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2021/04/16 第204回国会 衆議院 第204回国会 衆議院 財務金融委員会 第11号 令和3年4月16日
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2021/04/16 第204回国会 衆議院

第204回国会 衆議院 財務金融委員会 第11号 令和3年4月16日

#1
令和三年四月十六日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 越智 隆雄君
   理事 井林 辰憲君 理事 うえの賢一郎君
   理事 神田 憲次君 理事 鈴木 馨祐君
   理事 藤丸  敏君 理事 末松 義規君
   理事 日吉 雄太君 理事 太田 昌孝君
      穴見 陽一君    井野 俊郎君
      井上 貴博君    今枝宗一郎君
      鬼木  誠君    加藤 鮎子君
      門山 宏哲君    城内  実君
      小泉 龍司君    津島  淳君
      中山 展宏君    古川 禎久君
      本田 太郎君    宮澤 博行君
      山田 賢司君    山田 美樹君
      海江田万里君    櫻井  周君
      階   猛君    野田 佳彦君
      長谷川嘉一君    福田 昭夫君
      古本伸一郎君    清水 忠史君
      青山 雅幸君    前原 誠司君
      田野瀬太道君
    …………………………………
   財務大臣
   国務大臣
   (金融担当)       麻生 太郎君
   内閣府副大臣       赤澤 亮正君
   内閣府副大臣       藤井比早之君
   財務副大臣        伊藤  渉君
   厚生労働副大臣     三原じゅん子君
   経済産業副大臣      長坂 康正君
   政府参考人
   (公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長)   田辺  治君
   政府参考人
   (金融庁企画市場局長)  古澤 知之君
   政府参考人
   (金融庁監督局長)    栗田 照久君
   政府参考人
   (財務省主計局次長)   角田  隆君
   政府参考人
   (財務省主税局長)    住澤  整君
   政府参考人
   (財務省国際局長)    神田 眞人君
   政府参考人
   (国税庁次長)      鑓水  洋君
   参考人
   (日本銀行総裁)     黒田 東彦君
   財務金融委員会専門員   鈴木 祥一君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十六日
 辞任         補欠選任
  櫻井  周君     福田 昭夫君
同日
 辞任         補欠選任
  福田 昭夫君     櫻井  周君
    ―――――――――――――
四月二日
 国の持続化給付金等や地方自治体の給付金・支援金等に対して課税されない仕組みの構築に関する請願(清水忠史君紹介)(第五一七号)
 消費税ゼロ%へ向けた大幅減税に関する請願(志位和夫君紹介)(第五一八号)
 商品・サービスの総額表示義務をなくし、価格表示を自由化する法改正に関する請願(末松義規君紹介)(第五一九号)
 同(辻元清美君紹介)(第五二〇号)
 同(尾辻かな子君紹介)(第五九一号)
同月八日
 消費税率五%への引下げに関する請願(清水忠史君紹介)(第七七七号)
 国の持続化給付金等や地方自治体の給付金・支援金等に対して課税されない仕組みの構築に関する請願(田村貴昭君紹介)(第八〇二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 財政及び金融に関する件
     ――――◇―――――

#2
○越智委員長 これより会議を開きます。
 この際、麻生財務大臣兼金融担当大臣から発言を求められておりますので、これを許します。麻生大臣。

#3
○麻生国務大臣 今般、本委員会関連の法律案におきまして、金融庁から提出させていただきました銀行法の一部を改正する法律案に三か所、同じく、財務省から提出し、先般成立をいただきました関税定率法等の一部を改正する法律案の参考資料である新旧対照表に二か所の誤りがあったことにつきまして、深くおわびを申し上げる次第であります。
 今回の事案を受け、今後このようなことがないよう、再発防止に向けてしっかりと指導いたしてまいります。
     ――――◇―――――

#4
○越智委員長 財政及び金融に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 両件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁黒田東彦君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長田辺治君、金融庁企画市場局長古澤知之君、監督局長栗田照久君、財務省主計局次長角田隆君、主税局長住澤整君、国際局長神田眞人君、国税庁次長鑓水洋君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#5
○越智委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――

#6
○越智委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。海江田万里君。

#7
○海江田委員 おはようございます。立憲民主・無所属の海江田万里です。
 今日は、麻生大臣、黒田日銀総裁を始め皆様方、早朝から当委員会で質疑、お疲れさまでございます。
 質問通告してございますが、ちょっと順番を入れ替えることをお許しいただきたいと思います。
 まず、麻生財務大臣に対してでありますが、四月の七日、夕方、夜にわたりましたけれども、G20の会合をリモートで行われたということでございます。会合後の会見、私も読ませていただきましたけれども、今年半ばまでの合意のコミットメントを示せたことは大きな成果である、そういう評価をされています。
 それでは、日本は、今年半ば、これは七月だろうと思いますけれども、ベネチアでのG20の会合に向けて一体どんな動きをしていくのかということをお尋ねしたいと思います。
 今回のこのG20の会合での合意に至る過程では、やはりアメリカの政権がトランプさんからバイデンさんに替わったということは、大変大きなインパクトと申しますか、そういう影響を与えたと思っておりますが、バイデン政権になりまして、法人税率も、御本人は二一%を二八%まで引き上げるという計画を出しておられるようです。
 ただ、実際に二八になるかどうかということは、もちろん共和党はこれに反対するでしょうし、それから民主党の中にも、一挙に二一から二八というのはちょっと高過ぎるんじゃないだろうか、もう一回、二五ぐらいで取りあえず止めておいた方がいいんじゃないだろうかというような声もあるようで、これはどうなるか分かりませんから。
 ちょうど今日は、菅大臣、アメリカでこれからバイデン大統領との首脳会談に臨むわけですが、本当は麻生財務大臣も御一緒して、そしてアメリカの財務当局と、あるいはFRBなどとしっかり、黒田総裁も本当は行けたら行って、そして十分やはり意思疎通をしておくことが必要かと思いますが、残念ながらそれはかなっておりませんが、いずれにしましても、七月の共同声明に向けて、これから日本とすればどんな努力をしていくのかということをお聞かせ願いたいと思います。

#8
○麻生国務大臣 いわゆる国際課税、BEPSと言われるベーシック・エロージョン、プロフィット・シフティング、税源侵食と財源移転と言われるような、通称BEPSという話は、これは長い話ですけれども、正式にG7の会合で取り上げましたのは、二〇一三年、今から八年前にイギリスのバッキンガムシャーで開かれた会合で、日本が最初にこの話を中央銀行総裁会議で持ち上げて、黒田総裁が初めての会合だったんですけれども、ここに出て、そのときにこれを取り上げさせていただきましたが、ほとんど無視でしたな。
 ドイツが唯一乗った以外、ほとんど全く反応なしという状況から、少しずつ始めて、日本はOECDの国際課税委員会、租税委員会に、選挙で我々は委員長を選出させて、八年かけてここまで持ってきたんだと思っておりますが、状況が少しずつ少しずつ、GAFAを始めいろいろなものがありまして、大きく事が動き始めつつある。余りにもそこに金が集中して、税金はほとんど払っておらぬとかいろいろな話が出始めて、加えて、これを捕捉するに当たって、デジタルという技術の進歩によって、いろいろ捕捉しやすくなった。
 それによって、いわゆる二つ大きく出てきたと思いますけれども、一つは、消費者がいる市場において物理的な拠点、いわゆる倉庫とかいうのを置かずにビジネスが勝手に、アマゾン、ばっと持ってきてそのまま配達しちゃうというような形で、そういったことができる多国籍企業に対して、市場、マーケットを提供している、すなわち日本なら日本、どこならどこと、そういうところにおいても、そこにある市場国が適切に課税ができるようにするという案が一つ。
 二つは、税金を軽くしているところ、法人税、ケイマン諸島とかアイルランドとか等々、一二%とかそういったようなところを利用した租税回避という行為を防止させるという意味で、全部同じにしようというような、競争条件の確保という観点からというような話で。
 いろいろ、企業間の公平な競争をさせないとおかしいというような点からの、やり方はいろいろあったんですけれども、アメリカは第一の方、ヨーロッパの方は第二の方というので、少しずつ少しずつ間に立って詰めさせていただいて、今、海江田先生お話しの過日のG20で、イエレン新財務長官の方から、アメリカも譲って、ヨーロッパからも少し譲って、双方で大体折り合うというところまであと一歩というところなんだと思いますが、それを過日再確認をさせていただいたというところまで来ていますけれども。
 海江田先生、この種の話は世界でせえのでやらないかぬ話なので、そういうことをやりませんと、一か国抜けたところでばっといくようなことになられても具合が悪いので。私どもとしては、これを最後まで、きちんとでき上がるまで、サインした後それを実行するかしないかはまたいろいろ出てくるところもありますので、更に根気よくみんなに必要性を述べていきたいと思っておりますけれども、これによって税収が増えるはずですから、そういった意味では、きちんとした対応を最後までさせていただきたいと思っております。

#9
○海江田委員 今、G20の共同声明の中の二つ、最低法人税率の話とそれから国際課税の話、主に大臣からは国際課税の話について、二〇一三年のときからの、本当に、日本政府の主張というものを御紹介いただいたわけですが、私は、これは実はその後でやろうと思って、順番は、先に、実は法人税の最低課税の方をちょっと話をお聞きしたかったわけでございますが。
 日本の法人税というのは、八〇年代、九〇年代、ずっと下げてきまして、そして、税率だけでいうと二三・二%というところまで下がってきたということでありますね。アメリカは、先ほどもお話をしましたけれども、二一%まで下がって、それを二八に上げようという動きがありますから。
 もちろん、国際的なルールの中で、最低課税というのは、これは例えば日本の二三・二より低くなるということはないと思うんですね、もっと低い国がほかにありますから、それから、特にタックスヘイブンなんかは非常に低い税率になっておりますから。
 だから、当然、最低法人税率の引下げというのには、日本も賛成である、今お話のあった国際課税の観点からも賛成であると思いますが、その場合、やはり日本が、今二三・二にしておるのを少しこれから上げていくのかとか、当然、七月に向けて日本が積極的な役割を果たしていただきたいわけですが、それが日本の国内の法人税の体系に与える影響というんですかね、これはどういうふうにお考えになっておりますか。恐らく来年の税制改正の中で検討されることになろうかと思いますが。

#10
○麻生国務大臣 法人税率というものにつきましては、これは今御指摘のありましたように、イギリスにおいては、幾つでしたかね、あれは三五から二一まで引き下げて、その後、オズボーンが言ってきたような一八まで下げたのがイギリス。アメリカも、二八から、トランプのときに二一まで下げたんだと記憶しています。
 あの頃、我々としては、いつまで法人税の下げ競争をやるんだ、これをやって国にいいことがあるのかといって随分いろいろ言ったんですけれども、みんな、ケイマン諸島やら何やらに、一八で持っていかれちゃう、アイルランドに十幾つで持っていかれるという話をいろいろしていましたけれども。
 そういったような話から、今、最高税率を、イギリスも一九から二五に上げるのかな、なんかという話をしておりますが、私ども、今後の法人税の在り方というのは、これはどこら辺で落ち着いてくるかちょっとよく見極めないかぬところだと思っていますので、アメリカとイギリスがほぼ並ぶぐらいになるのか、相変わらず差を何%かつけるのか、ちょっとよく分かりませんけれども。
 こういったものは、注意しておかないと、累進課税とかいう話を、これも誰かが、ヨーロッパはしていましたけれども、これは個人と違うので、累進なんかしたらすぐ分離、会社を分離して別々の会社にされたりなんかするので、会社分割を行う可能性がありますよというような話をさせていただいたりしておりますので、単一税率というのできちんとやって、累進税率の適用には課題があると思っておるんです。
 今、いろいろまとまるということになってきましたので、最後の詰めのところでいろいろ意見が出てくると思いますので、それらをよく見極めた上で私どもとしても対応させていただければと思っております。

#11
○海江田委員 今、累進税率のお話もいただきましたが、これも質問通告に出してあるわけですが、順番が、後の方でちょっと話をしようと思っておりまして、質問通告も、出していいときと、やはりいろいろ準備されるので、そのことを先に言われてしまうと議論が成り立たないので。本当のことを言いまして、なかなかこれは難しいんですよね。累進税率のお考えももう分かりました。
 それで、私が申し上げたいのは、先ほどもお話をしましたけれども、アメリカが二一から二八ということになると、日本が低くなりますね。もちろん、法人の実効税率、財務省は法人実効税率と言うのだそうですけれども、これは二九・七四%ということですし、それから、税収の対GDP比というのも、アメリカは本当に低くなりましたね、二%ぐらいあったものがもう一%ぎりぎりで、OECDは大体三%ぐらいですか、日本が大体三%の上の四%ぐらいかな。
 こういう標準にあるわけでございますが、やはり税率だけを見たのではいけなくて、特に、OECDは法人税率を一生懸命下げてきましたけれども、下げると同時に、課税ベースの拡大というものをやってきたわけですね。法人税率を下げても、課税ベースを拡大することによって、税収そのものはそんなに動かないようにしてきたわけでありますが、やはり課税ベースの拡大ということをこれからどういうふうに考えればいいのか。
 私は、財務省のこの間の動きを見ていますと、特に課税ベースを拡大するということになりますと、租税特別措置の問題だとか、それから、この間やはり議論になってきました欠損金の繰越控除の見直しでありますとか、こういうものを平成二十七年とか二十八年はかなり力を入れて課税ベースを拡大したわけですけれども、その課税ベースの拡大の動きがちょっとここのところへ来て止まっているのではないだろうかというふうに思ったりもしておりますので、税率の問題と課税ベースの拡大の問題をどういうふうにお考えになるのか、お教えいただきたいと思います。

#12
○麻生国務大臣 これまで、今、海江田先生御指摘のありましたように、平成二十七年、八年で、税制改正による成長志向の法人税改革ということにおきまして、いわゆる租特の、租税特別措置の縮減とか廃止等々、課税ベースというものを拡大させていただく一方、財源をしっかり確保しながら法人税率を引き下げて、他国と、みんな法人税の下げ競争というものに耐えられるようにしませんと、日本にあります本社から海外に移っていくというものも出かねぬという状態だったので、両方で、課税の額を確保しながら法人税を下げてというものを、いろいろなことをやらせていただいたところです。
 今後も、法人税の在り方につきましては、先ほども申し上げましたとおり、これは国際情勢とか、また社会情勢等々を踏まえまして、国際的な動向というのをちょっと検討しませんと、BEPSがまとまるということになって、アメリカも法人税を戻すというような話をいきなり始めて、まだ国会もかける前に、二百七十五兆円という法人税上げを十五年間でやりますと一方的にアナウンスしていますけれども、おまえ、上院も下院も何もかける前に、二百七十五兆なんてよく言えるねと思いながら、関心して聞いていましたけれども。
 いずれにしても、どういったような形になってくるか、よくそういったところを見極めた上でやらせていただかなければならぬと思っております。

#13
○海江田委員 私が申し上げたいことは、やはり日本は、この間法人税率を下げてきた、そして課税ベースも、いろいろな努力はしてきたけれども、やはりその時々の需要がありますから、結果的に課税ベースが余り拡大されなかったことによって、法人税の税収がぐっと落ちてきてしまっているわけですよね。
 今、こういうコロナの問題もあります、まだまだこれはしばらく続く可能性もあります。やはりそのときに、私どもは決して、緊縮財政で例えば支援金などを出し渋っちゃいけませんよという立場なんです、やるときはやはり出さなきゃいけない。特にコロナで被害を受けている事業者、あるいは個人もそうですけれども、本当に必要な人たちにそういう財政が出動して、それなりの手当てをしなければいけないという考え方なんですけれども。
 そのときに、やはりこの法人税の税収の落ち込みというのが非常に日本にとっては大きな問題である。配りっ放しでいいという話ではありませんから、だから、どうやってこの法人税収を一定の規模に保っていくのか。あるいは、私なんかに言わせれば下がり過ぎましたから、これをある程度やはり戻していかなければいけない。
 先ほど麻生大臣がおっしゃったアメリカのバイデンさん、二百七十五兆円ですか、確かにこれは、ちょっと本当にそれができるのかいなという思いもありますけれども、そういう目標の数値なんかは言う必要はないかと思いますが、やはり法人税収をある程度、これまでずっと下がってきてしまった法人税収をある程度増やしていく方法としてどんなことがあるかということを考えなければいけないというのが私の思いでありますから、この私の考え方に対してどう大臣はお考えになるかということだけ、一言お願いしたいと思います。

#14
○麻生国務大臣 先ほども申し上げましたように、国際的な比較をよくしながらやっていかないかぬところだとは思いますけれども、基本的には海江田先生のおっしゃっていることだと思います。

#15
○海江田委員 そこで、いろいろなことを考える上で、先ほどちょっと先走ってお答えいただいた法人税の税率の累進構造というのもどうなんですかということで、その流れの中で出てくるわけでございますが、ただ、この法人税の累進性の問題は、先ほど大臣がおっしゃったような懸念もあります。ただ、過去、これはアメリカだってやってきたわけで、日本ももちろんでありますけれども、過去にやってきた例もある。
 それからもう一つ、やはり新たな問題としましては、コロナで経済が傷んでいます。ただ、いろいろな統計を見ますと、少しずつ明るい見通しも出てきていますが、やはり二極化しているわけですよね、これは、はっきり言って。本当に収益を更に上げているところと、そうじゃなくて本当に落ち込んでいるところと二極化していますから、この収益を、二極化して大変、空前の収益を上げたところに対してどうやってそこから税金をいただいていくかということを考えたときに、累進課税というのも新たな視点を持って出てくるわけでありますから。
 そういうこともやはり一つの検討課題として、どうやって法人税の税収を増やしていくかというときに、税率をストレートに上げるという考え方と、課税ベースをできるだけ広げていくという考え方と、それからもう一つは、やはりそういう累進構造を入れるというような考え方もあろうかと思いますので、その点で累進構造の話をしたわけでございますから、もう一度、累進構造について、累進税率についてお考えをお聞かせいただけますと幸いです。

#16
○麻生国務大臣 累進性の話を先ほどちょっといたしましたけれども、会社というものは、自分でやっていたからあれですけれども、大きくなっていきますといろいろ、いろいろな会社を、当時、MアンドAなんという言葉はない時代でしたけれども、そういったものを売ったり買ったり分離したりなんかするというのは、いろいろな形で、効率を上げるためもあるでしょうし、税金を、そういった形にしますと節税できる方法もあるということで。
 企業の規模とか形態とかいうものに対して法人税というのは中立でやらないかぬなという感じが、特に財務省の立場としてはあるんですけれども、今言われましたように、これはいろいろな状況が、世界中、いろいろなことを考えてくると思いますので、特にコロナがとは思いませんけれども、不景気になったり、また、一部の企業の中でも、今回のコロナになったおかげでえらく収益が伸びたところ、がたっと逆に減ったところ、いろいろ差がつきますので、そういったものをどうやって調整していくか。
 これはいろいろなことを考えないかぬと思いますので、いろいろな課題を抱えながらも、どういった形で税収を上げるかということについて、いろいろ検討をさせていただかねばならぬところだと思っております。

#17
○海江田委員 これでやっとやり取りがかみ合ったというふうに思います。
 まだ麻生大臣にいろいろお尋ねしたいこともございますが、今日は時間が限られておりますので、せっかく日銀総裁にもお越しいただいておりますので、金融にちょっとテーマを移します。
 金融の問題では、これは金融庁からお答えいただければいいんですが、日本銀行が先日、毎月やっているわけですけれども、貸出しと預金の動向、速報値でありますが、今年の三月の速報値が出ました。これを見ますと、恐らく、貸出しのところでは、銀行、信金、それぞれ貸出しが増えているなというふうには思っていたんですけれども、やはりその増え方が、ちょっとかなり、こんなに増えているのかなと。とりわけ信金でありますが、金融庁からお答えいただければいいんですが、対前年比、だから去年の三月と比べて、信金がたしか八・六%ですかね。
 信金というのは、これまでも、私も信金の理事長とかいろいろつき合いがありますけれども、いや、貸出先がなくて困るということをずっと言っていて、せいぜい伸びは一%とか二%とか、時によっては三%ぐらい行ってああよかったというようなことを聞いていたわけですが、それが八・六%の伸びというのは、僕はちょっとすごいなと思ったわけですが、過去こんなに急激に対前年比で伸びたことがあるのかどうなのかということをお聞かせいただきたいと思います。

#18
○栗田政府参考人 お答え申し上げます。
 二〇二一年三月の銀行、信用金庫の貸出し状況につきましては、日本銀行が公表されております貸出・預金動向速報によりますと、銀行の三月の貸出平均残高は前年同期比五・九%増、信用金庫の三月の貸出平均残高は前年同期比八・六%増となっておりまして、この八・六%増という数字は、比較可能な二〇〇一年一月以降で最大の伸び率であると承知しております。

#19
○海江田委員 そうなりますと、これはやはりニーズがあって、そのニーズに対して適切に金融機関が貸出しを行わなければいけないということはそのとおりだろうと思います。その結果、倒産件数も比較的落ち着いているということですが、やはり問題はこれからなんですね。
 やはりこれだけ貸出しをして、それが本当に正常債権で戻ってくればいいわけですが、そうならなかったときの心配で、これはかなり緩い条件で貸出しをしているわけですから、貸出しを受けた企業、とりわけ信金ですから中小企業、その経営の問題と、それからもう一つは、そうやって返済が滞ることによって受ける信金のダメージというんですか、この二つをやはり考えておかなければいけないということです。
 特に、これからどうやって、伸びた貸出しに対して、どうそれをちゃんと正常債権のまま維持していって、そして中小の金融機関の経営の健全化につなげていくのかということについて、やはりある程度の方向性を考えておかなければいけないときかなと思いますので、そのお考え、どちらからでも結構でございますが、ありましたらお聞かせいただきたいと思います。

#20
○栗田政府参考人 お答え申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症によりまして事業者の厳しい経営環境が続く中で、まずは事業者のニーズに合わせて資金繰り支援を徹底していくことが重要であると考えております。あわせて、こうした支援を図りつつ、事業者が将来の返済に支障を来さないように、事業者の業況に応じまして、地域の金融機関を含め関係機関が積極的に連携して、経営改善、事業再生、事業転換支援などの事業者支援を力強く進めていくことが必要であると考えております。金融機関に対しまして、こうした経営改善等支援の促進を累次にわたり要請をしているところでございます。
 その上で、昨年には、新型コロナウイルス感染症等の影響を受けた中小企業等に支援を行う金融機関に対しまして資本参加を行うことができる金融機能強化法の改正を行っていただいたところでございまして、引き続き、必要に応じて、同法を活用することを含めて、金融機能の強化と金融システムの安定に万全を期してまいりたいというふうに考えてございます。

#21
○海江田委員 時間がありませんので端的に申し上げますが、是非ここは、金融庁、かなり目くばせをしっかりとやって、貸出しを受けた側とそれから貸出しをしている中小の金融機関に対して、やはりこれが本当に、どちらも貸出しをしたことによって大きく傷むことのないように、これはこれからの問題でありますから、よろしくどうぞお願いを申し上げます。
 それから、日銀総裁、本当にお待たせをいたしました。
 この十八日、十九日の、先月の点検について、ちょうど当委員会がその直前に開かれまして、直前というかちょっと前、一週間ぐらい前に開かれまして、私は黒田総裁に幾つかお尋ねをしました。
 一つのポイントは、やはり長期金利の変動幅の問題でございました。私は、あのとき、ちょうど日経のQUICKのアンケートがありましたから、それを見ると〇・三%ぐらいだよということで、だから、大体、市場は〇・三%ぐらいを予測をしていたわけでありますが、あのとき、黒田総裁は、いや、それはもう動かさないんだというふうに受け取れる発言がありまして、私もちょっと、随分言い切るなと思いましたら、その後、副総裁がまたちょっと修正をする会見をやって、そして、結果的にプラスマイナスの〇・二五、プラスマイナス〇・二をプラスマイナス〇・二五に。
 これは総裁、変動幅を、やはり〇・〇五であっても、拡大をしたわけでありますよ。それに対して、日銀総裁、点検が終わった後の記者会見で、記者がやはりそのことを質問しましたら、変動幅を拡大したわけではないというふうにおっしゃっておりました。
 そうおっしゃりたい気持ちはよく分かりますが、〇・〇五であっても、やはりこれは変動幅を拡大したわけでありますから、そこは拡大をしたんだというふうにおっしゃっていただいた方がいいんじゃないだろうか。当然、その場合はやはり理由というのも言わなきゃいけないわけですから、その点、今の、現在どうお考えかということをお聞かせいただきたいと思います。

#22
○黒田参考人 御案内のように、イールドカーブコントロールの下で、十年国債の金利をゼロ%程度にするということでずっとやってきていたわけでございます。
 ただ、その下で、ゼロ%程度というところの程度について、変動幅が非常に狭くなってきて、そうしますと国債市場の機能度が低下してしまうという問題があったものですから、二〇一八年の七月に、おおむねプラスマイナス〇・一%の幅から、上下にその倍程度変動し得るということを申し上げたわけですね。
 ただ、その下でも、実は一旦ある程度変動幅も拡大したんですけれども、またずっとゼロ%近傍で、非常に狭い幅でしか変動しなくなってしまったということがありましたので、この際、上下にプラスマイナス〇・二五%程度というふうに明示することによって、一方で国債市場の機能度を確保しつつ、他方でゼロ%程度というイールドカーブコントロールの金融緩和効果をしっかり確保していくということで行ったわけでありまして、何か変動幅を拡大しようということでやったというよりも、むしろ、今申し上げたように、マーケットがやや、変動幅を非常に狭い範囲にとどめるように、国債市場の機能度が落ちてしまうということを懸念して、変動幅について、この程度は許容度の範囲ですよということを明示したというふうに御理解いただきたいと思います。

#23
○海江田委員 それならそうと前回の当委員会でおっしゃっていただければ、なるほど、国会で証言をしたことがその後行われた、こういうふうにすとんと落ちるわけでありますが、後的におっしゃっても、それは残念ながら余り説得力がないということです。
 黒田総裁といろいろお話をしたいんですが、持ち時間が本当に少なくなりましたので、ちょっとはしょりまして、最終的なところで、やはり二%の物価目標なんですよね。この点検を見ましても、やはり二%への物価目標の道筋が見えてこないというのが私の正直な印象であります。
 点検の表現をかりますと、イールドカーブコントロールによってインフレ率は〇・六から〇・七%程度上昇した、これは事実でございます。そうしたら、今現在の標準が〇・六から〇・七である、これだけ続けてやっと〇・六から〇・七%になったということと、それから、足下の消費者物価の上昇率、これはまだマイナスですね、残念ながら、領域がね。
 こういうことから考えたとき、果たして本当に二%の目標というのは達成できるものなのかどうなのかということで、せんだって、高名なエコノミストの方からお話を伺いましたけれども、このままだと、やはり過去の政策の三倍以上の緩和政策が必要だ、二%目標達成のためには、こういう意見もあるんですよ。ただ、これだけ緩和をしてきて、今日は残念ながら触れることができませんでしたけれども、ETFの問題なども、あれはやはり見えない出口ですよ。ステルスのテーパリングだと言う方もいらっしゃいますけれども、これはそういうふうに受け止めざるを得ないわけで、そういう中で果たして過去三倍ぐらいの金融緩和策なんか取れるものなんだろうか、どうなんだろうか。本当にこの政策を続けていって、二%の道筋があるのならいいですけれども、それは是非お示しをいただきたい。
 それが納得のいくものでなければ、さっきちょっとお話に出た、なるほどなと思いましたけれども、ゼロ%から二%ぐらいの間、二%と言い切っちゃわないで、ゼロ%から本当は二%ぐらいの程度の物価の上昇の目標を目指すとか、そういう言い方ならば、ああ、これは一%、スイスの中央銀行がそうやっています、ああ、そういうものなのかなというふうに受け止めることができるわけですが、ここでまだ二%、二%、二%と言い続けながらやった結果、まだ〇・六から〇・七だというところは、どういうふうに続けていくのかということを是非お聞かせいただきたいと思います。

#24
○黒田参考人 三月の点検では、大規模な金融緩和が金融環境を改善させて、需給ギャップのプラス幅の拡大と、プラスの物価上昇率の定着という効果を発揮してきたということをやや定量的に分析したわけでございます。
 同時に、我が国においては、予想物価上昇率に関する複雑で粘着的な適合的期待形成のメカニズムが根強いということも分かってきたわけでございまして、物価上昇率が高まるのは時間がかかるということが改めて認められたわけでございます。
 もっとも、このことは、人々が実際に物価上昇を経験すれば、物価上昇が徐々に人々の考え方の前提に組み込まれていく、予想物価上昇率が高まっていくということも意味していると思います。
 その上で、消費者物価の前年比を見ますと、感染症の影響に加えて、既往の原油価格下落などの一時的な下押し要因から、委員御指摘のとおりマイナスになっていまして、当面、マイナスで推移すると見られますが、経済の改善が続く下でプラスに転じて、徐々に上昇率を高めていくというふうに考えております。
 日本銀行としては、今回の点検で、持続性とそれから機動性を増した長短金利操作付量的・質的金融緩和の下で粘り強く強力な金融緩和を続けることで、時間はかかるものの、二%の物価安定の目標は達成できるというふうに考えております。
 なお、二%の目標そのものについては、従来から申し上げているとおり、消費者物価上昇率のデータが実態より過大に出てくる傾向があるということと、それから一定の金融政策の余地を残しておく必要があるということから、国際的に、ほとんどの主要国の中央銀行が二%の物価安定目標を掲げて、それを達成すべく金融政策を運営しているということですので、日本銀行としても、やはりその考え方に立って、これは二〇一三年の一月の金融政策決定会合で決めて、政府との共同声明にも盛り込んだものでありますけれども、その下で、為替も中長期的に比較的安定しているということでありますので、二%の物価安定の目標を変える必要があるというふうには考えておりません。

#25
○海江田委員 もう持ち時間もちょうど来ましたので、これ以上申し上げませんが、先ほど総裁の口から、粘着的という非常にいい表現がありました、いい表現か分かりませんけれども。総裁もなかなか粘着的であるということは一言申し添えておきたいと思います。
 それからあと、もう一つ、要望としましては、やはり副作用、本当に日々変化しますし、コロナの影響がどう出てくるか分かりませんから、これは今回で終わりでなしに、点検がね。やはり半年に一回国会報告をやると同時に、そのときに点検の報告もやるように御努力いただきたいと思います。
 うなずいておられるから、同意されたと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。

#26
○越智委員長 次に、青山雅幸君。

#27
○青山(雅)委員 日本維新の会・無所属の会、青山雅幸です。
 本日も貴重な機会、ありがとうございます。
 アメリカの消費者物価指数が上がったことに関連して、麻生大臣にお尋ねをします。
 なぜアメリカの消費者物価が上がったことを気にするかというと、まず、どういうことが起きたかから説明しますと、資料二を御覧いただければと思うんですけれども、三月の消費者物価が、前月比で〇・六パー、それから前年同月比で二・六%と、非常に大きな上昇を見せたわけです。前月比が〇・六パーというのは、もうこれは八年七か月ぶりということでございまして、これがこのまま続けば大変な物価上昇率になってくる、通年でも。
 これを、アメリカの物価の動きはどうかというところで、例年どういう動きをしているかを資料一に出してみました。二〇二〇年五月には〇・一と日本並みに下がってしまったのが、一気に二・六%、前年同月比で、という急回復を見ているわけですね。上が短期的なスパンですけれども、下が二〇一七年からの長期的スパンです。アメリカの物価というのは二から三%くらいいつもあったようで、日本と比べれば非常に大きいわけですけれども、それにしても今回の上がり方は非常に急上昇でございます。
 なぜこれを気にするかというと、御承知のとおり、昨年度、アメリカも日本と同じようにコロナ対策で大変な財政出動をいたしました。日本円にすると二百兆円くらいでしょうか。そして、今度バイデン政権も、これで非常に上がったということが解説はされておりますけれども、そこまではいかないけれども同規模くらいな、大変な大きな財政出動をしている。合計で四百兆円には達しないけれども、それに近いものだったと思います。
 それによって私が大変懸念するのは、単純に好景気が期待されて、あるいは、アメリカ人ですから、アメリカの方ですから、政府から配られたお金というのは消費にがんと回してしまうようですけれども、それで物価が上がるという良好なものだったらいいんですけれども、これが、日本と同じで、通貨への信認が失われつつあることによる物価高につながってくるとすると、これは大変なことでございます。
 そして、アメリカと比べて日本は、御承知のとおり、一年間約百兆円の今の予算規模の中で三、四割、例年赤字国債に頼っているものですから、もしこういうような急激なインフレが起きたときに、財政を絞るというのが非常に困難だ。
 そして、今、事実上の財政ファイナンス、日銀が買い取ることによって支えているわけですけれども、物価が上がれば、前に黒田総裁にお伺いしたときに、絶対にインフレにはさせない、二%はいいわけですけれども、それ以上のですね、通貨の信認は失わせないという強い決意を言われたものですから、日銀が今までどおり買えなくなると、国債の金利が大幅に上昇する可能性がある。
 そう考えると、これは、本来、物価の安定は日銀の役目ですけれども、財政当局にも大変な影響を及ぼしかねない。麻生財務大臣に、この点に関してのお考えを少しお聞かせいただきたいと思います。

#28
○麻生国務大臣 青山先生御指摘のとおり、これは前年同月比でやっておられますので、昨年の三月の場合の減り方がやたら、ぼんと減っておりますので、その分の反動で、一年前に比べてということが二・六%と大きく伸びたということなんだと承知をしております。
 正直、物価につきましては、経済とか金融とか財政とか、コロナとかいうのもあるでしょうけれども、そういったいろいろなもので決まりますので、市場において、単に株だけで決まるわけではなく、いろいろなもので決まってまいりますので、動向についてちょっとコメントするというのは差し控えさせていただきたいと思います。
 引き続き、アメリカの物価につきましては、今後、経済の動向とかいろいろ見ていかないかぬところだと思いますけれども、石油等々、いろいろな話で、中近東の話もちょいといろいろ動きが出てきているように見えますので、どういった形でそこらのものが、日本の場合は円安に進むということによって輸入物価が上がりますので、その場合、石油というのは非常に大きなパーセンテージを占めておりますから、そういった意味で、引き続き、こういったものに対してよくよく注視をしておかないと今御心配を言われたようなことになりかねぬという点については、我々もよく関心を持って見ておかなきゃならぬと思っております。

#29
○青山(雅)委員 是非よろしくお願いいたします。
 私、大臣への通告はこれで終わりでございますので、参院の本会議がございますようですので、御退席いただいて結構でございます。
 引き続きまして、特例猶予について、先日国税庁の方から御説明を受けて、それに関連して幾つか質問したいと思うんですけれども、私、説明を受けて驚いたのは、二〇二〇年の四月から二〇二一年の二月までで、件数として三十二万件ですか、そして、額が驚いたんですが、一兆五千億円。これは、ほぼほぼ消費税の一%分に相当するような大変な額なわけですけれども、猶予したのはそれはやむを得ないとしても、逆に、きちんと納めていただくためにどのような対応を予定しているんでしょうか。

#30
○鑓水政府参考人 お答えいたします。
 国税庁におきましては、特例猶予を受けている納税者への対応に万全の体制を整えまして、猶予期限が到来する前に全ての対象者に個別に御連絡するなど、滞納発生の未然防止に努めることとしております。
 あわせまして、引き続き新型コロナの影響により納付が困難という場合には、既存の猶予制度を御案内しているということでございます。
 一方で、猶予期間の経過後におきまして、納付が困難と認められず、あるいは納付約束の不履行が繰り返されるような場合などにつきましては、期限内に納付した納税者との公平性の確保を図る観点から、財産の差押えを行うなど厳正に対処する必要もあると考えております。
 いずれにいたしましても、国税庁といたしましては、法令等に基づきまして、特例猶予の適用を受けた事業者の事業の状況を十分に踏まえつつ、公平かつ適正な徴収に努めてまいりたいと思います。

#31
○青山(雅)委員 やはり額が額なものですから、これだけの額となると、どういうふうに、きちんと納められたのかというようなことをやはり国民もきちんと知る必要があると思うんですけれども、徴収状況、納付、どのくらい猶予したものがその後納められたのか、こういったことはきちんと公開すべきだと思うんですけれども、できれば定期的にですね、そういう予定はあるんでしょうか。

#32
○鑓水政府参考人 お答えいたします。
 国税庁におきましては、一年間の滞納の新規発生状況や滞納整理額などをまとめました租税滞納状況を毎年八月頃公表しているところでございます。
 その際、その一部であります、例えば、既存の猶予制度を活用した納税者の納付期間経過後の納付状況などだけを取り出した集計とか公表は行っておりません。
 そうした中ではございますけれども、委員御指摘の特例猶予後の納付状況につきましては、今後どのような対応ができるか検討してまいりたいと思います。

#33
○青山(雅)委員 といいますのは、こういうコロナというような非常に、大変異例な事態が起きたので、こういう措置を取ったこと自体はやむを得ないかもしれませんが、今後こういう措置を取ったときに、果たしてその後がどうなったのかということの検証をすることは、大変今後の政策形成に重要な情報になると思います。それはやはり是非御検討をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それから、次に、この猶予の内訳を見た中で、私もちょっと驚いたんですけれども、所得税や法人税の猶予、これはまだ理解できるかなと思います。ところが、消費税及び地方消費税の猶予が二十五万六千四十八件で五六%、額が非常に多くて九千五十九億四千二百万円、五九・七%に上っているというものなんですね。
 これは私どももふだん弁護士法人として消費税を納めているから非常によく理解できるんですけれども、というのは、消費税というのは、御承知のとおり預り金で、別に、法人あるいは納税する人が払っているものではないわけですね。最終消費者が負担しているものを単に預かっているだけである。これを、本来、猶予するというのは、理屈からいくとどうかなと。今回、資金繰りのためにこういう猶予措置を設けるわけですけれども、資金繰りとはいいつつ、普通は別に分けておくべきお金ですね、私どももそうしていますけれども、これは預かっているだけのお金なんだからと。
 こういったことに関して、ここまで猶予をし、金額が突出してしまったというのは、これはちょっと政治的にいかがなものかなと思うわけですけれども、そこで、この点について副大臣にお伺いをしたいと思います。

#34
○伊藤副大臣 お答えをいたします。
 どの税目について特例猶予を申請するかは、事業の状態や資金繰りなど、様々な事情を踏まえた個々の納税者の判断によるものと考えております。
 財務省、国税庁においては、特例猶予の適用に当たりまして、納税者の置かれた状況などに十分に配慮をしつつ、法令に基づいて適切に対応してきたと承知をしております。

#35
○青山(雅)委員 今の御答弁ですと、正面から残念ながらお答えをいただいていないわけでございます。本来、特例猶予をするにおいても、していいものと余り望ましくないものというのはやはり区別すべきでありまして、今回既にしてしまったものは、もう今更言ってもしようがありません。
 ただ、先ほど言った納付状況を勘案しながら、今後、こういった特例猶予制度、もしまた政策をやるときに、やはり、預り金にまで手をつけるような形での特例猶予はよかったのか悪かったのか。もちろん、これが一〇〇%に近く、猶予したものが徴収できれば、それはもう何も言うことがないわけですけれども、仮に、じゃ、半分納められなかったなんということがあれば、これはもう国として、大変国民に対して申し訳ないことになるわけですね。誰に申し訳ないというと、消費税を国に払ってくれるものだと思って預けたものを事業者に使わせてしまうということを許してしまって、それで半分なくなったなんということになれば、これはもう国の責任だと思います。
 ですから、先ほど申し上げた納付状況と併せて、是非、これについてはきちんと調べていただきたいし、公開していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 現在のところ、確認ですけれども、本特例措置の再適用は行わないというような予定でございましょうか。

#36
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。
 納税猶予の特例につきましては、これまでの適用実績を見ますと、大多数の事業者の方々には期限内に納税をしていただいているということと、御指摘のように、消費税ですとか源泉所得税のような預り金的な性格を有する税が適用税額の三分の二を占める状況となっているということも踏まえまして、昨年末の与党税制調査会における議論の中で延長しないという結論が得られたものでございまして、適用期限以後に納期限が到来する国税について再適用する考え方はございません。

#37
○青山(雅)委員 コロナでお困りの事業者に対していろいろな措置を取る、これは全く否定するものではありません。ただ、何をすべきで何をすべきでないかという切り分けはやはり当然必要だと思いますので、今のような考え方で、私はそれでよろしいのかなと思っております。
 時間となりました。どうも本日はありがとうございました。

#38
○越智委員長 次に、鈴木馨祐君。

#39
○鈴木(馨)委員 自由民主党の鈴木馨祐でございます。
 本日は、この財務金融委員会、質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。
 本日は三点、最初に、適切な資本主義とは一体どういうものなのか、さらには税制の在り方、そして最後に中国問題、この三つについて質疑を進めさせていただきたいと思っております。
 まず最初に、適切な資本主義ということで申し上げたいと思いますけれども、最近、ESGであったり、あるいはサステーナブルファイナンス、こういった様々な言葉というものがかなり一般化をしてきているんだろうと思います。
 恐らく、この背景に一番あるのは、一つには、リーマン・ショック以降の、ウォール街を中心としたこれまでの短期主義への反省というところもあったんだろうと思います。そして、もう一つには、イギリスの中銀の総裁であったマーク・カーニー氏がかねがね言っていますけれども、やはり移行リスクというものがかなり経済的にも壊滅的な影響を与えかねない、ある意味でマーケットが消滅をする、そういったことにもなりかねない。こういった危機感からの、言ってみれば新たな資本主義のロジックモデル、これの構築という面もあるのではないかというふうに考えております。
 恐らく、以前あったCSRであったりあるいはSRI、こういった当時の流れとは違って、かなり不可逆的なものになっていくのではないかというふうな気が私自身はしております。恐らく、そういった中で問われるのは、企業の将来的な、長い目で見たときのリスクが一体どうなっているのか、あるいは経営においてリスク感応度というものが一体どうなっているのか、そういったことにおいてしっかりマーケットとコミュニケーションをする、そういった経営というものがこれから求められていくんだろうと思っております。
 その観点でいうと、やはり日本企業、様々な形でこうした努力というものはしていただいていますけれども、いろいろな意味で、まだまだこれからという面もかなりあるんだろうと思います。
 例えば、一つの事例でいいますと、昨年、新型コロナウイルス、この発生があった後に一体企業側がどういう反応をしたのか、その点を一つ申し上げたいと思っております。
 去年の二月の段階ですから、これはまだ欧米での感染が広がるかどうか、そういった状況の時期にあって、これは、とある調査によれば、当時、アメリカのSECが、こうした新型コロナの業績への影響、これがどういったものなのか、そういった開示を企業に求める、そういったことを言ったところ、ニューヨーク市場においては、その二月の末の段階で五百四十社がそうした開示に応じていた、そういったことがありました。
 一方、日本はどうだったかということでありますけれども、そこで金融庁の方にお伺いをしたいと思いますけれども、昨年の三月末時点で、当時はたしか東証からもそういったオーダーを出した状況だと思いますけれども、その段階でどのぐらいの会社が開示に応じていたのか、お願いいたします。

#40
○古澤政府参考人 お答え申し上げます。
 お尋ねの、昨年の三月末時点でコロナウイルス感染症に関する上場企業の適時開示の件数、東証によれば百四十四件というふうになっていると承知してございます。

#41
○鈴木(馨)委員 まさにこういった、恐らく、数の差というもの、あるいは、これは実際に中身をつぶさに見てみると、しっかりそういった開示をどうしていくかという姿勢の差というものも、残念ながらまだ存在をしているんだろうと思います。
 恐らく、これから企業が成長を取り込んでいくためには、しっかりと、どういったマネーを取り込んでいくのか、そういったこともこれから考えていかなくてはいけませんし、特に、今、非財務情報の開示ということがかなりいろいろなところで言われていますけれども、恐らく、私の解釈するところでは、従来開示をしていた財務情報というのは、それぞれの企業の過去の業績であります。本来、投資家が仮に長い視点で、長期の収益というものに着目をするのであるとすれば、彼らが本当に知りたいのは将来の収益であります。
 恐らく、過去の収益と将来の収益というもの、これをきちんとつなぐものが本来こういった非財務情報ということでありますし、そういったところをしっかり開示をすることで、言ってみれば、いろいろな幅広い投資家の良質な資金をしっかりと取り込む、そういった経営がこれから恐らく求められていくんだろうと思います。
 我々、政権与党になってから、ずっとそういった観点もあって、コーポレートガバナンス・コードあるいはスチュワードシップ・コード、言ってみれば、資本市場というものをしっかりと活性化をする、私が先ほどから申し上げておりますような方向にきちんと変えていく、そういった取組をしてきているところだと思いますけれども、今般、このコーポレートガバナンス・コード、改訂をこれから迎えて、ちょうど今パブリックコメントをしている状況だと思いますが、是非金融庁にこの点を伺いたいと思っております。
 まさに、今私申し上げましたようなESG関連あるいは非財務情報、こういったものの開示をどうしっかりと促進をしていくのか。あるいは、場合によっては、これまでESGという範囲では恐らくなかったかもしれませんけれども、例えば、最近であれば、ユニクロさんが新疆ウイグル地区での取引についていろいろな批判をされています。
 恐らく、これから米中対立が加速をしていけば、こういった自由主義陣営から見ればかなり人権等々疑義があるような国がサプライチェーンに入っていた場合に、これは将来的にそういった自由主義諸国のマーケットを失う、そういったリスクも当然出てくる。そういった意味では、こういった人権であったりあるいは国際的なリーガルリスク、こういったものも含めて、新たなSというもの、こういったものの開示についても私は恐らく必要になってくるのではないかと思っております。
 政府で今どういったお考えをこういった点についてされているのか、金融庁の方からお願いをいたします。

#42
○古澤政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、金融庁と東証の有識者会議におきましてコーポレートガバナンスの諸課題を議論し、先日、四月六日でございますけれども、コーポレートガバナンス・コードの改訂案を公表させていただいたところでございます。
 この改訂案の中におきましては、先生御指摘の非財務情報、典型的には、サステーナビリティーをめぐる課題への対応の重要性というものに言及してございます。その上で、お話のございました人権の尊重といったものも明記して、こういったサステーナビリティーの取組の開示というものを求めているところでございます。
 今後は、現在パブリックコメント中でございますので、この手続を経た上で正式に改訂を最終化したいと考えてございますけれども、人権の尊重も含めましたサステーナビリティーをめぐる課題への対応の重要性も踏まえつつ、実効的なコーポレートガバナンス改革を進めてまいりたいと考えてございます。

#43
○鈴木(馨)委員 ありがとうございます。
 まさにこうした長期的な収益、これは正直、長い将来のところは分かりませんから、そこをどうきちんと、投資家が知ることができる、あるいは推測をすることができるか、こういったことのベースがあって初めて、長期的な収益に基づいた資本主義の再構築、そういったロジックモデルを組み立てられるんだろうと思います。
 そういった意味でいうと、今おっしゃっていただきましたけれども、今ちょうどパブリックコメントにもかかっておりますコーポレートガバナンス・コード、こういった長期の視点において必要なファクターというもの、ある意味かなり広範に盛り込まれている状況になっていると思いますので、是非、そうした流れの中で更に前向きに政策を進めていっていただきたいと思っております。
 こうした長期的な視点、そういった経済体系にするには、やはり金融の、マネーの力というもの、これはかなり私は大きいと思っています。今申し上げましたようなコーポレートガバナンス・コードというのもかなり大きな影響がありますけれども、それと同時に、例えばESGということで申し上げると、ESG銘柄にお金が入るかどうか、そのことが、ESG銘柄がほかの銘柄に比べてアウトパフォームするかどうかに決定的に大事になってくる。となるとすれば、実は、最初にこうしたESG銘柄が、リスクは長期的に見れば少ないということで、きちんと買われていくような、ある意味でエコシステムというか、そういったモデルが成り立っていくことが極めて大事なんだろうと思っております。
 その点で、最近、欧米を中心に、中央銀行のそういった役割というものへの注目がかなり出てきている、そういった状況であろうと思います。今日は日銀の黒田総裁にもお越しをいただいておりますので、こうした点で質疑をさせていただきたいと思うんです。
 ちょうど三月には、イギリスにおいて、財務大臣がイギリスのイングランド銀行に対して、マンデートの一つとして気候変動というものを定義づけをするようにと、そういった動きもありました。たしかこれは、BOEはそこを歓迎する、そういった話になっていたと記憶していますけれども。
 もちろん、日本銀行においては、マンデート自体にこうした気候変動ということを盛り込むということはないんだろうと思いますが、ちょうど黒田総裁も、三月の二十五日ですか、日本銀行の主催の気候変動関連の会議でのスピーチもされておりまして、その中で、総裁のスピーチの中では、気候変動は中長期的に実体経済や金融システムに大きな影響をもたらすことから、中央銀行の政策運営にも重要な影響を与えます、したがって、中央銀行としても必要な対応を考えていくことになります、すなわち、金融政策運営においては、当然ながら、前提となる経済、物価に関する情勢判断を、気候変動やこれに対する政府の政策対応の影響を踏まえて行っていく必要がありますと。そうされた上で、実際にこうしたサステーナブルファイナンスを支援するかどうかについては、中銀のマンデートや金融政策手段の市場中立性との関係が論点となるでしょう、そういったことをおっしゃられております。
 そこでお伺いをしたいんですけれども、これまで、日本銀行、言ってみれば、物価、経済というものを目標とした金融政策を行うに当たって、その資産買入れに当たっては、例えばETFだったりとか、かなり冒険的なというか、これまでもアプローチをされています。
 そういった中で、同じく、これからそうした資産の買入れの面において、当然、総裁のスピーチの中でも、気候変動ファクターというものが経済全体のレジリエンスにはかなり大きなファクターとなっている、そういった認識は恐らく共有をされていると思いますので、将来的に、こうしたグリーンであったりあるいはESGの観点、こういったことを買入れ資産の中で反映をしていくという可能性は皆無と言っていいのかどうなのか。まさにこの中立性の判断ということであると思いますけれども、今後の議論の見通しについてどうお考えなのかを是非お伺いできればと思います。

#44
○黒田参考人 御指摘のように、この気候変動の問題は、実体経済や金融システムにも影響を与える重要な要素の一つですので、中央銀行としての使命にも関係するというふうに認識しております。
 そうした認識の下で、日本銀行では、一昨年から、気候変動リスク等に係る金融当局ネットワークであるNGFS、ネットワーク・フォー・グリーニング・ザ・ファイナンシャル・システムというものに加盟しております。
 また、先月は、御指摘の気候関連金融リスクに関する国際ワークショップを主催いたしましたところ、大変たくさんの方が参加されたということで、日本銀行の中にも、情報共有や連携、連帯を目的とする気候連携ハブというものを立ち上げて、専門家のグループをつくったというところでございます。
 御指摘の金融政策面での対応につきましては、確かに、ミクロの資源配分の側面についてどう考えるかなど、考慮すべき要素は多いわけですが、日本銀行としては、引き続き、国際会議や各国当局との意見交換なども通じて議論を深めてまいりたい、一切考えないということではなく、日本銀行の使命との関係も踏まえつつ、十分議論を深めていきたい、いずれにいたしましても、日本銀行としては、物価の安定と金融システムの安定という使命に即して、必要な対応を検討してまいりたいというふうに考えております。

#45
○鈴木(馨)委員 ありがとうございます。
 可能性は排除しないという中で、しっかり議論を深めていく、そういった御答弁をいただきました。
 これからやはり中銀の役割は極めて大事になってくると思いますし、恐らく、FRBであったり、あるいはECBも含めて、先進国のかなり大きな体制としてそういった方向に行く可能性も出てくると思いますので、是非そこはしっかりと議論を深めて、余り、ビハインドカーブというか、遅れ過ぎないような形できちんと対応していただければ大変ありがたいと思っております。
 総裁はこちらで御退席いただいて結構でございます。
 続きまして、同じような流れで申し上げますけれども、やはり、資本市場というか、それに限らず、これからの成長ということを考えると、私は、経済にとって一番大事なことというのは、一番成長する潜在力がある、そういった企業であったりあるいは領域にきちんと良質な資金と良質な人材がどうしっかりと結びつくのかということが極めて大事なんだろうと思っています。
 その中で、やはり日本の成長力というところにいろいろな疑念が持たれるところもあるわけでありますけれども、特にお金という面で申し上げると、やはり、例えば、企業の内部留保であったりとか、あるいは株の持ち合いであったりとか、言ってみれば、良質な資金がきちんと、その都度その都度、成長力が一番高いと思われる、その可能性が高い分野に結びつく、恐らくインフラ的にもそうなっていない状況があるんだろうと思っています。
 今申し上げましたように、やはり内部留保、あるいはキャッシュの積み上がりが極めて多いということ。さらには、株の持ち合いというのも、実質的には相当、表面的な数字以上に多いのが日本の実態であろうと思います。
 特に、これからコーポレートガバナンス・コード、先ほど申し上げましたし、あるいは来年四月には東証のプライム市場、これもこれから発足をしていくという状況の中で、やはり日本のマーケットはこれからどういう方向に行くのか。特に、この株の持ち合いの問題も含めて相当注目も集まっていると思いますが、そこの点、どのようにこれから考えていくのか、金融担当の副大臣にお聞きをしたいと思います。

#46
○赤澤副大臣 これまでの御質疑をちょっと聞いていて、一つ思うことをお話ししたいと思って。
 コーポレートガバナンス・コード、これは四月六日に公表、改訂案を出して、まさにその中の補充原則の二―三の一というのが、私自身が非常に重視している従業員の公正、適切処遇とかの前に、気候変動などの地球環境問題への配慮や人権の尊重といったことを書いていまして、まさに委員の御指摘をうまく体現できるようなそういうものに変えていこうと思って、今全力を挙げているところでありまして、本当に時宜を得た御質問をいただいて、大変ありがたいことだと思っております。
 企業の持続的な成長に向けては、議員御指摘のとおり、政策保有株式や内部留保の絶えざる見直しを図りながら、適切な経営資源の配分などを実行していくことが極めて重要であるというふうに考えております。
 こうした考え方に沿って、先般公表したコーポレートガバナンス・コードの改訂案で、人的資本、知的財産への投資などを始めとする経営資源の配分などが企業の持続的な成長に資するよう、取締役会が実効的に監督を行うべきである旨も盛り込んでおります。
 また、御指摘の内部留保の関連だと思いますが、政策保有株式に関して言えば、コーポレートガバナンス・コードにおいて、政策保有株式の縮減に関する方針、考え方など、政策保有に関する方針の開示を促すなどの取組も行っております。
 こうした取組も含めて、政府としても実効的なコーポレートガバナンス改革を進めてまいりたいと考えます。

#47
○鈴木(馨)委員 ありがとうございます。大変前向きな御答弁をいただきまして、感謝を申し上げたいと思います。
 では、次に、若干時間も限られておりますので、税についてお話をさせていただきたいと思います。
 今日の質疑でもいろいろ、これまでも論点が出ていますけれども、私はむしろ、税ということでいえば、これは、これまでさんざん考えてきたことが、社会政策と経済政策をどうバランスをさせるのか、恐らく、そこの比重というものはそれぞれの価値観によって違うと思いますけれども、そこのところで相当これまで多くの先輩方が悩まれてきたことなんだろうと思います。
 その一方で、やはり格差是正、これは税だけではなくて、予算も含めた財政全体でどう対応していくのか、極めてこれは大事なことだと思っていますが、同時に、やはり税ということで申し上げると、企業の様々な資源配分であったり、いろいろな行動にかなり直接的に影響を与えるのが税であります。逆に言うと、経済成長、これは当然歳入の大きさにも影響するわけでありますけれども、経済成長というところに税が与える影響は恐らく極めてどんどんと大きくなっている、そういった状況であろうと思います。
 そういったことを考えると、従来以上に、そういった格差是正については、税よりも財政の方で、税よりも予算の方で手当てをする、そういったことも恐らく必要な状況になっているのではないかというふうに考えているところでもあります。
 そして、日本の税制、考えてみると、今の現状、恐らく諸外国と比較をしたときに、今でも、基本的には、収益を上げた法人に対する法人税、あるいはしっかりと稼いでいらっしゃる個人への所得税、これが、比率ということでいえば諸外国に比べるとそれなりに多い、高い水準にあるのが今の日本の状況であろうと思います。
 そういったことで考えると、やはり日本においては、ある程度、これから、当面の間は経済に、むしろ、先ほど言った社会政策と経済政策のバランスということでいうと、事税については、私は経済政策というものをある程度重視をした方向に進むべきではないかというふうに考えているのでありますけれども。
 財務省としても、これまで公平、中立、簡素ということは言われていますけれども、余り表立ってこの経済と社会政策のバランスということはおっしゃっていませんけれども、そこら辺をどうお考えなのか。さらには、基幹税、基幹三税でいったときの、まあ、ベストなポートフォリオはなかなかないと思いますが、そういったところについてどうお考えなのか。所感を伺いたいと思います。

#48
○伊藤副大臣 非常に重要な御質問、ありがとうございます。
 まず、税制につきましては、もちろん経済政策の機能、これは重要であります。一方で、租税を通じて再分配を行うことについては、一つは、市場経済への干渉の度合いが少ないこと、また、特定の職業に従事する者のみではなく、社会の全ての構成員に再配分の効果を及ぼし得ることなどとされておりますので、格差是正の機能も重要であると考えております。
 その上で、今質問の中でもお触れをいただきました基幹税である所得、法人、消費税のバランスにつきましては、改めて申し上げますと、所得税は、勤労世代が主として負担をし、所得に応じて累進的に負担が増加をすること。法人税は、企業の収益力や国際的な競争力に対する配慮が必要であること。消費税は、勤労世代など特定の世代に負担が集中せず、国民全体で広く負担を分かち合う、税収が景気の動向に比較的左右されにくいこと。そういった異なる性質をそれぞれ有しております。
 特に消費税については、国民が広く受益をする社会保障の費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合うという観点で、社会保障の財源と位置づけておりまして、その役割は一層重要になってきていると認識をしております。
 この基幹税のバランスについては、非常に難しい御質問でありますけれども、これらの税目の性質を踏まえまして、その時々の経済社会の変化を鑑みて、必要な税収を確保するという観点から検討していく必要があるというふうに考えております。

#49
○鈴木(馨)委員 ありがとうございます。
 ちょっと時間の関係もありますので、通告順は少し変わりますが、中国の問題に移っていきたいと思います。
 お配りをした資料の最初でありますけれども、一ページ目を御覧いただきますと、ウィリアム・アンド・メアリー大学というところ、そこにあるリサーチセンター、ここでいろいろなレポートを今出していまして、これは、普通はオープンにならないんですけれども、中国と途上国とのこういった援助の、支援の契約についての原文を見た上での分析ということでありまして、恐らくこれはかなり信憑性が高いものだろう、そういった評価があるものであります。
 その中で、中国、特にアフリカ、今様々な問題が起こっていますけれども、今、こうした経済支援の契約について、例えば、一つは秘密保持契約というものがかなり最近大半になってきているということ。あるいは、今、先進国で、例えばパリ・クラブという仕組みがあって、債務救済スキームについては、債権者側が基本的には一体となってそうした債務救済スキームに臨むべしということがあるわけでありますけれども、今年、ザンビアでも少し、去年ですかね、報道もありましたが、例えば、とある国がお金ができたときに、それを優先的に中国の返済に向ける、そういった契約も含まれる、そういった分析もここでされているところであります。
 まさにこれは今、G20で今回コロナ禍でも債務救済スキームということでかなり進めてきているところでありますけれども、まさにそうしたこれまでの、言ってみれば原則というものをかなり根底から覆すような動きになりかねないと思っておりますが、こうした今回のレポートも含めて、中国の今の援助に対する態度についての政府側の見解をいただきたいと思います。

#50
○神田政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘の研究機関などが中国の途上国向け融資契約を分析し、その特徴をまとめた報告書、これを公表したことを承知してございます。
 途上国の債務持続可能性を確保するには、平時より債務の透明性を確保し、債務の状況を適時かつ正確に把握することが不可欠でございます。特に債務救済に当たっては、債権者間で正確な情報を共有した上で、透明かつ公平に債務措置を実施することが重要でございまして、パリ・クラブでは、こうした観点から従来より途上国の債務問題に対応してきたところ、昨年十一月に、中国を含むG20とパリ・クラブが、共通枠組みに基づき、低所得国向けに債務救済を実施していくことに合意したところでございます。
 このため、情報開示や債務救済の公平な実施を阻害する内容の契約を途上国と締結することは、途上国のためにもならず、全く適切でないと考えてございます。
 こうした点を踏まえて、先生御指摘のとおり、先般、四月のG20財務大臣・中央銀行総裁会議におきましても、共通枠組みに基づき、公的債権者間の情報共有を通じて債務措置を実施することや、債務の透明性の向上に取り組むための全ての関係者による協働の重要性などについて合意したところでございます。
 我が国といたしましては、中国も参加するG20などの場において、引き続き、債務の透明性の確保や全ての債権者間での公平な債務措置の実施の重要性を訴えてまいりたいと存じます。

#51
○鈴木(馨)委員 ありがとうございます。
 これから恐らくG20あるいはG7ということでしっかりと対応していくべき問題だと思いますし、特に中国、私もいろいろと、これまでも様々な交渉等も関わってまいりましたけれども、やはり言っていることとやっていることが相当違う国でありますので、そこはしっかりとこれからもウォッチをしていただきたいと思っております。
 最後の質問になりますが、その関係で少し言いますと、人民元の問題ですけれども、人民元が、二〇一六年の十月から、SDR、IMFの通貨引き出し権の構成通貨ということになっております。
 その前もいろいろな議論があって、実際に危機のときに引き出すことができるかという観点から、人民元が自由利用可能通貨であるかどうか、そういったことに疑義が正直あったんだろうと思います。恐らくそのときの理事会では、それは基本的にはクリアできるんだということで、これからを見ながら、しかし、今回はしっかりと、その対象にするということで判断を下したというふうに承知をしておりますが、その後の状況を見ると、実際に人民元が広く使われている通貨なのかということで申し上げると、資料のまず二ページを御覧をいただきたいと思うんですが、これは、二年前になりますが、二〇一九年時点、例えば二〇一六年、SDRの対象になって以降、それでも人民元の実際の取引というものは、恐らく中国の実際の経済規模に比べると相当程度少ないという状況になっています。
 その次のページを御覧をいただくと、よりそれがクリアになると思うんですが、例えば、外準の対象としても、あるいは場合によっては実際の貿易の規模に応じた為替取引、恐らくは、人民元の使い勝手のよさであったりとか、あるいは実際に広く使われているという、まさにそれを測るためには、経済規模あるいは貿易規模に応じてどのぐらいの通貨の取引高があるかというのが一番の指標だと思いますが、三ページ目の下のところを見ますと、やはり、米ドルやあるいは日本円に比べると相当差がある状況で、これは改善をしていないわけであります。
 恐らく、資本取引、資本規制についても、それなりに中国当局もそれを変えるような努力をしているとは承知していますけれども、実際に、実態として本当にこれが広く使われている自由利用可能通貨であるのか、そういったことには正直これは疑問を持たざるを得ないんだと思います。
 こうした状況を踏まえて、恐らく、これからまたSDRについては見直しということも行われていくでしょうし、あるいは、場合によっては、その都度都度で中国当局に対してもいろいろな働きかけもしていくことは可能だと思いますので、今の状況を踏まえた上で、そうした人民元について、これからどのようなスタンスで臨むか、財務省から伺いたいと思います。

#52
○神田政府参考人 お答え申し上げます。
 人民元がSDRの構成通貨に加えられたのは、当時行われたIMF事務局による分析では、人民元が自由利用可能通貨の要件、すなわち、国際取引上の支払いを行うため現に広範に使用されていること、また、主要な為替市場において広範に取引されていること等を満たすとされたことによります。
 他方、近年の人民元の動向を見ますと、依然として、中国で活動する企業の対外借入れ、貸出しの制限や、当局の窓口指導による送金の制限など、多くの資本規制が存在すること、また、先生が先ほど配付資料に基づいて御指摘になられましたとおり、国際的な決済通貨や外貨準備における人民元のシェアが二%前後から伸びていない、こういった状況も見て取れるところでございます。
 日本といたしましては、人民元が引き続き自由利用可能通貨にきちんと該当するのかを含め、SDR構成通貨の妥当性について、IMF事務局がしっかり分析するよう働きかけてまいりたいと存じます。

#53
○鈴木(馨)委員 では、時間となったので終わります。
 ありがとうございました。

#54
○越智委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午前十時二十三分休憩
     ――――◇―――――
    午前十時四十九分開議

#55
○越智委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。日吉雄太君。

#56
○日吉委員 立憲民主党・無所属の日吉雄太です。
 まず初めに、スルガ銀行の不正融資問題について伺います。
 シェアハウスに係る問題が発覚し、金融庁も既にスルガ銀行に対して処分や指導を行ってきました。この問題では、融資に当たり、預金通帳の改ざん、源泉徴収票の改ざん、レントロールの改ざんなど、極めて悪質な不正が行われ、多くの被害者を出しました。
 スルガ銀行のこれまでの対応ですが、シェアハウスについては定型的な不法行為があったとして、銀行の不正への関与があったことを認め、代物弁済に応じるという解決を行いました。代物弁済を行えば債務免除をする、こういった対応です。
 ところが、いわゆるアパート、マンションの一棟物件についても、全く同じ構図で不正を行っていたにもかかわらず、銀行は定型的な不法行為を認めていない、解決の意思を示していない状況が続いているという多くの声が上がっているようです。
 そこで、ADRを利用した元本カットや利息の引下げ、返済スケジュールのリスケなどで対応しているケースもありますが、元本のカットは少額であり、被害者は給与所得で返済を余儀なくされ、根本的な解決にはほど遠い状況です。
 同じ構図の不正であれば一棟物件についても代物弁済に応じる解決をすべきでありますが、金融庁としても、定型的な不法行為の存在についてしっかりと真相究明するよう、改めて指導していただく必要があるのではないかなと考えますが、いかがでしょうか。

#57
○栗田政府参考人 お答え申し上げます。
 スルガ銀行におきましては、個々の債務者に対して適切な対応を行うための態勢の確立を求めました業務改善命令に沿って、それぞれの債務者に対して丁寧かつ適切に対応を進めていただくということが重要であると考えております。
 シェアハウス関連融資につきましては、一般の投資用不動産融資とは異なって、マーケットが未成熟で比較する物件が少ない中、非現実的な事業計画に基づき、運用実績のない新築物件に対して融資を実行し、債務者に対していわゆる高値づかみの損害を与えたこと、融資の実行に際し、一般の投資用不動産にはないシェアハウス特有のリスクについて十分な検討を行わず、事業計画の非現実性を看過した等の不適切な対応があったことなどから、裁判所におきまして、シェアハウス関連融資についてはスルガ銀行に定型的に不法行為に基づく損害賠償義務が生じると認定されたことを踏まえまして、同行において代物弁済による債務解消手続に応諾したものと承知しております。
 シェアハウス、シェアハウス以外の投資用不動産融資も含めまして、個別の具体的な解決方法についてはその当事者の選択に委ねられるべきであると考えておりますけれども、スルガ銀行におきましては、当然のことながら、可能な限り個々の債務者の理解と納得を得て解決することを目指していただく必要がありまして、その対応については金融庁としてしっかりとモニタリングしてまいりたいというふうに考えております。

#58
○日吉委員 一般論なんですけれども、同じような被害を受けた人であれば、同じように扱われるべきだというのが一般的な考え方だと思います。
 今、銀行の主張としては、シェアハウスと一棟物件とでは違うという主張があるんですけれども、一般論として、同じような不正で同じ被害を受けているのであれば、同様の解決を行っていくということであるべきだと考えられるでしょうか。

#59
○栗田政府参考人 お答え申し上げます。
 一般論といたしましては、いろいろな解決方法がある中で、それは当事者の選択によりまして決定されるべきものであるということでございまして、必ずしも一つの枠組みによらなければならないということではなくて、一般の法令、商慣行にのっとったもので当事者の納得が得られるものであるということが何より重要であるということでございますので、今回のスルガ銀行におきましては、それぞれのお客様と誠実に協議を行って、納得を得て解決をしていただくということが重要であるというふうに考えております。

#60
○日吉委員 それぞれのケースにおいてそれぞれの解決の仕方があるということだと思うんですけれども、解決の仕方はたとえあったとしても、補填される、救済される内容が同レベルである必要はある、それはしっかりと監督していっていただきたいなと思います。
 それともう一つ、この問題で、今年の三月一日に「シェアハウス関連融資債権の一括譲渡および元本一部カットのお手続終了について」と題するプレスリリースを銀行がしておりまして、本年の八月末までにこの問題への銀行としての対応を終了しようとしています。一方的な幕引きとの非難の声も上がっています。九月以降においても引き続き銀行としては必要な対応をしていかなければならないと考えますが、金融庁の見解を伺います。

#61
○栗田政府参考人 お答え申し上げます。
 スルガ銀行につきましては、二〇一八年十月に業務停止命令、業務改善命令を発出しておりまして、これを受けまして、二〇一九年五月に、シェアハウス向け融資及びその他投資用不動産融資に関する元本一部カット基準をスルガ銀行が公表しております。
 さらに、昨年三月二十五日、本年三月一日にそれぞれ、シェアハウス債務者の一部につきまして、東京地方裁判所の調停勧告に基づいて、シェアハウス債権を第三者に譲渡し、シェアハウス債務者が当該第三者に担保物件をもって代物弁済することで債権債務関係を解消するということを公表しております。
 その上で、本年三月一日に、今お話がありました、シェアハウス関連融資債権の一括譲渡及び元本一部カットの手続を本年八月に終了する旨を公表しているというふうに承知をしております。
 この八月末の期限につきましては、元本カットについては、申込みをいただいた債務者に対する債務免除に係る結果通知を本年二月までに完了していること、シェアハウス関連融資債権の一括譲渡についても、昨年、本年の二度にわたって実行していること、さらに、こうした措置に関し本年八月までを対応期限とすることについても、丁寧に周知し、債務者に十分な検討期間を確保していただくことを前提にスルガ銀行において決定されたものと承知しておりますけれども、スルガ銀行におきましては、期限到来後も個々の債務者に対して丁寧に対応していくこととしているというふうに聞いております。
 金融庁といたしましては、スルガ銀行が期限到来後の債務者からの返済相談等も含めて適切な対応を行っているか、引き続きしっかりとモニタリングをしてまいりたいと考えております。

#62
○日吉委員 今御答弁いただきましたように、九月以降も引き続き個々の債務者に対して丁寧な対応を銀行が行っていくよう、そして全ての被害者が救済されるよう、金融庁としてもしっかりと指導監督を引き続きお願いいたします。ありがとうございました。
 では、次の質問に参ります。
 先ほどもありましたが、納税の猶予制度の特例について伺います。
 消費税や源泉所得税などは、負担している人ではなくて、それを預かっている事業者が納税の猶予の恩恵を受けているという状況になっておりますけれども、例えば、消費税であれば、その負担をするのは消費者であるから、猶予の恩恵を受けるのは本来消費者であるべきだ、源泉所得税であれば、その負担をしているのはそこの従業員であり、その従業員自体が納税の猶予を受けるべきだということが根本の考え方だと思うんですけれども、今回、それを預かっている事業者が、ある意味、預かったお金を流用するような形で便益を受けることができたというような制度になってしまっているということなんです。
 本来、これは事業者に限った特例ではなくて、個人も事業者も広く納税の猶予をしましょうということでありますので、本当は、消費税であれば、消費者に猶予すべきだったのではないですか。源泉所得税であれば、従業員の所得に対して猶予すべきであったのではないですか。ここの点について、どのようにお考えでしょうか。

#63
○麻生国務大臣 日吉先生御指摘のように、これは預り金的な性格でありますので、したがいまして、そういう預り金的な要素を含みます消費税が事業者から適切に納税されるということが極めて重要だと思っております。
 その上で、納税猶予の特例につきましては、これは新型コロナウイルスの感染拡大ということによって起きました多くの事業者の方々の収入が大幅にとか急激に減ったという状態を踏まえまして、私どもとしてはこの方法をやらせていただいたんですが、他方で、この特例の適用状況というのを見てみますと、消費税などの預り金的性格を有する税ですが、その約三分の二を占める状況にあることにも鑑み、源泉所得税が加わりますので、それプラス、消費税が全体で約六〇%ですから、約一兆弱ということになると思いますが、この三分の二を、実際問題納めていただいている。
 そういったことを考えますと、本特例は延長しないということにさせていただいておりまして、同時に、足下で延滞税というものを一%というもので、既存の猶予制度によって残りの部分については対応させていただくということにさせていただいております。

#64
○日吉委員 延長はされませんでしたということなんですけれども。
 今正確にちょっとお答えいただいていなかったと思うんですけれども、本来の猶予をするべきは消費者であったり従業員であったりではなかったのかという質問だったんですけれども、なかなか、消費税において消費者がその猶予の恩恵を受けるというのは大変だと思います。例えば、百円のものを買って、百十円消費税込みで払うんですけれども、百円だけ払って十円は納めないというようなことを実際に、実務で行えるかといったら、それはできない話だと思います。
 ですから、本来であれば、消費税自身を一旦ゼロ%にするという対応も取れたのではないかな、そして、景気が回復したときには改めてそれを税率を上げて回収するとか、こういったことも考えられたのではないかなと思うんですけれども、消費税自体を猶予する、ゼロ%にするという対応はできなかったのでしょうか。

#65
○麻生国務大臣 これは消費税と経済成長との関係ということになろうかと思いますけれども、消費税というのは、社会保障給付という形でいわゆる家計に還元されていますから、そういった面でいきますと、負担だけ見ていろいろ議論するというのはちょっと適切ではないんじゃないかなと思っております。また、消費税の引上げのみを別にして経済への影響を論ずるということも適切ではないんじゃないかなと考えるんですが。
 その上で申し上げさせていただければ、消費税につきましては、社会保障の財源として位置づけられておりますけれども、令和元年の消費税率の引上げで、全ての世代が安心できる全世代型社会保障制度というものに大きく転換をしていくためにはどうしたものが必要なものであるかということで、あのときは、消費税というものを引き上げざるを得ないということで、消費税を引き上げざるを得ないと思ってやらせていただきましたので、今の段階で消費税を引き下げるという考え方を持っているわけではありません。
 引き続きまして、令和三年度の予算というものをきちんと着実に執行していくことによって、コロナによります影響というものに対して万全を期したいと思っておりますが、いずれにいたしましても、内需主導の経済成長というものを実現していって経済財政運営というものをきちんとやっていくということで、消費税等々いろいろな税というものが、きちんとそれなりの効果を上げるように考えてまいりたいと思っております。

#66
○日吉委員 消費税の支払いを猶予するのであれば、消費税自体を凍結してもよかったんじゃないかということだったんですけれども、ちょっとそこには正面からお答えいただけなかったような気もしますが、ちょっと後ほどもう一回質問させていただきますが、次に行かせていただきます。
 お手元に資料を配付させていただいております。前回も議論させていただきました日本の貸借対照表、二つの貸借対照表について、これを表にしてみました。左側が財務省さんが作成している国の財務書類、一般会計と特別会計を合算したものです。右側は、内閣府作成の国民経済計算の一般政府を表しているものです。
 これは、左側を見ますと、五百九十一兆円の債務超過になっております。一方、国民経済計算の貸借対照表を見ますと、九十八・六兆円の資産超過になっております。令和元年度末の状況です。
 この違いは何かといいますと、内閣府の国民経済計算には地方自治体の貸借対照表、数字も含まれていますが、こちら、財務省の方は地方は含まれていないという状況です。
 この二つの貸借対照表から財政状態を判断する上で、日本の財政状態は、どちらがより適切に日本の財政状態を表していると大臣はお考えになられるか、御答弁いただけますでしょうか。

#67
○麻生国務大臣 この資料ですけれども、国の財務書類と国民経済計算書というものですけれども、これは作成目的とか作成の範囲とか算定の方法などが異なりますので、財務書類が債務超過、国民経済計算というもの、いわゆる一般政府部門というものですけれども、これが資産超過という形になっておるという話ですよね。
 国の財務書類、国民経済計算書におきましても、これは御存じのように、道路とかダムとか、まあ富士山を含めて、こういった流動性や市場性に乏しく、債務返済に活用できないという資産が共に多額に含まれているということでもありますので、両者の純債務とか純資産とか、それ単独でもって財政状態を把握するというのは困難なことは御理解をいただけるところだと思っております。
 したがって、まずは、国が負っております債務の義務、返済義務ということになりましょうか、これはグロスの債務超過で計算をしておるものなのでありまして、財政状況の評価というものはグロスでやらないとできぬと思っております。この点につきましては、これはIMFの報告書におきましても、財政政策にとってグロスの債務残高の評価が引き続き重要であるというように指摘もされておるところであります。
 いずれにせよ、日本につきましては、債務残高対GDP比というものが他の先進国等々に比べても極めて厳しい状況にあることを考えますと、引き続き、財政健全化というものに向けて、この左側の、赤の、こっち側の方で取り組んでいく必要があるだろうと考えております。

#68
○日吉委員 その一方で、プライマリーバランスの黒字化を目指すのは、地方の数字も含めて考えているということだと思います。その一方で、フローの集積、ストックを表すのがBS、貸借対照表です。そこのバランスを考えると、プライマリーバランスの黒字化で、フローの中で地方を含めるのであれば、ストックも、地方を含めた国民経済計算ベースの数字を一つの目安とするということが合理的ではないですか。

#69
○麻生国務大臣 財政状況の議論というものに関しては、国と地方の、いわゆる民間でいえば貸借対照表というようなものを用いる際というのは、これは資産に道路やダム等々、先ほど申し上げた流動性に乏しい、市場性に乏しい、債務返済には活用できない非金融資産が多額に入っておりますので、そういった点は頭に入れておかないと、ちょっと、全然話が合わなくなってきますので。
 したがって、まずは、国、地方が負っておられます返済義務そのものでありますグロスの債務によって国の財政状況の評価を行うべきであり、国と地方と合わせました債務残高、グロスのもので、それの対GDP比の安定的な引下げというものを財政健全化の目標にさせていただいているんですが、国と地方の貸借対照表を合わせることにつきましては、今一千七百八十八かな、あります地方公共団体というものの全体において財務書類が整備されていることが前提となるんですが、さらに、国と地方、また地方と地方の間の取引に係る重複しておりますデータの相殺等々の課題がもう一個加わります。
 したがいまして、財務書類の報告主体をどう考えるかについての整理がまず必要だろうということになろうと思いますが、したがいまして、慎重にこれは検討させていただかぬと、なかなか、今言われたような話で、理屈としては分かりますけれども、現実問題としては、今申し上げたような問題があると思っております。

#70
○日吉委員 今、理屈としては分かりますとおっしゃっていただきましたけれども、やはりこちらの方が理屈としては合理的なのではないかな、国民経済計算の方が合理的ではないのかなと思っています。この貸借対照表自体だけで財政状態を判断できるわけではないということも私も承知しております。ただ、一つの目安になるということは間違いないのかなと思っています。
 その中で、これを一つの目安とするときに、財政、これに対して信認を得るというのであれば、こちらの債務超過をアピールするのではなくて、こちらをアピールした方が、より日本の財政状態は良好なんだなということが分かるわけで、こちらをアピールしてもらった方がいいと思うんですけれども、いかがですか。

#71
○麻生国務大臣 形としてはそれはいいかもしれませんけれども、現実問題としては、日本の場合、国有財産、国有林というものは、多分世界で一番国有林の面積の広い国家、先進国というのは日本が断然一番だと思いますけれども、まだ売れませんからね。阿蘇山を売られると言われてもちょっと困っちゃうので。
 そういった意味では、ちょっと、現実問題としては左側の方の、赤い方でやっていただくというのが現実的でありますので、おっしゃっている意味は分からぬわけではありませんけれども、現実としてはなかなか、売れないものというものに関しましては、これが資産として出てくる、いっぱいではないか、資産があるならもっと金を借りろ、資産に見合うだけの、我々は債務超過じゃないじゃないか、会社用語で言えば債務超過になっておらぬという御説も成り立つかとは思いますけれども、現実問題ではなかなか違うのではないかと思っております。

#72
○日吉委員 普通の企業でも、工場を売ってしまったら会社がもうそれで終わってしまうということもあるわけで、事実上売れないということは確かだと思いますので、国も売れないものはあるというのは、それはそれで承知はしています。それを含めて、全体としてどうなのかなというふうな判断をするのが貸借対照表なのかなと思います。
 なぜこれをお話をさせていただきましたかというと、財政の健全化や財政支出を行うに際しては、今の財政がどのような状態であるのかを正しく見極めておくこと、これが非常に大切なことだと思います。その上で、日本全体としてはまだ余力があるのであれば、その余力があるうちに、赤字体質の財政を黒字体質にするような抜本的な改革を行っていくべきだと考えます。
 赤字体質の一番の原因、この一つは、少子高齢化があります。社会保障関係費が増大することで負担が増加しているということですが、若者が増え、人口が増えていくようにしていくことが今必要なのではないか。そのためには、最初にお金がかかっても、必要な投資を行い、安心して子育てができる環境をつくる。それは金銭的にも、そして様々なサポートという面でも必要です。
 また、将来、年を取って生活に困らないという安心な仕組みも必要でしょう。その仕組みづくりのために、まず、すぐにでも思い切った投資をする。毎年のプライマリーバランスの黒字化の範囲内での支出では、思い切った投資はできません。一旦は投資をして、その後に財政規律を守っていくということは必要ですが、まずは、このような抜本的な黒字体質をつくるための投資をするお考えはありませんか。

#73
○麻生国務大臣 これも、おっしゃるように、昭和二十一年生まれぐらいから約五年間、その前の年の五年間に比べて人口が二一%、二二、三%、二十六年から三十年に比べても二三%ぐらい増えた。いわゆる団塊の世代というときには、二百二十万人ぐらい、一年間、子供が出産しておられる。今、それが八十六万ということになっておりますので、三分の一近く減。こちらの方が問題なんですね、私に言わせると。
 高齢化が増えたとかいう、寿命が延びたとか健康になった、いいことなんだと思いますけれども、それを負担する、その方たちの社会福祉等々の負担をする世代が三分の一近く減少しておりますので、簡単に言えば、社会福祉の、払う側にしてみれば、三倍の社会福祉関係の税金を払ってもらわないと計算が合わないということになりますし、勤労者と高齢者の比率も十一対何とかという、昔と比べると比率がそういうことになっておるそうなので、私どもとしては、そういったものを考えると、構造問題というのは非常に大きな問題があるということだと思っております。
 したがいまして、少子化対策として、教育費が高いということで、幼児教育の無償化とか保育の無償化とか、幼児教育をどうたらするとか待機児童の解消とか、いろいろなことをやらせていただいておるんですが、昨年末にも、いろいろな形で、デジタル化するとかいろいろなことをやっていかないととても対応できないということで、経済構造の転換とか新しいイノベーションとか、言われる言葉は片仮名がいっぱい使ってありますけれども、ポストコロナに向けまして、経済構造の改革というようなもの、転換等々、いろいろなものの施策に取り組んでいるんだと思っておりますので、こういう状況の中で、何か一つ解決策があるかというと、そんな一つで解決ができるほど簡単な話じゃ全くありませんから。
 高齢化の伸びに対する受益と負担のバランスというものの問題を解消していくために、昨年、毎年の薬価の改定をやらせていただいて、いろいろ評判の悪かったところでもありますし、また、後期高齢者でしかるべき所得のある方は、済みませんけれども二割負担をというようなお願いをさせていただいたり、いろいろなことをさせていただいておりますので、今後とも、歳出歳入両方にわたります改革というものに手をつけていきませんと、この国のいわゆる国民皆保険等々、いろいろな誇るべき制度が、維持しかねるということになりつつあるんだと思っております。

#74
○日吉委員 ありがとうございました。いろいろお考えをお聞かせいただきました。
 私の考えを少し述べさせていただこうと思いますけれども、所得の格差が景気の悪化を生む大きな原因の一つだと考えます。中低所得者の所得が引き上げられれば、消費は増え、景気がよくなります。高所得者の所得が幾ら増えても、消費の増加はそれほど期待できません。多くの人の所得が十分にあって、国全体の景気が回復すると考えます。
 そのためには、所得格差をまず是正するための抜本的な改革が一つ必要でしょう。例えば、最低賃金を引き上げていく。一気にできませんが、経過措置として、不足分は国が企業に対して補填することも考えられます。
 さらには、今回、コロナにおいて明らかになりましたが、なぜ日本でワクチンが開発できないのでしょうか。それは、医療や科学技術に対する投資が決定的に不足しているからです。日本人のノーベル賞受賞者が出ていますが、それはバブル期の投資の成果であり、今後は難しいと言われています。もはや日本は先進国ではないとさえ言われてもいます。このような分野についてもお金をかけていかなければならないでしょう。
 また、コロナを克服しても、新たな感染症のリスクがあります。今後、ますますいろいろな感染症が増えていくでしょう。感染症を専門とする医師が明らかに不足してもおります。コロナによって、その医師のなり手も減っているそうです。医師の養成が必要になります。
 また、有事に際して対応できるような医療体制を全国で構築していかなければなりません。採算性ばかり求められ、一〇〇%操業では、いざというとき、すぐに医療機関が逼迫してしまいます。ある程度の余力を持った病院の稼働率にしていかなければなりません。そのためには、今の病院のビジネスモデルを大転換していかなければならないと考えます。そのためにもお金がかかります。
 エネルギー問題についても、原発から再生可能エネルギーにシフトしていくには、たくさんのお金がかかるでしょう。原発の廃炉についても、いずれ国が責任を持って解決していかなければならないときも来るのではないかと考えます。原発従事者がやりがいのある新しい仕事にシフトできること、再生可能エネルギーが技術的に安定的に供給できるようになることを国が主導して行っていくためには、ここにもたくさんのお金がかかります。
 そのほかにも、教育、防災など、投資すべきところはたくさんあります。今投資すれば、将来の支出が減少する、将来収入となって返ってくる、将来黒字体質になる。そのための抜本的な改革に今投資すべきだと考えます。私なら、そのように取り組んでいこうと思います。
 そのことを申し上げて、時間が参りましたので、質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

#75
○越智委員長 次に、福田昭夫君。

#76
○福田(昭)委員 立憲民主党の福田昭夫でございます。
 今日は、お時間をいただきましたので、消費税のよく分からない問題と、それから消費税の本質等について政府の考えをただしてまいりますので、簡潔にお答えいただければと思います。
 順序をちょっと入れ替えて質問させていただきます。
 まずは、国税収納金整理資金制度の問題点についてであります。
 資料の二を御覧いただきたいと思います。
 この制度は、国税収入に関する経理の合理化と過誤納金等の支払いに関する事務の円滑化を図るために昭和二十九年に設置したもので、国税は全てこの整理資金に入れると考えていいのか、簡潔にお答えください。

#77
○角田政府参考人 お答え申し上げます。
 大要はもう委員から御説明のとおりでございまして、要するに、国税、一回入れるわけでございますけれども、そのうち国の会計に入れる部分と、お返ししたりする、国の会計に入ってこない部分をあらかじめ整理をして、それから各会計に入れる、そのための規定、法律でございます。

#78
○福田(昭)委員 それでは、そういうことを前提に、これから、国の消費税及び地方消費税に絞って、どのような経理をしているのかをただしていきたいと思います。
 第一点は、令和元年度の国税収納金整理資金受入れ計算書を見ると、こちらに持ってきましたけれども、財務省が作っている資料でありますけれども、それを見ると、各税受入金のうち、消費税及び地方消費税受入金は三十兆二千五百三十五億円余となっております。一方、各税還付金のうち、消費税の還付金は一兆八千三百八十五億円余となっております。
 こうした還付金の中には、例えば輸出事業者への還付金とか地方消費税分の支払い分とか、そういうものも含まれているのかどうか、お答えください。

#79
○角田政府参考人 国の会計に入れない部分は、全部還付金の中に入っているということでございます。今のお尋ねの話もそういうことでございます。

#80
○福田(昭)委員 それだけではちょっと分からないと思いますが、例えば還付金の中には、国内の事業者に対する還付金、それから輸出をする事業者への還付金、さらには都道府県へ支払う還付金も入っている、こういうことでよろしいですか。

#81
○角田政府参考人 消費税の部分の還付金についてしっかり分けられるわけではありませんけれども、消費税についての納税者に対する還付金があります。それと、地方消費税については、地方団体に対してお支払いするというか、振り込むというか、その部分がありまして、それが入っております。両方入っております。

#82
○福田(昭)委員 次長、はっきり分けられないんじゃ、どうやって還付するんですか。はっきり分けられるから還付しているんでしょう、それぞれ。違うんですか。

#83
○角田政府参考人 済みません、舌足らずで。
 都道府県に対してお支払いする、お渡しする地方消費税は当然分かります。事業者に対して還付するお金について、それがどういう由来のものかということまでは分からないということを申し上げたところでございます。

#84
○福田(昭)委員 それでは、資料の三をちょっと御覧ください。
 この資料は、まさにこの計算書の支払い分のところでございます。このうち、ここに、消費税及び地方消費税還付金は十一兆八千三百八十五億円、こうなっておりますが、このうち都道府県へ支払った地方消費税分は幾らなのか。これぐらい分かるんじゃないですか。

#85
○角田政府参考人 都道府県への払込金につきましては、四兆九千七百三十八億余でございます。

#86
○福田(昭)委員 そうすると、この計算書は非常に訳の分からない計算書になっています。少なくとも、地方消費税分は還付金ではないでしょう。これは、したがって、この還付金の中に含めてここへ計上するというのは間違いだと思いますが、こうした経理はおかしいと思うので、訂正する、修正する必要があると思いますが、いかがですか。

#87
○角田政府参考人 お答えいたします。
 法律の主な趣旨が、冒頭申し上げたように、国の会計に入れる、組み入れる部分をどういうふうに決めていくか、はっきり整理するかというところが主眼なので、恐らく、そのような部分を見るとちょっと違和感を覚えられるところもあるかと思いますけれども、実務上はそれである程度用が足りているものですから、今日までこういう形でやってきたところでございます。
 ただ、おっしゃるように、還付金という言葉が、むしろお支払いする話なので、納税者に返す話じゃなくて地方公共団体に振り込む方の話なので、それを同じ言葉がいいのかどうかというのは、私も若干、今伺っていて、そういうこともあるなと思いましたので、よく実務の担当者とまた相談させていただきたいと思います。

#88
○福田(昭)委員 多分、この仕組みができたのは昭和二十九年なんですよね。地方消費税ができたのが、資料の四によると平成九年度にできたんですよね。だから、そのときにこの仕組みを変えていないということじゃないですか、基本的に。ですから、やはりこれは変えないと駄目だと思いますよ。
 なぜなら、じゃ、事業主にどれだけ還付したのか、金額がですよ。要するに、事業主が納税義務者ですけれども、しかし、実際には、彼らはこうやって還付されて、自分の自己負担はほとんどないわけですよ。ですから、事業主が消費税の納税義務者だけれども、実際には還付されている。仕入れ税額控除方式で還付されている。要するに、お客さんからいただいた消費税から自分が払った消費税を差し引いて、残った分を納めればいいという仕組みになっている。そういう中でこれだけ還付されているということでありますから、これは地方の分と一緒にしちゃうと訳が分からなくなる。しかも、過誤納金なんてどれぐらいあるんだかも分からない。こういう状況じゃないですか。ですから、これはやはりしっかりと訂正してください。要望しておきたいと思います。
 そうした中で、もう一つお伺いしておきたいのは、いわゆる消費税法第七条で輸出は免税となっているわけでありますが、その理由を教えてください。なぜ輸出は免税としているのか。

#89
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。
 我が国の消費税でありますとかあるいは世界各国の付加価値税、こういったものにつきましては、それぞれの国内における消費に負担を求める税、消費課税としての性格を有しております。こうした消費税、付加価値税の性格上、輸出につきましては免税とし、輸入の際には輸入に係る消費税を課税するという仕組みが消費税、付加価値税の国際的なルールとなっておりまして、これを踏襲したものでございます。

#90
○福田(昭)委員 国際的なルールを踏襲したということじゃなくて、日本の企業が国際の企業とそんなに差がなく競争できるようにしたんでしょう。イコールフッティングにしようということで、結局、消費税をつくったということなんでしょう。違うんですか。

#91
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。
 消費税創設時の議論などにおきまして、こういった消費課税としての消費税、付加価値税というものが、輸出品に関してそういった税負担を負わせない、また、輸入に際しては国内の消費と同様の負担を課すという、いわゆる国境税調整が行われるという性格上、国際的な競争力に影響を及ぼさないといったような性格があるということが議論されたのは事実でございます。
 ただ、輸出について免税をしている趣旨というのは、先ほど申し上げたように、消費課税としての性格上、そうした措置を講じているということでございます。

#92
○福田(昭)委員 いかにも理屈上、通っているように見えます。
 しかし、要するに、ヨーロッパのように、EUのように付加価値税率が二〇%のところと、日本は一〇%、アメリカはなし。こういうところで、実際には企業は不公平に扱われていることになると思います。それぞれがそれこそ生産するときにはどれぐらいお金がかかったか分かりませんけれども、多分そんなに違いがないかもしれませんけれども。ですから、そういう中で、実は、この付加価値税率によっても企業間の競争には大きな影響があるんじゃないか。それよりでかいのは関税だったりするので、関税を下げろという話があったり、あるいは、もっと大きいのは為替じゃないですか、基本的に。
 そういうことで、要するに、輸出は免税とする、それで、世界の企業がそれぞれ同じ土俵で戦えるという基礎として消費税、付加価値税がつくられたと考えた方が私はいいんじゃないかな、こういうふうに思います。
 それでは、次に、時間もありませんので、本質的な方の問題に行きたいと思っています。
 消費税は、政府は事あるごとに社会保障の大切な財源だと言っておりますが、本当に社会保障の財源なのかということをこれから議論したいと思います。
 一つ目は、私は、消費税の本質は封建時代の人頭税と同じだと思っています。つまり、一人頭幾ら払えという税金と同じだと思っていますが、政府の見解をお聞きしたいと思います。

#93
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。
 委員が人頭税という言葉でどういったものを指しておられるかということが必ずしも判然とはいたしませんが、一般的に、人頭税と言われるものにつきましては、それぞれの人の担税力ですとか経済力の差にかかわりなく、各人に対して一律同額に課される税を指すものと言われてございます。
 他方で、消費税につきましては、先ほど申し上げましたように、消費に経済力とか担税力の指標を求めて課税をしている税金でございまして、資産や所得が多くてたくさん消費をされる方については、それなりに多くの消費税を御負担いただくという性格のものでございますので、いわゆる人頭税とは全く性格の異なるものであるというふうに考えております。

#94
○福田(昭)委員 それは違うんじゃないですか。
 元大蔵官僚で森信先生という先生がいらっしゃいますが、消費税は全世代型社会保障制度を担う大変な税金だ、こう言っていますが、彼が挙げるメリットのうちの一つに、消費税のメリット、水平的公平性に優れると言っているんですよ。これはまさに新自由主義者の考え方そのものじゃないですか。水平的公平性に優れる。
 したがって、消費税をつくったときに、法人三税、それから所得税と住民税を大幅減税してきた。それは、例えば所得税なんかも、累進性をもっとフラット化しろというのでどんどん下げていったじゃないですか。あるいは、住民税なんかは今一律一〇%になっているじゃないですか。まさにこれが水平的公平性ですよ。
 昔から、税金は、所得に応じて、応能負担で、累進性があるのが公平な税金だと言われてきたんじゃないですか。それを壊してきたのがこの新自由主義者、市場原理主義者の考え方じゃないですか。その結果に基づいて実は格差ができてきた、大きな原因をつくってきたんじゃないですか。
 ですから、消費税は、例えば、赤ちゃんの食事から、それから衣服から、寝たきりのお年寄りの食事も衣服類も、みんな一〇と八を払うんじゃないですか。これで本当に公平な税金ですか。大金持ちがいっぱい使うといったって、大金持ちだって一〇と八しか払わないでしょう。ただ、高額なものを買うかもしれない。しかし、税率は一〇と八じゃないですか。だから、人頭税と同じじゃないですか。
 それだけ指摘して、次に行きたいと思います。
 二つ目は、物とサービスの消費に課税すると、税率を上げれば上げるほど景気はどうなるのか。政府の認識をお伺いしたいと思います。

#95
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど委員御指摘の水平的な公平性と言われておりますものは、新自由主義とはおよそ関係がございませんで、同じ所得ですとか同じ消費をしているという方が二人いた場合に、それぞれの方が同じだけの税負担を負うという意味でございます。
 御指摘の消費税と景気との関係でございますが、これにつきましては、消費税は社会保障給付という形で家計に還元されるということになってございまして、負担の面だけに着目した議論は適切ではないというふうに考えております。

#96
○福田(昭)委員 私の質問は、税率を上げれば上げるほど景気はどうなるのという質問だよ。今のは一回目の質問でしょう。そういうごまかしは駄目だよね、基本的に。しかも、社会保障の目的税というのは後から聞くことになっているんだよ。
 だから、ちゃんと答えてよ、これ。景気はどうなるの。

#97
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。
 消費税率を引き上げる際にどのような歳出上の措置が講じられるか、あるいは税制上の措置が講じられるかということによっても左右されますので、一概にそういった効果について申し上げることは困難であると考えております。

#98
○福田(昭)委員 全く、びっくりしちゃうね。誰が考えても、税率を上げれば上げるほど景気は悪くなるんですよ。それこそ、みんな財布のひもを絞っちゃう。だから、消費は増えない。
 元内閣官房参与だった藤井聡先生によれば、実質消費が平均伸び率二・六一%だったものが、五%に増税したら一・一四%になっちゃった、八%に増税したら〇・四一%になっちゃった、一〇%に増税したら大幅下落したと。こういうことを、しっかり資料を出しておりますけれども。
 また、実際に、二〇一九年の十月に消費税率を一〇%にしてから去年の九月まで一年間に、これは自動車工業会や総連が言っているんですが、何と新車の売上げが九十五万台減ったというんですよ。まさに景気に大きな影響を与えるんですよ、これは。そうした認識がないと日本の行く末を間違うことになります。
 次に三つ目ですけれども、三つ目は、平成九年、一九九七年、五%への引上げで、消費税創設の目的は、さっき何か福祉目的税なんて言いましたけれども、元々直間比率の見直しなんですよ。直間比率、これは、当時の議事録を読んでみると、当時の宮沢大蔵大臣が直間比率の見直しをしたいということで提案していますよ。私に言わせれば、もう既に五%に上げたときで直間比率の見直しは終わっているんじゃないか、こう私は指摘をしたいと思います。
 資料の一を御覧ください。資料の一、これは国民所得比の推移です。
 この欄を見ていただいて、平成九年を見てください。一九九七年、五%。このとき、国民所得比で見ると、個人所得課税が七・七%、消費課税が六・二%、法人所得課税が五・六%と、もう既に五%で、消費税は二番手になっていますよ。もうこれで直間比率の見直しは終わりですよ、実は。にもかかわらず、どうしても消費税を上げたくて、どんどんどんどんやってきた。これは大きな間違いです。
 その結果、先ほど申し上げたように、どんどんどんどん景気が悪くなってきて、経済は成長しなくなった、財政も悪くなった、税収もほとんど増えない、そして賃金も下がるばかり。こんな経済の悪循環をつくり出したのが、実は、この消費税の創設と同時に、法人三税を下げて、所得税と住民税を大幅減税した、その結果ですよ。
 これをずっと見ていただくと、平成十年から、消費課税が所得課税と同等になったり、上回るようになったり、下回ったりしてきますけれども、平成二十六年、八%になったときから、もう消費税は断トツの一位です。令和二年度、これは予算ベースですけれども、ここへ来ると完全に、一〇%で、消費税率が九・四%、所得税が八%、法人税が五・四%、えらい差が開いちゃっているじゃないですか。
 税は国家なりといいますが、やはりこんな不公平な税制は駄目ですよ。ちゃんと経済もよくなり、財政もよくなり、税収も増えて、そして賃金も上がるような税制にしないと私は駄目だと思います。
 こうしたことに対して、何か感想はありますか。

#99
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。
 近年の消費税率の引上げを含む税制改革は、必ずしも直間比率の是正だけを目的として行われてきたものではないと考えておりまして、社会保障・税一体改革ということで、八%、一〇%への引上げを行ってきた。その考え方は、国民が広く受益する社会保障の費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合うという観点で、消費税を社会保障の財源と位置づけ、社会保障の充実等にも資するという観点から行ってきたものでございます。
 お示しいただきました国民所得に対する消費課税の比率でございますが、確かに徐々に上がってきているということではございますけれども、例えば、ヨーロッパ諸国における消費課税の国民所得に対する比率を見ますと、おおむね一四%から二〇%ぐらいの間に分布をいたしておりまして、必ずしも国際的に見て高い水準であるというふうには考えてございません。

#100
○福田(昭)委員 ヨーロッパをよく研究してください。ヨーロッパはまだ階級社会なんですよ、階級社会。ですから、エリートたちが、要するに牛耳っている仕組みなんです。そこを、社会保障制度を充実させることによって国民をだましているんですよ。そこはよく考えた方がいいと思いますよ。
 それで、問題は、消費税を、付加価値税を福祉目的税にしている国は日本以外どこにあるのか、ちょっと教えてください。

#101
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。
 必ずしも全ての国の例を承知しているわけではございませんが、例えばフランスにおきましては、付加価値税収の一部を疾病保険等に充当することが法律で定められており、また、スイスにおきましては、付加価値税収の一部を年金財源に充当するということが法定されていると承知をしております。また、ドイツにおきましても、過去の一時期におきまして、付加価値税収の一部を公的年金の財源に充当することが法定されていた時期がございます。

#102
○福田(昭)委員 それは日本だって同じでしょう。
 要するに、元々、付加価値税、消費税というのは一般財源なんですよ。ただ、それを福祉にも充てているというだけの話じゃないですか。それこそ消費税を一〇%に上げたとき、あのとき、社会福祉を充実させるのはたった一%ですよ。四%は全部、過去の赤字解消分でしたよ。福祉目的税にしたのが、平成十一年の予算総則にまず書いたのが始まりじゃないですか。最初は直間比率の見直し。
 ですから、そんな、福祉目的税でやっている国はないし、しかも、元大蔵官僚で内閣官房参与であった本田悦朗先生も言っていますよ。消費税、付加価値税を福祉目的税にしている国は日本しかないと。だから、今、新型コロナで大変な状況にあるんだから消費税を下げろと本田悦朗先生も公言しているじゃないですか、本当に。
 そんなことで、私は、以上のことを考えると、直間比率の見直しは既に済んでいる。それから、消費税を創設して、既に、企業が国際競争力をちゃんと持つために、イコールフッティングにもう立っている。それから、消費税を福祉目的税にしている国は日本以外ない。さらに、消費税率を上げれば上げるほど景気が悪くなって、国民が大変生活が苦しくなっている。こういうことを考えれば、やはり消費税を創設したときに、法人三税を、あるいは所得税、住民税を下げ過ぎた、こういう観点からやはり見直すべきだというふうに考えております。
 そこで、五つ目ですけれども、私は、消費税と法人税、所得税、金融所得課税も含めて、三税の一体改革が必要だ、こういうふうに考えておりますが、どうでしょう。政府の考え方をお聞かせいただきたいと思います。

#103
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。
 もちろん、水平的公平でありますとか、あるいは国際競争力でありますとか、そういった観点も重要でございますけれども、それに加えて、所得の再分配機能であるとか資産の再分配機能、こういった役割も税としては重要な機能であると考えておりまして、税制全体の在り方については、経済、社会の構造変化の状況なども踏まえて、不断の検討を行っていくべきものと考えております。

#104
○福田(昭)委員 まだちょっと時間があるかな、あと五分か。いいですか。それでは、ちょっと時間があるので申し上げますが、実際、どういうふうになったか。
 普通法人税、基本税率が、消費税創設前は、留保分と配当分に分かれて、四三・三%、二三・三%かけられていました。それが、創設後三七・五%になり、現在は二三・二%になっています。軽減税率は、留保分が三一、配当分が二五、創設後は二八となり、現在は暫定税率で一五になっています。所得税は、最初、十九段階でありましたけれども、八千万超に七五%。それが、創設後、五段階で、二千万超で五〇%。平成二十七年に、七段階で、四千万超が四五%。住民税は、十四段階で、四千九百万円超が一八%、税率は市が一四の県が四。その次、創設後、平成三年ですけれども、五百万円超が一五%、市が一一の県が四。それから、現在が一律の一〇%、これが市が六の県が四。
 これだけ下がってきているんですよ。これだけ税率を下げてきたんだよ。それで消費税に頼るというのは愚かなことです、これは。
 ですから、それだけ申し上げて、それで、まとめて話をすると、消費税は元々一般財源で、社会福祉目的税ではありません。国民を、どちらかというと、説得するか、だますか、そのために福祉目的税だと言ったにすぎません。消費税を創設して、法人三税、所得税、住民税などを大幅減額した結果、減税した結果、国と地方の借金が一千兆円を超えたじゃないですか。一方、法人企業の内部留保資金は、二〇一九年、四百七十五兆円を超えて、さらに、家計の金融資産は千九百兆円を超えました。ですから、国が借金した分、法人企業と個人が財産を増やしたんですよ、たくさん。こういう構造は変えなくちゃ駄目だと思うんです。変えないと格差の解消にもならないし、しかも、日本の経済も発展しない。
 やはり、しっかり日本の経済もよくなり、財政も、税収も入ってくる、そして働く人の賃金も上がる。働く人の賃金なんかひどいですよ。いいときから比べると一五%も下がっちゃっている。先進七か国で賃金が下がっているのは日本だけですからね、OECDの発表だと。あとの各国、みんな賃金が上がっている。こんなでたらめな経済財政運営はありません。こうしたことを直していくことが大事だと思いますが、いかがですか。

#105
○住澤政府参考人 先ほども申し上げましたとおり、経済や社会の構造変化を踏まえながら、税制全般の在り方については引き続き検討していくべき課題であると考えておりますが、他方で、法人税率の引下げ、これを近年行ってくるに当たりましては、課税ベースの拡大によって財源を確保して引下げを行ってきているというような事情もございますし、一々個別の点については割愛いたしますけれども、そういった様々な見直しが行われているということも御留意いただければと思います。

#106
○福田(昭)委員 今、アメリカのバイデン大統領が、法人税を引き上げると言っているじゃないですか。イギリスの首相も、法人税を引き上げると言っているじゃないですか。それこそ、バイデンは、所得税も引き上げる、こう言っている。それで、今や、世界では株主・金融資本主義の見直しが始まっているんですよ。お金でお金をもうける経済を直していく必要がある、こういう考え方になっている。
 アベノミクスの異次元の金融緩和で日銀が出しているお金は、四月十七日現在で、何と六百三十八兆三千億円も出している。しかし、そのうち当座預金に五百十七兆五千三百億円、そのうち四百五十五兆六千億円は準備預金残高だというんですよ。こんな金融緩和をして何になるんですか。どこかの国を助けているだけなんですか。
 こういうお金でお金をもうける株主・金融資本主義を改めて、日本がちゃんと経済発展もし、税金もちゃんと入り、そして働く人の賃金も上がっていく、それこそ経済の好循環をつくります。そういうふうに改めるべきだということを申し上げて、大臣の答弁はもらえませんでしたけれども、私の質問を終わります。
 以上です。

#107
○越智委員長 次に、清水忠史君。

#108
○清水委員 日本共産党の清水忠史でございます。
 今日は、消費税のインボイスの問題について質問をさせていただきたいと思います。
 先日、国税庁は、二〇二〇年四月から二一年二月までの、いわゆる新型コロナウイルスの影響を受けた事業者等に対する納税の猶予制度の特例措置の適用状況、これを公表いたしました。特例措置のうち消費税が占める割合は、適用件数が二十五万六千件余りで全体の五六%、適用税額が九千五十九億円で全体の五九・七%を占めました。どちらも六割弱ということで、圧倒的に消費税が多いということは明らかだと思います。
 以前にもお聞きしたのですが、これは、やはり赤字の企業であっても納税の義務が発生するという消費税の特性も要因の一つと考えられるのではないかということをまず財務大臣に聞きたいのと、併せて一緒に聞きます。日本商工会議所の二〇二一年税制改正の要望には、企業がコロナ禍からの再生に注力できるよう、インボイス制度の導入は当分の間凍結すべきと書き込まれました。また、その要望書で、適格請求書等保存方式、これはインボイス制度のことですが、これにつきましては、仕入れ税額控除の対象から外れる免税事業者、約五百万者と言われておりますが、これらに対する取引排除や不当な値上げ圧力等が生じる懸念から、廃止を含め慎重に検討すべき、こう日商が主張しているわけですよね。
 政府は消費税増税のときには転嫁対策を行ってきたわけですが、こうした団体も指摘している免税業者への取引排除あるいは不当な値下げ圧力などについての対策も必要だと考えるわけですが、麻生財務大臣の認識を伺います。

#109
○麻生国務大臣 これは、どの税目について今言われたような特例猶予を申請される等々、委員の御指摘のような事情も含めて、事業の状態とか、また資金繰り、様々な事情を踏まえた個々の経営者とか企業者で、判断によるんじゃないんですかね、当たり前の話ですけれども。
 したがいまして、私ども国税庁におきましては、いわゆる特例猶予というものの適用をするに当たって、納税者の置かれておられます状況というのをいろいろ考えないかぬところなんですが、法令等々に基づいて適切に対応していくということが基本であります。
 今、免税事業者の話が出ておりましたが、取引排除とか不当な値下げとかいうものに対する懸念、これはもう最初から、この話が出たときによく出た話なんですが、少なくとも、このインボイスの話が出たときに、いわゆる軽減税率というのをやる場合にはこれは必ず必要になりますよと。軽減税率を主張されたわけですから、共産党は。間違いないでしょう。そのときに主張されていながら、必ずこれはインボイスがくっつかざるを得なくなりますよとあのときはよく申し上げたと思いますが。
 私どもとしては、免税事業者への取引排除とか不当な値下げに対する懸念というのが、あのときもよく言われていましたが、いわゆるBトゥーCと言われる、顧客が消費者であるということは、小売業やサービス業、いわゆるBトゥーCの事業者とか、得意先の事業者が簡易課税制度の適用を受けているというような事業者、これはインボイスの交付を求められることはありませんから、その上で取引排除が、当然のことだと思いますが、生じるというのは考えられませんでしょう。商売をしたことがあると分かるんだと思いますので、商売をしていないと余りこの種のことは理解いただけないんですけれども。
 もう一回言いますよ。BトゥーCの場合に、ビジネスから消費者といったような場合は、得意先の事業者というのが、簡易課税制度、BトゥーBか、ごめんなさい、BトゥーCの場合は、顧客がいわゆる消費者である場合は、小売業者やサービス業の方の事業者が、少なくとも得意先の事業者に対して、簡易課税制度の適用を受ける、そういった事業者であった場合は、インボイスを受けることはありませんからね。だって、インボイスを出せということを言われることはありませんから。
 そういうことで、インボイスの交付を求められることはありませんし、取引排除が生じるというのはちょっと考えにくいので。全ての免税業者について影響があるわけではありませんよ、BトゥーBの場合はいろいろな場合が出てくるだけであって。
 その上で、本制度の導入によって、いわゆるBトゥーBの取引というものにおいて不当に扱われるというようなことを回避せないかぬと言っておられるんでしょう。ちょっとそこのところ、BトゥーBとBトゥーCの話がくちゃくちゃになっていると、もう全然話が分からなくなっちゃうから。
 その点で、例えば優越的地位にある、例えば卸の方が小売に対してとか親会社の方が子会社に対してとかいうような、地位を利用して一方的に不当な値引きを求めるということがないように、いわゆる独禁法とか下請法とかいった関連法令に基づいて適切に対処していくというように承知をしておりますので、制度の導入に向けて、これはまだ始まってはおりませんけれども、いろいろ、周知広報を始めとして、きちんとした必要な取組を進めていかねばならぬところだと思っております。

#110
○清水委員 少なくとも我が党は一昨年の複数税率の導入と一〇%の増税には反対しておりますし、よく麻生大臣は商売しているから云々とおっしゃいますが、我々国会議員は、商売している経験があるなしにかかわらず、国民の様々な要求や税制についてはしっかりと熟知した上で質問するものだと考えておりますので、余りそういうフィルターは通さない方がいいというふうに思うんですが、いずれにしても、全ての事業者にはそういう不当な圧力はないかもしれないが、そういう場合があった場合には独禁法だとか下請法等で対応することが必要だというふうにおっしゃられました。
 免税事業者が取引排除や不当な値下げ圧力に対して取れる対応というのは、やはり三つあると思うんですよね。一つは、もう課税業者になる。分かりました、では消費税を払います、取引してくださいと。二つ目は、値下げ圧力を受け入れる。おまえのところは仕入れ額控除ができないからその分下げろ、こういう値下げ圧力。三つ目は、もうその仕事を諦める、廃業を含む諦めですよね。この三つしかないと思うんですね。
 平成三十一年二月二十六日の当委員会で、我が党の宮本徹議員の質問に対し、財務省の当時の主税局長が、インボイス制度の導入により二千四百八十億円の増収を見込んだ試算について説明しました。そこでは、四百八十八万者の免税業者のうち百六十一万者程度が課税業者に転換すると答弁しました。
 要するに、圧力に対する免税業者の対応の中で、私が今言った一番目のケース、課税業者になるしかない、こういう業者のことが百六十一万者ということで、これは間違いないですか。端的にお答えください。

#111
○住澤政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘の試算につきましては、平成二十七年の国勢調査等を基にして推計した免税事業者の数のうち、農協等に出荷する農林水産事業者、これについてはインボイスの特例を設けられておりますので、こういったもの、また、非課税売上げが主たる事業の事業者などを除きました免税事業者数にBトゥーB取引の割合である約四割程度を乗じて、百六十万者程度と機械的に試算をしたものでございまして、先ほどのお話でいきますと、BトゥーC、BトゥーBで分けますと、BトゥーCに関してはインボイスは基本的に関係がない、BトゥーBについては四割ぐらいなので、それをざっくり掛けて百六十万者という試算でございます。
 他方、この試算につきましては、あくまで機械的な掛け算による試算でございまして、先ほど大臣からもお話がありましたように、BトゥーBの取引の場合であっても、相手方が売上高五千万円以下、課税売上げ五千万円以下の小規模な事業者であって簡易課税の適用を受けている場合には、相手方の事業者はインボイスを必要といたしませんので、インボイスの導入による影響はないということになりますし、また、相手が本則事業者、本則の課税をやっている事業者であっても、免税事業者からの仕入れについて、インボイス導入後三年間、八〇%仕入れ税額控除が可能であるという仕組みも設けられております。
 また、実際の取引関係というのは様々な条件によって左右されますので、こういったものを勘案いたしますと、制度開始後にこの百六十万者が課税転換をしなければいけない、そういった性格の試算ではないというふうに御理解いただければと思います。

#112
○清水委員 機械的に割り出すとそうなるということをお認めになりました。
 課税業者への転換圧力が想定される業者の一つが、いわゆる建設業の一人親方なんです。
 国土交通省の建設業の一人親方問題に関する検討会のアンケート調査によると、免税業者であれば、インボイス制度が令和五年度から施行されることにより、一人親方の仕事が少なくなるという現場の声を紹介しております。
 約五十一万人いるとされる一人親方の平均年収は約四百万円です。仮に課税業者になった場合、ほとんど経費がかかりませんので、約四十万円の消費税の納税が発生するわけです。取引先、つまり元請会社が業務委託契約の金額を四十万円増やしてくれなければ、いわゆる四百四十万円税込みにしてくれなければ、納税のための原資は発生しないわけですよね、現在は免税業者ですから。ですから、契約額を四百四十万円に元請が引き上げてくれなければ、年収四百万円のいわゆる一人親方、これはどうやって消費税を納税したらいいんでしょうか。

#113
○住澤政府参考人 いわゆる一人親方の方が課税事業者になった場合につきまして、どういうことになるかということでございますが、課税事業者になりますと、免税事業者の場合と異なりまして、仮に何らかの課税仕入れがあった場合につきましては、これの仕入れ税額控除が可能になるということでございますし、今もお話しのように、ほとんど経費がなくて課税仕入れもないというケースであっても、課税売上げ一千万円以下の小規模な事業者の方ということですので、簡易課税制度の適用が当然に可能でございまして、一定割合の仕入れ税額控除が可能になるということでございます。
 したがって、現在の契約金額に更に一〇%上乗せした金額がもらえないと手取りが減ってしまうとか、そういうことには必ずしもならないということでございまして、さらに、先ほども申し上げましたように、実際そういう状況になったときの契約金額については、労働の需給でありますとか、一人親方の方が提供している技術やサービスの水準ですとか独自性、様々な取引条件の影響を受けるものでございますので、一概に、どういった納税状況あるいはその帰着状況になるかということをお答えすることは難しいということを御理解いただければと思います。

#114
○清水委員 住澤局長のお話は、全くこれは机の上だけでお話しされておられまして、現場の実態を全く鑑みていないと言わざるを得ないんですね。
 うえの賢一郎委員、当委員会の与党筆頭でありますが、昨年九月七日、日本税理士政治連盟から要望を受けておられまして、調べました。この政治連盟がこう言っているんですね、令和三年度重点要望で。免税事業者が適格請求書、インボイスを発行できないことに伴い、取引から排除されることや、また、不当な値下げの圧力等により経営状態が圧迫されることのないように対策を講じなければならない。
 住澤局長は、猶予期間を設けるだとか、いわゆる簡易課税も選ばれると言いますけれども、税理士連盟の方々が当委員会の筆頭理事に、こういう懸念があると言って要望しているじゃありませんか。そういうところをしっかり見ないと駄目ですね。結局は、住澤局長は、身銭を切って事業者に払えと言っているに等しいんですね。
 内閣官房等が今年三月二十六日に公表したフリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドラインのパブリックコメントには、次のような意見がありました。
 二〇二三年十月に導入予定の消費税のインボイスでは、適格請求書を発行できない免税事業者からの仕入れは仕入れ額控除ができないとされている、このため、免税事業者から仕入れを行う事業者は、免税事業者に対して、仕入れ額控除ができないことを理由に、取引価格の見直し、取引の停止、適格請求書発行の強要、事業者への登録の要求等を行うことが想定される。本ガイドラインで定義するフリーランスには免税事業者が多く含まれると想定されることから、どのような行為が独禁法、下請法に抵触する可能性があるのか、一般的な考え方や想定例を本ガイドラインにおいて示すべきである。こう書かれております。
 そこで、私、公正取引委員会に今日は来ていただきました。免税事業者との取引は行わない、おまえのところと取引しても仕入れ額控除できない、だからもう取引しないと通告してきた場合、これはいわゆる独禁法や下請法に抵触するんでしょうか。

#115
○田辺政府参考人 お答えいたします。
 事業者がどの事業者と取引するかは基本的に自由であり、課税事業者が、インボイス制度導入後においては、免税事業者との取引について、仕入れ税額控除を行うことができなくなるということを理由としまして免税事業者との取引を見直して、その結果として免税事業者との取引を停止したとしても、その行為自体は基本的には独占禁止法又は下請法上問題となるものではございません。
 他方で、取引上の地位が相手方に優越している課税事業者が、免税事業者に対しまして一方的に著しく低い取引価格を設定し、不当に不利益を与えることとなる場合などの場合には、独占禁止法や下請法上問題となるおそれがございます。
 いずれにいたしましても、免税事業者との取引における独占禁止法、下請法の適用につきましては、事案に応じて個別に判断していくこととなるということでございます。

#116
○清水委員 いや、個別に対応すると言われるんだけれども、今言ったような例が規制されないということであれば、誰が免税業者の苦しみを救ってくれるんですか。
 今年二月二十五日の予算委員会第三分科会で、やはり同じ委員の神田憲次委員がこのインボイスの問題について質問されておられまして、そのときに住澤局長はこういうふうにおっしゃっておられるんですよね。中小企業者の方が、インボイス制度の導入に伴って、例えばその優越的な地位の濫用でありますとか、下請法に反する様々な被害に遭わないようにということで、この辺は関係省庁と連携して取り組んでまいりたいというふうに考えております、これは住澤局長の答弁ですね。
 ところが、今、公正取引委員会は、個々の例によるんだと。必ずしも仕入れ額控除ができないことのみをもってこれは規制にはならないと言うんだったら、結局、こうしたことで排除されたとしても、免税事業者は救われないじゃないですか。結局、身銭を切っていわゆる消費税を払うのか、課税業者になるのか、あるいは取引から排除されるのか、廃業するのか。
 ですから、住澤局長、あなた自身でこの答弁をされたわけですから、公正取引委員会等と連携して、こういうインボイスを発行できないという事業者に対する不当な扱いは厳しく規制しますとはっきり言ってくださいよ。

#117
○住澤政府参考人 予算委員会の分科会におきまして、私は、その優越的地位の濫用でありますとか下請法に違反するような事態が生じないようにということで、連携して取り組んでいくということで、今おっしゃられたとおりの答弁をいたしました。
 先ほど公取からも答弁がございましたのは、独禁法や下請法、こういったような法令に違反するものについては適切に対応していくという趣旨だったと思いますので、インボイスの導入に当たりまして、こういった関係法令に違反する事態がないようにということで、関係省庁連携して取り組んでいくということは両者一致した考え方であるというふうに考えておりますし、適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

#118
○清水委員 だから、それでは不十分なんですよ。
 ですから、いわゆる元請が例えば一人親方に仕事を発注する際、その納期、技術、サービスなどが同じであれば、仕入れ額控除ができるかどうかということをもって判断するに決まっているじゃないですか。
 そのときに、それまで取引されていた事業者が、インボイスを発行できないことによっていわゆる取引を排除されるということが、優越的地位の濫用やあるいは下請法に違反するのか、こう聞いたら、個々のケースによるとしか答えずに、そうやって答弁をはぐらかしますから、これでは、インボイスが導入されて、幾ら猶予期間を持とうと、私は救うことはできないというふうに思います。
 最後に、財務大臣に訴えたいんですが、今言いました日本税理士連盟もそうですが、日本商工会議所、全国中小企業団体中央会、全建総連、中小企業家同友会、日本税理士連合会、全国青年税理士連盟、税経新人会全国協議会等々が、インボイスは延期してほしい、少なくともこのコロナの下で十月からの登録はやめてくれと訴えているわけですが、そのことに対して、いわゆる与党だって、これは税調が、こうした要求は届いているはずですから、そこをよく受け止めていただいて、せめて十月からの事業者登録については延期をする、検討する、こういうふうにしていただけないでしょうか。

#119
○越智委員長 麻生財務大臣、申合せの時間が過ぎておりますので、よろしくお願いします。

#120
○麻生国務大臣 時間が過ぎているようなので。
 十月からの延期は考えておりません。それが一番簡単な、時間なんだと思いますけれども。
 ちょっと私ども、申し上げておきますけれども、これは、複数税率を導入するということを決めたときには賛成されたんですからね。適正な課税を行うために必要なものとして、令和五年、二〇二三年十月からの導入になったのは、あのときに決まったんじゃないですかね。(清水委員「していません。していません」と呼ぶ)私の記憶ではそうなっております。
 したがいまして、賛成をされたんですから、それを十月から実施されるということにされたんじゃないの。違いますか。何か、私の記憶が違っているかな。(清水委員「それに賛成していませんよ。複数税率に賛成していません」と呼ぶ)

#121
○越智委員長 清水君、申合せの時間が過ぎていますので、論点を簡潔にしてください。

#122
○清水委員 当然分かっておりますが、複数税率に賛成していませんので、そこだけ訂正していただいて、質問を終わります。

#123
○麻生国務大臣 共産党はあのとき反対されたのね。失礼しました。

#124
○清水委員 終わります。

#125
○越智委員長 次に、前原誠司君。

#126
○前原委員 国民民主党の前原です。
 まず、お配りをしている資料の一枚目を御覧いただきたいと思いますが、納税猶予制度の特例措置の適用状況が書かれております。
 既存の猶予制度と比べますと、件数でいうと、七・七倍の三十二万二千八百一件。税額は、何と、平成三十事務年度と比べると二十一・八倍ということで、一兆五千百七十六億四千七百万円ということでございまして、かなりの納税猶予がなされているということでございます。
 これは、需要がなくなる、消滅をし、売上げが落ちるという業態がたくさんございますし、また、今なお、第四波、変異種ということで、今度は四つの蔓延防止等重点措置が取られるということでございまして、これから、外出を控えてください、移動を控えてください、会合、会食を控えてください、こういったことをお願いをしていくことになるわけであります。そうすると、鉄道業者、サービス業、観光業界などなど、大きな影響がこれからも継続するということが考えられるわけでありますが、まず、財務大臣に伺います。
 この納税猶予制度は原則一年で、状況に応じて更に一年間延長できるということになっていますけれども、これはあくまでも去年の納税猶予が更に一年延長できるという理解でよろしいですか。(発言する者あり)

#127
○越智委員長 速記を止めてください。
    〔速記中止〕

#128
○越智委員長 速記を起こしてください。
 麻生大臣。

#129
○麻生国務大臣 既存の猶予制度を使えて猶予ができるということを申し上げております。今、既存のやつがありますから、例の、猶予した場合については延滞、昔と違って今は一%の延滞というので猶予できる。今まであるやつを更に猶予する場合は今使っているのは使えませんけれども、これまでのやつの、年率一%の分で猶予ができるということを申し上げております。よろしいですか。

#130
○前原委員 私が問いたいポイントは、これからまた、言ってみれば、売上げが落ちて納税できない方々がいっぱい出てくると思うんですよ。そういう方々はどう考えるのかということです。
 つまりは、納税猶予をしていますね。それでこれだけ、件数でいうと七・七倍、そして税額でいうと二十一・八倍になっているわけですよ。今年も納税できない人たちがたくさん出てくるんじゃないかということは想定されるわけですね。だから、それについては今年もそういうものをやるべきだと私は考えているわけですが、そういったことをやるおつもりがあるのかどうなのか。その点についてお答えください。

#131
○麻生国務大臣 今おっしゃいましたように、これまでの実績というものを見ますと、今約一・五兆円ぐらいになっておりますので、猶予制度の特例で、利用が約一・二兆円、金額ベースで約二%ぐらいなんだと思うんですが。
 納税猶予の特例というのは、これは多くの方々が影響を受ける、今後も受けるかもしれぬ、全く、私もその可能性はなきにしもあらずだと思っておりますし、十分にあり得ると思っておりますけれども、いわゆる、これは、元々の話は資金猶予というので、納税をするとその金が資金繰りに使えなくなっちゃうので、新たに金を借りにゃいかぬというところを救済するために納税を延期するというのをやらせていただいて、結構それなりに御利用いただいたんだと思っておりますが。
 これまでの適用実績で見ますと、大多数の事業者の方は期限内に納税をしていただいているんだと思っておりますけれども、消費税とか源泉所得税等の預り金的性格のものを有する税というもので適用税額の三分の二を占めるという納税状況という形になっておるのは確かであります。
 これに加えまして、本特例以外にも、私どもとしては、政府関係金融機関からの融資など様々な資金繰り支援というのを新たにやらせていただいておりますし、経営環境の変化等々ありますけれども、収支が悪化してきている事業者にとりましては、新たに多額の所得税とか法人税で負担が発生するという見込み、ちょっとなかなか今の状況ではあり得ませんので、私どもとしては、今回、本特例は延長しないということにさせていただきましたが、今申し上げたように、今までのあれは使えますし、もちろん、今申し上げたように、政府関係機関から借りても、これはどんどんどんどん借りていけば債務が超過する、債務が超過すれば金は借りられぬということになりますので、そういったことに対して、劣後ローンとかいろんな形でこれを支援するということを考えさせていただいております。

#132
○前原委員 納税猶予にしても、あとは融資にしても、結局は払わなきゃいけないし、結局は返さなきゃいけないんです。
 何度も私は去年から予算委員会やこの財務金融委員会でも申し上げているとおり、需要が蒸発しちゃっているわけですよ。これはある種の天災というか災害なんですね。事業者が全て悪いというわけじゃない状況の中で、こういった状況に直面されているわけですね。一年で終わると思っていたコロナが今度は第四波だ、そして、またこれから売上げが落ちていくということになれば、去年やったことについて、またそういうものを延長するということは私は当然だと思うし、それ以上に、失われた需要というのは戻ってきませんから、借りてもあるいは猶予されても、これはどんどんどんどん根雪のようにたまっていくんですよ。
 これは、私、もう一年同じようなことをやると同時に減免ということまで考えていかないと、特に、これを見させてもらうと消費税が多いですよね。消費税は預り金ということで、もちろん払っていただくべきものだけれども、資金繰りに使われている。今大臣がお答えされたとおりだと思いますけれども。
 需要そのものがなくなっていて、そして売上げが落ちていて、それは所得税や法人税は払わなくていいような状況になるかもしれませんが、売上げが落ちたとしても、消費税は払わなきゃいけないわけじゃないですか。ということになると、さらに、やはりこういったものの猶予とかあるいは減免ということまで私は踏み込まないと、倒産とか失業者がかなり増えるような気がするんですが、いかがですか。

#133
○麻生国務大臣 これは、いずれ納付しなきゃならぬという御指摘は正しいです、借りた金であって給付金ではありませんので。そういうことは確かなんですけれども、先ほど申し上げましたように、それを資金繰りのために充てられたという点においては、大いに効果があったんだと思っております。
 また、御指摘の、今、減免するかという話なんですけれども、赤字になっている事業者につきましては、御存じのように、新たな所得税とか法人税とか、これは発生しませんし、新型コロナの影響において、多くの納税者の方々、約九七、八%の方々は納税を行っていただいておりますので、これから更に、今以上に急激に悪くなっていくというような点は、ちょっと今の段階で考えているわけではありませんけれども、納税者の公平感とかいろいろなことを考えると、今申し上げたように、そういったものをやる、減免するとかなんとかということを今の段階で申し上げる段階にはないし、ちょっと慎重に検討せぬと、これは公平感を欠くことにもなりかねません。

#134
○前原委員 もちろん、何らかの基準というものは設けなきゃいけないと思います。しかし、やはり、このコロナ禍が長く続けば続くほど体力が失われていっているんですね。私は京都で、観光業がメインのところで活動させていただいておりますけれども、去年と今とでは皆さん方の目つきが変わっていますよ。何か使えるものがないかと、去年は余りそういうふうに言わなかった方までもうそういう状況になってきているということで、どんどんどんどん体力が失われていっているのは間違いないと思います。
 したがって、やはりこういったものの延長とか再延長とか減免とかいうこと、現段階では公平性の観点とおっしゃいましたけれども、その公平性をしっかりと担保するスキームをつくってでも、私は減免ということをしっかり考えるべきときが来るということは申し上げておきたいと思います。
 その上で、先ほど制度融資の話もされました。四ページを見ていただきますと、これは日本政策金融公庫、もう東日本大震災それからリーマン・ショックのときよりも、はるかに超える融資を行っていただいているわけでありますけれども、これは、先ほどお話をしたように、借りたお金は返さなきゃいけないということでございまして、いわゆる据置期間、こういった日本政策金融公庫とか商工中金などは、リスケなんかはかなり柔軟にやっていただいているみたいです。
 据置期間についても、最初短かったのを長くするということについても相談に乗っていただいているみたいなんですが、こういう据置期間を更に延ばすということも私は考えなければいけないというふうに思いますけれども、これはどなたになるのか、財務大臣になるのか経産副大臣になるのか分かりませんけれども、お考えをお示しいただければと思います。

#135
○長坂副大臣 先生御指摘のように、コロナ禍の影響が長期化している等も踏まえまして、梶山大臣、麻生大臣から、政府系、民間金融機関等に対しまして、据置期間などが到来する既往債務の条件変更、リスケについて、長期の延長を積極的に提案するなど実情に応じた最大限柔軟な対応を行うなど、累次にわたり要請をしております。
 引き続き、関係省庁とも連携しながら、中小企業の資金繰り支援に万全を期してまいりたいと考えております。

#136
○前原委員 据置期間の延長を含めて柔軟に対応していただきたいと思いますし、厚生労働副大臣にも雇用調整助成金で伺いたいんですけれども、四月いっぱいで、日額上限一万五千円、そして、雇い止めや解雇を行っていない中小企業については十分の十、これが今度減らされますね。一万三千五百円、十分の九ということで、五月、六月。
 恐らく、財務省の考えでは、更に縮小していくというようなことであろうと思いますけれども、コロナの影響が長引いている、さらに第四波が来ているということを考えれば、私は、この雇用調整助成金も命綱になっている面が非常に強いと思いますので、これをしっかりと、やはり、日額上限一万五千円、十分の十というものを今後も続ける方が私はいいと思うんですが、いかがですか。

#137
○三原副大臣 雇用調整助成金につきましては、前例のない特例措置により事業主を強力に支援してきたと思っております。
 一方で、長期間にわたり休業による雇用維持を図り続けることには、働く方々のモチベーションの問題や、新しい産業等への人材の移動を阻害する等の懸念もあるのではないかというふうにも思っております。
 このため、今委員がおっしゃいましたように、日額上限一万五千円、助成率最大十分の十等の特例措置を四月末まで継続した上で、五月以降は原則的な措置を段階的に縮減するということで、感染が拡大している地域の企業、特に状況が厳しい企業については、二か月間特別措置を講じるということでございます。
 七月以降は、雇用情勢が大きく悪化しない限り、原則的な措置と地域や業況に関わる特例措置をそれぞれ更に縮減することといたしておりますが、いずれにいたしましても、感染状況や雇用情勢等をしっかりと見極めながら、適切に対応してまいりたいと思います。
 その具体的な取扱いについては、休業者数、完全失業者数、完全失業率、有効求人倍率といった雇用指標に加えて、その時々の感染状況等を踏まえながら総合的に判断していく、そういう必要があると考えております。

#138
○前原委員 業況特例というのが二か月間あるというのは分かっています。売上げがコロナ前よりも三割以上減っている場合については、五月、六月も日額上限が一万五千円、十分の十が最大限受けられるというのはありますけれども、今後コロナがどういう状況になるか分かりませんけれども、その縮減、もちろん、先ほどおっしゃった、モチベーションというのがあるのは事実なんですよ。休業期間が長くなると、なかなか働きに行かない方々がおられるということも現場で聞いています。他方で、やはりこれが命綱で雇用を維持しているということもたくさんありますので、そこはしっかりと対応していただきたいということを要望しておきたいと思います。
 それでは、残りの時間、ワクチンの問題なんですけれども、ワクチンに加えて、もう一つのワクチン競争というのがありまして、これはワクチンパスポートと言われているものなのですね。
 このワクチンパスポート、つまりは、誰々が、いつ、どの会社のワクチンを受けましたかというような、いわゆる記録をしっかりと登録するものなんですけれども、EU、イギリス、ロシア、中国、イスラエル、アラブ首長国連邦などが実用化に向けて動き出しているということであります。
 これは、ポストコロナを考えたときに、ビジネスとか、あるいは観光とか人の移動、こういうものに対して提示が求められる可能性が出てくるわけですね。これは、世界標準を今から我々がしっかりと、入っていくということが大事なことである。したがって、このワクチンパスポートについてはしっかりと検討すべきだと思いますが、今検討状況はどうなっていますでしょうか。お答えください。

#139
○三原副大臣 今週十二日から高齢者への接種が開始されたところであります。
 新型コロナウイルスワクチンは、国民の皆さん自らの判断で接種していただくことが重要でありますが、また、健康上の理由で、接種をしたくても接種できない方がいらっしゃるということも踏まえて、接種の有無を公表することや、接種の有無により不利益な取扱いを行うことは適切でないと考えております。
 ワクチンの接種証明を利用したいわゆるワクチンパスポートにつきまして、欧米諸国を始め、今委員おっしゃいました様々な議論があるということは承知しておりますけれども、厚生労働省としては、外務省を始めとする関係省庁とも連携しながら、知見の収集に努めつつ、国内外の議論や各国の対応状況を注視してまいりたいと思っております。

#140
○前原委員 これはテイクノートしておきますね。
 役人というのは、我々も政権与党のときがありましたけれども、駄目な理由を考えさせると天下一品なんですよ。できないことの理由は何でも上げてくる。だけれども、変えなきゃいけないこととか、ワクチンの開発だって遅れているじゃないですか、日本は。世界第百位ですよ、今。接種率〇・九一%、昨日の時点で。こういう状況になることがあるという想定で物事を準備してこなかったツケが来ているわけじゃないですか。
 これは、ワクチンパスポートも今のような答弁をずっと続けておられたら、そういう方々に対する対応を考えたらいいんですよ。でも、ワクチンパスポートは標準化しないと、グローバル社会の中でこれからこれが世界標準になったときに、今の答弁では私は本当にガラパゴスになると思いますよ。そのことだけ申し上げておきます。
 最後に、原発処理水の海洋放出についてであります。
 私は、このことについては、今、賛否は留保したいと思います。なぜならば、これから二年間でどういうことをやられるかということについて、しっかりやられるかどうか。
 特に、やはり他国が批判しています。政治的な批判もあるし、今日、国連のボイド特別報告者が、深い憂慮を示す、海洋放出以外の選択肢もあると専門家は指摘しており、今回の決定には失望させられた、こういうことを言っているわけであります。
 しかし、ほかの国の原発のいわゆる処理水というものは、今回の基準よりもはるかにトリチウムなどの濃度が高いものを放出されているし、批判している中国や韓国はもっともっと高い濃度の処理水を放出しているわけですね。しかし、彼らが言っていることの一つの理由は、処理水の七割については、まだ、トリチウム以外の核種、つまりはセシウムとか、あとはストロンチウムというのが残っているんじゃないか、こういうところの中で、これが本当にちゃんと処理されるのかということであります。
 麻生大臣に御質問したいと思いますけれども、飲んでも何てことはないそうだということを発言をされて、中国外務省の副報道局長が、飲めると言うなら飲んでみてほしいという発言をされたと伺っています。私は、日本の政治家として、中国のこの発言については肩入れをするつもりは全くありません。しかし、IAEAなどのいわゆる客観的な検査とか、あるいは、エビデンスに基づいた、トリチウムについては規制基準の四十分の一、WHOの飲料水基準の七分の一まで希釈するということですよね。だったら飲めるということじゃないですか。工業排水ですから処理はしなきゃいけないけれども、おなかを壊さないように。
 そういう意味においては、麻生大臣御自身なのか、私は、政府のしかるべき方がやはり証明して、飲める水準のものを我々は放出するんだということを示すということも大事なことだと思いますが、御発言をされた大臣としていかがですか。

#141
○越智委員長 麻生大臣、申合せの時間が来ておりますので、よろしくお願いします。

#142
○麻生国務大臣 今の前原先生の御意見ですけれども、前回の発言というのはいわゆる例のALPS処理水の話ですけれども、これは、WHOが定める飲料水の水質ガイドラインの七分の一まで希釈して処分をすると決まったものを処分しておるわけですから、飲めるんじゃないんですかということを申し上げた話で、何か太平洋はおまえらの下水道じゃないとかなんとか言っている中国なんて国がありますけれども、では、太平洋はあんたらの下水道か、あれはみんなの海じゃないのかという話になっちゃうんだと思うんですけれども。
 是非、こういったような話で、私どもの申し上げていることは、それだけきちんとしたものをやっておるんだということを申し上げたくて、ああいう発言をさせていただいたという経緯です。

#143
○前原委員 もう最後で、終わりますけれども、やはり福島の方々を中心に反対をされているというのは、政府の言っていることについて、それが本当にちゃんとやられるのかということ。だから、気持ちの面でもあるんですね。安全と安心は違うと言うじゃないですか。
 だから、そういう意味においては、そういった基準なんだよと言うだけではなくて、何か積極的に政府が具体例を示してやるということが私は必要だというふうに思いますので、一般論を言っただけだということだけではなくて、私が与党にいたら恐らく飲みますね、飲んで証明するということを私はどなたかがやられるべきだと思いますよ。
 是非、麻生大臣にということじゃないけれども、しかるべき方に私はそういうことを、安心と安全は違うんだということを示すためにも、行っていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。

#144
○越智委員長 次回は、来る二十日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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