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1951/06/03 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 地方行政委員会 第60号
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1951/06/03 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 地方行政委員会 第60号

#1
第013回国会 地方行政委員会 第60号
昭和二十七年六月三日(火曜日)
    午前十一時五十七分開議
 出席委員
   委員長 金光 義邦君
   理事 河原伊三郎君 理事 野村專太郎君
   理事 床次 徳二君 理事 門司  亮君
      池見 茂隆君    大泉 寛三君
      門脇勝太郎君    川本 末治君
      小玉 治行君    橘  直治君
      前尾繁三郎君    鈴木 幹雄君
      藤田 義光君    立花 敏男君
      八百板 正君    大石ヨシエ君
 出席国務大臣
        法 務 総 裁 木村篤太郎君
 出席政府委員
        国家地方警察本
        部次長     谷口  寛君
        法制意見長官  佐藤 達夫君
        法務府事務官
        (法制意見第一
        局長)     高辻 正巳君
 委員外の出席者
        專  門  員 有松  昇君
        專  門  員 長橋 茂男君
    ―――――――――――――
六月三日
 委員加藤充君辞任につき、その補欠として立花
 敏男君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
六月二日
 医業に対する特別所得税撤廃の請願(星島二郎
 君紹介)(第三三七二号)
 同(川崎秀二君紹介)(第三四一六号)
 五大市の区選挙管理委員会廃止反対に関する請
 願(松澤兼人君紹介)(第三四一七号)
 地方自治法の一部を改正する法律案に関する請
 願(水谷長三郎君紹介)(第三四一八号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 警察法の一部を改正する法律案(内閣提出第二
 一九号)
 集団示威運動等の秩序保持に関する法律案(内
 閣提出第二三六号)
    ―――――――――――――
#2
○金光委員長 これより会議を開きます。警察法の一部を改正する法律案及び集団示威運動等の秩序保持に関する法律案の両案を一括して議題として質疑を行います。質疑を許します。
#3
○床次委員 昨日大臣に対しましてすでに質疑はあつたのでありまするが、その機会において大臣より明瞭な御答弁を承らなかつたので、あらためてお聞きしたいのですが、警察法に関しましては、今日いろいろの問題が論議せられておるのであります。
    〔委員長退席、河原委員長代理着席〕
 すでに最近におきましては、市の警察維持に関する特例の問題も議員提案となつておりますし、また今回政府の一部改正もありまするが、政府は大体警察法の将来に対しまして、いかような見通しを持つておられるか。今回一部の改正が行われましたが、しかし今回の一部改正も、将来の警察法のあるべき姿を予想しての考えじやないかと思うのであります。單なる補足的な改正であるというふうには考えられない。御承知の通り今日民主的な警察を維持しようということは、日本といたしまして非常に重大な問題でありまして、今後いかようにこれを発展助長するかということに関しましては、法務総裁も十分お考えだと思うのでありまするが、将来の警察法の改正に対する御所見を承りたいと思います。
#4
○木村国務大臣 まことに適切な御質問と考えます。警察問題についてはいろいろの考え方があるのでありますが、しかし警察を民主的に運営して行かなければならぬということは、これはもう国民一般の輿論であると、われわれも考えておるのであります。それと同時に警察の機能をいかに有効に運営して行くかという面からも考えなくてはならぬ。そういたしますると、結局は国警、自治の問題に帰着するのでありまして、この行き方については、いろいろの考え方もあるのでございます。従いまして、われわれとしても、根本的にいかに警察法を改正して行くかということにつきましては、実はただいま各方面からいろいろ検討を加えておりまして、まだ結論には到着していないのであります。各方面の十分な御意見を承り、またわれわれの構想もまとめて、そうして将来万遺憾なきを期したい、こういうふうに考えております。
#5
○床次委員 今回の改正の趣旨におきましては、警察行政に関する内閣の責任を明らかにするところに、主眼を置いておられるようでありますが、内閣の責任を明らかにするということは、ここにも書いてありますように、政府が最終の責任者であるということは当然でありますが、今回はいわゆる任命制を採用して、内閣の責任を明らかにするというのが、具体的の考え方のようです。もう一つは指示権、この二つの建前をとつておられるのでありますが、今回この改正によつて、内閣が警察の行政管理並びに運営管理、この両者を国警長官を通じて行うかのように見えるのでありますが、さように解釈してよろしめうございましようか。
#6
○木村国務大臣 国警長官に関しましては、これは運営管理とまでは行かないのであります。しかし御承知の通り、現況から考えまして、国家の治安確保上、総理大臣において必要ありと認めた場合に、それはいわゆる国家治安について、ぜひともやらなくてはならぬというような場合の処置として、全面的に指示権を与えることが最も妥当なりと考えまして、御承知の通り第六十一條の二において国家公安委員の意見を徴して、各都道府県並びに市町村の公安委員会に対して、必要な指示を与えるという建前をとつたのであります。これは運用いかんによりまして、十分に警察能力を発揮し得ることと、われわれは考えておるのであります。
#7
○床次委員 ただいまの御答弁によりまして、内閣は国警長官並びに国家公安委員会を通じまして、運営管理並びに行政管理を行われるというように解せられるのでありますが、今日の国家公安委員会の規則、すなわち第二章第一節の関係で申しますと、国家公安委員会が直接運営管理に当るということは、国家公安委員会としてはないのでありますが、しかし今度の六十一條の二の新しい規定によりまして、国家公安委員会もある程度まで運営管理に関与するものではないかというふうな感じがいたすのでありますが、さよう解釈していいものでありましようか。
#8
○木村国務大臣 国家公安委員は、運営管理にはタツチいたさないと考えております。国家公安委員会の意見を徴して、総理大臣が直接の指示権を持つということになります。国家公安委員会は直接には運営管理には当らないということであります。
#9
○床次委員 意見を聞いて行うという関係上、国家公安委員会は運営管理には関係しないというお言葉のようでありますが、しかし意見を申しますにつきましては、やはり運営管理に対する認識を持たなければならぬし、同時に、運営管理に関する認識がなければ、ほんとうに治安は維持できないと思います。さように解釈いたしますと、今日の国家公安委員会の性格が、元来行政管理だけいたすようになつておりますが、この点は国家公安委員会としては、まつたく新しい制度だと申すことができるようになるのではないか。今回の六十一條の二という考え方は、従来の警察法の建前に対しまして、一つの大きな例外をなしておるものでありますと同時に、原則的に申しまして、行政管理から運営管理にこれが入つておるように解釈されるのでありますが、指示の程度、意見を述べる程度だとおつしやいますが、意見を述べるというのは、必ずしも運営管理にないとは言えないと思う。むしろ運営管理を行うからこそ、意見を述べるのだと思いますが、この点をあらためて御返事をいただきたいと思います。
#10
○木村国務大臣 もちろん国家公安委員会は、行政管理だけを行うものでありますが、しかしながら、国家公安委員会におきましても、全国家の警察ということについての高度の関心を持ち、また高度の知識を持たれる方でありますから、その意見を徴するということが、警察運営の面において効果的であろう、こう考えております。決して国家公安委員がみずから運営管理の任に当るわけでも何でもないのでございます。ただ法の建前上、行政管理の任に当つておるだけであるのでありますから、決して直接に運営管理にタツチするようなことはない、こう考えております。
#11
○床次委員 ただいまの御答弁に対しましては、多少私了解しかねるところがあるのでありますが、さらに別の点についてお尋ねいたしたいと思います。現在の国家公安委員会あるいは都道府県の公安委員会、それぞれ法規の定めるところに従つて活動いたしておるのでありますが、現在の公安委員会の活動に対しまして、大臣はいかようにお考えになつておられるか。現在の治安を維持するにつきまして、公安委員会の活動が現在のような程度で満足なものであるかどうか。これを補うのに單に任命制によつて補い得るか、あるいは六十一條の二によつて補い得るものかどうか。公安委員会そのものに対しまして、まだもつとほかにも欠点があるのではないかと思うのでありますが、この点に関していかような御見解を持つておられるか、承りたいと思います。
#12
○木村国務大臣 現在の国家公安委員は、十分その機能を発揮されておると私は考えております。都道府県公安委員会並びに市町村公安委員会につきましては、いろいろ話を聞くのでありますけれども、りつぱにその機能を発揮しておるところもありますし、また不十分なところもあるやに聞いております。それらの点については十分今後検討いたしまして、機能の発揮をできるようにいたしたいと考えておるわけであります。
#13
○床次委員 いわゆる委員会制度は、最近日本に取入れられました新しい制度でありまして、委員会制度を上手に運用するかしないかということは、今後の行政の面における大きな問題であると思います。特に警察の公安委員会の運用につきましては、三者それぞれ多少任務が異なつておりますが、やはりこれがりつぱに運営をされるということは、民主政治、特に民主警察を徹底せしめる上において重要な問題でありますが、この点に関しまして、いろいろ御意見もおありじやないかと思うのであります。私どもは委員会がほんとうに期待されたような活動をするようにという意味におきまして、いろいろ今でも考えておるわけでありますが、直接政府当局といたしましても、この公安委員会に対する御見解がおありだと思うのであります。多少研究中のこともおありだろうと思いますが、どういう点を考えておられるか、この際大臣の御所見を伺えれば、非常にけつこうと存じます。
#14
○木村国務大臣 実は公安委員のうちにも、公安委員は廃したらいいじやないかというような極端な議論をされておる人もあるのであります。また政令詫間委員、これは政府の機関でも何でもありませんが、それらの委員の大多数の者も、公安委員というものは廃したらいいじやないかという意見を立てられておる事実もあるのであります。しかし、われわれとしては、今ただちに公安委員会を廃止するということは考えていないのでありまして、どこまでも公安委員会という制度は、このままにして、これをいかにうまく運用させるかということについて十分の考慮をいたしたい、こう考えております。
#15
○床次委員 なお六十一條の二につきまして、総理大臣が指示をいたします場合に、特に必要ありと認める場合におきまして、指示権の発動を認めるのでありますが、この特に必要ありと認める場合が非常に範囲が広いのではないか。これにおきまして今日公安委員会等の活動の足りないところを補うということを考えておられるのではないかと思うのでありますが、この特に必要ありと認める場合、これはどの程度に考えられておりますか。発動せられる場合を御説明いただきたいと思います。
#16
○木村国務大臣 この総理大臣が指示権を行使するという状態は、相当高度に社会の秩序が乱れた場合を予想しておるのであります。愼重にその指示をすべきは当然だろうと考えております。従いまして特に国家治安の維持のために必要なることをさすのでありまして、その場合におきましても、国家公安委員会の意見を聞いて、はたして必要であるかどうかということまで検討いたしたい、こう考えておるわけであります。
#17
○床次委員 ただいまの御答弁におきまして、大体従来の公安委員会はそれぞれ所期の目的通り活動しておる、大体政府の予期しておられるところの警察行政に遺憾なく活動しておるというようなお考えのように思われますが、私どもは現在の機構から申しまして、まだまだこの点は足らないものが多いというふうな考え方を持つておるのでありまして、現下の社会情勢にあたりましては、もう少し警察が国民の期待に沿うように、活動できないものだろうかという気持をもつて、警察法の改正に実は当つておるわけで、政府の方におきましても、足りないところに対しましては、できる限りこれを補充する立場において、いろいろと御見解を述べていただきたいということを、私どもも期待しており、それによつてさらに改正を行うも、しかるべきことと考えておるわけであります。はたして今回政府がこの程度の改正によりまして、十分治安維持の目的を達するかどうかということに対しては、非常にこの点疑念なきを得ないのでありますがその反面におきまして、政府がいわゆる任命制というところにおいて、強力にその欠陷を補つておるんじやないかという推測をいたすこととなるわけでございます。政府は任命しておきまするならば、これによつて大体所期の治安が維持できるというふうにお考えのようです。私どもは單に任命だけではほんとうでない、まだ現在の警察制度におきましては、いろいろほかにも欠陷がある。ことに公安委員会におきましても、充実を要するのではないかという気がいたしておるのでありますが政府が任命制に重点を置く、さらに指示権について重点を置くというところに、きわめて割切れないものを持つているというのが、私の考え方なのであります。従つて政府が任命制ということに対しまして、どれだけ責任をとられるか。政府は最終の責任を明らかにせずにおいて、今度の制度を改正されたのでありますが、治安が乱れましたときに、任命したところの長官というものに対して責任を負わせる、あるいは総監に責任を負わせるというところでもつて、一応政府の責任が切れるというようなことになるのではないかということを私ども恐れるのであります。過般メーデー等の際におきましても、あのメーデー対策というものは実は各方面、特審局あるいは国警におきましても、警視庁におきましても、それぞれ事前に調査されて、その対策を練つておられたのであります。その対策の結果でいろいろあの当時の警備態勢ができ上つたのだと思います。私はこの意味におきまして政府はやはり治安上の責任を考えて、従来実施せられておつたのだと思う。しかしこれに対していろいろ承るところによると、どうも政府はあれに対して責任を持たないというような考え方を持つておられるようでありまして、はなはだ私はふに落ちないのであります。たとい警察法上におきまして、任命その他直接のつながりが政府になくても当然政府は最終の責任者という立場におきまして、責任はとれるものであります。しかもそれぞれ関係機関と適当に連絡することによつて、治安の維持は行われるのだろうと思いますが、この点に関しまして、政府は法文において、いわゆる任命制のごときつながりを持たないから、責任が負えないのだというようなお考え方があれば、たいへんな間違いだろうと思うのでありますが、この点に関する大臣の御意見を伺いたい。
#18
○木村国務大臣 メーデーの話が出ましたが、メーデーのときにおきましても、われわれといたしまては、あの際に総理大臣が一種の指示権を行使できるような立場であれば、もう少し事を十分に運び得たであろうとわれわれは考えておるのであります。あの場合に警視総監に対して任命権を有し、それと同時に指示権を持つておれば、十分なる警察の活動はやれたものと私は考えておるのであります。いかんせんあの場合については総理大臣は何らの指示権もなく、また一面においてその警察力を行使すべき総監に対して、何らの任免権を持つていないというところに、一つの大きな欠陷があつたのじやなかろうか、こう考えておるのであります。
#19
○床次委員 ただいまのお言葉によりまして、私どもはなはだ意外に思うのでありますが、政府は最終の責任というものを政治において持つておる。この政治的責任を果すためには、現在の法のもとにおきましても遺憾ない措置がとれるのではないか、連絡、情報の交換あるいは意見の交換等は自由でありますので、正式に指示権がなくても行えるものがあるのではないか。政府の考えておられるところと、他の機関が考えておるところと、意見の一致が見られなかつた場合におきましても、判断を誤つた機関が責任をとるのは当然だろうと思うのでありますが、過般の情勢におきまして、大体政府その他関係各警察におきましては、判断の一致を見ておつたように伺つておるのであります。そうなれば特に事新しく指示権あるいは任命権という問題も必要ないと思うのでありますが、この点も、政府は規定にないと責任を負えない、規定にあれば初めて責任を持てるという考え方は、これはいわゆる形式的な責任論でありまして政治的な責任というものは考えておられない思想だと思うのでありますが、これではほんとうの責任ではない。やはり政治責任をあわせまして行政責任というものが、ほんとうに全うし得るのではないかと思うのでありますがこの点は大臣の御意見をもう一回お伺いしたい。
#20
○木村国務大臣 われわれといたしましては、実質上においてもまた形式上においても、政府は政治責任をとり得る建前をとりたいのであります。申すまでもなく、いろいろの面において、連絡調整をうまくとつて行けば、形式的においてはさような指示権を与えなくてもいいんじやないか、あるいは任免権を総理大臣が持たなくてもいいんじやないかという御議論も出ますが、これは実質的の面についてのことでありまして、実質と形式がうまく一致いたすところに、政治の運用がうまく行くとわれわれは考えておるのであります。形式的におきましても、政府が責任をとり得るような態勢を整えなければ、実際の面においても不都合を生ずる場合が往々あると、われわれは考えております。
#21
○床次委員 政府が十分な責任をとり得ないという場合、すなわち現在の責任担当機関が不十分だということを裏書きしておられるのではないか。これは結局現在の公安委員会あるいはその他の機関における不備があるという点にもお考えがあるわけだと思つております。これが單に政府との連絡によつて補い得るものであるかということは疑問でありまして、やはり公安委員会その他における本質的な欠陷というものを、お考えになつておるんじやないかというように受取るのでありますがその点はさよう考えてよろしゆうございますか。
#22
○木村国務大臣 現在の公安委員に対しまて、別段われわれはどうのこうの申すのではありませんが、公安委員会に対して指示権を持ちますると、その間の関係が、いざという場合に十分なる連絡がとれまして、警察の機能は十分に発揮し得るものと、われわれは考えておるのであります。
#23
○床次委員 警察の行使が国家の権力の行使という形にならない、でき得る限り民主警察を維持するという意味におきまして、総現大臣の指示権はむしろできる限り限られた方がいいと思うのであります。先ほども高度の社会秩序の維持の乱れました場合におきまして第六十二條を発動するというお話でおりましたが、しからばこれをもう少し具体的に示されることが、国民に対して警察国家の観念を与えずに済むと思うのであります。この点に関しましては、かように制限的と申しますか、指示権の発動せられる場合を明瞭ならしめておく方が警察運営のためによろしい、民主警察を維持する建前上よいのではないかと思うのでありますが、具体的に表わすことに対していかような御所見を持つておられますか、伺いたいと思います。
#24
○木村国務大臣 われわれの考えといたしましては、そのときの情勢によつて種々かわつて来るのでありますから特に必要ありと認めた場合ということでしぼつて行けばさしつかえない、こう考えております。情勢が変化いたすのであるから、それをまつ正面に、各場合を想定して規定するよりも、伸縮自在の規定を設ける方がきわめて適切妥当だと考えておるのであります。
#25
○床次委員 権力を行使される方の立場から申しますと、伸縮、弾力性のある方が便利かと思うのでありますが、でき得る限り民主的な警察を維持するという建前を考えますと、かかる非常的なものはなるべく限られておる方がよろしいと思うのであります。しかし本来の治安維持、国家の重大時期にあたりまして、十分な治安管理ができないということがあつたのでは困るからある程度まで指示を行使しようということも一応わかるのでありますから、その点はもう少し具体的な例をお考えをいただいたらどうか。大体政府当局はどういう場合に発動されるか。先ほど非常に抽象的なお言葉がありましたが、もう少しこれを具体的に御説明をいただきますれば、けつこうだと思います。高度の社会秩序の乱れた場合というもの、またこれに対処することを必要とする事件というのはどういうようなものを考えておられますか。これは係官の方でよいのですが、ひとつ具体的な例を御説明願いたいと思います。
#26
○谷口政府委員 便宜 私からお答え申し上げます。六十一條の二によります内閣総理大臣の指示は、法文の文句といたしにしては、特に必要があると認めたときは、公安維持上必要な事項について指示をすることができる、かように規定いたしておりますが、その運用の真意につきましては、先ほど来法務総裁からお答えになりました通りであります。すなわち国全体の治安に関係するがごとき場合に、この指示を活用する考え方でありまして、いかなる場合にもこの指示を用いるというような広い考え方は持つていないわけであります。ただ治安維持上の必要な事項についての指示でありまするがゆえに、場合によりまして、事後的な問題について個々に指示をするという場合も出て参りますし、あるいは事前にある程度先を見越しながら、ある具体的な治安目標に対して、全国的な指示をするような場合も予定しておりますので、法文の体裁といたしましては、さような文字になつて現われたわけであります。その精神から申しまして、総理大臣の指示を必要とする場合といたしまして、ただいま一応の予定を立てておりますものは、大体次のようなものであります。すなわち大規模の災害が発生いたしまして、そのために当該地方の民心に不安のある場合、たとえば過去の例をもつて申し上げますならば、福井の震災でありますとか、あるいは鳥取の火災でありますとか、あるいはキテイ台風でありますとかいうような大規模の災害が発生いたしましで、そのために当該地方の民心に相当不安があるような場合には、総理大臣の指示がなされ得るものと考えているのであります。
 第二の場合は、一地方以上の靜穏を害するおそれがある騒乱が生じ、または生ずべき危険のある場合、たとえば過去の事例を申し上げますならば、五・一におきまする皇居前事件でありますとか、あるいはさらにさかのぼつて福島県の平事件でありますとかいう一地方以上の靜穏を害するおそれのある擾乱が生じたり、または生ずべき危險のある場合に、この指示が運用されるものであろうと考えておるのであります。
 第三の場合は、国家的な重大事案または国内全般に関係または影響がある治安上重大なる事案にかかる場合に、この指示がなされ得るものと考えておるのであります。国家的重大事案とはいろいろございましようが、たとえば外国との関係において、大きな国家的重大事案が起るようなことも想定されると思います。それから国内全般に関係のある事件と申しますれば、たとえば現在行われておりまする重要な全国的に関係のある刑事事案についての捜査というようなものが考え得ると思います。また国内全般に影響のある事案とは、過去の事例等で申し上げますれば、下山事件あるいは白鳥事件というようなものは、全般に関係は持ちませんが、大きく影響があるものと考えておるのであります。
 以上のような場合に、この指示が予定せられるのでありまして、従いまして、包括的に最後に締めくくりを申し上げますならば、非常に局限された全国的な影響のある問題について、しかも運営管理に関連した事項について指示がなされ得る、かように理解をいたしておるような次第でございます。
#27
○河原委員長代理 藤田義光君。
#28
○藤田委員 木村法務総裁は法務総裁になられます前に、吉田総理のスタツフとして法令を長らく研究されておりましたが、現在警察が二本化されて、これは能率上非常にまずい、何とか自治警と国警と一本化することによつて、法務総裁の政令諮問委員当時の意見を一貫させるというようなお気持がありますか、どうですか、この際お伺いいたしたいと思います。
#29
○木村国務大臣 今藤田委員のお言葉でありましたが、この政令諮問委員会の一委員をやつておりましたそのときに、やはり国家公安委員を現在でもやつておられます人から、いろいろ意見が出たのであります。委員会の結論といたしましては、これは国家公安委員会ばかりでなく、この委員会制度というものを再検討する必要があるじやないか。これはアメリカでは従来からあるのでありまして、アメリカの例にならつてこの委員会というものを多く設けられたのでありますが、アメリカにおいても今は多少批判的になつておる。従つてこの委員会制度というものを、もう一応検討する必要があるのじやないかというふうな議論が出たのは事実であります。そこでこの警察の問題についてでありますが、この警察の運営においても、委員会制度というものは、一体どうであろうかという議論が出まして、いろいろ実情も調査した結果、一応委員会制度というものは、廃止すべきだという意見が出たのであります。しかし私が当局としてさらに検討いたしますと、とにかく一応民主的になつたかような警察制度を、今ただちにこれを一つにまとめるということは、あまりに権力集中の弊に陷るおそれがあるのじやないか、やはりこの民主国家の建前だけは維持して行つて、そしてその下に警察運営を高度に発揮させるという仕組みをひとつ考えたらどうかということから出発いたしまて、いろいろ検討の結果、とりあえず今提案して御審議を願つておりますような警察法の一部改正ということになつたのであります。
#30
○藤田委員 二十三の行政委員会を廃止するという方向でやつたようでありますが、私はこの警察の問題を取上げる際に一番論議されるのは、能率とイデオロギーをどういうふうに調整するかということが、非常に問題だろうと思います。しかし現在の国家警察と自治警察を一本化しましても、イデオロギー的に何ら支障ない方法もあるのじやないかと思いますが、この点に関しましてたとえば国家警察一本にあらずして自治警察一本という方法もあるだろうと思いますが、この点に関しましてはどういうお考えでございますか。
#31
○木村国務大臣 ただいまの私の考え方といたしましては、やはり国家警察と自治体警察とを併置いたしまして、その間の連絡調整をうまくとつて行くことによつて、警察の運営というものはまかない得るのじやないか、こう考えておるのであります。
#32
○藤田委員 国家公安委員制度を非常に尊重される御答弁がありましたが、現在の国家公安委員の最大の権限は行政管理である。行政管理の中心は予算と人事と組織である。これはもう常識でございますが、そのうちの最も重要な人事権が、今回実質上剥奪される。そうなりますと、公安委員というものの存立価値は半減する。むしろ人事を奪われた公安委員というものは、存立の意義をなさぬわけであります。この点に関しまして、私は今回の改正というものはどうも隔靴掻痒の感がある。思い切つてどちらかにはつきりさせたらよかつたのじやないか。この点はどういうお考えでありますか。
#33
○木村国務大臣 今蔵田委員の仰せになりましたことは、有力なる御議論だと考えております。しかし国家公安委員におきましても、人事権以外において他の行政管理の面を十分持つておるのであります。いわんやこの指示権を行使する場合におきましても、まず国家公安委員の意見を徴して、要するに国家公安委員を尊重いたしまして、その多分の経験と抱負を生かしたい、こう考えておるのであります。
#34
○藤田委員 今回の改正によるいわゆる任命と指示によりまして、警察の最も重要なチエツク・アンド・バランスという点に関しまして野放図になつた。総理大臣がほとんど生殺与奪の権を握つてしまつたというような見方も出て来るわけです。それで政党政治の今日におきまして、公正ならさる総理大臣の任命、指示に関しまして、何らここにチエツクする方法なり機関がありません木村さんのごとき人格高潔なる方がその衝に当つておられる間は大丈夫でしようが、もし万一党利党略でこういう指示あるいは任命というようなものを発動するようになりますと、非常に危険な結果を招来するのじやないかというふうに考えておりますが、この点はどういう方法によつて、その危惧を一掃される所存でございますか、お伺いしたいと思います。
#35
○木村国務大臣 その点につきましては、私はこう考えております。従来警察権の濫用と申しましようか、弊害のあつた点は、主として行政警察にあつたのじやないかと思います。今度の指示権は、まつたく行政警察にはタツチいたしていないのでありまして、国家の治安維持上最も必要な場合を想定いたしまして、さような場合に対処すべくこの指示権を与えておるのでありますので、その点の御心配はなかろうかと考えております。いわんや国会において十分監視をされるわけでありますから、御懸念の点はないと考えております。
#36
○藤田委員 総裁は政党的に無所属でありますから、そういう御答弁も出ると思いますが、実は現に今回の改正をめぐりまして、国家警察の末端におきましては、政府の最高責任者が人事権を握る。それで与党代議士の来るべき総選挙には、なるべく有利な法の運営をやろうというようなことを、公然と発表しておるような不謹愼な者もございます。これはよほど注意しないと、昔の政党政治の弊害を再現するという危険があると思います。ましてや、きのうも佐藤さんが御答弁になつておりましたが、警察法の第四條の「総理大臣の所轄の下に、」という言葉を使いまして、所轄とは所管である。総理大臣が所管して国家公安委員会が存在しておるとすれば、この規定の所轄をうまく運用すれば、指示とかあるいは任命というような誤解を起しやすい改正をやらぬでも済んだのじやないか。この所管、所轄の範囲、あるいはこの文字を使われました根拠、こういうものをもう一回お聞きしておきたいと思います。
#37
○佐藤(達)政府委員 私から一応お答え申し上げます。昨日申しましたように、所轄という意味は指揮権を含んでおらないということから、ただいまのお話は、おそらくむしろその公安委員会に対して総理が指示権を持つというような形にしたらどうかという御趣旨のように拜聽したのであります。これはきのうも申し上げました通り、この関係を解決する方法としてはいろいろな考え方がありまして、そういう方法も考えられます。ただこの案では、国警長官の任免権を総理大臣が持つのでありますけれども、その国警長官が仕事をやつて行くについては、だれの指揮を受けてやつて行くかと申しますとこれは公安委員会の指揮を受けて仕事をやるわけです。仕事の実行につきましては、総理大臣の指揮は受けないわけです。そこで今のお話しに出ましたように、かりにそれでは公安委員会の方へ総理大臣が指示を加えるということになりますと、今度は職務の執行のはしはしにまでも、総理大臣の意図というものが公安委員会を通じまして入つて来るという面が、一応出て来る。比べてみてどつちがいいだろうという問題になるだろうと思います。私どもとしては、むしろ仕事の一々の指図は公安委員会にお願いするという方で行つた方が、まだ無難ではあるまいかということで、きのうそれをもつて足るというような言葉を使いましたのは実はそういう趣旨で申し上げておつたのであります。
#38
○藤田委員 実は今度の一部改正の提案理由の説明の中で、国内治安については、政府が最終責任者であるから、それに伴う改正をやつたということを言われております。この論法から行きますと、すべての行政責任は政府が全部背負つているわけでございます。そういう論法から行きますと、ほかの幾多の法律を改正しなくてはならぬという結果になると思います。佐藤さんのただいまの御答弁は一応了承いたしまするが、私は国内治安の最高責任は、政府が背負うということは、警察法の第四條のいわゆる所轄という表現によつて、全部盡されておると思います。これ以上何も、せつかく民主警察をつくりまして、非常な退歩であるという国民の声を聞きながら、こういう無理な改正をする必要はないのじやないか。ましてや民主的権威の組織を確立するという警察法の前書きの精神が、無視されたのではないかとすら言われておりますが、私たちはこの点に関しましては将来相当大きな問題を生ずるのではないかということをおそれておるのでございます。この際お伺いいたしたいことは、今回の国会で審議されております保安庁法案と警察法の改正法案を見ましても何ら両者の連絡調整といいますか、こういうことに関する規定がございません。従来ポツダムの政令時代の警察予備隊令第一條には、国警と自治警を補充するために警察予備隊を置くという規定がございましたガ、今回はこういう規定は全然ございません。現実には非常事態は国家非常事態よりも範囲が広いという、きのうの門司委員の質問に対する御答弁でございました。両者が重複して出動いたしました場合に、いかにして両者の調整をやるかということは、非常に問題じやないかと思います。アメリカの駐留軍と保安隊の調整に関しましても、おそらく今後合同委員会で、非常に問題になると思いますが、かんじんの国内治安の両主力に対する連絡調整の規定を欠いておりますが、これはどういう関係でございますか。この際お伺いしておきたいと思います。
#39
○木村国務大臣 保安隊が出動した場合と、警察が出動した場合のその連絡調整、これはその任に当る者が実際において十分な話合いの上でつけて行かれることと、われわれは考えておるのであります。別に駐留軍のような合同委員会というようなものをつくらなくても十分な連絡はできるかと考えております。いわんや保安庁法注六十七條にその間の規定があるのでありますから十分に連絡調整はとり得るものと存じます。
#40
○藤田委員 その都度両者の話合いによつてというような御答弁でございましたが、実は過般のメーデー事件等にかんがみまて、なかなか国警と自治警の連絡調整がうまく行かぬから、今回の改正をしたのだという御答弁になつております。その御答弁から見ますると、当然近い将来に、また警察法あるいは保安庁法の改正ということを前提とされている御答弁と解釈してよろしゆうございますかどうか。
#41
○木村国務大臣 警察法の根本的の問題につきましては、ただいま成果を何も得ていないのであります。いろいろの観点から検討いたしまして、今後どうあるべきかということについての具体的の対案は、いずれ立てたいとは考えております。しかしどこまでも民主的に警察は運営されなければならぬ。従いまして私は現在の建前をくずさない程度において、いかにあるべきかということについて検討を加えたい。こう考えております。
#42
○藤田委員 現在警察権を持つておるものが、国警、自治警あるいは予備隊関係を除きまして、九万五千おるということは、私しばしば申し述べたところでございます。これらの警察権を持てる官吏、たとえば厚生省所管の麻薬取締官、こういうものを今後整理する方針がございますかどうですか。国警自治警というものの連絡調整を強化いたしまして、こういうものはなるべく縮小して行くという方向であるべきでございますが、この点に関する法務総裁の御所見を伺つておきたいと思います。
#43
○木村国務大臣 ただいまの藤田委員の御意見、ごもつともと考えております。その点については十分検討を加えたいと考えております。
#44
○藤田委員 国警と自治警との連絡調整を完成するための一本化の問題ははつきりした御答弁はございませんが先般の予算分科会の際の私の質問に対しましで、法務総裁は首都警察というものは十分研究するということを言われております。私は今回の改正、任命の問題の一つの重点であります警視総監の問題に関連いたしまして、むしろこの際東京の治安の特殊性にかんがみまして、何とか早く首都警察を一挙につくつてしまつたつ方がよいのではないか。これはイデオロギーの問題も何ら支障がないと思います。この点についてひとつ卒直な御答弁をお聞きしておきたい。
#45
○木村国務大臣 私しばしば申し上げましたように、東京都というものは文化の中心であり、経済の中心であり、政治の中心である。ことに今後は外国の使臣がたくさんここに駐在するのでありますから、これに対して国家が十分に警察力を行使できるような建前をとるという考え方は、私はきわめて妥当であると考えております。そこでまずこの法案におきまして、内閣総理大臣が指示権を持つようになりますと、その間の運営というものは、相当高度に発揮できるのではないかと思います。
#46
○藤田委員 任命の場合におきまして国家公安委員の意見を聞かなければならないという規定がございますが、国家公安委員が総理大臣の意見に賛成しなかつた場合は、どういう処置をされるつもりでありますか。
#47
○木村国務大臣 法規の建前といたしましては、意見が不一致でありますれば、むろん国家公安委員の反対ありといえども、総理大臣はこれは任命するということはできるのであります。しかし実際の運営の面におきましては、国家公安委員会と十分な話合いをつけて、円満に事を運ぶということが私は可能であろうと考えます。ことに国家公安委員は国会の承認を得まして、総理大臣が任命いたすのでありますからその間の調整において私は十分行けると考えております。
#48
○藤田委員 ただいまの御答弁は、警視総監の任命に関しても同様に解釈してよろしゆうございますか。
#49
○木村国務大臣 そうでございます。
#50
○藤田委員 そういたしますると、この任命の規定によりまして、まつたく生殺与奪の権を総理大臣が握つてしまうという結果になるわけでございまして、これは一片の死文、徒法になるわけでございますが、あえてこの規定を入れました理由は、民主警察の体裁を整えようというようなことでございますが、実際上意見を聞いて反対ならば、総理大臣の方針通りに押し切るということならば、むしろこの際こういう規定は削除した方がすつきりするのじやないかと思いますが、どういう理由であえてこういうむだな規定を挿入されましたか。その点はおそらくこの人事の問題に関しましては、ことごとに公安委員会と総理大臣の意見が衝突するのではないかということも予想されますから、もう一回お伺いしておきます。
#51
○木村国務大臣 私は逆に考えておるのであります。公安委員会の意見を徴して、十分その意見を尊重する建前をここではつきりさせておるのであります。総理大臣が思うがままにやるということと、国家公安委員会の意見を徴するということとは、相当感覚において差異があるのであります。いわんや私今申し上げましたように、国家公安委員会は内閣総理大臣が国会の承認を得て任命した人でありますから、その間の調整というものは、必ずやりつぱにとり得るものと、われわれは確信しておるのであります。
#52
○藤田委員 この指示は運営管理の問題でございます。任命は行政管理の問題である。この二つの管理を総理大臣が掌握してしまえば、私は委員会制度の妙味は全然ないと思います。従いまして木村さんが在野時代に提唱されました行政委員会の廃止、この際この政治的信念をそのまま貫かれた方がすつきりしたのじやないか、私は木村さんの性格を多少知つておりますから、この際歯に衣を着せずにこの点は御答弁願いたい。私たちは日本共産党八幹部の行方不明事件等だけでなかなかして、現在の警察の二分制の体制では、これはレーニンの革命方式たる、合力をもつて分力を破粹する、わかれた力を合せた力で破粹するという作戦にそのまま乗つてしまう。ですから方向としましては、民主警察の体裁をとりながら、一本化の方向に行くということを、この際大胆にひとつ表明されてけつこうじやないかと思いますが、その点どうですか。
#53
○木村国務大臣 私前に申し上げましたように、やはりせつかく民主的の警察制度が確立されたのでありますからその建前は十分これを保持いたしまして、そのもとにおいて十分に警察の機能を発揮できるようにすることが、一番妥当な方法じやないか、こう考えております。そうして総理大臣が国家公安委員会の意見を徴しまして、特に必要ありと認めたときには、公安上必要な事項について指示ができる。この指示権を円満に行使することにおいて、十分なる機能は発揮し得るものと考えております。
#54
○藤田委員 私たちは実際占領中に、総司令部のケーデイスとか、あるいはプリアンとか、日本の軍人としても大体中流以下の軍人のアドウアイスで立案いたしました警察法、これは全然国情に沿わぬ点がたくさんございます。ましてや国家警察をナシヨナル・ルーラル・ポリスというように表現いたしておりますが、ナシヨナルということがあるために、非常な誤解を生んでおります。実際はいなか警察である、こういう点からしまして、いなか警察というものは自治警察に一本化して、警察の能率を上げる、そういうことが民主政治を発展させる治安維持という重要な問題を解決する、一番強い道じやないかというように考えております。私たちの警察法に対する気持を発表しないで、誘導尋問をしておるのじやないかという気持があるかもしれませんが、実際私たちは警察の能率化、しかもイデオロギーを尊重しながら、一本化することが非常に焦眉の急ではないかというふうに考えておりますが、大臣は公安委員会制度に非常な執着を持つておられます。執着を持ちながら、今度の改正においては骨抜きな制度にされておる、こういう点がはつきりしないのでございますが、先ほど床次委員の質問に対しまして、公安委員会の中にも廃止論者がある、「今ただちに」――という非常に滋味掬すべき御答弁がありましたが、今ただちに廃止する気持はないということを言われました。この「今ただちに」ということは当分の間というふうに、私は解釈いたしております。将来は、公安委員の中にもある公安委員会の廃止に関しまして、相当具体性があるというふうに解釈してよろしゆうございますか、どうですか。
#55
○木村国務大臣 将来のことは予測できないのでありますから、私はそういう意見を持つておる者が公安委員会中にもあるということを申し上げまして、それは十分な検討を加えるべきだ、こう考えております。なお今藤田君が仰せになりました自治体警察一本にしたらどうかという御意見でありまするが、私は最近の情勢を見ますと、市町村の自治体警察を廃止して、国家警察に編入する傾向がずいぶんあるのであります。それからもう一つは、いかにも日本の市町村の財政が窮迫しておるのでありまして、実際において自治体警察を維持して行くことが、将来可能であるかどうかということも十分考慮しなくてはいけない、こう考えております。なかなかこの警察制度ということはむずかしいのでありまして、御説のように現在の警察法というものは実に難解で、われわれにもふに落ちないようなところが幾多あるのでありますが、私は来るべき時期において十分に再検討をする必要があるのではないかと考えております。
#56
○河原委員長代理 ちよつとこの際申し上げます。木村法務総裁は、一時にどうしても行かれなければならない御用事がございまして、それまでに晝食をせられるということでありますので一旦休憩いたします。
    午後零時五十六分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は開会に至らなかつた〕
ソース: 国立国会図書館
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