制について御紹介をいただけますか。

#137
○土谷政府参考人 お答え申し上げます。
 外為法につきましては、直近、令和元年に大きな改正を行ってございます。その目的としましては、二点ございます。
 一つは、日本経済にとって非常に重要な、健全な対内直接投資を一層促進するため、外国投資家自ら又はその関係者が役員に就任しない等、一定の基準の遵守を前提に事前届出を免除する制度を導入する一方で、もう一点、重要な点でございますが、国の安全等を損なうおそれがある投資に適切に対応するため、上場会社の事前届出の対象となる閾値を一〇%から一%に引き下げ、適切に対応できるように措置させていただいたところでございます。

#138
○足立委員 当然、この規制は放送事業者あるいは通信事業者も対象になっています。これは当たり前ですね。
 他方、通信事業者はコア業種に指定されているが、放送事業者はコア業種に指定されていません。財務省の側から、それはどういう整理かということを御答弁いただけますか。

#139
○土谷政府参考人 お答え申し上げます。
 外為法上、国の安全等を損なうおそれがある対内直接投資等に係る業種を財務大臣及び事業所管大臣の連名の告示で指定をしておりまして、放送業も委員の御指摘のとおり指定されてございますが、国の安全を損なうおそれが大きい、いわゆるコア業種には指定されておりません。
 この理由といたしましては、放送法及び電波法によりまして、外国人等による五分の一以上の、二割でございますけれども、議決権保有禁止のような外資規制が既に設けられていること、あともう一点でございますが、いわゆるコア業種ではない場合でも、外国投資家が役員に就任しないといった一定の基準の遵守を条件に事前届出免除制度を利用する場合以外は、これは外為法上の事前届出審査の対象となる、そういった点を踏まえてコア業種指定をしていないところでございます。

#140
○足立委員 今御答弁あったように、外為法の外資規制とまさに電波法、放送法の外資規制が相まって、要するに、電波法、放送法で外資規制がなされていることも考慮されているという御答弁でした。
 では、総務省に伺いますが、なぜ二割なんでしょうか。まず、一応あれですか、放送法から行った方が。これ、皆さん、ややこしいんですけれども、私の理解が間違っていなければ、放送法は吉田局長、そして電波法は竹内局長に分かれていますよね。外資規制の詳細はちょっと私も分かっていませんが、だから両局長にお聞きせなあかんのかもしれませんが、まず、放送について、なぜ二割か、御答弁いただけますか。

#141
○吉田政府参考人 お答えいたします。
 放送事業者への外資規制は、元々、以前は電波法で一元的に規制しております。(足立委員「もうちょっと大きな声で」と呼ぶ)はい。済みません。
 放送事業者への外資規制は、以前は電波法で一元的に規制しておりました。元々は、三分の一未満を上限とする規制でスタートしております。これが、昭和三十三年の電波法改正の際に、外資規制比率の上限を、三分の一未満だったのを五分の一未満に引き下げる、放送用無線局については引き下げるといった改正をしております。
 このときの考え方は、外国におけるやり方を参照したと当時の記録に残っております。具体的には、米国等の諸外国における放送局に係る外資規制比率が五分の一未満となっている国がかなりあったということを参照して、このような現状の規制の水準になったと承知しております。
 なお、その後、放送、電波関係法制の改正が行われ、その中で、ハード、ソフト分離などの制度を導入する中で、ハード、ソフト一致でやるものは放送用無線局ということで電波法による免許を行いますが、ハード、ソフト分離で放送を行う場合には放送法に係る認定ということで、そのように、大本が電波法にあったものを、放送法、電波法、それぞれで現状は規律しているという状況でございます。

#142
○足立委員 竹内局長、何かつけ加えることがありますか。あれば。なければいいですよ。ないですね。
 今御答弁いただきましたが、昭和三十三年ですよ、大臣。昭和三十三年に、いや、アメリカも何かそれっぽかったからそうしたんだと。それ以外の合理的理由が見出せません。
 航空法は今でも三分の一です。三分の一なら分かるんですよ。会社法との見合いで一定の合理性が見出せるからです。でも、アメリカはどんどん、世界はどんどん変わってきているのに、日本のこの二割規制、五分の一規制というのは、昭和三十三年に、合理的理由はなく、隣を見たらそんなものだったからそうした、それが今も残っている。
 電波法、放送法は二割だけれども、航空法は三分の一で合理性がある。NTT法は一割とかかな、それはちょっと、今のは間違っていたらいいや……(発言する者あり)NTT法も三分の一。だから、それは合理性があるんですよ。だから、竹内さんの世界は合理性があるんですよ。別に、お茶を飲む仲間だから言っているわけじゃないんですが。あっ、この意味は分からないですね、皆さんね。
 大臣、是非、これは大臣にも御認識を深めていただきたいのは、これはひどいなというのが正直な感想です。だから、守っていなかった東北新社、フジ・ホールディングスとかいう問題以前に、そもそもこの規制って何だということを、やはりこの際、ちゃんと議論した方がいい。
 もう一つ気になるのは、エンフォースメントです。両法は、両局にまたがっていますが、そのエンフォース、要は、外資規制を常日頃から見張る、これは、それぞれの所管課が、それぞればらばらに、それぞれの対象をやっているという理解でいいんですか。どっちでも。

#143
○吉田政府参考人 私どもの情報流通行政局では、放送法に基づく認定はもちろんのことでございますけれども、電波法に基づく放送用無線局の免許の事務についても所掌しているところでございます。したがいまして、放送に関する部分は私どもの局の方で所掌してございます。

#144
○足立委員 それはどうやってエンフォースしているんですか。要は、常日頃から見ているのか、一年に二回、報告書が上がってきたときなのか。ちょっと簡単に御紹介を。

#145
○吉田政府参考人 電波法に基づく放送用無線局につきましては、再免許という仕組みがありまして、五年に一度の再免許がございます。その際に、欠格事由の有無について申請者が申告し、それを確認しております。
 例えば、地上基幹放送事業者、いわゆる地上のテレビ、ラジオなどにつきましては、その申請書の添付書類として、外国人等の占める議決権の数等の提出を求めておりまして、これにより外資の議決権比率を確認しております。
 また、免許期間中におきまして、これらの状況に変更があったときには変更の届出をすることを求めておりまして、その届出を確認しているという状況でございます。

#146
○足立委員 その程度しかやっていない。
 それから、さっき申し上げたように、いや、僕、気持ちは分かるんですよ。だって、担当課とか担当者、担当ラインからしたら、これは、何のためにそれをチェックしているか理由が分からないですよ。安全保障と言うんだけれども、なぜ二割かも分からないのに、二割をずっと監視しているわけです。いや、監視していないわけです。だから、ずさんだったわけです。
 でも、それは、何か、担当者が悪いとかいうことじゃなくて、そもそも、これは制度の合理性が何かよく分からないから、どうしてもずさんになっていく、受け身になっていく。報告があったら対応する。東北新社のケースは、何か相談はあったけれどもとか、まあそれはいいんですが、どうでも。そういう大変ずさんなことになっていたんじゃないかと私は思っています。ただ、それは、繰り返しになるが、制度の問題だ。
 それからもう一つ、これも吉田局長になるのかもしれませんが、議決権で見ているんですね。これも、外為法は発行済み株式総数に占める割合も見ています。だから、先ほどの話でいえば、外為法、財務省は一応見てくれているんです。だけれども、総務省は、少なくとも、今の放送法の規定上は、これは議決権だけだから、今話題になっているフジホールディングスも、それから日テレもそうですね、発行済み株式総数でいうと二割をずっと超えています。ではそれはいいのかというのも、これはもうやりませんが、多分説明できないです。なぜ株式総数は三割でもいいんだ、何で議決権だけ抑えればいいんだと。
 では、外資が放送局に与える影響、これは財務省、ちょっと一言でいいんだけれども、要は、外資が日本の企業に影響力を行使する方法というのは議決権だけじゃないですよね。そうだと言ってくれたらいいんだけれども。(発言する者あり)

#147
○石田委員長 そこで答えたらいかぬ。ちゃんと説明して。

#148
○足立委員 いやいや、せっかくだから、そういうこと、議決権以外も外為法は見ているし、それは金銭的なものとか、要は、議決権がなくたって、株式を持っていることによって資金提供はしているわけですから、資金供給はしているわけですから、いろいろな影響力を行使している、あるいは役員、取締役、様々な影響力の行使の仕方があるということでいいですね。

#149
○土谷政府参考人 お答え申し上げます。
 外為法は、委員の御指摘のとおりでございまして、外国投資家による企業経営への影響力に着目してございます。したがいまして、外国投資家による一定の株式の取得のみならず、金銭の貸付け等も規制対象としているところでございます。

#150
○足立委員 大臣、そういうことです。だから、釈迦に説法で恐縮、大臣はよく今精査をしていただいていると思いますが、私は、是非、武田大臣のリーダーシップは、維新以外の野党はいろいろな質問をすると思いますが、適当に答えて……(発言する者あり)ああ、失礼失礼、ちゃんと答えて、ちゃんと答えないといけないけれども、それはそれでしょう、だって、そんなの、いつ報告を受けましたかとか、いいですよ、そんなこと。いや、それは整理して出していただいたらいいんだけれども、私が今日問題にしているのは安全保障です。
 それから、放送事業者の世論に与える影響は甚大です。私たち政治にとっても、政治報道によって我々の政治生命は左右されるぐらい大変な、それが外国から影響を受けていればなおさらです。
 その規制体系が、今御紹介申し上げたように、まず、規制の方法が議決権だけなので、要は名簿に登録しなければ済むみたいな形で行われていることが、それだけでは当然ないわけです、外為法でいえば。それから、二割という理由もよく分からない。
 当然、その結果、エンフォースも十分ではなかった面が出てきた。それは結果であって、現況は、そもそも放送法における外資規制の合理性がよく分からないからなんです。
 すぐ何かやってくださいとは言いません。でも、大臣、やはり大臣の御指示で、何かこの議論が総務省の中でもちゃんとされるような端緒をつくっていただきたい、こう思いますが、いかがでしょうか。

#151
○武田国務大臣 御指摘は正面から受け止めたいと思いますし、この機を捉えて、やはりありとあらゆる角度からいま一度検証し直してみなければならないと思っております。
 そして、やはり合理性というものもしっかり確立しなければなりませんし、この重要な国家の安全保障に関わる問題が将来にわたってどうあるべきか、しっかりと議論を重ねてまいりたいと考えております。

#152
○足立委員 ありがとうございました。
 以上で終わります。ありがとうございます。

#153
○石田委員長 次に、井上一徳君。

#154
○井上(一)委員 国民民主党・無所属クラブの井上一徳です。
 本日は、プロバイダー責任制限法改正案、この審議ですけれども、その前に一つ確認をしておきたいと思いまして、今日は坂井官房副長官にも来ていただいております。
 前回の議論で、石垣市が字名を変更したということで、登野城尖閣、それで、今、標柱を造り、それを尖閣諸島に設置したいということで、これから上陸申請をするわけですけれども、まだ政府の窓口が決まっていない、これを早く決める必要があるのではないですかという質問をいたしまして、政府参考人と何度か議論をして、一時は審議も委員長に中断していただきながら確認して。
 私、最初、こういうふうに質問したんですね、先ほども言ったように、まだ決まっていないので、早く決める必要があるのではないですかと。そうすると、政府参考人からは、総務省を中心に関係省庁間で調整が行われているものと承知していますという、済みません、内閣官房じゃないですよ、これは総務省を中心にしてやってもらっているんですという答弁だったので、いや、それは内閣官房が責任を持って調整する話ではないですかというやり取りを何回かしたわけです。
 それで、最後には、内閣官房の山本政府参考人から、内閣官房の総合調整の下で政府において適切に判断してまいりたいという答弁でしたので、私は、内閣官房が責任を持って政府の窓口について調整し、この上陸申請についても責任を持って対応するという理解をしております。
 尖閣は、中国はこれをもうずっと狙っていますので、戦略的に、政府がやはり一丸となって対応しなければならない問題だと思うんです。
 そういう意味で、やはり内閣官房が責任を持って対応する、これが重要だと思っておりますので、今申し上げた点を副長官に確認しておきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

#155
○坂井内閣官房副長官 前回の質疑のときに委員から御指摘をいただきました窓口の問題であります。
 御指摘のとおり、どこが窓口になるのかという総合調整は内閣官房がそれを行う任務があると思っておりまして、今それは進めさせていただいているところでございます。
 先日の質疑のときに、石垣市から六月にも申請が上がるぞ、こういうお話があったと思いますので、六月、その申請が上がったときには、どこが窓口か分からないというようなことがないように、近々、内閣官房の裁定により窓口を決めることになろうかと思っております。

#156
○井上(一)委員 是非、内閣官房で責任を持って本件について対応していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 では、副長官、わざわざありがとうございました。これで結構です。
 それでは、プロバイダー責任制限法改正案について幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 これは、この中でもう随分議論がありましたけれども、インターネット上の誹謗中傷などによる権利侵害について円滑に被害者救済を図るための法律と理解しておりますし、また、国民民主党・無所属クラブも賛成をさせていただく法律であります。
 ただ、SNS各社に非常に厳しい対策を求めている欧州などに比べて日本の対応は遅過ぎるという指摘もあります。アメリカとかEUなどではどういうような対応が現在行われているのでしょうか。

#157
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 インターネット上の違法・有害情報対策について、例えば欧州委員会は、昨年十二月にデジタル・サービス・アクトの法律案を公表いたしました。この法律案では、利用者保護のための規定として、利用規約の公開、透明性報告義務、苦情受付体制の整備など、事業者による透明性及びアカウンタビリティー確保のための義務規定が設けられております。また、ドイツでは、プラットフォーム事業者による迅速かつ確実な削除を求めることを目的として、違法情報について、一定の削除義務や、適切な対応を行わなかった際の過料を科す法的規制が導入されております。
 しかしながら、このドイツの立法例につきましては、削除義務や過料規定が表現の自由への萎縮効果を生むという批判がありますことや、フランスにおいて立法された法律において二十四時間以内の削除義務規定が違憲と判断されたことなど、諸外国の動向を踏まえますと、我が国において削除に関する義務づけや過料などを科す法的規制を直ちに導入するということについては、極めて慎重な判断を要するものと考えられます。
 一方、米国におきましては、言論の自由を重視する立場から、従来より、プロバイダーには広範な免責が認められてきているところでございます。

#158
○井上(一)委員 ありがとうございました。
 それで、今回の法律で、新たな裁判手続の創設ということになります。今までは発言者の特定のために二回の裁判手続を経ることが一般的に必要だったものが、一つの手続で行うことが可能になるということであります。
 この新たな裁判手続の創設の前の、現行の制度ではどのぐらいの申立てがあったんですか。

#159
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 発信者情報開示請求の件数について、網羅的には把握していないところでありますが、東京地方裁判所における件数をお答え申し上げます。
 東京地方裁判所におきましては、令和元年に終局した事件のうち、事件名に発信者情報を含む件数を集計いたしましたところ、年間で約五百二十件であったとのことでございます。なお、同年に受け付けた発信者情報開示仮処分の件数は、約六百三十件と承知しております。

#160
○井上(一)委員 現行から新たな裁判手続になれば、使いやすいということで、件数も増えることは予想されますけれども、大体、今までのこの手続にどの程度の期間を要していて、そして、新たな裁判手続になればどの程度その期間が短縮されると見込まれるのか、御説明いただきたいと思います。

#161
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 現在の裁判手続におきましては、二回にわたる手続が必要であったということから、合計いたしますと一年近くを要するということ、もちろん事案によって期間は異なりますけれども、一年近くかかるものも数多くあったということでございます。
 今回御審議いただいております新たな裁判手続において開示に要する期間につきましては、これは全く新たな裁判手続を創設するということでありますので、当然、個別の事案によって異なってくることも想定されますので、一概にお答えすることは難しいわけでありますが、先ほどの質疑の中でもお答え申し上げましたように、二段階の手続が一本化され一定程度の時間短縮が図られるということで、個別の事案によって異なるものの、数か月から六か月程度で可能になることを私どもとしては期待をしたいと考えております。

#162
○井上(一)委員 ありがとうございました。
 続いて、裁判の管轄権であります。
 これは先ほども議論がありましたけれども、被害に遭った方が発信者情報開示命令の申立てを行うということで、法人の場合は相手方の事務所又は営業所、それに加えて、東京地方裁判所や大阪地方裁判所も管轄になるというふうに承知しておりますが、被害に遭われた方の便宜を考えると、原告の住所地にある簡易、地方裁判所、こういったところにも申立てをできるようにすべきと考えますが、この点はいかがですか。

#163
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 本改正案におきましては、裁判の管轄につきましては、先ほど御紹介ありましたように、プロバイダーの主たる営業所の所在地を管轄する地方裁判所、あるいは、東日本におきましては東京地裁、西日本におきましては大阪地裁にも認めるという規定としてございます。
 本改正案におきまして、委員御指摘のように、簡易裁判所に申立てをできる制度とはしておりません。これは、取り扱う事案が表現の自由に関わるものであり、専門性を必要とするということから、地方裁判所で扱うとしているものでございます。もっとも、開示命令事件における審理方法は陳述の聴取でありますので、裁判所は、手続の期日を開かずに、書面による審理結果に基づいて判断を行うことも可能でございます。
 このように、被害者の利便性を損なうことなく、開示命令の審理を進めることができると考えております。

#164
○井上(一)委員 今ありましたように、書面でも申立てができるということであれば、今まさにデジタル化を進めるということで、いろんな申立てなんかも、申請なんかも、私は、デジタルでやれるようにすればいいのではないかと思いますけれども、このデジタル化についてはどういうようなお考えですか。

#165
○堂薗政府参考人 お答えいたします。
 現在、発信者情報開示請求に係る裁判手続の申立てをオンラインで行うことはできない状況でございます。
 もっとも、民事裁判手続のIT化につきましては、現在、オンラインによる申立てを含め、法制審議会民事訴訟法(IT化関係)部会において調査審議がされているところでございます。
 新たな裁判手続は非訟事件の手続でございますが、非訟事件の手続のIT化を含む民事裁判手続全般のIT化は、国民の司法アクセスの向上に資するものであり、重要な課題というふうに理解しているところでございます。
 民事訴訟手続のIT化の検討状況を踏まえつつ、非訟事件手続のIT化につきましても、関係省庁等とも連携して、しっかりと検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。

#166
○井上(一)委員 できるだけ早く結論を出していただきたいと思います。
 それと、誹謗中傷の書き込み、これは、個人の持っている携帯のみならず、ホテルとかインターネットカフェなど、不特定多数の方が利用するパソコン、こういうのを利用して誹謗中傷の書き込みが行われることも想定されますが、仮にそうしたところから発信された場合に、どういう対応が可能なんですか。

#167
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 御指摘のケースにおいて、通信事業者と接続契約を締結しているのは、発信者ではなく、発信者が利用したホテルやインターネットカフェの運営者でございます。こうした場合に開示請求が認容された場合、ホテルやインターネットカフェの運営者の名称等が通信事業者から開示されることとなります。
 このような場合、被害者としては、開示されたホテルなどに対して、弁護士会照会などを活用することによりまして、発信者の特定を図ることが考えられます。

#168
○井上(一)委員 群馬県で、インターネット上の誹謗中傷に係る被害者支援等に関する条例、これが令和二年十二月二十二日にできたということで、非常に先進的、ユニークな条例として紹介されています。
 そこで、非常に重要だなと思ったのは、相談体制の整備ということで、相談すると、専門的知識を有する者の紹介、弁護士とか臨床心理士等を紹介してもらったり、それから、法律相談や被害者の心のケア等、これを実施するということで、非常にいい取組だと思います。
 政府としても、こういった被害者の相談体制、これの充実を図る必要があると思うんですが、いかがですか。

#169
○竹内政府参考人 お答えいたします。
 総務省では、インターネット上の誹謗中傷の被害に遭われた方からの相談を受け付け、具体的な削除要請の方法などについて的確なアドバイスなどを行う違法・有害情報相談センターの運営委託を行っております。違法・有害情報センターでは、年間約五千件の相談を受け付けております。
 また、地方自治体におきましても、委員御指摘のように、例えば、群馬県では被害者支援のための条例を制定され、被害者への相談窓口を開設しているものと承知をいたしております。また、先ほども御答弁申しましたように、コロナ禍におきまして、県が様々な役割を果たして、被害者救済に住民の方と一緒に取り組んでおられるような事例もございます。
 この点、違法・有害情報相談センターにおきましては、地方自治体との連絡体制を構築をいたしまして、関係職員を対象とした研修などを実施しているところでございます。
 今後、こうした取組についても、一層しっかり取り組んでまいりたいと考えております。

#170
○井上(一)委員 委員会の議論の中でも出ていましたけれども、なかなかこれを知っている人が少ないというふうに思いますので、政府広報とか、あとは、CMで、よくACとかやっていますけれども、ああいうところに協力依頼するとかということで、是非多くの方々に知ってもらうように努力をしていただきたいというふうに思います。
 残りの時間で、新型コロナについて少し質問をさせていただきたいんですが、変異型の新型コロナが非常に増えているということで、関西でも猛威を振るっていますし、蔓延防止については、都も要請の準備に入る段階だということで、この変異株の感染拡大、国民の多くの方々が心配されております。
 その中で、本当に、今の入国制限、これがどうなっているのか、ちゃんと厳しくやっているのかというふうに問題意識を持っておられる方もおられます。
 今現在、この入国制限措置、どういう措置が取られているのか、御説明ください。

#171
○石田委員長 出入国在留管理庁丸山出入国管理部長。
 厚生労働省浅沼大臣官房生活衛生・食品安全審議官。(井上(一)委員「法務省じゃないの」と呼ぶ)

#172
○浅沼政府参考人 お答えいたします。
 現在の検疫対応の措置ということでの御質問というふうに承知しておりますが……(井上(一)委員「ちょっと待って」と呼ぶ)

#173
○石田委員長 ちょっと待って。
 井上さん。

#174
○井上(一)委員 いやいや、僕は、最初に法務省に状況を聞きたいなと。

#175
○石田委員長 それで俺が指名したんだよ。
 丸山出入国管理部長。

#176
○丸山政府参考人 失礼しました。
 お答え申し上げます。
 出入国在留管理庁におきましては、入管法五条一項十四号に基づき、特段の事情がない限り、上陸拒否の対象地域に滞在歴がある外国人について、上陸拒否の措置を講じているところでございます。
 現在、この特段の事情により入国を認めている事例としましては、日本人や永住者の配偶者等である方、外交、公用の在留資格に該当する方、例えばワクチン開発の技術者やオリンピック、パラリンピックの準備、運営上必要不可欠な方など公益性のある方、例えば親族の危篤に伴い訪問する方など人道上の配慮の必要性のある方といった新規入国者、そして、通常日本にお住まいになっている方の再入国する方がございます。
 これらの方につきましては、出国前七十二時間以内の検査証明の提出を求めるとともに入国時の検査を実施するなど、防疫強化措置に従うことを条件として、厳格な運用の下、入国を認めるところでございます。
 令和三年三月一日から三月十五日までの間の外国人入国者数及び日本人帰国者数につきまして、取り急ぎ集計しましたところ、外国人入国者は八千九百三十二人、一日当たり五百九十五人、日本人帰国者数は一万九千三百六人、一日当たり千二百八十七人となっております。
 出入国在留管理庁としましては、水際でのリスク管理に万全を期すため、引き続き、関係省庁と連携し、国内外の感染状況等を見極めつつ、適切かつ迅速な措置を取っていく所存でございます。

#177
○井上(一)委員 一日当たり、外国人の方で五百九十五人、日本人の方で千二百八十七人ということですよね。
 そうすると、そういう方々が本当に感染されていないかということをしっかり検査しないといけないし、それから、その後のフォローもしっかりしないといけないと思うんですけれども、その点はどうですか。

#178
○浅沼政府参考人 お答えいたします。
 政府といたしましては、国民の健康と命を守り抜くことを最優先といたしまして、特に御指摘の変異株への対応につきましては、昨年十二月十九日に英国政府からいわゆる英国変異株に関する公式発表がなされた後、強い危機感を持って速やかに水際対策の強化を行ってきたところでございます。
 現在、検疫におきましては、全ての入国者に対して、出国前七十二時間以内の検査証明の提出を求めるとともに、空港等において検査を実施し、入国後十四日間の待機等について誓約書の提出を求めており、この誓約書に違反した場合は、氏名等の公表や検疫法上の停留、外国人の場合には、在留資格取消し手続及び退去強制手続等の対象となり得るものとしたところでございます。
 さらに、変異株が流行している二十九の国、地域からの入国者につきましては、出国前と入国時の二回の検査に加えまして、検疫所が確保いたしました宿泊施設での待機を求め、入国後三日目に追加の検査を実施した上で、入国後十四日間の公共交通機関の不使用と自宅等待機を求めることとし、入国後十四日間の日々の健康状態や自宅等待機の状況確認等につきましては、国が民間委託により設置したセンターから行っております。
 このように、人的、物的資源等の様々な制約条件も踏まえた中で、リスクに応じた実効的な検疫を実施しているところでございます。
 なお、変異株流行国・地域の指定につきましては、今後も適宜その追加を検討していくこととしており、また、変異株流行国からの入国者に対して行っているセンターからの健康フォローアップにつきましては、先般の政府決定に基づき、順次、対象者を全ての国からの入国者に拡大するとともに、フォローアップ内容を強化し、アプリを活用した位置情報の確認とビデオ通話による状況の確認を原則毎日行い、三日以上連絡が取れない場合には、民間警備会社等による自宅等への見回りを実施することとしております。
 水際対策につきましては、関係省庁が連携し、機動的に実施してきたところでございますけれども、今後とも、国内外の感染状況などを見極めつつ、政府全体として必要な対応を講じてまいりたいと考えております。

#179
○井上(一)委員 本当に、国民の多くの方々は心配されているんです。
 やはり先ほどの人数を聞くと、本当に一人一人きちんとフォローされているのかなという心配があるので、本当に一人一人きちんとフォローしていただきたい。しっかりやっていただきたいと思います。
 じゃ、残り、最後の質問で、GoToトラベル、これはもう停止されておりますけれども、今の状況、こういう状況が続けば、GoToトラベルはしばらくはなかなか難しいと思います。その中でも、地元の中では、観光業とかやっておられる方は、何とか観光を少しでも支援していただけないでしょうか、そういう声が聞こえてきます。
 そういう中で、三月二十六日に国土交通省の方で、自治体独自の旅行割引に補助金を出す措置を決められたというふうに承知しておりますけれども、この内容について説明いただけますでしょうか。

#180
○村田政府参考人 お答え申し上げます。
 緊急事態宣言は解除されておりますけれども、地域によっては蔓延防止等重点措置の対象となるなど、引き続き、緊張感を持って、感染状況等について注視しながら社会経済活動を進めていく必要があり、全国規模での移動を前提とするGoToトラベル事業の再開は当面難しい状況となってございます。
 他方で、感染状況等が落ち着いている地域におきましては、旅行需要の減少により観光関連産業が深刻なダメージを受け、地域の経済と雇用への不安が高まっていたため、従前より、各県においては独自に、県内旅行の宿泊割引等の観光需要の喚起策が講じられてきたところでございます。
 このような状況におきまして、先ほど御指摘いただきましたように、全国の多くの知事から、こうした県独自の取組に対して強力な支援を行ってほしいとの強い御要請をいただいていたことも踏まえまして、今般、地域観光事業支援といたしまして、感染状況が落ち着いているステージ2相当以下と判断した都道府県が、当該都道府県の事業として県内旅行の割引事業を行う場合に、国が財政的に支援することといたしまして、その旨を三月二十六日に発表させていただいたところでございます。
 具体的な支援内容といたしましては、GoToトラベル事業が再開するまでの間、ステージ2相当以下と判断した都道府県が、県民による同一県内での旅行への割引支援を実施することを決定いたしまして、国による財政支援を希望する場合に、旅行商品代金や宿泊料金の半額又は一人一泊当たり五千円のいずれか小さい方の額につきまして、国から当該都道府県に対し補助金を交付するものでございます。
 また、旅行への割引支援と併せて、クーポン等で土産物屋、飲食店、公共交通機関などの地域の幅広い産業に裨益する支援を実施する場合には、更に一人一泊当たり二千円を上限として補助金を交付することとしております。
 本事業につきましては、現在、各都道府県におきまして、感染状況等を見極めながら、事業の実施について検討及び準備が進められているものと承知しております。今後、準備が整った都道府県から順次事業を開始し、当面、五月末まで実施することを基本としております。
 引き続き、地域の観光関連産業を適切に支援してまいりたいと考えております。

#181
○井上(一)委員 質問を終わります。ありがとうございました。

#182
○石田委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――

#183
○石田委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

#184
○石田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――

#185
○石田委員長 この際、ただいま議決いたしました法律案に対し、橘慶一郎君外五名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・無所属、公明党、日本共産党、日本維新の会・無所属の会及び国民民主党・無所属クラブの六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。松尾明弘君。

#186
○松尾委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文の朗読により趣旨の説明に代えさせていただきます。
    特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の各項の実施に努めるべきである。
 一 迅速的確な被害者救済とともに、民主主義の根幹である表現の自由、通信の秘密が確保されるよう特に留意の上、関係機関・団体に協力を求めてインターネット上の誹謗中傷・人権侵害対策に当たること。
 二 インターネット上の誹謗中傷・人権侵害に関する情報発信について、過去の権利侵害に関する判例に基づいたガイドラインを作成する等により、運営事業者自身による契約約款や利用規約等に基づく主体的な削除等の取組を支援するとともに、迅速・的確な削除等の対応ができる環境整備を行うこと。
 三 インターネット上の誹謗中傷・人権侵害情報等に関する相談件数が高止まりしており、今後、デジタル化の進展により多種多様な誹謗中傷・人権侵害情報等の発信が想定されることから、インターネット上で誹謗中傷等を受けた被害者の相談体制を関係機関・団体と連携の上、充実・強化し、実効性のある被害者支援体制を構築すること。
 四 インターネット上の誹謗中傷や人権侵害を防止するためには、社会全体の情報モラル、ICTリテラシーの向上が重要であることから、関係機関が連携協力して啓発活動、加害者や被害者にならない対策を行うとともに、特に児童生徒に対する情報モラル、ICTリテラシー教育を充実させること。
 五 インターネット上の誹謗中傷・人権侵害が海外のウェブサイトやサーバーを経由して行われ得ることから、発信者情報開示手続や削除に関連し、諸外国との間で国際協力体制を構築するよう努めること。
 六 インターネット上の誹謗中傷・人権侵害対策に当たっては、誹謗中傷等に関する相談や削除対応等の件数等について実態把握を行うとともに、本法施行後において、本法に基づく非訟手続による対応件数、開示までの所要日数等を把握し、適切な被害者救済方策となっているかの検証を行い、その結果を踏まえ必要な見直しを行うこと。
 七 インターネット技術の革新が速く、誹謗中傷・人権侵害の態様が今後変化することが予想されることから、変化に適切に対応できるよう、発信者情報開示及び削除制度の不断の見直しを行うこと。
 八 インターネット上の性暴力被害が広がっている状況についても、被害者救済のための運営事業者の役割などを明らかにし、対策を強化すること。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

#187
○石田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕

#188
○石田委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、総務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。武田総務大臣。

#189
○武田国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――

#190
○石田委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#191
○石田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――

#192
○石田委員長 次回は、来る十三日火曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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