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2021/03/26 第204回国会 参議院 第204回国会 参議院 本会議 第11号 令和3年3月26日
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2021/03/26 第204回国会 参議院

第204回国会 参議院 本会議 第11号 令和3年3月26日

#1
令和三年三月二十六日(金曜日)
   午後四時三十一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第十一号
    ─────────────
  令和三年三月二十六日
   午後三時三十分 本会議
    ─────────────
 第一 令和三年度一般会計予算
 第二 令和三年度特別会計予算
 第三 令和三年度政府関係機関予算
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一より第三まで
 一、森林の間伐等の実施の促進に関する特別措
  置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
  議院送付)
 一、地方税法等の一部を改正する法律案(内閣
  提出、衆議院送付)
 一、地方交付税法等の一部を改正する法律案(
  内閣提出、衆議院送付)
 一、過疎地域の持続的発展の支援に関する特別
  措置法案(衆議院提出)
 一、原子力発電施設等立地地域の振興に関する
  特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提
  出、衆議院送付)
 一、日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に
  関する法律等の一部を改正する法律案(内閣
  提出、衆議院送付)
 一、所得税法等の一部を改正する法律案(内閣
  提出、衆議院送付)
 一、財政運営に必要な財源の確保を図るための
  公債の発行の特例に関する法律の一部を改正
  する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 一、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に
  勤務する外務公務員の給与に関する法律の一
  部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
  )
     ─────・─────

#2
○議長(山東昭子君) これより会議を開きます。
 日程第一 令和三年度一般会計予算
 日程第二 令和三年度特別会計予算
 日程第三 令和三年度政府関係機関予算
 以上三案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。予算委員長山本順三さん。
    ─────────────
   〔審査報告書は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔山本順三君登壇、拍手〕

#3
○山本順三君 ただいま議題となりました令和三年度予算三案の審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 令和三年度予算三案は、去る一月十八日に国会に提出され、一月二十七日に財務大臣から趣旨説明を聴取し、衆議院から送付の後、三月三日より質疑に入りました。
 以来、基本的質疑、一般質疑に加え、四回にわたる集中審議を行い、三月十六日に公聴会を開催したほか、三月二十二日及び二十三日には各委員会に審査を委嘱いたしました。
 また、予備審査中の二月十六日の一日間、東京都に委員を派遣して、新型コロナウイルス感染症対応の実情に関し、参議院議員会館で医療機関、生活困窮者支援団体それぞれと、参議院初のオンライン意見交換を行うとともに、羽田空港で国際線の水際対策等について現地調査を行うなど、本日まで熱心に審査を行ってまいりました。
 質疑は、コロナ対策で拡大した財政の健全化、現状及びコロナ後を見据えた経済政策、日銀の金融緩和政策への評価、家計と企業への支援策の在り方、緊急事態宣言解除後のリバウンド対策、円滑なワクチン接種に向けた取組、変異株に対する検査の在り方、医療提供体制の強化と支援の充実、オリパラ開催に向けた感染防止の徹底、デジタル社会実現への課題、カーボンニュートラル実現への方策、東日本大震災の第二期復興支援の方向性、尖閣諸島をめぐる中国への対応、原発施設の不備と再稼働の是非、総務省接待事案の事実関係、放送法の外資規制違反に係る事案など多岐にわたりましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 本日をもって質疑を終局し、討論、採決の結果、令和三年度予算三案は賛成多数をもっていずれも原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#4
○議長(山東昭子君) 三案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。宮沢由佳さん。
   〔宮沢由佳君登壇、拍手〕

#5
○宮沢由佳君 立憲民主・社民の宮沢由佳です。
 私は、会派を代表して、令和三年度予算三案に反対の立場で討論を行います。
 以下、反対の理由を述べます。
 反対の第一の理由は、新型コロナウイルス感染症対策に関しての予算が余りにも弱く、小さいことです。
 私たち立憲民主党は、令和三年度予算は、新型コロナウイルス感染症により被害や影響を被った国民生活と社会経済活動を力強く再生へと導く予算編成が必要不可欠と考えています。一都三県の緊急事態宣言は解除されましたが、ワクチンを希望する全国民へ行き渡るのにはまだまだ時間が掛かる上、変異株も含め、ウイルス感染の第四波が起こるのか、全く先が読めません。
 そのような状況において、政府が進めてきたウイズコロナ、社会経済と感染対策の両立では、感染抑制と感染拡大の波が何度となく繰り返され、その結果、社会経済活動の制約は長期にわたり、国民生活や社会経済活動に深刻な影響を与えています。
 私たちは、感染防止対策と医療支援、そして生活者、事業者支援を集中的に展開し、感染拡大の波を十分に収束させ、その状態を継続させることで感染を封じ込め、早期に通常に近い生活、経済活動を取り戻すゼロコロナの道を選択すべきと考えています。
 だからこそ、更なる対策として特別定額給付金を生活困窮者やコロナの影響で家計が急変した方々を対象に再度支給するとともに、持続化給付金を改善し、支給要件の緩和と事業規模に応じた支給を実施すべきとして衆議院において予算の組替えを提案し、関連法案を他の野党とも協力し提出しています。
 菅内閣は、余りにも対応が小出しになっており、コロナ禍の根本的な解決には至っていません。衆議院に提出した私たちの予算の組替え動議や法案の内容、例えば、更なる医療機関支援や、医療・介護従事者と自費で検査した後の精算も可とする希望するエッセンシャルワーカーへの定期的公費検査の実施、感染者の周辺をより広く無料で検査すること、新型コロナの治療薬の創薬支援、生活困窮者に対する給付金の支給、持続化給付金、家賃支援給付金の再給付及び減収要件等の要件緩和、休業協力金や一時支援金の要件緩和及び事業規模に応じた支援の実施、無利子、無担保融資枠の拡大、延長、雇用調整助成金特例の六月までの延長等、もう一度検討してはいかがでしょうか。総理、国難に政府も与野党もありません。今こそ、国民のため、お互いに良いところは評価し、話し合い、取り入れる度量の広さを示すときです。
 反対の第二の理由は、必要な予算は少なく、必要でない予算が多く計上されていることです。
 例えば、カジノです。私はIRに反対ですが、今、カジノを推進すべきときでしょうか。カジノ管理委員会運営費等、削除すべきだと思います。同じように不要不急な予算が多く計上されています。
 それでいて、保育士、幼稚園教諭、介護・障害福祉従事者等の処遇改善、DV被害者支援、若年被害女性等支援事業の推進、性犯罪・性暴力被害対策の推進、自殺対策の推進など、国民の命と健康を守るためにすぐにでも着手すべき予算は本当に手薄です。
 困っている人に自分のことのように寄り添う、助け合う、日本人のすばらしいところです。しかし、今回の予算案は助け合いの精神が余りうかがえない、さすがは自助第一主義の菅内閣の予算案だと思います。しかし、国民は、国難のときだからこそ、国に温かい公助の予算を切実に求めています。全ての課題には時があると思います。時勢を読まない予算案には賛成できません。
 第三の理由は、全く情けない限りですが、度重なる行政の問題、行政がゆがめられていないか全く解明されていないことです。問題が解明されなければ、関連予算が適切か、国民の税金が正しく使われているのか審議し、判断することもできません。
 国会は、行政を監視する責務を負っています。私たち立憲民主党は、政府に対し、もっともっと国民のために問いただしたい予算項目や政策がたくさんあります。しかし、行政がゆがめられていないかを厳しく追及しないと大切な国民の税金の使い道までゆがめられてしまう、その危機感を持って対応してまいりました。
 行政監視に関しては、平成三十年の参議院改革協議会報告書において、「参議院は、これまで取り組んできた決算審査の充実とともに、行政の適正な執行を監視、監督することを活動の柱の一つとし、行政監視機能の強化に議院全体として取り組む。」と、自民党の座長の下、参議院のみんなで決めています。
 しかし、今の与党自民党はどうですか。政府に都合の悪い参考人は呼ばない、文書資料の提出も認めない、これで行政監視ができますか。行政監視機能の強化ではなく、弱体化に加担していると思われても仕方がありません。自民党の座長の下に決めた報告書に沿った参議院にしていただけるように強くお願いいたします。
 その行政を監視する国会において、安倍内閣以降、総理、閣僚、政府側の虚偽答弁が横行しています。森友問題では政府側が百三十九回も、桜を見る会では、何と安倍前総理大臣が百十八回も虚偽答弁を行いました。国会で虚偽答弁など決して許されません。疑惑があれば政府はきちんと事実を説明し、関係文書を提出する、その責任が果たされないなら、私たちは厳しく政府を監視、疑惑を解明することができません。まさに、民主主義の危機です。
 しかも、今でも、総務省では、大臣が誠実さのかけらもない同じ答弁を何度も何度も繰り返す。政治家は、関係業者と会食で一緒になっても、国民の疑念を招いていないからと開き直る。総務省の官僚は、週刊誌で報道されると、前日までの答弁を簡単に翻す。総理の御長男も関係した接待に関しても、総理自身、別人格として何もお答えにならない。これで行政を監視できますか。総理、私たちの貴重な審議時間を返してください。
 外務省は、国連からの選択的夫婦別姓の法改正などに関する見解を二年間も内閣府へ報告せず、放置していました。報告していれば、第五次男女共同参画基本計画に国連の指摘が反映され、選択的夫婦別姓について国民的議論が提起され、そのための予算も付いた可能性があります。
 農林水産省に至っては、元大臣の収賄事件解明が進んでいるにもかかわらず、元大臣と関連のある業者も対象になる予算項目を温存し、その業者への助成等の状況すら答弁しません。国民の大切な税金が元大臣と深い関係にある業者の助成に回されるかもしれないのに、このようなことを国民が納得すると思うのでしょうか。もはや憤りを通り越して、国民のために働く矜持をなくしたのかと悲しくなります。
 以上のような政府側の不誠実この上ない対応により、令和三年度予算案が果たして行政がゆがめられていない予算なのか、政治家、官僚と業者が癒着した業者のための予算案になっていないのか、全く分かりません。
 この予算案に私たちが反対する大きな理由の一つは、まさに菅内閣の説明責任放棄にあります。菅内閣は、説明を求めても、答えない、書類はない、記録はない、挙げ句の果てに記憶がないとの答弁ばかり。これは国民の疑念を抱かせる行為であり、国会軽視も甚だしい、断じて許されることではありません。
 この国民と向かい合おうとしない菅内閣の姿勢は内閣総辞職に値すると申し上げ、私の反対討論といたします。
 ありがとうございました。(拍手)

#6
○議長(山東昭子君) 青木一彦さん。
   〔青木一彦君登壇、拍手〕

#7
○青木一彦君 自由民主党の青木一彦です。
 私は、自民、公明を代表いたしまして、ただいま議題となりました令和三年度予算三案に対し、賛成の立場から討論いたします。
 討論に先立ち、昨日、弾道ミサイルを発射した北朝鮮の暴挙に対して強く抗議いたします。国連安保理決議違反であることは明らかです。絶対に許されません。あらゆる手を尽くして、拉致、核、ミサイル問題の解決に向けて北朝鮮の態度を変えさせなければなりません。この点を強く申し上げて、討論に入ります。
 冒頭、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々にお悔やみを申し上げます。また、闘病を続けておられる皆様にお見舞いを申し上げます。
 最前線で御尽力いただいている医療従事者の方々を始めエッセンシャルワーカーの皆様、そして感染拡大防止に御協力いただいている全ての皆様に心より敬意と感謝を申し上げます。
 今月二十一日、二度目の緊急事態宣言が解除されました。しかし、今、新規感染者数を見れば増加している地域もあります。変異ウイルス感染数も増えつつあります。気を緩めることなく、リバウンドを何としても回避していく必要があります。
 一方、昨年春とは違い、感染を抑制するための方策は分かってきています。経済対策についても、影響を大きく受けているところとそうではないところが明確になっています。
 今週、政府は、コロナ対策予備費を活用して、コロナ禍で大きく影響を受けている低所得の子育て世帯に向けて、児童一人当たり一律五万円を支給することとしました。あわせて、コロナ対応の休業給付金など非正規雇用労働者等に対する緊急支援策、そして時短要請等を踏まえた経済支援策を講じることも決定しました。
 切れ目なく医療提供体制の充実やワクチン接種の着実な推進等を図るとともに、感染拡大の予兆を感じ取れば、特措法改正により新たに設けられたまん延防止等重点措置などのツールを活用することも含めて、機動的に対策を講じなければなりません。
 そのためには、令和三年度予算三案を直ちに成立させ、既に執行されている令和二年度第三次補正予算と合わせて、しっかりと感染拡大防止策を講ずると同時に、我が国の未来を左右する重要な課題に対応した施策を実行し、国民の皆さんに安心と希望をお届けすることが何より大切です。
 それでは、以下、令和三年度予算三案について、賛成の主な理由を申し述べます。
 まず、本予算案は、新型コロナウイルス感染症を克服していくための予算である点です。
 これまで得られた知見等に基づいて、経済社会活動との両立に向けた新型コロナウイルス感染症対策に万全を期します。第三次補正予算と一体となって、病床数の確保など医療体制の整備、新型コロナワクチン接種体制の整備や接種の実施、医療機器の国内生産能力の増強等によって感染の拡大防止を着実に進めます。さらに、予期せぬ状況変化に備えるために五兆円の新型コロナウイルス感染症対策予備費を確保しています。
 昨日から福島県で聖火リレーも始まりました。東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックを安心、安全な形で開催し、コロナに打ちかったあかしとなる大会とするためにも、一日も早く盛り込まれた施策を推進していくことが求められます。
 また、本予算案は、デジタル化、グリーン化を強力に進めることで、ポストコロナに向けた経済構造の転換、好循環を実現し、世界をリードする日本とするための予算でもあります。
 デジタル庁には、前例のないほど高度な専門人材と予算を結集させ、役所の縦割りを打ち破る強力な調整機能を発揮させます。マイナンバーカードについても、運転免許証との一体化などにより、更に便利なツールとなるように推進していきます。
 二酸化炭素の排出削減に野心的に取り組む企業や省エネ、再エネを進める研究開発を積極的に応援し、二〇五〇年カーボンニュートラルを必ず実現いたします。
 さらに、本予算案は、地域に夢と希望を与える予算でもあります。コロナ禍により、東京から地方への人の移動が始まりました。活力ある地方づくりを進めるために、地方に移住する人々や企業への支援を強化します。
 また、この予算案は、子供たちと子育て世帯、子供を産み育てたいと願う方々を応援する予算です。第三次補正予算で大幅に拡充した不妊治療費用の助成に加え、新子育て安心プランに基づく保育の受皿の整備、不育症の検査、がん治療に伴う不妊に係る支援等にも力を入れています。
 将来の世代のために、歳出改革にも取り組んでいます。新経済・財政計画に沿って、社会保障関係費について実質的な伸びを高齢化による増加分に収めるとの方針を達成しています。
 さらに、縦割り行政の打破や省庁間連携の推進など、全般的な見直しを行うことで、予算の質も併せて向上させています。
 以上、本予算案に賛成する理由を申し述べました。
 ここまで予算委員会の与野党理事間で熱心な協議を重ねて、我が国が直面し、国民の生活に直結する問題等を中心に腰を据えた議論を尽くすべきとの考え方で審議を進めてまいりました。山本予算委員長や与野党理事及び各委員に感謝申し上げます。
 最後に、議員各位の御賛同を賜りますことを強くお願い申し上げまして、私の賛成討論とさせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)

#8
○議長(山東昭子君) 片山大介さん。
   〔片山大介君登壇、拍手〕

#9
○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。
 私は、会派を代表して、令和三年度一般会計予算案、令和三年度特別会計予算案、令和三年度政府関係機関予算案に反対の立場から討論いたします。
 本予算三案において、感染症拡大防止を行いつつ、デジタル社会、グリーン社会、活力ある地方、そして少子化対策などについてのいわゆる全世代型社会保障制度に対する措置をとろうとしていることは理解します。しかし、政府の新型コロナ感染症への対応を振り返ると、不安を感じざるを得ません。
 憲法に保障されている職業選択の自由に基づいた営業の自由を制限する時短要請に対して支払われたのは、補償ではなく、協力金という名の営業規模や従業員数などを一切考慮していない、一店舗当たりの同じ金額という制度でした。その協力金は給付に時間が掛かっている状況で、我が国の行政のデジタル化の遅れを感じます。また、本予算案によって、今回の新型コロナへの対応で明らかになった諸問題に本当に対処できるのか疑問を抱かざるを得ません。
 その上、この本予算三案について、以下に述べる三つの点についても問題を感じています。
 まず一つ目、経済成長への道筋が見えないことです。
 今年一月七日に発せられた緊急事態宣言は、三月二十一日で全て解除されました。新型コロナの感染拡大防止で社会経済を止めざるを得ない事態が長く続いたため、日々の売上げに頼っている方々の暮らしは一層厳しくなっています。
 コロナ後の経済復興で、本予算ではデジタル社会の実現を柱の一つに据えています。デジタル化を進めることは重要であることは言うまでもありません。しかし、これまでアナログであったものをただデジタルに置き換えるだけでは駄目で、それだけで成長につながるかは疑問です。
 これまでの非デジタル社会にこびりついた既得権益を取り除く大きな規制改革を行い、新しい技術、新しい発想に基づいた新しい産業を起業、参入し、各企業が切磋琢磨する社会にすることが経済成長のために必要であると考えます。大事なことは規制改革であり、この予算案は規制改革の視点が足りません。
 二つ目は、次の波への対策です。
 緊急事態宣言で飲食店への時短要請により、医療供給体制が機能不全となる爆発的な感染拡大は食い止められました。しかし、新型コロナが終息したわけではなく、緊急事態宣言を延長しても一定水準以下には下がりませんでした。
 今、感染力が高いと見られる変異株による陽性者が増えていて、この変異株は早晩主流になると見られています。感染力が高い以上、次の波の感染者数のピークは第三波よりも高いことも予想されます。また、今の変異株より更に感染力の高い新しい変異株の想定も必要です。
 政府から地方自治体に対して、コロナ病床の増床を要請する動きが出てきています。地方自治体は、コロナ患者向けの病床、特に重症者病床の増床のために、それこそ乾いた雑巾を更に絞るような努力を続けています。国として、地方に病床確保を要請するというだけで責任を果たしたと言えるのでしょうか。
 大阪府の吉村知事は、増床の協力を依頼した病院から、コロナ重症患者向け病床を増やす代わりに、コロナ以外の集中治療室を減らす決断をしてほしいという難しい選択を迫られたことを明らかにしました。
 一般の集中治療室を削減すれば、緊急手術ができなくなり、支障を来します。ほかの病床をコロナ患者用に転換する問題は全国共通であり、国がきちんと基準を提示すべきだと思います。
 そして、三つ目は、行政改革を進めないまま国民に負担を押し付けていることです。
 令和二年度の国民負担率は四六・一%と、昭和四十五年以降初めて四五%を超える見通しです。国民の負担が増えた一方、どれだけの行政改革が行われてきたのでしょうか。
 去年の通常国会において成立した国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律により、全ての国会議員は、現在、歳費の二割削減を行っています。歳費の二割削減は、去年五月から一年間だけであり、来月四月には終わります。
 日本維新の会は、五月以降も議員歳費の削減を継続すべきと考え、議員歳費削減法案を国会に提出しました。国会議員は五月以降も引き続き議員歳費の削減を継続すべきであると主張します。
 また、参議院では、定数六増に伴う自主返納も行っていますが、公表しないため、返納していない議員もいます。国会議員自ら身を切ることから始まる一連の行政改革を行うことを改めて主張しておきたい、そう思います。
 ポストコロナにおける重要課題は経済の復興です。経済成長を推進する環境政策への転換が重要です。去年十二月に公表された政府のグリーン成長戦略では、将来の技術頼みになっていて、本当にできるのか、実現可能性に疑問を抱くところもあります。今ある技術、制度を活用し、今できることから始めるべきであると、この場で提案します。
 最後に、地方行政の重要性は、この一年の感染症対策で改めて明らかになりました。
 日本維新の会は、地方自治体の長と連携し、地方の声を直接政府と国会に伝えることができる国政政党です。このスタンスを国民の皆さんのために積極的に活用してまいります。そして、これからも引き続き提案型野党として活動していくことをお約束いたしまして、令和三年度予算三案に対する反対討論といたしたいと思います。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

#10
○議長(山東昭子君) 礒崎哲史さん。
   〔礒崎哲史君登壇、拍手〕

#11
○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史です。
 会派を代表し、ただいま議題となりました令和三年度総予算三案に反対の立場から討論を行います。
 討論に先立ち、新型コロナウイルス感染症で亡くなられた全ての方へ哀悼の意を表しますとともに、闘病中の方、後遺症に苦しんでおられる方々へお見舞い申し上げます。
 また、この一年間、最前線で御尽力いただいてきた医療従事者の方々を始めエッセンシャルワーカーの皆様、そして感染拡大防止のために御協力をいただいている全ての皆様に心から敬意を表し、感謝申し上げます。
 さて、本予算案は、昨年夏の第二波のさなかに概算要求が検討され、第三波の予兆が明らかになりつつあった年末に閣議決定、そして緊急事態宣言が発せられ、二度の延長が宣言される中、衆参の両院で審議が行われてきました。
 刻々と事態が変化する中での対応の難しさは理解できます。しかし、コロナ禍が長引き、実質的失業者が百四十六万名とも推定される中、更に国民に多くの制約や我慢をお願いするのであれば、同時に国家が国民を支える姿勢を明確に示す予算案にするべきでしたが、残念ながらその内容は不十分と言わざるを得ません。また、令和二年度の約十兆円の予備費計上に続き、令和三年度も使い道をあらかじめ明らかにしない新型コロナ対策予備費を更に五兆円も組み込んでいる点は、国民へ示すべき姿勢に加え、財政規律の観点からも看過できません。
 未知のウイルスとの闘いは容易でなく、政府におかれましても苦悩と苦労の一年だったのではないでしょうか。ウイルスの感染を一日も早く収束させたい、その思いは与野党共通だと私は思います。だからこそ我々は具体的な提案や政府施策の足らざる点について、その見直しの要請を丁寧に繰り返してきました。
 コロナ禍を乗り切るためには国民の皆様の協力が不可欠であり、国民は政治の出番を期待しています。それに応えるためには、国民に信頼される政治でなければなりません。しかし、残念なことに、総務省の通信・放送行政をめぐる国会での答弁以外にも、政治の信頼を高めるどころか損ねることばかりが相次いでいます。このような政治が国民の期待に応えられるのでしょうか。
 本予算案の中身やこの間の菅政権のありようについては、問題を挙げれば切りがありませんが、時間も限られておりますので、批判ではなく、建設的かつ具体的な提案を申し上げることで討論に代えたいと思います。
 我々の一つ目の提案は、長引くコロナ禍で疲弊する国民生活と日本経済を立て直すため、家計第一の観点から、所得税還付方式による全ての現役世代に対する十万円の一律給付と、住民税非課税世帯などの低所得者に対する二十万円の給付です。世界各国の踏み込んだ経済対策や国民の窮状を考えれば、今ここで国債の発行をためらうべきではありません。
 二つ目の提案は、時短要請に応じた事業者に対する事業規模に応じた給付金です。緊急事態宣言下の一律六万円の協力金は余りに不公平との批判が強く、これに代わるものとして、我々は、米国で実施されているPPP、ペイチェック・プロテクション・プログラムを参考に改良した、金融機関の融資と連携することにより迅速に支給できる日本版PPP法案、新型コロナウイルス感染症まん延防止等協力給付金の支給等に関する法律案を作成し、三月五日、参議院に提出いたしました。緊急事態宣言が解除された後も時短要請は継続されており、今なお苦しんでおられる経営者のために是非我々の提案を活用いただきたいと存じます。
 三つ目の提案は、営業時間の変更等が発令されていない地域も含めて、業種を問わずコロナ禍の影響を受けた全ての事業者を対象とする事業規模に応じた給付金です。こちらは、米国のPPPに加えてドイツの支援制度を参考として、売上高の減少の程度に応じて毎月掛かる固定費の四割から九割を支援する制度で、間もなく法案を提出いたします。
 四つ目の提案は、総合支援資金の貸付枠拡大です。既に総合支援資金の三か月延長は対応いただいておりますが、引き続き貸付審査の簡素化、迅速化や、返済免除要件の緩和など、更なる課題についても前向きな取組をお願いいたします。
 五つ目の提案は、緊急包括支援交付金などの医療機関に対する支援について、コロナ患者を受け入れる病院の減収補填に使えるようにするための運用改正です。多くの専門家や医療現場からは、この運用改正を行えば民間病院のコロナ患者の受入れが進んで医療逼迫は解消できると指摘されています。緊急事態宣言の再々延長の理由は病床の逼迫であると菅総理は説明されていました。であるならば、その改善に向けて現場の声にしっかりと耳を傾けるべきです。
 六つ目の提案は、PCR検査の拡充と併せ、PCR検査に比べて安価で早く結果が出る抗原検査を拡充することです。抗原検査キットは米国では一ドル以下のものもあり、PCR検査に比べて精度は落ちますが、十五分程度で結果が出るため、自宅で誰でも検査を受けることができます。現状、変異株の感染の広がりとリバウンドによる第四波の危険性が指摘される中、感染を封じ込めるための有力な手段となる可能性があります。
 七つ目の提案は、的を絞った給付を迅速に行うためのマイナンバーと銀行口座のひも付けや、財源を生み出すための所得税累進制と金融所得課税の強化です。我々は、必要とあれば、国民にとって耳の痛い政策であっても提案することをいといません。
 このほかにも、国民民主党は、家賃支援給付金の増額と要件緩和、雇用調整助成金特例措置の延長と対象重点化、休業支援金・給付金の拡充、医療従事者、介護従事者への慰労金の拡充、学生の授業料半額、貸与型奨学金の返済免除、税、社会保険料の支払猶予延長、無担保、無利子貸付けの返済繰延べなどを提案してきており、これらを盛り込んだ予算組替え動議を衆議院で提出しましたが、残念ながら否定されてしまいました。
 緊急事態宣言は解除されましたが、営業時間の短縮や不要不急の移動の自粛は依然として要請され続けています。緊急事態宣言下であれば、まだ目指すべきゴールが分かります。しかし、解除された今、経営者は、国民は、何をゴールに我慢をし続ければいいのでしょうか。精神的な負担はこれまで以上に強まっていくかもしれません。
 ここまで申し上げてきました提案について、一つでも二つでも我々の考えを採用していただけるのであれば、コロナ禍を乗り切るためにも我々は協力を惜しみません。感染対策と経済の両立を図り、国民の命と生活を守るため、与野党の枠を超えて力を合わせていくことをお約束をし、会派を代表しての討論といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

#12
○議長(山東昭子君) 山添拓さん。
   〔山添拓君登壇、拍手〕

#13
○山添拓君 日本共産党を代表し、二〇二一年度一般会計予算外二案に反対の討論を行います。
 冒頭、相次ぐ法案の誤りに厳重に抗議します。
 今日までに確認されたのは、十三府省庁、二十四の法案、条約に上ります。前代未聞の国会軽視であり、予算案、法案審議の前提を欠く事態です。提出済みの全ての法案を速やかに調査し、是正するよう強く求めるものです。
 本予算案に反対する理由は、最大かつ緊急の課題であるコロナ対策の予算が極めて不十分だからにほかなりません。巨額の予備費で政府に白紙委任せよというのは財政民主主義に反します。
 それどころか、本予算案は、高齢化に伴う社会保障費の自然増分を一千三百億円も削減し、年金は〇・一%のマイナス改定、介護施設の食費補助の見直しで二十七万人に百億円の影響が生じるなど、軒並み負担増を強いるものです。しかも、政府は、病床削減推進法案と高齢者医療費二倍化法案まで押し通そうとしています。コロナ禍、社会保障の脆弱さが露呈しています。この上、自助努力で自己責任を押し付けるつもりですか。
 コロナ対策に便乗したマイナンバーカードの普及促進やデジタル庁創設、大型開発事業推進など、不要不急の予算が多過ぎます。三次補正予算で追加されたGoToトラベルを来年度も継続するといいますが、感染抑止に逆行します。
 軍事費は過去最大の五兆三千四百二十二億円、後年度負担、ローン払いの残高は予算額を超える五兆五千三百三十億円に上ります。国民生活の厳しさをよそに、新型イージス艦の取得や戦闘機の開発に邁進する姿勢は、余りに異常です。
 格差の拡大に拍車が掛かる下、税制のゆがみを正すべきです。しかし、本予算案は、多くの事業者と消費者が願う消費税五%への減税に背を向け、研究開発減税の拡充など、大企業優遇を更に進めようとしています。富裕層や大企業に応分の負担を求める転換こそ急務です。
 日本共産党は、立憲民主党と共同し、衆議院で組替え動議を提出しました。生活困窮者への給付金を始め、コロナ対策を抜本的に強化するとともに、病床削減の財政支援はなくし、辺野古新基地建設予算も削減するなど、全般的組替えを求めたものです。国民の苦難に寄り添う予算へと改めるべきです。
 ワクチン頼みで無為無策は許されません。本格的な感染第四波を招くことのないよう、政策と予算を集中すべきです。
 いまだに検査の不十分さが解消しない事態は異常です。
 高齢者施設や医療機関、重症化リスクの高い施設では、職員や利用者に繰り返し定期的に検査することが必要です。三月中に一回きりではなく、政府が基準を示し、予算を措置すべきです。モニタリング検査は感染拡大の予兆をつかむため一日十万の規模へ拡充を、変異株検査の割合は大幅な引上げを、直ちに行うべきです。
 総理は、以上の我が党の提案に、方向性はほぼ一緒としつつ、量が違うと答弁しました。量こそ重要です。自治体任せとせず、政府が戦略を持ち検査を大規模に拡充するよう、重ねて求めるものです。
 医療機関への緊急包括支援交付金は、使い切れなかった分を国に返金させるといいます。総理は、医療支援に三兆円など、繰り返し述べてきましたが、相当部分が見せ金に終わる可能性があります。入院や手術の先送り、外来の閉鎖など、医療機関が抱える赤字はその多くが人件費に跳ね返ります。減収補填で全体を支えるべきです。
 感染第三波で、暮らしと経済への打撃が長期化し深刻化する中、政府は、持続化給付金、家賃支援給付金の申請を打ち切りました。余りに冷酷です。
 飲食店への一日六万円の協力金は、助かるところがある一方、規模が大きく、焼け石に水という店舗も少なくありません。飲食店以外への最大六十万円の一時支援金は、一回限りで減収を補えず、飲食店との分断と格差を招いています。しかも、協力金や支援金は現場に行き届いていません。遅い上に不十分で不合理な支援の在り方をなぜ繰り返すのですか。
 野党は衆議院で、持続化給付金を再支給する法案を共同提出しました。二度目の受給を可能とし、要件を緩和し、対象も拡大、さらに事業規模に応じた加算措置などを提起しています。中小企業や農林水産業を支える、この方向での改善を強く求めます。
 ライブハウスは音楽文化の担い手であり、潰してはならない、総理もその認識を示しました。ところが、文化庁の支援事業の申請が、事務局体制の不備が理由で、三月になって一気に六千件も不交付とされていました。看過できません。申請をやり直し、救済すべきです。文化の灯を絶やさない実効性ある支援が必要です。
 大企業のシフト制労働者が、休業支援金の対象として拡充されました。当事者の声が動かした大きな成果です。ところが、対象期間が限定され、中小企業より低い補助率は差別だと批判が広がっています。総理と面会した女性労働者は、対象が拡大されてうれしいが、企業規模で給付内容に差を付けるのはおかしいと述べています。この声に応えるべきです。
 シフトが減らされても休業手当が払われない、勤務直前までシフトが確定しない、当日キャンセルでも補償なし。余りに理不尽です。EU指令にあるように、最低限の労働時間や賃金を明示させる予見可能なルールが日本でも求められます。
 女性にとりわけ困難をもたらしています。飲食、宿泊、女性の割合が多い非正規雇用が激減し、収入がゼロになり、支援はない。女性の自殺者急増とも密接に関わっています。
 背景には、女性が多く担う業務が非正規に置き換えられ、文字どおり雇用の調整弁とされてきた実態があります。正規であっても、看護師や介護士、保育士など、ケア労働が補助的業務や家庭労働の延長だとして不当に低い処遇にとどめられてきました。ジェンダー不平等を当たり前としてきた構造的な問題を、本気で改めることが求められます。
 コロナ禍を経て、誰もが人間らしく働ける社会へ、政治が役割を果たすべきです。
 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から十年。ふるさと喪失慰謝料が各地の裁判で認容されています。除本理史公述人が述べたように、自然環境や住民のつながり、地域の伝統行事などを失う被害は甚大です。避難指示が解除されても、多くの人が帰還できずにいます。国と東電は、被害を直視し、誠実に賠償するべきです。
 その東電の柏崎刈羽原発で、ID不正利用に続き、核防護施設の侵入検知装置が故障し、機能喪失に陥っていたことが明らかになりました。原子力規制委員会が最も深刻な状態だと評価し、是正措置を命じたのは重大です。総理は、原発を扱う資格に疑念を持たれてもやむを得ないと述べました。福島事故を起こしながら、なお安全性より経済性を優先する東電に、原発を運転する資格はありません。
 総務省、農水省、文科省、接待や贈収賄の疑惑が底なしの広がりです。
 東北新社は、なぜ総務省幹部を次々と接待できたのか。総理の長男の存在なしには到底説明できません。その中で衛星放送事業の違法な認可が見過ごされ、隠されてきたのなら、大問題です。
 携帯料金値下げを看板政策とする菅政権の総務大臣が、渦中のNTTやドコモの関係者と会食する、それ自体が疑念を招くと言うべきです。
 官僚や閣僚が特定の事業者と緊張感なく癒着している実態があらわとなり、職務の公正さに対する国民の信頼は大きく損なわれています。全容解明のため、野党が求める関係者の国会招致、関連資料の提出に直ちに応じるよう、強く求めます。
 腐敗を一掃し、政権交代で新しい政治を切り開く決意を述べ、討論といたします。(拍手)

#14
○議長(山東昭子君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────

#15
○議長(山東昭子君) これより三案を一括して採決いたします。
 表決は記名投票をもって行います。三案に賛成の皆さんは白色票を、反対の皆さんは青色票を、御登壇の上、投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕

#16
○議長(山東昭子君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕

#17
○議長(山東昭子君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕

#18
○議長(山東昭子君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百四十一票  
  白色票          百四十五票  
  青色票           九十六票  
 よって、三案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────

#19
○議長(山東昭子君) この際、日程に追加して、
 森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#20
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長上月良祐さん。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔上月良祐君登壇、拍手〕

#21
○上月良祐君 ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、森林による二酸化炭素の吸収作用の保全、強化を図るため、森林の間伐等に対する支援措置を令和十二年度まで引き続き講ずるとともに、成長に優れた苗木による再造林の実施を促進するための措置を創設しようとするものであります。
 委員会におきましては、森林吸収源対策において現行法が果たしてきた役割及び評価、再造林を確保するための方策、国産木材の利用促進策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して紙理事より反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#22
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の皆さんの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

#23
○議長(山東昭子君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。(拍手)
     ─────・─────

#24
○議長(山東昭子君) この際、日程に追加して、
 地方税法等の一部を改正する法律案
 地方交付税法等の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法案(衆議院提出)
 以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#25
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。総務委員長浜田昌良さん。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔浜田昌良君登壇、拍手〕

#26
○浜田昌良君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、地方税法等の一部を改正する法律案は、現下の経済情勢等を踏まえ、令和三年度の評価替えに伴う土地に係る固定資産税及び都市計画税の税負担の調整、住宅及び土地の取得に係る不動産取得税の税率の特例措置の適用期限の延長、自動車税及び軽自動車税の環境性能割の税率区分等の見直し等を行うほか、税負担軽減措置等の整理合理化等を行おうとするものであります。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案は、地方財政の収支が引き続き著しく不均衡な状況にあること等に鑑み、令和三年度分の地方交付税の総額の特例措置を講ずるとともに、各種の制度改正等に伴って必要となる行政経費の財源を措置するための地方交付税の単位費用等の改正を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、地方財源不足への対応と法定率引上げの必要性、固定資産税の安定的な確保の重要性、防災及び災害対応のための地方財政措置の充実策、特別交付税の算定プロセスの在り方、新型コロナワクチン接種に係る地方公共団体への支援策等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、国民民主党・新緑風会を代表して芳賀道也委員より両法律案に反対、立憲民主・社民を代表して岸真紀子委員より両法律案に賛成、日本共産党を代表して伊藤岳委員より両法律案に反対する旨の意見がそれぞれ述べられました。
 討論を終局し、順次採決の結果、両法律案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法案は、人口の著しい減少等に伴って地域社会における活力が低下し、生産機能及び生活環境の整備等が他の地域に比較して低位にある地域の持続的発展を支援し、もって人材の確保及び育成、雇用機会の拡充、住民福祉の向上、地域格差の是正並びに美しく風格ある国土の形成に寄与するため、これらの地域について総合的かつ計画的な対策を実施するために必要な特別措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、衆議院総務委員長石田祝稔君から趣旨説明を聴取した後、過疎地域が果たす役割と新過疎法の基本的な考え方、過疎地域の人口要件見直しによる影響と対策、卒業団体への配慮とソフト事業への支援策等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#27
○議長(山東昭子君) ただいま委員長報告がありました議案のうち、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。柳ヶ瀬裕文さん。
   〔柳ヶ瀬裕文君登壇、拍手〕

#28
○柳ヶ瀬裕文君 日本維新の会の柳ヶ瀬裕文です。
 私は、会派を代表して、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案について、反対の立場から討論いたします。
 討論に先立ち、総務省の接待問題について一言申し上げます。
 東北新社からの総務省幹部に対する繰り返しの接待に加え、NTTからの高額接待も明らかとなり、総務省幹部職員が辞職する事態に発展いたしました。第三者検証委員会が設置され、調査が開始されましたが、この調査の行方を注視するとともに、懸念事項について申し上げておきたいと思います。
 総務大臣は、今回の事案について、職員の倫理法令違反に対する認識の甘さや知識の不足が大きな要因と繰り返し答弁されてきましたが、個人の資質やモラルの問題と問題を矮小化するのではなく、背景にある電波行政に通底する構造的な問題に真摯に向き合うべきであります。
 希少で経済的価値の高い電波の許認可が、全ては総務省の判断次第と言われるように、強い裁量権をもって不透明なブラックボックスの中で決められている、これが問題なんです。
 接待をするのには理由がある。電波行政のプロセスが透明で公正性が明らかに担保されているならば、接待は必要ないでしょう。行政がゆがめられたのではないかの疑義を検証することも重要ですが、接待でゆがめられることのない行政を形作ることも必要であります。
 この構造的な問題を温存したまま、倫理規程の一部見直しや職員意識の啓発など、その場しのぎの小手先の解決策では、また同じ問題を繰り返すことになるでしょう。我が党は、抜本的な解決策として、電波オークション制度の導入、第三者による電波管理機関の設置などを提案しています。第三者検証委員会では再発防止策を策定するとのことですが、総務大臣には問題の本質に真摯に向き合って、改革を断行することを望みたいと思います。
 電波は希少な資源であり、これを有効に活用できるかどうかは、我が国の成長に直結する重要な課題であります。今回の接待問題を機に、電波行政の公正性、透明性を根本から見直し、その恩恵を広く国民が享受できるようにするべきと考えます。
 地方税法、地方交付税法改正案について申し上げます。
 これまで、各政権において地方の自立、地方分権が叫び続けられてきましたが、いまだに真の地方の自治は、自立からは程遠い状況にあります。新型コロナウイルス感染症への対応に鑑みればやむを得ない面があることも理解いたしますが、両法律案は、地方創生や地方の自立を志向した内容が全く含まれていない、当座のびほう策の集まりと言わざるを得ず、容認することができません。
 真の地方の自立に当たっては、税源と権限の各地域への大幅な移譲が不可欠であります。しかし、国と地方の歳出比率はおおむね四対六であるのに対し、税収の割合が六対四である構造は長年変わることなく今に至っています。
 地方にとっては、地方交付税制度という垂直的な財政調整制度によって、国からの財源移転に依存せざるを得ない状況が続いておりますが、これを根本的に改め、地方に財源を大幅に移譲した上で、なお残る税源の偏在は地方間で調整を図る水平的な財政調整制度に改めない限り、真の意味での地方の自立は実現しません。
 また、令和三年度は、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、十・一兆円と巨額の財源不足が見込まれますが、その財源確保策は交付税特別会計借入金の償還繰延べや臨時財政対策債の発行といった持続可能性のない一時しのぎの策を重ねています。
 そもそも、臨時財政対策債は平成十三年度に臨時的な措置として導入されたものであります。導入から二十年も経過し、今やその累積残高は五十兆円を超えていますが、当初はこうした異常事態を想定していなかったはずであります。
 臨財債は、一旦地方に赤字地方債を発行させ、その元利償還金の一〇〇%相当額を国からの交付税措置を通じて保障する、国の借金を一時的に地方に肩代わりさせる制度と言えます。それならば、なぜ最初から国で負担しないのでしょうか。臨財債が長年続いている合理的な理由は、委員会での質疑でも政府側から示されることはありませんでした。合理性のない臨財債は直ちに廃止するべきであります。
 地方財政においては毎年度巨額の財源不足が発生していますが、このような形だけを取り繕った場当たり的なびほう策をいつまで続けるのでしょうか。私たちは危機感を持っています。このような状況で、十年後、二十年後に地方は存続することができるのでしょうか。地方交付税制度は昭和二十九年度に創設された制度であり、もうすぐ七十年を迎えます。社会や産業の構造、ライフスタイル、価値観が大きく変わる中、国と地方の在り方も時代に適応して進化しなければなりません。
 両法律案は一時しのぎの策にとどまり、地方創生や地方分権の推進といった観点や臨財債の廃止に向けたビジョンが一切感じられるものではありません。
 自立した地方の実現に向けた統治機構の改革、地方への権限及び財源の大胆な移譲が必要であることを改めて申し上げ、反対討論といたします。(拍手)

#29
○議長(山東昭子君) 岸真紀子さん。
   〔岸真紀子君登壇、拍手〕

#30
○岸真紀子君 立憲民主・社民の岸真紀子です。
 私は、ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案並びに地方交付税法等の一部を改正する法律案に対し、会派を代表して、両案に賛成の立場から討論を行います。
 本来であれば地方自治体にとって非常に大事な両法案ですが、総務省接待問題等についてまず言及せざるを得ません。
 総務省においては、事態の深刻さを全く理解されていないのではないでしょうか。それは、予算委員会や総務委員会などでの質疑において武田大臣が数十回にわたり同じ答弁を繰り返すなど、真摯な姿勢が全く感じ取れないことに象徴されています。コロナ禍で苦しむ人々がいらっしゃる中で、改めて武田大臣には、利権に執着するような姿勢でいいのか、これから申し上げることを切に刻み込んでいただきますようお願いします。
 菅総理の御子息が関与している接待問題を発端とし、放送や通信事業の許認可権を持つ総務省の接待問題が次々と発覚し、多くの国民の皆さんが疑念や不信を抱いています。
 この問題をめぐって、参議院予算委員会の中で、東北新社が受けていた衛星放送事業の認定が実は外資規制違反であったことが指摘され、接待がきっかけで脱法スキームと言える通常では考えられない便宜を図ったのではないかという疑念は全く拭い去ることができていません。
 また、外資規制違反の報告を受けた、受けないでは、東北新社と総務省では現在そごが生じています。許可という強い権限を有している総務省が、記憶がない、文書がないと答弁を繰り返していますが、こういった内容がデジャブに感じるのは、これまでの森友、加計問題と同じ構造であり、安倍、菅政権と続く政権への権力の集中とそんたくが招いた結果であるからではないでしょうか。行政がゆがめられている、そう感じざるを得ません。NTTを始めとする関連業者から接待を受けたのではないかとただされながら、誠実な答弁をせず、総務省接待問題の政治責任にも人ごとで、国民の疑念や政治不信を誘発するばかりの武田大臣の姿勢は断じて許されません。
 また、三月二十二日、河井克行元法務大臣が東京地検の公判で二〇一九年七月の参議院選挙における買収行為を認め、昨日、衆議院議員を辞職しました。河井案里さんは既に有罪が確定し、二月に当選無効となっています。
 二人の違法行為は、国民に多大な政治不信を招いたことに重ね、国会に説明を果たすという文書が提出されているにもかかわらず、説明責任を果たされないままの議員辞職に至りました。コロナ禍で地域経済の悪化から失業や収入減を強いられている方々のことを思うと、これまでに支払われてきた歳費等の問題と併せ、並々ならぬ怒りを感じます。
 皆さん御承知のとおり、一億五千万円という多額の資金は自民党から提供されたものであり、陣営を後押ししたと言えます。にもかかわらず、自民党の総裁でもある菅総理は具体的説明をしていませんし、さらに、あろうことか、二階幹事長からも、党もこうしたことを他山の石としてしっかり対応していかなくてはならないと、まるで人ごとのような発言がされたことは、余りの衝撃で開いた口が塞がりません。この問題は菅政権と切り離して考えられるものではありません。離党や議員辞職で済ませることなく、本人が説明するか総理が責任を持って参議院に説明していただくことを強く要請します。
 それでは、地方税、地方交付税法改正案について申し上げます。
 この二つの法案は、COVID―19の感染対策を一年以上にわたって対応している自治体の現場と密接な関係にあります。保健所や病院など命を守る公衆衛生や、医療・介護職場、手洗いなどには欠かせない水道やごみ収集、地域の生活交通等の暮らしを支える職場、DV、児童虐待、労働、貧困等の相談支援といった福祉職場、学校や保育など子供関連職場、十万円の特別定額給付金業務や経済支援、そして今はワクチン接種業務を担っている職場など、地域住民に近い存在として地方自治体に期待される役割はとても大きく、重要です。
 政府がコロナ対策として決定してきた制度や政策も、その多くは自治体の現場に担っていただいています。これまで、国と地方の関係は対等であるにもかかわらず、自主財源が限られている地方自治体は、国に地方交付税の不足分への対応を言わば人質に取られたような形で、人員削減や行財政改革、さらには市町村合併までも助言という名の政策誘導に乗らざるを得ませんでした。
 しかし、コロナ禍において明らかとなったように、私はむしろ国が地方に依存していると言えるのではないかと考えます。その意味からいえば、役割と財源はセットであり、本法案にある地方交付税を始め地方の財源を確保することは当然の結果と言え、総務省があらゆる地財対策に努め、地方交付税等の一般財源総額を交付団体ベースで実質二〇二〇年度を〇・二兆円上回る六十一兆九千九百三十二億円を確保したことは評価できます。自治体は、コロナの影響で大幅な税収減が見込まれる中でも、新年度予算における財源にめどを付けることができたと言えます。
 しかし、その財源確保の内容を見ると、国の一般会計からの加算よりも、交付税総額からの控除要因を後年度に先送りした対策が目立ち、当面の財源不足をしのいだものであります。また、臨時財政対策債についても、概算要求時点よりは縮小したとはいえ、臨財債残高も増加しており、将来世代への負担が重くなることに強い懸念が残ります。
 地方の財源を安定的なものとするためには、税源移譲と交付税法定率の見直しが必要です。国と地方の歳出比率は四対六というのが実態ですが、税収は六対四となっています。先ほども述べたとおり、国と地方が対等の関係にあることからいえば、少なくとも五対五の実現を武田大臣に強く要望します。
 また、地方の財源不足のうち、国の一般会計の加算分等を除いた残余の財源不足分について、国と地方で補填するという折半ルールは、三年間の臨時措置とされていたはずなのに、延長が繰り返された結果、実質、恒久的になりつつあることは大問題です。臨時財政対策債及び折半ルールは、地方自治体にとって負担を付け回すものであることから、これを直ちに見直し、国の責任で財源確保に努めるべきです。
 感染症対策の最前線に立つ保健所では深刻な人手不足に直面し、職員は疲弊しています。このままでは感染を防ぐことに支障を来すかもしれないという危機的状況にあります。二〇二一年度の地方財政対策では、保健師の数を二年間で現行の一・五倍、約九百人、道府県の標準団体で十二人を増員することとしています。増員することは評価しますが、これで十分とは言い難く、引き続き、現場状況を把握し、必要な人員配置の措置を求めます。
 また、地財計画では、地域デジタル社会推進費の創設として二〇二一、二〇二二年度で各年度二千億円が地方交付税措置として算定され、光ファイバーの全国展開や5Gサービスの開始、ローカル5Gの導入など情報通信基盤の整備の進展を踏まえ、地域社会のデジタル化を集中的に推進するとしています。自治体のシステム標準化はまた別な機会に論じるとして、地域のデジタル化に向けた整備のための臨時費目として二年間の計上を予定しているのですが、僅か二年間の期間に限った一時的な政策経費だとすれば、地財計画の標準的経費として計上することは財源保障の在り方として問題です。国として、デジタル化を推進するのであれば整備が完了するまで国が財源を保障すべきではないかと考えます。
 様々な問題点はあるものの、地方自治体が地域住民の暮らしを守るためにも、地方税、地方交付税を始め安定的な財源を確保することは重要であることを勘案し、私たちの会派は賛成するに至りました。
 引き続き地方財政の安定的な確立と地域主権を目指し、国民の代表たる立法府の立場から厳しく行政監視を行っていくことを申し上げ、討論を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

#31
○議長(山東昭子君) 芳賀道也さん。
   〔芳賀道也君登壇、拍手〕

#32
○芳賀道也君 国民民主党・新緑風会の芳賀道也です。
 地方税法等の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案について、会派を代表して、反対の立場から討論をいたします。
 地方交付税は普通交付税と特別交付税に分けられますが、その特別交付税の三月分交付、三月十九日に交付決定されました。総務省財政課の皆さんが都道府県や各市町村の担当部局の皆さんと二百を超える多くの項目について何度も何度も調整と連絡を重ね、この交付決定に至ったと聞いております。自治体からはこの特別交付税に感謝の声が上がっています。
 その一方、同じ総務省に対して、菅総理の息子さんから誘われるという実に微妙な断り切れないお誘いがあり、また、NTTの社長なども繰り返し接待を行い、放送行政、電波行政がゆがめられた疑いが深まっています。
 公務員倫理規程違反により責任を取らされた官僚の方がいる一方、菅総理を始めとする政治家は責任を取っておりません。むしろ、予算委員会などで武田総務大臣ほかの、記憶がない、国民の疑惑を招くような会食はないという答弁を通じて、説明責任に応えず、不正や問題を隠す姿勢に終始し、国権の最高機関である国会の軽視、国民への説明責任を果たさない姿勢は断じて許されず、官僚の処分が幕引きであってはならないということを強く指摘した上で、反対の討論に入ります。
 まず、国民民主党・新緑風会として反対する理由第一は、新型コロナ対策費が余りにも少な過ぎることです。
 新型コロナウイルス感染症再拡大を受けた緊急事態宣言については、三月二十一日をもって首都圏の一都三県への緊急事態が解除され、全都道府県で解除されるに至りました。
 しかし、東京都など首都圏のほか、大阪府や宮城県、山形県、愛媛県、沖縄県などで感染者数が増加し、独自の緊急事態宣言が宮城県仙台市、山形県山形市で出されています。また、各地で変異株が確認されるなど、いまだに予断を許さない状況です。これからも感染再拡大への警戒を継続し、感染防止対策を徹底していく必要があります。
 しかしながら、新年度の地方財政計画と地方交付税法改正案によれば、各自治体の新型コロナ対策支援となるものは、二年間かけて九百人の保健師を増やして一・五倍にする二十数億円だけではないでしょうか。確かに衛生費、保健衛生費の単位費用を僅かに二、三%増やしてはいますが、衛生費、保健衛生費の総額が実際に増えるかどうかは、新年度に入り各自治体の各種調査が進むまでは分かりません。地方財政計画と地方交付税法による新型コロナ対策は全く不足していると言わざるを得ません。
 私たちが反対する理由第二は、持続可能な地方財政への見通しがないことです。
 地方税制については、地方自治体の自主財源の基盤となる地方税の充実確保を図るとともに、地域間の偏りが少なく税収が安定する地方税体系の構築が求められています。しかしながら、コロナ禍という特殊事情を勘案しても、令和三年度の税制改正では、このような抜本的な税源移譲など、地方税の充実強化策が見送りとなってしまいました。極めて残念です。
 一方、新年度において十・一兆円もの巨額の地方財源不足が発生し、この財源不足を補うため、地方は臨時財政対策債の発行を余儀なくされました。臨時財政対策債は、地方から廃止、縮減を求められていたにもかかわらず、発行額が二・三兆円増加し、五・五兆円となる見込みです。このうち、過去の臨財債の元利償還金を賄う分は三・八兆円と、借金を借金で返すまさに自転車操業が続いています。更に言えば、臨時財政対策債の累計残高は既に五十兆円を超えています。臨時的な措置という位置付けであったにもかかわらず、平成十三年度以降、長期にわたって臨時財政対策債が財源不足対策として使われていることは異常ではないでしょうか。
 そもそも、地方交付税法第六条三の第二項で、地方財源不足が著しく過大となっているときは、地方行財政に係る制度改正又は法定率の変更を行わなければならないとされています。しかし、今回も地方交付税法に基づく交付税の法定率引上げ等を含めた抜本的な改革は見送りです。これは重大な問題です。
 総務省は、毎年度の概算要求において、同項に基づく交付税率の引上げについて事項要求していますが、平成二十七年度を最後に引上げはなされていません。コロナ禍で地方財政が非常に厳しい状態にある今こそ、政府は交付税の法定率引上げに真正面から取り組むべきです。
 このように、新年度の地方財政では、地方財源不足の縮小も、臨時財政対策債の減額も、交付税特別会計借入金の着実な償還も、いずれも実現できず、地方財政の危機的状況はますます深まっているのです。
 私たちが政府案に反対する理由は、第三に、地方税財政を通じた将来の我が国の成長を促す力が弱いということです。
 国民民主党は、昨年十二月に、令和三年度税制改革についての考え方をまとめて、人、技術、企業、産業、経済の課題に対処する税制改革を提案しました。
 この税制改革案の中で国民民主党は、家計と技術革新を支援する自動車減税を提案。現状の税制では、地方ほど生活必需品である自動車に対して過重な負担を掛けています。国民民主党は、自動車重量税を軽減した上で地方税の自動車税、軽自動車税に統合することで、例えば一・五トン未満のマイカーであれば一台当たり毎年四千八百円の減税を実現する提案をしています。
 しかし、政府の地方税法改正案では、自動車税、軽自動車税の環境性能割について税率一%軽減が継続され、グリーン化特例が二年間延長となりますが、これでは家計消費への支援や技術革新への支援としては不十分です。
 一方、菅内閣の目玉政策としてデジタル改革を掲げていて、デジタル投資推進税制として、法人税の特別償却や税制控除でデジタル投資を応援しています。
 他方では、地方税の償却資産税で、デジタル化のため各企業や個人事業者などが備え付けた設備や機器には丸々課税しています。デジタル投資にブレーキを掛けているようなものです。日本税理士会連合会もこのような償却資産課税について、国の法人税と連動させるよう改革の提案をしています。政府がデジタル投資推進税制を掲げつつも償却資産課税を見直さない問題について、私は三月十二日、参議院本会議にてこれを見直すよう訴えましたが、武田総務大臣はこれを否定する答弁でした。
 以上のとおり、地方税法改正案及び地方交付税法改正案について、第一に、新型コロナ対策費が少ないこと、第二に、持続可能な地方財政の見通しがないこと、第三に、地方税財政を通じた将来の我が国の発展を促す力が弱いことを理由として、国民民主党・新緑風会は反対いたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

#33
○議長(山東昭子君) 伊藤岳さん。
   〔伊藤岳君登壇、拍手〕

#34
○伊藤岳君 日本共産党の伊藤岳です。
 私は、日本共産党を代表して、地方税法、地方交付税法等の改正案に対する反対討論を行います。
 まず、総務行政の根幹に関わる総務省接待問題に触れないわけにはいきません。
 認可権限などに係る幹部官僚や大臣、副大臣、政務官に対する高額な接待が繰り返され、行政がゆがめられたのではないかという疑念は、国会審議を通じてますます深まり、総務行政そのものに対する国民の信頼が大きく揺らいでいます。
 ところが、その渦中にある菅総理や武田大臣が、この深刻な疑惑に対して正面から向き合わず、事実の徹底解明と真相究明に背を向け続けていることは、全く無責任な態度であり、絶対に許されません。
 東北新社による総務省幹部官僚の接待問題です。
 菅総理が総務大臣当時、自ら大臣秘書官に任命した長男の菅正剛氏が勤める東北新社が、当時の谷脇康彦総合通信基盤局長や山田真貴子総務審議官など、衛星放送の認可権限に連なる数多くの幹部官僚を繰り返し接待してきた疑惑です。
 二〇一八年に一旦まとめられていた衛星放送の未来に関するワーキンググループの報告書案が二〇二〇年には改めて出し直され、例えば、一八年報告書案では、BSの右旋帯域については、新たな利用可能帯域は容易に見込めないとされていた点が、二〇年報告書案では、一転して、一定帯域が確保できた場合には、当該帯域は4K放送に割り当てるべきであるなどの変更が加えられています。そして、まさにこの時期に集中して、事業に係る幹部官僚が繰り返し接待を受けていたのであります。
 総務省は、調査過程で得た全ての資料を開示すべきです。東北新社の関係者を国会に招致し、真相の徹底究明をしなければなりません。
 東北新社の外資規制違反の事実も明らかになりました。外資規制違反を見逃してきた総務省の責任は重大です。
 問題は、規制違反を認識した東北新社が総務省に面談をして報告をし、あわせて、子会社への事業承継によって違反を解消する案を示したという東北新社の主張についての検証が求められているということです。
 総務省は、総務委員会での私の質問に対し、東北新社からは、木田由紀夫執行役員、当時は、二〇一七年八月七日に当時の衛星・地域放送課長の井幡晃三氏の携帯電話に電話をして、その際、同課長から、自分は休暇中であるため当時の総務課長の鈴木さんのところへ行ってくださいと伝えられていたという回答を得ているということを明らかにしました。
 井幡課長の携帯電話へのこうしたやり取りがあったから、八月九日頃に当時の鈴木信也課長と面談したという東北新社側の話の筋が明らかにされたのです。記憶にないという鈴木氏、井幡氏の言い分は到底通りません。
 東北新社の話が事実だったのかどうか、総務省は詳細に検証すべきではありませんか。
 まして、国会で答弁しようとする官僚の前で、武田大臣が閣僚席から記憶にないと言葉を飛ばすなどは論外です。真相究明に背を向ける武田大臣の姿勢をはっきり示すものと言われても仕方ないではありませんか。
 さらに、NTTによる総務省幹部官僚、政治家への接待問題です。
 情報通信事業に対する認可権限などに関わる総務省の幹部官僚に対して高額な接待が繰り返され、さらには、総務大臣を始め副大臣、政務官など多数の政治家がその在任中にもNTTから高額接待を受けていた事実も明らかになりました。
 国民の疑念を招くような会合、会食に応じることはないと繰り返し答弁し続けた武田大臣も、週刊誌に報じられて、NTT澤田社長との会食を共にしたことを認めました。
 これらの接待は、二〇一八年から三年間にとりわけ集中をしています。二〇一八年には、当時官房長官だった菅総理が携帯電話料金の値下げについて発言しています。二〇二〇年九月には、NTTがドコモ完全子会社化を発表し、十一月には、約四・三兆円を投じた株式公開買い付けが行われました。そして、十二月には、格安料金プランahamoが発表されたのです。
 高額接待を繰り返し受けていた総務省とNTTとの不透明な関わりの中で、情報通信市場に大きな影響を及ぼすそれらの決定が政策的な検証や検討もなく進められていることに疑念が深まっています。
 これらの疑惑は放置できません。幹部官僚の辞職で蓋をすることは許されません。事実の徹底解明、真相の究明に向けて、国会がその役割を果たしていこうではありませんか。
 地方税法改正案、地方交付税法等の改正案に対する反対理由です。
 法案は、地方の財源不足の穴埋めに、一・七兆円もの臨時財政対策債の発行を地方に迫るものとなっています。
 昨年十一月に出された財務省の財政制度等審議会の建議は、地方財政について、新型コロナ対応を名目とする安易な歳出拡大は許容しないとし、新経済・財政再生計画に沿って、社会保障関係費の自然増を抑え込み、地方の歳出水準を前年度と実質同額とするやり方を踏襲して、地方の歳出改革を貫くとしました。
 来年度の地方財政計画は、この財務省方針の大枠を踏まえたものとなっています。
 しかし、毎年増加する社会保障関係の財源を、地方が給与関係費や投資的経費を削減し、捻出してきているのが実態です。
 新型コロナは、これまでの地方行財政の在り方を根本から見直すことを求めています。一般財源総額の実質同水準ルールはやめて、地域の公衆衛生体制、医療体制を確立するための財政需要や社会保障関係費の自然増分を地方財政計画に反映し、地方交付税の法定率を抜本的に引き上げて、地方が必要とする一般財源総額を確保することが必要です。
 そのために、国は責任を果たすべきです。地方債の特例発行に頼るやり方には反対です。
 新型コロナの下、貧困と格差が広がっています。地方税でも、生計費非課税、所得の再分配機能を高めることが求められています。
 しかしながら、地方税法の改正内容は、これに応えるものとはなっていません。地方税の見直しとともに、消費税五%への減税こそ直ちに行うべきではありませんか。
 最後に、菅政権がコロナ禍を口実に進めようとしているデジタル庁の設置、行政のデジタル化についてです。
 地方公共団体情報システム機構に新たな基金を設けて、国費を投入し、自治体業務システムの標準化、全国規模のクラウドへの移行、マイナンバーを用いたオンライン手続などを推進するとしています。
 業務システムの標準化やクラウド移行によって、システムに自治体の仕事内容を合わせることが目的となり、自治体独自のサービスが抑制、後退されることになりかねません。住民自治、団体自治への侵害という点からも大きな問題があります。
 また、デジタル化、オンライン化ありきでは、行政サービスへの入口が遠くなり、個人情報保護が置き去りにされるおそれは拭えません。
 こうした問題を持つ自治体行政のデジタル化を支える財政措置には賛成できません。
 以上を述べて、反対討論とします。(拍手)

#35
○議長(山東昭子君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────

#36
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
 まず、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案を一括して採決いたします。
 両案に賛成の皆さんの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

#37
○議長(山東昭子君) 過半数と認めます。
 よって、両案は可決されました。(拍手)
 次に、過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法案の採決をいたします。
 本案に賛成の皆さんの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

#38
○議長(山東昭子君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
     ─────・─────

#39
○議長(山東昭子君) この際、日程に追加して、
 原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#40
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長森屋宏さん。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔森屋宏君登壇、拍手〕

#41
○森屋宏君 ただいま議題となりました法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、原子力発電施設等の周辺の地域において、引き続き生活環境、産業基盤等の整備に必要な特別措置を講ずるため、原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法の有効期限を令和十三年三月三十一日まで十年間延長しようとするものであります。
 委員会におきましては、本特措法が果たしてきた役割、原発事故の発生等を踏まえた見直しの必要性、防災インフラの早期整備の必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、立憲民主・社民の木戸口理事より反対、日本共産党の田村委員より反対の旨の意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#42
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の皆さんの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

#43
○議長(山東昭子君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。(拍手)
     ─────・─────

#44
○議長(山東昭子君) この際、日程に追加して、
 日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#45
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長江崎孝さん。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔江崎孝君登壇、拍手〕

#46
○江崎孝君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、北海道旅客鉄道株式会社及び四国旅客鉄道株式会社並びに日本貨物鉄道株式会社の経営基盤の強化を図るため、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の業務について、これらの会社に対する助成金の交付に係る業務の期限の延長及び出資に係る業務の追加等のこれらの会社への支援措置を拡充すること等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、JR北海道及びJR四国並びにJR貨物の経営自立に向けた取組及び三社に対する支援の在り方、持続可能な交通体系の構築に向けた国と地方公共団体の役割、貨物鉄道を活用した物流網の構築等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局した後、日本共産党の武田良介委員より、鉄道・運輸機構の行う無利子貸付けの業務の期限延長及び同機構による利子補給金の支給業務の規定の削除を内容とする修正案が提出されました。
 次いで、採決の結果、修正案は否決され、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#47
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の皆さんの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

#48
○議長(山東昭子君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
     ─────・─────

#49
○議長(山東昭子君) この際、日程に追加して、
 所得税法等の一部を改正する法律案
 財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#50
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長佐藤信秋さん。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔佐藤信秋君登壇、拍手〕

#51
○佐藤信秋君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、財政金融委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、所得税法等の一部を改正する法律案は、ポストコロナに向けた経済構造の転換及び好循環の実現、家計の暮らしと民需の下支え等の観点から、国税に関し、所要の改正を一体として行おうとするものであります。
 次に、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案は、令和三年度から令和七年度までの間の各年度における公債発行の特例措置を定めようとするものであります。
 委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、菅内閣総理大臣に対する質疑を行うとともに、格差是正に向け、税の再分配機能を強化する必要性、租税特別措置の政策効果の検証の在り方、特例公債を発行できる期間を五年間とした理由、財政健全化目標の達成に向けた道筋等について質疑が行われました。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、立憲民主・社民を代表して牧山ひろえ理事、日本共産党を代表して大門実紀史委員より、それぞれ両法律案に反対、日本維新の会を代表して音喜多駿委員より、所得税法等改正案に賛成、特例公債法改正案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終了し、順次採決の結果、両法律案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両法律案に対しそれぞれ附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#52
○議長(山東昭子君) 両案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。勝部賢志さん。
   〔勝部賢志君登壇、拍手〕

#53
○勝部賢志君 立憲民主・社民の勝部賢志です。
 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案及び財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案、これら二法案につきまして、共に反対の立場から討論いたします。
 新型コロナウイルス感染症が世界に猛威を振るい、一年以上が経過しました。感染が確認された国と地域は百九十二か国、累計感染者は一億二千五百万人を超え、累計死亡者も二百七十五万人と、文字どおり世界中でしょうけつを極めています。
 我が国においても、四十五万六千人以上の方が感染し、八千九百三十六人の方が尊い命を落とされました。改めて心から哀悼の意を表しますとともに、今なお病と闘っておられる方々に心からお見舞いを申し上げます。
 ワクチンの接種も先進各国で急ピッチに進められていますが、我が国も含め、世界ではまだまだ幾つもの課題が残されています。その一方、インドではまた新たな変異株が確認されたと報じられており、まさに人類とウイルスの果てしない闘いは長期戦の様相を呈しており、ポストコロナなどと簡単に口にしてはならない状況です。
 今、このときも医療現場の最前線で職務に打ち込んでおられる医療従事者の皆様を始め介護、教育、子育てなどを始めとしたエッセンシャルワーカーの皆さんの御労苦に心から敬意を表しますとともに、そういった方々の現場支援策の更なる充実と感染封じ込め対策に国を挙げて取り組まなければならないことを、まず冒頭、申し上げさせていただきます。
 さて、税は、納税者、国民の皆様の政府に対する信頼によって成り立つものです。しかし、今やその信頼そのものが揺らいでいると断ぜざるを得ません。
 大臣室で賄賂を受け取り議員辞職した元農水大臣、前代未聞の選挙買収で逮捕された元法務大臣夫妻、暴力事件や緊急事態宣言下での高級クラブ通いなど、尽きることなくスキャンダルを繰り返す自民党議員。国会で百十八回もうその答弁を平然と繰り返した前総理、そして、元法務大臣の買収事件を受け、他山の石と発言した自民党幹事長。そのような面々を筆頭に、与党は有権者、国民に対して、身を律する緊張感を全喪失したかのような有様です。長期政権は腐敗するとはまさにこのことです。
 さらに、安倍、菅長期政権の腐敗は霞が関にまで拡大したかのような官僚接待問題も次々と露見しています。聞かれたことに答えず、資料を出さず、都合の悪いことは記憶にないとする、まさにめちゃくちゃな状態です。改ざん、隠蔽、うそをつく、安倍政権から引き継がれたふらち千万な姿勢は、まさに菅政権にも引き継がれたのであります。
 更に深刻なのは、今般、国会提出された内閣提出法律案に誤り等があった問題です。昨日二十五日の政府の再点検の結果によると、条文の誤りが三法一条約の十二件、法案参考資料の誤りは十八法案で七十七件の多きにわたっています。
 これほどひどい官僚の緩みや士気の低下はなぜ起こったのか。官僚人事への介入とそんたくを余儀なくされてきた恐怖支配、そして、結果的に責任を負わされるのは官僚のみで、政治家は責任を取らない、安倍政権以来の誤った政治主導がその要因の一端になることは疑いの余地もありません。
 そして、この度の法案提出の所管である財務省は、安倍前総理の引き起こした森友事件の解明と再発防止に徹底して取り組まなければならないのに、依然として赤木ファイルの存否すら明らかにしない、極めて許されざる事態であります。
 このように、現政権が国民から信頼を失墜する数々の腐敗や不祥事は枚挙にいとまがありません。どこまで続くぬかるみぞというべき状況です。
 安倍、菅長期政権の腐敗や緩みは明白で、さらに、それは我々野党の力不足の裏返しでもあり、ざんきの念に堪えないところでありますが、つまるところ、議題である所得税法等改正案及び公債特例法案の正否を云々する以前に、果たして現在の政府には国民の皆様に納税をお願いする資格があるのか、国民の皆様に借金、債務をお願いできる資格があるのか、その資格自体が欠けてしまっていると言わざるを得ないのであります。
 冒頭申し上げましたように、新型コロナウイルス感染症の影響で格差は更に拡大しています。今、世界中で子供、女性、非正規雇用の労働者などは極めて過酷な状況に追い込まれています。しかし、その一方で各国の巨大企業や億万長者の資産は更に拡大するという不公平、不公正が眼前に広がっているのです。
 こういったときこそ、格差是正を始めとした諸課題に政府がしっかりと立ち向かう姿勢を示すべきではないでしょうか。しかし、この度の改正案は、少しでも格差を是正しようとする気概が全く感じられない、志の低い改正案と言わざるを得ません。その点が所得税法の一部を改正する法律案に反対する最大の理由であります。
 以下、数点、各論について指摘させていただきます。
 租税特別措置による税負担軽減は実質的に補助金と同様であるにもかかわらず、受益者を把握し切れないなど不透明さが問題視され、民主党政権時代に租税特別措置透明化法が作られ、透明化、効率化が目指されてきました。しかし、第二次安倍政権以降、流れは逆行し、企業数では〇・一%に満たない資本金百億円超えの巨大企業が受けた減税総額は少なくとも三兆八千億円とも言われています。そもそも、自助で何とでもなる巨大企業を更に有利にする公助となってしまっているのです。
 また、社会的格差の問題で最も問われるのはその格差の再生産であり、公助が考えるべきは、親を選ぶことのできない全ての子供たちが生まれた時点で共通のスタートラインに立てることの保障でなければならないはずです。今回の改正事項には、教育資金や結婚、子育ての資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置の若干の見直しと適用期間の延長が盛り込まれていますが、格差を是正するという観点からすれば、資産課税を全体として見直すことが必要なのではないでしょうか。
 その反面、コロナ対策納税猶予特例制度については延長しないこととされました。社会保険料の特例納付猶予も同時に打ち切られることも合わせると、まだ先の見通せないコロナ禍の現状で、これらの制度の打切りが、危機に直面している事業者、国民に対していかに大きな不安を与えてしまうのか、極めて冷たい対応と言わざるを得ません。
 また、公債特例法案につきましては、本法がまさに特例として制定された際の衆参ねじれ国会と国難である東日本大震災時という条件、背景を抜きに、政府の利便性のみの観点から延長されてきたことがそもそも問題で、政府・与党のおごりと緩み、国会と国民軽視がここにも表れており、反対するものであります。
 以上申し上げましたように、所得税法等改正案及び公債特例法案の二法案につきまして反対の意思を表明し、私の討論を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

#54
○議長(山東昭子君) 音喜多駿さん。
   〔音喜多駿君登壇、拍手〕

#55
○音喜多駿君 日本維新の会の音喜多駿です。
 会派を代表して、所得税法等の一部を改正する法律案に賛成、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案には反対の立場から討論を行います。
 初めに、相次いでいる政府提出法案の不備について一言申し上げます。
 法案における記載のミスが多発しているのはゆゆしき問題であり、再発防止策をしっかりと講じなければなりません。しかしながら、法案本体、条文におけるミスはあってはならない一方で、発覚しているミスの多くは新旧対照表など参考資料におけるものです。膨大な参考資料にまで誤字脱字レベルで完璧を求め過ぎることは、いたずらに霞が関、官僚の負担を増やすことになりかねず、冷静な判断が必要ではないでしょうか。
 そして、確かに条文におけるミスは重大、深刻ではあるものの、それをもって審議の拒否あるいは停滞をもくろんだ一部野党の姿勢は批判のための過剰反応であり、国会の生産性を低下させる甚だ不適切なものであると言わざるを得ません。
 ただし、一方で、政府・与党に対しても、これは官僚の働き方改革、行政改革を先送りにしてきたツケが回ってきているのだということを厳しく指摘をさせていただきたいと思います。
 日本維新の会は、批判ありきでミスを責め立てるのではなく、現状確認と同時並行で法案審議をしっかりと進めていくことを求めるとともに、再発防止に向けて建設的な改善案を検討していくことを申し上げます。
 それでは、所得税法改正案についてです。
 この法案は、不十分な点はありながらも、企業のデジタルトランスフォーメーション投資を促進する措置の創設や、機動的な事業再構築を促すためのMアンドAに係る税制上の措置、あるいは納税環境のオンライン化による手続の簡素化など、ポストコロナ時代に求められる改善が含まれています。今回、コロナで露呈した我が国のデジタル化の遅れを取り戻すためには、引き続き抜本的な対策を講じる必要があります。
 また、とりわけ自治体が行う子育てに関する助成について幅広く非課税措置としたことは、国及び地方自治体の子育て支援政策を推進させるものであり、高く評価をいたします。今後も、国として少子化対策について不断の努力を積み重ねていただくことを重ねて要望をいたします。
 さらに、カーボンフリー社会への移行のため、カーボンニュートラルへの投資促進税制が盛り込まれており、この税制改正を機に、今後、一層、日本の産業や社会構造の転換議論を進めていく必要があります。
 以上のように、本法案は、まだまだ改善点があるとはいえ、ポストコロナを見据えた日本社会と経済にとって必要な取組と考え、賛成をするものです。
 次に、特例公債法についてです。
 先日の本会議でも指摘をさせていただきましたが、本法案は、赤字国債の発行に関する特例措置を五年間延長するもの、すなわち今後五年間、国会の審査に服することなく政府の赤字国債の発行が行える、フリーハンド状態にするものです。しかしながら、これは我が国の財政に関する法的規律として唯一の存在である財政法四条一項の趣旨に反するばかりか、昭和四十年以来積み上げてきた単年度ごとの特例公債発行の国会による審査の歴史を踏みにじるものであり、不合理かつ国会軽視であって、許容することはできません。
 ねじれ国会など特段の事情はない中、赤字国債を五年間自由に発行できる状態にしてしまうことは、我が国の財政問題や社会保障の在り方の議論を停滞させることにもなりかねません。現下の財政出動、積極財政を全く否定するものではありませんが、必要な財政出動の規模は、その都度、毎年国会審議に服するべきものと考えます。ゆえに、特例公債法には強く反対することを表明をいたします。
 日本維新の会は、税制をそれ単体で議論するのではなく、社会保障や成長戦略などといった一体で改革をするべきと考えています。税制及び国債発行の在り方についても、こうした我々の考え方に基づいて引き続き具体的な提言をさせていただくことを申し上げまして、両法案についての討論といたします。
 ありがとうございました。(拍手)

#56
○議長(山東昭子君) 上田清司さん。
   〔上田清司君登壇、拍手〕

#57
○上田清司君 国民民主党・新緑風会の上田清司です。
 ただいま議題となりました法律案について、反対の立場から討論を行います。
 まず、所得税法からです。
 所得税法の一部改正案の中に、菅内閣の目玉政策であるデジタルトランスフォーメーションとカーボンニュートラル二〇五〇に向けた取組が税制の中に取り入れられたことは評価いたします。
 デジタルトランスフォーメーション投資促進税制の創設は、デジタル技術を活用した企業変革を進める観点から、産業競争力強化法を改正し、同法に定める認定事業適応計画に従って導入されるソフトウエア等に係る投資について、税額控除又は特別償却ができる措置を創設するものとなっております。しかし、税額控除が三%と五%で、特別償却も三〇%です。話が小さいと思います。認定事業適応計画を作るのに半年や一年掛かると考えられますし、事実上、一年掛けて計画を立て認定を受けても、二年間の時限措置では企業にメリットがありません。
 財政金融委員会の審議の中で、提出者の麻生財務大臣も私の意見に同調しておられたぐらいです。麻生大臣は、かなり新しい分野に二年だけで、あとはと言われると、ちょっと経営者としてはなかなかこれは踏み出しにくいですな、正直な実感だと思っています、ただ、しゃにむにこっちの方向に行くんだとなれば、何としてでもこれをやらねばならぬということでやるにしても、ちょいと延長してもらうとかいろんなことを後で考えないと、途中で、とても採算が、二年やそこらで採算が合うものができるとはとても思えぬのではないかという感じはいたしますけどと、とても立派な答弁をされています。ありがとうございました。
 今国会において、脱字、誤記記載など、多くの法案ミスが続出しているところですが、あくまでそれは内容ではなく、表面上のものであります。目玉のDX投資促進税制については、内容そのものが問題であることは大臣答弁でも明らかです。そうですね、麻生財務大臣。こっち向いてください。
 もう一つの目玉であります。カーボンニュートラルに向けた投資促進税制です。
 二〇五〇年カーボンニュートラルという高い目標を達成するために、DX投資促進税制と同様に、脱炭素化を加速する製品を生産する設備や、省エネ、脱炭素化するための設備導入投資等について、税額控除又は特別償却ができるという制度設計でございます。
 政府案はDX法案と同じ問題があります。つまり、税額控除や減価償却そして時限措置が、起業家の新規事業や投資に意欲を持つには小ぶりであるということです。誠に残念です。
 次に、公債の発行の特例に関する法律案についてです。
 五年間はフリーパスという内容は、財政法第四条の趣旨からして、あくまで例外と考えるべきです。元に戻すべきではないかという私たちの提案に対し菅総理は、各年度の発行限度額は毎年度の予算により国会の決議をいただくこととしており、後退をしているということはありませんという役人の答弁書を読んでおられます。特別公債が国家運営においてどんなに重いものであるかという認識を疑わざるを得ません。
 実は、国の債務は増加するばかりですが、地方の債務は平成二十四年の二百一兆円がピークで、当時のGDP比四〇%でしたが、令和三年度末の政府案では百九十兆円、三四%まで下がっています。国のGDP比二一六%は大違いです。地方は四十七都道府県二十政令市など、首長の経営能力が競争にさらされるようになりました。国も、人口五千万人以上のイギリス、フランス、ドイツ、アメリカなどと比較しながら競争すべきです。各国の諸事情はそれぞれなどと開き直ってはいけません。
 政府は、コロナ対策の緊急性、重要性を訴えながらも、ポストコロナの財政健全化の将来図を描く責任があります。税と社会保障の一体改革という三党合意を棚に置いて、消費税増税だけをつまみ食いしたままではいけません。
 日本政府はもっと謙虚になるべきです。アベノミクスで経済の好循環をつくっている、株高だ、有効求人倍率が全ての都道府県で一・〇を超えたと言っておられます。安倍政権のGDPの伸び率は平均〇・九%であり、実は民主党政権時よりも低いぐらいです。GDPをグロスで世界と比較しても、一九八九年から二〇一九年の三十年間で日本が一・六倍、アメリカは三・八倍、ドイツは二・七倍、フランスは二・六四倍と明らかに日本の低成長ぶりが見えます。一人当たりのGDPも、平成元年はスイス、ルクセンブルグに次いで三位でしたが、現在は二十七位です。
 株高そのものは悪くありません。企業の収益を上げ、企業価値を上げます。しかし、世界企業ランキングについて、平成元年上位五十社のうち日本は三十二社、今はトヨタが二十六位の一社だけです。産業競争力も平成元年当時は四年連続世界一位でしたが、昨年は三十七位まで落ちています。
 賃金についても、平成七年、一九九五年がピークで、二十五年を過ぎた今日においてもそれを超えていません。日本のピーク時の平成七年を一〇〇とすると、平成十八年は、日本は九〇、アメリカは二〇〇、ユーロ圏は一六〇となっています。明らかに日本の賃金が上がらない状態になっています。現在、一人当たりの報酬が二百万以下の雇用者が全雇用者数の三二・一%になっている日本の現実と謙虚に向き合うべきです。
 外交防衛は、アメリカに過剰同調、そのくせ中国の覇権的行為や反人権的行為に対しては遺憾表明程度のコメントで済ませています。まさに、そんなことでは遺憾に存じます。日本国家の目標や座標軸をしっかり打ち出すべきです。
 私たちは、日本文明や文化に誇りを持つべきです。欧米の植民地にならず、いち早く近代化を実現した国家であります。しかも、大きな失敗を教訓に、戦後立ち直った経験もあります。
 平成年間の長期停滞を正しく認め、また、新型コロナ対策においても、欧米に比べると百万人当たりの死者数、感染者が少ないという、悪いところと比較せず、東アジア、東南アジア、オセアニア諸国の中で最も悪いんだということを正しく認識すべきです。
 ワクチンの接種にしても、接種時期がどんどんずれ、三月十九日現在でイスラエルの五九・六%、イギリスの三九・六%、アメリカの二三・七%の先進国どころか、ブラジルの四・八%、バングラデシュの二・九%、インドの二・七%、インドネシアの二%にも遅れ、日本は僅か〇・四%と、ワクチン接種国のうちでワクチン接種率が最低クラスなんです。内閣のリーダーシップと霞が関のマンパワーは一体どうなっているのか、目を覆うばかりです。
 しかし、今は有事です。情報の……

#58
○議長(山東昭子君) 上田さん、時間でございます。

#59
○上田清司君(続) 全面公開を前提に、新型コロナ禍という緊急課題、中長期の課題にオール日本で取り組んで、スピーディーに解決していこうではありませんか。(拍手)

#60
○議長(山東昭子君) 大門実紀史さん。
   〔大門実紀史君登壇、拍手〕

#61
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。
 会派を代表して、所得税法等改正案及び特例公債法改正案に反対の討論をいたします。
 所得税法等改正案に反対する最大の理由は、所得の再分配に逆行するからです。
 この二十数年、世界でも日本でも弱肉強食の新自由主義が横行し、金融緩和も進む下で、株の取引など金融所得を増やす富裕層と、低賃金、不安定雇用に苦しむ人々との経済格差は広がる一方でした。さらに、コロナ禍の下で格差は一層拡大をしています。
 昨年、日本銀行を含む世界の中央銀行は、コロナ対策として従来にない大規模な金融緩和を行いました。しかし、大量に供給されたマネーは実体経済にはほとんど回らず、株式市場に一気に流れ込みました。それが空前の株価バブルをつくり出し、大株主、富裕層を大もうけさせています。
 株価上昇が始まってからの十一か月で、資産一千億円以上を持つ日本の超富裕層三十数人は、資産を十二兆円以上も増やしました。一人当たり三千億円以上の増加です。日本人世帯の資産の保有割合も、僅か一%の人たちが資産全体の約二割を保有するまでになっています。
 株価バブルを背景に、銀座の百貨店では貴金属だけが売上げを伸ばし、都心の新築高級マンションは即時完売の状況が続いています。
 その一方で、コロナ禍で仕事を失ったり収入が減少した人が急増しています。特に、年収二百万円以下の低所得層の雇用が大幅に減少しており、中でも、職を失った非正規雇用の女性や一人親世帯が厳しい生活に追い込まれています。今日明日の食べ物にも困り、食料支援を受けざるを得ない人たちも少なくありません。
 格差の拡大は、社会問題であると同時に、経済成長を阻害する重大問題です。一部の富裕層に富が集中し、そこで幾ら消費が増えたとしても、国民多数の暮らしが苦しくなれば、国全体の消費は減少します。経済の六割を占める消費が減少すれば、経済成長は止まります。政府が所得の再分配政策によって格差を是正し、国民全体の消費購買力を引き上げることは、持続的な経済成長を図る上でも不可欠です。
 二〇一四年に世界的ベストセラー「二十一世紀の資本」を著したフランスの経済学者トマ・ピケティの主張が、今、改めて世界のエコノミストから注目され、各国の政府指導者にも影響を与えています。
 ピケティは、歴史的な分析を通じて、資本の収益率が所得の成長率を上回ることを明らかにしました。分かりやすく言えば、額に汗して働くより株取引などでお金を転がした方がもうかるという話です。
 したがって、富を持つ者と持たざる者との格差は必然的に拡大します。特に、長期にわたる金融緩和で実体経済の何倍にもマネー経済が肥大化した現代において、格差拡大のスピードは一段と速くなっており、政府による所得の再分配も急いで実行しなければなりません。それゆえ、ピケティは、早急に富裕層に課税し、富を国民に還元すべきだと主張してきたのです。
 ピケティの主張はアメリカの民主党にも影響を与え、バイデン氏が富裕層への課税強化を掲げて大統領に当選、現在、高額所得者をターゲットにした所得税の引上げや金融所得への課税強化に加え、相続税などの優遇措置の見直しが検討されています。イギリスでも富裕税導入の機運が高まり、学者などで構成する専門委員会が、高額所得者への課税によって大幅に税収増を見込めるとの報告書をまとめるなど、課税強化へ動き出しています。
 ところが、日本はどうでしょう。菅政権は、金融所得課税の税率引上げを見送っただけでなく、今回の改正で高額所得者への新たな減税を打ち出しました。富裕層から預かったお金を運用するファンドマネジャーへの減税です。ファンドマネジャーは、年収何億円のプレーヤーと言われるように、自らもファンドに出資をして大もうけをしている高額所得者です。これら株高で大もうけしている人々に減税を行うことは、格差拡大をわざわざ助長するものであり、もはや社会正義に反する行為と言わなければなりません。彼らには、減税どころか増税すべきです。格差是正に逆行する本改正案に賛成するわけにはいきません。
 次に、特例公債法の改正案について反対の理由を述べます。
 そもそも財政法では、赤字を補填するための国債の発行は原則的にできないことになっています。そのため特例公債法を制定し、一年限りの特例として赤字国債の発行を認めてきました。
 しかし、参議院で野党が多数になるいわゆるねじれ現象が生じる下で、予算は通っても、裏付けとなる特例公債法案が参議院でなかなか通らないという事態が続きました。そのため、二〇一二年十一月、民主、自民、公明の三党合意によって、予算と特例公債法案を一体的に処理することとし、二〇一二年度から二〇一五年度までの四年間の特例公債の発行を認める改正案が可決、成立をしました。
 また、二〇一六年には、安倍自公政権の下で、衆参のねじれが解消していたにもかかわらず、引き続き二〇二〇年度までの五年間の特例公債の発行を認める改正案が、自民、公明などの多数で可決されました。
 我が党は、放漫財政を戒める財政法の趣旨からも、特例公債については毎年きちんと国会で審議すべきものであり、複数年度の発行を一遍に認めることは国会のチェック機能と審議権を奪うものであると一連の改正に反対し、厳しく批判をしてまいりました。
 そういう批判も意識してか、二〇一二年の改正も、二〇一六年の改正も、その時々の財政健全化目標との関係で特例公債を発行する期間が決められていました。
 例えば、二〇一二年改正が二〇一五年度までの四年間とされたのは、二〇一五年度にプライマリーバランスの赤字を半減するという当時の財政健全化目標の期限に合わせたものでした。二〇一六年改正の二〇二〇年度までの五年間という設定も、二〇二〇年度までにプライマリーバランスの黒字化を目指すという当時の目標期限に合わせたものでした。少なくとも、財政健全化目標を意識した法改正になっていたのです。
 ところが、今回の改正案では、プライマリーバランスなどの具体的な財政健全化目標との関連付けを放棄しています。これでは、安易な国債発行を禁じた財政法の趣旨が形骸化され、今後も政府の裁量次第で何年でもまとめて赤字国債を発行できることになってしまいます。
 私は、二〇一二年、今から九年前の財政金融委員会において、こんなやり方を一度認めれば恒久的に継続していく危険性があると指摘をいたしました。まさにそのとおりになってしまったのではないでしょうか。
 コロナ対応も含め、赤字国債の発行なしに財政運営が立ち行かなくなっているのは事実です。だからこそ、国債発行についての議論から逃げるのではなく、毎年真摯に与野党で議論すべきではないでしょうか。それが国会の責任です。
 国会のチェック機能と審議権を奪い、放漫財政につながる特例公債法改正案は撤回をすべきです。
 以上申し上げて、反対討論といたします。(拍手)

#62
○議長(山東昭子君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────

#63
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
 まず、所得税法等の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の皆さんの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

#64
○議長(山東昭子君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。(拍手)
 次に、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の皆さんの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

#65
○議長(山東昭子君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。(拍手)
     ─────・─────

#66
○議長(山東昭子君) この際、日程に追加して、
 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#67
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長長峯誠さん。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
   〔長峯誠君登壇、拍手〕

#68
○長峯誠君 ただいま議題となりました法律案につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、在外公館として在ダナン日本国総領事館を新設すること、在外公館に勤務する外務公務員の在勤基本手当の基準額を改定すること、在勤基本手当の月額について、部内の他の職員との関係で必要と認められる範囲内において必要な調整を行うための措置を定めること等について規定するものであります。
 委員会におきましては、在ダナン日本国総領事館新設の意義、在外公館に派遣される職員に対する研修の在り方等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#69
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の皆さんの起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

#70
○議長(山東昭子君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後七時十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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