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2021/04/09 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 東日本大震災復興特別委員会 第4号 令和3年4月9日
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2021/04/09 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 東日本大震災復興特別委員会 第4号 令和3年4月9日

#1
令和三年四月九日(金曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十三日
    辞任         補欠選任
     山下 雄平君     宮島 喜文君
 四月八日
    辞任         補欠選任
     片山さつき君     山田 太郎君
     進藤金日子君     滝沢  求君
     滝波 宏文君     加田 裕之君
     福岡 資麿君     三浦  靖君
     宮島 喜文君     足立 敏之君
    佐々木さやか君     竹内 真二君
 四月九日
    辞任         補欠選任
     足立 敏之君     今井絵理子君
     加田 裕之君     滝波 宏文君
     滝沢  求君     中西  哲君
     三浦  靖君     福岡 資麿君
     山田 太郎君     片山さつき君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         杉尾 秀哉君
    理 事
                そのだ修光君
                羽生田 俊君
                森 まさこ君
                和田 政宗君
                田名部匡代君
                若松 謙維君
                石井 苗子君
                舟山 康江君
    委 員
                足立 敏之君
                石田 昌宏君
                今井絵理子君
                加田 裕之君
                片山さつき君
                佐藤  啓君
                酒井 庸行君
                清水 真人君
                高階恵美子君
                滝沢  求君
                滝波 宏文君
                堂故  茂君
                豊田 俊郎君
                中西  哲君
                福岡 資麿君
                増子 輝彦君
                三浦  靖君
                宮本 周司君
                山田 太郎君
                吉川ゆうみ君
                石垣のりこ君
                江崎  孝君
                小沢 雅仁君
                木戸口英司君
                横沢 高徳君
                下野 六太君
                竹内 真二君
                三浦 信祐君
                横山 信一君
                梅村みずほ君
                榛葉賀津也君
                芳賀 道也君
                岩渕  友君
                紙  智子君
                嘉田由紀子君
                渡辺 喜美君
   国務大臣
       経済産業大臣   梶山 弘志君
       環境大臣     小泉進次郎君
       国務大臣
       (復興大臣)   平沢 勝栄君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        小此木八郎君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  岡田 直樹君
   副大臣
       復興副大臣    横山 信一君
       内閣府副大臣   赤澤 亮正君
       総務副大臣    新谷 正義君
       経済産業副大臣  江島  潔君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       三谷 英弘君
       厚生労働大臣政
       務官       こやり隆史君
       国土交通大臣政
       務官       朝日健太郎君
   政府特別補佐人
       原子力規制委員
       会委員長     更田 豊志君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        林  浩之君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       松本 裕之君
       内閣府大臣官房
       審議官      村手  聡君
       内閣府大臣官房
       審議官      佐藤  暁君
       復興庁統括官   開出 英之君
       復興庁統括官   角野 然生君
       復興庁審議官   阿久澤 孝君
       復興庁審議官   岡本 裕豪君
       総務省情報流通
       行政局郵政行政
       部長       佐々木祐二君
       文部科学省初等
       中等教育局教育
       課程総括官    串田 俊巳君
       文部科学省研究
       開発局長     生川 浩史君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       田中佐智子君
       水産庁漁政部長  倉重 泰彦君
       水産庁増殖推進
       部長       黒萩 真悟君
       経済産業省大臣
       官房原子力事故
       災害対処審議官  新川 達也君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        井上 智夫君
       国土交通省道路
       局次長      宇野 善昌君
       国土地理院長   野田  勝君
       観光庁観光地域
       振興部長     村田 茂樹君
       環境省水・大気
       環境局長     山本 昌宏君
       環境省環境再生
       ・資源循環局長  森山 誠二君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       次長       片山  啓君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房緊急事
       態対策監     山形 浩史君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房核物質
       ・放射線総括審
       議官       山田 知穂君
   参考人
       東京電力ホール
       ディングス株式
       会社代表執行役
       副社長      文挾 誠一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○東日本大震災復興の総合的対策に関する調査
 (東日本大震災復興の基本施策に関する件)
    ─────────────

#2
○委員長(杉尾秀哉君) ただいまから東日本大震災復興特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、山下雄平さん、佐々木さやかさん、片山さつきさん、進藤金日子さん、滝波宏文さん及び福岡資麿さんが委員を辞任され、その補欠として竹内真二さん、山田太郎さん、滝沢求さん、加田裕之さん、三浦靖さん及び足立敏之さんが選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(杉尾秀哉君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 東日本大震災復興の総合的対策に関する調査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますけれども、御異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(杉尾秀哉君) 御異議ないと認めまして、さよう取り計らいさせていただきます。
    ─────────────

#5
○委員長(杉尾秀哉君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 東日本大震災復興の総合的対策に関する調査のため、本日の委員会に東京電力ホールディングス株式会社代表執行役副社長文挾誠一さんを参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#6
○委員長(杉尾秀哉君) 御異議ないと認めまして、さよう決定いたします。
    ─────────────

#7
○委員長(杉尾秀哉君) 東日本大震災復興の総合的対策に関する調査を議題とし、東日本大震災復興の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#8
○森まさこ君 自民党の森まさこでございます。
 まず、処理水について質問いたします。
 資料一と二を御覧ください。これは、福島民報、福島民友という福島県の地元の新聞でございますけれども、処理水について、地元の強い反対認識と書いてあります。二枚目には、県内漁業団体、強い懸念と書いてあります。
 処理水について、突然、七日、おとといに、官邸に漁業組合の会長が来て、処理方法の決定について総理と会談をいたしました。このことは、私自身、寝耳に水の話でございます。福島県の国会議員にも話はなし、福島県の関係者たちにも何の話もなかったということで、突然前の日の夕方に報道されて知った。非常に驚きました。
 やはりこのことについては、江島経産副大臣に前回私が質問させていただきましたが、地元への丁寧な説明をということをそのときもお約束していただいたのに、説明もなくこのようなことが行われたということで、私自身は本当に怒りを覚えています。
 また、そのやり方ですね。やはり福島県に来て言っていただきたかったです。苦渋の決断というのは分かります。廃炉を進めるためにという苦渋の決断ということは分かります。しかし、それであればこそ、それを示すためにも福島県に来てほしかったと思います。
 そして、その時期ですよね。四月一日に本格操業を始めたばかりなんです。その翌日の四月二日に官邸に来てくれという話があったということなんです。漁業者のこの十年間の血のにじむような本格操業までのその姿を見てきました。本当に、原発事故のその後片付けから、御遺体の残る海、そして瓦れきの残る海、そこを自ら片付けしながらの十年間です。試験操業を重ねてやっと本格操業になったその翌日にということで、私は、何で福島県の人間にその時期ややり方や寄り添い方を相談してくれなかったのかというふうに思います。
 決定しても実行するまでには二年掛かるそうですが、もう既に風評被害は始まってしまいます。その二年間の間にしっかりと理解を得るための具体的な方法を示していただきたいし、理解を得られなければ実行しないぐらいの、そのぐらいの強い覚悟を示してほしいと思います。江島副大臣、いかがですか。

#9
○副大臣(江島潔君) まず、この全漁連を始め漁業者の皆様には、これまでもALPS処理水に関しましては議論を重ねに重ねてきているところでございます。
 まず、昨年の四月に、これ福島の方で開催をいたしましたこの御意見を伺う場でございます。これには、福島県漁連の野崎会長に御参加をいただいております。それから、昨年の十月には全漁連の岸会長に御出席をいただきまして、私自身も、昨年九月から着任しておりますけれども、直接岸会長から御意見を伺うことがございました。また、同じ十月でありますけれども、野崎会長にも直接私が御意見を伺っているところでございます。また、野崎会長には、岸会長から梶山経産大臣など関係閣僚に対しても、直接この要請書を手交していただいているところであります。また、これらの漁業関係者の皆様とのやり取りを踏まえまして、昨年の十一月に全漁連の理事会の方に、これは梶山経産大臣が理事会の方に直接お伺いをして、ALPS処理水の取扱いに関するこれまでの議論の経緯等について大臣から説明をしているところでございます。
 このような漁業関係者の皆様とのやり取りを積み上げていく中で、この度は、総理が全漁連の岸会長始め全国の幹部の皆様の声を直接伺うことや、あるいは政府の対応についての理解、それから今後の協力をお願いすることが重要だという判断の下で、梶山経産大臣が呼びかけをして、七日の総理との面会が実現をしたものと承知をしておりまして、この七日の面会の日の当日に私も、このような形で面会がセットされるということを初めて私も報告を受けたところでございます。
 一方で、まさに森委員の御指摘のとおりでありますが、地元関係者の皆様に、このALPS処理水の検討状況を始めとして、廃炉の進捗状況などを丁寧に説明をして御理解をいただくということは大変重要でございます。
 私自身も、本職を拝命してから、この現地対策本部長として何度も福島に訪問をさせていただきまして、様々な関係者といろいろな意見交換を重ねてきているところでありますし、これからもこれは、この政府の方針決定がなされた後も引き続き訪問をして、地元関係の皆様の声をしっかりと受け止めていきたいと思います。
 是非、今後のまたプロセスにおきまして、森先生を始めとして御地元の先生方にもしっかり御指導をいただきながら、この現地対策本部長としての職を務めてまいりたいと思います。

#10
○森まさこ君 いや、江島副大臣は現地対策本部長でございましょう。それなのに当日の朝に知ったということに、私は本当に非常に驚きを覚えました。
 何回も江島さんが福島県に来てくださっていることは知っています。漁業者の方とも何回も協議を重ねてくださいましたけど、だからこそ、やはり現地対策本部長がしっかりそういったことを押さえて、その時期、やり方、中身等についても進言しなければいけないんですよ。本当に私は、このことに対しては苦言を申し上げておきます。
 今、江島副大臣からお話しになったように、当日、おととい、総理から方針を決定することに対しての理解とその後の対応に当たっての協力を要請したというふうに言われましたけれども、これに対して、全漁連の岸会長、そして我が福島県の野崎漁連会長からは、断固反対の立場は変わらないと言っております。それはもう漁業者としては当然のことです。私も福島県の浜通りに生まれて、魚とともに育ってきました。漁業とともに栄えてきたこの浜通り、福島県でございます。
 そして、漁業者だけを呼びましたけど、漁業だけではないんですね、この影響を受けるのは。農業も観光も、全てにこの処理水の決定がなされたら深刻な影響が懸念されます。もちろん安全性については、この間の副大臣の説明で私は理解いたしました。しかし、この安全であるということも国民にまだ浸透しているとは言えない状況にございます。
 漁連からは五つの課題が示されましたけれども、これは決して条件ではないということもおっしゃっていました。
 この五つの課題。一つ目は、処分について漁業者と福島県民と国民へ責任ある説明をしてほしいということです。
 そして二つ目は、会談がされたことによって新たな風評被害が残念ながら始まっています。この今までの風評被害も、これも大変でした。十年、それを乗り越えるために闘ってきたんです。しかし、それもまだ解決をしていないときに更にこの処理水ショックという新たな風評被害が出てきましたら、処理水の処分を実行するのが仮に今から二年後だとしても、風評被害自体の、発生してしまう風評被害への万全な対応をしてほしいということです。
 三つ目は、処理水を安全に処分するということを実行できるのかという問題です。これは、後ほど東電さんにも質問させていただきます。
 四つ目は、将来にわたり漁業を継続できるような対応を取ってほしいということです。
 これは、今までもずっと言ってきましたが、具体的な対策はいまだに政府から示されておりません。四つ目のこの漁業を継続するという対応ということについては、今すぐにでも提示をしていただきたいと思います。先ほど言ったように、四月一日にようやく本格操業を開始して、四月二日に呼出しが来たという、そして四月七日に政府から要請をされたという、漁業者のやる気を砕くような対応でございます。何があっても、本格操業始めたばかりの漁業をしっかり継続できるような対応を取ってほしい、実際にどのような対応をするのか聞いてみたいと思います。
 例えば、今まで地元からはいろんなアイデアが上がっているんです。陸の漁業、最近いろいろございますけれども、そういった設備を設置する、また、技術指導するということに対しての支援でありますとか、もちろん、海での漁業についても価格保証を含めしっかりと支援をしていく体制などでございます。今、後継者不足に悩んでいる漁業の後継者の皆様が、希望を持って将来漁業を続けるという気持ちになるような対策を必ず示してほしいと思います。
 最後は、半減期を念頭に置いた保管継続などの方策をしっかり検討していただきたいということが示されています。
 実際にこの決定をするのはいつなんでしょうか。十三日という報道が流れていますが、適切なタイミングで早期に結論を出していくという政府の言いぶり、よく分かりませんけれども、一体十三日に結論を出すのでしょうか。江島副大臣にお答えいただきたいと思います。

#11
○副大臣(江島潔君) 私も、議員になりまして、この水産行政にいろんな形で携わってまいりました。また、同じ水産をなりわいとする町の出身として、この福島の水産の今後の行く末というのは非常に気にしている者の一人でございます。
 特に、この風評被害によってこの福島の水産が再び悪化するというようなことは、何としてもこれは避けなければいけないと思っております。そのためにも、この風評被害というものは、まず起こさない、そして起きた場合にはそれを最小限にとどめてまた回復をしていくという、いろいろな策を講じなければいけないと考えております。
 今後、何らかの形でこのALPS処理水を処分をする場合には、まずは、その結果、風評の影響を受け得る方々の意見にしっかり耳を傾けてまいります。これは、委員御指摘のように、この水産業だけではなくてほかの業界、業態によっても受ける可能性は十分ありますので、そういう方々も含めてしっかりとまず拝聴させていただきます。そして、それに対しましては国が前面に立ってその払拭に取り組んでいくという決意も併せてお示しをしているところであります。
 また、これまでも、水産業の方々以外にも、地元の自治体、あるいは農林水産業者、幅広くこの御意見、御懸念等を風評に関しては伺っております。これは経産省だけでは対応し切れないものたくさんありますので、関係省庁の間で風評対策に関しての検討は重ねているところでございます。
 具体的に少し申し上げますと、これまでの震災以降の経験を踏まえながら、モニタリングの強化、それから安全、安心に関わる科学的根拠に基づく情報発信、それから農水産品の販売促進、このような風評影響を最大限抑制をする観点から必要な取組において行っているところでございます。
 そして、いろいろ、今までの取組以外のもっといろんなことも検討すべきという声に対しましては、これまで実施してきた取組や業種、これに限定をしないで効果的な新しいアイデアをしっかり取り組んでいく決意であります。
 一例を挙げますと、先日、三月の二十三日でありますが、梶山経産大臣がIAEAのグロッシー事務局長と面談をしております。そのときに、仮にALPS処理水を処分をする場合には、その安全性は厳しく確認をし、国内外に透明性高く発信をしていただけるということを約束をしたところであります。したがいまして、これによって国内外にこのALPS処理水の取扱いの安全性をまた一歩証明できるんではないかと思います。そして、これが風評をまた抑制することにもつながるというふうに考えております。
 こういう取組は、是非、これはALPS処理水の取扱いの決定と併せて、政府として責任を持ってお示しをさせていただきたいと思います。また、お示しをするこの風評対策を実施するために必要な予算でありますが、これは令和二年度の補正予算、それから令和三年度の当初予算を効果的に活用して機動的に対策を講じたいと思います。
 また、十三日に決めるのかという御質問でありますけれども、これは、今日現時点で私は十三日に決定ということは掌握はしておりません。
 また、風評被害でありますが、大変にこれは本当に心の問題でもありまして難しいと私も認識をしております。国内外の小売事業者、それから消費者、様々な方の心理的な受け止め方によってこれは変化する事象でございます。そのために、この方針を仮に決定をした後も、是非、風評被害の影響に関しましては、丁寧に確認をしながらしっかりと機動的に対応していくということを今経産省としては考えております。また、それに伴って新たな予算が必要だと見込まれた場合には、是非これはその対応に関しましてもしっかりとしていきたいと思います。

#12
○森まさこ君 新たな予算が必要なのはもう決まっているんですよ。影響を慎重に見極めて、見込まれた場合には予算を新設するのでは間に合わないです。すぐにこの処理水ショックに対応する予算を新設することを強く要望をいたしたいというふうに思います。
 先ほど言ったように、十年ずっと努力をしてきたわけでございます。地震があり、津波があり、原発事故があり、風評被害があり、風化があって、それに耐え抜いてきたんだけれども、令和元年の台風もあり、そして今年の大きな地震、これは余震だということですが、十年後に大きな地震があって、昨日もその地域の首長と話をしてきましたけど、もう本当に倒れそうになって対応してきます。その合間にコロナも起きていて、もう本当に福島県は、漁業者だけでなく農業者も商工業者も観光業も、本当に風前のともしびであります。もう既に毎日のように倒産をしてしまった業者の話も聞いているわけです。ここで処理水ショックがあったら、みんな本当に立っていられないんです。だから、この処理水について、安全なのは分かっていますよ、それについての情報発信もしっかりやるということで、それはお願いします。
 しかし、これは処理水ショックに対しての、風評被害に対しての新たな予算措置、これはもう本当に同時に作っていただきたいと思います。そして、その規模は、予備費を使って大きな規模でしっかりと対応できるものを作っていただきたい、まとまった金額を入れていただきたいと思います。そして、その中身は、今までやってきたようなことの焼き直しでは足りないんです。それでは足りないんです。ですから、今ちょっと副大臣も言いましたけど、新たな事業を、新たな効果的な事業を今までの前例を突き破ってつくっていただきたいと思います。
 様々な産業の財政面も支える、金融面も支える、そしてそれをきちっとコンサルしていく、海外展開までも考えてやっていくということまで支援をしていくようにやっていただきたいと思いますが、経産副大臣、もう一度、この新たな予算、しっかり作るということについてお答えをいただきたいと思います。

#13
○副大臣(江島潔君) 重ねて申し上げますが、この風評被害に対しましては国が前面に立って責任を持って取り組んでまいります。したがいまして、具体的なこの処理水の方法の決定に併せまして責任を持ってこの風評被害対策を発表していきたいと思いますし、またそれに伴う予算も確実に確保できるように努力してまいります。

#14
○森まさこ君 そして、その予算で行う新たな事業ですけれども、地元の声をちゃんと聞いてほしいんですよ。今回も地元の声を本当に聞いているのかなという、本当に残念に思うんですけれども、地元の方をメンバーに入れた処理水風評対策会議のようなものを立ち上げていただいて、どんな新たな事業をその予算で展開していくのか、どんなことをやったら効果的なのか、どんなことをやって支えてほしいと地元は思っているのか、そういう検討する場をつくっていただきたいと思いますが、いかがですか。

#15
○副大臣(江島潔君) 政府方針が決定をしましたら、直ちに私もまた現地に足を運びまして様々な関係各位との報告や意見交換をしてまいりたいと思いますが、そのまた中におきまして、この風評対策も、今、森委員が御指摘の方向に沿ってしっかりと取り組んでいきたいと思います。

#16
○森まさこ君 そして、原発のテロ防護対策に問題を起こしたばかりの東電でございますが、実際にこの処理水の対策が決まったときに安全に処理水を処分できるのか、答弁をお願いします。

#17
○参考人(文挾誠一君) それでは、お答えさせていただきます。
 これから国から方針が示されるということになると思いますが、いずれの方法にしろ、処分につきましては、我々当事者でございますので、しっかりと責任を持って取り組んでまいりたいというふうに思います。
 当社は、二〇二〇年三月の検討素案でお示しをさせていただいておりますが、処理水を環境に放出するに当たりましては、放出する前の水につきまして、当社だけではなくて第三者による分析もきちっと行った上で、その法律に定める基準未満値であることを確認した上で、安全に実行ができるように取り組んでまいりたいというふうに思います。
 また、風評被害ということでございますが、これを起こさないためにということで、情報の発信に当たりましても、これは関係者の御意見を伺いながら、分かりやすく丁寧に安全性について公表してまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。

#18
○森まさこ君 当事者ですのでしっかりと取り組んでいきたいというのは、テロ防護対策できなかったその口で言われても全く信頼できないですね。
 ですので、要するに今言った第三者のチェックですか、そこの第三者に誰を選ぶかというそのメンバーが大事だと思いますので、しっかりと客観的な目でチェックできるように、私も今後しっかり注視をしていきたいと思います。
 次の質問に入ります。
 テロ防護対策ですね。今日、このテロ防護対策、失敗があったということで、東電の社長をこの委員会に招致をしたんですが、いらっしゃいませんでした。おととい、東電の社長の記者会見がありました。これはもう本当に大きな問題ですよ。それなのに、どうして復興のことをやる当委員会に社長が来ないんですか。説明してください。

#19
○参考人(文挾誠一君) 大変申し訳ございません。
 社長所用によりまして、本日は私が対応させていただきます。

#20
○森まさこ君 誠実性が感じられません。理事会でも、どうして今日これ社長が来ないんだという御意見が出たんですよ。
 記者会見を見ても、もう社長のこのテロ防護対策のミスについて、反省の色が感じられませんでした。テロ防護措置の設備が壊れていたと。それがあって三十日間放置をされていたんですよね。そのときに代替措置をとったと。代替措置をとったけれども、代替措置も機能していなかったわけでしょう。また、そのことについて謝るなら分かります。そのことについて何と言ったかといったら、規制庁からは基準を満たしていなかったと評価されたが、自分たちはやっているつもりだと、そういう言い方ですから。
 その代替措置がもう効果を満たしていなかったということについては、テロ防護の観点から具体的なことは言えないようですけれども、本当に初歩的なレベルのミスでしょう。こんなことで、もしテロの侵入を起こしたら、原発に何かあったらと思いますと、国家の存立と国民の命に関わる問題ですよ。その結果の重大性を考えたら、このような稚拙なミスは許されるものではないんです。先ほど、当事者だからしっかりやると言いましたが、そう言っておきながら、こんな稚拙なミスをして三十日間もテロの侵入を許すような状況を放置していたということで、私は東電の体制を見直さざるを得ないというふうに思います。
 規制する側の規制委員会に質問をいたします。
 今回、規制委員会では、設備の故障について報告を受けることを義務付けていなかったということです。ですので、最初に設備が壊れてから長期間テロの侵入を許す状態になっているということに気が付いていませんでした。つまり、代替措置がとられたことも、それが機能していなかったことも三十日間知らなかった。検査に入ってやっと気が付いたということです。
 先ほど申し上げたように、気が付かなかったでは済まされない問題なんです。このようなことでは、福島県の原発の廃炉も東電さんに安心して任せられませんよ。これが改善されないのであれば、私たちは規制委員会も東電さんも信用できないと思います。そういう意味で、私は規制委員会も検査のやり方自体を見直すべきだと思います。
 私は、自民党の治安・テロ調査会長を四年間やらせていただいて、各国のテロ防護対策を見てまいりました。また、国際危機管理士、エマージェンシーマネジャーの資格も取りまして勉強してまいりましたが、諸外国では規制する官庁の規制官が常に原発に常駐をして監視するんですよ。規制庁では、日本ではですよ、現場に検査官がいる場合でもテロ防護については見ていなかった、見るルールになっていないということなんです。もう本当に唖然とします。
 このテロ防護については、私どもが幾ら尋ねても、テロ防護については秘密が漏れたらテロ防護にならないから答えられないんですと言って、我が国は原発のテロ防護体制については国会議員にも明らかにされることがないんですよ。だから、信頼をしてお任せするしかないんだけれども、今回このようなことが起きたら全く信頼できないんです。
 ですから、規制庁に、更田委員長、今日来ていただきましたけれども、今後はやり方を変えて、テロ防護のセキュリティーをチェックする検査官を常駐させるという仕組みに変えたらいかがですか。

#21
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。
 先生御指摘のように、核物質防護につきましては、情報の管理に細心の注意を払うという必要がありますことから、情報に触れる者の範囲をできるだけ広げずに、核物質防護に係る専門知識や専門資格を持った職員による検査にこれまで限っておりました。
 今回、東京電力の事案を受けて、まず、設備の故障が判明をした後、代替措置が十分なものかというものの確認に、これは急ごうということで、二十四時間常駐をしております常駐の検査官を活用する形を取りました。今回、これが功を奏して、抜き打ちでなくても同じ結果だったかもしれませんけれども、代替措置が極めて不十分なものであるということは把握することができました。
 今後、先生の御指摘のとおり、改善の必要はあると規制委員会でも考えておりまして、常駐の検査官を核物質防護に係る規制にも活用してまいりたいというふうに考えております。

#22
○森まさこ君 私、三月三日の予算委員会で総理に対して質問したんですけど、福島弁で言うと、だから言ったっぺということなんですけど、あのときに私が総理に提案したんですよ。原発のことだけじゃない、テロのことだけじゃない、津波のことだけじゃない、これからは危機というものは複合的に来るということを考えてオールハザードで対応するというのが、エマージェンシーマネジャー協会でも国際的なもう本当に常識になっています。でも、我が国は一個ずつ全部縦割りにやっているんです。だから、今回、原発のテロ防護ということに関して本当に隙間があったんですね。私は、官邸の中に危機管理室、まあ今もあるんですけど、それをバージョンアップしてオールハザードアプローチをできるような仕組みにするべきというふうに提案をしたんです。
 復興大臣と江島経産副大臣の方で、官邸の中でこういう危機管理体制ができるように応援をしていただきたいということを今日はお願いをするのにとどまらせていただきますけれども、よろしくお願いしたいというふうに思います。
 次に、この処理水が決定される、方針が決定されることによって新たな予算で対策を取ってもらうことをお願いしておりますが、現状で観光庁は観光の風評対策についてはどんな対策を取るおつもりなんでしょうか。

#23
○大臣政務官(朝日健太郎君) お答え申し上げます。
 福島県の観光振興につきましては、原発事故に関わる風評の影響がいまだ残っていると国土交通省でも考えておりまして、福島県ならではの魅力や安全性を正確に発信をし、福島への人の流れを生み出していくことが重要だと考えております。
 令和三年度も、福島県が独自に取り組まれております福島県観光関連復興事業実施計画に基づく風評の払拭に向けた県の取組を観光庁の予算で支援することを続けております。さらに、先般の当委員会におきまして森委員から御指摘がありました、風評対策を一層強化する観点から、令和二年度も、第三次補正予算を活用いたしまして、福島県における観光資源の磨き上げや風評防止のための情報発信を重点的に支援する事業を新たに実施することといたしました。
 今後とも、先生の御地元であります福島県の御指導をいただきながら、様々な風評が福島県の観光事業に及ぼす影響を注視し、また安全性に関する正確な情報を発信しながら全力で支援してまいりたいと考えております。

#24
○森まさこ君 この規模が三億ということで、全然足りません。これは、この処理水ショックが起きる前に私、国交省副大臣のところに行って全然足りないじゃないかと怒ってきたんですけど、さらに、これで処理水の決定がなされたら、今言っているようなお話で福島県の観光業が救えると思いますか、平沢大臣。
 次に、復興大臣に答えてもらいたいと思うんですが、今日ずっと江島経産大臣にいろいろ御提案申し上げてきました。この処理水の問題について福島県民の気持ちに立っていただきたい。福島県民の気持ちに立って閣議の中で発言できるのは平沢復興大臣しかいないんですよ。ですから私お願いをいたしますけど、さっきからるる述べてきたこと、やり方を含め、時期も含め、内容も含め、本当に傷ついた福島県民の気持ちを背負って、これを決定するときには必ず新しい追加予算を大きな規模で取っていただいて、漁業始め全ての産業をしっかり守っていくという決意を述べていただきたいと思うんです。
 福島復興特別措置法の福島基本方針が閣議決定されましたが、私の前回の質問を踏まえて文章を入れていただきましたね。その文章は、被災地は今復興を進めている上に、コロナや台風や地震などが起きて幾重にも災害が重なり、負担が大きいのだというふうに書いてあります。その上にこの処理水の決定です。その思いを背負って、復興大臣、臨んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#25
○国務大臣(平沢勝栄君) 処理水の処分方針については、まだ決まったという報告は私は一切聞いておりません。恐らく、この問題については国民の皆さんの理解と協力が必要でございますので、そういった皆さん方の協力を得るために、関係者、今全力でいろいろと説明、そして協力を取り付けるための努力をされておられるのではないかなと思います。
 いずれにしましても、万が一、風評被害が出るということはあり得るわけで、しかもその可能性も極めて大きいわけでございまして、風評被害の問題については、こういったことが絶対に起こらないよう、そして、ゼロというのは難しくても、限りなくゼロに近づけることができるよう、風評被害をなくすべく、全力で取り組んで万が一の場合はいかなければいけないなと思っております。
 復興庁としての今年度の予算に風評対策に従前の四倍増の二十億円を計上させていただいたところでございまして、仮に処理水の処分方針が決定すればしっかりと分かりやすい情報発信を全力でさせていただきたいと考えておりますし、先ほど委員が言われました福島県、地域の方の声も反映させてほしいというのは全くそのとおりでございまして、もしそういったことになれば、そのやり方についてはしっかりと考えていきたいと思っております。

#26
○森まさこ君 是非よろしくお願いします。
 赤澤防災副大臣に来ていただいておりますけれども、福島県沖地震がございまして、大変政府の方でも頑張っていただいて、グループ補助金等もつくっていただきましたけれども、それが適用にならない住居の被害が非常に大きいんです。
 特に相馬・新地エリアでございますが、新地町、非常に小さい自治体です。十年前も津波で大きな被害を受けましたが、今回はこの地震の被害で町の半分以上の方が住居に被害を受けていると。
 こういう小さな町が被害を受けたとき、町の職員の数も足りません。それを査定をするのに期限等を決められると間に合わないということになります。昨日、町長に電話をしたら、ようやっと終わったということでございますが、この経験を次回に生かしてほしいと。つまり、小さな町とそれ以外の大きな自治体も一緒に被害を被っていますが、災害のときは小さなところ、弱い人により被害がのしかかっていくんです。
 是非、政府は、小さな自治体に寄り添って、こちらから相談を伺いに行くという、そういう体制を整えていただくことをお願いしたいんですが、いかがでしょうか。

#27
○副大臣(赤澤亮正君) 森委員におかれては、先般の福島県沖地震においても精力的に御地元の状況を把握されて、内閣府に対して、被災地に寄り添った、小さな自治体に本当に心を遣われる的確な助言をいただくなど、災害対応に御尽力されており、改めて心から敬意を表します。
 内閣府では、先般の福島県沖地震の発災後、職員を福島県に派遣をし、被災市町村の担当職員を対象に住家の被害認定に関する説明会において調査の留意点などについて説明を行うとともに、新地町を始めとする住家被害の大きな市町村に対し個別に被害認定調査に係る助言を行ってまいりました。さらに、新地町より、職員の数が少なく対応に苦慮しているとの声をいただき、内閣府から福島県に対し、新地町の調査体制の強化を図るよう助言を行ったところです。
 これを受けて、福島県においては、二月二十二日から延べ百五十五人の応援職員を新地町に派遣しており、体制の増強を図りつつ調査を進めてきた結果、新地町においては、四月七日の時点で、罹災証明書の交付申請件数千五百十九件に対して九割を超える千三百七十六棟の住家の被害認定調査が完了していると私は伺いましたが、先ほど委員のお話でもう全て終わったと、昨日の時点でという話でした。
 被害認定調査の調査期間については災害救助法で一定の定めがありますが、内閣府がそれを受けて約一か月程度で終えるよう助言をし、人的支援などにも努めておりますけど、市町村として災害対応で忙殺される中、早期に調査を完了しなければならない大きな不安を感じることにつながるので、約一か月程度というめどはあくまでめどであり、例外も認められるということを丁寧に説明してまいりたいと思いますし、また、新地町のように、町内の住宅の半数以上が被災する一方、自治体が小さいために十分なマンパワーがなく大変苦労するということはありますので、自治体の規模が災害の規模に見合わない小規模な自治体に対する支援重要と考えて、被害の実情を見極めながら県と連携して国としても十分な支援を行ってまいりたいと思います。

#28
○森まさこ君 まだまだ異議申立てがあって査定も続くようです。新たな被害も発見されたそうですので、政府の支援をよろしくお願いします。
 それでは質問を終わります。ありがとうございました。
    ─────────────

#29
○委員長(杉尾秀哉君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、加田裕之さんが委員を辞任され、その補欠として滝波宏文さんが選任されました。
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#30
○和田政宗君 自由民主党・国民の声の和田政宗でございます。
 早速質問に入ってまいります。
 四月一日より、復興庁宮城復興局が石巻に移設となり、岩手復興局が釜石に移設となりましたが、その狙いと、どのような活動に力を入れていくのか、大臣に答弁願います。

#31
○国務大臣(平沢勝栄君) 今委員御指摘のとおり、岩手及び宮城の復興局につきましては、復興の課題が集中する沿岸地域に組織の軸足を移すためにそれぞれ釜石市と石巻市に移転して、盛岡市と仙台市に支所を設置することとしたところでございます。
 今後、被災者支援や産業、なりわいの再生、土地活用の推進などの業務に一層取り組んで、現場主義の徹底により復興の更なる加速化を図っていきたいと考えております。

#32
○和田政宗君 震災から十年がたったわけでありますけれども、復興庁におかれては、様々な復興の手法、いわゆるノウハウが蓄積されてきたというふうに思っております。将来、これ災害は起きてほしくないことではありますけれども、日本列島はやはり大災害が繰り返し起きてきたという歴史があります。
 この将来のことを考えた場合に、得られている復興ノウハウの継承を政府全体としてしっかりと継承しつつ、共有もしつつ受け継いでいくということが重要だというふうに思いますが、その辺りはどのように取り組んでいくのか、御答弁願います。

#33
○国務大臣(平沢勝栄君) 御指摘のとおり、この東日本大震災の復興には実に大勢の方が参画されたわけでございまして、もちろん国の職員も当たっていますけれども、同時に県の職員、それから市町村の職員も当たっています。それから、企業の方も当たっておられます。NPOを始めとしたボランティアの方も大勢来られて当たっております。それぞれの方が非常に貴重な経験をされて、このノウハウは是非ほかに伝えたいというお気持ちを持っておられる方も大勢おられるわけでございますけれども、そういったものが今までのところは個人の中に言わば閉じ込められていたわけでございまして、そういった貴重な経験、ノウハウをできるだけ幅広く活用して、特に防災、災害面にこれが活用できれば、日本は防災大国ですから、こういった災害対策の面でも使えるんじゃないかなということで考えておりまして、先日、教訓・ノウハウ集をネットに流させていただいたところでございます。
 このため、復興庁としては、引き続き関係行政機関等と連携しながら、被災地内での教訓、ノウハウの活用にとどまらず、全国への教訓、ノウハウの普及、展開を推進して、全国の防災力の向上に努めていきたいと考えております。

#34
○和田政宗君 これは極めて重要なことだというふうに思います。また、大臣から今強い決意が示されましたので、是非進めていただければというふうに思います。
 それでは、復興の全体像から、少し各論の部分に入っていきたいというふうに思います。
 沿岸部と内陸を結ぶ復興支援道路が順次開通をしております。これは被災地の経済面では大きな効果を上げているというふうに捉えております。さらに、沿岸部と内陸を結ぶ横軸道路の整備については、災害からの避難や災害時の物流支援、経済面での効果など、地元から整備の要望の声が上がっております。
 石巻新庄道路など、横軸の道路の今後の整備の考え方はどのようになっているか、お答え願います。

#35
○政府参考人(宇野善昌君) お答え申し上げます。
 東日本大震災直後、三陸沿岸の孤立した町を救援するため、くしの歯作戦として、東北内陸部を縦断する東北道を起点に沿岸地域に向けて道路啓開を実施いたしました。その教訓も踏まえ、国土交通省では、三陸沿岸を縦断する復興道路に加え、東北横断道の花巻から釜石間、東北中央道の相馬から福島間などの横軸に当たる復興支援道路の整備を進めてまいったところでございます。平成三十一年三月には東北横断道の花巻から釜石間が全線開通するとともに、東北中央道の相馬から福島間も今月内には全線開通を予定しており、着実に整備を進めてきたところでございます。
 委員御指摘のとおり、これまでの開通により整備の効果も見え始めております。例えば、岩手県釜石港では、三陸沿岸道路と東北横断道の開通と併せて港の機能強化により、コンテナ取扱量や釜石港利用企業数が大幅に増加し、毎年過去最高を記録している状況でございます。
 なお、復興支援道路以外の沿岸部と内陸を結ぶ横軸の道路を含め、石巻新庄道路についても東北地方の幹線道路ネットワーク全体の一部を構成する重要な路線と考えております。今年度から、新たに石巻河南道路の事業に着手したところでございます。
 引き続き、東北地方の幹線道路ネットワークの強化に向けて、整備や調査を推進してまいりたいと考えております。

#36
○和田政宗君 これは、やはり復興を完遂をしていくという中で、この横軸の道路というのは極めて大きいというふうに思いますので、今強い決意が示されたというふうに思いますので、引き続き取り組んでいただければというふうに思います。
 そして、ソフト面のことについてお聞きをしていきたいというふうに思います。
 被災地におきましては、被災された方が避難所、仮設住宅、復興住宅と移り住む中で、元の地域コミュニティーが分断されてしまった事例がございます。すなわち、Aという地域が被災をして、仮設住宅に入居するときにそのAの地域の方々がそのまま入り、また復興住宅に移り住むときにそのまま移り住んでいる場合はいいんですけれども、これがやはりその場所の関係ですとか人数の関係でそれぞればらばらになってしまったり、また、復興住宅のところにA、B、C、Dですとか、それぞれの地域からお入りいただく、こういうような事例がございます。
 こうした場合に、今までのコミュニティーの分断感、また人と人のつながりというものがなかなか元に戻せない、こういった不安や悩みというものが被災者の方はお持ちでいらっしゃいます。
 こうした新たなコミュニティーの構築ですとか元のコミュニティー再構築の支援にどのように取り組んでいるか、またどのように取り組んでいくか、御答弁願います。

#37
○政府参考人(開出英之君) 災害公営住宅等では、地域内外からの被災者が集まって生活を営むことから、コミュニティーを新たに構築することが重要でございます。このため、災害公営住宅入居者の交流会の開催でありますとか、地元町内会との顔合わせやイベント開催による交流支援、あるいは自治会が形成されていない災害公営住宅での自治会設立の支援などの自治体による取組を幅広く支援しているところでございます。
 復興の基本方針におきましても、第二期復興・創生期間以降もこうした支援を継続することとしており、引き続き被災者に寄り添った取組を推進してまいります。

#38
○和田政宗君 こういった手助けを復興庁もしていただいて、例えば宮城県ですと東松島市のあおい地区でございますとか、そういったうまく新たなコミュニティーの構築ができているところがありますので、例えばそういった事例も学んでいただいて、もしそういったところでまだうまくいっていないところがあるのであれば周りに広げていただき、それぞれが孤独感を感じないようなコミュニティーの構築をしていただければというふうに思います。
 次に、水産業について聞きます。
 宮城県はカキの近代養殖発祥の地で、沖縄県出身の宮城新昌さんが石巻市で試験を行って編み出した垂下式養殖法、これはカキの稚貝の付いた二枚貝の貝殻を縄に通し海中に垂下をする方法ですけれども、カキの養殖を飛躍的に進化させたもので、石巻からこの技術は世界に広まりました。また、一九七〇年代にヨーロッパなどでウイルスが蔓延してカキが死滅したときには、石巻や松島からカキの稚貝が世界各地に送られまして、今や世界の食用カキのルーツの八〇%は石巻を始めとする宮城県にあると言われています。
 しかしながら、この宮城県名産のカキの生産量は、震災前の三分の一に落ち込んでしまっています。国内のみならず海外にも誇れる宮城県のカキですが、販路回復や開拓支援には政府としてどのように取り組んでいるのか、答弁願います。

#39
○政府参考人(倉重泰彦君) お答えいたします。
 宮城県におきましては、委員御指摘のとおり、震災前と比較いたしますと経営体数が半数程度に減少したことや、むき身加工の人手不足といった理由によりまして、カキの生産量が伸び悩んでいる状況でございます。
 こうした状況を踏まえまして、政府といたしましては、生産回復に関する支援を行いつつ、販路開拓にも取り組んでおります。具体的には、宮城県のカキの加工業者の方々に、被災地産の水産加工品等の販路開拓のために開催した商談会や、省人化にもつながる新商品の開発にも資する機器の導入支援等を活用いただき、実際にカキのオリーブ漬けやパック入りのむきガキといった新商品の開発による販路開拓に結び付けていただいていると承知しているところでございます。
 今後とも、カキを始めとした被災地域の水産品、水産加工品の販路開拓に向けた支援を行っていく所存でございます。

#40
○和田政宗君 当然、水産関係の方の自助努力というものも必要ではありますが、やはりその震災前の数字と比べたときに、やはりこの落ち込みが極めて激しい状況です。ですので、こういったところを水産庁を始めとして政府全体もサポートをしていただければしっかりと回復をしていく、発展をしていくということにつながっていくというふうに思いますので、引き続きサポートをお願いしたいというふうに思います。
 次に、この津波の大被害を始めとする被害をどのように受け継いでいくかということについてお聞きをしていきたいというふうに思います。
 震災遺構についてお聞きをします。
 震災遺構については、多くの人に足を運んでいただいて、震災当時何が起き、人々がどのように復興を進めてきたのかを学んでいただき、後世にその教訓を受け継いでいくことが重要と考えます。
 国土交通省においては、震災遺構や伝承施設を網羅的にまとめたウエブサイト、三・一一伝承ロードを公開をしておりまして、復興庁も連携し、その周知に取り組んでいるというふうに思いますが、復興庁自体もより主体的に震災遺構に人々に足を運んでいただけるような分かりやすい発信をすべきと思いますが、その辺り、取組はいかがでしょうか。

#41
○政府参考人(開出英之君) 大震災及び原発事故の教訓や記憶を風化させず、その経験を広く国民に共有するためにも、震災遺構の活用は重要であると考えております。
 これまで、パンフレット等において三・一一伝承ロードを紹介しているほか、ホームページなどにおいて震災遺構を紹介してまいりましたが、今後、更に関係省庁と連携しつつ、復興庁として震災遺構を積極的に広報することによりまして震災、原発事故の風化防止及び経験の共有に努めてまいりたいと考えております。

#42
○和田政宗君 やはり現地に足を運んでもらって知れることというものは極めて多いというふうに思いますので、引き続きそのように発信に努めていただければというふうに思います。
 こうした津波被害の伝承を様々な形で行っていくことがとても重要であるというふうに考えております。例えば、宮城県の多賀城市には末の松山という旧跡があります。八六九年の貞観の大津波の際に津波が末の松山を越えなかったことから、百人一首などの和歌に歌枕として詠まれています。代表的なものが、清原元輔が詠んだ「契りきなかたみに袖を絞りつつ末の松山波こさじとは」ですけれども、この意味は、涙でぬれた袖を絞りながら互いに約束しましたね、波が末の松山を決して越えないように心変わりはしないとという恋愛の歌であるわけでありますが、決してないことの例えとして末の松山が津波を越えることがないということの意味で使われております。
 ちなみに、東日本大震災でも末の松山を津波が越えることはなく、何人もの方々が末の松山に逃げて助かっています。これは、末の松山の周りの地域はかなりの浸水がありまして大きな被害が出たんですが、この旧跡、またこういった歌を知っていらっしゃる方は、末の松山に逃げれば助かるかもしれないということで逃げて、実際に助かっております。こうしたことからも津波伝承の大切さが分かるというふうに思います。
 国土地理院にお聞きをしたいというふうに思うんですが、国土地理院では、津波や各種災害の伝承碑である自然災害伝承碑について、その場所や碑文の内容をウエブで公開をしておりますが、その狙いと取組状況についてお答え願います。

#43
○政府参考人(野田勝君) お答えいたします。
 自然災害伝承碑でございますが、過去に発生した津波、洪水、土砂災害、火山災害等の自然災害の様相であるとか、そのときの被害の状況であるとか、こういったことをまさに先人たちが後世に伝えるために造られた石碑等のことでございます。
 残念ながら、こうした自然災害伝承碑に残された過去からの大変貴重なメッセージなんですが、委員御指摘のようにうまくいった場合も当然あるんですが、全国見渡すと十分に活用されていないような状況も見受けられるということでございます。
 こうしたこともございまして、このような災害の教訓を幅広く伝えていこうということで、国土地理院では、令和元年に自然災害伝承碑の地図記号を制定したところでございます。これまでに八百九十八基をウエブ上の地図などで公開しておりまして、これウエブを、地図記号のところをクリックしていただきますと、その災害の内容などが表示できるというようなことになっております。
 この自然災害伝承碑、こうやって地図に掲載するだけではなくて、まさに過去の教訓が地域地域で活用され、実際に防災・減災に結び付くということが大変重要でございます。これまでも、学校教育の場であるとか地域学習、イベントなど、過去の災害を学習する場で活用いただいているところでございます。
 国土地理院といたしましては、引き続き、この災害教訓の伝承に自然災害伝承碑、活用していただくために、使いやすい素材を提供するなど、必要な支援を進めてまいります。

#44
○和田政宗君 新たな地図記号も作ってということの取組でありますので、これは国土地理院を始めとして政府全体でも広めていただきたい。学校教育の現場の話がありましたが、これも極めて有効であるというふうに思います。我々も、国会議員として、また一国民としても、災害において被害を出さない、被害を最小化するという観点からもしっかりとサポートをしていきたいというふうに思っております。
 ちなみに、この自然の災害の伝承碑でありますけれども、名取市の閖上には実は昭和三陸津波のこういったいわゆる碑文がございました。しかし、これももう地元の方がその存在すら忘れてしまっていたという中で、今回の東日本大震災の大津波で多くの方が亡くなって、そして様々な壊れてしまったものを、何があったのかというところを検証していく中で、実はそういった碑文があったというようなことの発見ということもありましたので、この国土交通省国土地理院の取組というものは極めて私はこれ有効であるというふうに思いますので、しっかりと私もサポートをしていきたいというふうに思います。
 東日本大震災の津波は千年に一度の津波と言われておりますが、実は、同じ地域に一六一一年にも慶長三陸津波、慶長奥州津波と言う場合もありますけれども、それが発生をいたしまして、三陸では繰り返し津波に襲われています。ちなみに、一六一一年の慶長三陸津波は、今回の東日本大震災と同規模ないし大きかったのではないかというふうに研究者は見ております。メディア等においては千年に一度というようなことでありましたけれども、実際は四百年に一度でございます。また、その後、明治三陸津波、昭和三陸津波もありますので、非常にこの津波に三陸地方は襲われてきているというような歴史的事実が実はございます。
 この一六一一年の慶長三陸津波の後に例えば宮城仙台藩は何をしたかというと、震災復興事業ということで、太平洋貿易に活路を見出そうということで、伊達政宗公が命じて大船を造って、当時メキシコがスペインの植民地でありましたので、メキシコにまず船を渡して、そしてキューバ経由でスペイン、またローマ教皇の下にも外交使節団を派遣をして貿易ルートを構築しようというようなことであったんですが、これは結局、交渉自体はうまく進むかに思えたわけでありますが、日本国内でのキリシタン弾圧の様子などがスペインやイタリアに、いや、当時はローマですけれども、ローマに伝わることによって、その太平洋貿易というものは成り立たなかったわけでございますが、こういう歴史も含めてしっかりと我々は受け継いでいかなくてはならないというふうに思っています。
 そこで、内閣府防災にお聞きをしたいというふうに思うんですが、繰り返しこの津波が、三陸地域のみならず、例えば東海、東南海の地域、また関東もそうでありますけれども、津波は襲っているわけでございます。津波の歴史やその特徴についてしっかりと啓発周知をしていくことが重要だというふうに思いますが、どのように取り組んでいるか、お答えください。

#45
○政府参考人(村手聡君) お答え申し上げます。
 東日本大震災につきまして、先ほど委員からも御指摘ございました貞観地震から約千年ということで、千年に一度程度の頻度で起きる大規模な地震、津波と言われておりますけれども、三陸地方では、おっしゃるとおり、明治、昭和の津波、また慶長の津波など、大きな津波に襲われております。また、全国的にも、東南海、南海、東海というような形で大きな津波に見舞われているところでございます。こうした津波の歴史や特徴を周知啓発して今後の防災に生かすことは、我々として大変重要なことだと考えてございます。
 これまでも内閣府では、中央防災会議に設置いたしました有識者会議で、三陸の津波について慶長や明治などの津波の概要をまとめて公表するといったことをしてございます。例えば、明治三陸津波では、安政の三陸はるか沖地震の緩やかな津波の経験者が油断して犠牲となったなどの教訓を広報誌を通じて周知をしてございます。また、災害遺構から地域の防災を考えるため、例えば慶長三陸地震で運ばれたと伝えられる宮古の田老地区の津波石から地域の災害規模を知ることなどを全国で活躍する防災の担い手のネットワークで共有、発信をしてございます。さらに、毎年十一月五日を津波防災の日として、津波防災に関する普及啓発イベントを開催するとともに、本年は防災推進国民大会を岩手県の釜石市で開催することとしてございます。津波防災を含めた今後の防災を全国民で考える機会を提供していきたいと考えてございます。
 今後とも、三陸地方の津波の歴史などの過去の災害を教訓といたしまして防災に生かしていく取組を推進し、国民の防災意識を高めてまいります。
 以上でございます。

#46
○和田政宗君 これも伝承ということにつながってくるんだというふうに思いますけれども、やはり地震が発生して津波が起きるかもしれない、すぐ逃げるということ、これが基本であるというふうに思いますが、地震の大きな被害からまた時が十年、二十年、三十年、四十年、五十年とたっていく中で、それがやはり世代を超えて受け継がれていきにくくなるというのは、これは時間の経過があるわけでありますけれども、やはりそこをしっかりとつないで、また、起きてほしくないですけれども、大きな地震があって津波が発生したときにはしっかりと逃げていただくということが重要でありますので、この内閣府防災が行っている取組も継続して更に強化をしていくことが重要であるというふうに思いますので、引き続き推進をしていただければというふうに思います。
 時間が参りましたので、これで質問を終わります。

#47
○小沢雅仁君 立憲民主・社民の小沢雅仁でございます。
 お忙しい中、梶山経産大臣にお越しいただきました。後ほど原発処理水についてお伺いをしたいと思います。
 私は日本郵政グループの出身でございまして、あの大震災からちょうど十年が経過したわけでありますけれど、当時、日本郵政グループも非常に大きな被害が出ました。私たちの仲間も多く失いました。そのことを少し触れさせていただきたいというふうに思います。
 まず、お亡くなりになられました皆様に心から哀悼の誠をささげ、まだ多くの方が行方不明になっておりますけれど、一日も早い発見を祈り、被災された皆様に改めてお見舞いを申し上げたいと思います。
 私が所属しておりました日本郵政グループでも六十二名の社員が津波等の犠牲となりまして、現在行方不明となっている社員もおります。被災地沿岸では郵便局も多くございまして、大きな被害を受けました。七十六の郵便局が全壊、半壊、浸水、原発の影響などで営業休止となりました。現在も三十四局が営業休止中で、四局が仮設の郵便局でいまだ営業をしております。また、日本郵政グループで所有しておりますかんぽの宿も、千葉の旭、福島のいわきも津波の影響を受け、とりわけ、かんぽの宿松島は二階まで津波が押し寄せまして、営業再開を断念をし、取り壊して今は更地になっております。
 亡くなった社員の中には、配達途中に津波に巻き込まれた社員、郵便局の中に浸水した津波に巻き込まれた社員、避難指示が出されず郵便局に残ったため、局舎ごと津波に破壊され犠牲になった社員もおります。現在も行方不明のまま帰りを待つ遺族の皆さん、避難せずに犠牲になったことを納得できていない遺族の存在など、深い悲しみと癒えない心の傷を負った御遺族、仲間、家族を失った社員の心情を察すると、今でも本当に心が痛みます。
 私は労働組合の出身でありますけれど、とりわけ甚大な被害を受けた陸前高田市、この陸前高田郵便局でも、当時の現職の組合の支部長が津波に流されて、いまだに行方不明となっております。聞くところによると、仲間を郵便局舎の上に避難させるように自分が最後まで残っていたようでありまして、津波に流されていったというふうにお聞きをしておりますが、組合員が、支部長が今でも行方不明ということで非常に心を痛めて、現在でも心を痛めているところでございます。
 当時、私はJP労組の組合役員として会社との交渉を担当する任務に就いておりました。当然にして、組合員、社員、御家族の安否確認を被災地三県の役員の皆さんにお願いをしつつ、私は、期間雇用社員を始め社員の雇用をどう守るのか、そして、津波に破壊されてしまって住まいを失っているわけでありますので、新しい住まいの確保や、そして職場も流されてしまっていますので、働く職場の確保をどうするのか、福島第一原発事故による避難先の住居と職場の異動を組合員、社員から希望を取って会社との交渉に当たりました。
 また、放射線量による郵便局の業務再開の判断は、これは本当に大変でございました。やはり地域で営業を再開するには郵便局にいち早く営業を再開してほしいという当時の政府の要請もありましたけれど、ただ、そこの郵便局がどのぐらいの放射線量にあるのか全く分からない中で、そして、その地域がどれだけの放射線量がある中で郵便配達の外務員を赤いバイクで配達させるわけにいかないということで、最終的には、放射線量を測るガイガーカウンターを会社に用意をさせていただいて、安全な放射線量を確認しながら外務員、郵便外務の皆さんに配達をしていただいたと、営業再開をさせたということもございます。
 当然にして、日本郵政グループでも、労使でまさに経験したことのない交渉や協議となりました。本当に現地の仲間の安否を本当に気にしつつ、しかし、私の立場としては、組合員の雇用を守る、そして家族との生活を守る、新たな住まいをどうする、新たな職場をどういうふうに確保しなければならないのか、そういった交渉に全力で当たったところでございます。
 そして、何よりも大事なことは、やはり命を守るということが社員一人一人に徹底されていなければいけないということで、この十年間、そういったことも、何よりも社員の命が大事だということを日本郵政グループの中でも徹底をしていただいたところでございます。
 私が被災地を訪れたのは二〇一一年十一月上旬でした。震災のあった年、雪が降る前にどうしても一度被災地を訪問したいということで、当時大学一年生の私の娘と一緒に、一関市でレンタカーを借りて、南三陸町から気仙沼市、陸前高田市、大船渡市の沿岸地域を娘と涙を流しながら運転したことを今でも強く覚えております。その後、被災地を幾度となく訪問し、福島第一原発事故による帰宅困難地域を始め、福島、宮城、岩手の津波被災の沿岸地域をほぼ全て訪問させていただきました。建立された慰霊碑や震災遺構に献花をささげ、犠牲になられた御霊に哀悼の祈りをこの間ささげてきたところでございます。
 そういう思いを込めて、この東日本大震災復興特別委員会の委員に是非ならせていただきたいという思いで、今日また改めて、初めてでありますけど、このように質問の時間をいただいたことに感謝したいと思います。
 いずれにしても、東日本大震災を絶対に風化させてはならない、その教訓を後世にしっかり引き継いでいくことを胸に刻んで取り組んでまいりたい、そんな決意でございます。
 まず、総務省にお伺いをしたいと思いますが、東日本大震災発災時以降、当時、皆さんも記憶にあるかもしれませんが、あのときニュースの映像にもよく映っておりました、瓦れきの中を縫うように赤いバイクが、郵便局の赤いバイクが走っている映像でございます。社員自らも被災者として避難生活を強いられている、また大切な家族や仲間を失っている立場でも、被災者の皆さんに救援物資が入った郵便物などを早く届けたい気持ちで、どこの避難所にどなたが避難されているのか一つ一つ確認しながら配達をしておりました。
 郵政事業は今年創業百五十年を迎えました。日本郵政グループは二〇〇七年に民営化となりましたが、公共の使命という精神はしっかりと今も社員に引き継がれております。
 そこで、総務省に伺いたいんですが、社員の安全確保は当然として、震災や災害時の郵便局の役割と期待について所見をお伺いしたいと思います。

#48
○副大臣(新谷正義君) まさに震災時において、御自身も被災する中で大変なこの業務を行っていただいたことには、局員の皆様には心より敬意を表したいと、そのように存じます。
 震災に限らず、災害時におきまして、全国に二万四千局あるこの郵便局ネットワーク、これはやはり地域社会の安心、安全の拠点として重要な役割を担っていただいておるところでございます。
 具体的には、数多くの地方自治体とこれは災害発生時における協力協定を締結していただいております。これは、各支社、郵便局の皆様が約千六百の市区町村と災害発生時の協定を締結しているということでございます。
 また、こうやって発災に備えていただくとともに、災害時におきましては、貯金、保険における、これに関する非常取扱いや車両型郵便局によるサービス提供、これは実際実施していただいたこともございまして、そういったことを通じて被災者の生活インフラとして機能していただいておるところでございます。
 郵便局におかれましては、このような役割を果たすことによりまして、災害時における被災された方々の生活再建や被災地の復旧に対して積極的に貢献されることを総務省としても期待してございます。

#49
○小沢雅仁君 ありがとうございました。
 郵便局も日本全国津々浦々ございますので、非常時の場合はしっかりと郵便局の機能、役割を果たしていただけるようにお願いをしたいというふうに思います。
 次に、平沢復興大臣にお伺いしたいと思います。
 立憲民主党は、東日本大震災から十年の節目を迎えるに当たって、党内で議論を重ね、人を中心としたふるさとの復興再生を目指し、復興に与野党なしの立場で、被災地や被災者の一人一人に寄り添い、復興の最終的責任を負う覚悟で取り組んでいくことを誓いまして、東日本大震災復興に対する三十四項目の提言を取りまとめまして、先般、三月九日、平沢復興大臣に手交させていただいたところでございます。
 そこで、この三十四項目の提言に対する平沢復興大臣のお受け止めをお聞かせください。

#50
○国務大臣(平沢勝栄君) 先月の三月九日、立憲民主党から私宛てに東日本大震災復興に対する三十四項目の提言、これをいただいたところでございます。
 今お話がありましたように、復興には与党も野党もないわけでございまして、一緒に力を合わせて協力して復興施策をちょっとでも前に進めていこうということでこの御提言をいただいたものと思っております。
 今後も、建設的な議論をさせていただきまして、被災地に寄り添った復興にお互いに力を合わせて努めていきたいということで考えております。

#51
○小沢雅仁君 是非とも、建設的な提言をさせていただきましたので、これからの政策などにしっかりと取り入れていただけることを重ねてお願いをさせていただきたいというふうに思います。
 次に、復興総仕上げの位置付けについてお伺いをしたいと思いますが、平沢大臣は大臣所信において、地震・津波被災地域では、住まいの再建やインフラ整備が進み、復興は総仕上げの段階を迎えているとの認識を示されましたが、私は正直言って強い違和感がございます。
 三月十日の毎日新聞の一面に、復興事業完了せず七六%という見出しの記事がございました。これは、津波や原発事故で甚大な被害を受けた岩手、宮城、福島の三県四十二市町村に毎日新聞がアンケートを行ったところ、復興事業が二〇〇二年度中に完了しない市町村が七六%あると報じておりました。確かに、農地や漁港の改良といった住民の暮らしに身近なインフラ整備が、避難指示の地域や、新型コロナウイルス感染症の、工事に遅れが生じて、被災地では復興が途上であると指摘をしております。
 確かに、防潮堤や大型の復旧工事、また高台移転、災害公営住宅の整備といった町づくりは整備、町づくり整備は完了したと思いますし、私もそういうところを見てまいりました。しかし、原発の廃炉作業がこれから何十年も続く中で、そして、災害公営住宅での孤独死問題や、今なお被災による精神的ストレスを抱え安定した生活を取り戻せない方もおられる中で、復興の総仕上げの段階に入っているとは、どのような視点で、どのような位置付けなのか、是非とも復興大臣の考えをお聞きしたいと思います。

#52
○国務大臣(平沢勝栄君) この復興の問題につきましては、地震・津波被災地域と原子力災害被災地域では復興の進捗状況が大きく異なっているわけでございまして、復興の基本方針では地域ごとに取組方針を定めているところでございます。
 まず、地震・津波被災地域については、今御指摘ありましたように、住まいの再建あるいは復興まちづくりはおおむね完了したところでございますので、今後は一日も早い被災地の復興に向けて残された事業に全力で取り組むと、そういった状況であることを受けまして総仕上げといった位置付けをさせていただいたところでございます。今後は、被災者の心のケアやコミュニティー形成、中核産業である水産加工業の販路拡大、開拓、こういったいわゆるソフト施策に注力して取組を進めていきたいと考えております。
 一方で、原子力災害被災地域につきましては中長期的な対応が必要でありまして、今後も国が前面に立って本格的な復興再生に向けて取り組むこととしているところでございます。

#53
○小沢雅仁君 今お考えをお聞きしましたけれど、しかし、大臣所信の中では冒頭の方に復興の総仕上げという言葉をお使いになられておりました。この言葉をやっぱり被災地の皆さんがお聞きになったときに、本当にこの第二期の期間で、復興の総仕上げということが被災者の皆さんが本当に感じられるかどうか、そういう認識に立てるかどうかだというふうに思っています。
 まさしく、目に見えるものが完成したら復興が終わりということでは私はないというふうに思います。復興総仕上げという言葉が本当に被災者の皆さんに寄り添った言葉なのか。大切な家族を失い、また、親を亡くした子供さんへの支援を始め、被災者が地域社会から孤立することなく、先ほど心のケアという話もされましたけれど、まさしく心のケア等の支援は重要になるというふうに思っております。この後お聞きをしますけれど、原発処理水の処分方法も総仕上げという言葉に包括されるならば、漁業関係者を始め被災者の理解は私は到底得られないというふうに思います。
 復興の総仕上げという言葉を被災者の皆さんにどのような受け止めをしていただきたいのか、もう一度大臣の考えをお伺いしたいと思います。

#54
○国務大臣(平沢勝栄君) 今委員のお話を伺っていまして、なるほどなと。私たち、もう一度よく検討してみたいと考えております。
 復興の総仕上げというのは、大体復興庁十年で、もうこれで一応一区切りで終わりということを当初は位置付けていたわけでございまして、もう十年延びたわけでございますけど、そういった点からすると若干整合性も、そういった面での整合性もどうかなという感じがしておりまして、今の委員の御指摘は大変参考になりました。またこういったことを踏まえてしっかり検討させていただきたいと思います。

#55
○小沢雅仁君 大臣、ありがとうございます。
 是非、やっぱり常に私たちが忘れちゃいけないのは、被災者の皆さんがどのようにやっぱり考えているのか、受け止められるのかということを考えて言葉を選んでいかないと、本当に誤解を招いてしまうことになりかねませんし、是非、被災地に寄り添う、被災者に寄り添うということをしっかりお互いが認識をし合いたいというふうに思っているところでございます。
 さて、原発処理水について梶山経産大臣にお伺いをしたいというふうに思います。
 一番最初に森まさこ委員が厳しく質問をされていたのを聞いておりまして、全く心を一つにするという思いで聞いておりました。処理水ショックという言葉をお使いになりまして、ちょっとその言葉に私はショックを受けましたけれど、まさしくこの言葉のとおりだと思っております。
 まず、梶山大臣にお伺いをしたいんですが、一昨日、全漁連の岸会長と総理が、菅総理が面会をされまして、大臣も隣、総理の隣に陪席されてやり取りをお聞きになっていたというふうに思いますが、是非、同席されておりましたので、具体的にどのようなやり取りがあったのかを梶山大臣にお伺いをしたいと思います。

#56
○国務大臣(梶山弘志君) 一昨日、四月七日、総理官邸に全漁連の岸会長ら幹部の皆様に御来訪いただきました。ALPS処理水に関する意見交換を行ったところであります。
 総理からは、昨年十月に全漁連からいただいた要望書をしっかりと受け止めていることを伝えるとともに、政府が方針を決定することについての理解とその後の対応に当たっての協力の要請をさせていただきました。
 これに対して岸会長からは、反対の立場であることは変わらない、その上で、漁業者や国民の不安を払拭するために、漁業者、国民への説明、責任ある説明、風評被害への対応、ALPS処理水の安全性の厳格な担保、漁業者が漁業を継続することのできる方策を示すこと、トリチウムの半減効果を念頭に置いた敷地内のタンク増設や新たな処理についてあらゆる方策を検討することを求める旨の発言がありました。

#57
○小沢雅仁君 今大臣おっしゃったように、全漁連の岸会長から五点の要望が出されたということで、今大臣おっしゃっていただきました。
 その要望をお聞きになられてどのような受け止めをされたか、お聞きしたいと思います。

#58
○国務大臣(梶山弘志君) 風評は今も発生しているわけであります。そういったことも含めて、風評対策、また、漁業者の方々が、今漁獲量が少ない、魚価が低迷をしている、さらにまた風評という中での対策も含めてしっかりと考えていかなければならないという思いでありました。

#59
○小沢雅仁君 報道では、先ほど森委員も質問されて、江島副大臣に質問されておりましたけれど、報道では、十三日にも、の閣僚会議でこの処理水のことを決定をするというふうに報じられていますが、私は十三日という聞き方はしませんけれど、来週にもそういったことを決定されるということでしょうか。

#60
○国務大臣(梶山弘志君) まだ決まったことではございません。

#61
○小沢雅仁君 私は、私、先ほど三十四項目の提言の話をし、その中にも触れておりますけれど、ALPS小委員会では、海洋放出か水蒸気放出か、どちらかが現実的との報告がされていますけれど、いずれにしましても、海産物の風評被害が本当に更に更に広がることは私は確実であるというふうに思っております。敷地がもう足りないとか、そしてというようなことは私は理由にならないと思います。
 当面、地上保管をしっかりと継続して、そして海洋放出や大気放出以外の処分方法を更に追求していくのが、これが政府の責任ではないでしょうか。例えばトリチウムの分離や放射濃度の低減などの検討を具体的に進めるなど、他の解決策を本当にもっと政府は真剣に検討するべきだと、それが政治の責任じゃないでしょうか、大臣。

#62
○国務大臣(梶山弘志君) ALPS処理水の取扱いにつきましては、放出ありきではなく、様々な選択肢について時間を掛けて丁寧に議論を進めてまいりました。具体的には、二〇一三年以降、六年以上にわたり専門家等による検討が行われ、昨年二月に今委員から御指摘の報告書が取りまとめられたわけであります。それ以降も、国会での審議も含め様々な方と議論を積み重ねてきたところであります。
 こうした議論の中では、御指摘の陸上保管の継続や分離技術の開発についても真剣に検討してきたところであります。
 まず、陸上保管の継続については、立地自治体から、復興の進展のためにタンクの保管継続は望まないことや、タンクの存在自体が風評影響の一因になることなどの御指摘をいただいていることに加えまして、有識者による報告書においても、廃炉作業に影響を与えない形で貯蔵を延長するためのタンクの増設を続ける余地は極めて限定的であると評価をされており、現実的な選択肢にはならないと考えております。
 また、トリチウムの分離技術につきましては、過去に実施した実証事業におきまして複数の技術を検証し、その性能等を評価した結果、いずれの技術につきましても処理量の規模などに課題があり、直ちに実用可能な技術にはないと評価をされているところであります。また、昨年四月、原子力に関して高い専門性を有する国際機関でありますIAEAも同様の認識を示しているところであります。
 こうした状況を踏まえれば、日々汚染水が発生する状況において、実用化のめどが立っていないトリチウム分離技術の確立を待つことは現実的な対応となるとは考えておりません。
 他方、この委員会やほかの衆参の委員会においても議論をしましたけれども、トリチウムの分離技術の確立につきましては、技術の進歩については引き続き注視をしていかなくちゃならない、注目をしていかなければならない。実用可能な技術があれば、その段階で改めてその技術の導入の可否について検討する考えであります。
 これまでも繰り返して申し上げてきたところでありますけれども、ALPS処理水の取扱いについては、敷地が逼迫する中でいつまでも方針を決めずに先送りはできない課題であると考えております。今回の漁業者の皆様との意見交換も含め、これまでいただいた御意見をしっかりと受け止めた上で、適切なタイミングで政府としてできるだけ早期に責任を持って結論を出してまいりたいと考えております。

#63
○小沢雅仁君 今大臣がおっしゃった話が、じゃ、なぜ漁業者の皆さんがこんなに反対しているんですか。全く理解されていないから反対して、理解されていないというか、受け入れられないから反対しているんじゃないんですか。
 先ほど、今大臣、適切なタイミングと言いましたけど、適切というのはどういう適切なタイミングなんですか、教えてください。

#64
○国務大臣(梶山弘志君) ALPS処理水の取扱いにつきましては、いつまでも先送りできない課題であるとの認識である一方で、丁寧な議論が不可欠であり、これまで時間を掛けて丁寧に議論を積み重ねてきたところであります。また、四月七日には全漁連の岸会長らの幹部の方に総理のところまで来ていただき、総理や担当大臣である私が御意見を直接確認することができました。今回の面談も含め、これまで様々な方からいただいた御懸念や御意見に対して応えることができる充実した対策を講じることが重要だと考えておりまして、現在、関係省庁間で議論を深めているところであります。
 その一環として、例えば先日、IAEAのグロッシー事務局長と面談をし、仮にALPS処理水の処分をする場合には、その安全性について客観的に厳しい目で確認するとともに、その結果を透明性高く国際社会に発信していただくことも確約をしたところであります。
 こうした対策を積み上げていくことが、適切な時期で判断する上で重要だと考えているところであります。

#65
○小沢雅仁君 全く分かりません。
 もう一度、もう一度聞きます。もし来週、もしという仮定の話はお答えしにくいかもしれませんが、直近でこの処理水の処理方法を決めるとする、これが、このタイミングが本当に適切なんですか。もう一度お答えください。

#66
○国務大臣(梶山弘志君) 現時点では具体的な時期や日程が決まったという事実はございません。

#67
○小沢雅仁君 先ほど適切なタイミングとおっしゃいましたよね。その適切なタイミングがこの来週辺りなんですか。どこなんですか。

#68
○国務大臣(梶山弘志君) その時期については決まっていないということでありますけれども、対応、しっかりとした対応と丁寧な説明を重ねた上での適切なタイミングということであります。

#69
○小沢雅仁君 全く納得できませんが、もう私の質問時間も残り僅かになりましたので、引き続き石垣議員にバトンタッチをこの課題についてはさせていただきたいと思います。まして、漁業関係者の理解が得られない、こんな時期はとても適切なタイミングとは思えません。今決めるべきではないということを私は強く申し上げておきたいと思います。
 水産庁の皆さん、申し訳ありません、海瓦れきの対応をお聞きしたかったんですが、もう時間がありませんので、また次回にさせていただきたいと思います。
 最後に、平沢復興大臣にお伺いしたいと思います。
 大臣は小学校から高校まで福島県二本松市で育ったと大臣就任時の記者会見で言っておられましたが、是非、福島の復興への思いや決意を、最後、大臣、一言お願いいたしたいと思います。

#70
○国務大臣(平沢勝栄君) 今でも復興の、被害を受けられて苦しんでいる人とか悲しんでいる人、悩んでいる人、大勢おられるわけでございまして、そういった方々の一人として取り残されることなく、忘れることなく、私たちはその人たちにできる限りの応援をして、その人たちが元気でまた元の生活に戻れる、あるいは完全に戻ることはできなくても、できるだけそういった平穏な生活に戻れるような、そういった努力を積み重ねてやっていかなければならないんじゃないかなと思っております。

#71
○小沢雅仁君 ありがとうございます。時間が参りましたので、私の質問はこれで終わります。
 ありがとうございました。
    ─────────────

#72
○委員長(杉尾秀哉君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、三浦靖さんが委員を辞任され、その補欠として福岡資麿さんが選任されました。
    ─────────────

#73
○石垣のりこ君 立憲・社民会派の石垣のりこです。どうぞよろしくお願いいたします。
 東日本大震災から十年、丸十年が過ぎまして、十一年目に入っております。被災地、特に福島を始めとした漁業関係者の方、さらには地域住民の皆様のみならず、本当に日本国内、さらには世界に影響を与える話が突如として湧いてきたと。これは、昨年の十月にもう唐突にあった話ではあるんですけれども、今同僚の小沢議員からもありましたけれども、おととい、菅総理大臣と全漁連の会長始め、汚染水、処理水の海洋放出についての話がなされたということでございます。
 お話にもありましたように、梶山大臣がその席にいらっしゃったということなんですけれども、その受け止めについては先ほど御回答いただきましたので、改めて、これまでの議論を踏まえまして、梶山大臣、本当に汚染水は海洋放出しかないとお考えなんでしょうか。

#74
○国務大臣(梶山弘志君) 小委員会において五つの処分方法が提示をされました。その小委員会の結論として二つの方法が選択をされたと承知をしております。これが望ましいという形で選択をされたと承知をしております。そういった中で、比較をしていく中で、その敷地の逼迫度合いも含めて、今この段階ではその二つの処分方法しかないと思っております。
 それらについてどう決定をしていくかということについては、そのタイミングにおいて、しかるべきタイミングにおいて決定をしていくということになるかと思います。

#75
○石垣のりこ君 敷地がないということで、時期はどんどんずれてはいるんですけれども、タンクの場所がいっぱいになって、来年の夏にはもういっぱいになるので早めに決断を出さなきゃいけないというような見解が政府から出されているわけなんですけれども、その敷地の確保に関してなんですが、航空写真など見てみますと、ぱっと見、結構まだ周りにいろいろ使い勝手のあるような使えそうな場所というのが、素人目にでございますけれども、あるわけなんですね。
 そこに関してのこれまでの検討というのはなされたんでしょうか。

#76
○国務大臣(梶山弘志君) 当然検討はなされております。
 そして、これからの廃炉作業が進む中で、廃炉作業から出てきた資材等が置かれる場所として必要であるということ、そして、これらについては、分量についてもまたその発する線量についてもまだ未確定のものがあるということでありまして、線量が高ければ当然距離を置かなくちゃならない、そして、そういったことも想定をしながら敷地の確保というものを考えております。

#77
○石垣のりこ君 具体的にどういうふうな検討がなされたのか、これは質問通告しておりませんので、後日で結構ですので、是非その検討過程の資料を提出いただきたいと思います。

#78
○委員長(杉尾秀哉君) 答弁できますか。
 答弁要りませんか。

#79
○石垣のりこ君 もし今可能でしたらお願いします。

#80
○政府参考人(新川達也君) 福島第一原発の廃炉のために、廃炉を着実に進めていくために、取り出した使用済燃料の置場、それから燃料デブリの置場といったことに今大きなスペースが必要でございます。先ほど大臣が申し上げたとおりでございますが、そういったことにつきましてALPS小委員会において検討をさせていただいておりまして、資料については後ほど提出をさせていただきます。

#81
○石垣のりこ君 すごく雑なんですよね。本当にどこまで具体的に土地の所有者、近くに多分、県有地であるような場所で今は使われていないようなところもあるというふうに確認しておりますけれども、ちゃんとその所有者に含めて、具体的に検討されて、当たってどういう回答をいただいたのか等も含めて、細かいところも含めて本当に真剣に検討された結果、海洋放出しかないという結論が出されたのかどうなのか。まだ結論は出していらっしゃらないということでしたけれども、その選択肢を選ばざるを得ないというところまで来ているのかどうなのか。ちょっとしっかりとその検討過程が分かるものを改めて出していただきたいと思います。
 その上でお伺いしますけれども、今報道等で、排出されている、海洋放出されるトリチウム水、処理水、まあいろんな言い方がなされております、このトリチウム水、ALPS処理水、いろんな言い方があるんですが、このちょっとトリチウム水について伺いたいと思います。
 これ、多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会、その説明資料等でも、事故前も福島原発でトリチウム水、海外、海洋放出していたとか、トリチウムは自然界にも存在する弱い放射性を出す物質だと、希釈された低濃度の状態であれば健康の心配はないというふうに書かれているわけでございます。
 このトリチウム水と呼んでいる処理水について伺います。
 福島原発に保管されている処理水には、トリチウム以外に何種類の放射性物質が残っているんでしょうか。

#82
○参考人(文挾誠一君) お答えさせていただきます。
 今先生御指摘の多核種除去設備等処理水のタンク、処理水のタンクの中には、実はトリチウム以外の核種が含まれております。環境へ放出する際の基準値を超えるものというのは約七割あります、これはもう以前から公表しておるものでございますが。これまでにトリチウム以外に基準値を超えて確認されている核種というのは七核種ございます。
 今後、環境へ放出する際には、この規制基準を超えております七割の処理水につきましては二次処理というものを確実に実施をいたしまして、トリチウム以外の放射性物質については、十分に安全が確保できるという告示濃度限度比の総和一と言いますが、それを一未満をなるように処理を確実に実施をしてまいりたいというふうに思います。
 実は、既に二千トンにつきましては試験的に二次処理を実施してございまして、これが基準値以下ですので、告示濃度限度比の総和一未満になっているということは既に確認をしてございます。
 以上でございます。

#83
○石垣のりこ君 結局、今までトリチウムしか残っていないというような言い方をされていらっしゃいましたけれども、実際はほかにも、基準値未満にして排出するというようなお話はあるんですが、ほかのものも含まれている。そして、核物質に関しては絶対的にこれは安全だと言うことが難しい。安全であろうと。確実に危険だとも言えない、確認はできていないということをあたかも確認できている事実かのように健康に問題はないと言ってしまうことそのもの自体が、風評であったり人々の誤解であったり不信を招く原因になっているのではないかと思います。
 これ、通常運転のときの原発からの汚染水と、福島原発のような炉心溶融、メルトダウンを起こしたときの原発から出ている汚染水というのは、これは同じものなんでしょうか。同じでないのであれば、どのような点が違うんでしょうか。

#84
○参考人(文挾誠一君) お答えさせていただきます。
 先生御指摘のとおり、通常炉から出てくる汚染水と事故炉の汚染水は違います。ただ、多核種除去設備にて処理する前の建屋内に滞留している汚染水につきましては、事故時に燃料が破損したことによりまして、一般の原子力発電所からの排水には通常含まれていない物質、例えばセシウム137とかトリチウムの90とか、あっ、済みません、ストロンチウム90などがございます。
 しかしながら、先ほども申し上げましたように、環境へ放出する場合には、当然ながら、トリチウム以外の放射性物質につきましては安全が十分に確保できる基準以下まで、の濃度まできちっと確認を取っていって処分をするということになるというふうに思います。
 ただ、それにつきましても、当然ながら、当社だけではなくて、第三者機関の分析をした上できちっと確認を取ってまいるということでございます。
 以上でございます。

#85
○石垣のりこ君 先ほども森議員の方から、第三者機関といっても、核防護もできていないような当事者がどういうことなのであろうかというお話がありましたし、実際に福島原発の中で多数あるコンテナの中の四千、相当な数ではありますけれども、十年たって中身の確認ができていないような、安全管理ができていない会社がそういうお話をされても、なかなかやはり国民の皆さんの感情としても信頼ならないというのが本当のところなのではないかと思います。
 今までも、現にトリチウム水と言って、ALPSという浄化装置で取り除けないのはそれだけですと、そのようなことをお話しされていたのが、徐々に様々な追及をなされる中で、いや、実際はほかの核種も入っています、でも薄めるので大丈夫です、基準値未満にしますから大丈夫ですと言って、少しずつ言っていなかったことが実はあったということが明らかになっているわけで、もうその段階で東電さんがおっしゃっていること、これは政府がそれを追認しているということにもなるんでしょうけれども、もうそこからやっぱり疑念が生じる状況というのが生まれているんじゃないでしょうか。
 安全ですと本来ならば言い切れないことをやっぱり無理やり安全だと言うのではなく、本来ならば、科学的に今現段階の知見からは分からないことは分からない、その上で、こういう危険性が否定はできないけれども、こういう選択肢を取らざるを得ないので、皆さん御理解をいただけますかと、そこを明らかにした上で皆さんに本来御説明をすべきなのではないかと、私はそのように考えております。
 宮城県漁業協同組合の寺沢組合長にもお話を伺いました。汚染水の海外放出で宮城も大きな被害を受けます、汚染水を入れるタンクを置く場所がないということで汚染水の放出をということですが、場所は確保できるのではないでしょうか、やることをやって最善を尽くしているのか見えてこない、安全性をアピールするが、説明責任を果たしているかといえば不十分だ、東電への信頼も薄い中、国は責任を持って監視していただきたいというふうにコメントをされていらっしゃいました。
 それに関して、じゃ、お二方に伺いたいと思います。梶山大臣、そして平沢復興大臣、お願いいたします。

#86
○国務大臣(梶山弘志君) 昨日、岸全漁連会長とともに宮城県の寺沢漁連の会長もお見えになりました。そういった中で、それぞれに一言ずつお話がありまして、そういった今委員がお披瀝されたようなお話もあったと承知をしております。
 そういった中で、万全の体制を組んでまいりたいと思いますし、御懸念の点につきましては、安全性も含めて、そして風評被害等も含めて、全てにおいて漁連の皆様に納得できるような対応をしてまいりたい、これから努力もしてまいりたいと思っております。

#87
○国務大臣(平沢勝栄君) この問題については、前々から言っていますけれども、国民の皆さん、とりわけ福島県の皆さん、それから地域の皆さんの御理解、御協力が大事でございまして、そういった方々の御理解、御協力を得るべく、今、説明とかそういった問題についてしっかりと今取り組んでおられるということで理解しております。

#88
○石垣のりこ君 風評被害という言葉が先ほどから何度も飛び交ってはいるんですけれども、風評というのは、本来、事実に基づかないことを誤解して生まれるものでございますが、その事実が何であるのか、そのものを半ば隠蔽した状態で安全だと言っていることが私は問題なんだというふうに感じております。
 先ほど御指摘させていただきました、事実は事実として、トリチウム水はトリチウムだけではない、こういう核種もある、本当にそれが薄めて大丈夫だと言い切れるわけではないのに言い切ってしまうこと、そのことが本当に根本的な問題なのではないかということを指摘させていただきたいと思います。
 先ほど資料要求をいたしました、タンクを置くことができる敷地がほかにないのかということを検討されたというお話がありましたので、具体的にどのように検討されたかが分かる資料、委員長、是非御提出をいただきたいと思います。お諮りください。

#89
○委員長(杉尾秀哉君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をさせていただきます。

#90
○石垣のりこ君 汚染水に関してもいろいろその続きも伺いたいところではありますが、その原発の汚染に関して、震災から十年が過ぎたわけなんですけど、今度ちょっと汚染廃棄物の問題について伺いたいと思います。
 まだまだ、先ほど小沢議員の方からありました、総仕上げなんていうふうに言葉を使っていいのかと、そんな状況ではないのではないかということを示す一例として、汚染稲わらの処理状況、資料の二枚目にございます。
 現状、稲わらが廃棄物の対象とされるのは全部で四県でございます。東北の岩手、宮城、福島及び栃木の四県におかれての稲わらの廃棄物ということになりますけれども、進捗状況からしますと岩手がこのような数字になっております。
 これ、現状どうなっているか、割合を教えていただけますか。

#91
○政府参考人(森山誠二君) お答え申し上げます。
 放射性物質に汚染された稲わら等の農林業系廃棄物につきましては、これまで各市町村で焼却等の処理が行われ、環境省としてもこれを技術的、財政的に支援してきたところでございます。
 委員御指摘の稲わらにつきましては、関係県から聞き取ったところによりますと、岩手県では約四百五十九トンあったものが令和元年度末までに約五十九トンが処理され、減少率は約一三%でございます。宮城県では約四千九百四十九トンのうち元年度末までに約三百一トンが処理され、減少率は約六%。福島県では三千七百七十七トンのうち約三千四百四トンが処理され、減少率は約九〇%。栃木県では約二百九十トンのうち約十二トンが処理され、減少率は約四%でございます。
 まだ途上段階と認識してございますけれども、引き続き市町村に寄り添いながら処理を支援してまいりたいと考えてございます。

#92
○石垣のりこ君 まだこの現状なんです。福島はかなり進んではいるんですけれども、ほかの三県は多いところでも一三%なんですね。宮城は六%ほどと、栃木四%というお話がありました。これからまだ十年近く掛けて、宮城では一応七年ぐらいを掛けてこれから処理をしていくという計画はありますけれども、今こういう現状である、十年を迎えてこういう現状であるということのその問題点、課題はどういうところにあるとお考えでしょうか。

#93
○政府参考人(森山誠二君) 放射性物質に汚染されました稲わら等の農林業系廃棄物につきましては、福島県では国の仮設炉での処理を含めて行われてきましたが、全体としては先ほど申し上げたように途上段階にあると考えてございます。例えば宮城県では、県のリーダーシップによりまして、キログラム当たり八千ベクレル以下の農林業系廃棄物の焼却処理を四圏域で二〇一八年三月から順次行っておりまして、昨年七月の時点で全ての圏域で本格焼却が開始されております。
 焼却するに当たりましては、汚染された廃棄物を処理することについて、周辺住民、施設周辺住民の御理解をいただくのに多くの自治体の方が苦労されていると認識してございます。焼却処理以外のすき込みや堆肥化を選択している自治体もありますが、住民理解がなかなか得られない点は共通でございます。
 環境省としましては、農林業系廃棄物の処理が進むよう、実質的に廃棄物の処理を行う市町村等の財政負担がない形で支援してきたところでございます。また、必要に応じて安全に処理ができることについての技術的な助言を行うなどしているところでございます。これらはすぐには解決しない問題ではありますが、現場で苦労されている自治体に寄り添いながら必要な支援を行っていくことが何より大切と考えているところでございます。
 今後とも、自治体が行う処理を最大限支援してまいります。

#94
○石垣のりこ君 支援をということなんですけれども、お金の補填の方は結構されているということなんですが、結局、国は一応方針は示すけれども、現場の負担を請け負うのは全部県から市町村、そしてその地域の皆さんということで、負担がやはり現場に多く行っている。アンケートなどを見てみますと、もっとやはり国の責任を持って、ちゃんと住民の皆さんに国が直接説明をしてほしいというような声もたくさん寄せられております。
 汚染水の処理の問題とも通ずると思うんですけれども、これちゃんと住民合意を取っていくために、もっとちゃんと適切な、そして誠実な説明、それをちゃんと信じるに足り得るふだんからの行動ということがもちろん大事だと思うんですけれども、その部分が決定的にやはり欠けているということがこうやって復興を遅らせていくことのもう大きな要因になっているということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。

#95
○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。
 東日本大震災発災から十年、改めて、震災によりお亡くなりになられた方に哀悼の意を表しますとともに、御遺族の方々、けがをされました方々、そして避難を余儀なくされた皆様にお見舞いを申し上げたいと思います。また、復興に御尽力をいただいております皆様、そして廃炉に従事されている方々の御奮闘に心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。
 福島県の今後の展望を含めて質問をさせていただきます。
 福島県における発災から十年の経済状況は、公共投資による経済押し上げが主たるものであり、残念ながら、自立的な経済成長ではないのが厳しい現実と認識しております。
 新産業の集約等が図られて、新たな研究拠点も開発を進められていると承知はしております。私の故郷である福島、そして親戚がたくさん住んでおります現伊達市、正直、相馬福島道路が開通すること自体が夢のような話でもあり、多くの方々が難工事を乗り越えられて、年度末というのは越えてしまいましたけれども、今月中に開通をするということ、そういう意味では、大変多くの方々にお力をいただいているということが本当に有り難い限りでございます。すなわち、鉄道、また道路のインフラ、大半が復興、拡充もされてきております。
 しかしながら、地元の経済への波及効果、押し上げできるだけの産業化がこれからには欠かすことはできません。これからやらなければいけないことは、もう是非、この復興への必要な自立的産業化ということであります。是非取り組んでいただきたいと思います。
 福島のこれからの自立的経済に対してどのような手を打たれるのでしょうか、平沢復興大臣に伺います。

#96
○国務大臣(平沢勝栄君) 今委員御指摘のとおり、福島の復興、経済を地に足の付いたものにしていかなければならないわけでございまして、いろいろな取組がなされていますけど、その一つはイノベーション、福島イノベーション・コースト構想に基づく取組でございまして、この福島イノベーション・コースト構想は、委員御指摘のとおり、ロボットやドローンの研究開発などで一大拠点を目指しているわけでございまして、また、再生可能エネルギーにより水素を製造する世界最大級の福島水素エネルギー研究フィールド、これが最近全面開所するなど、具体的な取組が行われているところでございますけれども、こうした拠点を活用していかに地元経済を発展させていくかということが重要でございまして、こうした観点から、開発、実証等に取り組む企業と地元企業との連携促進、それから浜通り地域で起業、創業を目指す事業者支援、こういったことに積極的に取り組んでいるところでございます。
 復興庁としましては、こうした取組を通じまして、県及び関係省庁などと一緒になって福島の本格的な復興再生に更に力を入れていきたいと考えております。

#97
○三浦信祐君 是非、始点として福島でなければいけないというところが企業として根っこが生えていくということ、で、福島だからこそできるということ、これもしっかりと具体的に調査をしていただいて、具体的な対応をしていただきたいというふうに思います。
 二〇一六年、原発避難の生徒へのいじめの対応として私も国会にて質疑をさせていただき、いじめ根絶のためにも放射線理解と教育の強化を訴えさせていただいて、文科省の皆さんには、以降しっかりと取り組んでいただいてきました。
 現在、放射線副読本が充実をして、教育現場にて活用されるようになりました。通知を出していただいて以降、私の娘も即座に教育現場、学校でその放射線副読本を活用して、学校の先生が即座に勉強されて教育現場で徹底をされたということ、まさにこういうことが大事なんだろうなということを実感してまいりました。これ、大事なことでありますので、今後の取組の展望についてまず伺わさせていただきたいと思います。
 その上で、現在推進をしております学校現場でのGIGAスクール構想にて、教育現場ではタブレット、パソコンが一人一台手元にある状態になってまいります。この放射線副読本こそ、デジタル教科書よりも早く準備ができて、手元で効果的に活用できると私は考えます。昔の震災の状況、どう復興していったか、そして、これを未来、こう変えるのが私たちの未来の絵なんだということも、動画であったりとかリアリティーを持って教育現場全員にお伝えすることができる最大の教育となると私は信じております。
 是非、風化を防ぐという闘いに乗り越えていくためにも、放射線副読本のデジタル化を図って、教育現場に行き渡って、そして活用し続けるというふうにしていただきたいと思いますけど、いかがでしょうか。

#98
○政府参考人(串田俊巳君) お答えいたします。
 東日本大震災から既に十年が経過した現在におきましても、原発事故に伴います風評の払拭やいわれのない偏見、差別の解消には今なお課題があると認識しております。児童生徒が放射線に関します科学的な知識を理解した上で、原発事故の状況、復興に向けた取組について理解を深めていくということは大変重要なことと認識しております。
 このため、文科省におきましては、御指摘ありましたような児童生徒の放射線に関します科学的な理解の一助となるよう、放射線の副読本、これを作成いたしまして、全国の小中高等学校に配付するといったことをして指導の充実に努めている状況にございます。令和三年度におきましては、放射線副読本の活用の状況の調査結果等を基にいたしまして、放射線副読本につきましては、最新の状況を踏まえた時点更新を行いますとともに、復興が進展している被災地の姿の紹介、それから教育のICT化に対応したより分かりやすいデジタルコンテンツの活用などを進める予定としております。
 こうした取組を通じまして、児童生徒が放射線に関する科学的な知識を理解するとともに、いわれのない偏見、差別の解消に貢献できるよう、取り組んでまいる所存でございます。

#99
○三浦信祐君 デジタルコンテンツ、必ず全国に広めていただいて、誰もが知っている、そういうことが科学的知見をもってしていろんなことに対する論評ができるということになりますので、是非御尽力をいただきたいというふうに思います。
 福島第一原子力発電所の廃炉について伺います。
 先般、福島第一原子力発電所内で、放射性物質が、廃棄物が入っていると推定されるものの、中身が分からないコンテナ約四千個存在することが判明をしております。なぜこのような事態が生じて、どのように管理をされてきたのでしょうか。地元の皆様を始め、国民の皆様に対して情報提供が必要だと私は考えております。他のコンテナ等を含めて、現状の把握と今後の対応についてしっかりと取り組むべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。

#100
○政府参考人(新川達也君) お答え申し上げます。
 四月七日に東京電力が、福島第一原発に設置しております廃棄物保管用のコンテナ約八・五万基のうち約四千基について内容物を把握できていないことを公表しております。現時点では、内容物を管理するシステムを使うことで新規に設置するコンテナでは内容物を把握できておりますが、このシステムの運用開始前に設置した不燃廃棄物用コンテナ約四千基では、中に保管される廃棄物の分別が十分でなく、内容物の情報が把握できていないと聞いております。
 ただし、これらのコンテナにつきましては、原子力規制委員会の認可を得ている実施計画に基づきコンテナ表面の線量の高さに応じて設置場所を管理することで、作業員の被曝や発電所周辺環境に影響を及ぼさない一定の水準以下の線量に維持できております。
 一方で、これらのコンテナの一部から内容物が漏えいした可能性があり、東京電力は、これら四千基のコンテナについて速やかに外観点検を行い、必要に応じて内容物の確認を行う方針を示したところでございます。経済産業省としては、地域の方々が不安にならないよう、外観点検を速やかに実施するとともに、コンテナの管理方法の改善を図るよう指示したところでございます。
 実施計画を認可している原子力規制委員会も対応に当たると認識しておりますが、経済産業省といたしましても今後も適切に指導してまいる所存でございます。

#101
○三浦信祐君 放射線量ということが不安につながるということであったのがこれまでの十年間だったと思います。ですので、見える化を図る、中身が何かということよりも、それがどう影響を及ぼすのかということをはっきりさせていただくということ、そして情報提供をしっかりやっていただく、東電にもきっちりとその仕事をしてもらうということを経済産業省の役目としてやっていただきたいというふうに思います。
 厚労省の皆さんと経産省の方に伺います。
 これまで福島第一原子力発電所廃炉に従事されている人数と放射線被曝の現状について伺いたいと思います。
 また、廃炉には人材の確保、継続性が欠かすことはできません。持続可能な廃炉作業、確実な廃炉の実現のために人材供給を絶やさないように取り組んでいただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。先に厚生労働省の方にお願いします。

#102
○政府参考人(田中佐智子君) お答えいたします。
 福島第一原子力発電所で、被曝線量でございますが、一年ごと、それから五年ごとの期間で管理がされてございます。
 平成二十八年四月から本年二月までの四年十一か月間、約二万五千人の方々が廃炉に係る放射線業務に従事をされております。うち、令和二年度、本年二月までの十一か月の間で申しますと、約一万人が従事されております。
 被曝量でございますが、この四年十一か月の間に廃炉に係る放射線業務に従事された方の平均被曝線量は六・五二ミリシーベルト、最大の方で八十八・四二ミリシーベルトとなっておりまして、五年間の線量限度である百ミリシーベルトを超えるというような方はおいでにならないところでございます。
 また、被曝線量を一年単位で見ますと、平成二十八年度は最大の方で三十八・八三ミリシーベルトでございましたが、令和二年度、本年二月までの十一か月の間でございますが、最大の方は十九・三一ミリシーベルトとなっておりまして、近年、被曝線量は減少をしてきてございます。
 引き続き、東京電力、それから関係の事業者に対しまして、作業に従事される方々の被曝線量の低減を指導してまいります。

#103
○政府参考人(新川達也君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、福島第一原子力発電所の廃炉作業を安全かつ着実に進めていくためには、廃炉作業に従事していただける方々の確保が重要でございます。
 このため、福島第一原発におきましては、廃炉作業に従事していただける方々が安心して働けるように、継続的に労働環境の改善に努めております。現在では、敷地舗装などの線量低減対策により一般作業服で作業可能なエリアが敷地の九六%に達するとともに、食堂や大型休憩所なども設置をされております。また、緊急時の医療体制につきましても整備をされております。
 また、東京電力は、高線量作業の無人化、遠隔化に取り組んでおります。さらに、多くの方々に廃炉作業について関心を持っていただくために、作業環境の改善状況や廃炉に係る疑問に答えるQアンドAをホームページに掲載をしております。
 経済産業省としても、廃炉・汚染水対策のポータルサイトを設置しまして、廃炉作業を支える作業員や企業を特集する動画を掲載するなど、福島第一原発の廃炉に向けた取組について理解が進むように情報発信を行っているところでございます。
 安全かつ着実に廃炉を進めるべく、廃炉を担う人材の確保及びそのための環境整備に取り組んでまいりたいと考えております。

#104
○三浦信祐君 被曝量が大分抑えられるように相当御尽力をいただいたということも厚生労働省からお伝えいただきました。
 また、必要なところを無人化を図るというこの技術が装填されていくということ、そして大事な取組であるということを是非今後もしっかりと社会に広めていただいて、多くの知見を集約をして、一年でも一か月でも早く廃炉が実現できるということに御尽力いただきたいというふうに思います。
 これまでの福島第一原子力発電所廃炉作業で活用されてきた情報、技術、技能などの記録と保存を何度もお願いをしてまいりました。現状どう管理され、現場にフィードバックがなされ、そしてニーズを発信してシーズの確保、あるいは開発へつなげてきたのか、取組について伺いたいと思います。
 また、重要なことは、情報、記録を分散させないこと、集約化を図るということであります。加えて、年月の変遷によって記録保存媒体の継続性が求められることへの対応も不断に行っていく必要があります。パソコンが変わって開けなくなりました、こんなことでは困ります。これらの取組について是非行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#105
○政府参考人(新川達也君) 御指摘のように、福島第一原発の廃炉は世界でも前例のない困難な取組でございますので、ここで得られた知見や情報は今後の廃炉に生かしていくことが重要であると考えております。例えば、今年二月、三号機において使用済燃料プールからの燃料取り出しが完了しております。三号機は燃料デブリも残っており、初めて遠隔操作にて燃料取り出しを実施したものでございます。今後、ここで得られた知見、経験を一号機、二号機の燃料取り出しやその他の廃炉作業に活用していくことが重要であると考えております。
 福島第一原発の廃炉に関する研究開発等の情報につきましては、原賠・廃炉機構が廃炉研究開発情報ポータルサイトとして一元化し、研究者や技術者が自由に情報を取得できるようになっております。さらに、廃炉に関する個別の情報集約につきましては、東京電力が発電所周辺の放射性物質の分析結果や原子炉格納容器の状態など日々計測したデータを取りまとめており、日本原子力研究開発機構が放射性廃棄物の分析結果をデータベース化しております。各分野で必要となる詳細なデータを集約しているところでございます。
 年月とともに蓄積した情報が失われることがないように、この記録の継続性が重要であるとの御指摘も踏まえ、関係機関とともに取り組んでまいりたいと思っております。

#106
○三浦信祐君 是非お願いしたいと思います。
 廃炉の達成には、廃炉技術者の育成、現場での技術者の確保など、継続的に必要であります。教育現場、産業の現場、それぞれの取組を具体的に伺いたいと思います。文科省の方、そして経産省の方にお願いします。

#107
○政府参考人(生川浩史君) 私の方から、まず文部科学省における人材育成の取組についてお答えをさせていただきます。
 文部科学省では、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に貢献するために、大学や研究機関等における基礎、基盤的な研究開発や人材育成の取組を推進をしてきているところであります。特に人材育成については、英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業という事業の下で、令和元年度までに、原子力分野だけでなく材料や建築、土木等の多分野が横断的に連携する拠点を大学に構築する取組や、大学や高専等における廃炉に関するカリキュラムの策定及び学生実験環境を充実する取組などを支援をしてきたところであります。また、令和元年度以降は、日本原子力研究開発機構の廃炉環境国際共同研究センター、私どもCLADSというふうに言っておりますが、このCLADSと大学がクロスアポイントメントを活用した産学官連携ラボを設置をし、将来の廃炉を支える研究人材を継続的に育成する取組を推進をしてきているというところでございます。
 文部科学省としては、関係省庁等と連携を図りながら、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉を中長期的に支える基礎、基盤的な研究開発や人材育成に引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

#108
○政府参考人(新川達也君) お答え申し上げます。
 福島第一原発につきましては、廃止措置を実施していくため、中長期的な視点で幅広い分野から人材を募り、人材の育成、確保に取り組むことが必要であると考えております。このため、原賠・廃炉機構や日本原子力研究開発機構などの関係機関とも連携協力しながら取組を進めているところでございます。
 具体的には、技術的難易度の高い課題への国の研究開発支援を通じたメーカーの研究者のチャレンジングな研究開発テーマへの支援や、研究開発成果の発信、技術者同士の交流を促進するためのシンポジウムの開催、原賠・廃炉機構と日本原子力研究開発機構の共同で、燃料デブリの性状、ロボット遠隔技術、アルファ放射性物質の取扱いなど、廃炉に関する基礎技術等の習得を目的とした廃炉人材育成研修を実施しております。また、国内外の専門家、地元の方々や学生等が集まり、関連技術動向の共有、意見交換を行う福島第一廃炉国際フォーラムを原賠・廃炉機構において開催するなどの取組を実施しているところでございます。
 福島第一原発の廃炉が着実に進んでいくよう、引き続き、文部科学省を始めとした関係省庁、関係機関の御協力をいただきながら、人材育成、確保に取り組んでまいりたいと考えております。

#109
○三浦信祐君 極限環境だからこそ、新しい技術は生まれます。是非取組を進めていただきたいというふうに思います。
 福島に設置されます国際教育研究拠点について質問します。
 国際教育研究拠点は、浜通りだからこそ挑める世界的課題に取り組むことが求められます。特に、数年スパンではなく、数十年の知的な取組が必要であります。
 今後、どこが司令塔となって、長期的プランをどこが立てていくのでしょうか。震災後、これまで行われてきたエネルギー、ロボットのほか、イノベーション・コースト構想の延長線上とした国際教育研究拠点の位置付けはどうなっているのでしょうか。あえて伺いますけど、なぜ単純に延長テーマとしたのか、横山副大臣に伺いたいと思います。

#110
○副大臣(横山信一君) 国際教育研究拠点は、福島イノベーション・コースト構想における取組を踏まえ、創造的復興に不可欠な研究開発及び人材育成を行うものであります。
 これまでの分野縦割りの研究では解決が困難なもの、また、福島浜通り地域、浜通りならではという、浜通りだからこそ挑める地域の課題に対して、新たな技術、手法等を学際的に融合させて取り組むことにより、産業構造、社会システムの転換につなげることとしております。
 現在、復興庁を中心に、関係省庁が参画する体制の下で検討を行っており、今年度中には本拠点の基本構想を作成してまいります。

#111
○三浦信祐君 一つ飛ばさせていただきます。
 浜通りだからこそと言いましたけれども、世界中でここしかできないことというのはたくさんあるんです。逆に、ここじゃなきゃ、やらなきゃいけないということもいっぱいあるんです。例えば、農業の分野、そしてコミュニティーの再生、核防護、核廃棄物、先ほど来あります海洋汚染への影響、また放射線を活用した科学等、世界のほかではそうならない環境をつくるために世界は努力をしている中で、そこでしかないというのがまさに福島の浜通りの現状であります。だからこそ、多くの方々が苦労したこの地域だからこそ、抱えている課題が研究として新しくテーマ等生み出されて、そしてそれが社会に戻っていくということができるのがまさに福島のこの国際の教育研究拠点だと私は思います。
 であるならば、研究のラインナップはどうなっているのでしょうか。国際教育研究拠点の理念や取り組むべき課題の抽出はどこがどのような考え方を持って行っているのでしょうか。放射線の観点で見ますと、汚染水の放出、科学的根拠、また透明性というのは、まさにこういうところで研究して、皆さんに先頭に立って透明化、情報提供、それを世界に言っていくということが大事だというふうに私考えますけど、副大臣、いかがでしょうか。

#112
○副大臣(横山信一君) 国際教育研究拠点は、廃炉の着実な推進や環境の回復、創造等の、これまでの既存施設による分野縦割りの研究では解決が困難であった課題に取り組み、福島の創造的復興を目指すものであります。御指摘にあったとおりです。他の地域には存在し得ない課題といった点からも、委員が御指摘になった放射線科学分野等の研究テーマは非常に重要だと考えております。私自身も、先日、東大アイソトープ研を始めとする放射線科学の第一線の先生方と意見交換をさせていただいたところでもあります。また、委員御指摘のように、いわゆる文系分野についても、専門の分野の先生方と随時意見交換をさせていただいております。
 復興庁を中心に、今年度中に本拠点の基本構想を定めることとしており、引き続き、関係省庁とも連携しつつ、本拠点において取り組むべき課題と研究テーマについて検討を深めてまいります。

#113
○三浦信祐君 検討の中に是非この思いを伝えていただければと思います。
 大臣に伺います。
 身体に対する放射線防護能力の向上につながる技術進展はあったのでしょうか。また、十年経過した現在までの放射線被曝影響についての知見蓄積はどのようになっているのでしょうか。国際教育研究拠点だからこそ、身体への放射線被曝の調査、影響についての研究を実施して知見を蓄積して、福島県の皆様、ひいては世界に情報を発信していく拠点としていくことが私は大切だと考えております。
 是非、研究拠点において、この放射線防護能力の向上に対する研究であったり、また被曝の影響についてきちっと研究を進めていただくということ推進をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#114
○国務大臣(平沢勝栄君) 先ほどございましたとおり、国際教育研究拠点の骨格というか、今後のどういうふうに持っていくかということについては、関係省庁の関係者が集まって今検討を進めているところでございます。
 放射線被曝影響に関する研究につきましては、これは今、福島県立医科大学などでも行われているようでございますけれども、こうした研究の知見の蓄積あるいは世界への情報発信というのは、この国際教育研究拠点の取組としては極めて重要であると考えております。
 引き続き、復興庁を中心にしまして、関係省庁や関係機関とともに検討を進めていきたいということで考えております。

#115
○三浦信祐君 大臣、是非お願いしたいと思います。
 福島の理解があってこそ伸び行く教育研究拠点になると思います。どこかから国がぽんと持ってきて何か箱物造ったなと思われてしまったら、それはもうおしまいであります。福島のレジリエンスについてのポジティブな研究だったりポジティブな技術を生み出す拠点に育てていくことが私は必要だというふうに思います。
 加えて、復興につながる研究として、被災されて多くの方が御苦労されているからこそ、繰り返しになりますが、この地域でしかない放射線医療であったり、放射線の農漁業、健康調査等をしっかりと蓄積、また調査ができるデータ化等を行うことが必要であるというふうに考えます。
 その上で、他の地域にない拠点化が図られるということにとっては、人材育成ということも同じくできるんではないかというふうに思います。
 私も県立福島高校出身で、復興大臣は私の先輩に当たります。福島の福島高校自体がスーパーサイエンスハイスクールになっております。かつ、県内では多くの高校がこの福島の未来を考えようといって、多くの若者が力を付けて福島のために頑張ろうとしている。であるならば、それ以上に国がもっと大きな目標を立てて、この福島こそが復興のあかしなんだという証明をつくっていくためには、その軸になるのが教育研究拠点というふうに私は考えております。
 是非、拠点化を図るために、大臣、御尽力をいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

#116
○国務大臣(平沢勝栄君) 御指摘のとおり、国際教育拠点は世界的なものをつくるということで考えておりますけれども、当然のことながら、地域に根差したものでなければならないわけでございまして、福島県や、とりわけ浜通り市町村の大変な支えといいますか協力が必要でございまして、そして理解も、御理解も必要でございまして、そういったものをいただいた上でしっかりやっていきたいと思います。
 いずれにしましても、福島は、先ほど森委員が言われましたけど、いろんな被害を集中的に受けているわけでございまして、本当になぜ福島だけがこんなにと思うわけでございますけど、そういった悪いニュースを吹っ飛ばして明るい未来が開けるように、その一つのものとしてこの教育研究拠点が機能していただければと考えているところでございます。
 この拠点につきましては、ともかく私たち考えているのは、県民の方々や被災者の方々が恩恵を受けるものでなければならない、それから、世界中で福島にしかないという特徴もやっぱりないと、やっぱり世界の耳目を集めるというわけにはなかなかいかない、これも大事でございます。そして、日本発で世界に対して大きな効用、効果が期待できるものでなければならないと。こうすることによって、とりわけ福島の方々に大きな自信と希望を与えることができるんではないかなと思っております。
 いずれにしましても、福島や東北の方々が誇りに思えるような教育研究拠点をつくっていきたいということで考えておりますので、是非御理解と御協力をお願いしたいと思います。

#117
○三浦信祐君 シンプルに伺います。
 であるならば、人で決まります。国内の研究者、海外の研究者、第一線で活躍する方をもうしっかりと集約できるようにしなければいけません。国内、国外の具体的研究者について想定できているのか、伺いたいと思います。その上で、研究規模、また処遇、これは従前の国研と同じでは人は集まりません。そういう面ではしっかりと取り組んでいただきたいと思いますけど、考え方を伺います。

#118
○政府参考人(開出英之君) 御指摘のとおり、国際教育研究拠点につきましては優れた研究者の確保が重要であると認識しております。このため、研究機関、企業、大学等の多くの研究者から研究テーマに関するヒアリングを現在行っているところでございますが、世界のトップの人材を引き付けられるような研究環境の在り方も含めて、引き続き検討してまいります。
 また、研究者が十分に力を発揮するためには、御指摘の研究環境でありますとか組織の体制、研究者の待遇がいずれも非常に重要な課題でなってくると思います。復興庁を中心に関係省庁が参画する体制の下で事務レベルの検討を行っているところでございますが、既存の研究機関等の優れた取組や課題を分析しつつ、引き続きしっかりと検討してまいりたいと考えております。

#119
○三浦信祐君 引き続き、このテーマについては応援をしたいと思いますので、議論させていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
    ─────────────

#120
○委員長(杉尾秀哉君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、滝沢求さん、足立敏之さん及び山田太郎さんが委員を辞任されまして、その補欠として中西哲さん、今井絵理子さん及び片山さつきさんが選任されました。
    ─────────────

#121
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
 私からも、最初に、東京電力福島第一原発の処理水の問題について一言申し上げたいと思います。
 復興大臣の所信表明の七ページに、ALPS処理水は政府の結論を出すと書かれてあります。菅総理が処理水を海洋放出する方向で近々決断するという報道が相次いでおり、政府の方針は決まっていると私は推測しています。
 日本維新の会は、処理水の海洋放出について早期の政治判断を一貫して求めてきました。これは、決して現地の漁業を営む人のことを考えていないのではなく、むしろ考えて早期の政治的判断を求めてきたわけです。それを後回しにしてきたツケが、海洋放出をする準備のためにです、我々はタンクの置き場所の限界が来ているから早く決断をしろと言っていたんですが、海洋放出の準備をするために更にタンクを増設するという、これは本末転倒ではないかと私は思っております。
 三月十六日に、漁業に関して、農林水産委員会の議事録というのがありまして、これによりますと、処理水は人体や環境への安全性は担保されていると議事録で政府側は主張していらっしゃいます。ところが、いまだにその時点で八六%の現地の漁業関係者の方が海洋放出に反対しています。これはなぜなのか。
 大臣所信の中に、風評対策については情報の発信を積極的にやってきたし、これからもやるというふうに書いてあります。しかし、これまで風評被害以外の実質的な漁業賠償額についてその農水の委員会で質問をしましたところ、実質的な賠償、つまり操業や営業ができなかったについての賠償額ですが、昨年十二月末までの累積が二千十七億円です。海洋放出後の損害賠償の算定はどうしていくおつもりですかと。そうすると、定額は算定しておりませんというお答えでした。つまり、風評被害があって、それに伴って売上げの量の減少と価格の低下があったならば、その時々に合わせて適切に東京電力がこれから賠償していきますと議事録に書いてあります。
 海洋放出については、過去六年間も専門家が議論して、安全性について情報発信して、科学的情報を正確に丁寧に伝えてきたとその議事録にも書かれてあります。六年です。ところが、六年掛かっても現在八六%の人が反対と。それはどうしてだと思いますか、六年やってきたんでしょう、どうしてですかという質問をしたところ、安全性に対する科学的な知識の理解力を持っていないからだという、誠にこれは遺憾なお答えでございました。
 専門家というのはコミュニケーターではないんです。専門家というのは、専門的な判断だけ計算して出してくるんですね。だから、この情報に対して八六%という反対の数字となっているのはその情報を信用できないということであって、それが、コミュニケーションができていない、既にもう十年時間が経過している中、今後海洋放出を実行する際には政府はこれまでにも増してリスクコミュニケーション能力を磨いていかなければならないということなんですが、危険はゼロなんだと言っていく専門家の意見だけではなくて、先ほどもお答えが、質疑がありましたけれども、前もって起こり得るマイナスの情報も的確に流して、政府が発信する情報への信頼を回復するところからスタートが必要だと思います。
 どちらを取るのかという結論を出さなきゃならないときにどうやって国民の皆様にその理解を求めるのかということは、科学的な意見だけを出しているんでは駄目で、リスクコミュニケーターというプロの用意が必要である、その人が顔を見せて、ちゃんと、マイナスのこともあるけれど、このようにしていくのにお願いできないかというプロのリスクコミュニケーターを用意する必要があるということを提言させていただきまして、今日はこの質問ではなくて厚生労働省の方に質問を……(発言する者あり)長くなりますので、用意があります。
 私が質問したいのは、復興特ではなくて、厚生労働省の方に今日は来ていただいていると思うんですが、震災などによる心のケアについてどうしても質問したいんですね。
 昨年からコロナ禍になって、厚労省は感染症の拡大も自然災害の一部だと提言されて、災害対策関連法制の弾力的な運用をすることの提言というのが多方面から出ています。災害対策関連法制ということと感染症の拡大、これ自然災害の一部だというのは非常に重要な提言だと私は思っておりまして、私は、パンデミック下では、心のケアは災害時の心のケアと共通するところがあると思っています。
 福島で私も医療支援活動を始めて十年になりますけれども、厚生労働省は、災害などによる心のケアについて、東日本大震災の後、ホームページなどで情報を提供していらっしゃいますけれども、その背後にある基本的な考え方について今日は質問したいと思います。
 地震に限らず、大規模な災害に遭った後、被災直後から復興期にかけて、被災者の精神面の健康状態はどのような経過をたどるとお考えでしょうか。被災者の精神面の健康状態というのは一応マニュアルというのがあるんですが、そういうことを御紹介していただきたいと思います。厚労の方、お願いします。

#122
○大臣政務官(こやり隆史君) お答えいたします。
 先生の御指摘、災害、様々なケースがあり得ると思います。そうしたことを前提と置きながら、例えばそのメンタルヘルスの変化につきましては、急性期あるいは中長期、さらに長期という形で段階的に変化していくものというふうに認識をしております。
 まず、急性期症状といたしましては、生命の危険にさらされた方が一時的に精神不安定となりまして、急性ストレス反応など様々な心身の症状が発生することがございます。さらに、これらの急性期症状につきましては、被災者の多くでは時間とともに軽快していくということでございますけれども、中長期的に症状が残る方も存在していると。さらに、それが長期間になりますと、発災前とは異なる環境での生活を余儀なくされ、コミュニティーの変化が生じる、そういったことから不安や孤独感が強まり、うつ症状であるとかを発症すると、そういった変化が見舞われるということになるというふうに理解をしております。
 また、先生御指摘のマニュアル等につきましてでございますけれども、これもまた様々な機関で様々なものが発行されているというふうに承知しております。最も国際的にも広く受け入れられておりますのが、例えばWHOが開発したサイコロジカルファーストエードというものが存在しております。この中で災害による支援が必要と思われる人に支援の仕方が分かりやすく示されているところでございまして、厚労省といたしましてもこうしたマニュアルの活用が促されるよう周知をしているところでございます。
 具体的には、例えば、人材育成の観点から国立精神・神経医療研究センターにおきましてこのサイコロジカルファーストエードに従って研修を実施しているところでございまして、人材育成あるいはこうした普及啓発に今後ともしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。

#123
○石井苗子君 長い御答弁、ありがとうございます。
 私たちが教科書で学ぶようなことが御発言があったわけですけれども、それがこの十年間で被災者のその教訓・ノウハウの中に全く入っていません。入っていませんよね。これは、大きな災害というようなものがありますと、東日本のように国を揺るがすような大災害がありますと、心身外傷的出来事を直接体験するということになって、そのストレスが急性ストレス障害やPTSD、あるいはうつ病を引き起こすということになります。周囲の人間が被災者に向けて掛けてよい言葉、不適切な言葉、こういったものも震災から学んだものとして教訓・ノウハウの中に厚労が残していかなければ、これは災害から何も学ばないということになってしまいます。
 本当に十年で学んだことを後世に見知として残していきたいと、その精神的なケアについて厚生労働省が基準を設け、マニュアルのようなものを必ず教訓・ノウハウに入れていただきたいんですが、いかがでしょうか。

#124
○大臣政務官(こやり隆史君) 御指摘のマニュアル等についてでございますけど、先ほど申し上げましたように、様々なところでこうした要素を加えたガイドライン等が発行されております。内閣府からもそうでございますし。
 厚労省といたしましては、先ほど申し上げましたように、WHOが発表されたそのガイドライン等について、普及啓発とともに、これは研究所におきまして人材育成も含めた周知啓発に取り組んでいるところでございます。

#125
○石井苗子君 私が言っているのはWHOのガイドラインとかじゃなくて、東日本、日本が経験したことから学ぶガイドラインというのを作っていただきたいということなんですね。いろんなガイドラインは外国でも出ていますけれども、この日本での教訓・ノウハウを作っていただきたいと。
 それでは、復興大臣にお伺いします。
 令和二年度の自殺対策白書によりますと、東日本大震災関連自殺者、十年で二百四十人となっております。この数字は正確でしょうか。私が調べますと、この数字は、遺書や遺族への言葉などから、避難所や仮設住宅に移住していた方、あるいは被災地から避難していらした方などの自殺の数だと把握しております。
 一般的に、大規模な災害の後は、自殺率は一定間を経過した後に上昇するものだと言われておりますが、復興期と呼ばれるときには、将来的な展望が見えてくるので自殺率が減少すると一般的には考えられております。この二百四十人、どういう集計を取ったのか、やり方があったら教えていただきたいんですが、この十年後の今、本当に自殺率が減少していると言えるでしょうか。よく見ていかなければならないと思います。
 自殺やメンタルヘルス対策の重要性は復興十年を経た今後も更に大きくなっていくものだと私は思うんですが、大臣は震災後の十年間の具体的な自殺原因について把握されているか、この二百四十人をどのように把握されているか、また、十年の間で復興が進むにつれて自殺の原因というのは変化しているかどうか、ここはどのようにお考えでしょうか。

#126
○国務大臣(平沢勝栄君) 自殺につきましては、今委員から二百四十人、東日本大震災関連の自殺者数という御指摘がありましたけど、大変に痛ましい数字でございまして、この自殺につきましては、内閣府の自殺対策推進室、それから内閣府の経済社会総合研究所自殺分析班、警察庁、厚生労働省、この四者でこの自殺の定義等を決めているところでございます。それに該当する方が二百四十人おられたということでございまして、繰り返しますけれども、大変に痛ましいわけでございまして、自殺の多くは、その原因につきまして言いますと、多様かつ複合的な原因、また背景を有しておりますので、様々な要因が連鎖して起きるということで言われておりますけれども、いずれにしましても、関係省庁が公表している震災関連自殺者数につきましては、その原因として、健康問題、家族問題、それから経済・生活問題、こういったことが挙げられているところでございます。

#127
○石井苗子君 ちょっと非常に、日本で十年経験してきた東日本大震災のこの自殺のデータということについては、その集計も原因も把握の仕方も曖昧であります。これからどういう対策を取っていくのか、この東日本大震災での特徴のある自殺の原因は何であって、どう変化してきたかということを、これから十年続きますので、観察と研究を続けていっていただきたいと思いますが。
 復興庁はこれまで、被災者が人と人とのつながりをつくり、生きがいを持って生活できるよう心の復興事業を実施していくともう十年言っていらっしゃったんですが、被災者支援総合交付金などによって自治体やNPOなどの取組を支持していると。これ大変、私はずっと観察していて、一緒に働いていて、進歩が少ないなと思うんですね。健康相談員によるところのNPOの支援だとかということで、専門的な方を入れていないなという実感がしておりますけれども、交付金について令和三年度予算の予算額幾らで、内容はどうなっているのか、ちょっと教えていただけますか。

#128
○国務大臣(平沢勝栄君) 心の復興事業の交付可能額につきましてでございますけれども、確認可能な期間で見ますと、平成二十九年度は十二・四億円でございまして、ここ数年は減少傾向にありまして、令和二年度では八・九億円になっております。
 心の復興事業には必要な額を計上していると思っておりますけれども、復興の進展に伴う被災者の状況が変化しているということ、それから、継続されなかった事業や規模を縮小した事業などもありまして減少してきているということで考えております。
 復興庁としましては、引き続き、被災自治体の要望を丁寧に伺いながら、必要な予算の確保に取り組んでいきたいと思いますので、是非応援をよろしくお願いしたいと思います。

#129
○石井苗子君 東日本大震災関連自殺、十年間で二百四十人に上るという発表を受けて、政府は、これ以上孤独死を防ぐという、孤独死をつくらないという意味で、被災者と地域の社会のつながりが分断されないように環境づくりを進めるというふうに書かれておりまして、この専門家委員会というのがどんな人がいるのかなと思って見たんですけれども、心理学や精神医学の専門家がいなくて、政治学の専門家が多かったんです。
 私は、やはりこういう災害が起きたときの、先ほど急性期、ハネムーン期といろいろ教科書に書いてあるんですけど、その都度その都度専門家に入ってもらって、早期発見をし、早期治療に当たるというような、こういうことが教訓・ノウハウの中に早期診断が入ることを望んで、これからは十年間作って、データを積み上げていただきたいと思います。
 あと一つお願いします。
 資料を用意してございますが、令和元年度の復興予算の執行率のところを見ていただきたい、ちょっと話題が変わりますが。執行率六〇・五%となっております。特に中小企業への支援等の執行率三九・九%、かなり低い水準です。毎年六〇%台の執行率に止まっていて、以前、私、本会議でも質問をしましたけれど、翌年への繰越しが二〇%ほどあり、それを入れると八〇%以上になるとか、あるいは、公共事業で地元との協議が難航しているので災害関連融資は融資の申込みが少なかったというような説明はお聞きしております。
 しかし、お配りした資料は復興庁に出していただいた復興予算の執行状況です。赤い枠の線の部分ではなくて、その右側の執行率の例を見ていただくと、令和元年六〇・五%となっています。赤い枠の中は執行見込額、執行率見込み率で、各年度翌年の執行見込みを合わせたもので、令和元年度は八九・八%になっています。低い執行率だと格好が付かないので、執行見込額の方に復興庁の方が赤い枠を付けて私に渡してくれるわけなんですけれども。
 予算には単年度主義の原則というのがあります。会計年度ごとに国会の議決を経なければなりません。なぜやっているのか。これは、財政民主主義の観点から、予算に対する国会コントロールを確保するためにやっています。国会で審議して決めた予算が余って翌年に繰り越すことが常態化しているというのは、確かに復興は大事かもしれませんが、幾ら復興だといっても、大臣、好ましいことではないと思いませんでしょうか。復興率が不必要な予算であったという推測が働いてしまうのは好ましくないと思うんです。
 実際、資料の一番右側にある不用額を見ると毎年一〇%前後で推移していますが、本来ほかに回すべきではないでしょうか。税金というのは有効に使っていないというふうに思われないようにしなきゃいけないと思うんですが、大臣、いかがでしょう。

#130
○委員長(杉尾秀哉君) 時間が来ておりますので、答弁は御簡潔にお願いいたします。

#131
○国務大臣(平沢勝栄君) 復興予算につきましては、一言で言えば予算の繰越しが生じやすい性質であると、そういったことで、この予算につきましては、執行率だけでなく繰越しを含めた執行見込み率で見ていただきたいということでございますけど、今委員御指摘のとおり、そういった無駄な予算がないかどうかと、これについては不断の努力を、私たちは検証を常に常に続けていかなければならないと考えております。

#132
○石井苗子君 時間が来ました。三千億円という額を勝手に税金を余らせることがないようによろしくお願いいたします。
 終わります。

#133
○舟山康江君 国民民主党の舟山康江でございます。
 震災から十年が経過をいたしました。これまで震災からの復興ということで様々な取組が行われてまいりましたが、やはり復興の主役は被災者だと考えております。
 そういう中におきまして、いまだに避難を余儀なくされている方々がまだたくさんおられるという現状があります。避難者の数は、発災直後は約四十七万人でありましたけれども、復興庁が毎月公表している調査によりますと、今年三月現在で約四万一千人。減少はしているものの、まだまだたくさんおられると、こんな状況であります。そのうち約八割強は福島からの避難者という状況です。
 まず、復興庁にお聞きしますけれども、避難者、この調査の上での避難者というのはどのような定義で調査をされているんでしょうか。

#134
○政府参考人(開出英之君) 復興庁におきましては、全国の避難先自治体から、避難者といたしまして東日本大震災をきっかけに住居の移転を行い、その後、前の住居に戻る意思を有する者の数を報告いただきまして、毎月集計、公表しているところでございます。

#135
○舟山康江君 資料の一枚目を御覧いただきたいと思います。ちょっと細かいんですけれども、下の方の右側ですね、囲ってあるところに今お答えいただいたことが書いてあります。住居の移転を伴い、住居に戻る意思を持っておられる方が避難者ということです。
 そして、この避難者の確認におきましては、まずこれ大きく二つありまして、一つは、総務省が全国避難者情報システムというものをつくり、これ自己申告で避難先の自治体へ避難者が申し出るというものですね。そしてもう一つは、復興庁が毎月、先ほど紹介しましたけれども、全国の避難者数ということで公表しているというものであります。
 それで、この前者の総務省の全国避難者情報システムですけれども、この目的は何なのか。正確な避難者情報の把握ではないと、こんな指摘もありますけれども、この目的等を教えてください。

#136
○副大臣(新谷正義君) 全国避難者情報システムは、平成二十三年三月の東日本大震災及び原発事故による避難指示によりまして非常に多くの住民が全国各地に避難する状況下におきまして、避難元市町村による住民の避難先の把握に寄与できるように、同年四月に急遽、総務省からの通知により運用を開始したものでございます。
 これは、避難された方が氏名、生年月日、性別、避難前の住所、避難先の住所等を避難先の市町村に任意で提出をされまして、それを避難先の都道府県、避難元の都道府県を経由して避難元の市町村に送られる仕組みとなってございます。これによりまして、避難元県や避難元市町村から避難者への各種通知等に役立てることができるようにと、できるようになると考え、つくられたものでございます。
 あくまで、避難先の地方公共団体の協力や避難元市町村等への情報提供に対する避難者本人の同意を前提とした仕組みでございます。これは同意なしに全数をといったものではございませんで、あくまで同意を前提としているということでございます。引き続き、こういった中ではございますけれども、関係地方公共団体におきまして適切な運用がなされるように努めてまいりたいと考えております。
 なお、全国の避難者の状況は、復興庁におきまして、地方公共団体がこの全国避難者情報システムやあるいは独自の調査などにより把握した避難者情報の報告を受けて把握に努めておられると、そのように理解をしてございます。

#137
○舟山康江君 このシステムは、避難者情報といいながら、これ自己申告ですので、無登録者の避難者はカウントされていないということなんですね。ただ、やはり先ほど言ったような復興の主役は被災者だということで、その避難されている方がどんな状況で、そして今、要は避難元の自治体においては復興に向けた住宅の整備とかいろんなインフラ整備が進められているわけですから、どのぐらいの方が本当に帰りたくて、どういう方々を受け入れればいいのか、やはりそこの正確な数字を把握しない限り、復興というのはうまくいかないんだと思うんですね。
 そういう中で、せっかくこういったシステムがある中で、ここでオレンジで書かせていただきましたけれども、例えばこれ福井新聞の情報ですけれども、敦賀市が昨年十月からこの実態調査をしたと。このシステムで登録されている方の実態調査をしたところ、八十八人となっていた中で六十七人はもう県外に避難先を変えているということで、実際にはこの情報の中で登録している人がそこにいなかったということになっております。
 やはり、こういったところはきちっと総務省でも把握して、昨日、この質問に当たって総務省にお問合せをしましたところ、システムは構築しているけれども人数把握していないと、こんなことでした。システムつくって終わりでは何の意味もないと思うんです。しかも、復興庁の方もこのシステムも利用しながらということで依頼をしておりますし、また、今年に入りまして復興庁の方からはこの適切な届出についての依頼も現場の避難者にもしているわけですから、やはりいかに正確な情報をここに盛り込むのかということは、やはり、私たちは構築しただけだから知りませんではなくて、人数も含めてまさにこの住民の基本的な居住状況とかを把握する責任は総務省にあると思うんですよ。
 そういう中で、総務省も責任を持ってこの管理をするべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

#138
○副大臣(新谷正義君) これに関しましては、やはり避難者御本人の同意も必要ということでありまして、当然、御本人の同意等含めて、地方公共団体の理解を深めて、しっかりとこれは適切な運用がなされるように努めてまいりたいと、そのように考えております。

#139
○舟山康江君 いや、これ本当、復興庁と総務省でもっと連携を深めて、あれですよね、縦割り一一〇番に通報したいぐらいの思いですよ。しっかりと縦割りをなくして連携をして避難の実態を把握しなければ、避難元、それこそ被災地の復興がどのような形で行われるのか、この後質問でも触れますけれども、インフラ整備はしたものの果たしてどのぐらいの方が帰ってくるのか、そこも把握できないと思うんです。これは基本的な数字ですから、しっかりと連携していただきたいと思いますけれども。
 復興庁にお聞きします。
 復興庁では毎月、先ほど申しましたとおり、避難者数を公表はしております。一方で、これ、会計検査院が随時報告としてまとめた数字があるんですけれども、同じような時点で、福島県全域からの避難者数を復興庁のこの数字では三万九千百五十七人という形になっているんですけれども、避難指示市町村からの避難者数報告というものがこの避難指示・解除区域十二市町村だけで、要は内数になるわけなんですけれども、六万五千二百二十二人。内数どころか、大きく数字が乖離しております。
 果たして本来の避難者がどのくらいの数なのか、避難者のうち帰りたいという意思を持っている方がどのくらいなのか、そういった基本的な数値は復興庁として把握する必要があると思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

#140
○委員長(杉尾秀哉君) 大臣、答えられますか。

#141
○国務大臣(平沢勝栄君) 十二市町村の避難者数ですけれども、これにつきましては、各市町村がそれぞれの基準で把握して公表したものと、それから、公表していないところにつきましては、住民登録者数から居住者数を差し引いた人数を集計したものということで承知しております。
 帰還の意思を含めた避難者の実態把握のための再調査につきましては、復興庁のホームページなどでもこういったお願いは出しているところでございます。また、正確な把握のために、先月、復興庁、福島県などから福島県からの県外避難者に対しまして、転居や避難した県への定住などの避難終了時等に避難情報の適切な届出をお願いする文書の送付を行ったところでございます。
 引き続き、関係自治体の御協力をいただきながら、避難者の実態の把握に取り組んでいきたいと考えております。

#142
○舟山康江君 今の御認識では、正確な避難者数分からないと思います。
 先ほど総務省からは、全国避難者情報システムは自己申告なので、個人情報もあるからなかなか全数は把握し切れないと、そういうお答えがありました。そういう中で、そこでしっかりと届け出てくださいと言うだけでは全数は出てこないと思います。
 しっかりと現状、本当にどのぐらいの方が避難されているのかもう一度、毎月何となく継続的に避難者の数を報告させるんではなくて、改めてその帰還の意思も含めた調査をしっかりしていかないと、十年たってなぜ戻らないのか、十年たった今、本当に戻る意思のある方がどのぐらいなのか、そこをきちんと把握していかないと次の施策に進まないと思うんですけれども、もう一度認識を改めてお伺いしたいと思います。

#143
○国務大臣(平沢勝栄君) 御指摘はよく承りました。
 先ほど副大臣の方からありましたように、本人の同意というのが大前提でございまして、それで、いろいろな形でお願いしていますけれども、なかなかこういったあれに、調査に御協力いただけない方もおられるわけでございますけれども、今の委員の御意見を参考にしながら更に正確な数字の把握に努めていきたいと思います。

#144
○舟山康江君 いや、私は何も個人情報を明らかにしろと言っているわけではないんです。全体像を把握していかなければ今後必要な施策がしっかりと打てないという問題意識の中で申し上げているわけであって、実際に避難者の支援をされている方にお聞きしますと、やはりもう実際、避難先でもう家も建てて永住する思いを持ちながらも、でも、やはりそれを、避難の意思をあるということを伝えなければ、避難元からの、避難先からの支援がなくなるという、そういった不安の中で、実際にはもう戻れる思いがない人でもまだ戻りたいというような意思表明をする方もいれば、いろんな方々がいらっしゃるんですね。
 ですけれども、今後、今インフラ整備が終わって、まさにこれからどうやってソフト面の整備をしていくかというこの段階になって、何が必要なのか、具体的な施策を考える上で、やっぱり現実、どういう方々がもう避難先で定住の意思をお持ちで、どういう方々がまだまだ戻ろうとしているのか、そこをはっきりしていく必要があるんではないのかなと思います。
 改めて、冒頭に申し上げた、復興の主役は被災者です。被災者の中で、今、十年たてばいろんなニーズが多様化していると思います。多様化しているニーズの中で、やはりもう避難先に住みたい人、戻りたい人、どういう手だてがあれば次のステップを踏み出せるのか、そういった施策をきめ細かく打っていかなければ、箱物はできたけれども何も中に入れるものがなかったとか、そういったことになりかねないというふうに思いますので、是非そこは御認識の上、取り組んでいただきたいと思います。
 大臣の御決意をもう一度お願いします。

#145
○国務大臣(平沢勝栄君) 今の御意見、大変参考になりますので、そういった御意見も踏まえながらしっかり取り組んでいきたいと思います。

#146
○舟山康江君 今の質問とも関連すると思いますけれども、インフラ整備はほぼ完了しています。復興住宅もでき、それから土地区画整理もでき、立派な要は受皿はできているわけですね。しかし、いまだに、今申し上げたように、帰還しない、できない方がいらっしゃるという中で、帰還が進まない理由はどのように分析されているんでしょうか。

#147
○国務大臣(平沢勝栄君) 先ほども申し上げましたように、地震・津波被災地域とそれから原発の方の被災地域では違うわけでございますけれども、地震・津波被災地域では、インフラ整備は、今委員御指摘のとおり、インフラ整備がおおむね完成しまして、地域のコミュニティーの再生や産業、なりわいの再生などのソフト面での取組にも力を入れているところでございます。これらにより避難者数は着実に減少していますけれども、実際に帰還されるかどうかは個々の避難者の皆さんの御判断によるものでありまして、復興庁としては、帰還を希望する方が安心して帰還できるよう、しっかり取り組んでいきたいと思っております。
 いろんな事情があるだろうと思います。例えば、もう新しいところに、時間が、もうある程度時間がたちましたので、もうここに定着してこちらに住み続けたいという方もおられるだろうし、要するに、ああいう被害があったところなんでまたこういった被害に遭わないとも限らないというようなおそれから住まない方もおられるだろうし、個人によっていろんな違いがあるだろうと思いますけれども、しかし、福島のこれからの復興というか、これから福島を再生させるためには、もう一回戻ってもらって人口を増やす、あるいは新しい方も含めてですけど、こういった人口を増やすということが大きなこれから福島の目的といいますか、福島の発展のために必要なことでございまして、その意味で、委員が言われるように、元々住んでおられた方にも一人でも多くの方にお戻りいただくということも大事なことで、そのために何をしたらいいかということもしっかり考えていきたいと思います。

#148
○舟山康江君 今大臣が前段で言われたことと後段で言われたことは、私、ちょっと若干矛盾するのかなと思うんですね。
 やはりその避難者それぞれに思いがあって、中には、もう避難先で十年もたって子供もずっとそこで学校にも慣れて、そろそろもう避難先に定住しようかというような思っている方々は、やっぱりそれは強制するものでもありませんし、そういった方々がある意味では避難先で定住できるような、そういった後押しももう十年たって必要なのかなと思いますし、逆に、やっぱり戻りたいんだと言っている方の後押しをする、どちらも必要な中で、やみくもに人口を増やすことが必要だから戻ってこい戻ってこいという局面ではないということも念頭に置いていただきながら施策を打っていかないといけないんではないのかなと思います。
 ですから、例えばもう定住、移住先で定住しようと思っている方に対しては、元の地域に残してきた土地の権利とかですよね。多分、土地区画整理で一応権利が残っていますけれども、例えばそういったところを買い上げる仕組みをつくるとか、そういうことも併せてそろそろ必要ではないかと思いますので、是非そういった一人一人の思いに、思いの中で必要な、とにかく戻るためにどうするかではない、そういった後押しをしていただきたいというふうに思います。
 そういう中で、これまで政府はまさに復興に向けて様々な事業を組み、予算も随分と計上してまいりました。この十年間で累計、復興のための関連予算というのはお幾らぐらいになるんでしょうか。

#149
○国務大臣(平沢勝栄君) 平成二十三年度から令和元年度までの復興関連予算の執行見込額は、約三十七・一兆円でございます。

#150
○舟山康江君 二年度のその執行見込みも含めると三十八兆円を超えるという、そんな状況なんですね。
 これだけのお金を使って、やはりどう生かすかというところだと思いますけれども、なかなかお金が有効に使われていないんではないか、こういった懸念が残るような案件がたくさん見られるというのも残念ながら事実であります。
 今日、小泉環境大臣にもお越しいただいておりますので、ちょっと若干順番変えますけれども、特にその一つの典型がこの除染関係というんでしょうか、除染、汚染土壌の保管等をする、この原子力災害からの復興再生、これにも七・三兆円ほど使われているということですけれども。お配りした資料の二枚目、新聞記事ですけれども、非常に無駄な使われ方しているんではないか、環境省のチェックが甘かったんではないか、こういう指摘が随分ありまして、新聞記事を調べただけでも相当、何ページ、何枚にも及ぶような問題が指摘されております。
 この実態について大臣はどのように認識をされ、そしてどのように改善を図ろうとしているのか。どうもこの記事の最後の方、現場の担当者は工事の積算や検査も適切に行っていると、このようにお答えになっているらしいですけれども、適切とはちょっと思い難いんですけれども、大臣の御認識をお聞きします。

#151
○国務大臣(小泉進次郎君) まず、環境省は、恐らく民主党政権時代の知っている方多くいると思いますけれども、今までやったことのなかった除染、そして中間貯蔵という、今まで前例のないこういった事業を役割として我々は担いました。
 ただ、そういった中での苦労だとか、経験がないとか、こういったことは言い訳にならないと私は思っています。抱えた以上は適正にその事業を執行する。そして、特に復興という、多くの国民の皆さんや、また福島県民の皆さん、東北の皆さんを始めとして、前向きに復興に取り組んでいる方が仮にその復興事業の不適正な状況によって頑張ってきたことがくじかれるような、そういったことがあってはならないと認識をしています。
 今、そういったことを受けて環境省ではどのような見直しなどをしているのかということのお尋ねについては、除染の工事の価格の設定に関して、環境省では、工事契約に際し、予定価格を設定した上で競争入札などにより契約先を決定してきています。この予定価格については、環境省の除染等工事暫定積算基準や国交省の土木工事標準積算基準などに基づいて積算を行うなど適正な運用に努めており、除染等工事暫定積算基準は、会計検査院からの指摘に基づくものも含め、これまで十七回改訂をしています。
 そして、事業のチェック体制については、令和二年度は、除染、廃棄物、中間貯蔵関係の約百五十件の工事そして業務に対して監督職員約四百名、検査職員約四十名を任命するなど、必要な体制の構築を行ってまいりました。
 また、平成二十五年から平成二十九年まで、外部有識者を委員とした適正化推進委員会を開催して除染事業の適正化推進に努めてきたところであり、契約違反や法令違反などの不適正な行為を行った事業者に対しては指名停止を行うなど、厳正に対処してまいりました。
 これに加え、今年一月には指名停止等措置要領の運用基準を改正し、受注者と下請との間で社会通念上相当と認められる程度を超えた行為が明らかとなった場合についても指名停止の対象といたしました。
 不正事案、不適正事案は大変遺憾でありますが、引き続き、適切な積算基準の設定や不適正な行為を行った事業者に対する厳正な対処によって適正な業務執行を図ってまいりたいと思います。

#152
○舟山康江君 過去の反省を生かして、これから、この事業に対してもまだ続いているわけですし、今後に生かせるように是非しっかりとチェックをして、厳しく対処していただきたいと思います。環境省の事業だから大丈夫だ、何か甘い汁が吸えるなんて思われたらまた繰り返しになってしまうと思いますので、是非厳正にお願いしたいと思います。
 続きまして、住宅再建・復興まちづくりについてですけど、こちらにこの十年間で十三・三兆円使われております。特に、これ先ほども触れましたけれども、土地区画整理事業において相当お金掛けて高台移転とか土地区画整理でいわゆる住宅、住居の再興を促すというところで整備してきましたけれども、全体での土地活用率は六八%、低いところでは三割台ということになっています。つまり、人が戻ってくる前提で整備はしたものの戻ってきていないと、こんな状況なんですね。
 先ほど平沢大臣からもありました、いろんなニーズがある中で強制するものではないと。そういう中で、やはり過大な整備だったんではないか、過剰に整備し過ぎたんではないか、こんな懸念もあるんではないかと思っています。
 まさに、この土地区画整理、区画整理事業の中でこの低い利用率になってしまった要因がどこで、まさにこの住民帰還の目標はどう定めているのか、やはりここをしっかりと押さえていかないと今後ますます問題は大きくなっていくと思いますので、大臣の認識をお聞きします。

#153
○国務大臣(平沢勝栄君) 災害公営住宅や土地区画整理事業による造成地に空き地が、空きが生じているわけでございまして、これはもちろん最初の段階では地方の自治体の方といろいろ話し合って、そして地方の自治体の同意もあって、そういう形で進められた事業でございますけど、大きな空きが空いているということは、場所によっては、場所によって違いますけれども、平均すると三割近く空いているということは大変に残念だなということで考えております。
 いずれにしましても、その理由はいろいろあると思いますけれども、一つには、やっぱり最初の段階と、実際工事はかなり長く続きますので、その工事が終わった段階ではその気持ちが変わっているというようなこともあるんじゃないかなと思います。
 私も今度岩手に行こうと思っていますけれども、そのときは是非その空き地の状況をしっかりと見てきたいと、そして、その原因をあれしたいと思いますし、今後のこういった事業の参考に是非させていただきたいということで考えております。

#154
○舟山康江君 時間となりましたので終わりにしたいと思いますけれども、やはり先ほど人口を増やしていきたいというお話がありました。ただ、人口減少社会だったということをやはり少し置き忘れてきたところがあるんじゃないかと、ここも反省すべきだというふうに思います。
 そういう中で過大、結果的にかもしれませんけれども、過大投資になって、空いているところも維持費が掛かっていく、これからこの維持費をどう捻出していくのか。人が入っていけばそこで維持費回っていきますけれども、空き家のまま、使われないままでは維持費だけがかさむと、こういった問題も今現地では深刻に受け止められていると思いますので、こういったところをどうしていくのか、ここも含めて是非復興庁を中心として議論をいただき、現場と意思疎通をしながら改善に向けて動いていただきたいと思います。
 以上です。

#155
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 初めに、福島第一原発事故による汚染水処理の問題について平沢大臣にお聞きします。
 今日のNHKの昼のニュースで、十三日にも関係閣僚会議を開き、海洋放出を決定する方針を固めたという報道が昼にありました。これは事実でしょうか。御存じでしょうか。

#156
○国務大臣(平沢勝栄君) 私は全く聞いておりません。閣僚会議の案内、私もメンバーですけれども、その案内も、少なくとも私が復興庁を出るときには一切来ておりません。ですから、それは少なくとも今の時点では私はまだ何ら聞いていない話でございます。

#157
○紙智子君 汚染水処理の問題めぐっては、先ほど来議論になっていますけれども、四月七日に菅総理と全漁連の岸会長との会談が行われました。岸会長は、汚染水の海洋放出について漁業者は絶対反対だと政府に要請してきた経緯がある、我々の反対の考えはいささかも変わることはないというふうに、菅総理に対して改めて海洋放出反対の立場を表明しました。
 菅政権によるこの現場の声をもし無視してこの汚染水の海洋放出を強行するということになれば、これは福島、福島だけじゃないですよね、懸念を持っている国民の、多くの国民の皆さんと漁業者を切り捨てることになるんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。

#158
○国務大臣(平沢勝栄君) まだこの問題について結論が出たということは聞いておりません。ですから、どういう結論が出るか分かりませんけれども、いずれにしましても、結論が出るに当たっては、国民の皆さん、とりわけ福島県の皆さん方の御理解、御協力いただくべく、私は最大限の努力をするだろうと思います。
 いずれにしましても、そういったこと、結論を出したことによって風評被害が万が一生じるようなことがあれば、その風評被害を消すために最大限の努力をしていかなければならないと考えております。

#159
○紙智子君 実際ニュースで流れているわけですよ。それで、見てびっくりしている人もいるわけですよね。
 それで、現場はですね、現場はもう誰もこれ納得していない話なんですよ。納得していないことはやっぱりやるべきでないんじゃないでしょうか。

#160
○国務大臣(平沢勝栄君) 私も昼のニュースを聞きまして、まさに寝耳に水でございました。
 いずれにしましても、そういったこと、御理解、御協力なくしては、繰り返しますけれども、この問題は前に進めることはできないわけでございまして、そこはしっかり取り組んでいきたいと思います。

#161
○紙智子君 やっぱりこれは、いや、それで何日か後にやっぱりそうだったということにならないようにしていただきたいわけですけれども、やっぱり、風評被害がもし出た場合は万全の対策と言うんだけど、一番の風評被害の対策というのはこれは海洋放出をしないことなんですよ。ですから、是非この海洋放出はやめるべきだということを強く申し上げておきたいと思います。
 次に、東日本大震災、福島第一原発事故から十年が経過しましたけれども、今もなお被災者支援の中で取り残されようとしている人がいるんですね。
 宮城県が、インフラなどの基盤整備が進んだことを理由にして、四月十日で被災者生活再建支援金の加算支援金の申請を打ち切ろうとしていることが今月一日付けの河北新報やテレビで報道されて大問題になっています。宮城県のまとめでは、加算支援金の未申請の世帯数が県内九市町村で四千二百三十五世帯に上るわけです。
 それで、未申請の方々は、住宅の再建方法を検討中であったり、あるいは再建のめどが立っていないとか、理由があるわけなんですね。今後、申請する権利があるにもかかわらず、県がこれもし強引に締め切ることになれば、被災者が取り残されることになるわけなんです。
 これでは、議員立法で作ったこの被災者生活再建支援法の精神が生かされないことになるんじゃないんでしょうか。

#162
○国務大臣(平沢勝栄君) 被災者生活再建支援法は、都道府県が相互扶助の観点から拠出した基金を活用して支援金を支給することによって、被災された方々の生活再建を支援して被災地の復興に資すると、こういうことを目的としているわけでございまして、支援金の申請期間につきましては、被災地における危険な状況の継続などやむを得ない事情により申請することができないと認められるときには都道府県の判断によって延長することが可能となっているわけでございます。
 このように被災者生活再建支援制度は都道府県が主体的に支援の判断を行う制度となっておりまして、宮城県においては、法の目的を踏まえてこれまで申請期限の延長を行ってきたものと認識しております。
 この間、加算支援金の未申請世帯に対しては、訪問や電話、郵送等により周知徹底に努めてきたものと伺っておりますけれども、支援金の申請期間についても県において適切に判断されるものと考えております。

#163
○紙智子君 県が判断することだということなんですよね。
 それで、災害公営住宅を退去した世帯への支援制度の周知がこれ不足しているということについては宮城県の当局自身が認めていることなんです。内閣府からも説明を受けたんですけれども、河北新報の報道や申請期間の延長を求める方々の指摘を受けて、宮城県は改めて、先週ですね、先週、周知の徹底を市町村に向けて求めているところで、各市町村で加算支援金の対象者を洗い出しているところだと聞いているわけです。
 周知したのは、これ締切りの一週間前なんですよね。市町村のある担当者は、災害公営住宅を退去した際に改めて加算支援金の対象となることは県の周知もなく分からなかった、もっと早く分かっていればと、是非申請期間の延長をしてほしいというふうに言っているわけです。仙台市の担当の窓口は、自分に受給資格があるんだろうか、あるいは、公営住宅を退去すると加算支援金の対象になることというのをそもそも知らなかったということで、この報道を見てこの問合せが、一日十件以上問合せが来ているということなんですよ。
 市町村の担当者もよく知っていない、被災者も知らない中で、これ強引に打ち切っていいんでしょうか。

#164
○国務大臣(平沢勝栄君) この問題について宮城県に確認したところ、これまでに各市や町において加算支援金の未申請世帯に対しまして訪問や電話、郵送等によりまして申請期間等についての周知徹底を図ってきたほか、県においても広報活動や定期的な状況把握等を行ってきたということで聞いております。さらに、本年四月二日にも県から各市や町に改めて申請期間等についての周知依頼を行っているということで聞いております。
 このような周知状況等を踏まえまして、支援金の申請期間につきましては宮城県において適切に判断されるものと認識しております。

#165
○紙智子君 ですから、現に今紹介したような担当者が知らなかったというのがあって、これやり始めたのは、ですから、新聞で報道で指摘されて、改めて、一週間前ですよ。だから、まだ間に合っていない状況になっているというのが現実にあるわけです。
 それで、災害公営住宅の入居者が退去した場合は加算支援金の申請の対象者となる、住宅の購入や補修や賃貸を含めて、住宅確保に向けてこれは必要な支援金になると。津波で被災して現在仙台の災害公営住宅に住んでいる方は、今年の三月までの家賃は四万九千円だったんですけど、四月からは収入超過者世帯ということになって家賃が八万七千円に上がると。今後も、収入が変わらなくても毎年三万円ずつ上がって、五年後の割増し家賃は十八万円にもなるということなんですね。これじゃもうとても大変ということで退去を検討して、賃貸物件を探している最中だと。四月十日にとても間に合うような状況じゃないという声が寄せられているんですけど、この事態を政治家である大臣にちょっとやっぱり考えてほしいと思うんですよね。
 今、県は申請したんだと言っているんだけれども、でも、こういう事態なんだということを踏まえてどうしたらいいのかということなんですけど、いかがでしょうか。

#166
○国務大臣(平沢勝栄君) このような、いろいろとこの制度については宮城県の方で周知徹底されたと思いますけれども、もしそういった事例があるならば、これはもう宮城県の方で適切に判断されるものと考えておりまして、そういった具体的な事例があるということを宮城県の方に言われたらいいと思いますし、私の方でも、今日の委員会でこういう話がありましたよということは宮城県の方に連絡させていただきたいと思います。

#167
○紙智子君 大臣の方からもそういうことがあるよということを言われるということで、それ自体も大事だと思うんですよ。
 大臣、現場主義をやっぱり徹底するというお話されているし、被災者に寄り添うというふうに言っていたわけで、やっぱり被災者が困っている現実があるということには是非動いていただきたいということを思います。
 どうして県の方がこうやって締め切ろうとしているのかと、急いでね。これ、申請期間の延長を求める声がずっと実際には出ているわけでして、申請延長、申請期間を延長して、再度広報して周知する期間を設けるとか、宮城県が再考して判断したらこれは延長は可能なんだと思うんですね、県がそもそも決めるものだから。ここをまずちょっと確認、さっきも答えられたんですけれども。そのことと、それから、未申請の世帯に支援金がやっぱり届くように、漏れがないようにしていくように工夫、何とかできるように検討できないものでしょうか。いかがでしょう。

#168
○政府参考人(村手聡君) お答え申し上げます。
 被災者再建支援金の申請期間につきましては、やむを得ない事情により被災世帯の世帯主が申請期間内に申請をすることができないと認めるときは都道府県の判断によって延長することができるとされてございます。
 宮城県におけるその申請期限の延長については、地域の実情を踏まえて宮城県において判断されるものと考えてございます。

#169
○紙智子君 県が判断すればできるということなので、宮城県には被災者のためにも改めて再考するように求めたいと思います。
 震災から十年経過した今も住宅を確保できない人もいます。石巻の人は、津波による被害を受けて、自宅を更地にして区画整理も終了したんだけれども、土地を売却した資金と加算支援金で住宅確保を目指していたと、ところが、土地の売却が進んでいないために住宅再建のめどが立っていない。このまま申請期限が打ち切られてしまったら、受給資格があるにもかかわらず支援が受けられない事態となるということなんですね。これ、被災者置き去りのやっぱり支援打切りはそういう点からも許されないというように思います。
 このほかにも被災者が取り残されている事態があるんですね。在宅被災者の問題です。
 私、この間、住宅応急修理制度を利用したことで応急仮設住宅に入れず、壊れた自宅に住み続けるしかなかった在宅被災者の問題を何回か取り上げてきました。
 宮城県の女川の男性は、住宅被害が一部損壊と認定されて、自宅の浴槽がひび割れて使えなくなった、修理するお金もないまま、約八年間、炊飯器で沸かしたお湯で体を洗うという生活を続けるしかなかったと、二〇一九年の三月に在宅被災者の支援団体とつながることができた、ボランティアの方ですね、それで保証人を探すということもやって、ようやっと災害公営住宅に一般枠で入居することができたということなんですよ。震災から十年といっても、こういう不自由な生活を強いられている在宅被災者の方がいるわけです。
 なぜ被災者が長年壊れた家で住み続けなきゃいけないのかということでは、これ大臣、実態について把握されているでしょうか。

#170
○国務大臣(平沢勝栄君) 被災自治体によって被害状況とかあるいは被災者の状況というのは様々でございますけれども、在宅被災者の調査や支援につきましては、これは住民に身近な自治体で実情に応じていろんな対応を取られることが望ましいと考えております。
 自治体によっては、在宅被災者を含む被災者の実態把握や訪問調査、相談支援などを実施してきているところでございまして、復興庁としても、こうした取組を被災者支援総合交付金を活用して支援してきたところでございます。
 自治体から丁寧に状況を伺いつつ、こうした在宅被災者への支援も含め、引き続き被災者に寄り添った支援に取り組んでいきたいと考えております。

#171
○紙智子君 もちろん自治体は身近なところですからつかむんですけれども、やっぱり被災者一人一人がどういう状況になっているのかというのは国が調査をして実態をつかむ必要があるんだと思うんですね。実態把握をしなければ今どういう支援が必要なのかということが分からないわけです。十年たった今だからこそ、被災者の実態調査を行うべきではないんでしょうか、大臣。

#172
○委員長(杉尾秀哉君) 大臣、答えられますか。

#173
○国務大臣(平沢勝栄君) 在宅被災者の支援、それから、それとその他被災者の支援については、基本的には都道府県が実情を詳しく知っているわけで、やるわけで、その中で国として支援できるところがあれば国として都道府県を支援すると、あるいは市町村を支援するということだろうと思います。
 いずれにしましても、実態を詳細に都道府県から、県あるいは市町村から聞いて、そしてそれに応じたしっかりした支援策を国として何かできるかどうかは考えていきたいと思います。

#174
○紙智子君 大臣は所信表明の中で、十年という長い期間の経過によって被災者や被災地の置かれた状態が多様化しており、きめ細かい対応の必要があるというふうに述べているんですよね。被災者一人一人にきめ細かい対応するためにはやっぱり実態調査が必要だと思いますので、是非実行に移していただきたいというふうに思います。
 それから、東日本大震災を経験をして見えてきた課題があるんですが、震災以降も毎年のように今地震とか災害とかって発生しているわけです。今、被災者一人一人に寄り添った取組が必要であるというふうになっていて、例えばアメリカですけれども、二〇〇五年に発生したハリケーン・カトリーナで甚大な被害を受けたアメリカで制度化されたんですけれども、災害ケースマネジメント、これを実践しているわけですけど、これに学んで日本でも自治体がやっているところがあって、鳥取県は、鳥取県中部地震から復興を進めるために、条例に位置付けてこれ取り組んでいるんですね。
 鳥取県版の災害ケースマネジメントの取組について、ちょっと簡潔に御説明お願いします。

#175
○政府参考人(村手聡君) お答え申し上げます。
 鳥取県におきましては、平成二十八年に鳥取県中部を震源とする地震を契機にいたしまして、被災者の生活復興を支援するため、推進するため、被災者一人一人に寄り添った支援であります災害ケースマネジメントに取り組んでいると承知してございます。具体的には、県や市町村の職員が世帯を戸別訪問し、困り事などを聞き取り、世帯の状況を把握する、次に、この実態調査の結果に基づきまして、関係機関が集まり各世帯の状況に合わせた生活復興プランを作成、さらに、生活復興プランに基づき専門家の派遣や支援窓口とのマッチング等を行うといった流れとなってございます。
 こうした取組により被災者の個々の状況に応じた生活復興支援がなされ、成果を上げていると承知してございます。
 以上でございます。

#176
○紙智子君 つまり、今の説明でもあるように、行政などによる戸別訪問を通じて被災者の状況を把握し、関係機関や専門家の派遣を通じて生活再建を後押しする制度ですね。
 今、被災者一人一人に寄り添った総合的な支援が求められていて、鳥取県の取組を是非全国に広げていく必要があるんじゃないかと。ということなので、提言をしたいんですけれども、国として防災基本計画に位置付けることができるんじゃないかと、付けたらいいんじゃないかということなんですけれども、小此木大臣、いかがでしょうか。

#177
○国務大臣(小此木八郎君) 一人一人の被災者の被災したとき、そしてその後、そして生活の再建までに、寄り添うという言葉が使われましたが、その方の身になってしっかりとその再建に取り組んでいく、つまりそれが災害ケースマネジメントということと考えますけれども、こうした観点からそれは重要だと思っています。
 そうした観点から、個々の被災者の状況に応じた適切な支援制度が活用されるように、被災者台帳を活用したきめ細やかな支援、被災者の見守りや相談支援に関する補助事業の実施、被災者が容易に支援制度を知ることができる環境の整備等に現在も努めているところであります。
 現行の防災基本計画においてですが、市町村は、必要に応じて、個々の被災者の被害の状況や各種の支援措置の実施状況、配慮を要する事項等を一元的に集約した被災者台帳を作成して、被災者の援護の総合的かつ効率的な実施に努めるものとすると、こう記載されておりまして、市町村の取組を促しているところであります。
 この記載も含めて防災対策について不断の見直しを行いつつ、先ほど委員からのお話で、審議官が御説明いたしましたけれども、鳥取県のような先進的な取組を行っている事例がほかにもあろうかと思いますけれども、こういったところを横に展開するといいますか紹介をしながら、更に被災者に寄り添った切れ目のない支援が行われるよう、関係省庁、地方公共団体と連携して取り組んでまいりたいと存じます。

#178
○委員長(杉尾秀哉君) 時間が来ております。

#179
○紙智子君 ありがとうございます。はい、終わります。
 それで、今お話あったように、ちょうど中央防災会議の中でも見直しのときに来ているということなので、是非それを反映させるべく、そして横の連携を取りながら取り組んでいただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。

#180
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。碧水の嘉田由紀子でございます。少数会派にも十五分という時間をお与えいただき、ありがとうございます。
 まず最初に、本当に十年という時間振り返りますと、それぞれの個人、御家族、地域社会にとって大変長い、重たい時間だったと思います。特に、最初に子供たちのことをお伺いしたいんですが、子供にとって、五歳の子は十五歳、そして十歳のお子さんはもう二十歳と、成人していらっしゃいます。
 実は私、滋賀県知事時代に、福島県をカウンターパート支援ということで、頻繁に職員も送り、また私自身も訪問させていただきました。そのときに、佐藤雄平知事が小学生たちの作文集を見せてくださいました。そこには、自分は大きくなったら福島の地元の復興のために働きたいと口々に言っておられました。それが印象深かったんですけれども、福島の子供たちのこのような震災、特に復興への経験、地域への思い、復興大臣としてこれからどう支援していかれるでしょうか。大臣にお伺いいたします。

#181
○国務大臣(平沢勝栄君) 原子力災害を含む東日本大震災を経験した福島県の子供たちが、主体的にふるさとの復興を担いたいと思っておられるお子さんが大勢おられるわけで、私もそういったお子さんに福島でお会いしましたけれども、その発表も聞きましたけれども、本当に涙が出るようなすばらしいスピーチでございました。
 いずれにしましても、そうした子供たちに更にこういった復興の気持ちを強く持ってもらって、それで地域を愛する、そして人との触れ合いを大事にする子供に、あっ、大人に育ってもらいたいなと思っております。
 そういった意味で、復興教育を進めるということは極めて大事でございまして、復興の基本方針においても、ふるさと創造学といった地域とのつながりを深める特色ある教育への支援などにより、魅力ある教育環境づくりを進める旨、示しているところでございます。
 引き続き、関係省庁と連携しつつ、子供たちのふるさとの復興を思う気持ちに応えられるような事業をしっかりとやっていきたいと考えております。

#182
○嘉田由紀子君 御丁寧にありがとうございます。
 実は、先回も私、琵琶湖・淀川水系の治水のお話をさせていただいたんですけど、それがこの復興の問題とどうこの委員会で関わるのかと少し疑念があるようでございますので、説明させていただきます。
 今日、資料一でお出しさせていただいておりますけれども、日本ほど災害の多い国はございません、これ、世界中で見て。それで、津波もそうです。その上、水害、そして今や原子力災害というようなことが、災害、直面しているわけでございます。
 日本の災害史を見ますと、私自身は水の災害史を過去五百年、千年たどってきたんですけど、大事なのは人なんですね。人がどうやって立ち直っていくか。個人だけではなくて、地域共同体のレジリエンスという立ち直りです。
 先ほど来、舟山議員の質問、あるいは今の紙議員の質問、私はここ十年、もちろん復興、振興、それぞれ皆さん頑張ったと思うんですけど、余りにハードに頼り過ぎたんではないでしょうか。ですから、三十八兆円入れて、それである意味で道路は良くなった、町はできた、でも人が帰ってこない。そして、住宅は、ある意味で建物だけで、中に人がいない、魂が入っていないという。そこのところが実は災害対策でもそうなんです。
 温暖化の中で確かに水害が増えております。そういう中で、私は、今この国土管理の上で、もうこれ以上コンクリート化は控えて、自然をいじめることを控えて、まさに自然とともに災害復興を進めていくグリーンインフラ、そこには魚も蛍もいます、人の気持ちもあります、そういうところを大事にしてほしいというのがこの今日の質問のポイントでございます。
 資料一に、四十年間、私は琵琶湖研究してまいりまして、今、大戸川ダムというのが問題になっております。実は、大戸川ダム、この資料一に出しておりますけれども、琵琶湖自身は大変な治水効果があります、下流に対して。一メートル琵琶湖で水をためると六億五千万トン、日本で最大の徳山ダムほどの水がためられるんです。それを進めたのが琵琶湖総合開発です。
 今、大戸川ダムというのが計画が始まっているんですけれども、これは琵琶湖にとっては三センチです。琵琶湖の三センチの分を、一千億円ほど入れて、そしてダムを造ることの意味ということを私自身は滋賀県知事時代に疑問に思いまして、そして、これは下流に効果があるからということで、大阪府と京都府が一千億円の費用のうち三割、直轄負担金で三百億円負担していただくということで始まっていたんですけれども、当時の橋下知事、山田知事、そして私どもが、これは緊急性、必要性低いんじゃないのかということで、一旦ダムは中止、凍結を要望させていただきました。
 今日、井上局長お越しいただいていますけれども、井上局長はそのときちょうど近畿地方整備局の調査官でおられまして、長いお付き合い、ありがとうございます。
 その中で、今日もう時間がないので、大戸川ダムと併せて、今回、流域治水、大変すばらしい政策に転換していただいたと思います。川の中で閉じ込め切れない水を、土地利用や建物規制、そして避難体制というところでソフトを強化しようと。その一つの中に、今ある施設、ダムを、多目的ダムの利水部分を三日ほど前に事前放流をして治水に使おうという、これは大変すばらしい仕組みだと思います。
 そういう中で、まず最初の質問でございますけれども、既設ダムの有効活用というところで、大戸川ダムが今計画をしておられますけれども、このダムはどこまで必要なのか。一方で、実は川上ダムというのが資料二と三にあります。これは木津川という方なんですけど、同じ淀川には集まってきます。この川上ダムが二年後には完成するんですけれども、川上ダムが二年後に完成したときに、例えば淀川で毎秒五百トン水位が低下できると。そして、川上ダムの治水容量で五百トン、利水を転換したらプラス五百トン。そうすると、大戸川ダムの分は川上ダムの治水の、言わば利水容量の治水活用で対応できないでしょうかというのが最初の質問でございます。
 朝日政務官、よろしくお願いします。

#183
○大臣政務官(朝日健太郎君) お答え申し上げます。
 嘉田先生には前回も御質問いただきまして、ありがとうございます。
 事前放流による利水容量の活用は浸水被害の防止や軽減につながるものと考えており、淀川水系においても、二十五に上るダムについて、昨年五月、利水者等と治水協定を締結をいたしまして運用を開始をいたしました。川上ダムにつきましても、完成後には事前放流に関する治水協定を締結をいたしまして、利水容量を更に活用できるように対応してまいります。
 なお、本日御質問にありました淀川水系は大変広い流域を持っておりまして、その水系内のどの辺りに雨が降るかは非常に予測が困難な状況でございます。川上ダムで洪水調整ができるのはその上流にございます木津川に限った雨を対応するということになりますので、今後とも淀川水系流域全体で対応していくというような考えでございます。

#184
○嘉田由紀子君 おっしゃるとおり、ダムはダムの上に降った水しかためられません。大戸川ダムもそうです、大戸川ダムの上に降った水しか。ですから、大戸川ダムの有効性というときに、三十三パターンのうちの一パターンだということを二〇〇八年、二〇〇九年、議論させていただきました。
 それで、今回、資料五ですけれども、大戸川ダムができると、淀川水系で四千八百ヘクタール、九兆円の被害軽減が可能ということを国土交通省さんが大阪府さんに示して、大阪府の吉村知事は、こんなに被害軽減できるんだったらということでダムのゴーサインと伺っております。
 この九兆円の被害軽減の根拠、教えていただけますか。

#185
○政府参考人(井上智夫君) お答え申し上げます。
 大戸川ダムは、現行の河川整備計画を策定した際に操作のルールというものを決めております。これは操作規則ではないですけれども、計画に当たっての操作のルールでございます。
 委員御指摘の約九兆円は、淀川水系において計画規模の洪水が発生し、淀川の左右岸でそれぞれ一か所の計二か所で堤防が決壊することを想定した場合の大阪府における被害額です。大戸川ダムをルールに基づき操作することにより、この約九兆円の被害は回避されることになります。

#186
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 私が知事時代は、資料六を御覧ください、大戸川ダムができたら十九兆円の被害軽減があるというデータが出されておりました。そして、その十九兆円の根拠が、資料七の一ですけれども、計画規模という、堤防に線が引かれていて、その線を一センチでも越えると堤防が破れるという想定、一センチでも低いと破れないという。そういう何か想定しなきゃいけないから想定というのは分かるんですけれども、資料七の一と七の二を見ていただきますと、当時、二〇〇八年、二〇〇九年は、堤防の上に三メートル余裕がありながら、この大戸川ダムができたら十九センチ水位が下げられるんだということで、余りに非現実的な想定だったので、このことを当時の橋下知事も山田知事も、これおかしいじゃないかと、それで三百億円も負担金出すのかということで疑問を持っていただいたんですけど。
 今回のその九兆円というのも、やはり計画規模一センチでも越えたら堤防が破れるという、そういう想定だと理解してよろしいでしょうか。(発言する者あり)

#187
○政府参考人(井上智夫君) 申し上げます。
 まず、河川の水位が上昇しますと堤防内や基礎地盤に水が通りやすくなり、計画高水位を超過すると、堤防から水があふれる前であっても堤防が決壊するおそれが高まり、実際に決壊に至った事例もあります。このため、計画高水位を越えた場合に堤防が決壊することを想定することは、住民の生命や財産を守る治水対策の立案においては適当であると考えております。

#188
○嘉田由紀子君 委員から、森委員から被災地に失礼じゃないかと。私は最初に申し上げました、災害対策をどういう視点でやるか、これは基本的な哲学の問題だと思います。それで、東日本大震災でおいても、東日本大震災においても、言わばどこまでがハードで対応できるのか。津波の防潮堤の問題もあります。私は十分に関係していると思っております。(発言する者あり)

#189
○委員長(杉尾秀哉君) 不規則発言はおやめください。

#190
○嘉田由紀子君 時間的にもちょっと過ぎておりますので今日はここで終わりますけれども、大変大事な、東日本大震災においても大事な私は基本哲学だと理解をしております。
 以上、終わります。

#191
○渡辺喜美君 みんなの党、渡辺喜美でございます。
 前回、福島県民所得が二〇一五年以来低下をし続けて、そして二〇一八年度、前年対比でマイナスになったと、その背景をお尋ねしましたら、大臣は、企業所得の減少と財産所得の減少ということをおっしゃいました。
 ジャーナリストの磯山友幸さんが指摘しておられるんですけれども、福島県の人口、これ一目瞭然ですよ、十年前は二百二万人いたのが、この十年間で二十万人も減っちゃったんですね。それは県民所得減るに決まっていますよ。大臣、どうお考えですか。

#192
○国務大臣(平沢勝栄君) 福島県、人口が減りつつあったんですけれども、二〇一一年のあの三・一一以来もっと急速に人口が減っていますので、これが大きな原因であることはもう間違いないと思います。
 福島県の県民経済計算年報によると、平成二十四年度以降、県民所得は六年連続増加していましたけれども、平成三十年度に前年度比一・一%減となり、七年ぶりにマイナスとなったわけでございまして、福島県によりますと、復興需要の状況等を背景にした関連業界の県内総生産が減少したことも一因であると考えられると聞いていますけれども、いずれにしましても、東日本大震災及び東京電力福島第一原発事故から十年が経過する中で、被災地では人口減少、高齢化、産業の空洞化等の課題が一層進行をしておりまして、活力ある地域社会の維持形成に向けてしっかり対応していくことが必要と考えているわけでございまして、とりわけ人口の問題については、今度の予算でも移住等の問題について予算を付けるなどして取り組んでいくということを明らかにしたわけでございまして、いずれにしましても、この人口問題にもしっかり取り組んでいきたいと考えております。

#193
○渡辺喜美君 浜通りの活性化プランですか、コースト・イノベーション何ちゃらプランというのがあるんですけれども、要は、例えば国際研究拠点つくると。日本全体の大学のレベル、かなり落ちてきているんですね、国際比較をすると。そういう中で、浜通りに国際研究拠点つくったら人が集まるのかと。どうもこれはグランドデザインが欠けているんじゃないかと磯山さんは指摘しておられるんですけど、いかがでしょうか。

#194
○国務大臣(平沢勝栄君) 浜通りのイノベーション・コーストもそうですけれども、国際教育研究拠点は、何度も言いますけれども、これはもう世界に冠たるものをつくるということで今一生懸命取り組んでいるところでございまして、今委員はグランドデザインがまだ欠けているというお話でしたけど、グランドデザインはこれから作るわけでございまして、是非委員のお知恵もお借りして、ともかくすばらしい世界に冠たる研究機関、そして福島県の方が誇りに思える研究教育拠点をつくっていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

#195
○渡辺喜美君 前回、船橋洋一さんの「フクシマ戦記」という本を御紹介をいたしました。この「フクシマ戦記」の中で船橋さんが非常に面白い指摘をしておられます。安心ポピュリズムというやつなんですね。原発は絶対安心、安全なんだと、国民が不安に思うから全電源喪失なんてことはあり得ないんだという前提の下にこういう安心ポピュリズムが蔓延してこの事故が起きた。本当にこれ、この本はディテールがですね……(発言する者あり)ちゃんと許可取っていますよ、何言っているんですか。黙ってください。結局、こういう安心ポピュリズムが蔓延している。
 今日は岡田副長官に来ていただきましたけど、副長官、「シン・ゴジラ」という映画、御覧になりましたか。

#196
○内閣官房副長官(岡田直樹君) 申し訳ございません。私は見ておりません。

#197
○渡辺喜美君 これ、是非御覧になってください。(発言する者あり)

#198
○委員長(杉尾秀哉君) 指名してから発言してください。

#199
○渡辺喜美君 これは長谷川博己が主演ですよ。長谷川博己の役回りって官房副長官ですよ。長身でイケメン。岡田さんのことを言っているわけじゃないですけれども。これ、この副長官が、もうまさにシン・ゴジラ現る、そのときに大変な危機管理をやるんですね。冒頭、面白いシーンがありまして、その官房副長官が、巨大生物を駆除、排除、捕獲せよと、捕獲を検討せよと、こういうことを言うのでありますけれども、何と、どこの役所に言ったんですかということを言う官僚が出てきているんですね。
 原子力緊急事態を宣言したときに緊急時に設置される原子力対策本部の事務局長というのは、内閣府の統括官原子力防災担当がやるということになっているんですけど、いわゆる実動組織、警察、消防、海保、自衛隊、こういう組織を動かす実務の事務方トップはどなたがやることになっているんですか。いや、副長官に聞いているんです、副長官に。

#200
○内閣官房副長官(岡田直樹君) お答え申し上げます。
 原子力緊急事態を宣言した際には、内閣総理大臣は本部長として、各実動省庁の大臣や内閣危機管理監を含めた原子力災害対策本部を設置することとなっております。
 また、その下に、各省の事務方幹部による総合調整を目的とした関係局長等会議を置くこととなっております。この関係局長等会議の構成員には、警察庁警備局長、消防庁次長、海上保安庁海上保安監、防衛省統合幕僚部総括官といった面々が入っており、その議長として内閣府政策統括官原子力防災担当が実動組織を含めた関係行政機関の総合調整を行うこととなっております。

#201
○渡辺喜美君 船橋洋一さんによりますと、原子力規制委員会設置法を作ったときに参議院の附帯決議が付いているんですね。これは、アメリカのFEMAなども参考にして組織体制の抜本見直しをするよう政府に求めている。また、全国知事会が、五、六年前でありますけれども、重大事故が起こった場合に備えて、自衛隊などの実動組織の支援、指揮命令系統や必要な資機材の整備等について国の体制を明確にするということを求めておられます。
 今のお答えでどうも私は十分だと思えないんですね。実際に今こういう緊急事態が起きますと、事務方のトップは事務の副長官、杉田副長官のところでおやりに多分なると思うんですよ。あるいは危機管理監のところ。
 そうすると、そういうことをはっきりと決めておいた方が、この船橋さんが書いておられる官邸内のどたばたが二度と起きてはならない、そういう教訓も含めて申し上げたいと思います。どうぞ。

#202
○内閣官房副長官(岡田直樹君) 恐縮です。
 今御指摘のとおり、内閣危機管理監は、発生直後から、こうした原子力災害の場合、官邸の危機管理センターにおいて総理や官房長官の指示を仰ぎながら緊急参集チームを招集、主宰をして、政府としての初動措置の総合調整を集中的に行うということであります。
 さらに、原子力緊急事態宣言が行われて原子力災害対策本部が設置をされ、本部長たる内閣総理大臣の指揮の下、各省庁の大臣に、ここに危機管理監も含まれます、この総合調整を行うということで、初動の段階から内閣危機管理監はこうした実動組織を動かす調整を行うこととなっており、また、対策本部が設置された後は総理が本部長となって行うわけでありますけれども、そこに内閣危機管理監は総合調整の実力を発揮すると、こういう立て付けになっております。

#203
○渡辺喜美君 要は、正しい政治主導というのは政治家主導ではないんですね。政治主導というのは官邸主導のことです。しかし、政治家が政治家だけ集まってやるといったら、組織が空回りしてしまうんですよ。
 御案内のように、日本の官僚組織というのは物すごい縦割りでできています。前回も、この「フクシマ戦記」の中でSPEEDIの問題を取り上げました。十年前はこのSPEEDIというのは文科省が所管していたと。しかし、今やお取り潰しですよ。もう予算も付けられていない。しかし、このSPEEDIのどたばた騒ぎが起こしたのは、日本の組織の中で権限争い、逆バージョンの消極的権限争い、こういうことが起きたということが克明に書かれていますけれども、三谷大臣政務官、この本読んでどんな御感想をお持ちでしょうか。

#204
○大臣政務官(三谷英弘君) お答えいたします。
 私自身、この船橋洋一先生の「フクシマ戦記」を全て読ませていただいたというわけではないですけれども、該当箇所は読ませていただいております。その上でお答えをさせていただきます。
 文部科学省におきましては、東日本大震災からの復旧復興に関する取組について検証を実施させていただいております。平成二十四年七月に検証結果を公表させていただきました。そして、御指摘のSPEEDIに係る対応についても検証を行っております。その中において、事故発生直後にSPEEDI計算結果を扱える立場にある文部科学省として、関係機関の間で計算結果の活用、公表に関する具体的な方法や役割分担等を協議し、その結果を明確に整理することに主体的役割を発揮することができなかったということを反省点として挙げさせていただいております。
 渡辺先生は、行政改革担当大臣でいらっしゃったときからいわゆる縦割り行政の弊害の打破を訴えていらっしゃいますし、また、私、個人的にも、みんなの党におきまして一緒に活動させていただいた経験もございます。先生の行革に懸ける思い、それは学ばせていただいておりますし、またしっかりと受け止めさせていただきたいと思います。
 そのような観点からも、今回御指摘いただいた点も含めまして、教訓として今後の政府の取組に生かしていくことが極めて重要であると、このように考えております。本当に御指摘ありがとうございます。

#205
○渡辺喜美君 とにかく、十年前の教訓というのはいろいろあるんですけど、それで原子力規制委員会、原子力規制庁というのができたわけですけれども、どうもそのやり方が変わったように見えるけれども、宿題出してどうなっているんですかと、そういうところは昔の安心ポピュリズムと同じじゃないかという指摘がありますけど、いかがですか。

#206
○政府参考人(山形浩史君) お答えさせていただきます。
 規制基準というものは、満たすべき最低限のものでございます。したがいまして、まずは事業者がこの規制基準に適合するように安全対策を講じていく必要がございます。
 その上で、東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえまして原子炉等規制法が改正されまして、新しい規制法の下では安全性の向上のための評価という新しい制度が導入されてございます。規制基準を満たした上で、事業者は自らの安全、施設の安全について自ら評価し、その結果を基に自ら改善を図る、そういう努力をしなければならないということになってございます。

#207
○委員長(杉尾秀哉君) 申合せの時間が参りましたので、質疑をおまとめください。

#208
○渡辺喜美君 とにかく、規制する側のレベルが相当高くないといけないんですよ。昔みたいに電力会社に教わってやっていた時代ではもうもとよりないとは思いますけれども、是非、規制する側のレベルを高めて、安全性について提案ができるような、そういう規制庁になっていただきたいと思います。よろしくお願いします。

#209
○委員長(杉尾秀哉君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会といたします。
   午後五時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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